■ 客員提督 -Guest Admiral-

1 名前:あらすじ ◆GuestAjT2E :2009/10/16(金) 20:33:07
宇宙暦798年。銀河帝国暦489年。

「敵艦隊を捕捉! その数1万1000ないし1万2000! 我が軍の艦隊と交戦中!」
「呼応して挟撃する! 最大戦速! 全砲門、連射準備!」
「敵艦隊、完全に射程距離に入りました!」
「撃て!」

――ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツは、後年「第八次イゼルローン攻防戦」
と呼ばれるこの戦いで、不在のヤン提督に代わってイゼルローン駐留艦隊の指揮を執り、
自由惑星同盟軍の勝利に貢献した。

メルカッツは元は帝国軍の宿将であったが、リップシュタット戦役でローエングラム公に敗れ、
副官のベルンハルト・シュナイダーの勧めで自由惑星同盟に亡命した身であった。
同盟軍では現在「中将待遇の客員提督」と言ういささか奇妙な身分で、イゼルローン要塞司令官顧問を務めている。


さて、6月のある日。イゼルローン住民代表による要請により、軍と民間の「交流会」が開かれた。
軍の若い兵士にとっては、恋人を探す絶好の機会でもある。
また民間人にとっては、もはや「伝説の英雄」になった観のあるヤン・ウェンリー大将らを間近に見る――
――あるいは話をする機会でもある。

騒がしく人々が行き交う中、メルカッツは着慣れた軍服――帝国軍のもの――の姿で、
副官のシュナイダーとともに、大木の下にあるベンチに佇んでいた……。

2 名前:イゼルローン要塞司令部広報係 ◆GuestAjT2E :2009/10/16(金) 20:35:27
★イゼルローンの住民のみなさまへ

この会場では、イゼルローン要塞司令官顧問、メルカッツ客員提督が
みなさまの質問にお答えします。人数は最大で50人程度を予定しております。

ご質問の内容は特に制限しませんが、度を超して品性を欠く質問は
ご遠慮くださいますようお願いします。
また、軍事機密のためお答えできない場合もございます。ご了承ください。



メルカッツ客員提督のプロフィール。

性別 :男
職業 :自由惑星同盟軍・客員提督(中将待遇) イゼルローン要塞司令官顧問
出典 :銀河英雄伝説(小説版)
最近気になること :ローエングラム公の動向
得意技 :少数の艦艇で重厚な布陣をすること。
将来の夢 :そうだな――――いや、ちょっと思いつかないな。さすがに60を過ぎると……。
一言:変わった服装で申し訳ないが、よろしくお願いする。


               _,,,.、、、,,,__
           _,,,.-'''非=     \
          ,;'´ r-┴ーヽ、 . ..:.:::::\
          {f:f:ij     |j::::ヽ . ..:.::;;;;ヽ
          /ノノ/- ‐ 、…_ _,,,.、`'j、 . .;;:}
          { {_,.-、_ _,,,._-_ー_、! . ..::::l
           }ミ〉、 =ェンi f:::::=ェ=:::|;;r、::j
           リ! ヽ   j,, l:::`‥'´:ノ{ノ)j;!
           {、!   i、,,,、;;:::::::::/:::::{ノ!;,'
            l r'´ニニニ、丶!::::::イ;;;|
            ヽ  =='::::::::/ l;;ノ
            ll`L _ ,、‐', ‐';;;||
           _}>¬〒r三 ̄r⌒ゞL__
  _,,,.-―;;;;;"7i ̄;;;;l!⌒)| ! | { ヽヽ;;jノ/;;;;;;;;; ̄j¨j`;;¨;;;'';;ヽ、
Eソ/ //;;;;;;;;;;;;; {(;;;;;;;;{弋リ| | | ヽ ノ;;;/ゞ_;;;;;;;;;;;;ノ ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!


3 名前:名無し客:2009/10/16(金) 20:46:37
ブラウンシュヴァイク公は、ひどい人でしたか?

4 名前:名無し客:2009/10/16(金) 20:50:56
メルカッツ閣下は帝国軍時代のイゼルローンもご存知だと思いますが、
同盟軍のイゼルローンは、帝国時代と比べてどうですか?

5 名前:名無し客:2009/10/16(金) 20:51:41
ヤン提督の印象を一言お願いします!

6 名前:名無し客:2009/10/16(金) 20:55:18
フォンってことは、メルカッツ提督も貴族なんですよね。やっぱ帝国時代は
ブラウンシュヴァイクとかリッテンハイムみたいな贅沢な生活を?

7 名前:名無し客:2009/10/16(金) 20:58:04
司令官とはいえ、敵艦の砲撃が届いたりするところで指揮するのは
怖くないんですか?

8 名前:名無し客:2009/10/16(金) 21:22:15
ワルキューレとスパルタニアン、どちらのほうが使える戦闘機だと思いますか?

9 名前:名無し客:2009/10/16(金) 21:44:08
シュナイダーを鬱陶しいと思ったことは?

10 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/16(金) 22:36:51
>>3
こんにちは。

そうだな……。
公の領地の平民……いや、住民や、下級兵士たちにはひどい人間だったかもしれないな。
だが公も、生まれついてひどい人間だったわけではないと思う。
むしろ、「生まれついて偉い人間」ほど、往々にして本人も周りの人間も、不幸にしてしまうのかもしれないがな。

11 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/16(金) 22:38:11
>>4
帝国軍が駐留していた頃のこの要塞は、兵士たちが主で、しかも要塞守備兵と艦隊の兵士がいがみあっていた。
それに比べれば、今のここは、民間の人たちが主の街と、軍の要塞としての機能がうまくかみ合っているように思える。
要塞事務監のキャゼルヌ少将の力が大きいのだろうがな。


12 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/16(金) 22:39:45
>>5
そうだな。艦隊や要塞だけでなく、もっと大きい組織を運営できる人物だろう……これは私の個人的な感想だが。
同じような事を考えている人も、首都には居るのではないかな。

13 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/16(金) 22:40:38
>>6
貴族にもいろいろあってな……ブラウンシュヴァイクやリッテンハイムといった名門は、「公爵」や「侯爵」と言った
称号を持っていてな。領地も惑星一つに収まらないほどだ。
私のような下級貴族は、どこかの惑星のそれなりの領地……だが領地を持っているだけでもやはり特権階級には違いない。
わしはもう40年も軍隊に入っているから、この生活がすっかり馴染んでしまったな。
もっとも、若い頃は、ずいぶんと鼻持ちならない、尊大な士官だったがね。

14 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/16(金) 22:41:49
>>7
むろん、初めて戦場に立った頃は恐ろしかったがね。
いや、正確には、最初の戦いはパニック状態で終わり、その次、そのまた次の戦いで段々と恐怖感がわいてくると言う感じかな。
わしも命の危険を感じたことは一度や二度ではないからな。
ただ……わしより最前線で、わしの指揮で戦っている兵士たちがいるのだから、その程度の恐怖は耐えねばなるまい。
ヤン司令官も、表情や言葉には出さないだろうが、同じようなことを考えているかもしれないな。

15 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/16(金) 22:43:04
>>8
もう何十年も戦ってきたが、やはり仕様がわかっているワルキューレよりは、どんな兵器が積まれているかわからない
スパルタニアンのほうが手強く見えるものだ。
もちろん、これは君たちの軍のスパルタニアンが帝国軍のワルキューレを見る眼差しとおそらく変わらないだろうが。

16 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/16(金) 22:44:28
>>9

…………。

「メルカッツ閣下、どうなさいました?」

……いや、シュナイダー、何でもない。卿の気にすることではないさ。

17 名前:名無し客:2009/10/16(金) 22:49:54
ブラ公に待ったをかけられなければ、あのままフレーゲル君と愉快な仲間達は
本当に自決していたと思いますか?

18 名前:名無し客:2009/10/16(金) 23:02:45
やはり実戦で物を言うのは、長年の経験と実績ですか?

19 名前:名無し客:2009/10/16(金) 23:03:26
ラインハルトに投降してれば、新生銀河帝国で栄光の道を歩けたのに。
惜しいことしましたね。

20 名前:客員提督とその副官の会話 ◆GuestAjT2E :2009/10/16(金) 23:03:42
『ところで閣下』
「どうした、シュナイダー」
>>1のあらすじですが、私の名前の「フォン」が抜けています!』
「……人間誰しも失敗をするものだと、わしは前に言わなかったかな。ある程度の寛容さを持つのも上官になる資格だ」
『……しかし』
「それに、わしは二階級下がったが、貴官は一階級で済んだわけだ。少々の誤字は気にすることではあるまい」
『あれはヤン提督の……! わかりました、閣下の御意に……』

21 名前:名無し客:2009/10/16(金) 23:19:56
シュナイダー少佐、あれ、大尉だっけ?に質問!

メルカッツ閣下の素晴らしさを、滔々と語りつくしてみてください。

22 名前:名無し客:2009/10/16(金) 23:28:54
「中将」待遇なのに帝国軍「上級大将」の軍服を着ていて、
ムライさんあたりから何か言われませんか?

23 名前:名無し客:2009/10/16(金) 23:32:32
同盟の宿将、ビュコック提督について何か感想というか評価はありますか?

24 名前:名無し客:2009/10/17(土) 16:21:35
ここだけの話ですが。
ワインの出来は同盟より帝国の方が上じゃありませんか?

25 名前:名無し客:2009/10/17(土) 21:52:58
帝国との戦いで家族を失ったと思しき市民が
閣下の軍服を物凄い目付きで睨んでいるようですが・・・

26 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/17(土) 23:22:23
>>17
ブラ公……ああ、ブラウンシュヴァイク公の事か。

「あの時、ブラウンシュヴァイク公が不在ならばあるいは……」

過去のことを言っても仕方あるまい、シュナイダー。
それにフレーゲル男爵たちも計算していたのであろうよ。無意識のうちにな。

「無意識ですと?」

そうだ。自分たちは正しい。自分たちは勝利する。したがって、物事は自分たちの思うとおり運ぶ、とな。
彼らに本当に自決する気が無かったとは思えん。
だが、ブラウンシュヴァイク公……あるいは大神オーディンが自分たちを見捨てるはずはない、
とは考えていたのではないかな。
そう、遙か昔の時代の物語で、主人公が危機に陥ると必ず助けがやって来たように。

門閥貴族を中心に宇宙は回っている、そう彼らが信じ込んでいたと言う意味では……
卿の言うとおり、彼らは「愉快な仲間たち」だったのかもしれんな。
わしも大して違いはないが。

27 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/17(土) 23:26:59
>>18
もちろん、ある程度の経験と実績は必要だろう。だが……
長年使い古したティーカップに汚れが目立ってくるように、長い間定石にしたがって戦っていると、
発想が固定してくるものでな。失敗を恐れるが故に、大胆な発想転換ができなくなる。
いかに長年の経験があっても、状況次第ではそれは無意味になるだろう。

ローエングラム公が勝つのは運が良いだけだ、と言っていた同僚がいたが、それは間違いだな。
彼の洞察力や判断力は群を抜いている。今まで彼が勝利してきたのも、その能力が発揮された結果だろう。
もちろん、このイゼルローン要塞を占領したヤン司令官もな。

28 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/17(土) 23:27:38
>>19
…………その台詞は、わしの横の若い者に言ってやってくれないかね。
わしより若い割に、頭が固くてかなわんよ。

「閣下!」

冗談だ、シュナイダー。そう怒るな。


29 名前:ベルンハルト・フォン・シュナイダー ◆GuestAjT2E :2009/10/17(土) 23:28:40
>>21
メルカッツ閣下について?
閣下は帝国軍でも歴戦の提督だ。攻勢にも守勢にも強く、陣形に隙がない。
私も副官としてあちこちの提督に仕えてきたが、閣下以上の提督を未だに見いだせんよ。
私は閣下が歴史に名を残す用兵家だと固く信じて……どうしましたか、閣下。

「あまり上司を面と向かって賞めるものではないよ。
 相手がうぬぼれるか、追従者として卿をうとんじるかのどちらかだろうからな」

失礼しました、閣下。

30 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/17(土) 23:30:04
>>22
参謀長のムライ少将からは……服装については特に何も言われたことはないな。
彼は若い幹部たちから「歩く小言」などと言われているようだが、小役人気質だとか、
公平ではないと言ったような性質とは無縁のように思える。
そうでなければ、ヤン司令官も彼を参謀長に任命しないだろうと思うがね。

……ただし、服は古くなるとよれてくるものでな……いずれは仕立て直しが必要だろう。
そのことを考えて、この服を仕立て直してくれる職人を探しておかねばならないかもしれんな。

31 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/17(土) 23:32:20
>>23
これは……困ったな。
いくらわしが変わり者だと言っても、上司に当たる宇宙艦隊総司令官の評価はできないな。

ただ……わしがまだ帝国軍の提督だった頃、「叛乱軍に老練な手腕の提督がいる」ということは常識になっていたな。
50年以上前のブルース・アッシュビーには及ばないにしても……。
おそらくあの頃の話題の「老練な手腕の提督」が、卿らが「おっかない親父さん」と呼ぶビュコック大将だったのだろう。
人望と実力とを兼ね備えるという点では、ヤン司令官と同じく、今の同盟軍を代表する将帥ではないかな。

32 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/17(土) 23:32:55
>>24
やはり味わい慣れたものが、より美味く思えると言うからな。
だが、人間と同じく、ワインもそれぞれに長所と短所があるもの。
自由惑星同盟のワインも、良い出来だと思うがな。

33 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/17(土) 23:33:47
>>25

「閣下、ご注意を……」

立つな、シュナイダー。ベンチに座っておれ。
わしも卿も、かつては同盟軍と戦っていた身。同盟の市民に恨まれても仕方のないことだろう。
むしろ、今まで危害の一つも加えられないのが不思議なくらいだ。
これもヤン司令官と幹部たちの力だろうな。


34 名前:名無し客:2009/10/17(土) 23:37:12
指揮権さえメルカッツの下で統一されていれば、ラインハルト軍に負けるはずがなかった。
と、思いますかお二人とも。

35 名前:名無し客:2009/10/17(土) 23:41:59
沈みかけた船リップシュタットから落ち延びた先が
沈みかけた船自由惑星同盟とは、いやはやなんとも…

36 名前:名無し客:2009/10/18(日) 11:53:40
新たに古巣の軍務尚書となったオーベルシュタインをどう思ってますか?
むしろ彼の事を知っていましたか?

37 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/18(日) 17:15:00
>>34
「それは当然……」

ふむ。そうだな……わしはシャンタウ星域の会戦で、貴族連合軍を率いて勝利した。
勝利と言うよりは、敵将のロイエンタール提督が放棄した宙域を奪っただけなのだがな。

彼らの軍にとっては、その星域はさしたる価値もなかったので放棄された。
だがこれが重要な星域ならば……彼はおそらく死力を尽くして防衛しただろう。
そうなれば、戦いの行方を分けるのは兵の質だ。ローエングラム公の軍は練度が高く、士気も高かった。
貴族連合軍は、士気は高いが、戦いには不慣れな指揮官が多かった。
しかも、指揮官の命令よりも、自己の感情を優先させる青年貴族たちも多かった。

ここまで聞けば、最終的にどちらが勝っていたかはわかるだろう。
それに、仮に勝ったとして、一体誰のために――――。

いや、これは余計なことだった。聞き流してくれればありがたい。

「閣下……」

38 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/18(日) 17:16:08
>>35
「なんという無礼な……!」

シュナイダー! 少し控えておれ。

「しかし……!」

……おや、ユリアン君。どうしたのかね。

『ヤン提督から、紅茶をお持ちするように仰せつかりました。保温ポット入りですが、よろしければ……』

ありがとう、よろこんで頂くよ。シュナイダー、この紅茶を飲んで少し気を落ち着けよう。
ちょうど喉も渇いたところだったからな。

* * *

さて、卿の話だが……。
リップシュタット盟約を、「沈みかけた船」と表現したが……昔の諺で表現すれば、あれは沈みかけたと言うより、
「船頭多くして船山に上る」というところだったろうな。
もともとブラウンシュヴァイク公とリッテンハイム候の関係は良くはなく、互いに主導権を握ろうと暗闘を繰り返していたからな。
また、キフォイザー星域の会戦を前にして、ローエングラム公の腹心、故キルヒアイス提督はこう言ったと聞いている。
「要するに烏合の衆です。恐れるべき何者もありません」とな。
その洞察は全く正しかった。

……さて、すでに滅んだ軍はともかく、未だ健在な軍の話は……。
卿は偽悪的な表現で、自分の国が「沈みかけた船」だと言っているのかもしれんが、同盟の人々の多くは、
船が沈まないように努力しているだろう。むろんヤン司令官も、困難な道だと承知の上でな。
友人の間ではともかく、公式の場所では口を慎まれた方がよろしかろう。と、わしはそう考えるよ。

39 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/18(日) 17:18:57
>>36
オーベルシュタインか……。もちろん知っておるよ。
彼が一夜のうちに有名になったのは、やはりイゼルローン要塞失陥の際、
「イゼルローン駐留艦隊旗艦の唯一の生存者」としてオーディンに帰還した時だな。

軍務尚書も統帥本部総長も宇宙艦隊司令長官も、彼に対していかに厳しい措置を取るかを相談しておったらしい。
むろん、自分たちの保身も考えておったろうがな。

帝国の先の内戦の中で、捕虜になったオフレッサー上級大将が無傷で解放されて、彼の同僚や部下は処刑された。
それを知ったブラウンシュヴァイク公は、オフレッサーがローエングラム公と内通したと決めつけ、処刑した。

あのやり方は、若いローエングラム公のやり方と言うよりは、
オーベルシュタインのような謀略を得意とする者が発案したように思えるな。
3000万の同盟軍に対して、イゼルローンに近い辺境星域で焦土作戦を行ったように……。

40 名前:名無し客:2009/10/18(日) 17:25:52
ファーレンハイトはローエングラム側に落ち着きましたが、
彼もこちら側へ来て欲しかったと思ったことは?

41 名前:名無し客:2009/10/18(日) 17:37:26
シュナイダー君は提督のシンパですか?

42 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/18(日) 20:34:13
>>40
ファーレンハイト提督か……彼は、彼の道を選んだのだろう。
もちろん味方であれば、とても頼もしい味方になったであろうが。
来て欲しいと思わなかったと言えば嘘になる。だが、道を強制するわけにもいかぬし、
最後の戦いの混戦状況では連絡を取る方法もなかった。

彼はローエングラム公を選び、わしは自由惑星同盟を選んだ。
いずれ、戦場で相まみえることになるかもしれんな。

43 名前:ベルンハルト・フォン・シュナイダー ◆GuestAjT2E :2009/10/18(日) 20:35:43
>>41
「これはこれは、シュナイダー大尉。この集まりの居心地はどうかね」

シェーンコップ少将。……そうだな、まあまあと言ったところかな。
メルカッツ閣下がどうお考えかはわからないが。

「貴官とメルカッツ閣下の関係を見ていると、思い出す組み合わせがあるのだがね」

組み合わせ……? それは?

「まあ、ユリアンとヤン司令官、と言えば、読者の方々はわかってくれるだろうさ。それじゃ、失礼」

ミンツ君とヤン提督? それに「読者」? なんの事やらさっぱりわからないな。
まったくもったいぶった言い方をするものだ、少将は。

44 名前:名無し客:2009/10/18(日) 21:19:16
歴戦の名提督だけど、メルカッツ閣下はあまり目立たないというか、地味だよね。

45 名前:名無し客:2009/10/18(日) 22:32:39
高度な柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対応するをモットーとする門閥貴族が宇宙最強の存在なのは当然。

46 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/19(月) 00:09:15
>>44
そうさな、わしもことさら目立とうとは思わない性格でな。
若い頃に、ある提督を超そうと努力したことがあったが、どうにもわしの能力では無理だった。
わしが大将の頃に、ミュッケンベルガーらは元帥杖を手にしていたがな……。

ただ、地位が高くなればなるほど、宮廷のもめ事に巻き込まれる事は多くなる。
わしはそういうのが苦手でな。おもしろみのない性格だ、と思われていたが、
そのお陰で宮廷陰謀などに巻き込まれずに済んだとも言える。
人にはそれぞれ、行く道があると言うことではないかな。

47 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/19(月) 00:10:20
>>45
聞くところによると、同盟軍でも似たような事を言った参謀が居たらしいな。フォークとか言う。
おそらくヴァルハラでは、門閥貴族たちが華麗な戦術を披露して、征服に乗り出していることだろう。
……これは冗談だが。

このような戦術は、敵軍がこちらが動くまで待ってくれる時だけ有効なものだ。
臨機応変と言っても、指令を出してそれが前線に届くまでには、もう敵軍は新しい作戦を繰り出している。
もしこのような「臨機応変」の戦術が「宇宙最強」ならば、それは戦術シミュレーションの上だけだろうな。

48 名前:名無し客:2009/10/19(月) 00:14:23
何と、もう人数制限が…これはあまりにも別れが早い。
シュナイダー君からも何か言ってやって下さいよ。

49 名前:イゼルローン要塞司令部広報係 ◆GuestAjT2E :2009/10/19(月) 00:26:32
お知らせいたします。
最初の>>2にわかりづらい表現がございました。

50人とは「質問される方の人数」であって、この「場」の長さは当初から100程度を予定しております。
まもなく折り返し地点となります。ご質問のある方は、この機会に客員提督閣下へどうぞ。

広報係でした。

50 名前:名無し客:2009/10/19(月) 10:13:37
ギャワー!
罠じゃよ! これはメルカッツの罠なんじゃよー!
まんまとハマったんじゃよー!

51 名前:名無し客:2009/10/19(月) 18:37:23
この自由惑星同盟ではメルカッツなど知らぬ! 通じぬ!
まして、貴族のボンボンを抑えられなかった司令官など笑止!

52 名前:名無し客:2009/10/19(月) 22:36:41
そういえば

いずれは提督も、同盟での市民権やら選挙権やらを得られるのでしょうか?
てか、現状どういう立場になってるんでしょう。

53 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/19(月) 23:33:08
>>48
「閣下……。 さきほどから、周りの兵士が
 『ただいま人数制限を行っております! 係員の誘導にしたがってください!』
 と叫んでいますが」

ああ、シュナイダー。わしらの前を横切っている列が大変なことになっておる。
列の整理の手伝いをしてくれんかね。

「はあ……しかしあの列のプラカードは……
 『ヤン司令官サイン希望者列――ここは最後尾ではありません!列の途中です!』
 ですか。それでは手助けに行って参ります」

うむ。

54 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/19(月) 23:34:26
>>50
ふむ。その言い方は取りようによっては、「わしが罠にはまった」ようにも取れるな。
確かにわしはさんざん叛乱軍――同盟軍を罠にはめたし、わしも同盟軍の罠にはまった。
戦いとは罠の仕掛け合いに似ているのかもしれん。

ただ、わしは奇策が苦手でな。正面から相手に対することが多かった。
ヤン司令官のように、敵味方だれもが驚くような戦術を考え出す才能には、どうやら恵まれておらんようだ。

55 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/19(月) 23:35:36
>>51
そうだな。卿が知らないのも道理だろう。わしは帝国の内戦の敗北者だし、
若い貴族たちを抑えることもできなんだからな。
……おや、卿は、副参謀長のパトリチェフ准将?

「これはどうも、メルカッツ閣下。
 さてと……どうやらお前さんは、この間の勝利の功労者を知らないようだなあ。
 閣下はご多忙だから、私がゆっくり教えて差し上げよう。さあ、こっちへ。
 おっと、よせよ、痛いじゃないかね……」

ふむ、先ほどのことと言い……どうやらわしらには警護がついているようだな。
これもヤン司令官のお気遣いか。

56 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/19(月) 23:36:36
>>52
市民権か。それについては、要塞事務監のキャゼルヌ少将のお陰で、すでに持っておるよ。
同盟軍の中将待遇で給与も頂いていることだしな。

選挙……は、帝国には無かった制度だからわしにはよくわからんが、
「いずれ選挙権を行使する機会がありますので、それまでお待ちください」とキャゼルヌ少将はおっしゃっていたな。
それまで楽しみにしておくことにするよ。

57 名前:名無し客:2009/10/20(火) 00:26:18
シュナイダー君に野心は無いんですか?
俺様が付き従ってるのも貴様の戦術を盗み取るまでよヒャッハァー! とか
老人の時代はもう終わりだぜ! みたいな

58 名前:名無し客:2009/10/20(火) 16:40:11
着のみ着のままで同盟に落ち延びてきた提督ですが、帝国に残してきた親族が気になったりはしませんか?

59 名前:名無し客:2009/10/20(火) 16:41:34
女性という難攻不落の要塞を陥落させる秘訣を教唆願います

60 名前:名無し客:2009/10/20(火) 17:51:28
提督だってさ、アムリッツァで同盟の艦落としまくったんでしょ?

61 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/23(金) 01:15:51
>>57
さてな。若い者は、少しは「むほん気」を持つ必要があるだろうが……。
師匠に忠実すぎる弟子は、師匠を超えることはありえんからな。
しかし彼はどうやら、「忠実な副官」を勤める事に自己の存在意義を見いだしているようだ。今のところはな。

若い者が試行錯誤して、時代を創っていくのが正しいあり方だろう。
わしは、その手助けをする立場でありたいものだが……。

62 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/23(金) 01:16:46
>>58
そうさな。籍でも抜いて平穏に暮らしてくれればいいが。
わしが戦死したことになっていれば、尚のこと都合が良いがね。

そんなところだな。

63 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/23(金) 01:17:40
>>59
そうだな、まず一個艦隊より一通のメールの方が有効だ。
それから、固定観念にとらわれないことが大事だな。マニュアルやテンプレートばかり参考にしていてはいかんよ。
最後に、高度な柔軟性を維持しつつ、臨機応変な対応をすることが必要だな。

どうかしたかね。変な顔をして。
実践については、あちらのポプラン少佐とシェーンコップ少将に聞いてみるがよかろうよ。
教えてくれるかどうかは、わしは保証できないがね。

64 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/23(金) 01:19:15
>>60
「アスターテの会戦」の事かね。どちらも頭文字はAだが。

わしは40年近く自由惑星同盟と戦ってきた。
それを考えれば、わしが破壊した艦艇や殺した兵士の数は、ヤン司令官やローエングラム公の比ではないだろうな。
今ここにいられるのは、ひとえにヤン司令官のおかげと言えるだろう。それと、シュナイダーのな。

わしの負債は、自分一人の血ではとてもまかないきれまい。それを返すときはいずれ……。
いや、なんでもない。すまなかったな。

65 名前:名無し客:2009/10/23(金) 01:19:55
は…!
このレス戦法…
メルカッツ提督、か……

66 名前:名無し客:2009/10/23(金) 13:42:27
ビュコック提督にも語ったのですがいくら誇りを訴えようと所詮軍は
大義名分を…いえ「めんどくさいから話し合わない」という理由で動き、動かされる人殺しの集団にすぎないと思うのです。
いえ貴方やヤン提督、ビュコック提督のように戦争について苦々しく思う軍人もいるとは思うのですが。

メルカッツ提督だけでなく若い意見も取り入れたいのでシュナイダー氏も一言何か

67 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/25(日) 08:54:34
>>65
人間、誰しも得意な技というものがあるようでな。
わしの得意な戦法は、宙雷艇を使った近接戦闘だ。他にも駆逐艦も活用することが多い。
小艦隊を統率していた時の癖が抜けないようだ。

で、「レス戦法」とは何かね。耳慣れない言葉だが。

68 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/25(日) 08:55:32
>>66
シュナイダー。貴官はどう考える?

「自分たちの国家を守る……そのために訓練をし、作戦を立て、事がある場合は戦いに臨む。
 もちろん、こちらの方の仰るとおり、殺人者としての側面は否定できませんが……。
 しかし我々のような存在がなければ、民を護ることは難しいのではないでしょうか」

そうだな。基本的にはそんなところだろう。


さて、わしの考えだが……。

確かに、帝国も同盟も、「相手の存在を認めず、相手を滅ぼすために」150年近く戦争を繰り返してきたな。
むろん、何度か話し合いがもたれた事はあるが……。
その点、ヤン司令官の「イゼルローンを占領することによって、軍事的に有利な地歩を占め、和平につなげる」
と言う考え方は、政治的環境をととのえるために軍事力を行使する、という本来の戦略的立場に立ち戻ったものかもしれん。


軍が人殺しの集団というのは卿の言うとおりだ。命令に従って敵を殺し、敵に殺されるのが「仕事」だからな。
しかし、その軍の兵士や士官が戦う理由は何か……それは人の数だけあるだろう。

命令されたため。
愛する人々や土地を守るため。
軍人としての誇りのため。
あるいは栄達を遂げるため。

人それぞれだ。
そして、帝国では大貴族たちや軍の幹部たちの栄達や「恒例行事」として、いくつもの戦役が行われてきた。
その戦役では、多くの血が流れる。それも、栄達や「行事」には関係ない者にとっては「無意味」にだ。
わしのように戦いで栄達した者にとっては、大いに意味があったのだろうがな。
本来ならここで、軍の意味について話すような立場ではないかもしれん。


さて……戦死した本人がどう考えているかは、天上に行かなければ訊ねることはできない。
だが、戦死した人間の戦友はどう考えているか。
家族は、恋人はどう考えているか。

その者たちは、自分にとって大切な人間が「無意味」に死んだなどということを、受け入れることができるだろうか。
それゆえ、その「意味」を探し求めて、苦しむのではないか。
遺族から丁重な手紙を頂いたことも何度もある。
軍は……軍の内だけで完結してはおらんのだ。

むろん、軍の幹部が、誇りを謳って兵士を前線に送り出し、自分たちは安全な場所にいる、
そして「誇り」を戦死者の遺族に強制するなどという状況は許されるものではないだろうよ。
常に前線に立っている、ヤン司令官……それに敵ではあるが、ローエングラム公が、兵士たちから支持される理由は、
まさにそこにあるのだろう。我々は彼のために戦う、とな。


長年軍に関わってきたわしは、拙劣な指揮で、多くの部下たちを無意味に戦死させたことは一度や二度ではない。
だからこそ、彼らが所属していた「軍」を、ただの人殺しの集団として切って捨てることはできんのだ。

もちろん、軍などの出る幕がない平和な世の中が、一番善いとわしも考えるがな。
ただ、今のところは……良いか悪いかはともかく、あくまで軍も人間の集団であり、
そして、少なくとも卿らの軍はどこかで卿とつながっている……と、わしは考えるよ。

まとまりがない話になった。頭の固い老兵がつぶやいたことだ、適当に聞き流していただければありがたい。

69 名前:過去の光景 ◆GuestAjT2E :2009/10/25(日) 08:58:07
「敵の陣形が崩れた! 左翼に砲撃を集中し、突破せよー!」
まだ子供なのに、その子は歴戦の提督のように小さな胸を張る。

――あらあら、あの子ったら、すっかり提督になった気分ね。
――将来は本当に提督になるかもしれんさ。すっかりあの本に影響されているようだしな。

子供の手には、「銀河帝国軍戦記」が握られていた……。

http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1175703023/319n

70 名前:客員提督とその副官 ◆GuestAjT2E :2009/10/27(火) 04:59:41
「閣下があれほど長くお話になるのは珍しいですね」

ああ……少々おしゃべりが過ぎたようだな。あれでは軍隊至上主義者ととられても仕方がないかもしれん。
一個人としての人物と、集団の一員として行動する個人の人物はまったく異なる――そのことを付け加えておいた方がよかったかもしれんな。

「閣下……」

まあ、あまり思いわずらっても仕方がない。ゆっくりと考えるとしよう……。

71 名前:名無し客:2009/10/28(水) 02:26:06
シュナイダー君はミッターマイヤーの所の若手に勝てますか?

72 名前:名無し客:2009/10/28(水) 02:47:40
同盟公用語なァもう慣れましたけぇのぉ?

73 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/28(水) 23:31:18
>>71
シュナイダーか。
副官としては有能だし、視野も広い。わしも随分――本当は随分どころではないが――助けられておる。
ただ、艦隊を指揮する能力については今のところ未知数だな。

ミッターマイヤー提督麾下の若手士官に勝てるか……ということだが、シュナイダーが副官という立場である以上、
勝敗を左右するのは指揮官、つまりわしの能力というところだろうな。
ガイエスブルグの近傍で戦ったときは、ミッターマイヤーらと五分に戦ったが、今はどうなっているか……。
難しいところだ。

74 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/28(水) 23:32:11
>>72
情報戦のために、士官学校では同盟の公用語も習うのでね。特に苦労はないよ。
同盟軍の士官学校でも帝国の公用語を習うそうだしな。

ただ、卿のしゃべり方は少々独特、のような気がするな。わしのようなよそ者にとっては、だろうが。

75 名前:名無し客:2009/10/30(金) 20:47:16
提督が本気で怒鳴る姿を一度でいいから見てみたい

76 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/10/31(土) 00:28:43
本気で怒鳴る姿、か……。
それを見たのは一人しかおらんでな。

「それは、どなたですか、閣下」

うむ、台詞を聞けばわかるじゃろうよ。

『結婚してくれっ!』

まあ、人生長く生きておれば、いろいろなことがあるということだ。
シュナイダー、卿もいろいろな経験をすることが重要だ。
軍務だけではなく、な。

77 名前:名無し客:2009/11/01(日) 00:23:04
これと似たような物語の感想を
つ銀河戦国群雄伝ライ

78 名前:名無し客:2009/11/01(日) 00:24:50
どうせ提督の亡命もローエングラム候の策略なんでしょ?
また内乱を誘って同盟の戦力を削り取るつもりなんでしょ?

79 名前:名無し客:2009/11/01(日) 00:59:46
メルカッツ提督、貴方用の船を用意しました

つ宇宙戦艦 ヤマト

ついでにヤン提督以下多数の人間も無理やりのせました

80 名前:名無し客:2009/11/03(火) 20:36:09
薔薇の騎士について一言

81 名前:名無し客:2009/11/04(水) 14:14:28
何か愛用しているものはありますか?

82 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/11/05(木) 22:22:18
>>77
直に相手の顔を見て戦うという点では、わし達の戦いよりも、より人間臭いかもしれんな。
ちょうど古代、地球上である国が三つに分かれて覇権を争った頃のように。
今の戦いでは、直に相手を見て戦うのは装甲擲弾兵などの歩兵部隊のみだろう。
このような戦いならば、わしのような艦隊司令官よりは、シェーンコップ少将のような指揮官の方が有能だろうな。

現在の戦い方からすれば、敵艦に乗り込んで白兵戦をするというのは……
自軍の勢力が劣勢で、敵軍が混乱しており、なおかつ敵艦隊の旗艦に乗り込んで勝負を有利に持ち込める。
そのような状況だけだろうな。

83 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/11/05(木) 22:24:13
>>78
そう思えるかね。いや、卿がそう思うならそれでもかまわんよ。わしはそれを否定できる根拠を持っておらん。
……おや、卿は分艦隊司令官のアッテンボロー少将?

「ああ、これはメルカッツ閣下。
 そら、この間我々の艦隊をヤン司令官に代わって率いたのはこちらの方だ。
 まさか知らないとは言わせんよ。貴官も勝利を祝ってシャンペンの2本や3本は空けたクチだろう?
 さて、貴官にはちょっと用事があるんだ、俺についてきてもらおうかな?
 それでは閣下、失礼します」

……ああ、少将。面倒をおかけする。

84 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/11/05(木) 22:24:54
>>79
「雷神のハンマー」と同じか、それ以上の威力を持つ兵器を搭載した艦艇……か。

すまんが、わしは遠慮するよ。なぜか、と問われれば……。
まず、この艦艇の兵器を使う場合には、当然ながら艦艇の前方を空けねばならん。
そのタイミングを狙撃される可能性は高い。

また、敵艦隊が分散隊形をとれば、こちらの兵器の威力は相対的に小さくなる。
最後に、最初からこの艦艇の性能が明らかならば、敵は高速巡航艦などで艦隊を組織し、
こちらの兵器が敵艦隊に照準を合わせる前に、懐に飛び込んでくるだろう。

最後に、わしは宇宙の彼方へ行く気はない。
それは平和な時代がもたらされた後、もっと若い者にやってもらうとしよう。

以上だ。ヤン司令官はそちらでサインの真っ最中だから、艦に乗っていないことは最初から明白だったがな。

85 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/11/05(木) 22:25:52
>>80
ローゼンリッターか……勇猛果敢で知られる、同盟軍の陸戦部隊だな。
彼らの働きが無ければ、この要塞が同盟の軍事基地になることも無かっただろう。
また、先の戦いで要塞を守り抜くこともな。
優れた部隊だと考えるよ。
「同数の兵力でローゼンリッターに勝つ者なし」という評判は、決して誇張ではないだろう。

86 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/11/05(木) 22:27:07
>>81
作戦シミュレーションとノート、そしてペンだな。
戦いの前には、これに状況を書き込んで、考えをまとめることにしている。
日記を兼ねていることもあるが。

後はやはり、この軍服……か。

87 名前:名無し客:2009/11/06(金) 01:05:15
阿呆な事を言う
戦術とは、いかにして奇抜な事を思いつくかではない

常識の、現実に対する最適の組み合わせを見つける事がその目的だ


88 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/11/06(金) 17:28:17
>>87
……もちろん、卿の言うとおり戦術とは奇抜なことを思いつくことではない。
適切な兵力を揃え、配置し、運用し、戦いの目標を達成するための術だ。
むろん情報収集も重要であり、兵站を軽視しては兵力の維持もままならない。

さて……卿の言う、その「常識」だが。
基本的な戦術論は確立されているが、実際の戦術論についての「常識」は、軍人の数だけあるだろう。
それに、敵の持っている「常識」、あるいは傾向も考えなければならない。
そのために、自軍や敵軍についての情報が必要なわけだが。
これらを総合して、指揮官は戦場という「現実」に当たらなければならない。

「彼を知り己を知らば、百戦して殆うからず」と古代の軍学者は言ったそうだが、
彼の常識を知り、また己の常識を知る、またその違いを認識する。それが最も難しいことではないのかな。
「常識」とは便利な言葉だが……抽象的な言葉だ。
卿がもし軍人ならば、抽象的な言葉を振りかざして戦場に臨むのは控えた方がよいのではないか、とわしは考えるよ。
現に、卿の常識とわしの常識は、同じ「常識」という言葉でくくられていても、内実はそれぞれ異なったものであろうから。

89 名前:名無し客:2009/11/06(金) 20:31:29
帝国の若き双璧に対抗して、ビュコックとメルカッツの老人双璧を結成してですね。

90 名前:名無し客:2009/11/06(金) 22:35:21
あなたの忠義はどこを向いていますか?

91 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/11/08(日) 22:43:58
>>89
さて……同盟で最も人気のある将帥は、ビュコック大将とヤン大将ではなかったかな。
あの大将同士が組めば、将兵の士気も上がろうというもの。
わしなどが出る幕はない。

むしろわしの役割は、ヤン司令官の顧問を精一杯務める、そのことだと考えるよ。

92 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/11/08(日) 23:04:45
>>90
そうだな、二つある。
軍事的な忠誠は、あきらかに自由惑星同盟に向けられている。
ローエングラム公に敗れたこの身を拾って頂いたからには、それだけの働きをしなければならん。
もちろん、私怨とは別の理由でな。

そして個人的な忠誠は……今の皇帝陛下だ。
もちろん、旧体制を復活させようなどという、反動的な意味ではないよ。
幼い皇帝陛下には、一人の市民として波瀾のない生活を送って頂きたい、と、そう思っておる。
それを果たせば、わしの役割は終わるだろう。


ヤン司令官は、「給料を払ってくれる相手には、それなりの義理を果たさなければならない」と言ったそうだが、
その論法を借りれば、わしも40年近く禄を食んでいた以上、それなりの義理を果たさねばならんだろうよ。
それだけだ。

93 名前:名無し客:2009/11/08(日) 23:39:40
提督! 戦列を維持できません!
助けて下さい提督!

94 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/11/09(月) 17:43:22
>>93
……わしに兵力はない。貴官の持つ兵力を持って部署を死守し、職責を全うせよ。

「閣下! ヤン提督サイン列を維持できません! ご助力をお願いします!」

シュナイダー、わしのような年寄りが一人加わったところでどれほどのことができるかね。
ここは列を縮小して……。

「援軍です、援軍が来ました! リンツ大佐直々に率いるローゼンリッターの1個中隊です! 助かった!」

やれやれ、わしも助かった。
ローゼンリッターの、列整理のお手並みを拝見するとしよう。

95 名前:名無し客:2009/11/12(木) 02:39:12
未来だの夢だのという言葉を安易に持ち出す人間をわたしは信じない。
そうした人々は、夢と自分の幼児的な願望の違いがわかっていない。
そして夢ではなく、願望を未来に押し付ける。
ただその瞬間が訪れないというだけで、だ。

未来に願望を押しつけるなど無責任極まるとは思う。
自分は何もせず、他人の行動を批判するだけの輩と同じ、いらぬ知恵をつけことだけが取り柄の屑だ。
わたしはそのような者たちには敬意を抱けない。

96 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/11/12(木) 17:59:30
>>95
……それで、卿は具体的に誰のことを言っているのかね。

夢と願望とは異なるものだ。
ただ、共通点を指摘するならば、この2つは往々にして、努力しなければ叶わないと言うことだ。
夢や願望を持って、それが叶うように努力する人間までも、卿は軽蔑するのかね?

多くの兵士や士官達が、夢や願望を抱いたまま死んだ。
彼らはもはや、夢や願望を未来に持つことすらかなわない。

最後に……卿の言ったことの基調にあるのは、帝国の門閥貴族の思考となんら変わらないことを指摘しておこう。
「私は普通の人間とは違う、特別な人間なのだ」と考えているとな。

97 名前:名無し客:2009/11/13(金) 02:01:11
恐怖を覚える事も出来ぬほど無能な人間は
全ての行動を勇気で表現しようとする傾向にある


98 名前:名無し客:2009/11/13(金) 02:02:44
人間的魅力と将帥としての指導力を混同するなど愚の骨頂、
旧時代的な奴隷根性でしか物事を捉えられぬ俗物趣味にほかならない。

そんな人間は喜んで自分で自分の首に枷をつけるような類だ。

俺は尊敬できない。

99 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/11/13(金) 04:25:31
>>97
リップシュタット戦役で敗れ去った青年貴族のことかね。
彼らは自分たちの勝利を疑いもしなかった。
勝ちたいと思えば勝てるものなのだ、と思い込んでいたからな。
それまでの彼らの人生に、「逆境」や「敗北」という文字はほとんど無かったのだから。

ほとんどの兵士や士官たちは、戦いの前には恐怖に近い感情を覚える。
一部の例外はあるが……しかしそうだからと言って、それが無能であるとは思わん。
卿はどうやら、危険に対する感覚の敏感さと、戦いの場での有能さを混同しているように思える。

もし司令官という立場であれば、内心は恐怖を覚えていても、それを兵士や士官たちに感づかれてはいけない。
司令官が動揺すれば、それは何倍もの大きさで、部下に影響するからだ。
司令官自身が動揺して、「だれかなんとかしろ、なんとか!」などと叫んで、部下たちに勇敢な戦いを強制するのならともかく、
勇気を持って指揮をとっていることを「演技している」司令官の内心を推し量れないのであれば……。

おそらく卿は実戦を経験していないのであろうな。

100 名前:ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ ◆GuestAjT2E :2009/11/13(金) 04:27:10
>>98
具体的に、何のことを指しているのかは判断しかねるが……。

ヤン・ウェンリー司令官は、人間的魅力で将帥としての指導力を保っているのだろうか?
否、彼は今までの実績……エル・ファシル、アスターテ、イゼルローン、アムリッツァ……
それらの戦いの実績で、将帥としての指導力を確立している。

それでは帝国軍のラインハルト・フォン・ローエングラム公はどうか。
彼も、アスターテやアムリッツァ、そしてリップシュタット戦役での実績で、将帥としての指導力を確立している。
内政では、平民たちを貴族の圧政から解放する政策をとり、声望を確立している。

どちらも兵士たちは、人間的魅力より以前に、将帥の実績をもってその指導力を判断しているのだ。
卿の言うほど奴隷根性でもなければ、俗物趣味でもない。
どんなに将帥に人間的魅力があろうとも、生き残れなければ意味がないからだ。
彼らの判断力をあなどってはいかんよ。自分の判断に、自分の生命がかかっているのだからな。


さて……卿の哲学はそれでよろしかろう。わしもとやかく言う立場にはない。
だが卿自身が、たとえ軍隊でなくとも、人を指揮する立場になれば……。
部下の卿に対する態度で、卿の哲学が受け入れられているのか、おのずと明らかになるだろうよ。

101 名前:あとがき ◆GuestAjT2E :2009/11/13(金) 04:30:28
やれやれ、前の列もだいぶ短くなったようだな。
シュナイダー、ご苦労だった。

「提督、メルカッツ提督」

ん、卿は誰かね……卿は、ヤン司令官……!

「しーっ! やっと抜け出してきたんですから、ばれないようにお願いしますよ。
 実は、ハイネセンにはかないませんが、ここイゼルローンの美味いレストランを知っていましてね。
 シュナイダー大尉もご一緒に、夕食をいかがですか。おつかれでしょう」

それはありがたい。シュナイダー、ご厚意に甘えるとしよう。

「それじゃユリアン、メルカッツ提督とシュナイダー大尉の着替えを出してくれ。
 提督、さすがにその格好では目立つので、着替えをお願いしたいのですが」

承知しました。では行こうか、シュナイダー。

「かしこまりました」


* * *


……後年の軍事学者は、ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツの用兵家としての手腕を、
「堅実にして隙なく、すべて理にかなう」と評した。
彼の晩年に、ラインハルト・フォン・ローエングラム、ヤン・ウェンリーという二人の希代の用兵家が現れたため、
メルカッツの印象は淡いものになっている。しかし、それだからこそ、彼は後世の平凡な軍人たちの範となりえたのである。

彼が亡くなったのは、宇宙暦801年、新帝国暦003年、シヴァ星域会戦でのことであった。
戦いの後、副官のベルンハルト・フォン・シュナイダー大尉は、メルカッツの遺族の元へ向かい、その最期を伝えたという。

《終》

102 名前:停止しました:停止
真・スレッドストッパー。。。( ̄ー ̄)ニヤリッ


■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫めにゅーに戻る■
generated by img0ch - 2010/01/15 17:31:44