■ 人形たちの楽屋裏

1 名前:◆DOLLmR5Q5A :2009/08/01(土) 23:07:14









ここは人形達とそれに相対するものたちの舞台裏。










2 名前:名無し客:2009/08/01(土) 23:24:04
何奴ッ!

3 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/08/02(日) 21:29:58
>2
 人形、吸血鬼、死んだ女デッドガール、少女、リリム、どう呼ばれようとかまわないわ。
呼び方なんてお好きにどうぞ。ともかくわたしはそういうものよ。

4 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/08/02(日) 21:51:05

 闘争相手が決まってよかったわ。あの閑散とした状態じゃ募集しても応募が
あるか心配だったもの。

 とりあえずこの闘争も含めて5戦はやるつもりだから少しでも興味が沸いた
人は心の隅にでもとどめておいて。闘争相手は年齢性別経験不問、職業だって
問わないわ。まあ、依頼と適合しなくちゃいけないからそれが問題なのだけれど。



5 名前:名無し客:2009/08/03(月) 16:12:22
知らん人のために原典紹介なんぞをしてくれませんか?

6 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/08/04(火) 22:29:28
>5
そうね。それをしないのは不親切かもしれないわね。
きっと近いうちに紹介するわ。でも今日は勘弁して頂戴。
本スレのほうを優先しないといけないから。とりあえずこれでも読んでおいて。

ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%80%E3%83%BC


7 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/08/04(火) 22:39:02
そうそう、みんなダンスオブヴァンパイアは見たかしら?
いま帝国劇場でやっている、あの演劇のことよ。
今日で公演が始まってからちょうど1ヶ月。もちろんみんな見たわよね?


……見てないの!もったいないわ。すごい傑作なのよ。ぜひ見に行くべきよ。
わたしはもう5回見に行ったわ。週に一回の計算になるわね。

わかったわ。見ていない人に興味を持ってもらうために簡単にレビューを書くわ。
闘争の合間にかくことになるから週末ぐらいをめどにあげるわね。

8 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/08/08(土) 00:54:03
◎ダンス・オブ・ヴァンパイア

【あらすじ】
 吸血鬼の研究を行っているアブロンシウス教授は弟子のアルフレートをつれて極寒のト
ランシルバニア地方を訪れる。吹雪に襲われる二人だったが、何とか宿にたどり着くこと
ができた。その宿でアルフレートは宿屋の娘サラに一目ぼれするが、彼女は吸血鬼クロロッ
ク伯爵に見初められており、誘惑され彼の城へ招きよせられてしまう。サラを救出に向かっ
たアブロンシウスとアルフレート。だが城に到達すると、そこには自ら二人を招き入れる
クロロック伯爵の姿があった。

 そして舞踏会の幕はきって落とされる。

【かんそー】
 ただいま日比谷の帝国劇場で上演している最高のエンターテイメント!
 初演は06年の夏で、今回は3年ぶりの再演となるの。06年の時は2回しか観にいけなかっ
たから、今回は7回は見に行きたいと思っているのよね。じゃあこの作品についてちょっ
と紹介をするわね。以下、敬称は略よ。

 この作品は、ロマン・ポランスキー(戦場のピアニストの監督/ペド疑惑ありなのがイ
タイわよね)の『吸血鬼』という映画を基にした演劇で、ヘタレ草食系な主人公とエロカ
ワヒロイン、そしてカリスマ絶大の大物吸血鬼が中心となる喜劇もしくは悲劇よ。
 もう爆笑ものなの。上質な笑いを提供してくれるわ。そして圧倒的な興奮と爽快感も与
えてくれるのよ。躍動感のあるダンスと素晴らしい歌声による一流のエンターテイメント
なの!

 主演の二役ははダブルキャストで、
  ヘタレ草食系ヒーロー『アルフレド』役の泉見洋平&浦井健治
  エロカワヒロイン『サラ』役の大塚ちひろ&知念里奈

となっているわ。みんなとっても上手なんだけど、やはり千秋楽を勤める浦井&大塚ペア
ははまり役よね。絶妙の味を出しているわ。06年の時もこの二人の組み合わせのほうがプッ
シュされていた記憶があるわ。
 主演の二人もさすがだけど、やはり見所は吸血鬼『クロロック伯爵』とその息子『ヘル
ベルト』よね。伯爵役の山口祐一郎は絶大な声量とカリスマ性で視線を釘付けにし、観る
ものを虜にするわ。それこそ吸血鬼の魅了(チャーム)の視線みたいにね。格好良すぎる
わ。格好良すぎるわ伯爵!むしろわたしの血を吸ってちょうだい!!そしてその息子役の
吉野圭吾はいろんな意味で『凄い』の。どう凄いかは見てのお楽しみよ。出てくるたびに
会場が爆笑。ありえないわ。でもおもしろいわ。もう最高!

みんな、もしよければ是非見に行ってちょうだい。できればS席で。後悔はしないはずよ。

 ちなみにこの演劇、06年の千秋楽には当日券を求めて1200人が並んだという伝説を残し
ているの。すごいことよね。
 
*ダンスオブヴァンパイア公式サイト
ttp://www.tohostage.com/vampire/index.html

*ダンス・オブ・ヴァンパイア特集|e+ Theatrix!(06年の夏の時のもの)
ttp://eplus.jp/sys/web/theatrix/special/vampire.html


9 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/08/08(土) 00:57:19

とりあえず「伯爵最高!」と思っていれば間違いないわ。

DEAD GIRLS の紹介はまた後日するわ。
気長に待っていてね。

10 名前:名無し客:2009/08/09(日) 02:32:28
差し障り無かったらおせーて。
一戦ごとにキャラ換えるって言ってたけど次はどこからキャラ持ってくるつもり?


11 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/08/09(日) 22:56:54
>>10
 その前にまずは前提を言うわね。相手が非吸血鬼の場合は吸血鬼を使うわ。逆に吸血鬼
だった場合は非吸血鬼を使うつもりなの。ただし人狼などのゴシック風のキャラが相手の
場合はわたしが吸血鬼以外を使うこともありえるわ。

 ここから先はそれを踏まえたうえでのことになるわね。

 今回の闘争が終結したら、募集スレに依頼を6つほど載せる予定よ。といっても実際に
行うのはそのうちの2つなので、2つ応募があった時点で締め切りにするんだけどね。

 その依頼の内容によってこちらが使うつもりのキャラが変わってくるの。つまりは6種
類の相手を現時点では用意してあるわ。

 どの作品から持ってくるかに関しては、依頼を出してからでいいかしら?せっかくだか
らお楽しみということにしておいてちょうだい。

12 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/08/09(日) 22:57:24
 そうそう、依頼についてなのだけど、依頼を受けるような人物ではないキャラを使いた
いならば「この依頼のシュチュエーションを使って第3者として闘争したい」といってく
れれば、その方向で進めるわ。
 もちろん、「このシュチュエーションで、こんな相手と戦いたい」という希望があれば
最大限考慮するわ。

 相手に関しては、応募してくれるなら誰の挑戦でも受けるわよ。設定のすり合わせ
をしてくれて、空気をある程度読んでくれるなら誰の挑戦でも受けるわ。クッパだろう
がロックマンだろうがガノンドルフだろうがディケイドだろうが誰の挑戦でも受けるわよ。

13 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/08/09(日) 23:03:19
 眠すぎてレスがぜんぜんまとまってないわ。

ちなみに使う予定のキャラで、現時点でばらしてもかまわないのは以下の通りよ。
イグナッツ・ズワクフ/ダゴン卿@デッドボーイズ
ヴァニティ・セント・ヴィリディアナ@デッドボーイズ

状況によって使うかもしれないのは
バイロン卿@ヴァンパイア奇譚
ゲイナー卿@エターナルチャンピオンシリーズ
クロエネン大佐@ヘルボーイ
リガルド@クレイモア
エージェント・スミス@マトリックス<ネタではない
モリアーティ教授@

14 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/08/12(水) 01:39:53

 ……おわったわ。久々の闘争だったけどかなり上手くいったと思うわ。やりたいことは
やったしね。

 反省は明日以降にして今日はもう寝ましょう。そのうち気が向いたら「えぴろーぐ(笑」
をここにあげるから期待しないで待っててね。

15 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/08/12(水) 23:07:55
 とりあえず前半戦の2つの募集よ。後半戦は地獄展開なので、軽めの闘争がしたい人は
こっちをどうぞ。

16 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/08/17(月) 21:20:23
ついてるわね。悪魔狩人にひきつづきハイレベルな相手が名乗りを上げてくれたわ。

17 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/08/28(金) 00:04:16
いろいろ返さなくちゃいけないレスがあるのだけれど今日は寝るわ。ごめんなさいね。

18 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/08/28(金) 22:46:52
ああ、もう!ガン=カタを文章で表現するのは難しいわ。
やっぱり見ているだけじゃだめね。実際にやってみないと。

(グロック2丁を構えながら鏡の前で怪しげなポーズをとりつつ)

19 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/08/28(金) 22:49:46
 闘争相手へのレスを最優先とするので、某地下スレや向こうのスレへのレスはヴィルマ
戦後にさせてもらうわ。ごめんなさいね。

20 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/09/01(火) 23:22:18

 定期的に募集スレは浮上させるべきかしら。まあ、いいわ。いまは取り込んでるし、今
度の週末になってからでも遅くないわよね。そのときついでに、こちらの使用キャラの
リザーバーも発表しようかしら。

21 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/09/06(日) 18:47:37

 応募および神父ファミリーへのレスは、悪いけど仮眠後に返すわ。でもお礼だけは先に
ここで言うわ。

 応募ありがとう!
 解説ありがとう!

 感謝してるわ。続きはまたあとでね!

22 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/09/06(日) 21:47:09
>神父ファミリー

 シンプファミリーって書くとどこぞのマフィア?って感じになるわね。実体もそんな感
じだけど。朝起きると馬の生首とかベッドの中に入ってそうだし。

 それはさておき相変わらず楽しませてくれるわね。やっぱり最高よ、あなた。
まさか、男塾調でくるなんてね。素敵だわ。その解説、正式にリンクを貼りたいぐらいよ。

 V vs V もそろそろ後半戦に突入よ。最後まで楽しませられるよう頑張るから観ててね。

23 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/09/06(日) 21:49:49
>>イゴール・ウェルドン・ブロムヘッド

 まずはお礼を言わせてもらうわ。応募してくれてありがとう。そろそろ募集スレをあげ
なくちゃいけないかしらと思っていたところだったから助かったわ。

 じゃあ、さっそくだけど本題に入るわね。開始時期はヴィルマ vs ヴァイオレットが終
わった時からでいいかしら。会議室進行という手もあるんだけど、一人ひとりに集中した
いからできれば前の人が終わってからにして欲しいの。もしそれでよければ、終わるまで
は打ち合わせとしましょう。

24 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/09/06(日) 21:50:43

 それと、まず2つほど質問があるのだけどいいかしら。

1・そちらの原典について
2・そちらの外見について

 まず1番目の質問ね。
 映画版1作目のヘルボーイは楽しませてもらったのだけど、そのほかの作品は残念なが
ら未読なのよ。だからあなたの原点がヘルボーイのどの作品か教えてもらえると助かるわ。
あなたとの闘争開始までに読んだり見たりしておくから。

 つぎは2番目の質問ね。
 導入を書くに当たって必要になるかもしれないから、あなたの容姿や見た目の年齢、そ
れに服装なんかを教えてちょうだい。


 それと、募集時のこちらのキャラはリガルド@クレイモアだけど、ほかに何人かリザー
バーを用意してあるわ。今週中に名前と簡単なデータをここに載せるから、読んだ中で一
番興味があった相手を指名してちょうだい。

25 名前:イゴール・ウェルドン・ブロムヘッド:2009/09/07(月) 00:44:18
>>23>>24

こちらこそお招き光栄、ミス・ボビンスキ。
開始時期について異論はありませんな。
闘争の質や貴方に掛かる負担を考えて当然でしょう。

さて、ではまず原典について……
私は漫画版ヘルボーイ「滅びの右手」及び「闇が呼ぶ」に登場します。
二つのうち「滅びの右手」10年近くも前の翻訳アメコミで入手が難しいものですが
「闇が呼ぶ」は最新作ですから、比較的身近にあるはずです。
買え、とは言えませんがジ○ンク堂などなら高確率でありますし立ち読みもできるでしょうな。

それでも手に取ることが無理という事は十分に考えられますから、その場合は申してくだされば、情報提供は惜しみませんよ。
こちらもクレイモアは既読ですがDEAD GIRLSは残念ながら未読ですので、0番街の都市描写などは聞くでしょうし。

外見はttp://www.geocities.com/hellboy_guia/PaginaHellboy/Personajes/g2_bromhead.gifこれですな。

現在では上の画像より老けていて五十代半ばから六十代、どう大きく見積もっても170pには届かない小太りのチビで
丸顔に禿げ上がった頭、左右の上唇にチョビヒゲ、フードつきのローブを羽織っていて普段は人目に触れませんが
過去に大悪魔アスタロトの呪いを受けて下半身はトカゲになっておりますな。尻尾もついてます。
自分でいうのもなんですが、分不相応の力を持った小物の魔術師といったところですな。

とここで一息つけましょうか。

他の闘争もありますのでレスは急ぎませんよ。

26 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/09/08(火) 23:07:10

「ドリーム・ア・ドリームクラブ」なんていう不吉な単語が頭をよぎったのだけど、気にしな
いことにしたわ。というか、このネタ先を越されていたわ。世間って広いものね(遠い目で

>>25 ミスタ・ブロムヘッド

>「滅びの右手」及び「闇が呼ぶ」
 教えてくれてありがとう。暇を見て本屋を回ってみるわ。
 外見描写も参考になったわ。ありがとう。

>0番街
 ああ、誤解させてしまったようね。ごめんなさい。

 0番街の元ネタは名前と大まかな設定が「パンプキンシザーズ」って漫画からで、その
ほかの細かなネタは「万物理論」とか「魔物を狩る少年」とかいろんなところからもって
来てるのよ。

 早い話がゲットーなんだけどそれだけじゃ不親切だから『罪都倫敦』の0番街の設定を
ざっと語るわね。


■0番地区
 テムズの南に存在するゲットー。存在しないはずの者たちが集まった場所。彼らには何
の権利も無いが義務も存在しない。

 もともとはとある少数民族(深きものども)を隔離するためのゲットーだった。危険度
が跳ね上がったのは、ドラキュラの英国進攻の際に、反ドラキュラ派のものたちがこのゲッ
トーに逃げ込み立てこもったことに端を発する。

 いまでは多くの犯罪組織が内部にひしめき合っている。最大勢力はフラニティーとよば
れるクトゥルー系の魔術結社。

 外部からの干渉にはゲットー全体で全力で反撃を行うため、うかつな行動は藪蛇になる
ためドールも貴族も人間たちも手を出せないでいる。いまのところは。

 なおかつては反ドラキュラ、反吸血鬼だったが今ではそれなりに上手くやっている。


 まあ、こんなところね。でも、この設定はきちっと決まったものじゃないわ。闘争の都
合によって、フレキシブルに変更が可能なので、おおよそのものととらえておいてね。


27 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/09/08(火) 23:09:15
 続いて現時点でこちらの用意したキャラを紹介するわ。もう少し待ってくれればまだ増
えるかもしれないわ。

1)リガルド@クレイモア

 彼については説明はいらなそうね。漫画版のあのままよ。ただし今回は途中まで人型で
戦うわ。そのため大剣と投げナイフでも持たせるわ。服装はビッグブルーのドレスコード
どおりにダークスーツよ。


2)アルカード伯爵@夜の悪魔

 ドラキュラの息子の吸血鬼よ。蝙蝠、霧に姿を変え、通常の武器を受け付けず不死身の
身体を持つわ。吸血鬼の弱点は一通り効くけど、完全に滅ぼすためには前もって棺を破壊
する必要があるわ。正統派吸血鬼でそれなりに威厳もあるのだけど、ヘタレすぎる死に様
なせいでどうにもしまらないわ。ちなみに身体能力は『まあ、人間よりは上』、といった
ところよ。


3)ヒロシマヤクザ@ドスペラード

 せっかくだからわたしはこの赤い扉を選ぶわ!ネタではなくてガチでやるわよ。


28 名前:イゴール・ウェルドン・ブロムヘッド:2009/09/11(金) 00:35:38
>>26
>>27

なるほど、0番地区は深きものどもや非合法組織の吹き溜まりというわけですな。
そのままでも私の隠れ家がありそうな雰囲気がします。
その辺りは適当に捏造できるでしょう。


キャラ選についての結論はまだ早いかも知れませんが、
この中の三人ならば、やはりリガルドでしょうな。
正統派吸血鬼のアルカード伯爵でもよいのですが
ヘタレだと私とキャラが被ってしまいますので。(ヘタレじゃなかったら私も映画に……出れませんな)

29 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/09/13(日) 19:43:33

 第2話『INNOCENCE 』終了。
 というわけでミスタ・ブロムヘッド。会議室へ移りましょうか。


30 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/09/13(日) 19:57:22

 第2話 「INNOCENCE / ever free 」は、最後まで「INNOCENCE / ELEANOR RIGBY 」に
するか迷ったのよね。/ ELEANOR RIGBY だと悲惨すぎるから/ ever freeにしたわ。


31 名前:名無し客:2009/09/13(日) 20:47:08
>葉山清二@MinDeaDBlooD
……誰? こんなやつ居たっけ?

同じ出典の田上様の戦いは見て見たかったりするけど。

32 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/09/13(日) 21:23:16

 酷い!忘れたの!!病院の地下の研究室にいる『彼』の本名じゃない!
 吸血鬼モノなのに触手という斬新な境地に踏み入れた―――踏み入れなくてもよかった
ような気はするけど―――彼のことよ。通称『Dust』さんね。

 ちなみに吸血鬼たち@READER, I BURIED HIM ! はナメクジ型の身体に人間の頭、わき腹
には牙の生えた肛門のような口が付いた突起がたくさん並ぶ超ゲテモノ吸血鬼よ。V vs V
が血と肉と臓物が飛び散る闘争なら、The Dark Side Of The Moon は、てらてら光る粘液
と力強い触手と名容しがたい肉塊が躍動する闘争になるはずよ!


33 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/09/13(日) 21:25:24

 ジェイソ……じゃなくて、田上さんの闘争が成立するか否かはバットマンが来てくれる
か否かによるわね。できればクリストファー・ノーラン版がいいわ。


34 名前:名無し客:2009/09/13(日) 21:42:48
募集を見た瞬間、脳が自動的にロールシャッハさん@ウォッチメンを選択した俺に明日はありますか?

35 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/09/13(日) 21:51:05

 それもまたよし、よ!来なさい!諸手をあげて受け止めてあげるわ!!


36 名前:名無し客:2009/09/13(日) 23:38:57
本名で覚えてなかったサー。
そういやそんな名前だったなー。

37 名前:◆DOLLmR5Q5A :2009/09/18(金) 22:45:48

「長文を書く」…そんな言葉は使う必要がねーんだ。
なぜなら、オレや、オレたちの仲間は、
その言葉を頭の中に思い浮かべた時には!
実際にレスを書いちまって、もうすでに終わってるからだッ!
だから使った事がねェーッ。

オマエもそうなるよなァ〜〜〜、オレたちの仲間なら…
わかるか?オレの言ってる事…え?

『長文を書いた』なら、使ってもいいッ!


38 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/09/18(金) 22:46:28

 なんていう一部のブッ壊れた人たち(しんぷ&あせるす&あるかあど)はさておき、
わたし達のような一般人はレスを書くのに困るときってあるのよね。

 そういう時は、自分の原典を何回か読み返して雰囲気を掴みなおすとか、好きな映画を
見返してそのシーンをパクルとか、自キャラのイメージに合致するミュージシャンのPV
を見てイメージを膨らませるとか……あんまり参考になら無そうね。

39 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/09/18(金) 22:47:22

 わたしの場合、無理にでも毎日少しずつ書いているといつか突き抜けてかけるようにな
る瞬間があるのだけれど、これって途中でレスを書くのが苦痛になりかねない諸刃の剣な
のよね。せっかくの楽しい遊びが苦痛になったら元も子もないわ。

 一番大切なのは楽しむことだし。


40 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/09/18(金) 22:48:38

 はじめのうちは書きたいところだけ書いてもいいと思うわ。面倒なところは相手に投げ
てしまうのも手よ。それに、あまり完成度を追求しない方がいいわ。こだわり始めたらき
りが無いし。

 まあ、あんまり考えずに気楽にやってみればいいと思うわ。
 私に言えるのはそんなところね。鎌の人。


41 名前:◆DOLLmR5Q5A :2009/09/18(金) 22:51:03

 ちなみにプリマヴェラの外見イメージは若草物語でエイミー役をやった頃のElizabeth Taylor
もしくはPoker Face とか Paparazzi のPVあたりのLady Gaga

 共通点はどこかブッ壊れた奇形的美人。それと、あまりにもうそ臭い染めた美しい金髪。


42 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/09/18(金) 22:57:51

iRobot って書くとApple の新製品みたいで素敵よね。

とかいいつつ、導入に専念するため落ちるわ。
明日も早いから夜更かしは出来ないし。時間は有効に使わなくちゃね。


43 名前:名無し客:2009/09/19(土) 00:42:56
>>27
>3)ヒロシマヤクザ@ドスペラード
誰もつっこまないが、なんたるマッドネスな発想であるか。
コーディ・ブロット@魔女の騎士〜ヘクセン=リッター〜で挑んで、十八禁まがいの赤色闘争を……
なんて妄想したのは秘密さ!

44 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/09/19(土) 23:41:34

>>43
もし>>27において3番が受領された場合は、

ドキ!中年だらけの魔女っ子大殲 フンドシ&臓物ちらりもあるよ!!〜Kimi ni mune kyunn 〜

になったのよね。もちろん、ぬふうな双子が用心棒の「先生!」として出てくるわよ。

 魔女の騎士はおいしいのだけれど、vs ヤクザだと吸血気分が足りないから上でも出てい
るDUSTさんがお勧めね。なんと彼は触手吸血鬼!コーディクンの相手としてはぴったりよ!

 ……ってだめじゃない。それだと魔女の騎士本編と何も変わらないわの!

45 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/09/20(日) 00:01:44

 剣ていえばふつうは男性器の象徴なのに、それが女性格を持っているのも斬新といえば
斬新だったのよね。

 ザジロニアの「もうひとりの女がまたあなたとお床をともにしていますのね」は今でも
名言だと思うわ。


46 名前:プリマヴェラ・ボビンスキ ◆DOLLmR5Q5A :2009/09/28(月) 13:42:01

 ……連日の無理がたたったわね。仕方ないから、ゆっくり休んで帰ってくるわ。






I'll be back !!

47 名前:名無し客:2009/09/28(月) 22:52:43
くれぐれもご療養に専念されますよう。
一日も早いご全快を、我らが<混沌>の神々に祈っております。
 

48 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2009/11/28(土) 23:41:43
 近日再起動予定。

 万全には程遠いけど、そんなものを待ってたらいつまでたっても動けやしないからね。
一週間後をめどに再起動するよ。


49 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/11/29(日) 00:34:04
 
 待ってるよ。
 
 片隅から楽しみにはしてるけど、でも無理はしないようにな。
 年末に掛けては体調崩すヤツだって普通に多いんだからさ。
 

50 名前:名無し客:2009/11/29(日) 15:50:21
取りあえずの御帰還、何よりです。
この上とも一層ご自愛下さいませ。
タイターニア様の1/8フィギュアにお神酒を供えて、御身の快復を祈念致しまする。

51 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2009/12/13(日) 23:50:07

 マリオネタには爆笑。思わず目玉野郎!目玉野郎!といいながらヨッシーにファイヤー
を当て続けるマリオが脳裏に浮かんできたよ。

>>49>>50
 声援ありがとう。今回は本当にやばかったけど何とか復帰できたよ。
まあ、結局2週間かかっちゃったけどね。

 今週からは体調に注意しながらこつこつレスしていきたいと思ってるので、
今後ともよろしくお願いします(ぺこり)

52 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2009/12/20(日) 23:15:01
きょうもマダムキトーの無理難題で一日中駆け回ってたよ。
あー。治ったはずの傷口がなぜか痛む。
……あと1時間ほどレスを書いたらもう寝よう。

楽しみにしていたP3P は開封すら出来ずにいるよブルーレイ版のハゲタカも同様。
外事警察もマネー資本主義(細野晴臣のアレンジ最高)も録画しっぱなし。
戦場の掟&現代の傭兵(//members.jcom.home.ne.jp/fallon/essay.htm)たちも積みっぱなし。

>殺伐
参加はしたいけどその余裕が完全に無し。
あー、流石に元旦は休みだから、誰か何か企画してくれたら参加したいなぁ。
疲れ果てて寝てるかもしれないけど。

>エルロイ
WJは狂気が突き抜けてるからね。ほかも傑作だけど僕はあれが一番好きかな。

>人形遣い
 ぼくも初代の方が好きかな。人形遣いの変化により2.0だとのほうだと物語の意味合い
がだいぶ変わってしまった様に受け取れたしね。主題そのものの意味合いがね。

53 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2009/12/20(日) 23:21:38

>ナデシコ
ブラックサレナの造形は最高だったんだけどね……。
近年ではペルソナ3のタナトスのデザインがあれに匹敵するかっこよさかなぁ。

54 名前:名無し客:2010/01/04(月) 23:19:59
まだ依頼は受け付けているのだろうか?
バットマンではなくアメコミ系でもないが
不殺系で1人なかなか面白いヒーローを見つけたので
田上様とぜひ一戦交えてみたいのだが

55 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/06(水) 21:32:49

 ……けっきょく年末年始は普通に仕事だったよ。
マダム・キトーはひと使いが荒すぎるんだ。

でもそのぶん明日明後日は休みがもらえたよ。
これでようやくレスの続きに取り掛かれる。

>>54
 もちろん受け付けてるよ。募集スレのほうで正式に名乗り出てくれれば逃げも隠れもせ
ずにお相手するよ。……ぼくがじゃ無くて田上さんがだけどね。

 開始時期なんだけど、そちらの準備が出来次第でどうだろう?ぼくの方は今月は余裕が
ありそうだからブロムヘッド氏との戦いと同時進行でもと何とかなりそうだと思う。とい
うか来月からはまた地獄進行になりそうなんで、今月中に片をつけられないと決着が長引
きそうなんだ。
 もし君さえよければ正式な会議室はミスタ・ブロムヘッドとの戦いで使ってるから。こ
のスレを会議室代わりにして進めたいんだけどどうだろう?

56 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/06(水) 21:38:35

 いまさらになるけど今回と前回のドリフターズを読んだんだ。
 すごいね盛り上がり方が半端じゃない。特に廃棄物側が凄すぎる。ネタバレになるから
詳しくはいえないけど、廃棄物側の日本人とフランス人はずさっちんにはたまらない人選
じゃないかな。かくいうぼくも興奮したよ。あの旗を見た瞬間に震えがはしった。
 
 ……フランス人は旗を見た瞬間はあの人じゃなくてお供の方だと思ったんだけど、普通
にあの人だったね。でも逆十字があの人ならばもうひとつの方の紋章は誰なんだろう。

57 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/06(水) 21:40:37

 ただ、ぼくとしてはフランス人や日本人よりもロシア人が内親王陛下だったことにびっ
くりしたよ。戦えるの?ってね。ヤンでる系の雰囲気全開だしね。

58 名前:名無し客:2010/01/06(水) 21:43:15
うむぅ。ロールシャッハさん@ウォッチメンかアルクベインで名乗りを挙げようと思ったが
ここは譲るか。

あと土方さんは某漫画家として生きているから(ry

59 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/06(水) 22:07:12
>>58
 あー、ロールシャッハさんはおいしいキャラだから捨てがたいんだけどなぁ。
三つ巴は決着に時間がかかりすぎるからね。うーん、どうしようか。
 というかロールシャッハさんはやってることは犯罪者なのになぜか心にぐっと来るもの
があるね。

60 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/06(水) 22:11:31

 ドリフターズがアツすぎて祭りがやりたくなってきたね。何かネタはあったかなぁ?
 ……そういえばどこかの世界では今月末はNYXが降臨する予定の日だったっけ?

 でもNYXには勝てないから代わりに神様つながりでセトかブラッドナイトでも呼ぶ?
いや、冗談だけどね。そもそも最近は主催できる人たちはみんな忙しそうだしね。

61 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2010/01/06(水) 22:27:46
 
 祭りか。今やってることが終わってからなら、俺も今月初旬なら参加できそうなんだけどな。
 
 ……主催ってのはムズそうなんだよな、ハタから見てても。
 全体の流れを取りまとめなきゃいけないわけだし。
 
 なんにせよお疲れ様。
 今やってる方を楽しみにさせて貰うよ。
 

62 名前:名無し客:2010/01/07(木) 03:25:31
>>54
今起きたばかりだ、中途半端な時間に寝るものではないな
で、今回、田上様の相手を勤めるために
盾雁人@闇のイージス
を用意している

詳しいことは原典をブックオフなりネットカフェで
チェックしていただければと思うが
まずはどうだろうか?



63 名前:名無し客:2010/01/07(木) 03:27:54
アンカーミスだ
>>55だったな


64 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/08(金) 22:41:27
とりあえず両ルートのラスボスの布石は打てたので、あとは粛々と闘争を進めるよ。

>>61
 期待に沿えるよう全力で頑張らせてもらうよ。
祭りは舞台を用意するのも大変だけれど、それ以上に進行管理が大変だからね。主催をやっ
たら途中で寝オチなんてするわけにはいかないし。ぼくには無理だよ。……導入の一部と
中ボスぐらいなら協力できるかもしれないけどね。

>>62
 ああ、彼だね。バタフライが登場したあたりまでなら把握してるから大丈夫だと思う。
 導入に当たってのこちらの設定としては、田上さんは日本でいろいろやりすぎてしばらく
国外へ脱出、今度は倫敦で「いらないもの」を大処分中ということで。
 それと田上さんは原典では大人の事情で警備官(入国警備官ではない)となってるけど、
どう見ても警察官なので、今回の闘争では警察官に設定変更します。それの方が悲劇で家族
を失った元警察官同士の闘争になって面白いと思うしね。

>>58
 というわけですまないけどロールシャッハさんとは今回はご縁が無かったということで。
彼は本当においしいキャラだからぼくも惜しいんだけれどね。悪即斬vs不殺のほうが対比が
出来てわかりやすいと思うから今回は申し訳ないけどお休みということでいいかな?

65 名前:名無し客:2010/01/08(金) 22:56:43
>>64
名乗りを挙げるのが遅かったからしゃーない。

というか>>54氏の提案と背景を鑑みるとジーザス居てもおかしくなさそうだよね。
人身売買組織だし。子供誘拐だし。

66 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/08(金) 23:24:26
>>64
提案受け入れて頂き感謝する
君も書いてはいるが、彼は俺が辿ったかもしれぬもう一つの姿ともいえる
ゆえに放っておくわけにはいかないと思ったのでな

ちなみに本来の依頼は
あくまでも人身売買組織のボスの逮捕・確保だそうだが
少し修正を加えてもいいか?
実はその組織のボスは警察上層部に多額の献金をしており
その為、表向きは逮捕命令だが、突入部隊は不可抗力での抹殺を目的とした
刺客たちというのはどうかな?
その攻防戦の最中に田上と俺が乱入、あるいは敵味方双方すでに
田上が殺し尽くしてあとはボスのみというところでの登場でもいいが

で、俺はそのボスが若き日に戯れで登録した
骨髄バンクの適合者が今になって現れたと言う事で
田上から(本来は暗殺部隊から)病院まで護衛するというシチュエーションを考えている

もちろん護衛の見返りは頂く
そいつがいつも肌身離さず付けている組織の全データが入ったUSBメモリだ
そいつを欲しがっている殺し屋がいるものでな

と、こちらはそういう感じでいこうかと想定しているが
どうだろうか?

67 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/09(土) 20:15:21

何とか帰宅。今からレスをきりきり書くよ。

>>65
ジーザスは傑作だったよね。
確かに彼の設定は今回の依頼の設定によく合うよね。
実際今回の闘争でもそれらしき影はちらついているようだし。
ちなみにあの作品の中でぼくが好きなキャラは、とr(何処からか狙撃されました)


>>66
じゃあ、その方向でいこうか。

経過としては

襲撃部隊が突入
→ボスの部下が反撃
(ここまでは2〜3行程度にまとめてしまおうか)
→その隙にボスは逃走。別働隊の待ち伏せを受けるが、楯さんが乱入してボスを逃がす
→ボスの部下を片付けた襲撃部隊が追撃しようとしたところで田上さん乱入。
→激しく血祭り
→そんな状態になっているとは露知らず楯さんとボスは逃走中
→血祭り終了。田上さんボス追撃

の流れはどうだろう?

 襲撃部隊の連中は北斗の拳に出てくるようなステッキーな連中にすれば、田上さんとし
ても遠慮なく殺害できるのでその方向でいこうかな。


しばらくLANケーブル引き抜いてレスに集中するけど、2〜3時間ほどしたらまた来るよ。

68 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/09(土) 21:50:15
>>65
今回の件はあいつの介入を防ぐためでもある
あいつの本質はもう殺し屋ではなく教師だからな
未来の導き手たらんとしてる男の手を
安易に血に染めさせたくはないだろう?

>>67
アイデア拝見した
俺の案としては、組織も襲撃部隊も全滅
ボスを残すのみとなって
「その足で子供たちを浚って歩いたんだね、いけない足だね」
と田上が刃を振おうとしたとき、横合いから登場という感じにしたい
いかがだろうか?

で、アジトではあくまで小手調べだ、
俺は病院まで逃げるので、きりきりと追いかけてきて貰おう
アジト→逃走経路→病院前という感じでのチェイス戦闘なんて
いかがだろうか?

で、時間についてだが
1日2レスくらいならば大丈夫
22時以降ならばリアルタイムでもOKだ

69 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/09(土) 22:03:08
ああそれとそちらの戦闘能力だが
吸血鬼らしいパワーとスピードと再生能力を持つが
急所を潰されれば死ぬという認識で構わないだろうか?

ちなみにこれは余談だが
吸血鬼たちが氾濫、闊歩するソドムと化した
千砂倉の街はあの後、特殊退魔部隊の手により
浄化されたということだ
世間では直下型地震という話になっているがな…

そういえばハンターの襲撃からたった一人仲間を盾にするかのように
生き残った奴がいるらしいが…

70 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/09(土) 22:37:50

>>68
 そうだね、そちらの展開の方がわかりやすくていいと思う。
 考えてみればモブの虐殺はミスタ・ブロムヘッド戦でもやりそうなので似たような展開
になってしまいそうだからね。
 というわけで組織の人たちと襲撃部隊には導入以前の段階でさくっとお亡くなりになっ
ていただきます。合掌。

 チェイスの方も了解。ジェイソンやシザーマンばりに容赦なく追いかけさせてもらうよ。

 ぼくの方は今月は割りと暇なので、ほぼ毎日21時には来れると思う。先に来て返せる
レスがあれば返しておくよ。


>>69
 原典どおり脳と心臓が弱点ってことでいいと思うよ。身体能力は人間よりも数段上で、
再生能力は高いけど瞬時の復元は無理だったはず。そのあたりはもう一度原典を確認して
みるよ。

 そうかあの街はやっぱり滅びたんだね。滅びるべくして滅びたって感じかな?それに関
しては死都倫敦も同じなんだけれどね。


 生き残ったその吸血鬼がどうなったかは……それはそれでまた別のお話、かな?


 こちら側の導入案は月曜日の夜までに死ぬ気で頑張ってみるよ。

71 名前:小泉純:2010/01/10(日) 22:33:14
>>69
大変だったんだよ

俺は先祖にかなり強力な吸血鬼がいたおかげで、精神汚染も血の渇きにも
無縁で吸血鬼の身体能力だけを手に入れたチートな奴だけど
その分、壊れていく街の様子を見るのが辛くて…

バット片手に他の地区からの侵略を追い払ってる間はまだマシで
そうこうしてる間に自分の所からも吸血鬼が増えだして
しかもリーダーはあの優しかった斎藤さんの奥さんだしさ
で、アホらしくなって荷物まとめて実家に帰った数日後にあの惨事が起こったんだ
マスコミは自然災害とか言ってるけど…
俺には何が起こったのか想像はついてる

ごめん…関係ない話なのはわかってる
でも誰かに聞いて欲しかったんだ
それと田上さんは親切な人…なんだ、ホントは
それも知っていて欲しかったんだ、じゃ

72 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/11(月) 00:38:33

 自分のレスをまとめて読み返したんだけど、いろいろとミスが多いなぁ。

例)
誤【ピュグマリオン(ミスタ・ラッセル)】
正【ピュグマリオン(ミスタ・ウォレス)】

まあいいや。あとで直そう。


>>71
 ようこそ舞台裏へ。生存者さん。
 たいしたもてなしは出来ないけど歓迎はするよ。

 日常は突然崩壊するものだからね。ぼくたちの場合だってそうだった。
 大事なのはどんな状況になったって生き延びてやるって意思さ。

 田上さんは基本的にはいい人なんだけど、転化でブーストかかっちゃってるからね。
 ああなっちゃうともうアクセルだけでブレーキが無い状態だよ。
 自分じゃもう止まれない。止めてもらっても大破する。……救えない話だね。


 さてそろそろぼくも帰るかな?
 明日はブロムヘッド戦のレスとイージス戦のレスを頑張らなくちゃいけないしね。

73 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/11(月) 21:33:36
>>72
それでも俺は奴の中の警官魂を信じる
この俺がそうであったように、人はいかなる絶望に打ちひしがれようとも
やりなおすことができるのだから

ところでここで話を進める形でいいのか?
一応今から待機に入るが

74 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/11(月) 21:53:41
>>73
そうだね。むこうの会議室は別の闘争で使っているからこちらで進めよう。
いまから導入案を張るから、もう少しだけ待っててもらえるかな?

75 名前:◆DOLLmR5Q5A :2010/01/11(月) 21:57:47







第4話 「BEHIND THE MASK / JUSTICE 」 (Aegis vs Shingo Tanoue )





.

76 名前:◆DOLLmR5Q5A :2010/01/11(月) 21:58:09






―――この世界には、いらないものが多すぎる。





.

77 名前:◆DOLLmR5Q5A :2010/01/11(月) 21:58:52

 大切なものを奪われた人は、どうすればいいのだろうか。


 あきらめればいいのだろうか。

 なけばいいのだろうか。涙枯れるまでなけばいいのだろうか。

 嘆けばいいのだろうか。絶望の深さに嘆き続ければいいのだろうか。

 怨めばいいのだろうか。いつまでも怨み続ければいいのだろうか。

 憎めばいいのだろうか。身を焦がすほどに憎めばいいのだろうか。

 あきらめればいいのだろうか。あきらめてしまえば楽になるのだろうか。

 忘れればいいのだろうか。記憶に蓋をし、忘れ果てればいいのだろうか。


 復讐スレバイイノダロウカ。肉ヲ切リ裂キ骨ヲ砕キ内臓ヲブチマケ殺シ尽クセバイイノダロウカ。


 大切な人を奪われたものは、いったいどうすればいいのだろうか。



78 名前:◆DOLLmR5Q5A :2010/01/11(月) 21:59:55

>>

 赤い部屋だった。そこはあまりにも紅い部屋だった。
 そのアカはすべて血。噴き出す血の色が変哲の無い部屋を真紅の装飾で彩っていた。

 それは殺戮の後の風景。
 臓物はぶちまけられ、手足は飛び散り、眼球は床に転がり、人体は肉塊と成り果てる。

 それは虐殺の後の風景。
 毛足の長い絨毯はたっぷりと血を吸い、歩くたびにジュクジュクと音をたてる。

 そんな赤く染め上げられた部屋の中に、一人の男がいた。大きな男だ。そして異様な男
だった。極東の島国の警察官が身につける制服を纏い、腰のホルスターには回転弾倉式の
拳銃を収め、左手には大きな鉈を持ち、顔にはアイスホッケーのキーパーがかぶるような
無機質な仮面をかぶって、そして右手には頭を鷲掴みにし一人の男を引きずっていた。

 彼は人間一人を軽々と引きずりながら、部屋にいるもう一人の生存者へと近付いていっ
た。壁際にへたり込み、恐怖のあまり小便を垂れ流す男へと近付いていった。その男こそ
がこの組織のボスだった。

「やあ、またせたね。ようやくきみの番だ」

 仮面の男がそう声をかけた。マスクごしの声はとても穏やかでこの光景にはあまりにも
不釣合いだった。まるで幼子にでも語り掛けるかのような声だ。

 その声にボスはいやいやと首を振り泣いて許しを乞い嘆願する。

「だめだよ。きみはこの中で一番責任があるのだから、そのぶんいままでやってきたこと
すべての償いをする義務がある」

 仮面の男はそういって無慈悲に首を振る。

「さて、さっそくはじめようか。……ああそうだった。始める前に一つ聞いておきたいこ
とがあったんだ。君たちがあの可哀想な子供達を売りさばいた相手のリストなんだけど、
いったいどこにあるのかな?」

 その言葉を聞いて、あれほどすべらかに命乞いを述べていたボスの口が言いよどむ。

 仮面の奥で男の眼が細められた。だが、仮面の男の口が開きそうになったその瞬間、床
に投げ出されたほうの男、引きずってきたほうの男が呻き声をあげた。


79 名前:◆DOLLmR5Q5A :2010/01/11(月) 22:00:28

>>

「ああ、そうだ。まだ生きていたんだったね」

 いけないいけない。忘れていたよ。そんな気軽な口調で仮面の男は言うと、無造作にそ
の頭を握りつぶした。

 脳漿が飛び散りボスの顔に降り注ぐ。ボスは声にならぬ悲鳴を上げ、全身を痙攣させる
かのように身をよじり、床を這いずって逃げようとする。恐怖のあまりまともに歩くこと
もできないのだ。

 芋虫のように床を張って進む男。その動きが止まる。急に辺りが暗くなったのだ。いつ
のまにか影が彼に覆いかぶさっていたのだ。震えながら顔を上げればそこには回り込んだ
仮面の男が立っていた。

「いけないこだね。もう一度だけ聞くよ。君たちがあの可哀想な子供達を売りさばいた相
手のリストはいったいどこにあるのかな?」

 不気味なほどに優しい声。その声にボスは絶望の表情を浮かべながら、一瞬だけ視線を
胸元に落した。 男の首には不釣合いな十字架がかけられていた。質素で品のいい正教の
十字架だ。

「なるほどそれがメモリになっているんだね。よくわかったよ」

 仮面の男はそういって頷く。その様子に不気味なものを感じたのだろう、ボスは尻をつ
いたまま身体を引きずるように後ずさる。だが、すぐに壁際にぶち当たりそれ以上さがれ
なくなった。

 仮面の男は頷きながらゆっくりと歩みより、尻餅をついたボスと視線を合わせるように
しゃがみこむと彼の肩をぽんっと叩いた。

「よくわかった。……では、はじめようか。まずはその悪い足だ。その足で可
哀想な子供達をさらってきたんだね」

 仮面の男はそういって血と脳漿にまみれた右手でボスの左足を掴み、左手の鉈を大きく
振りかぶった。


80 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/11(月) 22:01:39

とりあえず暫定版だけどこんなところで。
要望があったら遠慮なくいってほしいな。善処するから。



81 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/11(月) 22:16:36
いや、実にいいな、これでいい
さて、どうする?
俺としてはこのまま続けるのもありだと思うが

82 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/11(月) 22:20:50
じゃあこれでいこうか。
このあとはそちらのレスが続くということで。

この闘争のはじめのレスだし気長に待つよ。
自分で満足いくのが書きあがったらこのスレにはってほしい。

83 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/11(月) 22:38:06

一連の闘争の登場人物たちをネタ的に分類するよ。
今回は1話目のぼくたちがモチーフだね。


 イギー&プリマヴェラ
 アルカナ: VI.恋愛
 属性:カオス/ニュートラル

 アルカナが恋愛の理由はわかってもらえると思う。
 属性は、社会的な規律よりも自分たちの幸福を追求するからカオス。暗殺を生業にして
るけど、それは状況のせいもあって純然たる悪人じゃないからニュートラルで。ただプリ
マヴェラだけならばダークよりかもしれないけど。種族的特長のせいで、だけれどね。

 ちなみにぼくだけの場合は属性は変わらないけどアルカナはX.運命になるよ。

84 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/11(月) 22:38:45

補遺

VI.恋愛
正位置の意味
合一、恋愛・性愛、趣味への没頭、試練の克服。

逆位置の意味
誘惑、不道徳、結婚生活の破綻。

(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

85 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/11(月) 22:40:43
>>楯雁人さん

 そうそう、基本的に12時過ぎて反応が無かったら寝オチだと思ってほしい。
朝が早いからどうしても早寝になってしまうんだ。すまないね。


86 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/11(月) 22:54:07
ああ、一つだけ
田上の頭で人身売買のリスト云々とかメモリとか理解できるものなのか?


87 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/11(月) 23:00:59

 理性はぶっ飛んでるけど知性までは消滅してるわけじゃないから大丈夫だと思うよ。
 輸血箱のほうでも標的が集まるのを待って殺すとか、拾ったスタンバトンを使うとかい
ちおう頭を使ったことが出来るわけだしね。

 彼は壊れた機械が暴走しているイメージかな?認識はおかしくなってるけどその壊れた
認識ながらに筋道の通った行動を取ってる感じで。


88 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/11(月) 23:01:12
「遅かったか!」
俺は血の匂いで充満した建物を前にし、舌打ちする
襲撃の時間が早まった、という連絡を受けて急ぎ車を走らせたのだが
しかしいくら何でも…

と、そのときだった
屋上からふらりと身を躍らせ路上に叩きつけられる影
身なりからして襲撃部隊の一員のようだ、だが
「ばっ…化け物っ…」
それだけを吐き出すように叫ぶと男はそのまま気を失ってしまった。
とにかく、前に進まねば話にならない。
まして今回の依頼は…
俺は気を取り直してビルの中に進入したのだが…。

「何だこれは…」
そこに展開されていたのは余りにも異質な光景、
死体・死体・また死体、
しかもそのどれもが原型を留めていないのだ。
そう、どれもまるで泥人形のように握りつぶされている。

そして俺を驚かせたことがもう一つある
組織は今回の襲撃を予測し、アジトに誘い込んで殲滅する作戦を立てていたそうだ。
ゆえに襲撃部隊の進入路にはいくつかのトラップが仕掛けられている、が
今回の襲撃者にはそれを解除した形跡がまるで見当たらないのだ。

だが罠が発動しなかったわけではない。
文字通り無造作に、弾丸やナイフやワイヤーを物ともせずにただ進んだ。
そうとしか形容できない有様…余りにも異質、これではまるで…

俺の予感は常人ならざる力で文字通り叩き潰されたオート錠を見て
確信に至った、噂には聞くが遭遇するのは初めての相手
だが、それでも…

俺は最後のドアを開け
いままさにナタを振り下ろそうとするそいつの横面に蹴りを見舞い
「下に車がある!」
護衛対象の前に立つ
ゆらりと振り向く血にまみれたマスクの奥の目を見るのがいやで
俺は少しだけ視線を逸らした。

89 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/11(月) 23:03:19
と、こんな感じだな
まずは軽く力量試しといこう、

俺とあんたが戦ってる間にボスは下の車に乗り込むという寸法で
車は指紋認証だから、俺以外には動かせないということで

90 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/11(月) 23:07:34

確認したよ。1時間以内には返そうと思う。


91 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/11(月) 23:08:32
あと質問
楯雁人の名を出したら、あんたはわかるのか?

92 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/11(月) 23:15:51

 うーん。どうだろう。元警察官としては……多分わからないかな。
SATの人員は同僚にも秘密だったと思うし。

 守り屋のイージスに関しては、知っていてもおかしくないと思う。裏の世界では有名な
わけだからね。裏の世界をさまよううちにその名を耳にしていてもおかしくは無いかな。


93 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/11(月) 23:17:50
そうか、なら俺のことを
「金さえもらえればどんなクズでも護る最低の男」と認識してる可能性もあるわけだな

94 名前:◆DOLLmR5Q5A :2010/01/11(月) 23:42:18

>>

 これほどいい一撃をもらったのはいつぶりかな?場違いにそんなことを考えながら仮面
の男は立ち上がった。大丈夫だ、さほどのダメージは無かった。これなら「処分」を続け
るのに問題は無い。

 脱兎のごとく逃げていくボスの姿を視界の隅に捉える。彼はとても悪い男だ。逃がすな
んてとんでもなかった。早く追いかけて処分しなければ。

 その思いを行動に移すべくボスを追いかけようとするが、その前に乱入してきた男が立
ちふさがる。それを見た仮面の男の動きが一瞬だけ止まった。捕食者としての、吸血鬼と
しての本能が訴えていた。これは厄介な相手だと。動作に隙が無かった。そして身のこな
しはしなやかで力強い。間違いなく強い。

 そしてこの状況において強い相手と戦うということは時間を浪費し標的を逃がしてしま
う恐れがあった。それは最悪の事態だ。
 
「困ったね。追いかけてはやく彼を処分したいんだがどいてもらえないかな?」

 優しくそう語り掛けるが男は動く様子が無い。仕方が無かった。こうしていても時間が
どんどん過ぎていくだけだ。

「そうか。邪魔をするなら仕方ない。……力ずくで通らせてもらうよ」

 仮面の男はそういうと、その巨体からは想像も出来ぬような素早さで突進する。原始的
で単純な行動。だが考えなしの行為ではない。これは己の体格と吸血鬼としての身体能力
を最大に活かした戦法だ。

 突進しながらに左手の鉈を振り上げ思い切り振り下ろした。強力な威力を誇る一撃が乱
入者へ向けて襲い掛かった。


95 名前:◆DOLLmR5Q5A :2010/01/11(月) 23:42:38

 体術ではそちらの方が数段上だろうからね、あったり捌いてしまってかまわないよ。
 まだそちらの「腕」にも気づいていないしね。

>>93
 現状ではそうかな。
 ただ、イージスの名前を聞けばそうは思わないと思うけどね。
 ポリシー込みで有名だろうから。

96 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/11(月) 23:49:20
早い!もっとも早いだけで鋭さも何もない無造作な一撃
だが、それは俺が経験したどんな突撃よりも重く、早い
質量を伴った銃弾とでも言うべきか。

俺は振り下ろされるナタを払い、そのまま足払いを掛ける
相手は苦もなく転倒する。

体術の心得はあるようだが…それ自体は俺の敵ではない。
が、払った時の衝撃で銃弾をも弾く超合金の義手が軋む
初めての経験だ。

それに何よりも俺を驚かせたのはその装備だ
六連装のリボルバー、そして警棒、なによりその制服
それは俺もかつて袖を通した日本の警察官のそれだったからだ。

「お前は日本人か!、何故ここに
そしてどうしてこのようなことをする!」

無駄なことだと知りながらも聞かずににはいられなかった
暫しの静寂、ただボスが非常階段を駆け下りる音だけが響いていた。

97 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/12(火) 00:04:34

確認したよ。悪いけどあと一回レスしたらぼくは落ちるよ。
続きはまた明日以降にでも。

98 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/12(火) 00:06:44
ああ、では明日の…何時頃からがいいだろうか?
俺も21時にはこちらで待機可能だが

99 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/12(火) 00:10:37

 じゃあ21時ごろからで。ブロムヘッド氏との闘争もあるからレスの速度は遅くなると
思うけどそれでも1日2レスは頑張ろうと思う。

 少し時間がかかりそうだから先に休んでくれていいよ。じゃあまたあした。


100 名前:◆DOLLmR5Q5A :2010/01/12(火) 00:31:16
>>

 懐かしい響きが耳奥でこだました。これは、日本語だ。この国に来てからご無沙汰だっ
た彼の母国語。こんなところで聞くはめになるとは思わなかった言葉だ。

 そんな淡い懐かしさを感じながら、ゆっくりと、だが隙を見せぬようにして起き上がる。
猛獣のように起き上がる。
 体術は相手のほうが数段上だった。驚くべき事態だが、それ自体は想定の範囲を大きく
超えるものではなかった。真に驚くべきなのは、いくら腕が立とうともただの人間が身体
能力で上回る吸血鬼を制したことだ。

 身体能力が上回る相手を優れた技量で御する。言うは易しだが実際に行うのは生半なこ
とでは不可能だった。それも吸血鬼を相手に人間が体術で制するとは。それは驚異的なこ
とだ。素手で灰色熊を相手にするよりも難しかった。

 そして、驚くべきことはそれだけではない。やつの腕だ。手馴れたいまでは人体を容易
く両断するほどになった彼の鉈の一撃が、あっさりとはじかれたのだ。普通ではない。生
身の腕では不可能な芸当だった。

 特殊な腕?日本人?そのキーワードから脳裏に何かが走る。何か思い出しそうだったが
それはすぐに立ち消えた。今はそんなことを考えている場合ではなかった。早くいらない
ものを処分しなくては逃げられてしまう。

「ああ、君も日本人なんだね。これは、驚いたな。こんな所で日本人に会うなんて」

 そういいながら仮面の男はさりげない動作で右手を腰の拳銃へと伸ばす。

「なぜ?おかしなことを聞くね。決まっているじゃないか。いらないものは処分しなくちゃ
いけないだろう?そう、この世にはいらないものがたくさんありすぎる。そしてそれはどん
どん増えていくんだ。だから毎日毎日一つでも多く処分しなければ、不幸な目にあう人々が
どんどん増えていってしまう。だからこうやって処分しているんだよ」

 言うや否や彼の右手が拳銃の銃把を掴み跳ね上がる。瞬時に照準。銃声がひとつに聞こえ
るほどの速度で、銃弾が連続して撃ち出された。

101 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/12(火) 00:33:08

 少しべらべらしゃべりすぎかと思いつつもこんなところかな。
 じゃあ続きはまた明日。

102 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/12(火) 01:00:39
「確かにそうかもしれない!だがそれでも…」
なんだこいつは
言い返すこと自体はさして難しくもない
だが、何かがおかしい…
その違和感が俺の口を噤ませる。

「俺の存在ある限り、誰も死なせるわけにはいかない!」
実際、そう叫ぶのがやっとだった。
セオリー無視の突然の銃撃、
さらにそのトリガースピードが常人のそれを、
あまりにも上回っていた、というのも理由の一つかもしれないが…・

銃弾を弾くこと自体は造作もなかった
だが、あまりにも至近であったが故に、その回避行動は隙を生む
人間相手に付け入られる筈もないほどの僅かな隙
しかし…奴相手にとってそれは…

103 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/12(火) 01:03:58
うむ、ではまた明日だな
今後だが、次は力比べといきたい
吸血鬼の膂力をもってギリギリ締め上げてくれ

で俺は辛くも脱出→あんたが追跡という展開で行きたい

104 名前:◆DOLLmR5Q5A :2010/01/12(火) 20:49:33
>>

 刹那の間にすべては進行した。

 ―――1。

 ニューナンブより発射された銃弾が男めがけて突き進む。

 ―――2。

 だがその弾頭は男の「腕」により弾かれる。

 ―――3。

 男は銃弾を完全に見切り、それを完全に防いでいた。なんという恐るべき技量だろうか。

 ―――4。

 だがその男と相対する仮面の裁断者も尋常な存在ではなかった。

 ―――5!

 5発の銃弾が発射され、回転式の弾倉が空になる。それと同時に仮面の男の足が床をけっ
た。あまりにも強く蹴られた床が火薬が破裂するかのような音を立てる。男の身体は爆発
したかのごとき勢いで加速。一気に間合いをつめる。

 間合いが詰まるまでのほんの一瞬。その一瞬で仮面の男は鉈を男めがけて投擲した。
相手の体勢は崩れていた。さきほどのようにやすやすとかわされることは無いはずだ。

 血で赤くぬめる兇刃が、空を断ち切り乱入者へと迫る。

 それと同時に仮面の男は両腕を広げ、男めがけて組み付いていく。狙いは明快だった。
技で勝てぬ相手ならば、その技を使えぬ状態にして力でねじ伏せればいいのだ。単純な
力勝負なら、人間が吸血鬼の膂力に勝てるはずが無いのだから。

105 名前:◆DOLLmR5Q5A :2010/01/12(火) 20:54:02

 逃亡の際はやっぱりあれだね。リアトランクに鉈を突き立てて(切っ先ないけど)、
天井に飛び乗って「コンニチハ」みたいなかんじでやりたいかな。

……「コンニチハ」は冗談だけれど。

 まあ、まだ車に乗るのは先になるのかな。

106 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/12(火) 21:25:17
>>104
慣性を無視したような、明らかに人間の身体・反応速度を無視した挙動で
目の前の男は動く。
まずは視界に飛び込む凶刃、払えばスキが出来る。
俺は僅かに背中を逸らして投擲されたナタを避ける
それ自体は大したことではない、ライフル弾すら見切る俺にとっては、
だが、そこからさらに迫り来る質量までをも避けることは不可能だった。

「むうっ」
伸びる拳を払ったつもりだったが
しびれるような感触を残したのみで、軌道を変えることまではできない。
俺は仕方なく義手を使い、俺の喉を押しつぶさんとする凶悪な掌を遮るしかなかった。

だが…
ミシミシ…
軋んでいる…いかなる強敵相手をも、"蝶"すらも退けた"ミネルヴァ"が、
その恐るべき膂力に俺は戦慄を…ゼロやアスラン、ジーザスにも匹敵する…
を、感じ始めていた。

非常階段から地上まであと僅か…しかし。


107 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/12(火) 21:29:11
>>105
少々、遅れてしまった
次で俺は逃走に移る、少し早いだろうか?
逃走手段としては、閃光手榴弾か
それとも何者かの援護射撃、いや狙撃というのもアリかと考えている

それから余談だが、俺は閃光手榴弾の直撃をくらっても普通に動けたりする

108 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/12(火) 21:58:12

 確認したよ。なるべく早く返すようにするけど、今日は同時進行だから気長に待ってい
てくれるとうれしいな。

109 名前:◆DOLLmR5Q5A :2010/01/12(火) 22:56:06
>>

 人をやめた彼の力ならば、ただの人間など容易く押しつぶせるはずだった。そう、はず
だった。だというのに目の前の男は押しつぶされるどころか彼に匹敵するほどの力で押し
返してくる。

 この男も人間(ヒト)をやめた存在なのだろうか。違う。ただの人間だ。夜族特有の闇
の気配などしてはいなかった。ならば、何か仕掛けがあるはずだった。

 仮面の男は全力で腕を突き出しながら、目の前の男の様子を伺う。いままでの戦闘を思
い返す。そして気づいた。

「なるほど。その【腕】が特別なんだね」

 刃や銃弾をはじいた時点では手甲か何かをつけていたのかと思ったがどうやら違うよう
だ。パワードスーツの腕部をつけている?いや、それも違う。この感触は機械仕掛けの義
手だ。

 タネさえ割れれば簡単だった。男は彼に匹敵する力を持っていた。だがそれは腕だけの
話だ。ならば、このまま体重をかけて体ごと押しつぶせばいい。恵まれた上背を利用し、
鍛え上げられた体格を利用し、吸血鬼としての怪力を利用して、上から押しつぶすように
腕を強く突き出す。

 だが男は倒れない。だが男は潰れない。彼の豪腕を受け止め立っている。

 仮面の奥で彼は目を見開く。今度こそ真に驚愕していた。そして目の前の男を、「つい
で」ではなく、ただの「障害」でもなく真に敵として認識する。敵として認識し、闘争本
能を殺意を高める。片手間ではなく全力で殺すことに集中する。

 右腕の銃を床に落とした。開いた右手を全力で握り締めた。この体勢ではかわしようが
無いだろう。いかに腕が特別製でも身体はそうではないはずだ。


110 名前:◆DOLLmR5Q5A :2010/01/12(火) 22:58:57

 遅れてごめん。こっちはボディブロー狙いで。
 脱出方法はお好きにどうぞ。閃光榴弾でも狙撃でも何でもオッケーだよ。
逃げたら少ししてから追いかけるから、何処まで逃げるかはそっちに任せる。


111 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/12(火) 23:24:02
>>109
腕を潰せないと見るや、男は俺の身体そのものを押し潰しに掛かる。
無論黙ってされるがままではない、先ほどから何発も膝蹴りを入れているのだが
そのたびに男は不気味なうなり声を上げるだけで、まるで動じない。
反応から見て、痛みそのものは感じてはいるのだろうが。

声が聞こえる…穏やかな声。
しかし、その声はちっぽけな獲物への嘲笑にしか聞こえない。
血に汚れたホッケーマスクの隙間から牙が覗く
それはどんな肉食獣のそれよりもおぞましく思えた。

血に濡れぬるぬるとした床は踏ん張りが利かない。
この状況でパワー勝負に持ち込まれたのは失策だった…。
そういえば、そろそろ護衛対象は地上に辿りついた頃だ。

ずるずる…
じわりじわりと俺は壁際に追い詰められつつある。
このままでは腕もろともペシャンコだろう…。
こうなれば…

「おい…俺の腕がそんなに気に入ったか?」
「なら…くれてやる!」
壁に叩きつけられる寸前に俺は右腕を外し、するりと男の懐から抜け出す。
男もそれに気がつくが、勢いが付きすぎてただ振り向くのがやっと、

そして俺はそのタイミングを見計らったように、コートのポケットから
閃光手榴弾を取り出し、思い切り床に叩き付けた。
凄まじい閃光と轟音、その中に紛れてかちりと床に俺の腕が落ちる音。

俺は男の唸り声の聞きながら、腕を拾うと、
そのまま窓から階下に飛び降りる。
視覚は未だ戻らず、おぼろげな聴覚を頼りにさらに走って3秒
俺の車だ。

「おい!この車エンジンかからねぇぞ!」
喚く護衛対象を助手席に押しやり、俺は指紋認証でエンジンをかけ
その場を後にする。

ちなみに視覚が完全に戻ったのは、
信号を2つほど通過した後だったと言うことは
些細なことだろう。


112 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/12(火) 23:39:31

 確認したよ。1時間以内に返せなかったら明日返す。
なるべくなら今日返したいんだけどね。

 ものすごい勢いで追いかけるから期待して待ってて。


113 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/12(火) 23:44:24
こちらのレスはもう用意、というか
2ndステージの導入はすでにある程度書きあがってる
そちらのレスが投下され次第、こちらも投下するので
間に合うようならば目を通してくれると有難いな

114 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/13(水) 22:16:19
今夜はどうしたのか?
ひとまず待とう

115 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/13(水) 23:08:10

 ……いま帰宅。

 今月は比較的暇とはいえこういう日もあるさ。すまないね。
 ……くそ、マダム・キトーめ。

 頭の中である程度出来上がっているから、いまから書くよ。なるべく急いで。
 せめて1日1レスは返さないといつまでたっても終わらないからね。




>>どこかのかみさま

一つの国(スレ)にひと柱の神
信者(レス)の数によってその威勢が決まる情け無用の弱肉狂食
かくしてこの一刻の国は群神割拠のネオ☆戦国時代へと突入した。

……それはそれで、また別のお話。



っていうのはもちろん冗談だけどね。新しい試みだ。かげながら応援してるよ。

(イグナッツは一刻館在住の神様達を温かい目で応援しております)


116 名前:◆DOLLmR5Q5A :2010/01/13(水) 23:45:08
>>111

 閃光によって、白い闇に覆われた(ホワイトアウトした)視界の中、轟音によって機能
を低下した聴覚が車の発信する音をなんとかとらえた。

 まずい。これでは逃がしてしまう。

 仮面の男の中にかすかな焦りが生まれた。いかに吸血鬼の脚力といえど車相手には勝ち
目が無い。短距離ならば兎も角、長距離では無理だ。だから道具が必要だった。車でもバ
イクでもなんでもいい。追いつけるだけの足が必要だった。

 ようやく視界が戻ってきた。ふらつきながら窓辺へと駆け寄る。窓から道路を見下ろす
がめぼしい車もバイクも無い。仕方が無いので大通りまで走っていってそこで物色をしよ
うと決意。窓から飛び降りようとしたところで、ふと動きが止まる。先ほどこの部屋で、
「いらないもの」を処分しているさなかに目に入ったソレを思い出しのだ。

 振り返り壁際へと向かう。やはりあった。そうこれだ。そこにかけてあった自転車を見
て仮面の男は頷いた。

 それはスポーツ用の自転車だった。ロードレーサーだ。それもTREKの最新型、今年
発売されたばかりのモデルだ。さらについていることに吸血鬼使用に開発された高価モデ
ルで、これならば彼が乗っても壊れることは無い。有用な足だ。これがあれば追いつくこ
とができるだろう。

 ざっと調べたが不具合は無かった。空気圧も問題ない。これならばすぐに使える。丁寧
な手つきでラックから外すと、それを小脇に抱えたまま改めて窓辺へと向かい躊躇いもせ
ず飛び降りた。人間ならば怪我は免れない高さだが、吸血鬼の彼にとってはさほどの高さ
ではない。

 重い音を立てて着地。冷たい夜風が身体を包む。だが彼のうちで燃える殺意と狂気の炎
は冷まされ衰えることは無い。よりいっそう激しく燃え盛る。

 耳を澄ませばかすかにだが、遠のいていくエンジン音が聞こえた。急がなくては。だい
ぶ引き離されてしまったようだ。

 道路にTREKを置きサドルにまたがりハンドルに手を添えた。人の限界を超えた、人
外の精度を誇る五感を集中。そして吸血鬼の、狩猟者としての本能を極限まで研ぎ澄ませる。

――――――見つけた。

「あっちだね」

 彼はそういうと仮面の奥で獰猛な牙の生えた口を歪め、穏やかな笑顔を形作った。


117 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/13(水) 23:46:16

何とか返したよ。

……眠い。食事を取って風呂にはいってくる。戻って来れたらまた来るよ。

118 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/13(水) 23:46:23
吸血鬼仕様だと!
それはさておきそう来たか…よかろう

119 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/13(水) 23:48:57
>>116
「なんであんた俺を助けた?」
車を運転しながら護衛対象…人身売買組織のボスの疑問に俺は簡潔に答えてやる
血液の病で苦しむ患者とお前とのHLAが一致することが確認されたことを

「俺も貴様のようなクズを守ってやるいわれなどないが」
感情と仕事は別だ。
「だが、それでもお前の若き日の気紛れが患者に希望を与えてしまった
せめてその責任だけは取ってもらう!」

骨髄を提供すれば助けてくれるのかと今度は聞き返してきた。
「自首することだな、ただしその首からぶら下げたメモリを俺に提供し
法廷で全てを証言すること、それが今回の報酬だ」

「それはできない!そんなことをすれば俺は殺される!」
「奴らの執念深さをお前は知らないのか?
例え塀の中でも平然と刺客を送り込んで来るんだぞ!」
ボスの言葉に俺はため息交じりで答えてやる。
「安心しろ、ものの数ヶ月でそのメモリに記録されている組織は
根こそぎ壊滅するはずだ、お前に刺客を送る間も無くな」

ここでアナからの連絡が入る。

『雁人、厄介な奴を相手にしたわね』
『男の名は田上信吾、元警官にして吸血鬼…彼はあの千砂倉の生き残りよ』

千砂倉事件…日本において唯一吸血鬼の蔓延を許した忌まわしき事件。
その駆逐には選りすぐりの退魔部隊のみならず、
日本をテリトリーとし、人間と共存する妖魔たちの協力までをも
仰がなければならなかったと聞いている。
何しろ日本侵攻の橋頭堡にせんとした、
海外の妖魔が多数潜り込んでいたという報告まであるのだ。

120 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/13(水) 23:49:37
『雁人が海外に行ってる僅かな期間だったけど、法の裁きを逃れた悪党たちを
一味もろとも惨殺するテロリストがいたのよ…彼じゃないかって言われてるわ』

そういえばあの時期、土産を持って挨拶に出向いたら
甲斐も陽子もやけに忙しそうだったが…そういう理由か。

『ただ余りにも常軌を逸したやり方だし、相手が相手だから
警察の管轄外で、マスコミにも公表されませんでしたけどね』
確か前にもそんな事件があった…苦い記憶が甦る。

『でも問題はここから、彼はそれに留まらなかったの』
『…それこそ精神汚染によって歪められた道徳観・正義感に照らして…
自分勝手な血の裁きを行っていったのよ、結論から言えば』

『彼は自らがおそらく望んでいるであろう正義の味方でもなければ
テロリストですらない、今やただの殺人鬼ね』

『そしてこれが人間だった頃の彼に関する資料よ』
俺はメールで送られた"田上"に関しての資料にざっと目を通す…なるほど
俺の沈黙の意味を察したアナが電話口で喚く。

『まさかあなた…だめよ!危険すぎるわ』
しかし俺はもうすでにバックミラーに映る影を捉えていた。
『確かに彼はあなたと同じ警察官だったのかもしれない、でも今はもう』
ハンドルを切る、だが影は軽やかにそして鋭く追いすがってくる。
自転車で…。

『身も心もおぞましい化け物と成り果てているに違いないわ!』
携帯のスイッチを切る。
『彼を救おうだなんて絶対考えないで!お願い!雁人!』
そんな涙交じりの叫びを聞きながら。

121 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/13(水) 23:53:10
そして…吸血鬼と護り屋が二度目の邂逅を果たすよりも少し前、
吸血鬼と護り屋の最初の激闘が行われたアジト、そこから数百メートル離れたビルの屋上。
「俺が手を貸すまでもなかったか…」
ロングコートの男はスコープ越しににやりと笑う。

無論、ゴムマリのような速さで男が車を追って言ったのも目にしているが、
人の身体能力で到底追いつける筈もないし、
先回りして援護しようにも行き先をしらないので
そのままごろりと屋上で横になる。
「さ、護り屋…吸血鬼相手にどう出る」

122 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/13(水) 23:56:04
と、俺のレスはこんな感じだ
田上についてのレポートに関して誤りはないだろうか?

それから、無理は禁物だ

123 名前:田上信吾 ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/14(木) 21:01:28
>>

 信号を無視し、何台もの車を追い越し、ただひたすらに突き進む。
 かき鳴らされるクラクション。溢れかえる罵詈雑言と怒りの空気。

 そんな中を、仮面の男はひたすら突き進んでいく。
 さながら規格外の馬力をもつ怪物内燃機関(モンスターエンジン)のように、彼の身体は
競技用自転車(ロードレーサー)を突き動かす。両足は力強くペダルを踏み、ギアは高速で
回転し、タイヤは雄雄しく路面を走り抜けていく。

 前を走る数秘機関式の黒塗りの浮遊車。両足に力を込め一気に追い抜いた。すれ違いざ
まに窓を開けどなりつけようとした男は、血まみれの仮面を見て沈黙する。
 ハンドルを切りそこなったトレーラーが後方で車線をふさぐ。だが彼はそんなものなど
振り返らずただひたすらにペダルをこぐ。その思いは一つだ。

 前へ。前へ。前へ。前へ。前へ。前へ!

 ビンディングシューズを履いていないためいささか効率は落ちたが、それでもペダルは
軽やかで、彼の走行を止められるものなどいなかった。

 そしてついに発見した。一台の車。そのリアウインドゥごしに標的の姿をとらえる。

――――――もう逃がさないよ。

 仮面の男はそうつぶやくと、左手をハンドルからはなし大鉈を取り出した。

 今まで休むこと無く動き続けていた両足の動きが止まる。同時に大きく左手の大鉈を振
りかぶった。全身に力がいきわたり筋肉が膨張。内側から制服をはちきれさせかねないほ
どに肥大化する。赤く爛々と光る双眸が命中させるべきものの姿をしかととらえた。

 仮面の男が、その左腕を振り下ろした。投擲される大鉈。銃弾以上の速度で飛翔。音の
壁をたやすく突き破り、破裂音と衝撃波を生み出し飛んでいく。回転する裁断機と化した
鉈は、空を切り裂き突き進む。

 狙いは標的の乗った車――――――ではない。その先にある消火栓だ。

 銃弾ですら見切れる相手だ。直接狙ったのではかわされる可能性が多かった。ならばもっ
と確実な方法をとればいい。

 狙い過たず、旋風の刃は消火栓を断ち切った。間欠泉のごとく噴出す水。撒き散らされ
た大量の水が路面をぬらし、走行する車に降り注ぎ、通行者を混乱させ、交通を阻害する。

 逃亡者の動きを阻害する。


124 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/14(木) 21:01:46

チェイスは続く。チェイスは続く。
というわけで好きに処理してくれてかまわないよ。
こちらも好き勝手絶頂に追撃するから。

 席をはずすけど定期的に見に来るよ。


125 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/14(木) 21:27:02
俺はバックミラーの男を注視する。
もうすでにこちらからはかなり遠ざかりつつあるが、
白刃を振りかざす姿はまだ捉えられる。
だが…殺気はまるで感じられない。

先ほどの戦いから鑑みると殺気を消したりといった。
そういうスキルや、種族的特徴は持ち合わせていないと考えられる。
だとすると相手の狙いは何だ?

俺はハンドルを操作しながら周囲をくまなくチェックする。
そして俺が追跡者だとして、まずはどうするかも考える…、
俺ならばまずは足止め…そうか。

「いいか!いちにのさんで…車から飛び降りろ」
ボスが頷くのを確認するのと
唸りを上げた刃が宙を飛ぶのはほぼ同時。

「いち、に」
俺は自分ごとボスを突き飛ばすように車から脱出する。
着地地点は大通りに面した小道、
そしてドライバーを失った車は計ったように無人の空き店舗に吸い込まれて停車する。
が、俺はそのまま不満な表情を浮かべたままのボスを引きずるようにして、
また逃走を開始する。

本来ならば人ごみに紛れて逃げるのがセオリーだが、
相手が相手だ…どんな事態が起こるか予想がつかない以上、
こうする以外にない。

さぁ、どう出る…田上信吾よ。

126 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/14(木) 21:28:57
車を失ってしまったか…

それと業務連絡だ、明日は俺が遅くなるやもしれん
22時を超えても俺がいなければ、
申し訳ないがそちらには出向けないと考えてくれ

127 名前:田上信吾 ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/14(木) 23:10:38
>>

――――――うん。これですばやくは逃げられないね。

 狙い通り足を奪うことに成功した仮面の男は、満足そうに一人頷く。相手は徒歩、それ
も片方はお世辞にも機敏に動けるとはいいがたい人物だ。もはや追いかけるのにたいした
苦労はないだろう。

 当たりはひどい有様だ。断ち切れれた消火栓から吹き上げる大量の水が、この場所に甚
大な混乱を巻き起こしていた。

 混乱(バベル)の支配するその中で、彼は自転車を乗り捨てた。これはもう不要なもの
だ。そうしてサドルから降り両足で地面を踏みしめると、彼は拳銃を抜き放つ。使い慣れ
た拳銃。回転弾倉式の拳銃だ。

 さて、見失う前に追いかけなくては。敵は人ごみにまぎれるというセオリーには従わず、
わざわざ人気の無い小道を進もうとしていた。彼にとっては好都合だが……罠でも仕掛け
てあるのだろうか?。面倒なことになる前にしとめたかった。だから彼は獲物めがけ全力
で走り出した。

 仮面を身につけた血まみれの大男を目にし、通行人たちは逃げ惑う。出エジプト記にて
海を割ったモーセのごとく、彼は人海を割り逃亡者達を追いかけていった。

128 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/14(木) 23:11:29

 とりあえず追跡したよ。発見しだい発砲かな?

>>126

了解。わかったよ。
ぼくも都合が悪いときがあるからね。お互い様だよ。
気にしないで。

129 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/14(木) 23:28:34
逃走を開始して一瞬、
群集を力づくでなぎ倒して来る可能性を考えたが、
文字通りの殺人鬼を目の当たりにして、
わざわざ立ち塞がる酔狂な輩もいないだろう…
この俺を除いては。

ボスが怯えた目でこちらを見ている。

先に行かせるか…いや、奴の標的はあくまでもこいつだ。
人間相手ならばともかく、
俺を無視して先行されればもう止める術はない
それにこいつが殊勝にも自分で病院に出向くとは思えない。

この脇道を行けばまた大きな幹線道路に出る、
そこで車を調達するしかない…。

背後に殺気を感じる、俺は躊躇うことなく振り向く。
「"護り屋"楯雁人 田上信吾、お前の牙を折らせてもらう」

130 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/14(木) 23:29:54
さぁ撃って来い、こちらはあしらいながらも後退する
大通りにまで出れればトラックにでも飛び乗るさ

131 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/15(金) 20:32:29
火山の婆さんを何とか振り切ってきた、というわけで今夜も戦うとするか

132 名前:田上信吾:2010/01/15(金) 22:02:05
>>

 なぜ自分の名を知っているのかは解からなかったし、それに対してはたいした感慨はう
かばなかった。それよりも問題なのは相手の名だ。楯雁人。聞き覚えのある名だ。闇の世
界に堕ちてから彼が行くたびか耳にした名だった。鋼の腕を持ち、銃弾すら防ぐ不可侵(イージス)
の楯。不殺をつらぬく最強の護り屋!

 なるほど。ならば手ごわいのも頷けた。あんないらないものを守っているのは腑に落ち
ないが、何か理由があるのだろう。だがまあ、それはどうでもいい話だ。立ち塞がる異常
は彼も適に違いは無かった。とても残念な話ではあったが。

 男の名を聞き、仮面の男は一瞬だけ思案する。やつに拳銃は通じない。少なくともこの
距離でまともに撃ったのでは。背後から撃つのならばともかく、正面からでは先ほどのよ
うにまた弾かれてしまう。

 だから右手の拳銃はそのままに、左手でもう一丁の拳銃を抜く。いや、それは拳銃とい
うよりも小型擲弾発射器だ。先ほどの組織で現地調達したものだった。無骨な拳銃の銃口
からは凶悪な。成形炸薬弾タイプの弾頭が突き出していた。

 この武器の難点は殺生範囲が広すぎることだった。市街地で使うには無関係な者まで巻
き込んでしまう恐れがあった。ゆえに先ほどまでは使えなかったが、他者のいないこの場
所なら遠慮無く使うことが出来る。

 擲弾発射器(カンプピストル)の銃口を【最強の盾(イージス)】、そして標的の組織
のボスへと向けた。照準は瞬時。もとより厳密な狙いを必要とする武器ではない。

 仮面の男、田上の指が引き金を引いた。


133 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/15(金) 22:02:35
 容赦なく撃ったよ。
 考えるな、感じるんだ……というわけで気合でどうにかしてください(ぺこり)

134 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/16(土) 00:11:59
>>132
男の雰囲気が僅かだが変わる、俺のことを少しは知っていたか?
しかし、男の注意は相変わらず、ボスの方に向いている。
それを何とか俺の方に向けないといけないところだが、
…まだ早い。

男の左手が腰に伸びる。
また銃か…いや違う。
「カンプピストルだと!」
片腕で撃てる様な代物ではないが、確かに奴はもう人ではないのだから、
それは充分にありだ。

避けることは造作もない、
だが、そのまま弾丸が直進すれば、
幹線道路で炸裂するし、甚大な被害が出ることは否めない。

「舐めるな!」
俺は平然と榴弾を弾き返す、
殺気さえ、そして軌道さえ読めれば、この"ミネルヴァ"に弾けぬ物はない。

そして側面の爆発音を聞きながら俺はまた距離をとると
恐らくは次に来るであろう、肉弾攻撃に備えていた。

135 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/16(土) 00:13:42
ええとだな…俺はミサイルすら弾いたことがある
カンプピストル程度なら正直、どうでにでもなる
で、多少殴りあったところで、俺たちはトラックに飛び乗ってまた逃走する予定だ

護衛が最優先だからな

136 名前:田上信吾 ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/16(土) 20:17:12
>>

 爆発の危険すら恐れず榴弾をも弾くとは。まさに恐るべき相手だ。
 真に恐るべき男を前に、仮面の男は己の使い慣れた武器を手にする。

 左手の擲弾発射器を仕舞いこむと、空いた左手で予備の鉈を背後から取り出す。

 柄が手のひらに吸い付いてくるような感触。重さも重心も間合いも使い勝手も理解しきっ
た己の身体の一部と感じるほどに慣れ親しんだ武器。

 その使い馴染んだ刃を手にした仮面の男の両足に力が込められた。危険なほどの力が。

 そして仮面の男の両足が大地を蹴った。暴走する機関車のごとく突進。速く、速く、
速く、速く、激しく、激しく、激しく、激しく。血に飢えた猛獣のごとく突撃する。

 超常の存在たる吸血鬼の身体能力は、仮面の男を一瞬で運び、己の刃圏へとイージスを
とらえた。とらえた瞬間、思考よりも速く左腕は振るわれていた。左手に握った鉈でなぎ
払っていた。

 横殴りの斬撃が【無敵の盾】を断ち切らんと渾身の力を込めて振るわれた。

137 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/16(土) 20:17:22

 では白兵戦に突入だね。
 トラック追跡の手段は考えてあるから心配しなくていいよ。好きにやってくれていい。


138 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/16(土) 21:18:22
再び暴風の如き薙ぎ払い。
しかしその挙動よりも早く、剥き出しの殺意が教えてくれる。
「俺が叩くのは貴様の放つ殺気だ!」
男の渾身の一撃を頭一つ屈めただけで避け、そのまま俺は男の懐に入り、
その襟元を掴んで投げ飛ばす。

そう、これは日本の警官ならば誰もが習い覚える技、一本背負いだ。
宙に浮いた男と俺の視線がマスク越しに交錯する。
「…」
言いたいことは山のようにあった、
だが、今はまだその時ではない。
牙を折らぬ限りは…決して目の前の男は血塗られた道をむことを止めないだろう。
それこそが"正義"と信じて。

「それだけの殺戮を繰り返して、お前の世界は変わったのか!」
だからまだ今はこの一言だけに留めよう。

139 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/16(土) 21:21:55
追跡についてだが、俺は戦闘中に目的地の病院を記したメモを
迂闊にも落してしまうとかそういうので、
それを元に先回りしてくれてもかまわない

さぁ、お前は病院前で律儀に待ち伏せるか?
それとも一暴れするか?
病院には俺の愛弟子、来島ちひろが待機しているので
揉んでやってくれても構わないぞ

140 名前:田上信吾 ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/16(土) 22:10:00
>>

 投げ飛ばされ、叩きつけられた衝撃で思わず鉈を手放した。路面をすべって行き建物の
壁に当たって止まる鉈。少し距離があった、手を伸ばしても届かない位置。

 きれいに投げ飛ばされたがダメージは少ない。これも吸血鬼の肉体のなせる業だ。ただ
投げられ叩きつけられた衝撃で呼吸がつまり、乱れ、動作が鈍る。

「それだけの殺戮?……そう、まだたったこれだけなんだ」

 まだこれだけしか処分できていない。そんな無念さを感じさせる口調で彼はいい、乱れ
た呼吸を整えながら身を起こす。

「この世界にはいらないものが多すぎる。こう多すぎると処分するのも一苦労なんだ」

 人を止めた怪物がゆらりと立ち上がる。

「この世界には何でこんなに必要ないものが多いんだろうね?」

 言いながら右腕の拳銃を照準。投げられた時も離さずに持っていた拳銃。引金は引かれ
撃鉄は落ちた。


141 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/16(土) 22:10:41

まだ動きが鈍いので、このまま逃げてもかまわないよ。

追撃>病院前>ボスをスタッフなり何なりに引渡し【盾】が足止めでvs田上 の流れかなぁ。

来島ちひろさんに関しては、vs イージスからは微妙に外れるので今回は見送りってことで。

142 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/16(土) 22:17:37
了解した、ならまた逃げるとしよう
ちひろに対吸血鬼戦の経験を積ませてやりたかったのだが

143 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/16(土) 22:33:43
「破壊で本当に世界が変わるとでも思うのか」
噛みあわない…苛立ちが俺の挙動を僅かばかり鈍らせる。
無論、銃弾は全て弾き落したが、その内の一つがコートを僅かに掠める。
護衛対象をちらりと見る、この先の道路は交通量が多く
とてもじゃないが奴の足では渡ることができない。
だから、あることを言い含めている…

「お前はこの世界にいらないものを処分していると言ったな」
よろよろとゆらめくように立ち上がった男に問いかける。
「ならば何故気がつかない…お前自身が、もうこの世界にとって
"いらないもの"になってしまっていることに」

背後で護衛対象の声が聞こえる、来た!と
俺は飛び退るように路地裏の終点へと走る。
荷台が空の中型トラック、お誂え向きだ、
今度は何も言わず、護衛対象を手元に引き寄せるとそのまま義手を伸ばし
高速で迫ってくるトラックの荷台にしがみ付き、
腕一本で荷台へと上がる。

また仮面の奥の視線と視線が交錯する。

「田上信吾!常に目の前にありながら、手で触れたら別のものに変わってしまう
決して捕まえられないものは何だ!、答えは」

「お前が目を背け続けているものだ」

さぁ追って来い田上信吾、この護り屋を…
愛する妻と息子を守れなかった男を

144 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/16(土) 22:35:06
ということで挑発してみた、病院前で俺はまた挑発するので
そこで決着だな

145 名前:田上信吾 ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/16(土) 23:19:22
>>

 逃げられてしまう。何か追跡手段を探さなくては。周囲を見回す。すると左手から走っ
てくるブラックキャブが見えた。仮面の男は車道に躍り出ると、道路に立ち塞がりブラッ
クキャブを止めようとする。鳴り響く急ブレーキとクラクションの音。それでも仮面の男
は仁王立ちになり動かない。

 耳障りな制動音をたて急停止するブラックキャブ。その車体は仮面の男から1mと離れ
ていなかった。ウインドゥを開き罵声を浴びせるドライバー。

 モヒカンの髪が非常に目立つ男だ。着古した米軍のフィールドジャケットに付けられた
「We Are The Peop 」と書かれた缶バッジ。そして、レイバン(サングラス)の影からち
らりと見える真紅の瞳。男は吸血鬼(ニューボーン)のタクシードライバーだった。

 その左手は懐に滑り込んでいた。おそらく銃に手をかけているのだろう。上着のふくら
み具合から見て大型の拳銃に。無理も無い。むしろ武装した血まみれの仮面の男を見たも
のとしては控えめな行動だ。血まみれの仮面の男を見てもおびえる様子は無かった。これ
は幸か不幸か。

 タクシードライバーがそれ以上の罵詈雑言を口にするよりも早く札束を目の前に突き出
す。「いらないものたち」から徴収したカネだ。最近は処分した相手から徴収することが
多かった。正義を続けるのにも経費は必要だったからだ。もっとも必要な分だけ手元に残
し、のこりはこの街の孤児院に寄付していたのだが。

「乗せて欲しい。悪党を追いかけてるんだ」

 ドライバーはほんの一瞬だけ考え込んだが、札束を受け取り扉を開け仮面の男を迎え入
れる。仮面の男はブラックキャブ乗り込むと急いで前の車を追うように言った。

146 名前:田上信吾 ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/16(土) 23:19:33
>>

「追いかけている相手は何をやったんだ?」

 キャブが発進してしばらくたった。ルームミラー越しに仮面の男を見ながらタクシード
ライバーが訊ねる何気ない口調……だが。

「人攫いだよ。子供をたくさん浚ったんだ」

 田上はそう答えると鉈をしまい拳銃に弾を一つ一つ装填した。
 しばしそのまま追跡する。見えた。男の飛び乗ったトラックだ。仮面の男は狂った頭で
思考をめぐらせる。相手は真逆タクシーで追ってきているとは思わないだろう。このまま
至近距離まで接近することにした。

「並走してくれるかな」

 仮面の男の頼みどおりに、ドライバーはブラックキャブを操縦。トラックの間近へ接近
し併走する。ウインドゥ越しに相手の姿が目に入った。それはすなわち相手からも見える
ということ。すぐに行動に移った。

 世話になったね。最後にその言葉だけを残し扉を開き屋根の上によじ登ると、タイミン
グを見計らって跳躍。トラックの荷台へと飛び移る。

 着地の瞬間トラックが揺れた。踏ん張ろうとしたが靴についた血で滑って体勢を崩す。
そのまま転げ落ちそうになる身体。コンテナに鉈を突き刺しなんとか滑り落ちるのから
免れた。だが、安堵のため息を突くのはまだ早い。始まるのはここからなのだから。

「今度こそ逃がさないよ」

 突き立てた鉈で体を支えたまま、そういって男は右手で握った拳銃の引金を引いた。

147 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/16(土) 23:20:06

 読み返してみると、ドライバーのもとネタ解かる人にはニヤリなレスなんだけど、わか
らない人にはさっぱりかもしれないなぁ。……まあ、いいか。

 あすは出かけるので今日はもう寝ます。おやすみー。


148 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/17(日) 00:49:25
トラックの荷台に持たれかかり、
アナから貰った田上のデータにまた目を通しながら、
「ちひろか」
俺は万一に備えて待機させてあった愛弟子に連絡を入れる。
「いいか、病院前で待っていていてくれ、そして護衛対象を病院の中まで連れて行ったら
後は一切俺には構うな」
暫しの沈黙、どうやらアナから聞いたようだ。
俺が何をしようとしているのかを…。

『アナちゃんから聞きました…先生はあの化け物を止めたいんですよね』
涙交じりの声が聞こえる。
『止めてください!私見たんです…あいつに殺された人の写真を』
『もしも先生があんなことになったら…』
『相手が人間なら先生が負けるはずがありません、でも相手は吸血鬼ですよ!』
ハイウェイの遥かな先からまた殺気を感じる。
『どうしてもというのなら私もお供します!』

「ありがとう…でもそれは出来ないんだ、何故なら」
愛弟子の気遣いに感謝の言葉で応じると、俺は再び構えを取る。
「確かにあの男を化け物と蔑み恐れることは容易いことだ」
タクシーの中から血濡れの姿がはっきりと確認できる。

「だが、誰もあの男を止める者はいなかった、そして
その心を受け止めようとする者もいなかった」

俺のやろうとしていることは無駄なことなのかもしれない。

タクシーから影がトラックへと跳躍する。

だが、まだ見極めたわけではない、この男がもう身も心も堕ちているのか、
それとも心の奥底には、まだ警官の魂が人の心が残っているのかを。
また再び銃声、が、俺はまた容易く弾く。
「殺戮で世界は決して変わらない…いや、俺がいる限り拒む」

149 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/17(日) 00:52:11
吸血鬼相手に俺のやっていることはやはり徒労なのか?
振り落とす手段も多少手荒だがあったりもするが
病院までこのまま行くというのもありだぞ

150 名前:田上信吾 ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/17(日) 19:52:51
>>

 反動の衝撃、そして急に車体が大きく揺れたことにより、突き立てていた鉈が抜け仮面
の男は振り落とされた。血まみれの仮面の男が荷台に飛び乗ってきたのを見た運転手が、
驚いて急にハンドルを切ったのだろう。

 なんとか受身を取る。それでも道路を転がり全身を強く打った。後続車に轢かれそうに
なるが、飛び跳ねるようにして立ち上がり、今度は己の足で追跡を再開した。幸い交通量
が多いためそれほど速度は出ていない。吸血鬼の脚力ならば追跡は可能だった。

 夜の倫敦。仮面をつけた血まみれの大男が、大鉈と拳銃を手にトラックを追いかける。

 ――――――なんというモンティ・パイソン的終末風景。これでLondon Bridge is broken down
でも口笛でふいていれば完璧か。

151 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/17(日) 19:53:13

 いよいよ病院前での最終決戦かな。

152 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/17(日) 19:59:23
今から大河を見るのでレスはしばらく遅くなる
で、説得を一応試みたいのだがどこまでいけるのかな?

あとそちらの落としどころとしては、どんな感じの物を想定してるか
そろそろ教えて欲しい



153 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/17(日) 20:12:13

 う〜ん。説得は不可能だろうね。もう田上さんは「あっち側」の「人間」だから。

 オチとしては「ダークナイト」オチ(イージスに無力化され捕まる)か、田上さん逃亡
オチかなぁ。盾さんは不殺を誓っているわけだし。あとは第3者に田上さんが殺されるっ
てのもありだけど。田上さんが盾さんを殺しちゃうってのもありだけど、そちら的には気
が進まないでしょ。

 ああ、レスはゆっくりでいいよ。ぼくも常駐しているわけじゃあないし。

154 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/17(日) 20:48:25
>>153
まぁ出来る限りのことはやってみるが…
こちらが考えているのは、どうやらこの世界はタクシーの運ちゃんを見る限り
吸血鬼がある程度浸透してる世界のようだ、ということは吸血鬼化した人間を
元に戻す治療法もある程度確立してると俺は見たが…

ということでこちらがKOした暁には人間にまた戻って貰うというのはどうだろうか?

155 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/17(日) 20:59:55
自分で銃を撃った反動で男は荷台から転がり落ちた。
俺はファイティングポーズを決めた反面、少しバツの悪い思いを隠すことが出来ず。
ポリポリと頭を掻いたりもする。

が、時速数十キロの転落ダメージを物ともせず…また男はゆらりと立ち上がり、
あろうことか自分の足でまた追跡を開始する。
俺の言葉はやはり届かないのだろうか?
その牙を折る以外にないのか?

「田上信吾!俺はお前に敵対する」
遠ざかる影に向かって叫ぶ。
「地下駐車場で待つ!己が何処までも正しいと信じるのならば俺を超えてみせろ!ただし」
そう、そんなことは決して許さない、護る道を選んだ以上、
破壊を選んだ者に遅れを取るわけにはいかない…お前もきっとそう思うはずだ。

「お前には俺を倒すことなど不可能だ」

156 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/17(日) 21:03:37
完全武装で来てくれ、心おきなく戦おう

あ、それとこちらの切り札だが、俺の義手はぶっ壊れるのと引き換えに
数倍の破壊力を瞬間的に発揮することが可能だ
あと、爆弾解除用の液体窒素なんてものも所持している、
この2つの合わせ技でいくつもりだ

もう一つご存知だとは思うが、俺の唯一の弱点は
大量の炎だ、目にすると幻痛で動きが阻害される

157 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/17(日) 21:08:09
ああ、それと殺されるのは遠慮したいかな…
こちらも殺すつもりは毛頭ないし、甘いかもしれないが


158 名前:田上信吾 ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/17(日) 22:15:40
>>

 必要なものは鉈と銃とこの身体、そしてあきらめることの無い決意と殺意。

 残弾を確認。スピードローダーが3つとバラの弾が40発。十分とはいえないが止むを
得ない。銃を確認。銃身内部の汚れが気になったので多少の時間を費やしガンオイルをし
みこませた布を棒に取り付け出し入れして簡単な清掃を行う。そのほかの部分も確認した
が部品の欠けも破損も無い。鉈を確認。刃こぼれはひどいが刀身へのダメージはそれほど
でもなかった。歪んでもいなければ深い亀裂も入っていない。身体の方は問題ない。負っ
たダメージは吸血鬼の再生能力が癒してくれた。

 男に言われたとおりに地下駐車場の前まで来た。うそは言っていない。なぜかそれはわ
かった。誘拐組織のボスも殺さねばならないが先にあの男と決着をつける必要があった。
そうしなければあの男は何度でも彼の前に立ちはだかることだろう。

 必要なものは鉈と銃とこの身体、そしてあきらめることの無い決意と殺意。
 鉈も銃も身体も問題は無い。もちろん決意と殺意は揺らぎも無い。

 ――――――ならばすべて問題は無い。

 だから仮面の男、田上信吾は地下駐車場へと足を踏み入れた。


159 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/17(日) 22:16:34

 こちらはここから先はガッチガチのガチ戦闘で行きます。弱点狙いとかはなしに主に鉈
と銃による白兵戦で。

 田上さん敗北の方が流れ的には美しいだろうから、殴り倒されるのには異存は無いよ。
ただ、人間復帰はなしの方向で。

 吸血鬼から人間へ戻る、っていうのはいろんな吸血鬼ものでテーマになっているけど、
簡単にいかないからこそ主題として扱われるわけだからね。たいていの物語では達成でき
ないし、できたとしても多くの代価を払うことになるのが常だから。
 ぼくとしては死んだ人間があっさりと生き返ってしまうような安易さは、あまり物語り
に持ち込みたくは無い。

 基本的に「私」の方は毎回死亡前提でやってるんだけどイージスは不殺なので今回は無
理だからね。というわけで殴り倒された場合は刑務所行きかな。アラサイムでもいいけど。


160 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/17(日) 22:29:29
>>159
なるほど俺の解釈としては
人に戻ることこそ、彼にとっては救いでもなんでもなく、むしろ罰だと思うがな
それまでの記憶を残したまま、精神だけがマトモになるわけで…
その精神汚染の残滓に苦しみながら地獄の生を送るもよし
かつて自分に力を与えた少女の姿を果てなく捜し求めるもよしって所を
漠然と思い浮かべたわけだ

161 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/17(日) 22:39:49
結局、あれ以上の妨害はなかった。
病院に着くと待機していたちひろに護衛対象を託し、
俺はあの男との約束を守るべく、地下駐車場へと足を運ぶ。

俺を無視して、病院に乱入するとは微塵も考えない。
何故ならあの男、田上信吾にとって、
この俺は何かもが正反対の鏡像なのだから、
ただし恐らくは本人も意識はしてないだろうが。

足音が聞こえる。
もう背中には護るべき者はいない…いや。

「田上信吾!」
俺はもう一度呼びかける。
「お前は何故壊す?何故殺す?…妹のためか?」

162 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/17(日) 22:43:00
お前にどこまで通じるかはわからんが
あえて心の傷をえぐりにいくぞ

163 名前:田上信吾 ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/20(水) 22:13:22
>>

 深幸。そう深幸だ。

 犯され自殺した彼の妹。

 救えなかった。敵を取ることもできなかった。

 それが彼の咎。犯した罪。原罪。

 仮面の男は巨大なナタを持つ手に力を込める。
 田上信吾は愛用の拳銃を持つ手に力を込める。

「僕は、この力で、深幸を救うんだ」

 狂気を宿す双眸。怒りと悲しみに狂った瞳。

「誰も裁いてくれなかった。だから僕がやるんだ!」

終わることのないシジフォス、科せられた罰。償い。

 田上信吾は、鉈をしまうと空いた左手でスピードローダーを取り出す。
 右腕が跳ね上がるようにして照準。発砲。同時に走り出す。楯雁人の左側、生身の腕の
側へ回り込むようにして。走りながら発砲。連続して打ち出される銃弾。5発撃ち終わる
と、ラッチを操作しシリンダをスイングアウト。排夾し、スピードローダを使って5発同
時に再装填。シリンダをもどす。

 そうして走りながら銃を撃ち続ける。撃ち続けながら隙を探し少しずつ間合いを詰める。
一撃を与える機会を窺って。


 優しく微笑む妹の顔。それが、いまや、ひどく、遠い。

164 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/20(水) 22:13:38

風引いてました。
熱が下がったのでレスしますが、いまひとつなので今日はこれで寝ます。


165 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/20(水) 22:41:26
目の前の男の悲痛な叫びに、俺はあくまでも冷たく返答する。
「だが、今のお前は違う、今のお前は復讐という名の獣に飲み込まれ」
「妹の魂を自分の憎悪の、破壊の理由にしているだけだ!」

俺の叫びと同時に着弾。
吸血鬼の身体能力をフルに生かした銃撃、それは俺の左半身
生身の箇所に集中している。

だが、狙いはあくまでも肉弾戦であることは解っている。
俺は慎重に距離をとりながら続ける。

「そしてその果てにあるのは、己が憎んだ悪以上の悪が残るだけだ、
お前のしていることは何人もの"田上信吾"を生み出していることに等しいんだぞ!」

破壊は破壊しか生まない。
破壊で世を変えんとすれば、それ以上の破壊によって覆される。
俺は長きに渡るテロとの戦いでそれを何よりも知っていた。

「妹の魂がお前に宿っているのならば!血に塗れた己の姿を
破壊の快楽に溺れた仮面の下を見せることが出来るのか!」

166 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/20(水) 22:41:47
病か…お大事にな

167 名前:田上信吾 ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/21(木) 18:41:33
>>

 幾千の言葉や、積み上げられた札束、大量の支援物資よりも、たった一発の銃弾が人や
世界を救うことがあるのだ。

 いまの田上信吾の行動理念。その根底にはそれに近い考えがあった。同じ正義を求めて
も田上信吾と楯雁人、両者の考えはかけ離れすぎていた。

 そして、たどる道が違っているからには、お互い妥協はできないものだ。

 もはや言葉は無用。互いの信念は交わらぬ。止めるのに必要なのは、主義でも主張でも
正義でも無い。ただ相手をねじ伏せることのできる力だけだ。

 拳銃の再装填を再び行う。これでスピードローダーは使い果たした。残るのはバラの弾
だけだ。フルに装填された拳銃。田上はその引き金を引かなかった。かわりにカンプピス
トルを再び取り出す。

「こういう時のために、用意しておいて良かったよ」

 カンプピストルの銃口。そこから覗いているのは先ほどの弾頭よりも一回りもふたまわ
りも大きなものだ。ハンドボールよりも大きな弾頭、大量の形成炸薬。あまりにも不恰好
な榴弾。これではまともに飛ぶかも怪しかった。そもそも地下駐車場のような場所で発射
したならば……。

「射程は短いが威力は高めでね」

 田上が笑い、引き金が引かれる。

 発射された榴弾。巨大な弾頭が無様に飛翔。狙いは楯雁人、ではない。両者の間にある
駐車された自動車の数々だ。

 車列に命中した榴弾。作動する信管。巻き起こる大爆発。嵐が具現し、雷が鳴り響き、
竜巻の中に突入したかのような轟音と爆風。破壊された自動車の破片が飛び散り車体が宙
を舞う。宙を飛ぶ。

 田上信吾はカンプピストルを投げ捨てると、その爆風の吹きすさぶ中へと突入。足が固
い床を蹴り跳躍。眼前には宙を舞う自動車。それを蹴り付けさらに飛翔。もう一台、さら
にもう一台。吹き飛ばされ空中を舞う自動車を足場に、虚空を駆け抜ける。さらには。車
体を蹴り、柱を蹴り、壁を蹴り、天井を蹴り、車体を蹴り、床を蹴り、壁を蹴り、宙を舞
い――――――接敵。

 飛びすさぶ破片と爆風、巻き上げられた土埃にまぎれながらの背後からの強襲。

 左手で背後から大きな鉈を抜き放つ。振りかぶられた鉈。

 無言の気合と共に、強力な鉈の一撃が、右から左にかけて薙ぎ払われた。

168 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/21(木) 18:41:54
 とりあえず復活。まあ、今日も念のため2200には寝るけどね。

 爆発は派手だけどスプリンクラーもあるだろうし大炎上はしなさそうだね。
むしろ破裂した水道管による水害のほうが大変そうだよ。

169 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/21(木) 21:13:50
ふむ…次で決着かもしれんな
俺は以前からのプランどおり
義手でのフルパワー攻撃+液体窒素でそちらを凍結なり、下半身を破壊するなりで
制圧する作戦でいく

で、もし俺が勝った後の話だが…
例えば刑務所に入れても
お前は行動方針を決して変えはしないのだろうな…さて、どうする

だからといって職務を通常通りこなしてるだけの刑務官をなぎ倒して
脱獄などお前には出来やしないだろうし…

170 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/21(木) 22:37:06
すまん、急用が入ってて、今夜はレスを返せるかどうかわからん状態になってしまった
後は文章に起こすだけなんだかな…

171 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/22(金) 20:38:06

「それはお前の正義ではない、塗り替えられた意思だ」
男がまたカンプピストルを構えているのにも構わず、俺は叫ぶ。
目の前の男からはもうすでに恐怖も嫌悪も感じなかった…ただひどく哀れで
そして何より滑稽な存在に思えた。

だから俺は男の狙いを読み違えた。
放たれた榴弾が俺と男の間の自動車に炸裂した。
予期してなかったわけではなかったが…瞬間立ち昇る焔が俺の瞳に映る。

「ぐわぁぁぁぁぁ!」
耐えがたき痛みが失った右腕に走る…幻痛。
俺の決して消えない刻印のようなものだ。

しかしそれでも視覚を掻い潜ったつもりであろうナタの一撃は辛くも避け、
どうにか距離をとるが、痛みで思考が遮られる。

「…昔の話だ、ある警官がいた、妻と子…そして友に恵まれた幸せな日々を過ごしていた」
「だが…1人のテロリストがその幸せを砕いた…そいつは警官の妻を殺し、
そしてその息子の身体に爆弾を括りつけた」

「警官は息子に仕掛けられた爆弾の解除に失敗し、息子と右腕を失った」
今更話してどうするというのだろうか、だが話さずにいられなかった。
「そのときから警官の右腕には…亡霊が宿った、父を…俺をただ信じすがりついた息子の
それは焔と共に蘇る、息子と共に右腕が吹き飛ぶ痛みが」

お前は俺をどう思うのだろうか?子殺しの大罪人と思うか。
それとも何も思わないか。
「そして俺の心はお前同様、復讐という獣に飲み込まれた…それでも」

「憎しみに憎しみをぶつければ、新たな憎悪の連鎖を産むだけだ…
そしてその果てにあるのは、己が憎んだ悪以上の悪が残るだけだ、それこそが
俺を襲ったテロリストの狙いだった!」

「だからこそ俺は壊すのではなく護る道を選んだ、憎しみに流されない心、
誰かの護りたい物を尊重できる心…」

「俺はそんなささやかなものを護り続けるための一枚の楯になることで
世界に抗う道を選んだ!」

誰にでも出来ることではないのは自分でも解っている。
俺には2つの大きな幸運があった。
1つは俺自身が戦闘の才に恵まれ、SATの教官にまで昇り詰めることが出来たこと。
そしてもう1つは俺の義兄にして親友である甲斐彰一が、
警視庁に絶大な権力を持つキャリア官僚であるということ。
この2つのうちの1つでも欠けていれば、俺もまた復讐鬼に堕していたに違いない。 

「お前に力を与えた者は、お前を哀れんだわけではない
お前の心を弄び、高みに立って楽しげに観察したかった、ただそれだけだ!」

距離は10メートル…互いにとって絶妙の間合い、
2人の立っているちょうど中間点に白線が引かれている。
「最後のチャンスをやろう…武器を捨てろ…この線を越えたとき
俺はお前になんら迷いなく敵対する」
己の未来を捨てた者が誰かの未来を守るなどおこがましいにもほどがある。
「それがお前の敗れる時だ」

172 名前:田上信吾 ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/22(金) 21:59:11
>>

 渾身の一撃をかわされたと見るや否や再度床を蹴り跳躍。壁を、天井を蹴り、その場を
離脱。間合いを取る。敵は近接戦闘の達人だ。カウンターをもらうのだけは最大警戒せね
ばならなかった。ゆえに取りうる戦法は、吸血鬼の身体能力を活かしての一撃離脱。望む
べきは一撃必殺。それが理想だ。

 隠して両者は相対す。彼我の距離は10m。吸血鬼ならば一瞬で間合いを詰めることの
できる距離。

 いままでの相手の攻撃、言動からわかった事があった。相手は致命的な攻撃を避けてい
た。どうやら不殺を誓っているようだ。

 それでは吸血鬼は止まらない。致命傷を与えるかそれに順ずるほどに肉体を破壊しなけ
れば吸血鬼は止まらない。

 ゆえに、防御は棄てる。死なぬとわかっている攻撃ならば恐れるに足りない。覚悟さえ
決めれば、痛みも衝撃も精神力で耐えることができる。防御を棄て、その分をすべて攻撃
についやす。この突撃にすべてをかける。

173 名前:田上信吾 ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/22(金) 22:00:24










覚 悟 完 了









.

174 名前:田上信吾 ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/22(金) 22:02:41
>>

 そして田上信吾は一陣の風となる。疾風となる。暴風となる。嵐となる。
 10m。一瞬で消滅する。瞬きひとつほどの時間。銃声が連続して鳴り響き、無数の斬
撃が繰り出されたそれは、刃金を呼吸するような、火薬に彩られた濃密な時間だった。

175 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/22(金) 22:03:25

 突撃したよ。

>>169
 決着後どうなるかは、「それは、また、別のお話」ということでいいんじゃないかな。
 特にぼくは語るつもりは無いよ。決着をつけるまでがここでの遊戯のメインだからね。


176 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/22(金) 22:44:18
咆哮と同時に目の前の男が掻き消える、
いやそうとしか思えぬ程の勢いでの突撃
それは文字通り全てを賭けているであろうに相応しい猛々しさに満ちているようで、
僅かな侮りめいた雰囲気、人を超えた者たる優越感が感じられた。

”不殺の君に僕は、吸血鬼は倒せない”

「人の力を侮るな!」
俺は義手を構える、その先に握られているのは液体窒素の缶だ。
吸血鬼の身体能力・耐久度には個体差が激しいと聞く。
これはおそらく生きるか死ぬかのギリギリだろう。
効果がないとは思わない、これが通じないレベルなら俺ごとき瞬殺されてるはずだ。
逡巡する余裕などない、そうでなければ止められないのだから。

男の殺気に呼応するように俺も地面を蹴る、その勢いで男の下腹部に義手がめり込む、
そして圧迫された缶が破裂するかしないかの間に俺は義手を取り外し、
その場から飛び退る、その瞬間、マイナス196度の超低音が男の下半身を包み込み。
圧縮された窒素が周囲の酸素を吸収しながら、急激な気化を引き起こす。

そして霧の中からわずかな呻き…弾けとんだマスクの下から素顔が見える
殺戮者とは思えぬ程の穏やかな…しかしその笑顔はひどい違和感に満ちているようにも思えた。
まるで人の感情が消えてしまったかのような、それがきっと"化け物"になるということだろう。

まだ息はあるようだ、俺はひとまず安堵する。
「俺の勝ちでいいか?田上信吾」

177 名前:田上信吾 ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/22(金) 23:12:24
>>

「……ッ!」

 声にこそ出さないが田上信吾の身体がぐらりと揺れた。

 大穴の開いた下腹部。そこから突き出した機械仕掛けの義手。内側より凍りついたから
だ。吸血鬼にとっても浅い傷ではない。行動不能になるような重傷だった。

 だが、田上信吾は倒れない。

 傷口が氷結しているため再生が始まらない。
 重大な傷により意識が途切そうになる。

 それでも田上は倒れない。凍りつき砕けそうな両の足をもってその場に踏みとどまった。

 血まみれの仮面は弾けとび、素顔になった田上の眼が、楯雁人を捉える。

 ギロリと、真紅の瞳が睨む。

 田上信吾は倒れない。倒れない。倒れるわけにはいかなかった。まだこんな所で倒れる
わけにはいかなかった。

 一切の表情を覆い隠す仮面は失われた。
 右手の銃は撃ちつくした。

 残ったものは、血に染まった制服。
 ねっとりとした赤にまみれた鉈。
 そして、仁王立ちになる巨木のような男。

「!!!!!!!ぅおおおおおおおおおおおおお――――――」

 男が吼えた。ただ純粋な怒りのみを湛えた咆哮に、待機が震撼する。

 破壊された地下駐車場の中で反響し、一陣の風のようなものが吹きぬけていく。

 全身の力をかき集めていく。全身に力が漲っていく。

「――――――おおおおおおおおおおおおっ!!!」」

 持てる最後の力を振り絞り、裂帛の気合と共に投擲される鉈。

 大気を巻き込み、空間を貫き突き進む。

 その刃は地下駐車場の明かりを反射し、妖しげな光を放っていた。

178 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/22(金) 23:12:48

 こちらの行動はこれでおしまいだね。
 そちらの攻撃で意識を刈り取られて決着かな。

179 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/22(金) 23:55:24
「すまない…」
俺の口から自分でも思いも寄らなかった言葉が漏れる。
あくまでも自分の…哀れにも偽りの正しさを信奉する男が放った最後の一撃すら
俺には僅かに首を傾ける程度の脅威でしかなかった。
あえて苛立たせる様に俺は男の身体に突き刺さった義手を回収する。
「お前の牙は決して届かない…俺には」

文字通り全てを賭け俺は目の前の男に相対したつもりだった。
いかに吸血鬼であろうとも僅かでもきっと理解してくれる、そう思っていた。
だが…。

改めて男の顔を見る。
張り付いた笑顔に怒りの視線だけが妙にミスマッチだ。
「お前にとって俺は何なんだろうな?」
誰に聞かせるわけでもない言葉がまた口をつく。

「許してくれ…そして教えてくれ」
不意に視界がかすむ…。 
「俺ではお前を止めることは救うことは出来ないのだろうか?」
この涙もこの男には届かないのだろうか…?
この目の前の男には人の欠片すら残ってないのだろうか?

「だが、お前は裁きを受けなければならない、罪の意識も無いまま
お前が憎む"いらないもの"として」
そう、この男は決して野放しにはできない、
この男にとってのふさわしい罰はきっと誰かが考えるだろう、
しかしそれは俺の範疇を超えたことだ。
すでにアナが手を回している、もうすぐ到着するはずだ。

「さらばだ…もう会うことはないだろう、だが」
そして俺は生きている限り忘れることが出来ないであろう顔を一瞥すると
その首筋に手刀を叩き込んだ。
「また会うことがあれば、俺の前に立ち塞がるなら…俺は何度でも
今日と同じことを繰り返す、それが俺の、"護り屋"楯雁人のやり方だ」

180 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/22(金) 23:57:01
これで戦闘は終了、エンディングだな
色々と勉強になった、また別の誰かでお互い出会うことになるかもしれないが
そのときもまた力いっぱい戦おう

181 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/23(土) 16:23:36

 確認したよ。こちらの行動はおしまいだから、そちらで何かエピローグがあればこのあ
とにどうぞ。

 ブロムヘッド氏との闘争が終わり次第本スレに貼り付けようか。ああ、レス番まとめは
ぼくがやるからご心配なく。

 こちらこそ世話になったね。ありがとう。また機会があったらいずれ。


182 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/24(日) 22:54:13
エピローグはあるにはあるのだが
今度は俺が体調を崩してしまった…申し訳ない
しばらく待ってくれ

183 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/25(月) 07:14:05

ゆっくり休んでくれていいよ。
それまではこちらもゆっくりしているから。

184 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/27(水) 19:31:01
ようやく体調が戻ってきた、まだ熱はあるが…
あと暫く待ってくれないだろうか?

185 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/27(水) 23:12:53
了解。ゆっくり休んでください。

186 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/28(木) 19:33:16
あの男との戦いから数日後、俺はとあるビルの屋上にて人を待っていた。
「随分とお疲れだな」
背後から声、いかに非戦闘時とはいえど、
俺の背後を取れる存在は世界にそう多くはない、待人来たる…。
ま、少々遅い到着だが。
「教師が遅刻してどうする、それに知っているぞ…見ていたんだろう?ずっと」

「おいおい、俺は吸血鬼との貴重な戦闘体験を譲ってやったんだぜ」
目の前の男は悪びれずにおどけた仕草で応じる。
この男、一見すると眼鏡にスーツ姿の地味な若者だが、
裏社会では死神とすら称される凄腕の殺し屋だ。

「それはともかく、約束の品だ」
俺はボスから頂いたUSBメモリを男に投げ渡す。
この中の全データと引き換えに、今回俺は男の介入を止めさせていた。
「へぇ…どれどれっと」
男は慣れた手つきでノートパソコンを操作し、内部データを閲覧している。
それを眺めながら俺は話を続ける。

「これはアナが調べたことだが…」
「欧州に渡って以来、田上信吾の行動が急変している…日本にいた頃の殺し旅ではなく
 明らかに確実性が増している…誰かが情報を流していたんだ」
「で、あいつはまんまとそれに踊らされたということか」
結局、あの男の正義は利用されていただけだった…薄汚れた始末屋として。

187 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/28(木) 19:33:44
「哀れな奴だよな、ま、それの始末はお前に任せた」
データを全て見終わったのであろう男がまたおどけた仕草で応じる。
「いいのか?」
「ああ、このリストにある組織はどうやら俺の目的とは関係ない、
ICPOにでも回してやれ、っと」
男は大きく伸びをして、そのまま回れ右で階段へと向かう。
「じゃ、俺は帰るぜ…教師って仕事はなかなか多忙なんだ」
まったく勝手な男だが、今時の教師はあれくらいじゃないと務まらないのかもしれない。
「では、お言葉に甘えるとするか…」


時と場所は変わって、日本

金髪の女科学者は困惑を禁じえなかった。
この場所が割れるはずがない。
充分な献金と、そしてそれに見合う結果を提出していたはずだ。
しかし、モニターに映し出されているのは、
警備用に量産した"Dust"達が次々と政府直属の退魔部隊と、
そしてSATによって制圧されていく光景。

188 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/28(木) 19:34:14
欲を掻いたのが不味かったか…。
安定した検体のルートを独占したいが余りに、
人身売買組織を片っ端から田上を使い壊滅させていった、
あの狂える自称ヒーローを操ることなど簡単だった。
多分、余りにも上手く進んだが故のこと、しっぺ返しというものだ。

「だけどここは最深部…ふふふ」
僅かに微笑んだ科学者の口元から牙が覗く、そう彼女もまた吸血鬼だった。
すでに起爆装置はセット済みだ、まもなくこの研究施設は跡形もなく崩壊する。
「そして私は逃げるだけ」
ここまでの研究データさえあればいくらでも再起は可能だ。
彼女の研究を喉から手が出るほど欲しがる国家や企業は枚挙に暇がないはずなのだから。

へらへらと笑いながら、地下をくりぬいて作った秘密トンネルを駆けに駆ける。
もとより吸血鬼用の脱出ルートである、人間には到底侵入できないはずだし、
これが脱出道とも思われないだろう。
ほぼ垂直に切り立った崖の中腹に作った出口から、そのまま勢いで頂上まで駆け上がる。
あと数分でSAT壊滅の盛大な花火が上がるはず…だが。

189 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/28(木) 19:34:49
「ここに来ると思っていた」
いきなりの声に振り向く、しかし。
「悪いが爆弾は先に処理させてもらった」
視界には黒いコートの男。
「そして俺がここに参上した理由、それは」
牙をむき出し飛び掛る彼女、噛み付けばそれで勝者、
男は無造作に片腕で構えただけだ…しかし。

「ぎゃああああああ!」
悲鳴を上げたのは彼女の方だった…男の腕に牙が突き立つことはなく、
逆に牙を折られ、悶絶する女。
そのまま男の腕が彼女の身体を捉える、その腕は人の腕とは違い、
鈍い金属の輝きを放っていた。

「貴様には一片の勝利もないことを教えてやるためだ!」
そう言い放ち、楯雁人は女の首筋に注射器を突き刺す。
幾つかの重金属を配合した特殊薬剤は吸血鬼の体内で拡散し、
その細胞を破壊し、絶え間なき苦痛と身体能力の低下を促す。

190 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/28(木) 19:35:20
聞くに堪えない罵声交じりの悲鳴を軽く聞き流していると、
「楯!ご苦労だったな」
今回の作戦の総指揮官である甲斐彰一が笑顔で現れる。
その傍らにはダークスーツの白皙の男性、おそらく彼が退魔部隊の指揮官なのだろう。
一見してわかった、彼もまた人ではない、吸血鬼。
それも田上や目の前の女などとは比べ物にならぬほど高位の存在。

「田上信吾の件は残念だった」
一礼すると男は涼やかな声で雁人に話しかける。
「正直、我々についてあまりいい印象はもってないのだろうが
だがこれだけは理解して欲しい」
「全ての吸血鬼、そして魔物たちが人間に敵対してるとは思わないで欲しい
むしろ人と共に手を携えて生きる道を選んでいる者たちの方がずっと多いということを」

雁人はただ無言で微笑むと、そして右手を差し出す。
男もまたそれに応じ、2人は握手を交わす。生まれも種族も違えども、
同じ目的に生きる同志として。

正直、今回はどちらかといえば苦い印象ばかりが残る事件だった
それでもこれで救われた気分になったと、雁人は思った。

191 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/28(木) 19:38:07
長らくお待たせした、これでエピローグは終了だ
何人かゲストを勝手に出してるが、そこらはご容赦いただきたい。
今夜は大事を取ってこれから眠るので、本スレに貼るのは
明日以降にさせて頂きたいのだが…それも許してもらえるだろうか?

192 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/28(木) 21:04:13

了解。じゃあ明日以降に。
ただ、こちらの導入の貼れるところまでは貼っておくよ。
そのほうが後日スムーズに進むだろうしね。

193 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/29(金) 14:17:17
 祝・連休!

 というわけで、とりあえず走ってくる。
 帰ってきたら戦車のりの感想でも書くよ。

194 名前:名無し客:2010/01/29(金) 16:08:50
ハーイてんてー、しつもーん。
今募集している闘争で、今回の倫敦ぱーれん制覇(嘘)は終了ですの?
実はラスボスを倒してもエキストラダンジョンのボスが! みたいなステージがあったり?
差しつかえなかったら教えてくださいぃ。

195 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/29(金) 18:48:35

 大人の事情により今回の闘争で本当におしまいだよ。……まあ、ぼくは子供なんだけどね。

 隠しボスはなし。というか本当は彼女たちが隠しボスの予定でした。もっとまっとうな
吸血鬼を表のボスとして用意してあったのだけれど、時間的制約により消え去りました。残念。

 彷徨えるオランダ人や人形の女王との戦闘はルート分岐により消えました。こちらはま
あ、仕方ないね。初めから該当ルートに入らない場合は消え去る予定だったし。

 その他にも使えなかったキャラが沢山いたのも残念だけれど、それはまた別のお話のた
めにとっておくよ。

196 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/29(金) 18:49:02

 できれば最終戦は祭りのネタにでもしようと思っていたんだけどね。企画して大々的に
やろうと思っていたんだけれど、昨年に体調を大きく崩しちゃって時間がなくなったので、
通常闘争で終わらせるよ。

197 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/29(金) 22:01:31
長らくお待たせした
では貼り付けといこうか

198 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/29(金) 22:10:09
了解。以後の報告はとくにいらないから交互に貼ろう。

199 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/29(金) 22:38:10

確認したよ。これで本当におしまいだね。レス版まとめはぼくがやっておくよ。

お疲れ様。付き合ってくれてありがとう。感謝するよ。機会があったらまたいずれ。

200 名前:楯雁人 ◆OC3lNOHG82 :2010/01/29(金) 22:41:14
ああ、また会おう

201 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/30(土) 00:49:00

 いよいよ最終戦。気合入れていくよ。

>>58
 というわけでロールシャッハさんで〆
 このあたりは名乗り出てもらったのに戦えなかったぶんのお詫びというかサービスということで。

202 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/31(日) 22:10:05

 ……導入が長いのは、仕様です。でも森祭りのAlice よりは短いので問題ありません。
上には上がいるのでそういったフリークスたちに比べれば、なにも、問題は、ない。

203 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/31(日) 22:23:07

 今回の負けいn……ではなく呪われし公子の能力はTRPG版をベースにしてるよ。
 そして、敗北前提のNPCなので、イベントではガンガン大魔術を行使するよ。

 チャードロスとか、アリオッチとか、キシオムバーグとか、マベロードとか、スローター
とか、ミッゲアとか、明けの明星とか、蠅の王とか、忌むべき光とか、漆黒の蛇とか。捏
造込みで。流石に全部は使わないけどね。

204 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/01/31(日) 22:32:04

 ネタバレになるからあまり言わないけど、ドリフターズが面白すぎる。まさかスタンド
使いとはね(嘘

 それとホーリブラウニーが大円団すぎて泣けてくる。ずいぶんときれいにまとめたなぁ。
すごく面白かったよ。

205 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/02/01(月) 01:07:45

……長文同盟の恐ろしさを、今日改めて教えられたよ。

206 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/02/03(水) 01:36:56

 お約束どおりに「死んでくれる?」をやりました。
 アリスといえばやはりこれということで。

207 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2010/02/03(水) 01:39:46
 
 それだッ!
 
 期待してるよ。……とか言ってないで、俺も俺のことやらないとな。
 ヴィルマのもこないだの連戦もそうだったが、あんたのバイタリティにゃ感心する。
 

208 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/02/03(水) 01:39:52

 やはり童話系とは相性がいいな。森祭りのときにこの選択に気づいていれば黒アリスに
堂々と喧嘩を売れたんだけどね。

209 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/02/03(水) 01:42:55
>>207
おや、いらっしゃい。よく来たね。といってもさすがにもうねるから、あまりお相手できないのだけれど。

ぼくもそちらがいま進行しているやつを楽しみにしているよ。

バイタリティに関してはせっかくやり始めたから終わらせたいっていう執念かな。


210 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/02/03(水) 01:43:57
あー。映画版のホームズがもう少し早く上映されていれば参考に出来たんだけどね。
ティムバートンのアリスも。

211 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/02/03(水) 01:44:31
というわけで寝ます。おやすみ。

212 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/02/03(水) 23:10:17

 シュヴァンクマイエル版のネタもやる予定。とはいっても小ネタだけど。
……ああ、食事のシーンじゃないよ。あれは不快すぎる。

213 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/02/04(木) 21:29:47

 読み返したらロボはやりすぎだったかな。……まあいいか。あれも雰囲気はあってるし。


214 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/02/04(木) 21:32:59

未来少女アリスのネタも出来たらやるよ。


215 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/02/09(火) 00:29:51

……あんな神様を拝んだら、加護よりも『魔女のバアさんの呪い』が降りかかりそうで怖いね。

216 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/02/09(火) 00:41:44

ちなみにオチはオーケンの予定。題名からしてバレバレだけどね。

217 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/02/11(木) 01:16:59
……流石に今回の長さは反省してます。すみません。

218 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/02/11(木) 20:05:35
>>ハードボイルド
 もし余裕があれば一日だけでもいいから顔を出したいんだけどね。
 いまのところだと予定がきついんだよなぁ。

 ……ああ、もちろん僕自身じゃないよ。北方謙三の某作品から。

219 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/02/12(金) 00:46:19

 などと言いつつこちらに顔を出すぼく。
 このスレも今週中には削除依頼を出すよ。

以下チラシの裏。独り言。

 今回の倫敦を舞台にした連続闘争だけど、やろうと思ったきっかけは森祭りのジャンヌ
の闘争を見て、だったんだ。

 複数の闘争を連ねてひとつの物語にするという手法に感動し、自分でもやってみたいと
思ってこの連続闘争を始めたんだ。

 さて、それを終えた感想なんだけど……とても疲れたよ。ぼくは半年かけてやったわけ
だけど、こんなものを半月でやった黒アリスは化物としか言いようがない。闘争数もぼく
より多いしね。いかれてやがる。


 あと今回の闘争を始めた理由のひとつに、『とかげ』に対する対抗心もあったね。あの
世界観には賞賛を通り越して嫉妬すら感じたよ。

220 名前:名無し客:2010/02/12(金) 19:39:53
みんなお疲れさまでした。
また最初からじっくり読みなおしてみるよ。

221 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/02/13(土) 18:57:09
 今日は予想外に早く帰れたよ。……明日もこうならいいんだけれどね。

>>220
 ありがとう。
 自分で言うのもなんだけど、結構よくできていると思うから、楽しんでもらえると幸いだよ。

 さて、ぼくからもお礼を言わせてもらうよ。
 みんな付き合ってくれてありがとう。また機会があったらよろしくお願いします。

222 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/02/13(土) 18:57:54

 さて、このスレも削除してもらうことにするよ。もう用済みだし、語ることも無いからね。
 じゃあね、みんな。またいつかどこかで会おう。

223 名前:Alice ◆DOLLmR5Q5A :2010/02/13(土) 19:01:01

 待ちなさい。まだ終わりじゃないわ。思い出しアタマリバースなさい。語っていない物語(>>5)があるでしょう。
 だから、さあ、お話をして。できるだけ楽しいのをね。

224 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/02/13(土) 19:02:07
 仕方ない。じゃあ始めよう。少年と少女人形の物語を。

225 名前:イグナッツ・ズワクフ ◆DOLLmR5Q5A :2010/02/13(土) 19:03:52

「じゃあ、美容院ビューティー・パーラーごっこをしましょう。ルールは知っているわね? ゲームはこんな具合
よ。ひとりが世界を発明するの。御伽噺の心象風景を。するともうひとりが<超次元的美容師>
になって、相手が空想したお伽の国での生と死のシナリオに沿って、服やアクセサリーや
化粧品なんかでおめかししてあげるの。イギーが美容師になって。わたしがデミゴになるわ。」

 偽りの神デミゴッド? 涜神的だね、プリマヴェラ。

造物主デミウルゴスよ。まぜっかえさないで。想像してみて。 小さな部屋。まぶしく明かりがと
もっている。細長い長方形の部屋。そしてその部屋には、雑誌の散乱したコーヒーテーブ
ルと寝椅子と二脚の椅子が、壁紙サイズの鏡の前に並んでいる。鏡は万華鏡のような電球
の列。部屋のいっぽうはガラスのドア。反対側は螺旋階段。部屋は雪のように白くて、そ
反射率アルベドは満月みたい。時刻は零時。そしてそこにいるのは……」

ゲーム開始。カウントが始まる……

 少年と少女だ。

「少年と少女?」

 イグナッツ・ズワクフとプリマヴェラ・ボビンスキ。人間ヒューマンボーイ人形デッドガール

「そうね」

 イグナッツ・ズワクフは15歳。彼は平凡な少年だから、取り立てて語る必要は無い。
プリマヴェラも同じ年だが、慢性的な貧血のために少しだけ年上に見える。乳白色の肌は、
凝固して痛みかけたクリームのように美しい。髪は長くて、一度脱色してから金髪に染め
直してある。……人間だった頃の髪の色にね。

「……最期のひとことは余計よ、イギー」

 すまない。ぼくは鋏とヘアカーラーとローラーをとりあげる。メーキャップ用のパレッ
トとチューブを並べ、衣装を点検する。幻想の脱衣場、靴、ブーツ、帽子……こんどは君
の番だよ。

「わかったわ。偉大な女王の手によって変貌した世界を想像してみて。ひとりの科学者の
手によって作り出された人形の女王は、量子の魔法とナノマシンによって世界を作り変え
ていったの。彼女のナノマシンは人間の遺伝子に感染し、生まれてくる少女を人形に作り
変えてしまうの。生まれた時は人間と変わらないけど、二次成長期を迎えると少女は人形
になってしまうの。どんどん人間は感染し、どんどん人形が生まれてくるわ。そうやって
人形は増えていくわ。……もちろん人間も黙って見ていなかったわ。過激派の人間はドー
ルを殺して行ったわ。でもドールも黙っては殺されなかった。先鋭化した人形たちは量子
の魔法でどんどん人間を殺していったの。そうやって人間と人形は戦争しているの。そん
な世界を想像してみて。さあ、イギー。わたしたちはどこに居るの? 」

 そうだな――――――そこはバンコクだ。

「わたしはどんな服を着ているの?」

 まあ待って、もうすぐだから。人形と人間の殺しあう、ドール渦の発生地となった退廃
都市倫敦から脱出した二人は、高度資本主義都市となったバンコクで暮らしているんだ。
そう、ふたりはゴミ溜の様な街で生きている。故郷から逃げ出して東南アジアの大きな都
市に住み着いている。殺し屋として暮らしているの。裏社会のプリマドンナとそのエスコー
トとしてね。

 ぼくらはダウンタウンのウィアードに新しくオープンしたレストランにすわっている。
バンコクの深夜族の病気を助長するプレイスポットだ。その夜の君はとても美しい。人を
殺す前はいつもそうだからね。そう、ぼくらは仕事のためにそこにいる。ぼくらの雇い主
を告訴している新鋭のデザイナーを殺すために。きみが身につけているのは――――――

「なあに?なあに?」

 黒いダーマプラスティックのカクテルドレスを身につけている。剥がされてもまだ生き
ている美しい黒人女性の生皮のように、人工皮膚のドレスは、きみの体にぴったり張り付
いている。左胸には、五角形のエメラルドのブローチをつけている。そう、あのブローチ
だよ、プリマヴェラ。もちろんきみは化粧もばっちりしてるし、香水だって忘れてはいな
い。<<殉教の処女>>だ。お気に入りの香水だろ。

 きみは男がトイレに立ったのを追って席を立つ。もちろん男を殺すためにだ。きみの食
事のマナーは完璧だけれど、仕事柄目立たないに越したことは無いからね。君は男を追っ
ていく。でもその仕事は罠なんだ。はじめっから仕組まれていたんだ。だから、ふたりは
悪い男たちに捕まってしまう。

「わたしたちどうなってしまうの! 」

 隙を突いてなんとか逃げ出すことができたけど、きみは魔法の粉によってマトリックス
をずたずたにされてしまう。それでも頑張って逃げて逃げてなんとか魔法の粉を取り除く
ことのできる技術者の……


226 名前:◆DOLLmR5Q5A :2010/02/13(土) 19:06:43





体験版あらすじはこれでおしまいです。続きは製品版原典でお楽しみください。





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227 名前:停止しました:停止
真・スレッドストッパー。。。( ̄ー ̄)ニヤリッ


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