■ ユグドラル大陸へようこそ 〜ファイアーエムブレム聖戦の系譜〜

1 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/05/16(金) 21:27:31
こんにちは。ユリアと申します。
今日から、新生グランベル王国が、新たな一歩を歩みだすこととなりました。
国民の皆様には、全帝国の圧政により塗炭の苦しみと多数の犠牲を強いることになりました。元帝国皇女として、深くお詫び申し上げます。

過去の過ちを繰り返さぬよう、これからは国民や海外の皆さま方と積極的に会話し、交流を深めていきたいと考えております。
未熟な若輩者のわたしたちへ、ご質問やご意見を、どしどしお寄せください。
平和で幸せな世界をめざし、いっしょに歩んでいきましょう。

このスレッドについて

・ファイアーエムブレムに関する、質問雑談総合スレッドです。
・舞台はユグドラル大陸、聖戦終了後です。
・尋ねたいこと、意見したいこと、相談したいこと、その他なんでも、幅広い質問や雑談を歓迎します。
・過度に性的な内容や暴力的な行いはお止めください。違反した方には神竜ナーガにおしおきしてもらいます。

・いっしょに回答してくださるキャラハンの方を募集いたします。特に、聖戦の系譜もしくはトラキア776で、聖戦終了時に生存している方を歓迎します。親世代や他作品のキャラクターで参加したい方はご相談ください。
・ファイアーエムブレムの他作品の話題に関しては、伝承として伝え聞いている範囲(アカネイア、バレンシア、エレブ大陸が主)でお答えします。
・越境は、ファイアーエムブレムに関連する方であれば多少は対応できるかと思います。他作品に関しては、原則としてはご遠慮ください。

わたしなりによく考えて、誠心誠意回答したいと思います。
では皆様、よろしくお願い申し上げます。

2 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/05/16(金) 21:29:24
まず、自己紹介をいたします。

名前 :ユリアと申します。
年齢 :17歳です。
性別 :女です。
職業 :新生グランベル王国の王妹として、にいさまをお助けしています。
趣味 : 特にありません。しいて言えば読書でしょうか。
恋人 : …いません。
好きなタイプ : 分かりません。
好きな食物    : 何でも美味しくいただきます。シレジアの山菜は好みですよ。
最近気になる事 : わたしは、王宮で暮らしていて良いのでしょうか。
一番苦手なもの : 速い会話や騒々しい場所は苦手です。
一番の決め台詞 : わたしは戦う。逃げたりはしないわ。
将来の夢     : 生きがいを見つけたうえで、大切な人たちと、平和な世界で一緒に暮らしたいです。

口べたなのでご迷惑をおかけするかもしれませんが、よろしくお願いいたします。

3 名前:名無し客:2008/05/16(金) 21:34:12
平和な世界にするために、今王国の民である私たちに出来る事を教えてください。

4 名前:ゲラルド:2008/05/16(金) 21:44:38
ま!まて!
ナーガとは ひきょうだぞ!

5 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/05/16(金) 22:04:59
>>3

はじめての質問、ありがとうございます。
よろしくお願いいたしますね。

さて、最初から非常に難しいご質問ですね。
平和な世界にするために、何ができるのか…。
それはきっと、誰かから教えられるのではなく、わたしたち一人一人が自らに問いかけ、自分で答えを出していかなければならないことなのだと思います。
(わたし自身、何ができるのか、まだまだ分かっていないのですから…)

とはいえ、王国の民に行くべき道を指し示すのは、指導者の大切な役目。
にいさまに代わり、わたしの考えをお聞かせしましょう。

まず大切なのは、みんなが協力し合う心を持つことだと思います。
たび重なる戦争で、多くの人が殺し、殺され、家族や大切な人を失いました。
中には、親しい人の仇が近くにいる、そんな方もいると思います。そのような人間と協力したくない、という気持ちもあるでしょう。
わたし自身、戦争の当事者として、気持ちはよく分かっております。

ですが、もう争っているときではありません。
人は減り、町は崩れ、道は寸断され、国は荒れ果ててしまいました。明日の食べ物に困るほど追いつめられている人もたくさんいます。
このような状況からわたしたちの生活を立て直すためには、みんなが協力しあわなければなりません。

過去の全てを忘れなさいとは言いません。
苦い過去を受け止めたうえで、それを繰り返さないために、そして明るい世界を取り戻すために、今は平和が必要なのです。

今まで兵士として働いていた方々も、まず武器をおさめてください。
あなたたちの力は、建物・道路の建設や修復、農業・工業の立て直し、経済・運輸の復興のために必要です。
すでに各地の組織は動き出し、方々の町で復興作業の人員募集が行われています。
あなたの持つ力を必要とする場所は、たくさんあるのです。
あなたの力が、国民みんなの笑顔を取り戻すために役立つはずです。

わたしたち全員の力をあわせて、新しいグランベル、新しいユグドラルを作っていきましょう。


6 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/05/16(金) 22:16:56
>>4 ゲラルド様

…まあ。
シグルド様たちの訓練(経験値アップ)に貢献なさったという、ヴェルダンの戦士の方ですね。
シグルド様に倒されたと聞いておりましたが、ご無事でなによりです。
過去を水に流していただけるのなら、ナーガなどは使いませんから、
あなたも、ヴェルダンの復興にご協力くださると嬉しいです。

…ただ、あなたも手斧を持っていたのに、
「飛び道具とは、ひきょうだぞ」と言うのは、いかがなものかと…


7 名前:名無し客:2008/05/16(金) 23:21:45
税収不足になったらどうやって補いますか?

8 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/05/17(土) 00:08:56
>>7

ようこそお越しくださいました。よろしくお願いいたします。

税収不足ですか…。これは喫緊の課題です。
旧帝国の暴政によって国が衰弱している現在、産業は停滞し、したがって税収も不足するのは目に見えております。
いえ、税収うんぬん以前に、飢えに苦しむ多数の人々を、なんとか救わなければならない状態です。

明るい将来のため、今はたくさんの資金や資材が必要です。財政が一時的に大きな赤字となることは、やむをえないでしょう。

具体的な資金調達の方法として…。

まず、借金です。
新生グランベル王国として、すでに各地の商人より数千万ゴールドの借り入れを行っています。いかに領土が大きいとはいえ、新しく未熟な国がこれだけの金額を調達するのは、普通なら難しいところですが、戦争時代に築いた、セリス陛下たち戦士と道具屋・修理屋・闘技場をはじめとする商人たちとの絆が役に立ち、大きな投資を得ることができました。国債を発行し、有力貴族からの借金による資金調達も行っております。
資金面での補助だけでなく、復興作業に必要な工事用具や町づくりのノウハウの提供など、商人の方々からはすばらしい支援をいただいております。

次に…、不正な財産の、没収です。
グランベルには、旧帝国の勢力に取り入って儲けた貴族が数多く存在します。
ロプト教団や、ドズル家一派、ヒルダ元フリージ王妃を中心としたフリージ家一派。彼らの手先となって子ども狩りを行い、あまつさえ庶民の財産を略奪するなどした貴族たちがいます。
グランベルの法律と裁判にもとづき、彼らの身分をはく奪し、非道を行って貯めた金銀財宝を没収して、復興資金に回すのです。
本来ならば、財を奪われた人のもとへ返還するのが筋ですが、残念ながら財産のほとんどは、誰から奪われた物なのかが分かりません。あくまで次善の手段ですが、国有財産にして、復興に使うことといたします。

国の復興が軌道に乗れば、産業の発達とともに税収も増加し、借金の返済もできるようになるでしょう。
将来的には、大陸各国との交易、さらに大陸外との交流も行い、また各種魔法の平和利用に関する技術研究も通じて、国を発達させていきたいと思います。

…と、あたかも物を知っているかのように申し上げましたが…実際のところ、わたしの知識は大したことがありません。
文官のパルマークたちから助言をもらって、このような方針を持っております。
あなたがたからも提言があれば、ぜひお寄せください。


9 名前:名無し客:2008/05/17(土) 00:58:56
聖戦時の顔ぶれには、リアル妹も沢山いらっしゃる(皇女様もそのおひとりであらせられますね)事ですし、
国営の「妹喫茶」を開店なさってはいかがでしょうか。
圧政と戦乱で疲れ果て、傷ついた心を優しくいたわってくれる妹の笑顔・・・。
国庫は潤い民には安寧、両問題を一挙に解決する糸口になるかと、愚考致します。

庶民系の方々(マナさんとかジャンヌさんとか)にも御協力をいただければ、
変化と新鮮さに富んだ店舗運営も可能でしょう。何卒御一考を。

10 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/05/17(土) 02:00:31
>>9

こんばんは。提案を持ってきてくださったのですね。ありがとうございます。
あなたのように、新しい希望にあふれた気力ある方が多く出てくれば、きっとこれからのユグドラルも明るくなることでしょう。

それで、ご提案の内容は…。
…「妹喫茶」ですか?
聞いたことが無いのですが、それは…何でしょうか?

あ、ちょうど今、パティ様が来ています。彼女なら、商売関係にも詳しいでしょうから、聞いてみましょう。

あの、パティ様、この提案なのですが……
…はい…はあ…

よくわかりませんが…妹喫茶というのは、喫茶店の一種で、若い女性がウエイトレスになって、あたかも自分が妹であるかのようにお客様と接する…ということでしょうか。
わたしはシレジアでの逃亡時代にレヴィン様へ食事の用意や給仕をしたことがありますので、喫茶店で働くのはできるのですが…。
しかし、仮想的にとはいえ、わたしのような小娘を妹に持っても、お客様は、嬉しいのでしょうか…。
やはり、よくわかりません。

とりあえずパティ様が乗り気のようですので、彼女に企画をお任せします。
ラクチェ様、ナンナ様、フィー様、ティニー様など、各地の仲間にも、妹喫茶に参加するかどうか、連絡します。
マナさんたちもお誘いしましょうか。

提案してくださったお礼として、>>9 様には、イザーク産の緑茶を、いれてさしあげます。

               , , . - ―  ‐ -  ..,,
            .. '               `  .
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        .'                        ` .
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        :    ::     : : :                 :
        !   ii  :  ::  i ii ii   , : :   . ':       ,  ;
         !  ll  i : ii  !.l !.l!  .' i.ii ゞ=-、ii :  i:  :  ;
.        ヽ !!. i ! !!,ニ!:、、!、 .'  .!! ! !    !! i:  !! . ! .i
          ` !!`、! !:!_,:-=、 `   ,!ニ l、 ‐ 、 !!./i:  ii ::.! i   お茶です、お兄様。
             i i! メ   `    ァ=‐=ッ.,`メノ i i.`. ll ii! i
.             i !!、   ,.ー┐  ,.. ヾt// i i `. :! ii! i
             ! !! ` 、  、ノ      /l、/:、:、 `.;! :i! i
.             ! !!、  ヾ>--‐ ´   l、 / ―― 、.i! i
.             ! ii、、`ニ//  ,','、 _ , /  / ニニ 、、 li.! i
.             ! ii ``ニl l  !!   //  //ii ii  、、!i ! i
             ! ii   ― ― 、 // // ii !i メ/ i .!.i
.             ! .!!   !    - !. ll  ll  !! !!  / i !i
.             ! !!   d  茶  ,‐、!  ll  !! !!  ヘ ! !i
.             ! !!   8   :、`ニ   \l _ !! !! く 〉:! .i
             ! !!   `二二`、.ー   `ー!! !   vi :! i
.             ! !!    `ー‐  ー、    !! !   !!  ! i
              i!!     /! /!   `ー/!! !   !!  !.
              ii    /.! /し   /   !      !  i
                   ! ! /   ´    !     ! i
                  .! !           !    !


……
…なんだか少し、恥ずかしいです……。


11 名前:老いた廷臣:2008/05/17(土) 10:04:02
殿下!王族ともあろうお方が、なんというはしたないまねを!
王国の民を率い!!国を富み栄えさせるお立場にあられるべき方が!!
給仕の真似事など言語道断ですぞぉぉぉぉおおおおおおっ!

ぜぇぜぇ・・・・ごほごほ。あ、お茶一杯もらえませぬか?

12 名前:名無し客:2008/05/17(土) 19:01:47
貴族制が存続するなら、いずれまた保身の権化みたいな大貴族が出てくるかも
知れないですね。対策はありますか?

13 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/05/17(土) 20:41:32
>>11

はしたない真似をしてしまいましたか?ごめんなさい。
ですが、王族であっても、国民から親しみやすい印象を持ってもらうことは、悪いことではないと思うのです。

ロプト帝国は、セリス陛下たち解放軍によって滅びました。
滅びた原因は解放軍をはじめとした各地の住民反乱であり、反乱を招いたのは残虐な政治、そして恐怖による支配を行っていたからです。
ロプト帝国が、自らの理想や国の方向性を民衆に理解してもらう努力をしなかったこと、国民を自分たちの私物のようにみなして見下していたことが、根本にあるのだと思います。…ロプトの場合、理想を正直に説明しても民の理解を得られたかは疑問ですが…。

わたしたちは、その過ちを繰り返さないために、つねに国民の声に耳を傾け、国民の心を知るようにつとめたいと思っています。
そのために、陛下はバーハラ城で謁見を積極的に行っています。
ですがそれだけでなく、このような場所でくだけた雰囲気で人々の声を聞くのも、良いのではないでしょうか。

…実際のところ、王族には上下関係を示すような威厳も必要、というのは理屈としては分かります。
ですが、聖戦士の血をひくという理由で心の壁を感じるのが、わたしはさびしいのです…。

と…すみません、長話になりましたね。
お茶ですね。お兄様…いえ、年齢が離れていますので「お兄様」は不自然な気がします。


      r "⌒ ヽ
      =ノノ))) お茶をどうぞ、おじいさま。
     l|l| ゚ -゚ノl
     リ/ ヽィ'川
       |__lつ旦O



14 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/05/17(土) 21:07:46
>>12

こんにちは。ご質問、ありがとうございます。

現在のグランベル王国においては、貴族の増長はそれほど心配するものではないと考えております。

理由としてまず、王の権限が強いこと。
国の構造上、立法と司法の決定権は王が握っており、大貴族であっても王の意向には逆らえない形になっております。
行政においては有力貴族が地方を治める力はあるものの、民衆の不満が噴出すれば王が貴族に改めるよう命令しますし、そうでなくても悪い政治を行う地方はいずれ国力が衰えるでしょう。

そして、ユグドラル独自の理由として、軍事力があります。
各国の王は、そのほとんどが十二聖戦士の血をひく存在であり、圧倒的な力をもつ神器をその手に持っています。
これは王の力の原泉のひとつであり、貴族が暴走しないための抑止力として働くでしょう。

最後に、相続税の制度が導入されており、貴族が何代もかけて王国を凌駕する財産と実力をつけるようなことは困難となっております。

とはいえ、いま申し上げたことは良い側面ばかりではありません。
強大な権力と神器とを持つ王が、もし悪政を行ったらどうなるか。
ロプト帝国の血塗られた歴史は、その結果を如実に示しています。
わたしたち権力者は、強い力を持つからこそ、自分たちが本当に正しいのかどうか、つねに謙虚な態度を持っていなければいけないと思います。

本来、十二聖戦士の血と政治能力は別物のはずです。
神器を持つかどうかに限らず、国民が自分たちで、良い政治を行う人を指導者として選ぶ。
そういう民主共和政治への移行を、いずれ行うべきではないかと感じています。


15 名前:名無し客:2008/05/17(土) 21:36:26
ユリウスとか十二魔将とかより、あのファルコン三姉妹(メング、ブレグ、メイベル)が
本当にマジで恐ろしかったのは仕様でしょうか。
神器を持つ聖戦士と互角に戦い、しかも指揮能力☆☆☆☆☆のまさにバケモノ。
なに食えばあんなに強くなるんでしょうか。

16 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/05/18(日) 00:18:13
>>15

こんばんは。ご質問ありがとうございます。

ファルコンナイトの三姉妹の方々についてですね。
わたしは当時マンフロイに操られていたため、残念ながら直接は彼女たちのことを知らないのです。
それでも、解放軍がとても苦戦したという話は、皆さんから伝え聞いております。

昔語りになりますが…。
わたしが両親とともにバーハラで暮らしていたころ、彼女たち三姉妹が、将来のヴァイスリッター指揮官・近衛兵長の有力候補といわれているのを聞いたことがあります。
当時の彼女たちはまだ少女でしたが、訓練ではイシュタル様やブリアン様たちを相手に引けを取らないペガサスナイトとしての技を見せていました。
わたしはまだ幼かったので訓練には参加しませんでしたが、仮に相手をしていたとしても、彼女たちにはとてもかなわなかったでしょう。

彼女たちの食事については知らないのですが、特別なものを食べていたという話は聞きません。

メング様たちはシレジア王家の分家の出身で、セティの血をひいていたのですが、そのことを鼻にかけるような態度は全くありませんでした。グランベル帝国がシレジア王国を攻め滅ぼしていたということもあり、シレジア出身者の地位は高くなかったのです。
その中でメング様たちが頭角を現したのは、ひとえに彼女たちの実力と鍛練のたまものだったと思います。

彼女たち三姉妹が最も凄いのは、連携・コミュニケーションの部分だったと思います。
ペガサスナイトは、ペガサスを自分の手足のように扱わなければなりません。しかしそれには長い年月をかけてペガサスの心をつかむ必要があるのです。フィー様のように、ペガサスと一心同体に見えるほどの見事な操縦術を身に付けた方は、「ファルコンナイト」と呼ばれて尊敬されます。
メング様たちは、そのファルコンナイトの中でも最もレベルの高い実力を持っていました。しかし、彼女たちの本当の力はそれだけではなく、三姉妹の連携、コンビネーションにありました。

三姉妹で毎日のように繰り返した訓練の結果、彼女たちは恐ろしい連携技を編み出しました。
三人がターゲットの上空を旋回し、そのうち一人が敵を背後から急襲します。それに対応しようと敵が振り向いたところで急停止。もう一人が正面から突進して挟み打ちの形をとります。前後からの攻めを避けるために敵ができるのは「伏せること」ぐらい。しかしそれこそ三姉妹の思うつぼ。最後の一人が敵の真上から急降下し、動けぬ敵を葬り去るのです。
「トライアングルアタック」。
それを目にして生き残った者はいないといわれる、必殺の連携攻撃でした。
繰り返しますが、この強さを生み出したのは、三姉妹の日々の鍛練による、ペガサスとの、そして三姉妹相互の、意思疎通の力だったのです。

解放軍もこの三姉妹にはとても苦しめられたそうです。
彼女たちをフリージ城前で迎え撃ち、城外の丘でセティ様とアレス様が左右から攻撃し、分断したところを一人一人が撃破する。…それも、一切の容赦なく、姉妹の一人に対して伝説の神器を使う者を二人、三人とつぎこんで袋叩きにする。そういう作戦を駆使して、辛くも彼女たちを撃破したのだそうです。

わたしは、この話を聞いて、少し嬉しかったのですよ。
…意外でしょうか?
わたしは本当にうれしかったのです。
神器をもたない人であっても、一人一人が努力を積み、連携を深め、みんなが力をあわせることによって、神器を持つ人を上回る可能性を示しました。
人の知恵と協力が、竜の力を上回るかもしれない。
そのことに、わたしは希望を見出したのです。


17 名前:名無し客:2008/05/19(月) 03:38:59
神器を持って闘技場に暴れ込むのってやっぱりヤバいですよね?
途中で離脱していた遅れを取り返すためにナーガ使用とか

18 名前:名無し客:2008/05/20(火) 03:20:39
あの容姿のエスリンが、
人妻でしかも子持ちだったというのが未だに信じられません。

19 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/05/20(火) 06:43:42
>>17

こんにちは。ご訪問ありがとうございます。

ご質問は、「神器を持って闘技場へ行く」ことについてですね。
たしかに、これにはいろいろな問題が考えられます。


まず一つは、読んで字の如く「闘う技を競い合う場所」であるはずの闘技場において、圧倒的に強い武器である神器を使うのは正当なのか、という問題です。

これについて、リボー在住の闘技場勤務ハンター・カシム様はこう言っています。

「あの…、ぼくがこれを言うのも何ですけど…。神器って、卑怯だと思いませんか…? ぼくがいくら頑張っても、こんな普通の弓じゃ勝てっこないっていうか、相手に神器があると、いくら努力しても無駄になっちゃうっていうか…。実力や頑張りじゃなくって、武器だけで勝敗が決まっちゃうっていうか。見てる人だって、もうちょっとぼくに勝ち目があったほうが、盛り上がって楽しいんじゃないかって思うんです…。
 それと、あと一つ、いいですか…。母が病気で…薬を買うために、お金が必要なんです…。それで、えーと…。」

なるほど、カシムさんはお母様のためにお金が必要なのですね。薬を買えるよう、応援しています。頑張ってくださいね。

「えっ!?いや、あの、そうじゃなくて…」 (ユリア様警護隊に引きずられてカシム退場)

カシム様のおっしゃる通り、神器の効果が非常に大きいのは事実です。

ただ、ラクチェ様のように、闘技場どころか実戦で聖斧スワンチカを使うブリアン様からかすり傷ひとつ無く一方的に勝利した例もあり、神器が必ずしも勝利を約束するわけではないとも言えるでしょう。
また、神器を持っていたとしても、それを使いこなせるかどうかは本人の努力次第とも申せます。わたしが聞いた精霊のお告げによりますと、もしエーディン様とレヴィン様が結婚なさっていたら、レスター様は神器フォルセティを使いこなせず、その恩恵にあずかれなかったであろうということです。
そういったことから、神器を持っている人であっても闘技場での勝利のためには努力が必要であり、それも含めての闘技場ということなら公平である、という見方もあるのではないかと思います。


「闘技場で神器」ということに関する問題は他にもありまして、
「血を好む魔剣ミストルティンによる必殺の一撃で身体を切り刻まれて、生きていられるのか?」
「巨大な神竜ナーガを呼び出して、闘技場の設備は崩壊しないのか?観客は無事なのか?そもそも神竜は闘技場に収まるのか?」
といった疑問を持つ方もいらっしゃると思います。

結論から申しますと、この二つはいずれも問題ありません。
闘技場という場所には仕掛けがありまして、皆さん無事にすむようにできております。
説明が長くなりましたので、詳細は、また別の機会にお話いたしましょう。


最後に、わたし自身はどうしたのかをお話いたします。

ガネーシャ城でセリス様たちと合流して以来、微力ながら杖や魔法を使って戦ったわたしは、トラキアにて賢者(セイジ)の称号を授かりました。
ご存じのとおり、その後わたしは不覚にも敵にとらわれ、魔術により操られていたのですが、セリス陛下のお力により呪縛を解いていただきました。
わたしがとらわれている間に、解放軍の皆様はより一層の鍛練を積んでいたのですが、わたしにも賢者の称号があり、成長において大きく後れを取っていたとは思っておりません。

先ほどカシム様が言っていたような意見もあり、バーハラでの戦いの前にわたしが闘技場に行くことはためらわれたのですが…。
シャナン様やセティ様から、「グランベルの民衆に、神聖なるナーガの存在を見せることにより、戦争の大義が解放軍にあることを印象付けることができる。」との言葉をいただいたことが、わたしを動かしました。

わたしは闘技場にて神竜ナーガの力を解放しました。次の瞬間、あたりはまばゆい光に包まれ…、気がついた時には、「闘技場の皇帝」と呼ばれていた無敵の戦士・ゼウス様が倒れ伏していたのです。
静まり返った闘技場の客席は、一瞬の後に大歓声に包まれました。

この行動が正しかったかどうか、まだわたしには分かりません。
わたしの行動により、人々が勇気づけられ、それによって各地の解放戦争でも早く勝利が得られ、犠牲が少なくなったならば、少しは罪ほろぼしになったのではないかと感じます。

20 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/05/20(火) 11:34:18
>>18

こんにちは、よろしくお願いしますね。

>>18 様は、エスリン様のお姿をご覧になったことがあるのですね。
エスリン様はセリス陛下の叔母様、わたしにとっても義理の叔母様にあたります。
わたしが生まれる前にエスリン様は亡くなってしまったため、残念ながらわたしが直接お会いしたことはありません。しかし、シアルフィやレンスターに残された肖像画や伝承により、そのお人柄は現在に伝わっています。

バイロン様の娘、シグルド様の妹としてシアルフィ家にお生まれになったエスリン様は、ご家族の愛情に包まれて元気にお育ちになったそうです。
きれいな桃色の髪に、愛らしい笑顔を持つエスリン様。幼いころからバイロン様やシグルド様に対してさまざまな気配りやお世話をする、とても思いやりのある方であり、公女様でありながら料理がとても上手だったとのことです。
優しいだけの女性ではなく、乗馬、剣術も得意としており、バルドの聖戦士であるシグルド様も驚くほどの必殺の剣さばきを見せることもあったそうです。また、ユングヴィ家のエーディン公女と親しく、彼女に教わった回復の杖も一人前の腕前を持っていらっしゃいました。
打ち解けた相手に対しては強気に接することもあり、バイロン様たちからは「おてんば」と呼ばれることもあったようですが、それも、愛する家族に対してお世話をしたいというエスリン様の思いやりの裏返しであったのでしょう。

ある日、お弁当を忘れてしまったシグルド様のために士官学校へ届けに行ったところ、シグルド様の親友であったレンスターのキュアン様と出会ったエスリン様。
キュアン様はエスリン様の明るさと優しさに一目ぼれ。お二人はすぐに親しくなり、エスリン様は毎日のようにキュアン様にもお弁当を届けるようになったそうです。
当時、バイロン様とレンスター家のカルフ王は同盟関係の強化を模索していました。両家の分家貴族の婚姻などが検討されていたそうですが、キュアン様とエスリン様の間柄をシグルド様から聞いたバイロン様は方針を転換。カルフ様も大いにお喜びになり、キュアン様とエスリン様の縁談は何の問題もなくまとまりました。お二人は政略結婚でありながら、同時に恋愛結婚でもあったのです。

当時、エスリン様がまだ14歳と年若かったのですが、シグルド様が「エスリンの心は私よりも大人だよ」とおっしゃっていたとのことで、エスリン様は精神的に十分、王妃様となるにふさわしい女性と認められていました。

レンスター家に嫁がれたエスリン様は、アルテナ様を授かりました。母となったあとも、その優しさと活発さは変わらず、キュアン様との間に幸せな家庭を築くものと誰もが信じていたでしょう。しかし…。
ヴェルダンのユングヴィ侵攻の報を受け、エスリン様はキュアン様とともに、シグルド様のもとへ駆けつけます。危険な戦いへもためらわずに身を投じる勇気をも、エスリン様は持っていたのでした。
その後、誰もが知っている激しい戦いをくぐり抜けてきたのですが、いったんレンスターにお帰りになったあと再び援軍に駆けつける途中、イード砂漠にてトラキア軍に討たれ、エスリン様は戦死なさいました…。

>>18 様が信じられないとおっしゃるのも分かるほど、エスリン様は少女のように明るく愛らしい方であり、そこにいるだけで周囲の人々を笑顔にしたと言われております。
同時に、積極的に世話を焼き、愛する人のためには危険をも省みない活動的な方でもありました。若いときに結婚なさるに相応しい、成熟した心を持つ女性であったのでしょうね。

21 名前:名無し客:2008/05/20(火) 16:20:46
今、一番不足しているものは?

22 名前:名無し客:2008/05/20(火) 22:41:16
夢は見ますか?

23 名前:名無し客:2008/05/20(火) 22:42:06
王妹としての夢は、国家の復興でしょうけど、
個人としての夢はなにかありますか?

24 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/05/21(水) 07:50:46
>>21

こんにちは。よろしくお願いいたします。
さて、ご質問なのですが…、いま、「グランベルに」不足しているものは何か、という質問でしょうか。それとも、「わたしに」不足しているものは何か、ということでしょうか。

「不足」という言葉はあまり人に対しては使わないような気がいたしますので、この国に足りないもの、という観点でお話しします。

新生グランベル王国に一番不足しているもの。それは、「経験」だと思います。

建国一年目の、歩み始めたばかりの国であり、民を治めた実績も、諸国との外交も、まだありません。
若いのは国だけではなく、治める人も、です。セリス陛下はまだ20歳。わたしはそれにも届かない年齢…。ユグドラルの歴史において、これほど若い指導者は極めて異例です。多くの指導者は40歳以上、若くとも30歳以上で就任するのが普通です。それに比べ現在は、バーハラのみならずグランベルの各公国、諸外国とも20歳以下の指導者が多く、シアルフィのオイフェ公(34歳)が最も年上です。大陸全体において、指導者に経験が足りないという点は事実であるでしょう。

さらに言いますと、わたしたちは年齢が若いだけでなく、政治の経験もありません。セリス陛下は、オイフェ様やエーディン様から政治や帝王学の指導も受けていらっしゃったそうですが、それは理論にすぎません。セリス様は剣術や軍隊指揮、統率力においては素晴らしい冴えを見せましたが、それに比べると……陛下を支えるべき王妹が言うべき言葉ではないかもしれませんが……政治手腕においては未知数と言わざるを得ません。

国政にあたっても、今までの歴史と慣例に従えばよいとは思っておりません。
王国と六公爵家という現在の形は、旧グランベル王国時代とほぼ変わりなく、一見するとグランベルは昔に戻ったかのように思われるかもしれません。
しかし、セリス陛下とわたしは、国を昔に戻すことを意図しているわけではありません。
詳しくは別の機会に譲りますが、ロプトウス信仰を持っていも正しく生きる者は差別されない公平な社会、それがわたしたちの目指す国の形の一つです。旧王国とグランベル帝国の施策の良いところを組み合わせ、新しい国を作っていきたいと思っております。
それは、未知の領域への挑戦ということであり、経験のないことを試みるという意味でもあるのです。

以上のように、グランベルには経験が不足しています。
ですがそれは、まったく新しいものを作り出す良い機会であるとも言えるでしょう。失敗しても、新しいことに取り組んでいく姿勢を持ち続けたいと思います。
わたしたちに足りない政治の経験は、今までグランベルに仕えていた家臣たちに助けてもらうことで補っていこうと思います。
>>21 様をはじめとする皆様も、お考えがあればぜひおっしゃってください。
よろしくお願いいたします。

25 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/05/21(水) 09:19:38
>>22

こんにちは。
わたしも皆様と同じように、夢を見ることがあります。昨日は、ラナ様やパティ様たちと一緒に「妹喫茶」で働いている夢を見ました。>>22 様のような方々と、まるで家族のようにお話することができて、とても楽しかったですよ。

他の方に聞きますと、普段から夢を見ることは多いのですが、目が覚めると見ていた夢の内容を忘れてしまうことが多いそうです。ですが、わたしは今までに見た夢の多くを覚えております。
それはおそらく、巫女(シャーマン)としてのわたしの素養に関係があるのだと思います。

巫女の能力の一つに、「予知夢」があります。未来に起こることの内容を、夢の中で見るというものです。
わたしは幼少のころから、予知夢を見ることが多くありました。その内容は、レヴィン様に助けられるという重要なものから、翌日の夕食のような他愛のないものまで、さまざまなものがありました。料理の種類や盛り付け、席の配置、お母様の細かいしぐさなど、細かいところまで、予知された通りの光景が現実でも再現されていたのです。

未来を知ることができて便利だと思うかもしれません。しかし、予知夢を見られるのは、良いことばかりではありません…。
トラキアにおいて解放軍とともに戦っていた頃、わたしは予知夢を見ました。町の近くでわたしは暗黒魔道師に囚われ、セリス様と離れ離れになってしまいます。そして、心は闇に閉ざされたまま、セリス様と二度と会えずに、息絶えるのです…。
目がさめて、これが予知夢だと自覚したとき、わたしの心は恐怖で震えあがりました。戦争をしている以上、明日にも死んでしまうかもしれないという覚悟はしていたつもりですが、こうして自分の運命を知ったとたん、わたしはたまらなく怖くなったのです。
死にたくない…、いや、それ以上に、セリス様と、みんなと離れたくない。そう、強く感じました。

離れ離れになってしまう気がします、とセリス様に話したところ、セリス様は「きみを守る、信じてほしい」とおっしゃいました。
そして…、マンフロイにとらわれてしまったわたしに呼びかけて、心を救ってくださいました。
本当に言葉通り、わたしを守ってくださったのです。
それは、わたしの見た予知夢が外れた、はじめてのことでした。

予知夢は運命ですけれど、運命は人の力と思いによって変えることができる。
そのことを、わたしは教えられたのです。

>>22 様、今夜も良い夢が見られますように、お祈りいたします。
明朝にすっきり目覚めるまで、安らかにお眠りください…。


26 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/05/22(木) 04:58:55
>>23

ようこそいらっしゃいました。
おっしゃる通り、王妹としては新生グランベル王国を復興するよう助け、より良い国にしていくことを志しております。これは非常に重い使命であり、それ以外のことを考える余裕もないほどだと言ってもおかしくはありません。

ですが、>>23 様のように、そのほかの夢についてたずねようとする気持ちも分かります。
王妹という地位は、わたしが元国王アズムール様のひ孫であることに由来するもので、ある意味で「与えられたもの」だと申し上げてもよいでしょう。つまり、世の中に数多ある職業の中で、わたしが「こんな人になりたい」と考えて選び取ったものではないわけです。
(…念のため申し上げますが、王妹として陛下をお助けする仕事をわたしが嫌っているわけではありません…。わたしは、与えられた運命に従うことを自分で選んだつもりでおります。)

誰に言われたわけでもない、わたしはこれをやりたいのだ、と言えるような何かが。王妹として働くほかに、まっさらな状態からわたしが選んだ何かが、あるのかどうか。
それを>>23 様はお聞きになっているのではないでしょうか。

お答えします。
わたしには……そのような夢は…


……ありません。

ラナ様やコープル様のように、僧侶として修道院で働き、自らを戒めて精神性を高め、つつましい生活を送り、人々の心と体の傷を癒したいと思ったり。
ファバル様やパティ様のように、戦争で身寄りをなくし、生きていくのが困難なこどもたちを助けていっしょに育っていきたいと思ったり。
そういった、自ら選んだ「夢」を持っている皆さんの目の輝き、わたしにはとてもまぶしく映りました。
同時に、それはわたしには無いものなのだということ、実感したのです。

それで…よいのだと思います。
わたしは、母様にかわってシグルド様へのつぐないを行い、父様にかわって帝国に苦しめられた人へのつぐないを行い、兄様のために…ロプトの過ちを繰り返さないように……生きる…。

それ以上は、のぞみません。

27 名前:名無し客:2008/05/23(金) 22:03:20
そもそも騎士とは祖国の平和と、民衆の生活を戦って守るのが仕事。
どんな理由であれ、一度その職についた以上。
平穏を脅かす者を、武力を持って排除するのも
任務の過程で命を落とす事になるのも、至極当然の事。
それをいちいち、悩んだり迷ったりするのはおかしい。

28 名前:名無し客:2008/05/23(金) 22:16:55
ユリアとセリスってヤったの?

29 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/05/24(土) 16:25:18
>>27

ようこそ、いらっしゃいませ。

>>27様は、騎士の方なのでしょうか。それとも、騎士を統率する方でしょうか。

おっしゃる通り、騎士は国と人々を守るために戦うのが責務です。その仕事の中には、人を殺すことも含まれ、その宿命の中には、人に殺されることも含まれます。
とても悲しいことですが、それを避けて通れない時というのは存在します。

時には、つらい戦いもあるでしょう。自分の行いが正しいかどうか、疑問に思うこともあると思います。
たとえば、国内の住民反乱を鎮圧するとき。住民は、王が悪政を行い自分たちが弾圧されていると感じたからこそ反乱をしたのでしょうし、守るべき民を手にかけることは苦しい限りです。
しかし、国には国の、王には王の考えがあります。国を守るために反乱を鎮圧すべきと決したならば、騎士はそれを全力で実行するのが組織の定めです。そこでは、迷いを断ち切ることが必要なのです。
出陣した先でまだ迷っているようでは、王のためにも、反乱した民衆のためにもならない。その意味で、>>27 様の言葉は的を射ていると思います。

誰かがやらなければならないことならば、刃をふるわねばならないその悲しみを自分が背負う。騎士という人は、そんな覚悟を背負って生きているのかもしれません。

わたしも、騎士ではありませんが、似た気持ちを抱いた経験があります。
そう…ほかならぬ、……ユリウス皇子…ロプトウスとの戦いです。
わたしの中に、兄への家族の情が残っていたことは、認めなければなりません。
それでもわたしは、解放軍の一員として、聖者ヘイムの末裔・神竜ナーガの光の後継者として、その責務を果たさなければいけないと思いました。
後悔は、していません。

一方で。
騎士に求められるのは、それだけではないことも、知っておく必要があるでしょう。
騎士道は、愛国心や主君への忠節だけでなく、弱者保護や献身、慈悲の心も含みます。
王が行おうとすることがそれらに反すると思ったならば、命を受けて出陣する前に、民衆のために王を諌める行動があってしかるべきです。
時には、民を守るために国を滅ぼすべき時さえ存在すると、わたしは思います。たとえばロプト帝国のように。

現在のわたしは騎士を統率していませんが、今後そのような立場になる可能性はあります。そのとき、わたしの考えを諌める騎士がいたならば、その言葉を真摯に受け止めることを約束いたします。

>>27 様がもし騎士であるならば、戦いに赴くに先立ち、自らの行いが本当に「祖国の平和と、民衆の生活を戦って守る」ことであるのかを問うことを、忘れないでくださることを願います。


30 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/05/24(土) 16:39:46
>>28

こんにちは。ご質問は…?

あの…失礼ですが、わたしとセリス様が何をやったのかと聞いていらっしゃるのでしょうか?

(フィーが通りがかる。にやにやと笑いつつユリアに耳打ち)
…?
「やったの?」ではなく「ヤったの?」であるところに注意、ですか?
たしかに、そのようなイントネーションはあまり耳にしませんが…。
それは、どのような意味なのですか…?

…え…え…っ!?(顔が赤くなる)
その…夫婦や恋人同士の男女だけがするような行為を…ですか?

それは…あ、あの…、
フィー様の言うことが、本当なのでしたら…、
>>28 様が、本当にそのような意味でおっしゃったのか、分かりませんが…、
わたしと、セリス様は…夫婦でも、恋人でも…ありませんので、
そのようなことをしたことは、ありません…。

…あの…できれば、何をしたのかを聞きたいのか、おっしゃってください…。

31 名前:名無し客:2008/05/25(日) 23:00:43
漆黒の騎士と戦って勝てる自信はありますか。

32 名前:名無し客:2008/05/26(月) 01:55:10
戦時中で生活が苦しいにも関わらず
民家や村を訪れると、住民の方々はアイテムやゴールドをくれますよね。
これも単に人徳の賜物ですか?

33 名前:名無し客:2008/05/26(月) 20:55:44
国家の安定を第一に考え、多数の国民のためならば少数の国民を犠牲・・・
文字通り命を奪うことすらいとわないような国家の重鎮をどう思いますか?

34 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/05/27(火) 06:21:09
>>31

こんにちは、ようこそいらっしゃいました。
炎の紋章を有する異大陸の伝承と関連するご質問ですね。
わたくしは「蒼炎の軌跡」は読んだことがあるものの、その後の戦いを記した「暁の女神」という伝承は知らないので、その範囲でのお答えとなることをご了承ください。

「漆黒の騎士」とは…異大陸・テリウスの伝承にある方ですね。神剣エタルドを使い、ずば抜けた覇気と実力を有し、並いる敵をなぎ倒す恐るべき強さを誇るものの、その正体は一切不明だとか。デイン王国に仕える騎士でありながら、その目的も謎に包まれているそうです。

わたしたちのユグドラル大陸にも、「黒騎士」と呼ばれる方がいます。
アレス様…魔剣ミストルティンを操る、へズルの末裔です。
黒馬にまたがり戦場を駆け、敵を次々に血の海に沈める姿は、さながら暴風のごとき黒い死神…。血を好む魔剣ミストルティンとともに、敵軍にとって、その黒い姿は不気味さや絶望感をいっそう引き立て、恐怖の対象になったことでしょう。

漆黒の騎士様も、戦いにおいてはその姿によって、敵に大きな恐怖を与えていたのではないでしょうか。

さて、仮にわたしが漆黒の騎士様と戦うことになったならば。
おそらく今のままでは、勝つことはできないでしょう。
理由は、その名前の由来となった鎧…かの地の女神の祝福をうけたとされる「漆黒の鎧」です。
伝承によれば、この鎧を着ているものは女神に守られ、一切の攻撃を受けつけないとのことです。大陸有数の実力者であったアイク様でも、普通の武器では彼にかすり傷ひとつ負わせることはできなかったとか。彼に通じる武器は、同じく女神の祝福を受けた神剣ラグネルもしくはエタルドのみであるそうです。
わたしはそのような武器を持っておりませんし、かりに武器を手に入れたとしても、この非力な腕(レベル:30、ちから: 0)では剣を操ることはおろか手に持つことさえできないでしょう。

もし勝ち目があるとするならば…、かの地の女神を上回る神の力を借りることができれば、というところでしょうか。
神竜を降臨させる、聖なる武器・ナーガ。
ナーガの力が、かの地の女神のそれをもし上回るならば、漆黒の鎧に施された女神の守護を打ち払うことが可能になるかもしれません。

神の力の比較で勝負が決まる、人の力の及ばぬ領域…。残念なことかもしれませんが…。
わたしたち人にできることは、そのような戦いを引き起こさないための努力、なのではないでしょうか。


35 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/05/27(火) 09:10:18
>>32

こんにちは。ご質問ありがとうございます。
先の戦争においては、>>32 様のような村人の方々からわたしたち解放軍に、あたたかいお言葉と貴重な情報、素晴らしい道具と多額のご寄付をいただきました。
>>32 様のおっしゃる通り、生活することさえ苦しい状況の中で、自分たちの財産を犠牲にしてまでも、わたしたちのために協力してくださいました。皆様のご協力がなければ、ここまでくることは困難だったでしょう。
あらためて、あつくお礼を申し上げます。

さて、村人の皆様はなぜ、わたしたちに貴重な品物や多額のお金を渡してくださったのでしょうか。
それは…

マウンテンシーフ「おらおらおらぁ!燃やすぞ殺すぞ分捕るぞ!あり金全部俺様のものだ!」
解放軍代表「無辜の民を虐げる盗賊め、死ねっ!」
マウンテンシーフ「ぐわあっ!…ち、ちくしょう…」

村人「おお、解放軍か!ありがとうございますじゃ。これでこの村も救われ……あ、あれ? なぜ剣をこちらに向けているので…」


解放軍代表「さて、お礼として村の財産を全部もらおうか」
村人「!!?」
解放軍代表「どうせ俺たちがこなけりゃ、盗賊に取られてた金だろ。同じことじゃねえか」


…などと脅し取っていたわけではなく。

村娘「いやっ、はなしてください!」
マウンテンシーフ「へへー、いいじゃねえか。ちょっとくらい金出してくれたって」
解放軍代表「おい、おまえたち、何をしている。その娘を放せ」
マウンテンシーフ「なんだよ、貴様! …げっ、もしやあんた、グランベルの聖騎士!?」

(中略)

解放軍代表「大丈夫かい、ケガはないか」
村娘「はい、ありがとうございました」

(中略)


解放軍「私は…きみを愛している…」

というような形で、村娘を財産ごと解放軍に嫁入りさせている…
…わけでもなく。

やはり皆様が、帝国に対抗する「解放軍」に希望を託していたからなのだと思います。そのリーダーが、「光の公子」セリス様であったことも、非常に大きな要因であるでしょう。
人々がセリス様に希望を見出し、帝国を打ち倒して圧政から解放する。そのために、自分たちに可能なできるだけのことをしようというお気持ちが、多額の寄付となって表れたのだと思います。
セリス様は当初、生活の苦しい皆様から資金を受け取ることを躊躇していましたが、そのお金は解放戦争において非常に有効なものであることは疑いのない事実でした。資金を受け取り戦争に役立てて帝国に勝つことによって、その恩返しをしようと決意し、皆様からの寄付を頂くことにしたのです。

>>32 様のおっしゃるように、人徳という言い方もできると思います。
グランベルの特権階級意識を持って、他国民を見下すように扱った帝国兵と違い、山里育ちの解放軍の人たちは、人々と同じ目線で接することができ、皆様に親しまれたのではないかと感じています。
現在のように解放軍の幹部たちが王や高い位に就いても、その頃の気持ちは忘れないでいたいと思います。

最後に、武器や各種リングのような魔法のアイテムは、村人が持っていても役に立たないため、わたしたち軍隊に譲渡されたという要素も、村人がプレゼントをしてくれた理由であると思います。

これからわたしたちは、国をより良くしていくことにより、自分たちの財産を犠牲にしてでも協力してくださった皆様への恩返しをしていこうと思っています。
今後も、よろしくお願いいたします。

36 名前:名無し客:2008/05/27(火) 19:51:33
>解放軍代表「大丈夫かい、ケガはないか」
>村娘「はい、ありがとうございました」

>(中略)

>解放軍「私は…きみを愛している…」

アーダンがリアルでやっていそうですね

37 名前:名無し客:2008/05/27(火) 21:47:26
聖戦の原因は何だったとお考えですか?

38 名前:名無し客:2008/05/27(火) 23:39:05
毎週頑張ってユリアに恋人作っていたのはいい思い出です。ちなみに相手はスカサハ。


所でどう考えてもオーラよりライトニングの方が強いと思うのですが。
まだライトニングとリザイアどちらかという選択肢なら悩みようもあったと思いますし…。

39 名前:魔封じの者 キシュナ:2008/05/29(木) 20:32:02
…………………………

40 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/05/31(土) 10:30:34
皆様、ご訪問くださりありがとうございます。
申し訳ありませんが、お返事はもう少しお待ちくださいませ。

41 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/06/04(水) 22:16:03
>>33

こんにちは。ご質問ありがとうございます。

多数の国民のためならば少数の国民を犠牲にする国家の重鎮…。
>>33 様のおっしゃるような指導者は、多く存在すると思います。いえ、事実上、すべての指導者がそうである、と申し上げても良いかもしれません。

以前のグランベル王国が、そうでした。
ダーナ砦の奇跡にはじまりユグドラルを平定した十二聖戦士は、将来にわたって平和を保つため、ロプトウスの末裔たちを根絶やしにするよう、ロプトの血をひくものは火あぶりにして処刑するとの法を定めました。
そして実際に、ロプトウスに連なるものたち、それだけでなくロプト信者をも、徹底的に弾圧し、排除していたのです。

わたしは、そのような考えに賛同することはできません。
それは、父…元グランベル帝国アルヴィス皇帝の思いを知っているからです。
父は、自分の能力に大きな自信を持っていました。若くして公爵および近衛指揮官に就任し、その善政は民に信頼され、自分なら世界を正しく導けると考えていたようです。周囲の人も、父の高い能力を認めていました。
その父が、ロプトウスの血を引いていること、それが明らかになれば処刑されることを知ったとき。血筋だけを理由に生きる権利を奪われる今の世界は間違っている…父はそう感じたといいます。

父の志が途中で挫折したこと、その治世が失敗に終わったことは、認めねばなりません。
しかし、その原点にある志じたいには、捨ててはいけない大切なものが存在すると、わたしは考えています。
ロプトを信ずる者であっても、それだけを理由に人としての権利を奪われることは、あってはならないと…。
その意味で、「多数の幸せのために少数を犠牲にする」という>>33 様のような指導者は理想とはしておりません。

一方で、政治を行うにあたって、少数を犠牲にしなければならない場面も存在するように思います。

>>33 様のいう指導者の逆は、「少数の人も大切にし、すべての人を幸せにしようとする指導者」となるでしょうか。
しかしそれは、本当に実現するには、理想的すぎて絵空事のように感じられます。
「少数の人」というのが、たとえば罪のない民間人を何度も殺した凶悪犯罪者であったなら。被害者遺族の感情を思うと、その人物を処刑する…「多数の幸せのために少数を犠牲にする」ことは、やむをえないことかもしれません。
「少数の人」というのが、死に至る伝染病の患者であったらどうでしょうか。治療する医術が存在しないのであれば、隔離政策…つまりその患者を「見捨てる」ということが選択肢の一つとなってきます。国を保つためにそれが必要ならば、それが正しいという主張は一理あるでしょう。一方で、国に見捨てられた人の心を思うと、いたたまれない気持ちになってしまいます…。

>>33 様の問いかけに対して結論を出せるほど、今のわたしは成熟しておりません。
あえて、現時点での考えを申し上げるならば…。

指導者は、できうる限り、少数の人をも含めすべての人を幸せにするよう心がけ、追求する心を持っているべきだと思います。
しかし現実には、どうしても犠牲にせざるを得ない少数の人が存在すると思います。そのとき、多数の幸せのために少数を犠牲にする決断は、指導者が行うべき必要悪であるのかもしれません。
そして指導者は、少数を犠牲にしたことを忘れず、その罪を背負って、なおかつ自らの選んだ道を進む覚悟を持っているべきではないでしょうか。

42 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/06/04(水) 22:38:07
>>36

こんにちは、ご訪問ありがとうございます。

>>36 様は、アーダン様のご活躍を目にしたことがあるのでしょうか。
わたし自身は、育ての親であるレヴィン様から、アーダン様のことを詳しく聞いております。
シアルフィ公爵家に仕える重装騎士であるアーダン様は、攻撃より防御を得意としており、シグルド様からは常に本城の防衛を任されていたそうです。フュリー様がエバンス城を攻撃した際も、レヴィン様が駆けつけるまでの間はアーダン様が防衛を指揮し、ペガサスナイト部隊を本城内に寄せ付けなかった実績をお持ちです。

その任務の性質上、アーダン様は自軍の城にとどまることが多かったようです。城外に出ることの多かった女性たちとは顔を合わせることがあまり無く、そのためか軍内では結婚なさらず、忠実なシアルフィの騎士として最後までシグルド様のために黙々と働いたとの記録が残っております。

ですから、村を訪問して女性と出会うという>>36 様のいうような場面は少なかったと思います。
アーダン様は無骨な外見で硬派という印象であったそうなので、誰かに求婚なさることは無いと思う人も多かったようですが…。
お城に住んでいる女性とでしたら、親しくなることもできたかもしれませんね。

そういえば、わたしたちが制圧した城にいらっしゃった預かり所の女性が、「わたしは待ち伏せが得意なんです」とおっしゃっていたような…?
…記憶が定かではありません…気のせいかもしれませんね。

43 名前:名無し客:2008/06/05(木) 22:54:57
聖戦で親や家を失った孤児たちが集まって野盗化していたのを
まとめてひっ捕らえたとの報告がありました。
どう対処しますか?

44 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/06/14(土) 06:24:13
皆様、大変長らくお待たせして申し訳ございません。
バーハラ周辺の各所で体制移行が活発に行われており、
戦後処理の各種裁定に多忙な日々を送っております。

こちらの皆様へも、いずれ必ずお返事いたしますので、
今しばらくお待ちくださるようお願いいたします。

45 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/07/21(月) 23:07:54
皆様、大変長らくお待たせいたしました。申し訳ございません。
今後もあまり時間が取れないかもしれませんが、少しずつでも、お返事をしていきたいと思います。

>>37

こんにちは。ご質問ありがとうございます。
「聖戦」…そう呼ばれる戦争。これが起きた最大の理由は…。

「共存の拒否」にある、と考えます。「無理解」と言っても良いでしょう。

その理由を、ご説明しましょう。

聖戦には、大きく分けて二つの戦いがあります。最近の出来事であるために、いまだ正式な名称は確定していないのではありますが…。
ひとつは、グラン歴757年から760年に起こった一連の戦争です。ダーナの族長による事件をきっかけに、グランベルのイザーク侵攻、ヴェルダンのユングヴィ襲撃、アグストリアとシレジアの内乱とシグルド公子らの介入、イードでのトラキアによるレンスター軍撃破、そしてランゴバルト・レプトール両卿の戦死からバーハラの戦いまで。これを仮に「第一次聖戦」と呼ぶことにいたします。
もうひとつは、グラン歴776年ごろから778年までの、グランベル帝国に対する一連の反乱です。各地で発生した反乱が鎮圧される中、ティルナノグで蜂起したセリス様が旗印となって解放軍をまとめ、アルヴィス皇帝、そしてユリウス皇子を打倒するまで。これを「第二次聖戦」と呼びましょう。

まず、第二次聖戦から、その原因を考えます。
第二次聖戦の一面は「住民反乱」です。生活に窮乏し、このままでは生きられないと考えた住民が反乱を起こしたのですから、その原因は民衆を追い詰めた悪政にあると言えるでしょう。具体的には、「子供狩り」と呼ばれる、各地の幼い国民をバーハラに連れ去ってロプト信仰にもとづく教育を行う政策と、半ば公然と行われていたグランベル人による地方での略奪行為が、大きな反感を呼んだと思います。
このような政策を推し進めれば反乱を招くことを、ロプト教団の人々は知っていたでしょうか。わたしは…「知っていた」と思います。
その理由は、「子供狩り」です。連れ去った子供を殺しあわせ、生き残った者のみをロプトの民と認めるというもの。素養のある子供にロプトの考え方を身につけさせることで新たな国を興そうとしていたのです。逆に言えば、子供以外の者は、最初からロプトの民として認めていなかったし、ロプトの民とすることを考えていなかった。従来の価値観を持った大人の多くにとってロプトの考えは受け入れられないものであったことを、ロプト教団側も分かっていたからこそ、彼らを排除して子供のみを教育対象としたのだと思います。遅かれ早かれ、「子供狩り」にあわなかった大人たちを国から抹消することが、ロプト教団の方針であった。彼らが生きていけないほどの圧政と略奪を行い、彼らに反乱を起こさせ、まとめて殺す、というビジョンを持っていたと考えます。「ジェノサイド」という言葉が、ふさわしいでしょう。
国が国民の多くを統治対象(国民)ではなく略奪と排除の対象とみなしていた。国民は、国を倒すことでしか生きられなかった。
よって、第二次聖戦が起こるのは、必然であったと言えるのではないでしょうか。

さて、>>37様、このようなロプト教団の考えを、ひどいと思うでしょうか。許せないと思うでしょうか。当然?…そうかもしれません。
…そのように考えて、ロプト教を許さなかった国家が存在します。そう…他ならぬ、グランベル王国です。

かつて十二聖戦士らの活躍によりロプト帝国を倒したあと建国されたグランベル王国。「ロプトの血が交わればロプトウスが復活する」という伝承にしたがい、ロプトウスを復活させないため、ロプトの血を引く者を殺すことを定めました。ロプトの恐ろしさを忘れないために、処刑方法も、人目を引く公開処刑である火あぶりの刑にすると定めたのです。後には多くの国や地方が、ロプト教を信仰する者をも厳しく処罰するようになりました。
自らがロプトの血を引くと知った者、ロプト教を信じる者にとって、この大陸で生きる術はありませんでした。自らの存在を誰にも知られないような人の住まぬ場所で生きる以外には。
そうして集まったのが、マンフロイを筆頭とする、イード砂漠にひそむロプト教団。彼らは、自らが生きるために、グランベル王国を滅ぼして新たな国を作り出すことに一生を捧げることを決意しました。
ダーナの蛮行も、ヴェルダンの侵攻も、クルト王子・イムカ王の暗殺も…すべてロプト教団が仕組んだこと。彼らにそれだけの情報力、政治力を持たせたのは、グランベル王国を倒さなければ自分たちは死ぬ、という必死さが大きな要因だったように思います。
第一次聖戦の原因はロプト教団が現政権打倒を目指して動いたこと。そしてその底には、ロプトウスとロプト教の存在を許さないというグランベル王国の理念があったと考えます。

第一次聖戦が起きたのは、グランベル王国がロプトに連なる者の存在を許さなかったから。
第二次聖戦が起きたのは、ロプト教団が多くの国民に生存を許さなかったから。
立場こそ違え、ともに支配者側が、ある種類の国民を抹消しようとしたという「共存の拒否」が、戦争を引き起こしたのだと思います。

ある立場の者が、同じ地に住む他の立場の者の存在を認めず、その考えを理解しようともせず、ただ消そうとする。

この戦いが起こった理由は、この戦いの名…「聖戦」という言葉そのものに、集約されているのではないでしょうか。


46 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/07/23(水) 18:15:41
>>38

ようこそ。
>>38様 の尽力で、わたしに恋人を作ることができたのですね。ありがとうございます。
多くの場合において、わたしには恋人ができないまま終戦を迎えることになってしまうようです。
それは、わたしの不徳のせいだと思います。しかしそれだけではなく、わたし自身の心の中に、恋愛をしたいという欲求がそれほど無いと感じます。記憶を失っていたり、使命を果たすことに意識が向いていて、恋をする余裕など…
………
…すみません、…いまわたしが言っていたことは、正しくないかも…しれません。
………これ以上は、申し上げられないのですが。

スカサハ様は、ラクチェ様とともに素晴らしい剣術があり、まじめで実直な方ですね。そんなスカサハ様と何度も恋人になれた >>38 様の世界のわたしは、とても幸せなのだと思います。
きっと、恋人になるまでにはさまざまな苦労があったことと思います。それを乗り越えてまで、わたしに恋人をつくろうとしてくださった >>38 様に、重ねてお礼いたします。

さて次に、光魔法についてのご質問ですね。
神器であるナーガを除きますと、現在ユグドラルにおいて知られている光魔法は、ライトニング、リザイア、オーラの3種類。
しかしいずれも、魔道書は世の中に流通しておらず、入手が困難なものです。わたしが訪問したことのある武器商人は、どなたも光魔道書を扱っていらっしゃいませんでした。新生トラキアのリーフ王からは、マンスター地方での戦いで渡河作戦を行った際に立ち寄った店からライトニングの魔道書を買うことができたと聞きましたが、リザイアとオーラについては希少な魔道書であり入手は難しいのではないでしょうか。
光魔法自体の習得が難しく、神竜ナーガの血を受け継いでいるか、特殊な訓練を受けるなどしなければ使いこなせないと言われております。

ライトニングは初歩の光魔法。光の精霊を一体召喚し、相手に向けて光エネルギーを放出するというものです。精霊に与える負担が少ないこともあり、詠唱時間が短くてすむという利点があります。そのかわり、威力はさほど大きくありません。
リザイアは、光の精霊を相手の体内、魂において召喚し、相手のエネルギーを奪い取らせて詠唱者のもとへ戻し、体力を吸収するという、かなり特殊な魔法です。精霊を召喚すること自体はライトニングと変わらないのですが、召喚場所、および精霊への命令が複雑なものであり、そのぶん詠唱にはやや時間がかかります。
オーラは、複数の光の精霊に呼びかけて相手を包囲し、神聖な光の柱を造って相手を包み込むことにより、逃れようのない光の奔流をぶつけるという魔法です。召喚する精霊の数が多いことから、呪文詠唱にかかる時間は最も長いのですが、威力においてはライトニングとリザイアをはるかに上回ります。

これらの中で、オーラは最上位の魔法であり、威力が大きいことは間違いないと思うのですが、実践においては呪文詠唱にかかる時間がネックとなり、素早く動く相手と戦う場合には苦戦を強いられることが考えられます。
魔法の効果は、魔法の威力と詠唱者の魔力とを合わせた形で現れるのです。わたしは聖戦士の血を引いていることもあり、幸いにも魔力には恵まれておりました。そのため、魔道書自体の威力は小さいライトニングのような魔法であっても、詠唱時間の短さをカバーするように複数回の魔法発動を行えば、相手を倒すに十分な威力を得ることができたのです。
このように考えますと、一度の威力においてはオーラが優れていても、実戦的にはライトニングのほうが優れている場面もあろうと思います。
ただし、術者の魔力が低い場合や、相手が魔法防御に優れている場合、もしくは相手の動きが遅いためにオーラを複数回使用する余裕がある場合においては、オーラを使うほうが有利かと思いますので、一概に強い弱いと決めることはできないのではないでしょうか。
光以外の魔法も含め、場面に応じて有効に使い分けるのが、良い戦い方であるように思います。

最後に。
「オーラ」は、光魔法の中でもわたしにとって特別な思い入れがあるものです。
お母様…ディアドラお母様がお使いになっていたオーラを手に取ると、とてもやさしく、あたたかい気持ちになることができます。
サークレットとともに、お母様の形見として、わたしの手元で大切に持っておこうと思っております。

47 名前:名無し客:2008/07/25(金) 23:05:50
パンがなければ何を食べればいいですか?

48 名前:名無し客:2008/08/05(火) 22:26:37
得意な戦術と苦手な戦術について、それぞれ解説プリーズ

49 名前:ノーズ ◆mCyrRh2i4c :2008/08/17(日) 18:22:01
……なぜだ…なんだって、私ばかりがこんな目に合うのだ。
ユリア殿が帰ってくるまでの駐屯を命じるのであれば、
私などではなくルベール殿だろうに。
こんなことなら、私もゼルギウス殿に取り入っておくのだった。
そうすれば…こんな未開の地になど、
足を踏み入れずに済んだかもしれんのに………

50 名前:ノーズ ◆mCyrRh2i4c :2008/08/17(日) 18:22:49
>39
ああ、やっぱりだ……
この者は、人畜無害そうな行為をしていると見せかけておきながら
実はちゃっかり魔道兵と神官兵の戦力を妨害している。
物事はいつも裏目に出る……私の人生と同じだ。

>43
ああ、やっぱりだ……
ユリウス殿が倒されて聖戦が終わったといえど、国が荒れ果てていたのは誰もが分かりきっていた事。
戦争の傷跡で親や家族を失った者が出るのも当然であろう。
この者は、その責任を私になすりつけてセリス殿に報告しようとしている。
物事はいつも裏目に出る……私の人生と同じだ。

>47
ああ、やっぱりだ……
この者はパンがなければお菓子を食べれば良いと口をすべらせることによって
飢餓に苦しむ世を作ったアルヴィス殿の治世の諸悪の根源を私に押し付けようとしている。
物事はいつも裏目に出る……私の人生と同じだ。

>48
ああ、やっぱりだ……
戦争において自らの得手不得手な戦術を他人にひけらかすのは
自殺行為に等しいこと。
この者は、私の事をわざわざ自分の戦術を軽々しく他人に教えた愚純な将として
後世に伝えようとしている。
物事はいつも裏目に出る……私の人生と同じだ。

51 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/08/18(月) 04:51:05
皆様、お待たせして申し訳ありません。
数日中に、いくつかの質問にお答えしたいと思います。
今後も、とてもゆっくりではありますが、一つ一つ質問にお答えする所存です。

>>ノーズ様
ようこそいらっしゃいました。
光の精霊に聞いたのですが、あなたは遥かテリウス大陸からいらしたのですね。
留守を守ってくださって、ありがとうございます。
わたしは「暁の女神」という伝承をまだ詳しく知らないため、うまく交流できないかもしれませんが
ユグドラルでも、ここの守備を行ってくださる将軍として頼りにします。
よろしくお願いします。

52 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/08/21(木) 08:26:59
>>39 キシュナ様

ようこ………
………!?

…話すことは…できる、ようですね。
ですが、今のわたしは…魔法を使うことが、できません。
わたしのそばにいた光の精霊たちが、音もなく消え去りました。光だけでなく、炎、雷、風、そして闇、すべての精霊が、あなたの周囲にはいなくなり…。

あなたは、いったい……?

…話しては…くださらないのですか。
それでも、何となく伝わります。
あなたは、人とは異なる存在…それでいながら、限りなく人に近い存在。
あなたには、心がある。感情がある。訴えかけたいことがある。
そうでは、ありませんか?

魔法を封じられた以上、わたしはあなたと戦うことは、できません。
ですが、話す事なら、できるのではないでしょうか。
周囲に精霊がいなくても、あなたは、孤独ではないはず…そう、信じたいです。


53 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/08/21(木) 09:27:39
>>43
おつとめ、御苦労さまです。
野盗となった少年たちを戦いで殺さず、捕縛に成功したことを評価します。

彼らへの処置についてですが…。
本来ならば、グランベルの法にもとづき処分を行います。
窃盗を行っていたならば、その額などに応じて懲役もしくは罰金など。武器を用いた強盗や、組織によって村を強襲した場合などはより重い罰となり、首領・幹部は死刑となる場合もあります。

しかし現在、生活に困窮する人々、特に少年少女たちによる犯罪によって彼らの未来を奪うことは得策ではありません。
彼らから父母を奪った、その原因は戦争当事者であるわたしたちと旧帝国にあると考えられるでしょう。子供たちの生きる道が他に無かった可能性があります。
また戦乱の時期、グランベル帝国の法の運用は行き詰まり、子供たちに善悪の倫理を教育できる環境が無かったことも考慮しなければならないでしょう。
犯罪とはいえ、生きるために野盗を組織して自らの力で命をつないだその姿勢には評価すべき点もあります。彼らを更生させることができれば、国力増大にとても大きな力を発揮するかもしれません。

戦後復興のために何より必要なのは、若い人々の力です。
子供達には無限の可能性があり、失敗をおかしてもそれを反省し、立ち直るだけの未来があります。
このような観点から、罪を犯した少年少女に対しては成人と同様に罰するのではなく、教育によって更生させていくという考え方が最近生まれました。旧グランベル帝国にて少年法が制定され、わたしたちグランベル王国もこれを踏襲しています。法の内容はまだ曖昧で、運用上はまだまだ課題が多いのですが…。

わかりました。
彼ら、子供たちに会わせてください。
彼らの生活環境、法律知識、野盗の形態、一般人に与えた被害、罪の意識や反省。それらを詳しく聞いて、それと並行して被害住民からも情報を集めて真相を究明します。それをもとに、今後の処置を決めるとともに、少年法の改定や運用の整備に向けた材料としたいと思います。

具体的な罰としては、現在増設中の孤児院に強制収容の処分とし、彼ら自身の手で孤児院の設備と食料などの環境をととのえるという労働を課すとともに、孤児院内での更生教育を進めていく、といった内容が基本線となるでしょう。
教育においては、わたしたちの考え、法律を押しつけるだけでなく、彼らの立場や文化をわたしたち教育者側が理解するよう努めねばならないでしょうね。

彼らが、わたしのことを信頼して話を聞いてくれるか。
口べたなわたしにとっては厳しい試練かもしれませんが…必要なことです。
できる限り、誠実に対話いたします。


54 名前:名無し客:2008/08/21(木) 10:55:45
必殺技は持ってますか?  

55 名前:名無し客:2008/08/21(木) 21:36:36
そんなに人生裏目街道まっしぐらなんですか?

56 名前:ノーズ ◆mCyrRh2i4c :2008/08/22(金) 23:25:10
>54
ああ、やっぱりだ……
この者は、私が必殺技を出すことができると知れば見切りのスキルをつけて、
もし持っていなければ、一つあまったスキル着脱スペースを使って
連続や月光剣、流星剣のスキルをつけて楽々私を討ち取らんとしている……
物事はいつも裏目に出る……私の人生と同じだ。

>55
結局のところ人はみなそうだ……
人生で福音を受けられる人間は、人が才能の恩恵を受けるかのように予め決まっている事。

かのシグルド殿も、幾つもの危険な部隊や死線を相手にして
自分ができる最大限の努力をしたにも関わらず、アルヴィス殿の謀略にあってしまった……
シグルド殿だけではない、自ら皇帝にとなったアルヴィス殿もそうだ。
自らの権威がグランベルに振るい始めたころに、ロプト教団の暗躍にそそのかされている事を知り
知ってしまった時には、全てが取り返されない事態に陥っていたのだ。
良かれ悪しかれ彼らも精一杯な気持ちで努力はしたろうに……それなのに……

人はまっとうな努力をしようとすれば必ず裏目に出る……私の人生と同じだ。

>ユリア殿

で…………
で、で、で、で、で、で、で、で、で、で、で、で、で、で、
ででででででででででででででででででででででで
出たーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!

57 名前:名無し客:2008/08/25(月) 00:40:01
ホッホー
お若いの、元気がいいのう。

こんな山奥まで来てくれたんじゃ。
土産に、この斧をやろう。
どうじゃ、立派なもんじゃろ。

しかしな、こいつは、血を吸い
肉を喰らう悪魔の斧じゃ。
決して使ってはならぬぞ、よいな!

58 名前:名無し客:2008/09/06(土) 12:00:58
そろそろ収穫のシーズンですね。
今年は豊作でしょうか?

59 名前:名無し客:2008/09/09(火) 03:58:00
村人襲って種籾を奪う季節なんですね
ひゃっはー!

60 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/09/12(金) 18:01:25
またお返事が遅くなってしまいました。申し訳ございません。

>>47
ようこそ、いらっしゃいました。
お待たせしている間、パンを召し上がって…。えっ、>>47 様にはパンを受け取らなかったのですか。

異世界の伝承では、「パンが無ければ、ブリオッシュを食べればいいじゃない」と口走った王女様がいらしたとか。
宮廷の中だけで暮らしていたために、食べ物というのは誰かが用意する物、自然に出てくる物であると思っていらしたのでしょうか。まるで、空気と同じように…。

その気持ち…わたしには、分かります。
父と母に守られ、幼子でありながら従者や教育係に囲まれ、王宮で暮らしていたわたし。
物心つくまで、わたしの食べ物はどこからくるのか、考えたこともありませんでした。
8歳のころ、父より、食べ物は多くの人の努力によって作られていることを教わり、母からは食べ物にも元々は命が宿っていたことを教わりました。聞いた時にその意味をしっかりイメージすることはできませんでしたが、何かとても大切なこと、自分の知らない世界のことをはじめて意識する驚きを感じました。
教育係からは、農業、漁業、畜産といった産業の存在を教わりましたが、それを実際に見ることはまだありませんでした。王宮の庭園に咲く色とりどりの花たちを世話する人の働きぶりを目にしながら、麦を育てるのもこんなふうにやるのだろうか、と漠然と思ったぐらいです。

わたしが本当に、食べることの価値を知ったのは、それよりもあと…、レヴィン様に保護されてからのことです。
雪に閉ざされたシレジアの土地は豊かではなく、山林に隠れ住むわたしたちに無限の食料を与えはしませんでした。
レヴィン様の信頼する村人たちに食べ物を分けてもらう日々。何年か経った頃にはわたしも食料採取でお役に立てるようになり、果物を収穫したり、食べられる山菜を見分けて採ったりしていました。
しかし、ロプトの追っ手が迫るにつれ、わたしたちは北へ北へと移ることになり、それとともに食べ物も少なくなっていきました。飢えに苦しむ貧しい人と、ほんの少しの草を分け合って食べたこともあります。

それでも、わたしは幸せなほうだったのかもしれません。食欲をある程度抑えれば、動くことはできる程度には、シレジアに食べ物があったのですから。
セリス様と合流して各地の解放戦争に参加したさなかには、それよりはるかにひどい状態の場所も多くありました。トラキアの土地は痩せて硬く、いくら畑を耕そうと貧弱な作物しか収穫できず。リボーやラドスなどでは、帝国兵が略奪を働き、すべての食料を奪い家をも焼き払っていました。村人に与えられた選択肢は、逆らって死ぬか飢えて死ぬか、だけ…。
それでも、セリス様が村を訪れたとき、村人は涙を流して喜んでくださいました。餓死寸前の子供たちも、力など入るはずのない筋肉を使って両手を上げ。それどころか、村のたくわえた資金や資材まで提供してくださいました。
飢えて渇いていても、彼らは再び、畑を耕し始めたのです。

>>47 様の質問に対する正しい答は、「パンに代わるものなどありません」というものでしょう。
今日の食べ物だけを必要としている人が多く存在することは、為政者として忘れてはいけないことです。
ですが…わたしは、わたしの経験から、違う答を申し上げます。シレジアにいたわたしと、リボーやラドスにいた農民たちから導かれる、その答えとは。

「パンが無ければ、希望を抱いてください。きっと、あなたはパンを作れます。」


61 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/09/12(金) 20:20:06
>>48
ご訪問、ありがとうございます。

ご質問は、得意な戦術と苦手な戦術についてですね。
戦術という言葉は戦争以外にも使われることがありますが、わたしは解放軍の一員でしたので、この戦争での戦術という観点で説明いたします。

まず、わたし個人として申し上げます。
魔道師、および重騎士を相手に戦うのが、相性が良いと思います。逆に、剣士や天馬騎士を相手とするのは得意ではありません。

わたしは賢者(セイジ)の称号をいただいた魔道師であり、ナーガの血という恩恵もいただいております。傲慢と思われるかもしれませんが…あえて申し上げれば、魔力と対魔法防御の点において、わたしを凌ぐ魔道師はさほど多くないと思います。また、わたしは光魔法の心得があり、炎・雷・風の各魔道師に対しては精霊の相性の関係で優位に戦いを進めることができます。以上の点から、魔道師との戦いは得意と申し上げてよろしいでしょう。
また、わたしに流れるナーガの血により精霊との意思疎通がスムーズに行え、繰り返し迅速に魔法を行使する…俗に「追撃」「連続」と呼ばれる行動ができます。重騎士は往々にして素早さに難があり、またわたしの魔法は鎧の装甲に関係なく相手を倒すことができます。重騎士の攻撃を受けた場合にわたしが重傷を負う危険があるのは確かですが、総合的にみて重騎士との相性も良いと思います。

相手が素早い動きを得意とする剣士である場合は、わたしの能力を活かすことができません。わたしも高速の魔法行使を試みてはいるのですが、光の精霊は扱いが難しく、呪文詠唱にどうしても時間がかかることは否めません。その間に剣士が斬りかかってくると呪文詠唱が中断されてしまいます。戦いの主導権を握られ、こちらは受けに回ってしまい、相手は次々と攻撃を繰り出し、こちらはなかなか反撃ができなくなります。先ほど申し上げた「追撃」を相手のみが使える状態となってしまうのです。そして、わたしは鎧や楯などの防具を持っていないため防備が薄く、軽い剣といえど切り裂かれると大きな傷を負ってしまいます。そのような理由で、剣士を相手とするのは苦手です。
天馬騎士との相性が悪い理由も、剣士と同様です。天馬騎士は魔法防御に優れているため、魔法を武器とするわたしたちにとっては剣士以上に厄介な相手と言えるでしょう。

次に、わたし個人ではなく、セリス陛下が率いていた解放軍全体の戦術についても説明いたします。

解放軍の得意とする戦術は、「急行突破」と「険しい地形」、「誘引・各個撃破」、そして「兵力分散」。苦手なのは「飽和攻撃」「広野」「総力戦」です。

その理由を説明するために、解放軍の特徴についてお話しします。
解放軍の持つ特徴は、「少数精鋭」と「多兵科」です。
「少数精鋭」についてはお分かりかと思います。解放軍の兵力は、旗揚げ当時はもちろん、グランベル進出時においても帝国の総兵力に比べて非常に少なかったのですが、一人一人の強さにおいては相手を圧倒していました。バルムンクの使い手シャナン様、ミストルティンを振るう黒騎士アレス様を筆頭に、ファバル様やアルテナ様など、伝説の武器の使い手の人数では帝国軍を上回ります。さらに、ラクチェ様やフィー様など、伝説の武器を持たなくとも技術に裏打ちされた圧倒的な強さを持つ戦士も多く存在しました。
「多兵科」も、解放軍の持つ大きな特徴です。旧グランベル王国では、単一兵科による部隊運用が主流であり、たとえば大陸最強を謳われたクロスナイツはパラディンのみで構成されていました。その背景には、国ごとに入手しやすい武器や資源に差があり、また得意兵科についての訓練などのノウハウをそれぞれの国が秘匿していたことによるでしょう。しかし解放軍は「国」という単位にとらわれずにセリス様の志のもとにさまざまな人が集った組織であり、剣士、騎士、弓兵、魔道師、僧侶、そして踊り子に至るまで、ユグドラルに存在するほとんど全ての兵科を揃えていたのです。

「少数精鋭」・「多兵科」という特徴を生かすためには、どのように戦えばよいでしょうか。考えてみてください。

単一兵科の軍隊は、全員の移動速度が等しいために効率的な機動戦術が可能であり、また兵力の補充、分割などが容易であるという特性を持ちます。剣士10名の部隊が一人倒されて9名になったとしても、さほど痛手ではありません。
一方で、その兵科だけですべての敵と戦わなければいけないため、得意な相手だけでなく苦手な相手をも倒す必要があります。つまり、攻撃したときの爆発力はさほどでもないと言えるでしょう。それを補うには、「数」を揃えることがポイントとなります。
逆に言えば、少数精鋭の解放軍が戦うには、敵の持つ数の優位性を、分散によって無効化することが必要となってきます。多兵科ということは、一人一人に代えがきかない…一人の犠牲により大きな戦力ダウンを招いてしまうということでもあり、その意味でも被害を出さないことがより重要でもあります。

簡単のために、剣・槍・斧だけで考えてみましょう。
解放軍は、剣・槍・斧が各1名。帝国軍は斧だけが5名と仮定します。
仮に帝国軍の5名が一斉に解放軍に襲い掛かってきたら、剣士が2人、槍兵が1人、斧兵が2人の帝国軍を相手にせねばならず、非常に苦しい戦いとなるでしょう。特に、槍に対して優位な斧使いが倒されてしまうと、一気に不利に陥ってしまいます。
しかし、もし帝国軍の斧兵が1人ずつ、5回に分けてかかってきたら、どうでしょうか。解放軍の剣士が帝国軍の斧兵と戦って倒す。これを5回繰り返せば、勝つことができます。

多兵科である解放軍の強みは、敵の兵種に応じて、その相手と相性の良い人物を選んで戦わせることができること。しかも精鋭揃いですから、一対一ならばまず間違いなく勝つことができるでしょう。

つまり、基本は…
「いちどに戦う敵の人数を少なくする」こと。
これです。

それを実現する手段が、最初に申し上げた、「急行突破」と「険しい地形」、「誘引・各個撃破」と「兵力分散」。ということになります。
「急行突破」とは、敵の防備が手薄な場所に騎兵や飛行兵で突破をかけ、増援が間に合わないうちに撃破することです。たとえば対トラキア戦争におけるミーズ城急襲は、この戦法を用いました。
「険しい地形」を利用すれば、敵が大軍であってもいちどに解放軍に襲い掛かることができません。シュミット将軍の率いる斧騎士団の大軍をイザーク城東の狭隘な谷の出口で迎え撃ったことが成功例です。
「誘引・各個撃破」とは「釣り野伏せ」とも呼ばれる戦法です。敵の先陣を誘い出して後方部隊との分離を図り、べつべつに撃破する。一度に戦う敵を少なくする基本に忠実な戦法であり、敵も多兵科である場合に特に有効です。メルゲン城北の平原でライザ将軍の部隊と戦う際、彼らをイシュトー公子・ロングアーチ部隊と引き離した例があります。
「兵力分散」は、こちらの兵力を分散するかわりに相手も分散させるというもの。少数対少数の戦いならば、質に勝る解放軍に分があります。アリオーン王子の「三頭の竜作戦」に対し、こちらも3部隊に分割してそれぞれを撃破したのが好例です。
いずれも、「いちどに戦う敵の人数を少なくする」という基本にのっとっていることが、ご理解いただけたでしょうか。

一方、苦手な戦術は「飽和攻撃」。つまり、こちらの防御キャパシティを超える量の軍隊に一斉にかかってこられると、こちらは対応しきれなくなってしまうのです。たとえば解放軍に斧を使える方は3名(ドズル家出身の方と、リーフ様、ハンニバル様)。4名以上の槍使いと戦う場合、槍と相性の良い斧だけで相手を倒すことが不可能となってしまいます。
「広野」も苦手な環境です。解放軍にはわたしのように守りの不得意な人が多く、東西南北を包囲されて一斉にかかられると、どうしても守りきれなくなってしまうことがあります。

それを実践しようとしたのが、フリージのヒルダ妃でした。ユングヴィのスコピオ公と示し合わせ、わたしたちを南北から挟撃しようとしたのです。実現されていたら、わたしたちは窮地に立っていたでしょう。
しかし、フリージのゲルプリッターが重装備で機動力に劣るという点に、この作戦の瑕疵がありました。セリス様はユングヴィ軍出現と同時に全速での南進を指示なさいました。北のゲルプリッターは鈍足が災いしてわたしたちを追撃することができず、まずユングヴィ軍、そしてフリージ軍の順番で、わたしたちは各個撃破に成功したのです。

以上は戦術レベルのお話ですが、戦略レベルにおいても、解放軍は同じ考え方で戦ったのです。
もしも解放軍蜂起の場所がグランベル国内であったならば、すぐに無数の帝国正規軍に包囲、撃滅されていたでしょう。
辺境の地イザークで戦いを始めたからこそ、イード砂漠の向こうにあった帝国はすぐに手を下せず、対応が遅れたのです。その間に、レンスター、トラキア、ミレトス…。各地を転戦しては帝国軍を「各個撃破」して、力をつけていったのです。

「いちどに戦う敵の人数を少なくする」ことにより、「少数精鋭」「多兵科」という解放軍の特徴を最大限に発揮する。
これが、わたしたちを勝利に導いた戦略・戦術の基礎であったと考えます。

62 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/09/12(金) 20:22:23
>>56 ノーズ様

こんにちは。防衛任務、ありがとうございます。
よろしければ、これからも……!?

…大きな声をあげて、行ってしまわれました…。
何に対して驚かれたのでしょうか…。

短い間でしたが、ごいっしょできてうれしかったです。ありがとうございました。

63 名前:名無し客:2008/09/13(土) 15:29:28
なぜ鍛冶屋で魔導書が修理出来るのだろうか……。
剣や槍ならわかるけどどうやって魔導書を?

64 名前:名無し客:2008/09/21(日) 21:32:59
関節技は姫のたしなみだそうですが、ユリアさんも得意なんでしょうか

65 名前:名無し客:2008/09/27(土) 16:14:06
一日平均何時間くらい寝てますか?

66 名前:名無し客:2008/10/02(木) 22:39:33
遠距離からメティオを撃ってくるなんて、やめてぃお

67 名前:名無し客:2008/10/02(木) 23:06:08
     ゚  。   。   。          ///////
     ゚  。   。         -──- 、//////
  。  ・        . 。   /`、ノ,´` _  `ヽ////
   ・  。  ゚    .    / /  ´´` `  `l //
  。          。    ト-'    /`ヽ   |/
 。  ・  ゚          。|__  (´`) ノ   /・  。
                   \ヽ ヽ'  ''ヾ /  。   。
 * 。    。  ・  。  ゚   ゝ、_   __, ノ 。  ・  
             ・          ̄.* 。    。  ・  


      ,.-ーーー、
     .(`"^)) ゙i   どこの何奴だよ!
     <(Д゚;<ニ7  メティオ唱えたヤローは!!
      (つ   ⊃
       ヾ(⌒ノ   ≡=−
        ` J

68 名前:名無し客:2008/10/11(土) 23:51:32
かなり真剣な悩み事なのですけれど、聞いていただけますか?
聞いていただけるなら以下の文章を反転して読んでください。
 
 
ここに一つのお饅頭があります。
食べると美味しいのですけれど、お饅頭が無くなってしまいます。
食べなかったらお饅頭は無くならないけど美味しくありません。
私はいったいどうすればよいのでしょうか……


69 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/10/20(月) 12:27:45
皆様、遅くなりまして申し訳ありません。
できる限り、月に1度はこうして皆様と語らう時間を持ちたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

>>54
こんにちは。ご質問ありがとうございます。

「必殺技」とは…、武術の歴史書や過去の偉大な戦士の記録をひも解くと、そのようなものが出てきます。
必ず殺す技、とは恐ろしい呼び名ですが、そのような技を持つ人が味方にいれば、戦いにおいて心強いでしょうね。
熟練の戦士であれば、自分なりの「型」を持っているものだと聞きます。
戦いにおいて、自分の得意とする「型」に持って行き、その形からこの動きをすれば、相手が誰であろうと必ず打ち倒すことができる。
そういう「型からの動き」を、必殺技と呼ぶのではないでしょうか。

初代十二聖戦士のオードは、神器バルムンクを鞘に収めたまま静かに立ち、抜刀と同時に敵を斬り倒す技を得意としていたと伝えられています。
「居合」と呼ばれるその技術は、必殺技と呼ぶにふさわしいものだと思います。

その血を受け継ぐシャナン様も、ときおり居合を使うことがあります。イザーク流の居合は、戦いの場で静止し、半歩横または後ろに移動するだけで敵の攻撃をかわしてから居合を放つものだそうです。相手が優れた剣士であれば、シャナン様が立ち位置をずらした時、横になびく髪を切ることもあったそうですが、彼の肉体まで傷つけることのできる剣士はほとんどいませんでした。
ラクチェ様はシャナン様から居合を教わったのですが、訓練中に髪の毛を切られてしまい、女性として美しい髪型が崩れてしまう、という理由で、後ろ髪を短くする髪型に変えたのだそうです。

厳しい鍛練を経て、シャナン様とラクチェ様、そしてスカサハ様は、一瞬で何度も相手を切り裂く「流星剣」という技を身に付けました。
現在のユグドラルに残る必殺技といえば、その流星剣が代表ではないでしょうか。

また、アルテナ様は竜を操り、天空はるか高くより急降下して、その重力によるエネルギーを叩きつけるように、地上の敵を真上から粉砕するという技をお持ちです。その威力たるや、天からの雷にも勝る恐ろしさ。
地形や敵の動きによっては、かならず使えるわけではありませんが、発動すればいつもの倍以上の威力を発揮する、そのような技をユグドラルでは「必殺」と呼んでいます。
レンスター王妃であったエスリン様、そして新トラキア王のリーフ様、シレジア王であったレヴィン様とそのお子様であるセティ様・フィー様、シアルフィの騎士であったノイッシュ様などが、その「必殺」を身に付けた戦士として名を馳せていらっしゃいます。

さて、わたしはどうかと申しますと、特に必殺技というものは持っておりません。
わたしはシャーマンとして解放軍の皆とともに戦ってきましたが、先ほど申し上げた「はまれば一撃で倒す」というような型を持っているわけではなく、イザーク家に伝わる居合、シャナン様たちの流星剣のような素晴らしい技術があるわけでもありません。
また、アルテナ様やセティ様たちのような「必殺」を身に付けているわけでもありません。アーサー様やティニー様は、負傷して追い詰められた時に普段以上の魔力を解放することができる「怒り」と呼ばれる能力を持ち、これも必殺の類型ととらえることができるでしょうが、わたしにはそのような能力もありません。
また一般的に、弓兵が飛行兵を撃ち落とすときや、ナイトキラーで騎馬部隊を攻撃するときなどには、普段より強い攻撃ができますが、わたしはそのような類の武器を扱うことはできません。
以上から、わたしに必殺技は何もない、と申し上げるのが妥当でしょう。

わたしはもともと戦いにおいて、偶然を狙って危険を冒すほうではありません。
レヴィン様や皆様との戦闘訓練においては、冷静を保ち、分析を深め、あらゆる状況において常に同じように攻め、守ることができるように指導され、それを心がけております。ただ一つしかない生命を失わないよう、安全を志向していたと言えます。
アルテナ様のような人々が持つ「必殺」を封じ込め、どのような相手でも予想された以上の傷は受けないように身を守る。そのような術はユグドラルにおいて「見切り」と呼ばれますが、わたしはその能力に恵まれております。
わたしが戦うときは、自分が必殺技を持たないかわりに相手にも必殺技を出させない、互いの長所を消しあう戦いとなるのです。

ただ一つ、例外を挙げるなら…。
「ナーガ」。
十二聖戦士の神器の中でも最も偉大とされ、光の聖書より召喚される、金色の竜神。
このナーガの力をもってすれば、この世に存在するほぼあらゆる相手に勝つことができると思います。他人から見れば、必殺技と見えるかもしれません。

しかし、このナーガをわたしの必殺技と呼ぶのは、あまり相応しくないように思います。
必殺技とは、本人の努力、常日頃からの鍛練によって身につけたものという感覚があります。あくまで本人が、訓練によって身に付けた何か特別な動きによって相手を倒すことを、必殺技と呼ぶのではないでしょうか。
ナーガは、わたしが努力、訓練で身に付けたわたし自身の技ではありません。わたしがナーガを行使できるのはヘイム直系の血筋のためであり、鍛練をしたわけではありません。そして、実際に相手を倒すのは、わたしではなく、呼び出された神竜ナーガなのです。

したがって、やはり、わたしには必殺技が無い、というのがお答であると……

(再び、フィーが通りがかる。にやにやと笑いつつ)

フィー「なーに言ってるのよ、ユリア。あなたには、最強の必殺技があるじゃない。気づいてないの?」

えっ…フィー様!?

フィー「あ、ごめんなさい、王妹様を呼び捨てにしちゃって。でもこういう場所では気軽に話したいし、いいでしょ?」

は、はい、もちろんです。それで、わたしの必殺技とは…?

フィー「もちろん、笑顔よ。なかなか笑ってくれないけど、ユリアが笑うとすっごく可愛いって、気づいてた? にっこり笑えば、あの人のハートも一発で…」

あ、あの…よく、わかりません…。(かあぁ)
>>54 様、フィー様、すみません……。
とりあえず、質問の答えは以上とさせていただきます…。


70 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/10/20(月) 12:30:31
>>55

こんにちは。ようこそいらっしゃいました。
>>55 様は、ノーズ様に質問なさったのでしょうか?
ご様子をうかがう限り、ノーズ様は良くないできごとを多く経験しているため、弱気になっていらっしゃるように感じます。
周囲の方は、ノーズ様にもう少し気を強く持っていただきたいと言っているようですが…。

わたし、ユリアは、ノーズ様の過去をよく存じておりません。
ですが、ノーズ様のような気持ちを何となく、理解できるように感じます。
8〜9歳の頃のわたしが、12〜3歳頃のわたしを見たら、ノーズ様以上に、弱気で無気力であるように思えたと思います。


わたしの幼年期。
両親に守られ、優秀な兄ユリウスとともに暮らしていた、グランベル帝国皇女時代。
衣食住も教育も、皇女に相応しいものを与えられ、侍女もついていてくれて。
つらいことと言えば、つまづいて転んだとか、かくれんぼで隠れた兄をいつまでも見つけられずに淋しくて泣いたこととか、そのぐらいしかない、幸せな時代でした。

そんな幸せを失ったのは、もう7年以上も前のこと。
兄がロプトウスとして覚醒し、母はわたしだけを逃がして命を落とし、そしてわたしは記憶を失ったのです。
自分の名前と、読み書きや計算などの知識は頭の中に残りましたが、自分の身分や家族、他の人との関係、今まで自分が何をしてきたのか、そういった「自分の経験」を、すべて忘れてしまったのです。

レヴィン様に拾って、育てていただいたのは、幸運だったのでしょう。
しかし当時のわたしには、それはどうでもよいことのように思えました。

「わたしには、何もないのですから」。

わたしには何もないから、やりたいことなど何もない。
わたしには何もないから、ただ黙ってここにいるだけ。
わたしには何もないから、世の中で何が起きても、どうでもよいと思う。
わたしには何もないから、人と関わりを持とうと思わない。
わたしには何もないから、誰かが死んでも、わたしが死んでも、なんでも構わない。誰もいない。喜ぶ人も、悲しむ人も…。
わたしには何もないから……。

わたしの心にはずっと、世の中との隔絶感があったと思います。
レヴィン様はわたしに、書物を読み、家事を習得し、魔道の技術を磨くよう、教えてくださいました。
わたしはそれにしたがってずっと学んだのですが、それは学びたかったからではありません。将来何かの役に立つなどという意識は全くありませんでした。
わたしには、やりたいことも何もないのですから、レヴィン様の言うとおりにした…それだけでした。わたしのすることに、理由など無かったのです。
大陸の歴史や魔道の知識は、わたしの学んだ記憶として残りました。しかしそれが、わたしの意志や行動に反映されることは、無かったように思います。

「ロプト教信者は子供狩りをやめるべきだと思うか」とレヴィン様に問われたとき、わたしは何を言っていいか分からず、ただ黙っているしかありませんでした。
わたしには、自分や他人が「〜〜すべき」「〜〜してほしい」という概念が、すっかり抜け落ちていたのです。それぞれの人が何かをしたいと思うなら、そうすればいい。わたしには関わりのないこと…。あらゆることを、そういう目で見てきました。

当時のわたしは、「無常観」をも持っていたと思います。

兄がロプトウスに覚醒した日のこと。今まで大切にしていたものが、突然すべて失われてしまうことがあること…。
今にして思えば、記憶を失っていても、そのことだけは、わたしの精神に残っていたのかもしれません。
無表情で愛想のない娘と言われたことがありますが、特に何とも思いませんでした。それは本当だったと思います。
嬉しいことがあっても喜ばず、悲しいことがあっても泣かず。「そう…」と、それだけ。
そのような態度だった理由には、「どうでもいい」という思いの他に、「無常観」…つまり、明日には全く別のことが起きるかもしれないから、という思いがったと感じます。

ノーズ様とはまた違うかもしれませんが、わたしにも「諦念」とも言うべき気質があることは否めないと思います。

それが大きく変わったのは、セリス陛下の解放軍に加わってから。
セリス様をはじめ、皆が迷いつつも自分なりの意志を持ち、この世界を変えていこうという強い志の元に団結していました。
その皆様の思いが、わたしの心にも作用し、やがてわたしも、「解放軍の一員として、良い社会を作るために戦いたい」という思いを抱くようになりました。
解放軍の皆と、解放した市民の皆様との語らいを通じて、だんだん、「皆様を助けられてよかった」「解放軍にいられてよかった」という感情を持つようになりました。
それは、シレジアにいた頃のわたしには無かったものです。

しかしそれが「裏目街道」であったことを、わたしは知りませんでした。
解放軍の一員として、帝国と戦うこと。
それは同時に、帝国皇女としてのわたしを裏切ることでもあったのです。

そのことに気づいたのは、マンフロイにとらわれ、記憶を取り戻した後のこと。
わたしが「よかった」と思ってやっていたことはすべて、家族を…グランベル帝国のトップとしての父や兄に敵対することを意味していたのです。
やはりわたしは、何もしないほうがよかったのではないか。「どうでもいい」と思っていたほうが、人を殺すこともなく、父や兄に迷惑を与えず、よかったのではないか。そういう思いも胸をよぎりました。

そんな思いを変えてくれたのは、セリス陛下たち解放軍の皆の生き様と、解放軍に助けられた人々の笑顔、そして…「あなただけは生きて」という、母の最期の言葉でした。
わたしは、生きなければ。
生きて、わたしなりに、できることをしなければ…。
わたしは、世界のため、多くの人のために…戦う。

幼少の頃の幸せをそのままに、宮廷でずっと暮らしていたら、このような決断をすることはできなかったと思います。
母と記憶とを失ったシレジア時代、自分が皇女と知らずに帝国軍と戦っていた時代。そんな裏目の人生の中で得たものが、最後にわたしに戦う力を与えました。
今では、それらもまた、わたしのための貴重な経験だったと思っています。

人生は、裏目街道ばかりかもしれません。
しかし、行くつもりのなかった街道で出会った人が、咲いていた花が、やがて自分に力を与えるのだと思っています。


71 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/10/24(金) 17:52:54
>>57

こんにちは。招待状を頂き、ありがとうございます。
>>57様がお住いの、山里の村まで参りました。自然が豊かな場所ですね。
いつもはバーハラ城内で皆様と会話をしておりましたが、このように場所を変えるのも良いものです。

まあ、お土産までいただけるのですね。
本当に、ありがとうございます。
これは、斧ですね。わたしには扱えませんが、近衛兵の斧使いか、ヨハルヴァ様などに持っていただければ……

…? 少し変な気がします。これはただの斧ではなく、何か精神的な存在が取りついているような…。
まるで闇の精霊を封じ込めた斧のようです。しかし、それにしても違和感があります。闇の精霊は人を自らの闇の中へ取り込もうとする「吸引」の魔素を持ちますが、この斧はそうではなく、周囲の者に破滅を与えようとする、外方向へ向かう「破壊」の魔素が感じられます…。

この斧は…?
血を吸い、肉を喰らう、悪魔の斧…「デビルアクス」と言われているですか。
わたしははじめて見ましたが、たしかに恐ろしげなものを感じます。

ユグドラルには、精霊を封じ込めた武器が存在します。
「ほのおの剣」「いかづちの剣」「かぜの剣」「だいちの剣」は、それぞれ炎、雷、風、地の精霊を封じ込めており、これらの剣を掲げて念じると、魔道を修めていない者であってもマージたちと同じように、魔法を発動することができるのです。

しかし、この斧は、それよりも異質なもの…精霊ではなく、別のものを封じ込めてあるように感じられます。
ユグドラルでは伝承でしか語られない「悪魔」か…いえ、戦い続け、殺し続けて最後は自ら刃に倒れた戦士たちの魂が宿っているのかもしれません。
「殺せ、殺せ。殺しまくり、そして死ね。この苦しみが分かるか」。
そんな唸り声が何重にも響き渡っているのが、わたしには聞こえるように感じます。

この斧は、バーハラの魔術研究者たちに引き渡し、封じ込められているものの正体とその力の研究に用いることといたします。
悪魔を呼び出すかもしれないとなると危険ですので、わたしがナーガをそなえて研究に臨みましょう。
闇の魔法や歪んだ魔術について研究することは、決して罪ではありません。もし斧に封じ込まれた魂がいまも苦しみ続けているのならば、研究が実を結び、その魂を清め、解放させる日が来ることを望みます。


72 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/10/24(金) 17:57:21
>>58

こんにちは。来訪ありがとうございます。
お返事が遅くなって申し訳ありません。時が経つ間に今秋の収穫は順調に進んでおります。

今年の収穫量について報告します。
グランベルの農業における主要作物の収穫量は、昨年比25%増と大幅な伸びを示しております。しかし、10年前に比べるとまだ80%以下であり、十分な収量を得られたとは言えません。

そもそも現在のグランベルでは、「豊作」という言葉自体がそれほど意味を持たない状況なのです。
前提として、農民の数や農地の広さがある程度安定している状況があるならば、気候や災害などの要因によって収穫量が上下し、その状態を「豊作」「不作」と表現するのではないでしょうか。

しかし今のグランベルは、戦争に次ぐ戦争により人口は激減。また帝国兵の略奪により農地の多くは荒れ果て、多くの農民が殺されました。
戦争終結の時点ではその被害状況すら全く把握されていなかったのですが、調査の結果、10年前と戦争当時を比較し、グランベルの人口は戦争や子供狩り等により10%減、特に農民は徴兵や餓死により20%減、稼働している農地は30%減、収穫量は、兵士や山賊等による略奪を差し引いて、40%減という概算が出ております。
なおこれはグランベル国内に限った数字であり、ミレトス、アグストリアなど直轄地以外の地域ではより一層の惨状であることを申し添えます。

戦争によって人口は減りましたが、それ以上に農民、農地、収穫が大きく減っております。
さらに兵士や夜盗による略奪が横行し、人々は飢えに苦しんでいます。
この現状を改善すべく、セリス陛下は即位後すぐに、グランベル国庫や没収した旧貴族の資産にあった備蓄食料を国民に開放し、当座の飢えを凌ぐ対策を打ちました。

そして、グランベルの農業を立て直すための施策を次々と打ち出しました。
セリス陛下の即位の後、旧解放軍と旧帝国軍は統合され、新生グランベル王国軍として再編成されました。その際に国軍の規模は、旧帝国残党や野盗などの鎮圧、警備に必要な程度にまで大幅に縮小されました。

「今まで命を賭けて戦ってくれたことを、心から感謝する。ようやく、私たち、あなたたちが夢見た平和が訪れようとしている。これからは、平和で豊かな国を作るために、あなたたちの力を役立ててほしい」
セリス様はこう演説し、もともと農民であった方を中心に、かなりの兵士たちが農地へと戻っていったのです。
必要に応じ、口分田などの農地、農作業道具や肥料、その他当座の資金を、グランベルは人々に与えました。
畜産、漁業、林業、工芸、そのほか産業の各分野においても、わたしたちは同様の施策を打ち出し、行動を続けております。

さいわい水害もなく天候にも恵まれ、昨年よりはるかに多くの収穫を得て、国庫備蓄食料とあわせれば、多くの人が来年まで食いつなぐことのできる食料をなんとか確保することができました。
各地の村では、ここ数年ロプト教団により禁じられてきた、ブラギ教の収穫祭が計画されていると聞きます。

わたしたちにできたのは、皆さんが努力するために必要な環境をととのえることだけです。
それを成果に結びつけたのは、間違いなく、荒れた土地に再び立ち向かい、日々真面目に働き、収穫を得た、国民の皆さんの力です。
この場でお礼を申し上げます。

近い将来に、「今年は天気もよく、豊作です」と言えるような、安定した収穫を持てる国にしていきたいと思っております。

73 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/10/24(金) 18:42:28
>>59

お待ちください。
ロプト帝国統治下や、管理の行き届かない無法地帯ならばいざ知らず、わたしたちの目の届くところでは、農民からの略奪などの狼藉を許すことはできません。

特に、収穫物だけでなく、種籾までを奪うのは愚かしい行為です。
盗んだもので一時的に飢えを満たしたとしても、また盗みを働かねばならない…そのときに盗む物さえ、無くなってしまうのです。
>>53 でわたしが申し上げた通り、今の世には略奪せずには生きられない人間が存在することは認めねばなりません。そのような人は、今日を生きることだけに精一杯で、明日のことを考える余裕が無いのかもしれません。政治が機能しない状態や、為政者の手の者が自ら略奪を行っているような世であれば、法を守る者だけが損をするかもしれません。

しかし、戦いは終わりました。これからセリス陛下が作ろうとしているのは、公平で差別のない、法の行き届いた国です。
>>72 で申し上げた通り、飢えに苦しむ人を救うための試みはすでに始まっております。まだ全ての人に十分な食料が行き渡っていないのは認めますが、それを目指して国づくりに励んでおります。

>>59 様…あなたは将来、どのような人になりたいと思っているでしょうか?
来年、再来年。そして中年に、老人になったとき。
あなたは何をしているか、想像してほしいのです。
それをはっきり思い描くことができたなら、あなたの考えは、きっと違うものになるだろうと思います。

一人一人が未来への夢を描ける、そんな国をわたしたちは目指しています。


74 名前:名無し客:2008/11/06(木) 12:29:36
戦争をすればたくさんの命が失われるというのに、何故人は戦争をするのでしょうね。

75 名前:名無し客:2008/11/07(金) 10:24:36
結婚するなら何歳までにしたい、という願望はありますか?

76 名前:名無し客:2008/11/07(金) 23:30:13
闘技場で絶対に死なないのは何でだろう?

77 名前:名無し客:2008/11/07(金) 23:31:47
聖戦の系譜がリメイクされるとしたら、何処を改善されることを考える?

78 名前:ユリア ◆JuliaI5glE:2008/11/13(木) 02:22:53
皆様、お久しぶりです。
しばらく留守にしている間に、たくさんの方にご訪問いただいたようで、心から感謝いたします。
これからもよろしくお願い申し上げます。

>>63

こんにちは。ようこそいらっしゃいました。

ご質問の件ですが、鍛冶屋は、正確には「修理屋」という看板で営業しています。
剣などの武器に関しては、おっしゃる通り鍛冶屋として金属を鍛え直すことによって再び新品同様の良い状態にしているのですが、魔道書などに関しては鍛冶ではなく、全く違う方法によって修理を行っているのです。それが、鍛冶屋ではなく「修理屋」という名称であるゆえんなのでしょう。
修理方法の前に、まずわたしたちが使う魔道書の仕組みについて説明します。

魔道書は、一言で言いますと「精霊の力を特定の方向へ集中、放出するための触媒」なのです。
ユグドラルには、炎、雷、風、光、闇の五種類の精霊が存在します。
わたしたち魔道師は、この自然界に存在する精霊の存在を感知し、働きかけ、一時的ではありますが思い通りに動かすことができます。
しかし、それだけでは戦いにおいてあまり役に立ちません。たとえば二、三体の精霊に働きかけて、前方に行くよう命じても、めいめいの精霊が漠然と移動するだけで、精霊を見ることのできない人から見ると何も変わりません。優れた術者ならば、それだけでも明かりを灯したりそよ風を吹かせることができるかもしれませんが…。

そこで出てくるのが、「魔道書」です。
魔道書には、秘薬を元にした魔道筆記具によって、紋様が描かれています。その紋様には、どの精霊をどのように行使するのかという「意味」があり、精霊の力を特定の方向へ集中、放出するようになっています。
たとえばファイアーの魔道書の紋様は、炎の精霊を自分のもとに引き寄せるとともに、集めた精霊たちを、特定の方向へ直線的に、一斉に奔らせるという意味を持ちます。
炎の精霊へ働きかけられる術者は、魔道書を開き、ファイアーの呪文を詠唱します。
すると、術者の魔力によりますが数多くの炎の精霊が魔道書の紋様に引き寄せられ、集中します。
詠唱が終わるとともに術者が方向を指示すると、集まった精霊たちがそちらへ一斉に飛び出します。多数の炎の精霊が集中することで、はじめてその場に、精霊を感知できない者でもわかる「炎」が出現し、相手を攻撃することができるというわけです。

魔道書に刻まれた紋様は、いちど魔法を行使するとその力を失います。
燃えた薪が灰になるように、炎の精霊が通過したページからは紋様が失われ、再び炎の精霊を呼び寄せることはできなくなります。
魔道書には五十のページがあり、普通はそれぞれに同じ紋様が刻まれています。一つのページで魔法を行使したら、次は別のページを使って精霊を呼び出す。
このようにして、ひとつの魔道書で規定の回数まで魔法を使うことができるのです。

五十回の魔法を使いきった魔道書は、すべてのページから紋様が無くなり、白紙の状態となります。これは「消えた魔道書」と呼ばれます。
こうなったら、再び魔道書に紋様を描き入れるまで、魔法を使うことができなくなります。
その紋様を描き入れる作業。
それこそが、修理屋で行われる、「魔道書の修理」なのです。

魔法を一回使った状態の魔道書を修理するには、一ページにだけ紋様を書き入れれば済みます。このため修理代金は、消えた魔道書の修理に比べて五十分の一となっております。
エルファイアー、ボルガノンなど、強力な魔法には、より大きくて複雑な紋様が描かれており、再びこれを描き入れるためには多くの手間が必要となり、したがって修理代金も高くなるというわけです。

ナーガをはじめとする伝説の武器に関しても、この点は変わりありません。ただし神器の場合は魔道書自体に竜族の力が込められており、焼いたり破ったりして魔道書を廃棄することはできなくなっています。
ロプトウスの魔道書についても廃棄はできなかったので、現在はバーハラ城奥の神殿にて厳重に保管されております。

紋様を描き入れるために必要な魔道筆記具は扱いが難しく、魔道師といえど普通は自力で紋様を書くことができません。刀鍛冶と同様、魔道書の修理にも、戦いとは異なる種類の専門技術が必要なのです。

なお、ライブなどの杖については、杖の先端に、生命の源である「エーギル」に働きかける魔法物質が込められており、回復魔法を行使するたびにその物質が劣化していくという仕組みになっております。
その魔法物質を再び洗練するのが、修理屋の役割ということになります。

えっ、「あのいかつい顔のオヤジが、そんなインテリっぽい技術を持ってるようには見えない」…ですか?
人を外見で判断するのは良くないと思いますが…、わたしが修理を依頼した魔道書は、修理屋の男性が別の方に手渡していたようなので、あの方は刀鍛冶などの武器修理を担当し、紋様を書き入れる魔道書の修理や杖の修理は、別の方が行っていたのではないでしょうか。
解放軍の戦士たちの多くが、それぞれ自分が気に入ったり親から引き継いだりした、使いこまれた武器を使ってきました。聖戦士の血を受け継ぐ者が持つ伝説の武器だけでなく、シグルド様の形見としてセリス陛下が愛用した銀の剣、かつてはアイラ様・今はラクチェ様の代名詞とも言える勇者の剣、フィー様が得意とする手槍など…。そういった武器は扱う人の手に合うよう握りの部分にまで手入れがなされていて、まるで手足のように自由自在に扱われていたのです。普段は「必殺」の攻撃を使えないセリス様が、銀の剣を使うときだけは「必殺」を繰り出すことができたという真実もあります。
だからこそ、そういった貴重な武器を老朽化する前に修理し、再び長きにわたって使えるようにする修理屋は、解放軍にとってなくてはならない貴重な存在でした。

戦いの伝承においては聖戦士をはじめとする実際に戦った人だけが描かれがちですが、実際には戦いを裏で支えた修理屋のような方々が非常に大きな貢献をしていたのです。彼らの力なくしては、わたしたちが勝利を得ることはできなかったでしょう。
そのような人々の存在を、忘れないでいてください。


79 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/11/13(木) 02:24:36
>>64

こんにちは。ご質問の件ですが……?

すみません、関節技…ですか?
そのようなものが姫のたしなみであるとは、聞いたことがありませんが…。

各王家の血を引く者が伝説の武器を扱え、戦乱の時代でもあったことから、女性だからといって戦わないということはありません。イザークのアイラ王女やラクチェ様は剣術、ユングヴィのブリギッド公女は弓など、武芸に秀でた王家・貴族の女性は多数存在します。
ですが、格闘や関節技については…。
少なくともわたしは、筋力もなく(ちから=0)、全く心得もありません。

ユグドラルで、そのような方がいるという話は……
えっ?

http://jp.youtube.com/watch?v=8OqIePuE_Xo

…まあ、驚きました。
ラナ様がこのような関節技の名人であるとは、全く存じませんでした。
この世界は広いものですね…。


80 名前:名無し客:2008/11/13(木) 09:24:23
ファイアーエムブレムは、持つとどんな宝箱でも開くことの出来る
盗賊垂涎のアイテムだと聞きましたが、本当ですか?

81 名前:名無し客:2008/11/13(木) 23:21:04
リーフ王の保護下にいるサラと会ったことはありますか?
数奇な運命の人だし、一度会ってみる事をお勧めします。

82 名前:名無し客:2008/11/17(月) 23:37:06
トラバントって大概外道だったけど、ああいう生き方しかできなかったんだろうか

83 名前:名無し客:2008/11/17(月) 23:38:36
バルキリーの杖で復活は遺体とかもそれまで保存しておいたりするの?

84 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/11/30(日) 07:51:01
皆様、ごきげんよう。
また間が空きましたが、お返事いたします。

>>65
ご訪問ありがとうございます。

ご質問は、わたしの睡眠時間ですか。
毎日7時間ほど取っております。

……ずいぶん多いと、お感じになるでしょうか。
たしかに、激務であるはずの国家の要職にしては、よく眠るほうかもしれません。
今は国が荒れ果て、一刻も早い復興が必要な、大変な時期。
歴史上には、一日3時間ほどしか眠らない皇帝もいたと聞きますし、わたしたちもそれに倣って、馬車馬のように必死で働くべきである、とお思いかもしれません。

しかし、わたしの考えは違います。
国の向う方向を示し、導く者にとって、もっとも必要なものの一つは…、
「余裕」 なのだと思うのです。

わたしの兄…、前グランベル帝国皇子ユリウスは、非常に勤勉でした。
皇帝であった父アルヴィスから後継者としての期待を一身に受け、幼少の頃より自らを厳しく律し、勉学に努め、夜も眠らぬほど猛烈に努力していました。
旧帝国の官僚に聞くと、わたしが消え、ロプトウスに目覚めた後は、その傾向はより一層強まり、毎日ほとんど眠らずに政務に励んでいたようです。
一心不乱なその努力により、国はその姿を急速に変貌させていきました。
兄が目指したロプト帝国は、ほんの数年で完成し…、そしてそれ以上の速さで、滅亡したのです。

国を作るために働きづめとなり、その方向性が間違っていることに気付かなければ。
作り上げた国は、民を不幸にしてしまいます。

兄がもし、もう少しだけ、心に余裕を持つことができていたならば。
ロプトウスとしてだけでない、別の立場で国を導こうと思う機会があったならば。
きっと、優秀な指導者になれていたのではないか…。
兄妹のひいき目かもしれませんが、そう思わずにはいられません。

兄に、ロプトウスの化身となる以外の選択肢があったのかどうか…これについてはまた、機会を改めて述べたいと思います。

わたしたちの国にはいま、どのような問題があるのか。
わたしたちが向かっている方向は、本当に正しいのか。
わたしたちの暮らしをよりよくするために、何をするべきなのか。
今を生き抜くために必死な人々の視線から一歩引いて、より大きく高い視点から。
十年後、百年後のグランベルの姿、ユグドラルの姿を思い描き、そこへの道筋を指し示す。
それが、わたしたち指導者に求められる役割ではないでしょうか。

そのために必要なことは、目の前にある仕事だけに一所懸命になることではなく、見聞を広め、健康を保ち、自らの能力を鍛え、世界のことを知り、人々との絆を深める…。そういった、長期的な将来のための行動なのだと思います。
睡眠をしっかり取るのも、長い目で見て、そのほうが体と心の健康を保てると思うからです。

セリス陛下は解放戦争を戦っている時も、しっかり睡眠をとっていました。
幼い頃は自らの無力がもどかしく、努力しすぎそうになったこともあるそうです。
しかしオイフェ様から、長期的な視野を持つことの大切さを教わり、それからはしっかり睡眠を取ることにしたのだとか。
わたしはセリス様からこの話を聞いて深く共感し、今のような考えを持つようになったのです。

>>14 でわたしは、「わたしたち権力者は、強い力を持つからこそ、自分たちが本当に正しいのかどうか、つねに謙虚な態度を持っていなければいけないと思います。」と申し上げました。
そのような態度を取るために必要なのは、小鳥のさえずりや小川のせせらぎを聞いて何かを感じることができるような、そんな「心の余裕」ではないでしょうか。
それを持つために、わたしは、しっかり眠ることにしているのです。


85 名前:名無し客:2008/12/02(火) 23:32:27
力こそが正義!
良い時代になったものよのう!

86 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/12/11(木) 11:28:10
>>66-67

ようこそ……まあ。
いかがなさいましたか、そんなに慌てて…。
誰かがメティオの魔法を使って、空から隕石が降ってきたというのですか。
それは大変です。

…………

申し訳ありません。
調査の結果、わたしたちバーハラの魔道研究者たちが実験を行っていた際に、誤って魔法を町に向かって放ってしまったことが分かりました。
王都魔道研究所では現在、メティオの改良により高精度の破砕を行い、施設解体や鉱脈探索などに使うことを模索しております。
理論はほぼ完成し、実践段階に移っていたのですが、城内の研究所で実験を行った結果、このような事故を招いてしまいました。
さいわい死者は出なかったものの、被害にあわれた方には心からお詫びいたします。
怪我や建物などの損害に対しては、グランベル王国より相応の補償を行うことをお約束いたします。

今後このようなことが起こらないよう、ひとまずメティオの改良実験は保留いたします。
そして、人のいないイード砂漠に簡易な出張魔道実験所を造り、メティオの実験はそちらで行いましょう。
ただし全ての実験をイードに移転するのは非効率的です。王都魔道研究所の実験室に魔道結界を張り、外部に魔力が放出されないようにする研究が進んでおりますので、これが完成し次第、近距離魔法の実験は原則すべて結界内部で行うことといたします。
これによって、今回のような事故の再発を防げるようになるはずです。

今回は皆様を危険な目にあわせてしまって申し訳ありませんでした。
しかし、魔術は上手に使えばわたしたちの生活を劇的に改善させられる可能性を秘めております。
精霊たちの力を借りて、より一層明るい未来を作っていくために、皆様のご理解をいただきたく思います。


87 名前:名無し客:2008/12/11(木) 21:57:36
冬で皮下脂肪を溜めて、重装型にならない為の方法ってある?


88 名前:名無し客:2008/12/22(月) 15:44:12
あの老け顔のブリアンさんは何歳だったんですか。
ヨハンさんに聞いて欲しいです。

89 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2008/12/24(水) 01:14:09
>>68

こんにちは。ようこそいらっしゃいました。
>>68 様は、悩み事をお持ちなのですね。
他の方に聞きとられないようにということでしたら、耳打ちしていただければ…。
えっ…恥ずかしい…ですか?
では、紙に書いていただくか、あるいはあなたに魔術の心得があるのでしたら、精霊を通じて伝えていただければ…。

では、拝見します。あなたのお悩みは………。
……なるほど。分かりました。

お答えを申し上げます。
どうぞ、お召し上がりください

物には、役立つべき時…食べ物ならば、食べる時というものが、存在します。
このお饅頭は、何か別の機会のために…例えばお花見やお月見のときに食べるために用意したのでしょうか?お悩みの様子を見ますと、違うようです。
であるならば…、あなたが、このお饅頭を「美味しそうと思った」、それこそが、今こそお饅頭を食べる時であることを示しているのだと思います。

もちろん、食べればお饅頭は無くなってしまいます。そのお饅頭を別の時に食べることは、もう二度とできません。
ですが、後悔することはありません。
お饅頭にとって最も良い結末は、腐ってしまう前に、お饅頭を好きな人に、美味しく食べてもらうこと。それ以上の使い道はありません。
あなたがそれを美味しいと思ったのならば、それはそのお饅頭の可能性を最大に引き出したと言うことができます。

食べ終わったら、次のお饅頭を探しに行けばよいのです。

……あなたの申し上げた意図が、何となく分かります。
「お饅頭」とは、人生のチャンス。
たとえば仕事に就いたり、家を買ったり、あるいは…結婚など。
とても良いものに見える、だけど一度それを選んでしまうと、あとから別の良いチャンスがあっても選ぶことができなくなります。
それでも、「良い」とあなたが思ったのならば、食らいつくべきでしょう。

わたしにとっての「お饅頭」は、セリス陛下の解放軍で戦うことでした。
レヴィン様にかくまわれて、シレジアで暮らす日々。
読み書きや算術、宗教や歴史、そして光魔法や杖、精霊行使を学びました。
その時は、なぜそれらを学ぶのか分かりませんでしたが、この厳しい世界で生きていくための力を蓄えることができました。

そして、それをどう使うかは、わたしに任されたのです。
レヴィン様は、わたしに「戦え」と言ったことは一度もありません。
わたしを守るように言ってセリス陛下に預けただけです。
仲間も、わたしに戦うように勧めることは無く、食事などを無償で提供してくれました。
そこで、帝国の圧政と戦う解放軍の考え方に触れました。そのあと、セリス様が危なくなったときに夢中で魔道を行使し…。
わたしは、セリス陛下の考えが正しいと思ったから、そして解放軍の皆とともにいたいと思ったから、「自分から」解放軍として戦うことを選んだのです。

このことは、大きな賭けでした。
わたしは、攻撃魔法使いです。戦うことは、敵対する帝国軍の兵を殺すことを意味します。相手は決して、わたしをゆるさなくなるでしょう。
つまり、解放軍という「お饅頭」を食べてしまったら、もう帝国軍側や中立の立場を選ぶことができなくなるのです。
特にわたしは当時記憶を失っていましたから、その意味でもリスクは大きかったのは真実です。せめて記憶が戻るまで、決断を待つべきだったかもしれません。
結果として、帝国の皇女が帝国に敵対するという、本来ならばあり得ない選択をしたことになります。

それでも…。
いつ戻るか分からない記憶を待ち続け、無為に時を過ごすよりも。
光り輝く活力に溢れた解放軍の一員として戦うことが、今までたくわえた力を活かす最も良い方法だと、わたしは思い切ったのです。

よく味わって、お饅頭を召し上がってください。
たとえ無くなっても、その味はあなたの記憶に残っていくことでしょう。

90 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2009/01/11(日) 12:18:11
皆様、明けましておめでとうございます。
新しい年が、皆様にとって良い一年となりますように、心からお祈り申し上げます。

>>74

ようこそいらっしゃいました。
ご質問は…戦争についてですね。

本当に、人という存在の罪深さははかり知れません。
戦争は、多くの人の命を奪い、生活を奪い、希望を奪います。暴力だけが横行し、弱い者は何ら罪が無くとも虐げられ、殺されてしまいます。
そのことを人は今までさんざん思い知ってきたそれほどまでに罪深い戦争を、こうも繰り返すのでしょうか…。

……などと、他人ごとのように語る資格を、わたしは持っておりません。
他ならぬわたし自身が、戦争をしたからです。
そこで>>74 様には、「なぜ人は戦争をするのか」という一般論よりも、「なぜわたしたちは戦争をしたのか」ということをお話しします。
そのほうが、より「生きた」語りができるのではないかと思います。

この戦争を始めたのはセリス陛下と解放軍であり、わたしは途中から参加したのではありますが、それでも、わたしはわたし自身の判断で戦争に参加しました。
戦いの過程では、多くの兵士の命を奪いました。そのため、その人の家族の生活をも奪ってしまったことでしょう。解放軍はなるべく非戦闘員の人民を傷つけないように戦ってきましたが、それでも民間人を一人も殺さないというわけにはいきませんでした。
わたしたちの戦争も、決して正しいことばかりではなく、多くの人の命を奪い、苦しみを与えてしまったことは認めねばなりません。
それでも、わたしたちは戦争をしました。
その理由は…、

「わたしたちが、人として生きるため」……です。

>>74 様は、戦争をすればたくさんの命が失われるとおっしゃいました。
確かに、その通りです。
ですが人は、ただ命があるというだけでは満足できない生き物なのだと思います。
どれほど素晴らしい人生であろうと、あるいはどれほど悲惨な人生であろうと、人生はただ一度きり。そして生命は、ただ数十年しかもたない、限りあるものです。
命というものは、ただ生命が存在するだけで意味があるものではなく、与えられた数十年の命を「使って」、この世界において何かを成し遂げて、はじめて意味を持つものではないでしょうか。

ロプト帝国の圧政。奴隷身分に落とされ、子供は奪われ、何の希望もないまま苦役を強いられ、やがて力尽きて死ぬ…。そのような人生に、何の意味があるでしょう。
生きる時間は長かったとしても、ただ奴隷として生き、消耗し、死んでいくだけの人生で終わるぐらいなら。
短い人生で終わるかもしれなくとも、自分の望む方向に、少しでも世界を動かしていくほうが、よりましな人生と言えるのではないでしょうか。

人の命よりも大切なものがこの世には存在するという価値観。
この世界の未来のために、世界を変えるために自分の命を「使う」という価値観。
決してそれが正しいと言うつもりはありません。人の命こそが何よりも大切だという価値観を持つ人も存在することは、認める必要があります。
それでも…わたしが見聞きした限り、解放軍に力を貸してくださった人々の多くは、命よりも大切なものがあるという心を持っていたと思います。

本当に苦しいのは、敵対する軍の人々も、同じ価値観と違う志とを持っていることです。
世界を別の方向に変えるために命を賭けようとする二つの勢力がぶつかる、それが戦争。どちらの志が正しいのかは、誰にも分かりません。
あるのはただ、勝ちと負けだけ。負けた方の理想は、どんなに崇高なものであったとしても打ち砕かれ、負けた兵士の抱いた志は無意味な灰燼と帰します。

それでも、それでも、わたしたちは戦争をする。
その決意を固めるのに、どれほどの葛藤があったことでしょうか…。
幸いにして戦争に勝ったわたしたちでさえ、今でも、戦争の空しさに思いを致さざるをえません…。
わたしたちと異なる志を持ったロプト軍の兵士たち。彼らにも理想があったのだということを覚えておくことは、その理想を引き潰したわたしたちの、責務のひとつなのだと思います。

>>74 様が欲していたお答えと、だいぶ異なる話になってしまった気がします。
申し訳ございません。
これが今、わたしにできる精一杯の…答えです。


91 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2009/01/24(土) 15:05:02
>>75

お待たせして申し訳ありません。

ご質問は、わたしの結婚についてですね。
結論から申し上げますと、何歳までに結婚したい、というような「願い」は特に持っておりません。
それ以前に、わたしは結婚したいのかどうか、という点も、自分ではよく分かっていないのです。

わたしがそのような願望を持たない背景には、義務や責任といったものが存在すると思います。
わたしは現グランベル王国の王妹にして、旧グランベル帝国の皇女、そして神竜の光魔法ナーガの唯一の継承者でもあります。
そのため、わたしの結婚は世界の情勢に大きな影響を与える可能性があります。

旧グランベル帝国の要人は、マンフロイ大司教やヒルダ妃をはじめその多くが戦争で倒れましたが、仮にそのような人物が現存し強い勢力を保っていたとして、その人とわたしが結婚したらどうなるでしょうか。ロプト教団をはじめ、旧グランベル帝国から恩恵を得ていた勢力がその下に結集してセリス陛下に反旗を翻せば、大陸は再び戦乱に包まれかねません。
そのようなことが無かったとしても、わたしが結婚して子をもうけたら、その子がナーガの継承者となる可能性があります。すなわちそれ以降の時代において、わたしの嫁ぎ先の家がナーガの直系となるわけです。したがって、わたしが誰と結婚したとしても、ユグドラルの政治バランスには大きな影響を与えることになるでしょう。
グランベルの、そしてユグドラルの平和と安定のために、わたしは好き勝手に結婚することはできないのです。

わたしの結婚は、わたしではなく、グランベルの政治の首脳が政略的に決めること。
ですから、結婚の相手も、時期も、わたしに願望など存在しようはずがありません。
王妹として、立場をわきまえております……

……
…………
………………

……>>75 様。申し訳ありません。
今までわたしが答えてきたこと…実は…本心を少し偽っていたかもしれません。
王妹であると同時に、わたしもひとりの人間。
愛する人と結婚し、一生添い遂げることができたなら、と、そう思ったことが無いと言えば、嘘になります。

ただ、それが簡単なことであるとは思いません。
いまお話しした通り、わたしが結婚することは、世界に多大な影響を及ぼす可能性があります。
もしわたしに愛する人がいて、その人と結婚したいと思うのならば、その結婚が世界にどのような影響を及ぼしうるのかを見極めて、世界の平和と安定につながるものだと信じることができるようにする責任が、わたしにはあるのだと思います。
それには、かなりの時間がかかるものと覚悟しております…。

あくまでわたし個人の願望であり、グランベル王妹としてのふるまいとは別ではありますが。
いま申し上げられることとしては、若いうちに結婚したいとは思いません。
愛する人と結ばれることができるならば、どれだけ時間がかかってもかまいません。
年をとっても、ふさわしい人と結婚することのほうを大切にしたいと…、そう、願っております。


92 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2009/02/01(日) 09:50:46
>>76

こんにちは。ご質問ありがとうございます。
>>76 様は、闘技場をご覧になったことがあるのですね。

その昔、闘技場は忌まわしい場所でした。
娯楽のためだけに、王や貴族の下で奴隷となっている戦士どうしが人々の前で戦い、そして負けた者はしばしば命を落とす…非常に残酷な場所。
命を賭けた戦いには緊張感と高揚感があり、それを見て楽しむ観客の気持ちが全く分からないわけではありませんが、人間の命は、その代償としてはあまりに高すぎるのではないでしょうか…。

中には金のためや名を上げるために自ら進んで闘技場で戦う者もいましたが、闘技場にいる者の多くは何の自由も持たない奴隷たちでした。
彼らは飢え死にを避けるために目の前の相手を殺さねばならず、そのための力と技を磨きあげました。そうして闘技場で戦い、勝ち続けた者は、傭兵部隊の長として成り上がることができたのです。

仕組みが当時のままであったならば、闘技場は今ほどの隆盛を築くことはなかったでしょう。
何より、一度戦うごとに一人の戦士の命が失われていたのでは、戦士の人数が足りず、多くの試合を組むことはできなかったはずです。
傭兵の中には、生き残ることこそが何よりも大切だという思想を持った人が多くいます。彼らが闘技場に集い、己の技を競い、磨き上げることができるのは、>>76 様のおっしゃる通り…、
「闘技場では絶対に死なない」という仕組みが確立されているからなのです。

考えてみれば、不思議なものですね。
>>19 でも少し触れましたが、地槍ゲイボルグで心臓を貫かれても、灼熱のファラフレイムで焼き尽くされても、決して死なないのはなぜでしょうか。
その秘密は、闘技場に施された仕掛け…、

エーギル保護の結界」なのです。

大司祭ブラギの子孫に伝わる神器、聖杖「バルキリー」をご存じでしょうか。
人間には、エーギルと呼ばれる持って生まれた生命エネルギーがあります。
戦いにより命を落とした人間は、肉体からエーギルが離散し、そのまま永久の眠りにつくのですが、バルキリーの杖を使うと、世界に散らばったエーギルを再び集束させ、肉体に宿すことにより、再びこの世界における命を蘇らせることができるのです。
肉体が傷つき命を落としても、その人間の持つエーギルを再び集めることができれば生き返る。これが、バルキリーの仕組みだと言われています。

バルキリーによる死者蘇生は、決して簡単ではありません。
いったん生命が失われると、エーギルは世界に散らばり、新たな命のための糧となるのが普通です。それを再び元の器に戻すのは奇跡的な行いであり、ブラギ直系の子孫が神器を用いてはじめて可能となるほど難しいことです。
しかし闘技場においては、本来は死に値するほどの負傷をしても、エーギルを離散させず、肉体にとどめるような仕組みを施すことで、バルキリーに似た、命を保つ業が手軽に実行できるようになっているのです。

闘技場の端にある聖なる像には、人間のエーギルをひとかけら、二人分だけ保存することができます。
闘技場で戦う人間二人はまず、そこに自らのエーギルをひとかけら捧げます。
聖なる像からは、闘技場の柵の中の範囲で有効な結果が張られています。闘技者がその中にいる限り、二人のエーギルは保護されます。
闘う相手に殺された場合に限りますが、たとえ闘技場で命を落としたとしても、エーギル保護の結果により、本来は離散するはずのエーギルが結界の外に出ることはありません。
敗れた者の肉体は深く傷つけられ、瀕死の状態(HP 1)ではありますが、聖なる像に預けたひとかけらのエーギルが肉体に戻ることにより、その人は命脈を保つことができるのです。

わたしたち解放軍の戦士全員が、同じ相手と一回ずつ戦うことができるのは、こうした理由があるからなのです。
こうして命の危険が無くなった闘技場は、市民の娯楽として、また兵士たちの実戦訓練の場として、大いに活用されることになったのです。

この仕組みをもっと用いて、戦争で誰も死なないようにできればいのですが…。
聖なる像の数に限りがあり、そこからごく狭い範囲の中で倒された場合しか効き目がないこと。
預けたひとかけらのエーギルは、闘技場で戦う程度の短い時間しか鮮度がもたないこと。
命を奪った相手が、事前に同じ像にエーギルを預けた人間…つまり闘技場の対戦相手である場合にしか効果が無いこと。
これらの制限があることから、今のところ、闘技場でしか活用することができておりません。

闘技場の結界には、エーギルを保護する効果のほか、闘う人間の武器や魔法の効果が闘技場の柵の外に及ばないよう制限する効果もあります。
流れ矢に当たったり、フォルセティで吹き飛ばされたりする心配もなく、観戦していただくことができるようになっておりますので、今後も安心して闘技場へおいでください。


93 名前:名無し客:2009/02/07(土) 23:57:28
幽霊の存在を信じますか?

94 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2009/03/23(月) 23:27:14
また遅くなってしまって申し訳ございません。
少しずつでもお返事していきますので、皆様、よろしくお願いいたします。

>>77
こんにちは、ようこそいらっしゃいました。

最近、炎の紋章が伝わる異大陸の伝承を記した「暗黒竜と光の剣」という歴史書が改訂され、新たに伝わったとのこと。わたしも読みましたが、マルス王子が旅立つ前の話が加筆されているなど、非常に興味深い内容でした。

わたしたちの戦いを記録した「聖戦の系譜」も、同様に新たな要素を加えて改訂版が出るかもしれませんね。
そうしたら、どのような内容になるのでしょうか。思いを巡らせてみることにします。

いろいろ考えたのですが、結論として、ここでは「戦闘システム」「親子システム」「ストーリー」の3点を指摘させていただきます。

(1) 戦闘システム

まず、戦闘システムと呼ばれる、戦いの構造に関する変更を想像します。

「聖戦の系譜」の戦いは素早さが全て…というのは言い過ぎとしても、非常に重要な要素となっており、素早さに劣る人物が活躍するのが難しくなっています。
そこで、素早さに劣っていても他に長所があれば活躍できるような変更を考えましょう。

一つは「体格」を考慮に入れることです。
「ちから」の低い人が重い武器を持った場合は本来の素早さよりも低い攻撃速度となってしまう一方、「ちから」の高い戦士は重い武器を持っても攻撃速度が落ちないようにします。
こうすれば、大剣のような重い武器はアーダン様のような怪力の戦士にのみ使いこなせるようになり、活躍が期待できるようになるでしょう。

同時に、「剣・槍・斧」のバランスも見直します。
現状ですと、重い武器である斧は戦いにおいて非常に不利であると言わざるを得ません。
剣は軽いものの威力に劣り、槍は命中率に優れ、斧は重い(ただし力があればデメリットを解消可能)けれど威力は高い。
このような個性をつければ、場面ごとに異なる武器を活用できるようになるでしょう。
魔法の「炎・雷・風」に関しても、重さ(=詠唱にかかる時間)の差を減らして、威力に差を付けることにより、炎が一方的に不利な現状を改善することができると思われます。

また、「追撃」と呼ばれる技術の条件を変更してはどうでしょう。
特定の人しか持たない「スキル」にするのではなく、攻撃速度にある程度(4ポイント)以上の差がある場合にのみ発動するようにすれば、素早さ重視の風潮が多少は見直されるかもしれません。

(2) 親子システム

わたしたち子世代の戦士たちが、父親によって、職業や顔、性格などを変化させるようにしてはいかがでしょうか。

アーサー様は、アゼル様が父親ならば従来同様にマージからマージナイトとなりますが、クロード様が父親であればプリーストからハイプリーストとなり、バルキリーの杖を使いこなせるようになります。レックス様が父親ならばアクスファイターとなっても面白いでしょう。

フィン様は、親世代の人と結婚した場合に限り、娘との会話が存在しますが、そのような親世代の組み合わせに依存した会話を増やすことで性格付けのバリエーションを増やすのも良いかもしれません。

(3) ストーリー

聖戦の系譜の物語は…実は未完成である、とは思いませんか?
ロプト帝国を打倒してセリス様が王になった今の状態は、戦争が起こる前のグランベル王国の状態と、さほど変わりありません。ただ単に「元に戻っただけ」であり、元の状態の持っていたゆがみは放置されたままなのです。
「なぜ戦争が起こったのか」といえば、グランベル王国内部ではロプトの血を引く者やロプト教信者が厳しく迫害され、国家転覆を図る以外に生きる道は無いほどに彼らを追い詰めたからです。ロプトを信じる者であっても正しく生きる者は迫害されない公平な社会を志向したアルヴィス前皇帝の志を受け継ぎ、彼らと融和しない限り、戦争の再発防止、根本解決とはなりません。
ロプトの血筋が母ディアドラを経て王家に流れはじめた今、マイラの教えだけで平和を守ることはもはやかなわず、十二聖戦士の血とロプト復活阻止への道をいかに描くか、新しい戦略が求められているのです。
さらに言えば、十二聖戦士に代表される選民思想からの脱却、竜の血の呪いからの解放、人の生きる道は人の手で決めるという民主共和政治への移行などが、真の平和を築くために求められているのかもしれません。

もともと三部構成の予定であったという物語・聖戦の系譜。
実現しなかった「第三部」は、戦争の原因を見つめ直し、根本から解決することを志すものだったのではないでしょうか。
聖戦の系譜が改訂されたときには、この部分にも切り込んだものになるのではないかと、期待しております。


95 名前:名無し客:2009/04/11(土) 00:38:28
これがあったらいいな、というような物(魔法)はあります?

96 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2009/04/23(木) 21:34:31
>>80
皆様、こんにちは。
少しずつではありますがお返事してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

>>80

ようこそ、いらっしゃいませ。
>>80様は、ファイアーエムブレムについてのご質問ですね。
ありがとうございます。

ファイアーエムブレムとは何物なのか。各大陸の歴史書をひも解くと、それぞれさまざまな伝承や解釈が存在するようです。
しかしながら、ここユグドラル大陸においては、「ファイアーエムブレム」と名のつく物品自体が存在しません。
よって、>>80 様のおっしゃるような、「どんな宝箱でも開くことのできる」という品ではありません。

たしかにユグドラルにも宝箱は存在します。セリス様の解放軍に従軍していたわたしはあまり目にしたことがありませんが、リーフ様の率いるレンスター軍がマンスター地方の解放戦争を行った際には、多数の宝箱に眠る品物たちの助けを得たと聞いております。
しかし、その宝箱を開けるためには、宝の鍵と呼ばれる貴重な品を使うか、もしくは開錠の専門技術を持つ盗賊の技術に頼る必要があります。そのような品を用いずに宝箱を開けることは、たとえ軍の指揮官であっても不可能なことなのです。

さて、わたしは先ほど、ユグドラルにはファイアーエムブレムという物品が存在しないと申し上げました。
しかし、ファイアーエムブレムという名前自体は、この世界にも存在いたします。
それは何かと申しますと…、わたしの出身国である、ヴェルトマー公爵家の紋章のことなのです。

十二聖戦士の一人、炎騎士ファラによって建国されたヴェルトマー公国は、代々の国王を守る近衛軍を任じられてきておりました。その立場上、ヴェルトマーの軍人には厳正なる綱紀粛正が求められ、特にトップであるヴェルトマー公爵にはグランベルの重鎮として中立を守る義務が課せられ、政治に口出しして私利私欲を貪ることは決してあってはなりませんでした。
このような背景から、近衛騎士団とそれを形成するヴェルトマー公爵家の紋章であるファイアーエムブレムは「正義の印」と呼ばれ、ヴェルトマーの人間はそれを誇りとして国を守ってきたのです。

しかしながら、その歴史は他ならぬ私の父、アルヴィスによって破られました。
アルヴィス=ヴェルトマーは、近衛軍指揮官として政治に関与せず中立を守るというヴェルトマー公爵の不文律を破り、謀略をめぐらして各地に戦乱を巻き起こし、有力諸公のほとんどを死に追いやり、他国を併呑し、グランベル帝国初代皇帝となったのです。
しかし、その栄光は人々の嘆きとともに地に堕ち、グランベル帝国はわずか一代にして滅亡。それとともに、ヴェルトマー公爵家の名も、この世に災いと混乱を巻き起こした元凶として歴史書に記されることとなったのです…。

没落したヴェルトマーの家を継いだのは、娘のわたし…ではなく、アゼル公子の長子でした。
ヴェルトマーの出身でありながら最後までシグルド様とともにあり、自らの正義を貫いたアゼル公子の志を継ぐ者こそ、ファイアーエムブレムの後継者にふさわしいと認められたのです。
彼は、ファイアーエムブレムを再び「正義の印」と人々に認めさせる歴史を作るという、最も困難な任務に立ち向かうことになりました。
わたしも、ヴェルトマーの名を結果としておとしめた者の娘として、その罪滅ぼしに少しでも力にならなければいけないと、決意を新たにしております。



97 名前:ユリア ◆JuliaI5glE :2009/05/22(金) 22:43:27
こんにちは。遅くなりましたが、またお返事をいたします。

>>81

ようこそ、いらっしゃいました。
ご提言、ありがとうございます。

レンスターに、サラ様という方がいらっしゃるのですね。
とても興味深いように思います。
早速、会見の手配をいたしますね。

<その後>

リーフ王に問い合わせたところ、サラ様のほうからグランベルを訪れるのは難しいとのことでしたので、こうしてわたしのほうから訪れることにいたしました。
本来ならばサラ様の居場所は極秘なのだそうですが、お会いしたいというわたしの意向をお伝えしたところ、わたしが単独で行くことを条件に、お会いできることになりました。
彼女の居場所をご存じである暗黒魔道師のセイラム様を道案内にして、サラ様を訪れます。

<そして。マンスター地方のとある山奥の一軒家に、徒歩でたどり着いたユリアの姿があった>

…ここですね。セイラム様、ご案内ありがとうございます。
こうして山登りをするのは久し振りのことです。少し疲れますが、どのような方なのか、期待に胸がふくらみます。

セイラム「サラ様…ごめんください」
サラ「だれ…リーフ様?」
セイラム「いいえ。ですが、がっかりなさることはございません。サラ様にとって、とても貴重な方であると確信しております。」

セイラム様に続いて家の中に入ると、ろうそくに照らされた暗い部屋の中に、少女がひとり座っていました。
長いウェーブヘア、白のローブに、紫水晶のような瞳がとても不思議な雰囲気を醸し出す方…。

はじめまして。ユリアと申します。

サラ「そう…あなたがユリアなの。あたしはサラ。」

よろしくお願いいたします。今日は、わたしの訪問に応じていただき、ありがとうございます。

サラ「ううん、会いたいといったのは、わたしよ。」

えっ…?

サラ「あなたが、わたしに会いたがっているのが遠くからでもわかったから。だからあたし、ユリアに会いたいって、セイラムからリーフ様に伝えてもらったの。」

そうだったのですか。リーフ様との話がスムーズに進んだのは、そんな理由があったのですね。わたしは…、

サラ「分かっているわ。あなたのこと、よく知っているもの。グランベル帝国の皇女で今のグランベル王の妹でしょ。母親はディアドラ…でも、あなたをかばって殺されちゃったのよね。」

…はい…。

サラ「あら、あなたは怖い顔をしないのね。からかったつもりだったんだけど、ごめんなさい。あたしもね、おじいさまをあなたたちに殺されちゃったから。あなたの兄のセリスって人、おじいさまだけは絶対に許さないって言ってたわ。」

そう…なのでしょうか。セリス様は多くの国民を受け入れてくださいます。話し合えば、きっと、あなたのご家族も…。

サラ「それは無理よ。だっておじいさま、マンフロイっていうんだもの。」

…!
マンフロイ…ロプト教団の大司教…。サラ様、あなたはその…お孫さん、だったのですか…。

サラ「そうよ。ユリア、あなたはおじいさまと会ったことはある?どんな人だった?」

マンフロイ大司教は、氷のように冷たい印象でした。見ているだけで、魂が抜け、気が遠くなるように感じたものです。
わたしは…マンフロイ大司教と相容れませんでした。ロプト帝国を復活させるために、子供狩りなどの非道を影から操ったことは、許されるとは思いません。
しかし、血が繋がっているからといってサラ様、あなたまで憎むということはありません。

サラ「そう?あたしもおじいさまは嫌いだったわ。ありがとう。でもね、そうは思わない人もいるの。」

それは…そうかも、しれません。残念なことですが。

サラ「あなたにも分かるのね。マンフロイの孫だなんて分かったら、殺してやるっていう人、この大陸にはいくらでもいるわ。だからわたしは、こんな田舎で隠れて暮らさなきゃいけないってわけ。バーハラ城まで会いに行けなかったのも、そういう理由なのよ。」

そうだったのですね。同じ大陸に暮らす同胞の一人として、ご不便をかけることをお詫びいたします。

サラ「ありがとう。わたし、なんだかあなたに近いものを感じるわ。」

…サラ様…わたしも、そう感じます。
今は…ご辛抱下さい。

わたしは、父アルヴィスやマンフロイ大司教の行いに過ちがあったとはいえ、その根源にある思いが全て間違っていたとは思っておりません。
ロプトを信じる者であっても、正しく生きる者は迫害されない、公平な社会。異なる宗教が平和的に共存する大陸。

わたしの横で、あなたと笑いあうことができるような世界。
それが…わたしの夢です。
きっと…。

サラ「そう…。道は遠いかもしれないけど、頑張って…。あ、そうだ。あなたにこれをあげる。」

これは…杖、ですか?

サラ「キアの杖っていうの。これを使うと、呪いで石化した人を元に戻すことができるのよ。本当はおじいさまの血を引く人にしか使えないんだけど、あなたになら使えるんじゃないかなって思うの。使い方、教えてあげるね。」

ありがとう…ございます。
サラ様にくださった、この思い…大切にいたします。

<こうして、はじめてのユリア・サラ会談は終了した>

サラ様…不思議で神秘的な、そしてあたたかい心をお持ちの方でした。
このような出会いをくださった>>81 様にも、感謝いたします。
ありがとうございました。

いつか、サラ様がさびしくなくなるような世界を…そう、夢見ています。


98 名前:名無し客:2009/10/18(日) 18:59:38
セリスが異兄だと知った時、どう思いましたか?

99 名前:名無し客:2009/10/30(金) 22:49:55
すみません。上の質問はセリスが異父兄だと知った時、
の間違いでした。訂正しておきます。

もうすぐハロウィンですがユグドラル大陸にもハロウィンのような
お祭り行事はありますか?

100 名前:名無し客:2009/11/02(月) 19:35:38
愛用の品があったら幾つかご紹介してみてください。

101 名前:名無し客:2010/02/06(土) 18:35:42
ユリアさんどうしたの?

102 名前:フィーリア=ライ=フリージ:2010/08/02(月) 14:42:11
ttp://www.secret.ne.jp/~tetora/novel-r/settei-fe.other.htm
ttp://www.secret.ne.jp/~tetora/novel-r/settei-fe.other.htm
ttp://www.secret.ne.jp/~tetora/novel-r/2.htm
ttp://www.secret.ne.jp/~tetora/novel-r/3.htm

ユリア様このテトラコラムで第三部の話しを発見しました。
正に地獄です、セリス皇帝陛下亡き後、息子2人娘1人の
後継者戦争は起きて、たくさん第二世代や第三世代が
死亡するわ、ユリア様も精霊の森で殺害されますとは。

ちなみに私はイシュタル母上の忘れ形見の娘フィーリア=ライ=
フリージです。
グランベル帝国は完全滅亡、首都はバーハラからヴェスティアに
うつされてヴェスティア帝国、シレジア魔法王国、トラキア帝国の
三国志です。


103 名前:フィーリア=ライ=フリージ:2010/08/02(月) 15:07:18
『グランベル帝国』(半オリジナル)
悪名高い『バーハラの戦い』のだまし討ちで時の英雄シグルドを討ち破ったヴェルトマー公国の当主アルヴィスが前グランベル王国王女ディアドラを娶ったことによって建国した帝国。マンスター地方の大半とシレジア王国を降伏させ、大陸のほぼ全体を征服した大帝国にまで成長する。建国して約8年までは皇帝アルヴィスの治世が行き届いていたものの、ある事件を境に皇帝の権威は息子ユリウスと彼を擁する暗黒教団へと移ってしまう。ユリウスは父を傀儡として圧政を施し、子供狩りを各地で敢行するなど凶行が相次いだ。それに抵抗したのが、シグルドの忘れ形見のセリスである。彼はユリウスの第一皇妃ティナの助けで送られたティルナノグで挙兵した後、イザーク王国を復興させる。その後も雷のごとく侵攻でマンスター地方、トラキア王国、ミレトス地方を解放して、ついに本国にまで侵攻を許す。その前線にいた権威なき皇帝アルヴィスはセリスに聖剣ティルフィングを託し、自らセリスに倒される。それでも妹ユリアという玉を持っていたユリウスはセリスを侮り、第二皇妃イシュタルの本家フリージ公国まで落とされることとなる。イシュタルの決死の説得でユリウスはヴェルトマー平原に二人の皇后を連れ決戦を挑んだものの、密かにセリスを愛する第一皇后ティナの裏切りとその活躍でユリウス直属の十二魔将の大半を倒されたばかりか、それにつけこまれ第二皇后イシュタルもセティによって討たれる結果となる。さらには妹ユリアに聖魔法ナーガを取られたユリウスには勝てるはずもなく、ユリウスはユリアに討たれグランベル帝国は解放軍の盟主であるセリスの手によって崩壊することとなった。
私達がいる世界の未来のグランベル帝国での歴史ではこんな歴史です。
ユリア様、私達が知っているユリア皇后陛下の若い頃とは少し違いますような。
若き頃のセリス皇帝陛下もいらっしゃるようですが。
トールハンマーの継承者でイシュタル母上の娘として、
私フィーリア=ライ=フリージは母上と父上の過ちをつぐないます。

104 名前:フィーリア=ライ=フリージ:2010/08/02(月) 18:08:29
ユリウス父上についてですが、ユリウス父上は
結婚式の時、左腕に第一皇后ティナ=シアルフィを
右腕には私の母上の第二皇后イシュタル=ライ=フリージを抱きかかえ
正に両手に花でティナ=ユリウス=イシュタルの3人同時で
ロプトウス教結婚式を強引に行ったらしいです。


105 名前:フィーリア=ライ=フリージ:2010/08/02(月) 18:29:46
ユリウス=ティナ
子供なし
半ば強制的とも言える夫婦。あくまで帝政に抵抗したティナはヴェルトマー公に封じられ、夫婦生活はないに等しかった。そのためにヴェルトマー平原におけるユリウスにとって致命的な事態を招くことになる。

ユリウス=イシュタル
長男:グスタフ 長女:フィーリア
セリス解放戦争時に生まれた秘密の双子。イシュタルの死後、フリージ郊外の教会で発見され、オイフェに処刑されそうになるが、ヴェルトマー家当主アゼルの猛反対にあい、今の時代まで生き抜いている。それぞれアゼル、ティニー、アーサー親子の支援を受けて、まもなく当主につくという。



106 名前:セーナ=ティナ二世=マルス=ヴェスティア=バーハラ:2010/08/17(火) 09:39:27
 新生ヴェスティア家の掲げる双竜旗がヴェスティア城門をくぐった時、新皇帝ライトはヴェスティア帝国の建国を宣言した。代々聖者ヘイムの直系で系譜を紡いできたバーハラ公国とグランベルの名はこの瞬間、音もなく崩れ去り、神君マルスの直系を頂とするヴェスティア帝国が建国したのだ。そのヴェスティア帝国の領土は思いの他大きくない。ヴェルトマーを手放しその代わりにエバンスを手に入れたものの、この地はセーナが根切りを行った地であり統治にはかなり苦難が想像されるのは難くない。


107 名前:新生グランベル帝国ユリア皇后:2010/08/28(土) 09:32:10
ユリア皇后「20年前の少女時代の私が行方不明のようなので、私新生グランベル帝国
皇帝陛下の異父兄セリス陛下の正室である。
私新正グランベル帝国皇后の私ユリア皇后が娘のセーナ皇女と
ともにこのスレを占拠させてもらいます。

108 名前:ユリア皇太后:2010/10/03(日) 09:28:49
ユリア「ごめんね、セーナ。お兄さんと仲良くするのよ。」


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