■ 【BLOOD+】動物園3【総合】

1 名前:アンシェル ◆r5wYzU/KUU :2007/09/16(日) 02:01:20
「動物園」…すべてはここから始まり、そして終りとなる。
戦場を流れたあらゆる血、嘆きの涙を超えて互いに解り合うために
その指を差しのべる者は――ためらわずこの錆びた鉄扉をひらきたまえ。

だが物には順序というものがある。この地を荒らす行為は固く慎んで
いただこう。「我々は何処から来て、何処に行くのか」については
下記の扉を確認してもらいたいものだ。

【BLOOD+】動物園【避難所】
http://jbbs.livedoor.jp/anime/5269/
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/i.cgi/anime/5269/ (携帯用)

    【倉庫】     
http://zoo-nari.tank.jp/zoo/blood/
http://zoo-nari.tank.jp/zoo/blood/i/ (携帯用)


では…こうしてお集まり戴いた名を持たぬ客人の皆様と、我々の前途に
幸いの多からんことを祈って。―――…乾杯。

2 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/09/16(日) 02:03:27
乾杯、…乾杯。
アンシェル兄さん、相変わらず気の利いたご挨拶>>1をありがとうございます。
それでは…僕から改めてご案内をさせて頂きます、お揃いの皆さん、
今しばらくご静粛に。

【BLOOD+】動物園【避難所】
この場所で何か不測の事態が起こった際、
皆さんで話し合いの機会を設ける際は、こちらへお願いします。
もちろん一息つく場所として使って頂いても、構いません。

過去ログ【BLOOD+倉庫】
「僕らはどこから来て、どこへ行くのか」…
以前までのこの場所がどのようだったか、知りたい方はどうぞこちらへ。


それからもうひとつ、この場所で…
一部の業深い人間が引き起こすような争いなど、必要ない。
ですから…兄さんも先ほど触れたような、相応のルールを設けています。

「煽り・荒らしは厳禁」
「キャラハンはトリップ必須」

「越境は"可能"」
ここは不思議な場所です。
僕らとは違う所からおいでになった、名前をお持ちのかた
名前のないご来客と同じように、おもてなしするつもりです。
おいでになるなら、どうぞ、お気軽に。

「お客様同士の雑談は非推奨」
いつも僕らは、いかにも毅然と立って、あるいは
優雅に振る舞っているように見えるでしょう?けれど
ほんとうは寂しがりなんです。ここは僕らが
あなたがたとお話をする場所だ、楽しんで頂くのは結構ですけれど
僕らの事を忘れないで下さいね?お約束、ですよ。

ご案内は以上です。ご静聴、ありがとうございました。
ここまででご不明な点があれば遠慮なく、先ほどご案内した【避難所】へどうぞ。
さあ、堅苦しいご挨拶は終わりにして…楽しみましょう。


3 名前:ハジ ◆Hagi/./Mb2 :2007/09/16(日) 02:07:36
>>1-2 アンシェル ソロモン
御疲れ様です…。

つ【サンタフレシュゴールド 3ダース】

4 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/09/16(日) 02:09:02
>>1-2 アンシェル、ソロモン
新スレお疲れ様…。そしてどうもありがとう。

5 名前:グレゴリー ◆gD.KishiHU :2007/09/16(日) 02:41:29
>1-2
長兄。ソロモン。
我らの新たなる安住の地を整えてくださったことに、感謝致します。
では――乾杯。

6 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/09/16(日) 02:59:13
新しい場所ができたんだね。これでまたさまざまな話ができるというわけだ。
そうだ、アンシェルとソロモンをねぎらわなくては。

>1-2=アンシェル、ソロモン

うむ、よい仕事をしてくれた。ご苦労だったな、二人とも。(いっぺん言ってみたかった!)



7 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/16(日) 08:50:01
ここに名無しの居場所はありますか…?

8 名前:sage:sage
sage

9 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/16(日) 10:06:06
こんだけクオリティ高スなキャラハンが集まってるスレも珍しいよ

10 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/16(日) 11:25:20
自演乙

11 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/16(日) 11:27:25
>>8>>10
そんなこと言うならこなきゃいいのに・・・

12 名前:sage:sage
sage

13 名前:sage:sage
sage

14 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/16(日) 12:36:28
私怨臭がする叩きがいるね
誰かなあ?

15 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/16(日) 13:02:29
新スレおめでとうございます。

とりあえずリクエストを1つ。
私の血吸ってくださいw
殺さない程度に、状景も書いてもらえると嬉しいな。

16 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/16(日) 13:45:20
>>1

17 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/16(日) 14:17:08
荒れるだけって・・・おま
平和にやってたのを荒らしといてよくいうよ

18 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/16(日) 21:57:50
適当に私怨とか言ってる奴いるけど事実だろ

19 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/17(月) 07:45:19
荒らしはスルーで。

20 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/17(月) 10:19:44
荒らしは>>14
お前が誰だよ

21 名前:sage:sage
sage

22 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/17(月) 12:44:38
スルーしよw

23 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/17(月) 13:22:13
>>21
同意w

ついでに◆B8Fan4z2Ksのキャラ汚しいい加減にしろ

24 名前:sage:sage
sage

25 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/17(月) 18:02:49
>>21>>24
悲しいかな、まるっと同意。

当事者のキャラハンたちや一部の名無しはそういうつもりじゃなかったかもしんないけど第三者から見てると
結果として、ここの人たちは有らぬ心無い言葉でディーヴァの人を傷つけ追い出してしまった事になるんだよ。
というか、そう思われてもしょうがない。

これは紛れもない事実。笑い事では済まされないと思う。

26 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/17(月) 18:54:22
そうは思わない
庭の時に避難所に行かずに非難されていたディーバさんを庇った事もある1奈々氏です

24さんがどうして1ヶ月も前の話をそんなに怒っているかは私にはわかりません
でも21さんと24さんと25さんの言葉を借りれば避難所で1番呼びかけてもらっていたのは
ディーバさんだしグレゴリーさんの言葉を曲解して追い出そうとしたのもディーバさん
ディーバさんはグレゴリ-さんに呼びかけてもまだ謝ってはいません
避難所でディーバさんが長兄さんに指摘したのも、ディーバさんが勝手に長兄さんの言葉を
曲解して警戒したとも受けれるし、奏さんへのお別れの言葉を不快に思ったとか、これは本当なら
ディーバさんは喜ばなきゃいけないとこですよね
ディーバさんがお別れのときに指摘したのは長兄さんには罪のないことじゃないでしょうか
そしてグレゴリ-さんや他の人がやめたら、ディーバさんが「心無い言葉で傷つけて追い出した」ことになったでしょう
21さんたちの非難はそのままディーバさんに跳ね返ってしまうと思います

私はディーバさんが「奏さんが叩かれているのにお茶を飲んでいる」と叩かれたた時も
「ディーバさんもショックを受けているはずです」と庇ったので、ディーバさんが長兄さんの奏さんへの
執着を「不快」と言い切ったのも本当はショックでした

でも奈々氏さんに叩かれてた時も他のキャラハンさんと一緒にディーバさんも応援してきたので
避難所に書いたディーバさんのスレへの謝罪を今度こそ信じたいです
ディーバさんがこのスレが続いて、グレゴリ-さんが復帰して、新しいディーバさんが来たらその人が
活躍する事を喜んで見てくれると思いたいです
だから私もこのスレが続いてくれるといいと思います

慣れないのでうまくかけなくてごめんなさい

27 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/17(月) 19:18:16
26です
新しいパソコンから書いたら本当に字とかヘンになってる
すいません逝ってきます

28 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/17(月) 19:52:47
>21〜>27
スレチよ避難所でやりましょ
>2のスレルール守れないヒトは荒らしと同じよ

29 名前:sage:sage
sage

30 名前:sage:sage
sage

31 名前:sage:sage
sage

32 名前:sage:sage
sage

33 名前:sage:sage
sage

34 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/17(月) 21:05:46
新スレ見に来たら何これ
先が思いやられるなw

35 名前:イレーヌ ◆Z1uQTM5Hbk :2007/09/17(月) 23:25:10
来るのが遅れてしまって、ごめんなさい。
新しく動物園を作ってくれた人たち、特にアンシェルとソロモン、ありがとう。
あなたたちのおかげで、またこうしてみんなといっぱい話すことができる。

あっ、私も・・・乾杯。

>>15さん
どうしたの?血を吸って欲しいなんて。
でも、あなたがそう言うのなら・・・

私の目を見て。そうすれば痛みは感じなくなるから。

人間の首筋。トクットクッと脈を打っているのが分かる。
それ呼応するように、私の心臓も鼓動する。
他の事はもう、考えられない。
首の根元に歯を突き立てる。サクッ――トロリ。
暖かい血が溢れ出てきて、私の口の中に血の味が広がる。

血を飲み込む毎に、私の体は不思議な感覚に包まれていく。
感覚が研ぎ澄まされて・・・いつまでもやめたくない。
ペロッ、こぼれそうな勢いであふれてくる血も漏らさないように・・・

――あっ、大丈夫?しっかりして。
つい、吸いすぎてしまったわ。
しばらく横になっていれば、意識がはっきりするはずだから。
今日はゆっくり休んで。
そして、これからはこんな事は望まないほうがいいわ。
翼手は血を見ると、我を忘れるの。



36 名前:イレーヌ ◆Z1uQTM5Hbk :2007/09/17(月) 23:25:40
>>17-34さん
動物園を訪れてくれて、ありがとう。
あなたたちの言いたいことは、理解できるわ。
みんなそれぞれに、正しい部分はあると思う。
けれど、誰だって昔のままじゃない。
誰だって反省して、成長していくもの。
過ちは責めるためにあるのではなくて、教訓にするためにあるの。

ここは、みんなが笑顔で過ごせる動物園。
この話題はもう終わりにして・・・
みんながいい夜を過ごせることを、祈っているわ。

37 名前:デヴィッド ◆l.19.JCRp2 :2007/09/18(火) 00:34:52
>>1-2
留守の間ご苦労…俺が言うのもおかしいが
礼儀としてだ


―なにやら空気が重い様だが…まぁ酒でも飲んで落ち着いてくれ
【メルロー】

38 名前:sage:sage
sage

39 名前:sage:sage
sage

40 名前:sage:sage
sage

41 名前:sage:sage
sage

42 名前:sage:sage
sage

43 名前:sage:sage
sage

44 名前:sage:sage
sage

45 名前:sage:sage
sage

46 名前:sage:sage
sage

47 名前:sage:sage
sage

48 名前:sage:sage
sage

49 名前:sage:sage
sage

50 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/18(火) 19:42:52
イレーヌさんに質問ですv

カイ
リク
モーゼス
ギー
ソロモン
ハジ
カール
アンシェル
グレゴリー
ネイサン
デヴィッド
岡村

この中で恋人に選ぶとしたら誰ですか?

51 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/18(火) 20:20:27
>>50
面白そうなんで便乗質問させて下さいw
イレーヌだけじゃなくって、小夜とリーザとついでに、
ソーニャとアンシェリーザもヨロ〜一人一人感想付きでw

52 名前:アンシェル ◆r5wYzU/KUU :2007/09/18(火) 22:30:41
>前365
>皆さんの好きな鉱石は何ですか?

―――私の好む鉱石かね?……では鋼玉(コランダム)を挙げよう。
硬度はダイアモンドに次いで高く、指輪や宝飾品としては非常に扱いやすい
石だ。オパールのような湿度や衝撃につねに気を配らなくてはならない
手間のかかる物は、多忙なこの私の持ち物としては不向きだな。

ロシアのような極寒の地から、ベトナムのように湿度の高い南国へ移動する
たび、いちいち指輪をはずして手入れをせねばならんのでは厄介極まりない。
何より私は…他に気を配らなくてはならない計画が多すぎるのだよ。おや?
―――君。そう眉をしかめる事もあるまい。…まあこの話は避けておこう。

鋼玉とは、誠に不思議な鉱石だ。
まったく同じ成分・同じ元素の組み合わせから成り立つにも関わらず、その
鉱石の色によって名前が変わる。赤い個体がルビー、青い個体がサファイヤだ。
この私が後者をより好むのは………もはや説明の必要はあるまい。




>前375
>好きな天気を教えて下さい

―――とくに意識した事はないな。雨ならば雨、晴天ならば晴天。
取り巻く環境がその場に生きる動物にとって、どのような影響を及ぼすのかに
ついては興味があるがね。しかし天候に対して私の好みというものはない。
ただ…雷は好かんな。怖い訳ではないが―――つい、腹立たしくなるのだ。

53 名前:アンシェル ◆r5wYzU/KUU :2007/09/18(火) 22:31:42
>前377
>好きな動物を教えて下さい

―――この世に生きる、あらゆる動物を私は好むよ。
とくに今まで誰にも発見された事のない新種を目にするときなどは心躍る。
ましてその新種が、愚かな人間どものせまい価値観を根底からくつがえすもの
であったときは―――…すばらしい。その個体の存在に畏敬の念すら抱くほどだ。




>前429
>シュヴァリエに質問なんだけど、花火で死ぬってことある?
>花火の時期でふっと思ったけど

―――花火か。欧米や豪州のにぎやかなものも目を楽しませるが、色や
ひらいた時の形状に苦心をこらした日本のものも面白い。もう時期は過ぎて
しまったようではあるがね。

花火で死ぬ……そんなことでは死ねんよ、と言いたい所だが。
生憎それはまだ試していなかったな。…ふむ。―――ちょうど良い。
あらたな庭の門出に祝砲として、日本製の花火を打ち上げて実験しよう。
その花火の弾薬に、ハジかカールを結わえて点火すれば一石二鳥ではないか?

54 名前:アンシェル ◆r5wYzU/KUU :2007/09/18(火) 22:34:25
>前656 心理学を専攻される、真実の探求者の客人
>ここは駅前たくさんの人が相手を待っています。
>あなたが時間通りにつくと相手はもう到着していました。
>Q1 先に到着していた相手は誰ですか。

―――奇妙な問いを投げかけられるお方だ。
…駅前?私は移動する際にはたいてい車を用意させるので、駅を利用する
事はほとんどない。尤もディーヴァの公演の際に、地下鉄の構内へ彼女の
姿を撮影したポスターを貼らせはしたが……。それとて多くの人間を
介して用意させたもので、この私がじかに貼ったものではないしな。

…む………違うとはどういう意味だ?
…ほう。人間は他人と待ち合わせる場所に、わざわざ駅前を選ぶのかね?
わからんな。用事があれば自分の執務室に呼びつけるか、どこか閑静な
会合場所をしつらえればすむ話ではないか。事を荒立てる暗殺者たちの
狙いやすい場所を、こちらから故意に指定せずともよいように思えるが。
まあこの私が連絡を取り合って会合に向かうとすれば、それは弟たちに
間違いないだろう。先に到着している相手、か。―――…ふむ。
ジェイムズはいっさいの過不足なく、必ず定刻どおり現れる。
ネイサンは気まぐれな男だから登場はつねに突然だ。少なくともおとなしく
この私を待つような事はしないよ。カール?………はて。わざわざ手間を
かけて彼を呼びつける用事があるだろうか?(無論冗談だ。しかしディーヴァ
ならばともかく、カールがこの私を待っている?―――尚更ありえんな。)

まあ私を待つとすれば、それはグレゴリーかソロモンなのだろう。しかし…。
グレゴリーは忠義で冷静だが…時おり興が乗りすぎて我を失うことがある。
一度親愛の情を感じれば、たとえそれがその時敵対する小夜であったとしても
抱きしめ「今後はずっと一緒に生活してくれ!」とさえ言い出しかねない男だ。
まして駅と聞いて、彼が思い浮かべるのはあの長大なシベリア鉄道だろう。
おそらく私の為に長旅に入用な道具を必死にかき集め(なにせ皇帝の側近だ。
少々浮世離れしたところもあるのだよ)結局大幅に遅刻してかけつけるだろう。
まあそういった訳で―――この私を待っている相手はソロモンに違いない。

55 名前:アンシェル ◆r5wYzU/KUU :2007/09/18(火) 22:35:45
>Q2 相手の見た目で好きな部分と嫌いな部分をそれぞれ選んで下さい。

―――ソロモンの外見で…かね?妙な事を聞かれるものだ。まあ強いて
挙げれば…彼の外見は企業の長として、当初は「若すぎる」と周囲に
舐められることが多い。尤も実年齢に照らせばそれこそ彼を外見で判断する
人間の方が、取るに足らぬ若僧ではあるには違いないのだが。

それだけにソロモンはよく衣装や身だしなみに気を配っているよ。
身にまとう背広、首に締めるタイ―――特に第三者から見られるのが靴だ。
一流ホテルの支配人らが相手の身分や地位を測るとき、必ずと言っていいほど
靴を見る。そのときどれほど上等の衣装を着ていようが、手入れの行き届かぬ
安物を履いている者は…まあ相応に扱われるという訳だ。その点も彼はよく
心がけている。及第点をやりたいという意味で、私が好む部分は@靴だな。

嫌いな部分―――A髪型 だろうか。…誰かね?いま失笑を洩らしたのは。
連合軍の軍服を着た際にも思ったものだが、あれはどうにも収まりが悪いな。
我らの住む世界はときに騙し合い、相手に嵌められぬよう裏をかかねばならん。
だからつねに隙を見せてはならんのだが―――…。あのあちこち跳ねた、癖の
つよい金髪を見ておるとどうにも気がかりだ。ひどく頼りなげに見えるのでね。
あれが悩み多き若者であった頃からずっと髪型を変えぬものだから、つい私も
自分が父親であるかのように余計な配慮をしたくもなるというものだ。

56 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/19(水) 07:46:43
長兄とソロモンが駅前で待ち合わせwwちょwwwギザカワユスwwww

57 名前:sage:sage
sage

58 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/19(水) 11:19:14



59 名前:sage:sage
sage

60 名前:sage:sage
sage

61 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/19(水) 16:42:20
心理テストの656です。
アンシェルさんのよに嫌いな部分も答えてね楽しめると思うから☆

62 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/19(水) 18:17:50
>>55
なるほど〜。でも逆に考えれば若すぎる外見とふわふわした髪型だからこそ
相手を油断させ懐に飛び込むこともできるんだと思うよ。

63 名前:sage:sage
sage

64 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/20(木) 15:32:04
久々に来てみたらカイも出刃もやめたのか
まさかこっちもカイがシュバリエ化?

65 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/20(木) 23:40:47
何の話?

66 名前:sage:sage
sage

67 名前:リーザ(アンシェル) ◆r5wYzU/KUU :2007/09/21(金) 00:59:18
>50-51
>この中で恋人に選ぶとしたら誰ですか?
>アンシェリーザもヨロ〜一人一人感想付きでw


―――すこしお客様の順序が前後してしまうけれど…ごめんなさいね。
お待たせしている皆さんにも、また日を改めてお答えするわ。


カイ…………まっすぐな気性だこと。隠しても押さえ切れない殺意が出て
      しまう―――…ふふ、坊や。女に翻弄されぬよう注意なさい。
   
リク…………律儀で生真面目な子は楽しいわ。すこし囁いただけであんなに
      赤くなって慌てて…本当に兄弟揃ってからかい甲斐があるわね。

モーゼス……私は一向に構わないけれど…。彼の方で「……ここは引く」と
      怯えて涙目で後ずさりするのではなくって?

ギー…………どこかさびしく儚げな表情の個体…いえ、青年だったわ。
      みずからの身をもってシュヴァリエの血の効果を試したそうだ
      けど…その探究心は若手ながらなかなか有望ね。でも彼はこの
      私の毒気に耐えられるかしら?試してみてもいいのだけれど…
      ふふ。そう…気の毒ね。もっと優しい子が似合うのではなくて?

68 名前:リーザ(アンシェル) ◆r5wYzU/KUU :2007/09/21(金) 01:00:42
ソロモン……容姿・物腰・知性・実力・財力・地位すべて申し分ないわ。
      ただほんの少し神経がほそすぎて悩みがちね。悩みに気を取ら
      れて、このわたしが向けられた刃を避ける気があるのかどうか…。
      そんな事も気がつかない。鈍いのかしら?…困ったひとね。

ハジ…………いい?あの手の男は用心なさい。何でも知っているのに涼しい
      顔で口をぬぐって、本当の事は決して教えないのだから。
      運命に流されるまま生きているように見えて、いつのまにか
      美味しいポジション(=花婿の座)はちゃっかり占めている。
      それこそなんの苦労もせずに。―――ずるいのかしらね。

      おまけにわたしがかるく突き飛ばしたり、うっかり膝をめり
      込ませたり、つい串刺しにして放り出したりした事を執念深く
      最後まで覚えているのよ。本当にひどい男。この際善良な来客
      の皆さんに忠告しておくわ。男は顔じゃなく……金と地位よ!
      

カール………にぎやかで楽しく、さぞ退屈しない恋愛となることでしょうね。
      でもわたしはもうこれで充分。必要以上に感情が豊かで、話も
      聞かずに特攻する彼にプライベートまで振り回されるつもりは
      ないわ。「休息が必要」なのは実はわたしの方。…頭が痛いわ。

69 名前:リーザ(アンシェル) ◆r5wYzU/KUU :2007/09/21(金) 01:02:54
アンシェル…なんて素敵な殿方!非の打ち所のない完璧な紳士だこと。
      ―――そうね。この中で恋人を選ぶならばやはり彼かしら?
      お付き合いする相手に、湯水のようにお金をかける主義のよう
      だから、さぞ恋人は幸せでしょうね。あら?……特殊な性癖?
      そうかしら?彼についてわたしは気にはならないのだけれど。

グレゴリー…ふたりきりで進化について語り合いながら、一晩中楽しくお酒を
      飲むのなら、わたしの相手はきっと彼。他国の男はとにかく
      アルコールに弱くてダメね。趣味の点で彼とは意外に共通点が多いの。
      ああみえて演技力やノリの良さも―――彼、なかなかのものよ。

ネイサン……大人の彼とならば、片ひじ張らない気楽な関係を築けることで
      しょうね。それだけに互いの生き方の違いが、後で深刻な破局を
      引き起こしかねないけれど。―――あれで結構気難しいのよ、彼。
      
デヴィッド…見るからに堅苦しく融通の利かない男だわ。パーティーの席上で
      いくら護衛の身とはいえ、主催者に向かって懐の銃に手を伸ばす
      だなんて…野暮なひとね。あの手の男は恋人が髪型を変えようが
      ひそかに誘いをかけようが気がつかない朴念仁だから、若奥様も
      ―――…ふふ。独身時代はさぞ苦労したことでしょうよ。

岡村…………まず職業が最悪ね。三流の報道記者―――おだやかな生活を望む
      紳士淑女のゴシップを、報道の自由の名のもとに暴き立てること
      を生活の糧としている。そうした輩からわたし達のディーヴァを
      護ることがこのわたしの仕事。…それにあの衣装。咥え煙草に
      垢じみたシャツ……最初のデートに女を安酒屋へ連れていった挙句
      平然と「悪いな、お金持ってる?」と言い出しかねないタイプだわ。

70 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/21(金) 02:00:23
>>64
シュバリエ化はしてないw
皆いつか顔を見せてくれるといいね。
リクやルイスやミンも元気かな。

>>68
私情の入りっぷりにワラタw
男は金と地位なのかw

71 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/21(金) 07:41:04
>>65
ステラ世代の貝と出刃の話だよ鞘争奪戦で貝がシュバんなってもめた

72 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/21(金) 08:01:50
>>64>>71
そういう話はこっちに持ち出さないであっちでやれ。
あっちを荒らしたいのか?過疎ってても現存してるんだから荒れの元になるだろ。

73 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/21(金) 08:52:34
過疎の一言は余計w

74 名前:sage:sage
sage

75 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/21(金) 10:35:29
>>74
あらあらあらあら〜ん
輪に入れなかったからってひがんじゃだめよ〜あなたってばほ〜んとに判りやすい腐女ちゃんねぇ〜

76 名前:sage:sage
sage

77 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/21(金) 10:44:18
>>74-76
スレチだよ荒らし避難でやれ。

78 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/21(金) 10:47:56
>>75
ネイサン自演乙。

79 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/21(金) 10:58:47
あらやだ>>77に怒られちゃったじゃないの〜さあさ避難先で話してあげるからアンタ>>76もいらっしゃいよ

80 名前:sage:sage
sage

81 名前:sage:sage
sage

82 名前:謝花真央 ◆MAO/J/fAwg :2007/09/21(金) 12:10:48
―まったく、あの岡村のオッサンときたらッ!
何が「動物園に行って来い」、よ…

こんなにうるさいガキ――っと子供ばっかが居るなんて聞いてないわよ?
ジョエルが慈善事業で、ココを子供に解放でもしたんじゃないの?!

……ま、いいわ。カイにも音無や他の皆の様子をみて来いって頼まれたし
ついでに何か記事のネタでも探して、おっさんに売りつけてやる

そうと決めたら早速取材ね!
まともな話の出来そうな一般人でも探すとするか―ああ、ちょうど良かった!そこのアンタ!!
ココに…話を聞いてメモさせてくれない?
………
ん?この動物園の事?そうねー、その話なら【ココ】でいいわ。
それ以外の込み入った話ならこっちの【避難所http://jbbs.livedoor.jp/anime/5269/#1】に書くわ。
ゴチャゴチャにしてると、後から読んだ時困るのよねー

しばらくココに居て、ネタを探すとするわ。よろしく頼むわよ!

83 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/21(金) 12:53:08
ネイサンに真央キター
>>70の人達の復帰もあるといいな

84 名前:sage:sage
sage

85 名前:83:2007/09/21(金) 13:43:08
気に障ったならごめん。
本人も名乗ってないし、私が勝手に言っただけだから。


86 名前:sage:sage
sage

87 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/21(金) 14:00:56
>>84>>86は荒らしだからスルーで

88 名前:sage:sage
sage

89 名前:sage:sage
sage

90 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/21(金) 15:07:50
>84避難所嫁

91 名前:sage:sage
sage

92 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/21(金) 15:51:55
>>89=76=91=46省略
動物園キャラハンは徹底して
住み分けしてんじゃん
ありもしない難癖つける名無し
こそ住み分けがなっちゃねえ
粘着なキャラハン叩きスレ運営の
妨げにスレ潰し目的の投稿、
LR違反でお前が荒らし認定されて
当然だろうが

>>キャラハンへ
続くようなら自治に相談してみ
キャラねた板の自治は担当に
よっちゃIPも曝してくれっから


93 名前:sage:sage
sage

94 名前:sage:sage
sage

95 名前:sage:sage
sage

96 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/21(金) 16:24:59
BLOODは土6で一番面白かった

97 名前:sage:sage
sage

98 名前: ◆Y5UTNQ8G5U :2007/09/21(金) 16:29:13
>>91>>93>>97
ネイサンのキャラハンのふりしてって言いたいのか?
>>97が荒らしじゃないなら避難所で話そう
スレチだからな
トリも付けたから
>>92
避難所に書いたら?

99 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/21(金) 16:39:10
>>97
キャラハン叩きが荒らしに見えんだけど。

100 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/21(金) 16:44:46
>97

>90>92
こいつらは全部自演かもしれんけどね。

>99
キャラハン叩きもニセネイも擁護厨も自演厨も荒らし。
暇つぶしにスレ荒らす連中はどうにかならんのかね。

101 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/21(金) 16:49:47
正当な続編はもう無いのか!

102 名前:77:2007/09/21(金) 17:02:19
>>100
避難で書かない時点でなんの説得力もない。
>>92
もっともな意見だが避難で書こう。

103 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/21(金) 17:04:16
>>96>>101
血+はプロIGの黒歴史とか言われてるからな・・・

俺は面白いと思ったけど世間の評価なんてそんなもんだろ

104 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/21(金) 20:42:47
血はigが手を抜いたせいでB級扱いになっちまったんだよ!

105 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/21(金) 20:58:07
しかし、IGは攻殻とラスト・バンパイア以外で評価されてるかな?
期待の守り人やライディーンは惨敗しているようだが。


106 名前:sage:sage
sage

107 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/09/22(土) 01:20:39
やあ、皆さん…賑やかにしておいでですね?
この場所にも新しい空気が流れて、またあなたがたご来客と
グラスを掲げることが出来て…ぼくは幸せです。

ところで…神様が、どれだけ人間を愛しているか
あなたがたご存知ですか?…はは、突然、すみません。
もう随分と昔の事のようですけれど、僕はグレゴリー兄さんと
そんなお話をしたことがありました。
彼は、神様についてはお仕事になさるほどですから、
意義のあるお話が出来るんじゃないかと思ったのです。

僕らが生きる世界のどこを探しても、人間ほど恵まれた生き物はありません
人間は、たとえ罪悪をおかしても…神像の足元に跪いて悔い改めさえすれば
神のみ胸に抱かれる事ができるというのですから。

人間は神様の本を書き上げた時代から、こうして
わが身を赦すすべを考え続けているのですね。
彼らはそれほど、みずからの業が深い事をよく知っているのですね。
…人間は賢く、したたかで、恵まれた生き物です。
兄さんのお話を聞いて、僕は人間について改めてそう感じました。

そんな生き物がもし…今に至って、この場所にあって、僕らを指差して
ただ穏やかに生きたいと思う事は罪悪だ、と言ったならそれは
不公平な事だと思いませんか。…ここへ来てご挨拶をする前に、
部屋でひとり考えごとをしていて…そんなことに思い至りました。


108 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/09/22(土) 01:24:52
>前656
>心理テスト
>ここは駅前たくさんの人が相手を待っています。
>あなたが時間通りにつくと相手はもう到着していました。

おや、あなたは。またぼくらの回答から、サンプルを採るのですね?
いいですよ、今度は何です?…ははあ、待ち合わせの場所に着くと、
相手がすでに待っている。先に到着していた相手は、

さあ…誰でしょうね?ぼくは…ホールディングズの会議に出席するために
アンシェル兄さんと落ち合う時も、ファルマシーが主催するパーティーの夜に
仕度を終えて出ておいでになるあるじを車の外でお迎えする時も、
いつも待っている方でしたから…なかなか思いつきませんね。

それでも強いて言うなら…ハジかな。駅前でしょう、
彼にはパリのノール駅がしっくりくるような気がします。
忙しなく人が出入りするノール駅で、落ち着いて静かに立つ彼の姿は
上背があることも手伝って、あとから来た僕にもよく判る…

その彼の…好きなところ?……さあ…その中だときっと僕は、
待っている彼を見て…ああ彼のA髪型と青いリボンは特徴的で
遠目にも判りやすくて便利だなあとか、よくあの髪型が似合うなあとか
そんなふうに思うくらいでしょうね?

嫌いなところ…難しいですねえ。敢えて言うならD全体的に嫌いかな。
…は?ああ、はは…まさか。僕は決して、
僕の手の届かないところに咲いた薔薇を彼がいとも簡単に摘んだ事を
まだ根に持っていたりなどしませんよ。

これで何がわかるのかな…>>61ええ、結果を楽しみにしています。


109 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/09/22(土) 01:26:39
>前337
>好きな動物を教えて下さい

おやおや、僕は…随分沢山のご質問を保留にしたままですね?
動物、ですか…ああ最近は何故でしょう、あらいぐまがとてもかわいい
…冗談は置いておいて、先ほどアンシェル兄さん>>53
お話しになるのを聞いて僕は、懐かしいものを思い出しました。

74年頃に発見された、ルーシーという骨格です。
あれが出てきた時も、兄さんは同じような事を言っておいででした。
これで人間は、これまで積み上げた説を突き崩さなければならない、
その存在だけで歴史を動かす切欠となった彼女は偉大だ、と。

あの頃はもう既に、グレゴリー兄さんとマルティン兄さんの成果を基盤に
翼手に関する研究も新しい段階を踏んだ頃でしたから…こんな事では、
アンシェル兄さんは動じないのだろうと勝手に思っていたものですけれど
彼はいまのように、目をきらきらさせてそう仰いました。

未知の領域で真理を追い求めることを生業にする人は、いつになっても、
どんなものにも関心を失わないものですね。人々の価値観に影響を与え
歴史を動かすのは、発見された個体そのものというよりむしろ
彼らのように真理を求める人の手によるものでしょう。僕は昔から、
彼らのそういう性質こそ偉大だと、そう思うのですけれどね。


110 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/09/22(土) 01:30:02
>前706
…ええ、そうでしょう?以前よりは、幾分上手に弾けるようになりました。
ハジにはまだ時々、ピアノの稽古に付き合って貰っていますよ。
彼はいい先生でね、譜読みもすぐに覚えてしまいました…ええ、カエルの卵や
餌を与えると耐久性の高まるおたまじゃくしでいっぱいの、あれです。
五線に海苔やわかめが生えていたら、彼らを休ませてやるのです。面白いでしょう?

…けれどね、ハジには困ったものです。ちょっとペダルと間違えて、
彼の足を踏みつけたからといって…ええ、ちょっとですよ?
それは…踏んでも音が綺麗に伸びないものですから、不思議に思って
少し強く踏みこんだかもしれませんけれど…むきになって、
僕の足を踏み返してくるのですから。連弾のはずが連弾にならない。
ええ勿論踏んづけ返してやりましたよ、目には目を、です。

それだけで汗だくになって喘いでいるのですから彼は―――、はい?
子供のけんか…?そうですねえ彼はああ見えて中身が…、
どっちもどっちだ、と仰る…?どんぐりの背比べだ、と?
…彼と一緒にどんぐり呼ばわりされるなんて、心外ですね。


111 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/09/22(土) 01:31:05
>前767
>ソロモンさん!!リーザさんを知りませんか?

どうしました…?ほんもののエリザベータ女史、ですか?
彼女でしたら…おや、姿が見えませんね…
僕も彼女とは、あの赤い石を頂いてから言葉を交わしていません。
どちらへおいでなんでしょう、…ええ、この場所も新しくなりましたから
彼女も乾杯にいらして下さるといいんですけれど。

僕らはいつだって、彼女のグラスを用意して待っているんですから。
ここには若いお嬢さんより、シュヴァリエの数のほうが多い。
多くの方が仰るように、彼女のようなかたがおいでになるほうが
空気が華やいで、ご来客の皆さんも楽しいでしょう。
彼女に向けられた、面白そうなご質問もあることですし、ね。


おや、そう言うそばから…>>82あちらにおいでの、
栗色の髪をした娘さんは誰ですか?…マオ・ジャハナ…?へえ、オキナワの。
ご来客をてきぱきと捌いて…気の強そうなかたですねえ。
どこかで一度、お会いした事があるような…それも、
きつく怒鳴られた事があるような…気のせいでしょうか?

記者の卵でいらっしゃる?それでは…僕らのような生き物は、
彼女にインタビューを求められるかもしれませんね。
彼女には改めて、ご挨拶をしましょう。


112 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/09/22(土) 01:31:47
>前776
>カール、もしかして怪我をしたの?

そういえば、先ほど…彼を呼び止めた時に、
彼は腕に包帯を巻いていましたね。薬箱を抱えておいでのあなたが、
手当てをしたのですか?…そうですか、
カールはとても喜んでいましたよ。ソロモンお前はこんな風に
手当てしてもらったことがないだろう、と
誇らしげに見せてくれました―――ありがとう、
僕からも、お礼を言います。


…おや、のんびりお話をしていたら…僕は色々な所から呼ばれていますね。
僕に、女の人を上手にダンスに誘う遣り方を訊ねておいでのかたや
差し入れをして下さろうというかた
彼らのところにも、早くご挨拶に行かなくては。
以前に面白い言葉をかけて下さったり、ご質問を下さったりしたかたにも
改めてご挨拶をしますから…もうすこし、待っておいでになって下さいね。
失礼します。


113 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/22(土) 10:33:23
ソロモンとハジの仲良し喧嘩に和む〜w


114 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/22(土) 14:28:20
ドラマCDでも出して欲しいよ

115 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/22(土) 14:32:07
その財力でアニメ化にしてよ長兄!!!

116 名前:sage:sage
sage

117 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/22(土) 14:44:46
その演技力でまたディーヴァ掛け持ちしてよ長兄!!!

118 名前:sage:sage
sage

119 名前:sage:sage
sage

120 名前:sage:sage
sage

121 名前:sage:sage
sage

122 名前:sage:sage
sage

123 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/09/23(日) 23:41:31
>前815、>前819
>フイタwwwwww
>うはwwカ…おっとw

やあ君達、楽しんでるかい?…おっと。
いやいや、僕は誰でもありませんヨ。
あああ、そんなに笑わないデ。しぃぃーっ。


>前828=イレーヌ
>カールもあまり怪我をしないように気をつけて。
>それと、サヤの言っていた、カイと踊ったダンスを教えて欲しいわ。

ありがとう!僕は大丈夫だよ。しかし――この僕にダンスを教えてほしいって?
いやあ、君は実に人を見る目があるね!……と僕も言いたいのだが、
君は上手になったらカイと踊りたいのか。彼はいいヤツだ。君が
踊ってほしいと頼めば、照れながら応じてくれそうだね。

ただひとつ問題がある。実は前にカイと僕とでダンスの練習をしたのだが、
彼は青い顔をして次は遠慮すると言ってきたんだよ。どうも僕のダンスは
カイには激しすぎたらしい。
もし君のダンスが僕の直伝だと聞いたら、カイは全速力で逃げ出すかもしれないよ。
僕も残念だが、ここはやはり人間向けのダンスを覚えた方がいいのでは
ないだろうか。人間の体は僕達よりもかなり繊細にできているからね。

124 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/09/23(日) 23:42:52
>37=デヴィッド

無事だったか、デヴィッド。留守の間も皆、元気にしていたとも。
君は赤い盾の任務に行っていたのかい?それとも沖縄の奥方とお子さんの
ところか。

いずれにしろまた会えて嬉しいよ。いささか遅くなったがメルローの
赤ワインを頂こう。――乾杯。君の健康に。


>前656

君は心理カウンセラーなんだね。では心理テストにお答えしてみよう。

>Q1 先に到着していた相手は誰ですか。

僕の兄弟達ではないだろうな。兄弟の中に、埃っぽい駅前の雑踏の中で
僕を待とうなどという殊勝な心掛けを持つ者はいないと思うのだよ。
人ごみに嫌気がさして、僕を待たずに先に行ってしまうか、離れた場所に
移動して僕を待つだろう。僕らなら多少離れていても、相手の気配が
わかるからね。それに僕達は車での移動が多いので、駅はあまり利用しない。
鉄道が主な移動手段だった時代ならともかく、今の駅では僕の
兄弟達は場違いだろうね。想像してみようか。

たとえば自動券売機のボタンを真剣な顔でぽちぽち押すアンシェル。
ヤツはおそらく小銭を持ち歩く習慣がない。イギリスの地下鉄で今でも
見かけるような、旧式の券売機は紙幣が使えないことを知っているだろうか。
小銭の投入口しか見つけらないまま、おもむろに紙幣を取り出して
「釣りはいらない。とっておきたまえ」などと券売機に話しかけないといいのだがね。

125 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/09/23(日) 23:44:19
まだ21世紀に慣れていないグレゴリーは、端然とした姿勢のまま近代的な
駅構内で迷いそうだ。おそらくおのぼりさんそのものの大荷物を
背負ってウロウロしているところを駅員さんに発見されて、迷子の
お呼び出しをされるに違いないよ。そんな次兄より後に行くなんて
とんでもない。ちゃんと旗を持って先導しなくては。

満員ラッシュの吊り革につかまって、ため息をついているソロモンも
いそうだな。ダークスーツの勤め人の群れの中で、潰されかけている
白いスーツ姿が目に浮かぶよ。そして電車が揺れるたびに
やたらと女子高生にタックルをかまされたりするんだろう。
痴漢に遭ったら大声で車掌を呼べよ。

――想像すると、どうも僕以外の兄弟は一般人の皆さんの中で
浮いている気がする。君もそう思わないかい?

あるじならば僕達が駅でお待たせするようなことはない。雑踏の中に
僕らが彼女を置いていくことなど、まずありえないんだ。あるじが
可愛らしいいたずら心を出して、そのへんの人間で遊ぼうとしたりしては
いけないしね。車での送り迎えは必須だよ。だからあるじでもないな。

では小夜やハジや赤い盾のメンバーの場合は――え、なんだって?
おしゃべりはいいから早く答えを言えって?…コホン、僕もつい
喋りすぎたかなと思っていたんだ。ではそろそろ真面目にお答えしよう。

そうだね。駅で僕を待つとしたら――カイかな。
カイならば駅で待ち合わせして、僕を待っていてもおかしくないように思う。
駅舎の大時計の針と、僕がやって来るはずの道とを何度も視線を
往復させながら僕を待ってくれそうだ。

だからQ1の答えは「カイ」

126 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/09/23(日) 23:44:57
Q2 相手の見た目で好きな部分と嫌いな部分をそれぞれ選んで下さい。

好きな部分は、その選択肢の中では2番の「髪の毛」。
奔放にピンピンとはねたオレンジ色の、元気な彼そのものの髪が好きだよ。
嫌いな部分――?特にないが、しいて言うなら5番の「体型」だな。
カイは今は僕とおっつかっつの身長だが、もしかするとまだ伸びるかもしれない。
僕より背が高くなられたら癪だからね。でもその反面、カイにはもっと大きく、
もっと成長してほしいとも思うんだ。君は君のまま、どこまでも歩んでくれと――。
…不思議だな。カイが僕より背が高くなったら、僕はひと回り大きくなった彼を
頼もしいと思い、同時になんだか置いていかれたようで、寂しく思うのだろうね。





127 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/09/24(月) 14:57:27
――…う、お腹の音が……恥ずかしいな、もう…。
さっきから感じる甘いお菓子の匂い…一体どこから?
あ、お客様が角でこっそり顔を覗かせてる。何を見ているのかな…。
ここに私の居場所はありますかって>>7囁いて、その傍で>>13
お客様が笑いながら何かを突っ込んで…なんだろう、とても楽しそう。
お酒の香りもほんの少し……するね、って………あの後ろ姿は…。
もしかしてテーブルに並んでるボトルはデヴィッドさん>>37のお酒?
その傍でお客様達が…宴を催しながら愚痴大会をしてる…?
楽しそうに色々な事を話しているようだけど――
飲みすぎには気をつけて欲しいね。

128 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/09/24(月) 14:59:05
他のテーブルでは和気藹々とお客様達が何か楽しんでるみたい。
ケーキや紅茶、珈琲をあんなに並べて…まるでお茶会だね。
いいな、美味しそう…でも私が食べ始めたら一気になくなってしまい
そうな気が…我慢、しようかな。
ん…後ろで何か物音がしたような……。
あの、お客様>>15?何か困った事でも……っ…。
何かで指を切ってしまったようですね、少し待って下さい。

………。
………。

129 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/09/24(月) 14:59:38
血を見るのが怖いのですか?お顔の色が青い……。
――ああ、この動物園で血の香りは翼手を刺激するもの。
それは私も同じです。どんなに…拒んでいても……私も翼手だと
この本能の疼きを感じる度に思います。
ハジの血を口にする瞬間は罪悪感に苛まれるのに
彼の香りと共に満たされる血の味に――酔いしれてしまう。
優しく背中を抱いて支えてくれるハジの腕と、広い胸。
血の味が喉を通ってゆく間、傷が癒えて気がつけば体が軽くなる。

悲しいですよ、そして辛い。
だって――それもまた「奪う」には違いないから……。
動物園が炎に包まれたあの日…何事もなければハジは自由になれたのに。
沖縄の皆や世界を旅して出会った人々と同じように――
彼もまた彼の人生を歩めたと思うと……やっぱり辛いです。
でも、この場所ではハジは笑っています。人だった頃と同じ笑顔で。
さあ…止血が終わりました。傷が浅いから、暫くすれば血も止まるでしょう。
そのハンカチは使用していないので清潔ですよ、大丈夫。

お礼にアイスティーを私に?……嬉しい、頂きます。
目を大きく開いて……私の顔に何か?
――もし、そのグラスで指を切って血が入っていたら…ですか。
どうでしょう…それよりもお客様、アンシェル達にお気をつけて…
甘い言葉に惑わされて眩暈を感じたら、指の傷に注意を。
蜻蛉の目に指を掲げてグルグルと回すように試してはダメですよ?

130 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/09/24(月) 15:00:43
>>61
>心理テストの656です。
>アンシェルさんのよに嫌いな部分も答えてね楽しめると思うから☆

……私、答えたと思いますけど――…って、この紙……私の回答…
いけない、きちんと答えたと思ってたのに…曖昧な内容ですね。ごめんなさい。
では改めて回答させて下さいね。

131 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/09/24(月) 15:01:51
>前656
>ここは駅前たくさんの人が相手を待っています。
>あなたが時間通りにつくと相手はもう到着していました。
>Q1 先に到着していた相手は誰ですか。

色々な人達の中で真っ先にイメージに出てくるのはハジですね。
何故?――そう、ですね……ずっと長い時間を寄り添ってくれて
私が行くべき場所を控えめに導いて、私の後にいつも付いてきてくれる。
押し付けるのではなく、私が選んだ答えを否定することもなく……
そっと守ってくれる。本当は私の傍にいるよりも、自由に生きる道もあるのに
ハジはずっとそう……自分よりも私を優先して大事にする。
多分、他の誰かなら――きっと私を心配して探す事を選ぶでしょう。
けれどハジは違います。私を信じて約束の場所に先に辿り着いている。
私を心配して探すのは時間が迫ってギリギリになるまで……それまでは
待っています。私が知るハジはそういう人ですから。

――もし、ベトナムのようにすれ違いになってしまったら?……
私もハジも、それぞれに貯えがあります。赤い盾に万が一の事があって
離れ離れになってしまっても、互いを探す事に困らないように。
勿論……必要な事以外で使用する事はありません。
過去に一年――カイ達と離れて行動していた時期がありました。
その時も……私が廃教会をアジトにと望まなければ、ハジは柔らかい
ベッドに私を休ませようとしたでしょう。
服や食料の調達、そして眠る場所――その土地の地理、訪れた先の国の
情報を把握した上で、人目に触れないように過ごす事は難しくありません。
私が望めばハジが私を赤い盾から完全に隠せたでしょう。
きっと……ロシアから動物園へ向かう折、エージェント達が
監視している事にも気がついていたと…そう思います。

132 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/09/24(月) 15:05:02
>Q2 相手の見た目で好きな部分と嫌いな部分をそれぞれ選んで下さい。

外見で?――……好きな部分と言われても思いつきません。
ハジの全てが、もし外見の一部が何らかの形で変わってしまったとしても
私は何も変わりません。ハジが生きてる、それだけで嬉しい…。
片腕を失っても、片手が人の手に擬態できなくなっても、私は変わらずに
大事にするでしょう。私にあげられるものなんて、何もないのにハジは
いつだって私に尽くして、私を守ってくれる。
私が人としての一生を奪って、この身体に流れる血で翼手へ変えた。
外見とか、そういうものではなくて――私はハジの気持ちに感謝しているから
どんなに姿が変わったとしても「ハジ」が傍にいてくれるなら、嬉しいです。

嫌いな部分――どうでしょう…考えたこともない。
でも、ずるいと思っていた事がありますよ。
あんなに小さかったのに、背が高くなって大きくなってしまったこと。
置いてきぼりにされているようで、何だか悔しかった記憶があります。
だけど今はその時の気持ちはありません……ハジが傍にいてくれて
支えてくれている、それだけでも幸せなのに。
ごめんなさい、どんなに考えてもハジの嫌いな部分は思い浮かびません。

133 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/09/24(月) 15:08:39
>>50-51
>この中で恋人に選ぶとしたら誰ですか?
>一人一人感想付きでw
恋人って何をするのかな……デートってどういう意味?
それにカイやリクは兄弟だから恋人として意識した事もない……それでも構わないから
異性として想定して感想を言ってみて欲しいと、そう目を輝かせなくても
うーん…困ったな、謝花さんや香里なら難なく答えていそうだけど――
難しく考えなくてもいい?……それならできるかも…しれません。

カイ   :何となく海や景色のいい場所に連れて行ってくれそう。
      けど、つまらないことが原因で喧嘩する事の方が多いかもしれないね。

リク   :面白い本を教えてくれたり、ゲームの操作を教えてくれたりしてくれるかな。
      私がゲームに夢中になっている間、食事の用意をしていると思う。

モーゼス :仲間達の事をさり気なく心配していて、一緒にいたとしてもいつも
      誰かを気にしていそう。それにモーゼスにはイレーヌがお似合いだと思うよ。

ギー   :隠れ鬼をしてもいつの間にか振り返ればギーが立っている……とか?
      気づかないうちに肩をポンって叩いてきていつもビクビクしているかも。


134 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/09/24(月) 15:11:16
ソロモン :もしも恋人だったら素敵だと思う。だけど、白いスーツと金髪が眩しくて
      陽射しが強い場所ではきっと困るかもしれないね、サングラスかけないと。

ハジ   :湖畔で舟遊びしたり、ピクニックをしてクロスグリのジャムを指ですくって食べたら
      お行儀が悪いですよってお説教――チェロを弾いて聞かせてくれたり
      あとは何だろう……ハジと過ごした日々で参考になるのは………
      きっと説明したら終わらないね、毎日が大切だから。
     
カール  :舞台劇のような長い美辞麗句を言葉にして毎回やってくるのかな。
      楽しいけれど恥ずかしいかもしれない……だって仕草も派手でしょう?

アンシェル:気がつけばいつの間にか実験室に案内されてそう。
      そこで出されるお菓子やお茶と睨めっこする様子を含み笑いで観察…かな。

グレゴリー:お腹の音を聞いたらすぐに料理を作ってくれそうな気がする。
      喉が渇けばさり気なくお茶を用意している。穏やかな微笑みで常に気を配りそう。

ネイサン :流行のファッションや似合いの髪型を話してくれながら着せ替え人形のように遊ばれるかな。
      そこに必ずディーヴァとお揃いのワンポイントがありそうな、そんな気がする。

デヴィッド:翼手の目撃情報を追って一日に様々な場所への移動で精一杯かもしれない。
      お話する内容に冗談はなくて、後は……沈黙?

岡村   :私が知らない事を詳しく教えてくれそうだけど、いつもどこか疲れている気がする。
      面倒だとか言いながらそれでも周囲の様子を把握しているのだと思う。

ふぅ、ようやく終わったよね…って、まだ恋人は誰がいいか言ってない?
このリストを見返して話してって言われても。
誰にも言わないから教えてって?……それなら…。
でも一回きりですよ?小声なので聞き逃さないで下さいね。
――青い髪留めで黒髪を結んだ…チェロを弾くあの人です……。

135 名前:sage:sage
sage

136 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/24(月) 16:01:27
邦楽の神ジンのデビュー作

137 名前:sage:sage
sage

138 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/25(火) 10:48:33
逆ハーはもういいお
それより小夜キャラ崩れてね?
急に口調かえたり戻ったりヘン

139 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/25(火) 12:22:37
>>137>>138
小夜ははっきしハジを選んでる逆ハーじゃないっしょw
血+逆ハーはどこ見たって不評だからぶっちゃけいらないよ

140 名前:sage:sage
sage

141 名前:sage:sage
sage

142 名前:sage:sage
sage

143 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/25(火) 16:01:55
庭の頃に比べてキャラハソやる気ないネw前はもっと優しく構ってくれたのにサw

144 名前:sage:sage
sage

145 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/25(火) 17:37:24
>>143
いやいや やる気満々のグレがガンがってくれるよ


146 名前:sage:sage
sage

147 名前:sage:sage
sage

148 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/25(火) 18:15:05
>>143
名無しの民度が下がったからでない?

149 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/25(火) 18:24:43
ここの民度なんて落ちまくりだよw
レベル高いキャラハンがこいつらの事まともに相手する気なんて無いんだよ
今までのキャラハンのレスみてもせいぜいはぐらかしてるか最悪無視してる

150 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/25(火) 18:32:00
荒らしは放置が2ちゃんクオリティ

151 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/25(火) 18:37:41
荒らしの話なんてしてないんだが

152 名前:sage:sage
sage

153 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/25(火) 18:42:04
>>151>>自分
避難所で話さない名無し=荒らし
ノシ

154 名前:sage:sage
sage

155 名前:sage:sage
sage

156 名前:sage:sage
sage

157 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/25(火) 18:53:10
2ちゃんにこだわらずに
いっそしたらばで立て直すのも手だな

158 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/25(火) 19:03:03
>>157
おまい一人でなバイバイさるさん

159 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/25(火) 19:10:32
そうさせてもらうわ
ノシ

160 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/25(火) 20:32:24
レス短くていいからキャラと頻繁に話したいよ
庭の最初の時みたいに

161 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/25(火) 20:53:09
キャラハンはここより避難所が好きなんだよネ

162 名前:sage:sage
sage

163 名前:sage:sage
sage

164 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/25(火) 22:17:25
>>162

165 名前:イレーヌ ◆Z1uQTM5Hbk :2007/09/25(火) 22:45:39
夜の風はだんだん冷たくなって、夜の時間が長くなる。
人間の衣服、街や森の景色も変わり、季節の移り変わりを教えてくれる。

人間はこういうときは体調を崩しやすい、と聞いたわ。
あなたたちも、自分の体調には気をつけて。

>>37デヴィッドさん
お酒・・・飲んだことがないわ。
これを飲むと、どうなるの?
楽しい気分になれるのかな。

>>61さん
モーゼスの嫌いな部分・・・嫌い・・・よくわからない。
でも、私たちシフはいつでもコートを着てなければいけない。
それが自分自身、好きではないから・・・Dのスタイルになるのかな。
私も人間のように、素敵な格好をしてみたいと思う。

>>82ジャハナさん
あなたは、カイたちと一緒にいた女の人。
カイと仲がいいのね。
私も、あなたみたいな人間に生まれたかった。
けれど、嘆いてもいても仕方ないって、
それを教えてくれたのがカイだったの。
ジャハナさん、あなたとも、またゆっくり話をしたいわ。

>>96さん
私は詳しくはないのだけれど、あなたと同じように思う。

>>160さん
私もできる限り、あなたの希望が叶うようにする。
私もあなたたちとたくさんお話したいから。


166 名前:sage:sage
sage

167 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/25(火) 23:05:51
ここでする話題じゃない。

168 名前:アンシェル ◆r5wYzU/KUU :2007/09/25(火) 23:06:57
>3 ハジ
>つ【サンタフレシュゴールド 3ダース】
>4 小夜
>お疲れ様…。そしてどうもありがとう。


―――ハジ。いくらで購入したのかねそのまがい物は?
気の毒な男だ。お前は赤い盾をはじめ、そうやってずっと人間に騙され
利用されて来たのだろうな。…小夜。君はチェロを教えるより先に、ハジに
嘘をつく人間の見抜き方を教育するべきだった。おそらくハジは君が休眠して
おる間ずっと、ひたすら人間に酷使され続けてきたに違いない。おそらくは
流されるままに家屋の整備を手伝い、命じられるままに庭木を手入れし……。
――…なに?子供に花冠まで乗せられた?困った奴だ。人間の成すがままか!
いったいシュヴァリエの道、その翼手の誇りは何処にあるというのだね?

…ああ。そういえば小夜、君自身もジョエルの箱入り娘だったな。
………これでは無理もない。あるじもそうならシュヴァリエもまた然りか。
お前たちは主従そろって人が良すぎる。翼手ではあるが…まあ言葉の比喩だ。
他人を出し抜き、蹴落としてまでも―――はしょせん無理だろうからあえて
言いはしないがね。しかしあまりに人間の成すがままでは―――…。

…まあいい。結局はそれも全てジョエルの責任だ。
あれだけの男でも情を移す事があるのだな。おかげですっかり人の良い翼手が
二人も誕生してしまった。古馴染みのよしみで珍しく善意で忠告するがね。
私の経験上、「貴方の味方だ。どうか私を信用して欲しい」などと自分から
申し出る相手は……間違いなくこちらを利用しようとする敵だ。グラントと
いう男を知っているかね?固く握手を交わしながら暗殺者を差し向けるのが
ああした手合いの常套手段だよ。まあ手始めに………

「美味しい物をあげるからおいで、と言う大人を一切信用してはいけない。」
……まずここから助言せねばならんとはな。やれやれ。ジョエルが悪いのだ。

169 名前:アンシェル ◆r5wYzU/KUU :2007/09/25(火) 23:10:51
>5 グレゴリー
>では――乾杯。
>6 カール
>うむ、よい仕事をしてくれた。ご苦労だったな、二人とも。

―――乾杯。くっ………カール…。
…お前にねぎらわれるとは思ってもみなかった。実に光栄だよ。…乾杯。
さてグレゴリー、お前の可愛い弟のグラスが空になったようだ。カールは
見てのとおりの東洋人。東洋では、注がれた杯はかならず乾さねばならない
という習慣があるそうだな?…グレゴリー、カールの杯に注いでやってくれ。
そう、お前の母国の酒ウォツカが良かろう。度数の飛びぬけて高いものをだ。
グレゴリーも当然飲むだろう?私も付き合おう。ではそれぞれの杯を満たし…

改めて、ロシアの火酒で―――乾杯。
グレゴリーは一息で飲んだか。カールは…大丈夫かね?喉が焼けるようだ?
それが特徴だよ。味はほとんど無味無臭に近いからな。カール…今度は
この私の酌も受けてもらおう。まさか嫌とはいうまいな?グレゴリーも飲め。
このとおり二人のグラスをなみなみと火酒で満たそう。
私の杯が空になった?…成る程、お前の言うとおりだ。ではグレゴリー。
そこにある二本目の封を切り、火酒を私のグラスに注いでくれ。…すまんな。
では再び―――乾杯。

170 名前:アンシェル ◆r5wYzU/KUU :2007/09/25(火) 23:11:29
「乾杯」の合図で、杯を一息に乾すのが東洋の習慣と聞いた。華僑は皆そうだ。
カール…愛しい弟よ。グレゴリーを見習え。ベトナムは小国とはいえ、
大ロシアに負けていてはいけない。…なんとか乾した?では再び私が注ごう。
いやいやカール、遠慮は無用だ。……私にも注いでくれるのかね?
これは恐れ入る。いや、このボトルは私から弟たちへの酌専用だ。
このボトルはお前たちのグラスが空くや否や火酒を注ごうと、虎視眈々と
狙っておるのだから、今更お前たちには譲れんな。おや?グレゴリーから
二本目を奪ったか。酌をしてやる?―――光栄だ。有難く受けようカール。

…随分とまた大量に注いだものだ。ではお前にも負けずに返杯しよう。
グレゴリー、カール。グラスを私の元へ。………そうだ。「乾杯。」
どうしたねカール、顔が緑色に変わってきたようだが。目の焦点もわずかに…。
おや。昏倒したか。カール……残念だよ、カール。
カールの持っていた火酒のボトルを手に、妙な顔をしているなグレゴリー?
そう、二本目のボトルの中身―――じつは私が事前に水にすり替えておいた。
さすがに生粋のロシア人であるお前と正気で飲酒勝負をする度胸はないのでな。
なに?本当に火酒を煽っているように見えた?…ふふ。多くの人間の前での
小芝居は、私の得意とするところだよグレゴリー。

171 名前:アンシェル ◆r5wYzU/KUU :2007/09/25(火) 23:13:16
>7
>ここに名無しの居場所はありますか…?

―――無論このとおり。この地を訪れてくれた、客人である貴方の居場所を
用意せぬはずがないではないか?こちらの椅子に腰かけ、どうかくつろいで
いただきたいものだ。すぐに温かい紅茶を用意させましょう。

ひどくためらいがちな、ちいさなお声だ。どうやら貴方を不安にさせて
しまいましたかな?―――これは失礼した。これは私の経験ですが…シベリア
鉄道の食堂車の一角にて、あるひとつの集団が楽しげに談笑している。
彼らはひどく楽しげで、まるで彼らだけでその車内が満たされてしまって
いるかのようだ。一介の旅人の身としては、そこに足を踏み入れること
すらためらわれる……もしや貴方はそれに似たご心境なのでしょうかな?

しかしそれは杞憂にすぎません。私がかつてその車内に足を踏み入れた時
あどけなく心優しい少年がすぐに私に気づき、あかるく手招きして席を用意
してくれたものです。リク・宮城―――彼は誠に善良な少年ですな。
私も彼には自分の立場を忘れ、ひ孫とやらの作り話に興じたり、のちに発熱の
応急手当をしたりなどと…つい柄にもない行為をいたしました。
客人との会話は楽しいもの。我々がどうしてそれを待ち望まぬという事が
あるでしょうか。どうか気後れすることなく、楽しんでいただきたいものだ。

どうかこの紅茶はリク・宮城にちなんで、ぜひロシア式で召し上がって
いただきたい。果実のジャムを口に含み…そのまま紅茶を飲む。―――そう。
味の方はいかがでしたかな?彼は他にも重い鞄を助けてくれたりなど、実に
誠実な少年でした。近頃姿を見ていない。元気にしておれば良いが。
………おや。実際に鞄を運んだのも、私に席を譲ったのもハジだったと仰る?
そうだったかな。ハジの事までは覚えていない。ふむ…彼はあの場にいたかね?

172 名前:アンシェル ◆r5wYzU/KUU :2007/09/25(火) 23:15:44
>15
>新スレおめでとうございます。とりあえずリクエストを1つ。
>私の血吸ってくださいw 殺さない程度に、状景も書いてもらえると嬉しいな。

―――さっそくの祝辞、恐れ入りますな。そのように仰る君にもぜひ楽しんで
いただきたいものだ。…ほう。みずからの命を危険にさらしてまでも我ら翼手の
生態、とりわけその個体それぞれの「食事」のさまを見届けたいとは………。
人間ながら、なかなかに研究者としての素質がおありのようですな。

さて…年わかき真実の探求者の君。
君にこの道の先達として、私からいくつか忠告を差し上げるとしよう。
まるで教壇の上から理想に燃える若き生徒を、慈愛をこめた瞳で見おろし
微笑む、面倒見のよい大学の老教授のようにだ。

まず―――われわれは常にその対象に、ある種の畏れを抱かねばならない。
たかが観察対象とあなどってはいけない。その侮りが視線を曇らせてしまう。
観察の対象…それは未知なるものだ。未知なるものは所詮ヒトには制御できぬ。
たとえば私がこのようにそっと君の腕を取る。それは君の思いがけない力だ。
振りほどけるかね?………いや、人間の君にそんな事は出来はしない。
このまま私が君の首に即座に腕を廻し、こうして引寄せたとしてもだ。

ふふ。息があがってきたようだ。…額ににじむ汗もひどいな。
君の心臓の鼓動もさかんに早鐘を打っている。こうして頚動脈にふれた指に
命の危機を知らせる警鐘を、激しく鳴らし続けているかのようだ。

173 名前:アンシェル ◆r5wYzU/KUU :2007/09/25(火) 23:16:58
生物の本能―――…。
最もシンプルなそれは「捕食者を目の前にしたときの生存への欲求」だ。
その欲求は一様に激しく迷いがない。君のように善良でまっさらな瞳の者も
利権によどんだ目をした者も。この末期の時に浮かべる表情はみな同じだ。
―――…すばらしい。心が躍る。私としてもじつに興味深いよ。

心は熱く、しかし頭は氷のように冷静に。
視線だけは何があっても逸らさない。それがわれわれ真実の探求者の心得だ。
ああ、最後まで見届けたまえ。決して恐怖に瞳を閉じてしまってはいけない。
草食動物の優しい喉首を…肉食獣がその爪で思うさま踏みしだき、研ぎ澄ま
された牙で容赦なく刺し貫くそのさまを。たとえ命を引き換えにしようとも。
年若き君よ。真実とは―――おのれの命と等価。つねにそうした存在なのだよ。
さあ………>15の君、顔を背けずに!その目で真実を見据えることだ。






…さて―――失敬した。ご気分はいかがかな?
私にあのまま殺されると思ったかね?実際そうしても良かったが…。
まあ他の者を観察したいという君の楽しみを奪っては気の毒だ。ふらつくよう
ならばこうして輸血しておこう。…ふふ。私も君の研究はまったく興味深いよ。

174 名前:イレーヌ ◆Z1uQTM5Hbk :2007/09/25(火) 23:27:31
>>50さん
私に質問?
ふふ、ありがとう。

たくさんいるのね・・・1人づつ答えるから。

カイ:私はカイに出会うまで、人間のことがわからなかった。
   怖かったし、考えていることが理解できなかった。
   私たちを、道具としかみない人ばかりだったから。
   カイのおかげで、人間に対する考え方も変わったわ。
   彼の性格も考え方も、私はすごく惹かれるの。

リク:赤い盾の本部に行ったときに感じた妙な感覚は彼だったの。
   見かけは小さくてもシュバリエ・・・
   彼の目にはサヤしか映っていない。 

ハジ:ハジは・・・いつもサヤの側にいるわ。
   サヤも彼の様な人がいてくれて、本当に嬉しいはず。

モーゼス:モーゼスは強くて頭も良い、誰からも頼りにされるタイプだと思う。
     私にとっては家族だから、安心して全てを任せられる存在かな。

ギー:彼は私と似たところがあるの。
   気が合うというか、一緒にいても何の違和感も感じない。
   だから、一緒に行動することも多かったわ。
   私も、月は好き。

175 名前:イレーヌ ◆Z1uQTM5Hbk :2007/09/25(火) 23:28:58
アンシェル:アンシェル、私たちを創った人。
      恐ろしく冷たい目をしていた。
      でも、動物園ではそうではないから・・・
      そういう部分が見れて、驚いているわ。

グレゴリー:彼とは最近会ったばかりだから。
      これからいろいろお話したい、と思っているの。

ソロモン:物腰はしなやかで、静かな雰囲気を感じる。
     けれど、心の奥には何か熱いものを感じるの。
     どこかギーや私と、似ているような気もするわ。

カール:動物園ではいつも明るくて、私もいろいろ世話をしてもらっているわ。
    カイとも仲がいいみたい。
    少しやりすぎる所があるのは気のせい・・・だと思う。

ネイサン:彼とは会ったことがないから・・・

デヴィド:彼には、銃で撃たれたことがあるわ。
     別に恨んでいるわけじゃない。
     カイにとっての、お父さんのような存在だったのかな。
     頼りがいはありそうだわ。

オカムラ:ジャハナさんと一緒にいた人・・・彼はただの人間?
     私のような翼手とは、関わらないほうがいいと思う。

恋人、というのがどういう存在かよくわからないけれど、
私はカイとの約束は守りたい、と、強く思っているわ。

176 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/26(水) 08:28:04
非難されてあわてて出てくるキャラハンギガワロス

177 名前:sage:sage
sage

178 名前:sage:sage
sage

179 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/09/27(木) 03:20:24
>143
>176
>庭の頃に比べてキャラハソやる気ないネw前はもっと優しく構ってくれたのにサw
>非難されてあわてて出てくるキャラハンギガワロス

やあ!恥ずかしながら僕も慌ててやってきたよ。
昔のことはよくは知らないが、その頃よりそっけなかったとしたら申し訳ない。


だが……うっ……、気持ち悪い……。頭が痛い……。

―――失礼、名無しさん。
どうしたものか体調が悪いという、僕達には非常に珍しい経験を
している最中でね。これは二日酔いとやらの症状だったか?
…おや、名無しさんが不思議そうな顔をしている。不死身に近い
僕達がこんな状態で驚いたかい?シュヴァリエにも酒はある程度の
効果があるのだよ。だから僕達はワインを好みもするのだが、
こんなにも悪酔いするなんて――うう。

…やれやれ、まいったな。
アンシェルに負けまいと盃を干していたのだが>169、どうにもこうにもこの有様だ。
こんな風になるのは僕が留学生だった頃――君と同じ人間だった頃だ――
パリの酒場で飲んで酔い潰れて以来、90年ぶりじゃないかな。

あの時も仲間の学生の一人と、いつの間にか僕は競って酒を飲んでいた。
名前は忘れたが頭のいい男だったよ。最初は僕達は酒飲み競争を
するつもりなどなかったんだ。ただどちらも負けず嫌いだったので、
なんとなくそんな感じになったんだね。
その酒場にいた、まだ若い女給にいいところを見せたかったし……。
ああ、今のはこっちの話。

180 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/09/27(木) 03:21:26
それでね、そいつの盃に僕が酒を満たすだろ?するとそいつも僕に注ぐんだ。
次第に赤くなっていく互いの顔を見ながら、同時にぐいっと飲み干す。
これを何度も続けた。最初は軽いワインだったんだがね、だんだんと
強い酒になっていって…。

周りに囃し立てられる中、僕も引くに引けなくなって
「さあ、どんどん持ってきてくれ!」などと叫んでしまっていてね。
誰かが僕の上着を引っぱって、もうやめなさいと繰り返していた気がするが――、
あれはソロモンだったかな?ここらの記憶はあやふやだ。酒場の喧騒と
周りの連中が僕と相手とどちらが勝つか、不謹慎な賭けをしていた気配しか
覚えがない。

それで結果なのだが――残念ながら僕の負けだ。だが名無しさん、
言っておくがあれはいかさまだったんだよ。あとから他の連中に
聞いたんだが、最後に出た酒。そいつは店で一番強いウォツカだったんだが、
どうやら相手の瓶の中身が水にすり替わっていたらしい。
相手に賭けた連中の仕業さ。僕の方の瓶は火酒のままだから、
僕は馬鹿正直に喉を焼くような酒を飲み続け、相手は酔い覚ましに
なりそうなただの水を飲んでいたわけだね。おかげで僕は酒飲み競争に負け、
正体なく酔い潰れた上に、翌日は重い頭を抱えて這って歩かねば
ならなかったよ。

世の中にはずる賢いヤツがいるものさ。君も騙されないように
気をつけるんだよ。…だが、ずる賢いのも賢さのひとつではある。
―――ああ、どうして僕はアンシェルの酒瓶を、前もって
水に交換しておかなかったんだろう!
そうしたらヤツが盃を干すごとに顔を赤くし、沈み込むように
酔い潰れるさまを見れたのに。逆に90年ぶりにありがたくない
経験をさせてもらう事になるとはね!

181 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/09/27(木) 03:22:38
しかし僕もアンシェルにかなりの量の酒を飲ませたはずだったのに、
ヤツは顔色ひとつ変えなかったな。もしやヤツは東洋の
うわばみのごとく、底無しのザルなのか?いや、一緒に飲んだ
次兄もいつもどおりの顔をして、僕の横で水みたいにウォツカを
飲み干していた。まさか僕だけが酒に弱いのか――!?



>160
>レス短くていいからキャラと頻繁に話したいよ

実に頭が、いや、耳が痛い。僕もできるだけ皆さんと
お話するように気をつけよう。せっかく来ていただいているのだからね。
ただ挨拶を短くして、というご要望にお答えするのは、いささか
難しいかもしれない。特に酒が入っている今日はね。
「酒が入ると言葉が出てくる」とは我がベトナムの格言だ。
だからいつもより僕の舌はよく動くかもしれない。既に今夜最初の挨拶が、
かなり長くなってしまったしね。その上、多少ろれつが
回らないかもしれないが、そこは気がつかない振りを、どうかよろしく。


>163
>ここの名無しにも疲れたかもな うるさ過ぎ

たしかになかなかの賑わいだ。僕はシュヴァリエだから疲れはしないが、
163さんや他の名無しさんはお疲れだろうか。疲れがとれるように酒――じゃなくて、
お茶をお淹れしよう。酒精とは別に、人ごみに酔ってしまう人もいるだろうからね。

182 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/09/27(木) 03:23:24
>82=謝花真央
>―まったく、あの岡村のオッサンときたらッ!何が「動物園に行って来い」、よ…

うわっ、随分と威勢のいいお嬢さんだな。おや――君がマオ・ジャハナ?
沖縄のジャーナリスト志望の子だろう?カイから聞いたことがあるよ。
とてもうるさ――いや、しっかりした魅力的な女性だとね。遠いところを
よく来てくれたね。…えっ?取材のために無理矢理送り込まれた?

はは、あまりこの動物園に、マスコミ関係者を中に入れるのは
どうかと思うのだが、小夜や宮城兄弟の知り合いではお断りするわけには
いかないね。沖縄のカイは元気にしてるかな?僕にも何か聞きたいことがあったら
何でも聞いてください。もちろん、答えられないこともたくさんあるけれど。
それとも……。

>ああ、ちょうど良かった!そこのアンタ!!
>ココに…話を聞いてメモさせてくれない?

―――あ。
すごい勢いですぐそばの名無しさんを捕まえて、あれこれと聞き出しはじめた。
あんな風に聞かれたら、何でも喋ってしまいそうだな。
これはまた将来有望な記者の卵がやってきたものだ。>83さんと一緒に彼女の
活動を見守るとしよう。では真央、また後で。




183 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/09/27(木) 03:24:33
>174=イレーヌ

イレーヌ、そこにいるのかな?…ああ、名無しさんと話していたのか。
名無しさんもこんにちは。お話の最中に割り込んで、君にも悪いことをしたね。
…もう話は終わった?それなら僕がイレーヌと少し話をしてもかまわないかな?

ああいや、名無しさんが席を外すことはないよ。僕が不用意に
近づくとシフのイレーヌは怖がるかもしれない。僕はイレーヌにとって、
けっして良い存在ではないはずだからね。ここには他のシフもいない。
イレーヌの仲間の代わりに、君が彼女のそばにいてくれるかい?

さてイレーヌ。僕が近づいても怖くないかい?…そんなに怖くはないって?
ありがとう。それならこのくらいの距離を置いて話そう。
――実はね。最初に庭園で会ったときに、君が僕に尋ねたことがあったろう?
僕はまだ返答してなかったから、そろそろその話をしなくては、と思っていたんだ。
ずいぶんと遅くなってしまったけれど、あの質問はまだ有効かな。

君は僕に言ったね。
『もし同じ悩みを抱えているのなら…「わかりあえる」のかしら』と。
僕の右手と右足が君達と同じ体でできているのならば、
僕と君達シフはわかりあえるのかもしれないと、そう言った。
遅ればせだが、僕はこれに答えていいかな?

184 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/09/27(木) 03:30:47
それに君がアンシェルに問うた『シフとはなんなのか』
『何のために生まれ、何の意味があったのか』
僕はアンシェルの答えを代弁することはできない。アンシェルの思惑を
計ることなど、どだい僕には無理な話だ。しかしこの問いも、君は僕と
話してみるといいのかもしれない。

なぜなら僕達は同じ―――実験動物だから。


――すまない。この言葉がどれほど君を傷つけるのかわかっているつもりだ。
でもどうしてもこういう言葉になってしまう。互いの傷口を広げて
「これが私の痛みです」と見せ合うことになる。君が尋ねているのはそういう話なんだ。
僕は平気だ。もしも君が僕の答えを知りたいなら、僕は全力で答える用意がある。
ただ答えるために、僕も君にいくつか真面目な質問をすることになるだろう。

君がそんなやりとりをちょっと重たいなと思ったり、今この場所ではしんどいと
感じるのなら、この話はやめにしよう。名無しさんと一緒に、人間のお茶と
お菓子を楽しむことにしよう。それも楽しいことだろう?
僕はどちらでもかまわないよ。


>70
>リクやルイスやミンも元気かな。

そうだね。いつかまた懐かしい人々に会えるといいのだが。アンシェルも言っていたが、
リクの姿を最近見ないのだが、元気にしているかな?ルイスともまた腹ダンス、
じゃなくて楽しい話をしたいね。ミン?ああ、僕が理事長をしていたリセの
女子生徒だね。直接話したことはないが、小夜と並んで廊下を歩いていたのを
見かけたことがある。眼鏡の可愛い子だ。皆元気でいてくれるといいね。

185 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/28(金) 15:46:33
>>110
お子ちゃまのケンカみたいで可愛いw

http://www.youtube.com/watch?v=8ljII_bRQQk

クラシックは詳しくないんだけどこの曲は有名だからソロモンも弾けるんじゃない?
ソロモンはピアノでハジはチェロね足の踏んづけあいっこは無しよ〜
ケンカしないで仲良く色っぽく弾いてねw



186 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/28(金) 16:17:38
チェロってなんかエロいww

187 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/28(金) 18:13:19
フィンガーテク(*´Д`)ハァハァ

188 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/28(金) 19:31:13
芸術を色眼鏡でしか見れない家具師ってどんだけw

189 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/28(金) 22:58:57
民度低いねw

190 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/29(土) 00:04:58
レベル高いキャラハンが上手く返してくれるよ。
キャラハンさんたまにチョクチョク見に来てます。
体調を崩さずに頑張ってください。

191 名前:sage:sage
sage

192 名前:sage:sage
sage

193 名前:以上、自作自演でした。:2007/09/30(日) 00:43:01
>>191-192
あなたたちの存在が、あなたたちの言う「情熱のなさ」「過疎」の原因です。
消えてください^^

194 名前:sage:sage
sage

195 名前:sage:sage
sage

196 名前:sage:sage
sage

197 名前:sage:sage
sage

198 名前:sage:sage
sage

199 名前:sage:sage
sage

200 名前:sage:sage
sage

201 名前:sage:sage
sage

202 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/01(月) 18:13:38
このなりスレと同人しか楽しみが残されていない悲しい現実


203 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/01(月) 19:23:43
住人がどうでもいいと思ってるスレには荒らしは来ないんだよね。
荒らしがいがないから。まともに良心なり常識なりある人が、LRを守れと
言うたびに荒らしは喜んで飛びつく。故にこのスレはもうどこに移動しようと駄目だと思う。
移動するなら外部しか残されてないね。
荒らしに負けたみたいかもしれないけど、続けて行きたいなら意地張って
荒らしに付き合ってやることはないんだよ。

204 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/01(月) 22:09:39
>>201
アンシェルのそっくりさん?が18金板にいたよ

205 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/10/02(火) 19:17:02
風が冷たくなりましたね、空も幾分高くなったようです。
もうそんな時期ですか…早いな、ではあれの解禁日まで
あとすこしですね。ご来客のために…いくらか手配しましょうか。

>前768
>兄弟がいていいなー。…お兄ちゃん達のどんなとこがすき?

おや、…先ほどの…僕とカールの遣り取りを見ておいででしたか…?
お恥ずかしい、…そうですか、あなたは一人っ子でおいでですか。
僕には…人間だった頃から沢山の兄弟が居ました。けれど、
昔の兄さんたちの事なんて殆ど覚えていませんから…僕の兄さんは、
シュヴァリエの彼らだけですね。
彼らのどこが好きか?はは…困りましたね…、彼らには内緒ですよ?
こっそり、あなたにだけお話しします。

いちばん上の兄さんは…ええ、彼の瞳はとても冷ややかに見えるでしょう。
目を合わせたものを威圧する力を持っておいでだ。けれどそれだけではなくて
僕には彼の、深い水の底のような眼は、人の命の長さでは
持ちようのないほどの知性と憂いを、湛えているように思われるのです。

まだ人間だった頃の僕は、人ならざるご様子の彼を
ひどく不思議なかただと見上げ…同時に、彼と同じ目線でこの世界が見たい
それはきっと僕の理想に近づいた世界なのだろうと、そうも思ったものです。
彼の眼に睨めつけられると、それはぞくりとしますよ。彼は残酷なかたです。

けれど彼は、彼があるじの眷族にと認めたものには、
大事なものを分けて下さろうとなさいます。ほら、いまも…あなたがたさえ。
ただ冷たいだけの瞳ではないのですね。


206 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/10/02(火) 19:18:05
二番めの兄さんは…僕はこちらでお会いするまで、彼の事を
殆ど知らずに居たのです。けれど、こちらにあって僕は彼の、
厳かで落ち着いた言葉遣いや…彼がまとっておいでの、見かけただけで
壇香の匂いが鼻先を掠めるような空気について知りました。

けれど彼も、そう、それだけではなくて…彼はとても無邪気でおいでです。
厳かな様子で神について語って聞かせてくださったかと思ったら、
ときどき少女の姿をとっては、あの年頃の少女そのもののませたご様子で
あなたがたご来客の目を楽しませておいでになるんですから。
僕は血を分けた妹を見ているようで、…ええ彼は兄さんなのにね?
つい可笑しくなってしまいます。

兄さんたちには、共通してそんなところがありますね。
くす、僕の兄弟は本当に…揃って面白いかたばかりです。有り難い事だ。

三番めの兄さんについては……彼と最後に言葉を交わしたのは
もう随分以前の事ですから…。けれど、彼は固い意志の持ち主で…
能力の高さが、生命力の強さが、身体から溢れるのが
目に見えるようなかたでした。それは僕が、とても持ち得ないものでした
僕は彼を立派な兄と誇りに思いこそすれ…憎んだり厭わしく思った事など
一度だってありませんでした。

これでいいかな?…ああ、つい、また長々とお話ししてしまいましたね。
お恥ずかしい。いいですか、これは彼らには内緒ですよ…?


207 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/10/02(火) 19:19:34
>前814
おや、どうしたのですかその格好は…?やっぱりどこか具合でも

>僕は名無しさんでス。

…はあ、こんにちは…名無しさん。…随分…訛りがきついのですね、
どこからいらしたのですか…はい?人の顔を見て笑うなんて意外と失礼だ?
…だって君は、どこからどう見てもカーr

>ソロモンさんに質問でス。
>上手なダンスの誘い方を教えてくださイ。

どうして僕に訊くのです…?立派な紳士の振る舞いなら
アンシェル兄さんに訊いた方が余程身につきますよ、……そんなに露骨に
厭な顔をなさらなくても。おや、そのワインは…?…お礼は前払いだと仰る?
はは、ありがとう…わかりました、いいですよ。

けれどね…こういう事は、ただ口に出したのでは伝わらないものなのです。
要するに君は…どういうふうに誘ったら、サ…女の子が嬉しそうに笑って
手を取ってくれるか、それが知りたいのでしょう?
女の子の気持ちになって考えてみることです。さあこちらへ。
…厭そうですねえ、知りたいのか知りたくないのか、どちらなんです?
知りたいんですね?………くす。

ああ一緒に踊りたいな、と思う女の子を見つけたら…すこし離れた所から、
彼女の様子を見て…彼女がこちらに気付いたら、にっこり微笑んで
目で挨拶してご覧なさい。彼女はにっこり微笑み返してくれるか、
ないしはきょんとするでしょう。彼女から目を逸らしてはいけません、
ゆっくり歩み寄って落ち着いた様子を見せて、彼女を安心させて差し上げましょう


208 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/10/02(火) 19:20:31
そうしたら、こうしてすこし屈んで、彼女と目の高さを合わせましょう
彼女の意思を尊重する言い回しで、優しく囁いて差し上げましょう

「私と踊って下さいませんか」

彼女はほんのり頬を赤らめて手を差し出すでしょう。ええ、手を出して。早く。
そうしたら、感謝を込めて「ありがとう。」そのまま彼女の手を引いて…!
いかにも楽しそうに、些か強引に彼女を…すべての参加者の目に触れるような
ダンスホールの真ん中へ…連れて行ってしまいましょう、
今度は子供のように無邪気な様子を見せて、彼女の心がきゅんとなるように。

目的地に着いたら、彼女が慣性で転んでしまわないように、
抱きとめて差し上げましょう…こうしてそっと腰を引き寄せて、あとは
音楽に乗ってワルツのステップを踏むだけです…いち、に、さん…おや、
ダンスがお上手ですねえ名無しさん。

けれど…ただ漫然と踊っていたのではいけません。もし彼女が
いまの君のように、相手の顔を見上げていたら…さりげなく視線を合わせて、
「ワルツの時は…パートナーの顔をじろじろ見るものではありません」
そっと窘めて差し上げましょう。彼女は恥ずかしそうに目を逸らす…

そうしておいて、今度はこちらから…彼女の伏せたまつげに視線を注ぎましょう
彼女はそれに気付いて…詰るようにこちらを見上げるでしょう
そうしたら、「御免なさい、つい」とでも言うように微笑みかけましょう
それから「僕と貴女は、相性がいいのかもしれませんね」とでも
付け加えてしまうことです…彼女はきっと心から嬉しそうに―――、おや

どうしました、お顔の色がすぐれませんけれど。…もう解ったから
それ以上近寄らないでくれ、と仰る…?はは、お解りになったなら、それは良かった。


209 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/10/02(火) 19:21:47
>3 ハジ、
>つ【サンタフレシュゴールド 3ダース】

これは何です…これまでに比べて、またずっしりと…
ああ、ファルマシーの製品ですか。…今度こそ、本物なのでしょうねえ?
中を見ますよ。ああこれは正真正銘のサンクフレシュ・ ―――…ハジ!
どうしてラベルにサンタさんの絵がプリントされているのです?いいえ、
クリスマスの限定品としてこのようなデザインのものを販売するとか
そうした報告は一切受けていませんよ、こんな珍妙な…ああ吃驚した、
あまり驚かせないで下さい。

再三訊きますけれど、君はどこからこんな面白い…いえ、奇妙なものを
仕入れるのです?ぼくらが知り得ないコネクションを持っているとか…?


>4 小夜、
>お疲れ様…。そしてどうもありがとう。

やあ…、ご機嫌よう。
皆さんと乾杯をするのに、おめかししておいでですね…
優しいピンク色のワンピースが、とてもお似合いです。やっぱり貴女には、
剣よりもドレスが似合う。また貴女の手を取って、こうして指に口づけを
差し上げる事が出来て、とても嬉しい。こちらこそ、ありがとう。


210 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/10/02(火) 19:25:00
>5 グレゴリー兄さん、

兄さん!
…ええ、僕にはわかっていましたよ、貴方がいくら門の外で躊躇しても
最後には必ずここへ足を踏み入れておいでになる、と

だって貴方は僕に言いましたね、ずっと以前…お前は例えこの場所を離れても
必ずここへ戻ってくる、家族の居るここへ戻ってくる、と。
兄さん、巡礼の旅はいかがでしたか。
脚を向けた先に、美しいものはありましたか?貴方の心は癒えましたか…?

実は僕はつい先ほどまで、部屋で鬱々としていて…扉の外からカールの
ご来客と話す元気そうな声が聞こえて、ああ良かったと顔を上げたところでした
すぐ近くに兄さん、貴方の気配がして…瞼の裏に
ご来客とお話をする厳かなご様子や、アブサンの瓶を示して
悪戯そうになさるお顔ですとか…アンシェル兄さんを相手にして
可笑しそうに笑う少女のお顔、それに…初めてあのお庭へいらした時、
僕の両頬にキスを下さった時の晴れやかなお顔が次から次へ
浮かんでは消えて…最後に、貴方がこのお屋敷を物憂げに仰いで
手をかざしておいでの様子が判りました。僕はその瞬間、一人で笑みを浮かべて
おかえりなさいと呟いていました。

お懐かしい、慕わしい、僕の兄弟。
あの時と同じように、貴方の両頬にご挨拶を差し上げてもいいですか?

……
ああお香の匂いが髪や衣装に染みておいでだ、
貴方は本当に帰っていらしたんですね。

おかえりなさい、兄さん。


211 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/10/02(火) 19:26:00
>6 カール、
>うむ、よい仕事をしてくれた。ご苦労だったな、二人とも。

何だ、元気そうじゃあないですか…あんなに
今にも吐きそうな顔をしていたのに。…何の事だか?まあそれはいいのです、
けれどカール、そう言って僕を労う分には笑い事で済みますけれど、
流石に兄さんには―――おや、
アンシェル兄さんが呼んでいますよ。君と乾杯がしたいご様子だ、お気のど

いえ…良かったですね、行っておいでなさい。…頑張れ。


>7
>ここに名無しの居場所はありますか…?

こちらにあなたがたの居場所は無い、などと誰が言ったのです…?
何て酷い事を。あなたがたは、大事なお客さまなんです
歓迎する意思がなくて、どうしてこれほど沢山のグラスとシャンパンを
用意するでしょう。…それに、僕とアンシェル兄さんで示した決め事>>1-2
あなたがたが、訪れたすべてのかたがより居心地よく過ごせるようにと
出来るかぎり考えて設えたものなのです。それでは…答えになりませんか?

さあ、どうかグラスを。せっかくのシャンパンです…僕とも乾杯して下さい。


212 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/10/02(火) 19:27:00
>前795
>植物も集めてあるのか

ええ、僕もこの場所を隅々まで見て回る機会には、これまで
恵まれなかったのですけれど…ここには薔薇の垣根のほかに、
いろいろな植物があります。植物もそうですけれど、お屋敷の中には
鉱物のサンプルですとか、古い化石まで保管してある
まるで博物館ですね、動物園とはよく言ったものです。けれど
こちらと…その辺の博物館とは違いますから、
あなたがた気をつけなくてはいけませんよ、………おや


213 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/10/02(火) 19:30:32
>15
>新スレおめでとうございます。

ええ、ありがとうございます…それより、あなたどうしました…?

>私の血吸ってください

そう仰いますけれど、もうあなたは貧血で顔色を失くしておいでだ。
指に怪我までして…おおかた視界がおぼつかずに、グラスを割りでも
したのでしょう、違いますか?無理をするものでは…、はい?兄さん>>173
輸血を勧めてくれたから、と仰る?…いいえ、少し横にならなくては…
お屋敷で休んで、ほかのご来客の皆さんと美味しいものを食べて、
どうしてもと仰るならそれからまたおいでなさい。ほら足元がふらついている
ああ、君、お待ちなさい、そこは―――!

…ご覧なさい、だからあれ程…。気をつけなくてはいけませんよ、その茂みには
オルティーガやベラドンナのようなものまで自生している―――おや、
…転んだ拍子に切りましたね?
見せてごらんなさい、…これは酷い。親指のつけ根が、ぱっくり
痛いでしょう…痺れる?貧血のせいかな、それとも……ああ、

血が。



――――――…!すみません、けれど悪くなったものは…
……だから そう簡単に首すじを差し出すのは危ないと言うのです、
あなたが死なないように途中でやめるというのは、それは難しい事なんですよ。
今のように、つい傷口に長いあいだ口をつけて驚かせてしまうんですから…

さあ、きちんと消毒して包帯をして差し上げますから、お屋敷の中へいらっしゃい。


214 名前:sage:sage
sage

215 名前:sage:sage
sage

216 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/03(水) 11:44:40
質問です日ごろから困っていることってなんですか?


217 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/03(水) 12:50:41
わぁいもんもんだぁ。こんにちは*・゜゜・*:.。.(*´▽`)パァァ.。.:*・゜゜・*:
内緒のお話ありがとー。ねえもんもんはシュヴァリエなんだよね。すごいなぁ。
私は人間だからわからないけどもんもんはどうしてシュヴァリエになろうと思ったの?

218 名前:sage:sage
sage

219 名前:sage:sage
sage

220 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/03(水) 20:19:06
>>217
避難所の【運営】会議室【自治】>>208を見てきたほうがいい。
アンシェルからあなたあてにメッセージがあるよ。

221 名前:ハジ ◆Hagi/./Mb2 :2007/10/03(水) 23:32:20
>>7
>ここに名無しの居場所はありますか…?

貴方が大切に思う方の傍…それこそが貴方の居場所なのではないでしょうか…。
………?
ええ…、仰る通り、私の居場所はサヤの傍ですが
…謝花さんに追い払われることも屡々あっ…

>>82 謝花真央
>よろしく頼むわよ!

……お……………………久しぶりです………。
電球は…最近交換したばかりです。
……いえ、念の為お知らせを………………他意はありません。

>>15
>私の血吸ってくださいw

……………私に…ですか?
余程の事が無い限り……私は"それ"を…口にしません。

もしも…血の気が多く困っていると言うのであれば…
………献血に行かれてみては…?
貴方もどなたも…きっと幸せな気分になれるはずです…。

222 名前:ハジ ◆Hagi/./Mb2 :2007/10/03(水) 23:49:14
>>53 アンシェル
>その花火の弾薬に、ハジかカールを結わえて点火すれば一石二鳥ではないか?

………脇役が…彼の邪魔をしてはいけません。

私は彼が降りてくるのを…二鳥…いえ、海鳥と待つ役で充分です。


>>209 ソロモン
>君はどこからこんな面白い…いえ、奇妙なものを 仕入れるのです?
>>168 アンシェル 
>―――ハジ。いくらで購入したのかねそのまがい物は?

仕入れ先は…裏路地に面したそれは小さな酒屋です…。
…何とも時期外れな、そのめでたすぎる名称と…あまりの安値に…
購入を考え倦ねていた矢先…
…乳飲み子を抱え…やつれきったおかみさんが店の奥から出てきまして…。

………………………。
気付いた時には……。
店にあるだけのサンタフレシュを購入した私が立っていたのです…。


………………………お待ちを。(むんず)
まだ10ダースありますので…お代わりの心配は不要です。
…たっぷり飲み、好きなだけ元気溌剌になって下さい……逃げてはいけません。

在庫は…巡礼疲れのグレゴリーに押し付………届けると良いでしょう。
…追加発注分は怪我をしたカールの部屋に届くよう…抜かりはあr…手配済です。

………では。

223 名前:sage:sage
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224 名前:sage:sage
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225 名前:sage:sage
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226 名前:sage:sage
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227 名前:sage:sage
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228 名前:sage:sage
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229 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/04(木) 20:56:36
どこも過疎ってて面白くないからって関係ないとこまで
迷惑かかるようなことやめなよ。

230 名前:sage:sage
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231 名前:sage:sage
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232 名前:sage:sage
sage

233 名前:sage:sage
sage

234 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/04(木) 22:24:27
だからって外部まで関係ないと思うけど。
外部なんだから放っとけばいいじゃん。
荒れればキャラハン同士が結束するか、スレ崩壊させるかのどっちか。
ここは崩壊させたくないから結束したんだね。その結果、今度はそれが
気に入らないと理由にして荒らす。悪循環だなぁ。
まともな質問にはキャラハンちゃんと答えてるじゃん。
ようはここで何しても気に入らないんでしょうが荒らしやってるのは。

235 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/04(木) 22:50:04
前から不思議なんだけど糞キャラハンの馴れ合いスレだと思うなら見に来なけりゃいいだけじゃない?私は信者名無しと言われたけどわざわざ
やってきて嫌味言って荒らす人のほうがおかしくないか?


236 名前:sage:sage
sage

237 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/04(木) 22:59:26
荒らしにマジレスしても無駄。
ほっとけよ、放置が一番。

238 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/04(木) 23:48:39
ここもとうとう毎度荒らしと自治厨の無限ループと化してるなw

239 名前:sage:sage
sage

240 名前:sage:sage
sage

241 名前:sage:sage
sage

242 名前:sage:sage
sage

243 名前:sage:sage
sage

244 名前:sage:sage
sage

245 名前:Amshel ◆r5wYzU/KUU :2007/10/05(金) 01:15:06
>35 シフの少女イレーヌ

―――礼には及ばない。私の望みもまた君と同じく、こうして言葉を
かわし合う事なのだから。では先に問われた君の言葉に答えるとしよう。

>前830
>翼手が世界を統べる・・・そんな事が目的だったの?
>あなたが、世界を自由に操るという人間のような野望を捨てきれて
>いなかったんじゃないかしら。

―――世界を自由に操るべく、野望を抱くのはあくまで人間だ。
グラントをはじめとする合衆国の権力者も、私がこれまで目にしてきた
ロシア宮廷やドイツ第三帝国の者たちと何ら変わることはない。
力によって栄え、力の為に驕り昂ぶり、いずれ力と共に滅びる愚かな人間共だ。
そうした愚かなる人間の業が、われわれに生きる場所を与えてくれているのだ。
私は彼らに寄りそい、彼らが望むものを提供してきたにすぎんよ。

寄生木は…幹に蔓をからめ葉をのばし、やがては全体を覆ってゆくものだ。
あゆみはじめた子をあやすように私は戦争を望む人間に近づき、しずかに
彼らが倒れぬようその手を取る。戦場を流れるすべての血が、汗が涙が、
そして何より金が、いつの時代も彼らを繁栄から滅びの道へと駆りたてる。
まるで目の見えぬ奔馬がゆくえを断崖と知らずに、恐れ気なく一斉に突き進む
ようなものだ。

世界を統べる…それは人間の野望だ。あくまで私の目的への糧の一つにすぎん。
私はディーヴァと共に多くの権力者に寄りそってきた。翼手という種の
特殊性―――ヒトの血を飲む。不老、そして再生能力。それらを人目から
遠ざけ彼女のしずかな生活を護るためには、強大な権力と資金が必要だからだ。

246 名前:Amshel ◆r5wYzU/KUU :2007/10/05(金) 01:16:22
だが人間はおのれを超える存在、みずからの捕食者の存在を決して見逃しは
しない。だからこそ宮廷で、ベルヒデスガーデンで心ならずも「人形のように」
振舞っていただいたのだ。あたかも息をひそめるように。
しかし―――…妙ではないかね?生物としての強者が、なぜ弱者の目に始終
おびえて暮らさねばならないのか。そもそもヒトが生態系の頂点でなくては
ならぬなど……一体誰が決めたのかね?

人間が翼手に唯一、勝っているもの―――それはただ個体の数にすぎない。
翼手の女王はごく近年までただ二人…対するヒトの数はまるで蝗の群れのようだ。
世界に二人ならば…それは生態系におけるただの異端だ。異端は追われる。
しかし個体数が増えさえすればそれははっきりと「ヒトに対抗しうる種族」と
なりうるだろう。無駄に増えすぎた人間は覇者の座を一段下がり、かくして
生物界の調和は保たれる。古代……恐竜に代わり哺乳類が世界を制したように。

草を食む羽虫を鳥がついばみ、鳥を狐がその牙にかけ、狐をヒトが獲物にする。
………我らが人間を狩る行為のみが悪。それはあくまで人間の理屈だ。
翼手の研究者であり、また彼女のシュヴァリエであるこの私に通じはしない。

翼手に満ちた世界でディーヴァの子供たちが生まれ、そして育つ。そのとき
ディーヴァはどうするのか?…彼女は気ままに歌い、望むままに血を飲み、
あるべき場所を求めて自由にあゆみ続けるだろう。
地上におけるあらたな覇者の誕生。………私はそれが見たいのだ。
人類の裏切り者、狂気の学者と言われようがそれも本望。
―――…すべてはディーヴァの為に。

247 名前:Amshel ◆r5wYzU/KUU :2007/10/05(金) 01:20:18
>37 デヴィッド
>留守の間ご苦労…俺が言うのもおかしいが礼儀としてだ
>…まぁ酒でも飲んで落ち着いてくれ 【メルロー】

―――この時代の「デヴィッド」の名を受け継いだ他ならぬ君から、こうして
ねぎらいの酒盃を受けるとは光栄の至りだ。……ふむ。なかなか良いワインを
秘蔵しているな。さすがにゴルトシュミットの手の者は目が高い。

…君は飲まないのかね?―――ほう。必要ない?
……ふふ。何もそう警戒する事はあるまい。それともいつかの宴のように、
礼服の内でひそかに撃鉄を起こしてみるかね?成る程、君は赤い盾の人間だ。
確かにこの私の前ではあまり油断をしない方がいい。
先ほどから君のその仏頂面を見ていると……つい一服盛ったらどうなるか、
持ち前の好奇心を抑えられそうにないからな。

…冗談だよ。そこまであからさまに渋面を作る必要もあるまい。
その愛想のなさで、よくも君にうら若き花嫁の来てがあったものだ。
あの合衆国進出での宴の際にMr,コリンズと、かの女性を巡って何やら
ひそかに火花を散らしていたように見受けられたが…どうやら恩師よりは君に
軍配が上がったようだな。空軍基地では彼女をかばい、名誉の負傷を受けた
のだとも聞くが。―――おや、君達三人はそうした関係ではなかったのかね?

これは失敬。のちに漏れ聞いた報告の内容が、絵に描いたような恋愛劇の
仕立てになっていたものでね。ネイサンが聞けばさぞや興味を示すだろう。
………こうした話題はいかにも苦手といった表情だな?…それは良かった。
…ふふ。ではいずれ、君の口から君の花嫁について聞かせてもらうとしよう。

248 名前:アンシェル ◆r5wYzU/KUU :2007/10/05(金) 01:29:14
―――おや失敬。私の衣装が乱れていたようだ。お待たせしているお方も
多く、なんとも心苦しいが…今日のところはまた改めて出直すことにしよう。

249 名前:sage:sage
sage

250 名前:sage:sage
sage

251 名前:sage:sage
sage

252 名前:sage:sage
sage

253 名前:sage:sage
sage

254 名前:sage:sage
sage

255 名前:sage:sage
sage

256 名前:sage:sage
sage

257 名前:sage:sage
sage

258 名前:sage:sage
sage

259 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/05(金) 15:27:54
削除出してくれたんかd

260 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/05(金) 15:49:53
削除依頼中のレス
>>59-60
>>63
>>80-81
>>106
>>120
>>122
>>135
>>194-196
>>198-199
>>204
>214-215
>217
>224-244
>249-257

261 名前:sage:sage
sage

262 名前:sage:sage
sage

263 名前:sage:sage
sage

264 名前:sage:sage
sage

265 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/10/06(土) 22:12:06
>前375
>好きな天気を教えて下さい

どれも好きだよ。晴天もいいな。特に夜。雲が少なく月が天
に輝く夜は、薔薇の花も一層美しく見える。高い塔の上で
魅力的な女性と出会うのにも最適だ。最高の相手と出会った時、
自分をより強く印象付けるにはどうしたらいいか。
ここにはそんな悩みを持つ男性の名無しさんもいるだろう。
悩める君達に、僕が少しばかり手ほどきしてあげよう。

まず物音を立てて、遠くの景色を眺めている彼女の注意を引く。
そしてものも言わずに近寄り、その麗しい顔を見つめる。
(※注1.ここで呼吸が荒くならないように注意しよう)

照れた彼女が君から逃げ出し、ナイフで突き刺してきたとしても
焦っては駄目だ。彼女を安心させるためにも、余裕を持って、
微笑みかけながらナイフを抜くんだ。痛くても男なら我慢だ。いいな?
そして彼女の目を見つめたまま、笑顔で一歩一歩、ゆっくりと近づく。
ともするとこのあたりで邪魔者が現れるかもしれない。たとえば無口で
黒服の従者だ。(※注2.いかにそいつの顔がよくても所詮は脇役。
気にしないでおこう)

そいつは遠くからナイフを投げつけてくることもある。だが臆することなく、
すかさず口で受け止めよう。こういう細かい技で高感度を上げるのも大切だ。
それから頃合を見て、笑い声を上げながら飛び去る。いいか?くれぐれも
走ってはいけない。あくまで彼女ににっこり笑いながら、空中を舞って消えるのだ。
(※注3.できればスローモーションで飛び去るのが好ましい)

これで彼女の脳裏に、君のことがしっかりと焼き付けられるはずだ。
たとえ名前を覚えてもらえなくてもだ。一度試してみたまえ。

266 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/10/06(土) 22:12:39
>前365
>皆さんの好きな鉱石は何ですか?

鉱石か。他の皆は宝石の名前でも言ったかい?僕はそれほど宝石に
詳しいわけではないので、鉱石と言われても思い出すのは鉄隕石かな。
隕鉄ともいう、金属質の隕石だ。地球の外から飛来したものなので、
厳密には鉱石と呼べないかもしれないのだが。……ちょっと待ってて。
部屋に小さいのがあるからとってこよう。

…………。
これだよ。手を出してごらん。ころんとして、指でつまめるほどの
小さな黒い塊。鉄隕石の中には高価なものもあるが、これはとても
小さいし、たいして珍しくもなければ価値もないんだ。

鉄隕石が真空の中で冷えて固まるには数百万年もかかる。この石は途方も
ない時間をかけて形をつくり、暗く無音の宇宙をひたすら飛んで地球に
落っこちて、……結局はただの小石になった。こいつはそれで満足なのかな。
地球では異物として存在しながら、つまらない石でしかない。
それでよかったのか。それともこいつにはそんなことはどうでもいいのかな。
どこに行こうとどう呼ばれようと、自分として、ただ在りつづけるだけで。

――名無しさん、手の中の石をじっと見てるね。もしかして気に入った?
よかったらあげるよ。隕石とはいえ、ただの小石で申し訳ないが。
でもこの石は宇宙を旅してきたんだ。そしてこれからも、宇宙のどこかを
渡って行くんだよ。この地球もこいつにとっては宇宙の一部なんだろう。
君の、その手のひらの中もね。



267 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/10/06(土) 22:13:45
>216
>日ごろから困っていることってなんですか?

よく聞いてくれたね、君!とにかく僕の頭を悩ますのは、我が兄弟のことだ。
口を開けば僕への苦情を言い、行動すれば他人様への迷惑しかしない僕らの長兄と、
どういうわけかその長兄の言葉を、まるでキリスト教徒が聖書を読むように
信じ込んでしまう浮世離れした我が次兄と、「ひよこみたいな無垢な存在が好きだ」と
言いながら、兄の前では自分こそがひよことなってぴよぴよくっついていく金髪が
目下の僕の悩みかな。この危なっかしい連中は、この僕がいなければいったい
どうなってしまうのかと、考えるとつくづく頭が痛いよ。

もちろんここの名無しさんとほかの仲間のことも、これでも常に
気にかけているつもりだ。でも今は、日ごろから僕を困らせていることについて
話しているのだからね。

ああ、でも他に悩んでいることがあるとしたら――。実はハジについてなのだが、
今年のクリスマスには彼にもプレゼントを渡さなければならないのではないかと
思っているのだ。僕にはその義務があるはずなんだよ。だがいったい何を
贈ればいいのか、見当がつかないんだ。ハジの枕元――しかし眠らない
彼の部屋にベッドなんてあったかな?僕の親友ハジは一晩中、直立不動で
立っていてもおかしくない律儀な男だ――に赤いリボンをかけた気の利いた
プレゼントを置きたいものだが。もちろん本物のサンタクロースが来たとハジが
勘違いしないように署名するつもりだ。

『君の叔父さん、カールより』

まさか困った兄弟のほかに、甥っ子(兼親友)までできるとはね!




268 名前:sage:sage
sage

269 名前:sage:sage
sage

270 名前:sage:sage
sage

271 名前:sage:sage
sage

272 名前:sage:sage
sage

273 名前:sage:sage
sage

274 名前:sage:sage
sage

275 名前:デヴィッド ◆l.19.JCRp2 :2007/10/08(月) 05:25:40
>前681
環境が変われば人情や接し方が違うのは当然
承知の上

>前686-688
――過去何度も死に掛けた身ではあるがね、いざ口に出されて言われると衰える

>前758 カール
暗殺者に?お蔭様でこの通り無事だが―敵を多く作ったことは後悔している…
家庭を持ってから解ったのさ。

怪我か、今でもあの頃の古傷ならよく痛む。
翼種とは違い些細なダメージでも致命傷になりかねない、身体の脆さには堪えたものさ
手当ては無用、危険な依頼は最低限避ける様にしている

コミニケーションに関して。必要に応じ公共の場にいるよう、恥じぬ行為だけさけ自然にいるのだが
どうも暗く見られガチの様だ。内心楽しんでいるんだが…努力はしよう



276 名前:デヴィッド ◆l.19.JCRp2 :2007/10/08(月) 05:58:54
>前791 ハジ
多めに見てくれて結構…しかし今は休息の時期
お互い無理はしたくない。――どうか達者でいてくれ

>前823 小夜
ご苦労 様…、失敬した
酷い深酔いだったのだよ、しかし拍子抜け過ぎかな
…カイやルイス等はともかく
ジュリアに知られたら―――悪かった、どうか見なかった事にしてくれ

>前825-826
態々すまない。頂こうとしよう




277 名前:デヴィッド ◆l.19.JCRp2 :2007/10/08(月) 06:16:54
>>7
無かったら自分達で作るしかない
…俺の立場上

>>96
それは良かった、しかし合間に何度俺があのテロップを口にすることになるとは
―リアルタイムで見てくれた視聴者方には感謝する


278 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/08(月) 09:15:11
はいはい。ここどうでもいいわー

279 名前:sage:sage
sage

280 名前:sage:sage
sage

281 名前:sage:sage
sage

282 名前:sage:sage
sage

283 名前:sage:sage
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284 名前:sage:sage
sage

285 名前:sage:sage
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286 名前:sage:sage
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287 名前:sage:sage
sage

288 名前:sage:sage
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289 名前:sage:sage
sage

290 名前:sage:sage
sage

291 名前:sage:sage
sage

292 名前:sage:sage
sage

293 名前:sage:sage
sage

294 名前:sage:sage
sage

295 名前:sage:sage
sage

296 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/10/10(水) 05:11:52
こんばんは。

お客人方は釣りの話で盛り上がっているようだ。お客人方が楽しいのなら
大変結構だが、僕達にも話しかけていただけるとうれしいな。
もっとも、なかなか姿を見せない僕達がいけないのもわかっているんだ。
>263さんが言うようにお客人方にいらぬ苦労をさせてしまっているかな。
ごめんよ。


>258-260

この場所のために、どこかに書類を提出してくれた人がいるのかい?
僕達とこの場所を気遣ってくれたのだね。そのお骨折りに感謝するよ。

僕は基本的に事務仕事は苦にならないタイプだが、ベトナムの工場長時代は
あまりにも提出する書類が多かったので、よくため息をついたよ。
ヴァン・アルジャーノが出す書類を細かく指示してきたせいなのだがね。
彼はどんな些細な情報も、必ず自分を通すようにと指図していた。

野心家でもあり、自意識が強く疎外感を感じやすい男でもあったから、
全ての情報を自分が一手に握りたかったのだろう。
おかげで僕は実験が進んでも進まなくても、彼に詳細なデータを何枚もの
書類つきで送らねばならなかったよ。

僕がベトナムから去った後、ソロモンから重要機密を知らされないことに
不満を持ったヴァン・アルジャーノは、独自のルートで貴重な情報を
入手してアンシェル直属の部下となったそうだ。
それを聞いたときは、いかにもあの男らしいと思ったものさ。


297 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/10/10(水) 05:12:22
>185-190
>ケンカしないで仲良く色っぽく弾いてねw
>チェロってなんかエロいww
>フィンガーテク(*´Д`)ハァハァ
>芸術を色眼鏡でしか見れない家具師ってどんだけw

それがチェロという楽器は、しばしば艶かしい女性にたとえられるらしいのだよ。
なんでもあのなだらかな曲線が女性を連想させる上に、弾くときのフォームが
大切に抱きしめているように見えるかららしい。
しかしそんな艶っぽい楽器も、奏者はあのしゃちほこばったハジなのだから、
演奏しているところを見てもどうにも色めいた様子には見えないがね。

185さんが用意してくれた楽譜はバッハの「G線上のアリア」だね。
有名な曲なので僕も聴いたことはある。あの二人が足の踏んづけあいもせずに、
仲良く色っぽく……?そんな光景を名無しさん達は想像できるのかい?

だがまあ、我らがお客人のためだ。二人を部屋の端と端に引き離せば、
さすがの奴らの足も届かないだろう。それでもだめなら、この僕が
障壁となるべく真ん中に立ち、ソプラノリコーダーで参加しよう!

―――君達。そこで顔を引きつらせなくてもいいじゃないか?



298 名前:カール ◆9AJirOv3fU :2007/10/10(水) 05:13:02
>275=デヴィッド
>どうも暗く見られガチの様だ。内心楽しんでいるんだが

暗くは見えないぞ。心身ともにおそろしく堅そうな男に見えるだけだ。
そうか。君もハジと同じで、楽しんでいる顔と嫌がっている顔が同じなのだな。

家庭を持ってから、敵が多い暮らしをしてきたことを後悔したって?
……なるほどな。君は今、充実しているんだな。守るべきもの、
失えないものを、持ってしまったんだ。体を大切にするんだね。
君が言うように、その体は僕達よりはもろいのだから。

ところで先日のことは奥方には内密に、という話だが、君はあの時、
アンシェルにも会ったのだろう?だとしたら、もう赤い盾と奥方に連絡が
いっているのじゃないか?アンシェルのことだから、直接ジョエル長官に
たっぷりと皮肉をこめて報告していそうだぞ。

「親愛なる大家殿。そちらの優秀なエージェントが二日酔いのご様子だ。
店子として、心をこめてお世話させて頂こう。しかし赤い盾のエージェントが
我らのいる場所で酩酊するとは、よほどあなた方も我々に信頼をお寄せくださって
いるようですな」などとね。おそらく奥方のお説教は確実だろう。

しかし――家庭か。遠い言葉だな。




299 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/10/10(水) 05:14:11
>278
>ここどうでもいいわー

君の言葉は昔の僕を思い出させるよ。翼種になって実験台として
切り刻まれていた頃の僕だ。当時は何を見てもそんな気持ちだった。
風が吹きすさぶ心を抱えているときに、豊かに金色の穂を揺らす麦畑や
光をはじく穏やかな午後の海、あるじのそばで不死性を謳歌する兄弟達を
見たりするとね。何もかもどうでもいいと、どうにでもなってしまえと思ったものだ。
こんな世界も、こんなやつらも、こんな自分も――…。

…君も痛みと腹立たしさに、胸をえぐられたことがあるのかい?
だとしたら、僕と似ているね。



>207=ソロモン
>こんにちは…名無しさん。…随分…訛りがきついのですね、

ソロモンに擬態がばれるといけないので、これ以降は何を思っても
口に出したりはせずに、胸の中で呟くのみだが――。

僕の擬態した顔を見て笑うとは意外と失礼なやつだな。お客人から
もらった姿だぞ。笑う暇があったら、さっさとダンスの誘い方を教えてくれ。

>どういうふうに誘ったら、手を取ってくれるか、それが知りたいのでしょう?

そうそう、その通り。わかってるじゃないか。手っ取り早く教えてくださイ。
…え?ここに立てって?その妙に楽しそうな顔が気になるが、仕方がない、
言うとおりにしてやる。

300 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/10/10(水) 05:17:27
まずはお目当ての女性を見つけたら、笑って、目で挨拶するんだな。
おい、何でお前が僕に笑うんだ。…ああ、実地でやるのか。僕が女の子役なんだな。
そしてゆっくり近づくと。おいおい、ソロモンがこっちに近づいてくるぞ。
女性は皆、こんな風に黙ってこいつを待つのか。僕なら「シッシ」と追い払うけどな。
そうして目線を合わせて『私と踊って下さいませんか』

「お断りします」

……と言ってはいけないのだな。ほんのり顔を赤らめて手を出せだと?
いや、僕は全然出したくない。早く出せって?わかったよ、ほら出したぞ。
おいこら、引っ張るなよ!なんて乱暴なヤツだ。そしてくっつくな。
今度はワルツを踊ればいいんだな。僕が女のパートか。いち、に、さん……。
それで次の台詞は?

>「ワルツの時は…パートナーの顔をじろじろ見るものではありません」

そんなことを言ったら嫌われるじゃないか。…どんな女性も恥ずかしがって
目を逸らすだと?本当か?僕なら間違えた振りをしてそいつの足を踏むぞ。

そして女性には目を逸らさせて、男はじろじろと見るのか。実に失礼だな。
笑っているが、またなにか台詞を言うのか?今度は謝るんだな?

>「僕と貴女は、相性がいいのかもしれませんね」

…………。

――いいえ。すみませんでした。質問する相手を間違えていました。
とても僕には真似できそうにありません。どうかもう、離れてください……。
いったいどうしてそのやり方で、ダンスのパートナーに逃げられないんだ?




301 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/10(水) 09:23:24
>295
お前ホント初心者だねw数分違いで即レスとか馬鹿すぎw
良い意味でも悪い意味でもここ見てるやつはまだ多いんだよw

302 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/10/11(木) 01:20:23
こんばんは。静かないい夜ね。

翼種と人間が共に暮らす興味深い場所があると聞いて、沖縄から来てしまったの。
デヴィッドもこっちにいるのよね。
子供達を置いてきてしまったから怒られるかしら?
でもあの子も大きくなって、とてもしっかりしているのよ。私の自慢なの。
なのにデヴィッドはいつまでたっても、あの子を赤ちゃんのままだと思っているんだわ。

夫のお小言は後で聞くことにして、話しやすそうなところからお返事してみるわね。


>3-4 ハジ、サヤ
二人とも久しぶり。
会えてとてもうれしいわ。
相変わらず貴方達は一緒にいるのね。
ところでその栄養ドリンク………有名な某製薬会社のものとは、少し違っているみたいよ?

>7
あるんじゃないかしら。
私はあると思うわよ。
だってあなたの場所がないのなら、私の場所もないような気がしてしまうじゃない?

>15
あら、あなた。
自分からそんな危険なことを申し出るなんて、どうかしてるわよ?
でも止めても聞かないって顔ね。
………いいわ。貧血を起こしたら私のところへいらっしゃい。
輸血を準備しておくわ。



303 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/10/11(木) 01:21:30
>35 イレーヌ
あなたはシフの少女ね。こうして話すのは初めてだったわね。
お取り込み中のようだからお邪魔はしないけれど、その人に創傷部の治療をするから、
後で私のところまで来るように言ってくれる?
女同士、またお話しましょう。

>37 デヴィッド
やっと会えたわね。
子供を置いてきてしまったけど、怒らないでしょう?
あの子が貴方のところに行ってあげてって言ったのよ。
貴方が一人じゃ心配なんですって。「不死身のデヴィッド」もあの子には頼りなく見えちゃうのかしら。

でも突然私が来てしまって、貴方は任務をやりにくくなったんじゃない?
だとしたら申し訳ないけど、お互い自分の仕事をしましょう。
私もしばらくここにいるつもりなの。あんまり張り切るの、得意じゃないんだけどね。
ところで>276でサヤに口止めしていたようだけど、あれは何だったの?


あら、もうこんな時間。レポートをまとめなくては。
お返事の途中だけど、ひとまず失礼させていただくわね。
ディーヴァのシュヴァリエ達にも、次回に必ず挨拶するつもりよ。
貴方達とも近いうちにまた会いましょう。

じゃあ、またね。おやすみなさい。




304 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/11(木) 10:25:37
糞キャラばっかりもういいよw

305 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/11(木) 12:16:08
柿と梨ウマー

306 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/11(木) 20:33:42
ジュリアとアンシェルに質問。お互いのことをどう思ってるんですか?
わりといい雰囲気だったからちょっと気になって。
あ、デヴィッドには内緒にしとくから大丈夫だよ!

307 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/10/12(金) 01:11:47
こんばんは。
思ったより早く来れたわ。
それでは、昨日の続きをお答えしていくわね。

>50-51
私も女だから、答えてもいいかしら?

カイ:
とてもまっすぐな気質の少年ね。赤い盾を裏切った私に不信を抱きながらも、
仲間として扱おうとしてくれたわ。
正義感が強くて家族思い。
成長したら、すごくいい男になりそうよ。
今は沖縄に帰っているのね。また会いたいわ。

リク:
年下過ぎるけど………そうね、弟か息子にしたいくらい、可愛くて素直な子だったわね。
大人しいけれど、とても芯がしっかりしていた。
カイと二人で、とても微笑ましい、仲の良い兄弟よ。
彼のおかげで第五塩基は発見できた。
でも研究者としてじゃなく、もっと友人として付き合えてたらと、少し後悔してるの。
ここで会えるのなら、今度は本当の友人になりたいわ。

モーゼス&ギー:
シフの少年達と、直接会って話したことはないの。
でも知り合えば、きっと翼種であるサヤやハジとのように、友情を結べたはずよ。
彼らがコープスコーズの開発に、深く関わった私を許してくれるなら、だけど。



308 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/10/12(金) 01:12:58
ソロモン:
ヴァン・アルジャーノの前のサンク・フレシュ・ファルマシーのCEOだった人ね。
そしてディーヴァのシュヴァリエ。
私はコリンズ博士と共に、アンシェル総帥直属の部下となった、ヴァンのプロジェクトにいたからよくは知らないの。
でも、プロジェクトに参加した女性研究者の間で、すごく人気があったのを覚えてるわ。

ハジ:
寡黙で真面目な、サヤに忠実なシュヴァリエ。
男性として、見たことはないわね。
正直に言えば、以前の私は、彼を翼種のサンプルとして見ていたかもしれないわ。
でも今は違う。彼はサヤと共に、私の大切な友人よ。そう思ってる。

カール:
ベトナムにいた、ディーヴァのシュヴァリエの一人ね。
リセの地下とジャングルの研究所で、デヴィッドとも戦った人ね。
前は敵だったけど、今度は友人になれるのかしら。
レッツダンス?それってなに?

アンシェル:
アンシェル総帥ね。
人類の敵、ディーヴァのシュヴァリエであり、私の研究の一番の理解者だったかもしれない人。
ちょうど306さんも、同じ質問をしてくれているわ。そっちで詳しく答えるわね。

グレゴリー:
会ったことはないけど、彼のことは知ってるの。
ジョエルの日記に記述があったわ。
約90年前にサヤと戦ったシュヴァリエ。ロシアの怪僧、ラスプーチンでもあるのね。
彼は人間ではないし、ここは不思議な場所だとわかっているけど、あの歴史的人物に会えると思うとやはり驚きね。



309 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/10/12(金) 01:13:45
ネイサン: 
彼にも会ったことはないわ。
………そうね。ディーヴァのシュヴァリエの中で、私が会って話したことがあるのは、アンシェル総帥だけなのね。
でも著名な人物だから、以前から名前だけは知っていたわ。
個性的な演出をするので有名な、メトロポリタンオペラハウスのプロデューサーよ。
私が最後にディーヴァを診察した、ライトパターソン空軍基地。
あの時の公演をプロデュースしたのも、彼だったわね。

デヴィッド:
貴方も知っているように、地球上で最も大切な私の家族。
突然来ちゃったから、困惑させてしまったんじゃないかと、内心ひやひやしてるわ。
デヴィッドはハードボイルドだから、貴方達も近寄りがたく思ってるんじゃない?
でもあれで、結構可愛いところもあるのよ、彼。

岡村:
軽く見えて、実はとても頼りになる人だと思うわ。
チームのムードメーカー的な存在になるタイプね。
民間のジャーナリストだったのに、アメリカでは赤い盾のミッションにも参加してた。
オペラハウスでは、ジョエル長官と一緒に、最後までサヤとディーヴァの戦いを見守ったのよ。
たいした人物よね。

>70
そうね。リクやルイスにも会いたいわ。
ミンという少女とは面識はないけど、できれば会いたかったわ。
ここにいた、ほかのたくさんの人達にも。
研究に没頭していた昔なら、こんなふうに思わなかったかもしれない。
でも今は、人と触れ合うことは大事だと、そう思うようになったの。



310 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/10/12(金) 01:14:54
>82 謝花真央
マオ!貴方も沖縄からここに来てたのね。
相変わらず、元気がいいわね。
………そうなの。ミスター・オカムラに取材するように言われたのね。
ここで貴方はどんなジャーナリズム的発見をするのかしら。
興味深い事象があったら、私にも教えて頂戴。
お互いに、いい仕事ができるといいわね。

>アンシェル
お久しぶりです、アンシェル総帥。
シルヴァスタイン、とお呼び下さって結構ですわ。
仕事上はその名前で通していますから。

今でも翼種の研究は続けています。
でも、昔のように、ただ真実を探求することばかりを考えてはいません。
たとえ答えを見つけても、それが愛する人達の幸福につながるものでなくては何の意味もない。
その事を私は知ったんです。
こんな私は、貴方を失望させるだけかもしれませんね。

でも、研究は続けます。
翼種とは何か、答えはまだ、見えていません。

>グレゴリー
貴方が、あのラスプーチンなのね?
でもとてもそうは見えない、青年の姿なのね。それが本当の姿なの?
貴方達の擬態能力については熟知してるつもりだったけど、リーザに擬態した総帥といい、
この目で見ると驚きだわ。
これからよろしくね。



311 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/10/12(金) 01:15:39
>ソロモン
初めまして。お噂はかねがね伺っているわ。
ハジと一緒に演奏会をするのなら、私も行っていいかしら?
ハジのチェロは何度か耳にしたことがあるけど、一度もちゃんとした演奏を聴いたことがないの。
思えば、もったいないことをしたものよね。

>カール
こんにちは。
リセの地下で会ったわね。でも、あなたは覚えていないかしら。
あの時、サヤと一緒にいた女が私。
当時は赤い盾にいて、その後はアンシェル総帥の下で働いたわ。
それから再び赤い盾に舞い戻って………今は貴方と同じ、この動物園にいる。
お互い、不思議な縁で再会したものね。

>304
あら、ずいぶん投げやりなのね。
私達のような研究者は、しつこいタイプが多いのよ。
そうでなきゃ、何度も実験と失敗を繰り返して、答えを見つけるなんてできないでしょ?
でも………そうね。一度だけ、投げやりになったことがあるわ。
コリンズ博士に、半ば欺かれるようにして、赤い盾を裏切ることになった時よ。
戻ろうと思えば戻れたの。でも、そうしなかった。
―――思い出したくない記憶ね。

>305
日本の柿と梨ね。秋の味覚だわ。
沖縄でも手に入ったから、食べたことがあるのよ。美味だったわ。
日本のフルーツはそのまま食べるタイプが多くて、逆にお菓子にするには向かないのね。
私の国のフルーツとは、そこが違うわね。



312 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/10/12(金) 01:17:50
>306
いい雰囲気って………んもう、困った人ね。
そんなんじゃないのよ。私達は男と女の関係じゃなかったわ。

でも、貴方の目には、私とアンシェル総帥の間にシンパシーがあるように見えたのね。
それは科学者としての共感かもしれないわ。
私の研究の一番の理解者が彼であったように、私も彼の探究心の理解者になれたんじゃないかしら。
私はずっと、コリンズ博士が最高の師だと考えていた。
でもきっとアンシェル総帥こそが、翼種の研究者としての道を、私に示してくれるはずの人だったのね。
でも………私は違う道と、もっと大切なものを見つけてしまった。
彼のようには、生きられなかったのね。

―――そうね。
アンシェル総帥は、本物の『真実の探求者』よ。
ただ研究に取り憑かれていて、全てを犠牲にしてもかまわないと思ってる。
でも、彼は純粋だわ。
どんな残酷な研究をしたとしても、翼種のすべてを知る以上のことを望んではいない。
名誉と賞賛を一瞬でも望んだ、私やコリンズ博士よりも、ずっと純粋な人よ。


今夜はここまでにしておくわ。
近いうちにまた来るわね。

じゃあ、またね。



313 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/10/12(金) 02:28:19
―――あら。
私ったら306さんに『困った人』、なんて言っていたわ
お客様相手に失礼だったかしら。
ごめんなさい。
だめね、もっと気をつけなきゃ。
精進するから、また来て頂戴ね。

それじゃあ、今度こそ、おやすみなさい。




314 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/10/12(金) 03:26:45
>>35-36 イレーヌ、
>あっ、私も・・・乾杯。

やあ、やっとご挨拶が出来ます…こちらこそ、声をかけるのが
遅くなって申し訳ありません。身体の具合は、いかがですか?
僕も、こちらにあって皆さんでお話ができる事が嬉しいのです
ですからお礼なんて勿体無い、こちらこそ、ありがとう。

小夜が…以前に、軽んじられていい命などここにはないのだと、
そう僕に仰いました。それは的を射ている…ここにきて、
種族が違うからと道を分かち、反目しあう必要など無いのですから。
僕らが穏やかに過ごしたいと願う事を、否定できるものなど無いのですから。

…ここは、遠い昔から、僕が夢見てやまなかった場所
そのものなのかも知れません。それが証拠に、女王が…小夜が居て、
人間のご来客が居て、貴女が居て、僕らが居る…共存する事を
許されているのですから。貴女が先ほど仰っていたように、僕らが
生きること、死ぬことを通過して自らをかえりみ、成長したその報いとして
得たものなのかも知れません。だとしたら…僕も貴女と同じように、
この場所を大切にしたい。これからも、よろしくお願いします…乾杯。


315 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/10/12(金) 03:27:15
>37 デヴィッド、
>【メルロー】

おや、差し入れを…?ありがとうございます。ああ、すみません、
ご挨拶がまだでしたね?お久しぶりです。こうしてお話をするのは、
パリの外れでお会いして以来ですね。おや―――今度は僕の姿を見ても
懐のピストルに手をかけないのですか? …ええ、そうですね、もちろん
僕らの間で銃を構える事など、もう無いのですからね。…ですが…

それより他に、あの時と少し雰囲気が変わりましたか?何と言うのでしょう、
すこし…丸くおなりだ。もうお父さまなのですから、当然かな。
おや、本意ではない?しかし、ご夫人も同じように仰るでしょう。違いますか?

ああ、噂をすればシルヴァスタイン女史…ご夫人がお見えだ。
彼女とお話をしに行かないのですか?…僕も、後からご挨拶に行きましょう。


316 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/10/12(金) 03:28:11
>56
>長兄とソロモンが駅前で待ち合わせwwちょwwwギザカワユスwwww

はは、面白いことを仰いますね?僕と兄さんで待ち合わせをして、それがどう
可愛いのかな…僕ら二人だけの待ち合わせなんて、到って味気ないものですよ?
それは、落ち合う場所はプラザ・アテネのロビーのような華やかな場所かも
知れませんけれど…向かう所は、退屈な取締役会ですからね。

それよりも、可愛らしい待ち合わせの場面ならもっと他にあるでしょう…
例えば晩餐会の夜にきれいにおめかししたディーヴァを、……ああそういえば以前に、
パリのファルマシー本社の最上階の庭園で、兄弟で待ち合わせをしたことがありました。
あの時は、あるじは眠っておいでだったのですけれど…

ジェイムズが、きっかり時間どおりにやって来た所までは良かったんですが、そこへ
狙いすましたかのようにネイサンが現れて…会いたかったわ〜んと彼の頬にキスですよ。
その後も、やれお前の腕が鈍ったのやれ子どものようなやつだのと
痴話げんかを続けるのですから…僕はそれまで、必死で笑いを堪えていたんですが
駄目でした。つい、噴き出してしまいました。何が可笑しいのかと詰られましたけれど。

はは、いいえ、あれを可愛いとは僕も流石に言いませんよ。けれど急に思い出して、
可笑しくなったものですから。彼らが居ると本当に、退屈をしませんでした。
それはあるじも同じだったでしょうね…懐かしいな、もう随分と昔の事のようです。


317 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/10/12(金) 03:30:19
>113
>ソロモンとハジの仲良し喧嘩に和む〜w

仲良くケンカするだなんて、あなたそれは矛盾していますよ―――僕らは、
あの有名なネコとネズミではないのですから。…何ですって?
どんな酷い目にあってもどうという事はない辺りが、いかにもアニメ的で
そっくりだと仰る…?おやおや心外ですね、あなたは僕らを何だと…

ちょっとお待ちなさい、…それではどちらがネコでどちらがネズミなのです?


318 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/10/12(金) 03:31:03
>>185
>お子ちゃまのケンカみたいで可愛いw
>…ケンカしないで仲良く色っぽく弾いてねw

あなたもなのですか、…皆さん面白いことを…僕らを捕まえて可愛いとは、
よく考えてもご覧なさい、僕らがもう何年生きているとお思いですか?…おや、
これは…ああ、バッハの『G線上のアリア』。譜面を用意して下さったのですね?
それに、ピアノとチェロの合奏の映像まで…僕らに、これをやれと仰る?

あなたが望むなら、構いませんよ。ここのところ、あまりご挨拶が捗らずに
ご来客を退屈させてしまっているようですから…おもてなしをする側として、
あなたがたを退屈させない努力をしなくてはいけません、それに
僕とハジが合奏だなんて…小夜や兄弟たちも、さぞ面白がる事でしょうし、ね。

ただ…、仲良く、それも色っぽくと仰いますか。難しいですねえ…、それは確かに、
ハジがチェロを弾く様子は…何人かのご来客が仰っていたように、
それを感じさせるのかも知れませんけれどね、…何しろ彼が両腕に抱いている
あのチェロは、彼が…小夜の為にと…万感を込めて奏でるもの、なのですから

―――けれど何にせよ、僕らがやるときっと…この映像のお二人のように、
艶っぽく視線を絡めようとして相手を見やるものの、決まってタイミングを外して
振り向いた時にはいつも相手がそっぽを向いている、なんていう
情けない事になりかねませんね。

…おや、カールが?はは…、僕とハジがまた足を踏んづけ合わないように、
僕らの間でリコーダーを吹くと言っているのですか>>297。それでは…くす、
色っぽくだなんて絶対に無理だ、残念でした。けれど…きっと楽しいでしょうね。


319 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/12(金) 09:40:55
見てるヤシ多いって分かってからレス大量投下か
文句あんならここ見んなよって感じは
まさにスレ安康の為には手段を選ばない冷酷なソロモンのやりくちだなw

320 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/12(金) 09:59:07
ソロモンとハジとカールの合奏ってw
仲良しさんで和むわ〜。

321 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/12(金) 13:00:36
ご飯食べた〜?
生姜焼き定食ウマカッタ

322 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/12(金) 18:26:31
今、目の前にマーボー茄子丼がある
いただきま〜す

323 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/12(金) 20:01:54
>>321
>>322
動物園ってフランスのボルドーでそ?
んなもん無えっつのシタラバやカイスレと間違えんな

324 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/12(金) 20:04:52
日本料理店で作ったものを持ってきたんだろ、常考

325 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/12(金) 20:54:39
場の空気よめよ〜ぶち壊しやん

326 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/12(金) 21:02:58
? ? ?

327 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/12(金) 21:32:43
>>323
したらばとカイスレは舞台が沖縄

328 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/12(金) 22:09:38
定食や丼は動物園に似合わないね

329 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/12(金) 22:14:47
動物園定食おまち

330 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/12(金) 22:20:33
このジュリアって真夏の炎天下の車ん中に赤ん坊置き去りにしてパチスロやりそ。

331 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/12(金) 22:35:19
沖縄の動物園でいいじゃんもう

332 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/12(金) 23:29:37
ボルドーも沖縄も同じくド田舎だね・・・
>>330
ジュリアって才媛のハズなのに、ここのジュリアは遊び人のイメージがw

333 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/12(金) 23:53:07
>>331
沖縄の動物園ていったいwwwww
おまいそれじゃ本当の動物園になっちまうじゃねーかwwwww

334 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/12(金) 23:56:12
沖縄にあるのは植物園だよね

335 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/13(土) 00:04:00
いージャマイカもう。
人間も翼手もドーブツの一種なんだしw

336 名前:落合:2007/10/13(土) 02:17:30
康広    九品

337 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/10/13(土) 03:38:36
こんばんは。
夜は肌寒いので風邪を引きそうね。貴方達も気をつけて。

>330 >332
順番が前後するけれど、まずは貴方達に。
ご指摘をありがとう。これは本当の気持ち。
たしかに自分の話し方を思い返すと、少しおかしかったと思うわ。
昔から堅苦しくて、面白みのない女と言われていたのに。
もう少ししゃきっとしなくてはだめね。

その他にも気付いた点があったら、指摘してくれると嬉しいわ。
どんな問題も、多角的な観点から意見があるほうが、より正解に近づくもの。
そうでしょ?

それから330さん、私はギャンブルの類はやらないのよ。
子供の頃は数学的な見地から、ルーレットは面白そうだと考えたことがある。
でもあれも必ず「親」が利益を得るように作られているから、数学的な法則は見出せないのよね。

>127 サヤ
お腹の音がすると思ったら、やっぱり貴方だったのね。
この前は私も慣れてなくて、ちゃんと話せなかったけど、体調はどう?
輸血は足りている?貧血の兆候は見られないのね?ここでは貴方の体調管理も万全でしょうけど、
女同士でなければ話せないようなことがあったら、いつでも言って頂戴。
―――それからハイ、ケーキをホールごと持ってきたわ。こっちは紅茶。
お客様と一緒にどうぞ。



338 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/10/13(土) 03:39:22
>216
日ごろから困っていること?
………そうね。料理が上手にできないことかしら。
料理書の記述通りの材料と手順で作るのに、なぜ、いつも写真と違うものができてしまうのか。
いちど原因を調べてみる必要がありそうね。

>319
注目してる人が多いって、いいことかもしれないわね。
でも、誰にも知られない場所で、自分に与えられた職務を続けることも大事だわ。
D塩基を発見した時、この研究結果を世に知らしめたいと願ったことがある。
それが私とコリンズ博士の、過ちの始まりだったわ。
たとえ世に出ずに葬られる研究でも、それは人類の為であったのに。


今日はここまで。毎日来るのは無理だけど、できればまた近いうちに。
おやすみなさい。



339 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/10/13(土) 05:21:31
やあ!人間の皆さん、こんばんは。
涼しくなってきているが、君達の健康にさわりはないだろうか。

秋はこのボルドーで最も過ごしやすい季節だ。同時に最も忙しい季節でもある。
ボルドーワインの原料となる、葡萄の収穫時期だからだ。今年も近隣のシャトーでは
メルロー種の収穫が終わり、10月に入ってからはカベルネ種の取り入れが続いている。

森の落葉樹は黄金色の葉を落とし始め、動物達は冬篭りの準備でせわしない。
お客人方もこの素晴らしい季節をどうか楽しんでください。
君達の人生は、とても短いのだから。


……と、ボルドーの秋を語ったところで。

>323ー329

――すまない。それは僕の仕業だ。ここには人間の食事を摂らない者も
多く暮らすが、中にはそういった食事を必要とする人々もいる。
まず第一に僕達の人間の仲間。第二に熱量を人間の食事で補う赤の女王。
そして第三に、君達お客人だ。

そのため常に人間用の食材や調理器具が揃えてあるんだ。そして和食や
中華料理の材料まで常備されているのは、僕が用意したせいだ。
324さんが言うように、日本料理店から取り寄せたりもするんだ。
だってほら、僕の小夜は時々日本料理を恋しがるし、先日来てくれた
真央も故国の食事が好きだろう?それに君達も――。


340 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/10/13(土) 05:22:17
バターを使った西洋料理ばかりでなく、慣れ親しんだアジアの食事も
楽しんでほしいじゃないか。カイが戻ってきてくれたら腕を振るって
もらおうと思って、簡単な沖縄料理も作れるようにはしてあるんだ。

だから雰囲気をぶち壊した張本人はこの僕だ。ごめんよ。
でもそういうわけなので、もしそこらの落ち葉を集めて焼き芋を焼いていたり、
柳葉魚(ししゃものことだ)を網であぶって食べている人がいても、どうか
見てみぬ振りをしてほしいんだ。329さんもここの名物定食を作ってくれたらしいしね。

――そうだな。お詫びに君達には僕の手料理を振舞おうか。
僕の得意料理は…………目玉焼き、かな。オリーブオイルをかけて食べてみるかい?


>301 >304 >319
>もういいよ
>ここ見てるやつはまだ多いんだよ
>見てるヤシ多いって分かってから

こっそりと覗いてくれているお客人が多いのはありがたいね。
301さんのように「もういい」と言いながら見にきてくれる人もいる。
この世の全ての物はいずれ忘れ去られ、滅びてゆく。翼種であっても
その法則は変わらない。僕達が一度死を迎えたのがその証拠だ。
訪れてくれる皆さんに感謝を捧げたい。

それからたしかにソロモンは必要とあれば冷酷にもなる男だな。そしていつも
苦笑いを浮かべて僕を見る。その上、説教が多く口うるさい。ついでに……。

…ああ、でもさっきのも見ていたかい?名無しさんに擬態した僕に、
あいつは懇切丁寧にダンスの誘い方を教えてくれた。いつもああなんだ。
妙に親切で、妙に心配性。パリで初めて会った時から少しも変わらない。
あの日から、とても長い時間が過ぎたというのにね。


341 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/10/13(土) 05:25:27
>330
>真夏の炎天下の車ん中に赤ん坊置き去りにしてパチスロやりそ。

パチスロとはなにかのギャンブルかい?僕は賭け事はやらない方だ。
あまり向いていないんだよ。カードもだめだな。ババ抜きでさえ、
兄弟達には顔色を読まれて負けてしまう。なんでも気がつかないうちに
顔が緑色になっているらしい。……本当かな?
それに僕にとっては、人間の青年だった頃、ベトナムの港を出てフランスに
向かった日から、人生そのものが賭けみたいなものだった。さて、僕は賭けに
勝ったのか、負けたのか、それとも――どうなんだろうね?

>311=ジュリア

会うのは2度目になるのかな?実際、おかしなご縁もあったものだ。だがここにいる
全ての人々が、その奇妙な縁に引かれてここまで来ているんだよ。君もここに来たのなら、
その不可思議さを堪能するといい。君は優秀な研究者だとも聞いている。前もって
言っておくが、僕を研究対象にするのはお断りさせてくれ。しかし君がこの場所で
多くの知識を得られるように、期待しているよ。

>「親」が利益を得るように作られているから、数学的な法則は見出せないのよね。

これは本当かい?僕はかつて連れて行かれたカジノで、ルーレットの必勝法とやらを
試して大負けしたことがあるのだが。――そうか、必勝の法則はありえないのか!
ろくにルールも知らないまま必勝法の通りに賭けて、いつの間にか持ち金が
全て無くなっていた。あれは間違った必勝法のせいか、それとも僕の運が
とことん悪かっただけなのか――?


まだご挨拶できていない分があるが、ここで失礼させていただくよ。
さあ、夜明けが近い。夜が遠ざかり、君達の時間が始まる。
では人間の皆さん、良い一日を。


342 名前:ハジ ◆Hagi/./Mb2 :2007/10/13(土) 08:59:46
>>113 >>110 ソロモン
>…彼と一緒にどんぐり呼ばわりされるなんて、心外ですね。
>ソロモンとハジの仲良し喧嘩に和む〜w

まさか喧嘩など…するわけがありません…。
そうですね…、丁度秋らしい話題も出たことですし…。
彼とどんぐり積みで勝ぶ…遊ぶことにします。
ええ…和やかで穏やかなゲームです…とても喧嘩するようには見えないはz
………………ソロモン、足を踏むな……崩れる。

>>128 サヤ
>ケーキや紅茶、珈琲をあんなに並べて…まるでお茶会だね。いいな、美味しそう…

……サヤ?
ケーキバーの用意が出来たので、御部屋に呼びに行ったのですが…
こちらにいらしたのですね…。
………柱の影で物欲し気に指を咥えて…御行儀が悪いですよ。

>でも私が食べ始めたら一気になくなってしまいそうな気が

サヤの分のケーキも…きちんとホールのまま用意してあります。
御食事も用意しましたから…御心配なさらず沢山召し上がって下さい。

>>321-329
>日本料理店で作ったものを持ってきたんだろ、常考
>定食や丼は動物園に似合わないね
>場の空気よめよ〜ぶち壊しやん

和洋中…色々とビュッフェ形式で御用意しました。
サヤが喜ぶ沖縄料理も…シェフを手伝いながら試行錯誤してみたのですが…
…あのOMOROの味はなかなか再現が難しく…
カイとリクが居てくれたら…と願わずにはいられません…。

343 名前:ディーヴァ ◆xWC7S5.coI :2007/10/14(日) 14:53:45
――どうやら私が眠ってる合間にここはまた少し模様替えしたのね。
この部屋から出なくてもこの場所へ訪れる人間達の取り交わす声でその事は手に取るように解るわ。
――どうやら賛否両論といったところかしら?
ふふっ、人間達が好き勝手言ってる。
面白そうだからそろそろ私も身支度を整えて人間達の話し相手になってあげようかしら。
でも、その前に何だか喉が渇いちゃった――。

>15
>私の血吸ってくださいw
ふふふっ、あなた美味しそう…。いいわ、あなたの血をちょうだい。
起きぬけで丁度喉が渇いてたところだったの。
…そう、目を閉じて…そのままじっとして…………………………………。……――ふふふっ、美味しかった。…あら、あなたどうしたの?そんなに頬を赤らめて…それに息も荒いわ…。
あなた、大丈夫…?

>避難所527-528
>ここまで来てしまったのも、叶うことならひと目だけでも――と願ってしまった断ち難い愛着。
グレゴリー、ようやく戻って来たのね…。おまえは少し生真面目過ぎるの。昔からそう、私がつれなくするとおまえはすぐそうやって悲しげな顔で私を見るんだもの。
おまえは私を退屈させては駄目なの。いい?解ったら早くここへ戻って来るのよ。

344 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/14(日) 15:55:06
ディーヴァ綺麗だよ

345 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/14(日) 17:32:52
カールに質問
あなたは無理やりにシュヴァリエにされてしまったけど、人だった時大切な人はいましたか?
どういう風に別れを告げた?なるべくその人を傷をつかないようにしたい。
それとも傷つかずわかれる方法があるのかわからない。結局傷つかずには済まないだろうから。
教えて

346 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/10/14(日) 22:28:03
少しずつ人が集まってきてるのかな。
熱心に何かを話し合っている声やおどけた笑い声。
皆、どういう話を――……

>>276 デヴィッド

よかった…無事のようで…。
はい、ジュリアさんには内緒にします。
お水をどうぞ…暫くそっと休んでいて下さいね。

…何だろう、離れから聞いた声>>82がする。
あの声もしかして謝花さん?……確認する前に人垣の奥へ行っちゃった。
謝花さんだとしたら、次に会ったらきちんと挨拶できるかな。

347 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/10/14(日) 22:28:55
>>342 ハジ

う…お腹の音が……。

>……サヤ?
>………柱の影で物欲し気に指を咥えて…御行儀が悪いですよ。

どうしてここにいるってわかったの?
指?…っ、違うよ、食べ物に釣られているわけじゃ――

>サヤの分のケーキも…きちんとホールのまま用意してあります。
>御食事も用意しましたから…御心配なさらず沢山召し上がって下さい。
>サヤが喜ぶ沖縄料理も…シェフを手伝いながら試行錯誤してみたのですが…

ケーキバーの他にビュッフェを用意して…その中に沖縄料理?
あの味を再現しようと頑張って料理を手伝っていたの。
――っ…何でもないよ。ただ、嬉しくなったの。
ありがとう、食べてみるね。うん……OMOROの味と少し違うけど、わかるよ。
これはハジが初めて作ってくれた沖縄料理。
カイやリクも美味しいって誉めてくれると思う。
だって、私の頬も落ちそうだから。

348 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/10/14(日) 22:30:13
>>337 ジュリア

>お腹の音がすると思ったら、やっぱり貴方だったのね。
>―――それからハイ、ケーキをホールごと持ってきたわ。こっちは紅茶。

……っ!んんっ、び…っくりした、テーブルにケーキと紅茶が並んで…
え?…ジュリアさん…いつから動物園に…お腹の音って聞こえてたんですか?
輸血は足りてます、大丈夫。女性同士のお話だったらその時は謝花さんや
イレーヌ、それからエリザベータさんも一緒に…。
部屋で眠ってるディーヴァと奏と響も、時々体調を看て頂けますか?
優しい寝顔を浮かべているけど、体調を崩してないかやっぱり心配ですから……。
紅茶とケーキ…とても美味しそう。はい、頂きます。

349 名前:sage:sage
sage

350 名前:sage:sage
sage

351 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/10/15(月) 05:44:09
こんばんは。
懐かしい声が聞こえたので、急いで駆けつけたよ。
そうしたら月明かりの中に青い瞳を見つけた。
お客人達はあの歌声を聞いたかい?

>331-335

沖縄の動物園や植物園?君達は行ったことがあるのかい?カイとリクなら
幼い頃に連れて行ってもらったことがあるかもしれないね。
僕は日本に行ったこともないので、もちろん沖縄も未訪の地だ。

だが僕達に本物の動物園や、水族館は向いていないな。なにせ動物は
僕達に寄り付かない。あらゆる生物が僕達に怯えるさまを、わざわざ
見物しに行くこともないからね。

352 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/10/15(月) 05:44:46
>343=ディーヴァ
>そんなに頬を赤らめて…それに息も荒いわ…。あなた、大丈夫…?

我があるじ!お目覚めになったのですか?お待ちしておりましたよ。
――ああ、もうお客人とお話なさっていたのですね。でもその名無しさんの
様子が少し変だ。…なるほど。15さんのご要望を叶えておられたのですか。

僕も15さんとそろそろお話を、と思っていたのですが、これはもうしばらく
待ったほうがよさそうかな?ではこのお客人の介抱は僕が承りましょう。
あるじはどうか皆さんとご歓談ください。
急いで来たので僕は気の利いた言葉も出てこなくて、とてももどかしいのですが、
皆、あなたの歌声と優しい言葉がこの動物園に満ちるのを待っていたのですよ。

――さて15さん、落ち着いたら今度は僕と話そう。それまでしばらくは、
こちらの客間でゆっくり休んでいてください。


>334
>ディーヴァ綺麗だよ

君は僕と同じ事を考えるのだね。僕達シュヴァリエにとって、血を与えてくれた
あるじは何よりも美しく見えるものなんだ。おそらくはその対となる女王もね。
それに今は、君達お客人方の楽しそうな姿やにぎやかに話す声もとても好ましく思える。
ここは本当に不思議な場所だ。

――ところで僕は夜が明けたら朝摘みの薔薇をつんで、懐かしい部屋に飾ろう。
雲雀が新しい空を見つけ、誰よりも力強く羽ばたき、高らかに歌うように祈って。
僕達兄弟皆の願いと共に、静かに置いてこよう。

353 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/10/15(月) 05:48:29
>113、>217
>ソロモンとハジの仲良し喧嘩に和む〜w、>どうしてシュヴァリエになろうと思ったの?

子供っぽいところもありながら、やはり二人とも芯が落ち着いている。
ああやってふざけていても、周囲も和やかに見物できるわけだ。年の功かな。
僕達シュヴァリエは、見かけより長く生きているからね。
ハジは事故でシュヴァリエになったらしい。だがどうしてソロモンはシュヴァリエに
なろうと思ったのか。それは僕にもわからない。あいつは僕とはなにもかも違うから。

まだ人間だった頃に、あいつに社会勉強だと、どこかの社交場に連れて行かれたことがある。
でも重そうな宝石と礼服で着飾った金持ち連中の中で、僕の居心地はけっしていいものじゃなかった。

だが華やかな人々の中で際立って巧みに踊り、洒落た会話もそつなく
こなすソロモンの姿を、僕はいつも眩しく見ていたよ。どうしてこんな人が
僕なんかの友人でいてくれるのだろうと、留学先でこの人と知り合えたのは
本当に僥倖だったと、そう思いながら。

君にもそういう友達はいるかい?あの時、この胸を膨らませていた
誇らしい気持ちを、君もわかってくれるかな。素朴でやさしい感情は、
僕の中で長くは続かなかったけれど。

僕にダンスを教えてくれたのもソロモンだ。――ああそうだ、思い出したよ。
シュヴァリエになったばかりの頃、これからもずっと自分達とヨーロッパで
暮らすのだから、ダンスは踊れたほうがいいとあいつが言ったんだ。
親切そうに笑うその顔に「ここで暮らさざるを得ないようにしたのは誰なんだ」
と投げつけると、あいつは痛みをこらえるみたいに目を伏せた。

それがなんだか気まずかったんだね。「わかった。教えろよ」と
仕方なく僕が承諾すると、ソロモンは顔を上げて嬉しそうにした。
そして二人の間に流れ始めていた不穏な気配を消すかのように、
いつもより陽気な声を出した。「じゃあ、早速始めましょうか」

354 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/15(月) 05:49:58
(続き)
当時、僕が住まわされていたのは、アンシェルが所有していた屋敷のひとつだ。
二階の使われていない、少し埃っぽい広間で、その日、僕達は夕暮れまで
ワルツの練習をした。僕が男を、ソロモンが女のパートを踊ったんだ。
こんな可愛い気のない相手と、それも男と踊っても嬉しくないなと僕が文句を言うと、
ステップを覚えたら女性と踊れますよと、ソロモンがまた笑った。

うら寂しい晩秋の日暮れ。ほの暗く広い部屋。冷えた空気。
大きな格子窓に映る、葉を落とした楡の枝が、細い影で床に紋様を描く。
音楽の代わりにソロモンが拍子をとる。柔らかなテノール。完璧な発音。静かにたゆたう。

――アン・ドゥ・トロワ

漆喰の壁のにおい。高い天井。分厚い木の床。ステップを踏む革靴の音。
さあ背筋を伸ばして、リズムに乗って、すべるように。

――アン・ドゥ・トロワ

触れるだけの指先。合わせない視線。
よく知っているつもりで、少しも知らなかった白い顔。
冷たい風が窓を叩く。夜の訪れ。けれど僕の帰る場所はどこにもない。

――アン・ドゥ・トロワ

背の高い柱時計。
時間を刻む振り子の前で、時を止めた僕達の体が三拍子でまわる。
ちぎれかけた友情と、芽生え始めた憎悪と、捨て切れない憧憬さえ閉じ込めて。


―――アン・ドゥ・トロワ



355 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/10/15(月) 05:50:40
>320
>仲良しさんで和むわ〜。

――ん?君は今なんて言った?ナカヨシサン、『仲良しさん』だって?
…まあ、君がそれで和んで笑ってくれるなら、仲良しさんでも墓良しさんでも
かまわない。後者は縁起がいいのか悪いのかわからない関係だが。

でも、君もいいと思うだろう?ハジの深遠なチェロの響きに、ソロモンが弾く
優雅なピアノの音色、そこへ僕の軽快なソプラノリコーダーが加われば、
どんなに楽しい楽団になることか!

ああっ、名無しさんがまるで「ブレーメンの音楽隊」みたいだと笑ってる!
いいかい、君達?ブレーメンの音楽隊はロバと犬と猫と鶏だ。
僕達は翼種。全然違うだろう?あいつらは本当はブレーメンにたどり着かなかったのに、
どういうわけかその町の名前で有名になった愉快な連中だけどね。

それに「ブレーメンの音楽隊」になぞらえるなら一人足りないな。
320さん、和みついでに君も加わるかい?今ならカスタネットにタンバリンと
トライアングルが余っているよ。もちろん他に得意な楽器があるのなら
それでいい。僕達と一緒に、G線上のアリアを奏でてみないかい?



356 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/10/15(月) 05:54:15
>305、>321-322 >347-348=小夜
>柿と梨ウマー
>ご飯食べた〜?
>いただきま〜す
>ありがとう、食べてみるね。

君達は僕の親友ハジが用意したビュッフェの食事を食べているのかな?
彼はあれで実に気がまわる男らしい。日本料理から中華料理まで
作っていたとはね。305さんはデザートのフルーツを味わっているようだ。

僕達にはもう人間の食事は必要ない。それどころか、どうにも食べ物に
見えないんだ。昔は人並に旨いものが好きだったんだけどね。
どうか君達は心ゆくまで食事を楽しんで。僕の食事は――あまり
君達の耳に心地よい話ではないから、ここではやめておこう。

――おや?小夜も柱の影で食事をしているね。>347
ハジが色々と差し入れをしているらしい。…顔面神経痛なのに、そういう
神経は細やかなんだな。さすが僕の親友だけはある。おや、ジュリア女史からも
ケーキを差し出されている。ケーキの大皿と紅茶のポットを持ったまま
こっちにやってくる。君達と一緒に食べるつもりなんだろう。

僕も無理矢理にでもご相伴に預かりたいものだが――そろそろ彼女にダンスを
申し込む準備にとりかからないとね。せっかくソロモンに誘い方を
教わったのだし(あれは高級難度すぎたがね!)、僕もいつまでもぐずぐず
してはいられない。


それでは僕はここで失礼するよ。眠りと人間の食事を必要とする皆さん、
そのどちらも必要としない僕から挨拶を。

――今日もどうか、良い一日をお過ごしください。


357 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/10/15(月) 06:20:48
部屋に帰る前にもうひとつだけ。

>345さん、真面目なお話らしいのでよく考えてお答えするよ。
少し待っていてください。

358 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/16(火) 02:53:03
345です。ありがとうカール。
心は決まっているから急がなくていいです。

359 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/16(火) 03:08:02
レス選びしてる時点で終わってるな

360 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/10/16(火) 03:55:04
こんばんは。
世間では何がニュースになっているのかしら。
ここにいると、世事に疎くなってしまいそうな気がするわ。
翼種と人が住む、世間から隔絶された場所だから、仕方がないのかしらね。

研究用のサンプルを確認しなければならないのだけど、ちょうど通りかかったから、
少しお返事していくわね。

>320
シュヴァリエ三人で合奏するのね。
シュヴァリエの身体能力は、音楽の演奏に影響があるのかしら。興味深いわね。
………あら、貴方も加わるの?じゃあ私はここで聴かせてもらうわ。
そんなに緊張しないで。きっといい演奏ができるわ。頑張って。

>321-322
日本の食べ物ね。沖縄で見たことがあるわ。
とてもおいしそうだけど、炭水化物を取りすぎると、痩せにくい体になるから要注意よ。
栄養学も研究してるのか、ですって?
いいえ、違うわ。個人的な必要に迫られて、調べたことがあるだけなの。

>348=サヤ
ええ、マオとイレーヌとエリザベータと一緒に、男子禁制で話をするのも楽しそうね。
お客様達も加わってくれるかしら。
リーザにはまだ会ってないのよ。彼女、私のこと覚えてくれているかしらね。

………眠っているディーヴァと、彼女の子供達、カナデとヒビキの診察をすればいいのね?
貴方、変わらないのね。人のことばかり心配して。
わかったわ。これから行ってみる。
でもその前にハイ、ペーパーナプキン。頬にクリームがついてるわよ?




361 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/10/16(火) 03:55:47
>343=ディーヴァ
ディーヴァと子供達が眠っているのは、この部屋ね。
ドアを開けて中に入って……………ディーヴァ!貴方、目覚めていたの?
驚いたわ。てっきり眠っているとばかり―――。

私は貴方の診察に来たの。貴方の姉である、サヤに頼まれてね。―――不思議ね。
互いの毒となるような、血を有した固体でありながら、貴方達は思い合う姉妹なのね。

>344
彼女達は、永遠に若くて美しいわ。
特に肌は、新陳代謝が活発である為に、人間のそれより美しく見える。
体の組成そのものが違っているとわかっていても、やはり羨ましいわね。

>358
お返事待ちなのね。
立ちっ放しも疲れるでしょう?この椅子にかけて待つといいわ。
体を冷やすといけないから、熱いお茶もお飲みなさいな。
―――さあ、どうぞ。
いいお返事が聞けるといいわね。

>359
全てにお返事できる人も、そうはいないみたい。
全てに返答しなければならないという、ルールもないみたいよ。
でも、あなたへのお返事が飛ばされてしまっているなら、悪いことをしたわ。
どれのことか教えてくれれば、私も他の人も可能な限り、お返事すると思うわよ。


お返事できずに抜かしてしまった人もいるけど、今日はここまでにさせてもらうわね。
また近いうちに。おやすみなさい。



362 名前:sage:sage
sage

363 名前:sage:sage
sage

364 名前:sage:sage
sage

365 名前:ハジ ◆Hagi/./Mb2 :2007/10/16(火) 22:56:52
>>302 ジュリア
お久しぶりです…握手ついでにこれを…。
…デヴィッドのスキットルと同タイプのフラスクボトルです…。
あまりにも深酒が続くようでしたら…これを差し替えると良いでしょう…。
余った分はドリンクバーに置いておきますから…足りなければ注ぎ足しを…
…中身…ですか?
…………謝花さんの煎れたコーヒーです。

>>347 サヤ
>だって、私の頬も落ちそうだから。

…サヤ…頬が落ちそうなほど…口一杯に詰め込まれなくとも…。
それでは…まるで頬袋に食べ物を詰め込む…リスの子のようです。
………。
………なんです…?
その頬袋をつつくなど意地悪はしませんよ……………想像はしましたが。

>>171 アンシェル
>………おや。実際に鞄を運んだのも、私に席を譲ったのもハジだったと仰る?
>そうだったかな。ハジの事までは覚えていない。ふむ…彼はあの場にいたかね?

脳まで擬態なさるとは流石です………………皮肉ではありません。


366 名前:ハジ ◆Hagi/./Mb2 :2007/10/16(火) 22:58:59
>>186-188
私は手の問題もあり少々ダイナミックに音を追う癖がありますが…
…彼のビブラートはとても繊細で魅惑的ですね…。
ボーイングも…さり気ない開放弦の魅せ方も…素晴らしいと思います。

>>185 >>297 カール >>318 ソロモン
>僕らの間でリコーダーを吹くと言っているのですか
>ケンカしないで仲良く色っぽく弾いてねw
>この僕が 障壁となるべく真ん中に立ち、ソプラノリコーダーで参加しよう!

♪ーー♪ー…………………………。
お待ちを…。
…G線上のアリアが……G線上のカノンになっています…。
カールの音が外れるのはともかく…せめて出だしと…テンポは合わせねば…。
…つまり音符…いや、おたまじゃくしの泳ぐ方向とスピードを統一…
………………………?
どうしました>>185さん…。
…カールが…カエル色に進化していると?
………謝花さんのコーヒーでも飲んだのでしょうか……。

367 名前:ディーヴァ ◆xWC7S5.coI :2007/10/17(水) 16:41:09
>7
>ここに名無しの居場所はありますか…?

ふふ、いらっしゃい、名無しさん。
あら、なあに?あなた、随分遠慮深い事を言うのね…。どうして?
この場所はあなた達人間とそして翼手である私達が共存出来る唯一の場所として生まれ変わったの。
あなたは何も心配する事はないわ。
心ゆくまでこの宴を楽しんでゆくといいわ…。

>34
>新スレ見に来たら何これ先が思いやられるなw
ふふふ。まあ、あなたも心配症な名無しさんね?その口ぶりだと、今までにも度々この場所を訪れてくれてたのかしら?
ふふ、大丈夫よ。
あなたもよーく知ってるでしょう?
ここへ訪れるお客達をいつも豊富な話題で楽しませてる頼もしくてとても賢い私のシュヴァリエ達の存在を。
…あら、噂をすればほら―――

>352 カール
>我があるじ!お目覚めになったのですか?

―ふふふ、カールいらっしゃい。
丁度今、持て成し上手な私の自慢のシュヴァリエ達の話を>34の名無しさんへしていたところよ。…まあ、カールったら頬が真っ赤になって。
なんだかさっきの>15の名無しさんみたい。
…あら、おまえ>15の名無しさんを介抱してくれたのね?
ありがとう、カール。
これで私も一安心だわ。

368 名前:グレゴリー ◆gD.KishiHU :2007/10/18(木) 07:09:44
>避難所530 カール

――待たせたな。旅の垢を落とし身なりを整えていたのだが、何しろ風呂に
入るのは久方ぶりだったもので…つい長湯してしまった。旅の間は手拭いで体を
拭くか、川で水浴びをするかだったのだよ。しかしまさか君が客人に擬態していた
とは!驚かされたが、なかなか愉快だな。今度わたしも試してみよう。

これは君への贈り物、翡翠のカフスボタンだ。この色が君の髪と肌の色に
よく似合うと思って……。今はアオザイ姿だが、舞踏会で意中の女性にダンスを
申し込む折には、君も正装するのだろう?使ってくれると嬉しい。
――どうか遠慮などしないでくれ。あの時持たせてくれた君の餞別に、どれほど
心慰められたことか!血液パックは肉体の飢えを鎮め、家族写真は魂の飢えを
癒してくれた。これまであれほど心慰められた贈り物を、受け取ったことは
なかったのだから。

こうして君に出迎えてもらい、再び他愛ない言葉を交わせるというのは何より
喜ばしい。……あの時は、兄弟の中で一番若い君に一方的に後を託して
随分心配をかけたな。不安にもさせただろう。……すまなかった。

――君はこんな私をまだ、兄と呼んでくれるのか。
カール、わたしの可愛い弟!(抱き締め&頬ずり)

おや?>343――カール、この歌声は……。
そうか、ディーヴァはすこやかにお目覚めになったのだな。懐かしいお声だ……。
このお声の伸びやかさ……主の御機嫌はうるわしいようだ。シュヴァリエとして
大変喜ばしい。後ほど改めて、御挨拶にお伺いしなくてはな。

369 名前:グレゴリー ◆gD.KishiHU :2007/10/18(木) 07:16:38
>避難所531 ハジからの伝言を届けてくださった客人

これは客人、わたしに何か?……ハジからの、伝言ですか。
「Ubi bene, ibi patria」(幸福あるところに祖国あり)とは……。
ロマは祖国を持たず、己の芸のみを恃みとし、国から国へと渡り歩く一生を送る。
流浪の民として生を受けた彼の口から出るからこそ、重い格言だ……。
愛しいものの傍らこそが己の祖国……それでいいのだろう、ハジ?

客人にお願いが。これをハジへ届けていただけますか。重い上に壊れ物故、恐縮
なのですが……レコードです。プッチーニの「トゥーランドット」全曲アルバム。
彼への贈り物です。

トラック?もうそろそろ到着するはずなのですが……。


>前825、826
>皆さんお疲れ様です。グレゴリーも戻ってきたみたいで嬉しいよ。
>グレゴリ‐お帰り!

……ありがとうございます。客人の温かいお言葉こそが、わたしにとって何よりの薬。
勿論客人方にも土産を用意してございます。

>305,321-322
>柿と梨ウマー >生姜焼き定食ウマカッタ >マーボー茄子丼がある

ここ「動物園」には305氏、321氏、322氏のように、日本からの客人が多い。
そちらは日本で秋に収穫期を迎える果物、あちらは同じく日本の家庭料理だとか。
……どうやら、客人方は故郷の味を懐かしんでおられるようだ。遠路はるばる
お訪ね下さる皆様へのささやかなる御礼としたい。そう思いまして、日本で愛される
甘味について調べて参りました。すると日本では、豆を煮て砂糖を加え潰したものを、
蒸して丸めた米に塗りつけて食すとか。
小豆ともち米と砂糖を、トラックの荷台いっぱいに積み込んで届けるよう手配して参りました。

370 名前:グレゴリー ◆gD.KishiHU :2007/10/18(木) 07:22:37
>避難所534 長兄

――長兄……!

>巡礼の旅などしても、そこに神などいなかったのではないかね?

ああ、貴方のお声だ……。何も変わっていない。神の存在について議論を戦わせた
この夜のこと、あの夜のこと……思い出しました。
確かに何処の聖地でも、神の声を聞くことは叶いませんでした。キリストの贖罪により
救われるには、わたしの罪はあまりに重すぎるということなのでしょう。
……しかし解ったことがあります。神とは何か。
わたしにとっての神とは愛。その愛は魂の中にあり、それがわれわれを結ぶ絆なのです。
つまり――貴方がたの傍で、貴方がたを愛すること。
それこそが私にとって……神に近づく行為なのです。

これを見ていただけますか。……着物。日本の民族衣装です。
パリの街を彷徨い歩いていて、ふと通りかかった裏通りの骨董屋でこの紬を見つけた瞬間――
ああこれは貴方に袖を通されるのを待っている、貴方にこれを着せたい……と。
その時、気づいたのです。ずっとずっと持ち続けていた、たった一つの望み。
――貴方がた家族と共に在りたい。昔も今も、わたしはただそれだけを願ってきたのです……。

とりとめのつかぬことばかり申し上げましたが……言わなくては。一番、大事なことを。

――偉大なる長兄、アンシェル。
弟として貴方の側にいることを……お許しくださいますか?

……。
……。

貴方の体が……温かい。確かにそこにいらっしゃるのですね……。
ああ――無事でいて下さった。本当に……本当に、安堵いたしました……。

371 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/18(木) 11:40:29
>>369
ハジさんは小夜さん。・゚・(ノД`)・゚・。グレゴリーさんは出刃さんが故郷なんだね

372 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/18(木) 16:40:03
>>369
ぼたもち〜

373 名前:sage:sage
sage

374 名前:ソーニャ ◆gD.KishiHU :2007/10/19(金) 23:36:15
>避難所529 >210 ソロモン

ソロモン、ソロモン……!会いたかったわ!
遠く離れていても、お前のことを思わない日は一日だってなかった。

>兄さん、巡礼の旅はいかがでしたか。
>脚を向けた先に、美しいものはありましたか?貴方の心は癒えましたか…?

一人きりになるということは、頭の中にいる相手と二人きりになるということだった。
どこまで行っても逃れられないのだということを、思い知らされたわね……。
でも!旅はもう終わりよ。昔お前は「家族は離れたままでは居られないのです」と言っていた
けれど、その通りだったわ。わたしもまた、戻ってきてしまった。

>だって貴方は僕に言いましたね、ずっと以前…お前は例えこの場所を離れても
>必ずここへ戻ってくる、家族の居るここへ戻ってくる、と。

――覚えていたのね。沖縄の長兄の元へと旅立つお前を見送った日のことを。
あの日のお前は、ひどく思いつめた顔をしていたわね。
今度はお前が、わたしを迎えてくれるのね……?ありがとう。わたしは、幸せ者だわ。

お前への贈り物は、この金の懐中時計よ。え、何故これを選んだのかですって?
ほらこの姿、優雅で品があって、華やかでしょう。まるでお前のよう。受け取ってくれるわよね?
それに――蓋をごらんなさい。「Mors certa, hora incerta」この刻まれた文句が、なぜか気に
なって。縁起のいい格言、というわけではないのだけれど……でも、なぜかお前にぴったり。
そう思ったの。

>お懐かしい、慕わしい、僕の兄弟。
>あの時と同じように、貴方の両頬にご挨拶を差し上げてもいいですか?

――勿論よ。さあ、わたしの愛しい弟、再会の接吻を頂戴。
あの時と同じように、まずは右の頬に。そして左の頬に。

375 名前:ソーニャ@ナース服 ◆gD.KishiHU :2007/10/19(金) 23:39:11
>15
>私の血吸ってくださいw

まあ――お客様、貴方お顔が真っ青でいらっしゃるわ!冷や汗もかかれて。
>35>129>172-173>213>343で立て続けにいたされたのだから、当然よね。
こんな状態で死なない程度に血を吸って欲しい、なんて無茶だわ。
巡礼中不殺生戒を守ってきた今のわたしでは、吸血したら途中できっと、やめられないから……。
さあ、あちらの長椅子に横になって、襟をゆるめて、胸を広げて。聴診器を当てますから。
ああ、この格好ですか?下の弟に貰ったんです。くるっと一回転――ふふ、似あいますか?

♪ ある晴れた日 海の彼方に煙が一筋見え 船が姿を現すでしょう
♪ 帰っていらしたわ あの方が この丘をのぼっていらっしゃる
♪ 遠くから「蝶々さん」と呼ぶわ でもわたしは隠れるの
♪ 焦らしてあげるのよ ほんのちょっと
♪ あまりに久しぶりなので 嬉しすぎて死んでしまわないように

歌なんて口ずさんだりして、わたし、浮き浮きしてます?
だって主がお目覚めになったんですもの!ああ、なんて言って御挨拶差し上げようかしら。
主がいて、兄弟がいる。また、家族みんなで一緒に暮らせる……
シュヴァリエにとって、いえわたしにとって、これほど嬉しいことはありませんわ!
わたし、今幸せです。とても、幸せなんです。

376 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/20(土) 14:37:49
避難先が荒れてるよww

377 名前:以上、自作自演でした。:2007/10/20(土) 14:43:16
>>376
なになに?ああ、避難所か。あれはハジとカールだよな。
「問題」って、何だろうな。こんなの初めてだ。

378 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/10/23(火) 02:16:30
引越し完了!

こちらの人間の皆さん、そして人間でない皆さんもどうかよろしく。
そして元の住所におられた人間の皆さんと、僕の仲間達にも感謝を。

早速ご挨拶に回りたいが、僕の体が血と休息を必要としている。
翼種といえど、疲れることはあるらしい。
正式なご挨拶はまた後程あらためて。

時刻も日本の言葉で言うなら丑三つ時、人間の方々はどうぞよい夢を。
おやすみなさい。

379 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/10/23(火) 08:08:16
最初なので、一応こちらにもお知らせを。

移転に際して引越し先の基準に合わせ、煽り等とお客人方の
雑談が続いているものが消えています。
記念に少し残してしまったが。

仲間の皆さんは初心者ナビゲートスレを読んでください。

では時間がないので簡単だけどこれで。

380 名前:名無し客:2007/10/23(火) 08:34:22
心機一転、また頑張ろうね!

381 名前:名無し客:2007/10/23(火) 12:27:18
血って美味しいんですか?

382 名前:名無し客:2007/10/23(火) 22:01:16
ご自分がお持ちの「いちばんの武器」について語ってみてください。
物理的なものに限らず、火事場のクソ力とか友情パワーとか、
そういうのでも全然オッケーです。

383 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/10/23(火) 23:14:06
>前536
>42話でカイの銃弾を素手で止めてましたよね?傷一つなく。なのに
>ソロモンのナイフは手の平を貫通していた。痛そうでした。どうしてですか?

―――ご挨拶が遅れ、誠に失礼いたしましたな。まだ貴方がこちらに
おいでならば良いのだが。…そう。あれは空軍基地の感謝祭の事だった。
貴方はもしやあの場に居合わせ、生き延びた人間のうちのどなたかなのでは
ありませんかな?例えば照明や演出効果を手がけた、舞台の裏方役のひとり
であった、などといった―――…。 
おお、成る程。これは懐かしい。運命とはときに思わぬ再会を生み出すもの。
ご健勝で何よりですな。あのときは作業にかかりきりで、菓子ひとつ口に
することは出来なかったと?………まあそうでしょうな。それを事前に聞いて
おれば、差し入れくらいは用意させたのですが。これは我ながら気がつかぬ
事で―――どうかご容赦いただきたいものだ。

確かに貴方のお言葉どおり、カイ・宮城の銃弾を阻止いたしました。
人間の前で死を演じる必要がある場合には、私とて手抜かりなく「傷つき
血を流して」見せはいたしますが。しかし基本的に…翼手に拳銃は無効ですな。
―――あの瞬間、あるいは手の内部を翼手のように硬質化させたのか?
…まあ、そのようなものでしょうな。ご想像にお任せするといたしましょう。

しかし…シュヴァリエ同士の戦いであれば、話は変わって参りますな。
放たれたのが何の変哲もない短刀であったとしても、その射手が非凡であれば
……あるいはこの身を貫き、痛みを覚えることもあり得るでしょう。それが
同じ血を分けられ、長い時を共にあゆんだ弟であれば…尚更のことですな。
私はつねに内心を他人に気取られぬよう、表情を消す習慣がついておりますが…。

―――痛そう、に見えましたかな?…ふふ。成る程。
それでは私もまだ徹底できてはおらんという事ですな。以後気をつけましょう。

384 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/10/23(火) 23:15:58
>前546
>リーザさんを襲ったとき、彼女裸でしたけど下着ちゃんも
>奪っちゃったんでふか?

―――大丈夫かね?まずは落ち着きたまえ。そうも息を切らして語るような
話題でもあるまい。何よりもまず彼女本人に失礼ではないか。女性が顔を
赤らめ眉をひそめるような話を、公衆の面前で声高に語るべきではない。
…そう言いながらミズ・シルバースタインを呼び出して何を言ったか、だと?
あれはあの場に彼女しかいなかったのだから何も問題はあるまい。…むしろ
悪質なセクハラ?とんでもない事だ。いたって真面目な研究上の話題だったと
私は記憶しているが……はて。どうだったかな。

とにかく―――女性に恥をかかせてはならんよ。彼女の名誉の為に
言い添えておくがね。エリザベータは赤い盾の一員として、当時翼手に激しい
敵意を抱いていた。殺意をこめて立ちあがり牙をむく戦士には、この私も
あくまで敵として相手を遇する。そこに劣情や他の感情が混じることはない。
あの日シベリア鉄道の洗面室で、彼女はつかのま背後に警戒を解き―――…。
そして私がその油断に乗じた。ただそれだけの事だ。戦士の最後…その断末魔
の様子はじつに私の目と喉を楽しませてくれはしたがね。

彼女の亡き骸が、どういった様子であったかまでは…さて、覚えていないな。
まあしかし仮に君の言葉どおりであるならば―――私が擬態する以上、その
亡き骸の発見は遅ければ遅いほど良い。同じ者が二人存在しては疑念を抱かれ
るからだ。可能であれば私が目的を遂げ、彼の地を離れるまでは保っていて
ほしい。それは失血した遺体が発見され、身元が「赤い盾」と割れるまでの
貴重な時間だ。…ならば所持品は極力減らす。それは当然の処置ではないかね?

無論これはあくまで仮の話だがね。言葉を重ねるが…公衆の面前で、女性の
体面を穢すような話題はお互いに避けよう。そうは思わないかね?

385 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/10/23(火) 23:19:05
>56
>長兄とソロモンが駅前で待ち合わせwwちょwwwギザカワユスwwww

―――私とソロモンが並ぶ姿を見て、かね?
………。
私もよく言われるが…君も風変わりな感性を持ち合わせているようだ。
>>316でソロモン本人も語っているように…我々が行く先はほとんど取締役会
だ。関連会社の代表者や株主たち、表や裏の取引相手といった…ほとんどが
利権に脂ぎった目をした人間が相手であるから、ソロモンが「退屈」だと
こぼすのも無理はない。私とてディーヴァが庭園で遊んでおられるのをひとり
眺めている方がどれほど心楽しいことか。…しかしそうもいかんのが現実だ。

しかし確かに君の言うとおり、駅前で待っている彼はなかなか面白い見もので
あるかもしれん。ソロモンはあれで刃物のように冷徹な一面もあるのだがね。
しかし私の見たところ―――話を聞かず、しかも押しの強い相手にどこか弱い
ようだ。ひどく胃を痛めながらも(比喩ではあるがね)私の命令は守ろうとする。
ネイサンが舞台の協賛にサンクフレシュの社名を無断で用いた時も、あとで
溜息まじりにその実務処理を黙々とこなしていた。

だから駅であれば…改札口をたずねて来る傍若無人な老婆などを、彼はまた
おそらくは無視できまい。恐縮するどころか威張って道を聞き、問われもせん
のに身の上話を始めだすあの手の輩を――…内心困ったなと手を焼きつつ、だが
邪険にもできずに、いつまでも耳を傾けているのではないだろうか?…面白い。
その際には君と共に、ぜひこの私も彼の様子を観察させてもらうとしよう。

386 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/10/23(火) 23:25:29
>61
>アンシェルさんのよに嫌いな部分も答えてね楽しめると思うから☆

―――心理学を専攻していた研究者の君だな。まだこちらに滞在していて
くれているのだろうか?「翼手とは何であるのか」という主題と共に、君の
投げかけてくれた問いもまだ先が見えないようだ。私の回答は君を楽しませる
ような結果であったのかね?
………。
………。
………。
君の診断結果を聞くのは…同じ研究者のひとりとしては、大いに楽しみでも
あるのだが…何故だか急に不安になってきたようだ。妙な言葉を口走って
いなければ良いのだが。
まあシュヴァリエの時間はひとより長い。気長に待たせてもらう事としよう。






>380
>心機一転、また頑張ろうね!

―――私が役員会に出席している間に、カールが骨を折ってくれたようですな。
彼はリセの学園でも、また我らの間でも神出鬼没で通っておりました。まったく
よい仕事をしてくれたものですな。その尽力に応える為にも、また貴方の
あたたかいお言葉に応える為にも……いたって非力な身ではございますが、この
私も力を尽くすことといたしましょう。…こちらこそ、どうぞよろしく。

シュヴァリエの我々よりも早くいらっしゃったとは、じつに恐縮ですな。
仕度が整わずまだ何もお構い出来ませんが…出来る限りの謝意を述べさせて
いただきましょう。

387 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/10/23(火) 23:27:51
>381
>血って美味しいんですか?

―――エリザベータの声音で答えるとしようか。
「………とっても美味しかったの。…彼女の血は。だから全部―――。」

気の毒だが…人間の君にはこの味覚は到底感知できまい。人間の食事が
ひどく味気なく感じられるものだ。食べることを娯楽にする行為についての
興味は一切色あせてしまったよ。私はご存知のように吸血に対するためらい
などはまったく持ち合わせていない。…そうだな、小夜は何と答えるだろうか?

もう一方の「純粋なる翼手の女王の答え」を聞きたくもあるが……。
彼女にとって血液は醜悪な味なのだろうか?それとも――…本能が美味と感じて
しまうだけにより一層、人間としての彼女の心が罪悪感に責められてしまう
のだろうか?………興味の尽きないところだ。





>382
>ご自分がお持ちの「いちばんの武器」について語ってみてください。

―――「猜疑心」だな。
それは研究者には必要不可欠の要素だ。いま存在する生命の成り立ち、
そのゆくすえ、目の前の事象を疑って疑いぬく心。現状に満足していては
研究は立ち行かない。つねに前へ、前へ。すべてが明らかにされるまで――だ。

また政治の世界でも同じ事が言えるだろう。
周囲に存在するのはすべて敵か―――あるいは現時点での敵の敵だ。
にこやかな笑顔を浮かべ、固い握手を求めてくる者はいっさい信用できない。
つぎの瞬間こちらを裏切る事をつねに想定し、その状況をなにかに利用する
ことを考える―――そのように振舞うことで初めて身が守れるのだ。

矢面に立たぬよう、その時代の権力者にそっと寄りそい…その者の滅亡と
ともに音もなく姿をひそめる。ゆえにひとは滅んでも我らは一向に滅びない。
防具こそが武器―――少なくともこの私はそう思うのだがね。

388 名前:名無し客:2007/10/24(水) 10:51:05
握手したらどんな感触なんでしょう。

389 名前:名無し客:2007/10/24(水) 17:03:31
レスアンカーは「>」ではなく「>>」でお願いします。

390 名前:名無し客:2007/10/24(水) 18:17:53
与えられたあらゆる名前に願いがあるという歌詞がありますが
貴方の名前にはなにかの願いが込められていると思いますか?

391 名前:名無し客:2007/10/24(水) 18:23:05
裏切るとか利用とかそういうこと全然考えずに、
「美人さんだ! わーい固い握手してほしいな!」と思う輩も世の中にはいそうですが、
やっぱりそんなやつは身を守れませんか?

392 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/10/24(水) 22:07:54
>>389
>レスアンカーは「>」ではなく「>>」でお願いします。

―――これは失礼いたしましたな。それでは以後、改める事といたしましょう。
昨日に引き続き、嫌がらせのようにしてこの私が参りました。

新天地にあたり、胸高鳴らせる秀麗な若者の姿を待ち焦がれた淑女の皆さま。
耳を優しくくすぐる女性からのささやき声を期待された紳士の皆さま。
こぞって今頃さぞお力落としのことでしょうな。お気持ちは痛いほどよく解り
ます。しかし理解しながらなお実行するのが他ならぬこの私の長所というもの。
…ふふ。皆さまの落胆された顔がじつにこころよい。どうかしばしの間こらえ
この私めにお付き合いいただけますよう。

あの日席を外していた私と異なり、討議のすえ、この地を用意した彼らは…。
食べず眠らずの翼手とはいえ、ひどく体力を消耗させていることでしょうな。
しかしいずれは彼らも、そして人間のなつかしい顔馴染みもかつてと変わらぬ
元気な姿を見せてくれるのではありませんかな?…まあ冬が長いほど春の喜び
は増すというもの。―――ではお一方ずつご挨拶をお返しいたしましょう。





>>62
>なるほど〜。でも逆に考えれば若すぎる外見とふわふわした髪型だからこそ
>相手を油断させ懐に飛び込むこともできるんだと思うよ。

―――…その通り。貴女はなかなかするどい観察眼をお持ちのようですな。
ソロモンがシュヴァリエとして、いかに人よりも長き生を得ているとはいえ
その外見や若々しさを充分に利用する才覚を持ち合わせていなければ、とても
わずか五年でひとつの企業を確立させる事など出来はしなかったでしょう。
しかし…ご存知ではありますまい。―――男とはひどく嫉妬深いもの。
こと、能力や地位に恵まれた者に対する嫉妬心というものは、恋愛における
女性のそれよりもなお、暗く激しく燃えさかるものでしてな。

ゴールドスミス・ホールディングスの系列に籍をおく者のなかには、あの
ヴァン・アルジャーノのように、あるいはMr,コリンズのように名誉と地位
を求める型の人間が少なからず存在すると言えるでしょう。そうした彼らを
抜いて突如五年前、非凡な才覚と秀麗な美貌を持った若きソロモンがCEOと
して抜擢される。はたして凡人たる彼らは心中おだやかでいられますかどうか。

しょせん人間どもの取るに足らぬ嫉妬などは、我らの知るところではございま
せんが…。しかし逆上のあまり発砲騒ぎなどを起こされ(Mr,コリンズが
失踪されたと聞くが……やはり原因は才能に対する嫉妬だったのかね?)
計画が遅延するのも困る。用心に越したことはない、といった話にすぎません。
まあ…それほどまでに「男の嫉妬とは始末に終えぬもの」と言えるでしょうな。

―――おや?どうしたのかね。今すぐ鏡を見ろ?………はて。
口髭でも乱れておりますでしょうか?これは失敬、あとで整えて参りましょう。

393 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/10/24(水) 22:13:09
>>64-65,71 で会話されている客人の方々
>まさかこっちもカイがシュバリエ化?
>何の話?
>ステラ世代の貝と出刃の話だよ鞘争奪戦で貝がシュバんなってもめた

―――確かにカイ・宮城はディーヴァによりシュヴァリエとなるよう、
勧められた事はあったがね。しかし彼は…断ったのではなかったかな?
その際に彼女はひどく機嫌をそこねて「かわいくない!」と頬を膨らませて
いたものだが。―――ステラ世代?………どうも話の内容がよく掴めんな。

ステラというのは…つまり英国の服飾家・Stella Nina McCartneyのことかね?
正直、あまり得意でない分野だな。ディーヴァのドレスすら見立てはネイサン
に一任し、支払い専門に徹してきた私だ。しかしそのデザイナーが英国の
有名な歌い手の娘であること。若き日にサヴィル・ローで仕立てを学んだ事は
かろうじて聞き及んでいる。私の背広も他ならぬその地区であつらえさせた
物だからだ。

しかし…小夜?争奪戦??つまり君たちの話を統合するに―――…。
一枚のドレスを巡ってディーヴァと小夜が互いに激しく奪い合い、それを
あわてて仲裁に入ったカイ・宮城がまきぞえで瀕死の怪我を負ったあげくに、
どちらかの血を分け与えられた―――…つまりそういう事なのだろうか?
………。
…成る程。それはさぞ大騒ぎになったことだろうな。光景が目に浮かぶようだ。
>>72-79をはじめとする方々も場所を変えようとしきりに袖を引いているご様子。
そのときの姉妹喧嘩のすさまじさが思い遣られる。
…皆さま。重ね重ねのお気遣いに感謝いたします。今後はドレスを用意する際
かならず同じ物を二着準備させるよう肝に銘じましょう。




さて―――ところで今のお客様の会話の中で、気になったのだが―――…。

394 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/10/24(水) 22:16:05
>>75-79 むっ………。…口調が旧知のだれかをひどく連想させる…客人の貴女。

>あらあらあらあら〜ん 輪に入れなかったからってひがんじゃだめよ〜
>あなたってばほ〜んとに…(中略失敬)さあさ避難先で話してあげるから
>アンタもいらっしゃいよ

―――失礼だが…。貴女の一族に、衣装の趣味のひどく悪……いや、個性的で
仕草のなよやかな金髪の白人男性は―――…いや、愚かな事を言ったものだ。
もしそうだとしても時代的に不可能だ。第一ネイサンの素性はこの私にすら
未だ不明確な部分が多い。……ただの独り言です。どうかお忘れいただきたい。

…成る程。ホソキ、という日本女性に似ていらっしゃるのかね?
生憎私はその方を存じ上げませんが…しかし政治家の中には占星術や東洋の
風水といったものをひどく重視する手合いが多いようです。その方もさぞ、
そうした顧客を数多く持っているのでしょうな。しかし貴女の口調が私の
弟のひとりとひどく似ておりましたので驚きました。尤も他人の空似という
ものは存在する。この私も>>204と言われ、その時もひどく驚いたものです。
―――世界というものは狭いようで…存外ひろいものですな。

395 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/10/24(水) 23:32:16
>>388
>握手したらどんな感触なんでしょう。

―――この私自身の手の平の感触を聞いているのかね?しかし実証にまさる
仮説はない。……その手を出したまえ。おそらく我ら馴染みの者達のなかで
この私ほど多く握手を交わしてきた者もおらんだろう。私は慣れている。
君さえ不快でなければ、その問いを試す機会を設けることとしよう。…さあ。

それで………どうかね気分は?
ああ。硬い感触は右手指に嵌められた指輪のせいだ。たしかに一度抜きは
したがね。しかし代々伝えられてきたもので片時も外したことがない。
少なくともそう公称していることは確かだな。無いとどうにも落ち着かぬので
今はこうして手元に取り寄せてあるという訳だ。生憎ディーヴァや…男でも
カールやソロモンのような、優しい指を持ちあわせてはおらんのでね。武骨な
感触でさぞ楽しくはないだろうが。―――尤もこのとおり大きさと力だけは
ある。とおい昔に指先の力の加減を損ねて、解剖中にメスで怪我をした事も
あるくらいだ。

―――…さて。私と握手したMr,グラントの気分を充分に味わったかね?
それは光栄だ。しかしどうかこれを恨んで、会食中に暗殺者を差し向けるのは
控えて貰いたいものだ。背広やシャツをまた新調せねばならんからな。

396 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/10/24(水) 23:34:06
>>390
>貴方の名前にはなにかの願いが込められていると思いますか?

―――私の名かね?まあ私とて、この姿で初めから生まれてきた訳ではなく
当然親や、それに類する保護者が存在したのだろうが…。なにせ二百年近くも
昔の話だ。第一…大きな嘆きや歓喜に激しく心をゆさぶられた経験を持つ者は
その経験により、それまでの日常がひどく色あせた生ぬるいものに感じられる
もの。私にとってはあの日、ジョエルの研究室に一体のミイラが運ばれてきた
事によりすべてが変わった。だからそれまでの人生などは我ながら他人事の
ように、おぼろにかすんでしまっているのだ。…役に立てず申し訳ないな。

しかし私にやや先んじて、1744年にMayer Amschel Rothschildという
ユダヤ系ドイツ人が生を得ている。かのナポレオンの占領下以降に金融業で
非常な財を設けた男であるから、おそらく私の名は彼にちなんで命名された
ものではないかね?五人の息子による富の占有・五本の矢をあしらった家紋
など、どこかで馴染みのある話のような気もするが―――…。
しかし少なくとも私はRothschild(赤い盾)ではないよ。それだけは確かと
いえるのではないかね?







>>391
>「美人さんだ! わーい固い握手してほしいな!」と思う輩も世の中には
>いそうですが、やっぱりそんなやつは身を守れませんか?

―――とんでもない。相手が美しい女性ならば話は別だ。それはごく自然の
感情と言えるだろう。しかし現実問題として、擬態をせぬ状態のこの私を見て
「美人さんだ! わーい固い握手してほしいな!」と心底思う方は……。
………。
………。
………。
…さすがに裏切りや利用は考えんが…。個人的には治療をお勧めしたい。
いや、むしろ研究の対象にするべきかもしれんな。その思考法…じつに興味深い。

397 名前:ジュリア ◆UlCT6VxLSA :2007/10/25(木) 04:03:54
こんばんは。
引越し作業お疲れ様。
私も早速、こちらでお返事させてもらうわね。


>>376-377
翼種である彼らが『問題』を起こしたわけではなさそうね。
少し焦ってしまったわ。ええ、もちろん彼らを信頼していないわけではない。
そうでなければ、ここで暮らそうなんて考えないもの。

ただ私は、あらゆる可能性を考えるべきだと思うの。
コリンズ博士は、それが研究者が正しい答えを見逃さないコツだと、以前言っていたわ。
もう博士に会うこともないし、会いたいとも思わない。
会ってもきっとお互いに不幸になるだけでしょう。
でも、教わったことは全て覚えているの。どうしてかしらね。


>>380
ええ、私も微力ながら頑張るつもり。
あなたは真っ先に来てくれたのね。嬉しいわ。
私は赤い盾に所属していたけど、最初は不本意だったとはいえ、仲間を裏切って
ディーヴァの陣営についた。
そして再び赤い盾に戻ることを許され、その後は沖縄へ。今はこの動物園にいる。

一度は仲間を、いいえ、デヴィッドや友人達を裏切った私だもの。
今度はここで自分を全うしたいの。
もう、二度と誰かを裏切らないように。

398 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/10/25(木) 04:06:00
服が変わってしまっていたのね。

>>381
それは彼らへの質問だと思うけど―――
研究者としては、彼らがどんな風に答えるか興味があるわ。
でも、おそらく答えは「美味」が大半じゃないかしら。
私達人間が食物を美味しいと感じるのは、それが生命活動に直結する為。
人間の体を生き長らえさせる為に、脳は食物を美味と感じ、怪我を痛いと感じる。
同様に、彼ら翼種にとって人間の血が必要不可欠な主食であるなら、
脳は「美味」と感じると思うわ。

でも、一般の人間にとっては理解し難い感覚でしょうね。
彼らはただ、そういう体内構造を持った生物というだけなんだけど。


>>382
自分の武器?…そうね、知識と探究心―――だと以前の私は考えていたわ。
でも、デヴィッドの心がわからなくて、揺れていた時はそれだけじゃ駄目だった。
私の知識は彼のチームのメディカルスタッフとして、必要とされてはいたわ。
でも、私は彼に優秀なスタッフじゃなく、女として見てもらいたかったのね。

だから胸の谷間が見えるようなトップを着た。裾の短いスカートも履いたわ。
そんなものはデヴィッドの目には入っていなかったのに、私は慣れない恋に必死で空回りばかり。
今思い出すと、恥ずかしくてたまらないわ。
貴方も似たような経験はある?
どうして好きな人の前では、あんなに愚かになってしまうのかしら。

現在は、自分の最大の武器は、家族への愛情だと信じてる。
知識のようには役に立たない。ミニスカートのように男性の目を引くこともない。
でも、家族は私を支えてくれる。何よりの武器よ。

―――でも、貴方も見てわかるでしょうけど、今も私は胸が開いた服に、
短いスカートを履いて、化粧もフルメイク。
だって、ここにはデヴィッドがいるんですもの。
どうしても手を抜きたくなくて………。
似…あわないかしら?デヴィッドはいつも、何も言ってくれないのよね。

399 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/10/25(木) 04:07:05
>>388
私と握手をしたらってこと?さあ………どうなのかしら?
肉体労働に従事した事はないから、掌は柔らかいはずよ。
でも右手はペンだこがあるの。
文章を書く時はパソコンのワープロソフト使うけど、実験の最中はペンで記録するからかしら。
赤い盾は、肉筆が必要な書類が多いせいもあるわね。
機密を守る為に、機械に記録を残さないようにするためよ。
コピー機の使用も、禁止される時があるの。

ごめんなさい、関係ない話をしてしまったわね。
じゃあ、試しに一度、私と握手してみましょう。知りたければ実地に行うのが一番よ。

………あら、さっき>>395でアンシェル総帥に、同じ事を言われたのね。
それで貴方、握手はしたの?皮膚はどんな感触だった?
骨の感じも、普通の人間と変わらないのかしら?
興味あるわ。


>>389
ご指摘有り難う。とても助かるわ。
ここにはここのやり方があるでしょうから、私も気をつけたい。
諺でも言うものね。

「When in Rome, do as the Romans do.」
(ローマにいる時は、ローマ人のように行動すべし)

沖縄でも同じ意味の諺を聞いたわ。

「郷に入っては郷に従え」

万国共通の教えなのね。
私も正しいローマ人になれるよう、努力するわね。


>>390
私の名前は元々は7月という意味ね。
共和制ローマの政治家にして軍人、ガイウス・ユリウス・カエサルの名が由来。
彼が制定し、紀元前45年1月1日より実施したユリウス暦。
この暦の7月に、カエサルは自分の家紋名をつけた。
月に自分の一門の名をつけるなんて、きっと相当の自信と自己顕示欲の持ち主だったのね。

現在はユリウス暦ではなく、グレゴリオ暦が世界で使用されている。
でも、今でも7月はJuly。ユリウス(Julius)にちなんだ名になっているのね。
英語読みだと、Juliusの女の名前はジュリアになる。
それが、私の名前。

400 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/10/25(木) 04:07:33
>>391
他人を容姿で計るのは危険すぎるわ。
外見がどんなに美しくても、中身も美しいとは限らないじゃないの。

でも………そうね。
とても素直で純真よね。
他人を裏切ることもなく、利用することもない。
間違ってはいないわ。人を信じるのも悪くはないことよ。

それでも、この世には一度信じた人の中身が、入れ替わっていることも有り得るの。
たとえばとても快活で知的なロシア美人と、互いに良い友人になったとする。
でも、その人の中身が、途中で壮年の男性になっていることもあるのよ。
あの時はすぐに離れ離れになってしまったけれど、もし、ロシア美人に擬態した男性が
事を起こすのを翌日にしたらどうなっていたのかしら。

私は握手どころでか、狭いコンパートメントでその人と二人きり。
何の疑いもなく打ち解けて、一晩過ごしたかもしれないわね。



じゃあ、今夜はここで。
おやすみなさい。またね。

401 名前:名無し客:2007/10/25(木) 18:46:33
血やワインの他に飲み物は飲みますか

402 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/10/25(木) 23:20:56
>>70
>私情の入りっぷりにワラタw 男は金と地位なのかw

―――君の感想に先立つ>>68-69のエリザベータの男性評には、何故だかひどく
私も共感するところが多かった。特に私を名指しで「理想的な殿方」と
評してもらえたことは誠に光栄だよ。私情などとはとんでもない。彼女は
じつに男を見る目がある。君もよく彼女の言葉に耳を傾けたまえ。

……それより彼女の瞳をふちどる下睫毛が気になって仕方がない、だと?
人生の真理を耳にする貴重な機会ではないか。そうしたささいな違和感に
いちいち囚われてどうするね?…忘れたまえ。気にしない事だよ。






>>82 謝花真央
>……ま、いいわ。カイにも音無や他の皆の様子をみて来いって頼まれたし
>ついでに何か記事のネタでも探して、おっさんに売りつけてやる

―――これは威勢の良いひどく印象的な女性だ。…私は今でも覚えている。
遠目とはいえ、初めて君を見かけたのは空軍基地の感謝祭のことだ。幕が
上がる直前の舞台袖から、客席の様子をひそかに見おろしたとき―――…。
退屈をまぎらわせるために集った人間どもの熱のない瞳のなかで、席に
腰かけたまま食い入るように舞台を凝視していた君の姿を、私はあざやかに
記憶している。……成る程。しかしカイ・宮城の、そして小夜の友人である
とは、そのときは知る由もなかったのだがね。

しかし、振舞いを拝見するに―――なかなか情熱的な女性であるようだ。
加えて不安におびえる皆様のざわめきを聞き分け、即座に道案内をするその
勇ましい行動力。歯切れ良くひびく声音。あかるく前向きなその気性。
………。
………ひとつ、どうかね?しばらく君にハジを預けたいのだが。君の手腕で
あの男を教育してやってはもらえないかね?なに、突き落とそうが串刺しに
しようがどのみち死にはしない。………おや。ハジが>>221で君に

>電球は…最近交換したばかりです。……いえ、念の為お知らせを………………

と報告しているな。すでに彼は君の従者でもあったか。…ふふ。これは失敬。
その調子で昼夜の区別なく酷使してやってほしいものだ。

403 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/10/25(木) 23:27:49
>>108 ソロモン
>嫌いなところ…難しいですねえ。敢えて言うならD全体的に嫌いかな。

―――…すばらしい。ソロモン、お前の使う表現はつねに的確だ。
私もかつてハジには「気づいていたかね?…私はお前を憎んでいたのだよ」
と語りかけた経験があるが…では具体的にどのあたりを、と言われると何故だか
うまく言葉にはならなかった。まず第一に彼をディーヴァの花婿とみなすこと
自体が腹立たしかったという部分もあるがね。しかしお前のように「全体的に」
とすなおに表現すれば良いのだな。―――…ソロモン。いつもながらお前は
よい仕事をしてくれる。

ハジが不愉快なのは>>365のように、いちいち私を年寄り扱いするところだよ。
「………………皮肉ではありません。」と物腰だけは丁寧に念を押すところも
じつに可愛げがない。あのひねこびた召使根性をミズ・謝花にでも叩き直されて
しまえばよいのだ。






>>401
>血やワインの他に飲み物は飲みますか

―――そのふたつ以外に、かね?…無論だよ。
私は仕事の重要な拠点を英国に置いていたのでね。むしろ会食の席などは
紅茶ひとつで済ませる事が多い。「私はこれだけで充分…」という訳だ。
状況により人間の食事を口にせねばならんこともあるが、しかし必要以上に
貪る気にはなれんな。食べる事を娯楽にするつもりはない。

しかしさきほどミズ・シルバースタインが語ったとおり、あくまで
「When in Rome, do as the Romans do.」だ。シベリア鉄道の中では、あの
とおり紅茶もロシア式にして飲む。…ひどく甘かったがね。あの国の火酒の強さ
も同じだが、少しでも多く熱量を取らねばしょせん人間の身にはあの地の極寒を
乗り越えられはしないのだろうよ。
……ミズ・シルバースタインといえば、>>400で述懐しているように彼女もまた
あの列車に乗っていたのだったな。私が客室に足を踏み入れた時、資料端末を
膝にした彼女の向かいに輸血中の小夜が横たわっていたのを憶えている。
その憂鬱そうな様子に「そうまでして戦うのか」と小夜のありようの不自然さを
当時ひそかに皮肉ったものだったが―――…。

そうか。そういえばあの部屋はエリザベータの割り当てでもあったのだな。
それではもしミズ・シルバースタインの言葉どおりに、私が行動を一日遅らせ
ていたのだとしたら……。…ふふ。彼女は実戦部隊である同室のエリザベータが
おのれの専門分野である翼手の研究について、何故これほどまでに精通している
のかをひどく不審に思った事だろうよ。

404 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/10/26(金) 02:12:10
ご機嫌よう、皆さん。お引越しもひと段落して、
のんびりしておいでですね?…おや、小夜は喜んでおいででしょう。
はは、やっぱり…だってテーブルに、美味しそうなケーキと紅茶が沢山。

コーヒーは、ありますか?
はい?ああ、休憩です。先ほどから、ハジとカールとでG線上のアリアの
稽古をしています。これがなかなか上手くいかなくてね…
まず最初の音が合わない。三人四脚をやろうとして、足並みが揃わずに
一歩踏み出した途端、三人とも転ぶようなものです。それの繰り返しだ。

そのうち、ハジがいつもと同じ顔で苛々してきているのが判ります。
緑色をしたカールの目まで赤くなってきます。そうすると、
彼の顔に共存した赤と緑が反発して、こちらの目がちかちかとしてくるのです。

お終いにハジが溜息を吐いて、とりあえず個別に練習して来いと言うものですから
すこし休憩を貰うことにしました…何でしょう、少し心が落ち着かなくて
稽古をしていても身が入らないような気もするのです。
すこし疲れてしまったのかな、息抜きに付き合って頂けますか?…おや

>>389
>レスアンカーは「>」ではなく「>>」でお願いします。

ああそうか、こちらに移ってからは…
これまでのように、それに気を遣わなくていいのでしたね?
わかりました…どうも、ありがとう。

>>380
>心機一転、また頑張ろうね!

こちらへ来るやいなや、真っ先に声をかけて頂いて…これまでも、
僕らの事を見ていて下さったのですね?
もちろんです、あなたのお気持ちを大切にして、頑張りましょう。
ここまで来て頂いて、ありがとう。これからも…よろしく。

405 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/10/26(金) 02:13:32
沢山のご来客を、随分とお待たせしてしまいましたね…
こちらにおいでになってくれていると、いいのですけれど。

>>320
>仲良しさんで和むわ〜。

おや…あなたまで。それは確かに、暇ができれば偶に
ハジが言ったような事>>342だってしますけれど、それは単純に
限り無いに近い時間を…特に女王が眠っておいでの夜の味気ない時間を、
なるだけ退屈せずに過ごすための手段でしかありませんよ。
だってそうでしょう、どんぐりなんて積んでもすぐに崩れますよ。
足を踏んづけなくたって崩れます。それなら知らんぷりして踏んでやるほうが

―――いいえ、何でもないのですよ。ほらまた、くすくすと笑って…
面白いですか?くす、そうですか、それは良かった。
…ああそう、それにあなたがたも。>>114-115

>ドラマCDでも出して欲しいよ
>その財力でアニメ化にしてよ長兄!!!

先ほどは、あまりの事につい聞き漏らしてしまいましたけれど…
僕らが仲良くする様子を、ドラマやアニメにすると仰る?…困りましたね、
それこそあのネコとネズミのお話になってしまいますよ。それに
アンシェル兄さんに任せたりしたら、また
気の利いたキャスティングをして…ここに居る方を皆巻き添えにして、
面白可笑しいものに仕上げてしまうに違いないのですから。

正直なところ…また、皆でシェイクスピアをやった時のようになるのは、
僕はもう懲り懲りですよ。

406 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/10/26(金) 02:17:12
>>216
>質問です日ごろから困っていることってなんですか?

それは沢山ありますよ。
どんぐり積みなんていう不毛な遊びを仕掛けてくるひとや
…仰る通り、それに付き合う僕も僕なんですが…それだけじゃない、
女性の姿を取ってはあなたがたの目を白黒させて喜んでいるようなひとが
…いえ、それを見て楽しくないといえば嘘になるんですけれど―――
とにかくそういうひとが、当たり前のように居るのですからね。ですが

それが、それほど困った事だと思わなくなってきているものですから…
どうしたものか。あなたがたこそ、そんな僕らの様子を見て
困ったやつらだと思っているのではありませんか?…やっぱり。困りましたね。


>>217
>どうしてシュヴァリエになろうと思ったの?

おや、君は。こんにちは、…そのような事が知りたいのですか?
けれど…いいえ、あなたが望むなら、かまいませんよ。

人間は…生きるためにこそ憎しみ合い、争うのです。
目の前の相手を消したいと思うのは、その存在が自分の生きるすべを
脅かすからです。では…生きるという事に執着がなければ、どうでしょう?

不死になる道を採れば、老いに焦りを感じる事も死の影に怯える事もない
そう理解した僕は、アンシェル兄さんの言葉の先に
自分の理想を見たような気がしました。そしてその理想が、あの時あの地下室で
僕の胸に突き立てるべく剣を携えて歩み寄る彼を前にして、僕の瞼を閉じさせました。

…シュヴァリエになって、最終的に判った事は…
この道を採る事を選んだ頃の僕はまだ幼くて、その理想は
若さゆえに不安定な心が生んだものだったのだという事でした。…おや、
やっぱり、解かりませんか?年端の行かない人間のあなたには、難しかったかな。
けれどいいのですよ…あなたには、解らなくて。

でもね、僕は今に至ってここに在っては…かつてシュヴァリエになる道を採って
良かったとさえ思うのです。なぜって、ここには
ここに居なければ見えなかったものや、聞けなかった事…出会えなかった人や
欲しくても手に入らなかった幸せが、あるのですから。

407 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/10/26(金) 02:18:53
>>311 シルヴァスタイン女史、

…はじめまして。ご挨拶が遅くなってしまって、申し訳ありません。
貴女とは、これまでついぞ顔を合わせる機会がありませんでしたね…
おや、貴女もあの夜、リセのバルにいらしたのですか?
ではすれ違いになってしまったのかな、僕はすぐに外してしまいましたから。
ええ、ぼくも貴女の事はお話だけ…部下だったヴァン・アルジャーノから少し。

けれど…成る程。ぼくらと相対する時の貴女のご様子、
>>306さんがあのように仰るのが…何となくですけれど、わかります。
貴女にはどこか、アンシェル兄さんと通じる部分が確かにおありだ。
ああ、失礼、よそのご夫人にいつまでも視線を注ぐものではありませんね。

>演奏会をするのなら、私も行っていいかしら?

…おや、僕らの合奏をお聴きになりたいと仰る?まだとても
お聞かせできるものではありませんよ、最初の一歩めで転ぶのですから…
いいえ、何でもありません。けれど…くす、ええ、
僕らが楽器を相手にして手こずる様子も、貴女にとっては
面白い研究のテーマになるのかも知れませんね?

408 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/10/26(金) 02:20:21
>>321-323
>ご飯食べた〜?…
>>324
>日本料理店で作ったものを持ってきたんだろ

いい匂いがすると思ったら…こちらの皆さんは、お食事をしておいででしたか。
ええ、こちらでご用意している食事はなるだけ、ご来客のお口に
合うようにしているものですよ。カールやハジが気を回して下さいました、
日本からおいでのかたが多いようですし、折角りっぱなキッチンがありますから…
オペラ座の辺りの日本料理店にシェフズテーブルを依頼して
あなたがたが退屈しないようなメニューを考えて貰っています。

どうですか、お口に合いますか?…それは良かった、
折角おいでになっても、お食事がいけないのでは
お話も弾まないのでしょうからね。


>>332
>ド田舎だね・・・
>ジュリアって才媛のハズなのに、…

こんな場所だからこそ、あなたがたにとって良い事もあるのですよ?
>>305さんが美味しそうに頬張っているような果物のうち
一番美味しいものも、手に入ることですしね。

先ほど、グレゴリー兄さんが…ご来客に素敵なお土産を、と仰っていましたね>>
…くす、あのトラックにはハジを撥ねる他にそういう使い途がありましたか。
ご来客も喜んでおいでだ>>372、そのうちその…何です?ぼた…モチ?が
皆さんに振舞われる事でしょう。その…ボタモチと、合うかどうかは判らないんですが

折角のこの季節ですから僕も、ご来客の皆さんに
ここに居てこその美味しいものを手配しました。こちらに届くのは、
もう少し先になりますけれどね。楽しみにしておいでになって下さい。

ですが…、シルヴァスタイン女史はそのように見えますか?
僕には、彼女はむしろ…ご来客とよくお話を合わせていると思いますよ。
多くの人が居る所でお話をする時は、なるだけ周囲を退屈させないように
そこに流れる空気に合った、気の利いた言葉を選ぶように心がけるものです。

その点彼女は、研究職の女性によくあるような「お堅い」イメージを
上手に払拭しておいでのように思います。彼女のお話は興味深いですか?
そうですか。では、彼女はそれに見事成功しているのですね。

409 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/10/26(金) 02:21:45
>>343
ええ、僕らのあるじはお綺麗です。ディーヴァ、僕らシュヴァリエの母。
全ての生き物にとって、母と呼ばれるものは等しく美しい。
空気を震わせる彼女の歌声は、僕らにとっては子守唄のように耳に心地良い…
シュヴァリエが眠らないのは、彼女が目を覚ましておいでのほんの僅かの間
彼女の唇から漏れる美しい旋律や可愛らしい言葉を
ひとことも聞きもらさないため、なのかも知れません。


おや…ああ、そうでした。僕はここに、コーヒーを頂きに来たのでした。
ええそうですよ、>>401さん…たまにはこうしたものにも口をつけます。
詳しくお話ししたい所ですが…もうそろそろ、戻らないと。すみません、
お話の続きは、また次にお会いした時に。
ではこれを一杯頂いて行きましょう…おや、どうしたのです
このコーヒーに何か問題でも…?美味しそうに淹れてありますけれど


―――――――――………!!?


何ですかこれは―――誰がこんなものをここに置いたのです?
…何ですって>>365


……………ハ ジ…………!!

410 名前:名無し客:2007/10/26(金) 09:59:25
人間もシュバリエも、感情があるとあまり変わらないですね。

411 名前:名無し客:2007/10/26(金) 18:05:24
あげさせてね。

412 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/10/26(金) 20:09:31
あらたな土地での新しき門出の祝いには、思わぬ旧知の人物との出会いが
生まれるもの。ちょうどわが社が米国へ進出する際、ゴルトシュミットの
当主から「心温まる祝福」を受けた時のことを思い出しました。

来客の皆さまがご存知かどうかは解りかねますが―――…。
私はあの蛇、いや失敬…かの聡明なゴルトシュミットの若き当主とはかねてより
面識がありましてな。先代のジョエルの葬儀の際には、この私も傍流とはいえ
一族の末席につらなる者として、非常にささやかではございますが持てる力を
尽くし、若くして当主の重責を担うこととなった彼を支え、葬礼にまつわる
雑事の一部を請け負ったこともございました。

……そうした経緯もあり、私と彼との間には年齢の差こそひらきがございますが
互いに遠慮もへだてもない「心からの友誼」というものが存在いたします。
そのなごやかさ、相手への思いやりの深さは……丁度先ほどまでこの動物園に
鳴り響いていたハジ・ソロモン・カールの三重奏のようなもので。
まったく…その殺気立った不協和音を耳にするだけでも、その場の彼らの
睦まじさが推し量れようというもの。皆さまもさぞお楽しみ下さった事で
しょうな。

しかしどうやら建物が破壊される前に、合奏は小休止を迎えたようで…ひとまず
安堵いたしました。今ソロモンがひどく寛いだ表情で姿を見せた。そしてそれに
先立ち―――すでに他家の敷地に根を移したとはいえ、知性と真理に磨かれた
あでやかな大輪の花も、さきほどこちらにお越しのようでしたな。
ミズ・ジュリア・シルバースタインに、まだ私は挨拶を返してはおらんのでね。
長くお待たせしている皆さまには誠に申し訳ないが……。順を追わずに彼女と、
彼女についての話題に触れた客人の言葉に、今日はお返しいたしましょう。

413 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/10/26(金) 20:12:57
>>302,310 ミズ・ジュリア・シルバースタイン
>お久しぶりです、アンシェル総帥。シルヴァスタイン、とお呼び下さって
>結構ですわ。仕事上はその名前で通していますから。

―――おのれの探究心に突き動かされるように、遠い沖縄からこの地を
訪れたのかね?じつに君らしい答えだ。ではお言葉に甘え、以前どおり
ミズ・シルバースタインとお呼びする事にしよう。

成る程…科学とは、そして真実とは、まず愛する者の幸福の為にこそ存在し
また追求されるべきだと君は言うのだな。むしろその研究が不幸を招くもの
であるならば、その時それは封印もやむを得ないと。……君がそうした結論に
辿り着いたのは私としては痛手だが―――…まあ仕方がない。残念ではあるがね。

『翼手の繁殖に関する仮説』…なかなか興味深いリポートだった。
おそらくはリク・宮城のシュヴァリエ化を注意ぶかく観察した経験より君の
中にて推敲されたものなのだろう。そこでは翼手という生命体に対する詳細な
記録、浮かび上がる疑問点、それについての君なりの深い考察がなされていた。
なにより文書の全編にみなぎる研究への激しい情熱が、君をディーヴァの
担当医に抜擢した原因の筆頭だ。可能ならばあのまま次世代の女王の誕生にも、
君を立ち合わせてみたかったものだが―――…。

…しかし君自身が「真実の探求」よりも「幸福」にこそ答えがある、と結論を
出したのならば……やむを得ない。確かに探求者としての道は心ふるえるような
歓喜はあっても、そこに満ち足りた充足感はない。
焦燥、挫折、数々の絶望。そして繰り返される足掻きのような試行錯誤………。
真実は重く垂れこめた暗雲の合間から、つかのま降り注ぐ陽光のようなものだ。
長くこの道を歩んできたがね。雲は依然として今も空を覆っている。
君は私と同じ素質があるだけに………じつに残念だよ。

414 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/10/26(金) 20:21:55
>>306
>ジュリアとアンシェルに質問。お互いのことをどう思ってるんですか?

―――さきほど彼女本人に語ったとおりだ。私は人間に信頼を置くことは
滅多にない。まして私の最も大切なもの、生きてきた証のような存在である
ディーヴァを任せるような事はしない。その一点を取っても、私が彼女を
研究者として重く見ていることは知れようというものだ。

研究において、名誉や地位といった雑念が入りこむような事があっては
ならないものだ。>>312で彼女は「それを一瞬でも望んだ」と答えてはいるがね。
しかし研究の為に、人間でありながらおのれの体の欲求する睡眠や食事を削り
経過を観察する事を優先させる者は…やはり充分に「真実の探求者」としての
資質を持ち合わせている。

ただ少々―――優しすぎる傾向はあるがね。それに良心のとがめを煙草に
委ねるのも良くない。その美貌や健康に悪影響を及ぼすだけでなく……ふふ。
なにより血の味を損ねるからな。とにかく煙草はあまりお勧めできない。
まあこの私の基準から「優しい」と評されても、彼女はさぞや不本意に
感じる事だろうよ。






>330,332
>このジュリアって真夏の炎天下の車ん中に赤ん坊置き去りにして…
>ジュリアって才媛のハズなのに…

―――おや、お二方は彼女にひどく否定的なご意見をお持ちのようですな?
…成る程。>>302で「子供達を置いてきてしまったから怒られるかしら? 」
と語った彼女の言葉に、貴女がたは憤りを感じられたのですな。しかしどうか
耳を傾けていただきたい。ミズ・シルバースタインは愛する者達の幸福を
なにより優先したいとこの私に申しておりました。その彼女が何故、この地に
我が子を連れて来ようとしないのか……。その理由を私は個人的にこのように
分析しております。当たっておりますかどうか、ご判断戴きたいものですな。

……そう。この平和な館に、彼女が愛すべき我が子を連れてきた場合………。
小夜はひどく喜ぶでしょう。グレゴリーは神の祝福を与えるかもしれない。
彼女の夫は不器用に我が子をあやし、カールはよき遊び相手を勤めようと
張り切るでしょう。―――しかしただ一人、始末に困る男が存在する。
にこやかに笑顔を浮かべ、愛しげにそのちいさな手を取る素振りをしつつ

「…これはこれは。実に愛らしい幼な子ですな。年齢からいって次世代の
女王たちのよき遊び相手となるに違いないでしょう。いや…男ならば青年
に成長した際には、どちらかのシュヴァリエとなる役目を担うのかもしれん。
……じつに興味深い。運命の子だ。幼子は性別が外見から区別しにくいもの
だが……。ミズ・シルバースタイン。どうか私にご紹介いただけますかな?」

…となにげなく探りを入れる困った研究者が。彼女はそれを恐れているの
でしょうな。だから手がかりとなる我が子の名前も、その性別も。彼女は一切
この地で明かそうとはしないのでしょう。その処置は母としては誠に正しい。
残念ながら…ミズ・シルバースタインはじつに賢明な女性といえるでしょうな。

415 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/10/26(金) 21:15:52
>>410
人間もシュバリエも、感情があるとあまり変わらないですね。

―――シュヴァリエとなった事で、性格や思考法が大きく変化するという
ことはどうやらないようだ。…あるじたる翼手の女王ディーヴァ。彼女が
何であるのか、みずからがその血を分けられ、近しい者となった今でも
求めるものは増えてゆく………。私の研究者としての姿勢、この性格の
長短が血分けによって変じたという訳ではない。尤もそれを残念に思う者は
さぞや多かろうが。

しかし人間という枠から逸脱した事によって、ヒトという種族への見解は
あきらかに変わるといえる。この地上の生物はすべて生きる為に相手を捕食する。
それは翼手も同じ事だ。生きるために相手の命を「食べる」。

しかしただ一種のみ―――…それ以外の目的を求めて戦いを起こす種族が
存在する。戦場で流れるものがなにか、君は知っているかね?
血と汗と涙…そして金だ。大なり小なり人間は愚かしい戦争を今もなお
続けている。すべてはそこに流れるものの為にだ。人間は自ら引き起こした
戦争によって滅びの道を歩んでいる。どちらが種として健全であるか…
これは答えるまでもないと他ならぬこの私は考えるのだがね。







>>411
>あげさせてね。

―――これは恐れ入りますな。確かに邸内の薔薇には、あかるい陽光が
養分として必要なもの。そしてその日差しはあらたに訪れる客人の、よき
道しるべとなる事でしょう。貴方のお気遣いに感謝いたします。
お陰でさわやかな外気が、この古びた動物園の館にも流れてまいりました。
歳月をへた窓枠は…いかに手入れを怠らぬとはいえ、ひどく鉄錆を吹いて
いるものです。どうか泉でその汚れを洗い、ソロモンと共に珈琲を……。

…おや。(>>409)その珈琲はハジからの嫌がらせか。凄まじく非道い味?
………それはいかんな。私も目にしたが飲まずにおいて良かった。ソロモンが
おのれの身を挺して、実によい実験台となってくれたようだ。
では―――貴方にはこちらの洋酒を交えた紅茶を差し上げよう。せっかくの
客人のお気持ちを仇で返してしまっては、何とも失礼にあたりますからな。

416 名前:名無し客:2007/10/27(土) 15:41:02
読書の秋、好きな本の話を聞かせて下さい

417 名前:名無し客:2007/10/27(土) 19:28:09
>>416
中の人についても避難所でいいから教えて下さい♪

418 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/10/27(土) 23:09:02
>>96
>BLOODは土6で一番面白かった
>>101
>正当な続編はもう無いのか!
>>103-105
>血+はプロIGの黒歴史とか言われてるからな・・・俺は面白いと思ったけど…
>血はigが手を抜いたせいでB級扱いになっちまったんだよ!
>しかし、IGは攻殻とラスト・バンパイア以外で評価されてるかな?

―――成る程。あいにく話題に挙げられた当の番組は存じ上げませんが…。
しかしたとえ評価はさまざまに分かれたとしても、来客の皆さまがそれほど
までに深く思い入れていらっしゃるのならば……やはりそれは名作であったの
でしょう。制作側にやり場のない怒りを感じておられるような>>104のお方も
翻せばそれだけその作品に愛着を覚え―――幸福なあるべき結末を、と痛切に
願われたのでしょうからな。

愛憎は表裏一体と申しますが…。その作品を賛美される方も非難される方も
この私の目からは根は同じ、作品世界への深い愛着から発しておられるように
見受けられますな。










>>113-115
>ソロモンとハジの仲良し喧嘩に和む〜w
>ドラマCDでも出して欲しいよ
>その財力でアニメ化にしてよ長兄!!!

―――ソロモンとハジの足の踏み合いを…かね?しかし音声化したところで
ハジの小声はほとんど叩きつけられる鍵盤の音で消え失せてしまうように
思われるがね。しかし大の男が二人して睨みあい、息を切らせて互いの足を
踏みにじっている姿をわざわざ映像で目にしたいと仰るとは……。
世の中には物好きな方もいるものだ。
………。

………そうだな。では私の資金で、彼らのその有様を撮影しよう。
沖縄から訪れたミズ・謝花から耳にしたのだがね。なんでも日本の菓子には
包み紙に「金の天使」と「銀の天使」が印刷されており、金を一枚・銀ならば
五枚集めて郵送すると、特別な景品がもらえるそうではないか。

サンクフレシュ食品部門のキャンディー・バーの中に、金と銀のドングリを
封じておくとしよう。客人の諸君は…ぜひ精を出してあの特別製の菓子を
食べてもらいたいものだ。言っておくが菓子のみ捨てるのは言語道断だ。
提供する以上はきちんと、調整されたわが社の製品を味わってもらわねば。
そのかわり……映像化について、資金に糸目はつけない事はお約束しよう。
序幕の楽曲は当然ディーヴァのアリアだ。…ふふ。私も完成が楽しみだよ。

419 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/10/27(土) 23:13:15
>>117
>その演技力でまたディーヴァ掛け持ちしてよ長兄!!!

―――私の擬態を褒めていただけるのは光栄だがね。しかし私の擬態は
疑うことを知らぬお人よしのハジや小夜、赤い盾の面々しか騙せぬのが
目下の悩みの種だ。エリザベータに擬態してフランスでの会合に参加した際も
海千山千の擦れきった我が弟たちは、誰も眉ひとつ動かそうとはしなかった。
………ひとりくらいは「この見知らぬ女性は?」と驚く新鮮な反応をしても
良さそうなものだが。…じつに残念だ。

それに擬態をしたところで、魂までがその者になりかわる訳ではないよ。
シベリア鉄道で旅の若者二人に接近したとき―――どうやら雰囲気の違いに
あの人間も少々面食らっていたようだった。「ちょっと誘いをかけたら
手を振ってくれて、すぐ親指を床に下げられた。『明るくて可愛いところも
ある美人のお姉さん』だと思ったのに―――…な、なんだか印象違いますね。」
そうした言葉をかけられたよ。それが彼らの人間としての遺言になった訳だが。

そういえばメットの舞台裏で、黒服の男達にディーヴァの姿で指示を
出したときも妙な顔をされたものだ。…思えば彼女は事に当たって綿密に
打ち合わせをされるようなご気性ではないから、それも当然ではあるがね。
―――…まあつまり……この私が彼女に擬態したところで、ディーヴァ
の愛らしさが再現される訳ではないよ。むしろどうしても本性のこの私が
透けて見え、皆が食傷するのではないかな?

420 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/10/27(土) 23:18:59
>>416
>読書の秋、好きな本の話を聞かせて下さい

―――ジャン=バティスト・ラマルクの『動物哲学』だ。発表当時彼の説は
批判も多く、また今日ではチャールズ・ダーウィンの『進化論』にその玉座を
明け渡してしまってはいるがね。しかし彼の著作が生物学界におおきな波紋を
なげかけたことは間違いがない。私としても若き日にジョエルとふたり
日が翳るまで、灯明を掲げながら貪るようにして読んだ、思い出ぶかい書物
でもある。

生物の進化を、機械的な偶然による「突然変異」に求めるダーウィンに対し
ラマルクの説で面白いのは―――その変異を「その生物の種としての意思が
求めた結果」だとする部分だ。有名なのはキリンの首が何故長いか、という
話だがね。元々は短い首だったものが、幾世代にも渡り、より高所の食料を
得ようと首を賢明に伸ばし続けた結果……現在の形状に至ったというのが
彼の唱えるところだよ。

そのラマルクの説は証明がなかなかに難しい為、現在は主流ではないのだがね。
しかし「生物の意思が進化の道すじを決定づける」とはひどく興味を
誘われるよ。それでは翼手の女王が望む進化のゆくえとは?…翼手とは
誠に不思議な生き物だ。みずからのあるべき姿を持たず、人間に寄りそい
生き続けようとする。………私は知りたいのだ。翼手のすべてを。その
本来のあるべき場所を求めて、かの女王は世界を自由に歩きはじめる。
「我々はどこから来て、どこへ行くのか」…私の抱えた永遠の問いでもあるな。


>>417
>中の人についても避難所でいいから教えて下さい♪

―――…よく意味が解らんが………。擬態してもおらんのに、不思議な
事を言われるお方だ。中の人とは一体どういう意味だね?

さて―――話は変わるがこの動物園の書庫に、先日日本語の書物が相当数
届いたようだ。ご来客に日本の方が多いようであるから、おそらく家主の
ジョエル・ゴルトシュミットが気を利かせて訪れる客人の為に、沖縄から
取り寄せさせたのだろう。

>>416の方の言葉どおり、季節はまさしく読書の秋だ。
私も彼の国の文字は馴染めないが―――シュヴァリエの夜は長い。
辞書を片手に、この機に一冊目を通してみるとしよう。では………。
森鴎外翻訳の『即興詩人』とやらを。

原作者は「人魚姫」などの童話で名高いAndersenだな。
原作の『Improvisatoren』は発表当時、欧州じゅうで評判を得た小説で
あったから一応私も目を通してはいる。1833年(思い出ぶかい年だ)に
筆者が向かったイタリアへの旅から着想を得たのだろう。内容は全編を
通してイタリア賛美と浪漫主義に満ち―――しかし少々安易な筋立てでも
あった。今の時代の目から見れば「通俗なメロドラマ」と切って捨てられる
程度の作品だろうな。

こんにち欧州で忘れ去られているこの作品が、いまだに日本では発売
されている事実は―――おそらく翻訳者の訳文の見事さにあるためだろう。
『徹底的に選び抜かれた優雅な擬古文が、翻訳として原作を超えている』
と書評にもある。原作との違いを検証してみるのも面白い。
このところ連日のように挨拶に伺ったが………明日一日は失礼し休ませて
もらうとしようか。お待たせさせている客人には誠に申し訳ないがね。
この書物と、整理されておらん研究の資料と共に…しばし書庫へ籠りたいのだ。

421 名前:名無し客:2007/10/27(土) 23:28:01
「美しさ」「美しきもの」について、語ってみて下さい。

422 名前:名無し客:2007/10/28(日) 02:11:53
ねーもんもん。人が生きるためにけんかするなら、
人が生きているかぎり世界中のけんかはなくならないのかな。
私は世界中のみんなに仲良くしてほしいな。
そのために私ができることって何かあるかなあ。

423 名前:ソーニャ ◆gD.KishiHU :2007/10/29(月) 07:55:01
皆さん、おはようございます。
秋の日差しが心地よい今日この頃、新しい土地の住み心地は、いかがですか?
水の合わない方は、いらっしゃいませんか?



>>380
>心機一転、また頑張ろうね!

ずっとわたしたちを見守り続け、この地まで付いてきて下さったのですね…?
ありがとうございます。これからも楽しんでいただけるよう、精一杯頑張ります。



>>4 サヤ
サヤ!お久しぶりね、元気そうで嬉しいわ。
ねえ見て見て、貴女にもお土産があるの。――靴よ!

このヨーロピアンピンクって、可愛いわよね。他にもパープルでしょ、ラメでしょ、
それからチョコレート!どの色にするか決められなかったから、全部買っちゃった!
ねえ、履いてみて。貴女にぴったりのはずよ――

舞踏会で、蝶のように羽根のように踊るには、まずいい靴を履かなくっちゃ。
えっ、どうして足のサイズが解ったのかって?そりゃあ、決まってるじゃないの。
貴女とわたしはあの夜、一つのベッドで休んだ仲なのよ?この掌が、覚えているわ。



>>127-128
>――…う、お腹の音が……
>でも私が食べ始めたら一気になくなってしまいそうな

あら……。ごめんなさいね。
もう少し待ってくれたら、お客様にふるまう甘いもの>>369が出来るのだけど。
そう、御名答。お客様も当ててくださったけれど>>372ぼたもちよ。
ソロモンは知らないようだけど>>408、サヤには懐かしいんじゃないかしら?
>>7のような不安な気持でいるお客様に、精一杯のおもてなしの心を伝えたいと
思って……。

ねえ、サヤ。ハジって、本当に!いい人よね。あの時は敵味方だったとはいえ、
串刺しにしたりして悪かったと思ってるわ……。
だって、十トントラックの荷台から小豆と砂糖ともち米を全部食糧庫に移し替えて、
今も厨房で手伝ってくれているの!小豆を煮ている間、ずっとかき混ぜてくれて
いるのよ。砂糖を入れると焦げやすくなるのだけれど、あの特製大鍋いっぱいの
あんこを混ぜ続けるのは、やっぱり彼でなくてはね!助かるわ〜。

424 名前:ソーニャ ◆gD.KishiHU :2007/10/29(月) 07:56:50
>>35-36 イレーヌ
>来るのが遅れてしまって、ごめんなさい。

わたしこそ御挨拶が遅くなって、ごめんなさいね。そう。貴女がシフなの。
……わたしの積み上げた研究は、構築した理論は、礎となったのかしら……。

ううん、何でもないの。独り言よ。初めまして、イレーヌ。
わたしのことは、ソーニャって呼んでね。ねえ、わたしと貴女って何だか似てると
思わない?年頃も、背格好も、髪も、顔立ちも。並んだらきっと、姉妹のように
見えるわ!仲良くしましょうね。



>>37 デヴィッド
>―なにやら空気が重い様だが…まぁ酒でも飲んで落ち着いてくれ【メルロー】

貴方「赤い盾」のエージェントなのね?当代ジョエルから何か言いつかって
きたのかしら?あら……注いでくださるの?いただくわ。

……あの頃も確かコードネーム「デヴィッド」を名乗る男はいたけれど、貴方は
デヴィッドを受け継ぐ者、ということね。貴方がたには思うところもないわけでは
ないけれど……もう昔のことよ、どうこうするつもりはないわ。
貴方がわたしの兄弟と友人に危害を加えない限りは、ね。

425 名前:ソーニャ ◆gD.KishiHU :2007/10/29(月) 07:59:47
>>216
>日ごろから困っていることってなんですか?

増える一方の書物が片付かないことよ!

昨日わたしは一日中、長兄と一緒に書庫の整理>>420をしていたわ。
家主殿こと当代ジョエルからの贈り物はお客様の為にも大変有難いのだけれど、
長兄のお部屋の隣にしつらえていた図書室に蔵書が収まりきらなくなってしまったのね。

そこで一階に、お客様が自由に使っていただける図書室をつくり、ここは普段から
よく使う資料や書物を収めた、私的な書庫とすることにしたの。届けられた書物に
蔵書票を貼って、図書室に運び込んで分類して並べて、研究資料を整理して。
もう大変!体中埃っぽくなっちゃった。

――まあ、これまで片付かなかったのは、わたしがなかなか本を捨てられない性分
なのにも大きな原因があるのだけれどね。一冊一冊に、初めて紐解いた時のときめき、
さまざまな思い出が沁み込んでいるんですもの……。

でもこれで、やっと書庫がすっきりしたわ。
長兄がいくらパリから書物を取り寄せても、まだまだ大丈夫よ!



>>366 ハジ
>…G線上のアリアが……G線上のカノンになっています…。
>>404 ソロモン
>まず最初の音が合わない。三人四脚をやろうとして、足並みが揃わずに
>一歩踏み出した途端、三人とも転ぶようなものです。

あら、また始まったわ。ハジもソロモンもカールも、朝から精が出るわね。
……言っておきますけれど、個人の練習を聞いていると、ひとりひとりの演奏は
出来ているんですよ?勿論あのカールだって。なのにどうして合わせようとすると、
笑ってしまうくらいどうにもちくはぐな「G線上のアリア」になるのかしら?

まあ、いいわ。わたしはここで、静かにのんびりと本を読むことにしましょう。
日当たりの良い窓辺に、わたしのお気に入り、緑のビロード張りの長椅子を置いたし……。
書庫の乾いて古びた紙の匂いって、何だか落ち着くのよね――

426 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/10/29(月) 19:41:18
>>185-190 ソロモンとハジの合奏に、感嘆の溜息をついておられる来客の皆様

>クラシックは詳しくないんだけどこの曲は有名だから…
>チェロってなんかエロいww
>フィンガーテク(*´Д`)ハァハァ
>芸術を色眼鏡でしか見れない家具師ってどんだけw
>民度低いねw
>レベル高いキャラハンが上手く返してくれるよ。


―――彼らに合奏を依頼された>>185の方は、じつに粋な趣向を設けられた
ものだ。成る程ハジがチェロ、ソロモンがピアノ。そしてカールがソプラノ
リコーダーとは…。適材適所とはまさにこの事ですな。お互いを見ずに沈黙
さえ守って大人しくおれば、これほど外見的に華麗な編成も多くはあるまい。

それを見守る淑女の皆様は…情熱的なお方も謹厳なお方も、みな一様に彼らへ
熱いまなざしを注いでいらっしゃるようですな。しかしソロモンとハジの
間へ入るのがあのカールでは………。核融合炉にて冷却水の代わりにニトロ
グリセリンを用いるようなものだと思うが。

>仲良しさんで和むわ〜。

と微笑んだ>>320のお方も、>>355でいきなりカスタネットにタンバリンと
トライアングルを持たされ、あの息詰まる三重奏の中へ放り込まれたのだから
お気の毒なことだ。貴女方にも丁度ソロモンのように、休息のひとときが必要
でしょう。

グレゴリーが荷台一杯に、日本の菓子の材料を買い込んで来たようですな。
演奏は休憩を迎えたというのにハジの姿が見当たらないのは…そのまま厨房へ
引きずりこまれた為か。よくよく状況に流される男だ。歴代デヴィッドの名を
継いだミズ・シルバースタインのご夫君とともに、エプロンを身につけ
遠い目をして、煮立った鍋を始終かき混ぜている姿がじつによく似合っている。
――…皆さま。彼らの心を込めた菓子だ。どうか御賞味いただきたいものですな。

427 名前:名無し客:2007/10/29(月) 20:07:34
嫌いな人は誰?
苦手な人とは仲良くできるほう?

428 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/10/29(月) 22:06:05
>>421
>「美しさ」「美しきもの」について、語ってみて下さい。

―――美について、かね?………成る程。
翼手はみずからのあるべき姿を持たず、人間に寄りそい生き続けようとする。
それゆえ表向きの姿かたちについてというよりは、その種としての存在の
ありように、この私は至上の美を感じるのだがね。

傷をたちまちのうちに治癒させる能力。
羽化を夢見る蝶のさなぎのように、三十年を繭の中で過ごす眠り。
濃くその血を分けたひとつ胎の姉妹の血が、互いの毒となる運命。
おのれの血を分け与える事で、近しい者を増やしてゆく手法。
尋常ならざる身体能力。眷属を呼び覚ますその歌声。
血を好み、飲むこと。

………すばらしい。
なんら人間の制約を受けぬ野生の狼の姿が、気高くうつくしいのと同じだ。
ヒトを超える可能性を秘めた生命の美。…君もそう思わないかね?

429 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/10/29(月) 22:11:32
>>422
>ねーもんもん。人が生きるためにけんかするなら、
>人が生きているかぎり世界中のけんかはなくならないのかな。
>そのために私ができることって何かあるかなあ。

―――おや…ようこそ。貴女はもしや>>217でソロモンに対し、

>内緒のお話ありがとー。

とあどけなく微笑まれたお方ではありませんかな?戦争を続ける人間の愚かさ
は今に始まった事ではないが…若き日の彼のように心を痛められる貴女宛に
兄である私からひそかに彼の「内緒のお話」をお聞かせいたしましょう。
出来ること、などという大袈裟なものではないが…どうか貴女も耳を傾けて
いただけますかな?>>109でソロモンも

>お話しになるのを聞いて僕は、懐かしいものを思い出しました。
>74年頃に発見された、ルーシーという骨格です。
>未知の領域で真理を追い求めることを生業にする人は、いつになっても、
どんなものにも関心を失わないものですね。

………などと私の昔話を語っておりましたが…彼とて何ら変わらない。
第一次世界大戦の戦時景気で、世情がにぎやかなりし頃―――いまだ人間で
あった若きソロモンは軍へ入隊するはずでした。あれの家族……とりわけ父親
が権勢欲のつよい男でしてな。息子である彼の活躍によって、家名をさらに
高めたいと考えた為だったのでしょう。

しかしソロモン本人はあのとおり争いを好まない。まして医学を学び、人を
助ける道を歩みたいとひそかに考えておったようです。しかしあのとおり
元来気が優しく…まして当時、家長の意志は絶対の時代でした。頑固な父親は
彼が医学書に目を通すのも気に食わない。―――それでソロモンはしばしば
家族に隠れて勉強する為に、ひそかに私の城へと足を運んでいたものです。
なにせ私の蔵書は、その当時から遺伝や進化に関する書物が多かった為
彼にもまた都合が良かったのでしょうな。

私の城で、彼が夢中になって医学の勉強をしていると…きまって父親が
怒りに燃えた目であとから訪れる。「いるのは解っている。息子を引き渡して
もらいたい」という訳ですな。そのたび「彼は来ていないが…どうぞご自由に」
とお応えしたものですがね。それで書庫や私の私室などをひととおり案内し
ソロモンの姿がない事を証明して、丁重にそのままお帰り戴いたものでした。

―――じつは私の城には、研究室が一部屋ありましてな。
この部屋はおびただしい数の動物の剥製やら、進化の研究上の資料やらが
ところ狭しと並んでいる為、一族の者も気味悪がって近づかない。ソロモンも
それを知っているから、決まってこの部屋の研究机の下に逃げ込むのですな。
父親が帰ったあと、この大きな机を二、三かるく叩くと―――それを合図に
髪を乱したソロモンが「……いつもすみません。アンシェル兄さん…。」
と途方に暮れたような瞳で這い出してきたものだ。名声を望む父親は
息子の話を聞こうとはしないのでね。ソロモンも苦労していたようだよ。

430 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/10/29(月) 22:49:57
>>427
嫌いな人は誰?苦手な人とは仲良くできるほう?

―――私は他人よりも、相手に対する好悪の感情が激しい性質のようだ。
しかしそれを隠して一見親密にふるまうのは得意な方だと思っているのだがね。
ヴァン・アルジャーノを「…小賢しいことをする」と内心思いながらも
仕事上の要職に就任させてはきた。それに「愚かな人間ども」と軽蔑しつつも
Mr,グラントとは笑顔で握手を交わしてきたものだが。

…しかし好悪はさておき、そのときの状況で「敵」と判断した場合には
相手に対して一切容赦はしない。敵対していたあのとき、小夜とハジにも
同様に、体の一部分を潰すなどといった過酷なふるまいをあえて………。

…なに?それでもハジと小夜では、私の扱いにかなりの差があった……だと?
………。
………。
…そうだったかね?―――…まあそれも自然な感情の成り行きだ。
私とて万能の慈愛ぶかき神ではない。ついハジを貫く腕に、めりこませる膝に
おのれの感情が籠ってしまっても…仕方のない事ではないか。

431 名前:名無し客:2007/10/30(火) 18:37:25
あなたにとって死とはどんなもの?

432 名前:名無し客:2007/10/30(火) 23:05:29
いやいや秋といえば、芸術の秋だよね〜。

あっ、動かないで!デッサンしてるんだから。

433 名前:名無し客:2007/10/30(火) 23:37:10
血を好んで啜る輩も、近年はトマトジュースや輸血パックで我慢する、と耳にします。
このような者達をいかが思いますか?

434 名前:名無し客:2007/10/30(火) 23:42:44
絆という見えない力を信じる? 信じない? 

435 名前:名無し客:2007/10/30(火) 23:43:00
昨今の環境破壊はどうおもう?

436 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/10/31(水) 00:10:51
先日はグレゴリーと共に、書庫の整理をしていたのだがね。
あの少女の姿で、厚みのある全集を両手に挟み上げ、そのまま脚立を
どんどん昇っていくのだから恐れ入る。とりたてて急ぐ必要もなく、
また貴重な学術書でもあるから「ここは退け」と言っても「平気平気!
ここはお任せください!」と言って聞き分けはしないのだ。

>>425
>もう大変!体中埃っぽくなっちゃった。

―――…それは脚立の下で見ていた私もろとも、本棚の書物の洗礼を頭から
浴びればそうなるだろうよ。…少し落ち着くことだ。グレゴリー。
お前がその姿を模している少女の家は…たしか村の外れにあったあの家だな。
人間の生成を研究していた、ユーリという研究者の屋敷であったはずだ。
私の研究とも重なる部分があった男だからよく覚えている。家の前に
ちいさな川が流れていた事も。


………グレゴリー。お前の「平気!」はいつもながら当てにならん。
そう言いながら壊れた橋を共に渡らせて、訪れた客人と共に、盛大に
落ちるような男だお前は。少しは自重せんか。
………。
…別に私とディーヴァが、過去にそうした経験がある訳では…ないのだが。
………。
………。
…む……いや…たとえ話だ。耳にした客人の皆様はどうかお忘れ戴きたい。
「人形のように」一時は大ロシアの皇女を演じられていた高貴な女王が
川に従者二人もろとも落ちて、子供のように笑ってはしゃいでおられたと
あってはお護りするシュヴァリエの沽券にかかわる。…そんな事実はなかった。
今の話は聞かなかった事にしてもらいたいものだ。

437 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/10/31(水) 00:16:55
>>370 グレゴリー
>――偉大なる長兄、アンシェル。弟として貴方の側にいることを……
>お許しくださいますか?

―――…無論だグレゴリー。元より許可を求める必要などあるかね?
私は神の存在など信じはしないがね。聖書を丸呑みにしていてはとても
進化のゆくえなど論じられはしないからだ。しかし同じ血を分かち合った
お前の帰還はじつに喜ばしい。………ご苦労だったな。
皆と共にこの地で長旅の疲れを癒すことだ。

>これを見ていただけますか。……着物。日本の民族衣装です。

着物?何度か目にしたことはあるがね。実際に袖をとおすのは始めてだ。
………ふむ。成る程。じつに興味深い。
このように襟元がひらいている衣装は我が事ながら珍しい。なにせ普段は
首の上部まできっちり覆っていることが多いのでね。どこか就寝の際に
用いる部屋着に似ているな。…尤も私は眠りを取らなくなって久しいが。

いや……苦しくはない。むしろ着心地はひどく楽だ。巡礼のさなかに思わぬ
散財をさせたようだなグレゴリー。ありがたくお前の厚意を戴くとしよう。




>>372
>ぼたもち〜

―――グレゴリーの荷物から、早速貴方にも日本の菓子が振舞われたのですな。
私宛の土産の品といい、口ずさむ『蝶々夫人』のアリアといい……。
彼は皆さまに影響されてか、どうやら日本の文物にひどく興味を誘われて
いるようだ。まあ無理もない。ロシアといえば西洋文化のなかでもアジアの
香りがひときわ強く残る国。より深く親近感を覚えるのかもしれませんな。

それより味はいかがでしたかな?
―――甘くて美味しい?……ふふ。シベリア鉄道でのリク・宮城のような
声をあげられることだ。尤もあのときと同じならば、私はこのあと小夜を
振り向いて「たくさん食べるのねえ」と語りかけねばなるまいが。
おや?どうかいたしましたかな?

……む…。私の着物の着方が左前?逆だと何かまずい事でもあるのかね?
さきほど混雑の中で、私の袖のなかにそっと白いちいさな布地を忍ばせる者が
いたようだが…―――これだ。両側に紐が付随しているが、アイマスクに
しては中央の三角形の形状がじつに不自然なのだ。いったい何に使用する
ものか……いったい誰の贈り物であったか、慣れぬ裾に気を取られてつい
確認出来ず終いだった。………残念だよ。

438 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/10/31(水) 00:22:50
―――この着物の着方が、死者を示すものであるならばむしろ早く
教えて貰いたいものだ。………日本の衣装とは難しいものだな。
お待たせしている方が多いが、礼服に着替えてからまたご挨拶申し上げる
ことにしよう。それにしても………この三角巾を私に手渡したのは誰だ?

439 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/10/31(水) 03:32:04
ご機嫌よう、皆さん。
先ほど、あのコーヒー>>409は何なのかとハジを問い詰…ええと
ハジに訊きに行ったのですけれど…彼はとても忙しそうでしたね、
甘い匂いの充満したキッチンで、湯気に巻かれながら
エプロンをつけて、何か大きな鍋の中身をかき混ぜていました。

あれが、その、ボタモチ…を作る工程なのですか?
手間のかかるお菓子なのですねえ。…はい?僕は手伝いに行かないのか、と?
はは…まさか。今あそこで作業に当たっているのは、ハジなんですよ。
そのボタモチが―――僕らの、G線上のアリアのようになったら
どうするのです…ほら、お嫌でしょう?だから、ハジに任せましょう。
シルヴァスタイン女史のご主人も、一緒のようですしね…はは、それにしても
あのお二人はどうしたわけか、エプロンがとてもよく似合っていますね。

…やはりここは、本当に不思議な場所です。キッチンからこちらへ向かう間…
そこ>>403でアンシェル兄さんに捕まって、褒められました。
それも妙なところをピンポイントで。吃驚したな…
どうやら僕は無意識のうちに、彼が酷く気に入る事を言ったようなのです。

そう、それから…そこ>>353-354で、カールがワルツのリズムを唱えるのが
聞こえました。ああ随分懐かしいお話をしておいでなんだと判りました…
おや、彼の話を聞いていたのですか?…僕?僕はいつも通りですよ。

440 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/10/31(水) 03:34:03
彼があのように話すのを聞くことは、ここにいるから出来ることです。
これまで、そうした機会に恵まれる事はついぞなかった…そう、彼が言うように
たとえ向かい合っても、僕らの視線が交わる事はこれまで
決してありませんでした。…僕らは、仲が良さそうに見えますか?そうですか、
けれど、僕らはお互いの事をそんなに知っているわけではないのですよ。
それは今でも、そうに違いありません…

解かっています、人間であることを喜んで捨てた僕に
―――検体としてのシュヴァリエになる、という事が彼に何をもたらすか
判っていながら、いつでも真っ直ぐな眼差しで 戦争について、人間について、
この世界について考えていた彼を…その答えに近づける事が
できるかもしれないと言い訳をして、その手を引いた僕に―――
それを心から受け入れる事のなかった彼の痛みや孤独は
決して理解できるものではありません。けれど…知ることなら出来ます、

彼がかつて何を考えて生き、いま何を考えてここに居るのか、たとえ解らなくても。
同じものを見る事はできなくても、僕はここで、また彼を見て…今度は
彼について知ることが出来ます。
カールがあんなふうに話すのを耳にして、僕はいつもそう思うのです。

441 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/10/31(水) 03:35:53
>>374 グレゴリー兄さん、
先ほどは、ご来客の前で軽やかに歌っておいででしたね?
ここにあって初めてお会いした時のように、無邪気でいらっしゃるのを見て
とても安心しました。けれどやはり…あの時とは、
すこし変わられたような気がしますよ。弟の僕が言うのは失礼ですけれど
どこか落ち着いて…お強くなられたように思います。

ほんとうにお疲れさまでした、グレゴリー兄さん。…おや
その金時計、僕に下さるんですか?とてもいい時計です、いいのですか…?
「死は確実、時は不確実」―――死は、別れはいずれ必ず訪れるものと
誰しも判っているけれど、その時がいつであるかは誰にも判らない―――

僕らに出来る事は…生を、より多くのものを勝ち得るために争う事ではなくて
ただ、いまこの瞬間に目にしたあらゆる光景、耳にしたあらゆる言葉を
出来るだけ記憶にとどめておく事なのですね。まるで綺麗な、けれど
すぐに散ってしまう花を摘み取って…大事に、花瓶に飾るように。

この言葉を僕に選んで下さって、とても嬉しい…ありがとうございます。
それでは僕はお返しに、貴方に有名なこの言葉を。

“Attendre et espérer!”ここにあって、この言葉の持つ力について
僕はいつも思い知らされました。貴方にまたこうして、会うことができた…
金時計のお礼にもなりませんけれど、改めて貴方に言いましょう
―――待て、しかして希望せよ。

442 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/10/31(水) 03:38:13
>>376-377
ここの所、僕らが少し慌ただしくしていたものですから…
ご来客の皆さんにも、随分と心配をかけてしまったようですね?
いまでは、すっかり落ち着きましたけれど…アンシェル兄さんが、
もうずっと皆さんの相手をしておいでですね。彼がいい声で話すのを聞いて、
先ほどのお二方も少しは落ち着かれたでしょうか。…ところで

兄さん>>437-438の着ているあれは、グレゴリー兄さんのお土産ですか?
とてもよくお似合いですねえ…、くす、あの葡萄色、グレゴリー兄さんも
よく判っておいでです。しかし僕もいつだったか、ご来客に
キモノを頂いた事があるので判るんですがあの襟の合わせ方では…それに、
彼が先ほどから手で弄んでいるあれは、何でしょう?眼帯ですか?

キモノに眼帯…、
グレゴリー兄さんも…その、好いご趣味―――おや違うのですか。
贈り主を彼も探している、と…?少なくとも、僕ではありませんよ。


>>381
>血って美味しいんですか?

人間の血液は―――そのご様子だとよくご存知でしょうけれど、
僕ら翼手の主食です。生きるために、不可欠なものだ。
生き物が本能に従う時、必ず快感が伴うように…僕らにとって
あなたがいま仰ったそれは、口に含めば他の何とも比べものにならないほど
甘く、かぐわしいと感じるのです。

それは丁度…そうだな、それこそあなたがたが、凍えそうに寒いなかで
とろりとしたホットチョコレートを口に含んだ時や…長い間、
コルクを抜くのを待ちわびたワインを満たしたグラスに
鼻先を近づけたときと同じくらいに、ね。


ですが人間の中に、僕らのような生き物が溶け込んで生きる為には
時には人間の真似ごともしなくてはいけません。
ですから勿論、>>401さんの仰るように、ほかのものも口にしますけれど
…いま僕が飲んでいるのは「まともな」コーヒーですし、ね…
やはりあなたがたが口にするのとは、すこし違うでしょうね。

これを美味しいと感じるのは、あなたがたと同じですよ。いい香りです。
ただ…ひどく喉が渇いて、人間の喉元にばかり目を遣ってしまうような時に
こうした飲み物で紛らわそうとしても、とても血液の代わりにはなりません。
このコーヒーも…強い匂いのする液体としか感じられないのです。

…おや、はは…怖がらないで。いまは、違いますから。

443 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/10/31(水) 03:39:59
>>382
>ご自分がお持ちの「いちばんの武器」について語ってみてください。

さあ…、顔、でしょうか?―――おや、肩を竦めて首を横に振らないで下さい
…違いますよ、>>62さんやアンシェル兄さん>>392の仰る通りで、この姿は
相手を油断させる事が出来ます。この顔は、ただにこにこ笑っていれば
愚かなようにも、賢そうにも見える。兄さんの言うとおりに振る舞っていれば
…つまり愛想よくして、気の利いた言葉をふたつみっつ言えば…
相手はこちらの利益になるように動いてくれるのですから、便利です。

そういう点では、この名前も武器になるかな。名の通った旧い家の生まれであれば、
その分肩書きも説得力を持つというものですから。

…おや、何ですって…僕なら
「そんな事は訊くまでもない、小夜への愛が僕の武器です!」などと言うと
お思いでしたか?はは…、僕だって、胸を張ってそう言いたいのです。だって僕は
誇り高い彼女のシュヴァリエだと…ハジにさえ認めさせたんですからね。けれど…、

僕の同族に対する愛は、僕にとって武器と言うより―――もろ刃の剣でした。
何しろ僕が最後に抱いた強い愛は、僕の冷静さを欠き
本当にすべきだった事を忘れさせ…僕自身をずたずたにしたばかりか
たった一度きりの僕らの物語を、あらぬ方向に進ませてしまったのですから。

彼女を愛した事を後悔しているわけでは、決してないのですけれどね。

444 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/10/31(水) 03:40:38
>>388
>握手したらどんな感触なんでしょう。

僕の…手の感触、ですか?このままなら特に変わったところはありませんよ、
その辺においでの方と同じでしょう。それは女性のようにしなやかではありませんから、
つまらないかも知れませんけれど…、…握手、してみましょうか?さあ、

…ほら、至って普通でしょう。おや、しかしそれは…
あなたにとって「普通でない」状態の僕と握手したりすると、
あなたの手がお可哀そうな事になりますよ。
それでは握手の意味がなくなってしまいます、握手というのはね…
自分の手に武器がない事、自分が気を許している事を
相手に証明する為にするものなんですって。ですから…このままで。

445 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/10/31(水) 03:44:02
>>390
>与えられたあらゆる名前に願いがあるという歌詞がありますが
>貴方の名前にはなにかの願いが込められていると思いますか?

…僕のような名前を子供につける時、何を考えてそうするのでしょうね?
聖人歴から拾う時でも、こんな名前にするからには…きっと、
誰よりも美しく、賢明に、争いを避けて公平に、堅実に
神様に愛されて生きるようにと望んで、そうするのでしょうね。

僕に名前を付けたのは、父だったでしょうか、母だったでしょうか。
彼ないし彼女は、僕に何を望んでいたのかな…よく、判りません。
僕はかつて彼らの言いつけに背いて、アンシェル兄さんのもとで
医者になる道を採りました。…お父様やお母様の目には、僕の姿は
もしかしたら、異教の女性に没頭して神の怒りを買ったソロモンのように
映ったかもしれませんね。


それにしても…お菓子作りに精を出したり、書庫を片付けたりと
皆さん忙しそうに立ち働いておいでです。僕ばかりがいつまでもここで
コーヒーを飲んでのんびりしていて、いいのかな…
ちょっと、お屋敷をひとまわりしてきます。それから、
お返事を待たせてしまっている皆さんに、久しぶりに薔薇を摘んで来ましょう。

446 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/10/31(水) 22:47:05
>>431
>あなたにとって死とはどんなもの?

―――軋みをあげるメットの劇場。心の臓をつらぬく冷えた刃の傷み。
死はつねに無慈悲に、容赦なく、歩む道のなかばに現れるものだな。
しかし今にして思えば……私の死は、ハジの命をかけた最後の一閃により
もたらされたものではなかった。

あの日―――雷鳴がとどろき、街が驟雨に浸されたあの時に。
知能を持たぬ翼手たちが一斉に、物悲しい嘆きの咆哮をあげ始めたあの時に。
鉄塔の上で………私の最も大切な、生きている証のような存在であった
彼女の命が、まさに砕けて散ったと感じられた……あの瞬間に。
二百年近くに及ぶ私の命もまた、終わりを迎えたのだろう。

残る双子にむなしい野望を繋げたとしても。
翼手に満ちた世界で子らが生まれ、やがて同じように育ったとしても。
……私がこの目で追い続けた、あのディーヴァ自身がもうその場所にはいない。
女王なきシュヴァリエはすべて狂う。しょせんあるじを喪ったシュヴァリエの
末路は―――寄る辺ない、無様に壊れた、みじめなものでしかないのだ。


「死とはどのようなものか」…かね?―――そうだな。
残った命の長短は問題ではない。死とはおのれの生きる理由が潰えることだ。
願わくば私にそれを問う君の元へ、その絶望が訪れない事を祈るよ。

447 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/10/31(水) 22:56:32
>>432 
>あっ、動かないで!デッサンしてるんだから。

―――これは失礼いたしましたな。画家の仰せのままに従いましょう。
それでこの私は、一体どのような姿勢でおればよろしいのですかな?
「私にとって最も楽で自然な姿勢」を?…成る程。では………。

 …おや。
肖像画家に対して、背中を向けられては困ると仰る?
これは重ね重ね申し訳ない。こうして暖炉の傍に立っておりますとつい、
自分でも気づかぬうちに手を後ろに組み、相手に対して背を向けてしまう
癖があるようです。…それでは顔が描けない?―――…ふふ。確かに。
どうもこの偏屈な性分をお許し戴きたいものだ。肖像を描かれるような
晴れがましい表舞台よりは、終始うすぐらく猥雑な裏街道を選び歩んで
参りましたもので……このような栄誉に対しては、無意識に体が身構えて
しまうものとみえますな。

 では………このように前を向き、肘掛椅子に座りましょう。
じつは以前もこれとまったく同じ椅子に掛けた経験がありましてな。
あのとき私は足を組み、右ひじをついて椅子の背にふかく体を預け――…
私のすぐ左脇には我が弟のソロモンが立っておりました。
何やらの映像全集第十巻、その扉絵に使用する肖像写真であったと
記憶しております。部屋が暖炉の灯りのみでひどく暗かった為に、当時の
撮影班が露出の調整をずいぶんと手間取っていたようでした。

しかし更に手間取ったのは、次巻に使用したジェイムズとネイサンの
肖像でしてな。救命ポッドで眠るジェイムズを抱えあげたネイサンが、
やれ「『主演女優』の肌色が綺麗に見えるよう、もっと反射板を増やせ」だの
「『眠れる王子を抱きしめる悲恋の姫君』というイメージで撮影せよ」だのと
あきらかな無理難題を言い続け―――撮影班をひどく困らせておったようです。



>>433
>血を好んで啜る輩も、近年はトマトジュースや輸血パックで我慢する、
>と耳にします。このような者達をいかが思いますか?

―――トマトジュースで代用できるとも思えんがね。
まあ個人の嗜好で医療用の血液を飲む者を、あえて止めはしないが……。
しかし解らんのは、なぜそうまでして血を飲む事を避けるのだろう?
人とて食べる為に麦を刈り、魚を捕らえ、家畜を殺しているのではないかね?

人間たちのよく言う「鯨やイルカのような賢い生物を食べるのは残虐」と
同じ理屈なのだろうか?………成る程。してみると輸血パックで命をつなぐ
翼手は、人間たちでいうところの「菜食主義者」のようなものなのかも
しれんな。…じつに興味深い。

しかし敵対し、武器を手にしばしば牙を剥こうとする人間を捕らえ、その血を
飲む我々の行為と―――家畜に子を生ませ、情愛をこめて長く世話をし、
大きく育ててから屠殺する人間の行為と。そのどちらがより残虐かは……。
これはもはや主観の相違でしかないと、私などは考えるのだがね。

448 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/10/31(水) 22:59:26
>>434
>絆という見えない力を信じる? 信じない? 

―――絆などと、言葉にすればひどく安易なものに聞こえはするがね。
しかし人智では図れぬ運命というものが存在することも事実だ。しかも
それはつねに心温まる友情や愛によって、相互に結ばれているとは限らない。
相手を憎みながら愛し、憧れつつさげすみ、突き放ちながらも求めてやまない
といった絆も存在するのだろう。「大好きで、大嫌い」という矛盾に満ちた
感情を抱えながら。

女王の血を等しく分けたシュヴァリエにもまた、密接な絆が生まれる。
しかし皮肉な事につよい絆で結ばれていてなお、おのれの見つめ続ける相手が
同様にこちらを向いているとは限らない。むしろ当の相手もまた、違う誰かを
必死に求め、その手を伸ばしているという事実が…往々にして起こりうるのだ。

「絆を信じるか」と問われれば「信じざるをえない」と答えるしかないの
だがね。絆…それは我らにとっては必要不可欠な、命綱のような存在だ。
しかし冷静に観察すればその絆によって悩み惑い、苦しんだ者は
我らの中にひどく多いだろう。だがそれでもなお「ではその絆を断つか」と
問われれば、皆一様に首を横に振るのだろうがね。








>>435
>昨今の環境破壊はどうおもう?

―――愚かな人間はおのれの引き起こした行為により、滅びの道を
あゆんでいる。ヒトという種がこの世界を制している以上、この滅びは
止められんのだろう。

『生態系から過剰に逸脱したヒトという種族をその玉座から追い、世界を
ディーヴァの揺りかごに変える』というこの私のデルタ計画がかくも皆から
悪し様に囁かれるのは一体なぜかね?なによりも地球に優しいではないか。

研究者の習性で、一応失敗した理由を検証してみたのだがね。
一、人間が多すぎる。(狩られる側が喜ぶはずはないからな)
二、協力を得られるはずだった弟たちがあまりにも個性的すぎた(……。)
三、提唱者を私でなく、優しげな美貌の持ち主に語らせるべきだった(………。)

449 名前:名無し客:2007/10/31(水) 23:00:30
あいつが死んだ時から・・・俺は世界に絶望した・・・
たのむ!俺を翼手に!心の無い化物にしてくれ!

450 名前:名無し客:2007/10/31(水) 23:37:57
「我思う、故に我あり」は真実だと思いますか?

451 名前:名無し客:2007/10/31(水) 23:56:49
血+と無関係の質問する名無しって何なの?

452 名前:名無し客:2007/11/01(木) 22:12:36
愛する人がいなくなったらどうしますか?

453 名前:名無し客:2007/11/01(木) 22:17:07
シュバリエは眠れないと言うけど横になって休む事もしないの?
ずっとなにかをし続けてるなんて疲れちゃいません?

454 名前:432:2007/11/01(木) 22:18:22
>>447
まだ卵なんだぜ…。画家なんて照れるなあwww
でも将来、絶対絵描きになるよ、俺。
アンシェル、モデルサンキューな!

455 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/11/01(木) 22:36:38
>>449
>あいつが死んだ時から・・・俺は世界に絶望した・・・
>たのむ!俺を翼手に!心の無い化物にしてくれ!

―――成る程。どなたか大切な方を亡くされたのですかな?
これはお気の毒な事だ。そのお気持ちはよく解ります。さあ…どうか
涙にぬれた顔をお上げください。はなはだ無力な身ではございますが
嘆く貴方の為とあらば、この私も尽力は惜しみますまい。
ちょうどここにシベリア鉄道で用いたと同じ、ある特殊な血液を携帯して
おりましてな。投与した場合なにが起こるか―――…ふふ。じつに興味深い。

………などとこのように私が奇妙に禍々しく、どこか熱をおびた目で
研究者特有の微笑をうかべたときは用心したまえ。私の立場から答えれば、
強い嘆きや怒りや強欲におのれを見失っている人間…これほど罠に嵌めやすい
ものはないのだ。優しく言葉巧みに君を慰めつつ、おのれの都合のよいよう
徹底的に利用する。……あとには君の残骸が残るばかりだ。

私は君に血を与える際に、以下の疑念を決して教えはしないからな。
まず、確かに下位の翼手に知能はないも同じだ。…しかし心は?
あれらは女王の目覚めを寿ぎ、その死に嘆きの声をあげる。攻撃や拘束を
受ければひどく苛立つ。どうやら感情は存在するようだ。では……
人間であったときの孤独や絶望はどこへゆくのか?

―――…なかなか詩的な問いではある。しかし取りたてて証明するほどの
価値はなかろう。翼手一体ずつの運命のゆくすえなど、この私もさほど
興味を覚えんしな。最悪の場合、その絶望の感情を抱えたまま、滅多には
死ねん体になる訳だが………ふふ。君はそれでも構わないかね?





>>450
>「我思う、故に我あり」は真実だと思いますか?

―――cogito, ergo sum か。万物を徹底的に疑う。疑う事からすべては
始まる。真実を探求する者として、それはまさに必要不可欠な姿勢では
あるだろうな。

しかし哲学者は世界のあらゆる現象を疑う。
草木を獣を、神を人を。死を誕生を、愛を憎悪を。
…すべての物の「存在」を疑い、疑って疑い抜いたそののちに……。
彼らはみな、何を基準にすべきか路頭に迷う。「我思う、故に我あり」は
私に言わせれば哲学者デカルトの恐怖の叫びだ。「このように疑う自分だけは
少なくとも存在しているに違いない」―――そうでも思わねば確かなものが
何も見出せぬからだろう。

…人間の論理だな。我らシュヴァリエの論理は彼らよりはるかに明快だ。
我々はディーヴァの為に存在している。「女王があり…故に我らもある」
これが私に取っての真実だよ。君。

456 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/11/01(木) 22:41:54
>>451
>血+と無関係の質問する名無しって何なの?

―――おや…貴方はお答えする我らを気遣ってくださるのですな?
ご厚意に感謝いたします。しかしどうかお気になさらぬよう。来客の
皆さまがおのれの質問の内容をそのたびに選んでいては、おそらく気疲れ
なさるに相違ありますまい。我らが皆さまに望むのはただ―――この地にて
襟をゆるめその肩の力を抜き、穏やかにくつろいで戴きたい。ただその事
のみを願っておるのに他ならないのですから。

それに貴方も、この私の面の皮が厚い事はよくご存知のはずですな?
かつてフランスのあの庭園で……シフと遭遇したソロモンから、私の真意を
問われた事がございます。その際私は弟に余計な気を回させたくはなかった。
ゆえに答えず、その折ちょうど訪れたディーヴァを賛美する事にさっさと話を
すげ替えてしまいました。問うたソロモンはさぞ不本意だった事でしょうが、
答える私はこれほどまでに不真面目ですぐ論点をずらす。話が長い割には
内容に実がない。ですからどうか我らの為に、貴方の優しいお心を痛めたりは
なさらぬように。それよりは長椅子に掛け、お好みの料理を口にし、
心ゆくまで楽しんでいただきたいものですな。







>>452
>どうでもいいよ
>てか、ここの名無しってキャラハンの自演にしか見えんね。

―――…ふふ。これは疑いぶかい方だ。この私と気が合うかもしれませんな。
なるほど先だってはソロモンへワルツを習いに、ひどく怪しい東洋の客人が
おいでになったようだ。おまけに妖艶な短髪の美女や可憐な長い髪の少女が
髭の大男だったりする場合もある。それを目にしたときの貴方の絶望は
まあおそらく想像はできますな。その折は夢を壊して誠に申し訳なかった。

…しかし少なくとも私は鏡に向かい、おのれを相手に自問自答する意欲は
起きかねますな。湯気にくもった浴室の鏡を指でぬぐい、言葉を畳みかける
のも、その姿をじっと観察し続けるのも―――すべて鏡の向こうに当の相手、
私の言葉に動揺し、なにかを思い出そうとする小夜あっての事でした。
研究者はなによりそこに『研究するに値する相手』があることを望みます。
訪れる皆さまは貴方も含めてその点……じつに興味ぶかい。
この私もお相手する甲斐があるというものですな。

457 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/11/01(木) 23:05:55
>>452
愛する人がいなくなったらどうしますか?

―――失敬。客人を取り違えてしまったようだ。どうかご容赦いただきたい。
それにしてもこの地を守る管理者の動きの速さはシュヴァリエ以上だ。
シャトー・デュエルを過ごしすぎましたかな?…以後気を引き締めることと
いたしましょう。

では改めて―――…。愛の対象が私の前から去ったとき。そのとき私は
どうするのか……つまりそういう意味の問いでしょうかな?

…私は何も出来はしますまい。想いをかけた相手が運命の扉をひらき、
外の世界をひとり自由にあゆみはじめる。あるいは別れの言葉を告げて
背を向け、きびすを返して立ち去ってゆく。
この私に出来る事といえば、それはただその後姿をずっと見送ることのみ
なのでしょうな。かける言葉すらなく、とどめる手段すら持たずに。

可能な限り、目で追い求め続ける。愛をかけた相手であれば尚更の事です。
たとえ相手が私の元を去ったとしても。
…おそらく私が私である限り、それは変わらないのでしょうな。

458 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/11/01(木) 23:10:29
やあ、こんばんは。

今宵は万聖節だ。万聖節はフランスでは祭日で一年の区切りでもある。
この日に墓参りをする人も多いから、ベトナムや日本の盂蘭盆(お盆)と
似たようなものかもしれないね。

昨夜は前夜祭のハロウィンだったが、そちらはフランスではあまり一般的な
祭りではないんだ。最近ではアメリカ文化が浸透したせいか流行りだしたようだがね。
僕も流行に合わせて、アンシェルにハロウィンにふさわしい贈り物をしたんだよ。
奴が>>437で話していたろう?白い小さな三角の布だ。あれを額につけて
次兄から贈られた着物を着れば、ジャパニーズ・ゴーストの出来上がりだ。

その装束で「Trick or treat!」とでも言えば、ここしばらくの長兄の
奮闘振りをねぎらって>>372さんのいう『ぼたもち』でも振舞おうと考えていたのだが……。
どうやらアンシェルは使い方がわからなかったらしい。眼帯のように
目にあててみたり、マスクみたいに口にあてたりしていたよ。

やはり僕がもっと早く来て、とっとと額に付けるよう言うべきだったね。
お客人方に喜んでもらえる上、額の広さも隠せてちょうど良かったろうに。
次に贈り物をする時は、僕がいなくても使い方がわかるカツラにしようかな。
そちらのほうが役立ちそうだろう?僕もたまには長兄孝行をしないとね。

459 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/11/01(木) 23:13:43
>>368=グレゴリー
>――待たせたな

我が次兄!

待ったとも!どれほどあなたを待ち焦がれたことか。次兄のことを思わぬ日はなかったよ。
電車やバスの乗り方は知っているだろうかとか、飛行機を見て「鉄の塊が空を飛ぶとは!」
と前世紀風のギャグを言って腰を抜かしてないかとか、赤信号は止まれで青は進めだと
知っていたかなあとか。

もしや赤は猛牛のように突進し、青は青空を見上げ、黄色は道端の花を摘むなどと
牧歌的な誤解をしてはいないだろうかと、僕は心配で心配で。
19世紀のロシアと比べると、だいぶ世の中は変わったからね。

旅はどうだった?苦労しなかったか?……ああ、そうか。
風呂に入れなくて川で水浴びをしたのか。それは湯が恋しかったことだろう。
しかし川だって?――次兄。まさかと思うが、ライン川だのセーヌ川だの
観光地の一級河川で、思い切りよく水浴びをしたりしなかったろうね?
21世紀のヨーロッパでそれはいささか問題があるのだが……いや次兄、
答えが怖いから真剣な顔して思い出そうとしなくていいから。

この翡翠のカフスは僕にくれるのかい?――へえ、綺麗だな。
うまくいけばもうすぐ女性をダンスに誘う機会があるはずだから、その時に
使わせてもらうよ。ありがとう!

ところで次兄、ずっと預かっていたイコンを返すよ。くくりつけていた
背中から外して……さあ、どうぞ。これはやはり次兄が持っていたほうがいい。
ほら、イコンの女神の顔も次兄に会えて嬉しそうだ。彼女もずっと次兄を
待っていたんだよ。次兄、僕の顔をじっと見てどうしたんだ?
まだ兄と呼んでくれるのかって?なにを言ってるんだ、次兄はずっと僕の兄じゃないか。

――ちょっと待ってくれ、ロシア式の親愛の印だとしても抱きしめて頬ずりするのは――!!

460 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/11/01(木) 23:14:48
>>380
>心機一転、また頑張ろうね!

やあ、君はこちらにも来てくれたんだね!しかもそんなに早く。
いささか出遅れてしまったが、僕も心を新たに頑張りたいと思うよ。
せっかく君が来てくれたんだしね。

しかしそんな風に素直に言われると、僕もひねくれたことが言いづらいな。
いつも僕の兄弟と仲間達を見守ってくれてありがとう……などと、
うっかり言ってしまいそうになる。本当にね、君、ありがとう。

ところで新しい場所には僕や僕達のことを知らない人もいるかもしれないね。
せっかくだから説明しておこうか。僕らを知ってる君には今更かもしれないが、
よろしければどうぞお付き合いください。
(実は引越し当日にこの説明をするはずだった。しかし9月に入ってからとりかかる
夏休みの宿題のごとく、諸々の事情で遅れてしまったのだ)

さてと、ではいくよ。
まずは僕の名を名乗らせていただこう。本編での登場回数が少ないから、
僕のことを知らない人も多いだろうしね。

――ではなく!

えーと、その、だね。登場した回数に関係なく、僕がこの物語の主人公であるのは
間違いない。ただ中にはご存じない人もいるだろうというだけの話だ。

僕の名はカール・フェイオン。ディーヴァを守護するシュヴァリエ兄弟の5男だ。
君は僕らのことを知っているかい?人間の血を糧とし、不老不死の『翼種』の
女王である美しき双子の姉妹、僕の小夜と僕のディーヴァのことを。
二人の女王のそれぞれの血を授かって、同じく人外の身となった女王の従者、
僕達シュヴァリエのことを。

そして我々翼種に対抗するために、人間達が作った組織『赤い盾』。
彼らは小癪にも女王の一人である小夜を使って僕達を滅ぼそうとしたのだが――、
翼種と赤い盾が繰り広げた戦いについては、調べてもらえばすぐにわかるだろうから
割愛させていただこう。まあ手っ取り早く言うなら、
『カールと二人の女王による愛と戦いの物語』だ。わかったかい?

その戦いは、関わった者全てに心の傷や死や別離、あるいは未来を与えて終わった。
もう僕達は――特に砕け散った僕などは、二度と懐かしい人々と会えるはずもなかった。
だがこの不思議な空間を得て僕達は蘇り、再び巡り会った。

そして今はもう敵も味方もない。僕達はただなごやかに過ごし、君達お客人とも笑顔で
語らえるというわけだ。この場所のことも簡単に説明すると、
『カールと女王とその他の脇役達が来客を迎える館』
といったところだ。平坦な表現だが、修飾がない分、真実が伝わりやすいね。

――以上だ。我ながら簡潔な説明だが、よくおわかりいただたんじゃないかな?

461 名前:カール ◆NrzNAFPLAQ :2007/11/01(木) 23:27:20
>>457=アンシェル

やあ、アンシェル。こんばんは。良い夜だな。
あなたの深い声が闇に朗々と響き渡り、あなたの広い額に月の光が良く映える。

――褒めてるんだぞ、一応は。

ところで僕は長兄の挨拶に割り込んでしまったようだな。
僕としたことがお客人に対して無礼だった。お詫びするよ。
僕はしばらく夜を楽しみながら、庭を散策してこよう。

それでは皆さん、今しばらくの間の失礼を。
――また後で。

462 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/11/02(金) 01:08:04
皆さまに紛れてこの私の袖のなかへ、あの妙な三角巾を押し込んだのは
やはりカールか。東洋の習慣まではさすがに思い至らなかった。
しかし顔を緑色に染めて私をただ罵っていたお前が、これほど巧妙な
嫌がらせを思いつくまでに成長してくれるとは―――…兄としては怒りに…
いや感激に拳がふるえるよ。…すばらしい。この返礼をどうしてくれようか。

>>458
>お客人方に喜んでもらえる上、額の広さも隠せてちょうど良かったろうに。
>>461
>あなたの広い額に月の光が良く映える。――褒めてるんだぞ、一応は。

………。
お褒めにあずかりじつに光栄だ。愛しい弟よ。
日本の料理はよく解らんが、かの国では豆を茹でる際に色艶を出す為
鍋に古釘を入れて煮ることがあるらしい。まだ厨房では「ぼたもち」とやらの
原料である小豆を、鍋でハジがまだ煮ているはずだ。
古釘こそないが…お前はその掌から杭を出す。だから一度大鍋で頭から
煮てもらう事だ。百にひとつにも菓子の風味が増し、小夜や客人らの旺盛な
食欲を満たすことができればお前としても心残りはあるまい。その場合
お前自身の毒抜きも出来て一石二鳥だ。…私は絶対に口にしないがね。
死者へのお供えだから当然?………大きなお世話だ。

>ところで僕は長兄の挨拶に割り込んでしまったようだな。
>僕としたことがお客人に対して無礼だった。お詫びするよ。

客人はお前の登場をこそ待ちわびていたのだろう。無論私もだ愛しい弟よ。
さあ…早く大鍋に飛び込み、今度は彼らの舌をも楽しませて差し上げたまえ。
ああ皆さまがお前の毒気に腹を壊したとしても気にするな。ソロモンも
ミズ・ジュリア・シルバースタインも、その手の治療には手馴れておる
に違いない。それから額の話を何度もするな。私の事は放っておけ。

463 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/11/02(金) 01:10:56
>>453
>シュバリエは眠れないと言うけど横になって休む事もしないの?
>ずっとなにかをし続けてるなんて疲れちゃいません?

―――この身に傷を受ければ、治癒のために渇きを覚えます。
またかつての救命ポッドのなかのジェイムズのように、おのれの身が
癒えるまで瞑想する修行僧の如く長期間目を閉じ、しずかに回復を待つ
こともございます。肉体の傷だけでなく、心の苦悩もまたひどく我らを
消耗させる事実は―――我が弟ソロモンを見ても明らかと言わざるを
えないでしょうな。

この私とて疲労を覚える事はあります。とくに個性豊かな弟のひとりが
あるじをその背に乗せて消息を絶った時などは…正直頭痛を覚えたものだ。
……成る程…こういう時には体を寝台に預け、眠れぬとしても目を閉じ
心身ともに安静にしてみるのも一興ですな。お気遣いに感謝いたしますな。
ご助言に従い、今度私も試してみる事にいたしましょう。






>>454=432の画家志望のお方
>まだ卵なんだぜ…。画家なんて照れるなあwww
>でも将来、絶対絵描きになるよ、俺。
>アンシェル、モデルサンキューな!

―――こちらこそ感謝を。画家の卵とは到底思えぬ腕の冴えだ。
Pablo Picassoというスペイン生まれの画家は、ごく幼いときから
絵を描き始め…十歳に満たぬ頃すでに画家である父に、筆を折る決意を
させるほどの腕前であったと聞き及んでおります。天賦の才能に対し、
年齢はさほどに問題ではない。すでに初老の坂を上っていたMr,コリンズ
より、若きミズ・シルバースタインの方が優れていた―――それとまったく
同じ事ですな。描いて戴けてじつに光栄だ。最初のモデルが華なきこの私では
返って申し訳なかったとは思いはするがね。

才能とは……誠に得がたく貴重なものだ。
しかしそれだけにいっそう周囲のゆえなき嫉妬を浴びやすいもの。
しかし貴方のなかにその固く揺れることのない熱意がありさえすれば、
貴方本人はさほどに周囲の悪しき影響を受ける事はないでしょう。
星を見あげる者に足元の汚泥は目に映らぬものだ。…どうか惑わされる事なく
その貴方にとってのただひとつの真実を、大切になさることですな。

464 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/11/02(金) 06:54:33
>>345
>どういう風に別れを告げた?なるべくその人を傷をつかないようにしたい。

お待たせしてしまったね。すまない。その手の中のお茶も冷えてしまったかい?
前もって言っておくが、かなり長い話になりそうだ。無理に付き合う必要は
ないからね。僕が一人でしゃべっていても気にしないで笑って飛ばしてください。

さてと――。

シュヴァリエになった時に大切な人がいたかどうか、という話だったね。
人間だった頃、僕にも故国に人間の家族がいたよ。もうずっと前の話だ。
とても懐かしく、だができるだけ思い出さないようにしていた人々だ。
シュヴァリエになってからは彼らと会っていない。

年をとることもなく、傷もすぐに癒え、人間の血を吸うようになった僕が、
それまで家族だった人々にしてあげられることは、二度と彼らの前に姿を
現さない、ただそれだけだったんだ。物陰から家族を見たことすらない。
自分がもう違う世界にいるのだと、思い知る勇気もなかったせいかな。

だから別れの言葉は言っていない。家族にとって人間だった
カール・フェイオンは第一次世界大戦下のパリで永遠に行方知れずだ。
あの不穏な大都会でベトナム人が一人消えても事件にもならない。
探すこともできない。僕は戦火の欧州で死んだのだと、家族は涙を
流して諦めただろう。ある意味でその推測は正しいのだが。

人間としての僕は死んだ。そして新しい命と、新しい家族だと名乗る
人々を得た。その後は人間だった頃よりも多くの出会いと別離を繰り返した。
人とはけっして共に暮らせなかったからだ。どうしてだか、君にもわかるよね。

僕と一緒にいてくれたのは新しい家族――、あるじと兄弟達だ。
あるじは数年で眠ってしまわれるから、兄弟達だけだったと言ってもいいか。
そういえば僕は兄弟から離反する時、つまり小夜と死のうとした時だね。
あの時も別れを告げはしなかったな。ただ黙ってコープスコーズを持ち出して、
小夜がいる農場へ出かけて行ったんだ。そしてアンシェルはソロモンに
僕を殺すよう命じ、ソロモンは僕の腕を切って小夜を救った。

もしあの時、アンシェルやソロモンに別れを告げていたらどうなっていたかな?
「僕は小夜と共に死ぬ。さようなら」
そう言っていたら、何かが変わったか?

変わりはしなかったのじゃないかと僕は思う。なぜならどちらにしても、
僕が兄弟を捨てていくのは同じだからだ。あなた達と生きることに絶望した、
だから僕は小夜と共に死ぬのだと、この口で宣言して悶着を起こすかどうかの違いだ。
アンシェルは自分達を、いや、自分を否定した弟を殺すしかなかっただろうし、
ソロモンは絶望の海に溺れた僕を死なせるしか、小夜を助ける術を
見つけられなかっただろう。

彼らにああさせたのは僕だよ。僕の闇がそうさせた。この腕を切り落として
悲しげに首を振るソロモンの顔を見るまで、愚かな僕は少しも気づかなかった。

ねえ、君。
別れは悲しいものだ。だが出会いがあれば別離があるのは当然のことだよ。
誰かを傷つける要因は別のところにあるのではないだろうか。

僕は人間の家族に行方不明という曖昧すぎる消息をつきつけた。家族は僕の
生死を考えただろう。生きているのならばひどい目にあっているのでは
ないかと恐れ、死んでいるのならばむごい死に方をしたのではないかと
悲しんだだろう。なぜフランスなどに行かせたのかと悔やみもしたろう。
僕が嘘でもいいから「幸せに暮らしている」と明るい便りのひとつも出せば、
少しは違っていただろうに。僕はなんて思いやりに欠けていたことだろう。

そして翼種の家族には、沈黙のうちに拒絶をつきつけた。兄弟は小夜と死を
求めて狂っていく僕を見てどう思っただろう?僕は知らなかった。
捨てられ、拒絶された者がどれほどの痛みを感じるのか。僕は実験体ではあった。
だがそれでも血を分け、共に生きたもの同士のつながりは確かにあったんだ。
それを僕は彼らごと否定してしまったんだよ。

僕達は本当に長く一緒にいた。仲間は僕達だけの密接な関係だった。もしも僕に
兄弟を振り返る余裕があって、彼らにも心があるのだと思い出せていたら。
せめてもう少しは―――せめて。

ああ、今は君の話だったね。君は誰かとお別れするのかな。
けれどそれは旅立ちでもあるはずだ。君は今いる場所ではなく新しい場所に行き、
今の友人達と離れて新たな友人を得るのだろう。

もしも君が今までの友人達に「楽しかった」と笑い、次の場所でまた元気で
暮らしていけそうだと言ってくれるのならば、僕なら別れを告げられても
君の旅立ちを祝福する。君が僕達といて少しは良いこともあったと言ってくれるなら、
これからもそれを励みにするよ。そしてもし君に辛い思いをさせてしまったのなら、
済まなかったと詫びるだろう。

旅立つ君に、来てくれてありがとう、僕の方こそとても楽しかった、
君が大好きだったと、何もできずにごめんねと、そう言うだろう。
また気が向いたらいつでも来てくださいと、付け加えてね。
もし相手が僕のようではなく、たやすく別離に傷つくような人であっても――、
君は好きな場所に行っていいんだよ。無理をしたあげく友人が我慢して
苦しむのを、見たがる人などいないだろうからね。

――本当に長話になってしまったな。お茶のお代わりを淹れよう。
君がこの部屋を出て行っても、暖かい気持ちでいられるように。
さあ、カップを出して。これを飲み終えたら君が目指す場所に。
どうか元気で。またね。

465 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/11/02(金) 06:56:14
例によってご挨拶をまわりきれていないが、追いつくよう努力しよう。
このままではここが「アンシェル園」になってしまう。
そんなのは癪に障るから急がなくてはね。

では人間の皆さん、またそのうちに。そしてお早う。今日も良い一日を。

466 名前:名無し客:2007/11/02(金) 20:28:29
世界で一番守りたいものは?

467 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/11/02(金) 22:41:20
>>466
世界で一番守りたいものは?

―――ディーヴァの望み、だ。
ディーヴァの望みを叶える事が私の望み。
私はディーヴァの幸せの為に世界を動かす努力をしてきたのだ。そして
これからもそれは変わらない。邪魔する者は排除する…ただそれだけだ。

彼女の望むものはすべて彼女の手に。
身にまとうあらたなドレス。真珠をつらねた髪飾り。
おさない少女が手にする人形、青薔薇の咲くしずかな住居。
彼女の退屈を紛らわせる趣向の変わった遊び。またその相手。花婿。
彼女を輝かせる舞台、唇をついで出るまま歌う事のできる翼手に満ちた世界。
その為に世界中のあらゆる富を。邪魔する者を排除できうる相応の権力を。

気まぐれにかき集められた、それらの朽ちた豪奢な調度品のなかで―――
物憂い瞳のディーヴァはいつも彼方を見ている。ここではないどこか遠くの
「彼女自身のあるべき場所」を。…私は知りたいのだ。ディーヴァのすべてを。
彼女が次になにを望むのか。扉をひらき自由に歩む、その先に何があるのかを。

彼女が告げる望みのものを、彼女の元へと引寄せる。
いかなる手段を用いようとも。それが為に幾多の屍が積みあがろうとも。
………それ以外の方法を、私は知らない。

468 名前:名無し客:2007/11/03(土) 00:05:46
新しい場所に移動したとはいえ、前に動物園があった場所を放置してるのも
どうかなと思うんだよ。埋めるなり削除してもらうなりしたほうが
懸命だと思うんだけどね。立つ鳥後を濁さず、だ。
これだけでは何なので。つ【三丁目の夕日DVD】

469 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/11/03(土) 05:03:25
こんばんは。
夜明けまでまだ時間があるね。
それでは少しずつだが、ご挨拶にまわろう。


>>381
>血って美味しいんですか?

僕達にとってはね。少なくとも人間の食べ物よりは。

かつては体が細いわりに食いしん坊だった僕だが、今では君達が食べる
食物がただの物体に見える。ベトナムの工場長時代は仕事での付き合いも
あったから、必要ならば食べる真似くらいはしたが、あまり楽しくない作業だったよ。

目の前で湯気を立てている料理が出されるだろう?だが見た目も、匂いも、
僕の食欲をそそらないんだ。取引相手と仕事上の味気ない話をしながら、
味が全くわからない物体を口に運び、咀嚼し飲みこむ。いささか苦痛だったな。
感覚が人間だった頃と変わってしまっているのだね。

それに比べたら血は甘露そのものだ。僕達の力と命の源でもある。
君達人間には忌み嫌われる行為だろうが、僕達は人間の血を飲んで生きている。
生物が必要な食物を摂取するのは自然なことだ。食物連鎖のピラミッドで、
人間より上に位置しているだけ。何者にも責められるいわれはない。

――と、いくらそう思おうとしても、血の甘さを感じるたびにこの胸には苦いものが
溜まっていく。何も感じなければ、きっと楽なのだろうけれどね。

470 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/11/03(土) 05:05:31
>>382
>ご自分がお持ちの「いちばんの武器」について語ってみてください。


――困った。
武器といえるものなど思い当たらない。他の連中はどう答えたのかな。

シルヴァスタイン女史は「家族への愛情」か。なるほど。優秀な研究者である前に
母であり妻であるのだね。アンシェルは……「猜疑心」だと?こちらも長兄らしい答えだ。
では僕はアンシェルとは正反対の「素直で一途な心」とでも言っておこうか。
アンシェルとは正反対の僕の美徳だ。僕の経歴を考えてごらん。


第一次世界大戦下のパリ。僕は素直だったので、ソロモンに誘われるまついて行って
あっさりとシュヴァリエにされてしまった。
――あれ?

ベトナム戦争時とその30年後のリセと研究所。僕はとても一途でもあったので、
小夜を追い求め続け、何度も彼女に戦いを挑んだ。ほとんど作戦もなく
彼女をめがけ一直線。その結果、右腕と右足を失った。
――う?

そしてやはり一途だったので、コープスコーズを盗み出し小夜のいる農場へ。そして……。
――む。


…………。
まあ、なんというか、客観的に見てこの性格は武器とは言えないようだ。
それどころか僕の運命を暗転させたかもしれない。…けれどこうして穏やかに
過去を振り返ると、けっして悪いことばかりではなかったと思うんだ。
僕の中から暗い感情が消え去ったわけではないのだが――。

たとえどんな運命を歩むことになったとしても、僕は彼らと出会って
良かったのじゃないだろうか。シュヴァリエになったこともだ。
そんな風に考えることもあるんだよ。今はね。だからこの性格も悪くはない、かな。

471 名前:名無し客:2007/11/03(土) 05:35:27
ご挨拶が滞ったままだが気になる話しがあったので、こちらを先にさせていただくよ。

>>468
>つ【三丁目の夕日DVD】

DVDを見せてくれるのかい?へえ、日本の映画だ。これは楽しみだな。
ありがたく皆と鑑賞させていただこう。おや、君は他にも話があるのかい?

>前に動物園があった場所を放置してるのもどうかなと思うんだよ。
>埋めるなり削除してもらうなりしたほうが

ご忠告をありがとう。だがその提案の実現は難しいな。
なぜならあの場所の規約違反になるからだ。


1つ目の案を考えてみようか。
僕があの場所をわめき声で埋め尽くしたとする。

「あの日の君と僕に、レッツダンス!」
「今度は僕と踊ろう、レッツダンス!」
「これぞ最高の舞台だ、1000回目のレッツダーンス!」

そして舞台は終わりを迎える。――だがこれはあそこではルール違反なのだ。


そして2つ目の案。
ボランティア君に掃除してくれるように頼んでみたとする。

「掃除ボランティア君!あの場所をすみやかに消し去ってくれ。パーティーの時間だ」

『(掃除ボランティア)よしなさい、カール。理由もなくそんなことはできません』

「理由ならばある!僕達がいなくなるからだ。その理由であの場所を消す。何がいけない!」

『偉い人が言っていたでしょう。掃除の理由は掃除のガイドラインからだと』

「くっ……」


……このように僕達の誰かが依頼しても、受け付けてはもらえないはずだ。
場所を作った者でも好きにしていいわけではないからね。他の多くの場所と同じだ。
誰もいなくなれば自動的にひっそりと消えるだろうが、誰かがいればしばらくは残るだろう。
今いる人がいるならその人達が住人ということになるのだよ。僕達ではなく。

ご忠告に感謝して、ついつい長話をしてしまったな。しかしこれは庭園向きの話だったね。
おわかりいただけたなら良いのだが。



では今日はこのあたりで。

472 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/11/03(土) 05:39:06
しまった。名前が外れてしまった。471は僕だよ。ちゃんと記憶しておかなくてはならないね。

今度こそ失礼させてもらうよ。それでは。

473 名前:名無し客:2007/11/03(土) 06:53:27
過去の自分に一通だけ手紙を送れるとしたら
何を書きますか?

474 名前:名無し客:2007/11/03(土) 07:12:56
子供は好きですか?

475 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/11/03(土) 15:33:41
>前レス 40
>2ちゃんねるがメディアなどで取り上げられた時、どう思いますか?

―-っ、んっ……っ、っ…は、ぁ……びっくりしちゃった。
いきなり耳元に響くから…リセでミンがカイを紹介してって
言い出した時も突然の事で喉に詰まっちゃったね。
ふふ、なんだか思い出しちゃった。
うん、もう大丈夫。心配をかけてごめんなさい。

それよりさっきの声は――掌に握られた……これは
ボイスレコーダー…っていうの。うわぁ…小さくて可愛い
他にも種類がある?でも私が聞いてもいいのかな。
音量を小さくするから大丈夫?
そっか、こうして顔を近づけば聞こえないものね。

ところでさっき聞こえた名前はどこの放送局のことなのかな。
メディアに取り上げられるような事をする…
逆に言うと注目もされるけど負担も大きいと思う。
これは岡村さんって記者の人が一番詳しそうだよね。
今は何をしているのかな?謝花さんなら知っているかもしれない。
でもきっと意地悪っぽい笑顔を浮かべて大変そうだから
特製の珈琲を差し入れしてきたわって呟くかも。

味―-?ううん、飲んだ事ないけど、一度飲んだら忘れられない味だって聞いた事があるの。

476 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/11/03(土) 15:34:34
>前レス 133
>熱くて忙しい・・拷問です

ロシアはとても寒かったけど、それでも陽気な笑顔で
毎日頑張っている人達がいたの。時代は変わっても
一日を頑張って過ごすというのは大切な事。
この呟きを零した人は沖縄の暑さを知っているのかな、
ううん、知らなくても暑い中で忙しく動き回るのは大変だよね。
そういう時は暑いって叫びたくなるの。

喉の渇きを潤す時、冷えたカルピスがお勧めなの。
そう、瓶の中身を飲んで後からお水を飲むと――
…………
…………
あれ??肩を震わせて…笑っているの?
私、何か可笑しいこと言ったのかな、頬が落ちそうなくらい美味しいのに。


>前レス 221-226
>翼手と地震とどっちが怖いかなあ

人の視点では翼手より地震の方が怖いと思う。
地震は前触れもなく襲ってきて、その為に建物が崩れたりすると聞くから……。
自然の驚異と生き物の脅威の差はあるように思うの。
地震、雷、火事…焼肉のタレやマッチ一本?……
そういえば海岸でバーベキューをした後、カイとリクが砂浜に穴を掘って
カイの友達を埋めて遊んでいたのを思い出すね。あの後、出られたのかな?

477 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/11/03(土) 15:37:56
>前レス 227-228
>み、み、み、皆さん、ど、どうか自分の血を飲んで元気だしてください(ガクプル)
>翼手の皆さんはどの血液型が好みなのかな?
>一応、血液型で語られている性格とかも影響ありかな?

このお客様、声が震えているね。元気を出して貰いたいって気持ちを込めて
呟いているようだけど――この後、この人は大丈夫なのかな。
会話から聞くと研究員の人とスタッフみたいですね。
けど、これに私やハジが答えるのは難しいかもしれない。
私もジョエルから貰うお薬を口にしていたけど、当時は何も知らなかったから。
今は輸血で針を通し、それ以外ではハジから貰うの。

何も知らなかった頃は体が軽くなる甘いお薬――
意味を理解してからはハジから血を貰う時が切なかった……。
だから血液型とか、血液型で語られる性格等の影響というのも
正直に言って、よくわからないと思う。

ディーヴァやアンシェル達ならわかるかもしれないね。
実践してやるとすればジュリアさんが診察台に寝そべった彼らを検査―――
例えば手足を固定して、口に運ぶ人々の血液サンプルの味で
報告する内容を記す…とか、かな。傍らでディーヴァが見ていれば
大人しくしているだろうし、ジョエルがいれば狸と狐の笑顔の睨めっこ……
ふふ、見物する人によって反応が変わるね、きっと。

478 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/11/03(土) 15:39:22
>前レス 232-236

エクササイズー―という話題で盛り上がっているの。
ダイエットによく効果がある…それなら、香里やミンが気に入るかもしれないね?
二人とも細いのにダイエットを気にしていたから。ジュリアさんやエリザベータさんも
試した事があるのかな。私?ううん、試した事はないの。

運動着と競技用のシューズ、高跳びの道具を揃えて走るー―
風に頬を撫でられて空に近くなる瞬間がとても気持ち良くて……
そうだね、世界を旅する事を夢に見て剣の稽古をしていたのと同じくらい。

高跳びで疲れた後は美味しいお弁当、あの頃はハジがミルクピッチャーで
用意してくれた冷たいミルクがとっても美味しかった。
エクササイズでも何でも、運動の後の飲み物や食べ物はいつもより美味しいの。

でも知らなかった……カールもエクササイズに興味があるのね。
ミンがダイエットを意識していたのは理事長だったカールの体型を見て
――とか、だったらこのエクササイズの存在を教えた方がいいのかな。
そうしたら理事長の細さの秘密ということでミンが頑張って汗を流しそうだから。
けど……細さで言えばカールもハジも負けてないのに、どうして庭師だったハジに
対抗意識を燃やさなかったのかな……?

479 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/11/03(土) 15:43:17
>前レス 246
>好みの異性のタイプは?

これは…>>50-51のお客様と同じ質問……ということなのかな。
だとしたら>>133-334の結論の通りで――あの…あまり、顔を見ないで
……どう反応したらいいのか、わからないから。ごめんなさい。

>前レス 365
>皆さんの好きな鉱石は何ですか?

私の好きな鉱石は赤い石。
私の刀と、ハジの短剣を飾る――赤い石。生命の身体を循環する色。
真っ赤に咲き誇る薔薇、熟れたリンゴやイチゴ。
意味を数え上げたらキリがないけど、私は赤いルビーが好きです。
赤は一番身近な色だから。

……はぁ、時間を忘れちゃった…。
ありがとうございます。とても楽しく過ごせました――っ!
お…お腹が………時計の鐘の音に隠れてくれたらいいのに。
今の気分ですか?…すごく恥ずかしい、です…。

480 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/11/03(土) 22:57:13
>>468
>新しい場所に移動したとはいえ、前に動物園があった場所を放置してるのも…

―――成る程、貴方のご懸念はよく解る。私とて気にならぬと言えば
嘘になるからだ。しかし…我らはすでに運命の扉をひらき、みずからの
あるべき場所を求めて、もう既に歩みはじめてしまった。
かの地がいばらの蔓に埋もれて、ひっそりと朽ちゆく運命にあるのか。
それとも我らとは違う住人を迎えて、またあらたに息づくのか。
気にはかかるが…しかしどちらにせよ、>>471のカールの言葉どおり
我らは何もお役に立てそうにない。
………すまないな。どうかご容赦いただきたいものだ。


>これだけでは何なので。つ【三丁目の夕日DVD】

―――1950年代の日本が舞台か。題名や筋立てから言って、見る者の
郷愁をゆすぶる時代設定なのだろうな。この時代に若き日を生きた者が
この作品を目にしたならば、おそらく涙腺がゆるむのを禁じえないのだろう。

私がなつかしく感じるのは―――…やはり十九世紀のあの時代だ。
沸きおこる産業革命の息吹。都市の雑踏。近代への目覚め。
次々と刊行されるあらたな書物。立ち昇る活版印刷のインクの香り。
裾長きドレスをまとい、気だるげに手をさしのべる高貴な女性。
目立たぬことに最上の価値観をおかれた男の装い。
荒げることなくひそやかに交わされる会話。かすかな衣擦れの音。
周囲をほの暗く照らす、燭台のゆらめく灯り―――…。

このように語る私や、この作品の風俗に目を潤ませた者はさぞかし
「前時代の遺物」として扱われるのだろうな。夏の盛りでも三つ揃えの
背広をこうして着用していると、眉根を寄せたネイサン辺りからいかにも
「見た目が暑苦しい!」といった冷たい視線を投げかけられるものだ。
「どうでもいいけど…せめてそのジャケットとベストを取ったらどうなのォ?」
―――現代はともかく…私の時代の価値観でそれは人前で下着になるのも
同然の行為だ。時代遅れと罵られようと、私の事は放っておいてもらおう。

481 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/11/03(土) 23:05:11
>>473
>過去の自分に一通だけ手紙を送れるとしたら
>何を書きますか?

―――…一通だけかね?翼手に関する詳細な情報やら、どこかの誰かへの抹殺
指令だけでもさまざまに脳裏を巡るので、とても今はひとつに決めかねるが。
…尤も来客の皆さまのご不興を買うのは必至だから、滅多に口にすることは
はばかられるがね。とくに「塔の鍵の管理場所には厳重に気を配れ」などと
送った日には…いくら本音であっても、この地に来られた私以外のディーヴァ
の崇拝者からどのような激しい弾劾を受けるか、薄々想像はつくというものだ。

……しまった。先ほど小夜が来ていたな。
>>473の君。今の私の言葉は聞かなかったことにしてくれたまえ。
和解をし、今ではすっかり妹思いの彼女の耳に触れようものなら…血塗られた
刀でこの身が串刺しにされかねない。「ぼたもち」とやらを投げつけられる
程度で済めばよいのだがね。尤も女王はひどく空腹のご様子らしい。(>>479
…ふふ。私などに投げつけるくらいならと、すべて平らげてしまうかもしれんな。




過去の私に一通だけの手紙、か。……そうだな。では…。
…メットでひらかれたオペラの夜での私に、以下の一言を。

「どのような状況になろうとも、決しておのれのあるじの傍を離れるな」

―――…と。

482 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/11/03(土) 23:18:22
>>474
>子供は好きですか?

―――人間の幼児には取りたてて興味は覚えないがね。ご存知のように
私は研究者だ。しかも人権保護団体からはつねに激しく糾弾される類の、だ。
…まあしょせん彼らの言い分など初めから聞く気はないのだが、こうした
「ろくでもない狂気の科学者」が子供好きの慈愛豊かな男である可能性は
かぎりなくゼロに等しいそうだ。私もそう思う。実に説得力ある話ではないか。

子供と言えば…この動物園の研究室で、ふたりの翼手の女王が産声を上げた
あの日のことを思い出す。指を傷つけた私の血からひそやかに息づいた繭が
数ヶ月を経て、ちいさな幼児の五指によって破られた―――あの記念すべき日。
驚くべき事に外見上は、ふたりとも完璧に人間の幼な子と変わりはなかった。

しかし母体の形状・その状況・誕生の経緯からして絶対にヒトではありえない。
若き日の私とジョエルは息を呑んだ。母体のミイラに見られた手指のあいだの
皮膜すらも確認できない。事情を知らずにこれは人間の幼児であると誰かに
説明を受けたならば…おそらく私は信用していただろう。

ともかくこの研究の指揮を執っていたジョエルが、まず鳶色の瞳の幼児を
抱き上げ―――次いで助手の私が診療台に残る「彼女」を抱き上げた。
そのとき私に向かって伸ばされるちいさな指。やわらかな優しい皮膚。
抱き上げたとき、この両腕にかかるあたたかな体の重み……。
私を覗きこむ瞳の色は…姉と異なり、こちらを貫くようなおそろしく深い青。


それ以降、塔に隔離された彼女の世話と観察を、この私が担当したのだ。
その過程で「彼女に魅せられていった」と断言しても過言ではないだろう。
翼手とは誠に不思議な生き物だ。みずからはあるべき姿を持たず、人間に
寄りそい生き続けようとする。しかしディーヴァのケースはあくまで特例で
あって「私が一般の子供を好むかどうか」についてはまた別の問題が………。
………。
…リク・宮城がロシアで高熱を出した時ひどく面倒見がよかった、だと?
………。
………。
…そうだったかな。あれはまあ…成り行きだ。とにかく私は子供に慈愛を向ける
型の男ではないよ。むしろ引きずり回し、重苦しく干渉する性質の方だろう。
子供は―――…まあ、嫌いではない。なにせ彼らは疑うことを知らん。
それだけ騙しやすいという事だ。私のような男の目から見ればな。

483 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/11/03(土) 23:55:34
>>216
>質問です日ごろから困っていることってなんですか?

―――できれば穏やかにこうして客人と談笑しているか、研究室に籠って
過去のデータに目を通しているか…さもなくば椅子に腰掛け、ディーヴァが
森や円柱のあいだで遊んでおられる所をしずかにただ見ていたいのだがね。
………しかし生憎、明日は会議に出席せねばならない。

私は始終こうした野暮用に振り回されるのだ。
私に会見を申し込むのはつねに男で…。ヴァン・アルジャーノ然り、Mr,
コリンズ然り―――あの時はミズ・ジュリア・シルバースタインも同席して
いたと後で聞いたが…私の方がカールの失踪でそれどころではなかった。
暗殺現場での会食相手、これも男だ。当の相手はさっさと逃げはしたがね。

おまけに空軍基地でソロモンが小夜を連れ去り、ハジが追いかけ、
ミズ・シルバースタインのご夫君が、現場の彼女と共に救急に運ばれ……。
わかき男女の風雲急を告げる展開の中で、まあ私ひとりだけがMr,グラント
などと固い握手を交わしていたという訳だ。…しかも笑顔で。何が楽しいやら。
我ながら華がない事このうえないが…こういう役回りなのだから仕方がない。
明日の会議も同じことだ。気が重くはあるがね。――…では諸君、月曜に会おう。

484 名前:名無し客:2007/11/04(日) 07:08:32
子供と話す時すごい優しい目をしてるんですけどね

485 名前:名無し客:2007/11/04(日) 19:49:02
奏ちゃんのことすっごく可愛がってたもんね
そんなにディーヴァに似てた?

486 名前:名無し客:2007/11/04(日) 20:02:47
>>484
そんな場面あった?

487 名前:名無し客:2007/11/04(日) 20:13:45
戦闘は良作
http://www.youtube.com/watch?v=uVm4_v3m8CM

488 名前:ソーニャ ◆gD.KishiHU :2007/11/04(日) 21:23:14
>>50 
>恋人に選ぶとしたら誰ですか?
>>51
>ソーニャもヨロ〜

わたしも、なの?……構わないけど。

ソロモンは優雅で物柔らかにて華麗、カールは明るくて軽やかでユーモアに
あふれ、長兄は重厚にして謹厳、格調高い。ハジは寡黙な内に秘めた芯の強さ、
一途さ……わたしの兄弟と友人は皆、非常に個性的で魅力にあふれているわね。

でも、折角訊ねてくれたのだけど、恋人にしたい相手はこのリストの中には
いないのよね。だって、いくら魅力的でも彼らは兄弟なのよ?ハジはサヤが
全てだし。――え、じゃあ誰かって?サヤよ。>>134で語ってくれているけれど、
わたしの作ったごはんをあんなに嬉しそうに食べてくれたのは、彼女がはじめて
ですもの。

それに彼女は魅力的よ。人間の皆さんには分かるかしら?
あの夜もハジを片づけて、続いてサヤも始末するつもりだったのよ?ディーヴァの
御身に仇なす者は、わたしの敵ですもの。それなのにあの匂い……たまらないわね。
彼女の寝顔を眺めているうちに頭がぼうっとして……気がつけば裸でベッドに潜り
込んでいたわ。悲しきはシュヴァリエの本能、対の女王の引力には逆らえないと
いうことかしら。だからソロモンも、>>443で語っているけれど……あまり自分を
責めないで欲しいと思ってるわ。


>>82 
>―まったく、あの岡村のオッサンときたらッ!何が「動物園に行って来い」、よ

あら…随分と元気なお嬢さんね。サヤの友達?記者の卵?彼女の友達なら、
無碍にもできないわね。聞きたいことがあるなら、遠慮なさらずどうぞ。

489 名前:名無し客:2007/11/04(日) 21:24:42
>>487
ジェイムズ戦とソーニャ対小夜戦は痺れるね。
長兄とディーヴァが逃げなければソーニャは生きてたよね。

490 名前:ソーニャ ◆gD.KishiHU :2007/11/04(日) 21:25:01
>>222 ハジ

あら、貴方は>>369でハジへの届け物をお願いしたお客様!
――ハジからの預かりもの、ですか?お土産のお返しかしら?たかがレコードで、
そんな気を遣わなくていいのに、本当に律儀なひと…。早速開けてみますね♪

>つ【サンタフレシュゴールド 3ダース】
>在庫は…巡礼疲れのグレゴリーに押し付………届けると良いでしょう。

――何か伝言、ですか?そうですね、お客様にたびたびお願いしてしまって恐縮
なのですが、「もち米が蒸しあがったら熱いうちに杵でつくように」とお伝え
いただけますか?ああ、杵とはトラックの荷台に一緒に積んであった丸太のような
ものです。あれで半殺しにするようにと。

嫌だわお客様、そんなにびっくりなさらないで。「半殺し」とは粒が半分残る
くらいに潰す、ということですよ。彼ならばあのもち米を全て!冷めないうちに
つき終わってくれるでしょうからね。「サヤがお腹を空かせて待ちわびている」
とひと言耳元で囁きさえすれば。ふふふ……。



>>298 カール
>しかし――家庭か。遠い言葉だな。

確かに。わたしたちシュヴァリエにとって、多くの人間がするように伴侶を得て
子を為す、ということは難しいことよね。……でも、少なくともわたしは君と
長兄とソロモン、そして主こそが家族であると思っているわ。まだ人間だった
ころからずっと憧れてきた、ありのままの己を受け入れ必要としてくれる場所、
家庭だと思っている。それではいけないかしら?

491 名前:ソーニャ ◆gD.KishiHU :2007/11/04(日) 21:26:38
>>308 シルヴァスタイン女史
>会ったことはないけど、彼のことは知ってるの。

まあ!貴女が『翼手の繁殖に関する仮説』の著者でいらっしゃるのね。
お会いできて光栄だわ。わたしのことをご存じなんですか。ジョエルの日記で?
ああ、成程ね。わたしのことはグレゴリーでもソーニャでも、好きな方の名で
呼んで下さって結構よ。

先日書庫の整理中に貴女のレポートを見つけて、非常に興味深く読ませて
いただきました。わたしの生物学の知識は90年前のまま、かなり苦戦している
のですけどね。でも、己の播いた種がどのような花を咲かせ実を結んだのか、
興味を持つのは研究者の本能。そう思いません?



>>413-414
>君は私と同じ素質があるだけに………じつに残念だよ。

「あの」長兄が人間に一目置かれるなんて。ここまで仰るなんて、滅多にない
ことだわ……。でも、わたしにも分かる。貴女は少し、長兄に似ているわ。
どうして分かるのかって?なぜならわたしもまた、真実の探究者のひとりで
あったからよ。論文は研究者の魂の結晶、著者の全てが顕れるもの。

遅れを取り戻すべく勉強中なのですけれど、出来ることなら貴女にもご教授
いただきたいわ。これからも、どうぞよろしく。



>>337 シルヴァスタイン女史
>日ごろから困っていること?
>………そうね。料理が上手に出来ないことかしら。

それにしても、貴女のような才媛にも、苦手なものがあるのね?ふふ、何だか
親しみを感じるわ。コツなんて特にないわよ、わたしだって料理の本通りに
やっているだけ。わたしでよければ、いつでもお手伝いするわ。

492 名前:名無し客:2007/11/04(日) 22:13:03
>>487
グラハムw

目の赤い子はどうして目が光るの?

493 名前:名無し客:2007/11/05(月) 14:46:11
http://www.youtube.com/watch?v=UMc-rUMubDs
グラハムじゃなくってソロモンね目が赤くなるのは翼手だから

494 名前:名無し客:2007/11/05(月) 16:52:00
仮にディーヴァ側が勝利した場合のエンディングについて妄想してみて

495 名前:名無し客:2007/11/05(月) 16:53:57
主題歌でどれが一番お気に入り?

496 名前:名無し客:2007/11/05(月) 17:25:12
ハジとリクは瞳が青く光るんですか?
ディーバの血で翼手になった人間=小夜の花婿=瞳が赤?
小夜の血で翼手になった人間は=ディーバの花婿=瞳が青?

497 名前:名無し客:2007/11/05(月) 17:46:47
>>493
ソロたんテンコ盛りv

498 名前:名無し客:2007/11/05(月) 18:09:21
>>493
こうやって見てみると、ソロモンの変わりようも、そんなに変じゃないように見えるから不思議。

499 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/11/05(月) 18:29:09
こんばんは。
お客人に貸してもらったDVDを堪能させていただいたよ。人でなくなっても、
人間同士の人情味あふれるドラマに感動するものらしい。
君達だけに言うが、時折ハンカチが欲しくなったほどだ。
君達人間を襲う翼種としては良くない傾向だとは思うがね。

ところでお客人同士で話をなされているらしい。君達が楽しそうなので
僕も微笑ましく思うが、申し訳なきことながら、この場所では削除の
対象になってしまうのだ。どうかご注意のほどを。



>>473
>過去の自分に一通だけ手紙を送れるとしたら何を書きますか?

過去の自分に手紙を送れるとしたら――ベトナムのリセで理事長をしていた僕に。

まずは『庭師に注意!』

特に(見かけの)若い男を雇い入れる時にはだ。それが細身で長身の
顔のいい男ならばなおさらだ。生徒達に悪影響を及ぼしかねないからね。
庭師は話好きで、植物に詳しい男に限る。無口な上、間違って薔薇の枝を
切ってしまうような男ではいけない。
ましてやその庭師がシュヴァリエであった場合は、即刻、学内のゴミと一緒に
廃棄すべし。…そう書くだろうな。それから次は――。

『青い薔薇を贈る時は名前を書いたカード付きで』

いきなり机の上に薔薇の花がおいてあっても、不審がられて喜ばれないらしい。
しかも名乗らなかったせいで、その後もずっと「ファントム」と
呼ばれることになる。そのことに思い至らなかった僕に一言注意しなければ。
そして薔薇の横にお菓子も添えておけば、なお結構。

ある朝少女が教室に行くと、自分の机の上に青い薔薇の花が一輪と
クッキーの詰め合わせが置いてあるのだ。そしてそこには学園の理事長の名前が明記。
……駄目だあ!教育者としてあるまじき行為じゃないか!それに理事長室に返品されそうだ!
次を考えよう。なにせ一通だけだ。有効に使わなくては。

『ダンスパーティーではどこかの金髪より先にダンスを申し込め』

そう!高窓からこっそり覗き見ている場合じゃないのだ。金髪がやってくるより先に、
この僕が少女達の視線を独占し、その上で意中の女の子にダンスを申し込むのだ。
千載一遇のチャンスを逃すとは、我ながらなんたる不覚!

しかしあの時すでに、僕は正体を知られてしまっていたからね。顔を晒して
小夜に近づこうものなら、血のついたナイフを向けられてしまう。そうすると
僕は物語の前半で出番を終える可能性もあるわけか。それはいただけないな。

ならば発想を変えて、金髪のダンスの申し込みを妨害することにしよう。
「私と、踊っていただけますか?」とヤツが言ったらすかさず「喜んで」と僕が
その手を取ればいいのだ。そうすれば小夜はソロモンよりも僕のことを
鮮明に記憶してくれることだろう!

――ただし男とダンスを踊った珍妙な敵として、だが。

500 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/11/05(月) 18:30:54
>>474>>484-485
>子供は好きですか
>子供と話す時すごい優しい目をしてるんですけどね
>奏ちゃんのことすっごく可愛がってたもんね

子供――?
嫌いではない。ただ無垢で愛らしすぎて、どうしていいかわからなくなることは
あるけれどね。リセの生徒達もそうだったな。僕は彼女達がとても大切だったよ。
時折、大切すぎて永遠に家に返さなかったこともあるくらいだ。

ところで……アンシェルがディーヴァの姫君、奏のことを可愛がっていたって?
おそらく響のことも同様に大切にしていただろうね。想像に難くないよ。
あるじに対して、あの男なりに精一杯の愛情を抱いているのは僕も知っている。
僕も同じだからだ。そんないとしいディーヴァの面影を宿した幼き女王を、
愛さぬシュヴァリエなどいるだろうか。

悔しいな。僕が来た時には彼女達は眠りについてしまっていたから、
会ったことはないのだよ。一度くらい、一緒に遊んでみたかったのだがね。
君達は言葉を交わしたことがあるのかい?だとしたら実に羨ましいことだ。

501 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/11/05(月) 18:36:04
>>487,>>489
>戦闘は良作
>長兄とディーヴァが逃げなければソーニャは生きてたよね。

戦闘か。ここでは戦いは既に遠いものとなってしまったが――。
小夜との戦いは悲しみを伴う思い出だが、本来女王を守って戦うのは
僕達シュヴァリエの誉れだ。487さんがそれを良しと言ってくれるのなら、
実に嬉しい話だ。

次兄も冬のロシアで小夜と戦ったと聞く。489さんも二人の戦いが
勇壮だったと褒めてくれているね。この際、小夜と敵味方で
あったことは問題にすまい。今は次兄の弟、小夜の友人として、
この二人を誇りたい気持ちだよ。

ところで長兄とディーヴァが逃げなければ次兄は生きていたと、君は言うのかい?

――ふむ。あの時ディーヴァは眠りの時期に入っていたはずだ。
休眠期の女王はとても無防備な状態なんだ。ならばアンシェルがあるじの
安全を最優先にして、いかなる危険からも遠ざけようと考えるのは
ごく自然なことだよ。彼は繭の中から赤ん坊が生まれた瞬間から、
長い長い間、ディーヴァをそうして守り続けてきたのだからね。

ただね。アンシェルは小夜と戦おうとする次兄を一旦は止めたらしい。
それがどうもあの男らしくないのだ。ディーヴァのためならば、何者をも
犠牲にして惜しまぬのが長兄ではなかったか。

思うにアンシェルは次兄を惜しんだのじゃないかな。長兄は貪欲なまでの
探究心と妄執ともいえる情熱によって翼種に関する研究を続けていた。
僕が知る限り、アンシェルと共にその研究に携わったのは弟の中でも次兄一人だけだ。
他の弟達は長兄の指示で翼種の世界を広げるべく活動していたが、
長兄が行っていた研究内容については知らされないことも多かったんだよ。

アンシェルは次兄を深く信頼し、同じ研究者としても認めていたんだ。
それゆえにディーヴァを危険から遠ざけたように、アンシェルは次兄の
身をも守りたかったのではないだろうか。

しかし次兄はその場に残った。
結びつきが強いからこそ、次兄は長兄とディーヴァのために戦わずには
いられなかったんだろう。愛するふたりをより安全に逃がすために、
自分ひとりで小夜と戦ったんだ。「偉大なる長兄」の言葉にも逆らってね。

その結果、アンシェルは得がたい共同研究者を失ったのだな。
僕は思うのだが、その後の彼が誰とも――あのソロモンとさえ――その生涯を
かけた研究を共に行おうとしなかったのは、もしかしたら……。

いや、やめておこう。あの男の心理の奥深い部分など僕にわかるはずもない。
それより今は、次兄が二度と仲間のために犠牲となって砕け散らぬよう
願うことにするよ。犠牲となることを選ぶのでなく、僕達と共に歩むことを
考えてくれるようにと、ただそれだけを。

502 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/11/05(月) 18:39:33
>>492-493>>496
>目の赤い子はどうして目が光るの?
>目が赤くなるのは翼手だから
>ハジとリクは瞳が青く光るんですか?

小夜とディーヴァのシュヴァリエは目が赤く光るよ。ディーヴァの目は
青く光る。それでいくと小夜のシュヴァリエであるハジは青く光りそうな
ものだが、彼は僕達とは少し違っていたのかもしれないね。姿を変えるときも
背中から翼が生え、腕から先が翼種化しただけだったらしい。
リクについては、彼の肉体に変化が起こっていたという話は聞いた事はないな。
まだその段階にまでいかなかったのかもしれないね。

僕達の目も赤く光るが、美しいのは小夜の瞳だ。あの輝きはビジョン・ブラッドと
呼ばれる最高級のルビーにも勝る。あの目を見たとき――僕は彼女こそが、
この世に混沌と破壊をもたらし、僕に永遠の安息を与えてくれる女神だと信じた。
だが違っていたのだね。彼女の目が美しかったのは、怒りと憎しみではなく、
愛情と悲しみにあふれていたせいだったんだ。

僕は彼女の目の中に絶望と孤独を見たと思った。だがそれはあの赤い目に
映った僕自身の姿だったのだね。それすらもわからず、彼女を追い求めた愚か者、
鏡に映った自分自身を我が身の対と信じた道化、それがこの僕だ。
カール・フェイオンという名の、馬鹿な男だよ。

503 名前:ソーニャ ◆gD.KishiHU :2007/11/05(月) 21:54:46
お待たせしているお客様が、まだまだいらっしゃるけれど……
順番を入れ替えてお返事させていただくわ。ごめんなさいね。

>>487
>戦闘は良作

わたしたち翼手の血塗られた過去。わたしが死んだその後も延々と続いていた、
闘争の歴史ね。二人の女王とその従者たちは敵と味方に分かれたけれど、
魅力的な人物だった。なのにその終幕は――皆、悲劇的なものだったのね……。
でも、時を経て、わたしたちはこの不思議な場所「動物園」に集った。
再び血を流すことなく、過去の傷を癒し、理解し合うために。



>>489
>ソーニャ対小夜戦は痺れるね。

負け戦を褒められるのはほんのちょっぴり複雑なような……。
まあいいわ!わたしたちのいくさぶりを称えて下さってありがとう。

>長兄とディーヴァが逃げなければソーニャは生きてたよね。

……長兄はあの時「グレゴリー、今は退け。」と仰ったわ。
命に背いてあの場に残りサヤに刃を向けたのは、まぎれもなくわたしの意志。

退却戦はただでさえ困難なもの。
休眠を控え無防備となっているディーヴァを庇いつつ三人で逃げるのは分が悪い、
馬を狙われたら馬車を捨てざるを得なくなる。でも、あの時馬車にはわが主が
おわした、そしてこれまでの翼手に関する実験データが積み込まれていた。
ディーヴァについては言うにおよばず、研究者にとって研究の成果もまた
命そのもの。わたしと長兄の血と汗と涙の結晶を、みすみす「赤い盾」などに
渡してたまるものですか。

――足止め役が必要だった。となると、わたししかいない、彼は外国人で
こんな田舎では目立つし土地勘もない。わたしが斃れても彼さえ無事なら、
ディーヴァもわたしたちの研究も護られるのだから。第一ファースト
シュヴァリエは、絶対に女王から引き離してはならないのだから。

だからわたしは、自らしんがりを買って出た。二人を確実に逃がすために。
彼女と彼――あの二人は、わたしがまだ人間だったころから求めてやまなかった、
ずっと憧れていた、初めて手に入れた――本当の家族。己の存在を許してくれた
よりどころだった。聖域と言ってもいいかもしれない。
何があっても必ず護ると、己に誓いを立てていた。そのためなら、この身を
盾にすることをどうして厭うでしょう。
……あの日あの時、雪原に散ったことを後悔したことはないわ。ただの一度も。

504 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/11/05(月) 22:50:51
>>484,486
>子供と話す時すごい優しい目をしてるんですけどね
>そんな場面あった?

―――>>484の君に、>>486の方と同じく私自身もお聞きしたいものだ。
そのような場面はあったかね?シフ達といい…一般に大抵の子供はこの私を
恐れるものなのだがね。

優しい目?………何たることだ。
いつだったか、事もあろうに「あらいぐま顔」などという根も葉もない中傷が
インターネットの水面下にて取り沙汰された事があった。政財界の死の商人・
デルタ計画の恐るべき首謀者・何よりディーヴァのシュヴァリエの総括者で
あるこのアンシェル・ゴールドスミスが!
…まさかそのような間の抜けた表情を、公衆の面前でさらしていたのかと
我ながらおのれの無防備さを腹立たしく思ったものだったが……またもや、か。

………もしやエリザベータに擬態して、リク・宮城をからかった時のこと
だっただろうか?それともそれに先立つシベリア鉄道にての、彼との
やりとりの事かね?…あれは老婆に擬態していたのだから無論演技なのだよ。
私が今のこの姿で、当時と同じようにロシア式紅茶の飲み方などを丁寧に
教えなどすれば、少なくとも我が弟たちはふるえあがること間違いない。
つまりは以下のようにだ。


リク・宮城「あっ!」
   私 「おや…。あの時はよい仕事をしてくれた。(ご存知かとは思うが
      乗車時のなりゆきの事だ)…礼を言おう、少年。」

  (*私に席を譲るハジ。おのれハジめ……殊更に年寄り扱いしおって……。
   道を外れたシュヴァリエがこの私に席を譲るか)

   私 「……おや、いいのかね?(にこやかな笑顔)」
  (…無防備にも程がある!あるじがそうならシュヴァリエもまた然りだ。)」
リク・宮城「ハジ。ごめんね」
  ハジ 「……………いや……。」
  (*内心非常に不愉快だが、ハジの後に腰掛ける私。)


  (*私の指導で、ロシア式にまずジャムを口に含むリク・宮城)

   私 「そうだ。…そのまま紅茶を飲みたまえ」
リク・宮城「甘くておいしい!!」
   私 「………無論…そうだろうな(暗い微笑)」



…この文脈で私が一服盛っておらんと確信できる者は、まずよほどの楽天家だ。
その場その場の姿かたちに合ったふるまいというものがある。演技だよ君。
うっかり私の演技に騙されぬよう、君たちもよく気を引き締めたまえ。

505 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/11/05(月) 22:56:07
>>485
>奏ちゃんのことすっごく可愛がってたもんね
そんなにディーヴァに似てた?

―――紛れもないディーヴァの娘である彼女が、その母に似ていないはずが
ないではないか。まして私はディーヴァと小夜、その誕生当時から彼女たちの
成長する姿を、ごく間近でこの目にしてきたのだよ。
特にディーヴァは乳飲み子の頃から、ほぼ私一人がその身の回りの世話を
してきたのも同然だ。彼女の血を引き継ぐ姫君に、この私がかつての幼い
彼女の面影を重ねてしまうのも…これはもう自然の成り行きというものでは
ないか。そうは思わないかね?

当時の動物園にて、私が初めてお会いした頃の姫君は―――…。
いつもどこか哀しげな瞳をされておいでだった。お姿を拝見するたびに
空軍基地の感謝祭にて「帰ろ。……アンシェル」と振り向きさびしく
微笑まれた、その母ディーヴァの表情を思い浮かべたものだった。
…今の彼女の眠りが…彼女にとって穏やかなものであるといいのだがね。








>>487 映像化されたハジの勇姿を、フィルム上映くださったお客人
>戦闘は良作
>>493 映像化されたソロモンの勇姿を、フィルム上映くださったお客人
>グラハムじゃなくってソロモンね目が赤くなるのは翼手だから


―――驚いたものだ。いつの間にこのような映像が撮影されていたものか。
クリスチーナ島で撮影される予定だったディーヴァのプロモーション映像の
ようなものかね?。…尤もあれは、話自体が口実であったのだが。
しかしこうした映像がひそかに作られる自体、ソロモンとハジの崇拝者の
人数と熱意が知れようというものだ。その点この私などは敵が多いので
流されるのは専ら、暗殺の瞬間などの殺伐とした映像だ。普段の行いと
人徳の差と言うべきなのかもしれんが。

…他にも私の顔の上に小動物の落書きをした映像やら、行き場を失った
哀れなジェイムズの狂気の表情が…こともあろうに「マクドナルド」なる
のどかな副題をつけられて、ひそかに流出していたようではあるがね。
……気の毒に。私はともかく…あれは生真面目な弟だ。どうかからかうのは
程々にしておいてやって貰いたい。ただでさえ彼はネイサンに神経を削られて
いるようだったからな。

506 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/11/05(月) 22:57:59
>>489,492,497-498 二つの映像に見入っておられる観客の皆様方

>ジェイムズ戦とソーニャ対小夜戦は痺れるね。
>長兄とディーヴァが逃げなければソーニャは生きてたよね。
>グラハムw目の赤い子はどうして目が光るの?
>ソロたんテンコ盛りv
>こうやって見てみると、ソロモンの変わりようも、そんなに
>変じゃないように見えるから不思議。


―――成る程、どちらの作品もじつによく出来ておりますな。出来うるならば
この私も皆様に混じって杯を傾けつつともに画面に見入り、つい我が身を
忘れて、彼らの活躍に皆様と熱い論議を重ねたく思ったほどです。

しかしまあ…我が弟カールも、先ほど申し上げてはおりますが…。
我らはしょせん客ではなく…正装し皆様を歓待する立場の者。なかなか
酒を過ごしても、みずからの気安いようには振舞えぬ立場におります。
かつて私がジョエル・ゴルトシュミットに対してそうしたように、出来れば
皆様お一方ずつにシャンパンの杯を手渡し、丁寧にご挨拶申し上げたい。

…しかし至らぬこの身の哀しさ。
会議を終えてこの地を訪れ、おいでいただいた皆様の御盛況ぶりをこの目に
した瞬間―――つい落雷に打たれ、鉄塔の先端に串刺しになっていた頃の
ように、しばし気を失っておりました。不甲斐ない身で誠に申し訳ない。

…いや誤解をされてはいけませんな。
皆様の訪れ。我らにとってこれ以上に喜ばしいものはありません。
ただ可能であれば…この老体に年若き皆様の会話の速度を、ほんのわずか
合わせて戴ければ有難い。シュヴァリエである以上すばやくは動けますが、
発する言葉までが同じという訳にはいかぬものでしてな。どうかご容赦戴きたい。


ところで>>489の方の問い。グレゴリーの命を惜しむ気持ちは私も同じですが…
しかし我らはディーヴァの為に存在する。あのときの私の役目は無防備な
眠りに落ちる彼女を安全な地へとお連れする事。そしてグレゴリーはみずから
命を賭して、そのための貴重な時間を稼ぐ役目を負いました。
そして彼は見事に義務を果たした。たとえ役柄が逆だとしても、この私も
同じようにふるまった事でしょう。我らが彼女のシュヴァリエである以上、
それは誰であろうと変わらない。―――…すべてはディーヴァのために。

507 名前:ハジ ◆Hagi/./Mb2 :2007/11/05(月) 23:04:55
>>331>>333>>335 名無しさん
>沖縄の動物園でいいじゃんもう
>おまいそれじゃ本当の動物園になっちまうじゃねーかwwwww
>いージャマイカもう。人間も翼手もドーブツの一種なんだしw

………………………真理ですね。

>>334 名無しさん
>沖縄にあるのは植物園だよね

…あの島は…緑が絶えることの無い楽園の島だと…
サヤと謝花さんの話にルルゥが目を輝かせていたのを覚えています……。
…悲しい歴史を悼むように……花もまた絶えることがないそうですね。

>>369 グレゴリー
…想いの連鎖と…その犠牲の上に成り立つ愛を描いた名作…
トゥーランドット…受け取りました、有り難う御座います、グレゴリー。

>「Ubi bene, ibi patria」(幸福あるところに祖国あり)とは……。
>流浪の民として生を受けた彼の口から出るからこそ、重い格言だ……。
>愛しいものの傍らこそが己の祖国……それでいいのだろう、ハジ?

……私は…もう口を噤みましょう…帰るべき場所は…
貴方のその御心が誰よりもよく御存知でしょうから―…(ザ―――――ッ)
(ダンプカーの傾斜荷台から排出される大量の小豆に埋もれていく)

>>381
>血って美味しいんですか?

………………………。(埋没中)

>>380
>心機一転、また頑張ろうね!

(小豆から脱出)
…………わかりました…。
移転早々、グレゴリーからの嫌がら…祝いのライスシャワーならぬ
アズキシャワーの洗礼を受け、身が引き締まる思いです…。

508 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/11/05(月) 23:08:24
>>494
>仮にディーヴァ側が勝利した場合のエンディングについて妄想してみて

―――どの時点でかね?また「勝利」の定義がじつに難しいものだな。
まあ当時私が考える勝利といえば…

1・小夜の抹殺(なにせその血は我らを殺す)
2・花婿の捕獲(ハジは…ディーヴァが望めばそうしただろうが…。しかし
        彼女は彼を選ばなかった)
3・赤い盾の殲滅
4・デルタ計画の成功による、翼手に満ちた世界


この四点が必須事項だろうか?…まあ文句を言いたいお方もおありだろうが
あくまで私としてはこれが「勝利」だ。時期としては2の条件を満たす為に
ディーヴァがリク・宮城の子を身篭ってから、という事になるだろうな。

3は問題ないだろう。しかし1の条件を満たした場合―――まあ弟たちの
中から最低二人は離反者が出た事だろうな。条件4に対しても「意味がない」
と真っ向から反論した者もいる。…まあどのように運命が流れたとしても
我らシュヴァリエ兄弟が、どこかで必ず分裂したであろう事は想像に難くない。
我ながらつくづく思うが………弟の人選が個性的すぎたのだ。








>>495
>主題歌でどれが一番お気に入り?

―――主題歌?…無論ディーヴァの歌だ。
おや?そういった話ではないのかね?申し訳ないな。音楽の分野では
すべてネイサンに一任していたのでね。私自身はこの方面にあまり詳しい
とは言えないのだよ。

仕事柄…この私もオペラや観劇に出向く機会こそ多かったのだがね。
それでもどちらかといえば―――舞台そのものよりは貴賓席の顔触れ、
中座する者・遅れて訪れる者。彼らになにげなく近づき…二言三言囁いて
また席に戻る、そうした人間たちの動向に始終気を配っていた為に
結局、肝心の舞台の方を覚えていない事など…まあいつもの事ではあった。
古典芸術さえもその状態だ。ましてや最新の楽曲などは解ろうはずもない。

…その楽曲は四枚あるのかね?では無作為に―――…この三曲目を選ぶと
しよう。不調法で誠に申し訳ないな。






>>492-493,496
>目の赤い子はどうして目が光るの?
>目が赤くなるのは翼手だから
>ハジとリクは瞳が青く光るんですか?


―――…じつに興味ぶかい問いですな。
しかし瞳が赤く、もしくは白や緑に輝くのは、自然界において非常によく
見られる現象でしてな。夜行性の獣は……夜間において、その瞳が独特の
かがやきを見せる。これは夜に活動する彼らの生態に密接な関係がございます。

それは彼らの眼底部分に…夜行性動物特有の反射板に似た器官が、あらかじめ
そなわっているからです。暗闇にてよりよく視界を確保するために、彼らの
目はわずかな光源もその器官によって逃す事はない。
その為に猫などの夜間の視力は、ゆうに人間の六倍を超えると申します。

―――…翼手の身体能力はヒトのそれを凌駕し、またあるときは遠く
離れた人物の心音を、その耳で聞き取ることすら可能な場合もございます。
あるいは視力の方も…人間の皆様には捉えきれぬなにかを、我らの目は
とらえているのかもしれませんな。……ふふ。具体的にはお教えしないがね。

しかしハジやリク・宮城の瞳が青く輝くかは―――成る程。
そういえば彼らは赤い盾の手勢であった為に、まだ試してはいなかった。
ご忠告に感謝いたします。―――…面白い。ハジを捕らえて縛り上げ、
ひとまずは焚き火の煙で、燻製のようにいぶしてみる事にいたしましょう。

509 名前:ハジ ◆Hagi/./Mb2 :2007/11/05(月) 23:12:46
>>391
>やっぱりそんなやつは身を守れませんか?

……その方の心懸け次第だと思います。

>>401
>血やワインの他に飲み物は飲みますか

………シュヴァリエになってからは…必要な時以外
自らすすんで何かを口にする事は殆どありません…。

>>390
>与えられたあらゆる名前に願いがあるという歌詞がありますが
>貴方の名前にはなにかの願いが込められていると思いますか?

……まだ私が幼い頃…似たような問いをサヤから受けたことがあります。
答え倦ねる私を見かね…ジョエルが諸書の聖典Hagiographaの略称Hagiではと…。
…諸書とは聖書の中でも、詩篇、雅歌、哀歌、箴言、歴代志、等々…
詩篇の様な祈りの書から、恋愛歌そのものの雅歌まで…文字通り様々な書物や歌が
収められた書です。偶然だとは思いますが…ジョエルの言葉は哀歌を指していた
のかもしれません。…予言者が記した通りの人生が待っていたのですから。
それに恋詩の雅歌はSolomon、祈祷の詩篇はDavidの名の一族が記していることも…。

何にせよ…ロマは独自の宗教は疎か、他宗教の信仰さえ持ちませんので…
首を横に振るしかない私に……ペンテコステやイースターには必ず朗読される
諸書なのだから…きっと誰かが知っていたのだろうと…そう微笑んでおいででした。
…まるで…親の愛に望まれ、この世に生を受けたかのような錯覚…。
たとえ一瞬でも、幼心にとても嬉しかった…。それが「サヤの従者」への…
偽りという名の気遣いだと…解ってはいても…。

……さて……小豆に砂糖、もち米を食糧庫に移し替えている間…
どうやらお喋りが過ぎたようです………失礼しました。

>>417
>中の人についても避難所でいいから教えて下さい♪

………今、チェロケースの中には誰もおりません…。

510 名前:ハジ ◆Hagi/./Mb2 :2007/11/05(月) 23:36:18
>>402>>403 アンシェル
>すでに彼は君の従者でもあったか。

………私が主と仰ぐのは…サヤ一人です。
あの時も、手伝うように…という、サヤの言葉に従ったまで…。
……ですがこの動物園では…ジョエルからも屋敷の事を任されている手前
あれを再現するわけには…何しろルルゥまで風呂そ……いえ、何でもありません。

>物腰だけは丁寧に念を押すところもじつに可愛げがない。

………手厳しいですね。

>>409 ソロモン
>……………ハ ジ…………!!

……………置いただけだ、仕掛けた訳では無い。
残すのか…サヤの友人が心をこめて煎れた珈琲を…。

>>415 アンシェル
>その珈琲はハジからの嫌がらせか。

………いいえ、謝花さんのもてなしです。

>>427
>嫌いな人は誰?苦手な人とは仲良くできるほう?

……特には。……サヤがそれを望むなら。

>>431
>あなたにとって死とはどんなもの?

……………明日を奪う事…。

>>388
>握手したらどんな感触なんでしょう。

………今は…>>372のボタモチの感触かと…。
何しろこの厨房では>>423>>426>>439…御覧の通りの有様で………すみません。

511 名前:ハジ ◆Hagi/./Mb2 :2007/11/05(月) 23:55:06
>>432
>あっ、動かないで!デッサンしてるんだから。

……どうかカール…いや、理事長を専属モデルに。
周りをリセの女学生で囲んでしまえば…彼は身動きがとれません…。
所構わず踊り出す彼も…これで少しは大人しくなる事でしょう。

>>434
>絆という見えない力を信じる? 信じない? 

……信じていなければ……私はここにおりません。

>>410
>人間もシュバリエも、感情があるとあまり変わらないですね。

…生きる術、ですから。

>>438 アンシェル
>アイマスクにしては中央の三角形の形状がじつに不自然なのだ。
>この着物の着方が、死者を示すものであるならばむしろ早く

途轍もなく違和感のヴェールを纏った方がいると思いきや……コスプレですか。
…謝花さんやリク曰く…日本ではそう呼ぶのだそうで…。
擬態といいコスプレといい……老後の趣味としては些か偏っているように
お見受けしますが…………楽しそうで何よりです。

>>411
>あげさせてね。

………御苦労様です。

>>382
>ご自分がお持ちの「いちばんの武器」について語ってみてください。

チェロ…でしょうか…、音楽に国境はありません…
言葉が通じなくとも心を通わせる事が出来………戦い…に、おいてですか?
…………………。
…貴方の御想像通りのものでしょう……、皮肉なものです
それが肉体的にも精神的にも…最大の武器であり弱点でもあり
……絆、でもあるのですから。

512 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/11/06(火) 23:06:15
避難所>595
>ディーヴァと小夜が幸せになるにはなにが足りなかったのですか?


…成る程。君はかつてオペラの舞台上で、なぜ姉妹がああした悲劇の運命を
迎えねばならなかったか…その理由を問いかけているのかね?
…ああ。彼の地で答えず、こちらで返事をする事を許してもらいたいものだ。
場所を変えると私の調子がひどく狂うのでね。こちらにも君が顔を出して
くれておればよいのだが。

まず小夜に足りなかったもの。…それは翼手の自意識だ。
特に今の時代の彼女は、私の見てきた中で最も人間らしい小夜だった。
…翼手とは誠に不思議な生き物だ、みずからのあるべき姿を持たず、
人間に寄りそい生き続けようとする。あろうことか帰るべき場所が
そこにあるかのように、それを護ろうとまでするとはな。

彼女はかつて私に言った。「人間はそんなことは望んでいない!」と。
純粋なる翼手の女王である小夜からその言葉が出るとはな。…哀れなものだ。
人間が本心から望む事―――それは「すべての翼手の滅び」ではないかね?
羊は獅子を恐れるものだ。人間とてそれは変わらない。
翼手を滅ぼす―――…それは弱者である「ヒト」という種の放つ悲鳴だ。
人間の世界を求めるが為に、小夜は心を殺して彼らに従う。武器として
ただ利用されるだけの現実にも気づかずに。

彼女が寄り添おうと心を寄せる人間……。しかし彼らはあくまで人間だ。
彼らがシュヴァリエとしての運命を選ばぬ限り、みな小夜を残していずれ
老い、やがて死ぬ。彼らが人間である以上、その望みが叶う事はない。
「あまりに心が人間らしすぎた」……それが小夜の持つ悲劇だろうな。




逆にディーヴァは、一切人間としての枷を与えなかった。
彼女の望むものはすべて彼女の手に。富貴、余興。そして我々の「食事」
すべては彼女の為にあり、また我々も彼女の為にこそ存在する。
その至高の玉座で彼女はひとり俯く。まるで塔にいた日々と同じように。
…私は問う。「ディーヴァ。本当は何をお望みなのです?」
あるいはこうも問う。「……よろしいのですか?」

…彼女は答える。「…もういいよ。ぼくには、この子たちがいるからね…」


なぜ彼女を孤独に放置するのか?―――…簡単なことだ。
小夜には感謝しているよ。ディーヴァを解き放ってくれてね。
ディーヴァは長く塔で孤独だった。小夜がその手で運命の扉がひらいた為に、
彼女は自由に世界を歩みはじめた。彼女本来のあるべき場所を求めて。
だが…それは間違いだった。ディーヴァが解き放たれなければ、彼女は永遠に
私だけのものだった。………私だけのディーヴァであって欲しかったのだ。


つまり―――ご理解いただけたかね?
ディーヴァと小夜に「何が不足していたか」が問題なのではないよ。
彼女ら二人にただ「私とジョエル」が不要だっただけの話だ。
尤も、我らがあらかじめ存在しなければ、翼手の女王もまた生まれない。
ひどく皮肉な話ではあるがね。

513 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/11/06(火) 23:44:57
ところで先日の私の我儘をお聞き届けいただき、ご静聴くださった
来客の皆さま。―――あたたかなお心遣いに幾重にも御礼申し上げます。
お陰をもちまして、本日は襟を正し、充分にゆとりを持ったうえでの
挨拶が可能となりました。
…まあその割には進化もなく、相変わらずの仏頂面と言われれば、
まさにそのとおりとお答えするより方法がないが………。

しかしいずれは私以外の若者も、その若さゆえに元気に追いつき
順次にこやかな笑顔をみせてくれるのではないかと愚考いたします。
息をつめて見守ってくださった紳士淑女の皆様方に、ひとまずは
この私から感謝を。……恐れ入りますな。

514 名前:ハジ ◆Hagi/./Mb2 :2007/11/08(木) 00:48:23
>>433
>このような者達をいかが思いますか?

…私はサヤのシュヴァリエ…。
主の定めた道が人との共存であるならば…彼らのルールにも従います。
…ニューヨークでの輸血…パックですか?………あれはルルゥに。
当時はソーン発症の懸念もあり少しでも需要を、と……カイには秘密ですよ。

>>435
>昨今の環境破壊はどうおもう?

個々が今、為すべき事をする……その裁決を下すのは…
…そう遠くない未来と自然でしょう…。

>>416
>読書の秋、好きな本の話を聞かせて下さい

職業柄、読むのは実用書が主ですので…御質問の趣旨とは少々異なりますね…。
…昔で宜しければ…ジョエルに薦められた、ストア派の哲学書…でしょうか。

>>421
>「美しさ」「美しきもの」について、語ってみて下さい。

サ(以下略)

515 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/11/08(木) 03:06:44
こんばんは。

先日はご挨拶の途中>>502で終わってしまっていた。大変失礼したね。
なにせ僕の親友ハジが小豆に埋もれてしまっていてね。見てごらんよ>>507の様子を。
僕が駆けつけたときには、もう少しで小豆の海で溺死したシュヴァリエ第一号に
なるところだったんだ。まったく無口なのも限度があるよ。君もそう思わないかい?

ダンプがバック走行で向かってきても沈黙、
大量の小豆が頭上から降ってきても沈黙、
そして豆の中から脱出する時でさえ沈黙しっぱなしだ。

こんなことでよいのか、我が親友ハジよ!
このままでは道路脇に立てば犬に電柱と間違われて非常に不愉快な目に
遭いそうだし(まさか経験済みか?)、紳士服店に行けば容姿の良さもあいまって、
マネキンと間違われたあげく雑巾で顔を拭かれかねないぞ。

お客人の皆さんもどこかで彼を見かけたら
「その人は生きてます!物体じゃありません!」
と周囲の人々に大声で言ってやってほしい。

特に散歩中の犬や雑巾を持った店員がハジに近づいたら、気をつけてあげておくれ。
彼はきっと黙したまま、運命を受け入れてしまうに違いないからね。


では、そろそろご挨拶にまわろうか。僕の言葉を聞いてくれるかい?

516 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/11/08(木) 03:08:09
>>494
>仮にディーヴァ側が勝利した場合のエンディングについて妄想してみて

僕の答えはこうだよ。

「エンディングはない」

なぜなら僕にしてみれば物語は終わらないからね。たとえこの身は滅びていても、
僕達がつむいだ歴史はその後もずっと続いていくんだ。生き残った誰かによってね。

だがせっかく君が来てくれたんだ。「エンディング」という言葉にこだわらず、
あのオペラハウスでディーヴァが小夜に勝ったと考えてみようか(僕としては
こちらも胸が痛む結末なのだが)。
そしてアンシェルもハジに勝利したと仮定するよ。すると未来はどうなるのだろう?

間違いなく人間社会は恐怖と混沌の渦に飲み込まれるだろう。それに乗じて
アンシェルが翼種を頂点とする世界を作り上げようとするはずだ。
ディーヴァは繭から生まれた子供達を大切に育てるだろう。ためらうことなく
人間を捕食する、まったき翼種の女王としてね。そしてネイサンはそんな彼らを
見守り続けるんだ。

――そしていつの日か翼種がこの地球の支配者となる。

君たち人間にとっては、恐ろしく不幸なことだけどね。




>>495
>主題歌でどれが一番お気に入り?

なんと、僕の主題歌があったのか!それは素晴らしい!
聞かせてくれるのかい?ありがとう、名無しさん!

これは……日本の歌だね。
歌詞の意味はわからないが、少しゆったりとしたテンポだ。
伸びやかな高音が郷愁を誘うよ。
どことなくアジアの民族調のメロディーだ。
ベトナム出身の僕に合わせてくれたのだろうか……。

嬉しいな。
心の奥にしまいこんだ懐かしい思い出が呼び覚まされるような気がする。
急に曲調を変える、最後の旋律も印象的だね。
僕にも日本語がわかればいいのに。

…ね、僕の名前の直前のフレーズ、

――それにつけてもおやつは

これはなんて言ってるんだい?

517 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/11/08(木) 03:12:04
>497-498
>ソロたんテンコ盛りv
>ソロモンの変わりようも、そんなに変じゃないように見える

やあ、497さん。ソロモンの写真がたくさんあるのかい?どれどれ……。
ほーう、ソロモンは相変わらずだな。498さんはソロモンが変わったと
言っているが、いやいや君達、僕の見るところあいつは少しも変わっていないよ。

写真をもう一度見てごらんよ。いつもどおりの顔で微笑んでるだろう?
笑っていない時でもさりげなくポーズをとっている。ほら、これとか、こっちのとか。
あいつは写真に撮られる時もリラックスしていて、全く緊張しないんだ。
容姿に自信のあるヤツは大抵そうなんだけどね。あいつはいつも自然だろう?

実際、驚きなんだよ。あいつは自分の顔の良さを嫌味なく自認し、気障な台詞も
さりげなく言えてしまう。そしてそれが実に絵になる不思議。君は以前、
やつが言った驚異の台詞の数々を覚えているかい?

たとえばたまたま相手が上手にダンスを踊ったら、
「僕のリードで踊れるってことは、僕達は相性がいいんですね(にっこり)」

どうして助けてくれるのかと問われれば、
「あなたを愛してしまったからでは、答えになりませんか(流し目)」

きわめつけは、警戒して逃げる相手に
「摩天楼の光でさえ、君の美しさを彩る飾りに過ぎない(この後も色々いっぱいあった!)」


           あ り え な い 


どう考えてもその辺の男がこんなことを言ったら周囲は失笑するか、後ずさりするだろう?
なのにソロモンが言えば、女性は皆揃ってうっとりするのだよ!

何故だ――!何故、こんなことを言っても自然で似合うんだ!
いやそれ以前に、何を食べてればこんな台詞が出てくるようになるんだ――?!


―――しまった、主食は一緒だった。





今宵はここまでとさせていただこう。君達の眠りが安らかでありますように。
――僕は睡眠がどんなものだったか、とうに忘れてしまったがね。

では人間の皆さん、おやすみなさい。

518 名前:名無し客:2007/11/08(木) 12:10:48
好きな言葉はなんですか

519 名前:名無し客:2007/11/08(木) 13:55:17
>カール
人間だった頃の主食が原因じゃないのかなw
わかったよ。ハジがその辺に転がってた時は
「その人は生きてます!物体じゃありません!犬です!」って言う。約束だw

520 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/11/08(木) 19:21:24
やあ、こんばんは。

秋の日は実に沈むのが早いね。もうあたりは真っ暗だよ。
僕の目に暗闇はなんの障害にもならないが、君達人間は灯りがないと
不自由するだろう。足元にはくれぐれも気をつけて。

それでは君達のためにランプを用意してご挨拶にまわらせていただくよ。



>>518
>好きな言葉は何ですか

僕の好きな言葉は――そうだね、漢文からでもいいかい?
僕が生まれた国は中国文化が根付いていてね。僕もわずかだが中国の
故事や漢詩を知っているんだよ。

『道は近きにあり、しかるにこれを遠きに求む』

孟子の言葉だ。理想や進むべき道は遠くではなく身近なところにある、
という意味だね。幸福もまた然り。「青い鳥」の寓話のとおりだ。
僕は以前に、近くにいて僕を見守ってくれている人のことを気づかなかったことが
あるから、その自戒として。

それから、かつての愚かな僕を表す言葉も置いていこう。

『酔生夢死』

一見美しい言葉に見えるがね。あまりいい意味ではないんだよ。
酒に酔い、夢を見ているようにフラフラと生きて、何もすることもないまま
むなしく死んでいくことだ。

夢を見て死んでいけるならいいじゃないかと思うだろう?だがその夢が必ずしも
良い夢とは限らない。悪夢に翻弄されたまま、空虚な生涯を終えることもあるのだよ。

酔生夢死――血に酔って狂った夢を見、砕け散ったこの身にふさわしい。
ディーヴァを守ることもできず、小夜を殺すこともできず、
共に死ぬことこそが真実の愛と平安だと信じようとした哀れな男。

生きている時には何一つ成し遂げることもなく、
死んだ後にも残すことも何一つ残すことのなかった、ちっぽけな僕にね。

521 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/11/08(木) 19:23:00
>>519
>人間だった頃の主食が原因じゃないのかなw

――なるほど。
僕もアジア圏の出身だが、豪快に小麦や肉料理を主体とする欧米人種と、
ぼそぼそと米を食べているアジア人種との違いということだろうか。
たしかにパワーと派手さは欧米人種のほうが勝っているように思える。
それは狩猟民族と農耕民族の違いでもあるね。

ソロモンの中には翼種の第五塩基だけではなく、原始時代に狩猟に精を出していた
先祖の遺伝子も残っているのだからね。獲物を(食料だけでなく、愛する女性の場合も)
手に入れるために、抜かりなくあらゆる手段をとるようにと本能に刷り込まれていても
おかしくはない。

だとすれば第五塩基が僕達の体と心をシュヴァリエと変えたように、
遠いご先祖から受け継がれ今も体内に残っている遺伝子が、
ヤツに幾多のきらびやかな台詞を吐かせていたのだ!

おそるべし狩猟民族。あなどるべし肉食文化。


―――名無しさんの協力のもと『ソロモンはいかにしてソロモンとなったか』新学説その1は誕生した。
(新学説その2は機会があったら、いずれまた)


>「その人は生きてます!物体じゃありません!犬です!」って言う。

君もハジを犬属性だと言うのだね。僕も同感だ。
姫君方が目覚めておられたら、彼のことを可愛らしい声で「わんこ」と
お呼びになったかもしれない。血統書こそないが、僕の親友だけあって素晴らしく
毛並みのいい優良品種のわんこだ。

声を上げない代わりに、常にきゅ〜んと子犬が訴えているようないたいけな瞳。
主人が望めば彼は「お手」も「お座り」も間違わずにやるだろう。
そしてやはり主人のためであれば、(たとえ何度串刺しになろうと)命を賭けて
戦うだろう。それは幾度か彼と戦った、この僕が保障するよ。

実際彼を見ていると、あの大きな体を段ボール箱に押し込め、箱の側面に
『可愛がってください』と書いてみたくなる。妙に似合う気がするのだよ。
もし本当にそうしたら、すぐさまどこかのお嬢さんに拉致されて
いや、拾ってもらえることだろうね。

――おや、そこの君もハジを拾いたそうな顔をしているね。ふむ、気持ちはわからないでもない。

だがあいにくと問題があってね。
彼は優良な犬属性だけあって、忠義第一なのだ。
どれほど遠く離れても、たとえ誰かに深く愛されたとしても――。
ハジは大地を走り海を渡って、必ず主人のもとに帰参するだろう。
幼い頃、泣いている彼をそっと抱きしめ、「一緒に世界中を旅しよう」と
約束してくれた少女のもとにね。

……なんだ、君もそんなことは先刻承知だったか。まあ、それだからこそ
我らがハジなのだものね。

それでは僕もハジをダンボールに入れるのはやめておこう。
(だいいち僕の小夜に叱られてしまいそうだしね!)
そして君がハジのことを心配せずにすむように、彼がまた串刺しになりそうな時は、
かつては彼を攻撃した僕も、今度はその串をはたき落として彼を守ろう。
君に約束するよ。もっともこの館に住まう者は、皆、今では僕と同じように
思っているだろうけどね。

では名無しさん、おしゃべりはこのくらいにして、僕と一緒に小豆を煮る鍋と
格闘しているハジを激励しに行こうか。うまくいけば牡丹餅が出来ている頃かも
しれないよ。もしまだできてなかったら、作るのを手伝ってくれるかな?



さて今夜はここでお仕舞いにさせていただくよ。
もう数時間もすれば、君達はまた眠りにつく。それでは最後にもうひとつ、
君達に僕が覚えている言葉を贈ろう。

『眠りは最高の瞑想である』

知っているかな。ダライラマの言葉だ。
昼間の喧騒から離れて心身の静寂を取り戻し、その人生をより豊かにするために、

人間の皆さん、おやすみなさい。

522 名前:名無し客:2007/11/09(金) 08:10:45
おやつはカール♪

523 名前:sage:2007/11/09(金) 09:51:37
長兄はりっきゅんに一服盛ってなにするつもり?w

524 名前:名無し客:2007/11/09(金) 09:53:45
上げちゃったゴメなさい!

525 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/11/09(金) 22:50:10
>>518
>好きな言葉はなんですか

―――では…ヨハネ福音書・第八章十四節を引用しよう。

《イエスは答えて言われた。
「たとえわたしが自分について証をするとしても、その証は真実である。
自分がどこから来たのか、そしてどこへ行くのか、わたしは知っているからだ。
しかし、あなたたちは、わたしがどこから来てどこへ行くのか、知らない。」》

……救世主は神の御許より来たりて、神の御許に帰り給うのだそうだ。
私は真実の探求者だ。よって彼の進退などには…ふふ。まったく興味がないがね。
しかし「翼手とは一体何であるのか」とは良く考える。良く考えるどころか…
一生をこの思索に費やしてきたほどだ。この私の研究の主命題と言ってもいい。

………君はこのように考えたことはないかね?
「翼手とは何の為に存在しているのか」…と。その意味を模索した事は?
翼手の存在も人間の存在も、何の為に許されているのか。
我々はどこから来て、どこへゆくのか―――…。

東洋の哲人で「朝にみずからが求める真実を手にする事ができたなら、
その夕べにたとえ死したとしても本望だ」と呟いた人間がいたそうだがね。
彼の気持ちはよく理解できる。…この私も同じ思いだよ。

526 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/11/09(金) 22:53:45
>>519
>人間だった頃の主食が原因じゃないのかなw
>わかったよ。ハジがその辺に転がってた時は
>「その人は生きてます!物体じゃありません!犬です!」って言う。約束だw

―――つねに小夜の行く所についてゆく。…そう。まるで子犬だ。

成る程、人間であった頃の主食が、シュヴァリエのその後の性格を決定
づけるとはじつに興味深い。確かにソロモンが人間であった頃、ゴールド
スミスは戦争により財を成し始めていた。植民地支配を受けていたベトナムを
故郷に持つカールとは、おそらく質も量も異なるのだろう。文化の違いと
いうだけではなく、そういった部分も考慮に入れねばなるまいな。

ところで…ハジはこの私とも十数年、同じ動物園に起居していた訳だ。
昔、一切れのパンの一切れと引き換えに買われてきたときには、ひどく
痩せた小僧―――…いや、少年だったものだが…。
しかしその十数年はジョエルに言わせれば「小夜の友達」とやらの待遇
だったようだ。情でも移ったか…あのジョエルもさすがに老いたのだな。

とにかく小夜の「友達」のハジ。そして私は「ジョエルの助手」だった。
私は彼らとは生活も距離を置いていた。だから確かめた事はないのだが…まあ
おそらく私とハジは人間である間、ほぼ似たような内容の食事を取っていた事
だろう。使用人は多くとも「ジョエルに近い者」の数は限られていたからな。
………。
―――…出来れば君に、はっきり否定して貰いたいのだがね。

君のその理論によれば……いやいや。
まさか私がハジに似ている、などという結論に……向かいはせんでしょうな?
「つねにディーヴァの行く所についてゆく子犬」などと評されてしまうほど
この私にとって屈辱の事態はない。まだ洗い熊と連呼される方がよほどましだ。
ああ見えてあれはなかなか凶暴な動物だからな。しかし―――…

「……それが貴方の望みなら。」
「貴女の望むものはすべて貴女の手に。」

どこか不安になってきたようだ。………似ているかね?
…いや、違う。ハジと私は似てなどいない。第一あれはロマの民だ。少年時代、
動物園に連れてくるまでに、その貧しい食生活によって彼の性格はすでに
形成されていたはずだ。そうに違いない。…君もそう思うのだろう?

527 名前:名無し客:2007/11/09(金) 23:49:27
翼手の最大の業って何だとおもう?

528 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/11/09(金) 23:51:03
>>522
>おやつはカール♪

―――先ほどカールが口ずさんでいた楽曲に、調子が似ているようでは
あるが………やめておきたまえ。真実の探求者としての興味は無論ある。
じつに興味深い。…しかし私はめずらしく善意で、客人である君の為を思い
心から忠告しているのだ。

ああした緑色に変色する生き物を、間食に食べるなどとはもっての他だ。
間違いなく食中毒を起こすだろう。煮ても焼いても食えぬ、とはまさに
この事だよ君。よく私の言葉を胸に留めておきたまえ。






>>523-524
>長兄はりっきゅんに一服盛ってなにするつもり?w
>上げちゃったゴメなさい!

―――いや…どうかお気遣いなく。それよりひどくお声がうわずって
おいでのようですな。それに何やら笑いをこらえていらっしゃるようだ。
なに、この私が>>504で申し上げたのは「私がこの姿で当時の行動を取った
場合、おそらく皆さまは一服盛ったとお思いになるでしょう。私は擬態した
とき怪しまれぬよう精一杯芝居をいたします。ですから普段の私とは離れた
思いがけぬ言動を取ることが多い。…ネイサンに『大胆』と評される由縁
でもあります」と申し上げたかっただけでしてな。

…だから取りたててリク・宮城に一服盛るなどいたしませんな。
しかも当時彼はまだ人間だった。小夜のシュヴァリエであったなら、まだ
研究者として確かめたい事実もあったかもしれませんが…。まあその場合
彼はおそらくひどくこの私を恐れる事になったでしょう。私がどういう種類の
男であるかは、カールやシフたちがよく知っている。まあ貴方がたもそれは
ご存知のとおりですな。リク・宮城の為には、そうでなかった現実を祝福
すべきなのでしょうな。

…おや。こうした私の言葉を聞いても、貴方の忍び笑いは収まらないとは。
一体何を想像されておいでなのですかな?私はシュヴァリエとしてのリク・
宮城とはついに会う機会がなかった。私が彼と会話したのは鞄運びの件、
紅茶の飲み方といった…じつに心温まる接触しかないはずなのだがね。
はて…他になにかあっただろうか?

…確か指定のホテルにチェックインした際、「デヴィッドさんは?」
と聞く小夜に「テッドに会う為、スベルドロフスクに向かうそうだ」と
答えた覚えがあるな。―――…その後私はどうしただろうか?

………。
確か…「とにかく今はシャワーでも浴び、食事にでもしようではないか」
といった内容を皆に提案したはずだ。あとはリク・宮城の肩に手を置きつつ
先導し、昇降機のボタンを押しながら「リク・宮城。………」
………。
………。
………。
…君。誤解だ。
普段の私の口調で、当時の言動を思い出すからそのように失笑するのだよ。
この芝居は人間の前だけだ。ディーヴァにもかつてそれは申し上げたがね。
芝居中の私の言葉を本気に取ってしまってはいけない。落ち着きたまえ。
このうえ妙な勘繰りをされては敵わない。少々彼をからかっただけに過ぎんよ。

529 名前:名無し客:2007/11/09(金) 23:56:03
死亡フラグって信じる?

530 名前:ソーニャ ◆gD.KishiHU :2007/11/12(月) 01:37:07
>>381
>血って美味しいんですか?

人間の血とはいいものよ……都会の人間のそれは金銭の味がする
畑を耕す人間のそれは土の味がする、実に飽きが来ないわ。
あの温かさ、甘さを言葉にするのはむつかしいのだけれど。



>>382
>ご自分がお持ちの「いちばんの武器」について語ってみてください。

「忠誠心」ね。
雪原で倒れていた瀕死のわたしを主が拾ってくださり、新たな生を
与えられたあの日から……わたしは髪の毛一筋血の一滴まで、あの方のもの。
この思いひとつが、わたしの身を剣にも盾にも変えた。
あのふたりを守るためなら……何でも出来た。いくらでも強くなれたわ。



>>388
>握手したらどんな感触なんでしょう。

握手?――いいわよ、しましょう。手が荒れていて、恥ずかしいのだけれど。
水仕事のせいね。だってお父さまは研究以外のことはからっきし、わたしが
やらなきゃ誰が家のことをやるっていうのよ。炊事洗濯掃除、なんでもやったわ。

学校には行かなかったわ、だって村の学校は簡単すぎて退屈だもの!「悪魔の
研究をしている悪魔の手先」と村八分にされていたから友達もいなかったけど、
寂しくなんてなかった。家のことの合間にお父さまのお手伝いをして、勉強を
見ていただいて……優しいお父さまと二人、平穏な日々だったわ。

――ある日突然、糸杉のように痩せて背の高い銀髪の人がやってくるまでは。
「お父さまの研究のお友達」がわが家の一員になるまでは……。

531 名前:ソーニャ ◆gD.KishiHU :2007/11/12(月) 01:41:22
>>390
>貴方の名前にはなにかの願いが込められていると思いますか?

わたしの名前ソーニャ(Sonya)は、実は短縮形。正式にはソーフャ(Sof'ya)
―もっともこちらを使うことはめったになかったのだけど―なのよ。お父さま
だけはソーネチカ(Sonechka)と愛称形でわたしを呼んだわ。

ロシア人の名前には、いろいろな呼び方があるのよ。初めての相手や手紙の相手
には正式形、親しくなった相手には短縮形。親が自分の子供を呼ぶ時に使うのが
愛称形。――ふふ、お客様ったら目を白黒させて。ややこしいでしょう?

この名はギリシャ語のソフィア(Sophia)が語源になっているの。意味は「知恵」。
いかにも学者のお父さまらしい名付け方よね。


グレゴリー(Grigorij)は……教皇グレゴリウス一世からいただいたものらしいわ。
典礼の整備、教会改革で知られ、古代を代表する教皇。「優れた学者にして統治者
グレゴリー」「聖なる父グレゴリー」「祝福された教皇グレゴリー」などと情熱的
な尊敬を捧げられた、偉大なるお方よ。

……あの父も、生まれた時は存在を祝福してくれていた、ということかしら。
……そうだったと思いたい。



>>401
>血やワインの他に飲み物は飲みますか
勿論よ。食欲がなくなっても味覚は残っているのですもの、舌と心の楽しみと
していただくわ。サヤとハジをわが家に案内したときは、川に落ちてびしょぬれ
になった体を温めるために、ズビーチェニ(蜜茶)を一緒にいただいたものよ……
サヤと一緒に、裸で一枚の毛布にくるまってね。

532 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/11/13(火) 02:31:17
ご機嫌よう、皆さん。暫く姿を見せずに、申し訳ありません。
久しぶりに薔薇を選んで切っていたら、夢中になってしまって…
たまにはピアノの稽古より他の事に精を出さないと、僕でも
肩が凝るような思いがするものですから。

さあ、このテーブルにも飾りましょう。赤と青、
どちらの薔薇を飾りましょうか…綺麗に花瓶に活ける間、
僕も皆さんのお喋りに混ぜてください。構いませんね?…ありがとう。

>>391
>「美人さんだ! わーい固い握手してほしいな!」と思う輩も世の中にはいそうですが、
>やっぱりそんなやつは身を守れませんか?

おや、どうしてです…?そう思う人なら、あなたの他にもおいででしょう。
少なくとも、僕は沢山知っていますよ…本社や支社のオフィスに顔を出すと、
いつも決まって、若い女性の社員の何人かに手を差し出されました。
それで手を握ってあげるとね、彼女たちは嬉しそうにはしゃぐのです
「きゃあ、私この手はもう洗わないわ!」…はは、仮にも製薬会社の責任者として、
社員たる彼女たちには手くらい清潔にしておいて欲しいのですけれどね。

彼女たちの様子からはとても、よこしまな意図は感じて取れませんでしたけれど
僕は彼女たちを、無防備で愚かだなんて思いませんよ。素直でお可愛らしいことだ。
それは確かに、…先ほどシルヴァスタイン女史が仰っていたのを
ちらと聞きましたけれど…よく知らない相手に、見てくれだけで近づくのは
危険です。ひょっとしたら、こちらは頬を上気させて握手を求めてくる相手に
ああ健康そうで美味しそうだと唾を飲んでいるかも知れないんですからね…
けれどそれだって、僕らにしてみれば素直な心の動きですよ。お互いさまです。

533 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/11/13(火) 02:33:52
>>410
>人間もシュバリエも、感情があるとあまり変わらないですね。

ええ、変わりませんよ…見た目で判別出来ないのですから、
ぼくらが人間の振りをしていれば、なおさらです。
しぐさや口に出来るもの、人間として生きていた頃と何ら変わりません
持って生まれた業も、何かが欲しいと切望する事も、
そのために争う事も 望みを失って痛みにのたうつ事も

慕わしい家族の言葉に頷く事も、誰かを心から愛する事も…
何ひとつ変わりはしません。

はは…もちろん、嫌がらせをされた!と悔しがって地団駄を踏む事もね?


>>411
>あげさせてね。

おや、お気遣いをありがとう…薔薇はお好きですか。
どの色がいいかな…これですか?ええ、どうぞ。いい香りでしょう。
あなたのように気遣って下さるかたが居るお陰で、
懐かしい事を耳にしたり、思い出すことが出来ます。
それにここ暫く、随分賑わっているようですね…あそこにいる彼女たちは、
額を寄せ合って何を話しておいでなんでしょう?


>>493>>497-498
やあ、皆さんお揃いでくつろいでおいでですね?
ここにもお花を飾らせて下さい。どうぞ、そのままごゆっくり。

…どうしてこちらを見てくすくす笑うのです?

あなたがた、何の鑑賞会ですか…?おやおや、
誰です…これをお持ちになったのは。あなた>>493ですね?
よく出来ていますけれど、こんな物をどこから…
確かに懐かしい事を思い出します、けれど―――何て
ちょ…あまり覗き込まないで下さい、何て…お恥ずかしい。

534 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/11/13(火) 02:37:23
>>416
>読書の秋、好きな本の話を聞かせて下さい

そういえば、以前に…ご来客のどなたかが、アレクサンドル・デュマの
『モンテ・クリスト伯』を映画にしたものを
少し見せて下さった事がありましたね…あれは英語で作られていたので
些か勿体無い事になってしまっていましたけれど
僕はあれの原作は好きですよ。ひょっとしたら日本からおいでのかたには、
『巌窟王』のタイトルのほうが馴染みが深いのかな。

あのお話は凄絶な復讐劇で…無実の罪で投獄された主人公が
気品ある上流階級の紳士となってパリの社交界に現れ、
自分を陥れて華々しい地位を築いたかつての友人に、
悪魔的な周到さで同じだけの苦しみを与えようとするんですけれど

そのくだりに、人間の醜い嫉妬や憎しみが生むものが何かが示されています。
それは罪の無い人を陥れる汚いはかりごとであったり、一方で
偉大と言えるほど強固で揺るぎない意思であったりするのです。
憎しみに駆られて復讐に盲目になるかたわらで、心の底に
愛するものに対する誠実さと希望を持ち続けた主人公が
最後に手に入れたものは、嫉妬や憎しみとはかけ離れた、美しいものでした。

あの物語を読むと…この世界がどういうものか、思い知らされる気がします。

僕には、主人公が最後に残した「待て、しかして希望せよ」の言葉は
絶望を覚えるほど醜いものの中にも、愛すべき輝くものが
隠されている可能性を決して忘れるべきではない
その可能性を信じて堪えれば、いつか自分に相応しい美しいものを
必ず目にする事ができる、と教えているように思えるのです。


>>417
>中の人についても避難所でいいから教えて下さい♪

ああ、そうそう。僕も覗いて来ましたよ…二人の兄さんが綺麗に片付けた書庫。
あそこには日本語だけでなくて、色々な言語の本が揃えてあるんですね。
その中にね、英語で書かれた、辞書のように分厚いのが
どうやらシリーズもののようで、七冊ありました。
何だろうと思ってよく見てみたら…何だ、世界中でベストセラーになった
額に傷跡のある、魔法使いの少年のお話じゃないですか。

あれほど話題にされていながら、僕はこれまで
ついぞあの本を開く機会はなかったんですけれど…ぱらぱらとめくっていたら、
何だか面白くて引き込まれてしまいました。
子供向けのファンタジーだと思っていたら、とんでもない
あれはいい大人が読んで、現実逃避をはかるためのものなのですねえ。

535 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/11/13(火) 02:39:14
>>421
>「美しさ」「美しきもの」について、語ってみて下さい。

…あなたがた人間の生きるこの世界は、醜いですけれど…
まだ美しいものが沢山残されています。真っ赤に染まる海、虹色に輝く大地
この世界が生み出した奇跡です。そして、ここに生きる僕らは紛れもなく
その奇跡の一部分だ…僕はその事について、
この世界でいちばん美しいひとに、知って貰いたかった。
かつて湛えていた、無邪気な微笑みを隠して俯いているそのひとに…顔を上げて、
業深い人間がもたらした、その瞳をかげらせる争いを棄てて
長い時を生き続ける事に希望を持って欲しいと思っていました。

彼女の夢がたとえ過去に置いてきてしまったものでも、永遠に近い僕らの命は
それを取り戻すのに充分すぎるほどなのですから。

…けれどそのひとは、もう既に
その事を知っておいでのご様子ですね…僕ではない、ほかのだれかの手によって。


>>427
>嫌いな人は誰? 苦手な人とは仲良くできるほう?

嫌いな人?ここにあって、誰かを嫌いになる事なんて―――嘘を吐くな?そんな。
僕はハジのことだって、嫌いではありませんよ?それは…彼に対して、
いっそ足を踏んづけてやりたいとか…そんな事を衝動的に考えることはあります
けれどそれはあくまで――― ……それが嫌いという事だ、と仰る?
…参ったな。僕らの仲が悪いのでは、小夜だって喜ばないでしょう。
けれど皆さんだって仰っていましたね、僕らは仲良くケンカするので和む、と。
そのように見えるくらいですから、僕は頑張っているほうだと…思いますよ?

536 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/11/13(火) 02:41:32
>>422
>ねーもんもん。

おや、あなたは…よく、おいでになりました。ありがとう。あなたの髪を、
摘んだばかりの青い薔薇で飾りましょう。

アンシェル兄さん>>429、ご機嫌よう。彼女と何を話しておいででしたか?
内緒のお話?…いやだな、教えて下さい…ああ行ってしまわれた、
…ねえ君、少しだけ教えて下さい。何の噂をしていたのです?

くす…おや、ほんとうに少しだけなのですね?
けれど…ははあ、成る程。思い出しましたよ…

僕がまだほんの子供だった頃…実の父親よりも、彼に懐いていたものでした。
だってそうでしょう?どんな子供だって、自分の話に耳を傾けてくれて
面白いことを何でも教えてくれる大人を、信頼するものですから。

ええ、アンシェル兄さんのお住まいには、僕が興味を引かれる本が沢山置いてあって
それにとても静かで、勉強に没頭するには居心地の好い所だったのです
気ぜわしい、僕の家とは違って。

はは、ええ…兄さんがあなたに話して聞かせた事は、全部ほんとうですよ。
彼はまだ憶えておいでだったのですね、お恥ずかしい…
けれど僕は、本当に父が怖かったのです
彼が何を考えているのか、僕には理解できなかったものですから。
それは実は簡単な事なのです、彼は戦場を足場にして家業を拡大し、
より大きな利益を上げようとしただけだ…僕は末子ですから、軍事に関わらせて
万に一つの事があっても惜しくない、彼にとって恰好の
金の卵を生む鶏だったというだけの事なのです。けれど、僕には
ほんの子供が語る言葉にさえ決して是と言わなかった彼が怖かった。

僕はいつもそんな彼をただぽかんと見上げていて…そのうち、
ああこれでは仕方ないと諦めて、彼の家を出ました。駆け込んだのはもちろん、
あの研究室のあるアンシェル兄さんのシャトーでした
僕にとっては兄さんの方が、彼よりも余程本当のお父様のようだったのですね。

…ええと、君は僕に何を訊ねたのでしたか?すみません、
あまり懐かしいお話だったものですから。
あなたの知りたいことに、きちんと答えて差し上げないと…


>私は世界中のみんなに仲良くしてほしいな。
>そのために私ができることって何かあるかなあ。

そうでした、…難しい事を仰います。そのように考える事のできる君に、
僕がこんな事を言っていいのかどうか。けれど、そうですね…

せめて、あなただけでも…人間の持つ業に汚されることなく、
きれいに澄んだままの素直な瞳で、ひどく醜いけれどとても美しい世界について
出来るだけ沢山知ることです。そうすれば
あなたを見る人たちに、同じように考えてもらう事が出来るでしょう。
報復が憎しみの連鎖しか生まないこと、争うことの不毛な事に
気付いてもらうことが出来るでしょう。

僕はみんなの平和どころか、血の繋がった姉妹の仲直りのためにすら
何も出来ませんでしたけれど…そのように思います。

537 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/11/13(火) 02:43:36
>>431
>あなたにとって死とはどんなもの?

死は―――僕にとっては、どうしても欲しいものを諦める事でした。
あの時…断ち切れかけた神経が、辛うじて兄さんの背広の匂いを感じ取った時
僕は、兄弟と あるじと過ごしてきた莫大な量の、懐かしい光景を
ほんの一瞬で全て思い出したのですが

それでも、最後に瞼の裏に焼きついたのは…小夜の姿でした
リセのダンスホールで、はにかんでほんのり頬を染めた彼女の笑顔でした。

彼女の血で、とうとう体中が感覚を失っても
生まれて初めてあんなにも心を揺さぶった、あの強い感情と―――もう二度と、
彼女の笑顔を見ることも、彼女が僕の名前を呼ぶ声を聞くことも
彼女に何か残して差し上げる事も出来ない悔いと、忸怩たる思いだけは
意識が途切れるまで、僕の刀傷を受けたこの辺りを…ずっと、焦がし続けました。

おや、御免なさい。下を向きたくなるようなお話でしたね?
けれど、死とはそういうものだと思うのです。あの瞬間に、
何ひとつ後悔せずにすんだなら…どんなに幸せでしょう。人間が、生きることに
生きている短い間により多くを手に入れることに、執着する筈です。

この体に死を二度も迎えて、漸く僕にはそれがわかりました。



…さあ、もうすぐ以前に手配したものの準備が出来る頃合いですね?
お花を飾るのはこのくらいにして、様子を見に行きましょう。
それでは、また近いうちに。

538 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/11/13(火) 19:00:04
やあ、こんばんは!

僕の声が聞こえていると言うことは、君もこの場所に来てくれたのだね。
今宵もこの僕の僕による僕のための(そして二人の女王と脇役達の)動物園にようこそ!

ではお一人ずつ、お客人にご挨拶していこう。


>>523-524
>長兄はりっきゅんに一服盛ってなにするつもり?w
>上げちゃったゴメなさい!

なんだって!?あの男が、僕が弟のように可愛がっているリクに一服盛った!?
そんな物騒な話を、君はどうしてそんなに楽しそうに――なんだ、たとえ話か。
ああ驚いた。しかもリクがまだ人間だった頃の話だね。
それなら長兄は何もしなかったろうと思うね。仲良くお茶を飲んだだけで。

別にアンシェルを庇っているのではないよ。リクが検体として必要だったなら
長兄は睡眠薬だろうと毒だろうと平気で盛っただろうけどね。シュヴァリエと
なった後のリクならばともかく、ただの人間の少年ならば、わざわざアンシェル自らが
動くこともないんだ。君にはあまり聞かせたくない話だが、実験用の人間は
十分に確保できていたのだから。

でももし、リクが検体用のシュヴァリエとしてアンシェルの手に落ちたなら、
リクの運命は――。
いや、考えるのはやめておこう。そのほうが心の平安を失わずに済む。
君も、僕もね。


ところで君はこの館を浮上させたことを謝っているのかい?
気にしなくてもいいんだよ。明るい場所に躍り上がるのも良いものさ。
それに深く沈んでしまったら君達にも見つけてもらえないしね。
さあ、僕も上昇させるよ!

539 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/11/13(火) 19:00:48
>>522
>おやつはカール♪

――そう!ディーヴァは時々、僕達をおやつに召し上がっていた。厳密には僕達の血を、だが。
ネイサンなどはそのたびに「気持ちイイ。私の血が女王の一部になっていく……」と、
陶然としていたよ。その表情はいささか気色悪かったが、僕にも彼の気持ちはよくわかるんだ。
僕だっておやつなどではなく、あるじの常食となりたかったくらいだからね。あるいは小夜の。
彼女達になら、この体に流れる血の最後の一滴まで飲み尽くされてもかまわない。
僕の血が、彼女達の一部になるのだからね。

僕はそれほどまでに僕のディーヴァと僕の小夜のことが

大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで
大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで
大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで
(927381418行ほど省略されました……全文を参照するにはアチラ!)

540 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/11/13(火) 19:01:37
>>527
>翼手の最大の業って何だとおもう?

こんな風に楽しく話している間も、君がおいしそうに見えてしまうこと?
その細い首筋に顔をうずめて、肌と血のあたたかみを確かめてみたいと思ってしまうこと?
母であり、恋人でもある女性に魂を奪われ、その命令にはけっして逆らえないこと?
それとも花嫁となるべき愛しい女性の血が、僕達を殺す唯一の毒であることだろうか。

…ああ。でももしかしたら、不老のまま生き続けているこの身体と命こそが、
翼種の業そのものなのかもしれないね。

――ねえ、君。

では人間の業はなんなのだろう。
優しげな笑みを浮かべ、思慮深い声で僕に質問を投げかける君の業は?

こうして見ていると皺だらけの老人になってほしくないと思うほど、若い魅力に溢れていること?
生気に満ちているのに、僕の腕の中では羽をもがれた小鳥みたいに無力な存在でしかないこと?
恐怖のあまり、青褪めて息を呑むさままでが美しいことだろうか。
それとも僕の紅い瞳に魅入ってしまい、震えながらも背徳的な悦楽を感じて動けずにいることかな?


―――ねえ、君――……。


                   
                      

>>529
>死亡フラグって信じる?

フラグ?旗ではないのだね。…なるほど、分岐点になる印みたいなものか。
けれど僕は翼種、しかもこの場所で死などあり得ない。
だからそんな不幸な分岐点は僕達には無縁のものだよ。

だが幸運な分岐点ならば、これからもここで生きる僕にはたくさんあるはずだ。
たとえば――だね。
僕のあるじが僕に歌を聞かせてくださるとか、小夜と一緒に踊れるとか。

――そう、今はまだ忙しいのだが、落ち着いたら僕は小夜にダンスを申し込むんだ。
それからいつの日かどこかで行われているという吸血大殲にも参加するんだ。
それからね――…。




それでは今宵はここまでにさせていただこう。
この僕の僕による僕のための(そして二人の女王と脇役達の)動物園でまたお会いしよう。

それでは人間の皆さん、しばしのお別れを。

541 名前:名無し客:2007/11/14(水) 14:25:22
シュバリエは睡眠と食欲はないんだよね?性欲は?

542 名前:名無し客:2007/11/14(水) 20:11:03
ねーもんもん。さんすのテストで百点取ったの。すごい?すごい?

543 名前:名無し客:2007/11/14(水) 20:18:26
もんもん薔薇をありがと。すごくいい匂いする。

544 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/11/14(水) 20:47:06
>>527
>翼手の最大の業って何だとおもう?

―――かつてネイサンの屋敷の庭で、訪れたソロモンがこう語っていた。
あの日私の城の地下で、ディーヴァの血を分け与えられたときの喜びを。

「人間が愚かしく、醜い生き物に見えたのです。そして単純にその世界から
解放された喜びに満たされた。僕は初めて平穏を手にする事が出来たのです」
………と。

そのとき私は黙して佇み、ディーヴァは気だるげに青薔薇を弄いつつ、
ネイサンは腕を組み、口元に例の微笑を湛えたまま彼の言葉を聞いていた。
ソロモンのその言葉は我ら翼手の意思でもあるからだ。大なり小なり人間は
愚かしい戦争を今もなお続けている。愚かなる人間の業が我々に生きる場所を
与えてくれているのだ。

彼女のシュヴァリエとなり、私もまたそうした業からまさに解き放たれた。
それはじつに喜ばしい事だ。我々は彼女を守護し、訪れるその眠りを見守り、
食べず眠らず、老いることすらない。与えられた時間はもはや永遠に等しく…
だからこそその時間の中で―――…私は知りたいのだ。ディーヴァのすべてを。
調べ尽くし知り尽くす事。それこそが私の至高の愛。
だが…「彼女」が何であるのか、みずからがその血を分けられ近しい者と
なった今でも求めるものは増えてゆく…。まるで砂漠を渡る者の瞳にのみ映る
泉が、必ずおのれの手の届かぬ所に、かがやき満ちあふれ続けているようにだ。

…彼女自身も、本来のあるべき場所を求め続けていた。他の者とてそれは
変わらない。人間とは異なり、我らの時間……それは恐るべき永さだ!
相反する女王の血なくしてシュヴァリエを殺すには、首を刎ねるかすべてを
焼き尽くすか―――だったな。
たとえはるかな高みから地上に叩きつけたとしても、我々はそんな事では
死なんよ。死ねないのだ。我が弟たちも、ハジも―――…そしてこの私も。

545 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/11/14(水) 20:48:52
>>529
>死亡フラグって信じる?

―――初めて耳にする言葉だな。死の旗印…それはかつて世界に冠たる
大ロシア帝国で、そしてまたナチス第三帝国で……。一度は隆盛を極め
そして命運をうしなった数多の権力者たちの頭上に、ときを経て必ず
舞い降りる、滅びと死の大天使の姿のことかね?

…人間は傷つけば血を流す。種としてはかよわい生き物だ。
なるほど彼らの滅びのときに、そうした運命からの予兆、知らぬうちに
おのれの墓碑銘をつぶやいていたといった不吉な符号のようなものは
存在するのかもしれん。…だが我々シュヴァリエには縁のない話だな。
それはあくまで人間に限った話なのではないかね?

………なに?このように語る私の、この声質そのものがその旗印だと
君は語るのかね?弟たちから、低い凄みのある声で恐ろしいと言われた
経験ならばあるが―――…しかし私のような声の者が、他にも存在するとは
とても思えんのだがね。それに第一私はそうした墓碑銘をみずから口にし、
またその事に気づかぬほど愚かではないつもりだ。
私がオペラの夜に発した言葉は、すべて明朗なものばかりではないか?
思いつくだけでも…「行かせはせん」「まだだ!まだ終らんよ!」

…別に、これといって特徴のある言葉ではないではないか?
まあこのとおり死の旗印などは…この私には無縁の存在だよ。君。

546 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/11/14(水) 20:52:03
>>530
>シュバリエは睡眠と食欲はないんだよね?性欲は?

―――成る程。じつに興味深い。人間における三大欲求のうちの最後の
ひとつですな。…ふふ。これは困りました。まあそのように率直に問われては
紳士淑女の皆さまの手前、少々答えづらいものがあるのも確かだ。

翼手が自然に進化を遂げた生物である以上、我らにもまた生殖行為は
存在する。―――…これで答えになっておりますでしょうかな?
しかし人間の愛憎は、優良種の選定や次世代の受胎という云わば「本能の目的」
に、必ずしも忠実に即している訳ではありません。そこにはヒト特有の
「心」というひどくわずらわしく、入り組んだ問題が介在しております。

シュヴァリエとてそれは変わらない。…何と言っても元は人間ですからな。
我らはおのれの女王を守護する存在です。そして相対する女王はまた、
それぞれの花嫁でもある。しかし本能に即すのであれば各自のシュヴァリエで
近しい女王を求めるのか、それとも相対する女王を求めるのかでこれほどまでに
個体差の出る説明がつかぬ、と申し上げてよろしいでしょう。

…おそらくこれらはシュヴァリエ一人一人の心に帰せられる問題なのでしょうな。
かつて私が弟に

「ソロモン…お前は小夜を愛していると言ったな。それはお前の中にある
 シュヴァリエの血が小夜を欲しているからだ」

と語りかけ、弟が

「…そうだとするならディーヴァへの愛も、シュヴァリエとしての本能と
 いう事になりませんか?」

……と反論し…そして互いが相手のその言葉に、しばし声を失った。
何よりもその沈黙こそが雄弁に、この問題が単に本能の問題ではない事を
語っておるのでしょう。―――…なかなかに事は単純に運ばぬものですな。

547 名前:名無し客:2007/11/15(木) 09:53:33
好きなピアノ曲を教えて下さいな

548 名前:名無し客:2007/11/15(木) 18:52:23
アンシェルのビームはどういう原理で撃ってる訳?

549 名前:名無し客:2007/11/15(木) 18:53:01
アンシェルのまつげが後半突然なくなったのはなんで?

550 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/11/18(日) 14:09:44
温かい陽射しが差し込むあそこのテラス――
可愛い女の子や興味深そうな男の子がいる、ほら、とても楽しそう。
彼女達に囲まれている後姿、あれはきっとアンシェルね。
誰かと向き合ってお話してるみたい、さっきから何を熱く
語っているんだろう?離れにいてもあの声はよく響く。

彼らの声は独特だから、ディーヴァを中心にディーヴァのシュヴァリエと
シフでオペラができるんじゃないのかなって、時々そう思うの。
観客は勿論、お客様方と私とハジ、カイやリク、謝花さん達や赤い盾。
ふふ、その機会があれば見てみたいね。楽しそうだもの。

>>56
>長兄とソロモンが駅前で待ち合わせwwちょwwwギザカワユスwwww
>>62
>なるほど〜。でも逆に考えれば若すぎる外見とふわふわした髪型だからこそ
>相手を油断させ懐に飛び込むこともできるんだと思うよ。

動物に例えるとアライグマの胸に飛び込む子狐?
ふわふわしている旅の子狐ソロモンの毛並みを
いい子いい子と撫でてよく来たねと迎えるアライグマ・アンシェル。
以前、旅先で噂に聞いた「ピーターラビット」のお話に出てきても…
姪っ子達とディーヴァが起きたら聞かせてみようかな?
小さな双子は目を輝かせるだろうし、ディーヴァも明るく笑うかもしれないもの。

551 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/11/18(日) 14:17:14
>>113
>>185-190
>>320
>ソロモンとハジの仲良し喧嘩に和む〜w

さっきから響いていた音色は彼らだったの。
今は音が止んでしまったけど、また聞いてみたいな。
あの音色は「G線上のアリア」でしょう?
それを練習しながら喧嘩していたの?
真面目に練習しながら楽しんでいたみたいだね。
そしてそこにカール>>297がソプラノリコーダーで参加……
っ……ううん、ただ少しおかしくて…ふふ、楽しそう。

ダンスの先生が見ている前で小さかったハジとステップを踏みながら
足を踏んで遊んでいたのを思い出すね。勿論、後で先生に叱られて、
それを聞いたジョエルが優しく笑っていて。

沖縄では私にゲームのやり方を教えてくれようとしたリクに
カイが途中から貸してみろってやり方を教えて――
中々上手にできないのに苛々したのかな、それをお父さんが見て笑っていたっけ。

何となくだけど、ジョエルやお父さんが笑った気持ち…少しわかる気がする。
私とディーヴァのやりとりで微笑む人はいなかったけれど…
もし、母さんが見守っているなら――私達があの塔で過ごした時間に
そっと笑っていてくれたかな。そうだといいなって、思うの。

動物園で過ごした時間も、沖縄での時間も私には温かい思い出。
ハジやソロモン、カールにとっても楽しい思い出になると思う、例え喧嘩しても。

552 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/11/18(日) 14:19:02
>>423 ソーニャ
>サヤ!お久しぶりね、元気そうで嬉しいわ。

ひぁっ!……び、びっくり、しちゃった……。
その声、ひょっとして――おかえりなさい、ソーニャ。

>ねえ見て見て、貴女にもお土産があるの。――靴よ!

え?私に靴のお土産?なんだろう…。
綺麗……でも私に履けるかな、試してみるね。ヨーロピアンピンクから
………。
………。
ねえ、ソーニャ。聞いてもいい?
どうして足のサイズが…どれもピッタリなんだけど……。

>貴女とわたしはあの夜、一つのベッドで休んだ仲なのよ?この掌が、覚えているわ。

たった一夜でそこまでわかるのか不思議なんだけど、ああ…でも
ソロモンもサイズがピッタリのドレスを用意していたし―――
ハジも服や靴を調達していたから、特に不自然なことでもないのかな。
赤い盾でも与えられる服やドレスが合わなかった事はないから。
ありがとうソーニャ、大切にするね。
ねえハジ、素敵な贈り物を貰ったの……ハジ?

>ねえ、サヤ。ハジって、本当に!いい人よね。
>十トントラックの荷台から小豆と砂糖ともち米を全部食糧庫に移し替えて、
>今も厨房で手伝ってくれているの!

お客様のおもてなしの為に厨房にいるの?
それなら私も手伝って来よう、もう出来上がっているかもしれないけど
片付けの手伝いくらいはできるものね。大丈夫、牡丹餅の一つに「ハズレ」と
小さく書いたクッキーを混ぜるなんてしないから。ふふっ。

553 名前:名無し客:2007/11/18(日) 15:42:14
小夜とハジはいつから両思いになったの?

554 名前:名無し客:2007/11/19(月) 22:17:30
好きな人ことを思い浮かべながら惚気てください

555 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/11/21(水) 22:04:53
一通り目の前のテーブルを綺麗に片付けて……
あとは何か他に大切な事を忘れてないよね。

>>321>>322>>324
>ご飯食べた〜?
>いただきま〜す
>日本料理店で作ったものを持ってきたんだろ

お客様方、とても楽しそう。
美味しそうな匂い…カイに連れて行ってもらった定食屋さんの
料理も美味しかった。お店の人と娘さんの会話を聞いて
私とお父さんも…あんなふうにやりとりをしたのかなと
そんなふうに考えた事もあったね……懐かしい。

556 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/11/21(水) 22:07:11
>>382
>ご自分がお持ちの「いちばんの武器」について語ってみてください。

一番の――武器?私の唯一の武器は、この体に流れる血と……剣の稽古で習った経験。
だけど争いあわずに済むこの場所では役に立つ事はないの。ううん、むしろそれでいいと思う。
もう誰も傷つけたくはないから。

この血を少しでも浴びた時、翼手の――
ディーヴァの血で生まれた翼手は瞬く間に結晶化してしまう。
武器であると同時に辛く悲しくなるの。
私が翼手であること、そして過去の全てを受け入れたとしても……忘れてはいけないの。


>>431
>あなたにとって死とはどんなもの?

私とディーヴァの血は命を狂わせ、傷つける毒。
ハジとリクの一生を狂わせ、掠めただけで傷つける私の血。
お父さんを、何の罪もない人々を翼手に変え、シフを生み出した…妹の血。
死は――あっけなく訪れるの。そして、二度と戻らない。
…今も覚えてる。お父さんの結晶が埋め込まれた刀でディーヴァを貫いた感触を……。
私達の存在そのものが間違っているのだと、感情の全てを抑えて
あの子と共に死ぬはずだったのに――その覚悟でいたのに……。

あっけなく失うの。そして二度と戻らない。
心が折れてしまうほど、死は…とても苦しくて重い。
だからこの場所では――大切にしたいと、そう思うの。

557 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/11/21(水) 22:08:25
>>487
>>496
>ハジとリクは瞳が青く光るんですか?
>目の赤い子はどうして目が光るの

ディーヴァを除いて青く輝く翼手は見た事がないの。
この事はジュリアさんやアンシェルが研究を重ねているだろうね、今もどこかで。
花嫁とか花婿は、恐らく関係ないと思う。
それはアンシェルの仮説にすぎないから……。

それに私達は何もない場所から生まれたわけじゃないもの。
世界のどこかで母親の姉妹、そのシュヴァリエが生きているかもしれない。
その貴重な証言次第でアンシェルの仮説は簡単に揺らぐでしょう?

仮に女王とそのシュヴァリエと子が成せたと知れば
どんな表情を浮かべるだろう。
男の子か女の子か、双子かそうではないのか。
生殖能力の有無…多分、新たな研究をするかもしれない。
きっとハジとリクの瞳のことより大事だと思うから。

558 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/11/21(水) 22:20:37
>>553>>452>>554
>愛する人がいなくなったらどうしますか?
>小夜とハジはいつから両思いになったの?
>好きな人ことを思い浮かべながら惚気てください

愛する人がいなくなったら…きっと私は、探しに行くと思う。
私を知っている人達がいなくて、私一人だったら
でも、私が相手を探すより私を見つける方が早いかもしれない。
何故って?…これまでの経験――だと、そう思います。
――私とハジが両思い?
いいえ、それは少し違います。どうしてって、本当の気持ちを伝えてないから。

今でも覚えています。
小さなハジと出会った時、そして雨の日に彼の涙を見た時。
子供という立場の無力さに悔しさと悲しみを込めてハジが涙を流したあの日。
ハジは人形じゃないと、そう感じたの。

彼を事故でシュヴァリエにしてしまって――人と異なる力と姿を得た彼を見て……
私はもうハジから何も奪いたくなかった。だから私の命を奪うようにと……。

だってそうでしょう?ハジの代わりはいない、ただ一人の存在。
ジョエルと私に巻き込まれ、そして……人としての一生も奪われた。
あのままだと、ずっとハジはシュヴァリエの運命に繋がれたままになる。
だからカイやリクと共にいて、記憶を取り戻しても……甘える事はできなかった。

突き放して冷たく振舞っていれば、ハジが約束を遂げる事に苦痛は感じないとそう信じていたの。
私の想いを伝えて縛り付けてしまうのは、自由を得たハジに辛いものでしかないと考えて。
私が死ぬその時に「ハジ、ごめんね」って――伝える。
その日が必ず訪れると信じて疑わなかった。

けれど、実際は違った。
オペラハウスでハジが告げたあの言葉。
体が自然に動いていて…溢れる気持ちを伝えたの。
それでも最後の最後まで言葉にできなかった。伝えられなかった。
その想いを伝える事で、ハジの自由を奪う事が怖くて……。

私があげられるものは今もない。だから、せめて彼の自由を守りたい。
そういう気持ちがあるから、想いを告げる事はできないの。
自らの意志でハジが自分の道を歩んでゆけるように……
私が想いを伝えてしまえば、きっと自分の事を後回しにしてしまうから。

だからこそ未来の可能性だけでも私が守らないといけないって
内緒――ですよ?

559 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/11/22(木) 16:33:23
>>555
>一通り目の前のテーブルを綺麗に片付けて……
>あとは何か他に大切な事を忘れてないよね。

おや、小夜…ちょうどいい所へ。
お給仕をしておいででしたか?とてもよく似合っています、そのエプロン。
くす…ええ、もちろん褒めているんですよ?お可愛らしい。
ハジは?まだ…ボタモチ、の仕度をしておいでなのですか?

それでは僕が先に、皆さんにこれを振る舞いましょう。
見て下さい、美味しそうでしょう…小夜、ちょっとこちらへ。
グラスを持って…ああいい香りだ。ええ、皆にはまだ内緒で…
この場所では貴女が、封切りになって初めてこれを口にするのです
素敵でしょう?さあ、どうぞ…
おや、ワインなんてもう長いこと飲んでいないから…と?
そう仰らずに、ひと口だけでも。


560 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/11/22(木) 16:35:15
皆さん、ご機嫌よう…すみません、そこのテーブルを空けて。
さあ、随分お待たせしました―――本当は、解禁になってすぐに
お目にかけたかったんですけれど…

【Beaujolais Nouveau “Cuvee Chevalier”】

ボジョレー・ヌーヴォー・キュヴェ・シュヴァリエ。いい名前でしょう。
インポーターの社名を冠したものですから、ほんの偶然ではあるんですけれどね。
それにこれは他の銘柄と比べて、濃厚で質が良すぎるからと
出荷停止にさせられる程の色と味を誇るワインです。
ここにお集まりの皆さんの舌には、このくらいのものが丁度いいかと
思ったものですから。

随分と沢山のかたがおいでですけれど…グラスは足りるかな。
出来るかぎりご挨拶を差し上げながら、僕が注いでまわりましょう。
けしの実のクラッカーと、青かびのチーズと一緒にどうぞ。
彼が作った…ボタモチ、とも相性が好いといいのですけれど。


561 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/11/22(木) 16:39:20
>>432>>455
>あっ、動かないで!デッサンしてるんだから。
>将来、絶対絵描きになるよ、俺。アンシェル、モデルサンキューな!

何を…描いているのです?ああ、これは。ここから見える、あの塔ですね。
今日は空も高く澄んでいますから…それは綺麗な絵になることでしょうね。
ワインはいかがです…少し、休憩しませんか?
ええ、つい先ごろ解禁になったばかりのボジョレーですよ。さあ、どうぞ…
あなたの描いた絵を、見せて頂いても?

おや、これは…アンシェル兄さんだ。暖炉のある、あのお部屋で描いたのですね。
彼は相変わらずですねえ…いつでも落ち着いて、どこか物憂げなご様子で
あのときと少しも変わりません。そうそう、…ちょうどこの絵と同じように
明りといえば暖炉の炎だけの暗い部屋で、肘掛け椅子に腰掛けて…僕はこの、
薔薇の花瓶がある辺りで 彼の椅子の背もたれに手をついていたのでした

あれはいつ頃、何の為に撮ったものだったかな…僕はこの位置から、
彼を見下ろしていたのですけれど…いつも写真に映る時のように、
笑みを湛えては居られなかったように思います

…ああ、ええ、とても上手に描けていますよ…
あなた、頑張って良い絵描きにおなりなさい。そうしたらいつか
ふたりの女王とそのご息女たちがこちらを向いて微笑んでいる、
家族の肖像を描いて下さい。


>>433
>血を好んで啜る輩も、近年はトマトジュースや輸血パックで我慢する、と耳にします。

へえ、あなたのお知り合いには…そのようなかたがおいでなのですか。
トマトジュースと鮮血では、味も匂いも全く違うでしょう…代わりに出来るかな。
輸血製剤と、とろりと温かい生き血だって余程違いますけれどね。

どう思うか、ですか?
彼らはそれで我慢せざるを得ないのでしょうね。お可哀そうに。
けれどそれでいいのではないのですか、あなたがたの暮らしの安寧の為にはね。


562 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/11/22(木) 16:44:15
>>434
>絆という見えない力を信じる? 信じない?

さあ、あなたもグラスを。
絆…ですか。信じるも何も、その力が強い事を
僕はもうこの身をもって知ってしまっているものですから。

あなたがた人間には、解らない事でしょうけれど…僕らシュヴァリエには、
母たるあるじを傷つける事は決して出来ません
身体を流れる彼女の血が、それを頑なに拒むのです。
それにひきかえ…例え首筋に歯を立てられても、決して抵抗は出来ません
指先まで痺れて、なすがままだ。

…不思議なものです。兄弟を相手にしては、それが出来るのにね。
例え別れの言葉を口にしてきびすを返しても、断てるものではありません。
だから…僕らの間で争う事は、全くの不毛なのです。…

…絆の力についてなら…小夜の方がよくご存知なんじゃないかな
彼女は頑なでした。人間の家族との絆を守る為に。僕にはそれが解らなかった…
「人間の家族」と心で絆を結ぼうなどと、考えた事も無かったものですから。


>>449
>あいつが死んだ時から・・・俺は世界に絶望した・・・
>たのむ!俺を翼手に!心の無い化物にしてくれ!

大切なかたを亡くされたんですか。おいたわしい、誰か他のかたとお話をして
少し落ち着いたかな。ああ、アンシェル兄さんに聞いて貰ったのですか。

あなたにもワインを注ぎましょう。

…人間は…無防備で、足元の危うい生き物です。
誰かが手を取って道を示してやらないと、たちまち行き先を誤って…
自分から滅んでいこうとする。先ほど>>435さんが仰った事もそうです。
自らの未来を暗いものにするとわかっていながら、まだ止められない。

そんな生き物の一個体である事は、とても…やりきれませんね。
そう思うでしょう?
僕らが、あなたを心の無い化け物にするのはとても簡単ですよ。
そうすると…あなたは全て忘れて楽になります。世界に対する絶望も、
亡くした彼ないし彼女の事も全て忘れて。

その人に似た誰かを見かけて、あるいはその人と見た景色を目にして
切ない、懐かしい気持ちに捕らわれる事なんて…二度と無くなる。

人間は、そうした複雑な感情を持つ事を許された生き物です。
だから余計に脆いのです。
いっそ捨てますか…、その人の思い出と一緒に。
僕らはいつでもここに居ます。そのつもりになったら、またいつでも。


563 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/11/22(木) 16:53:26
>>450
>「我思う、故に我あり」は真実だと思いますか?

わたしを知る人のあいだで…わたしがわたしである事は確かだけれど
ひとたびわたしを知らない人の中に身を置いたら
もしわたしを知る人がひとりも居なくなってしまったら
誰にも…わたしがわたしだと言い切る事は出来ない。それが出来るのは、
わたしがわたしだと知っている自分だけだ。

哲学者はいつも、難しい事を考えているのですね。これを真実だと思うかと
お訊きになるあなた…どう思いますか?
このような事に考え至る人は…孤独だと思いませんか。
心に大きな孤独を抱えて、それでもわたしは確かにここに存在するのだと
まるで必死で自分に言い聞かせているようだ。

人間の孤独な事を証明する命題について首を傾げて考えるあなたに、
香り高いワインの一杯を。これをああ良い香りだ美味しいと思うことこそが
あなたが存在する事の証明だ、それでは…いけませんか?

シュヴァリエはそうですよ、例え離れた所に居ても…絶対である女王の存在を
いつも内側に感じる。それだけで、長い時を生きる事が出来ます。
彼女の歌声を聞く時、彼女の笑顔を目にした時…まるで
芳醇なワインを口に含んだように、生きている事を思い知らされる瞬間です。


…いまはご挨拶はここまでにして、兄弟たちや、
キッチンにおいでのかたがたにも振る舞って差し上げないと。
それでは、また後ほど。


564 名前:名無し客:2007/11/23(金) 05:58:03
自分の一番信頼する人とある日身体がいれかわってしまったら、どうする?

565 名前:名無し客:2007/11/23(金) 06:00:00
ダンスパーティでは、青いバラをソロモンがさしたのはどういう意図で?

566 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/11/28(水) 00:00:10
>>542-543
>ねーもんもん。さんすのテストで百点取ったの。すごい?すごい?
>…薔薇をありがと。すごくいい匂いする。

―――おや…ようこそ。我が弟のちいさな崇拝者の君。
成る程、それはすばらしい。この私からも祝福させてもらうとしよう。
…ふふ。ソロモンへ見せる為に、そうも息を切らせて駆けつけたのかね?
崇拝者とはまったく健気なものだ。思えばあのジェイムズもディーヴァに
じっと見つめられるたびに、ひどくぎこちなく顔を赤らめていたものだった。

ジェイムズは我ら兄弟の内でもディーヴァにひときわ甘い。
普段はあのとおり堅い男なのだがね。ひとたび彼女に「ねぇジェイムズ…だめ?」
とねだられたら最後、どのような願いでも聞いてしまう。そのあたりをよく
ネイサンにからかわれていたものだ。…以前も彼女を連れて、国務長官との
昼食会に向かったはずが―――後で先方から問い合わせの電話が入り、
まだあの二人は到着してはおらんのかと驚いた事もあった。

…ジェイムズめ。劇場へ向かうなら向かうで、連絡を一本入れておけば
よいものを。おそらくディーヴァの微笑にすべてを忘れてしまったのだろう。
我が弟ながら困った奴だ。…尤も、この私もあまり他人の事は言えんのだが。


…ああ、足を止めてしまってすまなかったな。
その髪を飾る青薔薇はソロモンが手折ったものかね?成る程よく似合っている。
駆けた拍子の薔薇の乱れを、少々直してやりたくもあるが―――…。いや、
しかしこの私の無粋な指で整えるよりは、ソロモン本人にそうされた方が
君も嬉しかろうな。…では私は君のその、固く握りしめた答案用紙を
こうして丁寧に書類入れに収めるとしよう。

学問を修める者にとって、おのれの記録は大切にせねばな。
ましてこれは君の記念の答案だ。この書類入れごと誇らかに我が弟へ見せるが
いいだろう。あわてて転ばぬよう、よく足元に気をつけて行きたまえ。

567 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/11/28(水) 00:03:51
>>547
>好きなピアノ曲を教えて下さいな

―――…ふふ。どうやら君の真意は読めた。
ハジとソロモン、そしてカールの三重奏に、あらたな曲を依頼する
為ではないのかね?………では私も彼らの演奏の為に―――

…ではFranz Lisztの超絶技巧練習曲・第十二番「雪嵐」がいいだろう。
曲が進むにしたがい増幅してゆくトレモロ音符は、ちょうど降りしきる雪が
無情にも大地を白く敷きつめてゆくさまにも似ている。
…そうだな。情景としては―――彼ら三人が、屋根の雪下ろしをしている
姿を想像して欲しい。欧州の冬は寒く、雪はひどく深い。

ハジ、ソロモン。そしてカールは先刻から黙々と雪を下ろしている。
しかし天候は悪く、雪は止む気配すらみせない。次第に風は強まり
雪嵐の様相を見せ始める。屋根の地肌はいまだ見えない。それどころか更に
厚く屋根に雪が降り積もってゆく。それでもなお、彼らは黙々と雪を掻く。

雪を掻きながら内心、なぜだかひどく苛立ちはじめるのだ。
一体なぜ自分がこのような目に?!…ことに腹立たしいのは傍で雪掻く
背を向けた二人の存在だ。ひどく忌々しい。なぜこんな奴らと。
むしろ雪どころか、いっそこの二人を屋根から蹴落としてしまいたい。
………そう思いながらも雪を掻く。そんな殺伐とした無常感あふれる曲だ。
…ふふ。あの三人の演奏ににふさわしいのではないかね?

568 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/11/28(水) 00:47:17
>>548
>アンシェルのビームはどういう原理で撃ってる訳?

―――ビーム?そうした幼い子供の遊びのようなものなど、この私は
一度たりとも放った事はないが………。

尤も過剰に圧縮され、電位の高まった空気の塊が放電をくりかえし
傍から見る者の目にはちょうどそのように映るかもしれんな。あまり私は
そちらの方は専門ではないのだがね。高位の圧力により物質の電子が逸脱し、
原子核と電子が流動化した状態では、そのエネルギーの放出の際に
光かがやくような可視の光線を目にできる場合がある。俗に言うプラズマ化
現象というものだ。まあその瞬間の凝縮密度が高いためにそうした現象が
起こるのだろう。云わば雷と似たような放電現象だ。

…それだけに鉄塔の上で、この私みずからが落雷に打たれたのはまさに
皮肉と言うより他はないのだがね。









>>549
>アンシェルのまつげが後半突然なくなったのはなんで?

………。
………。
―――…よいかな?お若い方。
翼手とは誠に不思議な生き物だ。みずからは決まったかたちを持たぬ。
この私も用途に応じてさまざまな擬態を取ってきた。姿形などは我らに
とって何の意味をも成さない。無論そうしたささいな差異も同じ事だ。

若者とは、つねに物怖じせず突き進むもの。
そのかがやける純粋さは希少なものだ。恐れを知らぬために彼らはみな
ゆるがず前だけを見据える。ちょうどあのカイ・宮城のようにな。
しかしそれだけに思わぬところで足を取られ罠に陥ることも多い。

それゆえに若き君の為、年経たこの私から助言の言葉を贈るとしよう。
おお、無論言うまでもなく君の率直さはじつに好ましい。だから私も
このとおり、終始キルベドにいた頃のようなあかるい笑みをたたえているのだ。


………よいかね?恐れをしらぬ若き客人の君。
一般論として、この私のような外見の―――つまり壮年の男性へ軽々しく
「 毛 髪 のたぐいが減少したといった内容の話題」を振ってはいかん。


無論翼手である私には、いっさい関わりのない話だ!関わりがないからこそ
こうして今もにこやかに君と談笑している。ああ、これは失礼。飲物がまだ
だったな。このとおりシャンパンのグラスを片方君に手渡すとしよう。

…まあささいな事だ。単に社交におけるマナーの話にすぎんのだからな。
君は若い。知らんのも無理はなかろう。しかし……それだけに若さはときに
恐るべき運命を呼びこみかねない。なにより―――…
………
………
…人間は傷つけば血を流す―――…

…おや?靴がシャンパンの滴で濡れたかね?これは失敬した。
……君。…言葉にはよくよく注意する事だよ。

569 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/11/29(木) 20:53:20
>>553
>小夜とハジはいつから両思いになったの?

―――おや、それは初耳だ。さまざまに察しの悪い「あの主従」がかね?
尤もこの私はついにそうした情景をこの目にする事はなかったのだがね。
しかしまあ……むしろ私から君に問いたい。百数十年かかって「友だち」から
ようやくその段階なのか!…とな。つくづく人選を誤ったものだ。

 ジョエルの命により、動物園へハジを買い入れたのはこの私だ。
名目上の養子として私の籍に入れ、衣装を買い与え、屋敷の秩序を覚えこませ…。
そのあたりのこまごまとした実務は当然助手である私の仕事だ。それは構わん。
だが後は一切ジョエルの方針に任せていた。実際「小夜の世話」は彼の管轄で
あったのだからな。しかし―――あの冷酷な研究者・ジョエルともあろう男が。
姉の小夜には情でも移ったか?同じ男とは到底思えん生ぬるさだ。
苦労知らずの育ちの良さが完全に裏目に出たとしか思えんな。

『成る程。それじゃあ友だちになれない。もっとあの子の親身になっておやり』

 友だち!!………すばらしい。なんとも笑える冗談だ。
さすがに苛立ちに耐えかねて『そうだ!お前たちはやがて……』と言葉を
継いだところで彼に『アンシェル!』と即座にたしなめられた。
…ふん。いまさら綺麗事で飾ってどうする。着替えに赤面して出てゆく男と
その理由が皆目解らぬ女との、遊戯めいた友情の育み方などこのうえ
真面目に聞いていられるものか。いつまで時がかかるか全く見当もつかん。

そのあと私はしばらくの間、屋敷じゅうにつたなく鳴り響くチェロの音色や
厩舎あたりを駆けめぐる二人のきよらかな子供の姿に、しばし頭痛をこらえ
なくてはならなかった。動物園はいつの間に託児所と名を改めたのやら。
そして百年以上の月日を超えて――なに?ようやく互いの想いが通じた段階?

………。
………。

 おお、それは大したものだ!せいぜい彼らの為に、盛大な祝杯をあげねばな。
……無論すべて皮肉だよ。あるじがそうならシュヴァリエもまた然りか。

570 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/11/29(木) 20:56:57
>>554
>好きな人ことを思い浮かべながら惚気てください

―――愛の対象に思いを馳せながらのろけよ、とは恐れ入りますな。

…そう。彼女は私の宝だ。私の最もたいせつなもの、生きている証の
ようなものだ。ディーヴァの望みこそが私の望み。私はディーヴァの
しあわせの為に世界を操る努力をしてきたのだ。そしてこれからも
それは変わらない。この私の持つ富や名声、あらゆる権力はみな彼女を
かがやかせる為にこそ存在している。たとえ全てを注ぎ込んだとしても
惜しくはない。私は彼女の崇拝者のひとりに過ぎんのだから。

 彼女が「アンシェル!」と私の名をあかるく呼び、長い黒髪を揺らして
こちらへ飛び込んで来られるとき―――父親を見出したちいさな娘のように
腕を絡ませ、甘えを帯びた上目遣いの瞳でじっと私を見つめられるとき。
まあこれは大抵、なにか次に必ず欲しい物をせがまれると決まっているのだが。
しかしその様子の愛らしさときたら、それこそどのような願い事でも
彼女の為、率先して叶えて差し上げたくもなるというものだ。

「ねえ、ドレスに穴が空いちゃったの!」

……たとえそのかぎ裂きが、薔薇の棘で作ったものであろうと、明らかに
弾痕と鮮血の痕がうかがえるものであったとしてもだな。私は必ず

「…ふむ。新しいのが欲しくて、わざと撃たれましたね?」

と鷹揚に微笑する。彼女の望みを叶えること以外は大した問題ではないのだ。
逆に言うなら彼女が一言命じさえすれば―――たとえそれが夏の日の気温を
「アンシェル!暑いわ。何とかして!」といったものだとしても、私は
彼女の為にあらゆる手段を尽くす事だろう。………そうだな。その場合は
軍用ヘリを相当数調達し、アルプスの山麓から残雪を矢継ぎ早に運ばせる。
十万tほども庭先に積み上げれば、彼女の望みどおり涼しくはなるだろう。

………何かね?話を聞く君のその疲れた表情は。当然の事ではないか。
『すべてはディーヴァの為に』

571 名前:ジュリア ◆oMP3t.vDb2 :2007/11/30(金) 00:50:54
今晩は。
最後にきた日から1ヵ月以上経ってしまったわね。ごめんなさい。

先週は米ウィスコンシン大のチームと京大のチームが、それぞれ人間の皮膚から万能細胞を
作り出すことに成功した、という画期的なニュースがあったわね。

昨年8月にその二つの大学の教授が、やはり個別に、人間の皮膚に4種類の遺伝子を
導入するだけで万能細胞を生成する方法を発表したの。
その時はそんなにシンプルな方法でできるはずがないと疑問視する研究者も多かったのよ。
けれど結局、二人の教授の発表が正しいことがわかった。
それからは世界中で同じ方法で実験が行われているわ。

生命の謎はとてもシンプルで、だからこそ奥深く難解なのかもしれないわね。




>>401
サヤは何でも美味しそうに飲んでいたわね。
ここに来て珈琲や紅茶を飲んでいるシュヴァリエ達の姿も見かけたわ。
彼らもそういった嗜好品を楽しむのね。
血を甘いという彼らは、人間の飲み物の味をどのように感じ取っているのかしら。
考え出すと止まらないわね。




>>410
興味深い命題だわ。
人間と翼種は遺伝子レベルで異なっている。
それでも私達の情動は似通っていると言えるわね。
元は人間であったシュヴァリエなら、かつての性格や習慣が残っていてもおかしくない。
けれど始祖翼種であるサヤも、人間と非常に似通ったアイデンティティを持っている。
双子ゆえに、本能を強く残していると思われるディーヴァも、サヤと同じような環境で育てば、
おそらくそうなっていたと考えられるの。

人間の血を常食とし、そういう意味では人間に依存している生物…翼種。
彼らの女王は人に似た姿と精神を持って生まれてきた。
それは何故なのか、そこにどんな意味があるのか―――。
人類は、あるいは翼種はこの答えを見つけだせるのかしら。
ただの人間でしかない私の、短い寿命が尽きる前に。


572 名前:ジュリア ◆wOSQCrBw1U :2007/11/30(金) 00:59:08
>>411
明るい所に押し上げてくれたのね。ご親切にありがとう。
私も試してみるわね。

―――これでどうかしら。陽のあたる場所に出た?



>>416
学術雑誌にはひと通り目を通すことにしているわ。
そうね………「ネイチャー」と「サイエンス」は毎号見るようにしているわね。
オンライン版のほうが多いけれど。
それから学会で評判をとった学者の著書も読むわ。

ここの図書室もよく利用させてもらうけれど―――新しい本が少ないのが残念ね。
その代わり古い蔵書は数多く所蔵されている。
たとえばラマルクの『動物哲学』の原書。19世紀初期の印刷本よ。
二世紀前は生物学における啓蒙の書だったけれど、今では富裕で物好きなコレクターのための希少本でしかない。
値段もつけられないほど高価な、でもただの古びた紙の束よ。
古びた学説が書かれているだけのね。

好事家でも科学史の研究家でもない私には、無意味な代物だわ。
私が必要とするのはいつだって最新の科学技術。
古典と歴史に教養以上のものを求めたりしない。
欲しいのは過去ではなく、現在と未来の最新の、それも最先端の知識なの。

居候の身で図々しいけれど、もっと新しい本を入れてもらえるようお願いしようかしらね。




>>417
中の人―――Inner man でいいのかしら?
実存主義で語られる言葉だったかしらね。
でも困ったわ。
でもあいにくと哲学には明るくないのよ。
話せることはほとんどないわ。ごめんなさい。


573 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/11/30(金) 01:08:52
今日は服がおかしいわね。
私だとわかってもらえるといいけど。
今度はどうかしら。






>>421
美しいもの。………そうね。
私は子供を産んだでしょう?
妊婦の時は、当然だけど、腹部がせり出してあまり美しい姿ではなかったわね。
自然分娩で陣痛に苦しみながら出産した。もうあの痛みも懐かしいくらいだけど。
あの子は生まれるとすぐに産声を上げたわ。小さな体で必死に声を上げていた。

医学的にはね、新生児の最初の産声は第一呼吸、つまり最初の肺による呼吸なの。
でも、私には何より美しい音楽に聞こえたわ。
しばらくして看護師が、私の腕に真っ赤な顔をしたあの子を抱かせてくれた。
疲れてへとへとだったけど、腕の中のあの子がただいとしくて。
小さなあの子は、やっぱりくしゃくしゃな顔だったわ、ふふっ。
でも、私には何より美しい生き物だった。

夫と出会い、あの子が生まれてから、私の人間に対する見方はかなり変わったわ。
人間は美しいわ。ええ、醜い部分もたくさんある。それは知ってる。私もそうだもの。

―――でもね。…それなら。

ひとはもっと美しくなれるように努力するべきなのよ。
私の子が、いいえ、この地球上に産まれた全ての子供達が、人間に生まれたことを誇れるように。
それが私達の務めであり、責任だと、そう思うのよ。


>>422
とてもいいことを考えているのね。
私の研究よりずっと素晴らしいことだわ。
そうね、一緒に考えましょう。
未来を生きる貴方達がもっと美しく生きられる方法を。

あら、あなた、唇のラインが私の子に少し似てるわ。

………。

―――いい子ね…。



>>427
恥ずかしいけれど、人付き合いは得意ではないの。
苦手な人の前では、どうしても表情が固くなってしまう。
自分でわかるのよ。

………そうね。
ヴァン・アルジャーノが苦手だったわ。
彼も私のことを好いていないのがよくわかっていたから、余計にね。
もっとも、彼が好意を向けていた相手なんているのかしら。
ヴァンは常に自分だけが好きな人に思えたわ。




今夜はここまで。
たくさんお返事を残してしまってごめんなさい。
できればまた近いうちにお会いしましょう。
おやすみなさい。


574 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/11/30(金) 23:14:25
今晩は。
続けて今夜も来れたわ。

寒さで体調を崩した人はいる?
いたら私の所にいらっしゃい。
サンク・フレシュ・ファルマシー製の薬はないけど、治療の用意は整っているから。



>>431(死とは)
生物が生命活動を終えること。

何をもってそう呼ぶか、いまだに議論が続いているもの。

唐突に命を絶たれるのでなければ、老いの末に必ず訪れるもの。

日頃は忘れているけど、本当はすぐ傍に存在するもの。

いとしい人達との、永遠の別離をもたらすもの。

そして、次の世代にできる限りを残したいと思わせてくれるもの。

続けられていく生命の営みの、重要で不可欠な、ひとつの場面。



>>432 >>454(デッサン)
デッサンしているの?
そう、画家の卵なのね。

うらやましいわ。
私には芸術の素養がほとんどないのよ。
子供の頃から勉強以外の取り得なんてなかったわ。
こんな風に上手に絵を描けたなら、私にも研究者以外の人生があったのかしらね。


575 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/11/30(金) 23:15:18
>>433(輸血パック)
私達赤い盾にとっては、理想的な血の摂取方法だわ。
小夜やハジも輸血パックで必要な栄養分を補っていたわね。
人の生き血を飲むのでなく、輸血用の血液のみで生きる翼種ばかりなら、人間との共存も夢じゃない。
この動物園みたいにね。

でも、生物的な相違は無くならない。
そして人間にとって、脅威であることも変わらない。
動物園の翼種の存在が発覚したら、殲滅を願う人間は必ず現れるでしょうね。
恐怖が人の持つ理性や良識を圧殺し、パニックが起きるでしょう。
個人的には、とても残念なことだわ。



>>433(絆)
信じるわ。
それがなければ、私は赤い盾に戻ることはなかった。
ライトパターソン空軍基地で、デヴィッドは裏切り者の私を庇って重症を負ったの。
搬送先の病院で手術室に入るとき、彼は苦痛をこらえながら言ってくれた。

「戻って来い」と。

そして私は赤い盾に舞い戻った。
心ならずとは言え、一度裏切った私を受け入れてくれた長官達。
その絆を、今度こそ大切にしたい。

この動物園でも、到らない私を運良く受け入れてもらえたわ。
ここの人達は優しいわね。とても感謝しているわ。

私は赤い盾の人間で、研究者で、夫の妻で、子供の母親。
あくまでも人間として発言するから、ここに集う翼種の皆と意見が完全に対立してしまうこともある。
研究者として知識を深めたいと願うあまり、挑発的な物言いをしてしまうこともあるわ。
でも、けっして彼らのことを嫌いではないのよ。

人でない翼種に対する怖れはあるわ。
けれど同時に敬意を抱いてもいる。
彼らはとても純粋だわ。
それが科学者としての好奇心とは別に、私の心を引きつけてやまない理由かもしれない。

そして私は今、彼らと共にこの場所にいる。
これも、絆と言えるのではないかしらね。


576 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/11/30(金) 23:16:13
>>435(環境破壊)
これまでは学術的な興味しかなかったわ。
たとえば温暖化を示す数々のデータを読み解いて、専門分野でないながらも、識者達と語り合う。
そんな議論を楽しんですらいたの。他人事だったのね。

でも、出産後はひどく切実な問題として受けとめるようになったわ。
あの子が成長した時に世界はどうなっているかしらと、心配でしかたがなくなったの。
私達ひとりひとりが、真剣に向き合わなくてはならない問題だと、今は認識しているわ。



>>449(心の無い化物に)
………。
私も喪失の予感に、いつも怯えているわ。
特に夫のね。
彼は危険な任務に就くことが多いから。

でも、心があるから、誰かを愛することができ、失った時には悲しめるのだと思うの。
貴方がその人を大切に思う心と、その人が大切にしていた貴方の心を、失わないでほしいわ。


今夜はここまでにしておくわね。それではまた近いうちに。
おやすみなさい。


577 名前:名無し客:2007/12/02(日) 11:58:44
クリスマスの予定は?

578 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/12/04(火) 23:37:19
>>564
>自分の一番信頼する人とある日身体がいれかわってしまったら、どうする?

―――これは…面白い。大変な難問を投げかけられてしまったようですな。
正確を期すため思わず書庫に舞い戻り、辞書にて言葉の持つ意味を
たしかめてしまいました。つねに記録へと戻るのは研究者の原点でも
ありますからな。

  信頼【しんらい】
   信じて頼りにすること。頼りになると信じること。またはその気持ち。

…どうもあまり要領を得んな。第一、何の説明にもなってはおらんではないか。
ではこちらも調べるとしよう。耳馴染みのうすい言葉は慎重にならねばな。

  信じる【しん・じる】
   @嘘のないこと。まこと・誠実。
   A疑わないこと。信用・信頼。
   B帰依すること。信仰・信心。

………。
………。
…B!おお、Bはさすがにこの私にも見当がつく。
かつて宮廷にて愚かな人間どもを掌握していた、グレゴリーのあの手法だろう。
彼はロシアでは良い仕事をしてくれた。またジェイムズのディーヴァに対する
崇拝もこのBの状態に近いと言っていい。しかしこの私に、@とAとは……。

………。
…何ともおそるべき難問だ。
無論弟たちの実力や手腕は高く評価している。そうでなければ女王たる彼女を
任せたり、戦いに及んでこの背を護らせたりなど出来はしない。
だが…嘘をつかず疑いもせぬ関係というものが、この世界に成り立つのかね?
―――それは驚くべき事実だ!この私には想像もつかん。たいしたものだな。


………おや?本題はそこではない、と仰るのかね?
成る程、そうした相手とある日身体が入れ替わってしまった場合の
この私の感想こそが重要なのですな。しかし円柱を横切ったそのわずかな間に、
あるいはふと視線をあげたその時に姿を変える事などこの私には日常茶飯事だ。
いまさら誰に姿を変えようと気にもかけんよ。

おそらく普段どおり語り、同じように行動する事だろう。…まあその変身を
研究し、なにか有効に活用するべく綿密な計画を練りはするだろうな。
その場合不安とおそれに怯えおののくのは―――私よりも周囲の者たちだ。
私自身の心はつねに平穏極まりない。それは断言できるのだがね。

579 名前:名無し客:2007/12/04(火) 23:40:22
自分には108の煩悩とかあるとおもう?

580 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/12/04(火) 23:52:10
>>565
>ダンスパーティでは、青いバラをソロモンがさしたのはどういう意図で?

―――これは彼に対して投げかけられた問いですな。
だからこの私も、いずれ彼が答える言葉を楽しみにさせてもらうとするが…。
はなやかな宴の席において、青い薔薇はあの金髪や瞳の色によく映える花だ。
その姿にあれを崇拝する若き女性の皆さまがたもさぞ、熱をおびた視線を
当時注がれたことなのでしょうな。

奇妙なことにあの青薔薇は、常にディーヴァの周囲にのみ生息している。
彼女の唇からこぼれ落ちるようにほそく流れ、やがて周囲にたかく鳴り渡る
あの歌こそが。つねに多くは語らぬ彼女が、そのときのみは想いのすべてを
注ぎ込むようにして歌う、あの哀切な旋律こそが―――
あの独特の色を持つ薔薇を育み、開花させているのかもしれませんな。



…私はとりたてて花作りに造詣が深くはない。
しかし「青薔薇」―――その言葉そのものが「実現不可能な、見果てぬ夢」
という意味を持つのは知っている。薔薇を育てる者にとって、青薔薇の育成は
それほどまでに長いあいだ彼らの悲願であったのだろう。…尤もここ近年は
遺伝子研究の発展により、徐々に人間の手元にも淡い青薔薇が咲くように
なったとは聞くがね。しかし所詮それは私の目に馴染んだ薔薇ではないな。

……兄である私も宴の際には、青薔薇を背広の左胸に挿す。
それはこの私もまた、彼らと同じく見果てぬ夢を追う者のひとりに他ならない
からだ。かぼそい苗のうちから目を配り、害を成す虫を退け、霜にあてぬよう
注意ぶかく覆いをかぶせ―――…。ただその青き花弁がいつの日かあざやかに
はなひらくその瞬間を、この目にて見届けようと。

だが…育てられ、さまざまに試される薔薇の方は迷惑な話ではあるだろうがね。
それも当然だ。薔薇はつねに剪定する庭師の指よりも、ただおのれに降り注ぐ
あたたかな日差しを求めて蔓を伸ばし、はなひらく事を選ぶのだから。

581 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/12/04(火) 23:56:55
>>577
>クリスマスの予定は?

―――私のように髭を伸ばし、ソロモンが運んできたこの甘美な若い葡萄酒の
(…なかなか良い葡萄酒だ。それにその名も我らにいかにも相応しい)
色に似た衣装をまとった男は…聖夜の予定など多忙に決まっているではないか。
世界の紛争地域において、大国の進軍に今まさに蹂躙されようとしている国の
反抗を企てるかよわきゲリラの少年少女の枕元に、そっと自動小銃を忍ばせる
のに忙しいのだよ。――まあ無論その大国の方にも武器を流しているのだがね。

争いを望むのはあくまで人間ではあるが…あまりに状況が一方的過ぎては、
そこに我らのつけいる余地が生まれにくくなってしまうのでな。せいぜい
利用させてもらっている。先ほど書庫でみかけた、ある東洋の詩人の表現を
借りれば以下の如くだ。

東ティモールに病んだ子供があれば、
 人を遣ってわが社の製薬部門であるサンクフレシュを彼の地に展開させ、

西ドイツに疲れた母あれば、
 人を遣ってサンクフレシュ製の精力剤を飲ませ、気晴らしに秋に開催する
 わが社のオペラはどうかと招待状を丁重に贈らせ、 

南ベトナムに死にかけた人間があれば、
 行って弟が「怖がらないで。君は選ばれたんだ」と彼に優しく語りかける
 のを微笑しながら見守り…(おや?これは違うな。記憶が少々混乱している)

北朝鮮に紛争や動乱があれば、
 暖炉の前で「…小賢しい事を」と冷笑しつつも、一切止めることなく事態の
 推移を 冷静に観察し―――


……年月にも衰えず、眠ることなく、毒にも銃弾にも負けぬ丈夫な体を持ち
真実を見極める以外に欲はなく、決して瞋(いか)らず、いつも静かに
笑って陰謀を企んでいる訳だ。だが今年こそはおだやかに過ごしたいものだな。
なにか皆が楽しめるような遊びでも計画するとしようか。

582 名前:名無し客:2007/12/05(水) 20:22:03
外国に旅行に行きたいんだけどおすすめは?

583 名前:名無し客:2007/12/06(木) 04:14:54
もしこんなNGシーンがあったらというのを想像してみてください。

584 名前:名無し客:2007/12/06(木) 04:17:16
因果の始まり、ボルドーの惨劇がもし起きてなかったら今皆どうなっていたとおもう?

585 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/12/06(木) 20:27:37
>>579
>自分には108の煩悩とかあるとおもう?

―――煩悩………。聞きなれぬ言葉だ。それは一体どういう意味かね?
…ふむ。成る程、ご説明に感謝いたします。
要は仏教特有の言葉なのですな。

『ひとの身心を穢し惑わせ苦しめて、安息をさまたげる精神の作用』

つまりキリスト教における七つの原罪のようなものか。
それを108項目も分類するとは、仏教における真実の探求者はじつに
精密な検証をしたものとみえる。……本当に数えあげたとしたらの話だが。
土地や宗派は違えても、人間が人間である以上、必ずそうした愚かさは
ついてまわるという事だな。たとえ一時身を清めたとしても消せはしない。
そうした欲はつねに彼らの深奥から沸きあふれてくるのだから。

……私かね?
とんでもない!私の欲などは人間に比べ、ごくささやかなものだよ。
この私を突き動かしているものはただ『知識欲』のみ。
私は知りたいのだ。ディーヴァのすべてを。
翼手に満ちた世界でディーヴァの子供たちが生まれ、そして育つ。
そのときディーヴァはどうするのか………それが見たいのだ。
調べ尽くし知り尽くし、彼女のゆくすえを見届けること――ただそれのみが
百年以上に渡るこの私の望みであったのだから。

この…つねに身体を内から焦がす、くるおしい望みの他といえば…。
………。
………。
ふむ、特に思い当たらんな。ごくきよらかなものだ。
私は金銭や地位を、利用こそすれ決して執着はしない。争いは好まんし、
愛しい弟をいじめる事もしなければ、おとなしげな顔で沈黙を保つ花婿を
嫉妬と苛立ちで放り出し、串刺しにもした事はない。

記憶をなくした少女を半日かけて、少しずつ言葉でいたぶりもしなければ
女の体であるのをいい事に、純情そうな少年を赤面させ混乱させる囁きを
仕掛けた事もない。兄弟仲もじつに平穏、まず仲睦まじいと言っていいだろう。
我が事ながらおのれの聖人君子ぶりに少々感心するほどだよ、君。

586 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/12/06(木) 20:30:26
>>582
>外国に旅行に行きたいんだけどおすすめは?

―――ガラパゴス諸島などはどうかね?
進化論を語るうえでは外せない場所だ。それぞれの島で独自に進化を
遂げた、この地でなくては観察できない生物の群れを目の当たりにできる。
この世界が残した、進化の上での『動物園』と言えるのかもしれんな。

南米エクアドル共和国の西に位置する島々で、その陸地の97%が
国立公園に認定されている。訪れるには公認のガイドの同行が必須条件だ。
愚かな人間の自分勝手な振舞いで、貴重な進化史のうえでの生きたサンプルを
失う訳にはいかんのでな。あの土地の主役は人間ではない。行くならばそれを
くれぐれも忘れぬ事だ。

生物は非常に多様だ。島ごとに固有の種が生息している。
漫然と散策するよりは、どの固有種を観察したいのかを事前に決めて
おいた方がいい。それによりどの客船を選ぶかが変わってくるからだ。
ああそれから船内や宿泊するホテルで宴が催される事も多い。荷物のなかに
礼服の用意を忘れんようにな。

絶滅に瀕しているゾウガメやリクイグアナといった貴重な動物を観察する
のも面白いがね。この道の研究者ならば、形態分類で云うスズメ目アトリ科
ホオジロ亜科の小型鳥類―――ダーウィンフィンチ類を私ならばお勧めする。
その名の通りダーウィンの進化論に多大な貢献をなした鳥だ。

島々の環境に応じて、行動の少しずつ異なる約14種類ものフィンチの生息が
確認できる。それぞれ捕食する餌によって嘴のかたちにも変化が見られるな。
なかには…マスクカツオドリの『血を飲む』吸血フィンチまで存在しているよ。
これほどまでに一つの種が爆発的に変化し、適応していった理由は―――。
おそらくは他に競合する鳥類が存在しなかった為だろう。…じつに興味ぶかい。

生物はみな、適した環境―――云わば『種の揺りかご』を用意できさえすれば
生命の意思に沿い、その世界に満ちあふれ、自由にあゆみはじめる。
あの島の小鳥の存在を考えるたびに……私が思うのはその事実だ。

587 名前:名無し客:2007/12/06(木) 21:17:42
12話で長兄がカールとソロモン従えて撮ってた写真が出てきたけど
どうしてあの時、貴婦人に擬態してベールで顔を隠してたの?

588 名前:名無し客:2007/12/07(金) 13:31:24
>>587
あれはディーヴァじゃない?

589 名前:名無し客:2007/12/08(土) 00:11:57
今日は忙しかったので疲れてなんとなく気持ちが凹んでます
こういう時ありますか

590 名前:名無し客:2007/12/08(土) 08:09:03
ご自身が出演してるアニメのシーンで一番好きな自分ベスト3とその理由を教えて下さい!
カメラ写りが良かった
痩せて見えた
理由はなんでもおkす!

591 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/12/08(土) 20:24:27
お皿の片付けのお手伝いをするのにピンクのワンピースが
汚れてはいけないからって、白いエプロンを借りたの。
このエプロンとデザインは違うけど、以前――沖縄にいた頃にも着たよ?
学校からただいまって帰ってきたらお父さんが笑顔でピンク色のエプロンを
渡してくれたの。お店のお手伝いをしてみたいって、そう言ったのを
お父さんは覚えてくれたみたい。「小夜、試してみないか?」って。

試しにさせてくれたのは、レジ係。
カイとリクがお客さん役、私はお父さんのお手伝いでお会計。
たった一度のお手伝いだけど楽しかった。途中でカイとリクが喧嘩してしまって、
お父さんが笑いながら私達を止めるまで夢中になってたと思う。

お皿洗いや給仕のお手伝いはさせてくれなかったの。
翼手だという事を覚えていない私が、人前で怪我をしたり、必要以上に
無関係の人と接触する事を避けていたのかもしれないね。
もし、上手にこなせたとしても何かの理由でお父さんは遠ざけたと思う。
長期に渡ってハジが傍にいない、何者であるかも思い出していない私。
不安と心配が尽きない日はなかったはず。

今、この場所でお皿を片付けてる様子をお父さん達が目にしたら――
「小夜、焦って皿を割るんじゃないぞ?」って笑ってくれるといいな。
それからあのお父さんとリクと私とで踊っていた様子、ハジにも見て貰いたかったな。
陽気な雰囲気にきっと微笑んでくれたかもしれないから。


>>324-325>>328-329
>日本料理店で作ったものを持ってきたんだろ、常考
>場の空気よめよ〜ぶち壊しやん
>定食や丼は動物園に似合わないね
>動物園定食おまち

お客様の会話を聞いてると沖縄の頃を思い出すね…。
もし香里が一緒にここにいたら「小夜!あとちょっと頑張ろっ!」って、明るい笑顔で
お客様達に接しながら、話に溶け込んで――戻ってくる頃には新しい注文を聞いてくるかもしれない。
忙しいけど楽しそうにクルクル動くの。穏やかに笑ってるお客様達の様子を見ると、そんな
一時を想像してしまえるから不思議だね。自由に活き活きと会話に弾み、皆と盛り上がる。
もっとも、この場所はお店ではないけど…香里ならきっと、OMOROの看板娘になったと思えるの。

592 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/12/08(土) 20:27:34
>>331-335
>沖縄の動物園で
>ボルドーも沖縄も同じく
>それじゃ本当の動物園に
>沖縄にあるのは植物園だよね
>人間も翼手もドーブツの一種

――歴代ジョエルとアンシェル、赤い盾とサンクフレシュ
お客様>>335の言葉がもっと以前に気づいていたなら、
もっと異なった道が見出せたのかなって……考えてしまいますね。
それなら仮にディーヴァ側が勝利した場合>>494ですか?

実の妹を手にかけるという目的を達成した後――ハジや多くの人々の犠牲の事、
そしてネイサンの呟いた言葉が離れませんでした。
張り詰めた糸が切れてしまったように、言葉にできない喪失感を抱きながら、
ジュリアさんが保護してくれている姪っ子達を見て考えること…。
私とディーヴァはどうしてこの子達のように一緒にいられなかったんだろう。
手を繋いで笑って、疲れるまで一緒に遊ぶ。
喧嘩して仲直りをする――そうした当然の事ができたらよかったのに。

私があげた「DIVA」という名前。
嫌なら捨てることもできたのに、あの子はずっとその名前でいてくれた。
名前には意味があるとお話するお客様>>390、私の名前は私達の母親「SAYA」から
与えられたものです。当時、ジョエルがどんな意味を求めてこの名前を私に
くれたのかわかりませんけど、名の由来をディーヴァが知っていたら、
あの子はずっと、待っていてくれたのでしょうか。
私が「仲直りしましょう」と手を差し出すのを、ずうっと…。

私には少しだけど友達と呼べる子達がいました。
ディーヴァには、あの子には女の子の友達は…私の他に、いたのかな。
力の差ではあの子の方が上なのに、しようと思えば赤い盾本部を内部崩壊させるくらい
アンシェルや彼が率いるシュヴァリエならできたでしょう。
もし…ずっと私を待っていたなら――そう考えると、苦しいです。

「可愛そうなディーヴァ、ただ、家族が欲しかっただけなのに」
そう呟いたネイサンの言葉。友達を、たった一人の実の姉を待っていたとするなら
あの子が目的を達成しても、翼手だけの世界で溢れても……
常に寄り添う姪っ子達を見て、ディーヴァは一人になった時――過去へ想いを馳せると思います。

だからもし、お客様>>473の言う過去の私に一通だけ手紙を送るとしたら…
「人と翼手は共存できるからの、武器ではなく気持ちを知ろうと歩み寄って」と、
ディーヴァを解放する日の前に届けると思います。
ジョエルの反応は怖いけど、きっと大丈夫。
だって――ハジが傍にいてくれる事が、あの頃も心強かったから。

――はい、少し考えてしまっただけなので、大丈夫。
ふふ、お客様>>380の笑顔。明るくて……とても好きです。

593 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/12/08(土) 20:29:32
>>559 ソロモン
>おや、小夜…ちょうどいい所へ。
>…小夜、ちょっとこちらへ。

――どうしたの?ソロモン。私のこの格好のこと?
ワンピースの色と合うこの靴、可愛いでしょう?ソーニャから貰ったの。
さっきまでお手伝いをしていたの、うん、お皿を片付けてさっき綺麗に終えたばかり
お腹がすいたからチーズケーキでも食べようかなって……勿論片付けたお皿、割ってないからね?本当だよ?
(少し悪戯っ子みたいな眼差しみたいだけど、何を考えているのかな?)

グラスを持てばいいの?こう?……ひゃっ……っ、ソ、ソロモン?
この香り、もしかして――だ、ダメだよ、長いこと飲んでないのに
それは、興味がないと言えば嘘だけど……ぅ…。
………ケーキと一緒に飲んでいるって、内緒だよ?

うん、ありがとう――とても美味しいワインだね。


>>432
>>454
>あっ、動かないで!デッサンしてるんだから。
>でも将来、絶対絵描きになるよ、俺。

気の、せいかな……アンシェルがポーズを決めてる…ように、見える。
大人しくしてる…………あの人が……。
……………。
……………。

足元、二重になってない、視界も霞んでいるわけではないから……。
ワインに酔ったわけじゃないよね?
誰かがアンシェルに擬態してるわけじゃなくて――本物?
…アライグマのヌイグルミにアンシェルの顔写真をつけてるとか、
そういう悪戯をカールが企画したとかではなくて?
私、珍しい様子を見たのね…。

594 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/12/08(土) 22:05:56
>>583
>もしこんなNGシーンがあったらというのを想像してみてください。

―――NG…ナイジェリア連邦共和国の国名コードかね?
ああNo Goodの略か。つまり日本のTV業界における専門用語なのですな。
クリスチーナ島でのディーヴァの撮影。まあ…あれはあくまで敵を誘う囮に
すぎんよ。本当に実行されていた場合は、気まぐれな彼女のことだからやがて
撮影に飽き、撮影班の私物―――たとえば靴などをだ―――を取りあげたり
彼らと隠れ鬼のようなあどけない子供の遊びを始めだした事だろうな。
リテイクの回数などより、何人生き残るかに興味が尽きんところではあるが。

………おや?あのときの話ではない…と。…ほう。
つまり仮定として、我々の運命がもし事実ではなく壮大な劇であったとしたら…
どのようなリテイクが残っただろうか?――…と貴方は仰りたいのですな?

…面白い。
そうだな。今も言ったとおり、ディーヴァは心の赴くままに行動する。
たとえそのとき、小夜が深刻な場面を演じていたとしても一向に構いはしない。
「姉さま、一緒に遊ぼ」などと小夜の背後からしなだれかかり、そのたび
撮影を中断させていただろうな。……撮りなおす側の小夜はご苦労な事だ。



―――この私かね?私はリテイクを重ねるような失敗は犯さんよ。
まあ…ハジを串刺しにする場面でわざと狙いをはずし、あるいは浅く貫き、

「おお、手元がすこし狂ったようだ。…すまんがもう一度構わんかね?」

くらいの事は大いにやりかねんが。それから周囲の失敗を誘うよう、
ひそかに仕向けはするだろうな。その場合はリク・宮城や小夜といった
素直で純情なタイプの役者が狙い目といっていい。
長台詞の撮影前に、ぜひ歩みはじめた子をあやすように翻弄し、彼らに
リテイクを幾度も重ねさせたい。………君もそうは思わんかね?

たとえば『初代ジョエルとの会話』場面―――舞台の奥に控えている為に、
私は当初カメラに映りこむ恐れはない。安心して小夜の台詞を改変し、
存分に彼女をからかう事ができるというものだ。


『あれは不愉快な少年だな!なにもこの私の言葉に従おうとはしないのだよ。
 靴を磨けと命じても一向に磨きはせず、着替えを手伝えと命じれば、顔を
 ひどくあからめて部屋から出てゆくのだ!』


…これをカメラが回る直前、小夜が唇をひらく寸前に、背後から大声で暗唱
してやるとしよう。そのあとの撮影中、素直な小夜が釣られてリテイクを
出し、顔を赤らめ私を振り向いて怒るかどうか――…じつに興味ぶかい。
ぜひそのあたりを仔細に観察したいものだな。

595 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/12/08(土) 22:12:01
>>584
>…ボルドーの惨劇がもし起きてなかったら今皆どうなっていたとおもう?

―――ディーヴァが解き放たれなければ、彼女は永遠に私だけのものだった。
彼女本人や皆様の心中はともかく…この私としては、それは幸福な仮定では
あるのだがね。………私は、私だけのディーヴァであって欲しかったのだから。

…そうだな。小夜が扉をひらいたのではなく「彼女を解放してくれ」と
あのジョエルにねだった―――とでも仮定してみるかね?
「彼女たちが何であるのか」
私とジョエルはその問いの答えを、長いあいだ捜し求めていたのだった。
冷酷な研究者の面をも兼ね備えていたジョエルは、その言葉になんと
応じただろうか?…小夜に情が移っていた彼だ、あるいは彼女の望みのままに
ディーヴァを穏健に解放していたのかもしれんな。

すると一体何が起こるか?
ディーヴァにはおよそ人間の常識というものが存在しない。
だからといって彼女を、愚かな子供じみた者と判断するのはいかにも早計だ。
彼女はおそろしく聡明といえる。野生の獣がするどく危険を嗅ぎわけるように
ディーヴァは相手の本質と、その関係のありようをたちまち見抜いてしまう。

カイ・宮城とリク・宮城に固執されたのも、彼らが『小夜の大切な存在』で
あったからに他ならないだろう。「やっぱり」彼が姉さまの…と彼女自身が
カイ・宮城について語るのを、私はこの耳でたしかに聞いた。

また…おのれのシュヴァリエをも、彼女はするどく観察している。
ソロモンの離反の際でもそうだった。それに例えば望みの言葉ですら、
ディーヴァは相手を選んで命じているのだ。具体例を挙げるならば
『赤い盾の船を襲撃』―――これなどは私ではなくカールに命じている。
成る程この私が相手では「…ディーヴァ?」「わかってるよ、アンシェル」
とたしなめられる。それを見抜いてのカールか。さすがに鋭い…見事なものだ。

さて―――かくてこれほどまでに賢いディーヴァが、あの扉からあゆみ出て
動物園の面々をその目にしたとき………。命じる言葉に最も忠実に従いそうな
従者精神をもつ者はだれであろうか?



「ハジ!ねえ、あの崖からジョエルの好きな赤い百合を摘んできて!」

「無礼なシュヴァリエ。…嫌いじゃないけど。お姉さまのだけじゃなく
 もちろんわたしの分もよ。」

「…ハジ。一切れのパンと引き換えに、この動物園に買い入れてやった
 恩を忘れた訳ではあるまいな。標本用に私の分も一輪頼むとしようか。」

「………………それが…皆さんの望みなら…………。」



まずはあの場にこうしたヒエラルキーが生じるだろう。
弱肉強食は自然界の習い。結局…性格的に押しの強い者が勝利するのだ。

596 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/12/08(土) 22:17:43
>>587-588
>12話で長兄がカールとソロモン従えて撮ってた写真が出てきたけど
>どうしてあの時、貴婦人に擬態してベールで顔を隠してたの?
>あれはディーヴァじゃない?

―――ディーヴァと答えた>>588の貴方、あの写真の日付は1920年11月8日だ。
ちょうど二年前の1918年に、我らは兄弟の一員であるグレゴリーをロシアにて
喪った。だからこの撮影時にはすでにディーヴァは繭のなかで休眠期に入って
しまっている。ゆえにこの写真のカールとソロモンに挟まれたヴェールの
女性は、少なくとも彼女本人ではありえないのだ。…残念な事ながら、な。

しかし…貴方がディーヴァであると判断したのも無理はない。
中央の高貴な女性が、まぎれもなく彼らの主筋にあたる存在である事は――…。
正装した弟たちの身なりや、その立ち位置が雄弁に物語っているようですな。
写真の状況では、この高貴な女性はディーヴァでなくてはならないはずだ。
しかし―――彼女ではありえない。奇妙な話ですな?まるで何者かが
『ディーヴァの姿を借り』て、弟たちのあいだに座っているかのようだ!


1919年から翌20年ごろと云えば…ちょうどフランス政府が中国系の労働者を
誘致する政策をとっていた時期だった。
多くの青年がフランスに留学し、働きつつ学業を修め、のちに祖国の政府の
要職に就くべく帰国していったものだ。時期こそややずれるが、かの周恩来も
そうした内のひとりであったな。とにかくこのときフランスでは活気あふれる
東洋系の若者を、そこかしこに目撃できたものだった。

そうした中で―――まあこれはあくまで仮定の話ではあるのだがね。
彼ら東洋人を目にし、あるいは郷愁を誘われたためか――カールがある日

「ディーヴァと共に並んだ写真が欲しい!今すぐ欲しい!!」

と言い出したとでも思ってもらいたい。
無論仮の話だ。事実であるかどうかはひとまず置く。ちょうど後年に、
ジェイムズが肌身離さず持ち歩いていたような、ああした記念の写真を
カールがせがんだ――…つまりそのような状況だ。お解りいただけたかな?

常日頃ならば、カールのわがままなどに私は耳も貸さん。そのような事情で
ディーヴァを無理やり目覚めさせる事などなにより言語道断だ。しかし
彼女の休眠期間は最初の時と同じならば…おそらくまずは30年。そのあいだ
子であるシュヴァリエが与えられるはずもない愛を求める―――…
………。
………。
…まあ…その心境は解らんでもない。
あれも一応は愛しい弟だ。だからソロモンもまじえ、撮影技師を呼んで
ああいった機会を設けた…とでもしてみるとしよう。私らしくもない?
それはまあ、あくまで仮定の話だからだ。どうかお気になさらんように。

君。
あの写真は当初、ヴェールを上げ微笑する『ディーヴァ』を中心として
にこやかに寄りそい、三者睦まじい様子で撮影されるはずであったのだ。
しかし当時の撮影は今と異なり、おそろしく時間がかかる。技術がいまだ
達せぬ為に被写体は同じ姿勢でしばらく耐えねばならんのだよ。
それでディーヴァに擬態した私は、椅子に掛けたまま、技師にこまごまとした
指示を出しつつ…

「カール、…焦るな。写真撮影とはつねにこうしたものだ」

などと苛立つ弟を穏やかになだめていたものだったのだが―――…




「アンシェル!これ以上ディーヴァの顔で喋るな!ぼくの女神が
 穢れるだろうが!!」


―――とは何事だ!この私の兄としての気遣いがまだ解らんのか!!
たしかに声こそ私のままだったが…写真に声などなんの関わりがある。
いくらそう説明してもカールは聞きはしない。ただ涙目で「いらん!!」の
一点張りだ。……ソロモンもソロモンだ。ひどく困った憂鬱そうな表情で

「ディーヴァのシュヴァリエとなった事…誇りに思っています。そして
 兄さんの言葉はぼくの意思でもある。…ですが……ぼくは………。」

…と哀しげに首を振る。弟たちにこれほど嫌がられるとは正直予想外だった。
いくら他でもないあるじの件とはいえ、声や顔ごときにいちいち心を
乱されおって。ディーヴァのシュヴァリエがそのように神経が細くてどうする。
揃いもそろって未熟者めが。少しは兄のグレゴリーを見習わんか!

…弟二人はこわばった表情でじりじりと遠のく。撮影技師は騒ぎに困惑する。
私もさすがに冷静ではいられず、さっさとヴェールを下ろしてしまった。
あの写真の三人が妙に距離を取っているのはそうした理由があっての事だ。
…ふん。思い返すだけでじつに腹立たしい。私の言葉は我ら兄弟の意思、
何よりディーヴァの言葉ではないか。それを今更あれやこれやと―――…
………。
………。
おや。
………そうだったな。これはあくまで仮定の話であったのだった。
そう、無論事実ではない。真実の詳細は…忘れてしまった。なにせ随分と
昔の話だからな。信じる信じないは君の自由だ。

597 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/12/11(火) 03:17:37
>>589
>今日は忙しかったので疲れてなんとなく気持ちが凹んでます
こういう時ありますか

―――…まずはその長椅子にかけたまえ。君には休養が必要だ。
暖炉を背に、襟をゆるめ……あたたかな飲み物で体の渇きを癒すがいいだろう。
おや…そうか。そういえば私にそう問う君もまた人間だったのだな。
ならばすぐ隣に立つ女性の喉をその手に引寄せる訳にはいくまい。
これは失敬。気がつかなかった。…ではグリュー・ワインを用意させよう。

先刻>>560でソロモンが皆に振舞ったワインを温め、蜂蜜と熱湯・
それに幾種類かの香料をまじえたドイツ流のアルコール飲料だ。…卵酒?
成る程、日本にもそうした冬場の飲み物は存在するらしいな。
今、器を持った感触でお解りかと思うが、このとおり相当に熱い。
舌を火傷せんよう充分に気を配り、ゆっくりと味わいたまえ。


…激変する状況にどこかやるせない疲労を感じるのはよくあることだ。
表向き平静を保ってはいたにせよ、精神の方はどこかで決して止むことなく
血を噴出し続けている。ちょうどディーヴァを庇った私のこの手を…甲まで
ふかく貫いたソロモンの短剣のように。

私はディーヴァのシュヴァリエだ。眠りのひとときは彼方に遠のいて久しい。
だからそれがどのようなものであったかは…すでに膨大な時間のなかに
埋もれてしまい、今となっては思い出す術もないのだが―――…。

…ディーヴァはそうした時…無意識に眠りへ救いを求めていたようだ。
ネイサンの屋敷ではジェイムズのポッドに寄り添いながら。
どこか羊水に浮かぶ胎児に似たジェイムズの姿に、まるで支えられるかのように。
自身も膝を折り、ひどくちいさく―――あてがわれる枕と毛布がその体に
触れる気配にも気づかず…確かめるように腹部に手を当て、ひたすらに無心に。
あの空軍基地での公演の夜もそうだ。私が部屋を訪ねた際、彼女はよく…
…同じように寂しくお休みだった。それはよく憶えている。

先刻も言った言葉ではあるがね。この私は…眠りを忘れた。
シュヴァリエは眠る事はない。だからいずれの時も、そうやって眠る
あどけないディーヴァの寝顔をただ、何をするでもなくひどく長いあいだ
私の気の済むまで眺めていたものだった。

………処方のすべもない疲労と悲哀に対し、眠りはときに救済となるようだ。
そのグリュー・ワインは故意に酒精を抜いてはいない。充分に体が温まり、
酔いに眠気を覚えるようであれば、その長椅子でそのまま眠りたまえ。
毛布はその椅子の背だ。お望みならば、掛けて差し上げても構わないのだがね。

598 名前:ハジ ◆Hagi/./Mb2 :2007/12/11(火) 08:36:54
>>453
>シュバリエは眠れないと言うけど横になって休む事もしないの?

一人で過ごす夜は…街を歩くか、チェロを奏でるかの…いずれかですので
…自ら横になることは殆どありません…。
大切な方と過ごす夜…ですか?………………確かにそれが模範解答なのでしょうが…。
悲しい事に私の場合…それ以前に某かの干渉により、強制で横にさせられるケースが
殆どで…串刺しや崩れた岩、及び瓦礫の下敷き、F/A-18からのFAE…最近はダンプに
はねられたり…小豆に埋もれる等々…。
気絶が休養に入るのであれば…屡々休ませて頂いていると言った具合です…。

>>466
>世界で一番守りたいものは?

…サヤの笑顔。

>>452
>愛する人がいなくなったらどうしますか?

………こうして…貴方とお話する機会も無くなるでしょう…永遠に。

>>473
>過去の自分に一通だけ手紙を送れるとしたら何を書きますか?

……あの日の自分へ…一言、彼女の傍を離れるなと…。
どの日であるかは…敢えて伏せておきましょう。

>>474
>子供は好きですか?

……私は兎も角…気がつくと彼らが傍に居ることが……多々ありますね…。

599 名前:ハジ ◆Hagi/./Mb2 :2007/12/11(火) 09:05:17
>>487
>戦闘は良作

………………複雑な心境です…。

>>494
>仮にディーヴァ側が勝利した場合のエンディングについて妄想してみて

平和的解決か、或いはその逆…孰れにせよ私は主のいく先へと運命を共にするでしょう。

>>497
>ソロたんテンコ盛りv

…刺身などを体に盛りつける…日本の伝統的性文化だと伺ったことがあります。
彼を盛りつけるのか、彼に盛りつけるのか定かではありませんが…どうか気をつけて…
…彼は微笑みながら「度し難い」と、突然妖しげな玉を放つ危険な男です。

>>522
>おやつはカール♪

……貴方もですか…彼をおやつに選ぶとは変わった方ですね…。
幾ら飽食の時代とは言え…そう何でもかんでも口に入れるのは感心しません。
サヤなら兎も角…あれは明らかに人の胃の許容量をオーバーしていますし…
…彼もまた笑いながら「脇役風情が」と、突然赤いトゲを飛ばす危険な生物です。

>>547
>好きなピアノ曲を教えて下さいな

Piano Concerto No.1 E minor Op.11 2nd mov Larghetto
オーケストラと奏でるピアノ協奏曲ですがショパン全作品中最も官能的と評されている曲
だとか…。19世紀はロマン派音楽が主流でその時代の音に触れる度…動物園で過ごした
日々が思い起こされます…。この抒情的な旋律美を聴けば……幸せであった頃の想い出が
蘇るのもごく自然なことかもしれませんね。

>>549
>アンシェルのまつげが後半突然なくなったのはなんで?

もう少し諍いが長引いていれば…その上の部分も或いは…………………惜しい
…ああ、いえ、こちらの話です。毛を失った部分が目元だけで済み何よりです。

600 名前:名無し客:2007/12/11(火) 13:15:59
ずばり聞いていい?
アンシェルはヅラじゃないの?

601 名前:名無し客:2007/12/11(火) 16:23:00
お前には心を許せる誰かがいるか?

602 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/12/11(火) 23:24:32
こんばんは。

こちらでも少しだけ独り言を。
仲間の皆、いつもありがとう。
それから名無しの皆さん、お騒がせして申し訳ない。
そして心から感謝します。


さて、いささか足は重いが、いつもの調子を取り戻してご挨拶にまわるよ。
この寒空だ。お客人の皆さんはどうか暖かくしていてください。


>>541
>シュバリエは睡眠と食欲はないんだよね?性欲は?

僕達には睡眠は必要ないが食欲はある。欲する食べ物が君達とは
違うだけなんだよ。それが何かは言わなくてもわかるね?

しかし睡眠か。――眠りがもたらす安らぎがどんなものだったか、
僕はもう覚えてはいないんだ。なにしろ100年近く眠っていないのだからね。
暖かな布団にもぐりこみ、枕の柔らかな感触に頭を埋める時の心地良さも、
朝の光にまどろみから目覚めゆくあの世界が開けるような感覚も、
忘れ去って今は遠い。シュヴァリエは皆、そういうものだろうね……。

――えっ、せっ?あああ、それについては、えー、なにぶんプライベートな
事柄なので人前でお答えするにはいささかはばかりがありまして。
ご想像にお任せ、とお答えさせていただくよ。

――質問から逃げたなって?……すまない、なにせ19世紀生まれの
翼種なもので、あまり現代風で直接的な物言いは苦手なのだよ。
(だが僕は他の連中ほど時代遅れではないよ、念のため)
そういうわけで、次に生かせてくれたまえっ!

603 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/12/11(火) 23:25:09
>548
>アンシェルのビームはどういう原理で撃ってる訳?

アンシェルはビームも撃つのか!?あの男、また芸を増やしたな。
そのうち口から火を噴いたり、腕をロケットのように飛ばしてみせることだろう。

……冗談はこれくらいにして。
僕達が使うのは、主に超音波を利用した衝撃波が多いかな。プラズマについては
アンシェルが、また小難しいことを>>567言って、君を煙に巻いているね。
もっともあの男が真実を言っているかどうかは、わからないのだが。

なにしろ長兄の猜疑心は果てがない。人間にたやすく翼種のなんたるかを
教えるとも思えないんだ。もっともその猜疑心と慎重さこそが、
人間社会の中でディーヴァと僕達を守ってきたとも言えるのだけどね。

時にその猜疑心が僕達兄弟に向けられるのだとしても――。正体を
隠し、人間を騙しながらの暮らしがどんなものか僕にもわかっている。
面白くはないが、長兄を責めるのは難しいな。君も理解してやってくれるかい?



>>547
>好きなピアノ曲を教えて下さいな

たくさんあるが、ひとつ挙げるとすればグリーグの「抒情小曲集」かな。
特に作品43と54がいい。どれもいまいましいほど、音のきらめきに満ちた美しい曲だ。
グリーグは北欧の作曲家で、このピアノ曲集のように印象的な旋律の叙情的な曲が多い。

代表作は「ペール・ギュント」だね。ピアノ曲ではないが、君は知っているかい?
自分勝手な男が旅に出て好き放題した挙句、最後は故郷で彼の帰りをひたすら
待ち続けていた恋人のもとで安らかに眠りにつくという戯曲さ。
初めて聞いた時は、なんとまあ都合のいい運命を持った、幸福な男だろうと
思ったよ。待っている恋人どころか、帰る場所すら持たぬ男もいるのにね。

だがこの「ペール・ギュント」も僕は好きなんだよ。
この曲を聞くと、さわやかに目覚めた朝のまばゆい光や小鳥のさえずり、
ぐっすり眠って疲れを癒す静かな夜や懐かしい故郷、人々が交わすあたたかな感情、
そういったものを思い出すんだ。

僕には全て、望んでも叶わないものばかりだ。どれもこれも、もう二度と
この手に得られはしない。

だからこそ、そういうものが僕は好きだったよ。
――この世から跡形もなく、消し去りたいほどに。

604 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/12/11(火) 23:26:00
>542
>さんすのテストで百点取ったの。

へえ、100点か!でも君、それは300点満点での100点とかじゃないんだね?

――あっ、すまない。君を馬鹿にしたわけじゃないんだ。ああ、そんな
泣きそうな顔をしないで。回答用紙を見たらすぐにわかったよ。
100点満点だったんだね。

いやあ、すごいすごい。算数は得意なの?おや、苦手なのにソロモンに
誉めてもらおうと頑張ったのかい?それは偉い!苦手科目を克服するのは
難しいことなのに良く頑張ったね。

ほほう、この問題なんて難しそうなのにしっかりした文字で答えを書いているね。
よほど勉強して自信をつけてテストに臨んだのだとわかるよ。かつては教育者で
あった身としてはこの優秀なテスト結果をこのままにはしておけないな。

――えっ、100点の回答用紙をどこへ持っていくのかって?せっかくの満点だ。
コピーして屋敷中に貼りまくろうと……ああっ、542さんが今度は怒ってる!


>543
>薔薇をありがと。

君はあいつに薔薇をもらったのか。良かったね。ソロモンは切り方がうまいから、
その花もきっと長持ちするだろう。じゃあ僕からはこの真新しいハンカチを。
薔薇の切り口から露がしたたってしまうからね。これを茎に巻くといい。
花びらを落とさないように、気をつけて持っておいきよ。

――それからね。君が心配なので忠告するのだが、ソロモンの優しげな
笑顔に騙されてはいけないよ。前にも言ったような気がするが、
あいつはあれで腹黒の根性悪で……ああっ、543さんがまた怒ってる!



今宵はここまでにさせていただこう。まだ質問を残してしまっているね。
できるだけ急ごう。カタツムリの駆け足ほどにならないことを願いつつ。

それでは人間の皆さん、おやすみなさい。

605 名前:名無し客:2007/12/12(水) 23:44:33
翼手の宇宙空間、深海等での適応可能性について考慮してみて

606 名前:名無し客:2007/12/12(水) 23:45:05
春夏秋冬でどれが一番好きな季節?

607 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/12/15(土) 00:17:46
何も知らなかった頃、ジョエルから定期的に与えられたお薬があるの。
無表情の使用人が運んでくるもの。トレイに乗せたグラスに並々と揺れた赤いお薬。
香りと味はワイン――けれどその成分は人の血……なんだって。
幼かったハジは当然のようにお薬を運んできて、何の疑いもなく飲んでたもの。
真実を知っていたのはジョエルとアンシェル。
当時彼らはどんな想いで私達を見ていたんだろうね、ディーヴァ…。

お客様>>381は翼手が感じる血の味に興味があるんですね。
ヴァンパイアフィリ…ア?
人や獣を問わず血液を好む症状…人が、その血を口に…
そ、れは…人と翼手とでは違うと思います。
私の場合はワインに血を混ぜたものを飲んでいましたけど
美味しいかと質問されたら、ワインの味に隠れてはっきりとは…。

考えてみれば翼手の本能が示すまま血を求める私の姿は…
「目覚めの血」を与えてくれるハジだけが知っている事になりますね。


>>401
>血やワインの他に飲み物は飲みますか

ハジが淹れてくれたズビーチェ、リクが美味しそうに飲んでいたロシアンティー、
それからルイスが作ってくれた「元気が出るスープ」…
他にも色々知らない飲み物があるんだよね。
まだ飲んでいないのは謝花さんの珈琲だけなんだけど――知らない方がいい?
お酒に酔った人も一口で酔いが吹き飛ぶ?
それならOMOROで酔いつぶれてしまうお客さんに振る舞えば
カイも助かるかもしれない、一人一人起こすのも大変だって言うから。

608 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/12/15(土) 00:35:18
こんばんは。

貴方はもう知ってる?
米国では大リーガーの薬物使用が話題になっているそうよ。
あら、別に某製薬会社の関与を疑ってるんじゃないの。
問題になっている薬物は、デルタ67ではなく、主に蛋白同化ステロイド(筋肉増強剤)らしいもの。

一部のスポーツ選手は、運動能力を高める為に禁止された薬物を使用する。
でも、そんな薬物を投与した肉体でも、翼種から見たらひ弱な体でしかないわ。
それらの薬物には危険な副作用もあるのよ。
副作用の危険を冒しても、薬で微々たる筋力を得ようとする人間を、
不死身の翼種は苦笑混じりに健気だとでも思うのかしら。
それとも愚かしいと嘲笑する?

でも、シュヴァリエは女王の血を飲んで、驚異的な運動能力と不死の肉体を得た存在だわ。
彼らこそ究極のドーピングをおこなったと、言えるのではないかしらね。



>>450(我思う)
デカルトの言葉ね。
この世の全てはまやかしかもしれない。
けれど「まやかしかもしれない」と疑念を抱いている者がいることだけは疑いようがない。
そういう意味だったかしら。

たしかにその通りと言えるかもしれない。
私は翼種とは何かを研究しているわ。
でも、私が幻を見ているだけで、実は「翼種」などこの世に存在しないのかもしれない。
けれど、それを「知りたい」と思っている私は現存するはずだものね。



>>451(血+)
厳密なのは研究の報告書だけにしましょうよ。
私はただでさえ堅苦しい女に見られがちだから、たまにはラフになってみたいの。
ね、いいでしょう?



609 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/12/15(土) 00:35:22
>>433
>血を好んで啜る輩も、近年はトマトジュースや輸血パックで我慢する、と耳にします。

生きる為として血を求め、襲ったとしても、その先で人の心に
恐怖を植えつけてしまえば――…共に生きる事は難しくなるでしょう。
狩るか狩られるか、狩られる前に倒すか。
本能に身を任せて満足しても、孤独感は消えません。
カイがイレーヌと…シフと心を通わせたように、互いに助け合えるなら
その方法が存在してもいいと…私はそう思います。


>>449
>あいつが死んだ時から・・・俺は世界に絶望した・・・
>たのむ!俺を翼手に!心の無い化物にしてくれ!

大切な方を失って、そうして自分自身を傷つける事を選んで――
希望通りに本能のまま人を襲うものへ生まれ変わったら…
何もかも忘れて楽になれると、そう考えているのですか?
だけど、もしそうなったら……その先にあるのは、苦しみだけ。
赤い盾はお客様を監視するでしょう、他のお客様に手を出しては困るから…。

それにお客様が変わり果て、そして人を襲うだけの存在になってしまったら
先に旅立たれた大切な方は辛い想いをすると思います。
心のない化物――翼手全てがそうであれば……
ディーヴァとアンシェル達の絆、私とハジの絆、カイやリク、
そしてシフ達の絆は存在しないでしょう。

さあ、温かいココアをどうぞ。
心を落ち着けて、そして考えて下さいね…。

610 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/12/15(土) 00:38:28
>>609
ごめんなさい、割り込んでしまったようね。

私は出直すことにするわね。
それではまた後で。

611 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/12/15(土) 00:40:12

>>434
>絆という見えない力を信じる? 信じない? 

――信じています。
ハジと過ごした長い月日、沖縄で過ごした大切な一年…
そして堅く閉ざされた扉越しでディーヴァと語らった日々。
全てが複雑に絡み合ったけど、それでも私にとって大切なものです。


>>388
>握手したらどんな感触なんでしょう。

ハジの手は温かくて、リクの手は優しい。
ソロモンやカールの手は強くて、ソーニャの手は柔らかかったと思う…。
アンシェルの手はお父さんの手より少し大きくて、ディーヴァの手は細くて綺麗…。
シフやネイサン、ジェイムズの手はわかりません…どんな感触なのかな。

シュヴァリエの体温は低いのに――…どうしてハジの手は温かいのかって?
ロシアの雪原で歩いていても、少しも寒いと感じないくらい…
彼の心に包んで貰ったから……幸せでそう感じたのかもしれません。

612 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/12/15(土) 00:44:47
>>610
こんばんわジュリアさん
う、すみません…少し、お腹がすいたからフラフラって
皆には内緒にしてくれますか?
特にハジには…注意されちゃうから。
お客様とお話が終わったので私、先に部屋に戻りますね。
後で輸血をお願いします。
それからこれ、よかったらジュリアさんも温かいココアをどうぞ?

613 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/12/15(土) 01:05:39
>>612
私の方こそ、少し慣れてきたからって、油断して歩いていたら貴方にぶつかってしまったのよ。
大丈夫?どこも痛い所はない?

あら、ココアをくれるの?
有り難う、頂くわ。
丁度暖かい飲み物が欲しかったの。
449さんに貴方が言っていたように、飲んでいると心が落ち着くわね。

あら、貴方、顔色がよくないわよ。
―――わかったわ。お客様とのお話が終わったら、輸血しに行くわね。
それからカップを厨房に返しに行く時に、ハジに(もちろん余計な事は言わないわ)、
輸血が終わる頃に夜食を貴方の部屋に持ってきてくれるようにお願いしておくわ。

じゃあ、また後で。


614 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/12/15(土) 01:08:21
>>452(愛する人が)
きっと言葉では言い表せない気持ちになるのでしょうね。
あまり考えたくないわ。
でも、もし愛する人を失っても、残された大切な人を守ろうと考えるのではないかしら。
愛した人のために、できるのはそれくらいだもの。



>>453(横になって)
そういえば、彼らが横臥しているのを見たことはないわ。
プラベートルームでどのように過ごしているかはわからないけど、彼らの身体能力から推測すると、
ほとんど休む必要はないのではないかしら。
観察してみるのもいいわね。



>>454(まだ卵)
貴方は自分を卵と言うけど、これだけ描けたらすごいんじゃないの?
私は絵画を見る目など持っていないけれど、素人目にもなかなかいいと思うわよ。
貴方が望むなら、きっと蝶になれる日が来るわ。
だって、アンシェル総帥にモデルを頼むなんて、貴方きっと大物になるに決まってるもの。
自分でもそう思うでしょ?
私も貴方が大成する日を、楽しみにしてるわね。



>>466(守りたいもの)
どうかしら。
私のライフワークであるこの研究の成果?
それとも人類かしら。
いいえ、やっぱり家族だわ。
こればかりは実験をするまでもなく、最初から答えが出ている問いかけね。


615 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/12/15(土) 01:09:17
>>468(DVD)
ごめんなさい。

かねてから予定していた実験に入らなくてはならないの。
DVDを観ている時間を作れないのよ。
私もたまにはニュースやドキュメンタリーじゃなく、娯楽映画を観たいのだけど。
研究者って、時間があるようでないのよね。

今度は何の実験かって?
どうやったら、おいしいパスタ料理ができるかって調べてるの。
料理だって学術的に学べるはずよ。
実験を重ねて、必要ならグレゴリーのデータももらって、必ず美味なパスタを作ってみせるつもり。
あなた、被験者になってくれる?………つまり、味見役。



>>473(過去の自分)
そうね………。
コリンズ先生に言われるまま従って、赤い盾を裏切ってしまったあの時の私に。
あの後、赤い盾本部は壊滅したわ。
犠牲者も多かったはずよ。
なのに私は………。

そして、デヴィッドが辛い時に彼のそばから離れてはいけないと、手紙に書きたいわね。



616 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/12/15(土) 01:10:01
>>474>>484-486(子供は)
子供好きと言われて私が思い出すのは、例のD塩基ね。
おかしい?
でも、D塩基には好みがあるのよ。驚きでしょ?
リクがシュヴァリエになる前から、ディーヴァの歌や翼種の声を聞いたことがあったでしょう?
成長期の子供達に多く見られた現象という統計が出たの。
D塩基は子供を好むのよ。

本当に、興味深い研究対象よね。
大人である私は、D塩基の好みじゃないでしょうけど。
残念と言うべきかしら?



>>487>>489(戦闘,ソーニャ)
シュヴァリエ同士の戦闘?私が見たのは、ジェイムズと呼ばれた黒いシュヴァリエとサヤ達の戦闘だけよ。
ジェイムズがサヤを狙ってアパートに現れた時は、もう駄目かと思ったわ。
シュヴァリエに近接で攻撃されたら、人間には防ぐことも逃げることもできないものね。
サヤ達が戦ってくれなかったら、私と真央の命はなかったかもしれないわね。

グレゴリーとサヤの戦闘は赤い盾の記録の記述を読んだことがあるだけ。
でも、壮絶な戦いだったようね。
少女の姿をしたシュヴァリエと、少女であり続けるサヤの死闘。
想像すると、なんだか少し悲しいわね。
ここであの二人が幸福そうな姿を見ると、赤い盾のこの私ですら「良かった」と思えてしまう。
もう戦わなくてもいいのよね。良かった。



>>492-493(グラハム)
誰の話をしているの?
私はデヴィッドと翼種に心奪われた女よ。



617 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/12/15(土) 01:10:52
>>494(仮に)
人類の歴史はこれまでと全く違うものになるでしょうね。
人間は、翼種という生物の生餌として、養殖されることになる。
私達は万物の霊長などとは二度と名乗れない。
食用にするために生かされる動物になりさがることでしょう。
私もデヴィッドも、そして貴方自身もよ。
ぞっとしない話ね。



>>495(主題歌)
テイタイオンテイタイオントベッサ-

………。
私、今、歌っていた?何の歌を?
記憶に欠落があるわ。私の脳に、一体何があったというの?
口が勝手に動いていたわ。
そして最後の方で目の前が眩しくなって、赤い盾の皆がいるような気がしたの。
でも何故か、その中に私とデヴィッドも立っているのよ。
何が起こったのかしら。



>>496(目が青く)
ディーヴァのシュヴァリエの瞳が、赤く発光するのは確認できたわ。
でも、サヤのシュヴァリエ、ハジとリクの瞳についてはまだ確認されていないの。
ハジの翼種形態で黒い翼が現れたのは見たのだけど、瞳についてはまだ調査中。
いずれ判明したら報告するわね。



618 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/12/15(土) 01:13:16
>>497-498(ソロモン)
サンク・フレシュ・ファルマシーのCEOだったソロモン・ゴールドスミスのことね。
ジェイムズというシュヴァリエに襲われた時に、彼を見たわ。
黒い服を着て、少しやつれて青褪めた顔をしていた。
そういえば、資料で写真を見たときは、白い服に余裕を感じさせる表情に見えたわね。

でも私はどうせなら翼種に変化した姿を見たかったわ。
可能なら細胞と血液の採取もしたかったわね。毛髪も。
あら、あなたも欲しいの?



>>518(好きな言葉)
There's no royal road to learning.
「学問に王道なし」

研究にも近道はなし。
基本中の基本ね。


>>519(主食)
それはつまり、人格の形成には食物が多大な影響を及ぼすということね。
考えられることではあるけど………。
私としては一般的な食物を食べている私達人間と、血液を摂取している翼種との違いが気になるわ。
同じ翼種――、シュヴァリエ同士でも個性の違いがあるのはわかるけれど。

でも、ここだけの話だけど、ハジとアンシェル総帥は妙に似たところがあると思わない?
二人ともファーストシュヴァリエだからかしら。
髪型は全然違うのにね。


619 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/12/15(土) 01:15:33
>>522(おやつ)
聞き覚えのあるメロディーね。
沖縄で聞いたことがあるわ。
スナックのCMだったかしら。
意味は………そう、おやつは―――。

ちょっと貴方、カールを掴まえて何をするつもりなの?
おやつに彼を食べるつもりですって?
何を言ってるの、翼種を食べるなんて!

待ちなさい!
待ちなさいってば―――ああ、なんて早まったことを!

ビデオカメラをとってきて動画で記録するから待ってと言ったのに………。



>>523(一服盛って)
薬を使うのなら、リクがまだ人間だった頃の話ね。
アンシェル総帥のことだから、きっと研究のためだと思うけれど、あの人は手段を選ばないのね。

気持ちはわかるわ。
私もひとがひとでなくなる瞬間を目撃した時は、言いようのない興奮に襲われたわ。
リクがシュヴァリエになった時のことよ。

それがリクやサヤやカイにとって、けっして幸福な事態ではないと理解していたけれど、
高揚する気持ちを抑えられなかった。
我ながら残酷よね。

研究者って、人間でも翼種でも、業の深い存在なのね。




今夜はここまで。
まだお返事を残してしまっているわね。
勤勉な研究者を自認する私としては不本意だけど、でも、必ず追いついてみせるわ。
すぐにね。

それじゃ、サヤに輸血をしに行ってくるわね。
それではまた、近いうちに。
おやすみなさい。


620 名前:名無し客:2007/12/15(土) 11:42:10
一ヵ月ぶりハジ!(抱)
避難場所を閉じてもやめないでね、お願い。

シュバリエさんたちに質問
自分の身長の利点と欠点を教えて?

621 名前:名無し客:2007/12/15(土) 14:42:35
雪が降ってきました

622 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/12/15(土) 15:24:26
こんにちは、お客様
温かい陽射しの下でアフタヌーンティーを楽しんでいるんですね。
ティースタンドに並んだサンドイッチやスコーン、頬が落ちるほど美味しい?
ふふ、よかった…満足して頂けて。
私ですか?これからハジのお説教を受けに…
昨夜こっそり部屋を抜け出した事が気づかれてしまったみたいです。


>>216
>質問です日ごろから困っていることってなんですか?

日ごろから困っていること?
そうですね、カイが謝花さんやミン、モニークやイレーヌに好かれる様子を
見ていても微笑ましいなって思うけど…
例えば、ハジがお客様に、しかも私の目の前でが抱きつかれたら、
どう反応すればいいのか困ってしまいます。

香里や謝花さん、ジュリアさんやエリザベータさんならどうしたのかな…。
翼手を追い、戦いに明け暮れる日々だけを過ごしてきた私にとって
ハジと誰かが寄り添う姿を見る度に、どうすればいいのか困ってしまいますね。
お説教を受けた後に少し聞いてみようかな?


>>547
>好きなピアノ曲を教えて下さいな

私が好きな曲は「仔犬のワルツ」です。
フレデリック・ショパンが作曲したピアノ曲…
「一分間ワルツ」と親しまれていることもあるとハジから聞いた事があります。
自分の尻尾を追いかけてクルクルクルクル踊る子犬のような…
可愛くて、大好きです。
よくハジの事を子犬に誰かさんは例えるけど、そんなことを言うなら
成犬はアンシェ――…っ、ふふ、いいえ、ごめんなさい。何でもありません。

623 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/12/15(土) 15:26:35
>>584
>因果の始まり、ボルドーの惨劇がもし起きてなかったら今皆どうなっていたとおもう?
>>595
>まずはあの場にこうしたヒエラルキーが生じるだろう。
>弱肉強食は自然界の習い。結局…性格的に押しの強い者が勝利するのだ。

あの惨劇が起きていなければ?…
アンシェルは>>695と質問に答えているけど――…本当にそうかな?
惨劇が起きなかった上でアンシェルとハジがそれぞれに
私やディーヴァと気持ちを確かめ合った上でシュヴァリエになった、とするなら…
私達とシュヴァリエの関係をジョエルは興味深く調べるでしょう。

「花嫁花婿説」も、この頃に出たものであれば――…
ボルドーの惨劇が発生した後、ディーヴァがアンシェルに連れられて姿を消して
私とハジが動物園に留まった空白の期間は…研究者の彼からしたら、
無駄な時間と判断して何かの行動に出ていたと思います。

それにあの子と私が互いに認め合って、気持ちを知ろうと歩み寄れたなら――
ディーヴァしか知らないアンシェルやジョエルの顔を私に教え、
私は私しか知らないジョエルの事をディーヴァに教えると思うの。
それに花を摘みに行くのにアンシェルとディーヴァが一緒にいるなら、
アンシェルにどうすれば取れる?って尋ねると思う。

でも、彼らがシュヴァリエとなっているなら、自らの身体能力を確かめる為と
ハジに摘みに行く事を促したかもしれません。
だけど私の事だから、ディーヴァから翼手の身体の強さを聞いていたら
制止も聞かないで私自身で百合を摘みに行ったと思います。


――…っと、いけない。そろそろ戻らないと…ハジが探しに来ちゃう。
それではお客様、ゆっくりして下さいね。
また日を改めてお会いしましょう。

624 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/12/16(日) 00:25:26
>>590
>…アニメのシーンで一番好きな自分ベスト3とその理由を教えて下さい!

―――暗殺される瞬間の映像を、ネットに流された事はあったのだがね。
しかしこの私が出演しているアニメーションとは……。
………。
………。
もしや…シロツメクサ咲き乱れる緑の森にて、金髪の少年と駆けまわり
だらしなく口をひらきながらインク壺に前足を差し入れる、無邪気なあの
アライグマの幼児向け番組の事を仰っておいでかな?…なんとも愉快な方だ。

おや。
違うと仰るのかね?
これは失礼いたしましたな。小夜も>>593で語っているようではあるがね。
政財界においてはゴールドスミス・ホールディングスの総帥、そして
ディーヴァのシュヴァリエを束ねるこのアンシェル・ゴールドスミスを
事もあろうに…ああした邪気のない小動物に例えられるお方がおいでなのだ。
確かにまあ、瞳が小さい部分はわずかに似ているのかもしれんのだが―――…。

いや、やはり物には役割というものがある。
笑顔の影でひそかに殺意を忍ばせてくる相手、また障害となり得る敵を
排除するのがディーヴァのシュヴァリエの長たるこの私の責務だ。
そのゆえに「アンシェル・ゴールドスミス」はつねに底意のまったく読めん、
おそろしい男でなくてはならない。親しみやすいなどと評されては言語道断だ。
だからこそ過去の私の経歴で、我ながらどうにか満足のゆく表情を浮かべて
いたであろう場面は…。

:キルベドでシフの実験を観察していた頃の姿。
:ソロモンに「残酷」と言わしめた、カールの処遇を命じる姿。
:ミズ・ジュリア・シルバースタイン相手に語った「翼手の女王は
 子を宿すのだろうか?」の問いについて語る姿。

―――…以上の三点だろうな。
アンシェルは冷酷だと恐れられ、眉をひそめられるほどいっそ喜ばしい。
表情を読まれる事は、鎧を解いて敵に弱点をさらけ出すのと同じ行為だ。
だからこそ私は完全を期したかったが…過去に何度か、つい無防備な姿を
晒してしまったこともあった。以下は忘れ得ぬその失態の数々だ。

:何をするでもなく、庭で遊ぶディーヴァを漫然と目で追っていた時の姿。
(「そうしているとまるで父親のよう」と評されてしまった。…我ながら
  無防備なことだ。私は彼女の崇拝者のひとりに過ぎんというのに)

:ソロモンの離反を受け、ディーヴァの眠る部屋でひとり立ち尽くす姿。
(私は他人を信じない。裏切りなどは珍しくもない。しかし思い返せば我ながら
 あの姿は、もしやこの私が弟を失った孤独に耐えているかのように背後からは
 映ったのではないか?……何たる失態!人目がなかった事が唯一の救いだ)

:オペラの夜・小夜への独白。
(「それこそが至高の愛―――君もそう思わないかね?」…我ながら惨めな愛の
 告白だ。もはや敵である小夜にしか、それを語るべき相手が存在しなかった
 とはな。私が愛した者はみな運命の扉をひらく。そして本来のあるべき場所を
 求めて自由に世界を歩みはじめてゆく。……私が最後にディーヴァと直接
 言葉を交わしたのは、一体いつの頃だっただろうか?)

625 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/12/16(日) 00:28:38
>>600
>ずばり聞いていい?アンシェルはヅラじゃないの?

………。
………。
………。
―――…これはこれは……なんとも…率直な物言いをなさるお方だ。
君がそのような疑問を持たれるのも、君に先立ちハジが>>599にて


>もう少し諍いが長引いていれば…その上の部分も或いは…………………惜しい
>…ああ、いえ、こちらの話です。毛を失った部分が目元だけで済み何よりです。


などと呟いていたのを、それとなく耳にしたからではないのかね?
しかしハジの誠実そうな外見に騙されてはいけない。沈黙を守る男はさぞ
思慮ぶかいだろうと錯覚するかもしれないがね、内実はただ狡猾なだけだ。
何でも知っているのにあえて口をつぐむ。あの男はずるいのだ。現実はただ
ぼんやりと状況に流されているだけにすぎん。あれはおそらく小夜の傍にいる
事しか考えてはおらんのだろう。…そう、まるで子犬だ!

だからこそ、あの道を外れたシュヴァリエのはなつ無責任な言葉など
君は一切影響を受けてはいかん。すべて根の暗い男が仕掛ける罠だと思いたまえ。

大体一般論としてああした『髪を誤魔化す手合い』の頭部は、生え際が
不自然に毛髪量が多いものだ。それこそ兜を被ったように髪が多い。
貼りついたように動かぬ髪型も注意が必要だ。そうした者は見ればすぐに
判別できる。無論そうでないこの私が潔白である事は…もはや語る必要は
あるまい。

大体弟たちも私を禿―――…髪が薄いと事あるごとにからかうのだがね。
髪が薄いのではない。ただ額が広いだけにすぎん。それから私はだらしなく
髪を長く伸ばし、女々しくリボンなどで束ねる趣味を持たん。前髪はすべて
上げておる方が折り目正しくなにより不潔感がない。

断っておくが…これは負け惜しみで言っている訳ではない。
あくまでも嗜好の問題だ。そのあたりを充分にご理解いただけたかね?
さて、ご理解いただけたのであれば―――…。


>ずばり聞いていい?アンシェルはヅラじゃないの?






>>600の君。それだけ言っておいて何事もなくこの場を去るつもりか。
構わん。―――…来い。

626 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/12/16(日) 00:30:46
>>601
>お前には心を許せる誰かがいるか?


―――居なくはない、とでも答えるべきかね?
そう言う君はひどく沈んだ表情だ。成る程―――…押さえ切れぬ虚無と
孤独が面に表れている。そうしたまなざしを持つ者は軍人に多いようだ。
あのゴルトシュミットの護衛の男にもどこか似ている。繰り返される戦いに
精神をどこかで凍らせてしまうのだ。ちょうど君のその…雪のように白く
変じた髪の色のごとくにな。

その手に残る銃弾の痕は…じつに興味ぶかい。どうやら古い傷のようだが
それは治癒せず、貫通した当時のままなのかね?
電脳?義体??…いや、仰る意味はよく解らんが……。伝統的科学と
先進的生物学の統合はこの私も非常に重視している。まるで未来における
生物のありようの一形態のようだ。そうした君の体の構造に、真実の探求者の
立場としては興味の尽きんところではあるな。

おや………問われていたのはこの私だったか。
心を許せる誰か?…愚問だ。君は人間相手にそれを求めるのかね?
おなじ種族同士解り合おうともせず、流した血の量でものごとを決める…
それこそが人間だ。戦場で流れるものがなにか、君は知っているのではないかね?
血と汗と涙―――…そして金だ。

大なり小なり人間は愚かしい戦争を今もなお続けている。
すべてはそこに流れるものの為にだ。たとえ個人単位で善良な者が存在したと
しても種族としての人間は、つねにおのれの欲の為に戦いを求めるのだろう。
私はそうした人間に寄りそい、彼らの望むものを提供してきたに過ぎん。
そのように私へ問いかける君の方こそ、その何者かは存在するのかね?

「そうか。俺は、ずっと探している。」

―――…か。それを見出すのは、砂漠でたった一粒の砂金を発見するより
あるいは至難の業かと思うのだがね。真理を探究する旅には孤独が付き物だ。
……名を聞いても構わんかね?
なに、偽名で構わんよ。姿かたちなどに意味などない。
まして時代と場所により、仮の名を用いる事などもはや当然の行為だ。
ロシアやドイツではディーヴァもそのたびに名を変えたものだった。



…成る程。では……Mr、ヒデオ・クゼ。
私の祖国の言葉で君の幸運を祈ろう。―――Bon Voyage(よい旅を)。

627 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/12/16(日) 03:39:43
ご機嫌よう、風が冷たくなりましたね。
へえ、>>582さんは海外旅行を考えておいでなんですね?

おすすめ、ですか…そうですねえ、この時期なら…そうだ
こちらからでは海外にはなりませんけれど、
パリへ遊びに行ってみてはどうでしょう?夜のシャン・ゼリゼーは
綺麗ですよ。今はクリスマスが近いですから、特にね…

以前まで、あの通りの並木は
白熱灯の白い光で飾られていたんですけれど…今年は
発光ダイオードを使って、青く光らせているんだそうですよ。
橙色の街灯と並木の青い光が共存して、幻想的な光景なんだとか…
日本人は、良いものを発明しましたねえ。僕も、偶には街に出てみようかな。

…?ああ、>>577さん。ですから僕は
クリスマスをどう過ごすかなんて、まだ考えてもいませんよ。
これまでは…くす、クリスマスのデートの相手といえば
アンシェル兄さんかヴァン・アルジャーノの、どちらかでしたから。
兄さんの後について会合の席につくか、ヴァンに伴われて
フランス貴族の晩餐会に顔を出すか…はは、何が楽しいのかわかりません。

けれど…アンシェル兄さんが、面白い遊びを考えて下さると仰るなら>>581
僕はまた、そのお手伝いをしなくてはいけませんね。
今年は賑やかで、楽しくなりそうです。

…そうだ、皆さんお外に出るのならいいものを差し上げますよ。
>>468さんに渡すつもりが、遅くなってしまいました
思いのほか沢山手に入りましたから、あなたがたにも。
ええ、ご覧のとおり映画のチケットです。

【ALWAYS 続・三丁目の夕日】

以前に持ってきていただいた作品の、続編が公開になったと
聞いたものですから。
いまのように高層ビルが立ち並ぶ前のトーキョーで暮らす人々の…
慎ましやかでも、家族に恵まれて幸せに暮らす人々のお話ですね。
…とてもいいものを見せて頂きました
それに>>468さんは、僕らが以前に過ごした懐かしい場所の
心配をしてくれましたから…これはお礼に差し上げないと、ね。

628 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/12/16(日) 03:43:11
>>452
>愛する人がいなくなったらどうしますか?

愛する人が…?それは…、そのひと達が僕より他のものを選んで
目の前から姿を消してしまおうというのなら…僕は
追いすがって引き止めるでしょう。それが叶わなければ、
かれらが残したものを、かれらの帰ってくる場所のあるように
大切に護り続けるでしょう。

>>466
>世界で一番守りたいものは?

ええ、そんな事ですから…僕がいまこちらにあって一番守りたいのは
この場所と、いま流れているこの時間のほかにありません
ここに以前からお住まいの、或いは足を運んで頂いた全ての人が
…僕が、世界で一番愛しいと思う彼女を含む全てのひとが
心穏やかにお話をして過ごせる事が
これまでずっと、望んでやまなかった事なのですから。

629 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/12/16(日) 03:44:22
>>529
>死亡フラグって信じる?

死亡フラグ…その正体は、一体何なのでしょう?
宇宙を膨張させているという暗黒エネルギーや
マリア像が血の涙を流す現象のような、
まだ人智の及ばない領域ではたらく力を指すのでしょうか。
…いいえ、違います。

それは紛れもなく、あくまで人の手による作為的な…そう例えば
世界警察を名乗らんとする大国と国際株式を掌握する大企業の謀略ですとか、
キリストとマグダラのマリアの関係を秘する事に血道をあげるヴァチカンが
―――いけない
このように沢山の人が見ているところで…軽率な発言でしたね。

何にせよもう僕は、真実の一歩手前まで―――いや、
限りなく真実に近づいています。…続きが知りたいですか?どうしても?
…わかりました。明日、まだあなたのお友達が寝入っている早朝に
あの薔薇のアーチの下までおいでなさい。僕の口から、全てお話しします。


…ははあ…成る程、これがその「死亡フラグ」ですか。
先ほど、皆さんがカール>>540を指差して「立った、立った」と
青い顔をしていたものですから…まさかと思ったんですけれど、やっぱり。
はは、確かにこれで明日の朝、あなたが薔薇の垣根から
僕の足が逆さににょきっと生えているのを見つけたら…少し前に話題になった
ダ・ヴィンチの絵に隠された謎を解く小説のような展開ではありますけど。

おやおや、どうしました…吃驚した死ぬかと思った、と仰る?
はは、不謹慎でしたか?それはすみませんでした。

630 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/12/16(日) 03:46:33
>>542-543
おや、そんなに息を切らせて…ええ、何だってお話を聞きますよ?

>さんすのテストで百点取ったの。

へえ…!テストで満点を取りましたか。よく頑張りました…偉いですね。
この立派な書類入れは?…アンシェル兄さん>>566が。くす、珍しいな
良かったですね…ええ、頑張れば好いことがあるのですよ―――おや、
髪に飾った薔薇が。
僕を探して、急いでおいでだったからですね…御免なさい。
直してあげましょうね。さあ、動かないで。

…こうして勉強する事は、決して意味の無い事ではないのです
あなたが覚えた公式を考え出した数学者や、
僕らが何であるか知ろうとする生物学者や天文学者
僕らの複雑な心を解明しようとする心理学者 文学者
科学者たちが純粋な心で辿りついた、この世界を総べることわりを
出来るだけ沢山知って、賢い大人におなりなさい…そうすれば、
あなたの周りには沢山の人が集まります
かれらはあなたを慕い、あなたの言葉に頷くでしょう。

あなたが心に願っている事に、一つずつ近づく事が出来るでしょう…
…やあ可愛らしい、さあ、これでもとどおりだ。ええ、いい香りがするでしょう
またいつでもおいでなさい、この薔薇が萎れてしまったら
きれいに咲いたのを選んで、また髪に挿して差し上げますから。

…おや、そのハンカチは?カール>>604が、君に…?
そうですか、摘んだばかりの薔薇を包むようにと。君は彼に会ったのですね、
彼は元気そうでしたか?…ああ、はは、そうですか
例によってまた僕の悪口を言っていましたか。くす、良かった。
あとで、僕も彼に会いに行きましょう…彼にもワインを注いで、
労って差し上げなくてはね。

631 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/12/16(日) 03:48:27
おやあなた>>620、頬を染めてどうしました…
成る程、ハジが顔を見せたのが嬉しいのですね?
それで思わず彼に熱い抱擁を差し上げた…わかりますよ。

それじゃあ貴女―――私と踊って下さいませんか?
そう、手を出して…ありがとう、さあこちらへ!

…僕もね、彼の事が心配だったのです
やれシャンデリアの白熱灯を換えろ、やれ風呂を磨けと忙しくて
そのうち厨房で、豆を煮詰めながら湯気に巻かれて
溶けてなくなってしまうんじゃないかとね。彼はそんな感じでしょう?
そんな時でも、彼は我慢強いですから「……………」で済ませてしまって
僕らには彼の身の危険が伝わらないのです。
ですから、ああしてご来客と話しているのを確認すると、ほっとする
だって彼が居ないと、何だか張り合いがありませんから…今のように、ね。
おや、張りあいかたが子供みたいだと仰る?

―――いいのですよ、この方が楽しいでしょう?

ですから、彼の姿が見えて嬉しいのは僕も同じです
ほかのご来客だって、小夜だって、皆さん同じです…本当に、良かったですね。
いま下さったご質問には、また落ち着いてから、改めてお答えしますね?
先にハジ>>599に言いたい事が山ほどありますから。今度は何を言うかと思えば…

>彼を盛りつけるのか、彼に盛りつけるのか定かではありませんが…

ふん。以前僕が頭を使ってかれを瓦礫の下敷きにしたことを
まだ根に持っているらしい…僕を生魚の切り身で埋めて、
その報復をしようと言うのですか。成る程ね、瓦礫よりサシミのほうが、
生臭い分たちが悪い。考えましたね。はは……… 度 し 難 い 。

おや、確かに嬉しそうだと仰る?…気のせいですよ。では、また後で。

632 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/12/16(日) 03:50:58
ああ…そうそう、もうひとつ。

>>518
>好きな言葉は何ですか

「親切なことばは蜂蜜。たましいに甘く、骨を健やかにする。」

この言葉を残したのが誰か、ご存知のかたは
あまりおいでにならないかも知れませんけれど

この言葉が指すのはあなたがたの事ですよ…いつも、ありがとう。


折角、皆さんが蜂蜜のような言葉や面白い話題を下さるのに
随分沢山のお返事を保留にしてしまっています…すみません、
またすぐに、ご挨拶に伺いますね。

633 名前:ソーニャ ◆gD.KishiHU :2007/12/17(月) 00:39:44
こんばんは、皆さん。随分ご無沙汰してしまいましたね。
――何をしていたのかって?
雪を、待っていたんです。あの丘の上に寝転がって空を見ていました。初雪の最初の
ひとひらを地面に落ちる前に受け止めて、願い事をしようと思って。

えっ、>>621さん、本当ですか?まあ、本当だわ!この雪は積もりそうですね……。
今夜は冷えるでしょうから、お客様のお部屋にもう一枚毛布を届けさせますね。


>>431
あなたにとって死とはどんなもの?

ひとたび生と死によって分かたれた以上、花のような笑顔を
見つめることも、ほそくやわらかなかぐわしい肢体を抱き締めることも、なにより
言葉を交わすことも……もはや出来ない。完全なる意思疎通の断絶――それが死よ。


>>432
あっ、動かないで!デッサンしてるんだから。
>>454
将来、絶対絵描きになるよ、俺。

あら、貴方は――さっきまで長兄の肖像画を描かれていたようだけど、こんどは
わたしを?光栄だわ。わたしなんかでいいの?『今度はや〜らかい体のラインと
骨・筋の固い感じのバランスが絶妙な女の体が描きたくなった』……成程ね!
……で、わたしはどんな姿勢でいればいいのかしら?楽に座っていればいいの?

そう、貴方は画家を目指すのね。ミューズに己の全てを捧げる人生を、選ぶのね……。
研究者が真実の探究こそ至上の価値と信じ、一心不乱に学問に打ち込むように。
人生は長いわ。そして絵は一生の友になりうる。貴方の夢が叶っても――叶わなくても、
絵と幸福な関係を結べるよう、祈っているわ。
『ブラウスの襟元ゆるめて片膝上げて視線遠くに、好きな奴のことでも考えてろ』
ええっ?はいはい、分かったわよ!……モデルというのも、結構大変なのね。

634 名前:ソーニャ ◆gD.KishiHU :2007/12/17(月) 00:43:07
>>453
シュバリエは眠れないと言うけど横になって休む事もしないの?
ずっとなにかをし続けてるなんて疲れちゃいません?
>>541
シュバリエは睡眠と食欲はないんだよね?性欲は?

疲れるということがどのようなことだったか、もう記憶もおぼろげだけど……
それはあくまで肉体の話。心は>>410さんが言われるように、人間であった頃と
あまり変わらないのだから、休みたいと感じることもあるわ。そんな時は衣服を
ゆるめて寝台に横になって、何も考えずにぼんやりするようにしているの。
それから>>541さん、乙女にそんなこと尋ねるものではなくってよ!もうっ。



>>473
過去の自分に一通だけ手紙を送れるとしたら何を書きますか?

赤い盾の謀略に敗れ冬宮を追われ、ソーニャの家に匿われていたころのわたしに。

『大切な相手が出来たなら、自分から一歩引きなさい。
 あまりにも強く抱き締めすぎて、相手の骨をこなごなに砕いてしまう前に。
 その破片がお前の心臓を突き刺し、血まみれになる前に。』



随分お返事がたまってしまっているのだけれど……追いつけるように、頑張るわ。
お客様も風邪などひかないよう、暖かくして休んでね。
朝には一面の銀世界が見られるかもしれないわ!

635 名前:名無し客:2007/12/17(月) 13:07:47
女性に擬態するって何か変態チックな気がしない?

636 名前:名無し客:2007/12/17(月) 13:08:42
アンシェルの指輪って何か意味があるの?

637 名前:名無し客:2007/12/17(月) 13:40:28
もんもん*・゜゜・*:.。.(*´▽`)パァァ.。.:*・゜゜・*:
むぎゅ。えへへ。ねーもんもんは人間キライ?
私のことも、キライ?(´・ω・`)ポシューン

638 名前:名無し客:2007/12/17(月) 15:51:13
>626
ムッシュアンシェル。心を許せる「誰か」であって、別に「人間」ではないんですよ?
まあ、本音のほうは同時刻に書き込まれたレスにて確認しましたので、聞くことはございません。
そうでしたね。貴方は「人間」であるがゆえに「ヒト」をやめた方でした。
ムッシュソロモンが「ヒト」をやめてでも「貴方の弟」であることと「恋する一人の男性」であることを優先したように。
―もし、私の言葉を否定なさるなら改めて問います。「貴方は歌姫(ディーヴァ)の娘を切り刻めたか?」と。

メルシー、ムッシュアンシェル。
私は只の模倣犯ですが、≫601のお言葉はムッシュクゼにお伝えします。
貴方に幸あれを。オルヴォワール。

639 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/12/18(火) 21:41:05
こんばんは。

日曜日はパリに、長官への報告に行ったわ。
その帰りにクリスマスプレゼントを買ってきたのよ。
いつもは日曜休業のはずのプランタンもギャラリー・ラファイエットも、クリスマス前の特別営業で
買い物客でごった返していたわ。
静謐に包まれて、時間が静止したかのような、このボルドーの動物園とは大違い。
でも、人波の中で「人間の世界に帰ってきた」ような妙な感覚に襲われたわ。
おかしいわね。



>>527(最大の業)
人間の私には想像もつかないわね。
きっと貴方もそうなのでしょう。
だから、そういう質問をしたのね。

不思議ね。
私も貴方も、彼らを恐ろしいと思う人間なのに、何故か彼らのことが知りたくてたまらない。
もし、私が彼らの業を語るとしたら―――「老いることができない」ということかしら。
うらやましさも感じるけれどね。



>>529(死亡フラグ)
迷信や縁起かつぎみたいなものでしょ。
ナンセンスだと思うわ。

でも、アメリカでミッションに赴くデヴィッドを見送った時は、生還できるおまじないがあるなら
頼りたいと思った。
信じるわけじゃない。でも、すがらずにいられない。
そんな気持ちが私にもあったのね。


640 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/12/18(火) 21:42:07
>>541(睡眠と食欲)
シュヴァリエは睡眠こそないけど、そのほかの欲求は人間とほぼ同じじゃないかと私は考えてるわ。
食欲があるから、血を欲するのね。
そして子孫を残すことを願う種族なら、性欲もあると考えられる。

私が診察した時のディーヴァを思い出すわ。
彼女は私が子供のことを「胎児」と言ったら、赤ちゃんと呼ぶようにと言ったのよ。
人間としては、翼種が繁殖する恐怖に慄然としたけれど、それでも彼女が垣間見せた母性には感銘を受けた。
彼女は翼種だったけれど、生まれてくる子供を待ち望んでいるひとりの母親だったのね。



>>542-543(百点)
頑張ったのね。
ソロモンも誉めてくれた?

―――そう、良かったわね。
薔薇の花ももらったのね。
花びらを散らさないように、気をつけてお持ちなさい。
美味しいクッキーもあげましょうね。後でお食べなさい。
落とさないようにしっかり持って帰るのよ。
―――あら、私ったら。
つい自分の子供に言うみたいに、口やかましくなってしまって。

………。
沖縄は、今日は晴れているかしらね………。


641 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/12/18(火) 21:45:38
>547(ピアノ曲)
あまり音楽に詳しくないんだけど………。

エリック・サティの「Je te veux(ジュ・トゥ・ヴ)」かしら。
本当はシャンソンで歌詞もあるんだけど、ピアノ独奏版もあるの。
好きというより、フランスにいるとよく聞くから、自然と耳に馴染んじゃうのよね。



>>548(ビーム)
ビームですって?
粒子線のことかしら。たとえば荷電粒子の粒子線。

荷電粒子砲を放つ仕組みが、生物の体内にあるとしたら驚異よ。まるでSF映画だわ。
でも、既存の生物の枠組みを大きく超えている翼種なら可能かもしれない。
アンシェル総帥の肉体には、どんな機能が隠されているのかしら。
調べさせてほしい―――なんて、言えないわね。



>>549(まつげ)
髪の毛と同じで、まつげにも生え変わる周期があるのよ。
貴方や私のまつげも、しょっちゅう抜け落ちているはずなの。
でも、抜けずに残っているまつげがたくさんあるから、はた目には変化がないように見えるのね。

あら、それならどうしてアンシェル総帥のまつげはなくなったのかって?
それは、総帥のまつげが三本しかないから、抜け落ちる時期が来たら簡単に全滅―――。

いいえ、なんでもないわ。
そうよ、私は何も言ってませんとも!



642 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/12/18(火) 21:46:45
>>553(小夜とハジ)
これは私はノーコメントね。
私はあの二人の過去を、赤い盾に残されている記録でしか知らないもの。
恋に落ちる瞬間なんて、どんなデータにも残らないものね。



>>554(好きな人)
なんて言えばいいのかしら。
照れちゃうわね。

そうね………。
とてもぶっきらぼうで、無愛想で、無口で。
でも、とても強くて、優しくて、強さの中に脆さを秘めた人。
それでいて、妙に可愛いところもあって………。

…だめね、顔が火照ってしまうわ。
他の人には内緒にして頂戴ね………?



>>564(いれかわって)
貴方が言うのは、脳を入れ替える、ということかしら。
それとも魂の入れ替え?
私は科学者だから、存在がいまだ科学的に証明されていない「魂」については、否定できない代わりに
肯定もできないから、脳の交換だと思ってお答えするわね。

仮に、一般には未知の科学技術を使って、脳を交換できたとしたら、まず拒絶反応が心配されるわね。
それから肉体と脳の認識のズレも考えられるわ。
脳が移植後の肉体を、自分のものだと認識できない可能性があるのよ。
たとえ、身体的に脳の移植が完全に成功したとしても、移植された肉体がどれほど近しい人のものであろうと、
精神的な障害を抱えるのは避けられないと、推測できそうよ。



643 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/12/18(火) 21:47:24
>>577(クリスマス)
沖縄に一度帰ろうかと思ってるの。
やっぱりクリスマスくらいは、そばにいてあげたいでしょ?
そのために、プレゼントも用意したんだもの。

貴方もクリスマスを、家族や友人、それとも恋人と過ごすのかしら。
お互いに、良い休暇になるといいわね。



>>579(108の煩悩)
108だけじゃ済まないと思うわ。
栄華を望む心、嫉妬する心、満たされずに相手を憎んでしまう狭量な心。
私はそんな人間らしい煩悩にまみれているわ。

それだから、翼種の純粋さに怖れながらも魅かれているのでしょうね。



>>582(外国)
ロンドンはどうかしら?
百年戦争以来、イギリス人とは犬猿の仲の私達フランス人だけど、あの大英博物館には素直に感嘆するわ。
たとえ、自国民にすら「泥棒博物館」と呼ばれている博物館でもね。
もし貴方が英語が堪能なら、大英図書館も是非行くといいわ。
約1300万冊の蔵書、3000年分にも及ぶ写本が、貴方を待ってるわよ。


644 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/12/18(火) 21:49:19
>>583(NGシーン)
コリンズ博士やジョエル長官やアンシェル総帥の前でミスでもしたら、と想像すると夜も眠れないわ。
たとえば、DNAの4種類の塩基の名前を、うっかり言い間違えたりしたら、目も当てられないわ。
まさかジョークだと言って、誤魔化すわけにも行かないものね。

それに、研究で致命的なミスを犯しでもしたら。
ジョエル長官なら黙って私をポストから外したでしょうし、アンシェル総帥もコリンズ博士の代わりに
私を抜擢したりしなかったでしょう。
きっと私は毒にも薬にもならない、あまり重要でない研究チームに入れられて、デヴィッドにも
再会できずじまいだったと思うわ。



>>584(因果)
それはつまり、サヤがディーヴァを塔から出さなかったら、ということね。
当時の初代ジョエルはかなりの高齢だったはずよ。
彼は、自らの命が二人の翼種の女王を見届けるまで続かないと悟った時、彼女達の生殖能力に関する
実験に集中したと聞くわ。
そして、受胎を確認した後に、標本にするつもりだったと。

………。
実験動物の取り扱いとしては、間違っていないわ。
相手が人類にとって脅威であるのなら、余計に当時としては正しいやり方だと言わざるを得ないわ。
もしそうなっていたら、その後の翼種による被害は無かったことになる。
でも………。

私、駄目ね。
そうならなくて良かった、なんて、思ってしまったわ。



645 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/12/18(火) 21:50:02
>>587-588(12話)
アンシェル総帥が貴婦人に擬態していた?
ドレスを着てベールで顔を隠していたの?

………。
想像できないわ。
でも、彼は私の前で、リーザに擬態して見せたことがあったわね。
グレゴリーも、ソーニャという名の少女の姿をしていたし―――。
彼らには、女性の姿になることが、ちょっとした娯楽みたいなものなのかしら。
変わった趣味だと思うけれど、シュヴァリエになると、そういう気分になってしまうのかしらね。



>>589(疲れて)
もちろん心身ともに披露することはあるわ。
そんな時は、入浴がお勧めよ。
ゆっくり湯につかって、温めて、体をほぐすの。
バブルバスもいいわね。

入浴の効能は、科学的にも実証されているのよ。
これなら薬物と違って、副作用もないわ。
さ、温まっていらっしゃいな。
飲み物も用意しておくわね。



>>590(自分ベスト3)
2つだけだけど、いいかしら。

1.サヤと、私のお腹の子供について話した時
2.撃たれたデヴィッドの手術が無事終わって、眠る彼に付き添っていた時

理由は、どちらもとても幸せだったからよ。
おめかししたベトナムのアオザイ姿やドレス姿もあるのだけど、デヴィッドに全然気づいてもらえなかったわ。
自分でもちょっと笑ってしまうような苦い思い出ね。


646 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/12/18(火) 21:50:45
>>601(心を許せる相手)
いなくはないわ。
私の家族。
私の仲間達。
赤い盾は、一度裏切った私を迎え入れてくれた。
そして、どんな困難な状況でもけっして諦めず戦い続けてきたのよ。
彼らの「人間としての良識」を、私はとても信頼しているの。
そして、人間同士の強い信頼がなければ、いくらサヤとハジを擁していたとはいえ、ひ弱な人間が翼種と
戦えなかったと思うのよ。



>>605(適応可能性)
酸素さえ供給されれば、彼らの肉体ならば、深海の低水温・高水圧や暗闇にも耐えられるかもしれないわ。
宇宙空間だと、翼種も呼吸している以上、真空での活動は難しいのではないかしら。
それとも、宇宙に出れば、彼らは擬態するように肉体構造も変えて、適応しようとするのかしらね。

もしそうだとしたら、翼種の生物的な可能性は無限に思える。
初代ジョエルやアンシェル総帥が、翼種に心魅かれ、全てを知りたいと願ったのもよく理解できるわ。



>>606(好きな季節)
物思う秋が一番好きよ。
気温も快適で過ごしやすく、研究にも身が入るもの。

もっとも、研究室はたいてい、空調で室温を調節してあるのだけどね。
実験のために適した温度を保つためよ。
だから必要な時には、真夏でもひどく肌寒い室温に設定してあるわ。
自然光を避けるために、窓が全くない研究室もあって、その中で実験に明け暮れる私達は、
かなり季節の移り変わりには鈍感になっているの。
風流じゃないのよね。


647 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/12/18(火) 21:51:33
>>620(一ヶ月ぶり)
ハジったら果報者ね。
こんな可愛いお嬢さんに喜んでもらって。

お菓子を用意してもらってくるわ。
たしかハジが作ったオハギがあるはずよ。
貴方も食べてみたいでしょう?
この暖炉のそばで暖まりながら、お茶と一緒にどうぞ。



>>621(雪)
まあ、本当!
振ってきたわね。

ロシアで見た雪を思い出すわ。
降り積もった雪の中のひた走るシベリア鉄道。
薬害翼種に変化したアメリカ人の青年達。
白い積雪の中に消えていったリーザの謎めいた微笑み。

………。
寒くなってきたわね。
中に入りましょう。


648 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2007/12/18(火) 21:52:11
>>635(女性に)
…ええ。
私も少しそう思うわ。
彼らは、やや趣味が悪いんじゃないかと。

でも、肉体や生活習慣は精神にも大きな影響を及ぼすわ。
シュヴァリエになると、女性に擬態することも、それほど奇妙な行為と感じられなくなるのかもしれないわね。

むしろ問題は、アンシェル総帥の【エリザベータ】や、グレゴリーの【ソーニャ】が美しく妖艶で可愛らしいことだと思うの。
本物の女としては、複雑な気分になるじゃない?



>>636(指輪)
そういえば、アンシェル総帥はいつも指輪を身につけておられたわね。
ジョエル長官が尋ねると、先祖代々のものだと答えたそうだけど。

たしか蝙蝠のモチーフの指輪じゃなかったかしら。
………ロシアでの列車内のエリザベータも同じ指輪を身につけていたはずよね。
どうして気づかなかったのかしら。



それじゃあ、またね。
年末年始が近づいて、皆さん忙しいでしょうけど、体にはくれぐれも気をつけてね。
おやすみなさい。


649 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/12/19(水) 01:11:31
ひどく気温が下がってきたようだ。
ご来客の皆様がたは…この寒さに体調を壊されてなどはおりませんかな?
―――…ほう。寒くて仕方がない、と?それはいけない。
では皆様にはこちらの葡萄酒で、せめて体を内側からあたためていただこう。
これも我々が扱う商品のひとつで、その名もシャトー・デュエルという………。

………要らない?そうかね。なに、気にするな。半分は冗談なのだから。
それよりも寒ければこちらの暖炉に当たりたまえ。
ちょうど今しがた不要な書類を燃やしたので火勢がつよい。
こごえた体もすぐに温まるだろう。少しばかり書庫の整理をしていたのでね。
熱心な研究者でもあるミズ・ジュリア・シルバースタインの>>572の要望

>居候の身で図々しいけれど、もっと新しい本を入れてもらえるよう
>お願いしようかしらね。

を容れ、自然科学や遺伝子工学の分野での新書をあらたに収めていたのだ。
知識というものは日々進化しないと死んでしまう。未来をひらく為には
絶えずあたらしい血を必要とする。ゆくゆくは伝統的科学と先進的生物学の
統合を考えてゆかなくてはな。
それで先刻から書庫に収まりきれぬ、ふるい反古の束を燃やしていたのだ。

―――…焼いた書類の内容?
………。
…いや…ごくつまらんものだ。翼手の資料としてはまったく用を成さない。
諸君はジョエルが日記形式で綴っていた、翼手の記録を見た事はあるかね?

ジョエルと私は元来、動物学を専門に研究していたのだ。
この分野では動物の生態を、文字のみではなくときに簡略な図解をもって
書き記す場合がある。例えば例のミイラの手指の形状や皮膜の痕跡などをだ。
言葉を尽くすよりも絵図にて表現した方が、記録として明快である場合が多い。

それなのに何故、彼の記録がおもに文字にて埋められていたのか?
……単純な理由だ。私も彼も、単に芸術方面の才能に恵まれなかったからに
すぎんよ。特に分際を知っている私は以降、この分野には金を出資するのみに
留めているのだ。才能豊かな者を選び出し自由に任せたほうがよい。
ちょうどあのネイサンのようにな。

とにかく当時は、あの研究室――彼女たちの血を混ぜ合わせた部屋だ――にて
二人の成長過程をくわしく図解しようとペンを執り…
…ジョエルの絵は酷すぎる。
塔の彼女はあのように貧相な姿はしていない。……ジョエルともあろう男が。
そう私が猛抗議すると逆にペンを持たされる。助手のお前が描けとの仰せだ。
雇い主の命令には逆らえん。それに日々まぢかに接している彼女の姿だ。
少なくともジョエルよりは幾分ましな記録ができるはず………。

………むっ……。

……はずなのだが。おかしい、記憶どおりに手が動かんのは何故だ?
解らんのは…丁寧に描写すればするほど猿人に近くなるのだ。翼手の女王は
ヒトを超えた種族であるはずなのだが。特にディーヴァには絶対お見せできん。
とにかく我々にはそうした決して表沙汰にはできん『裏の記録』が存在する。
ちょうどいい機会なのですべて火にくべてしまったという訳だ。

650 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/12/19(水) 01:14:53
>>621
>雪が降ってきました

―――…成る程、道理で冷えるはずだ。暖炉の傍で…君も一杯いかがかね?
……安心したまえ。あくまでこれは人間用だ。米国へ進出する際、あの蛇…
いや、ゴルトシュミットの当主が口にしたものとまったく同じ銘柄だよ。
ディーヴァの公演を経て…彼がいまだ翼手化していない現実が、なにより
このシャンパンの安全性を物語っている。ソロモンが先刻皆様に振舞った
今年の“Cuvee Chevalier”が赤でしたのでな。二杯目はこうした物が
いかにも相応しいでしょう。私は失礼してシャトー・デュエルの封を切らせて
もらうとするがね。では……乾杯していただけますな?

早速グレゴリーが>>633にて、皆様にあたたかな毛布をお出ししているようだ。
さすがにロシア生まれだけの事はある。こうした冬の寒さへの対策は
手馴れたものだ。しかし南国ベトナムで生を受けたカールには…どうやら
この寒さは少々こたえるとみえますな。足元がわずかにふらついている。
おや―――あの歩調は…どこか体を痛めたのかもしれんな。

私は長いあいだ、弟であるあれに苦痛を強いておりましたので…。どうも
様子が気にかかりますな。カールはなにせ―――私の愛しい弟だ。
ソロモンを生魚の切り身で覆うという、ハジの嫌がらせで思い出したのですが
アジアの遊牧民は打ち身などの傷を癒す為、体に馬肉を貼り付けたと耳に
いたします。いい機会ですからその効果をカールの肉体でぜひ試してみましょう。
食材倉庫に、ちょうどカールの全身を覆うほどの馬肉の塊があったはずだ。
この杯を干し次第、そちらに向かう事にいたします。………では失敬。

おや。…シュヴァリエである以上、肉体の怪我は治癒するはずだ、と仰る?
むろん承知している。私はただひたすらカールの馬肉巻き………。
それだけが…見たいのだ。

651 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/12/19(水) 01:18:39
>>605
>翼手の宇宙空間、深海等での適応可能性について考慮してみて

―――コンクリートで固められ、大西洋に沈められて処分された翼手も
存在している。裏を返せばそこまで成さねばならんほど、翼手とは強靭な
生命力を持った種族であるという事に他ならない。身を軋ませる水圧、
陽光のひとすじすら届かん深海は、およそ生物にとって苛酷な環境では
ありはするのだがね。

しかし生物はおのれの遺伝子のなかに、進化の記憶を内包している。
鳥類の脚の形態は、古代に生きた恐竜の名残りをあきらかに宿しており、
ヒトの子供も母親の胎内でめまぐるしく形を変える。まるで過去の記憶を
自らなぞらえるかのように。ならばこの世界の生物である翼手にもまた、
原初の海の記憶が宿っているかもしれん。適応こそひどく時間がかかるかも
しれないがね。しかし音ひとつない深海の底で、身を守るためふかい眠りに
落ちつつ救出の機会を待つ翼手は、もしや今も存在しているのかもしれませんな。

しかし宇宙空間ともなると………。
翼手が自然に進化を遂げた生物である以上、この地球上以外での生存は
なかなかに難しいのではと思われるがね。我々ディーヴァのシュヴァリエは
最後の決戦の場にメットのオペラハウスを選んだのだが―――…
これが例えば私とハジの争いの決着を、宇宙空間でつけるとしようなどと
言い出せば皆から荒唐無稽のそしりを免れんだろう。さしずめネイサン辺りから

「正気なの?!―――んもう、相変わらず大胆ねェ。アンシェルは」

とあきれられつつ「ナンセンス!」と即座に否定される事だろうな。

652 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/12/19(水) 01:52:32
>>606
>春夏秋冬でどれが一番好きな季節?

―――とくに考えた事はなかったのだがね。強いてあげるならば…この季節。
草木は枯れ、家屋は雪に閉ざされ、動物たちは活動を控えて巣穴に籠る冬を
好むだろう。……どちらかといえば春は好かんな。あれほど寂しい季節はない。

おや?怪訝な顔をされましたな。
申し上げた言葉の通りだ。…春ほど寂しい季節はない。
雪解け水は大地をうるおし、木々は芽吹き…小鳥は歌う。
切りつけるように鋭く冷えた外気は、あたたかい陽光にぬるみ溶かされ…。
冬の間寒さにおびえ、ちいさな巣穴が世界のすべてであった獣たちもみな、
春の訪れを知るや否や一斉に外へと駆け出してしまう…それは巣立ちの季節だ。
まるで運命の扉をひらき、それぞれののあるべき場所を求めてあゆみだそうと
するかの如くに。

…冬が猛威を振るうのも、やがて必ず訪れる春の来訪を恐れての事なのだろう。
獣は必ず生命に満ちあふれる春を好む。ひとたびその来訪の足音を耳にすれば、
彼らはみな腕をほどいて、どこか遠くへ駆け出して行ってしまうに違いない。
それを理解しているからこそ―――冬はすべての予兆を知らせまいと厚く雪を
降らし、すべてを氷の中へと閉じこめようとするのかもしれませんな。

653 名前:名無し客:2007/12/19(水) 12:47:52
映画は好き?見ないのかな

654 名前:名無し客:2007/12/20(木) 16:04:41
ネイサンって結局どれくらいの戦闘能力があったの?

655 名前:名無し客:2007/12/20(木) 16:08:43
次回予告で目立つ→次週死亡→次回予告で目立つ→次週死亡

BLOOD+の死亡フラグって結局これだったとおもうけど、どう?

656 名前:名無し客:2007/12/20(木) 21:22:36
お祝い事や行事は好きですか?

657 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/12/21(金) 02:31:19
>>656
>お祝い事や行事は好きですか?

―――12月25日、降誕祭が間近に迫ってまいりましたな。
以前になにか余興を考えようと、とくに考えもなく口にしてしまったのだが
どうやらソロモンは聞き逃してはくれなかったようだ。…さすがに耳が早い。

>けれど…アンシェル兄さんが、面白い遊びを考えて下さると仰るなら>>581
>僕はまた、そのお手伝いをしなくてはいけませんね。
>今年は賑やかで、楽しくなりそうです。

などと即座に言質をとられてしまった。…よかろう。
それではこの動物園の大広間に、客人の皆様の耳を楽しませる楽団を入れる
こととしよう。ハジ・ソロモン・カールの三重奏もまあ…それなりに楽しいが、
互いの殺気により始終楽曲が乱れるのが敵わない。弾いている本人たちは
とても楽しそうなのが何よりではあるがね。

その点正装に身を固めたこちらの奏者は、曽祖父の世代がロシア宮廷へ勤めた
経緯を持つという由緒正しき者たちばかりだ。宴の歓談の最中に、短剣やら
硬質化した刀やら、赤い杭やらが乱れ飛ぶような事もあるまい。どうか皆様
その点はご安心のほどを。
…それから急のことで衣装も整えられなかったという来客のお方。広間の
控え室にひと通りは準備しておいた。淑女はドレスに、紳士は燕尾に着替える
もよし。宴の料理を楽しむのも、しずかに流れる音楽に耳を傾けるも自由だ。
この私は主催者として、おだやかに皆様の話のお相手を勤めることとしよう。

658 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/12/21(金) 02:32:44
>>620
>一ヵ月ぶりハジ!(抱)避難場所を閉じてもやめないでね、お願い。
>シュバリエさんたちに質問 自分の身長の利点と欠点を教えて?

―――これはようこそ。ハジの崇拝者の君。
身長の利点とは…意外な問いかけをなさるお方だ。特にこれといったものは
思い当たらんのだがね。一応私は、弟たちの中では比較的長身のネイサンよりも
上背がある。尤も縦だけでなく横もあるので、なかなかそうは思っては貰えん
のだが。

だからまあ、跳ね返りの弟たちに上から見おろされるような楽しい状況には
なりにくいという事だな。
………。
…断っておくが…髪の件ではないよ。あくまで気分の問題としてだ。身長で
困るような事も別にないようだ。何といっても私の場合、いざとなれば姿を
変えてしまえばそれで済むのだからな。


身長で思い出したが…。
動物園に買い入れた時のハジは栄養状態も悪く、また随分と小さかったのだがね。
貧しい身なりに黒髪を後ろでひとつに編んだ姿で、こちらを睨んだまま
いつまでも押し黙っているといった、ひどく愛想のない少年だったものだ。
尤も愛想がなく無口というのは今もまったく変わってはおらんのだが。
しかし同じ無口でも今のハジを子犬とするなら、当時は逆毛を立てた山猫の
ような警戒心のつよい反抗的な瞳をしていたものだよ。

それがいつの間にやら、従順な子犬に変化したものとみえる。
私が記憶している限りでは、小夜が教師について剣の稽古をしていた頃には
すでにそうなっていたようだ。飲み物の給仕などをしながら、ひどく紅潮した
頬でまぶしげにいつまでも小夜の姿を目で追い続けていたように憶えている。


…おや。曲が『流浪の民』に変わったようだ。
ハジの崇拝者の君。当時の彼の背を知りたいかね?…その手を貸したまえ。
このとおり今の君の背は、私の胸ほどまでしかないが―――…。
少年であった頃のハジの背は君のさらに下、ちょうど君のドレスの胸元に
ハジの頭が埋まるくらいであったと記憶している。気ばかり強かった当時の
少年ハジが、君にもしひそかに泣きついたのならば…その心臓のあたりが
彼の涙で濡れた事だったろう。可愛げのないあの男がひそかに泣くなどと、
正直この私には想像もつかんことではあるのだが。

…こうした意味のない昔話でも、少しばかりは君の役に立てるものかね?
あれから嫌味なほどにハジは背ばかりが育ったようだ。さしずめ幼少時の
栄養がよほど滞っていたのだろうよ。

659 名前:@ ◆zg0tvpv/rA :2007/12/21(金) 02:33:59
>>635
女性に擬態するって何か変態チックな気がしない?

―――…うっとりするくらい清純なご質問ね。ただ一点を除いては…ね?
望みのままにどちらでも選べるのですもの。むしろそれは本人にとって
とても楽しい事なのではなくって?

あら……ふふ。謝ることないわよ。擬態できないあなたにとって、それは
必然の質問なのですもの。たった今流れ始めたワルツの曲に男として相手の
手を取り、ダンスを申し込むこともできる。反対に女として誘いに応じること
だって不可能じゃないわ。もし誘いが来なければ―――そのときは無理やり
相手に申し込ませればいいだけの話でしょう?

変態と忌み、おびえるのは…いつだって相手の方なのですもの。
姿を変える当のこのわたしはただ楽しいだけね。
……あなたにも見せてあげたかった。女の姿で女の声で、少しずつ近寄る
このわたしの正体を知る相手の―――…恐怖にゆがむその表情を。


もしお望みならば…ちょうど宴もたけなわ。あなたに見せてあげましょうか?
姿を変えられるという事は、具体的にどういった嫌がらせができるかってことを。







>>423 グレゴリー
>ねえ見て見て、貴女にもお土産があるの。――靴よ!
>>552 小夜
>綺麗……でも私に履けるかな、試してみるね。ヨーロピアンピンクから…

―――あら…仲がいいわね、あなたたち。
舞踏会用のいい靴をもっているのなら…この機会に活かさなくては、ね。
ほら、ごらんなさい。音楽がロシア楽団お得意の『カリンカ』
はずむような陽気な調べに変わったでしょう?

だからまずは小夜。中央に出て踊りましょう。すまないわね。ソーニャは後で…ね?
―――…ふふ。ひどく警戒しているの?さっきわたしが「嫌がらせ」と
言っていたのを聞いていたのね。
安心なさい、小夜。
わたしはこのとおり性格が悪いけど…少なくともあなたに危害を及ぼす
つもりはないわ。思えばロシアで、少しあなたをいじめすぎてしまったわね。
ёлка(ヨールカ・モミの木祭り)…いいえ。クリスマスの宴ですもの。
今晩限りは―――仲直り。あなたもそれはかまわないでしょう?

踊りは簡単。手を取ってこうして飛び跳ね、回るだけ。
男たちの恋の鞘当てに巻きこまれどおしのあなたも、たまには肩の力を抜き
なさい。遊びですもの。女だけでこうして遊ぶのも悪くないのではなくって?
あら、楽しくはなかったかしら?……ええ。もちろん女同士。少なくとも姿はね。

ダンスのあいだじゅう向こうで目を白黒させているハジとソロモン、カールの
表情もこのわたしには充分に楽しい見ものだったわ。
…ふふ。曲はこれで終わりね。あなたも疲れたでしょう。向こうで炭酸水でも
飲むといいわ。Бодьшое спасибо.(どうもありがとう)小夜。

660 名前:リーザ(アンシェル) ◆AmsheL3ZR6 :2007/12/21(金) 02:36:32
>>603 カール
>ぐっすり眠って疲れを癒す静かな夜や懐かしい故郷、人々が交わすあたたかな
>感情、そういったものを思い出すんだ。
>僕には全て、望んでも叶わないものばかりだ。どれもこれも、もう二度と
>この手に得られはしない。

―――ふふ。ひどく悲観的なのね。過ぎ去りし遠き日々の追憶…。
…そう。愛するものはつねに自分の手元に残らない。それは哀しい現実だわ。
ところで―――あなたはかつて小夜にダンスを何度も申し込んだのですって?
すべて玉砕?…それは勇ましいこと。うまくいかないのは場数を踏まないせいね。
カール。あなた、誘い方を見てあげるから今すぐわたしに申し込みなさいな。


…あら。
みるみる顔色が変わったわね。面白いこと。
あのハジすらもあなたの事を>>599にて

>危険な   生  物    です。

と褒めていたわ。…よかったわね?今のあなたは確かに彼のいうとおり
みごとに緑色の生物だわ。学術的に貴重な存在といえるかもしれない。
おまけに冬だというのに顔じゅうに冷汗をそんなに流して。…それだけは勘弁?
このわたしが謝ったくらいで遊びを取りやめるなんて、あなたは本気で
そう思うというの?―――――ふふ。……だといいのに、ね。

でもこのわたしの手…ついさっきまで、あなたの愛するあの小夜と繋いで
いたのよ。まだこの指に彼女のぬくもりが残っているかもしれない。
触れたい?触れてみる?―――でも触れたら最後、あなたはこのわたしに
「レッツダンス!」を申し込んでしまったことになるの。
早く決めなければ曲が終ってしまう。さあ……カール。決めなさい。
あなたはこれから一体どうするのかしら?






>>631 ソロモン
>それじゃあ貴女―――私と踊って下さいませんか?
>そう、手を出して…ありがとう、さあこちらへ!

―――カールとは対照的に、あなたはひどく物慣れているわねソロモン。
>>620の女性をそうしてダンスに誘う仕草も、優しくほほえみかける様子も
まったく非の打ち所のない紳士だわ。
でも………あなたは知っていて?紳士の態度とは、つねに順境よりも逆境の
ときに磨かれるものよ。心惹かれる相手を誘う事はいつだって容易いことだわ。
でもときには不快な相手とすら親しげに握手をかわし、哀しくてたまらない
ときにあえて微笑を浮かべねばならないときもある。
ソロモン、あなたはそうは思わないかしら?



―――…申し込みが遅い!
いつまで私をこの場に立たせたままにしておくつもりかね?
さあ、あらたな曲が始まってしまった。お前の鉄壁の礼節は、まさかこの私が
エリザベータの姿のまま普段と同じ声で語りだしたからといって、今更微塵も
ゆらぎはせんはずだな?ソロモン。

どうしたのかね?指先がひどくふるえている。
しかし流石にワルツの技量は見事だ。顔色が蒼白であることを除けばだが。
……ソロモン。お前はかつて小夜を愛しているといったな。お前と小夜の
出会いはリセの舞踏会であったとも聞く。そしてその場で彼女にワルツの
手ほどきをし、そして…―――何と言ったのだったかね?
たしか相性がどう…という話だったらしいな。詳しくは憶えてはおらんが。

ちょうどよい機会だ。いまここで同じ台詞をこの私に言ってみたまえ。

どうした。気絶してどうする。意識をしっかり持て。
……ふふ。いかにも「ぼくの大切な思い出を踏みにじらないで下さい兄さん…」
とでも言いたげな表情だな。だが企業の長たるもの、笑顔で詭弁のひとつも
吐けずにどうするつもりだ。―――出来はするが相手が悪すぎる?…気にするな。
ごくささやかな相違ではないか。それでお前は…何と小夜に囁きかけたのかね?

661 名前:リーザ(アンシェル) ◆AmsheL3ZR6 :2007/12/21(金) 02:38:38
>>598 ハジ
>悲しい事に私の場合…それ以前に某かの干渉により、強制で横にさせられる
>ケースが殆どで…串刺しや崩れた岩、及び瓦礫の下敷き、F/A-18からのFAE…
>最近はダンプにはねられたり…小豆に埋もれる等々…。

―――相変わらず受難の星を宿命づけられたような生き様だな、ハジ。
…ソロモンめ。曲が変わるや否や、この私をハジに押しつけるようにして
逃げ出しおって。あれもこの地に来て以来、随分と要領がよくなったようだ。


…あら。ごめんなさいね、ハジ。
ヒールであなたの足を力いっぱい踏みにじっている?…そうだったかしら?
さっきからあなたの背に廻したわたしの爪が突き刺さる?…そうね。なにせ
私の手首から先が翼手化しているのですもの。でもしょせん非力な女の力に
すぎないわ。あなたもどうせ慣れているから痛みなんか感じないんでしょう?

ところで…気づいていたかしら。わたしはあなたが大嫌いだったのよ。
ディーヴァの花婿となれるあなたが憎らしく、妬ましかったわ。
でもわたしたちのディーヴァが母親となった今、あなたに対する憎悪も羨望も
どこかに消え失せてしまった。…利用する価値すらも。
むかし一切れのパンと引き換えに買われて来たにしては、あなたは随分と
わたしを(嫌がらせの対象として)楽しませてくれたわ。これでも感謝して
いるのよ、ハジ。

あら………そんな事より足をどけろ?一体なんのことだったかしら?








>>634 グレゴリー
>それから>>541さん、乙女にそんなこと尋ねるものではなくってよ!もうっ。

………。
………。
………。
…グレゴリー。すこし落ち着け。どうも少々頭痛がしてきたようだ。
ロシア人の血は熱すぎる。ひとたび興が乗れば森林火災のようにたちまち
燃え広がり、消し去ることなどもはや不可能であることは周知の事実だが…。

それにこの私が申し込むより先に、その手をたかだかと掲げるのは止せ。
……お前が相手だとどうにも調子が狂うので困る。小夜の相手を務めたときから
そうやってずっと待っていたのかね?…あまりそう晴れやかな顔をするな。
偉大なる長兄とこの私を持ち上げてくれるのは有難いが………。
どうもお前の家族愛は一本螺子がゆるんでいるようで、兄としては将来が心配だよ。
……急かすな。そしてむくれるな。誰も取りやめるとは言ってはおらんよ。
『ではグレゴ…―――ソ、ソーニャ。この私と踊ってもらえるかね?』

………。
しかし、『乙女』か……。
いや…この私もあまり他人の事をとやかく言う資格などないのだがね。
確かにお前の外見はあくまで可憐な少女だ。いまこの私がエリザベータの姿で
あるようにな。しかし―――どうにも二重写しのように、よりに寄って長く
髭を伸ばしたあの姿が瞼の裏によぎって消えないのだ。……ソロモンやカールが
なぜにこの私をああまで恐れたのか、ごくわずかではあるがどことなく想像が
つくような気さえする。

―――ああ、無論こうして、こころ楽しく踊っているとも。
『女だけでこうして遊ぶのも悪くはないはずだ』…だと?
小夜に語った言葉をしっかりと聞いていたのか。…どうも何故だかお前には敵わん。
この曲が終ったら一旦擬態を解き、シャトー・デュエルの酒盃でもあおらせて
貰うとしよう。

662 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/12/21(金) 02:42:17
>>636
>アンシェルの指輪って何か意味があるの?

―――失礼して一杯飲らせてもらっているのだがね。…貴方もいかがですかな?
おや…酒は苦手と仰る?…それは残念だ。さまざまな意味で。…ではつめたく
冷やした檸檬水をお持ちしよう。宴の熱気がほどよくさめる事だろう。

…この指輪ですか?代々伝わるものでしてね。片時もはずしたことはない。
―――世間向きの口実はもう充分?…ふふ。成る程、確かに。
そう。>>648でミズ・ジュリア・シルバースタインが口にしたように
青い石を護るように翼をひろげた蝙蝠の意匠の指輪だ。我々の象徴と言えるかも
しれんな。これはいかにも骨太なかたちの、いわば男物だからエリザベータの
ほそい指にでは、さぞかし皆の目に留まったことだろう。
…こうして後日、それとなくこの私の仕掛けた罠を、当の相手に気づかせる
小道具としては有効に働くよ。あとはまあ……さまざまにな。またお見せすると
しよう。








>>645 ミズ・ジュリア・シルバースタイン
>おめかししたベトナムのアオザイ姿やドレス姿もあるのだけど、
>デヴィッドに全然気づいてもらえなかったわ。
>自分でもちょっと笑ってしまうような苦い思い出ね。

―――おや…それはそれは。それにしても、ご夫君もまた見る目がない。
掌中の名花を賞賛しようともせず、今またこのように若き奥方をただひとりに
残しているとは。ならばこの私なら君にどう接するか?……愚問だ。

ミズ・ジュリア・シルバースタイン。
君にもう既に、愛する伴侶が存在するのは承知の上だ。ただその幸運な男が
この場に登場するまでのわずかばかりのあいだ、手慰みに次に奏でられる曲の
お相手をする事を、この私にお許しいただけますかな?




……むっ………!!

誰かね?背後からこの私を、よりに寄って対戦車砲で狙撃したのは。
あやうく衝撃で彼女のドレスの裾を踏むところだった。やけに正確に心臓の
あたりを狙われはしたのだが。

………。
………。
…姿が見えんな。
彼女の肩に手をかけた瞬間、確かに重苦しい中年の男の声で

「………シュヴァリエめ……!!」

と怨嗟をこめて私を罵る声を聞いたように思ったのだったが。
やれやれ、なんとも非道い目にあったものだ。礼服が台無しになってしまった。
第一彼女の肩に手をかけただけではないか。まだ指輪を抜いてその胸元に
滑らせてもおらんよ。……ひどく失敬しましたな、ミズ・シルバースタイン。
この姿で申し込んでは却って君に恥をかかせてしまいかねん。君の騎士に
丁重に御身をお返しすることにするよ。

663 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2007/12/21(金) 02:43:04
―――…曲が変わった。どうやら今夜はこれが最後の曲らしいな。
“Garde-moi la derniere danse”
これは私の国での曲の題名だが…。いわゆる『ラスト・ダンスを私に』だ。
フランスでは女性歌手の歌う曲ではあるがね。しかし本来は米国の比較的
あたらしい歌だ。足の不自由な踊れん男が、恋人を想う内容の曲だよ。

………私は最後のこの曲だけは、個人的に踊らないと決めている。
何しろ相手がここには存在しないのでな。私の余興は、今日はこれで終わりだ。
踊りはしないが…代わりにこうして皆に歌の意味をご披露する事にしよう。
この私が安易に訳したものだ。随分酒量もかさねたので、多少の間違いは
どうかご容赦いただきたい。それはまあ…以下の如くだ。




  …君は望みのままに 好きな相手と 踊り続けてくれていい
  熱を帯びた瞳で そのたびに君を抱く男が たとえ誰であろうとも

  あでやかな君のその得がたい微笑も すべてその男に 遣っていい
  蒼ざめた月の光のなか 君の手を取る男が たとえ誰であろうとも

  だが君よどうか 忘れないでくれ
  踊る君をみつめ続ける 私がここにいる事を
  最後に君の家路を護る 役目を負った男の事を

  だから愛しき君よ 最後の曲だけは せめて何処へもゆかずに
  宴の終焉 ラスト・ダンスはこの私に




  音楽は立ち昇る ワインの気泡のようなもの
  君を存分に酔わせ つかの間の享楽に浸らせるだろう
  
  だが君よ願わくば その心だけはどうか 誰にも預けないでくれ
  忘れないでほしい この私がここに居ることを
  最後に君の家路を護る 役目を負った男の事を

  だから愛しき君よ 最後の曲だけは せめて何処へもゆかずに
  宴の終焉 ラスト・ダンスはこの私に
  
  

……柄にもなく酔ったようだ。では皆様、またいずれ。

664 名前:名無し客:2007/12/21(金) 15:11:29
ヨクシュとバンパイアは違うものなの?

665 名前:名無し客:2007/12/22(土) 12:04:37
愛の為に死ねますか?

666 名前:名無し客:2007/12/22(土) 18:23:53
ぶっちゃけ沖縄編をどう評価していますか?
本音を聞かせて下さい。

667 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/12/22(土) 20:28:25
やあ、こんばんは。かなり寒くなってきたがお客人方はお元気かな?

――冷え性でつらい?

…それはいけないね。唐辛子や生姜を使った食事をとると良いのだが、あいにく
人間の料理は食べるのも作るのも不得手でね。その代わりジンジャーティーを
用意しよう。寝る前に飲むとあたたまってよく眠れるよ。



>>654
>ネイサンって結局どれくらいの戦闘能力があったの?

ネイサン?あの末っ子(この呼び方はどうも違和感があるね)は妙に力を
感じさせる男だったな。あの頑固なジェイムズでさえ、ネイサンにすごまれると
大人しく従ったものだ。僕も力を尽くして戦ったら、勝てたかどうか自信がない。
…しかしね、ネイサンの真の恐ろしさは翼種としての能力ではないんじゃないかな。
ネイサンの姿と声を思い浮かべてごらんよ。

――ほらね。
まぶたの奥に、世にも妙ちくりんな格好をした男が、くねくねと身を
よじらせながら立っているだろう?

彼はどうしてあんなフリルつきのひらひらしたシャツを着ていたんだろう?
しかもなぜわざわざ大きく襟を広げて、大胸筋を見せ付けていたんだ?
胸の谷間とやらをチラリと見せるのは女性のはずだろう!その上ズボンはピンク色だ!
既に個性で済まされる限度を超えていると思うがね。

そしてしゃべる声ときたら裏返った甲高い声で「あァ〜ら、んもぅ、いやァねェ」
などと、声も内容もまるで俗に言う『オカマ』のようじゃないか?
……いや、もしかしてそうなのか?
ああ、まあ個人の趣味をどうこう言うつもりはないがね。ネイサンにしなだれかかられて、
あのキンキン声を聞かせられたら、たいていの男は戦う前に戦闘意欲を喪失し、
及び腰になるのではないかと思うね。

668 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/12/22(土) 20:29:06
>>653
>映画は好き?見ないのかな?

映画は好きだよ。
僕が初めて映画を見たのは、パリに来た第一次世界大戦の頃だ。

これも僕が人間だった時の話だよ。もちろん映画も君が知っているようなものでなく、
目の粗い白黒の画像で音声も聞こえない無声映画だったけどね。

当時のフランス映画界は戦争のせいで衰退していたらしい。だからあまり
新作映画は公開されなかったが、パリの映画館で旧作が掛かっていることがあってね。
芸術的な作品も好きだったが、連続活劇も面白かったな。――連続活劇とは何かって?
…ああ、昔の映画の形式でね。毎週1本ずつ、10分か20分くらいのアクション物を
連続で公開していたんだよ。今の連続テレビドラマを映画館でやったようなものかな。

好きだったのは、世紀の怪盗「ファントマ」。同じ監督が撮った「吸血ギャング団」
なんてのもあったっけ。…少々刺激的な題名だね。

連続活劇は毎週観なければいけないので貧乏留学生の懐は痛んだが、それでも
先が気になってついつい観てしまうんだ。毎回、実にいいところで『続く』だったからね。

当時は映画を初めて観るものだから、何もかもビックリだったな。
暗闇の中、銀幕に映しだされるモノクロの画像。絵画と違って動き出す人間達。
声がないから台詞は全部字幕だ。フランスの日常会話のいい勉強になったよ。
教科書を読むより必死に文字を追ったからね。あんな興奮はベトナムにいたら
知らなかっただろう。素晴らしかったよ。パリも映画も、何もかもが本当に。

戦争は社会に暗い影を落としていた。それでも常に進歩し続ける科学や文化は
必ず新しい世界を創り出すと、ベトナムから花のパリにやってきた世間知らずの
僕は信じていた。

そしてその通りになったんだ。
戦争は終わり、そしてまた新たな世界大戦が始まり、その後も人間はその科学の力で
時に横暴なくらいに世界を変えていった。そうやってたくさんの変化を重ねて、
今は君達の生きる21世紀だ。

映画も随分変わったな。当たり前のように音声が聞こえるようになった。映画界の
中心はヨーロッパから米国へと移った。くるくると回る映写機やフィルムが消え、
デジタルシネマが増えた。多くのものが変わっていった。
だがどれほど変化しようと、映画は今も世界中で製作され、人々を熱狂させているね。

ただパリの片隅で、白黒の映画に夢中になっていた留学生だけが、もう、どこにもいない。

669 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/12/22(土) 20:29:52
>>655
>死亡フラグって結局これだった

それまで目立たなかった奴が急に目立つと死につながりかねない、ということだね。
ただ次回予告という言葉の意味が僕にはよくわからないのだが。最近流行ってる言葉かい?
どうもここで時代遅れの兄弟達と過ごしていると、流行語に疎くなってしまってね。
…まあいい。その語彙が特に重要なわけでもないんだろう?

話を戻すが、君の説にも一理あると思うね。地味で目立たない人物が、
妙に張り切って目立とうとするとたいてい良くない結果に終わる気がする。
身に余ることはやらないに限るんだよ。

……なんだって?
お前もジカイヨコクで急に目立った後、あの世行きだったじゃないかって?

失敬だな、君。
僕はいつも目立っていたはずだぞ。そうさ、僕はいつも兄弟の中で一番光っていた。
額がテカっている奴や、黄色い頭がキンキラしている奴や、黒光りしている奴や、
変態光線を出している奴もいたが、僕だけは正常な光を放ち続けていたはずだ。
君もそう思うだろう?



>>664
>ヨクシュとバンパイアは違うものなの?

君達人間には同じに見えるのかな?僕達は伝説の吸血鬼のように
霧にこそなれないが、翼種化するとコウモリを思わせる姿になり、
人間の血を飲み、不老不死の体を持つのだからね。

僕もシュヴァリエとなった時は、血を欲する自分のことを、吸血鬼になって
しまったのだと考えたものさ。19世紀末にブラム・ストーカーが書いた
有名な怪奇小説「吸血鬼ドラキュラ」のあらすじくらいは僕も知っていたからね。

――しかしそれから10年後の1930年前後に嫌な事件があってね。僕は翼種と吸血鬼は
同じと考えるのをやめたんだ。嫌な事件――、あまり面白い話ではないんだけどね、、
「デュッセルドルフの吸血鬼」と呼ばれた犯罪者が犯した連続殺人事件があったんだ。
あまりに凄惨な事件なので、国内外で広く知られたんだ。

その犯罪者は、被害者の血を吸ってはいない。だがその犯罪の非情さゆえに
「吸血鬼」と呼ばれた。破壊と殺戮を楽しむその異常性ゆえにね。
吸血鬼とは伝説の怪物だけでなく、世に実在する冷酷で恐ろしい人間の
代名詞でもあったのだね。

だから僕はなおさら自分を吸血鬼だと思いたくなかった。僕は高貴なディーヴァを
お守りするシュヴァリエだ。けっして忌まわしく卑劣な快楽殺人者とは違うのだと――。

…人を襲い血の甘さに酔いしれる自分におののくたびに、己を怖れなくていい、
あいつとは違うのだと、そう心の中で呟き続けていたんだ――。





670 名前:カール ◆B8Fan4z2Ks :2007/12/22(土) 20:31:25
>>656
>お祝い事や行事は好きですか?

嫌いじゃないよ。そういえばもうすぐクリスマスだね。次兄が君達と小夜に
得意なロシア料理とケーキを振舞うだろうか。

行事といえば、先ほどアンシェルが小さな舞踏会らしきものの準備をしていたね>>657
君も行くのかい?しかしひとつ注意しておかなければならないな。
額の生え際が後退して変なヒゲを生やした男にダンスを申し込まれても、
うっかり受けてはいけないよ。
…ああ、君は優しくて申し込まれたら断れないのか。それでは仕方がない。
一曲踊ったらすぐに離れて安全な場所に行くんだ。いいね、わかったね?

どうしてそんなに警戒するのかって?

だってあの男ときたら――!僕を馬肉巻きにしようとしたんだよ!>>652
僕の足がふらついているから、昔の治療法を試してみたいのだと言ってね。
あいつが「愛しい弟よ」などと言いはじめる時はろくなことじゃない!
新鮮な食用肉に全身を巻かれたからって、シュヴァリエの体に影響があるわけないだろう?
単に気持ち悪いだけだ。……そう訴えたんだがアンシェルのやつは
「私が見たいだけだ」と言って聞き入れないんだ。

だから僕も言ってやったよ。
「僕も一度でいいから、ふさふさの毛に包まれた長兄の頭が見たいものだ」とね!

――その後のことはあまり言いたくないのだが……。

しかしあの男もあれで、僕を気遣ってくれていたらしいよ。そりゃ雪も降るはずさ。
でも――せっかくのクリスマスだし、アンシェルの連日の奮闘を
「無理するなよ、ご老体」とでもねぎらってやろうかな。

君も一緒に来るかい?美味しいシャンパンを用意しよう。火の入った暖炉の前で
冷たいシャンパンを飲むのはいいものだよ。




さてシャンパンを用意しに行くので、今日はここまでで失礼させていただくよ。
…おや。愛のために死ねるか?沖縄について?……フム。お答えを考えてくるから
少し待っていておくれ。




671 名前:名無し客:2007/12/24(月) 11:30:40
SAYAの姉か妹はもしかして世界のどこかにまだ存在してる?

672 名前:名無し客:2007/12/24(月) 11:32:55
ディーヴァの妊娠を知った時の皆の反応を教えて

673 名前:名無し客:2007/12/24(月) 11:35:48
つ クリスマスプレゼント 「リアップ男性用」 

674 名前:名無し客:2007/12/24(月) 11:37:58
自分のキャラCDがでるとしたらどういう内容にする?
出てる人は更に続編って形で

675 名前:名無し客:2007/12/24(月) 13:17:14
これから昼寝するので子守歌歌って

676 名前:名無し客:2007/12/24(月) 21:44:34
アンシェルの『ラスト・ダンス』が素敵だったので、この曲をあげるね
エンヤの「may it be」
知っている方もいると思うけど、(某映画の主題歌)少しBLOOD+の世界とリンクしている。以前ディーヴァスレで貼られて知ったけど【見たい人はようつべで探してみてね】すごく感動した。

Merry Christmas!

677 名前:ソーニャ ◆gD.KishiHU :2007/12/24(月) 21:59:08
クリスマスおめでとう、皆さん!

今日は朝から森に樅の木を切りに行っていたのよ。>>656さんとお祝い事や行事の
話をしていたカールが、>>577さんと口をそろえてそういえばもうすぐクリスマス
だね>>670と言うものだから、大慌てでね!だってクリスマスはまだまだだわ、と
のんびり構えていたんですもの。(正教会の降誕祭は1月7日なのよ)
でもここはロシアじゃない、クリスマスは12月25日に決まっているわよね。
うっかりしていたわ。

このダンスホールにぴったり合った、大らかで伸びやかな美しい枝ぶりの木を
探すのに手間取って。でも、クリスマスにはクリスマスツリーがないとね。大丈夫、
ちゃんと良い木を見つけて帰ってきたわ。――わたしは翼手、木を切り倒すのに
斧なんていらないもの。腕の先をちょっと翼手化すれば、それで用は足りたわ。
あの程度の木を担ぐくらい何でもないことよ。

ダンスホールに樅の木を立てて、光る玉や綿の雪、金銀モールを飾りつけて。
てっぺんに星を飾って、仕上げにろうそくを灯せば……出来上がり!ふう、何とか
間に合ったわ。お客様方にも手伝っていただいたおかげです。



>>606
>春夏秋冬でどれが一番好きな季節?

雪に降りこめられた森は空気が冷えて澄んでぴんと張りつめていて、本当に静か。
けものたちも皆眠っていて、時折どさどさと木に積もった雪の落ちる音がするだけ。
それはそれで好きなのだけど……でも、春を迎える喜びといったら!

自然の女神がほほえむと、道がぬかるむ。雪が消えて、屋根が乾く。樋の中を
雪どけの水が音高々とながれる。外に出てみると、土が匂う。つぐみが歌う。
ネヴァ河の氷がとけ出した。といっても河幅三分の一位しか河の流れは見えず、
あとはまだ氷に鎖されている。四月の太陽が笑いだす。復活祭が始まる。

祭りの前には四週間の斎戒、一片の肉も口に入らない。いよいよ当日には、みんな
着飾って教会に行く。店も夕方には閉めてしまい、救世主の復活を待つ。いよいよ
12時になると、イサーク寺院の高い屋根に大きな燈明がもえあがるのを合図に、
ペトログラード中の教会の鐘という鐘がいっせいになりだす。復活を祝ってもてなし
もてなされ、贈り物をして、ごちそうをお腹いっぱい食べるのよ。

これがわたしの故郷の春。

678 名前:ソーニャ ◆gD.KishiHU :2007/12/25(火) 03:42:51
ああ音楽が始まったわ>>657。舞踏会の始まりね。

体に柔らかくまとわりつく白いオーガンジーのドレス、スカートはふんわりした
シルエットがチューリップみたいで可愛い。大きく開いた背中をリボンで編み
上げてあるの。似合うかしら?髪飾りを落としたりしないかしら?誰にもダンスに
誘っていただけなかったら?ああ、緊張してきたわ。だって社交界デビューを
控えた乙女が緊張するのは当たり前でしょう?

――冬宮の舞踏会で皇后相手に踊っていたくせに?
よくご存じね。でも嘘は言ってないわよ、「ソーニャとしては」はじめて。
ソロモンやカールなら、わたしを壁の花の恥辱から救ってくれるでしょうけど。
でも、御婦人がたの熱い視線が……あれでは弟達はお客様のお相手で手一杯、
とてもわたしの番は回ってきそうにないわね。
あ……。>>659長兄!小夜の、あと……。はい、おとなしくお待ちしていますとも。


>>661 リーザ(アンシェル)
>ではグレゴ…―――ソ、ソーニャ。この私と踊ってもらえるかね?

リーザお姉さまっ……!
お姉さまの胸……お姉さまの腕……嘘ではないのね、今わたしを抱いて踊って
いるのは、まぎれもなくリーザお姉さま!

――そんなにほおをばら色に染めて、目をうるませて見つめるな?
だってわたしのはじめての相手がお姉さまだなんて、胸がいっぱいで……言葉が
上手にでてこないんです。申し込まれる前に手を揚げるような不躾なふるまいを
してしまって……わたしったら。恥ずかしいわ。

>―――ああ、無論こうして、こころ楽しく踊っているとも。

よかった……。『女だけでこうして遊ぶのも悪くはないはずだ』そうよね?
でもね、皆お姉さまとわたしを見ているんだけど……ソロモンは微笑みながらも
妙に顔をひきつらせ、カールは顔を空豆色にして何やら叫んでいるようだわ。
……ダンスはやはり紳士と淑女で踊るのが、見た目にも美しいということかしらね。
それなら――。

679 名前:グレゴリー ◆gD.KishiHU :2007/12/25(火) 03:49:01
これならいかがでしょう、姉上。

――お慌てになるな、女性用ステップに切り替えて。わたしがリードしますから、
身を任せて……大丈夫。流石姉上、直ぐに立て直された。……ああ、客人方の
どよめきが。ソロモンは笑顔のまま石になり、カールにいたっては泡を吹いている。

――そんなに腰を抱くな?貴女の柳腰を抱きよせなくては、折角のワルツが台無し
ですよ?周りはいいではありませんか。パートナーを、わたしだけを見つめて、姉上。
雪花石膏の肌、天狼の宿りし青い瞳。今宵の貴女は、百花も色を失うほどに美しい。

もう曲が終わってしまった、この手を放すのが惜しい。されど名花を独り占めするは
無粋、せめて手背に別れの御挨拶を。今宵は降誕祭、貴女が神を信じぬのは承知して
おりますが…。永遠にいとおしい御身のうえに神の恩寵のあらんことを。



少々喉が渇いたな。一休みして飲み物をいただくとしようか。

>>635
>女性に擬態するって何か変態チックな気がしない?

左様ですか。わたしは見ての通り、長兄も>>587氏の指摘通り昔からたびたび
婦人に擬態してこられたが……変態。人間である貴方にはそのようにみえますか。
御存じの通り人の血を飲みほすことで、わたしたちシュヴァリエは相手の血と肉体と
記憶を取り込むことができる。そして自分の肉体を相手の姿に変えることができる。
これが擬態。

680 名前:グレゴリー ◆gD.KishiHU :2007/12/25(火) 03:59:34
>>635(続き)

――むかしむかしある村に、ひとりの少女がおりました。学者の父と二人暮らし、
父の学問を助け母代りに家事をこなし勉学にもはげむ、みずみずしく愛らしい娘でした。

ある日突然、家に銀髪の青年が運ばれてきました。父の研究仲間であるその青年は
深い傷を負っており、少女はそれはまめやかに手当をつとめました。
少女と父と青年は、三人で暮らすことになりました。

冬――春――夏――ひとつ屋根に暮らす三人の上に季節はめぐり、青年の傷も
癒えてゆきました。

少女は青年を、いつしか慕うようになりました。青年は少女にいつも優しく、父と
議論を戦わせ部屋に閉じこもり書きものに励む合間に、薪割りや水汲みなど少女には
骨の折れる仕事を黙ってこなし、少女に勉強を教え、父の研究について分かるように
噛み砕いて話してくれました。
青年は少女のまっすぐな瞳を、密かにおそれておりました。「今は無邪気にわたしを
慕ってくれるこの娘も成長し大人になり、村の若者と恋をするだろう……」
そして子を産み子を育て、老い朽ちて死んで土に還る。それが自然の摂理です。
でも、青年は老いることも病むこともない身でした。青年は、人ではなかったからです。



そんな時、相手を永遠に独占できる、もはや失うことを怖れなくともよい力を得た
としたら……貴方が青年だとしたら……誘惑に抗うことができますか?

わたしにとって擬態するということは、体内に流れる、取り込んだ相手の血のささやき
に耳をすませるということ。相手の記憶に寄り添って、孤独に冷えた骨をあたためると
いうこと。>>527氏に訊ねられたが……これこそ翼手の最大の業かもしれぬな。


――少女と青年、結末はどうなったのか?……さあ……どうだったでしょうか。

681 名前:ハジ ◆Hagi/./Mb2 :2007/12/25(火) 23:56:27
ああ…すみません、>>620さん…もう大丈夫です。
思わぬ相手>>661とのダンスに禿げ酔……人酔いをしただけですから。
……Joyeux Noël(抱)フランス語のメリークリスマスです。

>>673
…アンシェルへの品ですか…ええ、説明は不要です、すぐに解りました。
彼を気遣う方がいるとは、なんと嘆かわし………喜ばしい事でしょう…。
そんな貴方の御厚意に甘えるようで恐縮ですが…これらの品もどうか彼等に
渡して頂けないでしょうか。…これはアンシェルに…育毛促進にはシャンプーに
カフェインを加えると良いそうで…試供品のシャンプーに、謝花さんの珈琲を
ブレンドしたものです…。

カイにはBUCOのジェットヘルを…ビンテージ物ですので安全性は保証しかねます。
ディーヴァ、ミン、エリザベータ、ネイサン、イレーヌ、ジュリアには高級スパの
チケット…、ルイスとデヴィッドとジョエルには日本の温泉宿の宿泊券…奏には
このピンクのティディベア、響にはシアンのティディベア…、リクとルルゥには
このゲームとジャパニメーションのDVDを…。

こちらはグレゴリーに……タキシード一式です。先程は折角の白いオーガンジーが
無惨にも引き伸ばされ…大きく開いた背中のリボンがいつ千切れYour shockるかと
気が気ではありませんでした…。次からグレゴリーの姿でダンスをする際は必ず…
これを着用するように…と、どうかお伝え下さい…。

正常な光を放ち続けているらしいカールには…このハジレンジャーの衣装とMEIJI
SEIKAと書かれた箱に入った菓子を…。>>516の歌詞の謎を調べてみた所、おらが村
と呼ばれる場所が…この世界のどこかにあるようです。…彼の故郷でしょうか。

ソロモンにはキュヴェ・シュヴァリエと、度し難い砲の仕返し……いえ、お返しに…
ショパンの子犬のワルツ、グリーグの抒情小曲集、サティのJe te veux、リストの
雪嵐等の楽譜、北大西洋産の天然本マグロと、サンタフレッシュコールドを…。

そして…御客様にはリセ・ドゥ・サンクフレシュ原産のこの紅い薔薇を一輪づつ…。

…………?
どうしたのです、サヤ。
アンシェリーザと踊り…まだ落ち着きませんか、………薔薇?
…いつも通りサヤの御部屋の鏡の前に…ピンクの薔薇を届けましたが…。
ああ…薔薇が指輪を付けていたと……最近のサンタは粋な計らいをするものですね。
…………………。
サヤ、袖を………放して、これでは何も弾けません…。
♪ Adeste fideles

………では…私はこれでお暇させて頂きましょう。
雪が降る前に行かなくては…。急な事で大変申し訳ないのですが…
初代ジョエルのお供で、遠く…御屋敷を離れなくてはなりません。
……動物園と…この場で共に過ごした方々へ…心からの感謝を捧げます。

皆さんと新しい年に、神の祝福と御加護を…………Joyeux Noël。


682 名前:サヤ ◆Saya/QuGEs :2007/12/26(水) 07:19:28
>>657-663 アンシェル

何を考えてるの?私の手を引いたと思えば誘い出して
浮かない顔をしてる?そうね、そうかもしれない
だってハジやソロモンやカール、アナタやグレゴリー…
いつも女の子のお客様に慕われているもの。
家族のように、友達のように、私も女の子のお客様と遊びたかった。
沖縄の香里、ベトナムのミン…彼女達はどうしてあんなに
可愛い笑顔ではしゃげるんだろうね。
羨ましいなって、彼らが女の子に慕われるたびに思う。
でも…どうすればいいのか、わからない。
気持ちを上手に伝えることもできているのか自信がないの。
――あまり、ハジをいじめないでね?
グレゴリーもソロモンもカールも、そしてアンシェル…あなたも好きだよ。
だって私の大好きなディーヴァと姪っ子達を守る騎士だもの。
それは今でも代わりのないことよ。

>>681 ハジ

……私や皆に贈り物をして、私にお返しをさせてくれないの?
この指に着けた指輪がお返し?――ふふ、ウソツキね。
そろそろ行きましょう、ハジ
ずっと果たしたかった夢……絶対に叶えられないと思っていたもの。
あなたと一緒に世界を旅するの、執着点であなたにお返しをあげるわ。
何かは秘密よ――動物園の頃から少しも変わらないのね。
瞳を細めて微笑むその顔、優しくて愛しいの。

さあ、準備しなきゃ――でもその前に少しだけ。

神様がいるならどうか叶えて下さい。
どこにいても、どんな場所でも皆が楽しく笑っていることが
私にとって一番の贈り物なの。
今がどんなに辛くても、必ずその先に優しい気持ちが待っていますように。

アンシェル、動物園の鍵はあなた達に預けるわ。
今までありがとう。元気でね?

683 名前:名無し客:2007/12/26(水) 10:46:19
外は吹雪だよ。
こんな日に出かけたら遭難しちゃうよ。
ハジ行かないで。

684 名前:名無し客:2007/12/26(水) 19:05:38
>>681
おめぇ
それ切っちゃダメだろ〜〜
罰として庭師つづけるんじゃ庭仕事はときどきすりゃええから

685 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/12/27(木) 00:20:02
>>660
アンシェル兄さん!ご機嫌よう、お言葉の通りに
このようなパーティーを主催して下さって、有り難うございます。
僕も楽しみにしていたのですよ…ささやかですけれど、
少しお手伝いもさせて頂きました。貴方も、…その姿で…
ご来客を楽しませて差し上げる事に疲れたら、あれで一息ついて下さい。
す―――素晴らしかったですよ、先ほどの小夜とのダンス>>659は。

…はい?それは僕は勿論、こういう催しには慣れていますから―――
それに、ええ…勿論、いま仰った事も…全て身についていますから。

>―――…申し込みが遅い!
>いつまで私をこの場に立たせたままにしておくつもりかね?

…ええ、?
あの、ちょっ…兄さん、それは…!それは確かに、
貴方がその姿でおいでの様子はもう何度も―――けれど、こればかりは
…昔の事を思い出すというか、…古い傷を抉られる思いがする、というか…

>お前はかつて小夜を愛しているといったな。

はい、言いました…

>出会いはリセの舞踏会であったとも聞く。

…仰る通りです。

>いまここで同じ台詞をこの私に言ってみたまえ。

――――――すいません、目眩が。
…これほど…僕の心を揺さぶったのは…貴方が…初めてだ。
ええ、わかっていますよ兄さん。いつでも相手に笑顔を見せて
打ち解けたと見えたところで、気の利いた言葉のひとつも口に出来なければ。
――――――…、

僕と貴方は、相性が―――…いのですね………。

ああ(やっと)曲が終わる、……おや!兄さんほら、ハジが来ましたよ。
お相手をありがとうございました、では、また後ほど…!

686 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/12/27(木) 00:20:33
―――酷い目に遭いました。
…ああ、すみません、つい動揺してしまって。お恥ずかしい、
あまりの事に僕は彼の手を握ったまま、白目を剥いてしまった。

いいえ、大丈夫です…そんな事より…
皆さんに、プレゼントを持ってきましたよ。
手に汗握る展開のパーティーの終わりには、さっぱりして美味しいでしょう。
また、お話をしながら注いでまわることにします。

【Rose de Chevalier 2005】

比較的新しい銘柄ですけれど、これでも
特級格付を誇るシャトーの、立派なヴィンテージワインなんですよ。
とても可愛らしいピンク色でしょう…けれど口に含むととろりとして、
ぴりっと辛い大人向けのロゼです。さあ、どうぞ…
随分遅くなってしまって残念ですけれど、メリー・クリスマス。乾杯。

>>565
>ダンスパーティでは、青いバラをソロモンがさしたのはどういう意図で?

ああ、いまも僕が胸にさしている、これですか?
青い薔薇はディーヴァと、彼女を護るシュヴァリエの象徴です。

僕らは計画の一環として製薬会社を設立したあと…集めた技術を応用して、
この動物園に咲いていた青い薔薇の改良を続けてきました。
先ほど…兄さんも話しておいででしたけれど、この薔薇は
僕らのあるじの居るところでだけ株を増やします。
彼女がお目覚めのあいだ、その歌声が響くところでだけ
より大きく瑞々しく花を開くのです。ですから…これは、彼女に
その手で育てられたものの象徴でもあるのです。

シュヴァリエは、誇り高い翼手の女王の子です
僕はいつだって、彼女を母と慕っていました。そう、いつだって。
だからいつまでもこうして、胸に青い薔薇を飾るのですよ。

687 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/12/27(木) 00:21:56
>>474
>子供は好きですか?

子供は可愛らしいですね…僕は好きですよ。ご覧なさい、
あちらにいるロシア少女を。小さな背中に流れる、上品な金色の髪。
か細い腕の、雪のように白い、きめの細かい若い肌。
柔らかそうな頬は空気の冷たさのせいか、それとも
パーティーの席で高揚しているのか…ほんのり赤く染まっている。
絵に描いたような、無垢で愛らしい子供の姿です。

おや、アンシェル兄さんが…今度はあの少女をダンスに誘うようだ。
良い考えです、 彼 ならこの華やかなパーティーで

少女に向かって差し伸べられる腕、
憧れが現実のものになる喜びを隠せずに、手を取った相手を
頬を染め、潤んだ瞳で無防備にまっすぐ見つめてしまう少女
すっかり社交界で擦れたご婦人とは違う、純粋そのものの少女

…を、完璧に演じてくださるはずですから。

ご覧なさい、始まりましたよ…女性に対する礼節も、
手の中で弄ぶ遣り方も知り尽くした立派な紳士の指が
彼女の小さな手をいとも簡単に包む。
彼女の華奢な腰と、抱き寄せる力強い腕の間から柔らかくしなってこぼれる
金色の長い――――――……!? 

>>661
>『女だけでこうして遊ぶのも悪くはないはずだ』
 
何ですかあれは?

……あ…はい?あれが却っていいんじゃないかと仰る…?
あの倒錯的なさまが彼らの魅力なのだ、と?いや…それは確かに…ですが
おや、皆さん今度は何を騒いで――――――ああ、

>>678-679
>これならいかがでしょう、姉上。

神よ。

688 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/12/27(木) 00:22:50
>>527
>翼手の最大の業って何だとおもう?

それはさまざまでしょうね…
シュヴァリエになったからといって、生まれ持った人間の業が
消えてなくなるわけではありません。むしろ長い時を生きるなかで
水増ししてしまうものさえある。けれど…最大の業?それは…

間違いない、あれですよ。兄さん達はずるい、そう思いませんか?
この世界で、最もフェアでないのは誰か?それは彼らだ。
あのようにいとも簡単に姿を変えては、
ご来客に泡を吹かせて楽しんでおいでなのですから。

だからご来客の口から、あのような言葉が>>523出るのです。
僕らをいたずらに冷や冷やさせて、業深いといったらありませんよ…それに
美しくなりたいといっては努力を積まなくてはいけない人間にとって、
あれほど不公平な存在はないでしょう?かと思えば…

ダンスの終わりに相応しい、
彼の心を占める歌のひとつをいい声で読みあげて…或いは、
切なく心を締め付ける昔話を厳かに口にして
ご来客の視線を釘付けにしてしまうのですからね。

決して誰も罪深い彼らを、責めることが出来ないのです。


>>564
>自分の一番信頼する人とある日身体がいれかわってしまったら、どうする?

どうするもこうするも…、それは例えばこういう事でしょうか。
…ごほん、

―――何。私は別段困らんよ。この通り、困っているように見えるかね?
見てくれと声色がまるで合っていない?ふん、些細な事ではないか。
こと私に関して、今更騒ぎ立てることもあるまい…寧ろこれは
実に興味深い現象だ。そもそも…、何?何だねソロモン話なら後で―――
……………
……………
ソロモン!!?


―――あら!なんて事かしら、わたしのこの体。ちょっと、
ソロモンいらっしゃい大変よ!あら、あなたソロモン?いやだ、
わたしがソロモンの声で喋ってるわ…気持ち悪い
―――…いや、そんな事より…これはどういう事だ、
お前はどうしたらいいと思う?これではお前が困るだろう。


これで間違いありませんか?…何を驚く事があるのです、
僕は彼らの弟です。兄の口調を真似る事くらい容易な筈ですよ。
おや、冷やりとしましたか?人の事は言えないんじゃないか、と仰る…?
はは、そうですねえ…それは御免なさい、
けれど仕方がありません、僕も罪深い翼手の眷族なんですからね。

689 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/12/27(木) 00:24:26
>>547
>好きなピアノ曲を教えて下さいな

ピアノ曲…とはすこし違うのですけれど、近頃はパーティーの為に
この曲の伴奏の稽古をしていました。

【聖歌第106番 あら野のはてに】

懐かしい…皆さんの耳にも馴染みの深い曲でしょう?
クリスマスといったらこれですよ。さあ、一緒にどうぞ。

♪Gloria, in excelsis Deo!
 Gloria, in excelsis Deo!

…彼女の歌声が…冷えて冴え渡った大気を震わせて、
凛と響くさまを思い出します。最後にあの歌声を聴いたのは、
いつだったかな…彼女は、幸せな夢を見ておいででしょうか。
―――さようなら、クリスマス。今年も、終わってしまうのですね。


>>553
>小夜とハジはいつから両思いになったの?

何ですって…?そんな事、僕は知りませんよ。
僕が初めて会った時の彼女は…恋なんてまだとても知らない、
ほんの少女に見えましたから。それから後も、
彼女はご自分に課せられた「使命」にただ一途で…そんな事はおろか
彼女自身がこの先、幸せになる道すら目に入らない様子でした。

彼女はこちらへおいでになってから、随分…以前より、
女性らしくなったように思います。それにお幸せそうだ。
それが何を意味するのか、…そんな事、僕は知りませんよ。


>>554
>好きな人ことを思い浮かべながら惚気てください

おやおや、こんな夜に僕が一人でそれはあまりにも―――いいえ、
ご来客のあなたがそれを望むのでしたら、構いませんよ。そうですねえ…
僕の好きな人は、まっすぐなきれいな瞳をしていて…何も知らないひよこのようで、
あの大きな目に見つめられでもすると、そのまま…
それこそ七階層ある天国の、一番上まで
ふわふわと上って行ってしまうくらいの幸せです。

はは、こんなことを言っているとハジが渋い顔をするかな。
ここの所、彼とあまり顔を合わせていませんから…
彼を揶いに行きましょうか。例の魚のお礼もまだですしね。
それにもうこんな時間だ、…外が吹雪いているようです、
風が窓を叩く音がする。

690 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/12/27(木) 00:25:23
おや、ハジ。>>681
どうしました、それは。ご来客に、クリスマスプレゼントですか?
は…?僕に?どういう風の吹き回しですか。他の皆さんには、もう
贈り物を渡して挨拶をしたからと仰る…、はは、何の話です?

ここを…出るのですか?

…おやおや、ハジ、そんな今生の別れのような事を。
僕はね、いまご来客とお話をしたばかりなんだ…君の姿が見えないと張り合いがない、
子供じみた意地の張り合いをするのが僕は楽しいんだとね。
君はどうだったか、それは知りませんけれど…、…あんまり急ではないですか。

四の五の言わずに受け取れと?…おや、これは酷い
それに…何ですかこの巨大なまぐろは。度し難い。あとは何です、…サンタ……
これは、ひどい。ひどく懐かしいじゃないですか…ありがとう。

けれど、ハジ…僕が譜面を読めるようになったのは、ほんの半分は
君のチェロが羨ましかったからなんですよ?それにこのスコアは…
僕の手には余る。良い先生がいないととても弾きこなせはしません…、
どうしても、行かなくてはいけませんか。>>683さんも、ああ仰っていますよ?

…困ったな…それに僕は君に差し上げるものが何も無い。酷い話だ、
ここを出ると言うかたに渡す餞別がないなんて、恥晒しもいいところ―――ちょっと、
ちょっとお待ちなさい。急ぐのなら、これを持って行くんです。
ええ、つまらないただの鋏ですよ。けれど大事なものなんです、僕がまだ
お庭と呼ばれる場所に居た頃からの…

君はもう知っているかもしれませんけどね、切り花をどれだけ長く
綺麗に咲かせてやれるかは…鋏の入れ方で変わるのです。枝に残す葉の選び方も、
間違ってはいけません…ああ、やはり知っている?それなら

どうかこれで彼女の為に
真っ赤な百合を、彼女の好きな色に咲いた薔薇を摘んで下さい
そしていつか…彼女の喜ぶ顔を君と一緒に見たこれを
君の手で僕に返して下さい。

691 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2007/12/27(木) 00:27:16
>>682
ああ、小夜。貴女もお出かけですか?こんな吹雪の中?
…ハジと一緒だから平気、…そうですか。

おやおや、僕らは彼を虐めた事なんて、これまで一度だってありませんでしたよ…
僕はもう、自分が小さかった頃の事なんてあまり憶えてはいませんけれど
男っていうのは得てして、子供の時分からずっとこんなものなのです。
心の底では尊重していても、素直におもてに出さないんです。照れくさくてね。

ですから…貴女にだけ本当の事を言うとね、僕は彼に感謝しています
いつでも彼の事を羨ましいと思っているし、彼を尊敬してもいます

彼がここを出ると言ったら、貴女もついて行ってしまうのだろうと思いました
貴女がたは…あの、お屋敷の扉の外を覆う一面の白い雪の上に
並んで新しい足跡をつけながら、歩いておいでになるのですね?
外は吹雪いて寒い、お気をつけて…そうだ、貴女に渡すものがあるのでした

【MOLINARD FEUILLES DE ROSE】

プロヴァンスに昔からあるお店の香水です。あまり名高い高価なものより、
貴女には慎ましやかなこの香りの方がよく似合うと思ったものですから
外は寒いですけれど、これが貴女の周りをふわりと漂えば
暖かい気持ちがするような、そういう香りがするものですから。

今度こそ、まだ人間の手の至らない美しいものをその目に沢山映して下さい
その光景が気に入ったら、花開くように笑って下さい

貴女がお幸せでありますように。それが、僕の幸せです。

692 名前:名無し客:2007/12/27(木) 21:14:52
ハジも小夜もいなくなってしまうの?
アンシェルとソロモンやソーニャやカールは居なくならないよね?
デビッドやイレーヌやカイやリーザはどこへ行ったの?

693 名前:名無し客:2007/12/29(土) 03:06:08
今までの人生の中で、最も美しい、と思えたものはなんですか?

694 名前:名無し客:2007/12/31(月) 10:15:37
>>693
>>421と質問被ってるよ

695 名前:名無し客:2008/01/01(火) 00:04:17
カウントダウン!

3、2、1……

A HAPPY NEW YEAR,明けましておめでとう!!

696 名前:グレゴリー ◆gD.KishiHU :2008/01/02(水) 00:16:04
С НОВЫМ ГОДОМ.(明けましておめでとうございます)
>>695氏、早速新年の御挨拶をいただきまして、ありがとうございます。
この場を賑わして下さる名を持たぬ客人の皆様、名を持つ美しき客人、そして
わたしの家族。今年もよろしくお願いいたします。


タキシードとやらを着てみた。慣れぬ装いで少々面映ゆいのだが、ハジからの
贈り物とあっては袖を通さぬわけにはいくまい。……肩幅も丈も合っている、
彼の愛用していた品のようだがよく手入れされており、生地も傷んでいない。
持主の人柄がうかがわれる……。それにしても彼も人聞きの悪い、

>>681
>先程は折角の白いオーガンジーが無惨にも引き伸ばされ…
>大きく開いた背中のリボンがいつ千切れYour shockるかと
>気が気ではありませんでした…。

客人の誤解を受けるではないか。「グレゴリーはリーザと踊っていた時、実は裸
だったのか?」と。長兄に恥をかかせるような真似が出来るものか。きちんと
カソックを纏っていたというのに。まったく……。

>………では…私はこれでお暇させて頂きましょう。
>雪が降る前に行かなくては…。急な事で大変申し訳ないのですが…
>初代ジョエルのお供で、遠く…御屋敷を離れなくてはなりません。

よりによってあんな夜に急いで旅立つこともあるまいに。クリスマスパーティも
そこそこに、吹雪の夜に、>>683氏の制止も振り切って……心の整理も何もあった
ものではない、餞別も何も用意出来なかった。とっさにわたしの毛皮の外套を
着せかけるのが精一杯だった……。

ここ動物園に引っ越してきた折りに10トントラックで撥ね飛ばしたのに始まり、
つい何やかやと辛く当たってしまったが……わたしは、彼のことを好いていたのだ。

わざわざ言わなくても、ひとつ屋根の下にいるのだから……そう思っていた。
まさかこんなに急に別れの日がくるとは、夢にも思わずに。
抱きしめて彼の頬に贈った別れの接吻が、気持ちを伝えてくれているといいのだが。

697 名前:グレゴリー ◆gD.KishiHU :2008/01/02(水) 00:18:47
>>682
そしてサヤも、ハジの後を追うように旅立ってしまった。あの濡れた唇と瞳を
みては、とめてもとまるものではないことは一目で分かった……。
大慌てで弁当と蜂蜜入りの熱い紅茶を持たせ、わたしの秘蔵の品だった銀狐の
毛皮の襟巻きを彼女の首に巻いて……笑って送り出すしか出来なかった。

……あれから彼女は、ハジに追いつけただろうか。
今頃は共に寄り添い、歩いているのだろうか……この一面の雪原を。
……寒い思いを、していなければよいのだが。

昔敵味方として血を流した間柄でありながら、ここ動物園で生活を共にするうちに、
わたしはいつの間にか……彼らのこともまた、家族のようだと感じるようになって
いたのだ……。

ハジ……サヤ……どうか、元気で。



>>692
>アンシェルとソロモンやソーニャやカールは居なくならないよね?

――これは失礼。貴方を不安にさせてしまったようだ。わたしの兄弟の意思を
代弁することは出来ませんが……少なくともわたしは、今年も「動物園」を訪ねて
下さる客人方を、精一杯おもてなしさせていただきたい所存。

今日は雪も止み良い天気になった、よろしければ外に出られませんか。雪合戦も
よし、雪だるまもよし、ソリ遊びもよし、凍った池で氷滑りもよし。
貴方がお望みならば、お相手させていただきましょう。

698 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/01/02(水) 02:29:07

  ぱんっ 


こんばんは。うるさくしてしまったかしら。
グレゴリーに習って、ピロシキを作っていたのよ。
生地も具もほぼ完璧に作り上げたはずなのに、揚げ湯に入れた途端、破裂したの。
小麦粉の膨張率までコンピュータで計算したのに、おかしいわ。
皆さんに食べてもらうのは次回以降になりそうね。



>>637( (´・ω・`)ポシューン )
あら、しょんぼりしてどうしたの?…さ、この椅子にお座りなさい。
今はこのお家の人達はみんな忙しいみたいなの。
だから少し時間が掛かるかもしれないけれど、きっと優しいお返事が聞けると思うわ。
ホットミルクをあげましょうね。
いい子にして待っていてね。



>>638(ムッシュアンシェル)
議論好きな人とお見受けしたわ。
それで好敵手となり得る人物を見つけては、肺腑をえぐるような問い掛けをして試すのね。
討論が得意な人らしくシニカルな思考の持ち主のようね。そして勇敢な人だわ。
辞去を告げながら去りもせず、恐ろしい質問の返答を待ち続けているんだもの。

―――赤い盾の人間として警告させて頂くわ。
ここはセキュリティは万全だけど、実はとても危険な場所でもあるのよ。
物騒な人物の剣呑な答を聞く前に、大急ぎで逃走した方が、貴方には正解かもしれないわよ?


699 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/01/02(水) 02:30:15
>>653(映画)
『不都合な真実』や『華氏911』などのドキュメンタリー映画は嫌いじゃないわ。
世界でいかなる事件が発生しているのか、ニュースよりも深奥にあるものを見せてくれる。
時として、見世物的で過剰な表現はあるけれどね。

フィクションは少ないわね。
なぜなら私がラボ(研究室)で目にするのは、作り物ではない、謎と神秘に満ちた
現実だからよ。
私は人が人でなくなっていく瞬間までも、目の当たりにした。
あれを見たら、研究者なら誰でも感動に背筋が震えるはずよ。
脳の隅で「当人にとっては残酷なことである」と、理解はしていても。



>>654(ネイサン)
遺憾だわ。
その名のシュヴァリエとの交戦記録はないのよ。
だからデータはなにひとつ未取得なの。
他のシュヴァリエ達から聞き取った内容だけでは、不正確で事実誤認の怖れもあるから、
私から見解を述べるのは控えさせて頂くわね。


700 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/01/02(水) 02:31:17
>>655(死亡フラグ)
ジンクスなんて、正確なデータも取っていない、アバウトなものが多いのよ。
迷信に囚われない方がいいわ。
少しばかり脚光を浴びたことが、死に直結するなんてあり得ないもの。
その証拠のひとつとして、私は生き残ったでしょう?

それでも、私も時折考えずにはいられない。
人間より遥かに強大なはずの翼種が死に、彼らに敵対した赤い盾の主要スタッフが
生き残ったのは、何かの意思が介在したのではないかと。
人知を超えた何か―――。

………まさかね。
そんなことがあるはずないわね。



>>656(お祝い事)
嫌いじゃないわ。
細密な研究で神経を磨耗するような日々が続く中で、ちょっとした気楽な行事を行うでしょう?
すると脳がクリアになった気がするの。
気分がリフレッシュされるのね。

クリスマスが終わって、次は新年のお祝いね。
そろそろ解析用のコンピュータから離れて、ニューイヤーパーティーの準備をしに台所に
行こうかしら。
グレゴリーは私の調理作業への参加を許可してくれるかしらね。
私の推測によると、掃除を頼まれる公算が高いけれど。

701 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/01/02(水) 02:32:23
>>664(バンパイア)
伝説上の怪物と、現実に存在する彼らを一緒にしてはいけないわ。
でも、せっかくだから考察してみましょうか。

一致する特徴は、人間の血液を栄養源とすることと、老化の停止と、肉体面の大幅な強化。
そして変身能力。シュヴァリエに限っては蘇った死者であることも類似してるわ。
吸血鬼と違って、翼種は太陽光を浴びても灰にはならないけど、対となる女王の血で
石となるのだから、そこも似ていると言っていいかしら。

こうした幾つかの共通点から世界各地に残る吸血鬼伝説は、かつて存在した翼種の痕跡
かもしれないと、赤い盾でも論じられたことはある。
でも民間伝承と、実在する翼種を安易に結び付けるには判断材料が少なすぎて、解は
得られないままだわ。



>>665(愛の為に)
軽率に生死を論じたりできないわ。
でも………そうね。
私を庇ってデヴィッドが凶弾に倒れたあの時。
どうして彼を押しのけて、この体に銃弾をめり込ませなかったのかと、本気で後悔したわ。
たとえこの命を失ったとしてもかまわなかった。

それを愚かな女の自己満足と言わないでくれるなら、私も愛の為に死ねるってことね。


702 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/01/02(水) 02:34:35
>>666(沖縄)
サヤが沖縄で暮らしていた頃の話?
どうだったかしらね。
私の個人的な記録だけど、当時の箇所を読んでみましょうか。
でも話の内容について、真偽は保障しないわよ。
機密事項に抵触する事柄については、フェイクも入れさせてもらうしね。
情報管理に厳しい仕事なので、いたしかたないの。悪いわね。


〜2005年夏 沖縄市 コザ〜


強い陽射しの下、義兄のオートバイに乗せられて、少女が来院した。
氏名はサヤ・オトナシ。私の専属の患者だ。
もっとも専属なのは主治医である私だけではない。
病院にカモフラージュされたこの建物全体が、サヤひとりの為に用意された医療施設だ。
ただしその目的は、サヤの治療でなく、監視と研究にあった。
記憶を失っている少女は、ためらいがちな微笑みを浮かべ、診察室に入ってくる。
その姿は、正体を聞かされている私の目にも、人間の娘にしか見えなかった。

通常のメディタルチェックを済ませ、いつもの点滴を施す。
サヤが目覚めてからほぼ一年。彼女は一般的な高校生として暮らしている。
見た限りはどこにも異常な部分はない、ただの娘だ。
しかし私が属する赤い盾にとっては、現在のサヤの状態が正常ではないのだった。

カルテを書き終え、サヤが横たわるベッドに歩み寄る。
「音無さん」
名を呼んで、間仕切りのカーテンを開けた。
「気分はどう?何か思い出しますか?」
信頼できる主治医、という印象を崩さぬよう、普段のそっけなさを隠し、努めて穏やかに話しかける。

「特に、なにも」
心持ち、瞳を揺らしてサヤが答えた。
依然として何も思い出せないことに、不安を感じているのだ。
こちらとしても、一刻も早く記憶を取り戻してもらうことが望ましいが、言葉で追い詰めては
かえって逆効果だ。
「そう………では、点滴が終わるまで、安静にしていてくださいね」
焦らなくて良いと言外に告げる。
サヤは「はい」と答えたが、納得したかどうかはわからない。
カーテンを閉じて、ベッドから離れた。

デスクに戻る。
カルテの毎回変わらぬ「異常なし」と書かれた診察結果の下に、輸血した血液の量を記入した。
サヤには点滴用の薬液だと言ってあるが、点滴バッグの中身は実は輸血用の血液だ。
サヤの体は定期的な輸血を必要とするのだった。または定期的な生き血の摂取を。

記憶が戻らないのは、経口で血を摂取していないからか。それともシュヴァリエの不在に
よるものだろうか。
おそらくは後者だろう。
赤い盾の記録では、サヤは目覚めた時に必ず従者の血を口にするとあった。
今回はシュヴァリエが傍に居らず、必要な手順を踏まなかった為に、サヤは記憶と本来の能力を
失っているのだと推測できる。
ならばシュヴァリエの血はどのようなメカニズムで、あるじを覚醒させるのだろうか。
学術的な興味は尽きない。

私が赤い盾の仕事に従事できるのは、恩師であるコリンズ博士の引き立てによるものだ。
博士のおかげで、私はこれほどまでに稀少な生物を観察し研究することができる。
研究者として実に得がたい経験だと思う。

しかしこの途轍もない研究結果を記した論文を、私達が学会に発表することはあり得ない。
仮説も理論もすべて闇の中に葬られる。
だがそれがなんだと言うのか。
たしかに研究者の中には名誉や名声のために成果を上げたいと願う俗物もいる。
分野の頂点に立ち、社会に認められ、他者を見下すことを願って研究にいそしむ輩だ。

でも、私やコリンズ博士は違う。
真実の探求、それ以外の何物も求めはしない。
私達の科学への姿勢は、崇高かつ禁欲的だと自負している。
冷徹な知と共に、崇高さを併せ持つ科学者だけが、禁忌を犯し、未知の領域に踏み込むことを
許されるのではないだろうか。
そして赤い盾の目的が人類の救済であるのならば、この脅威の生物の生態を究明して、
責められるいわれなどあるわけがない。

ふと、先のカルテが目に入る。機械的に氏名欄に記入された文字を読んだ。
「音無小夜」
偽りの名前。偽りの診察記録。この私も、サヤの偽りの主治医だ。

私は記憶のないサヤを欺いている。
自らを平凡な高校生だと信じている彼女を、患者としてではなく、研究対象として冷徹な眼差しで観察している。
それでも先程のサヤの揺れる瞳を思い出すと、彼女にも人格と尊厳があるのではないかと、
胸の奥でかすかにささやく声があった。

しかし耳を傾けてはいられない。
研究対象であるサヤへの、好意や憐れみや同情は冷静な判断を狂わせる元となる。
真理は時として、非情で冷酷にならねば得られないものなのだ。
そう己に言い聞かせ、私は赤い盾への報告を書く為に脳を切り替えた。
報告書に書き連ねた事務的な文字の羅列に、胸の奥のささやき声は消去されていった。

この診察の後、サヤはコザの街中で行方不明だったハジと再会した。
その日を境にして、サヤのカルテに「異常なし」の文字が並ぶことは無くなった。



703 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/01/02(水) 02:35:40
>>671(SAYAの姉)
考えられることではあるわ。
SAYAの姉でなくても、他の翼種が世界の何処かに生存している可能性はある。
>>664さんへの返答でも言ったように、民間伝承の吸血鬼は彼らの目撃談が形を変えて
残ったものかもしれないしね。
もし、実際に未発見の翼種が生存していたら、私達赤い盾はどうしたらいいのかしら。
おそらくその時にならないと答えは出ないでしょうね。



>>672(妊娠)
シュヴァリエ達の反応は知らないので、私が知った当時のことを。
ディーヴァの担当医となった私は、MRIの画像でディーヴァの胎内にいる2人の胎児の存在を知った。
あの時も、その後の空軍基地での診察でも、ディーヴァが母親の微笑みを浮かべていた。
翼種の本能のままに生き、人間にとっては恐るべき生物である翼種、ディーヴァ。
その彼女が、自分が孕んだ子供に対して純然たる愛情を感じていたのよ。

ディーヴァの姉、サヤは翼種の本能を成長過程で身につけた理性で抑えていた。
でも、同属と戦っていたサヤも、宮城家の人々を家族と呼び、心を通わせていた。
守りたいと思う相手が違っていただけで、翼種の女王達は愛を知っていた。

その時、思ったの。

では私は―――?
仲間である赤い盾を裏切り、研究の為に敵陣営に留まり、人間の倫理観から大きく外れた
道を進んでいる女。
そんな私に、翼種を怪物と呼ぶ資格があるだろうか、と。



704 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/01/02(水) 02:36:14
>>674(キャラCD)
私の声を記録したCD?
そんなものを欲しがる人がいるとは思えないわ。
でも………そうね。
もし可能なら機密に抵触しない程度に、赤い盾の歴史や実情について語りたいわね。
デヴィッドやルイスについても、話せることはたくさんありそうなの。
でも、本人達に嫌がられてしまうかしらね。



>>675(子守唄)
歌は得意じゃないのよ。
でも、よく眠れるように本を枕元で読みましょうか。

そうね………「あかずきん」や「人魚姫」なんてどう?
どちらも子供の頃はよく読んだ童話なのよ。…私に童話なんておかしいかしら。
シンプルで起承転結が明確になっている童話は、今でも嫌いじゃないのよ。
探偵小説と違って、推理の矛盾にイライラしなくてすむんだもの。



>>676(may it be)
貴方も聴いた?
先程、低くかすかに男声の歌が聴こえていたでしょう?
誰の声だったのかしらね。

―――それは貴方のお勧めのCD?
綺麗な曲ね。
星が降るような夜にふさわしい………なんて、私らしくないわね。
でも、『約束は今、貴方の中に生きている。』などと歌われると、つい、気恥ずかしい
台詞が口を付いて出てしまうわ。



705 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/01/02(水) 02:36:58
>>681(ハジ)
ここを出て行くのですって?
急な話ね。
まだ貴方とは十分な会話も交わしていないから、ひどく残念に思うわ。
共にこの場所での任務を遂行できるとも思っていたのに。

―――でも、貴方は自分の意思を曲げたことはなかったわね。
いいわ、気をつけてお行きなさい。
プレゼントもありがとう。お礼を言うわね。
私も餞別として黒いコートを贈らせてもらうわ。
真冬にその上着だけでは、人々に奇異な目で見られるかもしれないから。

また何処かで会えるといいわね。
それまで元気で。
Au revoir!



>>682
サヤ、貴方もなの?
貴方がここにいてくれてとても心強かったのに、寂しくなるわ。
でも、私のことは心配しなくていいのよ。
貴方はいつも他の人のことばかり気に掛けていた。
今度は、自分の道を行ってくれていいの。

貴方には、メディカルスタッフとして、急遽輸血セットを用意したわ。
ハジがいるから大丈夫でしょうけど、旅先ではいつどこで必要になるかわからないもの。
血液パックも多めに入れておいたから、持っていって頂戴ね。

貴方とも何処かで会えると嬉しいわ。
今までありがとう。元気でね。
Au revoir!



706 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/01/02(水) 02:37:44
>>683(外は吹雪)
吹雪いてきたわね。
でも、ハジは雪が降る前に出発したから、きっと大丈夫よ。

貴方の方が寒さで震えているわ。
まだ窓の外を見ているつもりなら、暖かくしていらっしゃい。
このストールを…こうして…体に巻きつけて………。

はい、これでいいわ。
風邪を引かないように気をつけて。


―――こんなことしか言えなくて、ごめんなさいね。



>>684(庭師)
貴方はベトナム訛りのフランス語を話す庭師さんなのね。
>>690でソロモンが花鋏を渡していたわ。
だからきっと貴方のお弟子さんは、貴方の教えを守りながら、どこかでまた薔薇の世話を
すると思うわ。

―――あら、でも切ってはいけない花まで切ってしまっていたのね。
いずれ貴方のところに、こっそり花の育成方法を尋ねにくるかもしれないわね。



707 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/01/02(水) 02:38:30
>>692(ハジも小夜も)
心配しないで。
急に皆がいなくなることはないんじゃないかしら。
姿を現さない人達は、各々の仕事があるのだと思うの。

あら?
名前が抜けているような気がするけれど、誰の名前かしら。
ルイスとリク?
まだ誰か足りないような気がするけれど………いいえ、再確認したら気のせいだったわ。
だめね、よく見なくては。



>>693(最も美しい)
異質で美しいと思った物はあるわ。
リクの体の中で、増殖していくD塩基よ。
しかもその塩基は、信じられないことに擬態までおこなって他の塩基に成りすましていることまで
判明したわ。
あの瞬間に立ち会えた私は幸運だった。

けれど、私はリクやリクの家族の苦悩を慮ることはできなかった。
文字通りの世紀の大発見に浮かれていたわ。
人間として当然の思いやりに欠けていたのよ。
あの時の私は、とても醜かったでしょうね。



708 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/01/02(水) 02:40:51
>>694(質問)
私達が答え易いように気に掛けてくれているのね。
ありがとう。
でも、現在のところ問題はないようだから心配しないで。

それより私の返答の内容が重複しているといずれ指摘されそうね。
研究ばかりで無趣味に過ごしてきたので、こういう場では話の種が少ないのが目下の悩みね。



>>695(カウントダウン)
明けましておめでとう。
この年齢になると、新年も誕生日もさして嬉しくはないけれど、かえって感慨は深くなるわ。
一年はなんて短いのだろうと、時間が過ぎる速さを切実に感じるのよ。
そしていずれ年をとり、あと何回新年や誕生日を迎えられるかと思うようになる。
それが私達人間、なのね。

今夜はここまでね。
おやすみなさい。またね。


709 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/03(木) 22:34:20
ご来客の皆様には永の無沙汰、まことに失礼いたしましたな。
私の執務室をひとり整理しておりましたところ、未処理の書類のあいだから
空軍基地の感謝祭における舞台映像の記録が出て参りました。

…左様、かつてネイサンが見ておりましたのと同じ、ディーヴァの歌う姿を
撮影したあの映像でしてな。ついなつかしさに作業の手を止め、彼女の歌に
くりかえし耳を傾けてしまいました。……残務処理にはしばしばこうした
無作為の罠が存在いたします。貴方がたにもそれはお解かりでしょう?
おかげでひどく遅参してしまった。お待たせしているお方は多いが―――
まずは過ぎてしまった時節の挨拶からお詫び申し上げてゆくことに致します。


>>676
>この曲をあげるね エンヤの「may it be」
>Merry Christmas!

―――これはこれは。なんとも律儀な方だ。有難く頂戴いたしましょう。
挨拶が時期を逸してしまった事をどうかご容赦いただきたいものだ。

戴いた曲は……映画音楽?
成る程。世界の危機を救うため、災いの指輪を滅ぼす為に仲間を募り
旅を続けるといった、あの有名な幻想小説の古典ですな?失われた王が
彼本来のあるべき場所を求めて、世界を歩み放浪する話でもある。
たしかに我々の内のいずれかと、どこか似通った部分があるかもしれん。
…じつに興味ぶかい。

美しい楽曲のさなかに、架空の妖精語が挿入されておりますな。
この歌い手もまた、幻の民と謳われるケルト民族にふかく傾倒しているようだ。
ケルトは文字を書き記す文化を持たなかった。今日に伝わるものはすべて
口承による伝承と、渦巻文様などに代表される装飾芸術のみと云われている。

しかし文字を持たなかった理由は、彼らの文明が他の民族に比べ劣っていた
からではない。古来より歴史をしるす者たちは、まず神官や学者の類と相場が
決まっているが―――彼らケルトの民が文字を持たなかったのは、民族の秘伝を
書き記す事により、その内容の聖性が俗なものに変質することを極度に恐れた
からではないかと考えられている。彼らはその伝承を、後継者にすべて口づてで
暗記させることにより、ひそかに後の世に伝えていったのだと聞く。


…後世の「人間」に伝えることを主眼にすれば、伝承の聖性が消え失せる。
聖なるものは聖なるままに。人間の都合に合わせその文明に安易に混じらせては
その純粋さが永遠に失われる。…その選択はいかにも正しい。
ただでさえ無垢なる者は、愚かな人間たちの放つ毒に染まりやすいのだから。
異論も多かろうが、少なくともこの私などはそのように思うのだがね。

710 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/03(木) 22:43:29
>>673
>つ クリスマスプレゼント 「リアップ男性用」

―――これは失敬。聖夜の贈り物を今ごろ開封していたのでは恩知らずの
そしりを免れ得ないだろうな。さて、この紙包みの中は………。

………むっ……。
………。
………。

成る程…ソロモン宛かね?
いや!みなまで言う必要はない。確かに彼はサンクフレシュ・ファルマシー
のCEOを勤めていた。製薬会社の長として、こうした他社製品を調査し
その薬効を確かめ、より優れた製品を開発して、おのれの企業の業績をさらに
高めよという激励の贈り物なのですな。そのお気持ちはじつによく理解できる。
私も兄として彼が社会的に成功する事は誠に喜ばしく、また私の計画の
観点から申し上げても―――…

>>681 ハジ)
>…アンシェルへの品ですか…ええ、説明は不要です、すぐに解りました。

………。
………。
…なぜ一目見ただけで私宛と即断するのかね?
それに説明が不要であるという理由が知りたい。この私は君たちの会話に
まったく納得してはおらんのだが。
………。
………。
…反論すら許されないこの気まずい雰囲気は、一体どうした事だ。
まあ、この贈り物は(嫌々ながら)ひとまず私が預かりはするがね。
何度も何度も繰り返すが…私は髪が薄いのではない。この私の外見年齢に
即せばごく標準程度といっていい。よいかね>>673の君、そして来客の諸君。
髪が薄いのではなく、ただ額が広いだけだ。そこのところを誤解して
もらっては困る。この私自身は何ら不自由を感じてはいないのだから。

だから心を砕いてくださるお気持ちは有難いが…どうかこの種の気遣いは
今後いっさい無用に願いたいものだ。………ええい、まだ解らんのか!!







>>695
カウントダウン!
3、2、1……
A HAPPY NEW YEAR,明けましておめでとう!!

―――新年おめでとう。我が弟ジェイムズのように時間に正確なお方だ。
記念すべきあらたな年の訪れる瞬間に、我らに代わり祝杯を挙げてくださった
事に感謝いたします。これはソロモンが>>686で皆様に注いで回った葡萄酒の
杯ですな。ではこの私も、喜んで彼と貴方の相伴に預かる事といたしましょう。
…乾杯していただけますな?

では…訪れた新年と、貴方と皆の幸福と。そして何より―――…



…ディーヴァの為に。


711 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/03(木) 22:46:14
…この動物園の館はひどくふるい。荒れに任せた時代が長かったためだ。
この厳冬の夜の冷気に屋敷が悲鳴をあげておりはしないかと、こちらに
顔を出す直前、灯明を片手に広大な敷地を見回っていたのだがね。
凍てついた風の音にまぎれて……先刻なぜか温室のあたりに気配を感じた。

温室の内部にはベトナムの地から取り寄せた紅い薔薇が、いまを盛りと
咲き乱れていたはずだったのだが。奇妙なことに…外気の寒さを知らぬ
その薔薇が、いまや一輪残らず姿を消しているのだ。




>>681 ハジ
>思わぬ相手>>661とのダンスに禿げ酔……人酔いをしただけですから。

―――誤魔化すな。禿に酔う、とは一体どういう意味かね?ハジ。

>………では…私はこれでお暇させて頂きましょう。
>初代ジョエルのお供で、遠く…御屋敷を離れなくてはなりません。

―――どうした。うわごとか。意識が混濁しているのかね?
先日の宴のワルツですべてを出し切ったか。それほど嫌がってもらえた
のならば、この私も努力の甲斐があったというものだが。

しかし……老ジョエルの供で…だと?不吉な事を言うものだ。このうえ
遠いあの空、輝ける虹の彼方に…などと言い出すのではあるまいな。
お前の皮肉の上手さはよく理解した。よく解ったから次はこの私の酌を
受けてもらおう。新年の祝いだ。
はれやかな婚礼の日、溺愛する娘を父親から貰い受ける花婿のように
心して杯をかざしたまえ。私も口元をほころばせ、毒酒をそそぐように
真心を込めてその杯に葡萄酒を満たしてやろう。さあ、何をためらう………。


………。











…本気かね?


712 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/03(木) 22:49:11
>>681 ハジ(続き)
>これはアンシェルに…育毛促進にはシャンプーにカフェインを加えると良い
>そうで…試供品のシャンプーに、謝花さんの珈琲をブレンドしたものです…。

………。
………。
………。

…この私が本調子ならば「ではお前を実験台にしてその薬効を試そう」と
即座に捕え、その劇薬を使って、さながら犬の理髪師のように無理やり
その頭を洗ってやるところなのだがね。どうやら命拾いをしたなハジ。
お前はじつに運がいい。本調子でない理由?―――…
………。
…知らんよ。知るものか。オペラの夜に鉄塔へ串刺しにしてくれたことといい、
お前はよくよく最終場面でこの私をやりこめる事が得意とみえる。さぞや
お前も気分がよい事だろうよ。

………。


…ふふ。気にするな。今の言葉は忘れてくれ。
何、ただの繰言に過ぎんよ。不快な態度を取るのは私の癖だ。…すまなかったな。
お前の門出を穢すつもりはない。来客の皆様やこの館に同じく住む者たちに
今お前がどれほど心を砕き、気遣っているかは理解しているつもりだ。
その門の鉄扉をひらき、おのれの信じる道を求めてあゆむのだな。
………。
130年ほど昔…十二歳のお前が不安と共に、はじめて歩んだこの動物園への
路を今度は逆にゆく事になる。
…願わくばその心境も、当時と逆であれば良いのだがね。







>>682 小夜
>だってハジやソロモンやカール、アナタやグレゴリー…
>いつも女の子のお客様に慕われているもの。
>家族のように、友達のように、私も女の子のお客様と遊びたかった。
>気持ちを上手に伝えることもできているのか自信がないの。

―――…まだ解らないのかね?この館の女主人である君の唇から
その言葉が出るとはな。しかしいかにも、君らしい言葉ではあると思うがね。

宴の席で、ワルツの誘いを待つ淑女たちの事を「壁の花」という。
君がそのようにためらい、ひそかに飽き足らなく思っていたのと同様に
物言わぬ花々もまた、他ならぬ君の笑顔を、君にしか知り得ない思い出話を。
そして何よりあたたかな抱擁を、心待ちにしていたように私には思えるのだが。
ちょうどおのれの体内をめぐる血の囁きに、そっと目を閉じ耳を傾けていた
私のあるじディーヴァのようにな。

…彼女が何を想い、何を求めたうえであのリク・宮城の姿を取り続けていたのか。
この私には知る術がない。なぜ花婿として彼を選び、それだけに留まらず
のちにその実兄であるカイ・宮城をも手に入れようとしたのか。

「カイが来ている」「そう血がささやくんだ。ぼくの中のリクの血がね…」
「彼―――…ぼくのものにならないかな………?」

彼女がそう呟くのを、ただ私はこの耳で聞いたのみに過ぎんのだ。
だからディーヴァが何を望んだかは解らない。体内の彼の血液を通し、
あるいは彼女は見ていたのだろうか?

腰をかがめ、身長を合わせてあかるく笑いかけるカイ・宮城の姿を。
そして優しくリク・宮城である自分を抱きしめる姉……小夜の姿を。
彼女自身がついに手にする事のなかった、そのかすかな記憶の幻影を。
さながら寒さに凍える者が、ちいさな埋み火のあたたかさにすがろうと
するかのように。

………。

尤も―――彼女がこの私にそう告げた訳ではない。むしろ彼女はこの私には
決してその孤独を告げなかっただろう。この私はしょせん彼女を温める灯し火を
持つような男ではないのでね。いずれにせよ、想いを相手に伝えるとは
なかなかに難しい事のようだ。君も、ディーヴァも。………そして私も。

713 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/03(木) 22:50:09
>>682 小夜(続き)
>――あまり、ハジをいじめないでね?
>アンシェル、動物園の鍵はあなた達に預けるわ。
>今までありがとう。元気でね?

―――いじめた事など一度もないではないか。むしろ馴染みぶかいこの私が
ハジにいじめられて気の毒、という思考法はないものかね?…残念だよ、小夜。

………。
…君も、ゆくのか。


…ハジは老ジョエルの供をすると語っていた。
この動物園華やかなりし頃、同じ屋敷の空気を吸っていた馴染みの者たちが
この私を残してみな運命の扉をひらき―――…出て行ってしまうとはな。



………。



…自由に、世界を歩みたまえ。
最後まで見送らずに君とハジにはすまないがね。閉ざされた扉が外に向かって
ひらかれるのを目にするのは…どうにも苦手だ。だからここで君の門出を
祝うとしよう。小夜―――Bon Voyage.

714 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/03(木) 22:56:31
>>683
>外は吹雪だよ。こんな日に出かけたら遭難しちゃうよ。ハジ行かないで。

―――その手のなかの一輪の薔薇は、もしやハジからの別れの挨拶かね?
ああ。嘆くお気持ちは解らんでもないが、あまり強く茎を握り締めん方がいい。
そのほそい指先を薔薇の棘が傷つけ―――…
………。
………。
…成る程。すでにハジの指により、すべて棘は落とされていたのか。
女性をかくまでに嘆かせ、また慕わせるとは…あの男も罪な事をする。

その君が巻くストールはミズ・ジュリア・シルバースタインのものだな。
見たところひどく暖かそうだが……いまだふるえが治まらんのかね?
…ふるえているのは寒さの為ではない、という事か。

しかしあの一行が遭難する事はおそらくないだろう。
なにせジョエルをつれての旅だ。こう言っては何だが…あの男も老境に
入ってひどく変わった。みだりに情を移したり、木陰で本を手にしたまま
ぼんやりと考えごとをする事が多かったものだ。この私などはそれを見て
いよいよこれはジョエルも―――…などとひそかに考えていたものだ。

そのうち今すませた食事をねだったり、ハジをこの私と取り違えて名を
呼んだりするのではないかな?おそらくは面倒ごとの多い、ひどくにぎやかな
それだけになかなか楽しい旅になることだろうよ。
少なくとも一日の食費が相当にかさむ事だけは間違いのないところだ。

ハジはもともとロマの民だ。そうした旅の日々を愉快に思うか、重く溜息を
洩らすかどうかは…多忙とはいえ定住の私には想像できん事ではあるのだがね。
いずれにせよ―――彼らの幸運を祈る事としよう。






>>684
>おめぇそれ切っちゃダメだろ〜〜
>罰として庭師つづけるんじゃ庭仕事はときどきすりゃええから


―――…ご老体も薔薇を手に、ひどく残念そうですな。貴方はもしや、かつて
あのハジに植木の手入れを御指導くださった庭師でおいでですかな?たしかに
来客の数だけ温室の薔薇を切り取ってしまっては、薔薇の木の育成に負担が…。

…成る程。
貴方が惜しんでおられるのはつまり薔薇の木などではない…という事ですな。
去ろうとする相手を引きとめる口実として、役目を与えようとするお気持ちは
よく解る。私もかつては「お前に与えられた役は、何だ?」と弟のひとりに
問いかけた事があったものだ。…あのときもすでに時、遅きに失していたの
ではあったが……。

……喪失感とは日増しにふえるものだ。
対する私は慰める言葉を持たない。このベトナムの麦酒を貴方の為に
その酒盃に注ぐとしよう。何もできはしないが…せめてそのくらいはな。





―――ひどく挨拶が前後してしまったのだがね。
しかし時節の話題と別れの言葉は、この時機を逸する訳にはいかなくてな。
今後は元に戻すつもりだ。お待たせしている方には誠に申し訳ないが…
どうかご容赦いただきたいものだ。ではまた、近いうちに。

715 名前:グレゴリー ◆gD.KishiHU :2008/01/04(金) 01:10:12
>>675
>これから昼寝するので子守歌歌って

子守歌、か。……ディーヴァは仮の弟君、皇太子アレクセイの枕元でよく歌を
歌われていたな。彼のことを、とても可愛がっておられた……。

血友病とは苦痛はなはだしく、完治の見込みのない病だ。我が子が不治の病に
苦しむのを嘆かない親はいない。皇后がわたしを神の使いのように崇めたのも
むべなるかな、といったところだが……しかしわたしに出来たことも、ひと時
出血を止め痛みを和らげた、それだけのことに過ぎない。
お辛かっただろう。にもかかわらず、素直で純真で、我慢強くお優しい御子で
あられた。……どこか婿殿に――リク・宮城に、似ていたかもしれぬな。



>>684
>おめぇそれ切っちゃダメだろ〜〜

貴方はハジの師匠でいらっしゃるのか。ではわたしは、貴方の弟子に庭仕事に
ついて指導を受けた者、孫弟子ということになります。

未だ「庭」にいたころ、わたしはある事情から急遽園芸について学ぶ必要に
迫られたことがありました。麦わら帽子につなぎに長靴、手には軍手、首には
手拭い姿と格好だけは見様見真似で整えた素人のわたしを、彼は逐一教え導いて
くれました……。

ハジ……。今、何処にいるのだろう。君の心平安なれと、祈っている。



>>421
>「美しさ」「美しきもの」について、語ってみて下さい。
>>693
>今までの人生の中で、最も美しい、と思えたものはなんですか?

まだ人間だったころ、僧侶としての修業を積んでいたころの話だ。
司祭の覚えめでたい新参者を妬み憎んだ先輩僧に、わたしは集団で暴行された。
顔を火箸で焼かれ目を潰され、吹雪の中に捨てられた。殺すまでの度胸のなかった
彼らは、わたしがひとりでに死んでいくように仕向けたのだ。
……ディーヴァと長兄に出会わなければ、間違いなく死んでいただろう。
人生において何事も為すことなく。

死ぬはずだったものが生き返り、最初に見たものとは――
逆光の中の、小さな人影。
わたしの銀の髪を愛でる、少女の微笑みだった。
あたかもイコンから抜け出てきたような神々しさ。
血の通いし生ける聖母、わが主よ。

あの時わたしは生まれかわり、髪の毛一筋血の一滴まで、全てただ彼女だけの
ものとなった。……あの時の微笑みほど美しいものを、わたしは知らない。

716 名前:ソーニャ ◆gD.KishiHU :2008/01/04(金) 01:17:21
白のサテンの飾り帯とアイルランドレースの襟飾りのついた、朱色のビロードの
ドレス。そして耳には揺れるダイヤの耳飾り。
新年パーティですものね、とっておきの晴着に着替えてみたわ。どうかしら?

クリスマス料理はシェフにまかせっきりだったけど……(ツリーの準備に手一杯で
カールの期待に>>670答えられなかったのよ)その埋め合わせに、新年パーティー用
に沢山ごちそうをつくったわよ!それこそ重みで「テーブルの脚が折れるほど」
にね。今回わたしがつくったのは……


【キノコのピロシキ】
ソテーにしてよし、スープにしてよし、ピクルスにしてよしなのがキノコなんだ
けど、今回はピロシキの中身に詰めたわ。ジュリアさんに油で揚げるのをお願い
していたのだけれど>>698無残なことに……でも、焼いたほうは無事よ!大丈夫。

【黒パンのサンドイッチ】
これはジュリアさんにお願いしたの。卵とハムとサーディンのサンドよ。
>>700で手伝いたい、と言ってくれたので彼女に「得意料理は?」と尋ねると
「サンドイッチだけは得意なのよ。いいえ、それだけじゃないけれど、他には、
クレープとか、ハンバーガーとか……」とのことだったので、ね。
彼女は非常に熱心な生徒なのよ。「料理を系統立てて分野別に習得したいの。
まずは肉料理を。次に魚料理、それから卵料理。」ですって。
愛する御夫君と可愛い赤ちゃんのため、一生懸命なのね。可愛いひと。
えっ、腕前はどうなのかって?……まあ、何事も一歩ずつよ。

【シチ―】
キャベツのスープよ。あっさりさっぱりして毎日食べても飽きがこない。
『実の父親にはそのうちうんざりするが、シチーは絶対飽きがこない』という諺が
あるくらい、生活に密着した食べ物なのよ。肉を水から煮て作ったブイヨンに
炒めたキャベツとキノコを入れて、弱火でじっくり煮込むだけ。簡単でしょう?
でも体にもいいし、とっても美味しいの。

【魚の詰めもの】
魚はカワカマスを使ったわ。内臓と中身を抜いて身を細かくして、パン、炒めた
タマネギ、ゆで卵と混ぜて塩コショウで味付け。こうして作った詰め物を魚の皮の
中に詰め、野菜、香草と一緒に弱火でじっくり煮る。お祝いにはぴったりの豪華な
「尾頭付き」よ。長兄やソロモンなら、ひょっとしたら人間時代に食べたことが
あるかもしれないわね。

【鹿の丸焼き】
「動物園」の森で獲れた鹿よ、脂がのって柔らかいわ。一頭まるごと香ばしく
天火で炙ったのよ。お客様のお好みの場所を切って、お皿にとりわけましょう。
ツルコケモモと蜂蜜のソースを和えてどうぞ。鹿肉にはこの甘酸っぱいソースが
合うのよね!

【ソバのカーシャ】
いわゆるお粥のことね。ソバの実をお湯で煮て、塩とバターで味付けをする。
これもロシア人にとっては懐かしいおふくろの味、祝宴の席から毎日の食卓にまで
欠かせない食べ物よ。小麦、燕麦、米からも作るんだけど、お肉の付け合わせには
ソバが一番よね。

【アイスクリーム】
いつも食べてるって?まあそう言わずに。――どう?……違うでしょう?
卵は産みたて、牛乳も搾りたてですもの。こういうシンプルなものほど、素材の
味が出るのよ。今夜は凍てつくように寒いわ、暖炉のそばでお口直しをどうぞ。


――もう食べきれない、ですって?
お客様にできるかぎりたっぷりと飲み食いしていただくのが、ロシア流おもてなし。
『ペーチ(かまど)にあるものは、全部食卓に出せ』よ。
さあ、もうちょっとだけでも召し上がってくださいな!

717 名前:名無し客:2008/01/04(金) 16:32:10
好きな夢が見れるとしたら見たい夢はある?

718 名前:名無し客:2008/01/06(日) 20:03:28
気候など暖かいもの冷たいものどちらの方がたえられる?

719 名前:名無し客:2008/01/06(日) 21:47:11
貴方が気にかけている方のお好きな仕草を、私にそっと教えて下さい。
日常のふとした動作でも癖でも…何でも構いません。

720 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2008/01/07(月) 06:47:19
ええっと…これは、どこに置いたらいいのかな。
お屋敷の入り口に対になるように置けばいい、とは聞いたのですけれど。
ああ、もうじき日付が変わってしまいます。…やあ、これはかわいい雪だるまだ
とても大きいですけれど、誰がつくったのかな。この隣りでいいや。

>>637

おや、君―――こんな時間に、こんな所で…御免なさい、
また探させてしまいましたね?
寒かったでしょう、おいでなさい。さあ、これを巻いて。…おや、先ほど
シルヴァスタイン女史が暖かいミルクを入れて下さったから、と仰る?
彼女には僕からも、後でお礼を言いましょう…でも、僕ならいいのですよ
ハオリとハカマにマフラーはいかがなものか、と不評を頂いた事ですしね。

また雪がちらつきだした―――ああ、君、ご覧なさい。
空気が澄んで、星空がとてもきれいです
もう暫く、こうして見上げていれば…四分儀座の方角から
星が空を横切って流れる様子が見られるかも知れませんね。

…彼らもどこかで今、同じ空を見上げて…一面の雪の中
肩を寄せ合って、流れ星を数えているのかも知れませんね。

おや、すみません。寒かったですね。
人間のあなたに風邪を引かせてしまったのでは、僕は酷く叱られてしまいます
カドマツ、も設置したことですし…お屋敷の中へ入りましょう
暖かい広間で、皆さんもう新しい年を迎える準備をしておいでですからね。
さあ、どうぞ。その階段を、上へ。
…何をそんなに、浮かない顔をしておいでなのです?

>ねーもんもんは人間キライ?私のことも、キライ?(´・ω・`)ポシューン

おやおや、そんな心配をなさっていただなんて。
君はきらいな人と、こんなふうにお話をしながら歩いたりしますか…?
人間は…確かにしたたかで業深い生き物です。けれど
彼らの世界の中にも希望を託していいものは、愛するべきものは存在する
…そう信じたいと思えるようになりました。小夜の姿を見ていてね。

この扉です、さあ、どうぞ。やあ…暖かい。沢山集まっておいでですね。
おやおや、もうカウントダウンが始まっている>>695
随分と出遅れてしまいました…けれど、いまからでも。

>3、2、1……
>A HAPPY NEW YEAR,明けましておめでとう!!

明けましておめでとうございます。やあ、あなたも。おめでとうございます。
これはご丁寧に…ええ、こちらこそ、今年もよろしく。
お集まりの皆さんに、この場所に、良い事が沢山ありますように。
行ってしまったあのかたたちの上にも…早く暖かい日差しが、降り注ぎますように。

721 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2008/01/07(月) 06:48:50
>>621
>雪が降ってきました

ええ、そうですね…お陰で先日は、ホワイトクリスマスを過ごす事が出来ました。
いまもちらほらと降っていますよ。お屋敷の外に、大きな雪だるまも作ってありました
寒いのがお嫌でなければ、あとですこしお外に出てみるといい
運がよければちらつく雪だけでなくて、星が降るところも見られるかもしれません。


>>692
ええ、勿論…僕はいまもこうして、ここに居ます。
ほかの皆さんもあのように仰っている…ハジがあなたのために切った薔薇も、
まだこんなに綺麗に咲いています。
行ってしまったひとも、いま姿の見えないひとも
きっと僕らの事を忘れないで、どこかからそっと見ていてくださっています。
だからそう、ご心配なさらないで…新しい年を皆さんでお祝いしましょう。
ほら、美味しそうな料理も沢山出ていますよ―――

>>716 グレゴリー兄さん、

今回も、素晴らしいテーブルが出来上がりましたね…ありがとうございます。
それに貴方のその衣装。日本からおいでのご来客が
紅と白でまとめて縁起が良い、奥ゆかしいと褒めておいででしたよ。

けれど兄さん、あの―――鹿は、どうしたのです?ええ、ここの鹿なんですよね。
…まさか貴方が手ずから…?先日も、森で樅の木を切っておいででしたね。
あれはほんとうに素晴らしいツリーでした。…貴方というかたは…、
まるでおとぎ話に出てくるエルフのような、優雅な姿でおいでなのに
相変わらず、大きなトラックを駆っておいでになった頃のままでいらっしゃいます…
はは、ええ、とても安心しました。改めて、明けましておめでとうございます。
今年もどうか、そのままでいらして下さい。

ああ、そうだ…しまった
ハジに頂いたまぐろを調理するように、厨房に頼むのを忘れていました。
折角の新鮮な魚が…勿体無いですけれど、また次の機会に皆さんに振る舞いましょう。

722 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2008/01/07(月) 06:50:55
おや、あれは何です?…カミダナ、神棚ですか。それは判るんですけれど…
その上に供えてある、あれです。あれは…オトソ、ではありませんね?
整髪料か何かかな。ああ、>>673さんがアンシェル兄さんに差し上げたものか。
「ひとまず彼が預かって」>>710、それから…どうしてまた、あんな所に。
兄さんは?ああ、あちらですか。

あれはこのままでいいのかな…
贈り物を、これ以上頂くそばから有り難いとお供えしていたのでは
カミダナの底板が抜けて落ちたりするかもしれません。彼も、
壁の塗装がはげたり床が散らかったりするのはお厭でしょう、
折角の贈り物なんですし…頭にお使いになればいいのに。

>>548-549
>アンシェルのビームはどういう原理で撃ってる訳?

…僕はなにか拙い事を言ったんでしょうか…、
今の彼の顔を見ましたか?肩越しにこちらを振り返ったあの顔を。
背すじがぞくりとしました―――彼のあんな顔を見るのは、二回目だ。
ええ、一度目に見た時は飛んできましたよ。
恐らくその、あなたが仰るようなものが。けれどあれはビームというより…
空気を振動させて起こる衝撃波のようなものではないのかな。
あれがかすめただけで、右腕がすっぱり切れて落ちてしまいましたから…

アンシェル兄さんが翼手の力をもって闘う様子など、見たことがありませんから
ああこれが彼の能力なんだと、あの時初めて知ったものです。
ですから…原理ということになると、彼に直接聞いてみないことには。
彼自身もひょっとしたらご存じないかもしれません、僕だって
この腕が刃物に変化する原理なんて、知りませんからね。あれは感覚でやるものです。

>アンシェルのまつげが後半突然なくなったのはなんで?

―――それは尚のこと判りません
そうですね…何か堪らなく苛々として気に入らない事があったりすると、
自動追尾ミサイルのように飛んで対象物に刺さるのかも知れない
ですからあなたが見た時は、彼が飛ばしたから無かったのかも…

ああ、いいえ―――いまのはあくまで例え話ですよ、
彼に本当にそんな能力があるかどうかなんて僕にも判りません。
おやおや、あなたも声が大きいですよ…

>>600
>ずばり聞いていい?アンシェルはヅラじゃないの?

それも僕には判りません―――コメントは差し控えさせて頂きます―――
あなたがた次から次へと…僕に兄さんの下まつげが刺さるのが見たいのですか、
彼の下まつ毛が抜ける瞬間が見たいと仰るのですか―――、…っ!

いま背中がちくりと…、…何か刺さったようです……

723 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2008/01/07(月) 06:54:41
>>583
>もしこんなNGシーンがあったらというのを想像してみてください。

それはどういう事かな…ははあ、
映画ですとかドラマを撮るときに起こるハプニングの事ですか。へえ、
この時期になると、各局で昨年出たNGシーンを集めて放送する。成る程…
それじゃあこんなものでしょうか?かわいいものだったら、例えば

小夜が料理を口に詰め込みすぎて、台詞があるのに喋れないとか
ディーヴァが、お船のエレベーターで靴紐を結ぶのに間に合わなくて
一生懸命結んでいる間に、開いた扉が閉まってしまうとか…

想像するだけで怖いものだったら、そうだな

ファルマシーの本社で、エリザベータ女史の姿を取った兄さんの姿を見て
兄弟の誰かが堪え切れずに噴き出すとか…
割れるべき所でワインの瓶が割れずに、何時まで経っても台詞が言えないとか
ベトナムで、顔を近づけすぎて僕とカールのどちらかが堪え切れずに噴き出すとか
小夜の顎を持ち上げて、噛んではいけない台詞を噛んで堪え切れずに噴き出すとか

いちばん見たいのは、あの塔のそばで僕に殺到しようとして
足を滑らせて顔から転ぶハジかな…

おや、これではきりがありませんね。はは、もしあれが全て
脚本どおりに作られたものなら…それは演じていて楽しかったかもしれません。

724 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2008/01/07(月) 06:55:50
>>494
>仮にディーヴァ側が勝利した場合のエンディングについて妄想してみて

あるじの側が勝利、というのは…どういう事を指すんでしょうね。難しいな、
それは小夜が、赤い盾が翼手という種族に敗けるということでしょうか?それとも、
あるじが本当に望んでやまなかったものを…手に入れるということでしょうか。
もし後者なら、それは僕にとっても何よりの勝利です
誰にも…誰かの望みを叶える為に壊れたり、泣いたりすることを強いることなく
今ここにあるような光景を手に入れる事が出来たのかもしれませんから。


>>584
>因果の始まり、ボルドーの惨劇がもし起きてなかったら今皆どうなっていたとおもう?

そもそもあの出来事が起こらなかったら…?あなたはもっと難しい事を仰います、

そうですね…僕はここに居なかったかもしれない。
ディーヴァはこの動物園から出ることなく、僕はアンシェル兄さんにも、
彼女にも会わずに…人間としての一生を全うしたかもしれません
両親に促されるまま軍に所属していたかもしれないし、
やっぱり家を出て医者になったかも知れません…それなら

もちろん小夜と出会うこともなかったし、切ない想いに身を焦がす事も
独りで居るのが耐えられずに、顔を覆って項垂れる事もなかったのでしょうね。

確かにあれはあなたの仰る通りで、人間が僕らを滅ぼす口実の一つを作り
僕らが同じ種族で相争う事の引き金になった出来事です。
けれど…僕は、絶望するような人間の世界のなかで
美しく輝くものを見せて下さった兄さんに会えて良かった
柔らかい木漏れ日の中で、あるじの前に跪いて
あの白磁のような細い指にキスを差し上げる事ができて良かった

小夜と、あの夜手を取り合って踊る事ができて良かった
彼女の体温を、たったひとときでも腕の中に感じることができて良かった。

そのうちのどれか一つでもないまま、終わってしまう短い生涯なんて
あなたがたと、兄弟たちとこんな事を話して過ごす事もないなんて
…やはり難しくて、僕には想像できませんね。

725 名前:名無し客:2008/01/07(月) 13:22:25
ソロモンってば結構アンシェルに毒吐くねwww
思わずお茶噴いちゃったじゃないかww
髪棚を祀ったら毛が生えてくるかもしれないよww

726 名前:718:2008/01/07(月) 21:09:34
>>719さんへ
もし早とちりだったらすみません。貴方が質問している事での回答ですけど、
野獣のごとき美しさというべきでしょうか本能のまま行動している人に目を奪われたことがあります。 あとはアンバランスな行動です。
例えばソロモンが紳士服を破れていても子供のようにジャンケンしてたことだったり、アンシェルは言葉とはうらはらに行動してたりと・・・。
無駄のない絵や彫刻のように・・・。

ただ人間やることなすこと無駄なこと、無力なこともあるのでなかなか難しい場合があるかと思います。

727 名前:うらら ◆N7/15/V7xw :2008/01/08(火) 01:52:18
Ulala's swingin' report show !

スペース動物園の来訪者のみなさん、こんばんは。
今宵もやって参りました、スペースチャンネル5の時間です。
今夜のうららリポートショウをお送りするのは私、
スペースキリンさんよりもスペースゾウさんが大好きな、うららです。

それではさっそく、スペースアニマルな
方々に突撃取材をしてみたいと思います!

>ソロモンさん
ボンジュール、ソロモンさん♪
ソロモンさんはダンスが得意だそうですね!
それでは一つ、ソロモンさん流ダンスの秘訣と
ダンスによる動物園繁栄の可能性についてお聞かせ下さい!

>グレゴリーさん
グレゴリーさん、こんばんは。
視聴者の方々から寄せられた意見によると、
「変態親父」との二つ名を欲しいままにしていますが、
その点について、何か一言お願いします。

>アンシェルさん
Bonsoir.、アンシェルさん♪
Vous allez bien ?
それはともかく、アンシェルさん!
アンシェルさんからは並々ならぬ踊りへの
信念がギュンギュン迸っている様に感じられるのですが、
アンシェルさんが考える、最高の踊りについてお聞かせ下さい。

>ジュリアさん
ジュリアさん、こんばんは。
もしご自身が、スペース翼手さんになってしまったとしたら
ジュリアさんはどんなことをしてみたいですか?
ちなみに私はとりあえず踊ってみようかと思っています♪

>カールさん
カールさん、こばわ!
カールさんには、私の個人的な質問なのですが・・・!
ファントムコスチューム時のすごくとても格好の良い
蝙蝠型スペース眼鏡は一体どこに売っているのですか!?
スペースアマゾンにもスペースヤフオクにもありませんでした!
もしかして、カールさんお手製のスペース眼鏡なのですか!?
もしそうであれば、レシピを教えて下さい!!

     人人人人人人人人人人人人人人人人人人人
   Σ                            て
  <             (⌒)ヘ⌒ヘ.(⌒)           て
  <     ヽ(`Д´)」 Jノ∩・∀・)ヽし  ヽ(`Д´)」    >
  <       (フ )     /  D ら     (フ )     >
  <         /      ゝつ /         /       >
  <                し'               >
  <      ━                ━       >
  <             ━━               そ
    Σ                            そ
     ∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨

728 名前:ソーニャ ◆gD.KishiHU :2008/01/10(木) 00:54:49
あら、玄関の脇に、こんなに大きい雪だるまが>>720
この木の枝……そうだわ!えいっ。
……いい感じ、もう一回。やあっ。
うん、両方とも胴に深々と刺さったわ。
枝の先に手袋をつけて…これで雪だるまに両手が出来たわね!可愛い。



>>719
>貴方が気にかけている方のお好きな仕草を、私にそっと教えて下さい。

そうねえ……。
この動物園にはいくつもの温室があって、世界中から珍しい植物が集められて
いるの。そこを散歩しながら、こっそり貴方だけにお話しましょうか。
付き合って下さる?

どうぞ、入って。ここは「薔薇の温室」この温室には世界中から集められた
さまざまな品種の薔薇が植えられているのよ。温度は一年中快適に保たれ、
花たちが季節を問わず妍を競っている。――あれはいつのことだったかしら。
このベトナムから来た紅薔薇は、まだ花をつけていなかったけれど……。

ある朝わたしは夜明けの散歩中に、気まぐれで普段行く事のない温室に立ち寄った。
ソロモンやカールは、よくここの花で屋敷を飾ってくれるのだけれどね。
ふと背の高い人影が目にとまって繁みの隙間から覗いてみると……ハジが立っていたの。
そう、まさにこの薔薇の木の前にね。

まだ一輪の花も咲いていないのにどうしたのかしら、といぶかしく思ったわたしが
声を掛けようとすると……彼は枝を一本手に取ってポケットから何かを取り出し、
そっと近づけていった。何かしら?じっと目を凝らして見ると――

それは指輪だった。
まだ小さな小さなつぼみと幼い葉を傷めないように、そろりそろりと指輪を薔薇に
通していたの。――どうしてハジはあんなことをしていたのか。
その時は気付かなかったわ。まさか>>681の準備だったなんて……。

>ああ…薔薇が指輪を付けていたと……最近のサンタは粋な計らいをするものですね。

彼の真剣な眼、薔薇の枝と指輪を扱う繊細な指先の仕草。今も印象に残っているわ。

729 名前:ソーニャ ◆gD.KishiHU :2008/01/10(木) 00:56:37
>>721 ソロモン
>今回も、素晴らしいテーブルが出来上がりましたね…ありがとうございます。
>それに貴方のその衣装。日本からおいでのご来客が紅と白でまとめて縁起が
>良い、奥ゆかしいと褒めておいででしたよ。
>先日も、森で樅の木を切っておいででしたね。あれはほんとうに素晴らしい
>ツリーでした。

ふふ、ありがとう。
ハオリハカマも、よく似合っていてよ?昔お客様にいただいて着ていたユカタと
いい、スーツだけでなく日本の民族衣装もお前は粋に着こなすのねえ…流石だわ。
ドレスや料理を褒めてもらえるのも嬉しいけれど、ツリーを喜んでくれて本当に
嬉しい。やっぱりクリスマスツリーは本物の樅の木でないとね!
こちらこそ、今年もよろしく。

>けれど兄さん、あの―――鹿は、どうしたのです?ええ、ここの鹿なんですよね。
>…まさか貴方が手ずから…?

勿論よ。言っておくけれど人間みたいに、猟銃なんて無粋な道具は使わないわ。
あんな物に頼る必要なんてないもの。
雪の上に残された足跡や糞や抜毛から、けものたちが集まる森の中の水飲み場を
探り当てて……繁みに待ち伏せていたの。動物はわたしたち翼手を恐れる、一瞬
でも気配を悟られたら決して近寄ってこないわ。肺の中まで凍てつくような冷え
込みの中、藪の中で一昼夜、身を伏し息を殺して待ち続けた。

――ううん平気、>>718さんにも聞かれたけれど、冷たさ寒さには耐えられるの。
生まれた時からずっとですもの、慣れっこよ。

ねえ見て!素晴らしい大物でしょう、飛びかかって一瞬で仕留めたわ。
惚れ惚れするような角の牡鹿だった。頭は厨房にあるのよ、持ってくるわね!



>>725
>ソロモンってば結構アンシェルに毒吐くねwww

>>600さんもなんと大胆なことを口にされるのかと驚いてしまったけれど、
ソロモンまで>>722!お客様の仰る通りだわ。
わたしからひと言、言ってやらなくては。

いいこと、ソロモン=ゴールドスミス。
頭髪が豊かとはいえない壮年の男性の耳に届くところで
「抜ける」だの
「落ちる」だの
「はげる」だの
「散らかる」だの……
そんな言葉を使うべきではないわ。いくら御本人が>>710

>髪が薄いのではなく、ただ額が広いだけだ。そこのところを誤解して
>もらっては困る。この私自身は何ら不自由を感じてはいないのだから。

と仰ってはいても、
まつ「毛が抜ける」だなんて。
お前に他意のないことはよく分かっているわ、でも、慎みなさい。よくって?

あらどうしたの、ソロモン?そんな顔をして、わたしの後ろに何か――

730 名前:ソーニャ ◆gD.KishiHU :2008/01/10(木) 01:00:04
>>665
>愛の為に死ねますか?

ええ。>>503でもお話したけれど…。何があっても必ず護ると己に誓いを立てて
いた、初めて手に入れた本当の家族のため…わたしは二度目の死を迎えた。
カールは>>501でああ言ってくれているけれど――
それが必要とあらばわたしは再び、天寿をまっとうする機会を放棄するでしょう。
>>727
>スペース動物園の来訪者のみなさん、こんばんは。
>今宵もやって参りました、スペースチャンネル5の時間です。

な、なんなの?ああ驚いた、あなた、誰?わたしに、取材?

>視聴者の方々から寄せられた意見によると、
>「変態親父」との二つ名を欲しいままにしていますが、

あのね。わたし物心ついた時から、ちょっと変わった力を持っていたの。
産まれる前の仔馬の雌雄が分かったり、人の考えが読めたり記憶が視えたり…。

でも、いいことなんてなかった。

この力のせいで、わたしは人から「違うモノ」として忌み嫌われた。
父もわたしを、気味悪がり疎んじた。
目を伏せて息をひそめて、なるべく目立たないように……
故郷を遠く離れて、己を隠して生きていたわ。――寂しかった。

そんな殻からわたしを解き放ってくれたのが、最愛の主ディーヴァであり、
偉大なる長兄アンシェルなのよ。>>601さんにも問われたけれど、あの二人が
わたしの家族となり心を許せる相手となったから、ありのままのわたしを
受け入れ必要としてくれたから――わたしは生まれ直すことが出来た。

損得や孤立や、常識を振り切り…ただ生きるわ。生きたいように。
人の口に脅え人の目に縛られるなんて、なんてくだらない。
あなたがた人間は寿命が短いんですもの、なおのことよ。
あとそれから。
「変態」はともかく「親父」には断固抗議するわ!
確かにわたしは人間に比べればもう随分長生きしている、自分の年を数えなくなって
久しいけれど…でも親父じゃないもん!親父なのは長兄だけでたくさんよ。


731 名前:名無し客:2008/01/10(木) 01:50:34
まあ「落ちた」なんて長兄だけでなく、
受験生がラストスパートかけてる時期に言うもんじゃないね。
あ、アンシェル、落ちたよ






ハンカチが

732 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/11(金) 03:23:03
ご無沙汰してすまない。少々わけあって部屋で調べ物をしていたんだ。
ところで新年に当たって、というわけでもないがアンシェルが
以前言っていた「相応の正装」とやらを変えてみたよ。アオザイでは
ないのだけどね。

>>695
>A HAPPY NEW YEAR,明けましておめでとう!!

やあ、少し遅くなったけどおめでとう。人間の一生の中で決して短くない
この一年が、君にとってよい年でありますように。
そして幾度目の新年か、数えるのも飽きてしまった僕達にも幸いを。

ところで名無しさん、玄関の脇に来てごらんよ。竹をくくった置物がある。
正月用の飾りなのだね。ソロモンが用意したらしいよ。相変わらず細かいところに
気の利く男だ。それにほら、隣にはやたらと大きな雪だるまがある。木の枝で手が
作ってあるが、雪だるまとはいえ白一色で色合い的に少々寂しいね。

よし、クリスマスツりーに使った飾りとライトで飾りつけよう。
名無しさんも手伝ってくれるかな?――ありがとう。では僕がツリー用の
イルミネーションをだるまに巻きつけるから、君はオーナメントを飾ってくれるかい?
手の代わりの枝にぶらさげて、余ったら雪だるまの胴体に埋め込んでくれればいい。
そうそう、そんな感じでありったけ。
そして……ライトを点灯すれば、にぎやかに光る景気のいい雪だるまの出来上がりだ!
たくさんくっつけたから、雪だるまは重そうだけどね。



>>665
>愛のために死ねますか

僕は――。
愛するディーヴァのためならいつでもこの命を賭けた。ディーヴァが僕に
笑いかけてくれたなら。細い指を差し伸べて名前を呼んでくれたなら。
僕に歌ってくれたなら。

僕はなんだってしただろう。実際にどんな苦痛にも耐えてきたんだ。
ディーヴァのためだと言われたら、どのような実験でも僕は受け入れた。
ディーヴァが喜んでくれるなら、どんなことでもやってみせた。
ほんの少し微笑んでくれるだけで、誰よりも幸福になれた。
僕の希望はディーヴァだけだった。ディーヴァの愛が向けられることこそが
僕の望みだった。

だが、ディーヴァは僕の元から去った。

僕に残され、僕をわかってくれるのは敵である小夜、彼女ただ一人だと思った。
小夜の首筋を食い破り血を飲み干して、共に死ぬことだけが救いに思えた。
あれは愛だったのかな。

もしあれも愛と呼べるのなら、僕にとって愛するがための死は簡単なことだ。
愛されて死ぬことはなくてもね。



733 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/11(金) 03:24:11
>>666
>ぶっちゃけ沖縄編をどう評価していますか?

沖縄はカイとリクの故郷だね。そして小夜にとっても第二の故郷と言える
場所らしい。海が綺麗でとても良いところだと聞いている。――たとえば
何かの物語のはじまりにふさわしいくらいに。

そしてたとえば君がその物語の主人公だとするよ。いいかい?
君は沖縄の小さな町の、小さな酒場の高校生の娘だ。記憶はないが頼もしい父親と、
なにかと気を配ってくれる兄と、可愛らしい弟に囲まれて幸せに暮らしている。

けれど見えないところで少しずつ謀略は進んでいる。君にもたくさんの秘密が
隠されている。でも君はなにひとつ気づかないし、知りもしないんだ。

ある夏の夜、君は忘れ物のシューズを取りに学校に行く。そして校庭の
木の下に、背の高い人影を見つけるんだ。おそろしく美しい青年だ。青年は
君に歩み寄り、やっと会えたと呟く。君は彼のことなど全く知らないのにね。

君は青年を巷で噂の通り魔だと勘違いする。君はその場から離れて教員に
助けを求め――恐ろしい怪物に遭遇する。ありえない現実のはじまりだ。

教員は化物に惨殺され、怯えて逃げる君をさっきの青年が助けてくれる。
でもそれだけでは終わらない。青年は君に言うんだ。
「――、たたかって」と。血の味のするキスと共にね。

君はこんな導入部はお気に召さないかな。僕はなかなか好きだけど。
ああでも、優しい家族と同じくらい謎の青年の見せ場があると喜ぶ人は
いるかもしれないね。僕個人としてもヒロインの対となる少女や、
少女周囲の人物の影がちらりとでも見えるとさらに好みなのだが、
そこまで望むのは欲張りすぎな気もするんだ。
君はどう思う?


734 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/11(金) 03:25:19
>>671
>SAYAの姉か妹はもしかして世界のどこかにまだ存在してる?

そんなことがあるのだろうか?もしどこかに存在しているとしたら、
どうして僕達のところに姿を現さなかったんだろう。デルタ計画や薬害翼種の
存在に気づきそうなものなのに。君もそう思わないかい?

僕達の同類がいたら、いろいろな事件から糸を手繰るようにして僕達のことを
つきとめると思うんだよ。

でも僕達以外の同類が姿を見せたことはないんだ。もしかしたら正体を隠して
会いにきていたかもしれないけどね。
もしも会えたならどんな気持ちで長い時間を生きているのか、一度聞いてみたい。

――え?名無しさん、何か言ったかい?
ネイサン?僕らの末の弟がどうかしたかな?



>>673
>クリスマスプレゼント 「リアップ男性用」 

ふ……ふふふ、ふははははっ!
やあ名無しさん、実にいいものをくれたね!ああ、これで僕も
ようやく頭フサフサのアンシェルが見られるというものだよ!

――おや、浮かない顔してどうしたんだい?
「よく考えたら、翼種に人間用の育毛促進剤は効果はないかもしれない」だって?
なるほど、一理あるね。だが試してみなくては効果のあるなしはわからないよ。
もしかしたら例外的にこの薬剤はアンシェルに効くかもしれないだろう?

……うーむ、こう言っても納得できないみたいだね。
仕方がない、君のためだ。この僕がアンシェルに簡易植毛をおこなってあげよう。
やり方は簡単だよ。君が育毛促進剤をプレゼントしたように、僕が接着剤を
アンシェルに贈るのさ。長兄の額に接着剤を塗りつけてだね。
そこに…えーとそうそう、ヤツのヒゲを剃って貼り付けてやろう。
意外と斬新なヘアスタイルで、似合うかもしれないしね。

だいたい顔の下に無駄にヒゲを生やしているから、上から毛がなくなるのだ。
君もそう思うだろう?残念ながらフサフサとはいかないが、少しは額のテカリも
おさまるんじゃないかな。




735 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/11(金) 03:25:47
>>672
>ディーヴァの妊娠を知った時の皆の反応を教えて

――どうしよう。困ったな。実は何も覚えていないんだよ。どうやら衝撃の
あまり、その部分の記憶が飛んでいるらしい。翼種でもこんなことがあるのだね。

だがなんとか思いだしてみよう。僕はディーヴァと二人で赤い盾の本部を強襲した。
本部である豪華客船は沈めたが、小夜をとり逃した。その帰り道だったかな。
それともサンク・フレシュファルマシーの屋上庭園に帰ってからだったろうか。
ディーヴァが満足そうに笑って言ったんだよ。

「あの子から大切なものをもらったの」

ひどく嬉しそうな言葉の意味が、最初はわからなかったんだ。あの時兄弟は
いたかな?やはり思い出せない。だって僕は他の連中の様子を気にかけている
余裕など、到底ありはしなかったから。

ディーヴァが妊娠したかもしれない。
その出来事はあるじの血を分けた子であり、恋人でもある僕達にとって、
とても大きな衝撃だったんだよ。たしかにディーヴァの喜びは僕の喜びでもある。
だから彼女の気持ちを僕も共有して、一緒に祝いたかった。

しかしディーヴァにその喜びをもたらしたのは、僕でも兄弟でもなかったんだ。
ディーヴァは自分で欲しいものを選び、自分で手に入れたんだよ。それまで
あるじが欲しがりそうなものは、全て僕達が用意していたのにね。

だからあるじを微笑ませているのはシュヴァリエではなかった。
お腹の子供達だった。その事実はディーヴァを愛するシュヴァリエを
打ちのめしたと思う。ディーヴァの幸せの中に、彼女のシュヴァリエは
存在していなかったんだ。必要でもなかった。

もちろん、この僕も。



736 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/11(金) 03:26:24
>>674
>自分のキャラCDがでるとしたらどういう内容にする?

CDやDVDなんて味気ないよ。僕としては是非君に直接この動物園に
来てもらいたいね。その方が君の好奇心を満足させられるはずだ。

君が来たらまずここを案内したいね。そして僕のディーヴァと僕の小夜に
君を紹介するんだ。小夜が一緒だから、君はディーヴァのおやつにならずに
済むだろうしね。

それから僕の難ありの兄弟達にも会ってもらわないとね。個性だけは
嫌というほど豊かな連中だから、家族へのみやげ話にはなるだろう。

でも幾つか注意事項があってね。
長兄アンシェルとソロモンに会うときは決してヤツらと二人きりに
なってはいけない。それからヤツらに妙な飲み物や食べ物を勧められても
口にしてはいけないよ。特にサンク・フレシュ印には要注意だ。
いいね?その姿のまま家に帰りたければ、僕の忠告を聞くんだよ。

次兄グレゴリーは自慢のロシア料理を勧めるだろう。次兄の料理は
食べても大丈夫だよ。お客人方にも好評だ。ただ気をつけるべきは、
どれも北国のこってりとした高カロリー食であることだね。
君が動物園に滞在して、毎日の食事に健啖家振りを発揮したら、
やはり帰宅するときに姿が変わっているかもしれない。
その……少々ふっくらと。

でもそうなったら僕と一緒にこの庭園をマラソンしよう。人間には
食事のほかに適度な運動も必要だしね。

――運動できるような服がない?
それも心配いらないよ。次兄がつなぎと長靴と手拭いを貸してくれるからね。>>715

会うのが僕達だけでは、君が不安に思うかもしれないね。ここには人間の
友人もいるから、そちらも紹介しよう。赤い盾のシルヴァスタイン女史は、
君の健康についてアドバイスしてくれるだろう。慣れない暮らしで
体調を崩した時は、彼女の元に行くといい。だがさしものシルヴァスタイン女史も、
歯医者の資格は持っていないらしいから、虫歯にはならないように気をつけて。


>出てる人は更に続編って形で

僕達は誰もCDなんて出してな――『ハジ・プレイズ J.S BACH(DVD付)』
ハジ、君は僕達と戦いながらCDデビューもしてたのか――!?





737 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/11(金) 03:27:04
>>675
>これから昼寝するので子守歌歌って

子守歌はよく知らないんだ。だって歌う必要がなかったからね。
君も知っているように僕達は眠らないから。

ディーヴァはよくあの歌を歌っていたが、まれに人間の歌も口ずさんでいた。
なかには子守唄もあったようだ。次兄もロシアの宮廷で聞いたらしいね>>715
もう夢を見ることはなくても、たとえ安寧の睡眠は二度と訪れないとしても、
ディーヴァの歌声は僕達に安らぎをもたらしてくれた。

あるじが歌った子守歌の歌詞はわからないのだが、メロディーだけなら
何とか覚えている。それでいいの?
それじゃあ君の眠りを妨げないように、そーっと歌おうか。
ゆっくりおやすみ。


……おや、どこからか歌が聴こえてきたね。

>>676
>アンシェルの『ラスト・ダンス』

長兄が歌っているのか。僕も初めて聴いた。上手いな……じゃなくて、
音痴ではなかったんだね。意外な発見だ。しかも、らしくもないセンチメンタルな歌だ。

  【だから愛しき君よ 最後の曲だけは せめて何処へもゆかずに】
  【宴の終焉 ラスト・ダンスはこの私に】

…………。
僕はあの男がずっと羨ましかったのにね。長兄はいつもディーヴァの隣にいて、
あるじを独り占めしているのだとばかり思っていたのに。

>エンヤの「may it be」

僕は初めて聞いた。…あるじの歌を思い出したよ。教えてくれてありがとう。



738 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/11(金) 03:28:00
>>681=ハジ
>このハジレンジャーの衣装とMEIJISEIKAと書かれた箱に入った菓子を…。

僕が部屋にこもっていた間に、こんなものがドアの前に……。
――そうか、我が親友ハジよ。君は行ってしまったのだな。
しかし君ときたら相変わらず愛想がない。親友である僕に挨拶くらいして
行きたまえ。部屋から出てきたら君のぬぼーっとした姿がかき消えているとは――、
いささか寂しいじゃないか。

老ジョエルのお供だって?奇妙な話だがこの場所ならば有り得るのだろう。
年寄りの介護要員とはいかにも君らしい。本当は誰よりも年上なのに、
お年寄りの世話に翼種の能力を遺憾なく発揮する高齢化社会の星、
それが君だったのだな。さぞ献身的に尽くすのだろう。老ジョエルは
良い世話係を持った。

ところでこの置き土産はなんだい?ハジレンジャー?
…ああ!僕らのもう一人の親友カイが実況中継をしてくれた時の衣装だな!
あまり嬉しくな……いや、嬉しいが、このヨレヨレ具合からしてチェロケースに
つっこんだまま、クリーニングを忘れていたな?君の汗と涙がしみこんだ
衣装……面白味もセンスもないデザインだが、いつか何かの役に立つかもしれない。
こちらの謎の菓子と一緒にありがたくもらっておく。地味な衣装を見て
地味な君を思い出すことにするよ。

僕からの餞別は間に合わなかったので、シルヴァスタイン女子に頼んで
赤い盾経由で届けてもらうことにしよう。ハジレンジャーのお返しに
僕からこの洒落たファントムマスクとマントを贈るよ。これを身につければ
空気のように存在感の薄い君でも必ず人目を引くだろう。脇役から準主役の
その下くらいにはなれるはずだ。健闘を祈る。

ああ、そうそう。
君、温室の薔薇のつぼみに指輪を通していただろう?次兄も言っていたがね>>728
僕も見つけていたんだよ。僕もあそこでよく花を摘むからね。
最初はおかしなことをすると思っていたが、すぐに意図に気がついた。だから
黙って見逃したんだ。君にしては粋なことをする。どうやら花の開花は小夜への
プレゼントに間に合ったようだね。なによりだ。

いつまで続けられるかわからないが、僕もいま少しは踊っていられるだろう。
少し湿っぽくなってしまったが、君のそばにこれからもずっと陽気なダンスと
美しい花があるように祈る。ハジレンジャーよ、君の旅に祝福を。



739 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/11(金) 03:28:39
>>682=小夜
>だって私の大好きなディーヴァと姪っ子達を守る騎士だもの。
>それは今でも代わりのないことよ。

小夜、君もハジの後を追うように旅に出たのだね。僕はまたしても
ダンスを申し込み損ねた。実に残念だ。だが繰言は言わない。誇り高き
ディーヴァのシュヴァリエらしく、せめて潔く旅の無事を祈ることにしよう。

君の言うとおり、僕達は君のディーヴァと響と奏を守るシュヴァリエだ。
あるじが目覚めた時、君がいないと彼女はさぞ寂しがるだろうが、
なんとか君の分までお慰めするよ。君が君の道を力強く進めるように。

>家族のように、友達のように、私も女の子のお客様と遊びたかった。

僕の小夜、君はもしやまだディーヴァと戦ったことを引きずっているのかい?
愛しい妹と命がけで戦った日々を。

僕のディーヴァも時折、遠くを見ておられた。そんな時のあるじは
とてもはかなく寂しそうに見えたものだ。血のつながったたった二人きりの
姉妹である君と、どうしてもわかりあえなかったからだろうか。
それとも誰にも彼女を理解できなかったからか。

僕はディーヴァのことも君のことも愛していたが、実際には君達の
魂に触れることはできなかったのだね。君もディーヴァもそして僕達も
ひどく不器用な生物だった。それでもこの場所で、僕達は家族のように
友達のように共にいられたのではないかと思う。それでは不満かな?
僕としてはダンスにとうとう誘えなかったのが心残りだけどね。

そうだ、君への餞別はこの舞踏会用のドレスにしよう。ベトナムで
君が着ていたドレスに似せてあつらえたんだ。次兄が君に贈った
靴とも合うはずだ。僕は君のそばにいられないが、君には騎士と
王子様がいたはずだ。彼らか、あるいはほかの誰かと出会ってダンスを
踊る機会があれば、このドレスを着るといい。

君を思うとき、悲しみにくれる惰弱なシュヴァリエでいたくない。
だからこの地から君の幸運を祈ろう。
紅い瞳の僕の小夜、どうか元気で。Bon Voyage!



740 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/11(金) 03:30:35
>>693
>最も美しい、と思えたものはなんですか?

戦火のベトナムで僕は見たよ。あるじに瓜二つだけど、まったく違う少女をね。
小さな唇が溢れんばかりの憎悪に歯軋りしていた。ほっそりした素足が血まみれの
大地を蹴り、破壊と殺戮の意思に満ちた肢体が宙に舞ったんだ。

そして小夜が僕を睨み付けたあの目――!熱く激しく狂おしく、紅い瞳が輝いていた。
小夜はまっすぐ僕の元に来たよ。シュヴァリエであっても防ぎがたい俊敏な動きで
刀をふるい、僕の腕を切り落とした。僕のことをその瞳に映したまま。

思い出せば今も酔いしれる心地になるんだ。君からみたら、きっと馬鹿馬鹿しい
思いだろうけどね。小夜の視線がこの身を貫いた衝撃が、今も僕を捕らえて離さない――…。


>>717
>好きな夢が見れるとしたら見たい夢はある?

君は夢を見るんだね。僕はとうに夢とはどんなものだか忘れてしまった。
だから見たい夢も思い浮かばないんだ。あるじと違って僕達は眠らないからね。

僕のあるじは深い眠りの中にいる。彼女はどんな夢を見ているのだろうね。
夢の中で、響と奏と暮らしているのか、それとも夢の世界の蒼穹に歌を響かせて
いるだろうか。僕はベトナム支社にいた頃、コンテナの中の繭によく問いかけたよ。

――僕のあるじ、あなたは僕の夢を見てくれていますか?

もちろん答えはない。どうなんだろうね。眠るあるじは僕の夢を見てくれていただろうか。
眠らない僕はいつも、彼女の幻を見ていたけれど。



しまった!最後まで辿りつけなかった。途中で申し訳ないが今日はここまでだ。
人間の皆さん、良い夢を。


741 名前:名無し客:2008/01/11(金) 17:21:05
ここにいる翼手は心が強いね。見習うことが多いわ。

742 名前:名無し客:2008/01/11(金) 23:05:39
ニートだった末子は勝手に心中自殺に走り
真面目な次男は兄からの家庭内暴力で重症
優秀だった長男はグレて女にいれあげて家出
それでも、一人娘のために働いてきたら
妻から突然の離婚調停の申し出。もう娘に関わるな。

これまで家族のために一生懸命やってきたのに
もうどうしていいか分かりませんorz

743 名前:名無し客:2008/01/14(月) 17:27:32
シュバリエさんは小夜とディーヴァどっちが好きですか?

ハジも戻ってきて答えてw

744 名前:ソーニャ ◆gD.KishiHU :2008/01/15(火) 00:51:46
こんにちは、寒い日が続くわね。
昔はハジとサヤが、今はお客様方がボート遊びをしていた池も
すっかり凍りついてしまったわ。


>>584
>因果の始まり、ボルドーの惨劇がもし起きてなかったら

あの出来事が起こらなければ、ディーヴァと長兄は「動物園」を出て世界を
歩み始めることはなく――吹雪が荒れ狂い天も地も白く染めたあの日、氷の
野原に倒れていた瀕死のわたしを見つけることもなく――私は何事も為さず
知らず、人間としての短い生涯を終えていたでしょうね。

死ぬはずだったものが生き返り、わたしは多くのことを知ることになった。
家族に己の存在を許され必要とされる歓喜について、真実の探求に至上の価値を
見出し一心不乱に追い求める恍惚について。……己の中の煩悩>>579のような、
知りたくないことや知らなければよかったと思えることも含めて、だけれどね。



>>589
>今日は忙しかったので疲れてなんとなく気持ちが凹んでます

まあ……お疲れさま。熱いお茶をいれましょうか、蜂蜜をたっぷり入れてね。
――さっき飲んだからいらない?長兄にグリュー・ワインをすすめられた>>597
それなら良かった。温かいもの甘いもの、適度なアルコールは疲れに効くものね。

わたしから見て貴方は、神経が疲れてらっしゃるように見える。
こんな時部屋にひきこもってばかりいてはかえって毒よ、気分転換が必要だわ。
外の冷たく澄んだ空気の中で体を動かしましょう。池もしっかり凍りついたし、
スケートがいいわね!

――大丈夫、防寒着も手袋も襟巻も毛皮の帽子もスケート靴も、全部用意して
あるわ。今日はお日さまも出ているし風もない、体を動かせばじきに汗ばむ
くらい暖かくなるわよ。憂鬱なんて飛んで行ってしまう。
さあカールお前も589さんと一緒に来るのよ、いくら南国ベトナム育ちで寒さが
苦手だからといって、毎日暖炉の傍でまるまっているものじゃないわ!

745 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/15(火) 01:58:12
>>637
>むぎゅ。えへへ。ねーもんもんは人間キライ?
>私のことも、キライ?(´・ω・`)ポシューン

―――君か。ようこそ、わが弟のちいさな崇拝者。
雪景色のなか設置された座席に温めた牛乳のカップで暖を取りながら、先刻から君は一体なにを
熱心に眺めているのかと興味ぶかく観察していたのだが………。

成程。ソロモンが新年の飾りを設置する姿を、君は見届けていたのだな?
あの『門松』とやらは、ひどく手の込んだ造形をしているようだ。サンクフレシュ・ファルマシーの
屋上庭園にて、私も幾何学的な造園の意匠は見慣れているのだがね。これはまた見事な出来映えだな。
こちらは誰が作ったものかは知らんが…脇の大きな雪達磨と並んで、来客を中へと導く門飾りの役割を
果たしているかのようだ。準備にはソロモンも随分苦心した事だろう。


ところで―――幼い崇拝者の君。
そのように鼻先を赤くしたまま、ちいさな子供が飛びつくように彼の背に抱きついたりなどして
その両手が凍えはしなかったのかね?この門飾りを作るのにはソロモンとて時間がかかっただろうからな。
―――そんな事はなかった?…ふふ。それは何よりだ。
ソロモンは人間であった頃から、醜い争いや殺し合い、またそれを画策する者どもを殊のほか
疎んじてきていたものだった。だからこそこの地で共に歩を進めながら、君の問いかける言葉に
優しく>>720と返す彼の姿は―――…少なくともこの私の目には、随分と楽しげに映るのだがね。
もはや争う必要もなく、殺し合う必要もない。その平和こそが彼の本来は柔らかく繊細な心を、ひどく
和ませているのだろう。

………私かね?
…ふふ。止めておこう。
君のようなあどけない客人に、聞かせてよい話ではないからな。
しかしこの私とて相手により態度を変える。我欲に走る人間はせいぜい利用し尽くし、敵対する者は
ディーヴァのシュヴァリエとして無論、排除する。だが礼儀正しく鞄運びに手を貸してくれるような
律儀で純情な少年に対しては、この私も相応の礼をする。

妖艶な美しい女性に擬態した事をさいわい、彼の薄い肩を抱き寄せながら共にホテルのロビーを
無言で歩き、昇降機を待つしばしのあいだ、そのかすかに緊張で赤らんだ耳元に

「………一緒にお風呂、入ろうか?」

などとふいに囁きかけるくらいの悪い冗談は、試してみたりはするだろうな。
…ふふ。その直後の彼の反応はひどく面白かったよ。子供というものはじつに解りやすいと感心したほどだ。
そういえば後で熱を出していた。尤も…中身がこの私であると知れば、もう一度倒れてしまいかねんのだが。
こういう心根の曲がった大人もこの世には存在するのだから、あどけない君は充分注意したまえ。

746 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/15(火) 01:59:37
>>638
>そうでしたね。貴方は「人間」であるがゆえに「ヒト」をやめた方でした。

―――おや…これは失礼いたしましたな。
そう。かつて私は初代ジョエルとともに「進化とは何であるのか」を求めてこの動物園で独自に
研究を続け、やがて翼手という未知の生命と出会い、そうして今ここにこうして存在するという訳だ。
 『我々とは何なのか。我々はどこから来て、どこへゆくのか。』
その問いに魅せられる事のない研究者など、はたして存在するだろうか?

「貴方だって、元は人間でしょう?!」

…とは、かつて私が小夜に問われた言葉だが―――。
未知なるものにあこがれ胸を焦がし、その謎を自らの手にて解き明かすことのみを望み、そのくるおしい
渇望ゆえに、やがて「ヒト」としての何かを踏み越えていってしまうのが人間の所業と言うなら
この私もまたまぎれもなく「元は人間」だ。鳥や獣、彼らはむしろ未知の存在を恐れるからな。
だから君の言葉に私は何ら異議を唱えるつもりはないが………。



>―もし、私の言葉を否定なさるなら改めて問います。「貴方は歌姫(ディーヴァ)の娘を切り刻めたか?」と。


―――…無論、君のその問いに対する答えはNOだ。それは当然ではないかね?

…私はしないよ。尤もディーヴァがそれを望まぬ限りは、と言い換えた方が良いのかもしれんが。
無論彼女がそれを望むはずもなく、そして私はディーヴァのしあわせの為に世界を動かす努力をしてきたのだ。
邪魔する者は排除する。…ただそれだけだ。私はステージの上で彼女が輝くその瞬間を、楽しみにしてきたの
だよ。翼手で満ちた世界にディーヴァの子供たちが生まれ、そして育つ。
そのときディーヴァがどうするのか―――…それが見たいのだ。それこそが長年、この私が追い続けてきた
問いに他ならないのだから。

……翼手とは誠に不思議な生き物だ。みずからはあるべき姿を持たず、人間に寄り添い生き続けようとする。
その生命の秘密は未だ薄闇の彼方にあり、どれほどこの指を伸ばそうとも、この望みが満たされる事はない。
みずからが彼女の血を分けられ、近しい者となった今も、求めるものは増えてゆく―――…。
…私は知りたいのだ。ディーヴァのすべてを。
調べ尽くし、知り尽くすこと。それこそが私の至高の愛。
ディーヴァは常にどこかを見ている。…おそらく私には手の届くことのない、彼女自身の「あるべき場所」を。

蝶の美しさの秘密を探した揚句、その脆い羽根を粉々に砕いてしまう愚かな子供のように。
あるいは渇きに耐えかねて海水を口にした者が、そのあと更なる激しい渇きに喉を焼かれ、数倍する
苦痛にのたうちまわるように―――この私は、わずかの間にも翼手の秘密を探らずには居られない。
調べ尽くし、知り尽くすこと。それこそが私の………唯一の、無残な、どこにも行き場のない愛だ。

この私の愛を受ける相手もまた、例外なく苦しむだろう。
私はつねに愛の対象をあらゆるかたちで試し、切り刻むからだ。
相手の幸福を間違いなく一方では望みながらも、私は相手を檻に入れ、調べ尽くし、責め苛む事をやめない。
たとえ愛しい者の瞳が苦痛に翳ろうとも。その顔が嫌悪の表情と共に、哀しくこの私から背かれようとも。
せめて苛むこの瞬間だけは確かに逃げず、この手の中に居る事を、他ならぬ私自身が実感する為に。
このかたち以外の愛は、しょせんこの私には手に入れる事も理解する事すらも……不可能なのだから。

君の問いに対する私の答え。―――無論…YESだよ。……それは、当然ではないかね?

747 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/15(火) 02:00:56
>>653
>映画は好き?見ないのかな

―――映画産業は、得てしてその国の政治と密接に関わっているものだ。
「一国の指導者を選出する事すら、もはや娯楽以外の何物でもない」とはかつてネイサンが語っていた
言葉だが………。
映画とは、資金を出す提供者の影響を受けるだけではない。
軍が、そして時の政府が映画を巧妙な戦意高揚のプロパガンダに利用することなど、ドイツ第三帝国の
昔から日常的に行われている行為なのではないのかね?

…まあそうした訳で、この私も資金提供者として試写会に招待されることはたびたびある。
だがその作品の内容は―――…。残念ながらあまりよく憶えてはおらんようだ。
それよりは列席者の出自と経歴、彼らに耳打ちする者、途中でひそかに席を立つ者。
画面が完全に暗転してからそれとなく訪れ、終了する直前に闇にまぎれて退席する来賓はだれか―――…。

思えばそうした事にばかり油断なく目を配ってきたものだ。
だから私の感想を一言で述べれば「………小賢しいことを…。」となるが、おそらくそれは作品自体の
感想ではないのだろうな。だから君の問いに対しては生憎『見ているが、見ていない』と答えざるをえない。
不調法で誠に申し訳ないな。








>>654
>ネイサンって結局どれくらいの戦闘能力があったの?

―――彼は気まぐれだ。すべてを出し切ってその実力を証明するといった「この私に対し、親切な」行為を
あの男がすると思うかね?私がそのように持ちかければ、彼はますます面白がってとぼける事だろう。
カールが>>667にて

>ネイサンの真の恐ろしさは翼種としての能力ではないんじゃないかな。

と語っていたようだがね。たしかにあの衣装、あの仕草。そしてあの声音は戦意をいちじるしく喪失させる
ことは間違いがない。それに彼自身、おのれの底を見せたりその本意を表すことは、どうしようもなく野暮で
あると思っていた節もあるようだ。かくいうこの私もつい、兄弟の七男でもある事も手伝ってつい調査を
怠ってしまっていたようだ。尤も……正直あまり調査意欲の沸き起こる相手ではなかった事も認めるが。

しかしジェイムズは彼を随分苦手としていたようだ。
それに戦う事はなくとも、面と向かえば相手の実力のおおよそは知れるというものだな。
どこまでが本気なのかは解りかねるがね。ネイサンは相当に強かったはずだろう。ネイサンといえば
メットのオペラの夜に、彼はひどく意味深な言葉を私に語ってくれたものだ。ディーヴァと小夜、その
親世代の翼手のシュヴァリエが存在する―――…。

その言葉ははたして事実なのか。事実とするならば私にとってこれほど興味をかきたてられる素材は
ないのだがね。しかしこの私がそうと望んでいる事を知ると、彼はたちまちはぐらかし、すべてを
煙に巻いてしまうことだろうな。

748 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/15(火) 02:04:15
>>655
>次回予告で目立つ→次週死亡→次回予告で目立つ→次週死亡
>BLOOD+の死亡フラグって結局これだったとおもうけど、どう?

―――以前客人が話していた「死の予兆」についての話だな。
次回予告といえば………何度か奇妙な取材ともいえぬ取材を、受けた覚えがあるのだがね。

『なんでも構いませんから一言、お願いします。ただし煽るような、意味深な言葉を。そして最後に
 必ず「次回 BLOOD+ ………」とあらかじめ決められた指定の語句をつけて下さい』

といった内容だったように記憶しているのだが。カールが十六夜の月がどうの、ジェイムズが
ママの為にどうしただの、そのたびにひどく力を入れて取材に協力していたようだよ。
しかしまあ…あれにはネイサンも答えていたはずだ。
「次回………ブラッドプラスぅ〜」などと、いちいちしなを作るものだから、ディーヴァ以外には
我らのうちで非常に不評だったのだがね。確かパーティの始まりが何やら…と叫んでいたはずだ。
あれを演じたネイサンはおそらく殺しても死なんよ。その予兆は迷信なのではないのかね?

他ならぬこの私も、何度かその取材に応じはしたのだが………。
この私の肩書と風貌を取材陣が無言のうちに恐れたのか、ほとんどソロモンがあいだに入って代わりに
進行してくれたため、私はほんの一言、二言答えるのみであったと記憶している。

「アンシェル兄さん。ぼくがすべて代理で答えますから、兄さんはただぼくの後に、この
 次回タイトルの『シュヴァリエ』とだけ、どうかよろしくお願いします。」

とやら…あとは「何事もなくこの場を去るつもりか」などといった他愛無い会話を彼と交わしているうちに
いつの間にか終了してしまっていたものだ。だからこの私は楽だったが、ソロモンの方は手慣れている
とはいえ、その分ひどく骨を折った事だろうな。


………だからこの私担当の最後の取材、その日は彼を、あの路地裏で看取った直後のことだったもので
あったので、内心ひどく気乗りがしなかったものだ。

「翼手で満ちた世界にディーヴァの子供たちが生まれ、そして育つ。そのときディーヴァはどうするのか……
それが見たいのだ」

と我ながらひどく沈んだ声で語りはしたものの…。
…今まで進行に気を配ってくれたソロモンがもう、その場にはいなかったのでな。ついそのまま肝心の
指定の語句をすべて省き、早々に口を閉ざしてしまった。取材陣も予期せぬ事態にさぞ慌てた事だったろう。
結局は小夜がこの私の後を引き取り、続きを語ってくれたようなのだがね。
君の仮説に従えばそれが私自身の「死の予兆」であったという事だ。目立っていたかどうかまでは
解らんが…あのときひどく寂しい、味気ない思いをした事は事実だな。

749 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/15(火) 02:07:23
>>664
>ヨクシュとバンパイアは違うものなの?

―――貴方の仰るのは、かのルーマニアにおける夜の怪物、吸血鬼の事ですな?
しかし吸血鬼は伝染病や為政者の暴虐が生み出した、あくまで伝説だ。翼手が自然に進化を
遂げてきた生物である以上、彼らとは別物と考えざるをえないでしょうな。…むしろ>>701
ミズ・ジュリア・シルバースタインの言う『人間による翼手の目撃談こそが、各地で吸血鬼伝説を
生み出す苗床となった』仮説に一票、投じたい気分ではあるのだがね。

陽光を嫌い、十字架をおそれ、讃美歌にふるえる………陽光により体が燃え尽きるという点では
我らシュヴァリエよりも、吸血鬼とやらはシフに近いと言うべきなのかもしれませんな。

シフはこの私が研究のうえで誕生させた、いわばシュヴァリエの亜種だ。
しかしその「種」としての生命力はあまりにも脆弱であった。人為的に手を加えたことで、あるいは
翼手が潜在的に劣性遺伝として持っている特性が、一気に表面化したものなのかもしれんが……。
まあ確かに『兵器』であるコープスコーズの雛型としては、その「生命力のはかなさ」は必要不可欠で
あったと言えるだろう。

動物学者より身を起こしたこの私にとって、手をかけて誕生させた種が長く生き延びにくいという事実は
正直あまり楽しい話ではなかった。本来、代を追って生命の経過を観察してゆく事そのものこそが「翼手とは
なにか」を求める、真実の探求者としての喜びなのだから。
……翼手とは何かを探る行為は、遅々として進まぬ、さまざまに失敗や挫折ばかりの多い研究だ。
ディーヴァの子を取りあげる時すらも、すべてが初めての事ばかりであった。なにしろ研究の先駆者が
この私より先に存在しないのだからな。少なくとも…この私の知る限りでは。


しかし研究者としての感情はともかく…ディーヴァを守護する立場としては「シフの命の有限性」
は非常に役に立った。来るべきデルタ計画成就のその日のため、戦闘力の高く、おのれの意思を持たぬ…
そしてなにより使用期限の存在する兵器―――コープスコーズの完成形を生み出す雛型となったのだから。

おや―――…眉をしかめられましたな?
確かに哀れなシフの運命に同情するお優しい貴方にとって、あまり心弾む話ではないのでしょうな。
しかしあれは我々翼手と人間との戦いだった。古来より戦争とは無慈悲なもの。正しい方が勝利するのでは
なく、勝利した者が正義を名乗ることを許される。…その逆はありえない。だからこそ勝利する為にみな、
あらゆる手段を用いるのだ。手段が清浄かそうでないかはこの際問題ではない。それに何より………
『翼手を狩る。しかも殲滅後、みずからも滅びようとする自己破壊機能のついた強力な兵器』を徹底的に
利用することは、かの赤い盾側も長年、公然と行ってきたのではなかったのかね?











…長らく返事をお待たせしている客人には申し訳ないのだがね。
どうもこの頃………私の弟たちの無軌道ぶりが目に余って困る。その原因は…まあたいした事ではない。
ささいな、まったく取るに足りん話題だ。だから君たちはわざわざ何の話であったか思い出す必要もない
ので、どうか忘れたままでいてくれたまえ。
本来このディーヴァのシュヴァリエを統べるこの私が気にするはずもない、ごくくだらん話題なのだからな。
無論、気にこそしないが―――しかしこの私の冷酷さを弟たちにはしっかり思い出させてやる必要がある。

だから誠に申し訳ないが……少々、挨拶をする客人の順をしばし変えさせていただこう。
統制のとれない弟どもを持つ兄とは…まったく苦労させられるものだ。

750 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/15(火) 02:10:58
>>665
>愛の為に死ねますか?

―――私の愛とは、調べ尽くし知り尽くす事だ。その想いを遂げることが出来るのならば
たとえ死んでも悔いはない。しかし私の弟たちはどう答えるものか。…しばし耳を澄ませてみよう。



>>722 ソロモン)
>贈り物を、これ以上頂くそばから有り難いとお供えしていたのでは
>カミダナの底板が抜けて落ちたりするかもしれません。彼も、
>壁の塗装がはげたり床が散らかったりするのはお厭でしょう、
>折角の贈り物なんですし…頭にお使いになればいいのに。

………。
………。
…いちいち声を高めて、抜けたり落ちたり、はげたりなどと…。
この私がしばし席を外している間に、良い仕事をしてくれたものだ………っ。思えばソロモンお前は常々
私の為によく骨を折ってくれたものだ。才能も実力も持ち合わせ、心根は優しく、そのうえ外見は
優美極まりなく―――…ソロモンお前はディーヴァの気に入りというだけではなく、この私にとっても
自慢の弟であったものだ。
……そうも褒められるとなんだか気味が悪い?
褒めるのは当たり前だ。今私はお前の  墓 碑 銘  を読み上げているのだから。
美しい瞳だ。この瞳の光を奪うのは実に残念…と失われようとする美を、しばし惜しむのと同じ理屈だ。
哀れなり、そしてさらばソロモン・ゴールドスミス。思えば長いようで短い兄弟の縁であった。


>>729 グレゴリー)
>いいこと、ソロモン=ゴールドスミス。
>頭髪が豊かとはいえない壮年の男性の耳に届くところで
>「抜ける」だの
>「落ちる」だの
>「はげる」だの
>「散らかる」だの……
>そんな言葉を使うべきではないわ。

………。
………。
……弟をたしなめる振りをして、さらに声高らかに客人へよく聞こえるよう、芝居じみた仕草で朗々と
叫ぶ、浮かれた放蕩者はお前かグレゴリー。ラスプーツボとはよく言ったものだ。お前の声量は
民衆を鼓舞し、神に呼びかける為に鍛えたものであるはずだ。それをこのようなくだらん場所で使うとは……。

ロシアの寒気に馴れたお前にとって、この動物園の冬はさぞ生温かろう。よほどネヴァ川の水の
凍りつくようなあの冷たさを、お前は思い出したいものとみえるな。わが弟ジェイムズの言葉ではないが
その期待に応えよう。…楽しみに待っていることだ。



>>734 カール)
>この僕がアンシェルに簡易植毛をおこなってあげよう。
>やり方は簡単だよ。君が育毛促進剤をプレゼントしたように、僕が接着剤を
>アンシェルに贈るのさ。長兄の額に接着剤を塗りつけてだね。
>そこに…えーとそうそう、ヤツのヒゲを剃って貼り付けてやろう。
>意外と斬新なヘアスタイルで、似合うかもしれないしね。

………。
………。
………くッ…!
……刷毛と剃刀を握りしめて、先刻から私の額に何をしているのかね?いとしい弟よ。
おお、語尾がふるえたのはあまり気にするな。大事な弟であるお前につい、おのれの感情を抑えかねた為だ。
カール。お前に与えられた役は何だ?…客人をもてなす事だ。だが今のお前の心の大半を占めているのは
ひどくつまらん低俗な思いつきだ。今のお前に必要なのは、しばしの休息であると思うのだがね。


―――さて、愛の為に死ねるかと問うた>>665の君。
君もその答えをさぞ知りたかろう。私の弟たちはいずれもこの私を兄としてこのように敬愛していて
くれるようだ。これほどまでに慕われては、ひねくれた心を持つこの私とて実に喜ばしい。
だが私は研究者として、確実に証明できなければ物事を信用せぬ性分だ。
その証明により弟たちにはぜひ死んでもらおう。他ならぬこの私への愛の為に。

751 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/15(火) 02:23:37
>>692,718
>気候など暖かいもの冷たいものどちらの方がたえられる?
>>アンシェルとソロモンやソーニャやカールは居なくならないよね?

―――私はどちらかというと夏の暑さに強い。残暑厳しい空軍基地での感謝祭において、
三つ揃えの背広で汗ひとつかかぬ程度にはな。…そのかわり冬場は暖炉の脇に立っている事が多いが。
ちょうど季節は冬だ。わが弟たちが少なくとも冷気にどれだけ強いのか、実験するにはふさわしかろう。

>>718の貴方。弟たちの姿が見えないのが気にかかりますかな?
彼らは無論ここにいる。…あの門松とやらの脇の雪達磨が、先ほどより数倍する大きさになっている事に
貴方はお気づきですかな。………そう。あれは私の仕業だ。白銀の雪の中、あの雪達磨まで三すじ、何やら
大きなものを引きずったような跡があるのが見える?……まあ、それはお気になさらず。
客人の皆様を迎える門飾りならば、ああしたものは大きく作った方がよいかと思いましたので、あのように
雪達磨をさらに増量いたしました。

しかし雪達磨の素材はあくまで雪に過ぎない。雪とは脆いものですからな。
おおきく、しかも堅牢に作るためには内部に柱を入れた方がよいかと思いましたので、独断で補強いたしました。
ちょうど人柱として素材が三体ほどありましたのでな。製造の際に三柱立て、そのうえ雪で固く塗りこめて
おいたものです。このまま春まで溶けずに保てばよいのだが。


>いま背中がちくりと…、…何か刺さったようです……
>あらどうしたの、ソロモン?そんな顔をして、わたしの後ろに何か――

―――…ソロモン、下睫毛でも飛ばしたかと思ったかね?グレゴリー、お前も無邪気なものだ。
飛ばせるものならば飛ばしたいが、あいにくこれは象が十頭、ショックで殺せるほど強力な麻酔薬だ。
なにせシュヴァリエの血はすぐに解毒してしまうから、あの愚弟どもには大した効果は出ないだろうが…
しかしわずかのあいだ動きを止める程度には役に立つ。さすがに最後、カールを埋めるときには
麻酔の効果が薄れかかってきたために、あわててつい奴の頭と足を上下逆に塗りこめてしまったが―――…。
まあ、ささいなことだ。別に…彼らに恨みがあっての行為ではないのだからな。

頭から塩水をかぶせた上で、貴方と>>665の貴方の問いを試すために、あの雪達磨へ弟たちを生き埋めに
してきたまでの話だ。ただでさえ塩分は温度を奪う機能を持っている。シュヴァリエとして誰が最も我慢強い
のか、客人を招いての公開実験という訳だ。実に興味ぶかい。
実験の担当者はミズ・ジュリア・シルバースタインにぜひお願いするとしよう。


………ミズ・シルバースタイン。君もまた>>618にて
>二人ともファーストシュヴァリエだからかしら。髪型は全然違うのにね。

と思わず口を滑らせたのを、たしかに私は聞いているのだがね。しかし同時に

>それは、総帥のまつげが三本しかないから、抜け落ちる時期が来たら簡単に全滅―――。
>いいえ、なんでもないわ。そうよ、私は何も言ってませんとも!

と慌てて自制したのもよく憶えている。影でどのように悪しざまにののしられようと、この私は
気にはしない。…ふん。当の昔に慣れておるよ。あのグラント奴もさぞこの私に毒づいた事だろう。
しかし悪口に節度があるかどうかは大事な問題だ。その点で君こそがこの動物園で唯一の希望だ。
思慮深く、また情愛こまやかな君が、こと翼手の研究の事になると少々………寝食を忘れ、目の色が
ややあぶなくなる姿を私はかつて何度も目撃した。そのあたりもじつに頼もしい!君はなかなか見どころがある。

時間をはかる時計と記録用具一式を、専属の担当者である君に預けよう。ミズ・シルバースタイン。
充分な記録が取れる前に、麻酔が切れて雪達磨から這い出してくる不届き者が現れた場合…構わないから
ふたたび雪の中へ押し込んでやりたまえ。その靴のヒールで足蹴にしてくれてもいい。どうせ全員
慣れておるはずだ。…客人の君たちはこの実験の見届け人だ。彼女とともにぜひよろしく頼む。
結果がでたらこの私にも知らせてくれたまえ。―――…では。今日はこのあたりで。

752 名前:名無し客:2008/01/15(火) 11:32:05
私の愛を受け取って!

753 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/17(木) 01:17:53
やあ、こんばんは。

いきなりだが、一つ訂正させておくれ。前回>>736で僕は次兄の料理を
「どれも北国のこってりとした高カロリー食」と評したが、これは間違いだ。
>>716のメニューを見てもらえばわかるが、お客人達の健康を考慮したのか、
次兄の料理は意外にもあっさりとしたカロリー控え目の食事が多いんだ。
どうりでシルヴァスタイン女史も平気で食べているはずだよ。

というわけで、お客人の中に僕の発言を気にしている人がいたら
どうかご心配なく。これまで通り気兼ねなく、次兄のロシア料理に
舌鼓を打ってください。(これでフォローはいいかな?僕のせいで
食事を残す人がでたら、僕が次兄に叱られてしまうのだよ)

では少々順番は前後するが、ご挨拶にまわろう。


>>718
>気候など暖かいもの冷たいものどちらの方がたえられる?

僕は南国生まれだからね。暖かい気候のほうが性に合う。このボルドーの冬は
僕の生まれた国とは比べものにならないほど寒い。――ああ、いけない。
また雪が降ってきた。君はさぞ寒いだろう?この上着を羽織っておいで。
僕なら大丈夫。暖かいほうが好きだといっても、この体は多少の寒さなど
苦にしないからね。

暖かいものと冷たいものの話だっけ。そうだね、夏に飲む冷えたワインは
好きなのだが――、それ以外では冷たいものにはあまりいい思い出はないな。
陰気で肌寒い実験室。中央に置かれた手術台に僕はくくりつけられて、
背中に当たるビニールが冷たくてね。メスの刃は冴え冴えと光って、僕の皮膚に
押し当てられる。一瞬ひんやりとしてその後は……。

――ごめん。つまらない話だったね。結局僕は冷たいよりは暖かい、いや、
熱いものの方が耐えられたし好きだったってことさ。研究者達の冷ややかな
視線より、この僕を殺そうとする、ルビーのように紅く熱い視線の方がね。




754 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/17(木) 01:19:05
>>744=グレゴリー
>さあカールお前も589さんと一緒に来るのよ、いくら南国ベトナム育ちで寒さが
>苦手だからといって、毎日暖炉の傍でまるまっているものじゃないわ!

我が次兄、僕はさっきまで外にいましたよ!名無しさんのためなら、
寒さも我慢して上着を貸すほどだったんだ!でも今は暖炉のぬくもりを
無駄にしないためにだね、特に寒さを避けたいわけじゃないが、こうして
無理矢理暖まっているわけなんだ。

暖炉が燃えているのに暖まる人がいないと、ほら、薪という森林資源が
無駄になるし、排出した二酸化炭素の無駄にもなるからね。僕は省資源と
地球温暖化に配慮する心正しい翼種を目指しているんだよ。地球のためにも
暖炉が生産した熱を有効に使ってこの体を暖めておこうという、我ながら
実に健気な心根なんだ。
けっして怠け心から、ぬくぬくと丸まっているわけじゃないんだよ。

――ああっ、次兄、ちゃんと話を聞いてくださいっ。僕の襟をつかんで
楽しそうに窓から放り出すのはやめてくれ!ソーニャの姿の次兄では
乱暴に振りほどけない!
(まだ高カロリー料理と言ったことを根に持ってるんですかー!)



755 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/17(木) 01:20:27
>>719
>貴方が気にかけている方のお好きな仕草を、私にそっと教えて下さい。

僕が気にかけている人か…。うーん、誰だろう?

僕はシュヴァリエとしてディーヴァと小夜、そして姫君方のことはいつも
気にかけている。僕達にとってなにより大切な宝物だからね。お騒がせな
兄弟達のことも、抜かりなく見張っているよ。監視していると言ってもいい。
僕が見ていないと、いつもロクでもないことばかりするから。

ハジやリク、赤い盾やシフなどの友人達にも、僕なりに気を配っているつもりだ。
もちろん君達お客人のこともね。この動物園に来てくれた人に少しでも
楽しく過ごしてもらうのが僕の願いだよ。

その中の誰でもいいから、好きな仕草を教えて欲しいって?
――仕方がない。
ずっと秘密にしていたんだが、君だけにある人物の変わった仕草を教えてあげよう。
小声でそーっとね。

さあ、こっちにおいで。耳を貸してごらん。内緒の話だよ。いいかい……?



    わっ!     



                               (耳がキーンとしちゃった?)



756 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/17(木) 01:24:04
>>726>>718

おや、僕が719さんをびっくりさせている間に、718さんが興味深い話をしてくれているね。

>本能のまま行動している人目を奪われたことがあります。あとはアンバランスな行動です。

僕達は本能のままに行動しているように見えたかい?社会と法律と世間体に
縛られた君達人間の目にはそう映るのだろうね。だが実際には僕達は人間の中で、
本能を押し殺して暮らしていた。

僕達のあるじもそうだよ。彼女は翼種の本能に忠実な女王だったのだけどね。
イギリスでは計画のために歌を禁じられ、人間のパーティーに行かなくては
いけなかったこともあった。もっともその時はお供のジェイムズが
あるじの望みに逆らえず、パーティー会場ではなく好きなだけ歌が歌える
コヴェントガーデンにお連れしたらしいけどね。

アンバランスな行動か。僕もそういったものに惹かれることはあるよ。
しかしソロモンが破れた服を着てジャンケンをしていたって?
面白いことを教えてくれたね。いつかからかってやろうかな。



>>727=うらら
>今宵もやって参りました、スペースチャンネル5の時間です。

テレビ局の人かい?遠いところから動物園にようこそ。よく来てくれたね。
マスコミ関係者の訪問は、沖縄から来たマオ・ジャハナ以来だ。

>ファントムコスチューム時のすごくとても格好の良い
>蝙蝠型スペース眼鏡は一体どこに売っているのですか!?

フッ……。このファントムマスクに目をつけるとは、君も只者じゃないね。
しかしこれは正確にはマスクであって、老眼鏡でも顕微鏡でも潜望鏡でもないんだよ。
こういった小物は一般ではなかなか売っていない。自分で作るのも面倒だ。
手に入れたいなら、舞台関係の仕事をしている弟を持つのが一番手っ取り早いのでは
ないかと思う。マスクだけじゃなく、マントなども調達してくれるからね。

君には記念に僕のスペアをあげよう。僕ほどではないだろうがきっと
似合うはずだ。今日から君もファントムうららと名乗りたまえ――!

着用前
Jノ∩・∀・)ヽ
 ↓
着用後
Jノ買ヲ∀ΘZヽ

これぞマスク・ド・うらら!




757 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/17(木) 01:24:42
>>630=ソロモン
>あとで、僕も彼に会いに行きましょう…彼にもワインを注いで、
>労って差し上げなくてはね。

いきなり部屋に入ってきてどうしたんだ、ソロモン?
僕をねぎらうだと?一体何のことだ。いや、ねぎらってもらう
心当たりがないんじゃなくて、ありすぎるからどれのことか
わからないだけだ。

だがお前にワインをもらってもな――。おいこら、誰も飲まないとは
言ってないだろう!ワインの香りにお前の説教臭さがうつっている
わけでもあるまい。ならば飲んでやるのもやぶさかではない。
…おい、何を笑っている。いいからとっととグラスに注げ。

へえ、ロゼか>>686。赤を好むお前にしては珍しいな。ピンクの酒は
甘いと思っていたが存外辛口だ。――うまい。……じゃなくて!
お前が選んだにしてはまあまあだな。お前も遠慮せず飲んでいいぞ。

今更乾杯の言葉なんぞいらん。ぐだぐだ言わずにさっさと飲め。
……そうだな。乾杯の言葉は必要ないが、お前に異国の挨拶でも
教えてやろう。礼儀はどこの国でも必要不可欠だからな。
よく聞いておけよ。

トルコ語ではテシェキュールエデリム、
ギリシャ語ではエフハリスト、
フィンランド語ではキートス、
スワヒリ語ではアサンテ、
ブルガリア語ではブラゴダリャだ。

わかったか?お前もディーヴァのシュヴァリエなのだから、異国に行ったら
その国の挨拶くらい使うんだぞ。

――意味が何か教えてもらわないと使えないだと?…フランス語ではメルシーだ!
僕の外国語講座は以上!後は自分で学べ。じゃあな!




758 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/17(木) 01:25:43
>>683
>ハジ行かないで。

……名無しさん、君もハジがいなくて寂しいのだね。僕も無二の親友が
旅に出たことによって、僕もなにやら心に穴が開いたような気がしているよ。

こんなことならもっと彼に話しかければよかった。
たとえば君みたいにハジを気に入っている名無しさんと一緒に、彼を
即席の人間(翼種だが)銅像にして、色んなポーズをつけて遊んだり
しようと思っていたのにね。逃げられ……いや、旅立ってしまったので、
その計画もなくなってしまった。かえすがえすも残念だよ。

――ああ、そんなに嘆かないで。ハジが僕にくれたスナック菓子を一袋あげるよ。
それからこっちのハジレンジャーの衣装の右手部分もあげよう。
一部分だけだが、ハジレンジャーになった彼の記念だよ。



>>684
>それ切っちゃダメだろ〜〜

――ああ!たまに庭の薔薇がおかしなところで切られていると思ったら、
ハジが庭仕事を手伝っていたのか。なるほど僕の親友であったチェロ弾きハジは
庭師見習いでもあったのだな。そしてご老体が彼の師匠なのか。

しかし懐かしいベトナム訛りとその姿。……どこかでお会いしたような気がするのは
僕の気のせいだろうか。――まあいい。老庭師殿にもハジからの贈り物を。

あなたの歯でも食べられそうなこのスナック菓子と、ハジレンジャーの
左手部分だ。彼は花バサミを左手で持っていたからね。



759 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/17(木) 01:26:19
>>692
>アンシェルとソロモンやソーニャやカールは居なくならないよね?

僕達はいなくならないよ。だが様々な理由でここを留守にする仲間がいるのは
仕方のないことだ。彼らも君に寂しい思いをさせてすまないと思っているだろう。
君も彼らの無事を祈ってくれるかい?

――よし!君にもスナック菓子とハジレンジャーの胸の部分をあげよう。
この『H』と書いてある大きなマークの部分だよ。彼や小夜や他の仲間のことを
思い出すよすがになるし、壁に飾ればインテリアにもなるだろう。
センスの良さは保障しないがね。



>>743
>シュバリエさんは小夜とディーヴァどっちが好きですか?

赤い薔薇と青い薔薇。どちらの色も香りも美しい。この僕に比べることなど
できるはずもないよ。いずれの花にも恋焦がれ、手に入れることのできなかった
僕にはね。空気と水のように、どちらも僕には必要不可欠な存在なんだ。
他の連中は違う答えを返すかもしれないがね。

>ハジも戻ってきて答えてw

君もハジを恋しがっているのだね。では君にもスナック菓子を一袋だ。
(ハジよ、箱ごとくれて助かったよ!)
それからこのハジレンジャーの衣装の――ええと、背中の部分をあげよう。
無地だから使い方は工夫次第だ。大切にしてくれたまえ。


――我が親友ハジ、すまないな。あまりにお客人方が寂しそうなので、
君の置き土産を配ってしまっている。ハジレンジャーの衣装も、そろそろ
下半身のみになりそうな勢いだが、切り取った部分は僕が責任持って繕っておくよ。
君もファントムの衣装を好きなだけ着てくれてよいからね。
着用したら、顔面神経痛に負けずにこう叫ぶんだ。


          レッツダンス!




760 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/17(木) 01:27:44
>>741
>ここにいる翼手は心が強いね。見習うことが多いわ。

そうとも。僕達は女王を守るシュヴァリエだ。身も心も弱い部分など
あるはずがない。どんな危険にも、いかなる強敵にもひるむことなく
立ち向かい、必ず勝利してみせる。あるじの名に賭けて、何者にも
敗北することはない。それが僕達だ。
そしてそれ以外に何も持たぬのも僕達なんだ――…。

君たち人間はほんの少し傷つけただけで、すぐ動けなくなってしまう生物だ。
でも君はどんな相手にでも見習うところを見つけられるしなやかな精神を
持っている。たとえ仲間を失い、人々に忌避され、安住の地を追われたとしても――。
君は泣きつかれた夜も静かに眠り、夢を見、また光眩しい朝を迎えるだろう。
転んで傷の痛みに嘆いても、けして潰れることなく、また立ち上がるだろう。
それも強さと呼べるのじゃないかな。僕にはないものだけどね。



>>742
>ニートだった末子は勝手に心中自殺に走り

君に負けず劣らず厄介な兄弟を持つ僕だけど、いうべき言葉は見つからないな。
しかしすこぶる人間らしくいじましい悩みだ。実に哀れと言わせてもらおう。
他人事とは思えぬほどに。

ねえ、君。正気など失くしておしまいよ。君を必要としない連中に、
惨めたらしくすがるのはやめたまえ。君は自由だ。狂おしいまでの
純粋な怒りに身を任せ、世界にいくばくかの混沌と破壊をもたらすことも
できるんだ。僕にも覚えのある感情だ。君が望むなら、僕は君の血塗れた
素敵な時間を、誰にも邪魔させはしないだろう。

それともありきたりな結末だが、あらゆる苦しみから解き放たれることを
願うかい?その願いなら簡単に聞き届けることができる。ほんの一瞬で済むよ。
安心するといい。僕はサディストじゃないから長く苦しませはしない。

…どちらもナンセンスだって?
それは君、人でなくなった者に相談する方がいけないのだよ。

――で、どちらにするか、決まったかい?




761 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/17(木) 01:28:11
>>725
>髪棚を祀ったら毛が生えてくるかもしれないよww

やあ、笑い上戸の名無しさん。
「髪棚を祀ったら」とはなかなか良い提案だ。髪に、ではなく紙に書いて
アンシェルの机の上に置いてやろう。

それにしてもソロモンはしれっとした顔をしてなかなかに毒を吐くだろう?
まったくもって油断のならない男なんだよ。それに比べると我が次兄は顔も
口も正直者だが、時々場所と加減を間違うんだ。ほら、今も>>729あんな風に
ソロモンをいさめながら自分も言ってはいけないことを……ハッ。

――おおい次兄、後方が禿しく危険だ!

名無しさん、危険人物は次兄とソロモンに任せて僕達は退散しよう。
さあ、僕にしっかりつかまって。
兄弟よ、僕はお客人の安全を守るという任務を全うする為、ここで失礼させてもらうよ!
僕は兄弟の強靭さを信じている!そして名無しさんを抱きかかえて離脱!

―――のはずだったが失敗。

背中に針が刺さったような痛み。これはなんだ。思うように体が動かない。
うう……名無しさん、君だけでも逃げるんだ……僕はシュヴァリエ……心配は……い、ら…………



762 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/17(木) 01:28:50
>>750=アンシェル
>弟たちにはぜひ死んでもらおう。他ならぬこの私への愛の為に。

…………。
長兄の実験に付き合わされてひどい目にあうのは毎度のことなのだがね。
雪だるまに逆さに埋めこまれたのは初の体験だな。――寒い、果てしなく寒い。
しかしアンシェル。この僕にあなたへの愛をこうすることで証明しろ、だと?

――貴様への愛などどこにもない!

などとこの僕が言うとでも思ったのか?見くびってもらっては困る。
僕の内には『偉大なる』長兄への愛が泉のように湧き出でて、
今も溢れんばかりだのだよ。たとえ逆さにされたまま雪にめりこんでいてもね。

実際僕は、あなたが大好きなのだ。
その豊かになびく髪の毛も、
知的な三本下まつげもも(時々消えると評判だがね!)、
高貴なアライグマにそっくりなその面差しもね。
流行を無視した葡萄色の上着も人気の秘訣かな。

もちろん見かけだけじゃない。
弟達に情愛細かく嫌がらせなどけっしてしない気高い精神や
禿と言われたくらいでは少しも動じぬ寛容な心に
怜悧でありながら温情も忘れぬ深い知性。

この全てを兼ね備えていてこそ『偉大なる長兄』と呼ぶべき人物なのだろうなあ!
いやあ、理想的な兄を持った弟はさぞかし己の身の幸運に感謝していることだろう!
きっと雪だるまに埋められることなどないに違いない。ハッハッハッ!



763 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/17(木) 01:30:39
>>731
>あ、アンシェル、落ちたよ ハンカチが

やあ、不覚にも名無しさんの発言で笑ってしまったよ。ところで今僕は
この通り、雪だるまに逆さに貼りついたままで、動きづらくてね。
いささか無作法だが、もうしばらくこのままで失礼させてもらうよ。
いや実に全く、僕も良い兄を持ったものでね。面白い経験をさせてもらっている。

――おや、アンシェル。名無しさんも言っていたが、ほら、その頭から
少し落ちたぞ。ああ、いや、落ちるほどもなかったな。


うん?変な顔をしてどうしたんだ?雪が落ちて風流だと言いたかっただけなのに。
ミズ・シルヴァスタイン、あなたももっとリラックスしてください。
笑顔が固いですよ。



>>752
>私の愛を受け取って!

名無しさん、すまないね。今は雪だるまに逆さに埋められてしまっている身だ。
今の僕の手では君の愛を受け止めることも難しそうだ。なにせ逆向きだからね。

しかしたまには逆さになってみるのも面白いかもしれないね。どうやら
言葉も逆になるようなんだ。愉快な経験だよ。
こんな珍しい体験をさせてくれた僕の賢明な長兄には感謝しているんだ。
とてもね。


ここまでにしておこう。今夜、君たちの夢の中に逆さ吊りの
男がが出て来たら、彼に親切にしてくれたまえ。おそらくその男は
逆さになった苦しさだけでなく、かなり寒い思いもしているだろうからね。

それでは逆さのままだが、人間の皆さん、今夜はこれで御機嫌よう。





764 名前:名無し客:2008/01/17(木) 12:49:46
雪の中で兄弟喧嘩w

765 名前:名無し客:2008/01/17(木) 22:48:43
みんなで雪合戦しようよ

766 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2008/01/18(金) 00:53:13
>>719>>726
ご機嫌よう。やあ、あなたがた
カドマツを片付けるのを手伝って下さるのですか?これは助かります。
何のお話をしておいででしたか?気になるひとの仕草…成る程。それで>>726さんは

>ソロモンが紳士服を破れていても子供のようにジャンケンしてたことだったり

おやおや、僕が以前ハジに刺されたときのあれがお気に入りだと仰る…?はは、
確かに歳とか肩書きに似つかわしくない事をする、と言われる事はあります
前にもね、彼はどこで見ていたのか判らないんですけれど…ヴァンに
リセの理事長と電話しながら、受話器のコードを指に巻きつけるのはやめて下さいと
お小言を言われましたよ。貴方は手癖が良くない、と子供のように窘められました。

>貴方が気にかけている方のお好きな仕草を、私にそっと教えて下さい。

…僕ですか?そうですね、このあいだ小夜が…目の前に沢山美味しいものを出されて、
それに手をつけようとして引っ込めるのを見ました。僕はてっきり、
周りに沢山人が居るので恥ずかしかったのかなと思ったのです。
女の子はそういうものでしょう?

けれど彼女は違った…、彼女は引っ込めた手を悩ましげに口元へ遣って、
料理から目を離さないのです。それから今度は別の物に躊躇なく手を伸ばした。
彼女は単に何が美味しいのか、物色していたのですね。
あれでもない、これでもない、手を伸ばしては引っ込めてを繰り返していた。
その時の彼女の嬉しそうなお顔といったら…とても可愛かった、僕は好きですよ。

おや、あなたは彼女のそういう仕草を何度も見たことがある、と仰る?
彼女は食事の時は何時もそうだった、と…?僕は随分と、
いいものを見逃していたんですね。では彼女は…

…あの薔薇の前でもきっと、同じ仕種を繰り返したのでしょうね。
温室のかたすみで…膨らみかけた形の良い蕾と、瑞々しい葉の間に
小さな指輪を通した、あの薔薇です。おや、
カール>>738もグレゴリー兄さん>>728も、その話をしていた…?そうですか。

綺麗に咲いた薔薇のひと枝の、どこを抓んでどうすれば 花弁や茎を傷つけずに
指輪を外す事が出来るかと…彼女は頸を傾げて、
恐る恐る手を伸ばしては引っ込めて、を繰り返したのでしょうね。

繊細な硝子細工を触るように、それは嬉しそうに。

だってどちらも彼女の為の、心からの贈り物なんですから。
彼女のそんな様子も、僕は見逃しました。あなたも見たかった?そうでしょうね。
それを目にする事ができたのはきっと、贈り主の彼だけだ。

…彼女の手の中で、あの薔薇はどうなったでしょうか?
ああでもない、こうでもない、手を伸ばしては引っ込めてを繰り返しているうちに
いつしか薔薇は枯れてしまって―――彼女はとても悲しむのですけれど、
お花が枯れて、花弁も葉も全部落ちて初めてするりと抜けた指輪は
もとあった茎よりもしなやかな彼女の指で、ずっと輝き続けるんです

―――羨ましいですね。


767 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2008/01/18(金) 00:54:21
>>601
>お前には心を許せる誰かがいるか?

心を許せる相手、ですか…ええ、居ますけれど
僕はいつも行ったきりなので…よく判りませんね。…はは、
つまりね、僕は相手に心を許した気になっているんですけれど
その相手は僕に対して気を許していなかったり、心を閉ざしていたりする
だから僕が相手に対して許した心は、いつも行ったきりなのです。

だって、そうでしょう?いくら僕が相手に対して心を開いても、
どれだけ愛して、どれだけ視線を注いでも
それに気がついて貰えないと…意味が無いでしょう。
僕は気付いて貰うすべを知らなかった。これまで僕は
パリの社交界で、連合軍の士官のあいだで、或いはファルマシーの社屋で
人間を相手にそつなくやってきたつもりでした。
けれど…本当に心を通わせたい相手に限って、そう巧くはいきませんでした
難しいのですね、やはり…僕も、もとは人間なんです。

けれどね…聞いて下さい、このあいだ僕は、弟のひとりに
ロゼを持っていったのですよ。>>757そうしたら、彼は僕に何と言ったと思います?
いつもの素直でない様子を、僕は思わず笑ってしまって
彼に詰られっぱなしだったのですけれどね…いいですか、彼は僕に
ありがとう、と言ったのですよ。酷く遠まわしに、けれどある意味直接的に。

良かった、
ここでは僕が彼に心を許す「ことが許される」のですね。

ああ今のは彼には黙っていて下さいね?何しろ、彼は
僕にお礼を言っただなんて、誰にも気取られたくないんですから。


768 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2008/01/18(金) 00:56:47
そういえば、近頃彼の姿を見ませんね。あなた見ましたか?
…それにしても大きな雪だるまだ。これなら、膝を折れば人ひとり…ああ、
あなたはカールを見かけましたか。それは良かった…
彼は景気良くご挨拶をしてまわっているのが常ですから、つい心配になってしまいます。
こんな時には特に、あの部屋にはもう小夜が居ないから、と
珍しく項垂れているんじゃないかとね。

…そういえば、アンシェル兄さんは?ここの所彼の姿も見ません…
はい?ええ、本当に大きい雪だるまですねえ。…?
やっぱり誰か中に入ってるんじゃないか、これだけ大きければ
多少体格が良くても、と…?
まさか。

…まさか―――。

おや、ソーニャ兄さん>>728が近づいていく…あの木の枝は?
あれをどうするのです、

>この木の枝……そうだわ!えいっ。

…!

>……いい感じ、もう一回。やあっ。

……!!
本当に、誰もいないのでしょうね?人間ならひとたまりもありませんよ…
ちょっと行ってみましょう。
誰か…?誰か居るのですか?
…兄さん…?アンシェル兄さん?
そこにおいでなんですか?いるなら返事を…、アンシェル兄さん、
アンシェル兄さん!

叩いても揺すっても返事がありません…、ただの雪だるまのようです。
やっぱり兄さんは書庫の整理か、書斎で書きものか
何かご用事をしておいでなのでしょうね。彼が居れば僕ら兄弟は、
そうと気がつく筈ですし…こんなものの中に人が、なんてどうかしている。
それに翼手の眷族がとくれば、尚更です。

769 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2008/01/18(金) 00:57:59
ええ、>>605さん
>翼手の宇宙空間、深海等での適応可能性について考慮してみて

僕らのような生き物は確かに、人間よりも強く出来ている。
ですが宇宙、はどうかな…あのお空の、まだ向こうでしょう?
空気がない。重力もない。海の底だってそうです…息が出来ません

翼手は炎に巻かれれば灰になりますし、凍りついてしまえば流石に動けません
その点、あなたがたと変わらないのですからね。けれど雪の中なら、
…こんな格好になるまで大人しくしてはいないでしょうねえ。ただ
意識のない状態で閉じ込められたら、どうなるんでしょうか
それに関しては検証していない筈ですから、何とも言えませんけれど…

……やっぱり僕の思い過ごしだな。せっかくのかわいい雪だるまだ
ほら、今度はカール>>732がご来客と一緒に、電飾で飾りつけをしています。
もう暫く、あのままにしておきましょうね。




>>655
>次回予告で目立つ→次週死亡→次回予告で目立つ→次週死亡

そうそう、「死亡フラグ」のお話でしたね…あなたも好奇心の強いかただ、
あまり核心に踏み込むと…あなたにも、立つかも知れませんよ?気をつけて。
次回…予告?映画ですとか、連続もののドラマですとかの…?
ははあ成る程、それは例えばこういう事でしょうか


「―――言わずと知れた事。人柱よ…」

“偉大なる長兄”はそう言い残して、門扉の外に姿を消した。
コツ、コツ、整列した石畳を叩く彼の長靴。そして―――
ずるり  ずるり
何かを引きずる彼の手には…ショベル。
アンシェル兄さん、貴方は僕らに何も言わずに一体何を…?
降りしきる雪の中、弟達が最後に目にしたものは―――
不吉に砕け散るカミダナ
飛び散るワインの、赤黒い飛沫

「…兄さん、それは…誤解なんです。」


はは、なかなか上手に出来たでしょう?>>748兄さんやジェイムズと、
何度か仕事で似たような事をしたものですから。
今のはあの時と違って、思いついた独り言を並べただけなんですけれどね。

あの時は…アンシェル兄さんと煽り文句の応酬をやっているうちに、
何だかよく判らない怪しげな遣り取りをしてしまっていたり
最後のひとつに至っては頭に血が上って、お恥ずかしい事になってしまったものです
あれが一番、僕もジェイムズも目立っていたでしょうね。
僕も彼も、少し壊れていましたから…そう考えると、あながち外れてもいないのでは

…ああ、だから今のような予告では危ない、と仰る?はは、大丈夫ですよ。以前だって
僕の脚が薔薇の垣根からにょきっと、なんて事にはならなかったでしょう?
シルヴァスタイン女史も仰っていたように…ジンクスですよ。何の根拠もありません。


770 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2008/01/18(金) 01:01:50
>>729 グレゴリー兄さん、
ああやはりあの鹿は貴方が狩っていらしたのですか…!
僕はてっきり―――森の住人であるエルフよろしく、弓矢でも使ったのかと…それを
まさか素手でなさるとは。流石です、兄さん。

>頭は厨房にあるのよ、持ってくるわね!

こ―――ここに持っておいでに?待って下さい兄さん、
可憐なロシア少女が血の滴る鹿の首の、角を掴んで誇らしげに掲げる姿なんて
倒錯を通り越してオカルト―――、
いいえ…!折角の牡鹿の頭です、技師を呼んで剥製にしましょう。ええ、
お屋敷の玄関がすこし寂しいと思っていたところなんです―――
ほら、あの、対になったランプの真ん中に飾れば何となく高級感も…
ええ、技師はあとで僕が手配しておきますから。

>いいこと、ソロモン=ゴールドスミス。…

…はい、兄さん…どうしました、改まって。
…は…?いいえ、あれは単に―――おや、>>725のあなたまで。違いますよ、
毒だなんてとんでもない。それとも僕が、アンシェル兄さんの頭髪めがけて
口から毒を浴びせかけたりするように見えますか?
僕は単にカミダナが壊れる心配をしただけで―――他意はありません、
ですから…「髪棚」をまつる、だなんて…、…ふっ
…誰が上手い事を言えと言ったのか…お伺いしたい所です。

それはいいのですが兄さん、少しお声が―――…?

>あらどうしたの、ソロモン?そんな顔をして、わたしの後ろに何か――

…いえ、ええ、いま貴方の後ろに…何でしょう、一瞬
大きなあらいぐま…でしょうか?
おや、貴方もうなじの辺りがちくりとした?いけませんね、何だか厭な感じが
誰かが、僕らの事を今か今かといったような様子で観察しているような―――


>>653
>映画は好き?見ないのかな

そういえば最近、日本からおいでのご来客が…映画のお話をしていましたよ。
この時期、映画の業界も稼ぎ時ですから面白い作品が多いようで…ええ、確か
何やら小さなハコの中に、手足の無い少女がみっしりと詰まっているというような
サスペンスなのかホラーなのか、よくわからない作品だったのだとか。

ああもしかしたら、そんな話を聞いたから…あの雪だるまの中に人が、なんて
突飛な事を思いついたのかも知れませんね。
…あなたどうします?本当に詰まっていたら。そうですね、

一人と言わず三人くらい…みっしりと。

…はは、まさか。只でさえ寒いのに背筋が凍った?
それはそれは、御免なさい。けれど―――おや…?…、ああ

…すみません、何でもないのですよ?ちょっと、その―――立ち眩みが。おかしいな。


771 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2008/01/18(金) 01:05:59
おや>>750、アンシェル兄さん。
すみません、どうも目眩がするようで…
あ―――はい?愛の為に死ねるか…?ああ、ご来客>>665の問いかけですか。
少し前の僕なら、死ねると即答した事でしょうね?けれど…
落ち着いて、よく考えると…死んでしまえば、もうそこでお終いなのですね
愛する事も、愛される事も―――もう二度と、決して無いのですね…あの時、僕は
もう少し、もう少しだけ生きたいと―――そればかりで
決して―――死んでもいいなどとは―――ああ。どうもいけません、やっぱり目眩が。

>いちいち声を高めて、抜けたり落ちたり、はげたりなどと…。

…はい…?何の事を仰います、僕はただカミダナの底が抜ける心配を…ええ、
ですから何もこれ以上貴方の髪が抜けて落ちたり禿げ散らかったりしないように
あの薬を使えばいいですのになどとは一言も―――あ、…しまっ…

>良い仕事をしてくれたものだ
>才能も実力も持ち合わせ、心根は優しく、そのうえ外見は優美極まりなく
>ディーヴァの気に入りというだけではなく、この私にとっても自慢の弟であったものだ。

…………いえ…、滅相もない…、

>……そうも褒められるとなんだか気味が悪い?
>褒めるのは当たり前だ。今私はお前の

…すみません、ですからあれは言葉のあやで…

>  墓 碑 銘  を読み上げているのだから。

兄さん、それは―――誤解なんです
頼むからもう少し―――もう少しだけ、話を…

>哀れなり、そしてさらばソロモン・ゴールドスミス。

ごか…アンシェル兄さ―――カミ…、…そ…こ…、抜……け……




ドサッ
ズルッ……ズルッ……


772 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/18(金) 04:18:31
>>765
>みんなで雪合戦しようよ

―――任せておきたまえ。
しかし君たちは人間であるから、それなりにハンデを与えよう。
君はこの私に向けて雪玉を投げつけてくれて構わない。しかし私の方はある事情で、今日は
力の加減が出来そうにもない。だから君に対してではなく、あの雪達磨を標的とする事にしよう。

…ふふ。君もなかなか狙いが正確だ。少なくともあの日の暗殺の狙撃手くらいにはな。
では私も―――雪達磨の足元部分…あのひどくにぎやかに何やら喋りつづける部分を狙おう。
いや、言葉の内容はよく聞こえんな。忌々しいので理解することをこの耳が拒否するためだ。
構わんよ!訳してくれずとも結構。
その内容を思い返すたび、いちいち怒りで体がふるえるからだ。
いっそ雪達磨に埋める前、そのよくさえずる緑色のくちばしに雪玉を詰めてやるべきであった。

……命中したかね?立て続けに数個、余興で投げてみたのだがね。
なにせ「親父なのは私だけでたくさん」であるとの事だ。だからこうした子供の遊びは
弟たちより私は理解が乏しい。―――雪達磨の懐ふかくに命中した?……それはなにより。
…ふん。あの補強の柱にもし命があるなら、今ごろ雪達磨のなかで、なつかしい者の幻影を
あるいは見たかもしれんな。それを一般に人生の走馬灯というのだ。君はそれを知っていたかね?

人生の終焉といえば、意識を失う瞬間。それはその者の本性がはっきりと現れるものだ。
私にはおのれの意思を殺して「兄さんの言葉はぼくの意志でもあります」と賛同してくれた
従順な弟が「いた」のだがね。しかし同時に冷たく腹の底の読めぬしたたかさも、兼ね備えていた
男であった。いったいどちらが彼の本性なのか?
それはその瞬間を仔細に観察すれば、すぐに解る話なのだ。

この期に及んで―――カミ…、…そ…こ…、抜……け……などと厭味な皮肉を口走るような弟だ。
優しげな外見に惑わされてはいけない。良かったら君もあの雪達磨に雪をぶつけてみたまえ。
…私一人と雪の投げ合いでは、ひどくつまらないかね?
安心したまえ。これでも「みんなで」雪合戦だ。少なくともこの私の主観の中ではな。

773 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/18(金) 04:20:22
>>666
>ぶっちゃけ沖縄編をどう評価していますか?
>本音を聞かせて下さい。

―――さて………どうかな。
私がこの時代の小夜を、初めて目にしたのはロシアにおいてだ。
沖縄においてはジェイムズの所属する米軍から、ベトナムにおいてはソロモンから
ひととおり連絡を受けてはいたのだがね。しかし具体的にどのような生活を彼女が
送っていたかについては、この私は知るすべがないので何とも答えようがない。
ご期待に添えず申し訳ないな。

しかし訪れる運命などをわざわざ評価するよりも、運命の手のなかで翻弄される
彼らが何をどう感じ、そのときどのような意志をもって行動していたのかを注意ぶかく
観察し、その意図に思いをめぐらす方が研究者の思索しては面白いのではないかね?

たとえばハジだ。
ハジはベトナム以来、我々の情報網にもその姿を確認することはできなかった。
この私の個人的な感情はひとまず置き………。
彼は小夜のシュヴァリエ。ディーヴァの花婿となりえる存在だ。利用する価値は充分にある。
いや、この場合「充分にあった」と過去形でいうべきだろうな。私にとってはすばらしい事に。

我らシュヴァリエにとって、あるじの目覚めは特別なものだ。
この時代のディーヴァとお会いできたのは、兄弟のなかではこの私が最も遅かった。
あのサンクフレシュ・ファルマシーの屋上庭園で―――さんざんに機嫌をこじらせた揚句、
そのまま疲れて眠ってしまったちいさな幼女のようなディーヴァの姿を、私は今でもよく憶えている。

あのときは弟たちへの挨拶もエリザベータの擬態を解くのもしばし忘れ、なつかしさにその黒髪を
無言でしばらく撫でていたものだ。あの男―――ハジはあるじとどのような再会を果たしたのかね?


………ほう。問答無用とばかりに、いきなり口移しで目覚めの血を?
それはそれは。何とも思い切ったことをしたものだ。さすがに私より若いだけの事はある。
おのれの知らぬ環境で、かりそめとは云え、みずからのあるべき場所を見出していたあるじに……。
あるいはあの男も…そのときこの私と同じように、出口のない暗い想いを抱いたのかもしれんな。

「私はディーヴァのしあわせの為に、世界を動かす努力をして来たのだ。
 ステージの上で彼女が輝くその瞬間を 今も楽しみにしている。……だが…そう。
 間違いだった。私は、私だけのディーヴァであって欲しかったのだ」

―――…と。

774 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/18(金) 04:23:23
>>671
>SAYAの姉か妹はもしかして世界のどこかにまだ存在してる?

―――それは興味深い。1833年、動物園の我らの元に運ばれてきたミイラの
姉姫か妹姫が、かね?SAYAの頭部は潰されており………だがその体はまったく
結晶化されてはいなかった。少なくとも相対する女王の血によって、あの姿に
なったのではないと予測ができる。原因は今日をもってなおも不明なのだがね。
だからこそ研究者としては誠に不本意ながら、データの揃わぬままで推測を重ねるしかないのだが……。

頭部になんらかの致命傷を負った彼女―――…子を宿したSAYAが、おのれの治癒能力や
生命力を極限まで削り、あるいは胎内の双子を生き永らえさせたのかもしれんな。
美談のようで聞こえは良いが………しかし逆を言えば、翼手とは胎児がその母親の養分、
弱ったその命のひとしずくまでをも絞りとってしまい、そのうえで初めて産声をあげる種族でないとも
言い切れない。母の命と引き換えに次世代が誕生する種など、自然界にはざらにある話だ。

だがこの私の望みは、翼手で満ちた世界に育つ双子を見、そのときディーヴァがどうするのか…。
それを見届けることだった。だからこそ自然分娩を待たず、この私がこの手で取りあげたのだ。
小夜とディーヴァが誕生した頃は、現在のような医学の最新機器も揃わず、よって記録も精密なものとは
お世辞にも言えないものであった。しかし私は今もあざやかに憶えている。
翼手というまったく未知の存在を、はじめて目にした時の喜びを。…もう随分と昔の話だがね。
ディーヴァの出産―――なにもかもが初めての事ばかりだったのだが、記録の不備は私の克明な
過去の記憶が補ってくれた。誕生時の二人の体重、その発育状況。繭の形状―――…。
非常にあやうい、リスクの高い賭けではあったのだがね。

しかし大量の資金を投じてこの箱庭…動物園を作りあげたあのジョエルが、SAYAの発見時
その同等の存在の可能性を探らずに放置できると君は思うかね?…私にはとてもそうは思えんのだが。
それは無論、彼の意思を継いだ赤い盾でも同じ事だ。我々に対抗できるあらゆる情報を集めるだろう。
では私はどうか?……愚問だ、この私は真実の探求者であるのだから。

しかしそのすべての裏をかいて、息をひそめるように生息していたのならば
もはや知る由もないが―――…。思えばネイサンはオペラの夜にひどく意味ありげな
呟きを洩らしていた。出来うるならばぜひあの続きを聞きたいものだな。

775 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/18(金) 04:25:09
>>672
>ディーヴァの妊娠を知った時の皆の反応を教えて


―――…すばらしい!ただその一語に尽きる。
そう…>>735のカールの述懐と同じく、私も嬉しげな彼女の言葉を耳にした。
「あの子から大切なものをもらったの」―――…と。

女王の本能が確信をもって告げる予言。彼女はのちにこうも語っていた。
「でもね…この子たち、もうすぐ生まれてくるよ……」…と。
すべてが初めての事ばかりであった。人間における常識などはこの際
なんの役にも立たない。おそらく彼女がそう語るのならば、それは必ず真実なのだろう。


……じつにすばらしい。
私は長く、ほんとうに長く彼女のその言葉を待っていたのだ。
ディーヴァが子を宿す。これ以上に喜ばしくも、はれやかな事実は他にあるまい。

私は嬉しかったよ。
もし存在するのならば、神とやらに感謝してもよいとすら思ったほどだ。
ディーヴァが子を宿した。
これで私は彼女の元に……もう二度と花婿を届ける必要はなくなったのだから。

花婿となりうる相手を激しくねたみ、憎悪し続け―――その心を理性で殺しながら、笑顔で
彼女の白い手を他の男にゆだねつづける必要は…もはや失せた。その必要はもうどこにも無いのだ。
ディーヴァが子を宿した。そのときこの私が感じた、全身のちからが失われるような安堵は……。
おそらく到底他の者には理解できまい。狂気の沙汰と眉をひそめられる事はあったとしても。






>>674
>自分のキャラCDがでるとしたらどういう内容にする?

―――私専用のCD?ディーヴァの間違いではないのかね?
私自身は表舞台に登場することを好まない。米国に拠点を移した時も、主だった政府筋との交渉は
すべてヴァン・アルジャーノに任せていた。私はあくまで音をたてず、親しげに微笑しながら
時の権力へと忍び寄り…。しかし去るときはつねに一切を闇に葬るように動いてきた。
牙をとぐ肉食獣がおのれの獲物に対してそう動くようにな。
だから後々まで音源の残るCDなどには、どうもあまり気が乗らないのだがね。

しかし、こと兄弟に関しては、写真を数点残すような事もしてきたものだ。
だからあくまでディーヴァご自身と、彼女のシュヴァリエの内だけで楽しむ程度の
ものであるのならば構わない。その場合はプロデュースのすべてを、兄弟のなかの
才能ある者に一任してしまうことだろうな。

………。
………。
…いや……やはり止めておこう。
このうえ弟たちに任せては危険だ。下手をすると「髪」「下睫毛」「薄い」「禿」などの
キーワードを多用した『偉大なる長兄 絵描き歌』のようなものを作られる恐れがある。
しかもも私からの仕返し封じに、それをディーヴァに歌わせかねん腹黒な弟どもだ。
彼女が歌うのであれば―――たとえその内容がどうあろうと、この私としては
「素晴らしい!」と称賛する他ないではないか。

776 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/18(金) 04:31:51
>>675
>これから昼寝するので子守歌歌って

―――……。子守唄とはなんとも…君。この私がかね?
………。
子供を寝かしつけるのはディーヴァ以外では初めてだ。
無論この場合、君をやすらかに永眠させるという意味ではないのだろうな。
歌ならばディーヴァご本人か、本職のネイサンに任せた方がよくはないのかね?
尤もあの男の腹式呼吸による発声と、派手な節回しの子守唄で、
はたして君が眠れるかどうかは非常に怪しいものだが。
…む、すでに君は毛布を被って我々が歌うのを待っているのか。……これは参ったな。

………。
………。
…J'ai perdu le do de ma clarinette,
 J'ai perdu le do de ma clarinette,
 Ah ! si papa il savait ca, tralala………


…やはりいかんな。どうもあまり上手くはない。
何よりこの私にはおそろしく不似合いだ。すまんがその望みは他の優しげな弟たちや、
母となったミズ・ジュリア・シルバースタインを当たってくれ。

……おや。東洋人であるらしい君にも、この歌の調べに聞き覚えがあるのかね?
まあ、ふるくからあるフランスの童謡だ。ちいさな子供がクラリネットを思うように演奏できず
じれる歌だな。……ほう。君の国でもこの曲は訳されているのか。
『クラリネットを壊しちゃった』か。―――…成程。
本来の歌詞では、少年はこの楽器を壊した訳ではないのだがね。


後半部分が、どうもよく意味のわからない歌?
『Au pas, camarade』がかね?……ああ、君の国ではこの部分が翻訳されてはいないのだな。
「みな足並み揃え、共にゆこう」といった程度の意味だ。軍隊でもこの言葉はよく用いられる。
だからこの曲の前半部分、演奏できん子供の訴えの歌詞とあわせて無理なく意訳したとしたならばー――

「ねえお父様!クラリネットのドの音が、出なくなっちゃったの!」

とじれる子供の言葉に対する、これは父親の返事とするのが適当だろう。
断わっておくが「ふむ…。新しいのが欲しくて、わざと壊しましたね?」ではないぞ。

  よいかね?耳をよく澄ませたまえ。
  そして拍子を合わせるのだよ。
  拍子を合わせて、落ち着いて演奏することだ。
  音を揃えて。…さあ。


とおそらく、根気づよく子供へ指導しているのだろう。
決して楽器そのものが壊れているのではないのだ。ちなみに曲が進むごとにド、レ、ミ…と順に
音が出なくなり、最後にはすべての音が出ないと子供が困るのは原曲でも同じだ。
しかしこの子供がもしもディーヴァであったのならば、これほどまでに音の出ん楽器に

「これ……かわいくないっ!!」

と頬をふくらませて大変なことになる。
まず間違いなく次の瞬間、部屋じゅうの家具や人形が被害を受けるだろう。
私がこの父親であるならば、そう怒る彼女の愛らしさを心ゆくまで観察……ではなかった、
…その状況に陥る以前に、もっと操作の楽なクラリネットを業者に特注することだろうな。
彼女の望むものはすべて彼女の手に、だ。



>>675の君。話を聞くうちに眠ってしまったのかね?
それでは起こさぬように部屋を後にしよう。では諸君も休みたまえ。…おやすみ。よい夢を。

777 名前:名無し客:2008/01/18(金) 16:23:01
翼手と触手の違いを説明してください。

778 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/01/19(土) 18:02:27
こんばんは。
英国で人間の細胞と動物の卵子を融合させて、
クローン胚を作る研究に許可が下りたわね。
この研究が実れば難病治療に役立つ、
99%が人間で1%が動物の細胞ができることになる。
けれどその奇怪さに、有識者からは非難も起こっているようね。
私も科学者として、この研究には大いに興味があるわ。
でも、人間と科学はどこまで進歩を許されているのかと、時に不安になりもするのよ。


>>717(見たい夢)
家族の夢なんていいわね。私と夫と子供と三人で楽しく過ごす夢。
実はここに着てからも何度か見てるのよ。
見たくない夢は―――そうね。仕事の夢かしら。
これも数回見ているのだけど、同じ実験を何度も何度も
繰り返し続けて、いつまでたっても終了しないの。
ひどい悪夢だったわ。仕事は夢じゃなく、現実でしなきゃ駄目ね。
夢と違って結果が残せるもの。



779 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/01/19(土) 18:03:21
>>718(気候など)
どちらかを選択するのなら、迷わず冷たい方を選ぶわ。
研究で使用するサンプルや、実験機器のためには、
周囲の温度が低い方が好ましいもの。
沖縄ではクーラーをフル稼働していたわ。
本当はね………沖縄みたいに暑い地域は好きじゃなかったの。
あの島の強い日差しも苦手だった。
でも、家族と暮らしている間に、沖縄がパラダイスのように思えてきたのだから、
私もかなり現金よね。


>>719(仕草)
誰かを好きになると、その人のことを思わず目で追ってしまわない?
そして、その人の行動、仕草のひとつひとつが気になってしまうの。
貴方も経験があるでしょう?
私はデヴィッドに出会ってから、あの人のことばかり見ていた。
今も、銃のメンテナンスをしている時の真剣な表情や、
書類を確認している時の眉根を寄せた顔が、目に浮かぶわ。
でも、コーヒーを飲む時だけは、デヴィッドの愁眉も開いていた。
だから答えは、デヴィッドがコーヒーを飲む時の仕草と表情。


780 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/01/19(土) 18:04:16
>>>>744(ソーニャ/グレゴリー)
あら、蜂蜜茶を淹れるの?
一緒に私の分もお願いしていいかしら。
貴方がニューイヤーパーティーに作ってくれた鹿の丸焼き、
ワイルドだけどとても美味しかったわ。
ソースが甘酸っぱくて淡白なお肉によく合っていた。
あの時はご馳走様。
それで質問なんだけど、ああいうお肉はどこで購入するのかしら?
それとも店で買うのではなく、地元の猟師に依頼して手に入れたの?

………。買ったのではなく、貴方が素手で鹿を捕らえて料理………。
ぼんやりしてごめんなさい。よくわかったわ。
人間には難しそうね。


>>725(お茶噴いちゃった)
服が染みになってしまうわ。
ハンカチをどうぞ。これで拭くといいわ。
―――ふふっ。
あら、ご免なさい。貴方を笑ったんじゃないのよ。
ベトナムでデヴィッドがサヤにポケットチーフを、
こんな風に貸していたのを思い出したの。
彼ってさりげなく優しいのよね。

あら貴方、髪棚なんて上手いことを………コホン!
危険なことを言ってはいけないわ。
ここは翼種の住む動物園。
スイスの碑にあるように『雄弁は銀、沈黙は金』よ。



781 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/01/19(土) 18:04:57
>>741(心が強い)
身体だけでなく、彼らは精神も強靭なのでしょうね。
でも、サヤとハジを身近で見ていた私には、
彼らにも人間的なもろい部分があるように思えるの。

貴方は翼種である彼らのことが好きなのね。
私も好きよ。
謎と神秘と強さと弱さを兼ね備えた彼らがね。
そしてもうひとつ。
彼らを見習いたいと言う貴方は、強くなりたいと望んでいるのね。
いつかきっと、貴方がなりたいと望む貴方になれるわ。
生きていると時に辛いこともあるけれど、お互いに頑張りましょうね。


>>742(家族のため)
末の息子さんには経験を積んだカウンセラーを、
2番目の息子さんには優秀な外科医。
ご長男の為には捜索願いを出して、
娘さんのことを奥様と話し合う為に弁護士を雇う。
現実的な解決への道程としては、こんな感じでしょうね。

それから貴方にもカウンセラーが必要ね。
身構えることはないわ。
カウンセリングを受けるのは、現代人の嗜みみたいなものよ。
でも、今の貴方に一番必要なのは、体を温める一杯のお茶ね。
熱いお茶を淹れるから、それを飲んで落ち着いて。
それからどうするのが一番いいか、一緒に考えましょうね。



782 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/01/19(土) 18:05:25
>>743(どっちが好き)
どちらかしら。シュヴァリエ達のお返事待ちね。
私も聞くのが楽しみだわ。
でもその前に―――。貴方、空腹じゃない?
一緒に軽食を食べながら待ちましょうか。
食堂にティータイム用のサンドイッチがあったはずよ。
とってくるわね。


>>752(私の愛を)
とても大胆で素敵な告白ね。
貴方みたいな可愛い子にそんなことを言われたら、どんな男性も喜ぶと思うわ。
でも、気をつけなさいね、男は狼なのよ。ここでは翼種だけど。
年頃になったなら、慎まなくてはね。
それでも本当に好きな人を見つけた時は、
迷わず正直に告白した方が、きっと貴方のプラスになるわ。
恋が実っても実らなくてもね。
これはデータは取っていないけれど、私の経験則に基づいたアドバイスよ。
成果を期待してるわ。頑張ってね。



783 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/01/19(土) 18:05:56
>>751(アンシェル)
シュヴァリエの低温耐久性を調べるのですか?
屋外で調べても正確な結果は出ませんし、必要な実験とも思えないのですが。

そういえば>>673でお客様に育毛剤を贈られていましたね?
私としては、総帥の頭皮を使用した、
翼種の毛根活性効果の実験のほうが興味深いのですが―――。
………いえ、ただの独り言です。失礼しました。
震えているのも寒さのせいですわ。
なぜか会話の途中で背筋が凍りそうになったんです。
目の前のシュヴァリエ達は、本当に凍っていますけど。

この実験に対する異論もありません。
私は赤い盾の所属ですが、合同実験とあれば協力します。
でも、できるだけ早く彼らが雪の中から脱出できるよう、
願うくらいはかまいませんでしょう?



784 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/01/19(土) 18:06:25
>>777(翼種と触手)
【ジュリア先生の簡単な触手翼種講座】

まず翼種と呼ばれる存在について。
先天的に翼種である始祖翼種。(女王)
始祖翼種が血分けすることによって生まれるシュヴァリエ、
そしてデルタ67という薬物によって、人工的に生み出された薬害翼種がいるわ。
彼らは驚異的な身体能力と擬態能力を持ち、人間の血を食料とする生物よ。

次は触手について。
ある種の動物が持つ、手の変わりになるほど自在に動く突起物のことね。
無脊椎動物の突起物が、そう呼ばれることが多いかしら。
触手に対する定義は曖昧なんだけどね。

よくわからないですって?
では翼種の第五塩基や、触手を持つ生物について、
ひとつひとつ説明した方がいいのかしら。
難しい話もごめんだから、ひとことで説明しろ?
―――わかったわ。
美女や美少女の血を吸うのが翼種、巻きつくのが触手。
これで理解してもらえたかしら?


時間だから私は研究室に戻るわね。
じゃあ、またね。


785 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/19(土) 23:50:40
>>783 ミズ・ジュリア・シルバースタイン
>シュヴァリエの低温耐久性を調べるのですか?
>私としては、総帥の頭皮を使用した、
>翼種の毛根活性効果の実験のほうが興味深いのですが―――。


―――…ふふ。美しく聡明な女性は、口にする冗談もなかなか辛辣だ。
あたかも温室に咲く薔薇が外敵から身を守るため、懸命にその棘を育てるようにな。

……しかし言葉により、ときには大きすぎる代償を払わねばならぬ事もある―――。
まして薔薇の目の前に立つのが、花摘む無垢な少女などではなく、研ぎ澄まされた牙をもつ
危険な肉食獣であるならばなおのことだ。ひとたびその凶暴な鉤爪の下に踏みしだかれた場合、
可憐にふりかざす薔薇の棘などは……この際なんの役にも立ちはしないよ。
たちまちその優しい花弁は獣の牙により、むごたらしく散らされる事になるだろう。
そのときつぼみの奥深くにひそめられた朝露のひとしずくが、後悔の涙のようにひとすじ
やわらかな花弁を濡らし、その茎を無残につたい落ちる事になるのかもしれんが………。

おや。
肩がふるえている。………こわいのかね?
それともこの動物園の寒さの為かな?君の肩へしずかに置かれた、私のこの指にまで
先刻から止まらない微細なふるえが伝わって来ているようだ。まるで鷲の鉤爪に捕えられた
無力な椋鳥の雛のように。―――古来、美しい花ほど散りやすいもの。
観察する研究者の立場としては、なんとも惜しむべき話ではあるのだがね。



>………いえ、ただの独り言です。失礼しました。
>震えているのも寒さのせいですわ。
>なぜか会話の途中で背筋が凍りそうになったんです。


―――ならば結構。このとおり手を離すとしよう。
では、お願いできるかな?ミズ・ジュリア・シルバースタイン。
君の本来の仕事は、翼手の生命の秘密をさぐる事ではなかったかね?
ならばそれにいそしみたまえ。  植 毛 技 術  …の未来などはこのさい脇に置くことだ。
では―――…行こうか。


>目の前のシュヴァリエ達は、本当に凍っていますけど。
>でも、できるだけ早く彼らが雪の中から脱出できるよう、
>願うくらいはかまいませんでしょう?


―――…愚問だ。君には出来るはずがない。
こうして彼らを氷漬けに放置しておいたまま、黙って記録を取り続ける事などな。
なぜなら君は、この私と異なり…ひどく心根の優しい女性であるのだから。

ところで私の知った事ではないが……私の執務室には、今も暖炉に火が入っている。
ディーヴァのシュヴァリエの体を内から温めるシャトー・デュエルもつい何本か、部屋に
置き忘れてしまったようだ。いつだったか、眠るディーヴァの体におかけした毛布も数枚、
なぜだかその場に投げ出されたままになっている。

―――真実の探求者たる君にはすまないのだがね。この私は忙しい身だ。
私がこうして雪達磨に背を向け、客人の相手をしているうちに…それらの品の『処理』を頼みたいのだ。
実験にも最後までは付き合えそうにない。だからシュヴァリエの低温耐久性については後日、私に
リポートを提出してくれればそれで結構。むろん内容は克明に願いたい。氷漬けの状態から―――…
その回復期に至るまでだ。………では失敬、ミズ・ジュリア・シルバースタイン。

786 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/20(日) 01:47:44
>>693-694
>今までの人生の中で、最も美しい、と思えたものはなんですか?
>>421と質問被ってるよ


―――隣人の袖を引き、それとなくご注意くださった>>694の貴方。…なんとも律儀な方だ。
だがどうかお気づかいなく。そうしたご質問ならば何度でもお答えしよう。その前に…
このなつかしい映像をおかけしても構わないかね?あの空軍基地の感謝祭での記録映像だ。
いま準備させているところでね。話をすすめるうちに間もなく始まる事だろう。

…そう。美しいものについての話だったな。なにせ私はこういう男なのでね。
たとえ相手がおのれの雇い主にあたる主筋の研究者であろうと、それが一国の権力者であろうと、
いっさい頭を下げる事はしなかった。慎重に様子をうかがい…引くべき時に言葉を収めはするがね。
しかし心から敬い、相手を尊重するような事はしない。
むしろすべてを冷ややかに眺めてきたものだ。だからこそグラントなどは一層この私をうとましく思い、
この傲岸ぶりを腹に据えかねて、あのつまらぬ暗殺者などを差し向けてきたのだろう。

………その決して他人に頭を下げたことのない私が。
すべてを冷笑し、あらゆることの裏面を疑って疑いぬく、この蛇蠍のごとき私が、
おそろしく長いこの生涯に…ただひとりのみ、その御前にひざまずいた相手が存在する。
それはついに誰にも曲げられず、屈することなく、穢されることすらなかった…ただひとりの女性だ。
塔に閉じ込められた彼女には、はじめは何ひとつ与えられなかったのだ。
何も持たぬ孤独な彼女を、その唇が紡ぐ歌を、内からかがやかせていたもの……。

それはただひとえに、彼女の誇りたかさに他ならない。
おのれを侮辱する者を許さず、その足元にかしずく者の不備のいっさいを許さず、
敵として相対する者が誰であろうと、みずからは決して許しを乞わない―――…。
…彼女自身が、その誇り以外のすべてのものを、何ひとつ持ち合わせなかったがゆえに。
だからこそ最後の日、あのオペラの夜まで、彼女はあれほどまでに輝いてみえたのだろう。
私が穢そうと試み、この手に入れようと切望し―――ついに叶うことのなかった彼女のうつくしさだ。


………失敬。どうかお静かに。
ごらん、ディーヴァの歌が始まる。
それでは私も話を止め、しばし耳を傾けるとしよう。

787 名前:名無し客:2008/01/20(日) 19:05:28
コウモリ怪人て某変身ヒーローのシリーズでは雑魚役が多いんだけれど、
それについてどう思う?

788 名前:名無し客:2008/01/20(日) 19:56:14
人生って色々ですよね

789 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/01/20(日) 22:55:58
こんばんは。
フランスでは昨年から小麦の価格が200%上昇しているわ。
パンやパスタを常食するフランス人には大打撃よ。
でも、ここで暮らしていると、物価なんて気にならないわね。
世間から切り離された場所だもの。
まるで外の世界とは違う時間が、ここには流れているようだわ。


前回お返事できなかった分も合わせてお答えしていくわね。

>>727(うらら)
貴方が翼種になったらファンが嘆きそうよ。
踊る翼種には少々心惹かれるけれど、
貴方はそのままの方が、きっと宇宙の平和のためね。
私が翼種になったら、自分の体から各種のサンプルを採取するわ。
血液検査とDNA検査から始めましょうか。
自分の体だから、客観的な観察は困難かもしれないけれど、
MRIで断層画像も確認したいわね。
最初に鏡を見て、自分の姿に絶望しなければ、だけど。

790 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/01/20(日) 22:56:24
>>731(落ちたよ)
そうだったわ。
4月が入学時期の国では、今は受験シーズンのただなかね。
貴方も受験生?
それとも以前、受験で苦労した経験があるのかしら。
私も昔はそうだった。

フランスでは大学入試がない代わりに、
バカロレア(フランスの大学入学資格試験)がある。
フランスの学生は、その試験を受ける時は、とても神経質になるのよ。
バカロレアには滑り止めがないし、合否だけでなく成績も重要視される為ね。
学問や将来について悩んだ日々も、今ではいい思い出だわ。


>>753(カール)
ええ、グレゴリーの作った食事は、遠慮なく頂いているわ。
自分でもある程度はカロリー計算をしながら、食べているしね。
ただ、美味しすぎてつい食べ過ぎてしまうのが悩みなの。
シュヴァリエの作った料理があんなに美味しいなんて、計算外だわ。

791 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/01/20(日) 22:57:01
>>764(兄弟喧嘩)
アンシェル総帥が雪ダルマの中に、弟達を押し込んでいたわね。
とても興味深いものを見たわ。
彼らも子供みたいに喧嘩をするのね。
私もまた子供を産んだら、あの子も兄弟喧嘩をして、
ハラハラさせられるのかしら。
それも楽しいかもしれないわね。
私とデヴィッドの夫婦喧嘩―――?
それはご想像にお任せするわ。


>>765(雪合戦)
アンシェル総帥と雪合戦?楽しそうね。
でも、手が冷たくなって紫色になっているわ。
この手袋を使って頂戴。
革製だから、雪で濡れても大丈夫よ。
今は体を動かしているから寒さも気にならないでしょうけど、
遊び終わったら、屋敷の中で暖まりましょうね?

792 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/01/20(日) 22:57:38
>>771(ソロモン)
雪ダルマの中に埋まっているけれど、大丈夫………?
手足の感覚はあるかしら。
こうなる前から、貴方は何故か雪ダルマを気にかけていたようだけど、
翼種には予知能力のようなものも備わっているのかしらね。
それとも兄弟だから、アンシェル総帥が何をするのか、
行動が予測できていたのかしら。
興味深いことだわ。


>>785(アンシェル)
私などを綺麗な言葉で形容してくださるんですね。
お気遣いに感謝します。
でも、私は既に実をつけた花ですもの。
誇りを持って、花弁は地面に落としました。
ご心配いただかなくても大丈夫ですわ。

ワインと毛布はしかるべく始末します。
被験者も解凍するまで、責任持ってお預かりしましょう。
リポートにも「シュヴァリエは弟思いでもあるらしい」
などと、主観的な内容は記入しないように留意します。
ご安心ください。

793 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/01/20(日) 22:58:11
>>787(雑魚役)
日本のテレビ番組ではそうなの?
知らなかったわ。
私はコウモリ型の怪人は、主役級ばかりだと思っていたのよ。
ドラキュラ伯爵をはじめとした吸血鬼映画もたくさんあるでしょう?
それにバットマンなんて映画もあるじゃないの。
なのに日本ではコウモリタイプはそれほど強くないと思われているのね。

でも、もしも沖縄の通り魔事件の真相が公表されて、
犯人がコウモリによく似た姿の翼種であると知れたなら、
印象は180度変わっていたかもしれないわね。


>>788(人生)
同感だわ。
まだ人生の半分を生きていないはずの私でさえ、
様々な変遷があったわ。
人外の知的生命体と戦う組織に所属し、造反した後、
再び舞い戻った。
貴方の人生もきっとこれからなんでしょうね。
貴方と私の為に、この先も世界が翼種で満たされないことを祈るわ。
翼種が暮らすここでは大きな声で言えないけれど。


じゃあ、またね。おやすみなさい。

794 名前:グレゴリー ◆gD.KishiHU :2008/01/21(月) 02:02:34
(雪だるま――いや、もはや原型を留めていない巨大な雪塊からぬっ、と突き出した一本の腕)
(ひび割れが走り――二三度「腕」がもがくと共に、どっと雪だるまが崩れ落ちる)
(残骸の中から、男がゆらりと立ち上がる)

やれやれ。折角の愛らしかった雪だるまが……台無しになってしまった。



>>783>>792(シルヴァスタイン女史)
どうなされた、マダム・シルヴァスタイン。実験の記録は、もう充分にお取りに
なられたのか。>>751にてシュヴァリエの低温耐久性に関する調査の担当者に
任ぜられたのだろう、貴女は。

(無言でジュリアの前に歩み寄り――つと足元に屈み込む)
失礼。靴の紐がほどけておられたので結わえさせていただいた。こういうことが
気にかかる性質でして。……御婦人に足蹴にされることには慣れてもおらず、趣味
でもないが。

>でも、できるだけ早く彼らが雪の中から脱出できるよう、
>願うくらいはかまいませんでしょう?
>ワインと毛布はしかるべく始末します。
>被験者も解凍するまで、責任持ってお預かりしましょう。

――お優しい方だ。だが、お気遣いは御無用に願います。銃弾で蜂の巣にされようが
毒を盛られようが、銃床や棍棒で殴打されようが、斧で脳を破壊されようが、縛り
上げられ凍った川に投げ込まれ溺れようが――死ぬことはない。
それが人ならざる生き物、翼手ですから。「赤い盾」に所属し翼手の研究にいそしんで
こられた貴女なら、よくよく御承知のはずだ。――そうそう、

>翼種の毛根活性効果の実験のほうが興味深いのですが―――。

貴女の着眼点は非常に興味深い。わたしでよければいつなりと協力させていただき
ましょう。……では、実験に最後までご協力できず申し訳ないがこれにて失礼。
夕餉までに、森に薪を集めに行かねばなりませんので。


――弟達をよろしく頼みます。

795 名前:グレゴリー ◆gD.KishiHU :2008/01/21(月) 02:07:08
>>717
>好きな夢が見れるとしたら見たい夢はある?

夢、か。先程麻酔薬をうたれ生き埋めにされ、もう長いこと忘れていた感覚
「夢を見る」久方ぶりに思い出した――。
あれは、あたかも人生の走馬灯のような……。

真冬のネヴァ河の水に体を切り刻まれる。あれは冷たさではなく痛みだ。
銃弾を体中に撃ち込まれる。この肉体の再生が追いつかぬほどに。
集団に取り囲まれ、罵られつつめった打ちにされる。
「こいつ、化け物だ!」
相手が死なない恐怖に甲高く裏返っていく声。
眼球が潰され、肉が焦げる臭い。
「おまえ――。」


――失礼。「見たい夢」の話だったな。
ディーヴァの笑っておられる夢なら、是非見たいものだ。



>>741
>ここにいる翼手は心が強いね。見習うことが多いわ。

兄弟たちに関しては、全くその通りだ。
彼らは誇り高き女王のシュヴァリエ、肉体だけでなく心も強い。
孤高にして不恭、女王以外には従わず、決して女王以外の前には膝を折らない。
あの兄と弟達は、わたしの誇りだ。
彼らを見習うと仰るのなら、強くお勧めする。



>>742
>これまで家族のために一生懸命やってきたのに

貴方はこれまで、家族の中に己の居場所を見出してこられたのだな。
皆でいて、そこに美と調和が存在し、己が必要な一つのパーツとして組み込まれて
いることに安堵する……わたしにも覚えのある感情だ。

――それが幻として、儚く崩れ去った時の絶望も。

796 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2008/01/21(月) 14:11:05
…おや…、どこへ…ああ、はは…
お待…なさい、―――る…、ラスk…、ああ、その…船に?
わかりました―――あなたの…は、僕の意思…、…の向こうには、何が…?
…構…ん、来い…?はは、ええ……いま…、……………

…――――――!!?あ

アンシェル兄さんッ…!?

はっ…、…何ですか、ここは…?つ―――冷たい、
体が…動かない、ああ成る程、括りつけられて…
これは…雪でしょうか?確か僕は…アンシェル兄さんと話していて、
意識を失って―――それから―――、けれどどうして雪の中に…?

ああ、まさかこれは、あの―――雪だるま……?ああ、はは
まさか僕がみっしり詰まる事になるなんて…。
外から何か声が聞こえます、あれはご来客と…兄さん?

>>764-765
>雪の中で兄弟喧嘩w
>みんなで雪合戦しようよ
>>772
>あの雪達磨を標的とする事にしよう。

………
ここから、出なければ。けれどどうやって…、

>良かったら君もあの雪達磨に雪をぶつけてみたまえ。

――――――う……ッ!!鳩尾に―――何て勢いだ、
このままでは…死んでしまいます。どうすれば…

>>792 シルヴァスタイン女史、
>雪ダルマの中に埋まっているけれど、大丈夫………?
>手足の感覚はあるかしら。

彼女がここにおいでという事は…僕は何かの実験台なんでしょうか?
手足?…手はかじかんで上手く動かせません。足は…しもやけのようだ。
翼手でも、こんな状態になるのですね?
ただ、脱け出そうと思ったらどうかな……ああ、やろうと思えば…出来るようです。

>予知能力のようなものも備わっているのかしらね。
>それとも兄弟だから、アンシェル総帥が何をするのか、…

まさか。そんな報告は僕も聞いた事がありません、それに…
そんな能力があったら、もっと効率よく立ち回っていたでしょうね。
兄弟だから、とは…はは、いいえ、アンシェル兄さんが考えている事なんて
僕にはさっぱり。これが実験なら何の意味があるのか、訊いてみたい所だ
彼はまた「未来に対する保険だ」などと仰って…決して

抜け毛がどうの禿げがどうのと執拗い弟への報復にやってやった

なんて口にはなさらないんでしょうけれどね。
いまは…どうにも歯の根が合わないので、口が利けないんですけれど
彼女には、あとでそう話しましょう。何より、ここから出るのが先です。

797 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2008/01/21(月) 14:13:10
―――やっと…まともに呼吸が出来ます、しかし
は―――這い出したのはいいのですけれど…いかんせん、寒い…ッ
大きい雪だるまだな、これでは…あと二人は詰まっていますね。

…おや。あなた>>717ちょうどいい所に…ああ逃げないで、
僕です。ソロモン・ゴールドスミスです。大丈夫、喉は渇いていません。

ゆ…夢?いま、見ましたよ…すぐに話して差し上げますから、
どうか僕を内緒で、お屋敷の中でいま火の入っている部屋へ―――
皆雪遊びで出払っていて、あそこしかないけどいいですかと仰る?
どこです…どこでも構いません、さあ早く…この雪だるまの反対側においでの
シルヴァスタイン女史とご来客に…姿を見られないうちに。
ああ君、この事はアンシェル兄さんには内緒ですよ?



やあ、ありがとう…しかし…よりにもよって、ここですか。>>785
兄さんは?ああ、ご来客やシルヴァスタイン女史と話しているのですか
それじゃあもう暫くは、ここへは帰っておいでにならないでしょうね
他の兄弟を掘り出して差し上げる前に、すこし暖をとらないと…

おや、こんな所に毛布が。彼には必要のないものでしょうに…けれど
丁度いい、一枚お借りすることにします。
暖炉の前でこうして小さくなっていれば…すぐに暖まるでしょうから。

そうそう、夢のお話でしたね?

>>717
>好きな夢が見れるとしたら見たい夢はある?

僕らシュヴァリエは…眠ることがありませんから、夢を見ることもありません
ですから、好きな夢と言っても…すぐには思いつきませんね、
その筈なんですけれど…。先ほど、何か夢を見ていた…ような気がします
ええ、あんな感覚は久しぶりでした。

僕の目の前には、さらさらと綺麗な川が流れていて…一面に、
シロツメクサが咲き乱れている。何か小さな動物の背中が飛び跳ねているのが見える、
それは可愛らしいあらいぐまだ。僕は彼の後を追いかけます、
彼は時折僕を振り返りながら川岸へ向かっている。そこには小船が一艘浮いていて
彼はその舳先に飛び乗ると、僕をじっと待っているのです…
僕はやっとそこまで辿りついて、船を出そうとする―――けれど
そこで気付いてしまったんだ、…そのあらいぐまの―――小さな目に―――
し―――下まつげが三本ずつ、行儀良く並んでいる事に……!

…あ―――ああ、すみません、お恥ずかしい…ええ、落ち着かなくては…
あれはそう、夢なんですから。…それで僕は吃驚してしまって、目が覚めたのです
あのまま船に乗って川岸を離れていたら…危なかった。
それから後は…あなたもご存知の通りです。ありがとう…助かりました。

798 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2008/01/21(月) 14:18:29
>>589
>今日は忙しかったので疲れてなんとなく気持ちが凹んでます

あなたは人間ですから…忙しければ、それは疲れるでしょう
お疲れさま、あとでお湯を用意して貰いますから
あなたも暖まって今夜はゆっくりなさるといい…、僕ですか?はは…
シュヴァリエだって、気疲れすることはありますよ。最近は皆さんで
パーティー続きでしたから、久しぶりに忙しかったですしね。それにほら…
いまは濡れねずみで、このありさまですから。
ご来客に、お恥ずかしい姿を見せてしまったな…僕も少し、凹んでいます。
はは、僕もあなたも同じですね。

こういう時は…何だか、遠い昔の事をよく思い出します。
きれいに分類されて、整頓された

おや…何を持ってきて下さったんです?
そこにシャトー・デュエルが置いてあったので厨房で温めてもらった、と?
勝手に栓を抜いて、アンシェル兄さんに怒られるのが心配ですか?…はは、大丈夫
何か訊かれたら、ソロモンが開けたとお言いなさい。
ああ…暖かい。ありがとう。



>>587
>12話で長兄がカールとソロモン従えて撮ってた写真が出てきたけど
>どうしてあの時、貴婦人に擬態してベールで顔を隠してたの?

それはあなた、顔を隠さなければいけない理由があったのですよ。

>>588
>あれはディーヴァじゃない?

ええ、確かにディーヴァだったんですけれど…
あの写真を撮ったときの事は、よく覚えていますよ。カールがね、
あるじと一緒の写真を欲しがって…ええそう、けれど丁度、間が悪くて
その時彼女は眠っておいでだったのです。それで…アンシェル兄さんが
仕方ないからと彼女の姿を取って、正装した僕らの間に座ったのです

そこまでは良かったんですけれど、兄さんは…事もあろうに、
ディーヴァのお顔で…なおかつあのままのお声で、写真技師に指示を出すのです
技師はさぞ…野太い声のご婦人だ、と思った事でしょう。
それを聞いてカールが―――当時からそう気の長い質でなかったカールが、
そのうち音を上げました。

>「これ以上ディーヴァの顔で喋るな!ぼくの女神が穢れるだろうが!!」

と…兄さんも、暫くはなだめすかしていたんですけれど…カールが
涙目になって拒否するものですから、そのうち

>この私の兄としての気遣いがまだ解らんのか!!

ですよ…僕は困ってしまって。
>ディーヴァのシュヴァリエとなった事…誇りに思っています。そして
>兄さんの言葉はぼくの意思でもある。…ですが……ぼくは………
どうしていいかわかりません…、と首を横に振ることしか出来ませんでした
一番、お気の毒だったのは誰あろう写真技師です。高貴なご様子の美しい少女が、
錆びたような壮年の男性の声で

>揃いもそろって未熟者めが。少しは兄のグレゴリーを見習わんか!

などと怒鳴るのですから。彼もおろおろするしかありませんよ…お可哀相に。
アンシェル兄さんが、お顔のベールを下ろして下さったのは幸いでした。
だってほら…見たくないでしょう、怒りで怖ろしい形相の彼女なんて…
ディーヴァは、いつも無邪気に笑っておいでのご様子が一番美しいのです。


…おや、その話は一度聞いた、と仰る?ああ、兄さんが。>>596
ええ、面白いお話でしょう。勿論、全て事実ですよ。1920年11月8日に、
本当にあったことです。間違いありません、そこに映った僕が言うのですから。
はい…何ですって?

>これはあくまで仮定の話であったのだった。そう、無論事実ではない。

……………!!
彼は―――ここには居ないんでしたね、良かった…
これ以上彼の逆鱗に触れては、今度はどんな目に遭うか―――
そうですか、兄さんはそう仰いましたか。…参ったな。
僕が本当だと言ってしまった事は、内緒ですよ…?

799 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2008/01/21(月) 14:22:19
>>606
>春夏秋冬でどれが一番好きな季節?

夏や冬は、暑かったり寒かったりで…あまり快適ではありませんね。
ええ、>>718さん。僕らシュヴァリエにも、得手不得手はあるのですよ
はは、それが証拠に…僕はいま毛布にくるまって暖炉の前で小さくなっている。
その点春ですとか秋は、空気や日差しが気持ちいいですからね。

けれど、春は…ええ、確かに…雪が解けた後に柔らかい日差しが差すさまは
青い空に、暖かい風に乗って花びらがひらひらと流れていくさまは
僕は好きですよ。ただ…

いまでも、毎年春が来るたびに思い出すのは
霧のかかった、生暖かい風の吹くあの土地のことです。
あなたがた知っていますか?ドイツの春は湿度が高いのです。
川の傍ともなると、毎晩のように霧がかかっている。

僕はその、白くかすんだ夜更けに…丁度今のように、震えていた事があります
ただ違うのは、今僕の体を濡らしているのは雪の解けた水なんですけれど
その時は―――もっとべったりとして…じりじりと、体の熱が奪われるようで
ぼんやり白いはずの辺りの空気が、赤く見える程でした

あの時の事は…忘れようと思っても、忘れられるものではありません。

ですから、僕はどちらかというと秋の方が好きかな。空気は透明度を増して、
空は日ごとに高くなる。金色のイチョウの葉がひらひらと落ちるさまは、
とてもきれいです。このあたりが…きりきりと痛むような事があっても、
忘れて居られるくらいに。



>>654
>ネイサンって結局どれくらいの戦闘能力があったの?

ネイサン―――ですか?さあ…、彼が闘う様子なんて、
そう見る機会が無かったものですから。彼はそもそも
武器を振りかざして闘う事が、あまりお好きではなさそうでしたし…
その点、いつかカールも話していましたけれど>>667
彼の本当に畏ろしいのは―――もっと別の所かも知れません。

僕は…一度だけ彼の屋敷の、地下室に通された事があります
そこには何があったと思いますか?…鉄の拘束具ですよ。
それも手枷には、内側に向かって鋭いくさびが並んでいて
外そうとすると手首に食い込むのです
あれにかけられたのが人間なら、間違いなく失血死してしまったでしょうね。

けれど…旧いお屋敷が
地下に拷問ですとか折檻の為のスペースを備えているのはよくある事です。
ただ、彼は―――僕が天井からぶら下がって頑張っていると、
それをからかいに来て―――僕は本当に、必死だったのですよ。
早く行かないと、小夜が危なかった。だから救けて下さるんなら、
顔などを触ったりせずに、ただ着替えだけ置いていって下さればいいものを―――
あれではまだ、ジェイムズの時のように殴られる方がましでした。

ああ、折角暖まってきたのに―――背すじを、悪寒が。
このお話は、ここまでにしましょうか。

800 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2008/01/21(月) 14:23:42
>>675
>これから昼寝するので子守歌歌って

おや、あなた眠そうですねえ…今しがたまで眠っていらした?ああ、
アンシェル兄さん>>776が歌を聞かせてくれた、と…?それは良かったですねえ。
僕の歌も聞きたい、と仰る?…僕はあまり上手には歌えませんよ。
ダンスホールでピアノを弾いてもいいのですけれど…いまは手が動きませんし
ディーヴァが目を覚ましておいでなら、彼女のきれいな歌声で
眠ることが出来るというのに…残念ですね。

あなた…モーツァルトの子守歌、を知っていますか?ええ、ウィーゲンリード。
ほんとうの作曲者がわかってからは、フリースの子守歌とも言われるそうですよ。
僕が、連合軍の仕官服を着ていた頃…ディーヴァは、よくあの歌を
口ずさんでおいででした。どんな歌か、と仰る?…じゃあ、少しだけ

♪…Schlafe, mein Prinzchen, schlaf' ein!
 Schäfchen ruh'n und Vögelein …

ええ、ドイツ語です…おや、聞いた事がある?
第二次世界大戦を舞台にした映画で使われていた…と仰る。
そうですか、それは偶然ですねえ。
この歌を歌うディーヴァは、とてもお可愛らしくておいででした
三番めの兄さんと一緒に居る時だけ、姿を借りた人間に擬態する事をやめて
気持ち良さそうに歌っておいででした。

「お眠り、わたしのかわいい王子様、お眠りなさい。」
彼女に耳もとで囁いて貰えば、シュヴァリエにさえ眠りが訪れるかもしれない…
この歌の二番の歌詞に、こういうくだりがあります。

♪…nur in der Zofe Gemach
 tönet ein schmachtendes Ach!
 Was für ein Ach mag dies sein? …

意味ですか?ええ、「棚を這うねずみも眠ってしまえば、音といえば
屋敷の奥の、侍女の部屋から漏れ聞こえてくる『あぁ』微かな吐息ばかり
あれは何を意味するのでしょう?…」
ええ、子守歌だというのに意味深い歌詞ですね?彼女はこのくだりでいつも

三番めの兄さんと、こめかみの辺りをこうやって…くっつけて、
囁きかけるように歌いながら二人で悪戯そうに、無邪気にくすくすと笑うのです
あれは何を意味していたのでしょうね?…何にしろ、
自分の為だけに、彼女にこの歌を歌ってもらえたシュヴァリエは幸せです。

戦争も収束して、ディーヴァは眠りにつきました
彼女が次にお目覚めになってからは…もうずっと、この歌を聴いていません。
…懐かしいな、

♪…Schlafe, mein Prinzchen, schlaf' ein,
 
 schlaf' ein, schlaf' ein.
 schlaf' ein, schlaf' ein …


おや、僕の歌でも眠れましたか。…おやすみなさい。

801 名前:ソロモン ◆.oLpdbyGJE :2008/01/21(月) 14:28:17
…?いまの音は?まるで雪崩れのような…ああ、
窓の外をご覧なさい―――雪だるまが崩れましたよ。出ておいでになったのは…
グレゴリー兄さん?大丈夫かな、早くここへ呼んで…おや、彼はどこへ行くのです?

>>794
>夕餉までに、森に薪を集めに行かねばなりませんので。

そんな、あんな軽装で森のほうへ?それは確かにシュヴァリエの体は強いですよ、
それに彼は冷たい土地にお住まいでしたから、僕らよりも寒さにはお強いかもしれない
けれどひとときでも意識を失って、あんな中に居たのでは…
手はかじかんで、足の指先の感覚だってあまり無いはずです

彼は…その、「森の住人」ですから…追いつけるかどうか判りませんけれど
もうすっかり手足も動く事ですから…追いかけて、
ここへ来て彼も温まるように言いましょう。あれでは体に毒です。
それに折角、アンシェル兄さんがこれだけのものを置いているんですから
あなた先ほどのように…ワインを温めたものを厨房に頼んで頂いて、いいですか?
それからあなた、彼がおいでになるまでに、お湯の用意を頼んで下さい。
ご来客に指図をするなんて、不躾でいけませんね…けれど、急ぎますから。
カールも、まだあそこに居るのなら…回収して来なければ。

御免なさい、ありがとう―――それでは、失礼します。


802 名前:名無し客:2008/01/22(火) 00:40:42
あらぁ、撫でるくらいいいじゃない

803 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/22(火) 16:19:26
やあ、お客さん、こんにちは!

と、笑顔で言いたいところなんだが、今の僕は大変なことになっているんだ。


>>765 >>722=アンシェル
>みんなで雪合戦しようよ

楽しそうだね。僕も名無しさんが楽しそうだと嬉しいよ。

――ただし雪玉の標的が僕でなければ。

おいこらアンシェル、ちゃんと名無しさんの相手をしないか!
なぜ僕達をマトにする!名無しさん、そいつから離れるんだ!
僕の有様を見てくれたらわかるように、その男は性格的に
問題がありすぎる危険人物だ!今すぐ安全な場所に避難してください。
万一にでも根性悪が君に伝染したら大変だ!

言っておくがな、アンシェル。僕は薬を打たれて雪だるまに
埋められたくらいでは黙らないぞ!ぶはっ、雪玉のかけらが口に入った、ペッペッ!
本当のことを言われて怒るとは大人げがなさ過ぎる。グハッ!
…顔をめがけて雪玉を放るな!いい加減、その見かけの半分くらいは、
精神もトシをとったらどうだ。名無しさんも同感だろう?――ムグッ!



804 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/22(火) 16:19:50
>>731
>受験生がラストスパートかけてる時期に言うもんじゃないね。

なんとか脱出したぞ!重力に従った正しい姿勢になったところで、
731さんと752さんに答えなおしだ。前は逆さづりのままで
ろくろく返事もできず、お客人に対して大変失礼だったからね。

まあ確かにね。受験生に言っていい言葉ではない。僕も学生だった頃は
試験のたびに徹夜したものだよ。分厚い本と、教授の講義を書きとった
ノートとずっとにらめっこしてね。紙とインクの匂いがしたな。
君達は今の上質な紙と、手軽に使えるボールペンしか使わないから、
そんな匂いには縁がないだろうか。

時々、ヂヂッとかすかに音を立てるランプの灯りをたよりに、
懸命に本のページを手繰るんだ。たくさんの用語を暗記したよ。
――もう今では役に立たない古い知識だし、ほとんど忘れてしまったけどね。

ところで君がもし受験生なら「落ちた」と何度も言って悪かったね。
でもここだけの話だが……長兄に言うのは、本人に親切だよね。
自分を知るって大事だからさ。――ああっ、名無しさん、アンシェルに告げ口は無し!


>>752
>私の愛を受け取って!

やあ、君も二回目だ。先程は逆向きのまま失礼したね。
君の愛を受け取るのかい?――それが君の望みなら。

愛か――。女王に血分けされてシュヴァリエとなる僕達は、本能的に
女王を愛する存在だ。甘く苦しい束縛だよ。僕を支え、僕を貫き、
僕を動かしたディーヴァへの愛。そして小夜への愛。僕の愛は
穏やかなものではなかったな。

可愛い君。僕は花の蕾のような君の愛を受け取るけれど、お返しに
煉獄のような僕の愛をあげるわけにもいくまいね。その代わりに
君にはこの青いバラをあげる。これを持って今日はお帰り。
僕が君の帰り道をなくしてしまう、その前にね。



805 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/22(火) 16:20:12
>>764
>雪の中で兄弟喧嘩w

兄弟喧嘩?僕達はそんなに子供っぽく見えたかい?――見えたみたいだね。
…失敬。他の連中はともかく、この僕だけは幼稚な精神は持っていない
はずだったのだが、お見苦しいところをお目にかけてしまったね。

――だけど兄弟喧嘩って妙に平和な響きだと思わないかい?
言葉の裏を探る必要もなく、ただ言いたいように文句をいい、
その仕返しに雪のつぶてをぶつけられるなんて――本当の兄弟みたいだ。

君にも兄弟はいる?それとも一人っ子かい?兄弟がいるのなら、
末永く共にあることを、いないのなら良き友人に恵まれるよう
祈ってるよ。


>>777
>翼手と触手の違いを説明してください。

まずは777番おめでとう!そして質問は翼種と触手の違いか。
生物学はアンシェルかシルヴァスタイン女史の領分だな。では僕は
さまざまな類似語の話をしよう。

立場の弱いものからむしりとること―――搾取(主にアンシェル)
シャトーデュエル1967―――薬種(非人間用)
くしゃみ―――ハクシュン!

……すまない。気温が10度ほど低くなった気がする……。風邪を
ひかないように気をつけて。ああ、僕は大丈夫。体が「特殊」なんだ。



806 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/22(火) 16:20:31
>>787
>コウモリ怪人て某変身ヒーローのシリーズでは雑魚役

特撮の戦隊物なら僕も知っている。フランスでも自主制作映画が作られたんだよ。
その名も「銃士戦隊フランスファイブ」(実話だよ)

しかし雑魚だと……?コウモリは雑魚なのか……!
だがね、それは敵役の怪人だから雑魚扱いになるんだよ。敵役じゃなく
主役になればいいのさ。ハジレンジャーのごとくね。さしずめ
『翼種戦隊シュヴァリエファイブ』とでも名づけようか。

問題はメンバーのパーソナルカラーだ。赤は僕の小夜の色だし、
青は僕のディーヴァの色だ。永久欠番と同じく、他者が使用して
いいわけがない。だから中間色をあてはめるしかないな。微妙だが。

赤紫――アンシェル(いつもの変な上着の色から)
白っぽい色――グレゴリー(頭が白髪……じゃなくて銀髪だから)
水色――ソロモン(あいつちょっと存在薄いだろ?)
桃色――ジュリア(人間だけど特別参加。戦隊史上初の人妻?)

そして夜と闇を表す漆黒、それこそがファントムであり、戦隊の
リーダーとなるこの僕だ!これでもう雑魚とは言わせない!
全ての敵をなぎ倒し、進め僕らの『翼種戦隊シュヴァリエファイブ』



807 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/22(火) 16:20:51
>>788
>人生って色々ですよね

少し疲れた顔をしているね。君を疲れさせるような出来事が
あったのかい?君の言葉通り、人生は色々だ。僕の生の変遷など
全然たいしたものではないが、それでもそれなりに「色々」が
あったからね。

今は疲れてしおれているが、君の前途にも多くの可能性がある。
君は挫折し、時に涙しながら、幸福という名の栄冠を勝ち取るだろう。
いつかきっとね。

気休めを言うな?そう――気休めかもしれない。君は栄冠を
手にすることはできず、人生の敗北者となるのかもしれない。
でもここでは勝者も敗者もない。君はただの人間でしかないんだ。
気負うことは何もない。だから疲れた時はまたおいで。
話を聞くくらいは、翼種の敗者である僕にもできるからね。


>>792=ジュリア
>被験者も解凍するまで、責任持ってお預かりしましょう。

やあ、おかげさまで何とか復活したよ。ワインと毛布もありがとう。
礼はアンシェルに言えって?――ああ、なるほど。これはあの男の
差し金か。自分で渡さないところが、長兄らしい。

あなたも体が冷えただろう?名無しさんと一緒に暖炉の前に行こう。
毛布にくるまってワインを一杯やればあたたまるよ。せっかくだから、
アンシェルも誘って飲みがてら雑談するのもいいね。

でも酔わないように気をつけないといけないな。先程、盛大に嫌味を言って
しまったので、僕もアンシェルをからかうネタが尽きてしまってね。
酔いのせいでうっかり「あなたが長兄で良かった」とでも呟いてしまったら――。

双方、あまりの気色悪さに顔をしかめることになりそうだ。
嘘や冗談だけじゃないから余計にね。



808 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/22(火) 16:21:14
>>794=グレゴリー
>やれやれ。折角の愛らしかった雪だるまが……台無しになってしまった。

なんだ、次兄。雪だるまが崩れてしまったのか?仕方がないな。
僕が直しておくよ。『暖炉でワイン』は後のお楽しみにとっておこう。
ところで雪ダルマの中で、僕は次兄のうわ言みたいなかすれ声を
聞いたよ。なんて言っていたかな――?
『銃弾で蜂の巣……毒……棍棒に斧……凍った川に投げ込まれ……』

我が次兄、アクション映画でも見たのか?すごい夢(夢を見ること自体、
僕達にはそれこそ夢のような奇跡だが)を見たものだね。
実際に体験していないと余計にイメージが鮮明になり、夢や幻覚となって
現れるのかもしれない。もしまた夢を見るなどという貴重な体験を
する時は、家族といる幸福な夢を見ることだ。

――たぶん、今がその夢の時間なのだけどね。


>>801=ソロモン
>カールも、まだあそこに居るのなら…回収して来なければ。

おい、人のことを回収とか言うな。僕は手荷物か宅急便か。
まったくお前は傍若無人で口が悪すぎるぞ。以後注意しろよ。
大体お前は来るのが遅いんだよ。僕は逆さになったまま凍って
いたから大変だったんだぞ!お前が来てくれたら凍った腕と
足が動かせるのにと思いながら、雪の中に埋まってたんだ。
――だからと言って、別にお前を待ってたわけじゃないけどな!!

…次兄が森に行ったから探してくるだと?
お前ひとりじゃ心もとないから僕も一緒に行ってやろう。きっと次兄の
ことだから、川で魚を釣ろうとしているかもしれないな。自給自足の
人だから。薪もきっと素手で木を切り倒して作ってるんだろうしなあ……。

しかし夕食のための薪集めか。そろそろ次兄に電磁調理器や、
ガスコンロの存在を教えてやらねばな。



809 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/22(火) 16:21:35
>>802
>あらぁ、撫でるくらいいいじゃない

ネ、ネイサン……?いや失礼、僕達の末の弟に君の口調が似ていたものだから。

撫でるくらいと言うがね、僕のディーヴァや僕の小夜に撫でられるのは
大いに結構だ。お客人との友好的なスキンシップも悪くない。
だが兄弟となると話は別なのだよ。何と言ってもむくつけき男ばかりだ。
(ソーニャは可愛いって?あれでも中身は雄雄しいシュヴァリエだからね)

けれどソロモンが言うように、ヤツが必死な時にネイサンが助けて
くれたというのなら、しかもそれが小夜が危機に瀕していた時だというなら、
顔を撫でるくらいどうってことはないよね。それでソロモンは地下の
拷問部屋から抜け出し、小夜のシュヴァリエになれたのだから。
それで良かったんだ、きっと――…。

――だいいち撫でられたのはソロモンであって、僕じゃないしね。
(今思い出したが、ソロモンが小夜の頬を撫でたのは、僕的になんでもなくはないけどね!)


それでは僕はあるじの部屋に飾る薔薇の花を摘んでくるよ。香りだけでも
夢の中の彼女に届くとよいのだが。お客人の君達にもね。



810 名前:名無し客:2008/01/22(火) 17:39:33
あなたの目の前に、宝箱が一つおいてあります。
中身はなんだと思いますか?

811 名前:名無し客:2008/01/22(火) 20:49:27
小夜の愛と、ディーヴァの愛の違いはなんでしょう。

812 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/01/22(火) 23:32:49
>>649で図書室に新書が搬入してもらえたのよ。
おかげで私はここ数日図書室に入り浸り。
読書は脳を活性化させるのよ。
地味だけど、人生に有益な趣味だわ。
それが仕事に役立つなら尚の事ね。


>>794(グレゴリー)
薪だなんて―――貴方が材料をよく自分で調達しているのは知っていたけれど。
そういえば、クリスマスツリーも貴方が森で伐採したんだったわね。
伐った後は森から担いで運んだのよね。それもソーニャの姿のままで。
少女に擬態している時より、今の男性の姿の方が見ていて危なげがないけど、
それでも医者としてはこの状態の貴方を外に行かせたくないわね。

自分はシュヴァリエだからこの程度では死なない、ですって?
それはわかるけれど、私はサヤとハジの担当医でもあったのよ。
シュヴァリエは容易に死にはしないけれど、苦痛を感じるのだと知っているの。
貴方、まだ本調子じゃないでしょう?
それでも行くの?………わかったわ。
部屋を暖めて待っているわね。行ってらっしゃい。


813 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/01/22(火) 23:33:46
>>801 >>808(ソロモン、カール)
貴方達!連れ立ってどこへ行くつもり?
いくらシュヴァリエでも、出かけるならもっと体を温めてからにしたほうがいいわ。
血液の循環がまだ十分じゃないでしょう?
さっきはグレゴリーが森へ行ってしまうし。
止めても聞いてくれなかったのよ。
シュヴァリエは皆、頑固なのね。新発見だわ。

あら、貴方達はそのグレゴリーを探しに行くのね。
いいわ、貴方達もどうせ止めても聞いてくれないんでしょう?
その代わり、グレゴリーにこのコートを持っていって頂戴。
それからこっちのサーモ水筒には、さっきお客様にもらった温めたワインを入れたから
一緒に持っていって。
気をつけて行ってらっしゃい。


>>802(撫でる)
全然良くないわ!
それはセクシャル・ハラスメントよ!貴方、わかってる?
挨拶代わりにボディタッチをするのも、セクハラと見なされることがあるのよ。
撫でる、なんてもってのほか!
よく覚えておおきなさい。

そういえば、ここに来る前のことだけどね。
こういう場所ではセクハラまがいの質問が多いんですってね。
セク質といったかしら?
だから私も、この場に出るときはかなり覚悟したのよ。
セク質なんかに負けるもんですかって。

でも、蓋を開けてみたら、私宛のセク質なんてひとつもなかったわ。
とても安心した。



………でも、ちょっとショックでもあったわ。


814 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/01/22(火) 23:35:21
>>810(宝箱)
アンシェル総帥のこれまでに集めた翼種の研究データ。
稀少なサンプルもあったら、なおいいわ。
おそらく総帥はどこかに隠しているのでしょうね。
この屋敷内にあるかしら?
もしデータを収めた箱を見つけて中を覗いたら………
きっとトラップがしかけてあって、
総帥にはすぐに私が見たとわかってしまうのでしょうね。
覗き見の代償は総帥が行っている研究への協力?
それとも生命かしらね。
貴方も一緒に見てみたい?


>>811(愛の違い)
それは私の持っているデータでは答えられない質問ね。
そうね………。
サヤはいつもハジに愛されていたわ。
ハジは無口な人だったけれど、見ているだけの私にもそれはよくわかった。
ハジはどんな時もサヤを見つめていて、あの子を守っていた。
サヤはカイとリクにも大切にされていたわね。
人々からの愛情を受け入れる。それもまた愛なのではないかしら。
だから私が考えるサヤの愛は、守られている愛。

ディーヴァもシュヴァリエ達にかしずかれ、守護されていたわね。
でも、私が覚えているのは母親としての彼女だわ。
私、聞いたのよ。
最期の時も、ディーヴァは子供達の繭を愛しそうに撫でていたんですってね。
子供達と暮らすことをどんなに夢見ていたのかしら。
翼種の本能を残すディーヴァは、人間にとって危険な存在だったわ。
でも、ディーヴァが私に見せた母性溢れる微笑みが、目に焼きついて離れないの。
それでディーヴァの愛は、母として守る愛。

貴方の質問への答えは、守られる愛と守る愛の違いよ。

………意外ね。
貴方の質問に答えるまでは、逆だと思っていたわ。
人間を守ろうとしていたサヤが守る者で、ディーヴァがシュヴァリエに守られる者だと。
でも、私が心の中で抱いていた印象は違っていたのね。


今日はここまでね。じゃあ、またね。


815 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/23(水) 20:40:44
やあ、人間のお客人、こんばんは。
星空が美しい夜だ。君の目にもかすかに瞬く星が見えるかい?
もし寒ければ遠慮なくお言いよ。僕の上着か、マントをお貸ししよう。
お望みならマスクもね。


>>388
>握手したらどんな感触なんでしょう。

僕の手を触ってごらん。君より少し冷たいだろう?そしてそれほど細くはないが、
男の手にしては柔らかく感じるはずだ。人間と違って、治癒能力に優れた
僕達の皮膚は、使い続けても硬化することがないからね。

君の手を僕の両手で包み込もう。ひんやりした感触に君がぴくりと肩を揺らしたね。
僕がじっと見つめると気まずげに視線をそらした。
――怖いかい?正直に言っていいんだよ?
僕もさっきから目が紅くならないように我慢しているんだ。今からそっと手を
離すから、走って逃げるか、この場に留まるか、早く決めるんだよ。いいね?



816 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/23(水) 20:41:31
>>810
>あなたの目の前に、宝箱が一つおいてあります。

薔薇が飾られた貴婦人のための豪奢な部屋。その中央に置かれているのは
美々しい装飾がされた箱。あるいは――棺。僕は棺のそばに歩み寄り、跪く。
棺に手を伸ばし、そっと縁を撫でて、冷たさを楽しむ。だがけして蓋を
開けるような真似はしない。中で繭を作り、静かに眠っているあるじに対して
あまりに無作法だから。シュヴァリエは常に、じっとあるじの眠りを守り、
目覚めを待ち続ける。

宝箱の中に入っているのは、僕の何よりの宝物。その青い瞳が僕だけを
見つめてくれることはないと、狂おしいほどわかっていても――…。
愛しい僕の、ディーヴァ。


>>811
>小夜の愛と、ディーヴァの愛の違いはなんでしょう。

ディーヴァは無邪気で、愛らしい方だったよ。アンシェルはディーヴァを外に
出したがらなかったから、あるじはいつも部屋の中で人形遊びをしていた。
遊びに飽きてしまうと、彼女は僕を掴まえてこう言うんだ。
「ねえ、カール。外に出たいの」
――ああ!僕を見つめるあの青い瞳!彼女の瞳は幼な子のように純真で、
妖婦のように男を従わせた。そんな目をしてねだられて、僕が断れるわけ
ないだろう?僕はすぐさま彼女を外に連れ出したよ。後で兄弟からどんな
叱責を受けようとね。
ほんの気紛れでも、彼女の関心が僕に向けられていたらそれで幸せだった。
彼女の愛こそ、僕の全て。

ベトナムでイギリスで、僕は小夜の面影を追い続けた。敵である小夜だけが
僕を理解してくれると信じていたからだ。だが彼女の目に、僕が敵以外の
存在として映ることは最後までなかった。けっして僕に向けられることが
なかったのが、小夜の愛だったよ。それでもこの胸の愛しさは消えない。
僕の最後の希望、断ち切れた望み――それが小夜だ。



今日はここまでだが、君がベッドに入るまでには、まだ少し時間があるかな?
ホットチョコレートを用意しよう。人間でない僕には味などわからないが、
とろけるように甘いやつを。君がよく眠れるようにね。それではまた後で。




817 名前:名無し客:2008/01/24(木) 14:08:25
モテますか?

818 名前:名無し客:2008/01/24(木) 14:57:36
ttp://www.gundam00.net/character/02.html
ソロモンによく似てるけど親戚ですか?

819 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/25(金) 03:12:39
こんばんは。今日は前置きなしでご挨拶にまわるよ。

>>390
>貴方の名前にはなにかの願いが込められていると思いますか?

「カール」という名はドイツ風で、ベトナム人の僕の名前にしては奇妙だろう?
生まれた時に親に名づけられた実名か、はたまた愛称か偽名なのかは今は秘密に
させてもらおう。たとえ僕に本当の名前があったとしても、君は僕をカールと
呼ぶだろうからね。ところで僕の名に願いがこめられているかどうかだったね。
残念ながら僕の名に願いなど込められていないはずだ。僕はただの「カール」。
そんなところまでつまらない男さ。こんな本音は君だけに言うのだけどね。

だからかな。ベトナムで「ファントム」と呼ばれた時は何とはなしに嬉しかった。
いかにもなマスクとマントを身に着けて、女子生徒の前に現れたりしてね。
その時だけ、僕は哀れな実験体ではなく神出鬼没の謎の人物でいられたのさ。
僕は死ぬまで小夜に名前を覚えてもらえず「ファントム」とだけ記憶された。
そのことに悔いはないよ。それに小夜が僕を呼ぶなら、その名が僕の名前で
かまわないからね。


>>817
>モテますか?

僕についてはコメント無しで!だからといって、僕が女性に人気がないと
いうわけではないよ!早とちりしないでおくれ!ただ僕は僕のディーヴァと
僕の小夜にさえ愛されていれば良い男なので、女性全般に恋愛感情を
持たれているかどうかを、気にかけてはいられないんだ。小夜とディーヴァに
失礼だし、人間の女性にもやはり礼を失う気がするしね。

――まあ、僕の周囲の連中はどうも女性に好意の眼差しを向けられる男が多いのだが。
君も知ってるだろう?ソロモンとかね。あいつがベトナムのリセに来た時は
女生徒達が騒いだっけ。昔からそうなんだけどね。ヤツが歩くと女性が一斉に
振り向いてため息をついたりするし。――別に羨ましくはないのだがね!

ハジもそんな感じだったな。彼は庭師として僕のリセに入り込んだんだが、
やはり女生徒達の注目の的だった。皆、頬を染めて彼のことを噂していたな。
その時の僕は一緒にいた小夜のことしか眼中になかったが、理事長として
ああいう男を学園内に置いておくのはどうかなと、チラリと考えたよ。
学園内の僕の人気が――ではなく、風紀と規律を守らなくてはいけないからだ。
そのように僕は職務にも真面目に取り組む男なんだ。いいね!くれぐれも僕が
女性の人気のあるなしを気にする男だと勘違いしないでおくれね!



820 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/25(金) 03:13:13
>>818
>ソロモンによく似てるけど親戚ですか?

そのグラハムという男のことかい?たしかに似ている。ソロモンより目つきが
いささかきついけれどね。ソロモンは人間の頃の兄弟はいたはずだが、さすがに
その人達はもう寿命を迎えているだろうから、あいつの兄弟か親類の子孫かな。
まさかあいつの子供とかその子孫とかじゃ――おい待て!ありえない話じゃないぞ!

いや、あいつに隠し子がうじゃうじゃいることが発覚しようとそれはどうでもいいんだ!
問題は母親だよ!シュヴァリエになる前に隠し子を作っていたというならそれでいい!
(お客さんの中には嫌がる人がいるかもしれないが、あくまで可能性としてだよ!)
ま、まさか、母親は、さ、小夜じゃないよね?もしも、万が一にでも
そうであったなら―――あいつめ、どうしてくれよう!!!

ところで隠し子で思い出したんだけどね。ハジはアンシェルが買いとって(時代が
時代とはいえ、嫌な話だ)養子にしたんだったね。ハジも数奇な運命に巻き込まれた
ものだが、彼は本当にただの養子だったのかな。だって考えてもごらんよ。
ハジは小夜だけでなく、ディーヴァの花婿候補としてあのアンシェルが
連れてきたはずなんだよ。素性がまったくわからない得体の知れない子供を
長兄が連れてきたりするかな。アンシェルなら自分が花婿になれない代わりに、
自分の血に連なる縁者かよく見知った者をディーヴァの花婿にしたいと考えるのじゃ
ないだろうか。

花婿として動物園で育てるには、孤児同然の子供のほうが都合が良かったとか、
よほどハジがアンシェルの気に入ったなどの理由があったのかもしれないけどね。
たとえばの話――。ハジによく似た黒髪で、ロマには珍しい白い肌と青い瞳をした娘
(これはディーヴァの特徴でもある)を若き日のアンシェルが目に留めたとするだろう?
その娘が周囲に父親が誰か言わぬまま子供を産むこともあったかもしれない。
でも正式な婚姻関係など結ばれるはずもないし、アンシェルはディーヴァにかかりきりだ。
多少の金銭を渡して、その後は母子と関わらなくなるだろう。そして時が経って、
初代ジョエルの命により花婿となる男の子を連れてくる必要に迫られたアンシェルが、
その子供のことを思い出し、動物園に連れて来たのだとしたら――?

まったくの想像でしかないけどね。もし本当にハジがアンシェルの実子だったとしても、
ハジは何も知らないだろうし、アンシェルも何も喋らないだろう。
次兄なら何か知っているだろうか?次兄はアンシェルの次にシュヴァリエとなり、
研究の一端も担っていたはずだ。もっとも、ハジがアンシェルの実子であろうとなかろうと、
僕達と同じ翼種で小夜のシュヴァリエであることになんら変わりはないのだけどね。



821 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/25(金) 03:14:18
――おっと!ソロモンの隠し子疑惑と、ハジのアンシェル実子疑惑を語っていたら
長話になってしまったね。

すまない。君達はもう眠る時間だ。
それでは眠らない僕から人間の皆さんへ。おやすみなさい、良い夢を。


822 名前:名無し客:2008/01/25(金) 07:32:36
ソロモン、トリ割れしてる。ご注意ください。

823 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/01/26(土) 05:34:00
>>822
>ソロモン、トリ割れしてる。ご注意ください。

おや―――何ですって?
ああ、成る程…判りました。僕らはこれまで、肩書きを変え
必要とあれば名前を変えて、人間の世界に溶け込んできました
そうして生きてきた僕らにとって、
やたらと僕らの正体を知りたがるものは…警戒するべき対象です。

やはり雪にまみれて、濡れたままでいたのではいけませんね
兄弟に会う前に、ほかのご来客とお話をする前に、きちんと身なりを整えることにします。
声をかけて下さったあなたには、感謝しなくては…どうもありがとう。




>>808 カール、
>まったくお前は傍若無人で口が悪すぎるぞ。以後注意しろよ。

おや…すみません、君が相手だとつい。はは…、
はい、はい、以後気をつけます。

>大体お前は来るのが遅いんだよ。
>――だからと言って、別にお前を待ってたわけじゃないけどな!!

くす、そうですか。君ならもう疾うに…ええ、以前アンシェル兄さんに
あの強靭なチェロケースの中に閉じ込められた時のように
手品師よろしく脱け出しているんじゃないかと思ったものだから。けれど、
僕を待っていましたか…それはそれは、御免なさいね?さあ、
アンシェル兄さんの執務室に、火が入っています…少し体を暖めて…

おや。君も一緒に来る、と?いけません、まだ―――
本当に、大丈夫ですか?…ああ、大事な兄さんのお迎えだからね。
わかりました…さあ、あちらです。

>そろそろ次兄に電磁調理器や、ガスコンロの存在を教えてやらねばな。

しかし……ああ、そうか―――成る程、いまは便利な調理機器があるのですよね。
エルフのような彼を見ていると、薪を切ってかまどにくべて料理をするほうが
当たり前であるように思えるんだ…不思議ですねえ、くす、
それもまた…彼の魅力なんでしょうね?わかりました、
それではあとでパリのメーカーのカタログを、取り寄せておきましょう。

824 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/01/26(土) 05:35:58
>>813
>貴方達!連れ立ってどこへ行くつもり?
>いくらシュヴァリエでも、出かけるならもっと体を温めてからにしたほうがいいわ。

おや、シルヴァスタイン女史―――ああ、
心配して下さるのですね?僕らの事を。

小夜の主治医の貴女から見て、グレゴリー兄さんの様子はどうでした?
…矢張り。あれでは体に毒だと、貴女もお思いでしょう?ええ、
彼に会ったらすぐに火に当たって、暖かいワインを飲むように言っておきます。

それを言ったら、このカールも同じなんですけれど
彼は、いちど言い出したら聞きませんから―――ほらね?
それに僕が一緒ですから…ええ、これでも僕はもとは貴女と同じ医者です
ですから大丈夫、任せて下さい…ありがとう。

そうだ、貴女には後でお話ししたいことが沢山あったのです…例えば
気絶した翼手がシロツメクサと、下まつげの生えたあらいぐまの夢を見たお話とか

…ほら、とても興味深いでしょう?では先にお屋敷へ戻って、
待っておいでになって下さい―――暖炉の前で、ワインの栓を抜きながら
お話ししますから。はは、ええ、
その話を聞いたアンシェル兄さんがどんなお顔をなさるか…それも楽しみですし、ね。




>>795
グレゴリー兄さん!
やっと追いつきました―――はは、やはり貴方は森の住人です。
おや、そんなに吃驚なさらなくても…僕らは貴方を手伝いに来たのですよ。
さあ、アンシェル兄さんとご来客が、お部屋に火を入れて待っています…
すっかり体が冷えてしまったでしょう、兄さん
シルヴァスタイン女史が、コートと温かいワインを満たした水筒を下さいました
ひと休みしたら、早く仕事を終わらせてしまって…お屋敷へ、帰りましょう。

ええ、あそこは決して幻のように儚いものではない
間違いなくそこにある、家族の住み処なんですから。


825 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/01/26(土) 05:37:42
ご機嫌よう、ええ、いま帰りましたよ…ああ、やはりここは暖かいですねえ
先ほどはあなたがたに仕事をさせたりして、すみませんでした
さあ、今度はあなたがたと、できるだけお話をしましょうね。



>>676
>アンシェルの『ラスト・ダンス』が素敵だったので、この曲をあげるね
>エンヤの「may it be」

ああ、先日のクリスマスパーティーで、ダンスの為の曲の合間に
流れていた曲は、あなたがもっておいでになったのですか…
ええ、とてもいい曲です。その曲が使われている映画の原作が…ここにある、これですね?
さまざまな種族のもの同士が手を取り合って、邪悪な指輪を棄てる旅に出るお話です。
ちらと目を通しましたけれど、この物語の世界観にその歌はぴったりだ。

けれど、ええ、確かに…「暗闇が訪れる 君は行くべき道を見いだす
            暗闇が降りる 君の心に、いま 約束は生きている」…成る程、

あなたの仰る事が、よく解かりました。この曲は
ことのほか…この曲が流れていたあの夜を最後に行ってしまった彼らへの、
はなむけにもなったかもしれませんね。



>>674
>自分のキャラCDがでるとしたらどういう内容にする?
>出てる人は更に続編って形で

僕の声が記録されるとしたら、ですか?
どういう内容にするか、というより…なるか、という事でしょうね。何しろ僕らは
あまり自発的に、自分達の情報を世間に対して開示してきませんでしたから。

ご存知かどうかは、判りませんけれど…サンクフレシュ・ファルマシーは
僕がCEOに就任してから、ほんの五年間で世界を相手取る企業にまで発展しました。
それは驚異的な躍進です。…環境に恵まれたというだけの事なんですけれどね、
何しろ僕の後ろにはゴールドスミス・ホールディングズがありました。

ですから、メディアがもし取り上げるなら
片田舎の小さな製薬会社の驚くべき急発展がどのようにして為されたか
その辺りに、焦点をあてるんではないですか?
そういったような内容のインタビューを取られたことも、何度かありますしね。

しかし…それは残っても、何ら聞く人の為にはなりませんね、きっと。
ファルマシーの発展は僕らの計画のいち段階に過ぎません、すべて
辿るべきレールが予め用意されていた、起こるべくして起こったことなんですから。

826 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/01/26(土) 05:39:32
>>731
>受験生がラストスパートかけてる時期に言うもんじゃないね。

おや、そうでした―――この時期、あなたがたは
進学の試験で、お忙しいのでしたね。それでは僕は
随分幸先の悪い事を…よりによってカミダナが、なんて。しかしあれは
あくまでアンシェル兄さんの頭の事を言ったのであって決して―――おや、
先ほどと言っていることがまるで逆だ?…おかしいな
いえそんな事はこの際どちらでも同じだ、

兎にも角にも、失礼しました。
もう、一次試験は終わったのですか?それはそれは、お疲れさまです。
けれどまだゆっくりは出来ませんね、それでここで勉強を?そうですか。
ここはいい所ですからね、静かで…ええ、勉強ですとか研究に没頭するには、
これ以上ない環境です―――

>あ、アンシェル、落ちたよ

……………!?しっ―――声が大きい…只でさえ静かなんですから

>ハンカチが

何だ、吃驚させないで下さい…無茶をする。けれど、ええ…
ハンカチで良かった。



>>741
>ここにいる翼手は心が強いね。見習うことが多いわ。

おやおや、はは…
いまのようにご来客の一言でびくりとする僕は、どうなのでしょう?

けれどあなたの仰る事は正しい、
慥かに彼らは皆、お強くて一途で、お優しいところをお持ちだ。
些かその…個性がきついので、それぞれ違った形で見えるのですけれどね。

そして彼らは時々…畏ろしい。それはあなたがたも、良くご存知ですね。
僕はそんな彼らを誇りに思いますよ。昔からいままで、それは
何があっても、すこしも変わりません。ですから
あなたにそう言って頂けて、僕は嬉しい。ありがとうございます。

827 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/01/26(土) 05:42:18
>>818
>ソロモンによく似てるけど親戚ですか?

おや、その写真は…?はい?僕の親戚、ですか?どれ、…

おや。
彼の名前は?…エーカー…?
聞いたことがありませんね。僕の親類に、そういう姓の家はありません。
しかし…彼も、そうなのですね。くす、
ここをご覧なさい。この、眉間とこめかみにかかる髪。どうしても、
このようにくるりとなってしまうのです。彼はどんなかたなのです?肩書きは?

…はあ、エースパイロット?MS、というのは…ああ、
マイクロソフト社の社員ですか。おや違うのですか、モビル…スーツ?
よく解らないですけれど、軍に所属しておいでなんですね。
顔を出す度に面白いことを言うので有名だと仰る…へえ、どんな事を言うのです?
どれどれ、

「あえて言わせてもらおう、グラハム・エーカーだと!」

くす、目立ちたがりやさんなのですね?
敢えての自己紹介に、しかも倒置法を使うなんて。

「グラハム・エーカー、君の存在に心奪われた男だッ!!」
「おとめ座の私には、センチメンタリズムな運命を感じずには居られない!」

はは…情熱的で、それもロマンチストですね。凄いな。まるでカールだ。
この、彼の言う「君」とは誰なのです?…エクシア?女性ですか?成る程。
ああ、おや、また違うのですか?…は?エクシアはガンダム?
それはどういう…ああ、資料をありがとう。おや、彼は…
これに対してそんな事を言うのですか?
…彼の目には、これが美しいと映るのですね。いえ、理解できない事は…ないのです、
けれど、ええ、彼は僕とは何の関係もありませんよ。

それよりあなた、彼の横に居るこのかたは誰です?髪型こそ対照的ですけれど、随分
白いスーツと眼鏡がお似合いだ…彼こそ、ヴァンの親類かなにかではないのですか?

…?カールが、そんな話を?>>820
おやおや、荒唐無稽ですね。僕の子供の母親が小夜?まさか。
そんな事が本当にあればいいですのに。
…何ですって?その前のくだりについて一言?はは、あれは根も葉もない想像ですよ。
ですから 僕の口から言えるのは―――ひとつだけ
くす、翼手になっても…人間の頃と変わらないのは―――…仕方のない、事なんですけれど


こういったゴシップを聞くと、興味を持たずに居られないという点ですね。


おや、何をつまらなそうになさるんです?勿体をつけておいてそれは酷い、と?
はは…それはすみませんでした。しかしね、あなたがた―――先ほど
カールが言った事の後ろ半分、あれは僕の噂話よりも…よほど現実味を帯びていますよ。
こんな事を言うと、ご本人同士はさぞ怒るんでしょうけれど…

僕は、ハジにピアノを教わったり彼と向かい合って話す時…ぎくりとする事がありました。
彼とアンシェル兄さんは、慥かにとてもよく似ておいでなのです。どこが?それは
あの青い水の底のような、物憂げな目です
…最初のシュヴァリエというのは、なべてそういう目の持ち主なのかもしれませんけれどね。

828 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/01/26(土) 05:44:15
>>752
>私の愛を受け取って!

はは、いいですよ―――では貴女…僕はこうして両手を広げますから、
そこへ貴女の愛を載せてください。そう、そっと…ああ、壊れないように。
ありがとう。…こういうふうに、僕は文字どおり
貴女の愛を受け取る事だけなら出来ます。けれど…、

もし貴女が仰る、その意味するところが、僕とずっと一緒に居たいということなら
その為に僕がとる手段はひとつだけです。それが何か、わかりますか?

いいですか、貴女の目の前に居るのは…好んで人の血を啜る生き物の眷族です
彼には老いも死もない。人間といつまでも一緒に、なんて事は…残念ながら不可能です。
ただ…その人間の血は、彼の糧になることができる。
彼が摂取した血の情報は、彼の中で生き続けるのです。…もう、お判りですね?

いいえ、安心して下さい―――僕はいま貴女が下さった、この愛だけでお腹がいっぱいだ。
けれどこの場所には、僕の兄弟が居ます。血を分けた、同じ種族の兄弟が
彼らに愛を差し上げるのはいいですけれど、彼らの愛をねだっては…

くす、危ないですよ?…お気をつけて。


829 名前:名無し客:2008/01/26(土) 10:47:16
あなたのブラザーのラスプーチンですが

・悪魔と契約し世界征服をたくらむ怪僧(シャドウハーツ2)
・未来からやってきた、今時見ねぇよそんな外人風アンドロイド(葛葉ライドウ)
・愛を説くホモ(ワールドヒーローズ)

と、有名すぎるが故にフィクションでは凄まじい事になっておりますが、
客観的に見てどう思いますか?

・・・いや吸血みたいな超生物もどうかと思うけどね。

830 名前:グレゴリー ◆gD.KishiHU :2008/01/26(土) 22:26:50
雪が……また積もるな……。

先程客人に>>605
>翼手の宇宙空間、深海等での適応可能性について考慮してみて
と問われたが……このままここで雪深く埋もれてしまえば、どうなるのだろう。
「眠って」しまえるだろうか、さっきのように。
もう全てをやり過ごしてしまえるだろうか。

白い雲から白い雪が、あとからあとから降ってくる。
醜いものも美しいものも、分け隔てなく白く覆っていく。

なんという美しさ…なんという清らかさ…。
完璧な無音に支配された世界。
死後の世界もこのように安らかなところなのだろうか…。

………。
………。
………。

>>795(ソロモン)
>グレゴリー兄さん!
>やっと追いつきました―――はは、やはり貴方は森の住人です。
>おや、そんなに吃驚なさらなくても…僕らは貴方を手伝いに来たのですよ。

………ソロモン!………カールも一緒か?

ああこれは―――ワインか。
熱いな。喉を通って、五臓六腑が焼けるようだ………。心地良い。
それにコートまで。シルヴァスタイン女史の、心遣い>>813?そうか………。

>アンシェル兄さんとご来客が、お部屋に火を入れて待っています…

………長兄が………わたしを?

831 名前:グレゴリー ◆gD.KishiHU :2008/01/26(土) 22:28:38
>>795(ソロモン)
>あそこは決して幻のように儚いものではない
>間違いなくそこにある、家族の住み処なんですから。
>>808(カール)
>もしまた夢を見るなどという貴重な体験をする時は、家族といる幸福な夢を見ることだ。
>――たぶん、今がその夢の時間なのだけどね。

そうだな。「動物園」はわたしの家で、お前たちはわたしの家族。
この夢のような今こそが、現実なのだな……。
帰ろうか。わたし達の家へ。



すまないがお前達、薪運びを手伝ってもらえるか?これだけあれば料理は勿論、
客人方が暖を取るにも当分困るまい。――何だとカール?

>次兄に電磁調理器や、ガスコンロの存在を教えてやらねばな。

つまみをひねるだけで熱くなる板?火の出る道具?なんだそれは。

屋敷に戻ったら、暖炉の前でワインを一杯。シルヴァスタイン女史や客人方も
お誘いして、チェスでもやるか。
しかしその前に熱い風呂だな!勿論お前たちも一緒にな、体が冷えたろう。
そうだ、長兄もお誘いしよう。
「長兄、可愛い弟と一緒に、お風呂入りませんか?」
とな。たまには兄弟4人、裸のつきあいもいいだろう。

832 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/27(日) 01:32:13
>>829
>あなたのブラザーのラスプーチンですが…
>有名すぎるが故にフィクションでは凄まじい事になっておりますが、
>客観的に見てどう思いますか?

―――…面白い。
それは彼の存在のありようが、創作に携わる人間たちの想像力を否が応にも高めている
という事実に他ならない。あの帝政ロシア時代に皇帝のそば近く仕え、絶大な権力をその手に
した男。そして彼にまつわる、なんとも奇妙な不死にまつわる数々の逸話………。
そうした噂はいつしか誇張されて後世に伝えられるもの。
私が最初に目にした本来の彼は……グレゴリーみずからが>>715で語っている通りだ。



>まだ人間だったころ、僧侶としての修業を積んでいたころの話だ。
>司祭の覚えめでたい新参者を妬み憎んだ先輩僧に、わたしは集団で暴行された。
>顔を火箸で焼かれ目を潰され、吹雪の中に捨てられた。殺すまでの度胸のなかった
>彼らは、わたしがひとりでに死んでいくように仕向けたのだ。



―――…そう。
その彼をロシアの雪原にて、まず最初に見出したのはディーヴァご自身だ。
私はそのときどうしていたものか……。あるいはロシアを去る時と同じように闇色の衣装で、
同じ色の馬車を彼女の為に駆っていたのだろうか?…ふるい話だ。よくは憶えていないのだがね。
しかし重大なのは、彼が他ならぬ『ディーヴァに選ばれた』という事実だ。

彼女はまぎれもない翼手の女王だ。人間のように外側の美醜で判断したりなどはしない。
ひとたび気に入れば、ためらいなく手に入れる為にその手を伸ばす。
博物館にて、だれもが嫌悪を抱く大型の蜘蛛の標本を抱き上げ、その指で愛でられたように。
おそらくそのときもグレゴリーの焼かれた顔、潰れた眼球などを意には介されなかったのだろう。
ちからなく倒れ、死に瀕していた彼の孤独な魂をその目にし――…そうした姿をすべて含め

「この子………可愛い。」

とお思いになられたのかもしれない。
彼女は倒れたグレゴリーに駆け寄り、好奇心の強い子供がよくそうするように膝を折りつつ
彼をしげしげと覗き込んでいた。おそらくあの青い瞳をきらめかせて彼をみつめていたことだろう。

「気に入ったわ。…いいでしょう?」

―――…と私を振り返られた。その血を与え、近しい者に加える行為を…だ。
私に異論などあろうはずもない。笑ってただ彼女へうなずき返した。グレゴリーは『選ばれた』のだ。
人であるグレゴリー・エフィモビッチ・ラスプーチンは今日ここで死に、ディーヴァの血を授かった時より
お前は私と血のつながった本当の家族になる。
……ふたたび目覚めたときにそう告げた時、彼はひどく感激していたようだ。
歪んだこの私と『血のつながった本当の家族になる』事が、いったい何を意味するのか…
…そのときはまだ知る由もなく。

833 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/27(日) 01:33:38
>>794-795 グレゴリー
>皆でいて、そこに美と調和が存在し、己が必要な一つのパーツとして組み込まれて
>いることに安堵する……わたしにも覚えのある感情だ。
>――それが幻として、儚く崩れ去った時の絶望も。


―――…ソロモンもかつて憂鬱そうに語っていたものだ。

「人間の価値観から見えていた業など、取るに足りないものだと思いました。人間が愚かしく、
醜い生き物に見えたのです。そして単純にその世界から解放された喜びに満たされた。ぼくは
初めて平穏を手にすることが出来たのです。だが………我々の世界にも争いはあった…。」

…と。そう―――我らのうちにも争いは存在する。表にはまずディーヴァと小夜の戦いがあり……。
そして裏には身内を切り刻み、または『シュヴァリエ殺し』を強いる、この私からの重圧に対する戦いだ。
ひとたび私の家族となった者はみな例外なく、私の業に直面し、容赦なく晒される運命を持つ。
『調べ尽くし、知り尽くすこと』…そのかたち以外の愛を、結局この私は理解し得ないのだから。

ディーヴァが、カールが。かつてそのようにして、陰惨なかたちで私の問いに試された。
それは「兄さんの言葉はぼくの意思でもあります」と笑って頷くあのソロモンも同じ事だ。
この私は試さずにはいられない。与えた多くの心痛や裏切りによって。彼を試さずにはいられないのだ。

「…はたして、これでもまだお前は『私の言葉をお前の意思』と頷くことが出来るのか?」…と。

私の猜疑心はひどく根が深い。
「期待に応えよう」とちからづよく答える弟の、作戦の成功すらも信じない。
クリスチーナ島には結果を待たずにネイサンを差し向けた。………言葉などは結局いくらでも飾れる。
私は多くの人間たちのあいだを、そのようにすべて偽り、徹底的に利用する事で生きてきたからだ。

―――私がそうして弟を失う事に気づくのは、つねに事態が止めようもなく進んでからのことだ。
なすすべもなく同じように私は彼らへと言葉をかける。まるで彼らの翻心をどこかで願っているかのように。
しょせんこれもまた……相手からは与えられるはずもない愛だ。無駄な事だとは承知しているのだがね。

「いとしい弟よ。今のお前に必要なのは…しばしの休息だ」
「今は引け。ディーヴァは眠りを望んでいる」
「何事もなくこの場を去るつもりか」

………。
…ふふ。我ながら空虚な言葉だな。何をも生みださず、誰を慰める訳でもない。
ひとり心を痛めて薪を取りにゆくお前の姿を、皆がひどく気がかりそうに眺めていたものだ。
なぜ私がそれを知っているか、だと?……さてな。知らんよ。そうした事は弟のソロモンに聞け。
かつて彼とは「偶然」路地裏で居合わせた事がある。だから今回もなにか気づいている事だろう。

―――風呂に四人で?……愚かなことを。
ああいった誘いは相手が飛び退けて全身で嫌がり、辞退するからこそ、誘う意味があるのだ。
このアンシェル・ゴールドスミスが家族仲よく、和気藹々と風呂になど入れるか。似合いもせん事を。
同じく体の冷えた、心優しい他の弟たちと入るがいい。私は辞退する。……ええい、よせ。やめておけ。
グレゴリー、とにかく今は引け。風呂は要らん。私は一人でも入れる。この私に構うなというのに!

834 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/27(日) 03:19:15
>>717
>好きな夢が見れるとしたら見たい夢はある?

―――…見たい夢、か。
翼手に満ちた世界にディーヴァの子供たちが生まれ、そして育つ。
そのときディーヴァがどうするのか……それが見たい。それこそがかつての私の望みだった。
彼女は娘たちをしずかに慈しんでいた。まるで、そうすることによりおのれの欠けているものを
埋め合わせようとするかのように。…追われることのない世界において、繭から娘たちが誕生し、
ディーヴァの孤独をそのちいさな手で癒すその光景を―――可能であるなら私も目にしたかった。
彼女の孤独は、我らのような「ひざまずく者」では……結局埋められはしないのだからな。

だが、たとえ互いの孤独が埋まることがないのだとしても…ただ黙して傍らに居続ける事は出来る。
それが庭の柱のあいだをくぐりながら子供のように遊ぶ姿を、遠目に眺めているだけだとしても。
相手の心はしょせん手には入らない。しかしただ生きているその姿を目で追っているだけで…しずかに
心慰められる事もあるのだろう。

だから夢を見られるのであれば、彼女が嬉しげに遊んでいるその姿を。
そして個性ゆたかな弟たちが悪口を言い合い、どこか楽しげに互いの足を引き合っているその姿を。
私は庭に出した椅子に腰掛け、片肘を付き―――いつまでもただなつかしく見送っていたいものだ。

先ごろから『ハジと私が似ている』などという根も葉もない噂から実の親子ではないかなどと
言い出す困った緑色の生物が約一体、金髪の困った噂好きが約一名、存在しているようではあるがね。
…似てはおらんよ。第一私の実子ならば、もう少し生来の商才があってもよさそうなものだ。
ハジは善良すぎて他の人間を押しのけられまい。たとえ事実であったとしても私は認めん。

しかしまあ…あの子犬のような男も、おそらくこのように思っていたのだろうよ。
「小夜の傍らにただ、在りたい。その笑顔を間近で見る事ができればそれでいい。たとえ彼女の孤独が
 この自分では埋められなかったとしても」……と。

そのあたりをよく似ていると言われるのは…これもまた心外なのだがね。しかし止むを得ん。
シュヴァリエとは結局、そういうものだからだ。

835 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/27(日) 04:34:03
>>719
>貴方が気にかけている方のお好きな仕草を、私にそっと教えて下さい。
>日常のふとした動作でも癖でも…何でも構いません。

―――ではお望みどおり、君にそっと囁こう。
…先刻も答えたとおりだ。ディーヴァが無心に遊んでいる姿を見守るのを何より私は好むよ。
ところで他の者たちは、君にはたして何と答えたのだろうか?
おや…グレゴリーは、かぼそいつぼみの薔薇に指輪を通して、小夜への贈り物を早くから用意した
ハジの姿を(>>728)。対するソロモンはその指輪付きの薔薇をみつけた小夜の喜びを君に語って(>>766
いたのか。………成程。じつに小粋なやりとりだ。では私はディーヴァについて君に語るとしようか。


…そうだな。もしその指輪が小夜にではなく、ディーヴァその人に贈られたものだとしたら…。
ディーヴァの勘は大変にするどい。その薔薇を一目みるなり『薔薇を傷つけずして、どのように指輪を
抜き取るか』の謎かけを、おのれに対して挑戦的に問いかけていると感じられるだろう。
そしてあの青い瞳をあやしく燃え上がらせて

「………無礼なシュヴァリエ。きらいじゃないけど。」

と不敵につぶやかれ、あえてその薔薇の(ディーヴァへの贈り物ならば…当然それは青い薔薇だ)
花弁をためらうことなくその指で無慈悲に掴まれることだろう。
かつて多くの人間の屍を、その白くうつくしい素足の下に、かけてきたときと同じように。

あるいはその薔薇の棘に指を傷つけ、思わず取り落とす事があるかもしれない。
その場合彼女はあどけない子供のように傷ついた指を舐め、次いで落ちた薔薇の花ごと指輪を
両手ですくいあげ―――その花弁をそっと無心にそのやわらかい唇へと咥えたことだろうな。

……私はそうした彼女のなにげない仕草を眺める事を…愛していた。
彼女の残虐は、その心の芯から現れているものではないのだ。ディーヴァはそうした行為が
人間の価値観でいわゆる「無慈悲」「残酷」とされるものだという事すらご存じではない。

…当然だ。彼女にはなにも、教えられてはいなかったのだから。その点ではディーヴァはごく幼い
無垢な子供となんら変わるところはなかった。残酷を知らぬまま、愛を知らぬままでそれでも彼女は
懸命になにかを手探りでさがしていたようだった。――あるいはみずからのあるべき場所を求めて。

…私は故意に彼女へなにも教えなかった。それゆえに彼女はいっそう、運命の扉の外の世界を
懸命にその足で歩み始め、また求めたのだろう。

836 名前:名無し客:2008/01/27(日) 22:07:05
人間は醜いですか
あなた方の意見が聞きたい

837 名前:名無し客:2008/01/28(月) 02:16:20
>水色――ソロモン(あいつちょっと存在薄いだろ?)

随分ひどい事言ってるねカール。ソロモンは存在が薄いなんて事ないよ。
薄いって言うなら色素が薄いんだよ。ソーニャもね。女の子の色白はいいよ。
カールは何もかもが濃いね。それにソロモンに対してはツンデレだ。
アンシェルは下と中身は濃いけど上は少〜しだけ薄いね。………プッw

>白いスーツと眼鏡がお似合いだ…彼こそ、ヴァンの親類かなにかではないのですか?

彼も第一印象と違って実は一途でヘタレな人なんだよ。
アルジャーノもそうだね。第一印象では腹黒くて賢くて計算高くて
上手く立ち回れる人だと思ってたのに意外におバカで中途ハンパに小悪党でヘタレだw
ああ、最初の2行はソロモンも当て嵌まるとこありそうだね。

838 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/28(月) 19:14:20
>>726
>野獣のごとき美しさというべきでしょうか本能のまま行動している人に
>目を奪われたことがあります。 あとはアンバランスな行動です。
>アンシェルは言葉とはうらはらに行動してたりと・・・。


―――この私ごときを例に挙げていただけるとは…なんとも光栄ですな。
しかし妙な事をおっしゃるお方だ。この私ほど正直で善良で、裏表のない男は…そう。
滅多にみつかりはしないよ。それこそアイスランドにて発見された未知の生物のミイラほどの
天文学的希少価値だ。しかし善良なこの私とは異なり、世界にはつまらぬ陰謀を抱く輩がひどく多い。
君のように優しげな人間は、よほど用心せねばそうした彼らの餌食となりかねない。…哀しい現実なのだがね。

それに君の話はじつによく理解できる。
同じように、私もかつて「なんら人間の制約を受けない、野生の獣のようなうつくしさ」に
この目を奪われたことがあるからだ。それは私にとって忘れ得ぬ、なんとも鮮烈な映像だった。
…そう。あれは1833年のとある日曜日。
累々と積まれた屍と、紅蓮に燃えさかる業火のなか――ただひとり超然と立っていた彼女の姿に…。

………。
………。
いや。…これは失礼いたしましたな。
この私とした事が…しばし追憶にとらわれてしまったようだ。
さて、いったいなんの話であったか………。

そう。世界には罠や陰謀が満ち満ちているといった話でしたかな?
君とは価値観がいささか一致するようだ。だからこの私も、心からの善意で忠告するのだが…。
滅多に他人を信用したりなどしてはいけないよ。この世界に正直で善良な者は誠に少ない。
現実問題として、君が心を許しても安心なのは……せいぜい こ の 私 くらいのものだ。

ああ、これは失敬。立ち話でながながと…。疲れたかね?
甘い物は疲れを癒すと聞く。よろしければこの…我が社が製造したキャンディー・バーを
いくらでも食べてくれたまえ。なに遠慮はいらない。さあ一息に!…私の心からの贈り物だ。











>>725-731
>ソロモンってば結構アンシェルに毒吐くねwww思わずお茶噴いちゃったじゃないかww
>髪棚を祀ったら毛が生えてくるかもしれないよww

>まあ「落ちた」なんて長兄だけでなく、受験生がラストスパートかけてる時期に
>言うもんじゃないね。あ、アンシェル、落ちたよ
>ハンカチが

………。
………。
………。

………これはなんとも…愉快な方々ですな。

ああ。今この部屋の扉を閉めたことに深い意味はない。
なんとも楽しげな君たちの会話に……研究者としてすこし興味が湧きましてな。
窓の鎧戸もこうして下ろしておきましょう。ぜひお話を…くわしく聞かせていただきたいものだ。
この屋敷はふるい造りで、扉にはひどく厚みがある。見ての通りこのように閉じておきさえすれば、
外部の雑音や寒気にいちいち悩まされずともすむ。いや、そのお話……じつに興味ぶかい!

―――同時に部屋であげられた悲鳴も、廊下に漏れ出でる事はない……。

…いや失敬!ただの独り言でしてな。貴方がたは何も案じる必要はないのだ。
さて…改めてお二方のお話を伺うといたしましょう!

839 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/28(月) 19:15:38
>>725
>ソロモンってば結構アンシェルに毒吐くねwww思わずお茶噴いちゃったじゃないかww
>髪棚を祀ったら毛が生えてくるかもしれないよww


―――…ソロモンか。たしか神棚がどうしたといった話だったな。
先日「髪棚を祀れ」などといった張り紙が、私の執務室の机に貼り出してあった。(>>761
この誤字の多く落ち着きのない、いかにも騒がしく汚い字体は………ふん。署名がなくとも解る。

「さあ、ぼくの愛を―――!!」

などと状況も読まず、たからかに絶叫しつつ闇雲に突進するような、無粋な男の書いた文字だ。
黙ってさえおれば、あれもそれなりに見目好く見えるものを…。
残念ながらあのろくでもない珍妙な生物は、こうした際に黙っていた例がない。
……しかし生意気な。大仰に騒ぎ立てるたび、これ見よがしに長い黒髪をなびかせおって……!

………。

…失敬。ソロモンの話でしたな。
あれはあれで、したたかな弟でしてな。私の前でだけは「ぼくは兄さんの意見に従います」などと
表向き従順に答えておきながら、ひとたび目を離すと即座に単独行動を取る腹黒さを持っている。
まったく一族の誰に似たのだろう?……まあ元の本家、ゴルトシュミットの当主からして蛇は蛇だが。
今もまた目を離したところで、客人の皆様やミズ・シルバースタインに語る、この私についての
話題といえば―――…。


>ですから…「髪棚」をまつる、だなんて…、…ふっ
>…誰が上手い事を言えと言ったのか…お伺いしたい所です。
>抜け毛がどうの禿げがどうのと執拗い弟への報復にやってやった
>なんて口にはなさらないんでしょうけれどね


………。
………。

宴の席にて、あの秀麗な金髪の弟は、つねに華やかな女性たちの熱い視線に囲まれる。
そうした環境で育った無意識の驕り、おのれの美貌に対する自信ががあるのだろう。
自信は油断に通じるものだ。つい不用意に機密の情報、禁断の言葉を、あの弟は漏らしてしまうとみえる。
かつては赤い盾にも。そしてジェイムズを倒したのちの小夜にも。さらに……この私に対しても…。


>ですから何もこれ以上貴方の髪が抜けて落ちたり禿げ散らかったりしないように
>あの薬を使えばいいですのになどとは一言も―――あ、…しまっ…


………。


………残念だ。
ひどく残念だよ。―――…ソロモン。






おや。これはたびたび失敬。またもや話題がずれてしまったようだ。
まあソロモンに汚された貴方の衣裳の報復は…いずれこの私が代わりに取らせていただくとしよう。
それに「神」棚を祀れと言われたところで、この私は生物の進化を研究する真実の探求者だ。
神仏や迷信の類はいっさい信用しない。第一私は
 
 増 毛 に 対 す る 興 味 な ど ま っ た く 持 ち 合 わ せ な い の だ 。

…どれほどこの私が現実的かつ検証的な男であるのか、次にお見せするといたしましょう。

840 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/28(月) 19:21:15
>>731
>まあ「落ちた」なんて長兄だけでなく、受験生がラストスパートかけてる時期に
>言うもんじゃないね。あ、アンシェル、落ちたよ
>ハンカチが
―――ご親切なお方だ。この私とした事が ハンカチ を落とした事実に気づきもしなかった。
たしかに試験を間近に控えた学生は、ひどく神経をとがらせるものだ。君はなかなか心遣いの
こまやかな人物であるようですな。それにユーモアの才能をも持ち合わせている。
君の冗談はじつに…面白い。かくて世界は血に彩られる………。いや失敬、こちらの話だったな。

さて。
親切な君と>>725の君に…ある興味ぶかい資料をお見せするとしよう。
ミズ・ジュリア・シルバースタインのリポート『翼手の繁殖に関する仮説』に資料として
添えられていた赤い盾の情報だ。ふたたび無断で持ち出した詫びは、のちほど彼女に私から
入れておく事にしよう。この資料から私なりに、ある翼手の事件についての検証をしてみたいのだが…
かまわないかね?―――ありがとう。試験を受ける学生の諸君にも、この研究が役立てばよいのだが。
この写真―――…そう。
雪の中で失血死していた、とあるロシア女性の遺体の写真だ。
いたましい姿を晒すような真似をして、君たちにも彼女自身にもじつに申し訳ないのだがね。
なかでも興味ぶかいのはこの首すじだ。
彼女の背から見た第五頸椎のあたりに、人間のものと酷似した下顎の中切歯・側切歯の跡……。
そしてあきらかに発達した犬歯の噛み跡が、くっきりと彼女のうなじに2か所穿たれている。

…この赤い盾の資料によれば、彼女は「ある高位の翼手」により命と姿を奪われた。
おそらくその犯行は、道中接近してきた老婆によるものであったろうと、この赤い盾の資料は
推測しているようだ。遺体の放置されていた状況や、残された列車の痕跡から、狭い車内の
洗面室にて、彼女が翼手に襲われたであろう事もこのとおり一筆添えられている。

…しかしこの翼手と思われる老婆は、リク・宮城よりも小柄であったらしい。
この被害の女性……赤い盾のエリザベータは女性としては上背がある方だ。ミズ・シルバースタイン
よりもやや高いくらいだろうか?加えて屈強の戦士でもあったようだ。敵が翼手と知れば、彼女は
瞬時に抵抗した事だろう。この噛み跡は『彼女の頭部のさらに高い位置から、より深く屈強なちからで』
穿たれたものであることをこの写真は示している。さもなくば中切歯や側切歯の跡まで残りはしない。
姿勢に無理が出るからな。……それは抵抗すら出来ぬほどの圧倒的なちからであったはずだ。

おそらくエリザベータは洗面室にて、耳飾りでも外そうとした所を…背後から襲われたのだろう。
近寄るときは怪しまれぬように老婆の姿であったはずだ。何食わぬ顔で背後まで忍び寄った小柄な老婆が
扉を閉めたその瞬間に、鏡の中で『背の高い屈強な男』の姿へと成り替わる。
…彼女はひどく驚いたはずだ。しかしすべてはもう遅い。
恐怖にゆがんだ彼女の、人生の最後のその表情―――…。
………。

…ひとりの時を狙うのであれば、彼女自身の客室でも別に問題はなかったはずだ。
二人一部屋とはいえ、つねに両者がそこに居続けている訳ではない。むしろ第三者が絶えず
ゆきかう洗面室ではかえって発見の危険が大きくなるばかりだ。…君たちはそう思わないかね?

……私には解るような気がするよ。
おそらくこの「擬態した翼手」は、たとえ発見される危険を冒してでも『洗面室の大きな鏡に映る、
恐怖にみちた彼女の断末魔の表情』を観察したかったに相違ないのだ。首すじに顔を伏せてはそれを
見届けることが難しいからな。……洗面室の鏡はひどく大きい。だから都合がよかったのだろう。
そう!ちょうどこの部屋にかけられたこの鏡のように!!
心優しく、そして恐れを知らぬ>>725-731のお二方!
君たちのような客人はじつにいとおしい。だからこそぜひとも教えて差し上げたいのだ。
この私がいったいどのような男であるのかを。…部屋の扉は堅く閉じられた。来たまえ。……さあ!


841 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/28(月) 19:24:35
>>837
>アンシェルは下と中身は濃いけど上は少〜しだけ薄いね。………プッw

―――…ふふ。その言葉を拝見していると、どうやら君はわが弟ソロモンに対し…非常に心を
砕いておられるようですな?それとなく彼の弁護をしてくださっておいでのようだ。
兄としてはその心が誠に頼もしい。どうか末永くあの一途でどこか危なげな弟を見守ってやって
いてほしいものだ。


…しかし……濃い?……薄い??
はて。この髭の事かな。
…ふふ。これは失礼いたしましたな。返り血が私の服から頬、この口髭まで点々と染めているようだ。
どうかお気になさらぬよう。―――では、お話を伺いましょう。

そう。私が生を受けた時代は、男は大抵若くして髭を蓄えていたものだ。
ジョエルも二十代からそうであったしこの私もそうだ。…ハジはどうやら違うようではあるがね。
元から薄い性質なのか、あるいは小夜が喜ばぬかのどちらかだろう。
まああの顔に髭などおそろしく似合わない。なくて正解だ。
その姿を想像すると―――君と同じく、この私も微笑を禁じえないな。


しかし…私が本当に「薄い」のが何であるのか、君は知っているかね?
―――情だよ。『酷薄』―――この私の本質はそれだ。……君にもぜひ見せてあげたかった。
いま浮かべている温かな微笑ではない、この私のもうひとつの微笑の方を。
…どちらも変わらない?これはご挨拶だ。まあ得てして私の笑顔はご婦人がたに受けが悪いのだがね。


さて。
君もまた鏡の部屋にご案内しても構わんのだが―――…。
しかし君も他の連中に会いたかろう。だから今日のところは、空軍基地の舞台の幕が降りたころ
あのグラントと交わしたような握手にて、ひとまず君の好意に応えるとしようか。
両手がこのとおり血にまみれていて申し訳ないな。なにせ多忙の身だ。なかなか洗う暇がないので困る。
さて―――その手を出したまえ。私と君、親愛を込めた固い握手をぜひとも交わそう。



……おや。指先がふるえているようだ。
寒いのかね?それはいけない。暖炉の火をさらに起こそう。皆が来るまで暖かくしていたまえ。











>>836
>人間は醜いですか あなた方の意見が聞きたい

―――醜い人間はじつに醜悪といっていい。大なり小なり人間は愚かしい戦争を今もなお続けている。
すべてはそこに流れるものの為にだ。……血と汗と涙、そして金だ。
彼らはおなじ種族同士解り合おうともせず、流した血の量で物事を決めようとする。
なにかといえばすぐに殺し合いだ。困ったものだな。薄羽蜉蝣のような儚い命しか持たぬというのに
無茶をするものだ。第一、血は無益に流すものではない。
あれは…味わうものだ。君もそうは思わないかね?


それにすべての人間が醜いのではない。例外もまた存在する。
ミズ・ジュリア・シルバースタインなどはその好例だ。彼女の研究に対する姿勢、その熱意は
敬服に値する。だからこそディーヴァの担当医にも抜擢したのだ。彼女は私と同じ真実の探求者
であるといっていいだろう。しかしそれだけに…

>>792
>お気遣いに感謝します。
>でも、私は既に実をつけた花ですもの。
>誇りを持って、花弁は地面に落としました。
>ご心配いただかなくても大丈夫ですわ。


……などと柔らかくにこやかに、だがあくまでも態度はつれない高根の花である事が
わずかに惜しくはあるのだがね。まあしかしこの私の甘言を、微笑とともに受け流せる彼女は
じつに誇りたかく賢明だ。―――君も充分に気をつけたまえ。
古来より頼まれる前から協力を申し出、さかんに友情や親愛ばかりを言葉にしつつ、近づく人間……。
例外なくその腹は黒い。少なくともこの私はそうした例ばかりこの目にして来た。
甘い言葉にはよくよく用心する事だよ、君。

842 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/28(月) 19:40:46
おや。人間の諸君を怯えさせてしまったかね?
これは失礼いたしましたな。そう…無論私は怒っている訳ではないよ。
皆様が寄せてくださった親愛の情につい食欲……いや、愛しさを抑えかねた為だ。
この私の愛情表現とはつねにこうした健全なかたちで現れるものだから、なかには驚く
お方も多いようだ。真実の探求者とはなにかと不自由なものでね。
お気に触ったらどうかご容赦いただきたいものだ。だから皆様は決して

 髪 型 に つ い て の 話 題 に 触 れ ら れ た た め 惨 殺 し た

…などと誤解多き噂を立てられぬように。無用な心配であるとは思うのだがね。
さて、私は血に染まった衣装を替えてくるとしよう。それでは皆様、またいずれ。

843 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/29(火) 22:11:38
>>829
>あなたのブラザーのラスプーチンですが
>有名すぎるが故にフィクションでは凄まじい事に

――なんと!我が次兄は高名が過ぎてあちこちで引っ張りだこか!
しかし君の話を聞くだけでも、どの作品にも真実の『グレゴリー』は
描かれていないことがわかる。
どれもフィクションゆえ、仕方がないと言うべきなのだろうね。

僕もベトナムにいた1910年代当時から、ラスプーチンなる怪僧の噂は聞き及んでいた。
かなり脚色された話ばかりで、馬鹿馬鹿しいものも多かったがね。

フランスに渡りシュヴァリエとなってから、かの有名なラスプーチンが
僕の二番目の翼種の兄なのだと知った。
――驚いたよ。
遠い世界の有名人で、しかもその時には既に故人のはずだったからね。

怪僧ラスプーチンが歴史上から姿を消し、
次兄グレゴリーはソーニャという少女に姿を変えて、
シベリアの寒村に潜伏していた。

僕はいずれ会う次兄がどんな人物だか想像していたよ。
興味もあった。
なんといっても、滅んだ帝国の宮廷で名を馳せた人物だからね。
恐ろしい人物なのか、とか
噂と違って優しい兄でいてくれるのだろうか、とか
まだ見ぬ兄のことを考える弟としては当然の、ごく普通のとりとめもない想像をね。

次兄は僕やソロモンのことを考えてくれたことがあるのだろうか。
雪に閉ざされた小さな村で。

そのうちにアンシェルが帰郷した。
休眠状態のディーヴァをお連れして。

しかしグレゴリーの姿はなかった。
彼はシベリアの雪と散り、僕は二番目の兄がどんな人だか知ることはできないまま、人ではない時間を重ねた。



844 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/29(火) 22:12:03
>>837

837さんの言うように、ソーニャみたいに色素が薄い可憐な女の子も悪くない。
僕のあるじも白い肌の美しいひとだしね。
しかし『つんでれ』とやらは、僕ではなく君の称号だろう。

>アンシェルは下と中身は濃いけど上は少〜しだけ薄いね。………プッw
>最初の2行はソロモンも当て嵌まるとこありそうだね。

……毒舌でありながら愛情を感じるし、よく彼らの本質を理解していると見える。
しかも勇敢だ。勇者の訪れは大歓迎だよ。

でも今は声を潜めておいで。
僕達も先日雪だるまの中に埋められたばかりだ。
君にまで長兄の屈折した『愛』が降り注いだら気の毒だからね。


――ところで、だ。

>随分ひどい事言ってるねカール。ソロモンは存在が薄いなんて事ないよ。

内緒だが実を言えば、僕もソロモンの存在が薄いなどと思ったことはないんだ。
知り合った頃からそうだった。

異郷の地のフランスで。
不慣れなことに戸惑ってばかりのベトナム人留学生の僕にとって、ソロモンの存在は大きかったよ。

石畳の街角で
勉強を教えてくれた図書室で
エスプレッソの苦さに目を丸くしたカフェで

―――ソロモンはいつもふわりと微笑っていた。


人種差別に憤った日も
激化する戦争について討論した日も
未来の医師として何をすべきかと青くさい志を語った日も

―――ソロモンはやはり頷きながら微笑っていた。
  
               
僕を理解してくれているのだと嬉しかった。
自分を受けとめてもらえる喜びがあった。


だから――  

         「会わせたい人がいるんです」

                           そう言われて断る理由などなかった。


連れて行かれた先は豪壮な邸宅だった。
僕はそこで邸宅の持ち主であるソロモンの後見人と、そして彼女に出会った。
―――青い瞳の歌姫、ディーヴァ。


室内に満ちる青い光。
物憂げにソファから身を起こす美しい少女。
瞳の中にきらめくのは好奇心と、飢え―――獲物を見つけた猫のような、あるいは猛獣の。

僕の中の何かが僕に教えた。

          『――違う。これは人間ではない』
 
                           彼女に近づいていはいけない。ここにいてはいけない。


息を呑んであとずさる。
けれど少女は瞬時に僕の真後ろに移動していた。ありえぬ出来事。
うしろから細い手が僕の喉をゆっくりと撫で上げる。悲鳴をあげたくても、うまく声がでない。

          「…ソ、ソロモン……」

かすれた声を搾り出す。友の名を呼んで助けを求める。
けれどソロモンは僕と少女を落ち着いて見つめていた。
やはり満足げな表情の『兄』の横で、予定通りだとでも言うように。

          「怖がらないで。君は選ばれたんだ」

                           ―――何に。おまえが本当に連れて行こうとしている先はどこなんだ。


首筋に走る鋭い痛み。
それはやがて死よりも甘やかに。
はめごろしの窓から覗く空が遠ざかる。
血の色に染まる視界の隅に友の貌が映る。


           おまえがまた、微笑った―――…。





845 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/30(水) 23:54:51
>>727
>Vous allez bien ?
>アンシェルさんが考える、最高の踊りについてお聞かせ下さい。


―――Oui, je vais bien.
これは闊達なお方だ。報道に携わる若き女性にお運びいただけるとは……光栄ですな。
しかし踊りへの信念ならば無粋なこの私などよりも、カールやソロモンといった
ふたりの弟たちの方が、よほど持っているように思えてならんのだがね。
ただ私はずっと以前にソロモンのダンスの腕前を見てやっただけにすぎんよ。

…そう。
この私にとって最も興味ぶかい舞踏とは―――。
生物の歴史のなかであるものは栄え、またあるものは滅んできた、その進化の道すじ
そのものが『それ』だ。生物が海から陸へと上がり、やがて時代が移るとともに
爬虫類の繁栄のなかから原初の恐竜が出現する。彼らは巨大化し、またあるものは
翼をたくわえ…そして中生代の世界はこの地上の覇者で満ちる事になる。

種ごとに枝分かれし、互いにからみあい、やがてその内のひとつが新たな世代へと進む
その進化の系統樹のありさまは……そう。まるで華やかに現れてはつぎつぎに舞台袖へと
はかなく消えてゆく、壮大な群舞のありさまを目の当たりにしているかのようだ。

…私は今でも憶えている。
翼手という、まったく未知の生物をはじめて目にしたときの喜びを。
もう―――…随分と昔の話だがね。









>>741
>ここにいる翼手は心が強いね。見習うことが多いわ。


―――…弟たちが、ですな?
…確かに。私も兄としてじつに鼻が高い。
実際に彼らはまったく忍耐強いと言えるでしょうな。それというのも小夜のシュヴァリエは長らく
ハジただひとりだけであったのに対し、我々ディーヴァのシュヴァリエは七人も存在いたしました。
そのいずれもがおのれの分野にて活躍し、またそれぞれに成功を収め、あるじたるディーヴァの役に
立つべく奔走しておりました。人材の選出には、かくいうこの私も非常に神経を使ったものだ。

ただそれだけに………。
能力や適性を非常に重視したが為に、多少…何と申しますか、性格や個性が―――…。
………。
………。
………。

…まあ、兄弟として共に揃うと…なにかと忍耐力が養われる。
うきうきと少女の姿で駆け回る弟や、無断でCEOの職務を投げうってしまう弟や
突然いっさいの消息を絶つ(しかもディーヴァをお連れして、だ!)弟や、いつまでも
母離れのできぬ弟や、やや性的倒錯の傾向のある弟や―――…とにかくさまざまに苦労が多い。

川の激流に揉まれた岩石はやがて角を失くす、と言うではないか?
兄弟の長兄としての、この私の温厚にして誠実、また良識にあふれたこのすばらしい気質も
実はそうした弟たちの角突き合い、その忍耐の上に形成されたものだ。この彩りゆたかな
弟たちの中にあっては、この私などまったく目立たぬ地味な存在に他ならんよ。



まあしかし…やむを得ん。
兄弟の長兄というものは、つねにそうした損な役割を持つものなのだからな。

846 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/01/30(水) 23:59:39
>>742
>ニートだった末子は勝手に心中自殺に走り
>真面目な次男は兄からの家庭内暴力で重症


―――…むっ………。






>優秀だった長男はグレて女にいれあげて家出

………。
―――…もしや…家出の別れ際に、短剣を投げられたりはしなかったかね?。





>それでも、一人娘のために働いてきたら
>妻から突然の離婚調停の申し出。もう娘に関わるな。


―――『だ、か、ら、………邪魔するなよ』…か。
残業のためひとり深夜帰宅し、娘の寝顔を肴に酒杯をかたむけていたら突然…という訳だな。
………。
………。





>これまで家族のために一生懸命やってきたのに、もうどうしていいか分かりませんorz


………。
………。
―――…とりあえず…とにかく顔をあげたまえ。君の話は、何やらとても他人事とは思えん。
まあしかし…こう言っては何だが……。それだけ家族内で問題が頻発するという事実は、
つまり君自身の側にも、何らかの問題があると思ってしかるべきだろう。

…なにか心当たりはないのかね?
相手の話を聞かずに無理やり進むべき道を強制したやら、ひどい虐待を与え続けたやら、
稼いだ金銭のみを口座に入れておけばよいとばかりに、家庭の問題をながく放置したままに
しておいたやら………む、どうも何故だか言葉がなめらかに出てこんのだが…。
………。
まあとにかく…そういった事実のことだ。君もすこし…一度冷静に振り返ってみるがいい。


………。
慰めの言葉をかけてやりたいのは…山々なのだがね。
しかし君のところの令嬢は…とにかく元気で、生きてはいる―――そうではないのかね?
ならば今日のところはそれで…ひとまず良しとせねば。

離散した家族については、残念ながら死んだ者はもう取り返しようがないが…しかし
まだ生きている者については、追わずにただ見守るしか道がなかろう。
その君の令息が将来、ひどく挫折したときになって初めて―――黙って迎えに行ってやりたまえ。
彼らが君の元に戻るかどうかについては…またこれは別の話なのだがね。……哀しい現実だが。



…まあとりあえず君の為に酒を注ごう。語る必要はあるまい。今はただ…飲み干したまえ。

847 名前:名無し客:2008/01/31(木) 00:37:17
しあわせ〜な気分を表現してみてください

848 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/31(木) 18:42:35
>>836
>人間は醜いですか あなた方の意見が聞きたい

それでは僕達は醜い生物に噛り付いて血を飲んでいるのかい?

ソロモンは人間は業が深いとよく言う。
でもそんなあいつも君達人間と楽しげに語らっているじゃないか。
僕の次兄やアンシェルでさえもだ。もちろん、この僕も――。

醜い人間はいる。人間が起こす醜悪な事件もある。
僕が人間だった頃から少しも変わっていない。
でも僕は人間が好きだよ。
中には青い薔薇を贈り、連れ去ってしまいたくなる相手もいるしね。
                   
                  ――――たとえば、君のような。
    


と、話していたらアンシェルのやつ――!>>841 
また大事なお客人を!
いくら元気で、美味しそうで、ちょっかいを出したかったからってあんまりだ!
気に入った相手ほど食べてしまいたくなるのは僕達の宿痾だけど。

お客人方、可哀想に。
髪 型 に つ い て の 話 題 に 触 れ ら れ た た め 惨 殺 されてしまったんだね!

血の気がすっかり失われている。抱き起こすと体がひどく冷たい。
…だがまだかすかな鼓動がある。
よかった!すぐに手当てをすれば君達は助かるよ!

――だけど。うなじの傷口からただよう、血の香りが僕を誘う。


836さん、僕はどうすればいいのだろう?
   
   今すぐ君達をシルヴァスタイン女史のところへ連れて行き、治療してもらうか
   その体に残っているわずかな生命を吸い取って僕のものにしてしまうか

だがどちらにしろ僕はこう言うだろう。
 
   真の意味での、翼種の住まう動物園へようこそ―――とね。

もちろん836さんも一緒だよ。君を仲間はずれになんかしない。
どちらにしろ――ね。




849 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/01/31(木) 18:45:07
>>847
>しあわせ〜な気分を表現してみてください

まずしあわせ〜な気分になる状況を考えてみよう。

僕の右に僕の小夜、
僕の左に僕のディーヴァ。
愛する二人が僕の両脇で麗しく微笑んでいてね。
            (うっとりする光景だ)

我が親友ハジと弟分のリクも、そんな僕達をすぐそばで
微笑ましげに見つめている(まさか睨んだりしないよね?)

シルヴァスタイン女史をはじめとする赤い盾の人間諸君も、
居心地良い場所で歓談していただこう。
            (僕は友人となった人間にも寛大だ)

そして僕の兄弟達――。
彼らは――そうだねえ、邪魔にならない場所に控え、
時々二人の女王のために食事なり飲み物なりを運ぶウェイターの役でもやってくれれば、
僕も

   「良い仕事をしてくれる。誉めてやろう」

くらいは連中に言ってやろう。

――――想像するだけで、実にしあわせ〜な気分だ。
             (いつか実現させてみせるよ!)




それから面白そうな番組が始まっているらしいので、知らない人のために紹介しておこう。
見るとしあわせ〜になれるかもしれない。

------------------------------------------

  ANIMAXにて BLOOD+ 再放送

  放送日 月〜金 20:30〜21:00

------------------------------------------

本日より再放送開始!


           
 
          ―――だと勘違いしていましたが、昨日から始まっていました……。シュヴァリエ失格だ……。



850 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/02/01(金) 02:41:04
誰にも気づかれぬように、ひそかに部屋へ客人を招き入れたはずだったのだが…。

>と、話していたらアンシェルのやつ――!>>841 また大事なお客人を!


…ふむ。カールに感づかれたか。
かねてよりこの私に親しげに近づいてくる人間は…必ず腹にこざかしい打算か、
あるいは激しい敵意を押し隠している者たちばかりであったのでね。それがこちらにあっては
客人の方々が警戒した様子もなく、まれにこの私にも親しげに声をかけて下さる事がある。有難い事にな。

ねじれた気質のこの私とて―――本音を言えばそうした好意はじつに嬉しく、また心温まるものだ。
シベリア鉄道にてリク・宮城が荷物を肩代わりしてくれた時のように。しかし………世界には
好意を受けて二通りの反応を示す者が存在する。つまりは相手に対する好意の示し方の事だが。

愛情を返したいと願う相手に対し………ごく素直に、物腰やわらかく優しい態度で感謝を示す者。
もうひとつはその相手を驚かせ、さんざんに困らせ、おのれの都合に振り回す事でとにかく気を引きたい。
そう考える困ったひねくれ者の二種類に分類されるのだろう。

前者の例を挙げるならば、それはソロモンやハジ。
後者ならばネイサンがそれだ。ネイサンはよくジェイムズに「子供のような真似をするな!」等と
怒鳴られていたものだった。彼にとっては、そうしたジェイムズの怒りそのものが面白くてならなかった
のだろう。かく言うこの私も彼らのそのやりとりを眺め、観察して楽しんでいたものだった。
…当のジェイムズにとっては災難には違いないのだがね。たしかにネイサンのそれは―――…少々
子供じみた、幼稚な愛情表現の発露であると言わざるを得ないだろうな。


………む…。この私かね?
いや、私はどちらでもない。この私は一介の研究者にすぎないのだから。
たしかに私へ親しげに笑いかけてくださる>>725,731,837のような客人を目にすると…はたしてこの方の
恐怖にゆがんだ最後の表情はどのようなものであるのか、その体に流れる血液の味は―――…などと
つい興味が湧き、相手に対する親愛の情を抑えられなくなりはするが………。

………。
私は知りたいのだ。
調べ尽くし、知り尽くしたい。私に向けられた相手の好意が、はたして真実であるのかどうかを。
あくまでこれは研究者の習性であって―――心惹かれる少女に蛇や羽虫をわざとけしかける、幼稚な
十代に満たぬ子供の愛情表現と一緒にされては困る。…されては困るのだ。私の立場がないではないか。

851 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/02/01(金) 02:42:53
>>817
>モテますか?

―――いや。いま申し上げた理由により、私は非常に異性からの人気は低い。
グレゴリーはロシア宮廷の皇后からひどく頼りにされ、ソロモンは宴のたびに名花に囲まれ
カールですら学園のわかき女生徒に始終囲まれていたというものを………残念だよ。
君。試みにこの私の周囲に集まる者の顔ぶれを一度、思い出してみたまえ。

猫なで声で、心にもない空虚な追従を語り続けるヴァン・アルジャーノ。
名誉欲と権勢欲に、おのれの研究の本分をまったく見失ったコリンズ。
満面の笑みを浮かべて固く握手をかわしつつ、ひそかに暗殺者を差し向けるグラント。
こざかしい大国の威信とやらにその目を怒らせるブレッド。

………みな誠に楽しげな連中ばかりだ。じつに興味ぶかい。
だからディーヴァの担当医を選出するにあたり、研究の成果の検証すらも他人任せにし
栄光の美酒に酔っているくたびれた中年男と

(彼もあれで意外に小市民的な素顔を持ってはいた。机に家族の写真を飾ったりなどしてな)

…中年男であるコリンズと、精緻なリポートにておのれの研究を独自に推し進め
命題の解明に文字どおり寝食を忘れる、美しきミズ・ジュリア・シルバースタインでは……。
まず百人中百人、彼女の方を選ぶと思うのだが。それは自然な感情だ。―――君もそう思わないかね?



―――しかしこの私の悪い癖で、つい彼女を呼び出し、翼手の研究に携わる喜びを心のままに
語っていたら……なぜだか眉をひそめられてしまった。おまけに後日手元を去られてしまったよ。
どうやら去るにあたり、他に何らかの原因があったようではあったのだがね。この私の語った言葉が
原因でなければ良いのだが。近年は女性に向ける不用意な発言から、相手に訴訟を起こされるケースが
非常に多いからな。

852 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/02/01(金) 02:48:08
>>743
>シュバリエさんは小夜とディーヴァどっちが好きですか?


―――その問いに即答しても構わないのかね?無論ディーヴァだ。
小夜を育てたのはあのジョエルで、その後はハジが彼女に始終つき従っていたものだった。
…そう。まるで子犬のようにな。だから同じ屋敷に寝起きを共にしていたからとはいえ、
この私と小夜との接点は少ない。記憶を取り戻したのちも、小夜はあまり私を覚えている気配は
ない様子だったな。……だが彼女はこれまで私が見てきたなかで、最も人間らしい小夜だった。

彼女は進んで血を飲もうとはしない。ロシアの列車内でも専らその摂取は輸血に頼っていた。
断片的にその記憶を取り戻したとはいえ、本来の習性をあくまで抑制された彼女のそれが、どこまで
おのれの血肉を持った過去の体験として実感できているのかは…疑問の残るところだ。

翼手の女王とはみずからのあるべき姿を持たず、人間に寄り添い生き続けようとする―――。
驚くべきことだ。あろうことか帰るべき場所がそこにあるかのように、それを護ろうとまでするとはな。
女王とは、その時代にはじめて目覚めた周囲の環境に、非常に染められやすいものではないだろうか…。
小夜を見ていて、私が興味ぶかく思うのは『それ』だ。かつて動物園にて、ジョエルの愛娘として
甘やかされていた小夜と、そしてこの時代の小夜。間近く会話していてわずかに印象が異なるのだ。

かつての彼女は、いかにも富豪の箱庭で甘やかされて育った令嬢だった。
身の回りの召使に横柄に命令をくだし、人との接し方をよくは理解せず、ジョエルの庇護のもと
剣の練習にあけくれる気ままな貴族の令嬢だ。しかしロシアではじめて目にしたこの時代の小夜は…
どこかおずおずとして自信なさげに、しかし山と盛られた料理に目を輝かせるごく普通の階級の、
…いわば庶民の少女だ。その言葉遣いもどこか異なる。まるで眠りとともに魂の色合いまでが
変じてしまったかのようであった。シュヴァリエであるハジから目覚めの血を受けるまでに、彼女は
長らく沖縄で人間と生活していたと聞く。おそらくはその事実が色濃く影響しているのだろう。


……ディーヴァ?
…そう。対する彼女はつねに変わらない。
自由で奔放、人間にとっては最も危険な存在。…それこそが彼女だ。
なぜならば―――彼女の傍らにはつねに私がおり、彼女が「人間の世界に染まる機会」そのものを
未然に握り潰してきたのだから。それゆえに彼女は娘たちのなかにおのれのあるべき場所を見出した。
彼女にとって希望の道は、そのひとすじしか存在しなかったが為に。……他はすべて私が潰した。
では、何の為に――――――…?



………。
…決まっている。失うことを恐れたからだ。
彼女が扉をひらき、自由に世界を歩みはじめて…この私の元から再び去ってしまう事を。

853 名前:名無し客:2008/02/01(金) 20:32:36
BLOOD+を三行で説明してください

854 名前:名無し客:2008/02/01(金) 22:03:03




855 名前:名無し客:2008/02/02(土) 01:02:25
ちょww

856 名前:名無し客:2008/02/02(土) 15:18:10
シュヴァリエの皆さんは男女どちらの血が好きですか?
女の血と男の血の違いも教えて下さい。

857 名前:グレゴリー ◆gD.KishiHU :2008/02/02(土) 23:15:47
>>582
>外国に旅行に行きたいんだけどおすすめは?

ならば是非我が祖国ロシアへ参られよ。
雄大なる自然、壮麗なる歴史的建造物、美味なる食物と酒、音楽と踊りをこよなく
愛する陽気なもてなし好きの人々……。どれをとっても異国情緒溢れており、旅人
となった貴方を楽しませることだろう。折角このわたしにお尋ね下さったのだ、
旅行書等ではあまり触れられることのない、ロシア人の楽しみについてお話しよう。

蒸気は常にロシア人にとって、特別で神秘的なものだった。ロシア人は蒸気を生活
に利用することには関心がなかったばかりか、逆に恐れてきたといってもいい。
1830年代にチェレパーノフ兄弟が有名な蒸気機関車を発明し鉄道を敷いたときも、
慎重さの余り鋳鉄製のレール上を機関車ではなく、馬の引く車両に走らせたくらいだ。
――保守的、小心翼翼、神秘主義といった国民性の為せる業であろうな。

そんなロシア人が蒸気を使う唯一の方法とは、何を隠そう――蒸し風呂なのだ。
ただ単に体の汚れを落とすだけなら、イギリス人がやるようにたらいで行水すれば
済む話。(体温よりも低いぬるま湯に腰までしかつかること叶わぬ風呂に不平一つ
もらさない彼らの自虐趣味は、わたしには理解に苦しむところではあるが)
蒸し風呂の目的はそれとは全く別だ。

>>847
>しあわせ〜な気分を表現してみて
>>802
>撫でるくらいいいじゃない

凍りつくような冬の日に外から戻り、冷え切った手足が蒸気で温められ、
こごえた指先にまで血がめぐれば――。いいえ、あれは「撫でる」というより
「叩く」。白樺の枝で背中を叩くことにより発汗を促進させるのです。
そうして汗が噴きだす心地よさといったら――!まさに生き返るようだ。
あれを「しあわせ〜な気分」と言わずして何を幸せというのか。


ロシアの蒸し風呂は使徒アンドレイに始まり、多くの外国人や元気のないロシアの
知識人たちの驚嘆と感動を呼んできたものだ。ロシア人ならばたとえ祖国を遠く
離れようとも、蒸し風呂の快楽を忘れられるものではない――。
……失敬。つい望郷の念に駆られまして……。ロシアの地を踏まれた折には、
是非入浴を体験されることをお勧めいたします。



――先程から何の音か、と?騒がしくして申し訳ない、工事の為職人が入っておりまして。
ソロモンが>>823で「現代の調理機器」を厨房に据えつける、と言い出し…
しかしわたしは「これまでかまどで何不自由なく料理を作ってきた、明日も明後日も
これで何の不便があるものか」と。…わたしの労を省こうという弟の優しさは
よくよく承知。ただ、それより先に欲しいものがありましたので。
――ご明察。ロシア式蒸し風呂を増築させております。

長兄が何故あのように>>833

>風呂は要らん。私は一人でも入れる。この私に構うなというのに!

と我らとの入浴を厭われたのか?おそらくイギリス暮らしの長かったあの方は
入浴を「体の汚れを落とす作業」としてとらえておられるのだ。まことの入浴の
快楽を知れば、きっとお気持ちも変わられるはずだ。

858 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/02/03(日) 05:08:52
ご機嫌よう、ご来客の皆さん…先ほどは、
慌ただしく外してしまって、すみません。ええ、お湯を使わせて頂いていて。
準備してくださった…そう、あなた。ありがとう、お陰で暖まりました。

けれどひとつ気になることが…先ほど、洗った髪を拭いていたら―――
アンシェル兄さんが、わざわざ僕の隣りへやって来て言うのです

「暖まったかね?」

僕はもちろん、はいと答えました。すると兄さんは、今度は

「さっぱりとしたかね?」

僕はまた、正直なところを答えました。ええとても。
頭がすっきりとしたようです、と…それで僕からも訊ねました、貴方はいかがですか、
偶には兄弟で仲良くお湯を頂く機会があってもいいのでは?と…すると

「ほう。それは何よりだ」「…私かね?」
「お前が心配せずとも私 の 頭 は 常 に す っ き り と し て い る

彼はこう仰いました。いかにも愉快そうに、唇の端を笑みに吊り上げて。


…何だかおかしなご様子でしょう?僕はまた何か拙い事を言ったのでしょうか、
あなた彼から何か聞いていませんか?そうですか…。
いけませんね…言葉というのは怖ろしい、
先ほども、思いも寄らない誤解を招いてしまって大変だったのですから―――



おやおや、あなた>>837も…
僕の事をそのように言って下さるのは、本当に嬉しいのですよ?けれどほら、

>アンシェルは下と中身は濃いけど上は少〜しだけ薄いね。………プッw

それは…くす、…彼の個性が…些かその、きつくて
彼の顎を縁取る髭は立派ですけれど、その割りにお顔は薄い部類だと
そのような事が言いたいのでしょう?しかしその仰りようでは下手をしたら…ふっ、
あらぬ誤解を招きますよ。…?いいえ、僕は笑ってなど…それより
ええ、言葉というのは本当に怖ろしい。

雄弁は銀、沈黙は金とはよく言ったものです。あなたも、気をつけて。しかし…



>彼も第一印象と違って実は一途でヘタレな人なんだよ。
>アルジャーノもそうだね。第一印象では腹黒くて賢くて計算高くて

へえ…そうなのですか。あなたから見ても、似ておいでなのですね?
はは、彼らは本当に何か関係があるのではないのですか?

ええ、ヴァンは有能で、計算高くて時には狡猾なくせに
ほんとうは気が小さくて、いつも飴をいじっていないと不安なのですね。
本当に彼は絵に描いたような「人間らしい人間」の姿だと、
僕はいつもそう思っていたものだ。慥かにあれは、そういう人間です。

そういうひとを…あなたがたは、へたれ、と呼ぶのですか?へえ…、おや
僕にもそういう部分があると仰る?僕はお腹に一物抱えていそうに見えるのですか。
はは…参りましたね。そう見えて、実は一途で至らない部分があると仰る。
おやおや、喜んでいいのかどうか判りませんね?けれど…外れてはいません。

ああ、あなたはよく、僕の事を見ておいでだったのですね…お恥ずかしい。

859 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/02/03(日) 05:10:53
>>693
>今までの人生の中で、最も美しい、と思えたものはなんですか?

おやおや、いいのですよ、>>694さん…僕は、僕が美しいと思うものの事を
あなたがたに伝えるためというなら―――何度でも、この口を開きましょう。


…夜のニューヨークの、僕のペントハウスの窓から見えるのは
世界じゅうの人間が憧れる、摩天楼の光です―――ですがそれも、
彼女を前にしては…その美しさを彩る、飾りに過ぎなかった。

僕は彼女の瞳が悲しみに翳るのが…彼女が戦い、傷つくのが耐え難かった。
彼女の瞳は―――虹色にかがやく大地を、赤く染まる海を
世界じゅうの奇跡のように美しい光景を映すのにこそ相応しかった

彼女には、そうしたものを目にして浮かべる笑顔こそ相応しかった
僕は彼女とともに生きていけるのならば、
たとえ地獄の業火に灼かれようとも構わないとすら思った。…彼女は


彼女は…それほど美しかったのです。僕は美しい彼女を愛していた。
それがシュヴァリエとしての本能かどうかなんて、どうでも良かった。けれど
あなたのように問いかけられると―――僕は言葉に詰まってしまいます、


>>743さん。
>シュバリエさんは小夜とディーヴァどっちが好きですか?


僕はいちどは、小夜とともに生きることを願ってディーヴァに背を向けました。
ですが決して、彼女を憎んだわけではなかった…僕は彼女の事もまた、
母と慕っていました。それは遠い昔から今に至るまで、
何があっても、すこしも変わりません。

彼女の瞳のあの青は…冬空にひときわ強く、つめたい光を放つ若い一等星のように
焼き焦がすような熱をもって輝きながら―――その一方で、
生き物すべてをその手に包んで慈しむ、遠大な海の青でもありました。
すべてのものの母と呼ぶに相応しい彼女は、本当にお美しい。

美しい彼女達が、ふたりともお幸せに生きる道があれば…どんなに良かったでしょう。


僕はいまでも、いいえ、いまここに居るからこそ…
それを強く願って止みません。あなたがたにも、
彼女達が家族に囲まれて笑う姿を見せて差し上げたい。それは
この世界じゅうの人間が憧れるどんなものよりも、美しいに違いないのですから。


860 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/02/03(日) 05:13:09
>>727 うらら…さん。ボンジュール、こんにちは。
>Ulala's swingin' report show !

おやおや、これは賑やかなかたがおいでですね?お可愛らしい、
そのマスク>>756はカールに貰ったのですか?はは…ちゃんとつけて下さって、
お優しいな…おや、気に入ったのですか?くす、ええ、よくお似合いですよ。
ラジオ番組の収録…ですか?はは、インタビューの相手が僕らでいいのかな。

>それでは一つ、ソロモンさん流ダンスの秘訣と
>ダンスによる動物園繁栄の可能性についてお聞かせ下さい!

上手にワルツを踊る、こつ…ですか?それは…音楽をよく聞いて、
正確にリズムを取ること。姿勢よく、脚は床を滑るように運ぶこと。
それは勿論なのですけれど…何が一番大事かといえばそれは、

一緒に踊って楽しいと思える、相性の好い相手を選ぶことですよ。

たとえダンスの相手が、愛らしい少女の姿をしていても…
うっかり足を踏みでもしたら、などとびくびくしなければいけないなんて
それこそ、すっかり緊張してしまって上手に踊れません。
たとえリズムを巧く取っても、脚の運びを完璧に覚えてもね。
僕の恩人で、ワルツを手ほどきしてくださった方がいるのですけれど
その人はダンスのパートナーとしてはそれはもう酷くて―――

ああ、いけない。雄弁は銀ですよ、あなた。このお話はここまでです。
しかし…ダンスによる、この場所の繁栄の可能性ですか?

はは、こちらはもう充分、ダンスで盛り上がっていますよ。
あなたが先ほどインタビューをしていたカールは、それは素晴らしいダンサーです。
彼の挙動を目で追っているだけで、ミュージカルを見ているようだ。何より
胸をすくようなスリルがあります。はは…君も一度、彼と踊ってみるといい。




>>802
>あらぁ、撫でるくらいいいじゃない

ネイサン―――ああ、御免なさい、>>802さん。あなたも、カールも
見ていないからそのように仰ることができるのであって―――
彼が触ったのが顔だけなら僕も―――けれど、ええ、カール>>809

そうですね。彼が救けて下さったから、僕はたったひとときでも
誇り高い彼女のシュヴァリエと認めて貰えたのですから。
あのままあそこに居たのでは…ジェイムズの言うがまま、本当に
冷たくなった彼女の頸を抱いて、キスをすることになったかも―――しれないのですから。

ええ、仮に…あれがその代償……というのなら、
あのような事どうということは―――ないと思うことに…します。

861 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/02/03(日) 05:14:33
>>836
>人間は醜いですか あなた方の意見が聞きたい

カールの言う事>>848は…ごもっとも、ですね。僕はいまこうして、
人間のあなたと向かい合ってお話をしている。人間は醜いか、と
人間でありながら真摯な姿勢で問いかけるあなたを…僕は醜いとは思いません。

では…人間の醜さに、個体差が生じるのはどうしてでしょう?
人間のどこが醜いのか、考えてみましょう

―――それは、業の深いところです。

自分の生存のため、あるいは利益のために同族で殺し合いをする人間が居ます。
同じ土地の空気を吸って生きるものを、肌の色眼の色が違うからと言って殺す。
信じるものが違うからと言って殺す。
その異常を当たり前と思っている人間が居る。そればかりか
それが当たり前なのだと、教唆する人間さえ居る。彼らは―――

軍靴の底で和合し共存すべき同族を踏みつけ、無垢な子供に軍帽を被せて洗脳し
それをあやまちとも思わずに、みずからの生活を豊かにする。


彼らが犯しているのは…何て重い罪なんでしょう。



先ほど…グレゴリー兄さんをお迎えにあがる時、カールと二人で
森を歩いていて…懐かしい事を憶い出しました。僕らがまだ医学生だった頃
いまあなたにお話ししたような事を、同じように彼と話して
行き詰まってしまったら、大学の敷地内の木々の間を…ああして二人歩いたものです


彼は…カールはいつも、人間のありかたについて考えていました。


 「人間はよく、いつまでも
  こんな事を繰り返すね。こんな世界で」

 それを心から嘆いているのは僕も同じです、カール       
 僕には君の気持ちが、本当によく解かるのですよ
 君はそんな生き物の一個体であるという事に、
 嫌気がさしませんか 僕はとても厭でした


彼はいつも、彼がこれからどうあるべきか真剣に考えていました。

                    
 「僕はこれから医者として、
  人間としてどうあるべきなんだろう」   
 
 ええ そうですね それは間違いなく
 僕らが考え続けなければいけない命題だ
 あのひとなら君の求める答えを、
 示す事が出来る筈です


                   
 「ソロモン、僕は―――」  ―――会わせたい人が居るんです



 「ソロモン―――」           
 怖がらないで。
 彼女はお美しいでしょう

 君は選ばれたんだ…、



…僕は、彼と話すことで…ベトナム人留学生としてこの地を踏んだ
彼の葛藤、彼の得たい答え、彼の望む事、すべて了解したつもりでいました
僕は彼が、すがるような眼差しを寄越したあの時も、彼に向かって微笑みかけた
―――良かったねカール、と―――心からそう思って。彼がシュヴァリエの列に加わるのは
あくまで検体としての事なのだと、知ってなおです。その結果カールは…

…僕は…、彼の世界を一変させ それが原因で不安定に陥った彼を
救けるすべも判らないでいるというのに
それでも僕は…僕の世界は、すこしも変わりませんでした。
僕は相変わらず、シュヴァリエとして得られるものを享受している。
カールはそのあいだ、手足を施術台に繋がれて悶え苦しんでいるのに。


―――何て、重い罪なんでしょう。


そう思ったのは…それに気付いた時が初めてでした。
それから何度か、僕はそれを思い知らされる機会に直面して
忸怩たる思いに駆られました。その度に、
それが自分の業に対する報いなのだと…そう思いました。

彼と向かい合って彼の事を知り、出来るだけ解かろうとする
彼と相対する時、出来る限りの誠実な態度をもって彼の言葉に応える
それが僕の罪に対する、この場所でこそ出来る贖いなのだと思います。ですから


僕は―――そう、僕は決して
あなたを醜いと罵る事ができるほど、美しい生き物ではないのですよ。


862 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/02/03(日) 05:17:04
>>777
>翼手と触手の違いを説明してください。

あなたの為に、書庫からこの図解を持ってきました。
いいですか、触手というのは…ほら、このタコをご覧なさい。
彼の体に8本生えているこれが触手です。翼手は、いまあなたに図解を見せているこれ。
はは、全然違うでしょう?口で説明するより、見ていただいたほうが早いですよ。

そういえば、「翼手の体から触手が生えている」と言う例もありませんしね…
少なくとも僕ら兄弟に関しては―――僕が、
本来の姿を見た事のある兄弟については、ありません。
もちろん、D-67によってゾアントロピーを起こしたものに関しても、
そうした個体の報告は受けていませんね。
アンシェル兄さんに訊けばもっと詳細に…、おや

カールの頭から生えている、あれ…?あれは違いますよ、何しろ
彼自身の意思で動かないでしょうあれは…多分。耳か何かだと思っていましたよ、僕は。


>>664
>ヨクシュとバンパイアは違うものなの?

あなたには、この本を持ってきました。
ご覧なさい、これは西ヨーロッパに伝わる旧いおとぎ話を集めたものです

これを全部読めば、わかるのですけれど…ヴァンパイア、と一口に言っても
その特徴は語られる地域や時代によって、さまざまなのですね。
あるものは十字架に、あるものはニンニクに後ずさりする。
あるものはホワイトアッシュの杭で心臓を貫けば死ぬ。

僕ら翼手と、彼らヴァンパイアの違いは…そこですよ。ええ、
翼手とヴァンパイアは違います。
僕らは十字架を見ても、聖書を読んでも平気です。ニンニクの匂いだって、
別に嫌いではありません。ねえ、グレゴリー兄さん?料理をするときに、
あれは欠かせない食材でしょう?

それに…僕らは心臓を貫いても死にません。
それはハジを見ていれば判ります。彼の生命力は…特に凄い。
色白で痩せていて、黒い髪に黒い衣装。彼の姿は、おとぎ話に語られる
ヴァンパイアそのもののようですけれどね?けれど違うのです。


ただ、慥かに似ている点はあります…ほら、このくだり。
ヴァンパイアは、あるいはコウモリに、あるいは狼に変身するとある。
コウモリの翼、オオカミ男のような身体…
以前にシルヴァスタイン女史が仰いましたけれど、もしかしたらヴァンパイアは
僕ら翼手の一族の姿を、何らかの形で目にした人間が
そこに耳に馴染みやすいおとぎ話が成立するように尾ひれをつけて、
語り継いだものなのかもしれませんね。

彼ら人間にとっては、僕らのように珍しいものは脅威となるか
それこそロシアでのグレゴリー兄さんのように畏怖の対象となるか
はたまた好奇の目で見られ、面白可笑しく描かれて娯楽となるか

そのどれかしか、ありませんからね。
これからお話しすることにも、それは通じる事だ…

863 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/02/03(日) 05:18:02
>>829
>あなたのブラザーのラスプーチンですが
>有名すぎるが故にフィクションでは凄まじい事になっておりますが、…

ええ、先ほども言いましたけれど…そうして
エンターテイメントの材料にされてしまうのも、僕らのような生き物の
宿命なんでしょうね?世界を動かしたゴールドスミス一門も、人間たちの間で
これから先…尾ひれのついた噂の形で、語り継がれる事でしょう。

あなたが今、挙げて下さったのは…どれも最近の作品ですね?残念ながら僕は
そうしたものにはあまり詳しくないのですけれど…その代わりに
あなたには、この本を。これは比較的旧い本で…1916年から67年の間に、
あるロシア出身の公爵が書いたものです。ここで、
グレゴリー兄さんは何と呼ばれていると思いますか?

彼はこの本において、「黒い悪魔」…なんだそうです。

いまここにおいでの彼の姿から、そんな言葉が連想できますか?…まさか。
グレゴリー兄さんのあのお姿が、僕にとっては本物なのであって
人間が語り継いだのは所詮人間の目線でのもの、と言わざるを得ません。

おや…、これでは客観的にとはいえませんね。すみません、
彼は何と言っても血をわけた兄弟ですからどうしても、
僕の目線でお話しすることしかできないようだ。ところで


>・・・いや吸血みたいな超生物もどうかと思うけどね。


…先ほどから、僕らにそうしてお尋ねになるあなたがたは…
僕らの事を、不思議だと思いますか?
僕らはいま、こうあるのが常態なのであって…自分達の事を
不思議だと思ったことはありませんよ。

今もなお、研究を重ねているアンシェル兄さんやシルヴァスタイン女史も、
そのように思ってはおいでにならない筈だ。何しろ
僕らがいまここに確かに存在する以上、そこには何らかの自然の摂理が
はたらいている筈なのですから。彼らはそれを解き明かそうというのです。

僕らの世界に…不思議に思う事なんて、何ひとつないのですよ。
アンシェル兄さんが、カールが、君の喉元に目を遣って唾を飲む事もね。
ですから、しぃ…口を閉じて。君、先ほども言ったはずだ…危ないですよ?


雄弁は銀 沈黙は金、―――…ご機嫌よう。



864 名前:名無し客:2008/02/04(月) 01:39:32
なにかお茶を一杯ごちそうしてくださいな。

865 名前:グレゴリー ◆gD.KishiHU :2008/02/04(月) 22:43:27
>>864
>なにかお茶を一杯ごちそうしてくださいな。

喜んで。
シルヴァスタイン女史もいらっしゃる、丁度良い。
お湯が沸くまでの間、お話しましょう――美味しいお茶の入れ方について。

お茶を入れるのは驚くほど簡単なこと。求められることはただ一つ、入念さ。
そもそも料理という名の芸術において、努力は才能を凌駕するもの。
陶磁器のティーポットを温め、その中にお茶をティーカップ一杯分につき
スプーン一杯、ティーポットのためにもう一杯。沸いたばかりの熱湯を注ぐ
――ああ、マダム・シルヴァスタイン。熱湯が良いといっても、沸きすぎた
お湯はいけません、茶葉の香りがとんでしまう。――そう、後は四分間
待ってカップに注ぐだけ。

ヴァレーニエ(ロシア風ジャム)も用意しました。
日本からの客人は何故かこれをお茶に入れようとする方が多いのだが……
違います、まず一さじジャムを口に含みそれからお茶を飲むのが本来のロシア式。
夏の間に森で摘んだ黒すぐりの実を――良い実が生る場所をハジに教わった
のです――砂糖で煮て瓶詰めしておいたもの。

これを作った後程なく、わたしは動物園を去りました。――巡礼に出るために。
とうてい無事では済むまいと諦めていましたが……戻りまして食料庫を覗くと、
キャベツの塩漬けもきのこの酢漬けもジャムも、全て無事。腐ったものは一つも
ありませんでした。今こうやって客人をおもてなし出来るのも、夏中黙って
わたしの漬物たちの面倒を見続けてくれた彼のお陰です……。



――失敬、お喋りがすぎました。これ以上お茶を置くと、苦味が出てしまう。
さあ、ごゆっくり召し上がれ。

866 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/02/05(火) 19:45:44
やあ、こんばんは!

>>853
>BLOOD+を三行で説明してください

了解した!頑張ってみよう。では――

1.翼種を滅ぼすために、時代を超えて戦い続ける少女、小夜。
     
  ベトナムのジャングルで、イギリスの草原で、僕は小夜と戦った。
  小夜を追い求める僕の雄姿。
  僕だけを見つめる小夜の真紅の瞳。
  その時、世界は僕達ふたりのためにあった。
  破壊と殺戮の中に。


2.謎を秘めた美しき歌声。歌い手の少女、ディーヴァ。

  僕のいとしいディーヴァ!
  彼女にこの人形には飽きたと言われたら、僕はすぐさま次を買いに行く。
  欲しいものができたと言われれば、この背に乗せてどこへでも。
  すべてはディーヴァのために。


3.姉妹と僕、カール・フェイオンの周囲の人々も巻き込んで、戦いは続く。

  小夜のそばにいて、僕と小夜とを引き離そうとするお邪魔なハジ。そして赤い盾。
  僕達の仲を後押ししてくれるカイとリク。
  僕の引き立て役になってくれる兄弟達。
  やたらと口うるさいのが難だけどね。
  そして僕と彼女達の物語は沖縄・ベトナム・ロシア・フランス・イギリス・アメリカと、場所を移していく。


こんなところでいいかな?我ながら実に簡潔にまとまったよ。



867 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/02/05(火) 19:46:00
>>854
>血 >た >す

…………。

負けた。
  
854さん簡潔さと何気ない面白さに、この僕が負けた。
敗北感が僕を打ちのめす――!

どのくらいショックかというと、いつもいいところで邪魔してくれたのが、
ただの人間であるはずのカイだとわかった時と同じくらいに。

ほかにはディーヴァをこの背にお乗せして、晴れ晴れとした気分で赤い盾を襲撃したら、
あるじの目的が僕とのお出かけや小夜ではなく、リクだったとわかった時とかね。

アンシェルがジェイムズに小夜討伐を命じた時もだ。
この僕を任から外し「今のお前に必要なのは、しばしの休息だ」などと言いおって。

いいかい、854さん?
僕を一度くらい敗北させたからって、いい気にならないようにね。
相手がただの人間だから僕も手加減してあげたのだ。
君は大事なお客人だしね。

次は負けるつもりはないよ。
僕の実力を見せてあげようじゃないか。
心してかかって来たまえ。

だが今回は君に勝者の栄光と敬意を。

                     ――――僕もちょっと笑ってしまったしね。



868 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/02/05(火) 19:46:17
>>855
>ちょww

君も854さんに笑わせられた口だね。
まったくだよ。この僕としたことが、まんまとしてやられてしまった。
ここは君に倣って

  ちょwwと笑ってしまった

と言うべきかな?

ところでまったく関係ないのだがね。
小夜の父親の店の客に「チョーサン」という人物がいたそうだよ。
君に言われて思い出したんだけどね。



869 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/02/05(火) 19:46:50
>>856
>シュヴァリエの皆さんは男女どちらの血が好きですか?
>女の血と男の血の違いも教えて下さい。
  
おや―――、君もシルヴァスタイン女史と同じく研究熱心なのだね?
となると、君にはあからさまに危険な習性を話してもかまわないわけだ。
では一緒に想像しながら、詳細な検証を。

血を吸う生物がいるとする。
人間を見るたびに皮膚の下の血管を意識し、甘い血で喉を潤したいと考えずにいられない。

                ―――こんな想像をしても大丈夫かい?気分は悪くなっていないね?

美味しい食材とは、なんでも健康で若くて生きが良いものと決まっている。
そしてランチでもディナーでも美しい盛り付けられた方が食欲をそそる。これもわかるね?

                ―――食材がなんであるか、あまり深く考えない方が君の精神衛生には良いだろうね。


新鮮で味がよく美々しく皿に盛られた食事。一般的な美食とはこういうものだろう。
さあ、ここからは個人の嗜好だ。男にするか、女にするか。

僕はやはり女性がいいかな。
うなじにくちづけるなら、男の硬い皮膚よりやわらかく香り高い肌のほうがいい。
噛んだときの感触も味を左右するのでね。
僕達は、血と共に獲物となった人間の恐怖も味わい尽くして飲み干すので、
なおさらあえかな悲鳴を漏らす女性の方が――。

…………。
しかし、そのー、あのね。
どうも人間である君に、こんな赤裸々な話をするのは調子が狂うというか、やりづらいというか。
君はまったく平気そうだけどね。(いちいち心配してた僕より強靭だ!)
僕の方は君がおいしそうだから余計に――ああ、いや、今のはただの独り言だ。

ほら、夜が更けてきた。
君はもう家にお帰りよ。
こんな月のない夜は、どんな化け物が出ないとも限らないのだからね。




870 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/02/05(火) 22:21:30
>>752
>私の愛を受け取って!

―――おや…。これは大胆な女性だ。その愛の告白のご様子……。
穢れのない、澄んだ響きをもつお言葉だ。ちょうど性別こそ異なるが、その声音は
かのシベリア鉄道の旅路にてエリザベータに思いの丈を打ち明けた、あの二人連れの若者に
どこか似ているようでもありますな。彼らもまた偶然出会った彼女にあこがれ、渡りをつけて
もらえるよう連れの者に必死で工作をし…。そして彼女によってすげなくあしらわれた。
だからこそ彼らは何も知ることなく、かの女性の来訪に狂喜したのだろう。

『信じられない。見込みがないとばかり思っていた。車内で初めてみかけたときから僕らはずっと――…』

……喜んでいただけて何よりだ。だが当のエリザベータはすでに『下車』して貰ってはいたが。
有難う。この私も君たちの存在はじつに好都合だ。ぜひ私に協力してもらいたい。その好意、
試させていただこう。―――その後どうなったかについては、もはや語る必要はあるまい。
こうして…いま君にしているのと同じく、私は彼らの肩を引き寄せた。
親しげに。にこやかに。彼らの為に用意した、D−67の注射アンプルをこの手にしつつ。

だからこそ君の愛も喜んでお受けしよう。
あの日の薬品こそ、今はこの手にないが…しかし君のからだを流れる温かな血の囁きを、
その命の本音をぜひ知りたいものだ。親愛なる情をこめて、その君の耳元でそっと囁こう。
声をひそめて、胸に秘めた想いをそっと打ち明けるかのように。



―――…成程、愛を受け取りはするだろう。
しかしその受け取った愛を私は試さずにはいられない。
その喉に。その頸動脈に。徐々に失われてゆく君の恐怖、
その恐怖にゆがんだ美しい最後の表情に―――構わないのかね?
……尤も…拒んだところで今更遅すぎるのだが。


………。
………。
…まあ、今日のところは中途で止めておこう。君はあまりに若すぎるようだ。
この地には医者が多い。その喉に穿たれた咬み傷は、気になるようなら彼らに治療して
もらいたまえ。―――良いかね?お若い方。
君は私の元に来るまでにミズ・ジュリア・シルバースタインから忠告を受けたはずだ。
彼女もまた、君と同じく若いが……しかしさすがは学究の徒だ。いにしえの先人の教えをよく
わきまえている。君のような若き女性は―――おそらくその内容すら知らないのであろうがね。




>>782
>でも、気をつけなさいね、男は狼なのよ。ここでは翼種だけど。
>年頃になったなら、慎まなくてはね。


…そのとおり。男はすべて狼だ。
たとえあるじの後を付き従うような子犬や、従順な羊の顔をしていたとしても。
つねにその心の中は狼が牙を剥く。―――そういうものなのだよ。
ソロモンやグレゴリー、そしてカールがどれほど、君に対して優しげな顔を見せたから
といって『あのひとだけは大丈夫』などと…くれぐれも油断したりはしないようにな。
何故なら彼らもまた、この私と同じ……翼手なのだから。

871 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/02/05(火) 22:25:30
>>764
>雪の中で兄弟喧嘩w

―――…我々が?さて……この私には一向に覚えがないが。
おそらく何かの間違いではありませんかな?この厳寒の雪のなか、年の離れた弟たちと
眼を怒らせて相争うほど、この私はおとなげない男ではないはずなのだがね。

ところで雪中で兄弟喧嘩といえば………。
あのシベリア鉄道で落ちたリク・宮城を追い、小夜とハジ、そしてエリザベータの姿に
擬態したこの私が、広大なロシアの雪原をしばしさまよったときのことだ。
リク・宮城は当時まぎれもなく人間だった。しかし同時に後日、小夜の血を受け、
彼女のシュヴァリエとして近しい者となる運命を持っていた少年でもある。

つまりリク・宮城は、この私流儀の表現を用いるならば―――…。
『同じ小夜の血を分け合った、ハジの弟でもある』と言い換えることも可能だろう。
この互いに我を立てぬ、どこまでもひかえめな未来の兄弟は…あの雪原でもまったく同じ様子だった。
寒さに体をふるわせたリク・宮城の姿を目にしたハジが、おのれの上着を彼に着せかけると…


「いいよハジ!ぼく平気だよ。ハジだって…さむくないの?」
「………………………いや……(首を横にふり)」
「でも…ううん、やっぱりいいよ!ハジこそ着てなよ。薄着だし…なんだか、さむそうだよ?」
「……私は…………大丈夫。心配には及びません…」
「助けてもらって、服まで借りちゃ、なんだかわるいよ!ハジこそあったかくしてなよ!」
「いえ……どうぞ。」
「でも―――…!」



といった様子であった。なんとも律儀な兄弟だ。一面の雪景色のなか、そのやりとりが
立ち止まったまま延々と繰り広げられるのだ。何とも心温まる光景であった。…すばらしい。
―――ええい、それほど互いに要らぬのであれば、上着など捨ててしまえ!
…結局あの場はリク・宮城が折れて上着を借りたのだ。後々まで随分と恐縮していたようであった。
ハジはああ見えてなかなか頑固だ。リク・宮城が折れるより他なかったのだろう。…風邪をひいては
いたようだったのだがね。


…これが我らディーヴァのシュヴァリエになると話は別だ。
間違いなく『いま自分がこうして寒さに耐えねばならんのは、いったい誰のせいか』を
(おそらく全員が心中で、あるいは実際に口に出して『長兄アンシェルのせいだ』と言い張るに違いない)
ネイサンやカールあたりが大仰に唱え、ジェイムズが一喝し、ソロモンが一行をなだめながら
はるか先を馴れた足取りでさっさと歩くグレゴリーを、みな恨めしげな目で眺める事だろう。
兄弟とはそれほどまでに厄介なものなのだよ。君。

872 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/02/05(火) 22:30:01
>>777
>翼手と触手の違いを説明してください。

―――何も変わらない。両者とも自然に進化を遂げた生物であるにもかかわらず、
人間が彼らを恐れ、おぞましく思い、ひたすら排斥しておのれの種の安泰を図りたいと願う
ただその一点においては………の話だがね。

触手を持つ生物で代表的なのは、頭足類に代表されるオウムガイや蛸、烏賊などの
軟体動物がそれだ。彼らは8〜10本から数十本の触手を用いて餌を捕食する。
あるいはクラゲなどに代表される、刺胞動物門に属する生物もまた、捕食の際にその触手を
用いている。…彼らはいずれも肉食だ。生きる為に他の命を―――『食べる』。

しかし欧州ではイタリアの海岸部分を除き、ごく古来から触手を有する生物は敬遠されてきたものだ。
理由はただ、その形状や運動の形態から感じられる嫌悪感……。蛸などは「悪魔の魚」として
忌み嫌われてきたものだった。悪魔といえばタスマニアの悪魔 (Tasmanian Devil)と呼ばれる
肉食の有袋類もまた、羊を襲う害獣であるという人間の都合と、その外見の凶悪さから
かつておおいに狩られ、その個体数を極限まで減らし―――現在、彼らは絶滅の危機に瀕している。

この世界の生物の生態系において、もっとも利己的な種はいったい「何」であるのか。
こう考えてみた事はないかね?翼手の生まれた意味についてだ。彼らは何の為に生まれ、
またどこから来て、どこへゆくのか……。翼手で満ちた世界をこの目に出来なかったことは…
………じつに残念だよ。








>>787
>コウモリ怪人て某変身ヒーローのシリーズでは雑魚役が多いんだけれど、
>それについてどう思う?

―――当然だ。蝙蝠などの翼手目、その生物としての特徴……腹部から大腿部に伸びた皮膜、
そして指のあいだの水かきに似た皮膜など、あのSAYAのミイラに共通するいくつかの
形状自体は非常に興味ぶかいものなのだがね。しかしおとぎ話や、そうした子供向けの説話に
登場する蝙蝠はじつにいただけない。順を追って例をあげてみるとしよう。

@まず風体が怪しい。大仰な翼がなんとも派手すぎる。

Aそして獣の女王に忠誠を誓いながら、同時に鳥の女王にも渡りをつけるといった
 あの節操のなさがじつに良くない。

Bまた視覚ではなく超音波による音響定位により、位置をつかんでいるため暗闇をものともせずに
 飛び回る。……眠らずといえども、夜とはしずかに過ごすものだ。騒がしい事このうえない。


…以上の理由から、蝙蝠怪人はどこか胡散臭げな小物と相場が決まっているのだ。
だからそれはまったく正当な理由によるものだろう。……当然ではないのかね?

873 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/02/05(火) 22:38:01
>>788
>人生って色々ですよね


―――…そう。生きているの者の数だけ、その想いは様々に存在する。
カールにはカールの。そしてソロモンにはソロモンの翼手として生きてきた想いが。



…あの日。あの昼下がり。
長椅子にしどけなく横たわっていたディーヴァが入室した私と彼らに気づき、
わずかに首をかしげて長い黒髪を揺らせ、どこか物憂くこの私に問いかける。

―――なあに?アンシェル……と。

対する私は丁重に答える。――連れて参りました。…そして彼女は瞳をけだるげにひらく。
この場合多くを語る必要はない。このあとに起こる事柄はすべて予定の行動であるからだ。
かつて何度となく交わした、人間に血を分ける際の、私とディーヴァとの暗黙のやりとり。

「その子が『そう』なの?」
「…はい。貴女の血を授けようと思います。」

…そしてカールはその血を分けられ、彼女の近しい者となった。
カールがそれを望んだかどうかはこの際なんら関係がない。ただ私はシュヴァリエとしての
不死性をそなえた、実験動物が欲しかっただけなのだから。




  『ディーヴァの血がすべてを変える。』
  『個体差はあるにせよ、モンゴロイドがそれに適応しうる』

カールは選ばれ…そしてデルタ計画は始まったのだ。
ロシアで種はまかれ、ドイツで芽吹きベトナムで実った。その為に欲しかったのがカールの肉体だ。
ちょうどベトナムがフランスの植民地支配を受けていた時代の事だ。多くの学生が宗主国を訪れた。
カールもまたそのうちの一人だ。はじめてカールをこの目にしたとき―――…。

 モンゴロイド。黄色人種。
…ディーヴァのシュヴァリエはこの私を含め、それまでは四人すべてが白人だった。
黄色人種は環境の変化によく耐える。ヒマラヤ一帯のような高山地帯に住むチベット民族、
厳寒の氷の中に住むイヌイットなどはいずれもモンゴロイドだ。アイスランドで発見されたミイラの
SAYA。その娘たちであるディーヴァと小夜もまた、黒髪にどこか東洋系の面ざしを匂わせている。
当時、信憑性はかなり高いと思われた。だからこその選択、だからこそのベトナム人だ。

そして五人目のシュヴァリエ候補。あまり裕福とはいえぬ身なり。痩せた体。黒髪の…まだ少年。
どこか遠い日の―――ハジを思わせた。ジョエルが命じ、パンと引き換えに私が購ったあの子供。
『彼女たち』…翼手の女王はは子を宿すのだろうか?
その問いの為だけに動物園につれて寄越した、小夜とディーヴァの花婿候補。………ハジ。
私はハジを憎んでいた。…当然だ。籍に入れその衣装を整え、屋敷の作法を教えながら憎んでいたのだ。
いずれ彼もまた成長する。ハジが小夜と首尾よく「友達」とやらになったその後。その後はおそらく……。

………ッ

………。
………。
…そう。事が済んでしまいさえすれば殺せる。殺せるのだ。即刻標本してしまえば良い。
そうふるえる拳を握りしめ、研究室の我が身に言い聞かせたのは幾度であったか。
だからこそ私はカールにも告げた。当時、最も適合しうると期待された、ディーヴァの眷属
シュヴァリエとしては初めての人種―――。他ならぬモンゴロイドである彼に。


『実験台としてなら』生かしておこう、…と。






………。
………。
…ただ、シュヴァリエとしての不死性をそなえた実験動物が欲しかっただけなのだ。
だが奴はディーヴァに愛を求めた。与えられるはずのないものをだ!
カールの視線が、哀しい希望と憧憬をこめて、柔らかなディーヴァの姿を追う。
そのたびに私はこの手で遮り、その身を無理やり引き摺るようにして強引に追い立てる。
この五指に言葉にならぬ苛立ちをこめて。希望をいだく弟に、容赦なく現実を知らしめる為に。
行き先は―――――…そう。あの施術室へだ。


…カール。何も知らぬ、哀れで、愚かな―――それだけに愛しい弟よ。
ディーヴァに愛など求めるな。はじめから与えられるはずのないものをだ。
彼女は運命の扉をひらき…みずからのあるべき場所を求め、もうすでに……自由に、
…歩きはじめてしまっているのだから。

874 名前:名無し客:2008/02/06(水) 07:57:23
小夜とハジはすっごく弱いけどどうして殺さないで見逃してきたんですか?

875 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/02/06(水) 21:08:07
>>802
>あらぁ、撫でるくらいいいじゃない

………?
―――これは……失礼いたしましたな。
貴方の声音、そのなよやかな口振り…どこか私の弟の一人、ネイs………
………。
…失敬。言葉を言い換える事にいたしましょう。貴方の声音がこの私のふるくからの馴染みの
『ある男』にどこか似ておられた。しかし『よく似ている』と例えられて、万人が喜ぶであろう対象と
とてもそうとは言いかねる対象が存在する事実をつい失念いたしておりました。申し訳ない。


「ディーヴァのようにうつくしい」
「リク・宮城のように、ごく素直な」
「ジェイムズのように真面目かつ勤勉」

…これはまぎれもなく相手への褒め言葉だから一向に構わない。しかし

「ハジのように、気安く仕事を命じやすい」
「ヴァン・アルジャーノのように如才なく」
「ネイサンのように女性らしい仕草の」

……こう例えられて、当の相手が素直に喜べるかどうかは実際…微妙なところだ。
誠に…失礼いたしましたな。今後は言葉に重々、気をつける事にいたしましょう。




しかし―――仰るとおり。
眉をしかめる相手に物事を強制し、思うままに翻弄する行為はじつに楽しい。
顔を赤らめて跳びあがり「い、いいですっ!ぼく…」とあわてて拒絶する子供の様子や、
「いったい何が言いたいんですか!」といらだつ少女の姿を観察する楽しみは…ごく格別のものだ。
その相手が本気で嫌がれば嫌がるほど、仕掛けるこちら側も――…よりいっそう熱意がこもる
というものでしょうな。
しかし解らんのはあのジェイムズやハジといったごく面白みのない男を相手に、そうした行為を
強いるのが、はたして楽しいのかどうかまでは………。

…まあ、おそらくそれが彼の好みというものなのでしょう。その嗜好に立ち入るつもりはない。
まさに人それぞれと言うべきなのかもしれませんな。

876 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/02/06(水) 21:11:09
>>810
>あなたの目の前に、宝箱が一つおいてあります。中身はなんだと思いますか?


―――…君。どうかお静かに。
出来うる限りその声をひそめてくれたまえ。他人の耳に入らぬように。
私はその宝箱の中身を……他の誰にも知られたくはないのだよ。
私が今この場で君の問いに答えることで…だれかが、何者かが彼女の存在に気づいてしまう。

そのとき彼の者の手によって閉ざされた宝箱の蓋はひらかれ、そして番人であるこの私は
その得がたい中身を、永遠にこの手からうしなってしまう事になるだろう。
だからこそ私はその名すら呼ぶことはしない。まさにその瞬間をおそれるがゆえに。
なぜならその解放こそが、宝箱のなかの『なにか』の―――せつなる望みに違いないのだから。

………。
………。

…そう。宝箱の中身の話だったな。
外の世界に焦がれてちいさく歌をくちずさむ…。閉じ込められた、それは一羽の哀しげな小鳥だ。








>>811
>小夜の愛と、ディーヴァの愛の違いはなんでしょう。

―――まずはそう問う君に聞こう。愛とは……いったい『何』なのかね?
研究の成果ならば、これはかならず目に見えるかたちで残される。
数値で。データで。あるいは血統という世代の移り変わりで。

しかし愛や信頼、心といったものはすべて目には見えない。
その存在すらたしかに確認はできない………それはどうにも疑わしいものだ。
少なくともこの私においてはの話だがね。だからこそ私は、君のその問いに答える事は出来かねる。

長いときをかけて調べ尽くし、知り尽くしたところで―――そうしたかたちのないもの全ては
物理的にこの目で見出すことが不可能だ。だから私では答えようがない。
おそらく愛とやらの実在を信じる者にこそ、その問いは投げかけられるべきだろう。
どうか他のだれかを当たっていただきたいものだ。…お役に立てずに誠に申し訳ないのだがね。

…ただ私の見るかぎり……小夜は必死でなにかの夢にすがろうとしており、
ディーヴァはしずかに手のなかの二つの繭をみつめていた。まるでみずからの空虚を
その行為で埋め合わせようとするかのように。実際のところ、私に理解できたのはその程度だな。

877 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/02/06(水) 22:50:24
やあ、こんばんは。
お客人達は心地よく過ごしておいでかな。
僕の兄弟達がご迷惑をかけていないといいのだが。

アンシェルもまた例によって、小難しい話をしてお客人を煙に巻いているようだね。
おや……>>872

おーい、ソロモン!
アンシェルがお前のことを、派手すぎるとか節操がなさ過ぎるなどと言っているぞ。




878 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/02/06(水) 22:50:58
>>864
>なにかお茶を一杯ごちそうしてくださいな。

ハス茶をご馳走しようかと思ったが、もう次兄がおいしい紅茶を淹れたんだね。
それでは僕はつまむものを用意しよう。

黒すぐりのジャムがいい味だって?
小夜も好きらしくてね。
次兄が黒すぐりでジャムを作ろうと言ったら、ハジが珍しく重い口を開いて
「良い実がなる場所がある」と次兄を連れて行ったんだ。
小夜に食べさせてやりたかったんだろうな。

ハジと一緒に黒すぐりを持ち帰った次兄は、すぐさまジャム作りに取り掛かった。
小夜は味見をしたがって、鍋を煮詰めている次兄のそばでそわそわしていたよ。
最後はとうとう我慢できなくなったらしくてね。
鍋から移し替えた瓶に指を突っ込んで

「おいしい!この黒すぐりのジャムはとても出来がいいね」

などと批評家のごとく品評していたよ。
小夜は本当においしそうに食べるので、次兄もつまみ食いを叱れなかったと、後で苦笑していた。
次兄は案外、小夜に甘いからね。

「お行儀が悪いのと、ジャムの出来は関係ありませんよ」

と、ハジはその場でたしなめていたが。
意外とハジは口やかましいシュヴァリエだったのだね。

小夜はハジのお小言には慣れているのか、いたずらっ子のように舌をペロッとだして首をすくめていた。
それから何かを思い出したように、「昔もこんなこと、あったね」と言っていたよ。
懐かしそうに、でも少し寂しそうな目でハジを見ていたな。

ハジも目を伏せて、遠い記憶を辿っているようだった。
ふたりの過去に何があったのか、僕には知るよしもないので何も聞かなかったが。
(通じ合っている二人に、少々面白くない気分ではあったがね)

――さて、そのハジ協力、次兄ご自慢、小夜推薦。
君も気に入ったジャムに合うクラッカーを持ってきたよ。

他のお客人方も、さあどうぞ。




879 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/02/06(水) 22:51:30
>874
>小夜とハジはすっごく弱いけどどうして殺さないで見逃してきたんですか?

おお、核心に迫る質問だ!
君の言うとおり、僕もベトナムで再会したときに小夜とハジを三度ほど見逃している。

一度目、鐘楼で見逃した理由は

                  ―――簡単に殺すなんてできなかったからだ。

ハジの攻撃を僕は全て避け切ることができた。
(余談だが、あの夜のハジは登場が早すぎたよ。僕と小夜が会話もしないうちに
襲い掛かってきたんだ。盛り上げ役だから仕方がないとは言え、彼は少しばかり気が利かない)

ハジを鐘楼から叩き落し、その隙に小夜を殺すことも可能だった。
だが30年もの間、待ち続けた小夜がそこにいたんだよ。
あっけなく殺すなんて僕には思いもよらなかった。
小夜の姿を見、声を聞き、吐息を感じたかったのだよ。彼女と刃を交わしながら。


二度目は小夜がハノイの戦争博物館に行った後だ。
この時も僕は小夜を追い詰めながら、致命傷を与えずに去った。
(余談だが、ハジは僕の蹴りで気持ちよく吹っ飛んでくれた。こういうところ、君は実に良エキストラだよ、ハジ!)

理由は、記憶をなくしまるでただのか弱い少女にすぎない小夜に愕然としたからだ。
僕が会いたかったのは、人であろうと獣であろうとその境なく殺し尽くした、
あの美しい小夜だったからだ。

                  ―――ひ弱な小夜では気持ちよく殺せないじゃないか!


リセのパーティーの夜も、僕は戦いの途中でその場を去った。
小夜は真紅の瞳で僕に刃を向けてきたが、彼女はまだ目覚めてはいなかった。
その証拠に、小夜につけた傷の治りが遅かったんだ。
本来なら瞬く間に傷など消えてしまうはずなのに。
(余談だが、この日もハジは律儀に吹っ飛んでくれた。彼もなかなかやる。流石は小夜のシュヴァリエ)

それゆえに、僕は一旦退いた。
                  
                  ―――小夜と踊れないのは残念だったが、僕にはやることもあったしね。


ジャングルの中での戦いでは、僕はようやく本来の小夜に出会えた。
しかし焦りすぎていたかもしれない。
僕は小夜の血によって右足まで失って、やむなく退却した。
だがあの時の小夜は、真実、素晴らしかったよ!

考えてみれば、僕は小夜と戦い、共に死ぬことを望んでいたのだね。
彼女を殺すことが目的ではなかったんだ。
僕が小夜を見逃し続けた真の理由はそれだろうか。
                   
                  ―――僕が命を失ったわけも。


余談だが―――おや、ジャングルでの戦いの時、ハジはいたかな?
いや、それは冗談だが(僕がのちの親友ハジを忘れるわけないからね)
なぜか僕達よりカイの方が目立っていた日だったよ。

…………。
僕達が小夜をしとめ損ねた本当の理由は――
いつも必ずいいところで見せ場をかっさらうカイのせい、ということはないよね?


   
それでは今宵はこのあたりで。人間の皆さん、おやすみなさい。


880 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/02/07(木) 18:25:30
こんばんは。
日本では、中国製冷凍餃子による薬物中毒事件が話題になっているそうね。
公表はされていないけれど、チョコバーなどにD-67という薬品が
混入されていたこともあるのよ。
油断ならない世の中よね。


>>817(モテますか?)
私は駄目ね。
でも、他の人の目には留まらなくても、
デヴィッドが私でいいと言ってくれたらそれだけで十分よ。
デヴィッドはは女性からよくアプローチを受けるけれど
彼は秋波の類には少しも関心がないので私も安心してるわ。
過去を思い起こせば、デヴィッドの恋愛面での鈍さには私も苦労させられたのだけど。

………ええ、本当に苦労したわ。その分、今は幸せだけどね。



881 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/02/07(木) 18:26:12
>>818(親戚)
ボルドーより赤い盾新本部へ極秘回線での不定期連絡。

「ジュリアです。ジョエル長官、ソロモン・ゴールドスミスの血縁者ではないかという
人物の情報が寄せられました。緊急性はないと思いますが、念の為、ご報告しておきます」

「やあ、ジュリア。シュヴァリエの血縁者とは面白いね。しかし証拠はあるのかい?」

「いいえ、ありません。ですからこの件はこちらでも報告とファイリングのみで
保留と致します。それからもうひとつ気になることが」

「なんだい?」

「カールとソロモンの話では、ハジがアンシェル・ゴールドスミスの実子ではないかと」 >>820>>827
「―――初耳だ。ジョエルの日記にそんな記述はない」

「ええ。彼らもただの冗談のように話していましたし、記録も実証するものも
なにひとつありません。ただアンシェル総帥―――、いえ、
アンシェル・ゴールドスミスが頑なに否定していたのが気になるんです。
いつもの彼なら、わざと曖昧な表現で周囲を混乱させて楽しみそうなものなのに…。」
>>834
「逆に疑わしいと言いたいんだね?」

「そうです。今はハジもいないので聞き取り調査も困難なのですが、本当に
親子関係であるなら、彼らのDNAを比較すれば人体への第五塩基の影響を―――」

「…ジュリア。待ちたまえ。この件についてはこれ以上の調査を禁じる」

「何故ですか。翼種の研究が飛躍的に進歩するチャンスかもしれないんですよ?」
「我がアンシェル伯父さんが彼らしくもなく頑強に否定したんだ。追求しない方が賢明だろう。
藪をつついて吸血蝙蝠を出すことになりかねない。君の身が心配だ。現在の赤い盾には、
スキャンダルの真偽や翼種の解明より、君という人材の方が余程大切なんだよ。
わかってくれるね?デヴィッドやお子さんにとっても君は必要なはずだ」


「―――はい。わかりました。忘れるよう努力します」
「またいつか、真実がわかる時がくるさ。…それに本当に親子なら、既にアンシェル伯父さんが
研究しているかもしれない。もし会うことがあれば、僕から本人に尋ねてみるよ。
ハジが父親に似ず素直で善良なのはどの遺伝子によるものでしょうね、とでも」

「長官………(その方が危険では)」


  

882 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/02/07(木) 18:27:16
>>829(ラスプーチン)
ルイスとの会話

「ルイス、829さんの話はわかる?」
「ジュリアはサブカルチャーに詳しくないんだったな。俺もよくは知らないが、
ラスプーチンはゲームや小説でかなりの色物キャラにされたことがあるようだな」


「…そのようね。世界征服をたくらむ怪僧はともかく、アンドロイドや、
愛を説くホモとか、随分と奇抜なイメージにされたものね。歴史上の人物だけど、
謎の多い人だから製作者のお遊びが入るのかしら」

「奇抜と言っても、どれもヒゲを生やしたおっさんで、デブキャラでもないけどな」

「容姿は残っている写真にある程度忠実に再現されているのね」
「不死身の長髪美青年に設定した漫画や小説もあるぞ」
「女性に人気が出そうね」

「可憐なロシアの美少女の姿で、男のファンに人気が出たこともあるしな」
「そ…それも奇抜といえば奇抜ね」


883 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/02/07(木) 18:28:28
>>836(人間は醜い)
人間は年齢を重ねるわよね。
赤い盾に入る前は、私も老いていくのが怖かったわ。

ある日、私を衝撃の事実が襲ったの。

「目尻に小じわが―――!」

ショックだったわ。
研究に夢中になりすぎて、徹夜を続けていたのがいけなかったのかしらね。
急いでアンチエイジング化粧品を買ってきたわ。
でも、すぐに新たな恐怖が私を襲った。

「体重が3kg増えてる―――!」

カロリーが高いものばかり食べ続けていたのが原因ね。
ウェストも2センチ太くなっていたわ。
悲しかった。
私はオリーブオイルやホワイトソースとも、しばらくお別れしなくてはならなかったわ。

―――でも、そんな私にコリンズ博士は翼種の存在を教えてくれた。
なにをどれだけ食べても体形が崩れることなく肌も衰えない翼種の女王、サヤ。
私は決心した。
生涯を翼種の研究に捧げようと―――!


…………というのが、真実かもしれないぜ?(By ルイス)



884 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/02/07(木) 18:28:58
>>837(アルジャーノ)
ルイスとの会話

「飴好きで飴ジャーノと呼ばれたアルジャーノも、今は刑務所の中ね」
「司法取引して、グラント前国防長官の情報でも当局に渡せば、刑も軽くなったんだろうがな。
喋ってもらっちゃ困る連中が黙らせたのかもしれないが、放心していて駆け引きもできなかったみたいだな」


「あんな目に遭った上に、大企業のCEOから犯罪者に急降下してしまったんですもの。
普通の神経では耐えられなかったでしょうね」

「まーな。自業自得だから同情はできないがな。命があっただけ儲け物だ」

「もし次回作があったら、彼が黒幕になることも有り得るかしら?」
「刑務所の中で飴欠乏症を発症してなけりゃな」



>>847(しあわせ〜)
表現してくれと言われても、どうしたらいいのかよくわからないわ。
そういえば、サヤは美味しい物を食べている時「しあわせ〜」という顔をしていたわ。
それから兄弟と一緒にいる時も幸福そうだったわね。
あの子達、本当に仲が良かったから。
ベトナムからロシアに船で向かう時もそうだった。

「こんな私でも家族だって言ってくれるの…?」

と聞くサヤに、カイは「おう、当たり前じゃねぇか!」と力強く頷いていたわ。
それでもサヤはまだ悲しそうだった。

「でも、私がいたらカイとリクに迷惑かけちゃう」と涙をこぼしたわ。
ジョージのことを思い出したのかしらね。
そうしたらカイが

「なに言ってるんだ!お前がいても全然迷惑じゃねーよ!エンゲル係数が跳ね上がって家計を圧迫するだけで!」

と言っちゃったものだから、サヤはしばらく部屋に閉じこもってしまったけれどね。
カイはリクに叱られていたわ。懐かしいわね。


885 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/02/07(木) 18:29:36
>>853-855(三行で説明)
デヴィッドの場合

「翼種」
「戦い」
「赤い盾」

(連想ゲームじゃないんだから。By ルイス)


カイの場合

「サヤが家に来て………、それから一緒に暮らして………、本を米粒でくっつけて………。
………。………。
三行でなんか言えるかよ!」

(一応、三行なのね。By ジュリア)


ハジの場合(推測)

…………。
…………。
……サヤ。



886 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/02/07(木) 18:30:05
>>856(男女どちら)
ルイスとの会話

「俺が翼種だったら女の子の血がいいだろうな。男の血はアクが強そうじゃないか?」
「血を吸う為に首筋に噛み付くなら、自分より背の低い相手のほうがいいでしょうね。
女性の方が狙いやすそうね。さもなければ少年か」


「ディーヴァはリクの血を吸ったし、カイのことも旨そうだと言っていたよな」
「デヴィッドは不味そうだと言われたそうよ。貴方は?」
「俺も不味そうだと言われたよ」

「やっぱりアクが強いから?それとも脂肪肝だからかしら?」
「俺の肝臓はまだフォアグラにはなってないぞ!それに俺は食べるのが専門で、食べられるのは専門外!」



>>864(お茶を一杯)
お茶を淹れるなんて簡単なはずよ。
化学の実験とたいして変わらないわ。
そういうのなら、私は慣れているの。

1.まず、液体(この場合は蒸留水)を丸型フラスコ(ケトル)に入れて加熱。
2.沸騰を待つ。
3.液体の温度が沸点に達したのを確認して(ここでグレゴリーから
  「沸かしすぎたお湯はいけない」と注意された)素早く火から下ろす。
4.遅滞なく、液体の漏れもなく、温めておいたビーカー(紅茶ポット)に静かに液体を移す。
5.ストップウォッチで時間を計る。4分経過の後、試験管(カップ)に液体を注ぐ。


―――紅茶の葉を入れるのを忘れてたわ―――!



887 名前:ジュリア ◆CrDOpAWpGE :2008/02/07(木) 18:30:42
>>874(見逃してきた)
ルイスとの会話

「ディーヴァやディーヴァのシュヴァリエがサヤを見逃していたって?」
「客観的に見れば、そうなるでしょうね。戦力差は明らかだったわ。
彼らはサヤとハジを殺せたのに、あえてそうしなかったのよ」


「”すっごく弱い”のに?」
「弱かったから、でしょうね。脅威と思われてなかったのじゃないかしら。
強くて危険なら、シュヴァリエはディーヴァのためにサヤ達を殺していたはずよ。
でもサヤは強くなかったし、数少ない同類でもあった。強暴だけど、近寄らなければ
危険性の薄い親類みたいに認識されていたんじゃないかしら。赤い盾を潰そうとしなかったのも、
彼らにとって私達がそれほど危険ではなかったから、潰す必要がなかった為でしょうね」


「だが、奴らはサヤの殺害と赤い盾本部の襲撃を計画していたぜ?
シュヴァリエによる総攻撃の前に、ディーヴァに沈められてしまったせいで頓挫したようだがな」

「デルタ計画が本格的に始動しはじめたからじゃないかしら。
円滑な計画推進のために、障害となりうる存在を消したかったのよ」


「それまであちらさんはのんびりしてたから見逃してくれてたが、
忙しくなってきたからそうもいかなくなったってことか」

「そういうことね。私の推論に過ぎないけど」



今日はここまでね。じゃあ、またね。



888 名前:名無し客:2008/02/07(木) 20:17:47
デートの相手にはどんな服で来てほしいですか?

889 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/02/08(金) 01:30:15
>>888
>デートの相手にはどんな服で来てほしいですか?

―――…ふむ。たとえどのような服で来てもらったとしても構わんよ。
なぜならこの私は、上は髪飾りから下は靴先まで、すべて相手に合わせその際
新規にあつらえさせるからだ。

その相手が、他ならぬ君であったと仮定してみよう。
無論そのときどこかの服飾店に君を連れて行くといった、せわしく無粋な真似はしない。
腕のいい仕立て屋を数名、屋敷に呼び寄せるだろう。…ああ、目先の流行を追う職人はいかん。
何代にもわたって伝統と技術とを受け継いだ、ごくたしかな腕の者をえらぶべきだ。

彼ら仕立て屋を選び、屋敷に呼び寄せる事と…のちにその代価を支払う事。
ただそれのみがこの私の役目だと心得ている。だからどのようなドレスが、靴が、
宝石が欲しいのかは…他ならぬ君自身が彼ら職人たちに命じたまえ。

どれを選ぶべきか選択に迷うようであれば、私にひとこと声をかけてくれれば良い。
どのみち何着あっても困りはしない。その際はすべて買い上げるから安心する事だ。
君はただ…ディーヴァのように好みのドレスを身にまとい、気に入った石をその指に嵌め、
仕立て屋へ自由に注文をつけ……心ゆくまで買い物を楽しんでくれて構わない。
『どう?』と感想を求められるのであれば、必ず『…すばらしい!』とお答えしよう。
それ以外に褒め言葉を知らんのが、我ながら難儀な事ではあるのだがね。

890 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/02/08(金) 01:40:45
>>818
>ソロモンによく似てるけど親戚ですか?

―――成程よく似ている。しかし服といい、この姿勢といい…彼は軍人だな。
しかも自分が軍人である事に、熱い誇りを抱いている男のまなざしだ。
外見はともかくその中身は、どうやらソロモンとは随分と異なるように見受けられる。

あの弟は戦争や軍人といったものが性に合わず、軍服に袖を通したときもひどく
着心地悪そうに顔をしかめていたものだった。あれで軍人の権化ともいうべき
ジェイムズと、ともかくもなごやかに会話が成立するのだから兄弟とは不思議なものだ。
……尤もジェイムズは「ディーヴァのお気に入り」である彼に、ときおりひそかに
心中穏やかならぬものがあったようだが。


…しかし『この男がソロモンの子孫』とは。
妙な話題が持ちあがるものだな。…まあソロモンはつねに女性に人気があった。
万が一そうした事実があったとしても、この私はとくに驚きはしないがね。
しかしもう一方の流言「私とハジが実の親子疑惑」の方は………なんということだ!
知らぬ間にこの話があの赤い盾の陰険な蛇まで巻き込んで、まことしやかに膨らんで
しまっているではないか!

………。
……む…。私とした事が。

…息をしずめて、ごく冷静に説明しておこう。―――…よいかね?
『ハジが私の実子』などとはとんでもない話だ。頑なに否定するのは、別にやましい思いが
あるからではなく、ただひとえにあの男と一緒に括られるのが  厭  だからに他ならない。
……たしかにハジは見目がよい。そしてなにより忠実だ。
来客の女性のなかにも、ひそかに恋い焦がれるお方は多いだろう。だが…。




経済力も政治力も持ち合わせんあの男に…私の育てたディーヴァを遣れるか!!




…運命の扉がひらいて以来、ようやくジョエルの目をはばかることなく、彼女に望むまま
贅沢をさせてやれる身の上になったのだ。ロシアにおいては皇帝の元に、ドイツにおいては
総統の元にとつねに仮の場所さえ、絶対的な権力者を厳選してきたほどの念の入れようだった。
隣の建物に移動する際ですら、私はディーヴァを歩かせるつもりはない。その場合はかならず
運転手つきの車を回させる。乗り降りの際にはドアをあけ、彼女の為に進んでこの手を差し出すだろう。

その点ハジに任せておいては…不安だ。彼女を家畜用のトラックに便乗させかねないではないか!
他に花婿の候補者が見いだせんだけに、しぶしぶ『できれば彼の意思で来て貰いたい』などと
語りはしたがね。本心ではまったく御免こうむる。

だいたい何だあの男は。これ見よがしに黒髪の長髪を後ろで束ねおって…嫌がらせのつもりか。
外見上はともかく、奴より私の方が彼女に年齢が近いのだ。黙って立っておりさえすれば、それが
絵になるとはいちいち癪に障る男だ。思えば当然の話だが―――ディーヴァは彼を選ばなかった。
彼女からそれを聞き、つい心中で

「…さすがはディーヴァ、お目が高い!それでこそお育て申し上げた甲斐があるというものだ!」

などとひそかに快哉を叫んだものだった。おとなげないと笑いたくば笑え。
この私にはまったくこれは切実な問題なのだから。


………。

…はて……。
ところで、いったい何の話であったものかね?
そうか。ハジが『実子』かどうか、そうした話題だったのだな。つい失念した。…すまなかったな。

891 名前:名無し客:2008/02/09(土) 00:54:04
続編ができるとしたらどんなのがいい?

892 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/02/09(土) 02:22:46
>>822
>ソロモン、トリ割れしてる。ご注意ください。


―――衣装のほころびを彼にそっとご指摘くださるとは…なんとも律儀なかただ。
フランスにて我らディーヴァのシュヴァリエが集った際にも、運の悪い事に彼一人だけが
シャトー・デュエルの赤い飛沫を浴びてしまった。私がのちに動物園へディーヴァをお連れした際にも
ソロモンは白い背広を血に染め、胸に大穴をあけて帰ってきていたものだ。
…尤もこの私も一度、銃弾を数発埋め込まれ、衣装を血で汚したことがあった。
シュヴァリエの身を包む衣装とはすべて、それなりに受難の運命にあるものとみえるようだな。

しかしその後もおなじ型・色の背広を、私も、彼も仕立て直させているようだ。
私も特にこの服でなければならないという事はないが…しかし一般に女性に似合う衣装は無限にあるが、
男に似合う背広の数は女性に比べ、その数が限られてくるものだ。だからつい同じ意匠を命じてしまう。
しかしまあ…さすがにソロモンは若く見目が良いので、その後も衣装を替えてはいるようだが。
だがこの私ほどの外見年齢になると話は別だ。
似合う色も形式も、その個性によっておのずと限られてくるのだから。

私が生を受けた19世紀当時の男の衣装は―――『いかに目立たず、連れの女性のドレスを引き立てるか』に
その主眼が置かれたものだ。ディーヴァはおもに白、次いで青の差し色の衣装を好まれるようだから
対するこの私は暗く赤みの強い葡萄色の背広を用いる。…彼女の姿が美しく、よく映えるようにな。
型がふるいのはあまりたいした意味はもたない。単なる個人的趣味だ。

しかしネイサンは出先で毛皮を羽織ったり、ディーヴァのドレスに関心を抱くほど
衣服に関してはうるさそうな男だが…。しかしあの奇抜な衣装以外の姿を、あまりこの目にした事がない。
彼の屋敷を探る趣味も、その必要性も感じなかったので、とくに調べはしなかったのだが…。

………。

もしや彼の衣装室には…あのまったく同じ、胸のあいたお馴染みの服が、それこそ平衡感覚を
くるわせるほど大量に掛けられているのかもしれんな。………想像はしたくないが。

893 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/02/09(土) 02:26:17
>>847
>しあわせ〜な気分を表現してみてください


―――…それはもう。だがこの私の幸福とは、あまり来客の諸君の幸福に
結びつかないのではと思われてならんのだが………。それでも君は構わないのかね?

…そうだな。それでは語ろう。
翼手に満ちた世界で、ディーヴァの子供たちが生まれ、そして育つ。
やがてその娘たちが母とおなじ十五、六歳にまで成長し―――そして彼女たちの時が止まる。
外見的には三人の、同じ年頃の少女にしか見えぬ、きわめてうつくしい母子の姿の誕生だ。
この時代には無理としても、彼女が眠りからめざめた次の時代には目にする事が出来るだろう。
想像するだけでも、それはじつに楽しげな光景だ。

ただ―――二人の娘たちが人間の食事を好むか、翼手のそれを好むかについては解らんのだがね。
叔母である小夜に似るのならば、相当な量を口にすると考えて間違いはない。
量の多いロシアの料理のフルコースをひととおり平らげ、パンを追加し…それでも足りずに
さらに前菜の卵料理を注文するといった程度にはな。

そして母のディーヴァに似た場合…。これもまた相当な量を口にすると考えて間違いはない。
あらかじめ屋敷に「充分に用意」しているにもかかわらず、帰宅時に
『家に到着するまで運転手を食べてはいけない』と言い聞かせておかねば間に合わず、
あの体力のあるネイサンがしばらく動けなくなる程度には、彼女もまた召し上がるのだ。


……いずれにせよ、お護りするシュヴァリエはそれなりに覚悟しなければならないだろう。
可憐な母子に「全然足りなーい!もっと!…ねえ、いいでしょう?」とにこやかに言われた際に
即座に対応できるよう、いまから入念な準備と手配をしておかねば。
これに小夜が加われば―――元気に餌を求める雛鳥のくちばしが、四つに増えるという訳だ。
………。
………。
…やれやれ。さすがにその状況は、いまだこの私すらも未経験だ。
まあその苦労もまた……我々シュヴァリエにとっては、楽しくはあるのだろうがね。













>>853-855
>BLOOD+を三行で説明してください
>血
>た
>す
>ちょww


―――…ふふ。これはこれは。
なんとも即意当妙の、見事な切り返しですな。
しかし三言で説明せよとは―――もしや私のあまりの話の長さに、いささか皆様は
お疲れ気味なのではございませんかな?これはいけない。
では、できるだけ簡潔にお答えいたしましょう。


 血で彩られたこの愚かな人間の世界にいま終わりを告げるべく……ごらん、彼女の歌が始まる。
 たからかに鳴りわたる歌声のもと、世界を彼女の揺りかごに。邪魔する者は排除する…ただそれだけだ。
『すべてはディーヴァの為に』

……以上だ。それでは、またいずれ。

894 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/02/09(土) 21:37:39
こんばんは!

現在ANIMAXとやらで、この僕が活躍中だ。
このままずっと小夜と踊っていられたらいいのに。
そうすれば小夜は僕だけを見て、僕のことだけ考えてくれるはずなんだ。
僕が小夜のことばかり考えていたように―――!


話は変わるが、当時のことを考えて思い出したことをひとつ。

ベトナム時代、僕は自分のことを「僕」ではなく「私」と言っていた。
僕は公称の年齢や、役職のわりに外見が若く見えすぎたからね。
少しでも大人びて見えるように工夫しなくてはならなかったんだ。

シュヴァリエは外見上のトシをとらない。
兄弟も同じ場所で同じ名前と姿で何年も暮らす時は、
僕と同様に、若く見えすぎないよう気を配る必要があっただろう。

           ――――アンシェルを除いて            



895 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/02/09(土) 21:38:01
>>391
>「美人さんだ! わーい固い握手してほしいな!」

こういう無防備な人物は身を守れないだろうね。
僕自身はなんとなく共感を覚えてしまうが――。

僕はベトナム戦争時に小夜に腕を斬り落とされた。
それ以来、右手が義手だったので握手が苦手だったよ。
ヴァン・アルジャーノなどはそれを知ってて、わざと握手を求めてきたけどね。

その後、僕はシフの腕と足を移植された。
データを採取するための実験台だったのだけどね。

屈辱はもちろんあった。
しかしようやく自在に動く手足を手に入れたんだ。
これで小夜と再び戦えるのだと思うと胸が高鳴った。

だから思わずソロモンに見せびらかしに行きもしたよ。
ソロモンの執務室に侵入し、ヤツに襲い掛かって言ったんだ。

        「握手をしてもらえるかい?」 と。 

そういえばあの時、握手をしたかどうか覚えていないな。
記憶に残っているのは、自慢げに腕を差し出す僕を見た、あいつの顔だけだ。

どこか痛ましげで、哀しそうな、懐かしい―――
 
              ―――僕をいつも苛立たせていたあいつの。







896 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/02/09(土) 21:38:23
>>401
>血やワインの他に飲み物は飲みますか

もちろん飲むとも。
固形物を咀嚼して飲み込むより、液体を喉に流し込む方が性に合ってるしね。

味もわかる。
どんな酒も、血ほどは僕らを酔わせはしないだけでね。
お茶も好きだよ。次兄もよくお茶を淹れてくれる。
ベトナムのハス茶、紅茶に中国茶、時にはコーヒーも。

お茶といえば僕がここに来た頃、ハジに茶を飲ませてやろうとしたんだ。
だが飲ませる前に逃げられ……ではなく、機会を逃したまま、彼は旅に出てしまった。
いつか帰ってきたら、あらためてハス茶を飲ませてやろうと思っているんだ。

ハジが帰って来た時のために、ここで練習してみようね。
あの顔はおそらく甘党だから、ハス茶にたっぷりと蜂蜜を垂らしてやろう。
カップにそそいだハス茶に蜂蜜を…………。
おや、カップが小さくて蜂蜜があまり入れられないぞ。

ハジのために甘くしてやりたいのに、困ったね。
…………。

こういう時は発想の転換だ!
蜂蜜の瓶ににハス茶を垂らしてしまえばいいのだよ!
ハス茶を垂らした蜂蜜をかき混ぜて――――ぐにゅ、ぐにゅ、ぎにゅぅ。
ついに完成。どろりと甘い、ハジスペシャルロータスティー!

……ハジは今、どこにいるんだろうね。
元気でいてくれると信じているが。
帰ってきたら君と一緒に、ハジスペシャルロータスティーをご馳走しよう。
彼の喜ぶ顔が、目に見えるようだよ!




897 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/02/09(土) 21:39:31
>>888
>デートの相手にはどんな服で来てほしいですか?

女性の服装には詳しくないのだが―――

ブラウスにミニスカートがいいだろうか。
それともワンピース?
勇ましく迷彩服でもかまわない。

もし必要であるなら、一緒に店に行って洋服を買おう。
相手が望む服を買い、帽子を買い、靴を買い―――。
髪を結びたいのなら、僕がリボンで結ぼう。
できるだけご要望に添うように。

――ああでも、
もし翼種姿になった僕の背に乗って、空を飛びたいというのなら、
スカートはやめたほうがいいだろう。
ディーヴァは頓着しないので、ドレス姿のままだったが。

ベトナムのアオザイはどうだろう?
小夜は良く似合っていたよ。


  でも本当はどんな服装でもかまわないのだけどね。
  僕の愛する人が僕の元に来てくれるのなら。

  ただ、それだけで―――。





898 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/02/09(土) 21:40:19
>>891
>続編ができるとしたらどんなのがいい?

僕達の未来に何を望むかと言うのだね?
だが――――僕は既に死んでしまった身だ。
未来はありえない。

それでも生き残った者達の物語を想像しろというのなら―――


――200X年。
翼種との戦いも過去のものとなった沖縄。
酒場OMOROには父親と暮らす、幼い双子の姉妹がいた。
幸福な日々――だがそれも長くは続かなかった。

天井知らずの食費が家計を苦しめる。
父子家庭への貧弱な支援体制はあてにならない。
カイは双子の底なしの胃袋に、育児の厳しさを思い知るのだった。

そして双子を執拗につけ狙う人物がいた―――その名はいじめっ子。

今日も公園で、双子といじめっ子の遊具をめぐる熾烈な戦いが繰り広げられる。
果たして奏と響は公園で遊ぶことが出来るのか――!?

次回 ブランコプラス『はじまりの場所』

…お前達は俺の娘だ!(だからお父さんと呼べ!)



今日はここまでにしておこう。
おやすみなさい、良い夢を!




899 名前:ソーニャ ◆gD.KishiHU :2008/02/10(日) 00:05:22
皆さん、こんばんは。
このところボルドーでは毎日雪、今日は朝から屋根の雪おろしをしていたの。
お天気が悪くて雪は止まなくて、掻いても掻いても屋根の地肌は見えなくて、
それどころか更に厚く屋根に雪が降り積もっていくの。……もう疲れちゃったわ。


>>743
>シュバリエさんは小夜とディーヴァどっちが好きですか?

……少し昔の話をしましょうか。
サヤと一枚の毛布にくるまり、ペチカの側で濡れた体を乾かしていたのだけれど。
蜜湯で体が内から温まって安心したせいでしょうね、サヤのお腹の虫が盛大に……
わたし、大急ぎでお夜食を用意したわ。食糧庫にわずかに残っていた、米と水と
干し葡萄とくるみを壷に入れてカーシャ(お粥)を煮た。
あの家にひとりきりになって、寝食を忘れ研究の総仕上げに没頭していたから
――わたしにはもうそれしか残されていなかったから――食事を作る、というのは
本当に久しぶりだった。楽しかったわ……。

至福の表情でカーシャを平らげるサヤを見ながらわたしは多分、これまでのこと
全てはなんでもないことだったんだ、という幸福な錯覚に陥っていたのだと思う。
人間の集団から「はみ出し者」として追われたことも。冬宮を追われ死人として
祖国を追われ、長兄の期待を裏切り主に御不自由をお掛けしている不甲斐無さも。
わたしを密かに匿い、万事不如意な中研究の完成を助けてくれたユーリ、身の回り
の世話をし一途な想いを捧げてくれたソーニャ。…彼らをも手に掛けたことも。
だからつい――甘い夢をみてしまった。彼女とずっとここで暮らしていけたらなんて。

それでも。あくまでディーヴァを殺そうとして刃を向けるサヤと戦うことに
一瞬たりとも迷いはなかった。あらゆる障害からディーヴァを護るのが、
われわれシュヴァリエのさだめですもの。

つまり、答えはディーヴァね。

900 名前:名無し客:2008/02/10(日) 00:18:43
新しく弟に加えるとしたら誰がいい?

901 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/02/10(日) 01:40:34
>856
>シュヴァリエの皆さんは男女どちらの血が好きですか?
>女の血と男の血の違いも教えて下さい。


―――…男女の違いによる血の味の違い、か。
その質問はワインを味わう時、お前は繊細華麗なマルゴーやラフィットを好むのか、
それとも重厚で力強いラトゥールを好むのか?…と問われるのと大して変わらんな。

性別だけでなく、住む環境や経済状況によっても血の味は変わる。
貴族と農民、男と女。やわらかい子供と屈強な大人―――そのいずれを選ぶのかは、
どうやら各個体の好みに左右されるようだ。現にディーヴァはおもに少年の血を好まれている。

…私かね?―――愚問だ。
狩の獲物は、猛々しく強大な角を振りまわす男鹿よりも…。
しなやかでかぼそく、恐怖にすくみやすい女鹿の方が―――よりいっそう楽しめる。
この腕に捕らえたときの相手の驚き、混乱。次いで必死の足掻き…………。

そしてなにより……その死に物狂いの抵抗が、まったく通じぬ敵であると悟ったとき。
その瞬間の彼女の、恐怖にゆがむその表情。喉のふるえ、凍てついたように見開かれる瞳…。
そのすべてが『完全な絶望』により―――徐々に漂白され、崩れ落ち、ひとつひとつ消えうせてゆく。

この私に喉を預けたまま、涙で頬を濡らし、声にならぬ最後の吐息を洩らした彼女は…。
やがてこの手のなかで力尽き、やわらかく萎れてゆくのだ。―――じつに綺麗なものだ。すばらしい。
彼女の最後の様子が、血の味をいっそう甘美なものに感じさせるのだよ。

902 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/02/10(日) 01:41:49
>>864
>なにかお茶を一杯ごちそうしてくださいな。

―――…ふむ。それではリク・宮城に教えたのと同じく、ジャムを口にしたのちに
紅茶を味わうといった、ごく本式のロシア作法による飲み方を君に………。

…ああ、それはすでにグレゴリーが君に教示したのだったのだな。(>>865
それでは私はセイロン島にある茶葉の農園の、いくつかのうちのひとつを君に贈ろう。

ごくささやかな土地ではあるが標高1200メートル以上の高地にて栽培される茶葉は香り高く、
その品質も最上級のものだ。とくに島の中央部にて作られているDimbula茶葉は、
薔薇の香りに似たやわらかくも強い香気をはなつのが特徴であるから、君は青薔薇なり
薄桃色の薔薇なり、お好みの花弁を浮かべて楽しむのも一興だろうな。


ちょうどこの2月から3月が収穫の適齢期だ。
…おや?ミズ・ジュリア・シルバースタインも茶葉に不自由していたのかね?(>>886
それでは君と彼女のもとに、その農園で今年最初に収穫された、最上級の茶葉を届けさせる
ことにしよう。なに、ごくささやかな量だ。尤も管理を他人にすべて任せてしまっているので、
くわしくはこの私も記憶にないが………。

……まあ、せいぜい数10tという程度だろう。その程度に過ぎんから安心したまえ。その日を楽しみにな。

903 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/02/10(日) 02:34:22
やあ、ご機嫌よう…空気が澄んで、空がきれいですね。
相変わらず、風は冷たいですけれど…あなたがた、風邪をひいたりはしていませんか?
僕らは平気ですけれど…お屋敷の中で流行らせてしまっては、大変ですからね。
さあ、お話をしながら温かいお屋敷へ戻りましょう。

ええ、>>864さん
グレゴリー兄さんとシルヴァスタイン女史>>865が、美味しいお茶を淹れてくれたのですね。
カール>>878が、お菓子も出してくれましたか。おや、アンシェル兄さん>>902も?
最上級の紅茶の葉を取り寄せて下さる、と?はは、それは良かったですねえ…
では僕は、出遅れてしまいましたけれど…そうだ
お屋敷に戻ったら、あなたがたが風邪をひかないように
夕食の後で…ラム酒と生姜を加えた、温かい紅茶を出して差し上げましょう。



>>853
>BLOOD+を三行で説明してください

これは…随分と難しい事を仰いますね。

>>854-855
>血 >た >す
>ちょww

おやおや、これはまた…簡潔にまとめましたね?
はは、慥かに3行だ。思わず噴き出した>855さんのお気持ちがよく解ります。
その三文字は、何を意味するのです?…はは、ああ、おや…成る程。
あなたがたの言葉で言う…タテヨミ、というあれですか?それじゃあ…

僕も三行で、を試してみることにします。
おや。アンシェル兄さん>>893がもう既に…、先を越されましたね。成る程、彼らしい文言です。
もう二番煎じにしかなりませんけれど…折角ですから、僕なりにやりましょう


血―――の匂いのする夜の校舎、少女は記憶の彼方の従者の血によって目覚める
た―――ったひとり、人間の世界を救う事が出来るのは彼女だけ そう、彼女は「翼手の女王」
す―――べての記憶を取り戻した少女が望む事、それは…血を分けた妹を…殺す事、

…おやおや、これでは…。もういちど。

血―――を分けた彼ら兄弟は等しく彼女の子、そして恋人 あるじたる彼女はお美しい。
た―――だ彼女のお顔を曇らせるのは、実の姉の願い…姉妹を戦いに導く人間の、何と業深い事
す―――べてはディーヴァの為に、その言葉が彼らの戦いの、幕開けの合図…

ううん、まだいけませんね…もういちど。これが最後です。

血―――で血を洗う、百数十年も続く戦い…けれどそれはただの戦いではありません
た―――った一対、この世界で最も美しい双子が傷つけ合う事のどこに得るものがあり、
す―――べての血を超えて歩み寄ろうとする事が果たして不毛か、とそこに問いたいのです。これは

そういう物語だ…、
やあ…これがいい。どうです、上手に出来ましたか?


904 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/02/10(日) 02:36:25
>>811
>小夜の愛と、ディーヴァの愛の違いはなんでしょう。

それは…、小夜が彼女の従者に、彼女の「家族」にどんな愛をもって接していたのか
僕は知りません。けれど…彼女は頑なでした。僕がどれだけ、人間は貴女の
擬似的な家族にしかなり得ないのですよと諭しても…彼女は納得しないばかりか、
涙を流して違う、違うと仰いました。僕には解からなかった。
彼女の、一途で強い愛を理解せずに…彼女を泣かせてしまいました

そんな事ですから、僕は彼女の愛がどんなものか、ついぞ
この身をもって知る事が出来なかったのかもしれませんね。

けれど僕は…彼女が、彼女の愛する「家族」にそうするように
微笑みかけてくれさえすれば…いまはもう、きっとそれで幸せです。


ディーヴァは…気に入ったものを、等しくその手に包んで慈しむのがお上手です。
僕は…彼女の「お気に入り」でした。なぜって、僕がお人形のようだからですよ。
何を命じられても、はい、はい、と頷いて彼女の望むようにする。まるで
背中のぜんまいを巻けば動く、仕掛けを施したビスクドールです。

ソロモン、わたしの可愛いお人形さん。

彼女は仰って、僕の髪を撫でました。僕は迚も幸せでした、
彼女の身の周りを飾る人形で居られる事は
シュヴァリエとして誇るべき事なんですから。

彼女は、同じように僕ら兄弟をその手で慈しんでおいででした
例えばカールなら…彼女だけに向けられる裏表のない情熱と、彼女と同じ無邪気さを
ジェイムズなら…濃く淹れた珈琲のような肌と、彼女だけを一途に見つめる瞳の光を
間違いなく、等しく愛して慈しんでおいででした


母という呼び名が相応しい彼女の、柔らかい手は…たとえ、
時に人形の頸を絞めて放るその手と同じでも
彼女だけが持ち得る、愛らしい無垢な愛を宿している事には違いありません
そしてそれこそが…彼女がお美しい理由のひとつに他ならないのです。



>>847
>しあわせ〜な気分を表現してみてください

ええ、ですから…小夜が、あの大きな目でこちらに微笑みかけて下さるなら
ディーヴァの柔らかい手のひらが、この髪を撫でて下さるなら
僕はとても幸せです。けれどここにはいま、
彼女達のどちらもおいでにならない…残念です。

幸福を感じる方法が、ほかに無いわけではないんですけれどね?

…あなたには…わかりますか?
冷たい、心地良い空気にかぐわしい匂いが混じっているのが。
ええ、グレゴリー兄さんが仕度している料理の、良い匂いだ。もうじき夕食の時間です。

けれど…それだけではない、微かに…

いま、本当に幸せな気分になるためには…足りないものがあるのです。
それは何か?ええ、そう、仰るとおり二人の女王と…、…もうひとつ…
辺りを見渡してどうしたのか、と仰る?いいえ、何でもありませんよ……


おや。


905 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/02/10(日) 02:37:45
>>856
ご機嫌よう。あなた、どちらへ?やあ、そうですか…カールがそんな事を>>869
彼の言葉どおり、化け物が出るかもしれないからお帰りになる。けれどいいのですか?
僕のお話が…まだですよ。さあ、そこへ掛けて。
辺りが暗くなってきた…?気にしないで。暗ければ、そのカンテラに火を入れればいい。

>男女どちらの血が好きですか?
>女の血と男の血の違いも教えて下さい。

ははあ…、あなたはその統計を、僕らのあいだで取ろうというのですね?
研究熱心な事です。僕らに興味がおありですか?…それはいい。

しかし…これは、あくまでも僕がそう思うだけの事ですけれど
血の味の違いというのは、持ち主の人間の性質によって左右される。
どちらかといえば、男性か女性か…と言うよりも
彼ないし彼女がどういう出自の、どういう人間かに依るのです

好き嫌いの事となると…僕はきっと、あなたにとって意外な事を言いますよ。
シルヴァスタイン女史>>886は、僕らは食事をするのに
女性か少年を選ぶのではないかとお考えのようですね?あなたもそう思うでしょう、
彼女の仰る事には説得力がある。けれど…そうでもないのです

食事の相手を選ぶ遣り方なら…いくらでもあるのですから。

例えば、彼女が言及しなかった……血色の好い青年。
それも理想の高い、大志を抱く青年。

その野心の大きさが…生命力の強さが、その血にまで滲んでいるようで
命を別けて貰うには、最も効率のいい種類の人間です。
そういう人間に限って…都合よく、僕に近づいてくる。この名前と、肩書きの所為です。
それが一番顕著だったのは…僕が連合軍の仕官服を着ていた時でした。

彼は影響力のある名家とのコネクションを作り、
ほかを出し抜いて高みを目指そうというのですね。

僕は彼の耳もとで言うのです、彼の肩にこうして、後ろから手を置いて
よくわかりますよ、貴方のお気持ちが…
貴方の願いを叶えるために、必要なものは何ですか?と。彼は答える、
他ならぬ君の後ろ盾の力だ、と…僕は応える、貴方のように素直な人間は嫌いではありません
彼は喜んで、こちらを振り向こうとする…けれどそれは叶いません、
何故ならその瞬間、彼のうなじに鋭い痛みが走るからだ。

それはやがて僕が確り掴んだ彼の肩先まで、毒が染み渡るように熱を持って拡がり…

破れた皮膚から、とろり、と温かい―――ああ、


いけませんね、本当に…喉が渇きました。


おや…、瞳の色が変だと仰る?すみません、こればかりは自分ではどうしようも…
肩を支える力が強すぎると仰る?すみません…けれど放すわけには。
…カールや兄さんの方が、思いやり深いと仰る?…すみません、

何しろ酷く喉が渇いてしまって。

…おや
いま何と仰いました…声が掠れて、よく聞こえませんよ。
まるで…、…ばけ…もの…?それは何ですか?
ディアボロか…それともモンスターの事かな?…くす、そうですねえ。
いつでしたか…以前に居た場所でだったか、カールが…彼が喉が渇いた時にどう感じるか
彼の中の「蟲が這い出して喚声を上げる」のだと言っていました。僕はどうかな…ああ、そう

生命力に溢れた、血色の好い人間を見ると…僕の中に潜んでいるばけものが、
むくむくと大きくなって…いつも笑っているこの顔さえ、呑み込んでしまって

つい、つい、鋭くとがった歯を剥くのです…ちょうど




いま僕が、あなたの後ろで、そうしているように。





906 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/02/10(日) 02:40:23
>>877
>おーい、ソロモン! アンシェルがお前のことを …

――――――?

…ああ…、カール。おやおや、兄さん>>872がそんな事を?
いまの僕の、この様子を見たら…彼は同じように僕を揶うでしょうね?
こんな所で節操の無い事だ、と
それより、シルヴァスタイン女史を見かけませんでしたか?ああ、そちらに。
では彼女を呼んでくれないかな…僕が肩を支えているこのかたは、輸血が要るんだ。
幸い、このかたにはまだ息があります…


…おや、仕方がないでしょう?君やアンシェル兄さんが、
血の匂いをつけたまま…そこかしこを、歩くからですよ。



907 名前:名無し客:2008/02/11(月) 13:03:26
チョコあげるつ■

908 名前:名無し客:2008/02/11(月) 20:25:32
カールはソロモンとカイが大好きなんだねw
でもグレゴリーも好きだよね?小夜は勿論のことハジも好きだよね。
アンシェルの事も色々言ってるけど愛情の裏返しなんだよね?
好きな子ほど苛めたくなるっていうもんねー。

909 名前:グレゴリー ◆gD.KishiHU :2008/02/11(月) 21:39:35
>>810
>あなたの目の前に、宝箱が一つおいてあります。
>中身はなんだと思いますか?

ひんやりと湿っぽい堅牢な石造りの地下室。
中央に安置された豪奢な箱。
その中には白い繭。

彼女を包む糸の揺り籠はひたすらに堅牢で、安らかに眠る彼女の顔を見ることは
おろか、呼吸や鼓動、彼女が生きているという気配すら、感じることが出来ない。
それでもシュヴァリエであるわたしには、確かに感じることが出来る。
硬い揺り籠、この壁とも言えぬ殻一枚隔てた向こうに愛しい主がいることを。

わたしはそっと、繭に寄り添い頬を押し当てる。



――ディーヴァ。貴女の顔が見たい。声が聞きたい。



>>829
>ラスプーチンですが
>有名すぎるが故にフィクションでは凄まじい事になっておりますが、
>客観的に見てどう思いますか?

われわれ翼手の存在は、そうした人間の娯楽作品にも影響しているのだな。
ソロモンも>>862-863で触れていたが、彼らにとっては、我々のように珍しいものは
脅威となるか、畏怖の対象となるかはたまた好奇の目で見られ、面白可笑しく
描かれて娯楽となるか…そのいづれかなのだろう。

わたしが「謀殺」された後――社会も議会もわたしの「殺害」を快挙として受け
止め、犯人を愛国者と讃えた。新聞は猟奇的に書きたて、皇族12人が連名で
皇帝宛に犯人の助命嘆願書を提出した。皇帝は一族の結束した意思と社会の世論を
無視することが出来ず、事件の捜査を打ち切らせ犯人達も不問に処したという。
しかしあれからもう90年以上の月日が流れたというのに、怪異譚を好む人間達に
「ラスプーチンとは何であったか」議論を繰り返されているとはな……。

人間がわたしを見る目は大きく分けて二つ。

長兄も仰られていた通り>>851、皇后はじめ宮廷の貴婦人女官のように
「聖なる人」「神のような人」と熱愛し崇拝するか
ソロモンの言った通り>>863、ユスポフ公爵はじめ反対派の皇族貴族達のように
「ぺてん師」「黒い悪魔」と憎悪し嫌悪するか。

どちらにせよ、己の見たいものを、見たいように見ていることに変わりはない。
そこに本当になにがあるかなど、さして問題ではない。――そういうものだ。
言いたい者には言わせておけばよい。客人も、己の目で見て己の耳で聞いて
己の心で感じた通りにこのわたしを捉えていただければ、それで結構。

910 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/02/11(月) 22:19:44
>>874
>小夜とハジはすっごく弱いけどどうして殺さないで見逃してきたんですか?


―――ものには順序というものがある。それに血を流したくなかった。
おなじ種族同士解り合おうともせず、流した血の量で物事を決めるようでは
まるで人間のすることと同じではないか。
…この私の当初の方針としては、以下の通りだ。

ディーヴァを殺そうとする存在であり、障害となりうる小夜を排除する。
そしてディーヴァの花婿として、できればハジには彼の意思で我々の元に来てもらいたい。
そう仕向けたいのだ、と。

………。
だが…小夜は彼女の姉であり、得がたいもう一方の純粋なる翼手の女王だ。
あの美しい瞳を失うのはこの私も残念だが―――しかし我々はディーヴァの為に存在している。
彼女を殺そうとする存在を許しては置けまい。…だが言葉にて説得できればそれに越したことはない。
殺し合いを選ぶのはあくまで人間のやり方だからな。尤もオペラの夜まで「まだ解らんのか!」と、
つい声を荒らげたりはしてしまったのだが。

また「ハジの意思で来てもらいたい」などと言いつつ、なぜにあれほどまでハジ確保の機会を
見逃し続けたかについてだが………。これはネイサンにもかつて答えたのだがね。

ハジがディーヴァの花婿…!だが彼女は私の宝だ。私の最も大切な、生きている証のようなものだ。
むしろ指一本奴に触れさせてたまるものか。しかし候補者はハジしかおらんのか!む…何たることだ。
しかし腹が立つ。それを考えると雪原に放り出した揚句に、膝でとどめを刺してやりたいくらいには。
何の解決にもならんが…彼女の意志を口実に、その機会を引き伸ばせるだけ引き伸ばしてしまおう。


………。

無論……ディーヴァが望むならば、すぐにでもハジをお連れしただろう。
だが彼女は彼を選ばなかった――…じつに残念だよ。まあそうしたこの私の煮え切らなさが原因の半分、
ディーヴァが娘たちを宿して以降は、弟たちの足並みが揃わなかったのが残りの原因の半分。
―――…正直なところ、そのあたりが我々の敗因なのではないのかね?

911 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/02/11(月) 22:24:56
>>891
>続編ができるとしたらどんなのがいい?


―――善良な他の者たちはともかく……この私の希望を答えても構わんのかね?
私は順境にある者がおだやかに暮らすうち、いつしか足場を崩され茫然とするという説話を好むよ。
なまぬるい予定調和の平穏などこちらから願い下げだ。現実はつねに甘くはないのだから。

カイ・宮城は沖縄にてちいさな店を経営するのだと耳にしたが………。
彼はいまだ未成年だ。日本では未成年者に酒類を販売・提供する為の認可というものは
はたして下りただろうか?食物を扱う店というなら尚更そちらの認可もだ。あの彼がそうした
実務的な分野を考えているとは……あまり考えにくいのだがね。資金提供ならば赤い盾がするのだろうが。


そして、そうした問題が起こった場合―――…。
必ずふらりと現れ『困っている君たちに協力しよう』と、都合よく手を差し伸べる者が登場する。
カイ・宮城はまっすぐな気質だから喜ぶだろうな。「よろしく頼むぜ、相棒!」くらいは言うかもしれん。
しかし私の経験から申せばこの協力者………間違いなく裏の目的がある。世の中とはそうしたものだ。
たとえば以下のようにな。



「お店のプロデュースなら…アタシに お ま か せ v でもォ…そのかわり………。ねェ〜
 …そこの無口な色男の……。そうそ、アンタ!ねぇ、このアタシとよろしくやりましょうよォ〜♪」






………。
…その「彼」の持つマネジメント能力は、さいわい本物だ。
カイ・宮城のちいさな小料理屋は、いずれほどなく在日米軍のなかでも『その筋の特殊な嗜好』を
持つ軍人で確実ににぎわい―――そして小夜が30年の眠りを貪る仮の墓所には、夜な夜な薄桃色の
薔薇とともに

「サヤ………どうか…早く目覚めてください………………助けて……」

…と泣きぬれるチェロ弾きの男の姿が、近隣の住民に目撃される事になるのだろうよ。

912 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/02/11(月) 22:32:18
>>900
>新しく弟に加えるとしたら誰がいい?

―――さて…。ディーヴァはカイ・宮城を八人目にするおつもりだったようではあるが。
シュヴァリエの選定はディーヴァの意思が大前提だ。だからこそ彼女がその血を与えると決断した
相手であるなら、それが誰であろうとこの私に不服はない。彼女の望むものはすべて彼女の手に、だ。

しかしまあ、この私が弟を選ぶ基準を簡単に申し上げれば…。
やはり何よりディーヴァのお役に立つ、有用な人材である事が第一と言えるだろう。
資金が潤沢であるかどうかはこの際問わない。いざとなればゴールドスミス・ホールディングスの
役職を用意すればよいのだからな。…そう。問題は才能を持ち、目端の利く人間であるかどうかだ。

そしてディーヴァの退屈をお慰めできるような、彼女を飽きさせない個性を持った者が良い。
弟たちはただでさえ個性が強い。彼らと争うことなく、充分に渡り合ってゆける調整能力も
持ちあわせておれば、それに越したことはない。なにせあのネイサンのすぐ下の弟になるのだから、
神経もそれなりに太い方が望ましいだろう。

それらの条件を考慮し、私がこれまで見た人間の中から選び出すとすると………。
…ふむ。赤い盾の一員としてシベリア鉄道にて出会った、あの黒眼鏡の太った男あたりが―――………。

………。







「……ディーヴァ。ところで、面白い者がおりますが………いかがでしょうか?」
「この子?……………まずそ。」


………。
残念だよ。
繰り返すが…私の思惑がどうあろうと、すべてはディーヴァの意志が優先される。
まあ内心……いささか惜しくはあるのだがね。

913 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/02/13(水) 02:22:00
>>907
>チョコあげるつ■

―――………。
………。
…これはこれは。恐れ入りますな。
私宛には……ほう。リキュール入りのショコラかね?

………。
いや、これは失敬。どうか何もお気になさらんように。
このシャーレと顕微鏡は、研究者としての単なる習性でしてな。
何事にも調べ尽くし、知り尽くすことをみずからの喜びとしております。
私のこの行動自体にとりたてて深い意味はない。―――どうかお気づかいなく。

………。
………。
ディーヴァの血液にいっさい反応しない、という事は―――。
…ふむ。リキュールに小夜の血液を封じ込めた、赤い盾製造の贈答品ではなかったか。
砒素入りでも青酸化合物入りでも別に構わんが………。だが小夜の血液は別だ。命にかかわる。



む……。贈物の礼も申し上げず………誠に失礼いたしましたな。
なにせこの私が他人から贈られる品といえば、大抵は鉛玉か毒物がほとんどでしてな。
まあ、なかにはヴァン・アルジャーノから、飴玉ひとつを贈られる事もありはしたが―――…。
ソロモンを切りこの私に付くという。…賄賂のつもりか?こざかしい事を、とばかりに即刻
暖炉の火にくべてしまいました。どちらにせよ私は、純粋なる好意の品というものを他人から
贈られた経験がほぼ、ないと言っていい。そういった理由でつい、常のように行動してしまいました。

敵が多いゆえに猜疑心が深まるのか、それとも疑いのまなざしで眺めるからこそ敵が増えるのか…。
そのどちらが真実であるのか、自分でもそのあたりは正直、判断しかねますな。
いや…重ね重ねの非礼をお詫び申し上げます。改めてそのお志を頂戴いたしましょう。

914 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/02/13(水) 02:25:14
>>908
>カールはソロモンとカイが大好きなんだねw
>でもグレゴリーも好きだよね?小夜は勿論のことハジも好きだよね。
>アンシェルの事も色々言ってるけど愛情の裏返しなんだよね?
>好きな子ほど苛めたくなるっていうもんねー。


―――ふふ。そして貴方は……もし事実と異なっているのならば失礼。
あの愛すべきお騒がせ者の困った弟、カールがお好きなのですな?…そのお気持はじつによく
理解できる。しかし残念ながら貴方の言葉のなかで、ただひとつのみ誤りが存在いたします。
それを指摘する無遠慮をどうかご容赦いただきたいものですな。

…左様。奴は小夜は無論のこと、グレゴリーやハジ、カイ・宮城を非常に慕っておるようですな。
またその口ぶりはどうあれ、すぐ上の兄であるソロモンにも…。複雑な事情があるとはいえ
愛情を抱いていると見て間違いはないかと存じます。ただ………この私に対する奴の言葉は…。



たんなる愛情の裏返しと言い切るにはいささか…棘が多すぎるようですな!



どうか貴方は奴に騙される事のないよう、くれぐれもお気をつけいただきたい。
あれは愛情の裏返しと見せかけた―――悪質な嫌がらせの一種なのです。先日も珍しく
真面目な話題を皆様にご紹介しているなと、ひそかに感心して聞いていたことろ……。

>…僕と同様に、若く見えすぎないよう気を配る必要があっただろう。
>――――アンシェルを除いて  


…などと一言付け加える事を忘れない。あれは元来そうした弟なのです。
なにせ人騒がせな花火のように四方八方、手から飛び出す杭をまき散らす奴ですからな!
場末の手品師が楽曲に用いるポール・モーリアの曲を、背後に流せばさぞやよく似合うだろう。
そういえば衣装もどこか似ている。派手な仮面といい、大仰なマントといい…まさにそのものだ。
そのうえ呼ばれてもいない他人の誕生パーティーに、頼まれもせぬ宴会芸を出張までしてくれるという
心憎いサービスまで付けてくれる。…すばらしい!なんとも見上げた芸人魂と言うべきでしょうな。


………。
…ふん。年寄り扱いしおって。
弟たちが揃いもそろってこれほどまでに無軌道でないのなら、この私とてもう少し若くいられただろう。
あのソロモンも一時はひどくやつれた。シュヴァリエとはいえ心労と無縁ではいられんのだ。

915 名前:名無し客:2008/02/13(水) 09:49:52
漫画とアニメ
どの媒体の自分が一番好きですか?

・・・ネイサンだけはアニメでいてほしいです。

916 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/02/14(木) 19:04:13
こんばんは!

少し久しぶりになってしまった。申し訳なかったね。
部屋にこもって昔のことを考えていてね。
最近はやけにベトナムの理事長時代を思い出すんだ。

リセの生徒達――皆、変わりなく過ごしているだろうか。
ミズ・リーは相変わらず、生徒の指導に明け暮れているのかな。
僕の後任の新理事長が、彼女のやり方を尊重してくれる人物だと良いのだが。
ハジが世話をしていた薔薇は今も咲いているだろうか。庭師のご老人は息災か、などとね。

ふりかえれば、なにもかもが懐かしいよ。
最後のパーティーの夜のことも。

大広間に鳴り響くワルツ、きらめくシャンデリア。
薔薇色のドレスをまとった、花よりも可憐な僕の小夜!
そして彼女の手をとって踊った―――白いスーツの男。

……ムッ。最後にあまり思い出したくないイメージが浮かんでしまったな。
            踊る二人を、指をくわえて見ているしかできなかった僕のことも―――。

だいたいだね、どうしてソロモンはパーティーに出席したんだろう?
『女の子達の視線に耐え切れなくて…厄介払いのつもりで誘ったんです』
『カールにも会えましたし、ここでの仕事ももう終わりです』
…と言うくらいならね!

女生徒の注目を浴びたくなければ広間に近寄らなければいいんだし、
仕事が終わったのなら学園にいる必要もないじゃないか。
それをどういうわけか居残って、あいつはまんまと小夜とワルツを踊ったんだ。
僕の生涯であれほど「とっとと帰れ!」と、叫びたかったことはない!



917 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/02/14(木) 19:04:42
>>900
>新しく弟に加えるとしたら誰がいい?

僕にはね――――

マッドサイエンティストで、社会にご迷惑をかけてばかりの下睫毛な長兄と、
ヒゲ親父だったり、銀髪の美青年だったり、
時にはプラチナブロンドの美少女だったりする謎の次兄と、
口調が柔らかいから騙されるが、注意して台詞を聞きなおすと
実はかなり自己中であることがわかる腹黒な金髪(悔しいから兄とは呼んでやらない!)と、

ディーヴァに忠実かつ実直で筋骨逞しい軍人だが、二人並んで撮った
写真のロケットを後生大事に首から下げている乙女チックでマザコンな弟と、
普段はオカマ口調でしゃべるのに、時折、ドスの効いた声で脅しにかかる正体不明の弟が、
既にいるんだ。

もしあたらしい弟が出来たら、彼はこの個性の強すぎる連中と生涯を共にしなければならない。
どんな目に遭うかと気の毒すぎて想像もしづらいよ。

だから僕個人としてはこれ以上、弟は増えなくてもいいかな。
ディーヴァが誰かをシュヴァリエにとお望みになるのなら拒むことはできないし、
あたらしい弟を僕なりに大切にしたいとは思うがね。

それに、ここだけの話にしてほしいのだが―――。

今の僕は、兄も弟も十分なんだ。十分、恵まれている……と思う。
たしかに個性は強すぎるし、いかがわしいし、はた迷惑な兄弟ばかりだ。
それでも僕は、できるなら家族として共にいたいと、この動物園の門をくぐったんだよ。

実際には互いに悪態をつくばかりで、家族団欒には程遠いのだがね。
それでも僕はここに来てよかったのだと思うんだ。
僕はディーヴァと小夜を求めた狂気の影で、兄弟の絆も求めていたのかもしれないね。
                               
   

918 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/02/14(木) 19:05:20
>>907
>チョコあげるつ■

ありがとう!
日本では女性が男性にチョコレートを贈るのは好意の印なんだって?
ならば今日この日に、チョコレートを受け取る僕は、時の女神に愛されている――!
(おそらくその女神は僕のディーヴァか僕の小夜か、あるいは君だ!)

――え、義理チョコ?
…………。ああいや、単語の意味はわかるよ。
あまりガッカリするな?……ハハ、大丈夫、たぶん。
人間の君から翼種の僕に、友情をこめて贈ってくれたのだね。

ベトナムでもフランス式に、サン・ヴァランタン(バレンタインデー)を祝う。
多くのベトナム人にとって特に宗教的に意味はないんだが、
習慣となっているのだね。

欧米式だから、日本のように女性がチョコレートを贈るのでなく、
男性から女性に花が贈られる。
僕が以前、理事長をしていたリセでも女生徒に花を贈ってくる
外部の男はいたが、全部ミズ・リーに没収されていたよ。

もっともミズ・リーは、夜になってからこっそりと花束を、
寮の生徒に届けに行っていたけれどね。彼女は意外と話がわかるんだ。
転校してきたばかりの生徒が、携帯電話で家族と連絡を取っていても
釘を刺した上で見逃してあげたりね。

昔話はこれくらいにしよう。君にこのチョコレートのお返しをしなければ。
それでは僕から、サン・ヴァレンタンにふさわしい、青い薔薇の花束を。
翼種の僕から人間の君に、友情をこめて。



919 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/02/14(木) 19:05:37
>>908
>カールはソロモンとカイが大好きなんだねw

うっ――!

たしかにカイはいいとこ取りの少年で僕の邪魔ばかりしてくれたが、
つきあってみれば気性も悪くなく、なにより小夜とリクの家族でもある。
僕にとっても大切な友人だとも。

ハジもぬぼーっと重そうなまぶたと、眠そうな目をした存在感の薄いシュヴァリエで、
小夜のそばにいつもいるのが忌々しいのだが、あれでいいところがあるんだ。
今では僕の親友だよ。彼もきっと今頃は僕と語らった日々を懐かしみ、
寂しがっていることだろう。

小夜も切ないほど寂しがっているだろうなあ――!
ああ、愛しい僕の小夜。この背に翼があったら(腕にはあるが)君のところに
今すぐ飛んで行きたい。しかし僕はディーヴァのシュヴァリエ。
君の分までここでディーヴァと姫君方をお守りするのが僕の役目だ。
どうか僕がいなくても泣かないでおくれ。

そして兄弟も――。あー、そうだね。まー、そうだね。
(しまったぞ。>>  で兄弟に恵まれていると答えてしまったので、否定しにくい!)

嫌い……ではないと思う。しかし単純に好き、と言えないのも事実だ。
この複雑な気持ちを君もわかってくれるね?なにしろ、あの連中だからね。

>好きな子ほど苛めたくなるっていうもんねー。

待ちたまえ!
僕が兄弟に関して言っていることは、まごうことない事実と、率直な意見と感想だけだよ!
それに僕が苛めているんじゃなく、むしろ僕が苛められているんだ。
……待てよ。だとすると、僕は奴らに好かれているということ――?
ああっ、突然、鳥肌が――!嫌悪より好意の方が恐ろしいとは、これいかに――!
なまじ悪態をつくより、敬愛の言葉の方がダメージが大きい場合があるのだね。

――――だがこの手は使えると思わないかい?
アンシェルの「いとしい弟よ」と似たようなことを言ってやったら、
連中、どんな顔をすることか!きっとこれ以上ないほど、ぎょっとするに違いないよ。
君も見たいだろう?カメラを持って待機しているといい。

さて、どんな敬愛の言葉を吐いてやろうか。
目の前に兄弟がいるとイメージして言ってみよう。

「愛しいきょうだ……ブホォォッ」

だめだ!こんなのまともに言えるもんか!
言われるより、言う方にダメージが大きい!
こんな台詞は、三本下睫毛が生えてない僕にはとても無理――!



920 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/02/14(木) 19:07:35
>>915
>どの媒体の自分が一番好きですか?

自分がなにかの登場人物であるとしたら、テレビ番組や小説やコミックのうち、
どれが望ましいかということだね?

――悩むところだね。
どんな媒体であろうと、僕は僕だろうと思うんだ。
もしも子供の姿にされたとしてもね。
ディーヴァを愛し、小夜に心を奪われ、追い求めた果てに砕け散る―ー――。

どういうシナリオでも、結局、僕はそうなるのだろう。
僕らしく、哀しく、愚かしいままに。


>・・・ネイサンだけは

ネイサンは、やはりあの余裕に溢れた彼がいいと僕も思う。
正直言って、何を考えているかわからない男だったが、
ネイサンからはどこか懐かしい匂いがしたよ。

ネイサンは僕らのことをどう思っていたのだろうね。
ベトナムから戻ってディーヴァのそばにいたときも、
僕は余裕を失っていたために彼と話し合うことはなかったと記憶している。

もしネイサンと、翼種であることや小夜について話す機会が持てたら、
僕は破滅以外の道を見つけることができたかな。
それとも彼のことだから、何も言わずに黙って見ていただろうか。
                
                   ―――人生という舞台で踊り続ける僕達を。



今夜はこれで失礼させていただこう。
それでは人間の皆さん、よい夜を。




921 名前:名無し客:2008/02/15(金) 00:22:10
夕日に向かってなにか叫んでみて

922 名前:名無し客:2008/02/15(金) 18:23:16
>なまじ悪態をつくより、敬愛の言葉の方がダメージが大きい場合があるのだね。
>――――だがこの手は使えると思わないかい?
>きっとこれ以上ないほど、ぎょっとするに違いないよ。
>「愛しいきょうだ……ブホォォッ」

しっかりビデオカメラに収めたよw
これをアンシェル達に見せればいいわけだね?

923 名前:名無し客:2008/02/15(金) 22:16:04
たくさん作ったので、よかったらどうぞ。
つ『ショコラジャム』

924 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/02/16(土) 01:47:20
>>915
>漫画とアニメどの媒体の自分が一番好きですか?
>・・・ネイサンだけはアニメでいてほしいです
          
―――研究のみに専念できた時代には、さまざまな書籍に目を通す余裕もあったのだがね。
無論…ジョエルの方針のもと、貧しいロマの集落に子供を買い取りにゆくといった日々の雑用も
ありはしたが。だがそれでもラマルクの『動物哲学』を紐解くくらいの余暇はあった。
しかしここ百年ほどはそれもままならんよ。忙しすぎるのも考え物だ。
この私がそうした著作物に登場しているのかね?…叶うならば是非この目にしてみたかった。残念だよ。

…しかし研究者としての立場から答えるならば。
その研究対象が―――最も頻繁に観察できる媒体。それが一番望ましいと言うべきでしょうな。
とくに私やネイサンのような癖の強い男は、そのとき語る言葉がすべて本心からのものであるとは
必ずしも限らない。その前後の行動や、当の言葉を向ける相手が敵であるのかそうでないのか。
語りかける表情や目線の動き、動作………。

そうした一切のものをすべて吟味し、その裏の意味を探る必要があるのかもしれませんな。
だからこそ採集できるデータは多い方が良い。たとえどのように瑣末なものであったとしても、
そこから対象本人の意図を割り出し―――そして調べ尽くし、知り尽くす。
その思考の作業はじつに面白い。興味の尽きぬ所ではありますな。

…貴方が好まれているネイサンとは―――
至極陽気で、余裕に満ちた、しかしどこか底知れぬ謎を秘めている、あの普段どおりの彼を
指しておられるのでしょうな。その媒体のネイサンが最も彼らしく生気に満ちているならば、
その映像作品が最も、謎めいたネイサンのデータ採集に適した媒体なのでしょう。
……ならばこの私も同じこと。一見、矛盾の多い媒体が最も興味ぶかい、と言えるのでしょうな。

925 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/02/16(土) 01:48:02
>>921
>夕日に向かってなにか叫んでみて


―――…では…オペラの夜のハジに対して。
すべてを、出し切るか。…よかろう。











……ところで…ハジ。すべてを出し切って…なぜその姿なのかね?中途半端ではないか。

926 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/02/16(土) 22:39:02
>>922
>しっかりビデオカメラに収めたよw
これをアンシェル達に見せればいいわけだね?


―――これはこれは…なんとも手回しの良いお方だ。
提出いただいた貴重な資料は、大画面にて繰り返し上映する事にいたしましょう。
いや…じつに興味ぶかい。ご足労に幾重にも感謝いたします。

しかし…彼は不思議な事を言うものですな。
いくら下睫毛が三本生えているこの私でも、伝え聞く彼の数々の名言―――

「あの日の君はくるおしいまでの純粋な怒りに身を任せ…君は美しかった。ぼくにとっての女神!」
「小夜!!今宵十六夜の輝きのなか、ラストダンスを踊ろうじゃないか!」
「もう誰にも止められない!止まらないんだ!!そしてこの想い―――君に届け!レッツ…」

………。
………。
…いや……さすがにこれ以上は真似ができんよ。
この私にも羞恥心というものが存在する。申し訳ないがご容赦いただくとしよう。
たいしたものだ。「レッt…」―――いやいや、これ以上はさすがに。この台詞を真顔で吐けるとはな。

あれらの言葉が臆面もなく、すらりと口にできる彼の勇気。……すばらしい。
じつに得がたい個性と言えるでしょうな。我々シュヴァリエは、血を授かる以前に人間として
それぞれに誕生した時代が異なる。…当然おのれがなじんできた環境や風俗すらも。

グレゴリーは>>909で彼が言及するように、90年以上昔の帝政ロシアにて生を受け、
そして製薬会社の若き凄腕のCEOとして財界に無理なく溶け込んでいたあのソロモン
ですら>>905で本人が語るとおり、過ぎし時代にはあの大戦下で軍服に袖を通している。


―――だからこそ、短い生しか持たぬヒトに比べ…価値観や言い回しが、ある程度は
古めかしくなるのも、まあ止むを得ない。しかし兄二人に比べても、あのいとしい五男の
言葉遣いは独創的すぎますな。ところでこの私の愛は調べ尽くし、知り尽くす事だ。
一体あの頭のどこを叩けば、掌から杭が…ではなかった、ああいった珍妙な文句が飛び出して
くるのか、一度ぜひ試してみたいところではありますな。

927 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/02/16(土) 22:40:45
>>923
>たくさん作ったので、よかったらどうぞ。つ『ショコラジャム』


―――恐れ入りますな。では、ご相伴にあずかりましょう。
…はて。日本の女性は2月14日に、恋い焦がれた男性へ贈るのだと伺いましたが。
かの記念日を一日過ぎた揚句、わざわざジャムに作り直して我々に振舞ってくださる貴女は―――…

………。

不躾な問いで誠に申し訳ない。もしや…意中の相手に渡し損ねてしまわれたのですかな?
得てして日本の女性は、非常にそうした場面でおとなしいと耳にしております。
オペラでも『蝶々夫人』が有名ですな。不実な米国人Pinkertonを信じ、待ち続ける貞淑な
Madama Butterfly………あれが欧米人ならば深刻な訴訟が起きかねんところですな。
東洋、しかも日本の女性は、その点非常に奥手であると言わざるをえないでしょう。


…いや、追加は結構。ご好意に感謝いたします。
薄切りのバゲットに乗せ、その美味をもう既に充分味わいました。なかなかに料理がお上手だ。
しかしこれは単なる私の主義に過ぎませんが―――食べる事を娯楽にしたくはない。
だがわずかな量とは云え、貴女の苦心のほど、その心配りはよく理解いたしました。
誰かは存じかねますがその相手の男―――……。

…これを口にできなかったとは、なんとも不運な男ですな。


さて。
思いがけぬ幸運を授かったこの私としては、即座に返礼をせねばなりますまい。
我々の習慣ではカールが>>918で口にしているように、2月14日は男からお贈りいたします。
じつは私もとある宝石商から、過日の為に首飾りやら指輪やらを…つい大量に買わされてしまった。
誠に失礼であるとは思いますが……よろしければ一点、貴女も受け取ってくださいますかな?

…ふむ。中でもこのダイヤの取り巻きの首飾りが、貴女の黒い瞳にはよく映えるでしょう。
背で留める為に、しばしその黒髪をこの指で上げさせて貰うが―――…失敬。やはりよくお似合いだ。
意中の相手に贈り物を贈るのが年一回だけとは、じつにつまらん話ですな。
その胸の宝石の重さに慣れる頃……我々にではなくその幸運な男に、この美味を
再度お贈りする事を、この私としてはお勧めいたしましょう。

928 名前:ソーニャ ◆gD.KishiHU :2008/02/16(土) 23:36:37
こんばんは、皆さん。ご無沙汰してしまったわね……。
調べものの為に、書庫に篭っていたの。>>672さんに

>ディーヴァの妊娠を知った時の皆の反応を教えて

とせがまれたのだけれど。皆さんもご存知のとおり、ディーヴァが身篭られる
ずっと前に、わたしはサヤの刃に斃れている。解るはずもないわ。
せめて参考資料なりと見つけられないかと……そこで興味深いものを見つけたの。

カルテ――ディーヴァのカルテよ。
診察の都度行われた外診内診、検査、胎児の発育状況……
妊娠経過記録が最初はジュリア女史の手によって、中途より長兄に引き継がれて
克明に記されている。もちろんこの記録は秘中の秘、人間の貴方にお見せすることは
出来ないのだけれど……ほんのさわりだけ。


こちらは初期のカルテ――記述者はジュリア女史。
未知の領域に足を踏み入れ、留めようのない探求心に高揚している科学者としての彼女。
人類の天敵、翼手の繁殖に手を貸している事実に戦慄する元「赤い盾」としての彼女。
母としての表情を見せるディーヴァに戸惑いつつ、純粋さに好意を感じる女としての彼女。
一文字一文字から彼女の葛藤が、吐く息吸う息までが感じられるようで……実に興味深いわ。

こちらは中期以降――長兄の手によって記されている。
自然分娩を待たず帝王切開に踏み切る結論に至った思考の軌跡でもあるわね。
翼手の胎児は子宮の中で繭に包まれているけれど、あれは人間でいえば胎膜なのか
胎盤なのか。分娩はどのように進むのか。母体と胎児双方の無事は確保され得るのか。
翼手の出産は過去に――少なくとも記録されている限りは――ただ一例。しかも
ミイラ化したSayaからの外科的手段による繭摘出、という特殊な例のみ。
しかし「資料不足、予測不可能」と責任を放棄することは許されない。
おのれの決断に、主と胎内の御子たちの生死が委ねられている……
常人なら圧死しかねない重圧に、ただひとり耐え続けたあの方の姿が目に浮かぶよう……!


ディーヴァの懐妊。
それは「翼手の女王は子を宿すのだろうか?」この問いを長年追い続けてきた長兄の
悲願であり、彼の共同研究者だったわたしの夢でもあった……。
書庫で資料の山に埋もれながら、思い出していたわ。寸暇を惜しんで実験に励み、
長兄と昼も夜もなく熱い議論を交わし、理論構築に打ち込んでいたあの頃のことを。
わたしの最も光と熱に満ちていた、幸福だった時代のことを……。

929 名前:名無し客:2008/02/17(日) 01:09:51
たまにはみんなでお弁当持って出かけない?

930 名前:923:2008/02/17(日) 02:18:45
>アンシェル長兄
おいしくいただいてもらい、しかもお礼まで頂いたのに、誠失礼いたします。
バレンタインのシーズンは、チョコ菓子のアイデアレシピが解禁になるので楽しくて…
つまり、前回は「お一つどうぞ。」と書くべきでした。
兄弟のみなさんと気軽に食べていただければ嬉しいです。

931 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/02/20(水) 02:42:56
>>907
>チョコあげるつ■

おや、ありがとう。御免なさいね、折角頂いたのに…
すぐに、こうして受け取る事が出来ませんでした。開けても、構いませんか?
ああ、はは…これは大きな正方形の板チョコだ。さあどうしましょう、
勿論、端から齧ってもいいのですけれど…そうだ、
君、少し待っていて下さいね。キッチンへ降りてきますから。


…やあ、お待たせしました。
やっぱり、そのままでは勿体ないですから
温かいショコラ・ショーにしましたよ。さあ、どうぞ。頂きます。
…いかがです?ええ、あなたの知っているホットチョコレートとは、違うでしょう。
口に入れると、とろりと甘いのですけれど…そのうちスパイスが利いて、
ほら、とても苦い。でもそれが、ええ、癖になるんです…美味しいでしょう?
それは良かった、あなたが下さったチョコレートが良かったから…、

おや。くす、
お口の周りに、おひげが。動かないで、拭いて差し上げます。
…聖バレンタインの日はね…、もう随分遅くなってしまいましたけれど…こちらでは、
こうして、二人で仲良く過ごしましょうという日なのですよ。おや、
僕が相手ではいけませんか?義理チョコだから、と仰る…はは、
随分とはっきり仰います―――カールにも言ったのですか?>>918
くす、彼はがっかりしたでしょう?けれどね…、

…さあ、これでもとどおり、きれいになりました。ええ、けれどね

どちらでも、構いませんよ…美味しかったでしょう?
それなら良かった。どうも、ありがとう。



>>923
>たくさん作ったので、よかったらどうぞ。つ『ショコラジャム』

おやおや、あなたも…やあ、これは美味しそうだ…あなたが作ったのですか。

けれど…、こうしたものを頂く機会はあまり無かったものですから、何だか
…ああ、ええ。この時期になると必ず、日本支社の女の子達から
それは沢山送られてきましたよ。けれどそれは決まって、
ゴディバ、ピエール・マルコリーニ、ベルナション、ピエール・エルメ…
どれも名だたるショコラティエの、やたらと高価な品物ばかりでした。

ですから…わざわざ材料を揃えて、手間をかけて作ったものを
こうして貰うと、何だか…擽ったいような気がします。馴れなくてね。

すこしだけ、味見をしても?…やあ、これは…
苺を使っているのですね?ブランデーも少し?甘酸っぱくて、ええ、美味しい。
器用ですねえ…こうしたものを作るのが、お好きですか?そうですか。
では…お礼に、先ほどご来客に頂いたチョコレートで作った
ショコラ・ショーのレシピを、シェフに頼んでおきましょう。ほんとうに、ありがとう。


おや>>930、アンシェル兄さんがお礼にと贈った、その首飾りがあまり重いので
あなたは戸惑っておいでなのですね?…くす、ご丁寧に…
けれど、それを返す事はないのですよ?折角貰ったのですから…とっておいたらいい、

謙虚なあなたと、あなたの作ったジャムには、それだけの価値があるのですよ。


932 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/02/20(水) 02:46:36
>>817
>モテますか?

ええ―――それはもう。先ほども言いましたけれど、この時期には日本支社から
厭という程―――おやおや、いやな顔をなさらないで下さい…
僕はあまり、それを嬉しいとは思わないのですから。
僕はこの容姿が、人間の女性の目にどう映るか…よく解っています。
それは時に便利でもありますけれど…場合に依っては、迚も面倒なのです。

例えば、舞踏会の夜…ダンスホールに足を踏み入れて、歩を進めた途端に曲が終わった時。
まず、拍手が沸き起こる。そして男女が手を離し…お辞儀をして、次のパートナーを探す

その時…そこに居る若い女性の目は、殆どが僕に釘付けです。

それは確かに、名誉な事なんでしょうけれど…同時に、きつい脅迫でもあります
世界的な薬品メーカーの最高経営責任者が、この夜の為と綺麗にめかし込んだ女性の誰を
自分に相応しいと見なして選ぶか?
彼女達の、また彼女達の親の期待を込めた視線に圧し潰されそうになりながら
僕はつい…こうして、髪に手を遣ってしまうのです。

たったひとりで、いいのですけれどね。僕を見てくれる女性は、
たったひとりでいい…けれど、
そんな贅沢な願い事をするものに限って…そうした相手には、恵まれないものだ。
もてる…のがいい事ばかりとは、限りませんね。

933 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/02/20(水) 02:49:41
>>874
>小夜とハジはすっごく弱いけどどうして殺さないで見逃してきたんですか?

おやおや…僕は彼女を殺そうなんて思った事は、
一度だってありませんでしたよ。

兄弟たちは…しきりに、小夜を殺す、小夜を殺すと仰いました
アンシェル兄さんは、兄弟でファルマシー本社の庭園に集まったあの日
流した血の量でものごとをはかるのは人間のする事、と仰ったその口で
小夜を殺すと仰いました。彼女を口説く意志はない、と仰いました

…決して…理解できない事ではありません、
それにあの状態の小夜を放置しておけば、慥かに計画の邪魔になる。

すべては、ディーヴァの為に。…合理的で、いかにも彼らしい―――

けれど…僕にはそれが、出来そうにもありませんでした。僕は出来れば彼女と
白刃の鍔迫り合いをするのでなく、すぐ近くで視線を交わして…彼女に
罵る言葉を投げるよりも、心から愛しています、と囁きたかった。

ですから見逃しただなんて…おや、この場所での事ですか?ああ。
ええ、僕は確かに、彼女を殺すつもりでした。僕はディーヴァのシュヴァリエで、
彼女はあるじを殺すと仰るのですから…

僕と彼女の力の差は明らかでした。…僕はどこかで躊躇したかもしれませんね、
あるじが彼女の胸に、折れた剣を振り下ろした時も…
僕はそれを直視することが出来なかった。あるじが帰る、と仰って…実の所、少し安堵しました
ですから結果として、見逃した事になるかもしれません。

…はい?ハジ?彼に関しては…
僕はいつも本気でしたよ。聞き分けのない犬には、仕置きが必要ですから。
彼は兎に角我慢強くて、なおかつとても運が良かったのです。いつも、いつも。
ですから僕は、

見えない誰かが、彼が決して死なないように筋立てていたのかも…とか

そういった言い訳は、一切しませんよ。




>>915
>漫画とアニメ どの媒体の自分が一番好きですか?
>・・・ネイサンだけはアニメでいてほしいです。

いつか言ったように…僕らのような、人間にとって不可解な終わり方をした一族は
尾ひれをつけられて、おとぎ話のように語られるのが宿命なのかも知れません。

ですから、あなたがいま仰ったそれで僕が描かれているというなら…そうだな、

この姿をひどく鼻にかけていて、自分が大好きで
顔に傷をつけられでもしたら…相手がたとえあるじでも、足元に放り出して
冷たい目で睨んで愛想を尽かすような、酷いシュヴァリエなのでしょうね?

それに…僕が兄弟とあるじを「裏切った」事も、随分と大袈裟に描かれるのでしょうね
まず、僕の狡猾さが誇張される。こちらを信用しようとしない小夜を相手に、

「貴女の大事な家族を、指一本触れずに無傷で送り届けましたよ!だから花嫁になって!」

などとせがむかもしれません…絵に描いたような、狡賢い悪役だ。それに、そうだな…

僕のような姿をした「悪役」は、得てして
生きるか死ぬかの最終的な局面で、追い詰められると…それはそれは醜い姿になるものです。
例えば…いつもの整った、けれど気味の悪い笑顔の、面影もないほど酷く崩れて汚い顔で

「ははは…狂ってる!まるでお笑い種だ!!」

などと兄弟を罵る。更に―――そんな姿を晒してなお、しぶとく生き残り…物語の最後に、
ヴァンのような人間の実験台になるなどして凄惨な死に方をする、と暗示されて終わるのです。

………ううん…、

度し難い…それに哀れです。あまり見たくないな、そんな僕の姿は。
ですから僕は、いまのこのままで充分です。
あなたが、ネイサンについてそう仰るのも…同じ理由からかな?
おとぎ話が作り上げられる過程で、誇張されることもままありますけれど
正しく理解されずに、大事なところを欠いてしまう事だってあるのですからね…勿体ない事です。

934 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/02/20(水) 02:51:58
>>810
>あなたの目の前に、宝箱が一つおいてあります。中身はなんだと思いますか?

さあ…何でしょう。けれど皆さんがお答えするのを聞いていて、
懐かしい事を憶い出しました。
僕がまだ、医者になる為の勉強をしていた頃…ええ、シュヴァリエになる少し前、
ディーヴァがお目覚めになる少し前です。

アンシェル兄さんはその頃、暇さえあれば地下室へ降りて
何か書き物をしておいでのようでした。僕はまだ知らなかった、そこに何があるのか…
僕はそこで兄さんが、眠る時間を削って何をしているのか気になって
彼の後から、こっそりそこへ行った事があります。

扉の前に近づくと…中から、歌が聞こえました。
厳かな、低い声で歌う…子守歌です。あなた、『ジョスラン』をご存知ですか?
僕がまだほんの子供の頃にパリで初めて演じられて、大成功をおさめたオペラです。
主人公のジョスランは、逆風から子供を護って子守歌を歌うのです


♪むごきさだめ、身にあもりて
 なれと眠る、のろわれの夜
 胸のうれい、夢にわすれん 夢のまきまきに

 あこがれよ、みそらへ―――


アンシェル兄さんは、そこで歌うのをやめておしまいでした。
そこに彼が子守歌を歌って聞かせるような、何があるのか―――僕が知ったのは、
それから何年か経ってからでした。そこにあったのは紛れもない、彼の宝物でした
美しくて穢れのない…世界の、宝物でした。

彼女がお目覚めになって、僕は彼女が
ジョスランの子守歌を口ずさむのを耳にしました。彼女は憶えておいでだったのですね、


♪胸のうれい、夢にわすれん 夢のまきまきに
 あこがれよ、みそらへ―――


彼女はそこで歌うのをやめて、傍においでの兄さんの袖を引っ張って仰いました
ねえ、アンシェル、この続きがどうしてもわからないの。
僕は…その時兄さんが浮かべた表情を、いまでも憶えています。
まるで懺悔するような、苦い―――僕が見ていることに気付くと、すぐに彼女に微笑んで
貴女がお望みならば教えて差し上げましょうと仰いましたけれど。


アンシェル兄さんが…先ほど>>876、愛というものが何であるか、ご存知の事は
幾らもない、というような意味の事を仰いましたね。


……格子の内側に閉じ込められたひばりは、歌わないものです。

夢のうちにしか、胸の憂いを忘れて、憧れ続ける空を飛ぶ事がかなわずに
喉を震わせる事もできないほどの悲しみに、胸を潰されるからです。では

彼女はどうして歌えるのでしょう?
格子の番をした彼が教えた歌を、どうして歌う事ができるのでしょう?

それは…知っておいでだったからではないでしょうか
何を?それはどんな形であれ、彼の

…いいえ、もう言わないでおきましょう
僕の目の前にあの夜置いてあった箱は、僕の手では開けることが出来ない
まして足を踏み入れることなど決して出来ない…宝物の、箱なんですから。


935 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/02/21(木) 22:11:48
 酷き運命 身に天降りて
 汝と眠る 呪われの夜………か。

B,Godard作曲の歌劇『ジョスラン』の子守唄の二番は以下のように続く。



…我が来し方  顧みれば
 ながれ揺蕩う 波にも似たり
 哀れ幾日   祈りに泣きぬ 夢の巻々に
 
 あこがれよ み空へ―――…


………。

あの澄んだ青い瞳で、こちらをまっすぐに見つめられ………。
そのうえあどけない唇で口ずさまれては―――なんとも敵わない。それは断罪の歌曲だ。
かすかに呟かれた無垢なる言葉が、こちらの秘めた醜い物想いを…容赦なく
鞭打つこともある。


暗く重苦しい石造りの塔へと差し込む、窓からのあかるい陽光。
壁をつたう薔薇の茎を折り取る、ほそく優しいその指先。
…それは窓の外に広がるあの空へ向かって、そっと放たれる為の青薔薇だ。
瓶に籠められ、暗い大海原に投じられる――漂流者の哀しい祈りの手紙にも似ている。

ディーヴァという名は無論、この私がつけた名前ではない。
私は彼女に名を与えなかった。他ならぬ彼女自身がディーヴァと呼ばれる事を望んだのだ。
名付け主は―――おそらく囚われの彼女を解放した者。私がその事に深く感謝し……
同時に「あれは間違いだった」と激しく憎んだ、あの運命の扉をひらいた相手なのだろう。

彼女が私に、はじめてその名を名乗ったのは、いつの事だったろう?
動物園を共に後にした日々のなかであったのか。―――…それとも。
……遠い日々の記憶は、すでに大半が時間のなかに埋もれてしまっている。

身の回りの世話を終え―――部屋を後にしようするこの私の靴を、ふと止めた
ある呟きを耳にしたのは…はたしていつの事だったか。私が振り向いたそのとき、
彼女は夢みるように窓の外へと、薔薇持つその手を伸ばしていたのではなかっただろうか。



「わたし……ディー、ヴァ?」「…あなたは…―――だれ?」


………。


彼女の唇がかすかにほころび、続いて何事かちいさく動くのを……当時の私は
ついに気づく事なくこの目にしたのではなかったか。聞き流したままに塔を後に
していたのではなかったか。今ならば解るその呟き。彼女は微笑と共に、ひとり愛しげに
こう呟いていたのだろう。彼女の心につかの間、あたたかい灯を投じた相手のその名―――。

 「サ」「ヤ」…と。


いつの事だっただろうか?運命の扉がはじめて軋みを響かせた…おそるべき予兆の日。
長く待ちわびた囚われの彼女への、あかるい祝福に満ちた―――呪わしいあの運命の日は。

936 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/02/21(木) 22:16:27
>>929
>たまにはみんなでお弁当持って出かけない?



―――喜んで。

しかしこの動物園の敷地は広い。元来が、世界各地の珍しい動物をひとつ処に
集める為に、あのジョエル・ゴルトシュミットによって整えられた施設だからだ。
敷地内にはむろん森もあり、小川もあれば崖もある。
またふいに足元が崩れ出し、地下へと滑り落ちる脆い地盤もあるのだから
君たちはよくよく注意したまえ。人間は傷つけば血を流す―――…。

弁当に関しては、いずれ駆けつけた弟たちやミズ・ジュリア・シルバースタインらが
追々に持ちよる事だろう。とくにグレゴリーのロシア料理には期待が寄せられるところだ。
では、あくまで場をつなぐ前菜として―――私からはそこに用意させた折詰を提供しよう。

「人間の演技」以外に、こうした食事を摂る習慣を持ちあわせないのでね。
だからこの料理は申し訳ないが私の手製ではない。懇意の料理店の職人に用意させたものだ。
この私が白衣を身につけ、厨房に入りなどすれば……また何の実験をはじめたのかと
弟たちがふるえあがる事だろう。当の私も一服盛らずにいられるかどうか、我が事ながら
少々自信がない。既製の品で味気ないだろうが、どうかご容赦いただきたいものだ。

そう…折詰の中身の話だった。このとおり、小夜の好物の卵料理だ。
散策するあいだは君が持っていたまえ。空腹になれば勝手に食べてくれて構わない。
この季節ならば敷地内で、北欧から越冬する為に渡ってきた白鳥の群れを
観察する事ができるだろう。
そちらに気を取られて、茹で卵のイクラをその唇から逃さんようにな。
なんにせよ行楽に弁当は必要だ。君には折詰を。―――そして私には君自身を。

………。

…ふふ。「半分は」冗談だ。そうも怯える必要はない。
では君の代わりに、この私はシャトー・デュエルを持参する事にしよう。

937 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/02/21(木) 22:20:51
>>930
>バレンタインのシーズンは、チョコ菓子のアイデアレシピが解禁になるので楽しくて…
>つまり、前回は「お一つどうぞ。」と書くべきでした。
>兄弟のみなさんと気軽に食べていただければ嬉しいです。


―――まさに『なんとも律儀な方』ですな。こちらこそ失礼したようだ。
料理が得意なお方とお見受けいたしました。では、我々の為にわざわざご用意
くださったのですな?フランスの王宮に隣接した王の菜園( Le Potager du Roi)
にて栽培された洋ナシと、ショコラで作られた王家伝来のジャムが存在いたしますが…。
その風味をどこか思い起こさせる味でしたな。得がたい美味の提供に感謝いたします。

だから無論ソロモンの申し上げるとおり、その首飾りはそのままお持ちください。
貴女の労作に対する、これは正当な代価なのですからな。しかし…もしこの場に小夜が
いたならば、おそらく「お一つどうぞ」は彼女にとって酷な言葉であったことでしょう。

まずは空腹に頬を染め―――…。
戴いたジャムをくまなく塗るのも待ち切れずに、次々と塗る端からバケットを頬張り…
その美味に瞳をかがやかせ、しばし会話する事も忘れ、赤子のように夢中で食べ続け……
すべて飲み込んだ後で、初めて気づいたように

「そっか…ひとつしかダメなんだ……そうだよね。みんなの分…なくなっちゃうよね…うぅっ…」


と、まるで胡桃をふいに取りあげられたリスのように、涙目でいつまでも
このジャムの小瓶を眺めている事だったでしょう。そしてその場合は、後ほどハジが
貴女の元へ、ジャムの追加をお願いするか―――その製造法を習う為に、ご自宅を訪問し
玄関扉の向こうで、無言で頭を下げ続けていたのかもしれませんな。

938 名前:名無し客:2008/02/22(金) 00:55:22
高いところと低いところではどっちが好き?

939 名前:名無し客:2008/02/22(金) 03:48:34
>>937
>小夜嬢がこの場にいたらry
完全に失念していた…!
ココアと抹茶のマーブル食パンを作っていて良かった…。(現在冷蔵庫にて一次発酵中)
コーヒー無しでも眠気が吹っ飛びます。
なんせカテキン入りですから。
…翼手の影響を受けた人達にもカフェイン等は作用するでしょうか?

940 名前:名無し客:2008/02/22(金) 16:30:49
にゃおーん

941 名前:名無し客:2008/02/25(月) 21:28:16
ねーもんもん。どうしてここはどうぶつえんなのに
きりんさんやぞうさんやくまさんがいないの?
*・゜゜・*:.。.(*´▽`)パァァ.。.:*・゜゜・*:

942 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/02/27(水) 03:44:20
やあ、こんばんは!申し訳ない、またくるのが遅れてしまった!
急いでお客人にご挨拶にまわるよ。

>>921
>夕日に向かってなにか叫んでみて

誰もいない崖の上で、沈み行く太陽に向かって、
誰にも聞かせられないようなことを叫ぶんだね。
――いいだろう。これまで言えずに胸の奥にわだかまっていたことを解き放とう。

―――では。


ファーストシュヴァリエはぁ―っ、翼手としておかしいぞぉーっ。


君はそう思わないかい?
だって彼らの翼手としての姿を思い出してごらんよ。
まずアンシェルだが、あれはどこから見ても中年体形のドラゴンだ。
竜にふさわしい恐竜みたいな立派な尻尾はなかったが。
どう言い訳しようと、あれはコウモリじゃない。

ハジもそうだ。
あの手袋風味としか言えない翼手形はなんなんだい?
全て出し切ってあれだけなのか。奇妙だろう?
出し惜しみしないで、せめて足も手とお揃いにして、
足袋みたいな翼手形にした方がいいと思うんだよ!
それでも中途半端だが。

そしてなにより二人の翼だ。
翼手というのはね、手から飛膜が伸びているから翼手というんだ。
なのにアンシェルもハジも背中から翼が生えているじゃないか!
それじゃ翼”手”じゃないだろう!
ファーストシュヴァリエと言いながら、彼らは基本がなってないよ。けしからん!



943 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/02/27(水) 03:45:00
>>922
>しっかりビデオカメラに収めたよw
>これをアンシェル達に見せればいいわけだね?

……へえ、細部まで綺麗に写りこんでいるな。
922さん、腕がいいね、カメラマン志望かい?……じゃなくて!
撮影するのは僕の兄弟達のマヌケ面であってだね、
舌をかんだ挙句、咳き込んだ僕じゃないんだよ!

しかし考えてみれば、僕の兄弟は口下手ばかりだな。
日頃は口(と悪知恵)がまわるのに、肝心なところで上手い決め台詞を
吐くことができないんだ。
本人は上手く言ったつもりでたいていハズしているんだけどね。
ほら、思い出してごらん。そういう場面が色々あるだろう?

たとえば長兄の「しゅばらしい!」
アンシェルには致命的に駄洒落のセンスがない。それがよくわかるひとことだ。
何も聞かなかったフリでやり過ごした皆に同情するよ。
もっともディーヴァにくだらない駄洒落を教えなかったことは評価できる。
おかげで彼女の言葉遣いの可愛らしいことといったら!

お次は次兄が小夜に言った「私とここで暮らさない?」
(しかも小夜のベッドにもぐりこんでだ!)
次兄の気持ちは痛いほどわかるが、だからといって初対面で言うには唐突すぎる。
ある程度、知り合って打ち解けてからでないと、承諾してくれるわけがないだろう?

次兄は御伽噺に出てくるような「今日から一緒に暮らしましょ」「そうしましょ」という
素朴なやりとりが、一般社会でも通用すると思っていたのだろうか。
次兄自身が御伽噺の登場人物のようなところがあるから、それも無理はないか。
時々、赤い頭巾もかぶっているし。

しかし「私、さみしいの」と上目遣いで小夜の同情を引き、すかさず食事の
用意をして小夜の胃袋を満足させ、歓心を得ようとした次兄はなかなか見事だと思う。
タイミングこそ悪かったが、少なくとも「世界中の美しい景色をあなたに見せてあげたい」と
言ったソロモンよりは小夜に対して的確だったろう。

僕は思うが、あの時、ソロモンは甘い言葉を並べる前に、テーブルの上に
ご馳走を並べておくべきだったんだよ。
その方が小夜を懐柔できたんじゃないかな。詰めが甘いよね。
それほどまでに欲しいと思った相手は初めてだったせいだろうか。
普段は癪にさわるほど空気を察するのが上手くて、要領がいい奴なのにね。

――僕?
僕はいつも小夜に印象的な名言ばかり言っていたはずだよ。
ただし名前は名乗り忘れたけどね!




944 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/02/27(水) 03:45:49
>>923>>930
>つ『ショコラジャム』
>兄弟のみなさんと気軽に食べていただければ嬉しいです。

やあ、ショコラジャムだね。ビスケットにのせていただくよ。
苺も入って甘さとすっぱさがちょうどいい具合だ。
他の連中やお客人にもさぞかし好評だったろうね。

アンシェルとソロモンも食べたのか。
二人とも珍しそうな顔して口にしてたって?

――なるほどね。
奴らもチョコレートは食べたことがあるだろうが、あの二人は
悪業の末に高い社会的地位を勝ち取って、日頃の行いも悪いからね。
贈り物をもらうのは賄賂かごますりときまっているんだよ。
裏表ない相手から手作りのお菓子をもらうなんて、その首飾りの
ダイヤよりも稀少な体験だったんじゃないかな。

君もお菓子のお返しに宝石をもらってさぞかし戸惑っているだろうが、
あの通りの常識知らずな連中なので目をつぶってやっておくれ。



>>929
>たまにはみんなでお弁当持って出かけない?

お弁当!
いい響きだ。晴れた日に皆で出かけ、景色のよい場所でランチパックを広げる――。
なかなか楽しそうじゃないか。

では考えるべきは君達お客人のランチだ。
だがそちらはロシア料理が得意な次兄と、サンドイッチが得意な
シルヴァスタイン女史が腕を振るいそうだ。僕が出る幕はなさそうだな。

前菜はアンシェルが用意したって?>>936
奴が作ったというなら心配だが、既成の品なら君達も翼手の姿で帰ることにはならないだろう。
味気なくてすまないとアンシェルは言っているようだが、
奴の場合はむしろ余計な味など入れてくれない方が君達のためだ。

とするとデザートはソロモンが用意するだろうか?
あいつのことだから抜かりなく手配するだろうな。
きっと心憎いばかりの菓子や果物を用意するだろう。これは僕も負けてはいられないぞ。
ディーヴァのシュヴァリエ、そして小夜の花婿としてピクニックにおいても
有能なところを皆さんにお目にかけねば!

よし、それでは僕はフレッシュな飲み物を用意しよう!
現地で作る、搾りたての新鮮なフルーツジュース、そして絞りたての新鮮なミルクを!
材料の果物は後で持っていくとして、まずは牛乳の用意が先だ。

おーい、ソロモン、牛を運ぶのを手伝え!



945 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/02/27(水) 03:46:20
>>938
>高いところと低いところではどっちが好き?

高いところが好きだよ。
小夜に会う時はできるだけ高いところに陣取っていたくらいだ。
バルコニーの上で「再演しようじゃないか、我々のベトナム戦争を!」と
両腕を広げて小夜を出迎えたりしてね。

去り際に民家の屋根の上に飛び乗って「今宵はこれにて。ではしばしの別れを」と
言った事もある。

リセに理事長としていた頃は、夜更けに鐘楼の上で物思いにふけりもしたよ。
大方はディーヴァや小夜のことだったけどね。
僕の姿を遠目に見た女生徒達が、伝説のファントムが姿を現したのだと言い合ったものだ。
ハジが庭師として入ったときは、なぜか彼がファントムだという噂が流れ、
「彼がファントムなら永遠の愛なんていくらでも誓っちゃう!」などと
女生徒に言われて、隠し撮りで写真まで撮られていたようだけどね。

元祖ファントムたる僕を差し置いてけしからん!……じゃなくて、
写真をたやすく撮られるなんて、ハジはシュヴァリエの自覚が少々足りないと
思わないかい?



>>939
>…翼手の影響を受けた人達にもカフェイン等は作用するでしょうか?

酒に酔うことはあるのだが、カフェインやカテキンのせいで眠気が
吹っ飛ぶことはないだろうね。なぜなら――シュヴァリエには眠りはないのだから。

だが逆を言えば、夜更けにコーヒーや茶を飲んで寝付けなくなる心配はないわけだ。
だから君のココアと抹茶のマーブル食パンが夜食に出ることがあっても、
僕は睡眠不足を気にせずご相伴に預かれるよ。
小夜の分を僕が食べてしまうわけにはいかないから、あくまで味見程度だけど。

小夜が帰ってきてマーブル食パンをみたら、きっと大喜びするだろう。
しかし君は大変だよ。だって僕の小夜の魅力の一つは食欲旺盛であることなんだ。
心ゆくまで食べさせたいのなら、一斤ですむわけがないからね。
オーブンをフル稼働させて何本も焼かなくてはならないだろう。
もちろん僕も手伝うよ。僕の小夜のためだし、何より君の気持ちが嬉しいしね。

ところでさっきから少し眠そうだね。
眠気を吹っ飛ばすためにカフェインかカテキンでもどうだい?
つまり、僕が淹れたコーヒーか緑茶を。



946 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/02/27(水) 03:46:52
>>940
>にゃおーん

――ね、ねこ!?子猫だ!庭の隅で小さい子猫がふるえて鳴いている。

どこから入ってきたんだろう?
お客人の誰かが連れてきたのだろうか。
なんにしろ、この寒空の下を放ってはおけない。
なんとかして屋敷の中に連れて行かないと。
ほら、おいでおいで。暖かいところに連れて行ってあげるよ。

ああっ、近づいてくるどころか、全身の毛をびりびりと逆立てて警戒してる。
残念ながら僕達翼手は動物に嫌われるからな。
しかし困った。うかつに近づいたら逃げていってしまいそうだ。
高速移動して掴まえることはできるが、こんな小さな猫では
高速移動の衝撃に耐えられないだろう。
どうにかして子猫に、僕に敵意がないことを理解してもらわなくては。

こういうときは子供に大人気のアレしかないだろう。子猫にもきっと受けるはず。
マスクをつけマントをひるがえし、今、ここにファントム参上!
さあおいで、子猫ちゃん、僕と踊ろう!レッツダンス!

…………あ。子猫が「フーッ」と威嚇した。



>>941
>きりんさんやぞうさんやくまさんがいないの?

たしかに動物園と呼ばれているのに、それらしい動物は皆無だね。
もっともよそではめったにお目にかかれない動物が、君の目の前にもいるのだけどね。
檻に入っていないだけで。

でも君はきりんやぞうやくまが見たいのかな。
昔はここにもさまざまな動物がいたらしいよ。きりんさんもいたかな。
詳しいことはソロモンに聞くといい。
あいつは以前、小夜に動物園の説明をしたらしいから、君にも教えてくれるだろう。

ところでこの新聞に載っている写真の人物だが、少し君に似ていないかい?
わずか12歳で皇位についたこの―――。いや、すまない。僕の気のせいだね。
きりんさんの話に戻ろう。

きりんさんやぞうさんはいないが、くまさんは森にいるかもしれないな。
うさぎさんや鹿さんは確実にいるはずだよ。なぜなら時々次兄が……ゴニョゴニョ。
いやいやいや!本物はいないけど、ぬいぐるみでよければ可愛いのを持ってこよう。
僕はディーヴァのために人形を買いにいくから、ぬいぐるみにも多少は目が利くんだよ。



今夜はここまでにしておこう。
それでは人間の皆さん、おやすみなさい。



947 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/02/27(水) 22:19:29
>>938
>高いところと低いところではどっちが好き?


―――この私にとってはどちらも同じだ。とりたてて片方を好むという事はない。
城の地下へ歩を進めることもあれば、塔の上へと足を運ぶこともある。

第一、たとえ高層ビルの最上階から地上に叩きつけたとしても…
そんな事では死なんよ。私もハジも。弟たちもだ。だから高所に対する恐怖もないのだ。
また、輸送機などを用いて、さらなる高みから突き落したとしても……。
………。
………。

…失礼。ご来客の皆様がたはともかく…約一名、世間の常識が十九世紀のままで
停止してしまっている弟が存在する事を、つい失念していたようだ。
先日も書庫にて、グレゴリーがディーヴァのカルテを閲覧していたのだがね。(>>928
あのちいさな少女の姿のまま書類を積み上げ、本の山に埋もれつつ、ひどく生真面目な
表情でカルテに見入っていたものだから、私もついそのままにしてしまったのだが……。

ミズ・シルバースタインが使用している所を、おそらく君も目にした事があるはずだが…。
カルテは無論、すべてデータとして情報端末に入力してあるのだよ、君。

ところがあの呑気な弟は、事もあろうにそのキーボードを腰の下に敷いて、ほぼ半日、
書類の山に顔をうずめておったのだ。端末を起動させさえすれば、子を宿したディーヴァの
情報を呼び出すのに訳はなかったのだが…。
………。
……前世紀に生を受けた者へ一から説明する苦労を考えて、つい声を掛け損ねてしまった。
画面を変えるたび『いまの頁は一体どこへ?』などと端末の裏を覗きこまれてはたまらない。
『輸送機』や『高層ビル』などという比喩をでさえ

「また…長兄は私を言葉巧みに騙そうとしておられる。鉄の塊が空を飛ぶはずもなく、
 天まで届くようなバベルの塔は、いずれ神の怒りの雷に焼かれる事くらい
 この私でもよく存じておりますよ」

などと大威張りで胸を張りかねない。二十世紀の文明の躍進を、あれはその目に
していないのだから、まあ…やむを得ん話ではあるのだがね。

………む…。


…しまった。
話の流れで、つい嫌な記憶を呼び覚ましてしまった。バベルの塔の話ではないが……
悪天候の際にかぎって、やはり私は高所は好かん。とくに雷の日の鉄塔は避けたい。

それから…あれは何と言ったか…若者がよく、山や海辺の行楽地などで調理する、
串に刺し火で炙る肉料理―――あれも好かんな。焼かれる肉の方は複雑な気分だろう。

948 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/02/27(水) 22:21:15
>>939
>コーヒー無しでも眠気が吹っ飛びます。なんせカテキン入りですから。
>…翼手の影響を受けた人達にもカフェイン等は作用するでしょうか?


―――翼手に変じた者が、人間用の食物を必要とする事例はほとんど見られない。
活動を中止し―――まるで眠っているかのように身動きひとつしない翼手であっても、

…たとえば長年コンクリートに固められ、地下ふかく監禁されていた状態だとしても……
ひとたび血のにおい、血潮のひとしずくを与えれば、その個体は即座に活動を再開するだろう。
その状態を指して『まるで眠気が吹っ飛んだような』…とは言えるのかもしれんがね。

とおい昔…この私が翼手という、まったく未知の生物をはじめて目にしたときも同じだった。
SAYAと名付けられたミイラの胎内から取りあげられた、あの二つの繭もその外皮は乾燥し、
堅く閉ざされ……ナイフの切先の侵入すらも拒んでいたのだ。

しかしその刃がこの私の指先を傷つけ、数滴の血液がその繭にかかった瞬間―――…。
眠れる彼女たちは脈動を始めた。あたかも生命の息吹を、いま吹き込まれたかの如くに。
翼手にとっては血液こそが、人間における珈琲のような特効剤と言えるのかもしれんな。


…生き物は、生きる為に必要だからこそ食べてゆく………。
それは生物である翼手も同じ事。生きる為に必要だからこそ、人の生き血を『食べる』…
………。
…おや。だが慌てることはない。君がいま準備しているパンの材料…それは小夜には
是非とも必要なのだろうが―――翼手の女王とは、あれでなかなかに寝起きが悪いものだ。
今のうちにゆっくり調理を進めたまえ。手を滑らせて火傷など作らんようにな。

949 名前:名無し客:2008/02/28(木) 21:54:27
春と聞いて何を連想しますか

950 名前:名無し客:2008/03/01(土) 02:07:54
人間の愚かさについて

951 名前:名無し客:2008/03/01(土) 13:41:55
人に感動を与える仕事について
倫理や使命について

952 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/03/03(月) 22:10:53
>>940
>にゃおーん


―――ふむ。翼手に満ちたこの地の庭先に、子猫が寄りつくとは…。
珍しいこともあるものだ。本来、獣は生物的強者である我ら翼手を避けるもの。
その本能が充分に働かぬほどに幼いためか、それとも何か他に要因があるのか…。
……じつに興味ぶかい。いまこの場に、その問いを試す為のさまざまな道具を
持ち合わせておらん事が…何とも残念だよ。



ところで>>946でこの猫は、あのにぎやかで騒がしい弟に対し、ひどく警戒した
様子を見せたようだが…。

見たまえ。
おなじシュヴァリエたる私の前で…この子猫はひどくおとなしいではないか。
やはり温和で争い事を好まない、この私の気質をよく呑み込んでいるのだろう。

この猫は、ただ私が現れた瞬間、驚いたように数歩あとずさったのみで―――…。
あとは壁にその背を強く押しつけたまま、凍りついたように身動きひとつしようとはしない。
その体毛を逆立てて威嚇するどころか、大きな瞳で射すくめられたようにこの私を
見上げ……ただじっと、小刻みにふるえているばかりだ。



野生の獣とは―――生きるために、対峙した相手を瞬時に見抜くものだ。
この私の成熟した知性、挙措の典雅さ。荒事を好まない気性の穏やかさは、すでに
誰の目にも明らかであるから、そうした気配がこの小動物にもおのずと伝わるのだろう。
その証拠に、私がこうして親愛の情を込め、この手を差し伸べてみたとしても………。

………。
………。

…おや。
咬みつくどころか、相変わらず身動きひとつしようとはしないが…。
……ふむ。来客の誰かによって、事前にミルクか何かを与えられていたものと見える。

私の指が、喉の下をかるく撫でた瞬間―――…
まるで堰を切ったように、その後足と地面を濡らしてしまったようだ。

幼すぎる為に、排泄の躾すらされてはおらんのだな。
詫びるように耳を垂れ、体を縮め…ただちいさく、がくがくとふるえつづけている。
何をそれほどまでに恐れているのかは知らんが……なんとも律儀な猫だ。

953 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/03/03(月) 22:11:51
>>941
>ねーもんもん。どうしてここはどうぶつえんなのに
>きりんさんやぞうさんやくまさんがいないの?


―――成程、もっともな質問だ。
初代のジョエル・ゴルトシュミットが世界中の動物を集めさせたこの動物園だが…。
さすがに象やキリンまでは収集した覚えがないな。さて……ふるい話なので私も覚えがない。
それが輸送の問題であったものか…それとも大規模な温室が建造できない為であったか…。
熱帯の野鳥ならば、せいぜい屋敷程度の規模の『温室』で済むのだがね。
キリンの生態をあるがままに観察するのならば、広さだけでなく高さも必要だろうからな。

…しかし実際に象にリンゴを遣ろうとして鼻に巻かれたり、キリンの首を洗う為、
その背に怖々よじのぼるような世話の苦労は、個人的にぜひとも遠慮したいものだ。
いくら私がジョエルの助手とはいえ、そうした研究に直接かかわらない雑用は、あの子供の頃の
ハジに遣らせるのが適当だろう。子供は好奇心が旺盛なものだから、おそらく当時の
ハジや、あのリク・宮城ならば瞳をかがやかせてその仕事をこなした事だろうな。

………ふむ。この地に象のいない理由か。
弟のソロモンには、かつてこの動物園の由来を語った事がある。
ソロモンは記憶力が優れている―――私が忘れても、おそらく彼が憶えている事だろう。
ちいさな君は…暖炉の前でお伽噺を待つように、彼の昔語りを楽しみにするのだな。
ところでソロモンがまだ人間のだった頃、君より幼かった頃の話だが―――…。


ゴールドスミスの一族が一堂に会した、ある日の事なのだがね。
グレゴリーがその手腕をふるうロシア帝国が、その最後の栄華を極め……。
欧州全体が、やがて訪れる大規模な戦争に向けて足早に歩を進みはじめた頃のことだ。

ボルドーの血の日曜日以来、機に乗じてゴールドスミスを名乗っているこの私の出自を
一族のなかで内心疑った者は……当時さぞ多かっただろうとは思うのだがね。
しかし落ちぶれたままで貴族の純血を守るより、旭日の勢いのある商人を『親類』に
持っていた方が何かと都合がよいものだ。
…その意味ではソロモンの両親とも、私はじつに良好な『親類関係』を築いたものだよ。


……ただソロモン本人は、あまりそうした親の影響を受けている様子はなかった。
年頃の少年が好む軍人の胸の勲章にも、いっさい興味をみせようとはせず―――。
ただしずかに私の書庫の、進化に関する蔵書を、好んで紐解いていたようだった。
文字はまだ読めずとも…君の言う象や熊のような、めずらしい挿絵があったからだろう。
一族のだれかが連れて来た飼い犬を相手に、見よう見まねで包帯を巻き、遊んでいたりも
していたようだ。リク・宮城に限らず…子供とはみな好奇心旺盛で、動物を好むものらしい。

954 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/03/03(月) 22:12:48
>>949
>春と聞いて何を連想しますか


―――わが世の春、という言葉がある。
おのれの望みがすべて叶えられ…順境のなかで、その栄光を噛みしめる状態の事だ。
その際にどう振る舞うかによって、その人間の持つ器の大きさというものがよく解るものだ。
自然体に近いほど器が大きく、有頂天に浮かれる者ほど器が小さいのは最早言うまでもない。


ただ…王として育てられた者は望みが叶う事に対し、総じて庶民よりも喜びが薄いことは確かだ。
王の望みはたやすく叶えられる。あれが欲しいと一言口にすれば即座に取り寄せられ、
やはり違うものが良いと顔を背ければ、即座に御前から取り下げられる。

万人がうらやむその環境のなかで―――…。
王の心にいつしか巣食うのは、自身の孤独とおそるべき退屈だ。
これは振り払おうとして振り払えるものではない。なにしろ王と肩を並べる者は、
この世界に存在しないのだからな。

そして数々の王は、わずかな心の気晴らしを見出すために、恐るべき残虐な『あそび』を
歴史の表にきざんでゆく………古来ローマ帝国に君臨し、数限りない処刑を繰り返した
暴君ネロの心にも、おそらくその退屈と孤独は、心中ふかく根を下ろしていたのだろう。


だからこそ…。たかが一企業のCEO就任程度で、好物の飴を山と積みあげ、
満面の笑みでうれしげに祝杯を挙げる、器のひどくちいさな庶民は………。
ある面で判断するなら…実にしあわせな男だ、と言えるのかもしれんな。

955 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/03/05(水) 01:27:33
>>950
>人間の愚かさについて


―――戦場で流れるものが何か、君は知っているかね?
血と汗と涙…そして金だ。大なり小なり人間は愚かしい戦争を今もなお続けている。
すべてはそこに流れるものの為にだ。私はその人間たちに寄り添い、
彼らの求める物を提供してきたにすぎんよ。

しかしとりわけ人間が愚かしいと言える部分は……。
この私がディーヴァを社交界にお連れする時の事なのだがね。
愚にもつかない宴ではあるが…きたるべきデルタ計画の成就に向け、政財界の首脳どもと
一時的に顔をつないでおく必要があるから無下にも断れん。おそらくはソロモンだけでなく、
かつてはあのハジもあるじたる小夜に従い、情報収集を目的として、そうした社交の場に
顔を出した経験があるはずだ。



…ソロモンやハジはまだ良いのだ。
十五、六歳の外見をもつ翼手の女王に、従者としてひざまずき…どれほどうやうやしく
接しようともな。せいぜい宴席に集った淑女の瞳を、羨望にうるませる光景にしかならんだろう。
しかしこの私がディーヴァに対し、社交界にて常日頃の行動をとった場合―――…。
…そのとき談話室にて、間違いなくひそやかにこうした囁きが交わされる事になるのだ。


「ゴールドスミス・ホールディングス総帥が、年端もゆかぬ少女に血道をあげ……」
  「娘の方も、あの古狸を『アンシェル』とひどく親しげ、かつ横柄に…。」
  「老境に差しかかり、あるいは最後の老いらくの恋に狂った揚句―――」
  「しかもまるであの男が従者のような…。大企業の長も、私生活では被虐趣味の気が……?」




………。


…人間の噂話とは実に愚かしく、そして何よりきりがないものだ。
年端もゆかぬ子供になんたる悪行を!…と私の素行の歪みぶりを激しく糾弾されるのならば、
いかにも仰せのとおりと認めもするがね。D−67やキルベドの件もある事だからな。

しかし興味本位で私生活をあれこれ詮索されてはたまらない。
やむを得んのでディーヴァには人間の前でのみ、父娘の芝居をお願いしておいたものだった。
…とはいえ「アンシェル!」を「お父様!」に変えていただいただけに過ぎんのだが。
しかしそれだけで周囲の人間の視線が変わる。あとは多くを語らずとも宴席で適当に

『彼女は私の宝だ。私の最も大切なもの……生きている証のようなものだ』

とさえ語っておけば、噂の方で「妻に早く死に別れ、のこされた娘を掌中の珠のように
甘やかしている父の美談」として、勝手に尾ひれをつけてくれる。便利なものだ。
だがこのアンシェル・ゴールドスミスをそうした心あたたまる逸話の持ち主と思われるのは……。
正直、考えるだけで肌が粟立つ思いではあるのだがね。……小賢しいことを。

956 名前:名無し客:2008/03/05(水) 01:50:06
未知の世界に入ると、興奮するタイプですか?
遠足で知らない所に来てハイになる園児のように。

957 名前:名無し客:2008/03/05(水) 01:52:36
「難儀なことだ」と思うことについて

958 名前:リーザ(アンシェル) ◆AmsheL3ZR6 :2008/03/06(木) 00:34:15
>>951
>人に感動を与える仕事について 倫理や使命について



―――ひとに感動を与える……。
うっとりするくらい美しい職務だわ。ただ一点を除いては、ね。
『感動を与える』…たしかにそれがその仕事の、究極の目的なのかもしれない。
でもその仕事はあなたがた全員に、心からの感動をもたらしていると言えるのかしら?

何に感銘を受けるかだなんて、本当は人それぞれにみんな違う。
おなじ行為・おなじ振る舞いに感極まって泣くひともいれば、不愉快そうにそっと
顔を背けるひともいる。倫理や使命についてだって同じこと。立場や価値観が変われば
道徳上の禁忌や、護らなければならないもの。それら全てもまたおおきく変わってしまう……。
たとえば…人間のあなたと翼手の私。私はあなたにまでシュヴァリエとしてのさだめを
当てはめるつもりはないわ。


こう考えたことはない?「感動を与える仕事」とはいったい何なのか…。
作家?役者?報道カメラマン?それとも…医師などの医療関係者かしらね。
彼らは何のためにその仕事に就いたのだろう?だれかに感動を与えたくて、その職務を
選んだのだろうか―――って。その意味を考えたことはないかしら?


でも価値観なんて人間の数だけ存在するのだから、感動や倫理や使命だってまた同じ。
内心どう感じるかわからない誰かに「与えたくて。」
…つまりはじめから他者の為にその仕事を選ぶほど馬鹿げた行為はないわ。
何より自分が楽しい、自分が感動を覚えるからこそ、その仕事に就く―――…。
それこそが真実なのではなくって?
もちろん自分の仕事が結果的に他人の心まで動かしたのなら、それは幸福な結末と
言うべきなのでしょうけれども。


倫理や使命が立場によって変わる事に、例をあげましょうか?
たとえば報道関係者の「知る権利」と「真実とやらを報道することへの使命感」がそう。
赤い盾側にもそうした男が一人いたようね。私は実際に会った事はないけれど。
……過去に暴き立てた記事で、彼はいったい何人の人間を犠牲にしてきたのかしら?


―――でも岡村は憎めない、いい奴なんだけど…ですって?

…そう。
岡村…というのね。その男は。
そうね、あなたにとって彼は憎めない男なのかもしれない。でも私にとっては違うわ。
彼……シュヴァリエであるかどうか、私の素性を確認する為にかつてこう言い放ったそうね?


「 毛 で も 抜いてくるとか。」


……毛でも、だなんて!そのうえ抜いてくる、だなんて!!
そんな人でなしの男が、その仕事で他人に感動を与えてたりなんてしたら…とんだお笑い草だわ。

959 名前:名無し客:2008/03/06(木) 06:30:37
毛?
グレゴリーとカールはともかく、ソロモン…は毛が短いから無理だね。
いやいやそうではなくて、グレゴリーとカールの髪を少し貰って、
カツラでもどうです?旦・那!
ああ、カールの黒髪は旦那の、グレゴリーの金髪はソロモンCEO用の
でもソロモンCEOの場合はちょっとクルクル巻き毛にしないとダメですねー。
グレゴリーとカール、レッツ・トライしてみては?(コソ

960 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/03/06(木) 21:19:58
>>956
>未知の世界に入ると、興奮するタイプですか?
>遠足で知らない所に来てハイになる園児のように。


―――無論だ。私は今でも憶えている。
翼手というまったく未知の生物を、はじめて目にした時の喜びを。
…もうずいぶんと昔の話だがね。

君の言う…年端もいかぬ子供はみな、好奇心にあふれているものだ。
どこかに遠出する際などには、前日の晩から頭はすでにその件で一杯になっている。
夜が明けたとき―――おのれを待ち受ける、どのような運命の扉がひらくのか。
自分は果たしてどこへ行くのか。そのときなにが起こるのか。
そうした数々の問いを冴えた瞳のまま、夜具の中でいつまでも考えているのだろう。


それは私も同じだ。みずからがディーヴァの血を分けられ、近しい者となった時から
求めるものは増えてゆく…。私は知りたいのだ、ディーヴァのすべてを。
彼女が何であるのか。
翼手とはいったい何の為に存在しているのか。
我々は何処から来て、何処へゆくのか―――…。


彼女の血を分けられてからというもの、私はそれを考えるたび食事はろくに喉を通らず
幾度、夜が更けようとこの目は冴え渡ったまま、心身ともにまったく疲れを覚えることなく…!
真実の探求者の立場としては、以下のように感動したものだった。

『みずからがその血を分けられ…私はよほど心が高揚しているものとみえる。すばらしい!』

………。
………。



今にして思えば―――あれは単なるシュヴァリエの習性にすぎなかったのだが。
何しろすべてが初めての事ばかりだったのでね。気づくのにしばらく時間がかかったのだ。

961 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/03/07(金) 02:51:03
>>940
>にゃおーん

やあ、これは可愛い猫さんだ…ご機嫌よう。こんな所で、迷子さんかな?
本の背中で爪を研いではいけませんよ。こちらへおいでなさい、ちっ、ちっ…
おやおや、怒らないで。怖くありませんから―――

痛…ッ!

ああお待ちなさい、どこへ行くのです…おや、



>>941
>ねーもんもん。どうしてここはどうぶつえんなのに
>きりんさんやぞうさんやくまさんがいないの?

やあ、君は―――お元気そうで、本当に良かった。

その猫は…君の方が好きみたいですねえ。
やれやれ、僕は引っかかれてしまいました。誰かに苛められたのかな、
イライラしている様子で…ああ平気です、もうきれいに治ってしまいましたから。



さあ、今日は何のお話をしましょう?…ははあ、この動物園のお話ですか。
くす、きりんさんやぞうさんに会いたいですか?じゃあ…>>929さんもああ仰っています、
偶にはここを出て、彼らに会いに行きましょうか。そうですね、それでは…

ヴァンセンヌの森はどうかな。君、ご存知ですか?

あの場所は、敷地の全部が大きな博物館になっていて…君が言うような動物園のほかに、
植物園のようなお庭ですとか、図書館ですとか
古い大きなお城も残っているんです。楽しそうでしょう?あそこももともとは、
この場所と同じように…お金持ちの偉い人が、自分たちの為に作って
世界じゅうの珍しい動物や、その資料を集めて研究をするための場所でした。


この場所は…ある時期を境に、
たった一種の生物の研究に特化した施設にシフトしました。加えて、
他の「動物園」と称する施設が、次々に一般公開された頃…ここは
事故による火災が切欠で、建物の殆どが廃墟になってしまいました―――

ですからこの場所に限っては、「動物園」の機能を残さずに
名前だけを残しているのです…そう、聞きました。もう、遠い昔のお話です
君の言う動物園と、もうひとつ違うのは―――アンシェル兄さんは仰いました、
この場所はすべての始まりの場所なのだ、と

ああ…御免なさいね?僕はまた、難しい言葉を使って。


ええ、そんな事ですからここには、きりんさんや象さんはいませんけれど
シャトー・ド・ヴァンセンヌに行けば、しまうまさんやパンダさんも居ますよ。
ええ、皆で行きましょう。そういえば、グレゴリー兄さんが
デザートに…何といいましたか、日本のお菓子で、す…あ…ま?そんな名前のものを
用意しようかと仰っていました。珍しいから皆喜ぶだろう、と。

君、好きですか?すあま。はは…それはいい、楽しみにしておいでなさい。

962 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/03/07(金) 02:53:01
おやおや、その猫>>940はまだ君の足元に擦りついているのですか?
…余程僕のことが怖いのですね、覗き込むと君の後ろに引っ込んでしまって…
尻尾が震えているのがわかります。


この書庫に居ると…遠い昔の事を憶い出します。
きれいに分類されて、整頓された本の並び―――持ち主が何を専門にしていて、
何をもって興味深い事とするのか、ひと目で判るようになっているんです。

アンシェル兄さんの書斎の本棚と同じだ…、僕は彼に初めてお会いしてから、
そこへ通して貰う機会に恵まれました。僕はもともと、外を走り回るよりも
部屋で本を読んだりするほうが好きな子供でしたから
そこはほんとうに魅力的な場所でした。ほら、ご覧なさい―――この辺りが、
生き物の進化に関する本を集めた棚です。古い本ばかりだ…そっと開いてみましょう、

やあ、懐かしい匂いだ…僕はこの、古い紙とインクの匂いも好きですよ。
兄さんの書斎で僕は、珍しい動物が沢山載った本を覗き込みながら
早く賢くなって、この本と書斎の持ち主とお話がしたい、と思ったものです。


…おや。アンシェル兄さんが、もう君にそんなお話>>953を?
はは…、そうですか。僕は小さいころ、親戚の飼い犬を相手にそんな事を。
僕はすっかり忘れてしまっていました…くす、

その仔猫が僕を怖がりさえしなければ、あの頃と同じように
カウンセリングをしてあげるのに、ね。
「かわいそうに、誰に苛められたんですか?」
はは…ああ、本当に懐かしいお話です。君、ありがとう。


963 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/03/07(金) 02:55:06
>>671
>SAYAの姉か妹はもしかして世界のどこかにまだ存在してる?

さあ…、どうでしょう。もしあなたの仰る通りだとしても、不思議はありませんね。
小夜とディーヴァの父親は、母親の双子の姉妹のシュヴァリエなんですから。
ではどうして、彼女は眷族の―――僕らの前に姿を現さなかったのでしょう?

ひょっとしたら…もう既に、同族が争うその渦中に身を置く事に倦んでいて
わざと邂逅を避けたのかも知れません
そうして…同じ血を引く眷族が、過去の自分達と同じ道を辿るのか
見届けようとしたのかも知れません。その過程で、もしかしたら…

僕らのうちの誰かが、眷族の誰も見たことのない
全く新しい物語をつくるかも知れないと、期待したかもしれませんね。



そういえば…ネイサンは、
ディーヴァがご息女を出産したあと、僕を迎えに来ました。
僕が情けないほど憔悴して、顔を覆って項垂れていたあのペントハウスへ。

彼はディーヴァのシュヴァリエで、僕は道を外れた叛逆者です―――本来なら、
僕らの再会は血をもって祝福されるべきものでした。ですが…彼はそうしなかった
彼女を裏切った僕を、シュヴァリエの序列に引き戻そうとさえするかのようでした。

その時に至って…僕は初めて、彼が僕を監視…ないしは
好奇心から観察、していたのだと判りました。…彼は不思議なひとです。
僕は彼が何を考えているのか…最後まで、わからずじまいでした。


あの地下室で…こちらに伸ばされる彼の指先
まるで砂糖細工のように砕け散る鉄鎖の欠片、


それを目にしながら僕は、居ても立っても居られないほど気が急いているというのに
彼の瞳の奥に何があるのか、覗き込まずには居られなかった。

彼は…不思議な人です。僕が知らない多くの事を、彼は
その目で見て知っているのかもしれないと…思わされるほど。
彼はもしかしたら、―――…いいえ、まさか。末の弟に対して、突飛な考えですね。


964 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/03/07(金) 02:56:18
>>672
>ディーヴァの妊娠を知った時の皆の反応を教えて

それを知ったときには…もう、僕には
他の兄弟の反応を伺うほどの余裕がありませんでした。ひょっとしたら、
そう訊ねるあなたの方がお詳しいかも知れません。

僕に関しては…ええ、慥かに驚きました。
アンシェル兄さんが、長い間追い求めていた結論が
不測の事態の結果として、突然目の前に提示されたんですから。けれど、

その事実が僕の決意を―――小夜の代わりに彼女をこの手で、という決意を
揺るぎないものにした、というだけで―――僕の反応は
ほかの兄弟に比べて、淡々としたものだったでしょうね。
ですから僕の口からお話しできる事は、あまり無いんじゃないかな。


グレゴリー兄さんに至っては、そこへ居合わせる事がありませんでしたし…ね。
僕がこのように言うのは、変なお話ですけれど…彼が
身篭った彼女をご覧になれなかったのは、残念な気がします。


人間にとって僕らは…暗がりに潜んで彼らを脅かす、
毒を持ったとかげか生き物の血を吸うコウモリのようなものかも知れません。
けれど僕にとって、アンシェル兄さんとグレゴリー兄さんは…
まるで対飼いの鷹です。もし二人の兄さんが、その場面に立ち会ったなら

彼らはきっと、お腹に双子を宿して優しく微笑む彼女を挟んで
期待に輝く視線を交わした事でしょう。その様子は、まるで
下界を睥睨しながら、二頭で寸分と違わないある一点を凝っと見つめて
今にも羽を広げようと絶壁の高みに爪を食い込ませる、誇り高い―――


彼が時折、あのように>>928過去を顧みておいでの言葉を耳にして
僕はいつも、そのように思うのです


―――彼らはまるで、誇り高い対飼いの鷹だと。



965 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/03/10(月) 23:07:13
>>957
>「難儀なことだ」と思うことについて


―――難儀な事………。ふむ、これといって特に思い当たりはしないのだが。
どちらかといえばこの私は、あらゆることに対して労力や時間は惜しまぬ性質だ。
この時代の小夜をひとたびこの目で確かめたいと思えば、ロシアまで単身出向きもする。
赤い盾の本部がマルセイユにあると知れても、今が動く時でないと思えば一ヶ月待ちもする。

いずれにも極力借りを作ることなく、ごく自然に計画を進める為の苦労ならば厭わんよ。
むしろ率先して行動し、事前に充分な布石を打ち…そしてしずかに時を待つ事だろう。
その経過を逐一観察することそのものも、研究者としての喜びには違いないのだからな。



このように私自身はつねに注意ぶかく、ただ静かに動向を見守っているのだがね。
むしろ弟たちを抑える事に苦労したものだ。「ならば、いつだ?」と血気に逸るジェイムズを
落ち着かせ、つねに気ままに振舞うネイサンに状況をくわしく連絡し…。

(その電話の向こうで、ネイサンは何やら自分の衣装を品定めしている様子であった。かすかに
 漏れ聞こえる周囲の店員の声が、例外なくすべて男のものであった事も…また実に彼らしいのだが)

…ネイサンの「わたしだって待ちきれないわ」との賛同を口頭で確かめ、やや安堵しつつ
連絡を取ったソロモンが……どうやら情報を先方に漏らしていたそうだな。
………。
まあソロモンはソロモンなりに、あれもおのれで考えた末の行動であったのだろう…。



しかしその赤い盾への襲撃情報そのものも、結果としては無駄になった。
なぜならカールと…事もあろうに計画の要たるディーヴァご本人が、突如として
赤い盾の本部に襲撃をかけてしまったからだ。
無論この私はおろか、弟たちの誰一人として事前にそれを知りはしない。
カールの失踪、ディーヴァの不在。我らのあいだで何度も電話が行き交い………。

………。
………。

…いや……特に難儀な事とは思わんよ。無論思いはしない…とも。
所詮たいしたことではないのでな。しずかに時を待っていた、この私の計画が……
結局すべて水泡に帰した程度の事はな。何より我々はディーヴァの為に存在しているのだから。
―――すべてはディーヴァのために。

966 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/03/10(月) 23:10:46
>>959
>グレゴリーとカールはともかく、ソロモン…は毛が短いから無理だね。
>いやいやそうではなくて、グレゴリーとカールの髪を少し貰って、
>カツラでもどうです?旦・那!


………。
………。

―――揉み手で旦那!と呼ばれた事は初めてだ。
ヴァン・アルジャーノに猫撫で声で「これはこれはアンシェル様!」と呼ばれた事ならば
あるのだがね。


……それに髪ならば今のままで結構。
私はこれだけで充分だ。必要以上に増毛するつもりはない。
髪を増やす事を娯楽にしたくはないのだ。―――この場合はおもに他人の娯楽になる訳だが。

それにある日カールの髪が減り、代わりにこの私の前髪が不自然に増えておれば、それは
さぞかし面白い見ものではあるだろうが………まあ少なくとも傍目にはな。
しかしうっかり笑ってしまった者は…その後でひどく後悔する事になるのではないかね?
何故ならこの私はその理由を『綿密に研究』せずにはいられないだろうからな。
とりあえず全員縛りあげて監禁し、陰湿…いや、丁寧に聞き取り調査をおこなう事だろう。

「知識というものは日々進化しないと死んでしまう。未来を拓くためには新しい血が
 必要なのです。…貴方もお解りでしょう?」



…などとつい、にこやかに微笑を浮かべつつ、ひとりひとりに語りかけてしまいそうだ。
私の外見をお気遣い戴き、そっと耳打ちして下さるのは有難いのだがね。
いちど始めてしまった研究はなかなか中途で止められはしない。それに何よりこの誤解を
解いておきたいのだが………。

 こ の 私 の 髪 の 量 が あ く ま で 標 準 な の だ 。

…良いかね?私の髪が薄い訳ではない。弟たちが多すぎるのだよ、君。

967 名前:名無し客:2008/03/11(火) 14:46:40
自分の翼で空飛ぶときはどんな気分ですか?

968 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/03/13(木) 02:36:24
やあ、こんばんは!久しぶりになってしまって申し訳ない。

ボルドーの朝晩はまだ冷えるが、日中はそこそこ気温が上がっているね。
天気の悪い日が続いているが、お客人には庭で健気に咲いている花々を見てもらいたいな。
じきに桃や桜も咲き出すだろう。そうしたらお待ちかねの春到来だ。

>>950
>春と聞いて何を連想しますか

ディーヴァの歌を。

水ぬるむ季節。
深く眠っていた森の獣が目を覚まし、木々の枝が生まれたての葉の
柔らかな緑につつまれる頃にね。

芳春をことほぐあるじの歌声が、春の風に乗って、蒼穹高くのぼっていくんだ。
そしてあるじはほそく白い指先で薔薇を摘み、花びらをむしって宙に散らしては、
自分が作った小さな花吹雪に微笑むんだよ。
まるでちいさな子供みたいにね。

無邪気なあるじの姿を見て、僕はどんなに幸福だったことだろう。
それだけでこの心が満たされていたら、僕は良いシュヴァリエでいられただろうか。

出会って以来、めぐる季節はただディーヴァのためにあった。
ディーヴァが繭の中で眠っているときでさえ、僕は彼女の息遣いを感じ、
歌を聴いていたよ。

夏には夏の、冬には冬の、そして春には春の……。
――ああ、これでは結局、どんな季節からもディーヴァを連想してしまうことになるね。



969 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/03/13(木) 02:36:53
>>950
>人間の愚かさについて

賢い人間もいれば賢くない人間もいるさ。
シュヴァリエにもこの僕と僕以外がいるようにね。

だが時として、君達人間の真意を計りかねることはある。
僕はちょっと耳にしたのだが、日本ではハジは人気者だそうじゃないか。
この僕よりも!

――いや。我が親友ハジが人々に好かれているのはとても喜ばしいよ。
しかしね、いいヤツではあるが地味で影の薄いハジより、僕の方が断然、
印象が強く噂のまとになるはずなのだが……。
残念だ。日本人の趣味はいささか変わっているようだね。

それにしてもいつの間にハジはそんなに有名になったのやら。
まったく思いもしなかったよ。
東京のウエノ駅に、主人を待ち続けるハジの銅像まであるなんて――!



>>951
>人に感動を与える仕事について 倫理や使命について

かつて医師を目指した時には、人間としての倫理や使命について考えたものだが――。
シュヴァリエとなって僕自体が女王のものになってしまってからは、
倫理や使命も、彼女達のためのものとなった。
基準が変わってしまったのだね。

僕はさまざまな職業についたが、他人に感動を与えるような仕事だったかどうか。
そういうのはネイサンが得意だ。一流オペラハウスのプロデューサーであった
ネイサンは、芸術に造詣が深く表現者としても独特の感性があった、と思う。
(なんせあの身なりとあの性格だしね)

聖職者であった次兄と一時期は医者だったソロモンは、人に感動を
与える仕事をしていたと言えるかな。
死の商人として暗躍し、翼手の勢力拡大に努め続けていたアンシェルと
軍人だったジェイムズは、そういった経験はないだろうけど…。

もっともアンシェルは、どことは言わないが、体のある部分で世を明るく
照らしていたかもしれないがね。どことは言わないがね。



970 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/03/13(木) 02:37:24
>>956
>未知の世界に入ると、興奮するタイプですか?

長く生きているとだね。たいていのことが未知でなくなってしまうんだ。
もちろん、この世の全てを知っているわけではないよ。
ただ世のありように慣れ、それがこの先どうなるのか、おおよその
見当がついてしまうんだ。そんな気がするだけなんだろうけどね。
多分、それを「倦む」というのかもしれない。

だが――、ベトナムの戦場で、小夜の赤い瞳を見た日。
あの時だけは、僕は間違いなく未知の世界をこの目で見た。
あれは興奮なんてものではなかったよ。
彼女の存在を実際に見て、これまでとはまったく違う僕の知らない世界が
そこに広がっていると感じたんだ。

だからこそ小夜は僕の希望だった。
おそろしくひとりよがりな希望ではあったけれど――。



>>957
>「難儀なことだ」と思うことについて

ちょうど良い時に良いことを聞いてくれるね。
僕の兄弟は例外なく難儀な連中だ。
その中でも次兄についてなのだが……。

――ああ、誤解しないでおくれよ。
我が次兄は非常に素晴らしいシュヴァリエであり、自慢の兄だ。
しかし少女の姿をとることが多い次兄は、僕を戸惑わせることがあるのだよ。

たとえばだね、
ドレスをまとって女同士(でも相手の中身はアンシェル)でダンスを踊るとか>>678
ナース服を着てくるっと一回転、スカートをひらっとか>>375
(そのナース服は僕がプレゼントしたのだけどね!)

それにアンシェルは次兄がキーボードの上に座っていたと言っているが>>947
僕は背の高い本棚の、作り付けの可動式はしごに座っている次兄を見たことがある。
想像してみてほしい。
僕が書庫に入っていくと、頭よりずっと高い位置に、そう長くない丈の
スカートをはいた少女が足をぶらぶらさせながら本を読んでいるんだ。
まるで木の枝にとまった小鳥みたいにね。

たしかに少女に見えても中身は僕の雄々しい次兄だし、たとえ落ちたとしても危険はない。
しかし、しかしだ!あまりにも無防備すぎて目のやり場に困るんだよ!
次兄に女性用の「ズボン」を贈ったら失礼に当たるかな。
名無しさんはどう思う?



971 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/03/13(木) 02:38:19
>>967
>自分の翼で空飛ぶときはどんな気分ですか?

とてもよい気分だよ。特に背中に愛しいディーヴァを乗せている時は。
あるじにしがみつかれる喜びは、なにものにも代えがたいからね。

ディーヴァをお乗せして赤い盾を襲撃したこともある。
帰還したら単独行動を兄弟から責められたよ。
大切なあるじを勝手に連れ出すとはあまりにも無分別だと。
ましてや敵の本拠地を襲撃し、計画を狂わせるなど言語道断だと。

奴らは僕がディーヴァを連れて失踪したのだという。
だが本当にそうなのかな?
僕達はディーヴァのシュヴァリエだ。
シュヴァリエがいるべき場所はディーヴァのかたわらであり、
その使命はディーヴァを守り、彼女の望みを叶えることだけだ。

それならばディーヴァのすぐそばに控え、ディーヴァの希望する場所にお連れした
この僕になんの咎があるだろう?
あの時は僕だけがディーヴァのそばにいた。僕だけがディーヴァの望みを叶えた。
僕だけが正しい場所にいて正しい行いをしたのさ。

だから失踪していたのは、いるべき場所、あるじのそばにいなかった奴らの方なんだよ。
間違っているのも、ディーヴァの望みとは違う計画を立てていた奴らの方だ。
あいつらはディーヴァのことなど少しもわかりはしないんだ。
僕のこともね。



>>959
>グレゴリーとカール、レッツ・トライしてみては?(コソ

なるほど。ボランティア精神で、僕の髪を使ってアンシェルの毛を
増量してやったらどうかというんだね?(コソ

名無しさんのせっかくの提案でもあるし、偉大なる長兄(棒読み)のためにも
ひと毛、じゃなくて、ひと肌脱いでやりたいものだがどうだろう?
僕の髪の毛はまっすぐツヤツヤの直毛で、ヤツのはあれでくせっ毛なのではないかな?
僕の髪でカツラを作っても、合わないかもしれないよ。

しかし名無しさんがアンシェルの(主に髪の)ことを気にかけてくれるのは嬉しいよ。
ヤツはあの通りの困った男で、他人を信用しないし、可愛毛(誤字にあらず)もない。
それでもお客人はアンシェルを気遣ってくれようというのだから、「動物園」ができて
本当によかったなあ!カツラよりもお客人の気持ちがアンシェルを喜ばせることだろう。

それと安心おしよ。アンシェルの頭は僕が何とかしよう。
僕の髪の毛ではカツラにはならないが、あんなのは黒いマジックで塗れば、
どんな髪型も思いのままだよ。まずは線を引いてバーコードに!


今日はここで失礼しよう。
それでは人間の皆さん、おやすみなさい。


972 名前:名無し客:2008/03/13(木) 03:11:35
完全な平和を私は望む!

973 名前:名無し客:2008/03/13(木) 10:25:24
OMAERA!アンシェル虐め過ぎだ!

そっとしておいてやれよ・・・

974 名前:名無し客:2008/03/14(金) 16:12:08
>>946
え、えと…きっとカールたんの気のせいなんじゃないかなあ…(´・ω・`)
わたし新聞になんて載せてもらったことないし…
普通の女の子だし…
>>962
変だね。もんもんはとっても優しいのに。
もしかしたらこのねこさんは恥ずかしがり屋さんなのかも
しれないね。もんもんあのね…ほんとはバレンタインに
チョコわたしたかったんだけど、えと…がっこの
宿題がいっぱいあってここに来れなかったから、
かわりにシフォンケーキ持ってきたの。
ぴんく色のチョコかけて日本の桜をイメージして作ったんだ。
形はあんまり上手く出来なかったけど…味は大丈夫だと
思うから…ほんとはね、ちょっと淋しいことがあったんだけど、
もんもんのお顔見たら元気でた。
もんもんの笑ったお顔がだーいすき。もんもんはいつも
笑っていてね。
*・゜゜・*:.。.(*´▽`)パァァ.。.:*・゜゜・*:

975 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/03/14(金) 22:43:19
>>967
>自分の翼で空飛ぶときはどんな気分ですか?

―――翼手とは誠に不思議な生き物だ。みずからは決まった姿を持たず…

………。
………。

しかし宙を飛ぶたび、我ながら不思議でならんのだが…。
すべてを出し切り、完全なる翼手の姿に変貌する。それ自体は良い。
だがこの私の体全体の比率から考えて、あの翼で充分な揚力を得られるとは
じつに驚くべき事実だ。そのうえよくも持続して飛べるものだな。
自由に姿を変えられる翼手を、鳥類などと同じ定規で語る事にそもそも意味などないのだが。
しかし現実のそのときは内心…研究者としての血が騒ぐこともまた、事実だ。


―――ところでカールが>>942にて私の事を

>ファーストシュヴァリエはぁ―っ、翼手としておかしいぞぉーっ。
>まずアンシェルだが、あれはどこから見ても中年体形のドラゴンだ。
>翼手というのはね、手から飛膜が伸びているから翼手というんだ。


…などと大声で叫んでいたようだったのだがね。なんとも面白い事を言うものだ。
だが翼手が自然に進化を遂げた生物である以上、用途によってさまざまに各器官が
発達するものだ。もし全てのシュヴァリエの腕が一様に翼であったとしたら……。
―――有事の際、いったい誰があるじたる女王をその手でかばうのかね?
我々はディーヴァの為にこそ存在している。あるいはこれもシュヴァリエの適応進化と
言うべきなのかもしれんな。


…そう。それにこの私の翼手姿の体型の事なのだが―――…。
はじめてこの目にしたときは、かく言う私も内心ひどく感心したのだ。

男の装いとは―――およそ調和を最上の旨とするべきもの。
その為にこそ、タイピンや指輪の石、袖の飾りボタンをすべて同じ色に揃えておく。
その者が年配者ならば三つ揃えなどが無難だろう。あまり若やいだ意匠はかえって見苦しい。
その点翼手に変じても、じつに年相応な外見を持つこの私は………。


…すばらしい!
おのれで称賛するのも妙な話だが―――なんとも芸がこまかい。
トータルコーディネートとはかくあるべきだろう。ほほえましい腹部の曲線から
胴体・脚部の比率に至るまで…完璧だ。じつに細部まで心憎いほど調和しているではないか。
それも皆、ひとえにこの私の、何かと行き届いた人格のなせる業なのだろう。
隠しても精神とは外見に現われるものだ。君もそう思わないかね?

976 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/03/15(土) 18:49:08
>>972
>完全な平和を私は望む!


―――…これは難題だ。
完全なる平和とは、なんとも耳にこころよい響きだが……。
しかし人間が完全な生き物でない以上、はたしてそれを叶える事は可能なのかね?

無論、我ら翼手こそが完全な生物だと口にするつもりもない。
ソロモンの言葉ではないが…我らの間にもまた、争いは存在するからだ。
生きとし生けるもの、その全ての想いや望みがそれぞれに異なる以上、
その両者のあいだに埋めがたい価値観の溝が生じるのは、もはや止むを得ん話なのだよ。

……ふむ、面白い。試してみるか。
それでは…いまだ人間の愚かさに染められてはおらん子供―――シフの個体を使って、
キルベドではなくあえて平和な環境に置き、『完全なる平和』がはたして実現するものか
観察してみるとしよう。



    実験環境   / 沖縄におけるカイ・宮城の私室
使用するシフの個体数 / 計 四個体
それぞれの個体名称  / モーゼス、カルマン、イレーヌ、ルルゥ



           *       *       *



「みんな聞いてくれ。カルマンが、この部屋からこんなものを発見したんだ」
「…ふん。本棚の裏に巧妙に隠されていた。きっと俺たちに見せたくはない代物なんだろう」
「あっ!あたいこれ知ってるよ!ニンゲンたちは『げーむ』って呼んでた!」
「なにかしら……じゅうはち、禁―――?……わからないわ。きっと人間の秘密が記してあるのね」


   (シフによる調査開始。 一時間経過)


「…ふふ。人間のがく、えん―――って不思議ね。わたしも、こんな生活を送ってみたい」
「ねえ、それより女のコが話しかけてきたよ!……あたいたち、いったいどれを選ぶのさ?」
「考えるまでもない。【校舎裏に呼び出す】だ。さっさと血を吸ってしまえばいい」

「待つんだカルマン、…思えば僕たちは奪い取る事しか知らなかった。ここはこらえて
【しばらくお話する】を選んでみよう」



   (さらに数時間経過)


「―――わかったわ。これは人間と仲良くなるための練習なのね。カイもきっと
 今のわたしたちみたいに、こうやって勉強したんだわ。……人間って素敵ね」

「…ああ。時間はかかったが、僕たちはどうやらこの画面の人間と『友達』になれたようだな」

「おい見ろよモーゼス!この人間、服の襟に手をかけたぞ!まさか自分から
 俺たちに血を飲ませてくれるつもりなのだろうか?」

「このあと、どうなるのかな…なんだかワクワクするね」




   (―――この段階で宮城兄弟が帰宅。実験場に慌てて乱入する二人)
   (カイ・宮城。衝撃に立ち尽くしたまま、しばし赤面したり青ざめたり)
   (リク・宮城。激しく赤面しつつ画面に立ちふさがり、うわずる声で)




「うわあっ!みんなダメだよ!こっ、こどもはだめ!まだ早いよ!!
 ……もうっ  カ イ 兄 ち ゃ ん っ! こーいうのはちゃんと片づけておいてよねっ!」

「……お、  お ま え ら 〜〜っ!!(と、激怒)ひとの留守中、勝手に部屋を暴くんじゃねぇ!」



           *       *       *



(実験中止。この直後カイ・宮城とリク・宮城、そしてシフ達のあいだで激しい口論が発生。)
(観察者注:やはり『完全なる平和の実現』は非常に困難であると言わざるを得ないだろう)

977 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/03/16(日) 02:00:17
>>973
>OMAERA!アンシェル虐め過ぎだ! そっとしておいてやれよ・・・


―――…これはこれは。貴方のお優しさに感激いたしました。
叶うならば是非ともシュヴァリエの列に加え、あの口の減らない無軌道な弟たちを
この私になり替わり、監督していただきたいものだが。

しかしどうかお気遣いは無用に願います。
残念ながら詳細は聞き逃しましたが…。あのカール奴が>>971にて、マジックペン片手に
なにやら楽しげな軽口を皆様に申し上げておりましたな。

…いや、結構。
内容は聞かずとも、おおよそは承知しております。
この私に対し、弟たちはさぞかし積み重ねた恨み言があることでしょう。
そうした鬱屈をこの場にて耳に出来る事は、じつに得がたい貴重な経験と言えるでしょうな。
…少なくとも無断でコープスコーズを持ち出し、そのまま二度と手元へ戻らぬような事態よりは余程。
彼らには好きに言わせておくがよろしいでしょう。私には貴方のそのお志だけでもはや充分。



それに…この私にはまったく別の楽しみがございましてな。
狙撃された直後に、まったく無傷の姿にて宴に登場し―――…。
私の暗殺を命じた男たちの混乱する表情や、よそよそしく居心地悪げな態度を
心ゆくまで観察する行為をを至上の喜びとしております。

あわてて作った仮の笑顔にて交わす、ぎこちない時候の挨拶などに至っては
もはや内心こみあげる笑いを禁じえないほどの可笑しさでしてな。
いつの日か私の陰口を語る弟たちの背後に音もなく忍び寄り、だしぬけに
兄としての心からの愛情をこめて

「いとしい弟よ。ひどく楽しげだが…お前はいま、客人と何を話していたのかね?」

…などと語りかける事をひそかな楽しみにしております。
私が「いとしい弟」と語りかける時、弟の目に浮かぶ――まるで百足か蠍を
その目にしたかのような、あきらかな嫌悪の表情を眺める事もじつに愉快だ。
ましてその、蔭口への報復を考える時などはなおの事です。ですからどうか……お気遣いなく。

978 名前:名無し客:2008/03/16(日) 07:54:06
人間は、外部危機すら内部利益のために利用する変わった生き物らしい。
まあ、生存競争の観点からみれば、「自分」以外は「敵」なんだろうが…。(食いっぱぐれは嫌だから)

ディーヴァや翼手より、シュヴァリエの方が厄介だと感じた理由がわかったよ。

同じ「人間」なら、お互いやりようはいくらでもあることを熟知してるわけだ。

これに気付いた時、何故か安心もしたから変な話だけど。

「ヒトに生まれるは易し、だが人間になるのは難しい」…か。

979 名前:名無し客:2008/03/16(日) 08:12:03
相手の好意云々より、まず被我戦力を推して計る。
要するに、相手が驚異となるとき、自分の戦力での抵抗が相手に通じるか?
生死を分ける特技だよ。これは。

猫にとって、ソロモンが翼手だの優しいだのは関心ないんだ。
あるのは「万が一、こいつが驚異となっても対処できるか?」だ。
だから対処しやすい方に行ったんだな。

誰だ。「動物は裏切らない」なんて言ったのは?人間だって動物だぞ?

980 名前:名無し客:2008/03/16(日) 14:41:34
翼手も動物でしょ

981 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/03/17(月) 01:37:55
やあ、こんばんは。ご機嫌はいかがかな。中国から甜茶を取り寄せてみたよ。
花粉症とやらに効くのだそうだ。良かったら君も飲んでいってくれるかい?

>>411
>あげさせてね

僕も高く飛ぼう!
ディーヴァをこの背にお乗せして飛んだ時のように。
あの愛しい感触を、僕は昨日のことのように思い出せる。

……しかしうまく記憶を呼び起こせないこともあるんだ。イギリスでの話だがね。
コープスコーズを連れて小夜のいる農場を襲撃した時、僕はどうやって彼らを
連れて行ったのだろう?それがどうしても思い出せない。

全員で走って行った?――いや、あたりは暗かったがそれでは目立ちすぎだ。
その上、想像すると間抜けに過ぎる。団体マラソンは健康的ではあるがね。
高速移動ならば人目につかないだろうが、少々距離がありすぎるような気がするのだよ。
やはり別の手段じゃないかな。

トラックなどの車で移送した?――うーん、小夜との戦闘時の記憶はあるんだが、
それによると農場のそばに車両は見当たらなかったはずだ。

鉄道を利用?――まさか。僕はマントとマスクをつけて、コープスコーズの団体と
駅のホームで電車が来るのを待っていたというのか?

これらのどの方法でもないとすれば、僕はあの日も飛んで行ったのだろうか。
愛しい小夜と踊るために。コープスコーズを5人も―――おそらく腹に括りつけた
ロープに吊り下げて。



982 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/03/17(月) 01:38:25
>>410
>人間もシュバリエも、感情があるとあまり変わらないですね。

その通りだね。
少なくとも僕個人においては、シュヴァリエとなっても肉体ほど
精神の強度は増していない。僕の心はベトナム――当時の仏領インドシナから
宗主国フランスへとやってきた留学生の頃とたいして変わっていない。

名無しさんは知っているかい?
植民地が宗主国へ向ける感情とは複雑なものでね。
支配する者への憎しみと、導いてくれる者への憧れが絡まりあっているんだ。

フランスはベトナムに近代の知恵と急速な変化をもたらしてくれた。…苦しみとともにね。
商業や工業を発展させてくれた代わりに重税を課し、土地を奪い、徹底した
同化政策によって文化を奪った。だからベトナム人は香ばしいフランスパンを
愛するようになった一方で、頻繁に宗主国に反乱を起こしたのだよ。

僕と同時期にパリにいたベトナム人に、のちの革命家ホー・チ・ミンが
いたのも面白い事実だ。ベトナムは独立のやり方までフランスから学んだんだね。
当時の両国はこのように密な関係だったが、支配する側とされる側で、
けっしてわかりあえない間柄でもあった。

翼手となった僕も同じだったよ。
僕は>>971で「兄弟は僕のことを理解できない」と言ったが、僕も彼らのことを
理解できていたとは到底言えないだろう。

強引に急激な変化を僕にもたらした彼ら。
支配する者への憎しみと、導いてくれる者への憧れと――。

だが僕はホー・チ・ミンとは違って、たとえ教えられたとしても
独立を学びはしなかったんじゃないかと思うんだ。
最期まで愛憎に身を灼かれたとしても、離れる方法だけは――…。
理由はうまく言えないのだけどね。



983 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/03/17(月) 01:38:57
>>972
>完全な平和を私は望む!

非常に難しいのじゃないかな。
君自身は幸運にも戦争に巻き込まれたことはなさそうだが、
戦争は常に世界のどこかで行われているのだから。

僕は1900年代から世界をつぶさに見てきた。
もし僕が人間のままだったら、生きている時間のほとんどは、
戦争と社会不安を抱えた危うい平和で満ちていたはずだ。

…考えてみてくれるかい?
僕がシュヴァリエになった20歳になるやならずの当時は、第一次世界大戦の
真っ只中だった。輝かしいはずの20代の青年期に、戦争とその後の荒廃した社会を
経験することになっただろう。

30代を迎える1929年には大恐慌が起きるんだ。
男盛りと呼ばれ仕事も私生活も充実するはずの期間を、世界的な不況の中で
どんな風に過ごしただろうね。

40代がやってくる1939年には再び大きな戦争が起きる。第二次世界大戦だ。
それも6年後の1945年には終わるが安心してはいられない。
翌年には、フランスとベトナムの間で第一次インドシナ戦争が始まる。
この後ほぼ30年に渡って、ベトナムは泥沼の戦場となり続けたんだ。

ベトナム戦争の終結まで命があったとしたら、70代半ばになっているな。
…やはり完全な平和は難しそうだよ。
僕と同世代のかつての同胞も、苦難続きの人生経験から同じことを言うだろう。
人間だった彼らはもうこの世にいないだろうから、聞くことはできないのだけど。
僕が人間だったら歩むはずだった人生――そんな意味のない話もね。



984 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/03/17(月) 01:39:25
>>973
>OMAERA!アンシェル虐め過ぎだ!そっとしておいてやれよ・・・

…………。
…………。
…………え。…口をあんぐり開けて、どうしたのかって?

そりゃあ、驚いているんだよ。いやまさか、アンシェルを庇ってくれる人がいるとはね!
本人もかつてないほどの驚きに襲われたのじゃないかな。
(それとも君はアンシェルに借りでも作ったのかい?それは危険だ。取立ては厳しいぞ!)

だってあのアンシェルだよ?
傲慢で偉そうで、何を考えているのかわからなくて、
従う者も多いがそれ以上に敵が多く、性格も悪いが趣味も悪い。
それが僕らの長兄ラスカルなのだが――。

しかし弟として君の気持ちには素直に感謝したい。
彼のことを気にかけてくれてありがとう。
でもやはり弟として言わせてもらうが、ヤツはからかわれたくらいで
へこんでくれるような、可愛らしい根性の持ち主ではないんだよ。

もっとも僕も、かつては気持ちがすれ違うだけだったアンシェルに
軽口を叩けるようになって良かったと思う程度には趣味が悪いので、
あまりどうこう言えないのかもしれないが。

だが――アンシェルを茶化すのは許してくれるかい?
実はこれはヤツの数少ない決め台詞「いとしい弟よ」をいう機会を作ってやろうという、
我が身を犠牲にした兄孝行でもあるのだよ!これは僕がアンシェルを
茶化す理由の1割ほどだけどね。

それにアンシェルの苦虫を噛み潰した顔を「渋くて素敵!」と言ってくれる物好き、
ではなくて優しいお客人を喜ばしてあげたいという気持ちもある。
こっちは理由の4割ほど。

――あとの5割はなにかって?それは君のご想像にお任せしよう。



985 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/03/17(月) 01:41:35
>>974
>気のせいなんじゃないかなあ… もんもんはいつも笑っていてね。

そうだね。僕の気のせいみたいだ。たいへん失礼したね。
なにかお詫びをしないといけないな。…淋しいことがあったのかい?
ああ、君はソロモンの笑った顔が好きなのか。いつも笑っていてほしいんだね?
――わかった。ちょっと待ってておくれ。

>>961=ソロモン

ここにいたか、ソロモン!
いいか、今すぐ笑ってみろ。
いや、いつものにやにや笑いじゃない。「度し難い」と言う時の嘲笑も禁止だ。
慈愛に溢れた優しげな微笑をなんとか作るんだよ。
駄目だ駄目だ!それじゃいつもの胡散臭い笑顔と変わらないじゃないか!

そーっと控えめに微笑んでみてくれ。うーん、何かが違うな。
口角はそのままで、右の目尻を2mm下げて左の目尻は1mm上げてみろ。
いや、やっぱり左目尻は1.5mm上だ。…そんな器用なことはできないだと?
お前もシュヴァリエだろう!表情筋くらい、完璧に動かしてみせろよ!

――突然、どうしたのかって?
名無しさんに良い笑顔というやつを見せてあげたいんだ。
お前の笑顔を好きなんだそうだ。僕もお前の笑った顔は嫌いじゃないな
……あああ!特に好きだというわけでもないんだぞ!
誰でも笑顔は好ましいものだろう、一般論として。

おいこら笑うな。いや、笑え。でも僕を見て笑うな。あっちを向け。
…そうそう、そんな感じで。そのまま顔を動かさずにいろよ。

…………。
こら、こっちを見るな。この幅の広いセロテープはなにかって?
名無しさんが、お前にはいつも笑っていてほしいと言っていたからな。
その笑顔のまま、表情が崩れないようにテープを巻いて固定するんだ。
だからしばらくじっとしてろよ。――ああ、おい、動くなと言うのに!



今夜はここまでにさせてもらおう。人間の皆さん、どうか良い夢を。



986 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/03/18(火) 01:59:09
この動物園も、随分と手狭になってきたようだ。
…では運命の扉をひらき、皆様をあらたな動物園へと招待しよう。

【BLOOD+】動物園4【総合】
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1205773059/


987 名前:アンシェル ◆AmsheL3ZR6 :2008/03/18(火) 02:07:16
>>974

>宿題がいっぱいあってここに来れなかったから、かわりにシフォンケーキ持ってきたの。


―――…ふむ。
君は先日、動物の姿を探していた、あのちいさな客人かね?
ひどく大切そうに抱えた、その手のなかの菓子の包みは…ソロモンに贈る為の品だな。
カールが今しがたソロモンの元へと急に押しかけ、なにやら必死であれの顔を無理やり
挟みあげたり頬をつねりあげたりしていたものだが……。

それを目にして私は『何とも妙な真似をする。翼手のなかでも取分け、カールとは
不思議な生き物だ』などと興味ぶかく観察していたのだがね。
…成程。あれは新手の嫌がらせではなかったのだな。君はソロモンの優しげな笑顔を
目にする事は出来たかね?―――それは何よりだ。


……はじまりの場所。この動物園の鉄扉が今しがた開かれた。
ではソロモンが君からの贈り物を受け取る為に現れる、このわずかな間―――。
私はこの扉の脇に停められた彼の愛車Jaguar・XK・Convertibleを君にお見せする事にしよう。
我々ディーヴァのシュヴァリエで、車の運転を得意とする者はジェイムズとソロモンだ。
しかしその運転技術はまったく対照的と言っていいだろう。

ジェイムズは法定速度を厳守し、その運転も機械のように正確で、何より危なげがない。
だからこそ重要な会合にて、ディーヴァをお連れする必要がある時―――…
私はその運転を他ならぬジェイムズに一任する事にしているのだよ。
彼の車に同乗していると…ジェイムズの操るハンドル捌きから、母たるディーヴァに
わずかにでも負担をかけまい、一切の危険に晒すまいと身構える、彼の熱い忠誠心が
私の隣の彼女一身に注がれているのをつよく感じ続けていたものだ。

ディーヴァご自身も、それは重々感じ取っておられるのだろう。
ジェイムズの操る車のなかで彼女はつねにおとなしく、まるで護衛艦に守られるように
どこかゆったりとその身を預けておいでのご様子だった。


対するこのソロモンの車は―――見ての通り、走る事を楽しむための車だ。
この私の前ではあれも、ひどく神妙でおとなしげな素振りをしていたのだがね。しかし
大企業のCEOにしては、まるで子供のような車種を選ぶものだ。君もそう思わないかね?
彼はおもに一人で乗る事が多かったが…ソロモンはその運転もどこか少年じみており、
ごく稀に無理な追い越しをかけるような稚気を見せるので、兄としては頭の痛いところだった。
もしも彼の車へ、ディーヴァをお乗せしたりした場合には―――…。

ディーヴァは「ねえ、もっと早く!…いいでしょう?」と子供のように身を乗り出されただろうし
ソロモンはソロモンで微笑み「お望みでしたら。…ええ、喜んで」などと益々速度を上げる。
かくして私とジェイムズが目撃すれば、さぞや仰天し眉をしかめるような状況に陥った事だろうな。

988 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/03/18(火) 04:54:59
ご機嫌よう、皆さん。
ご覧になりましたか?新しい僕らの住処を…アンシェル兄さんが、
門の扉を新しく作り替える手配をして下さいました。
新しい動物園で、ご挨拶をする前に…まずは
こちらで最後のご挨拶を差し上げましょう。


>>635
>女性に擬態するって何か変態チックな気がしない?

ははあ、それは…アンシェル兄さんと、グレゴリー兄さんの事を仰っているんですね?
あなたがどうしてそう思うのか、教えて差し上げましょう。
あなた、エオニズムをご存知ですか?そうそう、服飾倒錯のことです。
もっとわかり易く言うと、女装癖です。じゃあ…


ルイ15世の統制下で騎士として働いた、Chevalier d'Eonを知っていますか?


騎士のデオンは優秀な外交官で…金髪、碧眼の美しい青年でした。
ルイ15世は彼の容姿を利用して、スパイ機関の機密局員として彼に女装させ…
マドモワゼル・リア・ド・ボーモンと名乗らせて、重要な外交を任せたのだといいます。

彼はそれは上手にやりました…彼が入り込んだのはロシアの宮廷でした、
女性の姿で副宰相のヴォロンゾフを籠絡して、見事
女帝エリザベータの私室に出入りする権利を得ました。女帝の信頼を得た彼は、
彼女の自筆の機密文書を携えて、フランスへ帰還しました。

彼にとって女性になりすます事は、外交のための手段だったのですね。
そうした特技は、とかく便利なのです。けれどそれを指差して…
彼が本当は男であるのか女であるのか賭けをしたり、後世に至って
彼の名前を「女装癖」という意味にしてしまうのが、
人間という生き物なんですよね。

彼は晩年を、騎士の衣装と剣の代わりに、ドレスを身につけて過ごしました。
人々は彼に好奇の眼差しを投げました、彼は醜く老いて艶を失ってなお
女性になりきる事に執着している、と噂してね。けれど実のところ…


彼はそうして生きる事を、王命によって余儀なくされたのです。それも、
イギリス国王のお妃と関係を持ってしまったためにね。皮肉なことです。彼は手紙に、
ドレス以外の衣装を禁じられてそれは惨めな思いで暮らしている、と書き残しています。


ただでさえデオン侯のように、どこまでが本当なのか判らないほど
尾ひれをつけられて語られてしまうんですから
あなたが、彼らを指差してそう仰るのは…当たり前のことなんですよ。
何故って彼らは、楽しんでそれをやっておいでなんですから。動機といったら、
僕らが動揺してどんな反応をするか、観察するためだったりするんですから。

それでも…グレゴリー兄さんのような愛らしい少女が相手なら、まだいいのですよ?
けれど僕はここへ来て何度、あの下まつげのロシア女性に揶われたか…


彼らは対飼いの鷹のように誇り高くありながら、
そういう事をいとも簡単になさるのです。
あなたにそう評される事も、或いは楽しい事でしかないんじゃないかな。
長い間生きていると、あなたのように若い人間には解らないような娯楽が
必要になるのかも知れませんね。


989 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/03/18(火) 04:57:13
>>959
>グレゴリーとカールの髪を少し貰って、カツラでもどうです?旦・那!

いけません、君―――仕事をなさるのは結構ですけれど、
ここでは交渉の相手を選ばないと。君にも立ちますよ…何と言いましたか、
何とかフラグが。君にそのつもりがなくても、何気なく口にした一言が…
あらぬ誤解を招いて、とんでもない結果に繋がってしまうのですから。

それに…

>でもソロモンCEOの場合はちょっとクルクル巻き毛にしないとダメですねー。

違いますよ、僕はもとCEOです。そのような肩書きを付けなくても、
この場所に有益だと思えば、あなたがお持ちの契約書の内容を検討しましょう。
けれど、…毛…?髪ですか?はは…、僕にはこれ以上要りませんよ。なぜって、
この髪はいつもこうで…あちこちへ跳ねるものですから
頭がひどく大きく見えてしまって、ただでさえバランスが悪いのです。

アンシェル兄さんにも、断られたでしょう?ほらね。
あなた、よく無事でおいででした。彼は何と仰ったのですか?…ははあ、>>966
成る程彼はこの場合、相対的に見て判断するのが適当とお考えなのですね。

だとしたら仕方がない、グレゴリー兄さんもカールも
背中まで伸びた長い髪をお持ちです。僕のはこのとおりですから…はは、



僕らと比べたのでは、彼の髪が少なく見えるのも仕方ないかも知れませんね?




>>973
>OMAERA!アンシェル虐め過ぎだ!

おやおや…僕はいま、何かいけない事を言いましたか?
虐め過ぎだ、と…?僕やカールや、ご来客が…アンシェル兄さんを?

…くす、
はは…、いえ、…すみません
彼は例え僕らが何をしても、僕らに「虐められた」なんて
仰らないんじゃないかな。怖いだけでしょう、弟たちに虐められたと
愚痴をこぼす…あるいはご来客に泣きつく兄さんなんて。

彼は誇り高くあるべきディーヴァのシュヴァリエの筆頭です。
屈辱を受けたなら、倍にして返す。そういう方です。
あなたも、そうお考えでしょう?

ですからとんでもない、少なくとも僕には、彼を虐めているつもりは―――むしろ
彼にお気遣いを差し上げるあなたに、弟としてお礼を言わなければと思いこそすれ
虐めているなんて、そんなつもりは―――

ほんのひとつまみの毛ほども無い、んですけれど

そのように見えましたか…困りましたね、
やっぱり言葉は慎重に選ばないといけません。


990 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/03/18(火) 04:58:46
おや、こんにちは。

>>979
>猫にとって、ソロモンが翼手だの優しいだのは関心ないんだ。

ええ、かわいそうな仔猫さんだ…僕が少しでも、手を触れるようなしぐさをすると
たちまち彼女の腕に顔を埋めて、震えてしまうんですから。

あなたの仰る通りで、あの仔猫は
本能でもって、僕との関係を決めているのですね。
にっこり笑ってお話をしながら…ひとたび後ろを向けば
あなたがた人間さえも捕食の対象にしてしまう生き物が、どれだけ怖ろしいか
かれらは誰に教えられるでもなく、判っているのです―――賢い生き物です。

人間は…それが判らない個体が殆どだというのに、ね。


おや、動物は裏切りませんよ。彼らには知恵こそありませんが、
その代わりに…生まれついた、研ぎ澄まされた本能があります。
彼らは嘘を吐きません…何が本当に怖ろしいかを教えてくれます。その意味で、
彼らは決してあなたがたを裏切らない。ご覧なさい、いまのように…

かわいそうな仔猫さんだ。僕があちらに目を遣るだけで、
抱いている彼女にしがみついて鳴いています―――

ええ、>>980さんも仰るように…人間だって翼手だって、動物です。
あなたは僕らと相対する時、僕らがあなたに好意をもって接するかどうかより
まず彼我戦力を推して測る―――そして
万が一あなたの脅威となったとき、対処が容易そうな個体を選んで近づく。僕は


―――僕は彼らより安全そうに見えますか?


…判らない?そうですか。
くす、やっぱり…あなただって、決して嘘を吐きません。あなたは正しい。賢い。
僕らのうち、誰が一番怖ろしいかなんて…その時が来なければ、判らないのですから。


991 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/03/18(火) 05:04:01
>>951
>人に感動を与える仕事について 倫理や使命について

人に感動を与え、重い使命を自覚しながら、
なおかつ倫理について考える仕事というのは…どんなものを指すのでしょう?

例えばそれは、大学に付随する病棟の手術室で
人の命を救うためにメスを振るいながら…地下の研究施設で
実験動物や、死刑囚の遺体の解剖を重ねる仕事でしょうか?

その仕事には…倫理の前に、大義があります。

自らの命を脅かすものを取り除くために、
適当だと見做したものを踏み台にするのです。
踏み台にしたものに対する責任は、確実に成果をあげることで取るのです。
それが、そういう仕事をするものに課せられた使命です。

それがつきまとう仕事について…僕はよく解っているつもりです
僕のした事にも…倫理の前に、大義があった。ただ、
その仕事が誰かに感動を与えたかどうかは判りません
その時、少なくとも僕自身には…悲しみも、後悔も、ありませんでした。


胸に徽章のついた仕官服に袖を通すのです、
兄弟の血が染みて、ずっしり重くなった仕官服に―――


すべては、ディーヴァの為に。



>>949
>春と聞いて何を連想しますか

アンシェル兄さんとグレゴリー兄さんが対飼いの鷹なら、
三番めの兄さんは、上下意識が強くて野心に満ちたオオカミでした。

以前にも、お話ししましたけれど…ドイツの春は、湿度が高いのです。
春になると思い出します、白く霞んだあの橋の傍の、川縁の景色を―――それから
彼女が彼と口ずさんでいた、子守歌の旋律を

―――Alles im Schlosse schon liegt,
   Alles in Schlummer gewiegt; …

…彼女はあの頃、ベルヒテス・ガーデンで―――ナチスの総統の傍らで、
お人形のようにしておいででした。彼女が、そうする事に甘んじていられる為に
三番めの兄さんがどのようにしたのか…僕は知りません。けれど、

―――reget kein Mäuschen sich mehr,
   Keller und Küche sind leer,nur in der Zofe Gemach
   tönet ein schmachtendes Ach!Was für ein Ach mag dies sein? …

彼女は…ディーヴァはきっと、大胆で一途な彼を気に入っていたことでしょう。

カールと三番めの兄さんは、すこし似ておいでです。
彼らの瞳はいつでも、あるじに一途で強い、情熱を湛えた眼差しを注いでいる。
いつでもご自分に正直で、嘘を吐くことをなさいません。
カールと彼の間には、少なからず歩み寄りがあったでしょう
―――いまでも、カールは
彼を兄として、身近に感じておいでの事でしょう―――

ヴァイデンダム橋のすぐ側で…最後に振り返った彼の顔を、僕は忘れません
彼と一緒に居た人間の医者には、気の毒な事をしました 45年の春のあの夜の事は
忘れよう、忘れようと思っても

忘れられるものではありません。


―――Schlafe, mein Prinzchen,schlaf' ein,
   schlaf' ein, schlaf' ein,

   schlaf' ein,schlaf' ………


…僕は…彼から、三番めの兄さんだけでなくて
彼女が歌った子守歌の一曲まで…彼の愛する歌>>968の一曲まで、取りあげてしまった。

突然、世界からあるべきものを奪われた彼にしてみれば
僕ら自身の為、彼女の為と言いながら―――
彼女の事も、彼の事も…結局、少しも解かっていなかった事になるのでしょうね。

992 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/03/18(火) 05:07:05
>>974
>変だね。もんもんはとっても優しいのに。

おや…君と、先ほどの仔猫さんは…もう、すっかりお友達ですね?
いいえ、ちっとも変ではありませんよ…僕は、あなたに優しくっても
この猫さんにとっては、とても怖いものに見えるのかも

―――ああ、はは…ええ、
きっと、とても恥ずかしがり屋さんなのですね?
君こそ、とてもお優しい。ありがとう。…おや、それは…僕に、ですか?

>かわりにシフォンケーキ持ってきたの。

君は…する事がたくさんあったのに、淋しいことがあったのに、
僕の為にこれを焼いて下さったんですね?ああ、形なんていいのです。
ほんとうに、ありがとう。やあ…これは可愛らしいピンク色だ、

そうだ僕には…、春になると思い出すものが、もうひとつあるのでした。
晴れ渡った青い空にひらひらと流れる、薄いピンク色の花びらです。

君がイメージした、そのお花の名前は…日本語で…そう、サクラ。
綺麗で奥ゆかしい、日本の国花。日本の象徴です。ええ、よく知っているでしょう?
日本ではもうすぐ、花盛りを迎えるのですよね?
君の住んでいる所に、サクラは咲くのですか?…へえ、旧い大きな木が、沢山。
それは綺麗なのでしょうね…いつか、見てみたい。

…僕のこの顔が、お好きですか?もう、淋しくありませんか?…良かった。
ええ勿論です、僕はいつだって、笑っていますよ。
こんな贈り物を貰って嬉しくないはずがありません、君が望むなら―――おや


993 名前:ソロモン ◆jkr.aC7Hew :2008/03/18(火) 05:08:12
>>985
>ここにいたか、ソロモン!いいか、今すぐ笑ってみろ。

カール。ええ、ですから僕はいま、笑ってありがとう、と彼女に
…これでは駄目なのですか?うさん臭い?いつも通りなんですけれど。
ではどうしろと…、はい?口角はこのまま…右?左ですか?目じりを1mm……
そんな器用な事は出来ませんよカール。

>お前もシュヴァリエだろう!表情筋くらい、完璧に動かしてみせろよ!

無理ですよ、君は出来るのですか?…そうですか。器用だな。
それはいいのですけれど…突然、どうしたのです?はあ、
ご来客が、僕の笑った顔がお好きだと仰るから。それで…

>僕もお前の笑った顔は嫌いじゃないな
>……あああ!特に好きだというわけでもないんだぞ!

…くす、
ははは…、君…相変わらず、ご自分に嘘を吐きませんね…?
これが笑わずに居られるものですか―――君が笑えと言ったのですよ、
ああ御免なさい、あっちを向いて笑えばいいんだね?はは…っ、可笑しいのですから―――

おや…!カール、何を

>その笑顔のまま、表情が崩れないようにテープを巻いて固定するんだ。

ちょっ―――そんなものをくっつけたら剥がす時に痛いでしょう、
動かずにいるものですか…やめ、やめなさいカール!
…おやおや、はは…、カール、ご覧なさい
ほかのご来客まで笑い出してしまったじゃないか、なんて事をするんだ―――



はい、>>974さん…何です?僕の兄弟は皆、揃って楽しい事を教えてくれる、と?
ははあ…アンシェル兄さんが、また僕の噂話をしましたね。
今度は何のお話ですか…、ああ、僕の車の事を?>>987
僕の運転の、感想を述べていらした?…それはお恥ずかしい。
けれど、彼と僕の車でご一緒した事があったかな。ああ…、ありました。

僕はパリのファルマシーの、エントランスの近くで
いつもの白いスーツの胸に、青い薔薇を挿して…あの車のドアに手をかけて
彼とあるじがおいでになるのを、待っていたことがあります。

僕が後部座席のドアを開けると、兄さんは念を押すように仰いました
「よいかねソロモン、今日はジェイムズが如何しても外せんから
 仕方なくお前に任せるのだ。くれぐれも…」
僕は笑って答えました、
「はい、ディーヴァの言葉は貴方の言葉、
 それは僕の意思でもあります―――喜んで、ディーヴァの言葉に従いましょう」
あるじが鈴を転がすように笑って、彼が眉をしかめたのを、僕はよく憶えていますよ。


…そうだ、君、あれに乗りますか?もちろん構いませんよ。
好い香りのする、素敵なケーキを頂きましたから…そのお礼です。
おや、後ろでいいんですか?どうしてです、折角ですから助手席に…
遠慮しないで。僕の隣りは、それは楽しいのですから。

君がお望みでしたら―――ええ、喜んで。




ああ、もうそろそろ、新しい住処へご挨拶に伺わないといけませんね。
アンシェル兄さんに、お礼を言わないと。
ここでご挨拶ができなかったご来客の皆さん…待たせてしまって、御免なさい。
また、あちらでお会いしましょう。

それじゃあ…僕は、失礼します。ご機嫌よう。

994 名前:グレゴリー ◆gD.KishiHU :2008/03/18(火) 23:46:45
皆様、御無沙汰しております。
森の雪は溶け、道は泥でぬかるみ、未だ草も葉も萌えず。
世界が一年でもっとも醜く寂しい、気の滅入る季節だ。

>>964
>彼が身篭った彼女をご覧になれなかったのは、残念な気がします。
>―――彼らはまるで、誇り高い対飼いの鷹だと。

……ソロモンが、そのようなことを。

もしもわたしがディーヴァの出産に立ち会うことを許されたなら。
彼女と胎内の御子たちに手術中の安全な眠りを提供するため、翼手用の麻酔薬を
研究しただろう。切った端から塞がろうとする手術野を確保するため、開創器を
かけただろう。メス、クーパー剪刀、コッヘル鉗子、持針器……必要な器具を
必要なタイミングで、執刀医たる長兄に手渡しただろう。
長兄の悲願「次世代の女王誕生」を実現させるために、わたしは全てを捧げた
だろう――大いなる情熱と喜びをもって。わたしは彼の影、影が本体に寄り添う
のは自然なことなのだから。

ディーヴァと長兄、わたしの家族。
あの二人の側にいること、信頼されること、求められること。
それこそがわたしの無上の幸福だったのだ。


だが、それは果たして正しかったことなのか。
わたしは彼らの幸福に、ささやかなりとも寄与できていたのだろうか――。



>>991
>三番めの兄さんは、上下意識が強くて野心に満ちたオオカミでした。

マルティン、か。
……わたしはそれほど彼の為人について詳しいわけではない。
ソロモンもカールも、非常に彼を慕っていたようだが……。

記憶の中の彼は、辛辣で冷ややかな皮肉屋だ。彼のわたしを見やる瞳には、いつも
冷笑のヴェールがかけられていたような気がする。特にあの日は――。なぜそんな
話になってしまったのかは、覚えていない。ありふれた時候の挨拶から始まった
いつもの会話が、何故あれほど不穏な終わりを迎えたのか――。

「あんたのディーヴァへの愛は自己愛の変形に過ぎない」「忠誠?愛情?奇麗事
 だな。あんたはアンシェルに依存してるだけだ」「アンシェル、奴は歪んでる。
 何故あんたには見えないかって?それはあんたも、歪んだ世界の住人だからさ」

それは彼がわたしに発した、最後の言葉となった。
もはや嘲笑と憐憫を隠そうとしない眼差しをわたしの目に刻み込んだまま、彼は
わたしから去っていき――わたし達は永訣してしまったからだ。



――対飼いの鷹。女王を守護する、双子の猛禽。
それは「かくありたい」と願った姿ではあった。
だがわたしには、過ぎた言葉だな……。

995 名前:名無し客:2008/03/19(水) 00:34:17
仕方無いとは言わないが、その皮肉もまたグレゴリーに対する彼なりの『意識』だよ。
人間は誰しも、自分の錯覚世界で生きている。
その錯覚を現実の(人間含む)脅威や、相手の主張、行動によって崩されては再構成し、また崩される。
そこから『理解』は初めて完成されてゆく。完全は有り得ず、『和解』に至るばかりじゃないから難儀だけど。

996 名前:979:2008/03/19(水) 01:42:02
>>990
………判らない。
まあ、今の感想はまずそれだな。
俺は目の前にいるのが、翼手だの人間だの興味がない。
あるのは「ソロモンとかいう奴」に対してだ。
…怒ってもいいんだぜ?大抵の奴はこれを聞いて腹立てるし。俺もその反応に慣れてるし。

ちなみに、お前にとって今の俺は捕食したいかも興味の内だ。他の『兄弟』の意見もな。
相手を理解するには、力関係だけとは限らない。「自分を他者がどう意識してるか」知るのも、一つの手段だ。
幸いおたくには話が一番通じそうだから、こうして来た。

じゃ、詳しい話は完走後の新門で。

997 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/03/19(水) 21:18:30
やあ、こんばんは。
君は青白い顔をしているね。外は寒かったのかい?
暖炉に火を入れたから、コートを脱いでこっちへおいでよ。

気温はまだ低いが、ぶどうの木もようやく目覚めて芽吹き始めたようだ。
春先の冷たい雨が幾日か続くだろうが、それももう少しの辛抱なんじゃないかな。


>>416
>読書の秋、好きな本の話を聞かせて下さい

(とうに秋は過ぎているね。すまない!)

パリの市や大学の図書館は昔から蔵書が充実していてね。
図書館通いは金のかからない娯楽だったから、留学生の頃はよく利用したよ。

専門書や小説だけではなく、教養を深められるかとポーやヴェルレーヌなどの詩集も読んだ。
しかし19世紀末のデカダンの香りがする詩は、僕にはいささか刺激が強かったな。
詩人の劇的すぎる生涯にも驚かされたし。

だから詩に限っては、最近になって発表されたもののほうが好きかな。
最近と言っても、ここ50年ほどの話だけどね。
特に好きなのはジャック・プレヴェールだ。彼が語るパリの町はとても美しい。

プレヴェールは裕福な人々より、労働者など市井の人々を愛した詩人だ。
彼の詩の中で、仕事に失敗した男がため息をつき、浮気っぽい娘は男に
なじられながら新しい恋をしてしまう。登場する人々は、誰もが短く
ちっぽけな人生を精一杯、謳歌し生きているんだ。――羨ましいほどに。



>>417
>中の人についても避難所でいいから教えて下さい♪

「なかのひとり」という人物が書いた本のことなら、僕も聞いているよ。
たしか「トレインマン」だったかな?日本ではベストセラーだそうだね。

冴えない若者が電車の中で助けた美女に恋をする話らしいが、
そんなに人気があるのならきっと面白い小説なんだろう。
しかも美女の名前は「エルメス」だそうだが、これはフランスの苗字じゃないか。
ヒロインがフランス人なら、仏語版も出版してくれればいいのにね。




998 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/03/19(水) 21:20:13
>>978
>ディーヴァや翼手より、シュヴァリエの方が厄介だと感じた理由がわかったよ。

おや、君は赤い盾の人間のようだね。

君の言う通り、かつて人間であった僕達シュヴァリエは君達の弱点を知り尽くしている。
人間社会でどう動けば翼手の益になるかということもね。
特に謀略に長けたアンシェルなどは、自らが作り出した薬害翼手を暴れさせて
各国に恐怖のタネを撒き、それに対抗する唯一の兵器としてコープスコーズを
売りつけた。俗に言うマッチポンプだ。
そうやって政治上の発言力を強めていったんだ。

次兄グレゴリーも、病に冒されたロシアの皇太子の治療をし、皇后の全幅の信頼を
得ることに成功した。それで宮廷という絶好の隠れ蓑を手に入れたんだよ。
皇后はグレゴリーに請われて野戦病院も作ったそうだ。その病院で行われていたのは
治療ではなく、人を翼手にする実験だったのだがね。
その研究は後に引き継がれて、僕もベトナム工場では新しい翼手の開発に携わったよ。

こんなふうに僕達のめぐらす陰謀は、いつも人間社会の奥深いところで
うごめいていた。赤い盾が苦戦したのも無理からぬことだろうな。
もしかして君も僕達に苦労させられたのかい?

ところで君は「ヒトに生まれるは易し、だが人間になるのは難しい」と言うが、
シュヴァリエに『なる』のもたやすいものではなかったよ。
少なくとも僕にとっては。



>>979
>要するに、相手が驚異となるとき、自分の戦力での抵抗が相手に通じるか?
>生死を分ける特技だよ。これは。

名無しさん、君の言によると赤い盾の人間はその特技を持ち合わせていなかったようだ。
彼らは勇敢にも、壊れやすい人間の体で僕らに立ち向かってきたよ。
特にカイとデヴィッド、それからまんまるルイス。

しかし危険に身を晒しながら、彼らは団結し、しぶとく生き残った。強運なことだ。
もし目に見えない「運」というパラメータがあるのなら、彼らは僕の10倍くらい数値が
高かったに違いない。それも強さのうちなのだろう。おそらく精神も強靭だったんだろうな。
そして彼らは勝った。生存競争では生き残ったものが勝者だからね。

>猫にとって、ソロモンが翼手だの優しいだのは関心ないんだ。

そうだね。獣は本能が研ぎ澄まされているから、危険か否かを鋭く見極めて判断する。
けれど人間に限っては、危難に自ら飛び込みもするね。
使命のために、あるいは抑えがたい好奇心にかられて。

   ――だから君もここに来たんだろう?

                けっして安全なだけの場所ではないと知っていても――




999 名前:カール ◆DYXKMI3j/Q :2008/03/19(水) 21:35:50
>>980
>翼手も動物でしょ

動物とは「人間以外の獣」を指すことも多いらしいが、その場合でも僕達は
「動物」に該当するね。ヒトではないのだから。

「動物は裏切らない」一面では真実だろう。動物は自らの生存本能に忠実なだけだ。
そんな動物達には裏切りという概念がないのかもしれない。

僕達翼手はどうだろう?たとえば僕は――?
僕はディーヴァのシュヴァリエでありながら、小夜を求めた。
ディーヴァは裏切りだと感じただろうか。

だが僕自身はあるじや兄弟を裏切ったつもりはなかったんだよ。
ただ僕は―――
彼らが座るテーブルに僕の席など初めからありはしなかったのだと、そう思っただけなんだ。



まだご挨拶が残っているが、今日はここで失礼するよ。
ご挨拶できていないお客人にも必ずお返事するよ。申し訳ない。
アンシェルが長兄の貫禄で、見事に新しい場所を作ってくれたようだからね。
(僕がヤツの仕事を誉めたなどとは、兄弟には内緒にしておくれよ)

ところで最後の席が残っているんだ。
僕は幸運にも999という楽しい席番号を頂いてしまったので(初めてだよ!)、
名無しさんか仲間の誰か、よろしければどうぞ。↓


1000 名前:名無し客:2008/03/19(水) 22:24:42
それじゃ!動物園4へ行ってみよー!

1001 名前:1001 :Over 1000 Thread
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。


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