【期間限定】一刻館海水浴場【雑談スレ】
- 1 名前:名無し客:2007/07/16(月) 01:31:510
- 8/31までの季節限定雑談スレッドです。
泳ぐもよし、花火を楽しむもよしと自由にご遊びください。
( ヽ
, ⌒ヽ ( )
( ' ( . ヽ⌒ヽ 、 . (⌒ ⌒、
ゝ `ヽ( . ) (⌒ 、 ( )
( .、⌒ ( ヽ ヽ
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- 2 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/07/22(日) 23:53:56
- ヒュンと風を切る音。
糸の先に付いた餌がポチャンと言う音を立てながら漆黒の海の中に飛び込んだ。
「さて…大物が釣れるといいんだが」
河釣りは東南アジアで経験したが、海釣りは初めてである。
基地にいた部下や地域の情報、そして本で調べてできるだけの場所と装備を
確保することができた。
ここは遊泳区域から多少離れた磯。
周りに人はいないがそれなりにつれる場所だという。
そこにつり道具一式で身を包んで大物を期待しているのだ。
「といってもボロボロだけどな、全部」
そう呟く。
とはいえ贅沢なできる筈がない。
こうやって釣りを楽しめるだけでもまだましといった方であろう。
「ま、少し遠くまで来たんだ。ゆっくり楽しもう…」
少し温くなった缶コーヒーをすすりながら釣りに集中することにした。
- 3 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/07/23(月) 01:11:30
- 「フィッシュ…5匹目」
バケツの中に放り込む。
これでさっき釣った4匹のチヌの仲間入りだぞ、5匹めのチヌよ。
「…いまいち大物が釣れないな。
もうちょいとでかいのが当たってもいいのに」
ぼやきつつもう一度ウキを飛ばす。
あとチヌ以外が当たってもいいんだが、なかなか食いついてこない。
まあ、海ではビギナーなのだ。
5匹も釣れていたらまだ良いほうであろう。
そう自分で納得して釣りに集中することにした。
- 4 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/07/23(月) 02:28:39
- 「へっくし!」
うう、風邪ひいたか?
かといってきちっと服は着込んでいるし、寒いと
感じてはいないのだが…。
誰か噂してやがんなこの野郎。
かといって見ず知らずの誰かに怒りをぶつけるのもなんだが。
- 5 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/07/23(月) 02:51:58
- 「よっと、そろそろ引き上げるかね。
…2時間以上粘って7匹か…ま、まあ、ビギナーにしちゃよくできた方だろ」
誰に言ってるんだか。
深い溜息を吐きつつクーラーボックスの蓋に手をかける。
…なんか大きさもぱっとしないもんばっかりだ。
「…次…何時いけるかなあ…。なんか悔しいし」
リベンジだリベンジ。
次こそは大物を釣り上げよう、うん。
【退場】
- 6 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/07/24(火) 01:45:20
- 「あれ……?」
おかしい。絶対におかしい。
いつも通りに、眠れないから森を散策してただけのはずなのに、
気付けば足元は砂地になってるし、目の前には果ての見えない水溜り。
幻想郷広しと言えど、ここまで幅の広い川なんて三途の川ぐらいだ。
だが、ここには霊魂がいないし、いつもサボってるはずの死神もいないし。
「って事は……幻想郷の外?」
だとしたらいつの間に大結界を抜けたのだろうか?
というか、どうやって抜けたのだろうか?
「……頭痛くなってきた」
まあ、どうやってきたかがわからない以上、
帰り方もわからないわけで。
差し当たって大事なのは、安全と情報の確保。
しっかりと音を消して辺りの様子を伺う事にした。
「もしかしたら、二人に自慢できるくらいすごいのが見つかるかもしれないし」
ちゃっかり、珍しい光景に淡い期待をしていたり。
- 7 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/07/24(火) 02:07:17
- 状況確認そのいち。
目の前にあるのは本当に水なのか。
「冷たい……けど、しょっぱ」
答え、水は水でも塩水。
「塩水の川なんて聞いたことないわよね……」
ますますわからない。
だけど、ここは間違いなく、私の知らない場所だということはわかった。
さて、次は他に何かが無いか、辺りを歩いてみよう。
- 8 名前:蓮見イサム:2007/07/24(火) 02:23:28
- ジャカジャカジャカジャカジャン!
ドリュデドリュデドリュデギャイーンギャイーン!!
その母なる海の前で、オレは一心不乱にギターを弾いていた。
愛するあの娘へ送る曲を!
ダメだ、こんなフレーズじゃダメだ!
オレの柚木への思いを1ミクロンも再現できていない!!
うおおお、オレはダメだ! なんて才能がないんだぁぁぁぁ!!
ぎょいーん ぎゃいーん べいーん
くっ、ダメだ、今日は神が宿らない。一休みしよう。
そう思ってギターを置いたとき、ふと気配を感じた。
やべぇ、聞かれた!? また先輩か!?
「だ、誰だっ!?」
がばっと振り向いたオレの目に映ったものは!
「……よ、よーせー?」
……眠いのか、オレ? ぽろーん(ギター音)
- 9 名前:―完全で瀟洒な従者― 十六夜咲夜 ◆KILLER99Vo :2007/07/24(火) 02:23:50
- 「外」――久しぶりに出てみたけれど、相変わらず騒々しい。夜になったら暗くなるべきなのに。ガス燈の灯り
は随分前に消失してしまったようだけれど。明るい。
霧のない夜に一人、海へ。
「――ん?」
こんな時間に、人影――しかもなんだかあからさまに異様な雰囲気の――と言うか、馴染みの深い。
「探しものなら鞄の中よ。隙間を探して御覧なさいな」
気付けば背後に、ちょっとしたホラー?
- 10 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/07/24(火) 02:24:51
- ―――センサーに感じた小さな反応。
人気の失せた夜の海水浴場へ足を向けたのはそれが理由だった。
神経過敏―――しかし、現状の組織の様子を思えば確実を期するべきと判断。
“首領”を失いほとんど崩壊状態のブラッククロスは、それほどまでに弱体化している。
「―――誤反応、か?」
防塵処理を施した脚部で砂浜を歩く―――砂の擦れる音。
しかし、何者かが出てくる気配はない/各種センサーにも動きは無し。
聴覚はただ、波の音だけを伝えている。
査察/襲撃―――その他の危険性は見受けられない。
戻ろうとしたところで、ふと天を見上げた。
……無数の火/核融合反応の光/恒星の輝き―――さながら逆さまの燎原。
「……天の川か」
―――機械の意識がかすかに動く。
気がつけば、天を見上げたまま足は止まっていた。
注がれる視線にも気づかぬまま。
- 11 名前:蓮見イサム:2007/07/24(火) 02:32:48
- >>9
ふと気付くと。
なんか周囲に気配が増えている。
……え、演奏に夢中で気付かなかったのか、オレ。
そいつは……、
すばらしい集中力だぜ! 流石オレ!! べ〜ん
っていうか、聞かれてたのか! オレの愛の曲!
い、いや、まだ聞かれていない可能性もあるかもしれない!
大音量だったけど、万が一ということも!
「あー……ごほん。い、いい夜ですね、静かで?」
我ながら完璧なフォローだと思った。
- 12 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/07/24(火) 02:36:56
- 状況確認そのに。
面白、じゃなくて使えそうなものはないか周りを調べる。
「って、どこを見ても砂、砂、砂じゃないのよ……」
ぼやきながらもぶらぶらと歩いてみる。
人の気配もほとんど無い。
もしかしたら、ここは誰もいない世界で、
二人のところに戻る事もできずに、ここで一人暮らし続けるのかもしれない。
「嫌ね、そんなの…… うわっ!」
べしゃっ。
思っていた以上に考え込んでいたらしい。
いつの間にか岩場に出ていたようだ。
砂地も足場がいいとは言えないけれど、岩場はもっと悪い。
考え事をしながら歩いていれば、転んで当然だ。
「痛いなぁ…… ってあら?」
>>8 流しのギタリスト
誰かいる……
一心不乱にギターを弾いてるみたいだけど、何をしてるのかしら……?
>がばっと振り向いたオレの目に映ったものは!
「見つかった!?」
とっさに岩場の裏に隠れる。
人間なんてあっさり道に迷わせたりできるけど、今は一人だ。
どうしても心細さが先に来てしまう。
「大丈夫、すぐに隠れたから見つかるはずは無いわ……
第一、音も消してるからこけた時の音も今の声も聞かれないはずだし……」
でも、不安になってどうしても覗き込んでしまう私だった。
>>9 種無し手品のメイドさん
>気付けば背後に、ちょっとしたホラー?
「うわわわわっ!」
顔を出した瞬間、目の前には見慣れた、ちょっと怖いメイドさんがいた。
全く持って心臓に悪いメイドである。
妖精に心臓があるのかどうかは知らないけど。
>「探しものなら鞄の中よ。隙間を探して御覧なさいな」
「何を言ってるのかわからないってば!」
自分で音を消してるのも忘れて声を張り上げる。
その前に逃げるべきだったのかもしれないけど、
腰が抜けてしまっていてそれどころじゃなかったし。
- 13 名前:―完全で瀟洒な従者― 十六夜咲夜 ◆KILLER99Vo :2007/07/24(火) 02:43:09
- >>11
確かギターと言う楽器だ。一本ぐらい「お店」にあったような気がする。どうにも本来の音は出ていなかった
ようだけれど。音量を上げれば上げるほど歪むと言う「アンプ」と言うものに繋いで本来は使うらしい。あくまで、
らしい。繋いでも変わりがなかったもの。残念だった。がっかり。
「ええ――静かね。自然の音はそれだけで心安らぐわ。人工的な音もいいのだけれど、アンサンブルとしてな
ら天然の音のほうが心地いいわ、やっぱりね」
音――そう、音だ。
和音と不協和音。
マイナー、メジャー。
いろいろな音がある、人工の音はどうにも騒々しくて敵わないのだけれど。
>>12
「何も取って食う訳じゃないわよ――」
妖精ってこんなに気弱だったのかしら。
ショック死されそうな勢いだった。
寝覚めが悪いので勘弁して欲しい。
そもそもあまり眠らないのだけれど。
時間的には。
「焦ったところでなにも見つからないという事よ――多分。それにしても珍しいわね、一人だなんて。三人1セット
で動くのが当然だと思っていたけれど」
- 14 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/07/24(火) 02:44:20
- >>7
「―――妖精だったか」
今更ながら反応源を確認。
人気の消えた現在、こういった場所に出てくることは珍しくはない。
杞憂に終わったようだ―――判断、帰還を選択する。
その場を去ろうと踵を返し―――
>>8
唐突なノイズ/人為的な音響。
位置索敵/踵を再び返す/武装の転送準備と内部機構への動力供給をスタート。
確認―――楽器らしきものを所持した男性。齢は若年と推測。
「……そこで何をしている」
質問―――少しでも不審な動きを見せたなら即座に『対応』する。
IRPOの極秘捜査官/敵対組織の刺客か。
一般人という可能性も存在したが、油断はしない。
>>9
再び反応―――唐突な出現/背後。
罠と判断/保留―――攻撃は無い。
……ここを訪れた時点から、次々とイレギュラーが発生する。
判断に迷い/戦闘行動の必要は?
「…………出歩くような時間ではないが」
現時点では無用と決定。
動かず、センサーだけで反応の動きをトレースする。
……超音波/赤外線を駆使することで相手の姿が浮かび上がる/複合する画像。
若い女性らしき姿。ただし一部に金属反応―――警戒レベルを一つ上昇させる。
- 15 名前:蓮見イサム:2007/07/24(火) 02:46:29
- >>12
「あれー? いたと思ったんだけどなぁ」
やっぱり目の錯覚だったらしい。
まぁ、そうだよなー、妖精なんて。
エンジェルハイロゥの見せる幻じゃあるまいし。
よーし、演奏に戻ろうかな。愛だし。愛。
>でも、不安になってどうしても覗き込んでしまう私だった。
……むう。やっぱなんか気配を感じる気がする。
ああ、じゃああれでやってみようか。
説明しよう!
このオレ、蓮見イサムはかき鳴らしたギターの反響音で、
近くになんかいたりしないかを調べることができるのだ!!
判定に成功すればだけどな!!
いや、マジでマジで。
「せーの」ぎゃい〜〜〜〜ん
……やっぱなんかちっさいのがいるみたいな気がする。
えーと、じゃああっちを向いて。
「だーるーまーさーんーがー」
「転んだ!!」
がばっと振り向いてみた。
- 16 名前:蓮見イサム:2007/07/24(火) 02:53:06
- >>13
>「ええ――静かね。自然の音はそれだけで心安らぐわ。人工的な音もいいのだけれど、アンサンブルとしてな
>ら天然の音のほうが心地いいわ、やっぱりね」
聞こえてなかったらしい。良かった。
しかしちょっぴり聞き捨てならない。
「そっすね、自然の音には適わないなぁって思うときもあるっすけど。
でも、ギターだって捨てたモンじゃないっすよ! コイツは愛と平和だって生み出せるんすっすから!!」
べいーん
そう、ギターは魂なのだ。ロックなのだ。ラブ&ピースなのだ。世界をまるっと塗り替えるのだ。
そのへんわかってくれたら嬉しいなぁ、と思うんだけど。
思わず反論したくて、初めて会った人にこんなことを言ってしまった。
>>14
>「……そこで何をしている」
うわ、なんか凄いのがこっち見た。
ろ、ろぼっと? ファルスハーツのフルボーグとか?
いや、ブラックドッグの人かもしんないし。
映画の撮影かもしれないし。
とりあえずコミュニケーションからだ。うん。
「何をしているかと言われたら!!」
じゃい〜ん
「魂を奏でている!!」
決まった……。
- 17 名前:―完全で瀟洒な従者― 十六夜咲夜 ◆KILLER99Vo :2007/07/24(火) 03:00:52
- >>14
「野暮な事を言うのね――時間なんて些細な事よ、少なくとも私にとっては」
随分警戒されているようだけれど、まあ、こんな時間にこんな格好の女が出歩いて居れば警戒の一つもしたく
なって当然なのかもしれないけど。
「出歩くような時間ではないと言うのなら、それは貴方にも還る言葉じゃないかしら」
――時間を少しだけ止める。
少しだけ動く。ほんの半歩ほど。
――緩やかに、元通り。
>>16
やっぱりギターだった。少しだけあの音色には惹かれるものがある。
「そうね、確かにその通りだわ。ただし――騒音と音楽は違うと思うのだけれど?」
深夜に鳴らす音量ではないと思うのだった。
「愛と平和――その安い文句も生きていたのね。少し驚いたわ。まあ、音楽が人を救うと言うのはよくある話ね。
救われた人間が謳う歌もあるくらいだから。少し聞かせてもらおうかしら、シャープで、エッジの聞いた、ロック
――って言う音楽を」
ジャズや、ポップス辺りはよく聴く――聴かされるのだけど。
あまり馴染みがないのだ。
そもそもあまり煩いのには興味はないのだけれど、たまには悪くないのかもしれない。
- 18 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/07/24(火) 03:03:06
- >>16
「―――“魂”?」
判断不能/推測を開始する。
魂/特殊な概念/形在るものではない。
ギター/楽器/音を発する道具。
総合―――連想/音は視覚では感知できない。
魂もまた通常の手段では感知不能。
―――統合。
魂を奏でている=魂の形を音で表出させている。
「そうか―――だが、魂とは何なのか、貴殿には理解できているのか?」
実を言えば自身にも解からない―――機械から最も遠く離れた概念ゆえに。
やはり、それを統合したドクター・クラインは偉大なのだろう。
「私は―――未だに理解出来ていないようだ。
形無き存在を捉えるのは、この身では困難らしい」
- 19 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/07/24(火) 03:09:00
- メイド長の登場でパニックになった私の世界に音が戻る。
ざざぁ、ざざぁ。波の音。
ぎょいーん、ぎゃいーん。ギターの音色。
急に増えた情報量に私はますますパニックになる。
ああ、もう。
こんなときにスターがいればもうちょっとマシな対応ができたし、
サニーがいれば不安なんて消し飛ぶくらい元気になれるのに。
>>15 メイド長
>「何も取って食う訳じゃないわよ――」
それはわかってるつもりだ。
ただ、今は知らない場所に一人で放り出されて、
帰り方も見つからないという、不安極まりない状況なのである。
と、なれば不意打ちで登場されればパニックになるのも当然なわけで。
でも、良く考えればこの人だって同じ幻想郷の住人だ。
もしかしたら帰り方を知ってるかもしれない。
そう思うと、すこし不安はまぎれたような気がした。
>「焦ったところでなにも見つからないという事よ――多分。
> それにしても珍しいわね、一人だなんて。
> 三人1セットで動くのが当然だと思っていたけれど」
「き、今日はちょっとした都合で私一人なの。
でも呼べばきっとすぐ来るわ」
と、会話をできる程度には。
>>14 鋼鉄の正義
>「―――妖精だったか」
その声のした方に目を向けると、甲冑のような、
月明かりに鈍く輝く人影があった。
それはどこか、生き物らしさを感じさせず、
ただ機械的に周囲を警戒している。
「なんなのよ、ここは……」
せっかく知り合いを見つけて軽くなった不安が、また私を押し潰しそうになる。
>>15 ソナーかよ!?
>「だーるーまーさーんーがー」
>「転んだ!!」
そして、気付けばさっきのギター男にもしっかりと見つかってる。
きっと今の私は不幸のどん底。
これ以上悪い状況にはならない気がする。
そう考えれば少しは気が楽になった。気がした。
ゆっくりと、岩場から出て行く。
「こ、こんばんわ……」
- 20 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/07/24(火) 03:12:36
- >>17
―――センサーに警戒反応/異変。
全く動かず、彼我の距離が半歩分遠ざかっている。
警戒レベルが上昇する/正体不明/迂闊に行動するべきではない。
「……私は、センサーに反応があったのでな。気になって見に来ただけだ」
嘘のない言葉/核心をなぞらぬよう、慎重に言葉を選んで。
相手の正体が不明な今、こちらの出自を悟られるべきではない。
「そちら風に言えば、『目聡い』『耳聡い』と言ったところか。
何でも無ければすぐ戻るつもりだったのだが―――」
センサーは視覚以外フル稼働で対象を捕捉している。
何か異常があれば、一ミリ秒で反応できる。
「……妙な技を使うようだが。テレポートか、それとも別の何かか」
わずかに危険領域へ―――言葉で踏み込んだ。
動きが無いのならいい。だが、もし動けば。
右腕をかすかに移動させる。剣を握るような拳。
物質転送/愛用の剣はいつでも武装可能。
―――不安/戦闘が周囲に余計な情報を与えるかも知れない。
重要なのは隠匿であり、殲滅ではない。
ここに在る―――それを知られた時点で全ては破綻する。
拳を戻す/ゆっくりと指を開く=戦闘態勢の解除。
最悪、自分が突然撃破されたとしても守秘機構が働く―――自壊コマンド。
相手に何らかの情報を渡す危険は無かった。
- 21 名前:蓮見イサム:2007/07/24(火) 03:14:21
- >>17
>「そうね、確かにその通りだわ。ただし――騒音と音楽は違うと思うのだけれど?」
「そうっすね!騒音と音楽は違うっすよ!!」べいーん
まったくその通りだ。ただうるさいだけじゃロックじゃない。
この人はそのへんわかっているらしい。
嬉しくなってちょっとギターをかき鳴らす。
つまりオレのは音楽であって騒音ではないんだ。ぎゃーん
>「愛と平和――その安い文句も生きていたのね。少し驚いたわ。まあ、音楽が人を救うと言うのはよくある話ね。
>救われた人間が謳う歌もあるくらいだから。少し聞かせてもらおうかしら、シャープで、エッジの聞いた、ロック
>――って言う音楽を」
「そう!音楽は世界を救うんっすよね!?
やっすい文句を実現しちまうのがロック!!
くぅーっ、おねーさんわかってるなぁっ!
任せてください!一曲披露するっすよ!!」
オレはもう一度、ビシッとギターを構え直した。
正直言って自分の腕はまだまだだと思う。
だけど、魂ならきっと負けてねぇ!!
オレに今できる最大限の魂をブチ込んだギンギンのロック。
「行くぜ!!!」
ところで。
文章で音楽を表現するのって難しいよな!!
デゲデゲデゲデゲデゲギャァンッ!!
- 22 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/07/24(火) 03:18:41
- >>19
気がつけば、あの妖精はすぐ近くにまで来ていた。
音響センサーに反応は無し/ただし、かすかに不自然な空隙がある。
なんらかの術を使っている=出来るだけ人の目に付かないように、という工夫。
……それも無為に帰しているようだが。
あっさり発見されて声を出している辺り、やや迂闊だろうか。
だが、何より驚くのは全く逃げる素振りが無いことだろうか。
「……ここまで人馴れしている妖精は初めて見るな」
思考がかすかに音声で流出する=無意味な行動=魂を宿すゆえの揺らぎ。
……ただ、こちらに関して多少の恐怖を覚えているようだ。
表情を観察―――同時に振動感覚/かすかに震えている。
「不安がるな―――敵対の意志はない」
それだけを告げる。
危険は無くとも、無用に敵を作る必要は無かった。
- 23 名前:蓮見イサム:2007/07/24(火) 03:26:02
- >>18
>「―――“魂”?」
なんか考え込んでる。
オレのセリフに痺れたのか?
やっぱロックは人と機械の垣根なんてぶっ壊すってことだな!
>「そうか―――だが、魂とは何なのか、貴殿には理解できているのか?」
と思ってたら、そんな質問をされた。
オレは一秒も間を置かずにはっきり答える。
「おう!!このギターと音楽がオレの魂だぜ!!」
考えるまでもなく、そんな答えは決まりきっている。
>「私は―――未だに理解出来ていないようだ。
> 形無き存在を捉えるのは、この身では困難らしい」
やっぱフルボーグの人みたいだな。
きっとオレには考えつかないような重みがあるんだろう。
でも。
「そっか。でもあんたには音楽が聞こえるんだろ?
センサーとかそーゆーのかもしれないけど。
でも聞こえるんなら、絶対心底震える音楽があるはずだぜ!
理屈じゃなくって、ビリビリッとくるヤツ!!
オレが演奏してやれればいいんだけどなぁ。ははっ」
それだけは間違いない。音楽にそれだけの力があるって、オレは信じてる。
それになんかこの人、カッコいい音楽に縁のありそうな顔してるし。
>>19 ソナーだよ!! *そういう特殊能力です
じーっと見つめる。
見つめる。
見つめる。
見つめる。
目が疲れた。
>「こ、こんばんわ……」
「うわ、本当にいた!?」
め、目の錯覚じゃなかったんだなぁ。
そういや最近、近くにこーゆーのを見る先輩がいるとか、
聞いたことがあるような、ないような。
っていうかなんか怯えてるみたいだ。悪いことしたかなぁ。
「えーっと、怖くないぞ?」べーん
怖くなさげな想いを込めた音をかき鳴らしてみた。
音楽は世界の共通言語だ。通じるはず。
柚木が見たら喜ぶかなぁ。写メ撮っていいかなぁ。
- 24 名前:―完全で瀟洒な従者― 十六夜咲夜 ◆KILLER99Vo :2007/07/24(火) 03:32:12
- >>19
曇りのち晴れ、処により雨が降るでしょう――。
多分、彼女はそんな気分なのだろう。誰かの気まぐれか、うっかりと「踏み越えて」しまったのか。もしくは
もっと別のなにかなのか。まあ、私が心配したところでどうにもならないのは確かだ。帰り道が知りたければ
教えてあげるくらいの親切をしてもいいのだけれど。
「ふぅん――ちょっとした都合、ね。で、呼べば直ぐに来る、か」
あからさまなブラフに引っかかっては手品師(趣味)の名折れだ。透けて見えてしまったトリックはトリック
とは決して呼べないように、バレてしまった嘘は嘘としての意味を為す事もない。
嘘とは綱渡りなのである。その細い糸から落ちてしまうと――。
「じゃあ、親切に帰り道を教えてあげる必要もなければ、私は今すぐに帰ってしまっても良い訳ね。じゃあ、
さよなら――」
くるりと背を向け、一歩を踏み出してみる。我ながら性格が悪い。
――でも、たまには悪戯をされる側になって見るのも、彼女にとっては必要な事だろうと、自分に嘘をつく。
誰も騙せない嘘では、自分自身すら騙せないのだけれど。
>>20
「あら――意外と小さいのね。外見に似合わず」
腕を組み、なんでもなさそうに呟く。
視線は反らさないままに、二の句を告げる。核心に近付く為の問いに、容易く答えをぶつけるのは礼儀知
らずだろう。手袋を投げる趣味は私にはない。
「そうね――人間の知恵かしら。歴史の中で生まれてくるものもあるでしょう? 紙の生成だとか、数学――
平たく言えば零の発見だとか、時間を区切る仕組みだとか。そういうのの一種よ、きっと」
――そうしてまた時間は止まる。
ゆっくり一歩を踏み出す。
そこは既に私の世界。
――総ては緩やかに、元通り。
>>21
「まあ、ポジティブに考えれば月曜日よりの使者がやってくるのかもしれないわね。――珍しい例でしょうけ
ど、極稀な出来事でも事象として起こるなら事実だしね」
チョーキング、チョークダウン、ハンマリング、プリング、タッピング、ライトハンド――飛び跳ね、うねり、囁
き、泣き、叫び、喜び、悲しみ、奏法による感情表現。フレットの数だけ、六本の弦は様々な表情を魅せる。
刻まれるリズムは壁のように迫り、優しく包み込むように。
奏者によってミスすら味となる、不思議な楽器――「ギター」。
って、パチュリー様が言ってたような(←台無し
「それにしても――下手ねえ。素人目でも判るわよ」
伝えたい事は判るのだけれど。
- 25 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/07/24(火) 03:39:12
- >>22 無敵の超人
>「不安がるな―――敵対の意志はない」
ほっと胸をなでおろす。
よかった。
もし、こんなにごっついのが襲ってきたら、どうにもならない。
元々、戦う事は得意じゃないけれど、逃げることすら出来ない気がする。
恐怖が薄れれば次にする事は決まってる。
私は妖精だ。それもとびっきり、好奇心が強い。
触りたい。そんな衝動が私を突き動かす。
「ちょっとぐらいなら、触っても大丈夫よね?」
そっと、おっかなびっくり手を伸ばす。
>>23 ギターで周囲の様子を探る程度の能力
>「えーっと、怖くないぞ?」べーん
この人も私をどうこうしようとは思ってないらしい。
というか、よくよく見ればそんなに怖そうには見えないし。
それに、ここにいる人たちの中では一番”普通”っぽい。
だから、ここでは常識かもしれないことを聞いても大丈夫そうな気がした。
「あの、つかぬ事を聞くけれど、ここはどこかしら?」
>>24 いじわるメイド
>「じゃあ、親切に帰り道を教えてあげる必要もなければ、私は今すぐに帰ってしまっても良い訳ね。じゃあ、
> さよなら――」
……って本気なの!?
それは困る。ひじょーに困る。
どれくらい困るかというと、
今まで集めた私の宝物が全部なくなってしまうくらい困る。
「ちょっと待って! お願いだから置いてかないでよ!」
ここで帰られたら、正真正銘の一人ぼっちだ。
だから、なんとしてでも追いつかないと。
- 26 名前:蓮見イサム:2007/07/24(火) 03:47:10
- >>24
一心不乱にギターをかき鳴らす。奏でる。叩きつける。
聞かせるんじゃなくて叩きつける。
魅せるんじゃなくて見せ付ける。
表現するんじゃなくてブチ抜いてやる!!
……なんてトコまではまだできてないと思うんだけど。
とにかく今のオレの全力を込めて一曲を終えた。
ぎゃいーん
最後の音を鳴らしたそのままの姿勢で余韻を楽しむ。
さあ、感想は!
>「それにしても――下手ねえ。素人目でも判るわよ」
ぐさっ。
お姉さん。はっきり言われるとけっこうショックです。
だからオレが曲をかき鳴らすと敵が倒れるのか!? *音波攻撃です
「こ、これからっ、これからの男なんっすよ、オレは!」
負け惜しみみたいになってしまった。くぅ。オレもまだまだだ。
「でも!次聞かせるときにはギャフンと言わせてみせるッスからね!?
そのときあのときはごめんなさいと言っても知らないっすよ!!」
そうだ。負けるなオレ。頑張れオレ。
ちょっと涙目になんかなってないやい。
とにかく死ぬほど練習しようと心に誓った。
- 27 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/07/24(火) 03:50:27
- >>23
―――かすかに話題がずれているかも知れない、と思考する。
魂の本質ではなく、魂の代替物―――表現する技法では無かった。
だがもう一つのラインでは、正しいとも思える。
彼は断言した。
―――半身のような楽器と音楽こそ魂と。
自らの全霊を賭けられるであれば、それが形を得た魂と定義しても問題は無い。
超合理的な思考が自らの内側で発生する/かすかな驚き。
「……そういった形であれば、私にも在るかも知れないな」
呟き、鋼で編み上げられた手を見る。
幻視―――架空の重み/架空の感触/架空の存在。
己が身と同じ鉄の大剣。
「……私は闘いを生業とするものでな。
もし魂と呼べるものを貴殿のように解釈するのであれば、剣とその在り方だろうよ」
魂とは、物理的手段では観測不能な概念である。
そしてそれが導くもの―――行動原理/価値観/精神の基盤。
私が強さと闘いを求めるように、彼もまた音を求めているのだろう。
「―――私の音楽、か。残念だが現在の私では音楽の良し悪しを判断することは困難だ。
ただ……何かを感じることは、在るかも知れないな」
彼が演奏を始める―――シンコベーションからロックと判断。
しばらく聞き入ることにした/何かを感じようと。
しかし、顔に似合う音楽とは何だろうか。
それだけはあまりにも直感的過ぎて上手く理解できなかった。
>>24
「虎よりも兎の方が生き残れる……そういうことだ。
それに戦士は―――望まぬ戦いをしないものだ」
それだけを呟く―――センサーに反応。
位置がこちらへ半歩ずれている/一瞬の動作すら感知できない。
元通りの距離へ。
「時計、か。確かに人間の知恵だろう。時を手にすることで繁栄の礎を成したのだからな。
―――そして、私のような存在を生むことも成した」
推測―――時術、あるいはそれに類するものの使い手。
合致率は九割をマーク。
単独での敵対/非武装状態での敵対は危険レベル最高。
ただし、相手が戦闘態勢であった場合に限る。
今は、違う/直感的に想起。
「信用しよう」
それだけを呟いて、今度こそ全ての武装を停止させた。
互いに臨まぬ戦いをせぬように。
>>25
妖精に触っていいか、と言われたのは初めてだった。
―――子供相手なら有ったが。
その時は一応許可している/事を荒立てない判断。
「……構わんが、冷たいだけだぞ」
皮膚の代わりに鎧われた装甲は、妖精の接触程度でどうかなる代物ではない。
同時に、それほど面白みの在るものでもない。
接触されている間、妖精という生命について情報を引き出して確認してみる。
特殊なエネルギーにより構築されている生命体/人間とは違うロジックで生きているもの。
伝承によれば気紛れで悪戯好き/害意が在るものと無いものが存在/幸運をもたらすことも。
「……聞いていいのか解からないが、どういう妖精なのだ?」
愚の骨頂のような問い―――久しぶりに動いた好奇心と興味。
小さな人の形を取った不思議な存在=妖精への。
ここまで接近されたからかも知れない。
- 28 名前:蓮見イサム:2007/07/24(火) 03:55:24
- >>25 あと音波攻撃で辺り一帯ぶっとばしたりする程度の能力
なんだか少しは落ち着いたみたいだ。
良かった。なんだかわかんないけど、怖がらせるつもりはなかったし。
従者かなんかかなぁ。ジャームにゃ見えないし大丈夫だよな。
>「あの、つかぬ事を聞くけれど、ここはどこかしら?」
「え?見ての通り海だけど」
海だ。
これでもかってぐらい海だ。
あ、それとも住所か?住所は調べないとわかんないなぁ。
「なんだ、もしかしてお前迷子なのか?」
迷子……こういうのも迷子でくくっていいものか。
「んー、交番は不味いよな。戻る場所わかるなら探すの付き合うけど」
さっきのおねーさんは知ってるみたいだし、大丈夫かな。
「あ、写メ撮っていい?」
とりあえず、聞いてみた。
- 29 名前:―完全で瀟洒な従者― 十六夜咲夜 ◆KILLER99Vo :2007/07/24(火) 03:59:42
- >>25
「クスクス――まったく、弱虫ね。仕方ないから一緒に居てあげましょうか。ただ、勘違いしないで欲しいのは
お願いされたからじゃなくて、あくまで仕方ないからよ。と言うか、当然のようにジョークだって事ね。どうかしら?
偶に騙される側、悪戯される側に回ってみた気分って」
半ベソをかいている妖精と言うのは中々見ものだ。普段はこっちを見ると一目散に逃げて行くのだから特に。
ついつい顔が緩んでしまうのも仕方ないと言うものだと思う。
さぞかし嫌な笑顔に見えるのだろうけれど。そんな事は知った事ではないのだ。
>>26
「そうね――限られた時間の中で存分に練習して、自信が持てたならもう一度くらいなら聴いてあげても良い
わね。でも、だからと言って高評価は期待しちゃ駄目よ? 私は思った事をそのまま伝えるタイプだから、もう
一度同じ評価を下すかもしれない。それでも構わないなら――待ってあげるわ」
努力は人を裏切る事はない。昔からよく言われている言葉ではあるが、それが真実だから残り続けるのであっ
て、決して嘘ではないのだ。
練習を重ねる事で成功率が上がる。その積み重ねが出来るか出来ないか、そこに明確な差が生まれるので
あって、才能が齎す差など、僅かなものだ。成功者になるのであれば、その僅かが重要ではあるが、一人を満
足させる程度であれば、まったく問題にならないだろう。
音楽とは、そういうものではないだろうか。
>>27
「取らぬ狸の皮算用ね。納得だわ」
リセットが効かないからこそ慎重になる。だからと言って慎重になりすぎてもドツボに嵌るのだけれど。猪突猛
進でも困るのは言うまでもない。
その辺りをしっかりと理解はしているようだ。だからなんだという話だけれど。
「まあ、発見してしまったが故に捕われる事になってしまっているのだけれどね。誰もがそれに縛られてしまって
いる。悲しい事だとは思わないけれど。時間と言う不自由があるからこそ、自由を確認できるんだろうしね」
そこまで言って首を傾げる。
「信用って――私はそんなに好戦的じゃないつもりだけど?」
ナイフは護身具ですわ。
- 30 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/07/24(火) 04:01:50
- >>27 子供のヒーロー
>「……構わんが、冷たいだけだぞ」
許可は出た。
出なくても触る気満々で、既に手を伸ばしていたわけだけど。
ぺたり。冷たい。
本当に甲冑みたい。
ぺたり。ぺた、ぺたり。
二度、三度触っているうちに、最初に感じていた恐怖はほとんど吹き飛んでいた。
>「……聞いていいのか解からないが、どういう妖精なのだ?」
ぺたぺたと、それはもう失礼なぐらいに触りまくっていた私に、
唐突に投げかけられた質問。
別に答えなくてもいいけど、私だってこうやって触りまくらせてもらってるんだ。
知られても困るようなことでもないし。
ふわりと、相手の目線に合う高さまで浮かぶ。
「私は月の光の精なの。こういう月夜に一番力が発揮できる。
まあ、元々の力が弱いから高が知れてるんだけどね」
そして、ぺこりと一礼。
「挨拶が遅れたわね。私の名前はルナチャイルドって言うの。
あなたは?」
- 31 名前:蓮見イサム:2007/07/24(火) 04:10:42
- >>27
なんだか考え込んでいる。凄くまじめな感じの人だ。
今更ながらにちょっと恥ずかしくなって、オレはほっぺをかく。
>「……そういった形であれば、私にも在るかも知れないな」
「だろ!?うんうん、そうだよな!」
そーなのだ。音楽は機械とかそーゆーのは関係ないのだ。
>「……私は闘いを生業とするものでな。
> もし魂と呼べるものを貴殿のように解釈するのであれば、剣とその在り方だろうよ」
って、おっとっと。音楽じゃないのか。ちょっと残念だけど、でもそうだな。
コイツがオレの魂だー!!ってもんは人の数だけあるのかもしれない。
それが多分、オレの場合はロックでギターで音楽なんだ。
隼人先輩や椿先輩も、音楽じゃないけど、絶対間違いない魂を持ってた。
戦い……いや、あの人たちの日常、なのかな。
「やっぱ闘う人なのか。オレにとっての音楽が、あんたにとっての剣なんだな。
そうだな、そーゆーのも全然アリだと思うよ」
>「―――私の音楽、か。残念だが現在の私では音楽の良し悪しを判断することは困難だ。
> ただ……何かを感じることは、在るかも知れないな」
オレにとっても、音楽と闘うことは同義だ。
オレは音楽で闘ってる。比喩じゃなくって、闘ってるから。
でもそれは闘わなくていいようにするためで。
「じゃあさ、オレ絶対ビッグなミュージシャンになるからさ。
もし、闘って闘ってもう闘う相手がいなくなったら、聞きに来てよ。
絶対、魂、震わせちゃうぜ?」
いつか闘わなくてよくなった日に、闘いだけを求めて欲しくなくって。そんなことを言ってみた。
- 32 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/07/24(火) 04:15:30
- >>28 気のいいお兄さん
>「え?見ての通り海だけど」
へぇ〜。ここが海なのね……
って、海!?
やっぱりここって幻想郷の外だったのね!
帰ったら二人に自慢できるわ!
……帰れればだけど。
>「なんだ、もしかしてお前迷子なのか?」
「う……」
あっさりと今、一番認めたくない事実を突きつけられる。
そう、私は迷子なのだ。
消えかけていた不安が再びのしかかり始めてくる。
まあ、隠していたって得はしないし。
「そうよ…… 認めたくないんだけど」
ああ、いつになったら帰れるんだろうか?
>「あ、写メ撮っていい?」
「写メって、何?」
知らない言葉が出てきた。
きっと外でしか使われない言葉なんだろう。
興味が沸々と湧いてくる。
「それってどんなの? 楽しい? 面白い?」
>>29 パーフェクトメイド
>「クスクス――まったく、弱虫ね。仕方ないから一緒に居てあげましょうか。ただ、勘違いしないで欲しいのは
> お願いされたからじゃなくて、あくまで仕方ないからよ。と言うか、当然のようにジョークだって事ね。どうかしら?
> 偶に騙される側、悪戯される側に回ってみた気分って」
やられた。完全に引っかかってしまった。
「……あなたって意地が悪いのね」
これが今出来る精一杯の反抗。
でも、今はどう足掻いたってこの人には勝てないのだ。
なぜなら、私の知らないことを知ってるから。
「最悪な気分よ。見られなくてもいい部分を見られてしまったんだもの」
- 33 名前:―完全で瀟洒な従者― 十六夜咲夜 ◆KILLER99Vo :2007/07/24(火) 04:21:09
- >>32
「酷い言われようね。泣いちゃおうかしら。――嘘だけど」
この顔は見てもあまり楽しくない。悪戯がばれた時の顔は何時も決まってこうなのだ。ありきたりなもので
満足してしまっていてはセンスが鈍ってしまう。
完全も、瀟洒も、常に磨いてこそなのだから。
「だから鞄の中の隙間を探しなさいと言ったのよ。答えなんて何時も身近にあるものなの。気付けないぐらい
身近にあるから困りものなんだけどね」
帰る方法も、同じだ。近くにあり過ぎて気付けないだけなのだ。
- 34 名前:蓮見イサム:2007/07/24(火) 04:21:27
- >>29
>「そうね――限られた時間の中で存分に練習して、自信が持てたならもう一度くらいなら聴いてあげても良い
>わね。でも、だからと言って高評価は期待しちゃ駄目よ? 私は思った事をそのまま伝えるタイプだから、もう
>一度同じ評価を下すかもしれない。それでも構わないなら――待ってあげるわ」
「上等!!」
時間が限られてるのなんてみんな一緒だ。
そんな中で、色んな人が色んなことをやってきた。
努力で越えられない壁ってのはきっとあるんだと思う。
越えられない壁なんかないって言ったら、頑張ったけどダメだった人への冒涜だと思う。
だからこそ、その言葉を言い訳には絶対にしたくない。
突っ走って突っ走ってやれること全部やって、それでもダメだったそのときにだけ……。
いや!そんな日来させやしねぇ!
蓮見イサムは最後の最後!その瞬間まで走り抜くんだ!!
「思ったことそのまま言ってくれるなら尚更っす!
キャー!イサムくん素敵ー!もうめちゃくちゃにしてー!
と!思ったことそのまま言わせてみせるっすよ!!」
ぎゃいーん
オレはビシィッと言い放ったのだった。
でもそーゆーこと一番言って欲しいのは柚木なんだけどな。
言わないだろうなぁ……。
- 35 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/07/24(火) 04:27:03
- >>29
「その部分も含めて―――と言うことだ。
そちらも只者ではないだろう。しかし、狂戦士ではない。違うか?」
振り向いて、かすかに目を細める―――複眼/赤い光のラインが絞られる。
センサーに反応のあった“護身具”というのもあながち嘘ではないだろう。
―――本当の武器は、そんなものではないのだから。
「そしてこちらも同じだ。闘うことは私の存在意義だが、生存に必須ではない。
故に、互いの望みが合致した時と、必要な時にしか刃は抜かない」
それが試合であり死合でもある―――正しい形の。
正しき力もまた、そういうものだろう。
暴走する自己に振り回されるのであれば、やがては自滅を辿る。
「……話を戻すが、信用に値するとは思う理由は他にもある。
もし殺人鬼か何かであれば―――こんな余談など交わすこと無く殺しにかかるものだろう?」
それだけを告げて、視線を海に向ける。
……かすかに感慨を覚える。
「もう一つあったな。―――この場を血で染めるのは無粋だろう」
これは文字通り本心からだった。
他意も作為も合理性も無い―――直感的な言葉。
>>30
小さな子供程度の姿が目の前まで浮かんでくる。
……見れば見るほど、不思議な存在だという印象が強くなる。
人の形を何故取るのか―――それも在るが、その存在の自由さもまた興味深かった。
「……月の光、か。なるほど。
自らが最も強い状況を利用するのは重要だ。
いや、むしろ力及ばぬからこそ見極める、というべきか」
―――月、か。
月夜に力を得るのであれば、確かにふらりと出歩きたくもなるだろう。
妙な納得/ただ、合理的ではある。
「……名前、か」
かすかに戸惑う―――名乗って良いものか。
今では壊滅したとはいえ、かつては四天王に名を連ねていたのだ。
簡潔に言えば―――“名が売れすぎている”。
妖精が口外するとも思えないが、用心に越したことは無い。
数秒の沈黙―――不自然ではなく、なおかつ偽名を用いる。
「……ブラックカイザー。そう呼んでくれれば良い」
発音―――何故だかわからないが、妙にしっくりと来た。
メタルブラックもメタルアルカイザーもすでに死んだ存在。
では、ここにいる私はそのどちらでもないのだろう。
―――後付で、そんなことを思考した。
- 36 名前:蓮見イサム:2007/07/24(火) 04:28:43
- >>32
教えてやるとなんだか驚いてるみたいだ。
海来たことないのかな?
妖精だから妖精の里みたいなとこに住んでるとか。
そんなメルヘンな。
>「そうよ…… 認めたくないんだけど」
ああ、やっぱ迷子なのか。
これってUGNとかに報告したほーがいいのかな。
……ロクなことになりそうにないし、やめとくか。
>「写メって、何?」
あ、そうか、そりゃ知らないよな。妖精だもんな。
いつのまにか当たり前に妖精を受け入れているオレ。
順応早くなったなぁ。
>「それってどんなの? 楽しい? 面白い?」
妖精は興味が沸いたみたいだ。
さっきみたいに怯えてるよりはこっちの方がいいよな。
「えっと写メールの略で……あ、いや写真メールの略なのか?
……いいや、撮ってみせるから見てくれ」
オレは携帯を取り出して、とりあえず海へとカメラを向けた。
パシャッ
数秒置いて、画像を保存。
その妖精に見せてやる。
「これが写メ。ほら、そこの海写ってるだろ?」
普段から使ってるものなのに、言葉で説明って意外と難しいなぁ……。
- 37 名前:―完全で瀟洒な従者― 十六夜咲夜 ◆KILLER99Vo :2007/07/24(火) 04:38:02
- >>34
「無駄に熱いわね――まったく、夏なんだから自重なさいな」
苦笑交じりに呟く。
まあ、これくらいの年の男の子なら夢の一つや二つあっても良いものだ。がむしゃらに追いかけるのだって、
きっと悪くはないだろう。
「ところで――そんな事は言わないわよ、きっと。だって趣味じゃないんですもの。それに――レディの前で他
の女のこのことを考えるのは減点ね。感情を表す楽器を持つんだから注意しなきゃ」
釘を刺す。
糠に釘でなければいいのだけれど。
>>35
何処かの庭師みたいな事を言い出すのね。多分堅物。相当の。
「そうね――別に戦わなくて済むならそれに越した事はないわね。そんな事に時間を取られるくらいなら炊事
に洗濯、掃除にお嬢様のお世話。ベッドメイキングからお客人との応対まで。仕事は山積みだもの。余計な事
はしたくないのが本音よ。今こうやってここに居る事自体が無駄の集まりのようなものだから、そこに更に無
駄を付け加えたくもないわね。疲れるもの」
時間は常に限られている。
無限と言うものはこの世に存在しないのだから、当然だ。どんなものも有限に縛られている。ならば、巧く活
用しなければそれは罪と言うものだろう。
「――残念、少し違うわね。殺人鬼は人間にしか興味を示さないわ。それに――必要以上に減らしても困りま
すもの。自重もしますわ」
物騒な事だ。笑顔で答えるのもいかがなものかとは思うのだけれど。
「あまり無粋だとは思わないけどね。取れたてならその赤は何者にも勝るもの。朝日とともに輝くのなら、肉塊
を見るのも悪くないわよ?――冗談だけどね」
「さて、それじゃあ私は「帰ろう」かしら。ヒントを上げるとすれば私の言葉かしらね。よく考えなさいな」
スカートの裾を翻し、止まった時間の中で歩き出し――何時もの館へと戻ってきた。
【退場】
- 38 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/07/24(火) 04:38:04
- >>33 うそつきメイド
>「だから鞄の中の隙間を探しなさいと言ったのよ。答えなんて何時も身近にあるものなの。気付けないぐらい
> 身近にあるから困りものなんだけどね」
「だからって言われても…… 私は初耳なんだけど」(>>19の冒頭)
それにしても、鞄の中のすきま?
私は鞄なんて持ってないし、メイド長も持ってない。
一体何の鞄なんだろうか?
「……難しすぎるわ。もう少し簡単に説明できない?」
やっぱり、私にはわからない事だらけで人に聞くしか出来ないのだ。
>>35 無敵鋼人(違
>「……ブラックカイザー。そう呼んでくれれば良い」
少しだけ沈黙があって、彼が口にしたその名前。
月明かりに照らされたその姿は、まさにその名を現しているように思えた。
「こういうの、名は体をあらわす、って言うのかしら?」
ふわり、ふわり。
浮かんだついでに頭もぺたぺた。
むぅ、どこを触っても継ぎ目っぽい継ぎ目が無い。
「……ところで、その甲冑、ずっと着てるみたいだけど、暑くないの?」
- 39 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/07/24(火) 04:40:36
- >>31
演奏の終了/残念なことに理解には届かず。
ただ、演奏の様子から心身を込めていることは悟った。
「そうだな―――」
闘いの終わる日/人類の歴史/闘争の系譜。
到底断ち切れるとは思っていない。いないが―――
「それも悪くない」
力―――最強を希求し続ける生涯。
それが止揚へ到達したときなど、想像だにしない。
しないが、恐らく自分であれば無為に過ごすことはあるまい。
出来ることは幾らでも在る=例えば、音楽を理解することのように。
機械知性であろうとも、人間と同じく経験と記憶を蓄積できる。
そこから、同じ感性が生まれることは、決してゼロではない。
「私もその時までに音楽を理解できるようにするとしよう」
小さく頷く。
同じ魂を希求する―――その縁が繋がったのかも知れない。
最初のセンサーへの反応も、縁の重力が作ったきっかけ―――そう思えなくも無かった。
「……しかし、不協和音が少々多かったな、さっきの演奏は。
流行なのか?」
音響センサーの解析結果:歪な波形=生物学的に不快と感じる音が多少混ざっている。
―――巧拙は断定できないが、修行中なのかも知れない。
私が強さを求めているように。
- 40 名前:蓮見イサム:2007/07/24(火) 04:48:29
- >>37
>「無駄に熱いわね――まったく、夏なんだから自重なさいな」
「う、それはよく言われるっす。っていうか、そのものズバリ言われたことあるっす」
あれを言ったのは敵だった。滅茶苦茶強い敵だった。でもオレの答えはこうなのだ。
「確かにその言葉はクールですけど、オレのギターで煮えたぎらせてみせるっすよ!
夏の暑さなんて気にならないぐらいに!」
まだまだそこまでの域には辿り着けないけど。
でも、こればっかりは、譲れない線なのだ。
>「ところで――そんな事は言わないわよ、きっと。だって趣味じゃないんですもの。それに――レディの前で他
>の女のこのことを考えるのは減点ね。感情を表す楽器を持つんだから注意しなきゃ」
うわちゃぁ!
す、鋭過ぎる……。何故オレが柚木のことを考えていると!!
椿先輩と聖音のヤツぐらいしか知らないはずなのに!
「い、いや、その、これはそのっ!
すみませんというかでもアイツのこと考えないのは不可能というか!!
ああああいや!いや!違うんっす!ええとそのー!
……ご、ごめんなさい」
うー、こればっかりは、音楽みたいに語れないのが悔しいところ。
こればっかりはが多いオレなのだ。
- 41 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/07/24(火) 04:49:28
- >>37
物騒な発言―――かすかに過冷却/戦闘体勢への反射的な移行。
ただ、それは現実とならず、女性の姿は最初から無かったかのように消えていた。
「……理性ある殺人鬼、だったか?」
推測でしかない。無いが―――警戒すべき相手ではあったかも知れない。
「……まあいい、縁が在れば、いずれ刃を交えることも無くはない」
その時に考えればいい。
今は互いに無為な闘いをしなかったことを評価すべきだろう―――
>>38
甲冑―――まさか、人間と間違えているのだろうか。
在り得ない話ではないが―――何と言ったものだろうか。
逡巡―――逡巡―――最適な言葉を検索。
……ヒット/これでいいのだろうかという迷い。
この言葉は余りにも―――直接的過ぎる。
が、これしかない=仕方ない。
「……中の人はいない」
正しく伝わるかどうか不安がある―――注釈を追加。
「私は機械―――いわゆるロボットと呼ばれる存在だ。
寒暖を数値化出来ても、それで快不快を感じることは無い」
過冷却/過熱量という概念はあるが、具体的に人間のような感じ方はしない。
だから―――別に熱いとは感じていない。
- 42 名前:蓮見イサム:2007/07/24(火) 04:56:34
- >>39
やっぱり少し考え込んでるみたいだ。
オレはなんでもかんでもすぐさま答えちゃう方なのだが。
でも、この人の考える時間は、すごく真剣に考えてるように見える。
オレとはテンポが違うけど、そういうビートも悪くないと思う
>「そうだな―――」
ゆっくりと。
かみ締めるように。
その人はこんなガキの言葉に応えてくれた。
>「それも悪くない」
「……へへっ」
なんだか、ちょっとくすぐったいような気分になった。
気持ちが伝わるって、こーゆーんだと思う。
惜しむらくは、音楽そのものじゃなくって、音楽っていうものに感じた、
オレの言葉が伝わったことだけど。
>「私もその時までに音楽を理解できるようにするとしよう」
「ああっ!楽しみにしといてくれよ!!」
ぎゃいーん
嬉しくなって一鳴らし。
>「……しかし、不協和音が少々多かったな、さっきの演奏は。
> 流行なのか?」
……びょべーん。
悲しくなって一鳴らし。
「オレがまだまだなだけだよー!ちくしょー!!」
この人は絶対間違いなく真剣だからぐさぐさきた。
うう、負けるなイサム。明日という字は明るい日と書くんだ!
- 43 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/07/24(火) 05:05:56
- >>36 写メってハニー(何
>「これが写メ。ほら、そこの海写ってるだろ?」
「へぇ〜……」
差し出された機械に映し出されていたのは、紛れもなく目の前と同じ海の景色。
すごい! こんなに簡単に景色を切り取れるなんて!
天狗も写真機を持ってるけど、あれはこんなに簡単に写真を撮れなかったはず。
こんな小さな機械で、片手で写真が取れてしまうのだ。
「って事は、私の写真が撮りたかったのね。いいわよ、撮っても。
私だって、新聞に写真が載ったことがある程度には有名だし」
とは言っても、これは幻想郷の中の話なので、この人には通じないだろうけど。
>>37 メイド退場
>「さて、それじゃあ私は「帰ろう」かしら。
> ヒントを上げるとすれば私の言葉かしらね。よく考えなさいな」
置いていかれた。これ以上ないほどに。
「せめて私の質問に答えてから行きなさいよー!」
私の叫びは悲しく空に吸い込まれるだけだった。
>>41 こころあるきかい
>「……中の人はいない」
これまたびっくりである。
なんと、こんなに大きなものが、人の手を借りずに一人で動いているのだから。
外の世界はどれだけ広いのだろうか。
>「私は機械―――いわゆるロボットと呼ばれる存在だ。
> 寒暖を数値化出来ても、それで快不快を感じることは無い」
それは、とても便利だけど、とても寂しいことだと思う。
だって、暑い暑いとぶーたれながらカキ氷を頬張ったり出来ないということだから。
そもそも、機械が食事を出来るのかがわからないのだけれど。
でも、興味は次の事柄に移ってしまって、感傷もすぐに彼方へ消え去ってしまう。
「どんな事が出来るの? 誰が作ったの? 空も飛べたりするのかしら?」
- 44 名前:蓮見イサム:2007/07/24(火) 05:13:40
- >>43 聞かなきゃハド損♪(何)
>「へぇ〜……」
驚いてる驚いてる。
こう素直に驚いてくれるとなんだか気分がいい。
撮ってあげた甲斐があったってもんだ。
いや、オレが撮りたかっただけだけど。
>「って事は、私の写真が撮りたかったのね。いいわよ、撮っても。
> 私だって、新聞に写真が載ったことがある程度には有名だし」
「マジで!?」
妖精発見なんてニュースあったかなぁ……?
オレが知らないだけで、けっこー有名なのか。
でもまぁ、いいってんなら遠慮なく。
「じゃあ、撮らせてもらうな。はい、いくぞー」
パシャッ
うん、良かった良かった。妖精は写真に写らないとかならどうしようかと。
写真か……写真はいいよな。本当にいい思い出になる。
この子にも印刷してあげられりゃいいんだけど。
「サンキュな。あ、変なとこに報告したりはしないから安心してくれ」
柚木なら大丈夫だろうし。嬉しそうな顔が目に浮かぶ。ふふふふふ。
とかやってたら、あっちのおねーさんが帰ってしまったみたいだ。
「大丈夫か?帰り方わかるか?うち……っても寮だけど、うちなら帰れるまでいていいけど」
一応聞いておく。妖精があんまりふらふらしてるのもよくないだろう。
- 45 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/07/24(火) 05:15:21
- >>42
―――自覚はしていたらしい。
が、さすがに落胆しているようだ。
「気に障ったら済まない。今のところ分析しか出来ない耳でな」
ただ、未熟ということはまだ伸びる余地があることと同義。
その意味では、まだ評価を完全に定めるまで間が大きい。
「……また後ほど、聞くことにしよう。上達を期待する」
それだけ答えて、ゆっくりと踵を返した。
夜明けが近い。この姿が人目につくのはあまり好ましくない。
懸念されていた脅威は無かった。
>>43
どうやら、この妖精は自分へ興味を持ったらしい。矢継ぎ早に質問を投げてくる。
……ここまで知性的な妖精は珍しい。自身を弱いと言っていたが、案外違うのではないだろうか。
「……一度にされても困るが。順を追って答えていこう。
私は戦闘用に作られた、いわゆる人間で言えば戦士に当たる存在だ。
製作者については―――秘密だが、相当な技術を持った人物とだけ言っておこう。
空は……そうだな。短時間であれば飛べる。専用の装備を着ければ長時間も可能だろう」
質問については全て真実―――ただし、危険な部分は外して。
ドクター・クラインもまた裏の人間。名前が不必要に流布するのは好ましくない。
「……そろそろ夜が明ける。人が寄り付く前に、互いに帰るとしよう。
―――ではな」
そして、砂浜から町並みへ足を向ける。
いずれ、剣を執る時の為―――雌伏の時を過ごしに。
今この場で起きた邂逅は、そんな中のわずかな休息―――
後付に、そんなことを考えた。
【退場】
- 46 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/07/24(火) 05:25:38
- >>44 ノリのいいお兄さん
>「マジで!?」
「うん。マジもマジの大マジよ!」
とは言っても幻想郷の中の(以下略
こうやって素直に驚いたり、感動してくれたりすると私としても面白い。
なんだか今日は二人に自慢できそうなことが沢山増えた。
>「大丈夫か?帰り方わかるか?うち……っても寮だけど、うちなら帰れるまでいていいけど」
「あ、いや…… うん、きっと帰れるから大丈夫よ」
さすがに人間の部屋に入る程に警戒を解いてはいない。
まあ、あのメイド長だっていつの間にか帰ってたんだ。
私もきっと、適当にやってたら帰れるはず。
色々とヒントを出したつもりみたいだけど、わかりにくいっての。
「まあ、あなたが帰るというのなら引止めはしないわ。
元々私が迷い込んできただけだと思うし」
一人は心細いけど、それ以上に最初に訪れたここを離れるのが怖いだけなのだ。
>>45
彼は機械とは思えないほど、親切に的確に答えてくれた。
>「……そろそろ夜が明ける。人が寄り付く前に、互いに帰るとしよう。
> ―――ではな」
「それじゃあ、さよなら」
外の世界の、ちょっと不思議なからくり仕掛けの、新しい友達。
- 47 名前:蓮見イサム:2007/07/24(火) 05:36:57
- >>45
>「気に障ったら済まない。今のところ分析しか出来ない耳でな」
「いや、いい!いいんだ!オレが未熟なだけなんだー!」
でも二回目はちょっとヘコむ。
しかも言われた二人は二人ともすっごく率直に言ってくれる人だ。
>「……また後ほど、聞くことにしよう。上達を期待する」
うう、フォローさせちまった。
くっ、情けないぜ、オレ。
突っ走るのが蓮見イサムだろう!
うっし!
「サンキュ!絶対上達してみせるからな!
あとその……ちゃんと聞いてくれて、ありがとう」
真剣に聞いてくれる。
ダメだと言ってくれる。
それは凄く有難いことだ。
言わせるまでもなくならなきゃなんないんだけど。
「じゃあまたな!今度会ったときはこうギャフンと言わせるから!ギャフンと!」
ギャフンじゃダメかもしれない。
>>46
>「うん。マジもマジの大マジよ!」
「へぇー、すっげーな。有名人と会っちゃったんだな、オレ」
帰ったら新聞探してみよう。
ぐぐったら見つかるかもしんないし。
なんだか今日は柚木に自慢できそうなことがいっぱいできた。
おんなじよーなこと考えてる気がする。
>「あ、いや…… うん、きっと帰れるから大丈夫よ」
「そうか?それならいいけど。まぁ、本気で困ったなら呼んでくれよ。
オレを探すのは簡単だから」
ぎゃいーん
「この音がするトコにいるのがオレ。へへ、簡単だろ?」
お前はどこにいるか24時間すぐわかる。
オレがしょっちゅう言われる言葉だ。
>「まあ、あなたが帰るというのなら引止めはしないわ。
> 元々私が迷い込んできただけだと思うし」
「そうか……そうだな、オレもそろそろ帰るけど。気をつけろよ。
悔しいけど、いいひとばっかじゃないからさ」
あんまり不安にさせるのも悪いけど……。
でも有名人……いや有名妖精?なら、変なヤツに見つかったら大変だし、
オレが関わったヤツが実験だなんだに巻き込まれるのは絶対にごめんだ。
絶対に、絶対に、絶対にごめんだ。もう二度と、あんなのは。
「じゃな!あ、そーだ。オレ、蓮見イサム。
そのうちお前よりでっかく新聞の芸能面を飾ってやるから!!」
そん時ゃ、スキャンダルとかじゃないといいなー。
オレは今日柚木へ送るメールの文面を考えつつその場を後にしたのだった。
【ギターかき鳴らしながら退場】
- 48 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/07/24(火) 05:54:41
- さて、どうやったら帰れるのだろうか。
答えを知ってそうなメイド長はいつの間にか消えてるし、
博識そうなからくり戦士も帰ってしまった。
>>47 さらば、ギター侍
>「そうか?それならいいけど。まぁ、本気で困ったなら呼んでくれよ。
> オレを探すのは簡単だから」
>ぎゃいーん
>「この音がするトコにいるのがオレ。へへ、簡単だろ?」
「うん、簡単だわ。
ところかまわずギターを弾きまくる人なんてあなたしかしらいないもの」
でも、それだけで不思議と勇気が湧いてくる。
ここはもう知らない人だけの世界じゃないのだ。
>「そうか……そうだな、オレもそろそろ帰るけど。気をつけろよ。
> 悔しいけど、いいひとばっかじゃないからさ」
それはもう。
幻想郷だって妖精にやさしい場所とは決していえない場所なわけで。
人間だって千差万別、十人十色。
>「じゃな!あ、そーだ。オレ、蓮見イサム。
> そのうちお前よりでっかく新聞の芸能面を飾ってやるから!!」
「私はルナチャイルドよ!
あなたが新聞に載る頃には、私だってもっと大物になってるんだから!」
まあ、芸能面とやらがどんなものかわかってないのだけど。
一通り別れを済ませたら後は帰る手段を探すだけ。
来る時だって、突然だったんだ。帰りもきっと突然に決まってる。
適当にしてればきっとまた森の中よ。
「さてと、じゃあ最初に立ってた場所にでも行ってみようかしら?」
捜査の基本は現場百遍だって聞いたことがある気がするし。
「確かこの辺だったような…… のわっ!」
またこけた。全くもって不運だ。
私が何をしたって言うんだ。
「どうして今日はこんなにこけるのかしら…… ってあら?」
さっきまで聞こえていたはずの波の音が聞こえない。
それに地面についた手が伝える感触は砂のそれじゃない。
「って事は、もしかして、帰ってきた?」
思ったとおり、やっぱり帰りも突然だった。
理由については深く考えない。考えても無駄だと思うし。
「二人は今日の話を信じてくれるかしら?」
家路を急ぎながら、頭ではもう、どうやって二人に自慢しようかを考え始めていた。
【退場】
- 49 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/07/30(月) 01:07:11
- 「……あれ?」
首を傾げる私。
目の前に広がるのは、それはもう見事な感じの夏の海(ただし夜)。
私の行動半径ではなかなかお目にかかれない光景だ。
「迷った、にしては豪快すぎよねえ……10キロ単位で距離あったはずだし」
それに、見た感じも私の知ってる海とちょっと違う気がする。
最近の海はゲノレマソディー海軍がギュンギュン占拠中でこんなのどかなところはなかったし。
じゃあここはどこの……と、思考はぐるぐる回る。
「……な、何をするうぼぁー」
回りすぎてよく分からない事になった。
さて……どうしよう?
- 50 名前: ◆DBorderwas :2007/07/30(月) 01:53:40
- 1 プリティ(笑)なクロイツェルは突如として借金取りにエンカウントする
2 はらぺこ人形がきてなけなしの食料をせびられる
3 実はソウルオブリバース状態で再度凹られる。現実は非情である。
\
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
o (Y)
,,..-ー7" `ヽー- ..,,
/,,.-ー'"´ ̄ ̄`゙ー-'、ヽ、
/'"i´ |l⌒ヽ、__,ノ´⌒l| ヽ '.,
l:::,.ゝ '、r-、__!r-、__,r-i_ノ_,.イ l
',::`γ´ ハ λ ハ ゝ r'"i
ヽ;:i レイ._,.レハノ.,_レヽノ i::ン
ノレ´ .i.-─ ─-i. |'
7 从" _, ".从 i
〈./ ri.>r---,.イレ'ヽ 〉
__ハ/⌒iイヽニンYー'、 ハイ<{
-=ニ ̄:::::ヽゝ、ノY rー'-、ノ:::::::: ̄ニ=-
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ー'" ̄ ̄ ̄
- 51 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/07/30(月) 02:21:46
- >>50
「酷い選択肢しかないっ……!」
脈絡を無視して思わず突っ込んでしまった。
だってあんまりだし、これ。
「あえて選ぶなら1かしら……それならまだ逃げの一手で何とかなるし。
ついでに言うと、ペコにあげられるような食料は持ってないわ」
ほんとに何も持ってない。私は小食派なのだ(主に資金的理由で)
と、思考が一回りしたところで、私はやっと根本的な疑問に気が付いた。
「えーと、その。……誰?」
- 52 名前:―幻想の境界― 八雲紫 ◆DBorderwas :2007/07/30(月) 02:33:06
- >>51
あら、貴方の目は節穴なの?
4 帝国崩壊。希望の未来へレディーゴー
と白文字で書いてないのが見えないのかしら。
考えないで感じることができないようではまだまだね。
私?
しがない名も無い超絶美少女ゆかりんとでも覚えてもらってくれればいいわ。
- 53 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/07/30(月) 02:44:14
- >>52
「な、なんだってー」
言われてみれば確かに書いてあったような気がしなかったりしなかったり。
……やっぱりしない。うう、私には読めない字で書いてあったのかしら。
「感じろって言ってもねえ……私はケンポーな人たちの思想にはあんまり共感できないのよ。
なんかこう、ノリ優先過ぎる感じが」
で、えーとなんだ、しがない名も無い美少女ゆかりん、この時点ですでに矛盾してる名乗りをあげた人はにっこりと笑った。
「ゆかりんね。私はクロイツェル……って、紹介しなくても良かったかな」
なんだかやたらと私の事情に詳しいゆかりん。名前ぐらい知ってても今更驚かない。
- 54 名前:―幻想の境界― 八雲紫 ◆DBorderwas :2007/07/30(月) 02:56:54
- >>53
ノリは重要よ。
伊達や酔狂がないとダンジョン探索や魔城探索であぼんは出来ないわ。
えーと………
1番よりナンバー2
東京国初代皇帝
地球皇帝
とかの親戚だったかしら?
- 55 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/07/30(月) 03:23:27
- >>54
「いやまあ、そうかもしれないけどさ……」
伊達や酔狂でダンジョンに潜っていく連中の事は知ってる。
知ってるけど、ある意味楽しそうだけど、真似はしたくない。
「あー……うん、まあそれでいいや」
当たってないのにことごとく掠ってる……ゆかりん、恐ろしい子。
- 56 名前:―幻想の境界― 八雲紫 ◆DBorderwas :2007/07/30(月) 03:44:40
- >>55
まあ、そういう瑣末な事は脇に置いておいて………
突然謎の海に迷い込んでしまった、どうしようというのが主題よね。
折角だからそこの赤の扉にはいるか、
記念に海に沈んだ財宝を持って帰ろうとしてタコの触手に捕まってみるか、
とりあえず適当に思いついたのはこんなのね。
でもある意味SOR状態なんだからまあ戻れるでしょうけど。
ということでまぶたが重くなってきたからやすむわね。
Zzzzz
o (Y)
,,..-ー7" `ヽー- ..,,
/,,.-ー'"´ ̄ ̄`゙ー-'、ヽ、
/'"i´ |l⌒ヽ、__,ノ´⌒l| ヽ '.,
__ハ/⌒iイヽニンYー'、 ハイ<{
-=ニ ̄:::::ヽゝ、ノY rー'-、ノ:::::::: ̄ニ=-
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ー'" ̄ ̄ ̄
- 57 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/07/30(月) 03:52:33
- >>56
「瑣末……うん、瑣末だね」
というか、最初から今まで瑣末な事しか話していない気がする。
私が直面しているのはまさに「恐怖!ミステリーシーでワンダリング!」なのだから。
なお、英語が間違っているという突っ込みは禁止である。クロイツェルさんはドイツ語圏の住民だからね。
「って赤い扉? ほんとにあるし!? それにここから財宝確保ってどんな大冒険を要求されてるのっ」
と、定番のツッコミをしたあたりで、ゆかりんはおねむのようだった。
「お休みー。さて、私はどうしよう」
夜の海は暗い。
- 58 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/07/30(月) 03:55:58
「せっかくだから私はこの赤い扉を選ぶぜ!」
〜クロイツェル先生の次回作にご期待ください〜
- 59 名前:『夜雀の妖怪』ミスティア・ローレライ ◆8hOOMYSTIA :2007/07/30(月) 23:57:05
- うーみー!
ホントにでっかいなー。
夜だからニンゲン居ないけど。
まー、妖怪的に昼間から八目鰻売るのもねー。
土用の丑の日とは言え。
もう終わるけど〜。
……やっぱりしょっぱいのかしらー、これ。
どーれ。
ゲッホブヘホッ!
本当にしょっぱい〜……。
- 60 名前:『夜雀の妖怪』ミスティア・ローレライ ◆8hOOMYSTIA :2007/07/31(火) 00:38:55
- 夜はニンゲン居ないなぁ。
かえろー。
- 61 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/07/31(火) 01:58:10
- 海。
それは長い年月を冬に閉ざされた森の中で過ごしてきた狼にとっては、全く未知の領域だった。
海。
塩辛い水に満たされた泉がどこまでも果てしなく広がり、その沿岸は真白い砂で満たされているという。
海。
人の中に混じっても猶、伝聞でしか耳にすることのなかった、心の中でのみ想像し存在することの出来た風景。
その全てが、今この瞬間、賢狼の目の前に、確固たる現実として広がっていた。
「おお………」
今は少女の形をした狼の、可憐な小さい唇から、感嘆の吐息が漏れる。
次いで形の整った鼻をひくひくと小気味よく動かし、初めての潮の臭いを嗅ぎ取る。
頭頂に立った獣の耳をピンと伸ばし、寄せては返す波の音を余さず聞き取る。
キョロキョロと頭を巡らせ、宝石のような紅い瞳で、周囲を隈なく見渡す。
全身から溢れ出る興味の気配を、微塵も隠そうともしないで。
今、狼は、未知の世界を全力で享受していた。
「アオオオオオオオオオオ……ン」
嬉しさのあまり、本気の遠吠えが響き渡る。
少女が顔を向けた漆黒の空の先には、僅かな雲に隠された、丸い月が浮かんでいた。
- 62 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/07/31(火) 02:32:09
- 〜赤い扉の先は、不思議の国でした〜
口にするのも嫌になるようなだいぼーけんの後、私は再び見覚えのある場所へと立っていた。
「結局ループかい……ゆかりんめー」
ここにはいない少女?に喧嘩を売りつつ海を眺める。
と、突然周囲に大きな遠吠えが響き渡った。
「……えーと。犬か何かかな」
あたりを見渡しても、目に入るのは一人の少女だけ。
震源は彼女? ……いや、まさか、ねえ。
- 63 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/07/31(火) 03:04:03
- 波の音と風の音、その他には何も聞こえない。
そんな静寂の中に、狼の歓喜の声が、空気を震わせ響き渡って、やがて余韻と共に消える。
満足げに、少女は視線を空から海の彼方へと移し、その向こうへと思いを馳せる。
この巨大な塩辛い泉の向こうには、自分の住む土地とはまた別の土地があるのだという。
人間たちは船という乗り物でその向こうへと自由に行き来し、人を、食物を、雑貨を運ぶのだと。
ホロは幾度か、彼女の連れに、そんな話を聞いていた。
人が、知恵を持って乗り越えた潮の泉の彼方。
果たして、力ある自分が、乗り越えられるだろうか?
そんな疑問がふと首をもたげると同時、ホロは身に纏っていた衣服をいそいそと脱ぎ始めた。
今すぐにでも目の前の水に飛び込んで、その向こう側を目指そうと―――
そこで、気付いた。
すぐ近くに、自分とは別の生物の気配があることに。
潮の生臭い臭いに混じった、人に近い臭い。
波の声に紛れて聞こえる、小さな声。
それは確かに、つい先刻にはなかった、人の存在をホロに教えている。
そしてホロは視線を気配の方へと向けた。
いつの間にやら忽然と姿を見せた、その少女へ。
「……何者じゃ?」
- 64 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/07/31(火) 03:17:37
- 少女を見ていたら、突然脱ぎ始めた。
いやはや、なんなんだろいったい。まさかこのまま泳ごうってわけでもないだろうし。
と。少女がこちらに気付いたらしい。
なにやら剣呑な視線をこちらに向け、問いを発した。
>「……何者じゃ?」
「いきなり警戒心マックスね。まあ落ち着いて。
私はクロイツェル、ただのしがない人形師。あなたは?」
- 65 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/07/31(火) 03:30:24
- >>64
少女の返した答えに、ホロはふむ、と一声置いて、それから言い返す。
「そりゃの。何もないところから突然降って湧いたように人間が出てくれば、
わっちでなくとも普通は警戒するじゃろ。そうではないかや?」
そこまでを一気にまくしたて、それから半裸となった自分の姿をふと見る。
「……まあ、わっちも余り他人のことを言えた義理ではないかもな」
そういって、自嘲気味に笑った。笑みの端から、やけに尖った犬歯が覗く。
「人形師、と名乗ったかや。その割には工具なぞ持っておらぬようじゃが、まあ良いか。
わっちか? わっちは…そうさな」
そこでふと何かを思いついたように、ホロの顔が意地悪そうに変わった。
そして言葉を継ぐ。
「森から来た悪魔、と言ったらぬしは信じるかや?」
- 66 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/07/31(火) 03:49:22
- 「振って沸いたように……あー」
納得。あの不思議ゾーンから帰ってくるとそう見えるわけだ。
そりゃ誰だって警戒する。私も他人事ならそーする。
「ま、そだね。ごめんごめん」
服のことにはあえて触れない事にする。着るも着ないも彼女の意志だし。
>「人形師、と名乗ったかや。その割には工具なぞ持っておらぬようじゃが、まあ良いか。
「人形師にも色々いるのよー。私は工具は持たない派。私の人形は特別製だからね」
普通の人形師が私の人形作成見たら卒倒するかもしれない。私の「技術」はそのぐらい異端だ。
>「森から来た悪魔、と言ったらぬしは信じるかや?」
「信じるよ」
あっさり。
「悪魔も天使も神様も精霊も、この世にはいっぱいいるからねえ。
そのうちの一人が私の目の前にいてもおかしくはないでしょ」
半分冗談、半分本気で返した。
……そういえば、さっき見えた歯はやけに尖っていた気がする。それも悪魔の証拠かな?
- 67 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/07/31(火) 04:11:50
- >>66
「別に謝る必要なぞありんせん。それに、ぬしも……」
少女の表情をつぶさに観察し、言う。
「別に湧きたくて湧いたわけではなさそうじゃし、な」
ふふ、と笑いながら、ホロは読み取れた事を素直に少女に言ってやる。
「ほう、工具を持たずして人形を造るとな。それはまた珍しい人形師じゃ。
それなら是非一度、その工程を見てみたいものよ」
言うホロの瞳には、既に好奇の色が浮かんでいる。
ぱっちりと開いた大きく自己主張する眼は、じっと少女を見つめる。
「そうか、ではぬしは悪魔でも天使でも神様でも精霊でもないという訳かや。
しかしそのどれでもないぬしが先刻そのようにして忽然と現れたのは…
そのどれかの仕業、ということになるのかのう」
くすくすと心底楽しそうに笑って、ホロは少女へと近づく。
「では……悪魔であるかもしれぬわっちは、これからぬしに何をすると思う?」
- 68 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/07/31(火) 04:31:27
- 「あらら、分かる? ま、いろいろあってねえ」
軽く頭を掻く。ああいうだいぼーけんは、頼まれたってもう二度としたくない。
だってムササビがホバリングしてるのよ?(意味不明)
「見たい? なんなら見せてあげてもいーけど。別に隠すもんでもないし」
こういう反応をされるのは珍しくも無いので、結構いろんな人に見せてあげた事があったりする。
ただ、さすがに私の工房じゃないと出来ないけど。
「なるのかなー。あれはなんと言うか、「それ以外の何か」な気がするけど」
どれに当てはめても当てはめた先に失礼になりそうな気がする。
そういう意味では悪魔の仕業にしておくのが一番無難なのだろうか。
「んー……いたいけな美少女を見つけて舌なめずり、ばりばりむしゃごくん。とか?」
にっこり笑って言ってあげた。
ほんとにそうだったらどうしよう、とかちょっぴり思いつつ。
- 69 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/07/31(火) 04:54:38
- >>68
「うむ、是非見てみたい。その時はわっちの連れも一緒が良いな。
それだけ珍しい技ならば、きっとあ奴も目を丸くして驚くことじゃろ。
わっちはあ奴のそんな顔も見てみたい。これで一挙に両得じゃな」
脳裏に浮かぶ髭面の若き商人の顔を想像し、ホロの笑みはますます深くなる。
「…しかしぬしは、あ奴と比べて少しからかい甲斐がないのう。
反応が真っ直ぐすぎて、こっちが毒気を抜かれてしまう」
ホロは少しだけ困ったように苦笑いをして、少女に向けて踵を返した。
彼女が足を向けた向こうには、いつしか月が隠れ太陽が僅かに顔を出した、
少しだけ朱に染まった海の姿がある。
「ぬしの言うばりばりごくん、もお望みならしてやれんこともないが、
やりはせぬよ。本物の悪魔になれるほど、わっちは残酷ではありんせん」
無邪気な笑顔を自らの横顔に受け止めつつ、残念そうにホロは言った。
「さて、ではわっちは少しばかり己の限界を試してみたいと思うゆえ、これで一旦お別れじゃ。
次に会うときは是非、ぬしの人形師としての技の程を見てみたいな」
そう言うとホロは、脱ぎかけていた服を全部取っ払い、瞬く間に一糸纏わぬ姿となった。
小柄ながらも均整の取れた美しい肉体が、朝日に映える。
「ではまたな、ぬしよ」
そう言うが早いが、ホロは寄せては返す波の隙間に、しなやかな肢体を躍らせた。
その小さな身体はすぐに塩辛い水に沈んでいき、やがて少女の視界から完全に姿を消した。
(退場)
- 70 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/07/31(火) 05:11:25
- 「お連れさんねー。あなたのお連れさんってどんな人なのかな。
まっすぐっていうのは、ほめ言葉として受け取っておくわ」
彼女の連れ。彼女を見ているとなんとなく想像はつくけれど。
きっと、さぞからかい甲斐のある純朴な青年なのだろう。そういうのが好みそうだし、彼女。
「ほっ、安心安心。お望みじゃないからやらないでいーです、はい」
口調がちょっと気にかかるなあ。ほんとはやりたいとかじゃないよね。ないといって。
「うん、腕によりをかけて待ってるから楽しみにしててねー。
……限界?」
と疑問に思う間もあればこそ。彼女は服を脱ぎ捨て、そのまま泳いでいってしまった。
「はー……溺れないといいけど」
彼女の限界が陸上まで訪れない事を軽く祈りつつ、私は自分のことに思考をめぐらせた。
「……で、帰り道はどっちかしら」
(了)
- 71 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/01(水) 01:35:52
- 「……また来ちゃったみたいね」
数日前と同じシチュエーション。
いつも通り、ふらふら外出をしていたら、
いつの間にか海に放り出されていました。
「誰かの陰謀だったりするのかしら?」
まあ、陰謀だったとしても私には異変を解決するだけの力はないので
結局はどうにもならなかったりする。
「まあ、来ちゃったものはしょうがないし、
帰る時もまた突然に訪れるんでしょうね」
初めてじゃない、という事は大きな安心に繋がる。
とは言っても慣れない場所であることは変わりない。
だから、やっぱり音は消してみるのだった。
- 72 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/08/01(水) 01:59:01
- 夏だッ! 海だッ!!
……深い理由は無い。
ただあんまりにも暑いのがムカついたから海に行こうと思っただけである。
幸い水着などは手持ちにあったから障害は何も無かった。結界もなんとなくくぐれるし。
……あー、そういえば新しい水着、欲しいかな。そろそろ。
さておき。
人目を避けようと夜を選んだのは功を奏した。
この莫大な水を独り占めできるというのは、なかなか爽快だった。
「……さて、どのあたりに荷物置くかね」
なるべく目に付きやすいところが良い。
泳ぐのに夢中で場所を見失うのは困る。
ざくざくと音を立てながら砂浜を歩き―――
(ん?)
違和感。なにか唐突に欠け落ちたような―――足元の砂を噛む音が消えている。
……未知との遭遇時や、亡霊が出る場所では不気味な静寂が訪れるという。
「……はて」
足を止めて、周囲を見回す。
なだらかな砂浜が続いているせいか、それなりに見晴らしは良い。
だが、何も見当たるものは無い―――
- 73 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/01(水) 02:04:43
- 「実験そのいちー。海の水は本当にしょっぱいのか?」
前に来たときに、興味を持っていくらか本を読んで分かったことなのだが、
海の水は塩水らしい。
前回は色々とパニックになっていてそれどころじゃなかったので、
今回は色々と試してみるつもりだ。
そっと、海水を手で掬って口に運んでみる。
「うへぇ…… しょっぱい……」
実験そのいちの結果。本当にしょっぱかった。
>>72
さて、次の実験は……と思ったところで人の気配を感じた。
こういうときはとりあえず隠れるに限る。
と、思ったけれど、残念ながら近くには隠れられそうな場所はない。
幸いな事に、相手はまだこちらに気付いていないらしい。
だから、私はそっと忍び足で岩場に向かいながら様子を伺うことにした。
- 74 名前:妖怪仙人“奎 白霞” ◆CO2A/1LVic :2007/08/01(水) 02:06:08
- 「あー。アレだねー。暇ー。蝦じゃなくて暇。ひーまー。」
だからって海の上空を散策してた理由は忘れたけど。考えてなかったかな?
いつの間にか、自堕落な神の方に逝きそうになってるねー。気をつけないといけないねー?
に、しても。こっちの海って結構淀んでるんだねー?
人の目が誤魔化せても、仙人の目は誤魔化せない。透明に見えてよくわからないものが結構混じってるね。
ただー、こーゆーのは仙人の守備範囲外。まー、泳ぐ分には問題ないだろうしねー?
「………まあ、それにしちゃこのあたりは綺麗な方か。にしても、こっちの海は平和だねー?
大竜魚でも放り込んでやれば生態系激変するぐらい平和。やらないけど。」
現時点で鯨が頂点とは何かの冗談?平和だ。あまりにも平和すぎて、ありえない!
閑話休題。変なの見つけた。精霊?むしろ妖精の類か?こっちにもこーゆーの残ってたか。
なんか面白そうなので後をつけてみる。当然無音。かつ気配も消して。
後ろに居るけどねー?振り向けばしっかり見えるけどねー!いひひひー!
見た目?こんな感じ。我ながらに月が似合うねー?
ttp://www.aquarian-age.org/story/novel/image/060_0376i.jpg
- 75 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/08/01(水) 02:12:38
- 「……またなの?」
前回と寸分たがわぬ感じの表情なのが自覚できる今の私。
だってねえ、迷ってたらここにってパターン、そのままだし。
何なんだろこの海。謎ゾーンだなー。
「……ふむ」
とりあえずあたりを見渡してみると、少女が一人(>>72)立っている。
さて、声でもかけてみようかな。これも何かの縁だし。
「……(おーい……あれ?)」
なんだろ。声が出ない。怪奇現象パートツーだ。
- 76 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/08/01(水) 02:13:40
- >>71 >>73 >>74
―――ドクター、海岸付近に動体反応がありますが。
「そうか。ちょっと言って見て来い」
―――私では目立ちすぎませんか? 前回も少々危険だったのですが。
「仕方なかろう。使える人手は少ないし、戦闘要員となれば尚更よ。
確かに拠点を空けるのは危険だろうが、現時点での篭城もまた危険であろうて。
そもそも、現状で最大のレーダー範囲を持つものはお前しかおらん」
―――ですが。
「それに、もし相手が襲撃準備中なら幸運ではないか。
お前一人なら奇襲をかけて壊滅させることも出来るであろう。
……そしてお前も、砂地での戦闘データを欲しがっていたではないか」
―――了解。そこまで言われるのであれば。
- 77 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/01(水) 02:17:29
- 抜き足、差し足、忍び足……
サニーがいないから、姿を消すことは出来ないけれど、
気配を殺して、音も殺してゆっくりと移動する。
「今の私を見たら甲賀忍軍もびっくりね」
甲賀忍軍がどんなものかは知らないけれど。
岩場までもう少し、と言うところで再び後ろの様子を伺う。
>>74 ご長寿さんいらっしゃい
振り向いた瞬間、これまたいつかのように
当然、と言った様子で何かが着いてきていた。
「うひゃぁっ!」
海に来るたびにこうやってやられるわけか。
納得がいかない。
だからと言って無策に飛び込むのも得策じゃない。
ならばどうするか。
「逃げるしかないじゃないのー!」
能力の制御も忘れてスタコラサッサ。
とりあえず、当初の目的の岩場までは何とか到着した。
- 78 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/08/01(水) 02:22:37
- >>76
―――そしてまた、私は砂浜にいる。
途中の道のりにまだ少し人目もあったが、ロボットだということもありあまり咎められなかった。
戦闘用で無い限り、ロボットは人を害することが出来ないようプログラム内にロックをかけられている。
しかし、身元すら確認しない/危機意識が欠けている/それだけ治安が良い。
このあたりの平和ぶりには感謝したい。
レーダー反応/位置確定/長距離から光学センサーで確認。
人間/女性/二人、妖精/一人。妖精の方には記録データあり。
……あの妖精か。
頭上に雲はかかっていない。
時節は梅雨明け―――湿度は高い/海の風が齎している。
月も在る。
あの妖精―――ルナチャイルドといったか――が出歩くのも不思議ではない。
問題は残り二人。慎重に観察する必要があった。
一人は水着姿と思しい/身体的に特異/一般的にアルビノと呼ばれる先天性の体質。
もう一人は―――センサーが警告を発する/強い魔力を感知。
興味/警戒―――もう少し接近する必要があった。
- 79 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/08/01(水) 02:32:20
- >>73
……音は無くとも、何かが動いたことは解かった。
が、
「……ちょい、暗いな」
月は出ている。だが、それだけではこの広大な砂浜を照らすことは難しい。
それに、明るさはそれほどではない。もう少し欲しい―――見通せない影があちこちに落ちている。
ほっといて泳ごうかとも考えたが、泳いでる途中で足を引っ張られてはかなわない。
……誰もいないわよね。大丈夫か。
ぱちん、と指を鳴らす―――炎が生まれた。
煌々と無から燃え出すそれが、松明のようにあたりを照らし出す。
それを掲げながらくるりと周囲を見渡し―――
>>72
あ、やべ。人いたじゃん。
慌てて火を消した。……ち、怪しい奴は後回しか。
とりあえず何か声でもかけてごまかし―――
「……あれ?」
向こうも何か話そうとしているらしいが、口がぱくぱく動くばかりで何も聞こえない。
話せないなら手話なり筆談なりの手段があるだろうから、突然そうなった、のだろう。
「……妖精の悪戯か」
外にも出るのか? とは思ったが、まあそれしかあるまい。
こういう微妙に困るが害の無い悪戯をするのは連中しかいない。
……あそこの岩場(>>77)がどうも怪しいな。
とりあえずそっちを注視する。
さて、どうするか。いきなり撃ってぶっ飛ばしてもいいが、周りの目が気になる。
折角人気を避けたんだ、これ以上注目はされたくないものだ。
- 80 名前:妖怪仙人“奎 白霞” ◆CO2A/1LVic :2007/08/01(水) 02:34:36
- まー。気配消したりするとさ。必然的に周囲の感覚に敏感になるわけ。
ぞろぞろ来たね?魔法使いとー、えーと?霊鳥の気配?火の鳥?珍奇な気だね?全くー。
それからなんか、厄介なのも来た。………機械か?しかも高度なヤツ。
極星にはないモノだからねー。対策練りづらいから仙人でも苦手なんだけどねー?
絡繰りならある程度の知識も経験もあるんだけどねー。ここまで高度だと経験不足。
うん。戦闘は情報を制した者が勝つってゆーし。彼を知り己を知れば……とかゆーしね?
>>77
とりあえず。志村の後ろの幽霊やる方が私の暇つぶし優先順位高いんだ。実は。
おー、気づいたっぽいねー?機械に気を取られてる間になんか感じられたか。やるな、妖精。
振り向いたー。でー、逃げたー。追いかけるー。それが仙人の今宵の肴ー。
で。岩場までついて行った。何されるかわからないけど。ま、大丈夫。無問題、もーまんたい。
>>78
確かこの手の絡繰り人形は、確かー……温度を変えると喜ぶんだっけ?
体温を調整してやろー。うん。常温から零下に急降下して沸点までひとっ飛び。
で、常温に着地。さて、どうでる絡繰りー?仙人の実験台になれること光栄に思うがいー。
いひひひー。
- 81 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/08/01(水) 02:37:56
- 静かにたゆたう波間から、突然二つの三角形が顔を出した。
それは何やら茶色く、そして時折ぴくぴくと小刻みに動いているようだった。
そして間も無く、その三角の下から、女神のごとき美貌が顔を出す。
次いで一糸纏わぬ全身が、海水に濡れそぼった尻尾が。
それは紛れもなく、昨日波間に消えていった少女、ホロだった。
「………おや」
ぶるぶると全身を震わせ、濡れた身体から雫を飛ばしながら、ホロは眠たそうに呟く。
「おかしいのぅ。わっちは確かに海の向こうを目指して泳いでいたはずなのじゃが……
この場所は間違いなく、先日来た場所ではないかや」
額に張り付く前髪を鬱陶しそうに払い、そこらをとぼとぼと歩く。
ホロの表情には、己の目的を達成できなかったことに対する明らかな不満の表情が浮かんでいる。
この辺りの感情の機微は、傍目には実に分かりやすい。
「全く……この場所は、どこかおかしいぞ……それに」
再び何かを確かめるように、耳を微かに動かしてホロは言う。
「先程から、水音もわっちの足音も……何も聞こえやせぬ」
その声はやけに大きく、昨日以上の静寂に包まれた空間に響き渡った。
- 82 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/08/01(水) 02:39:07
- >>80
―――視線と、妖気を背中で感じる。
妖怪か何かか。こりゃ面倒な。
もし襲われでもしたらたまらない。妖怪が出てくるとしたら人食うためしかないし。
……ええと、ここで立ち回るのか。
なんか近くの家とかに引火しそうでやだなあ。でも覚悟しておかないとかなあ。
水着姿でもスペルカードだけは忘れない。
ついでに火の鳥も召喚できるようにしておこう。
……使わなくてすみますように。
- 83 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/01(水) 02:42:15
- >>75 解放戦線の人形師
いつの間にか増えてる。
けれど、あっちはあっちでなんか戸惑ってるっぽい。
という事は、今は別になんともないわけだ。
注意すべきは、銀髪二人。
「……なんか、前来た時と同じ状況になってない?」
気にしたところで私にはどうにもならないけれど。
>>78 黒い鉄人
遅れて、砂浜に黒いからくり人形が降り立った。
見覚えがある。触った記憶もある。
色々と質問した覚えもある。
と、思い出したところで閃いた。
「彼を味方にすれば何とかなるっぽくない?」
確か、戦闘用とか言ってた気がするし、
話せば私を守ってくれるような気もするし。
さっき、私の後ろにいたあれが何なのかは良く分からないけれど。
で、ここで問題が一つ。
どうやったってお団子二つつけた銀髪(>>74)が間に入ってしまうのだ。
さて、どうしたものだろうか。
そう思って、岩陰から様子を伺う。
>>80
「……!」
なんとか声は抑えた。
さっきの様子から着いてくる事は簡単に予想できたし。
でも、これは追い詰められたとも言う。
もし、彼女が私に襲い掛かってきたらどうにも出来ない。
ような気がする。
まあ、どうにもならないなら適当に話しかけてみようかな。
前も何とかなったし、話せば分かる人種だといいなぁ。
「えっと、何で着いて来るわけ?」
- 84 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/08/01(水) 02:49:09
- >>80
―――警告:周辺の急激な温度転移/マイナス二百七十六度―――絶対零度。
続けて百度まで上昇―――人間であれば死亡/体液が沸騰している。
相手側の奇襲と判断/誰が? ―――恐らく強い魔力を感知した方。
気づかれているか不明/なぜこちらへ攻撃を?
疑問は尽きない―――しかし、敵対行動と断定。
スラスター起動/砂地を抉る加速/砂嵐のように接近する。
ゼロ距離までコンマ数秒。
武装転送/大剣/螺旋を描くように構え――下から掬い上げる。
軌道変化―――逆袈裟から水平に=首筋を狙い、
寸前で停止した。
瞬時の判断/殺害した場合、相手の戦力、目的などが聞けない/結果的には不利。
私一人で戦っているわけではない――再確認した。
「―――貴様、何のつもりだ」
低く問う。
意図不明な攻撃。
事あらば迷わず切り捨てる。
- 85 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/08/01(水) 02:50:53
- 「………(うーん、困ったね。どーしよー)」
喉が震えてる感じはするから、この声が出ないのは外因性だね。
とするとどこかに原因があるんだろうけど。
「………(あれ、あの人どこ見てるんだろ。……なるほど、岩場ね)」
あのあたりなら、確かに隠れるのには困らないだろう。
問題はどうやって引っ張り出すかだけど……。
「………(力づくでもいいけどー、ここは搦め手かな?)」
そう決めて、私は通信クリスタル〜人形転送もこなす優れもの〜を取り出した。
- 86 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/01(水) 02:54:50
- >>81 狼女
うわ、また増えた。
しかも、今回は海から出てきた。
海から出てきたくせになんか哺乳類っぽい。
犬とか、狼とかそんな感じの耳と尻尾が付いてる。
「いわゆる、妖獣ってやつかしら?」
気にはなるけど、彼女もこっちには気付いていない様子なので今はどうでもいい。
まずは目の前のお団子頭(仮称)を何とかしないと……
>>84 鉄の戦士
どうやってブラックカイザーにコンタクトを取ろうかと思案していると、
彼は突然こちらに飛び掛ってきた。
きっとお団子頭が何かしたんだろう。
やっぱり喧嘩は売らないで正解だった。
ついでに呼び寄せる必要もなくなった。
何をしたかは全然分からなかったが、
こっちに有利なように状況が動いたのは間違いないような気がする。
「頑張れー、ブラックカイザー!」
良くわかんないけど、とりあえず応援しておこう。
- 87 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/08/01(水) 03:00:24
- >>81
……あれ。ホロさんじゃないか。
泳いでるのか。もとい、いたのか。
あのピンととがった耳と綺麗な尻尾、そして相変わらず何もつけない姿は―――って待て。
また全裸か。
「……誰かいたらどうするのさ」
そんなことを考えながら近づいた。
「奇遇だね。どうしたのこんなところで。
……あと、水着はどうした」
苦笑交じりで声をかけた。
……そういえば、ずっと足音とか聞こえないままだ。
ちょいと悪戯が過ぎるかな、これは―――
>>84
ってアッー!!
なんか喧嘩始まってる!?
いや、喧嘩っていうか、殺す気満々だよあの黒いの!?
「ちょ、ちょっと待った!! 何してんのあんたら!?」
慌てて止めに入る。なんであれ、まともな人間が妖怪に勝てるわけ無いって。
しかも妖力からしてそれなりに強い。目の前で死人が出るのは困る。
割って入ろうとするが、剣の威圧感に阻まれてしまう。
いや飾りじゃないわ、これ―――間違いなく何人か殺してる。
「まあ何があったか知らんけど。迷惑だからやめなって」
……これで済まないとは思うんだけどね。
つーか私は泳ぎに来ただけだぞ。何を仲裁なんかしてるんだ。
- 88 名前:妖怪仙人“奎 白霞” ◆CO2A/1LVic :2007/08/01(水) 03:01:37
- 月が綺麗なら狼も出るか。うん。随分と自然に満ちてるな、ここは。
>>82
おやー?警戒されたー。さらに霊鳥様の妖気が強くなったー。
この白いの。霊鳥呼ぶっぽいねー?うん、白いのは、良くできるって相場が決まってるんだねー?
仙人なぜか自画自賛ー。あー、警戒されるのは気配変えまくってるからかー。
気をつけよー。とりあえず、ここで戦うことに仙人様意味感じないしー。
>>83
「ん、妖精?何故かって?面白そうだったからに決まってるー。」
屈託のない笑顔で答えてやろー。外見は詐術の基礎中の基礎だしね?
うん、小さいことは良いことだ!幼い外見は一番相手に油断を呉れてやれる。不老不死万歳。
「とにかく、こっちの世界にも妖精居るんだなーって、思ってさー。
それに逃げたら追いかけてみよー、ってのは。定石中の定石だよ?と、思ったら………お客?」
なんか来た。うむ、好戦的な絡繰りだことー。仙人様には戦闘意思無いのにね?いひひひー。
>>84
「んー?どうかしたか、絡繰り人形?ふむ、体温を変えると攻撃する。
そう捉えたら良いのかなー?あんまり絡繰り見たこと無いからねー?挨拶代わりの情報収集ってヤツ?」
とりあえず高い声。幼い外見に演技丸出しの瞳。怪しさ爆発。まー、妖しくて怪しいのが妖怪だし?
まー。斬られたところで仙人様簡単に死なないし死ねないんだけどねー?いひひひー?
あれ?妖精と絡繰り知り合い?なんか、妖精が絡繰り応援してる?どうする私!
生きるために必要な牌とか何枚か出てくるの?うん、いらないけどねー?
- 89 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/08/01(水) 03:09:49
- 転送クリスタルからディンブラを引っ張り出してる間に事態がえらい動いていた。
>>81>>87
とりあえず、昨日会った森の悪魔さん(仮名)のところに行ってみる。
「………(おかえ…)」
出ないんでしたね、声。ええいうっとおしい。
指で砂に文字を書いて筆談風味を試みてみる。
(おかえりー。海はどうだった? 溺れてなかったみたいで何よりだよ、うん)
そういえば、さっきの少女も悪魔さん(仮名)に話しかけてる。知り合いだったんだね。
……あれ、私、彼女にどこかであった事あるような……いつだっけ?
>>84>>87
いつの間にやら交戦状態真っ最中になってる人?たちがここに。
何なんだろ一体。とりあえず静観することにする。
まあ、これでガチの殺し合いになるんなら……止めるべきかな。力ずくでも。
- 90 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/08/01(水) 03:13:15
- >>88
発言の意図不明/情報収集から殺害攻撃に至る論理が不明。
「……生物体であれば即死している温度変化だ。
何者―――いや、何処の手の者だ? どちらにしろ只者ではあるまい」
間接部モーター/人工筋肉にエネルギーを注ぐ。対主と刃の距離は一ミリ以下。
すでに両腕には、速度が無くとも押し斬れる膂力が装填されている。
周囲のレーダーには異常な反応なし―――ひとつ増えたことを覗いて。
待ち伏せではない/では何だ?
「答えろ。さもなくば―――」
斬る。
>>87
―――制止の声が入る。
先ほど見かけた白子の女性/高位の熱量を感知/警戒対象へ。
「……そちらも何者だ。こいつの仲間か」
警戒―――仲裁に入ると見せかけて攻撃される危険性。
内部武装起動準備―――
>>86
>「がんばれー、ブラックカイザー!!」
不意を、突かれた。
思わず視覚センサを音源に向ける/妖精の姿/岩場の陰に隠れていた。
レーダーの反応は無し/静止状態の物体には反応しない。
かすかな意識の空隙。
戦闘の最中、戦闘を忘れてしまう。
一瞬の停止―――失策だった。
- 91 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/01(水) 03:16:11
- >>87 不死鳥と賢狼
どうやら、あっちはあっちで知り合いらしい。
なんか話しかけてる。
というか、良く見たら片方は知ってる人間じゃん。
ビビって損した。
彼女は別に好戦的な方じゃないから、話せば普通に分かってくれるはず。
と言うわけで警戒ランクを一つ下げる。
今のランクがどれくらいなのか、自分でも分かってないけど。
と、ここまで気付いて気が付いた。
向こうの足音とかも聞こえてこない。
しまった、能力使いっぱなしじゃん。
とりあえず、完全に能力を解除する。
アレに目をつけられたら私にはどうにも出来ないし。
>>88 いひひひひー(何
> それに逃げたら追いかけてみよー、ってのは。定石中の定石だよ?
なんて迷惑な。
と思ったけど口にはしない。
人間とは死の概念がそもそも違うけど、無駄に死ぬのはやはり嫌なところ。
それに、自分だって逃げられたら追いかけたくはなる。
「理由は分かったけれど…… 私を追いかけてきたって面白くないわよ?」
やんわりと拒絶の意思を表明しておく。
- 92 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/08/01(水) 03:23:29
- 「……んん?」
相変わらず眠たそうに、周囲を見渡す。
さしもの賢狼も、一日中水中を泳いでいるうちに、疲労が溜まったのかもしれない。
聴覚が少しおかしいので反応が遅れたが、どうやら彼女が思っていた以上に、
この海岸は騒がしいことになっているらしい。
視界に入ってきただけでも、
なにやら彼女の見たことのない面妖な服を来た少女が二人。
一方の着ている服はドレスに近い衣装のようだが。
そして鎧のようなものを着た人型のモノが…一人?
既に人であるかどうかすらも判断がつかない。
そして。
>>87
「……おう、ぬしか。久しいな」
背後から声を掛けてきた、見知った顔の娘に向けて、笑顔と共に手を振った。
研ぎ澄まされた野生の感覚は、例え音を奪われていても鋭敏に彼女の存在をホロに伝えていたので、
それほどの驚きはない。
「水着? …ああ、人間が水に浸かるときに着るという服かや。
わっちはああいうのはあまり好かぬし、そもそも持っておらぬ」
そこらの店を探せば幾らでも売っているのかもしれないが、ホロは今商人の旅の連れであり、
当然ではあるが財布は彼が握っている。その上押し掛け的に連れをしている以上、
あまり彼の財政に負担を掛けることはしたくない、というのが実のところ彼女の本音だ。
その割には、頻繁に食べ物をねだっている様な気もするが……
そこは、花より甘味を優先する彼女ならではの思考と言えるだろう。
「何、言うても今は夜じゃ、誰の目にも憚るところはないじゃろ。
気にすることなどありんせん」
カカと笑って、ホロは妹紅の肩を気さくに叩いた。
「ところでぬしは、泳がぬのかや? わっちは初めて塩の泉で泳いだが、
これはこれで、なかなか良いものじゃ」
- 93 名前:妖怪仙人“奎 白霞” ◆CO2A/1LVic :2007/08/01(水) 03:25:55
- >>87
白いのが近づいてきたー。近づいてきたらなんかやたら匂うー。そして、仙人はこの正体を知ってるー!
アレかー。アレだー。アレやっちゃったんだね、この娘。イケない娘ー。逝けない娘ー。
喧嘩止めるんだー。そーだよねー?一番心配な突然の遊技停止(ゲームオーバー)無いしねー?
そーゆー意味では同類か、この白いのもー。そりゃ、霊鳥喚べるかー。さすがだー。お見それしたー。
「─────うん、安心しろ?アンタと同じで、私さ。そんなに簡単に死なないからー。
だからー。そう簡単に、その凄い奥の手を晒さないほーが、得策だと思うなー?」
うん。だって仙人様だって。昔、何らかの形で死ねなくなっちゃったわけだしねー?
いや、望んでなったけどさー。自分の意思で仙人やってるけどさー。
なんかー、この場の不穏な空気はアレか。私と絡繰りが原因か。うん、やりすぎた?
>>90
「生物体ねー?うん、絡繰り。私はお前の記憶にない存在か?同じだなー。」
いつでも斬られるぐらいの覚悟で事に臨もう。どうせ手品の種は仕込んでるんだしさー。
「実験だよー。実験。私にとってもお前は経験外の存在なんだよ。うん、褒めてるよー?」
うん。この“いふーどーどー”とした落ち着き方。数千年単位の年期が無いと出来ない芸当。
「世の中には、冗句とか、悪戯。とか。そーゆー類の余白があるって事だ。覚えとけ?絡繰り。」
む。なんかあの妖精の応援で拍子抜けしたか? 好 機 到 来 !
適当に掴み抜けてみよー。出来なかったら種無し手品仙人切断の幻披露してやろー。
>>91
「うん。でも、そーゆーことゆーヤツに限って大概面白いんだけどなー?」
抜けを試みながら、満面の笑みで言ってみた。絶対的矛盾だよね。これもさ。いひひひー。
- 94 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅@巫女 ◆zPhoEniXzw :2007/08/01(水) 03:39:13
- >>92
「やー、泳ごうと思ったんだけど、ね」
視線を向ける先には一触即発の二人。
目の前に爆弾を置かれてる気分だった。
「ちょっと、取り込み中、かな。離れてた方がいいかもしれない」
>>90
あれ、タイミング悪すぎたかな。
なんか勘違いされてる―――?
やばい、斬られたくないぞ私。
「いや仲間ってーかどっちかっつーと敵かも知れんけど。妖怪だし。
でもどっちにしろやり合うなら他所で―――」
そこまで言いかけた時だった。
>>93
―――何?
何だって?
「―――ちょっと待ちな。あんた、なんで知ってる?」
一気に意識が切り替わる。警戒と同時に―――炎が吹き上がる。
無意識のうちに戦闘状態に入ったらしい。頭に血が上ったとも言う。
松明代わりに握っていた炎が、暴走して一気に右腕を燃やす。
火傷はない。この程度でするはずも無い。
不死の炎はさらに熱いのだから。
苦く笑う。
「……ああくそ、結局かよ。まったく良い日和だってのについてない。
で、さ。なんで知ってるんだ? 私はあんたを知らないわけなんだけど」
どこかで見られたのか? それともどっかで会ったことがあるのか?
後者だったら炎をしまえばそれでいいけれど。こっちの早とちりだ。
ただ、不死にあこがれる人間も、力を得たい成りたての妖怪もいる。
殺してでも奪い取る、という奴だ。正直良い想い出はない。
だから―――“そう”だったらすぐにでも焼き払いたかった。
記憶と一緒に。
- 95 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/08/01(水) 03:51:54
- >>93
「―――チ」
間合いからは既に抜けられていた/剣を構え直す/距離を置く。
正体不明の攻撃―――長時間晒されれば危うい。
対策が必要/同時に無数の疑問が生じる。
……実験/経験外/冗句/悪戯?
ふざけている。
「……戯れで命を奪うか。そうしてどれだけ殺している?」
所属は不明/危険度は増大。
幸運は、こちらの正体を相手が知らないということだけ/推測ではあるが。
サイコパス―――否定/人間外の存在に人間のメンタリティでは説明不可能。
砂地を踏みしめるように移動=スライド/音も無く距離をわずかずつ詰めていく。
刃を担いだ。
「次は振り抜く。所属と、目的は何だ」
最後通告―――同時に、
>>94
―――至近距離で強力な熱源感知。
とっさに飛ぶ/距離をとった。
思考/敵対している? 理由が解からない。
仲裁者が正体不明の戦力へ/判断が追いつかない/展開が早すぎる。
撤退―――その選択肢が脳裏に浮かぶ。
だが、相手が不明/敵対勢力でないという保証は無い。
ここでの撤退は危険だった。
- 96 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/01(水) 03:53:59
- >>93 腹黒仙人
>「うん。でも、そーゆーことゆーヤツに限って大概面白いんだけどなー?」
冗談じゃない。
今は一人っきりなのだ。
サニーがいないから、姿を消せないし、
スターがいないから、外敵の察知も完全じゃないし。
それに、私自身の能力だって、月の恩恵があってこそのものだ。
そもそも、月そのものがなかったら存在しないわけだし、私。
「……じゃあ、着いてきてもいいけどさ、
痛い事とかはしないで欲しいかな?」
あのブラックカイザーがあれだけ警戒するくらいだ。
あんまり刺激しないのが得策だと思った。
>>94 怒りの炎
ブラックカイザーとお団子頭にばかり注目していたら、
いつの間にかこの人も渦中の人になっていた。
お団子頭の気が私から逸れるなら大歓迎。と言いたいところだけど……
せっかく、滅多にこれない場所に来ているんだ。
楽しく過ごしたい。
直観だけど、この三角関係は非常にまずい気がする。
この周辺一帯を、一気にクレーターに出来そうなくらいには。
少なくとも、この中の一人の実力は知っている訳だし。
「……もしかして、私ってば火に油注いでるだけ?」
さっき、思いっきり応援しちゃったし、カイザーはこっち見てるし。
さあ、どうしようか。
ちゃっかり自分だけ逃げておくとか?
本気でこいつらがかち合ったら、間に合わないと思うけど。
- 97 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/08/01(水) 04:04:29
- >>89
「なんじゃ、ぬしもおったのかや。
ふむさては、わっちと同じで、そこらを歩いておるうちに此処に戻された口かや?」
昨日であった人形師と名乗る娘に、返答を寄越す。
「海はなかなか良いものじゃ。ことにああやって一人で泳ぐのは中々に気持ちが良い。
まぁ……少ぅしばかり、さすがに疲れたがの」
左右に首を鳴らしながら、気だるい欠伸を一つ。
そんな仕草さえもどこか妖艶に見える事実が、彼女の美貌を雄弁に語っている。
「……うふ。なんじゃ、心配しておったのかや? それはそれは、要らぬ気苦労をかけた。
わっちはそう簡単に溺れたりなぞせぬ。天下の賢狼を見くびってもろうては困るの」
>>94
「ああ……この辺(>>90>>93)の事かや?
ふん、確かに気にするな、と言うても、それは無理な話じゃろうな」
すっと目を細め、周囲を睥睨する。
先程まで大欠伸をしていたとは思えない鋭い眼光が、剣呑な気配を射抜いた。
「とまれ、喧嘩なら余所で―――」
そう言った瞬間、ホロの隣で、炎が渦を巻いた。
炎の発生源はあろう事か―――たった今親しげに言葉を交わしていた、娘だ。
炎は赤々と、闇夜を照らす。
どんな獣でも例外なく恐れをなす、人にしか扱えぬ光。
だがそれでもホロは怯むことなく、真っ向から娘を見据えた。
そして、やれやれと嘆息し、頭を振った。
同時に、何の躊躇もなく、ホロは妹紅を横合いから突き飛ばした。
昏く口を広げて待ち構える、海へ向かって。
しゅばあ、と海水が蒸発する音がした。
その音を聞いてようやく、周囲の音に関係する異変が解消されたのだとホロは気付いた。
「――少しは落ち着け、ぬしよ。
何を言われたか知らぬが、他ならぬぬしがこんな所で荒事を起こしてどうする。
見たところ奴さんにはっきりした敵意もないようじゃ、安い挑発になぞ乗るでない。
少し頭を冷やしんす」
- 98 名前:妖怪仙人“奎 白霞” ◆CO2A/1LVic :2007/08/01(水) 04:08:01
- >>94
うん。アレだ。仙人様さ。災いを撒き散らしちゃってるねー、その気はないのに?うん、ごめんなさーい。
四方四面で楚の歌が聞こえてくるねー。あれ?極星に楚ってあったっけ?知らなーい。
「ん?長いこと仙人やってるとねー?匂いでわかるのー。ほんとーだよー?薬の心得もあるしねー。
にしても、随分強い薬を盛ったねー?それとも盛られたかー?」
うん。霊鳥解放されたら仙人様でも結構危ないかも。でも私。嘘つきだから死なないんだけどー。
あと、そーゆえばさー。私って、どーやって仙人になったっけ?うん。長すぎて忘れた。ほんとーに。
>>95
よし、抜けた、抜けた。上手くやれたか。機械相手でも格闘技巧はつーよーする。記憶完了。
「さーな?絡繰り。そんなことを逐一覚えていては何千年も生きていられないんだ。
それにー、仙人様は直接手を下すのは主義じゃないのー。けっこー真剣にー。
あ、所属?いちおー、異界の果ての極星帝国だけど。情報あるかー?」
物騒な真似も結構してるんだけどねー?格闘、呪術、薬の精製。私って意外に万能。いひひひー。
「目的は、ほんとーに夜の暇つぶしだった。月が綺麗だと思わないか?」
あ。確かそーだった。綺麗だから出てみたんだっけ。よって目的無かった。よって後付けで御無礼。
>>96
「妖精。最初から痛い真似はするつもり無いんだけどなー?ついてきただけだよ?
そーだ。お前は絡繰りと仲が良さそーだしさー。一つ頼みがあるんだよ。
お前からも何とかゆってやれ?なー、仙人様にゃ戦う意思はないってゆーのにねー?」
敵と戦わないためには敵の味方を利用する。これだ。良ーか?策士は策を練ってこそ。いひひひー。
あと、狼も意外に良い仕事するね。うん、痺れたー。憧れたー。棒読みだけどー。
- 99 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/08/01(水) 04:14:07
- >>98
―――結局、相手の意図は不明のままだった。
極星帝国なる発言は確認/データに無し/判断不可。
幸運だったことは、相手が全くこちらの正体を知らないと確信できたことだ。
IRPOや他の犯罪組織が“仙人”を抱えているという情報は無い。
選択肢:撤退/選択可能。
「……退くか」
呟くと同時に、跳躍。
一瞬で八間の距離を移動。
そのまま、夜の闇に紛れて消える。
報告は―――回線封鎖/データの送信はしていない。
迂闊に伝えても混乱を招くだけと判断/記憶に留めるのみとした。
【退場】
- 100 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/08/01(水) 04:21:28
- >>97
「―――え?」
発火寸前の意識が、一気に吹き飛ばされた。
……え、何? なんで飛んでるんだ私。
かすかな浮遊感―――着水。水しぶきが盛大に上がった。
……火種がしけった。
海から上がったとき、火はあっさり消えていた。
水につけたくらいじゃそう簡単に消えはしないが、頭の方が冷えたのだ。
「……あー、うん。ごめん。挑発じゃないんだけどさ。ちょっと色々」
耳に水が入った。軽く頭を叩いて追い出し―――
>>98
「―――盛られたのでもあり、自分で飲んだってのもある。まあ望んだわけじゃないが、
なるべくしてなったわけでもない。今となっちゃどうでもいい話だけど。
ただ、私はいいが周りがどうも、ね。ほら、蓬莱の薬ってのは肝に溜まるもんだからさ。
狙う奴も多いのよ。妖怪も人間も問わず、ね。だからまあ、いきなり言われるのは心臓に
悪いんだ。もしそういうんじゃなかったら悪かった」
素直に謝った。
……さすがに我ながら過剰反応とは思ったしね。
それでも、記憶はどうにも消えないものらしい。炎はほとんど暴走だったのだ。
- 101 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/01(水) 04:24:16
- >>98 悪意なき騒乱
>仙人様にゃ戦う意思はないってゆーのにねー?
だったら、最初から騒動の種になりそうな事するなよ。
とは口が裂けてもいえない。
私の知ってる実力者が二人も警戒してるんだ。
私が口を挟んだところで、こいつはどうにもならない。
でも、やっぱり楽しくない争いごとはないほうがいいと思う。
「まあ、そういう訳らしいから、もう少し様子を見てあげて欲しいのよ」
と、ブラックカイザーに声をかけた。
>>99 さらば、鉄人
が、時既に遅し。
彼は既に跳躍し、闇に同化してしまった。
……いいのかな? 本格的な争いにはならなかったけど。
カイザーも海を楽しみたかったんじゃないのかな?
考えても、彼のスピードに追いつけるわけじゃないし、
そもそも見えてないので追いかけようがない。
「また会いましょうねー!」
聞こえてないかもしれないけれど、これが私に出来る精一杯だった。
- 102 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/08/01(水) 04:31:34
- >>97
「ま、そんなところー。一応一度は家に帰れたけどね」
家にも帰れないでずっとここに捕まってたら……うう、考えたくない。
あ、いつの間にか声も出るようになってる。うむ、よきかな。
「少しで済む辺りがすごいわね……ま、気持ちよかったんなら何よりね」
にしても綺麗だなあ、悪魔さん(仮)。こういうのを美麗っていうんだろうね。
人形師として、ちょっと参考にしておこうっと。じー。
「まあねー、目の前から泳いでいった人が溺れちゃいました、じゃ目覚めも悪いし。
取り越し苦労だったみたいでなによりだけど」
>>94>>97
少女が燃え上がり、悪魔さん(仮)が突き飛ばして鎮火した。
うーん、大抵の怪異には慣れてるつもりだったけど、いきなりこうなると驚くなー。
「まあ、頭は冷えたのかな……文字通り」
一応声を掛けてみる。
「大丈夫ー? タオルとかならあるよ」
通信クリスタルはその気になればタオルも転送できる。便利便利。
- 103 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/08/01(水) 04:45:44
- >>96
そういえば、音は戻ってきていた。
さざなみ、砂噛み、風の音。どうやら悪戯を止めたのだろうか。
……まあ、悪戯どころの話じゃない状態だったから仕方ないかも知れんけど。
「んー、で。ミュートかけてたのお前なの?」
ようやく見つけた。妖精。
既に後の祭りな気がしなくも無いけど。
>>102
「ああ、気持ちだけもらっとくよ。どうせこの後は泳ぐつもりだしさ」
そんなわけで、多少水を吸ったところで問題は無い。
……ちょっと寒いけど。焚き火でも作っておくかな?
- 104 名前:妖怪仙人“奎 白霞” ◆CO2A/1LVic :2007/08/01(水) 04:46:42
- >>97
水を差すって言葉はあるけどさー。ほんとーに差したヤツ見たのって記憶にないやー。
うん。この狼面白い。凄く面白い。こんなに人がいるところに全裸で出てくるかねー?
空間ねじ曲げてー。大体、目方はー。うん、これぐらい。亜空間から私物のチャイナドレス召喚完了。
「おーい。狼。その格好はねー。アレだー。刺激的すぎる。これでも着ておけ。
本当に話に水を差すなんてねー。面白かったー。よって、仙人からのご褒美ー。とっておけー?」
まー、座布団みたいなものだし、何枚あるかなんて聞かないほーが身のためだぞ?いひひひー。
>>99
絡繰りは夜の闇に消えた。まんまと逃げられたかー?追う気ないけどねー。
機械に対して今日得た知識のおさらい。温度を変えると攻撃反応示すヤツが居る。
それと、格闘技巧は鉄の塊みたいなのでもつーよーする。把握かんりょー。以後、気をつけます。
にしても、こっちもヤツの所属を聞きそびれたか。気になるねー。あれだけの機甲を所有してる組織って。
>>100
「あー、そーか。うん。その手の薬なら作ろーと思えば作れるしね?仙人様にゃー必要ない。
それにさー、アレ。手順がめんどーな上に、材料集めるのも骨だから、やる気ないけどねー。
それから、確かにいきなり度肝を抜いたか。悪いな。」
>>101
「うむ、色々と悪戯の仕掛け方を間違えたね。素直に謝っておくー。」
うーん。妖精の後ろで志村の幽霊をやるまでは間違ってないと信じてるんだけどなー。
うん。そっから、全部を間違えたか。えー、画面の前の皆さんもすいませんでしたー。
「あの絡繰りはいっちゃったかー。悪いことをした。次にあったらそう伝えといてー?」
仙人様だからと言って謝るべき時は謝れるんだ。傲慢な神とはまだ違うの。いひひひー。
>>102
およ?あの魔法使いが持ってる水晶玉。地味に凄い代物じゃないのか?
仙人様は無くても出来るけど。結構良いものだねー?地味に観察しとく。
- 105 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/08/01(水) 04:51:01
- >>100
ばっしゃーん。
こめかみを叩いて水を出そうとする妹紅の顔に、更に水が掛けられた。
その奥には、両手で水を掬い上げて意地悪く笑うホロの顔がある。
「目は、醒めたかや」
ひひ、と喉の奥で笑いながら、ホロは優しく、砂の上に尻をついたままの妹紅の頭を叩く。
「どうせ元々泳ぐつもりだったのじゃろ、手間が省けたではないか。
わっちには二倍の感謝をすることじゃな」
そういうとホロは、そっと妹紅の目の前に、自らの細く白い腕を差し出した。
「何がどうあろうと、わっちもぬしも、きっとここには楽しみにやってきたのじゃろ。
折角与えられた長き生じゃ、少しは楽しまねば損というものよ。ふふ」
>>102
「ふむそうか。なれば完全にこの場所は閉ざされておるというわけでもなさそうじゃな。
理屈はさっぱり分からぬが、帰ろうと思えば帰れると知れただけでも収穫か」
少しだけ小難しい表情で考えながら、ホロは言う。
「まあ何はともあれ、場も落ち着いたことじゃ。
ぬしも泳いでみるとよい。一人より二人、二人より三人。
共に楽しみを分かつ連れは一人でも多い方がよかろ」
ほれほれ、と手招きをしつつ、言う。
「今はわっちの連れもおらぬし、人形の技を見せてもらうのはまた今度にしんす。
それよりもこの場を楽しむことの方が大事じゃろ」
- 106 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/01(水) 04:59:15
- >>103 今宵は水掛け論
>「んー、で。ミュートかけてたのお前なの?」
「……誰だって、慣れない場所に来たら保身を優先するでしょ?」
生まれも育ちも多分幻想郷な私には、海の記憶なんてなかった。
だから、最大限に身の安全を優先した結果、能力を使うと言う結論に達した訳で。
「まあ、私からの声も届かないわけだし、いつかはやめようと思ってたけど」
音を消すことが原因で、今回の騒動を招いたのなら反省するしかない。
妖精だって反省はするのだ。覚えているかどうかは別問題だが。
>>104 色々ありましたが
>「あの絡繰りはいっちゃったかー。悪いことをした。次にあったらそう伝えといてー?」
「うん、会えたら伝えておくわ」
それ以前に覚えていなければどうしようもないけれど。
今回は彼のことも覚えてたし、謝罪を伝えるくらいは出来ると思う。
「それにしても……何をしたらあんなに怒らせることが出来るのかしら?」
あの不死鳥も本気になりそうになったくらいだ。
きっとこいつもなんかすごい存在なんだろう。
- 107 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/08/01(水) 05:04:21
- >>103
「そう? ならいいけど、風邪は引かないよーにね」
夏と入っても夜の海は意外と寒いのだ。油断するところっといく。
彼女は炎も出せるみたいだからそういう心配は無いのかもしれないけど。
>>104
なんか視線を感じる。主に通信クリスタルの方に。
「……あげないよ?」
一応言っておく。これは結構な貴重品なのだ。
>>105
「帰ろうと思っても帰れなかったら嫌すぎよ……」
もっとも、世間にはそういう場所もあるとは聞くけれど。
そういうところに嵌ったら、全力を出さなきゃいけないかもね。
「ん、そだね。じゃ、お言葉に甘えて」
一旦岩陰に行き、通信クリスタルから水着を取り出す。
飾り気の無いシンプルなスポーツ水着。自分で買ったお気に入りだ。
〜少女着替え中〜
- 108 名前:妖怪仙人“奎 白霞” ◆CO2A/1LVic :2007/08/01(水) 05:12:39
- >>106
「あー、アレねー?体温を一気に世の中で確認されている温度の範疇で上げ下げするの。
そーゆーことやると何か反応あるかなー?とおもったら、こーなったー。
これだから、暇つぶしってやめられないんだけどねー?仙人の思考の上を行くときがたまにある。
今日なんか最良の例じゃない?多少やりすぎた感が否めないけどー。」
みんなもやってみ?出来るから。絶ー対、出来るから。うん。真似しないよーに。
>>107
「ん?結構凄いなー。って思っただけだよ?別に欲しいとは一言もー。………出来るし。」
空間とか曲げないとさー。やってけなかったりするんだなー。極星帝国ってー。半分ぐらい嘘ー。
泳ぐんなら仙人も泳ごーかなー?別に換えならいくらでもあるしねー。いひひひー。
- 109 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/01(水) 05:13:12
- >>105 白狼
>こめかみを叩いて水を出そうとする妹紅の顔に、更に水が掛けられた。
……もしかして、言うまでもなく、彼女も大物?
幻想郷でも上から数えた方が早いくらいには強いはずなのだ。
そんな妹紅をぶん殴ったり、水をぶっ掛けたり。
今までも、気付いてなかったんじゃなくて、歯牙にもかけられなかったって事?
疑い始めるときりがない。
だから、思い切って話しかけてみることにした。
「えっと、あなた、何者なのかしら?」
>>107 クリスタルは不思議の素(何
出てきたついでに、もう一人の方も見てみる。
すると、良く分からないけれどクリスタルから衣装を取り出してるではないか。
「うわ、何がどうなってるの?」
一度興味を持てば、後は突っ込むだけ。
妖精は好奇心の塊だ。前も同じことしてる気がするけど。
「すごいわね、それ! どうやってるの?」
目を爛々と輝かせてクリスタルを注視する。
- 110 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/08/01(水) 05:15:20
- >>104
「……いいさ。こっちも悪い部分はあるしね。
それに、仙人ならわざわざ奪い取る必要もないか」
こういう時、いやな記憶だけ忘れられたらと常々思うのだけど。
そう上手く行かないのが世の常、か。
再び苦笑する。
「や、ほんとすまなかったね。迷惑かけた」
そういって、砂を払いながら立ち上がろうと―――
>>105
したところで塩水が掛かった。
眼に痛い。
「……最初から醒めてたって。頭は冷えたけどさ」
顔をぬぐって立ち上がった。
「……それもそうだね。いい加減目的を忘れてた」
そうだ。泳ぎに来たんじゃないかよ、私は。
>>106
「……別に、子供が遊んでるとしか思われんと思うがね。
そもそも外の連中が妖精やら妖怪やら信じてるはずないし」
まあ、それでも夜中に出歩いていたら多少は怪しいのだけど。
「しかし、自分の声も消えるのか……便利かと思ったらそうでもないのね」
まあ、うまい話はない。そういうことだろう。
さて、当面の目的も思い出した。
「それじゃ、ちょいと泳いでくるわ」
適当に流木を拾って点火。目印代わりと暖が取れるようにしておく。
涼を得るといっても度を過ぎたら風邪を引く。
そのまま波打ち際に走りよって―――跳躍。
一気に海へと飛び込んでいった。
【退場】
- 111 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/08/01(水) 05:19:30
- >>104
「ふむ? 世の中には、無料より高いものはないとわっちの連れがたまに口にしておるが…
まあ、良かろう。この場合、わっちにはぬしからそれを戴く正当な理由がある。そういうことじゃろう。
それにしても面妖な服じゃの……こんな造りの着物なんぞ、わっちは見た事がありんせん」
ぶつぶつ言いながらも、素肌に渡された服を身に着けるホロ。
しっとりと濡れた肌に薄い生地が張り付いて体の線を浮き上がらせ、
ホロの装いは先刻の裸よりも一層扇情的なものとなったが、彼女自身にはその自覚はないらしい。
「んで、ほれ。折角じゃ。ぬし(>>104)も、ぬし(>>106)も。
皆諸共に水に浸かるとよかろ。全員仲良く、等とは言わぬが、
どうせ湿気た空気ならば、皆で濡れた方が何かと気が楽じゃろ。
後はもう、どうにでもなりんす。恐らくな」
そう言うが早いがホロは海に向かって飛び上がり、盛大な飛沫を周囲に散らす。
その姿は実に目映く、塩水の雫と共に、一枚の絵画のような美しさをもたらした。
>>109
「わっちか? わっちはな……」
水面から顔だけを出して、ホロはその少女の問いかけに、答えた。
「ちぃっとばかし賢いだけの、狼じゃよ」
(このまま退場)
- 112 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/08/01(水) 05:29:45
- >>108
「できるって……そ、そう」
うわー、さらっと言ってるけど実は相当な能力者なんだ、この子。
私も正確な仕組みはわかってないってゆーのに。
>>109
女の子が目をキラキラさせてクリスタルを見ている。
見てても仕組みは分からないと思うぞー。私にも分かんないし。
「ふ、秘密秘密。お姉さんには秘密がいっぱいなのよー」
でも返事はこう。建前って大事だよね?
さて、着替えも終わった。後は泳いで楽しむとしよう。
私は、先行した二人−そういえばまだ名前を聞いてない…−を追って、海に飛び込んでいった。
(退場)
- 113 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/01(水) 05:38:49
- >>108 色々と常識外れ
>体温を一気に世の中で確認されている温度の範疇で上げ下げするの。
「それって、もしかしなくても滅茶苦茶にすごい事じゃないの……」
そんな事されれば誰だって怒る。と言うか死ぬ。
私だって死んじゃうだろう。
カイザーはからくりだったし、そこら辺はちゃんと考えて作られたんだろう。
>これだから、暇つぶしってやめられないんだけどねー?
「暇つぶしで殺そうとしたの……?」
だとしたら、一歩間違えればその対象は私だったわけで。
ありがとう、カイザー。あなたのおかげで私は死なずに済みました。
いや、こういう使い方は我ながら卑怯だと思うけど。
それでも、私は死なずに済んだことを感謝するしかなかった。
>>110 波間に消える追憶
>「……別に、子供が遊んでるとしか思われんと思うがね。
> そもそも外の連中が妖精やら妖怪やら信じてるはずないし」
どうしよう。否定できない。
外の世界には怪異な能力を発揮できるものはそうそうないはず。
ここは外のはずなのだが、なんか変なのがいっぱい来てるけど。
>「しかし、自分の声も消えるのか……便利かと思ったらそうでもないのね」
「そりゃあ、自分の声が聞こえるって事は、自分の音を消せていないわけだし」
そうなると、普段の目的である、隠蔽の効果が全くと言ってもいいくらいになくなってしまう。
「だから、逃げるときぐらいにしか使わないのよ。この能力は」
って、こういう事ってべらべら喋ってもいいのかしら?
>>111
>「ちぃっとばかし賢いだけの、狼じゃよ」
「九尾みたいなものかしら?」
確か、彼女もすごい賢かった気がする。
三途の川の距離を算出したとか新聞に載ってた気がする。
だとしたら、彼女の態度にも納得である。
あれと同じくらいの力を持ってるのだ。
「すごいのね、あなた」
素直にそう思う。
私のつぶやきは聞こえたのかどうか分からないけれど、
彼女はそのまま海の向こうに消えていった。
- 114 名前:妖怪仙人“奎 白霞” ◆CO2A/1LVic :2007/08/01(水) 05:39:11
- >>110
「まーなー。鼻が利くのも忌憚無く口に出すのも考え物だねー?うん。こっちこそ悪かったー。
次があるなら、酒でも持ってこよーか?そんときゃ楽しもう、こんどはなー。」
なんてゆってる間に霊鳥使いのお嬢さんは海の中に消えていきました。
「ま。聞いてないからこそ助言。私からすれば、あと数千年かなー。
そーすりゃー。そんな記憶も消えちゃうかもねー?いひひひー。」
けーけんしゃはひっそりと、でもゆーべんに語るー。それじゃー。また。
>>111
「面妖ってゆわれてもなー?ほら、仙人も着てるし、細工もしてないしねー?
うん。受け取っておけー?って、さらに刺激的になっちゃったけどー。いひひひー。
そーだな。その提案は喜んで受けるとしよーか。うん、色々と迷惑かけたしなー。」
面白そうだし。たまには泳ぐか。うん、悪くないやー。
>>112
「出来ちゃうモノは出来ちゃうんだからしょーがないよねー?」
さらっと笑う。うん。我ながら上出来。まだまだ私も若いね。まだまだいけるね?いひひひー。
「そんじゃー。妖精。色々と今日は派手にやらかしたー。刺激が強すぎたか?悪いなー。
今度会うときゃ、驚かすよーな真似はしないでやる。次は、な。」
うん。仙人様、やっぱり悪意の塊なんだなー。自重しよー。出来るかわからないけど。
さて、そーゆーことで私も海に飛び込んで、深海まで潜ったところで、次元の門を開けて帰ろーか。
【退場】
- 115 名前:妖怪仙人“奎 白霞” ◆CO2A/1LVic :2007/08/01(水) 05:44:07
- >>113
「ん?」
なんか言われたみたいだから重力ねじ曲げて浮いてきた。逆さまで。
でもチャイナドレスは重力に逆らってるんだなー。
不思議ー。でもないかー。私がやってるんだし。
「まー、仙人ってゆーのはそーゆー悪戯が好きなんだよ。やりすぎたけど。
それから。私には殺す気なんて最初っから無かったー。これだけは本当。信じろー?
それじゃ、今度こそ再見ー!」
そのまま、海の中にどぼーん。そのまま深海まで急速潜行。
【今度こそ退場】
- 116 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/01(水) 05:45:50
- 一日くらい、帰らなくても何も言われないわよね……?
みんな、海に飛び込んで行ったし、海と言えばきっとこんなものなんだろう。
服は……まあいいや。
どうせ、普段の悪戯が失敗したときもぐしゃぐしゃになっちゃうわけだし、
このまま私も飛び込んでみよう。
でも、初めての体験には恐怖がつきものなわけだったりする。
「落ち着いて、深呼吸…… すー、はー……
よし、いっせーのーせっ!」
気合を入れて私も飛び込んでみた。
【退場】
- 117 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/08/04(土) 00:01:28
- 「……あれ?」
どういうわけか、目の前には砂浜が広がっていた。
「あれー!?」
どうして? 道間違えた? どこで? 家はどっち? ここはどこ?
「む〜、何よ、どしたの、マリエル。」
あたしの耳元がパッと光り、妖精が姿を現した。
あたしだけに見える、白い蝶の羽を生やした「愛情」の妖精は、
まぶたを手で擦っている。 眠っていたみたい。
「どうしよう、道、間違えたみたい…」
妖精は慌ててあたりを見回した。
「ここ、どこ!?」
「わかんない…」
ため息をひとつついて、妖精は言った。
「ちょっと辺りを見て、帰り道を探して来るから、待っててね。」
妖精の姿を見送った後しばらくすると、あたしのお腹の虫が鳴き声を上げた。
何か無いかと、ポシェットを探ってみると、知恵の実があった。
知恵の実を齧りながら、マテリアルが依頼された分だけ数が揃っているか、勘定してみる。
すると、まだ使っていない、換えの下着があった。
妖精が戻って来るまで、まだ時間があるはず。
あたしは服を脱いで、下着姿になると、夜の海に身体を浸した。
水の感触が身体に心地良い。 このまま、妖精が戻って来るまで待っていよう。
- 118 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/08/04(土) 00:37:11
- 暫く水浴びしていたけど、さすがに寒くなってきた。
夏とは言え、このままでは風邪をひくので、砂浜に上がって下着を換え、服を着る。
妖精は、まだ戻って来ない。
探しに行った方がいいかな?
でも、入れ違いになっても困るし…。
少し考えた後、砂浜に腰を下ろす。
もう暫く、待ってみることにした。
そして、あたしはまた、ポシェットの中のマテリアルを数え始めた。
- 119 名前:ミチル=フェアテーゼ ◆MytYLEu83U :2007/08/04(土) 01:08:40
- >>118
本日のお仕事も終わらせて、やっともらえた自由時間。
デルフィスから降りてもいいっていうので、近くの海にやってきた。
「あ、見えてきた。海だ。おっきいなー」
小さい海ってのも、あんまりないかな。なんて心の中でつっこむ。
なんだか最近、大きい海とか、大きい山とか見たくなるんです、マキさん。
小動物とかでもいいなぁ……。
普段、宇宙をデルフィスで渡りながら仕事をしているせいか、
こういうのを見てると、心が落ち着く。
人間は海から来たっていうけど、やっぱりそのせいもあるんだろうか。
このまましばらく海沿いを散歩して帰ろうか、と思っていると、
砂浜の辺りに小さな人影を見かけた。
女の子?
こんな時間に一人で、何してるんだろ。
……ちょっと心配だ。
夜に女の子の一人歩きは危ないし……、
って、じゃあボクはなんなんだってなるけどさ。
……まぁ、ボクはホントは男だし、いいかな、と。
迷ってても仕方ないかな。心配だし。
ボクは、その小さな人影に声をかけてみることにした。
「ねぇ、キミ。そんなところで何してるの?
こんな時間に一人で出歩いてると、危ないよ」
なんだかちょっと濡れてるみたいだし。
いくら夏っていっても風邪ひくといけない。
荷物にタオルあったかな……ハンカチは入ってるけど。
- 120 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/08/04(土) 01:32:45
- >>119
不意に声を掛けられ、顔を上げる。
そこにいたのは、一人の女の子。
「道を間違えたみたいなの。 だから今、友達に帰り道を探してもらってるんだ。」
そう言って、ポシェットの口を閉じ、立ち上がる。
「そういう貴方は? こんなところで、何してるの?」
- 121 名前:ミチル=フェアテーゼ ◆MytYLEu83U :2007/08/04(土) 01:39:57
- >>120
>「道を間違えたみたいなの。 だから今、友達に帰り道を探してもらってるんだ。」
「あ、そうなんだ。ごめんね、余計なお世話だったかな。
一人で海の前にいるからさ、ちょっと心配になっちゃって」
見た目より、ずっとしっかりしてる子らしい。
ボク、これぐらいの頃こんなにしっかりしてたかなぁ。
……っていうか、今もそんなにしっかりはしていないような気がする。
>「そういう貴方は? こんなところで、何してるの?」
「ボク? ボクはちょっと海を見に。それと少しお散歩かな」
それぐらいで、大した理由はない。
うーん、時間もまだあるし……。
「良かったら、お友達が来るまで、お話しててもいいかな?」
でも、やっぱりここで帰るっていうのも心配だなぁ、と。
そんな提案をしてみた。
お友達っていうのが、大人の人なら安心なんだけどな。
- 122 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/08/04(土) 01:43:33
- >>121
「うん、いいよ。」
にっこりと笑って、答えを返す。
「あたしも、話し相手が欲しかったところなんだ。
あたしはマリエル。 よろしくね。」
- 123 名前:ミチル=フェアテーゼ ◆MytYLEu83U :2007/08/04(土) 01:48:49
- >>122
>「うん、いいよ。」
なんかホッとする。
すごくいい子なんだな、って笑顔を見ただけでわかる。
暖かい気持ちになる、そんな笑顔だった。
……や、ボクの部隊のみんなもいい人達ばっかりなんだけど、
こういう感じの子はいないから新鮮っていうか。
こういう妹とか欲しいなぁ…………いやいやいやいや。
>「あたしも、話し相手が欲しかったところなんだ。
> あたしはマリエル。 よろしくね。」
「ありがとう。ボクはミチル。ミチル=フェアテーゼだよ。
ところで、道に迷ったって言ってたけど、どこへ行きたいの?
ボクの知ってるとこなら、教えてあげられるんだけど」
まぁ、この辺の地理にはボクも詳しくないんだけど。
- 124 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/08/04(土) 01:57:43
- >>123
「オークベリーっていう街から来たの。
そこへ帰りたいんだけど、どっちに行けばいいか、わかる?」
ミチルの親切に甘えて、多分知らないだろうと思いながらも、尋ねてみる。
でも、知らなくてもいいや。 今は、ミチルと話してみたいから。
- 125 名前:ミチル=フェアテーゼ ◆MytYLEu83U :2007/08/04(土) 02:05:45
- >>124
>「オークベリーっていう街から来たの。
> そこへ帰りたいんだけど、どっちに行けばいいか、わかる?」
「オークベリー……か。ちょっと調べてみるね」
携帯端末を取り出して検索をかけてみる。
該当は…………なし。あれ。
情報が古いのかな、それとも、俗称とか?
なんにせよ、ボクじゃ調べられないみたいだ。残念。
これはお友達に頼るしかない、かな。
「ごめんね、ちょっとわからないみたい。
オークベリーかぁ……なんだか綺麗な名前だね。
マリエルはそこに住んでるの? どういうところなのかな」
宇宙は広い。
海も広いけど、星の海は当然もっと広い。
行ったことない場所のがどう考えたって多いわけで。
こんな子がいる場所が気になって、ボクは聞いてみるのだった。
- 126 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/08/04(土) 02:20:15
- >>125
「いい所だよ。 皆いい人だし、妖精もいっぱいいるの。」
「綺麗な名前」という言葉に気を良くして、あたしの言葉にも熱が入る。
「森とか、遺跡とか、不思議な場所もいっぱいあって、そこにも沢山の妖精がいるの。」
何か、話さなくてもいいことまで、話しちゃった気がするけど…、気のせいかな。
- 127 名前:ミチル=フェアテーゼ ◆MytYLEu83U :2007/08/04(土) 02:31:05
- >>126
>「いい所だよ。 皆いい人だし、妖精もいっぱいいるの。」
「そっか。きっと本当にいいところなんだろうね」
こんなにいい子が暮らしていて、育っていける場所なんだから、
そこにはきっと素敵な人たちがいるんだろう。
>「森とか、遺跡とか、不思議な場所もいっぱいあって、そこにも沢山の妖精がいるの。」
「へぇ、森が残ってて、遺跡まであるんだ」
人が住む星にも色々あるけれど、遺跡があるというのは珍しい。
それもこの様子だと、普通に入れるみたいだし。
…………。
何か、聞きなれない単語を聞き流した気がする。
えっと、確か……。
>「妖精もいっぱいいるの。」
>「そこにも沢山の妖精がいるの。」
「……ようせい?」
妖精っていうとあれだろうか。
御伽噺に出てくる、ちっちゃくて飛べたり花に住んでたり色んなものに宿ってたりする。
でも、嘘をつくような子には見えないし、本当のことを言ってるんだと思う。
そういう原生生物か何かだろうか。やっぱり何かの俗称とか。
そんな感じじゃないけどなぁ……。
「妖精っていうと、いわゆるフェアリー?」
- 128 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/08/04(土) 02:43:38
- >>127
やっぱり。 言っちゃってた。
でも、いるってことを知ってもらうくらいは、いいかな。
「うん、そうだよ。
今は、人間と世界を分けて、姿を隠してるけど、
昔は、人間と妖精は一緒に暮らしてたんだって。」
そして、あたしはそのために、妖精使いを続けていくの。
妖精と人間が、一緒に生きられる世界を、夢見ながら。
「今はもう、妖精を信じる人も少なくなってるみたいだけど…、
ミチルは、信じる? 姿は見えなくても、妖精はいるんだってこと。」
- 129 名前:ミチル=フェアテーゼ ◆MytYLEu83U :2007/08/04(土) 03:01:21
- >>128
>「うん、そうだよ。
> 今は、人間と世界を分けて、姿を隠してるけど、
> 昔は、人間と妖精は一緒に暮らしてたんだって。」
やっぱり、あの妖精のことみたいだ。
いわゆるひとつのファンタジー。
まだ海の向こうには幻の大地があって、
夜の森には魔物が住んでいた頃のおはなし。
人が生きる世界が広がって、未開拓の場所が減っていくにつれ、
なくなってしまった、人にわからないもの。
今はもうなくなった、幻想の物語。
>「今はもう、妖精を信じる人も少なくなってるみたいだけど…、
> ミチルは、信じる? 姿は見えなくても、妖精はいるんだってこと。」
「ボクは……」
正直、信じられないと思う。
子供の頃は、知らないこと、わからないものがたくさんある。
大人になると、これは光の見せる現象だとか、風の音だとか、
理由がわかるようになって、不思議なことがなくなっていく。
だから、子供にとっては妖精はいるし、お化けだっている。
この子が言っているのは、きっとそういうこと…………なのかな。
なんだか、少し違う気がする。
わからないものを妖精と呼んでいるんじゃなく、
はっきりと、わかっていて、話している。そんな風に見える。
「ボクには……ごめん、ちょっと信じ難いかな」
正直な気持ち。
きっといるよね、と言うのは簡単だけど、そんな風に誤魔化しちゃいけない気がした。
だけど。
「でも、マリエルが言うのなら、それはいるんだと思う。
ボクにはきっと見えないし、わからないんだろうけど、
マリエルの見る妖精は、そこにいるんだと思うよ」
それがボクの答えだった。
きっと、この子にとっての妖精はそこにいるんだろう。
それは多分、ボクには決して見えないものなんだろうけど。
その場限りの誤魔化しじゃなく、自分についた嘘でもなく、そう思った。
- 130 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/04(土) 03:14:55
- 「また海ね……」
二度ある事は三度ある。
私は、またもやわけの分からないうちにこの場所に放り出されていた。
私自身は、いまだにどうやってここまで来て、
どうやって元の場所まで戻っているのかわかってない。
前のときは、みんな海に潜っていったのから、
私も真似して飛び込んだはずなのに、気付けば元の森の中だったし。
けれども、今のところはこうやって来たり、戻ったりできているので、
あまり不安には思っていない。
今までも、ここで危ない目にあっても、
どれもこれも本気で私をどうこうしようと言うことはなかったし。
「来ちゃったものはしょうがないし、ただ帰るのもつまらないしね」
誰かいないかな、とぐるりと辺りを見回す。
すぐに、砂浜に座って何かを話している二人組の女の子を見つけた。
「何を話してるのかしら?」
興味を惹かれた私は、そろりそろりと忍び足で二人組に近づいていった。
- 131 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/08/04(土) 03:23:18
- 「そっか。」
そっと、微笑んだ。
その時…
「マリエル、見つけたわよ、帰り道。
帰りましょう、旦那様も、皆も、心配してるから。」
妖精が戻って来た。
あたしは頷いて、ミチルに向き直る。
「そろそろ、帰らなきゃ。 『友達』が、戻ってきたから。」
妖精の導きに従って、あたしは歩き始める。
「さようなら。 今日は楽しかったよ。」
最後にあたしは、ミチルに満面の笑顔を贈った。
「じゃ、またね。」
軽く手を振り、あたしは砂浜を後にした。
【退場】
- 132 名前:ミチル=フェアテーゼ ◆MytYLEu83U :2007/08/04(土) 03:32:50
- >>131
>「そっか。」
そう言うと、マリエルは少し微笑んだ。
あんな答えでよかったのだろうか。
ボクにはわからないけど。
>「そろそろ、帰らなきゃ。 『友達』が、戻ってきたから。」
「あ、うん。引き止めちゃったね」
……って、その友達はどこに?
キョロキョロと見回すけど、誰もいない。
>「さようなら。 今日は楽しかったよ。」
「こちらこそ。キミと話せて良かったよ」
マリエルの笑顔に、笑顔で応えた。
>「じゃ、またね。」
「うん、また会えるといいね」
そう言うと、マリエルは帰っていった。
……結局、友達ってどこにいたんだろう。
…………妖精?
まさかね……とは、言い難いなぁ、どうも。
むしろ、あの子の方が妖精みたいな子だったなあ。
>>130
さて、一人でいても仕方がないし、行こうかな。
と、振り返った瞬間。
「あれ?」
なんか目の端に映った気がする。
再びきょろきょろ見回す。
マリエルの友達? でも、逆方向だしなぁ。
じっと見渡してみるけど、暗くてよくわからない。
「……気のせいかなぁ」
なんとなく、視線を感じるような気はするんだけど。
- 133 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/04(土) 03:46:20
- >>131 人と妖精の架け橋
気付かれないように、細心の注意を払って歩いていると、
片方の少女の方にふわりと妖精が近づいてきた。
「やばっ! 気付かれたかしら?」
その場で息を潜めて様子を伺う。
>「マリエル、見つけたわよ、帰り道。
> 帰りましょう、旦那様も、皆も、心配してるから。」
どうやら、あの妖精は少女の式神のようなものらしい。
私に気付いたそぶりもなく、マリエルと呼ばれた少女に報告をする。
「へぇー、外の世界では妖精も式になってるのね。
というか、いたんだ。妖精」
何回来ても、ここは新しい発見でいっぱいだ。
マリエルは、もう一人の少女に二言三言話しかけ、
軽く手を振りながら、妖精の先導でここを去っていった。
「まあ、彼女になら見つかっても安心かな。
あの妖精も嫌々って感じじゃなかったし」
いなくなった今では意味も無い独り言だけど。
>>131 不幸の星の下
>再びきょろきょろ見回す。
>「……気のせいかなぁ」
……忘れてた。
もう一人、ここには残っていることをすっかり失念していた。
どうしよう。私一人で出て行っても大丈夫かな?
それとも、このままじっとしてる方がいいのかな?
「……まあ、なるようにはなるし、急に音が聞こえなくなれば
普通の人なら混乱するわよね」
そういうわけで、万一の場合にも逃げ切れると判断して
残った少女の下に歩き出した。
- 134 名前:ミチル=フェアテーゼ ◆MytYLEu83U :2007/08/04(土) 04:00:36
- >>133 略してあんらき☆すた って、不幸って言われたー!?
やっぱり気のせい、かな。
多分、蝙蝠でも飛んでたんだろう。
さて、行こうかな、と歩き出そうとしたときだった。
「うわっ」
なんかいた。
ち、小さい人?
それこそ、さっきまで話してた妖精みたいな。
……いやいや、だからボクは妖精なんて信じてないんだってば。
となると、高性能な人形。ラジコン。
この星に住む原生生物。
それか、単純にすごくちっちゃい人。
その辺りだろう。絶対。きっと。間違いない。だったらいいな。
「は、はろー?」
コミニュケーションの基本は挨拶から。
地域が違おうが、星が違おうが多分一緒だ。
場所によって適切な挨拶は違ったりするけど。
……まぁ、敵意はなさそうだし、大丈夫だろう。
いざとなったら逃げよう。うん。
- 135 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/04(土) 04:09:04
- >>134 現状が十分不幸だと思いますが
>「は、はろー?」
結構挙動不審だ、この人。
きっと妖精を見たことがなかったんだろう。
さっきもなんかきょろきょろしてばかりだったし。
だとすれば、少し脅かせば私に何かするなんて事もないだろう。
……多分。
「こんばんわ。月の綺麗ないい夜ね」
平静を装っていながら、逃げる準備はいつでも万端。
「そんな夜にあなたはどんな用があったのかしら?」
この際、自分が迷ってきたことは棚の上に放り投げる。
- 136 名前:ミチル=フェアテーゼ ◆MytYLEu83U :2007/08/04(土) 04:15:51
- >>135 きっと気のせいだと信じたい今日この頃です
>「こんばんわ。月の綺麗ないい夜ね」
しゃ、喋った。
喋るんだ……。
いや、ポジティブに考えよう。
ポジティブに考えると、コミニュケーションがとれるというわけで、
落ち着いて接すれば勝機は見えるということになる。
何の勝機かはこの際置いておこうと思う。
「あ、はい、そうですね」
なんだか思わず丁寧語になってしまった。
……年齢……いや、よくわかんないからいいや。
>「そんな夜にあなたはどんな用があったのかしら?」
「えっと、少し海を見て散歩してただけなんですけど。
そちらは、お散歩ですか?」
お散歩……歩いてなくてもお散歩なのかな。
まぁ、単語の意味は変わらないしなぁ。
なんてどうでもいいことを考えてる辺り、ボクは多分混乱している。
助けて、ブルーブラスター!(来ません)
- 137 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/04(土) 04:23:49
- >>136 認めたくないものd(ry
>「あ、はい、そうですね」
がっちがちの敬語。
確定、この人は妖精を怖がってる。
にやり、と内心ほくそえむ。
だって、ここまで怖がってくれてるんだ。
悪 戯 を し ろ
って神様のお告げじゃないかしら?
>「えっと、少し海を見て散歩してただけなんですけど。
> そちらは、お散歩ですか?」
「うん、そんなものよ」
さて、どうやって脅かしてやろうか……
って言ってもやれることは一つしかないんだけど。
「ところで、妖精の悪戯って知ってるかしら?」
ああ、上手く不気味にニヤリと笑えてるかしら、私。
- 138 名前:ミチル=フェアテーゼ ◆MytYLEu83U :2007/08/04(土) 04:33:42
- >>137 素敵な上司に最新鋭の設備、機体。ほら、こんなに幸せ
>「うん、そんなものよ」
なんだろう。
何か不穏な気配を感じる。
こう、悪巧みしてるときの、
マキさんとかシーナさんとかシンシンとかアヤカとかパトリシアさんとか、
そんな雰囲気。
……心当たりになる名前が多すぎてちょっとヘコむ。
違うんですよ、みんないいひとなんですよ。
ただちょっと楽しいことが好きなだけで。
誰に言い訳してるんだろう、ボク……。
>「ところで、妖精の悪戯って知ってるかしら?」
この笑みは!
にやぁ〜って感じのマキさんの笑みだ!
絶対なんかよからぬこと考えてるときの笑い方だ!
不気味っていうよりは、にやにやっていう感じだけど。
「よ、妖精の悪戯ですか?
物をなくしたときとか、妖精がやったんだよ、みたいなことでしょうか。
でもそれっていわゆる教訓みたいなもので、迷信ですよね。
この宇宙船が銀河を航行する時代に、そういうのもないかなって思うんですけど」
ああ。
なんだろう。さっきまで妖精の存在についてあんな風に話していたのが夢のようだ。
……実は寝てるのかなー、ボク。
- 139 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/04(土) 04:45:56
- >>138 今の部隊に配備される過程について
>「よ、妖精の悪戯ですか?
> 物をなくしたときとか、妖精がやったんだよ、みたいなことでしょうか。
> でもそれっていわゆる教訓みたいなもので、迷信ですよね。
> この宇宙船が銀河を航行する時代に、そういうのもないかなって思うんですけど」
「あら、良く分かってるじゃない」
うちゅーせんだとか、良く分からない単語も混じってた気がするけど、
そういうのはとりあえず置いておく。
外の世界は外の世界で、幻想郷の常識が通用しないし。
「そう、そういうのは大抵妖精がやってるのよね。
外の世界の妖精がどうなのかは知らないけど。
で、私は何に見えるかしら?」
このタイミングで、波の音とかそういう外界の音を遮断して、
私の声しか聞こえないようにする。
よし、決まった!
決まった、よね?
- 140 名前:ミチル=フェアテーゼ ◆MytYLEu83U :2007/08/04(土) 04:56:52
- >>139 辞令があって転属。なんて普通
>「あら、良く分かってるじゃない」
「いえ、そんなこともないですけど……」
来る!
ボクの(度重なる色々で)研ぎ澄まされた(嫌な予感に限った)感覚が
危険信号を出す。
……あんまり嬉しくない。
>「そう、そういうのは大抵妖精がやってるのよね。
> で、私は何に見えるかしら?」
その瞬間、周囲から音が消えた。
聴覚に異常があるわけじゃない。
その証拠に、相手の声は聞こえている。
波の音、風の音、一切が消えて、相手の声だけが聞こえる。
ありえない感覚の中、ボクは必死に答えを探す。
こういった問いかけには、正解になる答えがあるものだ。
答えを間違えると、どこかに引きずり込まれたり、
殺されちゃったりするのが、この手の話のお約束。ちゃんちゃんことか。
ボクの出すべき答えは……!
「……ラジコン、とか? あの、電波で動かすおもちゃなんですけど」
どうだろう。
違うかなぁ。
静かな夜だなぁ、と思う。(ざざーん)(消音中)
- 141 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/04(土) 05:08:26
- >>140 現在進行形で<禁則事項です>をしている件
ふふふ、悩んでる悩んでる。
ああ、久しぶりに悪戯が成功しそうな予感……
>「……ラジコン、とか? あの、電波で動かすおもちゃなんですけど」
こけた。
盛大にこけた。
今までの前振りとシリアスな空気を返せ。
「……どう見たって妖精でしょ、私。
何をどうしたらおもちゃに見えるのよ、この私が」
生きてるみたいに動く人形は知ってるけれど、
あれは操る人物がいるから出来ることで、
喋ってるところも見たことがないし。
あー、もう色々と馬鹿らしくなってきた。
能力も解除して、普通に他の音も聞こえるようにする。
「もうそんなに怖がらなくていいわよ。
ほら、ちゃんと波の音も聞こえるでしょ?」
- 142 名前:ミチル=フェアテーゼ ◆MytYLEu83U :2007/08/04(土) 05:18:29
- >>141 真夏の夜の夢です。妖精繋がりだし。誰がうまいこといえと(ry
あ、転んだ。
よくできてるなぁ……。
ところで、前振りはともかく、シリアスな空気ってあったんだろうか。
ちょっと疑問。
なんでそんな疑問が浮かんだのかわからないけど。
>「……どう見たって妖精でしょ、私。
> 何をどうしたらおもちゃに見えるのよ、この私が」
「あ、うん、ごめん。妖精だよね、妖精」
凄くよく出来ている作り物だと思うことにした。
別にそうやって精神の安定を計っているとかじゃ、決してない。
決してないんですってば。
>「もうそんなに怖がらなくていいわよ。
> ほら、ちゃんと波の音も聞こえるでしょ?」
ざざーん。と、波の音。
「うわ、本当だ。凄いね、どういう原理でやってるの?」
素直に感心する。
けっこう大掛かりな仕掛けがいるはずだ。
音っていうのは空気の振動なわけだから……まぁ、置いておいて。
なんだかちょっとガッカリした風に見える。
「ご、ごめんね? もっとこう、ひー! とか、きゃー! とか
うわぁぁぁん! ばかー! って、言ったほうが良かったよね。ごめん!」
それが、なんだか本当に残念そうだったので、思わず謝ってしまっていた。
- 143 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/04(土) 05:28:41
- >>142 もう私からいう事はありません(何様だ
>「あ、うん、ごめん。妖精だよね、妖精」
少し、小馬鹿にした感じがしないでもないけれど、
とりあえずは私が妖精だと納得はしてくれた模様。
>「ご、ごめんね? もっとこう、ひー! とか、きゃー! とか
> うわぁぁぁん! ばかー! って、言ったほうが良かったよね。ごめん!」
「別にいいわ。
無理して驚いた振りされても悲しいだけだし」
本当に、本当に外は曲者揃いだ。
いろんな意味で私の想像の斜め上を越えていく。
まあ、幻想郷も別の意味で曲者揃いだけど。
結局この世の中は曲者しかいないのかー。
>「うわ、本当だ。凄いね、どういう原理でやってるの?」
「原理云々を聞かれてもね。
出来るから、としか答えようがないわ」
強いて言うなら、月の力を受けて行使する。
と言うくらいだろうか。
それよりもさっきの台詞で気になったところを聞いてみる。
「それでさ、さっきうちゅーせんだとか、らじこんだとか言ってたわよね?
それってどんなものなの?」
外の科学力はすごいから、きっとこれらもからくりのすごい奴なんだろう。
ちょっとわくわく。
- 144 名前:ミチル=フェアテーゼ ◆MytYLEu83U :2007/08/04(土) 05:39:06
- >>143 諦められた
>「別にいいわ。
> 無理して驚いた振りされても悲しいだけだし」
「うぅ……ごめんなさい」
なんだか申し訳ない気分になる。
なんというか……単純に色々ありすぎただけなのだ。色々。
ボクの周りがそれこそ曲者ばっかりなだけで、この子にまったく罪はなく。
>「原理云々を聞かれてもね。
> 出来るから、としか答えようがないわ」
「そっか。ちょっと残念」
興味はあったんだけど。
まぁ、ローダーを操縦できるからって、原理の説明できる人はあんまりいない。
それと同じようなことだろう。多分。
>「それでさ、さっきうちゅーせんだとか、らじこんだとか言ってたわよね?
> それってどんなものなの?」
「え、ラジコンっていうのは……」
そういうの、と言おうとして口をつぐむ。
ダメだ、ダメだ。それを言っちゃあおしまいだし。
宇宙船とラジコンの説明……。
……宇宙って何か、から説明するのかな。
「えっと、宇宙船っていうのは……。
ほら、夜になると空に星や月が見えるでしょ? あと昼なら太陽も。
空の上にはまっくらな星の世界があって、そこを航海するための船のことだよ」
これで伝わる……かな。
「ラジコンは、さっきも言ったけど電波で動かすおもちゃ。
えーと、見えない波長を飛ばして、操縦機で車とか飛行機とか動かすもの、かな」
うーん。言葉にすると意外と難しい。
- 145 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/04(土) 05:51:25
- >>144 薄幸の美少女
>「え、ラジコンっていうのは……」
>そういうの、と言おうとして口をつぐむ。
意味深な沈黙。その目は何よ。
「はぁ……
やっぱりサニーたちがいないとこうもぱっとしないものなのね」
これから聞き出せるかもしれないことに対する好奇心に比べれば、
このぐらいは些細なことだけど。
>「えっと、宇宙船っていうのは……。
> ほら、夜になると空に星や月が見えるでしょ? あと昼なら太陽も。
> 空の上にはまっくらな星の世界があって、そこを航海するための船のことだよ」
「ふーん…… 宇宙の船で宇宙船って事なのね……
って、宇宙に出れるの? 人間が?」
もしかして、すごいことを聞いてしまったんじゃないだろうか。
あの、暗くて眩い世界を自由に行き来することが出来る船。
月から落ちてきた品物を集めて、地上の月を作ると言う私の夢。
その後に続く、らじこんの事なんて右から左に流れるようだった。
「もしかして、それに乗れば月にだって自由に行けるのかしら?」
だとしたら、私の夢はもう叶ったも同然だ。
だって、落ちてくるのを待たずに、自分で取りに行けばいいのだから。
- 146 名前:ミチル=フェアテーゼ ◆MytYLEu83U :2007/08/04(土) 06:11:10
- >>145 美少女……
やっぱりちょっと気を悪くさせちゃったようで、申し訳ない気分。
でもこればっかりはどうにもならないし。
次の機会があったら、しっかり驚こうと思う。
わざとじゃなくて、素で驚けるように……ええと、油断しよう。
>「ふーん…… 宇宙の船で宇宙船って事なのね……
> って、宇宙に出れるの? 人間が?」
「うん。それはまぁ、出られなきゃ船も用をなさないしね」
宇宙開発が始まったのが20世紀だから、もう五世紀も前だ。
世紀単位銀河系探査計画による、本格的な宇宙開発。
地球から月へ辿り着き、火星へ辿り着き、人類はその版図を広げていった。
開拓の限界に膝を折り、今はもうもっと遠くへと行きたがる人は少ないけれど。
>「もしかして、それに乗れば月にだって自由に行けるのかしら?」
「うん。行けるよ。月へも、その先へも」
月へ行ける。
それだけのことで、こんなに反応があるとは思わなかった。
地球から最も近く、人類が最初に到達した天体。月。
いまや、わりと当たり前に行ける場所だと思うんだけどな。
「まぁ、お金はかかるけどね」
って言っても、旅行レベルの金額。
昔はそれこそ国家規模のプロジェクトだったろうけど。
「っと、ごめん、ボクそろそろデルフィスに帰らないと。
お月様の話は、今度また会えたらね。
キミもあんまり遊んでないで、気をつけておかえり」
思ったより時間を使ってしまった。
なんだか不思議な夜だったけど、悪くはないと思う。
妖精かぁ……信じてはいなかったけど。
そういうの、あった方が面白いのは間違いないよなぁ。
そんなことを考えながら宇宙船であり家でもあるデルフィスへと、
家路を急ぐボクなのだった。
【退場】
- 147 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/04(土) 06:27:39
- >>146 宇宙を翔る翼
>「うん。行けるよ。月へも、その先へも」
嘘のような、本当の話。
と言っても、私がこの目で確かめた訳じゃないけれど。
月。妖怪の力の源で、私の存在の源でもある月。
既に、その月の世界を人間は自由に行き来できるらしい。
>「まぁ、お金はかかるけどね」
そんなことは些細な問題だ。
私たちが三人揃えば多分大丈夫。
忍び込むなんて容易い事だろう。
>「っと、ごめん、ボクそろそろデルフィスに帰らないと。
> お月様の話は、今度また会えたらね。
> キミもあんまり遊んでないで、気をつけておかえり」
考え込んでいた私だが、言われて気が付いた。
すっかり日も昇ってる。
「そうね。私も帰るわ」
帰り方は……ま、適当にしてればまた帰れるでしょ。
「じゃあねー。帰り道も妖精になんかされないようにねー」
されたら困る。私にとっては月への唯一の手がかりだし。
さて、と振り返って一歩進んだところで、ぐいっと何かに引き込まれる感じがした。
足元を見ると、なんか良く分からないすきまが開いて、私の足を?んでる。
「……今回はこうなるのね」
できるだけ酷い目に遭いませんように。
私は祈りながらすきまに引きずり込まれていった。
【退場】
- 148 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/08/11(土) 23:37:40
- 一日幸せになりたいので酒を飲む。
三日幸せの部分は嘘である。
七日幸せのために豚を食う。
そして一生の幸せを味わいたいがために―――――
「…………ぐぅ」
寝る。
勿論俺の前には並べた釣り竿三本、
素晴らしいことにこの海水浴場ではキスも釣れるときた。
ならば今度は大ギス狙いの投げ釣りというわけだ。
…ちなみに釣果はいまだゼロ。
よく釣れると聞いたのだが、嫌われてるのだろうか。
竿の動く気配全くなしだ。
「………………ふにゃ」
釣れないなあ。
- 149 名前:神を滅ぼした男と神を継いだ竜 ◆CMsCaLE4Wk :2007/08/12(日) 00:32:26
- 「やれやれ、トーテム能力者というのも難儀なものだな。」
つぶやきながら、砂浜を歩く。
「数日眠らなくても平気とは言っても、夜には話す相手がいない。
全く、どうしたものかな。 退屈で仕方が無い。」
まぁ、この浜を見つけただけでも僥倖、海水浴でもするか。
「私は、ジョニー様とこうしてお散歩できて、楽しいですよ。」
「それは重畳。 お…?」
見ると、先客が一人。
魚など釣りつつ……寝ている。
と思ったら、起きた。
「…………」
しばらく、様子を見るか。
寝惚けているのを無理に起こすのも気が引ける。
- 150 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/08/12(日) 00:54:30
- >>149
「………………うーん、眠ってたか」
いや、どうせアタリが着たら起きたけど。
欠伸をしながらもう一度釣り糸の先を眺めてみるが
アタリの来る気配など微塵もない。
「食い付きが悪いなあ…」
などとボヤクがぼやいたところでどうにもならない。
大きなため息をつきながらもう一度椅子にもたれかかりアタリを待っていると
「……だれかいる?」
なんかこっちを眺めていたような。
暗くてよく見えないけど。
「釣り人…じゃないな。竿持ってないし」
となれば散歩の線が強いだろう。
こっちに歩いて着たら挨拶でもしておこう。
- 151 名前:神を滅ぼした男と神を継いだ竜 ◆CMsCaLE4Wk :2007/08/12(日) 01:08:05
- >>150
どうやらこちらに気付いたな。 意識が大分はっきりしてきたらしい。
「こんばんは。」
とりあえず、挨拶をしておく。
「釣りですか? 何匹釣れました?」
尋ねたのは、隣を歩くスケイル。
トーテムだが、人の姿を取っているため、誰の目にも見える。
頭部の側面にヒレのようなものがあるのは、飾りということにしておけば通じるだろう。
「よろしければ、お手伝いしましょうか? 魚捕り。」
笑顔で尋ねるスケイル。 そう言えば、水着など用意していたな。
理由はともかく、海へ入りたいのだろう。
- 152 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/08/12(日) 01:17:49
- >>151
近づいて来たのは男女の二人組みのようだ。
ランタンのスイッチを入れて辺りを照らす。
「ええ、こんばんは」
挨拶を返すがなにやら妙な格好、そしてヒレ。
たまに羽生えてるようなやつもいるので気にはしないが。
「それがまだゼロ匹なんだよ…なかなか難しいもんだ」
そろそろポイント変更するべきだろう。
一本の竿を戻して餌を交換している間、女性の方が
手伝おうかと言った。
「ん?釣具持っているようには見えないが…」
まさか素手で捕まえる気か。海魚を。
- 153 名前:神を滅ぼした男と神を継いだ竜 ◆CMsCaLE4Wk :2007/08/12(日) 01:34:05
- スケイルは服を脱ぐと、海の中へと、歩いて入った。
水着は、服の下に着ていたようだ。
程なくして、スケイルは水面から顔を出した。
その手には魚を掴んでいる。
その次の瞬間、スケイルのてが、「バチッ」という音と共に、一瞬だけ発光する。
「雷光」のフォースだ。 光り様から見て、魚は死んでいるな。
使い勝手の良い、便利なフォースだ。
俺の「衝撃」では、どう加減しても魚を粉々にしてしまうので、少し羨ましい。
「捕れましたよ。」
微笑みつつ、スケイルは魚の死骸を釣り糸を垂らす男に差し出した。
- 154 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/08/12(日) 01:48:49
- >>153
…電気ナマズの化身か、こいつ。
というか死骸貰ってもなあ…そりゃまだ新鮮かもしれないけど。
「…どうも」
いや、むしろ他人の取ってきた魚貰ってどうするんだ。
自分が釣って魚でなければ大物を釣った記録にならないし
勿論数にも数えられない。
「だけどこれは受け取れないな。君が取ってきたものだから君のものだろ?
自分の分は自分で釣るさ。というか釣りに着たんだよ」
それにしても銛使わずに良くできる。
というかあの早業は絶対に人間業では無いな。
電気ナマズの件も含めて。
「…こいつはチヌか。食えないことは無いが…」
泥臭いのが欠点だ。
一応は調理法を知っているが。
- 155 名前:神を滅ぼした男と神を継いだ竜 ◆CMsCaLE4Wk :2007/08/12(日) 02:00:43
- 「そうですか…、余計なことをしてしまったようですね。」
スケイルは落胆して俯く。 魚も無駄死にだし。
それに、どうやら食べるのに適した魚でも無いらしい。
「君は、どうしてここで魚釣りをしているんだ?
もう人も魚も眠ってしまう頃だろう。」
ふとした疑問を、口に出してみる。
「夜に活動する魚を狙っているのか? それとも、眠れないのか?」
- 156 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/08/12(日) 02:16:16
- >>155
「…ああ、そんなに気にしないでくれ。
極東の国ではこいつの郷土料理が存在するくらいだからな。
間違えなければ結構美味い魚だ」
まあ、磯臭さと泥臭さが嫌われていることも事実だ。
昔は高級魚の一角だったんだけどな。
「ああ、ただ単に大物が釣りたいだけだよ。
それに今は夏だろ?暑さには慣れているほうだが好んで炎天下に晒されたくないしな」
夜は夜で寒いんだけどな、と付け加えてから
手振りで少しはなれるように伝える。
さて、さっきの電気ナマズの化身がもぐったところにでも投げ込んでみるか。
「…ま、眠れなかったらさっき居眠りなんてしないさ」
頭上に持ち上げてから軽くひょいっと投げると
軽いフォームに反してオモリは真っ直ぐに、そして遠くに飛んで行き
ポチャンと音を立てた。
「単純に遊びたいだけだよ。仕事が辛いんでね」
さて、次はうまくいくか?
- 157 名前:神を滅ぼした男と神を継いだ竜 ◆CMsCaLE4Wk :2007/08/12(日) 02:39:44
- 辛い仕事……、書物の山に埋もれて延々と研究をさせられるとか、
戦場に送り込まれて朝から晩まで何日も戦わされるとか、
かなり嫌な想像が頭の中を駆け巡る。
俺なんか15日で世界を救えと言われたし。
「なるほど、息抜きに来ているんだな。
俺達は、眠れないから散歩をしているんだ。」
訊かれてもいないことを言って、とりあえず話題を変える。
辛い仕事の話は聞きたく無いからな。
スケイルはと言うと、さっきから、彼の手の中の竿と、その先の糸とを、
じろじろと見比べている。
その表情は、不思議そうと言うか、少し不満げにも見える。
その道具で本当に魚が連れるのかと、疑っているようだ。
一匹も連れていないのでは無理も無い。
さっきから竿と糸で魚を釣る瞬間を、一度も見られていないことに、不満を感じているらしい。
それでもなお、スケイルは諦めずに海の中に放り込まれた糸を凝視している。
- 158 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/08/12(日) 02:49:36
- >>157
「なるほど、そいつは健康にいい。
夜風をアビながら海辺を歩くのもなかなかいいものだからな」
しかし自分には道具と技術がある。
活用すればなお海で楽しむことができるのだ。
釣りは男の浪漫である。
「…っと、やっとこさかかったか」
そろそろ回収しようと考えていた竿がしなっている。
だがキスが釣れたにしては小さすぎるような。
「よっと、ほら、本日最初の魚だ」
バシャンと水しぶきを上げてでてきたのは
細く得黒い魚…ああ、一応魚類だよな、これ。
「アナゴ…ま、まあ、悪くは無い」
外道を釣った。
本命はキスなので口では悪くないといいつつも
がっくりとうなだれてしまった。
- 159 名前:神を滅ぼした男と神を継いだ竜 ◆CMsCaLE4Wk :2007/08/12(日) 03:10:10
- 水しぶきと共に、胴の長い魚が水から引き上げられる。
スケイルは、その様子に表情を輝かせた。
「すごいです、棒と糸で魚が捕れるんですね!」
スケイルはいつも素潜りで手掴みだから、
釣りの様子は、その目にさぞ新鮮に移ったことだろう。
魚捕り自体、あまりしないし。
しかし、彼の表情は優れない。
何故かはわからないが、落胆しているようだ。
何故だろう、ゲドウホササンのせいか?(外道だけに)
…って、あの人はもう名前変えてるか。
そう言えば、「遊び」と言っていたが、釣った魚はどうするんだろう。
「これは、明日の朝食にでもするのか?」
釣ったからには当然食べるのだろうが、とりあえず尋ねてみた。
- 160 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/08/12(日) 03:21:08
- >>159
「人間としての基本だからな。
狩猟の中でもかなり原始的な方法だ。そう驚くことじゃないよ」
噛まれないように注意して針をはずしてっと、
ひょいとバケツの中に放り込んだ。
「さて、次はどこに投げ込んだものか」
ひょいと見回し別のポイントを探す。
…うん、あそこらへんかな?
さっきと同じ手順でもう一度漆黒のふみにオモリを沈めた。
「食えないものは長さだけ計って海に返す。
食えるもんは持ち帰れる分は持ち帰って自分で調理するよ。
養殖物よりも味は優れているからな」
もうひとつも回収しなければ。
投げ釣りとは忙しいもんだ。居眠りさえしなければ。
- 161 名前:神を滅ぼした男と神を継いだ竜 ◆CMsCaLE4Wk :2007/08/12(日) 03:42:20
- そう言えば、随分久しぶりに、腹が減ってきたな。
帰って、スケイルに食事を作ってもらおう。
「よし、折角だから、魚を料理してもらうか。」
小さく呟いて、海の中へ入っていく。
水着が無いので、服のままだ。
スケイルが憑いているので、水中でも呼吸できる。
周りを見回して、泳ぎ回る魚の一団をその視界に捕らえる。
泳いで回り込んで、狙いを定める。
そして、次の瞬間、轟音と共に、海からは大量の海水が、
数匹の魚を伴って砂浜へと打ち揚げられた。
「衝撃」のフォースで、海水ごと魚を吹っ飛ばしたのだ。
直接当てなければ、魚の身を砕くこと無く捕らえることができる。
しかし、その際に津波が起こるので、人が居ない時しかできないのだが。
「水がかからなかったか?」
打ち揚げられた魚を拾いながら、釣り人に尋ねる。
「すまない、竿を持っていないから、こんなやり方になってしまうのだが…、
次に会うことがあったら、竿を使った釣りを教えてくれ。
俺は、そろそろ帰ることにするよ。」
「あら、もう帰られるんですか?」
そう言って、スケイルも、家路に着く俺の後に従った。
(退場)
- 162 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/08/12(日) 03:52:14
- >>161
飛び込み、後、爆音。
いやあ、なかなか一番効率のいいやりかたを
知ってるね。
じゃなくて
「か、環境破壊…」
手榴弾投げるのと同じだ。
確かにその場しのぎには出来るが思いっきり
周りの地形変えてしまうわけで非推奨。
「…ああ、ぜひとも竿を使ってくれ…」
ううむ、二人は魚拾って帰っていったがこのあと自分が釣れる確率が…。
- 163 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/12(日) 03:57:57
- 「今日もまた 迷い妖精 また一人
ルナチャイルド」
現実逃避に川柳なんてやってみたけど、何が楽しいのか良く分からない。
「ここは毎回変なのがいるから飽きないんだけどね」
来ようと思っても中々来れないくせに、
どうでもいいときだけ、ふらりとここにたどり着いてしまうのはどうかと思う。
まあ、来ちゃったものはしょうがない。
というか、ここに来ると色々と楽しいことが良く起こる。
「さてと、今夜は何があるのかな〜♪」
まずは適当に海岸線に沿って歩く事にした。
- 164 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/12(日) 04:09:53
- >>162 愛に生きる軍人
「あれは…… 釣り人?」
歩いていると、釣竿らしき物を三本立てて、
その前でぼけっとしてる人影を発見した。
物凄ーく油断してそうな雰囲気である。
どうしよう。
ここの人は、みんながみんな妖精を知ってるわけじゃないっぽいし、
急に声をかけると色々と大変な事になるかもしれない。私が。
と、なると様子見をするのが一番だけど……
「どう見ても『背中押してくれ』って言ってるようにしか見えないわ……」
能力を使って足音を消し、そろりそろりと後ろから近づいていく。
もう少し、もう少しで手が届く……
- 165 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/08/12(日) 04:10:03
- >>163
とりあえずさっきの爆発から離れた場所へ
友はさっき釣ったアナゴ一匹のみ。
「…うう、戦時中じゃないんだから爆発させることないだろ」
川に毒を流したりするのも魚をとる有効手段だが
これも環境破壊である。
再生するのに長い時間掛かるので辞めましょう。
「…ここらへんでいいか」
とりあえず投げ釣りの準備。
手早く餌を準備し三脚も三つ用意。勿論水の入った
バケツを引っ掛けるのをお忘れなく。
「さてと………ん?」
投げ込もうかという時に、ふと誰かの気配がした。
- 166 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/12(日) 04:23:33
- >>165 意外と鋭い隊長
>「さてと………ん?」
やばい! 気付かれたっ!?
と、思ったけれど、別にこっちを見たわけじゃなかったので
そんな事はなかったようだ。
前進再開。
よし、もう手が届く。
一気に息を吸い込んで……
せーのっ!
- 167 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/08/12(日) 04:37:08
- >>166 鋭いくせに鈍感だとよく言われます
むう…別に向こうの方には誰もいないよな。
気のせいか?
「…ま、いっか」
釣竿を投げるために後ろに傾け…
ゴン!
…何かにぶつけた感覚。
後ろに岩はなかった筈だから…もしや。
「やばっ!後ろ確認すんの忘れてた!」
後ろを見れば竿を頭にぶつけた様子の女の子が。
基本中の基本忘れるって何やってんだよ!
「ご、ゴメン!大丈夫か!?」
竿を置いて急いで駆け寄った。
- 168 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/12(日) 04:47:44
- >>167 アマちゃん
>ゴン!
「痛っ!」
なんと言うタイミングの悪さ。
振りかぶった釣竿が全力で頭にヒット。
思わず、頭を抱えてうずくまってしまう。
あー、これで今回の悪戯はおじゃんね……
今日の教訓:釣り人に後ろから近づくのはやめましょう。
>「ご、ゴメン!大丈夫か!?」
「……うん、大丈夫よ。
それほど強くぶつかんなかったみたいだし」
でも、ちょっとだけくらくらする。
目から星が飛び出るほどじゃないけど。
「私は大丈夫だけど……竿はいいの?
あのままだと流されないかしら?」
まあ、3本もあるんだし、一本ぐらい流れてもいいのかもしれない。
- 169 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/08/12(日) 05:00:10
- >>168
「ハア…良かった。悪いな、ぶつけちまって」
ぶつけたであろう箇所を撫でる。
釣竿は見た目に反して意外と重いもので
そのために竿置きなどが存在するほどなのだから。
「え?竿が流されって…うわお!?」
波に持っていかれそうになっている竿を取り戻す。
これは借り物なのだ。
無くすとただでさえ少ない給料が…。
「ハア…良かった、無事か」
しかし餌は変えておくしかあるまい。
さっきので大分ボロボロになってしまっている。
とりあえず餌を変えながらふと疑問に思ったことを。
「夜明けも近いが散歩か?一人で出歩くには小さすぎるようだが…」
そこにいるのはどう見ても子供だ。
周りには親の姿も見当たらない。
- 170 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/12(日) 05:11:54
- >>169 やっぱり鈍くない?
>「え?竿が流されって…うわお!?」
気付きなさいよ。
まあ、彼が竿を取りに行く時の表情がちょっと面白かったので、満足。
>「夜明けも近いが散歩か?一人で出歩くには小さすぎるようだが…」
「そうかしら? 私は夜のほうが元気が出るんだけど」
やっぱり、普通はこんな夜に出歩いたりしないものらしい。
と、いうか。この人は私の事を普通の子供として見てるんじゃないだろうか。
「まあ、大丈夫よ。危なくなったらすぐ逃げるくらいは出来るし。
そんな事よりも、ここって魚が多いの?」
こうやって、釣りに勤しむ人がいると言うことは、何かしらが釣れるという事だろうけど。
- 171 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/08/12(日) 05:18:37
- >>170
ちょいちょいと手で合図して後方に危険を知らせる。
流石に二度もぶつけたらかわいそうだし。
「あんまり夜に慣れないように。
生活リズムをぶち壊すと後々大変だからな」
ヒョイ、ヒョイっと、軽い動作で結構飛ばす。
むしろ力んでいたほうが飛ばないのだから
こっちの方が自然なフォームだといえる。
「まあな。前はチヌがつれたしいろいろいるのは間違いない。
それに砂浜ならどこだってキスぐらい居るものさ」
三つ目のオモリがポチャンと音を立てて海の中に沈む。
もはや海の色は漆黒ではなくなっていく時刻であった。
- 172 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/12(日) 05:29:45
- >>171 夜だから眠れない
>ちょいちょいと手で合図して後方に危険を知らせる。
「あっ、ごめんなさい」
さすがに二度も頭をぶつけるのは嫌だから、
私は彼の隣にちょこんと座った。
>「あんまり夜に慣れないように。
> 生活リズムをぶち壊すと後々大変だからな」
「大丈夫よ。私は元々こんな感じだから。
むしろ、夜の間にぐっすり眠ってる私が想像できないくらい」
それぐらい、夜は私にとって身近なものだ。
「それで、あなたはどうしてここに?
私の知ってる限りじゃ、物凄ーく変なモノが集まるわよ、ここ」
多分、普通の人間にとっては、私も変なモノの一つなんだろうけど。
- 173 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/08/12(日) 05:41:01
- >>172
「元々…ねえ」
夜行性にしては妙だ。
夜の間に寝れないとはこれはいかに?
吸血鬼…にはとても見えない。というかそんな存在の怪しいものに
こんなところで会ってどうするんだ
「ま、いいか。細かいことなんて気にしても魚連れないし」
もうじき夜も明けることだ。朝の早い子供はもう起きている。
それでも一人だと危なっかしいけどな。
「どうしてって…魚釣りに着ているんだが?
変なのといってもいきなり俺の命を奪うやつじゃなきゃ無問題さ」
隣にちょこんと座る女の子。
ライト無しでもすでにその顔は見えている。あと格好はもう突っ込まないことに。
「そういう君は何しに来たんだ?変なのがうろついているなら近づくべきじゃないと思うが」
竿のしなりを注意深く見る。
外道でもつれないよりましであろう。
- 174 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/12(日) 05:54:45
- >>173
>「どうしてって…魚釣りに着ているんだが?
> 変なのといってもいきなり俺の命を奪うやつじゃなきゃ無問題さ」
「どうしてこの場所を選んだか、って意味だったんだけど……
あなたにはあんまり意味なさそうね」
外の人間にしては、その辺がかなり適当な人らしい。
私の羽にももう気付いてるはずなのに、何も言わないし。
>「そういう君は何しに来たんだ?変なのがうろついているなら近づくべきじゃないと思うが」
「私はそういうのが見たいのよ。面白いし、色々と」
実はいつの間にかたどり着いてました、とかそういうのは内緒だ。
今日ははずれかもね、と思ったのはもっと内緒だ。
「今日は人も多くないし、大した事は起きそうにないけど」
釣りをしてるのをこうやって間近で見るのは初めてかも。
覚えてないだけかもしれないけれど。
特にする事もないし、どうしたものかと辺りを見回したらバケツがある。
「ちょっとバケツの中見てもいい?」
そういいながらも、体はもう見る気満々でバケツににじり寄ってるけど。
- 175 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/08/12(日) 06:03:27
- >>174
「そこに海があったから、俺はここを選んだ。
そんな答えじゃ不満か?」
よく釣れる穴場という情報も基にはしているが。
実際この前釣れたんだし、今度は別の魚に挑戦しても
良いとは思う。
「面白半分で見物か…で、俺の釣りは見てて楽しいのか?」
羽はもう知らん。飾りということにしておこう。
実際には得てても対して困らないが。
で、そこの羽付き女の子は興味心身でバケツに近寄っていく。
「別に見てもかまわないけど…っと」
一つ竿がひいていた。
本日最初の当たりかもしれない。
「フィッシュ!そこのバケツに仲間加えるから少しどいてくれ」
ぼちゃんと水しぶきを立ててキスがバケツの中に入る。
これでキス1アナゴ1だ。
- 176 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/12(日) 06:16:30
- >>175
>「そこに海があったから、俺はここを選んだ。
> そんな答えじゃ不満か?」
「そんな事はないわよ。
私もここじゃなきゃいけない理由はないし」
そもそも、どういう原理で、ここと幻想郷を行き来してるかを理解してないし。
>「面白半分で見物か…で、俺の釣りは見てて楽しいのか?」
「可もなく不可もなく、ってところかしら?
他に見るものも今はないし」
まあ、こうやって静かに過ごす時間も嫌いじゃないのでいいけど。
と、バケツを覗き込もうとした瞬間――
>「フィッシュ!そこのバケツに仲間加えるから少しどいてくれ」
「へぇ〜、ここではそんな魚が釣れるのね」
彼が釣り上げた魚は、私が見たことのない魚だった。
そりゃあ、海のない幻想郷で生活してれば、海水魚を見る機会なんてないし。
ぽちゃん、とバケツの中に入った魚を観察する。
と、バケツには先客がいた。
「こっちは鰻っぽいわね。で、今釣ったのはなんて魚なの?」
ぴちぴちとバケツの中で泳ぎ回る魚を眺めながら聞いてみた。
- 177 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/08/12(日) 06:23:04
- >>176
バケツの中を物珍しく見る少女。
普段海魚を見ていないのだろう。
「こいつはキスって魚だ。
砂の中に住んでいるから泥臭くないし、どんな調理をしても美味い」
塩焼き、フライ、刺身もなかなか美味。
調理方法はいくらでも浮かんでくる。
考えているうちに腹が減ってきたな…。
「俺は今から休憩とるけどどうする?
朝食ぐらいなら作ってやってもいいぞ」
帰るのならここでお別れだ。
一人で簡単に済ませて釣りの続きを楽しむとしよう。
- 178 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/12(日) 06:30:43
- >>177 アングラー・シロー
>「こいつはキスって魚だ。
> 砂の中に住んでいるから泥臭くないし、どんな調理をしても美味い」
「こっちのがキスね。教えてくれてありがとう」
口ではああ言ったけど、どんな調理法でもおいしく食べれると言う方が
私にとっては重要だった。
モノの名前よりも、それをどうするかだし。
>「俺は今から休憩とるけどどうする?
> 朝食ぐらいなら作ってやってもいいぞ」
渡りに船とはこの事かっ!
なんてナイスなタイミングの朝食。
「私もご一緒してもいい?」
どんな風においしいのかしら……
- 179 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/08/12(日) 06:36:49
- >>178
「簡単な塩焼きぐらいしかできないけどな。
もうちょいと有名どころなら釣った魚を調理してくれる店があるが…」
ここではあんまり期待できないだろう。
自分で調理するしかない。
「おっと、ただで食えると思うなよ。
薪集めくらいは手伝ってもらうからな」
笑いながら道具を集め、バケツを持つ。
もうちょっと安定した足場で火を熾そう。
「俺の名前はシロー・アマダ。お互い名前の呼び方知らないと困るだろ?」
あそこらへんの岩場がちょうどいいか。
頭の中でどういう朝食にするか計画を組み立てる。
「君の名前は?」
朝日が新しい一日の始まりを告げていた。
【退場】
- 180 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/12(日) 06:48:44
- >>179 クッキングファイター
>「おっと、ただで食えると思うなよ。
> 薪集めくらいは手伝ってもらうからな」
やっぱり、そんなに甘い世の中じゃなかったか……
でも、薪集めくらいならどうと言う事はない。
普段も、森で物を収集したりしてるし。
「うん、わかったわ。すぐに集めてくるから」
>「俺の名前はシロー・アマダ。お互い名前の呼び方知らないと困るだろ?」
>「君の名前は?」
あー、そういえば名前を知らないままだったわね。
「私はルナチャイルドよ。ルナって呼ばれる事の方が多いわね。
自己紹介もしたことだし、私は薪を集めてくるわね」
くるりと背を向けて、薪集めに走り出す。
キスってどんな味がするのかしら?
期待に胸を膨らませて、両手いっぱいに薪を抱え、
さて、戻ろうと辺りを見回してみて、しばし硬直。
「……なんでこのタイミングなのよ」
いつの間にか、いつもの昼でも薄暗い森の中に戻っていた。
「あそこに戻れなきゃ、薪を集めてもあんまり意味無いわよね」
せっかく、拾い集めた薪をその辺に放っておいて、家に帰ることにした。
だって、私にはどうにも出来ないし。
【退場】
- 181 名前:名無し客:2007/08/28(火) 05:47:57
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今宵は皆既月食です。
夕方の月の出にはすでに部分月食が始まっており、間もなく皆既月食となります。
- 182 名前:名無し客:2007/08/28(火) 05:52:36
- 8月28日の天文情報
・皆既月食中の月は、地球の大気によって屈折した光に照らされるため、完全には消えず、暗い赤色に映ります。
・皆既月食中は、月が暗いため、他の星々がよく見えるようになります。
・みずがめ座σ星の恒星食:月によって恒星が隠される現象が起こります。
普段の月では明るすぎて観測できないのですが、月食中は月が暗いために観測できる現象です。
みずがめ座σ星は約5等の星ですが、月がその前を通り、ひとときその姿を隠します。
みずがめ座は南東方向、月のある方角に見えます。
近くには、「南の一つ星」みなみのうお座のフォーマルハウトがあります。
夜半前
・南西の方角に木星が見えます。
・天頂付近に、七夕星のこと座ベガ・わし座アルタイル、
そしてはくちょう座のデネブを加えた夏の大三角形があります。
・西の方角にうしかい座のアークトゥルスが見えます。
夜半頃
・北の空にはカシオペア座があります。
・天頂やや南に、ペガスス座の大四辺形が上ってきます。
・大四辺形の北東方向、アンドロメダ座の中にアンドロメダ大星雲があります。
アンドロメダ座β星ミラクから北へ連なる2つの4等星をたどったところにあり、
双眼鏡で見るとその姿がよく見えます。
夜半過ぎ
・東の空には、冬の星座の代表、オリオン座が上ってきます。
オリオン座の向かって右肩方向には、おうし座のアルデバランが、
また向かって左肩方向には、ふたご座の2列の星の並びが見えます。
・朝方には、さらに東、オリオン座の向かって左下方向に、
一番明るい星、おおいぬ座のシリウスも出てくるかもしれません。
海岸は、水蒸気が多く大気が揺らぎやすいので天体撮影には向きませんが、
空気が澄んで視野も広いため、星を見るのには絶好と言えます。
みなさんもちょっと外に出て、星空を眺めてみてはいかがですか?
- 183 名前:アヴェンジャー ◆ty.Avenge. :2007/08/28(火) 22:10:43
- どうやら今夜は皆既月食だそうだ。
怪奇! 月食男現る!?
―――――とまあ、こんな電波を誤って受信しちまえそうな程には珍しい現象らしいですよ? 一年ぶりにオレ
が顔を顔を出しちゃうのも致し方なしってもんですよ、奥さん。や、正確な日数を計った訳じゃねーから一年も明
けちゃいないのかもしれないが。なんとなくだけれどトリップまで新調しちゃってるし。
ところでトリップって何だ?
まあ、そんなコトはさて置き。
空には昏い月が、いつもとは逆しまの月が、深い赤の色を携えて浮かぶ。階段でもあれば昇ってみたくなるっ
てもんだが、実際そんなモノはある筈もないんですよ。ファンタジーやメルヘンじゃないんですから。
とは言え、在ったとしても昇ってやるコトはないのであるが。殻に閉じ篭った麗しのお姫様がいるワケでもなし、
そんな重労働には耐えられません。毎度毎度攫われる桃姫様を助けに行く配管工ほどオレはやる気に満ち溢
れちゃいねーんだから。つーか、なんで彼はあんなに頑張るんでしょうね? 馬鹿見るだけじゃん?
懐かしい光景をただ傍観する。
星空はこの時代にしちゃ珍しいくらいに輝いて、いつか見た雪を思い出させる。暗い部屋で見た雪の白さは、
それはもう幻想的で××が憎いって感情を跳ね除けるくらいに愛おしいと感じた。
この星空もまあ―――――悪くねえのである。
波の音。
虫の音。
輝く空。
世界は―――――何時だって素晴らしい。
- 184 名前:アヴェンジャー ◆ty.Avenge. :2007/08/28(火) 22:28:02
- そう、世界はいつだって素晴らしい。
道徳が悪徳を教えるようになり、カーニヴァルの語源が嘘っぱちだと知りつつもそれ通りに行って見たり、
ゆとりは本当にゆとりになってしまったり、進化を求めた末に退化してしまっていたり。
悪い方に悪い方に。誰にとっても救いのない世の中になっていったとしても、世界はきっと素晴らしいに
違いない。――――-まあ、自然の美しさが在る間だけかも知れないが。オレの価値観的に。厭世的とい
うなかれ。オレは元からそういう<結果>ですからね?
つーかまあ、一時期は人でごった返してた海も盆が過ぎて海水浴シーズンも終わりに近付けば寂しくな
るもんだ。まるっきり人がいやしねー。静かで良いのだけれどそれはそれで物足りないとは思うが、人目気
にせずいちゃつくカップルの皆様方がいないというのは精神安定には物凄くいい。だって彼ら―――――
始めちゃうんですもの。
花火。
ヤラシーコト想像しちゃった子は挙手ねー。エッチなのは程々にするように。自重しろ。オレ。
花火を批判する気はねーんだがね。確かに刹那的な美しさは群を抜いている。どんなドキュメンタリーを
見るよりも、よっぽど人生の教訓になりうるってもんだ。着火から燃え尽きるまでの間に人生の縮図が存在
してるからね。たまに湿気って火が点かないのもあるが、それはそれで人生ってもんだろう。そうそう易々と
火が点いて駆け抜けていけるヤツなんて多くはないんだから。
だがしかし。だがしかし! ちゃんと御片付けはしていけと言うものだ。そんなだからクリーンキャンペーン
とかしなくちゃいけないんですよ? 萌えポスターに釣られて参加とか恥ずかしいでしょ? 煙草のポイ捨て
も駄目、ゼッタイ。
クヒヒ―――――なに、オレ偽善者? 笑っちゃうね。
- 185 名前:来須蒼真 ◆rX9kn4Mz02 :2007/08/28(火) 22:33:03
月には魔力が宿る。
正直、そんなものは迷信だと思っていた。
――――あの時までは。
人間とそうでないモノの境界、想像なんてしてなかった自己証明を賭けたタイトロープ。
テレビで見たサーカスのピエロを気取るには、足元の下に広がってた奈落は余りにも非常識すぎて。
――――あの赤い月の狭間には、悪魔の大きい城があル。
1年前。
沸いて降った災難は、宿命なんて得体のしれない必然で。
別に望んでもいない自分探しは、不幸とかそういうものを振り切った酷く非現実でありすぎて
――――あの城ハ、■■の帰リヲ待っテいル。
振り切って舞い戻った現実は、どことなく希薄だった自分なんてモノが錯覚だったと認識できて。
宿命なんていう冗談を乗り越えて。
■■なんていう運命を否定して。
俺の中に眠っている■■■■■という存在を制圧して、/けど、まだ俺の中には
――――■■■■■ヲ、■ノナカニネムッテイル、アノミニクイ■■ヲ。
――――ホラ、足ヲ伸バセバ手ヲ伸バセバ届クヨ届ク。
―――アノ、アカイ月カラ差シ伸ベラル手ガ、
―――――ホラ、アノ月カラ彼等ガ見テイル、
――――■■■■■ガ、オマエノ中ヲ覗イテ
「……で、何でこんな所まで来てるんだか」
溜息ひとつ、独りごちる。
……そう、自分を省みる程度には理性が働いているらしい。改めて自分というモノを再確認。
頭が冴えてるわけじゃない、
熱に浮かされてるなんて筈はない、
動悸が激しいはずも無い。
危機一髪も救えない。
スペースオペラの主役に…………旧世紀らしいギャグ(多分ハマーのせいだ)を思い出す程度には心は良好。
まあ、なんだ。とりあえず今までに体験したことを軽くメモ帳に書いてみろ、そして音読。
なんだこの夢判断にも困る内容。お前はラノベと漫画で育った中学二年生か。むしろノートに書いた「後から見れば世にも恥ずかしい、むしろ抹消したい小説気取り」の第一位か、
むしろ新手のポエマーか、発言が既に黒歴史メイカーかと自分を問い詰めたい、小一時間問い詰めたい…これはちょっとアレか。俺自重…と、嫌なくらい自分を現実に引き戻せる程度には、俺はまだ正常らしい。
何となく、一人でふらりと午後10時。
我ながら銀髪と白で決めた服装が夜中に目立つ。
神事とかで忙しい弥那とは別行動、一人で静かに月食を見たくて。
今、こんな砂浜に俺はいる。
- 186 名前:暗くて顔がよく見えない白い服の女:2007/08/28(火) 22:40:38
- 月蝕か……
世界の仕組みを知ってしまえばただ現象。
ただ大地の影が月を隠すだけの事。
そこには神秘などなく、幻想は常に科学に駆逐される。
「………だけなんだけど」
与えられた知識と、自らの身体を通した経験はこんなにも違う。
「うん、悪くない」
在るべきモノがなく、ない筈のモノが見えてくる。
「今日の散歩は当たりよね、きっと何の意味もないけれど忘れずに覚えておく価値はある………、のかも?」
今宵は月が消える刻――――
ならば自分が何者かも忘れて暫しの『無駄』を楽しもう。
「――――――こんばんは、良い夜ね」
とりあえずは誰とも知れず挨拶を。
- 187 名前:アヴェンジャー ◆ty.Avenge. :2007/08/28(火) 22:48:53
- いつだって世界は不条理に満ちている。そんなコトは確認するまでもなく痛感しているオレなので不意な珍客
にも驚かない。別に目の前で入水自殺しようとしたって止めませんよ? 結構結構、平和で豊かな象徴だよ。自
分で自分を殺すなんて最高の贅沢だ。世の中には死にたくないのに死ぬヤツだっているし、死にたいのに死ね
ないヤツだっている。それから見れば贅沢すぎて首を突っ込めませんよブルジョワめ。
悪戯な干渉はいつだって自分の首を絞めるだけなんだぜ少年?
アナタが何を飼っているのか存じ上げませんが中二病的な邪気眼思考は自らを喰い潰す。どっかの歪んでる
方々のように。人間は人間らしく生きるべきだ。人間なんだし。それが出来ないバケモノはどうしようもなく救えな
い。そもそも救われたいと思っていない。あれもきっとその手の人種だ。だって服装それなんてV系? だもん。
ここは視線を合わせないように―――――そもそも夜なんで視線を合わせようにも合わせるほうがとんでもな
く面倒臭いのではあるが―――――大人しくしているのがベターってもんだろう。
波が奏でる四重奏に、声楽をあわせるのは無粋ってもんよ。
メンドウダカラジャナイデスヨ?
- 188 名前:来須蒼真 ◆rX9kn4Mz02 :2007/08/28(火) 22:50:35
>>184
――――言葉が出ない。
何でこんな所に人外っぽいもの(なんか感覚で分かる)がいるのか、
むしろマイキャッスルといわんばかりに我が物顔で闊歩してるのか、というか妙に「フヒヒwwサーセンwww」なフレンドリーな表情で花火のゴミを片付けてるのか、密やかに一心不乱に食い入るように
「ええい、ストロベリー花火はいい!R指定を映さんか!」と時代遅れの回路に取り付かれたおっさんのような獣性を隠しているように見えるのか。そんな事はどうでもいいとあいつのように言えたら何でもないような
ことが幸せだったと思う、そんなこんがりつつある頭をどうにか整理して、一言。
「――――非常識な。花火以外」
隠れた非常識の塊な俺が言えた義理でもないような台詞を、何時の間にか吐いていた。
丁度、目前のこいつに聞こえそうな感じの距離で。
理不尽だ、俺のトンデモライフ。
- 189 名前:暗くて顔がよく見えない白い服の女:2007/08/28(火) 22:56:20
- 見渡す限りでは二人くらい。
黒い影と白い影。
どちらも月を見て呟いてる、ニヤついて、溜息をついて……………きっと世界の悪を一身に引き受けたり、それと戦ったりと
忙しいのかもしれない。
こんな月夜と闇夜の狭間、夏と秋の間、神秘と自然の間になら一息つくのにももってこいなのだろう。
「んー、話しかけないほうが良いのかもしれない」
思わず事なかれ主義に走りそうになる。
- 190 名前:不確定名:銀髪の少女:2007/08/28(火) 22:59:14
- ―――月は欠け、永遠だった夜の再現が始まる。
もっとも、今回はあくまで自然現象。夜の理に従って月が身を隠すだけのこと。
そんなことであれば、出歩いて見物という選択も悪くはない。
夜は闇の支配下。人ならざるものの領域。
されど、それを踏破してこそ人なれば。
……もっとも、無粋な明かりに頼るようでは踏破しているとは言えないが。
だからわざわざ明かりを持ってこなかった。星と月を見るには邪魔でしかない。
「さて……ぽつぽつ居るみたいね。人以外も」
冴える夜目が、砂浜の上、打ち寄せる海を背景に動く姿を浮かび上がらせる。
彼らもまた、六年越しの奇事をその目に映そうとやってきたのだろうか。
……約一名、ゴミ拾いなどという善行を積んでいる奴も居るが。
何処の聖人君子だ。
「いい風ね」
吹きぬける潮風。
長い―――銀色に染まる髪を撫でて、砂浜を走っていく。
月は―――既に昏く紅かった。
- 191 名前:アヴェンジャー ◆ty.Avenge. :2007/08/28(火) 23:02:27
- >>186
「はい、こんばんは。ところで「わ」なのか「は」なのかたまに迷うコトありますよねー」なんて返さないのが
ここでの嗜み。だって下手に動くとスカートの裾なんて簡単に翻っちゃうじゃん?
だがまあ―――――挨拶には挨拶を返すのが生きる上での最低限の礼儀らしい。そもそも生きている
のかが酷く曖昧なオレにそんな道徳心が必要なのかは疑問符を多数浮かべざるを得ないのではあるが。
被っちゃった殻が殻だけに自然と体が反応してしまうのは多々あれど、今夜はそんな正常さを醸し出せる
ほど暢気じゃねーだろ、とか思ってみたけれど結局こんなのはいつもと変わらない退屈―――――そう、
退屈な日常でしかねえのである。
だから―――――
「はい、おばんです。交番なら五百メートル先に。お手洗いはその辺のコンビニで借りてくださいねー」
なんて抜かしてみるのである。
>>188
「うるせーよ、キングオブ非常識」
余りにも説得力がなさ過ぎてオレビツクリくりくりクリックリ。これなんて死語?
そもそもこっちだって非常識なコトくらいは十分に自覚してるってんだ。だからこそ隠れてコソコソとして
たんでしょーが。悪いのはオマエだろ。まったく。いわれのない誹謗中傷で訴えるぞ。しかしここは訴訟し
ても結果が出るまでがかなり時間が掛かる訴訟発展途上国だ。ここがアメリカだったらデザートイーグル
でオーヴァーキルなのに―――――。むしろジャッカルでオーヴァーキル。
「そもそもオレみたいなのに常識問うほうが間違ってんだろマスターオブ非常識」
- 192 名前:来須蒼真 ◆rX9kn4Mz02 :2007/08/28(火) 23:08:21
>>187>>189
――――見えないハズのものが、“視えて”いる。
『あの月には、元々魔性が棲んでいた』
――――白くて赤い、アカくてシロい。
『魔王よりも先に出でたもの。 究極の一、そう我々は呼んでいる』
―――■■は■■■の雛形デアリ、■■■を宿す器である。
『そういう意味で、ちょっと君に近いかな』
――――嗚呼、■■■■■を宿す俺のように。
――――ソウ、■ハカノ■■■とコノ世全テノ■ヨリ着想ヲ得タ。
「え? あ……と、こんばんは」
―――まあ、耳はいい方だったりする。物理的以外の意味でも。
つい顔を向けて挨拶ひとつ。
背が高い印象。モデルさんとかだろうか。
顔が見えないというのに、どこか人懐っこい感じがするのは錯覚じゃないと思いたい。
何故かと言うと、おっかない女性と関わるのは御免だしな。
夜の海、しかも綺麗そうな女の人が一人ときてる。訳ありの可能性だって高い。
……警戒しない方が不自然とか聞こえそうだが、したくない年頃だってあるんだよ。
今とか。
特に今とか。
- 193 名前:暗くて顔がよく見えない白い金色の髪の女:2007/08/28(火) 23:14:49
- >>190
もう一人、この静かな月のイベントに誘われたようだ。
星明かりしかない闇の中、銀色の髪だけが浮かび上がる。
「へえ」
その闇と星と銀のコントラストに思わず声が漏れる。
わたしの金色の髪よりこんな夜には映えるかも知れない。
染めているわけではないのは見ればわかる、この国では銀髪は珍しい―――――そもそも人なのか……
「――まっいいか」
その気になれば闇も何もかも見通せるけれど、今は無粋なだけだ。
記憶に留めたいと思えるモノが見えた、それだけで十分。
「うん、いい風ね。 でも潮風は髪を傷めるそうよ」
なんて、思わずいつもなら言うはずのない言葉が流れる。
たぶん、もしあの銀砂の糸が曇ったら惜しいなと思ったからだろう。
- 194 名前:来須蒼真 ◆rX9kn4Mz02 :2007/08/28(火) 23:31:28
>>191
「お前がうるせーよ推定ナマモノ以外。というか非常識マイスター」
ふと、ポジトロンライフルが欲しくなったのは気の迷いでは決してない。そんな確信をした。
あと俺の中にまだバリア張れる魔物の魂とか残ってないだろうか、脾臓辺りとか。盲腸でもいいが。ちょっと探した。
このチンピラにはパーフェクト勝ちしないといけない気がする。多分これも間違いじゃないだろう。
まあ、説得力というならこいつの変な格好―――というか、薄暗い中でも自己主張猫マッシグラの
スーパータトゥー大戦、通称STWの方がよっぽど説得力がない、主に現実味の点で。いや雑誌でなら見たことあるけど、そういうの。
「そもそも非常識だから非常識って言ってんだろうが、間違ってないだろ非常識オブバビロン。
つーか、お前に常識はそもそも聞いてねーよその時点で非常識だよ」
『蒼真くんって、口喧嘩のときは普通にチンピラだよね』
―――そう弥那に言われて凹んだことを思い出す。いやあんまり理由はなかったけど。
そんな訳で言葉遣いに自重はしてた、けどな。今がその時だ。子供のころ聞いたアニソンでもそう言っていた。
―――コノ世全てノ■意ヲモ我ガ物トシ、■ハ■■ヘトナッタ。
――――まあ、理由は本当に何となくだ。
何か間違ってる気がしなくもないが、ああ、すごく。
「―――というか、“何”なんだあんた一体。
いや、スーパーウルトラセクシー非常識というのは分かってるけど」
自重しなさいってまた叱られそうだな、とそんな思いをよぎらせつつも。
俺はこんな事態になった大本の原因……要するに今も感じてる『違和感』への疑問を直にぶつけていた。
- 195 名前:暗くて顔がよく見えない白い金色の髪の女[:2007/08/28(火) 23:36:22
- >>191
なんとな〜く、おもいっきり突込みを入れても許されるような。
もしかしらた、何をしても赦されるような。
けど、この空気を壊したらもしかして、殺っちゃってもいい?なんて雰囲気を纏う黒い影。
「ゴミ拾いの人。 わたしは交番には用はないしお手洗いにはもっと縁がなかったりするけど、とりあえずはありがとう」
われながら投げやりだ。
因果が逆転して絶対に当たる筈なのに、割と外れたり強力すぎて活躍の場がなかったりする某宝具みたい。
>>191
■■■■■と音がする。
空気の振動ではなく、世界に刻まれた何かを世界以外の何かが読み解く音がする。
それは多分――――――
存在の始まりから決められた
――――――……でも今日は無視。
だってほら、実は月蝕ってはじめて見るし。
おなじモノに惹かれて集まったのに、肝心のモノを無視してしまうのは意味がない。
例えそれが本来の在り方に反していても、今日だけは許される。
だから。
黒い影をみて白い影に振り向いてから言ってみた。
「がんばってね」
何というか白い影と黒い影はよいコンビのような気がする。
例えるなら――――――例えたくないから止めておこう。
- 196 名前:不確定名:銀髪の少女:2007/08/28(火) 23:41:13
- >>193
「―――やあ、こんばんは」
涼やかな声が潮風を歩いて、耳に届く。
良い声だと思う。不快に感じさせない柔らかな響きだった。
「ああ、潮風くらいなら大丈夫よ。こう見えて丈夫だから、これ」
風にたなびく銀髪をそっと撫で付けて、そんな風に答える。
実際、数千度を超える炎に炙られようと、炭を被ろうとも変わらぬ艶を保つ貴金属のようなものだ。
いまさら、潮風程度で痛むはずもない。
ちなみに地毛である。
本当だよ?
「にしても、こっちじゃ黒以外は結構目立つみたいね。まあここ出身なんだけどさ。
……貴女は、観光にでも?」
聞き返して、空に目を戻す。
……金色の輝きは闇のベールを被って緋色に染まっている。
そういえば、星もいくつか蝕に入る、という話を聞いたことがある。
常では見えない月の周囲にたたずむ星を眺めると、今にも暗い月へ飲まれそうだった。
「……やっぱりこっちのほうが風情あるわね。人為にやっても迷惑なだけだな」
ふと、月が欠けて夜が止まった時のことを思い出す。
崩れた天秤は妖力を暴走なさせしめ、何時にない危機を引き起こしたという。
どんなものであれ、人の手では自然の循環を真似ることなど出来ないのかも知れない。
- 197 名前:アヴェンジャー ◆ty.Avenge. :2007/08/28(火) 23:48:54
- >>194
「うるせーよ天然モノ。嘘偽りまじりっけなしに否定するまでもなく畜生道辺りから転生してそうなクソガキに
常識だの非常識だの語って欲しくねーな。それに人の体じっとりと舐めるように鑑賞しくさりやがって。なんだ、
あれか? お約束か? 残念だけどここにはベンチなんてねーんだよ、非常識オブテンペスト」
しかし少年。なんでオレにそんなに喰って掛るんだい?
そもそも少年。オマエさん本当に人間ですか?
なんでオレを正面から見れるワケ?
納得のいく答えなんて何時も見つからない。それに結局こんな出会いは一期一会の精神に乗っ取ったも
のに過ぎないのである。チンピラ口調の少年がオレとじゃれあいたいと言うならじゃれあってあげるのがルー
ルってモンだろう。それなんてBLゲー? フラグ立てる前に退避したいぜ。
フラグってなんだ?
「そうねー。なにって訊かれても困るんですけどねー。例えばそうね、<この世全て悪>なんて云って信用す
るお人よしがこの世にはいると思う? つまりはそういうこった―――――ただのクリーンキャンペーンに勤
しむ似非聖人ですよ。ヴォランティア精神万歳。反吐が出るね」
「クヒヒ――」なんて笑いつつ、集めた塵を地面に置いてみる。塵も積もれば何とやら、心なしか模様に変化
があった気がしたが、別にそんなコトはなかったぜ!
>>195
なんだか妙な殺気に当てられつつ、ビクビクオドオドしながら上目遣いで見上げてみると子犬のような気が
してきませんか? しませんか。そうですか。ぶっちゃけ無理あるよなー。そこはかとないジョージ臭に胸キュ
ンってもんだろう。
ところでジョージ臭は違うよな?
「どういたしましてー。今日も一つ善行を積んじゃったぜ。流石偽善者、万歳似非聖人。ところでオネーサン。
あんまりはしゃぐと海が割れちゃったりするので注意しましょうね?」
まあ、暢気にしていても中身から情報を漁ってくるような健気さはあるのです。
と言うか――ねえ? オレ死亡フラグ立ってんじゃね?
- 198 名前:不確定名:異形の鋼:2007/08/29(水) 00:06:07
- 魂が騒ぐ。
常ならざる月がそうさせるのか、それとも集う者の喧騒が成すのか。
判断は不能。余談も不可能。
直接―――この視覚で確認しなければならない。
そうして気が付けば、この異常な夜の中、私は彼の海岸へと足を着けていた。
警戒―――そうとだけ、残してきたものには伝えてある。
彼らもこの月夜に集まる者の異常さを良く知っている。
だからこその承認/出動。
「…………」
月のない夜の闇に、赤い光が浮かんでいる。
それが自己から発するものだと自覚している。
私の知覚は生身のそれではない。
故に―――海岸の浜辺に何人が居るのか、何人が危険なのか、瞬時に把握できる。
一言で言えば―――異常な事態だった。
これだけのイレギュラーが集って、それでいて静寂を保っている。
一つ間違えば砂浜ごと崩壊してもおかしくないような危うい均衡だった。
だが、それでも接近しなければならない/元より恐怖など存在しない。
故に、歩みを進めた。
- 199 名前:不確定名:銀髪の少女:2007/08/29(水) 00:11:07
- >>197
―――あれ。そういえば。
どこかで見たような気が……というか、見てるよ。話もしてるよ。
「あー。何やってんのよシャーマン」
第一声がこれというのもアレだが、他に思いつかなかったのだから仕方がない。
しかしゴミ拾いなんて善行、シャーマンから仏門にでも宗旨変えしたのだろうか。
月を(無いけど)見にでも出てきたのかもしれないけど、それがどうして。
「まあ、何をやってるかは分かるけど。なんでさ」
ゴミ拾いに精を出しているのだろうか。
実はすごく善人かこいつ。
- 200 名前:暗くて顔がよく見えない白い金色の髪の女:2007/08/29(水) 00:19:37
- >>196
こちらの問いかけに振り向きながら答える銀髪の少女。
その顔立ちはこの国の人たちの特徴を備えていた。
けれどその不調和は星の下で調和を乱すことなく、ちょっとした感動を生んでいた。
『……貴女は、観光にでも?』
そう言えばそうか、私の方がこの国には異邦人よね。
よくよく考えれば、わたしは――私の在りかたはこの世界の何処に在っても不自然であり自然でもある。
だがコレも不自然さでは負けていまい、何しろコレハ永遠ノ――――――
雑音を締め出してリスタート。
「んー、うんある意味観光ね。 通りすがりが石に躓いて転んだら道端のきれいな花に気づいて帰り道を探すより花を探すほうが
面白くなったような……」
なんと説明すればいいんだろう?
そもそも説明が長いとか、下手だとか、例え話が間違っているとか毎回言われるのだけど、それは馴染みのない概念を
身近な例に例える努力の結果であって決してわたしが話しが下手だからではないと―――思ってたんだけど最近自信がない、うむ。
「でも今日は花じゃなくて月蝕と星に誘われてね、貴女もそうなんでしょ?」
答えて空に視線を移す。
古い時代には人は月を天に開いた窓だと信じたのだと言う。
窓から神々が覗いており、月の照らす夜は魔物も人を襲わないと―――月は夜の守り神。
「……………まあ、わたしやアレ達は逆だけど」
だからこそ、月の消えた夜にはおとなしくこの出会いを楽しもう。
『――――人為にやっても迷惑なだけだな』
面白い事を言う。
それは今のところ人の為す業ではないだろう、でもいずれは人の手に渡る技でもあるかもしれない。
「まあ、人のやる事なんて基本的に迷惑な事ばっかりなんだけどね―――でも面白いわ」
無駄だらけで意味がなく、意味がないけど面白い。
人は人にしか成せない事を成すだろう。
「この前読んだ本に、空にレンズを浮かべて月を拡大してそこに広告を載せる、ってのがあったわ」
心底馬鹿だと思うけど、わたしじゃあ永遠に出てこない発想であり、そこが面白かった。
「結局色々とあって、自分でその装置を破壊する破目になったんだけどね」
だからどうと言う訳でもなかったけど、もしかしたら知っているかなと思って言葉を返すわたし。
- 201 名前:腰より長い黒髪の少女:2007/08/29(水) 00:22:06
- 空に浮かぶ月。
もう殆ど覚えていない、私の故郷。
変化も何も無い、偽りの桃源郷。
今もきっと、1000年前と同じ―――相変わらずつまらないんでしょうね―――などと物思いにふけって飛んでいたら。
いつのまにやら、結界を越えてしまったようだ。
人の気配を感じ、適当な場所を見繕って地面に降り立つ。
気配の通り何人かの人―――だけではなかった。
他人のことを言えた義理ではないが、明らかに人外の者もいた。
もっとも、人以外だろうとそんなことは気にしない。
むしろ大歓迎。
人以外での視点からモノを語ってくれることが多いため、話をしていて飽きないのだ。
「あら。随分と面白い面子が揃っているのね。
こんなにも月が紅いから、誘われてきたのかしら」
- 202 名前:アヴェンジャー ◆ty.Avenge. :2007/08/29(水) 00:24:21
- なんだかよく判らないうちに珍客続出ですよ。もう一回くらい死語が飛び出しちゃいそうな気がするぜ。
月にはおかしな魔力が宿っている。そんなコトは昔から言われ続けてもはや常識の域に辿り着きつつあるのだ
が、それでも今夜はきっと特別だ。いつかの黒い逆月のように終焉へと到る為のもの――――-じゃあないだろう
が、それに近く、真逆の方向へと駆け出す原動力にはなるんじゃねーの?
まあ、オレの知ったこっちゃありませんけどね。世界を救うのはいつだってヒーロー様だ。オレみたいな紛いもの、
かつ敵役が相応の身分で、まな板の上の鯉になっちゃってるヤツには関係がねえのである。
いつだって救われるのは正義の味方が助けてくれる連中だ。悪人は死ぬか駆逐されるか――――-結局、排斥
されるのです。世知辛い世の中だぜ。ハッピーエンドばっかりが流行らないのも頷ける。こんな世の中じゃ誰もが
鬱エンドへまっしぐら。畳の上で大往生なんて夢のまた夢で御座います。
だからどうしたって? 別にどうもしやしませんよ?
弱者は弱者なりにせせこましく生きてるんだからね。
>>199
「おー、なんだっけ。こう、もこっとした名前のおぜうさんじゃあありませんか。残念ながら今夜も空き缶とかあんま
り拾えなくてね。お金はないのだけれどせめて塵でも集めて暖を取ろうかなって。キャンプファイヤー的な? 善行
とかそんなんじゃなくて大気汚染をしてやろうかと」
深い理由がなかったので結局は口先三寸デタラメを並べてやるのである。てゆーかー、なんで拾ってたんでしょ
うね? 目障りではあったけれども、そういうのも風景の一部として愛していた筈なのに。
ふむ、アレか。シンクロ率の上昇か。てことはオレ最終的にはスープになっちゃうの? おっかねー。続きは劇場
版でを二回もやられるとは思ってなかったぜ!
興行的に成功は見込めるのか?
ところで裏切りって言うのは何だろうね、実際。テメエが綺麗な幻想を信じ込んでただけだってのに、悪いのはそ
いつのせいになるワケでしょ? 実際どーよ、それ。
サクリファイスを他所に求めるのは実に人間的な最低の根性であって、それが当然だと十分に理解しているから
異論なんて気ほどにもねーが、そういう思考はつくづく救えませんよね。
クリーンキャンペーンとか言って自動車で浜辺まで来て見たり、塵拾いをしたその足でスーパーに買い物に言っ
て塵を大量に持ち帰ってみたり。エトセトラエトセトラ。
なるほど、矛盾の塊なのね。ふむ、納得納得。
結局はオレのせいですけどね?
- 203 名前:暗くて顔がよく見えない白い金色の髪の女:2007/08/29(水) 00:33:44
- >>197
黒い影、なんとうか黒い影。
纏う空気は何があっても超平気って感じの諦めと希望とジョージカオス。
……………いや、何だろう。
見てるだけで何かもう適当につらつらと思い列ねて考える必要なしなこの空気は?
「偽善でも殺らないよりまし、空元気でも元気、聖人など後付設定だと偉い人は言わなかったわ。
あと海を割ったことは今のところないし、それは某契約者の持ちネタだから著作権的に微妙かも」
思いつきの発言、それでもちゃんと答えるところが我ながら健気、猫スーツ着て妹と双子と死闘を演じたのが
懐かしい――――それでも元気で生きている。
うん、死亡フラグって意外と立たない、主役以外は。
- 204 名前:来須蒼真 ◆rX9kn4Mz02 :2007/08/29(水) 00:37:03
- >>197
「っせーよ何か研究の末に天然越えたふうなアルティメット改造非常識。
つーか残念ー、俺は普通に常識持ってます。お前の億倍とか普通にそれくらいの単位で。よってお前より全然常識人。てかテメエの方が常識だの語るなつーの。
あと俺にはそんなテメエのような非常識趣味なんてねーんだよ、お約束とか馬鹿ジャネーノ?
どんだけ爛れた脳内趣味してやがんだこの非常識エンペラー」
――――■ハ
―――コノ世
――――全テノ
直視。
……何て、暗いから厳密には出来てないが。
得体の知れない恐怖とかの前に、冷静に何物かなんて考えられる漫画みたいな現実。
化け物を単なる化け物として見ていられる。
それは猛獣を図鑑や動物園で見ているような感覚に近いのかもしれない。
ドス黒いとか、そんな形容じゃ足らないモノで溢れてるそいつ。
人間味溢れるくせに、人間とは遥かに程遠くなって――――いや、違う。
違う、
コノ者コソ/黙れよ
全テノ■/よく見ろ。
■■とかそんなものは関係ない
――――“俺”の目で見ろ。
「――――信用するかは兎も角、何となく分からなくはないさ。考え方とかまあ、そんなのは。
世の中に悪なんてのは多すぎるし、そんなじゃあ耐えられないのが人間て誰か決めたんだろ。
だから人は絶対悪なんて代物を望んで、世界はそれを生み出したりする。
無形であれ、祭り上げられた個人であれ………世界が回っていくためにな」
――――■ハ 黙れよ。
―――コノ世 もういい。
――――全テノ もう、沢山だ。
「けど、そんなのはやっぱり反吐が出る。そうだろ?
何であれたった一人に押し付けて、それが正しい在り方なんてのは。
少なくとも、そんな身勝手に付き合わされてそれが宿命だ、世界の摂理だとかいうのは馬鹿げてる。
押し付けられた奴にだって選ぶ権利はあるはずだ。いや、絶対ある」
こいつは。
こいつの在り方は、人間だ。
ドス黒い■■は、ただ背負わされただけの物。
何の力が、何の宿命が正しいかじゃない。
こいつは何をした?
背負ってるモノで何をした?
何もしちゃいない。こいつにとってあんな物は使わない道具、普通の荷物となんら変わらない。
俺が選んだ■■の否定と、何も変わらない。
「まぁ……何だかな。
とりあえず、これだけは言っておく」
――――月は、
「俺は」
そう。
ただ、ちょっとだけ奇妙なモノに絡まれただけの。
――――月は、
「単なる」
それ以外になるつもりなんて、
――――月が、
「人間だよ」
―――――今日は、月が綺麗だ。
最初から、ない。
「ちょっと非常識と縁があるだけの人間、それだけだよ」
そう、それだけだ。
- 205 名前:不確定名:銀髪の少女:2007/08/29(水) 00:54:10
- >>198
……紅い光が目に入った。
視線を向けると、複眼めいた輝きがゆっくりとこっちに近づいてくる。
それだけで正体はほとんど分かったが、かすかに警戒する。
いろんな意味で冗談が通じない奴だと、たった一度の邂逅で知っているのだ。
「……珍しいね。あんまり表に出ないタイプだと思ってたけど」
まあ、私でも物騒な連中ばっかり集まっているというのは分かった。
何を護ってるのかは知らないけど、そりゃ飛び出したくもなる。
>>200
「……あー。掻い摘んで言うと、帰る気無くなったってことかしら。
てことは観光じゃなくて永住ね。最近じゃ珍しくも無いけど」
比喩に苦笑交じりで注釈を加えて、そんな風に言ってみる。
まあ、実際。こっちの独特の風土を理解してしまえば実に住み良いらしい。
善い選択だとは思う。
「ま、せわしく観光するより、住み込んでゆっくり見て回るのも善い手だよ。
小さく見えて、結構見るところは在るからさ」
長年過ごしている私がそう思うのだ。退屈はするまい。
「そうね。私も花は好き。
でも今日は月と星に誘われて……ああ、こういうと妖精みたいね。お互い」
そういって、笑う。
まあ実質、その形容詞であれば彼女には似合うかも知れない。
未だ顔は見えないけれど。
「しかし、月に広告なんて初めて聞くわね。無粋だから壊れて正解だと思うけど。
……空に見える月を弄くるってのは、一部の途方も無い阿呆だけで十分すぎるわ」
まあ、科学だか舎密だかは知らないが。それでもやっちゃいけない領域はあると思う。
その辺の分を弁えないから面倒なことになる。
「ただまあ―――気になる話ではあるけどね。貴女が壊しちゃったとか」
まあ、只者ではないと思っていたけど。
そこまでは正直想像の外だった。現実は小説よりも何とやら。
>>202
「もこっとしたのは余計だ。
……しかし、燃やすのか。折角の夜だし、明かりは要らんと思うけどね。
や、別に止める気は無いけどさ」
相変わらず、相変わらずな奴だった。
まあ、その辺が面白いのだとは思うんだけど。
「実際、やること矛盾してるのは人間くらいだしね。
矛盾してるから人間なのかも知れないけどさ。
……まあ、別に聖人だろうとそうでなかろうと善行は積めるしね。
それを本人が善と思うかはまた別の話だけど」
まあ、真実なんてものは得てしてそんなものだ。
普通の人間になど―――図ることは出来ない。
思う以上に人間は全能ではない。
だからこそ、考えることを覚えたのだろう。
>>201
……げ、苦手なのが来た。
とりあえず言葉は無視して、ただ闇の中に身体を溶け込ませることにした。
さすがに顔を判別するには暗すぎる。髪と姿を隠せば何も見えまい。
……まあ、夜目が利けば意味の無いことではあるのだけど。
どうしたもんかなあ。
- 206 名前:来須蒼真 ◆rX9kn4Mz02 :2007/08/29(水) 00:57:29
そよ風が、波の音が心地いい。
見えていた感じの何かは、何時もと同じように感じもしない彼方。
やっぱり変に高ぶるところがあった、という事なのか。
……あのままだと今度ユリウスに会ったら問答無用でSATUGAIされそうで拙かった、本気に。
そう妙な汗を手にかいた。というかかいてた。何時の間にか。
――――それはさておき。
>>195
「いや、殴り合いする気はないから。今の所」
つい、女の人にそう答えてる自分がいた。
『蒼真くんって天然だよね』
……何度いわれたこの台詞。
というかアレか、もしかして何処かの猫とネズミのように仲がいいのかと思われたのか。
残念ながらそれはない。
とりあえずこいつは訓練された非常識だ。非常識な手段を用いるのなら俺もなんとか拳を使わざるを得ない。
というか、轢きたい。いやこいつ何やっても死ななさそうだし。当然最後の手段だが。
>>201
『長い黒髪美人との出会いはロマンスの予感!』
何でか出かける前、読んでいた雑誌の占いを思い出す。
……いや。美人というにはちょっとばかり若いけど。思い出しだから気にするな俺。
どこか浮世離れした雰囲気は、けど何処か納得してしまうのは慣れたからか。
そう、結局在るか無いかというだけの事だ。
力は結局ただの道具で、覚えが無いのは珍しいだけ。
心とかいう、ものの芯が同じなら――――特別扱いする理由なんてある筈がない。
「まぁ……珍しいからな。赤いというより」
『蒼真くんって芸人だよね』
…………天丼っていうんだっけな、これ。
- 207 名前:アヴェンジャー ◆ty.Avenge. :2007/08/29(水) 01:05:29
- >>203
とりあえず答えてみた回答にこれまた赤ペン先生が採点してくれました。お手紙を添えて。ほう――――
これがゼミの魔力ってヤツか。まあ、ガキンチョは玩具目当てなんでしょうけどね。今でもあの制度あるの
かしら? 嘘大袈裟紛らわしいが基本理念なので情報に正確性はありませんのであしからず。ジャ○だけ
はかんべんな! 何処かの利権団体よりもマシですけれど?
この発言はオッケーなのか?
「ジョークだよ、ジョーク。笑えないお寒いギャグで涼むのだって夏の風物詩ってもんさ。きっと、多分、恐ら
く。まー、そんな必要もねーかもな。ことオレやアンタみたいな存在にとっちゃ寒暖なんて些細なコトだろうけ
ど、それでも少しは周りに合わせる努力をしましょうねー、ってとこかしら」
ああ、オレに言われたくないよね。絶対。
殻は必要だったかもなー。
>>204
ああ、なんだかとても不毛だ。とても不毛だ。憎らしいほどに愚かしいほどに不毛な言い争いだ。馬鹿馬
鹿しくも醜くも、行き着く果てには憎悪と嫌悪しか残されない言い争いだ。ハハッ―――――素晴らしいほ
どに、文句のつけようもないくらいに人間さまだ。
憎悪嫌悪恨みに辛み呪い愚直なまでの負の感情。美味しく頂くにはかなり不味いだけの材料だけをブチ
撒けんなよ。正直言って食中り寸前だぜオレ。トイレに三日三晩引き篭もりだなんてぶっちゃけ悲しくねー?
「正しいとか正しくねーとか、そういう事の善悪問うなよ―――――オマエさんの頭は鶏ですか? あ、でも
親子丼にしても食えなさそうだからこの例え却下な。身勝手に押し付けられてようが、自分から背負い込も
うが、それはきっとそれが正しい在り方なんだよ。それはそういう風に皆が望んだんだ。ならその結果を受け
入れるしかねーワケ。だってそうだろ? こんなにちっぽけなオレになにが出来ると思う? 精々が人殺しく
らいのもんだぜ? 後は生活能力もゼロ、何をするにしてもゼロ、恨んだり憎んだり悪を背負ってやるくらい
しか出来ねーってもんだ。なら――――-仕方ねーんじゃねーの? 結果が出ちまってるんだ。後は受け入
れてそれとどういう風に付き合っていくかだけ。何時だって息苦しい世界だ。なんとか折り合いをつけて、出来
るだけ楽して生きて居たいのさ、特にオレはなー。人間だとか悪魔だとか魔王だとか冥王だとか、そんな柵も
確かに在りますけどね、面倒なコトは面倒なコトとして片付けちゃうしかねーの。無駄にアツく生きると損する
だけだぜ、少年」
じゃないと歪んで酷い眼見るぜ?
もう二度とあんなコトはしたくねーよ。なんだってそんなにサクリファイスにならなきゃならないのよって話だ
かんな。
>>205
「火は点けとかないと獣に狙われちゃうから危険なのよ。まー、人間さまって言う理性ある獣に襲われる可能
性が高まるのですけれどね? プラマイゼロって言うかおもいっきりマイナスだけど虫除けくらいにはなりま
すからねー。飛んで火に居るなんとやら、これぞ生活の知恵ってもんだ」
とはいえ、マッチなんぞ持ってないわけですけどね。
「そーだわな。知性を持ったが故に矛盾する。矛盾があるからこそ成長して行くのが人間ってもんよ。悩め悩
め若人。オレは楽して生きることに必死なんでね。―――――若いでいいんだよな?」
ある程度当たりを付けといてなんだが意地悪しちゃうのもオレなのである。
ほら、真実って解明しないと真実にならないでしょ? シュレディンガーっぽい感じなのよ、世界って。
- 208 名前:不確定名:異形の鋼:2007/08/29(水) 01:13:28
- >>201
正体不明の女性の言葉―――検討し、合致することを確認する。
確かにそう言えるかも知れない。
「……なるほど。確かに誘われたのかも知れないな。
意識の有無に関わらず」
この状況―――そうとでも考えなければ説明が付かなかった。
>>205
「―――大した理由は無い。必要があるから来る、それだけだ」
簡潔に答える/周囲を索敵する―――先ほどより反応の増加。
漂う妖気霊気魔力の類のエネルギーは、尋常ならざる数値に。
自己の戦力と比較―――結論=有事の際には逃走を推奨。
しかし、背後に守るものがある/逃走の選択肢を排除。
「……しかし、これだけの状況。何か起きない方が不自然なのだが」
自然現象も異常なら、集結する存在も異常。
知る人が見れば即座に逃走を決意するだろう―――それだけの脅威。
だからこそ、ここまで静寂を保っていることに驚きを覚える。
- 209 名前:不確定名:金髪縦ロールの妖精:2007/08/29(水) 01:16:39
- ゆったりまったりのんびりと。
月蝕観察に出かけてみたはいいけれど、
今夜も迷いに迷ってこの砂浜に辿り着いていた。
「月が見えないから厄介事は勘弁して欲しいのよね……」
面白そうなことがあれば、
そういうのを忘れて首を突っ込んじゃうんだろうけれど。
「さて、今夜はどんなモノが集まってるのかしらね」
って、いけない。もう忘れかけてるし。
- 210 名前:腰より長い黒髪の少女:2007/08/29(水) 01:16:40
- >>205
何やら良く知った気配がする。
でも、あくまで気配だけ。
顔も見えなければ、服装の判別もし辛い。
辛うじて判断できるのは、微かに煌く銀色の髪だけ。
……もっとも。この気配であの銀髪、それが示す人物は只一人なんだけど。
まあ、月見の場で無粋はしたくない。
あくまで見知らぬ他人として振舞おうと決め込む。
「そんなに隠れようとするなんて。貴方は随分と恥ずかしがり屋なのね。
安心なさい、今宵は月の光が弱い。顔なんて見えやしないわ。
もっと堂々と月を見たら?」
- 211 名前:腰より長い黒髪の少女:2007/08/29(水) 01:33:38
- >>206
珍しい。
確かに、こんな月はなかなか見られるものではないのだろう。
何年周期で訪れるのか、細かいことはわからないけど。
「そうね。こういう現象は、数年に一度のことなのでしょう?
そんな珍しいものを一緒に見られるというのは、何やら運命めいたものを感じるわね」
にこりと微笑んで、相手に視線を向ける。
一見、普通の人間、年のころは青年に見えるが―――。
「貴方も何か力を持っているのね。それがなにかはわからないけど」
>>208
正体不明の鋼の塊。
敵意はないようだが、何かを警戒しているようにも見える。
「月には魔力があるっていうからね。
人も妖も幽霊も機械も、何らかの影響を受けるのかもしれないわ。
私も気がついたらここにいたし」
- 212 名前:アルビノ少女“山城友香”(覚醒?) ◆0DYuka/8vc :2007/08/29(水) 01:37:19
- 空に大きな10円玉が浮いていて。
そうとでも思わなければどうにかなってしまいそうな赤銅色の月。
月は誰が食べたのかしら。グランギニョル座の幕は開いていて。
強迫感に駆られて。月の下に出なければならない気がして。
気がついたら海まで走ってきてしまっていた。スクーターで。
砂浜は走れない。そんな間抜けに気づきはしない。降りてみて始めて気づく。
夏の終わりの少しだけ涼しい風。相変わらず心を掻き立てるのは赤銅色の10円玉。
現実から目をそらせないのなら。直視してやればいいのに。それすら出来ない。
仕方がないから砂浜を歩いては見るものの。心は何処かでぶれていて。
つまるところ。いつ。どこで。何に。ごちんとか。こてんとか。ころんとか。
そんなとんでもなくマヌケな音を立てて銀髪の少女が転んでいても。
─────例えその目が蒼くても。
まあ、推して察してと言う。波長が乱れる日って言うのは誰にもあるという。そんな感じで。
- 213 名前:不確定名:日系人らしき男 ◆08MSKmNwKg :2007/08/29(水) 01:40:52
- 皆がみな静かに月食を楽しんでいる時にだ。
空気を読まずにこうなるか。
――――スゲー、俺空を飛んでる。
とりあえず落下まで残された時間は残り三秒!
自転車が後方で既に砂についているのが幸いだ。
体をひねれ、頭を守れ、怪我を抑えろ
そして次からは安全運転を心がけるように。
そのまま柔らかくとも衝撃を吸収しない砂に体を打ちつける。
受身は成功しているのにそれでも声が出ないぐらいの痛みが。
「…あいたたたたた」
服と髪が砂まみれだ。
忌々しい月め、俺から前方注意の概念を奪いやがって!
…まあ、八割方俺が悪いんだけどな。
- 214 名前:紅い目の金髪の女:2007/08/29(水) 01:47:01
- >>198
人の気配がしない……のはまあいい。
「けど、赤いと言うか明るい――――」
闇夜に慣れた眼には眩しい。
どうするべきなんだろう?
あまり言葉は通じそうにない雰囲気だし………
まあ、なるようになるのだろう。
>>205
永住か……
それはおそらく叶わない夢だ。
そもそも既に時間はなく、本来ならば終っている夢だ。
だから
「ん、既に今が夢見たいなもの、それもとびっきり稀少な宝石みたいな夢よね」
そんな事を声には出さずに呟く。
『―――結構見るところは在るからさ』
ふっふ、それはもう知っている、何しろわたしが蹴躓かせた石ころを育んだ風土だ。
その大切な宝石みたいな石ころと二人で時間の許す限り見て回るだろう、全ては無理だと
しても許される限りにおいて。
「妖精か…、この国だと妖怪っていった方が正解に近いかもね。 んー、でも妖怪って言葉の
イメージとは会わないか」
わたしの知っている――本を読みながら自分で調べた――妖怪は実にコミカルでおどろおどろしく
独特の雰囲気を持っていた。
吸血鬼を分類するならこっちだろう、とわたしが決めた。
そろそろ隠れていた月が姿を現しつつあるようだ。
天を動かす御技は世界だけのモノ、例え永遠にこの闇夜を望んでもそれは叶わない。
それは夢ともいえないわがままだ。
『……空に見える月を弄くるってのは、一部の途方も無い阿呆だけで十分すぎるわ』
……うん、わたしも心からそう思う。
が、その阿呆の後始末とは言え、結果的にその片棒をかついた身としては――――
とぼけよう、1000年後の月なんて多分真夏の夜の夢だ。
「同感ね、月はこうやってその光を浴びるのが一番気持ちいい――」
『――――――貴女が壊しちゃったとか』
わたしじゃない『私』には身に覚えがあり過ぎる。
けど『私』はわたしじゃないから気にしない、そもそもわたしが振ったのは本の中の話であって
わたしの知っている現実じゃない。
けど、妙に勘のいい人間だ。
本能ではなく経験がもたらす本質を見抜く目を持っているのかも知れない。
話題を変えよう。
この空と月と星に相応しく。
「この国と月と言えば、もっと有名なのがあるでしょ。 五人の求婚者と月に帰るお姫様のやつが」
確か『竹取り物語』とか、この国で最古の物語だと言う。
そんな昔の遙か天空の天体にまで想いを馳せたこの物語はある意味奇跡の一つだろう。
「わたし、思うんだけどこの物語は――――――」
呼ぶ声が聞こえた、宝石みたいな石ころの呼ぶ声が。
そう言えば、そろそろ待ち合わせの時間なんだ。
ちょっと残念。
- 215 名前:不確定名:銀髪の少女:2007/08/29(水) 01:55:40
- >>207
「……獣なんて居るのかね。この辺りに、こんな夜に」
むしろ危機を感じて近づかないんじゃないだろうか。
なにしろ、客観的に見ると非常に物騒なのしか集まってない。
主観的に見ればそうでもないのだけど。
目的が喧嘩じゃなくて月見だし。
「……なんだ。火種、持ってないんだ。
貸そうか?」
笑いながらそんなことを言ってみる。
まあ先ほどはああ言ったが、別に塵を火種へと位階を上げることには吝かではない。
それにそろそろ、話相手の顔も見てみたくなる頃だ。先方もそう考えているかも知れない。
>>208
「そりゃ、決まってるじゃん」
生真面目すぎる相手に肩をすくめて、答える。
というよりも、年がら年中集まってはそんなことをしていては堪らないというものだ。
「こんな善い月夜に喧嘩する奴があるかよ。風情が分かるなら、解かるだろ?」
そう。単純なことだ。
ただ、この紅い月食を見たいためだけに集まってるんだから。
>>209
新たな気配が砂浜の上に加わる。
……まあ、月の妖精だし、誘われるのも当然だろう。
今回は別段妙なこともしていない。
「やあ。お前も月見かね」
ならまあ、別に善いだろうと、他意無く声をかけた。
>>210
……空気読めよ。
まあ、こいつ相手じゃ隠れても無理だろうなとは思ってたけどね。
仕方ないか、と観念して姿を表すことにした。
「……確かに顔は見えない。見えないけれど。
人を計ることは顔じゃなくても出来るでしょ?
……ま、こうして顔を出したからどうでもいいことだけどね。
元より、顔を隠すほどの性格じゃないし」
ため息をついて、そんな事を言った。
……まあ、喧嘩するわけじゃなし、相手に主導を獲られなければいいだろう。
そう気楽に考えることとした。
>>212
どしゃあ、と砂が飛び散るような音がする。
見れば―――
「ありゃ。大丈夫?」
暗くても分別は付いたから、手を差し伸べる。
……やっぱり、月と深く繋がっているから、こういう日は調子を崩すのだろうか。
ともあれ、久方ぶりの逢瀬。兄弟姉妹と思わんばかりの友。
今日に迎えるのは吝かではなかった。
- 216 名前:不確定名:金髪縦ロールの妖精:2007/08/29(水) 01:58:12
- 来て早々、ちょっと後悔。
なんか険悪な雰囲気の黒いの(>>207)と白いの(>>206)とか、
宿命のライバルっぽい二人(>>205と>>210)とか。
「あちゃー、なんか今日はいつも以上に危なそうな感じね」
危なそうだから、今はなんとなく近づきたくはない。
あっちの大きな人影(>>208)は威圧感が凄いし、
銀髪の人(>>215)もあの中で平然としてるし、
どれもこれも只者じゃない。
と思ったら、なんか男の人(>>213)が飛んできた。
見覚えがあるような、ないような……
まあ他の人たちと比べると無害な感じがするし、
味方につけておけばいざって時にもにょもにょだし。
「大丈夫かしら? 派手に吹っ飛んだみたいだけど。
人間って結構脆いからね」
- 217 名前:不確定名:銀髪の少女:2007/08/29(水) 01:58:45
- ……さて、そろそろ気の早い人間は帰ってしまうかも知れない時刻だ。
顔も見ずに別れを告げるのは、少々勿体無い。
だから、夢から醒めるようにぱちんと指を鳴らした。
- 218 名前:来須蒼真 ◆rX9kn4Mz02 :2007/08/29(水) 01:59:36
>>207
「まぁ……分からなくはない。つーか、分かってるよ。
何にしろ結果が出てるなら、背負うしかない。荷物は物としてもう在るっていうなら、そりゃな」
言葉がナイフに成れるというなら、こいつのはグサリグサリと突き刺さる。
何も見てないようで、何もかも見透かしているような物言い。やっぱりこいつは非常識だ。
しかし、こういう奴が凄いことをしでかすんだろう。
何気ないそぶりで決断して、とんでもない物を背負っていったんだろう。
こいつの今も背負ってる黒いモノ――――この世全ての悪のように。
「ま、分かってるから精々そうさせてもらうさ。
だから非常識キングフォームな罵詈雑言は止めろっつーか止めやがれ非常識怪人タトゥーマン」
因みについでだからこいつに非常識ネームを命名してみる。
こいつって呼び続けるのは失礼だし、何より非常識だからな!
『蒼真くんって顔に似合わずノリノリなとこあるよね by弥那』
……くっ、古傷が。
>>211
運命、運命か……。
「そう運命付けるか付けないかは自由だけどな。
特別っていえばそうかも知れない。物好きって言うのかもしれないけどさ」
運命という言葉ほど、勝手で曖昧な言葉もないけどな。
そんな最後の一言を飲み込んだのは、常識による礼儀というよりは自分への確認かもしれない。
力という運命を受け入れる、だが否定する。
そんな両極とも中庸ともしれない自分で選んだ道、その足元を改めて踏みしめるように。
「まぁ……そんな所かな。大して役に立つ力でもないけど」
――――さて、状況を確認しよう。
おぼろげながらだが見える顔は整って、
笑顔は幼くもどこか大人びて
さらさらと流れるような黒い髪、
そよ風に流れてくるいいにおい。
「ヒントだけ言えば――――持ってれば少しかっこいい力、かな」
これはこr
――――カット、もとい俺自重。
浮気とかそんなんじゃない、うん、落ち着け俺。
>>208
―――――ところで。
何かまた人外というには俺から見て蚊帳の外なのがいるんだが。
モノアイ(ガンダムは知ってる)のような目を光らせているんだが。
変な重いモーター音が微かに聴こえるんだが。
昔戦った魔物より更に物騒な殺気とか醸し出しているんだが。
というか、下手すると無装備の俺が死にそうな気配が漲ってるんだが。
ぶっちゃけ、宇宙刑事(最近知った)と戦っててくださいなロボが居るんだが。
「――――やっぱり非常識だろ、花火とゴミ処理と月食以外」
今更……まったく本当に今更だが。この上なく。
- 219 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/08/29(水) 02:01:23
- すらりと伸ばした人差し指の先には、月より紅い赤が点っていた。
闇の仮面を退けて、炎は煌々と照っている。
「……まあ、ちょっとだけ。顔も見ないで別れるのは寂しいから」
そんな風に、少しだけはにかんで、告げた。
【ライト点灯。姿を現すのは任意で】
- 220 名前:アヴェンジャー ◆ty.Avenge. :2007/08/29(水) 02:14:33
- >>215
「オイオイ、獣なんてのはそこらじゅうに繁栄してんじゃん。灯りに群がる蟲だって居れば甘い汁を啜ってる蟲
だって五万と居る。世の中は怖いところですよ。日の当たる場所を歩いてないと踏まなくていい尻尾を踏んで
逆鱗に触れるコトになりかねない。灯りっていうのは重要ですよ、きっと」
好奇心旺盛な獣ほど恐ろしいものはないのよ。闇雲に吶喊しちゃう恐怖心の失せちゃった人間様。最強を気
取るならせめてなにが恐ろしいコトなのかをはっきりと知っておくべきなのに、無知ゆえの最強。つまりは馬鹿
ほど強い。だからと言って誰かに勝てるかは別問題だけど。
ああ、怖い怖い。饅頭が怖いぜ。
「んー、どっちでもいーべや。正直なんか考えて拾い集めたわけでもねーし、この暗さもなれちまえば別にまっ
たく見えないワケじゃねーしな。クヒヒ――モザイクの中の浪漫ってヤツだぜ。見えない方が色々と想像できて
楽しいもんさ。幻想ってつまりはそう云うコトだろ?」
見えないからこそ見えてくるものがある。
見えるからこそ見えないものばかりの世の中。
果たしてどっちが楽しいのでしょうか。
―――――多数決で決めねー? 少数派は斬り捨てられっけどね?
>>216
おういえす。
舐めるように見られちゃってますよ? 穴開いちゃうからかんべんな!
縦巻き髪横巻き髪アホ毛。
早口言葉にレッツチャレンジ! 商品は出ませんのであしからず。
>>218
まだ云いやがりますかこの青少年は。
どんな家庭で育ったんだ。幼馴染の顔が見てみたいものである。
人格形成は幼馴染の態度によって変化するという論文が発表されるコトはきっとないだろうが、幼馴染の響き
はとても素晴らしく思えたりしてみたりするんだが、どうなんですか、実際。
「ドタキャンでもしろってのか? まったく持って貧困なネーミングセンスだぜ。ちょっとビックリ。いまどき小学生
でもそんな見たまんまのあだ名つけませんよ? ネットのハイソな方々のセンスを真似るべきだぜ? デブをピ
ザとか呼んで見たり、結構素晴らしいじゃん? 判ったかソウルオブ非常識。ところでドタキャンって何だ?」
難しいコトを長々と語るのは趣味じゃねーのである。シリアスって疲れるのよ。
- 221 名前:不確定名:日系人らしき男:2007/08/29(水) 02:16:37
- >>215
聞き覚えのある澄んだ少女の声。
久しぶりと言おうと思って口を動かせばじゃりじゃりとした食感に顔をしかめる。
まあ、とりあえず後ろ向いて砂を吐き出してから会話に移ろう。
「…大丈夫だ。怪我は…すりむいてはいるが軽い」
髪と軍服をはたく。
…砂がポケットの中にまで入っているか。
「月食だからって余所見運転をするモンじゃないな。
酷い目に会った…」
耳に流れる情報に興味を持っていかれたのが間違いか。
ラジオで天体情報を聞きながら運転してたのだが。
>>216
「……………」
…見たことがあるような。
以前釣りやってるときぐらいの夢だろうか。
「…うん、安心した」
心の中で一区切りをつけておく。
あやふやだった記憶を整理して思い出に変えておこう。
「なあに、普段鍛えてるから大丈夫だよ。
打ち所が悪かったら骨を折っててもおかしくないが」
とりあえず、ルナであることは確定か。
- 222 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/08/29(水) 02:17:16
- >>215 >>219
熱量/光量の発生を確認する。
視覚センサ:暗視から通常モードへ移行。
そこにはかつて見た少女の姿があった。
「……確かに。それは認めよう。ただこの身の置かれた状況では、警戒するしかないのだ」
そう、危害が無かったとしても。
何かを護持する役目を持つ以上、剣士である以上、備えざるを得ないのだ。
他者も、自身も、それ以外の選択を許さない。
「……だが。確かに、何かが起きるには酷く静かだ。
確かに警戒する必要もないだろうよ」
そう、私の役目はすでに終わっている。
後は帰還して、報告だけ行えば良い。
良いが、それだけでは勿体無い―――思考の一部にノイズが走る。
機械らしからぬ揺らぎ/それを自身として受け止める。
「私も少し、月を眺めるとしようか」
そう告げて、視覚センサを頭上へと向ける。
稼動する複眼が、赤銅に染まった月を認識する―――
>>211
魔力―――誘引概念としては不確定/否定も肯定も出来ない論理。
しかし、説明できるものはその一点のみだった。
「確かに、この奇事が自然に起きるとは思えん。
この常ならざる月が呼び寄せている、というのも否定出来ないな」
センサには魔力波長を捉える波形が今までに無い姿で表示されている。
なんらかの異常/変化―――裏付けるデータ。
人/機/魔を誘う妖しき光―――その言葉の似合う光景だった。
>>216
そして妖精の出現/その論理を裏付けるかのよう。
しかも知る姿―――因果を信じたくなるような偶然の一致だった。
「……お前も誘われたか」
視線を静かに向けて、それだけを告げた。
先ほどの私と同じく、どことなく警戒している様子/別に不自然ではない。
故に、敵対の意志がないことを示した/初めて会った時のように。
- 223 名前:腰より長い黒髪の少女:2007/08/29(水) 02:22:12
- >>215 >>219
姿を現した死なない焼き鳥屋を見て、にこりと笑う。
「ああ、全然気付かなかったわ。まさか貴方だったなんて。
普段こんな落ち着いた雰囲気で話すことなんてないからねぇ。
声も全く違って聞こえたわよ。雰囲気って大切よね」
にこにこと笑ったまま、軽い口調で話し続けようとしたとき。
周り一面が明るくなる。
もっと風情を楽しみたかったけど、この場にいる者達の顔を見ておくのも悪くない。
一期一会。この機を逃せば、もう会うことも叶わぬ者もいるかもしれないのだから。
「……性格?確かに控え目とは言いがたいわね。
少しは私の奥ゆかしさを見習いなさい」
>>216
ふよふよと浮かぶ小さな影。
確かアレは―――いたずら妖精の一人。
「貴方も誘われたのね。
別に危ないことは無いわよ?月見の場で喧嘩を始めるほど、私も相手も若くないわ」
こいこい、と手招きをしてみる。
- 224 名前:アルビノ少女“山城友香”(覚醒?) ◆0DYuka/8vc :2007/08/29(水) 02:23:36
- 夏なんて大嫌いだから。もう、生を受けたときから夏なんて諦めてる。
そりゃ、憎きお天道様が幅を利かせていて。いつでも私を殺す準備は万端らしいわ。
学校が休みって言うのはありがたい。この地獄に外に出なくて良いのはせめてもの救い。
クーラーなんて言うのは、人間が作り出した最高の叡智の一つなんじゃないかしら。
ありがとう人間。たまには良いことするのね。感謝してるわ。
最近じゃ、腹の立つことにそこらこちらに銀イオンが充満してるけど。
誰かしら。あんな対眷属用有毒兵器を作ってくだすったのは。匂い消し?!除菌作用?!
もしも、あの制汗剤に描かれたお婆様に会うことがあるなら正直殴るわ。結構本気で。
って、砂に埋もれながら考えることでないのもまた事実で。
さて私は。覚醒してるんだか。全く持ってしてないんだか。さっき見たときは蒼。
どうにもこうにもおぼつかない。赤い月。金でも銀でもない銅色の月。
>>215
顔を上げてみる。意識と瞳の色はこっち。体は向こう。
伸ばされた手は見慣れた手。私とよく似た夜に映える真白の手。
「─────あら。久しぶり。どうにも調子が狂ってね」
随分と頼りなく。夜の眷属ともあろうものが随分と情けなく。って、いつもの私はこれぐらいか。
不可思議な夜だからこそ認識できるいつもの私の姿。
不思議な状態だからこそ認識できるいつもの私のありがたさ。
暗い夜に明かりが灯る。って。随分と熱い。あんでっどはひによわいのよ?
潮風が微かに吹いているのが随分な救い。まあ、なんとかできそうです。
ガッツが足りたのならば。(何
- 225 名前:アルクェイド・ブリュンスタッド:2007/08/29(水) 02:29:08
- 火が灯る。
月より明るく紅いけど、決して星の光を殺さない明かりだ。
志貴の声に答え、跳ぼうとするのを踏みとどまる。
『――――――のは寂しいから』
こんな夜は何も告げずに去るの礼儀かと思ったけど、確かに少し惜しい。
二度と会うこともない筈の人間にこんな事を感じるのは何故だろう?
……そっか、これも何の意味もない無駄なことだけど
――――それはきっと嬉しいこと。
「そうね、わたしもちょっと惜しいと思ったわ」
銀と炎の少女に振り返りながら答える。
「わたしも楽しかったわ、もう少し話してみたかったけど……」
だから、明かりと姿を見せてくれたこの人に。
「わたしはアルクェイド・ブリュンスタッド、長いからアルクでいいわ」
二度と会うことにない人に名乗る最高の無駄をプレゼント。
けど無駄って素敵でしょ?
それは、わたしなりの礼。
答えを待たずに跳躍する。
ささやかな明かりの外へ、闇の中で待つ石ころ――志貴に向かって。
アルクェイド・ブリュンスタッド:退場
- 226 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/08/29(水) 02:36:58
- >>220
まあ、幻想とモザイクの相関はともかくとして。
とりあえず少し落ち着けお前は。
「別に見えようと見えなかろうと同じことは同じだけどね。
見えても見えてないと思ってしまえばそれは見えていないのと同じ。
幻想もまた―――そうと認識できなければ消えてなくなるのよ。見てる者からね」
肩をすくめて、火種に点火するのは保留した。
割とどっちつかずが一番困る。とっとと腹を決めて欲しいところだ。
>>221
怪我は大したことなさそうだったが、自転車の方が歪んでそうな気がした。
結構派手に転んでたし。
「まあ……自業自得っちゃ自業自得だろうけどね。
せめてライトつけて前は見とこうよ。月見は座って、二兎を追うと穴に落ちるよ」
肩をすくめてそんな事を言う。
……まあ、怪我がほとんど無いのは何よりだった。
骨でも折ってたら損じゃすまないくらい不運だったろう。
>>222
……ああ、なんか背負ってるのか。
難儀だとは思ったけれど、本人は納得してて楽しそうだからいいか、とも思った。
自らの想いに洵することが出来るのなら、それは間違いなく幸福なのだから。
「そーそ。今日は楽しんでいきなよ。静かなだけで、お祭りみたいなものなんだから」
そういって、私も彼に習う―――月を見上げる。
時刻は、そろそろ皆既月食を抜ける頃になるだろうか。
幾つかの星が動いているのが見えて、その数を減らしているのも解かった。
天の火もまた、蝕に入ったのだろう。
>>223
「誰が見習うか」
歯を向いて威嚇する。
……やっぱり隠れて誤魔化しといた方がよかったかなあ。
「……ま、雰囲気が大事だから姿を隠してたんだけど。
そっちから振ってきたんじゃしょうがない、ってところね。
……自覚してるっつーのが情けないけど、私とあんたが居たら保たないでしょ、雰囲気」
そう、この組み合わせはダイナマイトと松明みたいなものだ。
よほどのことが無い限り静かになどなるまい。
そう考えて―――ふと苦笑いをした。
皮肉な話だ。呉越同舟、犬猿もかくやと言わんばかりの二人が、お互いを良く解かっている。
好きの反対は無関心というが―――あながち間違いでもない。
- 227 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2007/08/29(水) 02:37:11
- >>218
運命という言葉は、やはり私には似合わないわね。
これはあの紅い吸血鬼にこそ良く似合う。
「そうね。全く持って自由。
運命を受け入れるのも否定するのも全て、ね」
果たして輪廻の輪から外れた私に、運命などというものが存在するのかしらね。
そんな呟きを漏らす。
「へえ。気になるわね。どんな力なの?」
……何だか相手がこっちを見ている気がする。
銀の髪で整った顔立ち。
うーん、ちょっと良い男?
「少しカッコいい力―――ますます気になるじゃない。
判らないわね…うーん」
小首をかしげて、見上げるように見つめてみる。
- 228 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/29(水) 02:45:47
- >>219 健康マニアの焼き鳥屋
砂浜に明かりが宿る。
明かりの元を見てみれば、指先に炎を宿した少女が一人。
「やっぱりあなただったのね」
>>221 うっかりさん
>「なあに、普段鍛えてるから大丈夫だよ。
> 打ち所が悪かったら骨を折っててもおかしくないが」
「そうは言っても、私たちに比べたら遥かに脆いものよ。人間って」
まあ、見た感じそんなに大事にはなってなさそうだし、
その言葉は嘘じゃないんだろうとは思う。
「ま、実際に大怪我になってないなら別にいいんだけどね」
怪我してたら身代w……げふんげふん、にはし辛いし。
>>222 相変わらずの堅物
明かりがついたおかげで、
大きな人影が、いつか会った事のあるからくり人形だと気付けた。
警戒して損した気分。
自分勝手な被害妄想だとは思うけど。
>>223 永遠のお姫様
>「月見の場で喧嘩を始めるほど、私も相手も若くないわ」
>こいこい、と手招きをしてみる。
「……それもそうよね。
お祭り好きなあなたが、こんな日にわざわざ
場を荒らす真似をするとは思えないし」
聞いた話ではだけど。
本人がああ言ってるし、今までもちょっと危険な香りがしただけで
一触即発って感じじゃなかったし。
信用してもいいかな、と思えた。
- 229 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/08/29(水) 02:46:31
- >>225
灯に照らされて現れた姿は―――予想通りの美人だった。
なるほど、これは壮絶にインパクトがある。忘れる心配はなさそうだ。
「アルク――ーうん。覚えておく。
私は、藤原妹紅だ。またね」
名を交わす。そして別れる。
軽やかに去っていく人影に、一期一会という言葉を想い、見送った。
>>224
繋いだ手をそっと持ち上げて、並び立つ。
「あ、悪い。熱いの苦手だっけ」
思い出して、慌てて火を遠ざけた。
たかが豆粒程度の火だが、秘める熱量は神代のそれだ。
闇に生きる身では害毒にしかならないだろう。
「……にしても、本当に久しぶりだね。
元気だった?」
何でもないことを聞く。
空けた時間は埋めたくなるものだ。
- 230 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2007/08/29(水) 02:49:24
- >>222
「あら。見た目によらず、柔らかい思考をするのね。
貴方の様な鋼の塊は、もっと画一的な思考をするものだと思っていたわ」
明るくなった場に注ぐ、微かな月の光。
ほんの少し気分が高揚している気がするのは、勘違いではないだろう。
- 231 名前:アヴェンジャー ◆ty.Avenge. :2007/08/29(水) 02:53:00
- >>226
「―――――まあ、その通りだぜ。そしてオマエさんは今たった一つの素晴らしい解答をえたワケだ。ちゃんと
答えに辿り着くってのは意外と難しい。正解と不正解、そんな明快なもんな筈なのにな。計算式で導き出せな
い解答は見つけ出すのに苦労すんだよ。それがどんな些細なもんだったとしても、オーケー?」
見えているのも見えていないのも同じ。
火が点いていても点いていなくても同じ。
結局はどっちつかずでもなにも変わりやしないのが世界だ。
どっちを選んだとしてもなにも変わらないのが世界だ。
「ま、選ぶコトを放棄するのだけは、本来はいただけねーんだけどな。今回みたいなちっぽけなコトなら永遠に
保留しといたって誰に迷惑掛けるでもなし、点けたいヤツは点けりゃいいさってなもんよ」
オレですか?
答えは真っ黒なお月様の中にだよ。
いつだって本音は暗い闇の中に。
嘘だってつき続ければ真実になる日がいつか来る。
御伽噺が本来はグロテスクだったとしても、後の世に伝わった幻想が美しければそれでいい。
そーだろ?
- 232 名前:来須蒼真 ◆rX9kn4Mz02 :2007/08/29(水) 02:56:59
――――さて。
赤い火が薄闇に灯り程なく。
突如鳴り出す携帯の電子音は、夜の夢を覚ます鐘には五月蝿すぎて。
そんなどこかのフレーズじみた言い回しを思いつく程度には、やっぱり俺は変わってるらしい。
「もしもーし。蒼真くん? 今どこに居るのか教えてくだサーイ」
「いや、何で語尾が外人口調なんだよ」
そういえば行き先とか出かけるとか、そういうことを全く伝えなかったことを思い出した。
マズったな、と反省するのは俺も人間味がある証拠なんだろう。
―――そう現実逃避するのも恐らく俺が人間だからだろうな、と冷静になる自分を発見。
深夜に至る神事だし、別に会う約束も無かったとはいえ、携帯での些細な会話は習慣でもある。
そして弥那は、こういう事をすっぽかすのにかなり煩い。
やんわりとささやかな、だが結構莫迦にならない程度の怒りが携帯ごしに伝わってくる。
――――帰りにお土産でも買っていこう。
平謝りの言葉を並べてから通話を切り上げ、そんなことを考えながら。
>>227
「…と、悪い。怒られたから俺は先に帰るよ」
明りに照らされた少女の顔はやっぱり可愛かったが―――タイムアウト。
名残惜しいが、やはり弥那には勝てないのが俺の宿命らしい。
いや連絡すっぽかした俺が悪いという意味でだが。当然。
「因みに正解は、支配する程度の能力…ってとこかな。
詳しくは……ん、そうだな。また会う時までの宿題ってことにしといてくれると助かる」
説明しても見せられる能力でもないからな。
……魂を吸収して自分の力にするとかどう考えても物騒だし。
で、最後に。
>>220
「バーカちげーよ、こういうのはシンプルっていうんだハイパー非常識クロックアップ。
ネットに流されてIP落としたか、むしろ節穴vipperって言われたいのかよ非常識超人タトゥーマン、
またはタトゥーマンマリポーサ。お前の奥義とかあったら凄い偽っぽいよなマリポーサ」
A,ドタキャンは宿題。
非常識マリポーサにはこれくらいが丁度いい、これは恐らくベルモンドも認めるくらいには真理と見た。絶対。
「――――まぁ、悪態もだけどナンパも程々にな。
お前の場合、ぱっと見完璧にセクハラだから。客観的な意味で」
グサリと心臓に刺さるような事を言ったんだから、このくらいはな。
と、自己を正当付ける。正当なのはむしろ俺な以上は仕方ない。
何故なら。
「……あと覚えとくよ、お前の言葉。じゃあな」
何故なら、おかげで元いた道に戻れたから。
礼を言うには何処か筋違いで、からかわれそうで、だから素直に言いたくはなくて。
悪態には悪態を付くのは、これも持って生まれた性分だろうなと心の中で苦笑しながら。
スクーターを止めた先へ足を伸ばす。
単なる帰り道じゃない。
俺が自分自身で決めた、俺だけの道へ戻るため。
【退場】
- 233 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/08/29(水) 03:01:34
- >>226
「いやまあ、あんまりにも人通りが少なかったもんだからな。
仕事場みたいに神経研ぎ澄ますと疲れるし」
…ってそうだ、自転車。
幾多もの戦場を越えてきたあれは頑丈だが
もしものことがあっては困る。
「…よし、頑丈なところだけが取り柄なだけはある。
ちょいと籠は歪んだが走るのに問題は無い」
それと砂の上に落ちている袋を持ち上げる。
勿論のこと中身は嗜好品だ。
「…なんでノンアルコールまで買ったんだか」
ちょうどいいといえばちょうどいいか。
飲み過ぎなければ飲酒運転にはならないだろう。
袋の中には他の冷えた缶ビールが数本入っている。
「安物の酒だが、飲むか?いつものように」
缶ビールを妹紅にちらつかせながら言った。
>>228
「…なるほど、俺よりかは丈夫と」
なんだろうか、この敗北感。
体力を落とさないためにデスクワークのみでも運動していると言うのに。
「待った、さっき何か良からぬことを考えてなかったか?
その怪我をしてなくて良かったの意味合いに隠して」
直感で食いつく。
夏なのに少々寒気がしたし。
- 234 名前:アルビノ少女“山城友香”(覚醒?) ◆0DYuka/8vc :2007/08/29(水) 03:06:02
- 私の中で私がぐるぐる。私の中で私がぐにゃぐにゃ。
“なんでもないようなこと”って、きっと幸せだったのかしら?
>>229
それでも。繰り返していくのはなんでもないこと。それが妙に暖かくて。
冷えていた何かを。きっと暖めた。うん、この姉のような先輩はやはり火の使い手なのだ。
「ええ。随分と久しぶり。最近はどんどん生きにくくなって居るような気がするけれど。
夏に消されかけたり、冷えた空気の中で風邪を引きそうになったりもするけれど。
それでも、なんとか元気でやってるわ。結構綱渡りだけどね。」
そう言って苦笑い。コーヒーみたいな苦笑い。きっとそれはそれで美味しい。
空けた時間を埋めていくのは結局なんでもないことで。それで良いのだ。
非日常のような日常。日常のような非日常。境界はきっと無いのかもしれないわ。
─────本当に消される夢のような現実も見るけれど。それもそれで。
>>223
なにか。見ちゃイケないものが目の前にあるような。
特に飲んだりしたらイケないようなものが目の前にあるような。
─────混沌は静かに這い寄る。月を丸ごと飲み込むように。
- 235 名前:アルビノ少女“山城友香”(覚醒?) ◆0DYuka/8vc :2007/08/29(水) 03:08:04
- ─────レス番をミスりました。全く調子が出ないわね……………。
>>223は>>233のミス。視線の先には缶ビール。死線の先には缶ビール。
- 236 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2007/08/29(水) 03:09:53
- >>226
「相変わらず粗忽ね。もっとお淑やかになりなさいな」
袖で口元を隠しながら、歯をむく相手を見る。
ああ、こういう反応をしてくれるから面白いのよね。
「そうね、そればかりは同意よ。私と貴方じゃ雅な雰囲気には程遠いでしょうね。
風流の『ふ』の字もありはしないわ」
肩をすぼめて、やれやれとため息をつく。
悔しいけれど、彼女の言うことは一分もたがわず。全く持ってその通り。
気まぐれで殺し合いをするような二人に、雅なんて言葉は縁遠い。
「まあ、それでも。私はこの場で暴れるつもりは無いわ」
ひらひらと手を振り、月の方を向く。
全くの無防備な姿を晒して、だらーっとした雰囲気を醸し出す。
相手も同じ考えであると、なんとなくそう思ったから。
- 237 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2007/08/29(水) 03:19:53
- >>228
「そうそう。こういう日は、のんびりと月を見るに限るわ。
貴方も一緒にゆっくりしましょう」
殺し合いも時と場所を考えて。
うん。そういうメリハリ、というものは重要だ。
普段考えていないという事実は永遠の彼方に放棄。
「というか、貴方、私をなんだと思っていたの?
私は一部の人外以外には手なんて出さないわよ」
>>232
「あら、そう。名残惜しいけど、仕方ないわね。
気をつけて帰って頂戴」
何やら小さい箱に向けて話しかけている男に向け、小さく手を振りながら。
「支配する程度の能力……ふーん、興味深いわ。
次に会う時には、絶対に詳しく教えてね。
私も―――お礼に能力を見せてあげるから」
- 238 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/08/29(水) 03:31:59
- >>234-235
ゾクリ、と寒気がした。
それは静かに這いより、静かに獲物を狙い
自らが沈黙を破った時その口には獲物が銜えられているだろう。
先手必勝だった。
妹紅の明かりを頼りにしてみればそれは"少女"の外見をしている。
それだけで十分だ。
エセだろうとなんだろうとかまわない。
危険を避けるために危険に立ち向かうしか選択肢は残されていない。
這いよる前にこちらから接近、そして―――!
「オレンジか、林檎。どちらがいい?」
決め手だ。
お前に酒と言う選択肢など、ない。
- 239 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/08/29(水) 03:33:33
- >>228
やっぱり。やっぱりという単語を聞く。
……なんか、自分でも知らぬ間に名が売れているような気もする。
別に困ることじゃあないけど。
「やっぱり―――ね。もう、コレじゃあ顔を伏せる意味なんてあんまり無かったわね。
中身が割れてるのに仮面したままなんて割合滑稽だし」
ひらひらと手を振って苦笑する。
まあ、明かりを使わないのだって元々は月と星の邪魔にならないようにする意図があったわけで。
別に顔を隠すのがメインではない。単なる偶然の副次だ。
>>231
「まあ、ね。知っていても沿うことは難しいしね、こういうの。
頭では解かっていても、自分の血肉になっていなけりゃ実感にはならない。
思い込みは簡単に解けやしない―――この辺、割と不便よね。
別になんてことは無いけど、さ」
そう、たかだか認識の一つや二つ、この世に影響することは無い。
在るものは在って、無いものは無い。
それだけの話だ。
それが人によって見えたり見えなかったりするだけで。
「……別に放棄してるつもりは無いって。私は火種欲しいか、って聞いただけだし。
むしろ選ぶのはそっちの領分じゃない?」
苦笑して、指先の炎を軽く回す。
そう、どっちでもいい。どっちでも良い話なのだ。
先ほど言ったように、大して変わりはしない。
ただ、選ぶ主体を間違えるのはいけない。
ある種の丸投げ、自分の全てを知らぬ相手に委ねてしまうのだから。
>>233
「んー。悩むとこだけど。今はちょっと酔えないかな。
……見せたくない相手もいるし」
苦笑して、やんわりと断る。
まあ、私が酔って前後不覚になるなどそうそうあることじゃないが。
それでも酒で不覚を取るのは正直、みっともないだろう。
「帰りの足も無事みたいで何よりね。次は気をつけなよ?」
ダメージゼロの自転車を見て、私はそう、冗談めかした。
>>234
……ふむ。観察している限りではどうにも不安定そうだ。
やっぱり月のせいか。満月なのに欠けているという矛盾が彼女を狂わせているのか。
気付けに酒でも飲ますか?
「……まあ、外はね。正直、私でも生きるにゃ面倒そうになってきてるから。
貴女もいっそこっち来ちゃえば良いのに。楽しいわよ、それなりに」
ふらついてる彼女を軽く支えながら、そんな事を言ってみる。
……まあ、ああは言ったものの。
日常と非日常の境界に身を置いている以上、そういうわけにも行かないのだろう。
こっちには無い魅力もそこには在るだろうし。
>>236
「……ケースバイケース。相手が相手ならちゃんと対応するんだから」
そうは言うが、まあ否定できないのは我ながら少し悲しかった。
あれか。少し自重すべきか。色々と。
「……ま、やる気が無いのは解かってるよ。私にも無い。
月見はあんまり騒ぐようなものじゃないしね」
そう。普段から見れば私は全く警戒などしていない。
こいつと一緒に居る状態じゃ在りえない事態だけど―――まあ、そう言う日もある。
例えば今夜とか。
- 240 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/08/29(水) 03:39:46
- 月が濁る夜。
ホロはこの奇妙な月の翳りを、そう呼んでいる。
空に浮かぶ丸く美しい、宝石のような輝きを放つ月をこよなく愛する彼女にとって、
その夜はある意味では特別な日だった。
満月の日いつも感じる光を浴びることが出来ない、奇妙な苛立ちと、胸のざわめきに
心をかき乱される、そんな日として。
そして今、思い出す。
これまで彼女が見上げた、濁った月の数々を。
ある時はうら寂れた村の中で、またある時は麦の穂に囲まれた中で。
そしてまたある時、彼女自身も忘れかけている遠い昔。
それはホロが焦がれてやまない、美しい故郷の風景の中で―――
「……っとと、いかんいかん」
我知らず目の端に溜まった液体を払うように二度、三度とかぶりを振り、頭頂の耳をぶるりと震わせる。
全く、こんなに容易く人前で涙を見せるほど、自分は安い雌ではないはずなのに、と、ホロは思う。
どうも最近、些細なことで昔のことを思い出す回数が増えているような気がする。
こんな奇妙な月の夜だから、というだけではない、何か別の要因があるに違いない。
そしてその要因の正体に、長い時を生きる賢狼は薄々気付いてもいた。
あまりに、そう、あまりにも楽しすぎた、賢しくも優しい商人の青年との旅路。
近づいてきた故郷と、旅の終わり。
望郷の気持ちと、旅の永続を望む、相反する二つの心が、今彼女を苛んでいる。
「…ぇぇい、止めじゃ止め。辛気臭い事を考えるのは後でもよい」
更に強く、自分の頭に残った思考の連なりをかき消すよう、ぶんぶんと頭を振る。
その度に彼女の艶やかな茶色の髪が振り乱され、闇夜に薄く映えた。
「幸い、こんな奇妙な月の夜には話し相手には事欠かぬ。ここは一つ、小粋な語らいでもって
少しでも楽しくすごすとしんす」
それでも少しどこか気だるい表情を残したままで、ふらりとホロは歩き出した。
紅く濁った月の下、少し不機嫌な狼は、ふらふらと海岸を彷徨う。
- 241 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/08/29(水) 03:43:22
- ―――蝕も、終わりが近い。
通信には報告/帰還の要請が幾つか入ってきている。
そろそろ帰る潮時だろうか。
>>228
「―――この状況なら、警戒することは不自然でもない。
少し驚かせたようだな。失礼した」
目を丸くしている/安堵している妖精にそう語りかける。
……今回の場合、その対応の方が不自然なようだが。
しかし、事情を知らぬのであればそれも瑣末。
静寂に身を置く/闘争とは縁の無い月下。
闘争を望む方が不自然か。
>>230
「……厳密に言えば。私は通常の作業機械とは異なっている。
“魂”の存在、とでも言えば解かりやすいだろうか。
それ故、限りなく人間に近い思考と感性を所持している―――理論的にはな」
彼女の疑問への回答―――続いて蝕が終わりに近づいている。
少しずつ蘇る月光/金色の輝き。
そろそろ佇む理由は無くなる。
- 242 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/29(水) 03:48:11
- >>233 シロー・アマダの憂鬱
>「…なるほど、俺よりかは丈夫と」
「というよりも、死の概念そのものが違うらしいわね」
人間を見てると、それこそ今ある命に執着する人が多い。
それに対して、私たち妖精は、
割とその辺に関してあっさりしてるものらしい。
本で読んだことなんだけど。
>「待った、さっき何か良からぬことを考えてなかったか?
> その怪我をしてなくて良かったの意味合いに隠して」
「あ、いや、えっと、そんな事はないわ。多分」
場の雰囲気も大分和らいでるし、
スケープゴートが必要な場面も訪れないだろう。多分。
だから私は間違ってない。多分。
「ほら、この間食べ損ねた朝ごはんがあったじゃない?
それの心配よ、多分」
自分でもかなり苦しい言い訳だと思うけど、
何も言わないよりはいいかな、と思う。
>>237 風流人
>「というか、貴方、私をなんだと思っていたの?
>私は一部の人外以外には手なんて出さないわよ」
「未来永劫殺し愛をあそこの焼き鳥屋と繰り広げる変わった人」
言ってから後悔。
明らかに火に油を注ぐような台詞じゃないのよ。
「……じゃなくて、興味のないものに対しては冷酷な人? のような何か」
って、これも駄目じゃないの!
あぁ、どう言ったらいいものか……
>>239 不死鳥
>やっぱり―――ね。
「銀髪で長髪な人が他に思いつかなかっただけよ」
炎を出したことで確信したわけだけど。
「まあ、あなただって私のことが分かってたみたいだし、
お互い様って奴じゃないの?」
- 243 名前:アルビノ少女“山城友香”(覚醒?) ◆0DYuka/8vc :2007/08/29(水) 03:49:17
- 地が月を呑み込む禍々しい夜がある。狂気は狂気で塗りつぶせ。
>>228
「─────じゃあ。林檎をお願いするわ。」
安堵にも似た溜め息。危機はとりあえず去った。元から求めてなかった選択肢は目の前で消えた。
ええ。この状態で酒を飲んだらどうなるかなどわからない。今でさえよくわからない状況なのに。
ただでさえ、正月だからと飲まされたときには“とんでもない”ことになったではないか。
それでも。私はこうしてまだ人のそばに。人の間に。結局いつものようにいる。
それで。きっとそれで。まだ良いのだという確信めいた何か。空の上には赤い月。
>>239
─────感覚が理解する。鈍くなっていてもテレパスという本能が理解する。
危機は。ロジータじゃなくて。危機は。まだ去っていない!ような?
「まだ良いわ。もう少しだけこっちにいようって。
ふと、そんなことを考えたから。それでも、本当にダメなときはそっちに行くから。
─────その時は、暖かく迎えてね?」
魔性の血の風格。引きずり込むような妖艶な瞳で縋るように見つめる。
赤い月の狂気すらきっと我らが眷属は味方につけてしまうのかしら?少しだけ馴染む夜の魔力。
- 244 名前:江戸っ子気質な死神 小野塚小町 ◆w1VRsMONEY :2007/08/29(水) 03:54:48
どんぶらこ、どんぶらこ。
三途の川を渡す死神の船は、海の上を浮いていた。
「……ん?」
船にいるのは一人のみ。狭い船の上に、自分の腕を枕にして、今までずっと眠っていた。
無縁塚の死神、『三途のタイタニック』小野塚 小町である。
……本来なら皆既月食のあるなしに関わらず、彼女は今日もお仕事の日のはずなのだが、いつもの事なので関係ない。
ついでに言うと彼女の船は海ではなく三途の川を渡すためにあるものであり、
その私用は認められるはずがないのだが、この際これも関係ない。
「ぁー……寝てたのか、あたい」
背中を起こし、ぐっと背伸びをする。
線上には小さなとっくりと、酒の入った一升瓶。
彼女はゆっくりと月を見上げる――も、そこにあるはずの月は消えている。
「あ。もう終っちまってやんの」
どうやら、消え行く月を肴に一杯やっていたらしい。
小町はひとつ溜め息を付く。徳利に酒を注ぎ、一気に酒を飲み干した。
「くそー。一番いいとこ見逃した……ん?」
ふと、彼女の目に入る、小さな淡い光。
ここから少し離れた陸地で輝いている。彼ら(?)も自分と同じ月見客だろうか。
……少し声を張れば、十分に聞こえるだろう。
小町はそう思い、息を吸い込み、向こう岸へと呼びかけた。
「おーい! お前さん達も月見かーい!?」
- 245 名前:アヴェンジャー ◆ty.Avenge. :2007/08/29(水) 03:54:53
- >>232
「うっせーよバーカ。似合わねーコト言ってねーでさっさと帰って幼馴染の布団にでも潜り込んじまえよ。そう
すりゃどっちかのフラグはゲットできるだろうさ」
まー、頑張れや少年。生きてりゃ幾らでも苦難なんて待っててくれるんだ。
安息の一時を過ごすのは悪くねーってもんだぜ? 退屈も悪かねーってコト。
意外と気付けないのが難点だけどなー。
>>239
「不便か? むしろこうだからこそ気楽に過ごせんのさ。気付かない振りをすればいつだって世界は平和なん
だぜ? 逆もまた然りってもんだが、今居る世界をありのままに受け止めるコトが出来るコトが幸せの第一歩
なのよ。その現実を受け止められないヤツから真っ先に不幸になるんだがー。後は他人の世界を知ったヤツ
なんかも割りと不幸ね。違いに愕然とするから。だからこそ、この国は素晴らしいくらい憎たらしい。や、何処
行っても同じコトいうだろうけどね?」
結局オレは何故だか真面目にお話しちゃうワケで。
こー、もっと気楽にげべれけな感じでもいんじゃね? とか思うのだけれどお客様がシリアスが良いって云う
から――――――仕方ねーよな。うん。仕方ない。
ところでお客様って誰だ?
「こいつはまた―――――意見の相違だな。選択権は俺に合ったとしても、決定権を持つのは結局オマエなん
だぜ? 舌先三寸胸三寸、気が変わったから取り止めるなんてのは幾らでもいえるコトなんだ。だから委ねた
ほうがきっと早い。最小限の労力で最大限の効果を得たいのさ、オレ」
なんてはぐらかすと言うか、まあぶっちゃけ、オレこう見えても古い人ですしねえ。今生きてるお方よりは十分
以上に見えちゃってるワケで。しかもそろそろ日が昇ってきそうなお時間なんですよ。今更火を焚くのもどーよっ
てお話です。
―――――それにまあ、そろそろお開きでしょ。六時間近く居ると疲れちゃうしね?
というワケで、そろそろ立ち去ろうと思うのである。
集めた塵はその場で放置。きっと海の管理局から白い悪魔っぽいのが来て綺麗サッパリ全力全壊根こそぎ
掃除をしてくれるコトでしょうし。そもそも花火って燃える塵で捨てていいのかいまいち判りません。
「んじゃま、機会がありゃまた何時かな」
男は背中で語るもんさ―――――霊体化するんですけどね?
(退場)
- 246 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/08/29(水) 04:03:22
- >>239
「二度もぶっ飛んでたら命が幾つあっても足らないって」
思わず苦笑してしまう。
月食など珍しいものを見てたがゆえの事故、
そう何度も何度も宙を舞うもんじゃない。
「…そいつは残念。
一応ノンアルコール飲料もあるんだがな」
緑茶と、林檎ジュースオレンジジュース。
飲みたいと思ったので買っただけだ。
>>242
「…死の概念が違う?」
動けなく、冷たく、考えられなくなればそれは死だ。
それ以外に死等と言う物はあるのだろうか。
「多分だらけで余計に怪しいな。
まあ、キスを一緒に食えなかったのは残念だったが」
撒きは自分で拾いに行った。
程よい労働力を期待していたのにな…。
「まあ、そのかわりと言っちゃなんだが…。
なんか飲むか?酒は駄目だぞ」
とジュースの缶をちらつかせる。
>>243
「―――ほれ」
果汁120%とよく判らない売り文句のジュースを渡す。
これで残るはオレンジと緑茶か。
「未成年の姿であんまり酒を飲もうとするなよ」
まあ、一応だ。
何か危険なにおいがするのでこうやって牽制ね。
- 247 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2007/08/29(水) 04:07:24
- >>239
「そう?ちゃんと対応している姿なんて見たこと無いけど。
是非一度拝んでみたいものね」
ためしに、きちんとした礼をとっている彼女の姿を思い浮かべてみる。
1秒、2秒、3秒……。
たっぷり30秒ほど努力をしたが、全く浮かばず仕舞い。
やっぱり無理なんじゃないかしら。
「月見は、お花見とは違うから、ね。
騒いで楽しむよりも、詫び寂びを大切にしないと。
―――ふふ。こういうところでは気が合うわね」
浜辺に座り込んで、月を見上げる。
今日ばかりは砂がつくのも気にしない。
たまには私だって、ワイルドな行動を取ってみたいときもある。
「ほら。貴方も座れば?
お互い不死とはいえ、立ちっぱなしじゃ疲れるでしょう」
ぽんぽん、と横の地面を叩いきながら誘ってみる。
- 248 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2007/08/29(水) 04:17:08
- >>240
大分静かになった浜辺を見回すと、ふらふらと歩いてくる人影を発見。
表情は見えづらいが、なにやら憔悴しているようだ。
「こんな夜更けに、年頃の女の子が一人でうろついているなんて。
どうかしたの?」
思わず、声を掛けてしまった。
どんな事情を抱えているかも判らないが。
ただ、何となく放って置けない気がした。
>>241
「ふーん、貴方は魂を持った機械なの?
七色の人形遣いが聞いたら喜びそうね。
でも。魂なんて形のないモノを宿している機械…果たしてそれは本当に機械なのかしら。
もう、機械という枠をはみ出していそう。それこそ、妖怪に近いかもしれないわね」
思った感想をそのまま伝える。
魂を持った機械は果たして機械なのか。魂しかない人間は果たして人間なのか。
- 249 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2007/08/29(水) 04:27:54
- >>242
「そうねぇ。間違ってはいないけど。
それをあの焼き鳥屋が聞いたら、貴方がこんがり焼きあがるかも」
殺し『あい』の響きが『愛』に聞こえた。
気のせいということにしておけば、妖精の丸焼きなんてものを拝まずに済むだろう。
「ふーん、そう。
―――ああ、もうこの目の前の羽虫を眺めるのも飽きたわねえ。
あ、そうだ。妖精って消えた後に何が残るのかしら?
何も残らない?それとも、羽だけがぱさり、と落ちる?それとも、消えたそばから再構成される?
……ふふふ。興味がわいてきたわ。さて、早速実行しなきゃ―――」
狂気に満ちた目で、妖精に向けて蓬莱の玉の枝を振りかざし―――
「なんて。冗談よ、冗談。
ほら、冷酷じゃないでしょう?」
妖精の頭を撫でながら、
一転してにこにこと笑いかける。
- 250 名前:アルビノ少女“山城友香”(覚醒?) ◆0DYuka/8vc :2007/08/29(水) 04:30:37
- >>244
此岸より船は来る。赤銅色の月と相まって妖しく揺れる小舟に少女の姿。
そもそも、この感覚は?見慣れない感覚。そもそも知り得ないであろう感覚。
死なずの身とは即ち、死ねずの身。だからこそ、この体は違和感を覚えるだろうか?
で。唐突な一言に呆気にとられながら。
「ええ。今夜の月はそう見られるものじゃないから。」
なんて返す。此岸の彼方の小舟に。赤い月も少しずつ馴染んでいく夜の不思議。
>>246
─────手渡された缶ジュース。あれ?これって。未だ在ったんだ。
確か、数年前に幻想になったって聞いたような。食の夜の摩訶不思議。
「─────ええ、ありがたく頂くわ。」
嚥下するのは120%の果汁。濃すぎるものは大体が被造物。
100%を越えるものは存在したとしても異端。だとしても。
「─────甘くて美味しい。」
十二分に私も異端だったりするので美味しいわ。とても。
「それから、正真正銘の未成年だったりするんだけど………。
ほら。お正月とか。飲まされる時ってどうしてもあるじゃない、ねぇ?」
心の底からの苦笑い。だって、そんなことがあったのだから。推して察して。
- 251 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2007/08/29(水) 04:33:42
- >>244
静かに月見を楽しんでいると、沖の方から声がしてきた。
しかも、静寂を切り裂く大音声。
折角の静けさを無に帰してくれた声の主は、見た事のある鎌を持っている。
ということは、あの船頭か。
風流を解さない相手に頭を抱えながら、返答をする。
「もう少し小さな声で話なさい。
折角の雰囲気が台無しになってしまったじゃない。
……そうよ。こんな月は滅多に見られないらしいからね。
貴方はサボりかしら?」
- 252 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/08/29(水) 04:42:01
- >>242
……それもそうか。
炎使いなんぞ数が少ないし、長い銀髪となるとそれこそ一人か二人くらいだ。
「……やれやれ。やっぱ目立つみたいね。これでも昔は慎んでたんだけど
ま、お互い様だろうね」
苦笑して、そんな事を言ってみる。
見た目が派手な奴が、目立たず生きるなんて無理なのかも知れない。
……海の向こうじゃ割と違和感無かったみたいだけど。まあそれは余談だ。
「……にしてもふらふらしてるわね。やっぱり影響来るの?」
まあ、妖精は自然の権化みたいなものだ。
そんなわけで、何よりも影響を受けやすいのかも知れない。
>>243
少しだけ悩んで、彼女はこっちにもう少し残っていようと答えた。
うん、ならそれでいい。生き方を決めるのは自身だ。
はっきり答えを出せるのなら、それは間違っていない。
「そっか。大変だと思うけど、頑張りな。理由が無くなったらいつでも来い。
酒の相手くらいならできる」
そう告げて―――艶めく瞳が、合う。
「おっと」
一瞬くらりと来る、がすぐに気を取り直して、相手の額を小突いた。
すでに、不死という強烈な呪詛をこの身に受けているのだ。
多少の呪いなど意味が無い。
全て飲み込んで掻き消してしまう。
「魅了なんぞ要らないよ。そんなに信用できない?」
銀髪をなでつけながら、不満そうに呟いた。
我ながらそんな声を出せることに驚いたが―――まあ、率直に気持ちが出ただけのことだろう。
別に大した事でもない。
>>244
―――何時から海は三途の川と繋がったんだろうか。
いや、つーか。え? 今から?
「……何やってんだよ渡し守。仕事サボって」
思わず呆然として、こっちに手を振っている姿に呟く。
閻魔来るぞ。いいのか。
>>245
「……やれやれ、気紛れにもほどがあるね、あんたは。
まあいいさ。そっちがそうならこっちも勝手にやる。
勝手に火をつけるし、つけない。そういうことにしとくよ」
そう答えて、去っていく黒い影を見送る。
まあ――ー見た目より長く生きてそうな御仁だ。
私には無い言葉と答えもほどほどに持っているのだろう。
理解が追いつかないほどには。
さて―――押し付けられた二択。
点火するか、放置か。
どうしたものだろうか。
>>246
「さいで。……じゃ、柑橘類を一本貰うかね」
ひょいと取り出して、……えーと。確か開け方は。
ぱき、と音を立てて穴が開く。良かった覚えてた。
そのまま一気に嚥下する―――果実とはまた微妙に違う液体の味。
けっこう美味しかった。
「ありがと」
そう告げて、缶を返却する。そこらへんに捨てるわけにも行かないし。
「……まあ、帰り道は大丈夫でしょ。食の時間も意外に短いし」
そう、帰り道は月の神様がついている。
不幸な目に遭うことはそうそうあるまい。
>>247
―――あ、こいつ。絶対今失礼なこと考えてやがる。
顔を見て解かった。間違いない。直感的にそう思った。
後でシメよう。
そう決意した後は、さっぱり忘れることにした。
次に思い出すのは実行した後だ、きっと。
「……まあ、ね。伊達に良い生まれをしてるわけじゃないし」
同意して、砂地に腰を下ろした。さすがに足も疲れてきたからちょうど良い。
……ゆっくりと月光が戻ってくるのが解かる。終わりが近い。
「―――次は何時頃かね」
何気なく、そんな事を呟いた。
陰陽師でも天文学者でもない身分だから、そう言う計算は出来ない。
それでも言葉にしたのは、一つの終わりとしての区切り、なのかも知れない。
始まりと終わりは全てにあって、両者は常にくっついている。
色即是空。空即是色。世の理は全てに在り、しかし気づかれることはない。
私にしても実感したのは不死になった後からだ。遅い部類に入る。
だからこそ、この一瞬が愛しくなる。
世の詩人も、英雄も、そのことを知って世界へ波紋を広げたに違いないのだから。
- 253 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/08/29(水) 04:51:45
- でまあ、ちょっと回りを見渡してみれば。
>>240
見たことがある狼少女と。
>>244
見たことがない船上の少女。
>>249
見たことは無いがたぶん妹紅が酔った姿を見せたくないと言った相手。
ちょっとぞっとする姿を見せたような。
月食の夜になんか大量に集まるな。
やはり物珍しさに惹かれてみんなやってくるのだろうか。
ノンアルコールビールをすすりながら一人思う。
>>250
「喉の渇きが潤ったなら良しだ。
甘すぎるような気もしていたんだけどな」
…銘柄としてはとても古いか。
なぜか売ってたので興味本位で購入。
まあ、結局飲めなかったけど。
「…無理に飲んだのか。弱いのに。
気の毒なことにそれで酷い目に会ってしまったと」
ちなみに未成年に酒を勧める行為は犯罪です。
よい子はまねしないように。
>>252
「どういたしまして…っと」
袋の中に空の缶を入れる。
帰り道にゴミ箱を見つけたら捨てておこう。
「行きはよいよい帰りは怖いって日本のことわざじゃなかったか?
わざわざ自分でこれを言うのもなんだが」
何でこんな諺ができたのだろうか?
用事があるときに限って急用が入ることの日本解釈であろうか。
- 254 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/08/29(水) 04:54:34
- >>248
声を掛けてきたのは、ホロの知らない奇妙な衣装を纏った少女だった。
どこか世間ずれした印象の、不思議な雰囲気を漂わせており、
なんとなく夜の、それもこんな月の夜にぴたりと嵌り込む様な、そんな存在感を持っている。
相手もまた、自分と同じ常人とは違った存在であることを匂わせてはいるが、
それをホロはひとまず表には出さず、ただ話し(遊び)相手を見つけたという嬉しさだけを表に出して、
口の端を僅かに歪めて笑った。
「さて、どうもせぬ。月の夜に散歩をすることに、ぬしは理由を求めるのかや?
そんなのは、なぜぬしは物を食べ眠るのかや、と聞いておるのと大して変わらぬじゃろ」
それにしても、年頃の女の子、ときた。
その事も実のところかなり嬉しかったりするのだが、やはり表に出すことはない。
代わりにホロが叩きつけるのはちょっとした意趣返しだった。
「そも、年頃の女の子というのなら、ぬしとて同じじゃろ。
他人を心配するより、まず己の心配をしたほうがよいのではないかや? ふふ」
見た目だけならばな、という後半の言葉を飲み込んで、ホロはにやにや笑いを崩さずに言った。
- 255 名前:江戸っ子気質な死神 小野塚小町 ◆w1VRsMONEY :2007/08/29(水) 05:05:00
- 小町と対岸の距離は、月見客の話を聞くには遠すぎる。
ならば。
「……よっこら、しょっ」
沖までの距離を、操る。
――対岸の月見客は果たして、小町の船が沖まで近づく様子を見て取れなかった。
一瞬、いや刹那か。船はそんな短い時間で、彼女たちが小町の全身を見て取れる距離まで近づいていた。
「さて、と」
対岸の月見客の話が聞こえる頃には、すでに小町の船は彼女らのいる波打ち際までたどり着いていた。
>>244
「ん? 月はもう沈んで――」
と。後ろを振り返る。
……そこには、小町が今まで沈んでいたと思っていた『無い月』が、ぽっかりと浮かんでいた。
「……ああそっか。真後ろにあっちゃあ気付かないよねー、アハハ」
ちょっと渇いた笑い。自分はどこまで抜けているのかと。
――と。
「ん?」
小町の目が、月見客の一人――山城友香を捕らえる。
すると、小町はじっと彼女を見るのだ。
それは小町個人の観点から見て軽く、死神全体の観点から見て重い「違和感」から、だったのだが。
「むう。まいっか」
とかく小町にとって、その違和感は些細なことだったので、気にしない事にした。
「……ああ、良い月だよな。そこに在るのに、何も無いように見える月。
前のも前々のも前前々のも見てきたけど、今日のは格別に風流だよ」
>>251,252 輝夜
「ん? ああ、すまんすまん。押さえ気味のつもりだったんだけどな」
船を下りると、見知った顔が二人。竹取の姫に焼き鳥屋。
「サボリじゃない、月に人生の豊かさを学んでいるんだ。
決して「八月は皆既日食で酒が飲めるぞ」とか、そんなノリではないんだ」
誰にでもわかる真赤な嘘。というか、その歌によれば八月の酒が飲める理由は「暑いから」なのだが。
「それに、今日の閻魔様は他の奴等とオツキアイだよ。
偶には酒でも飲み交わそう≠チて。何か、同僚っぽいノリだったけど」
だからこうして、船まで(勝手に)持って来てサボっている。
よく首にならないものだ。本当に
「さて、姫様――」
小町は手に持っているものを見せる。お猪口数個に、未開封の日本酒。
――銘柄が「閻魔」なのは、きっと彼女が考えなしだからだろう。多分。
輝夜にお猪口をひとつ指し出し、一言
「風流を邪魔したお詫びってことで、一杯どうです? お姫様?
……あ、焼き鳥屋も飲むかい? あと、その――よくわかんないけど、
そこの若いお兄さん(>>254)と、あとそこの耳の人(>>254)」
……見知らぬ奴には無礼講すぎる奴である。
- 256 名前:アルビノ少女“山城友香”(覚醒?) ◆0DYuka/8vc :2007/08/29(水) 05:07:01
- >>252
額をこちんと叩かれて。撫でられている髪が妙に心地良い。その声が背筋を撫でるように心地よい。
魅了とはしようと思っても出来るもの。けれど、不意打ちの方が遙かに強い。
結局、そう言うことなのだ。やられても幸せだったりするものよ?
「あら?信用してるわよ?そうじゃなければそっちに行くなんて言わないから。
それに、多分ね。夏とこの不思議な月のせい。そう言うことにしておいて?」
言ってみたかった歯の浮くような台詞。だって、夏のせいなんて多分なかなか言えないだろうし。
魔性の血の品格。零れてしまった魅了とは別の。蒼いほうの私の素の魅力だって此処にはあるわ。
え?誰かが言ってたわ。若いからこそ過ちが犯せるんだって?そう捉えたって良いでしょう?
>>253
えーと。生粋の甘党です。覚醒しててもしてなくても。味覚なんてそこまで変わりません。
覚醒すると、嗅覚が鋭くなるから、さすがに香味のものは辛くなるのも何件か。お約束のニンニクとか。
「ええ。甘すぎるぐらいがちょうど良いから。とても美味しかったわ。珍しいものをどうもありがとう。」
素直に感謝を。数年越しの出会いもそれはそれで幸せな再会。
「えーと。神社に知り合いが居てね?さすがに飲まないわけにはいかなかったんだけど………。」
ちなみに、基本的にはよい子が真似してたり。私と同じ年齢の。
と、いうより御神酒一杯で出来上がる私も私で弱すぎる気がするんだけど。(何
- 257 名前:江戸っ子気質な死神 小野塚小町 ◆w1VRsMONEY :2007/08/29(水) 05:12:12
- (……安価間違えたー……>>244→>>250な。)
- 258 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/08/29(水) 05:13:15
- >>248
思考する―――言葉の意味を解釈/分析/回答を導く。
魂は生物特有の概念/矛盾―――新たな仮説の登場/『知性との連動』。
結論=かつてドクターの辿り着いた答え。
『魂とは知性に依存する高次元の物質であり、
高度な思考能力を有する存在に対し重要な役割を果たす』
意味するところは―――
「私を機械とカテゴライズする理由は、肉体を構成する物質によるものだ。
私に有機的な部品は存在していない。そして生物とは異なる原理で駆動している。
……人間かそうでないかの区別は、ハードウェアの相違でしかないだろう。
私を創造した者は、“魂”は高度な知性とともに存在すると語った。
これは、生命体にのみ魂が宿るという今までの言説を否定するものだ。
―――そして、その理論に基づいて、私は此処に在る」
最も、私は後付で魂を吹き込まれたのだが。
しかしそれが定着している以上、理論の間違いを示すことにはならない。
そう、生命の有無=魂の有無ではない。
魂とは、生命の象徴ではなく―――意志の象徴であると。
私に封じ奉ぜられた武人の魂が全てを証明している。
「……失礼だが、その問いかけにはあまり意味が無いと、私は考えている。
私は私を機械であると定義している。
無論、人によって見方は違うだろうが―――その定義に変更は無い」
―――其処まで語ったところで、タイムリミットが告げられる。
再度の帰還要請。これ以上は少々拙い。
「失礼した。少々口が過ぎたようだ。
今日はこれで辞するとしよう―――さらばだ」
踵を返す/砂地を踏む。
月は蝕を終え/太陽を迎えようとしている。
闇は、闇に還り/黒は、黒へ帰る。
全ては正しき理へ―――帰還する。
【退場】
- 259 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2007/08/29(水) 05:20:15
- >>252
砂浜に座ったまま、月の光を浴び続ける。
先程よりも強い光。
月食は終わっていくのだろう。
諸行無常、移ろい行かぬものはない。
名残惜しいが、こればかり仕方ない。
それに、何時もの黄色い月も悪くは無いしね。
「―――きっとすぐよ。私と貴方にとっては」
月を見上げたまま、ぼそりと呟き返す。
過ぎ去った一瞬はその瞬間に現在ではなくなる。
過去は過去でしかない。どうやっても変更は利かない。
後悔しても後の祭り。覆水盆に帰らず、だ。
だからこそ。今この一瞬を思い切り楽しむ。
今を愛する、これが私の生きる意味。
「ねえ、妹紅。生きているって素晴らしいと思わない?」
- 260 名前:アルビノ少女“山城友香”(覚醒?) ◆0DYuka/8vc :2007/08/29(水) 05:23:57
- >>255
違和感とは微妙にあって居ないラジオのチャンネルのようなもの。
少しだけずれてしまえば気にしなくても良いような些細なズレ。
それはダイヤル少しの差?場所を変えれば?電波の受信状況?それとも別のノイズ?
「─────?まぁ、いいわ。」
じっと見つめられている内にダイヤルがきっと合ってしまったのだろう。馴染んでしまったのだろう。
だから、もはや気にしない。気にしなくても良いような彼方へ違和感は隠れたのだ。
「不思議な月ね。満ちているのに欠けている。欠けているのに満ちている。
随分不思議よね。こんなに間近で見ることもあまり無くてね。たまには良いわ………?」
危機は此岸からやってきた。ああ、これが噂のオールレンジ攻撃ですか?!
吸血眷属とかの弱点もそうだけど、個としての弱点って、もっと克服しがたいのよね。
- 261 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/08/29(水) 05:29:14
- >>253
「保護者のついてる帰り道は怖いとは言わないでしょ?
それにその歌は七五三の天神参りの歌じゃない」
苦笑して答える。
確か―――まあ、あまり良い意味の歌ではない。
わらべ歌はそれ自体に色々と不吉な内容を隠している。
例えばこれなら―――子殺しであったり、生贄であったり。
帰りが怖いというのは―――まあ、そう言う意味だ。
子供は、帰って来れない。
頭を振る。忘れる。
今は関係ない。
「まあ、そんなわけだ。気にするこっちゃない。
前見てれば事故もないだろ」
そう告げて、海に視線を移す。
少しずつ白んでいる。深い青から紫への転換。
夜明けも近い。
>>256
さいで。……ま、いいか。許そう。それほど怒ってるわけでもないし。
「……やれやれ。念のため言っとくと、そっちの趣味はないからね。
まあ割とどうでも良い話だけど」
ただまあ、流されやすい性質ではあるから気をつけないと、
―――まあ、待て。落ち着け私。
なんでそんなこと考えてるんだ。まだ慌てるような時間じゃない。
「ま、気長に待つよ。手持ちの時間は売るほどあるしさ。
慌てることも焦ることも無い―――そうだろ、友よ?」
冗談めかして言いながら、引き時を考える。
夜明けも近い。私は多少の徹夜程度問題は無いが、彼女はまあ、あれだ。
太陽は苦手かも知れんし。耐えられてもあまり身体には良くなかろう。
- 262 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/08/29(水) 05:30:53
- >>255
自転車を見る。酒を見る。もう一度自転車を見る。
そしてしばらく考える。
…帰りは歩きだな。そう呟いた。
「じゃあせっかくなんで貰っておくよ。
高めの酒を逃したくないしな」
あ、ミケルを呼び寄せるって手もあるな。
土産用意しとけば文句はたれないだろう。
>>256
甘党でも極度だと糖尿病になりかねない。
砂糖の摂取は控えめに。
「どういたしまして。甘党には酒より美味いだろ?」
二度目があるかどうか判らないが、もし売ってたら今度は自分で飲もう。
どれだけ甘いのか知りたくなった。
「酒飲めないやつがそういう雰囲気に巻き込まれると悲惨なことになるんだよなあ…。
弱いならアル中対策として断り方を知っておくのも一つの方法だよ」
酒を飲むフリをするとか、柔らかく断る方法とか。
悪い子に酒を勧められないためにもそういうのを勉強するべきだろう。
- 263 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2007/08/29(水) 05:34:04
- >>253
なにやら視線を感じる。
振り返って、視線の主を見つめ返す。
「なにかご用かしら?」
とりあえず、声を掛ける。
あれは…確か、妹紅の呑み相手…だったような気がする。
見たところ普通の人間のようだが、一体何者なんだろうか。
>>254
「ふふ、それもそうね。
散歩の理由なんて特に無いもの。
もしあったとしても、ただなんとなく、ふらつきたいから。
そんな程度のモノよね」
先程の雰囲気は薄れ、楽しそうに話している。
その様子に、こちらまでつられて微かに笑みを浮かべていると、
思わぬ返答がかえってきた。
「ふふふふ。ええ、お互い『年頃の女の子』だからねぇ。
身を守るためにも、二人一緒にいましょう?」
『年頃の女の子』を妙に強調し。
袖で口を隠してクスクスと笑い続ける。
「あ。その頭の耳。それ、本物?」
と、視界に入ったモノに目が釘付け。
- 264 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/08/29(水) 05:41:38
- >>261
「日本生まれじゃないんでな。中途半端に知識を
齧ってるだけだよ」
出産時の死亡率はもうかなり低いのだ。
七歳になったからと言ってお参りするほどでもない。
そういえばグリム童話も不吉だったっけ。
赤頭巾は狼に食べられてお終い。
シンデレラの姉は小鳥に襲われて目をくりぬかれた。
こんな話残酷すぎて子供には聞かせられないだろう。
「それもそうだ。もう明るくなる頃だし」
夜が明ける。
月が欠ける時間は終わりまた新しい一日が始まるのだ。
「ところで、だ。妹紅」
隣でもたれかかりながらスースーと寝息を立てているだろう妖精―――ルナを指差す。
この歳でこんなでかい子供を持つわけは無いのだが、
それでも子持ちの親の気分を味わってしまう。
「…こいつはどうしたもんか」
軽く頭を撫でながら思案した。
>>263
「…いや、なんでもないさ。
ただ子供を怖がらせるのは感心できるものじゃないな」
さて、妹紅の親友と言えばほとんどがあれ系だったりする。
妖精使いだったり、吸血鬼だったり、猫に執着したり。
多分その中では数少なく、そしてかなり弱い人間の部類にはいるか。
- 265 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2007/08/29(水) 05:47:26
- >>255
「いっその事、言い訳なんてしない方がいいんじゃないかしら」
死神の物言いに軽い頭痛を覚えつつ、苦笑。
いつかクビにされるわよ、この死神。
まあ、クビになったら永遠亭で働いてもらうのもアリだけど。
「あら。気が利くじゃない、死神。
へぇ……銘は…閻魔?ねえ、貴方、これはいいの?
日頃鬱憤がたまっているとか、そういう訳じゃないでしょうね」
閻魔を飲む。
これは部下としてあまりよろしくないんじゃ……?
まあいいか。私には関係ないし。
何だかんだ言いながら、杯を差し出す。
>>258
「―――なるほどね。
貴方は平々凡々な人間よりも、余程人間らしいわ。
貴方自身が機械だと自己を認識しているなら、貴方は機械なんでしょうね。
おかしな事を聞いてごめんなさいね」
でも。もしかしたら、貴方は私よりも人間らしいかも知れない。
そんな呟きを零し、去っていく鋼の武人を見送った。
- 266 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2007/08/29(水) 05:55:07
- >>264
「子供……ああ、その子のこと。
その子はね。貴方よりずっと長く生きているのよ。
見た目は子供、頭脳も子供だけど」
どうやら妖精などの事情には疎いらしい。
ということは外の世界に準じた世界の人間なのだろう。
「そう言えば貴方、妹紅の知り合いなの?」
随分音速が遅いが、根本的な疑問をぶつける。
相手のことが判らないまま話すのは、どうにも気持ちが悪い。
- 267 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/08/29(水) 05:55:40
- >>255
簡素な船で波間を漂う少女が、近づいてきた。
見たことのない格好の少女が差し出すのは、見たこともない入れ物。
杯の類に見えるが、それにしては容量が小さいように見える。
しかし細長い方の入れ物から微かに漂う香りは、間違いなく酒類のそれだ。
ひくひくと可愛らしい小鼻を動かしてそれを確認すると、一も二もなく飛びついた。
「うむ。なんだか分からぬが、酒なら大歓迎じゃ。一杯貰うぞ」
言うなり細長い入れ物を引ったくり、小さな容器に並々と注ぐ。
些か物足りない量だ、とホロは思ったが、これしか容器がないのだから仕方がない。
一気に飲み干し、これまで味わったことのない爽やかな後味と喉越しを堪能する。
この味は後で連れにも教えてやらねばな、などと思いつつ。
>>263
「そうか、確かにわっちらは『か弱い雌』じゃからな。
お互い一緒にいたほうが何かと都合も良かろうて。
ここらには怖い雄(>>253)もおることじゃしな?」
少女のささやくような笑い声にあわせてくふふふ、と笑う。
ついでに顔見知りのからかい甲斐のある男にはちらりと流し目を送っておいた。
「この耳かや? さて、どちらだと思うかのぅ?」
言いながらこれ見よがしに形のよい耳を動かしてみせる。
「どちらにせよ、ここらではあまり珍しいものでもあるまい。
なんとなくじゃが、ぬしもこういう類のものは常日頃から目にしておると思うがの」
悪戯っぽい目線が、するりと少女を睨めつける。
問答の一つ一つを心から楽しみながら、ホロは上機嫌にそう言った。
- 268 名前:江戸っ子気質な死神 小野塚小町 ◆w1VRsMONEY :2007/08/29(水) 05:55:45
- >>260 友香
「ん? なんだい、目ぇ円くしちまって。恐いもんでも見たか?」
のっぽな背丈をひょいといい塩梅の高さに縮めると、友香の頭をなぞる様に撫でる。
つくづく、顔見知りでない奴には無礼講な奴である。
……しばらくして、消えてゆく月を見ながら、呟く。
「皆既月食――月がちょこちょこ食べられるみたいに消えてゆくから『月食』、ね。
なんてゆーか、そのままだよなー。見た目は風流なのにさ。
この名前思いついた奴、月が饅頭か何かだとでも思ってたのかな?」
あはは、と笑う。
あと、「皆既ってなんだろうね? 皆で既出? 怪奇だったらそれっぽいけどねぇ」とか言いながら、また笑った。
「ん――お前さん、時間大丈夫なのかい?」
白む空を気にしながら、友香に聞く。ある意味、今更にもほどがある質問なのだが。
>>262 シロー
「お、兄さんイケる口かい?
ほれ、注いでやるからこれ持ちな」
嬉しそうにシローにお猪口を渡す。底に二重の円がかかれたお猪口だ。
「閻魔」の栓を手際よく開ける。瓶を傾け、猪口に注ぐ。
猪口が満ちてゆく過程の、酒の音。
「ほら。酒が兄さんに飲まれたくて、とぽ、とぽって鳴いてるよ」
注ぎ終えると、今度は自分の猪口に酒を注ぐ。
そして、首と唇、猪口の角度を90度。
ぐいぃ――と、飲み干す。
「……く、っはぁ」
――一人酒よりも二人酒、二人酒よりも四人酒。四人酒よりも――
ふと、小町はそんなことを思った。
――酒が旨くなるのは職人の苦労よりも、実は人数にも比例したりするんじゃないか。
次に思ったのは、そんなことだった。
砂浜に手を着き、自分の後ろを見やる。
やや青に染まった空が、太陽とともに顔を出していた。
「……あー。出てきたねぇ、お日様」
- 269 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/08/29(水) 05:56:30
- >>259
「……それもそうだったか。割と愚問だったわね」
そう。時の刻みは変わらない。
おそらく―――例えはるか先であろうと、当然のように迎えている自分を幻視する。
もし永劫を得て得たものがあるとすれば、その一つにはこういったことを何度でも体験できる権利が入るだろう。
そう考えると、それほど悪くも無い。元々は折り合いを付けてあるわけだし。問題は無い。
「……ああ。あんたに言われるまでも無く、最高さ」
会者定離。盛者必衰。貴種流離。七難八苦。
全てを飲み込んで/全てを過去にして。
私は生を肯定し続ける。
そう告げて、砂浜に背を預ける―――寝転んで、空を見上げる。
月は、そこに在った。
>>264
「いや―――これも忘れられた原義、ってやつさ。知らなくても仕方が無い。
……で」
そうか。なんか静かと思ってたら、寝てたのかこいつ。
「まあ、大丈夫でしょ。私が持って帰るわよ」
件の妖精が聞いてたら怒りそうなことを言って、てをひらひらと振った。
安心しろという意思表示である。
- 270 名前:アルビノ少女“山城友香”(覚醒?) ◆0DYuka/8vc :2007/08/29(水) 06:06:34
- 月の時間はそろそろ終わる。青白くなってお天道様の中に隠れる時間の憎たらしい足音。
夜更かしが趣味とは言ってもさすがに、この時間だと。どうなのかしら?
>>261
「あら………残念。なんて。割とどうでもいい話かも知れないけど。
私の場合。好きなものは好きなんだから仕様がないような………冗談よ?」
くすっと笑って。冗談になってないかも知れないけど。
信頼の情はそういうものとかなり近い気がするのって私だけ?
─────これって少女の外見のままだから許される特権かしら?
「ええ。時間だけは本当に売るほどあるから。いつか、そっちに逗留するって言うのも良いわ。
慌てなくても焦らなくても、その時は自ずとやってくるわ。お姉様?」
一応、そっちの趣味とか無いつもりなんだけど。月と夏と海のせい。きっと、そういうことよ。ふふふ?
>>262
ご心配どうも。カロリーの代謝量とか消費量は人間の比じゃないのよ?
伊達に吸血眷属生まれた時からやってません。あしからず。
「本当。お酒は弱くてね………。匂いだけでもくらっと来るときがあるわ。」
それこそ銀イオンスプレーに近いような気がする。入ってくるものは避けられない。
「まあ、親友が御神酒ぐらいは、ってね〜。そうじゃなければ断れたりするんだけど。
テレポートで逃げる荒技とかも含めて。ほら、親しい方がこうゆうときは辛いのよ。」
冗談めかして事実を言って見たら、妙案が閃いた。杯を持つ→中身を酒瓶に空間転移させて戻せば!
これで完璧?!早速挑戦………覚醒してるとほぼ無理でした。ダメじゃん、私。
>>268
後ろに漂う冷えた空気。この船頭の小舟は………もしかして?
「月が無くなってしまったことに対しての不安からかしらね。
食べられてしまったんじゃないかって、思ったんじゃないかしら。」
月の時間に生けるものは、それを怖がるのだと。なんだか理解できる気がする。
何故って?今夜の私がそうだったから。不思議な夜の不思議な私。
「饅頭なんて、きっと偉大な軍師殿の罠よ?それとも今すぐ食べたいのかしら、おまんじゅう。
それから、私はもう少しぐらいなら大丈夫。憎きお天道様とはある程度折り合いをつけられるの。」
夏の長袖。日を返す真白の服。一応スクーターに乗ってるのはUVカットのヘルメット。
本当にもしもの時はテレポートだってやってのけるわ?日焼け止めも万全よ?
- 271 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/29(水) 06:13:09
- >>246 シロー
> なんか飲むか?酒は駄目だぞ
「頂けるものなら有難く頂くわ。
……残ってるのは何かしら?」
なんだかいい感じに餌付けされてるような気がしないでもないけど、
目の前にあるのは抗い難い魅力的な誘惑。
>>249 輝夜
>あ、そうだ。妖精って消えた後に何が残るのかしら?
超ぴったりカンカンで大正解!
花丸30点あげちゃうっ!
商品は視界いっぱいの弾幕です!
「やっぱり駄目だったーーーっ!」
>「なんて。冗談よ、冗談。
>ほら、冷酷じゃないでしょう?」
「ごめんなさいごめんなさい……
ってあれ? 弾幕無し? はぁ、良かった……」
命拾いってこういう事を言うのかしらね。
弾幕なんて経験がないし、死なないらしいけど
痛いものは痛いと思うから、できるだけ穏便に済ませたい。
「うん、もう十分にわかったわ。あなたが優しいって事は」
これ以上下手な事は言わない事にしよう。
>>252 妹紅
>「……にしてもふらふらしてるわね。やっぱり影響来るの?」
「そりゃあ、月の精をしていれば影響もあるわよ」
でも、そうやって他人に心配されるほど
ふらふらしてるとは思ってなかった。
「まあ一日ぐらいの月蝕で一切合財駄目になるほど弱くはないわ。
……多分」
>>255 小町
>「風流を邪魔したお詫びってことで、一杯どうです? お姫様?
> ……あ、焼き鳥屋も飲むかい? あと、その――よくわかんないけど、
> そこの若いお兄さん(>>254)と、あとそこの耳の人(>>254)」
私が含まれてない。
なんということだ。私の存在はそこまで空気か。
ならば嫌でも気付くようにしてやろう。妖精は妖精らしく悪戯で勝負だ。
「って、あれ? 気付かれたら駄目なんじゃ?」
まあいいや。さすがに瓶を頂いちゃえば異変には気付くだろうし。
- 272 名前:江戸っ子気質な死神 小野塚小町 ◆w1VRsMONEY :2007/08/29(水) 06:14:28
- >>265
「あっはは、まあなんていうかねえ。
四季様と初めて会った頃から言い訳して叱られて、みたいなことになっちゃってるからさ。
なんというか……パブロフの犬? 涎は垂らしゃしないけど」
言いながら、酒の準備。ちょうどいいやと竹の柄の猪口があったのでそれを渡し、
自分は酒を握る。
「ん? ああ、これか?
まあいいじゃないか、あたいが名づけたわけじゃないだし。
それに」
自分の杯に酒を注ぎ、もう一度、一気。
ぷはっと飲みきる。
「――この味は、閻魔の名に相応しい」
そして、妙にきりっとしたような、それでいて微笑んでいるかのような。
そんな表情で、そんな事を言ってのけた。
――それは、一人と一種の「閻魔」に対する、ある主の尊敬の念の表れ、だったのかもしれない。
>>267 ホロ
「ぬ、ぁ――?」
ひょい、と。
酒とお猪口を取られた。
「お、おい」
小町が止めるもいう事を聞かず、獣耳少女はそのまま酒を飲み始めた。
どうやら、大人しく飲んでいるようだ。
一応、ここにいる全員の分なのだから、一人に酒が偏っては色々と勿体無いことになる。
「……あー。飲みつくさない程度にほどほどにしろよ」
獣耳の様子を見ながら、とりあえず小町は無理矢理奪い返すようなことはしなかった。
まあ、楽しんでるのを邪魔するのも悪かろう。
- 273 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/08/29(水) 06:17:58
- >>266
「…年上だろうと子供は子供だ。
例え人間でなくても仲が良い子供は守ってやるべきさ」
小動物なんて年下でも大人なのだ。
敬うって気はしないが大事にしようと言う気は生まれる。
「妹紅か?まあ、友人だな。主に酒関係で」
最初に飲んだのは何時の日か。
なし崩し的にこういう関係になったと。
>>267
はたくぞ、この馬鹿犬。
善良な軍人に向かって怖いオスとは何事だ。
>>268
注がれた酒が淡い光を反射する。
日が昇っているのだ。
「―――クゥ、美味い」
安い酒ばかり飲んでいたので少し高めの酒でこれだけ美味いか。
給料の関係上贅沢ができない。
「…日の出か。そろそろ帰らないといけないか」
よっこらしょっと立ち上がる。
一杯だけ…まあ、運転には支障はきたさないだろう。
「いやあ、美味い酒をどうも。礼ができるならばまた今度…」
>>271
あ、起きたか。
夜遅かったし寝てたかと思った。
>>269
「―――ま、頼みごとは一つ減ったな」
自転車と一緒に海岸から離れる。
そろそろ遊びの時間は、終わりだ。
「じゃあな、妹紅。また会えるの楽しみにしているぞ」
(退場)
- 274 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/08/29(水) 06:19:24
- >>271
(足元には緑茶が置いてありました)
- 275 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2007/08/29(水) 06:20:00
- >>267
「あら意外。あんなに無害そうなのに。
男は見た目じゃ判らないわね。
―――もしかして、何かされたことがあるのかしら?」
先程の男に視線を送り、大げさに怖がって見せる。
話し始めてまだ間もないが、どうやらこの少女とあの男は天敵関係のようだ。
「うーん、どう見ても根元から生えているわよねえ」
ぴこぴこと動く耳をじーっと見つめ、うーむと唸る。
確かにこれは…生えている。鈴仙の様な偽物感が全く無い。
これぞ獣耳ね。
「珍しいわよ。兎耳は見飽きているけど、犬耳はめったにお目にかかれないから。
って……どうして私が普段からそういう環境にいるとわかったの?」
目線を驚きをもって受け止め、つい聞き返してしまう。
年齢詐称については仄めかしたけど。
- 276 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/08/29(水) 06:32:12
- >>270
や、割と洒落になってないような。
私、性格的に“在るがままに在れ”を実践してるわけだから流されると―――
カット。切断。忘却。とりあえず忘れろ。徹夜脳は拙い発想をするから逃げろ。
「……あんまり年上をからかうもんじゃないよ。
ま、月と夏のせいにしといておくわ。お互いにね」
そういって、そっと身を離す。
祭りは終わった。誰もが帰るべき時がやがて訪れる。
久しぶりの逢瀬なのだから少々名残惜しいけれど。
まあ、また会えないわけでもあるまい。
「それじゃ―――」
夜明けの空気。海からの風が吹きつける。
全てが黄金色に染まる。
「またね」
その中を、ゆっくりと歩いていった。
【退場】
- 277 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2007/08/29(水) 06:34:37
- >>269
「―――また次の機会も、こんな風に過ごしたいわね」
視線は相変わらず上を向いたままだけど。
聞こえるようにはっきりと言い切る。
―――こんなことを言えるのは、彼女くらいだから。
もう一人の彼女は……言わずもがな。
「ふふ……」
返答を聞き、思わず笑みが零れる。
私はこれからも、一瞬に生きていくことだろう。
飽きることなく、全てを楽しみながら。
ああ。なんて素晴らしい。
「本当に最高。生きていて良かったわ」
寝転んだ彼女にそう言って。
同じように寝転ぶ。
視線の先には遠き故郷が静かに浮かんでいた。
- 278 名前:『永遠のお姫様』蓬莱山 輝夜 ◆3nKAguYAXE :2007/08/29(水) 06:38:14
- (>>277の末尾に【退場】を追加)
- 279 名前:江戸っ子気質な死神 小野塚小町 ◆w1VRsMONEY :2007/08/29(水) 06:38:22
- >>270 友香
友香の船を見る視線が、どことなく不思議だった。
「あの船が気になるかい? 何の変哲もない、ちょっと変わった場所を渡す唯の船だよ?」
仕事のことについて喋ること自体は何のペナルティも抵抗もないが、気分的に隠したくなる。
「軍師の罠? ……あー、孔明とか?
そういうのはわからないんだよ、あたい」
小町は幻想郷の外の、古い歴史についてはほぼ何も解らない。
偉人や英雄などの名前は、ぼんやりと覚えているくらいだが。
それこそ、上司の「裁判」に偶然立ち会っていただけだし。
「あー……饅頭か。なんというか、そういわれると食べたくなるな。
食べて毒になる饅頭でもいいから」
うっすらと姿を残す月を見つめる。
別に妖怪だから毒で死ぬことはないし(むしろ毒がないと生きられない奴もいるし)、
多少苦しくてもうまいんなら――とか。彼女は致命的なほどに楽観的である。
>>271 月茶
「外のある界隈は「才能の無駄遣い」って言葉が流行ってるらしいよ」
突然小町は立ち上がり、そんな事を呟き始める。
そして。
「なら今、あたいが『やった』のは……「能力の無駄遣い」かね?」
――気が付けば、ルナチャイルドの真後ろに小町が立っていた。
作品が作品なら「ドドドドドドドドド」という音が似合いそうなシチュエーションである。
小町はそのままルナチャイルドのポン、と叩く。
「酒の席を邪魔する悪戯妖精はお前かい?」
にこー、と微笑む。
まあ、今酒はあの獣耳少女の手にあるわけだから、ある意味自分が持っているよりも安全ではあるが、一応だ。
「えーっと」
どうせなので、一発モーニングジョークと行こう。ジャブ程度の奴を。
――そう思った小町は、ルナチャイルドの顔を見て一言。
「誰てめぇ」
そのジャブは余りにもヘヴィだった。
>>273
「ん。もういっちまうのかい?」
立ち上がり、自転車に乗るシローを見る。
彼の礼に小町は微笑み。
「おう。楽しみにしてるよ、礼」
そういって、彼を見送った。
- 280 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/08/29(水) 06:49:02
- >>272
「うむ、量は物足りぬがわっちが一人で飲むには勿体無い酒じゃ。
皆で味わった方が酒の方も喜ぶじゃろ。ほれ」
もう一杯だけ杯に酒を移してから、大きな入れ物を返してやる。
それをやはり一口で、実に美味そうに喉へと流し込んでから、にっこりと笑った。
「しかし、やはり個人的にはこの入れ物ごと欲しいな。
後でこっそり分けてくりゃれ」
全く悪びれることも、遠慮することもせず、きっぱりと言い切った。
しかしその様が余りにも堂々としているので、逆に愛嬌があるのである。
>>275
「ほれ、>>273ことほど斯様にあっさりと暴力に訴えかける辺り、怖い雄じゃと
自ずから言っておるようなもんじゃろ? こういう碌で無しじゃから、ぬしも気をつけるがよかろ」
にやつく笑みのままからかうように言って、ホロは男の背中をただ見送る。
「それは種族の違いというやつかのぅ。しかし、面妖じゃというのなら兎も犬も『狼』も、大差はないわな。
もちろん美しさで言えば一等わっちの物が上じゃが」
誇らしげに己の耳を手で撫で付けて、言った。別に酔っている訳ではなく素面でこの台詞が飛び出すのだからさるものだ。
「それはな……勘、じゃな。
ぬしのような空気を持つ奴は、なんとなく分かるのよ。
わっちも似たようなものじゃし、その空気は好きじゃからな」
人と多く交わる現世も、人の手の及ばぬ領域も。
どちらをも好むこの狼の性質は、どちらからも異端なのかもしれないが。
それでもホロは、そういうやり方で世界を愛し、世界に生きている。
「さて……日もすっかり昇ってしもうた。宴もそろそろ終いじゃな。
またどこかで、遭える事を楽しみにしておくぞ」
そう言って来た時と同じようにふらふらと、ホロは立ち去ってしまった。
違うのはただ一つ、彼女のちょっとした不機嫌だけは、すっかり解消されていたようである。
(退場)
- 281 名前:アルビノ少女“山城友香”(覚醒?) ◆0DYuka/8vc :2007/08/29(水) 06:56:28
- 顔を出しやがる太陽。未だ蒼い目の私。月蝕の夜は終わりグランギニョル座の幕も下りる。
観客席に灯りが戻る。白い砂は光を反射させる。暗かった海に太陽が移る。………えーと。ピンチ?
>>276
怒られた。当然と言えば当然なのだけど。からかいすぎたと自分でも反省して。
「ええ。月と不思議な夜のせい。それが私が生きる場所。
本来なら相容れない夏なんてスパイスが合わされば、間違いだって加速するわ?」
離される身体。一抹の寂しさは次に会うためまでの隠し味。
「ええ。また会いましょ?どちらになるかわからないけど。」
見送った。たまには太陽も良い。都合が良い。本当に私は未だ都合が良いままで居たいのだ。
>>279
彼岸と此岸を渡る船。それが何かは理解する。きっと私は乗れない船。
えーと。下手を打つとスクーターじゃなくてあっちの船にも乗れそうな気がしてきたけれど。
それでも。死ねないのだ。もしもの時は消滅する運命と知っている。
死ねるというのはそれはそれで幸せなのだと。それも心の中で知ってはいるつもり。
「ええ。荒ぶる川を鎮める生け贄を無くすために、その孔明が人の頭を模して作ったのが、
饅頭の起源と言われているわ。だから、饅頭が怖いなんて言うのも孔明の罠。」
饅頭が怖いの下りは嘘です。一応、念のため。
さて、と。私も。そろそろ逃げなきゃ。夏が来る。今日も夏は我々を殺しにやってくる。
「さて、そろそろ。ご心配されているようだし。私は逃げるわ。
その船にはきっと縁がないでしょうからね。」
さあ、涼しいクーラーで冷やされた空気が日光を遮断した部屋で待ってる。
だからこそ、法定速度ギリギリでテレポートも駆使して。逃げ切ってみせるわ。
─────良いかしら?インベタのさらにインのさらにインは次元の間にラインを描くのよ?
【退場】
- 282 名前:『静かなる月の光』ルナチャイルド ◆LUNA8GlyJo :2007/08/29(水) 07:04:53
- >>274 置き土産
「緑茶かー…… 嫌いじゃないけど、珈琲の方が良かったわね」
貰い物なのに散々な言いようだと思うけど。
「ありがとう…… ってあら、いない?」
足元に置いてあったから、ちょっと変だとは思ってたけど
もう帰っちゃってたか。
うーん、まともに挨拶してないけど……
まあいいや。今はこの緑茶でも飲んで、
私の存在を知らしめると――――
>>279 なんて略し方だ
>「外のある界隈は「才能の無駄遣い」って言葉が流行ってるらしいよ」
「へぇ〜、そうなの。才能を無駄遣いってどうやってやるのかしらね」
こっそりと行動を開始したはずなのに
会話してる時点で不自然なの事に、まだ気付いていない。
>「なら今、あたいが『やった』のは……「能力の無駄遣い」かね?」
「まあ普段が普段だからね。無駄遣いって言われたらそれまでよね……」
よーし、もうちょっとで手が届く。
>小町はそのままルナチャイルドのポン、と叩く。
「何よ、今いいところなんだ――――」
>「酒の席を邪魔する悪戯妖精はお前かい?」
「きゃあっ!」
なんでいきなり後ろにいるのよ!?
さっきまであっちにいたはずなのに!?
「そ、そうよ!
なんか私のことが見えてないみたいな振る舞いしてたし、
ちょっとぐらいなら茶目っ気出してもいいかなーって思ったり」
>「誰てめぇ」
ざくっ! なんてヘヴィなひとことだ!
というか、知らないなら知らないで放って置いて欲しかった。
このタイミングに限って言えばの話だけど。
「……なんか、すごい、敗北感」
もう瓶の奪取は諦めるしかないか。
でも、せめて名前だけは覚えさせる。
「私はルナチャイルドよ。
ほら、あの、えっと、なんだっけ?
人間の書いたあの妖怪とか沢山載ってるアレにも
名前が出る程度には有名だと思うんだけど」
もう何から何まで気力がなくなってきた。
物語に出てくる脇役ってきっと
こういう気分で主役に蹂躙されてきたのね。
「今ので一気に疲れたから帰るわ。お日様も昇ってるしね」
帰り方が分からない?
いつもの事だし、適当に歩いてれば何とかなるでしょ。
それよりも、今は自分の表情を見られたくない。
絶対へこたれてるから。
穴があったら入りたいって、今みたいな状態のことを言うのかしら?
「じゃあね。それと、私の名前を忘れないこと。
忘れた頃には恐ろしい悪戯が待ってるからね」
なんか今の台詞にも矛盾がある気がするけど気にしない。
もらった緑茶でも飲みながら帰りましょうか。
【退場】
- 283 名前:江戸っ子気質な死神 小野塚小町 ◆w1VRsMONEY :2007/08/29(水) 07:16:51
- >>280 ホロ
「まあ、物足りないってのはわかるな。
だが、この酒は譲れない。というかこれしかなかったんだから、残りの酒」
瓶を受け取り、自分も杯を満たす。三度の一気。
飲みきると、だから、と話を続け。
「今度機会があったら、もっと良いのを用意しといてやる。
その時に飲み交わすってのはどうだい?
お連れさんがいるんなら、連れてくるといい。あたいが注いでやるぞ」
そして、笑う。
彼女はわりと、月より太陽が似合う女である。死神のくせに。
>>281
「ふぅん」
そういや、風の噂で聞いたことはあるかもしれない。
ある川の神様がいい饅頭を貰ったので、見返りとして川の流れを緩やかにしてやった、とか。
……あくまで噂、だが。
「ん、そうしなよ。お前さんみたいなのに今日の日差しは――」
>その船にはきっと縁がないでしょうからね
「え?」
小町がその一説に驚いていた隙に。
友香は、いつの間にかどこかへ行ってしまった。
「……」
風が吹き抜ける。スクーターが残していった風。
「ちぇ。知られてた、か」
生きてる人間は、三途の川の船のことなんて知らないものなのだが。
――彼女は「人間以外」か、それとも「死んでいる」とでも言うのだろうか。
「……死神ってのも結構損なもんだね」
この船に縁がない――つまりは、「死ぬこと」に縁がない。
なんだか小町は、彼女が三途を渡らないことが、不謹慎ながら少しもどかしくも感じた。
「結構、面白い奴だったんだけどなぁ」
……願わくば、彼女とまたどこかで会えるように。とりあえず神様らしい自分の上司に願ってみつつ。
小町は帰路に着いた。
【退場】
- 284 名前:江戸っ子気質な死神 小野塚小町 ◆w1VRsMONEY :2007/08/29(水) 07:27:27
- (追加)
>>279
案の定、妖精は驚いているようだった。
何でといわれても、「距離を操った」の一言ですむのだが、どうも慌ててるようなので逢えて言わなかった。
「あー、いや」
自己紹介を始めるルナチャイルドを、彼女は慌てて止めようとする。
実は小町は、幻想郷縁起――幻想郷の住人達を一まとめに説明した本――の読者でもある。
……つまり、彼女のことなど余裕で知っているのだ。
がっくりとうなだれるルナチャイルドに、小町は声をかける。
「……まあ、人生やってりゃそういうこともあるさ。叩かれて叩かれて大人になるんだよ。多分。きっと。if」
ifは意味合いが違う。
「……ん。忘れんよ、ルナチャイルドだろ? もう覚えたよ、嫌になるくらいに。
だからもう悪戯はやめろよー、恐い目にあいたくなかったら」
最後に彼女は意地悪な笑みを浮かべ。
目の前の妖精を見送った。
【今度こそ退場】
- 285 名前:柊つかさ ◆hIiRagIjvU :2007/08/31(金) 02:03:52
ざざーん
ざざーん
(私は貝を耳にそっと当てる―――聞こえるのは潮騒のしらべ………)
, : ―――: .
.. < : : : : /⌒} : : :>、
, イ >‐v' /: : : : : : :\
/ __ ..イー| /== |: : : : : : :ヽ
厶 -… ¨: : : 小: :| .' : : : | |: : : : : : ハ
/: : : /: : /:/│ヽ| .ム、 : : | |: : : : : : : |
(こ 。 / : : : |: : /ノ| | Xーヽ--v: : : : : : : :|
c . ' : : : : |:斗'| { ヽ \ \| : : : | : : : |
|: /|: : :| / V ヽ__ | : : : |ヽ: : l
/|∧|: : ヘ{、 ,ィ三x / / /イ≠气 : : :|_ノ : l
{ |{ ',: : : |: ∨ / / / / / .:.:.(ヽ.:│|: /:/
|ヽ__,ヘ: : :|v八:.:.:. {´_) r┘ l:j/:/j/
} ヽ: | V: :`厂≧ーr-<{こ } /
/`ー―‐ヘ{ー\ :|i 〉 // { /ト{-、
{ .イ {ヽ{l :廴 ' __八 ノ {_∧
}ー―/ } } | | | `ー'| :/ / ∧ ',
`ー―‐┴―┤| | | | U{/ / ヽ. }
つかさ、です
つかさ、です
私は、お姉ちゃんと違って、口下手で頭もよくないけど
つかさ、です
つかさ、です
それでも何時でもいっしょうけんめいです
ざざーん
ざざーん
がさごそ………
………がさごそ?
……
………………か、貝の中に足がいっぱいある黒くてすばやいのがっ!?
_
| \ /^!
O | ヽ. / | o
o ヽ \ / j
\ ノ^Y /
° -‐─∠二ニ=≠< ∠
, '´ ::::/::::::::::::::/{:::::::::\ }:: \ ゚
. /:/:::::: /::::::::::/::/ ハ:::l:::::::::::ヾ:::::: \ O
///::::::::/:::::`ァ孑/ / Y::::::::::::::|::::::::::::ヽ
/::::::: ,':::::/ j/ / |`ト、_:::::l::::::::::::::: ', o
O /::::::::: |:::/ |::l::::::: ,'::::::::::::::::: i
,':::::::::::::W ◯ |∧::::/:::::::::::l ::::: |
i:::::/:::::::リ / / ◯ ∨:::::::::::::|::::::::| C
|::/! ::::: {. / / / i l::::::/::::::ハ ::: l
レ' | :::::: ゝrく rー-‐- 、 j _j /::::/l:::::/ノ::::::|
. l:∧/ '/ /)、`_ー〜ー' fヽヽ`Y /|::/:::::∧::|
. |ハ{. (∨::`l ¨¨了∧ j'´ |/:::::/ V
きゃーっ!
ずる、べたーん!
- 286 名前:赤猫の咲 ◆SakifcpMQc :2007/08/31(金) 02:33:36
- >>285
「あの……、大丈夫?」
ヤドカリに驚いてすっ転ぶ子なんて、いるんだね。
見たこと無いのかな?
眠れず散歩に出てみれば、珍しい光景もあったものだ。
とりあえず、私は手を差し伸べる。
そして、手を掴もうとしたその手を一瞬止め、少女の頭に置いた。
そして、そのまま右に、左と、ゆっくりと、そろりと、滑らせる。
「しっかりしな、もう子供じゃないんだから。」
見たところ、私と歳の頃はそう変わり無い。
もう嫁に往ける年頃だ。
でも、その泣き顔は、何故かあどけなく、千沙を思い出させる。
……可愛いな。
- 287 名前:柊つかさ ◆hIiRagIjvU :2007/08/31(金) 02:52:58
- だ、大丈夫…………
ほんのちょっとだけ驚いただけだから、うん。
えと、えと、えと……
そうそうそうそうそう!
こういうときは人という手を字に書いて3度回ってワンで落ち着いて―――――
ああ、何言ってるのか自分でも分からないよ!
……………
すーはー
おちついて、おちついて
おはようございます!
- 288 名前:赤猫の咲 ◆SakifcpMQc :2007/08/31(金) 03:02:20
- >>287
お、おはよう!?
おはようなのか、この時間!?
いやでももうすぐ日も昇るし、おはようでいいのか!?
「あ…、うん、おはよう。」
まぁ、合わせとこう。
三遍回ってワンとか言ってたのも気にしないようにしとこう。
「泣いてたのは、転んだからってわけじゃないんでしょ。
なんで泣いてたの?」
つかさです、つかさですとか呟いてたな。
つかさってのは、この子の名前かな?
「つかさは、なんで泣いてたの?」
努めて優しく、訊いてみる。
元から人相悪いから無理かも知んないけど。
しかも腰には二本も刀帯びてるし。
加えて着物は派手な赤。 どう見てもちょっと頭イッちゃってる人斬りだ。
まぁ、この子は結構ボケてそうだし、刀とかも気に留めないでいてくれるはずだ、うん。
- 289 名前:柊つかさ ◆hIiRagIjvU :2007/08/31(金) 03:16:49
- /_: :/ /: : //: / |V: :|ヽ : : : : ', : : : : : ヽ
////: : :/ : :/ ,|:/ | ∨| V: : : : | : : : : : : ',
C ′ //: : : : : :_| 斗 |{ │ |.:|\∨ : : |: : : : : : : |
c C //: :,ィ: : : : :| / __」 | }/ __ `',ー: :|: : : : : : : |
c C .': |: / |: : : :/{/,イ元x イ旡x、: :|: : : : :|: :│
c |: {/ /|: : :∧ /rイ::ハ frイ::: ヘ :|: : : : :|: :│
|: : /:│: / ム{ |:トーイ| |:トー'∨}〉: : : : .′ ′
|: / W{: f ハ ヾxン . ヾxン |: :,': :/ : :.′
X |ヘ|: ヘ :}.:.:.:. .:.:.u:./ /: /: : /
',:.{ : : 小、:.: {⌒) :.:.:.:.イ:/:/^}: /
',ハ: : :|: { {≧ 、.. ___ .. < // :{ l/
∨ : :|: | ヽ;≦} {ヘ:∧:j/|: :| /__
\:.|: | /.:.:ヽ、 ',:.:.`く. |:/⌒) }_ _
>く.:.:.:.:.:.:.:.:\-―ヘ.:.:.:.:ヽ{/{ _/ ノ )
お、おはようは朝昼夜関係なく使えるギョーカイの挨拶だって。
ギョーカイってどこかはしらないんだけど、とにかくそうらしいよ。
泣いてたのは……ほら、うーん、あなたの知らない世界をみちゃったというか
かんがえるなかんじろというか。、
海はまだまだ未知の部分がおおいっていうかそのせいだよね、たぶんきっと。
ふう、もう大丈夫だよ、おちついたから。
どうもありがとうございました(ぺこり
あなたは…………
えーと
越後屋さんの付き人みたいな人?
悪徳商人を成敗せよみたいな。
- 290 名前:赤猫の咲 ◆SakifcpMQc :2007/08/31(金) 03:23:42
- ギョウカイ?
業界?
なんのこっちゃ?
海はまだまだ云々ってのもわけがわからん。
てか、もうこの子自体がわけわかんないよ!?
「あー……、うん、まぁ、大丈夫なら良かった。
てか、誰がちりめん問屋だ、誰が。」
※「斬咲」の舞台となっている室町時代は、
「水戸黄門」の江戸時代より前ですが、気にしないように。
- 291 名前:柊つかさ ◆hIiRagIjvU :2007/08/31(金) 03:33:15
- 違ったんだ(汗
他私が知っているお侍さんといえば
1
乳母車から機関銃を発射したりするお侍さん
2:
「ひとつ、人の世の生き血を啜り」
「ふたつ、不埒な悪行三昧」
「みっつ、醜い浮き世の鬼を、退治てくれよう、桃太郎」
と唱えて刀を振り回すお侍さん
3.
空を飛んでエレキテルで悪人を撃退をするお侍さん
/}
/ !____
| ̄`ヽ、_/ 〈: : : : : : `: . 、
| - Y }ニニ=、: : : : : \
, オ r'`t---': : : :.ヽヽ: : ヽ
//{ /:∧:ヽ: :ヽ: : : : : : ! : :.:.l. . .
/ /:/: :レ': : /| ヽ:.{\:.\: : : :|: : :.:|. . !:.:!
. /:/: : : : {: :l ヽ \ `ニ弌ヾ| : :.:.|: /: :.|
/:,イ: : : : :.l: :|/ l: : : |/ : :.:| っ
|/ {: : : : : |X| / |: : :.|⌒i : | ゚
| : :l : : |. ≠─┼: : |_ノ :.:.l
| : :l : : |ヽ -─‐ァ |: : :.|x: :∧|
|: /l : : |::.ヽ / xx|: : :.l^}/
|/ !: :ト:.::八 xxx o .ィ'´|: :./ ̄歹ヽ
. c ヽ|:.:.:∧`:.ーr:t.7T 「/ ノ/ <__}{.|
. |:.:/ V:.:∧l./ | / / | , -‐┐
∨ ∨ / / l |'´
あれあれあれ?
何かどれも当て嵌まらないような?
- 292 名前:赤猫の咲 ◆SakifcpMQc :2007/08/31(金) 03:48:01
- なんか…、どれもこれもバカばっかって感じ。
誰だ、こんなくだらない虚像をいたいけな女の子の頭に植えつけたのは。
「侍ってのは、城に仕える男のことだよ。
つまり、家来ってこと。
他国との戦で戦って、敵兵を殺すのが侍の役目。 わかった?」
わかってもらえればいいけど…
- 293 名前:柊つかさ ◆hIiRagIjvU :2007/08/31(金) 03:58:07
- へ――――
殺す?
,. :<: : : { }: : / ,/
/: : : : : : : :,> 、 h/___.. -<
./: : : : : |,x≦-ー¬^爪^¬=- : :\
.′/:∧:│: : :./ : :/ :}| Vハ : ヽ: : : :.ヽ
i : :| 廴):|_;厶イ/j:/ | Vh、_;_'; ヽ : : '.
| : :| : : : :|: :/L.;/ 〃 ,j Y、: :│: '; : :ヘ
| : :| : :i : |;/_j /-/ リ ヘ: :| | :| :i: :ハ
| {: }: : l : {ィf乏守 f示ヘY h:| :ト,: :|
} }∧ : '. :| {:トーリ {ト-リ∧: }:リh| ヽ}
j∧ ヘ : :';ヘ }f{「´ 、 ¨" {ノ}∧ },j
Yヘ: :ヽヘ - ノ: :/ j/
ヾV\{ヽ{^f¬ーr―≦´}: :/
f^ヽ, ヾ、 ^ヽ、___,/ /W
えーと、何ていえばいいのかな。
殺伐とした砂浜に救世主が?
- 294 名前:赤猫の咲 ◆SakifcpMQc :2007/08/31(金) 04:13:38
- 救世主?
何言ってんの、この子。
本格的にわけわかんないよ。
砂浜に…って、私のことか!?
私がそんな大層なものになれるわけないじゃん。
「……私を何かと勘違いしてるみたいだけど、
私は見ての通り、唯の人斬りだよ。
この刀だって、玩具じゃない。」
腰の血吸刀を一本、鞘から抜いて、自分の指先を少し切って見せる。
血の雫が砂浜に落ちて、黒ずんだ染みを付けた。
「私は、世直しには興味無いから、そういうのは他当たってね。」
そう言って、刀を鞘に納め、まだ雫の滴る指先を、口に咥えた。
- 295 名前:柊つかさ ◆hIiRagIjvU :2007/08/31(金) 04:25:36
- '´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:\ ヽ:.`丶
. /::::::::::::: /.: /:: イ:::::/::::::::::::::::::::::Vハ::::::::::\
/::::::':´:::::::/::::: /:::/ |::::ハ::::::::‐-::::::::: V∨::::::::: \
. /:::/::::::: /:,' ::::::/´/ :| ::! ヽ::::::::::::ヽ:::::V:::::::::::::::::: ヽ
///:::://:::l::::::イl::/_ l:::| \::::::::::::::/ :::::::: l::::::::::::',
// / ::::|::/:j レxz ヽ| 气=k.\:::: /::::::::::::::|:::::::::::::i
/ ,' :::::::l/ ::l匕ii} {ii7ト,_心 ∨::::::::::::::::l:::: /:::::|
i::::::::/::::::j V::リ V込::rソ /:::::::::::::::::,'::::/:::::::|
|:::::/l :::::リ '" ' `ヾ ″':::::::::::::::::/:::/ :::::: |
l::/ |::::::{.:.::: ー- ::::::.:.:: i :::::::::::: /`ヽ::::::::::|
|, | ::::::ヽ、 |:::/:::::::/ __ノ::::::::::|
l:::::∧::::> 、 |/| :::::/:::::::::::::/ :::|
ヽ:{ ∨/`ァ-r‐r‐ヘー≦千| :::/-、::::/ヽ :リ
\{ `ータ l } `V´  ̄`|::/=く/ ∨
人 ( _/ l/ \ ヽ
あは、あはははは………
わ、わた、私は斬っても美味しくないよ?
人斬りって壊れるほど愛しても3分の1も伝わらない人種らしいし、
私は普通の何の変哲も無い女子高生だからなおさらだよね。
あ、そろそろ旅館に戻らないとお姉ちゃん達が心配するから帰るね。
最初に助けてくれてありがとうございました。
おやすみなさい。
- 296 名前:赤猫の咲 ◆SakifcpMQc :2007/08/31(金) 04:37:13
- 「だから、おいしくないって、なんなんだっつの……」
つかさの去った後の砂浜で、唖然と呟く。
最初っから最後まで、わけわかんない子だったなぁ。
「疲れた…」
マジで疲れた。
帰ろう。 帰って稽古でもしよう。
いや、眠いけど。
眠いけど時間が時間だけに今更寝るわけにもいかないし。
あーもう、無駄に疲れさせてくれたなぁ、あの子。
眠いよ、くそ。
(退場)
- 297 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/08/31(金) 17:16:59
現状。
壊滅的にヌルい缶コーラが一本三百円で叩き売られている事実に絶望し、ならばと自販機で買ったコーラが冷蔵庫に
放り込んで三十分と言った風情だった俺は、口内に充満する暖かい糖分を舌で転がしながら補充されたばかりのジュー
スが詰まっているだろう自販機の前に立ち尽くす。家族連れが俺を見てしばらく何事か話し、そのまま足早に立ち去った。
アレな視線で見られた気がする。
「なんか、ほらもう……いやあ、ヌルいなあ」
カップルが海へと向かう一般道をビニール袋を提げて歩いていく。先達と同じようにこっちを見て立ち止まると、ウザげ
な会話を交わしつつ立ち去った。
あれ……?
なんか、こう、ドス黒い感情が……。
……やべぇ、殺意だこれ。
「ヌリぃって、これ……いや、ほんと」
八月も終わりだからと、海をナメていた。……というか、日本の海水浴客をナメ切っていた。ブログだとかミクシィだと
かインドア文化が持ち囃される昨今、こんな僻地に、しかもシーズンオフ直前に足を運ぶ連中は少数だとタカを括って
いた。
フタを開けてみれば、はたして海沿いの道路はポリ公が整理をサボってるとしか思えない路上駐車の壁で、より正確
に言うなら、路駐をイチイチ注意してる余裕も人員もない地域の事情というだけだった。で、俺はと言えば。
片手には十キロオーヴァーの氷塊を包んだ耐熱シート。背負うは簡易冷凍庫とギンギンに冷やしたミネラルウォータ
ー内蔵のクーラーボックス――注釈、全て届けモノ。ツレに頼まれた浜辺の冷房フル装備は、恩恵に与れないなら地
獄率を秒単位で増加させるだけのデッドウェイトに過ぎない。デッドウェイト。むしろ死に至る重量だった。
かくてこの山下清は、目的地まで歩いて後十数キロ地点で気温とイコール水温のコーラを片手に立ち尽くす。
なんていうかもう、ムゴかった。
ハッキリと悲惨すぎた。
恐るべしは伝統の海行事とヒマ人の行動力。しかし人のことを指摘できないヒマ人が今ここに! ……要するに、ヒマ
人である事を自覚してるなら自分の理解が届く範囲でヒマを潰すのが最良で、気の迷いで海遊びなんてハイプなマネ
をしようと思っちゃいけないってことだ……というより、海遊びをハイプだと感じる俺の関心はかなりの割合で終わってい
る。ビーチパラソルとスイカと花火のカスで埋め尽くされた海岸に俺を導くモーゼはいないし、ヤハウェが海の家でズル
ズルにフヤけた焼き傍を啜ってるはずもない。近所の寂れたハコで地元のバンドでも見ながらジュース飲んでた方が
マシだった。
- 298 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/08/31(金) 17:22:24
夏の終わりまでにアスファルト溶解を目標にしているに違いない陽射。巨大な熱源に焼き付けられたネガのような、長
く伸びる道々の影。シューゲイザーが時代遅れだと知らないに違いないセミのハウリング。ラジオから流れるお定まりの
夏ソング。変わらない協奏と狂騒。そして多分、いくらかの人間にとっての狂想。
通り去る車から漏れ聴こえた音――過重労働を強いられる肩から力が萎える。その歌詞たるや、ポマードがベトベトで
ガールハントがどうのと、太古の生物が叫んでいるのがもう、なんか異世界だ。考えてみればビーチボーイズも産業ロッ
クも大差ないのに、母国語で聴くこれの異常さたるやハンパじゃない。直感的に理解できる言語ほど意味情報を解釈しす
ぎるのは人間の性質だ。どっちみちその週刊少年マガジン系orヤクザなリリックは心性が根っから書生(多分)気質の俺
には理解できる訳がなく、今の俺にとって必要なのはそんな思考の逃避じゃなかった。
「つーか、明らかにこんなことしてる場合じゃねえよな……」
思いっきり一人ごちて、本気で気が滅入った。何をするために来たのか解らないような場所と状況では、「なにすれば
いいの」だとか「そもそも何って何?」だとか(ナメた)疑問を浮かべればカメと議論するアキレスさながらにくたばるって
のは先人が実証済みだ。ガレージで頭を吹き飛ばしたカートの憂鬱は、これに似たものだったに違いない。……いやい
や。死ぬな俺。現実はここだ。あっちは華やかなりし八十年代のリバウンドだ。世代と未来を悲観するには世紀末を乗り
越えてしまったし、週末思想は流行らない。疑問を疑問として考えすぎてしまったマーク・チャップマンとも違う。単に、ア
ポカリプスの残り香がそこかしこに残っているだけだ。つまり俺は、サラエボで待機しろと言われるよりもかなりマシだと
自覚しなきゃいけない。都度都度に自分を肯定しながら気力を保つ。状況を解決しない限り次の展開は見えてこない。
解決への手段は無数の矛盾と条件が犇き合って、とどのつまり、都会だろうが郊外だろうが夏の浜辺だろうが
カオス理論は成立する。さて、だったらどうするか。
コーラはヌルい。気温は異常だ。エントロピーの制御は困難だ。
家族連れとカップルはウザい。社会制度は完璧だ。
オーケイ、なにも問題はない。
おそらく、俺の気力以外は。
結論付けて、バビロニアへ歩く捕囚のような足取りで目的地へ足を向ける。
間違いないこと。――さっさと荷物を届けないと、このカオスでリアルに死に瀕している知り合いを浜辺に埋めて帰るこ
とになるって現状。
耳に突っ込んだイヤホンがドロドロのグラインドを垂れ流している。ランダム再生すると、メルツバウのハウリングが鼓
膜をブチ抜いた。
……。
あれぇ……。
なんか、「ずおおおおおおお」とか言ってる……。
せめてビーチボーイズとか流れてきたら、このタイミングで”夏のヒトコマ”だったんだけどな……。
夏っぽいノイズってなんだろう。
イヤホンをポケットに押し込んで、空を見上げた。
(砂浜前の道路)
- 299 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/08/31(金) 17:49:13
港町は然程の大きさがなかった。
宿泊を決めた民宿は田舎の少し大きめの家、って程度。当て込む客の五割はサーファーで、事実街道を埋める
車の荷台や牽引車には例外なくボードが詰まれている。似合う音楽は夏メロとオフスプリングとシュガーレイ。数年
前にサーフィンを大々的に押し出したプロデュースは見事に当たり(さしあたり80年代前半のニューヨークを参照し
てみればいい)、以来、周辺はこの手の客で溢れているらしい。以前はともあれ、今は住民とのトラブルもないとの
こと。ここ半年でこの街が経験したトラブルと言えば、バカな時期に波へと突貫した数人が蛭子神の怒りに触れて
浜辺に漂着した死亡事故数件、解決を見てない観光客同士のトラブルでの死亡事故数件、あとはまあ、殺人鬼が
やらかした死亡事故……というのも、ああいう連中はえてして災害に近いので、つまりこれも事故数件に換算して
オッケーで、しめて今年は死亡者二十五人。
今日なぞ朝一番、寝起きの俺と女将さんが談笑中に現れた同僚はニュースを見ながら一言、「ボディボードやり
にきて死体になってりゃ世話ねえな」とフロント(っぽい場所)で場所も弁えずに日本語でホザきやがった。真っ向
イタげな視線から逃げ出した俺は時間を潰しつつ現状に至る。
アスファルトの道路から降り立つや、炙り抜かれて焼けた砂浜にスニーカーが埋没する。靴の隙間から入り込む
砂の熱たるや、この時間だってのにちょっと笑えない温度に達していた。サンダルで駈けていく子供と裸足でボード
を抱えていくにわかサーファー。ザワつく嬌声を鳥瞰して、この光景に死亡者数を重ねてみる。
二十五人。
五十人の半分で、百人の四分の一。割り切れる数字、というのはいささか縁起が悪い。
(……まあ、それでもなあ)
割と人が死んでるのは間違いない――が、人は死ぬモノであって死なない何かではなく、人が死なない場所とい
うのも存在しない。その割合の大小で”治安”という語彙は”経済”なる語群に組み込まれ、場合によっては国を動
かす動力になり、時折スウェーデンやスイス、もしくはイラクやらで”発展”という文法を無視して爆走する。しかしこ
こは日本で、それこそ大規模テロでも発生しない限りは一都市に経済援助の勅令なぞ送られるわけもなく、地方都
市より更に人口の少ないここにおいて、発展は地元人口イコールに見えてこない。治安のショボさは街の怠惰では
なく、在るべき当然だ。
だからつまり、この街の人間より余所者の死体が転がることの方が多いってだけだろう。グリズリークラスの大型
クマの生息する地域で、餓えたムックに食い殺されるのは現地人か余所者か? これはそういう話で、語り得るこ
とはそれで全てだ。「仕事終わったら遊べるし、海とかよくね? ていうか行くべきだろ常識的に考えて」「常識ならあ
れだな、仕方ないな。行くべか」――経緯の意訳は以上で完了。俺はもう少し考えるべきで、俺を誘った連中はもう
少し遠慮するべきだった。惑星粉砕級の筋肉バカと地仙筆頭な同僚二人の頑健さに比べて、俺は環境に対して余
りに虚弱だ。普通にこの暑さは死ねる。
それで賑わってるってんなら、ってことで連れてこられたのが昨日。着日に仕事をクリアして、さて、残りはどうす
るかという本日だ。
地獄の自販機からエクソダスして二十分、着いた浜辺はサーファー一割、家族連れが九割。どうやら裏の海岸が
サーファー連中の巣らしいので、こっちには自然とあぶれた人間が収束するって法則だ。かくて住み分けは敢行さ
れ、海岸にはルールが生まれる。とはいえ、相互理解の多数決だけが真理となる無法地帯では誰が造ったのかも
解らないその”ルール”を侵した人間が排斥されたり排斥したりでケンカが起きるのは致し方ないことで、ギャアギャ
アと姦しい向こう海岸の声はそこに由来してる。
……うお、叫んだ。割と荒事っぽい声だぞ今の。
誰も死ななきゃいいけど。
まあ、死体やら暴動は多い気はするけど、「目を離したら現実世界は現実じゃなくなってました」方式はアメリカ創
作神話にしか許されてないし、使い古された寓話よりは実証データ(すうじ)に表現された現実の方が余程にホラー
で、そんなあれこれは怪奇現象と言うに及ばない。ジェイソンが夏涼みに来たと思えばいいだけだ。それになにより、
別に目の前に死体が転がってる訳じゃないので俺がどうこうってことも、
- 300 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/08/31(金) 17:53:13
- >>299
「まあ、そうそう転がってたら洒落になんねー訳だけどな……、」
目的地。目印だよ、と言われていた青いパラソル――その真下。
そこに、ぐったりとして動かない人影が。
「……洒落……」
クーラーボックスに顔面を突っ込んで動かない死体――もとい、少女が一人。
ていうか死体は動かないから動いちゃいけないし死体だったら困るから……困るだろ!?
「ってオイィィィ!?」
砂を蹴り上げてパラソルの下に駆け寄る。どこのコントか猟奇殺人か、ペットボトル冷却用のクーラーボックスに
顔面を突っ込んで、弛緩した全身をぐったりさせる少女が一人。首と肩を固定してクーラーボックスから引き剥がす
と、「ひあっ」と間の抜けた声が上がった。……死んではいなかったらしい。いなかったが、世間体は死んでいる。必
要充分を超過して整った可愛い系の美人ヅラ。それで誰もこいつに声を掛けていないのがその証明だ。……いや、
そりゃまあ、こんな怪奇現象に顔を突っ込みたくないのは誰でも同じか。
俺を真夏のバビロンへと送り出した張本人は「えぁ」と気の抜けた声を上げて、ゆっくりと俺の顔を見上げた。
「あー、え……あ」
「水。あと氷。それから……もういいや、後全部。シャレになんねーよ、ここ。夏とか、マジでもう終わりだろ」
「あ、ああありがとう!」
俺への感謝一割、残り九割の全精神力を注いで冷やしたペットボトルを包み込むビニールを破砕しに掛かるイギ
リス人。虚弱貧弱を地で行く深窓の令嬢モドキは、さんざんビニールと格闘した挙句、マジ泣き寸前の顔で俺にビ
ニール袋を突き出した。
「……」
「……なんだよ」
「……!」
「……いや、悪い。きつく縛りすぎた」
ビニール袋を開放してミネラルウォーターを手渡す。と、開放された砂漠地帯の奴隷のような喜色を浮かべて、俺
をここに呼び付けた天然娘はペットボトルを口に押し当てて身体ごとのけぞるように煽り、当然のようにムセた。
「ふっ、……ふぐっ、づふっ、ちょ、うっぶ……、」バンバンとビニールシートを叩き、俺を見上げ、口の中に残っていた
ミネラルウォーター最後の残滓を俺に吹き付け、「ご、ごめん」
締め括って、天然娘はようやく落ち着いたように二本目のミネラルウォーターの栓を開封した。国籍イギリス、愛称
クレア。本名も多分クレア――ラスト、ミドルネーム、共に不明。知り合って日の浅いこいつと俺がこんな場所にいる
のは、俺が出向いたここに掛かってきた電話の内容が、「自分も今同じところにいる」という、ウソのようなホントの偶
然に由来する。
バカ高いと一目で解るブランドのロゴがささやかに刻印された涼しげな白のチュニックブラウスは悪くないセンスで、
セミロングに少し足りない、色素の薄いブラウンの髪は、陽光に映える艶がある。が、どちらも本人の虚弱と不精の
せいで能力の全てを発揮することがない。こいつの飾り立ては、周囲との摩擦を最低限まで磨り減らす為のパーツ
でしかなかった。
「……つーか、一ついいか」
チマチマ小動物さながらにペットボトルと格闘していたクレアは、少しだけ首を傾げると、こくこくと頷いた。
「……さっきの痴態に、自分で自分に対して疑問はねえのか」
ミネラルウォーターを名残惜しげに口から放した天然は、だって、と小声で呟いて、
「二十八度以上って、絶対おかしいよ日本……」
お前は南極から流されてきたシロクマか。
(砂浜)
- 301 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/08/31(金) 18:36:02
- >>300
「静かだねえ……」
「まあ、波に乗る時間じゃねーからな……」
「300取ったし、そろそろ帰ろっか……」
まあ、それは同感だけど。
「けどお前、相変わらず動かねえのな……」
「動いてるよ? キミが思ってるほど私も怠惰じゃないっていうか……うんうん、違う違う」
「ほう」
氷嚢替りにクーラーボックスに詰め込んだ氷結水入りビニールを抱き抱えつつ、けして大きいとは言えない
ビーチパラソルの日陰から一歩も出ないように猫っぽく身を丸めて、軽く諭吉が十枚近く飛びそうなチュニック
が皺になるのもお構いなしにウダウダやっている天然娘。どこからそんなセリフが出てくるのか、もう正直ツッ
込み所はわざわざ探すまでもなく身体から出張りまくっていたのだが、それを論うのが建設的なテーゼにな
るかと言えばてんでそんなことはないので黙ることにする。
……と言うか、俺もこれだけダルいのは辛い。暑いのが苦手なのは、なにもこいつだけじゃない。
寒さは我慢できなければ死ぬだけだが、暑さは我慢できなければ自分を壊す。
「……偶にねぇ」
「んー」
寝転がったまま覇気のない声を上げるクレア。俺もその隣に身を横たえると、氷嚢がヒトカケラ放って寄越
された。三分しか持たねえぞこれ。遠い星雲からやってきたヒーローが味わっていたかの苦行を俺が思い起
こすのと同時に、天然娘は「なんていうか」と言いながら、身体をこっちに反転させてきた。無駄に整った鼻梁
が目の前でダルげに揺れる。
「こう、ふわふわした気分の時とか、時間なんか止めちゃいたくなるんだよねえ」
「へー」覇気のないのはこっちも同じだ。ありがちな比喩と理解不能の気分とやらにどう返答してやればいい
か、しばし瞑目して迷う。「たとえば今とか?」
「たとえば今とか」
言いつつ、クレアはまるめていた身を一層内側へと折りたたんでいく。膝頭をこっちの腹に遠慮なく押し当て
て、かくして狭いパラソルの中にはダルい猫が一匹と俺一人。
「ああと……時間を止めるってことは、あれか……時間軸に対して空間に流れてる時間を止めるってことか。
だとしたらそりゃ、そうだな、自転方向に向けて流れた諸々がヤバいことになるな……DIO様にしかそんな無
茶は許されてねーよな……」
「んん……でもDIO様とか五部のボスって、世界中の時間に干渉してるじゃない……」
「止まってることを認識しないんだよ、だから……DIO様が言ってたろ。自分だけが認識できる、ってのが”時
間を止める”ってガジェットの本質だ」
言い換えれば、認識しなきゃ動いてようが動いていまいが同じことだ。
止まるってのは、そういうことだ。そして俺達は、その認識を永劫に持たない。
「……でなきゃ、あれか? モノに流れてる時間を止めるとか、ドラえもんに出てきそうなアイテムでも使うとか
か。……いや、これじゃヴァンパイアだな。眠り姫とか」
「あー、それいいね。眠り姫。この海岸丸ごと凍結させて、未来がマシになるまで眠り続けるの」
「……あそこでブッ倒れてるサーファーとかクソまずいラーメン吐き出してるあそこのガキとか、その体勢で固
まんのか。百年止まったら名前付くぞ。「「ラーメンを吐き出す子供」とかそのまんまなヤツが」
「芸術だね」
現代前衛でもそれは芸術と言わない。
珍獣だ。
「海岸に来た人間が端から止まってくわけか。ハタから見たら凄ぇイヤな絵面だな」
「んー。あ、でも光も止まるから、どうかな……最初の状態以外は外から視認できないかも」
「どんな怪奇スポットだ、それ……」
むしろ間違いなく国から隔離される。
「つーか、お前確か、どこだかの主任だって言ってなかったか……?」
「言ってたっていうか、主任だけど。ワリとエラい人だよ」
割と偉い主任がこれだと、部下の絶望はどれくらいだろう。もぞもぞと氷嚢を手で弄り回しながら、どこだかの
主任氏は俺の横腹に額を押し付ける。
- 302 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/08/31(金) 18:45:30
- >>301
「……早すぎるからさ、世界。ヤバいよ世界。スピード速過ぎだもん。イルくん、ネットとか使わない?」
「CD注文くらいはするけど」
「仮想空間上の情報速度でさえアレでしょ? むかし、ネットで意見の統計取ってパターン化して……ってやっ
てたことあったんだけど、どう足掻いてもあれ、最大公約数以上の結論なんて見付からないもん」
「ネットだけじゃないけどな……」
日々、刹那的に(比喩ではない”刹那”として)ネズミ算式に増えていく自己啓発と動機のあるなし無視のアジ
テーション――「今、○○がアツい! 今年の定番スポットはここ!」「私はこうして救われた。貴方はこう考え
ていませんか?」――否定と肯定はフラットのまま乱立し続ける。そこに一定の法則を読み取ることは可能だ
としても、一歩俯瞰する態勢に立てば即座にカオスがタペストリを彩る。
畢竟、多数決はリアルより迅速に反映され、Googleは広告業績を伸ばし続ける――検索順位で十番以内に
存在しなければ貴方の認識は極めて薄いと言っていいでしょう――二十番以内に入らなければ貴方は存在し
ないのと同じです。
足並みを揃えようとした瞬間、新しい法則の発見、適用が現実を加速させて人間を置き去りにする。
それをどうにかやりくりするか、完全に眼を背けるか、適度に付き合うか――九割方の人間が選択し、その結
果が周囲で姦しいサーファーや家族連れだ。
「むしろ私、なんにもしたくないかも……ヒトに迷惑掛けたくないから、ヒトのいない場所作りたいかなあ」
「えらく前向きなニートだな……」
「え……に、ニートじゃないよ?」
不意に顔が上がった。ロコツに声が狼狽を滲ませて、あたふたと動かした唇が「ああ」だとか「うう」だとか言葉
にならない音を作る。……なんだ。思うことでもあるのか、その単語。
「ニート王によるニートの為のニート法典が支配するニート律における時間停止空間だろ。なんか違うのかよ」
「ていうか……いやほら、ええっと」
ドン詰まりらしい。ううと頭を抱えるように、更に身を丸める猫娘。俺の横腹に膝を当てたまま、その膝頭に頭
を埋めて丸くなる。
「ニートじゃないもん……」
「……お前、ちょっと近いって、おい……」
「違うもん……」
声のトーンが無茶苦茶落ちていた。
普通に落ち込んだらしい。
「……いや、ウソだって。むしろンなことどうでもいいし。ていうか、主任があらかさま夏満喫してていいのかって
ことだよな」
「うーん……」
ごろん。膝を抱えたまま俺の逆方向へと身体を反転させ、再度こちらに転がってくる猫一匹。ぼすんと俺の腹
に膝と頭を押し付けて、一言。
「ていうか、動きたくない……」
「うわぁ……」
ニートだ。
精神的ニートがいる。
「……一回動き出すと、止まるの怖くなるもん。情報処理って、一回タスク止めると第一ラインまで復帰するの
が怖くなるから」
「怖い? 難しいじゃなくて?」
「難しいことはないよ。情報って、自分がまとめなくても誰かがまとめるでしょ? そしたら、それをパターン化し
て自分の処理位置まで持っていけばいいだけだし。怖いのは、それを始めるとそれしかできなくなることだよ」
「しかって、わかんねえな。情報処理って、処理したらそれの応用だろ?」
「応用してなにを作るの?」
ぼそ、と腹の辺りから鈴の鳴るような声。
咎めるというより、疑問を疑問視するような――言ってみれば、ヒマ潰しに部屋で益体なくだらだらとダベって
いるときと同じ口調だ。
「データ?」
「それを適用するのはどこ?」
「……リアルワールドだろ」
「適用したデータがリアルワールドで生きていられる期間は、加速度的に減少してるってことだよ。作って崩し
て作って崩して、積み木か! って気分になっちゃうから」
「なるほどね……もうあれだな。流石は世界だな。ザックが出てきても手強いって思うぜ」
「ザック?」
「デ・ラ・ロッチャ」
「……あーれ。イルくんって、もしかして”ファックザシステム!”ってタイプの人? 流行んないよ、そういうの」
「流行るわけねえだろ、そんなもん……八年前のレディヘかっつーの。システムは従うモンであって壊すもん
じゃねーし、変えるものではあっても貶めるもんじゃねえよ。つーか、ラクに生きられる場所なんてのはどこに
もねぇんだから、自分がラクに考えるしかないだろ、そんなの。他に手段がねえと思うから人間は自殺するわ
けだし。……どこの国でどんな環境で生きていようと、人間は自分で自分を殺せるからな。老若男女、貧富強
弱は無関係だ。「システムに絶望して死にました!」なんて流行る流行らない以前にそんな話が存在しねえっ
てレベルだよ。ていうか、この現代で「ふふふ……わしは滅びん、この世界に人間がある限りは……!」とか、
RPGのボスキャラがやったとしてもシャレ抜きにギャグだぞ?」
N・スティーヴンスンの想定したWEBスペースは確立した。リアルだろうとヴァーチャルだろうと人間は行動
するという所作において生きているし、どんな手段だろうと生き抜こうとする。その限りでどんなパターンが当
人に許されているか、あらゆる問題が根幹に辿り着くなら、それだけだ。脳細胞とは遺伝子が作り上げた処
理装置である。遺伝子の優劣は自己複製の多様性である。機械文明の最前線は機械に飼い慣らされる人
間という帰結である――その種の与太が消えてなくならないのは、人間が人間を止めていないからだ。
「……でも流行って、おっかけるの面倒じゃない?」
「追い掛けないと排他されるからな」
「そんなもんなのかなあ……」
処理能力が元よりケタ外れに高い人間には解らないのかもしれない。俺とクレアでは把握する物事の全体
像が違い過ぎたし、共有できる情報量もまるで違っていた。要するに、このテの会話に公約数を見出すのは
不可能ってことだろう。そしてそれは――だから、それだけのことでしかない。
「私、キミのことあんまり解ってないかな」
……。いや。
「比喩か直喩か、まずはそれを先に答えろ」
「どっちも?」
俺は黙り、クレアは少し笑った。
「誰にでも共感はできるはずなんだけどな、私」
無茶な相談だ。――誰も彼にも。
肩をすくめて、落ちる寸前の日に視線を移した。
「一旦帰るか。涼しくなってきたし」
「……”一旦”はアテになんないね……」
そん時はそん時だよ。
(退場)
- 303 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/09/01(土) 01:39:05
- 多分、最後なのだ。
だから……
さくり、さくり、さく。
暗い空には満天の星、多少の雲をアクセントに、ただただ地上を睥睨する。
雲の陰には満ち足りた月。先日の蝕など夢幻だったかのごとく。静謐な光を大地に注ぐ。
地上には黒い海。色味は無いが、これはこれでいい風情。
白い砂浜。かすかな月明かりに照らされ、それ自体が淡く輝くかのよう。
さくり、さくり、さく。
その景色の上を、私は歩く。
頭にはいつものリボン、胸元にはいつもの人形。足元には白い足跡。
さくり、さくり、さく。
多分、今が最後なのだ。
ならば、誰かが語らなければ。
この謎めいた海の、最後の日の出来事を。
- 304 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/09/01(土) 02:13:26
- 星がとても綺麗だ。
とてもあのソラで多くの血が流れたとは思えない。
今なら失ったはずの故郷すら目に見えそうで……
「ヘックシュン!」
思考が中断した。
釣れないせいからか余計なことを考え始めているようだ。
「あーくそっ、風が冷たい…」
時計で日付を見ればもう夏は終わり。
今度は冬を迎えるためにその途中である秋になると言う。
着込んでいるとはいえ夜風が体に染みる。
体が暖まるものが恋しくなってきた。
…そういえばこの前の酒、美味かったよなあ。
- 305 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/09/01(土) 02:26:33
- うぉーきんうぉーきん。砂浜に足跡を刻み私は歩き続ける。
と、目の前に人影。風体から見ると釣り人のようだ。
最後の日、彼と話してすごすというのも悪くないだろう。
「ぐーてんなはと、おにーさん。どう、釣れる?」
「つれるー?」
抱えた人形−名前はリーフ−に合いの手を入れられつつ、声を掛けてみた。
- 306 名前:エル・マタドーラ ◆WrGRyVhgck :2007/09/01(土) 02:40:01
- 「海だ
ウミだ
UMIだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
そう海に向かって吼えるのは、ドラえもんズ一の怪力を誇るエル・マタドーラだ
「フフフ・・・・すっかりと暗くなっちまったが、まだ間に合うぜ」
彼の目的はたった一つ
「ナンパだぁぁぁ!!」
【アホである】
>>303
「ヘイ、セニョリータ!俺と一緒に夜の海辺を散歩しないかい?」
音速とも思える速さで>>304 の脇を通り過ぎ、バラを片手に
早速ナンパを始めるマタドーラ
- 307 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/09/01(土) 02:43:09
- 目の前の三本の釣竿は反応なし。
今日は無理かな、と思っているところに一人の少女が話しかけてきた。
「ぐーてんなはと、お嬢さん。今日はさっぱりなんだ」
気の抜けたドイツ語で挨拶する。
生憎学んでいない言語なので挨拶程度しかできないが
しかし人形が喋ったが…腹話術師か?
もしくは全自動人形とか。動力は知ろうとは思わない。
「そういう君は散歩か、その人形を人に見せ歩いているのかどっちだ?」
まあ、珍しいものなのでコインぐらい投げなくもない。
- 308 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/09/01(土) 02:53:31
- >>306
「いや」
ばっさり。
相手の発声終了から0.021秒での早業であった。
「生憎、初対面の人……人?……と、とにかく、ちょっぴり警戒する事にしてるのよ。
それとは別に、ナンパなのは趣味じゃないわ」
ばっさりばっさり。
>>307
「それは残念。釣れてたらお相伴に預かろうかと思ってたんだけど」
「ざんねんー」
リーフと一緒にがっかりのポーズ。
実はちょっぴりおなか空いていたりいなかったり。
「散歩だよ、この子はただのお供。……まあ、精魂こめた子だからよく見てくれればとうれしいけど」
「うれしいけどー」
ついでなのでリーフを撫でてやる。うれしそうな顔をした。
- 309 名前:エル・マタドーラ ◆WrGRyVhgck :2007/09/01(土) 03:02:22
- >>308
orz
↑
エル・マタドーラ
ご期待どうりというか、何と言うか
あっさり玉砕するマタドーラ
「ま・・・まだだ・・・!」
あ、立ち直った
「せ、せめて友達にはなってくれないかい、セニョリータ」
- 310 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/09/01(土) 03:05:57
- >>306
空気読みやがれ、スペイン人。…人?
悪いとは言わないが…やっぱり人口増加は起こるべくして起きたか。
ただそっちのジャーマンは身持ちが堅いようで。
>>308
「まあ…そのうち釣れるさ。毎回こんな感じだし」
勝負はこの後だ。
毎回誰かと会ってからつれてきたんだから。
「よくできた人形だな。結構気合入れて作ったのがよく判るよ」
まるで本物の髪の毛だな。
軽く頭を撫でてやると見た目以上にそれっぽいのがわかる。
これだけの人形、並大抵の腕じゃ作れない。
「もしかして君、人形職人だったりするのか?」
- 311 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/09/01(土) 03:21:31
- >>309
「キープ」
キープ?
「いや、会ってから30分ぐらいで友達はさすがにねー。
だからまあ、もうちょっと時間が経つまでは保留って事で一つ」
多分まあ、友達にはなるだろうけどね、という言葉は飲み込む。
こう見えてクロイツェルさん、友達の守備範囲は広いのだ。
>>310
「おー。なら、これ以降に期待しちゃいますよ私」
そういってにっこり笑う。
空腹が満たされる未来は何よりもうれしい。
……現金だという突っ込みは無視する。
「そう言ってくれるとうれしいな。結構苦労したんだからね? 色々と」
「いろいろー」
リーフは撫でられてご満悦だ。人形なのにこの辺妙に表情豊かである。
「やー。せーいかい。人形師のクロイツェルお姉さんとはこの私の事でーす」
「でーす」
無駄にポーズとかつけてみたりする。
人形師がポーズ……という突っ込みは圧殺。
- 312 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/09/01(土) 03:32:38
- >>311
「よし、期待しててくれ。夜は大物が連れるからな」
なんだろうか、やる気と言うかなんと言うか、
ここで絶対に釣らなければならないような気がしてきた。
勝たなければならないのだ、この笑顔のためにも!
…どこのベタな漫画だ。
「あー、本当によくできているよな、これ」
餌を変えつつも人形の方を見る。
豊かな表情で見ていて飽きることは無い。
「おーそうなのかー」
間の抜けた紹介に対して間の抜けた返事で返す。
「じゃあ実演販売こみの大道芸人って所か、今は」
面白かったらコイン投げてもいいな。
- 313 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/09/01(土) 03:44:33
- >>312
「期待しちゃうよー」
見たところ釣り人の気合は十分。後は時の運を信じるだけだ。
……釣りって気合でやるものだっけ?
「ふふ、褒めても何にも出ないよおにーさん」
といいつつ、口元のにやけは隠しきれてない。
自分の作品が褒められるというのはやはりうれしい物だ。
「そーなのですよー」
間が抜けたポーズ、継続。
誰か止めてあげてっ。
「ま、そんなところ? 今はオフでただの散歩だけどねー」
リーフに出来る芸か。えーと……。
- 314 名前:エル・マタドーラ ◆WrGRyVhgck :2007/09/01(土) 03:57:46
- >>311
「(よっしゃぁぁぁ!フラグGET!)」
【してないしてない】
「俺はエル・マタドーラだ。マタドーラって呼んでくれ
セニョリータ、君の名前は?」
>>310
>>312
「ん・・・?あんた確か、温泉で王ドラが世話になったって言う・・・
って誰がスペイン人だ出身地はそうだけど」
ギャグキャラだがツッコミも忘れない。ソレがマタドーラ
「俺はエル・マタドーラ。あんたは?」
- 315 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/09/01(土) 04:00:01
- >>313
期待の言葉に押されながら仕掛けを投げる。
次こそ魚を釣るために。
「いや、本当に…なんというか、生きてるみたいな人形だからさ。
しかもこういうのって本来生物に近づくほど気持ち悪くなるのに
可愛く見えるっていう技術は素直に賞賛できるもんだよ」
そう、可愛く見せる工夫が施されているのだ。
どこが工夫されているのかわからないほど細かい工夫が。
「オフでって言うことは今は道具なしか。そいつは残念だな」
まあこんな可愛い自動人形に会えたからいいのだが。
- 316 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/09/01(土) 04:20:58
- >>314
何だ、噂になっているのか。
ていうかすごいな、こんな特徴のない俺を一発で
判るように説明するとは。
あと心を読むなよ、心を。
「せにょりーたはスペイン語だろ。それくらいは判るよ。
あとぐーてんなはとはドイツ語だからそこの人はジャーマン」
挨拶だけなら誰でも覚えられる。
あとはイタリアとフランスあたりも有名だ。
「ご紹介どうも。俺はシロー・アマダって言います」
今はただの釣り人で。
- 317 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/09/01(土) 05:09:18
- >>314
「マタドーラね。私はクロイツェル。よろしく」
にこりと営業スマイル。
実に営業的色が抜けない営業スマイルであった。
「後フラグとかは無いっていうか今折れた」
鬼である。
内心をどうやって読んだという突っ込みは禁止されております。
>>315
投げ込まれる仕掛けを期待のまなざしで見送る。
魚、釣れるといいな。
「ま、半分は生きてるみたいな物だからね、この子も。
可愛いのは私の技術の賜物だけど」
えっへん。あんまり無い胸を張る。
「そ、道具はないのよ。まあその気になれば出せなくも無いけど面倒くさいし……」
ぶっちゃける娘である。
「だから、この子が頭で逆立ちするぐらいしかできないのよね」
「よねー」
いつのまにかリーフが頭の上でひっくり返っていた。
ある意味、芸自体よりその過程が不思議である。
- 318 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/09/01(土) 05:23:20
- >>317
「若いのにこれだけの作品を作るとはな。
将来が有望…って言うかもう大成しているのか?」
これからどんどん進化するのだろうか、この人形。
生きてるんだからそれくらいありか?
「おー、バランス感覚に優れてるねえ」
頭の上で逆立ちする人形。
バランスを取っているのは人形自身と来たものだ。
拍手しているといきなりグイッ、と竿がしなる。
さっき投げ込んだ竿だった。
「っと、こっちはかかったようだ」
リールを回す。
それなりの大きさが期待できる手ごたえだ。
「フィ……ッシュ?」
釣り上げたのは、魚ではない。
八本足の赤い生物である。
何で?
と考えているうちに手で取り損ねた。
そのまま遠心力に身を任されたデビルフィッシュは
ベチャ
っという音を立てて隣の少女の顔に激突してしまった。
「…えーっと」
- 319 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/09/01(土) 05:41:39
- >>318
「大成ねー、しちゃってるかな?」
もう先は長くないし、という続きの言葉は声にならない。
私の背負った運命は私の物。目の前の彼にまで背負わせる物ではない。
「お、釣れそう? どきどき」
リーフを頭に載せたまま覗きに行く……と、出てきたのは。
「……でぃ、でぃーぷわん?」
違います。
そして、戸惑っている間にタコの移動は曲線軌道。
直撃
「………うにゃ」
……声が出たのはちょっとした奇跡だったかもしれない。
ただ、その奇跡はショックで意識が吹っ飛ぶのには何の防御にもならなかったわけだが。
「きゅ〜……」
その場に崩れ落ちたクロイツェル、目を覚まさせようと必至なリーフ。
結局、意識が戻ったのは太陽が高く高く上った頃だったとか。
(退場)
- 320 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/09/01(土) 07:04:13
- >>319
「あ」
その場に崩れる彼女。
脳を揺らしてしまったか。
「…ま、丈夫そうだしそのうち目を覚ますか」
釣り続行。
一応目を覚ますまでその場にいることにした。
(退場)
- 321 名前:エル・マタドーラ ◆WrGRyVhgck :2007/09/01(土) 17:37:40
- >>316
「だから、俺はスペイン製のロボットだっての」
>「ご紹介どうも。俺はシロー・アマダって言います」
「シローね。よし、覚えた」
>>317
「クロイツェルか。いい名前だぜセニョリータ
こっちこそよろし・・・」
>「後フラグとかは無いっていうか今折れた」
「ぐぼぉっ!?」
絶叫を上げてマタドーラは倒れた
「そ、そりゃあないぜセニョリータ・・・・・・」
心を読んだとか、そんなことはどうでも良かった
ただ、余りにも容赦のない言葉に、ショックをうけた彼はそのまま気絶した
【退場】
- 322 名前:書けませんよ。。。:停止
- 真・スレッドストッパー。。。( ̄ー ̄)ニヤリッ
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