吸血大殲特別祭事 ―――悪魔城御前死合 血狂ひ―――

1 名前:◆BLOODlbo6s :2007/04/22(日) 22:26:050


このスレッドは吸血大殲イベント専用のスレッドです。

お約束ごと
・メール欄への原典表記
・各々でのレス番の記録
・終了後、そのレス番を纏めたものを貼り付ける。
携帯での参加、書き込みは厳禁
・および無関係な書き込みも厳禁


表明、並びに開催後の観戦スレはこちら。

『悪魔城御前試合 血狂ひ』準備スレッド 〜偽典悪魔城執務室〜
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1176475265/



20XX年5の月

――――神祖『ドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ』来須蒼真 消滅


ドラキュラが転生をも果たす程の滅ばざる呪いそのものでありながら
消滅という形で終幕を下ろされたのは、
完全な復活へとふさわしき計略を阻まれてのことである。

ドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ消滅の諸説は数多く、
大英帝国の倫敦で兵三千四百四十七名を殲滅するも討死したとか
生きた人狼に心臓を割り裂かれた等があるが
それらは俗説であり、史実であることを証明できない。

「アドリアン・ファーレンハイト秘記」に収められた
悪魔城内の御前死合の記述のみが、消滅の真相を世に知らしめる
唯一の信憑すべき記録である。

 

2 名前:◆BLOODlbo6s :2007/04/27(金) 21:42:530








                  ―――――――失うことから全ては始まる。

3 名前:◆BLOODlbo6s :2007/04/27(金) 21:44:010


天に嘶くのは雷鳴だった。
地に響くのは轟音であった。
――――そして、天地に吹き荒れ狂うのは暴虐であった。


地に満ちるは―――『破壊』。
歩き、進み、潰し、砕く。
連隊を組んだ多砲塔重戦車が、陸戦の新たな王者として君臨する動甲冑が。
最新鋭の機動兵器が、あるものは電装による制御を失い。ある物は繰り手の正気を犯され無力化され
すべからく蹂躙されてゆく。
城外の四方に配された四柱の災害、山と見紛うヒトガタに。
東には、王錫より雷を轟かせる真鍮の猛き異形。
一万年周期の計略により魔界の王座を狙う魔神ガラモス。
西には、屍の騎兵を率い、眼差しの先にある有形無形蒸発せしめる隻眼の巨人。
フォモール族の堕ちた神。その力は健在なる魔眼の巨人バロール。
北には、同じく巨大な鎧兵達と共に剣をたずさえ、粉砕を重ねる青銅の兵器。
殺戮道具に堕ちたダイダロスの傑作。青銅の巨人タロス。
南には、並みいる翼竜天魔を従えて、武装した装甲飛行船団に喰い付き燃やす灼熱の業魔。
召喚された火神の分体、深淵の邪気により魔に堕天した炎魔アグニ。
もはや道具ですらなき鉄塊同然のモノが。
神の名を口々に唱え、健気に抗う兵士達が。
一縷の闘志もろともに踏み潰され轢殺され蹂躙される。
『礫するものども』、この悪魔城四大魔神に。


                        ―――人海を侵すのは、「死」。
                     生まれ、死に、喰われ、沸き、染まる。
                  神の兵が減る代わりに増殖してゆく不死の兵。
              黒く黒く、まるで墨の雫を垂らした一枚の紙のように。
            屍は滅する先から地より沸き、徐々に徐々にと地平は黒く。
           勇もうと狂おうと焦ろうと侵食は進み、時計の針は進むのみ。
         砕こうと焼こうと刻もうと、虚無より屍という屍は生まれ続ける。
      この日のために兵站され編成された十字軍は、絶望の海に呑まれてゆく。
    無より有を生むアイザックの悪魔精練術、暗黒神官シャフトの秘術深淵結界。
  『齎すものども』。共に同じ主に仕え、今、時を隔てて揃い踏みした魔王の側近。


 ――――天を染めるのは「威容」。
 空に十字直列の線を描き、浮かぶ5つの球体。
 屍と生者の別なく、幾千もの肉を固め、一の魔物とした肉塊球。
 聖人の骸による「セイント」、武人の骨による「ムクロ」、生ける肉人形の卵「ヌクレアス」。
 亡者が結集させた「メヌエット」、虚像の世界より顕現した「フール」。
 『多なるもの』、悪魔城周域の位相を奈落と同じくするため駆動する結界装置“レギオン”。



         ――――天と地の間/闇を埋めるのは、「虚無」。

 先行した武装神父隊の姿はない/残るのは血と魂の欠片のみ。
                切り札である武装聖槍騎士団の姿はない。/あるのは原型すら留めぬ破片。

 血族エリザベスバートリー/指揮下の高等妖魔近衛隊総勢118。
 近衛守備隊長オルロック/同じく指揮下のライカンスロープ遊撃隊総勢257。

                複製された千人長の槍十三本/128層に及ぶ守護衛兵隊の魔力防壁により不発。
               「噂」の元凶となった十三機の空戦装甲兵/援護の戦闘ヘリ隊ともに全滅。

 妖魔と獣人による想定外の組織的迎撃/ヒトとそれ以外の戦力比、1:5。
 存在しない筈のノスフェラトゥとドラキュリーナ/弾き出された勝率は絶望的。

               識別コード『アンデレ』/アバドンの蝗に内側から貪り尽くされる。
               同『トマス』/死神の鎌にて両断後、444に分割。
               同『ユダ』/最上階本陣に肉薄するも、精神汚染され友軍に吶喊。
               聖槍騎士団残存10機/墜落後、悪魔騎士団総勢340の手により最小化。

 罵声と怒号は速やかに/殲滅と駆逐は流れるように。
 自決する力すら奪いゆっくりと嬲り殺すのがここでの嗜み/はしたない人間など存在できよう筈が無い。
 

4 名前:◆BLOODlbo6s :2007/04/27(金) 21:44:510

>>2-3

地より生まれ、空に届かんと溢れていた阿鼻叫喚が消えていく。
充満してゆく悪しき者どもの笑いの代わりに。
それは朽ちてなお動く屍であった。魔界の底より召喚された悪魔であった。
英雄に討たれて果てた魔獣であった。英雄から堕落した骸であった。
次元の狭間に棲家とする不可解な異形であった。死霊とそれによって駆動する骨と鎧であった。
巨人であり、魔神であり、吸血鬼であり、獣人であった。

そして、魔城の頂から彼らの主が降臨する。
彼は吸血鬼にして魔王。魂を支配する混沌の具現であり、破滅のみを推し進める。
彼は神を恨んだ、彼は人を憎んだ。
妻を連れ去った神を呪うためヴァンパイアとなり、同じく愛する者を火刑に処され
次は呪いそのものとなった。人間と世界を滅ぼすための呪いに。
そして彼は新生した、永き輪廻を乗り越えて。
ゆえに彼は遂行する、『破滅』への進軍を。
彼の見下す先はただ一人の生き残り/十字軍総司令の枢機卿。
硬化テクタイトの守りは硬く/ヒトならぬモノどもの失笑と嘲笑。
手をかざす、断罪を下すために/矮小なるヒトに滅びの烙印を。
天から地へ伸びた威容、極大の戦斧/高さは城のそれと同じく。
彼は笑む/彼は笑う。
彼は振り下ろす/彼は泣き笑う。
雲が裂ける/枢機卿は泣き笑う。
風が轟く/枢機卿は泣き笑う。
巨大な質量迫り来る/マクスウェルは泣き笑う。
地を割る轟音が鳴り響き、天は歪み、そして――――――




―――吸血鬼にして必滅の呪い、魔王ドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ。
彼は転生した器、来須蒼真の肉体にて再臨せり。

繰り返す。
魔王は再び降臨せり。
『ドラキュラ』来須蒼真として降臨せり。
 

5 名前:◆BLOODlbo6s :2007/04/27(金) 21:45:470

>>4


「――――以上が、『彼ら』とヴァチカン戦力の交戦記録だ」


監視を役目とする最小の人形「蟲目(アイセクト)」により送られた記録映像。
北欧の奥地にて展開された『虐殺』は鮮明な形で三人に伝えられた。

一人はスクリーンを備えた、この執務室の主。
人間離れした美貌を持つ筆頭秘書―――モニター越しの悪友から友好の証として送られた
自動人形――――より渡された報告書には目を通さず、深く椅子へと身を任せた。
髭を蓄えた皺の深い老人である。
温和と余人には映るその顔には、しかし獰猛にして狡猾な猛禽の本性が隠されている。
現世の陰に潜み永きを生きる、昏き捕食者としての本性が。

死徒27祖14位。『魔城』のヴァン・フェム。
曰く『財界の魔王』、『人形師』、『賢者であり愚者』、『神代より生きる最低俗』等々―――
現存する最古参の一角でありながら人間の社会に帰化し、己が享楽と欲望の為だけに
余生を送るヴァンパイアは重々しくその口を開いた。

「まぁ……予測通りよな。
 確かに、異端審問局の機動兵器とレコンキスタ級の人員、あの坊やの選択肢は悪くはない。
 かつ切り札にはロンギヌスコピーを装備した試作型強襲装甲兵13騎。ここまでは花丸をやろう。
 だが哀しいかな、それだけだ。あの坊や、今までロンドンに感けた所為で一番大事な事を忘れとる」

そう。
確かにあの“野心家の”枢機卿が率いた十字軍は桁外れの戦力であったろう。
しかし、それはあくまで彼らが想定する相手に限ればの話だ。
すなわち、本来あの城に巣食っていた異端と、その使役する木っ端同然の化物(ミディアン)。
彼らが想定していた標的はそこまでに過ぎなかった。
露払いとして先行させたベルモンド達のロストを確認してからの行軍も、あるいは敵戦力への
過小評価に繋がったのだろう。

「お主もお得意の虫で見とったろう。
 吸血鬼とそれの使役する化物――――奴等はそんなものなど遥かに越えている。
 今まで大事にならなかったのは水際でベルモンドが奴を滅ぼしていたからに過ぎん。
 1496年……いや、『あの戦い』を分かっておらん者が陥る最大の失策よ」

何代にも渡る計算の末に弾き出された約束の日。
『あの戦い』―――――1999年7の月、ドラキュラとの最終決戦。
退魔機関の精鋭と近代軍隊、魔道兵器までも投入された『神祖討伐』のみを目的として編成された
混成軍、あの前代未聞の光景をヴァン・フェムは忘れない。

連綿と続くドラキュラ退治の一翼を担った『教会の魔法使い』ヴェルナンデス、『神祖討伐の最終兵器』
シャーロットを輩出したオーリン、『聖獣の担い手』ラーネッド一族。
聖鞭ヴァンパイアキラー先代所有者モリス家。その盟友『変幻』のキシン、『魔槍』のリカード両家。
彼ら魔王討伐を宿命とした一族を筆頭に極東の『森羅』が、
妖の浄化を生業とする『光覇明宗』が、光狩を討つ『火者』が。
吸血鬼を狩るディウォーカーが。悪魔を狩るデビルハンターが、
教会から埋葬機関1位が、同じく5位とその四肢を構成する四大魔獣が。
並びに当時最新鋭の装備で編成された機甲師団。このために再召集された地獄の魂斗羅たち。
さらに。死徒ヴァン・フェムの保有する七大魔城が二柱。
ギリシャ火を搭載した聖殿アレクサンダー、分子レベルで魔術強化された斬魔刀を揮う斬鉄騎オーディーン。
今までにおいて前例は無く、また後世にも揃う事は適わぬだろう大戦力。

そして――――だが、これ等ですら『あの時』は十全な戦力ではなかった。
白馬神社当主による封印儀式への時間稼ぎ。
ベルモンドによる中枢進攻への囮、その程度の役目しか果たせなかったのだ。
それが悪魔城というもの。
不死のスケルトンと死霊の憑いた鎧兵は元より、幻想の世界に消えた魔獣に幻獣。
東西を問わぬ悪魔、宗教を問わぬ魔神、善悪を問わぬ精霊。
世界より放逐された神秘が縦横の隊伍をなし、禁呪外法の区別なく魔法の業を総動員する。

それこそが破滅へと誘う呪式と化した『ドラキュラ』の力。
世界の敵として世界を駆逐する権利を所有した、逆なる抑止力とさえ言える存在であった。
 

6 名前:◆BLOODlbo6s :2007/04/27(金) 21:47:110


>>5


「それと掴んでいると思うが2時間ほど前、NATO軍によるミサイル攻撃が決行された。
 恐らく十字軍壊滅を重く見たヴァチカンの差し金だろう。だが結果は――――――」
「空域に到達後、反応がロスト……恐らくは1999年と同じ、レギオンによる次元干渉か。
 ほれ、結局実用化せなんだ人造結界自在妖の応用だ。
 よもや出力の問題を単純な大型化と複数の運用で解決させるとは思わなんだがな」
「で……どうする気かね、ヴァン? 君ともあろう俗人が、このまま世界の幕引きを見届ける心算かね?
 彼はおおよそ生命というものが持ち合わせる死の代行だ。
 君等が言う抑止の構造すら欺くトリックスター、黄昏の大団円を演ずるために
 生まれてきたと言っても過言ではないだろうしね」
「相変わらず道化芝居が下手な奴じゃな、お主は。
 ……お主がいっぱしの『観客』を気取るなら分かっておるだろう。
 演目を演ずる舞台が無くなっては観客は観客でいられなくなる……それは他でもなく、
 お主にとって自己の否定へと繋がる。許容できるものではあるまい」
「………………」
「だからだ、お主は舞台を存続させようと手を打つことを惜しまん。
 かつて『フェイスレス』―――白金へ抗する者に助力を惜しまなかったようにな」

もう一人。
モニター越しに沈黙を続けているのはこれもまた老人だ。
フウ・インダストリー総裁。「しろがね」のフウ・クロード・ボワロー。
吸血自動人形との戦列から離れ、同族を援助する役目に回った最古参の長命者。
そして人ならぬ者の戦いを見守る観客。世界を回す狂言回し。
ヴァン・フェムとは財界の雄同士として幾度となく大立ち回りを演じた「仇敵」であり、
同時に魔術・錬金術の分野―――とりわけ自動人形の研究において、互いに競いあった友でもある。

「相変わらずの誤認癖だな。今回に限り間違ってはいないがね。
 では、私が何をしようとしているかお見通しなのだろう?」
「……知っておるさ。だから情報まで持参してわしに連絡をよこした。
 しかし、一体どこで知った? イノヴェルチどもに悟られぬよう、隠蔽には二重三重の――――」

「――――そんな事はどうでもいい」

応じた声は老人達のものではない。
即ち、この場にいる最後の一人である銀髪に白い肌の美丈夫。
アドリアン・ファーレンハイト・ツェペシュ。
ヴラドの嫡子であり反逆者、仮の姿にやつしてまで父の封印に尽力した『護る者』。
そして――――魔王の復活を赦し、ただ一人生き残った敗残兵。

「必要なのは何故か、ではない。
 これから何をすべきか……それだけの筈だ」

「ふむ……そうだな。
 冬木のサーヴァントを先行させてしまった協会はともかく、既に此方でも手配はしている。
 『魔王』抹殺の依頼。首を取り、生きて帰ったものには賞金と可能な限りの願いを叶える。
 彼に齎された情報どおり、あの城への交通手段も確保した。後は――――」
「イギリス女王陛下を通じ、王立国境騎士団には話を通している。
 あの局長のお嬢さんは相も変わらず苦虫を潰したような顔だったがな。
 ……強くなりおった。信頼していたバトラーがああなって、尚強くなったか」


―――――失うことから全ては始まる。

これは誰の言葉だったか。
遠い記憶の彼方に埋もれ、不意に浮かんだ言葉をヴァン・フェムは噛み締める。
確かに。今回の一件は失うことから全て始まっている。
ドラキュラの魂を受け継いだ青年が己を失うことから。
ベルモンドが敗れ、その命が失われたことから。
大勢の命が蹂躙され失われたことから。

「正気にては大業ならず――――――」

ふと漏らしたのは日本のサムライが著した『葉隠』の一説。
サムライの道とは、死を恐れず己の心を死人となす事。
正気であっては道は歩めず、己の目的はけして果たされぬ。
武士道とは死狂ひなり。
己の精神が死に狂うことによって、初めて成すべき大業は叶う。
ならば、それが己ではなく他者に向けられた場合。
往くべき道が、己以外の全てを斬って進む修羅の道であったならば。

 

7 名前:◆BLOODlbo6s :2007/04/27(金) 21:48:050

>>6





      「――――――さしずめ、『修羅道とは血狂ひなり』か」

8 名前:『時の旅人』サン・ジェルマン ◆BLOODlbo6s :2007/04/27(金) 23:06:240



 時計の針はちくたくと。
 回る歯車せわしなく。


 ここは奈落に落ちた魔城とは異なるどこか。
 時の狭間に彼はいる。
 時の旅人の彼がいる。
 仰向けに浮かんで眠る、死に際の騎士と彼はいる。

「さて――――本来ならばこれは赦されざることです。
 全ての万象は予め決まっており、それを変える事は誰にも許される行為では
 ありません。
 それは変える力を持つような、そう。私のようなものであれば尚更のこと。
 万能とは同じく無能。
 全てを知るものは、その全てに干渉してはならないのですから。
 それが世の不変たる理、いわば絶対の摂理といえます」

 詠うように言葉をつむぎ。時計の針はカチコチと。
 彼の名前はサンジェルマン。世界の全てを知る男。
 時の旅人サンジェルマン。世界のどこにも干渉できない。

「本来ならば、旅人はただ過ぎ行くのみ。
 観察者は観察を行う、それだけをするべきでしょう。
 ですが、あなたの運命は決まってしまわれた。
 そう、あの騎士王と打ち合った瞬間、相打ちとなった時から。
 私は私すら知りえない歴史の中で唯一、その事を知ってしまいました。
 ゆえに―――――」

 とくちくとは針の時計。
 くなしわせ車歯る回。
 とチコチカは針の時計。


 ――――時が逆巻く。文字通りにそれは時計の逆回し。
 再生でも治癒でもないそれは「復元」。
 死の際にあった騎士の体は、損傷した騎士の武具は。
 まるで最初から何事もなかったかのように往時のカタチを取り戻す。
 ただし、弾薬の数と記憶だけは『決められた通り』そのままに。
 戦場へ送り出すためだけの、それは局所的な時間逆行。


「お行きなさい、剣の騎士。
 今の貴女が辿るべき未来、本道ならぬ苦難の道へ。
 それこそが貴女の運命であるが故に」


 時計の針はちくたくと。
 回る歯車せわしなく。
 サンジェルマンは送り出す。一人の騎士を送り出す。
 時の旅人送り出す。空を開いて送り出す。
 あるべき所へ送り出す。
 

9 名前:◆xHAYATEzHE :2007/04/27(金) 23:34:210

>>8 (導入)


緑の草原を駆け抜けるさわやかな風。
おだやかな日差し。
気がつくと騎士は、そこに立っていた。

ここがどこなのか、それを考えるのはやめる。
不思議と、穏やかな気分だったから。
もはや、戦うこともない。
もう、剣の騎士を名乗ることもないだろう。
全てが穏やかに過ぎていく日々が、ここでは――

「あなたは、まだここに来ちゃダメ」

――いつの間にか、騎士の横には金の髪の少女が立っていた。

「……テスタロッサ?」

見慣れた好敵手によく似た姿。
だが、騎士の記憶にある彼女より、それははるかに幼く見える。
そして、その横にはよく知った姿。
かつて自分を生み出した……

「闇の書、いや……リインフォース?」

その言葉に、彼女はコクリと頷く。

「我が騎士、烈火の将シグナム。
 お前の役目は、まだ終わっていない。
 お前は生涯、主はやての傍にいるべき者。
 まだここに来るには早すぎる」

「うん、まだダメ。
 だから、さあ、立って。
 あなたを待ってるんでしょう、強い子達が」

リインフォース、そして金髪の少女が同時に魔法陣を展開。
ベルカ式とミッドチルダ式、二つの形式の魔法陣が重なり合う。
その魔法は、転送魔法。
魔法陣から放たれた魔法光が、空を穿ち、道を作る。

「行って、シグナム!
 あの子に会ったら伝えてね……私はまだ一人でも平気。
 私は、あの子のお姉さんなんだから、って」

承知、の意を行動で騎士は示す。
跳躍。魔法光の導きに従い、一直線に飛翔する。

「行くがいい、烈火の将よ!
 お前が主はやてと共に行くなら、私はお前の祝福の追い風となろう!」

背中からの言葉に、感謝の意を剣に込めて。
騎士はひたすらに飛翔する。


そして―――――――




10 名前:「剣の騎士」シグナム(M) ◆xHAYATEzHE :2007/04/27(金) 23:35:330

>>9

――――――騎士は、目を開く。
目前には、見慣れた顔が安堵の表情を浮かべていた。

「……よかった、シグナム」
「シャマルか……すまん、お前が治してくれたか」

湖の騎士シャマル、その本領は癒しにある。
だが、彼女は首を横にふった。

「分からないの、それが。
 私が来た時には、既にあなたは無傷の状態でここにいたもの。
 ただ、カートリッジだけが消耗しているから、不思議に思っていたの。
 戦闘しておいてここまで無傷なんてありえないし……」

「無傷?」

指を動かしてみる。ついで腕、足と。何も異常がない。
次いで胴をさすってみる。宝剣に貫かれたはずの傷も、「なかったように」綺麗だ。
……なぜか、虚しい思いにとらわれる。
まるで傷の痛みと共に、あの充実した死合さえもどこかに去ってしまったように。

いや、違う、とシグナムは思う。
これは意思なのだ。
誰かが言っている。
まだ戦える。
まだ戦え、と。
ならば――

「――まだ私は、剣を捨てるわけにはいかんな」

「ええと、これ、急ごしらえだから三つしか作れなかったけど」

闘志を固めたシグナムに、シャマルが手を差し出す。
その上には、魔力を充填したカートリッジ。
すまん、と呟きそれを手にする。

「――レヴァンティン、カートリッジロード!」

<<bogenform.>>

騎士の意に応え、剣と鞘が巨弓へと姿を変える。
それを見て、騎士は満足そうに頷く。

「レヴァンティン、お前も無事のようだな」

そんな一人と一振りのやりとりに、シャマルは不安そうに口を挟む。

「シグナム、やっぱりはやてちゃんに応援を頼んだほうが……。
 テスタロッサちゃんやなのはちゃんだって、お願いすればすぐ来てくれるだろうし。
 それに、ヴィータやザフィーラだって……」

「すまないシャマル。
 だが、ここは私一人に任せてくれないか。
 主はやてを危険に晒したくない……それ以上に、私にはなすべきことがある。
 騎士として、私が、だ。分かってくれ」

それは、断固とした拒絶の意思。
それを見てシャマルは、もう何も言えなくなった。

「シャマル、お前は戻って主はやてと食事を楽しんでいてくれ。
 主に心配はかけさせないでほしい、頼むぞ!」

答えは聞かず、シグナムは走り出す。
手の中の巨弓が、かすかに震えて尋ねた。

<<wahlen>>  「行動の選択を!」

「愚問だなレヴァンティン。
 お前の主は、ここで引くような騎士だったか?」

<<nein.>>          「否」

返って来るのは、明確な否定の意思。
満足そうにそれに頷くと、シグナムは叫んだ。

「ならばやるべきことはただ一つ――戦いあるのみだ!
 行くぞレヴァンティン!」

<<jawohl.>>         「了解 」




<『剣の騎士』シグナム、戦場復帰!>
 

11 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/04/28(土) 21:33:300

>>10


 ここには、鋼の身体に伝わるほどの怨念が満ちていた。
 光源は少なく、薄暗い空間。朽ち果てた呪わしき姿の彫像/祭壇には変質した血液を確
認。おそらく太古の血痕。推測―――邪教の神殿だった場所。とすれば、漂う怨念と妖気
にも納得はいく。
 私の戦場はこことなった。
 視界/地形は共に問題なし―――戦闘に支障が出ることはない。
 機械すら狂わせる悪量の怨嗟も、静謐な精神には波一つ立たせない。
 武道家の到達出来うる最高の境地。その“心”をこの身は宿している。
「再興―――か」
 無意味な独白/機械が限りなく人間に近づいた証明。
 対主を待つ間、私はドクター・クラインより聞かされた内容を思い返す。
 集められた武芸者による仕合/勝ち上がったものには望むままの恩賞を。

 一抹の不安を覚える。
 ―――かつて、何度も世界を危機に陥れた妖魔=吸血鬼。
 その復活の意味するところはどう考えようとも一点にしか辿り着かない。

(いや、今考えるべきことではない)

 即座に思考を消去。片手の長大な黒き刃を握り直す。
 なぜ戦うのか。なぜ極めるのか。
 その答えは、生を得た時からすでに決まっていた。
 また、決めてもいた。

 ―――最強の証明。

 それはドクターの願いでもあり、私の目標でもあった。
 そしてそれは、ブラッククロス所属時に、すでに叶えられていたはずだった―――組織
の隆盛、敵対者との戦闘と撃滅。その功績の大部分を自身が占めている事実。それが我が
最強の証明となっていた。

 ―――彼の宿敵と出会うまでは。

 アルカイザー。
 光り輝く英雄。自身と対極にあるもの。
 それが、私に三度の敗北を与えて去っていった。
 組織の滅亡という結果と、「正しき強さ」という命題を残して。

 皮肉にも、その命題が四度自分を蘇らせている。
 呆れるほどのしぶとさ。通常であれば他の四天王のように、繰り返される改造に素体が
持たなかったに違いない。その限界を凌駕出来たのは、元々が機械であること、そして、
強さを希求する“もののふの魂”のおかげだろう。

 ―――自身のコンディションを再確認/オールグリーン。内蔵兵装も稼動可能なことを
確認。遠中近全てのレンジでの戦闘行動を可能。死角はない。
 そして、内蔵のレーダーに一つの姿を確認する。
 仕合。その対主の来訪。
 それに合わせて、ゆっくりと剣を構えた。

 正しき強さとは何か。
 その命題が、今、私をここに立たせているということを再認する。
 このような機会は、おそらくもうないだろう。ここで失敗すれば命題はおろか、自身の
再生すら危うい。言わば背水の陣。孤軍で戦わねばならない。
 だが、そのことに不安はない。
 ただ、静謐に闘いを待つだけだった。


【メタルアルカイザー、戦闘準備完了】

12 名前:橘朔也 ◆X5lDK8LQyw :2007/04/28(土) 21:46:260

―「わかった…俺の体を動かすのは、義務とか使命なんかじゃない。そこにいる人を守りたいという、思い。そうだ、人を愛しているから俺は戦っているんだ」―

友の声を想う。俺は、愛した女の眠る墓に花束を置くと黒く覆う雲を睨んだ。

           ―魔王が来る―

俺は、試合をする趣味は無い。
だが、世界が誰かの手によって滅ぼされるのを黙ってみていることも出来ない。
俺の友が命を賭けて救った世界を、友が信じた人々を……絶望に染めたくは無い。

かつての俺は、力に溺れていた。他人を信じれなくなり、他人を憎んだ。
「力を。…俺は俺の力を証明するために」

―「そんな生き方じゃなくていい。私は…、 道端の花みたいにひっそりとでいい、そんな風に生きていきたいの、あなたと」―

俺は、結局何も守れなかった。
信じる正義も、愛するものも……なに一つ守れなかった。
だが、そんな俺にも守れるものがある。

―「橘さんは頼りにならないし…」―

広瀬。

―「百回人を裏切った奴より、百回裏切られてバカを見た人間の方が…ボクは好きだな。」―

虎太郎。

―「強いですね、橘さんは…」 ―

睦月。

―「本当に強いのは…人の思いだ!!」―

相川始。


13 名前:橘朔也 ◆X5lDK8LQyw :2007/04/28(土) 21:49:440

信じれる仲間だけは、そしてその仲間がいる世界だけは…失いたくない。

――――ハカランダ

久しぶりに相川始と会う。奴と会うのはあまり好きじゃないが、仕方ない。
この世界を覆う、邪悪な闇の力について奴に聞きに来た。

「どうしても、行くのか?」

俺は、無言で頷くとコーヒーカップを置いた。
奴も、この世界を覆う闇の力に感付いているらしい。

「俺が、行く。お前はここにいろ……お前を必要とする人がいる。
それだけで、今は充分だろう?」

相川始の目を見る。もう奴は、人間だ。
アンデッドなんかじゃない……俺は、口に出す事を恥ずかしく思い心の中でそう呟いた。
―「お前は、人間として生きろ」―

そう、あの時の剣崎の言葉と同じ思いを俺は抱いていた。
店を出ると、黒い雨が地面を叩き始める。戦いは、もう始まるようだ。

「人間を愛している、か。俺にも出来るか……いや、出来るさ。
俺はギャレン。仮面ライダーだ。」


心に 剣 輝く 勇気 確かに 閉じ込めて奇跡 切り札は自分だけ

【仮面ライダー剣外伝「橘サクヤの奇跡」 戦闘準備完了】





14 名前:魔王オディオ ◆OdIoUsLjVw :2007/04/28(土) 22:21:300

―――――ルクレチア 魔王山 頂上

禍々しい石像の前に佇む男が一人。
かつてルクレチアで信じるものの為に剣を振るい、
その人生全てを裏切りという形で否定された勇者、オルステッド。

「……運命は捻じ曲げられ、存在してはいけない筈の魔王が誕生する」

いや、もう彼を「勇者」と呼ぶものは誰もいない。
親友の姦計に陥り、王殺しの罪を着せられた巨大な力を持つもの、
人々は彼を「魔王」と呼んだ。

「……奴が生まれれば世界は滅びる。
 私が滅ぼすはずの世界、全てがな……」

愛する人にさえ裏切られ、信じるものは全て死に絶え、
彼自身も勇者でいられなくなっってしまった。

だからオルステッドは「魔王オディオ」を自ら名乗った。
自らを追いやった人間達にその愚かさを教えるために、
自らを魔王と呼ぶものすら滅するために……。

「真祖『ドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ』の転生……
 私にとっての……厄介事」

しかし悪魔城の城主、ドラキュラはオルステッドが魔王になった意味を
完全に否定しようとしている。
彼が滅ぼす筈の世界を滅ぼし、
彼の復讐を果たす機会を無に返す。
憎しみの魔王にとってそのような存在は本当に厄介事であった。

だからこそ魔王オディオが自ら出る。
復讐を邪魔するもうひとつの魔王を排除するために
自らの魔王の力を行使し、悪魔城へと旅立とうとしていた。

「我が憎しみの力よ……私を導け……」

魔王の石像に語りかけるように言葉を紡ぐ。
すると太陽のない王国が更なる暗黒に包まれた。
これが彼に与えられた「魔王」としての世界を滅ぼす力である。

「来須蒼真……ドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ……
 遥かなる時も、遥かなる場所も越え、私はお前の前に現れよう……」

雷鳴が響く、大地が揺れる、空が悲鳴を上げる。
彼の周りに集まるのは闇、暗黒、漆黒。
越えられぬ筈のものを越えて、魔王は自らの復讐を遂げるために
強大な憎しみの力を操った。

「私の邪魔はさせない……何者であろうとな!」
魔王を模った石造の目が光る。


―――――先に滅するのは貴様だ、ドラキュラ!!


瞬間、魔王はルクレチアから消失し、
混沌を通じて彼の求める場へと移動した。

混乱の世の20XX年5の月、悪魔城、御前試合へと。

【魔王オディオ 入城】

15 名前:橘朔也 ◆X5lDK8LQyw :2007/04/28(土) 22:29:290

魔王の棲む城。破壊の権化である悪魔の巣に、橘は現れた。
空を黒く覆う雲、轟く雷鳴。総ての悪しき闇は、この城の主――

悪魔城、魔王ドラキュラの存在が生み出している。
そしてそれに呼応するかのように集う、闇の者達。
人間の力を遥かに超えた存在、そしてそれに抗う人間や戦士達。

―もうすぐ…悪魔城へ着くはずだ―

バイクのアクセルを吹かす。城は、もう目の前だ……その時。
地響きが起こり、橘の走るバイクは地割れの中へと道連れにされてしまう。

「うわぁぁぁあああああああ!!!!」

―気が付くと、そこは深い闇。どこまでも続く……まさに深淵の道―

バイクは無事だったが、この様子だと地上へ戻るのには難儀しそうだ。
それよりも、この坑道から漂う異常なまでの殺気に顔が強張る。

「この雰囲気……ドラキュラか……?いや……違う!!」

橘は、黒き深淵を見つめながら息を呑んだ。

16 名前:◆BLOODlbo6s :2007/04/28(土) 22:41:090



――――1944年、悪魔城に異変あり。

二度にわたる世界大戦によって現界した魔王の城は、一人のヴァンパイアによって
かりそめの支配を受けた。
城主の名は真祖ブローネル。生前よりの才覚と執念によって吸血鬼へと成った魂ある不死者、
「非精霊の真祖」と類されるもの。
元来画家であった彼は絵によって魔力を行使し、その絵によって城の力を制御し、支配していた。
ブローネルの「絵画秘術」。
彼の絵は拘束の術式であると同時に、もう一つの現実であり、小さき世界であった。
これを逆手に取り、絵の世界に入り解呪することで異変を解決したモリス・オーリン両家のハンターによって、
この怪奇にして無双の魔技は闇の世界に知られる事となったのである。


――――そして、現在。

悪魔城最上階。
偽りでありながらも復活を遂げた悪魔城城主の御前に、一枚の絵画がある。
これぞブローネルの遺した作品の一つ。
東洋の逸話から着想を得、生前より筆を走らせて完成させた『月下の舟島』。
本来ならば当時、悪魔城制御の一つに割り当てられる筈だった失われた絵。
それが、城主の命により仕合場の役割を発揮せんとしていた。
他でもない、古今並ぶものなき剣士二人の為。
描き手に着想を与えた、かの「巌流島」の逸話を再現するために。

絵画をもう一つの現実とさせ、そこに至る空間を繋げる。
互いの詰め所より仕合場へと繋げる“道”は、魔王の力により完成している。
後は、この来たるべき死合の開始を待つのみであった。
 

17 名前:名無し客:2007/04/28(土) 22:44:040








 波濤(なみ)は運び来たり
 波濤は運び去る
 剣(つるぎ)の歌……







.

18 名前:◆KOJI2a34Bo :2007/04/28(土) 22:47:130

>>17

よせてはかえす波の音。
月影が射すその砂浜に潮騒のみが静かに響き渡っていた。

眼前に広がるその景色は、かつて見た光景だった。
それは人であった彼の世界の終わりの光景。
あの日。慶長壱拾七年の春卯月。
豊前(ぶぜん)の海峡に浮かぶ孤島で見た光景と寸分たがわぬものだった。
白砂を朱に染めて、彼が斃れ付したあの場所そのものであった。

あえて差異を挙げるとすれば、この船島には己のみしか存在せず、そしていまが夜であることか。
しかし夜とはいえど、宵闇からは程遠い。見上げれば天を埋め尽くすほどの巨大な月が。
虚ろな月は禍々しい光を放ってあたりを照らし、虚空に唯我独尊の王者のごとく、唯一つ空に浮かんでいた。

一人の男がそこにはいた。
猩々緋の袖無し羽織に革染めの袴を纏った男だ。
六尺二寸に余る長身ながら、その線の細さと、何より女人と見紛うばかりのかんばせにより不思議と威圧感はない。

彼はかつて四百年余の昔、西国一と謳われた白皙の天才剣士だった。
たとえ顔を知らねども、その背に担いだ刀を見れば、思い当たるものも多くあろう。

長い朱鞘の刀だ。それは長い長い刀だった。
異様なまでに長い刀だった。全長六尺に余る大太刀だった。
決闘に用いるには非現実にこの長い刀は、講談の花とするのもけれんみが強く、
後の世では、腰にたばさんだ三尺余寸の太刀の方が彼の愛刀として知れ渡っていた。
その銘おば備前長船長光なり。その仇名おば『物干竿』なり。
そしてその魔剣の持ち主は、いかに歴史を紐解こうと、ただの一人しか存在せぬ。

そう彼の名をば――――――。



19 名前:◆KOJI2a34Bo :2007/04/28(土) 22:48:000

>>18

沖合いより近付いてくる小舟を眼にとめ、彼は将几(しょうぎ)より立ち上がる。

彼は人ではなかった。いまの彼は木偶であった。或るからくり師の傀儡(くぐつ)に過ぎなかった。
そは死にぞこないし亡霊。そは兵どもの夢の欠片。在りし日の蜃気楼のようなもの。
死してなお、剣という名の修羅に憑かれ、魂魄の安息を得ることは叶わず、
再び映し世に迷い出でる代償として、からくり師の狗と成り果てた、愚かしくも悲しい傀儡だった。

だが、いまこの瞬間だけは。この場所に立ち、あの男を迎え討たんとするいまこの瞬間だけは。
彼は再び『人』として、ただ一人の武芸者として、その場所にあることができた。

彼は背負いし備前長船長光の柄に手をかけると、
鯉口を切り、白砂の上にしかと立って、己が宿敵が訪れを待った。



20 名前:宮本武蔵:2007/04/28(土) 22:50:530

>>18>>19

 墨絵のごとき海面には、大きなる円形が白々と映えていた。
 ――闇天に輝く月だ。いささか大きすぎるようである。仰いでいる内に、生理的な圧迫感す
らおぼえるほどだ。
 黒々とした海面はある時は凪ぎ、ふとした瞬間にうねりをどよもす。
 どこも現実離れなどしていないのに、どこか現実離れしている光景であった。そう、まるで
何らかの絵画のように。



 その超現実的な波を切って、滑るように小島へ近づいて来る小舟こそ、異次元の産物と
いえたろう。
 艫(とも)で舟を操っているのは人間ではない。虚ろな眼窩を舳先へ向け、ぐいと櫓を漕ぐ
度に欠けた歯列がカタカタと鳴る。
 襤褸をまとった骸骨であった。

 舟の客となっているのは一人の牢人風の男だ。
 色褪せた黒門付に袴もはかず、白髪まじりの蓬髪を無造作に結っている。
 一メートル八十を越す長身であるが、既に老人といえる年頃であるのは、高い頬骨の辺り
までを覆うまばらな髭にも白いものが多い事からも判る。
 石仏じみた無言無表情ながら、その双眸だけは尋常ではない。金茶色の虹彩は、万象を
飲み込まんとする底も知れない洞(うろ)を思わせた。


 男は最前より行っていた作業を中断し、作成した品を月に翳した。
 木剣である。
 ただし常の大きさではない。どうやら舟の櫂でも削ったものらしく、舟底に木屑が散乱
している。
 出来栄えに満足したか、少し頷くと、男はこれも先ほどより合わせておいたこよりでたすき
をかけ始めた。
 

21 名前:宮本武蔵:2007/04/28(土) 22:51:450

>>20 続き

 牢人が懐から出した手ぬぐいを裂いて額に巻いた時、舟が大きく揺れた。
 この辺り一帯は遠浅らしい。舟底が岩にでも当たったのだろう。
 男は無言で立ち上がった。脇の大小を腰に差すと、舟の伴べりを蹴った。
 二間は確かに飛んで、水しぶきも上げずに海中に降り立ったのは、まさに水際立った動き
であった。
 膝まで海水に浸しながら牢人は進む。着物の裾や提げた木剣が濡れるのを意に介せぬ風
で、潮を掻き分け浜辺へ歩いてゆく。


 波が足首を洗う水際で男は歩を止めた。かっと両眼が見開かれる。
 砂浜の人影――夜目にも鮮やかな猩々緋の袖無し羽織に向かい、


「――小次郎」

 そう呼びかけ、一拍置いて男――正保二年、熊本は岩殿山にて死したはずの大剣士・宮本
武蔵は、

「小次郎っ!」

 二度いった。
 

22 名前:魔王オディオ ◆OdIoUsLjVw :2007/04/28(土) 23:03:280

「橘vs魔王オディオ」


――――――深淵。
混沌と魔界へと通ずる奈落の穴。

落ちれば何者であろうと帰ってくることは出来ない
底無しの大穴。
魔界や混沌に落ちたものは朽ちるのか、それとも―――

「……チッ、最下層に出たか」

誰も出てこないはずの深淵より現れたもの、
混沌を経て時と場所を越えたもの、それが憎しみの魔王であった。

カツン、カツン、と静寂に響く足音。
出口を目指すために歩を進めると、巨大な空間に出た。

「……なるほど、地下墓地というわけか。
 いい趣味をしている」

そう呟きつつ、大空洞の奥にある出口―――本来の入り口を潜ろうとしていると

>>15

地が避ける音、何かの機械が落ちる音、
そして響き渡る男の悲鳴。

「人間……人間だと?」

抑えていた殺気を発する。
彼にとって人間は殲滅すべき対象、
彼の近くにいる人間は彼に不快感を感じ、
そしてそれは魔王自らにとっても同じであった。

「……大方ここの城主を討ちに来た愚か者だろう。
 しかし……一人、か」

気配は一つだけ。
人間達の軍隊というわけではなく、
たった一人でこの魔王城に辿りついた人間。

「しかも……英雄…側の人間か…?
 ……一戦交えることになるか!」

今まで通ってきた道を振り向き、
油断なくその手は剣の柄へと手を伸ばしていた。

【現在地:裁きの坑道で橘の声に気づく】

23 名前:上杉謙信:2007/04/28(土) 23:04:110



 咲き誇る花の園。
 絵画として視界に在る此れ等を其の中に押し込めてしまえば見る者に感嘆の
溜息の一つも漏らさせその眼を奪う絶景に成り得よう。
 花の持つ愛、暖かさ、情熱、感銘、美、尊敬………諸々の美徳が閲覧者に伝わりて
その心を豊かにもするだろう。

 ……現実の情景はその様な感動も恵みも訪問者に与えはしない。
 何せ此処に棲まうモノどもは何一つとして肯定の意を持ちあわせてはいない。
 束縛、嫉妬、不吉、呪い……かかる否定の言葉のみをその身に宿している。

 毒々しく咲き乱れる妖花の群れがやって来た此度の犠牲者をクスクスと嘲っている。
 流れ込む黒き瘴気の風に花々はその身を任せ風を極彩色へとよりおぞましく塗り潰
しながら、足を踏み入れた生贄に向かって己が毒色に染めあげんと吹き流れる。

 しゃらん、と鍔鳴りの音色が園内に木霊する。
 刃の煌きから出でし銀色の清風が死色の魔風を吹き飛ばし、薔薇達を沈黙させる。

 この間の出来事、僅か一秒にも足らず。
 万の毒花の死への誘惑は侵入者のただの一振りで沈黙を余儀無くされた。

 ――軍神 上杉謙信

 此度の来訪者たる彼女は其の軍神の威光を以って生贄等では非ず、これからの死闘に
望む資格が在りし事を今確かに証明した。

(アセルスvs上杉謙信 死合場:空中庭園決闘場)

  

24 名前:アセルス ◆MidianP94o :2007/04/28(土) 23:09:240

>>23
妖魔<Aセルスvs軍神¥辮剏ェ信


 空中庭園決闘場―――アブラクサスの薔薇忌。
 御前試合の一回戦を飾る決闘場として、デュエリストは薔薇園を選んだ。
 至高へと続く階段―――アイオーン(永劫)が一柱、アブラクサスにもっと
も接近する空中庭園は現世の埒外にある。季節は停滞し時の音は凍て付いた。
 足の踏み場もないほど密生した薔薇は1年を通して咲き誇り、立ち篭める香り
は胸焼けするほどに甘く、目眩を覚えるほどだ。
 薔薇園と呼ぶのは正確ではない。薔薇しか存在を許されていない世界だ。

 一陣の風が吹く。狂気の山脈から吹いて抜けると謂われるミストラルは、
庭園の絨毯を煽り、ルージュの葩(はなびら)を舞い上げた。
 まるで決闘者の闖入を歓迎するかのように。

 事実、そうなのだろう。アブラクサスの薔薇が斯くも鮮やかに赤く色づくの
は、この庭園で流された剣客の鮮血を養分にし、この決闘場で朽ちた剣客の
亡骸を苗床に生命を得るからだ。空中庭園に咲き誇る一万の薔薇にとって、
訪れる剣客は闖入者ではなく―――アブラクサスに永劫を与える贄であった。

 が、そんな死への誘いなど、より強き死の前では何の意味も持たない。どこ
ろか、何よりも強き虚無にひれ伏すかのように―――葩が道を拓いた。
 決闘場の中央に佇む人影が一つ。
 抜き身の月下美人を引っ提げて、妖魔の君は薄く嗤う。
 傍らには身長大の棺桶が墓碑の如く佇立していた。

「……今宵よりこれが、」棺に手をかける。「貴公の寝床になる」

 わざわざキミのためにオートクチュールで設計をさせたんだ。世界に一つ
しかない、キミだけの棺だよ―――とアセルスは語る。
 彼女の言葉通り、その棺は謙信公が寸分の狂いもなく寝付ける設計となって
いた。綿のクッションには天鵞絨が張られ、クリムゾン・レッドに染め上げら
れた棺内は、薔薇庭園の朱色よりなお赤い。
 外殻は謙信公の清廉なる白を基調として、所々に銀細工が施されていた。
 極めつけは蓋に描かれたゴシック調の毘沙門天で、これはアセルスの自信作
でもあった。まさに謙信公のみが眠ることを許された棺と言えよう。

「快楽は常に痛みを伴う。痛みは償いの痕。背徳を重ねることで、キミは罪に
挑戦を果たすんだ。―――キミの堕落は即ち、永劫へと繋がる。誰よりも貴き
存在となり、私を闇で照らすんだ」

 月下美人の切っ先が、葩を切り裂き―――毘沙門天の乙女へと向けられた。

「さあ、罪の最後の魅力がかき消えるまで、罪を重ねよう」

 決闘(デュエル)の始まりを告げる鐘楼(カリヨン)が鳴り響いた。


【アセルスvs上杉謙信 ―――空中庭園で決闘開始】

25 名前:上杉謙信:2007/04/28(土) 23:11:160

>>24

 妖艶に嗤う人外の化生。
 其れがやった事は嗤い謙信の意匠を模った棺を指したのみである。

 が、そのかかる瞬間の交差のみで謙信は眼前の妖魔の君と自分はあらゆる点において
決して相容れぬ事を直感で理解した。

 悪意の戦火に蹂躙され泣く民の悲劇が産まれぬ様に
 剣を振るうのは未来に在る皆の笑顔を掴み取る為に

 その為だけに己は世に生を受け、毘沙門天の加護により勝利し続けてきた。
 故に欲望の為だけに剣を抜き、奪い、嗤う等断じて見逃せる所業でありえぬ。
 今まで大義も正義も意味も意義も無く無数の命を吸って来ただろう。
 これからも刹那の昏い悦楽の為だけに無限に命を摘み取り続ける事は疑い無い。

「快楽は常に痛みを伴う。痛みは償いの痕。背徳を重ねることで、キミは罪に
挑戦を果たすんだ。―――キミの堕落は即ち、永劫へと繋がる。誰よりも貴き
存在となり、私を闇で照らすんだ」

「残念だがそうはいかない。償うべきはお前の背徳と其処から積み重ねられし罪。
 永劫の螺旋に続く事は無い。これからのお前を照らすは地獄で燃え盛る贖罪の業火のみ」

 己の間合い、世界を侵させぬとばかりに謙信も愛刀を退廃の剣士へと構えた。
 否、それだけに止まらず、軍神の一片の曇り無き清廉たる剣気が刹那を重ねる事にその密度を
増し眼前の魔性の世界が僅かでも緩めば直ぐにも飲み込まんとする圧力である。

 これぞ世に名高き『軍神の威光』
 並の武芸者はその威のみで身を竦ませ魑魅魍魎は畏れ近寄る事さえ敵わぬ。
 だが威光を受けて尚堕落の君の妖気は其れに飲み込まれぬどころか鬩ぎ合い、逆に隙あらば
純潔の空間を濁らせ犯さんとしている。
 両者の実力は拮抗…今から類を見ない死闘の予感に毘沙門天の乙女は身を震わせた。

「さあ、罪の最後の魅力がかき消えるまで、罪を重ねよう」

「お前は生きていてはならない…哀れな存在だな。積み重ねられた罪禍、今全て断ち切る。



 ―――――上杉謙信、いざ参る!」

 鐘楼が鳴り響く…同時に白き剣気が鐘の音を打ち消す勢いでぱん!と弾けた。
 白銀の鎧武者がその身を竜巻へ変じ魔庭を駆ける。謙信の疾風の踏み込みで血薔薇が
その血色を失ったかの様にざぁと散り、紅き妖魔への道を開く。

 一瞬で両者の白と紅の世界が接触、仕掛けたのは常勝不敗の戦神。
 白金の竜巻から疾ッと白い稲妻が奔る、向かう筋は魔性の剣士の首。初撃から生存は
許さぬと言わんばかりの必殺の太刀筋。
 動かば斬り、死なば又斬る……そんな速く重く確実な軍神の剣、凡百の剣士であれば
これだけで七はその首が宙へと舞っている事だろう。

(アセルスvs上杉謙信 死合場:空中庭園決闘場)

 

26 名前:佐々木小次郎 ◆KOJI2a34Bo :2007/04/28(土) 23:14:170

宮本武蔵 対 佐々木小次郎

>>21

「――応。」

男は――いやもう名を隠す必要はあるまい。
佐々木『巌流』小次郎は、武蔵が声に、静かに、だが力強く答える。

沖合いより近付きし小船より舞い降りたのが、死んだはずの武蔵ならば、
それを船島にて迎え討たんとする緋色の剣士も慶長壱拾七年のあの春の日に死んだはずの小次郎であった。

小次郎は、一息で長大な太刀を抜き放ち、負い紐をほどき鞘を投げ捨てる。
目にも鮮やかな朱塗りの鞘が白砂の上に音もなく転がった。
刀を抜いたその時から、常に死ぬ覚悟は出来ているのだ。

右手一本で握った太刀に左手を添え、右八相の構えをとる。

いままさに宿命の相手と斬り合わんとする小次郎の胸中はいかばかりのものか。
うれしかった。あの野獣のごとき天才剣士と再び立ち会う機会を得て。
うれしかった。剣の極みに最も近い場所まで上り詰めたこの男と戦うことができて。

そして、悲しかった。
剣聖とまで呼ばれる程と成った男でさえ、剣という修羅から逃れえぬことを目の当たりとして。

「武蔵。おぬしも迷うたか」

だから、凛々しくも、どこか泣き笑いのような顔で小次郎はそうつぶやいた。

【死合い場所:月下の船島】

27 名前:アセルス ◆MidianP94o :2007/04/28(土) 23:31:340


>>25
妖魔<Aセルスvs軍神¥辮剏ェ信

 想像を絶する剣圧にアセルスは瞠目した。
 甲冑の少女は、自身を銀光に変えて薔薇の大河を割る。
 これが剣客の突進かと自問して、即座にアセルスは否定した。
 例えるなら城門を打ち抜く破城鎚だ。
 個人を仕留めるための術理ではない。

「―――まさか、人の身でこれほどとは」

 軍神の名は伊達ではなかったか。
 今更ながらに痛感しても、刻まれた時は戻らない。
 反応が一瞬も二瞬も遅れた。
 既にアセルスは、少女の間合いに捉えられていた。

 この突進力―――受ければ月下美人ごと両断される!

 佇立させた毘沙門天の棺桶を盾のように掲げた。
 閃光が迸り、硝子製の棺は呆気なく砕け散る。

「ちょ、寵姫の棺が……!」

 落胆の色がアセルスの表情を染める。
 が、発想を変えてみればあながち悪い展開とも思えない。

「そうか、キミに棺は必要ないか」

 寝る間を惜しんで奉仕に努める。大和撫子の名に恥じぬひたむきな
意思の顕れにアセルスは感動を覚えた。なんと健気な娘であろうか。


【試合場所:空中庭園決闘場】

28 名前:橘朔也 ◆X5lDK8LQyw :2007/04/28(土) 23:34:190

>>22
「橘vs魔王オディオ」

足音……?異様な殺気が坑道に充満する。
これまで戦ってきたどのアンデッドよりも異質な気配。
人間である自分を遥かに凌駕するその存在を橘は確かに感じた。

「魔王ドラキュラと同じ……闇の力か。」

闇の中で光る剣先を確かに見た。その輝きは禍々しく……
―そしてどこか切なかった―

ドラキュラを倒し世界を破滅から救おうと意気込んだがいつものように
出鼻を挫かれた男、橘朔也。
彼の人生は思えば挫折と、絶望の繰り返しであった。
そして今、また新たな絶望の力が彼に迫る。

だが、彼の目に絶望は無い。
絶望的な強さを持つ敵が現れようと、彼は逃げるつもりなどないのだから。
人間として、人間を守る。今の橘朔也に、迷いは無い。

「俺は戦う。たとえどんな敵が相手でも……!!
自分を信じて、人間を信じて最後まで戦う!!」

橘はベルトを腰に巻くと、目を閉じ狂気の魔王の前に立ちふさがった。


29 名前:宮本武蔵:2007/04/28(土) 23:43:230

宮本武蔵 対 佐々木小次郎

>>26

「わしは迷うてなどおらぬ」

 青年の美貌を見据えながら武蔵はいった。
 相手とは裏腹に、沈毅な表情は毫も揺れていない。

「尊悟入の想いはこの武蔵、きっぱりと打ち捨てた。お主は迷うておるか。迷うて現世に這い
出して来たか、小次郎。――」


 この舟島が現実の舟島ではないように――また眼前の佐々木小次郎が、かつてこの島で
斃れた佐々木小次郎そのものではないように――武蔵もまた生前の武蔵ではない。

 死に際し、予め術を施した女人と交合する事で死後、その女人の皮を破って再誕する魔天
の大幻術――忍法魔界転生。
 これにより新免武蔵は生まれ変わった。
 魂は人間的感情のことごとくを欠損させた魔人として、その剣技は以前にも増して。
 我執を超え、深遠の哲理にまで至った剣聖たる顔をふり捨て、破戒無道の魔剣士として。


「されば、わしは斬る」

 ぽつりと武蔵はいった。それまでの会話を無視したような言葉だ。
 それも当然であろう。現在の武蔵は人間ではないのだ。一旦死に、地獄から――魔界から
還って来た「異存在」なのである。
 大袈裟にいえば、昆虫か何かと意思の疎通を図ろうとするに等しい。

「わしを再び喚び戻したものを斬る。目に入るもの全てを斬る。
 そしてお主も再び斬る。思え、巌流はついに二天一流におよばず。……ゆえに」

 武蔵はきゅっと笑った。
 びゅっと水滴を跳ね上げ、木剣を相手と同じ右八双に構えると、不意に叫んだ。


「――小次郎、負けたり!」


仕合場:絵画「月下の舟島」
 

30 名前:魔王オディオ ◆OdIoUsLjVw :2007/04/28(土) 23:59:270

「橘vs魔王オディオ」

>>28

また声が聞こえる。
やはり人間であった。
真っ直ぐな目を持つ英雄の資格を持つもの。
しかしそれにしては―――

「そういう貴様は人間に光をもたらすものか。
 ……ずいぶんと非力なようだが」

そう、この「人間自体」には何も特殊な力は感じられない。
それなりに体は鍛えているようだが、
英雄といえるほどの肉つきではなく、
だからといって銃を扱う英雄のようにも見えない。

しかし、その目を見れば助けを請うだけの人間ではなく、
英雄であることは明らかであった。
油断は禁物であり、早く始末してしまうことに魔王は決めた。

「フン、自ら苦しみに来たか。
 そのまま深淵にでも飛び込み自殺しておけば
 余計な苦を味わうことなどないというのに」

手には輝く聖剣「ブライオン」。
たとえ人間相手でもその切れ味はおちることはなく、
どんな名工が作った剣よりも確実に命を奪う。

「フン、人間など信じるに値しないというのに……。
 愚か者め……人間に幻想を抱いたまま死ぬがよい……」

死刑宣告を下すと、魔王は何の感慨もなくその聖剣を男のくびへと走らせた。

【現在地:裁きの坑道】

31 名前:上杉謙信:2007/04/29(日) 00:00:180

>>27

 乾いた音と共に棺が砕け散るも刃の勢いは衰えず止まらず―――

「その様なものは必要無い。私は己の死等考えもせぬ」

 ――――其れは宛ら暴風であった。
 謙信のくるくるとまるで舞踏を舞うかの様な足捌きから一撃、又一撃と次々に斬撃が
繰り出される。
 回転が一つあがる毎に暴風は強く激しく……舞えば一閃、一閃から舞へと無限剣舞。
 連続する一閃は次第に更に速く重く、一筋の白銀の閃光へとその形を変じる。
 剣閃にて裂かれた大気は悲鳴をあげ、ごうと渦を為す。

 ずんばらばらり

 暴風はその余波を以って死の暗示を払拭せんと棺の砕け散った硝子の破片を巻き込み、
破片を細かく細かく光の粒へ分解、加え今までの贖罪とばかりに周囲の無数の魔薔薇の生
を断ち切り、無数の妖花が散って散って散って散っていった花弁が白銀の暴風に巻き込まれ
軍神の起こす風にきらきらと朱く彩りを添えていく。

 かくして暴風は遂には業風、即ち地獄にて吹き荒ぶ風へと。
 堕ちた妖しの剣士を死の花ともども奈落へ弾き飛ばさんと荒れ狂う。
 風の中の閃光は仇敵の首を落とさん、胴を両断せんとひたすらに加速を続ける。


 その最中に謙信の瞳は真っ直ぐに決して逃さぬと妖魔の君の貌を強く見据えていた。
 この死合、単なる剣力の争いに非ず。
 言うなれば双方の矜持、誇り――――全存在を賭けた死闘である。
 意思の力で押されれば必然剣も鈍り、結果、全てを喪う事になろう。


(アセルスvs上杉謙信 死合場:空中庭園決闘場)

32 名前:佐々木小次郎 ◆KOJI2a34Bo :2007/04/29(日) 00:17:150

宮本武蔵 対 佐々木小次郎
>>29

懐かしき言葉。それはかつての再現とも見ゆる光景。
だが、違う。これは似てはいるものの、決定的に非なるものであった。

あのとき小次郎が動揺せしは、その言葉を聴き、武蔵が剣の道を生きながらも、
剣術のみに生くるに非ず、という道を極めんとする人間であることを知ったからだ。
いまはまだ未熟ながら、深さと広さを垣間見たからだ。

だが、いまの目の前の武蔵は違う。
剣のみに生きることを是とする修羅であった。
そう、本質的に、より小次郎に近いものであった。
ならばもはや迷いはない。

「堕ちたか。否、魔界に転び生まれ出でたか」

ならば我が剣にて、地獄より出でし鬼を払ってみせよう。
我が内なる修羅にて、目の前の魔人を喰らって見せよう。

全身に剣気を満たし、剣を握る両の腕に力をこめる。
奴が八双に構えたことにより、此度の武蔵が間合いは解った。

此度も間合いは武蔵の方が広い。そしてなにより奴にはあの『見切り』がある。
本来ならばうかつには打ち込めぬ。だが、数百年の間磨き上げてきた我が剣術。
気体上げてきた我が剣速。決して奴に劣るものではない。

絶叫めいた気合と共に、右八相の構えから銀の光芒が夜を疾る。
狙いは武蔵が身体ではなく、そのあまりに長大な櫂の木刀。
そう、先ずは間合いを潰さんとす。

【死合い場所:月下の船島】


33 名前:橘朔也 ◆X5lDK8LQyw :2007/04/29(日) 00:23:520

「橘vs魔王オディオ」

>>30
―絶望の魔王、深淵より来たる

その目に、光は無い。ただ絶望だけを持ち、憎しみに染まった魔王。
かつて人間であったはずのその男から発せられる怨念とも呼べる言葉を橘を見据えている。

―人間は非力だ、そうかもしれない―

魔王の言葉に偽りは無い。人間は確かに弱い生き物だ。
故に、醜い心をさらけ出し同じ仲間である人同士でさえ殺し合い罵り合う。
そうだ……俺もかつて弱い人間だった。
力に溺れ、自分を見失い……そして総てを失った。

それが橘朔也の心に残る、大きな傷と後悔の念。

「確かに……人間は弱いかもしれない。
だが、愛することを忘れなければ……人はまた限りない強さを得ることも出来る。」

――そうさ……かつては俺も、忘れかけたことだがな――

魔王の死刑宣告は、突然降り注いだ。瞬時に繰り出される刃の光。
その剣の一撃を喰らえば、俺の命など一瞬で消え去るだろう……だが。
襲い掛かる剣の刃先を寸前で交わす。そしてベルトに挿入する一枚のカード。

俺の切り札。運命を切り開く……「ダイヤのエース」。


「やるな……だが、俺は犬死だけはしない!!
負け犬には……なりたくないからな!! ヘ ン ジ ン !!!!」

変身時に発生する光を放つAの盾。
―通称変身畳―が魔王の剣を押し返さんと迫る。

【現在地:裁きの坑道】


34 名前:アセルス ◆MidianP94o :2007/04/29(日) 00:25:130


>>31
妖魔<Aセルスvs軍神¥辮剏ェ信


「―――美しい」

 陳腐な一言だ。
 上級妖魔のみ許された「教養」と言う名の特権を飽くことなく貪り、この
世の風流を極めんと永遠の夜を費やす妖魔の君―――彼女の経験は、知識は、
今宵という瞬間のために高められたのではなかったのか。眼前で広がる光景
に、アセルスは高次の存在を意識せずにはいられなかった。

 硝子が砕け、粒子となって闇に煌めきを与え。
 舞い上がる葩(はなびら)は妖精の如く。
 渦中で踊る白銀は、若年にして条理の限界を突破していた。

 その光景を称して、アセルスが述べた言葉の陳腐なことよ。「美しい」――
―あまりに凡庸で、あまりに抽象的で、あまりに独りよがりだ。
 眼前に広がる奇跡の意義を一欠片も汲み取ってはいない。
 彼女が積み上げてきた100年の教養は、無益な徒労に過ぎなかったのだ。

 だのにアセルスは繰り返す。
 美しい、と。

「私もそこに―――」

 少しでも至高に近付きたくて。
 一歩、前に出た。

 蒼紺の鮮血が真紅を濁らせた。銀光が幾重にもコートを滑る。百を下らぬ
聖痕を身に刻んで、殉教者は後方へとすっ飛んだ。
 聖域の侵入を無下に拒否されたカタチになる。

 だが、アセルスは諦めを知らない。全身を蒼血に染めて立ち上がる。
 聖痕は見る間に塞がった。それがまた口惜しい。
 彼女との絆は消えてしまった。ならば今一度だ。
 邂逅を求めて、アセルスは薔薇の地面を踏みしめる。

 私が。
 私があの至高を。
 堕としてみせるんだ。


【試合場所:空中庭園決闘場】

35 名前:宮本武蔵:2007/04/29(日) 00:53:250

宮本武蔵 対 佐々木小次郎
>>32

 形も美しさも、頭上の満月と等しい弧を描いて、一颯の刃風は襲い来た。


 盛大な飛沫が上がった。
 対する武蔵は波打ち際を蹴り上げ、横っ飛びに数間もの距離を稼いでいた。
 相手の妖剣に空を打たせ、小次郎の、同時におのれの間合いの外に出たのである。

 と、まだ空中にある内、腰に走った左手が大刀の柄を握るや、引き抜きざまに突いた。鼓
膜を打つほどの唸りは上がったが、当然、空間的に刺突が届く距離ではない。
 にもかかわらず、黒い何かが美剣士めがけて飛び出した。

 武蔵が揮ったのは鞘込めの一刀だったのである。それも油断なく鯉口を切り済みの。
 突きの速度と勢いをそのまま乗せて、鞘のみがいわば「発射」されたのだ。
 ただ抜き払いかけた刀を揮ってもこうはならない。そこには剛力と精妙の一致があった。

 鉄拵えの鞘は投げ槍のごとく最短距離の直線を描いて走り、着地した武蔵はその軌跡を
追うように砂地を駆けた。小次郎へと。


 剣術の要諦は間合いを制する事にある。あらゆる剣士が最終的に心血を注いだのは、こ
の技術の習得に他ならない。
 武蔵もまた同じであった。――故意にその間合いを延ばし、縮める。この「拍子」である。
 今まさに鞘を捨てたばかりの左の一刀が、危険な光芒を放ちつつ相手に流れた。


【死合い場所:月下の船島】

36 名前:魔王オディオ ◆OdIoUsLjVw :2007/04/29(日) 00:57:220

「橘vs魔王オディオ」

>>33

その剣は確実に男の首を跳ね飛ばし、
8メートル横の壁に叩きつける筈であった。

「変身」の掛け声とともに姿を変える男。
突如出現した光の盾。
それら全てが必然であった男の死を免れさせた。

「チッ!変身型の英雄だったか!
 通りで非力な筈だ……!」

跳ね返された聖剣。
断頭台にかけた筈の男の首は
いまだ体に繋がっている。

「クッ!剣だけでは済まぬか!」

剣を押し返しながらも勢い落とさず
自分すら跳ね飛ばそうとする光の盾。
当たればダメージはともかく、バランスを崩す可能性がある。
能力も判らぬ敵に隙を見せるのは危険すぎる。

そう判断した魔王は、後ろへと跳んだ。
一つの跳躍で離れた距離は7メートルほど。

「ハッ!愛によって手に入る無限の力?」

上段の構えを取る。
普通はこの間合いでは剣は届かない、
しかし元勇者である魔王にはそれが可能であった。

「そんなものに頼るから犬死するというのだ!!」

剣を振り下ろすと、真空の刃が男めがけて飛んだ。
地を削りながら真っ直ぐ進む真空の刃。
それはソードビューと名づけられた勇者の剣術の一つであった。

37 名前:上杉謙信:2007/04/29(日) 01:06:360

>>34

 業風ではまだ届かぬ。
 思えば黄泉の風は妖魔の君と出自が近しき陰のもの。
 同じモノでは傷つけど打ち倒す事は敵いはせぬ……なれば如何するか。

 当然に決まっている。何処までも疾く疾く疾く。
 色即是空即ち世の全て、森羅万象は押並べて因と縁に存在を為し本質は空。
 これより万理の線を飛び越えて空へと至る。

 闇色の蒼の水滴に塗れた愛刀をより強く疾く振り抜く。
 斬るべきはこの様な不純物では無く己が眼が捉えている堕落の主。
 其れを見据えて再び薔薇の園を駆ける、先のものでは手緩い。
 意識すべきは彼の妖の剣士との直線、間合い、他全ては不要。

 かくして軍神の回転がより勢いを増す。
 業風を超え吹き抜ける剣から瞬く間に蒼き穢れは浄化される。
 まだ足りぬ、更に強く強く――――薔薇色の竜巻が遂にその存在の限界に達し
昏く赤い色素は軍神の周りから漂白される。

 ……つまりこの威風は元の鞘に戻っただけか?
 否、業風は線を飛び越え、色を無くし空に至り、神風へと転じる。
 神風、即ち天から吹きつける風、此れならば陰なるものは全て消し飛ばせよう。

 神風と化した謙信が妖魔の君へと向かっていく。
 そこから発する白刃の閃光は天の光、星の煌き、此れを以って邪悪を霧散せしめん。

(アセルスvs上杉謙信 死合場:空中庭園決闘場)

38 名前:佐々木小次郎 ◆KOJI2a34Bo :2007/04/29(日) 01:11:570

宮本武蔵 対 佐々木小次郎
>>29

さながら銃弾のごとき勢いで飛来する鉄拵えの鞘。
その身に受ければいとも容易く風穴が開こう。

初太刀が外された時点で、素早く右八相の構えに戻っていた小次郎は、拝み打ちの一撃でその鞘を叩き落とす。

それを行った剣士が、並みの使い手であったならば、否、一流どころの剣士であろうと、
その隙に武蔵が大刀が、その身を切り捨てていたことだろう。
だが、此度それを行ったのは佐々木小次郎であった。

大太刀の切っ先が、地に触れる寸前に、飛燕の軌跡を描き跳ね上がった。
その跳ねあがりし剣影が向かうのは、武蔵が振るいし左手の大刀。
甲高い音を立て、刃金が刃金を弾いて散らす。『燕返し』の太刀が武蔵が一撃を食い止めたのだ。

そして、放たれた燕は一羽ではなかった。再度、『物干し竿』が、飛燕の軌跡を描く。
銀の軌跡は正確無比に武蔵が首めがけて舞い降りていった。

【死合い場所:月下の船島】

39 名前:ギャレン―橘朔也― ◆X5lDK8LQyw :2007/04/29(日) 01:22:470

「橘vs魔王オディオ」

>>36
凄まじい剣圧。
避けることが出来なければ、間違いなく橘朔也=ギャレンの首は宙を舞っていた。
それ程の魔物なのだと、今一度戦って分かることもある。

「ギャレンの力が…俺を救ったのか。」

驚愕の時は、まだ終わらない。
魔王を吹き飛ばした筈の、変身シールドは既に消え…迫るのは、魔王の言葉と
地面を破り突き進む真空の剣。

―「ハッ!愛によって手に入る無限の力?」―

魔王は俺に問う。愛など幻想だ。
そんなものを信じているから、騙されて苦しまねばならないと。

常識を超越した剣撃。剣圧だけで相手を滅する脅威の技を持つ存在。
普通に考えれば、勝てる相手ではないだろう。

―「そんなものに頼るから犬死するというのだ!!」―

さらにスピードを上げて、剣はギャレンに迫る。
同時に聞こえてくる魔王の叫び。
橘朔也、彼と同じ絶望を知る者の悲鳴にも似た憎しみの言葉だ。

「幻想なんかじゃない……俺は見た。人の思いが、運命を切り開いた瞬間を。
剣崎が、始が……乗り越えようとした絶望を…それは幻想なんかじゃない。
あいつ等が実際にやってみせた……現実だ!!」

その刹那、真空の刃がギャレンの足元を抉る。
瞬時に避けようとしても、その刃はギャレンの反応速度を優に超していた…

「うぉおっ……くぅう!!痛み……そうか。」

左足から零れ落ちる血。剣崎とは違い、俺のは赤色だ。
人間である意味。そして、人として何をすべきかをあいつは教えてくれた。

「痛みがあっても……まだ、戦える。俺は諦めない!!
俺は、戦う!!」

悲鳴を上げる左足を奮い立たせ、ギャレンラウザーの銃口が火を噴く。
光を見据え、その信念の銃弾が魔王へ放たれた。

「俺が愛した、女の受けた痛みに比べれば……俺の大切な友が受けた孤独に比べれば」

跳躍する。側面からの射撃で中央から放った弾丸に集中させておいてのフェイントだ。
宙を舞う間に、放たれる無数の銃弾。

「こんな痛みは、痛みではない!!」

着地して更に後方から連射―― 比類なき思いを込めた弾丸が魔王へと迫る






40 名前:アセルス ◆MidianP94o :2007/04/29(日) 01:46:360


>>37
妖魔<Aセルスvs軍神¥辮剏ェ信


 葩を散らし風を裂いて軍神は踊る。至高への到達を果たしたはずの舞踊は、
更に鋭さを増して妖魔の君へと殺到した。
 その奇跡に、アセルスの総身が震えた。軍神′ェ信公――― 一度の完成
を迎えれば至高に留まることなく、新たな完成を求めるというのか。
 彼女は常に脱皮を続ける紋白蝶だ。
 世界という殻を破り続けるハイタカの猛鳥だ。

 至高への登頂を繰り返す謙信公に、アセルスは美の極致を見た。
 出会えて良かった―――そう呟く妖魔の眼から涙が溢れ出る。
 奇跡への邂逅はついに果たされた。
 両腕を広げて、アセルスは軍神の乙女を受け入れる。
 口元に浮かぶ微笑は穏やかだ。

 ずん―――と、胸に白刃が埋まる。魔法鋼(ミスリル)の鎖を織り込んだ
フロックコートが紙の如く切り裂かれた。
 ごぽりと口元から血塊を零しても、なおアセルスは微笑を絶やさない。
 両腕で優しく軍神を抱き止めた。

 肺腑が裂かれ、ひゅーと喉から音が零れる。
 言葉にならぬ言葉で、アセルスは最期に―――謙信公に謝辞を述べた。


 ありがとう、と。



【試合場:空中庭園決闘場:妖魔アセルス→死亡】

41 名前:アセルス ◆MidianP94o :2007/04/29(日) 01:47:310


>>40


 ―――そんな結末を是とする、アセルスでは当然ない。

 紡がれる物語に至高など不要だ。
 互いに汚し合うことで初めて奈落(アビス)の深淵を垣間見せる。

 完徳を迎えたかに見えた妖魔の身体に異変が起こった。
 ぴしり、と亀裂が走ったのだ。硝子細工の如く縦横無尽に。
 刃を抱き止めたままアセルスは砕け散る。
 闇の粒子は夜に溶けて、後に残るのはフロックコートの残骸だけだ。

 同時に、軍神の背後でゆらりと影が起きる。

「―――捕まえた」

 耳元で囁かれる魔性の声音には、不敵な確信すら篭められていた。

「私は、キミを、捕まえた」

 妖術ミラーシェイド。
 自身の影を鏡面に映すことで、擬態に変える高等魔術。妖術の素質を極めた
妖魔の君だからこそ使用を可能とする、世界の理を無視した幻惑だ。

 軍神の背中に添えられた掌に勢いはない。
 だが全身の魔力径路を解放をすることで、一瞬にして軍神の突撃にも劣らぬ
威力を叩き出す。―――これぞ妖魔流の発勁術。つまるところは羅刹掌。
 奇跡の返礼として繰り出された。


【試合場:空中庭園決闘場】

42 名前:宮本武蔵:2007/04/29(日) 01:51:220

宮本武蔵 対 佐々木小次郎
>>38

 寄せては返す怒涛も掻き消すかのような音声(おんじょう)を発し、巌流が誇る密剣が闇中を
舞う。
 鞘と斬撃の二段構えを弾かれ、雷瞬の間、僅かに姿勢を泳がせた武蔵は初めて顔色を変えた。

 ばっ! と血風が吹いたかに見えた。いや、実際に散ったものがある。
 それは武蔵の真っ二つに切られた鉢巻と――そして眉間から鼻柱までを走る刀痕からの血汐で
あった。


 出血は派手だが、傷自体はさほど深くはない。
 避け得たのも、その程度で済んだのも、「かつて」――慶長十七年のあの時に一度見ていなけ
れば適わぬ恐ろしい太刀ゆきであった。


 顔面を血に染め、つつ、と砂地を真横に滑るように遠ざかりながら、またも武蔵は、今度は
一刀そのものを投げた。――手裏剣の射程は、その道を極めた達人でも十メートルが精々である
という。得物を刀に換えても二十メートルでの命中距離を誇る武蔵ならではの、膂力による業
ではあった。

 大手裏剣と化して飛来する武蔵の愛刀伯耆安綱(ほうきやすつな)は、しかし先刻鞘を飛ばし
た時とさして変わらぬ軌跡で小次郎へ飛んでゆく。


【死合い場所:月下の船島】

43 名前:魔王オディオ ◆OdIoUsLjVw :2007/04/29(日) 02:09:090

「橘vs魔王オディオ」

>>39

ソードビューは切断までは行かないものの
男の足を血で汚すことが出来た。
足への損傷、すなわち機動力の低下である。

それでもなお足掻く英雄。
希望の言葉が聞こえてくる。
人を信じた言葉。信じることによって奇跡をおこしたことを謳う言葉。
絶望すら信じることによって乗り越えられるということを悟った言葉。
その一言一言が、魔王の癪に障った。

「人の思いが運命を変える……。
 間違ってはいないがな……!」

痛みを堪えた銃撃。
その銃弾は真っ直ぐ自分の肺を貫こうとしていた。

――――――ミラージュドライブ

そう言葉を紡ぐと手に「風で出来た鏡の盾」が出現した。
オルステッドが持っている数少ない防御魔術、
それは弾丸や魔術などの軌道を変えて無効化する反撃もかねた盾である。

その盾で正面から弾丸を受け止め、
弾丸をはじき返したが、正面には既に男はいない。

「人の思いはな……罪の無き人間ですら魔王に仕立て上げるのだ!
 人間に幻想を抱いていたものを、容赦なく醜い現実に突き落とした!!
 それが人間だ!貴様が幻想を抱いている人間の本質だ!!」

痛みを堪えての跳躍、そして側面から放たれる弾丸。
正面からの攻撃を防ぐことに気を取られていた魔王は
側面の防御が疎かであった。
しかし―――

「あまい―――!!」

ミラージュドライブで当たる寸前の銃弾を弾き返す。
それを側面を飛んでいる男に向けて軌道を変えたが
足を負傷しているとは思えないほどの速さで魔王の後ろを取った。

正面、側面、それで手詰まり。
後ろからの連射はなすすべもなく
魔王の鎧を貫き、鎧の中身を血に染めた。

「ぐ――――――クウ―――!!」

彼の血は赤い。
青くも緑でも、ましてや血が通ってないわけでもなく
人間の、赤い血を吐いた。

「……それで私の……後ろを取ったつもりかあ!!」

虚空に向かって剣を振る。
切り裂かれた空間から生まれたのは
無数の風の刃、刃、刃。

――――――ヘキサフランジ

彼の剣術の中でも一際強力なバックアタックを行う剣術。
風の刃一つ一つの威力は大したことは無いが、
それらが大量に神経を切り裂こうと後ろの対象へと向かう。
まともに食らえば神経が麻痺してしまうので、オルステッドの剣術の中ではかなり強力な部類に入る。

「痛みなど―――とうに忘れたわ!」

男―――橘の体をズタズタに切り裂くべく
大量の風の刃が魔王の後方に飛んでいった。

【現在地:裁きの坑道】

44 名前:佐々木小次郎 ◆KOJI2a34Bo :2007/04/29(日) 02:19:110


宮本武蔵 対 佐々木小次郎
>>42

武蔵が投げた大刀は、先ほどの鞘に数段勝る勢いで、佐々木小次郎へと肉薄する。
その恐るべき速度、その恐るべき精緻さ。それはまさに魔弾であった。

武蔵の膂力とそれが生み出す魔弾の速度。
そして飛来する弾丸が名刀伯耆安綱であることを考えれば、下手をすれば受けた剣が折られかねない。
だが、避ければ体は崩れ、死に体となろう。叩き落すほか手段はない。
小次郎は烈迫の気合と共に、白砂を踏みしめ剣を振るう。

並みの刀はおろか、戦場拵の剛刀ですら叩き折りかねないその魔弾を受けて、備前長船長光はしかと耐えた。
弾き飛ばされた武蔵が刀はくるりくるりと回転し、墓標のように白砂に突き立つ。

その刀を視界の隅におさめながら、小次郎は思う。
刀一本失ったとて油断のなる相手ではない。だが、刀一本失ったいまこそ仕掛ける機会であることも確か。

ゆえに小次郎、刀を脇に構えると、武蔵がもとへと一息に間合いをつめる。


【死合い場所:月下の船島】


45 名前:上杉謙信:2007/04/29(日) 02:26:160

>>41

 確かに星の流れは邪悪を覆滅せしめた、手応えはあったのだ。
 …が謙信が背後に悪寒を感じたのも刹那を同じくした。

『私は、キミを、捕まえた』

 この間合い、体勢では剣は互いに使えぬ筈。
 だが軍神の直感が危難を悟り激しく警鐘を鳴らす。
 己が四肢に持てる力を込め、魔性を振り払おうとするも既に時遅し。

 背に最初に来たのものは痺れ、次いで其処から広がる陰気の奈落循環。
 秒にも満たぬ事であったが謙信の身体は魔気に犯され、衝撃と共に弾き飛ばされた。







 空白の間は然程でも無かった。直ぐにその身は自由を取り戻す。
 なれどその身に刻まれた手傷、決して浅くは無い。
 立ち上がる時に地面に紅い華が一輪、其れは謙信の口より漏れた血。
 その赤は軍神の気高さを示すが如く鮮烈で透き通っている。
 軍神の赤に比べれば此処を覆い尽くす死薔薇の赤等は贋作に過ぎまい。

(………肋骨が数本行ったか)

 だが臆してはならぬとばかりに妖魔の君を見据える。

「奇術は二度は通じぬ」

 己の血に塗れた白銀の武者は慄然と言いすえる。
 風が凪いだ。堕落の剣士の嘲りも薔薇の呻きも全て静寂の彼方へ。

「その程度の芸、魔気で私を制する事敵うと思うな」

 軍神の背から立ち上るは清流の剣気の陽炎。
 謙信の信仰する毘沙門天の像が見えるのは気のせいか。

 ――――勝負は未だ中途にあり、この一撃を以って帰趨を決める。


(アセルスvs上杉謙信 死合場:空中庭園決闘場)

 

46 名前:宮本武蔵:2007/04/29(日) 03:04:310

宮本武蔵 対 佐々木小次郎
>>44

 武蔵もまた視界の隅に愛刀のさまをおさめ、しかし動かない。
 いや、動いてはいる。今までの熾烈な剽悍さではなく、獲物を凝視する獣じみた動作で、じ
わりじわりと。――

 美しき疾風と化して馳駆して来る大敵を前に、転生以前より先天的に常人と異なる虹彩が、
琥珀のように光った。
 武蔵は木剣を青眼につけた。

「……む!」

 声ともいえぬ、だが肺腑に食い入る裂帛の気合いを伴って、武蔵は突きを放っていた。
 揮った竿竹はあまりの力に耐えかねてことごとく折れたという武蔵を以ってすれば、例え木
剣といえど、人体など豆腐と同様の硬度でしかない。
 やや下段気味の突きは、騎馬武者の突進のごとく迸った。


【死合い場所:月下の船島】

47 名前:佐々木小次郎 ◆KOJI2a34Bo :2007/04/29(日) 16:19:130

宮本武蔵 対 佐々木小次郎
>>46

迫り来る武蔵が突きを半身となって紙一重でかわす。

小次郎が生身の肉体を持っていれば、その剣圧のみで臓腑を衝撃により破裂しかねんほどの鋭い突き。
人並みはずれた強靭な下半身がなければ風圧のみで体勢を大きく崩されるような豪快な突き。
だが、彼の身体は人ではなく、蘇りてこのかた木偶であり、破裂ような臓腑など存在せぬ。
だが、彼の身体は尋常ならざる。四百余年の歳月を練り上げて来たその身のこなしは揺らぎもせぬ。

小次郎。左半身となって避けると同時に脇構えとなる。
そこから僅かばかりの淀みもなく、右足を大きく踏み込んで、踏み込むと同時に剣を振るう。
それは体捌きを利用して、円運動を作り出し、身体ごと斬りかかる様な豪快な一撃であった。

銀の光芒が武蔵が胴を真っ二つにせんと月影を浴びひた走る。

その剣は古流の秘太刀としてまれにみられる「薙ぎ」に近い技だった。
だがその太刀はただの薙ぎではない。
流れるような体捌きから繰り出されたその一撃は、ただの一太刀ではなかったのだ。
たとえ一の太刀を外されようと、巧みな体捌きから生み出される流れるような動きから、
すぐさま更なる太刀が襲い掛かる魔剣であった。

それは小手先の業などではなく、流水がごとき動きを持って、
身体ごと幾度もぶつかっていく、虎が身を翻して獲物を襲う様にも似た豪快な剣であった。
これぞ真の巌流が秘剣『燕返し』なり。

【死合い場所:月下の船島】


48 名前:アセルス ◆MidianP94o :2007/04/29(日) 18:30:020


>>45
妖魔<Aセルスvs軍神¥辮剏ェ信


 羅刹掌―――忌み名が示す通り一撃必殺≠フ発勁術を受けて、なお軍神は
毅然と立ち上がった。無傷、というわけではない。手応えは十全にあった。
 甲冑越しにも感じられた彼女の温もり。掌底を放った左手が軍神が負った
ダメージを詳細に語ってくれる。あの娘はいま痛んでいた。
 だが、凛とした剣気が衰えることはない。
 兵法はこれしか知らぬ、とばかりに三度正面から斬り込んできた。
 軍神と謳われるだけはある。謙信公の刃は術理ではない。系統づけて語られる
ものではない。戦場で相手を駆逐することのみに心血を注いだ「必死」の刃だ。
 賢しい搦め手も様子見の牽制も必要なかった。
 愚直なまでに猛進それのみを信じる姿勢に、アセルスは心打たれる。

 ―――ああ、彼女が来る。来てくれる。

 手中に捉えたのに、あえて羅刹掌で突き放したのもこのためだ。妖魔と軍神の
間には因果の絆が結ばれた。断ち切るにしても、受け入れるにしても、軍神の
乙女はより深くアセルスの領域に踏み込まなければならない。
 謙信公はいま、想い人の胸に向けて飛び込んでいるのだ。

「踊ろう、謙信!」

 彼女のひたきな気勢に応えるため、ついにアセルスは月下美人を構えた。
 月下に晒された白刃は、持ち主の魔性からは想像できぬほどに鋭く清らか。
 八双に背負えば、迸る緊張で舞い散る葩すらぴたりと凍り付く。

 軍神と妖魔―――衝突する二つの剣気に負けて、水道管に亀裂が走る。薔薇
に潤いを与えるため、網の目の如く地面に設置された給水設備だ。
 割れた水道管は昂ぶり合う2人の熱を冷まそうと、月下に綺羅と輝く水霧を
振りかける。―――水が舞い、葩が踊り、頭上には満月。
 ここに「雪」「月」「花」の三点が揃い、アセルスの秘太刀は完成に至る。

 踏み込みと同時に振り落とされる刃に音は無かった。
 ―――乱れ雪月花。
 乙女の純潔に敬意を表して。
 妖魔最強の剣技が闇を滑る。


(トリップ勝負! 「軍神突撃vs乱れ雪月花」→値が大きい方の技がHIT)
【試合場:空中庭園決闘場】

49 名前:アセルス ◆UhwBP6/M.o :2007/04/29(日) 18:34:400

 判定用トリップを入れるのを忘れてしまった……。
 この値が、私の剣技の威力となる。

50 名前:「剣の騎士」シグナム(M) ◆xHAYATEzHE :2007/04/29(日) 20:16:360

(メタルアルカイザーVSシグナム)

>>11

神殿の地下を、騎士が駆ける。
その身を包むのは、主が用意した騎士甲冑。
その手に携えるは、剣が変化した巨弓。
「剣の騎士」シグナム、その足取りに迷いはない。

(シャマル、何か情報は)
(ええ――クロノくんからの情報だと、かなりまずいみたいね)

「念話」――空間を越えて思念通話を可能にする魔法――を通じ、
シャマルのかすかに焦燥を含んだ声が脳裏に響く。
御前試合、妖魔の復活。
伝えられる情報は、第一級魔道災害を予感させるに充分な内容だった。

いや――それは目の前の風景に目を転じるだけでも充分。
たちこめる瘴気は、進めば進むほどに一層濃くなっていく。

(やはり無茶よ、あなた単騎でどうこうできる事件じゃないわ。
 ここははやてちゃんたちにお願いして……)
(いや、主には今までどおり知らせるな。
 それに……話している余裕も、もはやなさそうだ)
(え、ちょっと、シグナ……)

戸惑いを無視して、念話を強制切断。
シグナムは歩みを止め、ゆっくりと視線を上へとむける。
狭い通路から一転、そこには巨大な広間が広がっている。
その方々には、朽ち果てた異形の石像。

これは神殿。
だがそこに祀られていたのは、明らかに通常の神ではなかった。
そして、その中央、そこに祀られていたモノであるかのように立っているのは――

「――機械、か。
 だがその剣、ただの機械ではないと見た。
 私は時空管理局、ヴォルケンリッターの剣の騎士、シグナム。
 貴官の所属と官姓名、作戦目的を申告いただきたい」


51 名前:上杉謙信 ◆0/3GEvnneE :2007/04/29(日) 20:45:160

>>48 49

 いくさ場に於いて死は常に隣に在り。
 乱れ舞うは白刃、突き出すは槍衾、飛び交うは矢嵐
 先にまで語らっていた同胞が倒れ行く光景は日常。
 否、僅かたりとも気が緩めば即座に自身も同様、野晒しの骸に。
 故にいくさ場に於いて死は常に隣に在り。
 かかる現実の重みは謙信にも其の重みは等しく同じ。

 今霞の向こうに在る現実は魔剣士の極技、並の者なれば百は死す、豪の者なれば十は死す。
 然ればこの傷つきし女武者は幾度死すか。

 ――否、過去も今も白き戦乙女は己の敗北、自身の死における信仰は欠片も無し

 死地におきて謙信が問いかけるは己が内面。
 意識は自らの深層に…其の過程で見るは灼熱、極寒、阿鼻、叫喚、所謂煉獄。
 それらは自身に迫る死の具現、禍火に喘ぐ民の慟哭、全て打ち払い切り払わばならぬ。
 乗り越え辿り着くは三千世界、戦神は其処で理想を成就せん。

「いざ突進! 毘沙門天の加護ぞある!」

 心魂満ち満ちて大喝一閃、雷瞬、空を割ったかの如き激音。

 活目せよ。
 今此処に在るは上杉軍の誉れ、其の魂たる『軍神突撃』

 高めに高めし剣気は開放されし時、純白から黄金へと色彩を変じ軍神を勝利へと導く。
 軍神の手に持つ刃は僅か一振り、巨木をも瞬きで切り伏せるもあくまで其の数は一。
 なれどその疾走から吹き出る黄金の気刃は百を優に超える。
 その威力は刹那で数百の敵兵を地に伏せ、一撃で戦場の趨勢を別ける。

 軍神がその誇りを賭け戦場を疾駆する。
 黄金の旋風を前に魔薔薇が霧散し血色から黄金へと庭が塗り替えられる。
 その手から繰り出されるは魂の一閃は必至、当たれば苦もなく魔を両断しよう。
 突撃の威風から産まれ出る百の光刃は必滅、触れればその威に魔は消滅しよう。

 故に軍神の突撃には常に勝利が約束されるのだ。

(アセルスvs上杉謙信 死合場:空中庭園決闘場)

(トリップ勝負! 「軍神突撃vs乱れ雪月花」→値が大きい方の技がHIT、
 大文字>小文字>数字>記号の順序)

52 名前:斎月雪那 ◆USETUNAqno :2007/04/29(日) 20:49:280

皆さん、斎月雪那です。

異世界、イ・プラセェルへの召喚から間もなく、別の何者かによって召喚された私と華麟。
ここで待っていたものも、イ・プラセェルの時と同じ、戦い・・・
私は、戦いたくなんてないのに。

『セツナ・・・私が、セツナを守りますから』

大丈夫よ、華麟。
戦いたくないけれど、戦わなければならないのなら、私は・・・


次回、守護天使ガーディエンジェルセツナ外伝「フォールン・エンジェル」


華麟、また・・・始まってしまったんだね。

53 名前:魔人ヴィゼータ ◆VZ/G9kPv8E :2007/04/29(日) 20:53:440

「……にゃ〜ん。 ひ〜ま〜〜」

夜の静寂を切り裂く、やる気オーラゼロのたるみ切った声。
声の主は、混沌の魔空に現れた古城という超が数桁つくような危険スポットには
およそ似つかわしくない風体の一人の少女。
月明かりの下、不気味なシルエットを浮かび出す城壁の下を
恐れるふうもなくとてとてと歩き回っている。

彼女のどのへんが似つかわしくないかというと。
黒に縦縞柄のワンピースというのはまだいい。
その上にフリルつきの白いエプロンが装備されているのも、
彼女がこの城に仕えるメイド――いや、侍女だと考えればありだろう。
サイケなピンク色をした縁の伊達メガネもまあ、大目に見るとして。
ツインテールにした長髪をまとめた同じくピンク色の大っきなリボンというのもまあまあ、大目に見るとして。
その、髪の上に場の空気を粉々にブチ壊す恐怖のアイテムが
恐るべき存在感をもって鎮座ましましていた。

――形状は概ね三角形である。
――質感はふわふわである。
――ちなみに色は白である。

正式名称「魔殺商会〇七年式防弾防刃耐熱耐衝撃耐電耐冷耐呪詛魔導皮膜加工済
猫耳カチューシャ」 通称はネコミミである。

「にゃ〜う〜……
やっぱり宮内庁御用達のウサミミにした方がよかったかにゃ?
そっちの方が遠目にも目立ちそうだしね?
でもでも、それやったらいおりんが怒り狂うし〜
ぶーぶー。 いおりんのマニアック〜!」

ネコミミ少女は立ち止まり、独語する。
頭のネコミミをまさぐりながら、黙考すること数秒。
さらにそこらにあった敷石の上に座り込んで熟考の体制に移行。
夜の悪魔城を背景にネコ耳のメイドさんがむむむ、とかぬぬぬ、と声を上げながら
頭を抱える光景は、実に前衛的。 かもしれない。 たぶん。


ざわざわ。 がやがや。
ばっさばっさ。

隙だらけのその姿に気づいて、城に住まう大小の魔物たちが集まってくる。
どれもが血に餓えた目をして地上から。 背後から。 空中から。

「う〜みゅみゅみゅ。
ねこねこ…ウサウサ……」

対する少女は丸腰。 そればかりか腕組みして目を閉じて
ねこねこうさうさ呟いてばかり。
迫り来る生命の危機に気がついた様子もない。
有象無象の魔物の群れは、こいつは格好のエサだとばかりに一斉に躍りかかるが。

ひゅかかっ。

空間を、不可視の何かが疾る。

ざしゅ。 ぼひゅ。 げぼ。 ぐちゃ。

数瞬遅れて、何かが斬り捨てられ、爆ぜ割れ、液体質のものが飛び散る音が大合唱。
石畳の上に無数の肉片とおびただしい量の赤い血が無造作にぶちまけられる。

「にゃ〜ん……
人が考えごとをしてる時に無粋無粋!
ていうか雑魚は雑魚らしくおとなしくするする! 命は一つしかないんだからね?
もうなくなっちゃったともいうけど、みたいな?」

いつのまにやら細身の剣を手にして立ち上がっていたメイド姿の少女は、
無数のサイコロステーキと化した魔物たちの残骸を一瞥すると
悪戯な猫のような目をしてくすりと笑う。

「しっかし……」

血まみれの刀身をびゅんっと振って血を払い落としたネコミミメイド――ヴィゼータは
これまたどこからか取り出した鞘に剣を収め。

「ヒマなんだにゃ〜〜!!」

誰もいない中庭で、一人絶叫。
聞いているのは、ぽっかりと空に浮かぶお月さまだけ。

54 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/04/29(日) 20:53:570

(メタルアルカイザーvsシグナム/侵食地下神殿跡)


 果たして、待ちうけていた相手は姿を現した。

 暗闇でも見える、涼やかな騎士の姿。その体つきや流れる髪から女性と用意に知れる。
 しかし、武人に老若男女など関係ない―――私はそう考えている。
 もののふとは、いわば魂と心に宿るもの。肉体の違いで変わるものではない。
 故に、躊躇いはない。

「メタルアルカイザー―――元ブラッククロス四天王」

 目の前の美丈夫の表情が変わった。
 ブラッククロス/リージョンをまたに掛けた大犯罪組織。
 被害に遭ったもの、戦ったもの。知っていれば誰もが恐れる名。

 だが、目の前の剣士は闘争心を高めるだけだった。
 つまり、それはブラッククロスと互角以上に戦い抜いてきた戦士の証明。
 時空管理局の猛者。

「今は一介の剣客に過ぎぬ。組織の再興になど興味はないが、この仕合、やらねばならぬ
意味がある」

 理由を素直に告げる/隠す意味は無いと判断。
 相手を観察し、直感/手に持つ得物に覚え―――法術応用の近接武装に酷似。

「ベルカの騎士。それも古流か。現代に残っているとは思わなかった」

 古い時代/一度、ベルカの騎士と刃を交えた記憶がある。
 法術と武術を組み合わせた独特の術士/数は限られたが、いずれも一騎当千の実力者。
 今は、現代式の術を使う者が時空管理局に組み込まれていると知っている。
 ただ、その戦力は侮れない者であっても、古き時代の猛者には及ばない。

 ―――かすかな身震い/高揚の表出。
 それに身を任せ、闘いに身を落とす―――“正しき強さ”を求めるために。
 例え修羅道であろうとも。

「参られよ」

 告げて、行動を開始する。

 攻撃―――ゆっくりと剣をかつぎ、渾身の溜めを作る/初手から全力/小細工は不要。
 背を向けんばかりに引き絞る鋼の肉体/人工筋肉/関節のモーター。偉大なる、機械と
人間とのハード/ソフト面での融合=究極の戦力。

 戦術選択―――後の先。

 対主が刃を振り下ろし、斬りに来た瞬間、その剣速より速い加速を以って斬撃を放つ。
 斬るか/斬られるか。

 剣の術理は一点に集められる。
 すなわち相手よりも速く斬る。刃をかわし、こちらの刃を当てる思考は二流。
 真向勝負の場では、そのような小細工など粉砕される/自らがそれを粉砕して来たこと
による、信頼に足る確信。

 鋼の肉体は、センサー無しで自らのエネルギー/剣気が高まるのを感じている。

 ここより先は、ただ切り結ぶのみ。
 決意。死と殺を覚悟する精神。
 ―――試合開始。

55 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/04/29(日) 20:54:280

(レス番指定/>>50)

56 名前:魔人ヴィゼータ ◆VZ/G9kPv8E :2007/04/29(日) 20:55:250

>>53
【カッコちゃんことヴィゼータvs斎月雪那】

さてさて、カッコがなぜこんなところでヒマして文句垂れてるかというと。
ことは数日前の伊織邸、ネズミをトレードマークにする遊園地の半分ほどの敷地をもつ屋敷であり、
澱のカミとか外界の徒とかアウターとか呼ばれるモノたちが集う地からスタートする。

「にゃ〜……72℃
そろそろ頃合いだにゃ〜」

魔人ヴィゼータことカッコは、その屋敷でも一番エラいカミ様、みーこの専属メイドとして
その日もお茶入れに勤しんでいた。
ちなみに何故適温である70℃よりも2℃高いのかというと、
今いる厨房からみーこの待つ食堂までの長大な移動距離を考えてのこと。
以前、そのことを失念して少し冷めたお茶を出してしまったとき、
怒り狂ったみーこにハンマーでしこたま殴られたことで身につけた生活の知恵ともいう。

「ミーコ様〜。 お茶が入りました〜。
あとついでにリップルラップルと、さらについでについでにいおりんたちも
一緒にどうなんだにゃ〜ん?」

湯気を立てる湯のみを載せたお盆を持って、カッコが食堂に入ると
そこには普段とは異なる空気が漂っていた。
そこにいたのは三人のアウターたち。
この屋敷ではいつもの面々ではあったが、今日は空気が妙に重たい。

「状況は、Cを飛び越えて限りなくAに近いの。 危険なの」

無表情にぽつりと言うのはリップルラップル。
5、6歳程度の小さな女の子に見えて実は初代魔王にして、ついこの間まで
ノエシスプログラムによる世界管理の最高責任者、つまりは魔王代行を務めていたという、なにげに大物の魔人。

「は、は! でもノエシスによる規約はもはや過去のものになったのではないかね?」

そう答えたのはシルクハットに燕尾服、葉巻にステッキという紳士ないでたちのガイコツ。
葉巻を吸うと、頭蓋骨のあちこちの隙間から紫煙がすぱー。
彼の名はリッチ。 稀代の暗黒魔導師にして不死者たちの王と呼ばれている。

「ま、たしかにの、リッチや。 お主の言う通り、円卓はその役目を終えたかもしれぬよ。
でもわしらのようなのが勝手に暴れたら世界が滅びるということに何の変わりはないのだよ」

黒地に金銀の糸が眩しい着物姿の女が、ふわーりふわりと宙に浮きながら不死王に答える。
着物の似合う、長い黒髪の和風美人。 彼女こそがカッコの主人にして、根の国の姫とも呼ばれるカミ、みーこである。
世に食えぬもの無しとか、億千万の口とか呼ばれて恐れられてきたとてつもなくコワいカミ様だが、それはそれ。
今回は駆け足なのでおいといて。

「勝手に世界を滅ぼして悦に入ろうだなんてナマチャンなの。 教育してやるべきなの」

こくこく、と一人頷くリップルラップル。
相変わらず無表情なので、本気で怒っているのかどうかはよくわからない。

「は、は! その通りだ!
だがね、誰が事態を止めに行くのかね?」

リッチの問いかけに対し、みーこは検分するように視線を巡らせる。
つ〜っと部屋中を一周してから、入り口でお盆を持ってつっ立ったままのカッコをロックオンしてぴたり。

「おぉ、ヴィゼータや。 丁度いいところにおったの
お前がドラキュラをやっつけてくるのだよ」

にやり、と満月のように笑うみーこの笑顔の凄いこと凄いこと。

がしゃーん。
カッコ、突然の話に思わずお盆を取り落とし。
その後お茶を煎れ直させられて、床の掃除も一人でやらされたあと、
長距離転送陣で悪魔城にすっ飛ばされたのは言うまでもなかったり。

57 名前:魔人ヴィゼータ ◆VZ/G9kPv8E :2007/04/29(日) 20:56:370

>>56
【カッコちゃんことヴィゼータvs斎月「イソップ」雪那/狂乱の花園】

「にゃ〜う、しっかしこの結界、よくよく陰険な仕掛けだね?」

隔離世からすぅっと現世に戻ってきたカッコは一人呟く。
すぐ前にある見えない壁を、こんこん、こんこん。
当然、ノックしても返事はない。

転送陣ですっとばされたあと、経験値にして一桁にもならないような魔物、怪物、妖獣の類いを
ザクザクと切り伏せながらここまでやってきたのはいい。
わぁい、ワタシって実は結構強かったりとか自惚れつつ、鼻歌まじりにこの中庭に
足を踏み入れたのが不幸の始まり。
得体の知れない結界に捕まって、先にも後にも進めなくなって既に二時間と三分が経過している。
如何なる術式か、カッコの剣をもってしても破壊は不可能。
ならばと隔離世――幽霊が住むと言われる平行次元に潜り込んでくぐり抜けてやろうとしたけど
それもダメ。 ダメダメ。

「もしかしてワタシ、ドジ踏んだかも?」

うさ晴らしにげしんげしんと結界を蹴り飛ばしていると。

『苦戦しているようだね。 ヴィゼータ』

「……リッチさん?」

頭の中に直接響く不死王の声。
混沌の城の周囲に巡らせた幾多の魔法防壁を難なく突破しての念話は
稀代の暗黒魔導師の実力あればこその離れ業。

『は!は! 見るに見かねたものでね。
みーこ様からは助けるなと言われているのだが、一つだけ教えよう。
君を捉えた結界には鍵があるようだね。』

「鍵? じゃ、つまりつまり!
それさえあればここから出て先に進めるってことだね?
で、その鍵ってなになに?」

「は!は! そう焦るものではないよ、ヴィゼータ。
今術式を少し解析してみたのだがね。
どうやら鍵は「うら若き乙女の生き血」のようだよ。
それが捧げられれば、この結界は自動的に解ける仕組みになっているようだ。 わかったかね?
では、ヒントはここまでだ」

不死王の声は、それっきり途絶える。
乙女の命などという、無理難題にがっくりと肩を落とすカッコだけが、その場に残されて。



58 名前:斎月雪那 ◆USETUNAqno :2007/04/29(日) 20:59:300

【ヴィゼータvs斎月雪那/狂乱の庭園】
>>53>>56>>57


私は、気がつけばそこにいました。
そこは、昏い瘴気に満ちた地。
邪陰やかぎでもそうは有り得ないほどの、どこまでも昏い瘴気。

『セツナ、大丈夫ですか?』

私を労る華麟の声。
うん、大丈夫、華麟もいる。
それだけで私は、強くなれる。

「大丈夫だよ、華麟。それよりも、ここは一体・・・」

回りを見渡せば、そこは、まるで廃墟。
崩れた階段に、石畳。
そして生い茂る緑。
それは、およそ人の住まう場所に相応しいとは思えませんでした。
そう、ここはきっと・・・緑の墓場。

『セツナ・・・気をつけて。ここは・・・』

「うん、華麟。ここは普通じゃない。
 多分、ここで必要なモノは・・・」

右手に念を込める。
光とともにそこに現出したのは、一振りの刃。
華麟の力、そして私の力。
その象徴・・・『干将莫耶クラウ・ソラス』

「剣と、戦う意志こころ

59 名前:麒麟 ◆TEKIajvYfQ :2007/04/29(日) 21:07:090

 ――かつて、この世界には影と、嵐が在った。

 影の名は、ストライダーズ。
 忍者を前身とする、特定の国家に属さない傭兵集団として、暗殺や諜報活動を主として行う影の者達である。

 嵐の名は、狄の戦士。
 忍者の源泉とされる仙術を継承し、己の肉体を兵器のレベルまで鍛え上げた者達であり、
その兵器ともいえる身を以って、殺戮の嵐を巻き起こす者達である。

 如何なる運命の悪戯によるものか、あるいは世界の選択か。
 心に刃を忍ばせた者達の組織は、いずれも各々の組織に属する一人の存在により壊滅し……世界の裏の編纂史より、消え去った。

 *

 ――かつて、世界を吹き抜けた、一陣の嵐が在った。
 その嵐は、湾岸都市グランを基点とし、“炎の砂漠”バフア、インド洋、連邦首府プラハ、北極圏を経て、太陽圏を吹き抜けた。
 その嵐は、数多の血陣を潜り抜け、数え切れぬ程の屍山血河を築き、かつての同胞を二度に渡って討ち滅ぼし、『神』を屠った。

 嵐の名は、麒麟。
 『神』を屠り、『神』となった男であり――狄の戦士ただ一人の生き残り。



 今宵、悪魔城に殺戮の嵐が吹き荒れる――。

60 名前:宮本武蔵:2007/04/29(日) 21:08:160

宮本武蔵 対 佐々木小次郎
>>47

 音に聞こえた『燕返し』、また一名を虎切と称するもむべなり、と世人ことごとくを総毛立た
せる剣光の襲撃を前に、武蔵はどうしたか。
 外された突きの勢いは、未だ止まっていなかった。下方へと流れ――次の瞬間。

 武蔵は宙を、一閃の上高くを馳せていた。雲をついて天に昇る竜のごとく。
 迅さは獣でも技術は人のそれだ。武蔵は刺突を地に撃ち、それを支柱に後世でいう棒高
跳びを行ったのだ。櫓櫂を削った長大な得物ならではである。
 方向を転じた跳躍は、しかも余勢を駆って木刀をも引き抜いている。力学的可能性の範
囲内にありながら、またその範疇を文字通り飛び越えた妙技といえた。


 大魔剣も届かぬ空中、相手の頭上高くを飛び越え、半ば体躯を回転させながら武蔵は着
地した。
 小次郎の背後わずか一間――そこは彼の愛刀が砂地に刺さっている地点でもあった。
 襲い来る燕飛の剣の間境い、そして彼我の距離。それら全てを織り込み済みの上で、武
蔵は弾かれる事を前提に刀を投じ、また避けられる結果を想定して突きを放ったのだ。

 今、その計算は図に当たった。
 『物干竿』の内懐に入り込み、砂地より抜き払った大刀を、武蔵はおのれの脇を通して背
後へと突き込んでいた。


【死合い場所:月下の船島】

61 名前:飛燕 ◆BLOODlbo6s :2007/04/29(日) 21:10:100

>>59

―――そして世界を斬り捨てんとする、一振りの刃があった。

その刃は、理想のために“第三の月”へと寝返り、主の歪んだ野望を叶えるため、世界の陰を駆け抜けた。
その刃は、幾多の同胞を屠り去り、また数え切れぬ殺戮を犯し、かつての「組織」を滅ぼした。

刃の名は、飛燕。
『冥王』に屈し、『冥王』の剣となった男であり――――ストライダーズの生き残り。
組織壊滅の引金を引いた裏切り者にて、元特A級ストライダー。



 指令『イレギュラー:ドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ抹殺』

すなわち単身にて潜入し、一切の障害を殲滅し遂行せよ――――
大規模戦力の投入は城上空の空間歪曲により不可能なこと。
そして、抹殺を行うことで「冥王」の力を世に知らしめること。
それが“第三の月”の主、彼が仕える「あの方」より授かった任務の全容である。


     ――――世界の破滅は、「あの方」によって為されなければならない。

飛燕が裏切り者の汚名を甘んじて被ったのは、誰が為か。何の為か。
冥王グランドマスター。
古き神の子らを駆逐し、新たな神に成らんと欲する「あの方」の為だけか。
――――否。
真に戦う理由は忠義ではない。
組織と同胞を裏切り、屍の山を築き上げ、己の手を更なる返り血で染めた理由はただ一つ。
争いなき新たなる世界の創造、あの方によって構築される理想郷。
それを心より願ったからこそ、飛燕は数々の汚名を越えて此処にいる。

     ――――世界の全ては、「あの方」のもの。

訪れるべき未来も、消却されるべき過去も、そして改変されるべき現在も。
破壊と創造は新たなる神である「あの方」によって行われる。
そう、「あの方」にだけ行使する権利がある。未来を選択する権利がある。
決して、イレギュラーな形で復活した魔王などではない。

刃の下に心を置く。
なれば、その心身は刃となろう。
神も悪魔も、何人をも斬り伏せる無情の刃に。
牙を剥いた敵を殺し、何も知らぬ民衆を殺し、命を乞う母子を殺すように。
常に己がそうしてきたように。


全ては己の理想のために。
元特A級ストライダー「飛燕」。今、無戮の刃となって推参せり。


62 名前:◆BLOODlbo6s :2007/04/29(日) 21:12:540

>>59>>61

――――――呪縛の時計塔。


悪魔城がその姿を現す時、必ずや同じく現れる機械仕掛けの時計塔。
魔術的に悪魔城を再現するために築かれた偽りの城においてもその存在は、
例外ではなく、儀式上重要な役割を果たすものである。

巨大な吹き抜けとなっている塔内部は、さながら巨獣の体内のごとく。
最上階の大時計を機能させるため、大小問わぬ歯車は休むことなく、規則正しく駆動する。
種々様々、縦横に動くそれらは哀れなる迷い人の命をつなぐ僅かな足がかりであり、
同時にそれらを非情にも始末する処刑刃であった。
そして、跳梁するのは足場を必要とせぬ飛翔する魔物。
絶望の前に一縷の希望を差し示して後、然るべき非道の死を与える悪魔の時計塔。

   歯車は無情に回る。
                           歯車は血を欲する。
             回る歯車。

                        縦に横に。
           大小問わず。

                     止まらず、乾かず。

        機械仕掛けの塔は魔窟なり。

                                      亡者をなおも呪縛する。

               ゆえに呪縛の時計塔。


此処を戦場とするものは、地の利の不利を無とするもの。
悪魔を欺く者でなければならぬだろう。


【死合場:呪縛の時計塔】
【麒麟 対 飛燕 間もなく開幕】

63 名前:「剣の騎士」シグナム(M) ◆xHAYATEzHE :2007/04/29(日) 21:19:280

(メタルアルカイザーVSシグナム:侵食地下神殿跡)
>>54
「ブラッククロス――だと?」

かつて目を通した、時空管理局のファイルが頭に浮かぶ。
とある次元世界で猛威を振るった悪の秘密結社。
だがそれは既に、とある英雄によって壊滅させられたはずだが……。

「なるほどな。
 貴公、かの組織の残党か、あるいは兵器か。
 が――いずれにせよ、それは今の私にとって問題ではない」

シグナムが見るのは、ただ一点。
その剣にある。

「その構え、その剣気。
 貴公のその剣を見るに、身体は機械であろうと、魂はさにあらず、と見た。
 残念だ……ベルカの騎士として、貴公ほどの遣い手と剣を交えるなら、
 それはどんなに楽しかったことだろう」

手に持った弓へ、カートリッジを三発放り込む。
魔法陣展開、カートリッジ・ダブルロード。
カートリッジ二発分の魔力を消費し、一本の矢が形成される。

「だが、許せメタルアルカイザー。
 私には、なさねばならぬことがある。
 ここで手間取るわけにはいかんのだ――レヴァンティン、騎士王の時の手で行くぞ!」

<<jawohl. sturmfalken.>>

巨弓と化した剣が吼える。
シュトゥルムファルケン。 魔力の全てを注ぎ込んだ矢を放つ、シグナム最大の技。
そして、シグナムの狙いはその先にある。
相手もおそらく迎撃する、この技はかわされるか相殺されるだろう。
だが――そこにできた僅かな隙に、接近して一撃を叩き込む!

「せめてもの敬意、わが全力を持って相対しよう。
 かの騎士王と相討ちに持ち込んだ技、とくと味わっていただこう……。
 シュトゥルム・ファルケンッ!」


シュート。
魔力を込めた矢が一直線にメタルアルカイザーへと飛翔、
そしてそれを追ってシグナムもまた、地を蹴って駆けだした。

64 名前:魔人ヴィゼータ ◆VZ/G9kPv8E :2007/04/29(日) 21:25:550

>>58 (カッコちゃんことヴィゼータvs斎月雪那)

「にゃ〜う〜……

カギは乙女の生き血ってなんっじゃそりゃあああぁぁぁぁ!
うら若き乙女なんてワタシ一人しかいないない!

それとも何か? ワタシに自殺しろとでもいうのか〜っ!?
死んでリッチさんの見てるお庭でごきげんようとでもぬかすのか〜っ!」

相変わらず結界から出られないまま、一人荒れ狂うカッコ。
メイド服のスカートを振り乱し、白いエプロンをばたばた翻らせて
どったどったと足踏みして。

ぜえぜえ。
ひいふう。
はあはあ。

肩で息をしているところで、新たな来訪者の気配に気がつくカッコ。
場所はこの庭園の反対側。 人数は一人。しかも、女の子。

「にゃにゃにゃ〜んと。
天はワタシの味方だったりするする?」

悪戯っぽい笑みを浮かべると、ひらり。
重さを感じさせない動きで階段の上、崩れかけた城壁の上にひとっ飛びすると。

がーがー。ひゅーひゅー。

いつの間にか取り出したのは、観光ツアーのガイドが使うような
大型の拡声器。
ボリュームはマックス。 ハウリング音もマックス。
がぴーがぴーと音割れした声で、やってきた女の子に呼びかける。

「こんばんわーっ!
突然ですけど、クイズなんだにゃ〜ん!!

いっくよ〜! 問題〜!
今この場所は、とーっても強力な結界で閉ざされちゃってま〜っす!
解除の方法はわっかるかにゃ〜ん?

解除の方法はね〜……」

カッコ、城壁から飛び上がって。
その姿は虚空にかき消すように消え去って。


「解除の方法は〜!
あなたに死んでもらうことだったりするんだにゃ〜!!」

一瞬後、再びカッコが現れた先は、闖入者の少女のすぐ隣。
拡声器のメガフォンを女の子の耳に密着するような至近距離で叫ぶ。
勿論、ボリュームは最大のまま。

65 名前:佐々木小次郎 ◆KOJI2a34Bo :2007/04/29(日) 21:29:500

宮本武蔵 対 佐々木小次郎
>>60

灼熱が胸を貫いた。
激痛に身を焼かれながらも、それでも小次郎は地を蹴り、深々と埋まった刀身を胸から抜く。
そして、刀を振りつつ武蔵を牽制し、何とか大きく跳び退るものの、
着地するや否やがくりと片膝を突き、力なく顔を伏せる。

小次郎が身体を貫いたその一太刀。確実に心の臓腑を貫いていた。
それは常人であれば明らかに致命傷であった。

ならば勝負は決したか。さにあらず。見よその異様な光景を。
小次郎が身体からは、赤き血潮は流れ出ず、その服に開いた穴からは、
まるで樹木を抉ったときのような白い傷跡が見えるのみ。

そう、この小次郎は人ではない。
かつて、佐々木小次郎は、まことの船島にて討ち死にした。
ここにいるのは稀代の名工、あやかしのからくり師が蘭剣が傀儡。
蘭剣が創りし人形(ヒトガタ)を依り代として佐々木小次郎が魂を降ろしたものなり。
それこそがこの黄泉より返りし佐々木巌流、偽りの生を受けた小次郎なり。

顔を伏せた小次郎の身体か小刻みに振るえる。
そは苦痛を耐え忍ぶゆえのものか、それとも断末魔の痙攣か。
その赤い唇から漏れ出すのは、苦痛を押し殺すうめき声か。
はたまた彼の残さんとする時世の句か。

否。
それは笑いに身を引きつらせているのだ。それは笑いを噛殺していたのだ。
はじめは声もなく、徐々に音量を上げてゆき、ついには当たりに響き渡る哄笑となる。

小次郎顔を上げれば、そこには小次郎であり小次郎でないものの顔があった。
その顔は先ほどまでの凛々しくも内に苦悩を秘めた儚さを持つそれではない。
美しく華やかで、だがどこか致命的に歪んでいて、絶望的に狂っていた。
まるで漆黒の百合か薔薇のような、あるいは食虫植物のような悪夢めいた美しさだった。

小次郎は薄い唇をほころばせ、満面の笑みを形作る。
だがそれはあまりにも病的な笑みであった。夜叉のごとき壮絶な笑みであった。


66 名前:佐々木小次郎 ◆KOJI2a34Bo :2007/04/29(日) 21:30:150

宮本武蔵 対 佐々木小次郎
>>65

傀儡である佐々木小次郎は、致命傷を受けようと死ぬことはない。
人形は死なぬ。そもそも生きてなどいないゆえに。

だが壊れる。二重の意味で。
一つは尋常な意味で。もう一つは尋常ならざる意味で。
小次郎が依り代とするその木偶は、彼が魂の器である。
ゆえに木偶が傷つき壊れれば、その魂も壊れ歪み果てる。型が歪めば心も歪む。
そしていま、小次郎が身体は傷を受けた。ゆえに当然の帰結として、その心は歪み壊れる。

正気は犯され狂気に至る。そう、狂喜に至る。
その顔(かんばせ)に浮かぶのは、殺戮を楽しむ外道のそれだ。
小次郎の放つ気配はもはやすがすがしいそれではない。、顎(あぎと)持つ獣(けだもの)のそれだ。
ゆえに彼が浮かべるは、狂い果てた安らかな笑み。笑みを浮かべて小次郎が立つ。
狂気という羊膜に包まれて、佐々木小次郎が皮をかぶって誕生したそのけだものが今ここに目を開ける。
かつて小次郎であったものは、胸にひらいた傷口を人差し指でなぞり、にぃと笑みを深くする。

「ようやった。おぬしが太刀、これで二度受ける。ますます腕をあげている様で何よりじゃ」

声ですら先ほどまでの小次郎のものではない。錆びて擦れた禍々しい声。

「だが、これでしかと覚えたぞ」

小次郎はそう断言すると、備前長船長光を持ち上げ顔へと運ぶ。
長い長いその刀身は、先ほど啜った武蔵の血でぬらりとぎらりと月影を鈍く反射する。
小次郎はその太刀を口元まで運ぶと、ぬめりとその刀身に舌を這わし下からゆっくりとなめあげる。
武蔵を睨め付けるその瞳が、血の愉悦を味わうように残酷にぬれていた。

そして小次郎は歩き出した。
それは地を蹴るなどという無粋なことなど自らにはふさわしくないと知り尽くした緩やかで優雅な歩み。

小次郎は備前長船長光をだらりと片手に下げ歩いてゆく。
無造作にさげたその切っ先は、禍々しい剣気に満ち溢れ、間合いに入りしもの全てを切り裂くことだろう。

もはやこれは小次郎と武蔵が決闘にあらず。魔人と魔人の喰らい合い成り。


【死合い場所:月下の船島】


67 名前:麒麟 ◆TEKIajvYfQ :2007/04/29(日) 21:31:070

>>62
(ストライダー飛燕 vs 麒麟/呪縛の時計塔)

 有象無象の歯車がそれぞれの規則に従い回り、軋む。
 薄墨に染め上げられた塔内に響く、鋼の奏でる協奏曲の中、金色の龍が舞い降りた。

 龍を遣えし者――“狄の戦士”麒麟が何故ここにいるのか。
 『魔王』復活を良しとしない者達に請われてか。
 『神』との戦いで手に入れた地球の不純物を取り除くためか。
 あるいは、自身の闘争本能の導きに従ってか。

 麒麟は語らない。
 語る必要などない。

 麒麟はただ、ここに在る。

 自身の前に存在する、眼前の白装束――源流を同じくするもう一つの自身。
 かつて在った世界の“影”、ストライダーズ最後の生き残りの一人――ストライダー飛燕を、屠る為に。

【死合場:呪縛の時計塔】

68 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/04/29(日) 21:39:270

>>63


 閃光―――渾身の一投。偉大な魔力を秘めた一撃が迫る。
 判断ミス/シグナムは遠近両用に対応できる武装を所持。
 近接戦闘と読んだ思考は外れたかに見えた。

 だが、動かない。ただ視覚センサで破壊力を見据える。
 判断/この一撃は囮/本命は魔弾を防いだ隙を狙う必殺の斬撃。
 見事な布陣/魔術と武術を極めたベルカの必勝形。
 死を濃密に意識―――動揺は絶無。闘いに望んだ時、私はすでに死している。
 死者が死を恐れることは無い。

「……見切った」

 着弾の刹那、捻るように引き絞っていた肉体/動力を解き放つ。
 衝撃/ノイズ/損傷を告げる内部チェック機構/表面装甲にダメージ/内部構造への影
響は無し―――ぎりぎりの一瞬、爆発よりも速く飛び、爆風に乗ることによって最小限の
損害/刹那の見切り。
 閃光/視覚センサは封殺/蓄積された経験が相手の位置を告げる。
 ビジョン―――こちらへ向かってくるシグナムの姿。
 迷いは無かった。

 ―――攻撃/反撃。
 右に担いだ刃を解き放つ。渾身のひねりを加えた一撃は、しかし右からではなく左。
 飛翔から着地の瞬間/左足で着地すると同時にそれを軸に旋回―――ごく一瞬だけ背中
を向ける/スラスターを起動/加えた超加速。一瞬で右と左をスイッチ。
 右足で踏み込む―――限界まで姿勢を低く、渾身の力を込めて。

 そして刃は左から―――竜巻の如く、低空からシグナムに襲いかかった。
 後の先を制した一撃。必殺の速度。
 追加されたマニューバ/かつてワカツの一流派が使っていた奥義。

69 名前:斎月雪那 ◆USETUNAqno :2007/04/29(日) 21:39:280

【ヴィゼータvs斎月雪那/狂乱の庭園】
>>64
夜の静寂を引き裂いて、響く声。
ひび割れたハウリング音とともに響くそれは・・・女の子の声でした。

「こんなところに・・・?」

『セツナ・・・あれは・・・』

華麟の声に我に返ります。
ここが、瘴気に満ちた悪徳の地ならば、そこにいるモノもまた・・・
例え、ふざけたような物言いでも油断は出来ない。

「ありがとう、華麟。大丈夫、気は抜いていない」

きっ、とその声の発生源を見つめます。
夜闇の中でははっきりとは見えないけれど、確かにそこには・・・女の子のシルエット。
そして、そのシルエットが、跳び・・・

『来ます!』

華麟の叫びと同時に、すぐ横に発生する気配。
剣を構えて攻撃を受け流そうとして・・・

「あうっ!」

大音量に耳をやられてしまいました。
思わず膝から頽れる私。
華麟の解放を行っていなかったから良かったけれど、まだ耳がジンジンします。
でもそれ以上に聞き捨てならないのは・・・

「私に、死んでもらう・・・? そんなの・・・」

どんな理由があっても、私は・・・死にたくない。
もっと生きていたい。
だから・・・

まだ耳がジンジンするけれど、立ち上がって。

「そんなの・・・いやです!」

その女の子・・・何故かメイド姿でした・・・に、向き合いました。

70 名前:アセルス ◆UhwBP6/M.o :2007/04/29(日) 21:39:310


>>45
妖魔<Aセルスvs軍神¥辮剏ェ信

「雪(ネジュ)」「月(リュンヌ)」「花(フルール)」―――三つの太刀筋
が一なる敵を斬り結ぶ。ここに三位一体のエテルネル(永遠)が完成を遂げた。
 妖魔の武を司る金獅子姫すら抗する術を持たなかった雪月花の一刀だ。
 正しく必殺と言えよう。

 ―――しかし、軍神は捌いた。
 黄金に輝く非実体の刃。その刃、数えること百に至り、刈り取る命の雪月花
を押し留めてみせたのだ。これにはアセルスも舌を巻くしなかった。
 謙信公の刃は一刀の範疇を超越している。
 彼女は一人だ。が、その一人で「軍」を為している。
 軍神の突撃を「刃」と見たのが誤りであったか。

 最強の一刀が正面から破られたのだ。
 もはやアセルスも認めざるを得ない。
 剣客としての格は彼女が上だ、と。

 ―――ならば、ここからは妖魔剣士アセルスが相手をしよう。

「花」の太刀を振り切った月下美人が、飛燕の如く跳ね上がった。
 軌跡が軌跡を派生させる無限の剣筋。アセルスの燕返しが「無音」の秘踏み
を持って斬り落とされる。寂を極めた一刀―――これぞ妙技、風雪即意付け。
 と、同時に真紅の双眼に妖艶な焔が灯る。
 高速無音詠唱。一瞬にも満たぬ時間で術理を完成させ、妖力を解放した。
 どろり、とアセルスの刃から黒刃が生まれる。蠢く陰の刃は、軍神の黄金の
刃を穢すように三日月を描き―――月影の太刀となって胴を薙いだ。
 黒刃の正体―――陰術シャドウサーバント。
 魔性を極めたアセルスは、自身の影すら操作を可能としていた。

 が、アセルスの本懐はこれに留まらない。邪眼は更に輝きを増す。
 三重に重ねたフィジカルエンチャントによるクロックアップ―――擬似的
なオーバードライブにより、今やアセルスは時間の軛すら否定した。
 静止した庭園で逆袈裟を描く銀光。
 三花仙の刃が、葩とともに毘沙門天の突進を斬り伏せる。

 風雪即意付け、月影の太刀、三花仙。―――三つの刃が結ばれたその時、
真なる乱れ雪月花は剣の道理すらねじ曲げて軍神に殺到する。
 三者の達人が、阿吽の呼吸をもって繰り出すことで初めて完成に至ると
言われる奥義――アセルスは妖術を巧みに操り、単身で駆使してみせた。
 この銀光はもはや剣技に非ず。


(トリップ勝負!→0で謙信の負け過ぎる)
【試合場:空中庭園決闘場】

71 名前:ギャレン―橘朔也― ◆X5lDK8LQyw :2007/04/29(日) 21:56:480

「橘vs魔王オディオ」

>>43
―「 人間に幻想を抱いていたものを、容赦なく醜い現実に突き落とした!!
 それが人間だ!貴様が幻想を抱いている人間の本質だ!!」―

だから、本当に魔王なのか?
人間であるはずの……いや今もこの男は人間だ。
鎧の中から溢れ出た赤い血が何よりもそれを証明している。

「お前は……魔王なんかじゃない。
魔王なんてどこにもいやしない。お前の憎しみが魔王という幻想を…
憎しみの存在を作り出しただけだ!!」

放たれた弾丸は、魔王の人間である赤き血を流させたに過ぎなかった。
致命傷には至っていない。まだこちらが不利である状況には変わりないのだ。
そして鏡の盾「ミラージュドライブ」の存在。

真正面からの射撃では効果は望めそうも無い。
そう思慮が叶う隙も無く、空間から現れる無数の刃。

――後ろを取っただけでは…無理があったか――

両手でそれを防ぐ……避けることすら出来ない。
その風の刃がギャレンの全身を押し潰すように切り刻んでいく。

砂塵の中で、地面へ倒れていくギャレンの姿。
血に染まり、あとは永遠なる死が…

――「橘くん。橘くん…!!」――

ここは、何処だ?俺は……死んだのか?
目の前に居る女性へ問う。その顔は、懐かしい……俺が愛した女性。
小夜子……

「小夜子!!小夜子……なのか?」

少しずつ、消えていくその姿。俺の手を握り、微笑む。

――「あなたは……強い人よ。だから、お願い。あの人を……オルステッドを
憎しみの呪縛から解き放ってあげて…彼女も、そう願ってる」――

小夜子の隣に居るのは……女?
魔王の……直感で感じた。この女性は、魔王の……愛した者だ。


―死んだかに見えたギャレン―

だが、粉塵の中から立ち上がる1つの影がその予測を覆す。
朱色の戦士が、自らの血に染まり赤く燃える。

―人間は愚かだ……だが、だからこそ―

「人間が人間を裁く……それは、エゴだ。
醜さも弱さも、優しさも愛も、総てを受け止めてこそ人間なんだ。
こんな世界だから……こんな世界だからこそ人に、人の心に希望―光―
を見せなきゃならないんだ!!」

奮い立つ力。俺自身にもまだこんなに力が湧いてくるだなんて
理解できはしない。だが、湧き上がるこの思いと力が……俺を立たせるんだ。


ダイヤ5「DROP」

ダイヤ6「FIRE」

ダイヤ9「GEMINI」

――BURNING DIVIDE


俺の心が燃える。必殺の切り札が両足に力を与える…

「ザヨコォォォォォォォ!!!!!!」

舞い落ちる憎悪の刃を掻い潜り、今必殺の蹴撃が魔王の体を打ち砕かんと
迫る――

72 名前:「剣の騎士」シグナム(M) ◆xHAYATEzHE :2007/04/29(日) 21:57:330

(メタルアルカイザーVSシグナム:侵食地下神殿跡)

>>68
爆風を突き抜けた先には、黒い鋼鉄の身体。
相手も同じく、この爆風に乗って進撃してきたらしい。
そして、迫りくる白刃。
回避不可能の速度。
その一撃はあまりに重い、が、

「甘い――それは既に、騎士王のときに経験済みだ!」

刃を、紫電を纏った鞘が受け止める。
かつての戦いの再現。
極限まで技量を極めたもの同士がぶつかれば、自然と選択肢は似通ってくる。
あの時は、この後、シグナムの剣は避けられ、その後は相討ちに持ち込むこととなった。
だが、同じ過ちを繰り返す騎士はいない!

「レヴァンティン、カートリッジロード!」

<<schlangeform.>>

右手の剣が爆ぜた。
分解された刃を強靭な紐が繋ぐ、鞭状連結刃。
かつては使わなかった、いや使えなかった技。

レヴァンティンに装填できるカートリッジは三発。
通常、一発を弓形態への変形に使用し、二発を攻撃に使用する。
ゆえに、撃った後のカートリッジ使用は、再装填が必要となる。
だが――シグナムはそれを、変形「した後」にカートリッジを装填することで可能とした。

ファルケンで二発使おうとも、まだ残りは一発。
その一発を、シグナムは鞭状連結刃への変形に使う。
前回逃げられた反省からの、攻撃範囲の広さを選択したのだ。
そう……ここに来たときからすでに、彼女はその一発に全てを賭けていた。

「包み込めレヴァンティン! シュランゲ・バイセンっ!」

展開した刃が、メタルアルカイザーを包み込むように展開。
逃げ場のない、白刃の檻。
今、四方八方から、刃がメタルアルカイザーへと襲い掛かる!



73 名前:宮本武蔵:2007/04/29(日) 22:00:440

宮本武蔵 対 佐々木小次郎
>>65>>66

 ――武蔵は心中、これは! と驚倒していた。


 まるで立木に撃ち込んだかのような手ごたえの異様さ、血の痕も残さぬ怪事より、ああ、
小次郎の妖美さは何としたことだろう。
 夢蜻蛉のような青春美は、瞬く間に悪夢の中の産物に変じていた。
 同にして異、相にして違――宿敵の発する気配が、殺気を超えた妖気とも呼ぶべきもの
に変貌している事実を武蔵は感得したのだ。

 これと近しい雰囲気を持つ者たちを武蔵は知っている。かつて島原の乱の妖軍師・森宗
意軒により再生した魔界転生衆――荒木又右衛門、天草四郎、田宮坊太郎、宝蔵院胤瞬、
柳生但馬守、柳生如雲斎、――そして宮本武蔵。
 彼ら魔剣士の群れとおのれにこそ、眼前の「小次郎だったもの」は等しかった。


「堕ちたか。否、魔界に転び生まれ出でたか」


 先刻の小次郎が嘆じたのと言葉も同じ、しかし沈痛だった語韻とは裏腹に、同胞を見出し
た慶びの声で言うと、武蔵は左の一刀を腰に納めた。
 左手を木刀に添える。
 そもそも彼の独創した二刀流は、本来一である力を二分して発揮される。大小二刀を左
右で揮い、相当の使い手を前にしてなお凌駕する技である。
 だが変貌した佐々木巌流を前にして、この大敵以上の大敵に対するは、分かたれた力を
冥合するより術無し、と悟ったのだ。

 ふわりと上がった木刀は、右八双の位置で静止した。
 砂上に跡も留めず近づいて来る美影に対し、武蔵は魁偉な彫像のように動かない。


【死合い場所:月下の船島】

74 名前:魔人ヴィゼータ ◆VZ/G9kPv8E :2007/04/29(日) 22:08:320

>>69 《カッコちゃんことヴィゼータvs斎月雪那》

「ま、ふつー死んでって言われてハイって言うのはいないよね?」

拡声器をぽいっと放り捨てるカッコ。
悪戯な猫の笑みを浮かべながら、すーっと間合いをとって。

「にゃ〜ん? お前、人間だけど少し変わってるね?
『もう一人』何かがいる気配がするよ?
それにその剣…… ふぅん、そうなんだ。
でもね?」

剣を構え、こちらを睨みつける女の子の視線を
伊達メガネの奥の瞳で受け止めながら、メイド服の肩あたりに手をかけると

びびびっ!

常人の目には、メイド服が引き裂かれたように見えたかもしれない。
カッコがよく使う早変わりの技。
瞬時にして戦闘用の黒づくめの衣装へと切り替えて、愛剣のレイピアを腰に佩く……
はずだったけど。

だったけど。


「あ〜れ〜? 間違っちゃった?」

メイド服の下から現れたのは、えんじ色のちょっと地味なセーラー服。
カッコが3月まで在籍していた私立開栄高校の制服。
卒業後はちゃんとクリーニングに出しておいたので、糊がパリッと効いている。

ひゅうううう。

一陣の風が、ブレザー姿の中学生と、セーラー服の元・女子高生の間を吹き抜ける。
他には何も聞こえない。 今夜はとても、静かな夜。

かもしれない。

75 名前:飛燕 ◆BLOODlbo6s :2007/04/29(日) 22:08:470

>>67
(ストライダー飛燕 vs 麒麟/呪縛の時計塔)


―――――仙道の奥義とは、自らを自然の一体物と化すことである。
走れば風、潜めば林、攻めれば火、動かざれば山。
そこに人の矮小さは無く、人の姿を借りた災害、人のカタチをした威風が在るのみ。
それは此処、奇怪なる機械仕掛けの巣、この呪われた人工物の塔においても変わらず。
東洋の古き伝説に謳われる「龍」の威容を体現していた。
ただ、一人の男がだ。

「――――“狄の戦士”か」

データ照合は既に完了している。
コードネーム「麒麟」。
“狄の戦士”唯一の生き残り、自分と同じ同胞殺し、体術による殺戮の嵐の具現者。
そして―――――神殺し。
「あの方」の。
そして飛燕自身の、もう一つの脅威。

きりきりと回る歯車と歯車。
ひときわ大きな大車輪の鋼と、互いの足場、そして間に広がる虚空。
時計塔中層部。
天地上下に地形の続く、中間地点。

突如ストライダーズの白装束が空に躍った。
跳躍は歯車の腹を蹴り右から左、左から右と稲妻の起動。
左の死角より奔るのは、物質を両断せしめる稲妻の軌跡が左右。
ジオリメトカルサイファー、一の型「双虎」。



「―――――こちら飛燕、任務を開始する」

道なき鋼鉄の野を馳せ、龍をも殺す影が走る。

【死合場:呪縛の時計塔】

76 名前:斎月雪那 ◆USETUNAqno :2007/04/29(日) 22:21:070

【ヴィゼータvs斎月雪那/狂乱の庭園】
>>74
「もう一人・・・」

驚きました。
いかに普通の女の子に見えてもそうではない。
それを改めて思い知りました。
この相手は・・・油断ならないのだと。

そして、あちらは戦闘態勢を・・・態勢を・・・あれ?

「・・・」

沈黙がその場を支配しました。
ブレザーとセーラーの学生・・・街中では、普通にある光景。
けれど、この瘴気の満ちた地ではあまりにも不釣り合い。


『セツナ!』

華麟の叫びに我を取り戻します。
いけない、ここは戦場だ。
戦いの中で戦いを忘れては・・・負ける。
剣を構えなおし、唱えるのは華麟解放の韻律。

我が路を照らし、陰裂きし者。
 雪那の名をもて至愛を誓う。
 今求めしは其が力、今望めしは其が心、
 其が真名の元、我が身を喰らえ!

 ・・・来て、華麟!」

私の中の華麟の力が膨れあがる。
私と華麟は更に混じり合い溶け合って、二つの心と二つの力が一つになる。

守護天使ガーディエンジェルセツナ、行きます!」

右手に構えた干将莫耶クラウ・ソラス。
夜闇を、そして女の子を切り裂かんと銀の軌跡が走ります!

77 名前:佐々木小次郎 ◆KOJI2a34Bo :2007/04/29(日) 22:22:550

宮本武蔵 対 佐々木小次郎
>>73

月影のもと、白砂の砂浜の上で、宵闇よもり暗い陰が二つ距離を縮めてゆく。
他には生者の気配はなく、戦で死んだ武士の怨嗟のような風音と、
死してもなおこの世にしがみつくが潮騒の音が聴こえるのみ。

ついに小次郎の剣が動いた。
だらりと下げられていた切っ先が、鎌首をもたげる蛇のように跳ねあがり武蔵と同じ右八双の構えを取る。

そして狂乱の刃が闇に舞う。

八双から左袈裟斬りを見舞い、左下段の構えを取るや否や、そこから水平に剣を凪ぐ。
右下段脇構になり、下から担ぐように切り上げて、頭の左横で切っ先を武蔵に向けるようにして剣を構え、
その姿勢からの突き、戻すや否や正眼の構え。もう一度突き。左八双からの切り落とし。

さらにさらにさらにさらに小次郎は嵐のごとき連撃を見舞う。
構えから攻撃へ、そしてまた構えへと、休むことなく斬撃を見舞う
それはまるで星と星を結び絵とする天に輝く正座ののように。
構えという点と点の間を斬撃という線が繋ぎ、荒々しくも極めて精緻な連撃を見舞う。

全ての残撃が飛燕のごとき優雅さと素早さを持って、攻防一体の剣舞を見舞う。

「どうした武蔵。それではわしを殺す前に決闘が終わってしまうぞ?」

哄笑と剣を振るう音が、偽りの船島に響き渡った。


【死合い場所:月下の船島】

78 名前:上杉謙信:2007/04/29(日) 22:23:190

>>70

 奇謀奇策等は意味を成さぬ。
 技において其の威を上回れば勝つは道理。
 今軍神の剣は妖魔の君の剣を凌駕し道理の示す通り勝利を

 寂刃が無数の刃の威を弱め、
 陰刃が黄金の刃を無へ貶め、

 ――道理は異界の術理によって歪められ、。

 三花仙の刃が軍神の剣を叩き伏せ捻じ曲げられた道の行く先は勝利ではなく………





 …………………………

 思考が回らない、点の連続にして線とはならず辿り着く先が見えない。
 直ぐに感じたのは息苦しさ。
 千里戦場を駆けようとも息を切らす事が無い己にとってそれは初めての感覚。
 足りないと呼吸を求めようとしてごぼりと何かを吐き出した。
 聞きなれぬ音の正体を理解する前に生暖かい何かが胸にどろりと滑り落ちる。

「………ぁ………っ」

 詰まり物が取れ、ようやくとばかりに冷たい空気が肺腑へと送られ

 …………―――――――――――

 点から線へと思考は結実し、謙信はようやく自らの状況を理解した。
 ぼんやりと朧がかかった眼に映るは起き上がらんとする自らの惨状。
 麗しき白銀の大鎧はその半分以上が既に形を留めていない。
 射向の袖、篭手は完全に砕かれ、見える左肩、左腕から幾筋もの赤い線。
 対する馬手側も破壊こそは免れているもの無事ではなく陵辱の爪跡が刻まれ、先程までの
神々しい輝きを失っている。
 闇色の燕が胴を存分に蹂躙した後も痛々しく、見えるは朱に染まった白布のみ。
 ああ、と。先程胸に感じた生暖かい感触は自分の血であったのかとようやく理解を得る。
 かろうじて無事なのは下半身を守る下散のみだがこれも紅の斑が点々と。

 此処で闇撫での風が謙信の艶やかな黒髪をぞわりと吹きかけた。
 そこではたと気づく、兜も弾かれ虚空へと姿を消した事に。

「………私は…………負け…た…………のか」

 可聴領域に届くかどうかも怪しい弱々しい声で謙信は自らの敗北を理解した。

(アセルスvs上杉謙信 死合場:空中庭園決闘場)

79 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/04/29(日) 22:28:340

(メタルアルカイザーVSシグナム/侵食地下神殿跡)

>>72


 渾身の一撃/硬い手ごたえ/防御されたことを認識する。
 感嘆を覚える。低空からの高速の斬撃へ対応できる反応/判断/力量に対して。
 一撃を防御したのは鞘。破壊は不可能と断定―――魔力で強化されている。

 センサーからの警告/三度目のカートリッジロード/右手の剣が分裂、鞭と化して包囲。
 鳥籠のような光の群れが収斂。この身に迫る。
 直撃した場合の損傷は危険度中。戦闘不能にはならないが、戦闘力の低下は避けるべき。

「小細工は効かん!」

 一喝/同時に噛み合わせていた刃に更に力を込める。
 スラスターを一瞬だけ点火/筋肉とモーターを総動員/内装兵器への出力すら駆動系に
転換。そこに全身の力を腕一本へ集められる術理が追加。一気に刃を振り切った。
 結果―――シグナムを真横へ派手に吹き飛ばす。
 包囲する刃もそれに合わせて吹き飛ぶ。
 好機/左腕の月牙ブーメランを起動―――

「!」

 かすかな驚き。その刃が、追撃を掛けようとした左腕を切り裂いた。
 装甲に損傷。視線を落とすと、割れた黒の鋼から紫電を帯びた内装が覗いている。
 稼動に支障は無いが、月牙ブーメランを破損/そして同じ部位を狙われれば危険。
 ―――見事な牽制。吹き飛ばされながらも追撃を封じる見事な技。

「……素晴らしい腕だ」

 呟く/相手の反撃に備え、私は剣を構え直した。

 構えは下段―――地をこするような低い位置に刃。
 マニューバを選択/高速の逆袈裟斬り。
 渾身の速度で放つ、返り血すら吹き飛ばすほどの一撃=あらゆる装甲を斬り裂く。
 それがあの鞘であっても受けることを許さない。

 秘剣―――逆風の太刀。
 今度は、先の先を取る。
 黒き大剣が、稲妻の如く迸った。

80 名前:麒麟 ◆TEKIajvYfQ :2007/04/29(日) 22:39:180

>>75

(ストライダー飛燕 vs 麒麟/呪縛の時計塔)

 薄闇を引き裂く、白い稲妻。
 万物を両断するプラズマ粒子の刃が閃き、麒麟に迫る。

 刃が麒麟の身体を両断するまでの、ほんの数秒の間。

 飛燕の間合いに数歩踏み込み。
 刃を担う腕を拳一つ分払い。
 上体を若干後方に。

 最小限の動作を以って、一撃を躱した。
 その在り方は――言うなれば、水。
 不定な水の如く自在。

 脚絆を彩る金色の龍が躍る。
 躱しざま、飛燕に向けての龍尾の一閃。

【死合場:呪縛の時計塔】

81 名前:魔王オディオ ◆OdIoUsLjVw :2007/04/29(日) 22:44:280

「橘vs魔王オディオ」

>>71

ヘキサフランジで切り裂かれた男は
紅くなって倒れる。
血で赤く赤く、砂を紅く紅く染め上げて。

橘朔也は死を迎えた。
ヘキサフランジの刃に耐えきれず、
その場で眠った。

「……魔王などどこにも居なかった。
 人間達は魔王の存在を望んだがそれは幻想であった……。
 だから私が現実にしたに過ぎない」

一瞥してその場を立ち去ろうとする。
奴の希望は、毒のようであった。
だから毒で満ちたこの空洞から出ようとすれば―――


男は、魔王への毒を持って立ち上がる。


「……まだ地獄を見たいか、人間!」

男は戯言を述べながらも立ち上がる/戯言?
その目は愚かにも見る希望に満ちていて/愚か?
魔王の絶望をことごとく否定する/違う、私は

ならば、魔王としてそれを迎えるのみ/勇者としていたときの、信じていたこと


「黙れ、ダマレダマレダマレダマレエエエエエエエエ!!」

―――レイザーソニック

降りしきる風の刃。
ヘキサフランジで切り裂かれた橘の体に
なお風の短刀が突き刺さる。

それでも勢いは緩まない。
何かに突き動かされるように、誰かの名を叫びながら
魔王に炎の蹴激を叩き込んだ。

意識が飛ぼうとする/意識?
何故かアリシアの声が聞こえたような気がした/愛する人の声?
吹き飛んだオルステッドの体は壁に叩きつけられて/何を言っているのだ
こうした奇跡により魔王の体は打ち砕かれる/こんなものはは魔王にありえない

こうして魔王は死を/アリエナイアリエナイアリエナイアリエナイ!!シナンテマオウニアリエナイ!!

「―――――クク―――ハハハハハッ!」

狂ったように笑いながら立ち上がる魔王。
先まで止め処なく流れていたはずの血が流れていない。
この男は、完全に人間であることを捨ててしまい
形のみが人で、それ以外は全て魔王。
中身は全て憎しみに変わりきってしまった。

「我が名は魔王―――オディオ!!」

憎しみの塊となってしまった勇者。
剣を振り上げ、自らの憎しみを闇の極光にして
放つ邪剣を使おうとしていた。

「希望、光、愛、優、努、全てを滅ぼす戦いの火種なり!!
 放てよ聖剣!その身を闇に焦して究極剣を放て!!」

―――――デストレイル

触れたもの全てを滅ぼす闇の剣が走った。

【現在地:裁きの坑道】

82 名前:「剣の騎士」シグナム(M) ◆xHAYATEzHE :2007/04/29(日) 22:51:110

(メタルアルカイザーVSシグナム/侵食地下神殿跡)

>>79

ぐん、と。
一喝と共に、鞘へ込められる力が増した。
全ての力を一撃に回したと理解、する間もなくその力の前にシグナムは弾き飛ばされる。
圧倒的な力、その視野の端に、展開した刃がメタルアルカイザーを斬り裂くのを見る。
だが浅い、致命傷には程遠い。
そこまで理解が達した時、シグナムは床に叩きつけられた。

「か、はっ――」

かすかに血の混じった痰を吐きながら立ち上がると、目の前では剣を構える巨人の姿。
逆袈裟の一撃。回避を許さない超高速。先ほどの斬撃にも勝るだろう威力。
魔力強化した鞘でも耐えられないだろう……否、それ以前に今の態勢ではまともに受け止めることさえ難しい。

混濁した思考の間にも、辛うじて手は動き、カートリッジを装填。
その刹那の間に、既にメタルアルカイザーの姿は目前まで迫っている。
選択肢は少ない。咄嗟に、シグナムは叫ぶ。

「レーヴァティン、カートリッジロード! 紫電一閃!」

カートリッジ内の魔力が、炎となって剣に溢れ出る。
本来なら必殺の一撃となるはずのそれはしかし、辛うじて一撃を受け止めたにすぎない。




(――認識を、修正しなくてはならないか)

シグナムは、今や完全に悟っていた。
このままでは、確実にシグナムは負ける。
本来、攻撃に使うべき、そして必殺の一撃とするべき紫電一閃を、
ただ防御に使った段階で、既に劣勢は覆うべくない。

まして、連戦に次ぐ連戦で、カートリッジの多くを浪費してしまった。
残りは僅か三発。一発たりとも無駄にはできない。
となると、もはや大技頼りの力押しは通用しない。
残った手は――

「なるほど、確かにお前の言うとおりだ、メタルアルカイザー。
 小手先の小細工でどうこうしようとした私の、その傲慢を許せ。
 もはや勝敗を分けるは魔力やパワーではなく、己が剣技のみ。
 私はそう悟った。
 いざ――行くぞ!」

剣に込めた魔力を炎とする。
炎の魔剣を手に、シグナムは一直線に切り込んだ。

83 名前:宮本武蔵:2007/04/29(日) 22:55:130

宮本武蔵 対 佐々木小次郎
>>77

 嘲笑には応じず、武蔵は太い舌先を覗かせると、糸のように垂れ流れる血を舐めた。
 その間も木剣を縦横に揮う。上下左右に前後ろ。小さく細かく、ある時は大胆に。


 戛! 戛! 戛!


 木と鉄の相打つ音響の筈が、鋼同士の衝突にしか思えない。
 いかに長大な木刀といえど、真っ向から真剣と撃ち合えば切断される。刃先を逸らしつつ
の絶妙なる捌きである。
 もっともそれで捌ききれるものではない凄まじさは、先ほどまでは眉間だけだった刀痕が、
右頬と左肩にも刻まれている事でも明らかだ。
 深手は、だ。既に細かい傷は数え切れない。
 今や武蔵の着流しは、驟雨を浴びたように黒ずんで濡れそぼっていた。


 閃く銀蛇の幾太刀目か、幾十太刀目であったか。――
 爛、と金茶色の目がぎらついた。

 いずこに反撃の拍子を見出したかは知らず、武蔵の木剣がぶんと回転した。
 剣の天盆目掛けて逆巻く流星のごとく――大気を抉りぬく勢いでたばしる木製の殺人器
械が、下方から薙ぎ上げられたのだ。
 小爆発でも生じたかと錯覚させる砂の奔騰は、斬撃の余波に過ぎなかった。


【死合い場所:月下の船島】

84 名前:魔人ヴィゼータ ◆VZ/G9kPv8E :2007/04/29(日) 22:57:410

>>76
【ヴィゼータvs斎月雪那/狂乱の庭園】

>>76
カッコを切り裂くべく繰り出された斬撃。
きれいで真っ直ぐな太刀筋は、女の子の性格そのものにも思えたり。

「おぉっと!アブナい!」

顔に笑みを張り付けたまま、軽く身体を引いて躱すカッコ。
迷いのない、いい剣筋だけど遅い遅い。
この程度の速さでは、ワタシに指一本触れら

とすっ

「え?」

軽く見切って躱したはずの刃先。
なのに、何かが引っかかる感触。

ずり、と何かがずれていく。
ぽとり、と斬られたモノが落ちていく。
まっ二つにされて地面に転がったのは、長年寄り添ってきたピンクの伊達眼鏡。

「にゃにゃにゃにゃにゃ〜っ!?」

カッコ、メガネのあったところに思わず手をやって。
ない。 ないない。 眼鏡がない!?
ワタシの大事な眼鏡!

「ぬぁ〜んと、やってくれちゃったね……
おいおいおい……」

今度こそ、黒一色の戦装束に身を包んだカッコは、
妙に座った声で、ゆら〜りと向き直る。
そして、流れるような動作で抜刀。 女の子に剣先を突きつけて一言。

「さて、それじゃそろそろエンジン回さないとね?
セツナ、っていったっけ?
このヴィゼータちゃんの眼鏡を斬った女として生涯覚えておいてやるんだにゃ〜ん」

カッコの瞳が魔洸を帯びて赤く輝く。
これで準備は万端。 いつでもおっけー。
セツナが次に切り込んできた時こそ、疾風怒濤の闇の魔性の斬撃が揮われるんだにゃ〜。

85 名前:アセルス ◆UhwBP6/M.o :2007/04/29(日) 23:02:360


>>78
妖魔<Aセルスvs軍神¥辮剏ェ信

 破れた水道管が、滝の音を上げながら水流が噴き出している。
 決闘場は水面に沈み、決闘者の足下が冷たく濡れた。
 庭から溢れ出した水が葩とともに奈落への滝を作る。ざあ―――と飛沫の音
を耳に残しながら、アセルスは月下美人の剣先を落とした。

 謙信公は全身を朱に染めて水に浸っていた。
 鏡のごとく夜空を反射させる水面が幻想を引き立て、宇宙に抱かれる乙女―
――そのような印象をアセルスに覚えさせた。
 羅刹掌に続いて、三技からなる連携/乱れ雪月花までその身に受けたのだ。
 毘沙門天の加護を得た軍神と言えど、無傷で済む道理はない。
 潔癖の乙女がついに堕ちたのだ。
 その清廉なる剣気は自身の血で穢された。

「哀れだな謙信公。無垢なる女神もついに泥の味を知ったというわけか」

 ぴちゃり、ぴちゃり―――と水を踏みながらアセルスは進む。

「確かに、キミの刃に迷いは無かった。清廉、潔白、無垢……このような
修辞はキミのために用意された真理(ロゴス)と断言しても差し支えは
ないだろう。剣客としての技量も将としての威風も、キミが勝っていた」

 だが、謙信公は月下美人の前に倒れた。

「私の刃は鋭かったろう。曇りなど一点も無かったろう。これがキミの忌み
嫌う背徳だ。堕落だ。頽廃だ。私の想いが如何に純粋か理解してくれたかな」

 謙信公に否定の言葉は無いはずだ。アセルスの純正を疑うならば、軍神の刃
が答えを示していたはずなのだから。

 足下で襤褸の如く転がる少女を睥睨する。
 傷付いた乙女は、その清らかな愁眉の麗しさを劣らせるどころか―――
痛んだことで、より強くアセルスの胸に響いた。

「哀れで、無様で、脆弱な、いと小さき軍神よ。……さあ、その身に纏った
穢れを落とそう。私はキミの境遇に同情する。だからこそ情けをかけるんだ」

 跪くと、背を屈め―――アセルスは唇を近付けた。
 鎧が打ち砕かれ、露わになった軍神の首筋へと。

「……これは慰めだよ」



【試合場:空中庭園決闘場】

86 名前:ギャレン―橘朔也― ◆X5lDK8LQyw :2007/04/29(日) 23:04:190

「橘vs魔王オディオ」

>>81
魔王の咆哮が、坑道を激震させる。
人を捨て去った闇の刃がギャレンの体を切り刻む。

―「黙れ、ダマレダマレダマレダマレエエエエエエエエ!!」―

ギャレンの放った一撃が、戦局を更に悪化させてしまう。
魔王の中の、人である部分が死んだのだ。
ギャレンの前に在るのは、心を失った人。いや、人の形をした魔物か。


ギャレンは破壊され素顔が露出したマスク越しに、自嘲気味に笑う。
―いつだって、そうだ。俺はいつもこうやって事態を悪い方向に……!!―


――「我が名は魔王―――オディオ!!」

ついに真の姿を見せる魔王。
もはやギャレンに、人間である橘朔也が敵うはずはない……

全ての希望を打ち砕く、闇の剣がギャレンに降り注ぐ。

「俺の体はボロボロだ…!!しかし、魔王?……それが何だ!!」

迫る剣に後ずさる事も無く、向き合うギャレン。
その目は真っ直ぐ、深く続く深淵を見つめていた。

「運命に負けたくない……俺の、友の言葉だ。
お前と俺はよく似ている。だが、1つだけ違うことがある……

俺は自分の運命に負けたくないんだ。……運命と戦いたいんだ!!」

――フュージョン・ジャック――

ボロボロの橘に、金色の翼が与えられる。
希望を打ち砕く闇の剣を前にしてギャレンは尚も、希望を捨てない。
金色の短剣を称えたギャレンラウザーにスラッシュされるのは…

   2『BULLET』

4『RAPID』  6『FIRE』

「うぉおおおおおおおおお!!!!」

――バーンニング・ショット――

灼熱の弾丸が闇の剣にぶつかるように放たれる。
その炎は、ギャレンの身に流れる血のように熱く、そして赤かった。



87 名前:佐々木小次郎 ◆KOJI2a34Bo :2007/04/29(日) 23:23:120

宮本武蔵 対 佐々木小次郎
>>83

さかしまに流れし武蔵が太刀は、脇腹から入り、胸を抜けて顔へと抜けた。
人であったころですら武蔵が怪力は人並みはずれていた。ましてや魔人と成り果てては。
さながら大砲で撃たれたような衝撃が全身を突き抜けるが、それでも小次郎は斃れなかった。

斃れはせぬが、無傷でもない。剣の軌跡がそのままに、小次郎の身体は大きく切られて無くなっていた。
その鍛え上げられた腹筋も、贅肉のかけらも無い胸板も、その魔貌の左半分ですら。
武蔵が剣の通りし部分のみ、深々と切られて、大きく傷口を開いていた。
斧を叩きつけられた白木のような傷口がぱっくりおおきく開いていた。

それでも小次郎は斃れなかった。

「禍(カッ)!禍!禍!禍!禍!禍!禍!禍!禍!禍!禍!禍!禍!禍!禍!禍!禍!禍!禍!禍!禍!禍! 」

禍々しい嬌声を上げ、小次郎は『物干竿』を再び構えた。

人は三寸斬り込めば死ぬという。
だが小次郎が身体に叩き込まれた武蔵が太刀はそれどころの比ではなかった。
まごう事なき致命傷だった。

だが小次郎、それにかまうことなく構えた剣を全力で剣を振るう。
致命傷を負えども剣の冴えはかわらず。
暴風のごとき剣の雨はとまることなく、それどころか鼻歌すら歌っていた。
それもこの場にそぐわぬ陽気で愉快な曲だった。
半分存在せぬ顔で陽気な口笛を吹いていた。


【死合い場所:月下の船島】

88 名前:斎月雪那 ◆USETUNAqno :2007/04/29(日) 23:23:230

【ヴィゼータvs斎月雪那/狂乱の庭園】
>>84
銀閃はけれど女の子を切り裂くことはあたわず、ただその眼鏡を斬り落としただけ。
踏み込みが浅かった、それとも・・・

『速い・・・』

そう、なのだ。
私が遅いのではなく、相手が速い。
しかもそれでいて、おそらくはまだ全力ではない。
勝てるの、この相手に・・・?

弱気が心を過ぎる。
そんな自分の心を叱咤して、再び構える。
ヴィゼータ、と名乗った女の子もまた剣を手に構えて。

その剣は、刺突用の剣。レイピア、と呼ばれるものだろうか。
ならば、その身上は刺突。速さにおいては、おそらくは最上級。

・・・イ・プラセェルでの戦いが脳裏をよぎる。

「…イライラする。イライラするイライラするイライラするイライラする!イライラする! イライラする! その剣!! イライラすンだよォォォォッッ!!!」

彼・・・結局、名前も知らなかった、剣に操られていた、彼。
彼女はそうではないのだろう。
けれど、剣のカタチが、赤い瞳がその記憶を呼び覚ます。

・・・負けられない。
あの時と同じように、今も!
私の左手の天命石『リア・フェイル』が輝きを増す。
迸る魔力が私の身体を閃光に変え、踏み込みを、斬撃を加速する!

踏み込んで振り上げた剣は蒼い魔力の残像を残して襲いかかり、間髪入れずに横薙ぎに切り払われる。
その剣の勢いを殺すことなく、地面を蹴る。
スカートが翻り、私は独楽のように廻る。

そう、回転の力を加えた斬撃を放つために。

「光よ、切り裂け!」

天葬閃。
それは、天へと葬るための一閃。

89 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/04/29(日) 23:23:400

(メタルアルカイザーVSシグナム/侵食地下神殿跡)

>>82

 秘剣は炎刃に遮られた。
 シグナムの澱み無い動き―――カートリッジ装填/ロード/強化。その一連の動作。
 一瞬でも遅れれば即死の状況での、冷静で的確な行動/強まる強敵の予感。
 だからこそ、戦う価値がある。

 受けられた反動を利用して跳躍。
 距離を測量―――三間。一歩踏み込めば双方斬り込める間合い。
 わずかな時間/剣を両手で握り直す/構えを青眼に―――真向から刃と打ち合う型。
 シグナムの行動―――体勢を立て直し、剣に再び炎を纏う/強化カートリッジのロード
は無い/固有の能力と断定。
 荒い呼吸を整えながら、こちらへと投げかける声。

「なるほど、確かにお前の言うとおりだ、メタルアルカイザー。
 小手先の小細工でどうこうしようとした私の、その傲慢を許せ。
 もはや勝敗を分けるは魔力やパワーではなく、己が剣技のみ。
 私はそう悟った。
 いざ――行くぞ!」

 言い終える/呼吸を整え終えるシグナム。
 私は待っていた。相手の弱みを突くことは出来ない/弱点にして強さを支える根幹。

「―――ああ、心行くまで打ち合おう」

 告げる―――肯定の答え。
 同時にシグナムは剣を構え、一直線に突撃する。
 インファイト=搦め手無しの打ち合い。

 閃光/打ち合う鋼の音。
 その音が消える間もなく三合。いずれも弾かれる=互いに譲らぬ剣技。
 刃風が燭台の蝋燭を吹き消す/飛び散る火花で再び点火する。
 互いの行動―――頭部を狙う一撃をぎりぎりで回避/反撃の撫で斬りを受け流す。
 シグナムの行動―――頭部の一撃から変幻。流れるように襲いかかる唐竹割り。
 咄嗟に左手で剣の腹を叩いて受け流す/右手の流れ斬りを仰け反って回避される。
 再び互いの同時行動―――袈裟斬りの交錯/鍔迫合となる。
 拮抗―――互いに、動けば相手の追撃を許す。
 向こうが飛べばこっちは同じく飛んで斬る。弾き飛ばせば分裂剣による反撃の可能性。
 相手も、おそらくは同じ状況。こちらが離れればその一瞬で斬られる。弾き飛ばされた
場合は、こちらに有利/月牙ブーメランの使用が可能になる。
 鋼が鳴り、かすかに火花が飛んだ。

 凪の時間。束の間の静寂。

 そこにビジョンが忍び込んだ。
 ―――“正しき強さ”を命題に選んだ過去の日。三度目の敗北の記憶。

「……一つ問う」

 呟く―――自分でもかすかな驚き。
 相手も虚を突かれたのか、刃の力が緩む。
 その隙に距離を離した。追撃は来なかった。
 私の行動―――刃を下ろし、自然体となる。
 無形の位。変幻自在の型。

「お前にとっての、正しき強さとは何だ?」

 距離は四間―――双方が踏み込んで、初めて刃が届く間合い。

 予感を覚える/この問いの後、おそらく死線が待っている。
 だからこその問いかけだと遅れて確信―――私は命題への解答を求めている。
 全ての剣士、全ての戦士が信じる自己への確信。あらゆる形を取る正しさ。

 その一端を知りたかった。

90 名前:飛燕 ◆BLOODlbo6s :2007/04/29(日) 23:34:590

>>80

 (ストライダー飛燕 vs 麒麟/呪縛の時計塔)

驕らぬ必殺の刃は、無形の型で捌かれた。

狄の戦士は諜報も行うストライダーズと比べ、自らの力による破壊により重きを置く。
ゆえに純粋な体術、それもセンチ単位の「見切り」を伴う近接戦は、彼らに一歩甘んじる形となる。
それが特A級に匹敵する使い手ならば尚の事。
互いに超一流であるが故、その僅かな差は明確な溝となって現れる。
この男の技は流れる水だ。
掴もうとすればすり抜け、生まれる流れは衝撃となって打ち砕く。
仙術の秘奥を伝え、必殺必勝の業へと昇華させる。
正に狄の戦士が築き上げた真髄が、この男に宿っていた。

故に留まらず、勢いを殺さず走り抜ける。
蹴りのベクトルに逆らわず飛ぶことで衝撃を最小限に押さえ、重力に逆らわず落下する。
視界に広がる歯車、パイプ、足場の位置を瞬時に覚え、現状から選択できる戦術パターンを反芻。
されど落下は止まらず。
白い影はその姿を小さなものとしてゆく。
内腑に残る衝撃は飛燕の意識を揺らし―――――




「―――――これが、狄の戦士、か」



【死合場:呪縛の時計塔】

【飛燕:戦死】
 

91 名前:魔王オディオ ◆OdIoUsLjVw :2007/04/29(日) 23:35:120

「橘vs魔王オディオ」

>>86

激突する剣戟。
赤い炎と黒い極光。
それはお互いの身を削りながらの戦い。

黒い剣は確実に英雄を打ち据えた。
そう、この剣に触れたものは滅んでしまう。
それは向かい合う英雄とて避けられないことであった。

そう、この男は確実に滅ぶ。
だが、その男は――――――

自分のみが滅ぶことを是としなかった。

黒い光の剣が折れる。
なおも灼熱の弾丸は勢いを殺すことなく
魔王の体を突き飛ばした。

英雄と魔王が共に向かう先に存在したのは
深く深くどこまでも続いている絶望の大穴

――――――深淵

入ったものの帰還は二度と叶わない、
先に待つものは魔王にすら判らない
混沌、魔界への一方通行の道。

「クク……ハハ……ハーッハッハッハッハハハ!!」

英雄と共に深淵に落ちながらも
なお魔王は笑い続ける。

「私を倒しても――――私は死なない!!」

肉体すら崩壊しかけている橘に
最後まで魔王は語り続けている。

「永遠に続く感情!人間の争いの種!
 それを憎しみ、またはオディオという!!」

歪んだ笑い、歪んだ心。
それら全ては人間が彼にもたらしたものである。

「憎しみが無くならぬ限り――――――私は死なぬ!!
 人間が存在する限りな!!

 フハハハハハハ!!ハーハッハッハッハッ!!」

深淵に木霊する魔王の笑い声。
それは恐ろしくて、歪で―――どこか虚しげであった。

【魔王オディオ、消滅?】

92 名前:飛燕 ◆BLOODlbo6s :2007/04/29(日) 23:35:470


>>90



                    ―――――等と、欺ける相手ではないがな。

時計塔下層。
横に回転を続ける歯車の底に、深く突き立つ刃が一つ。
落下より数秒、激突の寸前に打ち出した万能鎌「クライム・シクル」。
その打ち出された先端部である。そしてそれに捕まり釣り下がるのは紛れなき白装束「飛燕」。
そして無双といわれた特A級ストライダーの体躯は振り子の原理で翻り、近くの足場へと降りたった。
落下の最中にコード入力を終えた得物―――幾何学の名を関する光剣を十字に構えて。

交差した二本のサイファーに光が生じる。
既に出力を上げておいたプラズマ粒子は交差によって収束され、前方への指向性が与えられる。
交差角度によって定められた照準は上方――――討つべき金色の龍へと向けられている。

全ては敵を出し抜くためのもの。
落下を始めると同時に選択した戦術パターン。
落下中に目測した距離、脳内にて処理した位置予測、それら全てを短時間にて遂行する。
最短時間による後退と狙撃。ストライダーの枠外を用いた奇手である。
そして、落下予測地点への到達を含め作戦は成功。
自然と一体化するのが狄の戦士の真髄ならば、その自然を踏破するのがストライダーズの真髄。
それが命ならば殺せる、たとえ水であろうとも。

正確な位置予測、移動させる猶予を与えない超短時間の上方狙撃。
正しく光の速さにて、水流をも蒸発させる熱量が虚空に奔った。

【死合場:呪縛の時計塔】

【飛燕:健在なり】
 

93 名前:宮本武蔵:2007/04/29(日) 23:54:090

宮本武蔵 対 佐々木小次郎
>>87

 哄笑、鼻歌、そして口笛。――これは狂気だ。鬼の為す業だ。

 その鬼が奏でる調べの中で、血でずぶ濡れた武蔵の脇腹が、ひと際色濃く染まっている。
 そこに異常な熱を、武蔵は感じていた。――袈裟掛けか、胴斬りか、はたまた左水車の仕
業だったろうか。兎も角も臓腑まで達したな、と冷静に判断する。

 相も変わらず刃を交わしながら、自分の一撃が相手の美貌を半分がた「削いだ」様を観察
する。小次郎の左半身だ。目もない。
 ならばそこは、攻防を一つとした妖剣の布陣へつけいる隙となろう。
 最良の選択を決定し、実行に移す。血ぶるいするような歓喜と共に。剣のメカニズムとして
完成しているのは武蔵も変わらない。


 光の雨とも見紛う剣斬を受け流し、音も跡も残さぬ足捌きで、滑るように小次郎から見て左
方に回りこむ。
 間――発を入れず、闇に灼き金のような痕跡を残して、武蔵は横殴りの一剣を揮った。


【死合い場所:月下の船島】

94 名前:ギャレン―橘朔也― ◆X5lDK8LQyw :2007/04/29(日) 23:55:300

>>91
「橘vs魔王オディオ」



「この距離なら……バリアは貼れないな!!」

―至近距離で放った灼熱の弾丸。その一撃が魔王の虚を突く―


しかし、それは同時に、ギャレンにも黒き刃が突き刺さったことを意味していた。
全身から噴出す血。ギャレンの装甲は完全に破壊され、そこに残るのは生身の
橘朔也のみであった。

魔王が誘うは、深淵への道。
二度と戻ることが叶わぬ世界へと扉だ。

だが、橘は笑っていた。そう、これでいいのだ。
かつて俺が相川始を救う為に、カテゴリーキングを封印した時のように。
「俺は、世界が滅ぶだなんて信じてはいない……俺の代わりに、
戦えない全ての人々の為に戦う……そんな戦士が、運命に勝ってくれる。

俺は、そう信じている。……俺だけでは死なない!!お前の憎しみも共に連れて行くぞ!!」

笑顔で魔王の肩を掴み深淵へと身を投げる。
その目に、何の憂いも無かった。ただ、自分の信じた義に生きた男。
愛する者を失っても、誰からも騙されても……それでも人間を愛し続けた愚かな男。
それが、橘朔也。仮面ライダーギャレンなのだ。

―声が聞こえる。

「橘さん!!橘さん。何やってんディスか?」

―微笑む剣崎の顔。そうか。

「安心してください。俺は、絶対に運命になんかに負けません。」

―そうか、そうだな……剣崎、この世界を頼んだぞ。

微笑む友の顔。目を開けるとそこは絶望の深淵へ。
魔王に声を掛ける。そして、また橘は目を閉じた。


【ギャレン 消滅 魔王を共に深淵へ】

95 名前:「剣の騎士」シグナム(M) ◆xHAYATEzHE :2007/04/30(月) 00:00:090

>>89
> (メタルアルカイザーVSシグナム/侵食地下神殿跡)

――それは、ワルツを踊るように。

相手の一手を受け、こちらの一手も。
こちらが刃を振るえば、あちらはそれを刃で受け。
不意をつけば、相手も不意をつき返す。

――それは、まさに二人で踊るダンス。

互いの息は、今日はじめて会ったと思えぬほどにぴったりと合う。
一線を越えれば、達するところは自然と同じになると俗に言う。
その俗信を、この二人は自らの技で証明していた。

ふと、そのワルツが途切れる。

「……一つ問う」

それは、鋼鉄の戦士の問いによって。

「お前にとっての、正しき強さとは何だ?」

「――正しさ?」

あまり考えたこともなかったこともない問いに、シグナムの目がかすかに見開かれる。
まさに虚をつく問い。
そんなことを考えることは、今までなかったと言っていい。

「正しい、か……。
 私には、わからない」

それは正直な答え。

「私は、多くの罪なき人を手にかけてきた。
 主に立てた騎士としての誓いすら破った。
 主に、何度も辛い涙を流させてしまった。
 剣を取る資格があるのか、随分と悩んだものだ」

ヴォルケンリッター、闇の書の騎士。
闇の書の復活のため、無数の罪なき人々を襲い、魔力核<リンカーコア>を摘出。
あるいは、主の野望のため、多くの魔道災害を引き起こしたこともある。
血塗られた剣、罪の象徴。
償おうとして償えるものでもない。だが、

「だが、私の新たな主は、私に言ってくれた。
 迷惑をかけた人々に、背筋をしゃんとしてきちんと謝ろうと」

その時のことは、今でも覚えている。
そして、その主の横にいた、多くの仲間。
力づくでも、言葉を届けてくれた、高町なのは。
共に剣を交えることで分かり合った、フェイト・テスタロッサ。
クロノ、ユーノ、エィミィ、アリサ、すずか、多くの友。

「それは、小さな願いだった。
 愛した主の笑顔を守りたい、ただそれだけのために多くの笑顔を奪った。
 だがその罪を認め、許してくれる、笑顔を持った多くの友と出会えた」

それは、確かな「結果」としてここにある。
だから、

「だから、私はこの力を恐れない。
 もしも、誤った力なら、それを正してくれる友が私にはいると、信じているからな。
 これは、想いを貫く力。
 この力があったからこそ、多くの友と正面から戦って、心を交わせた。
 そうだな、だから――」

そこから先の言葉は、シグナム自身にも意外なものだった。

「だから、私は今も戦っているのかもしれん。
 お前と全力で戦うことで、私とお前の心が繋がることもある、そんな小さな奇跡を信じて」

言いながら、シグナムは苦笑を洩らす。
これはさすがに、自分でも言っていて少し恥ずかしい。

「……いや、すまん。
 少し喋りすぎた。許してくれるか、メタルアルカイザー。
 後は、己が剣を持って――」

右手のレヴァンティンを軽く掲げる。
手馴れた手つきで、カートリッジを補充。そのまま軽く、宙に放り投げ……

「――語らせてもらう!」

……蹴り飛ばした!


ベルカ式魔法、その真髄は接近戦にある。
魔力での身体機能強化、それは元来優れたシグナムの体を一段と高い次元に引き上げる。
そして、その力を込めて蹴りだされた剣は、銀色の矢となって一筋に奔る。

「受けてもらおう、メタルアルカイザー!
 私の……全力全開、手加減無しの真っ向勝負を!!」

己の剣を追って、シグナムも駆ける。
その剣よりもなお速く、その顔には笑みさえ浮かべて。

96 名前:魔人ヴィゼータ ◆VZ/G9kPv8E :2007/04/30(月) 00:00:270

【ヴィゼータvs斎月雪那/狂乱の庭園】
>>88

「にゃ〜ん…… セツナってば化けの皮がボ〜ロボロ〜♪
おまけに魔導力もだ〜だ漏れ〜♪

だぁが! その程度でこのヴィゼータ様の相手をするは百年早〜いっ!」

素直に正面から仕掛けてきたのセツナの姿を
魔人の少女はせせら笑う。
おそらくそれなりに実戦をくぐり抜けてきているのだろう。
覚悟はいい。 迷いもない。 威力についても申し分ないない。
モロにもらえば、きっと自分もただじゃ済まないだろう。
でもそれは仮定のお話。
実際にはホラ。 ワタシの目には剣先と魔導力の流れが見え見え。
止まっているのと同じくらいに見え見え。

なのに、セツナってばこれで勝ったと思ってる?
それってダメじゃん。 ダメダメじゃん。
心優しい魔人ヴィゼータちゃんとしては、真実を教育してやらないと。
そう決めたカッコは踏み込みもせず、腕だけで剣を揮う。

「ほら、一本が二本!」

ぎぎん!
剣と剣がぶつかりあう金属音が花園に響きわたる。
回数は二度。
頭部を狙って振り上げられた切っ先は、衝撃で軌道を外れて虚しく空を薙ぐ。

「まだまだいくぞ、二本が四本!」

ぎぎぎぎんっ!!
次に鳴った剣音は四。
胸元を狙ってきた横薙ぎの刀身に不可視の斬撃斬撃斬撃斬撃!
勢いも軌道も殺されて、明後日の方向に流された一閃を躱すのは、
ひょい、と首をすぼめるだけでおーるおっけー。

そして飛び上がって空中から回転斬りを仕掛けようとするセツナの姿を見て取ると
カッコは自分もセツナの姿を追って跳躍。
二人の飛ぶ軌道が交錯し、空中で目線が合ったところで。

「四本が十六本だぁっ!」

ここで初めて、振りかぶってから剣を揮うヴィゼータ。
同時に繰り出す死の軌跡は実に十六! 全て手応えアリ!
ワタシの感覚が正しければ、全てのボタンと縫い代を断ち切られた
セツナのブレザーは着地と同時にボロクズだ!

97 名前:上杉謙信:2007/04/30(月) 00:10:380

>>85


 流れる水の冷気が磨耗した感覚を研磨し霞がかった意識が晴れていく。
 紅い月の下、艶やかに反駁する嘲笑……そして堕落への囁き。

「哀れで、無様で、脆弱な、いと小さき軍神よ。……さあ、その身に纏った
穢れを落とそう。私はキミの境遇に同情する。だからこそ情けをかけるんだ」

 謙信の双眼は未だ虚無の色に染まっている。
 其の虚無を退廃に変えんとする甘い甘い毒。

「……これは慰めだよ」

 その言葉と共に忍び寄ってくる背徳の蛇の牙。
 拒絶せねばならないと己の直感が警鐘をを鳴らし半ば本能的に立ち上がろ
うとするも鉛の感覚を以って限界を訴える。
 ………戦うに必要とされる四肢一魂の生気、どれも痛く傷ついている。
 限界か、もう立ち上がれぬか、此処が終着か。

 否

 まだ私には残っているものが在ると小さく、しかし神鉄の意志を込め、
敗北の軍神は蛇へと呟いた。

 もう不敗では無く純潔でも無い、刻まれた敗北の烙印は余りに重く痛い。
 だが、完全に敗北した訳でもない、現に軍神は費えてはいない。
 四肢一魂…右腕右脚左腕左腕信仰、どれもが傷ついた「だけ」だ。
まだ全てが健在であり、どれ一つ欠けては居ない。

 ……では立ち上がれば如何にかなるのかと僅かに芽生えた弱気が囁く。
 無敵の軍神突撃は無惨にも破られた以上、妖魔剣士を討ち取る手段は無い、と。

 否

 残っているのだ、まだと凛と響く声で蛇へ拒絶の意思を伝えた。
 傷ついた左手で蛇の腹を掴み、ぽいと投げやる。
 それだけで左の腕の血管がぱんと限界を超え、更に左腕が朱色に染まった。
 問題は無い、まだ力が通るのであれば。

 軍神がふらりと立ち上がる。
 その姿には先の威光は欠片も無く宛ら風前の灯火。

「穢されたのは認めよう。私はお前に敗北をしたのも事実だ。
 だが未だ残っている、無様でも何処も折れてはおらぬ、故に慰めは要らぬ」

 謙信は脇差を抜き、左の手に納める。心得が在る者が見れば分かろう、この無謀。
今の状態であれば妖魔の君相手には一合の下に弾き飛ばれる事は何等疑い無い。
 そして右の手には先までの死闘の友たる太刀。こちらには相応に力が通っている。
なれど肝心の太刀には微細な無数の皹、先の勢いで使えば何れ砕け散ろう。

「正真正銘、これが最後だ。この一撃を以って、お前の背徳、堕落、頽廃………
その純粋を白く染め上げよう」

 軍神はその眼に静かな炎を灯し、魔性の剣士へと最後の宣戦を布告した。


(アセルスvs上杉謙信 死合場:空中庭園決闘場(半壊))

98 名前:佐々木小次郎 ◆KOJI2a34Bo :2007/04/30(月) 00:25:530

日本の剣術において、刀身を打ち合わせることは極めて少ない。真剣は容易く折れるからだ。
先の小次郎が武蔵が剣を弾いたときのように、相手が剣が最高速度に達する以前ならばともかく、
充分な速度を得た後では、いかに鍛え上げし鋼が塊の日本刀といえど、あっけないほどに容易く折れる。

ゆえに剣術は刃を合わせることを避ける。
受太刀をするのはどうしようもない場合のみ。

しかしこれは違う。この小次郎が剣技は違う。
自ら進んで相手の剣を太刀で受け、そこから強引に己が技を叩き込んでいく。
そして、相手が受けようともお構いなしに、その受太刀の上から何度も何度も斬撃を叩き込む。
相手が剣をへし折り、相手が鎧を叩き切り、相手が帷子を切り裂いて、斃れ伏すまで切り裂き続ける。
それは容易く折れることのない、剛刀『物干し竿』だからこそ可能な業であった。

哄笑を上げ、刃金を呼吸し、返り血を啜り、狂喜に溺れ、
血と殺戮と死に満ち溢れた剣舞を踊る。

まるで舞を踊るような、宙を歩むような足取りで、
それでいながらけだもののような荒々しさで剣を振るう。

それは官能的で感動的そして観念的に心地よい。
この御敵の、おおなんと愛おしいことか。殺してしまいたいほどに愛おしいことか。
殺し殺され冥府魔道へと落ちてゆく。
このまま終わらねばよいと思う。いつまでも斬りあっていられるのだから。
速く終わればよいと思う。宿敵をこの手で斬り殺せるのだから。

だがその思いは死角より放たれた横薙ぎの一撃により中断される。
武蔵が強力により放たれた横殴りの一剣。
小次郎が身体を両断せんとするその一撃は、かろうじて間に差し込まれた『物干竿』により受け止められる。
だが、当然のことながら、威力までは殺すことはできなかった。
その一太刀は、小次郎が身体を弾き飛ばし、遠く離れた白砂の上にうち転がした。


【死合い場所:月下の船島】

99 名前:麒麟 ◆TEKIajvYfQ :2007/04/30(月) 00:26:480

>>90 >>92
(ストライダー飛燕 vs 麒麟/呪縛の時計塔)

 手応え、なし。






 それ故に。
 それ故、麒麟は足場を蹴り、跳躍した。

 龍尾の一閃は、確かに飛燕を捕らえた。
 そう――。“捕らえた”だけだ。
 蹴り足に伝わる対象への打撃の反動が、対象の健在を知らせた。
 狄の技は“必殺”、対峙する者は“必滅”。健在であるならば、滅するのが狄。

 重力に抗わず落下する。言うなれば、地面へ向かっての上昇。
 得物である足は使わず、腕を使って障害を捌き、軌道を変える。
 下方より匂い立つ殺意を感じたが故の行動である。
 如何に気配を絶つ事に長けた者であっても、殺意の気配だけは殺しきれない。
 麒麟と飛燕。
 形こそ違えど、魂の領域では合わせ鏡ともいえる存在同士であるならば――それを認め、識る事は容易い。

 果たしてその認識は真だった。
 下方より撃ち出された光刃が、正確無比に――かつて麒麟が存在した足場を両断した。

 光刃と交差する際、後方に束ねた髪が数寸切られ、熱に肌を灼かれた。
 被害として数えるのも憚られる被害を被りつつ、麒麟は視界の内に飛燕を捕らえた。

 近くの歯車を蹴り、軌道を大きく変更。
 白装束を赤く染め抜かんと迫りつつ、軌道すら見せぬ素早さを持った、無数の龍尾の閃きを放った。

【死合場:呪縛の時計塔】

100 名前:佐々木小次郎 ◆KOJI2a34Bo :2007/04/30(月) 00:26:500

宮本武蔵 対 佐々木小次郎
>>93>>98

小次郎は、ゆらりと幽鬼のように立ち上がった。
もはやその身体は、いたるところが抉れひび割れ、
人を止めた魔人をしてすら、生きているとは到底思えないような有様だった。

だが小次郎はたった。それでも小次郎は斃れなかった。
最後の一太刀を振るうために。己が宿敵と雌雄を決するために。
そして己が宿敵の顔を見てただ一言をつぶやいた。

「ゆくぞ、武蔵」

その声は不気味なまでに穏やかでやさしかった。
清も濁も聖も邪も、全てを飲み込み内包した狂喜がそこにはあった。

小次郎は備前長船長光を頭上に構えた。
大上段。それは、己が秘剣に全てを注ぎ込み、防御などはなから無視をした構えだった。

その身は満身創痍ながら、五感はいまだかつて無いほどに冴え渡り、
全身には剣気があふれ出んばかりに満ちていた。
これならば己が剣もかつてないほどに冴え渡ろう。

ぎちりぎちりと空間すらもが歪むような濃厚な殺気があたりに満ちる。
そして、極限まで引き絞られた弓のように、その殺気は一気に撃ち放たれた。

無言の気合と共に剣を振り下ろした。
拝み打ちにした太刀は地面すれすれにまで打ち込まれる。
そして次の瞬間、下からさかしまに駆け上る稲妻のように太刀を担ぎあげて斬り上げた。

佐々木小次郎が秘剣燕返し。だがその一撃は今までのものと大きく違った。
振り下ろした刀を切り上げる際に、手首を返さず峰で切り上げているのだ。
この一太刀はいままで以上に早かった。
手首を返すという動作がなくなったその分だけ速くなっているのだ。
刃を持たぬ峰といえど刀が金属の塊であることには違いない。刀身が金属の板であることに違いない。
そして小次郎ほどの技量があれば、刃などついていなくとも、人体を切り裂く事など容易だった。

必殺の剣が、武蔵が身体めがけて、闇を切り裂き突き進んでいった。


【死合い場所:月下の船島】

101 名前:斎月雪那 ◆USETUNAqno :2007/04/30(月) 00:29:360

【ヴィゼータvs斎月雪那/狂乱の庭園】
>>96
一閃は二閃に阻まれ、軌道を逸らされる。
二閃は四閃に弾かれ、速度と威力をなくす。

それは驚愕すべき事実。
人の限界を超えた私の攻撃を、いとも容易く捌くヴィゼータさん、その力と技に。

けれど、まだ終わりじゃない。
更なる魔力光を帯びて、クラウ・ソラスが輝く。
空舞う鳥のようなその斬撃は・・・

しかし、阻まれた。

一瞬の交錯。
一瞬の剣閃。

天葬閃はなにものも切り裂くことなく、ただ散らされる。
た、と為す術もなく地に降り立つ私。

「くっ、速すぎる・・・」

追いつけない速さには、抗する術はないの?
もう一度深呼吸、その瞬間に・・・

私のブレザーが、バラバラになって、落ちた。

「き」

深呼吸なんて、もう関係ない。
私はただ・・・

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

上体を押さえて、叫んだ。

102 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/04/30(月) 00:37:070



 ―――その剣士は、語った。
 かつての過ちを。その罪を悔いていることを。そして今は大事な物を護るため、誰かと
心通わせるために戦っていると。その中に私さえも含めて。その奇跡を信じて。

 普通、死闘において相手を理解することは死を意味する。

 相手と相容れないが故に、常に戦いは生まれる。その最中で、倒そうとしている相手を
理解してしまえば、情が生まれる。その情ゆえに、自らは死ななければならなくなる。
 だが、目の前の騎士は―――そんな道理など遥かに超えていた。
 相手を受け入れ、理解するために闘いを扱える、高潔な騎士だった。

「……そうか」

 他に言葉が見つかる筈も無い。
 その論理は理解と矛盾をはるかに超え―――反論も出来ない。
 なぜなら、シグナムが生きているからだ。
 その時点で、すでに私の知る全ての習いを超えていた。

 自らの価値観が崩れ―――新たに萌芽していく感覚。
 ゼロからの始まり。ようやく正しき強さへの道程―――そのスタートを見た。
 何かを得るのならば、何かを捨てねばならない。
 そう。私は、自身のこれまで信じていたもの―――最強を忘れなければならなかった。
 本来それは困難なものだったが、不思議と私はあっさりと捨てることが出来た。
 おそらく目の前の騎士―――シグナムのおかげだろう。

 重要なのは強さではない。もっと別の何かだ。
 それゆえに目の前の騎士は相手を理解しながらも死ぬことは無かった。
 おそらくこれまでも―――そしてこれからも。
 万が一死ぬことがあったとしても、そこに未練はあったとしても後悔はないだろう。
 正しき道、自己の信ずる道に殉じて死ねることほど、武人にとって幸せなことはない。

「戯言への解答、感謝する。ようやく、何かを見つけられそうな気がした」

 礼を言い―――私は構えた。
 相手を理解した/だが、闘って勝たねばならない。
 互いにすでに死地にあり―――譲れない物がある。
 なにより、この勝負を止めることなど武人の誇りに賭けて出来るわけがない。
 だから、掛け値無しに全てを賭して闘おうと改めて決めた。

「受けてもらおう、メタルアルカイザー!
 私の……全力全開、手加減無しの真っ向勝負を!!」

 ―――身震いするほどの清冽な宣言。
 そして、刃と騎士が走る。
 魔力強化による筋力で発射された剣/それを凌駕する速度で疾走するシグナム。
 剣を弾く/回避してもその隙を突いて偉大な拳が鋼を砕くだろう。
 しかし、何もしなければ剣は己に突き刺さる。
 必殺の構え―――対抗するには、弾くと同時に斬らなければならない。
 それも、弾いた剣を取って即座に相手の刃が来る恐れがある。

 だが、恐れない。
 躊躇無く死に向かう/その先に生があることを良く知っている。
 故に―――跳んだ。
 走るシグナムへ、飛翔する剣へ。
 背部スラスター出力全開/機関全出力を両腕に注ぐ/両手で剣を構える/黄金の円弧を
描く鮮やかな突撃。偉大な鋼と技と精神の織り成す、誰にも模倣できぬ最大の剣技。
 間合いが縮んでいく―――ゼロへと飛翔する。

「ムーン―――スクレイパー!!」

 自ら名付けた秘剣が走った。天の月をも削る、鋭き横薙ぎの一閃。
 スラスター炎の黄金色が剣に映り込み、輝いている。

 大きなものを教わった騎士に、後悔無き闘いで報いるための一撃だった。


103 名前:アセルス ◆MidianP94o :2007/04/30(月) 00:42:580


>>97
妖魔<Aセルスvs軍神¥辮剏ェ信

 正気か、とアセルスは眼を見張る。立ち上がることすら忘れてしまった。
 投げ飛ばされた姿勢そのまま水面に尻餅をつく様子は滑稽だが、彼女が
瞠目する心情を察すれば嘲笑うことはできまい。

 謙信公は立ったのだ。
 最強と自負する技を破られ、天の加護は途絶えたというのに。
 立ち上がり、刃を構えたのだ。
 それが意味するところはつまり、徹底的な拒絶だった。
 アセルスの力を認めた上で、謙信公は彼女を拒んだのだ。

「そんな……」

 水に浸した指先に流れる葩が触った。
 汲み取ってはみたものの、するりと手中から逃れてしまう。

「そんな!」

 ―――そこまで私を拒むのか、上杉謙信。

 屈辱すら覚えなかった。憤激など芽生えようが無かった。
 到来するのは虚無だ。
 自身の魔力回路を消耗させてまで三位一体の秘技を繰り出したというのに、
それでも謙信公はアセルスの力を受け入れようとはしてくれない。
 ならば、どうすれば彼女の心の風は私へとなびくと言うのか。

 アセルスが立ち上がることができたのは、妖魔の君としての矜持それのみ
のお陰である。アセルス個人としての精神は今や絶望に貧していた。

「私はこんなにも想っているのに、どうして!」

 刃を片手で背負えたのは、虚無に身を浸しながらも―――未練という名の
焔が彼女の奥底で焦げ付いていたからだ。諦めきれる相手では無かった。
 この女、捨てるには惜しすぎる。




【試合場:空中庭園決闘場(半壊)】

104 名前:宮本武蔵:2007/04/30(月) 00:55:510

宮本武蔵 対 佐々木小次郎
>>98>>100

 天と地。海と空。
 有史以前より飽きもせず、海鳴りの叫びは四海にいよいよ高まる。その音響が、二人の血
闘の寂莫たるを一層深めるかのようだ。――即ち、死の世界の。


 宿命の大敵の呼びかけに武蔵は答えた。言葉ではなく、剣で以って。
 魔天へと飛ぶ剣の燕そのものへ、武蔵は真っ向唐竹割りに斬りつけた。
 魔剣妖剣――上下より疾る二刃は交錯した。あたかも二人の運命のごとく。


 それは石火の暇(いとま)の出来事であった。
 木剣は断ち割られる過程で、小次郎の大太刀を挟み込んだ格好となり――その時間を逃さ
ず、武蔵は梃子の要領でぐいと剣をねじったのである。
 しかもこの間、裂かれつつある木剣を滑らせていって相手の懐に飛び込んでもいる。
 対象が木とはいえ、刃ではなく峰で斬る真の『燕返し』こそ恐るべし。――しかしもし、この一
閃が刃の方であったなら、木刀は容易く所持者ごと両断されていたであろう。
 その速度と威力を極北まで一致させたがゆえに、佐々木小次郎の剣は敗れたともいえる。


 鋼と木、二振りの大剣は噛み合ったまま、高々と夜天へ跳ね上げられた。
 二剣が奇怪な甲殻類のような影を月に映したのと、空いた武蔵の左手が、腰間から抜き打
ちの大刀を浴びせたのはほぼ同時であった。


【死合い場所:月下の船島】
 

105 名前:「剣の騎士」シグナム(M) ◆xHAYATEzHE :2007/04/30(月) 00:56:360

>>102

「ムーン―――スクレイパー!!」

それは、月光が具現化したかと一瞬幻想するほどの一撃。
横に弧を描く、ただ一太刀の一撃。
咄嗟の判断。足をたわめ、上方に跳躍しての回避――間に合わない!

「――盾っ!」

防御フィールドが、延ばした拳に出現。
全力なら砲撃すらも無効化するバリアフィールドを、さらに手の平サイズにまで収束した盾。
だがそれさえも、斬撃はあっさり打ち砕く。
レヴァンティンは空中に舞い、シグナムもまた後方へと吹き飛ばされ――

「――レーヴァティン、カートリッジロードッ!」

吹き飛ばされながら、シグナムは叫んだ。

<<jawohl.>>

空中でレーヴァティンが応える。
カートリッジ内部の魔力が、炎となって噴き出す。
宙を舞う剣が、その炎を推力として方向を定める。
その向かう先には、メタルアルカイザー。
炎を吹き出し、空中から一直線に落下――いや、突き進む炎の剣。

「ベルカの騎士は、ただ一人のみで戦うにあらず。
 己が剣と、共に戦うものと心得いただく!」

シグナムもまた、地を蹴って飛翔する。
その拳は魔力を纏い、薄く紫に輝く。

インテリジェントデバイスと、使用者の連携攻撃。
相手の動きさえも流れに組み込んだ、連続攻撃。
フェイト・テスタロッサとの戦いの中で、シグナムはこれに苦戦を強いられた。
だからこそ、自らもそれを学び、取り入れたのだ。

上からは炎の魔剣、レヴァンティン。
横からは剣の騎士、シグナム。
上と横、二つの刃は十字に交わる軌道で突き進む。




106 名前:直刀 ◆DOGS.OpLbU :2007/04/30(月) 01:13:060

私の居る街には『四季』という物が存在しない。
だが、雪は降る。
灰色の街をうすら白く染上げる雪をさくり、さくり、と踏締め私は進む。








足早に地上おかから地下街に向けて歩を進める、いつもの様に。
半ば迷路の様に入り組んだ路地を目的地に向けて迷う事無く進む、いつもの様に。
この場合の目的地は新しい情報屋。
地下街より更に『下』の事と、其処の何かに関係の有る人間を私はずっと探している、いつもの様に。


――だが、この日だけはいつもでは無かった。


歩を進める、次の角を右に、その次は左、右左左右左右右。と、此処か。
情報屋の小汚なくてみすぼらしいドアをノックする。


――と、その時その瞬間その刹那、ぐらりとした感覚と共に一つのシーンがフラッシュバック。


余りにも疾く、余りにも鋭い十字の閃光。


(なんで……こんな所で?)
眩暈の様な嫌な感じを覚えたが、すぐさま自分を取り戻す。
ノック、返事が無い
ノック、返事が無い
ノック、返事が無い。

(仕方ない)

ぎぎぎ、と酷く軋みつつゆっくり開くドア、中はただ暗い。
一歩、一歩、十二分に慎重に中へ。
と、唐突にドアが閉まる、そして段々と目が慣れて来て。


「何……、此処は――」


扉の向こうは悪魔城の中に――



107 名前:佐々木小次郎 ◆KOJI2a34Bo :2007/04/30(月) 01:13:480

宮本武蔵 対 佐々木小次郎
>>104

あの決闘はああなった。そして、この決闘はこうなった。

魔性の妖剣士は、月下の白い砂浜に斃れ付す。

再びめぐり合いし二人の剣士の決闘は、
慶長壱拾七年のあの春の日と同じ結末と相成った。

長大な刀と燕返しが秘剣を誇る白皙の剣士は再び破れ、
荒々しい野性を備えた無双の天才剣士が再び勝って敗者を見下ろす。

虚ろな偽りの巨大な月が、物言わぬ骸にただ月影を投げかけていた。


(佐々木『巌流』小次郎:敗北)
【死合い場所:月下の船島】


108 名前:魔人ヴィゼータ ◆VZ/G9kPv8E :2007/04/30(月) 01:15:150

>>101
【ヴィゼータvs斎月雪那/狂乱の庭園】

くるくる、しゅたっ。
石畳の上に、綺麗に着地を決めるヴィゼータ。
髪とマントを翻すと、とんとん、とブーツで石畳を二、三度蹴って。

「ん〜、そろそろかにゃ〜?」

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

羽つき帽子のつばを持ち上げて、上空を見上げるとにやり。

「にゃ〜ん… ビンゴビンゴ〜」

まさに狙い通り。 上着を切り裂かれたセツナが少し遅れて落っこちてくる。
落下点に一太刀見舞えばそれでオシマイだが、敢えて見逃す。

「にゃ〜ん…
上着一枚斬っただけなのに、セツナってば結構純情だね?
もしかして初恋の彼氏を大!募!集! 中! だったり〜?」

毛糸玉を弄ぶ猫の瞳で笑いかけるカッコ。
これでも同じ美少女の情け。 皮一枚、いやブラウス一枚は残しておいてあげたのに
セツナってばかわいい。 このウブさ、現代ではかなり貴重。

「で、どうするのかにゃ〜? まだ戦う?
だったら今度はあなたの身体が上着と同じ運命になるよ?
ササガキとか千切りとか、サイコロステーキになりたいかな?
やだよね?そーいう死に方って?」

カッコはセツナに向かってすたすたと無造作に歩み寄る。
何を仕掛けて来ても全部叩き切ってみせるという自信。
これこそアウター。 魔人の最高位にして太古にはカミともいわれたモノの持つ
傲慢なまでの余裕。
……ま、カッコはまだまだ見習いなのはさておくけど。

「ワタシもセツナと好きで戦いたいわけじゃからね。
でもでも、この結界を破るのには乙女の生き血がどうしても必要って話だからね?」

ここでくるり、と木花の生い茂る庭園を見回してから、足下に合った小石を向こうにぽい。
少し遅れてこーん、と何か硬いものに跳ね返る音が返る。

「そーいうわけでね。 恨みはないけど、死んでもらえる?
 代わりにセツナのことは決して忘れないって約束するけど?」


109 名前:◆AMIGOF7b.c :2007/04/30(月) 01:19:010

193X年 NYニューヨーク

その声は、強く甘く、少女の中に響き渡った。


(―――斬りたいですか? 人を)

(――だ、誰?)

誰何の声を上げる、少女。

(―――斬りたいですか? 何もかもを)

(あなたは、一体―――)

(――そして、今よりももっとずっと)
(――強くなりたいでしょう?)

(――――――)

だが、彼女の疑問を無視するかのように―――声はただひたすら、強く響く。
まるで彼女自身の願望を、全て見透かすかのような、言葉。
ゆえに、少女は。
あっさりと自らの持つ疑問を投げ捨て、声に応えた。

(――うん)

(何者にも縛られず、何事にも縛られず)
(ただひたすら、斬って斬って)
(うん、斬って、斬って)
(斬って斬って)
(斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って
斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って
斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って
斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って―――)


いつしか、二つの声が唱和する。
誰にも聞かれる事のない、誰も聞き得ない、
静かな静かな、狂気の声が―――

(斬りまくりたいよ、アミーゴ!、、、、、

やがて、少女の意思が、弾けた。
それに応えるかのように―――声が続ける。

(なれば、その願い―――)
(叶えて、進ぜましょう)


そして世界が、変容する。


110 名前:飛燕 ◆BLOODlbo6s :2007/04/30(月) 01:23:290

>>99


  ――――流石に、容易くとは行かないな。


直感か、或いは隠したはずの殺気を読まれたか。そう飛燕は冷静に判断した。
敵の力量を考えれば、元より必中とはゆかぬ手だ。この結果は、可能性として予め予測されていた。
そう、次に来るであろうこの襲撃。上空より無数に繰り出されんとする閃きも、だ。
狄とストライダー。
業の源流を同じくする互いの魂が合わせ鏡のように似通うというならば―――同じく、読める。
迎え撃つならば、利は此方にある故に。

前方に跳び迎え撃つと見せかけ、後方へ。
クライムシクルの刃が壁に掛かると同時、白の装束は一陣の疾風となって壁を蹴り直進する。
無数の爪牙となり荒れ狂う龍尾の嵐。その最も濃い攻撃圏―――即ち下方を避け、同じ高さへ。
ジオメトリカルサイファーは一の型「双虎」のまま。
麒麟の正面における攻撃圏内―――そこで白い影は幾重にも翻る。同じく回るプラズマの閃光を従えて。
燕は円を描き、描かれ止らぬ円は球の形を成す。
まるで惑星の重力に従う小惑星の輪、幾何学の光を纏いながら。

ストライダーズ秘伝、特A級相当の体術によって可能となる「回転斬り」。
円の動きにより繰り出される無数の斬撃に隙はなし。触れれば其処から両断せしめる死神の円舞。
無手の連撃見えぬのならば、これを刃で迎え撃つ。
のみならず飛燕は既に次手を紡ぎ始めている。
意を見せずして脳裏に描くは告死の追撃。
隙が生ずれば次の刃が飛ぶであろう、再度の跳躍から振り下ろされる形にて。


触れれば即座に露と散る――――非情な紫電の刃は唸る。
心のために心を捨てた、裏切り者の非情なる刃が。
 

111 名前:マリア・バルゼリート ◆AMIGOF7b.c :2007/04/30(月) 01:28:160

>>109

20XX年 偽典・悪魔城 妖魔迎賓館

気がつけば、少女―――マリア・バルゼリートは、異界に立っていた。
過度に豪奢な調度品ばかりが並べられた、魔城の一室に。

マリアには、現在自分の置かれた状況を、全く把握してはいない。
彼女がたった今、約100年に渡る時間移動の末に、ここに連れて来られた事など。
彼女がたった一人の怪物の意思による、儀式の贄として呼ばれたことなど。
―――把握できる、はずもない。

ただし、マリアにとって唯一つだけ、確かな事がある。

それは、此処に喚ばれる前の、彼女を誘う声の記憶だ。
彼の声の言う事を、信じるならば―――

この場所では。
誰もを。
何もかもを。
好きに斬っていいという事。
それが今の彼女には―――許されているという事。

「いいんだね―――いいんだよね、アミーゴ」

誰に問うでもなく、ただ何も無い空間に友達アミーゴと呟く。
マリアにとって、最後の確認の言葉を。


「なら―――心置きなく、殺っちゃうよ!」


こうして、陽気な殺し屋は、本当の意味で解き放たれた、、、、、、
狂気に塗れた御前試合を、更なる狂気と血潮で彩る為に。

112 名前:宮本武蔵:2007/04/30(月) 01:31:080

宮本武蔵 対 佐々木小次郎
>>107

 ――天なり命なり、二度までも舟島の土となりしは新免武蔵にあらず、佐々木巌流小次郎。


 月とともに、勝者もまた敗者を見下ろしていた。
 そこに勝利の余韻はない。ただ彼我を取り去り、剣そのものへと没入した後の、そしてその
剣魂を向ける相手を喪失したという虚しさだけがあった。

「道においては、死をいとわずと思う……常に兵法の道をはなれず……」

 経でも誦すように呟き、武蔵は腹部に手を当てた。
 傷が開いたのである。ある種の環形動物を髣髴させる臓腑がはみ出し、武蔵はそれを無理
やり腹腔へ押し戻した。


「――いづれの道にも、わかれをかなしまず」


 感情の篭らぬ声でそういうと、武蔵は身を翻し、海で待つ小舟に向かった。
 二度と振り返らなかった。


(宮本武蔵:勝利)
【死合い場所:月下の船島】
 

113 名前:斎月雪那 ◆USETUNAqno :2007/04/30(月) 01:35:420

【ヴィゼータvs斎月雪那/狂乱の庭園】
>>108
「う、上着一枚だってそんなの・・・っ」

こんな辱め、受けたこと、ない。
嘲弄され玩弄され・・・私は、怒りを覚えた。

「そんな、そんな勝手な理屈で!
 死ぬなんて、死んであげるなんて・・・いや!」

剣は折れず、心も折れず。
そして、華麟も私の中にある。
なら、退く理由も負ける理由もない。

「だから、まだ戦う。
 まだ・・・負けない!」

身体に力が漲る。

『セツナ・・・あなたに力を・・・』

剣を握った腕を振るう。
斬撃ではなく、それは指揮者の指揮棒のように。
剣の軌跡から剣が生まれ、七振りの刃となり・・・

「残光乱!」

その七振りが全てヴィゼータさんに殺到した。

114 名前:上杉謙信:2007/04/30(月) 01:40:390

>>103

「私はこんなにも想っているのに、どうして!」

「今言った通りだ。『完全』には負けていない。故に退かぬし折れぬし朽ちぬ。
 想うだけで万事その通りになるものか。
 一番最初にも言ったがお前はお前は生きていてはならない…哀れな存在だな。


 ―――――上杉謙信、いざ参る!」


 生きとし生ける者全てに限界が存在する。
 努力を重ねても突き破れぬ壁、神に決められた人の無限への断絶、即ち才能限界。
 謙信の限界は常人の其れより遥かに高く天才と呼ばれるに相応しく、歴史の英雄豪
傑達と比較しても何等遜色は無く、故に軍神と呼ばれ畏敬の念を集めている。

 謙信の限界は実際に如何程か。
 実にその枠はたかだが一つの地方の軍神等には収まらぬ、JAPANの三千年近い
歴史の中で二人しか居なかった統一者、絶対者たる帝(みかど)にすらなれる可能性
すら秘めている。

 ……そして謙信はまだその可能性を開花していない。
 無論、窮地にあるからと可能性が急に芽吹く、その様な夢想は謙信は信じていない。
 しかし己の直感が自分には可能性がある、まだ上に行く事が出来ると告げている。
 ならば其処まで今直ぐにどうやって辿り着き、魔性の剣士を滅しむるか。
 ただそれだけの単純且つ不可能な問題である。

 その解答についても既に謙信は見当をつけている……必要なのは四肢一魂への覚悟のみ。

 初手四肢一魂
 沈殿する意識、其処浮かぶは大地を踏み砕く絵図。絵図通りに両の足に力を込めて
大地を深く踏み砕く。みしりと嫌な音が己の中で響き、右足左足はこれで完全に壊れた。
種々の筋繊維、血管は断裂し、感覚は既に無い、最早動く事は叶うまい。
 二肢を代償として謙信は天に向かって高く高く跳ぶ、最早それは飛翔というべきか。

 残る二肢一魂。
 眼下に広がる闘場は違和感を覚える程小さく謙信は導き出した解答に間違い無い事を
確信し、両の腕にあらん限りの力と剣気を込める。結果、右腕左腕は朱い断末魔をあげ
つつ先に潰れた両足と同じ運命を辿った。
 万事良好、両手の二剣が逸れる事無くその向きを固定さえしていれば良い。

 最後の一魂。
 己の深層へと分け入る、数々の煉獄は意に介せぬ、着きし三千世界にも用は無い。
 三千世界を通過し到達するは右の剣、左の剣、そして上杉謙信自身の三界。
 この三界まで絞りても尚まだその数は多し、求むるは終の一界。
 己の魂を以って二剣と自身を紡ぎあげ一の剣と為す―――これこそが謙信の出した解答。
 もう謙信の意識は既に無へと昇華されている、なれど眼下の仇敵からは視線は外さない。

 繰り出される技は純潔の白でも神々しい黄金色でも無かった。
 無色透明、澄み切った凝縮されきった剣気の渦。
 天空が剣気の渦に軋み吼えた、神鳴る音を背景音楽としてただの謙信が繰り出す雷撃。
 其れは数百の兵を地に伏せるどころでは無く、対城、城を粉砕する一撃にまで上り詰めた。
 四肢一魂、全てを代償として謙信は己が持つ限界まで今到達したのである。


 …………奇しくも、この技が将来人魔を統一し、神による世界崩壊を救ったランスと
 言う名の大英雄の必殺の技でもあった。
 

115 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/04/30(月) 01:51:400

(メタルアルカイザーVSシグナム/侵食地下神殿跡)

>>105



 必殺の一撃の直撃。しかしシグナムは防御。吹き飛ぶものの完全に打撃を殺し切った。
 弾丸を銃で叩き落とすが如き所業―――最小限に結界を集中させることによる対抗。

「―――見事!」

 自らの奥義が敗れた衝撃/歓喜。掛け値無しの一撃を防ぎきった賞賛も混じる。
 だが、その隙を見逃すわけにはいかない。
 刃を振り切った慣性を全力で制動/剣を制御下に入れ―――

 センサーに反応/驚愕/自律して襲いかかる炎の刃。
 そして剣を取る隙をキャンセルしたシグナムが無刀で踊りかかる。

 ビジョン―――かつてのベルカの騎士との闘い。
 彼らは武器と一体になると言う。
 それはデバイスを道具として扱うのではなく、パートナーシップを結ぶことにより可能
となる無敵の連携=実質的な二対一。
 それが、目の前に展開されている。

 回避など間に合うはずも無い/両方防御することも不可能。
 咄嗟の判断―――渾身の力で飛翔する刃を弾く。
 同時に、がら空きになった身体へ偉大な打撃が走った。驚異的な衝撃/かすかに身をひ
ねり、咄嗟に防御したことによる幸運―――着弾点は左腕。戦闘不能の危険がある胴体を
見事に庇った。が、人工筋肉が圧壊/骨格が歪み、ひしゃげる。損傷/左腕の稼動はほぼ
不能。片手で剣を扱わねばならない大きな痛手。
 それでもなお蹂躙し足りない衝撃/この身を吹き飛ばした。
 斜め上に飛翔―――天井を直撃、破壊。
 轟音/センサーへのノイズ。粉塵/瓦礫の乱舞。追撃―――無し。推測/視界の擾乱に
よる危険を察知。内心で深追いをしない冷静さに感服する。天井の崩壊による損傷は軽微
=もろい岩盤が幸い。激突した衝撃を全て吸収。

 やがて粉塵が沈む/崩落が止む/瓦礫を退けて立ち上がる。
 光―――燭台以外からの光源。位置ははるか頭上。
 思わず見上げる。


 ―――月光。
 崩落した天井が、夜の空と月、そして静かに光を注いでいた。
 その光の中に、私はいる。


「……悪くは無いな」

 濃く漂っていた瘴気が吸い出され、地下の神殿はようやく呪いを解いた。
 センサーが冴える。若干低下し始めていた機能も回復し始める。
 まだ闘える。その確信があった。

 出力配分―――内蔵武装全てへの供給を停止。
 破損した左腕への流入も止め、全て残った五体へと切り替える。
 これでなんとか腕一本は補えそうだ。

「決着をつけよう」

 静謐な声で告げ、私は剣を担ぎ突撃した。
 間合いをゼロへ―――再び斬り結び、自らをゼロから始めるために。

116 名前:直刀 ◆DOGS.OpLbU :2007/04/30(月) 01:52:520

豪奢な家具や調度品がそれこそ所狭しと配置され、その部屋は正しく宮殿や何処かの
城の様で、地下街の一角とは考えられぬ程。
その調度品の一つを手に取り眺め定めし、また置く。


『友達』アミーゴ


声が、聞こえた。

「――誰?」
元よりマトモな返事を期待している訳ではないが、確認の為。


「なら―――心置きなく、殺っちゃうよ!」


更に声が聞こえた。
誰かが、居る。
空気が、変る。
何かが、来る。


「まぁ、ある程度予想はしていたし――」


そして、惨劇が、始る。

117 名前:飛燕 ◆BLOODlbo6s :2007/04/30(月) 01:59:460

>>110
【仕合場:呪縛の時計塔】

118 名前:麒麟 ◆TEKIajvYfQ :2007/04/30(月) 02:14:110

>>110
(ストライダー飛燕 vs 麒麟/呪縛の時計塔)

 流水は上方から下方へと流れる。止まる術も、下方から上方へ戻る業もない。意思を持たず、不定であるが故の真実。

 攻防に於いても、それは然り。
 攻めに転ずれば、受けや防ぎは疎かになる。

 蹴撃を繰り出している今、麒麟には身を護る術はない。
 死の奔流と化している今、麒麟には身を躱す術はない。

 故に――飛燕の繰り出した斬閃を防ぐ術はなく。
 故に――麒麟の身体は左右に別たれた。

【死合場:呪縛の時計塔】
【麒麟:両断】

119 名前:麒麟 ◆TEKIajvYfQ :2007/04/30(月) 02:19:370

>>110 >>118
(ストライダー飛燕 vs 麒麟/呪縛の時計塔)

 ――――されど、両断されたそれからは、生命を司る奔流は溢れなかった。

 プラズマ粒子の高熱が、血液を一瞬にして蒸発させた?

 ――否。

 真円を描くプラズマによって両断されたのは、麒麟の幻影。

 世俗曰く所の、“分身の術”である。

 限界を超えた動作で残像を生み出すのが、忍の……ストライダーズの業ならば。
 大気や自身に宿る“気”の力を以って、質量を持った虚像を作り出すのが、狄の業。

 気の生み出した虚像を贄にして、一つの死を乗り越えた麒麟は――かつて飛燕が立っていた足場にいた。
 飛燕が虚像を切り裂くよりも前に、麒麟は足場を蹴り、跳躍。
歯車を蹴り、回転する歯車を支える柱を蹴り、虚空に球の斬撃を描く飛燕と同一の高度へと到達。
 全身――肉体はもちろん、髪の毛先、纏った装束に至るまで――に気を漲らせ、飛燕に肉薄。
 気の幻影に拠って斬撃を捌き、そうして生まれたごく僅かな綻びへ、拳を、足を捻り込む。

 攻防一体、狄の秘奥が一つ――――“刻舞(きざみまい)”である。

【死合場:呪縛の時計塔】
【麒麟:死に在らず】

120 名前:マリア・バルゼリート ◆AMIGOF7b.c :2007/04/30(月) 02:20:270

>>116

直刀 VS マリア・バルゼリート

マリアが覚醒し、解き放たれたその場所には、幸か不幸か、、、、、、先客が居た。
無造作に、だが隙の無い足運びで近付いてくるのは――マリアと同年齢か、
あるいはより年下にさえ見える、少女だった。

少女の幼く儚い外見を一目見て、マリアは確信した。
彼女もまた、自分と同じ。
人を殺せる、刃であると。

同時に、マリアの思考の中で、全てが繋がった。

ああ―――つまり、そういうことなんだね。
私は…この女の子を斬るために、此処に連れてこられたんだ。

そこまで理解すれば、後は簡単だった。
マリアはゆっくりと―――ドレスに不釣合いな、腰に飾られた鞘から相棒コンパニエーロを引き抜いた。

「――ハァイ、アミーゴ」

鋭く美しい刀身を持つ彼女の相棒――「ムラサーミァ」を掲げる。

「斬る前に、自己紹介しておくね。私は、マリア―――」

そこまで言うや否や、マリアは一直線に少女へと駆け出した。
刀を持つ手を背後に回し、前傾姿勢のまま真っ直ぐに。

「殺し屋、だよ!」

言葉の終わりと同時に、横薙ぎの一閃が放たれる。

121 名前:「剣の騎士」シグナム(M) ◆xHAYATEzHE :2007/04/30(月) 02:22:390

(メタルアルカイザーVSシグナム/侵食地下神殿跡)



>>115
弾かれる剣。そこにできる隙。
力任せに叩き込む拳。魔力解放。歪む装甲。
後ろにはじけ飛ぶ敵。天井を直撃。
宙を舞うレヴァンティンを掴む。剣に注ぎ込まれる魔力。
炎を纏う剣。さらにとどめの追撃を――

「――!」

流れる連撃は、予想外のファクターに阻まれる。
崩れ落ちる天井が、シグナムを阻んだ。
この視界の悪さでは、逆にカウンターを受ける危険性もある。
ゆえに、シグナムはそこで待った。

やがて、晴れた視界の先には、装甲を歪ませたメタルアルカイザー。
闇をくりぬいたように、彼のみを月の光が照らし出す。
闇の中にある、ただひとつの光。
そこに浮かぶ彼は、研ぎ澄まされた剣の美しさを見せる。

「……見事だ」

思わず洩らした感嘆は、その在り様に対するもの。
武器を捨て、腕を捨て、なお戦士としてそこに在る。

「決着をつけよう」

そこに込められた決意。
それを受け、シグナムは瞳を閉じ、かすかに笑う。

「――ああ」

残ったカートリッジ二つ。
それをレヴァンティンに装填。
もはや残りはない、後を考えはしない。
全力を持ってくる相手に対し、全力を持って対することが最大の礼なのだから。

「レーヴァティン、カートリッジロード!」

<<schlangeform.>>

一つ目のカートリッジを使用。
刃が展開し、鞭状連結刃へと姿を変える。
その刃を、シグナムはしずかに鞘に収める。
勝負を捨てたのか――否、そうではない。

抜刀術、と呼ばれる技がある。
鞘から抜き放つ一撃にて勝負を決す、剣技の一つ。
威力は絶大――だが、鞘から放つ性質上、その一発を撃てばもう後はない。
抜刀までの時間、抜刀後の隙は絶大。
ゆえに、一撃必殺。それ以上でもそれ以下でもない。

シグナムは、連結刃と抜刀術を応用し、さらにカートリッジの魔力も利用する。
二つ目――最後のカートリッジ、ロード。
鞘の内部で、魔力が圧縮され、刃に宿る。
それを、抜き放つ勢いで一気に解放する、その名も、

「飛竜・一閃ッ!」

刃は鞘から奔り、鞭となって一直線に延びる。
圧縮された魔力を纏った鞭状連結刃は、砲撃に匹敵する射程を持つ。
そして、さらにその周囲をとりかこむ魔力は、砲撃魔法級の光芒となる。
魔力光と連結刃の同時攻撃、これこそがシグナムの必殺の剣技!


122 名前:魔人ヴィゼータ ◆VZ/G9kPv8E :2007/04/30(月) 02:23:080

【ヴィゼータvs斎月雪那/狂乱の庭園】
>>113
あーあ、ダメダメ。 もうね、ダメダメ。
ワタシには勝てないって、せっかく親切に教えてあげたのにね?
そうかそうか。 なぁらば仕方がな〜い。
ワタシも死んであげるわけにはいかないからね?

「ふ〜ん…… あくまで徹底抗戦?」

セツナが中空に現出させた七本の剣が、飛燕の速度でこちらに迫るのを見たカッコ、
やれやれと、大げさに肩をすくめつつ、

「ほら、一本が十六本!」

再び不可視の斬撃が飛ぶ。
飛来する剣の一本が瞬く間に切り裂かれ、霧散する。
その有様を見て取ったカッコは更に大きく振りかぶり。

「そして百二十八本だりゃぁぁぁっ!!」

カッコが愛剣を振り抜くと共に、どぉんと空気が爆ぜる。
それはソニックブーム。 彼女の剣先が音速を越えた証。
放たれた剣先の数は、実に百二十四!
残る六本の刃に対して、一対二十という過剰なまでの大物量投入!
ぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃっ。と轟音が唸り!爆音が炸裂!
耳障りな、などという形容では追いつかない金属音の乱打乱打乱打!
カッコの心臓を貫くはずだった刃は払い落とされるばかりか
構造を解体され、分解され、爆散し、霧散する。
この程度の魔導力なんて原型とどめないくらいにザックザク〜。


「さて、ね?」

あらためて、セツナに向き直る魔人ヴィゼータ。
その姿が、急にぶれた。

「もしかして、今のが」

姿はかき消すように消え去り、声だけがして。

「お前の全力なのかにゃ〜?」

声は、右から、左から。

「だったら、いい加減観念するする」

今度は遠ざかったり。

「せめて誇りを抱いて黄泉の国に旅立つがいいんだにゃ〜」

近づいてきたり。

「切符代はワタシがオゴってあげるから、安心してね?」

背後に回ったり。
人間には見ることも触れることも出来ない異界、隔離世に姿を潜めた魔人は、
気配を押し殺して獲物の死角へと回り込む。
そして、背後から心臓を一突きにできる位置でレイピアを大きく振りかぶったところで

http://charaneta.just-size.net/bbs/fupbbs/obj/obj375_1.mid

ポケットに入れていた携帯電話が大音量でメールの着信を告げた。
それはもう、無慈悲に、容赦なく。 だって、機械だし。



123 名前:魔人ヴィゼータ ◆VZ/G9kPv8E :2007/04/30(月) 02:24:560

>>122
【ヴィゼータvs斎月雪那/狂乱の庭園】

【着信したメールの内容】

2007/4/30 02:24
from:名護屋河鈴蘭
subject:おーい

みーこさん達から話は聞いたぞカッコ! 一人で世界を救いに行ってるんだって?
詳しいことはこれからドクターたちを締め上げて聞き出すんだけど、とにかく頑張って!
あ、それよりカッコ、聞いてよ。
実はね。 昨日久しぶりにクーガーさんに会ったんだよ。 当然、セリアちゃんも一緒にね。
おかげで一緒にセリアちゃんメニューにつきあうハメになっちゃってさー。
きつねうどんにいなり寿司はまだともかく、超特大グレートスーパーキングサイズの
メンチカツを平らげなきゃいけなくって、もぉ大変だったんだよ?
今日になってもまだ口の中が油っこい感じがするし……
てかお前カッコ。 どうしてキサマはあーいう大事な時に姿をくらますかぁっ!
親友のウェストが大ピンチなんだから、着の身着のままでも馳せ参じて
このアブラギッシュな地獄を共に分かち合おうとは思わんのか、オマエは〜!
帰ってきたらおみやげにもたされた巨大メンチカツを処理してもらうから今から覚悟しておけ〜!

by鈴蘭

124 名前:アセルス ◆MidianP94o :2007/04/30(月) 02:36:260


>>114
妖魔<Aセルスvs軍神¥辮剏ェ信

 最後の徒花を飾るに相応しく、謙信公が生命を賭して繰り出した一刀―――
否、二刀の奥義は剛健でありながらも典雅、儚くも力強い一撃であった。
 夜空が雷撃に駆逐され、空中庭園は僅か一瞬だけ白昼へと転じる。
 闇を拒む謙信公の意思が、夜明けを訪れさせたのか。
 夜の否定―――斯くも執拗に拒まれて、なおアセルスが奮い立つことは
なかった。暗澹とした気分のまま未練たらしく天を見上げる。
 夜空を割って舞い降りる謙信公に比して、嗚呼、薔薇の大地を這う己の
何と浅ましきことよ。愛欲に溺れる己では決して辿り着けぬ境地―――明鏡
止水の彼岸へと謙信公は至っていた。まさに無我の一撃だ。

「……認めるよ、謙信」

 諧謔の微笑すら浮かべて、語りかける。

「キミという殉教者は最後まで自己≠ニいう鎖に囚われることはなかった。
振るう刃には常に大儀が憑依し、信ずる正義それのみに仕えた。剣客の鏡だ」

 絶体絶命の境地にあって、謙信は揺るぎもしなかった。
 捨て身の攻撃と言えど、そこには強烈な確信があった。
 虚無の為せる技ではない。

 惜しむらくは二度の負傷により、技自体が大味になってしまったことか。
 謙信公の神雷は脅威だが―――妖魔の膂力に、魔術による身体強化を重ね
れば回避は十分可能だ。避けて斬り捨てれば勝負は決する。
 だが、謙信公の決意をまざまざと見せつけられたアセルスに、そのような
報われぬ行為は選べなかった。
 手酷く拒まれようと彼女は謙信公が好きなのだ。
 だからこそ想いに応えよう。

 アセルスは抜き身の一刀を、薔薇の大地に向けて杖の如く突き立てた。
 凝然と佇立したまま、赤く燃える瞳のみを天に向ける様は異様の極み。
 およそ一切の流派に、聞いたことも見たこともない奇怪な構えであった。

 天から毘沙門の化身が舞い降りる。―――が、この瞬間においてアセルス
の眼(まなこ)は二刀を構える軍神が、個人の少女としか写さなかった。
 ああ、そうか。これは正義でも大儀でもなく。
 ―――ただの上杉謙信としての意地か。
 その心意気や、天晴れなり。
 JAPANの言葉を意識して、アセルスは少女を称賛した。

「謙信公……本当にキミが、」

 同時に刃が跳ね上がる。電光の如く走った一閃が謙信公の心の臓腑を捉えた
とき、描く刃の軌跡は死を想起させる三日月。

「―――好きだったよ」

 地すり残月、ここに開眼。打ち上げられた刃は、天より堕ちた少女を抱き
止めるかのように闇を馳せた。



【試合場:空中庭園決闘場(半壊)】

125 名前:上杉謙信:2007/04/30(月) 03:01:560

>>124

 月光が煌きざくりという音から終幕は静かに始まった

 ばりんと幻音。
 其れは妖魔の君をただの上杉謙信として凌ぎそして討つ、その純粋な意思、願い
が砕け散り霧散消滅した音
 願いの結晶を抱いたまま、幕が降りる瞬間まで謙信は一歩も退かずそして砕けた。

   上杉謙信 享年十八歳

   軍神として天下泰平の為にその生を受け、民の為に戦い抜き、
   最期は一人の上杉謙信として逝った。
   その最期、汚れ穢れ犯されども折れず曲がらず屈せず。
   死に顔は微笑みすら浮かべていたと言う。


(アセルスvs上杉謙信 死合場:空中庭園決闘場(半壊)

 上杉謙信 死亡 決着)



126 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/04/30(月) 03:04:430

(メタルアルカイザーVSシグナム/侵食地下神殿跡)

>>121

 極大の砲撃/連結刃による攻撃―――シグナム渾身の抜刀術。
 速度/射程/威力全てを備えた乾坤一擲の奥義が傷ついた鋼に迫る。

「かわせんか」

 判断。スラスターに全ての出力を結集しても間に合わない。
 盾となるもの―――己の剣のみ。
 すなわち、砲撃を斬り裂き、刃を弾き飛ばす。

 剣を青眼に構える/法術機構作動/剣を黒い炎が取り巻く/陰術の応用による武装強化
―――本来はもう一つの切り札を実現するために搭載された機能。
 全てを呑む黒の盾/光の飛竜と激突する。本来なら剣の耐久限界を突破する衝撃―――
法術強化により耐えられることを確信する。後は、腕が圧力に負けないことだけが重要。
 光の渦に流される刃/破損した左腕を峰に押し付けて関節をロック/応急の支持器に仕
立て上げる。砲撃に晒されることによる装甲の磨耗は無視。内部機構への損傷へは遠い。
今は、前へ。ゼロの領域へ。捕捉を目指す。

 スラスター点火/さらに渾身の力で地面を蹴り加速。
 遂に、飛竜を押し返し、跳ね飛ばした/左腕の完全な破損と引き換え。
 その加速度に更に加速を加え、私は近接戦を挑む。
 黒く燃える刃―――凛と透き通るような闘志の証明。
 シグナムの行動―――すばやく剣を引き戻し、バックステップと同時に剣を振る。
 こちらも刃を振り上げ迎え討ち、

 硝子を砕くような涼やかな音色。

「む」

 かすかな驚愕―――ある程度予期していたこと。

 剣身の磨耗、耐久度の低下=破壊のおそれ。
 最新の技術で作られた、超銅金の刃が砕け散る/相手のデバイスは健在=法術と武術の
融合を今さらながらに実感。武装までもがはるか上の領域に到達している。

 飛び散る破片へシグナムが気を取られている隙に、間合いを再び離す。無刀で剣へ挑む
のは無謀。無駄死にをするようなもの。だが、そのことは念頭になど無い。無刀ならば、
無刀で闘うと言う涼やかな覚悟がある。

 引き絞るように、右腕を構えた。さながらつがえられた矢の如く。
 それは、メタルアルカイザー最強の必殺技を放つ意志の表明。
 我が全霊を込めた一撃。

 無刀で互角以上の威力を生めるのは、これしかない。

 法術機構へエネルギーを集中/黒い炎が右腕を包む/対陰術装甲により影響無し。
 チャージを終えるごくわずかな時間を、全て相手の観察に向ける。
 後の先か。先の先か。それを見極めるために。

「これで最後だ」

 相手のカートリッジはおそらくゼロ。
 こちらも剣を失い、損傷も多い。
 全てを加味しての言葉だった。

127 名前:「剣の騎士」シグナム(M) ◆xHAYATEzHE :2007/04/30(月) 03:19:010

(メタルアルカイザーVSシグナム/侵食地下神殿跡)

>>126
飛竜一閃と、敵の刃が衝突――砕けたのは敵の刃。
レヴァンティンは、未だ健在。
あらためて、自分の相棒に感謝する。
ここまでの戦いを経て、なお無傷――

(――いや)

シグナムは気づく。
刀身と、柄のつなぎ目。
二つの異なる金属の接続部分が、かすかにひび割れている。
歴戦につぐ歴戦、限界を超えた酷使による金属疲労。

(長くは、持たないか)

刃を引き戻し、メタルアルカイザーを見、

「!?」

かすかに目を見開いた。
突き出された右腕、集うエネルギー。
それが示すのは、

「遠距離砲撃!?」

本来なら、発射前に潰すのが常道。
だが、飛竜一閃を撃った後の今、僅かに隙が残っている。
先手を撃つ事も、回避すらも難しい。
せめてレヴァンティンを引き戻し、剣形態に戻して防御魔法を……いや、間に合わない!

焦るシグナムの前で、メタルアルカイザーは、その黒き炎を―――

128 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/04/30(月) 03:36:230

(メタルアルカイザーVSシグナム/侵食地下神殿跡)

>>127


 先の先。
 確信―――相手はまだ完全に復帰していない。

 迷わず踏み込む。
 距離をゼロ=有効射程へ。
 出力上昇―――全身を炎が包む/突進―――右の拳を中心に黒の炎が渦巻く。
 それは、アルカイザーの使っていた技=再現される奥義。
 ビジョン―――幾度もの闘いが思い返される。アルカイザーとの死闘。その中で、自分
は何を得ていたのか。向こうも何を見ていたのか。ドクター・クラインの断言。“奴こそ
が最強の存在”。そのために完全なるコピーとして生み出された自己。
 その上を行かれた記憶―――正しき強さ/命題。

 その迷い/思考を振り切る。ゼロへ立ち戻るために。

 何を間違えていたのかを悟るために。

「ダーク・フェニックス!!」

 スラスター全開/突撃する/火矢の如く駆け抜ける鋼。
 全出力を注ぎ込んだ黒い炎が一気に吹き上がる。
 偉大な破壊力を秘めたエネルギーはまさに必殺/自らにも多大な代償を強いる一撃。

 動力機関/禅理論を応用した心術ジェネレータがオーバーヒート寸前に陥る。
 冷却の必要=連発は不可能。そして出力回復のための無防備な時間も追加。

 相手も背水なら、こちらも背水の一撃。

 その名の如く炎を広げ、私はシグナムへと迫った。

129 名前:◆MidianP94o :2007/04/30(月) 03:44:270


>>125






 ―――終幕を告げる鐘楼(カリヨン)が、闇に谺した。

130 名前:アセルス ◆MidianP94o :2007/04/30(月) 03:45:240


>>125>>129


 謙信公の亡骸は意外なほどに清らかだった。
 五体を満足に留め、死に顔も穏やかなものだ。
 先まで熾烈な激突を繰り広げた剣客の一人とは思えない。

 着地よりも疾く命を刈り取られた謙信公は、全身を脱力させ、くたりと
アセルスの胸に倒れ込んだ。抗いもせず素直に抱き止められる。
 ようやく私のものになってくれたのかな。
 命を無くしたことで、ようやく―――。
 自嘲めいた問いかけに、思わずアセルスは口角を吊り上げた。

 謙信公の亡骸―――丁重に、薔薇の庭園に寝かせた。
 水に流れる薔薇の花が、瞬く間に軍神の周りを赤で満たす。
 薔薇に抱かれるように謙信は眠っていた。
 心臓の動きは停止していたが、溢れる血にはまだ温もりがある。
 今ならまだ間に合った。今ならまだ、謙信を寵姫として迎え、永劫の夜を
ともに征くことができた。アセルスの血を与えれば、全てが再動する。

「……やめておくよ」

 謙信公は既に永遠を手にしていた。軍神としての威光を捨て、敗北の泥を
塗りつけられてもなお、彼女は刀だけは捨てようとしなかった。
 この安らかな寝顔を見よ。悔いの一片すら感じさせない。
 死しても少女の毅然は保たれていた。
 その可憐にして無垢な死に顔の前では、周囲の薔薇など塵に等しい。
 彼女はこのままでいいんだ。
 わざわざ夜を与えて、苦悶に歪めることはない。

「だけど、最後に―――」

 これは私の未練。
 卑怯とは知りつつも、奪わずにはいられない。

 温もりの残滓を唇に感じつつ、アセルスは決闘場を去った。
 同時に、ごごと庭園が悲鳴を上げる。
 謙信公の神雷をその身に受け、空中庭園決闘場は崩壊を始めた。
 まるで己の役割が終わったことを覚ったかのように。

 アブラクサスの薔薇。それは潔癖を貫いた少女の墓標。
 崩れ去る庭園の中で、妖魔が愛した女は薔薇に抱かれ眠り続ける。



【試合場:空中庭園決闘場(全壊)】

第一回戦
 アセルスvs上杉謙信
  上杉謙信→死亡(★ランスアタック)
  アセルス→勝利(☆地すり残月)

 後日、主催者側には「彼女の心を盗めなかった以上、敗者は私で、勝者は
彼女だ」とのメッセージが送られる。→アセルス、二回戦進出辞退。

131 名前:名無し客:2007/04/30(月) 04:08:420

アセルスvs上杉謙信 レス番纏め

試合場:空中庭園決闘場

>>23 >>24 >>25 >>27 >>31 >>34 >>37 >>40 >>41 >>45
>>48 >>51 >>70 >>78 >>85 >>97 >>103 >>114 >>124 >>125

エピローグ
>>129 >>130

勝者 アセルス(二回戦出場辞退)
敗者 上杉謙信(死亡)

132 名前:「剣の騎士」シグナム(M) ◆xHAYATEzHE :2007/04/30(月) 04:45:500

>>128
「ダーク・フェニックス!!」

黒き炎が翼を広げる。
漆黒の鳳凰。それが、メタルアルカイザーの切り札。

(しまっ、た――?)

完全に読み違っていた。
遠距離砲撃に備えていたシグナムは、今、完全に不意を突かれた。

咄嗟に突き出した手の先には、二重の盾。
バリアを収束されたそれはしかし、あっさり破られる。
その奥に構える、魔力を込めた鞘――これもまた、むなしくへし折れる。

最後の盾、シグナムの身を包む騎士甲冑――ジャケット・パージ。
ガラス細工のように、自ら爆ぜる鎧。
その爆発によって攻撃を相殺、主を守る最後の手段。
だがそれさえも、メタルアルカイザーを止めることはできない。



――――死が、迫ってくる。

極限状況下において、時間は無限に引き延ばされる。
脳裏をめぐる、いくつもの戦いの記憶。
フェイト・テスタロッサとの、幾度となく交えた刃。
高町なのはとの、砲撃戦。
猛る獅子のごとき騎士王との、全力を尽くした技と技との衝突。
全てを通り過ぎた後にあるのは、主の笑顔。


「―――!」

そして、シグナムは閃く。
この状況を破る、逆転の方法を。
だが、残念ながら時間が足りない。
あと数瞬、数瞬だけでも時間があったなら、それを使えただろう。
だが、思考はともかく、肉体には明らかに時間が足りない。

もしここで、わずかな時間を与えられたなら、それは奇跡と呼べるだろう。
だが、それをいうなら、既に今ここにいることさえ奇跡なのだ。
それを望むのは高望みというものだろう。
シグナムは、しずかに目を閉じた。

133 名前:「剣の騎士」シグナム(M) ◆xHAYATEzHE :2007/04/30(月) 04:46:030

>>132








そして、奇跡は起こった。






 

134 名前:「剣の騎士」シグナム(M) ◆xHAYATEzHE :2007/04/30(月) 04:46:210

>>133

(承前:http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1164893612/234 )


胸を貫くはずの拳。
それは、何かに阻まれて、わずかに止められていた。
破れた服から、落ちていく「それ」を見て、シグナムの顔が驚愕に彩られる。

「あれ、は――」




それは、シグナムが悪魔城に出向く前のこと。

「なあ、本当に大丈夫なんか?」
「心配ありません、主はやて。ちょっとした偵察です」

心配そうに言う主に、騎士シグナムは笑って言った。
そう、たいした任務ではない。
だが、主はそれでも心配そうにこちらを見上げている。
大丈夫ですよ、と頭をなでる騎士に、主は手を差し出した。
その上に乗っているのは、

「――カートリッジ?」
「そや、あたしがシャマルに教わって、一生懸命作ってみたんや。
 あたし結構不器用やから、頑張っても一つしか作れんかったんやけど。
 お守りとでも思うて、大事に持っといてや」
「ありがとうございます、主はやて」

シグナムは、それを大事に両手で受け取ると、服の胸ポケットに収める。
主手製のカートリッジは、心臓の上でほのかな温かみを保っていた。

「約束します、主よ。
 このお守りがあるのですから、私は必ず帰ってくると」



「主よ……感謝します」

騎士の頬を涙が伝う。
そして、主が与えてくれた時間を、シグナムは無駄にしない。

「レヴァンティン、行くぞ!
 シュランゲバイセン――」

鞭状連結刃が唸る。
今度は敵ではなく、シグナム自身を取り囲むように。
渦を巻く刃は、騎士を守る盾とならんと。
……だが、致命的に威力が足りない。
そも、その技は既に破られているではないか。
しかし――

「――――アングリフっ!」

鞭が、それまでの倍に延びた。
騎士を取り巻く渦はその密度を増す。
そして、その刃には紫電がまとわりつく。
今やそれは、シグナムを包む紫電の渦。
それは黒き炎さえ、弾き、散らす!


「……何が正しき力か、と問われたな」

あたり一面は、もはや焔の一文字。
弾き飛ばされた黒炎に、シグナムの焔も加わり、あたりは炎で埋め尽くされている。
あたりに火薬でも合ったのだろうか.
あちこちで爆発が起こり、炎が次々と噴き出してくる。

その中で揺らめく影がある。
騎士、シグナム。
騎士甲冑さえ失い、体の各所は、飛び散った炎で焼かれ、抉り取られている。
にもかかわらず、彼女の歩みは止まらない。

「今、私が撃った技は、お前が私に与えてくれたものだ。
 お前の強さが、私の内にあるものを引き出してくれた。

 ああ、今こそ私は気づいた。
 正しいかどうかは分からない。
 だが、私の強さは、多くの刃を交えた友が与えてくれたものなのだと」

手に持ったレヴァンティン――剣形態に既に戻っている――を水平に構える。

「私一人を敵に回していると思うな。
 私は、ここに一人でいるのではない。
 今まで戦った者、轡を並べた者、多くの者と共にいるのだ。
 これが、お前と私の違いだ、メタルアルカイザー。
 私は、お前のように一人で立っているのではない。
 だから、私の強さが正しいというのなら、それは私の多くの友が正しいということだ!」

最後のカートリッジ。
主が造ってくれたそれを、シグナムはレヴァンティンに装填する。
シグナムの紫電とは違う、はやての白い魔力光。
それが剣を取り巻き、やがて黒き炎に抗する白き炎となる。

――シグナムの技は、全て破られている。
紫電一閃、飛竜一閃、シュトゥルム・ファルケン。
そのどれもが、メタルアルカイザーの前に敗れ去った。
だが、シグナムは臆さない。

「はああっ!」

跳躍・飛翔。
魔力全てを脚部に込めた、一直線の飛翔。
ぐん、と宙を舞うシグナムの背が反り返る。
掲げた剣が背後に来るほど、大きく振りかぶり――――次瞬。

炎が、爆ぜる。

カートリッジから供給された魔力を、全て解き放つ。
解き放たれた炎は、奔流となって彼女の体を包む。。
それはセイバーの体躯を超音速の砲弾と変えた。
天より降り来るそれは、炎の鉄槌。
白き炎をまとった流星は真っ直ぐに、ただ真っ直ぐに飛翔する。


―――それは、かつてシグナムを破った騎士王の技。
その名も、風王結界インビジブル・エア、そのシグナム流の応用技。

「こういうことだ、メタルアルカイザー!
 私は常に、私と刃を交えた者たちと共にいるのだ!」

炎の流星は、闇を切り裂き、焔を炎で吹き飛ばし、メタルアルカイザーへと向かう。
かつての強敵に敬意を表し、その技をシグナムはこう名づけた。

炎王結界インビジブル・フレア



135 名前:飛燕 ◆BLOODlbo6s :2007/04/30(月) 06:06:310


>>118-119

(ストライダー飛燕 vs 麒麟/呪縛の時計塔)

   “気”による残像、撹乱と重なる分身の迎撃と連撃―――――


 「――――狄の“刻舞(きざみまい)”か!」

飛燕がその秘奥の術理と名を知るのは同じ源流を持つが故の伝聞か、
或いはストライダーズ創設の頃より想定された仮想敵ゆえの蓄積データか。
少なくとも、明らかなるは一つ。
飛燕の連斬は致命傷を与えるには遠く、逆に自らを窮地に落とす
隙を作り出してしまったことに相違ならない。

二の型「龍爪」の回転で凌ぐか――――否。
結合したサイファーによる防御術は己を支える足場あってこそ可能となるもの。
何より、今は分割状態にある一の型。
特A級の技術を持つ飛燕といえど、この状態での展開は到底間に合わぬ、
ならば。
そう、『ならば』。
編まれた反撃の次手を打つのみ。

跳躍の頂点において掛かる重力はゼロとなる。
その天地の頸木から解放される刹那と、体捌きのモーメントを利用した掟破りの二段跳躍。
予め次の一手として用意された追撃の業を、直撃の回避のみに傾ける。

即ち――――胴への拳打/肋骨の損傷。水月への突き/内臓への振動。
頬を咲く斬撃/擦過傷に血が滲む。肩口への衝撃/鎖骨に皹。
蓄積する肉体の損傷も、この致命傷を避けるのが精々の現状も、足場なき中空の不利も。
全ては――――四つに増えて影と散る、飛燕の姿/これも想定された戦術のうち。

ストライダーの特殊装備として存在するホログラフ発生装置。
ならびに姿勢制御を補助する半重力リングは、使い手の瞬発力と合わさる事で超常の技を生み出す。
即ち――――『分身』と、瞬間移動とまでに錯覚させる超速度の急襲。
ストライダー特A級体術「ヴァジュラ」。“第三の月”の装備までも用いたその強化型である。

読み合いに次ぐ読み合い、互いの攻め手を攻めた先。
今、迎撃するは飛燕にあり。
足先に展開されたピンポイントバリアの蹴撃は、麒麟の胴を抉り取らんと四方より迫る。
サイファーの破壊力にも劣らぬ四つの"死”が、攻防一体の魔技となって狄の戦士へと収束していった。

【死合場:呪縛の時計塔】
 

136 名前:◆KOJI2a34Bo :2007/04/30(月) 10:23:580

宮本武蔵 対 佐々木小次郎
〜剣鬼波濤歌〜

死合い場所:月下の船島

導入
>>17
巻頭歌
>>18
死合い開始
>>19>>20>>21>>26>>29
>>32>>35>>38>>42>>44>>46>>47>>60
>>65>>66>>73>>77>>83>>87>>93>>98>>100>>104
決着
>>107>>112

勝者 宮本武蔵@二天一流
敗者 佐々木小次郎@巌流

137 名前:◆KOJI2a34Bo :2007/04/30(月) 10:26:560

>>136 訂正
宮本武蔵 対 佐々木小次郎
〜剣鬼波濤歌〜

死合い場所:月下の船島

導入
>>16
巻頭歌
>>17
死合い開始
>>18>>19>>20>>21>>26>>29
>>32>>35>>38>>42>>44>>46>>47>>60
>>65>>66>>73>>77>>83>>87>>93>>98>>100>>104
決着
>>107>>112

勝者 宮本武蔵@二天一流
敗者 佐々木小次郎@巌流

138 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/04/30(月) 12:48:190

(メタルアルカイザーVSシグナム/侵食地下神殿跡)

>>132-134


 完全なる直撃/三重の防御を破壊する感触/攻撃成就の確信。
 警告/オーバーヒート/限界を超えて稼動する出力機関の悲鳴/破損した箇所を黒炎が
苛む―――エラーメッセージを全て無視して、勝利のビジョンを視る。

 勝つ。勝てるはずだった。この一撃で。
 例え相手を葬れずとも、確実に戦闘不能を強いる切り札=必殺技。
 その直撃―――




 瞬間、ノイズ混じりの視覚センサが奇跡を目にした。




 闇を弾く/白の輝き/最後のカートリッジ。
 存在するはずのなかった第四の盾―――虚無の拳を束の間受け止めた。
 そして第五の盾が、完全に弾き飛ばす/閃きの現象を確認。新たに生まれる技。

 爆発。慣性の法則によって放たれた炎は、打撃を与えながらも必至にはならず。
 彼我の状態を再計測。
 シグナム/ダメージ大。しかし戦闘能力の低下を確認出来ず。
 メタルアルカイザー/ダメージ大。機関冷却中/ダークフェニックスの使用不能―――
更に驚愕/陰術機関のオーバーロードによる機能停止/さらに再使用まで時間がかかる。


 シグナムの行動―――守護神たる最後のカートリッジを装填。


「私一人を敵に回していると思うな。
 私は、ここに一人でいるのではない。
 今まで戦った者、轡を並べた者、多くの者と共にいるのだ。
 これが、お前と私の違いだ、メタルアルカイザー。
 私は、お前のように一人で立っているのではない。
 だから、私の強さが正しいというのなら、それは私の多くの友が正しいということだ!」


 言葉が、魂に響いた。
 シグナムの強さ/源流を確信する―――その背に負ったものが全て強さとなる。
 孤高の武人と対極を成す姿=決して得られぬ、しかし厳然たる答え。
 死の予感/正しくそれを受け入れる/彼女にならば殺されても構わないと言う涼やかな
覚悟。“正しき強さ”の、一つの究極形を見た感慨と満足が思考を占める。


 だが、ここで何もせずただ斬られるのは完全な非礼。
 故に―――この鋼の命を込めて、限界を超える。
 ビジョン/三度目の死の光景が蘇る。
 アルカイザーの声―――“間違った強さだった”。
 それを教えられたことに対する感謝の念=まだ終われないと言う意志が生まれる。


「―――確かに間違っていただろう。だが、だからこそ終われん。まだ私は、起点にすら
立っていないのだから!!」



 抑制装置ヲ解除……コレニヨリ、全武装の使用不能。



 自らを護るための枷を外す―――オーバーヒート警告/臨界まで数秒/内部機関損傷の
危険……最悪の場合は自壊する。鋼の内の魂が、濃厚に死を感じ取る。常に傍にいた死神
の息遣い/思考に忍び寄る恐怖のイメージを偉大な精神で弾き飛ばす。
 ドクター・クラインの機能説明を思い返す/リミッター解除――“一度しか使えない”
という意味。それは確実な致命傷を自身に跳ね返す諸刃の剣。

 だからこそ、あらゆる不可能性を超えられる。

炎王結界(インビジブル・フレア)!」

 放たれる新生の一撃。鮮やかな白の流星。
 迎え撃つ―――あと一度だけ、命=稼働時間を代償に許された攻撃。

 陰術機関使用不能/ジェネレータから直結/属性持たぬエネルギーの放出―――装甲の
急速な消耗。さらに全身のバイパスが断末魔/想定されていない量の出力によりいくつか
が致命的な破損。内部で小爆発を起こす=装甲が弾け飛んで行く。

 文字通り命を燃やした一撃。
 吹き上がった炎は―――黒ではなかった。

 陰術機関を通さない、心術ジェネレータによる、精神と命の輝きたる黄金の炎。
 その炸裂―――偉大なる閃光。




 おお、炸裂よ(エクスプロード)―――!!




 己から生まれた輝きの炸裂―――感動/歓喜を覚える。
 奇しくもアルカイザーの放つ不死鳥と同じ輝き。
 これほどふさわしい、美しい技はない。

 スラスター全開/爆発的な加速。
 纏う炎が翼を生む/流星を迎え撃つために。
 黒き装甲は白きフェニックスに転じた。

 視覚センサがターゲットをロック/例え死んでも外すことはない/真向からの直撃。
 それはもはや闇の不死鳥にあらず。
 だからこそ私は叫んだ。


「真アル・フェニックス―――!!」


 それは、本来絶無。
 機械の閃き。込められた偉大な魂と精神が起こした一つの奇跡。
 英雄のみが使える技、その発現。

 自身がアルカイザーと重なるイメージ/到達したような澄み切った精神が生まれる。
 内部機関への恐るべきダメージ/火の粉のように散っていく装甲/壮麗な輝き。
 その全てを乗り越えて、一撃。

 システムダウン寸前の朦朧とした意識の中―――ゼロに到達する。
 爆心地。
 互いの激突する地点。




(おお、炸裂よ(エクスプロード)―――)




 私は炸裂した。
 システムダウン―――全ての機能を停止しながら。
 後悔は無かった。ただ爽やかな終わりだけを感じていた。



139 名前:「剣の騎士」シグナム(M) ◆xHAYATEzHE :2007/04/30(月) 14:39:430

炎が、変わる。
黒き炎が、白き炎へ。そして、黄金の輝きへ。
ああ――――

「真アル・フェニックス―――!!」

――――それは、機械の生むものではない。
その高潔なる魂の輝き。彼自身の力。
否――それだけではない。
シグナムの記憶の中の、ファイルの記述。
真の勇者が用いた必殺の技。
かつてメタルアルカイザー本人を撃破した、真の鳳凰。

(ああ、そういうことなのか――)

シグナムは、理解した。
彼もまた、一人ではなかったのだと。
彼と刃を交えるということは、彼と戦った英雄達とも刃をまじえるということだったのだと。
ならば――

「――全力全開だ、レヴァンティン!」

<<jawohl.>>

もはや身を守る騎士甲冑はない。
自らの炎は、シグナム自身をも侵食していく。
だがそれでも、騎士はただ、剣を構えてひたすらに前進し――





瞬間、炎と炎の激突。
刹那、交わる刃と拳。
結果、それは互いを砕く。




「レヴァンティン!?」

シグナムが悲痛な叫びを上げる。
真・アルフェニックスの炎によって、酷使に次ぐ酷使を繰り返してきた彼女の魂は、
今、折れた。
二つに折れて飛んでいく剣。彼が最後に発した言葉は、

<<――Sieg!!>> 「――勝利を!」

応、と騎士は応える。両の手に魔力を集中。
シュヴァルツェ・ヴィルクング――接近して徒手空拳で直接相手に魔力を叩き込むベルカ式、
その真髄とも言うべき、魔力を纏った拳。
炎に叩き込まれる拳。
全力全開の魔力を、そこから放出。本来の意図を超えた、いわば零距離射撃の砲撃魔法。

――呼ぶべき名は、決まっていた。
白いバリアジャケットを纏った、純粋な目をした少女。
刃をかわす中で、いつしか言葉を伝えてくれた、彼女の『主砲』。

「ディバイィンッ! バスタァアアアアアッ!」


――――光が、爆ぜた。






炎と炎の衝突。
そこから生まれる焔に身を焼かれ、吹き飛ばされながら。
シグナムは、しぜんと笑みを浮かべていた。
久方ぶりの、全力全開での衝突。
それは歓びでこそあれ、何の悔いがあろうか。
そこから出る言葉は、ただ一つ。


「――ありがとう」

140 名前:リア・ド・ボーモン ◆Poesie/ZHU :2007/04/30(月) 15:08:340



【リア・ド・ボーモンvs千羽烏月】


 罪人の塔―――この悪魔城に横たわる諸施設の中でも、ひときわ
陰鬱さを感じさせる建物である。
 その中を、リア・ド・ボーモンは歩いていた。

 石造りの建物であるせいか、あるいはこの塔にわだかまる悪しき
想念のせいか、中の空気は冷え切っていた。
 耳が鳴る。
 吐く息が白い。
 靴音の谺さえ冷たく凝って、そのまま歩みを留める楔に変じてしまい
そうな―――そんな錯覚さえ覚える。

 けれども、それは血肉あるものの反応だ。
 即ち、この肉の体の所有者―――デオン・ド・ボーモンの。
 そんな事をリアは知らない。リアは意に介さない。
 けれども、その面持は―――何故だか、とても沈んでいて。

「………拙いわね。芳しくないわ。これは善くない事だわ」

 溜息まじりに―――そう呟く。
 暗い眺めに倦んだ訳ではないだろう。しかしながら歳若い貴婦人が
牢獄を思わせる石造りの塔を徘徊しているさまは、これは誰の目にも
奇態と映る。ただ―――巴里の広きにも稀であろう彼女の美貌と、
その「婦人離れして」鋭い眼差しが、すんでのところで違和感を
幻想的な趣にすり変えていた。
 兎も角も―――リア・ド・ボーモンは悩んでいる。
 傍目にも判る。表情が厳しい。
 形而上的な想念に振り回される新哲学者のようだ。

「トートの剣の切れ味が、鈍っている………」

 独言ちた。
 そう―――冷たい石畳に歩みをすすめるかの貴人は、すでに現世の
住人ではない。かつて心臓を貫かれ、とうに血肉とは訣別した身であり、
幽界の住人となってなお、不可思議な力を操る「詩人」たちから
フランスを守るために奔走する―――青き衣の詩狩人。
 女騎士(シュヴァリエ)・スフィンクス。
 それが彼女の―――面妖きわまる素性である。

 ある日のこと。
 常の如くに生と死の境目、移ろえるものと永遠なるものの狭間、
夢と現のたまゆらの門、形相と質量のたゆたえる敷居―――そう
形容すべき「どこか」を漂っていたリア・ド・ボーモンの意識は、
彼女が寄代としている「最愛の弟」デオン・ド・ボーモンの肉体ごと、
この悪魔城に召喚された。
 理由は知れない。
 いかに聡明なリアであっても―――この理不尽は想像の埒外である。
 そうして―――。
 彼女の想像の外なる受難は、不意の召喚のみではなかった。

 トートの剣が―――詩の力が、鈍っているのだ。

 これには少なからず焦りを覚えた。
 どこだか知れない場所で、何故だか己の力が制限されている―――
騎士であるリアにとって、これほど厄介な事はない。
 彼女は悪魔城の敷地を巡り歩き、時折襲ってくる魔物を力試しに
斬り倒しながら―――ついに、その原因に行き当たったのだ。

「………これね」



141 名前:リア・ド・ボーモン ◆Poesie/ZHU :2007/04/30(月) 15:08:490



 リアの前の壁面―――そこに、大きな落書きがある。
 否、魔力を持った呪文なのだから本来ならば「落書き」などと
称すべきではないだろうが、まずもって字が汚い上、呪文としての
正当な体裁を持っていないのだから、魔法陣とも封呪とも云えない。
だいたいが、魔物の血で書かれたから魔力を帯びているような代物だ。
「呪文」と類するのも間違っているのかもしれない。
 しかし―――。
 その拙い「詩」は、リアにとってはなかなか厄介な代物だ。


 ―――《AU VERS》―――


 そう書かれている。
 詩の力の根源たる情緒(saveur)にアナグラムを掛け、二つに区切る
事で否定する。さらには、文面自体が「AU VERS(韻詩へ)」―――
詩へ転じようという志向性を帯びている。
 つまり外部からの「詩の力」を封じる働きそれ自体を詩化した、
循環的なセンテンスだ。
 簡単な仕掛けだが、リアの力を封じる上ではそれなりに働きを上げる。
 あくまで「それなりに」であるが―――
 一見して判る程度にリアの剣力を弱めるのも、また確か。

「………参ったわね」

 ふう、と息をついて塔の階段を登っていく。
 残念ながら―――打破する策は思いつかない。魔族の血で書かれた「詩」、
常ならば簡単に絶てるが、今のリアには抗することさえ難しい。
 しかし、歩みを進めれば何か解決の糸口が掴める筈―――と、彼女は
階段を登っていく。悩めるハムレットもさながらである。
 ―――と。

「あら」

 口をすぼめて、驚きを表す。
 先客がいたのだ―――こんな塔の中に。
 それも―――女性である。麗しい盛りの少女である。
 鴉の濡羽色の長髪が背なをすらりと流れ、腰に届くほどに伸びている。
 仮面のように彫りの浅い淡白な顔立ちは、彼女が欧州の出身ではない事を
物語っていた―――否、それどころか、この時代の出身でさえないだろう。
白腿を見せるほどに短い丈の衣装という物は、リアの知る限り婦人の衣装と
しては存在しない。
 揺らめく燈燭の火明かりを斜に受けた立ち姿は、一幅の絵画のようでもある。
しかしその美しさの中に、この年齢の少女に特有の甘味は存在しない。白く
秀でた頬を飾る鋭利なまなざしは、月のような、影のような、刀剣のような
―――つまりは、闇に溶けることを拒む紫水晶の煌きのような。

 兎にも角にも、リア・ド・ボーモンは逡巡する。
 この奇妙な先客に対し、はたして剣を向けることと柔らかに挨拶を交わすこと、
レディとして、或いは誇り高き女騎士として―――相応しい態度は、果たして
どちらであるのかと。

【処―――《罪人の塔》最上層】



142 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/04/30(月) 15:19:520

(メタルアルカイザーVSシグナム/侵食地下神殿跡)

>>139




 ―――ビジョン。




 闘い続けてきた日々が蘇る。

 世界を駆け巡る大組織=ブラッククロス。世界を敵に回すもの。
 世界―――無数の敵を退けた力=メタルブラック/ブラッククロス四天王の一。

 あらゆる強敵との戦闘。
 IRPO/時空管理局/サントアリオのヒーロー/敵対する犯罪組織全て。
 戦闘経験の蓄積/繰り返される改良/より最強に近づいていく。




 崩壊―――アルカイザーへの連敗。ドクター・クラインの結論/『奴の力をコピーする
ことが最強への道』。それは正しく、そして間違っていたことを認識する=三度の敗北。
 記憶領域に刻み付けられた鮮烈な輝き―――真なる不死鳥。己を乗り越えた英雄の姿。

 ……メタルアルカイザー、お前は強かったよ。……しかし間違った強さだった。

 四度目の蘇生を導いた命題。
 最強を目指す―――その意志へのかすかな揺らぎ。
 歩くべき道。それを探索するための組織再興/戦闘経験。




 戦闘―――時空管理局所属/『剣の騎士』シグナム。古流ベルカ騎士。
 繰り返される激しい戦闘。実力は伯仲―――こちらにやや優勢。

 ビジョン―――命題。

『お前にとっての……正しき道とは何だ?』

 問いかける。

 返答は―――今までの自分の全否定。
 力は力のままであってはならない。そこに意味が無ければならない。
 最強の希求は意味無く力を求めたが故の迷妄。
 崩壊―――グラウンド・ゼロへの到達/新たな価値の萌芽。

 決戦/最強の技で応じる―――奇跡。
 シグナムを支える全てが味方し、最強の技を防ぎきる。
 そして、最後の一撃。偉大なる流星の光。


 対抗/リミッター解除/閃き/そして歓喜。
 炸裂する光。真なる不死鳥。




 ―――システム再起動。




 五感センサが目覚める/ノイズ―――視覚センサ以外の感度を下げて対処。
 システムチェック。
 ジェネレーター/異常加熱による故障。出力低下。
 アクチュエーター/過大出力の流入により損壊。稼動不可。
 CPU/奇跡的に損傷無し。魂魄封入装置も無傷。

 大破―――しかし生存。

(生き残ったか……)

 感嘆と、苦笑。自身のしぶとさと、死をとして死に損ねたという皮肉に。
 だが、悪い気分ではなかった。
 決して手に入らぬ領域/シグナムの“正しき強さ”。
 それでも、歩くべき道を見つけることが出来た。
 正しき強さ、その起点。
 今、私は、そこに立っている。
 傷だらけになりながら、しかし膝を突くことなく、確固として。

 音響センサで自分の状態を確認―――吹き飛ばされ、背後の祭壇に背を預けている形。
邪神像は激突の衝撃で砕け散っている/自分が神体になったような、妙な気分。

 状態を確認―――装甲のほとんどがはじけ飛んで、内蔵機関が向き出しになっている。
 胸の中央に淡い黄金の輝き/命を繋いでくれている/心術ジェネレータの活躍。
 稼動エネルギー残量=LPを確認。若干の余裕。

 頭部―――複眼センサーを動かす。
 視線を向けた先にはシグナムの姿/満身創痍。
 しかし、凛とした姿で立っていた。


 美しいと思った。
 正しき騎士の姿=自らの信念を全身で体現する真の武人。


 敗北は、ブラッククロスの再興を更に遅らせることとなるだろう。
 だが、私には得た物があった。
 起点、そして答え。
 それで良かった。

「誇ってくれ―――それが手向けだ」

 ノイズ混じりの電子音声で告げる/最後まで生き残っていた武装を起動。
 黄金の輝きが神殿に広がって行く。

 ファイナルクルセイド―――自らの命を削り、戦友を癒す為の技。
 アルカイザーの技=メタルアルカイザーがコピーした技術。
 降り注ぐ黄金色の桜吹雪―――それはいのちそのものの輝き。

 視覚センサでシグナムの傷の治療/魔力の回復を確認する。
 その様子を見届け、複眼センサの稼動数を減少―――停止/目を細め、閉じる所作。
 そしてセーフモードへ移行/最小限の負荷を維持し、これ以上のダメージを防ぐために。
 再びシステムシャットダウンを開始―――回収されるのを待つ。
 回収されても復帰できる確率は数パーセント。実質的に死ぬことになるだろう。

 だが、後悔は無かった。

 意識が闇に閉じる―――刹那、音声メモリに一つの言葉が記録されていることを確認。
 メッセージはシグナムよりのもの。

『ありがとう』

 その優しき声を聞いて、鋼の武人は意識を閉ざした。


 ―――その鋼は。
 傷だらけの身体を、祭壇に背を預けて、両足で支えながら。
 しかし決して膝を着くことなく、ただ立っていた。




【決着/メタルアルカイザー、機能停止(生死不明:重体)】

143 名前:千羽烏月:2007/04/30(月) 15:48:280



           ――――ここには、貴女が居ない――――

暖かな春の日差しのような微笑みも、楽しげに弾む笑い声も、何処にも無い。


>140-141

横殴りに振るった一刀が、鬼の頸を断つ。
一拍置いて吹き上がる血飛沫に、ほんの一瞬視界が遮られ。
ざあ、と雨が地を叩くような音と共に、真紅の幕が落ちた。


肌を刺す冷気に、ぼやけていた意識が覚醒する。
戻った視界に映るのは石造りの壁、そして床。

「……そうか、招かれたか」

何よりも、辺り一帯に満ちる瘴気。
浄眼を通して視るまでもない、冷気より遥かに強く身体を犯すそれ。
それが、今居る場所が聞かされていた舞台の上なのだと告げていた。
ようやく、此処まで来た。

不意に、音が響く。

最初は微かに。次第に大きく――近づいてくる。
まともに出入り出来る唯一の出入り口、階段から。
血に濡れた抜き身の太刀を握り直し、体の陰に隠すように立つ。
現れたものの動きに、即座に応じられるように。

「――――」

ゆっくりとした歩みで現れたのは、想像だにしなかったものだった。
まるで中世の貴族のような……否、そうとしか思えない出で立ち。
微かに顰められた相貌、立ち居振る舞い。
――いや、私は聞かされてはいなかったか。
生きた年代に関わらず、相応しい者が集められると。

「……悩む事など無いな」

それに。
私の右目――浄眼は、目の前のものが憑かれていると告げていた。

「鬼が相手なら、何時もと同じように斬るだけだ」

距離はさほど無い。
半身のまま一足飛んで、体の陰に隠していた太刀を両手で握り、
鬼の首を刃圏に捕らえた刹那、横薙ぎに奔らせた。

【《罪人の塔》最上層にて】

144 名前:「剣の騎士」シグナム(M) ◆xHAYATEzHE :2007/04/30(月) 16:02:470

(メタルアルカイザーVSシグナム/侵食地下神殿跡)

>>142

目を覚ますと、そこには黄金の花吹雪。
右手を握る――正常。
腕も、脚も――ともに傷はない。
体内の魔力――回復を確認。

「――何故だ?」

疑問。
確かにこの身は、あの時炎に焼かれたと思った。
だが、彼女は今、確かにここにある。

「……お前か、メタルアルカイザー」

瞳を向けたのは、鋼の戦士。
その矜持を示すように、立ったまま一個の彫像と化した、偉大なる騎士。
この輝きが、彼の命の輝きだとするなら。
彼の命と力は、シグナムの中に溶けたのだろう。

「誇ろう、戦士よ。
 お前と戦えたことを、ベルカの騎士シグナムは生涯忘れん」

「――シグナム!」

呟いたシグナムの背後からかけられる声。
ヴォルケンリッターの一員、癒しの使い手、シャマル。
「旅の鏡」――広範囲転移魔法を使って来たのだろう。

「待っててシグナム、今治療を――」
「いや、それは無用だシャマル。既に、あの男に命を分けてもらった」

笑みと共に、レヴァンティンを手に取る。
二つに折れ、機能停止した剣。
だが、設備と時間さえあれば、修復は充分に可能だろう。

「すまないが、治療ならそこの男にかけてやってくれ」
「――?」

戸惑うシャマルに、シグナムは折れた剣を軽く振ってみせる。

「剣を折られた。私の負けということだ。
 敗者が勝者に礼を尽くすのは、必然だ、そうだろう?」
「え、――あ、はい」

慌ててシャマルがしゃがみこみ、治癒魔法をメタルアルカイザーへとかける。
それを見ながら、シグナムは呟く。

「この状態では、これ以上ここにいても仕方がないだろう。
 ――帰ろうシャマル。主のもとに」

多くの強敵と同じように、彼もまた、大切なことを教えてくれた。
今のシグナムにとって、もっとも守るべき物はなんなのかと。
あの極限状況の中で、浮かんだのは主の笑顔。
ここで自分が死んだなら、やはり主はやては涙を流すだろう。

騎士としてするべきことは、ここで意地を張って戦うことではない。
あの笑顔の、傍にいることだ。
彼は、刃を持ってそれを教えてくれた。

「――ありがとう」

そっと呟くシグナムの元に、治療を終えたシャマルが寄り添う。
『旅の鏡』展開。
次元と空間を越えて、懐かしき我が家への道を開く。
笑みと共に、シグナムはその道を歩んでいった。








誰もいない祭壇。
そこに立つのは、鋼の戦士。
その前には、折れた白刃。
ただそれだけが、かつての戦いを物語る。

ただ降り注ぐ月の光
黒き巨人と白き刃だけが、その光を身に受けて輝いていた。

【決着/シグナム、『旅の鏡』により帰還――二回戦出場放棄】



145 名前:リア・ド・ボーモン ◆Poesie/ZHU :2007/04/30(月) 16:12:220

【リア・ド・ボーモンvs千羽烏月】


>143

 僅かな動きの中にも見て取れる、無駄のない身のこなし。
 この異邦の少女が剣士か―――あるいはそれに類する身の上である事は、
既にリアにとって疑いなきことである。
 この立ち姿を見よ。まるで他の何にも拠って立たぬ―――とも言いたげな、
一本の木の如く揺るがぬ、毅然とした立ち姿。

 その姿が影と霞む。
 少女が動いたのだ。
 清流の流れるがごとき体捌きである。
 そのまま―――少女の体の影から跳ね上がった白刃が、火明かりを
衝と弾いて真横に流れた。首を刈る奇跡である。

「―――ッ!」

 リアは稲妻のごとくに反応する。
 腰に下げておいた《トートの剣》を掲げ、鞘から僅かに白刃を抜いて
その部分で受けたのだ。しかしながら紙一重の守備である。須臾の間
反応が遅れたならば、おそらく首筋が絶たれていた。
 剣音。
 硝子の触れ合うような―――長い長い谺の尾を引いて。
 ざぁ、と―――闇の中に火花が散る。
 リアの体が流れた。
 当然である。
 相手の勢いを逸らすでもなく、真横から剣戟を受けたのだ。
 しかしながらリアはその勢いに逆らうでもなく―――そのまま地に伏す。
ローブ・ヴォラントの美しいドレープの裾が、花のごとくに床に広がり、
リアは半ば座したその姿勢のまま、相手の足をしたたか打とうとする。
 つまり転倒を狙った水面蹴りだ。
 トートの剣の鈍った今―――。
 勝機は剣戟になし。
 むしろ人体の埒を越えた《霊の血肉》の反射速度を有効に用いるには、
組合が最上―――そうリアは判じたのだ。

 ―――それにしても、東方の挨拶とは随分なものなのね。
 風を巻いて一撃を放ちながら、リアはそう思った。


【処―――《罪人の塔》最上層にて】
 

146 名前:千羽烏月:2007/04/30(月) 16:33:450



          ――――なのに、私は未だ此処に居る――――

貴女が会いに来てくれる事はもう無いのに。


>142

奇襲と言っても、先に仕掛けただけに終わったようだ。
殆ど鞘の内のまま立てられた剣と噛み合い、火花を散らす刃。
だが、私の太刀はただの太刀ではない。
勢いのままに振り抜き、相手の受けごと押し崩す。

その手応えに違和感があった。

軽い――そう思った時には、もう敵は次の動きに入っていた。
早い。
引くも踏み込むも間に合わない。

「――――くっ!」

ならばその場で受けよう。
但し、受けるのは足ではなく刃だ。
逆手に持ち直した太刀を、突き破れとばかりに石造りの床に突き立てる。
迫る蹴り足の行く手を塞ぐように。

【《罪人の塔》最上層にて】

147 名前:リア・ド・ボーモン ◆Poesie/ZHU :2007/04/30(月) 16:53:480

【リア・ド・ボーモンvs千羽烏月】


>146

 ―――赤々と血が飛沫く。
 つまりは脚を斬られた。生半可な傷ではない、思い切り水面蹴りを
加えようとした矢先に、蹴りの軌道に対して垂直に刃が突き立ったのだ。
 思わず蹴り足を引き込める。
 人ならぬ反射を持つリアでしか成しえぬ事だ。

 結果―――真横に払った水面蹴りは空振りに終わる。
 エナメルを塗った長靴は大きく裂けた。
 無論、リアの脚も、足首から脛にかけてがぱっくりと避けている。

 とっさの制動は、すんでのところで間に合わなかった。
 否―――骨が絶たれなかった所を見れば、「すんでのところで間に合った」
と表現するべきであろうか。

 しかしながら、それでたじろぐようなリアではない。

 相手の刀は今現在、石床に突き立っている。
 ―――つまりは次手に移るまで、若干の猶予があるのだ。
 その僅かなあいまに、横倒しの身体を反転させ、立ち上がり―――
石畳から剣を引き抜こうとする少女に切りかかることは、十分に
可能である。

 しかし、リアはそうしなかった。

 勢い立ち上がると、真後ろに引いたのだ―――傷ついた脚で!
 いかに人ならぬ身体を持とうと、ここまで深手を負ってしまえば、
その瞬脚も「健脚」程度に成り下がる。ここで受けの一手に転じた所で、
眼前の少女から逃げおおせるとは―――とてもではないが思えない。

「その刀の冴え、瞳の耀き―――」

 ひとまずは距離を取る。
 トートの剣を―――今度こそ鞘から抜く。

「詩人とも詩狩人とも見えず―――おそらくは東国にも何やら
面妖な代物が居るのね。あなたはそれを狩るもの、と言った処かしら」


【処―――《罪人の塔》最上層にて】


148 名前:千羽烏月:2007/04/30(月) 17:24:090



        ――――そう、愚かにも失って初めて気付いた――――

貴女に会いたい。叶うならば傍に居たい。声を聞き、顔を見たい。


>147

柄尻を支える右手に、手応えが――これも軽い。
遠慮呵責の無いあの蹴り足の勢いであれば、落ちるとまでは行かなくても
骨が削れる程度にはなったろうに、それが感じられない。
石と石の隙間に突き立てた切っ先を抜いて、即座に追撃を図る。

いや、図ろうとした。

私が振り被るより、相手が立ち上がる方が、
私が一刀を振るうより、相手が間合いを取る方が早い。
思ったよりは浅いとしても、脛に相応の傷を負いながら。

「……ああ。私は千羽党が当代の鬼切り役、千羽烏月」

気圧されるな。
相手が人外のものなのは何時もの事。
それでも尚斬り伏せてこそ、鬼切り役だ。

「お前のようなものを斬るのが、生業だ」

腰を落とし、刀身を担ぐ。
距離があるのは幸いだ。
次の一手には、気を練る時間が要る。

ほのかに揺れる灯りに、刃が斑に輝いた。

【《罪人の塔》最上層にて】

149 名前:麒麟 ◆TEKIajvYfQ :2007/04/30(月) 17:31:560

>>135
(ストライダー飛燕 vs 麒麟/呪縛の時計塔)

 世に万能はない。
 仙術を継承し、自然を体現する狄の業に於いても――攻防一体を具現する“刻舞”とて、
死者すら甦らせてみせた『神』を屠った麒麟とて、その理に従わざるをえない。
 自身の肉体を贄として差し出し、自身の生命を護り創り上げた、
一瞬にも満たない刹那の隙を突き、白き燕は飛翔する。

 麒麟の上空を舞う純白の燕の姿が、四つに増えた。
 うち三つが質量を伴う虚影であることは、同様の業を使う麒麟でなくとも理解は出来る。

 ならば、討つべきは――――。

 全身に漲らせた気を足先に集中させる。手近な歯車を蹴り――下方へと上昇。
 上昇しつつ、足先に向けていた気を、今度は腕に籠め――歯車を“蹴”った。
 蹴りの衝撃に耐え切れなかった歯車達が乾いた音を立てて、支柱ごと砕け散る。

 砕け散った歯車の破片を纏いつつ再度の上昇、同時に気を再び足先へと向け――――放つは龍尾の一矢。

 虚影の業はあくまで虚影の業。真に討つべきは、実像の業。
 三つの虚影と一つの実像、それが重なる刹那を討つべく、麒麟という名の矢は飛翔する。




          ――――――飛燕と麒麟が、中空で交差した。



 虚影の業が麒麟を撃つ。
 骨を砕かれ、肉を穿たれ、五臓を破られた。

 だが――それでも、軽い。
虚影は虚でしかない。影でしかない。
生命を止める重さには、肉体を射抜く鋭さには、矢を留める激しさには――至らない。



 上方から下方への、そして下方から上方への飛翔によって生まれた、圧倒的な速力。
 加えて、肉体を兵器の領域まで鍛え上げられた狄の膂力によって繰り出された『神殺しの矢』。
 それは、今まさに飛翔する燕の肉体を射抜かんとしていた。

【死合場:呪縛の時計塔】 

150 名前:リア・ド・ボーモン ◆Poesie/ZHU :2007/04/30(月) 17:42:080


【リア・ド・ボーモンvs千羽烏月】


 ―――あの刀は注心の必要があるわね。
 相手に相対しながら、リアはそう思った。

 たとえばピントゥリッキオがチェーザレ・ボルジアに捧げた《剣の女王》
に顕著であるように、霊的な威力を備えた典剣というものは、おしなべて
複雑な意匠を施してある。
 これは象徴を刃の随所にちりばめる事によって、いわば《斬撃》という
行為そのものを半ば魔術化させるためだ。これはリアの《トートの剣》
とて事情は同じであり―――即ち、形而上の魔物を斬らんとする武器
には、形而上の意匠を施す必要があるのである。

 翻って―――あの剣はどうだろう。
 たしかに面妖な形状である。が、とくに象徴めいたものは見当たらない。
つまりは、すこし刃の形状が西洋刀とは異なるだけの―――只の刃物。
 そのはずだ。
 だというのに―――。
 あの剣の白刃の、背筋の凍るような冴えはどうしたことだ。
 あれは間違いなくただの剣ではない。
 西洋の退魔刀とは違う―――魔術的な体系に頼る事のない、いわば
それ自体をひとつのまじないと化した《魔剣》である。
 これに抗するには、詩の力の鈍った《トートの剣》ではいかにも頼りない。
しかしながら、真っ向から突っ込んで潰そうにも、片足の深手は隠しがたい
ものだ。

 ならば―――。

「鬼を斬る―――即ちこの世の条理から外れた物を真平らに切り伏せ、
平素の秩序を守護せんと企むものかしら。
 けれど、条理で《詩》は絶てない―――それを思い知りなさい」

 リア・ド・ボーモンが抜き放った《トートの剣》を、床に向けて思い切り
振りぬいたのは、千羽烏月が刀を担いだ次の瞬間である。
 リアの剣が弾いたのは、床に転がる小さな石ころだ。
 石飛礫(つぶて)―――先の口上には似ぬ、えらく賢しい小細工だ。

 リアの第六勘は、
 「少女の次手は何としても潰さねばならぬ」
 ―――そう告げている。

 飛礫を放った次の瞬間には、リアもまた駆けている。
 狙いは駆け込んでの突き。
 十分な速度とは云いがたい。しかし、それを補うための飛礫だ。
 千羽烏月が一瞬でも怯めば―――《トートの剣》の切っ先は
たちまちに彼女の心腑を突き破るであろう。


【処―――《罪人の塔》最上層にて】


151 名前:千羽烏月:2007/04/30(月) 18:20:270



       ――――今は遠く、此処に居ても会う事は叶わない――――

全てだった。何時の間にか、それが私の望むたった一つの事だったのだ。


>150

目の前の女――否、鬼が嘯く。
この世の理では経ち難い物もある、と。
如何にもその通りだ。
だからこそ鬼切り役があり、千羽妙見流がある。

「…………」

離れた間合いのまま、鬼の獲物が空を切った。
床すれすれで飛ぶ切っ先が何かを掠めたのか、澄んだ音。
恐らくは石片でも弾いたのだろう。
似たような事は、何度かした事がある。
この明るさでは見て取る事も叶わない……故に捨てる。
第一、構えを崩しては気が逃げてしまう。

「見るが良い。これがお前達の道理を断つ為の剣だ」

瞼の僅か上、眉の辺りに鋭い痛み。
皮膚が破け、血が滲む。
だが止まらない。
練った気を、溜めた力を、眼前の敵に叩き付ける。

「千羽妙見流――――魂削り」

唐竹に、斬魔の一撃を放った。

【《罪人の塔》最上層にて】

152 名前:橘朔也 ◆X5lDK8LQyw :2007/04/30(月) 18:42:520

【 魔王 vs ギャレン エピローグ 】


―ハカランダ

未だに帰らぬ友を待つ者。
広瀬、虎太郎、睦月、そして相川始。
外を打つ雨音が一層激しくなるにつれ、その思いは暗雲へと変わっていく。

「橘さん……遅いですね。」

「せっかく私が腕によりをかけて作ったケーキとパスタなのに……橘さん。」

相川始が空を見て首を横に振る。
その目は、ただ広がる暗雲を見つめていた。

「橘が、あいつがそう簡単に死ぬなんて……俺は信じない。
また笑って、帰ってくる。……剣崎なら、そう言うはずだ。」

―紛争地帯 遠くない何処かの国

戦乱が続く国。子供の顔に笑顔はなく、そこには無益な争いと悲しみだけが渦のように
回っていた。

「大丈夫、俺がついてる。だから、泣いちゃダメだ。男の子だろう?」

戦火を逃れて彷徨う少年に、手を貸す一人の男。
その男はかつて、「仮面ライダー」として世界を絶望から救った戦士。
― 仮面ライダーブレイド 剣崎一真 ―

今日も、雨が降る。まるでこの争いの絶えぬ世界を悲しむかのように。
だが、剣崎は少年の手を引き歩き出す。たとえ今が土砂降りの雨でも。
それでも、歩く。運命に、負けたくない。
その思いが、彼を動かす。たとえ、自分の身が他者から忌み嫌われる存在
不死者―アンデッド―に変わってしまっても。
少年を勇気付けるように、剣崎が微笑みながら言う。

「こんな俺にもさ、友達がいるんだ。今は理由があってあえないけど……
でも、いつか会える日が来る。お互いが争う必要がなくなって、みんなが
笑顔で会える日が……」

雨が、上がった。
空は青く、太陽が輝き始める。

探した答えは 変わり続けてく生まれ変わるほど 強くなれる Got to be Strong




153 名前:リア・ド・ボーモン ◆Poesie/ZHU :2007/04/30(月) 18:46:220


【リア・ド・ボーモンvs千羽烏月】


 ―――斬、と。

 一瞬で意識が白濁した。
 五体が自由意志の元を離れ、目の前が暗い闇に染まる。
 否―――これは赤だ。獰悪で凶暴な、真紅の血の闇だ。
 眩暈。眩暈。眩暈。耳が鳴る。体の心が痛む。この世ならざる
幽界の材質で形作られた、「霊の肉」を駆け巡る非物体の
血液が―――悲鳴を上げるように、ごうごうと高鳴っている。

 ―――結果だけ云えば。
 捨て身で仕掛けたリアの突進は、完全な失敗に終わった。
熟練の剣士である千羽烏月に対し、飛礫による目眩ましなど、
何の用も成さなかったのだ。
 真っ直ぐに突きこんだリアに対し、千羽烏月は交差法で
切り込んだ。それも物質ではなく、幽体に対してダメージを与える
「魂削り」で―――。
 致命傷は免れない。
 事実―――リアのダメージは浅くない。
 身体が―――意識が痺れている。思い切り叩き伏せられた後の
ように、五体の奥の感覚が鈍っている。

 しかし。
 リアは立っている。
 息絶え絶えながら。
 致命傷を免れぬ一撃であるはずなのに―――
 なぜか。

「成る程―――」

 半ば喘ぐように、呟く。
 簾睫毛に覆われたリアの視線の先には。

「《詩》を絶つ刃―――貴女もその使い手と言う訳ね。狂える思想に
終局を打つピリオドが、私一人であろうとは思い上がっていたわ」

 白刃の半ばから折れた―――
 トートの剣の、痛ましい姿があった。

 相手の一撃を、リアが剣で受けたわけではない。相手の《ピリオド》と
トートの剣の《ピリオド》が、互いの正しさを主張して鬩ぎあったのだ。
結果として、《魂削り》の猛威はそがれたが―――その代償として、
トートの剣は、詩を司る神の奇蹟は―――
 壊れたのだ。

 ついにリアは、千羽烏月から背を向けた。
 すなわち―――完全な逃走である。
 しかしながら―――当然、ろくな速度は出ていない。常人の駆け足に
少々おまけが付いた程度だ。当初の電光石火の体捌きのカケラもない。
 火影に隠れた彼女の表情は、いかなるものか―――。


【処―――《罪人の塔》最上層にて】


154 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/04/30(月) 19:00:240

>>144


 ―――起動。
 閉鎖していた思考回路が復帰する。
 視覚から触覚まで順番にセンサーを起動/ノイズはクリア/完調に戻っている。

「目覚めたか、まったく焦らせるものだ」

 呼吸―――溜息。
 身を起こして振り向く―――動作不能/メンテナンスモード/四肢を外されている状態。
頭は自由に動くため、首を秘ねって眼を向ける。
 周囲には無数の機械と鋼/整然と並ぶ、調整用のコンピュータと交換部品の群れ。
 そしてドクター・クライン―――渋い表情=無事生還したことへの安堵/損傷への苦慮。

「……また、生き延びたか」
「ああ。回収したときにはほとんど死に体だったがな。まったく、整備の手間も考えろ。
左腕はそっくり交換、装甲も全て取り替えねばならん。ついでに陰術機関も交換する必要
が出ているし、更に言えば新しく剣を仕立てなければならん……本当に、良く生きていた
ものだ。いったい誰と当たったのだ」

 愚痴を言いながらも笑み―――理由が分からない。
 私は対戦相手の名と所属を告げると、ドクター・クラインは驚いたような顔をした。

「闇の書の守護騎士が一人だ。……なるほど、強いわけだ。よくやった」

 彼女の言葉/「多くの罪なき人を手に掛けた」/その意味。
 それを理解する―――背負う罪の重さ/乗り越え、護ると言う意志。
 罪を知るが故に気高く、正しき道を歩むことができる。
 燦然と光る、彼女の進む軌道/改めて敬意を抱いた。

「お前の勝利だ。対戦相手は戦闘続行出来ずに棄権するそうだ」

 ドクター・クラインが告げる――疑念が湧いた。
 あの闘いはシグナムの勝利だったのではないだろうか。
 最後の一瞬―――機能停止前の光景/シグナムが立っている/自身は稼動不能/ゆえに、
敗北を悟って死を受け入れた。当然のように。
 だが、その自分は生きていて、なおかつ勝利しているという。
 思考が解答を出せない=困るという感情を初めて体験しているのかも知れない。
 何故なのかと、生みの親に問うて見た。

「デバイスが破損したらしい。その強靭さで名を馳せる、あのベルカの武装を破壊すると
は流石だな」

 その言葉でようやく理解する。
 戦友が傷ついていては続行は困難。
 なにより剣を折るのは、剣と一体である『剣の騎士』としては敗北と同義。
 だから、彼女は私へ勝利を譲ったのだろう。

「―――借りが出来てしまいました」
「時空管理局にか」
「いいえ、“彼女”に」
「お前らしい言い草だ」

 ドクター・クラインが面白そうに笑う。
 改造ではなく、一からの製造―――造物主と被造物/親と子の関係に近い。
 文字通りの父だった。

「しかし、不思議なことはジェネレータの破損が全く見られなかったことだ。リミッター
解除までしでかしたというのに、消耗の痕跡すら残っていない。本来ならば完全に停止し
ていてもおかしくは無かったはず。奇跡としか言いようがない。お前が生き延びたのは、
エネルギーの供給が停止しなかったからだろう」

 奇跡―――私の生存。
 記録を掘り起こす/機能停止寸前のデータ/ジェネレータは出力を低下させ、ストック
しているLPも尽きかけていた。通常なら死亡―――封じられた魂を維持できず、解き放
っていたはずのダメージ。
 推論―――第三者の手による回復。
 シグナムの仕業かもしれないが、確証はない。
 もし次に会えたならば聞いてみようと、タスクスケジュール内に追加。
 会ったなら確実に思い出せる処置。

「ともあれ、今はゆっくり休め。戦闘データの整理もしたいだろう」

 ドクター・クラインの言葉に首だけで頷き、再び休眠モードに入る。
 ゆっくりと視覚センサが停止してゆく。
 暗くなる視界/ビジョンが走る。

 ―――凛と立つ騎士=シグナムの姿。
 それは、自身の起点となる象徴だった。






 <第一回戦>
(メタルアルカイザーVSシグナム/侵食地下神殿跡)

 ○ メタルアルカイザー/重症を負うも勝利→二回戦に進出
 ● シグナム/デバイス破損により棄権→二回戦出場を辞退

155 名前:千羽烏月:2007/04/30(月) 19:12:440



               ――――だから――――

貴女が来られないのならば、私が行こう。


>153

三度の末の確かな手応え。
振り下ろした一撃は、相手の身体をこそ捕らえなかったものの――「魂削り」は
確かに相手を捕らえた。
眼前の光景にそう確信する。

ゆらり、と泳ぐ鬼の身体に。
その手に握られた、半ばで折れた剣に。

「……良く凌いだ、と言うべきか。だが、その身で知っただろう」

千羽妙見流が奥義、「魂削り」。
即ち、この世のものならぬ鬼の現身ではなく、その霊体を断つ技。
人を器にしている鬼には、私が修めた技の中でこれ以上無い一手だ。
鬼としての力を削がれ、剣も折れた。
今ならば、真っ向から斬り合っても速さで後れを取る事もないだろう。

それを悟ったか、鬼は逃げた。

現れた時の立ち居振る舞いの欠片も無く、ただ逃げた。
今までに何度も斬り伏せてきた、鬼のように。
その背中に追いすがり、袈裟斬りを見舞うは容易かった。

【《罪人の塔》最上層にて】

156 名前:直刀 ◆DOGS.OpLbU :2007/04/30(月) 19:38:220

>>120

【VSマリア・バルゼリート:妖魔迎賓館】


「生憎私は殺し屋なんかに用は無いんだけど?」

と、閃き来る横薙ぎ一閃、刀を抜く暇など無く私はそれを刀の入ったバッグごとで受け。
刀を振るう殺し屋―― マリアからバックステップで距離を取る、それこそこんな所で何もせず、されるがままに殺されるなんてとても御免。


だから―― 斬ってやる


「もしかして私を殺しに来たの? ならいいよ、相手、してあげる」

言葉の最後を強調して、ゆっくりと意志を込めて相手に告げる。
そしてバッグから刀を取り出し鞘からすらり、と引き抜く。


私の邪魔をするのなら―― 斬ってやる


一足で飛び距離を詰め。
ドレスの殺し屋に返す太刀筋は開幕と同じく空気を切裂く横薙ぎ一閃


黒い刃が、奔る。

157 名前:リア・ド・ボーモン ◆Poesie/ZHU :2007/04/30(月) 19:50:010


【リア・ド・ボーモンvs千羽烏月】


>155(千羽烏月)

 疾走は三歩と持たなかった。
 痛めつけられた脚が縺れたのだ。

 身体が捩れる。姿勢が崩れる。
 あんッ―――と喘ぎ、石の床にしたたか倒れ臥した。
 最早、どう穿った見方をしてもリアに勝機がないことは明らかだ。
反撃どころか―――立ち上がって逃げおおせることさえ不可能。
今のリアは死に体に等しい。

 振り返ると―――リアに向かって袈裟に切り込む烏月の姿が
ある。赤々と煌く剣先が粘質な残光を描く。
 成る程、人を死に至らしめるに相応しい、美しくも酷薄な一撃だ。
成す術もないリアは刹那の後には―――生を全うした椿の如く、
鮮やかに散って落ちるだろう。
 そうして。
 リアはここで初めて、相手を見上げ―――。

 笑っていた。

「終わりと共に始めましょう。《罪人の塔》―――エテメナンキの再現よ」

 そう云って、半分から折れたトートの剣を、石の床に突き立てる。
 ―――残。
 世界の―――真理の箍が、割れる音がした。

 確実にリア・ド・ボーモンの額を割るはずだった千羽烏月の一撃が、
僅かに外れた。理由は床の皹である。突如として生じた床の微妙な
段差が、玄妙極まる技の冴えを狂わせたのだ。
 そうして―――地鳴り。
 世界の一切が、悲しみに狂って咆哮を始めたような―――。

 それは人に赦しを与える。
 罪に悩む有閑貴族に、苛斂誅求な取立てに悩む農民に、戦に倦んだ
戦士に、生の長きに飽いた貴婦人に―――そうして、いつまでも鳴り止まぬ
《詩》と云う名のリフレインに、永遠の急速を与える。
 それは―――。
 終幕(プワン・フィナル)と呼ばれるものだ。

 罪人の塔は―――堅牢無比なる、陰鬱の威容は。
 雨に打たれる砂の城の如く―――折れ、砕け、基底部から崩壊を始めた。



158 名前:リア・ド・ボーモン ◆Poesie/ZHU :2007/04/30(月) 19:51:080

 ―――云わばそれは、必然である。
 バベルを牽くまでもなく、塔(Le tour)は奈落(LE TROU)をそのうちに
含んでいる。ゆえに内部から崩落し、一つの落下、一つの奈落と変じるのは、
塔という概念が含んでいる、詩情の必然である。
 ましてや、ここはかつて魔獣を閉じ込めていた《罪人の塔》―――。
 それ自体が強烈な《詩》というわけだ。
 故に内部に蟠る崩壊への志向性も、また高い。詩情の爆薬庫のようなものだ。

 そこにリアは火をつけた。
 種火は小さな物でも構わない。例えば、鈍り折れたトートの剣の詩情でも。
 詩情を触発できるアナグラムさえ用意できれば、それで構わないのだ。

 リアが使用したアナグラムは簡単なものだ。


 ―――BECHE SUIT TU―――
 剣士(スペード)に追いかけられる。


 そう白刃に綴った。
 効果は苛烈にして壮大。トートの剣が伝えた僅かな《火》は塔を駆けめぐり、
鼠花火のごとくに詩想を伝え―――この呪いの塔を説き伏せる。

 石の床を刺す瞬間に、白刃の詩はこうスペルを変えたのだ。
 即ち。


 ―――Chute subite―――
 崩壊―――と。


 ―――揺れる。世界が揺れる。
 轟音。轟音。轟音。一瞬にして壁面は皹に覆われ、天井は剥落し、縦の物は横に、
横のものは縦となり、塔の中のあらゆる無機物が意思を持つように跳ねて。
 ついに―――最上階の床が抜けた。

 リアが《詩》の力を見舞って、二秒と経たぬ―――その間に、である。


【処―――崩れ落ちる奈落にて】



159 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/04/30(月) 19:57:110

冴島鋼牙/黄金騎士ガロ 「悪魔城御前死合 血狂ひ」導入

Demonic horrors that lurk in the darkness
闇に潜むホラー

Demons that hate, that feed upon mankind
人を喰らい、人を憎悪する魔獣

There was a time when humans lived in fear of these fiends from the shadows
かつて人はその魔獣の影に怯えていた

But mankind received a ray of hope
しかし人は希望の光を手に入れた

The light of hope that was the "Makai-Knights"
魔戒騎士という名の希望の光を

The demon hunters, the pritectors of mankind
『魔獣を狩りし者』、『人を守りし者』……

Thus, they were exalted by humanity.
人は彼らをそう讃えた―――

魔戒騎士・冴島鋼牙はその日の仕事を終え、邸宅へと帰還した。
日の落ちた夜にしか存在できないホラーを相手にする魔戒騎士とて、昼も動く。
ホラーの気配がない昼間魔戒騎士たちは、ホラーがこの現世に這い出るために利用する
『ゲート』に蓄えられた闇のエレメントを浄化する。
鋼牙もその例に漏れず、管轄地内を巡って『ゲート』になりそうなオブジェを数箇所浄化していた。

「お帰りなさいませ、鋼牙さま」
帰宅した鋼牙を出迎えたのは、父の代から鋼牙の家に仕える執事・倉橋ゴンザだった。
初老に差し掛かるとは思えぬほどにバイタリティを備えたゴンザは、
鋼牙の日常を守りし者であると同時に鋼牙のかけがえのない家族でもある。
「ただいま」
鋼牙は軽く笑顔を見せると、纏っていた白いロングコートをゴンザに渡しリビングに向かう。
闇のエレメントの浄化は、体力を消耗する。鋼牙は少しでも休んでから夜の仕事へ向かうつもりだった。
魔戒騎士の本領は、ホラーが活動する夜にあるのだ。

「鋼牙さま……番犬所より、指令書が届いております」
コートを片付けてきたゴンザが、冷えた水とともに封印がなされた手紙を持ってくる。
鋼牙は怪訝そうな顔で手紙を受け取ると、ライター型の魔導具「魔導火」を取り出し手紙を燃やす。
魔戒騎士への指令書はこのように魔導火で燃やして初めて読むことが出来るのだ。
燃え尽きた指令書からは、ホログラムのようにおよそ地球上のどの文化にも見られないような
形状の文字が並ぶ。鋼牙は、この異形の文字を音読していった。


《吸血鬼の王ドラキュラ、北欧の地に再臨せり。 必ずやドラキュラを打ち倒し
 闇に覆われし彼の地に光を取り戻すべし》

「“吸血鬼”? ありゃ確か魔戒騎士の管轄じゃあなかったろう?」
鋼牙の左中指に収まる指輪――魔導輪ザルバ――が鋼牙に問いかける。

吸血鬼とホラーは極めて近く、限りなく遠い存在であるとされている。
共に人や動物の血肉を、果ては魂までも喰らう。夜の闇の中でしか活動できぬ存在。
しかし、吸血鬼とホラーには明確な違いが有る。

ホラーは「ソウルメタル」と呼ばれる金属で作られた武器でしか倒せない。
それが幾千年もの長い間に人類が多数の犠牲を払い、勇気で掴み取った答えだ。
だが、吸血鬼を倒すにはソウルメタルの武器は必ずしも必要ではない。
それゆえに、ホラーは魔戒騎士が。吸血鬼はヴァンパイアハンターが、という暗黙の了解の下に管轄を分けられてきたのだった。

「……つまり、ヴァンパイアハンターではなく魔戒騎士を必要とする程の事態ということだろう」
鋼牙はザルバの問いに対して、正確な答えを持っているわけではない。
だが、この予感は外れているわけではないだろう。ヴァンパイアハンターは魔戒騎士と違い
同業者同士で縄張り争いをし合うほどに自分の面子にこだわっている連中なのだ。
そんな連中が、恥も外面もなく魔戒騎士の支援を許可したということはよっぽどのことと鋼牙は読んだのだ。

「ドラキュラでしたら……確か先代の大河様にも関係のあることだと聞いております」
二人の会話を聞いていたゴンザが、ふと思い出したように話に割り込む。
「本当か、ゴンザ!?」
「は、はい……たしか、1999年七の月と予言された復活の日に合わせた戦いへ参加されると以前より約束していたと……」
だが、その約束は果たされなかった。かつての弟子であり友であった男、
そして力を渇望した果てに闇に落ちた元魔戒騎士・バラゴとの戦いにおいて
先代のガロの称号を受け継ぐ魔戒騎士であり、鋼牙の父であった冴島大河は命を落としてる。

「父さんが……」
鋼牙は、宿命を、いや運命を感じた。
父が志半ばで倒れたが故に、果たせなかった約束。
それを今、運命の歌は自分に果たせと命じているのだ。
そんな鋼牙の決意の表情を見て胸中を察したゴンザが掛ける言葉は一つしかない。
「鋼牙さま、どうかお気をつけて……」

鋼牙の答えはただ一つだった。
「心配するな、必ず戻ってくる―――」
目線はゴンザから飾られている絵に移る。
その目線の先には鋼牙が守りし者が描いた絵がある。
この絵をもう一度見るためにも、自分が人として生きる場所を守りってくれる者たちを守りぬくためにも。
その目には、もはや迷いも憂いも残っていなかった。
『信じて、待ってろ』
心のうちで、鋼牙は絵の描き手に呟いた。

160 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/04/30(月) 19:58:160

>>159
北の番犬所へ赴いた鋼牙は、全ての手筈が整っている事を神官より知らされた。
そして、今回の指令のイレギュラーさも。
『御前試合という形式で繰り広げられる戦いに勝ち抜かなければ目標であるドラキュラに届かない』
力技での突破を試みたヴァチカンの戦力は紙の如く散らされたという。
もはや、人類が勝利を得る手段は相手の思惑の内に入り込み打ち崩すことのみなのだという。

馬鹿馬鹿しい話だ、と鋼牙は心の中で吐き捨てる。
しかし、ヴァチカンがドラキュラの牙城攻略に投入した戦力は、
魔戒騎士の伝説に伝わる人類とレギュレイスの戦いに匹敵する質と量を備えている。
馬鹿馬鹿しい話だからこそ、馬鹿にならねば偶機は拾えないということだ。
微かな不満をザルバに見抜かれもしたが、鋼牙は魔戒騎士にしか使えない「魔界道」を用いて現地に向かうことにした。
今回の目的地には本来魔界道は通っていないのだが、番犬所へ手回しした人物によって開通できたものだという。
これが片道切符になるかもしれないな、という言葉を口中に押しとどめる。
違う。勝って帰るのだ。鋼牙は気を引き締め、一歩を踏み出した。

魔界道を抜けた先に広がるのは、瘴気渦巻く大地と異形の城。
「鋼牙、この地は途方もない邪気と陰我に満ちているぞ!」
「わかっている!」
ザルバの声に鋭く答え、コートから一振りの剣――魔戒剣――を取り出して鋼牙は飛翔する。
裂帛の気合と共に抜刀されたソウルメタルの刃は行く手に立ちふさがる魔物たちを次々に切り倒していく。
「雑魚に構うな、鋼牙! 本番はまだ先だ!」
「身体を温めるには、丁度いい!」

数十を数える魔物の躯を拵えた頃、鋼牙の眼前の光景は豪奢で怜悧な印象の庭園に変わっていた。
「こいつは転移魔術か……どうやら奴さん、暴れられるのは困るという訳だ」
「つまり、ここが試合会場というわけだな」
鋼牙はザルバに邪気を感じ取ってもらおうとして思いとどまる。
この地は既に邪気・瘴気・陰我の渦巻く場所。ザルバの探知能力はもはや効かないものと考えた方がいい。
それに、御前試合という形式を取っているからには相手を探す必要もない。

そして、鋼牙の目の前に現れたのは―――

【場所:侵食庭園】

161 名前:斎月雪那 ◆USETUNAqno :2007/04/30(月) 20:12:130

【ヴィゼータvs斎月雪那/狂乱の庭園】
>>122
「戦うのはいやです・・・でも、諦めて死ぬのはもっといや!
 だから、戦います、私が私である証に!」

並の相手なら、七つの軌道を描いて殺到する刃、その悉くを弾くのは無理。
けれど、相手は並ではない。
一瞬の隙になるかどうか・・・!

そして、それは隙にさえならなかった。

「なっ・・・!」

残光乱――クラウ・ソラスの聖別された刃を通した魔力、その具象化した刃――その全てが圧倒的な剣閃の「量」に霧散した。
有り得ない速度、有り得ない威力。
私の背に冷や汗が流れる。

そして、眩惑するように私の周りから声が響く。
ここ、そこ、あそこ。
四方から声が響き、そして・・・

『セツナ!』

華麟の叫びに振り向こうとする。
だけど、先の速度と威力では・・・到底防げない。

それでも、私は諦めるわけには・・・!
だから、私は振り返ると同時にクラウ・ソラスを振るった。
躱されても構わない。動かなければただ終わるだけなのだから・・・!

ずぶっ。

そんな肉に突き立つような感触と共にクラウ・ソラスはヴィゼータさんのお腹に突き立っていた。
何故、躱さなかったの? いえ、それよりも何故私を攻撃しなかったの?
その答えを得ようとするよりも早く、私の身体は動いた。

突き立ったクラウ・ソラスを媒介に、氣をヴィゼータさんの体内に打ち込む。
蒼輝靭・・・自らの氣を打ち込むことで相手の氣の循環を妨げる技。
けれど、それで終わるわけじゃ、ない!

ヴィゼータさんの身体を蹴り、その反動でクラウ・ソラスを抜き後ろに跳ぶ。
着地と同時に結んだ印はアストラルプレーンに存在する三体の妖精を召喚する印形。

「みんな、お願い!」

妖精たちがヴィゼータさんに駆ける。
その軌跡は螺旋、その威力は星幽アストラル体に及ぶ――――その名も、妖晶剣!

162 名前:屍 十二:2007/04/30(月) 20:17:460

【屍 十二 vs 戦姫】
屍 十二/導入

「これだけの数を相手にねぇ……正気か?」
「正気でやってられるかよ、こんな事」

 雲霞のように群がる悪鬼、凶鬼どもを二人の男が眺めている。

 一人は継ぎ接ぎのコートを纏い、マスクで両目を覆っていた。
 恐らくは盲目(めしい)なのだろうが、その立ち居振る舞いには一切の隙が無い。

 もう一人は真紅のツナギに派手に立てた髪、手にはエレキ・ギター。
 場違いとか言う他無い男の姿は、いっそ悪い冗談のように見えた。

 生ある者であれば、満ちる瘴気で肉体は侵され、非現実的な光景に精神は破壊され死に至るだろう。
 だが此処に立つ男達は、そんな物を全く意に介さない。
 それもその筈。この二人は既に命を失っているのだ。

 継ぎ接ぎコートの男は『屍十二(かばね・じゅうじ)』。
 死体を超人として蘇らせる技術によって蘇った死人兵士。
 そして、ギターの男は『ロケットビリー・レッドキャデラック』。
 魂をエレキ・ギターに宿らせた幽霊。

「今じゃ世界中がイカレてやがるんだ。マトモを装ってても仕方ねェだろうが」
「そりゃ、ごもっとも」

 ロケットビリーが、ややオーバーに肩を竦めて応じる。

「それより――分かってんだろうな、RB?」

 返答の代わりにギターを爪弾くと、エレキ・ギターのサウンドと共に青白い火花が弾けた。
 エレキ・ギターの演奏に伴って発生する静電気を束ね、電撃として放つ。
 物理的な破壊力を持つに至ったロックンロール、それが彼の武器だ。

「任せとけって。お前の道は開いてやるよ、ジュージ」

 彼の言葉を確認して、屍十二は満足気に微笑んだ。
 そして、腰から自らの獲物を抜き放つ。
 一見して『それ』は二振りの日本刀に見えるが、『それ』はそんな真っ当な物ではない。

 鍔であるべき部分は銃身。柄であるべき部分は銃把。それは見紛う事なく二丁の拳銃。
 一振りは銃身から刃を伸ばし、もう一振りは銃把から刃を伸ばしている。
 拳銃と日本刀を一体化させるという狂人の発想。
 『それ』は正しく異形の武器(フリークス・ウェポン)――“ガンブレード”であった。

「そんじゃ、クソ野郎を棺桶に蹴り返しに行くとするか」
「ああ、派手なGIGにしてやろうぜ! Rock 'n' Roll!!」

 二人の死人は示し合わせると、目の前の敵に――その奥の“悪魔城”に向かって駆け出した。

 彼等は別段依頼を受けた訳でも、悪魔城に対して因縁がある訳でもない。
 だが、どうしても城主である“神祖”を許してはおけなかった。

 死人には死人の身の程というものがある。
 それも弁えず、生者の世界を掻き乱す行いは二人を激怒させるには十二分。

 理由は単純明快。『ムカついたからブッ潰す』。ただそれだけだ。

163 名前:千羽烏月:2007/04/30(月) 20:19:050



        ――――何処に居ても、必ず辿り着くと決めた――――

その為なら、それ以外の全てを捨てても構わないと。


>157-158

刃が鬼に届かんとする刹那、違和感が襲ってきた。
体の芯のぶれが切っ先のぶれになる。
四度目の一撃は、届かなかった。

「っ――――」

咄嗟に一歩後ろに下がる。
つぶさに見れば……あった。
鬼が床に突き立てた折れた剣――そこから広がる皹が。
怪力が故ではない。ありえない。

そうであるならば、この身体を震わせる音の説明がつかない。
そうであるならば、この心を揺さぶる振動の説明がつかない。

人外のものが持つ理によって生じた、致命的な破壊。
言われずとも悟った予感は、すぐに現実になる。

激しくなる崩壊は、今立っている足場すら崩したのだ。
瓦礫を透かして見る奈落の底は、遥か彼方。

「――――床が崩れただけで、逃げられると思うな」

仰向けのまま堕ちていく鬼に、体勢を崩しながら突きを放つ。
型も何も――そも足場もない、腕から先だけを使った突きを。
掻き乱される髪が、羽のように広がって鬱陶しかった。

私は行かなければならない。

【《罪人の塔》最上層にて】

164 名前:屍 十二:2007/04/30(月) 20:23:260

>>162
【屍 十二 vs 戦姫】

 そして、数時間後。
 襲い来る数々の敵を退けながら、屍は城内を駆け巡っていた。

「――チッ、とはいえキリがねェな」

 ガンブレードを振り、纏わり付いた血と脂を振り落とす。
 この程度で切れ味が落ちるような鈍らではないが、余り続くようだと面倒な事になる。

 既に弾倉も幾つ取り替えたのか、覚えてもいない。
 分かっているのは、饐えた腐臭を発するクソどもには手当たり次第に弾丸を叩き込んだ事だけだ。

「クソムカつくぜ……数だけは多いと来やがる」

 ガンブレードの弾倉を交換し、屍は更に歩を進める。
 この狂った城の中では足場すら覚束ない場所もあったが、彼が進む上での問題にはならない。
 何も知覚を行うのは目だけではない。嗅覚、聴覚、触覚、味覚、そして“気”を感じ取る第六感。
 視覚を失った分、他の感覚がそれを補うように発達した屍は、むしろより正確に空間を把握する事が出来るようになっていた。

「ったく、この城は一体どうなってやがる? 昇ってんだか下ってんだか分かりゃしねぇ。
 イカレ野郎は城ン中までイカレてやがんのか」

 だが、屍の知覚能力をもってしても首魁の元へ一直線、という訳には行かなかった。
 常識が通用しない“悪魔城”内は迷路も同然。あちこちへ振られ、手間取るのも無理は無い。

「……まぁいい。何処行こうがやる事は決まってんだ。
 臭ェ奴等を撃って刻んでバラす。そうしてりゃ何時かはブチ当たるだろ」

 屍が進んだ先――其処で彼を出迎えたのは割れるような歓声と罵声だった。

「……ああン? 何だこりゃあ?」

 まず鋭い嗅覚が、もう嗅ぎ慣れてしまった低級な妖魔どもの臭いを察知する。
 ぐるりと取り囲まれているのは別に問題ではない。
 次に感じた風の流れは、何故か目の前に開けた空間がある事を示している。
 一斉に襲い掛かればいいものを遠巻きに囲んでいる、という不可解な状況が其処にはあった。

 しかし、屍の真正面。そこから感じる妖魔のものとは異なる気配を捉えて理解に至る。

「成る程な、俺を見せ物にしようってハラか。何処までもムカつく連中だ」

 屍は銃口を相手に向け、互い違いの刃が天地を指す形で、ガンブレードを構える。
 尋常の剣術では考えられない構えだが、間合いを選ばないガンブレードに剣の術理は相応しくない。

「――見物料は安かねェぞ、ドサンピンどもが」

 言い終わるが早いか、屍の背から鬼の貌(かお)が現れた。
 鬼は錯覚ではなく、実体ある炎だ。
 燃え立つ炎は、コートを焦がす事も無く赤々と燃え上がる。

 超人兵士であると同時に、屍は朽葉流忍術を修めた忍者でもある。
 炎は“気”を用いた忍術の前触れ、いわば導火線に火を点けたような状態。
 それは即ち――全力を持って、この場に居る存在を殲滅するという意思の表明だった。

(場所:侵食煉獄闘技場)

165 名前:デスマスク ◆xmpp2OfICI :2007/04/30(月) 20:47:210

黄金騎士 対 黄金聖闘士 (デスマスク導入部)


(ナレーション/田中秀幸)

女神―アテナ―を守り、地上の正義と平和を守るべき存在。
それが聖闘士―セイント―。神話の時代より受け継がれしその聖衣―クロス―を纏い常に
世界を邪悪から守ってきた者達。
ギリシャ、聖域―サンクチュアリ―にその拠点は在る。

黄 道 1 2 宮

聖闘士の頂点に立つ、12の存在。最強無敵の存在として語り継がれてきた戦士達の名を
黄金聖闘士―ゴールドセイント―を呼んだ。
その力、地上のあらゆる現象を操り宇宙の力さえも使いこなすとまで言われた。

そして、今。地上にその姿を現した悪魔城の主、ドラキュラの野望を阻止せんとする為
アテナの聖闘士が向かう。
地上の正義、そして平和の為……

のはずであった。

――ギリシャ・聖域 教皇の間

「デスマスク……このような命を受けてくれるのはお前だけであろう。」

聖域の中でも、最も深い場所に存在する教皇の間。
そこへ招かれるは黄金聖闘士、蟹座―キャンサー―のデスマスク。
おおよそ正義の聖闘士とは最も縁遠いこの男が呼ばれた理由とは如何に。

「この俺をわざわざお呼びとは……」

粛々としながらも、邪気を放つこの男。
他者を排除するには、こういった危険な存在が必要な場合もある。

「デスマスクよ……私が、お前に教えた”真実”。そして、その野望。
そしてその真実を知った今でも私に忠誠を誓うという事実。
その思いに、私は応えようと思う。」

デスマスクは、笑う。教皇の正体など、この男にとってはどうでもいい事。
ただ「今と同じように力で全てを征服する」ことが叶えば他はどうとでもなる。
それがデスマスクの考えであった。

「貴方の真実など……俺にはどうでもいいことですよ。
私はただ、力による正義の執行が叶えばいい。ただ、それだけの事。」

教皇は思う。このような男が、聖なる存在とは神も気まぐれなものだと。
しかし、自分の手駒としてここまで都合の良い存在もあろうか。

「その言葉を待っていた。私が目指すのは”人が神を、魔を操る世界。
流血と死が溢れる慟哭の世界”。それ以上でも、それ以下でもない。
そして……悪魔城の主。魔王もその例外ではない。」

神を操り、更には魔王さえも蹂躙する。
それが教皇……いや、この男の野望だ。
デスマスクはゆっくりと踵を返すと手を振りつつ間を後にする。

答えは1つ。YESだ。
悪魔を殺し、魔族さえも平伏す。これこそが自らの求めていた世界。
殺して、殺して、殺しまくればいい。

 ―幻 朧 魔 皇 拳―

……!?

一瞬でデスマスクの目から光が消えた。
意識を失う寸前にデスマスクが聞いた声……幻聴?


「デスマスク……許せ。貴様の力を信じていないわけではないが、
念には念を、な。フッ…フハハハハハハ!!!!!!」

166 名前:戦姫 ◆cr6uqIKUSA :2007/04/30(月) 20:48:040

【屍 十二 vs 戦姫】

 戦姫導入

 JAPANにおける第三次戦国時代は、織田家による統一をもって終焉を迎えた。

 文章にしてたったの1行。
 だが、これだけの為に人は多くの血が流し数え切れない悲劇が生み癒しきれない
悲しみを残して来た。
 それでも、戦国の世は終わった。

 人々は戦に怯えることもなく、未来(あす)の喜び信じて今日(いま)を生きていくだろう。

 故にこう締めくくろう。めでたし めでたし。



 しかしだ。
 戦いを喜びとし戦う為に生き延びた者にとって、それはどうだったのだろうか。



「ふっ! はぁぁっ!!」

 何の技巧もなく、力任せに振るった薙刀が妖魔の首を纏めて刎ね上げた。その数5体。
 そのまま動きを止めることなく刃を振るい、前へ前へと進んでいく。
 一刃煌くごとに血飛沫が舞い、悲鳴が戦姫の耳朶を打つ。

 笑みを浮かべ妖魔どもの中、刃を振るい続けるそれもまた鬼と見えたかもしれない。

(だが、物足りない…)

 敵の数は申し分なし。
 戦を思い起こさせるには十分だった。だが、まだ足りない。
 ここには兵たちの鯨波がない。襖の如く連なった槍隊もない。剣林弾雨矢の嵐。
 身を焦がす敵兵の怒りもなければ、身を竦ます輩の断末魔もない。
 怒りも恐怖も悦びも何もかもが足りなかった。

「はぁぁ!!」

 刃を突立てたまま、その躯ごと薙刀を振り回し遠心力で放り投げる。
 背後にいた妖魔には無造作に石突で打ち、振り向くことなく進み続ける。

 目的があって進んでいた訳ではない。ただ、敵が多いほうへと進み続けている内に、
気がつくとそこにたどり着いていた。


『 戦姫が進んだ先――其処で彼を出迎えたのは割れるような歓声と罵声だった。 』


「…………」

 何の感慨もわかない。
 観客席で騒ぐ有象無象に一瞥をくれ――だがすぐに目を正面へと転じる。

 今の状況は何一つ分からない。
 ここが何処で、この妖魔どもが何者で、目の前にいるアレが何者であるか。
 分かること1つ。

「ここが、私の戦場か」

167 名前:デスマスク ◆xmpp2OfICI :2007/04/30(月) 21:05:310

【悪魔城 場内】

意識を失ってどれいくらい経ったのだろうか。
目を覚ますと、そこは既に悪魔城の中。邪気が渦巻く禍々しい城が姿を現す。
どうやら――俺は、少しばかり居眠りをしていたらしい。

「教皇が、気を利かせてここまで”転送”したのか……チッ」


目の前に咲くのは、優雅な花々たち。豪勢な噴水が敷かれた庭園といったといころか?
ケッ…悪魔の癖に、洒落てやがる。デスマスクは、地面に唾を吐くと不気味に微笑んだ。
どうせ血で汚れる場所だ……優雅さなど何の意味もない。
およそ死を司るデスマスクには程遠い絵面だ。
俺が目指すのは、殺戮による混沌。そして、力による正義。

「如何にも悪党ってツラの魔物どもがいきがる時代はもう終わりだ……
これからは、俺たち人間がテメェらを従える。そうだ、俺こそ正義だ。
力を持つものこそ正義……それにしても、この庭の花は気に食わん。アフロディーテの野郎なら喜ぶだろうが…」

独り言の途中――
何者かの気配。この小宇宙―コスモ―は……限りなく強い。
人間とは思えない程の力と、そして危険な匂いがする。

まぁ、間違いなく「大物」だわな。

デスマスクは至上の幸福を感じると共に、月下の輝く金色の聖衣―クロス―を
見せ付ける。白いコートを着た、精悍な顔つきの青年へ。

「キャンサーのデスマスク、教皇の命により……貴様を殺す。
あ、答えは聞いてねぇや。」

168 名前:リア・ド・ボーモン ◆Poesie/ZHU :2007/04/30(月) 21:08:210

【リア・ド・ボーモンvs千羽烏月】


>163

 ニ度―――血が飛沫く。
 白刃がリアの胸を貫いたのだ。

 ―――しかしながら、千羽烏月の一撃は未だリアに
届いていない。つまりリアは、自らの刃で自らの身体を
刺したのだ。それも、折れた剣で無作法に。
 どういうことか。
 墜落死するものは地面に叩きつけられる前、すなわち
落下の途上で息絶えるという。人の心では耐えられぬ
恐怖が、そうさせるのだ。
 ならば―――これは自決か。
 あまりの恐怖に耐えかねて、リアは白刃でもって自ら
命を絶ったというのか。
 ―――否。
 そうではない。

「トートの剣よ! 折られ千切られた一筋の秘蹟よ!」

 リアは、自らの胸に刺した剣を思い切り引き抜いた。
 しかし、そこに刺し傷はない。血も止まっている。
 ばかりか―――。

「我が戦意に応え―――今一度その姿を顕せ!」

 トートの、折れた白刃が―――戻っていた。
 トートの剣とはひとつの詩である。詩を絶つ働きを詩化した、
いわば《終始譜》の詩である。例え、折れようと砕けようとも
―――詩の集積であるリアの肉体に浸せば、再び整えられるのだ。
 そうして、トートの剣が息を吹き返したという事は―――。



169 名前:リア・ド・ボーモン ◆Poesie/ZHU :2007/04/30(月) 21:08:480



「―――ネル! 来てくれたのね!」

 崩れ落ちる建物の破片を飛び石のように超えて、一匹の猫が
姿を現す。これこそがトートの剣の要、「導きの獣」である。
 彼女はずっと待っていた。
 リアがこの世界に召喚されたとき、彼女はこの塔の結界
―――即ちAU VERSの血文字―――に括られていたのだ。
塔が破壊され、血文字が絶えた今、導きの獣は―――
詩の根源たる「情緒」は、ようやくにその自由と放埓とを
取り戻したのだ。
 最後の破片を蹴った瞬間―――。
 猫は一筋の光と転じてトート剣に吸い込まれる。


「《はじめに言葉ありき》!! ―――エクスシアイ・アルカイ、
デュミナス、キュリオテテス、導きの獣を遣わせ!」


 途端―――白刃に文字が宿った。
 鍔際から切っ先まで―――びっしりと。見たこともない文字が。


「トートを―――」

 迸るように、叫ぶ。

「―――言祝げぇぇぇえええッ!!」


 既にトートは剣にあらず。
 それはひとつの抽象である。
 世界という散文詩に句読点を刻み込む神意の顕現であり、
詩を律する形而上の詩の表れでもある。まともに触れれば如何なる
人外であっても、草叢に落ちた五月の雨の如く、跡形もなく
消え去るであろう。リア・ド・ボーモンと千羽烏月の死闘は、ここに
決着を見たかのように見えた。



170 名前:リア・ド・ボーモン ◆Poesie/ZHU :2007/04/30(月) 21:09:080



 ―――しかし、リアは致命的なミスを犯していた。

 早い話、千羽烏月を侮っていたのだ。最初の交錯で脚を斬られた時、
深手と引き換えに首をはねることも出来た。しかし、ネルをこの塔から
解放するために、あえて無謀な闘いを続け、その結果、見事詩の力を
取り戻したのである。
 ―――けれどその時には既に、リアは疲弊しきっていた。

 恐るべきは千羽烏月の剣技か。
 どうすれば人の身で、あれほどの強さに至れるのだろう―――。

 絶大なる詩想を秘めた剣技とはいえ、突きは突きだ。当たらなければ
何の用も成さない。もしもかわされれば―――リア・ド・ボーモンの命運は
今度こそ尽きるであろう。

 かけらの偽りも残さず―――。
 どちらに転ぼうと、これが終幕の一閃である。


【処―――崩れ落ちる奈落にて】

 

171 名前:魔人ヴィゼータ ◆VZ/G9kPv8E :2007/04/30(月) 21:10:590

【ヴィゼータvs斎月雪那/狂乱の庭園】
>>161

下腹部にとすっ、という軽い感触。
少し遅れて熱くてイタい何かがじわじわと広がって。
外側には赤く、 内側には熱く、しわじわ。 じわじわ。

「え……ッ!?」

剣を振りかぶったまんま硬直するヴィゼータ。
自分の下腹に突き刺さった剣を見ても、まだ信じられないといった面持ちで。
バカな。 そんな。 あり得ない。 ないない。
速さも技量もセツナよりもワタシのが上。 段違いに上。
そう。 だからこんな光景は何かの間違……

「ガッハァ……っ!」

でも、そんな希望的観測は、刀身から発せられる気の奔流に押し流される。
魔人を魔人たらしむる体内の魔導力。
それを直接抉られ、かき回され、蹂躙されたカッコ。
血塊と苦鳴を吐き散らしながら、それでもお腹に刺さった刀身を引き抜こうと身悶えするが。

ばっこん!

セツナの更なる追撃。
凶器は御神路学園中等部指定シューズ。
全体重とついでに魔導力も込みで足形を思いっきりカッコの一張羅に刻印し、吹き飛ばす。
それはもう、先ほどブレザーを切り裂かれた恨みと言わんばかりに。

「ぬぅぅ〜っ… 不覚!
みーこ様とマクレガーさんにやられて以来の不覚……ひゃっ」

それでも剣を杖に立ち上がろうとしたカッコ。
でも立ち上がった先には、満を持して放たれた次の攻撃が待ち構えていて。

「がぁぁぁぁぁっ!!」

その一撃は、魔人の肉体を構成する魔導結合を直接鈎ぎ裂いて、シェイク。
巨大なミキサーに掛けられたような、全身がバラバラになる感覚。
それを知覚したのは、何mも先にあった茂みの中に突っ込んでからの話。
もう、全身ボロボロ。 血がボドボド。 ついでに魔導力もデロデロ。

「……くぅ〜っ。 ちょっと甘く見過ぎていたようだにゃ〜……
斎月雪那! たった今からお主を全力で戦うべき相手と認めるんだにゃ……かはっ!」

それでも、カッコは立ち上がる。
身は黒いマントをたなびかせ、瞳には赤い赤い魔洸を帯びて。
下腹の傷から夥しい量の血を滴らせながらも、その剣先は未だ揺るがず、セツナの心臓へと向けられる。



172 名前:屍 十二:2007/04/30(月) 21:20:050

【屍 十二 vs 戦姫】
>>166

 血に塗れた臭いに、微かに混じる芳香。
 屍は己の嗅覚を一旦疑った。それは、間違いなく人間の女の匂いだったからだ。
 城に侵入したのは自分だけではないと知ってはいたが、まさか女まで居るとは。
 そんな風に驚く間も無く、構えを取る気配が伝わって来る。

(ハッ――向こうも殺る気満々、ってワケか)

 鮫のような笑みを浮かべ、屍は地を蹴って飛び出す。
 死人兵士の身体能力は一般のそれを遥かに凌ぎ、更に忍者の歩法がそれを加速させる。
 瞬きをする間に、50mは開いていたであろう間合いは、25mにまで詰まっていた。

「女をバラす趣味はねェが――」

 踏み出した足を撓め、バネ仕掛けの如くに跳躍。
 高々と飛び上がった屍は、狙いを定めもせずに引き金を絞る。

「向かって来るんなら、手加減は出来ねェぞ!」

 ガンブレードから吐き出される9mm弾は局地的な豪雨となって対面へ降り注いだ。
 敵手に命中しない弾もあるだろうが――それは観客席で騒ぎ立てる雑魚どもを穿つ事になるだろう。
 中空よりの雨は、平等に、誰にでも等しく死を齎す。

(場所:侵食煉獄闘技場)

173 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/04/30(月) 21:32:070

>>160 >>167
目の前に現れたのは黄金の鎧を身に纏う男。

「キャンサーのデスマスク、教皇の命により……貴様を殺す。
あ、答えは聞いてねぇや。」
男は薄笑いを浮かべながら名乗りをあげる。

「おい、鋼牙……こいつもしかして」
「……女神の聖闘士か」
魔戒騎士の誕生とさほど変わらない時期にこの世に生まれた正義を守る存在、聖闘士。
伝説の存在、というより戦うべき敵が神話の彼方にしか存在しない戦士。
神話の時代から受け継がれた「聖衣」を身に纏った聖闘士は星をも砕くという。

「我が名はガロ、黄金騎士だ」
鋼牙は右手の魔戒剣の刀身を左手に乗せ、弓を引き絞るように構えた。
ガロの系譜独特の構え。剣も拳も蹴りも自在に放つことが出来る万全の構え。

「俺も答えは聞かないが、一つだけ問おう」
鋼牙はデスマスクと名乗った男を睨み付け、言葉をつむいだ。

「―――貴様に守りし者は居るか?」
鋼牙は両腕を左右に伸ばしながら、マシラのごとく飛翔した。

【場所:侵食庭園・噴水前】



174 名前:斎月雪那 ◆USETUNAqno :2007/04/30(月) 21:43:160

【ヴィゼータvs斎月雪那/狂乱の庭園】
>>171
蒼輝靭、妖晶剣の連続攻撃。
けれど、これで倒せるような相手では、ない・・・
それでも、先の攻撃は効いたはず。
彼女はおそらくアストラルプレーンにその存在の多くを担っている存在。
止めにならずとも、随分と打撃になってはいる・・・なっていて欲しい。

立ち上がるヴィゼータさん。
その瞳の力は更に強く、その剣先は過たず私の心臓を指し。

「私は最初から全力です・・・!」

全力でもなければ、勝負にならない。
つい先程まではそうだった、けれど、今ならば・・・

「ヨッドハー・バウハー!」

自らの霊威を高める。
今よりも、今以上の力で・・・限界を超えた力で!

左手の天命石リア・フェイルが輝く。
魔力の輝きが蒼い炎に変わり、鳥の姿を取る。

「燐凰断!」

蒼い火の鳥をヴィゼータさんに向かって放つと同時に、私も駆ける。
風の速さで、ただ、駆ける。

175 名前:デスマスク ◆xmpp2OfICI :2007/04/30(月) 21:46:000

>>173
―― 我が名は ガロ 黄金騎士 ――

目の前に現れた青年の言葉に、デスマスクはニヤりと笑うと
マントを翻す。鼻を掻きつつ、首を回し青年の体を舐め回すように見つめる。
俺も、聞いたことがある。確か……

(人間の陰我を糧にして生まれる魔獣を狩る事を生業とする伝説の騎士…
そしてその最高位に存在するのが黄金の騎士 牙狼―GARO―)

「なんだ……同業者、ってわけか?まぁ、そんなら……」

道化師のように手を広げておどけて見せる。
独特の構えでこちらへ迫る騎士へまるで警戒感の欠片もない。
それが逆に不気味ですらあるのも確かなのだが。
女神?あぁ、そんな奴もいたっけなぁ……まぁ、”そんなこと”はどうだっていい。

青年の問いを、耳垢を穿りながら聞く。
まるで自分の話ではないかのように、憮然としている。
飛翔し、こちらへ迫る敵の問い。

――守りし、者……か。

―― なんだ?そりゃ。

「……そんなモンはねぇよ。あ……そうだ。
壊すべき者なら腐る程いるぜ……目の前のテメェもようになぁ!!
アヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!せーの!!」

狭笑しながら、片足倒立で瞬時に飛び上がるデスマスク。
飛翔し、襲い掛かる戦士を脅威の蹴技で迎撃する。


【場所:侵食庭園・噴水前】





176 名前:千羽烏月:2007/04/30(月) 21:47:350

>168-169

届かない。
片手打ちの突きは、無様に空を切った。
ならば次だ。
そうして刃を引こうとした瞬間、奇跡を目の当たりにした。

鬼が胸に突き立てた折れたはずの剣が、ずるりと――元通りになって、抜け出てくる様を。

「…ン………………ソワカ」

だからどうした。
心中で叫び、緩慢な動きで身体を捻る。
回る視界の隅を、何かが横切った気がした。

「…ン・マカ……エイ・ジリ…………カ」

真言を紡ぐ。
ひたすらに、それだけしか言葉を知らぬように。
其処に篭める言霊は唯一つ。

「――――オン・マカ・シリエイ・ジリベイ・ソワカッ!」

叫びと共に不自由な身体をぐるりと回し、その回転を乗せて上から落とす。
奇しくも、ほんの少し前に鬼の剣を叩き折った時の様に相手の突きと交錯する。


        ――――桂さん。貴女にもう一度会いたい――――


だが、あの時と同じではなかった。
鬼の刺突は真価を発揮し、私の一刀には碌な気も篭っていない。
故に、その結果は真逆に。

折れず錆びずと謳われた霊刀が折れ飛ぶ音を、幻聴として聞く。
幾らかは逸れ、それでも尚止まらぬ切っ先は、左の肺に深々と突き刺さった。

【《罪人の塔》の半ば、堕ちていく最中】

177 名前:戦姫 ◆cr6uqIKUSA :2007/04/30(月) 22:00:300

【屍 十二 vs 戦姫】

>>172

 戦姫は戦に悦びを見出す人間だ。
 だが、決して悦びの為に戦を起こす人間ではない。

 JAPANの戦乱が終わったとき、戦姫は一人天満橋を渡った。
 橋の向こうでは3つの大国が互いに牽制し合い、或いは衝突を繰り返しているという。
 自由都市地帯には無数の中小国家郡がひしめいている。
 そして魔人たち率いるモンスターども…

 きっと自分が求める戦場は、この橋の向こうにあるだずだ。
 魔人ザビエル率いる魔軍、そしてザビエルのとの最期の戦いが行われた橋に立った時、
戦姫はそんな期待を抱き、まだ観ぬ戦場に心躍らせた。



 正面の男――継接ぎだらけのコートに、継接ぎの顔――手には奇妙な鍔の剣が2振り。
 何者かは分からないが、こんな所に居る者が真っ当な人間であるはずがない。
 重要な事は1つ。この相手はこの戦を、より滾るものにするか否か。

(それだけだ…)

 殊更気を込めるでもなく、左手を軽く脇に付け右手を耳の高さに取り肘を軽く張った。
 薙刀下段の構え。下段の構えは守りの構えだ。切っ先を下げ己が身を守り、相手の足下を
狙いながら攻撃に応じる。

 今までの雑魚相手の準備運動のような戦い方が出来る相手では――少なくとも見て取れる限り
そんな相手ではない。戦姫は戦好きであっても莫迦ではない。
 出方を伺おうとした時、先に動いたのは相手だった。

 特殊な歩法か、間合いを一瞬で半分にまで詰められると、次の瞬間には跳びあがっていた。

「忍者っ!」

 剣士だと決め付けていた訳ではないが、やや意表をつかれ初動が遅れた。
 跳びあがった相手が手にした()()を、こちらへ向けた時、
 考えるよりも前に前に姿勢を低く飛び出した戦姫の背を何かが掠っていった。

 拳銃。種子島やチューリップしか知識にない戦姫が反応出来たのは、純粋に勘。
 戦場で培った危機回避能力であり、そして半ば運であった。
 あのまま間合いを詰められ撃たれていればそれまでだっただろう。

 跳んだ敵の下を交差する形で一気に駆け抜けると、右足を軸に全力で方向を転換。
 逆方へと駆け、着地する相手を狙い薙刀を振り上げた。


 その前方、不運な観客が銃弾の餌食になったいたのが目に入るが、今はまだ関係のないことでしかない。


(場所:侵食煉獄闘技場)


178 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/04/30(月) 22:01:010

>>175
月下の庭園に、舞う影――― 一つ、二つ。

「……そんなモンはねぇよ。あ……そうだ。
壊すべき者なら腐る程いるぜ……目の前のテメェもようになぁ!!
アヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!せーの!!」

デスマスクは、鋼牙が考えうる中でも最悪の解答を返してくれた。
―――この男は、危険だ。
正義や愛など追い求めていない。いや、こいつが追い求めるものは破壊と殺戮。
歪みを歪みと思わぬもの。それは紛れもない『陰我』だ。

“せーの”でデスマスクが繰り出した充分な速度の乗った蹴り。
鋼牙はその足に合わせるように魔戒剣を振り抜いた。

金属音。破裂音。重低音。爆裂音。
不協和音としか表現できない音が空間を渡り、二人の着地と同時に掻き消えた。

「鋼牙! こいつはやばいぞ! あの聖衣の固さはソウルメタル並みだ!」
そう、鋼牙とザルバの記憶によれば『黄金の聖衣は破壊できない』と言われている。
ソウルメタルとて簡単には破壊できる代物ではない。
だが、魔戒剣ではデスマスクの纏う黄金聖衣を貫けないのも事実なのだ。

「守りし者はいないか―――」
鋼牙はザルバの叫びに答えを返さず、再び剣を構える。
「ならば、俺はお前を倒すのに躊躇はしない……貴様の内に眠る陰我諸共に」

断つ。
言い終わるか否かで、鋼牙はデスマスクとの間合いを一気に詰め連続の斬撃を打ち込んだ。
ソウルメタルは持つ者の心に答える鋼。
鋼牙の勇気と想いが強ければ、黄金聖衣さえも断つことは可能なのだ……!

【場所:侵食庭園・噴水前】


179 名前:◆OdIoUsLjVw :2007/04/30(月) 22:03:420

―――憎しみがある限りいつの世であろうと魔王は生まれる。
そして、誰しもが魔王になりえる。

魔王ドラキュラもそうなのかもしれない。
彼が呪となったのは元をたどれば人間のせいである。
そう、彼もまた憎しみの犠牲者なのであろう。

誰の心にも魔王は宿る。
人々の心に憎しみがある限りその魔王はいずれ世界を滅ぼすであろう。



「―――まだだ、まだ私の復讐は……終わっておらぬぞ!!」

And,the tragedy is repeated.

NEVER END


180 名前:リア・ド・ボーモン ◆Poesie/ZHU :2007/04/30(月) 22:12:550


【リア・ド・ボーモンvs千羽烏月】


>176

 かくして、落下劇は終わった。

 大袈裟に言えば黙示的でさえあった《罪人の塔》の崩壊―――

 罪の裁き(Le Jugement)というにはあまりに過激であり、あらゆる
虚飾を、一緒くたに丸剥ぎ(GLUME JE NET)にしてしまうような、
激烈を極めた崩壊劇の―――。

 その後。
 唯一建ち残った大きな壁に、大きな引っかき跡が残っている。
 それは例えば―――その側を落下するものが、壁面に刃を立てて
制動を掛けようとすれば、このような疵が残るであろう。
 馬鹿げた想像であるが―――天から地へと縦に一本、無造作に
引かれた線を見れば、そんな想像をする他ない。
 事実―――
 壁の脇―――基底部のかけらに背なを預ける、二人の人物が見える。

 一人はブロンドの貴婦人である。
 とはいえ夢のように鮮やかな、青のローブ・ヴォラントは血飛沫に染まり、
その顔色にも生気がない。
 満身創痍もいい所だ。
 しかしながら、もう一人の少女よりは―――その身体は、健常に近かった。

 もう一人の少女は―――既に、殆ど息がない。
 ただし目立った外傷もない。肺を貫いた刺し傷、おそらくこれが唯一にして
致命の瑕である。
 眸は―――彼女の魂の窓は、既に虚ろである。
 ならば、この身体はすでに洞なのであろうか。宿すべき魂をうしなった、
冷たい空の棺に過ぎないのだろうか。

 ―――ふと、ブロンドの貴婦人が立ち上がる。
 片手には剣を担いでいる。婦人の印象には似合わない、大きな装飾剣だ。
彼女は―――倒れ臥す黒髪の少女の前に立つと。

「この哀れな詩に―――」

 右手に剣を掲げ、

「終止符を」

 ―――その首筋へと、走らせた。


【崩壊後、《罪人の塔》にて―――エピローグ?】



 

181 名前:屍 十二:2007/04/30(月) 22:27:400

【屍 十二 vs 戦姫】
>>177


 銃弾が標的を打ち抜き、血飛沫と悲鳴が上がる。
 だが、その血の臭いは腐臭だ。対していた女の物ではない。
 屍が撃ち抜いたものは逃げ遅れたマヌケだけに留まった。

 周囲の妖魔たちはそれを盛り上げる為のパフォーマンスとでも思ったか、より大きい歓声を上げる。

(流石に初手で仕留められるほど、甘かねぇか)

 銃弾を浴びせ掛ければ、普通は怯み逃げようとするものだ。
 だが、女は逆に前へと踏み出してきた。
 乱射の中を更に進むなど、自殺志願の行動でしかない。

(オマケに、予想以上に厄介そうだ!)

 空気が自分の後ろへと流れていく感覚。
 そのまま走り抜けて着地点を狙うつもりだろう。

 風を切る音から重さと形を推測。敵の武器は長物――薙刀だろう。
 迫る白刃の軌道を脳裏に描く。その刃は自分が無防備な瞬間を狙って来る。

「こっちもそう簡単に殺られる気は――」

 落下の軌道を変更する事は出来ない。
 屍は空中でバック転する形で天地を逆にして姿勢を転換。

「――ねェッ!」

 刃が自らの身に達する直前――。
 柄の部分にガンブレードの銃身を叩き付ける事で、それを押し留める。
 そして、相手が振り上げた勢いは殺さず、そのまま重力を加味した蹴撃を繰り出す!

(場所:侵食煉獄闘技場)

182 名前:魔人ヴィゼータ ◆VZ/G9kPv8E :2007/04/30(月) 22:27:540

>>174
【ヴィゼータvs斎月雪那/狂乱の庭園】

遠距離。 こちらの剣先の届かない位置から放たれたセツナの法撃。
彼女の魔導力の性質を体現してか、蒼く燃え上がる不死鳥の形質を具象。
ワタシの命の灯を巻き込んで消し去ろうと、真っ直ぐに、真っ直ぐに向かってくる。
これは、ヤバい。
万全の体勢であるなら、ヴィゼータの剣は不死鳥を瞬時に切り裂き、
消し飛ばしてしまえるだろう。
だがしかし、今のワタシは手負いの身。
まだなんとか立ってはいられるけど、こんなふらつく足腰では
本来の威力などとてもとても……

と、珍しく弱気になったカッコ。
やべーじゃん。 このまま人生、じゃなくって魔人生の記憶が走馬灯のように!?


――――――――――

「ヴィゼータよ。 君は魔導力というものをどういうものだと思っているかね?」

暗黒魔導を極めた挙げ句、自らをも不死の王として蘇らせたアウターは問う。
 
「あ、はい。 え〜と……

……うにゃ〜〜。
何て言うか、その……考えたこともありません。
だってだって。 ふつー、自分がなぜ呼吸してるのかなんて考えないしね?」

「よろしい」

「ふぇ!? いいんですか?」

軽く頷いたガイコツは、ぽっかりと空いた虚ろな眼で嗤う。

「そうとも。 魔導力の本質というものは、実に単純で簡単なものなのだからね。
人間ならそれを理解するのに大変な修練を必要とするのだがね。
だが、君は何かね? そのことをよく考えてみたまえ。
そしてここから先は宿題だよ。 よく考えてみることだ」

――――――――――

ここにきて、何故か鮮明に浮かび上がってきた不死王との会話。
いや、そもそも過去にこんな会話などあったかどうか。
でも、そんなことは関係ないない!
大切なのは、目の前に迫るセツナの不死鳥にどう立ち向かうかだ。

「ふふ、ワタシ。わかったよ。
リッチさん…… それにセツナ……
魔導力っていうのはね?」

ヴィゼータ、剣を両手で構えて上段に大きく振りかぶり。

「つまりは、こーいうことだぁぁっっ!!」

そのまま、渾身の力で刃先を真下に、冷たい石畳の地面へと振り下ろす。
その切っ先は加速して加速して加速して。

どぉん

大爆発。
音速などとうに通り越した速度と剣気とが大地を吹き飛ばす。
無数の石塊と土塊とその他もろもろを巻き上げた爆風は。
指向性をもって迫り来る不死鳥、更にその先にいるセツナめがけて飛んでいく。

183 名前:マリア・バルゼリート ◆AMIGOF7b.c :2007/04/30(月) 22:32:560

>>156

直刀 VS マリア・バルゼリート


「つれないねアミーゴ! もっと楽しもうよ!」

マリアの繰り出した一閃を、少女は抱えていた長形のバッグで受け止める。
ムラサーミァを持つ手に伝わる、布を斬り裂く感触と、硬い手応え。
同時に響く金属音。
その一撃で、マリアは少女の持っていた荷物が何かを、瞬時に理解する。

「あは、私と同じだね、アミーゴ! 私今、とっても楽しくなってきたよ!」

バックステップで飛びのき距離をとる少女を敢えて追撃はせず、マリアは爛漫な笑顔でそう言った。

「それじゃ、勝負だね、アミーゴ。
あなたと私の刀、どっちがより強くて、どっちがどっちの血を吸うのか―――」

つい先刻、マリアが取ったのとほぼ同じ構えで、一足飛びに襲い掛かる少女に対して、
マリアは右手に構えたムラサーミァを剣閃の軌道上において防ぐ。


じゃりぃぃぃっん


火花と共に、金属音が散る。
刹那に咲いた光の花が消え去る前に、マリアは次の行動に移っている。
ドレスの腰に差した二本の、、、鞘から、左手で刀を抜き放つ。
マリアのもう一刀の相棒、コチーテ。
ほとんど居合い抜きにも近い、高速の抜刀。
それをマリアは攻撃を受けた不利な体制から、いとも容易くやってのけたのだ。

「まあでも―――私のほうが強いんじゃないかな?」

抜刀の動きをそのままに、マリアは二本目の刀を少女に向けて撥ね上げる。

184 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/04/30(月) 22:34:150


「龍玉よりも巨大な力――か」

 目の前に聳え立つ城は相当に邪悪な気を放つ。あたかも悪魔の根城――もっともその通りなのだが――
のようだ。道中には動く骸骨や、人の身の丈を超えた魔物が跋扈していた。
 ファンタジー世界の住人にでもなったような気分だった。

「だが――それさえあれば、劉備の力すら御せる」

 化物を打ち倒しつつ漸くここまで来たのだ。今更恐れ戦き逃げるわけにも行かない。
 なにより、例えどんな手段を取ろうとも劉備に覇権を。

「その為にならば、私は鬼と成ろう。修羅と成ろう――」

 なんとしても彼女に。
 歴史を悪戯に繰り返さない為にも、彼女に。
 劉備の為に。

「関羽雲長、推して参る」

 例えどんなものが待ち受けていようとも、相対し――迎え撃つ。

【城門付近】

185 名前:デスマスク ◆xmpp2OfICI :2007/04/30(月) 22:34:200

指輪が喋ってやがる。こいつぁ……面白れ。
(魔道具ってヤツか……なるほど。)
黄金聖闘士クラスの飛び蹴りを喰らっても尚、平然としているその姿。
やはりこの男は、尋常な強さではない。
着地しながらも微笑し、不気味な顔で鋼牙を見つめるデスマスク。

再び剣を構え、間合いを詰めてくる敵。
デスマスクも低く腰を落とし、野獣の如き姿勢でそれを迎える。

――「ならば、俺はお前を倒すのに躊躇はしない……貴様の内に眠る陰我諸共に」


陰我。あぁ、俺の中に存在するのは殺戮への欲望。
破壊への衝動。そして、完全なる支配欲。
確かに認めてやる。俺様は、”相当ドス黒い”ってのはよ。

だが、1つだけ。俺の中にあるもの。
それは”正義”。聖闘士として、必要な犠牲を払うこと。
力を行使する為に、たとえ女子供であろうが関係なく殺すことの出来ること。
それが、俺にとっての正義。

「あぁ、認めてやるよ。俺の中の陰我ってのを……だが、甘くみんじゃねぇーぞ。
俺は相当、邪 悪だぜ?」

間合いが瞬時にして無くなる。マントを翻し、あえて後方を取らせるデスマスク。

斬撃の1つ目。バックブローで剣を迎撃する。
拳と剣が鍔迫り合いをするかのようにぶつかり合う。
さらに迫る繰る斬撃。それを受け止め、全ての剣を拳で打ち据え激突させる。
噴水からは、飛沫が飛び散り破裂する。
聖闘士の拳が水流さえも断ち切り、更に加速する。

「剣には拳……正攻法でやるっても悪くねぇよなぁ……
さぁ、もっと来やがれ!! −そらそらそらぁぁぁ!!!!!」










186 名前:千羽烏月:2007/04/30(月) 22:40:390

>180

保つ事もままならない意識が、浮き上がっては沈む。
明滅する視界に映るのは、瓦礫の山、塔の残骸、不吉に曇った空。
そして、鬼の姿。

ああ、届かなかった。

胡乱な思考が、それでもあの人の事を考える。
これが俗に言う惚れた弱み、なのだろうか。
笑い顔、怒った顔に困った顔、泣き顔。
次々に浮かぶその全てが、堪らなく愛おしかった。

「……か、はっ」

優しいけれど、厳しい人だ。
自分を斬り捨てた私は許しても、こんな事になった私を、
きっと許してはくれないだろう。
そもそも、向こうへ行っても会う事は叶わないに違いない。
私は罪に塗れているのだから。

目に映っていたものが動いた。

止めを――そう察した瞬間、下らない意地が動かないはずの体を動かす。
頸を傾け、両断だけは免れる。
微かな驚きを浮かべる相手に、笑みを浮かべてみせた。
鬼の手で死ぬのは、ご免だった。

済まなかった、桂さん。

呟きは最早言葉にならずに消え。
半ばから折れた維斗で、私は自身の心臓を突いた。

【《罪人の塔》跡】
【千羽烏月、自決】

187 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/04/30(月) 22:47:420

>>185
鋼牙は確かに、全身全霊―-―いや、全心全霊の一閃を間断無く放っていた。
だが、この男デスマスクは笑いながらその全てを拳一つで弾いていた。

「あぁ、認めてやるよ。俺の中の陰我ってのを……だが、甘くみんじゃねぇーぞ。
俺は相当、邪 悪だぜ?」

それにしてもこの男、ノリノリである。
いや、リズムに乗るぜと言わんばかりにハンドスピードを上げながら、鋼牙の剣を捌いている。

裏拳、正拳、裏拳、正拳。

「剣には拳……正攻法でやるっても悪くねぇよなぁ……
さぁ、もっと来やがれ!! −そらそらそらぁぁぁ!!!!!」

楽しそうに。いや愉しそうに、猫が獲物を弄ぶように。
デスマスクは鋼牙を追い詰めていた。

―――ならば、打つべき手は一つ。
この男は、正義の聖闘士でありながら陰我を認めている。
その陰我はやがてホラーを呼ぶだろう。元聖闘士のホラーなど考えたくも無い。

鋼牙は、デスマスクの拳の戻り際に合わせ/膝へ踏み込むように蹴りを放ち。
デスマスクの膝を踏み台にして/後方へ宙返りして距離を取り。
剣を頭上に掲げ/正円を描いた。

【場所:侵食庭園・噴水】

188 名前:斎月雪那 ◆USETUNAqno :2007/04/30(月) 22:52:550

【ヴィゼータvs斎月雪那/狂乱の庭園】
>>182
火の鳥、そして私に目掛けて殺到する爆風。
けれど、そんなのはわかっていた。
躱される、迎撃されるのは織り込み済み、だから・・・!

地面を蹴る。
加速ではなく、跳躍のために。

私の身体が宙に舞い、石塊を躱す。
たん、と着地するのは大きな木の幹。

そのまままた木の幹を蹴り、更に土塊を躱して。
割れた石畳にしっかりと足を降ろす。

そして間髪入れずにまた跳び、爆風をさえ躱して。
そこはもう、ヴィゼータさんの目の前。

「天葬閃!!」

跳躍の勢いを殺さない、回転斬撃。
一度躱されていても、関係ない。
霊威を高め、速度を速めたこれは同じ技にして同じ技に非ず。

一斬が頭を、二斬が足を。
そして、ベクトルを変えた三斬が上から頭を再び狙う・・・これがもう一つの天葬閃!

189 名前:飛燕 ◆BLOODlbo6s :2007/04/30(月) 22:58:000


>>149
(ストライダー飛燕 vs 麒麟/呪縛の時計塔)

――――時計塔にて交差する一条の光と光。
科学と神秘。
蹴り足と蹴り足。
『龍殺しの金剛杵』と『神殺しの矢』。
相打つプラズマと錬気は、互いの威力を相殺させながらも尚、対手の肉体を打ち叩く。
――――――否。
飛燕の蹴り、奇手である虚の蹴撃が先に麒麟を抉ったのならば。
“実”である麒麟の蹴りは、標的である飛燕の体躯に突き刺さっていた。
天地の理とは須らく因果応報。
読み合いの果て、それが等価の交換に至るのは真理であったのだと。
即ち、合わせ鏡であるが故に―――――互いの戦果もまた、互角。


              ――――それでは、意味がない…!

衝撃を受けた体が宙を舞う。
冷徹極まるはずの戦術思考、その装置と化した飛燕の脳裏に割り込むのは死者と罪。
そう、裏切りの特A級ストライダーによって殺された人々の声。
飛燕が今まで手にかけてきた者達の怨嗟が。

        「何故殺した」

虐殺された罪なき無辜の人民が。

                ―――――黙れ。

                      「何故裏切った」

彼が手に掛けた同胞たちが。

  ―――――黙れ。

            「何故助けなかった」

命を手折った母と子が。

           ―――――黙れ。

彼が望み、切り捨てた者達が。
そして、


        「――――だから貴様は飼い犬なのさ」

揺ぎ無き心で己を見下す眼差しは。
かつての戦友。特A級ストライダーの――――――


       ―――――黙れ、飛竜!



理想ゆえに全てを裏切った男、飛燕。
戻ることは出来ない。
進む道しか既にない。
勝つことしか許されない。

―――――たとえ己が死のうとも。
 

190 名前:飛燕 ◆BLOODlbo6s :2007/04/30(月) 23:00:560

>>189



         ―――――そう。

最早、彼に戻る道はない。
勝利による前進。それが敗北による死を除いた唯一の選択肢。

足場に降り立った飛燕。
――――その世界が、変わる。
彼の認識する時間が、空間が、彼自身のと共に。
肉体に予め定められているリミッターを解除。
脳内・体内の分泌物、自身の血流、筋肉の動き、これら全てを操作する
忍術において基礎でありながら真髄に当たる肉体の操作術。
身体組織の破壊を引き換えとして、その運動能力は飛燕自身の限界を突破する。
己に許されるのは勝利のみ。
たとえ此処で死に果てようと、彼の理想を阻む一人が消えるというのなら―――

稼動する歯車の一つ一つ、足場の隅々、舞い散る僅かな埃まで認識。
空間距離の完全把握。
脳内に到達する情報は刹那にて処理構築を繰り返し。
彼の須臾は永遠とまでに引き伸ばされ。


「―――――行くぞ」

跳躍。


「―――――貴様を、殺す」


        跳躍/加速/唐竹/真上/跳躍/加速/跳躍
        跳躍/加速/袈裟斬/左前方/跳躍/加速/跳躍
        跳躍/加速/右薙/右方向/跳躍/加速/跳躍
        跳躍/加速/右斬上/右後方/跳躍/加速/跳躍
        跳躍/加速/逆風/下方/跳躍/加速/跳躍
        跳躍/加速/左斬上/左後方/跳躍/加速/跳躍
        跳躍/加速/左薙/正面/加速/跳躍
        跳躍/加速/逆袈/右前方/跳躍/加速/跳躍
        跳躍/加速/刺突/正面/跳躍/加速/跳躍


刹那にて九つ。
精緻極まる斬閃が、縦横無尽に迸る。

【死合場:呪縛の時計塔】

191 名前:戦姫 ◆cr6uqIKUSA :2007/04/30(月) 23:10:160

【屍 十二 vs 戦姫】

>>181
 天満橋を渡った後のことに特筆することはない。
 自由都市郡をゼスをリーザスを、そしてヘルマンへと戦の匂いを追い旅を続け、

 気がつけばこの城で妖魔どもを相手に戦っていた。


 空を飛べるなら話は変わる。
 だがその術を持たない者が一度空中に飛び出した時、その動きは大きく束縛される。
 絶対、ではないがそれでもこの法則は絶対的なもののはずだった。

 要は相手がその絶対外だったというだけのことだ。


「っっ!!」

 辛うじて声を漏らすことは堪えたが、苦悶の表情は隠しきれない。
 それでも、戦姫は右腕だけで薙刀を払い男から距離を取る。

 戦姫の攻撃をあの状態から受け止めた上、その勢いを利用しての強烈な蹴撃。
 とっさに頭を避けたが、肩から首にかけて――次の瞬間意気がとまり視界に火花が飛んだ。
 次の攻撃の前に、相手に押さえられた薙刀を払ったのは習慣からである。

 薙刀は1対1の戦いを有利にする為に太刀より進化した武器だ。
 戦が個人戦から集団戦へと以降していく過程で廃れていった武器であるが、戦姫はこれを愛用していた。
 刀の攻撃力と槍の間合いを兼ねた武器。戦姫の腕力ならば、集団戦においてもそれは十分に脅威であり、
 またこのような対戦ならば、この武器の想定通り長物特有の間合いの有利さが活きてくる。
 故に、咄嗟に距離を取ったのだが、即座に己の愚を悟り再び距離を詰めるべく駆けた。

(迂闊だった。相手は飛び道具だったな…あの見かけはどうにも惑わされる)

 肩に受けた一撃は、ダメージこそ残るものの獲物を扱うには支障はない。
 ましてや、戦姫は常人以上の高い再生能力・回復力を持つ。骨さえ折れなければそれで良かった。

 薙刀を脇構え――腰の辺りで獲物を手にし石突を敵に向ける打突の構え――から石突、右横薙ぎ、突き切り上げ
の連続攻撃。軽い手を連続で繰り出し、相手に飛び道具を使わせない手に出た。

(勝負時にはまだ遠いな)

 内の高揚感に身を任せつつ、戦姫は笑みを浮かべ、そこで初めて相手のマスクが完全に目を覆っていることに気づいた。


(場所:侵食煉獄闘技場)

192 名前:デスマスク ◆xmpp2OfICI :2007/04/30(月) 23:23:000

>>187

―拳に、剣撃の痛みが走る―

デスマスクは舐めていた。この男の強さを、そしてこの男の剣撃を。
瞬時に打ち返したとはいえ、デスマスクの指先なら流れ落ちる―血―。
(たかが人間如きが……このゴールドクロスである俺様を……)

「へぇ……やるじゃねぇーか。」

ぺロり、と指先を伝う血を舐める。
猛りが全身の血を沸騰させる。伝説の騎士、ガロの能力は予想を超えていた。
ゾクゾクしちまってもうたまらん。デスマスクは興奮した心を抑えきれず……
飛び掛らんばかりに迫るが

デスマスクは踏み台にされた。膝を利用して、飛び上がる。
それは、デスマスクにとってマンモス的に屈辱な行動であった。

「テメェ……!! この俺を、踏み台にしやがってぇぇぇ!!!」

飛翔した敵は、自らの剣で円を描く。
その円から降り注ぐ光を見ると、デスマスクは小さくつぶやいた。

「うおっ…まぶしっ」

【場所:侵食庭園・噴水】




193 名前:魔人ヴィゼータ ◆VZ/G9kPv8E :2007/04/30(月) 23:35:290

>>188
【ヴィゼータvs斎月雪那/狂乱の庭園】

―問題―

魔導力の本質とは一体何なのか?
あるものは、虚を実に。
あるものは、実を虚とせしめる力の本質とは何か?

簡単、簡単。
その答えは……


愛剣を地面に突き立てたままの体勢のカッコの頭上に
稲妻の疾さで守護天使が舞い降りる。
常人にはあり得ぬ高さ。 そして速さ。
それも当然。
彼女もまた、ヴィゼータと同じく第三世界、俗世の表裏の更に下に位置する闇の世界の住人。
魔導力の支配するこの世界では人間の常識など通用しようもない。

そして、振り下ろされる白銀の刃。
純粋で透明な殺意の具現。
カッコの頭を、脚を切り落として斬殺せんという意志がカタチとなって振り下ろされる。

対するカッコは、未だ愛剣を地面から引き抜けずにいる。
これってピンチ?
ノーノー。 断じてノー。

この程度で終わるのは、並の人間の常識でのお話。
でもワタシは違う。 ワタシは魔人。 常識の外側にあるもの。
剣がなければ剣を防げない? そんなわけないない。
闇の世界では、そんなのはナンセンス。

「それじゃダメなんだよ、セツナ」

紫電の勢いで真上から迫る斬撃を前に、ヴィゼータの口元が歪む。
振り下ろされる死の刃を受け止めるべく差し出されたのは、愛剣ではなく
白い小さな手の平。
魔人とはいえ、少女らしい細い五指を備えたそれは、
天使の切っ先を平然と受け止めて、掴まえると。

「そんなんじゃ、ダ〜メ♪」

刀の持ち主ごと、ゴミかなにかでもあるように真横に、石の階段が
並んでいる方向に向かって放り捨てた。



―もう一度問題―

魔導力の本質とは一体何なのか?
あるものは、虚を実に。
あるものは、実を虚とせしめる力の本質とは何か?

簡単、簡単。
その答えは……

……「できる」と思い込むこと。
『HBの鉛筆をべキッとへし折るように、セツナの刃など素手でがしっと捕まえることが
出来て当然』と信じて、思い込むこと。
そう信じれば、魔導力は発現する。

……はずだったけど。


「痛たたたた……
まだまだ65点ってとこだったり〜?」

生命線のあたりで切り裂かれ、文字通り皮一枚でぷらぷらと繋がっている
左手を見て、魔人の少女は苦笑する。


194 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/04/30(月) 23:36:570

>>192
「テメェ……!! この俺を、踏み台にしやがってぇぇぇ!!!」

怒声も遮られる、一瞬の静寂。
瞬間、鋼牙は満ちた月の下で金色に輝くガロの鎧を纏っていた。
その名の意味は『希望』。

ソウルメタルの鎧は、装着する魔戒騎士の持つ「魔導力」と呼ばれる力によって
その暗黒面を一時的に封じられる。その限界は99.9秒。
タイムリミットはベルトのバックルに仕込まれた魔導刻が装着が完了すると同時に冷徹に刻みだすのだ。

鎧の装着と同時に変貌した牙狼剣を構え、鋼牙は時を告げる。
「ここからが本当の戦いだ」

「互いの黄金の意味を問う、本当の戦いの始まりだ!」
鋼牙は初手と同じく、マシラのごとく――いや、疾風のごとく。
月夜の空に、舞い上がる。この一撃の威力、しかと知れ。

195 名前:屍 十二:2007/04/30(月) 23:40:380

【屍 十二 vs 戦姫】
>>191

 タイミングとしては申し分が無かった。
 ただ身体能力だけが優れている相手ならば、今の蹴りも完全に決まっていただろう。
 致命の一撃を逸らし、尚且つ即座に反撃に転じてみせる。

 それを為せるのは唯一つ。
 己の命を投げ出し、削り磨く事で得た経験だけだ。

「畜生が……場馴れしてやがるな、テメェ!」

 まず石突での一撃をガンブレードで受け止め、弾く。
 息付く暇も無く繰り出される横薙ぎはもう一方の刀身に滑らせる事で勢いを逸らす。
 畳み掛けるように繰り出される連撃を凌ぐべく、再びガンブレードを構えようとするが――

(――ッ、腕が……!? なんてバカ力だ!)

 常人に押し負ける筈の無い、死人兵士の腕に痺れが残って持ち上がらない。
 確かな経験だけでなく、力までも兼ね備えている。
 屍の見立てよりも、相手の実力は上だった。

「……クソが、」

 勝てる相手だ――そう思い、慢心していた自分への戒め。そして予想以上の敵への罵倒。
 それを同時に吐き出し、屍はスイッチを切り替える。
 『普通の戦い方』は、これでお終いだ。

 反応が遅れた腕では防御は間に合わない。そう判断した屍は、突きに対して一歩踏み出す。
 臓腑を刺し貫く異物、遅れてやって来る激痛。これだけでも死に至るには十分だろう。
 だが、既に死んでいる人間が死に至る事は無い。死に至る痛みがあっても生き続ける――それが、死人兵士。

「痛ェもんは、痛ェんだぞ」

 痛みを精神力で捻じ伏せ、薙刀を更に押し込むように前へ一歩。
 体が抉られる痛みというのは何度か味わっているが、やはり何度目でも馴れる事は無い。

 息がかかるような距離にまで踏み込み、頭を振り被る。
 そして、全てを振り切るように――鉄槌として叩き付けた。

(場所:侵食煉獄闘技場)

196 名前:斎月雪那 ◆USETUNAqno :2007/04/30(月) 23:52:430

【ヴィゼータvs斎月雪那/狂乱の庭園】
>>193
「きゃあ!」

天葬閃を防御もせず、ただ受け止めて。
ヴィゼータさんは私の身体を投げ飛ばしました。
崩れかけた石段に叩きつけられ、一瞬呼吸が止まります。

それでもまだ、戦える。
立ち上がって、再びヴィゼータさんに相対する。

受け止めたヴィゼータさんも無傷ではない。
なら、痛み分けだ。

今までの彼女の動きから見て、あちらにはまともなミドルからロングレンジの攻撃手段がない。
その点、私が圧倒的に有利。
けれど、速度と威力では遙かに劣る・・・ショートレンジに持ち込まなければ致命打は与えられない。
なら・・・

すう、と深呼吸。
そしてクラウ・ソラスを振るい、魔力の剣を放つ。

「クラウ・ソラスッ!」

これが残光乱のもう一つの形。
おそらくは躱される、でもそれでいい。

本当の一撃はこのあと・・・!
魔力を集中する、最大の魔力を放つために。

「ヨッドハー・バウハー!」

197 名前:麒麟 ◆TEKIajvYfQ :2007/04/30(月) 23:56:390

>>189 >>190
(ストライダー飛燕 vs 麒麟/呪縛の時計塔)






          ――――龍尾の一矢は、飛燕を射た。

 まだ、浅い。

 射抜かなければ、止まらず。仕留るに能わず。

 そう――飛燕の息吹は滅してはいない。飛燕の眼は死んではいない。

 足場に降り立った飛燕のその双眸に、蒼炎を見たのは――錯覚ではないだろう。

 そして――――白き燕は飛翔する。
 大地に根付く大樹を揺るがす、暴風の如く。

 白き燕の放つ、刃を担う腕すら見せぬ斬閃が麒麟に迫る。
 大地を覆う深緑の森林を侵し尽くす、烈火の如く。

 攻防一体を体現せしめる“刻舞”を以ってしても、防ぎ、受け流す事のみ。
 それでさえ、全てを捌き切る事は適わず――――麒麟の身体に、緩やかではあるが着実に斬閃の証を刻み込んでいく。




      ――――それでも。




 それでも――――刹那を越えた虚空の隙を突き。
 右腕の鉄拳――抜山蓋世の一撃を飛燕に放った。

【死合場:呪縛の時計塔】

198 名前:デスマスク ◆xmpp2OfICI :2007/04/30(月) 23:57:430

>>194
金色の鎧。遂に敵も本領発揮と来たらしい。
月下に照らされる黄金の騎士。
そしてそれを迎え討つは――黄金の闘士

―「これからが…」―

デスマスクは両手をクロスすると、迫り来る剣を待つ。
己の小宇宙を燃やし、クロスに強力な力を与えるのだ。
ただでさえ強固なクロスが、小宇宙の力を得て更なる輝きを放つ。

「ここからが、冥界への道案内……だろ?
違うってんならぁ……この俺を殺してみろってんだよぉおお!!」

―「本当の戦いだ!!」―

ぶつかり合う剣と聖衣―クロス―。
あまりの破壊力に、デスマスクの立つ場は地割れを起こす。
クレーター並みの陥没が周囲に発生し、地面を崩壊させる。

「へぇ……やるじぇねぇか……黄金騎士。」

額から流れ出る血。両手でさえ防げぬ程の重さと破壊力を、ガロの剣が
持っていた証だ。
認めてやろう。本気で殺すに値する、最強の相手であると。

巨神族―ギガス― 一族さえも滅した「神殺しの業」このデスマスク最大の拳。
封印を解くには問題のない相手だ。
だが、まだまだ戦い足りない。

「いいぜ……そろそろ本気でやろうか。この犬ヤロウがぁぁぁぁぁ!!!!!」

デスマスクの左腕から紫色の邪気が放たれる。
その色は冥府の色。死霊を呼び覚ます、まさに魔毒。

― プレセベ ポイズン !!! ―

ガロの周囲を紫色の毒気が襲い掛かる。
同時に地面をゲートにし、冥界から死者が現れ足を引っ張りながら呻きをあげ始めた。


199 名前:直刀 ◆DOGS.OpLbU :2007/05/01(火) 00:04:370

>>183

【VSマリア・バルゼリート:妖魔迎賓館】


心底楽しそうに、嬉々とした声で話しかけてくる。
こう云う手合いは得てして戦闘狂バトルマニア殺戮中毒キリングジャンキーと相場が決まっている、厄介だとしか言いようが無い。


がきん。と受けられた横薙ぎ、当然と言えば当然なのだが。
――と、其処で気付いた。

ドレスに不似合いな刀は腰に二輪差し・・・・、つまり二本目の刀に。
そして殺し屋の左手は二本目の刀に――


(――マズい)


即座にぎゃり、と受けられていた刃を捌くが、その間にも抜き放たれた二本目の牙が下より迫って来る。
受けるのは無理、なら答えは避けるか攻めるか。

だん。と思い切り後ろに下がる為踏み切ると同時にコートの袖口から仕込んで置いた投擲用のナイフを手に、しゅん、と交差法さながらに放った。
だが、避け切れなかったのか向こうが速かったのか、額に熱い感覚が一筋。
まあいい、この程度は無視だ。


そして下がると同時に再度前に踏み切り、ナイフよりワンテンポ遅れて逆袈裟に刀を滑らせた。

200 名前:戦姫 ◆cr6uqIKUSA :2007/05/01(火) 00:06:370

【屍 十二 vs 戦姫】

>>195

「畜生が……場馴れしてやがるな、テメェ!」

 男が喚いた言葉は戦姫を通り抜け残りはしなかった。
 戦場で敵兵の声など1つ1つ拾ってはいられない。

 1撃目――弾かれ。
 2撃目――受け流され、

「……クソが、」
「とった!!」

 3撃目の突きを繰り出す瞬間戦姫は確信していた。
 一瞬、だがはっきりと相手の腕が反応しそこねたのが分った。
 素手で人の腹を抉れる腕力――たぬきども幽閉されていたせいで衰えた力も、JAPANでの戦乱を潜り抜け
既に全盛時以上になっている。見かけで判断を誤った相手の失策だ。


 見誤ったのは戦姫も同じだった。

「!?」

 全力で突き出した薙刀は、確かに相手の腹を貫き――ここで振り払えば胴を裂くこともできたのだろうが――
そのまま、貫かれたままこちらへ向かう姿に目を見開き。
 眼前、それこそ顔が触れそうな距離まで、腹に刃を突き立てられたまま、「痛ェもんは、痛ェんだぞ」
痛みに叫びながら、大きく頭を振り、

「あああーーーっ!!」

 またも咄嗟。
 相手の頭突きに合わせ、戦姫も頭突きを返していた。

「は…ははははは!!」

 一瞬視界が白くなった。だが、見える必要などない。
 手は固く柄を握ったまま、我武者羅に笑いながら、続けて頭突きを返す。

 1度、2度、3度、ぶつかる度に視界が白む。
 ガンガンと頭が揺れる、吐き気がする。額から血が流れた。
 自分の兜で自分の額か頭部を傷つけている。

 笑いながら、突き刺さる薙刀を抜こうと思いっきり蹴り付ける。


(場所:侵食煉獄闘技場)

201 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/05/01(火) 00:11:310

>>198

「ここからが、冥界への道案内……だろ?
違うってんならぁ……この俺を殺してみろってんだよぉおお!!」

叩き付けた刃はデスマスクの両腕に阻まれる。
さすがは黄金聖衣。牙狼剣の一撃にも耐えてみせるというのか。

「へぇ……やるじぇねぇか……黄金騎士。」
流れる血を拭いもせず、不敵に嘲笑うデスマスク。
その笑顔の裏にあるものは更なる愉悦か。それとも狂気か。

「いいぜ……そろそろ本気でやろうか。この犬ヤロウがぁぁぁぁぁ!!!!!」
デスマスクが吠える。
その左腕に宿る瘴気は大地を染め上げ、亡者を生有る者の世界に引きずり出した。

「こいつ、死を弄ぶ力を持っているのか!?」
ザルバが驚きの声を上げる。しかし、その声には危機感は欠片も無い。
何故なら。

「ソウルメタルを、魔戒騎士を、甘く見るなァ!」
鋼牙は気合と共に大地に牙狼剣を突き立てる。
刹那、光の波動が走り亡者達は再び有るべき場所に帰っていく。

「……デスマスク、貴様の邪悪な陰我を今こそ断つ!」
示現流で言うところの蜻蛉に牙狼剣を構え、雄々しく断つ黄金騎士ガロ。
その刃には燃え立つ怒りが今、宿ろうとしていた。

【残り時間:78.5秒】

202 名前:デスマスク ◆xmpp2OfICI :2007/05/01(火) 00:24:040

>>201

――「ソウルメタルを、魔戒騎士を、甘く見るなァ!」


デスマスクは亡者を操る力を持つ。そして、その亡者を遣い生者を地獄に叩き落す。
この技で大抵の戦士ならば、殺せるはずであった。
―だが、その目論見は簡単に崩される事となった。

大地に突き刺した牙狼の剣は、出でた亡者達を消し去り魔毒さえも切り払ってしまったのだ。
この男に、亡者は通用しない。それだけは確かなようだ。
デスマスクの心に、僅かながら焦りが生まれ始めようとしていた。

「貴様……亡者を祓う力があるとでもいうのか……チイッッ!!
このヤロォォォォ!! 切り裂け 我 が 小 宇 宙 ―コスモ―よ!!」

腕部のクロスに小宇宙が宿る。鋭利な形状を持つキャンサーのクロスに殺気を込めた
邪気が宿り鋭利な刃物と化す。
最強の防御を誇る盾は、また最強の矛ともなる。
デスマスクが低く構えた体勢からスランディングし急接近。
黄金騎士の鎧を八つ裂きにせんと、今にも迫る。

203 名前:飛燕 ◆BLOODlbo6s :2007/05/01(火) 00:33:570


>>197

(ストライダー飛燕 vs 麒麟/呪縛の時計塔)


天理に於いて必中、必殺。
そう在らんと戦いの理に定められた拳。
だがそれは猛る飛燕の勢いを留めたに過ぎず、ミリ単位の見切りによって回避される。
何故とあらば天理に背き破るが、“野を馳せる者”の真髄真理。
必中では当らず、必殺では殺せぬ。
彼らが術中にある限りは何人も。

稲妻の軌跡と速度で駆け上がる白装束。
半重力リングと破滅的な身体能力の融合は、その運足を現世ならぬ領域に到達せしめている。
立ち上る白い閃光は刹那を待たず地から天へ。
疾風纏う飛燕が向かう先は最上層。
臓腑が裂ける、
血管が裂ける、
細胞の全てが弾け飛ぶように悲鳴を上げる。
敵の攻撃を受けたからではない、限界を超えた肉体の酷使によってだ。
半ば死と引き換えに可能となる超高速戦闘。
道なき山河、踏破不能の世界を踏破するストライダー最期の業。
それは確実なる崩壊を代償に、戦場の支配者へと使い手を押し上げる。

             ――――昇ってこい、麒麟。

そして、そこに特A級ストライダーの能力と技術が加わるならば。
既に飛燕の武器は新たな形へと変じている。
ジオリメトカルサイファー三の型「炎鳳」。
エッジ部分を同方向で結合させる事により、一対の刃はブーメランの形状となる。

             ――――或いは。

そして、投擲。
プラズマエネルギーを利用した遠隔操作による恐ろしいほどに正確な照準は、
上体を捻り目線と手を隠した、独特の投擲法により必中に限りない精度を誇る。

プラズマエネルギーによる加速。
殺意は臨界を越えて虚無。

標的は直下。
精度は正確にして無比。
地の利は我にあり。


              ――――今、ここで死ね。

地へと奔る刃。
全ては麒麟の鉄拳が放たれてより、極めて僅か。

【死合場:呪縛の時計塔】

204 名前:魔人ヴィゼータ ◆VZ/G9kPv8E :2007/05/01(火) 00:34:550

>>196
【ヴィゼータvs斎月雪那/狂乱の庭園】
ぐいっと力を込めて、地面に突き刺さった自分の剣を引き抜くカッコ。
その場で軽くぴゅぴゅっと振って具合を確かめてみる。
おっけーおっけー。 いけるいける。
なんてったってワタシはアウター(見習い)。
油断さえしなければ負ける要素などこれっぽっちもないないない。

「さて、セツナ。 そろそろ終わらせようかな」


ヴィゼータはセツナを投げ捨てた階段の方を向くと、疾走。
月をバックに、黒い影のように。
下腹と左手がズキズキと傷むけど、そんなの無視無視。
この程度で死ぬようなワタシではない。
そして死なない程度の傷なら気にするなんて、ナンセンス。

「クラウ・ソラスッ!」

カッコを近づけまいと、セツナが魔力を放つ。
でもダメ。 呪文なんて唱えてる時点でダメダメ。
魔導力を行使するのにそんなもの必要ないない。

タンッ、と軽く地面を蹴ってセツナの剣弾に飛び込むような軌道で跳躍。
あわや串刺しか、というタイミングで隔離世へと移動。
黒衣の魔人は影と同化し、かき消すように現世から姿を消す。

そして一瞬後。

「だぁりゃあああああああっ!!」

飛び膝蹴りの体勢で、カッコはセツナの面前に再び出現。
跳躍した時の勢いもそのまま、裂帛の気合いを伴って。

205 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/05/01(火) 00:35:330

>>202
「貴様……亡者を祓う力があるとでもいうのか……チイッッ!!
このヤロォォォォ!! 切り裂け 我 が 小 宇 宙 ―コスモ―よ!!」

違う―――ソウルメタルに宿るのは、破邪の力だ。
だが、それ以上に不思議な力を持つ。それは持つ者の心に応える力だ。
亡者は、デスマスクの意思によって、死してなお陰我に巻き込まれていただけだ。
ならば、その陰我を断つ。曇り無き意思はソウルメタルの力を高め、デスマスクの作り出した
幽世のゲートを反転させ、毒の如き瘴気を浄化したのだ。

「デスマスク! 貴様はやってはならないことをやってしまったのだ!」

―――故に、ここでその陰我は断ち切られる。
デスマスクは鋏状に変形させたガントレットで襲いかかろうとする。
だが、鋼牙は冷静にサッカーボールキックをその足に叩き込み、角度をずらした。

「もはや小細工は無用! 貴様の最大の技で来い!」

【残り時間:64.8秒】


206 名前:屍 十二:2007/05/01(火) 00:46:380

【屍 十二 vs 戦姫】
>>200


「いい根性してるじゃねぇか! ええ、コラァ!」

 相手から応じて来た頭突きに、引く事無く再び頭を叩き付ける。
 兜で守られた相手と違い、生身の頭である屍の頭部はぶつかり合う度にひしゃげ、血液を飛び散らせる。
 死人兵士は、損傷を幾ら受けても血液がある限り再生を行える。
 それも時間があればの話だ。絶え間なく打ち付けられる衝撃に、傷が癒える暇は無い。

 過熱する戦いに観客達も興奮を抑えきれないらしく、中には隣へ襲い掛かる者すら出て来ていた。
 壁を乗り越えようとする者も出ていたが、今の所は高さに阻まれて入って来れないようだ。

 幾度も打ち合いを続ける中、屍は右手へ意識を集中していた。
 身を摺り合わせるようなこの距離ではガンブレードを振る事も出来ない。
 ならば打ち込む一撃は――武器に依存しない、朽葉流の忍術。

「朽葉流……」

 蹴り足が自分に届くが早いか、屍が背負った鬼の炎が腕を伝播して掌に宿る。
 “気”を練り上げ、指向性を与える事で砲弾として打ち出す。これぞ――

「咆砕ッ!!

 だが、蹴撃によって屍は後ろへ吹き飛ばされ、狙いは僅かに逸れた。
 敵手を撃ち抜く筈の咆砕は外れ――闘技場と観客を隔てる壁の一角へとぶち当たる。

 そして、それが絶好の契機となった。

 大河の堰を切ったように、闘技場を眺めていた妖魔たちが次々と雪崩れ込んでくる。
 最早観客も決闘者も無い。ここにあるのは、殺し合いを望む意思の塊だけだった。

「……ク、ハハハハ! 面白くなって来たじゃねェか、あァ!?」

 それを見ながら、再生中の腹を抑えて屍が跳ね起きる。

「上等だ! 最初っからこうするつもりだったんだ――」

 より煌々と鬼炎を燃え上がらせ、駆ける駆ける駆ける。
 行く手に躍り出る雑魚は右手の一閃で切り捨て、後ろから狙おうとする者には左で9mm弾を叩き込む。
 それでも狙いは唯一つ。この中で最も強い、敵手唯一人。

「纏めて刻んでやらァ!!」

 逆手の刃を繰り出すのにコンマ単位の遅れを付け、右の順手刃を振るう。
 双方から挟み込むような斬撃が、大気を焦がして走る!

(場所:侵食煉獄闘技場)

207 名前:妖怪仙人“奎 白霞” ◆CO2A/1LVic :2007/05/01(火) 00:49:040

“ここではない”地球がある。“ここ”とよく似た地球がある。
 平行次元の彼方に“もう一つの”地球が存在する。

その地球を統一した極星帝国は次の侵略目標を異次元の地球、つまり“この”地球に決定した。

その極星帝国の野望の前に大きな壁が存在した。魔王の再臨。そして、その根城の復活。
極星帝国皇帝マクシミリアン・レムリアース・ベアリスはここに勅命を発す。

─────異次元地球侵略の妨げとなる悪魔城並びに、その城主の排除!

そして、今回の作戦の全権を握った妖怪仙人“奎 白霞”は偵察の末、悪魔城攻略の方策を決定する。
一騎当千の骸を、今一度呼び戻し、城主の喉元にその剣を立てる。

「でー、お前には生き返ってもらった。これがどういう意味だか解るー?」

極星帝国に構えられた一室で白霞は今回の作戦の刺客に告げた。

「─────御意。再び命を与えられた以上、任務は果たしてみせようぞ。」

夏将軍“関羽雲長”、美髯公と謳われた古の武神。極星帝国の“元”十将軍。

「お前が各務兄妹に負けたおかげで、夏の地位は元々無いのに、がた落ちしちゃったんだよー?
 聞仲なんて裏切っちゃうしー。お前の愛馬も持って行かれちゃったじゃーん。
 そーだねー。この作戦は、夏再興のためにも落とせないってわけー。

 ………だから、お前の力存分に発揮して城主の首を取ってこい、武神。」

けらけらと笑う白霞にとっては夏の再興など、さして関係ないかもしれない。
だが、義と礼節を重んじる武人、関羽にとって、その意味合いは重かった。

「─────相わかった。では、今回の作戦は?」

関羽は大きく頷くと、その自慢の腰ほどまである髭を撫でる。

「城門に転送する。だから、正々堂々と正面突破。後は立ちふさがる敵を斬って進めー。いじょー。」

奇襲狙いでは思わぬ伏兵に苦戦するかも知れない。それは偵察の結果でも明らかだ。
ならば、あえて正面から突破する。敵は多いかも知れない。だが、こちらの駒は一騎当千。
有象無象の雑魚が束になって掛かってきたところで、傷一つ追わせるのは難しいだろう。
今回に限って言えば、“正面突破”こそが最大の上策であり奇策なのだ。

「後、お前の偃月刀ともしものときの切り札を渡しておく。お前なら多分使いこなせるだろーし。」

そう言って、白霞は重さ八十二斤ある偃月刀を軽々と投げ飛ばした。
その偃月刀には一枚の呪符が貼り付けられていた。関羽はそこに書かれた意味を理解し、礼を言う。

「確かに、これは切り札だ。では、その悪魔の城とやらに参るとしようか」

白霞は術式を唱え、次元の門を開ける。古の武神が今、悪魔の城に舞い降りる。

208 名前:夏将軍“関羽” ◆CO2A/1LVic :2007/05/01(火) 00:50:090

>>184
仙人が行った次元転送は寸分の違いもなく悪魔城城門に関羽を送り届けた。
そして、城門付近には、すでに多数の化生の骸が並んでいた。

─────血の匂いに満ちた風が、戦場を駆けめぐる。

武人は一瞬だけ思いを馳せた。兄と弟と駆け抜けた古の戦場を。

─────だが、今宵、武人は一人で進む。

夏の軍師、聞仲は敵の手に落ちた。義兄弟も愛馬赤兎も居ない。

─────しかし、その武神とまで謳われた力は、一人をして万人に値する剛勇。

城門をくぐり抜け、関羽の前に立っていたのは一人の女。その後ろ姿と美しい髪に一瞬だけ見とれたが。
ここは戦場。情けをかけた者から散っていく無情の荒野。それが例え、女子供であろうとも。

─────なれば、今こそ、高らかに武人は名乗りを上げる!

「極星帝国が将、関羽雲長!そこな者、名を名乗り上げ、尋常に勝負するが良い!」

掲げた偃月刀は月を浴びて燦然と煌めく。今一度、栄光をこの手に掴むために。

209 名前:デスマスク ◆xmpp2OfICI :2007/05/01(火) 00:51:320

>>205
――「デスマスク! 貴様はやってはならないことをやってしまったのだ!」

蹴りを喰らい、バランスを崩し倒れこむ。
この男に小細工は通用しないというわけか。

「馬鹿が!!愚か者は貴様だ……力こそ正義。
力があるものが、勝利すればその行いは正義となる……それが摂理!!」

(なぁに……あの程度の技が消されたからといえこの俺様が敗れたわけではない。
俺にはある。最大にして最凶の技……このデスマスク最大の拳が……神をも殺した業。)

陰我を断ち切るとこの男は言った。
ならば、その陰我さえも我が手の上で操ってやろう。
真魔界、そして人間界、冥界。全てを束ねるのは……我ら聖闘士なのだから。

「フン……ならば、その陰我さえも我が手の上で躍らせてやろう。
このデスマスクの司る死の力でなぁ……フハハハハハハハハ……アーハハハハハ!!!!」

デスマスクの指先から昇る燐気。
小宇宙を最大限に高めることが放つことが可能となる最大の技。

「死に際に教えてやろう……蟹座の散開星団プレセペは中国では積尸気とよばれる積尸気とはつみかさねた死体からたちのぼる鬼火の燐気。
そうつまりプレセペは地上の霊魂が天へのぼる穴……このデスマスク最大の拳!!」

積 尸 気 冥 界 波


魂 魄 剥 離

210 名前:斎月雪那 ◆USETUNAqno :2007/05/01(火) 00:53:550

【ヴィゼータvs斎月雪那/狂乱の庭園】
>>204
残光乱は苦もなく躱され、眼前に迫るヴィゼータさん。
その膝に乗った速度も威力も、私を殺すには十二分。
・・・まともに食らえば。

魔力の防御壁を張るのも手、けれど、おそらくは防ぎきれない。
そんなことは、とうにわかっていた。

だから、私の選択肢はただ一つ。

『セツナ! 全力で・・・!』

そう、全力全開で・・・迎撃する!

高まった私の魔力。
高まった華麟の魔力。

別々の筈のものが一つに混じり合い溶け合って、天命石に輝きを宿す。
天命石『リア・フェイル』から放たれる魔力光は、今までの蒼ではなく、虹色。
光が無限に重なり合って生み出される全ての色が、私の全身を包み込む。

「行きなさい、炎!」

私の全身を覆う魔力が具象となり、炎となり、鳥の姿を取る。
その数、六。

六羽の火の鳥が曲線の軌道を描きながら、ヴィゼータさんに襲いかかる!

211 名前:マリア・バルゼリート ◆AMIGOF7b.c :2007/05/01(火) 00:57:110

>>199

【直刀 VS マリア・バルゼリート 妖魔迎賓館】

白銀と黒鋼が、美しい交差を描く。
そしてその軌跡を彩る、紅い血潮の花。

マリアが撥ね上げた日本刀の切っ先は少女の額を掠め、
少女の放ったナイフはマリアの頬を薄く抉る。

二人の少女が、死の舞踏を踊る。
互いに己の血で、その美しい容貌を紅く染めながら。
マリアの表情には僅かに、投げ放たれたナイフという暗器に対する驚愕が浮かんでいたが、
それも直ぐに、歓喜の笑みへと塗り替えられる。


(面白い―――とっても、面白いよ! アミーゴ!)


そして、少女の追撃が迫る。少し離れた間合から、振り上げるような逆袈裟が。
暗器の後の油断を斬り裂く、見事な一人連携だった。

(この子を斬れたら…きっと、きっと私は)

剣先が迫る数瞬前に、マリアは深く、バネの様に深く身体を地に沈ませる。

(今よりもっと、強くなれる、、、、、!)

同時に、飛び上がった。
全身の筋肉のバネを最大限に利用した、バック転。
上体を綺麗に反らしながら、マリアは後方に回転し、少女の刀の射程から逃れる。

更にマリアの動きは、回避のみに留まらなかった。
バック転をした後の両足の着地先は、地面ではない、、、、、、
元より余り広くない迎賓館室。マリアの背後、直ぐ其処まで迫っていた壁面に、彼女は両足を置いたのだ。
しかし当然、マリアとて、重力を完全に無視した動きが出来る筈もない。
そのまま、壁についた両足を、同時に蹴り付ける。
己の脚力を加速に変え、マリアは再び空中から、少女へと踊りかかった。
回避と攻撃の動きを一体化させた、全く無駄のない動き。
最上段からの鋭い斬撃が、稲妻のように少女の頭上に振り下ろされた。

212 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/01(火) 01:01:580

>>208

 世界は科学が支配し、魔法などという産物は既に存在を疑われている。
 だが、そんな魔法のようなものに一縷の望みを賭けなければ成らない。
 それほどまでに”覇王の力”――”龍”の力は強大だ。

「――思索に耽っている場合ではない、か」

 巨大な気が迫る。
 それはどこか懐かしいような、親しみのある気。
 だが――

「尋常ならざる殺気――やるしかないか」

 呟きと同時に怒号が響く。
 地を割らんばかりの咆哮は、歴戦の武士だからこそ発せられる威圧感を伴い突き進む。
 それに臆するほど軟弱な精神はしていなかったのだが……

「極星帝国が将、関羽雲長!そこな者、名を名乗り上げ、尋常に勝負するが良い!」

 動揺という言葉で表す事ができるのだろうか。
 自らの過去との対峙。

 いや、そんな筈はない。

「――関羽雲長だ。夢幻が騙っていい『名』ではない!」

 冷艶鋸を翻す。
 それに伴い髪が揺れ、顔を覆い隠す。

 見られてはならない。
 怒りを悟られては。
 動揺を悟られては。

213 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/05/01(火) 01:04:120

>>209
「馬鹿が!!愚か者は貴様だ……力こそ正義。
力があるものが、勝利すればその行いは正義となる……それが摂理!!」

立ち上がりながら自身の理屈を唱えるデスマスク。

「力が正義だというのならば―――俺は貴様以上の力で貴様に打ち勝つまで!
 そんなものが正義だというのなら、それでお前は満足だというのか!」

「フン……ならば、その陰我さえも我が手の上で躍らせてやろう。
このデスマスクの司る死の力でなぁ……フハハハハハハハハ……アーハハハハハ!!!!」
デスマスクの突きたてた人差し指に燐光が宿る―――。

「死に際に教えてやろう……蟹座の散開星団プレセペは中国では積尸気とよばれる積尸気とはつみかさねた死体からたちのぼる鬼火の燐気。
そうつまりプレセペは地上の霊魂が天へのぼる穴……このデスマスク最大の拳!!」

積 尸 気 冥 界 波

魂 魄 剥 離

「気を付けろ鋼牙! 奴の技は命を奪う致死の業だ!」
「承知!」
いつの間にか、牙狼剣は鋼牙の左手に持ち変えられていた。そして右手には魔導火。
魔導火から立ち上る、緑色の魔界の炎は牙狼剣を包み込む。
魔導火が牙狼剣の刀身を覆い尽くすと同時に、鋼牙は牙狼剣を両手で握りなおした。

これぞ、魔戒騎士の必殺技「烈火炎装」。地上の万物を焼き尽くす魔導火を操る極限の技。
「――――ハァッ!」
鋼牙の気合と共に、魔導火は巨大な炎の刃となり燐気とぶつかり合った―――

【残り時間:49.9秒】

214 名前:デスマスク ◆xmpp2OfICI :2007/05/01(火) 01:18:440

>>213
――牙狼の姿が変わっただと!?

積戸気が決まれば、如何なる相手でも冥界へ送ることが出来る。
だが、それは完全に決まればの話だ。
無論、外すなどこのデスマスクには有り得ない。
だが、この男は避けるどころか――

「跳ね返す……だと!?」

緑色の炎が、冥界波とぶつかり合う。
威力は――ほぼ互角。いや、こちらの方が押されているのか。
やがて、冥界波が潰され烈火がデスマスクの眼前へと迫ってくる。

(この俺が……負けるというのか!?)

「ふざけるな……なんでこの俺様が……このヤロォォ!!
俺が、俺が正義……」

言葉を言い終える間もなく、炎がデスマスクを包み込む。
押し負けた。積戸気が、烈火の炎に跳ね返されたのだ。
巨大な爆発が庭園を飲み込み、全てを焼き払うが如く蠢く。


――ギリシャ 教皇の間

教皇の間に座する一人の男。瞑想を終え、目を開けて見るはデスマスクの苦戦。

「やはり、保険を掛けておいて正解だった――か。」


炎の中から立ち上がる1つの影。
金色の輝くその姿、そしてその目は赤く染まりその姿はまるで――

悪 鬼 の 如 し


「幻朧魔皇拳――遂に、目覚めたか」

教皇は、ゆっくりと微笑むとその腕を天に向け抱え上げた。

215 名前:戦姫 ◆cr6uqIKUSA :2007/05/01(火) 01:25:000

【屍 十二 vs 戦姫】

>>206

「は…ははははは!!」

 笑いながら、しかし何処か物足りないと戦姫は感じていた。

 敵に申し分はない。何一つ申し分はない。
 だが、それはあくまで個人としてだ。

 戦姫が単に闘争を望む者ならばそれで良かっただろう。
 ここに望みは果たされることとなっていただろう。
 しかしダメだった。彼女の望みは「戦」。
 兵と兵がぶつかり合う合戦なのだ。戦いは数である。1対1では決して生み出せない
ものがそこにはる。

 敵の怒声、味方の喚声。飛び交う矢玉を潜り抜け、刃を交える。
 目の前の敵にだけ集中することは許されず、常に周囲に気を張らなければ生き残れない。
 密接する味方が邪魔をし、好きに得物を振るえない。思わぬ所からい思わぬ事態が飛び
出してくる。
 敵の白刃は四方から突き出され、運が悪ければ味方の刃で命を散らす。
 今の一瞬まで並んでいた兵が、次の瞬間には真赤に染まり地に付す。
 倒したと思った敵兵が、文字通り死に物狂いで足にしがみ付いてくる。

 常に死と隣り合わせの場。そこには、強敵は居ないかもしれないが、そこでしか味わえな
い緊張がある。
 それこそ戦姫の望むものであり、彼女の悦びの源なのだ。


「咆砕ッ!!」

 間一髪、蹴りのおかげで相手は姿勢を崩しその一撃は戦姫を大きく逸れ、闘技場の壁を破
壊していた。それは戦の狼煙だった。

 その瞬間まで、観客だった有象無象の妖魔餓鬼どもは戦姫にとって――どれだけ殺気立っ
ていようと――無関係な存在だった。戦を愛するが故に、戦場に立つものとそうでない者の
線引きははっきり付けている。
 あの観客が観客である限り、彼女にとってそれは遠い宇宙の存在も同じだった。

「……」

 引き抜いた薙刀をぶらりと無造作に持ち、この()()へ飛び込む者たちを見ていた。

「……ク、ハハハハ! 面白くなって来たじゃねェか、あァ!?」

 男が喚いている。腹の傷は再生しているが、今更その程度で驚きはしない。

「上等だ! 最初っからこうするつもりだったんだ――」

 戦姫にこんな意図はなかった――が、この事態は間違いなく彼女にとって望ましい事態だ。
 溢れ帰る殺意。一瞬の油断は死を招く殺しの野(キリングフィールド)。生が猛り死が溢れる。
 これぞ戦だ。これこそ戦場だ。視線が針のように刺さる。殺意が風となって吹きぬける。

「纏めて刻んでやらァ!!」

 男が猛っている。
 「ああ…そうか」と内心で呟く。きっとこの男も戦を望んでいたのだろう。
 自分の勝手な解釈に、満足そうに頷く。

「ふ…ふふ…これぞ…命の駆け引きの場よ…」

 顔が笑みで緩む。さあ、戦を始めよう。
 手にした薙刀の石突を撃ちつけ、大見得を切り叫ぶ。

「我こそは徳川家の千姫!」

 初めての名乗りは宣戦布告と共に行われ。

「いざ、参る!」

 再び得物を構え、御敵目指して駆け出した。


(場所:侵食煉獄闘技場)

216 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/05/01(火) 01:27:360

>>214
牙狼剣から放たれた魔導火の刃は、デスマスクの放った燐技・積尸気冥界波と衝突し
鋼牙とデスマスクのちょうど中間の空間で燻りあい。
そして徐々にデスマスクの方へと向かっていく。

「跳ね返す……だと!?」

そして、魔導火は積尸気さえも焼き尽くし、デスマスクへと襲い掛かった。

「ふざけるな……なんでこの俺様が……このヤロォォ!!
俺が、俺が正義……」

「―――貴様が正義であるはずなどない!」
鋼牙はデスマスクの言を断ち切った。
「守るべきものの大切さを知らぬ、守りし者としての誇りを持たぬ貴様は、ただの邪悪だ!」

デスマスクは魔導火に貫かれ、炎上する庭園の中で燃え尽き逝く。
だが、次の瞬間。


爆発と炎の中に浮かび上がったシルエット。
それは紛れも無くデスマスクそのものだった。

217 名前:麒麟 ◆TEKIajvYfQ :2007/05/01(火) 01:28:280

>>203
(ストライダー飛燕 vs 麒麟/呪縛の時計塔)

 抜山蓋世と放った鉄拳は、飛燕を捕らえる事は適わなかった。
 紙一重のさらにその先の見切りを経て、白き燕が天へと駆ける。
 その姿は、疾風にして迅雷。

 一拍の間。

 遥か上方。澱んだ空気が、その身を引き裂かれ、幽かに――そう、幽かに、だ――断末魔の悲鳴をあげた。

 麒麟は上方を見上げ。
 自身が立つ足場を、渾身の力を持って、踏み抜いた。
 足場を崩壊させ、塔すら震撼させる震脚によって――麒麟は飛翔した。

 対手が疾風迅雷ならば――此方も疾風迅雷となろう。

 金色の龍が、天空へと疾る。
 白き燕の肉を、魂を、全存在を喰らい尽くさんと。

 そして識った。先の断末魔の意味を。
 在り方を変えた飛燕の得物が、雷火の如く麒麟を討たんと、飛翔していた。

 互いの速力から言っても、避ける事、能わず。
 だが、麒麟は躊躇しない。

 迫る雷火の、ただ一点――双刃の結合するその一点に“気”を籠めた鉄拳を揮い。




          ――――撃ち返した。

【死合場:呪縛の時計塔】 

218 名前:魔人ヴィゼータ ◆VZ/G9kPv8E :2007/05/01(火) 01:29:060

>>211
【ヴィゼータvs斎月雪那/狂乱の庭園】


「おわっ?!」

空中でカッコを取り囲むように現出したのはまたも、不死鳥。
標的を焼き尽くすためだけに存在する炎の具象。
燃え上がる翼で飛翔するその数は、右手に三羽。 左手にも三羽。
つまり、合わせれば六。
簡単、簡単。
このくらいの計算は在学中数学評価ピーだったワタシにもできること。
そして、六体の不死鳥が目指すのはただ一点。 即ちワタシ。

さて、どうしよう。
なんて考えてるヒマなどない。 あるわけない。
今さら急には止まれないのは、ブレーキの壊れたダンプカーと同じ。
こうなったらもう、やることは一つ。
何も考えずに突っ込め突っ込め突っ込め突っ込め!

ぼぼんっ! といやな勢いで不死鳥が空中のヴィゼータに連続衝突開始。

右から来た一羽目。 脇腹に直撃。
魔導皮膜による耐熱処理を施した着衣が丸焦げになって千切れ飛ぶ。

続いて二羽目。 左肩に激突。 衝撃と熱とで腕の感覚がどこかに吹っ飛ばされる。

そして三羽目。 これは右手のレイピアで迎撃。
焦熱の塊は切り裂かれ、無数の燃え殻となって消し飛んでいく。

だが、その間に四羽目と五羽目がフルインパクト!
マントが、帽子に炎が燃え移り、炎上。

そして最後の六羽目。
正面から突進して来たそれに向かって、カッコはいつもの連撃ではなく、真っ直ぐに一突き。
刀身に炎熱の化身を引っかけると、そのまま。

「うりゃあぁぁっ!」

空中で、フルスイング。
剣先に捉えた不死鳥を、元の持ち主に叩き返す!

219 名前:魔人ヴィゼータ ◆VZ/G9kPv8E :2007/05/01(火) 01:30:310

訂正だにゃ〜ん。
>>218は>>211ではなく>>210宛てだよ。


220 名前:夏将軍“関羽” ◆CO2A/1LVic :2007/05/01(火) 01:41:520

>>212
極星帝国は科学の変わりに死霊術が発展した異次元の地球。
一度死んだ者が生き返るという、魔法のような不条理がまかり通る世界。
そんな世界に輪廻転生などと言う概念がまかり通るはずがない。

─────少女がこちらへ振り向く。太陽を浴びて焼けた褐色の肌。

関羽が一瞬感じた親しみは、娘の姿に似ていたからか。
だが、そんな情けは戦場には不要。必要なのは、幾多の戦場を駆け抜けた者のみが持つ風格と殺気。
そして、少女から告げられたのは、奇しくも自らの名と同じ“関羽雲長”。

「儂は、夢幻でも何でもない生き返っただけのただの武人に過ぎん。
 異世界より来た儂にはこちらの地球の私がどうあるかなど知らん。
 だが。この名は、斯様な娘が名乗るべき名ではないのだが………ふむ、御託が過ぎたか。

 ─────では、関羽雲長、いざ、参る!」

龍が宿ったと伝えられる偃月刀を構えて、武人は走る。
その怒りも、その焦りも、その甘えも、ただ容赦なく刀の錆に帰すのみ。

─────それが戦場の掟。

221 名前:斎月雪那 ◆USETUNAqno :2007/05/01(火) 01:50:340

【ヴィゼータvs斎月雪那/狂乱の庭園】
>>218

「なっ!」

燐凰断をいくらか捌かれるのは覚悟していました。
そのための六体同時具象化・・・けれど。
まさか、投げ返されるというのは予想外。
慌てて魔力障壁を張り、火の鳥を弾く。

危険すぎる隙。
それ故にヴィゼータさんの状況も確認せず、私は後ろに跳んだ。

「・・・これで、振り出し・・・」

ショートレンジに踏み込む、千載一遇の好機。
それを無にしてしまった。

けれど悔いてもしょうがない。
見れば、燐凰断でヴィゼータさんは随分と深手を負っている。
今ならば・・・!

全身の魔力を励起させる。
この一撃のためだけに・・・

「華麟、お願い・・・!」

『はい、セツナ!』

天命石が再び光を放つ。
虹色の光、そしてその光が・・・私の前で赤に収束する。

そして、赤光がヴィゼータさんに走る。
これが、私の全超越最終必殺奥義・・・!

222 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/01(火) 01:58:240

>>220

「は――戯言を! 関羽雲長、主が為に修羅と成ろう」

 鋭く、それでいて速く、重いであろう一撃。
 一騎当千の名を冠するに相応しい豪傑を騙るには妥当。

 この一撃を受けに回るのは上策ではない。
 上策でないと判りつつも――受ける。

 それが――我が誇り。

「そんなものか、関羽雲長」

 一刀の下に断ち割られる可能性。
 受けきれず冷艶鋸が砕ける可能性。

 否。

 受け、流し、返す。

 一連の動作は流れるように。
 踊るように、舞うように。
 斬り、結び、綻びを見つけ出す。

「次はこちらだ――夢幻でないのならば、失望させてくれるな」

 体格差から来る一撃の重さは敵う筈もない。
 ならば速さと鋭さで上回る。

 一つ結んでは離れ、二つ結べば連撃の数は倍となる。
 手数で圧倒するのが目的ではない。

 が、小細工を弄する気はない。
 あくまで真っ向から正々堂々と打ち倒す。

 我が誇りの為に、我が『名』の為に。
 この『勾玉』に掛けて。

223 名前:屍 十二:2007/05/01(火) 01:59:190

【屍 十二 vs 戦姫】
>>215

 決闘場は瞬く間に戦場へと転じた。
 観客の立場、という枷から解き放たれた者達は砂糖に群がる蟻のように二人を狙う。

 これで状況はいっそシンプルになったと言える。決着の後の事を気にする必要が無くなった。
 全てを壊し、殺し、切り捨てればそれで良い。
 クリアになった頭にそれだけを焼き付けて刃を振るう。

 だが、屍が切り裂いたモノの手応えは骨だけだった。群がる敵は、敵手への道を阻んだのだ。
 チッ、と舌打ちを一つ漏らす。

『我こそは徳川家の千姫!』

 混沌と狂熱の向こう、朗々と響く名乗りが聞こえる。
 時代錯誤のようでもあるが――成る程、戦場と化した地には相応しいかも知れない。
 戦場に立つのは古来より死人だけ。死人となって戦うのが、いくさ人である。

 ならば二人は、この場では、生者と死人ではない。
 戦いに身を投じた、ただの二人のいくさ人だ。

「朽葉流忍者、屍十二――」

 応じ、屍が名乗る。その間にも迫る敵の首を刎ね、胴体を撃ち抜き、頭蓋を砕く。
 戦姫と名乗った敵手――その間に群がる敵を減らし、距離を詰める為に。

『いざ、』
「――推して、」

 互いの勢いに押され、徐々に二人を隔てる雑魚の数は減っていく……が、まだ剣を届かせるには遠い。
 しかし、群がる敵の隙間にその姿を認めた時、屍は発条を巻くように体を横に捻った。
 一直線上。斬るのに区別は必要無い。“気”を刃に込め、一気に解き放つ。

「「参る!」」

 刃の軌道上にある物全てを切り裂き進む、朽葉流・次元刀。
 それは壁となっている魑魅魍魎を両断し、戦場を引き裂いて迸る!

(場所:侵食煉獄闘技場)

224 名前:飛燕 ◆BLOODlbo6s :2007/05/01(火) 02:10:230

>>217

(ストライダー飛燕 vs 麒麟/呪縛の時計塔)


  ―――――屍山血河を踏破する。
  燃え上がる紅蓮の焔、
  それは白装束を染め続けてきた返り血の色。


異様の技を異様の技で打ち返された。
だが、それは既に予測の範疇でしかない。衝撃にて分割、ベクトルを反射され飛来するサイファー。
そのグリップを難なく掴み、予め決めていた着地ポイントへと降り立つ。
奇しくも着地のタイミングは、地を蹴り昇ってきた対手と同時。


  ―――――未来を信じて今を否定する。
  全てを殺し灼熱に染めてきた、
  理想郷を求めるが為に。


縦横に駆動する大小の歯車。
きりきりと回り噛み合う鋼と鋼。
ひときわ大きな大車輪。互いの足場、そして間に広がる虚空。
呪縛の時計塔上層部――――この戦場の最上階。
今、ここに刃と嵐。
合わせ鏡でありながら対極の道を歩んだ双つが対峙する。

 

225 名前:飛燕 ◆BLOODlbo6s :2007/05/01(火) 02:13:440

>>224


   ―――――何を思うのか。
   今はもう、一筋の光も届かないこの地上に。
   今はもう、後悔することも叶わないこの運命に。


そして、今。
既に限界を越え、破滅を迎えるその時まで上昇を続ける飛燕の力は、更なる爆発を見せた。
ジオメトリカルサイファー最大出力。
各々の腕に一本、一対に構えた幾何学を意味する刃は負荷による溶解を始め。
反重力リング駆動率120%。
自壊のぎりぎりまで引き上げられた推進力に、飛燕の肉体は同調。
静寂は嵐の前の「凪」を思わせて―――――


   ―――――何を願うのか。
   今はもう、一筋の希望も存在しないこの世界に。
   今はもう、戻ることも叶わないこの運命に。


飛燕の体躯に込められた究極の『静』と『動』。
無拍子の極みとして発現した縮地が発動、瞬時に零距離へと肉薄の瞬間。
回転が加えられた瞬発力の爆発。
全身の間接と筋肉は最大限の軋みを上げながら、相手の体を掴み上げ跳躍。
同時に影も残さず掻き消える白き姿。
そして、


 「黄昏に―――――」


そして、虚空を光が刻む。
数多に増えた飛燕の姿と、それに付き従う無数の斬光。
最早それに虚と実の別はない。繰り出される一切が完全なる“死”、その合切が紛れなき“滅”。
特A級ストライダーズ秘奥攻撃術「ラグナロク」。
かつて戦友だけが可能とした、奇跡超常の域にまで至る“必滅”の業。
何人も生き残れぬ「神々の黄昏」の名の通り、ひた走る斬滅の閃光は檻を成して全方位より襲撃する。
命と引き換えに命を。
死と引き換えに死を。
滅びと引き換えに滅びを―――――


 「消え去れ――――――“麒麟”!!」



   ――――嗚呼、黄昏の野を馳せる者よ。
   お前はその時、何を思うのか。


【死合場:呪縛の時計塔】

226 名前:直刀 ◆DOGS.OpLbU :2007/05/01(火) 02:16:530

>>211

【VSマリア・バルゼリート:妖魔迎賓館】


投げたナイフは殺し屋を少々驚かせた程度に終わり。
逆袈裟はほんの小さな傷も付ける事が出来ず。

殺し屋は宙に舞った。

私は体制を立て直せず、殺し屋の動きを視線で追う程度の事しか出来ず。
何もかもが遅れ。


――上


そして殺し屋は壁を、踏み切った。
十二分にスピード、重さの乗った上空からの振り下ろし、それは正に必殺。
私は咄嗟にそれを、マトモに刀で受けてしまった。

いつもより何倍も鈍い音、それに続くずん。と刀より伝わってくる衝撃に。

「が……っ」

その一撃には耐え切ったものの、私は刀を保持する事が出来ず弾かれ。
遠くでかしゃん、と刀が落ちた。

227 名前:0M0 ◆X5lDK8LQyw :2007/05/01(火) 02:29:050

魔王オディオ vs 仮面ライダーギャレン・橘朔也

【劇場版吸血大殲・知られざる魔王と知られざる英雄 限界ギリギリ ぶっちぎりの凄いヤツ】

橘朔也・プロローグ
>>12>>13

魔王オディオ・プロローグ
>>14

導入
>>15

闘争本編
>>22>>28>>30>>33>>36>>39>>43>>71
>>81>>86>>91>>94

エピローグ
橘>>152
魔王オディオ>>179

【仕合場所:深淵の坑道】

228 名前:夏将軍“関羽” ◆CO2A/1LVic :2007/05/01(火) 02:33:440

>>222
─────語る名はどちらが真実で、どちらが偽か?

重さに速さが乗った渾身の偃月刀は、まるで鏡のように受け返される。
彼女は恐れていない。その致命的な可能性を。

『そんなものか、関羽雲長』

舞うように流麗に、連撃を意識した素早い突き。
だが、そのような技は幾度となくこの武人は経験している。

『次はこちらだ――夢幻でないのならば、失望させてくれるな』

攻略法は一つ。愚直に受けきり、綻びなど見せず打ち合って。
その力で押し切って、ただ愚直に敵の首を一刀の元に切り離すのみ。
それが、出来てこその───武人。

「小娘風情の割には出来るがな………まだ。まだ、甘いわ!」

武人の一喝が夜の城下に響き渡る。龍が宿っていたのは、偃月刀か、それとも奮う武人にか?

与えられた職務。
受けた恩義。
誓った忠義。
重ねた武勲。
殺した仇敵。

───そのどれにも背くわけにはいかない。ただ愚直に、偃月刀は敵を貫くために走る。

229 名前:戦姫 ◆cr6uqIKUSA :2007/05/01(火) 02:34:300

【屍 十二 vs 戦姫】

>>223

「「参る!」」

 戦場と貸した闘技場を駆ける。
 相手の狙いは戦姫。だが、戦姫の狙いは必ずしもあの男――屍十二ではない。
 目的はこの戦を楽しむこと。極論すれば勝ち負けすら関係ない。
 生き抜き勝ち残ろうとするのは、ひとえに戦い続ける為。
 次の戦いの為、次の次の戦いの為、その為に勝ち抜け生き抜くだけの話。

「ははははは!!」

 高笑いと共に得物を振るう。
 それは先ほどまでの精巧さを無くしたものだった。

 無駄な動きがある訳ではない。ただ、1対1の「勝負」と「戦」は全く別の物なのだ。
 戦場で精緻を極めた武術は決して重要な要素ではない。いくら腕を極めようと、1対1を
前提としている限り戦ではあっさり遅れを取る。重要なのは生き抜く技術。いや、動き敵
を葬り続ける技術なのだ。

 スケルトンが放った骨を、コウモリを切り払った流れで叩き落した時それに気づいた。
 妖魔の断末魔が、この阿鼻に叫喚している。

(何か来る)

  前後左右、雑兵ひしめき行き場はなし。
  下にしゃがむ。次の瞬間には躯を晒しているだろう。
  ならば上。正解だがまだ足りない。

 左に軽く――滞空する妖魔を斬りつけながら――だが雑兵の頭をギリギリ超える程度に跳び、
その一撃をかわす。忍者相手に長く滞空するなど自殺行為。最低限の跳躍を終え、再び刃振るう。

(これでは先ほどの飛び道具は使えないはず)

 他の飛び道具でも同じだ。この雑兵を抜くだけの遠距離攻撃ならば、事前に察知できる。
 横から飛び出した槍をかわし、左手に居た妖魔の首を素手でへし折る。

 屍を意識しつつも、今はひたすらに雑兵を減ずることに集中していく。


(場所:侵食煉獄闘技場)

230 名前:魔人ヴィゼータ ◆VZ/G9kPv8E :2007/05/01(火) 02:43:040

>>221
【ヴィゼータvs斎月雪那/狂乱の庭園】

「……くぅ〜っ。 やってくれちゃったね?
ここまでやられるとは、思ってもみなかったにゃ〜……」

カッコはたたらを踏みつつ、着地。
くらり、と思わず倒れそうになるのを必死に踏ん張って。
下腹の刀瘡からはどくどくと出血が続き、殆ど千切れかかった左手は
ズキズキと痛みだけは一人前に訴えて。
そしてあっちこっちに受けた重度の火傷の数々。
いずれも人間ならとうに絶命していてもおかしくない重傷。
強靭さを誇る魔人の生命力をもっても、決して軽いダメージではない。

「はは…… 今のワタシ、鏡を見ちゃいけなさそうだよね……
血とか煤とかで玉のお肌がドロンドローン?」

焼け落ちて墨と化した羽つき帽子を払い落とすと、
ヴィゼータは、ずっと一緒に戦ってきた愛剣の柄を握り直す。

「でも、負けるわけにはいかないしね?」

ガクガクと震える膝をどやしつけて、セツナへと向き直るカッコ。
見るまでもなく感じられる、これまでにないレベルでの魔導力の放射。
ヴィゼータはその赤い光を自身の赤い瞳でしかと見据え。

そう、見える。
はっきりと見える。
数瞬の後、セツナの最大の攻撃がワタシを襲う。
構うものか。 そんなものは、そんなものは全てこの剣で叩き切る!
片手しか使えないって? 関係ない。
ヤバいくらい出血してる? 関係ないない。

ワタシを誰だと思っている。 ワタシは魔人。 ワタシはヴィゼータ。
世界の有り様をも変えた聖魔王鈴蘭の親友にしてアウターの一員。
ならば、こんなところで倒れるはずない。 ないないない。
セツナには悪いけど、先に進むのはこのワタシだ。

「いくよ……」

カッコはセツナと、彼女と一緒にいるモノの姿を見据えると。
剣を構え。
もう、何本でもいい。
斬って斬って斬りまくって……全て斬り捨ててやる!



「一本が…… ありったけ!!」

どぉん

ヴィゼータの剣先が全力で振り抜かれる。
空間に現出した死の斬線の数は、実に千を越えていた!



231 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/01(火) 02:46:310

>>228

「たかだか小娘一人を殺せない男が吼えるな――!」

 幾度となく潜り抜ける、絶死の境界。
 細く短いものではない。
 太く、長い――死の具現。

 紙一重で避け続け、身に纏う制服は弾け、千切れ、飛ぶ。

 だがそんなものを気にしている余裕などあるはずもなく、そんな事を気にする以前に私は闘士だ。
 自らの誇りと「名」を賭けた戦場に立つのだから、女としての感情など不要。

「ハッ――!」

 結ばれた互いの得物を軸に旋回。
 そのまま蹴りを放ち、一旦間合いを開ける。
 暴風のような連撃の傍に身を置いていては埒が明かない。

 針の穴を通すかのような隙を突く。
 その為にもすべての余力を使いきり、我武者羅に打ち合うのは得策とは言えるはずもない。

 しかし彼の暴風は止まる事を知らず、愚直なまでの連撃。
 闘士として久しく感じていなかった高揚感。

 純粋に闘いを愉しむ感情。

――久しぶりに感情に身を任せるのも悪くない。

 笑う。
 私は笑う。

 一閃。

 なによりも速く、疾く。
 ただの一撃と侮るなかれ。

232 名前:マリア・バルゼリート ◆AMIGOF7b.c :2007/05/01(火) 02:48:240

>>226

【直刀 VS マリア・バルゼリート 妖魔迎賓館】

充分な加速と重力を伴って振り下ろされた一撃。
少女はそれを反射だけで防いだが、細腕で受け止めきるには余りにも重過ぎる衝撃だった。
圧倒的な重圧に押され、少女は刀を取り落とす。

(―――あれ)

おかしい。
これでは、すぐに斬れてしまう、、、、、、

マリアは無防備な少女の姿を正面に捉え、逆に違和感を覚える。
自分が少女から感じた殺気は、力量は。
こんなに呆気なく斬り合いが終わるような、小さいものではなかったはずなのに。

「嘘だよね、アミーゴ」

呟きながらも、マリアは己の身体を予断なく動かす。
チェックメイトへの最短手を、なぞる様に。

「これくらいじゃ―――終わらないよね!?」

いつしか、声は悲痛な叫びと呼べるまでになっていた。
着地の衝撃に若干しびれる足を無視して操り、距離を更に詰める。
若干崩れた体勢を即座に建て直し、両手に日本刀を構える。


「もっと―――もっと見せてよ、アミーゴぉ!」


最初に右手のムラサーミァ。
次に左手のコチーテ。
同時ではなく、僅かなタイムラグを挟んでの、交差するような横薙ぎの斬撃。
狙いはそれぞれ人体の急所―――首筋と、脇腹だ。
たとえ刀を持っていたとしても回避困難な連撃を、しかしマリアは一切の躊躇なく、
素手の少女に叩き込んだ。

233 名前:屍 十二:2007/05/01(火) 03:01:250

【屍 十二 vs 戦姫】
>>229

 見違えた――いや、本性を現したというべきか。
 先程までの立ち回りとは大きく違う、一対多のみを考える動き。
 敵を屠るのは次の敵を屠る為、次の次の敵へと備えるため。

 大気の動き、“気”の違いなど感じなくても分かる。
 戦場へ駆り立てる太鼓のような、あの哄笑。間違いなく、戦姫はこの戦場を『楽しんで』いる。

「ケッ、正気でやってられるか――とはよく言ったもんだ」

 その類稀な戦争の才能は、見えぬ筈の斬撃すらも必要最小限の動きで避ける事を可能にする。
 戦場が相手のフィールドならば、自分はその場に引きずり込まれたという訳だ。

「……だったらよ!」

 大技の隙を突いて、妖魔どもが爪を、武器を、様々な攻撃を四方八方から繰り出す。
 だが屍はそれを受けるよりも早く、跳躍して後ろ回し蹴りを放つ。
 痛烈な蹴りを受けて崩れ落ちる醜悪な化物。その後頭部を踏み抜く勢いで、更に跳ぶ。
 屍が居た空間を埋めるように、更に数が殺到する。

「こっちもイカレてる位が、丁度だよなァ!」

 ごぎん。左足を置いた足元から鈍い音がする。『足場』が崩れる前に右足を次へ踏み出す。
 肉が潰れ、骨が砕ける感触を味わいながらも屍は宙を翔ける。
 雑魚ごとやっているようでは察知される。ならば今度はそれを無視して走るのみ。

 飛び石を次々と渡り、戦姫へ到達する手前の最後の『足場』へ。
 そして、足場へより一層強く踏み込み、更に高みへ。
 丁度真上の位置を取った屍は、振り翳した二本の刃を流星の如く、宙に走らせた。

(場所:侵食煉獄闘技場)

234 名前:麒麟 ◆TEKIajvYfQ :2007/05/01(火) 03:19:380

>>224 >>225
(ストライダー飛燕 vs 麒麟/呪縛の時計塔)

 飛燕の腕が、麒麟の身体を捕らえる。
 瞬きの暇すらない、刹那の域。

 無数の――那由他の域に達する閃光が、麒麟を包み込む。

 その只中に在って、麒麟は静かに――徐かに眼を閉じる。
 林の如く。水の如く。

 それは、自身の命運が尽きることを悟ったが故なのか。




          ――――閃光は消え、塔内の薄闇が息を吹き返す。



 そして、飛燕は識ることになる。



 全身を真紅に染め、肉を斬り裂かれ、白骨すら覗かせ、所々に紅白の華を咲かせた金色の龍――麒麟が地に足を張っている事を。
 未だ健在である事を。
 その在り方は、大樹の如く。大山の如く。

 飛燕の放った『神々の黄昏』――人の身ならば、絶命に至る必滅の業だったろう。

――――――だが、至らない。

『神』を畏れ、『神』に傅き、『神』に頭を垂れた者に――――『神』を討ち、『神』を否定し、『神』を喰らい、『神』と為った者は討てない。

 真に『神』を討てる者――それは、『神』を討った者、あるいは『神』を討つ鋼の意志を持ち、それを具現する者のみ。


 地を揺らし、塔を震撼させる震脚。同時に、左の拳を飛燕に叩き込む。
 吹き飛ぶ飛燕を追い、体内より溢れる“気”を紫電に変え、跳躍。
 飛燕が飛んだ先に回り、右の龍尾が一閃。起点よりやや下方へと飛燕もろとも跳躍。
 起点と対角線上に結ぶ点で右の拳の一撃。起点と二点目を結ぶ線の中央、やや上方へと飛翔。
 飛翔の頂点から、二点目と対角線上に結ぶ点に向け、左の龍尾の一閃。そして跳躍。
 最終点より起点への、双龍の脚。

 麒麟の纏う紫電によって、中空に描かれし軌跡は――五芒星。

 さらに。
 各頂点に在る麒麟の四体の映し身と一体の実体が同時に飛燕に殺到し、駆け抜けた。


 刮目せよ。
 これぞ狄の――仙術・秘奥を継承し、自然の事象を具現する麒麟による、
相手の生命を、自身の生命すらも、夜空を彩る綺羅星の如く輝かせ、夜闇に舞う星屑の如く散らせる業。





                   ――――“麒麟星祭り”――――




【死合場:呪縛の時計塔】

235 名前:直刀 ◆DOGS.OpLbU :2007/05/01(火) 03:28:130

>>232

【VSマリア・バルゼリート:妖魔迎賓館】


ざわざわ。
感覚と言う感覚が全て危険信号を発している。
ぞくぞく。
全身と言う全身が全て熱く高揚感に染まる。


弾かれた刀を探して拾いに行ける時間も無く。
目の前の殺し屋の攻撃が止まる事も無い。


だが、何もしないという選択肢も、無い。


最短距離を華麗に動き、最速で刀を奔らせる殺し屋が次に狙うは。

―首筋と、脇腹。

「そうね、まだ終わらせない」


ぎぎん!

二筋の剣閃を受け止めるはコート内から取り出した左手のタガー、そして右は私が始めに手にした折り畳み式のナイフ。

そして、私は殺し屋の腹部に足を叩き込んだ。


236 名前:夏将軍“関羽” ◆CO2A/1LVic :2007/05/01(火) 03:29:130

>>231
二対の偃月刀が鐘のように鳴り続ける。だが、貫くべき場所に獲物は居らず、紙一重で避け続けられる。
切り裂くのはその衣服のみ。あらわになっていく肌。だが、そのような色香に戸惑うような関羽ではない。

彼は知っている。女の色香で養子に殺された暴君を。
彼は知っている。女の色香に惑わされて滅亡寸前まで堕ちた君主を。

全ての迷いを断ち切って、それでもなおかつ戦場に立ち続けるからこそ、武神と己は恐れられた。
名など為さずとも、そこにいるだけで戦場全てを支配する威風堂々たる存在。ただそれだけ。
そして、その攻撃を流し続ける見事な身体捌き。そこから放たれる神速の蹴り。風を切って猛禽は舞う。

だからこそ、その速さを受け流しつつ、関羽は槍の構えを変えていく。
相手を侮っているからではなく、それが必要だからこそ流れるように準備を変える。

「………ならば、これを見事受けきってみせい!」

荒れ狂う暴風は渦を巻き、竜巻へと形を変える。偃月刀を回転しながら走らせる。
人間ならば三半規管を摩耗する愚行も、不死者ならば可能になる。
武人なら生まれうる後ろを見ている隙も、武神故の覚りと速さが可能にする。

─────これ即ち、車輪の極意。武神はここに舞い降りる。

237 名前: ◆8/KAIZERps :2007/05/01(火) 03:32:550

 第一回戦
 メタルアルカイザーVSシグナム/侵食地下神殿跡
 レス番纏め


>>8 >>9 >>10 >>11 >>50

>>54-55 >>63 >>68 >>72 >>79 >>82

>>89 >>95 >>102 >>105 >>115

>>121 >>126-128 >>132-134 >>138-139

>>142 >>144 >>154




 ―――鋼は起点を得、輝きを得た。
 その道はおそらく深く遠く険しいだろう。
 だが、その魂は逃げることなく、全てを受け止めていくだろう。

 心の中に、剣の騎士の姿がある限り。

238 名前:戦姫 ◆cr6uqIKUSA :2007/05/01(火) 03:39:510

【屍 十二 vs 戦姫】

>>233

(この高揚感…たまらんな)

 槍を弾き剣をかわし矢を叩く。
 斬りつけ斬り上げ斬り払う。打き突き抉る。
 刃と柄と石突で、一撃ごとに雑兵を仕留め、その手で何匹もの妖魔を屠る。
 頭で考える必要などなく、この身に染みた勘が次の獲物を定めると同時に敵を葬る。
 留まる事無く動き、殺し、動き、殺し、動き殺し動き殺し動き殺動殺動殺……

 JAPAN最強の剣士、軍神上杉謙信の舞踏とも思える剣技や戦場での大嵐と称せる雄姿
に比べ、戦姫のそれはまるで機械だった。最善の選択で最良の道を選び最高の手を持っ
て敵を葬る。
 しかもその立つ戦場は決まって最悪。
 自ら死地を選び、生死の境に立ち、その境界を駆ける所に悦びがある。

 戦場に初めて立ったあの日から、遂にこの境地までやってこれた。
 戦をその身で楽しみ、戦をその頭で愉しむ。

「――!」

 ぞくり、と悪寒が走る。
 この感覚――彼女が何度も味わった感覚だ。

 この感覚――女としての悦びにも勝る、戦場でしか味わえぬ悦びの瞬間。


 大きく薙刀を振るい雑兵どもをなぎ払う。
 目を転じれば妖魔どもを足場とし、死人が1人跳んでくる。
 あれが、この戦場での彼女の死、そのものだ。

 そうだ、戦場で雑兵に討たれるのもまた彼女の是とする所だが、その命の届くには到
底足りない。だが、あれならば、あの境地にいけるはずだ。
 死と生が交わる一瞬に。

「いい…とてもいいぞ、この感じ……」

 妖魔どもの更なる躯を重ねながら、その一瞬を待ち望む。

「こっちもイカレてる位が、丁度だよなァ!」

 屍の足場が崩れ、だがその前に次にそして最期の足場にたどりつく。
 未だ戦姫は屍を正面に捉えていない。この瞬間、屍はまだ戦場の1要素に過ぎない。
 眼前の妖魔の首を刎ねたのと、大きく舞った屍が戦姫目掛けたのはほぼ同時だった。

 すっと、一歩だけ下がり――しかしそれ以上はこちらからも手を出せなくなる――
致命傷を避けることだけを念頭に、そのまま薙刀を跳ね上げる。


「がっ!」

 左肩に激痛が走り、痛みは臨界を軽く越えていった。
 何かしらの手ごたえはあった。が、自信がない。
 おそらく千切れかけているであろう左手を確認するより前に、戦姫は敵の姿を探した。


(場所:侵食煉獄闘技場)

239 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/01(火) 03:46:090

>>236

 彼が己の力のみで作り上げる大嵐。
 己の武を過信する事なく、己の武を信頼しているからこそできる曲芸にも似た神技。
 並大抵の闘士であれば飲み込まれ、四肢をバラバラに切断されるのは必死。

 しかし――私は私の武に賭けて。
 この名の誇りを穢さぬように。
 我が主の為の力を振るおう。

 この武は己の為に存在するのではなく、生涯離れる事はないと誓った主君の為に。

「いざ尋常に――勝負」

 暴風を伴う嵐も、その中心は穏やかなものだ。
 しかし、この嵐に限っては話が違う。

 中心こそが死地。
 幾多の屍が並ぶ墓。

 だからこそ、だからこそ――中心を目指す。

 刃に触れ落ちて行く制服。
 裂かれ、破れ、千切れ、自然と肌の露出は増える。
 致命傷に到らないまでの傷は既に数多く、褐色の肌に真紅の血が、その舌を這わせて行く。

 既にセーラ服は形を止めず、胸を晒してしまっている。
 スカートもまた同様だ。
 だが、そんな事は気にしても仕方がない。

 目指すは上。
 暴風の中心点。

「行こう――冷艶鋸。彼の者を討つ」

 足元を狙った突きを避け、青龍刀の上に着地。
 そのまま飛翔。

 目指すは中心、その最短距離を駆け抜ければ――死地。

「その首、貰い受けるぞ!」

 斬と、音が響く。

240 名前:飛燕 ◆BLOODlbo6s :2007/05/01(火) 03:57:110

>>234
(ストライダー飛燕 vs 麒麟/呪縛の時計塔)


      ――――嗚呼、黄昏の野を馳せる者よ。


そして、黄昏は星夜の到来に頭を垂れる。
麒麟の描いた五芒星――――真の必滅たる綺羅星の舞は飛燕の体躯を穿ち、砕き、散らす。
まるで虚空の彼方に舞い散る星屑とばかりに。


「これが――――”神殺し”、か」


白装束は血に染まる。
四肢の半分は根元より砕け、その胴と胸は抉り取られ虚無のみが在る。
その命は、既に刈り取られている。


「……お前のような“強さ”が、俺にもあれば…」


      ――――黄昏を駆る汝は今、黄昏となる。


自爆装置、発動。
体内に仕込まれた小型プラズマ弾は、死を認識すると即座に化学反応を開始した。
即ち、一切の痕跡を残さぬ消滅の為の起爆を。


「麒麟、俺は……!」


届かぬと分かり手を伸ばす。
霞んだ視界、眼差しの先にいる“強き者”を見据えて。
自身の体が分子レベルで分解消却される、その瞬間まで。


      ――――死出の旅路を馳せる者よ。今、お前は何を思うのか。


【死合場:呪縛の時計塔】
【飛燕:任務失敗 死亡】
 

241 名前:◆Poesie/ZHU :2007/05/01(火) 04:10:570



 ―――遺体は朽ちるに任せた。


 戦を交わした相手の意思を尊重するのは、騎士であれば当然の事だ。
最後までリアに触れられる事を拒んだ黒髪の少女―――それが彼女の
矜持に関わる事であるのは明らか。ならば遺体に触れ、まぶたを閉じ、
土葬する権利さえ、このリア・ド・ボーモンは持ち合わせていない。
 ―――下手な気遣いはこの場合、無礼に成り下がる。
 故に、一切の気遣いは無し。

 リア・ド・ボーモンは思う。
 最後の彼女の眸。あれは―――。
 ひとを恋いうるものの眼だ。それも今はなき、死せるものを恋いうる
人の目だ―――心焦がれ、誰よりも慈しみ、命を掛けて護ろうと誓った
相手を喪ったものしか持ちえない―――昏い切望の眼差しだ。
 ならば―――この結末は、彼女にとって救いであろうか。
 死せるものに心を囚われる事ほど辛いものはない。
 手に入れられない光、永遠に叶う事のない希望―――それらは、
人のこころを最も暗い奈落へと誘い入れる。ただし人の生とはおしなべて、
そういったことの連続であるのだけど。
 ならば、人の生とは不断の闘争だ。

 ―――その中で絶望のみが唯一の安息であり、救いである。
 その冷たい手触りの中には、おそらくは至上の優しさや美と同じく、
何か永遠へと通じるものがある。
 ならば、奈落の縁をさ迷い歩き、ときおり覗き込んだ闇の深さに怯える
人の生の―――何と滑稽。何と無粋。何と不風流。
 リアはときどき、ほんのときどき―――そう考えるのだ。

 埒のない想念を振り払う。
 リアは死んだ。
 しかし霊の血肉でもって歩みを進められる。
 ならば歩みを進めるのみ。
 黒髪の少女のことを勝者であるリアがこれ以上考える事自体、すでに
リアを拒んだ少女への冒涜となるだろう。ならば彼女の肉は捨て置き、
彼女の記憶など綺麗さっぱり忘れ去ってしまうのが―――すなわち、
真の意味で彼女を蔑することが、彼女への唯一の敬意なのではないか。
 理不尽ゆえに吾施す、不条理ゆえに吾信ず、滑稽ゆえに吾通す。
 誇りとは―――どうやら、そういうものである。

 ともかく、すでに全てはリアの手から離れ―――
 紅い弦(rouge fil)はここに、亡者の糸(GOURE FIL)と成り果てた。
 永遠を手に入れた千羽烏月は生きとし生けるすべてのものに省みられる
ことなく、取り付く島もないような大地の腕に抱きかかえられて―――
塔の脇で、今も眠っている。



 リア・ド・ボーモンVS千羽烏月(罪人の塔)
 レス番まとめ

 導入 >>140-141
    >>143 >>145 >>146 >>147 >>148 >>150
    >>151 >>153 >>155 >>157 >>158 >>163
    >>168 >>169 >>170 >>176 >>180


 リア導入 >>140-141
 黒髪の剣士の登場 >>143
 最初の交差―――リア >>145
 最初の交差―――烏月 >>146
 退却―――リア >>147
 布石―――烏月 >>148
 突撃―――リア >>150
 魂削り―――烏月 >>151
 遁走―――リア >>153
 追撃―――烏月 >>155
 塔の崩落―――リア >>157-158
 空中戦―――烏月 >>163
 空中戦―――リア >>168-170
 決着―――烏月 >>176
 エピローグ―――リア >>180
 エピローグ―――烏月 >>186



242 名前:夏将軍“関羽” ◆CO2A/1LVic :2007/05/01(火) 04:25:120

>>239
武神の供物は屍のみ、屍を越えて武神は進む。血の山河の果てに武神は立つ。
荒れ狂う龍が描く無慈悲な車輪は狂風を生み出し、ただ前へ走る。

並大抵の武人ならば、無惨な屍と変わり果てて武神の供物に成り果てる必殺の車輪の中を。

年端もいかぬ少女が進む。その服をはだけさせ、その柔肌を晒して。その赤い血を流して。
中心に向かって。最大の死地。龍の顎のその中へ。虎の潜む穴の奥へ。その武を持って進む。

その覚悟は何処より生まれ来るのか。その誇りの炎はこの狂風を浴びてなお燃えさかるのか。

『その首、貰い受けるぞ!』

遂に少女は龍の尾を掴む。致命の一撃を武神はその偃月刀で受け止める。
斬と言う一撃に車輪が止まる。その刹那、空気が転変する。そこにあるのは、ただひたすらの狂気。
その変化に、耐えきれなかった頭巾が、上着が、弾け飛んで霧散する。
これが、妖怪仙人が関羽に与えた窮地を覆す切り札“狂化”の法。

その昔、兄弟の元に帰るために、己の義を通すために、鬼と化した武人がいた。
袁の旗の二枚看板と呼ばれた猛者を、一瞬にして切り伏せた修羅がいた。

「儂ヲココマデ追イ詰メルトハ、ソノ名伊達デハナイヨウダナ!

 ダガ、モウ一度、夏ガ栄光ヲ掴ムタメナラバ、我ハ鬼スラ喰ラウ羅刹ト化ス!
 ………仙人殿、貴殿ガ与エタコノ力、ゾンブンニ使ワセテモラウゾ!」

ただひたすらに武人の本懐を遂げるために、その果たせなかった夢を果たすために。
武神はその理性を捨てて、ただ敵を屠る羅刹と変わり果て─────鬼神が今、降臨する。

243 名前:麒麟 ◆TEKIajvYfQ :2007/05/01(火) 04:32:070

>>240
(ストライダー飛燕 vs 麒麟/呪縛の時計塔)

 一瞬の静寂を置いて、閃光が舞った。

 閃光が霧散したそこに残るのは、白き燕――飛燕の使いし、一対の刃。
 主を失った刃は、地に屹立していた。
 それはまるで、墓標の様に。

 墓標に背を向け、鋼の奏でる協奏曲が響く塔内を、金色の龍が往く。
 各々の規則に従い回り、噛み合い、軋む歯車を蹴り、更なる高みへと飛翔する。




――――何故、麒麟は往くのか。

 麒麟は語らない。
 語る必要などない。

 麒麟はただ此処に在る。
 自然がただ在るのと同様に。


――――――――殺戮の嵐、未だ吹き止まらず。

【死合場:呪縛の時計塔】
【麒麟:生存→二回戦進出】

244 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/01(火) 04:38:530

>>242

 一変する雰囲気。
 断ち切ったのは肉でも骨でもなくその心の在り様。
 平衡を失った心が落ちたのは――修羅之道。

 しかし、そんな事に構う暇はない。
 相手が如何な鬼であろうとも、討ち果たし、その首を貰い受けるまで。

「関羽雲長の名が泣くぞ――鬼」

 ひらりと身を翻し、蹴りを放つ。
 軽い一撃では届かない。
 丹田で”氣”を練り、相手の体を突き通すようなイメージを描く。

 この足刀は既に槍。
 どんな鋼鉄であろうとも蹴り穿ち、勝利をもぎ取る礎とする――!


「――そう甘くはないか」


 そう――この闘いはそれ程甘くはなかった。
 内気の調整次第では、人の体は鋼を超え、如何な刃筋も立たなくなる。
 それと同等の技術が彼の者にはあったのだろう。

 まさに武神と呼ぶに相応しい。
 まさに鬼神と呼ぶに相応しい。

 そうして、絶好の好機を晒す事になる。
 しかし――諦めなどはない。

「貴殿にもう一度名を問おう。其はなんぞ!?」

245 名前:麒麟 ◆TEKIajvYfQ :2007/05/01(火) 04:48:080

第一回戦:ストライダー飛燕 vs 麒麟/呪縛の時計塔

導入 ―源流―
>>59 >>61-62
闘争 ―分岐、あるいは合わせ鏡―
>>67 >>75 >>80 >>90 >>92 >>99 >>110 >>118-119
>>135 >>149 >>189 >>197 >>203 >>217 >>224 >>225
決着 ―黄昏と星空―
>>234 >>240
終幕 ―嵐は往く―
>>243

――斯くして狄は進み往く。
全ての生命――生ある生命を、生なき生命を否定するが如く。

【死合場:呪縛の時計塔】

勝者/麒麟@狄
敗者/飛燕@ストライダーズ

246 名前:マリア・バルゼリート ◆AMIGOF7b.c :2007/05/01(火) 05:03:430

>>235

【直刀 VS マリア・バルゼリート 妖魔迎賓館】

ああ、やっぱり、、、、

少女がどこからともなく取り出した一対の刃物でマリアの攻撃を完璧に防いでも。
マリアの表情には動揺も、感嘆もない。
さも、そうされることが当然であるかのような――そんな顔で、笑っている。

「グフッ―――そう、そうだよ」

至近距離で腹部を思いっきり蹴られ、息を詰まらせながらも。
マリアの声は止まることなく、少女の耳へと届く。

「それでいいんだよ、アミーゴ!」

蹴りで数歩たたらを踏んだ分、開いた距離を直ぐに詰める。
少女には暗器のナイフがある分、遠距離での戦いが有利だ。
相手にむざむざアドバンテージを与えるほど、マリアは戦闘において無能ではない。

自分も二刀。
相手も二刀。
これでようやく、二人は五分になった、、、、、、

「ねぇ、あなたも楽しいでしょ? 楽しいよね!?」

両手の日本刀を振りかざし、交互に、時にはフェイントを交えつつ、連続して斬撃を叩き込む。
その悉くを、少女は弾き、かわし、裁き、返す。
二人の少女の間に、無数の火花がきらきらと舞い散る。
それはあたかも、二人の美しさを際立たせるスパンコールの如く―――少女たちの全身を飾る。

「目の前の敵を―――斬りたくてたまらないでしょ!? アミーゴ!」

マリアは素直に、自らの欲求を口にする。
あまりにも純粋で、あまりにも狂気に満ちた、危険な欲求を。
何故なら、マリアには理解できる。
目の前の少女が―――自分とどこか、似ていると。
自分と同じ欲求を―――その美しい身体の中に、秘めていると。

「素直に―――自分に素直になりなよ、アミーゴ」

その言葉と同時、唐突にマリアの身体が地面スレスレにまで沈み込む。
這うような低姿勢から繰り出されたのは、少女の踝を狙った足払い―――
と見せかけた、掬い上げる様な軌道を描く日本刀の一閃。
見切り易いフェイント技だが、低所から繰り出される一連の動きは、
分かっていても対処がし難い。
もっと、もっと少女の高みを見てみたい―――マリアの一念が籠もった攻撃だった。

247 名前:デスマスク ◆xmpp2OfICI :2007/05/01(火) 17:31:160

>>216

―「守るべきものの大切さを知らぬ、守りし者としての誇りを持たぬ貴様は、ただの邪悪だ!」―


黄金の騎士……やはり欲しいな……その限りなき力。我が聖域に、必要だ

ガロの脳髄に直接響き渡る声。
しかし、これはデスマスクの声ではない。威厳に満ちた、正邪の判断すら出来ぬその声。
教皇の間から放たれる強烈な思念が、庭園の空気を一変させる。
花々は枯れ、雲は紫色に染まる。デスマスクの目が、充血し顔面の血管が隆起して
不気味に動く。


しかし、私に従う様子はないようだ。ならば……力で 従えるのみ


デスマスクの中に、何かが同化する。

「オレハ……デスマスク……キャンサー ノ デスマスク……フフ……
アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ……なんて、な。
ククク……いいぜ。この湧き上がる力!! これこそが  正 義 俺が 求めていた力だ!!!!」

教皇は驚愕する。この男は幻朧魔皇拳を受けても尚、自己の意識を保っている。
完全にこちらの支配化に置く事は出来ぬという事か。

「デスマスク……恐るべきは、その精神―信念―の強さという事か。」

そう呟くと教皇は、再び目を閉じた。

――侵食庭園

デスマスクの小宇宙が、悪鬼の如き力を得て更に高まる。
両腕の聖衣に、黒きコスモに覆われ変化していく。
禍々しい、地獄の鎌の如き刃がデスマスクの腕に現れる。

「貴様は……俺が邪悪だと言ったな?
フフッ……フハハハハハハ!!!! 聞いてねぇんなら、もう1回言ってやる。
俺は、相当邪悪だぜ……だが、勝利すればその行いも正義となる。
今こうしてテメェをぶち殺せばなぁぁぁ!!!! 切り裂かれろ!!」

死極大鎌

禍々しい鎌―プレセベ デスサイズ―がガロの右足、左腕を同時に狙う。

(守りしもの……あぁ、”そういうこと”か)

デスマスクは、含み笑いをこぼすと再び首元を狙いその鎌を振り下ろした。

248 名前:直刀 ◆DOGS.OpLbU :2007/05/01(火) 20:21:370

>>246

【VSマリア・バルゼリート:妖魔迎賓館】


ががががががぎぎぎぎぎぎ!

(このままだとジリ貧間違いなし―― どうする?)
蹴りを思い切り叩き込んでも殺し屋は全く意に関せず、表情には笑みを張り付けたまま、私との距離を詰めて。
斬林閃雨、正に物量任せの斬撃を斬り込んで来る。

私はそれを、流し、往なし、受け、避け、弾き、捌き、返し、散らし、ありとあらゆる方法を駆使し耐えきるが、表情は焦燥に変わっていた。


「楽しい訳なんて無い、だから」

この身を縛り、未だに燻る過去の憎悪。


ぐん、と体を沈める殺し屋、そして掬い上げる様な軌跡を描き迫り来る一撃。
私はそれを避ける為に前に・・跳ぶと同時に、叫んだ。

「私と貴方は―― 違うんだッ!」

片足が付くは―― 殺し屋の肩。
その片足で更にもう一度殺し屋を前に突き飛ばす様に踏み切り、もう一度前に飛んだ。
目指すは弾かれた刀、私は走る。

振り返りもせず、左手のタガーを後ろに放った。

249 名前:十字刈夜:2007/05/01(火) 20:33:180

【黒の礼拝堂にて、アイザック・ラフォレーゼ/十字刈夜】

十字刈夜。闇を裂く者。全身白尽くめ。性根も白────
但し芯の裏まで研ぎ澄まされた、陽光届かぬプルートーの白色。
重ねて言うなら葬送行進、電気仕掛けのランタンが様式...つまりは無貌に暮れた陰ある白色。
性は女性、伸びた長いものは膝まで流れるも、やはりその色白銀、天の川。

背より一振り、幻妙妙なる色合い眩き、人読んで”おりはるこんの刃”。
両の手、拳が得物をすらり、天の川から掴み出だす。
憎しみや恐怖ゆえに動ける屍人を滅ぼすのこそが、その乙女が勤め。

”悪徳のグレイルも、誘惑溢れる熟れた果実も落雁の様に脆く砕けよ。
 説教や御託、欺瞞の教壇には口の端で、作り置いた微笑を捧げ奉らん。
 残された静寂、貴方のみこそ無上の友だ────”
そう考えるニヒリスト。それが十字刈夜。だからこそであろうか。

”死ぬ事のない輩が何をか祈らん?”

退廃し、朽ち果てた夢が堆く降り積もった黒の礼拝堂の闇の底。
ここに来て斬り果すべき相手を待ち侘びるままの一刻過ぎ、紡ぎだされたのはその語一言のみ。

だが、それは彼らの気に入る処になかったのであろう。
あなや───言の葉と時同じくし、強い気配────鋭く振り上げるられる両のかいな。
弧を張る程大振りに。そして、ぴたり。
それは程よく地と並行の角をなす位置で留まる。愚直なまでに。
やはり見据える眼は只の正面、目には侮蔑の色。変わらずその先には不可解な信仰の対象一つ。
そう、そこに蠢く闇の輩がいる訳ではない。
刈夜は相手の姿に興味を持っていない。只管に「寄らば斬る」。
そう思っている変わらぬ心情。それが十字刈夜。
長物把持する指──裂迫の気力を這わせ、存在を待つ。

250 名前:◆BLOODlbo6s :2007/05/01(火) 21:03:260


―――――偽典悪魔城最上階、城主の間。

今宵訪れる者を血に狂わせる饗宴の元凶にして、
月の彼方に封じられた真の『悪魔城』を降臨させるために行われている儀式の中枢。
その更なる最奥こそは祭壇にて玉座。
其処に若き銀髪の魔王、新生した『ドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ』は座す。
掌で弄ぶ三つの魂は、決闘で死した剣士のものか。

そして豪奢にして禍々しい装飾の部屋に掛かるは、物見の術を掛けられた十余枚もの巨大な魔鏡。
それに映された幾多もの死合に興じるは、魔王により再臨を果たした側近である。


傍らの貴賓席、花園の流血劇と塔の崩壊劇、そして迎賓館の剣戟を観覧するのは彼が血族。
『流血の伯爵夫人』エリザベス・バートリーは麗しき乙女の選定に余念がない。
流血を強いる結界は彼女の差配。
乙女らの死後すら弄ばんと欲するが為。


周囲への警戒を怠らず、城門と庭園での死闘を睥睨するのは守衛の長。
悪魔城の上層警備を任されるオルロックは、脅威となりうる戦士の選別を続ける。
向ける眼差しには一切の油断も慢心もない。
彼の陰として城主の間を囲む形で配された獣人の精鋭達、死を厭わぬ配下と同じく。


月を降ろし、“城”を降ろす。
悪魔城復活の大儀式、その一翼を担う暗黒神官シャフトが目を向けたのは崩壊する罪人の塔。
呪術装置として機能していた一角の壊滅、それに伴う儀式への被害を計算。
程なく死体群球“レギオン”が健在なれば支障なしと結論付け、その双眸を瞑り、己が務めを続行する。


城主の傍らにて、其れの腹心は控えて浮かぶ。
魔王に誰よりも古く仕え続ける「死神」は、主の守護をその最大の役目と心得る。
彼直属の悪魔騎士、重層防壁を展開する守兵ファイナルガード達を従えて。

そして、もう一人。

「――――我が名の下に貴様へ命ずる。その力、我が望みの前に役立てよ」
「御意」

魔王の御前に頭を垂れ、傅くこの異相の美丈夫たるは。
生前は人の身でありながら、自分だけに従う悪魔を作り出す禁断の秘術を操りし「悪魔精錬士」。
ドラキュラの側近「死神」と同等の力を持つと恐れられた魔人。
魔王に心酔し、魔王に侵食され、魔王のために喜んで死した男。
その男の名は―――――





「汝には期待している。
 我が秘術を継承した悪魔精錬士――――――我が弟子、アイザックよ」

 

251 名前:『悪魔精練士』アイザック・ラフォレーゼ ◆BLOODlbo6s :2007/05/01(火) 21:06:410

>>250

【アイザック・ラフォレーゼ 対 十字刈夜】


神を汚し闇を奉ずる黒の礼拝堂。
現世にて偉大なるあの方を迎えるため作られた異端邪教の拠所は、
既に其のお力によって復元されている。
廃墟からの完全なる再生――――いみじき英霊の魂を、蒙昧無力なる十字軍の
魂を糧にした御方なれば容易き所業。

だが、其の御力は極めて偉大なり。
自らをヴァンパイアから呪いに、そして神にすら並ぶ魔王へとその位階を上げた偉業たるや。
なれば我が身はその偉業を支えるための柱とならん、贄を刈り取り捧げる僕と成らん。
故に我が身は混沌の虚無より新生した。

我はあの方の剣、偉大なる力の片鱗である。
これ以上の栄光があろうか。否。断じて否。


「――――――貴様か?」

嗚呼、神ならぬ我が全能なる主、愚昧なる神を嘲笑う師よ。
今より貴方様に捧げます。
世界の真理を偽る愚か者、我等を打ち倒さんと向かい来る哀れな贄を。
その清らかなるを汚し、気高きなるを犯し、神聖たるを貶めましょう。
どうか闇の天上、遠見の先にて御上覧あれ。

そう―――――貴方様に捧げます。
我が歩みを止めた先に立つ、傲慢の十字を背にした美貌の狩人を。

突きつける切っ先は、血を浴びて呪器と化した我が愛槍。
この良き日の儀式を担う必滅の祭器。

【死合場:黒の礼拝堂】

252 名前:十字刈夜:2007/05/01(火) 21:23:340

>>250>>251 【黒の礼拝堂にて、アイザック・ラフォレーゼ/十字刈夜】

細身の男を目の前にするも、刈夜はその視線を違え様ともせぬ。
幾程の者を枯らし果したか分らぬ彼の得物すら一顧もみとめぬ。
ただ、変わらずその長さ70寸余りの両刃を掲げ、彫像の様に居座りあるのみ。

刈夜は頼りないほどに、ただの無声音。
闇に消え去るほどか細く一言のみ発した。

「寧ろ、人の貴様がか───?」などと。

253 名前:屍 十二:2007/05/01(火) 21:23:430

【屍 十二 vs 戦姫】
>>238

 薙刀が跳ね上がる。勢いはあるが、両手の刃を防御に回せば防げない攻撃ではない。
 そんな考えは直ぐさま打ち消す。防御などとっくの昔に捨てている。
 死人が死を恐れてどうする。それでは笑い話にもならない。

 屍は勢いと心の赴くまま、ガンブレードを振り切った。

「へ……ッ、ようやく……掴まえたぜェ!」

 幾合かの打ち合わせの末、敵手へ届いた刃。
 その手応えに喜悦の色を見せる屍だったが、その声は苦痛に歪んでいる。

 見れば、屍は相手の刃を――自らの口で受け止めていた。

 無論、薙刀の大振りな刃がその程度で止められる訳はない。
 屍の口腔は頬までザックリと切り開かれ、醜悪な筋肉繊維の束を晒している。
 歯で勢いを殺していなければ、頭蓋骨ごと両断されていた所だ。

「もう逃がしゃしねぇぞ……」

 刃を口から離し、砕けた歯と肉片を地に吐きかける。
 顔面と同様に酷い損傷を受けたマスクが、裂け始める。

「さぁ、覚悟しな。そろそろ馬鹿騒ぎにもケリをつけなきゃいけねェ頃だ」

 その一言を言い終わると同時、はらりとマスクが剥がれ落ちる。
 覆面の下にあった物は一切を映さない、透き通った物体で出来た瞳。
 そこには虹彩も瞳孔も無く――ただガラス玉が填め込まれているだけのような錯覚すら覚える。

 そして、人ならざる瞳に宿るのは、殺意と敵意という人そのものの感情。

 激情をそのまま叩き付けるかのように、屍が地を踏み抜かんばかりの勢いで蹴った。
 並外れた瞬発力で相手の脇を駆け抜け、逆手の刃で擦れ違い様に一閃。
 着地と同時、全く同じ速度を維持したまま方向転換。
 衝撃に耐え切れず、筋肉や靭帯が悲鳴を上げるが無視。順手の刃を更に一閃。
 更に、更に更に更に――

 常軌を逸した速度と苦痛の中を駆け抜ける、乱舞の太刀。
 それは周囲に群がる有象無象すらも巻き込み、真赤の嵐をその場に生み出す。

(場所:侵食煉獄闘技場)

254 名前:『悪魔精練士』アイザック・ラフォレーゼ ◆BLOODlbo6s :2007/05/01(火) 21:44:420

>>252

【黒の礼拝堂にて、アイザック・ラフォレーゼ/十字刈夜】


―――――そうだとも。

俺の貌に浮かび湛えるのは嘲笑。
愚かなるを分からず、蒙昧なるを知らず、
己が今この場に座する意味を理解せぬ羊が一匹。
それを見下すのは錬金魔道の術理に従わずとも当然の帰結だ。

「――――そうとも、私がお前の“死”だ。
 お前の命と魂はドラキュラ様の贄となり、その栄えある歴程を飾る礎の一つとなる」

そう、破滅への礎。
神の創りし世界を無へと帰す、天地破壊の偉業。
俺は其れの手を担い、「此れ」は糧を成す。


「だから死ね。それがお前にとって最高の栄誉となる」

投擲が刹那なら、それへの『騎乗』も刹那。
呪われしショヴスリには今天地重力の枷など皆無、居並ぶ合切を薙ぎ払い止まらぬ。
担い手たる俺をその柄に乗せたまま、“死”は俺の見据える獲物へ矢となり突き進む。


255 名前:十字刈夜:2007/05/01(火) 22:04:050

>>254 アイザック
死とやらを死ぬ事を知らずに用いる男…その性は愚か、なれど腕は決して曇って居らぬ。
刈夜は男を見ずに、それのみを感じた。
止むを得ないだろう。彼の言は理解に耐えぬ。
たかが1世紀も生きられぬ彼女の死に、彼女自身どれ程の価値があるかも分るべくもない。
そんな彼女はそれでも一人で結論を出す。問いに答えぬは迷いが残るからだ。
やはり見据えたるは、魔の王者を崇める象徴...

”いずれ捧げるさ、来るべき時、自然に死んだ後、好きにするが良い”

答えを秘め、瞳を閉じ…
───来る殺気、血吸いの切っ先────
間合いは彼の方が幾分広い。一足一刀の間合いを悠々踏破する、かの得物に対し───
刈夜は身軽に跳躍、空より”びょう”と延べ打ちに振り下ろす、長さ長大、おりはるこんの刃。
握りを見るに、すでに刈夜は全力───満身引き絞り必殺の両刃。
槍の上の男よ、さらば。
そは彼の頭上をからりと割るのを望む。

256 名前:戦姫 ◆cr6uqIKUSA :2007/05/01(火) 22:06:220

【屍 十二 vs 戦姫】

>>353

「へ……ッ、ようやく……掴まえたぜェ!」

 口腔を大きく切り裂かれてなお、いや故にその顔の凄惨さはいや増していた。
 肉を切らせて骨を絶つ。そんな考えで放った訳ではないが、それでも左腕を犠牲に
繰り出した一撃は未だその命には足らないでいた。
 或いは相打ち覚悟でならば相果てていたであろうか。

「もう逃がしゃしねぇぞ……」

 ああその通りだ、もう逃げられはしない。逃げる気もない。
 まだこの体は動き、刃を振るえ、闘志に翳りはなく、そして敵は目の前にいる。

 逃げる道理がどこにあるのか。

「さぁ、覚悟しな。そろそろ馬鹿騒ぎにもケリをつけなきゃいけねェ頃だ」
「残念だ。私は…まだ足りない。どうしたものかな」

 死人がその素顔を晒す。
 その人在らざる瞳に宿す色に、戦姫は、震えた。


 いくさ人は死人だという。
 生に執着し、死を恐れる者は勝ち抜けない。死を恐れるが故に死に囚われ、生に執着
するが故に生に見放される。故に、いくさ人は死人となり戦場を駆けるのだ。

 「だがしかし」と戦姫は思う。死人と戦って何が楽しいというのか。
 戦が生み出す、恐怖も殺意も、あらゆる喜怒哀楽は生者こそ生み出すのだ。その生者
の生み出す感情こそ戦場で彼女を昂ぶらせる。

 故に彼女は常に足軽隊を率い闘ってきた。いくさ人/死人たる武将と戦う武士隊では
なく、生に執着したまま我武者羅に戦場を疾駆する雑兵に正面からぶつかる足軽隊をだ。
 あらゆる感情が渾然一体となり熱を帯び遮二無二にかかる雑兵の中にこそ彼女は真の
戦場を見出した。


 その熱さと同じものが今ここにある。そこにある。
 惜しかった。この瞬間が終わるのがただただ惜しかった。

 屍が嵐となり雑兵を切り払い駆け抜ける。もはや是非もなし。

「はっ、ははははははは!!」

 歓喜と共に長柄を払う。右に左に、首を刎ね腕を飛ばし胴を裂きながら前へ前へと。
 既に左手の感覚はなく尋常ならざる腕力だけを頼りに雑魚どもを切り抜け、向かい来
る御敵――なれど戦場では数多ある敵の1人――に薙刀を繰り出す。何の技巧もない、
だがだがひたすら重く早く多く。

(場所:侵食煉獄闘技場)

257 名前:ウォルター・C・ドルネーズ:2007/05/01(火) 22:10:490

(ウォルター・C・ドルネーズ(吸血鬼)vs七夜志貴 場所:悪魔城最上階)

 其れは誰よりも早く其処へと到達していた。
 噎せ返る血臭/死臭の中、ふぅーっと吐き出される紫煙。
 佇む影の足元に在るは血河山屍、城の最後の護り手たる悪魔、巨人の成れの果て。
 彼等の爪、牙は歴戦の猛者をダース単位でただの肉塊へと変える。
 たかが人如きでは抗し得ぬ絶望の暴力。
 それらが此処『悪魔城最上階』に巣食うモノ達であった。

 ………が絶望の具現も其れの前に全くの無力。
 嘗て彼等が肉塊を量産した様に今彼等自身が肉塊となって豪奢な廊下を汚している。
 いや肉塊というには相応しくないか。
 彼等がその暴力で潰し砕いて出来上がるものは肉塊としか形容できない「汚物」
 今の彼等は各々の構成部品が鮮やかに分け隔てなく分断されて作られている「芸術品」
 この差は誰が見ても歴然であろう。




 さて、と一服を終えた其れは廊下の向こう側に見える漆黒の大扉に視線を向ける。
 その向こうに居るのが魔王ドラキュラ、求めに求めた宿敵の鏡面存在。
 今からの其れが切断しようとするもの。

 此れを切断し解体しつくせばきっと届くに違いない、打倒もし得よう。
 其れ―――「死神」ウォルター・C・ドルネーズはそう考え残された僅かな時間をこの
悪魔城へと向け、今まさに到達を…………

「………まだ残していたか―――――違うな、何者だ? 敵か?」

 忍び寄る影へ死神は静かに問いかけた。

258 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/05/01(火) 22:12:300

>>247
「なんだとォ!?」
ザルバが驚きの声を上げる
「……あの技の威力で、魔導火の力が減殺されたのか……!」
それ以外に考えられる理由は無い。

再び剣を構え直そうとした、鋼牙とザルバの動きが止まった。

黄金の騎士……やはり欲しいな……その限りなき力。我が聖域に、必要だ
「……この声は、どこから聞こえる!?」
「思念波だ、鋼牙! こいつは俺たちの頭に直接声を送り込んでやがる!」

欲しい? 黄金騎士の力を?
そんな要望、ハナからお断りだ。魔戒騎士の剣は誰かの欲望のために振るわれるものではない。
魔戒騎士は人々を、守るべきものを守り抜くためにその剣を取り、「鋼の牙」を心に宿すのだ。

しかし、私に従う様子はないようだ。ならば……力で 従えるのみ

“声”が途絶えると同時に、デスマスクの様子が変わる。
ホラーではない、何か別の魔が宿ったかのように。

「オレハ……デスマスク……キャンサー ノ デスマスク……フフ……
アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ……なんて、な。
ククク……いいぜ。この湧き上がる力!! これこそが  正 義 俺が 求めていた力だ!!!!」

哄笑を繰り返し、歪な痙攣を繰り返すデスマスク。
しかし、それは狂気という段階を既に超越している―――狂喜だ。
力への飢えが満たされたのだ。満たされたが故の笑い。

「貴様は……俺が邪悪だと言ったな?
フフッ……フハハハハハハ!!!! 聞いてねぇんなら、もう1回言ってやる。
俺は、相当邪悪だぜ……だが、勝利すればその行いも正義となる。
今こうしてテメェをぶち殺せばなぁぁぁ!!!! 切り裂かれろ!!」

自己の正義を、刃へと変質した両腕に込め、デスマスクは死神の鎌を振るった。
左腕を狙った一撃は受け止めたものの、右足への一撃をまともに受けソウルメタルの粒子と血飛沫が飛び散った。
そして、首への迷いの無い一撃。

「鋼牙ーーーッ!!」


からん、と軽い音を立てて狼を模した兜が地面に転がった。

259 名前:七夜志貴 ◆nb.mURders :2007/05/01(火) 22:14:330

>>257

「は―――――敵か、味方か、ね。存外下らないコトを問う。もはや口上など必要もないだろう?
存分に殺し合い、潰し合い、挽肉と真紅のワインで晩餐を繰り広げようじゃないか」

 言葉よりも早く、一閃は煌き、是が非もなく舞台の幕は上がる。
 或いは惨劇の。
 

260 名前:『悪魔精練士』アイザック・ラフォレーゼ ◆BLOODlbo6s :2007/05/01(火) 22:27:280

>>255

【黒の礼拝堂にて、アイザック・ラフォレーゼ/十字刈夜】

「まあ、そう逸るな」

貌を染める嘲りの笑みは抜ける道理もない。
愚劣嘲弄の的たるは神の狗たる者の性。
敵の道理も分からず、ただ妄信の名の下に揮うのみ。無策の刃を、愚鈍の刃を。

なれば羊は気づくまい。
我が背の紋章が力ある躍動を見せ、既に無垢なる命が喚ばれた事を。

剣が迫る寸前、俺の眼前にて。
刃を防壁の結界にて防ぐ巨体こそは、我が無垢なる僕。
凍土の巨人イエティ。だがその体色は墨よりも濃き闇色の漆黒。
無垢なる命は、生み出した者の魂の色へ染められる。これは俺の絶大なる技量の証。

風は二つ。
巨人が腕を揮いて生まれる颶風。
そして上昇から下降に移った我が―――悪魔精錬士の槍より生まれる疾風。
剛の風はか弱き胴を潰すに易く、疾き風はか細い首を飛ばすに易い。

羊を襲う死の風は、二陣。
無垢なる相と嘲笑の相。
送呈者が浮かべるべき至高、これに贄の絶望が加われば究極となる。
 

261 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/05/01(火) 22:29:000

>>258
「鋼牙ーーーッ!!」


ザルバの叫びと共に転がり落ちるガロの兜。
しかし、その中身はがらんどうだった。

「―――とどめの前に舌なめずりできるほど、甘く見られていたのか?」
声の方向には、五体満足の鋼牙があった。

トリックはこうだ。
首を狙った一撃に対して、鋼牙は兜のみの装着を解除した。
部分召喚が出来るのなら、部分解除もまた出来るのが道理。
兜を切り離すと同時に身体を沈め、鎌の軌道をすり抜けたのだ。
だが、その代償に鎧の召喚は解除されている。

鋼牙はブリッジ気味の体勢から両足を大きく旋回させ、遠心力と反動を利用して跳ね起きた。
「お前は言ったな……勝てば正義だと」

デスマスクが振るうのは、闇に呑まれた心と、復讐にも似た力。血に飢えた刃。
ならば、それを切り捨てるのは気高き誇りと祈りを宿した黄金の剣。

「ならば、俺がお前のいう正義とやらになってやる!」
鋼牙は、再び魔戒剣を天に掲げ空間に円を描く。

溢れる光が鋼牙を包みこみ/その姿を再び黄金騎士に変える。

だが、先程とは一つだけ違う。
威風堂々、黄金の軍馬に騎乗するガロの姿がそこにあった。
力ある魔戒騎士にしか操れぬ魔戒獣。
その名は、魔導馬・轟天。

【場所:侵食庭園】

262 名前:魔人ヴィゼータ ◆1Oltewo1Q2 :2007/05/01(火) 22:34:300

【ヴィゼータvs斎月雪那/狂乱の庭園】
>>221 >>230

トリップ勝負〜!
泣いても笑ってもこれで決着してやるのだにゃ〜ん!

キー:#kakko


263 名前:斎月雪那 ◆xTtI333vNE :2007/05/01(火) 22:36:320

【ヴィゼータvs斎月雪那/狂乱の庭園】
>>230

全超越最終必殺奥義、それを放つ直前で私の前に殺到する無数の斬撃斬撃斬撃。
ヴィゼータさんの放つ、斬撃という名の弾幕。

いくら私の奥義が強くとも、あの斬撃の弾幕を破れるのか。
一瞬、弱気が心を過ぎる。

『セツナ・・・』

その私の心を、華麟が後押ししてくれる。
信じろと。
自分を、そして華麟を、信じろと・・・!

そうだ、信じるんだ。
自分を、華麟を・・・私たち自身を・・・!

天命石『リア・フェイル』と華麟の魔力、そして私の魔力全てを解放する。
膨大な魔力が私の回りに収束し、周囲の空間の、物質の、存在の、因果律を書き換える。
書き換えられた因果律は、アストラルをマテリアライズする。
虚像が実像に変わり、私が『私』と『私』と『私』に変わる。

『私』が駆ける。
『私』が走る。
『私』が跳ぶ。

赤光と共に、『私たち』はただ駆け抜ける。
斬撃の嵐の中を。
厭うべき瘴気の中を。

そして・・・

「絶華・玲雪斬!!」

ヴィゼータさん目の前の敵を力尽くで・・・切り裂く!


>>262
こっちだって・・・負ける気はありません!

キー:#Karin

264 名前:夏将軍“関羽” ◆CO2A/1LVic :2007/05/01(火) 22:43:270

>>244
“狂化”─────その身が持つ精神を、力へと変転させる呪法。理性を削り、鬼神は奔る。
武神の供物が武人ならば、鬼神は供物を選ばない。嵐はただ吹き荒れ、通る道を壊し尽くすのみ。

『関羽雲長の名が泣くぞ――鬼』

鬼と罵られることなどすでにこの男は馴れている。数多の屍の怨嗟の声を聞いてきた。
氣の込められたその勁疾たる闘技を、人を超えた力でねじ伏せる。

『――そう甘くはないか』

あの桃園で誓って以来、甘い主君の元で仕えてきた。だからこそ、己は甘さを捨て去れた。
信ずる者のために武を奮える喜びがそこには確かに存在した。そうか、それはこの娘も同じか。

『貴殿にもう一度名を問おう。其はなんぞ!?』

理性を失ったはずの鬼神が口を開く。そうだ、この男は、鬼であり神なのだ。
それは不死者としてよみがえり、狂気を全身に宿した今をしても。─────故に、超越せし者。

「─────儂ハ関羽雲長ダ、ソレ以外ノ何者デモナイ。
 ソレトモ娘?貴様ガ騙ル名ニハ、コノ覚悟ガ無イト言ウカ!愚カ者ガァァァァァァァ!」

英雄でも、まして神でもなく、己はただ生き返っただけの武人に過ぎないとしても。
一人をして万の敵に値する。その名を背負って戦場を駆けてきた。誇りは未だ、ここにある。
鬼神は咆える。嵐は吹き荒れる。全身全霊を持ってして、己と敵の名の真贋を、ここに問う。

265 名前:デスマスク ◆xmpp2OfICI :2007/05/01(火) 22:47:270

>>261
殺った――!!

狂喜の笑みを浮かべるデスマスク。
やはりこの俺が正義。力を持つ者こそが正しいのだ―!!

―「―――とどめの前に舌なめずりできるほど、甘く見られていたのか?」

生きてやがった。――この野郎!!
怒りに震えるデスマスク。拳からは血が滲み、唇からは血が溢れ出る。
この俺をここまで苦戦させた奴はいない。
この俺が殺せない奴などいるわけがない。
おのれ牙狼。この黄金聖闘士に貴様は負けぬというのか……認めぬ認めぬ認めぬ

「認めぬ……認めんぞ!! この俺は黄金聖闘士!! キャンサーのデスマスクなのだ!! 誰が貴様なんぞに――」

―「お前は言ったな……勝てば正義だと」

あぁ、言った。だから俺は正義なのだ。
歴史にも見習うがよい。勝者こそ常に歴史の聖者となり、敗者は邪悪と謳われてきた。
それが現実なのだ。

―「ならば、俺がお前のいう正義とやらになってやる!」

まだ言うか。この男は、何の曇りもなく平然と言いやがった。
この俺を真っ向から否定する、その根拠……心の奥底にある力……忌々しい奴。

牙狼が天に再び円を描く。光が再び戦士を包み、今度は巨大な軍馬を召還した。
魔戒騎士の中でも限られたものだけで使える特殊な力。

「魔戒馬だ……と!?おのれ……ならば馬ごと冥界へ送ってやる!!」

怒りと、畏怖とも思える心を持ちつつも騎乗した牙狼に向け跳躍する。
指先に光る燐気。空中で指を一回しすると出現する黄泉へのゲート。

「積戸気冥界波!!!!」

積戸気をゲートにして出現するは、かつてデスマスクが屠った神。
巨人ギガス一族 ―群青(キュアノス)の炎(プロクス)―

巨 神 降 臨

―【我を 呼んだのは 貴様か ならば 共に冥府へ誘ってやろうぞ】―

巨大なる神の亡霊が、積戸気へ誘わんと牙狼を押し潰さんばかりに迫り来る!!

266 名前:ウォルター・C・ドルネーズ:2007/05/01(火) 22:47:320

(ウォルター・C・ドルネーズ(吸血鬼)vs七夜志貴 場所:悪魔城最上階)

>>259

「敵か」

 ならば是非も無し、行き着く所は見敵必殺(サーチアンドデストロイ)。
 互いに死を担うもの、ならば持つ矜持にかけて退く事はありえず。
 増してや、今のウォルターは何もかも投げ出し代償として僅かな時と機会を得た。
 己の砂時計に残された砂は余りにも少ない。
 故にその足は前進しか許されず、その手は切断しか残されていない。

「然らば」――死神の右手が死の宣告を下さんとゆらり動く

 ウォルターの人生の大半を過ごし人生そのものである王立国教騎士団(ヘルシング)
 敬愛すべき主(あるじ)インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲート・ヘルシング
 意地も張れぬ繁栄等願い下げだと黄昏の中笑った英国人(ジョンブル)としての信義
 偉大なる我が栄光の大英帝国(イングランド)の女王陛下への曇り無き鉄壁の忠誠心
 その他金や女の為に泣きながらも命を貫いて護り戦い抜いた傭兵(ワイルドギース)達

「死ね」―――       cut down
                    \
 ウォルターの人生の大半を過ごし\
 敬愛すべき主(あるじ)インテグラ・フ\人生そのものである王立国教騎士団(ヘルシング)
 意地も張れぬ繁栄等願い下げだと黄昏\ァルブルケ・ウィンゲート・ヘルシング
 偉大なる我が栄光の大英帝国(イングラン\の中笑った英国人(ジョンブル)としての信義
 その他金や女の為に泣きながらも命を貫いて\ド)の女王陛下への曇り無き鉄壁の忠誠心
                              \護り戦い抜いた傭兵達(ワイルドギース)達
                                \
                   斬首された女神像の/
                               /首がごろんと大理石の床に堕ちる
               彼女の瞳が映すは  /
                           /彼女と同じく今斬刑となった廊下の悪魔像達
                          /
                   敵の刃 /の煌き
                       /
                      /
              敵の首が落ちる未来図


267 名前:十字刈夜:2007/05/01(火) 22:49:420

>>260 【黒の礼拝堂にて、アイザック・ラフォレーゼ/十字刈夜】

突如生まれたる土くれの悪鬼、背には軌道を変えた、哂う戌。
それらによる逆巻く流れは静寂の床を乱し、結果只一つの美徳すらこの部屋は失った。
これで思い残す事もない、阿鼻たる響きが部屋の主人の名誉を更に傷つけようとも。

刈夜は見た、命なき従僕を見た。その中の一点、力を見た。
理と時にふれ、心静にやすらえば、風水の音すら聞こえ、そこに心を移さば
心映え、身が写り、居突く事すら叶うもの。
巻き上げられた銀の天の川、きらきらと螺旋したとき。
醜き漆黒、馬頭星雲とイェティは化している。
その胸におりはるこんの両刃、血走る目元はかの髪が覆い、見せない。
それぞ、人の美意識。一つの流れが失せたれば、もう一陣など 構う道理もなく...
身を返し、地に降り立ち───再び大上段に構える刈夜。

268 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/01(火) 22:56:260

>>264

「いい返答だ――関羽雲長」

 蹴り足を軸にひらりと身をかわす。
 されども彼の者の発する”気<鬼>”は巨大であり、対峙するだけで骨身を削る。
 もはや「着ていた」という意味しか持たなかった衣服は弾け飛び、あられもない姿を晒している。

 滑稽と罵りたくば罵れ。
 無様と嘲笑うならば好きなだけ嘲笑え。

 私が私である為に。
 彼を彼として私とする為に。

「この武は己の為に在らず、ただ一振りの剣<拳>であればいい――関羽雲長、何度目の口上となるか
数えるのも莫迦らしくなるが――参る!」


 冷艶鋸では断ち切れぬ?
 我が拳では突き通せぬ?


――否。


 全ては意思の力なり。
 全ては意志の力なり。


 敵を知り己を知れば百戦危うからず。
 ならば私にとって彼の者こそ、彼の者こそが――必勝すべき相手!、、、、、、、、、、


 一閃、二閃、三閃――早く、速く、鋭さを増し、愛刀を振るう。


 過去を乗り越えてこその現在。
 現在を踏破してこその――未来!

269 名前:屍 十二:2007/05/01(火) 22:57:200

【屍 十二 vs 戦姫】
>>256

(――この期に及んで、まだ笑ってやがるのか。トコトン、イカレてやがる)

 ガンブレードは確かに相手の身体を捉え、切り裂いていた。
 だというのに戦姫は止まるどころか、むしろ動きが鋭くなっている。
 彼女は死を恐れるどころでは無い。望み、迎え入れようとしているのだろう。

「……クッ、ククク……」

 ――屍の口から、自然と笑いが漏れる。
 死人は戦いを、我が身に起こる事を楽しんだりはしない。
 それは生ある者にだけ許された特権だからだ。

 では、今の自分はどうだ? この戦いを楽しんでいないと言えるのか?

「――いいぜ、俺もノって来た所だ! 派手にブチかましてやろうじゃねェか!」

 答えは出た。
 今、身の内にある想いだけが全てだ。
 迸る感情のまま、全身に漲る“気”を膨れ上がらせ、屍は更なる迅さへと至る。

 そして、吹き荒れる嵐の中心部。
 振るう薙刀を旋風として、群がる敵を粉微塵に弾き飛ばす戦姫の元へ真っ直ぐに駆ける。
 屍の身もその暴威に巻き込まれるか、と思われた刹那――

 その身体は、火の粉を散らすようにして掻き消えた。

「行くぜ……」

 声は至る所から響き、鬼炎は至る所で燃え上がる。
 今や地を駆け巡る屍の姿は十、二十――幾十体にも及ぼうとしていた。

 これらは全て虚であり実である、“気”によって作り上げた屍の分身。
 自らの中で吼え猛る感情。その全てを解き放ち、刃として叩き付ける。
 朽葉流、最秘奥にして究極の奥義。

「――朽葉流・無影屠ッ! 逝き晒せェェェェッ!!」

 絶叫が轟くと同時。
 全ての分身は先刻の屍と同等――いや、それ以上の速度を以って縦横無尽に駆け巡った。

 妖魔どもも、壁も、戦姫も。
 一切合財の区別なく、全てを断ち切る殲滅の刃。

 それが今、戦場に吹き荒れる!

(場所:侵食煉獄闘技場)

270 名前:斎月雪那 ◆xTtI333vNE :2007/05/01(火) 23:03:450

【ヴィゼータvs斎月雪那/狂乱の庭園】
>>262>>263
(トリップ勝負 x>1でセツナの勝ち)

斬撃の嵐をただ駆け抜ける。

身体には無数の傷、私は赤光以上に赤く染まりながら、それでも止まらない。
止まれば、そこで死ぬだけ。
なら・・・ただ駆け抜けるのみ!

視界が開ける。
闇の中、闇よりも黒い、その中の赤。
それが、刃の相手。

『私』が正面から斬りかかる。
剣の軌道は下から上へと切り上げる動き。
剣に込められた力は斬撃よりも打撃となり、ヴィゼータさんを宙に舞わせる。
それを追うように跳躍する『私』と『私』
二人の『私』の斬撃がマテリアル、アストラルの両プレーンにおいてヴィゼータさんを『捕縛』し、その肉体と精神の防壁を破砕する。

そして『私』が跳ぶ。
私と華麟、その力の全てを込めたクラウ・ソラスが蒼く輝く。

「たあぁぁぁぁ!」
『たあぁぁぁぁ!』

振り下ろされた刃は炎、蒼き炎。
肉も魂も切り裂く、絶対の凍える炎。

その名も。

「絶華・玲雪斬・・・終わりです」


271 名前:七夜志貴 ◆nb.mURders :2007/05/01(火) 23:09:350

>>266

「待て待て―――――急いてはコトを仕損じる。緊張と弛緩の一瞬が絶え間なく続くからこその生
だろう? ならば生き急ぐコトもあるまい」

 糸が首を落とそうとするその一瞬。
 柳の枝にも似た弛緩状態で断ち切ることは不可能なその糸も、緊張の一瞬を―――――切断
の為に力が掛かるその一瞬を見極めれば、鋼にも似た強度であろうとも切断すら可能。力とは脆
い。そう――常に死が付き纏う。
 まだこの”眼”は出番じゃないけどな―――――!

「逝くぞ死神―――――黄泉路の果てを歩むのはどちらが先か、賭けでもしようじゃないか」

 斬、惨、残と音が響けば倒れ、斃れ、手折れて行く悪趣味なオブジェ。
 面妖な怪物どもが死々累々。血の河は既に溢れ、肉の檻は既に閉じられる。

 真紅の迷彩、純白の崩壊。
 最上階は既に地獄絵図。

―――――とっておきの舞台じゃないか。

 壁を蹴り、柱を倒し、玉座を足蹴に。
 縦横無尽。三次元を犯し、死の象徴に迫るは銀の蛇。

 斬殺空間に張られた糸。
 絡め取り進もう。

 黄泉路の果てに待つのは光明さ。
 真紅に染められた、紅い赤い光だとしても。

272 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/05/01(火) 23:15:060

>>265
「認めぬ……認めんぞ!! この俺は黄金聖闘士!! キャンサーのデスマスクなのだ!! 誰が貴様なんぞに――」
必死で命を拾った鋼牙に、デスマスクはひどく狼狽していた。

その時、鋼牙はこの男の“根”を見極めた気がした。
『死を弄ぶ力を得たが故に、自分は一方的に相手を殺戮できる存在である』という思考。
それ故に、自分の思惑が外れれば外れるほど焦燥に狂う。

「行くぞ、轟天」
鋼牙の呼びかけに、轟天は嘶きで応える。
「魔戒馬だ……と!?おのれ……ならば馬ごと冥界へ送ってやる!!」

「積戸気冥界波!!!!」
デスマスクの指から放たれた燐気は、巨大なる幻影を甦らせた。

巨 神 降 臨

―【我を 呼んだのは 貴様か ならば 共に冥府へ誘ってやろうぞ】―

「冥府にはお前らだけで逝きな!」
ザルバが叫ぶ。
「お前が滅びし神と共に戦おうというのなら―――」

鋼牙が翳した牙狼剣の輝きは、幻影の騎士を幾重にも、幾十重にも浮かび上がらせた。
「俺は嘗てガロの称号を得た全ての英霊と共に!」

「お前の因果を断ち切る!!」

全ての英霊が騎乗する魔導馬と、ガロの騎乗する轟天が一際高く嘶くと同時に、
大地に蹄音を響かせる。
瞬間、全ての牙狼剣がその姿を変える。
それは巨大で、雄々しい、暁の闇を断ち切る黄金の剣、名を『牙狼斬馬剣』。
魔導馬が、轟天が、ガロが、歴代のガロの英霊達が。
一斉に剣を振るう。

巨人も、積尸気のゲートも、そしてデスマスクも諸共に。
刃の嵐は、邪気と陰我を切り裂いた。

273 名前:『悪魔精練士』アイザック・ラフォレーゼ ◆BLOODlbo6s :2007/05/01(火) 23:25:320

>>267
【黒の礼拝堂にて、アイザック・ラフォレーゼ/十字刈夜】


「ほう―――――」

――――俺のイノセントデビルを一撃で倒すか。

無論、忘れているわけではない。
この儀式とは戦。
なれば儀式の生贄とはこういう事。
認識を改めるのは敵の力量、その一点のみ。

槍を立て、急所を護る基本の型。
愚者曰く魔道の士は戦も出来ぬと哂う。
だが、それは他ならぬ無知の知、愚者の愚と知るがいい。

先の先。
一に走るのは草薙。
槍を繰る基本にして真髄の「振り払い」、鋭き水平。
二に走るのは陰陽。
振り下ろしと返しから更に一閃。

さあ。

地を摺る残月で犯され断たれるか。

旋風の斬魔で蹂躙され壊れるか。

阿修羅の連突で貫かれ果てるか。


無双精緻の業筋はまだ走る。
選べ、お前の死に様を。

274 名前:マリア・バルゼリート ◆AMIGOF7b.c :2007/05/01(火) 23:29:260

>>248

【直刀 VS マリア・バルゼリート 妖魔迎賓館】

「―――私を踏み台にした!?」

少女はマリアの一閃を後方に退いて避けるのではなく。
敢えて前へと踏み出して、マリアを飛び越えた、、、、、
卓越した身体能力とバランス感覚を持たねば不可能な、達人の動き。
その動作はまるで、マリアのお株を奪うかのような―――

「――――――アハ」

意せずして、マリアの口から声が漏れた。
そしてそれは、一度溢れ出せば、まるで堰が壊れたかのように、止まらない。

「アハ、アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」

マリアは底抜けに明るい笑顔で、狂ったように笑い続ける。
かつてマリアが唯一敗北した敵、『葡萄酒ヴィーノ』が
自らの眼前で、そうしたように。
あたかも、かの世界最強の男が、乗り移ったかのように―――

「最高―――あなた最高だよ! 私、今までこんなに楽しかったこと、ないよ!」

マリアに背を向け、走り出す少女。
彼女が狙いをつけずに放ったダガーを、軽く右手の日本刀で払い落とす。

「でも―――終わりにするよ、アミーゴ」

マリアは、少女の背中に向けて、右手のムラサーミァを投擲した、、、、
少女の狙いは、先程取り落とした刀の回収。
それは明々白々だが、これほど間合と体勢を崩され、更に暗器による追撃を受けては、
歩法による追撃ではとてもではないが間に合わない。
一度奪われたテンポを、再びこちらに取り戻し、更には一気に勝負を決めるための―――一撃。


「楽しかった時間って、いつかは終わるものなん、だよね!」

解き放たれたムラサーミァを追う様にして、マリアは駆け出した。
楽しい楽しいダンスパーティイレ・フィエスタに幕を下ろすために。

275 名前:デスマスク ◆xmpp2OfICI :2007/05/01(火) 23:34:190

>>272

―「お前が滅びし神と共に戦おうというのなら―――」

巨大なる神を前にしても怯まぬ戦士。
迫り来る蹄の音。そして止まぬ声。
この男は、神をも恐れぬというのか――

幻影だと!? いや、違う。
牙狼の背後に見える、幾数もの戦士の姿。
金色に輝きし、騎馬の戦士達。

―「俺は嘗てガロの称号を得た全ての英霊と共に!」

総ての戦士の群像が飛翔し、巨神とデスマスクに迫る。
無数の騎士と、巨大なる神を従えた邪悪。
その様子は宛ら、神話の時代の人間と神の戦いを思い起こさせるものだった。

「お前の因果を断ち切る!!」

英霊と共に、牙狼斬馬剣の群れが巨神とデスマスクを一刀両断せんと振り下ろす。

邪 悪 両 断

一斉に奮われた巨大なる剣は、一瞬にして積戸気のゲートを破壊し――邪悪を断った。

消え入る意識を振り払い、デスマスクは悟った。
邪悪も勝てば正義。だが、俺はこの男に敗れた。
この男に負けた俺は……ただの悪党ってことか。

自嘲気味に笑うと切り裂かれた聖衣を脱ぎ捨て、デスマスクは城壁の断崖へ立つ。
全身が血で真っ赤に染まり、もはや戦う力は残ってなどいない。

「クソッタレが……俺の負けだ。いいぜ……認めてやるよ。
テメェはせいぜい生きて足掻いて、死ぬまで戦ってろよ……ヘッ、地獄で待ってるぜ?」

不敵に笑うと、デスマスクは城外から落ちていった。
彼の目の前は次第に真っ暗となり……庭園に残されたのは黄金の蟹座聖衣のみ。
傷つきながらも、その聖衣はオブジェの形をしたたま帰らぬ主人を待つように佇んでいた。

276 名前:夏将軍“関羽” ◆CO2A/1LVic :2007/05/01(火) 23:35:370

>>268
『いい返答だ――関羽雲長』

鬼神はもはや答えない。ただ、偃月刀を愚直に振るうのみ。

『この武は己の為に在らず、ただ一振りの剣<拳>であればいい――関羽雲長、何度目の口上となるか
数えるのも莫迦らしくなるが――参る!』

だが、鬼神はその武の極みを持ってして、その覚悟全てに応える。

言葉などいらぬ。情けなどいらぬ。ただ嵐は吹き荒れるのみ。それこそが我が在り方。

その拳を、その脚を、その偃月刀を、そしてその覚悟を、鬼神はただ屠るのみ。
かつて覚悟の棺を背負って、己を討ち果たそうとした男がいた。全霊で応え、討ったときのように。

過去の誇りが鬼を動かす。今をも過去へと帰すために。無情の鬼神は、今、確かに此処に存在する。

277 名前:戦姫 ◆cr6uqIKUSA :2007/05/01(火) 23:35:450

【屍 十二 vs 戦姫】

>>269

 語るべきことは多くあるだろう。
 屍十二の怒涛の斬撃がいかに戦姫を襲い、戦姫はそれを受けながらも刃を振るい
壮絶に屍とそして妖魔に挑んだか。屍の出した答え。戦姫の見出した悦び。妖魔ど
もの恐れ。無数の名もない死。そして、戦場を駆け抜けた必殺の疾風。
 が、結局はたった1行で全ては事足りた。


           戦姫は屍十二と戦い敗れた。


「……し、」

  死にたくない。だが悔いなし。

 戦姫をとらえた刃は、確実に急所をとらえた。
 高い回復力もあり即死には遠い。だが、これまでだ。
 血が流れすぎている。臓器にも損傷を負っている。骨も砕けた。

  怖い。だが嬉しい。

 放っておいても死ぬ。ましてや、ここは戦場。
 目の前の男が、あるいは有象無象の妖魔が確実に命を持っていくであろう。

  嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ――だが善い。


(ただ、未練があるなら・・・)
「……もっと…戦いたかった…な…」

 待て。本当に私はもう闘えないのか?
 不意に、抱いた疑問に腕を動かす。

「あ…」

 動く。ここまでぼろぼろになってまだ、この腕は、足は、躯は動くことができる。
 「さすがに左はダメか」と小さくつぶやき、どうやら頭も大丈夫だと嬉しくなった。

(なら…まだ)

 今までの人生で経験したあらゆる戦を思い出す。
 先陣をきって敵陣の突撃したこと。てばさきの突撃から味方を守るため正面からそ
れを受け止め蹴散らされたこと。矢玉の雨に一方的に蹂躙されたこと。槍衾で一気に
敵陣に食い込んだこと。逃げる敵に追撃をしかけたこと。敗戦となり敢えて死地でし
んがりを務めたこと。

 だけども、まだ見知らぬ戦もあるではないか。


「ふ…ふふ・・・ふふふ……戦はいい…心が洗われるようだ。
 もはや逃げ場はない…これこそ…戦…だが、満足だ」

 薙刀を杖にして立ち上がると、己が敵を見据えた。


(場所:侵食煉獄闘技場)

278 名前:魔人ヴィゼータ ◆1Oltewo1Q2 :2007/05/01(火) 23:39:090

【ヴィゼータvs斎月雪那/狂乱の庭園】
>>262>>263
(トリップ勝負 x>1でセツナの勝ち)

>>270

ずどぉん!

超高速で引き裂かれた空気が悲鳴をあげる。
ヴィゼータの放った不可視の斬撃は収束され、空間を駆け抜ける。
大気が爆散し、石壁が粉砕される。
近く似合った木立など、瞬時に粉微塵だ。
衰えることを知らない破壊の嵐は、波涛となってセツナを呑み込んで

「……うそ!?」

漏れたのは、勝者の凱歌ではなく驚愕の声。
カッコの目は、皿のように丸く見開かれていた
死の嵐のただ中に飛び込み、全身を切り裂かれながらも肉薄することをやめないセツナ。
手加減なんてしてないない。 今のはワタシの全身全霊。
なのに、セツナはそれを上回っていた……!?

ざんっ! と下から切り上げられるイヤな感触。
墨のように大量の血をまき散らしながら、吹っ飛ぶカッコ。
うわぁ、まだこんなに血が残

ざしゅ ざしゅ ざしゅ

全身に、いやもっと奥の領域にまで食い込む氷の刃が
そんな滑稽な思考をも容赦なく断ち切る。
はは、ワタシ、もうダメかも。 いや、「かも」じゃないね。 ダメだね。 ダメダメ。
あーあ、こんなところで…… でも、結構楽し

視覚にキたのだろうか、三人に分かれて見えるセツナの姿に
軽く微笑みかけようとしたところで、カッコの、ヴィゼータの意識は闇に落ちていった。


【カッコちゃんこと魔人ヴィゼータ:斎月雪那に敗北】


279 名前:十字刈夜:2007/05/01(火) 23:45:270

>>273 【黒の礼拝堂にて、アイザック・ラフォレーゼ/十字刈夜】

純粋に得物を用いて迫り来る男を刈夜はついに見据える。
侮って一瞥も置かずに居た訳ではなく、心身即応の理によりて彼に呑まれるのを
怖れての行いであったのだ。
だが、刹那を微細にうがち。なで上げ。しなり。迸る無双、切っ先の威力から
何故眼を背ける事が叶おうか。
弧から大拍子に裂き落とした刃など、役にも立たず男に往なされるばかり。
払いに両刃を合わせ、鋭き水平には術なく下がり、あなやと踏みとどまった先は
ひやりと湿る、厚き絶望、嘆きの壁。
湿るのは壁の湿気のみか?いや、彼女の血だ。僅かであるが刈夜のスカートは乱れ
制服は朱染め文様に様変わりしつつある。

口の端を僅かに噛み、それでも再び大上段、弧を描き両刃を取る。
刈夜はそれしか知らぬ。これまでもこうして生きてきたのだから。

280 名前:ウォルター・C・ドルネーズ:2007/05/01(火) 23:48:360

(ウォルター・C・ドルネーズ(吸血鬼)vs七夜志貴 場所:悪魔城最上階)

>>271

 繋がったままの首。依然敵は五体健在にて咆える。

「……人間か」

 普通では無い凶相に眼光、一目見れば普通ではないと理解する。
 異常・異端・異質・異様なぞ普通の人間は持ち合わせはしない、しかし

「異常でも異端でも異質でも異様でもただの人間だ。何処まで行ってもな」

 たかだが常識/良識程度捨てたで及びはしない届く事は無い。

「私は既に命、名誉、忠義、信義……全てを賭け(ベット)した後だ」

 床、壁、天井と三次元を行く蜘蛛を見据え、死神は再び殺戮を開始。
 右手の糸、左手の糸、それらがただ一匹の蜘蛛を駆逐する為に動き出す。
 これからは文字通りの綱渡りならぬ糸渡り。
 蜘蛛が僅かでも制御を誤れば、死神の糸が四肢を切断しよう。

「貴様の命程度で釣り合うと思うな、小僧!」

 惨殺空間に充満する瘴気が爆ぜ―――  cut down
                             /
 右の獅子の意匠が施してある大理石の柱 /
                          /
                \       /柱が十余の石塊に裁断
             飛び散\る石塊/
                   \ /
                    /
                  /糸の張力によって弾かれ魔弾と成る
 左に四の無軌道な散弾 /
               /
               \
                 \右に天井に潜む蜘蛛を撃つ七の魔弾
                  \
                   \
                crash down !

281 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/01(火) 23:50:000

>>276

 彼は余りにも大きく、重く、強大だ。
 過去とはえてしてそういうものだ。
 そして、過去がなければ現在は続かない。

 そう――過去とは現在を形作る上では必要不可欠なものだ。
 例えば彼が居なければ、私という転生体は存在しない。

 一撃一撃が、重く、速く、鋭い。
 まさに一騎当千の武士。
 古今東西並ぶ事なしと謳われる英傑。

 私の――過去。


        ならば現在の私が彼に追いつけない通りはなく。
                                    /愚直なまでの一撃は続く。


                     その一撃の重さも。
                                /小細工を弄さない潔さ。

                       その一撃の速さも。
                                  /純粋な暴力。

                         その一撃の鋭さも。
                                   /純粋な遺志。


                               私のものだ。
                                    /穢れなき牙。



 迫り来る一撃は必死。
 臓腑を抉り取り、この肢体をバラバラに喰い尽したとしても飽き足りずに、暴飲暴食を重ねるだろう。

 だが臆する事はない。これは私の太刀筋。
 故に判る。過去私が得意としていた太刀筋なのだから。

 冷艶鋸を振るい、合わせ、弾かれる。――ここまでは予想通り。
 鈍る速度/瞬間の判断力/生死を別つ一瞬/先見の明。

「そろそろ終わりにしろ――過去を追い求めたところで取り返せはしない」

 両手に籠めた氣を、彼の丹田に押し当て、解き放つ。
 

282 名前:斎月雪那 ◆xTtI333vNE :2007/05/02(水) 00:03:260

【ヴィゼータvs斎月雪那/狂乱の庭園】
>>278
血色に染まったクラウ・ソラス。
一振りして血を払う。それだけで聖別された刃は白銀の輝きを取り戻す。
けれど、それを振るった私の手は・・・

『セツナ、ごめんなさい・・・またあなたに重い咎を背負わせてしまった・・・』

私の背で悲嘆に暮れる華麟。
その華麟に、笑顔を見せる。
弱々しいかもしれないけれど、それでも。

「大丈夫よ、華麟。私が、私自身が選んだんだから」

そう、ヴィゼータさんと戦うことも。
彼女を・・・殺すことも、全ては私の選択、私の意志。
だから、嘆いたりはしない。
少なくとも、今は。

夜気が、冷たさを増す。
私の行く道を照らすものは何もない。
でも、私は、私が選んだ道を過たず歩いていく。

・・・それが、最後に微笑んで見せてくれた、彼女への最大の返礼だと思うから。

「行こう、華麟! この戦いを・・・無駄にしないために!」

私は駆けだした。
夜の、中へと。






                                    守護天使ガーディエンジェルセツナ外伝「フォールン・エンジェル」
                                                                       Fin


283 名前:『悪魔精練士』アイザック・ラフォレーゼ ◆BLOODlbo6s :2007/05/02(水) 00:04:460

>>279
【黒の礼拝堂にて、アイザック・ラフォレーゼ/十字刈夜】


「どうした?」

―――――絶対にして無欠なる主に申し上げる。
我が儀式は順調なり。
戦の大勢は我が祭器が奏でる調べに乗せて。
捧げるべき供物の魂は其処にまで。

「どうした?」

―――――ご覧になられましたか、我が主。
今供された鮮血は貴方様のもの。
この者のきりきりと音を上げつつある魂は貴方様の物。
褥で散らされる華のように。
供されるべき血と苦悶はその片鱗を表しております。

「どうした?」

―――――ええ、御身の望まれる侭に。
なれば是非とも照覧あれ。
この者の哀れな覚悟すら、矮小な見識と共に打ち砕きましょう。
そう、我が必殺の三手――――――その内が「四」。埒外からの一手にて。
斬、惨、突。
三手全ての起こりを内包した振り下ろしから。


刹那、衝風。
技巧のみに在らぬ魔性、そのまま地に叩きつけた呪槍は衝撃の波を放つ。
硬きを砕き、脆きを裂き、柔肌を切り、骨肉を断つ。
破壊の形は我が身から発しそれを覆う円。

悪魔は想像の外から舞い降りる。
完膚なき業と思い知り麗しき美貌を散らせ。
俺の魂に刻まれた汚点、美しき裏切り者を思い起こさせる咎人よ。
貴様にはそれだけが似合いだ。

284 名前:七夜志貴 ◆nb.mURders :2007/05/02(水) 00:05:460

>>280

「は―――――まだ賭けるべき物があるだろう?」

 蜘蛛は自らの糸に絡め取られるコトはない。
 蜘蛛が自らの糸で雁字搦めにされていては、狩りは成り立たないのだから。

―――――なあ、アンタ。判ってやってるんだろう?

 弾ける石塊の速度は銃弾を越え、まさしく魔弾と呼ぶに相応しく、穿たれてしまえば戦闘能力の低下
は必死。
 だから避けてやろう。当然避けるさ。俺は人間、だからね。殺人鬼といえども所詮は人の器に住まう
んだ。幻滅してくれるなよ。

 周りは縦横無尽に糸が張り巡らされ、アイツの意図はあわよくば俺の切断。とは言え、こんなものは
伏線めいた偶気狙い。本命は飛礫と手元に寄せる糸だろう。

 眼前に迫るは蜘蛛の糸。
 巣に絡まるは蝶ではなく、夜の帳と共に舞う蜘蛛。

 跳躍、反転、綱渡りならぬ糸渡り。
 蜘蛛の糸は蜘蛛には通じず、さりとて蜘蛛が蜘蛛を喰えるのか?

「吾こそが面影糸を巣と張る蜘蛛。さあ紳士、狩りの時間だ」

 迫る飛礫は糸の上を走る事によって回避。
 人間の四肢は硬いようでいて柔らかい。あらぬ方向に曲げるコトだって、少し鍛えれば可能なんだよ。

 頭を地面にこすり付けるように着地。そのまま疾走の開始。
 地上も空中も時間という概念さえも超越し、斬殺して魅せようじゃないか。

 閃くは銀弧。
 円の軌道を描いたナイフは彼に向かってひた走る。

285 名前:屍 十二:2007/05/02(水) 00:13:140

【屍 十二 vs 戦姫】
>>277

 ――正しく暴風が吹き荒れた後のように。

 屍と戦姫を中心とした一帯には、既に動く物は残っていなかった。
 首を、胴を、四肢を、或いは原型すら残らぬ程に。
 全てを斬り刻んだ結果だけが、ただ其処に在った。

「――ッ、ハァ!」

 極限まで行使した肉体全てが過剰な負荷を訴え、休息を求める。
 呼吸を慎重に整えながら、屍は改めて敵手――戦姫を見やる。

 手応え、などという物ではない。触れる側から切り付けたのだ。
 殺せないまでも、致命に至る傷を与えたという確信があった。

 果たして、其処に立つ姿は。
 全身をズタズタに切り裂かれながらも立ち上がる戦姫の姿だった。

「……チッ、あれで仕留め切れねぇかよ……!」

 毒づきながらも屍は銃口を戦姫へと向ける。
 傷は深い。この至近距離から弾丸を、撃ち込めば殺す事は容易いだろう。
 引き金に指をかけた時――気付く。

 戦姫は身じろぎ一つしていない。
 覚悟を決めたのか、とも思ったが次の瞬間には前へ進む気配がある。
 彼女は屍など視界に納めてはいない。その後ろにある物を見て、それと戦おうとしている。

 屍の背後にあるのは、圧倒的な破壊に怯みながらも、まだ好機を窺う妖魔の群れ。
 恐らく彼女は、最期の瞬間まで戦場に在ろうとしているのだろう。

「……クソがッ」

 引き止める言葉が、何故か口から出て来ない。
 代わりに吐き出されたのは何にともつかぬ罵りだけだ。
 止める事は容易い。この程度の数ならば、脇に抱えてでも脱出出来る。

 ――出来ない。それだけは、出来ない。

 戦姫は戦場に生き、戦場に死ぬ。それが生きる道だと自らで規定した。
 刃を合わせた屍にはそれが自分の事のように感じられる。
 ならば、それを止める事は自らの生きる意志を放棄するのと同じなのではないか。

 ましてや、止めようとする者が死人ともなれば尚更だ。
 生きる者が生きたいように生きる事を、どうして止められる。

 結局の所――死人には死人の身の程という物がある。
 大人しく棺桶に収まっていれば、それで良い。
 生きている者に干渉するなど、正しく身の程を弁えない行為だ。

 屍は銃口を戦姫から逸らし、道を塞ぐ雑魚に向けて弾丸を浴びせ掛ける。
 どう、と倒れ付す仲間を見ていきり立ったか。再び妖魔どもは波となって押し寄せて来た。

「……アバヨ。あの世でも達者でやりな」

 それだけを言い置いて、屍は対面の出口へ向けて駆け出す。
 行き掛けの駄賃とばかりに切り捨てる者の取りこぼしは、次々と戦姫へ向かっていく。

 屍はそれを振り向く事も無く。ただ只管に、次の場所へ向かう為に進んだ。

(場所:侵食煉獄闘技場)
【屍 十二:勝利→二回戦進出】

286 名前:十字刈夜:2007/05/02(水) 00:26:150

>>283【黒の礼拝堂にて、アイザック・ラフォレーゼ/十字刈夜】

壁を背にする事で、背後からの支援がありえぬのを想い…
刈夜は勝機を確信した。微笑まぬように口を噛んでいたのだ。

三位一体、悪辣、陋劣、愚昧のカルテット、更にドン、唸りくる
四手目の欺瞞の振り下ろし、実に彼らしい罪の音。場を軋ませる。
瘴気と見まごう圧力は先のどの攻撃よりも重く険しく高い───されど刈夜は
合わせて示す。原初生まれた反物質である『礼節に、誠実、賢明にして光輝』な四位の光栄を。

おりはるこん、その刃は今や七色眩く輝いていた。天より降りたイェルセレムの
外壁の様に。そして、宇宙へと重力を超えて、彼女と刃は旅に出る。
ご存知であろう。重力を操るあやしの力。それが真のおりはるこんの偉大な価値なのだ。
束縛から解き放たれた体は、恋するように一面を謳歌した。刃の意思で動くが如きに。
その様は正に───飛ぶが如く。
詩仙が織り成す様に連綿、乱れない突きは、先とは程が違う。
日陰を望む声に、重い雲の陰...強いGが刃に乗り──これは壁を砕くほど破滅的な狂騒。
背中の隙はあって亡きもの───時代を超えた恋文の様に盲目的なほどに加速した円舞。
木陰に囀る小鳥の様に秘め、雄大な荒鷲の爪、空からの御用聞き。
長き髪は変わらず白く──魂魄のように冷えた灯りを点し、宙にそれが見得る度、
無足兜割りが彼を脅かすのだ。

287 名前:直刀 ◆DOGS.OpLbU :2007/05/02(水) 00:30:260

>>274

【VSマリア・バルゼリート:妖魔迎賓館】


笑い声が酷く耳障りだ。
壊れたステレオの様に殺し屋の甲高い笑い声は止まらない。


背後の状態など確認出来る筈もなく、ただ投擲したナイフが弾かれた音だけを聞く。
もし意識を背後の確認に回せばその瞬間に追い付かれる事等十分過ぎる程に明白、故に走る。

(拾えるか――?)



――背後から聞えるひゅん。と風切る音。
――それと同時に左手が届いた。


勢いを殺しぎゅち、と靴を鳴らして方向を180度回転。
目の前に迫って来る刀に、更にその後から駆けて来る存在を確認。
殺し屋の見事な二段構え、僅かにぞくりと悪寒が走る。

迫り来る刀を迎撃――は不可能。
辛うじて出来るは流して軌道をズラす事のみ。
じゃり、と直撃は避けられたが、刀は腕を掠めた。

次に迫るは狂気と大差無い歓喜の表情の殺し屋。
私は脇に刀を引き、刺突に構える。
そして、真っ向から殺し屋に向かい、踏み切った。

288 名前:sage:sage

sage

289 名前:ウォルター・C・ドルネーズ:2007/05/02(水) 00:42:110

(ウォルター・C・ドルネーズ(吸血鬼)vs七夜志貴 場所:悪魔城最上階)

>>284

 殺人鬼より放たれし空間を疾風する殺意の銀狐
 其れを冷酷に見つめる死神の目  |
 ぴんと鳴る左の糸  |       |
        |    /       /
        |  /        /
        |/        /
「効かん!」――編まれし鉄壁

 ずん

 右の空間に陣取る先に果てた巨獣の上半身が音を立てて動き出す。
 恐るべきは死神の手練れ、死神には骸すら殺戮の操り人形(マリオネット)と成る。

「確かに狩りの時間だ………私のな!」

 唸りを上げて巨獣ならぬ巨弾がその質量を以って殺人鬼を肉塊へ変えんと飛んでいく。


290 名前:夏将軍“関羽” ◆CO2A/1LVic :2007/05/02(水) 00:54:520

>>281
死を否定しつくした先に、死を肯定した世界が存在する。
死した者を生き返らせることで、永遠に生き続けるという掟破りがまかり通る世界。
異次元という平行の果てに、それは確かに存在する。

─────だが、それは行き止まりでもある。

死を絶対の法とする世界がある。生きとし生けるものは等しくその定命を追う世界がある。
だが、輪廻の果ての転生が存在する世界が此処にある。

─────故に、その先の可能性が存在する。

ここに鏡は合わさる。交わらないはずの平行がここに交わる。
同じ名を持つ過去と未来が顔を合わせる御伽噺も確かに紡がれえる可能性の果て。

だからこそ、鬼は修羅の形相で笑う。その太刀筋を己の物と認めたからこそ。
一切の加減も容赦も無くただ屠ろうと、鬼はその偃月刀を奔らせる。

己が真に誇りし、髪と髭に一切手を加えないという暗黙の了解こそが─────共鳴の証。

かつて、落馬した老将軍に馬を乗り換えさせた返礼に頭巾を打ち抜かれたように、
技術を応酬させても、己の忠義に反する真似だけはしなかった高貴な武人。

─────故に人は彼を英雄と呼ぶ、故に人は彼を神と崇める。

鬼神は鏡の撃ち合いを制して偃月刀を払い弾く、そして、一刀の元に─────。

『そろそろ終わりにしろ――過去を追い求めたところで取り返せはしない』

─────その瞬間、未来は過去に追いついた。遂に少女の拳が鬼神に届いた。

撃ち込まれた発勁は丹田へ。吹き飛ぶ鬼神。だが、これで潰える過去ではない。
過去とは呪いのように、未来を喰らいつくすモノ。故に鬼神は偃月刀を構える。

「………ソウカ、ダガ儂トテ未来ヲ諦メタ訳デハ無イワ!
 サア!偃月刀ヲ取ルガ良イ、関羽雲長!ソノ可能性ゴト喰ライ尽クシテクレヨウゾ!」

鬼神はもう一度回る、全てを引き寄せてる風を抱いて。青い龍が立ち昇る!
そうだ、譲れぬ武人の魂がある限り!誓った忠義がある限り!全てを賭けて己を討つ!

─────全てを喰らい尽くすのは、按兵不動の大車輪!

291 名前:七夜志貴 ◆nb.mURders :2007/05/02(水) 00:57:090

>>289

 緊張と弛緩の移ろう一瞬であれば断ち切るコトも可能だ。
 幾重にも編まれた緊張の糸では断ち切ることは叶わず、短刀はさしたる手応えすら残さぬままに
防がれる。―――――は、やれやれ。そんなコトまでできるのか。便利な糸なコトで。

 迫り来るは古の巨獣。魔術師が生む幻想でもなく、吸血種が繰る幻葬でもなく、現実に存在する
モノ。
 嫌になるほどの現実の世界。泡沫の夢であればどれほど嬉しかったコトだろう。

―――――現実じゃあ、温いんだよ。

 迫る巨像。凶弾と変わり果てたオブジェ。
 獰猛に牙を剥くは我が顎。今宵貪り尽くすは鬼の肉。

 来たれ甘き死よ。
 甘美に浸り、狂気を呼び込み、狂喜を飲み干し、死を謳え。
 凱歌を上げるには未だ速い。

 だがここに確実に”死”は―――――存在しているんだよ。

「温い―――――余り失望させてくれるな。本当に、貴様が『死を司る神』と呼ばれているのか?

 デタラメに走る線を一筆書きでなぞり斬る。
 呆と蒼く浮かぶ眼に見えるは”死”のカタチ。

「はやく本領発揮としてくれないか。夜は永いといっても有限なんだ」

 獣を縦横無尽に駆け巡る。
 その手にいくつかの飛礫を拾い。
 

292 名前:マリア・バルゼリート ◆AMIGOF7b.c :2007/05/02(水) 01:02:540

>>287

【直刀 VS マリア・バルゼリート 妖魔迎賓館】

僅かに、少女の足が速かった。
ムラサーミァの切っ先が少女に到達する直前、彼女は床に転がっている刀に手を届かせる。
反転と同時、拾った刀でマリアの日本刀を弾き、致命傷を回避する。
少女の腕を、熱い血潮が濡らす。
その華やかで艶やかな濃い紅色が、マリアの視界を染める。
紅い赤い、見慣れた世界。
陽気な殺し屋と何時も共にある、生と死の境界。
マリアが何時も飛び込んで、そして還ってくる、一つの異世界がそこにはあった。

だからマリアは、紅い異世界で、一歩踏み込む。
「死」の境界へと、一歩だけ。
そうしなければ―――自分はきっと、この少女を斬ることは出来ない。
それだけの覚悟と力量が彼女にはあるのだ。
ならば、マリアも同じフィールドに―――立ち入らなければ、ならない。

今の少女は一刀。
今のマリアもただ一刀。
少女は死の境界に居る。
マリアもまた、死に踏み込んだ。

これでまた―――五分、、


「これで―――終わりフィナルだよ」

少女の刺突が―――マリアの脇腹を、撫で斬った、、、、、
貫く、のではなく。

マリアの左手は、遂に止まらなかった。
握りを刀の柄頭にまで下げ、最大限にリーチを伸ばした、地面に平行な軌道の横薙ぎ。
狙いは、少女の頚動脈。

時間が止まり、異世界が収束し、消える。
遅れて、液体が地面に滴り落ちる濡れた音が、ホール内にやけに大きく響き渡った。

293 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/02(水) 01:13:420

>>290

 効いている。確かに効いている。
 だが――それでも彼の武神は立ち上がり、未来を望むと咆哮する。

 言われたとおりに冷艶鋸を手に取り、構える。
 あくまで優雅に、一つの禍根も残さぬように。

 踏み出す一歩。また一歩。
 死線を潜るなどという生易しいものではない。
 例えるならばまさにそれは、死の中を歩んでいる。

 生きた心地はしない。
 さりとて死は覚悟できない。

 まだ私が自らの死を認めていないからではない。
 自分自身が相手だからこそ、殺されるわけにはいかない!、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

 徐々に歩を早める。
 歩くのではなく、走るのではなく、飛ぶように一直線に疾る――!

 一度潜った暴風。
 より速度を増し、なにもかもを吸い上げ破砕して行く暴風は留まる事を知らない。
 その邂逅の果てに待つのはどちらか一方の死だけだろう。



                             





           「その首、貰い受ける」




                             

294 名前:sage:sage

sage

295 名前:ウォルター・C・ドルネーズ:2007/05/02(水) 01:28:150

(ウォルター・C・ドルネーズ(吸血鬼)vs七夜志貴 場所:悪魔城最上階)

>>291

 結局この闘争はどういう道筋で蜘蛛を解体するか、それだけの話である。
 今も解体へ向かって一手一手と糸を繰り、蜘蛛を追い込んでゆく。
 つまり、標的が巨獣の成れの果てを分解する事等は死神の予想の範疇。

「散れ!!」

 下される巨獣への命令(オーダー)。
 死神の殺意が糸を伝い巨弾へ伝播。殺人鬼が繰り出す閃光、挑発。全てが同時に切断。
                 |
   「はやく本領発揮とし |
          夜は永い |てくれないか。
                 |といっても有限なんだ」
               ぱあん
                 |\
                /|  \ 降り注ぐ血の煙幕
              /  |   \
             /   |     \
           / 飛び |散る肉片 \
          /      |    直線で殺人鬼を追う血糸
        /        |
       /  床を疾駆し足を狙う朱蛇
     /
  上方から血の雨とも降る赤き断頭線



296 名前:夏将軍“関羽” ◆CO2A/1LVic :2007/05/02(水) 01:59:270

>>293
唸りを上げる竜巻。その可能性を、結末をも、食らいつくさんと!
その中心において、確かに鬼神は見届けた。走ってくる、否、飛んでくる少女の影に。

─────かつて、幾多の戦場を駆け抜けた己の姿を。

だが、だからこそ。この無慈悲な車輪は屍を生まねばならない。
それが死より舞い戻りし己に科せられた非情の定命。それを越えて鬼神は征く!

─────回れ、回れ、回せ、回せ、廻れ廻れ廻せ廻せ!大車輪!

吹き荒れるは戦場全てを覆い尽くす狂風!二つの青き龍が今此処に邂逅する!

『その首、貰い受ける』

─────非情の宣告の元、美髯公の首が飛ぶ。

未だ止まぬ狂風。首を失って、死してなお回り続ける不屈の身体。
否、命脈を絶たれても、未だにその首は意識を保っていた。

「止めてみせるがいい!お主が関羽雲長の名を名乗るならば!」

目を見開いて、武神は叫ぶ。もう一つの己の在り方に。

297 名前:直刀 ◆DOGS.OpLbU :2007/05/02(水) 02:09:280

>>292

【VSマリア・バルゼリート:妖魔迎賓館】


これこそ、極限だ。

殺し屋は微かに身を捩り、紙一重で渾身の突きを避けた。

「そう、終わりね」

だが、紙一重なら何も問題は無い。・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・簡単すぎる足し算。
紙一重足りないのなら紙一――


ぞん。


何より速く、銀色の閃光が一筋、煌いた。
不意に思考が中断、首筋が熱い、あつい、アツイ――
脚から順番に力が抜けて行く、もう立てない。


「……な、に?」


殺し屋の左手先から延びる刃が、私の首の動脈をざくり、見事に断ち切っていた。
そのまま私は殺し屋に身を預けるように、ゆっくりと前に倒れ。


ナイフは長く、夜は短い。
その夜ももう終わる。

298 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/02(水) 02:11:160

>>296

「――胴と首が離れても未だ生きている事には賛辞を送ろう。だが……」

 両の手に憐れみという氣を籠めて、洗い流そう。
 死してなお見続けた夢を。
 二度とは戻ってこない昔日への想いを。

 刃が体の近くを通過する。
 だがそれだけだ。
 返しもなにもない、先ほどまでは並ぶものがない技量を持った腕前であったのに。
 余りに稚拙。余りに惨め。

「貴方が望んだ結末は、こんなものだったというのか」

 トン、と軽く触れた両手。
 発する氣はそれほど練られた物ではないにも拘らず、その体は倒れ伏す。

 なんと憐れな事だろうか。

「――貴方が望んだ結末は、こんなものだったのか!」

299 名前:マリア・バルゼリート ◆AMIGOF7b.c :2007/05/02(水) 02:42:310

>>297

【直刀 VS マリア・バルゼリート 妖魔迎賓館】

一瞬の後。
この日の死闘でもっとも鮮やかな色をした、血の噴水が咲いた。


ぷしゃあああああああ。


少しだけ間の抜けた、だが何よりも残酷に、生の終焉を告げる音。
少女は全身の力を虚脱させ、マリアの方へとゆっくりと倒れこんだ。
マリアはその小さな体躯を、そっと両腕で抱きとめる。
未だ頚動脈から流れ出す血液で、全身が紅く染まるのも厭わずに。

「―――アナタ、とっても強かったよ、アミーゴ」

どくどく。
どくどく。

斬り裂かれたマリアの脇腹から、彼女の生が溢れ出す。
それは床に溜まった少女の血と交じり合い、赤黒いマーブル模様を描き出した。
元々赤く彩られた床を、更に美しく染め上げるように―――。

「でもね―――アナタだからこそ」

マリアは優しく、事切れた少女の頬を撫で、声をかける。

「私は今この瞬間、もっと強くなれたんだよ」

そのままそっと、少女の身体を血溜りの上に横たえる。
床に広がったマーブル模様が、死してなお美しい少女の肢体に、花を添える。
それはあまりにも禍々しく可憐な、血の薔薇だった。

「だから、言うよ―――」

頚動脈を斬り裂き、血に濡れたコチーテ。
床に落ち、噴いた血しぶきを浴びて鈍く光るムラサーミァ。
彼女の相棒コンパニエーロたちを鞘に仕舞い、マリアは告げる。

ありがと、、、、!」

とても晴れ晴れとした、笑顔で。


(第一試合:終了
 勝者―――マリア・バルゼリート)

300 名前:『悪魔精練士』アイザック・ラフォレーゼ ◆BLOODlbo6s :2007/05/02(水) 03:11:360

>>286
【黒の礼拝堂にて、アイザック・ラフォレーゼ/十字刈夜】

「――――貴様!」

羊の分際で高くに飛ぶ。
我が死風を易々と越え、天地の楔から解き放たれるその飛翔。
贄の娘が持つのはオリハルコンの剣。そうか、其れが元凶だったか。
天理も知らぬ分際で緋緋色に輝く幻の刃金が特性、よもやこのような形で用いるとは。
そして傲慢たる大天使の威を気取り、猛禽の攻めを象り、我が身を貫く心算か。

油断?
否。
慢心?
否。

これは結果だ。
降り注ぐ剣閃の雨を防ぐために繰る呪槍の損傷も。
防御を抜けて乱れ咲く鮮血の百華も。
痛みと血肉をその糧に、緩やかに増殖を続けてゆく傷も。

怒り?
否。
激昂?
否。

これは憤怒だ。
大地の深淵より湧き上がるマグマより熱く煮え滾り、凍土の彼方に聳える永久氷壁よりも冷たく結晶した。
極点は過ぎれば相反するそれと位相を同じくする。俺の今の心のように。
冷静と情熱の間に宿る一柱の揺ぎ無き殺意。

血を浴び続けて完成した呪槍ショヴスリの切っ先が砕けると同時。
残った柄を地に突き刺し、その反動を甘受して後方に跳ぶ。

――――この女は俺の誓いを汚した。
ドラキュラ様への忠誠を、俺自身の誇りを。
必ずや相応しい万死を与える。侵し、潰し、切り裂き、殺す。
それがあの方への贖罪でもあるのだから。


301 名前:sage:sage

sage

302 名前:夏将軍“関羽” ◆CO2A/1LVic :2007/05/02(水) 03:43:480

>>298
『――胴と首が離れても未だ生きている事には賛辞を送ろう。だが……』

風は力を失っていく。車輪は力を失っていく。もはや、それを継続する意思を持った首は無い。

『貴方が望んだ結末は、こんなものだったというのか』

失意に満ちた悲しい声。気を込めた一撃にて主を失った身体は倒れる。

『――貴方が望んだ結末は、こんなものだったのか!』

哀れむように、鏡の中の可能性の果てに問い叫ぶ少女。認めないとでも言うように。

「─────否!」

身体と切り離された武神の首は答える。

「───本来ならば、この城の玉座まで上り詰め、その首を刎ねてやる心積もりでおった。
 だが、まさか。儂が居ろうとはな。ふん、風采は儂と言うよりも娘に似ておるがな。」

武神は笑う。まるで、あの桃園にいるかのように。

「───面白かったぞ。異次元には来てみるものだ。生き返っては見るものだ。」
 ああ、儂は呪い殺しなどせんから、安心して征け。
 そして、忠誠を捧げた主君より賜りし命、見事果たしてみせるが良い!

 それが──それこそが───関羽雲長ぞ!」

そう言って満足したように古の武人は事切れた。
その魂は、例え悪魔の城の供物になろうとも、目の前にこの世界の己がいるのだから。
何一つ、悔いることはないとでも言うように。

狂風は止んで、一つの闘いの終わりを告げる。そして、その刹那、空が、揺らいだ。
再び開いた次元の門。そこより現れたのは、チャイナドレスに身を包んだ白い少女。

303 名前:妖怪仙人“奎 白霞” ◆CO2A/1LVic :2007/05/02(水) 03:45:100

>>302
「あー、髭ー。やられちゃったかー。」

極星帝国悪魔城討伐本部で、水盤を眺めていた白霞は一人つぶやいた。
最後の車輪は打ち破られて、鬼神の首は宙に舞う。
当初の目論見は今、潰えた。だが、しかし、白霞は此処に一つの奇策を思いつく。

「うん。そーかー。そーゆーことだよねー?」

関羽を討ち果たした少女の“名前”を仙人は思い出す。作戦は継続可能だ。
次元の門を開いて、仙人は進む。悪意に満ちた笑みを携えて。

「“奎 白霞”ってゆー妖怪仙人です。はじめましてー。
 まさか、髭を倒しちゃうなんてね?さすがは髭の生まれ変わりー。あっぱれ?」

そう言って現れた少女は、などと言っているが、そこから感情を読み取ることは出来ない。
まるで、こんな些末な出来事には興味など示していないかのように。

「まー、私からすれば、まだまだなんだけどー。ふふーん。
 でさ。あんたも関羽雲長なんだよねー?ものは相談なんだけどー。」

その顔をのぞき込む吸い込まれそうな赤い瞳。そして、その身に纏うのは練達の闘気。

「ここの城主どらきゅらだっけ?あれ倒しちゃってきてくれないかなー?
 そーしたらー、あとはどーしよーと、なにしよーと、何にも言わないであげるー。
 私は“関羽”が城主の首を獲りました!ってほーこくするだけ。嘘じゃないもんねー!」

送り込んだ髭も“関羽”ならば、目の前のあられもない姿の少女も“関羽”本人なのだ。
ならば、刺客は多少の差異はあれど変わっていない。これが奇策の正体。

「まー、そーだねー。それでも、そっちは何一つ得すること無いかー。
 じゃ、これあげるー。まさかさ、そんな格好でお城の舞踏会にこのまま行こうってわけ?
 これは何の細工もしてないからー、安心すると良いよー?」

そう言って関羽の元に放り投げられたのは赤い生地に黒い薔薇の刺繍が施されたチャイナドレス。
体躯を何で計ったのかは知らないが、サイズは関羽にちょうど合うもの。

「私はもー少しやることあるからー。ここらでおいとまー。じゃ、頼んだよー?」

そう言って次元の彼方に仙人は消えていった。いひひひー、と気味の悪い笑い声だけを残して。

304 名前:七夜志貴 ◆nb.mURders :2007/05/02(水) 03:47:500

>>295

 軽い音と共に舞い散る血桜。その花弁は甘美な芳香を放ち、狂気を狂喜と彩る禍々しいまでの美しさ。
その洗礼を存分に浴び、身も心も真紅に染まれば、漆黒に溶け込むのは容易。
 呆と蒼く光る”眼”は、その用途に用いられなければ暗く深い色を携えるのみなのだから。
 闇は非常に心地よい静寂と共に訪れる。ならば此処は真の闇ではなく、偽りに興じる仮初の夜だろう。
一夜限りで設けられた舞台ならば、夜を識るのは当然と思うだろうが、真の夜は静謐に満ち溢れている
べきなんだ。


    殺された死体を踏みつける音も―――――
     大理石仕立ての床が崩れる音も―――――
                             ―――――悲鳴も嗚咽も命乞いも。
                              ―――――哄笑に嘲笑さえも。


                           不要だ。


 怒気に満ちた咆哮なんて、特に不要なんだけどね―――――。


 迫る死は足元、咽喉元、頭上。
 避ける暇すら与えずに殺し尽くすであろう真紅の大蛇。痛みすら与えぬままに絶命を齎す真紅の狩人。
 常人の理を越えた修羅の業。化物の理である羅刹の所業。
 彩を添えるは鮮血の紅。臓腑の桃。骨が表すは白。脂肪が零す黄。極彩色と彩られた惨殺空間。

 駆け抜ける吾は誘蛾灯。
 鮮烈なる輝きを放つワケではなく、それらの好む匂いを発し誘き出す。
 ワラワラと集う文字通りの死線。
 食い千切らんばかりの勢いは濁流の氾濫。飲み込んだ全てを流し、綺麗に圧壊して行く事だろう。

 だけどね―――――それじゃあ足りないんだ。
 もっともっと純粋で、混じりけのない殺意を向けてくれなくちゃ、イケるものもイケやしない。
 達せないままに終わるのは生殺しなんだよ―――――!

 まずは頭上。どんなものにも死は存在している。存在してはいるが、ただなぞってやるだけじゃ味気ない
にも程がある。括られない限り糸は糸。押すなり引くなりをして初めて切断が可能となる、なんら俺の得物
と相違ない。有効射程が長い刃物だと思えばそれでいい。
 括られないように掴み、軌道の変化。引かれる瞬間には既に咽喉元の”死”を回避。足元に迫る”死”は
軌道を変えこちらに鎌首を擡げているが―――――遅い。
 拾い上げた飛礫の投擲。狙いなどあったものではない、ただデタラメに。
 布石を布石として使用していては、こちらのペースはやってこない。

 中空でひらりと反転、天井に穴を穿ち、方向の転換。尋常ならざるスピードで地面へと迫り、その勢いを
殺さぬままに真横へ移動。その間に迫る糸を紙一重で交わし、時には関節を外し人間にあるまじき体制で
大袈裟に避け、やり過ごしつつ前方へ突進。

 目指すは男の眼前。辿り着くまでが異常に長いヤマへの道程。
 此処がまさに黄泉路。生きては通れず帰れはしない。
 ならばこの生、捨て去るとしよう。
 

305 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/02(水) 04:03:040

>>302-303

「言われるまでもなく。この命は主君の為に。己の武も主君の為に。それこそが私の理だ。安心して
逝くがいい――貴方の志は、確かに私が受け継ごう」

 風と共に目の前の首は消え、私はただ一人の私へと戻る。
 冷艶鋸を翻し、先に進もうとしたところで気付く。

「――服、どうしたものか……」

 その呟きと同時に歪んでいく世界。
 グニャリ、グニャリと歪み、眼前には一人の女性。

 相当の使い手である事は想像に易い尋常ならざる”氣”を発し、その表情からはなにも読み取る事は
できない。
 戦ったところで勝ち目はないかもしれない。だが――私は負ける事はゆる、さ、れ、な、い?

 妖怪仙人?
 相談?
 城主を倒せ?
 チャイナドレス?

 疑問符ばかりが頭に浮かび、嵐のように彼女は去っていく。
 返答を待たずして。確定事項だといわんばかりに。

「まあ――元よりそのつもりだ。断る気はなかったが、この服はありがたいな」

 赤い生地に丁寧な黒薔薇の刺繍が入ったチャイナドレス。非常にきわどいスリットのオマケ付だ。
 今の私にとっては、これでも十分な服だろう。

 袖を通す。
 ピッタリとくるサイズ。動きやすさも良好。

「さあ――行こう。主の為に」

 黒い髪が赤い生地の上で靡く。
 美髯公と謳われた武人を弔うかのように。

【関羽雲長・一回戦勝ち抜き】

306 名前:ウォルター・C・ドルネーズ:2007/05/02(水) 05:38:110

(ウォルター・C・ドルネーズ(吸血鬼)vs七夜志貴 場所:悪魔城最上階)

>>304

 死神の惨撃は全て凌がれた。
 そうかと死神は呟き、行うべきは単なる解体作業ではない事を認識した。


 斬糸はその扱いに絶大な集中力を必要とされる。
 操る両の手、十の指から伸びる糸/殺意は常時は一つ、多くとも二つ三つ。
 十の殺意を保つのは通常は不可能、十人の殺意は一人の器に収まるものでは無い故に。
 一の殺意しか持てなくなった老年のウォルターは己を衰えたと称した。
 老年の彼は例え複数の斬糸を繰ろうともその殺意の総和は一人のものであったのである。

 ……だが今此処に立つのは髑髏の印をつけた「死神」である。
 死神は十の指全てにウォルター・C・ドルネーズを宿らせ、殺人鬼へと宣告する。

「ならば、今から私は私の殺意を以ってお前を殲滅しようと思う」

 この瞬間から闘争は死神にとって解体作業から殲滅戦へと切り替わった。

307 名前:ウォルター・C・ドルネーズ:2007/05/02(水) 05:38:590

>>304

 くんと右の人差し指が下から上へと殺意を疾らせた。
 斬糸は今までのどの糸より速く血の河を衝撃で聖書にある古の聖者の様に割りつつ殺人
鬼へと真直ぐに疾駆し、その身を駆け上らんとしている。

 この殺意が目指すカタチは股間から脳天まで両断された「惨死」である。


 ひゅんと右の親指が右から左へと虚空をなぞった。
 その意志は空間にしかと伝わり、研ぎ澄まされた糸が中空を右から左へと飛翔する。

 この殺意が目指すカタチは上半身、下半身の泣別れ即ち「斬死」である。


 くるくると左の小指が回る。
 小指からの死蛇はなだらかな曲線を描いて幾重にも円を作りつつ、右に左に、左に右に
螺旋を作りながら、惨殺空間を広範囲に侵して行く。

 この殺意が目指すカタチは触れたものを渦の様に巻き込み潰す即ち「圧死」である。


 するすると左の中指と人差し指が上下を哀れ切断された髑髏の兵士の身体へと巻きつき
その己が殺意の支配下へと……髑髏の兵士のライフルの照準が殺人鬼へと定められる。

 この殺意が目指すカタチは言うまでも無く銃弾による「射殺」である。


 今放たれた死は四つ、殺意は五つ。
 残る死神は極限にまで研ぎすまれた殺意を静かに殺人鬼へと向けている。

308 名前:妖怪仙人“奎 白霞” ◆CO2A/1LVic :2007/05/02(水) 05:42:460

>>305
『まあ――元よりそのつもりだ。断る気はなかったが、この服はありがたいな』

「まー、あげた服だけど大事にしろとは言わないー。
 見てたところ戦い方がまだまだ荒いから服が破けてとーぜんだしねー。
 本当に生き残ったら修行つけてあげよーか?いひひひー。

 あとー。あの髭を倒せたんだからー、雑魚は無視して、城をまっすぐ突き進むのが得策ー。」

その言葉を聞き、己の当初の策を託して、仙人は元居た場所に帰ってきた。
こうして、奇策は幕を開ける。水盤は未だに関羽雲長を写し続けている。
赤いチャイナドレスに身を包んだ少女“関羽雲長”を。

「まー、誤算だったのは確かなんだけどー。まだまだ天命は私の手元にあるねー。
 さー、仕上げに取りかかるかー。っと、こいつは骨かも知れないねー?」

そう言って仙人は、おそらく最後の手段であろう秘策の準備に取りかかる。
徒労であれば最上。だが、それに甘んじて、準備を怠るわけにはいかないのだ。
策士は舞台の裏手にて、静かに這い寄るように舞台を支配する。

──────水盤が静かに映し出した、鏡の中の一つの御伽噺の顛末。

序:事の始まり
ttp://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1164893612/301

過去と未来の邂逅・鏡の国の御伽噺
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>>244>>264>>268>>276>>281>>290>>293>>296>>298>>302

妖仙乱入・奇策縦横
>>303

一騎当千にして万夫不当の豪傑“関羽雲長”悪魔の城を進む。
>>305

309 名前:十字刈夜:2007/05/02(水) 21:08:100

>>300【黒の礼拝堂にて、アイザック・ラフォレーゼ/十字刈夜】
退く男を、出鱈目にあしらう様に刈夜は追った。

壁を蹴り、翻り飾台を足蹴にし、信徒が連座する長椅子を潰し
さかしまのパイプをへし曲げ────。
その都度彼女は白亜の髪を惜しげもなく靡かせ、視線を男に流して魅せる。
ここは既に白の世界だ、誰も黒の域など見てはいない───
一見無意味と思す多角的な進撃も、彼女のその様な意思と捉えられようか。

だがそれも仕舞。
電撃石火、瞬きの間の永遠に…増冗漫に飛び寄り、”えいや”とばかりに体を撓らせ
腰溜めに刃を横凪────払いに、払いに、払う。差し詰め抜刀術の様相で。
刈夜の細身に服がまとわり、ラインが明らかとなる様は野生の猛獣、雌豹のそれに見紛うばかり。

310 名前:マリア・バルゼリート ◆AMIGOF7b.c :2007/05/02(水) 21:09:340

「血狂ひ」第一試合
直刀 VS マリア・バルゼリート レス番纏め

>>109 >>111 >>116 >>120 >>156 >>183
>>199 >>211 >>226 >>232 >>235 >>246
>>248 >>274 >>287 >>292 >>297 >>299


勝者:マリア・バルゼリ−ト


そして陽気な殺し屋は、更なる修羅の道を歩む。

311 名前:『悪魔精練士』アイザック・ラフォレーゼ ◆BLOODlbo6s :2007/05/02(水) 21:39:130

>>309
【黒の礼拝堂にて、アイザック・ラフォレーゼ/十字刈夜】


「下、                              な」
       ら、
            ない、



―――-―思い出せ。
我が手に今たずさえし紫薇の輝きを放つ閃光の剣。
大天使の断罪進軍、必殺斬狩の具現抜刀すら阻む、其の力の所在を。
七の属性と刃金を鍛え、賢者プトレマイオスですら到達できぬ秘術にて生み出した奇跡の具現。
この、神をも嘲弄超克超越する神秘を可能としたのは何か。
己が第二の生とし学んだのは何ぞや。
地の虫が這う底から這い上がれたは何故か。

――――――思い出せ。
無より有を生む我が力の源を。
紅蓮の翼竜を召喚せしめ、地獄の灼熱を浴びせ猛る夢幻すら叶える秘蹟、其の術の由縁を。
此れは生きる証。
此れこそは天地神理を侵し主張する我が存在意義。


あの方が。
―――――思い出せ。
悪魔精錬術が。
―――――――――思い出せ。
我が唯一無二と崇拝する主、ドラキュラ様が!
――――――――――――――――――思い出せ。
失ったのだ、滅ぼされたのだ、甦り封じられ蘇り滅ぼされ黄泉返り滅び去り再臨し消滅し復活し壊滅し
再生し殲滅し再起し倒され光臨し斃され再誕し撃滅され甦生し滅却され再生し退けられ完全に甦り完全に滅ぼされ
輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と
輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と
輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と
輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻と輪廻を繰り返し―――――――――――――――――――――今!!


「もう、十分に、生きただろう――――?」

――――腹を蹴る。刃を止めた女の腹を。
あの方は喚び戻して下さった。
―――――我が最高の傑作よ来たれ。
あの方は俺を必要としておられる。
―――――終焉の名を持つ、強く、賢く、猛き悪魔よ。
この俺を大願の要として期待しておられる。
―――――駆逐せよ。紅蓮の焔と共に進軍し、螺旋風の矢と化して舞い攪拌せよ。
誰よりもこの俺を認め、価値を見出して下さったあの方が!
―――――紅蓮と疾風と我が熱刃の乱舞と、三位一体となり縦横の死を創れ。
何よりも俺の手による戦果を、悪魔精錬士であるこの俺の功を望まれておられるのだ!
―――――撒き散らす灼熱は空に。間隙を突く悪魔は宙に。更に其の間隙を突く光刃は地に。
ならば為せ、我が全身全霊を以って我が主が望んで止まぬ破滅への行進曲を、奏で担い謡い殺し殺せ殺せ殺せ!
―――――此れは唯一絶対の使命である。我は殺し汝は死に、其の魂を捧げよ。
 

312 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/05/02(水) 21:46:020

>>275
刃の嵐が吹き荒れた後、庭園には凪が訪れていた。
その静寂を切り裂くように、飛翔した轟天が火花を挙げながら着地する。
勢いの付いた轟天の蹄によって、石畳が十数mに渡って掘り起される。

英霊達は、轟天の着地と同時に姿を消していた。
残されたのは、鋼牙と轟天、そして全身を切り裂かれたデスマスクだけ。
そのデスマスクが纏っていた、神話の時代から破壊されなかった蟹座の黄金聖衣もズタズタに切り裂かれている。

デスマスクが、ゆらりと歩み始めた。
同時に黄金聖衣が解け、一つの形へと集約されていく。
「クソッタレが……俺の負けだ。いいぜ……認めてやるよ。
テメェはせいぜい生きて足掻いて、死ぬまで戦ってろよ……ヘッ、地獄で待ってるぜ?」

「―――言われずとも、行くだけだ」
鋼牙はデスマスクに背を向けたまま答える。
勝者と敗者のデッドライン。そして、デスマスクの声も、気配も掻き消えた。


「それにしても鋼牙、あんな技何時から使えるようになった?」
傷の手当てを進める鋼牙にザルバが問いかける。
「……俺にもわからない。というより、あの時『出来る』と感じた」
「……そいつはまた、随分妙な話だな。それで無くともこの城は妙だって言うのにな」
ザルバの抱いていた疑問は「英霊牙狼斬馬剣」だけではない。

邪気と瘴気と陰我が渦巻き、重厚な結界が張られたこの悪魔城で何故、ガロの鎧を召喚出来たのか。
結界だけでも召喚が阻まれるのに、だ。

「……言われてみれば、な」
「……案外、大河が力を貸してくれたのかもな」

果たせなかった約束を果たすために。
それは、鋼牙だけが抱いた想いではなく当の大河も抱いているのではないか。
「……そうかもな」

―――父よ。もしこの場にいるのならば聞いて欲しい。
貴方が果たせなかった約束は、俺が果たします。
黄金騎士を継ぐ者として。そして、貴方の息子として。
運命の風が逆巻こうとも、この約束だけは必ず―――

【黄金騎士ガロ/冴島鋼牙VS黄金聖闘士デスマスク戦

 …勝者:黄金騎士ガロ/冴島鋼牙】

313 名前:七夜志貴 ◆nb.mURders :2007/05/02(水) 22:06:480

>>307

 嗚呼―――――なんと素晴らしきかな、この殺意。
 何物にも並ぶコトのない至高の感情。それを一身に受けるのはとても素晴らしい。

「開始のベルは鳴りました。それでは怪死のベルを打ち鳴らすと致しましょう。今宵踊るは二人の
役者。舞台は月明かりに照らされた城主の間。舞台装置と致しましては様々な死体、多くの瓦礫。
神のみぞ知る舞台の終わり。―――――ごゆるりと、御愉しみ下さい」

 斬死と惨死、残滓による死、文字通りの残滓。
 玩具で吾を殺せるとでも? 救われないよ、お互いね。

 壱の太刀は下から上までを舐め尽すかのように舌を這わせ、二の太刀は胴に愛撫を重ね、参の
太刀は頭から甘美な死を運び、四の太刀は死姦に勤しむ。

 狂っている。
 狂っているね。
 さあ―――――狂おうか。

 壱の太刀は右に体を流す事で避け、転じるままに二の太刀を腕に絡め取る。参の太刀は元より
見当外れなれば、四の太刀すら無意味と終わる。

 然様なら―――――吾が愛しの左腕。
 ようこそ―――――このイカレ、狂った舞台へ。

 蜘蛛の疾駆は止まらない。
 その左腕からダラダラと血を流し続けてなお。
 自らの血溜まりに足を取られるコトなく進む。


―――――こんなにも”死”が身近にあるんだから、


                          目の前には既に男の横顔。


                                飲み干してこその生―――――。

314 名前:戦姫 ◆cr6uqIKUSA :2007/05/02(水) 22:08:170

>>285

 眼前の敵を睨み、しかし視野広く決して点を見ず。
 傍らに男のを罵り受け、しかし戦場に在らざる者の声は最早届かず。

 手にした薙刀をゆっくりと八相の構え――片手のみで――に構える。
 八相の構えは攻撃の構え。薙刀の「薙ぎ」をもっとも活かせる攻めの構え。

「戦はいい…心が洗われるようだ」

 誰にともなくそう呟く。
 男は言葉を残し戦場を去り、敵兵が一気呵成に戦姫目指し押し寄せる。


 戦乱の世に生まれ、「戦姫」と渾名される戦を愛し、そして今望みの果てに居る。
 なんと幸せな人生だろうか。

 恐怖もあれば未練もある。だが、しかし今のこの高揚感と悦びは本物だ。


 ――ならばよし。これより最後の戦をしよう。


「 我こそは徳川が戦姫! 我はこれより修羅に入る!
  神とあっては神を斬り、妖とあっては妖を斬る。
  戦に死ぬるは身のほまれ、玉と砕けて華と散ろう! 」




(場所:侵食煉獄闘技場)
【千姫(戦姫):敗戦→討ち死に】

315 名前:十字刈夜:2007/05/02(水) 22:12:430

>>311 【黒の礼拝堂にて、アイザック・ラフォレーゼ/十字刈夜】

そして剣戟を返され、打ち合うこともせずに男は笑い、異なる様に出た。
腹部への蹴りは痛烈。身を折られ。勢い宙返り、膝を突く。

だが、表情は無色。
十字刈夜はそういう女だ。
彼女は恐怖ゆえに闇夜と交わり、絶望を旨に抱き生きている。
絶望など日常の一部にすぎない彼女は喜んでその日常で呼吸するのみだ。
巨体の魍魎、男の妙技、翼ある怪。
誰もが悪夢に思うようなその様な様には食事以下の価値でしかなく…
ああ、そうだ。良い事を言った、、つまりは"下らない”のだ…そんなものは。

「十分に死んできた──私は私の中で幾折も」

膝を突いたまま拳で七色刃を握る。朱の掌。
それを口元へもっていき、ふわりと吐息。
淡い夕日の様に蒸散するけつえきのあか。
獣が炎を出した。瞬時、光が差した。
それは彼女の髪、永久億度に閉ざされた細切れの白亜の羽たちが
熱波に舞っている様相だった。
それは吹き付けられた朱、炎に染まる朱を吸い込んで────いちめんに炎。
ソドム、ゴモラの狂気にも似た、意図ある炎は男らのみを優しく包んだ。
1束で度々夜を滅した魔力の髪による炎は、シンボルや教壇、信徒が祈り額を擦る長椅子、経典──
主にそのような箇所より指向して3者を求めて迸った。
白き典礼の火炎は、断罪を意味した。皮肉にも祈りのまでの断罪を。
壁、床、天上!彼女が先に舞った地点、つまりあらゆる森羅より炎は3者を求め、舌を伸ばす。

「ああ、今宵再び死ぬ──貴様は今の私と共に永久なる中で、静寂に」

316 名前:『悪魔精練士』アイザック・ラフォレーゼ ◆BLOODlbo6s :2007/05/02(水) 22:42:450

>>315
【黒の礼拝堂にて、アイザック・ラフォレーゼ/十字刈夜】


「くく――――囀るか、娘」


――――織天使ミカエルの炎、煉獄への不遜なる誘い。
髪より生じた焦熱地獄とは笑わせる。
呪い否定する異端と代わらぬ業を振るい、異端より極北の域を経た俺を焼く気か。

――――我が黒き紅蓮は堕ちた。サタンの化身と謗る火竜を焼き尽くす炎。
それが如何した?
ならば紅蓮の焔と己を成す。
焦熱など温い、灼熱など甘い、業熱など通過点に過ぎぬ。
魔道の寵愛を受けた我が身は呪い。焦熱を耐える膜、炎上を馳せるオーラを纏え。
焼付く肺腑など知らぬ、血肉の沸騰など構うな。回り光り駆動せよ。
我が精神衝動決意を引金にして――――そう、今のように。
そして今こそ灼きつくせ、この女の闘士と牙を。
劫略と侵略と蹂躙を繰り返しきるまで繰り返し、ウロボロスの永劫螺旋に引き摺り堕とせ。
我が鋼をも断つ刃金、城壁すら灼き溶かす紫薇の閃刃で。

「ならば今より貴様が死の全てを捧げろ。我が崇拝する闇の主に。
 そうすれば――――――」

―――――「終焉」よ、来たれ。
無垢なる命に宿りし高潔と凶猛、汝の知性は殺意の車輪を走らせる要因とせよ。
汝は我の手、汝は我の足、汝は我の剣、心得よ。
同調し発揮する耐熱、内より肉体を焦がす衝動と同じく。
敵に終焉を齎すがゆえに其の名を冠する魔よ、汝は我の映し身であり、我は汝の合わせ鏡。
互いの一挙一足は同一の相へと通じ、即ち。
一足で駆け、一翼で飛び、狙う先は同じく一点。其処にて。


「俺は喜んで、貴様と共にあの方の永久となろう」


――――――汝の「剣」は我が「剣」と同期する。
地平への切り払いは飛び掛る踵と。斜線を引く切り上げは回し蹴りと。
対角へと伸びる斬り上げは対照を描く爪と。正しく貫光の刺突は足元を刈る爪先と。
円相の弧を描く振り払いは闘気を纏った円相の切り裂きと。
X(サイ)の字を刻む踏み込みは、振り下ろされ交差する爪の閃きと。

女を挟んだ告死の舞踏は全く同時にして完璧に、躍った。

317 名前:十字刈夜:2007/05/02(水) 23:26:330

>>316 【黒の礼拝堂にて、アイザック・ラフォレーゼ/十字刈夜】

「お前は神の”恩寵”を見たのか?」

神などおらぬ。なれば、悪魔もおらぬのだ。
化け物は居たとしても。
刈夜は呟く。妄念の男を哀れんで。

世界は幾度滅びようとも、全てを失う事は無く───
悪も善なる者も等しく残り、心燃えるかの男は尽きずに居座っていた。
そして果敢に刈夜に挑み来るその男に対して。

人は夜を恐れ、そこから目をそむけ、何事も無く日常をわたる。
そこに手を染めるには、応分の理由があり、それはナニモノにも怪我せぬ領域だ。
その方向性が昼であれ、夜であれ、境界を越えぬ限りは互いに親しみすら感じるべき
立場。それが刈夜とアイザックのあるべき姿に思える。
無論、そのようなものは既に無用だ。刈夜にとって魔王は夜族の元締めであり、その進路に
塞がるものはすべて「静に」せねばならぬのだから。

衰えを知らぬ男に対峙し、再び刈夜は刃を持つ。
斧のような蹴りが来ては、刃を地に立て、力を外し。地より突き上げ────
逆真二つを試みる────すと似合わぬ凶爪、5連が刃の腹を押し、残りの腕が苛烈に平突き。
南無参、仰け反り、地に手を突き───男の喉元へ、急襲逆立ち蹴り。
───従僕たる悪魔が見越し、きぃきぃと牙を立て───脚部にぶわりと血が滲む。
正面より立ち居でてやり合うほどに刈夜は劣勢にたつは必定…が…
刈夜は好きに戦わせた。これほどの騒ぎの中、他に助けもこぬのを確認する意味も含めて。
血が滲み、朽ちた床に染み入り出す頃までは。

「もう、いいだろう?」

痛む体を表情に出さず、大上段に構え、刈夜は声を出す。
彼女には似合わぬ、裂迫の声、丹田に力を入れ、発した言霊ある音階。
悪魔の牙、饒舌な責め苦を防戦に転じる事で飛びすさぶ。
そして転進───特殊な鉱物おりはるこんの力により地をすべり…
英文最後の一文字型に刈夜はその身と刃を迸らせた。つまりこれ奥義、無足──最終文節。

「…わかっているはずだ。既にお前は捨てられたのだ…魔王とやらに」  

318 名前:◆xmpp2OfICI :2007/05/02(水) 23:47:560

>>312

――ギリシャ聖域 スターヒル

ギリシャ聖域の頂上に存在するといわれる丘。
歴代の教皇が吉兆占い―星詠み―の場として使っている場所である。
教皇はその場に立ち、デスマスクの敗北を知る。

「デスマスクの小宇宙が――尽きた、か。」

やはり、デスマスク程度ではこのくらいだろう。
使える駒とはいえど、そう易々とは悪魔城の城主まで辿り着くことは出来ぬか。
教皇は目の前に在る、強大なる神を目の前にして頭を垂れた。

アーレス―軍神―よ……お前は、人間でありながら悪魔を従えんとする。そのお前にはこれから先の未来に何が見える?

教皇に語りかける神、その名を四大神が1人 ポントス

教皇がマスクを脱ぎ、その顔を露にする。
黒き髪と、赤き瞳。その目に、星の煌きが映る。

「私に見えるのは、災厄の前兆。死と混沌が、招く慟哭の世界です。」

アーレスの言葉を聞き、深く頷くポントス。
天を仰ぎ、ゆっくりとその姿を消していく――

なるほど……好い流れだ もう少し、下界の観察を続けるとしよう―

ポントスの姿が消えたのを確認し、顔を上げる男。
その目に、先程までの粛々とした落ち着きは無い。
ただ在るのは……野心に燃えた赤き瞳。血のように猛る、邪悪の炎。

―「魔王ドラキュラの復活……都合がいい。どうせならば、復活して貰うのもよいだろう。
蘇ったところで同じこと――この私が魔王さえも屈服させてみせよう。

これからの時代は人間が神と魔を支配するのだ――神と魔が人間を畏怖させる時代は終わりを告げる。
このアーレスの前に、敵は無い。完全なる力が、この私にはあるのだから。

神よ、魔物よ。私を畏怖するがいい――我が名は……


黄金聖闘士 ジェミニのサガ 」


【黄金騎士ガロ/冴島鋼牙VS黄金聖闘士デスマスク戦

 …勝者:黄金騎士ガロ/冴島鋼牙  THE END】

―神と人間の戦い NEVER END―


319 名前:◆xmpp2OfICI :2007/05/03(木) 00:03:260

【黄金騎士・牙狼 vs 黄金聖闘士・デスマスク】レス番纏め

冴島鋼牙 導入
>>159>>160

デスマスク 導入
>>165>>167

闘争本編
>>173>>175>>178>>185>>187>>192>>194>>198>>201>>202
>>205>>209>>213>>214>>216>>247>>258>>261>>265>>272
>>275

冴島鋼牙側・エピローグ
>>312

デスマスク側・エピローグ
>>318


――勝者、黄金騎士・牙狼。行け風の如く 魔戒の剣士よ ―


320 名前:『悪魔精練士』アイザック・ラフォレーゼ ◆BLOODlbo6s :2007/05/03(木) 00:21:330

>>317
【黒の礼拝堂にて、アイザック・ラフォレーゼ/十字刈夜】


冴えて煮え立つ視界に映ったのは交差と交差。
女の繰り出した緋緋色の精妙なる軌跡は、我が紫薇の剣筋を凌ぎ、
其の柄を飛ばし、我が熱動に燃え盛る胸を切り裂いた。

「―――――く、くくく」

―――――そうか。

「くくく、ははははは……」

――――――嗚呼、そうか。

「ハーッハハハッハハハ!ハーーーーハハハハハハハハハハ!!」

――――――――何も分かってないのだなぁ、貴様は。


「“捨てられた”? 其れは実に最高の冗談だ。
 ――――分からないなら教えてやる。
 これは儀式だ。我が主の力を完全なものとする為、戦いの形で魂を糧として捧げるなぁ。

 この城で戦うもの全ての魂は、あの方に捧げられる“贄”。
 そう、“全て”がだ。それはこの俺とて例外ではなく―――――――」


――――そう。
我が主、ドラキュラ様の命を受けた其の時から。
俺の命は既にあの方の糧として"捧げている”。
我が肉体が熱に熔かされ崩壊を遂げようとしている最中、もはや一切の痛みを感じぬのも。
それどころか恍惚とした歓喜が満ち、全身に鬼気冴え渡るのも!
全ては先んじて我が命と魂を捧げ、礎を築く礎と成っているが為。
故に、

「―――――――そして貴様とて例外ではない!」


故に我が身は最早矮小なる天地の創造せし器に在らず。
死を超越し、仮初の肉体滅するまで己の運命を祝福し続け役目の遂行を止めぬ!
腕が動くなら脚が動くなら力が未だ残るなら!
今こそ我が身は其れを衝き動かす法悦の侭に疾走しよう。
今こそ我が半身と成った終焉の悪魔と一つに融けて!
お前という新たな半身と、お前という素晴らしき生贄と己を捧げ一つと成る為に!


「啼け!」

終焉が最期に撒き散らす熱波と共に。
悪魔が方陣と成り命と代わり生み出す爆裂の中で。
破滅のみを導く灼熱の業火と同一化した体躯を躍らせ、
熱の狂喜と冷の狂気に全身全霊を染め、紅蓮と紫薇に輝く両手を奔らす。
炎獄の獄卒が振るう刃の如く熱く鋭いその爪を。

「叫べ!」

生贄なる女の御前。
熔けながら舞い、崩れながら刻め。
の、無より有を生むまでに凝縮された魔力。
両手に収束せしめた其の暴虐を繰り、回し、刻み描く。
当たる当たらぬは問題ではなく裂く裂かぬは命題ではなく抉り抉らぬは目的ではない。
我が死命の乱撃は、到達結実せねば殺せぬ“技”ではなく、“術”。
十字を逆十字を螺旋を点を円を線を式を紋を字を面を角を号を意を幾何学を曲線を楕円を
描き画き描き画き描き画き描き画き描き画き描き画き描き画き描き画き描き――――


「――――――そして、死ねぇ!」

そして諸手を打ち出し我が爆熱崩壊の陣は零距離にて完成する。
鮮血を飛沫を髪を皮を目玉を頭蓋を脳髄を脊髄を肉を肋骨を鎖骨を臓腑を肺を心臓をそして其の魂を!
完膚なき破壊へと差し出し俺と共に爆ぜろ爆ぜろ爆ぜろ爆ぜろ爆ぜろ爆ぜろ爆ぜろ爆ぜろ爆ぜろ小娘!


そして、俺はあの方の―――――――――


【アイザック:相手の最期を見ることもなく、爆散→其の魂は魔王の下へ】
【凌げば十字刈夜 勝ち抜き確定】

321 名前:魔人ヴィゼータ ◆VZ/G9kPv8E :2007/05/03(木) 01:03:140

静けさの戻った花園。 雲が晴れ、月がその白い顔を出す。
束の間絡み合い、交錯した魔人と守護天使の運命の糸は既に解け去った。
一方の糸は再び先の見えぬ闇へと続き。
また一方はぷつりと途切れて横たわり。

木立の間を物悲しげな夜風がさあ、と撫で去っていく。
でも、その歌を耳にしたのは、上天に浮かぶお月様だけ。


魔人ヴィゼータvs斎月雪那
守護天使ガーディエンジェルセツナ外伝「フォールン・エンジェル」

【ヴィゼータside】
OP
>>53 >>56 >>57

本編Aパート
>>64 >>74 >>84 >>96 >>108 >>122 >>123

本編Bパート
>>171 >>182 >>193 >>204 >>218 >>230 >>262 >>278

ED
>>321

【斎月雪那side】
OP
>>52 >>58

本編Aパート
>>69 >>76 >>88 >>101 >>113

本編Bパート
>>161 >>174 >>186 >>196 >>210 >>221 >>263 >>270

ED
>>282

322 名前:十字刈夜:2007/05/03(木) 01:14:430

>>320 【黒の礼拝堂にて、アイザック・ラフォレーゼ/十字刈夜】

斬った、そのような手ごたえに意味など無く───
恐るべき力の渦…頭脳は揺れ、一人の女である刈夜は不覚にも意識を手放しかけた。
すんでの間、壁に向かって飛びすさび、身体のみは保全した。
生を賭した魔力。マインドドレインの力。
方陣に逆巻く奔流を刈夜は避け難く…増大/離反するエントロピーが場の閉塞度を
加速/停滞、点灯/暗滅させて行く。
生を蝕む陰アル触手は彼女の素足を、むき出しの腕をなめかすめ、ちりちり焦がし
力を奪った…。

全てが終る頃…彼女は疲労に塗れ、うな垂れていた。だが、生きていた。
死ぬ事に何の意味があろう。あてつけに呟いた刈夜の言葉───

゛…貴様など、私は忘れたからな”

彼女の生があったのはその剣の浮遊能力の所以か、はたまた彼女の質を
悪鬼の対象たる覇王がお気に召さなかったのか。それは自身にも分らぬ事だ。
だが首筋と腕に触れ、己の状態を確認し、、安殿と息を彼女は漏らす。

───そして、その事に自ら驚いた。年相応の愛嬌ある顔で。

だがこれは男が言うとおり────つまり、一つの結果にすぎないのを
忘れてはならぬだろう。
刃が貫いた事、刈夜が彼の肉を抉った事などただの結果。
大きな意思が世界に逆巻いてる事の一通りの結果にすぎぬ。
ろくに動けぬ足を引き摺り、刈夜は動く。次の闘争の場所までと。

───仕合い・完───

323 名前:◆BLOODlbo6s :2007/05/03(木) 03:09:360


アイザック・ラフォレーゼ 対 十字刈夜


序幕
>>249>>250>>251

一幕
>>252>>254>>255>>260>>267
>>273>>279>>283>>286>>300

ニ幕
>>309>>311>>315>>316>>317>>320

終幕
>>322

【仕合場:黒の礼拝堂】
【勝者:十字刈夜】



「――――――アイザック、“還”ったか」
「……あの者、如何なされますか?」
「捨て置け。何れ他の者と闘い斃れるであろう……我がそう定めた以上はな」
「御意……」

324 名前:屍 十二:2007/05/03(木) 16:35:120

【屍十二 vs 戦姫】レス番纏め

屍十二導入
>>162 >>164

戦姫導入
>>166

闘争開始〜決着
>>172 >>177 >>181 >>191
>>195 >>200 >>206 >>215
>>223 >>229 >>233 >>238
>>253 >>256 >>269 >>277

屍十二エピローグ
>>285

戦姫エピローグ
>>314

勝者:屍 十二

「チッ、胸糞悪ィ城だ……いっそバケモンだけなら、楽だったのによ」

325 名前:ウォルター・C・ドルネーズ:2007/05/03(木) 20:10:410


(ウォルター・C・ドルネーズ(吸血鬼)vs七夜志貴 場所:悪魔城最上階)

>>313

                /
               /
              /
            /
           /
         /
   slash down! ̄ ̄ ̄ ̄血に濡れる男の左腕


「幾らでも避けろ」


 ヒュン…ヒュパヒュパ………ギチン!……キリキリキリギリギリギリギリギリ
 ザンザン………ドドドドドドドドド………………ッ!


 曲名 「崩落・死弾 -a bad omen-」 作詞 死神の右中指 作曲 悪魔城天井


「お前が完全にくたばるまで殺してやる」

 \   /  \      /         \   /
   \/     \   /          /  /    /
    \       \/\         /\/    /\/\/\/\/
    /\      /   \      /  \   /
  /   \   /    /\   /    /\/\            /
/\     \/    /   \/    /   \  \         /
   \         /       /\/      \  \      /
     \       /    /\/\          \  \   /
      \    /    /\/   \          \  \/
       \/ \       \     \/
       /    \       \     \

 絵画 「死滅檻 -a sign of death-」 作画 死神の右薬指、左薬指








 殺人鬼を捉え損ねた閃光がそのまま天に吸い込まれる。
 残った二指の一が其れを追う様に空を翔る。

 \         /\        /\        /\         /\        /
   \      /   \      /   \      /   \      /  \      /
    \   /      \   /     \   /     \   /      \   /
     \/        \/        \/        \/        \/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 銃撃を行っていた髑髏が糸に絡め囚われぱんと破裂、地に潜る。
 最後の一指が殺意を滾らせ、下へ下へと走り姿を消す。

__________________________________________
     /\        /\        /\        /\        /\
    /  \      /  \     /   \     /   \      /   \
   /    \   /     \   /      \  /      \   /      \
 /       \/        \/        \/        \/         \

 終幕の音が鳴るまで後僅か....



326 名前:◆Poesie/ZHU :2007/05/03(木) 20:11:090

《リア・ド・ボーモンVSメタルアルカイザー》


 ―――そこは、一つの異郷であった。

 鏡写しのように連なる巨大な書架の列は、各々が溜め込んだ想念を
人ならぬ言葉でやりとりする。書架とはおしなべて、人ならぬものたちの
深海の王国である。肉を離れた想念が行きつ巡りつする、延々と続く
一つのささめきである。
 その人ならぬ国に―――。
 一人の人間が、立ち入っていた。

「レゲメトン。ホノリウスの書―――ふん」

 女性である。
 それも、美しい顔立ちをした―――艶やかな貴婦人と見える。

「魔を綴った本の群。押し込められて閉鎖を象ったようね」

 しなやかな指先が革張りの分厚い本にふれると、ぱしっ、と小さな
火花が走る。リアの詩と書物の魔力が拮抗したのだ。

 ―――処は悪魔城、侵食禁呪蔵書庫。

 先の《罪人の塔》も陰鬱な印象を持つ建物であったが、ここはそれ
以上に「禍々しい」場所である。書架に並んだ魔書の群れは、それ
自体で一つの閉鎖した系をなし―――故に、外界を拒絶する。
 閉じた世界は淀む。
 紐で締め付けて鬱血した手首のようなものだ。循環を拒んだ場所は、
朽ちて腐りて壊れて落ちる。「ここ」が「そう」ならないのは、ひとえに
禁呪蔵書の並々ならぬ魔力―――すなわち、獰悪なまでの生命力
ゆえであろう。
 ならば、ここは差し詰め巨獣の体内にでも喩えるべきだろうか。


 ―――ふと、リアのセレリアンブルーの双眸が、書架にわだかまる
闇の彼方を射る。
 この悪魔城を司る法はどうやら「戦い」である。
 理由や動機を云々する間でもなく、人二人が行き会えば斬り合う
―――そういうふうに、どうやら出来ている。
 つまり、この闇の彼方に居るのは―――
 敵である。

 はたして、次なる敵はいかなる相手か。
 腰に下げたトートの剣に僅かに触れつつ、リアはそう思った。


【処―――侵食禁呪蔵書庫にて】



327 名前:七夜志貴 ◆nb.mURders :2007/05/03(木) 20:36:110

>>325


              行進曲/     /闘争曲
                   亢進曲/
              昂進曲/     /闘争極
                   抗争曲/
              後送曲/     /刀葬曲
                   香葬曲/
              葬送曲/     /協奏曲


 調べが流れる。
 夜の誘いを告げる音が。夜の終わりを告げる音が。夜の始りを告げる音が。

―――――残、斬、惨。
―――――散、餐、撒。

 左足には殺意の舌が。右足には殺意の指が。右腕には殺意の牙が。
 舐め回し、掻き乱し、喰い散らかし。

 止まらない血液に愛を謳い、止め処ない闘争に哀を謳い、終わりない狂騒に愛を乞い、始まりの
ない逢瀬は愛と識り、終わりのない逢瀬は哀となり、潰えるコトなく抱いた願いは今ここに。


 嗚呼―――素晴らしきかなこの一夜。


 装飾楽句/葬蝕楽躯に乗せた思いは何処えと。
 アンコールは鳴り止まず、演者はそれにこたえるだけで御座いましょう―――――?

「モノを殺すってコトはつまり―――――殺意の象徴を生み出すコトだよな?」

 さあ―――――まだまだ続けようじゃないか。

 寸分違わず迫る死に、怯え、戦き、躊躇うようならこの一夜。
 そも存在するはずもなく。

 刹那の間に自らの細い糸を断ち切り続けてこその生。
 目視に耐えぬ糸なれど、寸分違わず切断して魅せてこその殺人鬼。

 右腕一本?

 馬鹿を言え―――――その気になれば全身で殺せるさ。


 抱きしめてくれないか、この殺意。

328 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/05/03(木) 20:45:460

《リア・ド・ボーモンVSメタルアルカイザー/侵食禁呪蔵書庫》
>>326


 視界内/無数の書物/全てが禁書、邪悪な文面。
 戯れに、取り出して目を通してみる―――強力な瘴気。生身の眼では即座に発狂/失明
をもたらす天然のトラップ/厳重にシールドされた複眼型視覚センサが無効化する。
 呪詛が聞かないと見るや本は変貌/牙と触手を吐き出す怪物/馬脚を現す―――即座に
投げ、斬って捨てる/新たな剣の試し切り。
 艶かしい銀色の輝き―――新たな道程を辿る己に与えられた新たな魂/竜鱗の剣。その
切れ味は超銅金をもバター扱い。長年倉庫で眠っていたとは思えない性能。
 切り捨てた本が無数の紙束となって襲い掛かる/失うこと無い破壊と殺戮の呪詛/プラ
ズマジェットを起動―――数千度を超える高熱で焼き払った=全て炭化。完全な死亡。

「……問題なし」

 駆動系/知覚系/出力系/武装系―――全て正常=ドクター・クラインの入念なメンテ
ナンス。最初の最初の戦闘前と全く変わらぬ性能。
 違うのは一つの縛り―――リミッター解除の制限/あの幸運が二度起きるとは限らない
というドクターの危惧=自身の感想=リミッター機能の制限に同意/ドクターの許諾が無
ければ解除は不能。
 そしてもう一つの違い―――新たなる起点/己が持つべき正しき強さの探求。
 それは、彼の剣の騎士が与えてくれたもの。誇り高き意志と強さ。
 魂の輝き。

「―――今少し、修羅道を歩むことを許せ」

 されど、まだ自分はもう一つのやるべきこと/ドクターの意志を叶えていない。何より
一度の戦いだけでは探求など出来るはずも無い。
 故に敢えて、この死地へ身を置き続ける。
 自らの正しき強さを定めるために。
 その一歩として。

 ……レーダーに生体反応/妖物に在らず/剣を携えた人間。ただし通常と反応が違う/
霊体憑依者の可能性あり。
 推測―――“次の対戦者”。

「……来たか」

 ゆっくりと振り向く/構えは取らず/万全の位。
 いかなる攻撃にも対処するための戦闘形態。
 内蔵武装も待機状態=瞬時に稼動可能。

 音も無く第二の剣戟が静かに幕を開ける。
 暗闇にビジョン。
 ―――相手の輪郭を推測/投影。
 複眼型の視覚センサを紅く煌かせる―――意志持つ無数の眼で暗闇を見据えた。



329 名前:◆BLOODlbo6s :2007/05/03(木) 20:48:030



――――監視魔「ピーピングアイ」より魔鏡を経由し鏡魔「パラノイア」へ。

――――――パラノイアより死神へ報告。


―――――絵画「月下の舟島」。
健在。
勝者、魔人宮本武蔵。
敗者の魂、回収完了を確認。
同絵画、仕合終了後迎賓館へ安置との旨、完遂。

―――――悪魔城城門。
健在。
勝者、関羽雲長転生体。
敗者の魂、回収完了を確認。
異界による侵攻の可能性大、レギオンの出力増強を進言。

―――――呪縛の時計塔内部。
健在。
勝者、地球意思代行。
敗者の魂、回収完了を確認。

――――悪魔城侵食庭園
健在。
勝者、黄金騎士。
敗者の魂、冥界への放逐にて回収不可能。
儀式完遂後、聖域との全面戦争を想定されたし。

黒の礼拝堂。
半壊。
勝者、十字刈夜。
アイザックの魂、手筈通り其の位階を上げ回収。

―――――罪人の塔。
崩壊。
勝者、リア・ド・ボーモン。
敗者の魂、現時点にて所在不明、回収は不可能。

―――――侵食地下神殿跡。
半壊。
生存者、メタルアルカイザー。
敗者回復後離脱、魂の回収は不可能。

―――――侵食煉獄闘技場。
待機軍勢壊滅なれど健在。
生存者、屍十二。
敗者の魂、地下警備隊デュラハン、“ロード”、と相打後、此れの回収を確認。

―――――裁きの坑道。
健在。
両者深淵へ落下、反応消失。
勝利者、無し。

―――――妖魔迎賓館。
健在。
勝者、マリア・バルゼリート
敗者の魂、回収完了を確認。

――――悪魔城最上階。
半壊、衛兵妖魔、魔獣、鎧兵隊壊滅。
現在侵入者二名による戦闘中。
衛兵増援は迎賓館上層にて待機。


――――以上報告、死神より城主へ。
 

330 名前:ウォルター・C・ドルネーズ:2007/05/03(木) 20:57:530

(ウォルター・C・ドルネーズ(吸血鬼)vs七夜志貴 場所:悪魔城最上階)

>>327

「全て凌ぐか。然らば」

 何もかも凌ぐのであれば其れを確実に滅するには手段は唯一つ。
 至って単純な解答。迫る殺人鬼へと告げる終幕の言霊

「死ね」  ぴんと弦が鳴り…cut down―――――――――――――――――――――――――――――



 \         /\         /\          /\          /\         /
   \      /    \       /   \      /   \      /   \      /
    \   /      \   /      \   /      \   /      \    /
     \/         \/         \/         \/         \/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

                   天も        \/
                              |        地も
                              |
―――――――――――――――――――final down!!
                              |
                              |    その一切合切が咆哮をあげ
             全てが崩壊した       /\
__________________________________________
      /\          /\          /\         /\         /\
    /   \      /   \      /   \      /   \      /   \
   /      \   /       \   /      \   /      \   /      \
 /         \/         \/         \/         \/



331 名前:◆BLOODlbo6s :2007/05/03(木) 20:59:400

>>329

―――――城主より“城”へ。



――――対象。
現在、仕合場内にて待機中の者。
回復法術による結界展開開始、発動を命ずる。
範囲、各仕合場内全域。


――――対象。
現在、移動中の者。
空間歪曲による治癒方陣への誘導、並びに発動を命じる。


――――対象。
城内にて展開中の全髑髏兵、鎧兵、獣人、魔獣、妖魔全員。
各々の配置にて待機、ただし反撃は任意と心得よ。


 ―――――全ては次なる死合が始まる前―――――



>勝ち抜いた参加者各位
・回復の提案。参加者の随意により、仕合事前に回復処置が行われます。
・不要と希望される方は無視して構いません。

332 名前:リア・ド・ボーモン ◆Poesie/ZHU :2007/05/03(木) 21:09:500

《リア・ド・ボーモンVSメタルアルカイザー》


 赤い煌き―――殺意の代弁。
 とぐろを巻いて重く蟠った闇の向こう―――そこに、いる。
 次なる敵。次なる相手。次なる剣士―――倒すべきものが。
打ち合い、組み伏せ、その存在を否定するべき相手が。つまり、
闘いを交わすべき相手が。
 次なる相手もまた―――尋常な敵ではないだろう。
 その強さはつまり「彼」の歩んだ道程の険しさを代弁している。
 あるいは憎しみの、誇りの、信念の強さを―――。

「―――どうでも良いわね」

 リアが鯉口を切った。
 抜き身の照り返しが闇に跳ねる。
 呟きと共に床を蹴る。杭を打ち込むような音。
 石畳にブーツのソールが擦れて、僅かに焦げる。

 ―――闘いが始まる。

 リア・ド・ボーモンの俊足は既に人の域を遠く超えている。
 影さえも追走させぬとばかり、風の速さで駆けながら―――
信じがたい事に、無音。
 狂ったような相対速度。
 あと二十歩。闇の最中に敵影を捉える―――先の千羽烏月とは
全く様相が異なる。黒い甲冑―――とでも表現するしかない。しかし
その動きを見るに、「甲冑を着込んだ人間」と言うわけでもないらしい。
つまり、甲冑そのものが動いている。
 あと十歩。感じる。快い敵意。真の高潔さを宿すものだけが放てる、
獰猛でいながら淀みを含まない、抜き身の刃のごとき殺意。難敵と見た。
しかし負ける気はしない。形あるものは全て、トートの剣のもとに斬って
捨てる。
 あと五歩。既にリアは稲妻と見まがう。抜き放ったトートの剣が引いた
長い長い残光の尾が、ぬばたまの闇に傷を引いていく。その勢いの侭、
剣先を突き出す。つまり突きである。ひとならぬものにのみ赦された
暴力的な速度―――即ち慣性を、そっくりそのまま叩きつける
刺突である。成る程これならば、煩瑣な駆け引きや面倒な様子見は
不要。獲物を目掛ける鷲の如くに、ただその喉元に剣を突き立てる。
圧倒的に。理不尽に。何かを裁くように―――

 残り一歩―――
 そこでリアの体が跳ねた。

 突きのモーションを装い、拍子を合わせて上に跳んだのである。
 即ちフェイク。
 黒い甲冑の直上―――心の中で、その首筋に標準を合わせる。

 中空にあって天地をさかしまにした体勢のまま、リアの剣が今度こそ
迸る。三日月のごとき鋭利な軌道―――鋼鉄の首筋を絶たんとばかり。


【処―――侵食禁呪蔵書庫にて】

333 名前:七夜志貴 ◆nb.mURders :2007/05/03(木) 21:12:230

>>330

―――――そもそも人間の一生は堕落から始る。

 生れ落ちた瞬間、その一刹那の間より人は墜ちて逝く。
 深く深い奈落へと、止まるコトなく疾走を始る。

 綺麗な薄紅色をした肺は生れ落ちた瞬間から大気という毒に犯され墜ちて逝く。
 鮮血にはその毒が混じり、サラサラと零れ落ちる筈が固着して逝く。
 視界は生きて行く限り刺激を受け続け、墜ちて逝く。
 肉体なぞ言うまでもなく、ボロボロと音を立てて崩れ落ちて逝く。

 人間の一生とは―――――墜ちて、墜ちて、墜ち続け。
 その最果てに、奈落の闇へと飲み込まれて逝く。

 墜ちるコトこそ人の生。
 墜ちるコトこそ人の性。


 ならばこの落下はその生の果てに在るモノ。
 命の答えとも云うべき人生の縮図。


 頂上から奈落へ。


 ならば化物の生とは?
 化物の性とは?


 人の理から外れた化物の終わりとは?


 人は英雄に打ち勝ち、英雄は魔を打ち倒し、魔は人を殺すと云う。


 ならば化物の終わりとは?
 救いがたき闘争狂の終わりとは?


「救われないな――――――お互い」


 墜ちる最中、この手に眠る銀狐。

 最後の牙は―――――。

                                             ―――――最期の牙は。
 

334 名前:ウォルター・C・ドルネーズ:2007/05/03(木) 21:41:250

>>333

(ウォルター・C・ドルネーズ(吸血鬼)vs七夜志貴 場所:悪魔城最上階崩壊跡地)



 瓦礫の中、一人佇む死神。
 先迄猛威を振るっていた殺人鬼は崩壊と共にただの骸と成り果てた。

 世界の崩壊とて死神ならば乗り切れる、殺人鬼は乗り切れない。
 「ただの」人間では届かない、故に男は何もかも捨て去り死神となったのだから。

『救われないな――――――お互い』

 故に如何に殺人鬼の最期の一刺とて「ただの」人間の「ただの」一刺。
 死神を「ただの」傷一つ穿つ事は出来ても断ち切る事は…………

「何………ッ!?」

 じゅうという音と共に死神の身体が煙、そして悲鳴をあげる。
 ぎちぎちと歪む身体。
 きりきりと時計の針が神速で巻き戻される。
 結果。

「これは……」

 現れたのは六十年前の自分、死神の皮を被っていただけの「ただの」子供の自分。
 異変はそれだけに留まらず、今度は足からさらさらと灰に還っていく死神の身体。
 そこでようやく死神は理解を得た。

「つまり「ただの」人間では無かったか、いや………」

 くつくつと漏らされる自嘲という名の笑み。
 絶対に為し得ぬと思った「ただの」人間の人外への踏破。
 其れを目の前の殺人鬼が成し得た事実。
 転じて諦め絶望し化け物へと成り果て死神の最期という真実。
 全て喜劇である、とウォルターは思った。

「『化け物を打ち倒すのは何時だって人間』、アーカードの常套句だったな。
 なるほど、つまり私は」

   己が敬愛する主君
   英国人としての信義、
   女王への忠誠
   皆への信義

 それらを捨て去り死神と成った時点で負けは必定だったという事か。
 だが結末は己の手で……    cut down
                 /
                /
              /
            /
           /
         /
        /
      /
     /
   /
  end......

335 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/05/03(木) 21:43:380

《リア・ド・ボーモンVSメタルアルカイザー/侵食禁呪蔵書庫》
>>332


 無音―――しかし五感を複合させたセンサは敵意の接近を告げている。
 強力な気―――闘志、あるいは殺意と呼ばれるもの/魂でその感触を知る。
 遅れて視覚センサに反応/女性/しなやかな身体と細身の剣/似合いの研ぎ澄まされた
殺意が首筋に届く。涼やかな殺意=狂気にも衝動にもまみれていない純粋な闘争心の表れ。

(―――違う)

 しかし多体的思考回路がその殺意を否定。それは真っ直ぐ来るものに在らず。
 構えを崩さない=一切の防御を見せない。ただ視覚センサが相手の動きを見つめる。
 距離にして二十/十五/十/五歩の空間にまで相手が到達。
 果たして、その思考の流域は現実の近似を得た。
 消える殺意/消える敵影/複数のセンサに反応/再び点灯する殺意。
 首筋―――喉元の裏側/今度は頭上から死が振り下ろされる。
 飛び越えてからの弧を描く刃―――月輪の似姿。
 月光は刃に転じて鋼の身に襲い掛かる。

 行動―――反転/前後を逆に/落ちかかる月の輪郭を迎え撃つ/二重の月が闇に煌く。
 火花/衝撃/弾き返した―――勢いをそのままに着地する予測点へと刃を振るう。
 しかし回避=空中で身を翻して着地点を調整/寸分の見切りで刃を逃れる相手。
 風雷のように捉え所がない/剣舞の踊り手のように。
 確かな腕/修羅の地を生き延びてきた達人を予感/直感する。

「……名を聞いておこうか。私はメタルアルカイザー」

 距離を置いた相手を見据える/剣を構える/下段。
 相手が名を告げるのを待ってから、飛翔。地を走る剣ではなく、宙を舞う刃への転進。
 下段に構えられた刃は弧を描いて上段に/垂直に振り下ろす軌道/月弧を描く。
 開幕と全く同じ形/相手―――リア・ド・ボーモンに刃が襲い掛かった。

336 名前:ウォルター・C・ドルネーズ:2007/05/03(木) 21:45:060

ウォルター・C・ドルネーズ(吸血鬼)vs七夜志貴レス番纏め

>>257 >>259 >>266 >>271 >>280 >>284 >>289 >>291 >>295
>>304 >>306 >>307 >>313 >>325 >>327 >>330 >>333 >>334


ウォルター・C・ドルネーズ 死亡
七夜志貴 死亡
相打ち 勝者無し

337 名前:リア・ド・ボーモン ◆Poesie/ZHU :2007/05/03(木) 22:01:570

《リア・ド・ボーモンVSメタルアルカイザー/侵食禁呪蔵書庫》

>335

 ―――初手は弾かれた。

 完全な奇襲だった。万全を期したはずだ。有り得ない、考えられない―――
頭の一方が思う。しかしながらもう一方は、冷静に、それでいて期待めかした
熱を以って、この結末を予期していた。

 ―――即ち、この相手なら防ぐ筈だ、と。

 一瞬だけ刃が鬩ぎあう。火花、散華を模す。此方は中空。向こうは地に脚をつけて、
ならば当然向こうが競り勝つ。弾かれる体、ドレスの裾を翻して体勢を調整。此方の
動きを読んだ相手の一閃を、紙一重でかわしてのける。
 改めて相手を見据える。
 黒い甲冑―――その紅く煌く眸から、この男の信念を汲もうとする。

「名乗りを上げるとは古流に床しき行為ね―――私の名はリア。リア・ド・ボーモン」

 その一言を皮切りに、相手が迫る。返事を待っていたかの如く。
 下段からの一閃。
 それを弾こうと身構えるリア。
 相手が跳躍する。
 一瞬の手遅れ―――振り返るのが遅れる。

 再度、三日月。
 相手の白刃、遅ればせに切り替えしたリアの白刃を噛む。
 再度の鍔迫り合い―――但し、先ほどとは様相が違う。
 リアが競り負けているのだ。反応が遅れたゆえ―――否、それ以上に力負けして
いる嫌いはいなめない。速さではやや此方に分があるが、力ではやや向こうに分が
あるようで。

「少しばかり、時代遅れの嫌いは否めないけれど―――」

 僅かに崩される体勢―――しかしながら、リアの表情は曇らない。
 柄から左手を離す。一瞬の鍔迫り合いの最中に、人差し指を筆に見立てて
トートの剣の刀身に詩を綴る。


               《LamemaL》

           ―――刃の傷み―――


 どん、と。
 傍らの書架が爆ぜた。否、爆ぜたのではない。無数の白刃が生えたのだ。
 《LamemaL》とは、リアが詩人との戦いの最中で敵から盗んだ回文―――
即ち循環詩。己の内で閉じ、己の内を回り、無限を体言するウロボロスの肖り。
ならば、書架から突き立つ刃は本来ならば無数。借り物の詩の力が制限されて
居るゆえに、その高みには届かないけれど―――。

「その流儀。その形式美―――嫌いではなくてよ」

 兎にも角にも。
 一瞬の鍔迫り合いの最中―――姿勢を反転させて未だ中空にある相手目掛け、
白刃の群れが迫った。


【処―――侵食禁呪蔵書庫にて】

338 名前:マリア・バルゼリート ◆AMIGOF7b.c :2007/05/03(木) 22:38:330

>>299

一つの死合は決し。
そしてまた、新たな死合が始まる。




20XX年 偽典・悪魔城 妖魔迎賓館




(―――よくぞ、生存なさいました)

声が、聞こえる。
彼女をこの修羅場に導いた、声が。

(これで、貴女様の望みは、一つ一つ、、叶ったことになります)

(うん―――ありがと、アミーゴ!)

マリアは頷く。
そして、心からの感謝を想った。
この正体不明の声、そして力無くして、
マリアは少女と出会うことも無かったし、死合う事も無かった。
だからこそ、マリアは感謝する。
自分を闘わせ、そして一回り成長させてくれた、『何か』に。

(―――ですが)
(―――だけど)

(まだ、足りない)

再び、声が唱和した。

(更に更に)
(もっともっと)

(強い敵を、斬ってみたい)

再三の唱和と共に。
マリアの心に語りかける声が、笑った、、、気がした。
もちろんそんな声も、当然顔を見ることも、不可能なはずなのに。
なぜかそれだけが、気配で分かった。

(では―――その更なる、願いのままに)

声は笑みの気配を深く湛えたまま、マリアに告げた。

(貴女にはとびきり上等の相手を用意しました)
(今しばらく、そのままでお待ちなさい―――)

そこで、声は途切れた。
言われるがまま、マリアはその場に立ち、周囲に予断無く注意を走らせる。

撫で斬られた脇腹の傷は、止血処置もしていないのに何故か自然と塞がりつつあった。
滴り落ちた血液は取り戻せなかったようで軽い貧血を起こしてはいるが、
これから始まる、、、、、、、闘いに、大きな影響は無いだろう。
この不可思議な現象も、恐らくは彼女を此処に呼んだ『何か』の成せる業―――
マリアはその事を、最早なんの疑問も無く受け入れていた。


「さあ―――さあ、さあさあさあ」

待ちきれないように、マリアはトン、トトンと左右に軽いステップを踏む。
血に染まる舞踏服のフリルを翻しながら、美しくも、危険な舞を踊る。

「次は、誰なのかな! アミーゴ!」


しかし、その華麗な舞踏と危険な嬌声は―――まもなく、ピタリ、と止まる。
あたかも彫像の如く停止したマリアの視線の先には―――


いつのまにかそこに出現した、、、、、、、、、、、、、、一枚の絵画が在った。

339 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/05/03(木) 22:53:110

《リア・ド・ボーモンVSメタルアルカイザー/侵食禁呪蔵書庫》
>>337


「―――名を聞かせてくれたこと、感謝しよう」

 刃と刃が噛み合う/月輪の上を流星が弾ける/鋼の燃え上がる輝き。
 竜鱗の剣が細身のサーベルを切断できない―――かすかな驚愕。
 しかし均衡はこちらに分がある―――一気に押し切らんと力を込める。


 光が輝く―――“LamemaL”の回文が細い刀身に描かれる。

 瞬間、センサーに無数の金属反応。

「!?」

 間違いではないのか―――疑念がよぎる/相手が退く/刃が迫る/時間は無い。
 周囲には刃の檻/この身は滞空中/移動・回避は不可能。

 しかし、それは生身の人間だからこその限界。
 この身は、全て闘う為の機械―――

 背部スラスターに点火/姿勢制御/退く相手へと突進/急激な加速。
 衝撃を受ける限界値を突破する一瞬―――鋼が軋み、残像を残す/無数の白刃が残像を
貫いて通り過ぎる。損傷は軽微=前方に配置された刃がわずかに掠めるのみ。

 突破速度を維持し―――退く相手より更に前へ。
 スラスターの角度を変更/相手の前方で着地/計算しつくしての移動。
 攻撃―――着地の衝撃を回転に変換/右手で剣を握る/背後へ片手の流れ斬り/そこか
らさらに袈裟懸けへ軌道を捻り、屈むと同時に下段=巨大なZ字斬り。

 必殺を期した三つの残像が暗黒に出現した。



340 名前:宮本武蔵:2007/05/03(木) 23:05:080

【宮本武蔵 対 マリア・バルゼリート 妖魔迎賓館】
>>338

 何時からそこにあるのかは判らない。壁にかかっているのは、海辺を描いた一枚であった。
 月夜にけぶるような白い砂浜が中央にある。どうやら小島であるらしい。
 打ち寄せる波の向こうに、ぽつねんと立つ人影が一つ、二つ。――全画面に波濤の歌が轟
いているかのような見事さだ。


 ……奇怪な事がある。
 どこからか、海がきこえてきたのである。――滔々たる波の響きが。


 いいや、海原を渡る音だけではない。それはむっとする潮の臭いまでも伴っていた。
 絵だ。少女が見据える絵の中から、海潮の調べは漏れ出している。

 と――あくまで一瞬を切り取って描かれたはずの波が、どうと躍ったのだ。
 絵筆の神妙さがもたらす錯覚ではない、揺らぎ出した黒い怒涛は額縁を越え、凄まじい洪水
となってあふれ返り、一瞬にして部屋中を海底(うなそこ)へと変じせしめた!

 それも、しかし一瞬の出来事だ。
 正に潮が引くように、海水は綺麗さっぱりなくなっていた。
 最初からある血だまりを除いては、部屋も調度品も全く濡れてはいない。
 代わりに、部屋の中ほどに一人の男が立っていた。
 

341 名前:宮本武蔵:2007/05/03(木) 23:13:170

>>340を訂正

【宮本武蔵 対 マリア・バルゼリート 妖魔迎賓館】
>>338

 何時からそこにあるのかは判らない。壁にかかっているのは、海辺を描いた一枚であった。
 月夜にけぶるような白い砂浜が中央にある。どうやら小島であるらしい。
 打ち寄せる波の向こうに、ぽつねんと立つ人影が一つ、二つ。――全画面に波濤の歌が轟
いているかのような見事さだ。


 ……奇怪な事がある。
 どこからか、海がきこえてきたのである。――滔々たる波の響きが。


 いいや、海原を渡る音だけではない。それはむっとする潮の臭いまでも伴っていた。
 絵だ。少女が見据える絵の中から、海潮の調べは漏れ出している。

 と――あくまで一瞬を切り取って描かれたはずの波が、どうと躍ったのだ。
 絵筆の神妙さがもたらす錯覚ではない、揺らぎ出した黒い怒涛は額縁を越え、凄まじい洪水
となってあふれ返り、一瞬にして部屋中を海底(うなそこ)へと変じせしめた!

 それも、しかし一瞬の出来事だ。
 正に潮が引くように、海水は綺麗さっぱりなくなっていた。
 最初からある血だまりを除いては、部屋も調度品も全く濡れてはいない。
 代わりに、部屋の中ほどに一人の男が立っていた。


 二刀を差した牢人である。着物は血まみれだ。返り血ではなく、全て敵から受けた傷による
ものだ。
 彼は今しがた、波濤木魂す画中の小島で宿敵を下してきたばかりなのであった。

 魔界転生の剣鬼、宮本武蔵は、沈毅重厚なる面を少女に向けた。
 

342 名前:リア・ド・ボーモン ◆Poesie/ZHU :2007/05/03(木) 23:13:190

《リア・ド・ボーモンVSメタルアルカイザー/侵食禁呪蔵書庫》


 取ったか。
 ―――否。

 甲冑の背が火を噴く―――つまり、なんらかの気体に火をつけて、
その勢いで以って中空でも推進力を得る。十八世紀に生きたリア
には、及びもつかない発想による回避。

 冴え冴えと白く耀く無数の白刃が、瀑布の如く鋼鉄の身体を
刺し貫く―――ただし、残像の。生身の相手であれば骨すら残らぬ
苛烈な蹂躙劇だが、前に避けられては何の用も成さない。
 これには、《青い衣の詩狩人》も、瞠目を禁じえなかった。

「無数に連なる白刃の顎を―――すり抜けたというの!?」

 それも―――軽装の相手ではない。見るも重壮な鎧騎士が!

 しかしながら身体を反応させる。
 得体の知れない相手に対する最も順当な反応―――距離を稼いで
様子をうかがう。
 しかし、それさえも不可能。竜のごとくに火を噴く相手の機動力は、
縦令動きの遅れるバック・ステップであるとは云え―――リアを用意に
追い抜くほどだ。
 一瞬のうちに背後を取られた。
 ほぼ同時、軸足を中心に体を反転させ、リアも振り向く。

 ニ度、瞠目。
 ―――それは恐ろしくも美しい技だった。
 真横に薙いだ一撃。慣性を受け流し、淀みもせずに袈裟斬りに転ず。
仕舞いに下段を薙ぎ払う―――その冴え、玄妙無比。
 ひとならぬものの尋常ならざる膂力の顕現。
 達人と呼ぶに相応しい技量の証左。
 見るも鮮やかな必殺剣舞。
 しかしながら―――。
 その剣閃の先に、リア・ド・ボーモンの姿は無く。

 リアは上に避けていた。
 側面の書架の中程にトートの剣を突き刺し、鉄棒に見立てて逆上がりの
要領で登攀―――その後、身体を翻して書架の上に飛び乗るや、己の
立ち乗る書架を、敵に向かって思い切り蹴っ倒した。


【処―――侵食禁呪蔵書庫にて】

343 名前:屍 十二:2007/05/03(木) 23:26:590

【屍 十二 vs イグニス】
導入

 闇の中、苛立った足音を響かせながら屍は歩を進めていた。
 マスクを失った為、今は懐に仕舞っておいたサングラスでその両目を隠している。
 闇夜にサングラスを付ける人間なんて物は存在しないだろうが、どうせ見えないなら同じだ。

「……クソムカつくぜ。腐った臭いがする城で、余計胸糞悪くなるなんざ」

 城内で人間と――生者と戦う事になるとは思っていなかった。
 ましてや、それを見殺しにするような真似をする事も。
 自分への後悔、望んだ誰かの趣向への怒り、全てがない交ぜになった憤りが胸を焦がす。

 そして暫く進んだ後、鼻をつく臭いが変わる。
 先程までこの城に立ち込めていたのは、思わず顔を顰めたくなる腐臭だった。

 今、その鼻腔に飛び込んで来たのは――夥しいまでの、人間の血臭。

 つい先刻流されたような物から、染み付いて取れなくなったような物まで。
 其処で流された血から、一体何人の人間が殺されたのか想像も付かない程だ。
 血臭の中、僅かに混じる金属の臭い。
 空気の流れが示す形は、明らかに人を苛み、殺す為の形状をしていた。
 ここは、人間を切り刻み、モノのように扱う空間だ。

「――クソ野郎が、」

 臭いから、過去の映像が蘇る。

 神経を一本ずつ切断し、その反応を確認された。
 骨を粉々に砕き、再生するまでの過程を記録された。
 時には自分から取り出した内臓を、目の前に突き付けられた事もあった。

 そして、その全てには無邪気な笑いが伴っていた。
 実験を行ったのは、たった一人の少年――

「何処まで俺を虚仮にすりゃ気が済むんだ! えぇ!?」

 皹が入る程の力で壁を殴りつけ、叫ぶ。
 出来る事ならば、忌まわしい記憶を思い出させる、この部屋全てを叩き壊してやりたかった。

「チッ……こんな時に」

 怒り狂う屍が、また新しい呼吸音と人間の臭いを察知する。
 またしても、この城へ飛び込んだ命知らずの侵入者だろう。
 自ら進んで死にに来るような人間に、気遣いをしてやるような余裕は今の屍には無かった。

「……今、機嫌が最高に悪ィ。ふざけた真似するようなら叩ッ殺すぞ」

 叩き付けるのは剥き出しの殺意。これで退くようであれば、少しは楽なのだが――

(場所:異端処刑場)

344 名前:イグニス ◆IgnisC3BW6 :2007/05/03(木) 23:29:030

>>343 (導入)

 ――ひゅん。
 音にすれば、その程度のものだ。
 その音とともに奔った銀閃は、その音に合わせたようにあっさりと――そう、至極あっさりと、
場に立ちふさがる巨躯を通り抜けた。

「――え?」

 それは、いったい誰の言葉だったのか。
 声を発した当人さえ自覚してはいないだろう。

 だが、本来ならば、この御前試合を首尾良く――悪くかもしれないが――勝ち進んだ勝者
に立ちふさがる、その筈だった夜族は、突如として眼前に現れた焔に、何が起こったのかわ
からない、という表情を浮かべ……

 そして、浮かべたまま凍り付いた表情は、ころん、という音が似合うそんな具合に首の上か
ら転がり落ち、床に叩きつけられ、そのまま灰と散った。
 その瞬間、己が斬られたのだ、という事実に行き着いた胴は、盛大に天井に向けて鮮血の
噴水を吹き上げるとぐらり、と重心を崩し、首と同じように灰となって周囲へとまき散らされた。

 照明を受けて鈍く光を返す漆黒の刀身を一振りし、血と灰を払う。
 周囲へと詰めかけていた愚か者どもに視線を移す。恐らくは観戦と洒落込むつもりだったの
だろう、低級の化け物たち。

 ぽかん、と間の抜けた面を覗かせるそれらに、彼女はにぃ、と微笑を浮かべ、

「ああ。せっかくのお楽しみのところ、非常に申し訳ないが」

 それ自体が刃であるかのような、確定された運命を口にする。

「――皆殺しだ」

 処刑場に焔が奔る。
 ”人類の守護者”による、殺戮が始まった――――


345 名前:イグニス ◆IgnisC3BW6 :2007/05/03(木) 23:29:520

>>344

 ――最後の銃弾が、逃げまどう死人の頭蓋を打ち砕いた。
 血と腐りきった脳髄がぶちまけられて、石床を濡らす前に灰と化して消え去る。
 そして、処刑は完了した。

 空にまったマガジンをイジェクトし、新たなそれを叩き込む。スライドが音を
立てて元の位置へと戻り、起きあがったままの撃鉄が即座に射撃可能であること
を主へと告げていた。

 食い残しがいないことを確かめて、すぐさま場を後にしようとした――その時
だった。奥から、明確な戦意を持った”なにか”が近づいてくる……

 戦闘の痕跡から、”参加者”の類だと談じた。
 だが、人間かどうかの判断がつかない。妙な気配だ。生きているような、それ
でいて死んでいるような……

「ひとつだけ訊いてやる」

 右手に剣。左手に銃。武器は手に。構えは無形。

「貴様は人か、それとも化け物か?」

 ――どちらであろうとも、斬る。
 そう決めて、イグニスは問うた。
 わずかでも敵となる可能性があるのなら、それだけで十分だった。

【場所:異端処刑場】

346 名前:マリア・バルゼリート ◆AMIGOF7b.c :2007/05/03(木) 23:32:200

>>340

【宮本武蔵 VS マリア・バルゼリート 妖魔迎賓館】


最初は彼女も、忽然と部屋に出現した男を、幻だと思った。
余りにも精密に描かれた島の情景を描いた絵に魅入った為、
絵の中に引き込まれるかのような、濃密な幻覚を見たのだと。


しかしその認識を、マリアは一瞬の後に改めることとなる。


男が顔を上げた。
顕になった男の頭部の上半分―――刃の如く鋭い眼光に、
マリアは射抜かれてしまった、、、、、、、、、


その瞬間、マリアは死んだ、、、


「―――!?」


いや、違う。
まだ、自分は生きている。
呼吸もある。
脈拍もある。
眼も見える。
耳も聞こえる。
血の臭いもする。

たった今見えた物は、彼女の五体が一瞬にしてバラバラに斬り刻まれる、幻視、、

(―――何、これ)

カタカタ、とマリアの腰に差された二刀の鞘が音を立てて揺れる。

(こんな殺気―――初めて―――)

ほんの一瞥を、もらっただけなのに。
浴びせられた気配は、彼の陽気な殺し屋が生涯で受けたうち、間違いなく
最も濃いものと断言できる。
それは、最早―――人間の持つ気配に非ず。

瘴気、とでも呼ぶべきものだった。


かたかた。
かたかた。

鞘が揺れる。
身体が震える。

彼女に生涯で最初の敗北を刻んだ、『葡萄酒』と相対した時でさえ、感じえなかった――
それは人の持つ、根源的な感情。


マリアは、その名前を、呼ぼうとして―――

止めた。

ぴたり、と身体の震えが止まる。

代わりに彼女は、いつものように信じた、、、
彼女自身と、彼女の相棒コンパニエーロを。
かつて、彼女にこの刀を託した祖父アブリエートは言った。

日本刀には、斬れぬ物など存在しない。
お前が信じれば、、、、何だって斬れる。
水も空気も真空も、人の魂も、人の縁も恨みもつらみも、後悔も希望も、そう何だって。

なれば。
目の前の敵を斬れぬ道理なんて、何も無い。


「―――初めまして、アミーゴ」

そう呟くマリアの表情に、笑顔は無い。

「私は、マリア―――殺し屋だよ」

彼女はいつも、殺す相手にそうするように。
自ら、名乗りを上げた。
そしてそこから、いつもはしない事をする。
斬る相手の「強さ」のみを追い求め、その素性を追求することはしなかった、彼女が。



「アナタは―――一体?」

347 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/05/03(木) 23:34:480

《リア・ド・ボーモンVSメタルアルカイザー/侵食禁呪蔵書庫》


>>342


 Z字の向こうの相手が切断される幻視/錯覚。
 しかし腕の神経ネットワークはその幻を否と断じている。
 一瞬で消失する回避/予測不能の機動。
 無数のセンサーを稼動。消失した相手を探索/一瞬の空隙。
 それが追撃を招いた/予測不可能の攻撃。

「―――む!?」

 木製の建造物が上げる悲鳴/軋み/傾く書架/零れ落ちていく埃。
 絶望的な重量を誇る巨大な書架が呪詛を撒き散らしながら迫る。
 推測―――敵は上にいる/地形を利用しての回避と反撃/奇襲。
 リア・ド・ボーモンは戦術的にも優れていると判断した。

 続いての行動選択/回避と判断/超重量は例え人間の限界をはるかに超越した鋼の肉体
でも危険すぎる。
 剣を構える/O字の光が走る/本と書架を円形に切断/刳り貫くように。
 切れ目を入れれば後はたやすい―――O字の中心を殴りつける/あっさりとその部分が
崩壊/重量を避ける空間を作った。

 書架の炸裂―――自重による崩壊/木片・紙片・埃が舞い上がる。

 視界が遮られた/迂闊な行動は危険/奇襲を招く恐れを直感する。
 砕け散った書架の残骸の中、ぽっかりと空いた空間にたたずんだまま、剣を構え直す。
 同時にセンサーを最大感度で稼動/観想モードへ移行。
 剣の届く範囲であれば自動で反撃する見切りの状態/奇襲への対抗。

 一個の彫像のように、気配を絶つ。
 闇の気配/立ち並ぶ書架/漂う瘴気と埃の中に溶け込む。

 無の思考に一瞬だけ過ぎるビジョン―――“正しき強さ”。
 彼女にも、それを問うてみたくなった。


348 名前:千羽烏月:2007/05/03(木) 23:50:360

>186

ぽつり。
頬に当たる温かな雫に、瞼を開く。
暗雲、残骸、糸のように白く跡を残す、降り注ぐ雨。
視線を下ろす。
墓標のように突き立った、良く見知った太刀が見えた。

「……私、は」

脱力していた腕に力を篭める。
傍らの瓦礫に寄り掛かるようにして、ふらつきながらも立ち上がる事さえ出来た。

何故だろう。
何故、この体は――動くのだろう。
終わりにするつもりで自ら刺した維斗の太刀は、今も心臓を貫いていると言うのに。

其処まで考えて、不意に悟った。

鬼に殺されるのが真っ平なだけで、終わりにするつもりでなど無かった。
私は会いたいのだ。
何を捨ててでも、あの人に会いたいのだった。
その一点。
自らの命すら一顧だにしない想いこそが、私の全て。

その為なら人である事すら終わりにしても構わないと、思っていたのではなかったか。

太刀の柄を握り締め、一息に抜く。
不思議と血は溢れず、刀身に絡んでいたものだけが、雨に打たれてつう、と流れた。
いや、違う。
ただ流れたのではなく、失われた刀身の形をなぞるように。
そして、雫となって落ちはしなかった。
何処から溢れるのか、斑に跡を描く血の流れは次第に密度を増し、形を作っていく。
折れ飛んだ切っ先に寸分違わず、その色だけが血に等しい――赤い維斗を、編み上げる。

「今、会いに行くよ――――」

胸に二刺しの傷を抱えたまま、城へ歩き出す。

奇妙に温かな雨は、まるで涙のようで。
微かに聞こえた遠雷は、何かを悼んでいるように聞こえた。

【捨て切れぬ狂おしいほどの想いが故か、或いはアカイイトが今一度の生を紡いだのか】
【千羽烏月、人としての生に終止符を打ち、鬼と成る】

349 名前:屍 十二:2007/05/03(木) 23:53:220

【屍 十二 vs イグニス】
>>345

「……どっちでもねェよ」

 吐き捨てるように、屍は答えた。
 死んだ者を“人間”とは呼ばない。
 人間の感情と形を、全て残した者を“化け物”とは呼ばない。
 死人は、どちらでもあってどちらでもない。

「だったら――どうするってんだ! アァ!?」

 相手の纏う返り血の臭い、硝煙の臭い。
 それが更に感情を逆撫でする。

(――こいつもか。こいつも死にに来たクソ馬鹿か)

 自分の命などまるで無い物のように扱う生者。
 この城は、そんな人間が集まって来る場所だとでも言うのだろうか。

(クソ喰らえだ、そんなモンは!)

 怒りに任せて、屍は右手を跳ね上げる。
 そのまま狙いも付けず、トリガーを全力で引き絞った。

 激情に呼応したガンブレードはフルオートで銃弾を吐き出し、辺りに破壊を撒き散らす。
 血の染み込んだ処刑器具、拷問器具。それらも諸共に砕けてしまえと。

(場所:異端処刑場)

350 名前:宮本武蔵:2007/05/03(木) 23:59:570

【宮本武蔵 対 マリア・バルゼリート 妖魔迎賓館】
>>346

「宮本武蔵。……」

 名乗りを返しながら、武蔵はちょっと首をひねった。低い声には賞賛の響きがある。
 万人を呪縛するおのれの剣気に対して、一旦は怯みながらも笑みを浮かべた少女を讃え
たのだ。

 褐色の肌をした異国の少女が醸し出すのは、たっぷりと陽光を浴びて育まれた美しさだ。
 それはいい。――しかし、その美が野の獣のごとき兇気を併せ持っているのは、これはど
うした事であろう。
 戯れに送った剣気を無してみせたのは誓って凡手にあらず、と武蔵は結論づける。


「――斬る」


 そう言うと、武蔵は二刀を抜き払った。
 両腕を左右に張り、大小の切っ先は直立して天に向けられ――まるで羽ばたく直前の大
鷲を想起させる構えであった。

 誰何されて答える返事ではない。また、対応ではない。
 しかし、たとえ宝そのもののような乳飲み子だろうと、あわれな足萎えの老人だろうと、今
の武蔵は斬るのに何の躊躇いもない。反対に重々しい歓喜を以ってするだろう。
 いわんや女人、しかも剣持てる女人をや。――
 

351 名前:リア・ド・ボーモン ◆Poesie/ZHU :2007/05/04(金) 00:05:180

《リア・ド・ボーモンVSメタルアルカイザー/侵食禁呪蔵書庫》


 ―――リア・ド・ボーモンは、語るを善しとしない。

 言葉は魔物である―――それは人の想念の土壌でありながら
想念を絡みとり、いつの間にか想念そのものを操る。
 あらゆる思いは、言葉にした瞬間にその企ての中に巻き込まれ、
いわば言葉による変質を受けるのだ。これは《喋る葦》である所の
人間が、言葉の利便と引き換えに引き受けた―――
 対価であると云える。
 故に、リア・ド・ボーモンは、語るを善しとしない―――。


 ―――黒甲冑は、巧みに難所を避けた。
 僅かでも隙が出来れば攻め入るつもりだったが、ああ処せられては
付け入るべき隙が出来ない。体を崩さず、勢を崩さず、意を通す。
成る程、ただ技量と誇りに秀でているのみならず、経験値も豊かな
ようだ。
 辺りは静か。
 先ほどまでの剣戟戦が嘘のように―――。
 嵐の前の静けさのごとく、転調を待つ静かな調べの如くに静まり返って
いる。降り積もる埃の音さえ聞こえそうだ。

(さて)

 リア・ド・ボーモンはじっと見ている。
 闇を隔て―――センサーの間合いの際で、相手の動向を伺っている。
 そうして、その視線は書架の一隅―――度重なる剣闘の衝撃でもって、
やや傾ぎ、落ちかけている大判の禁書を注視している。

(そろそろね―――)

 ―――かたり。
 一冊の本がバランスを崩し、床に落ちる。
 魔術やトリックの類ではない。偶然に傾いだものが、偶然に落ちただけだ。
 しかし―――場所は、黒甲冑の背後。
 油断を誘うとも考えられる。

 同時、リアが書架の影より飛び出した。
 先の疾走と等速。再び狭まる相手の距離、初手の繰り返しか。
 リアの視界の中、両脇に迫る書架が、渓流のように後方に吹っ飛んでいく。
さながら無蓋馬車上の眺めである。もっとも如何に優れた名馬であろうと、
これほどの速度は出せないだろうが。

「トートの剣よッ! その白刃で以って音奏を模し―――」

 弾けるがごとき、裂帛。
 相手をおのが間合いに捉えるや否や、闇に隠したトートの剣を明らめ、
再び相手に向けて強烈な一閃を放ち―――。

 ―――否。
 リア・ド・ボーモンは、剣を持っていない。

「瞬きを調べに血(sang)の音裂を! 冴えを鼓動に剣(sabre)の音裂を! 」

 トートの剣が―――先ほど書架に突き刺したまま、今は倒壊した書架の下敷きと
なっているトートの剣が―――眩く輝く。

「Sを成せ! 即ち報復(sanction)のSを! スフィンクス(sphinx)のSをッ!!」

 その瞬間に、リア・ド・ボーモンの「音裂」が発動した。
 音裂とは切れ味持つ死。通常ならば距離を隔ててある相手を殺傷する技だが、
リアは剣を相手の程近く―――書架の下に放置しておく事によって、地雷に近い
方途でもって用いた。
 無論―――突っ込んだリアも、無力ではない。
 第一が、相手を罠にかけて甚振るような「湿っぽい」やり口を、リアは好まない。

 走りこんだ勢いのままに、身体を捻っての廻し足刀。
 重量のある書架を蹴り倒すほどの威力だ。鋼鉄の身体を持つ相手では必殺は
期せないだろうが、それでもある程度のダメージは見込める。
 側面より音裂地雷。
 正面より廻し足刀。
 体術と詩剣、両方で以っての奇襲。


【処―――侵食禁呪蔵書庫にて】

352 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/04(金) 00:06:310


 黒い髪が風に靡き、赤地の生地は月光にも劣らぬ輝きを放つ。
 縫いこまれた黒薔薇は、どこか寂しげに咲き誇っている。

 よくわからない城の地理。
 真っ直ぐ進めば何処かに辿り着くとは思ったが、甘い考えだったようだ。
 中身の構造が滅茶苦茶になっているかのような感覚。
 同じ景色、同じ風景であったとしても、そこは別の異界。

「――まるで、なにかに操られているようだな」

 無機質な壁。
 窓の外に写る強大な月。
 気付けば地は濡れ、慟哭の嗚咽を漏らす。

 扉。
 開く。

 またもやよくわからない部屋だ。
 化学の実験室のような雰囲気――しかし、ただの実験室ではないだろう。

 緑の液体に浮かぶなにか。
 赤の液体に沈むなにか。
 青の液体を零すなにか。

 生理的嫌悪を齎す部屋だ。
 だがまあ――念のため、確認だけはしていこう。

「ふっ――地図でもあればいいんだがな」

 自嘲気味に、一人呟く。

353 名前:イグニス ◆IgnisC3BW6 :2007/05/04(金) 00:24:280

>>349

『どちらでもない』

 どちらでもない。人間ではない、化け物でも、ない。

 ならば――それは、”魔”と言うことだ。
 魂の在り方はこの際、問題ではない。人間でないのならば、それは問答無用で殺すべき目標となる。

 故に、走る。
 何事か気に障ったのか、突如として激昂する男の台詞は一切無視し、切っ先を”敵”へと向けて、全力で石床を蹴る。
 刹那、跳ね上がる右手。握っているのは、こちらと同様、剣か。だが、その間合いはまだ遠すぎる。
 こちらの刃も届かなければ、奴の刃も届かない。

 だが、まっすぐに突き出された腕には、確かな攻撃の意図が――待て。
 剣の、柄。そこに、あり得ないものを見た。

「――銃、だとっ!?」

 反射的に、イグニスもまた左腕を突き出していた。手にしているのはベレッタM93R。セレクタは3バーストモード。
 銃口からから逃れるように横っ飛び、同時にワントリガー。

 跳躍の直後、イグニスが進んでいたエリアをなめるように、銃弾の雨が降り注ぐ。弾着の後から、ろくに狙いなど定められ
ていないのが分かるが――機関銃ならば、それが正しい。人の身では、降り注ぐ鉛を防ぐ手立てなど無い。

 跳躍した勢いのまま、床を一転、二転する。セレクタを単射に切り替え、トリガーを三回。まともな体勢もとれない状況で
の射撃は、手首を壊す危険がある。当然、狙いなどつけられない。

 闇雲にばらまかれた銃弾は、床と言わず空間と言わず、男の周囲に手当たり次第にばらまかれる。防弾具のひとつもな
いこの状況では、逃げるしかなかった。

 やがて処刑具の影に転がり込みながら、吐き捨てる。

「あんなサイズで機関銃だと――? 一体どこから弾が湧いて出てきているんだ」

 この距離ではあまり役に立ちそうもない刀を鞘へと戻しながら、開いた右手に短剣を握らせる。
 刀身はおよそ15センチ。いざとなれば投剣にもなる。

 刀身に対して異様に短い柄を逆手に握り込みながら、銃弾の雨が降り止むのを待つ……

【場所:異端処刑場】

354 名前:マリア・バルゼリート ◆AMIGOF7b.c :2007/05/04(金) 00:31:330

>>350

ムサシ。

男は確かに、そう名乗った。

「ムサーシ……」

マリアはその名前を、たしかに知っている。
彼女の祖父が幼い頃聞かせてくれた、英雄譚の主人公。
曰く。
ニホンで最も有名な、双刀の達人。
曰く。
その剣技、天下無双にして、生涯に於いて無敗。
曰く。
数々の戦場を駆け抜け、屍血山河を築く。

かつて、ニホンに生きた、高名にして強大な、サムラーイ―――


「あなたが、ムサーシ?」


そう問い返したマリアの声は―――
嬉々とした感情に、満ちていた。

皮肉であり、また異常だった。
常の剣士ならば、それを聞いただけで、尻尾を捲いて逃げ出したいほどの
感情に駆られるであろう、名前。
微に入り細に入り、数々の武勇伝を聞かされているのならば、猶のことだ。

しかし、武蔵の名前がマリアにもたらした結果は、全くの逆。
その名こそが、マリアの精神の奥底から、完全無欠に、
あの感情、、、、を、消し去った。

(子供の頃から知っている―――)

(お爺ちゃんの、そして私の、憧れ―――)

(あのムサーシを、私が斬れる、、、!)


「……嬉しい」
ぼそりと呟くマリア。
その一言が引き金となって、彼女の感情が、爆発する。

「嬉しいよ―――私、嬉しいよ!」

今度こそ、満面の笑顔で、マリアは言葉を吐き出した。

「アナタに逢えたコトが! アナタに殺気をぶつけられたコトが! アナタに『斬る』と言われたコトが!
アナタの名を聞けたコトが! アナタを友達アミーゴと呼べるコトが! アナタを―――」


「斬れる、コトが!」

居てもたってもいられない、というように、マリアは鞘に手をかけた。
ズラリ、と姿を顕す、未だ犠牲者の血糊で紅に光る二つの刀身。
そして同時に、マリアは祖父に教わった口上を言い放つ。
本当のモノノフと対峙した時、この刀を使う時は、この言葉を使えと―――

「抜けばタマ散る、氷のヤイバ―――」

ひゅん、と右手のムラサーミァが風を斬る。
同時に跳び散るのは、透明な雫ではなく―――赤黒い、生と死の雫だ。


「―――参る!」

355 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/05/04(金) 00:33:180

《リア・ド・ボーモンVSメタルアルカイザー/侵食禁呪蔵書庫》
>>351


 静謐な魂―――精神/刃。
 揺らがぬ湖面を周囲に張り巡らせている感覚/何処までも冴えるセンサー。
 機械=デジタル/魂=アナログが織り成す驚異的知覚の結晶が其処に在る。
 すなわち―――見えなくとも視える。

 背後/本が零れ落ちる/何の力を持たぬ書。
 同時に動く気配/韻を踏む旋律。

「瞬きを調べに血(sang)の音裂を! 冴えを鼓動に剣(sabre)の音裂を! 」

 同時に前方からリア・ド・ボーモンが襲い掛かる/虚を縫うようなタイミング。
 重なるSが協奏/狂騒する。

「Sを成せ! 即ち報復(sanction)のSを! スフィンクス(sphinx)のSをッ!!」

 四つのSが重なる/相手の力/正体不明の技が発現するのを感覚。
 そして左側からの炸裂/剣が弾ける/見えぬ刃が飛ぶ。
 法術のような力/言霊を操る術と推測する。

 三面からの襲撃/精神的なものを含めた。
 湖面は揺るがない/全てを見透かしていく/透き通った水を覗くように。
 同様無く繰り出す/清流のような反撃。


 振るう剣/見えない刃を切り払う/霧散する音の刃金。
 振るう腕/前方の足刀を受け流す/衝撃を霧散させる。
 振るう足/リアの方角へ踏み込む/全体重を浴びせる。


 床が震えるほどの衝撃/カウンターのためのエネルギーを受け取る。
 踏み込むと同時に押し込んだ身体/背中からの体当たり。
 強力な体術の一つ/組み込まれていたマニューバを狂いなくなぞる。

 至近距離からの強烈な炸裂/相手に見舞う。
 身体そのものの直撃=鉄山靠。
 古流の体術/人間を極めた者のみ使える技が鋼から放たれた。

356 名前:千羽烏月:2007/05/04(金) 00:35:040

>352

歩いていた。
実際の所、何処を目指せば良いのかという当ては無い。
故に、ただ歩いていた。
こうしていれば、いずれ然るべき場所に着く。
そんな、得体の知れない確信の元に。


どれ程歩いただろうか。
豪奢な赤絨毯を踏み荒らして、開かぬ扉を切り開いて。
曲がりくねった真っ直ぐな廊下を下り、歪んだ壁に突き当たれば傾いだ鏡に身を投じて。
気が付けば、目の前に僅かに開いた扉があった。

ここか。

今まで見かけた出入り口の類は、その悉くが閉じられていた。
ならば、これは招かれているのだろう。
隙間に体を滑り込ませて、中へ入る――居た。

チャイナ服の女。片手には大刀、そして血の匂い。
如何にも漫画か何かの魔導師の工房といった造りの部屋から、異物のように浮いている。

「……次の相手、と言う事なのか」

【魔導研究棟にて】

357 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/04(金) 00:49:540

>>356

 積み上げられた書類の一枚に眼を通す。
 何処の国の文字か判らない――ただ、この手の環境であればラテン語だろうか――私にとってさほど
有用ではない紙切れ。
 確かな意味があるモノだったとしても、私に理解できなければ情報にはならない。人の心はまた別物だ
が――まあ、そんな事はいまはどうでもいい話だろう。

「本も駄目か――」

 結局ここも無駄足だ。――いや、私に知識さえあればとても有意義な場所だっただろう。今更嘆いても
遅いが、学業のほうも修めておくべきだったな、まったく。
 とりあえずこの場の探索は打ち切り、次へと向かうとしよう。

「――ん?」

 闇に蠢くなにかを見た。
 とても危うい足取りで、扉の隙間に体を滑り込ませるように。

 視認性が悪いこの環境では、近寄って確認してみるしかない。
 大方、動く骨の怪物だろう。
 人の匂いを嗅ぎ付けるのだけは得意なようだからな。

 冷艶鋸がしっかりと手の中に納まっている事を確認し、注意深く近寄る。


 一歩、また一歩。

――殺意が感じられない。

                                         一歩、また一歩。

                                                生気が感じられない――


                     斬りかかる事ができる間合い。

358 名前:リア・ド・ボーモン ◆Poesie/ZHU :2007/05/04(金) 00:57:420

《リア・ド・ボーモンVSメタルアルカイザー
>355》

 ―――血霧が舞った。

(ああ)

 人の身にあっても絶大な破壊を生じせしめる古流体術―――それが、
鋼鉄の体から放たれたのだ。成る程、人間の体とは脆弱にして卑小であるが、
それにしても意思持つ鋼が、かくも猛々しいものとは。

(それにしても)

 陰惨酸鼻の極みのような光景の筈だ。
 しかしながら夢のような美しさは拭えない。ひとならぬ霊の血が霧となって
舞い散り、景色の紗に掛けたように薄める様は―――どこか倒錯的な
幽玄を孕んでいた。

(―――何という頸さ)

 ―――否、しかしそれは一瞬の美である。
 攻撃を受けた次の瞬間には、リア・ド・ボーモンの身体は鞠の如くに跳ね、側面の
書架に叩きつけられて尚跳ねた。尚跳ねながら―――リアの意識は明瞭そのもの。
魂そのものたるリアの体が、まともに古流体術の奥義を食らった痛みは、もはや
生を享受するいかなる生き物が受ける痛みとも比しがたく―――しかしながら、
体が満足に動く内は、リアの動きは鈍らない。気を失うこともない。
 宙を跳ねる一瞬、書架の残骸に突き刺さったトートの剣を認める。
 すぐさま、右腕で掠め取る。己の制動を離れているというのに、驚くべき集中力。
 身体を翻す。着地する。
 以前と変わらぬ、星のような眸で黒甲冑を見据えるリア・ド・ボーモンの体―――。

 ―――左腕が、潰れていた。

 即ち密着状態で放たれた体術の勢いを、左腕で弾くことによって殺したのだ。
 確かに夢のように鮮やかなローブ・ヴォラントはあちこちが破け、月の光を溶かし
こんだような巻き毛のブロンドは血に染まっているが―――リアのダメージは、
見た目よりは少々軽い。
 痛手であるのは確かだが―――。

 一顧だにせず。
 切り込む。
 石畳を擦って切り上げるトートの剣の切っ先が赤く火花を散らす。書架の残骸や
巻き上がる埃、魔道書の破片などが漂う中空―――それらの侠雑ごと切り上げる。
大技の後ほど、隙は大きい。
 狙うなら今だと、リアの本能が告げていた。


【処―――侵食禁呪蔵書庫にて】


359 名前:屍 十二:2007/05/04(金) 00:58:090

【屍 十二 vs イグニス】
>>353

 握り締めるようにして引いていたトリガーから、突如として手応えが消える。
 同時にカキン、とガンブレードから乾いた音が上がった。
 ――弾切れだ。

「……クソが、ツイてねェ時は続くモンだな」

 元より残弾を気にしない性質だが、この部屋の破壊まで行おうとしたのが拙かった。
 完全に空になるまで撃ち尽くしてしまったガンブレードは、その意義の半分を失う。

「まぁいい。鉛弾でバラされる、って選択肢がテメェから消えただけだ」

 だが、もう半分――刃としての意義は些かも失われてはいない。
 屍は硝煙の臭いが漂う中から、改めて女の臭いを探し出す。
 位置は程なくして割れた。この部屋にあって、女の臭いは一際目立つ。

「隠れても無駄だ。テメェに染み付いた血の臭いは簡単には消せねェ」

 こびりついた妖魔達の返り血の臭い。
 その腐った臭いは、鋭敏な嗅覚に強く訴えかける。
 視覚に頼る者であれば、死角となって見えない場所でも、屍にとっては関係無い。
 これだけ強い臭いがあれば、相手の方から位置を教えに来てくれる。

「――刻んでやる」

 強く地を蹴り、低空を滑空するように駆ける。
 行く手にあるのは遮蔽としている器具。敵手が居るのはその向こうだ。

 しかし、屍はそんな物を意識にも留めていない。
 順手の刃を横薙ぎに振るう。勢いを殺さず、踏み込みながら独楽のように回転。
 続けて、逆手の刃を叩き付ける。

 その鮮やかな斬撃は、死人兵士の強力と相まって、間の遮蔽物を易々と切り裂いた。
 最早逃れる場所は、何処にも無い。

(場所:異端処刑場)

360 名前:宮本武蔵:2007/05/04(金) 00:59:580

【宮本武蔵 対 マリア・バルゼリート 妖魔迎賓館】
>>354

 可憐な声、ふしぎな発音で自分の名を呼び、高々と口上を述べる少女に、武蔵は苦笑した。
 苦笑はしたが、侮ってはいない。この少女もまたおのれと同じく、斬り、斬られる事をただ
これ快とする剣鬼なのであり――その熱情が吐かせた鬼の言葉だという事は、武蔵にも確か
に伝わっている。


「善哉。――いざ」

 笑みを消し、武蔵は一足を踏み出した。
 歩行は煮えたぎる溶岩流のように、連続して少女に迫る。
 大股ながら足音一つしないのは、絨毯の厚みゆえではない。生涯全てを兵法に捧げた者の
所作に他ならなかった。

 白光が瞬いた。
 傍目には無造作とも見える――しかし野生と理論を分かち難いまでの昇華させた武蔵の剣
は、十文字の剣尖となって少女に牙を剥いた。
 

361 名前:千羽烏月:2007/05/04(金) 01:10:560

>357

ちら、と辺りを見回す。
ビーカーやらフラスコと言う私にもまだ判別出来る物から、何に使うのか
さっぱりな器具までが雑多に散らばった机。
毒々しい色彩の満ちた容器が無数に納まった棚。
据付らしい手術台のようなものまである。

其処まで見て、寝かせられているものが人形である事に気付いた。

幾何学的な紋様があるわけでも、人を模した彫り込みがあるわけでもない。
出来としてはマネキンの方がまだ上等、といった造りのそれに目が留まる。

「これは――――まさか」

それほど深くない上に洋の東西という違いはあれど、多少の知識はある。
それが確かなら、恐らくこれは――

などと考えていると、無造作に近づいてくる気配があった。
腕に余程自信があるのか、ただ無用心なだけか。
ともあれ、交わす言葉もなく袈裟に太刀を振るっていた。

【魔導研究棟にて】

362 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/04(金) 01:20:250

>>361

 そう――ここは既に間<魔>合い。
 斬られる覚悟の在る者が、何者をも恐れず斬り捨てる間<魔>。

 早くもなく、遅くもなく。
 さりとて触れれば致命傷の速度で迫り来る太刀。

 眠く――緩い。

 前傾気味の姿勢を元に戻せば紙一重。寸断されるは絹の糸。舞う黒薔薇に想いを馳せて。返す一刀
逆袈裟へ。

 起きろ――熱く。
 眠れ――冷めて。


「随分なご挨拶じゃないか。――もう少し礼を尊べ」


 もっとも私に言えた義理ではない。


 殺意もない。生気もない。
 そんな相手に遠慮は必要なのだろうか。
 なにを未練に彷徨い出でる?

363 名前:マリア・バルゼリート ◆AMIGOF7b.c :2007/05/04(金) 01:21:180

>>360

【宮本武蔵 VS マリア・バルゼリート 妖魔迎賓館】


銀の光がマリアの眼を灼く。
間合の中間で交差し、迫る武蔵の両刀。
決して見切れない速度ではない―――マリアには、見える。
しかし、マリアは身に感じる、武蔵の刀が産み出した剣風の強さに、
瞬時に実感した。

見える。見えるが―――
受ければ、死ぬ。

元々マリアは刀の扱いには長けても、人離れした体力や馬力を持ち合わせているわけではない。
常人よりは高い能力を得てはいるが、男―――ましてや、天下無双の二刀流を相手に、
真っ向から力比べが出来るほどの剛力など、持ち合わせて居ようはずも無い。
刀を防御に使えば最後―――守りを強引に突き破り、武蔵の刀はマリアを刻むだろう。

故にマリアはとっさの判断で、回避を選択した。

武蔵の眼前から、唐突にマリアの上半身が、掻き消える。

両足を前後に開脚させて、全身を下に落とす。
彼女の身体の柔軟さ、反応速度を十二分に生かした回避方法。

一瞬前までマリアの頭部が存在した地点を、双刀が豪風とともに貫く。
同時に、マリアは下半身の着地の反動をバネにして、瞬く間に元の安定した体勢を取り戻す。


シャッ!」


短い呼気を吐き出しながら、マリアは右のムラサーミァ、左のコチーテを左右から叩き込む。
出し惜しみも妥協も無い、全力の連撃。

364 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/05/04(金) 01:23:100

《リア・ド・ボーモンVSメタルアルカイザー/侵食禁呪蔵書庫》
>>358


 直撃/左腕を圧潰/大打撃。
 霊気たなびく血が広がる/降りかかる。
 しかし相手はひるみすらしない―――即座に剣を拾い鮮やかに反転/切り上げ。

 あまりの立て直しの早さ/反応が遅れる/咄嗟に上体を逸らす。
 美しい細身の刃が、無理なく食い込む/容赦なく抉る/慈悲なく弾き飛ばす。
 流れるような機動/強靭な技。

 警告―――胸部装甲破壊/損傷度高。

 活動に問題はなし/しかし鋼の筋肉繊維が剥き出しになる/避けられぬ防御力の低下/
触覚センサ探査領域の減損。計算―――やや僅差でこちらが有利な戦力喪失。だが弱点の
露出は素早い相手にとっての得点/こちらの失点。
 総合的に把握/相手とは同程度の損失と計上。

「―――強い」

 率直な感想/冷静な総合判断が導き出す評価がこぼれる。

 左腕を潰されても動じない意志の強さ。
 細身の剣を力強く操る肉体の強さ。
 自身の能力全てを知り尽くした冷静の強さ。

「お前の、正しき強さとは何だ」

 思わず零れる―――自らの起点を定めた問い。
 ビジョン―――光纏う英雄/剣振るう騎士。

 傷口を庇うように剣を構える/防御を重視した姿勢。
 相手が疑念を持ったか、一瞬の静寂。

 ―――問いを聞いてから切り結ぼう。

 その意志を鋼の内側で強く感覚した。


 これは互いの生と死を超える為の問いなのだと、強く思考した。
 互いに譲れぬなら、それを知り、背負って生死をやり取りすべきなのだと。

365 名前:イグニス ◆IgnisC3BW6 :2007/05/04(金) 01:33:090

>>359

「――この、莫迦力めっ」

 あっさりと遮蔽を抜いた一刀目に目を見開き、続けざまに繰り出される二刀目の気配に、イグニスは舌打ちした。
 正しく化け物の膂力でもって振り抜かれた刃は、斬りつけたそれが、如何なるものかの区別無く、木も鉄も、それを覆う
革に至るまで、問答無用で切り捨てる。数多の、人間非人間の血を食らい続けた処刑具は、あっさりとその生涯に終焉
を迎えた。

 だが、とイグニスは吐き捨てる。

「私まで終わってやる義理はないっ!」

 交わすまもなく振るわれる二刀目。より低く、丁度イグニスの首を薙ぐような位置にて振り抜かれようとしている刃に正面
を向ける。刹那に構えた銃と短剣――刃に対して交差するように向けられた鋼。

 ――だが、これだけでは足りない。
 モノをモノとも思わぬ強靱無比な一撃に、たかが二つの鋼程度で、盾の代わりなどとうてい務まらない。故に――
 イグニスは、後方へと床を蹴る。
 同時、刃が鋼に突き刺さった。
 まず、スチール製の銃身が切り落とされた。十四発の銃弾を抱いたまま、ベレッタM93Rはただの鉄の固まりとなる。
 続いて、短剣。日本刀と同じように鍛造された刀身が、豪腕によって振るわれる鋼と衝突する。
 そのまま断ち切られてもおかしくないほどの衝撃――だが、短剣に刻まれたダメージは、意外にも歪みのみにとどまった。
折れては、いない。

 二重に重ねられた鋼。刃から逃れるような跳躍。
 その二つが、短剣の両断を防ぐことに成功していた。だが、衝撃までは逃せない。殴り飛ばされるように、イグニスは宙
を舞う。やがて、その身体は壁へと激突――


 しようかという、その瞬間だった。

「ふ――うっ!」

 イグニスの口から、鋭く呼気。とたん。投げ出されていた脚が勢いよく床をたたき、そのままぐるりと一回転。
 着地するように壁へと降り立つと、その反動を利用するかのように、刀身の歪んだ短剣をそのまま、男へと投擲する――

 その短剣を追うように、壁を蹴り床へと降り立ったイグニスは、先の男と同様、這うように石床を駆けながら、刀を鞘走らせた。

366 名前:衛宮士郎 ◆BladeSUpsc :2007/05/04(金) 01:36:590

―――いつも通りのはずだった。

学校から帰って飯作って騒がしい夕食を送るはずだったのに
どうしてこんな地下水脈に居るのだろうか。

「……ってどこだよここ」

中世の城に穂群原学園の制服を着た高校生という
なんともアンバランスな組み合わせだ。
あの赤い外套でも着ていたら少しは様になるんだろうけど。

周りを見渡す。
あるのは水のみの美しい水道だ。
明かりがもっとしっかりしていたら観光名所にできるかもしれない。

そして吐き気がするほど夥しい魔力。
それはここに来るときに叩き込まれた情報・・によれば
全て魔王とやらが放っているそうだ。

「魂を取られたくなかったら戦えって……ほんとふざけている」

どうして自分がこんなところにいるかは判らない。
どうして自分が選ばれたのかは判らない。
ただ一つ判ることは

「魔王を倒して世界を救え……か」

上等だ。
衛宮士郎はこんなコトでは負けない。
世界を救うのは勿論だし、絶対に冬木に帰ってやる。
俺には帰るべき場所があるのだから。

最初に自分の戦力を確認する。
まずは手に持っている学生鞄。
勿論戦力外。

次に思いついたのは人類最強の使い魔、サーヴァント。
ここにいないのなら呼び出してやればいいのだが。

「令呪がないってことは」

手の甲にある筈の紋様が無くなっている。
これは魔王の仕業なのかそれとも……

「……悪い考えはやめよう。
 とにかくセイバーは呼べないか」

溜息を吐く。
残ったのは自分の肉体のみ。
つまりは最悪の状態だ。

「……諦めてたまるか。
 必ず帰って晩飯作ってやるんだからな」

前向きに、この状況に対応することにした。

【現在地:地下冥府】

367 名前:千羽烏月:2007/05/04(金) 01:42:040

>362

誰何の代わりにと送った一刀は、薄く刺繍に線を刻んだのみ。
当てるつもりの刃を其処まで見切ってみせる――つまり前者という事。
尚且つ、即座に返答があった。
刃には刃、と大刀が唸る。

が、其処には何も篭っていない。
敵意も、殺意も。故に、避ける必要などない。

「聞いても役には立たないと思うが……」

ぴたり止められた鋼の向こうに見える顔、年の頃は同じ程度だろうか。
見た所、ごく普通の人間のようだ。
そう思うと、ほんの少し哀れな気がした。

「名乗れと言うのなら名乗ろう。
 千羽党が――――」

いや、違う。
そんなものはもう捨てた。

「――――千羽烏月。他の何物でもない、ただの千羽烏月だ。
 満足したなら、改めて始めようか」

【魔導研究棟にて】

368 名前:宮本武蔵:2007/05/04(金) 01:50:030

【宮本武蔵 対 マリア・バルゼリート 妖魔迎賓館】
>>363

「……ほ」

 武蔵は再度、感嘆の息をもらす。それほどの、少女の剽悍さであった。
 口に出して一つ二つと数えるより遥かに速く、必殺の軌道を選んで走る双刀に、武蔵は数
歩退って空のみを斬らせた。
 不世出の剣豪たる武蔵なればこそだ。並の剣士では虚しく切り刻まれていたであろう。

 足を踏み替えた時、脇腹を汚すどす黒い染みが濃さを増した。
 先の戦いで佐々木小次郎から受けた全身の傷は、浅いものではない。事に裂かれた脇腹
は、足捌きの衝撃すら痛打となる程だ。
 応急の手当てを施しただけで、それでも武蔵の動きに遜色が見られないのは、元々が鉄人
というべき気力体力の保有者である事に加え、魔界転生で得た力も大であったに違いない。


 ――足を踏み替えた時、武蔵の構えは変化していた。
 左の小刀を前に突き出し、右の大刀は肩越しに大きく振り被っている。
 防御と攻撃を同時にこなす、これぞ新免武蔵の独創になる二天一流。

 むしろ緩やかであった動きから、一転して武蔵は猛豹のごとく突進した。
 たばしる右の太刀は、最前画布から噴出した怒涛が再度打ち寄せたかのように上、中、下
を厭わず、矢継ぎ早に唸りを上げる。
 しかも前に出した左の刀は使わない。あくまで防御に徹する構えであった。
 

369 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/04(金) 01:58:460

>>367

「千羽烏月――その名を我が胸に刻み、この関羽雲長。先へと進ませてもらう」

 その宣言と同時に冷艶鋸の切先は跳ね上がり、打ち下ろす。
 当然相手はただの木偶ではないのだから避け、死合気があるのだから返礼が返ってくる。
 しかしまだ、挨拶程度の打ち合わせ。筋書きのある剣戟のようなものだ。

 演舞にもにた立ち合い。ただ一つ異なる事があるとすれば、生死を別つモノだと言う事。
 触れる一刀は容易に肌を切裂くだろう。私の振るう刃もまた、彼女を容易く傷つけて行くだろう。
 だがそれを望むというのであれば、私は私の誇りを持って打ち砕くのみ――!

 相手は太刀。
 相対する私は青龍刀。

 懐に入られる前に勝敗を決するのが正道。

 掬い上げるように切先を跳ね上げ、目標と定めた胴を凪ぐ。
 腕力に加え遠心力を利用し、一撃必殺を試みる。

 改めて視界に入った彼女の胸には刀傷。
 本来の人間であれば致命傷――ならば、すぐ楽にしてみせるのが世の情けだろう。

370 名前:リア・ド・ボーモン ◆Poesie/ZHU :2007/05/04(金) 01:59:240

>364
《リア・ド・ボーモンVSメタルアルカイザー》


「―――強さとは何か」

 放った一撃は有効だった。
 相手を致死せしめるほどの用こそ成さなかったが―――しかし
圧倒的な防御力を誇る「鋼の体」に、いわば皹を入れた。もう一口
切り込めば、それは致命傷となろう。

「誇りとは何か」

 ―――しかし、こちらも不安要素が無いわけではない。
 左腕が無いのだ。
 否、失血により戦闘不能や片腕で戦う事の難を指摘している訳
ではない。単純に片腕がないと―――バランスが狂う。姿勢が乱れる。
無論、ひとならぬ霊の血肉にあってはその限りではないが、「人で
あった頃の剣技の感触」がどうしても枷となる。「片腕が斬られれば、
こうバランスを修正しなくてはならない」という意識が、寸でのところで
必殺を妨げるのだ。
 しかし。

「応えるべくもなし」

 トートの剣の白刃の上を―――リアの血が伝う。
 無論、片手である以上、リアが文字を綴っているのではない。
 血が―――詩情を帯びたリアの血が、自ら詩を象っているのだ。
それは白刃の上で幾つもの線となり、絡み、解れ、文字となる。
誰も見た事のない、神代の文字―――遥か昔に文字を作りたまいし
神が、世界に直接綴った詩である。

「どんな純粋な信念も、純粋な強さも、文字の埒外にある―――
言葉の枠に組み入れれば、あらゆる純粋さは汚される。
 メタルアルカイザー、と云ったわね。
 貴方は既に強い。断固たる信念もある。
 けれども―――それだけではいけないわ。真の強さは問答の
果てには無い。強さは強さよ。語れないの。言葉にはできないの。
言葉として省みれば、それは死んでしまうのよ―――オルフェの
神話の如くにね」

 それは―――。
 言葉の内より言葉を縁とし、言葉を階梯として魔術の高みに上り、
やがて言葉の外なる神啓を目指す《詩人》としての―――リアの言葉だ。
なによりも詩人を嫌う詩狩人たるリアだが、この詩の真理においては、
成る程錬金の秘儀に偽りなしと―――そう思っていた。
 強さとは、気高さとは、誇りとは美しさとは―――大儀や理念、或いは
正邪の埒外にある。正当さを云々した時点で、それは本質とは異なって
しまう―――。
 そのリアの言葉は、たしかに一片の真実を含んでいた。

「言葉を費やすのはこの辺りでいいかしら」

 そうして―――右手一本で、トートの剣を正眼に構え。

「喋りすぎると、言葉の尽きたものとなるわよ。―――即ち、屍と」

 書架の上を飛び跳ねて、一匹の白猫が姿を現す。
 ひときわ高い声で鳴くと、トートの剣に向かって飛び―――
 白光りと転じた。

「《はじめに言葉ありき》!! ―――エクスシアイ・アルカイ、デュミナス、
キュリオテテス、導きの獣を遣わせ!」

 要である「導きの獣」を含んだトートの剣は、白々と輝き―――

「―――トートを、言祝げぇぇぇえええッ!!」

 リアは光の奔流となる。
 否、それは見違えである。リアは思い切り床を蹴り、相手に向かって
愚直に突きを見舞っただけだ。しかし、この剣の尋常ならざる冴えは
一体どうした事だろう―――。
 これがトートの剣の真髄である。
 法王庁最高級の聖遺物―――黒甲冑の下げた業物と何度も打ち合って、
細身ながらに折れず曲がらなかったトート剣が、真の聖性を宿した姿だ。
対峙するものが何であれ、最早形相を持つ事さえ赦さぬとばかり。
淀みなく、遅滞なく―――トートの剣が、黒甲冑の胸元を目掛けて駆け上がり、

  そこでリアの体が跳ねた。

 突きのモーションを装い、拍子を合わせて上に跳んだのである。
 即ちフェイク。
 黒い甲冑の直上―――心の中で、その首筋に標準を合わせる。

 中空にあって天地をさかしまにした体勢のまま、リアの剣が凄絶な瞬きを
帯びて迸る。怜悧なる軌道はすでに弦月、相手の原型さえ留めぬとばかり!


【処―――侵食禁呪蔵書庫にて】

 

371 名前:屍 十二:2007/05/04(金) 02:12:220

【屍 十二 vs イグニス】
>>365

 殺(と)った。
 防御に用いた鋼すらも両断する手応えに、屍は確信した。
 しかし、血の臭いが無い――肉を切り裂く手応えが無い。
 激しく攪拌された空気の流れが示す物は、吹き飛ばされた相手の姿。

(――クソが! 仕留め損ねたか!)

 小さく舌打ちして追撃に入ろうとする屍の耳に、壁を蹴り付ける音が届く。
 敵手は吹き飛ばされたのではない。あえて後ろへ跳び、威力を受け流したのだ。
 予想以上に素早い立ち直りに、胸中で毒づく。

(コイツも馴れてやがるな……戦いに、いや、『殺し』にか)

 次いで屍の感覚が知らせる者は、風切り音と地の振動。
 手に構えていた武器を投擲し、自らも仕掛けて来たという事だろう。
 短刀はそのまま身に受ける。刀身が歪んでいる為か、それ程の威力は無い。
 脇腹に突き刺さり、苦痛を与えるが――それだけだ。

 追撃に回す予定だった刃は迎撃に切り替え。
 逆手に構えたガンブレードを、駆ける女の正面から切り上げる。

 相手の姿勢に合わせた事が災いし、長い刃が床に触れた。
 だが、構わず振りぬいた。
 屍が振るう刃は、たとえ中途で折れたとしても、人一人程度ならば容易に断ち切る刃なのだ。

 火花を上げ、地に一文字を刻み付け――刃が天地を貫くように奔る。

(場所:異端処刑場)

372 名前:千羽烏月:2007/05/04(金) 02:28:190

>369

関羽。
相手が誰であろうと構わないと思っていても、その名に少なからぬ驚きを抱く。
道理で、手にした得物がしっくりと似合うわけだ。
妄言の類と取るべきなのだろうが、何のてらいもない名乗りで真実だと感じてしまった。

だが、それでも構わない。

相手が誰だろうと、行くと決めているのだから。
維斗の太刀に掛けて、押し通るのみ。

一つ、二つ、と刃を振るっては振るわれ、
一つ、二つ、と身を交わしては受け流す。

探るような打ち合いで分かるのは、名に相応しい技量と歴然たる間合いの差。
今一歩が遠いまま、風を捲いて青龍刀が牙を向く。
此処で引いては何時までも間合いは縮まらない。
かと言って、容易く踏み込める一歩でもない。

故に受けた。
左肩に峰を乗せ、斜めに立てた刀身に相手の刃が触れた刹那、担ぐように跳ね上げる。
流したつもりでも、ずしりと肩が腕が重い。
けれど、この程度で維斗は折れない――糸は切れない。

跳ね上げた勢いのまま振り被った剣を、前に出ている相手の膝目掛けて落とした。

【魔導研究棟にて】

373 名前:マリア・バルゼリート ◆AMIGOF7b.c :2007/05/04(金) 02:29:320

>>368

【宮本武蔵 VS マリア・バルゼリート 妖魔迎賓館】


マリアの全力を篭めた一撃が、至極あっさりと空を切る。
このまま、むざむざと攻めの手を休めたくはなかったが―――
これだけ大きな空振りの隙を、百戦錬磨の勇士たる武蔵が見逃す筈も無い。

攻撃の優先権は、再び武蔵へと、容赦なく移った。

攻防一体、二刀流における最も理想的で、無駄のない構え。
ニッテイッチリュー。マリアが祖父より聞かされた、武蔵の創りし無双の剣技。

その構えに見惚れる暇もなく、怒涛の連撃がマリアを襲った。
マリアの全身の急所を余すところ無く攻め立てる、一撃一撃が必殺の威力を持った死の津波。
やはり、受けることは―――叶わない。
故にマリアは、武蔵の放つ斬撃の全て、その軌道を見切り、回避することを課せられた、、、、、

マリアにとって実のところ、武蔵の攻撃を読むことは、容易い。
それほどまでに、彼の刀の軌道は真っ直ぐで、一切の奇の衒いが無かった。
だが、それ以上に、疾く。
そして、強い。
一度でも食らえば―――命は無い。

結果、マリアは回避に専念せざるを得ない。
実際のところ、動きを追って、かわすだけで、精一杯なのだ。
その証拠に、マリアの身体には、少しづつ、少しづつ。
見切りきれなかった斬撃の余波による、細かな切り傷が、産まれつつある。

ぴぴ。
ぴぴっ。
ぴぴぴ。

マリアの全身を、血煙が覆う。
致命傷には至らないまでも、確実に彼女の体力を奪う、死の霧が。

このままでは、集中力の喪失、あるいは体力の限界と同時に、
武蔵の刃が無残にマリアの身体を抉る事だろう。

―――反撃に転じなければならない。
それはマリアもよく理解していた。
事実、彼女は達人の見せるほんの僅かな―――連撃と連撃の間に生じる、
一刀であるからには隠しきれない隙に、反撃を試みようとしている。

だが―――左の一刀が、それをさせない。
武蔵の左半身に屹立する一振りの小刀が、結果的に右刀の隙を帳消しにしているのだ。

打ち込めない。
彼女のムラサーミァが、届かない。

一体、どうすれば―――?


(ムサーシの、あの人の、予測もつかない、動き―――)


極限の緊張と体力の消耗の中で、靄がかかり始めたマリアの頭を、一筋の光明が過ぎる。
天啓のようなその閃きを吟味するよりも前に、身体は既に動いている。

再び巡ってきた、連撃の僅かな間隙。
そこを縫うように、マリアは右のムラサーミァを、武蔵の左刀に叩き付けた、、、、、、、、、、、

同時に帰ってくる手応え。
武蔵の腕筋に、反射の力が籠もるのを―――

感じるのを待たず、マリアは踏み込んだ。
打ち合わされたムラサーミァと小刀を軸にして、武蔵の左袖へと。
そのまま、マリアの全身は武蔵の左半身を舐めるように半回転し。
武蔵の背中に、密着した、、、、


「―――ねぇ、ムサーシさん」


武蔵の耳元で、天真爛漫な、しかし彼女の年齢に不釣合いな蟲惑的な響きを持つ声が、吐息と共にかかる。


「こんな形に―――なったことあるかな、、、、、、、、、?」

374 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/05/04(金) 02:31:160

《リア・ド・ボーモンVSメタルアルカイザー/侵食禁呪蔵書庫》
>>370


 それは応えた。


 ―――“応えるべくもなし”と。


「どんな純粋な信念も、純粋な強さも、文字の埒外にある―――
言葉の枠に組み入れれば、あらゆる純粋さは汚される。
 メタルアルカイザー、と云ったわね。
 貴方は既に強い。断固たる信念もある。
 けれども―――それだけではいけないわ。真の強さは問答の
果てには無い。強さは強さよ。語れないの。言葉にはできないの。
言葉として省みれば、それは死んでしまうのよ―――オルフェの
神話の如くにね」


 言葉には出来ない―――当然だと感じる。

 強さとは言葉で語りきれるものではない。武術家の奥義が一子相伝であるように、その
生涯そのものが人の強さを雄弁に語るように、言葉とは限られたものしか現すことはでき
ない。如何に尊いものでも、文字/言葉にしてしまえばその意義を減ずる。

「―――その通りだ。強さは決して言葉には出来ない。だが、私は敢えて言葉を求める。
道の見えぬ探求を往くために。見えぬものを掴むために―――道標として。私だけの正し
き強さを求めるために」

 だが、意義は意義としてその中に生きている。
 例え誰かを左右する力を失ったものでも、自らが望みその力を引き出すことも出来る。
 ちょうど目の前の、言葉を繰り戦う詩人/詩刃のように。

 私は、そのために言葉を求める。溺れるのではなく、渡るために。
 剣戟と共に、新たな道を作るために。

「その言葉、とくと胸に刻んだ―――往くぞ」

 そして、リアが跳ねる/壊れた左腕を鮮やかに曳きながら/眩い輝きの剣を持って真っ
直ぐに=間違いなく必殺を期した必滅の一撃/こちらの命を間違いなく刈り取る刃。
 それが、再び飛翔/一合目がフラッシュバック/同じ状況/同じ攻撃/違う威力。
 今度は、正面から受けて立つ。

 振り向く/頭上を見上げる/刃と正対/剣を振り上げる/交錯する月輪。
 光り輝く刃/胸部に灼熱感―――人工筋肉の切断。腕力低下/関節モーターで補う。
 更に損傷/内部装甲に亀裂/プラズマジェットを損壊=使用不能。
 だが、反撃は行われている。ほぼ同時の剣閃であるが故に。
 こちらの放つ刃/相手に命中/手ごたえなし/神経系が一時的に麻痺/振り終えた瞬間
に剣を取り落とした。左腕の使用不能―――剣を足で蹴り上げ、右手で逆手に受け取る。

 バックステップ/体勢を立て直すための転進/初の内蔵兵装の機動/球電発生機が稼動。
 三つの電撃球が発生―――弧を描いてリアへと迫る。

 まだ、自分が相手へ傷を与えていたのか判別―――それを計るための攻撃。
 こちらの戦力はほぼ半減/私がどれだけ不利になったかを知るための一撃だった。

375 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/04(金) 02:40:090

>>372

 業物の日本刀であろうとも、容易く折れる。
 鋭い切れ味の代償は、その脆さだった筈なのだが――受けたか。、、、、、

 想像しなかったわけではない。
 だからこそ驚きもなく、スムーズに二の太刀を振るう。

――それが例え刃でなくとも、全てを突き通す。、、、、、

 そう、防がれる事と傷を省みずに突撃している事は当然予想していた。
 胸の傷から見て、傷付く事を厭わず突き進んでくるだろうという予想が六割ほどだったのだが。
 まあいい。

 貴女の刀は私には届かない。

 第一、本命の刃は手にした冷艶鋸ではないのだから。

「――ハッ!」

 振りぬく支点となった左膝を目掛けて刀が迫る。
                              /左膝は十分に溜めを作り、

 数瞬先には私の足は見事に落とされているだろう。
                               /残る右足を突き通すための予備動作は既に完了済。


 水月目掛けて突き通し、その手応えに思わず顔を顰める。
 何度やっても心地よいものではないな――。

376 名前:イグニス ◆IgnisC3BW6 :2007/05/04(金) 03:01:270

>>371

(やはり速いっ!)

 胸中で毒づきながらも、奔った刃は止まらない。
 鞘の内側で加速された一撃は、刃圏に最も近い目標に振るわれる――すなわち、胴だ。
 視界の片隅には、脇に突き刺さった短剣。。血も吹かず、痛みを感じている様子もない。その二点から、イグニスは
ようやく――本当にようやく、男の正体に思い当たる。不死者。それも、”何らかの強化が施されている”類の。
 それが意味するところはひとつ。
 生半可な手傷では――奴を仕留めることは出来ない。

 刃は横一文字、男の腹を薙ぐ軌跡で鞘から解き放たれた。
 当然、そんな程度では男を仕留めることは出来ない。

 だが――

(腹筋を断てば――少なくとも、剣戟の威力は弱まるはず)

 それに、と再び胸中で独語する。
 生半可の手傷も負わせられずに、奴が己の首を差し出すはずもない――

 神速。漆黒の刀身は、照明の灯りすらも写り込ませずに、その一刀を振り抜こうとする。
 右脚。踏み込みは十全。これが致命とはならずとも、これがそれに通ずる一撃となることは明白だった――


 届いてさえ、いれば。

「くっ――!」

 それもまた、力任せの一撃だった。
 力任せに引き戻された剣は、やはり力任せに――下方からの切り上げ、だがそれは石床へと突き刺さる。
 まともに考えれば、刀身が折れてもおかしくは……否、確実に折れる。

 だが、敗北したのは刃ではなく、敷き詰められた石だった。予めそうなっていたかのように石が割れ、その隙間から、
未だ威力を保っている銀閃が跳ね上がる――!

 衝突する鋼と鋼、刃と刃。
 だが、如何に神速を以て振るわれたとはいえ人間のそれと、鋼をも切り裂く不死者の一撃。
 どちらが競り勝つかは自明だった。停滞はほんの刹那。生涯にもならぬとばかり、斬岩の刃は闇色の刃を跳ね飛ばし、
敵手を両断せんと気勢を上げる。

 刀を弾かれ、イグニスは無手となる――だが、意外ではない。
 敵の能力からするならば、このような展開も十分に考えられた。予測された展開。故に、その行動に停滞はない。
 その手には武器はない――だが!

 ”左手”が翻る。そこに握られているのは武器ではない。左手が握りしめているのは、紅く、深い紅で染め上げられた――
鞘。鉄製の鞘。抜刀の勢いを殺さず、腰の捻りまでもを加えて横から叩きつけた一撃。
 その一撃は、折る事は叶わずとも、刃の軌跡を代えるには十分な威力をもって繰り出された一撃だった。
 鉄と鉄が衝突する巻高い音が石造りの処刑場へと響き渡り、鉄の鞘までもが宙を舞う。

 間髪を入れずに身を翻し、踏み込んだ右脚を軸に右回転。
 左脚を石床に一瞬だけ叩きつけ――ブーツに仕込まれた仕掛けが作動し、つま先から5センチ程度の刃が生える。
 全身のバネをきかせ、その小さな刃を、首筋へと叩き込む――!

【場所:異端処刑場】

377 名前:リア・ド・ボーモン ◆Poesie/ZHU :2007/05/04(金) 20:46:520

《リア・ド・ボーモンVSメタルアルカイザー/侵食禁呪蔵書庫》

>374

 必殺の一撃は防がれた。
 トートの剣の一撃を受けて尚立っている相手を、リアは初めて
その眼で見た―――本来なら必滅の一撃の筈である。片腕を
喪った事で、絶妙無比なる彼女の剣技が鈍ったのか?
 否。
 この相手が―――強いのだ。

「必滅の因果を曲げるその技量、さながら神の諧謔、面白い!」

 着地の次瞬には、再び跳んでいる。
 目の前には黄金色の光を放って殺到する三つの雷球、斜前に
飛んで初手を避け、書架の側面を足がかりに三角跳びで次手を
かわす。
 さらに反対側の書架を蹴って跳躍。
 三つ目の雷球。唸りを上げ、あらゆるものを焼き切る熱量を以って
リアに迫る。
 斬った。
 残光だに遺さぬ神速の一閃で以って、トートの剣の一撃が
超熱量の雷球を斬り下ろしたのだ。半ばこの世の法則を離れた、
詩情の斬撃であるがゆえの成果である。
 黒甲冑の雷球が空気さえ灼き斬る超熱量の一撃ならば。
 トートの斬撃は、世界すら断ち切る形而上の一閃である。

 着地、床を蹴る。
 右手にトート剣の重量。
 眼前に黒甲冑―――手負いの猛者。

「もはや―――死を与うのみ!」

 腰を溜める。体を捻り、突撃の慣性を斜めに流す。
 トートの切っ先が跳ねる。
 風を切る音さえ追いつかず―――。
 剣閃はさかしまに《S》の軌道を描く。先の黒甲冑のZ字斬りは
金剛石を思わせる硬質を有していたが、このS字斬りはさながら
真珠の滑らかさである。
 暗殺者の針のごとく。無駄なく、流暢に、死を齎す。
 齎す―――筈であった。

「………ッ!」

 リアの剣筋が失速する。
 さかしまの《S》の軌道を描き始めた矢先である。
 ―――先のメタルアルカイザーの一撃は、リアの胴を薙いでいた。
無論、浅手ではない。《霊の血肉》で以ってしても抗しがたい深手だ。
一瞬、ほんの一刹那―――リアの動きが鈍り、

「―――《はじめに言葉ありき》!」

 しかし、それさえリアは顧みず、

「この気高き詩に―――華やかなる終止符を!」

 次の瞬間には―――今度こそ切っ先は、必殺の《S》を描く!
 既にそれは現世の技にあらず。トートは既に剣にあらず。
 此の世の事象に終止符を打ち、収束させるための神の羽筆だ。



378 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/05/04(金) 21:19:580

《リア・ド・ボーモンVSメタルアルカイザー/侵食禁呪蔵書庫》
>>377



 ―――光り輝くS/息を呑むほどのS/残像を残して刃で描かれるS。




 魂の輝き/渾身の一撃。



 全ての生命を燃え上がらせて放つ、文字通り必殺/致死の刃。

 その輝きに内側の“魂”が震える。鮮やかな閃光=正しき強さの表出。

 あらゆる闇が、虚無が、その閃光の前に屈服していく。



 唯一つ―――この鋼の身を除いて。
 状態確認/左腕使用不能/左胸部断裂/むき出しになる内部機関。
 片腕/半減する戦力/限界を超えて全力を求める―――右の剣を捨て、拳を構えた。


 全霊を投げ打つ捨て身の構え/そこから放つ一撃は唯一つ―――

 “陰術機関”始動/“心術ジェネレータ”最大出力/腕部ディスチャージャー開放。
 全ての力を全て右手に。全てのパスを全て右手に。
 そして到達する炸裂―――
 高熱発生/陰属性の炎/装甲が右腕を護り/最大の威力を紡ぐ。


 それは、相手の最大の技を迎え撃つための、最大の反撃。
 文字通り“命”を燃やして放つ“闇”の輝き。
 背部スラスター点火/限界値の突破/悲鳴する関節・装甲/急加速、突き出す右腕。
 羽ばたくように炎が広がる/黒き不死鳥/顕現する幻想の姿。



「ダーク・フェニックス!!」



 相手の魂の輝きと、黒く気高き炎がぶつかり合う。


 閃光―――爆発が巻き起こる。
 互いに、吹き飛ばされた。

 思考領域が停止しそうなほどの衝撃―――その中で感じた手ごたえは、かすかに浅い。

 倒せるか/倒せないか/その疑念を解体しきれないほどの差。

 そして自身にも避けられぬダメージ/思わず膝を着く/その前に剣を拾い上げる/床へ
突き刺す/傾ぐ身体を支える/決して膝は着かないという自負/精神の力。

 軋む体を持ち上げ、紅い眸が相手の姿を捉える―――

379 名前:屍 十二:2007/05/04(金) 21:26:390

【屍 十二 vs イグニス】
>>376

 刃金が互いに噛み合い、閃光を散らしたのは一瞬。
 膂力に勝る屍の一閃は敵手の刃すらも弾き飛ばし、その体に喰らい付こうとしていた。

 しかし、刀身を叩く衝撃が軌道を逸らす。
 女の手から刃は先程弾き飛ばした。
 だというのに、一体何が斬閃を防いだというのか。
 注意深く、再び臭いを探る。

 成る程、相手が逆の手に携えていたものは――

「チィィ、鉄鞘かッ!」

 思わず感嘆に近い声を上げる。
 女の体力で鉄鞘を持ち運ぶなど、考えもしなかった。
 見れば分かっていた事だろうに、処刑具等の臭いに紛れて気付く事も出来なかったのだ。

 それは、屍が視覚以外で捉える世界に割り込んだ不意打ちだった。
 僅かな思考の空白は、一撃を喰らうには十分な間隙。

(一撃くらいは持って行かせて――)

 蹴撃ならば致命的なダメージは負わない。
 そう考え、屍は右のガンブレードを振り被った。

 直後――仕掛けの音が耳朶を打つ。
 イメージに浮かび上がったのはブーツから飛び出した仕込み刃だ。

(クソ、このままじゃ首に当たっちまうッ!)

 一度勢いを付けたガンブレードは止まりはしない。
 相打ちに近い形で刃を虚空に滑らせる屍だったが――

 相手の刃が首筋に叩き込まれ、気管に達すると同時。
 屍の動きは、凍り付いたように停止してしまった。

(クソ――がッ! 呼吸が……乱れる……ッ!)

 傷は凄まじい激痛を与え、血泡が呼吸を阻害するが、死人兵士が死に至る損傷ではない。
 それらを遥かに凌駕する、内側から無数の蟲が這い出そうと全身を掻き毟る感覚。
 身体を苛む物は内側にある、形を持った過去の災厄。
 それが、動きを止める。

(何とか、引き剥がすしかねェな……!)

 怖気が走る感触に力が緩み、衝撃を受けた左手のガンブレードが落ちる。
 右手を振り抜こうにも、中途で止めてしまった刃では何一つ切れはしない。
 刃での斬撃を取り止め、屍は右脚を槍の如く突き出した蹴りを放つ。

 だが、それは一度距離を取り、呼吸を整える為の一手。
 とても攻めと呼べるような物ではなかった。

(場所:異端処刑場)

380 名前:リア・ド・ボーモン ◆Poesie/ZHU :2007/05/04(金) 21:47:040

>378
《リア・ド・ボーモンVSメタルアルカイザー/侵食禁呪蔵書庫》


 終幕の剣技を放って尚、舞台の幕は下りず―――
 トートの剣は、世界に埒を刻むことあたわず。

 吹き飛ばされる。
 冗談のような勢いで血潮が噴く。
 床を跳ね飛ぶ。何度も跳ね、叩きつけられ、擦り、滑り、立ち込める
埃の紗幕を破って吹き飛び、姿勢を返し、床にトートの剣を摩り付け、
長く長く床に火花の傷を引いて―――それでようやく、動きが止まる。
 距離が離れた。
 もう何度目かの遠間であった。

 ―――ついに相手が、その切り札を明かした。
 トートの剣の《終止符》に抗するほどの、恐るべき威力―――即ち
存在の主張。終幕を拒み、よしんば終幕を食らい尽くしてしまうような。
圧倒的な拒絶を孕んでなお、卑小な嘲りとは無縁。
 真っ向焼き尽くす。
 ―――正しく、理想の騎士の矜持の顕現。

 トートの剣で以って抗したから、この程度で済んでいる超威力。
 まともに受ければ―――おそらく紙屑のごとくに灼き切れるだろう。
朝露が夕べには消えさるが如く、リア・ド・ボーモンの存在は、音も
立てずに霞と消えるにちがいない。
 しかし―――。
 リアは臆さない。

 剣を杖に、立ち上がった。
 満身創痍だ。指先が震えている。
 しかし、当然、と云うべきか―――驚くべき事にと云うべきか。
 リアの眸は翳りない。まるでこの眸こそリアの心の覗き窓であり、
その裡で燃え盛る彼女の闘志を映しているかのごとく―――。
 かんばせに憂いなく。
 眉目に衰えなく―――。
 今しがた戦いが始まったばかりのような面持ちで―――手負いの
リアは、手負いの黒甲冑を見据える。

 姿勢を落とし、腰を溜める。
 おそらく、次が最後の一合。

「最後に謎を与う」

 一言。

「言葉で以って力を括るあなたへ―――私を破って何を得る?」

 剣に触れる。
 トートの剣―――世界最高の聖遺物はいまだ健在。
 いつでも、駆け出せる。



381 名前:イグニス ◆IgnisC3BW6 :2007/05/04(金) 21:57:160

>>379

 捉えた――!
 その感触もつかの間、首筋に食らいついたままの左足首に捻りを入れる。ぱきん、と軽やかな音を立てて、仕込みナイフ
が根本から折れた。刃を男の体内に残したまま素早く脚を引き戻し――そこでようやく、男の身体が半ば引きつるように、
動きを止めているのを見た。

(首、か――?)

 男は、明らかに不死者である。ならば、気道を塞き止めたとてそれが致命へと通じるわけもない。
 脇腹への一撃すらも意に返さなかった男が、今は異常にざわめいている……

 つまり、首にはなにかある(・・・・・・・・)

 攻めるべき場所を見出して――それがそのまま、弱点と断ずるのは危険だが――イグニスは即座に右腕を一振りした。
 とたん、紅いコートの袖口から、掌に収まる程度の、小型の銃が滑り出る。

 レミントン・ダブルデリンジャー。
 正しくは、それにいくつかのアタッチメントを装着可能とするディファイアント・パーツを組み込んだ、ディファイアント・デリン
ジャーとでも称する代物だが、使う弾丸に代わりはない。装弾数はたったの二発だが、41口径を至近距離から食らって、
無傷でいられる物体などそうはない――!

 銃口を、刃が顔を覗かせる首筋へ。極至近距離からの発砲。……しかし、銃弾は肉に潜り込む事はなく、むなしく
虚空へと放たれた。
 銃口を男の首筋へとねじ込んだその瞬間だった。剣を振るう事すら出来ない密着状態にあって、男が執った手段は、
ごくごく当たり前のモノだった。

 ――衝撃。

「……――っ!」

 声が、でない。
 腹に突き刺さった、重い、極めて重い一撃。
 蹴られた、と認識した瞬間、イグニスの身体はあっけなく吹き飛ばされ、受け身を取る余裕すら与えずに手近な処刑具
へと突き刺さった。

【場所:異端処刑場】

382 名前:宮本武蔵:2007/05/04(金) 22:08:040

【宮本武蔵 対 マリア・バルゼリート 妖魔迎賓館】
>>373

 背中合わせになった相手を、姿勢を変えずに斬る事は出来ない。こんな状態から発揮で
きる剣法はない。
 反転して斬らざるを得ず、その瞬間こそ致命を分ける隙となるであろう。武蔵にとっても、
少女にとってもだ。

「初めてだぞ」

 『六十余度まで勝負すといえど、一度もその利を失わ』なかった武蔵の、どこか酔ったよう
な答えである。
 事実、この大剣士は酔い痴れているのだ。妖しい少女の囁きにではなく、剣もて命の遣り
取りをするという魔天の美酒――戦いと死の血つむじに。
 侮ってはいない、とはいったものの、心のどこかで女人の剣という認識があったのは否め
ない。その驕慢を少女の烈剣はまんまと打ち砕いた。
 この大武蔵に! という憤怒は、しかし即座に随喜へと化学変化した。魔人に堕ちても、
否、だからこそいよいよ盛んな剣への愛がそうさせたのである。


「見事。――まりあとやら、お主、その若さで相当斬った喃」

 問いではなく、単なる事実の確認として武蔵はいい、相手の返事も待たず小刀を上空へ
放り投げた。
 唸りを上げて回転しつつ、高い天井すれすれまで達した刀は、操り糸が切れでもしたよう
に落下してくる。――煌く切っ先を、ぴたと少女の脳天へと定めつつ。

 まるで故事にいう「ダモクレスの剣」だ。頭上から降り落ちる「危機の象徴」を避けるにしろ、
受けるにしろ、それは武蔵に対して晒す大いなる隙に他ならない。
 そして反転した武蔵が鷹徴の一撃を放つ「拍子」に他ならない。――
 

383 名前:千羽烏月:2007/05/04(金) 22:10:410

>375

呪うのなら、己の迂闊さを呪うべきなのだろう。

豪刀を逸らすには渾身の力を篭めねばならず、全身を使って振り上げた太刀は
極端に大きな弧を描く。
比べて、それを予期しての相手の次手は直線。
受けてから動いた私の太刀より、迫る足刀の方が速いのは道理だった。

当たり所をずらす事すら出来ずに、無様に鳩尾に受ける。
堪える間もなく浮いた体が背後に流れた――不味い。
思ったものの、余りに綺麗に貰った所為か衝撃に備える事も出来ない。
そのまま、四肢を投げ出した格好で先程見た棚に背中から突っ込む。
食器棚を丸ごと引っくり返したような、騒々しい音が背後でした。

得物に頼らずとも、武神は武神という事か。

苦く思いつつ棚の残骸から四肢を引き剥がす度、布地の破れる感触。
体のあちらこちらに、引き攣るような違和感がある。
一際大きな違和感を感じた太股に目を落とすと、スカート越しに大きなガラス片が
突き立っていた。
抜けば、血が溢れる。
赤く濡れて重くなっていく生地が足に纏わり付くよりは、と一息に裂いた。

人としてやりあえば、相手に敵う筈などない。
ならば、そうでないものとして戦おう。

腰を落とし、赤い維斗を担ぐ――破軍の構え。
但し、背負うのは星ではなく手術台に横たわった人形。
つまり、今の私は誰よりも負けられない。


……ふと、痛みを忘れている事に気付いた。

【魔導研究棟にて】

384 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/05/04(金) 22:11:380

《リア・ド・ボーモンVSメタルアルカイザー/侵食禁呪蔵書庫》
>>380


 揺らぐ視界/リア・ド・ボーモン/手負いの姿。
 しかし気高く立つ/その身に力は失われていない。

「言葉で以って力を括るあなたへ―――私を破って何を得る?」

 言葉が耳に届く/ビジョンが生まれる。


 最強を求めていく道程―――手に入れたものは力。
 最強を粉砕される工程―――手に入れたものは命題。
 最強を捨ててゆく過程―――手に入れたものは起点。


「……私は、最強を求めるために生まれ、闘ってきた。長い時を、幾度となく戦士と刃を
交え続けて。そうして一度は到達した、はずだった。しかし私を打ち負かすものがいた。
私の力を“間違った強さ”だと断言できる英雄がいた」


 ビジョン―――アルカイザーの姿/“しかし間違った強さだった”。


「そしてこの戦いには、相手を理解してなお戦い、勝ち抜けるものがいた。最強を失った
私へ“正しき強さ”という起点を教えてくれた騎士がいた」


 ビジョン―――シグナムの姿/その清冽な宣言。


“私一人を敵に回していると思うな。私は、ここに一人でいるのではない。今まで戦った
者、轡を並べた者、多くの者と共にいるのだ。これが、お前と私の違いだ、メタルアルカ
イザー。私は、お前のように一人で立っているのではない。だから、私の強さが正しいと
いうのなら、それは私の多くの友が正しいということだ!”


「そして私は、進むべき道を定める為に、この戦いを続けている。貴女の言葉を得て、私
だけの“正しき強さ”を見つけるために。言葉という、小さな道標を手繰りながら」


 ビジョン―――詩人の姿/“応えるべくもなし”。


「貴女は私に強さとは形持たぬことを教えてくれた。幾千の敵を倒すのが力にあらず。己
が意思をその五体で示し、護り続けることこそ真の強さ―――言葉にならぬ真実だ、と」


 立ち上がる/鋼の五体/力を取り戻す/左腕の麻痺完治/最適化終了。
 両手で竜鱗の剣を握る。大地へと足を確固たる力で踏みしめる。

 戦士として/武人として/剣士として/不可視を求める同胞の為に。
 この一合で報いる。


「だから、私は闘っている。鋼を砕き、魂を削り―――この修羅道の中で、正しき強さを
見つけるために。貴女を倒して得るものは、貴女の持つ全てだ。生死を賭けるとは、相手
の全てを背負ってこそ成り立つものなのだ。間違う事もあろう。立ち止まる事もあろう。
だが、貴女の言葉が、その剣が、その技が、その在り方が、私を導いて行くだろう」


 剣を構える/下段/地を擦るように深く/全身をたわめて。
 スラスターが熱を帯びる/点火直前/臨界点。

 放たれるは最強の剣技―――彼だけが得た月光。
 互いに気息を計る中―――闘気だけが高まってゆく。




 決着をつけるために。
 ゼロから踏み出すために。

385 名前:バルバトス・ゲーティア ◆8mvwr0Nrxk :2007/05/04(金) 22:21:120

〜バルバトス・ゲーティア導入〜
20XX年 偽典・悪魔城

―――――――――空に姿を現し、地を照らす日が落ちるとき、闇に生れし悪魔城、夜の暁と共に姿を現す―――――――――


夜の世界は古より、人々を不安へと陥れる恐怖の世界である。
それは文明の発達により、暗い夜を照らす明かりが作られても、恐ろしい事に変わりはないのだ。

それは闇夜に生きる化け物達が徘徊しているからだ。
まさにそれは彼らが優雅に、愉快に振舞い時間。
不用意に近づく無力な人間の肉を、溢れる鮮血を出しながら喰らいつくし、骨までしゃぶり尽くす、彼らの欲求が満たされるまで存分に。

しかしまた、彼らを狩らんとする狩人達が、闘いに飢えた狂者共が立ちふさがり、肉片一つ残さんと闇夜の種族を殺し尽そうとする。

やがてそれは一方的な虐殺から闇の種族と人間の攻防へと姿を変え、互いに殺したり殺されたりする「闘争」が生まれた。


闘いは奴らの悲鳴が聞こえる。
奴らの咆哮が聞こえる。
奴らの歓喜の雄たけびが聞こえる。
やがてそれと共に命のともし火は消え、戦場に残るのは決まって血と肉と骨だ。


そしてこの闇夜の世界に、悪魔城なる夜の世界に君臨する城がある。
混沌と破壊が交じり合うこの城には、当主たる魔道の王を滅ぼさんとする者達、血と狂気の沙汰ごとを嗅ぎつけた狂いし者共が集う【戦場】だ。

そしてまた一人、この戦場へと足を踏み入れた男がいる。

その肉体、強面の顔に加え2m近い筋骨隆々の体躯を誇り、珍しい青い長髪をしている。
片手に巨大な戦斧を強く握り締め、眼光は鋭く光らせている。

男の名はバルバトス・ゲーティア。

奴は人間であるが、かつて「天地戦争」と呼ばれる戦いで命を落とし、歴史から抹殺されたはずであった。

しかし奴は生への執着心に応えたのか、エルレインなる神の使いにより、再び命を得た。
奴は自らの生の証しを手に入れるために、己の名を歴史に刻み付けるために、そして闘いの渇望を満たすために、
時代を、異世界を幾度も渡り歩き、英雄を、怪物を抹殺してきた。

そして男はこの悪魔城の君主である魔王、魔王を滅ぼさんとする者達全てを殲滅せんとしている。

たとえ日の昇りし下に生きる人であっても、月の光の下に生きる魔王であっても、目前に立つ者は全て奴の敵でしかない・・・。


386 名前:バルバトス・ゲーティア ◆8mvwr0Nrxk :2007/05/04(金) 22:23:110

>>366
(導入続き)
バルバトスは悪魔城外部にいた魔物の襲撃を避け、わずかな光だけが照らせれ、轟々と音が響き渡る場所へとたどりついた。
これは滝の流れる音であろう。
この滝の流れはやがて川の流れのようになっていき、地下水脈として流れているようだ。
水は非常に清潔で、まるで混じりけのないサファイアさながらの美しさを放つ。
このままでも十分飲めそうなほどに美しい。

しかし、ここにも悪魔城から発せられる瘴気と魔力は尋常ではない。
並の人間ならばこれだけでも吐き気を催すだろうが、もはや人の形をした怪物として蘇ったバルバトスには何ともない。

「・・・ここはどうやら敵の姿が見当たらねぇな。まあいい、次に敵が現れるまで休むとするか・・・」

バルバトスはしばらくの間、ここで体を休めることにしようと、どこか座れる場所を探そうと歩き始めた、その時だった。

「?あれは、人間か?」

バルバトスは物陰から数m先に、なんとも奇妙な服を着ている赤毛の少年を見つけた。
あのような服はバルバトスも目にしたことはないが、そんなことはどうでもいい。
少年の顔を見る限り、どうも浮かない顔をしている。
あの顔は、何故自分がこんなにところに来てしまったのかという疑問を浮かべているようにも見える。

「あの小僧、どうも武器を持っているようには見えんが、なぜここへいるというのか?果たして術士なのか、それとも何だ?」

バルバトスは何も武器を所持していないように見える少年を決して甘く見ている訳ではない。

むしろ、これは危険な相手ではないのかと、バルバトスの脳裏を過ぎっているのだ。
当然だ、この戦場に不用意に侵入した者は、城に住み着く化け物の餌食となるのが普通なのだから。
おそらく、なにか闇器を隠し持っているか、もしくは術士か…。
しかし、いままで争った形跡もないようであり、本当に強敵であるか疑問が残るが・・・。

「・・・どうやらトラップも今はかけていないようだな。殺るなら、今のうちか・・・。」

バルバトスは細心の注意を払い、奇襲する機会を狙った。
そして少年はどうやら動き動き始めたようだ、叙叙にこちらへと近づいていく。
少年はこちらには気付いていないようだ。

バルバトスは片手に握り締めている巨大な斧を構え、刃を少年へと向けた。

―――――――――そして―――――――――

「―――――――――――ブるぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁう!!!!!」

バルバトスは少年の頭上から奇襲し、戦斧を振りかざした!

387 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/04(金) 22:28:000

>>383

――彼女は傷を負ってなお立ち上がり、その戦意は衰える事を知らない。

 無遠慮に間合いを詰めて行く。
 立ち上がるのであれば容赦はしない――それが、闘士への礼儀。

 戦う事でしか判り合えないというのは嘘だ。
 戦い以外のもその術は数多く用意されているのだから。

 だが――彼女も、私も。
 闘士なのだ。

 闘士には、その術しか用意されていない。
 千の言葉を交わしても、彼女が何故立ち上がるのかなどは判る筈もない。
 戦の言葉を交わして初めて、彼女が立ち上がる理由が見えてくる。

 ならば、我が誇りに賭けて。
 彼女のその牙を――折る。

 必要最小限の動きから繰り出す突き。――突き、突き。
 十指<十死>では足りぬを連戟を如何に捌く?

388 名前:衛宮士郎 ◆BladeSUpsc :2007/05/04(金) 22:41:060

水の流れる音と俺の足音だけが木霊する。
明かりは松明と光苔のみというなんとも頼りないものである。

「山の中だと川を遡れと言うけど
 洞窟の中だとそうもいかないみたいだな……」

だって逆側は滝だし。
鯉や竜じゃあるまいし滝を遡るなんて芸当は
衛宮士郎には不可能だ。

「ってわけで一方通行。
 とりあえず洞窟の出口を目指さないと」

壁に備え付けてある松明を一つ取り
光を見るために歩き始めていると、

「―――――――――――ブるぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁう!!!!!」

――――殺気。

光を閉ざすための巨大な斧が俺に向かって振るわれていた。

「―――なっ」

殺される。
考えるよりも先に体が動く。
一閃を放った主が俺を真っ二つにするよりも早く
俺は全力で後ろに飛んでいた。

「クッ!!」

絶望的な破壊音。
石がバラバラと宙を舞い頬を打ちつけた。

「――――投影、開始トレース オン……!」

イメージするのは白黒の双子剣。
手に現れたのはあいつの双剣。
陽剣干将・陰剣莫耶。

「なにすんだっ、てめえ!!」

立ち上がりながらそう叫んだ。

389 名前:衛宮士郎 ◆BladeSUpsc :2007/05/04(金) 22:42:060

>>388は>>386へのレス

【現在地:地下冥府】

390 名前:屍 十二:2007/05/04(金) 22:46:370

【屍 十二 vs イグニス】
>>381

「……ク、ソ、が!」

 喉から血を取り除き、呪いの言葉を吐き出す。

 一瞬とはいえ、呼吸を止められたのが致命的だった。
 過去の実験――その最終段階に於いて、屍の肉体にはある寄生生物の“種”が埋め込まれた。
 その寄生体は、人間の身体を乗っ取り、自らの物とする恐るべき生命体。
 死人兵士といえど、神経と肉体を内側から侵食する行為に抗う術は無い。

 だが、屍には身に付けた朽葉流忍術と、その秘伝とされる呼吸法があった。
 全身に“気”を巡らせ、集中させるその呼吸法は、寄生体の侵食を食い止める事が可能だったのだ。
 裏を返せば、それは呼吸法が無ければ肉体は何時乗っ取られてもおかしくはないという事。
 呼吸を止めたその瞬間、屍という意識は寄生体の中に呑み込まれ、消え失せる。

 刃と血が齎した呼吸の空白。そこを寄生体が見逃す道理は無かった。
 覚醒した寄生体は脳への執拗な侵攻を繰り返し、コントロールを握ろうとする。
 屍はそれを、呼吸法と精神力で捻じ伏せようと試みる。
 体内で行われるせめぎ合いに身体の自由は奪われ、既に痛みの感覚すら遠のいて来ている。

「――やってくれるじゃねェか、このアマ」

 震える腕で、残った一本のガンブレードをまるで鞘が其処に存在するかのように回し、納める。
 刃は相手の逆を向き、銃口すらも相手から外れた状態。
 そのまま屍は腰だめに銃把を握り締め、重心を落とす。

 何を思ったか、その姿勢は――居合いそのものだった。

「高く付くぜ、この代償はよ」

 屍が笑みを浮かべる。その不敵な笑みに錯乱した様子は無い。
 完全に自分の意識を保ったまま、この構えを取っているのだ。

「――来やがれ」

 動き出し、意識を散らせば内側の蟲どもが騒ぎ出す。

 ならば、取るべき手段はただ一つ。集中を乱さず、機会を待つ事だけだ。
 恐らくは、たった一度で、一瞬の機会を。

(場所:異端処刑場)

391 名前:麒麟 ◆TEKIajvYfQ :2007/05/04(金) 22:49:290

(十字刈夜 vs 麒麟/侵食地下神殿跡)

 光の届かぬ地下。
 如何なる神の為に造られたのかも判らぬこの地にて、金色の龍は白き狩人と対峙した。

 金色の龍は生命を否定する。生ある生命も、生なき生命も、分け隔てなく。

 息をつく暇も与えずに、麒麟は瓦礫に覆われた床を蹴り、跳躍。
 距離を詰め、狩人へと放つは、鋼をも斬り裂く龍尾の一閃。

 知られざる神の御許での、それが戦いの始まりを告げる鐘となった。

【死合場:侵食地下神殿跡】

392 名前:マリア・バルゼリート ◆AMIGOF7b.c :2007/05/04(金) 22:51:490

>>382

【宮本武蔵 VS マリア・バルゼリート 妖魔迎賓館】


「そっか」

武蔵の返答に、マリアも短く応える。
彼の答えは、取りも直さずマリアの思惑が成功していることを意味していた。
型の無い、我流ゆえにこそ可能な動きで、相手を翻弄し、勝機を見出す。
今やマリアの戦法は、その一点に特化している―――いや、せざるを得ない。

「実はね、私も初めてなんだ、アミーゴ」

そう、大事なのはここからだ、、、、、
如何にして相手の裏を掻き、思考を読み、その上を行くか。
そして、彼女の相棒コンパニエーロが、彼の魔人の肉を斬り裂く
イメージを、明確に持てるか。
その為には、信じなければならない。
これまで幾多の修羅場を潜り抜け、幾人もの人間を斬って来た自身を。
全ての闘いで、自身と共にあった相棒を。


しかし、そんな思惑とは裏腹に。
刀と刀との打ち合いとしては余りに異様なこの状況から、
いち早く適応し先に手を打ったのは、武蔵のほうだった。

最小限の動きで、武蔵は小刀を高く放り上げる。
狙いは、マリアの頭頂部―――言うまでもなく、致命の一刀だ。
しかして受ければ、避ければ、マリアは自ら大きな隙を作ってしまう。
その瞬間に、彼女は武蔵の一撃によって斬り捨てられる。

ならば―――


マリアの腰が、沈み込んだ。
そのまま振り向くことなく、両足を後方―――
すなわち、武蔵の股下、、へと、繰り出す。
そして、両の爪先が接地したと同時に、マリアは全身のバネを利用して
上半身を両足の存在する方に引き戻す。
そうして、まるで蛇のように、マリアは武蔵の股下をくぐり抜けた、、、、、、

かくして再び、マリアは武蔵の正面へと舞い戻る。
相手は一刀を手放した状態、自らは、二刀を保持したままに。


「これが本当の、『裏をかく』―――ってヤツかな?」


左下段。そして、右上段。
上下から挟み込むような二つの銀光が、迸る。

393 名前:リア・ド・ボーモン ◆Poesie/ZHU :2007/05/04(金) 22:52:070

>>384
《リア・ド・ボーモンVSメタルアルカイザー/侵食禁呪蔵書庫》


「成る程―――問いかけに出逢ったのね」

 信念を揺るがす問いかけ程厄介な物はない。
 顧みないうちはうちはいいのだ。振り向かないうちはいいのだ。
己が信念こそ真実―――そう堅く信じて疑わないうちは、縦令
凡人であろうとも、英雄のような力を発揮できる。
 厄介なのは―――迷った時だ。
 正しさとは何か。
 強さとは何か。
 信念とは何か―――。
 考えれば考えるほどわからなくなる。問いかければ問いかけた
だけ深みに嵌る。駆け抜けていたはずの一本道は、気づけば
二股道、十字路、三叉路―――ついには迷宮となる。
 そうなれば迷いのうちで足踏みし、一歩も踏み出せず。
 悩めるハムレットのごとく、心象の中を行きつ戻りつするだけ。

「しかし、貴方は答えを得た―――成る程、遡行さえ叶わぬ
観念の迷宮を突破した。内なる命題に対し、他者を基点とする
ことで以って止揚する―――それは、魂の高みに登る道よ。
方途は違えど同じ階梯を登る道と打ち合う事になるとは、
成る程、神の諧謔もここに極まったわ」

 最早この剣士は迷わないだろう。
 そう思いつ―――

「では―――貴方を止揚して、私も高みに登るとしましょう」

 床を蹴る。
 脚力のみの成果にあらず。全身で以って床を押し出す。
 石畳を半ば擦るように姿勢を下げて―――走るというより、
床を壁に見立てて駆け上るイメージ。
 リアは三度疾風と化した。

「―――瞬きを調べに血(sang)の音裂を!」

 右手一本―――隻腕で以って、トートの剣を掲げる。

「 ―――冴えを鼓動に剣(sabre)の音裂を! 」

 音裂―――先程放った、切れ味を持つ詩の刃である。
 先は地雷に近い方法で以って用いたが、今回は本来の
用途で以って用いる―――即ち、遠距離からの散弾として。

「Sを成せ! 即ち報復(sanction)のSを!」

 詩が猛る。迸り爆ぜる。
 不可視の詩情の刃が両脇の書架に顎を立て、斬り、裂き、
穿ち、蹂躙していく。千々に裂かれた無数の魔書が、薔薇の
花弁のごとくに空間を満たし、風景を塞ぐ。
 連続する轟音。

「スフィンクス(sphinx)の―――Sをッ!!」

 判っている。これであの黒甲冑は倒せない。
 だいいちが威力がない。音裂は音を媒介にした詩である故、
距離の二乗に反比例して威力を落としていく。
 ―――しかし、それでいい。

 魔力を帯びた音に切り裂かれる事によって、魔道書の群れは
静電気のような魔力の火花を散らしている。これはつまり、
霊的な―――或いは魔的な力が空間に満ちているということだ。
加えて、塞がれる視界と聴覚―――。
 リアは音裂を、ジャミングを兼ねた弾幕として使ったのだ。
 その弾幕を盾に、突っ込む。

 完全に外界からの情報が絶たれた場合、あの慎重な黒甲冑は、
おそらく動きを止める。知覚できる領域を極端に狭め、待ちに
徹して奇襲に備えるはずだ。
 それが狙いだ。

 狭まっていく相対距離。
 風を巻いて粉塵と紙片の壁を破っていく。

「―――トートを、」

 三度、必殺。
 ただし次はない。すでに此方も黒甲冑も満身創痍。
 当たれば此方が勝つ。外れればあちらが勝つ―――。
 二度も己が用務を果たせなかったトートの剣の一撃は、今度
こそ意趣返しとばかり、勝負の幕を存分に下ろす事だろう!

「―――言祝げぇぇぇぇぇッ!」

 最後の一撃は刺突であった。
 単純、ゆえに最速―――リアの最も得意な技だ。
 偽装ではなく、実際に放つのは今回の闘いで初めてであるが―――
詩情の斬撃の威力を上乗せさせたリアの突きの威力は、まさに人語に
尽くしがたく―――。



394 名前:リア・ド・ボーモン ◆Poesie/ZHU :2007/05/04(金) 22:52:220


 但し。
 リアは刺突を。
  、 、 、、 、
 書架越しに、放った。



395 名前:リア・ド・ボーモン ◆Poesie/ZHU :2007/05/04(金) 22:53:090



 ―――疾走の途上、リアは書架のひとつを音裂で破り、一つ横の
列へと移動したのである。無論、弾幕の紗幕で慎重に、己の姿を
隠して。
 あとは空間感覚が頼りだ。                    、、 、 、
 黒甲冑の居た場所のすぐ横まで走りこみ、書架の向こうに居る筈の
黒甲冑を目掛け、突きを放ったのだ。
 トートの剣の全力の一撃である。分厚い書架でさえ、薄紙に等しい。
 乾坤一擲の一撃は―――雷鳴のごとく唸りを上げ。
 魔道書と樫の棚と空気とを平等に突き穿った。



396 名前:千羽烏月:2007/05/04(金) 22:55:260

>387

こちらの間合いの一足外から繰り出される刺突。
一、二、三、四――数えるのも馬鹿らしい。
さながら壁か大波のような密度の突きなど、受けても捌いても手が追いつかないのだ。
技量の差は歴然、ならば。

右の足を引いて半身に、担いでいた刀身を胸前に。
目を凝らす。
幾ら壁の如きとは言え得物は薄い刃、連ねても隙間は出来る。
背中から零れる赤い糸を引いて、薄紙のように見えるそこへ身を投じた。

頬が熱い。浮かぶ赤い線。
左腕が熱い。千切れ飛ぶ制服と血。
腹部が熱い。首筋が熱い、背中が熱い、額が熱い。
大きな刀が手当たり次第に体を掠め、血を肉を、身に付けた制服を持っていく。

これではただの捨て身だ。

私の間合いに届くと同時にまたしても突き。
その前に、畳んだ左腕を差し出した。
貫かれる。前腕、上腕諸共に。
辛うじてその切っ先が胴に届く前に、腰を捻る。

左腕で大刀を絡め取り、引き絞った右腕で放つのは突き。
徒手では遠い、私の間合い。

【魔導研究棟にて】

397 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/05/04(金) 22:59:410

≪第二回戦 導入≫

―――悪魔城侵食庭園。
数刻前の戦いとは打って変わって、静寂が支配する空間となっていた。
あまりの静けさに、自分の内側から聞こえる音で耳が痛くなってくる。
「鋼牙、その足で歩けそうか?」
「甘く見るな。……と言いたい所だが、全力で走るのは無理だな」
鋼牙は、冷静にデスマスクに与えられた傷の深さと、応急処置の程度を検分した。
幾ら魔戒騎士が尋常ならざる精神力を持っていたとしても、痛みという危険信号を無視して動き回るのは逆効果といえよう。

(>>331)
会話の後、鋼牙とザルバは浮遊感を感じた。
例えるならば、1階から200階までを1分で結ぶ高速エレベーターに乗ったような感覚。

次の瞬間には、鋼牙たちは古代のコロッセオの如き場所に立っていた。
気付けば足の痛みも引いている。これならば全速力を出すことも無理ではないだろう。
観客席を埋めつくすのは、白骨の群れと異形の群れ。

「しかし……こいつはまた悪趣味だな」
「……まったくだ」

主人を狙ってきた者同士の戦いを、飛び散る血を、噴き出す肉を、細切れになる骨を
見たくて仕方が無いといったモンスターたちが歓声を上げる。

「下手をすりゃ乱入上等って感じだぜ、こいつら」
「その時はまとめて相手をするだけだ」

鋼牙は鞘に収めた魔戒剣を握り締めた。向こう側に居る、対戦相手を睨み付けながら。

398 名前:魔王バラモス:2007/05/04(金) 23:03:380

魔王バラモス対冴島鋼牙&魔導輪ザルバ導入

>>397
歓声と言うには禍々しい声が響く。
この地は闘技場。
殺戮を見せ物にする狂気の遊技場であり、闘技者を殺せと期待に満ちた声が響くような場である。
ある種当然の歪みではあった、が。

それだけでは言い表せないモノがここには渦巻いていた。
それもその筈、観客さえが魔物で充ち満ちているのだから。

しかし、それさえが一切の沈黙に包まれた。
戦いの最中にある壇上を遙かに上回る魔力が満ち始めたのだ。
それは空間を歪めて徐々に本体を露わにする。

端的に言えば丸まると太った巨大な直立トカゲが、豪奢な衣服と宝石に包まれていると言ったところか。
失笑モノのその姿に、戦いの最中にあった二匹の魔物は沈黙でしか応えられなかった。
それは、

ぶうんと腕が無造作に振りかざされる

彼らを遙かに、

粉々になって飛び散る魔物

凌駕する魔であったからだ。

399 名前:十字刈夜:2007/05/04(金) 23:04:030

>>391【十字刈夜 vs 麒麟/侵食地下神殿跡】

ギリシア様はドーリア様式。無骨な、だが勇壮この上ない大理石の
成れの果て。白化し、見向きも去れなくなった珊瑚礁を思わせる。
侵食され、忘れ去られ…その栄華の陰を偲ぶ事すら許されぬ、この世の果て。

刈夜はスレイヤー、夜族を狩るものだ。
十字刈夜。性は女性、身の丈180を超える女丈夫。但し、17歳。
腰の辺りの位置で倒壊した大理石に腰掛け、踝まである流々たる流れ──
煌きの白髪を手隙に漉いていた。
姿はあたかも琴を爪弾くオルフェウス。純な愛の女神、ヘラが狂わんばかりの美がそこに。

だが、顔をあげ、その眼の鋭さを見るにつけて!
分類上アクテオン(処女神の裸体を見た咎で獣に身を落とされた者)の二の舞は御免とばかりに
そそくさと立ち去る様な…彼女はそんな代物である。

そんな彼女の此度の旅は。覇王復活により、沸き立つ不死者の共同体その名をば【兇座】。
それをあべこべに打ち滅ぼすための手管としての余興への参加であった。
───どのような者が相手であれ殺す、、、、否、滅ぼす。刈夜の決意は常に固いものであった。
さて、今宵の刈夜の相手とは……


来る。
────刹那の殺気。隠そうともせぬ潔さ。
例えるのなら、鍛えこまれた脚部による暁の流れ星。
それでも刈夜は立ち上がらぬ。銀の流れ、命たる髪に触れていた、細りとした指には
何時のまにやら、お馴染み”おりはるこん”の刃。彼女の上背を更に超える長得物。
大地に突き立て此処で立ち、びゅう!とぞ一度に振り上げる。
その様、師走の朝に煌く霜柱の様に美麗・目敏く鮮烈に。

400 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/05/04(金) 23:11:010

>>393-395



「成る程―――問いかけに出逢ったのね」


 ビジョンの回廊/リアの言葉がゆっくりと歩いてくる。
 無言で頷く―――無数の問いかけと正対してきた証明。


「しかし、貴方は答えを得た―――成る程、遡行さえ叶わぬ
観念の迷宮を突破した。内なる命題に対し、他者を基点とする
ことで以って止揚する―――それは、魂の高みに登る道よ。
方途は違えど同じ階梯を登る道と打ち合う事になるとは、
成る程、神の諧謔もここに極まったわ」


 彼女もまた同じものを目指している/形は違えども形無きは同じ。
 故に、闘う/衝突/互いをぶつけ合う。
 その先に死が待とうとも、恐れはない=自らの道に殉ずる確信と歓喜がそれを超える。
 お互いの道/未知に在るものを求めるために。
 生を捨て/死を得/死を超える。


「では―――貴方を止揚して、私も高みに登るとしましょう」


「―――応」

 呟きで応じ、センサーを開放した。
 高速で移動するリア/姿勢は低く/掲げられる剣。


 叫びが高らかに響く。
 音韻で重ね奉られるS=音の刃を生む呪文。
 炸裂する刃/不可視の音/必殺の詩。


 刃が走る/切り裂く/切り裂く/書を切り裂く/舞い散る紙片。

 轟音/魔力の擾乱/視界と感覚を失う=意味的な盲目。

 動かない/音律の刃が傷をつける/動かない。


 書架が爆ぜる―――動いた。




401 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/05/04(金) 23:12:050

>>400



 行動/一歩を踏む/スラスター点火/高速旋回―――刃が突き出される/回避/背中を


抉り取る/スラスターの爆発=損壊/完全な使用不能/衝撃が加速/さらなる高速の回転


/衝撃による思考領域の麻痺/入力された行動は自動で実行/両手で剣を握り/足で弧を


描き/刃で月を刻む/爆発の煌き/炸裂の輝き/刀身が煌く/月光の如く―――放たれる


書架を挟む一撃/神速の横薙ぎ/横に両断される/書架がその剣圧で吹き飛ぶ/本が舞い


散る/木片が弾ける/突風が全てを吹き飛ばす。





 ―――出現する人影=リア・ド・ボーモンの姿。




 刃を振り切った体勢で、私はその姿を見ていた。

 ぎりぎりまで引きつけての反撃/背中がほとんど抉られることを代償として。

 振り切った刃―――尊き幽玄の血が露になっていた。

402 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/05/04(金) 23:13:060

>>398
目の前の場内で起きたのは。
興奮に当てられたのか、じゃれあっていた二体の魔物が、巨大な存在によって粉砕される光景。

それは、まるで鳥や爬虫類を猥雑に、かつ醜悪に混ぜこんだような存在であった。

「気を付けろ鋼牙! あいつの邪気はそこいらの魔物の比ではないぞ!」
ザルバの剣幕に、思わず左手を眼前に持ってきてしまう。
「だが、退く訳にもいかないだろう!」

再び前方を睨み付けると同時に、闘技場内に向かって飛翔する。
鋼牙の姿を認めた観客たちが、わぁぁっ、と歓声を上げる。

殺せ! 殺せ! 殺せ!

いや、これは歓声ではない。歓喜の声だ。

「我が名は黄金騎士ガロ! 全力を持って相手する!」
鋼牙はシュプレヒコールを打ち破る、力強い名乗りを挙げた。

403 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/04(金) 23:15:030

>>396

 決死の行軍。
 絶死の行軍。

 その果てに待っていたのは――死。

 だが彼女は生き残る。

 そして次は私のターン。
 ドローしたカードは死神デス

 ずっと私のターン――それは甘い幻想<幻葬>で。

 触れられる、形ある死は私目掛けて一直線に迫り来る。
 されども、これはこれで好機。
 避ける事ができたならば――必倒の一撃を見舞えるだろう。


   迫り来る太刀。
           /紙一重――神一重の攻防を。

 その行き先は迷う事なく生命の根源へ。
                         /目視に耐えぬなら黙視せよ。

       黒薔薇が見るも無残に散っていく。
                            /全神経を集中し全身――軽と作動せよ。

            真紅の糸は解れ、破れ、引き千切られ。
                                     /されば心技は神技とならん。


 冷艶鋸を握る左手を離し、もう一度交差法<砲>。
 腹部を狙う氣をこめた抜き手。

 肌の露出などは気にならぬ。
 私は一騎当千を掲げた武神なり――!

404 名前:宮本武蔵:2007/05/04(金) 23:22:120

【宮本武蔵 対 マリア・バルゼリート 妖魔迎賓館】
>>392

 閃、また閃。左右の光が彩目の剣紋をえがく。――二刀の舞だ。
 武蔵の一撃一撃を豪壮と評するなら、少女のそれは華麗である。形は相反すれど、一歩も
譲らぬ点だけが共通項としてある。


 血風が二人の間を繋いだ。
 今、その華麗なる二剣は、再び「相対」した武蔵を斬った。――完全にではなかったにしろ、
仰け反りながら武蔵は斬られた。
 新たな朱線を着流しに刻みつつ、その仰け反る勢いを逆に利して武蔵の体は翻転した。

 この間、狙いを外されて落ちかかる小刀を、武蔵はむんずと引っ掴んでいる。
 当然のように柄を捉え、逆手握りの構えに移行している辺り、さすがに端倪を許さない。

 そして一回転した武蔵の体そのものは横薙ぎの剣となり――見よ、猶も止まらぬ回転は、
左の小刀をも敵手へ薙ぎつけた!
 例えこの一刀をかわそうが、防御のみを担当していた筈の小刀は、運動力学上の旋回に
導かれ、今ひと度の攻撃の剣と化す。
 一をかわしても二が襲う。斯道に謳われた二刀流が真骨頂であった。
 

405 名前:魔王バラモス:2007/05/04(金) 23:22:200

【魔王バラモス対冴島鋼牙&魔導輪ザルバ】

>>402
「このゴミどもではあまりに手応えのない。
 ……が、ゾーマ様が間違いを犯されるはずもなかったか」

ぼそりと呟きながら新たな侵入者を睥睨する。
黄金色の戦士。
まさか見かけ倒しではあるまい。

「名を名乗るか。
 そなたはゴミにしては出来るようじゃな。
 我が名はバラモス!
 数多の世界を闇で覆わんとする大魔王よ!」

鋼牙に応えるかのように、バラモスは歓声さえ押しつぶす咆吼を響かせた。

406 名前:バルバトス・ゲーティア ◆8mvwr0Nrxk :2007/05/04(金) 23:24:060

>>388

バルバトスが放った一閃は、少年ではなく、岩を破壊したようであった。
破壊された岩は原型を留めずに無残にもバラバラになり、宙へと舞う。
もし、この一撃を受けていたら、少年は確実に挽肉と化していたに違いない。

しかし少年の持つ動物的勘からか、間一髪のところで攻撃を避ける。



やはりバルバトスの予想して通り、ただものではないようである。
少年は昌術を唱えるかのように、何か呟いている。


そして少年はなんと、白黒の双剣を手にしていた。
いったい何が起きたのか、バルバトスは一瞬、思考処理に戸惑うものの、
こちらに向ってくる敵を前にして、そうのような事を考えている暇はない。
これが奴の武器かと、そうとしか思っていないのだ。




『なにすんだっ、てめえ!!』

そう叫びながら少年は疾風の如く速さでこちらに接近してくる。

バルバトスは戦斧を力強く、轟、と横に振りまわし、旋風を巻き起こす。
風圧に押されてか、少年の動きな鈍くなる。
その時、バルバトスは少年との距離を一瞬にして縮め、図太く鍛え上げられた脚を少年の腹部へと蹴り付けた。


少年はその一撃くらい、数十センチ蹴り飛ばされ地面へと伏せる。

内臓が破裂しそうな痛みに顔を歪ませるが、痛みに耐え、脚をふらつかせながら
再び立ち上がろうとする。
その光景を目にし、バルバトスは顔をにやつかせる。


「・・・ほう、俺の一撃をまともに受けて立てらるか。そうだ、それでいい。そうこなければなんの楽しみもない。
よし、俺の渇きを癒せるのは貴様なのか確かめてやる。失望させてくれるなよ?」



するとバルバトスは何か呪文のようなものを唱え始めた。
今、肌で感じ取れるだろうがバルバトスの周りにはすさまじい何かの力が集まってきている。
そのちからとは昌力、すなわちこの力を集うということは昌術を使うということだろう。
それも強力な術を。


「さあ、我が術の一つ、とくと見せよう!!」


バルバトスが詠唱を終えた、その瞬間。



――――――――――――――――――灼熱のバーンストライク!!!――――――――――――――――――



少年の頭上から、火を纏った岩石が降り注ごうとしていた!

【現在地:地下冥府】


407 名前:麒麟 ◆TEKIajvYfQ :2007/05/04(金) 23:29:010

>>399
(十字刈夜 vs 麒麟/侵食地下神殿跡)

 闇の中、金と銀の閃光が交差する。

 床に降り立ち、ここで初めて麒麟は自身と対峙する存在へと眼を向けた。

 全てが白く、研かれたばかりの刀剣を思わせる、曇り一つない輝き。
 自身の上背すら越える得物さえ、輝きに満ちていた。

 人ならば。
 人ならば、その輝きに眼が眩んだであろう。
 人ならば、その美しさに眼を奪われたであろう。
 そう。人ならば。

 だが。麒麟は人に在って人に非ず。
 人の枠を超えた、殺戮の嵐。破壊の化身。
 生ある者を討ち、形ある物を砕く。

 一拍で間合いを詰め、白銀の狩人へ、嵐の如き龍尾の乱打を放った。

【死合場:侵食地下神殿跡】

408 名前:イグニス ◆IgnisC3BW6 :2007/05/04(金) 23:30:190

>>390

「――ふん」

 処刑具、というよりはすでに残骸になりかけている代物から身体を起こす。
 血の混じった唾液を吐き捨てながら、イグニスは追撃に来るであろう男の姿を探す――が。

(――追ってこない?)

 それどころか、腰を落とし、刃を納め、迎え撃つかのようなこの姿勢――

「――居合い、だと?」

 思わず声に出す。
 つい先刻までの苛烈な攻めとは一転し、完全な受けの姿勢。
 そして、それ故に厄介だった。もともと居合いとは後の先による必殺の一刀。刹那に放たれる刃の即kどは、イグニスとて
その使い手である以上、十分に知悉している。そして――それに加えて、鎧すらものともしない膂力が加われば、正面から
回避する事など到底不可能だった。

 挙げ句、イグニスの手には剣がない。己の剣は、探せばそこいらに転がっているのだろうが――わざわざその時間を与えて
くれるほど、奴にしても、余裕があるとも思えなかった。背を見せたが最後――如何なる手を用いてでも確実に仕留めに
来る。その確信がある。

 ――故に、イグニスは前に出た(・・・・)

 奴が完全に居合いの体勢に入っているのならば、その刃圏に入る込むまでは決して動かない。
 それを前提として策を練る。

 身に纏っていた紅いコートから袖を抜き、整った体躯が露わになる。
 そして右手には、コートの襟。
 左手には投擲に特化した黒塗りの刃――あたかも蝙蝠を思わせる造形をしたそれを、月牙という――が二刀。指の
隙間に挟むように握り込む。太ももに括り付けられた残りの月牙は、六本。

 そしてそのまま、歩みを走りに変えて、頑強な要塞と化した男との距離を一気に詰めようとする。
 地力ではとうてい及ばない、敵。
 ならば自分は、小狡く手数でその溝を埋めるだけだ――

 その手始めとして、まず左手の月牙を、すくい上げるように男へと投擲する。

【場所:異端処刑場】

409 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/05/04(金) 23:33:480

>>405
「このゴミどもではあまりに手応えのない。
 ……が、ゾーマ様が間違いを犯されるはずもなかったか」

巨大な魔物が人間の言葉で喋った。

「……なんというか、新鮮だな。人間の言葉を喋る魔物というのは」
「言ってる場合か」

「名を名乗るか。
 そなたはゴミにしては出来るようじゃな。
 我が名はバラモス!
 数多の世界を闇で覆わんとする大魔王よ!」

魔王。大魔王と来たか。
バラモスの咆哮を断ち切るように鈴の音のような音を響かせて、鋼牙は抜剣した。
「―――悪いが、こちらには魔王に怯える理由も道理もない」

魔戒騎士は魔を討つが定め。
魔に怯える情念など、既に断ち切っている!

鋼牙は疾駆し、バラモスの足を狙い斬り付ける。
デカブツを相手にする時のセオリー通りに。

【場所:侵食煉獄闘技場】



410 名前:リア・ド・ボーモン ◆Poesie/ZHU :2007/05/04(金) 23:39:160

>>400-401


 ―――勝った。

 苦しい戦いだった。険しい道程だった―――しかし、リア・ド・
ボーモンは、ついにその手の中に勝利を収めた。勇猛果敢にして
剣腕華麗、強力無双なる黒甲冑を下し―――ここにリアは、真の
魂の高み、真の気高さへと至ったのだ。
 濛々と立ち込める煙の中に佇立するリアの姿は―――
 揺ぎ無い。
 アダプトの位階に至ったリアの霊魂は、いかなる物理的制約に
大しても効力を発揮する。真に輝ける魂は、もはや刃で持って
傷つける事はできないのだ。もはや今のリアに敵は居ない。いかな
強敵、いかな艱難辛苦が立ちはだかろうとも―――運命絶つトートの
神のごとき冴えで以って、一瞬の内に斬って捨てるだろう。
 とかく―――

 リアは矯めつ眇めつ―――周囲に視線を流す。
 あれほどの大書庫が、すでに半壊している。貴重な魔蔵書の
群れが、ことごとく襤褸切れとなっている。言葉を返すが、やはり
険しい闘いであったのだ。
 そうして―――。
 その最中。
 黒甲冑の騎士が、倒れ臥していた。

 すでに動けないようだ。おそらくは人間で言うところの筋肉に相当
する機関に、非常なダメージを受けている。
 リアは彼の傍らに立つ。
 止めを刺すなのだろう。己を高みに導いた相手に敬意を表わし、
トートの剣の一閃で以って―――。

「黒甲冑の騎士よ」

 コーラルピンクの唇を破って、そう呟き―――。
  、 、 、、 、 、
 左手に持った鞘に、トートの剣を収めた。

「どうやら―――私の負けよ」

 ―――見れば。
 リアの身体には傷がない。あれほどの激戦の後だというのに、黒甲冑
が遺したはずの傷跡が、一つもない。ばかりか、拉げたはずの左腕さえ、
元の美しい造詣を取り戻していた。
 これは偏に、これが先ほどまで戦っていたリアの身体ではなく、拠代
となった弟―――デオン・ド・ボーモンの体である証左だ。

 リアの―――霊の血肉は。
 滅んだのだ。

 天井の高みにある明り取りの窓から、ざぁ、と月が刺す。斜めに落ちた
柔らかな光は、艶やかなリアの髪に弾かれて雫のように跳ねた。
 そうして、リアは花のように笑って―――。

「―――この身体を我が最愛の弟、デオン・ド・ボーモンに返上する」

 そう云ったきり―――倒れこんだ。

 廃墟と化して静謐をたたえる書庫の一隅で、青いローブ・ヴォラントが
薔薇のごとくに広がっている。光沢のあるボイル素材なので、あるいは
朝露に塗れたブリティッシュローズに例える事もできようか。
 こうして―――詩狩人と黒甲冑の騎士との。
 余人には知られざる決闘は―――静かに静かに幕を下ろしたのだ。


【リア・ド・ボーモン(霊魂)―――消滅】
【デオン・ド・ボーモン―――気を失ってはいるが健在。ただし戦力とはならず】

411 名前:千羽烏月:2007/05/04(金) 23:43:560

>403

左腕が重くなる。
ず、と食い込んだ刃が動く。
手を離した――そう判ずるより、相手の後の先の始動が速い。
的は伸び切って晒した胴、心地良いほどに真っ直ぐで容赦がない。

だが、これは二度目だ。

突き込んだ太刀はそのまま、踏み込んだ右足を引く事で半身に。
掠めた抜き手が、刃の瀑布によって襤褸切れにされた制服をごっそりと持っていく。
但し服だけ。
血に塗れた上体が晒されようと、戸惑いも羞恥も既に捨てた。

引いた分の間合いは、相手の一歩で相殺。
従って、其処は私の刃圏の内だ。

後ろに下がる勢いに腰の回転を乗せ、線から円へ。
突きから払いに転じた時、左腕の大刀が嫌な音を立てて骨を削り抜け落ちた。
だが、一度では止まらない。
二重に三重に、十重に二十重に。

【魔導研究棟にて】

412 名前:十字刈夜:2007/05/04(金) 23:44:360

>>407 【十字刈夜 vs 麒麟/侵食地下神殿跡】
地より這い出でる刃は猛き一撃に枯れ。
お互い立位、一息、刈夜は柱の多き神殿へと飛び退る。
されど彼は追いすがる、迫る、岩の様に脚、長柄の間合いには無く強かに乱打/仰け反り
浴びせられ……
口唇から朱を吹く/軋む肉体の哀れさ。刃の浮力、おりはるこんの力により──
重力/無効→離脱する力学───等速直線:殴打の超屯=退く力
ついぞ目的、闇の神殿に身を投じ。地に刃をつけその威で滑走。つまりは闘争。
反撃なるか、奔走。
昏き中でその天の川、艶やかな髪は何故か常以上に眩く目立ち、柱柱にひっかかりては
彼女の所在を伝えては居た。

413 名前:魔王バラモス:2007/05/04(金) 23:49:030

【魔王バラモス対冴島鋼牙&魔導輪ザルバ 侵食闘技場にて】

>>409
畏れる様子も見せずに趨る、魔戒騎士。
それは蛮勇か否か。

「なればその身の程知らずに、恐怖というモノを刻んでくれよう。
 もっとも、刻む身が残って居ればよいのじゃがな!」

いかにも巨大で鈍重そうなその足下。
足を傷つけ地に伏せば、首を落とすのも容易いだろう。

バラモスは巨体を揺すり、

剣閃が迫る

その体躯がまるで空気であるかのように飛び上がり、

空を切る剣

その巨腕を魔戒騎士目掛けて叩き付けた。

414 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/05/04(金) 23:53:510

>>410




 刃を振り切り、ゆっくりと倒れこむ騎士の姿―――しかし、膝をついていなかった。
 思考回路が強制的にシャットダウンする刹那、剣を床に突き立てている。
 それこそが、全ての戦いを終えたものに対する礼儀であるかのように。

 リアだった者は全ての傷を忘れ、始めに在った姿のままで眠っている。
 それは、霊体憑依者だった相手の死を意味すること―――

「……勝った、か」

 その死を背負い、私は再起動したシステムで呟いた。
 駆動状況/ほぼ半壊/戦闘能力は零/かろうじて歩けるかどうかという大損傷。
 だが、生きている。死を以って死を超える/生を得たことを実感する。

 軋む鋼を無理に動かす/直立させる/まるで下手な人形劇。
 それでもなお動く/刃を収める/右腕をゆっくりと敬礼の形へ。

  リア・ド・ボーモンは風になった。

 奇妙な喪失感/郷愁/友愛の念があった―――それゆえの行動。
 彼女が居たという痕跡/詩剣だけが全てを知っていた。

 私も、全てを忘れぬために深く深く記憶した。


 彼女との戦い―――その全てを。
 得たものを、死と悲しみ、歓喜と共に掻き抱いて。






《リア・ド・ボーモンVSメタルアルカイザー/侵食禁呪蔵書庫》

 第二回戦

○ メタルアルカイザー/重症を負いながらも勝利=決勝戦へ

● リア・ド・ボーモン/消滅―――弟デオンは健在

415 名前:屍 十二:2007/05/05(土) 00:02:090

【屍 十二 vs イグニス】
>>408

 居合いの構えを取った所で、走らせるべき鞘は無い。
 それ所か、利点である刃圏の撹乱も全く意味を成さない。
 屍の構えは、無駄の塊だった。

(――ヘッ、それでいいんだ)

 だが、熟練の者であればある程、その深みに嵌まる。
 無駄だらけの構えには意味が隠されており、こちらには策がある。
 そう思い動きを鈍らせる――ここまでは予定通り。

 後は、こちらの打つ一手次第。賽の目は、どう転ぶか。

 敵手が動く。音と大気の動きからして、小剣の投擲。

(後は――どうにでも、なりやがれッ!)

 それに応じてマガジン・キャッチを操作。ロックを解除。
 届かぬと知りながら刃を振り抜く。
 留める物を失った空のマガジンは、その勢いに任せて、弾丸の如く宙を飛ぶ。

 丁度、短剣と交差する形で弾倉が擦れ違う。
 短剣は屍の身体に突き刺さる。痛みが無い。既にそれも消えつつある。
 他人の物のように重い体へ、最後の叱咤。
 あれはまだ布石に過ぎない。この程度で止まってはならない。

 丹田の奥底から“気”を搾り出し、ガンブレードに伝える。
 そして、淀み無く手首を返しての切り返しを振るう。
 今度の刃は――届く刃だ。

「逝き……晒せェッ!」

 刃の軌跡、その延長線上にある物全てを断ち切る――朽葉流・次元刀。
 攻撃に回せる“気”は、これが最後。
 下手をすれば自己の防衛すら不可能になるかもしれない。

 正しく、イチかバチかの賭けだった。

(場所:異端処刑場)

416 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/05(土) 00:02:500

>>411

 外しただけならばまだよかった。
 そう――外しただけならば仕切りなおす事も可能だった。

 それなのに彼女は、進む。邁進する。
 愚直なまでの進行――進攻。

 二重三重四重――数えるのも馬鹿らしくなる結界<結壊>が編まれていく。
 攻めに転じる隙はなく、好機を探るために避け続ける。

 例えるならばそれは舞踏<武踏>。
 静止<生死>した舞踏だからこそ――壮絶で、悲惨で、無残で、美しい。

 黒薔薇はまた散っていく。
 赤地の光沢ある布は弾け飛ぶ。
 深く切り込まれたスリットは、より一掃深さを増す。

 日に焼けた肌に浮かぶ紅い蛇。
 首筋から胸を伝い、腹部を撫でて太ももが濡れる。

 もはや赤の生地は黒く、それでいて鮮烈な色を放ち、その芳香は主が為に打ち立てた操の倒壊を
望んでいるように、死を誘う。
 されども退く事はできない。


 退けば万夫不当の名を穢す。
 退けば万夫不当の名が墜ちる。


 ならば私も彼女のように進むのみ。
 このような嵐で私の行軍<攻群>を止める事はできない。

――彼の英傑が生み出した嵐よりは劣るのだから!

417 名前:衛宮士郎 ◆BladeSUpsc :2007/05/05(土) 00:03:560

【衛宮士郎vsバルバトス・ゲーティア】

>>406

男が戸惑いを見せる。
当然だ、この投影魔術は魔法の域に達しており
遠坂によれば「生きたままホルマリン漬け」にされるほど貴重だそうだ。

開いた距離を駆け抜ける。
やつの武器は巨大な斧であり、その重量は計り知れない。

ゆえにバーサーカーほどの俊敏さを持たないあいつには
俺の剣戟を受け止められるほど速くは剣を振れない。
無論バーサーカーほど速く振れていたのならさっきの奇襲で俺は既に砕け散っている。


しかし、それでも怪力は侮れないほどであった。

巻き起こる風に体が吹き飛ばされそうになる。
それに耐えようとその場に踏ん張った一瞬が
致命的な隙を作ってしまうことになった。

再び駆けようとした時には既に目の前に男が迫っていた。
そして次の瞬間、

「え……?」

そのまま重い蹴りを放ってきた。

「ぐっ――――!」

一メートルに届かないであれ
男の蹴りは強烈だった。
呼吸すれば意識が飛びそうなほどの痛みに耐えて立ち上がる。

「バーサーカーか、ランサーか……どっちかにしろってんだ」

独り言を呟く。
ただ助かったのはどちらにもこの男は届いていないということだろう。

……しかし、キャスターには届いていたのかもしれない。

「う……そ……だろ?」

空間転移か運命の介入か。
どちらにしろそれはすでに「魔法」の域に達していた。

―――諦めてたまるか。
それが質量を持った岩石ならより上の幻想を持って打ち砕く!

「――――投影、重装トレース フルタクル

それは弓兵としての一撃の再現。

「――――I am the bone of my sword.我が骨子は捻じれ狂う。

刹那を抜いて投影した剣を構える。

「―――“偽・螺旋剣”カラドボルグ

それを頭上の巨大な岩石に向かって投げた。

轟音を立てて崩壊する岩石。
それは小石単位までバラバラに砕け散り
纏った火が火傷を負わせる程度しか威力を持たなくなった。

「―――投影、再開……!トレース オン

再び現れる干将・莫耶。
それを持って至近距離まで迫った男に斬りかかった。

418 名前:麒麟 ◆TEKIajvYfQ :2007/05/05(土) 00:05:410

>>412
(十字刈夜 vs 麒麟/侵食地下神殿跡)

 折れ、砕けた石柱の海を、白銀の蛇が泳ぎ行く。
 担いだ長物をものともしない疾さ。

 狩人を追い、麒麟もまた、石柱の海へと身を躍らせる。

 何故追うのか。
 そこに生命があるが故。
 何故討つのか。
 それが生命であるが故。

 全ては、純粋なる殺意/無垢なる闘争本能の赴くままに。

【死合場:侵食地下神殿跡】

419 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/05/05(土) 00:09:500

>>413
「なればその身の程知らずに、恐怖というモノを刻んでくれよう。
 もっとも、刻む身が残って居ればよいのじゃがな!」

バラモスの巨体が、飛翔した。
浮き足を捉え切れず、魔戒剣は文字通り空を切った。

バラモスは自由落下の速度を上乗せした巨腕の一撃を、
鋼牙に叩きつけようとする。

「鋼牙!」
「騒ぐな!」

だが、鋼牙は心の中でザルバに感謝した。
もう一瞬遅ければ、トマトか柘榴の如くに頭部が弾けていただろうから。
左手に残したままの魔戒剣の鞘を、バラモスの豪腕にぶつけその反動に身を任せ、滑る!

8〜10m程後ろに滑りながら、鋼牙は上体を起こして立ち上がる。
「ザルバ、力を貸してくれ!」
「心得た!」
鋼牙は、魔戒剣にザルバの口を当てるようにして根元から刃先に向かって滑らせる。
火花と、研磨音が鳴り響く。

鋼牙が握っていた魔戒剣は、牙狼剣へと姿を変えていた。
威力を高め、一撃という一撃を極める。
我が剣は―――魔人を断つ剣なり。

【場所:侵食煉獄闘技場】

420 名前:マリア・バルゼリート ◆AMIGOF7b.c :2007/05/05(土) 00:11:190

>>404

【宮本武蔵 VS マリア・バルゼリート 妖魔迎賓館】


―――届いた。
この時初めて、マリアの刀が―――無双の剣豪を、斬り裂いた。
肉を断つ確かな手応えが、マリアの両手に伝わる。
しかし、その時マリアの抱いた感覚は、
歓喜でも、勝利の確信でもなく―――


(――――――違う、、


違和感。
そして、悪寒とも言うべき全身の震え。


(イメージと、違う!)


先刻しっかりと自らの全身に刻み付けた、
『ミャーモテ・ムサーシを斬る』というイメージ、、、、
言わばこの死合の完成予想図ともいうべきそれと、
目の前の光景が―――一致しないのだ。

(まだ、終わって―――)


武蔵の身体が、反転する。
マリアに斬りつけられ、仰け反った勢いをそのままに。
その様子は―――まるで回転する独楽のようだ。
ただし、それは―――外側に刃を括り付けられた、死を招く独楽。


ほんの一瞬の、反応の遅延。
それは、マリアに致命的とも言える結果をもたらす事になる。


ざん。


鈍い音と共に―――マリアの左腕が、宙に舞う。
褐色に色付いた、刀を持つ手とも思えぬしなやかな掌が。
装飾の付いた、舞踏服の袖が。
肘の部分からのぞく、綺麗な桃色の断面が。
ひらひらと―――回転しながら、吹っ飛んでいく。

結果的には、左下段から右上段へと流れていた左腕が、盾の役割を果たしていた。
もし、この腕が胴の横にあったなら、両腕ごとマリアの身体は上半身と下半身を分け離されて
絶命していただろう。
しかし、ここで彼女が生き延びた事は、果たして彼女にとって幸であるか、不幸であるか―――
それは未だ、誰にも分からない。


そして無常にも、武蔵の容赦なき攻めは未だ終わらない。
後手で掴んでいた、先程放り投げたはずの小刀による、二撃目が来る。

殆ど、奇跡とも呼べる所業だった。
人体の一部を失うという、余りに残酷で且つ激痛を伴う事態において、
マリアが未だ正気を保っていられたのは。
元来持ち合わせた胆力による物か、極限状態による脳内麻薬が痛みを消し去っていたのか―――

とにかく、迫り来る二撃目に、ついにマリアの反応が追いついた。
上体を逸らし、一撃目よりも間合の狭い、だが的確に急所を突いた刀を、紙一重で避ける。
しかしそれでも猶、見切り損ねた僅かな差が、マリアの舞踏服の胸元を切り裂いて過ぎていく。


ぼとっ。


肉の塊が、地面に落着する鈍い音。
横一文字に裂かれ、はらりと胸元の布地が捲れ、マリアの控えめな胸元が露わになる。

永遠に引き伸ばされた刹那が終焉を迎え。
そこで初めて、マリアは、悲鳴を上げた。

421 名前:千羽烏月:2007/05/05(土) 00:21:250

>416

刻むごとに遠い。
捉え切れない。
机を、舞った書類を、得体の知れない器具を悉く斬って。
その身に纏う服を刻み、皮一枚を刻むのみ。
初撃で見てはいたものの、厄介な事この上ない見切り。

ならば、させないまで。

刃金の渦は保ったまま、大きく裂けた左腕を回転に乗せて振り上げる。
それだけで、ごぼりと血が溢れた。
飛んでいく。
赤い雫が、相手の顔へ。

【魔導研究棟にて】

422 名前:十字刈夜:2007/05/05(土) 00:28:100

>>418【十字刈夜 vs 麒麟/侵食地下神殿跡】

絡まり合う髪ひるがえり、曖昧アベコベに駆けた刈夜は、建築物中央部で
突如勢いを止める。続けざま、左の腕を前方に突き出し強固に引く。
其方此方の柱に結った、か細い銀の髪は、はらはらと舞いたるそれは
ぴん、と傍立ち鋭く撓り…その針は すぅ、と4面より男を襲う。
足に巻きびし、釣り天井の様に注ぐ針。
捏造された針の蓆。

操る女、十字は男が来るのを待っている。やはり、無表情。
右手には、変わらずおりはるこんの十字剣…例によって大上段。
弧を張って大きく狙い定める。
飛出で来たところ、水月の間合いを奪い、両断に絶つ心積もりか。
…はたまた奇手か。

423 名前:魔王バラモス:2007/05/05(土) 00:28:180

【魔王バラモス対冴島鋼牙&魔導輪ザルバ 侵食闘技場にて】

>>419
叩き潰したとバラモスは殆ど確信していた。
人の身で、まさか己の一撃を防ぐなどとはあり得ないと。

その手応えは間違いなく、しかし確かに魔戒騎士はその一撃に耐えて見せた。
反動を受け流し、戦意を些かも失っていない。

「すばしっこいの。
 そなたは虫にも向いて居るようじゃ」

この相手は、触れれば消し飛ぶような人間ではない。
十分な敵に値しよう。

「虫けらは焼き払うとしようぞ!
 地獄の業火は我が手にあり!」

叫び声と共にバラモスの片手に魔力が収束し始める。
それは灼熱へと転化し、空気を焦がす。

「灰になるが良い!
 最大火炎呪文(メラゾーマ)!!」

人の身を丸ごと包むほどの火球が魔戒騎士目掛けて殺到した。

424 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/05(土) 00:32:240

>>421

 避ける。
 ただひたすらに避け続ける。
 一つ所に留まる事なく避け続ける。

 当たらなければどうという事はない。
 この身を引き裂いてなお余る一振りも。

 血刀<決闘>が私の神経を大いに昂らせ、一つの好機を死地に見出す。
 振るわれる左腕、その先にある雫の一つ一つを見分けられるほどの高揚<攻酔>。
 焦りからくる打開<打壊>策のつもりだろう。
 ならばそれを逆手に取るまで。

 ポタポタと顔を汚していく、ドロリとした液体。
 人肌の、生暖かく、独特の匂いが漂うそれが顔に降りかかる。
 顔だけではなく髪も汚され、その感覚に身震いする。

 幾らかは口へ。
 苦い味が口中に広がり、苦虫を噛み潰したような顔だろう。

 刃の軌跡を確認。

 視界<死界>を闇へと暗転。
 左手を眼に。

 黙視<黙死>の世界。

 死中に活ならぬ、死中の死。

 さあ――賭けてみろ。
 その業を。

425 名前:イグニス ◆IgnisC3BW6 :2007/05/05(土) 00:35:290

>>415

「――そう来たかっ!」

 思わず、声を上げていた――
 居合いの構えは、こちらを釣り上げるためのフェイク。
 間合いという盾は、”射程距離を伸ばす”という単純極まりない方法で無力化される。見えない刃。

 ――だが視える(・・・)

 距離が変わろうとも、圏の軌跡までは覆らない。
 如何な手段を用いようと、それが刃であるのなら、そのルールは変わらない。
 問題は、やはり距離だ。

 間合いを崩された。加速している自分。回避は、間に合わない――否。果たしてそれは、回避できるモノなのか。
 軌跡は分かる。距離も分かる。だが、範囲は。感じるのは、必殺必中を期した、濃厚な殺意。
 瞬間、避ける、という選択肢を放棄する。

 ――前へ(・・)進む(・・)

 不可視の死を目前にしても、イグニスはそれを恐れない。
 否。そうではない。

 それは、彼女にとって至極当然の事。

「……覚えておけ」

 見えざる刃と正面からぶつかるように、イグニスは前進する。
 右手のコートを振り上げて、その内側からひとつ、仕込まれていた何かをつかみ取る。
 銀色の四角いモノ。ジッポー・ライター。目視もせず、蓋を跳ね上げ、フリントホイールを三回転。火はつかない。
 火もつけず、そのまま、前方へと投げつける。

「死は――私だっ!」

 言い放って、己の視界を覆うように右手のコートを宙に放る。
 男から己の姿を遮るかのように広げられた紅いコート。

 瞬間。
 放り投げられたジッポーが、中空で爆発した。

 人も、モノも、そうでないモノも。
 何もかもを粉砕せんと、金属片とともに炎と衝撃波が、辺り構わずにまき散らされる――

【場所:異端処刑場】

426 名前:宮本武蔵:2007/05/05(土) 00:41:590

【宮本武蔵 対 マリア・バルゼリート 妖魔迎賓館】
>>420

 血という華を纏い、片腕を斬り落とされた少女の美しさはいよいよ艶やかに咲き誇る。
 ただし、それは余りにも奇怪極まりない美だ。
 無慚な少女の悲鳴にも、露わになった肌身にも無表情を崩さず、ただ武蔵の金茶色の双
眸のみが光を増した。


 大山が揺らぐように武蔵が一歩踏み込んだ時、斬撃ではない光芒が彼の両手を渡った。


 ――続けて切り込む武蔵の構えが、どこか違っている。
 防御の小刀を前に、攻撃の大刀を振り被る。この基本形は変わらず、だがその左右が入
れ替わっているのだ。
 小刀は右に、大刀は左に。――

 何たる怪技、曲芸師が手にした小道具を空中で行き来させるがごとく、体勢を入れ換えつ
つ、武蔵は左右の両刀をも持ち替えたのである。
 防御と攻撃の陣備えは転換した。のみならず、その間合いさえも。
 ただでさえ、左利きの剣士というものは相手に距離感を錯覚させる。それが死闘の渦中で
不意に訪れるとすれば、これは対戦者にとって恐るべき魔剣といえよう。

 たとい相手が片腕のない少女であろうが、敵たる以上は全力を以ってこれを討つ。
 豪のみならず妖も兼ね備えた、魔人武蔵をして獅子搏兎の秘剣は、電光となって襲来した。
 

427 名前:千羽烏月:2007/05/05(土) 00:49:480

>424

掛かった。

そう見えた。
だが、念には念を押す。

背を向けて円舞を止める。
間を置かず、そのまま背中からぶつかるように後ろへ飛ぶ。
中空で逆手に持ち直した太刀の切っ先は倒すべき相手へ。

自らの体を第二の遮蔽として、突く。
躊躇い無く。

【魔導研究棟にて】

428 名前:麒麟 ◆TEKIajvYfQ :2007/05/05(土) 01:04:060

>>422
(十字刈夜 vs 麒麟/侵食地下神殿跡)

 突如、狩人が足を止め、振り返る。
 間合いは二拍、何となれば一拍でも詰められる間合い。
 左手を突き出し、引き絞るかのような動作。
 瞬間、無数の銀の針が四方から麒麟を襲った。

 床を蹴り、跳躍。そして――――無数の針の内、間近に迫った一本を“足場にして”、更なる跳躍。

 大上段に構える狩人に向け、無言なれど、裂帛の気合にて放つは、龍尾の一閃――否、ニ閃。

 麒麟の放つ“気”によって生み出されし映し身とともに、彗星の如き輝きが、狩人へと向かって行った。

【死合場:侵食地下神殿跡】

429 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/05(土) 01:06:450

>>427

 晒された素肌は夜気に直接触れ、仕合<死合>の中で生まれた熱が奪われていく。
 風が体の到るところを撫で、露出した部分に冷気を運ぶ。

――非常に心地よい。

 これこそが戦いの中の憩い。
 緊張<禁弔>と弛緩<死貫>が生まれる刹那。

 緩んだ大気に混じる、彼女の殺意を肌で感じ取る。
 黙視<黙死>の世界からの開放。

 好機に偶機、重なり合えばそれは必然だろう。

 背中を向けた彼女の先には愛刀<哀悼>の切先。
 こちらを確認しないままの斬撃<惨劇>。

 必殺だった筈の太刀。


     彼女の背が触れる。
                /その背を慈しむ<逸苦しむ>ように撫で。

      その体を犯して行く刃。
                   /気<機>は既に奔り。

        私の体に触れる事なく。
                     /紫電<死伝>と奔り逝く。
 

430 名前:屍 十二:2007/05/05(土) 01:12:370

【屍 十二 vs イグニス】
>>425

 『届かない』という認識を逆手に取った、起死回生の一撃。
 “気”で形作られた次元刀が敵手を捉え、全てが終わる。

 そのイメージが、轟音を伴う爆発によって粉々に打ち砕かれる。

「――クソッ、タレがァッ!」

 吼える。吼えるしかなかった。
 自身の意識までチップにした大博打が失敗したという現実。
 そこで戦意が萎えてしまえば、蟲どもは嬉々として脳髄を喰らい尽くす。

 体には破片が無数に突き刺さり、炎が炙った皮膚は火傷で陰惨な有様だ。
 それ程の損傷を負っているというのに、痛みの感覚がやって来ない。
 肉体の殆どは、既に乗っ取られているのだろう。

 手は尽きた。刃は一振り。爆風の向こうに呼吸音――相手は健在。

「へッ……“死”って奴とは長い付き合いだが……まさか、人の形してるたぁ思わなかったぜ」

 絶望に支配されたこの状況であっても、屍はガンブレードを握り、立ち上がる。
 後一振り分の力――残っているかどうか。

「丁度いい機会だ。ここらで手ェ切っておこうじゃねェか」

 爆風で吹き飛び、サングラスは粉々に砕けた。
 露出した無機質な眼球には、禍々しい赤い光が宿っている。

 死人が生き続ける不条理が、自分という存在ならば。
 相手が“死”と名乗るならば――尚更、退く訳にはいかない。
 今、屍を立たせるものは『意地』。ただそれだけだった。

「さぁ……ケリ、付けようぜ!」

 自分は本当に床を踏み締めているのか。
 上下左右、どちらに進んでいるのか。
 最早それすらも覚束ない。

 それでも意識に相手の姿だけを捉え。
 残った全力を以って、刃を振るう。

(場所:異端処刑場)

431 名前:バルバトス・ゲーティア ◆8mvwr0Nrxk :2007/05/05(土) 01:12:550

>>417


バルバトスの放った昌術は実に強力であった。
並の昌術士であっても使いこなせれば十分に役立つものだ。
ましてや、バルバトスのような並々ならぬ昌術を操る力を持つものなら、これだけでモンスターを圧倒することができる。
それだけ奴の戦闘力は凄まじいものなのだ。

少年の頭上から降り注ぐ巨大な火炎岩は、さらに速度を増し、岩を多い尽くす炎もまた燃え広がる。
普通ならば、この攻撃を避けることは不可能だ、後は敵の肉体へと降り注ぎ、灰へと還すだけだ。




だがバルバトスの目の前を、信じがたい光景が飛び込んできた。



「――――――――――――!!?っ」


なんと、あの巨大な火炎岩が、少年の呼び起こした新たな剣に次々と玉砕されていくではないか!
そして玉砕された岩岩は粉へと化し、纏っていた炎もまた火の粉となり、少年の周りに散らばっていく。
これでは実質的なダメージは0に等しい。





――――――――――まさか、そんなことが、そんな馬鹿なことがあるというのかっ!!?


――――――――――昌術を、自身の呼び起こした剣で砕いただと!?



バルバトスはこの信じがたい光景を前に、動揺を隠せない。
無理もない、昌術を物理的に破壊するという行動は極めて稀なのである。
決して昌術を破壊することが不可能ではないが、これは世界のどこを探し回っても
昌術を打ち破ることができる武器はほとんど見つかりはしない。
ましてや、バルバトスのような上位の術士が放ったものを破るなどと到底は考えられない。




予想していなかった相手の反撃に一瞬たじろいだバルバトスの隙を逃すまいと、少年は手に握りしめた剣を
使い、バルバトスへと一閃を放った。
この身のこなし、先ほどの攻撃よりも素早い。

剣は油断していたバルバトスの脇腹を大きく抉ろうと引き裂いた。
バルバトスはなんとかこの攻撃を避けきり致命傷を避けるも、脇腹からは凄まじい鮮血が噴出し、甲高い悲鳴が上がった。
少年はバルバトスの背後に回り、背中に血の雨を浴びる。


切り裂いたのは左の脇腹。
未だ止まらず、あふれ出る鮮血を片手で押さえる。
もしあの時、完全に避け切れていなければ、おそらく刃は心の臓腑にまで達し、今頃屍となっていただろう。


しかし、この一撃を喰らっても、バルバトスは未だ平然と立ち尽くしている。
そればかりか、バルバトスは狂気の笑みを浮かべ、不気味な笑い声を上げながら、さらなる挑発を仕掛けた。

「ク、クハッ、クハハハハハハハァ!!いいぞ、その調子だ。先ほどは実にいい芸を見させてもらったぞ小僧。
やはり、闘いはこうでなければおもしろくない。さあ、俺にさらなる素晴らしい芸当を見せてみろ。貴様の力が、
どこまで通じるかなぁ!!!」


ふたたびバルバトスは精神を集中させ、昌力を集めている。
だがこれは先ほどよりも強力だ、おそらくさきほどの攻撃では防げないだろう。
バルバトスは背後にいた少年の向け、詠唱を終え、さらなる強力な術を仕向けた。





―――――――――――――――――断罪のエキュセキューション!!!―――――――――――――――――


やがて少年の周りの空間は歪み、邪悪な力を発しながら、少年の肉体を潰さんとする!!

【場所:地下冥府】




















432 名前:マリア・バルゼリート ◆AMIGOF7b.c :2007/05/05(土) 01:16:570

>>426

【宮本武蔵 VS マリア・バルゼリート 妖魔迎賓館】


(ああ――――――ああああ)


武蔵の攻めは、止まらない。
今や辛うじて保たれていた魔人と殺し屋との闘いの均衡は、完全に崩された。

(ああああああ―――ああ)

身体が、マリアの意思通りに、動かない。
大量出血による貧血、
集中力の限界、
片腕を失った事によるバランスの欠如。
激痛による混乱。
全てのマイナス要素が、魔人の双剣と同時にマリアに一斉に襲い掛かる。


(ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ――――)

右の小刀。
左の大刀。
武器を入れ替え、上中下。
あらゆる角度から迫り来る、剣撃。

今やマリアは、本能のみで致命傷を避けていた。
肩に、腿に、脇に、頬に。
浅からぬ傷が次々と生産されていく。
体力も精神力も、生命も。
全てが限界の一歩手前―――何時尽きても不思議ではない状態。

しかし、それでも。
うっすらと霞み行くマリアの黒瞳は、未だ諦めの色を宿してはいなかった。

(あああああああああああああああああ駄目ああああああああああまだあああああああああ
諦めああああああああああああああないあああああああああああ信じるあああああああああ
ああああ私をあああああああああああああああムラサああああああーミャをあああああ―――)

未だ混乱の最中にあるはずのマリアの精神が、徐々に、正気を取り戻し始める。

(あああああ――――ああ―――)

彼女の、最後の攻撃に向けて。
混乱は、急激に収束を迎える。

(―――あいつを―――斬る―――)

同時に、始まった。
死闘の終わりを告げる、一撃が。

小刀による、人中を狙った突き。
マリアはその一撃を一歩下がって間合いの外でやり過ごす。
同時に、マリアは地面を踏みつけた。
いや、正確には、地面に落ちた―――自らの腕を、、、、、

いつから、そこにあったのか。
腕が落ちている地点まで、マリアが武蔵の剣先を誘導していたのか。
それとも、単なる偶然なのか―――
答えは、この場に存在する誰に聞いても、返っては来ないだろう。

ぐじゅ、という生々しい音がした。
肘から切断されたその先を思い切り踏みつけられた腕は、当然の帰結として、
梃子の原理で撥ね上がる。
日本刀―――コチーテをしっかり握り締めたままで。
それは意せずして、逆に武蔵の人中を股間から狙う振り上げの斬撃と化した。

更に一歩。右足からマリアは踏み込む。
右手のムラサーミァを、肩から大きく振り上げて。


「―――斬るんだよ! アミーゴぉぉ!」


全身全霊をもって、振り下ろした。

433 名前:十字刈夜:2007/05/05(土) 01:23:590

>>428 麒麟 【十字刈夜 vs 麒麟/侵食地下神殿跡】

鋭角に跳躍、迎え撃つは雌豹、刈夜。
二手に別れ見えるすさまじき体術は舌を巻くばかり。
とはいえ今の我らが刈夜も負けてはおらぬ。

上昇しつつ、アベコベに、宴を描くぞ太刀筋、真っ向振り下ろし、否…
類似のそれは合撃。
開放される重力により先とは別人の威力を手にした刈夜は
彼と共に壁沿いに演舞と剣舞を演じあう程だ。
渾身の彗星、笑うアングルモアすらも虹色時めく重力干渉によりさけられ
強かに反撃を──。
きんきんと音がはじけ…互い上下に動いて柱を削るものだから、鉄琴の様に音は響き。
互いの闘争の背景音楽になった。

速度と膂力に優れる麒麟も、宙で静止し、あなや反転。
くるりの宙返りし、大車輪の一撃を見舞われては如何か。

434 名前:千羽烏月:2007/05/05(土) 01:45:370

>429

刃の行方を確認する術は、柄に伝わる手応えのみ。
それが――ない。

怖気を奮う。

その意味など、考えるまでもない。
目の前に無様に晒された背中があるのなら、私とて討つ。
背後の相手が迷うはずも躊躇うはずも無かった。

衝撃。

体は浮かなかった。
ただ、崩れ落ちる。
力と言う力が、私の体に穴でも空いているかのように流れ出していく。
膝を突く寸前、傍らに縋り付いた。
人形の眠る、手術台に。

ごぷ、と込み上げてきたものを吐く。血ばかりだ。
それだけではない。
今の一撃が引き金になったのか、なおも広がり続ける赤い水溜りは、
心臓の傷から溢れる血潮だった。
流れ出していく。
いのちでありちからでもあるアカイ血が、流れて人形を汚していく。

「……ここまで、か」

ならば、せめて。

寄り代はあり、招く為のちからもたっぷりと注がれただろう。
後は、赤いイトを以って二人の縁を今一度紡ぐのみ。

自らの腹部に突き立った維斗を抜こうとして、少女と目が合った。

「見ての通り、私の負けだ。
 真っ直ぐに、先へ進むと良い」

一人にして欲しい、と。

この少女なら汲み取ってくれるだろうと、言外に言った。

【魔導研究棟にて】
【千羽烏月、戦闘不能に】

435 名前:宮本武蔵:2007/05/05(土) 01:49:120

【宮本武蔵 対 マリア・バルゼリート 妖魔迎賓館】
>>432

 同時に襲い来る二刀。これは有り得る。現に武蔵はその技を何度も揮っている。
 しかしその一方が、既に絶たれた腕を使って放たれようとは。――さしもの武蔵も、一瞬だ
け魂を宙天に飛ばした。
 その刹那、勝負は決した。
 死んだ左腕は跳ね上がって真逆に、雪崩落ちる生きた右腕は真っ向から、宮本武蔵を切
り裂いていた。

 頭から血を被ったような顔面に、さらに網目のように赤い糸が広がってゆく。
 ごぼり、と泡立つような音を立て、武蔵の口からも血が溢れ出した。


「ようも斬った。……このわしを、この武蔵を。――」


 湿った発音でいうと、雷瞬、空間にひびが入ったかと思わせる気合いを伴い、血塗られた二
刀が躍った。
 武蔵の剣が斬ったのは、しかし相手とは全くの逆方向の虚空であった。
 だらりと垂れた手から双刀が落ちた。と、同時に巨躯が揺らいだかと思う間もなく、武蔵の
体は脳天から股間まで――完全に二つに両断されて、凄まじい血量とともに転がっていた。


 解体されたと評する方が正しい武蔵の肉塊は、なお両手にしっかと二刀を握っている。
 その眼すら見開いたまま――現れた時と同じに、琥珀色の虹彩は闇黒淵(やみわだ)の深
みを思わせて鈍く光っていた。


(宮本武蔵:敗北、死亡)
 

436 名前:衛宮士郎 ◆BladeSUpsc :2007/05/05(土) 01:53:340

衛宮士郎vsバルバトス

>>431

「―――とった!」

脇をすり抜けて絡みつくように剣を振る。
自分の師以外の邪道な剣術ではあるが
それでも相手に傷を負わせられることはとても大きい。

そのまま刃を振るう。
脇腹を裂き、肋骨を折り、その刃は
生命の根源である中心にまで達す!

―――筈であった。
サーヴァントに及ばずも俊敏な動きで
俺の必殺の一撃をかわした。

狂ったように笑う男。
その姿には少なからず嫌悪を抱くもの。
そして、俺はその狂った笑いの原典を問いかけた。

「―――っち!いい加減にしろよあんた!
 なんで俺を狙うのさ!!」

しかしその問いは膨大な魔術―――いや魔法で返された。

周囲の異常に気づく。
世界の変動には敏感であるのが俺の特異体質だ。
今、この洞窟の構造を圧するような力が働こうとしている。

空間への干渉。
迫り来る不可視の壁。
ならば俺はこの不可視の壁を更なる鉄槌にて打ち崩す!

「――――投影、開始トレース・オン

再び投影される螺旋剣カラドボルグ
そしてあいつの使い方まで模倣する。

「――――投影、再開トレース・オン

片手に現れたのは無骨な弓。
本来きるために存在するはずの剣を弓にかけ、
矢の如く放った。

その一撃は空間の壁を破壊し、なおも勢い緩まず男目掛けて飛んだ。
イメージしたのは男に当たる図。
その矢は必ず男に向かって飛ぶのである。

当たったか否かなんて判断する余裕は無い。
俺はそのまま矢で切り開いた道を全力で駆け抜けた。

【現在地:地下冥府】

437 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/05(土) 01:56:190

>>434

 勝敗は決し、彼女は倒れ、私が立つ。
 そう――これも一つの終わり。

 広がる血溜りから眼を背ける事なく、彼女を見る。
 私が運んだ死ならば、私が眼に焼き付けておかなければならないだろう。

 戦いの果ての死を。
 だが彼女は言う。

 先へ進めと。
 その眼には確固たる情念<浄念>が宿り、安らかな声。

 ならば私はそれを汲み取り進むだけ。

「――貴女の事は、私が私の勾玉に賭け、心に刻んでおく」

 振り返る事もなく進む。

「また――」

 扉は閉じられ、そこは二人の世界。

「――来世」
 

438 名前:イグニス ◆IgnisC3BW6 :2007/05/05(土) 02:05:560

>>430

 翻したコートを盾が割りに、己が生み出した爆発へと相対する。
 熱、炎、衝撃。見境のない破壊の鉄槌は手当たり次第に暴れ回り、たかだか布一枚を隔てているに過ぎないイグニス
に対しても、容赦なく襲いかかる。

 それはもとより覚悟の上だ。
 顔面を覆うように組まれたむき出しの両腕には決して軽くはないやけどが襲う。吹き荒れる暴虐に髪が踊り、焼けていく
嫌な臭いが鼻を突く。破裂したジッポーのまき散らす金属片、それだけは、防刃加工されていたコートが防いでくれている。

 だが、そのどれもが重要ではない。
 刃は。不可視の切っ先は。殺意の具現はどうなったのか。

(――消え……た?)

 不可視の、形を伴った殺意は、跡形もなく失せていた。
 それは、驚くべき僥倖だった。いいところ、威力を減衰させる事が出来ればと思っていた。だから、本当に消えたのか、と言
う疑念は残る。脚は止まらない。

 頭から覆い被さるようにまとわりついていたコートを振り払う。
 表面はどうしようもないほどに焼けていて、これ以上の防御力など期待できそうもなかった。その場に捨て去る。

 前を見る。
 敵の姿。炎に、熱に巻かれ、焼けただれた体躯。ぶすぶすという音は、未だ火種がどこかに燻っている証なのか。
 だが男は――不死者の剣士は、委細構わぬと言わんばかりに刃を構え、吹き飛んだサングラスの向こう側に、赤い光を
浮かべてイグニスを睥睨する。

 ――くっ、と喉の奥が鳴った。苦悶ではない。それは歓喜だ。

 イグニスは剣士ではない――戦士ではない。
 ただ、殺害の手段として剣を振るい、銃を取り、暗器を繰り出す。そこには勝利、などという文字はない。
 彼女の目的は「勝つ」ことではない――文字通り、敵を殺し尽くす。それだけが、イグニスにとって必要な全てだった。

 だが――それでも。敬意を以て殺害すべき相手というモノは、確かに存在する。
 眼前のその男は、正しく偉大な敵だった。

 故に、イグニスは止まらない。
 足下に転がっていた、手頃な長さの何かを蹴り上げる。処刑具の残骸。金属の感触。長さ、およそ20センチほど。熱に
炙られてか、表面にわずかに溶けた痕がある。

 問題ない。
 問題ない、とイグニスは胸中で独語した。鉄であれば。手にするに足る長さであれば。それで構わない。
 手持ちの武器は、月牙が六、ギミック・ジッポーが残り一、そして手にした鉄の棒。

 距離が縮む。

 ――男の刃が翻る。

 赤い光を、紅紫(あか)い視線が受け止める。

 ――刃が振り下ろされる。

 イグニスは、手にした棒を振りかざす。

 ――刃が振り下ろされる。

 斬り合うのではない――斬り合う事など出来ない。
 刀は相変わらず見つからない。探している余裕も、やはり無い。
 満身創痍であろうとも、斬鉄の刃の威力は衰えては居ない――正面からぶつかれば、為す術無く断たれるのは変わら
ない。

 ならばどうするか。答えは、すでに示している。
 直上から一直線に振り下ろされる刃に合わせるように、イグニスは横殴りに、鉄の残骸を打ち付ける。
 正確無比な軌道がそれて、空間にしてわずか一歩分、刃圏からイグニスの身体が逃れる。正対していた身体を開き、
剃れた軌跡をすり抜けるように身体を通す。――そして、踏み込み。銃声かと錯覚させるほどの鋭い音が石造りの空間
に走り、瞬時に加速されたイグニスの体躯が、男の懐へと潜り込む。

 ――渾身の肘を繰り出した。

【場所:異端処刑場】

439 名前:千羽烏月:2007/05/05(土) 02:14:190

>437

一度背を向けてしまえば、振り返る事もなく。
その背中に礼を言いたくなったものの、声にはならなかった。

少なからぬ苦労をして、長い刃を引きずり出す。
右手の太刀は、初めて手にした時のように重かった。
もう持っているのも辛い――時間がない。

のろのろと、這うような速度で逆手に握った太刀を振り被る。
切っ先は、人形にあるのなら心臓の真上。
振り上げた時と同じようにゆっくりと降ろすと、抵抗無く刃が沈んでいく。
丁度折れ飛んで失われたはずの半ばまでが飲み込まれると、ぴたりと止まった。

来世……か。

そんなものがあるのなら、また巡り合えるのかもしれない。
甘い期待だとは思っても、抱かずにはいられなかった。

崩れ落ちる。
冷たく固いはずの人形の上に。
今は温かく、柔らかな人の上に。
妄念が見せる幻なのかもしれない。
それでも――その面は。


           ――――ようやく会えたね、桂さん――――


【魔導研究棟にて】
【千羽烏月、死亡】

440 名前:マリア・バルゼリート ◆AMIGOF7b.c :2007/05/05(土) 02:21:180

>>435

【宮本武蔵 VS マリア・バルゼリート 妖魔迎賓館】


「やっ―――た」


両断された身体の真正面で。
噴出する血液のシャワーを頭から浴びながら。
マリア・バルゼリートは、蚊の鳴くような小さな声で、呟いた。

「私…斬ったんだ」

死闘に次ぐ、死闘。
極限に次ぐ、極限。

彼女の生涯で最も濃密な時間は、終わりを告げた。
かつて歴史上誰をも為しえなかった、伝説の剣豪を斬る、という結果で。

そして、その瞬間。
それまで彼女の精神を、肉体を―――命を繋ぎ止めていた何か、、が、音を立てて切れた。

「―――あ」

全身を襲う抗いがたい虚脱感に、マリアは片膝を血溜りの中につく。
抜けていく。抜け落ちていく。
あたかも罅の入った瓶から、水が零れ落ちていくように。
血が、活力が―――意識が。


彼女は、確信した。
自分の命も―――もう間も無く、尽きると。


「―――ムラサ、ミァ」
途切れ途切れに、マリアは彼女の最も大切な相棒コンパニエーロに呼びかける。
地面に突き立ったそれに、座ったまま必死で縋り付きながら。

彼の日本刀を祖父に託された時より。
健やかなる時も病める時も。寝る時も醒める時も。
食べる時も排泄の時も。闘う時も逃げる時も。
斬る時も斬られる時も。生きる時も死ぬ時も。
ムラサーミァは常に、彼女と共に在った。
彼女の全てを、ずっと傍で見ていた。

「今まで―――ありがとうね、アミーゴ」

別れを告げるように、そう言って。
マリアはそっと―――血に濡れ光るムラサーミァの刀身に、キスをした。
それは血と肉と臓器の臭いたち込める狂気の情景の中で―――
ただひたすらに美しい、一枚の絵画だった。
しかして、今この場に、その美しさを愛でる者も、賛辞を贈る者も、いはしなかった。
少なくとも、生ける存在の中には。


ゆっくりと血の糸を引きながら、マリアの唇が刀身から離れる。
ふ、という短い呼気と共に、今度こそ彼女の全身から力が抜けた。
そのまま、ゆっくりと真紅の地面に倒れ伏す。

今や、豪奢な迎賓館に、動く存在モノは何一つとしてない。
ただ、床に突き立てられた日本刀の―――
刀身に輝く唇の形をした紅の印だけが。
腕と共に打ち捨てられたもう一本の日本刀の輝きに照り返され、映えていた。


あたかも、聖母マリアの祝福のように。



(マリア・バルゼリート…死亡?)
(御前試合第二試合 終了)
(勝者―――???)

441 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/05(土) 02:24:080

千羽烏月 vs 関羽雲長 レス番纏め

再起 <再帰>
>>348

邂逅 <開攻>
>>352 >>356 >>357 >>361 >>362

接触 <切蝕>
>>367 >>369 >>372 >>375 >>383 >>387 >>396
>>403 >>411 >>416 >>421 >>424 >>427 >>429

終焉 <終縁>
>>434 >>437 >>439

442 名前:名無し客:2007/05/05(土) 02:27:530

「血狂ひ」第二試合
宮本武蔵 VS マリア・バルゼリート
>>338 >>341 >>346 >>350 >>354 >>360 >>363 >>368 >>373
>>382 >>392 >>404 >>420 >>426 >>432 >>435 >>440


勝者:???


二つ刀を朱に染めて、来た道ゆく道修羅の道――。

 

443 名前:屍 十二:2007/05/05(土) 02:45:220

【屍 十二 vs イグニス】
>>438

 打ち込まれた肘の衝撃の余波で、ガンブレードを取り落とす。
 既に体表、体内に至るまでの全ての感覚が消えた現在の身体には、活動を止める要因とは為り得ない。

 だが、その衝撃はもう一つの結果を齎した。
 減り込んだ肘による呼吸の阻害だ。

 キチキチ、キチキチと眼球の裏側で何かが騒ぐ。
 体を駆け上るおぞましい蟲の群れが、最後の砦である脳に手を掛けようとしている。

 だから――どうした。

 肉体に依らない原動力だけを糧に、鈍い腕を持ち上げる。
 あれ程、鋭敏だった嗅覚も聴覚も触覚も、ぼやけた像すら作れない。
 完全な暗闇の中、感じる物は一つ。
 敵の存在。

「ここ、なら……流石に、分かるぜ」

 取り落としたガンブレードが地に落ちる前に手を伸ばす。
 握ったのは刃の部分。指に食い込み、半ばまで裂ける。
 屍の意識には何の伝達も無い。

 全力は出し切った。もう残っているのは精神の力だけだ。

 『相手を、殺す』

 意識に焼き付いた行動に従い、ガンブレードが突き出される。

(場所:異端処刑場)

444 名前:イグニス ◆IgnisC3BW6 :2007/05/05(土) 03:13:400

>>443

 繰り出された突き。刀身を握りしめてまで繰り出された突き。
 己の掌を犠牲にしてまで繰り出された突きに、イグニスは悟った。

「――そうか。限界か」

 如何に人外の怪力であろうとも。
 ただ闇雲に繰り出されたそんなモノに、イグニスを捉える事など出来ない。
 一刀。二刀。三刀。
 繰り返される突き。

 だが、それだけ。残ったのは、わずかな戦意のみ。イグニスに分かるのは、この男が――すでに死んでいるはずのこの男が、
別の意味で死を迎えようとしているという、そんな事実だけだ。

「――弄られているな。私の声が聞こえるか?」

 哀れにも、つい先刻までの精強さなど微塵も感じられない男に対し、刃を避けつつ声をかける。
 繰り出される刃。イグニスは、それを脇へと抱え込む。

「せめてもの手向けだ――」

 力を失いかけているのか、半開きになっている口元めがけて、平手を打つ。
 その手の中には、すでにフリントを回転させたジッポー。口腔にそれを押し込んで、確実に聞こえるように、耳元で告げた。

「お前はよく戦ったよ。だから――私が、殺してやる。死ぬ前に、だ」

 ぐるりと、男の腕を基点に、イグニスは体勢を入れ替えた。流れるような挙動で、投げを打つ。
 男の体躯が、宙を舞った――


【場所:異端処刑場】

445 名前:屍 十二:2007/05/05(土) 03:47:300

【屍 十二 vs イグニス】
>>444

 ――二度目の死を迎える直前。

 吹き飛ばされるのを恐れたか、それとも屍の肉体に見切りをつけたか。
 ほんの僅かな瞬間だけ、意識が戻る。
 全身を襲う痛みと浮遊感。ぼんやりと、場違いな事を思う。

(もし神様ってヤツが居るんなら……ソイツはどうしようもねェ根性悪だ)

 一度目の死は、人を物のように切り刻む実験場で。
 二度目の死は、人を物のように殺す処刑場で。
 どちらも血に塗れ、無数の死に埋没するような“死”。
 皮肉と言うには、悪趣味過ぎる。

(二度目も同じように死ねってのか――)

 知らず知らずの内に言葉が漏れた。
 それは、ありとあらゆる全てに向けた言葉。
 言葉に込められた感情は余りに多く、一言では言い表せない。

「――クソが」

 炸裂。爆音。衝撃。閃光の中へ屍の意識が呑み込まれる。


 ――そして、死人が再び起き上がる事は無かった。


【屍 十二:死亡】
(場所:異端処刑場)

446 名前:◆Poesie/ZHU :2007/05/05(土) 03:49:090

レス番まとめ(暫定)

>>326 >>328 >>332 >>335 >>337
>>339 >>342 >>347 >>351 >>355
>>358 >>364 >>370 >>374 >>377
>>378 >>380 >>384 >>393 >>394
>>395 >>400 >>401 >>410 >>414

さらにリアのエピローグが入る可能性あり。

447 名前:麒麟 ◆TEKIajvYfQ :2007/05/05(土) 04:59:320

>>433
(十字刈夜 vs 麒麟/侵食地下神殿跡)

 輝く銀糸をなびかせて、白き狩人が天に舞う。
 重力の縛りを捨て、神なき聖域に白銀の満月を現出させる。

 地に立つ麒麟、その月を見上げ――――静かに眼を閉じる。
 狄は自然と共に在り。天地の理、全て麒麟の裡に。

 眼を開く。視線の先には、狩人の瞳。
 二者の間には、回転を止めた狩人の太刀。
 そして、それを担う狩人の腕と、白刃を受け止めた麒麟の両手。

 切っ先が触れたか、或いは剣風によるものか。
 額から零れる赤い雫を意にも介さず、麒麟は身体を捻って跳躍。
 さらに片掌で剣を蹴り、再び身体を捻りつつの跳躍。
 狩人と同じく、重力の縛りから逃れ――左右の脚……金色の龍が舞い躍る。

 二体の龍が目指す先は――銀糸の溢れ出る源。

【死合場:侵食地下神殿跡】

448 名前:イグニス ◆IgnisC3BW6 :2007/05/05(土) 20:17:110

>>445

 弾かれた刀は、容易く見つかった。
 下手に相手の威力に逆らわなかったためか、少なくとも刀身に目立った損傷はないようだった。多少の歪みは感じられる
ものの、放置すれば金属が勝手に復元する程度のものでしかない。
 ともかく、得物を完全に失わなかった事については、ほっと息をついた。

 同じように、残骸に半ば埋もれるように投げ捨てられていた鞘を拾い上げ、刀身を納める。
 コートの残骸から使えそうなモノを物色して――視界の片隅に、頭部を完全に失った、焼けただれた死体が入り込む。

「…………」

 それを、特に感情の感じられない眼差しで見下ろすと、それに寄り添うように横たわる、異形の剣に気がついた。
 ややあって、その剣を取り上げると、男の死体の脇に突き立てる。

 墓標――

(……の、つもりか? それが、なんになる)

 自らの仕業を嘲笑うように鼻を鳴らすと、そのまま踵を返して歩き出す。

「なに――いつもの事だ」

 小さく呟いて、イグニスは上層を目指す。
 まだ、何も終わっていない。

【場所:異端処刑場。イグニス、勝ち抜け】


449 名前:十字刈夜:2007/05/05(土) 20:21:040

>>447 【十字刈夜 vs 麒麟/侵食地下神殿跡】

足場にされたおりはるこん、反動で地におり刃を担ぐ。
音無く着地。やはり弧をはる愚直な刈夜。

そして魅せませ必殺の刃!閃く一撃込めませ意思を!
ぐるり円月、逆巻け今宵!灯り眩き幻惑の──仄/朧/幽たる闘気。
球体の赤道が両刃、そのまま真二つ敵を「ばらり」と割り裂き給わん事を───

「───静かに───なれ────」

刈夜、総身泡立ち踏み込み十全、スカァトの裾を自ら裂き、足を踏み込む修羅の様相。
そして刈夜は初めて口を開く。彼女に似合わぬ一括、大音声。
迫り来る男の鮮烈、必死たる襲撃に…同時にふわぁりと、春風。髪の花弁、舞い散り楚々たる剣先。
やわらかな、一見処女の様に秘めた太刀先…されどそれは、錯覚。
暗い空間の中、刈夜の髪がほわりと浮かぶ中見せた、ほんの幻にすぎぬ。

実体は何度も見せた太刀筋、つまりは上段からの愚直な打ち込みであるが…
先とは何が違うと言って、…刃そのものの重圧が全く異なると言うお話だ。
遠心により速度は増すはずも、実測は対等。
その理由たるや、剣先の単純な重量が数倍にも増しており…屯の桁に到達する程に
鈍い物と化していたからに他ならぬ。
上段から打ち下ろす刈夜のスタイルは、武器の重量を変幻に操る事により
仇のまなこを欺く趣向に特化していたものであったのだ。 

450 名前:名無し客:2007/05/05(土) 20:39:100

【屍 十二 vs イグニス】レス番纏め

屍十二導入
>>343

イグニス導入
>>344 >>345

闘争開始〜決着
>>349 >>353 >>359 >>365 >>371
>>376 >>379 >>381 >>390 >>408
>>415 >>425 >>430 >>438 >>443 >>444

屍十二エピローグ
>>445

イグニスエピローグ
>>448


勝者:イグニス

 

451 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/05/05(土) 20:40:360



 ―――地獄が香る。
 奇妙な錯覚だったが、そうとしか言いようがない空間だった。

「……異界からの呼び声、ね。まさか自分の身に降りかかるとは思わなかったけど」

 とある怪奇小説を思い出しながら、見慣れない、瘴気に満ちた景色に溜息をつく。
 下手をすれば見ただけで死にかねないような妖気は、近寄りたくない部類のものだ。
 そう、日ごろの自分であれば絶対に近づかない。
 明らかに面倒ごとがマーチを組んで歩いていると分かっていて、巻き込まれに行くほど
自分は馬鹿ではない。

 藤原妹紅は全く何の心当たりもなく、この場所に呼ばれていた。
 重層に響く歯車の音、立ちこめる黒い雲。眼下には―――この世ならざる軍団。
 さながら世紀末。末法の世があるとすればこんな感じなのかも知れなかった。


 ……彼女が知ることはないが、呼ばれたのには理由がある。
 その不滅の魂がこの館の主、その復活のために有用と考えられたからである。
 肉体が滅びても即座に転生し、復活を遂げるその異能―――幻想郷という、忘れられた
世界を冒してでも手に入れる価値はあった。彼女の途方もなく強い魂魄を、ドラキュラと
いう災厄を復活させる燃料とするために。


「……しかし」

 高みから地獄見物をしながら、妹紅は呟いた。

「どうすりゃ帰れるのかね、こりゃ」

 まったく暢気なものだった。

【藤原妹紅―――時計塔最上階にて】

452 名前:柳生・ジャグワァ・玄兵衛:2007/05/05(土) 21:17:260

>>451

【藤原妹紅 vs 柳生・ジャグワァ・玄兵衛】
(導入)


 ミサイル攻撃が失敗に終わったNATO軍であったが、それで引き下がるようなお人好しではない。
 誰が言い出したのか誰も知らないが、「こんなこともあろうかと」彼らはある秘策を用意していた。

「普通のミサイルが阻止されるのなら、普通ではないミサイルで攻撃しよう」

 とはいえ核ミサイルではない。そんなものを撃ったら仮にドラキュラを阻止できたとしても、今度は人間同士の戦争が始まりかねない。
 その普通ではないミサイルは、文字通り普通ではなかった。

 ――弾頭は通常にあらず。
 ――発射場所は通常にあらず

 衛星軌道上に密かに存在する某国の人口衛星より、そのミサイルは発射された。

 大気圏外から超高速で発射された普通ではないミサイルは、地球の引力を利用した尋常ならざる速度で悪魔城へ飛来した。
 だが、そこにはレギオンによる次元干渉の防御がある。尋常ならざる超高速であろうと突破は不可能。


 その筈であった。


 如何なる手段を用いたか、ミサイルはレギオンの守りを貫き、悪魔城領空への侵入を果たした。
 しかしそこまでがミサイルの限界であった。次元干渉の防御を抜けたところでミサイルは爆散。

 悪魔城に損害ゼロ。健在である。
 ――今のところは。

 ミサイルの爆発の中から飛び出した影があった。
 鳥か、飛行機か。

 否。


 ――魂斗羅である。


 魂斗羅『柳生・ジャグワァ・玄兵衛』は下半身にロケットを装着し、
「足なんて飾りです! 偉い人にはそれがわからんのです!」とばかりに飛翔していた。

 ジャグワァはそのまま時計塔の最上階に突入し、ロケットを排除、二本の足で悪魔城へ降り立った。
 銃身がグリップの下部にある魂斗羅専用の銃火器を携え、周囲を見回す。
「ぱんだ、ここあ。でござる」
 戦国武者に似た装いのこの漢に与えられた任務は一つ。
『デストロイ・オール・エネミー』
 与えられていた情報は一つ。
『悪魔城には敵しかいない』

 よってジャグワァは、動くものに対して躊躇なく攻撃した。


 具体的には眼に入った藤原妹紅に銃をぶっ放した。
 オレンジ色のレーザー光が、妹紅へ襲い掛かる。


【柳生・ジャグワァ・玄兵衛:時計塔最上階に参上!】

453 名前:麒麟 ◆TEKIajvYfQ :2007/05/05(土) 21:23:470

>>449
(十字刈夜 vs 麒麟/侵食地下神殿跡)

 白い素足を露わにしつつも、白き狩人の形相はまさに修羅。

『───静かに───なれ────』
 凛とした怒声を周囲に響かせ、長物を大上段から振り下ろす。

 麒麟は再びその白刃を両手で受け止め――――


――――地に、膝をついた。


 重い。
 華奢に見える刀身からは想像もつかないほどの、凄まじい重圧。
 止める両腕が、鋼の筋肉が、みしりと悲鳴を上げる。
 互いに石像と化したかのような、静寂。

 先に動いたのは麒麟だった。
 渾身の力で狩人の得物を後方に投げ逸らし、その反動で地を滑る蹴りを放つ。
 剣の自重が即座に変化するならば、麒麟は両断されるだろう。

 まさしく乾坤一擲。吉と出るや、凶と出るや。

【死合場:侵食地下神殿跡】

454 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/05/05(土) 21:35:020

【藤原妹紅vs柳生・ジャグワァ・玄兵衛:時計塔最上階】
>>452


 考えてみれば、こんな物騒な場所で余所見などする方が馬鹿だったのだ。

 危機感の欠如は、大抵の場合は死を招く。死はいつでも理不尽に現れるものだ。生きて
いる限り決して逃れられることの無い運命なのである。そう、どれだけ理不尽であっても。
 つまり―――それは本質的な“死”だった。

「ぐはっ!?」

 突然に胸を焼かれる感触。
 激痛を押さえつけながら振り向くと―――なにやら巨大な銃を構えた男がいる。
 いつ、どこから、なぜ来たのか。推測する時間は与えられなかった。
 なにしろ心臓を撃ち抜かれている。押さえつけた胸からは呆れるほどの量が零れ落ちて
いく―――鮮血だった。そう、命をつかさどる場所を破壊された、当然の結果だ。

「お、まえ―――」

 天地が捻れてひっくり返る―――眩暈と、寒気。
 命が尽きる感覚だった。
 自分の迂闊さと、痛みと、相手の理不尽さ。
 全てに呪いを掛けながら、藤原妹紅はうつぶせに倒れ、絶命した。

 あまりにもあっけない幕切れ―――


【藤原妹紅、死亡】

455 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/05/05(土) 21:43:290

>>454



 ―――になるはずもなく。

「てめえ、何てことするんだこの野郎!!」

 怒りに燃える罵声。
 同時に、死体だったはずの妹紅が跳ね起きる。
 見よ、その胸に刻まれたはずの醜い傷は真っ白な肌のみを見せ、焦げ付いた服と、凄惨
な血痕のみが残っているではないか。

 強靭な魂の見せる肉体の再生―――ほぼ一瞬で輪廻を通り越して戻ってくる再来だった。

 ただ、それでも与えられた苦痛は消えず、妹紅に怒りを燃え上がらせる結果となる。
 跳ね起きた妹紅は振り向きざまに右腕を振りかぶり―――

「いきなり殺してきてからに、そっちもいっぺんくたばってみろっ!!」

 向き直ると同時に殴りつけた。
 巨大に広がった、燃え盛る鳥の尾羽で。

 ―――不滅「フェニックスの尾」。
 あらゆるものを薙ぎ払う不死鳥の炎。

 それは時計塔の石壁を砕き、文字盤を焼き―――目の前の男、ジャグワァへ迫った。
 まるで草一本も残さず薙ぎ払わんとするかのように。


【藤原妹紅vs柳生・ジャグワァ・玄兵衛:時計塔最上階】

456 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/05/05(土) 21:47:520



「―――よし、これでよかろう」

 ドクター・クラインは満足げに頷いた。新たな艤装を終えた私に対して。
 装着された装備を再確認/儀礼用装備/銀での装飾を成された飾り/よりエッジを強調
された装甲/元の黒い身体を覆い尽くす。
 明らかに戦闘向きではないデザイン=儀礼用の武装―――使用した記憶は数度。四天王
が首領の元へと集い、指示を仰ぐ際のみ。
 久々に苦笑という感情を覚えた。

「ドクター、正直言うと動きにくいのですが」

「仕方なかろう。スポンサーから謁見を許可されたのだ。失礼があっては困る」

 肩をすくめるドクター/ただしにやにやと笑っている。
 明らかに、私の反応を楽しんでいた。

 突然の謁見は、二回戦を勝ち抜き、私のメンテナンス/武装およびバックパックの追加
を終えたころだった。
 見事な闘いを見せ、一番に決勝へ辿り着いた私を労いたいというメッセージ。
 この御前試合に不信を持っていた私。
 素直に喜びを見せるドクター。
 嫌な予感は消えなかった。

「なに、いざとなれば一ミリ秒とかからずパージできる。問題はなかろう」

「ですが、やはり慣れません」

「ははは、お前は固いからな。―――よくやった、我が息子よ。偉大なるサムライよ」

 唐突な労いの声/深い感慨を秘めた感情の表出。
 悪の組織に加担したマッド・サイエンティストの地金―――純粋なまでの探求。
 その探求が結実したかのような言葉だった。

「最新を更新し続けるハードウェア。追加されていくプログラム。そして、不確定な力を
生む魂。我が持てる全ての技術をその身に受けたお前は、まさしく今、最強となっている。
かつて失ったキャリアを取り戻してな」

「―――はい。対戦相手から多くを学ばせていただきました」

「その記憶領域では得られぬ学習こそ真の力よ。例え肉体は滅びても魂は決して滅びぬ。
お前が肉体滅びてもなお蘇ったようにな。そして、お前が生きていれば私もまた滅びぬ。
お前こそが我が魂の結晶なのだから―――」

 感極まった声/大げさな身振り/歓喜の表明。
 私もまた、頷いた/言葉に出来ぬ万感を込めて。

「さて、そろそろ時間が迫っているな。――お前に追加した最後の武装について説明する。まずは起動してみろ。両腰の装甲に追加してある」

 確認する―――細長い棒。まるで刀の柄だけのような物体。
 手にとって、新たに搭載されたプログラムを起動/メッセージが走る。
 同時に、光が生まれた。
 刃持たぬ柄が、刃を生み出していた/黄金色の光。

 ―――武装名“RAY BLADE”。

 すなわち、光の剣。

「現段階では最大充電でも一分しか稼動出来んが、威力は“奴”の使っていたものと全く
変わらん。陽術機関を限界まで小型化した、私の最新作だ。持って行くがいい」

 感動を覚えた―――ビジョン/光の剣を振るう英雄=アルカイザーの姿。
 新たに得た輝き/道程を照らす魂。
 その重みが頼もしかった。

「では行け。我が息子よ。胸を張って階段を上っていくがいい」

 頷き、私は出発する。
 ドクター・クラインの別れ際の笑み。
 それをしっかり記憶しながら。


 失ったものは多かった。代わりに、多くのものを手に入れた。

 最強を失い/命を失い/新たな魂を得て/新たに歩む道を得た。

 修羅の中、その輝きを得たことが最大の満足だった。



 ―――さあ往こう、最後の戦いへ。
 どんな結果になろうとも、決して後悔しないために。


【メタルアルカイザー、城主の間へ】

457 名前:十字刈夜:2007/05/05(土) 22:00:260

>>453 【十字刈夜 vs 麒麟/侵食地下神殿跡】
拮抗する威力、両者の視線と力が、神殿の冷静な闇を熱くする。
ああ、忘れ去られたプルートーの眠りを妨げし二人を許せよ。今は。

百千の時に結われていく、空々(からから)張った緊張のいと。
吐息、蒸散する汗、心音、全てが悩ましく聞こえる程の…。

盛り上がる筋力、えい、ぞとばかりに魂魄篭った男の企て。
上背があるも女性の刈夜。体制崩れ、愛用、必殺の刃は奪われ飛び。
彼女の腰周り程ある無骨な脚部が、それそこの刈夜へと────

「フ───」

それでもやはり刈夜は不適に笑う。
白き狩人、白貌、服装、髪から爪先まで統べて酷寒の白。
そんな彼女の通り名は人読んで「クロス」。
それは彼女の象徴、巨大な一振り。世にも稀なる”おりはるこん”が十字架を模した
型に見えるからである───その説が一般に囁かれるが、それは心外の一言だ。

背中に突如現れる小剣、破邪銀──やはりその質、真白──の一振り
ひらり、閃き地に這う男に俊敏たる突き、突き、突きの狂騒劇。

二つの刃を操り、十字に構え──死してなお動ける者を殺す、、、否。滅ぼしてきた。
それがスレイヤー・クロス。十字刈夜の真の名である。
だが、その実を見たものは統べて『静かに』相成ってきた。少なくとも、これまでは。

458 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/05/05(土) 22:04:110

>>423
「灰になるが良い!
 最大火炎呪文(メラゾーマ)!!」
流石は魔王。瞬間的に力を練り上げ、巨大な火球を形成し射出する攻撃魔法を行使。
100に満たない人や動物の血肉を喰らったホラーとは訳が違う。

「こいつは不味いぞ、どうする鋼牙!?」
ザルバの、焦燥感に彩られた声。
その瞬間、鋼牙はある光景を幻視した。

それは、瞼に焼きついた父の姿。ガロの太刀筋を指導する幼き日の思い出。
鋼牙はカッと目を見開き、火球に向き合い構え/逆袈裟に、剣を振り上げた。

瞬間、剣の軌道から生み出された風圧が火球に向かって迸った。
しかし、この風圧には火球を相殺するだけの威力はない。
その目的は―――到達前の迎撃。

鋼牙とザルバの目と鼻の先で、最大火炎呪文メラゾーマは弾けた。
生まれる熱風が髪を焦がし、足を止める。
だが、ここで止まっていては魔戒騎士は務まらぬ―――!

「鋼牙、腕だ。奴の腕を狙え! 攻撃と魔法を封じ込めるんだ!」
「分かった!」
前方へひらり、と舞い上がる鋼牙。
「でぃぃぃぃやァッ!」
充分な速度と重みを乗せた牙狼剣の一撃は、束ねられ連撃となる。
怒涛の斬撃、受けてみよ。

【場所:侵食煉獄闘技場】


459 名前:◆BLOODlbo6s :2007/05/05(土) 22:12:460


  ―――――――――奈落と化した狭き世界。




だが空に満つる形にて、蒼月は明瞭なる姿で浮かんでいた。
古来原初よりの如何なる時代、如何な星辰の並びよりも一際に巨きく映り。
―――――否。
錯覚ではない、実存の現象たるを以って巨大なる威容を誇示しているのだ。
古来から連綿と観測され続けた記録にも、記憶にも類を見ない、異常極まる実態を明らかなものとして。

蒼月は近づいている。
摂理である重力の頸木から離れ、地上の一点、この呪われた偽りの城に。
摂理の外より生じる引力に導かれ、一つの“像”をその表に浮かばせながら。

それはかつて月に封じられた混沌の城、魔王の力が源であり象徴の“城”。
ドラキュラ本来の居城、真の悪魔城。
北欧の地に築かれた偽りの物などとは違う、絶対なる力の具現。

―――――大望は成就なるや。
天地を歪め、自らを危機に晒してまで行った大儀式、この血に狂う協奏曲の終焉。
或いは待ち望んだ半身の降臨/破滅への序曲まで後、僅か。



      ――――悪魔城御前死合「血狂ひ」――――

                 終章 開幕
 

460 名前:魔王『ドラキュラ』蒼真 ◆BLOODlbo6s :2007/05/05(土) 22:15:120

>>456>>459



―――――“魔”が、其処に居た。



其れは天地魔界が生み出そうとしても生み出せぬ妖艶凄絶な美である。
鮮やかなる砂銀の髪。穢れなき白露の肌。
元より人並みを外れて端麗と整っていた容貌は、真の意味で人ならぬ力の
息吹を得て、一個の芸術へと昇華されていた。

そして、其れは世界が最後の傑作として創造したモノでもあった。
破滅のみを求める呪式、其れを具現化した存在である魔王。
その新たな器として生を受け、そして生まれた―――――『ドラキュラ』。

彼は今、最上階城主の間―――――その玉座の上に座す。
身に着けるのは“生前”と変わらぬ正装、黒を基調とした豪奢な装束。
人ならぬ者の手で糸の一本から創られた彼専用の礼装。

その傍らには死神。
左には不死者(ノスフェラトゥ)オルロック。
右に女吸血鬼(ドラキュリーナ)バートリー。
守衛に配される防御結界展開兵、ファイナルガード達。

幾枚もの魔鏡を脇に挟む形で、城主は栄えある勝者に謁見した。


『――――見事。して、汝らは何を望む?』

死に誘うほどに甘く、暗く。
人の其れでありながら、そう等とは到底思えぬ声音で“魔”は尋ねた。


  ―――――脇に立つ魔鏡 其処に見える影は誰であろう


【悪魔城最上階 城主の間】

461 名前:魔王バラモス:2007/05/05(土) 22:18:560

【魔王バラモス対冴島鋼牙&魔導輪ザルバ 侵食闘技場にて】

>>458
「我がメラゾーマを斬ったじゃと!
 有り得ぬ!」

驚愕の声を上げるが、それは紛れもない真実。

「おのれ。
 ならば塵一つ残さず消え去るがよい!
 我が両手に破滅の星を!」

恐ろしい速度で間合いを詰める魔戒騎士を前に、特大の魔力が集う。
掲げた両手には嵐のように渦巻く光の暴風。

「砕け散れい!
 極大爆裂呪文(イオナズン)!」

突きだした両腕から、純粋な破壊が解き放たれようとしていた。

462 名前:柳生・ジャグワァ・玄兵衛:2007/05/05(土) 22:20:040

>>454>>455

【藤原妹紅 vs 柳生・ジャグワァ・玄兵衛】


「なんと面妖な。エイリアンもマッツァオでござる!」

 ジャグワァのレーザーで胸部を貫かれた少女――妹紅は血をぶちまいて一度倒れ、そして――蘇生した。
 死にざまに蘇り跳ね起きるとは。凄まじい生命力であった。

「流石は悪魔城でござるな! 一度殺した敵が蘇るとは!」
 ジャグワァは妹紅が倒れたところで、一度気配が消えたのを感じ取っていた。
 これは死んで蘇ったことの証明に他ならない。
 レーザーを受けて死に、蘇る相手に如何な攻撃が通じるというのか。
 妹紅は怒り任せに殴りかかってきた。右腕に纏いつかせた火炎地獄で。
 炎と衝撃が周囲を薙ぎ払いつつジャグワァに襲い掛かる。

「ぬうんッ!」

 回避の余地など無かった。ジャグワァは回避機動を取る間もなく火炎に呑まれた。
 炎に包まれた人影が、時計塔最上階に崩れ落ちる。

463 名前:バルバトス・ゲーティア ◆8mvwr0Nrxk :2007/05/05(土) 22:21:380

>>436


またしても、バルバトスの放なった昌術は容易く打ち破られてしまった。
先ほどまで十分肌で感じ取れていた昌力、そして空間の歪みは瞬く間に消えてしまった。



同時に、ぐさりとバルバトスの背後を重く、強烈な矢の一閃が彼の肩を打ち抜き、筋肉を抉り取る。
再び肉体から鮮血が吹き出、地面は赤い色が染め広がり、水脈に流されていく。
おそらく、この矢の攻撃にも昌術を打ち破る力があるのだろう。
いや、奴には昌術を破壊する攻撃が可能なのだろうと、バルバトスは考えずともそれを感じ取っていた。


幸いにも、バルバトスが手にしている戦斧の持つ腕には当たらずに済んだ。
肩の肉を抉りとられた腕も、まだ十分に動く。

バルバトスは背後から再び攻撃を仕掛けて来た敵の気配に瞬時に気付いた。

男の脳が、迫り来る危険を察知し、発した電気信号が瞬時に全身へと伝わり、後ろを振り返る。

考えている暇などない。


痛みに苦しんでいる暇などない。


傷付けられた身体の部分など抑えず、絶えず血を流しながら戦斧で攻撃を受け止める。
少年が見たバルバトスの表情は、狂気に満ちた怒りの表情でありながら、それは笑っているようにも見えた。

バルバトスは昌術を放つ前に、かすかに耳に入っていた少年の問いに表情を変えず、冷静に言い返した。

「なぜ貴様を狙うかと?答えは簡単だ。これほど強力な瘴気と魔力を放つ城の主を倒しにくる輩ならば
それだけの力を持っているだろう。それならば、俺の渇きを十分に癒せる奴が見つかるだろうが、その通りだったようだ!!」

今だ流れる血など気にせず、悠々と言葉を続けた。
そして口から発せられる言葉を言い終えた瞬間、真上から炎を纏った一撃でを放つ。

「―――――死ぬかぁ!!」

少年はなんなく攻撃を避け、さらに一閃を放とうとする。

が、その間に出来た隙を見逃さずに、バルバトスは強力な一閃を避け、下からすくい上げるように拳を腹部に深くめり込ませる。

「――――――消えるかぁ!!」

攻撃を避けることが出来なかった激しい痛み共に、宙へと舞う。
さらにバルバトスは真上から姿を現し、戦斧を力強く振り落とす。

「――――――土下座してでも生き延びるのかぁ!!」

バルバトスの放った追撃を少年は己の武器で防ぎきる。
肉体を刃で真っ二つに切り裂かれるのを防ぐも、重く強力な衝撃に耐え切れず、地面へと激突し、数メートル先にまで吹き飛ばされる。

バルバトスは敵の反撃を許さず、さらなる追撃を続ける!!

【場所:地下冥府】




464 名前:柳生・ジャグワァ・玄兵衛:2007/05/05(土) 22:22:390

>>462

 ――砲声が轟いた。

 火炎地獄に呑まれたジャグワァが立っていた場所からではない。
 妹紅の左側方からだ。

 ジャグワァは火炎地獄に呑まれる一瞬前に、纏ったバトルスーツをその場に脱ぎ捨てて身代わりとしていたのである。
 そして、炸裂する衝撃を鋼の肉体で耐え、燃え盛る炎を熱い斗魂でねじ伏せ、先天的に持ったゲリラ戦術で地形と状況を味方につけて、
 妹紅の側面へと回り込んだのだ!

 さらに死角からジャグワァが撃ち放ったのはただの砲弾ではない。
 当たったものを例外なく掘削し、貫通、破砕する漢の武器――ドリルである!

「これならばどうでござるか!」

 筋骨隆々とした黒い肉体に赤い褌と白足袋を纏い、刀を佩いたサムライ戦士が一撃。如何ほどの効果を見せるのか。

【藤原妹紅 vs 柳生・ジャグワァ・玄兵衛:時計塔最上階】

465 名前:バルバトス・ゲーティア ◆8mvwr0Nrxk :2007/05/05(土) 22:28:090

訂正だ。

>攻撃を避けることが出来なかった激しい痛み共に、宙へと舞う。

>攻撃を避けることが出来なかった少年は激しい痛み共に、宙へと舞う。




466 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/05/05(土) 22:33:420

>>460


 ―――初めて見た城主は、正しくかつて貴き者として君臨した威容だった。
 広大な広間/敷き詰められた赤き道/絨毯/そのはるか先に無数の衛兵/いずれも強烈
な妖気を放つ無双の魔軍―――その先に、ワラキア公ドラキュラ伯爵は座していた。

 過去の礼式に従い、ある程度の距離で足を止め、膝を突く。
 古き作法/騎士が王に目通りを願う動き。

「―――その言葉、光栄の極み、我が父、ドクター・クラインもお喜びになるでしょう」

 言葉を交わして、さらに違和感が広がる。

 私には―――他の機械にはない、“勘”が備わっている。
 複数の思考回路が組み上げるデジタルの思考ネットワークと、魂が織り上げるアナログ
の思考ネットワークが相互に機能し、多体的にあらゆる状況を分析し、その結果として、
私の心中に不吉な予感を凝らせている。

 ドクター・クラインの思惑すら超えた機能=常識を外れた的中率。
 それを完全に押さえ込み―――私はドクターの望みをなぞるように告げた。

「我が望みは戦にて、すでに叶えられています。ゆえに、ここに願うのはドクターの願い、
すなわち伯爵殿に仕え、研究を続行し、その成果を献上することに御座います」

 全て告げ終える―――/膨れ上がる疑問。
 この男は、いったい、何を望んでいるのか。

 世界の破滅/ドラキュラ/復活/その意味すること。
 重なる不信が質量を増してゆく。

「―――ひとつだけ、無粋な質問をさせて頂いてよろしいか。伯爵殿は、この仕合の果て
に何をお望みなのですか」

 気がつけば、問いかけていた。
 虚無=不吉は私の内側で、震えながら存在を示していた。


【現在位置/城主の間】

467 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/05/05(土) 22:40:180

>>461
「おのれ。
 ならば塵一つ残さず消え去るがよい!
 我が両手に破滅の星を!」

間合いを詰め、刃圏にバラモスを捉えたその時。
バラモスの両手に強大な力が集められていくのが理解できた。

「鋼牙! 距離を取れ!」
(―――もう無理だ。止められん!)
鋼牙は予定通りに牙狼剣をバラモスの腕に叩きつけようとし、

「砕け散れい!
 極大爆裂呪文(イオナズン)!」
バラモスは完成した魔法を撃ち放った。
それはまさしく爆裂が生み出す、光と炎熱の暴風。

鋼牙の手から、牙狼剣が弾き飛ばされる。
一方、バラモスも左手を押さえている。その左手はまさしく皮一枚、管一本で繋がっていた。

バラモスの魔法は完全な形で発動したわけではなかった。
鋼牙の振るった牙狼剣が左手に食い込んだことによって、かき集めた魔力の全てを魔法に注ぎ込めなかったのだ。
おそらくは、1ランク低い威力で発動したと考えられる。

つまり、両者とも無傷では済まなかったのだ。
「大丈夫か、鋼牙!」
ク……、と声を漏らしながら倒れ伏せていた鋼牙が立ち上がる。

しかし、その手に牙狼剣剣はない。
剣は……闘技場の壁面に突き立っている。その上、魔戒剣に戻っている。

鋼牙は、“鎧を温存し、精神力を維持する”などという甘さや自惚れが、自分の心のどこかにあった事に気付いた。
そんな情念を持ったまま勝てる戦いではないのだ。

全力を尽くす。ただそれだけでいいのだ。

【場所:侵食煉獄闘技場】


468 名前:麒麟 ◆TEKIajvYfQ :2007/05/05(土) 22:41:060

>>457
(十字刈夜 vs 麒麟/侵食地下神殿跡)

 地を滑り、立ち上がった麒麟の目前に、無尽の牙が迫る。
 牙を担う白き狩人は――不敵な微笑すら浮かべていた。

 対する麒麟は――麒麟もまた、狩人と同様に不敵な微笑を浮かべ――――

 白銀の牙の嵐へと飛び込んで行った。





 麒麟は何故、足技を用いるのか。
 肉体と地を繋ぎ、鍛えられているため。
 それもある。
 腕は受け流しに用いるため。
 それもある。

 麒麟の手腕は、時として足以上に『脚』としての役割を果たす。
 道なき道を往き、支えなき壁を登り、腕一つで天井すらも渡り往く。

 故にその腕は、足以上に『脚』。
 故にその腕は、『必滅』の腕。

 無尽の牙を掻い潜り、受け流し。
 白き狩人の生命の中枢へと、必滅の貫手を――――

【死合場:侵食地下神殿跡】

469 名前:衛宮士郎 ◆BladeSUpsc :2007/05/05(土) 22:48:070

衛宮士郎vsバルバトス

>>463

圧縮された空間ごと撃ちぬいたせいか
矢の軌道は完全に逸れていた。

だが侮るなかれ、この剣は投擲に特化した宝具。
空間ごと抉る矢は男の肩を攫っていったが
その程度で戦闘を中断しようという気は更々無いらしい。

「このっ!」

再び投影した干将・莫耶で男の背後を突く。
それは既に感知されていたであろう襲撃、男は振り返り
巨大な手斧で双剣を受け止める。

―――返ってきた答えがそれか。
ああ、その生き方は否定はしない。
だけど―――

炎を纏った一撃を受け止める。
砕け散る干将・莫耶。
しかし瞬時に投影、再び斬りかかる。

「そうかよ、だからってな……」

かわされてがら空きになった腹部に重い衝撃。
怪力により俺は宙を舞っていた。

そこに来る斬撃。
無理な体勢であるがそれを双剣で受け止めた。

重い一撃は更に俺を吹き飛ばす。
呼吸は滅茶苦茶。これで投影したところで満足な精度の幻想なんて作れない。
ならば時間を稼ぐまで。

「俺はこんな所で死ぬわけにはいかないんだよ!!」

突撃してくる男に向かって左右から同時に双剣を投げる。
それは回転しながら宙を舞い、男の頬を僅かに斬った後、
ジュ、ジュ、と冥府から明かりを奪っていった。

切断される壁に掛けられた松明。
今燃えている部分を刈り取られ、その赤く燃えているものの寿命は
一瞬で尽きる。
二つ、四つ、六つと刈り取られた松明はその役割を果たすことができなくなった。

残ったものは無限に湧き出る流水と
雀の涙ほどしか存在しない光苔。
松明という数少ない光の素が奪われたので洞窟は薄闇に包まれた。

その薄暗がりの中未だに舞う夫婦剣。
双剣は強い絆で結ばれているため、磁石の如くお互いを引き付け合う性質を持つ。

明かりを消していく剣に男が気を取られているうちに俺はその場にある身を隠した。
これによりあいつが俺を発見する時間は数十秒、いや数秒だけでも十分だ。
始めて投影する剣だが、できないことは無い。

あいつが俺の命を一度か数度かに渡って奪った
巨人グレンデルのを討った者に貸与された剣を投影する。
射手が狙い続ける限り標的を襲い続ける魔剣。

「――――投影、開始トレース オン

赤原猟犬フルンディングの投影。
八節に分け、できるだけ丁寧に投影したそれは会心のできであった。

岩場の影から狙いを定める。
とうにこちらを発見したとしてもお構いなし。
俺は弓からその剣を放った。

【現在地:地下冥府】

470 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/05/05(土) 22:51:050

【藤原妹紅 vs 柳生・ジャグワァ・玄兵衛/時計塔最上階】
>>462 >>464



 それは、千年の記憶を持ち、サン=ジェルマンのようにさすらった妹紅ですら、今まで
に見たことも聞いたこともない奇怪な光景だった。
 あまりの展開の速さと異常さに、瞬間的に思考が麻痺する。
 ―――簡潔に整理する。

 男はこちらの一撃を回避し。
 なぜか服を脱ぎ捨て。
 一瞬で此方の視覚へ回り込み。
 なぜかドリルをぶっ放している。
 赤褌と白足袋姿で。

 例え神であろうとも、どんな戦術なのか分からないだろう。
 妹紅にも分からなかった。

「ど、どっちが面妖だー!!」

 幸運は、我に返るのが一瞬早かったことだ。
 もし遅れていたらドリルで二度目の死を味わうことになっている。
 咄嗟に近くの崩れかけていた壁から石を引っ張り出し、真っ直ぐに轟音を立てて進んで
くるドリルへと、思い切り殴りつける。
 破砕音と、強烈な衝撃が腕に走った。
 幸い火薬は仕込まれていなかった。ドリルは衝撃で向きを変え、妹紅からはるかにそれ
てどこかへ飛んでいった。途中、空を飛ぶあやかしどもをえぐりながら。

「こ、のっ……!!」

 牽制に足元へ転がっていたレンガを蹴り飛ばし、距離をとる。

 ―――此方の優位は遠距離からの射撃戦だ。
 向こうはおそらく空を飛べないだろう。
 巧く空中へ逃れて、弾幕戦闘に持ち込めば勝機はある。

 さすがに鉄火場に慣れた身、すぐに状況を判断して最適な戦術を見つけ出す。

「悪いが、容赦は抜きだよ!!」

 轟、と再び炎が走った。
 妹紅の背―――そこから、一対の荘厳な翼が飛び出している。
 燃え盛る炎で編み上げられた、不死鳥の羽根。彼女の生命の象徴である。
 ―――それが、大きく身をたわめて、大気を叩く。

 強烈な轟風と高熱、そして炎の羽根が弾幕として魂斗羅へと襲い掛かった。




471 名前:魔王バラモス:2007/05/05(土) 22:58:080

>>467
「貴様ッ!
 ワシの腕を!」

千切れかけ、僅かな腱や骨で繋がった腕を押さえながらバラモスは呻く。
これでは極大級の呪は支えられないだろう。
バラモスは忌々しげに垂れ下がった腕を掴み、

ぶちり

無造作に投げ捨てた。

「よくもやってくれたのぅ……」

その傷口からは、あろう事か新たな腕が再生しようとしていた。
バラモスを屈辱に沸き出す怒りを込め、魔戒騎士を見下ろす。

「そなたは二度とよみがえってこぬよう、ハラワタを食らい尽くしてくれるわ!」

バラモスはその場で回転し、背を向けた。
無論敗走ではない。
バラモスはその巨木の如き尾を鞭の如く振り回し、魔戒騎士を叩き潰そうとしているのだ。

そしてその結果も見ず、バラモスは大きく息を吸い込んだ。

472 名前:魔王『ドラキュラ』蒼真 ◆BLOODlbo6s :2007/05/05(土) 23:05:060

>>466


―――――“闇”が。

「く、くくく、くくくくくく――――――」


―――――“魔”が。


「くくく、ははははは、アッハッハッハッハッハッハ――――!」


―――――“悪”が。
糸が切れたように壊れて、笑った。

「ああ――――言い忘れていたか、其れは済まなんだ。
 では改めて我の望むものを教えよう。
 ……何、汝のような戦士であればきっと応じる」

そう言って/傍らの魔鏡に手を伸ばし。
ただ事なげも無く/膨大なる灼熱/繋いだ世界に顕現させ。
腐乱した毒華のように/自らの生える大地すら腐らせる毒華のように。
歪み狂った笑みを浮かべて/鏡の先/眼前の機械が造物主を、光景ごと爆ぜ殺した。


「――――我が望むのは“破滅”。
 世界を滅し、人間を滅ぼし、有形無形問わぬ全てを混沌へと帰す。
 この世界が滅びれば異界を、天上を、魔界を、地獄を。
 ファシナトゥールを、次元世界を、異なる歴史を辿った平行世界を。
 我が支配の力にて統率した軍勢で、万物が存在する限り果ての無い破壊と殺戮を続けよう。

 ――――だから歓喜せよ、メタルアルカイザー。
 戦いを望む汝の願い、そして造物主の願いは叶う。
 我が兵として、全ての世界、世界の万物と戦い、鍛え、学び、そして滅ぼす権利を我が与えよう。
 貴様ら如きの意志とは一切の関わりなく、な」

戻した手に握ったクラインの魂に眼を移し、詠うように魔王は告げた。
もはや一切の自我を奪われ―――彼が他と同じく支配する、虚ろな魂を見ながら。

其れが―――――『ドラキュラ』である。
吸血鬼と災厄の呪いで構築され稼動する、純然な形ある呪い。
其の前に在るものは滅ぼされ、或いは更なる破滅を齎す道具として支配される。
其処に心はない。支配される魂に、自由なる精神は存在しない。
最早、呪いの発端となったヴァンパイアの心、憎悪と憤怒の激情さえも。


「ああ、そういえば忘れる所であったか。



      警護の鎧兵達が緩やかに其の向きを変え――――


 ―――――褒美だ、汝も死ね」


詠うような宣告と同じく八方、一斉に戦斧が振り下ろされた。

【現在位置/城主の間】


473 名前:十字刈夜:2007/05/05(土) 23:08:130

>>468 【十字刈夜 vs 麒麟/侵食地下神殿跡】

男の拳に、刈夜の胸は朱に染まり───そのまま溢れ、。
膨らみのやや隣、とくとくと言う拳大の鼓動は、無骨なその手に握られた。

あ、あ、あ、、、、、、。こわいよ。。。。こわいよ。。。
こわい、、、、いや。、、や、、、や。。。。

白い狩人、十字刈夜。……本名は忘れた。
数年前、家族一同が吸血鬼に襲われ解体され。彼女自身が陵辱の憂き目に合い…
総身の色素を失ったその日から。
享年17歳。恐怖という名の衝動のみで永らえてきたその人生を今、閉じた。
そしてその断末魔は、体に篭った恐怖の音が全身から垂れ流された、そういう音。
あ、あ、あ、、、や。。。いや。。なの。。いたい。。の。。。いや。いやぁ。。。。。。。

それも───いま
──────静かに、なった。


───その時。男の頭上には…冷やりと霊験あらかたオリハルコンの刃。その勢いぞ正に必殺。
彼女の髪がそれを撒きつけ、意思あるように操り轟音、死を呼び叫びぞ迫り行く。

474 名前:◆BLOODlbo6s :2007/05/05(土) 23:09:540



            ―――――時をして同じく。




 「貴様、」  

 天をどよめかせ魔神が叫ぶ/真鍮の巨躯が罅割れる
       眼前の力の前に。

       「貴様ア」  

 一万年の計画が/魔王復活により再び動いた歯車が
     崩れ去る/我が滅びを以って

 「貴様ァ!」

 目の前の贋作/巨大なる鬼械神
     魔を断つ、剣。

           「如キニィ」

 正しき怒りを胸に/かつての誓いを胸に
    神の掌に宿るのは、滅。


「 贋 作 」

  空を焦がして/炎魔が叫ぶ
   更なる贋作を前に。

「不完全 な る 体で え」

神の躯が粉と散る/灼熱の炎が削られてゆく
  魔導の閃光/神威の衝撃
    虚ろの異貌。

  「我  を 我 お  お」

自らが命捧げる矜持の為/友と愛する者の為
   掲げた砲口より生じるは散華。



             ―――今。


 虚無へと導く闇の拳           光塵に散らす魔光の舞

              轟音と業音
         顕現縮退/魔法と魔法/魔砲激
           強大無比の魔神と魔神
               必滅は
           憎悪の空より来たりて

     魔神は               炎魔は


『餓エズ乾カズ無ニ還ル』        『我ハ埋葬ニ能ワズ』


【悪魔城城外】
【魔神ガラモス、炎魔アグニ 消滅】

475 名前:◆BLOODlbo6s :2007/05/05(土) 23:10:410

>>474


「『魔神ガラモス』、『炎魔アグニ』消滅を確認、反応ありません」

自動人形の無機質な声音、一切の濁りなき報告。
抗呪処理を施した『蟲目(アイセクト)』よりリアルタイムと送信される映像と同じくに。
――――流石は。
そう思わず唸り、戦況を見据えるヴァン・フェムは胸中で続けた。
『魔を断つ剣』――――かつてはヴァンに敵対し、彼の有する魔城の一つをも倒した、
半機械の鬼械神(デウス・エクス・マキナ)。
その繰り手たち自身の運命を左右した決戦の後、致命的な損傷ゆえ修復は絶望的と言われていた其れに
技術供与まで行い再稼動に至らせたのは、他ならぬ敵対関係にあったこの財界の魔王である。
魔法の領域に至る部分の再現までは不可能、だがそれでも従来の力の8割を発揮した退魔の刃金は、
望むどおりの戦果を上げていた。
北方のガラモスと、南部のアグニ。
悪魔城城外防衛ライン『礫するもの』、四大魔神が二柱の撃破。

―――――もう一体の『その更なる贋作』も同じく。
その類稀な発想と頭脳に眼を掛け、半ば以上遊興で資金協力していた科学者の作である。
……しかしあの顔は如何にか仕様が無かったのか。あの姿を確認する度にヴァンは思うのだが。
とはいえ"彼”は天才とアレの紙一重、むしろその向こう側の鬼才、いや奇才。
あの造形はいわば彼なりの美意識であり信念の結晶らしく、ならば同じく奇才に至った天才として
通ずる同好の志を理解できないわけではない。
即ち、ヴァン・フェムとしては「さもありなん」とも納得出来たのも確かではあったが。
――――とまれ、閑話休題。

必要なのは体裁ではない。
眷属同胞の誰よりも永くを行き、そして誰よりも欲望に順じて生きてきた彼には分かる。
生き延びるという“結果”。
そして生き延びようとする“意志”。
其れが、其れこそが彼の掴んだ真理であり、何よりも優先される全てである。
最低俗との罵られ、誇りを捨てた外道と謗られようと。
“財界の魔王”、“掛け値なしの悪党”、そんな悪名で飾られた生を歩もうとも。

そう、生きてきたのだ。
生あるものは、例え歪んだ存在であろうとも最後まで生きねばならない。
それが生命と其れが息づく世界の在り方だ。
例え悪であれ破滅が待つ未来であれ。死に行くまで生きる権利があり、最後まで足掻く権利がある。

だから彼は1999年の決戦に、破滅へ抗するアルカードに協力した。
誰よりも生きるために、世界の破滅などという狂気を止めるために。


今、あの時のように戦う彼らと同じく。
 

476 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/05/05(土) 23:10:520

>>471
「貴様ッ!
 ワシの腕を!」
ぷらん、と垂れ下がった左腕を引きちぎりながらバラモスが叫ぶ。
その断面は、ピンク色に輝く肉が加速的に盛り上がり再生を果たそうとしていた。


「よくもやってくれたのぅ……

そなたは二度とよみがえってこぬよう、ハラワタを食らい尽くしてくれるわ!」
バラモスは、左手を庇うような姿勢を取りながら身体を捻り込んだ。
おそらくはあの尾を叩きつけるつもりなのだ。

だが、それは逆に好都合だ。
鋼牙は、剣の方向と、バラモスの位置と尾の大よその長さを確認する。
そして―――振るわれた尾に向かってその身体を躍らせた。

鋼牙が狙ったのは、バラモスの尾をスリング代わりに使って剣に向かって飛翔することだった。
その目論見は半ば当たり、目的の方向に最速で飛ぶことが出来た。
だが、もう半分は外れた。

バラモスの灼熱の吐息が、鋼牙を襲った。


477 名前:◆BLOODlbo6s :2007/05/05(土) 23:11:200


>>475

今魔神と炎魔を無に帰した/『魔を断つ剣』の操者は。
「もし魔王と堕ちた時、必ず止めてみせる」かつて、そう青年と約束した。
銀馬で馳せ騎兵団と青銅巨人を断つ/白銀の魔戒騎士は。
戦友の勝利と帰還を信じ、今もなお双剣を揮う。
七星に輝く剣を持て隻眼の巨悪に迫る/美しきポドールイの領主は。
聖杯の縁から盟約を結んだ盟友、かのダンピィルの頼みに応えるため闇から参じた。
森羅の精鋭/有栖の後継と仙狐/組織は違えど、同じく共に世界を護り戦った戦友。
赤いデビルハンター/魔剣士スパーダの忘れ形見/天敵悪友だった“彼”の最後の依頼。
ヴァンパイアハンター/漆黒のディウォーカー/漆黒と紅蓮の凶風が死者を駆逐する。
咆哮する二丁拳銃《獣》/『墓場の彼方』/死地に赴いた友への弔砲が、“彼”を見送る死出の銃声が木霊する。
白き真祖の姫君/自らの意思で彼女は来た/空想を現出させる幻想発露の竜巻が天へ渦巻き。
埋葬機関の弓/携える聖獣憑依の火器/強引に嵐へ乗り、抉られ露出したレギオンの核へ転生否定の聖典杭が。


破滅を望まぬツェペシュの子の願いにより。
世界の存続を願うヴァンデルシュタームの頼みにより。
彼らと彼女らはこの死地に集った。世界とその未来への糸を紡がせるために。
その力は決戦時の数に勝らずとも、その不退転の意気は往時の精鋭にもけして劣りはしない。
今は立場と信念の区別無く。
ただ破滅へ抗するために、魔の軍勢を切り伏せ道を拓く。

そして、その道は切り開かれつつあった。
侵入を直接妨害する防衛戦力、その要となる四大魔人は壊滅。
次元歪曲により間接に妨害する結界装置、死体群球レギオン5基の内1基の破壊。
城外に残存する戦力は遊撃に回ったハンター達によって、徐々にその数を減らしていっている。
元より悪魔城の防備は不完全。十字軍の時とは違い、城主と側近の出撃もない。
ゆえに魔神と結界の防衛に頼みを置いた配置である。
その要さえ撃破できる戦力を用意できるならば勝算はあったのだから。
そう、此処までは。

「敵全大型目標沈黙。上空圏内における魔力計の反応、乱れました。
 王立国境騎士団に通達、作戦内容に従い
 ――――――空間歪曲を確認、魔力計数300を突破」
「いかん!」
 

478 名前:◆BLOODlbo6s :2007/05/05(土) 23:12:020

>>477

5基の一つ、死体を寄り集めた不死者球「メヌエット」の破壊が或いは引金となったのか。
残存するレギオンは内包する力を解放し、天を歪めその役割を更に果たそうと唸りを上げた。
装置の迎撃機構――――卵「ヌクレオス」の中身、無貌の巨人を殻より生み出して。
だが、それが脅威となる事は無かった。

その時、異変は二つ。
一つは大気圏外からの砲撃/瞬時「セイント」、「ムクロ」の両基を消滅させ、結界機構を破壊。
それが時空の彼方より発射された広範囲空間歪曲魔導砲である事など、ヴァンフェムを含めた
誰もが預かり知らぬだろう。
一つは虚空を割り、ヌクレオスに立ちはだかった巨獣。
之こそは悪魔城を撃滅し、次元支配の足がかりとしたい異界よりの兵であるという事を
これもまた余人は知るまい。

唯一つ明らかなるは、そう。
破滅を望まぬ者は彼ら以外にも存在し、それによって生まれた今こそが唯一絶対の好機。



『―――――オペレーション“VK”、最終段階に移行する。各々は各自の判断で後退せよ。
 繰り返す、各員は各自の判断で後退せよ。



 ―――――オペレーション“VK”、最終段階発動。これより黒禍が到来する』
 

479 名前:アーカード ◆BLOODlbo6s :2007/05/05(土) 23:13:120


>>478


「――良い夜だ。良い夜だとは思わないか、インテグラ? こんなにも月が紅く、巨大で、強大な月
夜だ。我々夜族(ミディアン)が猛り、狂い、吼えるには相応しい夜――同属が復活を目論み、生贄を数多に集
め、狂乱の宴を開いていても仕方がない。そうだろう、インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘ
ルシング?」
『それを愉しむ下衆が居るのが気に喰わないが――まあ、良い夜だ。こんなにも月が蒼く、巨大で、
強大な月夜だ。化物(フリークス)が淘汰され、排他され、一掃されるのは私にとってとても――とても喜ばしい』
「ふん――お前にはこんなにも紅い月が蒼く、醒めて写っているのか?」
『お前にはこんなにも蒼い月が紅く、猛って写っているのか?」
「私は心が躍る。懐かしい予感がする。血の匂い、血が焦がされる匂い、肉の匂い、肉の焼ける匂い、
断末魔の叫び、救いを願う祈り、絶望の憂い、幻滅の祈り――此処には何物にも並ばず、比肩しうる
事のない真実がある。人間に刻まれた、化物(フリークス)に刻まれた本質がある。――そう、闘争だ。此処には闘
争が、誰に救いも齎さない闘争が存在している。フハハハハ――なあ、インテグラ? 吸血鬼(ノスフェラトゥ)とはなん
だ? 化物(フリークス)とは? 悪魔(ディアブロ)とは? 怪物(モンスター)とは? 人間(ヒューマン)とは? どいつもこいつも刻まれた本質に抗う事も
できない闘争狂だろう? ならば私はなんだ? 吸血鬼か? 化物か?悪魔か? 怪物か? それと
も――人間か?」
『お前が人間なものか、吸血鬼(ヴァンパイア)。残念だが私にその問いに答えるだけの確信はないが、これだけは云っ
ておこう。――少なくともこの場に居る『敵』は全て殲滅しろ(、、、、)。我々王立国教騎士団(ヘルシング)に敵対するもの、及
び抵抗勢力(レジスタンス)は一つ残らず、チリすら残すな。オーダーは見敵必殺(サーチ・アンド・デストロイ)。見敵必殺(サーチ・アンド・デストロイ)――だ。さあ、征け。
夜はお前のために在り、夜はお前が制し、夜を支配におくのは我々(人間)だ。オーダーは伝えたぞ。それでは、
健闘を祈る。我が従僕(アーカード)」


 男が一人瞑想に耽っていた。
 恍惚とした表情を浮かべるでもなく、さりとて無表情というでもなく。
 例えるならば闇を携えた表情で。

 その左手には通信機。今では無機質な電子音を流すだけの道具でしかない。数秒前まではその熱く
濡れた吐息――もっとも、愛を囁いていたわけではないのだが――を伝えようとしていたモノ。そんなモ
ノに男は既に興味をなくし、無造作に投げ捨てる。
 重い音を立て転がるそれに視線すら投げ掛けず、男はただただ自らの内に篭っていく。

 時には街で。
 時には森で。
 時には砂漠で。
 時には湿地で。
 時には雪原で。
 時には海上で。

 この地上のありとあらゆる戦場で謳われる詩を想い出すように。
 この地上のありとあらゆる戦場で謳われる詩を想い返すように。

「私はこの地上のありとあらゆる戦場で謳われる詩に身を任せ、この地上のありとあらゆる戦場で謳わ
れる詩の指揮を取り、この地上のありとあらゆる戦場で謳われる詩と共に侵攻し、この地上のありとあ
らゆる戦場で謳われる詩を謳い続け、この地上のありとあらゆる戦場で謳われる詩と共に果てよう――」

 右手には銃。殲滅の為の武器。その身に宿す狂気の具現。

「オーダーは確かに受け取った――さて、それでは始めよう」

 ハッチが開き、眼下に広がる光景はまさに地獄。
 一筋の光明すら見られない、地獄。

「拘束制御術式(クロムウェル)――三号、二号、一号開放」

 眼には眼を。
 歯には歯を。
 生には生を。
 死には死を。

 地獄には――地獄を。


「殲滅目標、悪魔城。有象無象の区別なく、一切合財の生を拒絶し、ありとあらゆる死を飲み干し、全ての
終わりに向かって疾れ。拘束制御術式(クロムウェル)第零号――開放」



480 名前:アドリアン=ファーレンハイツ=ツェペェシュ ◆BLOODlbo6s :2007/05/05(土) 23:14:250

>>479



―――――そして、これが唯一の好機となる。


銀嶺の美貌には、逃れられぬ死の陰。
身に宿した影は城の如何なる闇よりも濃く/生の息吹は誰よりも薄く儚い。
継承した友の形見/ヴァンパイアキラーは彼の身を焦がし。
受け入れた闇の宿命/魔王と同調した魔力は己の魂を蝕み続ける。

彼は、死ぬだろう。
アルカードの命は既に捨てられている。
自らの到達する結果は唯一であるが故に、生存はない。

だが、それでいい。
自らの宿命、輪廻を今此処で断てるというのなら。
それがただ一人生き残った己の務めならば、甘んじて受け入れる。

腰に愛剣アルカードソード/左手に妖槍アルカードスピア。
そして自らの魔性を抑える為巻きつけた頸木/聖なる鞭ヴァンパイアキラー。

もう一人の「ドラキュラ」――――父の盟友が軍勢に紛れ。
天を飛翔し彼の目指す先は一つ。
父の残影、魔王ドラキュラが座す城主の間。


【アルカード:悪魔城侵入→城主の間へ】
 

481 名前:柳生・ジャグワァ・玄兵衛:2007/05/05(土) 23:19:060

【藤原妹紅 vs 柳生・ジャグワァ・玄兵衛/時計塔最上階】
>>470

 必殺を期して放ったドリルは効果を発揮することなく捌かれていた。

「やるでござるな!」

 頭蓋を勝ち割らんばかりの速度で飛んできたレンガを転がってかわし、ジャグワァは妹紅を見た。

「空まで飛ぶでござるか! デタラメでござる!」

 炎の翼を背にはためかせ、妹紅は空に舞い上がっていた。

「悪いが、容赦は抜きだよ!!」

「それはこちらも同じ事でござる!」

 降り注ぐ炎の雨を前にしてもジャグワァは動揺せず、背に佩いた刀を抜き放った。
 魂斗羅とは、絶望的な状況であろうとも、決して諦めぬ斗魂を持つ最強の闘士なのである。
 炎の弾雨を刀で斬り防ぎながらジャグワァは銃口を妹紅へと向けた。
 ――ロックオンウェポンシステム起動。
 銃身に設けられたシーカーが作動し、四つのサイトが妹紅の背中、その翼を捉えた。
 ターゲット、ロックオン。

「そっちが炎の雨を降らすならば! こちらは天の光でござる! 翼を散らして堕ちろでござる!!」

 ジャグワァはトリガーを引いた。瞬間、天から光線が疾った。
 ロックオンウェポン、ヘブンズレーザーの攻撃である。

482 名前:魔王バラモス:2007/05/05(土) 23:23:360

【魔王バラモス対冴島鋼牙&魔導輪ザルバ 侵食闘技場にて】

>>476
バラモスの尾をまともに受ければ、人間大の生き物など形を失い血袋と化す。
それを利用し、手から離れた剣に向かったのは賞賛に値するだろう。
機を誤れば肉塊が剣という墓標にたどり着くことになるのだから。

が。

バラモスに向かって風が起こるほどの吸気

その口から吐き出された炎は、

爆風の如く広がる灼熱

最大火炎呪文も、完全に放たれることなく終わった極大爆裂呪文をも、

炎が過ぎる石の床が飴細工のように融ける

遙かに上回る脅威となって魔戒騎士へと襲いかかった。


バラモスのその致死の尾さえ、炎の吐息の前座に過ぎなかったのである。

483 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/05/05(土) 23:31:240

>>482
狙い通り!とは言え、あの巨体によって加速が付けられた尾は人一人を大小108ほどの肉片に
変える事など造作もないことだろう。
運が良かった、では済まされない。運命を勝ち取ったのだ。

そして、一回転をする合間に充分な呼吸を行い、炎を蓄えたバラモスの口から放たれた炎が
鋼牙を飲み込もうとしていた。

「鋼牙!」
ザルバの声に大きく頷いた鋼牙は、
引き抜いた魔戒剣を前方に向け/円を描き/円を潜り抜けるために空を駆けた。

炎の中から現れたのは、黄金の鎧を身に纏う騎士。
黄金騎士ガロの姿に変わった鋼牙であった。

【装着限界まで:あと97.8秒】

484 名前:麒麟 ◆TEKIajvYfQ :2007/05/05(土) 23:38:150

>>473
(十字刈夜 vs 麒麟/侵食地下神殿跡)

 必滅の手に触れる、生命の中枢。
 掴み、引き摺り出す。

 主から離れてなお脈動するそれを見つめ――――
 握り潰した。

 麒麟の腕が。麒麟の身体が。白き狩人が。
 真紅に染まる。

 そして――――――麒麟の身体が、長大な十字架に拠って、地に縫い付けられた。

 狩人の意地か、少女の意志か。
 麒麟は地に脚を張り。
 もう一度不敵な微笑を浮かべ、眼を閉じた。



 【死合場:侵食地下神殿跡】

485 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/05/05(土) 23:42:500

>>472


 哄笑/狂笑/嘲笑/―――広大な空間に主の笑い声が響く。
 急速に虚無が広がる。広がっていく。

『ドクター!!』

 即断/通信回線を開く/量子通信による高速・遠距離の通信。

『どうした!?』

『すぐにこの城を離れてください!! 危険だ!!』

 悪寒/多体の結晶が絶叫する/予感/絶望的な未来予測。
 機械の体に冷気が走る/錯覚/混乱寸前の思考回路。
 それでも冷静な対応を告げていく。

『伯爵は―――この世界全ての破滅しか望んでいない!!』

『な、何だと―――馬鹿な、まさか本当に―――なんだ!? ……ぐわっ!!』

『……!! ドクター!! ドクター!?』

 通信が途絶する/絶望が去来する/虚無が膨張する。
 何が起きたのか/推測不能/推理不可能/混乱する自己の思考回路が、電子の声で呼び
かけ続ける。再び繋がることを信じて―――直感は否定している/全ての最悪はここに、
現実という形に結実している。

 伯爵の横に並び傅く鏡。
 そのうち一枚が写す風景の先で爆ぜる血―――先ほどまで自分のいた場所。
 明確に知った。

 ―――ドクターの、死。


「――――我が望むのは“破滅”。
 世界を滅し、人間を滅ぼし、有形無形問わぬ全てを混沌へと帰す。
 この世界が滅びれば異界を、天上を、魔界を、地獄を。
 ファシナトゥールを、次元世界を、異なる歴史を辿った平行世界を。
 我が支配の力にて統率した軍勢で、万物が存在する限り果ての無い破壊と殺戮を続けよう。

 ――――だから歓喜せよ、メタルアルカイザー。
 戦いを望む汝の願い、そして造物主の願いは叶う。
 我が兵として、全ての世界、世界の万物と戦い、鍛え、学び、そして滅ぼす権利を我が与えよう。
 貴様ら如きの意志とは一切の関わりなく、な」


 虚無が、音を立てて膨れ上がった。

 絶望/喪失/心術ジェネレータが魂の絶望に引きずられ出力を低下させる。
 あたかも死に直面したかのように。
 ショート寸前となった思考回路は、何をするでもなく伯爵の方を見た。
 その手には、先ほどまで無かった小さな火が灯っている。


「ああ、そういえば忘れる所であったか。




 ―――――褒美だ、汝も死ね」


 ―――死が、迫る。

 無数の衛兵が音を立て、その戦斧を振り下ろさんと天に掲げる。
 一糸乱れぬ、神速の動き。
 数瞬の間を置いて、この鋼の身は微塵と砕けるだろう。
 絶望の最中、しかし私は動きすら取れることなく―――





486 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/05/05(土) 23:43:430

>>486




 ―――ビジョンが、走った。

“例え、肉体は滅びても魂は決して滅びぬ。お前の肉体が滅びてもなお蘇ったようにな。
そして、お前が生きていれば私もまた滅びぬ。お前こそが我が魂の結晶なのだから――”

 鮮烈な言葉/ドクターの強き意志。
 魂―――不滅のもの。
 決して滅びぬ黄金の輝き。

 ―――さらにビジョンが過ぎる。

 シグナム。
 リア。
 アルカイザー。
 そして、ドクター・クライン。

 その全てが―――私に告げていた。
 正しき道を、我が意志を進めと。
 偉大なる止揚/魂の輝き続ける生へと。





487 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/05/05(土) 23:46:420

>>486



 ―――光り輝く旋風が走った。


 心術ジェネレータ最大出力/魂の支援を経て限界を215%まで上昇/全身に熱く力が
宿ってゆく/偉大なる生命/意志と鋼の織り成す偉大な力。


 吹き上げる神速の突風/銀と金の煌き/二重の螺旋を描いて走る/兵が切り裂かれる/
奇怪な液体が舞い上がる/バラバラに崩れ落ちる/全てが崩れ落ちる/吹き上がる液体/
魔色の血は一瞬にして飛び散る―――


 そして、後には。
 白銀の騎士が、白銀の剣と黄金の剣を携え、立っている。


 ―――マニューバ/竜鱗の剣/レイブレード同時装備/二刀流。
 鋼の身には、返り血一つない。

 秘剣、逆風の太刀。
 それをあの密着状態から、二刀で、それも十数体を切り刻む形で放った。
 通常の剣技をはるかに超えた、不可能の機動。
 私は、当然のように振るっていた。


「肉体は滅びても、魂は死なぬ。そしてその魂は、必ず誰かが受け継いでゆく。
 ―――ただ滅ぶことしか出来ぬ貴様に、父の魂はやれん」


 かすかに驚愕の色を見せるドラキュラへと、静かに告げる。


 ビジョン―――“正しき強さ”。
 それは、得た力を己のためではなく、他者のために使うということ。
 私は、失いたくなかった。
 この世界=共に戦ったもの=刃を交えた者=ついに得た魂の輝きを。
 その想いに、殉ずる。



「我が名はメタルアルカイザー。―――破滅を討つ者なり!!」


 清冽な宣言/かつて刃を交えた者たちのように。

 白銀に身を包んだ黒き騎士が突撃する。
 全ての災厄/絶望/破滅そのものの存在へと。



【決勝戦開幕―――ドラキュラvsメタルアルカイザー/城主の間】

488 名前:魔王バラモス:2007/05/05(土) 23:49:130

【魔王バラモス対冴島鋼牙&魔導輪ザルバ 侵食闘技場にて】

>>483
「直撃の筈じゃぞ!
 なぜ生きておる!?」

炎の吐息はバラモスが持つ攻撃手段のうちで最も致死的なモノだ。
ただバラモスにとっては最も原始的な能力であり、優雅さに欠けるとも考えていた。

「その鎧か……。
 ならば徹底的に叩き潰すまでじゃ!」

己が腕を断ちかけた剣に鉄壁の鎧が加わった。
近づけるわけにはいかない。

「中級爆裂呪文(イオラ)!」

片腕の修復の時間稼ぎに、等級を落とした爆裂呪文を雨あられと落とす。
両腕を治しきり、極大の爆裂でもって鎧を粉砕し、生身を灰にしてやろうとの魂胆である。

489 名前:バルバトス・ゲーティア ◆8mvwr0Nrxk :2007/05/05(土) 23:51:300

>>469
さらなる追撃を加えようと突進してきたこちらに向って、
自分はここで死ぬわけにはいかないと、少年は叫んだ。

それは魔王を倒すために死ぬわけにはいかないのか、果ては自分に守るべきものでもいるわけなのか。
少年の眼はバルバトスを強く睨む。

だがバルバトスに、相手の事情など関係ない。
この男の前に仁王立ちしようとならば、それは敵として見なされるだけ。
例え相手の命を奪い取ったとしても、ただその屍を踏み潰し前進していくのみ。
言うだけ隙をつくるだけで、無意味である。


少年の言い放った言葉など気に留めず、バルバトスは数メートルあった少年との距離を確実に縮め、
再び戦斧の一撃を放とうとする。

その時、少年は手にしていた双剣を左右から同時に投げる。
投げ飛ばされた双剣は美しく円を描きながら、刃はバルバトスの頬をかすめる。
ツウーッと、左右の頬から血は筋を描き、薄っすらと流れる。

そして投げ飛ばされた双剣は、冥府を照らしていた松明を一つ、二つと切断していく。
壁に掛けられていた松明は全て切り離され、洞窟を薄暗闇が覆う。
残っている光苔ではこの洞窟を照らすことは不可能だ。

そう、あの攻撃は洞窟を照らす光を奪い、目をくらますための作戦だったのだ。
バルバトスは思わずこの策に気を取られ、気付いた時には少年の姿は見当たらない。
無限に流れ続ける滝の音と、地へと落ちた双剣が奏でる金属音が一瞬洞窟内に響いているだえけ。


「小僧!!どこへ消えた!!」

バルバトスの大声がむなしく洞窟に響く。

その時、バルバトスの側面にあった岩陰から、あの少年の声が聞こえてきた。
どうやらまた、あの呪文を詠唱しているようだ。
今度はどんな技を仕掛けてくるのか、少年が詠唱を終え、岩影から突如として剣が放たれてきた。

バルバトスは攻撃を避けようとしたが、どうやらホーミング機能がついているのだろう。
放たれた新たな剣を叩き落すことは出来ず、右足のふとともに突き刺さる。

だが、こんな攻撃でいちいち怯んでいるわけにはいかない。
痛みなど物ともせず、ふとともから吹き出る血を浴びながら、
物陰から現れ反撃を開始しようとする少年に向けて

「男に「後退」の二文字はねぇ!!!」

凄まじい轟音と共に、強力な衝撃波を放った。
少年はまた危機一髪、攻撃を回避する。

衝撃波は岩を跡形もなく粉砕し、残ったのは空間だけだった。
【場所:地下冥府】

490 名前:◆TEKIajvYfQ :2007/05/05(土) 23:54:200

第二回戦:十字刈夜 vs 麒麟/侵食地下神殿跡

導入
>>391 >399

闘争
>>407 >>412 >>418 >>422 >>428
>>433 >>447 >>449 >>453 >>457 >>468
終焉
>>473 >>484

 勝者:無し(十字刈夜/麒麟 相討ち果てる)



 斯くして殺戮の嵐は、神なき聖域でその足を止め――――――――――



 狄の血脈、此処に途絶える。

491 名前:魔王『ドラキュラ』蒼真 ◆BLOODlbo6s :2007/05/05(土) 23:57:190


>>480
>>485>>486>>487



―――――今。

回廊より迫る疾走からの斬撃。
邪鬼をも断つ双刃の剣閃、二刀に構えた疾風怒濤の必殺は、

天窓より至り跳躍からの急襲。
天魔をも穿つ妖槍の一撃、両手に構えた下降直下の必滅は、


「――――敵襲!」

彼我の転移を促す傀儡が動き/剣と槍が貫き滅したのは血族バートリー。
守衛長オルロックの怒声/死神はそれよりいち早く。
断末魔が闇を裂いて響く。
風を切り走る鎌、突き出される五指の爪。
そして全てを見透かしたような相にて笑う美貌、『ドラキュラ』来須蒼真。

『愚かなり、アルカード。そしてメタルアルカイザー』

妖魔の美貌は笑い。
死神が鎌と美剣士の槍、夜族の爪と半夜族の剣が交差する。
天翔ける凶鳥を<支配>/ハーピー/漆黒の機士へ襲撃。

『既に。貴様らには何も出来ん』

美しき魔王は嘲りに笑い。
かつての継嗣が向ける眼差しを、腹心が向ける首肯を一様に受け。

『――――貴様は、我が前に至らずして果てるのだ』
「―――それは如何かな?」

同時に。
破邪と魔道、六芒と五芒。
転送の方陣は二重へと練成される。
それは魔王が完全なる力を得つつある片鱗であり
           /それを知る継嗣が用いた「真」の切り札。

サンジェルマンは彼に教えた。
この魔城に集った「剣」、この儀式にて生まれたイレギュラーの存在を。
自らは最後の封印だ。傷ついた体には最早その程度の力しか残されてはいない。
だから今、アルカードは呼びかける。
儀式装置と貸した城の魔力に同調し/人としての命を削り、届くべき者達に声を届かせる。
死合を勝ち抜き/城主に至る贄としての資格を持った者。


『――――魔王を討つ為に集った者達よ、聞こえるか!
 俺が今より奴に至る道を作りだす。資格ある者は其処へ続け魔王の前に至れ!
 この地に在るのは魔王などではない、妄執に執り憑かれた千年前の亡霊だ!
 故に其の呪縛――――――』




 ―――――我等の手で、解き放て。

魔王が転移は完了せり。
其の一騎当千の側近と共に彼は消える、城主への路を遺したまま。

闇を継ぎ、己ごと闇を滅するアルカード。魔王の子よ。
彼の声は「剣」達に届いたか。

【悪魔城最上階 城主の間】


※城主の間への転移レス
・ラスボスとの戦いを望まれる方は、今の場所から城主の間へ移動できます。
・但し2回戦を勝ち抜いて移動中、ないし待機中の方のみです。
・あくまで一対一の闘争がしたいという方は、無視しても構いません。 

492 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/05/06(日) 00:01:180

【藤原妹紅 vs 柳生・ジャグワァ・玄兵衛/時計塔最上階】
>>481



 果たして、空を得ることは出来た。
 幻想郷―――弾幕ごっこを行うものの必勝形である。
 だが―――

「……うわ、でたらめ」

 目の前で展開されている光景に、思わずうめく。

 不死鳥の羽根一枚一枚は、それ自体が高熱を宿し、鋼など簡単に溶かしつくす。
 だというのに、この褌侍は意に介することなくその刃で切り払いまくっている。
 ―――熱の伝わる暇すら与えない鋭い剣捌き。
 妹紅はようやく気づいた。
 如何にふざけていようとも、この男は強敵だと。

 ジャグワァが此方へ銃口を向ける―――殺気を感じる。
 ただし、その黒い孔から届くものではなく、頭上から降り注ぐ鋭いものだ。

 ―――妹紅は看破した。

「悪いが」

 果たして、天から光の鉄槌が下された。
 夜と雲を切り裂いて突き立つ閃光―――はるか上空からの射撃。

「そんなの」

 それが二度、三度、四度。
 不死鳥の翼を縦横無尽に羽ばたかせ、まるで猛禽の如く自在に光の雨を潜り抜けてゆく。

「当たってやれないね!!」

 そして―――回避する間に練り上げた超高熱の炎塊を射出した。
 ありったけの熱と炎を組み込んだ式―――爆裂する火炎弾。
 必殺を期した弾頭。
 それが時計塔ごとジャグワァを粉砕せんと大気を紅く染めて迫る―――!!



493 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/05/06(日) 00:02:190

>>488
今の鋼牙は、黄金騎士としての名に恥じぬ心を備えていた。
全力を尽くしてこそ、勇気は輝くのだと。
己への慢心を捨て去り、絆を忘れなければソウルメタルは奇跡を呼び、勝利を与えるのだ。

炎の中で纏った鎧は、バラモスが放った決死の炎を無為にした。
「直撃の筈じゃぞ!
 なぜ生きておる!?」
バラモスの驚愕を込めた叫び。今まで、この炎は必殺の技であり続けたのだろう。

だからこそ、破られたのだ。

「その鎧か……。
 ならば徹底的に叩き潰すまでじゃ!」
バラモスは、残された腕を駆使し魔法を練り上げた。

中級爆裂呪文イオラ!」
爆裂する光と熱風が矢継ぎ早に放たれ、嵐となる。

だが。
「魔戒騎士の鎧は、身に着ける魔戒騎士の心が作用する!」
鋼牙の凛、とした叫びの通りに。
ガロは爆発の嵐の中でも動じることなく、歩みを止めない。
その誇り高き姿に、緑炎が宿る。

「烈火炎装」。魔戒騎士の高等技の一つである。
人界の赤い炎ではなく、魔界の緑色の炎をその身、その剣に宿す技。

鋼牙は、次々に打ち出されるイオラを魔導火の篭った牙狼剣で打ち落とし進む。
その軌跡に緑の陽炎を残しながら。

【装着限界:あと85.4秒】


494 名前:魔王バラモス:2007/05/06(日) 00:17:210

【魔王バラモス対冴島鋼牙&魔導輪ザルバ 侵食闘技場にて】

>>493
止まらない。
魔戒騎士は砕けない。

「そなたを我が大敵と認めよう。
 故に……」

掲げた掌に最大の火焔が灯る。

「確実に」

それは放たれることなく、バラモス自身にまとわりついた。
己の肉が焼けこげるのを物ともせず、バラモスは身を撓め、

「死ねイ!」

灼熱の放談となって殺到した。

495 名前:衛宮士郎 ◆FWMPFzmRNU :2007/05/06(日) 00:28:370

衛宮士郎vsバルバトス

>>489

赤原猟犬フルンディングの一撃で足が吹き飛ばない。
―――侮っていた、奴は確かに化物だ。

続いて岩ごと俺を破壊しようとする衝撃波。
一度浴びれば肉塊となってしまうであろう。

「―――――こっの!!」

急いで岩場から飛び出す。
しかし衝撃波は俺の右足に深い切傷を残す。
流れ出ていく生命、右足の感覚がなくなっていく。

――――これ以上の戦闘は危険。
ならばどうするか?
それならば、奴にとびっきり強力な必殺を浴びせればいい。

限界を超えた投影は諸刃の剣。
遠さかも言っていた、己の限界を突破した魔術は使用してはいけないと。
固有結界の暴走、己に降りかかる死。
しかし、それでもやらなければならない。
自分にはまだ、やらなければならないことが沢山あるのだから。

「――――投影、装填トリガー オフ

脳裏に九つ。
体内に眠る27の魔術回路を総動員して奴を一撃で叩き伏せる。

こんな距離は一瞬だ。走れば絶対に間に合う。
電光石火の如く沸騰した血液で死地まで駆け抜ける。

踏み込む。時間は止まって感じられる。
投影するはかの大英雄ヘラクレスが使用した宝具。
12の試練を乗り越えてきた英雄に相応しい究極の必殺技。


上腕 鎖骨 喉笛 脳天 鳩尾 肋骨 睾丸 太腿
その八点に狙いを定め、

全工程投影完了セット――――是、射殺す百頭ナインライブズブレイドワークス

振り下ろされる音速の斧を神速を持って凌駕する!

※トリップ勝負 #ninelives

【現在地:地下冥府】

496 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/05/06(日) 00:30:500

>>494
鋼牙は、魔導火を纏った牙狼剣を途切れることなく振るい続ける。
大地に、空に、軌跡に緑の陽炎を残しながら。

バラモスもやがて、攻撃魔法のラッシュを諦めその手を止めた。

「そなたを我が大敵と認めよう。
 故に……」
炎が、バラモスの回復しきっていない左手に、右手に点り。

「確実に」
そして全身に燃え移り。

「死ねイ!」
全身が炎に覆われ、燃え上がり始める。
バラモスは、この炎で鋼牙を鎧ごと焼き尽くし道連れにしようというのだ。

だが、既に鋼牙の布石は打たれていた。
空中でくすぶり続ける緑の陽炎の正体は、魔導火の刃。
全てがその動きを止めていたのだ。

百を越え、無造作に配置された魔導火の刃は、一斉にバラモス目掛けて飛来する。
そして、魔導火の刃と共に、鋼牙もまた炎の一矢となっていた。

―――狙うは胴への一撃。

【装着限界時間:あと77.7秒】


497 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/05/06(日) 00:30:520

>>491



 ―――我、生きずして死すこと無し。理想の器、満つらざるとも屈せず。
 これ、後悔とともに死すこと無し―――





 閃光が/銀鋼が/白銀が/漆黒が駆け抜ける。
 頭上を奇襲する羽根持つ怪物―――跳躍しての唐竹割り/残断。
 更に突き進む―――加速/加速/加速。


 魔王/防壁を作る兵/遠き道程/絶望への道。

 それを、一気に駆け抜ける。

 共振―――心術ジェネレータ/エネルギー開放/レイブレードと竜鱗の剣へ出力/手首
の関節ロックを解除/モーター高速駆動/三百六十度/秒速一万回の高速回転。
 エネルギーが遠心力で伸長―――巨大な風車と化して悪鬼羅刹を悉く刻む。

 秘技―――雲身払車剣。


 前方に迫る最強の盾=時の回廊を護る鎧騎士。

 停止不要/スラスター点火/加速/更に加速/限界値を突破/機体を揺さぶる衝撃。
 儀礼装備を施され、より禍々しくなった背部の姿勢制御翼が広がる。
 その翼は、高周波を宿し、あらゆるものを溶断する。
 防壁は突破され、腰から両断された。

 ―――グライダースパイク。


 迫る玉座/悪鬼の王/絶望の化身/破滅の象徴。

 恐れは無かった。絶望も無かった。破滅は否定した。
 討ち果たすという涼やかな意志だけがある。


 それは、怒りでも憎しみでもなかった。
 受けた生の中で、背負ってきた全てのものを護るために。
 無の手に渡さぬために。
 その黄金の精神が、私を駆動させていた。


「愚かと言うならばそう呼べ―――そして知るがいい。愚者こそが常に未来を紡いできた
のだと!! 恐れを知らぬ無知なる探求者が世界を拓いたのだと!!」



 それは、ドクターが常々言っていたことだった。
 優しき目で、まるで教師が生徒へ教えるように。

 天才は常に契機であり、その後を愚者が進んでゆくのだと。
 故に、天才とは常に異端でなければならぬと。

 それが、ドクターをブラッククロスへと走らせ、私を作り、最強を目指した衝動。
 魂の求める道程/正しき役割/止揚。



 到達する―――残り十歩。
 両剣を振り上げる/銀と金の輝き/目の前の魔王へ/真っ直ぐに振り下ろす。


 あらゆる死を乗り越えての一撃が、初めて魔王に触れようとしていた。


【現在位置/城主の間】

498 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/06(日) 00:40:570


 日に焼けた肌に浮かぶ刀傷の数々。
 二人の武人が打ち立てた誇りと楔。
 私は生きて、この目的を遂げ、帰らなくてはならない。
 それが、私に出来るせめてもの償い。

 熱いお湯が、鈍痛を意識の外へと押し出して行く。

 髪に付着した血は彼女の証。
 腿に刻まれた刀傷は武神の残した牙。

 体に浮かぶ数々の傷の多くは、褐色の肌に隠れてはいる。
 が――その誇りにも似た傷の数々は、私の心に。

 髪を伝い、顔を撫で、胸を滑って腹部に至り、脚を舐めて行く湯に――名残惜しいが――別れを
告げて、傷の手当を。
 深いものはそう多くはない。探索中に発見した消毒薬で洗浄し、処置の終了。

 これまた探索中に見つけた一揃えの服に――なにかの陰謀を疑わずにはいられなかったが――
袖を通し、準備、或いは覚悟の完了。


 扉。
 異界<異解>へと繋ぐそれを潜り――

「関羽雲長――いざ参らん」

 城主への謁見<謁剣>を果たすとしよう。

【城主の間】

499 名前:柳生・ジャグワァ・玄兵衛:2007/05/06(日) 00:52:170

【藤原妹紅 vs 柳生・ジャグワァ・玄兵衛/時計塔最上階】
>>492

「ヘブンズレーザーもかわすでござるか……!」

 魂斗羅の切り札とも呼ぶべき兵器の一つを回避されながらも、ジャグワァは次の手を考えていた。

「直接射撃での命中は見込めず、ヘブンズレーザーの間接射撃さえもかわすとなれば、回避不能の近接戦闘となるが、空を飛ぶ相手にそれは叶わぬ!
 さりとて弾幕を張るには今回の武装は不向き、さすれば――!」

 ヘブンズレーザーを掃射し、ジャグワァはドリルを撃ち放つ。

 ――轟、と鳴った。
 特大の火炎弾が、ジャグワァ目掛け、上空から来る。

「これは!!」

 普通に刀を振るったのでは斬れぬと判断し、ジャグワァは刀を納めた。同時に左手へ銃を投げ渡す。
 そして眼を閉じ、意識を集中する。脳裏に描くは全てを断ち割る一閃。
 迫り来る炎塊を斬るイメージが構築できた瞬間――

「激震! 黒神剣ッ!!」

 抜刀、下段から上段へ縦一閃!

 鞘走りの音が遅れて来るほどの高速の一閃が、必殺を狙った弾頭を西瓜のように斬り捨てた。

 ――炸裂。

 炎の飛沫が飛び散る中、ジャグワァは妹紅を外してレーザーを放った。

(直接射撃は無意味でござる。しかし……)

 妹紅を外れたレーザーは背後の飛翔速度が遅いドリルの尾部に当たり、“反射”した。

(死角よりの一撃ならばどうでござるか!?)

 リフレクティブレーザー。反射する性質を持った特殊なレーザービームが、再び背後より妹紅を襲う!

500 名前:魔王バラモス:2007/05/06(日) 00:57:290

【魔王バラモス対冴島鋼牙&魔導輪ザルバ 侵食闘技場にて】

>>496
巨大なる猛威と不滅の刃が交錯する。
この手応えならば間違いなく、

「ぐふっ!」

致命傷だった。
真一文字に切り裂かれた胴からは、滝のような体液が溢れる。

「このワシが……、
 人間如きに……」

体を引き摺り、立ち上がろうとするがまるで力が入らなかった。

「……まだだ。
 諦めぬ。
 諦めぬぞ……」

「バラモスよ……。
 なれば今一度力を与えよう」


突如辺りに響いた声に、致命の傷さえ忘れてバラモスは硬直する。

「ゾ、ゾーマ様!
 申し訳、うぎぉぉぉぉぉあああああああガアアアアアア!!」

降り注いだ稲妻にバラモスは断末魔の絶叫を上げた。

否。

「すべての苦しみは我が喜び。
 そなたの苦しみもまた我が喜び。
 そなたに許した魔王の称号に相応しく、破滅を撒き、藻掻き、苦しみ、滅ぶがよい」


腐り落ちて行く体は死さえ許されず、

「痛いイイイいイイイイイイィぃィ!
 ……苦ジィィイイイイいイイイイ!!」

呪わしく叫び、

「かジごまりマしたゾーま様……。
 ズべデに滅びィをオヲォォぉォ!」

主への愚直なまでの忠誠を口に、魔戒騎士へ伽藍堂の視線を向けた。

501 名前:魔王『ドラキュラ』蒼真 ◆BLOODlbo6s :2007/05/06(日) 01:02:510




>>497

―――――魔性の笑みを解かず。
妖鳥の翼は御身ごと切伏せられ/魂、回収/其の骸は掻き消え。

―――――揺るがぬ冷血冷酷の相を絶やさず。
斧兵、剣兵、鎚兵、悉く解体され/全魂、回収/次なる手を選択。

――――何処までも冷たく黒影を見据え。
ファイナルガード粉砕/回収、防壁準備/絶対防御を突破した突撃を賞賛。
傍らの鏡に右手を/ゴーレム/剛力再現/闇夜に光る白露の剣。

 ――――滅びと絶望だけを与えるために。


「ああ、“識”っているとも。
 世界と人間が歩んできた歴史の全て、混沌を通じ我が中へとな。
 来るがいい、メタルアルカイザー――――」

白く輝く栄光の聖剣、クラウソラス。
神にして王が揮った無双無比の大剣にて斬激を受け/撃ち出す業:魂は決まった
/反転して円を描く光の軌跡/その太刀筋は精妙苛烈/飛燕すら切り落とす。

「そして、我が元に参じた全てと共に息絶えよ―――!」

両刃の聖剣にて放った『燕返し』。
下方より鋼を両断せしめんと返される。
それは剣魂を貶める真の魔技/同時に次なる魂が決定/照準は魂が為す
/完全なる自動、正確無比。

>>498

魂の宿る魔剣/アラストール/其の魂は血に餓える。
巨刃が自ら旋回し向かう先、更に参じた転生体/同じ魂がこれで二つ。


――――来るべき帰結を思い、剣を揮う魔王は笑む。

【悪魔城最上階 城主の間】

502 名前:イグニス ◆IgnisC3BW6 :2007/05/06(日) 01:03:380

>>491 【最終幕・開演】

 ――声が、聞こえた。
 当然のことながら聞き覚えのない声。

 気高き意志と揺るがぬ戦意、その二つを併せ持つ声は、果たして誰を呼んだのか。
 いや――”誰”という訳でもないのかも知れない。
 ただ、その声を捉えたものを招くように、眼前には”門”が開かれる。コレを通り抜ければ、なんの生涯もなく、目的地に
たどり着く事ができるのだろう。
 が――

「……余計なお世話だ」

 その”門”をただ一瞥しただけで、イグニスは興味を失ったように足を進めた。
 なるほど、とイグニスは独語する。

 ――確かに私の目的は魔王の首級だ。それは間違いのない事実だし、それを知って私に声をかけたのだとしても間違い
では、無い。

「準備万端で待ちかまえている相手に正面から殴り込む――? 冗談じゃない」

 それは、自殺と同義だ。
 魔王と――復活を果たしたというワラキア公――それが本物であるかどうかは定かではないし、どうでもいい事だ――
に対して、真っ向からぶつかって人間が勝利する道理がない。

「化物を打ち倒すのは、いつだって人間だ。確かにそうだ。だが」

 だからといって、無策でいいという話でもないのだ。時間はない。だが、絶無ではない。
 城は巨大だが、踏破できないほどでもない。まず地形を把握し、戦力を把握し――その上で、戦う。

「ま、外の連中か、他の誰かか――ケリをつけてくれるのなら、それに超した事はないがな」

 薄く笑って、イグニスは遙か上方――城主の間へ向けて歩き出した。

【城内:移動中】

503 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/05/06(日) 01:05:350

【藤原妹紅 vs 柳生・ジャグワァ・玄兵衛/時計塔最上階】
>>499


「おいおい、アレ斬ったのかよ―――!!」

 思わず目を剥く光景。
 必殺を期した炸裂弾が、一刀の元に両断される。
 爆発―――しかし爆風はサムライを逸れ、その威力の一分も与えることあたわず。
 さすがに予想だにしていなかった。

 そしてそれが、一瞬なれど隙を生む。
 妹紅は、背後から光線が迫っていることに、気づくのが一瞬だけ遅れた。
 回避できる一瞬―――回避できない一瞬。
 その空隙を分かつ大きな瞬間。

「……きゃあっ!?」

 意図しない悲鳴/自分でも驚くような声が出る。
 光線が背の羽根を貫き―――肩口を掠めて灼いていた。
 妹紅の姿勢の制御が崩れる。がくりと回避の速度が落ちる。

「くそ、この……!!」

 地に上る頭に任せて、符と小柄を撒き散らす。
 牽制―――立て直すための攻撃。

 だが、果たしてそれが間に合うのか。



504 名前:バルバトス・ゲーティア ◆GeaSKl1vYU :2007/05/06(日) 01:07:060

>>495















―――――――――――――――己の体から溢れ出る血が止まらない―――――――――――――――




―――――――――――――――己の心から溢れ出る感情を抑えきれない―――――――――――――――



幾度の敵を攻撃を受け、バルバトスの肉体と精神は限界を超えていた。

もはや奴の体はろくに動かせない。
感情もコントロールすることも困難。

あの衝撃波はどうやら少年の右足を奪っていたようである。
しかし、奴は奪われた右足のことなどおかまいなし。
奴はバルバトスの息の根を止めるべく、ついに最終段階へと転じつつあった。
バルバトスにも、いつもより長い詠唱、そして尋常でない力が奴の周りに集まってきているを肌で感じ取れた。



―――――――――――――そう、あれは自分の命を奪い取るための―――――――――――――











「―――――――――――グヌフハハハハハハハハハハ、アッハハハハハハハハハハ!!!!!!」


男は狂った機械のように笑う。
それもただの狂気の笑いではなく、怒り、恐怖、歓喜の入り混じったもの。




男は全ての力を、この戦斧に託した。
ろくに力を絞れぬ今、もはや奴より速く動かねばならない。






全力もって、奴へと突進していく。
疲労困憊の肉体でありながら、バルバトスの動きは人間を凌いでいた。



再び振り落とされる斧。
その先にいるのは一人の少年。



外見はもはや化け物のようなボロボロの姿。
狂気に満ちながら笑い続けるバルバトスは、やがて笑うのやめ、表情は一気の悪魔のような顔へと変わる。










「―――――――――――――――ぶち殺すっ!!!!!!!」











全ての力を集約した一撃は、奴の持つ最強の武器の一閃と交じり合う!

※トリップ判定 #biriyado
【場所:地下冥府】

505 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/05/06(日) 01:13:340

>>500
―――降り注ぐ魔導火の刃が、炎の弾頭と化したバラモスの足を止め、目くらましとなる。
魔導火を潜り抜け、鋼牙は矢の如き突きをバラモスの胴に叩き込み、
横に引き抜くように、その胴体を薙ぎ切った。

「ぐふっ!」
パシャッ、という水音と共に、薙がれた胴から体液を垂れ流すバラモス。

「このワシが……、 人間如きに……
……まだだ。 諦めぬ。 諦めぬぞ……」

もはやズタズタになった身体でもがき続けるバラモス。
止めを刺そうとする鋼牙。

そこに響いたのは。

「バラモスよ……。 なれば今一度力を与えよう」

「またか! また思念波か!」
ザルバがやや飽きれたように叫ぶ。

「ゾ、ゾーマ様!
 申し訳、うぎぉぉぉぉぉあああああああガアアアアアア!!」
そして、バラモスが畏まった瞬間に稲妻が走り、バラモスは完全に絶命したはずだった。

「すべての苦しみは我が喜び。
 そなたの苦しみもまた我が喜び。
 そなたに許した魔王の称号に相応しく、破滅を撒き、藻掻き、苦しみ、滅ぶがよい」

「痛いイイイいイイイイイイィぃィ!
 ……苦ジィィイイイイいイイイイ!!」

躯と化したはずのバラモスは、今また動き始めていた。
いや、むしろ呪いで駆動していた。その肉体はグズグズに腐り、腐臭と腐汁を撒き散らし始めている。
撒き散らされた腐汁からは、魔物が産み落とされ始めている。

「かジごまりマしたゾーま様……。
 ズべデに滅びィをオヲォォぉォ!」

「―――いや、滅ぶのはお前だけだ」
鋼牙が構えた牙狼剣には、先程よりも強い魔導火が宿っている。
活死体を滅ぼすには、ただ一つ。首を刎ね、屍を焼き尽くすことだ。

鋼牙は、死してなお縛られるバラモスの魂に最後の情けを与えた。
―――烈火炎装の威力で首を刎ねつつ、その躯を燃やし尽くしたのだった。

【残り装着時間:あと50.1秒】

506 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/06(日) 01:18:440

>>501

 扉を開いたその先に待ち構えていたのは魔剣<真狗>。
 狩猟犬に迫る速度で飛来する剣を刹那の見切り<身斬り>で対処。

 負う傷はなく、僅かに服を斬られた程度。
 無粋な手品でこの私を止められると思ったのがそもそもの間違いだろう。

 目標を失った刃に冷艶鋸を一振り。
 二振り。

 ギィンと響く金属音。
 巨大な力ほど、崩れる時は呆気ないものなのだ。

 石斬りと呼ばれる技術の応用。
 武器破壊も一つの技術。


 歩みを進める。
 城主の首を――主の為に。

507 名前:衛宮士郎 ◆BladeSUpsc :2007/05/06(日) 01:19:570

バルバトスvs衛宮士郎

>>504

          その最大の力を注がれた一撃は―――――――

          更に強力な力を持つ幻想によって打ち破られる!

「うあああああああああ!!」

叫び声を持って放たれた9つの刃は
男を八つに分割した。


即死。
バーサーカーすら倒しえた一撃に男が耐えられるわけもなく
そのまま苦痛すら感じさせずに倒した。


「ハア、ハア……ゲホッゲホッ!!」

限界を超えた魔術の代償。
それは体内に血の逆流を起こすという結果を引き起こした。

「……まだ死んでいない。まだ……死ねないんだよ」

よろよろと立ち上がると、そのまま滝の逆側に向かって歩を進めた。

【トリップ判定:F>Gにより衛宮士郎の勝利】

508 名前:バラモスゾンビ:2007/05/06(日) 01:26:400

>>505
「オォォォォオオオオォォオ……」

不死の呪いを断ち切られ、巨大な遺骨が崩れて行く。
あとに残るは勝者と残骸のみ。


レスまとめ 鋼牙対バラモス
>>397>>398>>402>>405>>409>>413>>419>>423>>458>>461>>467>>471>>476>>482>>483>>488>>493>>494>>496>>500>>505

509 名前:柳生・ジャグワァ・玄兵衛:2007/05/06(日) 01:29:420

【藤原妹紅 vs 柳生・ジャグワァ・玄兵衛/時計塔最上階】
>>503

 撃墜を期待して放った反射攻撃はダメージこそ与えたものの、撃墜には至らなかった。

「しくじったでござる!」

 今の攻撃が通じたのは、想定外の攻撃、所謂不意打ちであったからだ。普通に撃ったのでは妹紅はたやすくかわしてしまう。
 そして一度使った手はもう通じない。これから妹紅は反射も計算に含んだ回避機動を取ってくるだろう。
 これはジャグワァにとっては致命的だった。

「しかし諦めるという言葉は魂斗羅の辞書にはないのでござる!」

 致命弾にならなかったとはいえ、ダメージは確実に与えていた。
 ならばそこに畳み掛けて落とすのみ!!
 体勢を立て直すべく、妹紅は牽制の符と小柄を巻き散らすが、この機を逃す魂斗羅ではない。
 刀を左に、銃を右にそれぞれ持ち替え、ジャグワァはリフレクティブレーザー、ドリル、ヘブンズレーザーを放つ。
 飛来する符と小柄を炎を纏った刀――ファイヤー刀で焼き払い落とし、徹底的に食い下がって銃火を浴びせる。

 ジャグワァが妹紅を仕留めるにはその飛行能力を殺ぐ必要があった。地上という土俵に落とさねば勝負にならないのだ。
 しかし攻撃が当たらなければ仕留めるどころか土俵に落とすことすら叶わない。

 ――そして攻撃が当てられるチャンスは今しかないのだ!!

 ジャグワァは熱い斗魂をドリルに乗せて、「堕ちるでござる!」とばかりに撃ち続けた。  

510 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/05/06(日) 01:30:320

>>501


 その閃光は記念すべき一撃の交錯だった。
 魔王に剣を抜かせ、これから起こる過酷な闘争を予言する、鮮やかな火花。


 竜鱗の剣/ドラキュラの召喚した剣で防御/更に反撃/脅威の三連撃/時間の差を感知
不能/三つの剣が襲い掛かる。
 行動―――開始/一剣=竜鱗が遮る/二剣=レイブレードが弾き飛ばす。
 そして三剣―――回避不能の縦一閃/二刀の使用不能。


 しかし。

「仮初の技には、負けん!!」


 マニューバ選択/応用/脚部旋回/必殺の機動/月輪を描く足/サマーソルト/浴びせ
蹴りの防御応用/在り得ざる三撃目の防御陣。

 偉大な鋼が、虚無の聖剣を全て屈服させる。


 スラスター点火/背面をドラキュラへ向けたまま/逆さまのまま飛翔/目晦まし―――
反転/ムーンサルト/ドラキュラと正対して着地/二刀に心力を収束/跳躍。
 天蓋に覆い隠された、空/見えぬはるか天空を、白銀の鋼が舞う。
 銀が/金が/無数の月輪を描き、輝く刃を放った。
 放たれた刃が無数の怪力、乱神、魑魅、魍魎を制圧し、ドラキュラへと迫る。

 ―――奥義、二刀烈風剣。

「滅びは何れ訪れるもの―――されど誰が定めるものに在らず!!」

 それは、剣士の理念。
 滅びは何れ訪れる。しかし、定めるものはいない。
 死は常に理不尽―――故に常に死しても後悔無く生きるために、剣士は常に死を涼やか
に意識し、受け入れてゆく。人為の破滅は、その清冽な覚悟を汚す。故に、斬る。

 着地/スラスター再度点火/距離を詰める/加速していく/破滅を超える軌道へ。




>>506

 ―――ビジョン。

 アルカードの祈り/叫び/呼応。
 “剣”は集い、破滅を打ち倒す―――自らもその一部。
 そして、新たな剣が参戦するのを見た。


 ―――瞳に輝きを宿し、威風以って歩み来る戦士。
 そのたおやかな身に、偉大な力を持った剣。
 魔王の走狗を瞬時に滅ぼし、魔王へ刃を向ける者。


 一人で戦っているのではない―――。

 かつての言葉が思い返される。
 頼もしき“剣”。
 それを、強く意識した。


【悪魔城最上階 城主の間】

511 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/05/06(日) 01:41:250

【藤原妹紅 vs 柳生・ジャグワァ・玄兵衛/時計塔最上階】

>>509

 襲い来る弾幕、弾幕、弾幕が面となって襲い掛かる。

「く、そ……」

 掠める、光線が焼き、天雷が揺さぶり、ドリルが抉りに来る。
 わけの分からない弾幕構成―――それがかえって脅威だった。

「こんな……」

 なお回避―――回避―――回避。
 いずれ、避け切れない瞬間が来ると直感する。

「わけのわかんないままで……」

 ならば―――見据える。
 弾幕を張り続ける男を。

「死んでたまるかああああああああっ!!」

 突進―――落下の推力すら加えた動力降下はさながら猛禽が狩猟をする美しさ。
 妹紅の体は時計塔まで到達し―――

 そこで不死鳥を切り離した。

 背中から全容を現す炎の鳥……フェニックス。
 それが、更なる速度でサムライに襲い掛かる。

 ―――スペル発動、鳳翼天翔。

 紅い翼がさかしまに天を昇った。

512 名前:バルバトス・ゲーティア ◆GeaSKl1vYU :2007/05/06(日) 01:47:270

>>507

〜バルバトス・エピローグ〜

【トリップ判定F>Gによりバルバトスの敗北】


かつて洞窟を照らした明かりは消え、薄暗闇が覆い、血と狂気に満たされた
この空間で、ようやく決着は着いた。



勝利を収めたのは、狂戦士ではなく少年。
少年が放ったあの一撃は、バルバトスの一閃を凌ぐ速さであった。



少年の放った9つの刃は、バルバトスの肉体を八つにも分割した。
完全な即死攻撃を受けた肉体は、もはや動く気配などは当然ない。




少年はこの冥府から出口へ足を踏みだし、立ち去っていった。


あるのは、肉体が八つにも切れ刻まれた男の屍。


そして悠々と流れる美しい水だけだ。






【バルバトス・ゲーティア死亡】
【場所:地下冥府】

513 名前:衛宮士郎 ◆BladeSUpsc :2007/05/06(日) 01:49:050

第二回戦:衛宮士郎vsバルバトス・ゲーティア

【衛宮士郎側導入】

>>366

【バルバトス・ゲーティア側導入】

>>385>>386

【闘争本編】

>>388>>406>>417>>431>>436>>463>>469>>489>>495>>504

【衛宮士郎側エピローグ】

>>507

【バルバトス側エピローグ】

>>512

514 名前:魔王『ドラキュラ』蒼真 ◆BLOODlbo6s :2007/05/06(日) 01:54:290


>>501

聖剣の軌道は“破滅”を齎さず。
剣士を冒涜した“秘剣”はその用を為さず。
中空を舞い、斬風を発し、更なる突進は訪れるべき“崩壊”に抗う。
また薙ぎ払われる鎧兵/回収/回収/回収/怨嗟/憎悪/肯定/同化/侵食/支配。
全ての兵は全滅/総ての兵は健在也。


「――――愚か者が」

総ては万物が望んだもの、そう理解せよ。
嘲弄の意のみが込められた声が、空気を侵し伝播する。
天地に生じるは煌びやかなる邪悪光。
その場に聖剣を残し/幾多もの蝙蝠のカタチに変じながら、魔王の姿は瞬く間に掻き消え―――ー


>>506

「なあ―――――麗しき豪傑よ?」


その歩み始めた女の、背後に。
褐色の首筋に白い指を這わせ、睦言を呟くように“魔”は告げた。
残る手には魔力が萌芽/惨死へ誘う小悪魔/華を散らせるに相応しき無惨の刃。
断たれた剣魔には眼もくれず/回収は完了/狙いは直線、双方を巻き込む/
/互いは盾に/己だけが勝者。

「――――散れ」

女の背中から/宣言は冷徹。
三方より生まれ/連なり重なり/一陣となり疾る疾風の刃。
至近距離に発動/甘き“死”を確信し、喜悦を魔王が駆け抜ける。


 ―――――華と鋼、無惨に散ってこそ一興。


【悪魔城最上階 城主の間】
 

515 名前:イグニス ◆IgnisC3BW6 :2007/05/06(日) 01:55:250

>>502 【城内:下層から中層にかけて】

 意外にもと言うべきか、やはりと言うべきなのか。
 悪魔城内はそれ自体が半ば要塞化され、迷宮の様相を呈していた。
 何が起こっているか、六に理解していない定休の悪魔を数匹縊り殺し、生け捕りにしたそれから上方を搾り取り、そして
そのまま始末する。死体は残らない。当然だ、アレはこの世に存在しないもの。夢が覚めれば、幻と消える、その程度の
代物だ。その意味では、殺す、と言う言葉はそぐわない。

 道を聞き出したモノの、見つけ出した石段は崩れ落ちているか、まともに強度を保っていないかのどちらかだった。
 周囲を見れば分かる事だが、あちこちでもよほど苛烈な戦闘が行われていたらしい。

 退路の確保には苦労しそうだと舌を打って、再び足を進めていく。

 ……ふと拾い上げたのは、斧槍だった。おそらくは儀礼用なのか、細部に細かい細工が仕込まれている。
 およそ実戦的な造りとは見えなかったが、大半の装備を失ってしまっている以上、持っていても無駄にはならないと判断して、
右手にそれを携える。

 ……さらにしばらく歩き続けて、ようやく上方へと抜ける階段を発見した。

 登っていくごとに深くなる瘴気を感じ取りながら、イグニスはさらに足を進めた。

516 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/06(日) 02:11:030

>>514

「私に触れるな――愚物が」

 間<魔>を犯され、結ぶ拳<剣>に眠る氣は時に乗り、解き放たれる。
 そこから生まれるのは微風ならぬ大嵐<退乱>。
 愚風<愚封>如きなど話にならぬ。

 自ら生み出した風により生まれる上昇気流<常勝氣龍>。
 無明の刃を防ぎ、なお突き進むその顎。

 身に纏う服は風に煽られ、音を立て。
 されどもその程度の音では、我が咆哮<砲攻>打ち消す事は出来ぬ。

 背後に振るう疾風の刺突<死突>。

――二の太刀は継げ。

517 名前:柳生・ジャグワァ・玄兵衛:2007/05/06(日) 02:21:380

【藤原妹紅 vs 柳生・ジャグワァ・玄兵衛/時計塔最上階】

>>511

 炎の猛禽が来る。

 ジャグワァはそのとき、脱いだ時同様の鮮やかな瞬着で、再び鎧武者にも似たバトルスーツを纏っていた。
 生身ではこれ以上の炎に耐えられぬと判断したが故である。
 銃器を腰のマウントに掛け、両手で刀を構える。
 そして、魂斗羅が疾った。迫る炎の鳥へ真っ向から突っ込んでいく。
 フェニックスが超高速で襲い掛かってきた瞬間、ジャグワァは飛んだ。
 疾風迅雷の勢いですれ違うジャグワァとフェニックスを、無数の刃閃が結んだ。

 着地したジャグワァの背後、空中でフェニックスは細切れと化してその形を失った。

 ジャグワァの身体からは白い煙が立ち上る。

「まともに触れれば消炭でござったな」

 ようやく地上に降りてきた妹紅を間合いに捉え、ジャグワァは言った。


518 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/05/06(日) 02:25:560

>>514 >>516


 突撃する視界―――魔王の姿が消える/転移。
 同時に停止するレイブレード―――活動限界=充電の必要あり。
 FCSのメッセージで確認/それに合わせて両剣を鞘/腰部装甲へ差す。


 加速の軋み/衝撃の中、判断―――行動=反転/玉座を蹴り飛ばし/加速/位置探知/
共闘者の背後/共闘者の攻撃/間髪いれず転移した魔王へ向かって高速の蹴り。偉大なる
連携―――重ねる技は三角蹴り。

 しかし、それはただの三角蹴りに在らず。

「破滅を望むものなどいない。誰もが正しき道を、強さを求め、生き続ける。生命とは、
知性とは、その果てに生まれたもの。全ては何者かが生きるためにあった!!」


 世界が滅びを望むならばとうに滅びている。
 では、それが今もなお歴史を紡ぎ続けるのはなぜか。
 それこそが―――生命の意志に他ならない。


 心術ジェネレータ出力上昇/脚部より放出/光に包まれる白銀の装甲/強化された鋼が
生命の光を耐える/新たなる技を可能にする。
 ジェネレータに/魂に呼応し/FCS/記憶回路が新たな技術を作り出す。


「―――ディフレクト、ランス!!」


 それは、アルカイザーの技。
 閃き―――生あるものの輝き。

 迫る風の刃すら意に介さず砕く=光の護りの成す技。
 私の行動―――射線上にある全ての悪鬼/羅刹を破壊しながら、彗星の如く突撃。


 全ては―――破滅を超えるために。


【悪魔城最上階 城主の間】


519 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/05/06(日) 02:40:540

【藤原妹紅 vs 柳生・ジャグワァ・玄兵衛/時計塔最上階】
>>517


 ―――不死鳥が両断されるのを見る。

(あれも防ぐか!!)

 さすがに舌を巻く。まともに食らえば良くて重症悪くて即死の一撃である。
 それを再びあの刀で叩き斬り、霧散させたのだ。
 妹紅は男の底知れない力量に、かすかな恐れを覚えた。

 別の意味では、一瞬の早業で着替えたことにも。

「だけど!!」

 しかし、その時間こそ好機。空に代わる必勝形。
 ―――刃の間合いの内側。密着打撃と投げ技の間合い。
 燃え上がる炎を壁に、揺らぐ大気を紗幕に、視界を縫って視覚から迫る妹紅。

 そして、飛び出す。刀を振り下ろした隙を見せている男へ。
 その衣服は点火し、あちこちが焦げ付き始めている。灼熱そのものだ。
 しかし、意に介することなく妹紅は突進し、

「燃やした服くらいの貸しは返してもらおうかっ!!」

 こめかみを狙い、渾身の飛び蹴りを見舞った。
 弾幕少女と侮る無かれ。幻想郷に来る以前、彼女はその五体で浮世を渡り歩いたのだ。
 その威力は決して見劣りするものではない。


520 名前:衛宮士郎 ◆BladeSUpsc :2007/05/06(日) 02:55:270

「はっ、つ―――――」

休むのはもうお終いだ。
呼吸を整え、足の痛みを無視して歩き出す。

出口目指して、ドラキュラがいる最上階目指して歩く。
光は一向に見えないが何時かは出口にたどり着くはず―――

「―――――えっ?」

意外なところから光が現れた。
目の前に突如現れたのは光を放つ魔法陣。
つまりこれが―――

「移転……魔法?誘っているのか……」

上等だ。
最後まで負けてたまるか。

「――――投影開始トレース オン

ありったけの武器を作り出す。
まず手には干将・莫耶。

「――――憑依経験、共感終了」

頭には思いつくだけの設計図。
述べ8個。

「――――工程完了ロールアウト全投影、待機バレット クリア

溢れるイメージを保存する。
中に剣を押し込める危険な作業。
回路が焼き切れれば文字通り俺の体は剣となる。

「――――よし、行くか」

衛宮士郎はこうして死地へと向かう。

【転移:地下冥府から魔王の許へ】

521 名前:柳生・ジャグワァ・玄兵衛:2007/05/06(日) 03:00:430

【藤原妹紅 vs 柳生・ジャグワァ・玄兵衛/時計塔最上階】
>>519

 妹紅の蹴りは少女の体躯でありながら非常に重い一撃であった。それこそ、鋼の身体を持つ漢を揺らすほどに。
 如何に魂斗羅といえど、頭部への打撃で脳を揺さぶられてはたまらない。

 頭部への肉撃に、ジャグワァの身体が傾ぐ。だがその肉体に宿した斗魂が倒れる事を許さない。
 爛と、ジャグワァの眼が光った。宿した斗魂は微塵も揺るぐことなく、相対する敵を倒さんと闘士を突き動かす。
 刀も銃器も使えぬ間合いの内に妹紅は入り込んでいたが、それは瑣末なことであった。

 空中で蹴り足を戻す妹紅の体躯へ、刀を握ったジャグワァの拳が突き込まれる。
 銃器や刀だけが武器ではない。鋼の五体こそ、真の武器なのだ!

522 名前:魔王『ドラキュラ』蒼真 ◆BLOODlbo6s :2007/05/06(日) 03:04:530


>>516

―――――甘き死よ、遠のくか。
愚物と吐いた愚者は足掻き、風は消え、死突が向かう。

だが。
何人も彼を哂えぬ。
何人の心も凍らせる告死の相を浮かべるが故に。
そう、“魔王”の笑みが―――――消えた。

「――――だが“覚えた”」

――――これもまた、“支配”の一面。
受けた力を再現する/合わせ鏡のドミトリー/力の一端を授かった魔王候補者。
その再現に限度は無く/真の担い手が使うのならば/散った風の代わりに嵐を起こし。
冷厳極まる酷薄、悪鬼すら怯え竦む鬼気を纏い。

「――――そして、“既に在る”」

具現化する蒼き龍の太刀/魂:もう一人の関羽雲長/異界より来訪した刺客。
完璧なる技量の再現/切っ先は切っ先と吸い付くように。まるで持ち主だけが異なる合わせ鏡。
其れは再現であり、挑発にして、貶めにして。
そして――――


   ―――――膂力の差/魂:ゴーレム/剛力健在。

更に進む魔王の切っ先/抹殺。
華は華らしく散れ、合わせ鏡の矛先で。

>>518

だが。

「―――――何だと?」

死角よりの強襲/闇と光を纏う一条/失念:否/隙を見せ過ぎたか。
切先を回し風車となる/不死者美髯公/並びに槍鎧兵;支配/融合技法、無双が極地。
そのまま身を捻り、黒衣は魔の旋風となる。
即ち眼前の切先を打ち払い、迫り来る飛槍/反逆する“死”と“死”/支配を超えている。

豪傑の切先は脇を掠め、英雄の飛翔は頬を切り裂いた。
否――――切り裂いてしまった。


―――――禁断を封じた鍵が綻び始める。

「ならば何故生命は滅ぶ? 人は死ぬ?
 定められているに他ならん。決められているに過ぎん。
 故に我は誕生した。決められた必滅を促すため、ヴァンパイアの呪いに拠ってな。
 我は殺害という名の運命、死を告げ齎す摂理。
 ――――――我は、貴様らが望んだからこそ存在する」

破滅の具現たる“殺意”と“敵意”。
熱獄より尚熱き憤怒と、氷結地獄すら生温い非情。
その発露が始まろうとしている。

まだ/顕現せよ/赤き炎の魔/灼熱を撒き散らす骨魚/
嵐は/続け/狂熱のダリオ/魔王候補/我が持つ炎の力
凪/初手に灼熱の砲弾/続く焔の波濤高波/守りは骨をも焼く放熱/
なれど/疾く爆ぜろ/疾く燃えろ/疾く消えろ/疾く死に失せろ。

まだ、嵐は凪なれど。
展開される灼熱の炎陣、正に業火の勢いなり。

【悪魔城最上階 城主の間】
【居るもの全てに火炎の洗礼 なれどその標的は未だ二人】


523 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/05/06(日) 03:10:410

【藤原妹紅 vs 柳生・ジャグワァ・玄兵衛/時計塔最上階】
>>521


 飛び蹴りが直撃し、ジャグワァの状態が傾ぐ。
 改心の一撃。妹紅がそれを確信した―――直後だった。

「な!?」

 気絶するはずの戦士が、刀を拳を繰り出した。
 咄嗟に腕をたたみ腹部を護る―――直撃。息が詰まった。
 さすがに―――いや、やはり重い。すさまじい打撃だった。
 刀使いの筋力は想像を絶する。その威力たるや、例え無手でも人体を破壊しうる。

「ごほっ―――」

 吹き飛ばされ、転がりながら体勢を立て直し―――むせる。
 打たれた腹は防御越しにも痛む。恐るべき打撃。
 荒く息をつきながら立ち上がる。なまじ蘇生してある程度リセットできないだけに辛い。
 しかし、間合いを詰めているこの状態こそ死中の活、間合いは離せない。

「まだ、まだあ!!」

 痛みも何もかもを意識から吹き飛ばして、妹紅は飛んだ。
 着地点は、なんと未だにぐらつく相手の膝の上。それも、片足。

「これでも、食らえっ!!」

 衝撃を殺すため縮む膝―――それが一気に伸び上がり。
 同時に空いていたもう片方の膝が走る。
 両手は相手の頭部を固定―――逃れることを許さない。
 それは、“閃光の魔術師”と呼ばれていた技。必殺の組み膝蹴り。

 ジャグワァの顔面に、膝が直撃した。

524 名前:イグニス ◆IgnisC3BW6 :2007/05/06(日) 03:16:220

>>515 【城内:中層から上層へ】

 幾度目かの石壁――文字通りの行き止まりを目の当たりにして、イグニスは鼻を鳴らした。

「招待客に対して随分な持てなしだ。主の格も、たかが知れるか――」

 もとより、正式に招待された訳でもないというのに、ほとんど言いがかりに近い、愚痴のようなモノがこぼれる。
 だが、歩を進める先々に現れる”行き止まり”に、イグニスは、疲労を感じている己を自覚せざるを得なかった。
 問題はいくつかある。

 ひとつは、先ほども感じたとおり、城内は完全に要塞化されている事――通路自体が侵入者に対しての罠となっている。
 ひとつは、やはり戦闘の影響か、主要であろう通路のあちこちが崩落している事。
 ひとつは、その辺に転がっているような低位の魔族では、城内の構造を熟知しているようなモノが見あたらない、と言う事だ。

 地図もなく迷宮に入り込んだモノに待っているのは、当然の帰結。

「――やれやれ」

 イグニスは、完全に迷っていた。

525 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/06(日) 03:21:450

>>518

 漆黒<失刻>の騎士は空を駆<賭>ける。
 破滅がどうのと叫んでいたが――そんなに大事なのか、これは。

――謀ったな、孔明!

 まあ、力の在り方に差異はあれど、私自身の糧になっている以上は、”龍玉”以上の力と言えなく
もないか。――玄徳になにかあったらまずあいつから殺してやる。

 だが今は、目の前の光景<攻型>を片付けるのが先決だろう。
 可笑しな術を使うようだが――どうにかするしかあるまい。

 そう――可笑しな術。
 合わせ鏡の剣戟。既に知った太刀<性質>。
 呼吸のタイミング、踏み込み、どれを取ってもそれは――関羽雲長の、それ。

 だがそれも、漆黒の騎士が介入する事で終わりを向かえ。
 アレは火炎<過焔>を撒き散らす。

 苦し紛れか――成程。

 廻る機を取り零す武人は一人としていない。
 一騎当千<一機倒千>を謳う武神なれば、それは呼吸をするように。


 冷艶鋸はその名の通り冷たい輝きを放ち。
                          /廻る機<氣>を取り零すなかれ。

          風切る音が斬と響く。
                     /太刀<性質>に合わせた一刀<一倒>を。


 降りぬいた先は――城主までの道標。

「――疾れ」

526 名前:柳生・ジャグワァ・玄兵衛:2007/05/06(日) 03:31:020

【藤原妹紅 vs 柳生・ジャグワァ・玄兵衛/時計塔最上階】
>>523

 こめかみへのとび蹴りから回復しきらぬジャグワァの頭へ再び、より重い双撃が蹴り込まれた。
 両手で相手の頭を引き寄せつつ、相手の大腿を踏み台にしての強烈な飛び膝蹴りである。
 ぶち込まれた重撃にジャグワァの顔が物理的に歪んだ。鼻っ柱が拉げ、右目のメカ眼帯にヒビが入る。

 だが、倒れない。熱い斗魂を屈させるにはこれしきでは足りないのだ!

 鼻血を噴きつつ、ジャグワァは敢えて刀を手放し、妹紅の胴体を両手で捉えた。
 そのまま大きく振り被り、地面へ叩き付ける。

“パワーボム”と呼ばれる投げ技であった。

527 名前:衛宮士郎 ◆BladeSUpsc :2007/05/06(日) 03:31:130

>>522

光の濁流の先にあったのは呪いの塊と二つの人影。
一人は重い甲冑に身を包んだ者。
一人は黒いドレス?らしきものに身を包んだ者。

そして待ち受けるは呪いの言葉を吐く魔王。
俺は魔王の後方に出ていた。

呪いの言葉が出る。

「ならば何故生命は滅ぶ? 人は死ぬ?
 定められているに他ならん。決められているに過ぎん。
 故に我は誕生した。決められた必滅を促すため、ヴァンパイアの呪いに拠ってな。
 我は殺害という名の運命、死を告げ齎す摂理。
 ――――――我は、貴様らが望んだからこそ存在する」


その言葉が無性にムカついて。
その言葉に無性に腹が立って。
その言葉を許せなくて。

駆けた。

業火を放つ魔王の後ろから、さっきの贋作を全て放とうとしていた。

「――――違う」

前に右手を伸ばす。
そして―――――― 一斉点火。

停止解凍フリーズアウト全投影連続層写ソードバレルフルオープン!!」

8つの名剣が魔王に突き刺さっていく。
デュランダル
ハルペー
ダレイフス等の名剣。

「誰も、望んで死のうなんてしない……!!」

干将・莫耶を最後に投擲。
都合10の剣が魔王に突き刺さった。

528 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/05/06(日) 03:34:140

>>522 >>525



 記念すべき命中/破滅へ与えるかすかな一太刀/希望/こじ開けられる破滅のビジョン。
 しかしまだ戦闘は続く/より強大な敵を迎え/更なる難度と試練に。

「ならば何故生命は滅ぶ? 人は死ぬ?
 定められているに他ならん。決められているに過ぎん。
 故に我は誕生した。決められた必滅を促すため、ヴァンパイアの呪いに拠ってな。
 我は殺害という名の運命、死を告げ齎す摂理。
 ――――――我は、貴様らが望んだからこそ存在する」

 驚異的な怨嗟―――/その圧倒的強度/熱に転じて白銀の装甲へ襲い掛かる。

 燃え盛る火炎と衝撃―――/両腕を交差/視覚センサを護る。
 損傷/ほぼなし/排熱にやや不良/出力25%低下。
 戦闘に支障はない―――続けざまに襲い来る灼熱/装甲融解の危険が迫る。

 思考―――打開策を高速で検索、どうするべきかの瞬間の逡巡。



 ―――そこに、道が拓ける。



 共闘者の一閃/炎を切り開き/ドラキュラへの道。
 即席のパートナーシップ=活路への軌道が開かれる。


「――疾れ」


 その声に、加速を以って応じた。
 紅い眼光の残像のみを残し、スラスターで急加速/ステップを刻みながら。
 緩急を織り交ぜた荒々しいフットワーク=残像=分身の創出。
 加速―――全てが幻影=実体となる錯覚。


 鞘を左で掴み/右で柄を握り/竜鱗の剣を抜き/加速と共に刃を放つ。
 乱れ撃つ残像=実体の刃。その全てが打撃となり、破滅へと襲い掛かる。
 荒々しく全てを押し流す氾濫―――なぞらえられるその威力は正しく全てを切り刻む。


 ―――奥義、濁流剣!!


【悪魔城最上階 城主の間】


529 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/05/06(日) 19:12:560

>>508
首を断ち切られ、劫火にくべられたバラモスの躯はその動きを失っていく。
―――やがて、その躯が骨と灰になり勝負は決した。

しかし、前回の転送魔法の気配はない。
「……これでようやく城主サマとご対面って訳だ」
つまり、「栄誉を授けるから自力で登って来い」ということなのだろう。
「ザルバ、ドラキュラの邪気を感知できるか?」
「ああ―――どういうわけか知らないが、城に入った時よりも結界が薄くなってるからな。
 ……間違いねえ、ドラキュラは上だ」

上。つまりここは城の地下か。
だが、ギャラリーを気取っていた魔物たちもやすやすと主の下に向かわせないつもりの様だ。
「ザルバ、近道を作るぞ、、、、、、

それは文字通り、言葉通りに。
鋼牙は烈火炎装で強化された牙狼剣を闘技場の天井に揮い、バターのように石造りの天井を切り裂いた。
そして、全身を弓のようにしならせて飛翔する!

闘技場を抜けた鋼牙は、鎧の召喚を解除して城壁の隙間やテラスを手がかりに足がかりにして、
ドラキュラの座する間へと急ぐ。

―――全ては、ここからだ!

そして、宿命さだめの剣士たちは月下の戦場に舞い降りる。
運命の歌の、命ずるままに。

【場所:侵食煉獄闘技場→最上階・城主の間へ】

530 名前:魔王『ドラキュラ』蒼真 ◆BLOODlbo6s :2007/05/06(日) 19:31:310


>>525>>527>>528

遂に其の片鱗を見せた災厄の発露。
だが只の片鱗にて倒せる英雄はなく、同じく屈する豪傑などあろう筈はない。

故に彼らは攻め抗う/故に其れは迎え滅ぼす。
武神の剣風は焔の行軍を切り裂き/霊視追尾の魔法弾二十を放ち。
生じた道標に乗じた鉄の城/濁流を絶対防御の結界で凌ぎ/氾濫の威力に方陣が揺らぐ。
魂:円盤鋸鎧兵/虚空より生じたディスカスで薙ぎ払う/そのまま繰り糸を/気配。


そして死角。
投じられた名剣が背に、魔剣が肺腑に、剣が剣が剣が魔王に―――――


「―――――ガ」

そして、


「人間が」


そして、


「人間がァ―――――!」


――――――禁断を封じた錠が、砕かれた。


       憤怒の片鱗/激怒への変貌/世界は殺戮への序曲と知る
          /時は刹那に満たぬ刹那だけ止まる。
              /撃ち出した一瞬の『時間停止』
                 /魂:時を止める魔人ゼファル

      ――――停止した時の中で――――

守護魂:ルーラソード/武具を従える剣/発動/魔鏡より/虚空より/全「剣」召喚
アスカロン/レーヴァテイン/ジョワユース/デュランダル/アスカロン/
ミョルニル/カラドボルグ/グラム/ゲイボルグ/ミストルテイン/バルムング/
グングニル/ミリカンの石刀/千人長の槍/ブルトガング/アイスブランド/
ブリューナク/ドゥルガーの太刀/リッパーの短剣/貫きのスティング/ベリガンの魔槍
守護鎧兵(ファイナルガード)の剣/モーンブレード/暁の剣/アグニの炎剣/
インドラの雷剣/ラハブの氷剣/オルクリスト/ダマスカスソード/ティルフィング/
のみならず鎧兵達の剣/戦斧/槍/短剣/妖魔の矛/太刀/双刀/剛剣/大剣/魔剣

      百にして一なる剣よ/剣魔の術と魂の融合/此処に集え

      ――――停止した時の中で――――


そして時は動き出す。
眼前にて動く一切を破壊し尽すまで終わらぬ“嵐”の刻が。
 

531 名前:魔王『ドラキュラ』蒼真 ◆BLOODlbo6s :2007/05/06(日) 19:32:510

>>530

>>527
――――剣には剣の刑を。

隙間なき包囲円陣/一に対し九の返礼/全剣射出。
完全同時に射出された魔剣の軍勢は無情、ゆえに必殺。
炎と雷光が薄闇の刃金を照らす/その光景は神造の芸術/
想起するのは英雄王の財宝/だが其処に慢心も油断も存在は皆無/遊興も余興も無い。
初手より殲滅撃滅破滅壊滅消滅業滅摩滅轢滅殺滅絶滅のみを目的に、それのみを望んだ剣陣。
何故とあれば、此れは純然な王ではない。
「この世総ての悪」に近しくより邪悪なるもの。“災厄”なれば―――

そして剣の結界/決壊の発撃と同じく
天地を走る邪悪光が再び輝くとき――――――――


「―――――疾く」

豪傑と英雄の側面。凶相が具現化する。
闇を侵食充満する殺意、無限にひた走る殺意を微塵も隠さずに。
業の具現/魂:二天一流の魔人/その諸手には二つの刃。
撃の発現/魂:花園にて果てた魔人/其の手が握る剣は獣人殺しの細身剣。

>>525>>528
―――――剣風には剣嵐の罰を。

撃として支配する魂は一撃を千にまで高める/然し完全な再現は不可能
業として支配する魂は二刀を神技の域に為す/されど天賦の才を我が物として其れを補う
二天二刀を一とする振り上げから/高速の繰り手に剣が振動/伝播、闇が訪れる災厄に戦慄く
これは剣の間合いに非ず/轟音と共に躍り迫る災い也/なれば災いに彼我の距離など意味はなく――――


「――――死ねェェェェェ!!」


“嵐”は始まる。
轟音は大気に。
粉塵は地より大気に。
自らの剣が砕けると同時。
一刀にて512、合わせて1024の剣閃は音速を凌駕し、眼前の合切を薙ぎ払う衝撃波と成る。


【悪魔城最上階 城主の間】
 

532 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/05/06(日) 20:09:420

>>527 >>530-531



 支援砲撃―――乱剣暴風/鋼の視線が掻い潜る/その先に見える輝き。
 絶世の名剣/伝説の魔剣/不世出の宝剣/無敵の破邪剣正が群れ/矢の如く突き刺さる。

 その先―――傷だらけの少年が一人/目には強き意志/叫ぶ声。

「誰も、望んで死のうなんてしない……!!」

 絶望へ抗う叫び―――新たな“剣”/破滅を折るために参じた勇者の姿。
 次々と集う剣―――偉大な生への賛歌/破滅を否定する魂の輝き。

 この乱撃で押し切る―――共に戦うもの、背負うものの重みを載せて。


 瞬間/恐怖のビジョンが走る―――


 砕け散る鋼/肉体/血/荒れ狂う破壊の妖嵐/千と二十四の邪悪な刃。


 瞬決―――装甲/排除!!
 考えたときにはすでに動いている/内部機構に命じる/装甲排除のコマンド。


 白銀の装甲/エネルギー加圧/解放/瞬間的に加速/擬似的な炸裂=質量を持った物体
が破壊力を宿す=刃の嵐を相殺するための威力/一度きりの完全防御―――軽くなる機体
/嵐に乗って背後へ離脱―――損傷軽微。刃が掠めた傷跡のみ。
 白銀の下からは鮮やかな黒き輝き―――元の姿。

「―――これからが真の破滅か」

 独白/目の前の様相を一変させた魔王への観想。
 圧倒的な滅びの気配/触れただけで此方が崩れ落ちていく錯覚/忍び寄る死神の呼吸/
全て弾き返す/生きるための力/魂の往く道/破滅に抗う意志。

 視線を脇へずらす―――同じく退いた女剣士。そして少年。
 何れも強者と断定可能/魔王との数度の交戦/そのデータを分析/連携を取れば拮抗は
十分に可能。パートナーシップを結ぶべきと決めた。

「私はメタルアルカイザー。……あの破滅を打ち倒す。力を貸してくれ」

 冷静な声/渾身の意志/強く伝え/竜鱗の剣を握り直す。

 ―――そう、もう一人で戦っているのではない。

 シグナムの技/確信が。
 リアの言葉/止揚が。
 ドクターの技術/魂が。
 アルカイザーの光/正しさが。
 そして、この二人の力/破滅に抗う意志が。

 私を、一人にはしない。

533 名前:イグニス ◆IgnisC3BW6 :2007/05/06(日) 20:18:440

>>524

 迷っていようがなんだろうが、結局のところ進むしかない、というのが現実だった。
 このまま黙って退却する、という選択肢は論外だし、退くにしたところでワラキア公の消滅を確認する必要があるのだ。
 斧槍を肩に担ぎながら、ただ進む。黙々と。延々と。休むことなく。
 なにかしら目印になりそうな場所に印をつけながら。
 上へ。上へ。ひたすらに、ただひたすらに上層へ。

 新たな石段を発見する。
 なにも考えずに、その一段目へと足をかけ――

>>530-531

 その瞬間、城内に満ちていた魔力の濃度が跳ね上がる。
 轟音。遙か上方から――違う。

 音源は――随分と、近い。

「――まだ仕留め切れていない、と言う事か。全く、あれだけ雁首をそろえてなにをやっているのやら」

 窓を一瞥して、そこいらで暴れ回っているだろう連中に、ほんの一瞬思いを馳せる。
 だが、そんな事を呟きながらも、口元に浮かんでいるのは……微笑。

「いよいよご対面か。それでは、少し……急ぐとしよう」

 身の丈には見合わない長大な獲物を担ぎ直して、イグニスは歩を走に転じさせる――

【場所:上層から最上階へ】

534 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/05/06(日) 20:21:120

【藤原妹紅 vs 柳生・ジャグワァ・玄兵衛/時計塔最上階】
>>526


 何かが割れたような、いい手ごたえ。
 殺った、と思った瞬間―――重力が反転する。

「わ、ちょ、うわあっ―――――!!」

 急降下。妹紅の肉体は時計塔へとめり込み、勢い余って床を突き抜け貫通していく。
 梁が砕け、天井が砕け、歯車にぶつかり、発条に巻き込まれ―――止まった。
 高さにしてビル三階分を破砕しながら落下。

「……ぐ……」

 不死といえど、肉体の強度は常人と同じ。
 骨を折る苦痛が、内臓を揺さぶられる吐き気が、そして頭部への打撃が、妹紅の意識を
完全に刈り取っていた。脳震盪―――意識と身体が切り離されているような浮遊感。

(こりゃ、ヤバイ、かな―――)

 天蓋に空いた穴から覗く風景―――ばかげたことに、城が降ってきている。
 あの質量と瘴気が落着したら、どうなるかなど想像はつく。
 ここは、地獄を超えた絶望の領域と化す。
 そんなことにでもなってみよう。妹紅であろうとも帰ってはこれまい。

(くそ、逃げ損ねるかな、これ……)

 そこで妹紅の意識は途絶する。
 復帰までに―――永い時間を要求して。


【気絶】

535 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/06(日) 20:23:290

>>531-532

 吹き荒れる破滅の暴風<亡風>。
 一度の跳躍で退けるはずもなく、二度、三度。
 呼吸を合わせるように漆黒の騎士もまた下がり――閃光<穿孔>が煌いた。

 好機<攻機>に転じるには絶好――!

「関羽雲長――我が身は主の為の剣<拳>なれど、今は貴方の盾となろう――」

 先行<先攻>――。

 冷艶鋸を振るい、彼の齎した破砕の後をなぞる。
 一度では足りず、二度でもまだ足りず、三度四度と振るい続け。
 万夫不当の英傑なれば、一度に千<戦>を葬ろう。


「征くぞ――その力、存分に振るえ」

 スカートの裾を翻し、浮かべた笑みには勝利の女神を降ろそう。
 妖艶、或いは傾国の微笑。

 我は武神――関羽雲長なり。

536 名前:衛宮士郎 ◆BladeSUpsc :2007/05/06(日) 20:33:560

>>531

「――――あ」

百にも及ぶ宝具で作られた絶望の円陣。
一つ一つがオリジナル。
油断も、慢心も、遊びもなく敵を殺すための嵐。

「――――あ」

一斉射撃砲撃死撃。
オールレンジ全ての方位からなる必殺の剣。
これを甘んじて受ければ自分は赤い血煙となり魂は魔王に食われる。

「――――あああああああああああ!!」

全方位ゆえに逃げ場無し。
ならば篭城。あの丘から盾を引きずり上げる――――!

「――――I am the bone of my sword.体は剣でできている

投擲されし武器には無敵の概念武装。
7つの花弁ででき仕立ては俺自身。

“熾天覆う七つの円環”ロー・アイアス――――!」

流れ出る魔力。
通常の2,3倍を必要とするがこの際の出し惜しみは無意味。
全てを守りきるのみ――――!

「――――――ぐ!」

七枚羽の盾が打ち砕かれていくたびに自分の何かが欠けていく。
永遠に続くかと思われる地獄。
逆流する血で自らの服が赤く染まる。

英雄王よりも遥かに多い剣。
それ全てを一つの盾で防ぎきることは不可能だった。

「―――――投影、再開トレース オン―――――!!」

だから再びの投影。
虫食いだらけの盾でも構わない。
直撃さえ防げれば、この心臓さえ鼓動していれば十分―――――!

「――――――はあっ」

全魔力を使い切るつもりで造り出した盾が崩壊するのと同時にネタ切れ。
呪いの塊が放った剣は全て投擲された。

「――――ごほっ!」

再びの吐血。
服に血を染める部分は無し。
防ぎきれなかった宝具が体のあちこちに傷を負わせたおかげで
全身は真っ赤だ。

「――――投影、開始トレース オン

再び双剣をこの手に。
死に体で魔王に切りかかった。

537 名前:柳生・ジャグワァ・玄兵衛:2007/05/06(日) 20:44:210

【藤原妹紅 vs 柳生・ジャグワァ・玄兵衛/時計塔内部】
>>534

 ジャグワァは予想以上の威力を発揮した自分の技に心底驚いていた。

「まさか床をぶち抜いてしまうとは驚きでござる」

 手放した刀を拾って鞘に納め、腰のマウントから重火器を外して右手に持つ。

「しかし死体を確認するまでは殺ったと思わぬ方が身のためでござるな」

 妹紅で穿った穴へと身を躍らせ、ジャグワァはビル三階分にも等しい高さを飛び降りた。
 飛び降りた先にはぐったりとして動かぬ妹紅の姿。

 そしてそこへ襲い掛かる異形の怪物。

(こやつら仲間ではござらんのか!)

 ジャグワァは反射的にトリガーを引いていた。
 気絶した妹紅ではなく、彼女を襲う異形へ対して。


538 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/05/06(日) 20:51:380

>>535


 莞爾と笑う美剣士―――思考回路に揺らぎを覚える。
 機械すら痺れさせる艶やかな笑み。
 同時にその姿が残影を残す/突撃/衝撃の嵐へと切り込む。

 その威力は減じ―――しかし、まだ足りない。

 支援―――思考/マニューバ/決定。

 稼動―――高速での回転/旋回と突撃/気流操作/乱流収束。
 旋回/旋回/風を吸い/大気を捻り/衝撃を砕かんと力を強める。
 轟/風が唸る/大気が牙を剥く/衝撃へ襲い掛かる。
 結果/局地的小型竜巻の発生―――衝撃波へと突進する。

 激突/衝撃/軋む装甲/骨格/奇跡的な身体操作で耐え切る。

 ―――衝撃波が、相殺された。

「―――往け!!」

 鋭く飛ばす声―――作り出した好機。
 関羽が、動く。


【城主の間】

539 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/05/06(日) 21:07:140

【藤原妹紅 vs 柳生・ジャグワァ・玄兵衛/時計塔内部】

>>537


 ―――吐き気を覚えて目を覚ます。

「おえ、げほっ」

 死亡はしていない―――幸いなのかは不明だった。
 咳き込んで身を起こすと、どこかの部屋にいた。
 見ればベッドの上に落ちている。幸運だった―――もしこのクッションがなければもっ
と落ちていたはず。即死していただろう。

「くそ、なんて馬鹿力だ」

 呆れるように天井を見上げる。
 階層にして三つ。その上には城が見える。
 三階分をぶち抜いてきたということだ。

「……って、おいおい」

 ―――そこで、ようやく気づいた。
 周囲が悪鬼悪霊の群れで覆い尽くされていることに。
 ふざけている。生きたまま食おうというのか。

「―――あー、もう」

 襲い掛かるまで数秒。
 妹紅は―――あらゆる理不尽に対して。
 手当たり次第に報復することを決めた。

「てめえらみんな吹っ飛びやがれ―――――――――!!」

 召喚―――フェニックス。
 大気を押し退け、物質を焼き、衝撃と共に顕現する神性。
 その威力は壁ごと怪物どもを吹き飛ばし、周囲を灼熱地獄に変える。

「もう知るか、この搭ごと、みんなまとめて―――」

 飛翔する。自らの空けた孔へ飛び込む。―――そして、空へ。
 時計塔を超え、屋根を超え、全てを見下ろせる場所まで。

 その右手に握られたのは一枚の符。ただ“無”とだけ刻まれている無名のスペル。
 そこに、ありったけの熱量を絞り込み、乾坤一擲の技の為に構えた。

540 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/06(日) 21:15:230

>>583

 開かれた道に機は満ち溢れ。
 月光<激昂>に照らされた城主は背後を晒す。

「言われるまでも――!」

 駆<賭>ける。
 僅かな邂逅<快口>の先に浮かぶ光明<攻妙>に向かい。

 疾る。
 僅かな勝機<勝氣>に乗り。


      天を仰ぐ冷艶鋸。
                /その切先に疾風<失封>を乗せて。

          仰ぎ見た空に浮かぶ巨大な月。
                             /その刀身<刀心>に紫電<思伝>を乗せて。

             風は流れ、星は瞬き、瘴気は還す。
                                  /この体に不破<不我>を誓い。

541 名前:魔王『ドラキュラ』蒼真 ◆BLOODlbo6s :2007/05/06(日) 21:20:300


>>532>>535>>536>>538>>540

滅の斬風を黒機が躱す、果てに待つ結論も判らずに。
死の激風を旋風が殺ぐ、果てに待つ必然も分からずに。
壊の剣陣を花弁が凌ぐ、果てに待つ帰結も受け入れず。

命ある物は死に、形ある物は砕け、生あるモノは腐り落ちる。
万死は万象であり必滅は必定であり喪失は総質。
足掻き藻掻く先にあるのは苦しみが、そして果てには滅びが在る。

      必然である/絶対の/我が存在が其の証


故に、汝らは無価値。
即ち、其の戦いは無為。

>>540
穢されるべき武神に告げる。
その不快な笑みを絶望に染めよ。
悪魔精錬開始/魂:アイザック/無垢なる魂は我が魂と結実せよ
無より練成/終焉と無苦露と羅刹と鉄神/悪魔と武者と武神と鉄巨人/英雄豪傑にも劣らぬ傑作ども/
吶喊する武神の前方より馳せ狂え/無双の技量と人外の力で圧せ/命を捨て華を散らせ/其れこそが赦された最期。

>>538
散華すべき黒機士に命ずる。
其の勇猛を喜劇に変えて、自害しろ。
ドッペルゲンガー/合わせ鏡の虚像を展開/斃すための砲台と定義。
魂:バロール/魂:ゲーゴス/魂:レギオン「メヌエット」/魂:呪装髑髏兵/位相:全魂、撃の構え/
方向/全方位/巨人の魔眼/魔獣の顎/レギオンの核/髑髏の呪孔/全ては薙ぎ払う滅光である。
驟雨の勢いと同じく/大樹の太さと同じく/数は六条/縦横に奔リ続ける邪悪光にて散華せよ。

>>536
そして――――我に傷を付けた剣に命じる。

我が器は半ばが夜族となれど、未だヒト。
流された血は補わねばならず、不遜なる罪人への裁きは下されねばならぬ。
業の魂/武蔵の支配は健在/毒剣と短刀にて双剣を受ける。
十字の構えを即座に開く/膂力と剣才/両手の剣を其のまま放り上げ/故に
神速の踏み込み/ワーウルフ/獣の速さで間合いを詰め/貴様は
両の毒爪/スカルミリオーネ/猛毒の爪で薙ぎ付ける/我の
撃の魂/サキュバス/非道にして貪欲なる淫魔/血と精を貪る/糧と



『我が血肉となり、果てるがいい』


     ――――毒撃を囮に潜り/其の牙を突きたてる。


【悪魔城最上階 城主の間】
 

542 名前:柳生・ジャグワァ・玄兵衛:2007/05/06(日) 21:29:420

【藤原妹紅 vs 柳生・ジャグワァ・玄兵衛/時計塔内部】

>>539

 荒れ狂う炎が走る。異形を焼き払い吹き飛ばし、無差別に根こそぎに破壊しながら。

「ぬうん!」

 だが厚みはないと見て取り、ジャグワァは炎の中へ飛び込み、突き抜けた。
 緊急回避動作でダメージを抑え、灼熱地獄より脱する。

「く、やはり先にとどめを刺すべきでござったか!」

 火災を振りまいて脱する妹紅を追って、外に出たジャグワァは、再び空を舞う妹紅を見た。

「遠すぎるでござる。しからば――奥技しかあるまい!」

 銃を腰のマウントに掛け、意識を集中する。

543 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/05/06(日) 21:40:210

>>541


 突撃する武神を見送り―――センサーに脅威度大の警告が走る。

「これは―――!!」

 鏡が出現/転じて髑髏/収束する邪悪な光/全方位/縦横無尽に引き裂くための兵器。
 回避計算―――不可能/面制圧/空隙皆無/直撃/予想ダメージ甚大=防御。

 唯の防御では駄目だ―――打ち破り、破滅を超えるために前進を。

 閃光が迸る。発射寸前―――狙いはこの黒鋼。


 だが、その程度の光で、滅びしか知らぬ輝きで、臆することなど在るものか。


 心術ジェネレータ/陰術機関に直結/最大効率で稼動/出力最大/右腕へ。
 顕現―――生まれる偉大な黒き炎/あらゆる障害を砕く/英雄の写し身。
 黒炎/得ると同時に突進=スラスター点火/加速/限界値を越えて/衝撃を受けて/炎
が渦巻く/翼を生やす/さながら不死鳥/これぞ奥義!!


「ダーク・フェニックス!!」


 偉大な黒が破滅の閃光を退ける/折伏させる/蹴散らす。
 黒の彗星―――高速で駆け抜ける漆黒の翼。
 光線を遡り/接近/鏡を砕く/虚無の髑髏は偉大な炎に焼き滅ぼされ―――


 なんと、ドラキュラを掠め前進。
 複眼センサには見えていた。
 襲い掛かるドラキュラ―――/少年の危機。

 加速/加速/少年の前へ/庇うように。

 そして着地/制動/同時に左右レイブレードへ点火/両手で抜くと同時に刃を生み/
 マニューバ作動/防御技法十字留め/二刀の光が魔王の刃を弾き返した。

「―――誰もが、破滅を前に戦う。生きるものは、生きるために在る」

 流れる呟きは、果たして誰へのものか。
 この破滅へとかすかに生まれる隙―――好機。

 少年に背中を預け、私は魔王の刃を受け続けた。
 その意志と力を信じて。

544 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/05/06(日) 21:50:100

>>529>>541
疾風のごとく城壁を踏み越え、決戦の地に降り立つ。

だが、既に戦いは始まっていた。
人間のカタチに、魔王のチカラを秘めた者。それがドラキュラ。
ドラキュラに対するは、鋼鉄の騎士。真紅の少年。女子高生……女子高生?
ともかく、戦況はドラキュラに寄る一方的な虐殺へと変容しつつあった。

「どうする、鋼牙?」
「……まずは名乗りだ」
魔戒騎士には、魔戒騎士の騎士道がある。
守りし者として戦うその姿を、その名前を知えう人々の心を支えるのもまた役目。

「聞け!」
鋼牙の声が天地に響く。

「我が名は冴島鋼牙、黄金騎士ガロの系譜を継ぐ者なり!」
右手に握るは魔戒剣。その切っ先はドラキュラに向けられている。

「この場に立つ者たちよ! 今一度、己の“守るべきもの”を思い起こせ!
そして、魔戒剣が天を指す。

「守るべきもののために、守りし者となれ!」
剣が空に輪を刻む。
「それが―――」

天より差し込む光。

「俺たちの誓いだ!」

ガロの鎧を纏った鋼牙は、赤く血で染まった少年の前に飛び込み、少年に向けられるはずの牙を、
爪を受け止めていた。

―――行け、疾風の如く。宿命の戦士達よ。
【場所:悪魔城最上階】

545 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/05/06(日) 21:58:310

【藤原妹紅 vs 柳生・ジャグワァ・玄兵衛/時計塔内部】

>>542

 ―――最大充電/目測、照準良し/本日天候晴朗なれど闇高し。

 ありったけの霊力気力生命力を込めて、放つ。




「みんな吹っ飛べ――――――――――――!!」




 右腕を、振り下ろす。

 同時に―――光が、生まれた。


 天から打ち下ろす暴虐な光と熱量。それはかつて黒い魔法少女が使っていた技に酷似。

 威力もまた酷似―――その光は時計塔へと直撃し、吹き飛ばし、焼き払っていく。

 伸びる光の滝。崩れ往く搭。


 その奥で、あの侍は―――



546 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/06(日) 22:03:190

>>541

 四将<四勝>の吶喊。
 戦場を渡れば常勝不敗の山を築き上げただろう。

 だがその鮮烈<戦烈>なる武も――傀儡では届かない。
 生と死の天秤が片方だけに特化した者達では――届く筈もない。


 清濁併せ呑み、死を意識する一方で生を願う時。
                              /風はそれの意<威>のまま突き進み。

   生を意識し死すら覚悟と共に乗り越える時。
                             /雷は大気<退機>を退け流れ行き。

      それは苛烈なまでに輝きを放つ。
                         /我は見切り<身斬り>進むのみ。


 残と音が響き渡り、一人の将<勝>は脱落し、二の太刀三の太刀で振るわれる爪<葬>を防ぐ。
 四の太刀は裁ききれずに宙を舞い、巻き起こる剣風は肌を刻む。

――されども止まるわけには行かず。

 斬る。凪ぐ。払う。
 三と一の攻防戦。

 服は裂かれ、千切れ、宙を舞う。
 それでも髪の一筋すら貴様らには与えてやらん。


 二と一。



 一と一。


 零と―― 一。

547 名前:衛宮士郎 ◆BladeSUpsc :2007/05/06(日) 22:10:220

>>541

ドラキュラは俺が放った首と鳩尾への剣戟に
俺以上の双剣捌きを見せ、干将・莫耶を砕いた。

「―――――くっ!」

すぐさま投影。
無理やり体の奥底から引っ張り出してきた
魔力を使用して陽剣陰剣を取り出す。

それに対し双剣を振るうかと思いきや
剣を投げ捨て獣じみた速さで俺に近接
そしてその爪を振るおうとしていた。

間に合わないか?
その毒爪で切り裂かれてしまえば俺は――――

>>543>>544

次の瞬間、二人の男が割り込んできた。
重い甲冑に身を包んだもの。
黄金の鎧に身を包んだもの。
それが俺の命を奪うはずであった毒爪と牙を防いでいた。

「―――誰もが、破滅を前に戦う。生きるものは、生きるために在る」
「我が名は冴島鋼牙、黄金騎士ガロの系譜を継ぐ者なり!」

そうだ。
破滅なんて甘受するモンじゃない。
せっかく生きたのだから、ずっと生き続けなきゃ。

――――そういえば、名を名乗るのがまだだったな。

「俺は衛宮士郎。正義の味方を目指す―――」

その手にはずっと頭の中に浮かんでいた剣があった。
アーサー王が引き抜いた選定の剣。

「魔術師だ!!」

勝利すべき黄金の剣カリバーンの一太刀をドラキュラに浴びせていた。

548 名前:魔王『ドラキュラ』蒼真 ◆BLOODlbo6s :2007/05/06(日) 22:43:070


>>543>>544>>546>>547

機械が/抗うか/抗うな/抗うか/抗うな。
豪傑が/抗うか/抗うな/抗うか/抗うな。
騎士が/抗うか/抗うな/抗うか/抗うな。
正義が/抗うか/抗うな/抗うか/抗うな。
英雄が/逆らうか/逆らうな/逆らうか/逆らうな
万物が/逆らうか/逆らうな/逆らうか/逆らうな
万象が/逆らうか/逆らうな/逆らうか/逆らうな


―――――愚か者に掛けるは唯一。

迎撃/魂:ヴァルキリー/召喚/斬魔聖剣展開/神の剣で黄金を止める。
下らぬと/下らぬと/下らぬと/魔術師の肩を/下らぬと/下らぬと/掴み潰し
解らぬか/解らぬか/引き寄せて/解らぬか/解らぬか/首筋に/解らぬか/解らぬか/
愚か者/愚か者/我が牙の/愚か者/愚か者/愚か者/愚か者/洗礼を/愚か者/愚か者/
支配/我が呪い/侵食/侵食/侵食/侵食/支配/身に受けて/支配/支配/支配/侵食/
支配/我が呪い/侵食/侵食/侵食/侵食/支配/身に受けて/支配/支配/支配/侵食/
支配/我が呪い/侵食/侵食/侵食/侵食/支配/身に受けて/支配/支配/支配/侵食/
支配/我が呪い/侵食/侵食/侵食/侵食/支配/身に受けて/支配/支配/支配/侵食/
支配/我が呪い/侵食/侵食/侵食/侵食/支配/身に受けて/支配/支配/支配/侵食/
支配/我が呪い/侵食/侵食/侵食/侵食/支配/身に受けて/支配/支配/支配/侵食/
支配/我が呪い/侵食/侵食/侵食/侵食/支配/身に受けて/支配/支配/支配/侵食/

『―――――遊んでいろ』

魔術師を投げ放した魔王の周囲に魔鏡が集う。
転移と浮遊、主を護る忠臣のように。
魂:ドッペルゲンガー/魔鏡と同調増幅/分身の同時展開/
業の魂選択開始/魂:


『――――汝の乗り越えた屍と共に』


――――現れたのは尖兵の魔王。
醜悪なる威容を誇示し、巨体は今再臨を遂げる。
皮膚は爛れ、肉は腐り、骨から蛆が沸く。狂気の陰我は激痛によって加速する。
果たすべきは復讐であり忠誠の遂行。
望むべきは解放であり我が仇の駆逐。
敵は勇者「黄金騎士 牙狼」

――――現れたのは美髯公。
更なる狂気に支配され、彼には最後の理性すら存在しない。
だが其の太刀筋は精妙にして無双。
血の咆哮を上げながら暴虐の嵐は進む/望むのは歪められ/創られた雪辱と復讐。
敵は転生「関羽雲長」。

――――現れたのは烈火と詩剣。
麗しの騎士、その双影は凶相を浮かべ躍りかかる。
仕合で得られた情報で再現されたドッペルゲンガー/魂を持たぬ偽りの悪夢。
剣と剣、魔法と魔導は死の文様を幾重に描き、走る。
敵は英雄「メタルアルカイザー」


――――そして『支配』の呪いを授けた魔術師には。

   起源を暴走せよ

    根本を狂騒せよ

     心象を圧壊せよ

      幻想を崩壊せよ

       回路を破壊せよ

        汝の剣製を狂わせよ

         悶え狂え捻れ崩れ砕けて爆ぜろ。


『命ずる―――――己が幻想にて自壊せよ、エミヤシロウ』


【悪魔城最上階 城主の間】
 

549 名前:柳生・ジャグワァ・玄兵衛:2007/05/06(日) 22:44:570

【藤原妹紅 vs 柳生・ジャグワァ・玄兵衛/時計塔最上部】
>>545

 天空より打ち下ろされる光。
 流れ星――否、これは彗星だ。
 天より降り注ぐ破壊の彗星。

 時計塔へ降り注ぐ破壊の光を前に、ジャグワァは抜刀した。

「大激震! 黒神剣!!」

 破壊の彗星に柳生・ジャグワァ・玄兵衛の奥技が真っ向から挑む。
 ジャグワァの剣閃は彗星を真ん中から断ち割って、疾る。

「斬ッッ!!」

 光が――爆発した。

550 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/06(日) 22:59:160

>>548

 具現<愚幻>する――美髯公。
 死者への冒涜<暴徳>、或いは誇りの侮辱。

 怒髪天を突き、伏龍<覆龍>は目覚め、果実<過日>を潰せ。

「下衆が――」


                閃く太刀。
                     /音もな切断<拙断>し。

                 翻る太刀。
                      /力のままに切断<拙断>し。

                  留める太刀。
                         /威のままに切断<拙断>し。


「恥を知り、無様に消えろ――!」

551 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/05/06(日) 23:03:230

>>548
ドラキュラの前に浮かび上がる幻影が振るう剣は、浅くだが鎧を切り裂いた。
「鋼牙!」
「傷は浅い……これしきのことで!」
剣を杖代わりにして踏みとどまった鋼牙。その眼前ではエミヤシロウと名乗った少年の首筋に
牙を突き立てるドラキュラの姿。

『―――――遊んでいろ』
ドラキュラを護る様に寄り添う魔鏡が、ドラキュラの幻影を実体化させ、その姿を練り直していく。

『――――汝の乗り越えた屍と共に』
鋼牙の目の前に現れたのは、先程滅ぼしたはずのバラモス。
しかも、死臭漂う最期の姿のままに。
その瞳には、もはや何の炎も宿っていない。ただの、しかばねだ。

「……こうなると、さしもの魔王も哀れだな」
「同感だ」
鋼牙は、死してなお、屍滅びてなお弄ばれるバラモスに、哀悼の念を抱いた。
確かに、魔王を名乗るバラモスは邪悪な魔物だった。
だが、それを故として死した魂を弄ぶ権利は誰にもない。

鋼牙の手に握られた牙狼剣が空に紋章を描く。
その紋章が呼ぶのは、魔戒騎士の友―――魔導馬・轟天。
紋章の光が弾けると同時に、鋼牙は轟天に騎乗し、バラモスに向かう。

―――安心しろ。もはや貴様は誰を傷つけることも、誰に傷つけられることもない。

鋼牙は、強く握り締めた牙狼剣に轟天の蹄より放たれる力を込め、「牙狼斬馬剣」に変じさせ。
バラモスを縦に両断した。

552 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/05/06(日) 23:18:280

>>547-548


 眩い輝き/正しく聖剣/少年が引き出した力/魔導―――計り知れない何か。
 間違いなく/伯爵へ―――

「―――っ、いかん!!」

 しかし魔王は砕けない―――/新たな刃を手に/刃を受け/黄金騎士と黒き英雄が弾き
飛ばされ/少年は/牙に。
 そして唐突な鏡の出現/接近は困難/距離を開ける/スラスター一瞬点火/五間までの
距離を得、レイブレードを収納/竜鱗の剣を抜いた。続けざまに月牙ブーメランを起動し、
鏡を破壊―――


『―――――遊んでいろ』


 異変はその瞬間に起きた。
 鏡/映し出すのは刃を交えた戦友/シグナム:リア=幻影。
 それが、ゆっくりと実体化―――刃を手に襲い掛かる。
 その目は曇り/剣は汚れ/魂は侮辱された。
 不出来な写し身/知らず怒りを覚える/魂が呼応/ジェネレータの出力更に上昇・最強
の一撃を期し/渾身の溜めを作る/目の前の道化を破壊するために。


「我が戦友(とも)を紛い物で汚すか!!」


 咆哮/突進/両者の加速/接近/互いに振り下ろす刃―――此方は一、相手は二。
 詩歌の炸裂/剣の分裂/同質の力/違う魂/更に怒り。
 行動―――リアの粗悪を切り捨てる/詩刃が零れる/幻影の詩刃/されど力は同質。
 それを掴み―――分裂剣を絡め取る/やはり贋作/真の騎士には及ばず。
 その幻影を、逆袈裟に、切り裂いた=霧散するシグナムの模倣=尊大愚昧な存在。

 竜鱗の剣を鞘に収める。
 零れ落ちたのは詩剣/分裂剣のみ。それだけが実態を残す。
 完全なる複製―――武器だけは。


「―――奴は、騎士の清冽な闘いを嗤った。共に鉄槌を与えよう」


 それを拾い上げ―――解析。
 詩剣/一定の文を入力/応じて術式が起動/現象が発現する。
 分裂剣/魔力を燃料に無限の威力上昇/さらに刀身の延長および鞭としての機能を装備
/カートリッジ装填済み/残り二/弓形態への変形可能。

 刺突剣/分裂剣/歪な二刀流―――穢された魂へ報いを与えるための武装。
 彼らの力は、全てこの鋼の内に息づいている。

 そして、魔王を見た。
 ―――私は一人ではない。三人で私は戦おう。
 お前に報いを/破滅に鉄槌を。

553 名前:衛宮士郎 ◆BladeSUpsc :2007/05/06(日) 23:23:540

>>548

黄金の剣は魔王が持つ聖剣によって受け止められていた。
それはいい。次の一太刀を浴びせればよいのだ。
だが―――。

「ぎっ―――――!?」

肩を握り潰される。
指が、肩を侵食し骨を掴み上げるが如く
体を口元に手繰り寄せる。

「―――――アッーーー」

牙が深く刺さった。
血を吸われる奇妙な感覚。
まるで

       自分が

               吸われる

                        自我

                               喰われる

「――――」

投げ飛ばされる。
地面に叩きつけられたのに悲鳴が上げられない。
まるで自分が自分以外のものに自分を壊されて自分を―――

『命ずる―――――己が幻想にて自壊せよ、エミヤシロウ』

ザブリと、自分の腕が剣になっていた。

「ゲホッ――――」

血の逆流。
自分の世界が暴走して内部からどんどん剣が生えて
自分の中から八つ裂きにして自分が剣になって

それでお終い。意識は露と消え衛宮士郎はドラキュラに命令されたまま死を迎え――――


――――それでお終いか?貴様の正義とやらは


あいつの声が聞こえたような気がした。

「―――冗談!」

呪いを無理やり跳ね返しドラキュラとあいつの言葉をまとめて否定する。
体が軽い。剣が突き刺さっているとはとても思えない。
前に伸ばした右腕を左手で握り締め、魔王を凝視する。

そうだ、体が剣に突き刺されたからってなんなんだ。
この体はもとより――――

554 名前:衛宮士郎 ◆BladeSUpsc :2007/05/06(日) 23:24:070

「――――I am the bone of my sword.体は剣でできている

呪文を口にする。
その言葉とは当然のように在った、衛宮士郎を繋げるモノ。

「―――Steel is my body, and fire is my blood血潮は鉄で心は硝子

導く先は一点のみ。
限界という堰を突破し、瞬時に衛宮士郎の限度を満たす。

「―――I have created over a thousand blades.幾たびの戦場を越えて不敗
     Unaware of loss.ただ一度の敗走もなく、
     Nor aware of gainただ一度の勝利もなし

引きずり出す。
体中に残った1を集め続ければ何時かは辿り着く。

「―――With stood pain to create weapons.担い手はここに独り
     waiting for one's arrival剣の丘で鉄を鍛つ

魔力が踊り狂う。
だが構わない。もとよりこの身は「ある魔術」を成し得る為だけの回路。

「―――I have no regrets.This is the only pathならば、我が生涯に 意味は不要ず

一の回路は体中から集めた魔術に耐えきれられず
逃げ場を求め基盤を壊す。

「――――My whole life wasこの体は

真名を口にする。

「――――“unlimited blade works”無限の剣で出来ていた

瞬間、何もかもが砕け、あらゆる物が再生した。

555 名前:衛宮士郎 ◆BladeSUpsc :2007/05/06(日) 23:24:410

―――炎が走る。

燃え盛る火は壁となって境界を造り、世界を一変させる。
後ろには荒野。
無数の剣が乱立した、剣の丘だけが広がっていた。

この場にいるもの全てを巻き込んでの発動。
剣達は驚き、ドラキュラは鬼気迫る表情で、目前の敵と対峙する。

「そうだ。剣を造るのではなく無限に剣を内包した空間を作る。
 これだけが衛宮士郎に許された魔術だ」

荒涼とした世界。
生き物が居ない、剣だけが眠る墓場。
直視しただけで剣を複製するこの世界において、存在しない剣など無い。

それが、衛宮士郎の世界だった。

固有結界。
術者の心情世界を具現化する最大の禁呪。
この身が持つたった一つの武器だ。

「―――お前がこれから相手にするのは文字通り無限の剣」

ここには全てがあり、おそらくは何も無い。

ゆえにその名を“無限の剣製”アンリミテッドブレイドワークス
これが衛宮士郎の一つの答え。

「覚悟は出来ているな―――」

手を空に伸ばせば地面に突き刺さった無限の剣が浮き上がる。
それは号令一つで飛ぶ壊れた幻想ブロークン・ファンタズム

「魔王、ドラキュラ!!」

手を振り下ろした瞬間、それは魔王を滅ぼさんと向かっていった。

556 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/05/06(日) 23:25:200

>>549


 ―――斬っていた。
 振り下ろす閃光を遡る刃を現視/幻視する。
 それは妹紅の身に届き、容赦なく切り裂いた。

「あ……っ」

 翼が散る。火の粉に還り、推力を失った妹紅は落下した。
 はるか下界―――茫漠に広がる湖へと。

「……生きて、帰れないかな、さすがに」

 痛みを感じる部分すら壊れたか、不思議と安らかだった。
 燃え、引き裂かれた服が火の粉となって宙を舞うのが見えた。


 蓬莱人は輝く航跡を引いて―――湖へと墜ちた。


【藤原妹紅―――戦闘不能/死亡?】

557 名前:イグニス ◆IgnisC3BW6 :2007/05/06(日) 23:35:590

>>533

 伏せられていた、最後のカードが開かれた。
 魔王の手により使わされた亡霊どもが実体をも多その直後に、無礼にも、一切の断りなく城主の間に滑り込んでくる
紅い影。

 ――イグニス。
 戦塵にまみれながらも輝きを失わない紅い髪が後方へと流れ、僅かに紫を湛えた紅い双眸は、狂気という名の魔力が
文字通り暴威を振るう戦場にあって、ただ静かに討つべき獲物を探し求めていた。

>>550

 年若い女が、長く美しい髭を蓄えた男を討ち取っていた。
 ――違う。

>>551

 黄金色の鎧を纏った騎士が、朽ちた魔物に真なる滅びを与えていた。
 ――違う。

>>552

 漆黒を纏った戦士が、剣持つ見知らぬ女と対峙していた。
 ――違う。コレも関係がない。

>>548

 そして。
 赤毛の少年に食らいつく、巨大な闇の姿があった。

 ――見つけた。
 それだけを小さく思考。また走り出す。右手には戦槍。振りかぶり、それを全力で投擲する。
 宙を舞う槍、だがその穂先は敵には届かない。力を失い、真っ逆さまに突き刺さる。

 だが、それでいい。
 イグニスはさらに加速。突きたった槍に至る道筋を全力で走り抜ける。
 跳躍。ぐるりとちゅうを一回転したイグニスのブーツが、柄の先端を踏みしめる。――さらに、跳ぶ。

 宙を舞いながらイグニスは抜刀――黒い刃が露わとなり、弧を描き落ちていくその先は、矮小なる闇払いなどには意識を
払わぬ魔王の背。

 ――人類最古の悪魔狩りが、その背に一刀を刻み込む。

【最上階:城主の間】

558 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/05/06(日) 23:57:110

>>552-555



 ―――それは、無限の世界だった。
 見渡す限りの剣/剣/剣―――計測不能の実質的無限。
 あの少年の世界。無限の剣戟=茨の軌道=信念を貫く。

 しかし、輝く魂を見出す。

 踏み出す/スラスターへ点火/急加速/衝撃点突破/軋む肉体。
 エネルギー供給/全てを両腕に/二刀を振りかざし、薙ぎ払うために弧を描く。
 それは―――月輪。
 それは―――月光。
 メタルアルカイザー最大の奥義。

「ムーンスクレイパー!!」

 二刀/重なる月輪/並び立つ月光/必殺の横薙ぎ一閃。
 神速/残像すら残さぬ/鮮やかなスラスターの閃光/月光の如く。

 そのとき、破滅を乗り越える/加速のビジョンが過ぎった。
 同時に、手ごたえ。深々と切り裂いた感触。

 すれ違った直後、ドラキュラを斬った、という確信が生まれた。
 強烈な速度を制動/火花を上げて滑る足/煙を上げて停止した。

 視線を上げる。
 完全に仕留めたか。
 それを見定めるために。




559 名前:◆BLOODlbo6s :2007/05/06(日) 23:58:540



>>550>>551>>552
>>553>>554>>555
>>557>>558


かくして。
支配の虚像は解き放たれ、
狩人の刃は須らくかの王を、
自壊は犠牲の刃となって爆乱し、
空を覆い隠す天蓋は砕かれ、天には――――――



 

560 名前:魔王『ドラキュラ』蒼真 ◆BLOODlbo6s :2007/05/07(月) 00:01:340

>>559

空に満つる形にて、蒼月は明瞭なる姿で浮かんでいた。
古来原初よりの如何なる時代、如何な星辰の並びよりも一際に巨きく映り。
―――――否。
錯覚ではない、実存の現象たるを以って巨大なる威容を誇示しているのだ。
古来から連綿と観測され続けた記録にも、記憶にも類を見ない、異常極まる実態を明らかなものとして。

そう――――其の真円に、一つの“城”の形を映し出して。
其の深淵が御前に、城主たる魔王の姿を映して。

―――――破滅への儀式、完遂は一歩。
なれば唱え宣告しよう。


「――――ソウル」

魔神ガラモス/炎魔アグニ/タロス/バロール/悪魔城四大魔神
ムクロ/セイント/ヌクレアス/メヌエット/フール/肉塊球レギオン5基
死神/ファイナルガード/ギャイボン/ベリガン/悪魔騎士団総勢340
ワーウルフ/ワータイガー/ミノタウロス/ライカンスロープ精鋭総勢257
サキュバス/リリム/魔女/プロセルピナ/ニュクス/エリニュス/高等妖魔近衛隊総勢118
マンティコア/ムシュフシュ/ゴルゴン/メデューサ/デュラハン/ゲーゴス/バルバリッチャ/
ドラグナッツォ/マラコーダ/ストラス/デカラビア/パラノイア/全髑髏兵が/全鎧兵が/
全騎兵/全死者/全魔人/全妖魔/全巨獣/全魔獣/全幻獣/全獣人/千を越え万に至る“魔”が。


其れは幽玄なる光景でありながら、不可避絶望となる破滅の到来にして顕現。
城外に配され、討たれ、彷徨う全ての虚ろなる魂。
城内に巣食い、殺され、漂う魔物総ての魂が。
月より伸びる亡者の手という手が。月食に封じられた魔の軍勢が。
その色を問わず形を問わず、空を埋め尽くしながら一点へと結集する。


           <我に>

          『スティール』


彼ら総てを支配する主、只一人の『魔王(ドラキュラ)』へと。
一層の闇が空を包み、美しき魔貌の王のカタチは消えた。
深闇が晴れた時、其処に居たのは―――――



              <力を>

 

561 名前:『Dracula』 ◆BLOODlbo6s :2007/05/07(月) 00:03:370

>>560



      ―――先ず、其の巨きさは巨人であった―――


巨人の魔眼が浮き出でて/罪の魔獣が生まれ出でて/無限光が撃ち放たれる。
千の灼熱が融合し/支配する全ての炎魔/ラグナロク終焉/焔の園が顕現する
四百の雷光が散開し/討ち放てる総ての雷撃/空を染める落雷と成る


      ―――だが、其の御姿は異形であった――――


剣と剣と剣が生まれる/武具という武具/殺意という殺意/人が生み出した死の具現
無限にして夢幻/なれど実在る/断絶刺殺斬滅の刃/剣林/驟雨/人が望んだ最終戦争
どの王の財宝よりも多く/禍々しく/この総ての悪意よりも邪悪を宿し/


     ―――そして、其の背に生えるのは竜の翼であった―――


石床が軋む/魔力解放による崩壊/城全域/大地も割れ/奈落の大穴が今開く
天空が歪む/時空が歪曲/次元孔/召喚されろ/天より破滅/メテオ/終末の具現
引力は非情に/質量は無情に/衝撃は絶大に/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は
/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は
/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は
/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は
/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は
/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は
/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は
/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は
/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は/破滅は
/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を
/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を
/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を
/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を
/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を
/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を
/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を
/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を
/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を
/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を
/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を
/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を
/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を
/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を
/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を
/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を
/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を
/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を
/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を
/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を
/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を/破滅を

 

562 名前:『Dracula』 ◆BLOODlbo6s :2007/05/07(月) 00:04:340






即ち、其れは悪魔の王である。
破壊と破滅だけを役目とする竜にして悪魔。


そう、人は其れを『Dracula』と呼ぶ。

【悪魔城/崩壊 蒼月の下で】
 

563 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/05/07(月) 00:26:220

>>559-561



 ―――切り捨てたはずの破滅/虚無が膨れ上がった。
 同時に終結する何か/魂/生命の根源/全ては闇の一点に。
 空を仰ぐ―――暗い蒼天を、邪悪な輝きの魂が多い尽くしていた。

「これ、は」

 不吉/死/確実な破滅の予感/回避不能の運命が忍び寄る。
 合一する魂―――その先には、


 破滅そのものが顕現していた。
 この世をはるかに越え/あらゆる邪神を踏みつけ/滅びを知らしめるもの。
 その名状しがたい/未知なる鬼神/ドラキュラ―――その完全な復活。

「―――避けろッ!!」

 “剣”たちへの警告―――しかし、回避不能の破滅を前にそれがどれだけの効力を生む
というのか。降り注ぐ刃/武器/雷/炎/隕石/そして城が崩れ落ちてゆく=絶望と破滅
の壁が立ちふさがる如く。
 全てを弾き/受け流し/かわし/受け止め―――損傷がミリ秒単位で増加/危険/危険
/回避不能の危険/視覚センサが他の人物の状況を捉える―――圧倒的劣勢。
 打ち破る方策は皆無―――


564 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/05/07(月) 00:27:240

>>564




 ―――ビジョン。



 “抑制装置解除”。

 現在の状況/心術ジェネレータは限界を超えた性能で稼動/通常の約二倍/そこから抑
制装置を解除した場合の性能向上/威力向上を計算/計測不能領域へ。打ち破る希望が見
える=同時に解除を―――申請できず。


 ドクターの死亡=抑制装置解除キーの始動不能。
 申請した瞬間/絶望を覚えた/忍び寄る死神が背に張り付いている。


 ―――降り注ぐ災厄/剣を構える/最後まで戦いは止めない。
 まだ、この命と魂が在る限り―――



 ……通信機へと、涼やかに飛び込むメッセージ。


 “抑制装置解除ヲ承認”/深い驚愕。


 一体誰が―――?


 だが、この身の最後の機能は、その枷から解き放たれた―――


565 名前:メタルアルカイザー ◆8/KAIZERps :2007/05/07(月) 00:29:310

>>564




 “抑制装置”ヲ解除―――コレヨリ、死地ニ入ル。




 ―――疾走/加速/限界値を超えて/臨界点を超えて/偉大な衝撃/鋼を叩く。




 月牙ブーメラン起動/両手の両剣に装着=二剣を即席の自律誘導装備に/投げ放つ――
レイブレードを起動/二刀流/無数の破滅を弾き続ける/機関出力最大/稼働時間低下/
更に切り払い薙ぎ払う―――使用限界=竜鱗の剣を抜く/サンダーボールを高速連射/限
界レベルでの弾幕/無数の軌跡を描いて飛翔する球電の弾幕/かわし損ねてスラスターに
打撃/爆発/内部装甲に損傷/加速をやめない/反転/プラズマジェット/推進器に転用
/更に加速/到達/分裂剣が帰還する/カートリッジロード/弓/つがえ、至近距離から
の射撃/爆発/剣に戻す/詩剣が帰還する/詩歌を刻む/光り輝く剣身/最大の破壊力。



「オオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」



 咆哮―――傷だらけの鋼/清冽なる叫び/限界/全開機動。
 二刀で繰り広げる/無数の斬撃/一閃/打撃/攻撃を弾き/全身全霊の一撃。
 破砕―――両剣、贋作であるが故に脆かった。
 咄嗟に竜鱗を抜く―――走る刃に腕ごと切断される。
 だが、止まらない。加速は臨界/限界点へ/到達する。破滅の中心へ。




「―――魂は死なぬ。後から来るものが受け継いでくれる」



 呟く/―――最終兵装=必殺奥義起動。

 破滅を超えて/道を拓く/全ての未来へ

 この瞬間、私はあらゆる不可能性を超える。



 心術ジェネレータ臨界/爆発寸前/バイパスへ壮絶なエネルギー流入/自壊開始/装甲
が弾けていく/傷ついた内装が悲鳴を上げる/筋肉は断裂し/黒き炎が金色へと転じ/眩
き彗星=不死鳥へ転じ/突き出した右腕と共に/燃え上がる鋼の身体/舞い散る装甲/全
センサに強度のノイズ/視覚センサ損傷/その全てを偉大な精神で乗り越え―――




「―――真アル・フェニックス!!」




 くろがねが、完全に不死鳥に転じた。
 激突/―――偉大な炸裂が暗黒に閉ざされた世界に輝く。



 未来を拓く、そのための灯火。
 破滅を乗り越える軌道は描かれた。
 命を賭した鋼の騎士、その魂によって。






【メタルアルカイザー/自壊/必殺の一撃/戦闘不能】

566 名前:関羽雲長 ◆nb.mURders :2007/05/07(月) 00:32:590

                                    









                「潔く果てろ――妄念」










                                   

567 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/05/07(月) 00:41:460

>>559-562
―――失うことから全ては始まる。
―――正気にては大業ならず。

鋼牙の脳裏に、父・大河が何時か読んでくれた「葉隠」の一説がよぎる。
しかし、この眼前の男が行くのは武士道でも騎士道でもない。

悪鬼羅刹が行く修羅道だ。それは屍山血河の果てに築かれる、人にあらざる者が行く道。
―――真に、修羅道とは血狂ひなり。

破壊を齎す魔王・ドラキュラは、いったい何を失うことで修羅道へと入ったのか。
鋼牙の記憶の底から、心を捨て獣になろうとした時の記憶が浮かび上がってくる。
魔戒騎士の中には、時として力を求めた挙句、「心滅獣身」と呼ばれる獣に堕ちる者が居る。
心滅獣身に堕ちた魔戒騎士は、やがてその属性を反転させ暗黒魔戒騎士へと変わる。

なぜ、鋼牙がこのような考えにいたったのか。
それは、ドラキュラは人としての姿を捨て去り、『Dracula』の語源たるドラクル―――竜、そして悪魔へと変じていた。

「この邪気の強さはレギュレイスと同等……、いやそれ以上だな」
ザルバの声には僅かながら恐れが混じっている。それもそうだろう。
Draculaとは、破壊の王。もはや、覚悟を決めねばならないだろう。決死の覚悟という奴を。

瞬間。魔王ドラキュラを取り巻く空間が、爆ぜた。
いや、有り得ないほどの力が働き空気は高熱を帯び/無限の飛剣/引力に導かれた隕石/無秩序な雷が鋼牙たちを襲ったのだ。

鋼牙は飛剣と雷によって轟天より叩き落され、轟天も剣によって身動きが取れなくなっていた。


568 名前:冴島鋼牙&魔導輪ザルバ ◆GAROp.zNJ6 :2007/05/07(月) 00:45:270

>>563-565 >>567
―――なんということだ。僅かな時間だが、戦場を共にした者が自らの命を賭して
Draculaに一矢報いることになるとは。


「ザルバ……覚悟はいいな」
「ああ、俺はもう出来てるぜ」
「―――死ぬ覚悟じゃない。勝って生き抜くための覚悟だ!」

―――鋼牙の名の由来は、魔戒騎士の伝承に在る。
魔戒騎士の間では「鋼の牙」という言葉は、守りし者として奮う勇気を意味する。
勇気を奮い立たせ、守るべきものを想う。
それが、守りし者の力となる―――!

「ゴウテェェェェェェェェェンッ!!」
鋼牙の呼びかけに答えるように、轟天がその足を上げ蹄を打ち鳴らす。
鋼牙の手にあった牙狼斬馬剣は、さらにその姿を変える。
より巨大に、より重厚に、より強大に。それが大牙狼斬馬剣。
持つ者の心に応えて重さを変えるとは言え、既に剣として振うには巨大すぎるものである。

故に―――
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
ハンマー投げの如く、全身を回転させ遠心力を生み出し
「撃ィィィィィィィィ!」
相手に向かって放り投げるのみ!

同時に、鋼牙も飛翔して大牙狼斬馬剣の刀身に乗る。
あたかも、サーフボードのようにして。
重心と姿勢制御によって、大牙狼斬馬剣は迫りくる飛剣を、雷を、隕石を砕き進む。

「オォォォォォォ……!」
鋼牙が、吠えた。
鍔元の程近くを蹴り、大牙狼斬馬剣に回転を与え。
そして己は、再び柄を握り締める。

狙うはただ一つ。メタルアルカイザーが不死鳥となって穿った一点―――!


569 名前:衛宮士郎 ◆BladeSUpsc :2007/05/07(月) 00:46:180

>>560

渾身の一撃で作った固有結界が崩壊していく。
それはやつが放った魔術の塊によって
希薄になった世界が吹き飛ばされた結果であった。

「く―――――あれでもまだ駄目か!?」

魔力は底をついている。
全身からかき集めた結果であり
もはや爪先までの魔力全てを固有結界に注ぎ込んだこの体では
通常の投影すら危ぶまれる。

――――いや、それでも投影しなくてはならない。
ドラキュラを打ち倒すために。誰かを救うために。
――――目に見えるもの、世界を全て救うために!

最終投影、開始トレース オン

罅がはいる。
衛宮士郎という存在があやふやになる。
だけど、それでも放つ一撃には命と引き換えにしても十分な価値を見つけていた。

手に現れるのは黄金の聖剣。
湖の精霊がかのアーサー王に与えた剣。
人々の願いを星が鍛えた神造兵装、「最強の幻想ラストファンタズム」。

――――そして、それは聖杯戦争を共に戦ってきた彼女の剣でもある。

約束されたエクス――――」

衛宮士郎の心臓を魔力に変え
衛宮士郎の思いを魔力に変え
衛宮士郎の幻想を魔力に変え
衛宮士郎の正義を魔力に変え
衛宮士郎の生命を魔力に変え
衛宮士郎の存在を魔力に変え

放たれる

                       それは

    衛宮士郎の

                                   全て

勝利の剣カリバー――――――――――!!」

光の波が魔王を薙ぎ払った。

570 名前:イグニス ◆IgnisC3BW6 :2007/05/07(月) 00:54:540

>>563-565

 ――生きている。
 その理由を探る事もせず、イグニスはただ上を見上げた。
 二つの眼球は一切の齟齬もなく世界を映し出す。夜。星空。月。そして――敵。

 右手は未だ刀を握りしめている。故に――奔った。瓦礫の隙間から飛び出した身体は手にした刃の如く。
 それ自体が鞘から滑り出した刀身そのものとなって、現出した【悪魔】へと繰り出された。

>>566

 意識の片隅に、全く同様に瓦礫から飛び起きる女の姿。
 それは如何なる偶然か。一瞬の狂いもなく、ほぼ同時に繰り出される刃に――意図せずして口から零れ落ちた言葉が、
異なる形で重なった。

「死ね。そして、二度と目覚めるな――――」

 漆黒の閃光が走ったのはただ一度きり。
 刃を振り抜いたと同時に、全身にのしかかる抗えない疲労。

 刃金が断たれる澄んだ音を子守歌に、イグニスはその場に崩れ落ちた。

571 名前:◆BLOODlbo6s :2007/05/07(月) 01:00:410

>>563>>564>>565   真・アル
>>566             一騎
>>567>>568            轟天
>>569                 エクス
>>570                   無“銘”剣







 そして魔王は討ち果たされ――――




              ――――「剣」は破滅を断ち切った。

 

572 名前:◆BLOODlbo6s :2007/05/07(月) 01:01:380

>>571


――――――其の時、奈落から天へ。

其れは一条の軌跡/奇跡を描き、霧散しようとする魔王を貫いた。
ヴァンパイアキラー/夜に連なる全てを滅ぼすもの/輪廻を断つ聖鞭
心臓を貫いた先端は躍り、残骸の全身/全神を絡め取る。

――――奈落には一人の男。
アルカード/魔王の息子にして反逆者/輪廻を終わらせる者。
死地を勝ち残り/死神を倒し/今、最後の封印を遂げる者。


――――残骸は奈落へと。
今ここに残影は砕け、不滅の輪廻も深淵の彼方に消える。
全ての因果は甦ることなく/永劫に世界の摂理から消失するだろう。


――――その言葉は誰のものか。
輪廻より解き放たれたマティアス・クロンクビスト/かのヴラド公か。
輪廻の終焉により開放された来須蒼真/運命を宿した転生か。
全ての終結を悟ったアドリアン・ファーレンハイト・ツェペシュ/宿命の子か。




  『――――感謝する』
 

573 名前:◆BLOODlbo6s :2007/05/07(月) 01:02:200










                  ―――――そして、城は最後の崩壊を始めた。
 

574 名前:◆BLOODlbo6s :2007/05/07(月) 01:34:500


サンジェルマン著
『アドリアン・ファーレンハイト秘記』収録


 “悪魔城御前死合 全試合結果覚え書”

 
―悪魔城御前“先行”死合―
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1164893612/304

■セイバー vs シグナム 『世界を喰らう王と異世界の騎士』
仕合場:黒の礼拝堂
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1164893612/276

■ランサー:ディルムッド・オディナ vs ミズー・ビアンカ
仕合場:悪魔城侵食庭園
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1164893612/293

■零崎軋識 VS ジャニス・ルチアーニ
仕合場:異端処刑場
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1164893612/302

■零崎人識 vs アルビノ少女“山城友香”
仕合場:狂乱の花園
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1164893612/303



―悪魔城御前死合本戦―


第一回戦/殲

■宮本武蔵 対 三枝半四郎
仕合場:絵画「月下の船島」
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1177248365/137
勝者:二天一流 宮本武蔵
結果:「この者、勝ち抜き」

■妖魔の君アセルス 対 上杉謙信
仕合場:特設「空中庭園決闘場―アブラクサスの薔薇忌―」
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1177248365/131
勝者:上杉謙信(死亡)
結果:「生存した妖魔の君 仕合放棄により勝ち抜きなし」

■剣の騎士シグナム 対 メタルアルカイザー
仕合場:侵食地下神殿跡
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1177248365/
勝者:メタルアルカイザー
結果:「この者、勝ち抜き」

■仮面ライダーギャレン 対 魔王オディオ
仕合場:裁きの坑道
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1177248365/227
勝者:無し
結果:「両者相打ちにより引き分け 勝ち抜きなし」

■リア・ド・ボーモン 対 千羽烏月
仕合場:罪人の塔(倒壊)
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1177248365/241
勝者:リア・ド・ボーモン
結果:「この者、勝ち抜き」

■ストライダー飛燕 対 麒麟
仕合場:呪縛の時計塔
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1177248365/245
勝者:麒麟
結果:「この者、勝ち抜き」

■冴島鋼牙 対 蟹座のデスマスク@「G」
仕合場:悪魔城侵食庭園
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1177248365/319
勝者:冴島鋼牙
結果:「この者、勝ち抜き」

■ヴィゼータ 対 斎月雪那
仕合場:狂乱の花園
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1177248365/321
勝者:斎月雪那
結果:「勝利した斎月雪那、二回戦出場辞退により勝ち抜きなし」

■屍十二 対  戦姫
仕合場:侵食煉獄闘技場
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1177248365/324
勝者:屍十二
結果:「この者、勝ち抜き」

■マリア・バルゼリート 対 直刀
仕合場:妖魔迎賓館
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1177248365/310
勝者:マリア・バルゼリート
結果「この者、勝ち抜いたよアミーゴ」

■夏将軍“関羽” 対 関羽雲長
仕合場:悪魔城城門
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1177248365/308
勝者:関羽雲長
結果「この者勝ち抜き」

■アイザック 対 十字刈夜
仕合場:黒の礼拝堂
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1177248365/323
勝者:十字刈夜
結果「この者勝ち抜き」

■七夜志貴 対 ウォルター・C・ドルネーズ(吸血鬼Ver)
仕合場:悪魔城最上階
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1177248365/336
勝者:無し
結果:「両者相打ちにより引き分け 勝ち抜きなし」


第二回戦/殲

■リア・ド・ボーモン 対 メタルアルカイザー
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1177248365/446
勝者:メタルアルカイザー
結果「この者勝ち抜き」

■マリア・バルゼリート 対 宮本武蔵
仕合場:妖魔迎賓館
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1177248365/442
勝者:無し
結果「両者相討ちにより引き分け 勝ち抜きなし」

■関羽雲長 対 千羽烏月
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1177248365/441
仕合場:魔導研究棟
勝者;関羽雲長
結果:「この者勝ち抜き」

■屍十二 対 イグニス
仕合場:異端処刑場
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1177248365/450
勝者:イグニス
結果:「この者勝ち抜き」

■衛宮士郎 対 バルバトス・ゲーティア
仕合場:地下冥府
勝者:衛宮士郎
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1177248365/513
結果:「この者勝ち抜き」

■冴島鋼牙 対 魔王カババラモス
仕合場:侵食煉獄闘技場
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1177248365/508
勝者:冴島鋼牙
結果:「この者勝ち抜き」

■麒麟 対 十字刈夜
仕合場:侵食地下神殿跡
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1177248365/490
勝者:無し
結果:「両者相討ちにより引き分け 勝ち抜きなし」


特別死合

■藤原妹紅 対 柳生・ジャグワァ・玄兵衛
試合場:時計塔・最上階大時計
勝者:柳生・ジャグワァ・玄兵衛
結果「特別死合により勝ち抜きなし」


第三回戦/殲――決戦

■メタルアルカイザー
■関羽雲長
■イグニス
■衛宮士郎
■冴島鋼牙
        対

■悪魔城城主 ドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ
試合場:悪魔城最上階 城主の間
>>456>>459>>460>>466>>472
>>474>>475>>477>>478>>479>>480
>>485>>486>>487>>491>>497>>498
>>501(>>502)>>506>>510>>514(>>515)
>>516>>518>>520>>522>>525>>527>>528>>529
>>530>>531>>532(>>533)>>535>>536>>538>>540
>>541>>543>>544>>546>>547>>548>>550>>551
>>552>>553>>554>>555>>557-573

生存者:不明
結果:「ドラキュラ消滅」

575 名前:◆BLOODlbo6s :2007/05/07(月) 01:44:250


 吸血大殲特別祭事 ―――悪魔城御前死合 血狂ひ―――


 主催:悪魔城城主 魔王『ドラキュラ』来須蒼真
 運営:『死神』ゼアド、アイザック・ラフォレーゼ、サンジェルマン
    アドリアン・ファーレンハイト・ツェペシュ

 削除人:王大人

 協賛:ずさっちん 絵師◆ipODJ2Macw氏
    そして全ての参戦者、観戦して下さった観客各位

    皆様に心より感謝の意を。


                  <時の旅人 サンジェルマンより> 

576 名前:◆BLOODlbo6s :2007/05/07(月) 01:45:410



全死亡者入場!


ゴクツブシは生きていた!! 更なるおかわりを積み胃袋魔人が甦った!!!
騎士王!! セイバーだァ????!!!

槍術と二人だけの世界はすでに我々が完成していた!! はずだった!!!
ランサー!! ディルムッド・オディナとソラウ・ヌァザレ・ソフィアリだァ????!!!

近づきしだい刺しまくってやったけどカッ飛ばざれちゃった!!
赤い色大好きッ子!! ジャニス・ルチアーニだァッ!!!

刃物での斬り合いなら吸血鬼の不死性がものを言う!!
でも銀ナイフは勘弁な!! ?青い血が あ、オイ■イ!!!
“アルビノ少女”山城友香!!!

真の剣を知らしめたかった(過去形)!!アメリカの次は妖魔の君にもNOと言った!!!
JAPANの軍神 上杉謙信だァ!!! ?

ナンパなら3階級制覇だが果たし合いなら二度も敗れ去った!!
秘剣燕返し 巌流佐々木小次郎だ!!!

キマっている眼で視殺戦は完璧だった!!
ヴォルケンリッターの将 シグナム!!!!
http://charaneta.sakura.ne.jp/gazou/signamu2.gif

全世界の怒りと憎しみは私の中にある!! ?LIVE A LIVEの魔王が来たッ!!
そして穴に落ちたっ!! オディオ!!!

タイバンナラデッタイルバゲン!! ライダ-ドゲンカヴィゼタヅ!!!
(タイマンなら絶対に負けん!! ライダーのケンカ見せたる!!!)
オンドゥルルラギッタンディスカー!! タディアーナさん!!! ?

退魔の剣ならこいつが怖い!! けど自決した!!?
千羽妙見流の鬼切り役 千羽烏月だ!!!

第三の月から冥王の剣が上陸して殺された!!
元A級ストライダー 飛燕!!!

ルールの無い天下を救済したいから義兄弟になったのだ!!
元祖のケンカを見せてやった!! “夏将軍”関羽!!! ?

めい土の土産にメイド服とはよく言ったもの!!?
魔人の奥義が今 実戦でバクハツしたけど負けちゃった!!
カッコちゃんことヴィゼータだ???!!!

DOGSこそが暴力の犬の代名詞だ!!
まさかこの女がきて死んでくれるとはッッ 直刀!!!

殺しあいたいからここまできた! でも相応しき因果を極められてはずかピー!!!!
蟹座の黄金聖闘士 デスマスクだ!!!

オレは悪魔精錬術最強ではないギャランドゥで最強(のハズ)なのだ!!
御存知ヘンタイ アイザック・ラフォレーゼ!!!

戦争の本場は今やJAPANにある!! 私を驚かせる奴はいないのか!!
諸君、私は戦争がry  戦姫だ!!!

前衛的ィィィィいッ!! 説明不要!!
ウォルター・C・ドルネーズ(吸血鬼)だ!!!

剣術は実戦で使えてナンボのモン!!! 超実戦剣術!!
本家日本から新免宮本武蔵が堂々の地獄落ちだ!!!

弟の身体は私のもの 邪魔するやつは思いきり斬って思いきり吟じるだけ!!
弟を残して逝った女シュヴァリエ  リア・ド・ボーモン!!!

人を殺しに悪魔城へ来たよアミーゴ!! ?殺しまくったよアミーゴ!!!
最後は相討ちだったよアミーゴ!!!
ラテンの暗殺者 マリア・バルゼリート!!! ?

先祖伝来の殺しの技に更なる磨きをかけ ”七夜”志貴が帰ってきたァ!!!
そして相打ちでくたばったァァ!!!

今の自分に死角はないッッ!! でも同性ながら目のやり場に困っちゃった!!!
千羽烏月!!!

死人兵士のパワーが今ベールを脱ぐ!!
再びあの世に帰って来たぜ!!! 屍十二だ!!!

アリカファンの前でならオレはいつでも全盛期だ!!
狄の闘魂 麒麟 本名で登場だ!!!

狩人の仕事はどーしたッ 白き炎 未だ消えずッ(気持ちだけ)!!
治すも壊すも思いのままとはいかなかった!! 十字刈夜だ!!! ?

特に理由はないッ 中ボスがやられるのは当たりまえ!!
ゾーマ様にはないしょだ!!! ネクロゴンド開山! ?魔王バラモスがきてくれた???!!!

天地戦争で磨いたブルワァァァァ!!
テイルズ界のデンジャラス・穴子 バルバトス・ゲーティアだ!!!

死亡シーンだったらこの人を外せない!! 元超A級平安貴族 藤原妹紅だ!!!

悪魔城の城主が帰ってきたッ ?どこへ行っていたンだッ 串刺し公ッッ
俺達は君を待っていたッッッ ドラキュラ・ヴラド・ツェペシュの登場だ????????ッ?


以上、29名が此度の悪魔城御前試合の死亡者となります!!!
素敵な殺しあいをアリガトウ!!! みんなサイコーにイカしてたァァァァッ!!!
続いて辞退者はこちらの二名!?

恋に破れて戦場を去った美しき妖魔の君 アセルス!!!

時の狭間に飲み込まれたか!?  僕らの“守護天使”斎月雪那!!!


そしていよいよお待ちかね!! この連中が今回の生存者(推定)だァァッ!!!

鋼鉄の騎士 メタルアルカイザー!!
永遠に消えぬ炎 イグニス!!
炎の脱衣闘士!! 関羽雲長!
正義の味方志望!! 衛宮士郎!!!

以上、三六名を持ちまして悪魔城御前試合“血狂い”第二部『大威震八連制覇編』編を開始致します????!!!??


                              <続かない>

577 名前:◆BLOODlbo6s :2007/05/15(火) 00:53:120


<“悪魔城御前死合 全試合結果覚え書”追記>


■藤原妹紅 対 柳生・ジャグワァ・玄兵衛
試合場:時計塔・最上階大時計

がんばれモコたん  きらきら道中〜神主がダンサーになった理由〜

●導入 〜出撃!魂斗羅インパクト!!〜
>>451>>452

●正直者の死? 〜悪魔城DIE王国/魂斗羅原人め、死ねえっ!〜
>>454>>455
>>462>>464

●CAST OFF 〜されどその闘志は劣化烈火の如く〜
 ※時計塔と雑魚の残骸はあとでスタッフがおいしく頂きました。
>>470>>481>>492>>499

●シンプル・THE・弾幕573 〜拙者のナゴヤ撃ちは108式まであるぞ〜
>>503>>509>>511>>517

●マーシャル萃夢想武乱伝  〜藤原十六兵衛のこんとら卍固め〜
>>519>>521>>523>>526
>>534>>537

●もこたんボールZ (MASTER)SPARKING NEO!
 〜拙者はトコトン止まらない〜
>>539>>542>>545>>549>>556

勝者:柳生・ジャグワァ・玄兵衛
結果「特別死合により勝ち抜きなし」


                 <筆:サンジェルマン>

578 名前:書けませんよ。。。:停止

真・スレッドストッパー。。。( ̄ー ̄)ニヤリッ

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