【似非】一刻の皆様で演劇をやりましょう!【戯曲】

1 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/19(金) 09:40:260



―――ごきげんよう、一刻の皆さま。
寒さの厳しい季節を迎えていますけれども、あなたたちの街の窓辺は如何?
アストライアの丘は雪です―――。
白いノエルの名残のように、しんしんと雪が降り続いています。

―――さて、今日はそんな寒さに負けずにこの冬を乗り切るために、
千華留、ちょっと面白いことを考え付きました。
それがこの―――「一刻の皆様で演劇をやりましょう!」スレッドですわ。

趣旨に関してはもう、そのものずばり。
一刻の皆様で演劇をやってしまおう、という企画ですわね。
つまり、キャラクターがさらにキャラクターになりきっちゃうわけです。
そこ! ―――すわ、一時期講談社で流行ったメタミステリ?
だなんて穿った事を言ってはいけませんわ。
これは私の私による皆様のための企画なのですから、
それはもう、ポップで可愛らしく華やかに展開することでしょう♥



あ、詳しいルールは、>>2で。


2 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/19(金) 09:50:020



―――さて、ルール、といってもしごく簡単。
ここ一刻館ではすっかりおなじみ、リレー小説方式で進んでいく企画ですわ。

さて、このスレッド、こんな流れで進んでいきます。

@みんなで劇の題材を決める
A千華留が脚本を書く
B脚本に沿い、脚本に提示された形で、そのキャラハン風にアレンジしつつお話を進める
C大 団 円
Dあとで、挿絵だとかが付くかもよ?


@に関しては、演劇の題材はなんでもかまわないけれど―――。
そうね、できるだけ古くて有名なもの。
そちらのほうが判りやすいですし、いじりやすいですし、雰囲気ばっちりですもの。
でも、―――演劇? シェイクスピアとかやるの? 時代考証は?
だなんて、小難しい心配はいりません。
なかばネタまじりに、ゆるりと構えてくださって結構。

Aに関しては、やりたーい! って方が居られれば、脚本作りはお譲りします。
でも、本当は私が書きたいかもしれません。

Bここがちょっとわかりにくいかもしれませんけど、
つまりは、そのキャラに乗っ取った作品のパロディで進めて行けばいいんです。
もちろん、脚本で提示された物語の大筋を変えてはいけませんわ。
オフェリアをやるのなら、最後には川に流されて死ななければなりませんし―――。
あ、でも、脚本の段階で、悲劇が喜劇になっちゃうこともあるかもしれませんし、
―――最後はみんなに投げちゃうかもしれませんけど。
つまり、時と場合によりけり、ですわね♥

Dに関しては、絵を付けてくださる絵師さんを募集します。
誰もやらなかったら、私がやっちゃいますけど。


―――だいたい、こんな感じかしら?


3 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/19(金) 09:51:540



さて、そんなわけでさっそく作品のチョイスを。

―――ずばりシェイクスピア「ハムレット」を推しますわ。
理由はとにかくいじりやすいこと、
各キャラが立っていてアレンジ後のギャップが面白そうなこと。
それと、やっぱり演劇といえばシェイクスピアでないといけません。
どうして「カルメン」を―――こほん、なんでもありませんわ。

あ、これに関しては皆様、自由に意見してくださって結構ですよー。
名無しさんの意見も歓迎です。


4 名前:名無し客:2007/01/19(金) 12:21:220

ハムレットのストーリーが解かりません><
粗筋と登場人物の説明をお願いします

5 名前:名無し客:2007/01/19(金) 16:48:240

>>4

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%A0%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88
これとか
http://www.shiki.gr.jp/applause/hamlet/
これの人物相関図を参照にするがよろし。

後は映画を借りるなり本を買うなりするともっと良いんじゃない?

6 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/20(土) 00:28:420


 つまり一刻館で演劇サークルを作ろう!ってワケだね。
 うんうん、すっごく面白い案だと思うよ。ボクも是非、参加したいね。
 題材がシェイクスピアならば、尚更さ。
 ちょうどスレッドも一段落したコトだし、ポーラースターの杏里・アンリ
エットの名を参加名簿に刻んでくれないかい?

>>3
 初めまして、生徒会長。ボクは囚われの杏里・アンリエット。
 普段はH.B.ポーラースターのセカンドクラスに在籍しているんだけど、
いまこの瞬間は愚かな囚人でしかない。精々、哀れんでくれたまえ。

 ……キミにだけ告白するとね。実は、ボク―――ずっと待っていたんだ。
 キミみたいなかわいい子が、こういうとっても素敵なアイデアをボクに
プレゼントしてくれる日をね。「期待」という名の牢獄でだいぶ待たされた
けど……キミはちゃんと迎えに来てくれたから、ボクは満足だよ。
 必然のつぼみは、今ようやく運命の花を咲かせたんだ。
 ……さあ、踊ろう。例えシナリオが用意されていたとしても、そこで育まれる
愛はボク達だけのものだ。重なる唇に、嘘はないんだよ……。

 ―――ああ、ところで役は早い者順で良いのかい?
 演目がハムレットならば、ボクはクローディアスをやりたいんだけど。
 その場合、キミがハムレットだろう?
 是非、キミの短剣に胸を貫かれたいからね。
 キミに憎まれたいんだ、ボクは。そしてそれ以上に殺されたい……。

 うん、取りあえず参加ってことで! 具体的に何をやるのかはまったく分から
ないから、手取り足取り教えて欲しいな。

7 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/20(土) 00:52:530



>>4-5(ハムレットって?)

うーん、ちょっと説明が難しいですわね。
私の感覚で大雑把に分類しちゃうと、まあ、宮廷陰謀劇ということになるのかしら。

父を殺された悩める王子・ハムレットが、
新王クローディアスが下手人である事を亡霊となった父から告げられ、
復讐を誓う………かと思いきや、そこは超一流の皮肉屋ハムレット。
復讐しようとしたりしなかったり、するのです。

そこに国務大臣ポローニアスの姦計や、その娘オフェリアとの恋物語なども絡み、
複雑な物語を描いていく―――と、いうこともありません。
結構、「ハムレット」は物語としてはシンプルですわ。

ちょっと正直に言っちゃいましょう。
私はシェイクスピアはハムレット、マクベス、オセロー、ロミジュリしか
読んでいないのですけど、実はストーリーに惹かれたことは一度もありません。

では、どこが好きかというと、台詞回し。
たぶん、シェイクスピアさんはシェイクスピアさんなりに深いお考えを作品に
詰め込まれていらっしゃると思うのですけど―――そんな小難しい事はさておいて、
とにかく、台詞回しが格好いいの!
どれくらい格好いいかと言うと―――断言しますわ、貴女、
是非「ハムレット」を読まれてみて。 次の日には間違いなく真似したくなっています。

ちなみに、ハムレットは戯曲、言ってみればセリフだけの小説みたいなものなので、
あんまり時間を取らずに読む事ができますわ。
絢爛にして瀟洒なる陰謀劇の世界に、手軽に入り込む事ができる。
これがハムレットの魅力です。 この機会に是非、一読されて♥


8 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/20(土) 01:12:120



>>7の私の意見、読み返してみると、なんというか―――ううん、
これは罪のない、一人の読者のささやかな感想なのですもの。
もしもきちんとハムレットを勉強されている方が、見ていらっしゃったら―――。
もっと深い読み方だとか、教えてくださると幸いですわ。


>>6 (フランスからやってきたおしゃまでもないプリンス)

はい、始めまして、ごきげんよう。
私は自由なひばり、源千華留です。
ちょっと趣味本位すぎる私の企画に乗ってくださって、本当にありがとう♥
千華留もせいいっぱい頑張りますので、楽しんでいってくださいね。

ええ、私もこのスレッドを立ててからの半日、
物憂いお昼を寂しさの中で過ごしておりましたわ。(本当はル・リムに行ってましたけど^^)
―――こんな企画を作っても誰の目にも留まらないのではないかしら、
結局、千華留のゆめはいつまでもゆめに過ぎないの?
―――もしも叶うなら。
颯爽と白馬に乗った王子様が現れて、私の悲願に一役買ってもらえないかしら?
そうして。
その王子さまはラテン系の血の混じった、男装の麗人だったりしないかしら?
―――だなんて。
(本当はうとうとと午睡をしていたのですけど^^)

ですから、私たちは二人が二人とも、囚われのお姫さまで、茨の塔を登る王子さまなんです。
ちょっと、千華留に男装が似合うかどうかわからないのが、こころもとないですけど―――。


>役は早い者勝ち?

うーん、そうしたいのですけどね。
実を言うと、クローディアスは最後まで埋まらない気がしていたので、ちょっと以外でした。
ハムレット、オフェリア、レアティーズ、ホレイシオ、の順で埋まっていくんだろうなあ―――
なんて、そぞろに思っていたので。

ちなみに、私は杏里さんのハムレットが見たかったりします。
皮肉屋ハムレット。悩める王子ハムレット。典雅なその憂愁と狂気!
なんだか杏里さんにぴったりだ、とも思えたのですけど゙ね。
そして、それならば私は、オフェリア。貴女を恋いうる詩を口ずさみながら、眠り姫のように沈んでいくの。

(お姫様願望が強いこの生徒会長)

あ、でも、まだ決定事項じゃないですし、
できるかぎり貴女の意思を尊重したいです。
なぜって、ここに来た時点でもう、貴女は立派な役者。その尊厳を損ねてはなりませんものね。


9 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/20(土) 01:23:070



さて、本格的に人が来る前に、ちょっと私が思っていることを。


 そのいち―――進行はリアルタイムか否か

    正直、リアルタイムがいいと思います。
    一幕ずつ、が無理ならば数場でも構わないので、
    ある程度にお話を区切って、リアルタイムで進めたほうがいいと思うの。
    だって、そうでないと―――
    そうでないと―――数年たっても終わらない気がして。


 そのに――――悲劇か喜劇か

    ハムレットは、筋書きだけ見ればかなり重い話ですけど、
    作中でもシェイクスピアさんは、喜劇の方法論を取り入れることで
    テンポよくそれを勧めておられました。
    正直、ここでやるならば悲劇を喜劇に―――とまではいわなくとも、せめて。

    「―――片目は悦びに輝き、片目は涙に濡れ、
     葬儀には歓喜、婚儀には挽歌、
     愉悦と悲嘆を等分に計って――――」(クローディアス)

    ―――いわば、悲劇と喜劇をないまぜに、いくらいの勢いでいっちゃうのがいいと思うんです。


 他に、何か思った事はある方は、是非ご意見を。
   

10 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/20(土) 01:48:500


>>8
 これはこれは―――囚われのボクは、解放を喜ぶばかりだったけど……
もしかして、この道は断頭台へと続いているのかな?
 よく考えてみれば、一刻館広しと言えども「お芝居」で「シェイクスピア」
なんて餌に、無警戒に食い付くような羽虫は限られているよね。
 キミはもしかして、ボクを解放したんじゃなくて……より深い奈落へと
誘おうとしているのかい? うーん、実に危険な果実だよコレは。
 まぁだからと言って、ボクはキミに食い付くのを躊躇いはしないけどね?

 クローディアスについては―――ボクの趣味? 前々からハムレットを
やるなら、ボクはクローディアスだって心に決めていたんだ。
 彼は、臆病だけど、自分には正直で……愛に脅える、かわいい王様さ。
 とてもボクに相応しいと思わないかい?
 別にガードルードを囲えるからとか、そんな理由じゃないからね。
 ……多分。

 ハムレットは―――ボクって、彼のイメージかなぁ?
 役自体は美味しいし、やらせて貰えるならそれはそれで、喜んで演ずるけど
……あの人の孤独さや、憂い/迷いというものは、台詞で聴くんじゃなくて、
肌で感ずるべきだと思うんだ。
 ボクって憂ってそう(新語)な表情、している?
 みんなからは「いつも幸せそうだね」って言われるんだけど。
 これってハムレットとは真逆の性質だよね。
 ……いや、彼は彼で幸せな人だとは思うけど。

 それに、キミがオフィーリアを演るならボクはレアティーズを演りたいよ。
 キミという乙女を泣かせる全ての不義に、決闘を申し込むんだ!


>>7
 シェイクスピアが台詞回しに尽きるだなんて……大胆な意見だなぁ。
 さすがのボクでも、そこまではっきりは言えないよ。
 シェイクスピアの偉大なところは、世に浸透している(つまりメジャー!)
ってコトだとボクは思うよ。誰でも気軽に触れられて、意見を交わし合える
―――出会いのツールとして、とても便利な作品さ。
 千華留(さっそく呼び捨てにさせてもらうよ!)が、この作品を演目に
選んだのは至極当然で、同時に素敵なセンスの顕れだと思うな。

 ボクもシェイクスピアは全部読んでいるわけじゃないけれど……千華留
にはせめて「リチャード三世」は読んで欲しいかな?
 ボクがシェイクスピアの中で、一番お薦めする作品さ。

11 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/20(土) 02:02:360


>>9
 まず根本的な問題として―――人が集まるか否か、だよねぇ。
 こうしてボクは来てみたけれど/キミもいてくれたけれど、他にお芝居好きな
ボク好みのかわいいニンフェットって、一刻館じゃ思い付かないんだ。
 最悪、二人で演るぐらいの覚悟を決めておいたほうが、良いと思うよ。
 ボクとしては、二人っきりのほうが好都合―――ん、あ、いや……何でもない。

 悲劇/喜劇は、ボクはどっちでもいけるクチだからキミに任せるよ。

 問題は―――具体性がまるでない/イメージが掴みづらいって、ことかな?
 こうして参加しているボク自身、どうやってお芝居の形式を取るのか
分からないでいるよ。雑談形式? リレー小説っぽく? 思い切ってTRPG?
 手段は色々あると思うけど……うーん。
 これはちょっと、かなり深くまで話し込む必要性がありそうだね。
 もう夜も遅い。もし千華留さえ良ければ―――今晩はボクの部屋に泊まって
いかないかい? パジャマを用意してね。
 そして朝まで二人っきりで、これからのことを話し合うんだ。
 どうだい? とっても素敵なアイデアだろう?

12 名前:名無し客:2007/01/20(土) 02:11:170

>>2でリレー小説方式って書いてあるよ。
あと、本番のときは楽屋裏スレッドを立てたらよりよく進むと思う。

13 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/20(土) 02:39:420



あ、ごめんなさい。
ちょっとだけ外していました。

>>10 杏里ちゃん

あ、それなら私も、貴女の事を「ちゃん」付けで呼んで構いませんか?
うふふっ。ちょっとだけ、仲良くなれましたわね。

―――さて、今から急いで決める必要は無いのでしょうけど、
少しだけ、役について考えてみます。


14 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/20(土) 02:45:440



まず、杏里ちゃんが仰っているように、人が集まるかどうか。

私もこれに関しては、ちょっとだけ危ういかな、と思いました。
それでもこのスレッドを立てたのは―――こういう企画を待っていてくれる
素敵な子たちがこの場所に居ると私が信じていて、
そうして、そんな子たちの考えが叶わないままついえてしまうのは、
あまりにも切ないことだと、私が思ったからです。
つまり―――なかば、私の楽観。 そう取っていただいても結構ですよ。

大前提として、四人。
一場にそれだけ集まれば、きっと大丈夫だと思うんですよ。
少しあやういところはありますけど、それさえなんとかなれば、あとはきっとなんとかなります。

あ、揃わなかった時の事は、後で考えることにしちゃいましょう。


15 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/20(土) 02:52:500



>具体性がなく、イメージがつかみにくい。

そうですね―――今、私が考えているところでは。

 @語り部(ナレーター)が情景を紡ぎ最初の舞台の幕が上がる

 A参加者たちが発言する。発言順は、脚本が決める。
  つまり交互に発言してくのではなく、若干発言順が変則的なリレースタイル。

 Bただし―――テンポを重視したいシーンでは、
   順番も何も役者たちに任せ、雑談形式にして条件をクリアさせていく形式も取る。
  「ハムレットが亡霊と出会う」
  「亡霊がハムレットに、自らの死の真相を語る」
   以上の二つをクリアすれば次の場に移ってもよし、という。

 C順番の中に語り部の情景説明が入ることも。


―――こういうものを、イメージしています。
判りにくければ、どうぞ質問してくださいね。


16 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/20(土) 02:59:470



>シェイクスピアが台詞回しに尽きる

まあ!
あらあら、私ってそんなに大胆なことを言うように見えますかしら。
私がさきほどのようなことを言ったのは、ひとえに私のつたない瞳が、
シェイクスピア作品の奥深いところをすくい取るには、ぜんぜん及ばなかったから。
ですから、うわべの格好よさが目に付いて、そちらしか楽しめなかったのね。
―――それでも、残念、とはまるで思わないのですけれど。
だって、格好いいのですもの。

リチャード三世。
ええ、きっと読みますね。
だって、かりにもこんな大それたことをやっているのですもの。
もうちょっとだけ―――せめて人並みには、詳しくならないといけません。

>もう夜も遅い。もし千華留さえ良ければ
>今晩はボクの部屋に泊まっていかないかい? パジャマを用意してね。

あら、嬉しい提案ですけど―――うふふっ、断らせていただきますね。
なぜって、アストライアの丘の乙女達は噂話が大好き。
健全な校風で知られるル・リムの生徒会長が「朝帰り」だなんて! 格好の事件になっちゃいますよ。
そうして噂話にはおびれがついて、校内を一周する頃には立派な艶笑譚となってしまうもの。
ああ、千華留はあなたの下心なんて、ぜんぜん疑っていないのに―――。
生徒会長ともなると、守るものが出来ると、臆病になってしまいますのね。


17 名前:名無し客:2007/01/20(土) 03:01:060

逆転の発想で昼に帰れば良い

18 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/20(土) 03:08:380


 あー、長文はやめたよ! どうしてもレスポンスが遅れるからね。
 どうか、手抜きだとは思わないでおくれよ?
 愛の証左として長口上も必要だけど―――時間は常に有限なんだ。
 いまという瞬間を有意義に使うためにも、時間の浪費は控えないとね。

>>12
 わお! すっかり見落としていた。
 ボクとしたことが、これは失敗だよ。
 千華留に嫌われちゃうかな?
 ……次から気を付けよう。
 そうか、リレー小説形式かぁ……。
 これはちょっと気合いを入れる必要があるかもね。

(というか……ここだけの話、さっきからボクが千華留に振る話題、その
悉くを華麗に流されているような気がするんだけど―――どう思う?
 ボクの気のせいかな……?)


>>13
 ボクのことは「杏里」と呼び捨てにしてくれて構わないよ?
 今夜出会ったばかりボク達だ。
 より繋がりを深めたいのなら、形からでも近付くべきだもの。
 一緒に、一つの目標に向けて突き進む仲なんだ。
 親しみは必要不可欠だろう?


>>14
 もう脅える必要はないよ。
 ボクがここにいる。それが、キミの不安に対する答えさ。
 千華留……キミは救われたんだ。
 ボクとキミは出会った。もう誰も、この演目を阻めやしない。

 ―――まぁ、でも、ボクは本当に二人でも何とかなると思うから、人数に
ついてはそこまで考える必要はない……かな?
 逆にこういうのって、大人数のほうが大変なんだよね。
 もし二桁も集まったりしたら、大わらわだよ。

 だから、千華留が提示した「4人」って条件は素敵かも。


>>15
 う……うわ、これは―――ちょっと難しくないかい?
 楽しそうだけど、その分だけ熱意と技量も必要だよ。
 特に、脚本の人の負担がかなり大きい。
 この場合、千華留が脚本をやるわけだけど……だ、大丈夫?

 ただ、シーンごとに句切るってアイデアは素晴らしいかも。
 あらかじめそのシーンの「結果(オチ?)」さえ決めてしまえば、ある程度
好き勝手に遊んでも自然に集束されてしまうわけだからね。
 人数が集まらなくても、その場合は掛け持ちが容易なワケだし。
(むしろ、ハムレット役以外は出番が限られているから……掛け持ちが基本?)

 うん、いける。これはいけるよ千華留!
 キミってば天才だ。
 ボクとキミなら、ロイヤル・オペラ・ハウスでの公演だって狙えるはずさ!

19 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/20(土) 03:10:250



>>12 (本番のときは楽屋裏スレッドを立てればいい)

はい、ごきげんよう。
素敵な意見をどうもありがとうございます。
もちろん、本番に際しては楽屋裏スレを、RH-板にでも立てさせていただきますわね。
だって―――本番ともなれば、こちらは舞台。
月の明りに照らされた、ささやかなグローブ座となりかわるのですもの。

けれども、それまではこちらで話し合いをさせて戴きますね。
なぜって、ショーはきっと、始まる前からショーだから。
作る過程も含めて、きっと見世物なのですわ。


>>17 (逆転の発想で昼に)

いえいえ、三学期ともなれば、学校もそろそろ忙しいころ。
仮にも生徒会の役員ともなれば、あんまり空けちゃいけませんものねぇ―――。
ああ、どうして人は時計の針を止められないのでしょうね?
もしも永遠がその辺りに転がっているのなら、
今からでも手を取って、杏里ちゃんと踊っても構わないのですけど。


20 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/20(土) 03:18:240



>>18(杏里ちゃん)

リレー小説形式、といっても、別にがちがちに描写してしまうことはありません。
だって、もとは戯曲ですもの。
杏里ちゃんはその素敵な口上にだけ気合をいれて、
ときどき、ちょこちょこーっと、おざなり程度に行動を書き加えるだけでも、
ぜんぜん、素敵なものに仕上がると思いますよ?

逆に、あまり話すのが得意でない子。
とくにオフェリアみたいに、どちらかといえば話題を振られる側に立っている子は、
描写に気合を入れればいいんだと思います。


>難しくないかい?

うーん。
実際、雑談だとかで考え込まないといけないのって、
次の行動をどうするか………みたいなところ、あると思うんです。
ですから、筋に沿って行動しつつ、ときどき自分の個性に従って茶々をいれる、
みたいなやり方って―――大変なところも多い反面、楽なところも多いと思うの。

うふふっ、私の心配をしてくださっているの?
ありがとう、杏里ちゃん。
でも、私はいちおう発案者ですもの、それなりに頑張らないといけません。
これは、他の子たちへの責任がどうこう、というよりも、むしろ私のプライドの問題。
ル・リム女学校生徒会長の、ささやかな自負の表れですわ。

―――なんで、私って語るたびに、ちょっと大きな事を言っちゃうんでしょう?


21 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/20(土) 03:29:540


>>16
 ボクも、改めてハムレットを読み返さないといけないなぁ。
 少なくとも台詞がすらすらと出てくる程度には読み込まないと、キミに
笑われてしまいそうだよ。―――ボクも必死さ。
 キミに嫌われないようにするので、精一杯だ。

 夜の誘いは―――あれぇ? 断っちゃうのぉ?
 うぅん、さすがに初日からお泊まり……っていうのは、さすがに拙いか。
 こう言うのは「公演日が迫って泊まり込みで練習」がセオリーだものね。
 よし。機が熟すのを、もう少し待とう。

 それに千華留の立場もよく分かる。キミが多くの財産を抱えるがあまり、
失うことを怖れると言うならば―――何も持たぬ、価値すらもないボクが、
キミの恐怖を引き受けよう。虚無のボクがキミの全て守るよ。
 と言うことで、お泊まりはまた今度……。

 いい? 「また今度」だからね! 練習で忙しくなっても「お泊まりは禁止」
だったら……ホレイショー、ボクは泣くよ。
(それだけ愉しみに、取りあえずボクは生きよう……)


>>20
>ときどき、ちょこちょこーっと、おざなり程度に行動を書き加えるだけでも、

 それができれば良いんだけどね。
 ボクってば不器用な狼だから。
 力の配分が分からないんだ。
 何にでも全力投球。その命、尽きるまで……ってね。


>ル・リム女学校生徒会長の、ささやかな自負の表れですわ。

 そうだね。ボクもさっきから脅えた意見ばかり出しているけど、本心から
楽しみにしているんだ。畏れるのもいい加減にするべきだよね。
 千華留がそうやって覚悟を決めた以上―――ボクも、キミのその凛々しく
輝く矜持を守り抜くため、為すべきことの全てを為すよ。
 一緒に頑張り―――そして公演にこぎ着けよう。

 ―――で、実際、ボクはまず何をやればいかな?
 ……あはは。まるっきり受け身だよ。

22 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/20(土) 03:31:100

え、もう三時半?!
どうしたことだ。時間が跳躍したよ―――
なんて怖ろしい……なんて怖ろしい……!

23 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/20(土) 03:57:040



>>21(杏里ちゃん)

あ、とするとこの企画を通して私たち、ちょっと賢くなれるんですね。
私もいろいろとアストライアの図書館で本を借りつつ、
なにか判った事があれば、ちょこちょこと、こちらにメモを残します。
たとえば、当時の状況だとか、小ネタだとか。
こちらに書かれたものは公演のときに、使っても使わなくても構わない、みたいな。

つまり、このスレを読んでいる名無しさんは、
すこしだけシェイクスピアに詳しくなれる。………かも、しれません。


>夜の誘い

あら、そういうのは―――

―――苦難の道なりを越え、企画を成功させたのちに、星空の元でダンスパーティー

こういう感じになるんじゃないかしら?
少なくとも、千華留の見てきたラブ・ストーリーではそう。
うふふっ、女の子どうしなのに、こんな例えを持ち出すなんて、ちょっと眠いのかしらね。
ええ、それではまた今度。


>―――で、実際、ボクはまず何をやればいかな?

ハムレットをやるにせよ、レアティーズをやるにせよ、
殺陣をやらなくちゃいけません。
つまり、杏里ちゃんはかっこうよく殺陣を決めれるように―――その、お稽古とか。
ランニングとか。柔軟運動だとか―――そういうことを、すればいいのではないかしら。

(しれっと言い放つ生徒会長)

―――まあ、それはいいとして。
ひとまず、大雑把にでも公演日を決めましょう。
それと、このささやかな一刻館・演劇サークルの名前を考えてみるとか。

―――あ、そろそろ、こんな時間ですのねー。
私もそろそろ帰って、眠りにつくとします。
それでは、ごきげんよう、かわいい杏里ちゃん。



24 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/20(土) 21:52:590


 やあやあ、昨晩は失礼したね。
 時間に使役されるボクは、不可逆の流れに抗えないでいるんだ。
 ああ、もっと自由を!

 ……取りあえず、どんな適当な内容でも良いから、できるだけ日参するよう
に頑張るよ。最低でも週に二回か三回―――それが部活動の基本だろう?
 幽霊部員だなんて誹られるのはゴメンだからね。
 サフィスレでレスを返した後に、放課後のノリで参加するのが愉しいのさ。


>>23
 なるほど……これでボクは早速「練習のためのお泊まり会」「公演後の
打ち上げ(ダンス)パーティ」という二つの期待を得たワケだ。
 この期待を希望に育むためにも、頑張らないといけないねぇ。
 ならばそこに「シェイクスピアについての自習会(勉強会)」だとか、
「『そんな下らないごっこ遊びはやめろ!』なんて酷いパパの横槍→初めての
反抗。ごめんなさいお父様」イベントもあり……か。
 深まる信頼――共有される熱意――目覚める愛!
 うんうん、これは面白くなってきたよ。


>その、お稽古とか。ランニングとか。柔軟運動だとか―――

 え、えー?!
 ぼ、ボク運動はあんまり得意じゃないんだよ……。
 決闘の経験なら、立場上何度もあるんだけど……結果はご愛敬。
 ボクのところには白兵戦仕様の少女決戦兵器がいるから、ボクが腕っ節で
頼られたことは―――ああ、でも今度はそう言うわけにもいかないのか。
 うん……できるだけ頑張るよ。千華留の期待に応えるためにも。


>ひとまず、大雑把にでも公演日を決めましょう。

 ボクのスロウペースの感覚なら3月か4月。
 これが遅いというのならば、2月の中旬/下旬かな?
 ただボクは週末は色々な理由で忙しくてね……金曜ならまだしも、土曜は
あんまり時間が取れないんだ。だから、そこらへんの調整もしないとね。
 というか、初めから終わりまでぶっ通しで演じるんじゃなくて、シーン事に
句切って、ちょっとずつ進めたほうが現実的だと思うんだけど、どうだろう?
 段々と演技力が身に付いていくという、愉しみもあるしね。
 その場合、2月の頭から始めてしまっても良いかもしれない。


>ささやかな一刻館・演劇サークルの名前を考えてみるとか。

 ま、またボクの苦手な……ボクにネーミングセンスは期待しないで、これは
千華留が独断で考えた方が良いと思うよ。
 ボクがざっと思い付く限り―――

「一刻館少年少女演劇団」
「(杏里と千華留で)劇団・アチ座」(因みに「Achi」というのは、マヤ神話
に出てくる神の文字で「王子」を意味したりはしないよ)

 ……やっぱり微妙だぁ!

25 名前:名無し客:2007/01/20(土) 21:55:030

>劇団名
「座って半畳寝て一畳桟敷」で。

26 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/20(土) 22:00:460


 あとはアレだ。イメージを手に掴めるほど凝縮するためにも、一度、練習会
を開いたほうが良いかもしれないね。お手軽なシナリオで。
 その時は参加者自由・一日体験入団大歓迎(ボクの送迎つき)って感じかな。

 一度、某かをやってみないと……やっぱり、わかり難いと思うんだ。あくま
で練習だから、衣装やセットは用意せず、気軽にやればいいワケだし。
 どうかな、ボクのかわいい千華留?

  ―――なんて提案してみたところで、今晩は失礼するよ。
  カリヨン広場で10時から待ち合わせしているんだ。
  わあ、遅刻だよ!

27 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/20(土) 23:55:350



ごきげんよう。

ごめんなさいっ、今日はちょっと片付けないといけない事があって。
のんびりと構えていますけど、これでも生徒会長。
やらなくちゃいけないこともあるの―――ああ、持てる者の憂愁。

そういうわけで、お返事は明日に。
ごきげんよう。


28 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/22(月) 01:28:020



ごきげんよう。

さて、今日はちょっと大切なお知らせがあります。
というのも、今日は一刻館演劇サークル、最初の公的活動を行いたいと思います!


「ハムレット」の内容と登場人物を、おのおのかんたんにまとめてみましょう。


―――というのも、「ハムレット」をご存じない方も多いでしょうし、
より多くの方々に、「ハムレット」の世界観を知っていただきたい、というのがまずひとつ。
つぎに、残念ながら私は―――その、あんまりシェイクスピアーに詳しくないわけですし、
物語の受け取り方なんかに、ちょっとしたかたよりがあるのかもしれません。

この二つの理由で―――ぜひともハムレットをご存知の方には、
ちょこちょこーっと、でもいいので―――まとめをやっていただきたいな、と思います。


期限はありません。
また、名無しさん、キャラハンの別は問いませんし、
もしキャラハンさんが解説されたとしても、
そのキャラハンさんに出演義務が発生することはいっさいありません。
すこしでも気が向かれた方は、是非とも参加されてね。



29 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/22(月) 01:40:390



>>24(杏里ちゃん)

ごきげんよう、杏里ちゃん。
いえ、誰しも時間はかぎられていますし、仕方ないですよ。
特に杏里ちゃんはポーラースターの愛の伝道師―――。
あなたの時間はあなただけのものではないんですもの。
それは、ちょっとだけ、寂しいことですけど―――。

(※さびしがっているフリ)

あっ、―――ちょっと、しんみりしちゃいましたね。
それでは、おしゃべりのつづきを。


>ならばそこに「シェイクスピアについての自習会(勉強会)」

今回の活動、それにあたるのかしら?
ちょっと、判断が難しいですけど―――ううん、「勉強会」ってなんだか、素敵なひびき。
だれかと青春のひとときを共有すること、それはきっと素敵なこと。
ですから、今回の活動も―――勉強会、だっていうことにしちゃいます。


>『そんな下らないごっこ遊びはやめろ!』なんて酷いパパの横槍→初めての
>反抗。ごめんなさいお父様」イベントもあり……か。

私の趣味は部活づくり。
いつもこんなことばかりをやっているので、多分いまさら横槍は入らないと思いますけど、
そうね、むしろ杏里ちゃんのほうこそ―――このちょっとした戯れに時間をとられて、
愛する子猫ちゃんたちから引っかかれちゃう、なんていうことにならないように。
是非ともお気をつけてね。うふふっ―――。


>ボクのスロウペースの感覚なら3月か4月。

あら、思ったよりも遠いですけど、かまいませんわよ。
個人的には二月の下旬くらいを考えていたんですけど―――。

>というか、初めから終わりまでぶっ通しで演じるんじゃなくて、シーン事に
>句切って、ちょっとずつ進めたほうが現実的だと思うんだけど、どうだろう?

そうそう、それを考えていたの。
どうしても―――こういう大きなイベントだと時間を拘束されてしまいますし、
それに、通してやる、となるとちょっと負担が大きい気がするんです。
ですから、一幕のハムレットと二幕のハムレットが別人でもぜんぜんかまいませんし。

ただ、その場合は一幕一幕に、ちゃんと盛り上がりがないといけませんから、
私なりにだいぶ内容を変えちゃうかもしれません。


30 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/22(月) 01:51:260


> その時は参加者自由・一日体験入団大歓迎(ボクの送迎つき)って感じかな。
杏里ちゃん、25さん 劇団名について

「座って半畳寝て一畳桟敷」の他には―――。

「一日一食歌劇団」(少女革命ウテナ絶食転生編 貧民ニルヴァーナ襲来)
「景教グランギニョル」(クルスケ☆猫クラブ)
「赤ツーカー歌劇団」(コミュニズムの薔薇)

―――こんな感じしか思い浮かびません。
なんちゃって。本当はもうちょっと可愛い名前をつけようと思いますよ?


>練習会について


あ、それも素敵かもしれません。
でも、そのときって何をやります?
やっぱりハムレットか、それとも別のなにかのひとまくか―――。
そのあたり、何かお考えがあれば。

と、今日はちょっとこのあたりで失礼いたしますね。
明日また、少し連絡します。



31 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/22(月) 03:43:270


 やあ、遅れた遅れた! レスにちょっと時間が掛かってしまったんだ。
 千華留はまだいるかな―――ああ、残念! もう帰っちゃったかぁ。
 夜を長く愉しむ、魔法の黒水を煎れようと思ったんだけどな。
 うん、またの機会にしよう。
 その時はフルーツの差し入れも持ってこようっと。

 さてさて……


>>28
>今日は一刻館演劇サークル、最初の公的活動を行いたいと思います!
>「ハムレット」の内容と登場人物を、おのおのかんたんにまとめてみましょう。

 Entendu.Je le fais tout de suit!!

 素晴らしい課題/宿題だよ。
 タダでさえ、ハムレットは受け手によって解釈が異なる傑作だからね。みんな
の頭の中には、どんなハムレットが描かれているのかを知る、絶好の機会だ。
 千華留ってば本当に頭が良いね。さすが生徒会長だ。さすが演劇部の部長だ!

 今すぐ―――うぅん、ハムレットを読み直してから……せめて今週中には
書き上げてみせるよ。ボクのガートルードへの愛を存分に示すんだ。
 提出先はこのスレでいいのかな? 千華留に届ければいいのかな?
 提出形式は……明記されていないみたいだけど、どうしよう。
 個々人の好きにしていいのかな?
 それだったらボクは―――千華留の枕元で、寝物語に語ってみようかな。
 耳元で、キミにだけ聞こえるように優しく囁いてあげるから……
 ―――ね、良いだろう?


>>29
>あなたの時間はあなただけのものではないんですもの。
>それは、ちょっとだけ、寂しいことですけど―――。

 そう、そうだよ。千華留の言う通りだよ!
 ああ、何てコトだろう。ボクはまたしても過ちを犯してしまった。
 ボクの迷いが、千華留に孤独の刃を突き立てたんだ。
 キミの言う通り―――ボクの時間は、キミだけのものだ。
 ごめんよ、千華留……ボクはもう、キミを決して一人にはしない。
 これからはいつも一緒だ。


>是非ともお気をつけてね。うふふっ―――。

 困ったなぁ。……虐めないでおくれよ、千華留。
 何だかキミは、時々もの凄く意地悪な女の子に変身する気がするよ。
 小悪魔(プティ・ディアーブル)っていうのも嫌いじゃないんだけど。
 ボクはどうにも、虐められるのが苦手でね。
 この調子で意地悪されたら―――泣いちゃうかもよ?

32 名前:名無し客:2007/01/22(月) 03:49:100

練習会でのお題は同じシェイクスピア作の「ロミオとジュリエット」の
クライマックスシーンなんてのはどうでしょ?
もちろんロミオ:杏里さん、ジュリエット:千華留さんで百合百合純愛まっしぐらな路線で。

33 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/22(月) 03:52:570


>>29
>日程

 じゃあ、大雑把な日程は「2月下旬から順次開幕」にしちゃおうか。
 こう言うのはダラダラと話し合っていても長引くだけだからね。
 ばっさりと決めちゃって、後で調整すれば良いんだ。

 ということで、みんな!
 ボク達の「ハムレット」は2月下旬にスタートだよ!(ぱふぱふ


>>30
>劇団名

 凝った名前も素敵だけどさ、「一刻館の演劇部(サークル?)」って面も
アピールしたいよね。かと言って「一刻館演劇団」じゃ面白味がないし……。
 千華留がセンス溢れる(そして無理がある)ルビを振るのはどうだろう?
 例えば「一刻館演劇団」で「メルシームッシュ」と読ませたり……。
 ―――ま、考えてみて!

 ネーミングはキミに任せるよ。だってボク、本当に苦手なんだもの。


>練習会

 タイトルは……も、桃太郎とか?
 わー、なんてロマンチックじゃないんだ、ボクったら!
 せめて「かぐや姫」ぐらい言わないと千華留に嫌われちゃうよ……。

 でも「メジャー/分かり易い」「短い/演じやすい」タイトルって、
なかなか思い付かないよね……。
 ハムレットですら、知らない人がいるぐらいなんだもの。

 うーんうーん……いっそ、ハムレット劇中からの一幕でも良いかもね。
 それとも趣味に走りに走って、ボクと千華留が好きなお芝居のシーンを
持ってくるとか―――でも、それだと体験入店が厳しいか……。


  ふー! こんなものかな。部活動ってやっぱり愉しいね。

34 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/22(月) 03:56:050


>>32
 あ、そうか。
 日本(ここ、日本なの?)ではロミオとジュリエットの方が、有名なんだっけ。
 実はボク、ロミオとジュリエットは一度読んだことしかないんだけど……。
 うん、復習の機会も兼ねて、それも良いかも。
 だって凄く有名なシーンだもん。
(そして、それ以上に……千華留と一緒に死ねるなんて!)

 ボクはさんせー!だけど、部長はどうかな?

35 名前:名無し客:2007/01/22(月) 11:22:110

じゃあ俺は椿姫のラストシーンを推してみよう

36 名前:相原光一:2007/01/22(月) 23:04:040

 いっそ蝶々婦人の……いやなんでもない。

 ところで、この『座って半畳寝て一畳桟敷(仮名)』に、
僕も入部希望します。別に女の子限定ってわけじゃなさそうだし、
現状まだ規定人数に達していないみたいだから、
少なくとも頭数を増やすのには役に立つよー。
源さんにアンリエットさん、許可してもらえるかな?

 ハムレットだったら、僕はレアティーズを希望……って、あれ。
アンリエットさんと被ってる? ま、まぁ役柄はとにかく、
不都合がなければ仲間に入れてほしいな。

37 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/23(火) 00:31:380


>>35
 椿姫って―――ラスト、そんなに印象的だったかな?
 ちょっと覚えてないや……ああ、いま手元にないのが恨めしい!

 でも、マルグリット・ゴーティエはボクが心から敬愛する女性の一人だ。
 彼女と時間を共有できると言うなら是非もないね。
 ……で、誰がマルグリットをやるのかな? ボク? 千華留?

>>36
 え? 入部希望者? ……あ、そう。そうなんだ。
 んーっと……じゃあ、そっちのデスクまで来て貰えるかな。
 入部届を書かないといけないんだ。
 面倒かもしれないけど、付き合っておくれよ? 何せ決まりなんだ。
 ああ、ボクは杏里・アンリエット。
 この名称不明サークルだか部活だかの演劇大統領だよ。
 因みに千華留は演劇皇帝。
 ……キミは運が良い。
 キミがもし入部したら「演劇酋長」のポストに就かせてあげるよ。


 はい、じゃあ、この入部届に名前と在籍している学校名を書いてね。
 あと、もし妹さんがいたらそれも書いておかなくちゃ駄目だよ。
 とっても重要なことなんだ。家の電話番号と住所も欠かさないように。

 ああ―――学校って共学?
 もうそうなら、キミの女友達の氏名/年齢/容姿も記入しておいて。
 別に友達じゃなくても、名前を知っていれば書いておいて欲しいな。
 写真とか持ってたら、残らず提出するように。コピーでもいいよ。
 今後の参考になるから。あくまでサークルの、ね。

 あとは―――希望の役? レティアーズ?
 ああ、全然大丈夫じゃないかな。ボクと千華留はまだ本決まりじゃないし、
もしキミがレティアーズをやりたいと言うなら譲るよ。
 彼はとても美味しい役だ。だから適当に頑張ってね。

 それで……今後のことを話し合いたいんだけど、どうだろう?
 キミとボクの親睦を深めるためにも、このサークルとキミの学校で合同コンパ
みたいのを開きたいと思っているんだ。
 面子、集められる? それ、入部の必須条件だよ?
 最近はどこのサークルも世知辛いみたいでね……こうでもしないと出会いの
場がないみたいなんだ。ボクも友達がたくさん欲しいし……。
 ああ! 安心しておくれ。男の子だなんて、そんな無茶な注文はしないよ。
 女の子でじゅーぶん。じゅーぶんだよ。

 日取りや場所のほうはボクがセッティングするから、キミは面子だけ集めて
くれれば構わないよ。なんだったらキミ自身は来なくてもいい。
 そこらへんはキミに任せるよ。

 ということで、よろしく頼むよ榊原クン!

38 名前:相原光一:2007/01/23(火) 01:05:340

>>37
 ……ははっ、そうかそうか。
首尾よく入部がかなったら僕は演劇酋長か。
こいつは春から縁起がいいね。

 で、必要事項ね。僕自身はともかく、
妹のパーソナルデータは……まぁそのうちってことで。
僕の妹は、とても人見知りが激しくて恥ずかしがりやさんなんだ。
知らない間に自分の写真が人に渡っていたなんて知ったら、
いくら相手が女の子でも、熱を出して寝込んじゃいそう。
あんまり妹のそういう姿は見たくないんだ。
それにうちの学校は、写真のやりとりに凄く厳しい(*注)らしくて、
僕が勝手にどうこうするわけにはいかないんだよ。ごめんね。

 それで、合同コンパかー。
よし、本当に開催するならなんとか当たりをつけてみようかな。
最初からたくさんで押しかけたりしたらお互い疲れそうだし、
まずは2人くらいでどうかな。我が校の家庭部に所属する名物1年コンビ、
飛羽愛美さんと夕月薫子さんっていうんだ。
きっとアンリエットさんも仲良くなれると思うよ。
少なくとも、人間以外の者とは。
ところでアンリエットさんは、オカルトとかには詳しいほう?
いや、ちょっと聞いてみただけだよ。深い意味はないんだ。ははっ。



 (*注:エンターブレインは本当に厳しいらしい)

39 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/23(火) 01:47:040


>>38
 え―――本当にやってくれるの?!
 何だ……キミってばてっきり、ボクと千華留の「秘密の花園」を解放しよう
とする悪い庭師さんだとばかり思っていたけど―――全然良い人じゃないか!
 ボク、誤解していたみたいだね。
 謝る、全然謝るよ。
 ボクは杏里・アンリエット。
 改めてよろしく頼むよ、合コン部長の漆原クンっ。

 妹さんについては了解だよ。プライバシーは大事だからね。
 今日のところは我慢しておくよ。今度、キミの家で部活動についての会議を
するときに、友達になれば良いだけのことさ。

 それよりも―――飛羽愛美さんと夕月薫子さんだったかな?
 名前からして素晴らしいよ……可憐なる微笑みが、容易に想像できる。
 それも1年生で家庭部なんて―――わおっ、わおっ!
 ボクってば最高にラッキーな乙女だね。
 お料理得意なのかな?
 毎日、ボクのためにお弁当を作ってくれたりするのかな?
 ああ、夢が広がるよ。
 おっと―――今の内に、学生服のボタンを外しておこう。
 そうすれば、いつでも上衣のボタンを縫い止めてもらえるからね。

 キミの入部については、もう心配しなくていいよ。
 ボクの方から千華留に取りなしておくから。
 レティアーズ役もキミのために用意しておこう。

 いやあ、部活動って素晴らしいな!

40 名前:相原光一:2007/01/23(火) 02:15:280

 ふたりの写真載せようとしたらNGワードが出た……。
公式サイトにリンクしようとしてもダメなのかぁ。

>>39
 え、僕合コン部長? 演劇酋長じゃないの?
いきなり兼任かぁ。

 飛羽さんと夕月さんに関しては……うーん、まぁ、
見方によっては可憐といえなくもないかなぁと。
ふたりともちょっと気が強いところがあるけど、
1年で家庭部っていうのは間違いのない事実だし。

 で、あのふたりが毎日お弁当かぁ。
ははっ、それは凄いことになりそうだなぁ。いろんな意味で。
創作料理というより独創料理を作ってくれそうだ。
まず材料からこだわりを見せてくれると思うね。うん。
でもあのふたりって、同じ部活やってる女の子が(たぶん)好きみたいだし、
アンリエッタさんはよっぽど頑張らないとお弁当作ってもらえないかもしれないよ?

 さて、演劇皇帝さんにも挨拶しておきたかったけど、
今日はこれくらいにしておこうかな。じゃあこれからよろしくね、アンリエットさん。

41 名前:源千華留@私のトリップはもう自由なひばり:2007/01/24(水) 01:11:200



ごきげんよう。
文明の利器は、想い合う愛友たちの距離を縮め、
憩えるひと時をより身近なものにしてはくれるけれども、
そのかわり、とても気まぐれに伝書鳩の役割を放棄してしまうんですね。
乙女の涙ははらはらと―――。

―――そういうわけで、ごめんなさい。
相原さんにも挨拶をしたいのだけれども、少しの間、待っていてね。
それでは、ごきげんよう。


42 名前:キタロー:2007/01/25(木) 01:01:280

―――こんばんわ。

 面白そうだから、ちょっと、顔を出してみたんだけど。
 なにか手伝えることって――ある?
 ないなら、大人しく引っ込むけどさ。

43 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/26(金) 05:24:230

 ハムレットもロミオ+ジュリエットもまだ読めていない杏里だよ……。
 今週中にレポート提出は―――無理。ごめんね部長。

 それにしても……愛野原くん、合コンのお話まだかなぁ。

>>42
 こんばんわ。手伝えること……なんだろう?
 取りあえず、お友達に女の子がいるなら教えて欲しいかな。
 友達になりたいんだ。深く知り合いたいんだ。

 あと―――キタロー君は何役を希望しているのかな?
 ボクはキミがハムレットでも面白いと思うけど、そうじゃなかったら……
 ボローニアスなんてどう?

44 名前:名無し客:2007/01/26(金) 05:28:380

キタローの今一刻にいる知り合いってこの人と

http://p3.atlus.co.jp/character/chara04.html

エリザベスさんぐらい?
両方とも杏里より年上っぽいね、残念。

45 名前:名無し客:2007/01/26(金) 09:39:050

なにをおっしゃるうさぎさん
杏里の年齢は18歳以上確定ですよ?(朗らかに

46 名前:名無し客:2007/01/26(金) 11:05:230

ぢゃあ、千華留さまより年上ぢゃないか

47 名前:キタロー:2007/01/26(金) 22:00:180

 座長さんは―――まだ来てないみたいだね。
 ま、仮入部みたいなものだと思ってくれれば、ありがたいかな?

>>43

>……なんとなく誰かを思い出した…
>彼はここまで気品はないが……


 やあ、こんばんわ。良い夜だね。
 正確には、良い夜だったね、かな。

 ま、それはさておき、女の子の友達、ね。
 そこそこいるけど―――自分で引っ掛けた方が早いんじゃない?
 あんたなら、さ。
 それに―――僕のまで、取られちゃ困るし。


 で、役か。
 そうだよね、ここに来た以上は、演じなきゃならなかった、か。
 特にやりたい役はないし、決まってないところの穴埋め、その程度に考えてたんだけど。
 ハムレットはあんたの方が適役だと思うよ、杏里・アンリエットさん?

>>44-46

 取り敢えずいわせてもらうけど―――部活のメンバーは僕のだ(何

48 名前:キタロー:2007/01/27(土) 00:05:500

―――そういえば、自己紹介、まだだったね。

 月光館学園高等部二年。
 どんな顔かは――こっちを見てもらったほうが早いね。

http://p3.atlus.co.jp/character/chara01.html

 細かいところで質問があるなら、随時受け付けるよ。


 で、ついでに。
 僕が買ってきた『ハムレット』で第一幕第一場を要約してみよう。
 ザッとだよ。あんまり話すの、得意じゃないんだ。
 あと、テキトーとか文句は言わないように。


―――デンマーク、エルシノア城。

 銃眼胸壁上の狭い歩廊、十二時の鐘が鳴る星のさざめく夜、舞台の幕は上がる。

 なんて気取ってみたけど、序章も序章。
 ここでは、先代デンマーク王によく似た亡霊と、見張りの兵士が出会うだけだ。
 まあ、大きな流れでは、だけど。

 細かな舞台背景なんかを、見張りの三人が話してくれる。
 なんで厳重な警備体制が敷かれているのか、何故戦争の準備をするかのような慌しさな
のか――まあ、そんなとこ。

 で、そうこうしてる内に王様の亡霊が出て、鶏が鳴いて、亡霊は消える。
 そんなことがあったから、主人公であるハムレットに話してみようと、話が進むわけだね。
 要約できてる? これ。


 というわけで、フローチャート式。

             見張り三人王の亡霊に出会う。
                      ↓
       王の亡霊はすぐに消えてしまったので雑談(舞台背景)
                      ↓
             するとまた王の亡霊が現れる。
                      ↓
                 見張り、詰問開始。
                      ↓
                王の亡霊話そうとする。
                      ↓
              鶏が鳴いたため王の亡霊消える。
                      ↓
          見張り、取り敢えずハムレットに話すことを決定。


 こんな感じかな? 間違いがあれば訂正よろしく。
 ただまあ、あくまで僕の持ってる資料だしね。違いはあると思う、けど。

49 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/28(日) 00:25:490



ごきげんよう皆様!
ようやく―――ようやく戻って参りました。

ああ、この数日間、なんて暇………いえ、さびしかったことでしょう。
私はパンのみに生くるにあらず―――学園生活を充実させるためにも、
部活動は必須のものだと確信したわ。
もちろん、喜びを分かち合う愛友の皆様たちも!

それでは、ちょっと溜め込んじゃった質問の返答でも。


>>32(練習会にロミジュリはいかが?)

ロミオとジュリエット! 確かに素敵なお話ですよね。
ちょっとはしばし―――かいつまんで読み返してみましたけど、
世の中では有名な「あなたはなぜロミオなの?」のところよりも―――
どちらかといえばひばりと夜鳴鳥をめぐるやりとりだとか、
ジュリエットがあわれにも自決するシーンだとかのほうが好きでした。

―――というより、ハムレットよりも台詞回しが格好いいですよね?
むしろ―――翻訳がいいのかしら? そのあたりはよくわかりませんけれど。

でも、ロミジュリのクライマックスって、お互いぐったりなんですよね………。
私のジュリエットって、残念ですけど私の寝顔くらいしか見れませんよ?
そんなの―――つまらないと思うのですけど。

>>33、34(杏里ちゃん)

>でも「メジャー/分かり易い」「短い/演じやすい」タイトルって、
>なかなか思い付かないよね……。

―――「シンデレラ」なんて思いついたのですけどね。
これは、いかがでしょうか?
誰もが知っていて、雰囲気があるロマンス、という意味なら―――これ以上のものはないかと。


>>35(練習会に椿姫はいかが?)

あ、ごめんなさい。「椿姫」は未読なんです。
もっとも、オペラのほうならよく聴くんですけれどね―――
ごだーもらったっつぁ、らったっつぁ―――。

というわけで。
A・デュマ・フィス「椿姫」買っちゃいました。
もし読み終わったら―――感想だとか、書くかもしれません。



50 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/28(日) 00:51:100



>>36(相原光一さん)

ごきげんよう!
ええ、ええ、それは歓迎ですわよ、相原光一さん!
私はこちらの『一刻演劇団(仮)』団長にして、
聖ル・リム女学校生徒会長をつとめております、源千華留と言います。

そんな、頭数だなんてご謙遜なさらず―――
もうこのさい、主役を張っちゃうくらいの頑張りを見せてくださいよー。
可愛い女の子たちも、きっといっぱいご覧になられるでしょうし。

>ハムレットだったら、僕はレアティーズを希望

ああ、そのときはオフェリアちゃんへの愛があふれる
よき兄を演じるのですね。
でも、この場合たぶん、オフェリアちゃんの心はハムレットのほうを向くばかり。
切ない兄弟愛ですわ。
―――ところで兄弟愛って、犬や猫に対する保護欲なのか、
それとも異性への愛情なのか、わかりがたい所がありますわよね。
光一さんはどちらだと思います?

あ、劇と関係のない質問じゃありませんよ。
だって、―――この質問への考え方しだいで、オフェリア役をやる方の扱いが、
変わってくるかもわかりませんし。

51 名前:相原光一:2007/01/28(日) 01:18:070

 ごきげんよう。ちょうど団長さんも来てたのか。
ははっ、いいタイミングだ。

>>43(合コン)
 考えてはいるんだ。一応、青写真らしきものは頭にある。
まぁ僕にはプランナーの素質がないから、過度な期待をされても困るんだけどね。
合コンっていえば、若い男女が一堂に会して酒等を酌み交わすっていうやつだろうけど、
アンリエットさんもうちの家庭部の子たちも学生だから、アルコールってわけにいかない。
アンリエットさんだけのためにうどんを作ってもらって、
それを食べながらお話、とか? うちの家庭科室で。

 ああ、そこに同席するほど僕は野暮じゃないから、そのへんは安心してよ。ははは……。

>>42(キタローが来たろう)
 初めまして、キタローくん……で、いいのかな?
演劇酋長の相原光一だよ。挨拶が遅れてごめんね。
君が参加することに関しては、まったく問題ないって思う。
っていうか僕も飛び込みだし? 団長さんも歓迎してくれるんじゃないかな。
これで団長さんいうところの最低人数が確保できたぞ。
これからよろしくね。

52 名前:相原光一:2007/01/28(日) 01:45:520

>>50(兄妹愛とはなんぞや?)
 うーん、正直言ってぼくにもわからない。
妹が生まれてからこのかた、ずっと「お兄ちゃん」をやってるけど、
その問を自分自身に投げかけたことも一再じゃないけど、
今だにわからない。言葉は便利だけど、愛のすべてを表せるほど便利じゃないみたいだ。

 いきなり白状しちゃうと、僕って心中はけっこう悪いっていうか黒いところあるんだよね。
まるで誰かさんみたい。僕たち兄妹の行動パターンとして、妹が僕にくっついてきたり、
妹が寂しがるから僕が傍にいてあげるっていうのがほとんどなんだけど、
これって別に片利共生してるわけじゃない。

 隣を見れば妹がいる。そのどんぐりまなこがこっちを見ている限り、
僕はうかつなことも悪いこともできないなって。まぁそんな感じ。
団長さんの問いの答えにはなっていないかもしれないけど、
便利な言葉の、それでも目に見える限界ってことで勘弁してよ。

 ああ、でも犬や猫に対するのとは違うって、これは明確に否定できるかな。
犬や猫がいなくても僕は一向に困らないし、それが世を去ったとしても、
気の毒って思えるくらいに他人事。すがりついて一緒に埋めてくれとは言わない。

 ……そうだね。難しい問題だ。たぶん僕が、一生考え続ける問題だ。
ましてまだつきあいが浅い団長さんと僕じゃ、意志の疎通に言葉を持ちいらざるを得ない。
うーん、そうだね。「大切にしたい」ってのでどうかな。
可愛がりたいんじゃない。大切にしたいんだ。だって実際大切だからね。

 まぁ、なんだ。この部活動を通して、
団長さんと僕も言葉以外の方法で通じ合えるようになれたらいいね。ははっ。

53 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/28(日) 01:52:290



>>42(キタローさん)

ごきげんよう、キタローさん!
けだるくて中性的なモード系主人公の登場ですわね。
もちろん、手伝っていただくことはたくさんありますし、
その全てが、とっても楽しくって面白く事ですわよ?
そう―――この立って半畳(略)は、貴女を歓迎しているのです!

それと、ハムレットの一幕一場、要約お疲れ様でした!
これで貴女も一番乗りですわね。
「一番乗り部」学外名誉会員として認めて差し上げます! ―――それはともかく、


>細かな舞台背景なんかを、見張りの三人が話してくれる。
>なんで厳重な警備体制が敷かれているのか、何故戦争の準備をするかのような慌しさな
>のか――まあ、そんなとこ。

このあたりは入れちゃうか切っちゃうか、微妙なところですわね。
あまり情報量は増やしたくないですし、いっそ一場と二場は合併しちゃうかもしれません。
なんだか、いいかげん―――そう、そうなんですよー。
でも、それくらいいいかげんにやっちゃってもいい気がします。


………と、もうちょっと時間なの。
ごめんなさい相原さん、返答はきっちり、明日しますからね?
それでは、ごきげんよーぅ♪



54 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/28(日) 10:37:580


 ごきげんよう!
 満足にレスも返せない杏里・アンリエットが赤い絨毯を闊歩するよ。
 しっかりとしたレスはまた夜にでも返すから、取り急ぎボクの大好きな
千華留にだけ返事をさせてもらってもいいかい?
 何と言っても、彼女は特別だからね。
 一秒でも待たせるわけにはいかないんだ。


>>49
>世の中では有名な「あなたはなぜロミオなの?」のところよりも――

 あのシーンの萌えどころ(?)は、ジュリエットがなかなかロミオに
さよならできないところにあると思うんだ。
 母に(父だったかな?)呼ばれているにも関わらず、部屋に戻ったと
思え ばまた出てきて、戻って、また出てきて―――

「ロミオ。ねえ、ロミオ? まだいる?」

 ああ、ジュリエットったら……なんて可愛いんだろう。
 ボクがきゅーっと抱き締めてあげたいよ。


>―――「シンデレラ」なんて思いついたのですけどね。

 シンデレラ、かぁ。ボクはペローの「サンドリヨン」もグリムの「灰被り姫」
も一応抑えているから、知識としては問題ないかな。でもやっぱり、メジャー
を意識するんだから「ガラスの靴」や「カボチャの馬車」は欠かせないよね。
(グリムを意識するならボクは「ラプンツェル」を是非やりたいけど!)

「ロミオとジュリエット」でも、ボクは全然問題ないと思うけど、シンデレラ
はシンデレラでとても素晴らしい案だよ。さすがはボクの千華留だ。
 全然これでもいけるよ!

 となると問題は配役だけど―――
 これも迷う必要は全然ないよね?

シンデレラ:キタロー
意地悪な義母:千華留
意地悪な姉1:ボク!
意地悪な姉2:演劇酋長

 絶対コレだよ! これしかないよ!

55 名前:名無し客:2007/01/28(日) 11:46:540

>シンデレラ:キタロー
ワロスw
ぜひそれで

56 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/29(月) 01:05:500

http://charaneta.sakura.ne.jp/ikkoku/img/1169167226/56.jpg (25KB:41m36s)


面白そうなアイデアなので便乗しちゃいます!
はい、こちらは女装したきたろーさんのイメージイラストですわね。
白ゴス、あるいは甘ロリでも良かったのですけど、
正直、黒いほうが似合うかな―――と思って、こういうふうに描いてみましたわ。


[続きを描く]:http://charaneta.sakura.ne.jp/test/oekaki.cgi/picture/ikkoku/1169167226/56
[アニメーション]:http://charaneta.sakura.ne.jp/test/oekaki.cgi/animation/ikkoku/1169167226/56

57 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/29(月) 01:28:080


 そうか……そう言えば、これで最低条件の4人は揃ったわけだ。キタロー君/
演劇酋長/愛のハーヴェスタ/部長―――演劇部四天王の結成だぁ!(わー
 目指すは前人未踏の南極公演!
 シロクマよ、ボクの雄姿をそのくりくりしたお目々に焼き付けろ!


>>45>>46
 年齢の話はタブーだよ、悪戯好きの子猫ちゃんたち?
 神秘を暴こうと試みれば、常に怒鎚の裁きが下る。
 ボクは大切な名無しを、地獄墜ちさせたくはないんだ。
(どうせなら、一緒に天国に行った方が余程に前向きだろう?)
 だから、ね? 滅多なことは言わないでおくれよ。


>>47
 やあ、美少年! グーテンモルゲン。とっても素敵な夜だね。
 今晩みたいに心躍る夜に、キミみたいな美しい男の子がいてくれると、
部長の目も安らぎを覚えるんじゃないかな。
 瞳の保養には、美しすぎるものを拝むのが一番さ。
 千華留のためにも是非、その美貌を保っておくれよ。
 ああ―――だからと言って、磨きすぎるのも要注意だからね?
「光るものの総てが黄金とは限らない」
 輝きすぎるがあまり、部長の眼を潰してしまっては元も子もないからね。

 よし、ボクがいま決めた。キミの名前は美少年(タージオ)だ!

 あ……でも、千華留は可愛い女の子が好きなんだったっけ?
 そんな話をイライザから聞いたよ。
「リ・ルムの生徒会長は要注意ですよ、杏里様」って。
 美少女好きの乙女―――それってつまり、千華留はボクが好きってこと?!
 うわ……うわ、どうしよう。そんな、両思いだなんて……。

 ねえ、美少年くん!
 あ…ありのまま 今 起こった事を話すよ!

  「ボクが千華留に恋をしていると思ったら、
     いつの間にかボクが愛されていた」

 な、何を言っているか分からないと思うけど……
 ボクも何が起こっているのか分からなかった。
 胸がどうにかなりそうだよ。二人は同じ想いを共有していただなんて!

 ああ、美少年くん。キミにはこの感動が分かるかい?
 つまり、これが恋だよ!

58 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/29(月) 01:40:170


>>51
 ああ、演劇酋長! キミはとても友達思いのナイスゲイだ。
 アルコールの必要なんて全然ないよ。
 ボクは乙女達の甘い吐息で、十分に酔えるからね。
 しかも、それが二重奏と来た日には! ……正気を保てるかな?
 酔いつぶれてしまわないよう、理性的に振る舞わないとね。

 ―――って、手料理を振る舞ってくれるのかい?
 初対面のボクのために?! これってば、手応え抜群じゃないか。
 既に出会う前から、ボク達の愛は完成へと至ろうとしているよ。
 ああ、なんてことだろう。運命を感ぜずにはいられない!

 ……って、うどん? うどんってあのうどん?
 どうして、またうどんなんだろう―――。

 あ、そうか! 彼女たちはボクが京都出身だって識っているんだね。
 それで、関西風の味付けを恋しがっているのを理解し、わざわざ故郷の
味を再現しようとしてくれているんだ……なんて奥ゆかしいんだろう!
 好きだ。出会う前から叫ばずにはいられないよ。
 ボクは家庭部の二人が大好きだーー!

 ……って、あれ? キミは来ないのかい?
 それはまた素敵な提案――じゃなくて、少し寂しいけれど、キミがどうしても
と言うのならそれも仕方ないね。安心しておくれ。その分、ボクが愉しむから。
 心配は無用さ。うどんはちゃんと、タッパーに入れてお土産にする。
 キミの分も残しておくよ。

 あー、楽しみだなー。


>>55
 だろう、だろう? ぴったりの配役だろう? 

59 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/29(月) 01:48:130


 ―――って、いい加減そろそろ前向きに話を検討しないとね。

>>56
 ……なんて決心した途端に、千華留!
 そんな至高の乙女絵を持ち出してくるなんて、何を考えているんだい?
 ボクはキミが好きなのに―――この仕打ちは酷いよ。
 だって、このシンデレラ……ボクの胸を騒がせすぎる。
 このままだと、彼女を求めてボクは放浪するはめになってしまうよ。
 もちろん、ガラスの靴を片手にね。

 だって、みんな見て見て!
 この肖像画、ボクのことを真っ直ぐに見ているよ?
 そそて胸に直接語りかけてくるんだ……
「……ねえ、杏里。私の王子さま。早く迎えに来て」って!
 ああ―――いま行くよ、ボクだけのシンデレラ!


>ALL
 ……じゃあ、そう言うことで練習劇の演目は「シンデレラ」。
 配役はシンデレラが美少年くん、ということで良いかな。
 駄目と思うヒトは三日以内に「蓬莱の玉の枝」を持ってきておくれ。
 うん、無理だね? よし、じゃあシンデレラは美少年君で決定だ!
 わー、おめでとー!(ぱちぱちぱち

 ……で、どうしようか?(汗
 助けて生徒会長!

60 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/29(月) 03:30:550



改めてごきげんよう、皆様。
といっても、もういい時間ですわね―――
普段なら、もう眠ってしまいたい時間なのですけど、ふぁ……。
今日もきたるべき時のために尽力させていただきますわ。


さて、ここからやるべきことをちょっと考えてみましょう。


 本番について

  @役はどうする? ―――当面の問題。
  A脚本はどうする? ―――千華留、がんばります。

 練習会について

  @日取りはどうなる? ―――皆様のいい日に。
  A当日の飛び入りだとかは? ―――ハプニングを認めるか否か。
                          (ささいなようで、重要な決定ですわ)


まず、これらを決めるべきですよね。


>>50(相原さん)

なるほど、つまり兄妹愛は兄妹愛なのですね。
言い表せないものはあえて語らず、と。 うーん、私もそれが良いと思います。
でも―――「愛って何?」って思い悩むこと自体は、とても意義深いことだと思いますし、
きっと、おおいに悩むべき価値のある問題ですわよ―――。

まあ、ひとまず―――「なるほど、分かりましたわ!」
とは、とうてい参りませんけど、なんとなーく、なんとなーくわかりました。
これからの対話を通じて、もっと多くを分かち合えれば幸いですね。


>>54(杏里ちゃん)
>>55(名無しさん)

―――あなた方にたくさんの感謝をささげます。
他の役は保留として、きたろーさんのシンデレラはとても興味がありますわ。
それは決定で。決定事項で!
基本的に役者さんの自由意志を尊重するこのおしばいですけど、
これだけはちょっと譲れませんものね、ええ!


61 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/29(月) 03:31:530



> 「ボクが千華留に恋をしていると思ったら、
> いつの間にかボクが愛されていた」

つまり―――


62 名前:源千華留 ◆4MjEyQj3FE :2007/01/29(月) 03:36:310

http://charaneta.sakura.ne.jp/ikkoku/img/1169167226/62.jpg (35KB)
こんな感じですのね。
背徳をつむぎ続ける恋物語(ロマンス)ですわ。

63 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/29(月) 03:38:570



―――あら?(遠くを見つつ)
どちらかに誤爆してしまったような気がしますけどきっと気のせいですわ。
でも、もしも気のせいでなかったときのために言いましょう。
―――皆様本当にごめんなさい。
どうか、どうかうまく対処してくださいね―――。



64 名前:相原光一:2007/01/31(水) 00:18:260

>>58(家庭部の乙女たち)
 まぁ色々言われてるけど、あのふたりもいい子たちだってのは間違いないと思う。
ちょっとエキセントリックっていうか、突き抜けすぎてるきらいはあるけど。
そんなふたりが恋を知ったらどうなるかっていうのは、僕も興味あるな。

 うん? でもあのふたりはもう、なるみちゃんが好きなのかな?
どうもあのふたりのことは、僕には計り知れないところがあるし。
とにかく、自分の口から出した以上は僕も動かないとね。
さーて、どうやってあのコンビに話を切り出そうか。こりゃ大変だ(笑)

>>60(続・兄妹愛とは何ぞや?)
 僕も色々考えてるけど、妹って、花みたいなものなのかもしれないね。
お兄ちゃんはその世話をする庭師っていうか、園芸師?
べつに花が物理的に何かしてくれるってわけじゃないけど、
それが可愛く優しく育っていく様を見ると、うれしくなる。
まぁ見るだけじゃなく口付けたら、その蜜の甘さにもっと夢中になっちゃうんだろうけど、
それはまた別の問題。

 それはともかく、口っていうのはすごく便利な器官だからさ。
対話だけじゃなくって、もっといろんな使いみちがあると思うんだ。
僕たちいっしょに、それを探していけるといいね。そして団長さんのいうとおり、
もっと多くを分かち合おう。そう、もっと多くをね。

65 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/02/01(木) 04:22:080


>>62
 ちょっと反応が遅れちゃったけど……ありがとう、千華留。
 最高のプレゼントだよ。あまりの出来映えに、戦慄を覚えるほどだ。
 キミの絵は凄いね。キミは、現実を写生して居るんじゃない。
 世界が、キミの絵から現実を写生しているんだ。

 創造神すらも模倣する千華留の情景―――100億万回、保存したよ。
 額縁に飾って、毎朝眺めるんだ。
 そして、これから始まる一日に期待を膨らませるのさ。
「今日こそきっと、この絵が現実に訪れるんだ」って。

 ……何だか、キミには色々な意味で与えられてばかりいるね。
 この上、キミがオフィーリアでボクがハムレットになってしまうと
 ―――ああ、なんて皮肉なことだろう。
 ボクはキミの、何の力にもなれず終末を迎えてしまう。
 それはイヤだな……。

 ねえ、千華留。
 今は言葉でしか誓えないけど、ボクは必ず、キミに与えてみせるよ。
 これは杏里・アンリエットの、女としての意地なんだ。キミがボクに
与えてくれた以上の充足を、ボクがキミに与えて見せないと―――
 ボクはとてもじゃないけど、納得できないよ。キミには勝てない
けれど、だからって甘んじて敗北を受け入れるのはゴメンだもの。


>>64
 ふふふ―――こうまでボクの胸を期待で蹂躙してくれたんだ。
 約束は守っておくれよ、酋長クン?
 キミには色々と感謝している……これからも、その気持ちを忘れたくない。
 だからこそ、ね。

 ……で、そろそろお芝居の話に戻ろうか。
 当面は、練習会の予定を考えるべきだけど……。
(というか、もう2月……
 キミはシンデレラでいいのかい?
 配役的に、ボクとキミは絶対に「意地悪な姉」だよ? 

66 名前:キタロー:2007/02/01(木) 22:19:230

 言い訳はしないから、僕は僕のできることを、早く片付けよう。

>>51

―――ん、よろしく。

 僕も歓迎されてるみたいだし、巧くやって行こう。
 なんか、近親憎悪みたいな感じを受けなくもないけど、さ(何

>>53

―――こちらこそ、よろしく。
 それじゃあ正式に参加、ってことで。

 で、一場と二場の合併だけど、この際端折れるところは端折ったほうが、いいと、思
う。ここだけに限らず、全体的に。
 じゃないと、とてもじゃないけど終わりがみえないし、なにより即興劇(この言いかた
で正しいかは知らないけど)を挟む以上、演者の時間を合わせる必要もあるんだし。
 必要最低限の舞台背景を用意して、メインとなる部分を押し出した方が、得策じゃな
いかな?

 ま―――これも一つの意見だってことで。

>>54

―――どうでもいい。

 シンデレラでも、構わないさ。
 ここに立つ僕は、役者、なんだから。ペルソナを被るだけだよ。

>>56

 下手な女の子よりイケルんじゃない?(何

>>57

 ああ―――ホント、素敵な夜だよ。あんたのお陰でうんざりするほど、素敵な夜さ。

 で、へえ―――あんたの思いが実る前に、華は開いてしまった、ってこと?
 いいんじゃない? そーゆーのも。
 人と人を繋ぐ絆は―――大切だしね。

>>60

 本番よりも目先の練習会に焦点を絞るとして――僕の都合のいい日は、断定はで
きない、なんて条件がつくけど、火曜の夜なら時間が取れそう。水曜も大丈夫だけれ
ど、次の日が、キツクなりそうかな。
 二月中にやるとすれば、月末が良いんだろうけどね。遅めの時間じゃないと帰って
来れないのが、問題、だね。
 主役がこの有様ってどうなんだろ?

 飛び入りに関しては―――認めないほうがいいかもしれない。
 練習会はお披露目でもあるけれど、あくまで練習だ。僕たちが手探りなのに、お客
さんの飛び入りまで、考えなきゃならないなんて合理的じゃないだろ?
 観劇場、なんかを立ててみるのは面白そうだけどね。


 取り急ぎ、こんな感じかな?

67 名前:相原光一:2007/02/01(木) 22:31:350

 あらためてよろしく、キタローくん。
というわけでとりあえず業務連絡だけ。

>キミはシンデレラでいいのかい?
>配役的に、ボクとキミは絶対に「意地悪な姉」だよ?

 オッケー了解。
僕は今から「意地悪な姉2」だ。
役作り考えておこうっと。

68 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/02/01(木) 23:46:580


>>66
 おかしなこと言うんだね、タージオ。
 果実って、花が咲いてから実るものだと思っていたよ。
 同様に、実を為すからこそ―――花は散るんだ。


>>67
 恋に燃える若者達の、「絶対」より危うき言葉はない。
 何故なら「一生を賭けた誓い」をしようにも、ボク等は日々生まれ変わり
続けている。昨日の交わした約束は、昨日の人生が責を負うべきもの。
 今日という新たな人生を迎えたボクには、一切無縁の代物なんだ。

 ……と言うことで、ボクの「絶対」なんて言葉はちゃっちゃと忘れて、
新しい意見に耳を傾けてもらえないかな。ちょっと考えてみたんだ。
 あ! これは他のみんなにも聞いてもらいたいよ。

69 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/02/01(木) 23:47:140

>ALL

 やあ―――ようやく、文字通り役者が揃ったね。
 まだ絶賛受付中だけど、取りあえず、この4人を主要劇団員と考えようか。

 うん、とっても素敵な面子だとボクは思うよ。
 千華留を筆頭に、みな個性的だ。その中でも特に千華留は個性的だ。
 というか、千華留だけが個性的だ。大体、ボクは千華留しか見ていない。
 他のなにも見えない! ああ、恋という呪いが、ボクに闇を与えたんだ!
 けど、同様に―――恋という聖歌が、ボクに輝きを与えた。
 見える……ボクには見えるよ。闇の中、燦然と輝くリ・ルムの姿が!
 これこそがボクの世界―――ボクの全て!

 ……ああ、それでね。ボクが考えたのは配役のことなんだ。
 4人いれば、取りあえず「シンデレラ」は問題なくできるよね?
 思い返してみると、シンデレラの主要登場人物って

・シンデレラ
・王子さま
・魔女(或いはハシバミの白い小鳥)
・意地悪な姉2人と継母

 意地悪トリオは「シンデレラを虐め倒す」という記号だけ抽出するなら、
3人もいらないよね? 1人で十分なはずさ。
 となると、そう。4人でシンデレラができるんだ!
 しかも、シンデレラは1シーンを気合い入れて演じ抜くってタイプじゃない
から、一晩で十分終わらせることができるとボクは思う。
 どうだろう?

シンデレラ:タージオ(キタロー)くん
王子さま:千華留
魔女(或いはハシバミの白い小鳥):酋長(名前失念)くん
王子さまに憧れる、夢見がちな姉:杏里・アンリエット

 なんて配役を考えてみたんだ!

70 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/02/01(木) 23:47:400


 シンデレラ役は鉄板だから、良いとして……なぜ、千華留が王子役なのか?
 それには深いワケがあるんだ!
 (s)千華留の王子さま衣装が観たいから。(/s)
 酋長くんが王子さまで、シンデレラがタージオくんなんてイヤだろう?
 だからさ!

 ―――あ、ボクは絶対に姉役だからね。
 これだけは譲るつもりはないよ。姉の矜持、その全てを賭して王子さま
(千華留)のハートを射抜いてみせるんだ。

 きっと、キミは疑問に思うだろうね……。
「なぜ、負けるゲームと分かって姉役を選んだのか?」って。
 ふふふ、逆だよ。
 負けと分かり切ったゲームだからこそ、ボクは挑むんだ。
 例え、この想いが届かなくても―――ボクは歌い続ける!
 王子への愛を!

71 名前:名無し客:2007/02/01(木) 23:48:280

シンデレラの肝はいじめシーンじゃありません。



義姉・継母の目ン玉を鳥が穿り出すシーンです!!

72 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/02/01(木) 23:48:490

HTMLの基礎すら弁えてないボクって可愛いだろう?

73 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/02/01(木) 23:50:530

>>71
 お姉様の文字通り、「肉を切ってでも」という気骨も買ってあげて!

74 名前:相原光一:2007/02/02(金) 00:45:110

 新しい提案が出てるみたいだね。

 魔女はともかく、小鳥だったら僕はキグルミかぁ。
いよいよ学芸会じみてきたけど、これもまた面白そうだ。
アトラクションとか僕けっこう好きだし。
魔女なら鉄板ダンス、小鳥なら>>71と、お姉さまたちのその後も変わってくるわけだけど、
本人としてはどちらがいいんだろう。

 ……実はこの際だから白状しちゃうと、
意地悪姉2になったら、明日の舞踏会のことで不安いっぱいになって、
前の晩はお母さまに添い寝でもしてもらおうと思ってたんだ。
残念だなぁ、別の手を考えるか。ははっ。

75 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/02/02(金) 21:47:290



ごきげんよう。
少し急ぎの用があるので、これだけを―――。
なんだか優雅じゃないですけど、許してくださいね(ぺこり

では。
練習会の正式な日取りを決めましょう!
この書き込みをみたら、おのおの簡素なレスでも構わないので、
自分の都合のいい日を書き込んでください。

ちなみに千華留自身は、
二月の十四日から十七日までがふさがってしまっていますわね。
個人的な感覚ですけど、ちょうど二月の三週目がいちばん使いやすいかな、
―――なんて思っていただけに、これは痛いです。ごめんなさい。

では、お早めに、
@二月の第何週がいいと考えるか
A自分の予定に関して

この二点、かんたんにでもいいので書き込んでください。
それではごきげんよう。

―――あ、他のレスは後ほどきちんとこなしますわよ?
ご心配は―――なさいませんように。


76 名前:キタロー:2007/02/02(金) 22:08:490

 取り急ぎ、なんだよね。
 ま、僕は昨日言ったとおり、かな。

 土曜日曜祝日、その辺は割りと死んでる。
 で、月末が近付けば近付くほど帰りは遅くなる――と、思う。
 具体的には19、22、28なら早い時間からでも対応可能だけど――遅くまでは居られない。

――結局、予定に合わせる形で、動くことになるかな。僕は。
 予定は未定だけどさ。

77 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/02/02(金) 22:16:580

ボクも週末は予定が埋まっているんだ。
ちょっと無理だね。
日曜は夜なら大抵、空いているよ。

来週は全日全滅。
ボクとしては11、12、13あたりは都合がいいかな?
月末はちょっと分からないや。
日曜なら多分、大丈夫。

78 名前:相原光一:2007/02/02(金) 23:00:170

 学生の身分だから、基本的にみんなに合わせられると思うよ。
今のところ、摩央姉ちゃんの勉強会とか咲野さんの練習その他も、
スケジュールを圧迫するほどじゃない。
あらかじめ日取りが決まってれば、体調を合わせるさ。

@何週目でもいい。
A夕方以降なら何時でもいい。
 ただし2〜3日前には日取りが決定しているとありがたい。

 つまり「いきなり明日始めましょう!」とか言われない限りは、
基本的に大丈夫ってことで。うん。

79 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/02/03(土) 00:03:150



うーん、ちょっと考えどころですわねー。
朝くらいに、仮案を出します。
他のレスもそのときに。


80 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/02/03(土) 09:59:000



はい、ごきげんよう、おはようございます。

代案です。

2/12日はいかがでしょう?

―――いえ。
正直、かなり押したスケジュールかな? というのは判っていますよー(笑
けれどもこれはあくまで練習会ですし、
あまり青天井にいい出来を求めるよりは、限られた時間の中で
さっくりと終わらせちゃうほうが良いかなあ、と思っているんです。

ちなみに、台本に関しても、たぶんそこまで捻りはありません。


81 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/02/03(土) 11:13:080



>>64(相原さん)

お花と庭師―――。
すっごくすてきな喩えだとおもうんですけど、
どうしてだか、あまりぴんと来ません―――どうしてでしょう?

人を好きになって、いつくしむことって、とても良いことだと思うんです。
でも、あまりにたくさんの愛寵を受けたお花は、
いつの日か庭師さんに何も返せないことを思って、
―――もどかしくなってしまうかもしれませんよ。


(ささー、と両手にお人形を付けて)

『庭師さん庭師さん、わたしたちは庭師さんに、何か返したいんです』
『ありがとう。でもいいんだよ、僕の可愛いお花。きみたちが咲いているだけで満足さ』
『そんなことを言っても、私は何かあなたに返したいんです。
でも、私は手も足もない、ただのお花。大切な人に恩返しも出来ないだなんて……』
『それでもいいんだよ。きみたちが咲いているだけで満足さ』
『わたしたちは、満足できないんです!』
『いいんだよ。僕が満足だから』

(ささー、とお人形を外して)


………なんて、ちょっと皮肉っぽくなっちゃいましたね。
ごめんなさい―――でも、人にほんとうに優しくすることって、すごく難しいの。
こんなこと、もうぜんぜん、ご承知かもしれませんけど。


>お口には他の使い道もある。

ずばり。お食事ですわね?
ええ、もちろんあなたの考えておられるとおり、
演劇が成功した暁には―――源家の権限の一部をつかってでも
すてきなパーティを開こうと思っているの。
もちろん、杏里ちゃんもきたろーくんも一緒、すごく楽しくなるわよ!

>多くを分かち合おう。

ああっ、そんなに遠慮なさらず。
割り勘にする必要なんてないんです。
パーティーの御代は私が払いますよー? だって、団長ですもの。
こういうときくらいは、きちんと面子を立てさせてくださいな、ね?(にっこり


82 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/02/03(土) 11:27:300



>>66 (キタローさん)

>この際端折れるところは端折ったほうが、いいと思う。

ええ、私もそう思っているんです。
でも、だとしたら―――どこを端折るのでしょう?
もちろんどうでもいいところを端折って、大切なところを残すべきですけど、
ここにいるみなさま、どこが大切とおもっていらっしゃるか、
実はおのおの違うと思うんですよね。

たとえば、この私。
to be or not to be………は、実はそれほどいいシーンだと思わないの。
もちろん、演劇として大切うんぬんじゃありません。
私の好き嫌い―――なんですけれどねー。(好きなひと、ごめんなさいっ!)

ちなみに、それを考えることが最初の宿題、
「ハムレットをまとめてみよう!」の狙いだったりしたの………。
いえ、簡単にまとめて見れば、皆様どこを大事と思っているか―――
というのが、浮き彫りになると思って。
きたろーさんを除けば、まだ私も含めて、どなたも提出していませんけど><


>>69(杏里ちゃん)

(ああ………温泉のことを思い出すと、なんだか意識しちゃいます。
 あれは―――あれはどうして?
 悲しみにくれる杏里ちゃんがあまりに痛ましかったから? ただの、慈愛のキス?
 だとすれば、なんていうお馬鹿なことをしちゃったのかしら―――
 人を大切にするということが、そんなに安くつくだなんて、思っていなかったのに!
 ああ、私のこころ―――あなたは誰?
 貴方がわたしだというのなら―――なぜ貴方は私の思い通りにならないの?
 そうして、貴方がわたしでないというのなら、今こうして貴方を思っている私は、誰?
 ところで、「わたし」って、
 並び替えると「たわし」になるっていうのはみんなよく言うことですけど、
 「下は」になる事って―――意外と無視されちゃってますよね。
 わたしはだれなの。
 したはれなのだ。
 慕われな野田。野田さんがどなたかは存じませんけど、きっと慕われるくらいですから
 きっぷのいいお姉さまなのでしょうね。あら、何を考えていたんでしたっけ。
 よくわかりません。うーん、気分転換しちゃいましょう―――)

 【ここまで一秒くらい】

83 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/02/03(土) 11:36:130



>というか、千華留だけが個性的だ。大体、ボクは千華留しか見ていない。
>他のなにも見えない! ああ、恋という呪いが、ボクに闇を与えたんだ!

大変!
杏里ちゃんが交通事故に遭ってしまうわ!
海の上のポーラースターならともかく………
陸の上で眼も見えずにうろつきまわるなんて、なんて怖いことを!
ああ、ああ―――私の杏里ちゃんに神のご加護を………それと交通安全のお札を!
他の方も見えるように、私が三面鏡だったら良かったのに!


>配役に関して。


シンデレラ:タージオ(キタロー)くん
王子さま:千華留
魔女(或いはハシバミの白い小鳥):酋長(名前失念)くん
王子さまに憧れる、夢見がちな姉:杏里・アンリエット


ぜひ、それで行きましょう!
なんだか千華留って、最近女の子女の子しい衣装ばっかりでしたから、
たまにはちょっと中性的なこともやってみたいなあ、と思っていたの。


>>71(灰かぶり姫の醍醐味)

これは杏里ちゃんもおっしゃっているので、一緒に答えますと―――。

ごめんなさい。
小鳥か魔女か、だったらやっぱり魔女のほうがいいですわね。
みんなのイメージを優先したい、というのもありますけど、
やっぱり「シンデレラ姫」は永遠に憧れのストーリーですもの。
きれいなままで描いちゃうのが一番だと思うんですよー。


断章のルリム。


【何をどういわれようと、巧いことを言ったつもりで通す気らしい】


84 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/02/03(土) 11:37:180



まだちょこちょこと残っていますけど、少しお昼寝です。
睡蓮の咲く午後にシェスタを。―――それでは、ごきげんよう。


85 名前:相原光一:2007/02/04(日) 00:59:380

>>80(練習会の日取り)
 練習だし、顔合わせ衣装合わせくらいの軽い気持ちで臨めばいいと思うから、
1日でさくっと終わらせるのは良いって、僕も思うよ。
僕は賛成、オーケー刻んだ。台本担当の人はちょっと忙しくなりそうだけどね(笑)。
まぁ、あとはアンリエットさんとキタローくんしだいかな。

>>81(庭師の気持ち)
 近頃は菜の花……ああ、僕が知ってるケースでは菜の花なんだけどね、
たしかに、いろんなことをさえずるようになってきたよね。
その庭師も、恩返ししてほしいなんて考えてはいないけど、
菜の花が自分だけを見て咲いてくれたら、って気持ちが無いっていったらウソだ。
でも少なくとも今は口にすべきじゃないって思ってるんじゃないかな。

 庭師も菜の花も、お互いの気持ちを知ってる。
でもそれは、実際に口にしない限りは「知らないふり」をしていられるんだ。
特に庭師のほうはなかなかに頑固でね。その気になれば菜の花の気持ちなんか無視して、
無理矢理にでも摘み取ってしまえる。逆説的なようだけど、
だからこそ自分からそういうことを言いだす訳にはいかないって。
庭師っていう、いわば上位者のほうからそれをやるのは卑怯だって、そういう想いがあるんじゃないかな。
ああ、でもそのうち菜の花のほうが口にするかももしれない。

 (ささーっとお人形を持ち出して)



 菜の花 「勇気を出して 庭師さん
       この葉も蜜も 花びらも
       あなたのために生まれたの
       あなたのために咲いたのよ」



 ……さぁこうなったらどうするんだろうね庭師さんは。
色々物分りのいいことをほざいてても、一気に馬脚を現しそうだよ? ははっ。

86 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/02/04(日) 06:41:240

 今週はちょっと忙しい杏里・アンリエットだよ!
 取り急ぎ連絡。日程はそれで大賛成。まったく問題ないと思うよ。
 千華留が望むなら、朝まで付き合うから!

 以上。レスはまた今度ね。

87 名前:キタロー:2007/02/04(日) 07:15:340

 僕も多分大丈夫。
 詳しいことは―――夜にでも。

88 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/02/05(月) 05:32:380


 ……ボクの大好きな千華留。
 ボクを支配する光は、赤い国から差し込む陽光によって払われた。
 キミの唇の温もりは、確かな記憶としてボクの中に在るけれど―――
 実は……今日は、また別なお願いで来たんだ。

 この練習会に、ボクの大切な人をエスコートしたいと思ってね。
 詰まるところ、参加枠を一つ拡大して欲しいんだ。4人→5人にね。
 配役はボクと同じ「意地悪な義姉2」で。

 名前は「ニコル=ジラルド」って言うんだ。
 トスカナ育ちのフィレンツェ娘だよ。
「お淑やか」「品行方正」とは程遠い子だけど(ボクが言ったなんて密告しな
いでおくれよ?)千華留はお嬢様学校とはいえ、自由を愛するリ・ルムの生徒
会長なんだ。ニコルのこと、絶対に気に入るはずさ。
 さっきも言ったけど、大切な人なんだ。
 ウルトラVIP待遇でお願いするよ!

 うん、それじゃあ、今から本人に了解を取ってくるから。
 脚本に入れておいてね! 頼んだよ!

89 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/02/06(火) 17:03:550

ふむふむ、演劇とな。
なかなか面白そうな事をやっておるではないかや。
幾度かロレンスに連れられて大衆演劇を見たことならあるが―――
当然、役者になった経験なんぞあるわけもなし。
じゃが、何かに「なりきって演じる」という、その行為自体には興味があるし、
実際にやってみたくもなる。

というわけでこの話、わっちも一口噛ませてもらいたいのじゃが……良いかや?


それと、今回の台本、ハムレット、じゃったか。
あれの書物、偶々わっちの手元にあったので、今ちまちまと読んでおる最中じゃ。
で、>>28でここの座長殿、こと千華留が宿題とやらを出しておるのじゃが、
この役目、読み進めながらわっちが此処で一つやらせてくれんかの。

形式としては、あくまで、この書物を読んだことのない。
あるいは、急に手に入らないような輩に、ある程度流れを掴んでもらう為、の物となる。
当然ネタ曝し上等じゃが、今更ここでそれを問う輩は……おらぬよな?

まあ正直、現状練習会の話が纏まりかけておるところに、このような茶々を入れるのは
ちと気が引けるのじゃが……
後は、座長殿の判断に任せるとしんす。
許可が下り次第、隔日くらいの頻度で投下する、予定じゃ。
あくまで予定、じゃが。

90 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/02/10(土) 20:42:110



ごきげんよう皆様。

いよいよ日程、あさってまで迫っておりますわね。
私も脚本のネタをいろいろと考えたのですけど、
正直、練習会でやるには、妙に奇矯なものに仕上がってしまって―――。
ですからやっぱり、できるだけ原作にストレートに行きたいと思います。

さて、それでは明後日12日ですけれど、
おのおのの都合のいい時間帯、判りますかしら?
私は九時くらいからというか、なるべく早い時間が好ましいのですけど。

あ、―――ちなみに時間としては、長く見て三時間くらいを予定しています。


>>88(杏里ちゃん)

ふむふむ、なるほどー。

……つまり、半ギングバスケットポーラースター、
あの北極星の名を冠する船から、もう一人素敵なお客様が来られるのね。
それに―――イタリアといえば陰謀の国。チェーザレ・ボルジアの国。
さぞ素敵な悪役を演じてくれるに違いないわ!

―――ところでその子の意向はどうなったのかしら。
ご本人自らこちらに来て下されば嬉しいのですけど。


>>89(ホロちゃん)

あら、そこに見えるは温泉スレッドでよくお世話になっているホロちゃんじゃない。
今日はどうしたの―――というと、あら。
つまりは「原作の吟味」という役どころで参加してくださるわけね?
嬉しい! 私はこういうポジションの子を一人、絶対にほしかったのよっ。
だって。だって―――やっぱり名作を解釈するには、一人でも多くの子の
感性が必要なんですもの。

というわけで、全然、やっていただいて結構ですよ。
あ、でも、出来れば練習会が終わってから、のほうがいいと思いますけど。


それと明日の夜、RHマイナスに板を立てますね。
明後日の会議室はそちらで。
それでは、ごきげんよう。

91 名前:ニコル・ジラルド ◆Gamble/WIA :2007/02/10(土) 23:32:310

>>90
……っと、悪い。
事が杏里の事後承諾だったからさ、ちょいと様子見てた……んだけど、明後日だったかい。
そいつは済まなかった。まあ、日程は大丈夫だけど。

ってことで……チャオ、改めましてニコル・ジラルドだ。
この度諸々事情がありまして練習会に参加させていただくことになったわけで、いや、そいつはいいんだけど
……あたしの役は意地悪姉その2、でいいんだよね?
いやなんかうちのスレで杏里が滅茶苦茶言ってるんだけどさ(↓)。
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1143744725/614

92 名前:キタロー:2007/02/10(土) 23:36:240

 僕は十時以降の方がいい、かな。
 早く帰ることができれば、会議室の方に顔を出せばいいだけだから。
 ちょっと―――時間が読めなくて。迷惑かけるけど、よろしく。

93 名前:ニコル・ジラルド ◆Gamble/WIA :2007/02/10(土) 23:37:550

おっと、ごめん。
時間も問題ないよ。
よっぽど待機できるから、他の面々次第で大丈夫さ。

94 名前:相原光一:2007/02/11(日) 02:32:330

 や、ごきげんよう。とりいそぎ業務連絡を。
時間に関しては、「夕方以降ならたぶんオッケー」って感じかな。
真昼間とかは困るけど、基本的にほかの人に合わせるつもりだよ。

 ……ところで、掟破りの王子様と魔女の恋ってのはアリかな?(笑)
まぁそのへんは会議室で追々ね。ははっ。

95 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/02/11(日) 07:09:400

(ニコルの背中におぶさりながら登場―――身長差? 気にしちゃ駄目だ!)

 来てくれたんだね、ニコル。―――ボク達の演劇部にようこそ!
 なかなか、個性的な部員が揃っているだろう?
 H.B.Pの高級サロンでも、こうはいかないよ。
 ま、練習会はあくまで「気軽にお芝居を体験しましょう」って趣旨だから、
気負う必要なんてまったくないさ。気楽にいこう。
 あ……でも「王子さまは私のモノよ!」って気概で臨むのも面白いかも?

 そうそうそう―――紹介するのを忘れていたね。
 サイドに留めたリボンがキュートな女の子が、源千華留。
 ボクのとっても大切な友達なんだ。(うん、まだ今は)
 リ・ルムっていうお嬢様学校で生徒会長をやっているんだって。
 凄いよね? 今度、ニコルも勉強を教わったら良いんじゃないかな。

 で、千華留―――これがボクのニコル・ジラルドだよ。
 ふふふ……どうだい。よだれが出ちゃうほど可愛いだろう?
 でも、駄目だよ。これはボクのものなんだ。
 お手つき禁止だからね?

 あ、日程はそれで問題ないよ。
 時間もその日なら融通がきくから、他の参加者に合わせるよ。
 千華留が望むのなら―――朝まで、ずっと一緒だ。

96 名前:名無し客:2007/02/11(日) 07:11:420

今日は奇跡が起こってニコルじゃなくて杏里の足腰が立たなくなったでおk?

97 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/02/11(日) 07:18:260

>>96
 え? ニコルってば、そんなにテクが上達―――
 ……あ、そういう意味じゃないんだね。うん、分かっているよ。

 ボクがニコルにおぶさっているのは……何でだろう?
 ニコルの背中を見ると、つい抱きつきたくなっちゃうからさ。
 つまり、これは衝動。これは情動。
 コーは学童。カワラザキさんは激動。
 ―――なぁんてね。(あ、滑った

98 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/02/12(月) 11:51:210



はい、というわけで皆さんっ。

『一刻館立って半(略)(仮)演劇スレ舞台裏とかその他もろもろ』―――けせらせら
http://charaneta.just-size.net/bbs/test/read.cgi/ikkokuRH/1171248613/

打ち合わせスレを立ててみました。
以後の話し合いはあちらで行いましょう。


99 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/02/12(月) 22:05:560



さて、あんまり居られないと思いますけど―――
ご来場の皆様、ごきげんよう。

これよりお眼にかけますのは、わが劇団最初の演劇―――
のかりそめもかりそめ、ただの練習劇。
過大な期待は抱かず、とはいえ冷笑の声も潜めて、
―――だんまりと生ぬるい眼でお見守りいただければ幸いです。


                       まだ名前のない劇団 団長 源千華留。



100 名前:源千華留@コーラス ◆.0ULULimIo :2007/02/12(月) 22:08:210



さて皆様―――想像の翼を広げてください。
ここはおとぎのくに。
夢を見る夜のかたすみ。
ふんわりと闇に包まれた梢は語り―――
秋虫たちは人ならぬ声でこっそりと秘め事を語り合うのです。

皆様、もっと自らの心のうちにのみ、声を傾けられて。
うつつには今ひと時だけ眼を閉じて―――
うつつと夢をと取り替える魔法を掛けましょう。

ここはおとぎの国。
さむざむしい風の吹く晩秋の、むかしむかしのとある日。
そのおうちには―――意地悪な姉達と、
ひとりのたいそううつくしい娘が住んでいました。
姉達は継母のつれご。
もともとこのおうちの娘であったシンデレラは―――
けれど今ではこのおうちの、たった一人のエトランゼ。

今日も今日とて邪険に扱われながら暮らす、
このどの時代、どの国にもひとりはいそうな不遇の少女は―――
けれども、彼女にしかない、彼女だけの輝きを持っていたのです。

そう―――上着に呑ませた召喚器シルヴァーガンの、鋭い輝きを。



101 名前:キタロー@シンデレラ:2007/02/12(月) 22:17:320




                         退屈だと思っていた。
                     家事や誰かの世話をする毎日が。

                        変わらないと思っていた。
                     だって優しいのは父だけなのだし。


                        ―――だけれど―――



                           ただなんとなく、
                        私は悟っていたんだろう。




               このちっぽけな世界を、いつか私は見下ろすのだろうと。

102 名前:源千華留@コーラス ◆.0ULULimIo :2007/02/12(月) 22:26:170



―――こちらのなんとなくアンニュイな雰囲気を身にまとい
ちょきちょきの表紙をかざっていそうな
もーど系ぷれっぴいなお嬢様が先程お話したこの劇の主役「シンデレラ」です。



彼女は姉や継母の横暴にもめげず、
日々、いい使わされた仕事を黙々とこなし、

>―――退屈だと思っていた。


また姉達が自分に冷たいのは
ひとえに己の力足らずがその原因だと思い、
ほんとうは姉も継母も優しい人間だと思いながら―――


>だって優しいのは父だけなのだし。


こほん。
どんな不条理なことを言われても、
いつかは自分の思いが届き、姉達が心を開いてくれるものと信じて―――

>―――このちっぽけな世界を、いつか私は見下ろすのだろうと。


―――頑張っていたのです。
とってもいい子ですね。本当だといったら本当ですよ。
あ、―――あと「優しいのは父だけなのだし」って、不遇の美少女が言ったら、
なんだかお父様との間に不道徳なその―――ごにょごにょがあるとか想像してしまうのは
たぶん相原さんだけで十分でしょう。

おや、物音が聞こえますよ?
どうやら、意地悪な姉たちが帰ってきたようです。



103 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/02/12(月) 22:31:000


(ステージ暗転―――杏里、袖から登場。スポットライトを浴びる)

杏里
「―――時は近世、リ・ルム王国ミナモト朝時代。
 杏里・アンリエット―――征海公≠フ名で知られるポーラースター公爵
けーこを伯母に持ち、母は彼のミキサー侯<Jナエ・テンキョウイン。彼女
の類い希なる頭脳を活かした結婚政策により、ペルソナ公領の家督継承者と
しての未来を約束されたこのボクは、ポーラースターの血の絆をより強固に、
より大きくするために、今日もまた宮廷に顔を出す。
 目指すは王位の取得、ポーラースター朝の幕開け。
 この国は一体誰のものか? 曾祖父の代、北の大地を征服し、板の最下層に
まで国土を広げ、王国の基盤を絶対のものにしたのは、ボク達ポーラースター
じゃないか。卑劣な裏切りにより王位は簒奪されたものの―――歪な過去は、
未来において修正される運命にある。ポーラースター直系の血を連ねるボク
こそが、真の王者だ。リ・ルムの冠はボクこそが相応しい!」

(杏里、踵を返す。観客席に、携帯電話で通話中であることを示す)

杏里
「―――そういうワケなんだよ。分かってくれたかい?
 つまり、ボクの身はボクだけのものじゃない。
 ポーラースター1億万年の歴史を担っているのさ。
 アルマ……確かにボクはキミを愛している。その想いに偽りはない。
 杏里・アンリエットの魂は、ひたむきにキミだけを求めている。
 だけど、杏里・アンリエットという肉体は、ポーラースターの血に縛られた
人形なんだ。けーこ伯母様の野心に利用される道化なんだ。
 ああ、この世のしがらみが恨めしい。
 いっそ、ボクが自由を謳歌するハイタカであったら! ポーラースターの
血も、王位の継承も忘れて―――キミだけを迎えに行くと言うのに。
 ……どうしよう。いっそ、総てを捨ててキミと逃げ出してしまおうか。
 手に手を取って、リ・ルムもポーラースターも忘れて、キミと二人で世界の
果てまで逃げ続けるんだ。そうすれば偽りとはいえ、婚姻だってできる。
 ボク達は結ばれるんだ。ああ、もし、それすらも許されないと言うのなら、
この毒リンゴを囓って―――え、なに? 事情は分かった? そんなに焦って
ないから、無理をしなくてもいいって?
 分かってくれたんだね、アルマ!
 ボクがキミと結婚できないのは、偏にお家の事情なんだ。
 決してキミを蔑ろにしているわけじゃない。うん、だから―――キミをお姫
様にしてあげるその日まで、ゆっくりと待っていておくれ。
 大丈夫。ボク達はいつでも一緒だ。
 ―――うん、うん。
 それじゃ、またね。愛しているよ」

(杏里、通話を切る)

杏里
「ふぅ……何とか納得してもらえたね」

104 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/02/12(月) 22:31:320

(そこで初めて、キタローの存在に気が付く)

杏里
「あ―――本来なら、ペルソナ公領の家督継承者だったはずなのに、母の失墜
によりその座を失い、庶子扱いとして外に放り出されたところを、せめてもの
慈悲としてかなえさんに雇われた召使いのシンデレラ君じゃないか。
(……ワンブレスは疲れるなぁ)
 ちょうど良いところにいてくれた。
 ねえ、シンデレラ君。ちょっとお願いがあるんだけど」

(近付いて、耳打ちする)

杏里
「(小声で)実は、またポーカーで負けちゃったんだ。今月の仕送り、全部使い
込んじゃってさ。お金、貸してくれない? いま、おけらも良いところなんだ。
 このままだと、今夜のパーティに出席するお金もないからね。頼むよ」


 そう! この義姉こそは諸悪の根源。
 斯くもシンデレラに惨めな想いをさせる張本人だった。
 その悪行は数え始めれば切りがない。ことある事に小遣いをせびり、シンデ
レラの稼ぎを浪費する―――そんなのはまだ序の口だ。
 門限を守らず朝帰り。
 口を開けば「お腹減ったー。朝ご飯作って(15時の発言)」「ただいまー。
夕ご飯まだー?(朝4時の発言)」「お風呂入るから湧かして!(深夜2時)」

 たまに気を利かして作り置きをしてみたら、

「あ、今日はソヨンの家で焼き肉だから、シンデレラ君、先に食べていいよ」

 たった一人の晩ご飯。ああ、なんと無体な仕打ち!

 非業は上記に留まらず、宴会を始めれば三日三晩騒ぎ三昧。
 「うるせえ!」と近所の苦情/常にシンデレラが応対。
 ギャンブルの負け分で積み重なった莫大な借金。
  ユダヤ人の取り立て/常にシンデレラが応対。
 どこかのお嬢様を寝取れば、激怒した兄やら親父殿やらが殴り込み。
  決闘の申し込み/常にシンデレラが応対。

 怠惰な姉は、やがてものぐさの極みを迎える。
「おはよー、食堂までおんぶしてー」「今日、多分お風呂で寝るから、あとで
ベッドまで連れていってね。起こしちゃヤだよ」「このRPGゲーム、難しいから
レベル99まで上げておいて。ストーリーは進めないでね」

 ああ、悪魔め。
 杏里・アンリエット。彼女ほど「悪魔」の呼び名が相応しい女も珍しい。
 陰険で、粘着質で、ヒステリックで、利己的で、金にがめつく、妬み深い
彼女は、シンデレラの何が気に入らないのか、眼に触れるたびにこき使い、
酷薄な態度で接してきた。人を人と思わぬ暴君振りである。
 そして、今日というこの日も―――

105 名前:ニコル・ジラルド@意地悪次女 ◆Gamble/WIA :2007/02/12(月) 22:51:350

(次女:杏里と同じ舞台袖より登場。
 ――――走って。下手すると裾踏みかねない勢いで走って)

 …………と、っとっとと。
 おねーさま! あ・ん・りおねーさま! ってば!
 またいつものよーにあっちこっちにラブコールですか!?

 ったくもう……お忙しいのは大変結構ですけど!
 むしろそのまま引っ張られまくって分身しちまえよって感じですけど!
 けれどそうは行きません。ていうかお忘れですかおねーさま!?
 今夜はお城で舞踏会のある日ですのよ!? そんなゆーちょーに構えてシンデレラいじm……げほっげほ
 ……あーやべ、息あがった。

 こほん。
 とにかく、そんなシンデレラなんかにかまけてないで。てゆーかお金ならわたくしが貸して差し上げますから。

 もちろん利子あるけど。

 じゃなくって、いい加減準備を致しませんと。
 着ていくドレスだって一番のものを選ばなくてはなりませんし。そんなに時間はないのですのよ?
 些末事なんかそれこそシンデレラに任せちゃって、ほら、さっさと――――

106 名前:キタロー@シンデレラ:2007/02/12(月) 23:06:540

 一人でご飯―――気楽でいいよね。
 近所の苦情―――聞き流してれば、それで終わり。
 せびられるお金―――タルタロ……月収数百万のバイトのおかげで余裕。
 決闘―――妙法村……鍛えてますから。
 炊事、洗濯、その他諸々―――ペルソ……とある方法で手抜き。

 や―――退屈だ。退屈、だよね?



 で、なに? 舞踏会のためのドレスの用意、ね。
 はいはい。そんなことだろうと思って用意してあるさ。

「杏里ねーさんはこのドレスね。色が気に入らなかったらあっちから選んで。同じサイズ、
同じデザインで取り揃えてあるから。
 ニコルねーさんは、このエメラルドグリーンのドレスでいいんじゃない? お気に入りだろ?」

 はぁ、メンドクサイ。

107 名前:杏里・アンリエット@意地悪長女 ◆xdIdPRINCE :2007/02/12(月) 23:29:190


 その囁きは、例えるならば野に咲く一輪の薔薇―――の横にあるアントニオ
さんのストラディバリです。杏里の顔に悦びが満ちあふれます。

「ああ、ニコル! たった一人(?)のボクの肉親―――掛け替えのない妹。
 その声、ボクはいま確かに聞き届けた。
 キミが至高天に昇り輝きの歌を口ずさめば、ジュデッカで罪に苦しむボクは、
必ずやキミの歌声を聞き届ける。遠く離れたオルレアンの戦地で剣を振るう
ボクは、キミの祈りの声を確と耳に響かせるだろう。
 キミのその、胸の奥がとくとくとしてきて、数秒後には頬が紅潮するほど、
何というか、最高すぎてたまらない声は、いつでもボクの救いだよ。
 ああ、お願いだ。もっと聞かせておくれ。キミの声を。キミの想いを!」

 長身を誇る杏里の体躯ですら、その想いを抑えることはできなかったの
でしょう。感動/情動を身から迸らせ、愛妹に抱きつきました。

「こんなボクに、キミはお金まで恵んでくれるんだね。
 ああ……なんて優しいんだろう。ボクは良い妹を持った。
 こんな駄目な姉を見捨てず、いつでも付き従ってくれるなんて―――
 約束しようニコル。これからもずっと一緒だ。
 ボクは決してキミを離さない」

 しかし非業かな。妹―――杏里とニコルを密接に繋げる、その絆こそが愛し
合う二人の枷となっているのです。なぜなら、この世でたった一人、妹だけは
決して王子さまのお姫様にはなれないからです。
 そして、お姫様になれない女の子は―――魔女になるしかないのです。

「いや、待って。今日のボクは王子さまじゃないってば。
 今のボクなら、近親婚も同性愛も貴族の嗜み≠フ一言で許される。
 ようこそ、ソドムの街へ!
 天使に会えば天使を誘い、悪魔に会えば悪魔を拐かす。
 貴族は貴族だから、そういうことが許されているんだ。
 良かったね、ニコル。もう誰も、ボクとキミを邪魔するモノはいない。
 ああ、言える。
 今なら言える。
 愛してるよ、ニコル……。
 血の絆よりも濃く、ポーラースターの歴史よりも深く。
 愛しているんだ」

 そうして二人は、いつまでも幸せに暮らしました。

108 名前:ニコル・ジラルド@意地悪次女 ◆Gamble/WIA :2007/02/12(月) 23:48:400

(終わるなーーーーっ!!)

 ……ほ、ほほほほほおねーさま何をお戯れを。
 ていうかそれじゃあ舞踏会に行く理由すらなくなっちまうじゃありませんかこのおバカ!

(つーか九分九厘本気で言ってそうなのがタチが悪いっつー。
 ああそうそう、括弧内は心の声とか説明とかその他諸々でご自由に脳内変換なさってください))

 ほら、とっとと参りましょう。
 千の美辞麗句も万の愛の言葉も聞き飽きましたので。
 えぇえぇそれはもうあた……じゃない、わたくし宛でないのも含めて!
 代わりにわたくしの言葉でしたらいつでも聞かせてあげますから。それはもう嫌ってほど!

 で、えーとドレスは…………え、あ、シンデレラ? エメラルドグリーン?
 ああうん、そうそう、これがお気に入りね。たぶん。


(着た)


 ――――とゆーかマジで似合ってるし。
 シンデレラ、恐ろしい子。むしろパーフェクトだなんとか。

 ほら、行きましょ杏里おねーさま。おかーさまも待ちわびておられますわ。
 たぶん。

 シンデレラ? 置いてっても構わないでしょーよ。
 こんなみすぼらし……い? のかほんとに?
 むしろ完璧超人すぎてこのまんまわたくしたちがいなくなってもやっていけそーな予感ですわよ?
 だからそーゆーわけで、置いていきましょ。
 どっちみち杏里おねーさまの側に置いとくとよけーにわたくしの気苦労が増えそうですし!
 たぶん!

 とゆーことで、あんたお留守番ねシンデレラ。
 カップラーメンでも食べてなさい。あったかどうか知らないけど。

(そういうことになった)

109 名前:キタロー@シンデレラ:2007/02/12(月) 23:55:050

 やれやれ、なんとか行ってくれたみたい、ね。
 ドレスくらい自分で用意すればいいのに。似合うに会わないくらいわかるだろうに。

 というわけで、カップ麺。ちなみに「はがくれ」。

 お湯沸かすのもメンドクサイ、ね。
 お城に行けば豪華な食事もあるんだろうけど―――ま、関係ないか。
 あ、そう言えばお妃を決めるんだっけ?

 どうでもいいか。今のところ関係ないし。

110 名前:杏里・アンリエット@意地悪長女 ◆xdIdPRINCE :2007/02/13(火) 00:02:170


 いやだー! シンデレラが用意したドレスなんてイヤだよ。
 キミがコーデしてくれたドレスじゃないと、ボク、舞踏会に行かないからね。
 ニコルが選んでくれたドレスがいーのー!

 そうだね……一億歩譲っても、ニコルが着せてくれないとイヤだ。
 ニコルがボクに着せてくれるなら―――うん、まぁいいよ。
 どこにでも行ってみせるよ! 

111 名前:源千華留@コーラス ◆.0ULULimIo :2007/02/13(火) 00:03:420



―――かくして舞踏会に行きたくて行きたくてしようがない

>どうでもいいか。今のところ関係ないし。

―――のに、置いてけぼりを食らってしまったシンデレラ。
おおあわれ!
姉達は欲にくらんで愛を忘れ、偏に王子様の寵愛を預かろうと必死

>愛してるよ、ニコル……。血の絆よりも濃く、ポーラースターの歴史よりも深く。

―――なのです。

さて、そんなこんなで、すとんと最初の幕は下ります。
悲しみにくれるシンデレラに救いは現れるのかしら?
かしらかしら? ご存知かしら?


112 名前:源千華留@コーラス ◆.0ULULimIo :2007/02/13(火) 00:04:000



さて皆様―――想像の翼を広げてください。
ここはおとぎのくに。
夢を見る夜のかたすみ。
ふんわりと闇に包まれた梢は語り―――
秋虫たちは人ならぬ声でこっそりと秘め事を語り合うのです。

皆様、もっと自らの心のうちにのみ、声を傾けられて。
うつつには今ひと時だけ眼を閉じて―――
うつつと夢をと取り替える魔法を掛けましょう。

ここはおとぎの国。
ときはたそがれ。しずしずと闇にしずみゆく暗い森のくち。
あおあおとしげる木々は互いに腕を伸ばし、
暮れなずむ夕空をおおいかくして、群青ビロードの夜を一足先に作り出します。

これは、魔女とシンデレラが出会った暮れ時のおはなし―――
かくして『シンデレラ』第二幕、はじまりはじまり。その旋律は夢見るように。



113 名前:相原光一@魔女:2007/02/13(火) 00:18:120

 なぜ、その少女を気にかけたのか。

 魔女は、巨大な力を欲しいままにしていた。
森羅万象は悉く彼女に従い、腕の一振りで万の軍団も灰塵に帰す。
天候も時間も気紛れのまま弄び、戯れに歴史を裏から動かすことも一再ではなかった。

 その究極の魔道を修めた魔女がなぜ、その少女を気にかけたのか。
目か、覇気か、いや違う。そんな些事ではない、もっと根本的な何か。

「何かってのは、何だろうねえ……?」

 人知を超えた彼女にも、理解し得ぬ事が在る。
虐げられ、弄ばれ、いわれなき迫害に耐えながら生きる少女。魔女は言うだろう。

「ごくありふれた、ごまんとある話さね」

 そのごまんとある話に、気紛れにでも目を向けた理由は何か。
人知を超えた彼女にも、理解し得ぬ事が在る。だが。

「愛らしい娘や、シンデレラや。お前にちょっとだけ力を貸そうじゃないか」

 ローブの内から筆を取り出し、望みのものを虚空に描く。
魔女が最も得意とし、また最も苦手とする魔術。描いたものを現出させる秘儀。

「ぱすてるぽっぷる、ぽっぴんぱ!」

 http://w5.oekakibbs.com/bbs/ikkokukan/data/238.jpg

 この世のあらゆる魔術を極めた魔女にも、絵画の才能は備わっていなかった。
しかし見た目こそ酷いかの馬車は、耐久性・安全性・走破性いずれにも優れ、
少女を目的の場まで送り届けるには十分。追いはぎなど現れようものなら、
その突進力をもって不埒者をたちどころに轢き殺すであろう。

「さあお行き、シンデレラや。お前の視線の先に何が在るのか、あたしに見せとくれ」

 馬車馬らしき化物は創造主の声に応え、ひひんと嘶いた。

114 名前:キタロー@シンデレラ:2007/02/13(火) 00:31:180

 一人空しくカップ麺でも食べようかと思っていたのだけれど、お湯を沸かすのが面倒で、
特に理由もなく夜空を眺めてみる。
 時刻はまだ九時を過ぎたばかり。あの緑色の夜は―――まだ、遠い。

 誰も知らない時間。
 誰も知るはずがない時間。

 影の―――時間。


―――いや、お腹すいたな。そろそろ、ご飯でも……なに、あれ?


 へえ―――魔女、ね。
 御伽噺のような星空にぴったりの、魔女。

 力を貸してくれる?

 私には必要ないけれど―――ま、借りてみようじゃないか。

 視線の先には、姉二人が向かったお城。
 このちっぽけな世界とは違う、退屈ばかりの世界とは違う、王宮。

 王子様を誑かすのも悪くない―――なんてね。

「ドレスに替えてくるからちょっと待ってて―――あと、魔女だったらこれくらいして見せて
くれないと、ちょっと、驚けないかな」


             手にした銀細工のような銃を、/それは死の象徴。
                  こめかみに押し当て、/自決を覚悟。
                          引金を、/『死』が。
                            引く。/『死』


「―――――マザーハーロット(ttp://3.csx.jp/namahamu.com/matherharlot.html )

 や、久しぶり。
 もう一人の、私。

「シンプルな魔女もいいけどさ、気を衒うのも悪くないよ」

115 名前:相原光一@魔女:2007/02/13(火) 00:59:200

「『気を衒うのも悪くない』か。言うじゃないかこの娘は」

 少女はしたたかだった。
そして魔女は、少女に――気紛れでなく今度こそ――興味を抱いた。
同性の着替えを覗き見る趣味を持たぬ魔女は、髑髏の魔人を見つめながら、
シンデレラという奸勇を考える。この少女、何者か。

「そのシンプルな魔女に、何かご希望はあるかい?」

 世の人間悉くを惑わす金か、男どもを蕩かす匂いか。
世を離れて久しい魔女が、かくも世俗に目を向けるとは。

「ま、無けりゃ無いでいいけどね。馬車のお礼ってわけじゃないがお前さん、
ちょっとあたしも同席させてくれないかねえ。いやなに迷惑はかけないさ」

 長きに渡って忘れていた感情、好奇心が、魔女の胸で疼いた。
いやそれだけではない。なにかもっと、運命的な存在が待ち受けているような……。

116 名前:キタロー@シンデレラ:2007/02/13(火) 01:11:420

―――望み?

 望むものなんてなかった。
 母親は早くに亡くなってしまったから、お母さんと呼べる人は欲しかったかもしれない。
 だけど、お父さんが居るから、お父さんは居たから、満足だった。
 一人きりじゃない。そう思えるだけで、十分幸せだった。

 でも何時からか、望みはあったのかもしれない。
 日々単調は繰り返しでしかなかったから。

 雑踏に埋もれてしまう自分に。
 灰に塗れて、地を這う自分に。
 姉二人に使われる自分に。
 ただ空を眺める自分に。

 人は鳥には成れなかった。
 きっと空は飛べない。

 灰は舞い上がっても―――地に、落ちる。
 人と違ったところがあっても、結局は同じだ。


 だから望みがあるとすれば―――


「折角だから、空を駆けてお城に行ってみたいかな?」

 なんて、柄にもないことをいってみたくもなるのだ。

 飛ぼうと思えば飛べる。
 そういう『仮面』だって、私の中にはあったのだから。

 でも、自分の力で成し遂げたくはなかった。
 他の誰かに、連れ出して欲しかった、ってこと?

 ま―――そんなとこ。

117 名前:相原光一@魔女:2007/02/13(火) 01:39:410

『空を駆けて』か。少女はいつも夢を見る。
魔女もかつては思っていた。空には自由があると。全てがあると。

「だけどね……」

 空には空の苦しみがあった。無邪気な憧れはすぐに潰え去り、
重力よりも強い”現実”が襲いかかった。夢ははじけて消えた。

「まあ、空を飛ぶのは今度にして、今日はあたしに付きあっとくれよ。
今は地べたを激走したい気分なのさ」

 魔女の目が僅かに、ほんの僅かに曇ったのを見抜くものは、
果たして居ただろうか。記憶と歳月で擦り切れたはずの、少女の頃。

「それに、こうやって追いかけっこでもしたほうが、
道中退屈しないですむってもんじゃないのかい?」

 義姉たちが乗った豪奢な馬車が、その後姿を晒していた。

118 名前:源千華留@コーラス ◆.0ULULimIo :2007/02/13(火) 01:47:180



―――これはどうしたことでしょう!
お気楽極楽の一幕から―――打って変わって、
なにやら重いやり取りが交わされた第二幕でした。
「魔女」―――。
「望み」―――。
「空を飛ぶこと」―――。
「追いかけっこ」―――。

いったいなにの比喩なのでしょう。
難しいことは良くわかりませんでしたけど、
個人的にはお気に入りの二幕でした。
あ―――なんだか魔女さんの伝奇小説みたいな文体と、
シンデレラさんのモダンな文体って、相性がいいと勝手に思っています。
いっそ、結婚しちゃえばいいんです。

さて、かくして二幕は閉じます。
これからいかなる展開が待ち受けているのか?
魔女いうところの「運命の出会い」とは?
それと三幕がカーチェイスって本当?
あまたの謎を残しつつ、今日はこれでおしまいなのです。

119 名前:源千華留@コーラス ◆.0ULULimIo :2007/03/14(水) 22:17:18



 舞踏会。
 それは乙女の夢。
 舞踏会。
 それはうつくしき催し。
 舞踏会。
 ―――それは、陰謀のお庭。

 むかしむかしのその昔から、
 お城とは艶笑譚と陰謀劇のミルフィーユ。
 グラスにカンタレラ、寝台に毒婦、
 臣下に刺客、夜の間に間に囁かれる企てごとの声―――
 そんな場所。
 今日のここも、そんな場所のひとつ。
 はなやかなりし宮廷祭事(パジェント)の裏で―――
 王子は声をひそめ、かくのごとく語り。



120 名前:源千華留@王子 ◆.0ULULimIo :2007/03/14(水) 22:17:51



「良いんですか? 千華留さまっ。ミアトル公国との縁談を蹴っちゃって―――」

 華やかな舞台の裏で従士は囁く。
 対するのはこの城の主―――今日の舞踏会の主催者―――。
 すなわち、この国の王子である。

「うふふっ。あそこの国は、お母様が政権を握っていますし―――」

 王子はそういうと、ふと瞳を伏せた。
 そうして、その瞳にほんのひとすじ―――するどい光が過ぎり―――。

「―――色惚けしたくぐつの皇太子と、鬼の居ぬ間に政治を脅かす毒婦」
「まあ千華留さまっ、そんなことを、たとえ陰口でも!」
「ええ、うーん。今のは言い過ぎでしたわね」

 千華留の母――― 千妃絽(ちひろ)は、隣国ミアトルの女王である。
 千妃絽は千華留に対し、たびたび不遜な外交を行っている。
 否、外交とは名ばかり。
 千華留を侮辱するために用意されたかのごとき、使節団の軽薄な態度―――。

「あの人はですね」

 千華留は差し向かう従士―――絆奈に向かって、静かに口を開く。
 その口調は誰かに話しかけているというよりも―――ひとりごちているようで。

「私をなめているんです。自分の子供だからって―――ですから、ええ。
 これって、認識を改めていただかないといけないでしょう? うふふっ」
「千華留さま―――なんだか、絆奈はこわいです」
「大丈夫、大丈夫よ。絆奈ちゃんは一つも怖い目には逢いませんから。
 どっちにしても―――そろそろ、主催者が来ないと、パーティーも盛り上がりませんし。
 ちょっと、表にお邪魔してきます」

 かくして従士を残し―――王子は舞踏会のただなかへと歩み出る。
 その表情には先ほどまでのかげりなど、みじんもなくて―――。



121 名前:杏里・アンリエット@意地悪長女 ◆xdIdPRINCE :2007/03/14(水) 22:40:51


 豪奢、荘厳。ミナモト王家の権勢ここにあり―――と呼べるパーティでは
決して無かった。品格はあれども緊張はない。
 招待客はみな、思い思いに談笑を愉しんでいる。

「んー、まぁリ・ルムならこんなものか」

 とは口が裂けても言わない。むしろ格式や伝統に拘らず、「価値あり」と
認めたならばあらゆる文化を受け入れる王子の寛容な精神を杏里は評価した。
 テーブルに並び立てられた料理の品目からもそれは窺える。

 まぁでも、今晩はそんなことどうでもいいんだ。
 杏里の目的は一つだった。

「―――見付けた」
 少女は戸惑う。
「そんな恰好をしたって無駄さ。さてはボクを騙そうとしたね? ボクを試
したって無駄だよ。ボクには分かる。ボクには聞こえるんだ。そんな庶子の
衣服に身を包み、身分を隠したどころで―――キミの気品までは隠しようが
ない。キミが千華留王子だ。さ……こっちへお出で、キミに兆(シーニュ)
を授けに来たよ。ボクが、キミを勝利に導く乙女だ……」

 ブルネットの髪に、クレイジーブルーの瞳が愛らしい給仕の少女を王子と
見定めて、杏里は解放作戦を実施した。

122 名前:ニコル・ジラルド@意地悪次女 ◆Gamble/WIA :2007/03/14(水) 22:54:44

  ま ー た 始 ま っ た 。

 って、いけないいけないいけないわ。
 確かにあれは杏……おねーさまのいつもの癖ですけど、そもそも今夜は王子様とお近づきになるという
大事な大事な目的があるんですもの。
 ですからこれは心の声。
 ええもうぶっちゃけ口動かして喋ってるけど心の声。
 ましてやこんな舞踏会で杏里にツッコミ入れたらさぞかし楽しいだろうねえいやはや、と思ったりするけど
やっぱり心の声なんだってばそういうことで。

 まあ、つまり。
 わたくしはあくまでおねーさまの妹であれば、おねーさまのために振る舞うことこそわたくしの役目。
ですのでここはこう言わなくてはなりません……ねえ、杏里おねーさま。
 とっても大事なお話があるんですの。


  王 子 様 は  あ  っ  ち  で す わ 。


(――――結局ツッコミ役なのであった)

123 名前:源千華留@王子 ◆.0ULULimIo :2007/03/14(水) 22:59:07



>杏里・長女エッタ

うふふー、違いますよジャンヌ・ダルクさん。
本物の千華留はこっち。そちらの女の子は書記筆頭のアヤメちゃんです。
当て損なっちゃいましたけど、
千華留はやさしいので火刑にはしません。
なんでって―――ランカスター軍が迫っているわけじゃありませんし。

(そのあたりに置いてあったヴェネチアングラスをすっと取って)

こくりこくり。
ああ、オルレアンの屈辱の味が、いたしません。


>ニコル・次女ルド

はい、ごきげんよう。
あなたは私のこと、すぱっと一発で当ててくださいましたね。

(なでなで)

ありがとう、なんだか、嬉しいです。

そちらの―――ジャンヌ・ダルクさんの妹さんかしら。
とてもよく顔が似て―――いませんわねえ。
雰囲気が似ているのかしら。
うーん、巧くいえませんけど、たとえるなら
「同じ原画家が描いたキャラクター」みたいですわよ、あなたがたお二人。

ところで、良ければあちらで踊りませんか?
「王子はこのパーティーで花嫁とするものを決める」っていう噂、
あれ本当ですのよ、うふふ(ひそひそ


124 名前:キタロー@シンデレラ:2007/03/14(水) 23:00:59

――や、来ちゃった。本当に、来ちゃった。

 そう言えば今夜はタルタロス、だったような。
 十二時までか――なんとかなる、と思いたいんだけど。

「おいで――アリス」

 チャリン――と鎖の触れ合う音が、頭の中に。
 打ち抜いたこめかみに傷なんてある筈がなくて。

「さあ、行こうか――従者だから、今は大人しくしてるんだよ」

 まだ私たちの夜には早いのだから、ね?


 閉ざされていた扉は開かれていて。
 華やいだ会場には人々の『エガオ』。
 皆が皆、顔に張り付いた『エガオ』。

 現実の時間なのに、ね。
 虚構の時間なのか、な?

125 名前:杏里・アンリエット@意地悪長女 ◆xdIdPRINCE :2007/03/14(水) 23:13:00


>>122
 え―――ニコル、何を言ってるんだい。
 ボクの眼に狂いはないよ。
 だって年下でこんなにちっちゃくて……彼女が王子でないのなら、いったい
誰が―――あっち? ああ……あっち?

 ……キミってば本当にエキストラ?

 そうだったのかい! これはどうしたことだろう。
 ボクの聖マーガレットの囁きが偽りを含んでいたとでも言うのかい。
 そんな馬鹿な。あり得ないよ。彼女が嘘を吐くなんて……そうか。
 キミがシンデレラなんだ!
 だとしたらマルグリットの声にも説得力が生まれてくる。
 ちょっとADさん! ガラスの靴持ってきて!
 彼女に履かせてみるから―――あ、駄目?


>>123
 じゃあ、気を取り直して―――と。
 ああ、キミが千華留王子だったんだね。
 なんてことだろう。これはボクの失態だ。
 今宵の夜会は王子と見紛うほどに、かわいらしい……もとい、凛々しい子猫
ちゃんが揃っていてね。どれが本物の王子か(あるいは全員本物か)ボクには
とても見分けることができなかったんだ。
 まったく、恥ずかしいよ。

 でも、こうして互いの時を感じ合う距離まで近付いてみると分かる。
 間違いない、キミが源千華留だ。
 ボクの花嫁になるべき……
 じゃなくて、ボクが花嫁になるべき子猫ちゃんだ。 

126 名前:ニコル・ジラルド@意地悪次女 ◆Gamble/WIA :2007/03/14(水) 23:21:39

>>123 王子様

(なでられちまうし。うう)

 ああ、いえ、その、王子様ご機嫌麗しゅう。
 ふつつかって言うかおバカな姉でほんと恐縮ですわおほほほほ……
 顔はまあ、ええ、似てたら困る似てないというかミスマッチな姉妹だと良く言われますの。
いえいえ、そんな原画家が同じだなんてンな身も蓋もない…………

 え、踊り、ですか?
 いえそんな、わたくしが踊っちゃあ意味がな――じゃなくって。
 ええと……どうか、先に姉と踊っては貰えませんか?
 妹は姉を立てるものですし、そうでなくても……


>>125 杏里おねーさま

 いやだから誰彼構わず口説くなっつー。王子様でしょうが王子様!
 ……ああ、よし、本物には本物でその気になったか。
 つーかどう見てもあたしには素でやってるようにしか見えない…………

 ほらおねーさま、お先にどうぞ。
 せっかく王子様がこう言ってくださってるんですから。 浮 気 し な い で 。

127 名前:源千華留@王子 ◆.0ULULimIo :2007/03/14(水) 23:24:37



>>杏里・長女エット

まあ、意地悪な長女が王子さまを口説きにかかるなんて、
なんというか、すごく先行したフェミニズムですわね。
それは構いませんわよ。
だって、私はどちらかといえば自由な姫方が好みですし。

美しい仔猫ちゃんばかり。
それは貴女もいっしょでしょう? 名も知らないジャンヌ・ダルクさん。
ここはヴェッキオ橋で、私はロレンツォ=イル・マニーフィコなんです。
ああ―――。
今日のこの場所は、たくさんのうつくしいもので溢れていますね。
うふふふっ。これが自由かしら。


>>ニコル・次女ルド

あら、私はたしかにお二人のあいだに、その、なんというか、
同じ魂のようなものを感じ取ったのですけどね。
あるいは、心のつながりと言い換えてもいいかもしれません。
でも、ご本人が否定しておられますし、私の目が曇ったのかしら。

―――まあ、謙虚な方。
わかりました、まずはあちらのお姉さんとご一緒させていただきますね。
それでは、参りましょうかジャンヌ・ダルクさん。
ランスの大聖堂はどちらに―――あっ!


(………あの方、ドレスの胸元から除くあの輝きは、
 まさか、幻の―――召喚っ、)


ええと―――ごめんなさい、ジャンヌ・ダルクさんと、その妹さん。
先約がありましたの。ご好意を無駄にしてしまって、ごめんなさいね。


>きたろーさん

はい、ごきげんよう。
貴女を待っていたの。
貴女のような方が通るのを、ずっと待っていたの。
踊りましょう。

ところで、その胸元の銃―――とても素敵ですわね。
雪のような白銀のかがやき。
ひとごろしの道具とは思えない、無垢なかがやき―――。

よければ、少し見せていただきたいと、そう思うのですけど。



128 名前:キタロー@シンデレラ:2007/03/14(水) 23:28:43

>ちかるん

 ん――あ、ごきげんよう。王子様。
 私を待つ、ね。
 なにが目的なんだか――私よりもコレ、かな?

 まあ――いいよ。見たいだけ見ればいい。
 使ってみたかったら使えばいい。

 でもね――それは自分を映す鏡なんだ。
 むやみやたらに覗くと――瑕が出来るよ。

129 名前:ニコル・ジラルド@意地悪次女 ◆Gamble/WIA :2007/03/14(水) 23:32:39

>>127-128あたり

 え、えぇ――――――
 速攻振った? なんだそりゃ。

 ……杏里おねーさまの様子は、と。
 横目でちらり。

130 名前:源千華留@王子 ◆.0ULULimIo :2007/03/14(水) 23:33:44



>>きたろーさん

―――いえいえ。
例えば、すごく趣味の良い指輪をしておられるご婦人がいらっしゃれば、
その指輪そのものより、ご婦人の趣味のよさのほうに興味が向くでしょう?
私が感じたのは、そういった類のこと。
こんな銃を仕舞っている貴女は、趣味がいいなあ、って―――。

ええ、なるほど。
変わった銃ですからね。変わったところもあるのでしょう。
そんな変わった銃は、私は使いこなせそうにもありませんし―――。
どうやって使うのかしら、ごくありふれた銃と同じように、
ありふれた仕方で引き金を引くだけ?
ほんのちょっと、気になります。

………と、せっかく王子様と出会えたのに、こんな剣呑なおはなしばかり。
夢を壊しちゃいますね。
一曲、踊りましょうよー。

(楽団、メヌエットを流して。チカルはきたろーの手を取る)





131 名前:杏里・アンリエット@意地悪長女 ◆xdIdPRINCE :2007/03/14(水) 23:37:26


>>127
 せ、先約だって?! 馬鹿を言わないでおくれよ。
 ボクとキミはこの大地が創造された時から、主によって祝福を受けていた。
 ボク達二人より以前に歴史はないんだ。
 ボクに先んじて優先される事象なんて、主は用意してない。
 だから、千華留はボクと―――って、聞いてすらいないや!

 なんだいなんだい。先約ってどういうことさ。
 運命を否定する、虚無より生まれし者は誰なんだい。


>>128
 っ?!
 な、アレは。
 アレは―――


>>126
 ―――誰だっけ、ニコル。
 どこかで見覚えがあるんだけどなぁ。
 誰だっけなー。
 でもどっちにしろ、あんまり可愛くないよねぇ?
 千華留、ああ言うのが趣味なのかな。
 ボクなら断然、ニコルを選ぶけどね……。

 おっと! これは姉馬鹿だったかな。
 HAHAHAHAHA!!!


 ―――はぁ。

132 名前:キタロー@シンデレラ:2007/03/14(水) 23:39:15

>>ちかるん

 さて、どうだか。
――くすくす、冗談だよ。王子様。

 で、使い方、ね。
 有り触れてるよ。向けるのは自分だけど。
 頭に穴を開けて、自分の心を引き摺り出す、ってところかな。
 まあ、気分のいいものじゃないのは確かかな。(疲れるし。)


 こんな庶民と踊ってくれるなら――お相手をお願いします、なんてね。

(さもめんどくさそうにちかるの手を取るヒロイン)

133 名前:源千華留@王子 ◆.0ULULimIo :2007/03/14(水) 23:43:04



ワルツで踊れる!
月とマリア様だけが見ていた。終。
―――では、なくて。

(※くるくる回る。ダンスの描写があれなのは作監責任です)

頭に穴を………って、ドリルでもつかうんでしょうか?
それで、銃でそれを引っ掛けて出して・・・あれ?
それ、しんじゃいません?
たしかに気分はすごく悪そうですよね。
というか、頭痛がものすごくひどそうな感じで―――。

あっ、もうそろそろ十二時になりますわね。
日付は変わりますけど、当然こちらに残られるでしょう?
だって、まだまだ、こんなのでは踊り足りませんし。



134 名前:ニコル・ジラルド@意地悪次女 ◆Gamble/WIA :2007/03/14(水) 23:48:48

>>131 杏里

 いやどー見てもめっちゃ強がってますわよおねーさま。
 いやHAHAHAHAHAじゃなくて。
 あんた、背中が煤けてますわ。

 にしても……うーむ、いささか不自然ですわね、と。
 あまりにあまりな展開。秘密はあの「先約」とやらにありそうですけど……

 ちらちら。
 ちらちら。
 事件の匂い。
 ならば……


 ……まー。
 とりあえず踊りましょうかおねーさま。あぶれ者同士。
 あの王子様は、さしあたってほっときましょ。縁がなかったってことで。
 どうせもう、舞踏会も終盤のようですし……来たばっかりのような気もするけど。

135 名前:キタロー@シンデレラ:2007/03/14(水) 23:49:38


 え――そんな、もう十二時?
 アリス、本当? え、本当なんだ。


――残念だけど王子様、少し私用で外さなくちゃならないみたいだ。
 きっと戻ってくる――なんて云えないだろうけど、一旦お別れ。
 それじゃあ、またね。


 ああ、そうそう。
 気分は悪いんじゃないかな?
 私は、感じないけど。

136 名前:源千華留@王子 ◆.0ULULimIo :2007/03/14(水) 23:53:27



>>きたろーさん

ああ、なるほど――― 一旦、ですわね。
それなら私は、しばらくそのあたりで何か食べています。
こんなに豪勢なものを作らせておいて、
私は踊ってばかりじゃ、
なんだかこの国の王子さまは遊んでばかり、
そんな印象をあたえてしまいそうですし―――。

別にそれで構わないのですけどね。
この国に格式なんていりません。
愛を、自由をー! ですわ。

ですから、貴女もきにしなくっていいですわよー。
どうぞ、十分でも二十分でも。
用事が済むまで、いってらっしゃいませ。



137 名前:杏里・アンリエット@意地悪長女 ◆xdIdPRINCE :2007/03/14(水) 23:55:45


 ……ちょっと給仕さん!
 お上品にワイングラスなんて持ってこないでおくれよ。
 ジョッキでちょうだい、ジョッキで!
 アイスをたっぷりと入れてね。
 6つだよ! ボクもニコルも白で。

>>134
 何だろう……ニコル、やっぱりボクは間違っていたのかな。
 悪戯に王位なんて目指すものじゃなかったのかな。
 ポーラースター侯爵の身に甘んじていれば良かったのかな……。

 ボクは愚かだ。いつだって過ちを犯す。
 そう言うとき、そっと道を正してくれるのは―――いつだってキミだったね。
 ボクは気付くべきだったんだ。
 本当に大切な子猫ちゃんは自分の側にいるって。
 ニコル……ボクはもう迷わない。
 飲もう踊ろう、ニコル!
 キミと一緒だ。いつまでも……そう、いつまでも!

138 名前:キタロー@シンデレラ:2007/03/15(木) 00:00:34

>>ちかるん

 それじゃあ、一旦お別れだ。
 行くよ、アリス。

――私の中へ帰っておいで。

 じゃあね、王子様。

139 名前:ニコル・ジラルド@意地悪次女 ◆Gamble/WIA :2007/03/15(木) 00:03:15

>>137 杏里おねーさま

 いやだからそれじゃ終わっちまうでしょうがってばおねーさま!
 また次の機会がありますわ。王子様だって他にも。
 そうでなくったっておねーさまはほっとくとあっちこっちにちょっかいだしてげふんげふん。

 それでも、嫌なことは楽しいことで押し流すのがベターな選択。
 踊りましょう、そして時が過ぎたら帰りましょう。
 明日は明日の風が吹きますわ、おねーさま。


 あとジョッキはねーと思いますので。
 てかそれは帰ってから。
 こんなとこでがぶ飲みする勇気はあた、じゃないわたくしにはありませんですことよ。

140 名前:杏里・アンリエット@意地悪長女 ◆xdIdPRINCE :2007/03/15(木) 00:13:15


>>138
 ん―――あれ? 帰っちゃった……みたいだね。
 つまり「先約」のお話はもうお終い。
 今度こそボクの出番ってわけだ。
 ああ、ようやく……ようやくボクにも―――


>>139
 ……そうだね、ニコル。
 ボクはもう迷わないと決めたんだ。
 キミと踊るよ。

 ていうか、なんだろう。
 その「それは帰ってから」って提案がとても素敵に聞こえたんだ。
 ボクに必要なのはなんだろう。
 希望? 期待? ―――そんなのは裏切られる一方だ。
 ボクはそれよりも慰めが欲しい。誤魔化しが欲しい。
 世界の全てから逃避したい。
 だから帰ろう、ニコル。そろそろソヨンの時間だ。
 帰って、キミと二人っきりで踊るんだ……。


【退場】

141 名前:源千華留@王子 ◆.0ULULimIo :2007/03/15(木) 00:16:04




 ―――そうして。



「これは………!」

 千華留王子は常の平静さを失っていた。
 王子は白銀の銃を握っている。先ほどの少女の落し物と見える。
 つまり王子の動揺の種は、この優美なる拳銃らしく―――。

「やっぱり、やっぱりそうなのね、間違いないわ」
「何が―――間違いないんですか? 千華留さま」

 振り向けば、臣下の一人―――巻髪にめがねの少年が立っている。
 いつものことながら国王は戦慄した。
 《空気のレモン》―――出自は調べたつもりだが、暗殺の修練でも受けているのか。
 この少年には、まるで気配というものがない。

「―――って、へんな設定つけないでくださいっ! 私は何なんですか!
ステルスか何かですか! いくら存在感がなくても、こんな変態超人みたいな扱いにしなくても!」
「それより」
「千華留さま、それよりって………」
「それより、これよ!」

 千華留は拾った銃を、レモンに見せた。
 白銀の銃である。なるほど変わった型だ。
 しかし、たかが銃一丁に、この冷静なる策謀家が取り乱すほどの理由があるとは思われない。

「はあ………この銃、どうかしたんですか」
「これは、伝説のシルヴァーガンなのよ」
「で、伝説っ!?」
「そう。伝説のコンビニとかと同レベルの概念なんですよー。うふふ」
「千華留さま、そんな古代伝承と同レベルなんですか!」
「ええ………この銃はわが国の伝承にも語り継がれているわ。曰く―――」



142 名前:源千華留@王子 ◆.0ULULimIo :2007/03/15(木) 00:16:30



うぶめの事―――。

又問ひていはく、「夜に語り伝ふる、うぶめと申す物こそ心得候はね。
其の物がたりに云へるは、産の上にて身まかりたりし女、其の執心、
此のものとなれり。
其のかたち、腰より下は血にそみて、其の声、
「をばれう、をばれう」
と鳴くと申しならはせり。人死して後、他の物に変じて来たる道理候はば、
地獄の事も、疑はしく存ぜられ候。如何にや候やらん」と云へば、

先生のいへらく、「迚の事に語り侍らん。まずうぶめと申すは、もろこしにも姑獲鳥、
又は夜行遊女など云へり。『玄中記』には、此の鳥、鬼神の類なり。毛を着て飛鳥となり、
毛をぬぎて女人となれり。是れ産婦の死して後なる所なり。此の故にふたつの乳あり。
好みて人の子をとりて、己が子となせり。凡そ小児の衣類など、夜は外におくべからず。
此の鳥来て血を付てしるしとしぬれば、其の子驚癇をやめり。荊州に多く有りといへり。―――。



143 名前:源千華留@王子 ◆.0ULULimIo :2007/03/15(木) 00:17:02



「………というわけなんです、レモンちゃん」

「いえ、《というわけ》じゃありませんよ! 千華留さま、思いっきり別のものの説明してたでしょう!?
 なんですかおばれうおばれうって! そういう銃声ですか! 怖すぎますわよ!」

「とにかく、この銃があれば―――」

 千華留の目に、冷たい熱が宿る。
 煮詰めた油のような―――復讐の炎だ。

「お母様を、倒せるかもしれない」

(いや、いきなりシリアスになられても―――)

 内心そうツッコむのが、レモンには精一杯だった。


                      【王子 退場】



144 名前:相原光一@魔女:2007/03/15(木) 00:20:45


 王子。美しき王子よ。不遇の王子よ。

 魔女は、その王子が好きだった。
境遇ゆえ、才幹を発揮できずにもがく王子。
冷徹さもあり、その奥に激情もある。足りないのは、それを発揮するお膳立て。
従士との愛という、よすがと呼ぶにはあまりに細い糸をよすがに、残酷な運命と戦う王子。

「あんたは本当に美しいよ」

 己よりもはるかに下劣な相手に見下されなければならない王子。
世の不条理を美しく形作ったような彼を、魔女は愛していた。

「願わくば、あんたにもっと辛苦が降りかからんことを」

 束の間の夢、かりそめの希望。それがあればこそ、王子はもっと美しくなる。
ならば与えよう。そしてそれが破れた後、真なる絶望の果てに。

「あたしという、本当の力にすがっておくれ」

 好きな相手に「好き」と告げる事すらできぬ哀れな女。
傷つくことを怖がり、15の娘よりも恋に臆病な女。

「あたしを見てくれさえすれば、あんたの望むものが全部手に入るんだよ」

 天より下に恐るるもの無しといわれた魔女は、そういう女だった。
 

145 名前:???@コーラス ◆.0ULULimIo :2007/03/15(木) 00:23:36



―――拝啓、王子様。
最終章です!
この長かった演劇練習会も、ついに最終章です!

いろんなことがありました。
たくさんの人が血を流しました。
それでも、そのはてに築き上げた今日という日は………あれ?
時間が押しているからあんまりしゃべっちゃいけない?
え、ええっ、ううっ、そんなっ、
と、とにかく―――三章はおしまい、みたいです。
あと、『京四郎と永遠の空』みてくださいっ!

146 名前:源千華留@コーラス ◆.0ULULimIo :2007/03/15(木) 00:25:18






  ―――ル・リムの王子チカルは、謎の少女キタローから特殊な銃を手に入れた。
  シルヴァーガン。ペルソナを召喚できる、胡散臭い銃。

  チカルは、このシルヴァーガンを武器に、隣国ミアトルへの侵略戦争を
  決意する。――これまでの無礼の報復をし、真に自由なる統治をこの国が
  獲得するために。

  その先に待つのが母、チヒロ女王だと知りながら。

  少なくとも、それが当時のチカルの願いであった――。


   コードルリム
       反逆のチカルルーシュ


シンデレラ

           ――最終章――



        _
.     , '´ ´ `ヽ
    i ノ八ルレ))
.     }Yi(l゚ -゚ノi( <ロージンカイ メードカフェデ
    (イと)芙iつ))
      ノ###>
      `UU



147 名前:キタロー@シンデレラ:2007/03/15(木) 00:29:08

 時間は十二時を回って緑の夜に。
 十二時を回れば――影の夜。

 魑魅魍魎が跋扈――してはいないけど。
 居ないはずなんだけど――。

「こんな時に『イレギュラー』なんて――ついてないな」

 武器は胸に仕舞う銀の銃。
 邪を祓うは銀、って言うのは決まり文句だよね。

「――タナトス」

 森羅万象の摂理を捻じ曲げて現れる『死』のカタチ。

 おはよう――もう一人の、私。

 その時の私は、想像もしなかった。
 まさかたかが『イレギュラー』ごときに反撃を受ける事も。
 召喚器をそのせいで失ってしまう事も。

『死』が振りまいた惨事も。

――判っていた事なのに。




 と、まあ、悔やんでも遅いんだけどね。
 予備は桐上が用意してくれたし――ロストテクノロジーじゃなかったっけ?
 材料さえあれば作れる? へえ。

 どうでもいいけどさ。

 ああ――眠い。
 えーっと、お昼までに二人の朝食兼昼食と、掃除に洗濯、か。
 面倒だなあ、まったく。
 傷も痛むし。

148 名前:源千華留@コーラス ◆.0ULULimIo :2007/03/15(木) 00:35:06



「ごきげんよう。また逢いましたね」

 ―――シンデレラのささやかな日常の一幕は、不意の闖入者によって
寸断された。否、《彼》は闖入者と断じるには、いささか華美すぎる外見と、
品の良い雰囲気を見にまとっていたが。

 先の舞踏会でシンデレラのダンスの相手を務めた―――。
 千華留王子その人である。

「こちら―――貴女の落し物でしょう?」

 王子は勝手に扉を開けるや、相手の迎えも待たずに上がり框を踏む。
 そうして、いつもどおりの柔和な笑みを相手に向け―――。

「宮殿の中―――ちょうど、私たちがいたところに落ちていたんです。
でも、不自然ですよね? 目の前で落としたのに私が気づかないなんて。
まるで、そう。貴女と分かれた後でほんのわずか、時が止まって、
その間に貴女が銃を取り落としてしまったみたいに」

 まあ、あまり追求する気もないんですよ―――そう続けて。

「肝心なのは使いかたです。あの日は貴女に興味があったけれど、
いくつかの事情で、この銃もとてもとても欲しくなったの。そう、ちょっとだけ、
今の私は力が欲しいんです。浅ましいなんて思わないでくださいね」

 一息、

「―――どう使うんですか? 教えてくれれば王女の位を与えましょう」



149 名前:キタロー@シンデレラ:2007/03/15(木) 00:41:40

「流石に偶然――なんて片付けられないね」

 瞳に燃える炎は暗く。
 慣れ親しんだ「カタチ」を運んで。

「中々聡いけど――いや、聡いからこそ、あんたには使えないよ、王子様」

 そう、きっと彼には使えない。
 私に関わった事で可能性は生まれたとしても。

「まあ――使い方なんて、簡単なんだけど、ね」

 新しく用意されたものではなく、慣れ親しんだ銃を取って。
 こめかみに銃口を。

 意味するものは――『死』。

「こうして、引金を、引く」

 真っ赤な舌を少しだけ出しながら「バン」と呟く。

「で、これだけでいいの? 王女の地位って、安いね」

 お飾りでいいなら余計だよ、まったく。
 馬鹿にされてるのかな、これ。

150 名前:杏里・アンリエット@寝惚けまなこの意地悪長女 ◆xdIdPRINCE :2007/03/15(木) 00:48:31

 昨晩は飲み過ぎだし踊りすぎた。

「ん、う……」

 喧騒は階下から。覚醒は意識の深淵から。
 半分とろけた意識を駆り立てて、ボクは窓を見つめる。
 閉ざされた雨戸から陽が漏れていた。
 なんだ。まだ朝じゃないか。
 ならば無視を決め込むばかりだ、とシーツにくるまった。
 ベッドはとっても暖かくて、まるで母に抱かれているようで。
 ボクは孵化する気になんてとてもなれなかった。
 孵る必要なんてないんだ。ボクの幸せはここにある。
 羽ばたく必要なんてないんだ。
 腐り墜ちる果実の甘味は人を歓喜へと導くから。

 だけど、無視を決め込んだからと言って雲雀の啼き声がやむわけじゃない。
 床を通して響いてくる人のざわめきがボクの腐乱を疎外する。
 もー、仕方ないなー。

「ニコルー、ちょっと見てきてー」

 ……。
 返事はない。どうにもお疲れみたいだ。
 いくら声をかけても起きる気配すらしなかった。
 叩き起こしてあげようか。そんな悪戯心は、寝息をたてる度に隆起する胸を
眺めていたら、忽ち消え失せた。天使の安眠を疎外するなんて考えられない。

「シンデレラー。決闘の申し込みなら、適当に相手してあげておいてよー」

151 名前:相原光一@魔女:2007/03/15(木) 01:05:29


「ヒヒヒ……」

 冷たい道具にすがる王子。違う、違うんだよ。
あんたがすがるべきなのは、そんなオモチャじゃない。
ましてそんな小娘じゃない。
わかるかい? いや、わかっておくれ。
あたしだけが、あんたを幸せにできるんだ。だから……。

 だから魔女はここへ来た。かりそめの希望を砕くため。
そして真なる希望がなにかを、王子に教えるため。

 ゆっくりと姿を現した魔女は、まさしく“魔女”だった。
すっぽりと体を覆う黒い外套、手にするのは杖。そして意地悪そうな眼。
違う点があるとすれば、あまりに未熟な心の内か。
いつのまに掠め取ったのか、その手は既にもうひとつの銃をもてあそんでいる。

「さてシンデレラや、ご苦労だったね。
あたしたちの新居に来てくれたら、お礼にお茶くらいはご馳走するよ」

 外套の裾を翻して王子をかき抱く。
華奢な体が伝えるぬくもりに、黒い胸の内は高鳴った。

「実のところ、今シンデレラが持ってるのはちょいと細工がしてあってね。
決められた言葉を唱えないと、効き目が出ないってわけさ。
さあ王子さま、あたしとおいで。あんたが望む金も力も、あたしが全部あげようじゃないか。
だから、だから……」

 だから、自分を愛してほしい。
それを素直に口にできるほど、魔女は大人ではなかった。

152 名前:源千華留@コーラス ◆.0ULULimIo :2007/03/15(木) 01:17:19



>>きたろーさん

「拳銃を―――頭に? ………ええと」

 シンデレラの答えが齎したもの―――。
 逡巡と疑惑。

「そんなわけ、ないですよー。だって拳銃で自分の頭を撃ったら死んじゃうでしょう?
冗談ばかり言っても、何にもなりませんし―――だいたい、自分の頭を撃って
どうするんですか? 敵はかすり傷一つ、ないじゃないですか」

 軽口めいた答えを返しつつも、王子は考える。
 なぜ、なぜ―――この娘は、こんな場面で嘘を吐いているのだ。
 いずれにせよ、後で持ち主であるこの娘に実証してもらえば住むことだ。
 まさか。
 本当―――なのか―――?

「こめかみに」

 まっくろな銃口。
 白銀の銃が飲んだ、薄暗い虚無―――。

「銃口を」

 きっと、そこから吐き出される銃弾は、人の命のともし火を―――。
 この世でもっとも容易いことのように。
 吹き消すだろう。

「―――そんな、ムチャですよ」


>>魔女


「………えっ?」

 そんな、逡巡と疑惑の渦巻く部屋の最中に―――。
 まさしく手品のように。
 《彼女》は唐突に現れた。

「魔女―――ですって? ………っ!」

 魚を獲るかわせみの如くに、手馴れた仕草ですばやく千華留を抱き上げる魔女。
 なんだ―――この現状は? この女は何者だ? 何が望みだ―――。
 そう思いつつも、一先ずの反論はする。

「………貴女の主張はわかりました。でも、貴女にその力があるという保障は?
 貴女が魔女だというのなら―――私がなぜ力を欲しがっているか位は判る筈です!
 当ててみなさい!」



153 名前:ニコル・ジラルド@意地悪次女 ◆Gamble/WIA :2007/03/15(木) 01:36:36

 明日は明日の風が吹く。
 しかしここは我が家の寝室。絶対不可侵の聖なる砦。
 結局わたくしとおねーさまは一夜を明かしたわけで……いいのかこんな姉妹。
 ……ああ、つーかあたしも押しに弱いよなあ…………

 そんなことをまどろみの中でぼんやり思ってたら……何やら階下が少し騒がしい。
「決闘の申し込みなら、適当に相手してあげておいてよー」とか何とか杏里おねーさまが言っている(>>150)。
ということは、確かに誰か来ているようだ。
なんだろう……

これは

シンデレラと

つい最近……聞いた声音?
…………王子、様?


 ――――がば、と跳ね起きる。


「お姉様」

 妹は姉を立てるもの。

「王子様が、いらっしゃってるようですわ」

 奔放な姉を支えるのは妹の役目。

「シンデレラと、話しているようです……それと、何やら他にも来客が」

 故に。

「……様子を見に、行きませんか?」

 あたし、、、は、姉を促した。

154 名前:キタロー@シンデレラ:2007/03/15(木) 01:40:20

「無茶でもね、本当なんだよ」

 囚われの王子様。
 まったく――逆じゃない、普通さ。

「それにしても随分歪んだ愛情だよね。――そんなだから空も翔れやしない、ステレオタイプな
魔女なんだよ、あんたは」

 銃口をこめかみに。
 意味するものは変わりなく。
 恐れは――ない。

『死』が想像できない私には。

「――って、え?」

 引金が引けない?
 落としたときに壊した?

 予備は――部屋か。
 取りに行く時間はないし……奥の手でも使う?

 さてと、どうしたもんかな。

 暫くは様子を見てみようか。

155 名前:杏里・アンリエット@寝惚けまなこの意地悪長女 ◆xdIdPRINCE :2007/03/15(木) 01:46:52


>>153

「王子が? どうしたんだろう。ボクに昨晩の非礼を詫びに来たのかな。別に
そんな……彼女は王子なんだから、ボクを召還すれば良いのに。わざわざ向こう
から来てくれるなんて―――ああ、やっぱり分かってくれたんだね」

 妹の声音からかぎ取れる緊張。彼女は本気で焦りを覚えていた。
 すっと眼を細める。

「……なんて、謙虚な妄想に浸っている場合でも無さそうだね」

 床に散らかしたシャツを引っかけ、ハイウェストパンツに足を通した。
 寝癖を直している暇はない。

「―――ニコル、キミの言う通りだ。確かめに行こう」

 何だかんだ言っても、ここはボクの家だからね。

156 名前:相原光一@魔女:2007/03/15(木) 01:54:34

>>152

「当ててみなさい、か。そうだねぇ……」

 ある王に嫁いだ娘がいた。
その娘は王との間に男の子をもうけたが、愛情を注ぐことはなかった。
裏切り、姦通、打算。子は当然の帰結として母を憎むようになり、そして……。

「そして悲劇の王子さまは、自分の母親をこの世から消し去るために、日々切磋琢磨するってわけだ。
どこかの劇作家が『世に悲しき物語は数々あれど……』なんて嬉々として脚本書きそうな話じゃないかい?
でもまぁ、あたしならそれを『めでたしめでたし』で終わらせることもできるけどね。
どうだい、あたしは試験に合格かい?」

 なんと哀れな女か。たったひとつの言葉を口にする勇気がないばかりに。
なんと哀れな女か。

157 名前:キタロー@シンデレラ:2007/03/15(木) 01:57:10

――さて、なんで銃の引金が引けないかが問題だ。
 ただ、考えられるパターンは三つ。


 物理的に壊れた。
 何かしらのロックが掛かっている。
 贋物。


――ロックの線が妥当かな。

 ステレオタイプの魔女だ。自分の魔力に自信を持っているのが当然だろう。
 となると、キーがあるはずだ。
 解けないパズルは、作らない筈だから。

 そう言えば――登場のときに言葉がどうとか。
 へえ――そういうこと。

 なら、王道は王道ですすむだろうから――ああ、私、王道のセリフって苦手だ。
 どうしよう。

158 名前:杏里・アンリエット@寝惚けまなこの意地悪長女 ◆xdIdPRINCE :2007/03/15(木) 02:00:42


>>155

 シャツのボタンを留めながら、階段を駆け下りる。

「タージオ、これは一体どういう不手際だい。ボクとニコルが、せっかく英気
を養っていたっていうのに。これじゃあキミを何のために家に置いているのか、
まるで分からないじゃないか。ああ、イライザがいてくればこんな―――」

 見知らぬおばあさんを発見。妖しいのは言うまでもない。
 見知った千華留を発見。でも雰囲気がいつもと違う。
 タージオ(シンデレラ)は相変わらず何を考えているから分からないけど、
気のせいだろうか、その表情には緊張が刻まれている気がした。

 えぇと……何だろう、この状況。
 やっぱりボク達、寝ていた方が良かったんじゃない……のかな?

「取りあえずシンデレラ! 何をそんなところでぼうっと立っているのさ。
あのおばあさんをやっちゃってよ。あれが悪役だろう、どう見ても」

159 名前:源千華留@コーラス ◆.0ULULimIo :2007/03/15(木) 02:02:32



>>魔女

「………っ、ち、違うわ! 私が母を憎むのは、彼女が
この国の自由を侵害しているからで―――」

 いや、違わない。
 それは王子本人も気づいていたことだ。
 母が憎かった―――愛を注がず、自分に目を向けず、ひたすらに
陰謀じみた政策にはげむ母が。そんなに政治が大事か、我がこの
ことも考えられないほどに。それなら、それなら、私は―――。

「私は、自由を―――」

 自由を。
 母が憎んだ心の自由を―――尊重したかった。
 ―――あてつけのように。
 そう、王子の理念は、それじたいが母への静かなる復讐だったのだ。


>>シンデレラ


「本当に、ひきがねが引けない―――」

 銃を手にし、考え込むシンデレラを見て王子は想う。

 今しがた、自分の心中をも当てて見せた。
 それならば、この女の魔術とやらは本物だ。

「それなら」

 それなら。
 抵抗する意味がどこにあるというのか。
 あるいは、本当にこの魔女に、復讐をゆだねてしまっても―――。



160 名前:キタロー@シンデレラ:2007/03/15(木) 02:09:57

「やあ姉さん。意外と困った状況なんだよ」

 淡々と告げる。
 淡々と。

――焦ってるけどね、割と。

「ところで姉さん、自殺って好き? 王道的な愛を囁きながら、頭に銃口を当てて死んで
見せてくれるととても嬉しいんだけど。眠れるよ?」

 私じゃなくてもう一人の姉さんのほうが効果的なんだろうけど。

「そこで息を切らせている姉さんからも頼んでくれないかな、自殺しろって」

 いや、死なないんだけど。
 私が保証する。

 私と、居たのだから。

161 名前:杏里・アンリエット@寝惚けまなこの意地悪長女 ◆xdIdPRINCE :2007/03/15(木) 02:27:51


「―――そう、か。キミが、そうだったのか」

 昨晩の「先約」の主はタージオだった。
 その事実がボクの胸を奮わせた。
 いま、ボクはついに真実にたどり着いたんだ。

 王子がボクに囁いた、思わせぶりな「先約」というキーワード。
 自らの王位すら忘れ、夢中にステップを重ねる―――2人のシルエット。
 12時の鐘の音とともに去りゆく「先約」/追う千華留。
 そして今日、王子はここまで来た。シンデレラを求めて。

「……ボクはなんて滑稽なんだろう。なんて愚かしいんだろう。千華留の想い
にも、タージオの企みにも気付いてあげることができないだなんて」

 千華留はシンデレラが好きなんだ。

「タージオ……キミは確かに美少年だけど、ボクはキミと千華留が釣り合うとは
決して思えない。千華留は高貴な女の子なんだ。選ばれた一族なんだ。生まれ
ながらにして愛を勝ち得た子なんだ。キミみたいな庶子(バタール)とは違う」

 だけど。
 千華留を正面から見据えた。
 逡巡/戸惑い―――いま、彼女は苦しんでいる。

「……やるよ。ボクが、やる」

 ピストルを引ったくった。
 決闘の剣に見立てるには、あまりに頼りない。
 こんな銃で……いったい何ができるって言うんだ。

「でも、キミのためじゃない。千華留のためだ」

 こめかみに銃口は押し当てた。
 なんて無機質な感触。
 タージオは死ぬことはないなんて言ったけれど、嘘だ。
 こんなのは無茶だ。
 でもだからって……王子の前で逃げるわけにもいかなかった。
 ボクが千華留を護るんだ。
 タージオじゃなくて、ボクが!

162 名前:ニコル・ジラルド@意地悪次女 ◆Gamble/WIA :2007/03/15(木) 02:39:38

>>161
「―――そう、か。キミが、そうだったのか」

 何を……何を言ってる?
 そもそもこれはどういう状況だ?

 姉と共に服装を整え、階下に降りてきてみれば……対峙するはシンデレラと王子、そして見知らぬ老婆。
 どの角度から見ても剣呑な雰囲気。
 そして……今の姉の言葉。

 まさか――――


「昨晩の……王子様の相手? シンデレラが?」




 ……馬鹿な! それはどこの三文芝居だ!
 虐げてきた義理の妹が、実は人知れず王子と会い、そして今また剣呑な雰囲気を?
 そんな馬鹿なことがあってたまるか!
 あたしも姉も、ごく普通の姉妹でしかない!
 それがなんだ? 舞踏会でお近づきになるどころか、一夜明ければ陰謀の渦中だ?

 ――――冗談じゃあない!


「――お姉様!」

 奔放な姉を、妹は――――あたしは支える。
 支えてやんなきゃならない。
 少なくとも……こんな世界は姉妹揃って後免被る!

「逃げましょうお姉様、わた……あたしと一緒に!」

 銀光りする銃を、無理矢理降ろす。

「あんたは本当に馬鹿だ! どうしてわざわざこんな世界に関わらなきゃいけないってんだ!
 逃げよう、あたしらには関係のないことだろう!
 あたしも、あんたも、わざわざ死んでやる義理なんかないだろうが!」

 止める。
 全力で、姉を止める。
 そうだ、そうしなければ……

 馬鹿な姉は、誰も彼もを守ろうとしてしまうに決まっているのだから。

163 名前:杏里・アンリエット@寝惚けまなこの意地悪長女 ◆xdIdPRINCE :2007/03/15(木) 03:02:08

>>162
 ニコルの言葉が胸を穿つ。正論だからこそ痛みは鋭い。
 ボクは彼女の何一つ否定することはできなかった。
 いつまでも一緒だ―――そう約束させたのはボクだって言うのに、ボクは
いま自ら進んでそれを破ろうとしている。あまりに身勝手すぎた。

 実際、怖いんだ。怖くしてしかたがない。
 銃口は震えているし、手首だって重くてしかたがない。
 ニコルの言う通り逃げるべきだった。

 でも、千華留が―――
 千華留がいま、助けを必要としている。
 ボクなら彼女を救える。
 ならば取るべき手段は一つしかないじゃないか。

「―――ボクは、馬鹿だ」

 ふっと口元を吊り上げた。こみ上げる自嘲。
 ニコルを慈しむように見下ろした。

「ボクは今からキミを裏切る。キミを欺く。キミを護ることを放棄して、キミ
と一緒に生きることすら諦めて、ボクは安易な自己満足に浸るんだ」

 そんなボクを、キミは想ってくれるだろうか?

「これは勝手なお願いなんだけどね、ニコル。キミに怒られてもしょうがない。
絶交されたってボクは何の文句も言えやしない。それでも、言うよ。
 ―――こんなボクをこれからも想っておくれ」

 なんて勝手な言い分なんだろう。

「キーワードは『私を想って』だ。そうだろう。この世でただ1人、決して
愛されることのない……魔女さん?」

 銃爪は思ったよりも軽かった。

164 名前:杏里・アンリエット@寝惚けまなこの意地悪長女 ◆xdIdPRINCE :2007/03/15(木) 03:19:18


 ぱりん、と世界が砕けた。
 見えたのは―――これは、歌?


  ゴディバ、ピエールマルコリーニ、モロゾフ♪
  モンバナ、ロイズコンフェクト、リンツ♪
  ギリアン、ジャン=ポール・エヴァン、メリー♪


 金髪の少女が楽しげに笑っている。
 顔がよく見えない。
 これは誰だろう。
 タージオは、自分の心象風景が投影されると言ったけど。
 こんなに愉しそうに歌を口ずさむ、この少女はいったい。
 ああ、まるで彼女は―――
 サン・ミシェルのように眩くて―――

165 名前:ニコル・ジラルド@意地悪次女 ◆Gamble/WIA :2007/03/15(木) 03:31:50

>>163

 ……やはり、止められなかった。
 ああ、よく知っている。それこそが我が姉、杏里その人なのだと。

 あたしの手を、優しくどけて。
 その銃を、こめかみに当てて。


 ――――あたしがそのとき目をつむってしまったのは、果たして罪になるのだろうか?
 撃発音だけが、耳に響い…………


 ……ただけではなかった。


 歌が聞こえた。
 目を、開けた。



 …………楽しげに舞い踊る、金髪の天使が、見えた。



「ミ、シェル…………?」


 ははっ。
 あんたって奴は、本当に……まったく。

 もはやあたしに、言葉なんてなかった。

166 名前:キタロー@シンデレラ:2007/03/29(木) 22:10:16

 へえ――キーワードは「私を想え」、か。

 キーがロックするものは、純粋な想い。
 純粋な想いは時に重圧。
 吐き出したくても吐き出せない、そんな重圧。


――時に罪。
――与えられる罰として。


 純粋すぎる想いは、ロシアンルーレットの引金より重い。
 吐き出せない願いは銀の銃弾。
 それは撃ち抜く心の隙間を埋めて。


――願いは傷痕。
――叶わぬ恋は風と共に去り。


 さあ、青空を掴もう。
 高い空を。


――想いは消えず。
――傷痕は消えていく。


「さて、と。姉さん――呆けてるところ悪いけど……それ、返してもらうよ。いつだって、汚れるのは
私でいいから。姉さんたちはいつまでも綺麗なままで、ね」


――死と再生はメビウスの輪。
――願わくば来世がより善きものでありますように。

167 名前:源千華留@王子 ◆.0ULULimIo :2007/03/29(木) 22:17:57



「な―――っ」

 目の前で起こった一連の出来事は、ありていに言って
理解を超えていた。権謀術数の権化たる王子といえども、
この展開は予想の埒外であったろう。

 ―――ロックされた引き金、
 ―――引き金を縛るのは魔女の思い。
 ―――それが「私を想って」?

 私を想って。
 それは魔女の、誰に当てたメッセージだろう。
 孤独に倦んだ邪悪な魔女、いよいよ人々が恋しくなったか。
あるいは遠い昔に契りを交わした想い人でもいるのか――。

 いや。
 そもそも。
 どうしてこの魔女は、自分なんかに力を貸そうとしたのか?

「まさか………」

 無根拠な直感に等しい。
 しかし、その曖昧な直感は胸の内に雪のように積もっていき、
凝って限りなく確信へと近づいていく。
 自らを取り抱く魔女の瞳を見つめる。
 その奥にどんな想いを沈めているのかは―――さだかでなく。



168 名前:杏里・アンリエット@寝惚けまなこの意地悪長女 ◆xdIdPRINCE :2007/03/29(木) 22:35:59


>>166
 は、は。生きてる。ボクはまだ生きていた。
 ニコルにウィンクをしてボクの無事を告げる。余裕を装っているけど……
せっかくポーラースターの守護聖人さまがいるんだ。サン・ミシェルに告解
すればボクはまったく全然これっぽっちも―――事態を掌握していなかった。
 ええと……この子は本当に天使さま?
 セカンドの制服を着ているみたいだけど、見覚えがない。
 このボクが学園内でチェックしていない女の子なんて……。
 その上、なんというか。
 その。
 すっごく弱そうだ。

「……どうせならクローエか学園長が良かったなぁ」

 ピストルを手中でスピンさせてタージオに向けた。数秒前までボクのこめ
かみに食い付いていた銃口が、今度は素直な嘘吐き女中を睨んだんだ。

「―――それはあんまりじゃないか、タージオ君」

 馴れ馴れしく近付く女中を牽制した。

「キミと千華留の想いは確かめさせてもらったよ。まったく、してやられた
よね。ただの女中だと思って飼っていた美少年が、まさか王子さまと通じ合
っていただなんて。……見事なまでにボクの完敗じゃないか」

 でも、ここでボクが魔女に引き金を絞れば。
 或いは千華留はもう一度ボクを―――

169 名前:相原光一@魔女:2007/03/29(木) 22:37:11

 看破された。

 戒めの言葉が看破された。それはいい。
まじないを正しく行うための言葉を奪われたのは痛手ではあるけれど、
まだ致命的ではない。魔女の優位は動かない。はずだった。

「この……小娘……」

 看破されたのがまじない言葉だけでないことは、
この場にいる全員がわかっただろう。心の奥に隠し、表面を塗り固め、
誰にも見せなかった本心。世に現れ出るはずがなかった真心。

 王子の視線が刺さる。魔女はそれを受け止め、傲然とはね返すべきだった。
そうしなければ、魔女はただの女に成り下がってしまう。
それでは駄目だ。私は全てにおいて優位に事を運ばなくてはいけない。
ただ意地の悪い目つきで、王子を睨み返せば良い。簡単な事だ。だけど。

「……っ」

 魔女は、ただの女に成り下がってしまった。

170 名前:キタロー@シンデレラ:2007/03/29(木) 22:45:09


 何時だって終わりは突然やってくる。
『オワリ』はいつだって、突然。

 仮初の家族だとしても。
 面倒で退屈だったけど、割と悪くなかったよ。
 この暮らしもさ。

「それはそれは――残念でした。ラヴストーリーはいつだって突然なんだよ。姉さんなら判るだろ?」

 恋に落ちるのはいつだって突然。
 それはしょせん、愛が芽生えるまでの準備期間なんだから。
 好いた惚れたなんて関係あるとは思ってなかったけどさ。

「で、早く返して欲しいんだけど。それ、人は殺せない、からさ。無駄だよ、アレを撃とうとしても」

 返してもらわなきゃ、ね。
 私の半身を。

 まあ別に、いらないんだけどさ。
 疲れるから嫌いなんだよね、アレ。

171 名前:杏里・アンリエット@寝惚けまなこの意地悪長女 ◆xdIdPRINCE :2007/03/29(木) 22:55:49


>>170

 このピストルでは仕留められなくても、ボクにはサタンの魔手すら退ける
サン・ミシェルの加護がある。彼女の強力な――強力な――きっと強力である
はずの――強力じゃないとボクの立場が――力(フォース!)を用いればター
ジオの一匹や二匹ぐらい、きっとボコボコにできるはずだ。
 何と言っても、このシルバーバレルこそが切り札なんだから。

「キミの言うことは理解できているよ。でもね……長い付き合いなんだ。ボク
の性分ぐらい、キミも知っているだろう? ボクは足掻く性質なんだ。抗わず
にはいられないんだ。キミと千華留の関係が運命というのなら、このトリガー
でボクという矛盾の楔を打ち込んでみせる」

 ちら、と千華留を一瞥する。彼女の視線は魔女に注視されたまま―――ボク
のことなんて、気にも留めていない。別に驚きはしないさ。そういうもんだ。
 最期の可能性なんて1ミクロンも残されちゃいない。
 ボクはただ自分の満足を求めてトリガーを―――

172 名前:源千華留@王子 ◆.0ULULimIo :2007/03/29(木) 22:55:51



「あなた―――私のことを? 私のことを想って?
召喚器にロックを掛けたのも、ここを訪れたのも、
ぜんぶ、私に力を貸すために?」

 そんな―――。
 だと言うのなら。
 どうして。

「なんで―――なんでそんなに回りくどいやり方を
選んだんですか? 想いびとがいるのなら、ふつうに
思いを伝えればいだけなのに、どうして? いえ、仮に
魔法を使うにしても、魔女ならもっとやりようがあった
でしょうに、なんで―――」

 疑問は堪えない。
 そう、もっとうまいやりようならば幾らでもあったのだ。
 宮廷の女官に化ける。
 軍師を装う。どこかの貴族令嬢を騙る―――。
 こんなに回りくどく、周囲に迷惑を掛けるやり方など
一つとして取る必要は無い。
 だというのに。
 どうして―――。

 王子の眼差し―――疑問の色を浮かべたそれ。
 静々と、魔女の心を刺す。


173 名前:ニコル・ジラルド@意地悪次女 ◆Gamble/WIA :2007/03/29(木) 23:29:40

>>171

 トリガーを――「はいストップ!」引く前にその指を掴み、引きはがす。
 掴んだのは誰あろうあたしの手だ。文句あるか。

「ほら、今度こそ止めてやったぞ……ったく、いい加減にしな」

 そう今度こそ止めた。いつまでも惚けてちゃいられないのはこっちだって同じなんだ。
 なんと言っても――――ミシェルが見てる。
 あたしだってこいつだって、そうそう醜態を晒せん。

「おね……ええい面倒だ、杏里!
 あんたは何をやってんだよ、そんな、らしくもない」

 言いながら、とっとと訳のわからん銃を奪い取る。抵抗不可な。
 ……私を想って、ね。
 生憎とたった今初めて見た奴の恋の悩みなんぞ、あたしは興味ない。
 そもそもこの状況すら願い下げだ。デタラメにも程がある。
 だが……

「あんたは方々で恋人作ってくるようなどーしよーもない姉だ。
 けど、それだけだろう? それが全てだろう?
 惚れたんなら振り向かせるためだけに注力してきてんだろうが。
 それがどうして……略奪愛なんて時代遅れなことを始めたんだ?」

 ああ、本当に全く。我ながら饒舌なこった。
 素のあたしにとって、問題はそこじゃないってわかってるのにさ!

 ああ、そうだよ。
 ちくしょう。
 ほんとにもう。
 口が裂けても言えない。
 想われない? 知ったことか。
 あたしだってな――――

 ――――もっと想われたいさ!
 こんな奴に惚れちまった、あたしの身にもなってみろ!
 あたしにだって、こんな引き金くらい引けちまうってもんだ!

 ……と、一瞬こめかみに当てたくなる衝動を堪える。
 ったく、「時代遅れ」はどっちだ。結局醜態じゃないか。

「見てみな、天使が困ってるだろ」本当は苦笑している。
「本当にやるべきことは教えてくれてるのに」そして応援もしてくれてる。
「あたしらの出る幕じゃないんだ。シンデレラに渡すぞ」……そして、天使はそのまま消えた。


「ほら、返すぞシンデレラ。あとは好きにしな。
 そんでもって……こんな茶番終わらせろ。姉としての命令!」


 かくしてあたしら姉妹は状況から離脱……させろ。もうたくさんだ。

174 名前:相原光一@魔女:2007/03/29(木) 23:36:43


 いやだ。そんな眼で見るんじゃない。
あたしは羨望されてなきゃいけないんだ。
あたしは恐れられてなきゃいけないんだ。

 普通に思いを伝える? 馬鹿な事を。
愛情を得、それを逃がさない方法はたったひとつのはずだった。
必要とされ続けること。この魔女にはそれだけの力がある。
だけど王子を捕まえるのに、魔法などという無粋はなるべく使いたくなかった。

 ああ、無粋とは。 ひどい矛盾だ。
この魔力こそ魔女が拠って立つところ。
それを思う様振り回してなんの恥じるところがあろうか。
そうだ、だからこうまで回りくどいことをした。
絶望の中で差しのべられた手。溺れる者はただ必死でその手を掴むだろう。
己の真心など口にする必要はない。ただ王子は、この力だけを信じて……。

「いやだ」

 硬く心を覆っていた花崗岩にひびが入った。

「あたしそのものを愛して欲しいじゃないか」

 一度穿たれた亀裂は急速に広がり、冷たい岩を突き崩していく。

「だって、だって、初めて愛したんだから!」

 そして魔女の心の覆いは、微塵に砕け散った。

175 名前:キタロー@シンデレラ:2007/03/29(木) 23:39:02

 この手はもう、新雪じゃなくて。
 私は何年も前から汚れていて。

 知りたくもない事を数多く知って。
 知るはずがないものを知っていて。

 どこにだって起きる事で。
 誰にだって不意に訪れて。

 その形は様々で。
 今もまた、不意の来訪者は訪れる。
 心が痛む?

――まさか。

「ありがとう。姉さん達。それじゃ――さよなら」

 銃口はこめかみへ。
 撃ち込む楔は蒼い光を淡く放って。
 引き摺り出される内面は嘘吐きだ。

――救われるわけなんてないだろ?

「楽しかったよ、割と、ね」

 最後は『エガオ』で彩ろう。
 こんな不器用な『エガオ』じゃ、誰も喜びはしないだろうけど。

「――メサイア。彼女の憐れな心に無慈悲な救いを――って、止まれ」

 最後の最後でそんな事云わないで欲しいね、まったくさ。

「どうするの、王子様。救われない想いを救うの? 無茶で無謀だと思うけど、それでもやる?」

 無意識を意識としてカードを切ってしまった彼女に。
 ジョーカーを晒して無防備となった彼女に。

 言葉はきっと――届かない。

176 名前:杏里・アンリエット@寝惚けまなこの意地悪長女 ◆xdIdPRINCE :2007/03/29(木) 23:48:21


 機械仕掛けの神――いや、この場合は「舞台を揺り動かす者(シェイク
シーン)」と呼称すべきか――は、あろう事か最愛の妹に微笑んだ。
 そもそもの過ちは、この状況にニコルを巻き込んでしまったことか。
 ニコルのお説教も堪えたけど―――それ以上に、彼女に醜態を晒してしまった
という事実がボクを躊躇わした。ボクは打算で生きていて、小狡くて、自分の
ことしか考えていないから、ニコルの前では最高に格好良くしていたんだ。

 だから―――

 消えゆくサン・ミシェルに逆ピースをして別れを告げた。

「……本当はボクの役回りだったんだからね、タージオ。ボクの鼓動が跳ね
上がるぐらい気取った一撃を決めてみせておくれよ。ボクを惚れさせる一発
じゃないと納得なんてできるものじゃないからね」

 なんて言い残しているあたり、まだ未練がましい?

177 名前:源千華留@王子 ◆.0ULULimIo :2007/03/30(金) 00:00:06



>魔女

「………ばかな、ひと」

 ひどい話だと思った。

 相手に自分を頼らせて、それで力を与えて―――
その見返りに心がもらえるとでも思っていたのだろうか。
力と示威で相手に自らの想いを押し付けて―――
それで、素直な行為が戻ってくるなんて、ありえるのか。

 それでも魔女は―――今の今まで、そんなことにさえ
気づけなかったのだ。
 彼女をここまで頑なにしたのは、きっと悠久の孤独。
 誰からも疎まれ、憎まれ、自らの向ける好意を無視され、
そのたびに築いてきた大きな大きな壁が―――。
 今まで、彼女を邪魔してきた。

 ―――ああ、なんて、かわいそう。

 慈悲ならいくらでも掛けられる。

 彼女を愛せばいいのだ。否、心の底からいとおしく想う
必要などない。彼女に理解を示しているふうを装えばいい。

 恋は嵐だ。持つものから、あらゆる力を奪う。
 たとえ魔女の千里眼と言えど―――それに抗うことは
出来ないだろう。
 うまく魔女を骨抜きに出来れば、あとは自分の駒にすればいい。
そうして適当に使い潰した後は、適当に毒殺でもすればいい。
 どんな英雄でも、恋人に対しては一人の人間として接さざるを
得ないのだから―――。

「でも」

 ―――それが、もっともいい選択肢なのだろうけど。

「ごめんなさい」

 ―――その選択肢は、

「貴女の気持ちには―――答えられません」

 ―――今まで自分が疎んじていた母の考えと、同じだから、

「許してください、とは、言いません」

 ―――今、王子ははじめて、

「いくらでも私を憎んで構いません。私を殺そうとして構いません。
けれど、今だけは引いて―――この場所から消えて」

 ―――本当の意味で、自らの意思で、母の思想を悪だと想い。
 ひとの、自由なる意思を愛した。

「ひとときの想いで、自らのすべてを台無しにするなんて―――
そんなの、美しいけれど、美しいだけ! 私はいやだわ!
 後先を考えて、自分のことを考えて、相手のことを思いやって、
愛する人に接するのなら、それがどういう思惑であれ、そうやって
挑みなさいよ!」

 一息。

「―――人は、自由と愛のために生まれてくるのですから!」


>シンデレラさん

「殺さないで!」

 とっさに叫ぶ。

「ここで魔女を殺してみなさい、あなたに確約していた将来ばかりか、
この家の財産を総て王国の名義で没収し、今後、この家の皆の
社会的行為に対し、一切の保障をしません!」

 それから、哀れな魔女を見下して―――。

「ただし―――この子が私を殺そうとしたら。
 私を守りなさい。この子も私も死なせないように!
 誰も死なせない! 死んで綺麗なままで逃げるなんて、
そんな楽なことはさせません!
 今、この状況を誰も死なせずにやり過ごせたら、この一家に
新興の商業都市を一つ贈呈します!」


 声も高らかに張り上げる―――。

 魔女を―――偽悪趣味のお城の中でひっそりと眠るお姫さまは。
 滅茶苦茶に汚れるべきなのだ。
 そう想った。



178 名前:キタロー@シンデレラ:2007/03/30(金) 00:12:45

「リョーカイ。――まったく、面倒で厄介な我儘を言う王子様な事で。メサイヤ、もう戻って」

 何かを「守る」のは一番難しい。
 傷付けずに守るなんて――「オワリ」を迎える事なく守るなんて。

 難しすぎるよ、ホントさ。

「王道といえば王道だけど――なんか、納得いかないよな」

 別れまで言ったのに。
 もう日常は戻らないと思っていたのに。

 ここでの私の物語は終わりを向かえるはずだったのに。

「なんだかなあ」

 くしゃり、と髪を掻き毟る。
 振り上げた拳はどこに振り下ろせばいいんだよ。

 銃口はもう一度こめかみへ。

「――キュベレ。愛と自由を祈れってよ。そうでもしないとさ、収まらない」

 大地は何時だって慈愛を運ぶ。
 それが狂乱の末だったとしても。

 祈りは果てなく大地へ降る。

179 名前:相原光一@魔女:2007/03/30(金) 00:50:35


 ”♪ きらきら またたく 星屑のシャンデリアたち ”
 ”♪ ふたりを包むよ やさしい光投げて… ”

 遠い昔に聴いた歌声。とっくに忘れてしまっていた、愛の歌。

『いくらでも私を憎んで構いません。私を殺そうとして構いません。
けれど、今だけは引いて―――この場所から消えて』

 拒絶だ。思ったとおり、真心が真心を掴み取りなどしなかった。
胸が痛んだ。けれどそれは、刺々しく心を引き裂くものではなくて、
何か大切なものに別れを告げた時の、穏やかな喪失の痛み。

 あんたがそう言うなら、そうするさ。
消えろというなら消えるし、死ぬな殺すなというならそうしよう。
でも「今だけは」引いてって言ったよね? 今だけは。

 魔女は少し、落ち着きを取り戻した。

「ヒヒヒ……あんたの度胸に免じて、この場は退散してあげようじゃないか。
だけど忘れるんじゃない。今だけだよ? いつかあたしは戻ってくる。
あたしは戻ってきて、あんたに……」

 その先を口にできるほど、魔女は大人ではなかった。
人の自由と愛とやらについて、もっと知らなければ。
そうしなければ、その先を口にする資格がない。

 馬鹿げたことだ。馬鹿げたことだけど、魔女はそうしてみたいと思った。
 

180 名前:源千華留@王子 ◆.0ULULimIo :2007/03/30(金) 01:12:19



 ――― 一先ず、魔女は去った。

 なんだったのだろう。
 王子はそう想う。
 この国は―――世界は自分の手のひらのうちにあると、
さすがにそこまでは思っていなかったが、ここまでの
不条理がありえるとは、想ってもみなかったのだ。

 復讐は長引くだろう。
 だが、それはそれとして―――。

 心中の動揺は消えない。
 魔女の行き方を見やり、ひとり佇む―――。


(本編おしまい。エピに続く―――)


181 名前:源千華留@王子エピソード ◆.0ULULimIo :2007/04/04(水) 20:44:150



 たくさんの出来事が起こった。
 まずはそれを記さないといけない。

 王子―――チカル・ミナモトは、復讐を諦めた。
 この才気煥発なる陰謀の王子が、ある日とつぜん
計略の宮廷に倦んだのだ。

 延臣たちは様々な噂を立てる。
 ―――王子も姫を娶って、丸くなられたのだ、とか。
 ―――民を戦争に巻き込む愚を知ったのだ、とか。
 ―――ミアトルと旧交を暖める気なのだろう、とか。

 中にはこう考える向きもある。
 あの王子が母親への愛を僅かでも和らげるわけがない。
今はひとまず恭順を装って、のちのちに改めて復讐劇の
幕をあけるはずなのだ―――と。

 宮廷では、どうやらこの説が主流らしい。
 長すぎる平和に飽き飽きしている有閑階級にとって、
血なまぐさい戦争の気配は――― 子供たちを沸かせる
遠雷のごとくに、歓迎すべきものであったと見えて。

 ある哲人がかくの如く述べた。
 『―――戦争の経験のないものにとって、戦争は楽し』
 然り。

 しかしながらめぐりめぐる四季は人の世の願望など
まるで与り知らず、今年もまた―――アーモンドの木々が
花を開かせる季節となるのだ。

 五月。

 フィレンツェでもパリでも―――おそらくは世界中の
『我こそは麗し』と自認するすべての都市では、花開き
若葉茂れる五月は、ひとつの至福である。
 世界は無垢の時代の楽園にたちかえったかのごとく、
ローズマリーを匂わせ、薔薇の蕾に目覚めを告げる。
 ―――そんな五月の日の、どこかの街角にて。


「ちょーー暇ですわねえ………」

 枝を差し交わすプラタナスから漏れるまだらな
日差しを浴びながら、手元に開いた古書の項も漫ろに、
ル・リム国王子、チカルは誰にともなく一人ごちた。
 再度の筆となるが、王子は宮廷に倦んだ。
 舞踏会の一件を潮に対立していた派閥に城を任せ、
自らは放蕩貴族に混じって、今ではパトロンの真似事。

 ―――尤も、これが中々評判がいい。
 宮廷にこもって陰惨な予感に胸を膨らませる貴族
たちよりも、むしろ市民たちのほうが芸術の庇護者と
しての資質があったと見える。

 事実、チカル王子の『お忍び』は前よりも頻繁になった。
 ただし、市街の喧騒が物珍しかったのも最初だけ、
今ではもっぱら街道の傍らで本を読んでいるか、
変装した近臣を伴って、ブティックをめぐるのが常だ。
 ―――今年のレースはモノがいい。
 機会があれば、また宮廷で舞踏会でも開こうか、
もちろん今度は、不純な陰謀の意図などなしに―――。

『あの』
「………はい?」

 唐突に声を掛けられた。
 やわらかな声だった。プラタナスから漏れる日差しが
そのまま声になったような。
 顔を上げる。

「………まあ」
『え、ええと………はじめまして、で良いんでしょうか』

 眼前の少女―――亜麻色の髪を大雑把に束ね、
コットンのチュニックにコーデュロイのパンツを
合わせただけの、一見して上がりものの村娘と
見える少女に―――王子は確かに見覚えがあった。

「ミアトル皇妃―――ナギサ姫?」

 時ならぬ謁見に、王子は居住まいを正す。
 ああ、ああっ、いえ―――隣国の皇子妃は周章し、
足を取られる余地もない石畳の街道の上を
すてんと転んだ。

『あ、ああっ、いけない、ぱんつ見えちゃうっ!』
「―――スカートではないみたいですけど」
『あっ、そうでしたね! ナギサうっかり!」

 ナギサは相手の言葉にたなごころを丸め、
自らのこうべをぽかりと打って、「てへ♪」と笑んだ。

 可愛いもの好き、庶民派、恥ずかしいもの大好きな
王子もさすがにリアクションに窮する。ミアトルでは、
女性の美意識に対する観念が十世紀ぶんほど
退行しているのだろうか。

 ―――それはともかくとして。

 シズマ選帝侯―――ミアトルの皇太子シズマは、
選帝侯会議を身内で固めて皇帝へと即位した。
 下馬評どおりの結果といえばそうなのだが、
これに隣国スピカの王子カナメが異を唱える。

 この段だと、政略結婚で口を塞ぐのが由緒正しき
政略というもので、もちろんシズマはスピカの姫、
モモミを娶るった。

 ―――ところが。
 結婚式の翌日、偶然街角で出会った庶民の娘が、
シズマ皇帝の心を奪った―――皇帝は問答無用で
娘をさらうや否や、教会法をまげてまでモモミに
三行半を突きつけ、翌日には庶民の娘と再婚したのだ。

「ところで、なんで今日はこちらにいらっしゃったの?」
『えへ、いえ、なんだかル・リムの空気って好きで』
「うふふふ。気が合いますわね」

 目の前で髪を掻く少女こそ、件の皇妃―――。
 見てもあまり実感がわかない。
 しゃべるともっとわかない。
 

182 名前:源千華留@王子エピソード ◆.0ULULimIo :2007/04/04(水) 20:45:170

「………それはいいとして」
『はい?』
「いいんですか? ル・リムに来ちゃって」
『あはは。お忍びですよ』
「いえ、そういう意味じゃなくって」
『?』
「―――私が怖くなかったのかな、って」
『ああ、そういう意味で』

 自分の悪名は隣国ミアトルにも届いているはずだ。
 否―――ミアトルでこそ、チカル王子の悪名は
声高に叫ばれているに違いない。なにせミアトルこそ、
王子の憎むべき仇敵であり―――なればミアトルに
とっても、チカルはまた敵であるのだから。

『あはは―――実は、ちょっと考えてました』
「でしょうね」
『でも………っていうか、だから来たんです』
「………?」

 突如として少女は居住まいを正した。
 ベンチに腰掛けたチカルの目の前に立ち、貴人風の
一礼を交わすと、彼女はごく当たり前のようにこう
言ってのけたのだ―――。

『私、ミアトル帝国皇妃チカルは、ル・リムの王子
チカル陛下に対し、独断で和平を申し込みます』

 さすがのチカルもこれには驚く。

「和平―――公式には我が国と貴女の国は、べつに
交戦状態にはありませんけど」
『ですから、平和条約ですっ』
「永世の?」
『そう』
「―――却下します。そもそも私が認めても、そんなの
臣下の皆が黙っていませんよ」
『ですから、あくまで私とあなたのです!』
「………個人的な講話?」
『ええ』
「それって、ただの口約束じゃないですか。公的な
説得力なんて、ぜんぜんありませんよー…」
『あ、はいっ、それでもいいんです!』
「でも、それじゃあなんで―――」
『ええとですね。ミアトル皇家は―――』

 一息。

『ミアトル皇家は、民主議会制の導入を考えてるんです』

「は、―――はぁっ!?」
『つまり、ええと………革命です!』
「そうよ、革命よ。でも、なんたってそんな………」
『―――私を娶ったことで、チヒロ女王だとか、彼女の
取り巻きだった貴族のみなさまと、王室がかんぜんに
その、対立しちゃったんです』
「………ああ、なるほど。それで、対立派を追い出す為」
『そう………なるんでしょうか。ともかくシズマ様は、
いちはやくブルジョワジーの皆様と通じて、出来レースの
革命をやるつもりみたいです』
「………それは、いつ?」
『三日後みたいです』
「三日後………」

 チカルは西の空を見やる。
 青空のかなた。遠い遠い異国の地が―――
 三日後。
 燃えるのだ。

『私、こんなふうに言ってるけどすっごく不安なんです。
だって、沢山の人が争うし、もしかしたらたくさんの人が
死ぬかもしれません。それは私の知っている人かも
しれなくて、でも、それでも、それでも!
 ―――私は、シズマさまのそばに、いたいんです』

 ですから―――と。
 ミアトルの姫は言葉を紡ぐ。

『ですから―――どうか、ミアトルで革命が起こった後、
弱ったミアトルを襲うようなことは、しないでください』

「私はこれでも王子ですから……国政にそむくような事は
できません。少なくともあなたたちの国が弱ったあとには、
何かしら手を打つでしょう」
『そんな………!』
「けれど」
『………けれど?』
「たしかにあなたたちの国は、これから大きな反対勢力を
抱え込むことになります―――でも、形骸化した貴族たちに、
もはや今までの力はないでしょう。むしろ政庁が完全に
市場とリンクする、という意味で、今まで以上の難敵と
なるでしょうね」
『じゃあ』
「ええ。少なくともチカルは、あなたたちの国をどうこうする
気なんてありませんよ? だって、すっごく強くなるんですし。
へんに手を出すのはいやですよ」
『あ………あははっ。そうですよね。これからのミアトルは、
すっごい国になるんですもの! ル・リムも負けないでください!』
「そうね」
『ええっ』

 そうして、二人はしばしの間見つめあった。
 やがて、チカルはナギサ姫に対し、そっと小指一本立てた弓手を
差し出して。

「―――判りました。貴女との講和、受け入れます」
『ありがとうございます』

 ゆびきりげんまんうそつーいたらはりせんぼんのーますっ―――。

「『指切った』」

 白昼が終わり黄昏が始まる。
 少しずつ桃色に染まっていく西の空の果て。
 翳っていくプラタナスの葉末を通して、二人はそれを見ている。
 そうしてチカルはふと―――いつの日か自分の元を訪れるだろう
魔女のことと、この国の宮廷の行き先について、しばし思った。

                                《fin》

                                   

183 名前:キタロー@シンデレラ:2007/04/04(水) 23:43:330

「アイツ、どうしてるんでしょうねー? 今頃楽しくやってるのかな、向こうで」
「――さて、どうだろうな。しかし、あの戦いからもう一月も経つのか。光陰矢の如しとはよくいった
ものだ」
「きっと元気だと思いますよ――なんでもできる人だったから」
「そうそう、殺しても死なないとか思ってたんだけどねー」
「ゆかりさん、彼女はまだ生きていますよ――私達の心の中に」
「そうだぞ、ゆかり。流石に不謹慎だ」
「ゆかりちゃん、好きだったもんね?」
「ちょ……風花、馬鹿な事言わないでよっ!」

 街は喧騒に満ち溢れている。
 多くの人の笑顔と、ほんの少しの閉塞感をスパイスに。
 自由がない、自由がないと呟きながら自由を謳歌している。
 不自由という自由を担ぎ。
 無責任という責任を背負い。
 生きることに絶望感を抱いてもそれに気付こうともせずに。
 正しく『二十四時間』となった世界を生きている。

「それにしても変わんねーよな、まだ『ストレガ』の言ってた事信じてる奴がいるんだぜ?」
「仕方ないですよ、順平さん。僕たち正義の味方じゃないんですし。誰も知らないんですもん」
「……無理してブラック飲んでるお子様に諭されるなんて……」
「変わらないなお前は。――少しは成長しないとアイツに置いていかれるぞ、俺みたいに」
「荒垣サンほど遠くねーッスよ……とか言っても置いていかれちまってますから」
「順平さんはまだまだ子供ですもんね」
「テメ……相変わらず生意気だな、オイ」
「こらそこー、天田君を虐めない」
「止めるなゆかりッチ――男には避けられない戦いがあるんだよ!」
「伊織――処刑するぞ」
「――それだけは勘弁ッス」

 世界は廻っている。

 空の蒼さも。
 空の紅さも。
 空の黒さも。

 日も。
 月も。
 雲も。

 生も。
 死も。

『セカイ』は廻っている。

184 名前:キタロー@シンデレラ:2007/04/04(水) 23:44:130

「それにしても――アイツは最後までワケわかんなかったよな」
「アイツらしくていいんじゃない?」
「注意深く見ないとなに考えてるのかわかりませんでしたからね」
「――そうですか? 私は……」
「アイギス、君が特別なんだ。君よりも長く一緒に居た私達でさえ、彼女がなにを考えているのかは
掴めなかったんだからな」
「そうでしょうか? ねえ、コロマルさん」
「ワン」
「そこでコロマルに同意を求めるなって……っていうか、アイちゃんのそれが特別なんだろ」
「そう、ですね」
「まあ良いじゃないか。アイツは有能だった。それに悪い奴でもなかった。一緒に居て面白かっただ
ろう? ならそれで良いじゃないか」
「そうですね。ちょくちょくお菓子とか買ってくれましたよ」
「お子様の扱いに慣れてんのな」
「某高級ブランドのチョコとかよく買ってくれました。コーヒーに合うだろって」
「ゲッ……馬鹿じゃねーのアイツ」
「天田君も? あたしもよく貰ったよー」
「私もです。私はお菓子よりも欲しかったパーツが多かったです」
「私は洋菓子が多かったな」
「私は様々な本を頂きました」
「俺は色んなプロテインを貰ったぞ」
「――え?」
「順平、貰ってないの?」
「畜生アイツ……ゼッテーただじゃ済ませねーぞ!」
「遠い存在に唾はいてどうすんだっての……」
「復讐の意思の確認?」
「返り討ちがオチだって」
「真田さんに鍛えて貰えば――遠慮しておきます」
「なんだ、折角お前のために組んだプログラムがあるというのに」
「……なんでんなモン持ち歩いてんスか」
「それは――趣味?」
「趣味ってレベルじゃねーぞ!」


「ところで――世間話もいいが今回集まったのは世間話のためじゃないだろう? そろそろ本題に
入らなければ日が暮れるぞ」
「いや、もうなんかどーでもいいッス、俺。なーんか俺だけ扱い違った事を知ってへこみましたし」
「そうもいかないだろう。彼女が悲しむぞ」
「始めの頃突っかかってたせいじゃないの? ケッコー根に持ちそうだし」
「ゆかりッチだって――結構酷いこといってたらしいじゃん。ズリーよなー」
「ストップ。そこまでだ。で、今回の目的は――」




「ふぅん――私抜きでなにを? ていうか、さ。勝手に死んだ人扱いにしないで欲しいんだけど」

185 名前:キタロー@シンデレラ:2007/04/04(水) 23:44:410

「なんで居んだよ!」
「シャガールのコーヒーが飲みたかったから」
「よく王子様許したね……」
「ん、あの人、街好きだし」
「元気そうでなによりです、リーダー」
「――風花、そろそろその呼び方止めない?」
「済みません……ちょっと悪乗りが過ぎました」
「毎日顔を合わせてるのに、酷いな、ホント」
「いいのか、仕事は。君宛に私からの申請書類等が届いているはずなんだが」
「もう済ませた。――美鶴の仕事がきっちりしてるから、他のどんな仕事よりも楽」
「それはなによりだ」
「――まったく、変わらない奴だな。オマエは。相変わらず面白い」
「褒めてるのか貶されてるのか判りませんね」
「よく気付かれませんでしたね。目立つのに」
「少しのコツだよ、少年」

 まあそんなわけで――久しぶりの、再会。
 懐かしいというほど時間は経っていないけれど、それでも暫くぶりに会う、仲間。
 安らげる空間だ。
 とても。
 とても。

「で、なんの話だったの?」
「ああ、城勤めに忙しい君を労おうと思ってな。ささやかなパーティーの打ち合わせを」
「へえ――それは、楽しみ」
「だけど中止だねー。本人来ちゃったら意味ないし」
「こういうのは隠しておくのが楽しいもんね」
「アイギスから漏れると思わなかった? 一応、専属の付き人なんだけど」
「秘密は共有するから楽しいんですよ。それに私は――貴女に喜んでもらいたい」
「そう――」


 私が掴みたかったものが手に入ったのか。
 それは判らなくて。
 でも、そこそこ充実した毎日。


「お城の生活、どう?」
「いつでも専属の音楽家が演奏してくれるのは嬉しい」
「もー、旦那様との生活」
「ああ――別に、フツー」
「式はどうするの?」
「来週に予定してる。姉さんの仕事が空いてそうな時に、ね。来ない来ないって手紙で連呼してたけど
来るだろ、ツンデレだし」
「ツンデレ?」
「少年が知るには、早いよ」

186 名前:キタロー@シンデレラ:2007/04/04(水) 23:45:130

 コーヒーの湯気が揺れ続け、その湯気のような他愛もない会話は続く。
 こんなのは何気ない日常の一コマだったもの。
 ただしそれが代えがたいものだと気付いたのは、今になって。

 憧れていた生活は、案外身近に在って。
 憧れていたと思っていた生活は、体験してみれば取り立てて騒ぐことじゃない。
 まあそりゃ、前よりも刺激的だけどさ。

 人は無くしたものに思いを馳せて。
 人は手にしたものについては醒めてしまうらしい。

 だから今になってあの人は――街に出てるのか。
 どうせなら連れてってくれればいいのにね?


――さてと、こんなところでこの物語はお終いだ。
 私にとっての物語は続いていても、波乱万丈な人に聞かせて楽しい話はそんなに在るはずがない。
 平穏な日常をダラダラと綴っても、お客様は満足しない、だろ?
 だから、この話はここでお終いだ。

187 名前:キタロー@シンデレラ:2007/04/04(水) 23:45:560




願わくば



この物語が



誰かの胸に留まりますように



 

188 名前:◆xdIdPRINCE :2007/04/05(木) 00:47:440


 所謂〈シンデレラストーリー〉と呼ばれる狂気の騒動から一夜が明けたとき、
ランスの丘に居を構えるアンリエット邸は忽然と消え失せた。
 ヒースが繁る大地ごと文字通り消えてしまったのだ。
 後に残されたのは切り立つ崖と、水平線まで広がるカスピの海面のみ。
 屋敷に住んでいた姉妹の行方は誰も知らない。





 城塞の外に広がる平原で、3人の奉公娘はランチがとっている。

「はぁ……」
 クレアは、乙女の吐息は花弁に命を与えると信じて疑わない。
「何だか杏里先輩がいなくなってから、つまんなくなっちゃったな」

「杏里? ……杏里って誰だ」
 隣で固パンを囓っていたミリエラが頭を上げる。

「なに言ってんのよミリエラ。いたじゃない。いっつも男の子の恰好をして、
『美少女は世界の宝だ』って手当たり次第に女の子を口説いていた方よ」

「ああ、ああ、思い出した。よく売春宿に一週間も二週間も滞在して、都市参
事会の役員から説教を喰らっていた放蕩貴族だ」
「あー、コーも知っているよぉ。ジャネットとキスしているところをジャネット
のパパに見られちゃって、決闘を申し込まれていた人だぁ」

「よく言うわよ」とクレアは嘆息した。「あなた達、この間まで何かあるごとに
杏里様杏里様って騒いでいた癖に。王国からいなくなっただけで、すぐにそれ?」

「そうだったぁ?」
「……そうだったような、違うような」
 ミリエラとコーは、互いに視線を交わして首を傾げる。

「でも、あの人も突然いなくなったよな」
 ミリエラはクレアの厳しい視線から逃れるように話題を逸らした。
「選帝公シズマ様の愛妾と密会しているのが発覚して追放されたんだっけ」

「え、国外追放なの? 違うわよ」
 クレアが慌てて訂正する。
「何でも、あんまりにもひつこく千華留王子を誘惑するものだから、王子様の
怒りに触れてマルセイユ沖のシャトー・ディフに投獄されたとか。でも長い
幽閉生活の末、ついに脱獄に成功して今はモンテ・クリスト島に領地を築いて
いるって聞いたわ。『船乗りシンドバット』を自称しているとか」

「あれ、あれれ? コーはー、『さいあいのいもうと』に裏切られて死んじゃ
ったって聞いたよー。杏里先輩は千華留王子様がすっごく好きで、妹の前で
口説いちゃったんだってー。それで『しっとにくるった』妹が、先輩をぶすー
って! 殺っちゃったんだねぇ。あは☆」

「はいはい、コーは黙っていてね」
「それはおまえの趣味だろう」

「むー! 違うもん、本当にそう聞いたんだもん!」

「―――ま、どうでも良いけどね。いなくなった人のことなんて」
 肩を竦めると、クレアはそそくさとランチセットを片付け始める。

「どうしたんだよ」とミリエラ。「杏里って奴に憧れていたんだろ?」

「そんなことないわよ。ミリエラやコーが騒ぐから、わたしも乗っていただけよ」

「うわ、酷いなぁ。これだからクレアが一番怖いんだ」
「そしてコーがいちばん優しいんだね☆」
「……コーはいっつもそれだ」

 ―――ランチを終えた3人が戻るのは、ル・リムの城塞。

189 名前:◆xdIdPRINCE :2007/04/05(木) 00:48:330



 ―――斯くして放蕩貴族の姉妹は、
    乙女達の前から姿を消しました。

 アンリエット姉妹がル・リムを離れてから、
  まだいくらも過ぎてないのに、
 みんな彼女達のことはすっかり忘れてしまいました。

 やはり彼女には、王子さまの心を射止める革命は
  起こせなかったのでしょう。

 消えてしまったアンリエット姉妹は、
  このル・リムではただの落ちこぼれ。

「シンデレラを虐めていた報いとして
   魔女に目玉を抉られ国外へ追放された」

 という噂がまことしやかに流れたまま、
  姉妹は忘れ去られてしまいました。

190 名前:敗者から勝者へ ◆xdIdPRINCE :2007/04/05(木) 00:50:220


親愛なるタージオへ

 この手紙を目にする時、ボク達はもうこの国にはいないだろう。
 キミがあの銀色の拳銃(アルジャント・バリル)に決意を秘めた時、ボクの
思慕は致命傷を浴びてしまった。「敗北」の弾丸(バル)は無情で、ボクの剣
に力を与えるアフロディーテは最後までボクに視線を向けることはなかった。
 王子はキミを選んだ。ボクはその運命を覆すことができなかった。
 当然だよね。撃鉄(マルト)を持ち上げることはできても、トリガーを絞れ
なかったボクに王子が何の恩寵を与えるものか。
「放蕩貴族」杏里・アンリエットは「退魔の英雄」シンデレラの栄光を掠め取
ろうと企んだ。相思相愛の仲に恋慕の楔を突き立てた。キミという栄誉に対
する抑止力としてボクは王国の罪人に成り上がれたわけだ。
 ああ、聞こえるよ。ハシバミの魔鳥(ヴォータン)が風を切り裂く。ボクに
闇を与えるため、罰をもたらすため。魔鳥は報いの嘴を突き立てる!
 つまり、ボクは逃げるしかないわけだ。
 夜に紛れて。罪から身を隠すように。貴族の誇りすらもかなぐり捨てて。
 全てに敗れた杏里・アンリエットの末路が、キミの眺める切り立つ崖の全景
というわけさ。ボクの在るべき場所は、もうここじゃない。

 理解してくれたかな?
 アンリエット邸はこの国から消えた。
 つまり、キミの帰るべき場所はもう無いってことだ。
 美しいタージオ―――いや、忌まわしいシンデレラ!
 キミはもうクビだよ、クビ。
 退職金はおろか、解雇手当だってくれてやらないからね?
 だってボク、キミが嫌いだもの。
 積もり積もった借金だって返すものか!
 このまま踏み倒しだよ、徳政令だよ、免罪符だよ。

 ―――あ、そうだ。
 キミの私物は全部、ニコルが梱包して王子のお城に郵送したらしいよ。
 キミみたいな恩知らずにも慈しみを忘れないニコルに感謝するんだね。
 ニコルは良い女だろう?
 というかキミ、本当はニコルが好きだったろう?
 でも残念だったね。ニコルはボクが好きなのさ!

 ……まぁそう言うわけだから、キミはもうアンリエット家はもちろん、偉大
なるポーラースター領とも一切関わりのない私生児(バタール)だ。
 これから先は好きに生きるんだね。

 追伸
 ニコルが結婚式には呼んでくれとか言ってるけど、ボクは行かないからね。

              義姉なんかじゃないタダの他人のアンリエット

191 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/04/05(木) 00:52:330


『移動する大公爵領』―――ハンキング・バスケット・ポーラースターは
アストラエアの大地に別れを告げると、新たな君主を求めて大海を往く。
 引き摺られる後ろ髪から、意識を背けろというのは無体な注文だ。忸怩たる
想いを目元に称えて、杏里は水平線に沈みゆく王国の風景に一瞥をくれた。

 さようなら、千華留王子。シルバー・バレルに撃ち抜かれた想いはル・
リムに残したままだけど、取り返しに戻ることはきっとないだろう。
 ボクの求愛はアストラエアに根を下ろす。
 潤いを与えるも伐採するもキミの自由だ。
 ボクという魂が自由であるように……ね。

 はふ―――と嘆息した。

「失敗したなぁ。ボクなら運命だって変えられると思っていたのに。まるで
太刀打ちできなかった。これが物語(リドル)というものなのかな。世界意思
の前では、ボクの奮い立つ求愛の精神なんて塵芥に過ぎない、と」

 たんに王子はあんたが好きじゃなかったんだろ―――と、突っ込まれる前に
ティーテーブルに雑然と積まれた書類の山に意識を戻す。
 ぴっと一枚を抜き出して視線を走らせた。

「なになに? 『イスラエルがヨカナーンの生首を募集中』と。うわ、冗談
じゃないよ。ボクはカイン派の俗人なんだ。サロメに『キスをして頂戴』な
んて言われたら、舌まで入れちゃうね。聖人なんてとても無理だよ」

 求道のナルチス。ワザリング・ハイツの魔王ヒースクリフ。世界への従属
に徒労するギーベンラート。愛と憎しみを並行させたシグルドリファ。無垢
なる《真実の美》を求めたトマス・エジソン。
 ―――創話斡旋機関(ハローワーク)が寄越してくる求人票の数々は、
確かに杏里の嗜好をよく理解していた。どいつもこいつも大袈裟で、大仰で、
他人の迷惑を顧みない自己肯定/自己否定の塊のような人物ばかりだ。そう
いう立場を好めども、演じきれる逸材は数少ない。リドルが杏里に次から次へ
と急募の書類を送りつけてくるのも、理解できなくなかった。
 だけど、どうにも気が進まない。
 何と言ってもボクはいま、いじけたい気分なんだ。
 あそこまでこっぴどく振られて、まだ世界に対して積極性を持てるような
モチベーションは、さすがの杏里も持ち合わせていなかった。

192 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/04/05(木) 00:55:340


「もういっそさ。ニコルだけでいいよね。ボクとニコルの2人だけで延々と
繰り返す永劫回帰の物語。―――あ、ヘンゼルとグレーテルなんてそれっ
ぽくないかな。募集来てたはず……って駄目だ。年齢制限が厳しいや」

 ル・リムのリドルから解雇を宣告された以上、次の役を見付ける必要が
あるというのに、杏里の転職活動は選り好みが激しく遅々として進まない。

「もういじけきってね、絶望に対してすら絶望してみせるような仕事が
いいよ。なんたってボクは意地悪なお義姉さんで、王子さまのお眼鏡には
叶うわけが無くて、挙げ句には妹に裏切られてしまうようなどーしよう
もない女の子なんだからね。―――妹ってニコルのことじゃないよ?」

 ニコルがあのシーンで、シルバーバレルをボクから奪ったことは間違い
じゃない。恥じるべきは「格好悪かった」ボクのほうだ―――とフォロー
の言葉を編みかけた、その時。
 目に付いた求人票は、まさに杏里が求める絶望だった。

「〈舞台を揺り動かす(シェイクシーン)〉ギョームが描いた悲劇か……
なんて運命だろう。彼なら今のボクの絶望を受け入れてくれるに違いない」

 杏里やニコルが目を通すペースも考えず、次から次に求人票の束を運ん
では、ティーテーブル上に書類の山脈を創造する少女がいる。

「アイーシャ!」

 杏里は早速、オリエント浪漫の結晶体とも言える少女を呼び止めた。

「ちょっと学園長に掛け合って、デンマークに寄るよう頼んでおくれよ。
ボクが生きるべきか死ぬべきか―――そこで決着をつけたいんだ」

 次はボクが世界を狂わしてやる。テーブルを挟んで向かいに座るニコル
にウィンクを飛ばすと、絶望の少女はリドルに面接を申し込んだ。



                    .....to be next Ham!!

193 名前:ニコル・ジラルド@今はただのニコル・ジラルド ◆Gamble/WIA :2007/04/05(木) 01:05:590



「はいはい、言ってろ……いや待て、とりあえずこないだみたいなのはもう後免だからな。
 あんたが裏切られようがられまいが知らないが、予定にない切った張ったは勘弁だ」

 世にもお気楽な顔で絶望してみせる、という離れ業を目下敢行中の相棒――この関係に於いては
『相棒』に相違あるまい――に、どうにかこうにかそんな台詞を返す。
 杏里という人間は基本的に止められないのだ。
 もちろん例外は多々あれど、少なくとも今の杏里を止められる気にもならなければ止めようという
気にもならない。
 せいぜい希望が通ればベターというもの。あとはあたしは茶を啜るだけ……ああ、そうだそうだ。

「あとえーごーかいきとやらも、だ。二人だけの世界に耽溺するのは趣味じゃない」


 いつだったか杏里が持ってきた、奇妙な副業。あたしはそいつに付き合っている。
 何の目的があり、誰が初め、誰が動かしているのか全く持って不明のこの仕事。
 とはいえ元々似たようなことはやってたせいもあって、半ば興味を引かれて始めたはいいが……
なんともはや、世の中の広さ深さを実感させてくれる。
 与えられるままに<仕事>をこなせばいいのかと思いきや、イレギュラーはしょっちゅう。
 逆に言えば、与えられる制約の中でのよりベストな振る舞いを考え実行するというのはなかなかに楽しく
あたしもそれなりに気に入ってはいるのだが……それでも先日のようなことがあると多少、参る。
 シンデレラかと思いきや陰謀劇、しかも超常現象のおまけ付きと来れば無理もないと主張したいが。
 つーかそもそもありゃ一体何だったんだ。

「……そういや、なあ、杏里?
 結局さ、あの『シンデレラ』って何者だったんだろうな」

 問うてみたところで解答が返ってくると思えないが、何となく尋ねる。
 ――あ、てかそもそも聞いちゃいないし。ったくもう。
 結局あたしは、どこぞに連絡する杏里を尻目に茶のおかわりを頼むばかり、か。
 まったく、後始末をしたのはこっちだっていうのにさ!

 ……シンデレラ、ねえ。
 まるで字義通りの奴じゃあなかった。あたしもああは言ったが、今後の縁なんてあるもんなのか。
 とはいえ案外わからないのも世の中ってもんだけどね。ましてやこんな世界に首突っ込んでんなら尚更。
 ただでさえ縁は異なもの、ってなもんだ。次に顔を合わせるとしたら、一体どういう関係になるやら……

 けどまあ、とりあえず今は次のお仕事、かね。
 このおバカに付き合って、再び楽しい楽しいロールプレイ、いきますか。




                                               See You Next...?






 けど――もう姉妹とかは勘弁だ。
 あんなもどかしい役割、杏里はともかくこっちがやってられないって……は、やっぱわかっちゃいないよなあ。


 やれやれ、さ!

194 名前:相原光一@魔女:2007/04/06(金) 00:36:510

 愛とはなんぞや?

 全知全能といわれた魔女も、愛については無知だった。
焦って開いた辞書の、一頁目に載っている言葉。
もっともらしい解説が成されていたが、魔女にはそれが理解できなかった。

 魔女は、世界中の愛を見てまわった。
激しい愛、穏やかな愛。気楽な愛、厳かな愛。
人の数だけ、心の数だけそれは存在した。
そのほとんどが見せ掛けや思い込みの産物で、
「真実の愛」などというものは、この世にごく少ない。けれど。

「海好きだけどー、お兄ちゃんのほうがもっと好きだよ」

「ふ〜ん、女子の水着が目当てね? 私ので良かったらいくらでも見ていいゾ?」

「どうしてまっすぐ、わたしのこと見てくれないの!?」

 けれど、それは確かにあった。
生まれる前から育っていた愛。たぶんそれは本物だけど、
時が経てば理によってむしり取られる定めのもの。
けれど少女たちは、少年たちは、いつだってその小さな手で、
大切なものを一生懸命守ろうとしていた。

「私が妹じゃなかったら、ぜったいお兄ちゃんのお嫁さんにしてもらったよ」

 それでも数々の愛は、涙とともに埋められて。
 

195 名前:相原光一@魔女:2007/04/06(金) 00:43:340


 そしてある日、魔女は再び王子の前に現れた。

 色々なものを見て考えているうちに、世は動いていた。
ミアトルの政治形態の激変。ル・リム王子とミアトル皇妃の個人的友誼。
そこから発展した、両国のまさかの関係修復。政治に倦んだという王子の影として
悪辣な謀略をめぐらせるつもりだったが、これではかえって彼の足を縛ることになりかねない。
少なくとも今は、謀略も扇動も無い方が良い。

「で、そこで登場するのがこの紙切れってわけさね」

 それは「当該人物を自分の血族として認知する」旨の書類。
王子がこれにサインすれば、魔女は公式には王子の姉ということになる。
前国王が市井の娘に産ませていた子、という形になるので、
王位継承権をはじめ、具体的な恩恵は有って無きが如し。
もちろん魔女にとって、そんな事はどうでも良かったのだが。

 首尾良く王子の腹違いの姉になりおおせた魔女は……城下で下宿屋を始めた。
「あの子が城を追い出された時のためにね」とうそぶく魔女――今や大家でもある――のところには
貧乏人ばかりが集まり、毎日その世話に追われた。
時が経っても勿論想いが通じるという事は無く、自身にも十分それがわかっている。

「これは負け惜しみで言うんだけどね……」

 事情を知る従士に心のうちを尋ねられて、答えた事がある。
恋人などというものは所詮別れれば他人だし、別れなくても他人だ。
少なくとも魔女が見てきた限り、家族同士の愛情というものは、
恋人のそれよりよほど真摯で純粋だった。

「あの子はどうも、そのへんに恵まれなかったみたいだからね。
どうせなら、自分が持っていないものをもらったほうが嬉しいじゃないか。
あんただってそうだろ?」
 

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