【季節限定】一刻館天然温泉【雑談】
- 1 名前:名無し客:2006/12/04(月) 01:47:530
- 1月末までの限定スレッドです!
ごゆっくりとおくつろぎください。
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| 当温泉は男女混浴です |
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/~~ヘ/⌒⌒ヽ/~~~⌒ヽ/~~ヽ/⌒⌒ゝ /~~⌒⌒ヽ/~⌒`〃⌒~ヾ/⌒⌒
/ ( ミ ミ ヽ ソ 〃/ ゞ ( 彡 ミ V ヾ ゝ ヽ〃 ) ヘ ミ ( ヾ ゝ
/~~⌒ヽ ) / ̄~ ̄~~ ̄~ ̄⌒~ ̄ ̄~~~~⌒~~ ̄ ̄ ̄ ̄~~ ̄ ̄ ̄~ ̄ ̄ ̄ ̄~ ̄
( 〃ヾ ) / ∬ ∬ ∬ ∬
/~~ヽ / ∬
/ 〃ヾ ./ ∬ ∬ ∬ ∬
( /~~ヽ / ∬ ∬ ∬ ∬ ∬
/ ヾ l/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
- 2 名前:ザンギエフ ◆HAMEiX9aqU :2006/12/04(月) 02:04:040
r,''ヘ_
_,,,,_⊂-くノ`ヽ,
_ 〆_゙'ir''⌒" ) 一番湯はもらった! ウラー!!
ξ⊂! っ》` く ∠___
.''\ノ''''‐`` i、 ,ノ │,-ヽ7=、、 ,,rー'"`-、
\_゙l、,,,_,/i゙、 ,ノ 〈 ゛ `ヌ⌒ )/=i、 l
`゙゙'''"`'ミ--/-,_ ´ /" `''
\ .,,、`lニン-゛
\__ノ
/~~ヘ/⌒⌒ヽ/~~~⌒ヽ/~~ヽ/⌒⌒ゝ /~~⌒⌒ヽ/~⌒`〃⌒~ヾ/⌒⌒
/ ( ミ ミ ヽ ソ 〃/ ゞ ( 彡 ミ V ヾ ゝ ヽ〃 ) ヘ ミ ( ヾ ゝ
/~~⌒ヽ ) / ̄~ ̄~~ ̄~ ̄⌒~ ̄ ̄~~~~⌒~~ ̄ ̄ ̄ ̄~~ ̄ ̄ ̄~ ̄ ̄ ̄ ̄~ ̄
( 〃ヾ ) / ∬ ∬ ∬ ∬
/~~ヽ / ∬
/ 〃ヾ ./ ∬ ∬ ∬ ∬
( /~~ヽ / ∬ ∬ ∬ ∬ ∬
. _____
. `ヽ ,」_ァ'"´
. f'て}. ̄ rY ト、 __
. | r个 √`>‐.k } f゙)ヾ>
}l r ''"`ァ'゙ ,ノ、ム'^'ァ'゙
人.ヒ,ィ゙ ァ弌__,,>'´゙ヽ
い, `'<, ,r'^ ,ノ
. }⌒'‐\ ,、 ゙'くョr.''"´
い弌-、 \ }. ゝ-、
. `'ー' ゙'ー‐--‐'⌒''''''゙
- 3 名前:ザンギエフ ◆HAMEiX9aqU :2006/12/04(月) 02:12:240
- >>2
┏┓┏┳┓
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┗┓┏┓┃ ── + ─
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f ヽ.
______ .Y ',、
`ヽ. ,L.,r'"´ .月 .}_,>
_,ノ´ ̄` R´ j __ , -‐へ /
,r '"´r ⌒Y lヽ`' ┘/. `Y゙
`ヽ, }>-く__,ノ ,、 '"´ /
\ 勿、 '´ > , '"´
「 \,>.'´ /
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__,.ィ T "⌒' |
レ'゙ 入 _ .ノ
{'''''''|  ̄
【ZANGIEF LOSE!!】
- 4 名前:幻獣旋風メイトルパー ◆kDUDLG7w6A :2006/12/04(月) 22:58:270
- ここ、一刻館天然温泉にやって来たのは数名の人間と、人間とケモノが混ざった
所謂『亜人』と呼ばれる者達。そして彼らの回りを小さな妖精が飛びまわっている。
レシィ「結構広い浴槽ですね…混浴らしいですから水着を持ってきて正解でしたよ。」
ユエル「うわぁ…ねぇ、早く入ろうよ!!」
ウィル「ちょっと待ってユエル!まずは身体を洗ってからだよ。」
ユエル「あっ、そうだった…じゃあレシィがユエルの背中を洗ってよ。」
アルバ「おっ、背中の流し合いじゃん!じゃあオイラはレシィの背中を洗うぜ!」
ヤッファ「じゃあ俺がアルバの背中を流してやるか。」
フィズ「じゃあ、あたしとラミでヤッファお兄ちゃんの背中を洗ってあげるね。」
ラミ(………こくん)
ミニス「それじゃ、行きましょうよ?」
判ったわ、それじゃ行くわよ。モナティ、はぐれるんじゃないわよ!
(………シローも来てくれるといいんだけど…)
- 5 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/04(月) 23:51:160
- 「…なんでこんなところに」
最初見たときの感想がこれだった。
温泉、日本人の心。オージャパニーズワビーサービー。
いや、ちょっと待て。
なんで頭の悪い外国人のような思考を働かせたんだ?
とにかく、ここで温泉発見。
休暇中に適当に森の中を自転車で走れば、
湯気と暖かい空気にぶち当たったというわけだ。
ミケル…は後日にでも呼ぼう。
基地で飲んだくれていたしな。
…入るだろう、日本人じゃなくても日系人なら。
「…だが、これはいかがなものか。
混浴って…なあ…」
水着なんぞ持っているはずがない。
タオルを腰に巻いてはいる方法しか取れない。
いやー、欧米諸国ではありえないな。
「…中に誰もいませんように。
女性が入ってて拳銃で撃たれて
その後捕まって袋叩きに会いませんように」
自分でも何いってるんだかわからない呪文。
これを唱えつつカラカラと戸をあけて…
>>4
…ビンゴ。
悲しいけどこれ混浴なのよね。
- 6 名前:ドラ・ザ・キッド&王ドラ ◆WrGRyVhgck :2006/12/05(火) 00:46:120
- (空から頭に竹とんぼのようなものをつけた二つの影が降りてくる)
へえ、王ドラ見てみろよ。温泉が出来てるぜ
「あ、本当ですね・・・でもいつの間に・・・」
何でもいいから、早く入ろうぜ!
「え!入るんですか?・・・ええ、まぁいいですけど・・・」
(服を脱いで、温泉に浸かる2人)
/~~ヘ/⌒⌒ヽ/~~~⌒ヽ/~~ヽ/⌒⌒ゝ /~~⌒⌒ヽ/~⌒`〃⌒~ヾ/⌒⌒
/ ( ミ ミ ヽ ソ 〃/ ゞ ( 彡 ミ V ヾ ゝ ヽ〃 ) ヘ ミ ( ヾ ゝ
/~~⌒ヽ ) / ̄~ ̄~~ ̄~ ̄⌒~ ̄ ̄~~~~⌒~~ ̄ ̄ ̄ ̄~~ ̄ ̄ ̄~ ̄ ̄ ̄ ̄~ ̄
( 〃ヾ ) / ∬ ___ ∬ ∬
/~~ヽ / ∬ _|__|_ ∬
/ 〃ヾ ./ フゥー>(*(三−Д−) ∧ Π ∧ ∬ ∬
( /~~ヽ / ∬ ∬ (-ワ−三)*)<生き返りますねー ∬
>>4
・・・・ん?
「人の声がしますね」
俺たちのほかにも誰か入ってるのか?
「声をかけてみましょうか」
そうだな、そうするか
(王ドラを先頭に、>>4声のほうに湯の中を歩いて行く)
「あのー、すいま・・・」
>水着姿のレシィ達
「せ・・ん・・・」
(顔を真っ赤にする王ドラ)
どうした、王ドラ・・・あ
「・・・・・・・・」ザッバーン!
(前のめりに倒れ、ぶくぶくと沈んでいく王ドラ)
・・・・わ王ドラァ!
>>5僕らの勇者王
(王ドラを引き上げようとしながら、シローを見つけ、声をかけるキッド)
お、おいアンタ!コイツを引き上げるのを手伝ってくれ!
- 7 名前:幻獣旋風メイトルパー ◆kDUDLG7w6A :2006/12/05(火) 00:54:430
- >>5
モナティ「エ、エルカさん!シローさんがいるですの!!」
あら、奇遇じゃない。ミケルやアイナは一緒じゃないんだ?
………それだけは如何にかならなかったわけ?(腰のタオルを見て)
ヤッファ「よっ、折角出会えたんだ。俺があんたの背中を洗ってやるよ。
いつもエルカが世話になってることだしな。」
アルバ「兄ちゃんの声って、本当にトウヤ兄ちゃんに似てるよな…」
ミニス「ほんとよね、世の中には自分とそっくりな人間が三人いるって
言うけど…声がそっくりな人間ってそうそういないものね…」
- 8 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/05(火) 00:54:560
- >>6
混沌だ。カオスだ。
せっかく一人でのんびり湯につかりながら、
日ごろの疲れを取ろうと思っていたのに!
「…大丈夫か」
とりあえず落下地点までざぶざぶと歩き、
持ち上げて岩場に乗せる。
…なんで俺って人外にばっかり囲まれるのだろうか。
ここで知り合った人物には人型ではあるが、
妙なものが生えていたりするのばっかりである。
加えてこれ。人型ですらない。
頭が痛くなってきた…
- 9 名前:幻獣旋風メイトルパー ◆kDUDLG7w6A :2006/12/05(火) 01:00:210
- >>6 厚い友情に結ばれた猫型ロボット軍団
>(前のめりに倒れ、ぶくぶくと沈んでいく王ドラ)
レシィ「あわわわわっ、だ、大丈夫ですか!?」
ヤッファ「おいおいおい、のぼせちまったのかよ!?
シロー、ウィル!こいつを引き上げるのを手伝ってくれ!」
ウィル「はいっ!!」
(ヤッファとシローとウィルとで王ドラの引き上げに入る)
フィズ「あの二人…ひょっとしてアヤお姉ちゃんが言ってたドラえもんって
ロボットの友達かな?」
アルバ「きっとそうだよ!アヤ姉ちゃんが持ってきた本に載ってたし!!」
- 10 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/05(火) 01:06:130
- >>7
「どうにかなるもんじゃない。
今日この温泉を発見したばかりなんだ。
それに水着を常に持ち歩く人間なんていない」
なんだか角みたいなものが生えている女の子…エルカの抗議を受け流す。
というか日本の温泉は裸が基本だと聞いたが。
「背中のほうはどうも。
いや、あんまり世話をしているとは言えないがな」
むしろ餌付け状態。
兎鍋で殺されかけたりもする。
で、向こうで声がどーたらこーたら。
…そんなに俺の声が好きか?
「別に声の話をしたって別人だから何のことかわからないぞ。
…サービスする気もないしな」
- 11 名前:響鬼 ◆HIBIKI/Wq. :2006/12/05(火) 01:15:060
- _,,l'、─ニ=-‐‐=-、
l'、 / /| ','~ ) ヽ,,,
.ヽ`''-,,, /<,,,/''>| `-,,_,,-''~ ,'/ l
\ '''-/, ,__, 彡 '、 ,,,-ニ /}
\,,;;;{コ E 彡 '-─''-~ ,,/ ヽ
〆i},;w/= ,,,-''' ̄ ,,─~~ / |
ヽ,ヽ、, 、,,/,,--~ ̄ / ,,l
',ヽl l /~ __,,,,,,,−' ̄,,,,,,/l
}-、 ' ,ニ=,,_''‐---‐'''~~ ,,| |
, ヽ{ "'''=-----‐''~_,-┘
ヽ、 <l/l、 ヽ, ~"'''''''''ニ"" ̄~
>‐-、 ヽヽ,-、__l >‐''""",,-‐ニニ~~
,,;''  ̄ヽ} \.l,,/ ,,/~~/~ ,,/,,
' ,,, ''''''ヽ、 / / [ >,,/~;;/~/~
‐'''''''''''' 、,,''ヽ,/ / /,/";;/;;;;;;<
\/ / /,, ''-,,///;;;;;,-ニ−♪ソソソソソソソソ蘇我入鹿♪
っと。変身したままだけど、まぁいいか。いい湯だなぁ・・・ババンバンバンバン♪
ババンバ 伴都美子♪
- 12 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/05(火) 01:18:450
- …そろそろ出るか。
次はアイナでも誘いたいな…
じゃあな、エルカ。
またどこか出会えるといいな。
【退場】
- 13 名前:ドラ・ザ・キッド&王ドラ ◆WrGRyVhgck :2006/12/05(火) 02:21:530
- 【前回のあらすじ・王ドラが温泉で倒れた】
うわぁ、なんて簡単すぎるあらすじ・・・・
>>8
(シローに持ち上げられ、岩場に乗せられる王ドラ)
「ホニャ〜・・・」(2つの意味でユデダコになっている王ドラ)
おーい、しっかりしろー
(ポケットからうちわを出してパタパタと王ドラをあおぐキッド)
「・・・・はっ、ここは・・・?」
王ドラ!気がついたか?
「あ・・・・キッド・・・それに・・・
>>9
・・・・ホニャ〜」
おいおい、またかよ・・・・
ま、こいつはしばらくこうしとくとして・・・・
>>9
こいつを引き上げるのを手伝ってくれてサンキュー
改めて自己紹介だ。俺の名はドラ・ザ・キッド、ドラえもんズ一の射撃の名手だ
よろしくな!(^Д゚三))
王ドラ「ホニャ〜!」
あ、そこでのびてるのは王ドラだ。カンフーの達人だが、昔っから女の人を見るとこうなっちまうんだ
まあ、ほっぽとけば治るから、安心しとけよ
- 14 名前:ドラ・ザ・キッド&王ドラ ◆WrGRyVhgck :2006/12/05(火) 02:46:220
- >>11
>♪ソソソソソソソソ蘇我入鹿♪
>っと。変身したままだけど、まぁいいか。いい湯だなぁ・・・ババンバンバンバン♪
いや、よくねぇよ!
頼むから、ちゃんと服は脱いで入ってくれよ!
>>12
おー、もう帰るのか
じゃーなー、引き上げるの手伝ってくれてありがとなー
「ホニャ〜」
>>9
>フィズ「あの二人…ひょっとしてアヤお姉ちゃんが言ってたドラえもんって
>ロボットの友達かな?」
>アルバ「きっとそうだよ!アヤ姉ちゃんが持ってきた本に載ってたし!!」
ん?ドラえもんを知ってるのか?
ああ、そうだぜ、俺達はドラえもんの親友だ
その、証がこれだ((三゚Д゚)つ◇
【キッドは、神々しい光を放つ一枚のカードを取り出した】
コレは親友テレカ。俺達ドラえもんズが、互いに協力し合い、助け合って手に入れた伝説の秘密道具だ
仲間のピンチを知らせてくれるし、七枚全部揃えば、巨大ロボットを一発でバラバラにするほどのパワーが出る
コレがある限り、仲間のピンチにすぐに駆けつけられるってわけだ
(得意げに答えるキッド)
- 15 名前:ドラ・ザ・キッド&王ドラ ◆WrGRyVhgck :2006/12/05(火) 05:26:350
- ・・・おっと、もうこんな時間か
そろそろタイムパトロールの仕事に戻らないとな
ほら、行くぞ、王ドラ
「フニャ〜・・・」
(ユデダコ状態の王ドラを引きずって退場)
- 16 名前:幻獣旋風メイトルパー ◆kDUDLG7w6A :2006/12/05(火) 17:58:210
- >>10
>それに水着を常に持ち歩く人間なんていない
た、確かに考えればそうよね…ごめん、ちょっと言い過ぎたわ。
>いや、あんまり世話をしているとは言えないがな
ヤッファ「だがな、エルカはあんたに出会えて結構嬉しいみたいだぜ。
そりゃ、あんたとトウヤの声がそっくりだってのもあるかも知れんが…」
な、何言ってんのよ!あいつは妻帯者よ!!別に出会えて嬉しくなんか…
>じゃあな、エルカ。
>またどこか出会えるといいな
ヤッファ「おう、それじゃあな。またこっちの地下スレにも遊びに来いよ?」
あっ………べ、別にシローと別れて寂しいわけじゃないからね!
>>11 響く鬼
フィズ「へ、変身したままって…」
アルバ「あれがハヤト兄ちゃんが言ってた『カメンライダー』なのかな…?」
<まぁあながち間違っちゃいないけど。>
>>13
>自己紹介
レシィ「こちらこそ初めまして、ボクは調律者(ロウラー)トリス・クレスメントの
護衛獣でレシィと言います。それで、こっちがボクの妻の…」
ユエル「ユエルだよ、よろしくね!!キッド達にもユエルと同じ耳があるんだ…」
>ん?ドラえもんを知ってるのか?
アルバ「うん!!アヤ姉ちゃんが元いた世界じゃ有名人なんだってさ!
兄ちゃん達もドラえもんの友達なら凄い有名なんだろ!?」
>(得意げに答えるキッド)
フィズ「凄いんだねキッドお兄ちゃん達って…そうだ、今度良かったら
あたし達の場所にも遊びに来てよ!!ハヤトお兄ちゃんもビックリするよ!」
ミニス「あら、もうこんな時間じゃない。そろそろお暇しましょうよ」
ヤッファ「だな…の前に、コーヒー牛乳を全員分買って来た。
これを腰に手を当てて一気飲みしたら帰るぞ。ゲンジ爺さん曰くこれが温泉でのマナーらしい。」
パナシェ「はい!!でも一気に飲めるかな・・・」
(その後、エントランス前でコーヒー牛乳を全員で一気飲みして退場)
- 17 名前:幻獣軍団御一行様 ◆UIjb7.uQXw :2006/12/05(火) 18:05:310
- ****一刻館天然温泉****
一年の疲れを落とすためガディウス軍団がやってきたのであった。
幻獣達だけではなく獣人(猫)のジャンガも来てるが。
ロンゴランゴ「一年の疲れを落とすためにこんな近場に温泉があってよかったですね。」
ガディウス 「全くだな。先客がいるようだから迷惑かけるなよ。」
ジョーカー「ちょっと貴方達っ!風呂に入る前に体を石鹸で洗いなさい!
あっ!タオルを湯船に入れない!滑るんだから走らない!
飛び込まない、泳がない!」
(ムゥ達(30匹くらい)を相手に奮闘するジョーカー)
バラディウム「フゥ・・・・・・脳みそオトーフなムゥ達の相手は疲れるな。」
(カポーーーン)
ジョーカー「ふぅ・・・ようやく落ち着きました。」
ジャンガ「すげぇ体勢だな。」(この絵の温泉を参照参照→ttp://www5d.biglobe.ne.jp/~aoi-k/other/oekaki/oekakir.html)
ジョーカー「丸っこい体ですと普通に湯船につかると顔までお湯がかかるんですよ。」
>>幻獣旋風メイトルパー
ガディウス「ぬうっ、あれはリィンバウムの住人。」
ジャンガ「知ってるのか、ガディウス!」
ガディウス「ファントマイルやルーナティア、幻想界のように幾多もの亜人が暮らす世界だ。
昔、ファントマイル書房刊『異なる世界辞典』で聞いたことがある。」
ジャンガ「はーん・・・・ま、話しかけてこない限りはゆっくりしてようや。」
>>シロー・アマダ
ジョーカー「例のジャンガと同じ声の人ですか?」
ジャンガ「ああ何回かちょっかいかけたことがある。キキキキキ・・・もうあがったか、残念だな。」
ジョーカー「またちょっかいかける気だったんでしょう?」
ジャンガ「まーな」
- 18 名前:某樹木怪人:2006/12/05(火) 18:17:230
- …おぉ、こんな所に温泉があるぞ…。
…コレは丁度良い、近頃体調を崩しがちだからな、
早く復帰する為にも、暫らく静養して行くとしよう…。
中の人まで体調不良故、リクスレにトレントを派遣する余裕も無いし…。
ドミニア女史には、もう少し、リクスレの留守を預かってもらわねばな…。
…ハァ、満と薫が蘇ったらしいが、どうしているのやら…。
…出来れば、一刻館の何処かで再会したいものだなぁ…。
- 19 名前:カガリ・ユラ・アスハ ◆yuLAKXXlNI :2006/12/05(火) 21:17:490
- 「そこに温泉があるからだ」
それが、レドニル・キサカ一佐の問いに対する
我らがオーブ代表首長(ただし、プライベート時間)の言葉であった。
そして、なおも口篭もりなにか問いかけようとするキサカに笑って答える。
「仕方ないだろ。質問ついてないんだから。
こうでもしないと本当に引き上げるしかなくなってしまうじゃないか」
我らがオーブ代表首長(ただし、プライベート時間)は
言って水着の上から体を洗い、湯船へ移動したのであった。
呆れたのか、諦めたのか、キサカも洗い場に陣取ると髪を洗い出す。
「しっかし、水着で風呂入るのって落ち付かないよなー・・・」
「脱ぐなよ」
「・・・脱がないよ」
間髪居れずに入った一佐の声に気だるそうな声が答えた。
- 20 名前:カガリ・ユラ・アスハ ◆yuLAKXXlNI :2006/12/05(火) 21:25:180
ぷかり
我らが代表首長(ただし、プライベート時間)の目の前に浮かぶ緑のひよこ。
温泉名物ひよこの玩具である。
しかも、それはオーブ、オロファト島の首都ヤラファスが誇る
最大のデパートがこの冬にあわせ店頭展開した新商品であった。
その名も カオスひよこ
4兄弟の長男でキライなものはムラサメ。
3機以上近づけると泣いて逃げてしまうという設定の奇妙な玩具だ。
一説によると発売直後完売。
次回発売予定のガイアひよことアビスひよこ、インパルスひよこも予約が殺到。
既にインパルスひよこは大幅増産が決定しているとかなんとか。
ちなみに値段は50円。
- 21 名前:ドラえもん ◆6RiDORA66c :2006/12/05(火) 21:30:560
- うわあ〜〜♪凄く広い温泉だ〜〜♪
キッドに王ドラ、この場所を教えてくれて本当にありがとう♪(^Å^三))
>幻獣旋風メイトルパ
>フィズ「あの二人…ひょっとしてアヤお姉ちゃんが言ってたドラえもんって
>ロボットの友達かな?」
>アルバ「きっとそうだよ!アヤ姉ちゃんが持ってきた本に載ってたし!!」
あれ?君達は僕のことを知っているの?
>キッドたちとの会話を聞いて
ああ、成る程ね。という事はそのアヤさんという人は、
元はといえば僕と同じ世界に住んでいたんだね。
フフフ、出来れば君達とは友達の関係になりたいなぁ…て思っているんだけど、いいかな?
- 22 名前:カガリ・ユラ・アスハ ◆yuLAKXXlNI :2006/12/05(火) 21:36:190
- 温泉はいいよなぁ。
人間の生んだ文化の極みだな。
・・・・・・。
・・・なんか、腹が立って来たな。
きっとアスランのせいだ・・・。
なんで一緒にいるのがアスランじゃなくてキサカなんだ。くそ。
こうなったら誰かフリーのヤツ見つけて・・・フフフ・・・
キサカ「・・・(やつあたりだな)」
>>21 ドラえもん
うわっ!?
びっくりした!!
オマエ、もしかしてずっと入ってたのか!?
タ・・・
・・・えーと、その・・・
そう!ネコ型ロボットのドラえもんさん、だっけ?
と、とにかく、ヨロシクな!
- 23 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/05(火) 21:48:070
- 今年の冬は暖冬。暖かい冬だそうだ。
しかし何故暖冬という言葉が点くのかがわからない。
コロニーの環境に比べると寒すぎる。
「二日続けて温泉、実に贅沢だ」
別にすることがないので温泉行き。
ガンダムも差し押さえられているからまともなことが出来ないし、
何より温泉はいい。地球の神秘だ。
「これで酒でも流れてきたら最高なんだけどな」
温泉に酒、実に豪華なコンボだ。
まあ、無人経営のこの温泉では期待することは出来ない。
>>20
…緑色のひよこ。
しかも50円という値札が貼ってある。
「いや、ひよこに緑って…」
これを考えたやつのセンスは恐れ入るなあと…
…向こうで髪のこする音がする。
いや、ちょっと待て。最初入ってきたときは無人だったから、
今もタオル一丁。
これで例のごとく女の子が入っていたら、なんか大惨事の気配が…
- 24 名前:カガリ・ユラ・アスハ ◆yuLAKXXlNI :2006/12/05(火) 21:58:270
増産!?増産だって!?
アンタほんとに何にも分かってないな!!
さすが消費者の思いを読み取れないのは
ヤラファス中央デパートのお家芸だな!
よせ!!
インパルスひよこを山積みに・・・鬼積みにする気か!?
やめろーーー!!
アンタってひとはーーーー!!
わたしはデパートの前で叫んでいた彼の事を一瞬、思い出し、
目頭が熱くなった。
「ひよこか・・・。
・・・どんな商戦でも同じなんだな・・・」
>>23 シロー
「・・・ん?そっちにも人が入ってたのか?
なんだ、結構広いんだな、ここ」
腰にタオルを巻いた男の登場に、わたしは笑顔を向けた。
やはり温泉は大人数だな。
そうでなくちゃ面白くない。
・・・ん?
タオル?
・・・なんだ、やっぱ水着でなきゃダメなんてことなかったんじゃないか。
キサカのやつ・・・適当な事を言いやがって・・・
<温泉文化のオーブ育ちのカガリにとって驚く程のことではなかったようだ>
- 25 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/05(火) 22:05:020
- >>24
>・・・ん?そっちにも人が入ってたのか?
>なんだ、結構広いんだな、ここ
…よし、寛容だった。
どこぞの女神には発砲されたが彼女にいたっては大丈夫のようだ。
「ああ、先に邪魔をしてい…る…」
湯気の向こうに見える女の子。
頭が悪いと名高いオーブ国家元首、カガリ・ユラ・アスハであった。
「…まさかこんなところで国家元首と会えるとは」
以前はヤン大将に会ったので多少は免疫が出来ているが…
人生何が起こるかわからないものだ…
- 26 名前:カガリ・ユラ・アスハ ◆yuLAKXXlNI :2006/12/05(火) 22:14:190
- >>25 シロー
ん・・・?
なんかオマエ、今一瞬失礼な事考えなかったか・・・?
・・・まぁ、いいや。
けどなぁ、ここは温泉だぞ?
国家元首とかなんとか、そんなのは関係ないだろ。
ここにいるのは「温泉を堪能しにきたヤツ」だけさ。
違うか?
・・・で、名前は?
国家元首とか言うくらいだ。
わたしのことは知ってるんだろ?
ならそっちのことも教えろよ。
キサカ「・・・(考えてる事をストレートに口にするから心情描写が消えた・・・か)」
- 27 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/05(火) 22:27:070
- >>26
(…あの二人とは違った意味で曲者だ、こいつは)
ええ、確かに。
何か別の意図があってこの温泉に来られた…来たかと思ったが、
別にそういう考えは無いな、その口ぶりからすると。
…自己紹介が遅れました。アスハ代表。
自分は地球連邦軍で地方の小隊長を務めている、シロー・アマダといいます。
- 28 名前:幻獣旋風メイトルパー ◆kDUDLG7w6A :2006/12/05(火) 22:31:090
- <お風呂セットを取りに温泉に舞い戻ってきたヤッファとフィズ…>
ヤッファ「どうだフィズ?見つかったか?」
フィズ「うん、あったあった!あたしって早とちりだよね、こんな所に
置き忘れるなんて。」
ヤッファ「よし、じゃあ帰るとするか…」
>>19 真紅の獅子姫
ヤッファ「ん?子供の頃のウィルに良く似た声がすると思ったら…
あんたか、獅子姫さん。代表首長の仕事に疲れたから息抜きって奴か?」
フィズ「カガリ…お姉ちゃんだったよね?お姉ちゃんって
町の領主様みたいな人なんでしょ?それとさ、アス…じゃなかった
アレックスお兄ちゃんとは上手く行ってるの?」
>>21 ドラちゃん
フィズ「ああ〜っ!ド、ドラえもんだ!!」
ヤッファ「ほぉ、あれがキッド達の大親友の猫型ロボットって奴か。
だが…キッド達には耳があったのに、あんたにゃ無いんだな。」
>元はといえば僕と同じ世界に住んでいたんだね
フィズ「ううん、そうじゃないの。アヤお姉ちゃんが持ってきたこの本に
ドラえもんの事が載ってたの。」
<フィズの手にはドラえもん専門誌『もっと!ドラえもん』の第1巻が…>
<恐らく誓約の儀式を行って出てきたのであろう…>
<ちなみにアヤは現代日本からリィンバウムに召喚されてきた。>
>出来れば君達とは友達の関係になりたいなぁ…て思っているんだけど
ヤッファ「ああ、構わんぜ。ハヤト達もきっとビックリするだろうぜ。」
フィズ「うんっ!良かったらあたし達のスレッドにも遊びに来てね♪」
ヤッファ「さてと、そろそろ戻るぜ。」
フィズ「うん。ヤッファお兄ちゃんの手って…暖かいね。」
(今度こそ本当に退場)
- 29 名前:カガリ・ユラ・アスハ ◆yuLAKXXlNI :2006/12/05(火) 22:37:210
- >>27 シロー
別の意図?
アハハ!
そんなの無い無い!
せいぜい質問貰えなくて寂しくなったくらいのもので・・・
・・・・・・ orz
>自分は地球連邦軍で地方の小隊長を務めている、
>シロー・アマダといいます。
うん。よろしくお願いする、アマダ殿。
わたしはカガリだ。
・・・カガリでいい。
・・・と・・・いうかだな・・・。敬語、やめないか?
(小声で)正直、そういうのは仕事中だけで十分。
堅苦しいのはちょっとうんざりしてるんだよ、実際。
キサカ「・・・・・・」
・・・睨むな、そこ。
なんでもない。なんでもないったら!
>>28 メイトルパー
ん?
誰だか知らないが、そっちはわたしを知ってるみたいだな?
カガリって呼んでくれ。
ここは温泉なんだから仕事は忘れたい・・・
>アレックスお兄ちゃんとは上手く行ってるの?
うぐっ!?
<クリティカルヒット!カガリに9999のダメージ!!>
・・・子供ってのは・・・残酷だよな・・・ホント・・・
ぶくぶく・・・
- 30 名前:ドラえもん ◆6RiDORA66c :2006/12/05(火) 22:44:430
- >>22
…え?も、もしかしてびっくりさせてしまったかな?(^Å^三;))
うん、こちらこそよろしくねカガリさん。
>>28ヤッファさん フィズちゃん
うん、ありがとうヤッファさんにフィズちゃん。
そのうち君達の所にも遊びに行くからね♪(^Å^三))
>だが…キッド達には耳があったのに、あんたにゃ無いんだな。
…う!?グサッ(ドラえもんは精神的ダメージを受けた)
そ、そのことについてはあまり思い出させないで…お願い。
- 31 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/05(火) 22:45:370
- >>29
質問が来ないんじゃあ、しょうがないね( ´∀`)
まあ、ああいうのは気長に待つのが一番だな。
待つのが苦手だと早死にするぞ。
ま、そういうのなら敬語はやめにするよ。
少々心苦しいが、こっちの方がいいと言うのならこうしよう。
…ま、佐官殿ににらまれているような気がするがな。
- 32 名前:カガリ・ユラ・アスハ ◆yuLAKXXlNI :2006/12/05(火) 22:57:590
- >>30 ドラえもん
いや、気付かなかったこっちが悪いんだ。
こちらこそ、すまなかった。
気にしないでくれ。
・・・そうさ、今の重たい一撃に比べれば驚くくらい・・・フフフ・・・
あ。
いや・・・こっちの話なんだ。こっちの。
>>31 シロー
そうか・・・
自慢じゃないが待つのはすごく苦手だ!!
わたしは・・・死ぬかもしれないな・・・(暗い笑顔)
<そこまでのことか>
>…ま、佐官殿ににらまれているような気がするがな。
気にするな。
アイツはいっつもああなんだ。
きっと心配性なんだな。うん。
オマエの周りにも居ないか?
ことあるごとに心配して文句ばっかり言ってくるやつって?
キサカ「・・・(心配される方の問題点にも目を向けてもらいたいものだが)」
- 33 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/05(火) 23:10:400
- >>32
待つのが苦手は…戦場では命取りになるぞ。
功を焦ったやつはろくな目に会わないからな。
袋叩きに会ったりするもんだ。
例えば拠点が潰されたから追撃に向かうとか、
こんなの捕虜にしてくださいと言っているようなもんだ
待つというのは重要だぞ?
>心配性
まあ、一人…女神が俺のことを心配するな。
俺は自分が死んだときのことを考えていないとか、
死んだあとの周りの人間のことも考えろとか…
ま、心配なんてかけたくなくてもかけるようなもんだからな。
- 34 名前:カガリ・ユラ・アスハ ◆yuLAKXXlNI :2006/12/05(火) 23:26:480
- >>33 シロー
うっ・・・
も、もしかして砂漠の時のことを言ってるのか?
しかし!あれを黙って居ては感情が収まらないじゃないか!
・・・じゃなくて!
そうだ、砂漠のことはいいんだ!
そんなことよりも!
待ってるとそわそわしちゃって・・・落ちつかないんだよ。
なにせ、あと8つだしなぁ・・・。
>まあ、一人…女神が俺のことを心配するな。
おっ!女神と来たぞ!?
なんだなんだ!シロー!隅に置けないな!
済ました顔しやがってこのこの!
女を泣かすなよ〜?
・・・・・・だからって二又とか論外だからな。
キサカ「・・・カガリ、目が欠片も笑っていないぞ」
- 35 名前:カガリ・ユラ・アスハ ◆yuLAKXXlNI :2006/12/05(火) 23:27:460
- キサカ「・・・カガリ、そろそろ戻らないと不味い」
え〜〜?
もうそんな時間か?
・・・仕方ないなぁ。
よし、観念して戻るか・・・。
それじゃ、シロー!ドラえもん!
わたしはお先に失礼して上がらせてもらうからな!
今日は楽しかった!感謝する!
<退場>
- 36 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/05(火) 23:34:590
- 国家元首が先に出る。
まあ、貴重な時間だったなあ、と。
「二股ってわけじゃないんだけどな…
妻はいるけど、もう一人のおせっかい焼きがいるというか…」
そんなことを呟きながら風呂を出る。
冬の寒さを感じながら脱衣所まで戻った。
【退場】
- 37 名前:ドラえもん ◆6RiDORA66c :2006/12/05(火) 23:37:170
- >>35
うん、それじゃぁ僕もそろそろ上がるとするね♪
また会おうねカガリさん♪(^Å^三))
【退場】
- 38 名前:幻獣軍団御一行様 ◆UIjb7.uQXw :2006/12/06(水) 20:19:530
- >>16
ジョーカー「・・・・ム、その声は(手を使って顔の向きを動かす)・・・やはり貴方でしたか。
最近体調悪いらしいですけど湯治ですか?・・・・・アレ?温泉って塩とか酸とかあるから
植物が育たないどころか温泉って植物駄目にするんじゃ?
・・・・ま、GODの技術は世界一イィィィ!ってことにしておきますか(何
あ、コラ!貴方達!風呂に石鹸入れない!(ムゥの相手をはじめた)
バレーもしない!」
ロンゴランゴ「あいつ子連れで温泉に来たパパみたいだなぁ・・・まぁ折角の温泉だ。
あんたも静養しとけ。」
>>シロー・アマダ
ジャンガ「・・・・チッ、タイミングを逃して茶化し忘れたか。」
ジョーカー「意地悪ですねぇ。こんなときくらいはそっとして置いたらどうです?」
ジャンガ「キキキキ・・・・考えておくぜ。」
- 39 名前:新堂勇人&クラレット・セルボルト ◆ubxkiW3qok :2006/12/06(水) 21:58:200
- ふう…フラットの風呂も悪くないけどやっぱり温泉ってのもいいよな。
クラ「確か…鬼神の谷へ向かった時に休憩という名目で入りましたよね?」
あぁーそういえばそんなこともあったあった。
あの時は戦闘の繰り返しで大忙しだったしね、気持ちよかったな。
クラ「じゃあ…ハヤト、入りましょう?」
いや、俺は後でいい。
クラ「…?どうしてですか?折角温泉に来たというのに…
まさかユエルちゃんの様にお風呂は嫌いなのでは…」
あのなぁ…俺だって不潔は好きじゃない人間だぜ?しっかり風呂くらいはいるっつーの。
クラ「じゃあどうして…」
ここが別々だったのなら問題はなかったんだろうが…
…混浴だぜ?ここ…
クラ「…え?」
俺だっていくらパートナーとはいえ異性とは入りにくい
クラ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・///」
ほ、ほら!想像してないで入ってこいよ!
クラ「は、はいぃ!?」
全く…
【どぎまぎしすぎだ、貴様等】
- 40 名前:某樹木怪人:2006/12/06(水) 22:01:020
- >>38 幻獣軍団御一行様
…おや、そなたらも居たのか…。
>最近体調悪いらしいですけど湯治ですか?
…まぁな、中の人が体調を崩s…、ゲフンゲフン!
…いや、独り言だ、忘れてくれ…。
>温泉って植物駄目にするんじゃ?
…ま、そこの所は深く考えんようにしておく。
…幸い、体内のくるい虫達は無事な様だし…。
…そちらも、ゆっくりしていくのだな…。
…最後に一つ、俺へのハイリン、ナンバー間違えてるぞ。
- 41 名前:風三姉妹:2006/12/07(木) 02:44:080
- 中国きっての暗殺拳法家の姉妹、風(フー)三姉妹が現れた。
全員がそれぞれに水着を着用し、シニヨン(お団子)も解いているので
三人全員が似たようなロングストレートヘアーになっている。
西風「わあ、広いねー! すごいねー!!」
東風「西風、はしゃぐな。みっともない」
北風「まあ、確かに大したモンだね。日本の温泉ってのは」
湯船に入る三人。
北風「それにしてもヒドい目にあったもんだ。まだ傷が疼くよ。
まったく、あの裏切り者(キャミィ)が・・・ 次こそは始末してやる」
東風「北姉様。いきり立つと傷に触ります」
北風「何言ってんだぃ。不覚を取って負傷したのはお前も一緒だろ」
東風「っ・・・(ケイオス・・・ あの優男。いずれこの借りは返すぞ・・・)」
北風「まあ、だからこそこの温泉にトージに来たんだけどね」
西風「もー、東姉さまも北姉さまも、せっかく温泉に来たのにそんな顔
してちゃダメだよー(バシャバシャバシャッ!!)」
東風「西風。温泉でバタ足で泳ぐな! 周りの奴等にかかってるだろう!!
それとヒヨコのオモチャで遊ぶな!! 今何歳だ!!!」
西風「14だよ☆」
北風「やれやれ・・・ おや?」
>>38幻獣軍団御一行
北風「(誰かと思ったら・・・ 幻想界の奴等か。
ま・・・ 向こうが気付くまでは大人しく湯に浸かってるとするかね)」
東風「こら! 待て西風!!」
西風「やーだも〜ん(バシャバシャ) わっ!?」
手を滑らす西風、持っていた金ダライが幻獣軍団の方へ飛んでいく。
北風「あ・・・ あ〜あ」
- 42 名前:幻獣軍団御一行様 ◆UIjb7.uQXw :2006/12/07(木) 15:43:210
- ガディウス「・・・・ん?哀しみの王、いつの間に来てたのだ?」
哀しみの王「さっき、ガーレンと一緒にいるのも嫌だしね。」
>>40 ドリアード
>…ま、そこの所は深く考えんようにしておく。
>…幸い、体内のくるい虫達は無事な様だし…。
ジョーカー「まぁそうですね。」
ゲルグボルム「・・・・・・・・・・そういえば俺も植物型の幻獣なんだが・・・・・
お、おい!俺の葉っぱ枯れてないか?」
>…そちらも、ゆっくりしていくのだな…。
>…最後に一つ、俺へのハイリン、ナンバー間違えてるぞ。
ジョーカー「・・・・このワタクシがミスるなんて、間違えるなんて、コケルなんて、挫けるなんて・・・・」
>>39
ガディウス「若いカップルか・・・混浴なのだから一緒に入れば良いのだがな。
若いからこそできないのか。」
哀しみの王「年寄りくさい〜」
ガディウス「実際年寄りなのだから仕方なかろう。ま、邪魔することもなかろう。
我々は我々でのんびりするか。」
>>41 風姉妹
ジョーカー「・・・・(風姉妹の気配を察するが一応プライベートタイムのため気づかないふりをする。)」
>西風「やーだも〜ん(バシャバシャ) わっ!?」
> 手を滑らす西風、持っていた金ダライが幻獣軍団の方へ飛んでいく。
ジョーカー「・・・・・・・」
ムゥ「ムムム!?」
無言で自分のそばにいるムゥを体から離れる手でつかんで投げた)
ゴイ〜ン!・・・バシャーーン!(ムゥが金ダライに激突して落ちた)
ジョーカー「(だらけた口調で誰かわかってるのに白々しく)誰かは知りませんが温泉では静かにしてください。」
- 43 名前:某樹木怪人:2006/12/07(木) 17:58:110
- …フゥ、こうやって静養しているのも、良いものだな…。
…ん?…俺の代理として用事に向かわせていた、分身が帰ってきたな。
分身「…本体よ、言われてきた用件は、全てこなしてきたぞ。」
…おぉ、それはご苦労だったな、お前もゆっくりと湯に浸かる事だ。
分身「…そうか、では言葉に甘えさせてもらうぞ…。」
…暫らくして後、湯に浸かりながら陶酔の声を洩らす、
そっくり同じ外見をした二体の樹木怪人の姿があった…。
- 44 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2006/12/08(金) 00:26:260
- 望月は照り綺羅星は舞い、夜は涼しいこの日頃。
もちろん底冷えも尋常ではなく、火鉢と綿入れでは凍えるもの。
さて、ここで私に取れる選択肢がいくつかある。
掘りごたつのある知人の家を頼るか、早々と布団に潜るか、そして自分で火を焚くか。
ちなみに前者二つは却下して、後者は失敗した。
炬燵を借りるためだけにわざわざ訪れるのも心苦しいし、布団は綿が丸々雪に変わったかのような
寒々しさであって、これでは眠る前に凍り死ぬ。
ならばと自分で火を出したところ、折悪しくこの身に憑ろしている不死鳥の機嫌が悪かったようで、
暖まる間もなく煤だらけになった。
となれば、後はわが国の誇る文化、温泉しかない。
―――というわけで、手ぬぐいを頭に乗せて湯治と洒落込んでいる次第である。
もちろん入る前に煤と垢は全部落とした。
勢いに任せて水垢離もやってみようと思ったが、水の冷たさで死にそうだったので止めた。
そもそも暖まりに来たのに冷やしてどうするのか、と自分に突っ込む有様。これも寒さのせいだ。
そのせいで冷静な判断が出来なくなっているのだ。冷えてるのに。
「……あー、指先がじんじんする」
冷えすぎだ、と独白して、すっかり赤く火照った指を湯から出して、月に伸ばす。
跳ねた露と湯気が踊って、朧月になる。いい景色だった。
- 45 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/08(金) 00:48:540
- 暖まりたかった。全身に潤いがほしかった。
ただそれだけの理由だ。
公共浴場なら間違いなく怒られる子供っぽい行動。
それをやってしまうぐらい寒く、乾燥していたのだ。
湯気で気づかなかったとしても問題ない。
普通は不自然な物体、というか正体丸わかりなのだが、
岩にぴったりとくっつき、息を止め、
完全に岩と同化していた。
「―――――――――――――」
さて、そろそろ息も限界だ。
士官学校時代に出したタイムと同じぐらいの時間が過ぎたし、
そろそろ息を吸うために顔を出そうと思ったときだ。
>>44
「―――――――――?」
前でバシャバシャという音が聞こえたような気がする。
目はつぶっているからなんだか判らないが、
感覚でわかる。目の前に何かがいると。
ザパーーーン
「プハッ!」
少し勢いをつけて飛び出し、目の前の動く物体(>>44)の
真後ろに出たようだ。
目をこする。視界オールグリーン。
目の前にいたのは…どこかで見たような気のする人間だった。
- 46 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2006/12/08(金) 00:56:490
- >>45
―――そして、背後に気配。
水面から出してた腕を引き戻し、身体をよじると共に肘を発射する。
必殺回転エルボー。
私の後ろに立つんじゃない。
「あ」
そこで、顔見知りだったことに今さら気がついた。
しかし放たれた肘鉄は止まれない止まらない。
ひゅぼっ、と風を切って人体最硬の部分が走る。
むーざんむーざん。
- 47 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/08(金) 01:08:020
- >>46
「「あ」」
同時だった。同時に声を出したんだ。
こっちもいつもの屋台仲間だと気づいた。
しかし彼女は―――
ドゴ
「ガッ!?」
人間が出してはいけないような声を出した。
生物としてはレッドゾーンの声。
肘鉄はみぞおちに入った。
息が止まり、よろけ、後ろに倒れ…
ザパーーーン
俺の戦いは、これで…
DEAD END
「…この程度で…道場に送られるか…」
道場とはどこかはわからないが、
何とか息をするために立ち上がる。
伊達に鍛えているわけじゃない。
- 48 名前:フェイ-イェン@人間もーど ◆VR014m.tcM :2006/12/08(金) 01:22:510
- 「う〜ん」
腕組みをして考え込むこと、数分間(私主観)
考えて、考えて、更にまた考える。
え、何を考えてるのかって?
いや、大したコトじゃないんだけどね。
久々にリアルスペースに出てきたのはいーんだけど、存外に寒いからさ。
(あ、私がこっちに出て来てるってのは、ナイショだよ?)
だからちょっとお風呂に入って暖まってから遊びに行くべきか、
それとも寒い中を思いっきりつっ走ってみるべきか、ってね。
これ、ちょっと難しい問題よ?
「おやつにチョコケーキとショートケーキ、どっちを選ぶか?」に匹敵するくらい?
「くしゅんっ!」
じっとして考えてたらくしゃみが出た。
おまけに気がついたら膝がガクガク笑ってるし。
あー、これはもう決まりかな。
こんなんで走っても、あったかくなる前に足つるだろーしね。
てなわけで、お風呂に直行!
思索の時は終わった! 今こそ行動の時っ! なーんてねっ♪
…ってなわけで、やってきました露天風呂っ!
こーいう大きなお風呂でのんびりするのっていーよね〜。
しかも運が良ければ貸し切り状態だしっ!
脱衣所でんしょんしょと服を脱ぎ終えたトコで、はたと気づく。
ここって、混浴なんだよね……
水着、着ていったほうがいーのかな?
「もしもーし! 誰か中にいますかーっ!!」
ありったけの大声で聞いてみる。
もし男の人がいるよーなら、水着を着ていこう。
乙女の柔肌をそー簡単に見せるわけにはいかないしね。
- 49 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2006/12/08(金) 01:24:450
- >>47
「あはは。悪い悪い。てっきり覗きか何かかと思って反射的に」
かといって強烈なエルボーを正中線に叩き込むのは自分でもどうかと思った。
今度からは気配の種類も読めるようにしよう。気が向いたら。
……さて、現状を確認。
湯気は多め、加えて月の光と星だけが光源。
よし、見えない。
何が、とかは聞くな。
「にしてもやっぱり武士――ああいや今は軍人か。体、頑丈ね」
急所に強烈な一撃を受けてまともに動けるとは驚きである。
まあそれで倒れられたら湯治どころの話ではない気もするけど。
「あ」
と、まず聞くべきことを忘れていた。
「あんた、何しに来たの?」
……湯治くらいしか答えはないだろうが、まあ、うん。
社交辞令だ。たぶん。
- 50 名前:風三姉妹:2006/12/08(金) 01:26:590
- >>42幻獣軍団御一行
東風「はっ!!」
(ゴンッ!!☆)
西風「いたっ!!?」
脳天に東風のチョップを受けて痛がる西風。
東風「まったく、他の脚にまで迷惑をかけるとは・・・ っ!?」
ジョーカー達にここで気付き、驚く。
東風「(こんな所にジョーカー達が・・・!? ・・・・・・まあ、
どうやら向こうも知らぬフリをしたいようだし、こちらもそうして
おくか・・・)」
東風「あー・・・ すまなかった。それでは・・・」
西風「あっ! ジョーカーちゃんだ!!」
西風の天然の一言のお陰で、凍りつく空気。
東風「ぬぐっ・・・!! この・・・ 一瞬で台無しにするな、このバカ!!」
怒りながら西風のこめかみを両拳でぐりぐりする。
西風「え〜? なんで〜っ!? い、いたいいたいいた〜い!!
北姉さま、たすけて〜っ!!」
北風「や〜れやれ・・・ 落ち着いて温泉にも入れやしない」
- 51 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2006/12/08(金) 01:28:170
- >>48
―――よく通る甲高い声。
雪崩が起きても知らないぞと思いつつ、とりあえず返そうか。
何か気の聞いたことを言おうと思ったが―――まあ止めとこう。
風流に浸る空気でもないし。
「はいはい、私がいますよ。あともう一人が」
男だけど。
まあ私が女だからプラスマイナスゼロでいいか。
見えないし。
一応手ぬぐいで胸元は隠してるし。
- 52 名前:風三姉妹:2006/12/08(金) 01:30:480
- 【訂正】
脚→客
すまん。次は気をつける
- 53 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/08(金) 01:39:040
- >>48
「入っている…一応」
…ヤバイ、声がかすれている。
聞こえるか聞こえないか、それが問題だ。
>>49
「えらい目に会うから覗きはしない、絶対にな」
…イタタタタタタタ。
まだ声が普通に戻らない。
「…腐っていても士官学校だからな。
この程度でおちていたら、話にならないさ」
鈍器で殴られない限りはおちない。
殴られた程度で気絶したら、そりゃな…
よし、痛みは治まった。
暗い中、朧に見える彼女に向き直る。
>「あんた、何しに来たの?」
「温泉を飲みに」
…半分は正解だ。
こっから飲料としてかっぱらってくるわけである。
「で、ついでに体を暖めているわけだ」
- 54 名前:フェイ-イェン@人間もーど ◆VR014m.tcM :2006/12/08(金) 01:39:040
>>47
>>49
ゴキュっ!
いきなり凄い音がした。
水蒸気でよく見えないけど、どーやら女のヒトが男のヒトに
零距離エルボーを喰らわしたみたい。
うっわ〜、コレってもしかして見てはいけないモノを見ちゃった?
愛し合って駆け落ちした二人っ!
だけど気がついたらどうしようもないすれ違いが生まれちゃってて、
逃亡先の温泉で湯けむり殺人事件大・発・生・っ! みたいな?
ど、どーしよ。
このままだと私、明日の朝のワイドショーで目隠し&音声修正入りで
目撃証言とかするコトにっ!?
う〜。 困ったな〜。
私、マスコミとはあまり関わりたくないんだよね……
そろ〜り、そろ〜り。
抜き足、差し足で現場から逃げ出そうとした時に。
>>51
『はいはい、私がいますよ。あともう一人が』
ぎっくぅ!
私がココにいるの、バレちゃってる!?
って、ついさっき、大声出したばっかりだったっけ。
しょーがない。
こーなったら犯人?の女に突撃インタビュー敢行よっ!
覚悟完了してお風呂場に入って行く。
「今晩は〜。 いいお湯ですね〜」
なんか殺人犯にかける言葉じゃないよーな気もするけど。
- 55 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2006/12/08(金) 01:44:380
- >>53
………飲む?
「……ひょっとして、そういう趣味か?」
さすがに引く。
いやお前、たしかに飲める温泉はあるけど。
それをうら若い(というと語弊がありそうだが)乙女の前で言うな。
目の前で。
言うならほら、お湯流し込んでる竹の前で言え。
>>54
さて、湯煙から抜け出てきたのは。
「なんだお前か。……まあ確かにいい湯だしいい夜だけどね」
そういえば声に聞き覚えがあった。
……って、なんだその目。
まるで肉食動物に狙われたような目はなんだ。
二回言うほど混乱したぞ、今。
「あーいや、誰も殺してないわよ?」
なぜ殺人に繋がったのかは分からない。
だが温泉で起きるのは殺人と相場が決まっているらしい。
外の世界の常識……かどうかは疑わしいが、そういうことだ。
- 56 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/08(金) 01:58:140
- >>55
「違う」
即答、というかどこのストーカーだ。
流石に人間の塩分を含んだものを飲むわけじゃない。
「…だからな?水不足なんだ、深刻に。
補給が全く無いから水を自分で集めろとか言われているんだよ」
水無しで人間は生きられない。
で、こっちには水が無い、だから利用できるものは何でも利用して、
さっさとこの任務が終わるのを待つわけだ。
>>54
どこかで見たようなやつ、確かセg…
やめよう、あの会社の話をするのは。
「何だ君か」
なんだか横のやつに怯えているような。
さっきのエルボーの音?俺の断末魔?
たぶんそれらあたりが彼女を怯えさしているのだろう。
あと何か邪推されたような気がするので言っておく。
「別に火曜サスペンス張りに愛し合って駆け落ちの末の殺人は起こってないぞ。
というか死んででたまるか、まだ」
- 57 名前:フェイ-イェン@人間もーど ◆VR014m.tcM :2006/12/08(金) 02:02:160
- >>53
あ。
もしかして、被害者さん、生きてる?
私、思いっきり早とちりしてた?
でもまあ、よかったかな。
おかげで水着が無駄にならずに済んだし。
「あ、あの〜。
イイ感じでエルボー入ってましたけど、大丈夫ですか?」
とりあえず、被害者の男性Aさんに聞いてみる。
まあ、自力で立ってるみたいだから、だいじょーぶだとは思うけどね。
>>55
で、加害者の女性A子さんの正体は、妹紅さんだったわけで。
なぁんだ。 謎の湯けむり殺人事件も終わってみればこーいうヲチ?
ま、そーいうモノよね。
「あ、あはははははは。
ヤだな〜。 何でいきなり殺人事件のお話になるのかな?
てか、せっかくのお風呂なんだし、楽しく入ろーよ?
あ、そーだ。
せっかく一緒にいるんだし、背中の流しっこしない?」
お昼の二時頃から再放送されそーな話題はさっさと切り上げちゃおう。
思考の切り替えの早さって、私の美点よね。
- 58 名前:フェイ-イェン@人間もーど ◆VR014m.tcM :2006/12/08(金) 02:05:060
- >>56
「え? セグウェイがどーかしたの?」
- 59 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2006/12/08(金) 02:06:380
- その場にふらりと現れたのは、美しい娘だった。
まるで絹のように艶やかな茶色の長い髪に、小柄ながらも美しい曲線を描く肩、細くしなやかな腕。
そして胸元を飾る、二つのささやかな、だが女神のように形の良い膨らみ。
しかしその娘には、普通の人間には有り得ない器官が二つ、同時に存在していた。
ぴくぴくと、小刻みに動く、娘の頭頂にある獣の耳。
引き締まった小さな尻から伸びる、毛の塊……つまり、尻尾だ。
だが、その二つの明らかに奇怪な、人を畏れさせるに充分な要素を持ちながら、
娘は、どこまでも美しく、またどこか、妖艶でもあった。
「ふふ。これはまた、温かそうな湯じゃの。ニョッヒラを思い出すな」
ニョッヒラというのは、今は既に滅んでしまったといわれる彼女の故郷、
その近辺に存在した湯の沸く地域のことだ。
かつて彼女はよく、仲間を伴いその不思議な湯を浴びに行ったものだ。
「この場所では、わっちの尻尾も耳も気にするものはいやせん…久しぶりにゆっくりできそうじゃ」
そう言いながら、娘―――かつて賢狼と呼ばれ、人にも狼にも奉られ豊穣の神にまで祀り上げられた、
長寿の狼、ホロは、静かに湯船へと歩み寄った。
そのささやかな乳房も、下半身も、一切隠そうとしない、それが当然であるかのように、そのままで。
「今晩は、じゃな。皆の衆。息災かや?」
やは、という感じで、彼女は片手を挙げ挨拶をした。
- 60 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/08(金) 02:07:160
- >>58
「いや、せごどんラーメンは美味いなと」
- 61 名前:フェイ-イェン@人間もーど ◆VR014m.tcM :2006/12/08(金) 02:14:350
- >>59
ん? また誰か来たの?
賑やかになるのは私的には全然オッケーなんだけどさ。
えっちな男のヒトみたいなのは、ノーサンキュー……
ん、考え過ぎだったみたいね。
どーやら女の子みたいだし……
(視線がホロの方に向いています)
みたいだし……
(視線が足下の方に向いています)
「…ま、負けたわ。 いろんな意味で」
つい、小声が出ちゃった。 誰にも聞こえてないよね?
>>60
「そーなんだ!
じゃ、今度そのラーメン屋さんに行ってみるね〜♪」
- 62 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/08(金) 02:19:070
- >>59
「あ」
女の子が、入ってきた。
何も隠さず、何の恥じらいも無く。
獣の耳、獣の尻尾。
この二つはおかしいもの、人間にあってはならないもの。
そこにいるのは人間ではない、人間以上に美しい何かであった。
「………今晩…は」
挨拶され、それに呆けたまま答えるしかない。
あまりにも綺麗で、目を離したくなかった。
- 63 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2006/12/08(金) 02:53:210
- >>56
「だからって温泉の水で調達か。どんだけ補給滞ってるんだよそれ」
軍の生命線たる補給が出来なきゃ負け戦は確定だ。
いつの時代でも、補給を絶たれた軍の末路は悲惨である。
……大丈夫だろうかこいつ。
「……ま、いいや。とりあえず死ぬなよ。戦争で死ぬことほど阿呆なことはないんだから」
死ねば死に損生きれば生き得、とは誰の言葉だったか。
とりあえず、嫁さんを未亡人にするべきじゃない。
>>57
うん、どうやら私が殺人鬼でないことは見事に立証されたらしい。
実に善いことだ。真実は常に勝つ。
一歩間違えば逆さまになっていたことは忘れる。忘れよう。忘れれ。
「そーね。楽しく……まあ私はさっきまでのんびりしてたところだけど。
……洗いっこ? ん、それじゃあお世話になっちゃおうかな。せっかくだし」
私は湯船から出ることにした。手ぬぐいの位置加減がポイントである。
これを間違えるとはしたない部分が見えたり見えなかったりする。
……風呂に水着は野暮と思っている私だが、ちょっと考え直したほうがいいかも知れない。
なんか要らん苦労増えるし。野郎がいると。
>>59
―――と。
「……八百万の神も癒しを受けたという秘湯だったか、ここ?」
なんかすごく神格高そうな狼が入ってきた。
というか、知ってる。間違いなくあの耳と尻尾は―――
「……まあ、何が来ても今さら不思議じゃないか。
こんばんわ。いい夜ね」
……ふと思って、自分の体に視線を落としてみる。
雪のように白い肌に、銀色の髪が流れている。
造形も……うん、大丈夫。負けてない。
いや、女性としては気になる所だ。
割と切実に。
成長止まってるし。
- 64 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/08(金) 03:05:230
- 目を離そう、精神衛生上良くない。
>>63
「ま、実際やっているのは戦後処理だ。
負けを認められないやつらが悪さしないように見張ってるんだよ」
今のところこの活動をしているのは二人。
この小人数だからこそ出来るともいえる。
もしもっと大人数なら補給が完全に足りず、
そのまま全滅といったところだろう。
「死なないさ。…せっかく戦争を生き抜いたのにここで死んでたまるか」
アイナを残して死ねない。
俺が死ねば悲しむやつがでると前に説教されたしな。
- 65 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2006/12/08(金) 03:09:350
- >>61 >>62
来て早々、娘と男から視線を向けられる。
娘のほうは以前ホロが見た顔で、生物の匂いがしない奇妙な人間だった。
男のほうとは初対面となる。
ホロは静かに裸身を湯に沈めながら、先客の相手をすることにした。
>>61
「おう、ぬしかや。いつぞやは世話になったの。
で、何が負けたのかや? ひとつわっちに説明してくりゃれ」
狼の耳できっちり聞き取っていた独り言を掘り返してみる。
こういう時、特に意地が悪くなるのがホロの性根だ。
>>62
男のほうは、ぼんやりとホロのほうを見つめてたどたどしく答えを返すのみだ。
そんな初々しい反応を、ホロは素直に可愛いと思う。
本来はこれくらいが正常なのだろう。
というより、思えば彼女の相方の反応が、あまりに素直じゃなさ過ぎた
(どころか、剣まで突きつけられた)ので、相対的にそう思ってしまっただけかもしれない。
「今晩は」
少しだけ機嫌を良くして、ホロは花のような微笑とともにそう答えた。
「良い夜じゃな。そしてここは、とても良いお湯じゃ。
そしてぬしのようななかなか良い男もおる。
今宵はなかなか、楽しい時間を過ごせそうじゃの。
そう思わぬか?」
ふふんと、鼻歌交じりに言う。
>>63
更にもう一人居た先客は、やはり見知った顔だった。
秘薬によって不死を得たとか言う娘で、名前は妹紅という。
「おお、ぬしも居ったか。奇遇じゃの。
まこと、良い夜じゃな」
カカと笑って、ホロは湯船にゆったりと身を預ける。
これでホロの機嫌は、決定的に「上機嫌」となったと言ってよい。
彼女は人との会話を好む。
それが、長い年月を生き、深い知識を得た者となっては、尚更のことだ。
「ふふ、秘湯かどうかは知りんせんが、ぬしやわっちが居るということは、まぁ普通の湯ではありんせんの。
それにわっちはもう神様はとっくに廃業しとる。それほど特別というほどではない。
せいぜい、ぬしと同程度じゃよ」
- 66 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/08(金) 03:19:170
- >>65
再び、全裸の女の子が話しかけてきた。
自分をいい男と評価し、笑みを浮かべる。
首が、固まったように、動かない。
それこそのろいだ、美しさという名の呪いが、
俺の頭の中に焼きつく。
「ああ…楽しい時間…ね…」
ヤバイ、心まで固まったようだ。
うまく会話できない。アイナと風呂に入ったときにでもこうはならないのに。
「その…だな…前を…隠せないか?」
必死で搾り出した言葉。
これにはいと答えてくれたら呪いも解けて…
- 67 名前:フェイ-イェン@人間もーど ◆VR014m.tcM :2006/12/08(金) 03:22:010
- >>63
かぽーん。
お風呂と言えばコレ、な効果音が響く。
続いてざざっ、と水の音。
手ぬぐいを上手に使って隠すトコ隠した妹紅さんが、湯船からあがってきた。
あとでこの巻き方、教えてもらおっと。
ま、今日のところはこのビキニにガードは任せとくけどね。
「本日はご利用いただきありがとーございまーす♪」
私もノリノリでお客さん(もこーさんのコトね)を席に案内する。
席っていっても、お風呂に備え付けのちっちゃな椅子だけど
こーいうのは雰囲気よ、雰囲気。
妹紅さんが座っている間に、タオルにボディソープをとって
しゃわしゃわと泡立てる。
そしてふと思い出す。
そーいえば、お姉さまと一緒にこーゆーコトはしたことなかったっけ。
パパのラボにいた頃は一人用のユニットバスかシャワーばかりだったからね。
>>64
別に立ち聞きとかするつもりはなかったんだけど、
お話を整理すると、どーやらこのヒト、軍人さんらしい。
そして私は軍人さんとは思いっきり折り合いが悪かったりする。
だってさ、ほら。
ヒトのコト捕獲対象だとかなんだとかいって
WANTED指定してくる相手とは、普通は仲良くできないじゃない?
ま、このヒトはいつも追っかけてくる連中とは別口の組織みたいだから一安心だけど。
「……ふーん、戦争があったんだ。
どんな戦争かは知らないけど、それで悲しむヒトが出るのはヤだな―――」
戦争を生き抜いたとかなんとか言ってたのを聞いて、ついぼそっとこぼしちゃった。
ありきたりな考えだって?
いーじゃない。 私は思ったコト口にしただけだし。
- 68 名前:フェイ-イェン@人間もーど ◆VR014m.tcM :2006/12/08(金) 03:31:220
- >>65
「ん〜、そーだね。
年増度とか、そーいう分野で?」
悪戯っぽく笑いながら、答えてやる。
フン! ムネが何よ!ナイスバディが何よ!
私にはこの場の誰よりも若いってユーアドバンテージがあるっ!
だからコンプレックス持つよーな要素なんてなにもないっ! そーゆーコトにしとくっ!
…と、自分を納得させたところではた、と気づく。
あの尻尾の生え際って、どーなってんだろ?
気にしないフリをしながら、目線だけでホロさんの腰の辺りを覗いてみた。
うーん。
湯けむりでよく見えないや。
- 69 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2006/12/08(金) 03:35:050
- >>65
「いやいや、神ってのは“そこに在る”だけで意味があるからね。廃業云々とは縁がない
……と、私は思うんだけど。まあ瑣末か。ともあれ、同列扱いとはまた大盤振る舞いね」
一介の仙人、それも外丹という私に“神”という名なんて相応しくない。
せいぜいが太公望を気取るくらいで十分だ。
まあ、そんなことも、温泉と月明かりの前にはどうでもいい。
文字通り、裸の付き合いというやつだ。
知らず、笑みがこぼれる。
人の縁は絵になるほど面白い。
―――で、一つ問題に気づいた。
ホロさんは、女性の私から見ても綺麗だ。
髪も肌も造形も、女神らしい風格を備えている。完璧といってもいい。
で、問題は。それをまったく隠していないというわけで。
「……あー。一応男いるし、少しくらいは気にしたほうがいいと思うんだけど」
さすがに指摘する。
いやほら、コドモハミチャイケマセン的にまずい。
>>67
「おいおい、どこの湯女だよそれ」
昔、浴場における客への世話を生業とした湯女。
もちろん、その中にはこういうサービスもあった。
あったが―――まさか現代で聞けるとは思わなかった。
ノリいいなあこの娘。
とりあえず言われるままに背中を流してもらう。
髪の毛は……とりあえずまとめて前に垂らしておいた。
こっちの手入れを先にするべきだったかもしれないけど、まあ瑣末だ。
「……あー、痒い所に手が届く感じねこれ」
けっこう気持ちいい。というか上手い。
なかなか丁寧に洗ってくれているようだ。
「にしても楽しそうに洗うね―――あ、ちょ、ま……」
思わず身震いした。
まあ、その。たまに手が滑るのか、別の所に手が行く。
それに不意を突かれて、どうにもくすぐったい。
自分で洗う分には平気だが、他人に触られるのは弱い。
>>64
「なるほど。燻ってる火を消すのが仕事か」
負けを認められないで最後まで戦って死ぬ人間は意外と多い。
名将であれ凡兵であれ、そういう性根の人間はどこにでもいる。
ただ、それは少し勿体無い、とも思う時がある。
不死を得た頃からだろうか。命の有り難味、重みを実感し始めた時だ。
「それならまあ、普通よりか安全か。でも気をつけてな」
そんな風に言葉を紡いで、ふと天を仰ぐ。
月が湯煙にけぶっていた。
- 70 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/08(金) 03:50:040
- 戦争という言葉、それは呪いを解く。
いや、ただ単にもっと強力な呪いがかかったのだ。
頭の中が冷静になる。普通に彼女達に顔を向けた。
>>67
「俺だって望んでなかったさ。戦争なんて…」
あの戦争は間違っていた。
どちらも正しくなんて無い、どちらも分かり合おうとしない。
一方は敵を見下し、一方は敵を憎み、
そして、お互いの対立は大きな悲しみを生み出すことになった。
「確かにそれで悲しむ人は一杯いたよ。
そしてその悲しみが怒りに変わってそいつは戦火に身を投じるんだ。
…そして俺もその一人さ」
ブリティッシュ作戦。
この作戦により、故郷の人間は皆殺しにされた。
核による攻撃、ついで起こった毒ガス攻撃。
これを誰が望んでいようか?いや、誰も望まない。
悲しむ人が出るのは嫌なのは俺も一緒だ。
だからこうして悲しむ人を最小限に抑えるために、戦う。
まだここで敵を一人も殺していない。
>>69
「そう、それが他所に燃え移って死人が出るのを防ぐのさ」
崇高なる魂、誇り高き我が祖国。
それがあいつらの常套句だ。
だが命を無駄に捨てることが別にえらいともなんとも思えない。
彼らを止め、そして故郷へ送る。
所詮自己満足だ。これで彼らが幸せになるとは限らない。
俺のおせっかいを彼らは、弾丸を持って抵抗する。
「嫌がらせの類で環境は悪いけどな。
まあ、上層部といざこざを起こしたことを反省する気は毛頭無いが」
ふと、月を見上げる。
湯気により、少し霞んでいたが
「…いい月だな」
そんな言葉が、口から出た。
- 71 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2006/12/08(金) 04:00:460
- >>66
困ったようにうつむいて、そんな言葉を投げかけてくる男。
その初心な様に、ホロの悪戯心はますます刺激されるのだった。
「ふふ、何故かや?
こんな姿のわっちは……嫌いか?」
少し俯いてしなを作りながら、言ってやる。
その仕草は、可憐な少女の外見であるホロが行う事で、一層妖艶に映ることだろう。
ますます男の判断能力は鈍って行くに違いない。
彼女の連れではこうは行くまいが、その連れよりもこの男は、ずっとホロにとっては
御しやすい相手のようだった。
>>68
「そういうぬしは、見た目よりも随分幼いようじゃが。
見栄張り度では、わっちに負けとらんのではないかや?」
目の前の少女の言動には、見た目の歳相応よりわずかに下回る幼さが見受けられる。
それを見越して、更にからかいの言葉を繋げた。
そして、少女の視線に気づく。
「なんじゃ、この尻尾が気になるのかや?」
言いながら、少し腰を持ち上げて、尻尾だけを湯面から上に出す。
「綺麗じゃろ? わっちの自慢の尻尾じゃ。
先だげ白いのが、特に気に入っておる」
>>69
「在るだけで……のぅ。その通りじゃな。
わっちが奉られておった頃もそうじゃった。あ奴らにとってはわっち居るだけでそれで良いんじゃ。
それでいて、少しでも麦の状態が悪くなるとわっちに文句を言う。
そして終いには、厄介者扱いじゃ…まこと、身勝手な連中よ。
じゃからわっちは神なんぞ辞めてやったんじゃ」
一息で言う。
ホロにとってあの村への感情は非常に複雑なもので、多少の言葉では言い表せないものがあった。
少々言葉が乱暴になるのも、致し方ないところだろう。
「何じゃ、ぬしまでそんな俗っぽいことを言うのかや。
ふふん、心配はありんせん。そこの男にこの場で襲い掛かるような度胸はないし、
あっても返り討ちに合わせるだけじゃ」
あっけらかんとそんなことを言う。
問題点はそんな所にないのは一目瞭然だが、それでもホロは己の主張を曲げようとしないらしかった。
- 72 名前:フェイ-イェン@人間もーど ◆VR014m.tcM :2006/12/08(金) 04:06:380
- >>69
たっぷりとボディソープをつけたタオルで
ごしごしと妹紅さんの背中をやると、きゅきゅっとした感触が。
わお。 きれーな肌。 おまけに色も白いし。
妹紅さんって顔つきはジャパニーズだけど、色はコーカソイドもビックリってくらい白い。
ちょっと驚きだね。
ここまで綺麗なのは、自分かお姉さまくらいだと思ってたし。
ま、私とかお姉さまの場合、そういうふうに構成されているからなんだけどねー。
そんなこと考えながら、黙々と妹紅さんの身体を洗う。
ごしごしごし
きゅっきゅっきゅ
ごしごしごし
きゅっきゅっきゅ
こ、これはちょっと面白いかもしれない。
夢中になって更にごしごし、きゅっきゅ。
背中をごしごし。
太ももをきゅきゅっ。
『あ、ちょ、ま……』
いきなりビクっ、と身震いする妹紅さん。
あれ? 何か引っかけちゃった?
でも泡でちょっと見えないし、大したコトでもなさそーだから放っておこう。
「はーい! それじゃお背中流しますね〜〜」
全身泡だらけ(バブリーって言うとちょっと語弊がある?)になった妹紅さんに一言言ってから
洗面器(もちろん黄色くて底にケロ◯ンって書いてあるヤツね)のお湯をざぁっとかける。
さらにもういっぺん、ざざっとやればお仕事完了っ! ミッションコンプリートだねっ!
……ん? あれは?
「……あ”」
――――やっちゃった。
どーやらさっき妹紅さんが身震いした時、どこか引っかけて手ぬぐいの結び目を解いちゃってたみたい。
そーでもなきゃ、お湯と一緒に手ぬぐいが流れていったりはしないよね。
「――――――」
何も言えずに気まずくなってるところに、かぽーんと例の音が響いた。
- 73 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/08(金) 04:18:110
- >>71
「ガッ!?」
思わず奇怪な声を上げてしまった。
何故近くでそういうこと言うのか、こいつ。
さっきの呪いが倍返しにして心を固めたようだった。
「き、嫌いとか、そういう問題ではなくてだな…
えーと、その、心理的に、モラル的に良くない」
何言ってんだ俺?
自分でもよく判らない理屈を並べた。
なんで、せっかくそこのジャパニーズが注意しているのに、
コドモハミチャイケマセンなのになんで別の方向にずれるんだ。
「クッ!だ、だから!俺が襲うとかそういうのは問題じゃないんだ!
とにかく隠してくれ!頼むから!」
どうにも出来ない。
誰か誰か助けてくれ、頼む。
- 74 名前:フェイ-イェン@人間もーど ◆VR014m.tcM :2006/12/08(金) 04:22:470
- >>70
「そ、そーだよね(そわそわ)
誰だって戦争とか暴力なんて望んだりはしないよね?(そわそわ)
もし、何か悲しい行き違いとか不幸な事故があってもさ?(そわそわ)
ニンゲンは考えて話すコトができるわけなんだし……(そわそわ)
だ、だからこの場合も話し合いで解決を……(そわそわ)
っていうか、ゴメンなさいっ! 妹紅さんっ!
ゴメンナサイ ゴメンナサイ ゴメンナサイ ゴメンナサイ ゴメンナサイ ゴメンナサイ!」
最後の一行は1秒間に10回くらいいけそうなペース&脱兎の勢いで駆けながらっ!
>>71
「み、見栄なんて張ってないもんっ!
私はいつだって自然体、ナチュラルスタイルよ?
この際お前のどこがナチュラルだなんていう野暮なツッコミは却下の方向でっ!」
ダッシュで走り去りながらも、きちんと答える私。
礼儀って大事だよね、うん。
だからあなたもその尻尾の先だけじゃなくって、
その生えてるところをちゃんと見せてよっ!
- 75 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2006/12/08(金) 04:52:240
- >>70
「はは。、いつも上のほうはわからずや、ってね。前に川柳でも読まれてたくらい、どこにでもあるのね」
まあ、仕方あるまいとも思う。
いくさとはそういうものだ。部下が言うことを聞かなければ国が滅びる。
だが、だからといって人間を部品扱いする理由にはならない。
そういう意味では、彼は紛れもなく人間だ。
「善い月よ。……月は、大地に恵みを与える女神様って話、しってた?」
願わくば―――平和という名の恵みも与えたまえ。
月の女神……そこでなんで輝夜の顔が浮かぶ。
アレは悪女だ。男を手玉にとって遊ぶ恐るべき存在だ。
平和とは程遠い。
頭を振って無理やり忘れることにした。
>>72
「あ―――っと」
するりと手ぬぐいが滑り落ちる感触。
とっさに手で胸を隠し、手ぬぐいを拾い上げるも、ぽろりと丸いものがこぼれる。
……まあ、そこそこの大きさ?
変な感想が脳裏をよぎった。
「あー、まあほら、気にしないから。ほら戻って来い」
手早く手ぬぐいを巻きなおして、手招きをする。
まだこっちは背中を流してやってないのである。
>>71
「や、まああっちに襲うような甲斐性はないしこっちは女だからいいけどさ。何より貴方
相手だと命が足りなさそうだしねー」
苦笑交じりに返答する。
やー、まあ、そういうのでなくて。
やっぱりこう、綺麗な人が全裸でうろついてると落ち着かない。
「でも、見せぬが華って言葉もあるのよ?」
とりあえず言っても無駄と見て、それだけ伝える。
隠すことで現れる美もある―――のは建前で。単にこう、倫理的な。
- 76 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2006/12/08(金) 04:59:030
- >>73
「心理? モラル? 要領をえん話じゃの…
もっとはっきり、言ってくれんとわかりんせん。
なぁ……わっちの、何が、いかんのじゃ?」
上目遣いに、そう聞いた。
勿論、彼の狼狽の理由は分かっている。
分かっていて、敢えて問うているのだ。
これほどホロが嗜虐心を刺激されたのは、彼女の連れ以来のことかもしれない。
しかもあの連れとはまた違った大層初々しい反応をいちいち返すものだから、
ホロとしてみれば面白くて仕方がない。
「教えて……くりゃれ?」
更に弱弱しさを強調して、言ってみた。
>>72 >>74
何やら妹紅の体を洗っていた少女が、妹紅を裸にひん剥いて、
慌てた様子で逃げ去っていく。
駆けながらも、ホロへの悪態は忘れない。
「ふふ、自分で認めておっては、世話がないの。
それよりもぬしよ、こんな濡れた岩場を走っては、転ぶぞ?」
転んだところで、彼女がどうこうなるとはホロも思ってはいないが。
一応、配慮の声だけはかけておいた。
>>75
「そんな言葉もあるにはある。そうすることで美しさが引き立つこともあるじゃろの。
じゃがわっちは、そんな事をせんでも充分美しいから、これで良いのよ」
妹紅のそれよりは小さいが、美しい曲線を描く胸を張って、そう答える。
そして、少しだけ意地の悪い笑みを浮かべて、こう言った。
「それにの―――ふふ、『今は』この方が面白い。じゃろ?」
目を白黒させている男にちらと目線をやりながら。
- 77 名前:フェイ-イェン@人間もーど ◆VR014m.tcM :2006/12/08(金) 05:05:530
- >>75-76
もの凄い勢いでダッシュして、
もの凄い勢いで電脳虚数界へのゲートを開いて、
もの凄い勢いで石けんを踏んづけて、
もの凄い勢いで前方にすっ転びながら、
もの凄い勢いでゲートの中に頭から突っ込んで、
もの凄い勢いで転移して。
そして、誰もいなくなった―――
じゃなくって。
そして、後には「背中の流しっことか尻尾の真実についてはまた今度っ!」という声だけが残った。
【もの凄い勢いで退場】
- 78 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2006/12/08(金) 05:37:200
- >>71
―――ああ、行ってしまった。
「そそっかしいわね。……そういや姉がいるって言ったか。あの分じゃお姉さん苦労してそうね」
思わず笑みがこぼれる。
……さて、流してもらった身体を冷やすわけには行かない。
暖まって、寝床へ潜るとしようか。
>>76
「……おぬしも悪よのう、でいいのかしら?」
意地の悪い笑みを見て、こっちも笑った。気持ち悪戯っぽく。
まあ、からかって遊ぶのが楽しい、ということについては全面的に同意だ。
……あ、よくみたら私のほうがちょっとだけ大きいのか?
意外だった。
閑話休題。
「さておき、私は湯当たりと湯ざめが怖いから、そろそろ上がるわね」
手ぬぐいを巻いて、ざば、と湯船から上がる。
それじゃあまた、と手を軽く振ってその場を去る。
空を見上げると―――湯気に隠れていない、綺麗な月が見えていた。
【退場】
- 79 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2006/12/08(金) 05:58:290
- >>77
「ああ、言わんこっちゃない……」
手で頭を押さえながら、呻くホロ。
しかしその顔には心配そうな顔はなく、むしろ、楽しんでいるような微笑が浮かんでいる。
彼女自身、騒がしいのは、嫌いではないどころか、好きな傾向にあるのだから。
「ふふ、また会えると良いの」
>>78
「そういうことじゃ。ぬしも分かっておるではないかや、エチゴヤ…と、東方ではこういうのじゃったか」
くすくすと、もはや漏れる笑いを隠そうともしないで言う。
傍目には少女同士の戯れな言葉の交わし合いだが、
それを言っているもの両名が見た目より遥かに齢を重ねた者であるということを考えると、
少々奇妙な光景では、あったかもしれない。
「では、わっちもそろそろ上がるかの。茹であがってしまっては適わんわいな」
やはり裸身を隠そうともせず、おもむろに立ち上がる。
そしてそのまま、澱みない動作で湯船から出て、少女や妹紅の後を追う。
「またの、青年。今宵は本当に、楽しかったぞ?」
片目を瞑って後に残った男に愛想を振ってから、ホロは風呂場を後にした。
(退場)
- 80 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/08(金) 06:26:070
- やば、少し意識が。
>>75
「いつだって上は下のことを考えないものさ。
…彼らは数字でしか兵士の死を考えない」
流れていくセン死者数。
命の重みも何も無い。
全て戦争に勝つための必要な犠牲者。
「へえ?そういう伝説もあるのか、初耳だ」
月―――人工都市、グラナダ。
今もそこに住む者たちがせっせと働いている。
しかし地球から見れば意外と見えないものだ。宇宙だとビルの明かりとか見えるのに。
>>76
「グウッ!?」
酷い、手玉に取られている。
またもやよく判らない悲鳴を出した。
「だ、だからだな…えーと」
何か言葉を探す。
一番この場で有効な言葉を。
「お、お前の今の姿は…その、
太陽を直視したようなものだ、だから」
やめてくれ、と。
頼む、俺をそこまで追い詰めないでくれ。
>>79
で、呆けること数十分。
彼女のほうが先に上がってくれた。
「…酷い目に会った…ウゥ…」
頭を上下に振って邪念を振り払いつつ、
温泉を後にした。
【退場】
- 81 名前:幻獣軍団御一行様 ◆UIjb7.uQXw :2006/12/08(金) 16:32:490
- >>43 某樹木怪人
*ジョーカー視点
「・・・・・・・・・・・ああ分身ですか。」
一度自らの目を疑った。しかししばらくしてドリアードと言う怪人の能力を思い出した。
「いやはやそういえば留守を任せているワタクシの分身は元気ですかねェ。
ジャンガの分身も待機しているはずなんですが。まぁ大規模な戦闘は起こさない予定ですが。
分身が簡単負ければワタクシの実力も舐められかねんですから。闇社会じゃ舐められたら終わりですからね、ホント。」
何仕事の話をしているのでしょう。世間話が思いつかない。普段なら強引に持ってくのですがね。
引退した人にはいや過ぎる話でしょ。それは。
「ワタクシ達はこの辺の旅館をとりしばらく休暇をとる予定です。
夏とか海の家でバイトしてましたからお金は結構溜まってるんです。
・・・・後本業とか。まぁゆっくりしましょう。お互いに・・・」
>>44〜88
*ガディウス視点
「・・・・・・・全く。修学旅行生でも来てるのかと思った。」
誰に言うでなくポツリとつぶやく。
若い軍人、少し話したことのある妙な・・・少女。あと狼の妖怪・・・か?
ジョーカーの報告にあったシャオムゥという娘に似た類か?
「・・・・やれやれ、若いということは良いものだな・・・・」
少し・・・・羨ましく見える。私には尊敬してくれ慕ってくれる部下はいるが
友はいない。3000年前のあの日、全てと縁を切り人から闇の生き物に身を移したのだから。
全ては自分が選んだ道。後悔は無い。
「自分でそう思ってるだけかも知れんな・・・イカンイカン!」
私は湯治に来たのであり、しんみりしに来たのではない。とにかく落ち着け。
湯につかり快楽に身をゆだねるのだ。それが全てにおいて最善の策だ。
・・・・多分
>>50 風姉妹
*ジョーカー&幻獣トリオ視点
「・・・・・・・こうなるとはうすうす予想してましたよ。えぇ。」
出オチ――――それはすなわち出たとたんにオチ。
ロンゴランゴ「嬢ちゃん達、始めまして。おれはジョーカーの同僚のロンゴランゴ。」
ゲルグボルム「・・・・ああ同盟組んでる第3の月の都だかか?俺はゲルグボルム。」
バラディウム「私はバラディウム。見ての通り人型じゃない。」
ま、そりゃそうでしょう。
参考資料はコチラ
ttp://namco-ch.net/klonoa/relay-essay/essay-08b.html
ttp://namco-ch.net/klonoa/relay-essay/essay-04a.html
みんなもクロノアに興味を持ってね!(営業スマイル)
「違う、違う何やってるんですかワタクシは!
・・・ま、公共の場では静かにしてくださいね。・・・・お互い普段の行動から言える言葉ではありませんが。」
至極もっとも
- 82 名前:ドラえもん ◆6RiDORA66c :2006/12/08(金) 17:11:570
- 「よ〜〜し、今日もここの温泉に入ろ〜〜と」
そう言った後に、ドラえもんは温泉に入った。
「ふぅ〜〜、やっぱり良い湯だなぁ〜〜。僕、この温泉が気に入っちゃったよ♪」
ドラえもんは、ここの温泉に初めて入って以来―――かなりこの温泉を気に入った様子であった。
最近ドラえもんは、のび太君の事などが原因でかなりストレスを溜めていたのであった。
しかしこの温泉に入ってみれば、あわや温泉がとても暖かくて気分を和ませてくれるので、
何故かストレスが程よく解消していくのだった。
温泉の豆知識によれば、温泉の中には身体や心をスッキリさせてくれる効果をもたらす温泉があるらしい。
どうやらこの温泉にもその効果があるようなのだ。
「そう思うとなると、改めてキッドや王ドラには感謝しないとね」
心の中でこの温泉の場所を教えてくれた親友二人に深く感謝しながら、ドラえもんは
ゆっくりと湯船の中を満喫していた。
>>76>>77>>78>>80
「…ん?気のせいかな…ついさっきまであそこに人だかりがいたような…」
>>81
「…何だろうこの人達。何だか見た目は僕に通じる所があるけど…」
- 83 名前:風三姉妹:2006/12/09(土) 23:53:540
- >>81:幻獣軍団御一行
西風「は〜い。よろしくね〜☆」
東風「ああ、まあ・・・ よろしく(幻獣どもはジョーカーやジャンガ以外にも
こんなにいたのか・・・ 見た目はともかく、注意するべき相手が増えたな)」
西風「おもしろいね〜。猫さんにブタさんに、かわいい〜♪」
北風「火種を広げるようなこと言うんじゃないよ。この頭あったか妹」
東風「ちなみに、私達の原典は【ストライダー飛竜】だ」
- 84 名前:M.O.M.O. ◆Vec6w4YXrE :2006/12/11(月) 00:40:270
- 温泉……気持ちいいです……
KOS-MOSさんも来れば良かったのに。
「はぁ……」
気持ちいいです。 ため息出ちゃいます。
ただ……、露天の温泉なので、上がったらすぐに湯冷めしちゃいそうです…。
「身体はとっても温かいのに、息を吐くと、白く見えるなんて、
原理としてはわかっていても、不思議な感じです。」
誰に聞かせるでもない、独り言。
ふぅ、と息をつくと、また、白い蒸気が、夜空に散っていきます。
「あぁ、星がよく見えます。 きれいですね。」
ミルチアの夜は明るくて、こんな風に見上げても、星は霞んで、よく見えません。
夜空を見上げる……宇宙船から見る星とは、また違っていて、綺麗です。
しばらく、浸かって行きましょう。
お湯の温かさが、とても心地良いから。
夜空が、とても綺麗だから。
- 85 名前:M.O.M.O. ◆Vec6w4YXrE :2006/12/11(月) 02:06:430
- 「う〜〜……」
すっかりのぼせてしまいました。
そろそろ、帰りましょう。
また来ればいいですから。
(退場)
- 86 名前:幻獣軍団御一行様 ◆UIjb7.uQXw :2006/12/11(月) 17:05:230
- >>ドラえもん
*幻獣トリオ視点
バラディウム「ん?・・・・・・・お前は・・・・誰だ?幻想界の住人・・・・いや違うな、
雰囲気を発しないとは・・・・生き物なのか?」
>>風姉妹
*ジョーカー&幻獣トリオ視点
ロンゴランゴ「ちょっとオジョーちゃん、豚って誰のことかな♪」
満面の笑みを浮かべてロンゴが西風に近寄る。・・・・・・・ま、怒りますよね。
それにジャンガは幻獣じゃない。最もデーターが少ないあの姉妹にそんなことはわからないだろうが。
面白いので教えることは―――――ワタクシはしません。ジャンガもいないし。
ゲルグボルム「やめろロンゴ!大人だろ!お前は!」
バラディウム「抑えろ!抑えるんだ!同盟関係ぶっこわれたらどうする!」
止めないのは面白いから。これがワタクシなりの幸せなのです。
>>MOMO
*ジャンガ視点
「チッ!逃がしたか!」
珍しくはないことだがジャンガが吼えた。理由は簡単。昔の獲物を逃がしたから。
「だが何故・・・・・・俺の攻撃・・・ポイズンプワ(毒の泡)がそれた?
・・・・・・ゲドウホササンの仕業か?」
ハイ、オチは全てを責任転換でした(爆
- 87 名前:風三姉妹:2006/12/11(月) 21:48:040
- >>85MOMO
西風「姉さま。何もしなくていいの?」
北風「あいつが闘ったのはどうせ冥王様が用意した偽物だからね。
別にこっちは今のところ用も無いし、湯治中だからね。ほっとくさ」
東風「それに・・・ 私達の真の敵は、飛竜だけだ」
>>86幻獣軍団御一行
西風「東姉さま、北姉さま〜・・・ ブタさん怒っちゃった」
北風「だから言わんこっちゃない・・・ あんたって子はいつもなんで空気を
読めないのかねぇ。何度も口を酸っぱくして言ったろう? 思ったことを
そのまま口にするなって(ってォィ」
東風「ともかく、お前の撒いた種だ、自分で何とか納めろ」
西風「は〜い・・・ せ〜の、えいっ☆」
西風がロンゴランゴの方に手を翳すと、何やら妙に甘ったるく、暖かい
風が吹いてきた。それと共に、紫電の色に光輝く蝶が現れ、ヒラヒラと
ロンゴランゴ達の周囲を舞う。
西風は季節を運ぶ生命の風。
そして今西風が放った風は、眠りを誘う眠々風(みんみんかぜ)である。
ちなみに、技の命名は西風。
- 88 名前:コーディー ◆1irMelIOTg :2006/12/12(火) 02:48:200
- 「あー…あ」
大きくあくびをしつつ風呂場の隅で虚空を見上げ思う。
脱獄した時期が悪かったな、と。避寒地にでも行こうかと思い、フラフラと
歩き回っていたが、まさか道中こんな大風呂が有るとは思わなんだ。
無料らしい上に、サツも居ない。何かの縁と思い入ってみたが…成る程
癒す熱さとはこの事か。程好い加減で全身に気持ちよさが染み渡り
ベクトルは違うが、久しい満足感に浸った様な気がする。それというのも…
―――ダルイ。酷くダルイ。気分が萎え燻ってるのはいつもの事だが、
ココ最近いつもに増してそれが酷く強い状態で有った。寒さゆえか、
その日偶然そうなだけなのか…。
これがかつて喧嘩の天才と言われ、メトロシティの
英雄とまで謳われた男の姿なのかと言われると返す言葉も無い…。と、いうか
勝手にテメエらが持ち上げただけだろうがと苛立ち一つ。
刻まれてるかの如く有るその苛立ちはやがて最後に諦めとなり、虚無となる。
…ああ、馬鹿馬鹿しい。何でこんなにこの湯は熱くて
「…こんなに冷めるんだか」
冷えた気分だけが吐き出される言葉と共に、己の世界を虚しく覆った
…こんな場所で何をアレコレ面倒臭ぇ事を考えさせると、内心吐き捨てた後
浴場から上がろうとする。が、それに反して動く気が全く起こらない。
疲れか…?金も行く当ても無くほぼ手ぶらで世界中を喧嘩旅行。いくら無駄に
タフといえども、流石に多少の疲れ自体は有るのだろう。加えて体を支える
精神もこんなザマでは…。
…考える前に体は無意識に世界から切り離されていた。即ち、
非常識に浴場にて睡眠。危険と隣り合わせなエネルギー補給中
zzzz…zzzz…
- 89 名前:ミント・ブラマンシュ ◆MINTq0w5Z2 :2006/12/12(火) 03:39:200
- ふぅ……
いい湯加減ですわね。 癒されますわ。
過酷な任務で疲労の極みにある身体を休めるには、
やはり着ぐるみお風呂が一番ですわよね♪
しかもこーんなに広い露天風呂を独り占め〜♪
なんて素晴らしいんでしょう。 お風呂バンザイ! ですわよね♪
ハア〜
ババンが バンバンバン! ハア〜 ババンが バンバンバン〜♪
あらあら、ついつい歌など歌ってしまいましたわ。
ま、誰も聞いていないでしょうから問題ナッシングですけれど。
と、いいますか。
せっかくですから、この機会に年末のカラオケ大会の練習などしてみましょうかしら。
機会というものは、利用するために存在するものですからね。
YEAR! あ しぇき しぇき!!
YEAR! あ しぇき しぇき!!
と、こう歌ってみると、なんだか歌詞が いあ いあ よぐそ◯ーす の呪文っぽい気もいたしますわね。
ま、どうでもいいことですけれど。
【ミントは誰もいないと思って大声で歌いまくっている!】
- 90 名前:ミント・ブラマンシュ ◆MINTq0w5Z2 :2006/12/12(火) 04:12:250
- へ〜ドロ〜のう〜みか〜ら う〜まれ〜た へ〜ドラ〜☆
と〜りも さ〜かなも み〜なご〜ろし〜〜♪
……ふぅ。
ま、練習はこのくらいにしておきましょうか。
そろそろのぼせてきましたし。 このへんで上がるといたしましょう。
それに番台ではフルーツ牛乳が、私を待っておりますし♪
【ミント・ブラマンシュ:一人で歌うだけ歌って退場】
- 91 名前:名無し客:2006/12/12(火) 11:37:40O
- 昼寝昼酒昼湯も大好きですか?
- 92 名前:幻獣軍団御一行様 ◆UIjb7.uQXw :2006/12/12(火) 16:01:210
- >>風姉妹
*ロンゴランゴ視点
「クォラー!注意はするけど否定はしないんかい!!ってあれ?」
>> 西風は季節を運ぶ生命の風。
>> そして今西風が放った風は、眠りを誘う眠々風(みんみんかぜ)である。
>> ちなみに、技の命名は西風。
「あれ・・・・?なんだか眠たく・・・・っていけねぇ!バシン、バシン!(顔をたたいている)
フッ・・・・これくらいで寝ちゃガディウス様の配下なんて・・・・グゥ〜・・・・ハッ!?わりぃジョーカー、先上がるわ!
ザパー!ひぃー冷えるな。んじゃジャンガが狙撃したウサギ&シカを鍋にするか。」
ジョーカー「途中で寝るんじゃないですよー!」
>>ミント・ブラマッシュ
*ガディウス視点
「・・・・・そこの娘五月蠅いぞ。」
・・・・風呂で歌うのは響くためか練習になるがここは露天風呂なのだ。練習にはならない。
・・・・・えっ?私達に気づいてないと?アフォか!じん外が大きな声で話してるのに気づかんとはアホか!
「娘!五月蠅い・・・・」
駄目だ、アレは悪巧みしているジョーカーの目だ。(いつも同じにしか見えないが微細な変化があるらしい)
何を言っても無駄だろう。
「・・・・・・・(ブクブク)」
顔を湯に沈めてみた。
>>91
*ガディウス視点
「・・・・・昼酒は以外は好きだ。というか昼酒なんてジャンガしか嗜まん。」
ジャンガ「あるんなら値が高くて強い奴、頼むぜ?」
- 93 名前:M.O.M.O. ◆Vec6w4YXrE :2006/12/13(水) 00:12:380
- また、来ちゃいました。
温泉。 温かくて、つい長湯をしてしまいます。
でも、長湯は身体に悪いらしいので、ちょっと控えないといけませんね。
合成人間の場合どうかは知りませんけど。
「ふぅ……」
……でもここ、男女混浴って書いてありますね。
…………お湯に浸かってれば、見えませんよね、多分。
……………
「タオル巻いた方がいいかな…。」
- 94 名前:うらら ◆N7/15/V7xw :2006/12/13(水) 00:21:480
- みなさんご覧下さい。
すごくすごい湯気がモワモワしていまーす♪
何はともあれ、良〜い湯です♪
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- 95 名前:M.O.M.O. ◆Vec6w4YXrE :2006/12/13(水) 00:34:010
- >>94
あれ、誰か来てるんですね。
話しかけてみようかな。
……タオル巻いてないけど、女の人みたいだし……、お湯から出ると寒いし……。
……湯気でよく見えませんね。
とにかく、声を掛けてみましょう。
「あの……、誰ですか?」
- 96 名前:うらら ◆N7/15/V7xw :2006/12/13(水) 00:44:570
- あ、有名人のモモさんじゃありませんか!
こんばんは。
スペースチャンネル5専属リポーターのうららです♪
隠しカメラがあるかもしれませんが一切気にしないで下さい。
モモさんはもちろん当番組を毎回欠かさず観てくれていますよね?
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- 97 名前:ドミニア:2006/12/13(水) 00:47:110
- >>90ミント・ブラマンシュ
北風「・・・変な歌のチョイスだねぇ」
西風「北姉さま。ヘドラって何?」
北風「・・・・(年の離れた妹とのジュネレーションギャップに鬱)」
>>91名無し客
西風「私、お昼寝大好きー! 特に天気の日の草むらとか、ポカポカ
太陽が気持ちいいよねー♪ あ、あと冬にこたつでお昼寝するのも
好き〜☆ お酒はお姉さまにまだダメって言われるから飲んだこと
ないよ」
北風「あたしはお酒を飲むのに朝昼晩は関係ないよ(それは・・・」
東風「私はどれもしない。酒も好かん」
北風「素直に一口飲んだだけで潰れるからって言ったらどうだい?
背伸びしてるけどまだお子様だってさ(ケラケラ」
東風「ぐっ・・・」
>>92幻獣軍団御一行
西風「行っちゃったね、ブタさ・・・」
東風「おい」
西風「え〜と・・・ ロンちゃん」
北風「まあ、温泉で寝ちゃあ死ぬからねえ。そんなバカもいない
だろうさ」
>>88コーディー
西風「姉さま。寝てる人いるよ」
東風「放っておけ」
- 98 名前:風三姉妹:2006/12/13(水) 00:49:040
- すまん、名前を間違えた。
- 99 名前:M.O.M.O. ◆Vec6w4YXrE :2006/12/13(水) 00:49:100
- >>96
有名人…ですか?
ちょっと、照れちゃいます…。
でも、ごめんなさい、モモ、ウララさんのことは知らないんです。
テレビとか、あんまり見ないので…、ごめんなさい…。
- 100 名前:南 光太郎 ◆RIDRXRVna. :2006/12/13(水) 01:02:060
- (他の女性客に気を遣わせない様に、湯気で見えない距離を選び温泉に入る)
温かいな・・・こんなに体の力を抜いて寛げたのは、どれくらい久しぶりだろう。
ほんの少し前までは、当たり前のようにしていた事が・・・もうずっと遠い昔の
事のように思える・・・。
オレに休息は許されない。でも今は・・・今この僅かな時だけでも、一人の人間
としてこの温もりを感じていたかった―――――
- 101 名前:うらら ◆N7/15/V7xw :2006/12/13(水) 01:04:120
- もちろんです!
全宇宙を脅かすグノーシス化現象に立ち向かう
モモさんの活躍を知らない人などいません!
それはともかく、ご存じないとは…とても残念です!
ですがすごく楽しいこと請け合いなので
是非とも、お母様のユリ・ミズラヒさんとご一緒にどうぞ。
思わず踊り出してしまうこと間違いありません!
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- 102 名前:獅子丸 ◆Jyj5OiZTN. :2006/12/13(水) 01:07:100
- ち○ち○かいぃなぁ!!インキ○なのも大変だぜ
ったく、コスKもサオリちゃんも俺が折角呼んでやったてのに来ないなんてつれないよなぁ。
ま、いっか!!
俺の目的は、女の子のパイ○ツを拝んじゃうことだし・・・グフフフwww
- 103 名前:M.O.M.O. ◆Vec6w4YXrE :2006/12/13(水) 01:08:100
- >>101
それは楽しみです。
ミルチアにもレトロゲームと西暦2000年代の型のテレビを売っているお店はあるそうなので、
もし見つけたら、やってみますね。
楽しいのは、モモも好きです。
- 104 名前:獅子丸 ◆Jyj5OiZTN. :2006/12/13(水) 01:14:390
- >>100
ンッフフフゥーフゥワァフゥフゥー♪風よぉー光よー陰部のほてりー♪
さぁて、湯気の向こうにはどんなパイ○ツが・・・
お姉さん♪いただきま○・・・
_ -───- _
, '´ `ヽ
/ \
/ ヽ
/ __, ィ_,-ァ__,, ,,、 , 、,,__ -ァ-=彡ヘ ヽ
' 「 ´ {ハi′ } l
| | | |
| ! | |
| │ 〈 !
| |/ノ二__‐──ァ ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ
/⌒!| =彳o。ト ̄ヽ '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ ! ウホッ! いい男・・・
! ハ!| ー─ ' i ! `' '' " ||ヽ l |
| | /ヽ! | |ヽ i !
ヽ { | ! |ノ /
ヽ | _ ,、 ! , ′
\ ! '-゙ ‐ ゙ レ'
`! /
ヽ ゙  ̄  ̄ ` / |
|\ ー ─‐ , ′ !
| \ / |
_ -‐┤ ゙、 \ / ! l |`ーr─- _
_ -‐ '" / | ゙、 ヽ ____ '´ '│ ! | ゙''‐-
って・・・ちがぁぁぁぁう!!
- 105 名前:うらら ◆N7/15/V7xw :2006/12/13(水) 01:24:030
- >103
確かに当番組の宣伝の一環としてゲームもあります・・・が!!
やはりナマの真実!踊り!陰謀!踊り!感動!踊り!
その全てが詰まった番組、スペースチャンネル5をTVでご覧下さい!!
あのミズラヒさんもジュニアさんもついつい踊ってしまいます!
スペース新聞のTV欄は欠かさずチェックチェックチェックですよ!!
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..(⌒)ヘ⌒ヘ.⌒) :::::::::::::: 熱弁しすぎて頭がクラクラ…
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- 106 名前:南 光太郎 ◆RIDRXRVna. :2006/12/13(水) 01:26:520
- >>104
なっ・・・なんだ!? 男性客もいたのか・・・突然びっくりするじゃないか。
まぁ、とりあえず・・こんばんは。ここはいい温泉だね・・・はしゃぎたい
気持ちは分かるけど、他にもお客さんがいるから程ほどに・・ね。
- 107 名前:M.O.M.O. ◆Vec6w4YXrE :2006/12/13(水) 01:28:420
- >>105
はい、わかりました。
それじゃ、明日から新聞の番組欄に気をつけてみますね。
……ところで、さっきから変な声が聞こえませんか?(>>102,>>104)
- 108 名前:獅子丸 ◆Jyj5OiZTN. :2006/12/13(水) 01:30:170
- >>106
あぁっ!!お兄さん・・・どっかで見たことある!!
ねぇ、なんかのテレビでさ・・・あぁ、そうだそうだ!!
あんた流れ者 おりんっていう昔の大映ドラマかなんかに出てたよね?
ね?ね!?そうっしょ?そうでしょぉ!!
いやぁー有名人に会えるなんて俺結構付いちゃってるかもw?
グフフフフ・・・あ、サインもらえます。
このブリーフにでいいんで。
- 109 名前:南 光太郎 ◆RIDRXRVna. :2006/12/13(水) 01:44:030
- >>107
「・・・・・」
(・・・気づかれたかな? なるべく邪魔はしたく無かったんだが・・)
>>108
い、いや・・・オレはずっとバイクで一人旅をしている身だから、テレビに
出た事はないよ・・。たぶん・・・顔の良く似た人がいるんだな。
だからその人とは別人だ、ごめんね。
- 110 名前:うらら ◆N7/15/V7xw :2006/12/13(水) 01:48:090
- ゜。
○゜。
゜。
゜。○
゜。
>107
はい♪当番組スタッフに伝えておきます!
きっといつもよりハリキッて製作することでしょう♪
変な声といえば……なにやら事件の臭いがプンスカする声ですね……!
敏腕リポーターの嗅覚がそう教えてくれています!!
です・・・が・・・少し眠・・・く・・・・・・もう帰りま・・・・・・す・・・・・・・・・zzz
./⌒\ +
/O O Oλ
三三 / \ 十
 ̄U ̄U ̄U ̄
- 111 名前:某樹木怪人:2006/12/13(水) 01:53:160
- 崩した体調を回復すべく、静養を続けていた彼であったが、
未だに全快するに至らず、既に一週間以上をここで過ごしていた…。
…うむぅ、まさかこれほどまで湯治が長引こうとは…。
…リクスレは分身に任せているとは言え、そう長く留守にも出来ん…。
>>100 南光太郎
…ん?…また誰かやってk……なぁっ!?
…お、お、お前は、み、南光太郎!!
…お、俺はもうGODの一員ではない、戦う気は無いぞ!?
…あ、分身が来たな、それも妙に焦っているぞ…?
…南光太郎、暫らく待っていろ!
(暫らくの間、本体と分身が互いの胸に手を置き、
体験した事象を互いに伝達し、情報を補完しあう)
…南光太郎、分身のお陰で事情は把握した。
…どうやら、今回は世話になったようだな。
…実はな、生命のエキスなら、以前にクジラ怪人本人から、
直に手渡された事があったのだよ、ホレ。
(身体に幾つも空いているうろの一つに手を突っ込み、
中から生命のエキス入りの貝殻を取り出す)
…だから、手数だが、俺からクジラ怪人へ伝言を頼めるか?
「俺の身を案じてくれるのは実に嬉しいが、だからと言って、
一族の秘宝を何度も俺に譲るような、勿体無い事はするな」と。
- 112 名前:M.O.M.O. ◆Vec6w4YXrE :2006/12/13(水) 01:57:220
- >>110
そうですか、おやすみなさい。
また逢えるといいですね。
それにしても、誰なんでしょう、さっきの、変質者らしき声は。
怖いです。 不安です。
太古のヒーロー、仮面ライダーみたいな人がいたら、こんな時助けてくれるんでしょうか?
うぅ……、助けて欲しいです……。
- 113 名前:獅子丸 ◆Jyj5OiZTN. :2006/12/13(水) 01:58:470
- >>107
エヘッ!?・・・ち、違うのぉぉ!!
も、もしかしてぉ、俺の勘違いぃ・・?
あは、あはははは!!!じょ、冗談っすよ!
まさか、そんな真面目に返すなんて・・・お兄さん、生真面目っすね!!
俺は生娘が好きっすけどね!!グフフフ・・・あれ、
う、ウケてねぇ!!
さ、寒すぎたかな・・・今の。
いや、まだ俺には奥の手がある!!うん!!
ね、お兄さん。俺、すげぇ特技があんだよね。
このキンサチを抜くと、な・なんと!!
俺は変身!!出来るんだよねぇー!!
まぁ、見ててよ。お兄さん。
さぁ・・・来い。
カチッ
きっ、きたぁぁぁぁあああああ!!!!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ライオン丸・見参
ね、すごいっしょ!!ね、ね!?
あ、変身したままですけどお酌入れますよ。
さ、ささ!!ぐいっと!!
- 114 名前:コーディー ◆1irMelIOTg :2006/12/13(水) 02:06:060
- zzz…zzz…
>>97
ザバァァァン… 【湯の水を飲み起きる】 「 グハッ…!」
「…痛ぇ。湯の水飲んだか…。」
…まあ、寝るのが目的の場じゃ無ぇ場所で寝ようとしてる俺も俺か…
ダルイとは言えアバウト過ぎた。
>寝てる人が居るよ
「…ええい、見せモンじゃねぇ」
- 115 名前:ライオン丸 ◆Jyj5OiZTN. :2006/12/13(水) 02:09:260
- >>112
へっ、へっくしょん!!つぅー・・・風引いたかなぁ。
っていうか変身したら遠くにいる人の声まで筒抜けぇぇ!?
それにしても、誰なんでしょう、さっきの、変質者らしき声は。
ちょwwww俺変質者だと思われてるwwwwヒーローなのにwwwwww
ちくしょぉ・・・そりゃ俺はインキンで変態でグズでどうしようもない駄目人間だけどさぁ・・・
そんでもいちおはヒーローなの!!・・・か?
とりあえず、寝るかぁ。今日のおかずは・・・と。
あいだゆ○は飽きたしなぁ・・・(退場
- 116 名前:南 光太郎 ◆RIDRXRVna. :2006/12/13(水) 02:14:120
- >>111
うん? 君は・・・そうか。ふふ、妙な場所で会えたな・・・大丈夫、君からは
邪悪な気配は感じない。湯治に来ているのかい? 早く元気になれるといいね。
その生命エキスは彼等しか知らない「ある場所」で採れるらしい。
だから気にしないでくれ、・・・彼はそう言っていたよ。
>>112
(・・? この感覚、彼女は普通の人間とは違うようだ・・)
(人間には感知できない、特殊な波長で語りかける)
やあ・・こんばんは。これが聞こえているなら、君はおそらく・・普通の人間の女性
じゃないと思うが・・・オレもなんだ。変質者? ああ、彼は変質者じゃない・・・
と思う・・。だから安心してくれ。
- 117 名前:M.O.M.O. ◆Vec6w4YXrE :2006/12/13(水) 02:15:280
- >>115
変質者さんは、帰ったみたいですね。
良かったです。 怖かったです。
やっぱり夜は危険です。 モモもそろそろ帰ります。
のぼせてきちゃったし。
(退場)
- 118 名前:M.O.M.O. ◆Vec6w4YXrE :2006/12/13(水) 02:18:390
- >>118
これは……、言葉ですね。
何か、モモに話しかけているみたいです…。
???
変質者じゃないんですか?
言動が明らかに不振だったんですけど…。
とにかく、モモはそろそろ帰りますね。
ごゆっくりです。
(今度こそ退場)
- 119 名前:南 光太郎 ◆RIDRXRVna. :2006/12/13(水) 02:23:260
- >>113>>115
なっ・・・君は!? いや、お酌は有り難いんだけど・・ここでその姿に
なるのはマズいんじゃないか??
そうか・・・おやすみ。ライオン丸・・・いろんな戦士がいるんだな・・。
>>114
新しいお客さんかな・・・外国の人らしいが、疲れてるみたいだし
そっとしておこう。
- 120 名前:南 光太郎 ◆RIDRXRVna. :2006/12/13(水) 02:44:050
- う・・・少し眠ってしまったのか・・。
すっかり長湯になってしまったな・・・そろそろ上がろう。
何というか珍しい人達に会えたな、今夜は。ふふ・・・。
【退場】
- 121 名前:幻獣軍団御一行様 ◆UIjb7.uQXw :2006/12/14(木) 16:26:180
- >>97 風姉妹
*Jコンビ(ジョーカー&ジャンガ)視点
毒猫「あぁん?テメェもイケルくちか?ジョーカーが写真(エレメンツ人形事件)の事脅しやがって
最近は寝る前の安酒で我慢してるんだけどな・・・・チッ!酒屋でも襲うか?」
道化「物騒なこと言ってヒーローに感づかれたらどうするのです?・・・・っと確かこの後は
HN社のナイトメア様との超クロスオーバー伝に関することについての打ち合わせですか・・・
先に上がります・・・・ワタクシもゴか遺恨と事件異常の混乱を起こしたいので・・・
アディオーーース!!!!」
【幻獣軍団退場】
ガ
- 122 名前:某樹木怪人:2006/12/14(木) 21:19:180
- …こうやって、ノンビリ湯治の日々を送っていると、
空想大戦リクスレの事も忘れそうになってしまうな…。
…分身が来t…どうも様子が普通ではないな?
…何かリクスレに、一大事でも起こったのか!?
…分身よ、一体どうしたと言うのだ?
まずは深呼吸をして落ち着け、話はそれからだ!
(分身が落ち着いたのを見計らい、情報伝達を行う)
…な、何と言う事だ、創世王と総司令がリクスレに!?
…これは、湯治に現を抜かしている場合ではないな!
…良し、これにて湯治は終わりだ、直ちに復帰するぞ!
(分身と共に退場)
- 123 名前:『双子の殺し屋』ヘンゼルとグレーテル ◆TWIN/RJ36g :2006/12/14(木) 21:24:440
- 『ウフフ―――ここはとても素敵な温泉ね、兄様』
「そうだね、姉様。まさかこんな所にとても素敵な温泉があったなんて…正直思いもしなかったよ」
>>82
『あ…この前会ったネコのお兄さんがいるわ、兄様』
「本当だね、姉様。どうやらネコのお兄さんもこの温泉に来ていたみたいだね」
『こんばんは、ネコのお兄さん。また会ったわね♪それとこの前はどうもありがとう♪』
「僕からも本当にありがとう、ネコのお兄さん。まさかお兄さんがそこまで僕達の事を
真剣に思ってくれていたなんて…正直嬉しいよ♪」
『だからネコのお兄さんとはこれからも仲良しの関係でいたいのだけど…いいかしら?』
「いいかな?ネコのお兄さん」
- 124 名前:ドラえもん ◆6RiDORA66c :2006/12/14(木) 21:49:190
- さて、僕もそろそろ退場しよう…と。
流石に入りすぎて逆上せてきちゃったよ…。(^Å^三;))
>>123
やあ、ヘンゼル君にグレーテルちゃん。うん、また会ったね(^Å^三))
君達もこの温泉に来たの?うん、ここはとてもいい温泉だから
君達もゆっくりくつろぐといいよ。
いやいや、そんな…僕はただ当然の事を言ったまでだよ。
うん、出来れば君達とは仲良しの関係でいたいと思っているよ。
だから、もし良かったら君達が今までやっていた殺しという遊びを
やめてくれるのなら、僕としては尚更嬉しいんだけど…どうかな?
じゃあ僕はお先に失礼するね♪(^Å^三))
【ドラえもん 退場】
- 125 名前:『双子の殺し屋』ヘンゼルとグレーテル ◆TWIN/RJ36g :2006/12/14(木) 22:18:060
- 「そうだねぇ…どうする姉様?」
『そうねぇ兄様。私と兄様もいい加減弱い連中ばかりと遊んでてつまらなくなってきたから、
ここはネコのお兄さんのお願いに免じて、今後は無駄な遊びはしないようにするわ♪』
「でもそれだと僕と姉様の存在意義が無くなっちゃうんじゃないのかな?姉様…
唯でさえ僕と姉様は血の匂いが好きでたまらないっていうのに…」
『それは心配要らないわ、兄様。ただこのネコのお兄さんが言いたいのは―――
【あのお兄さんやネコのお兄さんみたいないい人や弱い人、そして悪事を働いていない
連中は殺さないで】―――という事じゃないかしら?だからその場合は―――
>>97風姉妹
>>122幻獣団御一行様
―――設定上悪役になっている強い人やバケモノ、かなりの残虐非道で知られていてそいつが死んだら
人々から喜ばれる人やバケモノ、そして何回殺しても絶対に死なない人やバケモノで遊べばいいのよ』
「成る程、それなら思う存分に楽しめるね姉様♪」
『ええ、兄様♪』
>じゃあ僕はお先に失礼するね♪(^Å^三))
『うん、またねネコのお兄さん♪』
「バイバイ、ネコのお兄さん♪」
- 126 名前:『双子の殺し屋』ヘンゼルとグレーテル ◆TWIN/RJ36g :2006/12/15(金) 00:23:210
- 「さて、僕達もそろそろ退場しようか姉様?」
『そうね、兄様。また次の機会にここに来る事にしましょう♪』
【双子の殺し屋 退場】
- 127 名前:風三姉妹:2006/12/15(金) 01:41:340
- 東風「傷も癒えた。そろそろ潮時か・・・」
北風「じゃあ、おいとまだね。・・・今度こそ、あいつらに借りを返そうじゃ
ないか。・・・飛竜達に、ね」
西風「まったねー♪」
【風三姉妹 退場】
- 128 名前:コーディー ◆1irMelIOTg :2006/12/16(土) 01:02:540
- …チッ、流石にこうも長く入りすぎちゃのぼせるか…
また機会がありゃ入らせて貰うが、ね…。
…ああ、本当寒ぃな外は
【退場】
- 129 名前:クーラ ◆BqHTUDkuhU :2006/12/17(日) 22:12:050
- イイにおいがする。
わっ、おふろだ!大っきい〜
かってに入っていいのかな。おねだん書いてないよね。
・・・よし。入っちゃえ!(ざぶ)
ほぅ〜。あったかい。
のは良いんだけど、人いないなあ。
おふろ屋さんでカシキリってよくある事なのかな?
だれか来ないかな〜。
・・・ねむい・・・。
・・・・・・・・
・・・
- 130 名前:麻宮アテナ:2006/12/17(日) 23:03:520
- なんだかこのあたりって、定期的に温泉が湧くような気がしますね〜。
しかも洗面器とかも備えつけてあって。アンジェリークとかアクトレイザーの神様でも
いるんでしょうか。か〜らだをあらって〜あ〜たまをあらって〜♪
(ちゃぷ)
……ふぅ〜、やっぱりこういうときは「い〜い湯だなっ♪」と歌うのが
正式な作法なんでしょうか。だれか温泉の入りかたとかマニュアル本でも書いてくれませんかね〜。
図書館で借りますから。
>>129
あやや? だれか寝てる? お〜い、お風呂で寝たらあぶないですよ〜。ゆさゆさ。
- 131 名前:麻宮アテナ:2006/12/17(日) 23:19:260
- 「あみん」さんたちが活動再開ですか〜。
最近再結成とか活動再開が流行ってるんですかね〜。
いいことですけど。
……ところで洗面器とかはともかく自動販売機まで完備してあるこの温泉、
ホントにだれの手によるものなんでしょう。しかも牛乳、コーヒー牛乳、フルーツ牛乳のみの販売。
なんて潔い。おフロはこうでないといけませんよね。
とりあえずコーヒー牛乳を飲みながら温泉に浸かる……。
ああ、庶民の幸せがここに。
- 132 名前:麻宮アテナ:2006/12/17(日) 23:39:280
- 寝ちゃってる人(>>129)、よく見ると知ってる顔じゃないですか。
お〜い、おフロで寝たらアブナイですよ〜。
ペロキャンあげますから起きてくださいよ〜。
ところで、この温泉備え付け防水加工60型ハイビジョンテレビで観るに、
今日はこのあたり一帯が静かなような。なにかイベントでもあったっけ?
地球最後の日っていうウワサが流れたから。みんな閉じこもってるとか。
「どうせ最後だから」って言って、好きな人に告白とかした人がいたら素敵なんだけど。
え? 私ですか? 今日が地球最後なんてあるはずないじゃないですか。あはは☆
- 133 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/17(日) 23:51:570
- 地球最後の日ってそんな噂あったのか?
宇宙でアクシズを押し返せとかこの暖かさが地球をとか、
そんな話も聞いていない。
「…どんな出鱈目なんだよ」
情報は欠かさずチェックしているが、そんな話は無い。
いや、町の噂だから聞けなかったのかもしれないが。
二人の人がいる場所の裏側。
岩にもたれつつ一人で酒を楽しみ、
日ごろの疲れを癒しているのだ。
「今日もいい月だなあ…」
そんなことを呟きつつ、グイッと一杯。
- 134 名前:麻宮アテナ:2006/12/17(日) 23:55:110
- ところで今思ったんですけど、邪気眼っておフロに入るときは
やっぱり見えちゃうものなんでしょうか。修学旅行のときとか大変そう。
”ヤツ”が暴れだしたら大変ですしね。
も、もしやクーラさんには邪気眼が…………ないですね。ああよかった。
もし見つかったらどうしようってドキドキしましたよ。
けっして他の意味でドキドキしたわけではないので、誤解しないでくださいね。
- 135 名前:麻宮アテナ:2006/12/18(月) 00:00:450
- >>133
む、ニューチャレンジャーさんですね。
こちらによってこないということは、男の人かな?
それとも、邪気眼を見られることを嫌っているとか。
『今日もいい月だなあ…』
こ、この声は! ふたつの条件を同時に満たしているような気がします!
男の人で邪気眼使い!? つ、ついにこの麻宮アテナ、本物の邪気眼使いに
第三種接近遭遇!? と、とりあえずなにを話せばいいんだろう。ドキドキ。
- 136 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/18(月) 00:03:180
- ………………
「ピィースメーカー隊出撃ィー!」
酔った勢いで、言ってみた。
- 137 名前:麻宮アテナ:2006/12/18(月) 00:09:240
- 『ピィースメーカー隊出撃ィー!』
いきなりの大絶叫シャウト!
こ、これはもしかして、この人は既に邪気眼に飲み込まれてしまったのでは……。
こ、こういう場合はどうすればいいんだろう。キツネつきなんかは
ひっぱたいて治療したそうですけど、邪気眼つきというのは……?
と、とりあえず、温泉備え付けの金属バットで。
>>136
「あ、あの〜、大丈夫ですか? どこかお加減がよくないんでしょうか?」
返答しだいによっては、この金属バットが火を噴くことに……。
- 138 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/18(月) 00:18:520
- >>137
………そうだ、ここは温泉だった。
出来るだけ抑えて言った筈だったが、どうも響いたようだ。
「…いや、なんでもない。
酒を飲んでいたら幻聴が聞こえてきただけだ」
檜山声世界、固有結界という問題じゃない。
酔った勢いだ。たぶん、絶対。
断じてこんな光景を幻視したわけでは無い。
ttp://www.youtube.com/watch?v=oQibEzZzSL8
「いや、離れろ黒歴史。
酒に呑まれて消えちまえ…」
とにかくもう一杯酒を飲み干した。
- 139 名前:麻宮アテナ:2006/12/18(月) 00:28:120
- >>138
あ、良かった〜。お酒に酔ってただけなんですね。
この金属バットの封印を解かずに済んだようです。
温泉の備え付けですけど。それにしてもマザコンの男の人って、
本当に勘弁してくださいですね。
「ところで、飲んでばっかりだとひっくり返っちゃうんじゃありませんか〜?
しかもおフロの中ですし。ひっくり返ったら死んじゃって命にかかわりますから、
ちょっとペースを落としたほうが……」
世の中大変なことっていっぱいあるし、
お酒じゃ解決できませんしね。金属バットじゃお墓の穴掘れませんし。
- 140 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/18(月) 00:40:000
- >>139
よし、納得してくれたようだ。
異次元だとか言ってたらたぶん後ろの金属バットが―――
ちょっと待て。なんで金属バットを持っているんだ。
湯煙殺人事件パートUを起こす気か?
腹部強打に高等部強打で
出血死、むーざんむーざんあーかいはーなーさいた。
「ああ、酒のペースは落とすよ。
酒は呑んでも呑まれるな…だったな」
流石にそこら辺の理性はきいている。
この程度で泥酔期に移るほど柔じゃない。
- 141 名前:麻宮アテナ:2006/12/18(月) 00:50:470
- >>140
そうそう、酒は飲んでも飲まれるな。
流石、昔の人はいいことを言います。
「たとえば文通相手の彼女さんに振られたからって
酒びたりになってちゃ、新しい恋も見つかりませんしね。
それに、金属バットはどこまでいっても金属バットですから、
重さとバランスの悪さを考えたら武器としてはあんまり優秀とは言えないんですよ。
棍棒でも使ったほうがましですね、はい」
さて、明日もあるしあんまり長湯していられません。
ちょっと気を使いながらちゃぷっとお湯から出てっと。
「飲んでばっかりじゃなんですから、
ポッキー食べてください。はいどうぞ。それではお先に」
(金属バットで素振りしながら退場)
- 142 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/18(月) 01:29:010
- >>141
文通の相手に振られて酒びたり。
どっかで聞いた話だが、
あえて判らないことにしよう。
「そんな金属バットの特性について
詳しく語らなくてもいいと思うぞ…
そんな物騒な話しされても困るわけだし」
棍棒って…なんで知っているんだよ。
使ったことがあるのか?
明日も早いし、ジャブジャブと風呂から上がる。
脱衣所に向かおうとするその前に
「…なんでポッキー何だよ。
備え付けじゃなかったのか、金属バット」
二つの疑問を残し、脱衣所の扉を開けた。
【退場】
- 143 名前:クーラ ◆BqHTUDkuhU :2006/12/18(月) 15:27:410
- (ぶくぶく)―――ぷは!
うわわ、本当に寝ちゃってた!?
・・・大変。ものすんごい時間たってるみたい・・
あっ。>>130-132
アテナお姉ちゃん!来てたんだ!
うう〜、せっかく知ってる人がいるというのにノンキに寝てたなんてッ。
あーあ。けっきょく誰ともお話できなかったな〜。・・ま、いっか。
また今度くればいいんだよね。
ペロキャンなめながら帰ろう〜♪
【退場】
- 144 名前:M.O.M.O. ◆Vec6w4YXrE :2006/12/23(土) 00:39:200
- つい、何度も足を運んでしまう、この場所。
外は寒いけれど、中はとっても温かくて、気持ちいい場所。
何度来ても、飽きません。
それに、ここでお湯に浸かっていると、いろんな人に出会えます。
今日はちゃんとタオルを巻いているので、誰が来ても大丈夫です。
「あぁ…、それにしても、ここは星が綺麗に見えます。」
やっぱり、地上から見上げる星って、いいものですね。
「ふぅ……。 あったかいです。 気持ちいいです。
どうして、空を見上げながら浸かるお風呂は気持ちいいんでしょう?」
今度、ゆっくり考えてみるのもいいかもしれませんね。
- 145 名前:M.O.M.O. ◆Vec6w4YXrE :2006/12/23(土) 02:44:120
- そろそろ……、帰りましょう。
ちょっと、のぼせてきちゃいました。
「ふあっ!?」
あぁ、寒いです。 お湯の中と外の温度差はほんとに厳しいです。
早く服を着ないと、湯冷めをして風邪をひいてしまいま……合成人間も風邪ひくんでしょうか?
……まぁそれはともかく、今日のところは帰りましょう。
またの機会に、来ればいいんですから。
(退場)
- 146 名前:ドリアード:2006/12/24(日) 22:50:150
- …無事にリクスレその4も立て終えた…。
…疲れが癒えるまで、再び休息していようか…。
- 147 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2006/12/29(金) 00:09:540
- 残り数日。年の瀬が終わる。
掃除は済ませた。神棚も洗った。
年を越す準備も、年明けの準備も済んだ。
後はまあ、たまった穢れを禊ぎで落として、すっきりするだけで。
つまるところ湯治である。
「はふー」
冷えた身体に熱い湯がじん、と痺れて心地良い。
銀色の髪を湯に任せて流すと、そこだけが鏡のように光る。
肌も白いから、雪が溶けないまま温泉にわだかまっている、と思われるかも知れない。
まあそれはどうでもいい。
今は疲れと穢れを落とすだけだ―――
- 148 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/29(金) 00:36:390
- >>147
空港にあいつを送って、また仕事が始まる。
出来ればあいつと一緒に新年を迎えたいのだが、
仕事の事情がある。2,3日会えただけでも幸せなほうだ。
もう少しで歳も明けるというのに、
俺たちに行わせる偵察。
補給物資もろくに無い、辺境の任務。
で、毎度のこと水を調達するついでに、
湯に浸かったりするのだが…
「…まあ、これでも飲んで疲れを癒すか」
手にはお盆。その上に載っているのは酒。
酒は兵士の娯楽でもあり、貴重品。
そんなものが近くで売られているなんて、結構ラッキーなのだろうか。
カラカラと戸をあけ、風呂場に入ったそのとき
>はふー
聞き覚えのある女の声。
また、彼女と遭遇することになったか。
「よう、いつかのジャパニーズ」
名前は…教えられたことがあったか?
まあ、教えられたとしても今、忘れているし。
- 149 名前:ウルトラマン:2006/12/29(金) 00:42:350
- ::| /ヽ
::| イヽ .ト、
::|. / |.| ヽ.
::|. / |.| ヽ
::|-〈 __ || `l_
::||ヾ||〈  ̄`i ||r‐'''''i| |
::|.|:::|| `--イ |ゝ-イ:|/
::|.ヾ/.::. | ./
::| ';:::::┌===┐./
::| _〉ヾ ヾ二ソ./
::| ̄ゝ::::::::`---´:ト_
::|:ヽ ヽ:::::::::::::::::ノ `|:⌒`ヽ
::|:::ヽ ヾ:::::/ ノ:::i ヽ
::|:::::::| |::| /:::::::|ヾ:::::::::)
::|::::::::|. (●) |:::::::::::|、 ::::〈
地球防衛軍もロボットを作れるようになったのか。これで安心して怪獣退治を人類に任せれそうだな。
それにしても、いい湯加減だ。シュワッハッハ、ほぉらウルトラマンのウルトラ水流だぞぉー
- 150 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2006/12/29(金) 01:14:510
- 冷たい夜の空、月を見上げていると、ついつい時間を忘れそうになる。
のぼせないように、手ぬぐいをぬらして頭に乗せた。
>>148
「……よう、サムライ」
聞き覚えのある声だった。
確か外で……そう、軍人をやってる相手だ。
確か新婚で、名前は……大丈夫、覚えている。
「風呂入って冷酒は悪酔いしやすいから気をつけなよ?」
茶化しながら、伸ばしていた身体を縮め、岩に背を預ける。
……今回水着を着用しているので、特に問題はない。
そもそも湯気で見えないし。
>>149
なにかいた。
……さて、蓬莱人生も永いが、こんな奇怪な手合いは見たことがない。
なんだろう、この非現実的な存在は。宇宙人か。宇宙人なのか。
生憎と宇宙人は永遠亭の面々しか知らない。
- 151 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/29(金) 01:39:340
- >>149
外宇宙から脅威を感じる。
そう、あの砂漠の虎と戦ったときと同じくして。
…疲れているんだろうか。
少なくとも地球圏に宇宙人と呼ばれるものは
発見されることは無かった…はずだ。
>>150
「…あいにく武士道にも騎士道にも縁は無いさ」
こういう古い精神は、いつも未来になってから
もてはやされるものだ。宇宙世紀になってからでも
それは変わらない。
士官学校ではよく似たことは教えられる。
「正しいことを敢然と実行することが勇気である」だとか。
まあ、今の連邦を見ているとこれが生かされていると思えないが。
「そりゃご忠告どうも。風呂の温度で暖めるさ」
ざぶざぶと風呂の中に入る。
お盆を浮かべてセット完了。
「なあ、いつもの屋台と同じく一緒に酒でも飲まないか?」
二つついた猪口の一つを持ちながら誘った。
- 152 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2006/12/29(金) 01:58:330
「ああ、温かで気持ちいい………」
知らず、そんな言葉が口から出るのです。
所は某県某所の秘湯、つまりは露天風呂。
見上げれば割れそうなほどに透き通った群青天鵞絨の星空。
沖天にかかる丸い月の光、岩肌を覆う初雪にきらり砕けてみなもに注ぎ、ただゆらゆらと。
おとがいに落ちる汗を一筋―――拭います。
>藤原妹紅
差し向かう形でお湯に浸かっている少女が一人。
結いもせずにみなもにふわり落とした豊かな銀髪は何か人ならぬ美しさを湛えているようで、
しかし心地良さそうにうっすら紅の差した頬はむしろ人懐っこい性質を表わしているとも見えて。
よく判らない、不思議な子です。
その評はむしろ学校では、私に向けられているものなのですけど。
そう考えると親近感が沸かなくもありません。話し掛けて見ることにしました。
「ごきげんよう」
袖ふりあうも他生の縁とばかり。無害な笑顔は十八番です。
あ、近寄ると水着を召されていました。ちょっぴり残念―――こほん。
「温泉ですし、髪は止めたほうがいいですわよ? 乾かすのも手間が掛かりますし、湯質によっては
すこし傷んでしまうとも言います。 よければタオルは如何? 綺麗な髪、まとめて差し上げてよ?」
>シロー・アマダ
その脇には、いかにも体育会系、と言った感じの―――爽やかな汗をかけそうなタイプの殿方一人。
混浴なのでタオルくらいは巻いていますけど、何の抵抗も無いと言えば嘘になります。
ああ、絆奈ちゃんたちを連れてこなくって良かった。
だってあの子たち、まるで男の人に慣れていないから。
男の人と一緒のお風呂、だなんて、あたふたしてゆっくりとは楽しめないに決まっています。
「まあ………お酒を嗜まれるの?」
別にアルコールを取った事がないわけではありませんけど、「日本酒」には少し抵抗のある私。
風流な月見酒もいいですけど、折角の温泉なのですから、あまりお酒臭くしないでくださいね。
心の中で、ほんの一言抗議の声。
>「そりゃご忠告どうも。風呂の温度で暖めるさ」
>「なあ、いつもの屋台と同じく一緒に酒でも飲まないか?」
「………あら?」
銀髪の少女にお酒を勧める殿方。この構図、少し拙くはないでしょうか?
お湯に浸かればアルコールも早く回るといいますし―――下心が見えなくもありませんよ?
そんな事を思いつつ、にっこりと微笑み、相手に寄って。
「………私も同席して宜しい?」
- 153 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2006/12/29(金) 02:00:240
- >>151
「まあ、道のいずれも、芯は心意気さ。何と名前を付けようと、それは変わらない」
武士道にしろ騎士道にしろ、「道」であるからには知らなくとも縁がなくとも気がつかぬうちに歩いているものである。
まあ、だから少なくとも私の価値観ではサムライである。
元々が軍人みたいなもんだし。
「あら、酒のお誘い? 奥さんいるのにいいのか」
からかってみるが、決して否定はしない。
そっと手を伸ばして、杯を取る。
注がれる酒は冷たい。が、そのうち温泉でぬる燗になるから問題ない。
むしろ、冷酒を楽しんだ後に燗というのも乙だ。
「それじゃ、いただくわね」
酒の満ちた杯に、月を写して飲み干す。
冷たくて美味だった。
- 154 名前:帝王ベガ様 ◆X/VEGABW0k :2006/12/29(金) 02:01:060
- http://charaneta.sakura.ne.jp/ikkoku/img/1165164473/154.gif (3KB)
ふっふっふ。
今日は特別に貴様たちに裏の世界の資金がどのような方法で調達されているかを教えてくれよう。
その前にまず、我がシャドルーも含めた裏社会への金の流れについて
どれほど知っているか言ってみるがいい。
汚職? いい答えだ。だがまだまだ充分とは言えんな。
癒着? それもまた正解の一つではある。
だがそれだけでは闇の世界という巨象の足の一本にも満たぬわ。
暗黒社会の資金源はなんと言っても、麻薬や暴力、あるいはセックスや人身売買といった裏ビジネス。これに尽きる。
それは暗黒街の頂点に立つ我がシャドルーとて例外ではない。
今もこうしてこの温泉に隠しカメラ(赤外線透視機能付き)を設置して、何も知らない娘たちの瑞々しい肉体をフィルムに収めているのだ。
無論、ここで撮った映像は編集されて裏ルートで流通されることになる。
何も知らずに被写体となった娘たちはせいぜい泣きわめくがいい! フハハハハ!!
ちなみに本日のベストショット、このベガ様直々に選んだセクシーオブセクシーは←これだ。
ふふふ、このショットが何を写したものかわかるかね?
そう、これは>>150の娘のヒップ……
- 155 名前:帝王ベガ様 ◆X/VEGABW0k :2006/12/29(金) 02:04:530
- http://charaneta.sakura.ne.jp/ikkoku/img/1165164473/155.gif (11KB)
>>154
……を後ろからこっそり覗いている私のアゴだ。
ククク、どうだ? 萌えたか?欲情したか?
もっと見たいというものはシャドルー企画から発売される
「セクシー盗撮スペシャル! ベガ様の全部見せちゃう(はぁと」(¥19.800)を購入するがいい!
フハハハハハ!!
(高笑いとともに退場)
- 156 名前:ドラ・ザ・キッド&王ドラ ◆WrGRyVhgck :2006/12/29(金) 02:05:290
えーと、たしかここに・・・・お、あったあった
(服を脱いで、一気にザブンと湯船に体を沈めるキッド)
/~~ヘ/⌒⌒ヽ/~~~⌒ヽ/~~ヽ/⌒⌒ゝ /~~⌒⌒ヽ/~⌒`〃⌒~ヾ/⌒⌒
/ ( ミ ミ ヽ ソ 〃/ ゞ ( 彡 ミ V ヾ ゝ ヽ〃 ) ヘ ミ ( ヾ ゝ
/~~⌒ヽ ) / ̄~ ̄~~ ̄~ ̄⌒~ ̄ ̄~~~~⌒~~ ̄ ̄ ̄ ̄~~ ̄ ̄ ̄~ ̄ ̄ ̄ ̄~ ̄
( 〃ヾ ) / ∬ ___ ∬ ∬
/~~ヽ / ∬ _|__|_ ∬
/ 〃ヾ ./ フゥー>(*(三−Д−) ∬ ∬
( /~~ヽ / ∬ ∬ ∬
う〜んいい湯だ・・・・前回は王ドラのせいでろくに浸かれなかったからなぁ・・
>>148
ん?・・・おお、この前の!
あの時は王ドラを引き上げてくれてありがとな!(^Д^三))
・・・そういえば、自己紹介がまだだったな
俺はドラ・ザ・キッド。タイムパトロールの隊員をやってる
よろしく!
(ゴムマリの様な手を差し出すキッド。どうやら、握手がしたいようだ)
>>149
・・・・・・・ど、どーも・・・
(微妙な表情で挨拶するキッド)
>>150
お、始めまして
俺はドラ・ザ・キッドだ。よろしくな!
(チラリ、とシローの方を見て)
・・・・ひょっとして、お邪魔だったか?
- 157 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2006/12/29(金) 02:07:080
- >>154
―――意識と共に空間が沸騰する。
刹那の間を空けず顕現するは燃え盛る翼。
名はカルラ。ガルダ、あるいはフェニックス。
ともかく不死と炎を司る輪廻転生の象徴である。
それが、炸裂する。
輪廻と転生を芯に、全く別の現象へと変革していく炎と鳥のトーテム。
―――紡ぐのは、自身が切り札とした必殺必滅の弾幕術式。
永遠に終わらぬと名づけられた、そのスペルの名は―――
「『インペリシャブルシューティング』!!」
弾幕を象って、破壊の刃紋が波紋の如く広がり―――
>>154を打ち据えた。
ちなみに頭に血が昇ると回りのことを考えないのが悪い癖である。
- 158 名前:ドラ・ザ・キッド ◆WrGRyVhgck :2006/12/29(金) 02:12:340
- あ・・・・名前を間違えた・・
- 159 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2006/12/29(金) 02:14:490
- ―――って、いろんな意味で誤爆かよ。
まあいいや、紛らわしいことをした罰だ。
>>152
―――雅な挨拶を、久しぶりに聞いた気がする。
まあ、これまでの生活で使う機会などついぞなかったこともある。
「……あ、えーと。ごきげんよう」
派手な弾幕をぶっぱなしておいてごきげんようも何も無い。
無いけど、挨拶はするべきだろう。
……髪?
「あ、髪、は……私のはけっこう丈夫だから。そうそう痛まないのよ」
なにしろ痛んでもそのうち元に戻ってしまう。手入れの手間が省けるのが便利だ。
>>150
「いくらなんでも妻子もちに手は出さない……手」
なんだろう。ぬいぐるみみたいに丸い手。
ああいや、手じゃない。とりあえず目の前の手合いを見よう。
……狸っぽいが、多分ネコなのだろう。耳とか。
「あなた猫の妖怪?」
そんなことを聞いてみた。
- 160 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/29(金) 02:20:540
- >>152
なにやら若い女の子一人。
歳は…ミケルと同じくらいだろうか?
>………私も同席して宜しい?
何か疑われている予感がする。
だってその微笑み…裏で何か余計なことを
思いついているような。
「…同席するのはかまわないが、
未成年ならまだ酒は飲むなよ」
軽く警告する。
まあ、もとから飲ませる気なんて無いが。
>>153
「ま、少なくとも俺はサムライには向いていないさ。
腹切りするのを恐れて逃げ出したくらいだしな」
腹切りというより、蜂の巣になるのを恐れたのが正しい。
命令違反は死刑、そして俺は堂々と命令違反をし、
その場から行方を晦ました。
「…?アイナ…妻は関係ないだろ?
ただの飲み友達として酒を楽しみたいだけだ」
さっきの女の子に疑われていたのと
同類の意思を感じる…
なにがどうやら。
>>157
「…たまやー」
なんか奇妙な技を使ったような気がするが気にしない。
- 161 名前:ドラ・ザ・キッド ◆WrGRyVhgck :2006/12/29(金) 02:24:040
- >>159
誰が妖怪だ!?誰が!?
俺はロボットだ!ネコ型ロボット!
機械人形って言えば解るか?
- 162 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2006/12/29(金) 02:31:020
>>154、155、157
乙女の怒りが炸裂しました。
現実は無情ですね。
一瞬、焔の鳥か何かが見えたような気がしましたが―――特に問題はないでしょう。
世界で一番うつくしいものは何か? それは悲しめる乙女のこころ。
では、世界で一番苛烈なものは? ―――それは怒れる乙女のこころ。
焔の鳥が出ようと死神が出ようと、デュオニソスが喇叭を鳴らそうと不自然ではないのです!
でも、重ね重ねお酒臭くなるのは、好きじゃないんですけれどね。
>>159(銀髪の少女)
「ええ、改めてごきげんよう!」
ちゃぷちゃぷと揺れるみなもを掻き分けてしろがねの髪を湛える少女の元へと歩み寄り
半ば強引に握手をかわします―――というのも、その時の私の喜びと言ったら!
アストライアの丘は美しき乙女の苑。
身分と品格とを併せ持った少女たちにとって「ごきげんよう」という挨拶は当たり前のもの。
しかしながら一度外の世界に出れば、ああ、町に溢れる「こんにちは」「おはよう」「こんばんは」
―――なんていう趣のない、事務的な挨拶たち!
「ごきげんよう」はアストライアの丘のステータスであり、シンボルであり、貴族主義の隠れた
温床なのです―――それはつまり、ある意味で「お友達」と「違う世界の人たち」を分ける証。
―――あ、千華留はもちろん、「ごきげんよう」を使わなかった所で、お友達にしないなんて
事はありませんよ? ただ、そちらのほうがより親近感が沸く、というだけで。
つまり、基本的に誰にでも友好的な千華留。
この銀髪の少女に対しては―――「すごく友好的」と。
「《ごきげんよう》―――綺麗な言葉ですわよね? 貴女が使うといっそう、綺麗。
貴女の内心の美しさが零れ出でるようですわ。 そう、きっと貴女は高貴なお方! うふふっ」
>「あ、髪、は……私のはけっこう丈夫だから。そうそう痛まないのよ」
「ああ………そんなの気のせいですわよ」
断言しました。
「なぜって―――貴女のようにすとんと落ちた直毛の髪は、たしかに水分を留めやすくはあります。
けれど、その長さ! 毎日手を入れていないと、毛先から少しずつ痛んでいってしまいますわよ?
まして、そんなに色素が薄いんですから………そう、傷口をかばうごとくに。細心の注意を払わないと」
にこにこと笑いながらそういったのは、たぶん綺麗な銀色の髪に触りたかったから。
誰かの髪を梳かすのはとても楽しい事で、だから千華留もよく籠女ちゃんの髪を触っているのですけど、
あの子は栗色の巻き毛ですから、こんなに綺麗なストレートに触るのは、きっと生まれて初めてです。
- 163 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/29(金) 02:32:400
- >>156
いつかの、妙なロボット。
・・・夢であってほしかった。
「やあ、時空警察みたいなの。
相方は元気か?」
ちなみに宇宙世紀において時間旅行はまだ実現せずである。
光の壁は、どうも厚いらしい。
「ご丁寧にどうも。俺はシロー・アマダ。
軍人をやっている」
酒を一口のみ。握手しようと
手に相当するであろう丸いボールにこちらの手を伸ばし…
>・・・・ひょっとして、お邪魔だったか?
「ブッ!?ゲホッゲホッ!」
酒吹いた。
なんてこと言うんですかこいつは。
- 164 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2006/12/29(金) 02:39:180
>>160 シローさん
「あら、お酒を飲む気なんてありませんわよ」
にこにこと笑いながら返します。
そして右手の指をぱちり鳴らせば、入り口より源家のメイドさん数名。
弓手に掲げたパラダイスティーと、馬手に抱えたハワイアンブルー。勿論両者ソフトドリンク。
岩肌の平らな部分にことり置くと、メイドさんたちは帰っていきました。
残されたのは私一人。
華奢なカクテルグラスは湯気に当てられて、少しずつ汗をかいていきます。氷の音、からり。
無論、話の流れ次第では相手にくみするため、お酒くらいは呑んでも構わなかったのですけど、
出来れば呑みたくありませんでしたもの―――実はけっこう、強いほうなんですけど。
「それにしても………」
ゆるりと首を傾げて、相手のほうを見つめ、
「―――姫方二人。湯船で一緒にいるのに、落ち着いていらっしゃるんですね?」
パラダイスティーのストローに唇を付けながら―――。
罪の無い言葉で―――そんな風に問うてみたり。
- 165 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2006/12/29(金) 02:54:390
- >>160
「……もうちょい後先考えてぶっぱなした方が良かったか」
温泉はともかく外がとてもひどいことになっているので見なかったことにした。
花火の暴発とでも言っておこう。
「下らんことで命を落とすのがサムライじゃないわよ。腹斬るのだって理由があるし」
命は賭けるべきところで賭けなければならない。ただ一つのものなのだ。
腹を切るのは、その命を名誉のために費やすことである。
それすら許されないものは首を打ち落とされ、晒される。
それほどまでに、名誉とは守るべきものなのである。
少なくとも、当時を生きた彼らにとっては。
「まあんなことはどうでもいいけどね。昔のことだし。
……まあほら、要らん勘繰りを浮かすわけにも行かないしね。
身持ち固そうだから大丈夫とは思うけどさ、貴方は」
生真面目に返答してくるあたりとか特に。
まあ、ともかく。忘れてくれと告げて、酒を楽しむ。
相変わらず月と星は綺麗だった。
>>162
―――私は今、色々と衝撃やら驚嘆やらを全力で感じていた。
全然、態度変わってないですよこの人。
いや、普通あれだけの派手技撃ったら誰でも少しは引くはず。
……ああいや、最近は会う人会う人がアレなのばっかりだから、そんなことはなかったか。
とりあえず落ち着こう。元通りにしよう。精神を。
「ああいや、その―――ありがとう?
まあそこまで誉められるようなことじゃないとは思うけど」
とはいえ―――こんな風に真っ向からこういう言葉を投げられるのは慣れていない。
珍しく軽い緊張を覚えつつ、私は返答していく。
とりあえず、この子は貴族っぽいようだ。
けっこうきびきび動く印象はあるが、動作に一々気品がある。
こう、たおやかというかなんというか。柔らかい。
「まあ、貴族と言っても今はもう無いんだけどね。古い血筋さ」
そんなことを言っておく。
まあ、変な勘繰りを避ける布石というか。
……髪。しつこいなあんた。
「いや、本当に痛まないんだけどさ。ここ数百年も―――」
布石が台無しになった。
や、まさか自分でボロ出すとは。
まあ、色素は薄いけど、本当に傷まないんだって。
「まあ、その。だいじょうぶだけど……まあいいや。じゃあお願いしようか」
あながち無為ともいえないし。
手入れした方が綺麗になる。
そういうわけで、ボロを出さぬようにと髪を任せるのであった。
>>161
「機械人形……式で動くやつか。
へー、こっちにいるとは知らなかったけど」
そういえば何かの本で見た気がする。
式を憑けて操る人形。まあ人形と言うにはかけ離れすぎているけど。
それらに比べると、こいつはなかなか人間味がある。
見た目人間じゃないけど。
「……まあ、妖怪っぽいわよね」
知り合いが見たらみんなそういうだろう。
- 166 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/29(金) 02:55:190
- >>164
「…なるほど、金持ちの令嬢か」
温泉にメイド、すごく不似合いな光景である。
…というか俗に言うメイド服であるが、
はじめて見た。というか現代に
あんなメイドがいたことが驚きだ。
>―――姫方二人。湯船で一緒にいるのに、落ち着いていらっしゃるんですね?
…ん?確かにおかしな話だ。
二人ともなんていうか、可愛らしい女の子だ。
まあ一人・・・そこの銀髪の名前を忘れたやつは…
あれだ、慣れた。そんな感じ。
よく判らないがそんなにドキッとこない。
で、もう一人の令嬢だが…
「…?あれ…なんでだろうな。
そこにいるジャパニーズはなんとなく判るのに…」
理由を考える。
必死で、なんでこんなに落ち着いているのか。
そして、何とか出した結論。
「ここが温泉の混浴であって、なおかつ君たちが前を隠しているからだろう」
- 167 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2006/12/29(金) 03:12:150
>>165(銀色の髪の少女)
>「ああいや、その―――ありがとう?
> まあそこまで誉められるようなことじゃないとは思うけど」
「あら、気品があることが褒められた事ではない………というのは千華留、よくわかりません。
たしかに貴族主義はとても排他的ですし、他の人を見下すための名分として使われますけど、
ほんとうの気品と言うのはきっと、そういうものとは、違うもの。
気品とは何よりも、向かい合う相手の気持ちを和らげるための気品ですのよ?」
本当はマリー・アントワネットみたいな、極端な貴族主義も嫌いではありませんし、ある意味で
階級意識というのは美しい価値観だと思いますけど―――それはそれ。
何よりも可愛く、優しく。それが私の感性ですもの。
それにほら―――初対面の方を相手に、激しい思想を打ち明けることって、失礼ですから。
>「いや、本当に痛まないんだけどさ。ここ数百年も―――」
「数百年?」
おとがいを僅かに揺らし、思案します。
数百年――― 千華留は数百年も経ってしまえば、もうお墓の下です。
あるいは天の父に召されて永遠の庭でしょうか。 どちらにしても長い眠りに就いている事でしょう。
するとこの方は―――妖精か何かなの?
一体今年のハロウィーンは、どれだけ遅れて行われているの? 或いはワルプルギスの夜?
それともミッドサマーフェスタ? どれも時期外れに思えて仕方ありません。
けれど。
「………ちょっと、お酒が入りすぎていますよ。 こんなに綺麗な髪………数百年どころか、三日
トリートメントを怠慢しても、保てるわけないじゃありませんか、もう」
この世に人ならぬものが居るとして―――それは眼前の少女のようなものかもしれない、なんて。
でもきっと、真相はただの言い間違い。 深く追求する気もないんですけどね。
………そういえば、さっき焔の鳥を出していたような。 いえいえ気のせいでしょう。
>「まあ、その。だいじょうぶだけど……まあいいや。じゃあお願いしようか」
「きゃあ。お願いされちゃいました」
少女の銀の髪を指に抄くって少し掲げ。
したりしたり。月の光を透かした雫が、揺れるみなもに落ちていきます。
ああ、綺麗。きっとこの髪は、シルクを練って作られている。
「こうして、こうして―――」
髪留めでも止められないくらい長い長い髪を、丸くまとめて、アップに留めます。
そうしてその上から、タオルを巻いて出来上がり。
「ほら。とっても可愛くなりました」
- 168 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2006/12/29(金) 03:16:440
- 「そこで三人目たるわっちの登場、というわけじゃな」
広い浴場に、よく通る艶やかな声音が響き渡った。
姿を見せたのは、小柄な体躯の、だがしなやかさと強靭さを併せ持ったような、
美しい肉体を持つ少女。
例によって例のごとく、何の布地も身につけてはいない。
「これで両手に花、否、両手と脇に花となるかや? ふふ、所帯持ちには勿体無い優遇振りじゃな」
カカと笑いながら、湯船へと歩み寄り、暖かな湯へとその裸体を沈める。
「おお、やはり良いお湯じゃ。多少の疲れはこれで直ぐに吹き飛んでしまいよる」
肢体を存分に湯の中で伸ばして、気持ちよさそうに破顔した表情を見せる。
「よぅ、皆の衆。今日も今日とて、良い夜じゃ」
そこまでやってから、ようやくホロは先客への挨拶をした。
その次に口から出るのは、彼女の弄り相手へのからかいの言葉。
「で、そこの男は、何も隠してないわっちが来ると、どうなるのかや?」
- 169 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2006/12/29(金) 03:22:320
>>166(シローさん)
>「なるほど、金持ちの令嬢か」
「いえいえ。それほど大したものでもありませんわ―――学校を一つ持っているだけですし。
お友達には一人、未来の皇太子妃がいますもの。比べ物になりませんわ」
口に出た言葉には罪のない棘。ティーハニーに混ぜた毒。
銀髪の少女と私、それと殿方の間に、細くて薄い線を一本だけ引きます。
―――本当を言うと、この誠実そうな方が不埒をなすだなんて、信じては居ないのですけど。
ちょっと尾篭な言葉ですけど、貞操観念というものは不思議ですよね。
>「ここが温泉の混浴であって、なおかつ君たちが前を隠しているからだろう」
「あら。 場慣れしているのだとか、レディーにはいついかなる時も引け目ない態度で接する
べきだとか、そういう言葉が出てくるものだとばかり思っていましたけど」
ふう、と息を付いて、眼を伏せて、ハイビスカスティーをもう一口。
私が自惚れ屋でなければ―――少しだけ色っぽい仕種。
………少しだけ意気地になっているみたいですけど、仕方がないかもしれません。
女の子は女の子とまず親しくあって、男の人はお客様。
いつかお嫁に行く日のために、ショーケース越しに可愛らしくもてなす、お客様。
そういう意識がすっかり定着しているみたいですから。
ああ、こう言うところは自分でも、自分が困った子だと思うのですけど―――。
《当たり前のように親しくしすぎないで》と。
私の意志に関わらず、私の美意識はそんなふうに言っています。
- 170 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/29(金) 03:24:230
- >>165
「そういえば俺の部下に後先考えずに戦闘機を撃ったやつがいてな。
酷いしっぺ返しをくらったモンだよ…ちゃんと考えてから派手なものを撃つんだな」
なんだか花火みたいな物を撃った少女に警告。
炎の鳥っぽいものに憑かれていたような気がするが
気にしない。酒を飲んでごまかせ。
「上司にとっては『下らん事』で命を捨てようとした俺だ。
…名誉も何もかも捨てて、死ぬことを心底恐れたんだよ」
士官学校に入学したときのことが思い出される。
手柄、勲章、名誉、賞賛―――
あらゆる出世の道が俺たちの前に開けていた。
こそこそと補給船を襲うジオンにきついお灸を
据えてやろうと―――そんなことを考えていた。
「まあ、妻以外の女に心奪われることは無いだろうから
身持ちは固いと言えるが…」
でまあ、忘れろと言われても気になるものは気になるのだ。
「俺とお前の関係はただの八目鰻屋の飲み友達だろ?
いつも一緒に酒を飲んでいるのにそれ以外の関係があるのか?」
- 171 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/29(金) 03:30:590
- >>168
―――――彼女の、声だ。
「…脇に薔薇を抱えるほど自傷は好きじゃないさ」
ヤバイ、あの笑い声はまた何かをたくらんでいる。
今回は彼女に振り向かない。
必死で、鉄の自制心で、ひたすら反対方向を向く。
で、だ。
やっぱり何も隠していないと、答える。
…男がいる前でそれはまずいと思ったことは無いのか、
なんか一人ににらまれているのに、マズイ。
「ま、前は隠せといってるだろ…」
ため息をついて目の前の岩に額をくっつけた。
- 172 名前:ドラ・ザ・キッド ◆WrGRyVhgck :2006/12/29(金) 03:34:080
- >>164
は、ハハハ・・・・コンチワ・・・
(なんか変なオーラが出ているを見て>>164を見て、引きつった笑いを浮かべるキッド)
>>163
あれ、何だ違うのか?
悪い悪い、なんかいい雰囲気ぽかったんでたんで・・・(^Д^三);)
おわびに・・えーと・・・
(ポケットをまさぐるキッド)
あ、あった【ホンワカキャップ】ー!と、ただのジュース
(ビンのキャップのような物と、ジュースを数本取り出すキッド)
こいつを付けて飲むと、酒を飲んだときと同じ感覚が味わえるんだ
勿論、アルコールも入ってないから二日酔いとかもないし、未成年でも飲めるぜ
(言いながら、キャップを付けたビンのジュースをコップに注ぎ、シローに差し出すキッド)
>>165
>「機械人形……式で動くやつか。
>へー、こっちにいるとは知らなかったけど」
い、いや、その式って奴とは違うんだが・・・ま、いいや
あんたらもどうだい?
(コップを差し出すキッド)
>>168
・・・ここに王ドラがいたら、卒倒ものだろうな・・・
まぁ、どうぞ・・・
(コップを差し出す)
- 173 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2006/12/29(金) 03:41:450
>「そこで三人目たるわっちの登場、というわけじゃな」
転がるような声と共に浴場へと現れた第三の姫方は―――。
ああ、先ほどの少女のどこか人間離れした雰囲気とはまた少しばかり違う、もっと
現世が似合う美しさ。戦乙女かアマゾネス、花ならガーベラに喩うべき。
―――というのは、少し大袈裟ですけど。
それにしても殿方の前で一糸纏わず。
大胆不敵と言うかしなやかというか、兎に角私にはちょっと真似の出来ない切り口。
男の方に慣れていらっしゃるのでしょうか―――なんだか今日は乙女の苑では
体験できない、変わった事が起こってばかりですね。
世間的に見れば、私達のほうが変わっているんでしょうけど。
とにかく、「活動的な美人さん」というのは、学校の特色上ル・リムでは滅多にいない
タイプの方ではありますし、まずはお近づきになりましょう。
「ごきげんよう、綺麗なひと。 温かいお湯ですけど、余り長く入ると喉が渇きますよ。
アルコールフリーのハワイアンブルーは如何? 少し氷が解けていますけど、まだまだ
美味しいですよ」
そんなふうに言って。
- 174 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2006/12/29(金) 03:47:500
- >>167
「ああいや、そういう意味じゃなくて……まあ、なんだ。
なんというか、言われなれてないだけよ」
どうも変な意味に取られたらしい。
気品については、否定はしない。
あるとないとでは大きく違う、その人をよりよく見せる美しき動作。
その集合と弛まぬ努力によって気品は生み出されるのである。
貴族であっても、気品の有無はある。それは人間の器を示す計りなのである。
「で、まあ酒はまだそんなに回っちゃ……お、おお……」
百年発言について弁解しようとしたところ、彼女が髪を弄り始めたのでまあ、お開きになる。
その方が割とありがたい。
……しかし、やっぱり手馴れている。弄られていて心地良い。
やがて、私の足元にも届かんばかりの銀髪は、綺麗にまとめられて頭の上へ。
丁寧なことにタオルまで巻いてもらってしまった。
「……こういうのも、たまには悪くないかな。
ありがとう、親切なお嬢さん―――」
>>168
すごくワイルドな女神様きちゃったー。
「わ、ちょ、隠せって!!」
いやまあ水着とかつけない気持ちはわかる。
でも、その、さすがに青少年への教育的な意味でまずい。
「……恥じらいは少しくらいもっとけよ、おい」
とりあえず湯に入って危機は一段落。
湯気と揺れる水面が色々と隠してくれる。
ただ、それでも溜息をついて呆れた視線を送るのは忘れなかった。
……彼女に付き合ってるほうは大変なんだろうなあ。
>>170
「聞くなよ。流石に野暮だぜ、それ」
苦笑して、そう返した。
浮気の邪推など、引き摺るものではない。
例え当人たちの冗談であっても、軽く済ませるべきものなのだ。
「他人が見たらそう思わない、ってことよ。
意思疎通、意外と難しいのよ? 他人とは」
心が読めない限り、誤解は生じるものだ。
まあ、読めても生じるとは思うけど。
心とは複雑で繊細なものなのである。
>>172
「……あれ、式じゃないの? 数式の式。
定められた問と答―――命令にしたがって動くのが式でしょ」
まあ、この辺は割とアバウトだけど、こっちだと。
「あ、それとジュースはいいや。これでも大人なんでね」
……まあ、確かに常から見れば子供かも知れないが。
長生きして外見が変わらないと言うのも損得こもごも。
- 175 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/29(金) 03:47:590
- >>169
学校ひとつに、未来の皇太子妃。
なんとも驚かさせられる。
「へえ?俺が知っている貴族とはえらい違いだ」
俺の知っている貴族は。
新兵器を妹に操縦させたり、
味方を見捨てて自分の兵器開発に没頭したり
一度見てみたかったんだよ、ゴーストとやらをな!だったり
「場慣れするどころか女に会うのが珍しい毎日だよ。
…まあレディーに限らずジェントルマンにも引け目無く接しないと
俺みたいな他人の命を預かる仕事は出来ないさ」
ハイピスカスティーを飲んでいるのにつられて俺も酒を一杯。
クイッと飲み干した。
- 176 名前:ドラ・ザ・キッド ◆WrGRyVhgck :2006/12/29(金) 04:05:470
- >>174
いや、俺は自分の意志で動いてるからな
操られてるってわけじゃあないんだ
>「あ、それとジュースはいいや。これでも大人なんでね」
そうか?酒と同じようなモンなんだが・・・まぁ、無理に薦める事もないか・・・
- 177 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2006/12/29(金) 04:07:250
>>172(ドラ・ザ・キッド)
「あら、ごきげんよう」
目線の先には―――これもまた奇妙な、ぬいぐるみをかぶった人。
身長から察するに子供かしら? 奇妙な遊びが流行っているんですね。
何をやってもいいけれど、とりあえずあの子がのぼせませんように。
そんなふうに、祈ってみたりするのでした。
>>174(銀髪の少女)
「言われなれていない、というのはちょっと不憫かもしれません。―――だってほら、
周りの意見なんて気にするな、って言いますけど、もっと素敵な自分になるために
一番必要なのは、きっと認めてくれる誰か。それと、みんなの褒め言葉。
こんなに綺麗な子を褒めてあげないだなんて、みんな、見る眼が無さ過ぎます!」
そう、認めてくれる誰かは―――きっと全ての乙女にとっての、一番大切なもの。
生まれつきの孤高を背負わされているあてなる身分ならば、尚更。
もっとも、この子の横顔に孤独の色は見えないんですけど。
髪を結び終わった銀髪の少女の隣に座り、自分の肩に少しだけお湯を掛けて。
「私が言ってあげたいわ………」
ぽつりと、そうこぼします。
「かわいい、かわいい、きれい、って。沢山会って、沢山そんな風に言いたいです。
だんだん貴女も聞いているうちに、そんな言葉聞き飽きてきて、きれいだ、かわいいって
言われることのほうが当たり前になって―――たぶん、そんなときに、言葉は宝物に
変わるんですよ」
ね? と首を傾げつつ、にっこりと笑顔。
この子も笑ってくれるかしら―――そんなふうに思って。
「でも、旅先ですし―――すぐ帰らないといけないんですけどね」
- 178 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/29(金) 04:12:500
- >>172
「いい雰囲気って何だ?こいつとはただの飲み友達だよ」
他人から見ればどんな雰囲気だったんだ?
ちょいと気になった。
で、なんだか魔法の道具っぽいもの。
酒の幻覚作用のみ及ぼすらしい。
「…まあ、試しに一杯」
ジュースをいれて飲んでみた。
…チューハイ?そんなのに味は似ている。
まあ、ベースがジュースなだけに当然かもしれない。
「…すまないな、俺は普通の酒を飲みたいよ」
コップを目の前の…キッドに返す。
理由は当然、アルコールが無いからだ。
「まあ、確かに子供に対しては受けるかもしれないが…
これにはアルコール特有の辛さが無い。
…言ってしまえばノンアルコールワインに限界があるのと
同じ理屈だ」
そう言って俺は普通の酒をまた飲み始めた。
>>174
「野暮…?本当にお前は何を考えていたんだ…」
俺からしてもただの男女の飲み友達が、
温泉で月を見ながら一緒に酒を楽しんでいるとしか思えない。
「ま、そこまで言うのなら言及はしないがな」
他人の気持ちを知れ。
小さいときからよく言われる言葉だが、
単純にして複雑、難しい。
「あ、そういえば…名前、なんだったかな?
日本人の名前は少し覚えにくくてな…」
もしくは酒によっている時に聞いたから判らないのだろう。
- 179 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2006/12/29(金) 04:13:470
>>175(シローさん)
「厳密には貴族、というわけでもないんですけどね。だってほら、四民平等ですし―――
例えとして、憧れとしての貴族意識みたいなものは、きっとあるんでしょうけど。
だって、ほら―――なんとなくセレブには憧れるでしょう?
でも男の方って、お金持ち、って言われるのなんだか嫌いみたいですよね。あれって
なんでなのかしら―――」
そんな事を聞きつつ、相手のほうを見遣りました。
続く言葉に、少しだけ納得します。
ああ、成る程―――そういう方、つまりは軍人さんか何かだったのかと。
「女の子に会うのも稀、っていうのはさすがに珍しいですよね。私は女子校ですから
なかなか男の方に会う機会はないんですけど―――でも、貴方はけっこう好青年と
いう感じですし、男の人にも人気がありそうですよね」
- 180 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2006/12/29(金) 04:20:240
- >>171
「ふふ、三本の薔薇を抱えるのじゃから、棘くらいは我慢してもらわねばな」
そう軽口を叩きながら、ホロは必死に目をそらす男にさり気無く近寄る。
女神そのもののような美しい裸体の、その上半身が湯から見え隠れし、
その光景が見る者にはやたら扇情的に映る。
「なるほど、問いの答えはそれかや。実に分かりやすい返答を有難うな」
可愛らしく慎ましい、紅を引いたように赤い唇から舌を出して、軽く上唇を湿らせながら。
ホロは男に接着するかしないかの微妙な距離で、愉快げに笑う。
>>172
「おう、わざわざ済まぬの。しかしわっちは、本物の酒のほうが良かったな」
と、贅沢をこぼしながらコップを受け取る。
どんな理屈かは分からないが、結局そのジュースに酒精が入っていない事を、
ホロはなんとなく感覚で看過しているらしい。
くいっと一口に飲み干して、コップを返す。
「なるほど、酒に似た味がする……しかし、これではわっちは酔えぬの」
>>173
「御機嫌よう。そしてぬしはなかなか見所がある。
わっちの美しさは分かっても、第一声にそれを言える輩はそうはおらぬ」
ふふ、と草原に咲く一輪の花のごとく微笑して、「二人目の」少女に向き直る。
「飲み物は有難い。が、やっぱり酒精は入っておらぬのか…。
まあ、良いわ。そっちも頂くとしんす」
鉢のような形をしたグラスを受け取りながら、ホロは少しだけ、ぶどう酒の味を懐かしく思った。
これはこれで悪くはないのだが、やはりどうしても、酒が恋しい。
一口すすって、観想を言う。
「うむ…なかなか、面白い味がするの。今まで味わった事のない味じゃ」
>>174
「なんじゃ、またその話かや…この間散々言ったじゃろ、妹紅」
もう一人、知り合いの銀髪少女には、多少煩わしそうに返す。
「外ならいざ知らず、湯なんぞは元々裸で入るものじゃろ。
わっちが気にしておらねばそれで良いのよ。ふふふ」
実際、他人の視線さえ弄んでしまうこの賢狼の前では、
湯船の中でのモラルなど本当に瑣末ごとでしかないのだろう。
「それにわっちが聞くに、隠すほうが返っていやらしさを助長する場合もあると、
誰かが言っておったが?
ならば今のわっちの方が、よほど健康的という考え方も出来るじゃろ」
悪戯っぽい笑顔を見せながら、言った。
- 181 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/29(金) 04:34:130
- >>179
「男が金持ちって言われても、
言われた当の本人は嫌味にしか聞こえないからさ」
酒を飲みながら女が男に対する疑問に答える。
まあ、性別の差がある以上こういう質問は日常茶飯事だ。
「まず金って言うのは、働かないと手に入れられない。
で、働いている過半数は未だに男だ。
その自分だって働いているのに貧富の差があるということに
一種のねたみを感じるんだろう。
ほら、『日本一金儲けがうまい』といわれても喜べないのと同じだよ。
それに対して結婚という手段で金持ちの夫を手に入れたらどうだ?
よい亭主を持ったということで羨ましがられるだろう?
それが、セレブに対する憧れの正体だろう」
まあ、俺自身金儲けが下手なので、
貧乏人の客観的遠吠えだな、こりゃ。
自嘲をしながら酒を―――
>でも、貴方はけっこう好青年と
>いう感じですし、男の人にも人気がありそうですよね
「ブッ!?ゴホッ!ゴホッ!」
酒が、気管支に入った…!
なんてこと言うんだ、この子は。
「あ、あのな…俺にはそういう趣味は無い。
もしかしたらなんだか襲われかけたこともあったかもしれないが、
決して!男と交わったりなんてしていない!」
最近女性に人気なんだろうか。
こういう薔薇色なネタは。
- 182 名前:ドラ・ザ・キッド ◆WrGRyVhgck :2006/12/29(金) 04:35:030
- >>174
>>178
>>180
いまいち不評だな、ホンワカキャップ・・・よ〜し、それなら・・・
(再びポケットをまさぐり、大量のドラ焼きの乗った皿を取り出すキッド)
21世紀の老舗、『ドラや』の名物ドラ焼きだ
本当は俺が食おうと思ったんだけど、一人で食っても味気ないしな
(皿を湯船に浮かせるキッド。どういう原理か皿は、沈みもせず、ひっくり返りもしない)
さ、好きなだけ食っていいぜ
- 183 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2006/12/29(金) 04:50:160
>>180(ホロ)
「あら、それは貴女がとても、とてもお綺麗だからじゃありません?
綺麗なひとに綺麗といっても、なんだかとげのある言葉が返ってきそうで
怖いですからね」
そんなふうに言いながら、相手の表情を見遣ります。
郷愁、というのでしょうか―――ともかく、どこか寂しそうにグラスを傾けるその
仕種は、グラスの中身ではなく、何か別の飲み物の事を思っているようで。
「あら、ハワイアンブルーを召した事がない………変わっておられますのね」
>>181(シロー)
「ああ、なるほど。巻き毛の王子様じゃなくて、世間知らずのお坊ちゃま………
そういうイメージがあるわけですね」
殿方の語りに成る程成る程と頷きながら、少しだけわかった気がします。
正直、アストライアの閉じた環境に育った私には、こういう講義はなかなか
興味深くありますけど―――ただ、次の言葉には少しだけひっかかり。
「うーん、羨ましがられる云々………はちょっと、俗っぽすぎる解釈のように
思えなくもないんですけど、結局そういうものなのでしょうね。
シンデレラ・ストーリーは永遠の憧れなのだ―――そう言い換えたところで
意味するところは一緒なんでしょうから」
男の方には。そのセリフはいいませんでした。
>もしかしたらなんだか襲われかけたこともあったかもしれないが、
>決して!男と交わったりなんてしていない!
「………? ええと………」
少しばかり誤解があったようです。
もっとも、こういう誤解をすると思ってかけた言葉でもあるんですけどね。
「私はただ―――あなたのような実直そうな方は同僚からも信頼を得たり、
あるいはいい職場関係を築きやすいだろうって、思っただけなのですけど……
なにか失礼があったのなら、謝ります。ごめんなさいね」
- 184 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2006/12/29(金) 04:51:470
「―――と、少しのぼせてきましたので、帰りますね」
裸の付き合いは期限付き。そうそう長く続けることもできないのです。
ほんの少しふらつく身体を引き摺って、何か冷たいものでも貰いたいと思いつつ―――
私は温泉を辞したのでした。
(退場)
- 185 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2006/12/29(金) 04:55:560
- ……いけね。ちょっとのぼせたかな。
>>176
「や、まあそうなんだろうけどね。式は式でも、自立して動くのもあるし」
少なくとも二匹は知り合いにいる。狐と猫。
「まあ、変わらないと言ってもね。酒には酒の味があるのよ」
そこらにある水やらで酔っても詰まらないのである。
>>178
「妹紅だ、ふ・じ・わ・ら・の・も・こ・う。一応同じ出身じゃないのかよ、おい」
日本人な名前なのに忘れられるとは心外である。
「……まあ、いいけど。噂でも何でも面白半分にする奴がいるからね。
本人にその気は無くても、誤解は勝手に広がっていく。
ま、気をつけなよ?」
そう言って、話を切った。
後はただ酒を飲み交わすだけである。
それでも、お互い楽しむには十分なのだった。
>>177
「……や、盛り上がってるなあ、おい」
なんというか、女の子ならいつでも通り過ぎるお年頃というかなんというか。
ただ彼女の場合は百合の方に偏ってるっぽいけれど。
「まあ、慣れてないってのは、真っ向からぶつけられるのが慣れてないってだけよ。
それに―――言葉だけじゃ伝わらないものもあるさ」
例えば、想い。
言葉をいくら尽くしても、その情は伝えきれないものである。
風流を嗜んでいたものとして、このことは良く知っている。
だからまあ、こう真っ向から言われなくとも満足していた。
立ち振る舞いや接する態度だけで十分解るのである。
「でもま、今いっぱい貴方が言ってくれてるから、十分すぎるかしら」
少なくとも、それは心からそう思う。
素直に好意や想いを表せる人間は本当に稀有だ。
彼らは例えどれだけ使い古された言葉でも―――心を震わせるのだ。
「―――まあ、ありがとね。素敵なお嬢さん。
旅は道連れ世は情け―――袖擦り合うも他生の縁。
例え分かれても、どこかでまた会うさ」
そう。人の縁は奇妙である。
遠く遠く離れていようとも、縁があれば、繋がるのだ。
>>180
「いやまあそれはそうだけど……こー、なんというか」
あまりにも姿が見事すぎるから逆にこっちが照れくさくなる。
女性に認められる女性、というのは間違いなくそれだけの価値があるのである。
「まあ、微妙に隠すと逆に扇情的になる、ってのは言ったけど。
少なくとも全裸が健全だ、って意味で言ったわけじゃないわよ?」
苦笑しつつ答える。
でもまあ、ホロさんらしいと言えばらしいかも知れない。
八百万の神に通じる大らかさ、とでも言うか。
まさしく自然の象徴と言うか。
これはこれでいいなあ、と思う部分もあった。
―――のぼせてきた。酒のせいか、いつもより早かった。
「それじゃ、先上がるよ。のぼせて倒れてもかっこ悪い」
ざあ、と水を分けて上がる。
そのまま―――纏めてもらった頭を軽く撫でると、
「ありがと。またね」
と、その場を颯爽と去ることにした。
――眩暈を起こして、脱衣場で盛大に転んだのは秘密である。
【退場】
- 186 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/29(金) 05:00:120
- >>180
「あの二人は紙で包まれているが、お前の場合は棘がむき出しなんだよ…」
ええい、やっぱり苦手だ、こいつ。
ここまで性根が悪いとは…
で、まあ、なんか後ろに立たれた。
耳元に息が、笑い声が。
「お、おい。そんなに近づきすぎるな…」
って、後ろに体を傾けた瞬間。
なんか、柔らかいものが当たった。
ある種の絶対領域みたいなもの。
「………!?」
言葉にならない悲鳴だ。
くう、なんでこんなに人を弄るのが好きなんだろうか?
- 187 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/29(金) 05:11:080
- >>185
「同じ出身でも育った環境が違うからさ。
モコー、モコウ、もこう、妹紅…よし、覚えた」
まあ、珍しい名前だからだろうか。
そんなによくは覚えていないのである。
「噂は恐ろしいもんだからな。
俺がドジをやったという噂まで、すっかり基地中に
広がったこともあるから。
…尾びれ背びれついて余計酷くなった形で」
大方7小隊の連中の仕業だろうけど。
まあ、それ以上は突っ込まず、二人して酒を飲む。
「んじゃあな、またどっかで酒を飲もう」
そういって見送った後、なにやら脱衣所で大きな音がしたような。
- 188 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2006/12/29(金) 05:30:460
- …ヤバイ。
こいつと二人っきりになるのだけは不味すぎる。
「…そろそろ酒が回ってきたし、俺はでるよ」
お盆と酒を回収し、立ち上がる。
…無論彼女を見ないように、だ。
「あんまりからかわないでくれよ?こっちの心身がもたなくなる」
実際はぼろぼろだ。
彼女には勝てないだろう、一生。
湯で少しゆすいだ猪口に、酒を満たす。
これを平らな岩場に置いて…
「酒一杯はおごってやる。これはこの風呂の備品だから返して置けよ」
そしてそのまま脱衣所へ。
…明日は二日酔いかもな。
【退場】
- 189 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2006/12/29(金) 05:46:570
- >>183-184
「ふふ、じゃからぬしは見所があるというのよ。
反応の予測をした上で、堂々とそれを言える度胸があるんじゃから。
それにの……」
少しだけ目を伏せる。
野性味の香る少女がそんな表情をすると、それだけで濃厚な色香が漂った。
「やはり口に出してもらってこそ、雌は喜ぶと言うもの。
その辺をぬしはちゃんと心得ておる、というわけじゃな」
楽しげに体を揺らし、賞賛の言葉を送る。
「うむ、この味は面白いの。色々な味して、甘い。
酒も良いが、これも中々楽しい味じゃ。
わっちの居た所には、こんな洒落た飲み物はなかったからの」
全身からあふれる上機嫌を隠そうともしないで、ホロはそう言った。
新しい物、興味を引かれるものに出会ったとき、彼女はいつだってこんな反応をする。
「ふふ、またの。
次逢ったときには、もっと面白い飲み物を用意しておいてくりゃれ」
背を向け、湯船から上がる少女に、そう声をかけた。
>>185
「じゃから、そういう考え方も出来る、という話じゃ。
言葉に意味はあれど、そこから産まれる発想は人それぞれ。
わっちのこの考えも、それらのひとつに過ぎぬのよ」
苦笑に苦笑を返して、ホロは言葉遊びを続ける。
「それにこれくらいの価値観の違いは、ぬしの周りにだって多少はあろ?
往々にして、その方が楽しいもんじゃ」
呵々、とまた軽快に笑って、妹紅の肩を軽く叩いた。
>>186
「なんじゃ、わっちだけむき出しかや。
しかしぬしよ、結局はその棘、隠されておるかおらぬかの違いじゃろ?
雌は誰しも、備えておるもんじゃよ。棘という奴を。
ぬしはその事を、忘れてはおらんかや?」
言いながら、また少し、身を乗り出す。すると……
「……ぅん」
男の肘が、ホロの乳房を突いた。
「………」
瞬間、ホロの表情が曇り、硬直した。
何か酷く傷つけられたような顔をして、上目遣いに男を見やる。
「……触ったの」
胸元を腕で覆い、表情が隠れるように俯く。
その姿がまたひどく可憐で、見る者の庇護欲を刺激せずにはおれない。
「あ奴にも、まだ触らせておらんかったのに……ここは」
暗い声音で、搾り出すように言葉を紡ぐ。
「責任……どう取ってくれるんじゃ、所帯持のぬしが……」
その声に、涙の色が混じり始めた、その時。
「と、言われたら、ぬしはどうするのかや?
ふふ、これもまた、良い予行演習になったじゃろ」
ばぁ、と顔を上げて、おどけて見せた。
かなり悪質な悪戯だが、しかしその美しい笑顔を見ると、人の怒りもどこかへ自然と消えうせる。
「まあ…このように、誰もを疑えとは言わぬが、もう少し心を強く持ったほうがよかろ。
でないと、いつかぬしの奥方を悲しませる事になるやも知れぬぞ?」
くすくすと笑いながら、ホロはおもむろに湯船から身体を引き上げる。
「では、わっちはここらで帰るとしんす。
じゃが、その前に……」
出口への歩みが唐突に止まり、ホロは男を振り返る。
「『名前も教えあってないのに』、と以前こう言っておったな。
じゃからわっちの名前を教えておくとしんす。
……わっちはホロ。賢狼ホロじゃ。
ほれ、これでもうぬしは、逃げられんじゃろ?」
こらえ切れん、という風に一しきり笑い声を上げ、再び背を向けた。
そして、そのままホロは楽しい遊戯場……もとい、浴場を後にするのだった。
(退場)
- 190 名前:ドラ・ザ・キッド ◆WrGRyVhgck :2006/12/29(金) 05:59:180
- ん・・・寝ちまったか・・
さて、俺も帰るかな
【退場】
- 191 名前:毒の爪のジャンガ ◆UIjb7.uQXw :2006/12/29(金) 11:29:570
- 「あぁ・・・・やってらんねぇなぁ・・クソが・・・・」
まぁようやく休む機会を見つけたわけだが、
ジョーカーの奴やらウサギ娘やら金鳥仮面(ガディウス)やら・・・・クッ!
「俺は弄られキャラじゃねぇ!糞がアァァァァァ!!!」
毒の爪を振り回し側にある木を切り倒す。
距離が離れてる?衝撃波だ、衝撃波。
「ちっ・・・酒でも飲むか・・・・・・」
宴会会場で奪った酒だが。酒は酒だ。
- 192 名前:ドリアード:2006/12/29(金) 13:09:390
- …暫らくの間、別の湯船だか何だかが、
大分賑やかだったようだが、湯治客が居たのか?
…まぁ、今は復帰に向けて、ゆっくり静養したいからな…。
…分身も顔を見せぬ所からして、リクスレには、
特に重大事と言える事態は起きていない様だし…。
…もう数日は、リクスレは分身に任せるか…。
- 193 名前:ドリアード:2006/12/31(日) 12:06:390
- …ふむ、今日は早くも大晦日か…、実感湧かぬなぁ…。
どれ、もう数日位は、ここで寛いで過ごすつもりだったが、
そろそろ復帰するのも、悪くないだろうな…。
…では、リクスレに向かうとするか、な…。
【退場】
- 194 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/01(月) 19:05:370
- 「おや?こんな所に温泉が―――」
そう呟いたのは、一見侍風な格好をした一人の女剣士。
その女剣士の名はトウカ。彼女は誇り高きエヴェンクルガという
武人(もののふ)で有名な種族の一人なのである。
付け加えておくと、彼女は一刀流である。
「剣の修行の為にこんな場所にまで来たのだが…
折角だからここで日頃の疲れを癒すのも悪くはないでありますな」
そう言ってトウカは服を脱ぎ、そしてゆっくりと湯船に身を沈めた。
「…ふぅ―――いいお湯でありますなぁ〜〜♪」
ちなみに、トウカはこの場合―――何時何処で誰かに襲われても
対処できるように、刀を何時でも自身の付近に置いているのはいいが…
しかし彼女自身は性格上うっかりしているので、肝心な時に忘れてはいないかが気がかりではある。
- 195 名前: 【793円】 【モリゾー】 :2007/01/01(月) 23:43:580
- 。
- 196 名前:アヴェンジャー ◆HAtE/emXT2 :2007/01/02(火) 00:07:110
- 「アー、結構なお手前で。ところでこれの使い方あってんの?」
なんて独り言を呟いてみるのである。
事の起こりを話すと糞長くなるんだが―――――ぶらぶらしてたら風呂を見つけた。
だから入っている。以上。
うん、まあ、そういうコトなんだ。アンリ・マユの顔も三度って言うからな。今更赦して
くれなんて都合の良いコトを云うつもりは更々ない。でも―――――これを見たとき、
誰かはえも云われぬ情緒みたいなものを感じてくれたと思う。こんな殺伐とした風呂の
中だからこそ、そう云う気持ちを忘れて欲しくなかったんだ。
じゃあ―――――注文なんて聞かねーからまったりさせろよ。正月だぞ正月。
下僕に愛の手をー。
下僕に休息をー。
- 197 名前:名無し客:2007/01/02(火) 00:08:470
- キキー
[サルが現れた]
- 198 名前:アヴェンジャー ◆HAtE/emXT2 :2007/01/02(火) 00:10:380
- 「おー、天然物ですよ。とっ捕まえて喰うか。
いやー、最近ずっと牛丼牛丼の日々だったからなー」
- 199 名前:アヴェンジャー ◆HAtE/emXT2 :2007/01/02(火) 00:13:350
- まあ、そんな冗談はさて置き。
猿も駆逐される世の中だ。昔は日光猿軍団とか流行ったんですけどねー。
私はこれで煙草を止めましたみたいな?
あれ、これ違ったっけ?
「どーでもいーかー」
というワケでまだまだだらけるのである。
ふやけるまで浸かり通してやるのである。
寒いしね。
- 200 名前:名無し客:2007/01/02(火) 00:14:220
- キキー!?キキー!
[サルはじたばた暴れた]
- 201 名前:アヴェンジャー ◆HAtE/emXT2 :2007/01/02(火) 00:25:590
- 「オイコラ、暴れんなっつーの。本当に喰うぞ」
湯が冷めるだろ。湯が。
あ、でも源泉出てるから関係ねーのか? どうなんだろ?
ま、熱くもなく温くもなく快適な温度であるコトだけは確かなのである。
「美人さんでも来てくれませんかねー。お酌とかして欲しいのよ?
ま―――無理だけどさ。オレじゃ」
- 202 名前:名無し客:2007/01/02(火) 00:28:140
- キ?
キキー!
『キキー?』
[岩場からメス猿が現れた]
- 203 名前:アヴェンジャー ◆HAtE/emXT2 :2007/01/02(火) 00:31:330
- 「オイ、結局猿か。俺を虐めて楽しーの?」
穴があれば何でもいいとか思ってやがりますか。
流石にオレはそこまで無節操じゃねえのであるが。
ホントだよ?
- 204 名前:名無し客:2007/01/02(火) 00:32:380
- キー
[2匹とも頷いた]
- 205 名前:アヴェンジャー ◆HAtE/emXT2 :2007/01/02(火) 00:38:010
- 「嘘―――猿にまで馬鹿にされんのオレ?
うわー、ヤベー。久しぶりに頭にくるなー。
殺してバラして、豚骨スープならぬ猿骨スープにしてやろうか」
こういうのが小物臭いといわれる由縁ではあるのだが。
性分なんだから仕方ねえのであるなり。
「ストローで脳味噌啜るのもいいよなー」
- 206 名前:名無し客:2007/01/02(火) 00:40:430
- キキ!?キキー!
「キキー!」「キキー!」「キキー!」
[サルA・B・Cが現れた]
- 207 名前:アヴェンジャー ◆HAtE/emXT2 :2007/01/02(火) 00:46:150
- 「一匹辺り10キログラムの肉が取れるとして―――三匹か。
お土産には十分だよな? だよなあ? くひひひひ―――――」
つーか、猿の肉って未だに食べたコトねーんだけどなー。
ま、多分旨いだろ。
この俺のスキルを持ってすれば、美味しく調理できるはず。
美味しく食べられるってのは、調理物にとっては幸運でしょう?
- 208 名前:名無し客:2007/01/02(火) 00:53:010
- 「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」
「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」
「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」
「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」
「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」「キキー!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
[15分で町を死滅させられるほどサルが出現した]
- 209 名前:アヴェンジャー ◆HAtE/emXT2 :2007/01/02(火) 00:57:560
- 「ハア―――ハン。数と回数でオレに張り合う?」
馬鹿げてる、馬鹿げてる。猿め。
猿め。猿め。猿め猿め猿め猿め猿め。
「ゴメンナサイ。というかジョークに切れんなよー。大人げねーぞー」
マスターが居なくてよかったと思うのである。
それ以上に他人が居なくてよかった。
よかった。
- 210 名前:名無し客:2007/01/02(火) 01:01:380
- 『―――――キキー』
[サルたちの真ん中に存在感のあるメス猿がいます]
『キキーキキーキキーキキ…
キーキキーキキーキ
キーキキキ…キキーキキー
キーキキー』
[デジャビュを感じます]
- 211 名前:アヴェンジャー ◆HAtE/emXT2 :2007/01/02(火) 01:08:410
- 哀れオレ。猿に温泉を占拠され片隅に追いやられるなんて。
くっ……くやしい―――――!
まあ、冗談である。
「自然は嫌いじゃねーしなー」
それにしても猿。猿だ。
なんかメス猿が中心らしい。
「この世界は明るいなー、多分。きっと」
どーでもいいけどさー。
- 212 名前:名無し客:2007/01/02(火) 01:12:580
- キキー
[後ろのサルがマットを用意しています]
『…キキキキキ、キキーキキキキー』
[メス猿が祈るように手を合わせました]
キキー!
[さるたちがいっせいにおそいかかって
身包みを剥がされました]
- 213 名前:アヴェンジャー ◆HAtE/emXT2 :2007/01/02(火) 01:21:480
- 身包みを剥がされるも何も風呂に入ってるワケで。
つまりは全裸なワケで。
なぜかマットが用意されているワケで。
そしてなぜか滑りがよくなる液体があるワケで。
となると例のプレイが思い浮かぶワケで。
疑問に思ってもお父さんやお母さんに聞いて欲しくないワケで。
つまりは―――――
「マスター、ピンチです」
諦めにも似た脱力感。
いやまあ、猿がオレに触れられるはずがねーんだけどな。どうせ。
動物的本能と言うのは至極単純だ。
強いものには媚、弱いものに強気だ。
そして、単純であるからこそ敏感だ。
オレから湧き上がる腐臭にも似た悪意は結局、猿どもに畏怖を与えるだろう。
鈍感な人間ですら、オレに近寄れば正気を保てやしない。
つまりはそう、オレは『アクイノカタマリ』だ。
とか格好いいコト言いつつ霊体化するだけなんですけどね?
- 214 名前:名無し客:2007/01/02(火) 01:27:000
- キキー?キキ!!!?
[突然消えられたのでその場で山積みになってしまいました]
- 215 名前:アヴェンジャー ◆HAtE/emXT2 :2007/01/02(火) 01:30:590
- 「猿に舐められっぱなしじゃあ、サーヴァントの名折れってもんだからな。
くひひひひ―――いい様だぜ、畜生どもめ」
さて、と。これからどうしたもんか。
そこそこゆっくりのんびりしたから帰ってもいいんだけどなー。
なんと言うか、もう少しこの風情を楽しんでみたいのである。
まあ、いつでも楽しめそうなものではあるのだが。
とは言えこの時間は今にしか存在しない。
存在しないのだから、今を十分楽しんでおくべきなのである。
- 216 名前:名無し客:2007/01/02(火) 01:37:590
- キキー!
[サルたちは消えたあなたを探しています]
キキー…
[ところどころでタオルを頭に巻くしぐさをするやつがいます]
[バンダナがほしかったようです]
- 217 名前:アヴェンジャー ◆HAtE/emXT2 :2007/01/02(火) 01:56:100
- 「眠……」
本来サーヴァントは休息だとか睡眠は必要ない(らしい)。
そりゃそうなのである。何だかんだ言って魔力の塊でしかないんだから。
マスターからの魔力供給があればと言う前提条件があるのだが。
だがまあ―――眠いもんは眠いのである。
休息が必要なくても、休息をとりたいのである。
だらけるってのは至福だから。
「んじゃ、また来るとしますかねー。気が向けば」
(退場)
- 218 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/02(火) 09:23:240
- 「…ハッ!!某とした事が…ついうっかり寝てしまったでありまする…。
それではこの辺であがる事にいたしますか…」
(退場)
- 219 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/04(木) 23:15:570
冬の気はまだ萎むことはなく、雪さえ降りかねないような空を見せている。
月は満ちて、光を雲の中に反射させ、夜だと言うのに随分と明るい。
そんな中、この温泉は今、私一人が占めている。
気兼ねせず体を伸ばせるというのはなかなか魅力的である。
「ぶくぶくぶく」
気を抜きすぎたらちょっと沈んだ。
とりあえず岩場を背に再度座りなおす。
「あ、酒」
持って来れば良かったなあ、と独白。
空は、変わらず光る雲と夜に覆われていた。
- 220 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/04(木) 23:42:490
- 「あ、いけね。手ぬぐい落としてた」
頭が涼しいと思ったら忘れていた。
とりあえず方まで沈んでいた体を浮上させる。
ばしゃばしゃとお湯を掻き分けて進む姿は真っ白な体。
今回、水着はなしである。
もちろん、湯煙で隠れているので問題はない。
- 221 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/04(木) 23:52:040
- 「う〜、寒い寒い……」
天には冴え冴えとした月。
地には月光を照り返す雪。
目の前には、大地の恵みたる温泉。
震える身体をゆっくりと、お湯に浸す。
「ん〜……」
「……さいっこう!」
寒さと、暖かさの一瞬の対比がたまんないんだよね〜。
こういうのを“快”と感じられる身体に深く感謝。
ゆったりと身体を伸ばして、肩までお湯に……。
「……あー、えーと、お邪魔します」
先客と目があった。
まっぱだ。温泉だから、不思議じゃないけど。
- 222 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/04(木) 23:58:380
- あったあった。
お湯に沈む白い布。
それを拾い上げて、固く絞る。
水分が抜けたところで、適当に畳んで頭に乗せた。
さて、あとはゆっくりと疲れを流し―――
>>221
あ、やべ、お客さんだ。
「ああ、うん。お構いなく」
とりあえず急速潜行。晒していた体をお湯の中に沈めて隠す。
ちょっと気を抜きすぎたかー。
「やはは、見苦しいところ見せたね。手ぬぐい落としちゃってさ」
適当に愛想笑い。
別段気にすることはないのだけれど、会話の枕には十分使える。
静かに過ごす湯はいいものだが、無言で過ごす湯は少々居心地が悪いのだし。
- 223 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/05(金) 00:09:030
- >>222 藤原妹紅さん
別に女の子同士なんだし、そんなに気にする事は無いと思うんだけどなー。
わたしだって、同じような格好だし。
……ああ、でも、最近は“百合”なる嗜好が流行ってるって言うし、
注意するに越した事はないの……かな。
ふと、どっかの船上学園の生徒さんの顔が思い浮かんだ。
「ん、見苦しいなんて、そんな」
「ほら、温泉の中で何か着てる人の方が変なんだし」
……何を当たり前の事を言ってるんだろう、わたし。
「え、ええと、そんな事よりも、藤原さんはこの温泉、何度か来たことあるの?」
「わたしは初めてでさ」
- 224 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/05(金) 00:18:010
- >>223
ばしゃ、と冷えた体を湯にくぐらせる。
温泉に入ろう、と一番最初に思いついたのは誰だったのか。
とりあえず、その英断には感謝したい。
「はは、まあね。水着くらいなら着てもいいけど」
長い髪の毛を、頭の上に巻き取りながら束ねてみる。
ちょろりと、末のあたりの毛が馬の毛のように零れた。
「そうね、ここは三度目かなー。本当はもうちょい足を運びたかったんだけど」
年末と年始はどうも忙しくてねー、と呟きながら、頭を岩場に預ける。
髪と手ぬぐいが枕になってちょうどいい。
「まあ、特におかしな所はない、普通の温泉だよ。湯治向きの」
そういえば効能はなんだったろうか。
後で見てみるか。
- 225 名前:横島忠男:2007/01/05(金) 00:20:290
- 「地図によればこの辺のハズなんだけどなー……お、あったあった」
私ことGS横島忠男はとある目的を持ってこの温泉を訪れた。
最近、この温泉に様々な怪現象が起こるというので
その辺を詳しく調査するという目的だ。
「というのは建前でっ!混浴温泉と聞いて大人しく調査なんかしてられるか!
美神さんは別件の仕事だし、お目付け役のオキヌちゃんは撒いてきたし。我が行動を遮るモノは存在せずっ!
まだ見ぬおねーさんとの混浴がすぐそこにっ!!」(ハァハァ)
……っとっと、いかん。つい心の声が口に出てしまった。
湯煙で良く見えないが、2人程先客が居るようだ。
……聞かれてないよな?聞かれてないと良いなあ。
「やあどーもこんばんは。湯加減はどうッスか?」
とりあえず探りを入れてみよう
【温泉から少し離れた所@まだ着衣】
- 226 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/05(金) 00:26:310
- >>224 藤原妹紅さん
「水着かー。最近の温泉……あみゅーずめんと・すぱだったかな?
とかだとむしろ着てなきゃだめらしいね」
「わたしは風情が無くて嫌いだけど。
ほら、やっぱり温泉を本当に楽しむんだったら、直じゃないと、直」
そもそも、見られるのが嫌なら温泉とか公衆浴場に入らなければ良いんだ、うん。
と一人納得。
「三度目かー。良いなー。
前からここには目をつけてたんだけど、中々来れなくって」
ここまで、話してから、ふーと大きく息をついて、お湯の中で身体を伸ばす。
「……んー、気持ち良いねぇ」
うっとり
- 227 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/05(金) 00:29:390
- >>225
―――なにやら声が聞こえる。
「……覗きか?」
混浴で覗くも何もあったものではないが、女二人だけでは気になるというもの。
しゅぱ、と指先を軽く振ると炎がゆらめく。
調子は湯治のおかげで随分とよろしい。火傷させるには十分だ。
>「やあどーもこんばんは。湯加減はどうッスか?」
だが、まあそれは杞憂で済んだらしい。
指を握って湯船に沈め、炎の残滓を流す。
「それなりだね。寒い日に入るにゃちょうどいいよ」
だからそれだけを言って、三人目を待つことにした。
- 228 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/05(金) 00:30:050
- >>225 横島忠男さん
ん、男の人の声?
う〜ん……わたしは良いけど、藤原さんが大丈夫かなぁ。
とりあえず、だんまり決め込んでおこっと。
(責任を丸投げするEG7)
- 229 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/05(金) 00:34:470
- >>225
酒を持ってぶらり。
いつもの薄汚れた野戦服を着てのことだ。
「いや、温泉て病み付きになるな…また来てしまうか」
こうして入り口に近づけばなにやら浴衣姿の若者。
…ここに男がいるなんて珍しい。もしかしたら苦労を共にする仲に…
>というのは建前でっ!混浴温泉と聞いて大人しく調査なんかしてられるか!
>美神さんは別件の仕事だし、お目付け役のオキヌちゃんは撒いてきたし。我が行動を遮るモノは存在せずっ!
>まだ見ぬおねーさんとの混浴がすぐそこにっ!!(ハァハァ)
…前言撤回、少し危険人物。ハアハア言ってるし。
「Hey!What are you doing now!」
英語で、外国人らしく声をかけてみた。
ついでにもっているペンライトもオン。
- 230 名前:横島忠男:2007/01/05(金) 00:38:320
- >>227
おねーさんの声キター!!
ああ、サルとか野郎とかが入ってなかって良かった。
カミサマ感謝します。(滂沱の涙)
「それじゃあお言葉に甘えましてっと」
側の脱衣所に行き、ぱぱっと風呂支度を整える。
当たり前だが腰にはタオルを巻いてるぞ。
……先客の着衣があるが、今はそんなのよりもナマの方が重要だ。
「ふー、さみぃさみぃ。」
さっさと温泉に入って
「おねーさん初めまして。ボクは横島忠男って言います」
と、返事をくれた人に挨拶をひとつ。
- 231 名前:横島忠男:2007/01/05(金) 00:42:440
- >>229
えーごで話しかけられた。しかも野郎に。
自慢じゃないが俺は高校にもロクに出席しない男だっ!
えーごなんてわかろうはずもない。
「あ、あいきゃんとすぴーくいんぐりっしゅ。ニホンゴヨロシク」
日本語までカタカナなのは気にするな。
ガイジンに話しかけられた時の癖だ。
- 232 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/05(金) 00:42:490
- …ああ、聞こえなかったらしい。
「…まあいいか、覗きじゃないみたいだし」
入り口でぼりぼりと頭をかく。
- 233 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/05(金) 00:45:580
- >>231
あ、聞こえてた、やっぱ。
「…いや、覗きじゃないならいい。
だが、不審な言動は控えるべきだぞ、少年」
日本語で、丁寧に言ってやった。
…さて、温泉にはいつものともう一人。
「…よう、紅妹。またあったな」
温泉にて声をかけた。酒を片手に。
- 234 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/05(金) 00:48:360
- >>230
で、やってきたのはごく普通の男である。
強いて言えば、やや三枚目、といったところか。
「ああ、ご挨拶どうも。私は藤原妹紅……」
しかし、妙にテンションが高い。
あと鼻の下伸ばしすぎだぜあんた。何処を見ている。
「まあ、それはそうとしてその顔、ちょいとみっともないわよ?」
苦笑気味に指摘する。
やー、なんというか。混浴初めてなのかこいつ。
不快ではないが、どうにも読めない。
>>232
―――もう一人の気配がする。
今日は千客万来らしい。
「よう、どうした?」
声をかけてみる。
入り口で棒立ちになっているのはどうにも落ち着かなかった。
- 235 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/05(金) 00:52:290
- >>234
「なあに、難しい日本語は判らん。そういうことだ」
酒を持って温泉へとジャブジャブ。
周りを見ればさっき難しい日本語を言ったやつ、
そして…
「…なんかいざって時の切り札がいるような気がするな」
結婚は人生の墓場だとか言われた気がするあの子。
- 236 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/05(金) 00:53:430
- >>233
「名前逆だ、逆」
さすがに面食らった。
そんな間違い方をする奴は初めてだ。
「ま、いいけど……って酒か。今日も飲むのかい?」
片手にぶらさげた酒瓶を見る。
陶製なあたり、なかなか風流である。
「私も持って来れば良かったな―――っと、まあ吹雪いてもいないしすぐ持って来れるか」
せっかくだ。全員で温泉肴に月見酒と行こうか。
その方が面白い。酒も美味い。
「すぐ戻ってくるよ」
それだけ言い残すと、湯船から上がり、手際よく体を拭きながら脱衣所へ。
そして数分後、燃え盛る翼を広げた不死鳥が一匹、空へと飛び立つのであった。
【一時退場】
- 237 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/05(金) 00:55:000
- >>230 横島忠男さん
ぶくぶく
顔を半分くらいお湯につけてじーっと観察。
十代後半くらいかな?
なんていうか……すごく分かり易い表情をしていた。
ま、いいか。
変な事をするようなら、その時はその時。
一度二度の後悔は、若者を大人にするっていうし。
>>233 シロー・アマダさん
んー、もう一人登場。
どうやらこちらに気がついたらしい。
もんすたー・さぷらいず・ゆー。
「切り札? 何の事かわからないなー、わたし」
ぶりっこしてみたり。
- 238 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/05(金) 00:56:560
- (業務連絡)
(わたしの外見年齢は10歳前後です)
(to 横島さん)
- 239 名前:横島忠男:2007/01/05(金) 00:59:420
- >>233
くっ!さっきの漏れた心の声をこいつに聞かれていたか。
しかも銀髪のおねーさんとなんか親しげに挨拶してやがるし。
……こいつは敵だ。(ギラリ)
「あっ、そりゃスイマセン。ボク混浴って始めてで緊張しすぎて変な事を言っちゃったかもしれないかも。
でもこんな綺麗なおねーさんと一緒だなんて緊張するなって方が酷じゃないッスか?」
おねーさんの好感度を稼ぎつつ、無害そうな青年をアピールだ!
>>234
「あれっ、顔になんか付いてますかね。」
ごしごしとざーとらしく顔を擦ってみる。
ちちぃっ!早くもバレたか?
……と思ったが苦笑されただけで攻撃が飛んできたりはしない。
嗚呼、余裕のあるオトナの女性って良いよなあ。(泣)
「藤原妹紅さんですね、ヨロシクお願いします」
- 240 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/05(金) 01:00:480
- >>236
…ゲホッなんか恥ずかしい間違いをしたような。
「…だから日本人の名前は難しいといっただろ。
ううん、モコー妹紅…よし」
酒飲みながら人の話を聞くのは辛いな、やっぱり。
「娯楽というのがこれくらいさ。二人で賭け事をしてもつまらないし」
大体俺は賭けがあまり好きではない。
なんセ俺がいつ辞めるかが賭けられていたぐらいだから。
ん?ここから行ける物なのか?
酒を取りに行くと…
「…もしかして、いや、やめとこう」
あいつが飛ぼうと、火に包まれようと俺には関係ないことだ。
- 241 名前:横島忠男:2007/01/05(金) 01:06:240
- >>238
「っと、ごめんな。えーと……」
ついつい妹紅さんの方に目を奪われていて忘れていたもう一人の先客の方に向き直る。
声=子供
体のサイズ=子供(湯煙で輪郭しか見えないが)
スリーサイズ=たぶん子供
はぁ、ちょっと残念だ。
「先にこっちが名乗るのが礼儀だな。さっきも言ったけど俺は横島忠男って言うんだ。」
まあ子供でも、野郎よりはよっぽど礼儀を尽くすべきである。
- 242 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/05(金) 01:10:300
- >>237
「仕事抜きじゃあ、ただの子供だからな。
いや、仕事頼んだこと無いけど」
破壊工作、偵察、何でもござれ。
頼めばザクを足止めするくらいなんでもないのだろう。
>>239
なんか睨まれた。よく判らないが。
「…混浴といってもそんなに期待するもんじゃないぞ。
確かに美人が多いが…」
確かに緊張するときもあるだろう。
俺は酒を飲んでそれを忘れているが。
「………まあ、見た目に騙されるなということだ」
ここにいるのは曲者が非常に多い。
たとえを言えば、あいつとか、温泉でまた会おうと言った。
- 243 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/05(金) 01:11:310
- >>241 横島忠男さん
明らかに気の入ってない声。
わっかりやすぅ。
ま、気合満々で挨拶されても困っちゃうし、
腹に一物抱えてるよりは、よっぽど好感持てるけど。
「ああ、挨拶が遅れてごめんね」
「わたしはイーヴァ。ほんとなら握手でも求めるべきなんだろうけど、
流石に格好が格好だから」
「よろしく、横島さん」
- 244 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/05(金) 01:16:530
- >>242 シロー・アマダさん
「ま、折角の温泉だし、野暮な話は無しって事で」
そんなに警戒しなくても良いのに。
元とはいえ、軍人さんなんだから仕方ないのかもしれないけど。
ちょっと生真面目すぎるのが珠に瑕なのかなぁ。
- 245 名前:横島忠男:2007/01/05(金) 01:20:530
- >>242
>「…混浴といってもそんなに期待するもんじゃないぞ。
「そんなユメの無い話はしないでくださいよー」
例えば女子更衣室、例えば女湯。
そんな数多あるパラダイスの内の一つが混浴だと言うのに、そんな発言をされてはぶち壊しである。
「美人と一緒に入る風呂。これ以上の極楽が他にあろうかっ!!」
>「………まあ、見た目に騙されるなということだ」
あ、ちょっとだけこいつに共感持てたかもしれない。
>>243
「こっちこそ。イーヴァちゃん。」
どう聞いてもガイジンの名前です。本当にありがとうございました。
「イーヴァちゃんって日本語得意なんだねー。何処から来たの?」
妹紅さんが退席しちゃったので、なんとなく話題を振ってみる。
- 246 名前:『悪魔の妹』 フランドール・スカーレット ◆495/xezQ72 :2007/01/05(金) 01:23:180
- ――さて。
温泉の喧騒からは離れた一角。
ちょうど死角の部分に、一人の少女が降り立っていた。
「…………」
その目は、何か強い決意と、かすかな恐怖を感じている。
それはまるで、何か恐るべき事態に挑戦するチャレンジャーのようだった。
無理もない、彼女―――フランドール・スカーレットは吸血鬼である。
吸血鬼は、通説として、「流れ水を渡れない」という弱点がある。
つまりおぼれると言うことである。
そんな彼女が一糸纏わぬ姿で温泉の湯船の端に降り立っているのは、訳があった。
それは、紅魔館のことである。
いつものように暇つぶしにと、こっそり出歩いていた所。
「……やっぱり温泉は良いわね」
「……お嬢様は水も平気なのですね」
「溺れなければ平気よ。単純に泳げないだけだし」
「なるほど」
温泉とは何ぞや。
パチュリーに聞いてみた。
「……火山地帯でよく見られる、地下水がマグマの熱で温められ、地上に噴出してできるものよ。
この水には特有の成分が含まれていて、お風呂として使うと健康にいい、という話らしいわ」
なるほど。
フランドールは温泉に興味を持ってしまった。
そのようないきさつで、館を盛大に破壊して飛び出したフランドールは、
どこともしれぬ山奥で湯気を上げていたこの温泉を見つけた次第である。
「……大丈夫かしら」
深さを測ろうとしてみるが、生憎の湯煙と濁った泉質で、全く見えない。
手や足を突っ込んで計る、という手もあるが、今のフランドールには思いつかなかった。
「えーと、あんずるよりおこなうがやすし、だったかしらね」
気まぐれに覚えた諺を呟くと、そっと足先をつける。
「うわあつっ」
思わず引っ込めた。外気で冷却された体には、温泉は熱すぎた。
しかし、さすがに入らないと寒いし、ここまで来て入らないのは引っ込みがつかない。
「……せーのっ!!!」
意を決して、フランドールはその全身を温泉へと飛び込ませた―――!!
ばしゃーん、と盛大なしぶきと着水音が上がる。
しかし、ここで一つ重大なことがあった。
フランドールは人間で言えば少女―――それも12か13歳程度に小さい。
そのため、例え足がつく深度でも、溺れる恐れがあった。
肌を焼く熱水と、泳げないということ。
そして身長の低さが、悪魔の妹を危機に陥れせしめたのであった。
冷静に解説してる場合じゃない。
「――――――ッ!! ―――――ッ!!」
流石に浅はか過ぎた。まさか能力まで使えなくなるとは思わなかった。
呼吸を止めて必死でもがくが、どこが天か地か全く分からない。
というか熱いやら痛いやらで目を明けていられない。
―――あ、ひょっとしたら死ぬかなあ。
なんてみっともない死に方だ。
お姉さま、怒るかな。それともわんわん泣いちゃうかなあ……。
ああ、意識が遠のく―――
- 247 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/05(金) 01:29:550
- >>244
「…まあ、そうだな。
とは言え酒を飲ませるわけにはいかないし…」
こんなところでも仕事の話は馬鹿げている。
とは言え、彼女を見るとひとつしか話題が無いから困る。
「妹紅が何かつまみの一つでも持ってきてくれるのを願うしかないか」
>>245
夢の無い話だが、現実だ、ここは。
この現実で温泉という空間は恐ろしい。
たとえば尻尾が生えた女に弄られるとかそんなの。
「綺麗な薔薇にはとげがある。
…ここでは現実になるから気をつけろよ」
といいつつ酒を一杯。
>>246
>バシャーン
派手に上がった水しぶき。
誰だマナー違反をやったのは。
「オイ、温泉はもっと静かに…」
…上がってこない。
え?頭ぶつけたりした?
「お、オイ!大丈夫か!?」
急いで駆けつけ、気絶しかけている少女を引き上げた。
- 248 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/05(金) 01:30:170
- >>245 横島忠男さん
何処から、か。
それに正確に答えるのはちょっと難しい。
「ん、こんな名前だけど、生まれも育ちも日本なんだ」
うん、嘘は言っていない。
「あ、でも日本国籍って訳でもないんだけどね」
うんうん、嘘じゃあないよね。
>>246 フランドール・スカーレットさん
物凄い水しぶき。
う〜ん、最近のコはマナーがなってないなぁ……
……
………
…………
なんで浮かんでこないんだろう?
お、溺れてる!?
「ちょ、ちょっと大丈夫!?」
慌てて抱き上げるけど、お、重い……
うう、10歳相当の身体が憎い。
と、とにかく顔だけでもお湯からあげなきゃ……。
お湯を飲んでなきゃ良いけど。
- 249 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/05(金) 01:30:210
- 温泉の上空を通過すると、燃え盛る羽が舞い散った。
速度を落とす為に軽く羽ばたいたのである。
「よーし。ちょうどよく酒が残ってよかった」
手にしているのは酒瓶―――これも陶製である。
硝子というのもあるにはあったが、お湯に漬けたら割れそうだったので止めておいた。
もし割れたら勿体無いし。
「さて、こいつを手土産に―――」
>>246
……なにやってんだ、ありゃ。
広々とした温泉郷の一角。ばしゃばしゃと水しぶきが上がっている。
嫌な予感がする。
とりあえず急いで向かおうと、一旦脱衣所に降りた。
手早く服を脱いで、脱衣所を出ると―――
「え、誰か溺れてんのかありゃ!?」
まさか温泉でそんな奴がいるとは思わなかった。
なにしろ幼子でも足がつく深さである。
だが―――万一ということもある。
洗面器に張った水でも人は死ねるのだ。
「やっべ、行かないと!」
とりあえず酒瓶を転がして、風呂場を猛然と走り出す。
距離にして数間。これなら間に合―――
ずるり、と足元で奇怪な感触を覚えた。
体全体が異様な方向へとスライドしていく。
「やべ、滑っ―――!!」
速度は維持されたまま、私は異様な格好で温泉へと突撃していく。
二度目の盛大な水しぶきが、上がった。
- 250 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/05(金) 01:31:550
- ざばー、と起き上がってみれば。
溺れていたと思しき幼女はすでに助け出されていた。
「……あー、みっともない」
濡れた髪の水分を絞りつつ、>>246を見―――
え、なんでここにいるんだこいつ。
- 251 名前:『悪魔の妹』 フランドール・スカーレット ◆495/xezQ72 :2007/01/05(金) 01:35:510
- >>247-248
声が聞こえる。
続いて、体全体が冷気に包まれる。
「あれ」
目を開けた。もう水の中からは脱していた。
気づいた時には、もう呼吸を再開させている。
「ぷはー、死ぬかと思った……」
半分涙目になって呟く。
495年生きていて、初めて死ぬかと思った。
温泉怖い。
「助かったぁ、誰だか知らないけど感謝するね―――」
>>250
あれ?
- 252 名前:横島忠男:2007/01/05(金) 01:36:320
- >>247
>「綺麗な薔薇にはとげがある。 …ここでは現実になるから気をつけろよ」
そんなもんは日常的に体感しているから言われるまでもない。
だがそれでも夢を追い続けるのが男であり。夢を追うのを止めたこいつはオッサンになるのだろう。
「あんたも苦労してるんだなあ。オッサン」
>>246
おや?水しぶきが……
ははは、温泉にダイブかぁ。俺もガキの頃は似たような事して怒られたっけなあ。
「とか思ってる場合じゃあねえっ!」
浮かんでこない。
足でも吊ったのか?
慌てて水しぶきが起こった所にじゃばじゃばと近づいて行く。
「おーい大丈夫かー?」
介抱されている少女の頬をぺちぺち叩いてみる
- 253 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/05(金) 01:42:510
- >>249-250
「のわっ!?」
盛大に隣で水しぶきが上がった。
また誰かが溺れた、もしくは頭をぶつけたのかもしれない。
…ん?でもこの銀髪は…
「…お前まで扱けてどうするんだ」
ザバザバとでて来る妹紅。
しかし違和感…って。
「…手ぬぐい、取れてるぞ」
目を伏せながらいった。
- 254 名前:横島忠男:2007/01/05(金) 01:45:490
- 今、俺たちは温泉にダイブ&溺れていた幼女の側に集まっているわけだ。
つまり、湯煙が意味を成さない程の至近距離に居るというわけでもある。
>>249-250
そしてすぐ側には第二のダイブを敢行した妹紅さんが。全裸で。
ぷっつん
「ち、ち、ち」
「ちちしりふとももーっ!!!」
【妹紅に向かって猛然とダイブ】
- 255 名前:『悪魔の妹』 フランドール・スカーレット ◆495/xezQ72 :2007/01/05(金) 01:46:250
- >>252
「……もう起きてるから大丈夫よ。あんまり叩かないでちょうだい」
失礼な手をふい、と払い除ける。
おそるおそる体を起こして、足がつくことにほっとした。
どこか岩場に腰掛けていれば大丈夫そうだ。
「温泉って恐ろしいものね。よく人間はこんなのに入れるなあ」
思わず溜息をつきながら、ちょこんと、突き出した岩場に乗る。
体が半分だけ出るくらいの高さだから、とりあえず溺れることはないだろう。
背中を預けようと思ったが、羽が出しっぱなしだったのでちょっと邪魔だった。
仕方ないのでちょっとだけ猫背にした。
「あ、でも……気持ち良いのね、お湯に浸かるのって」
じんわりと、体が温かくなる。
確かに、健康に良さそうかも。
- 256 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/05(金) 01:48:030
- >>247 シロー・アマダさん
「別にわたしはお酒飲んでもいーんだけどねー」
絶対、酔わないし。勿体無いけど。
ま、それ言ったら温泉も同じか……。
>>249
>>250 藤原妹紅さん
ダイブ2号さん。
濡れた床って滑りやすいんだよね、とかちょっとずれた感想を抱くわたし。
「藤原さん、大丈夫?」
何か目と目で通じ合ってるような。
(>>251)
「えっと、もしかして、お知り合い?」
- 257 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/05(金) 01:53:370
- >>253
あ、悪い。
そういえばせっかく巻いてたのが解けてしまった。
手早く拾い上げて巻こうと――ー
>>254
―――恐るべき気配。
振り向いた先には恐るべき速度で突撃する横島。
かわすか―――不可。
受けるか―――不可。
どちらにしても人の密集する此処では困難。
下手をすれば他の者にも被害が出る。
ならば―――
ざん、と水面を斬る音。
すらりと伸びる私の足が、飛んでくる横島の顔を捉え―――
- 258 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/05(金) 01:54:030
- http://charaneta.sakura.ne.jp/ikkoku/img/1165164473/258.jpg (87KB)
本文なし
- 259 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/05(金) 01:54:360
- >>252
「おっさん…いや、結婚した時点でもうおっさんなのか?」
混浴は浪漫だとか誰が言い始めたのだろうか。
実際ここは修羅場だ。
人に弄ばれないように細心の注意を払って酒を飲まなければ。
「ま、まだ俺は23だし、シロー・アマダって名前もあるんだ。
おっさん言うにはまだ早いだろ」
>>254
…ヤバイ、こいつは男として、人間として間違った行動をしている。
だが襲っているのはあのジャパニーズ、モコウ、妹紅・
無謀、無茶、はっきりといわせてくれる。
そしてあいつの元に果敢にダイブ。
死の臭いがプンプンする。
「お、おい!そいつは…」
必死で足をつかもうとするが、間に合わないか。
- 260 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/05(金) 01:56:590
- ―――見事なまでの、経穴への一撃であった。
横島、撃墜。南無。
「女を押し倒したいなら時と場所を選びな」
そんなことを言いつつ、足を畳むと私は再び湯船に浸かるのであった。
>>256
「あ、ああ、うん。ちょっとだけ」
えらい醜態を晒したので、ちょっと恥ずかしい。
少し視線を外しつつ、そう答えた。
といっても、宴会とかそういうのでちょっと見かけただけなのだが。
後は話半分の情報しか知らない。
- 261 名前:ルーク ◆Rook/YYuSw :2007/01/05(金) 01:57:320
- 30Gで加速開始。
目標までの距離はおよそ100m。
雪原という状態を大雑把に感覚し、10歩で距離を詰めると脳の片隅で計算する。
一歩
二歩
三歩
四歩
五歩
六歩
七歩
八歩
九歩
十歩
ほぼ100mの距離を一瞬で0まで縮めると、眼下には濛々たる湯気。
視覚も嗅覚も当てにならない中で、聴覚だけを頼りに目標を確認。
エアブレーキで可能な限り減速。
見る見る内に縮まる相対距離。
慣性制御をフルブーストして着水。
呆れた事に、小石を投げ込んだほどの漣しか起こらない。
いっそ芸術的なまでに藤原妹紅の爪先が鼻柱に突き刺さった横島を、空中で捕獲。
攻撃肢で吊り上げる。
ROOK-RES(001):で、どうするの、イーヴァ? EOS
- 262 名前:横島忠男:2007/01/05(金) 02:02:060
- >>257-258
「ぶべらっ!」
ぶくぶくぶくぶく。
沈む、沈んでいく。
意識が、体が。
だがそれでも横島忠男は幸せだった。
最期に見事な脚線美を見れたのだから。
完全に沈む直前に残っていたのはグッジョブの形をした手であったという。
なお、奇跡的に一命を取り留めた後日。
仕事をすっぽぬかしたせいで美神さんに怒られるわ、撒いてきたオキヌちゃんに冷たい目で見られるわ
等とという事があったがそれもまた何時もの事であった。
【退場】
- 263 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/05(金) 02:03:100
- >>258
「横島あああああぁぁぁぁぁーーー!!」
さっき横から聞いた名前を叫ぶ。
ああ、たぶんこいつには俺にはかけている蛮勇があったのだろう。
「大馬鹿野郎…無茶しやがって!」
雄としての純粋な本能を取り、見事に撃沈。
さながら狂戦士として飛び掛り、終末。
「だから言っただろう…ここでは現実になるって。
襲い掛かる相手が悪すぎるぞ!」
ああ、神風特攻を敢行し、散った同性に対しては同情が沸く。
- 264 名前:横島忠男:2007/01/05(金) 02:04:100
- >>261
【気絶したままでもグッジョブの形だったとゆー事に】
- 265 名前:『悪魔の妹』 フランドール・スカーレット ◆495/xezQ72 :2007/01/05(金) 02:04:400
- >>254 >>257-258 >>261
「……おおー」
瞬く間に繰り広げられる一連のショー。
すごい、これなんて曲芸?
「あんこーるー!」
無邪気にそんなことを言ってみた。
……って、やっぱり無理かしら。
なんか飛び込んだ人間、ぐったりしてるし。
>>256
「ううん。お姉さまの話で知ってるだけよ」
顔は見たことあるけど。
なんでも、何をやっても死なない、珍しい人間だとか。
血は吸わなかったらしい。
お姉さまはどうも相手を怖がらせることにこだわるからだろう。
別に、美味しければそれでいいのに、とは思う。
「それで、貴女は誰? 人間とは違うみたいだけど」
ふと、目の前の女の子に興味が湧いた。
人間みたいだけど、微妙に違う。
さっきの曲芸でも、人間では到底できないことをやっていたわけだし。
- 266 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/05(金) 02:08:510
- 撃墜した横島がぐったりしている。
……ちょっとやりすぎたか。
とりあえず脱衣所まで引き摺って番頭に渡しておいた。
滑って転んだとだけ伝えておく。話がややこしくなりそうだから。
>>251
「あー……で、あんた屋敷にいるんじゃなかったか? どうしてここにいるのさ」
とりあえず、落ち着いた所で疑問を問いただす。
話では幽閉されているとも、自分から出てこないとも言われている。
それがどうしてまた、こんな妙な所までくるのだろうか。
湯治だろうか。
―――吸血鬼が?
……あ、でもこいつの姉の方は来てた気がする。
- 267 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/05(金) 02:13:200
- >>265
「奴は頑張ったんだ…もう休ませてやれ…」
絶対領域が一瞬でも見えたのか、
奴の死に顔(死んでないけど)は安らかだった。
まさにターミネーター2とか言う旧世紀の映画の
ラストシーン、お涙頂戴の場面だ。
事実、この何かを悟ったかのような笑顔を見た俺は
涙が止まらない…悲しすぎて。
「…そういえばお前のほうは大丈夫なのか?
扱けたりして頭打ったりしてないか?」
- 268 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/05(金) 02:18:300
- >>254 横島忠男さん
……ああ、やっちゃった。
脆い理性だったなー。
悪い人じゃなかったんだけど。
(>>257 >>258)
(合掌
>>261 ルーク
「あー……うん」
どうしよう。
その辺に捨てたら流石に凍死しちゃうだろうし。
「えーと、脱衣所にでも寝かしておいて。
あそこなら死にはしないだろうし」
ずるずる引き摺られていく横島さんを見送りつつ、湯船に浸かる。
うう、すっかり冷めちゃった。
>>260 藤原妹紅さん
流石にちょっと恥ずかしそう。
まあ、気持ちは分かるけど、正当防衛だったんだし。
男の人が一人しか居なかった(意識を保ってるのは)事が、不幸中の幸い。
「あ、やっぱりそうなんだ」
うぅん、直接は知らないって感じかな……ちょっと紹介してとは言い辛い。
>>265 フランドール・スカーレットさん
「あ、ええっと、挨拶が遅れてごめん……って、さっきも同じような事言ったような。
ま、良いや。
えーと、わたしの名前はイーヴァ。
ご察しの通り、人間じゃなくて、ロボットなんだ。
でも、性能はあんま人間とは変わらないから、気にしないで、うん」
- 269 名前:『悪魔の妹』 フランドール・スカーレット ◆495/xezQ72 :2007/01/05(金) 02:21:080
- >>266
「別に。温泉がどんなのか見に来ただけー。
……でもやっぱり吸血鬼に水は天敵ねぇ。
危うくお姉さまを泣かせるところだったわ」
ころころ笑いつつ、私はそう答えた。
まあ、死んだら死んだでどうにかなるとは思うし。
「でも気持ち良いなあ、本当に。今まで知らなかったのが勿体無いわ」
ずり落ちないように気を使いながら、私は大きく伸びをする。
ひんやりとした風と、温かいお湯と。
熱すぎず寒すぎずで、心地良い。
>>267
「……まあ、あの様子じゃ無理そうよねー」
凄い音してたし。「ボッ」とか。人間が出せる音じゃない。
でもまあ、楽しかったからありがとう。名も知らない人間さん。
「うん? 私は大丈夫よ。ちょっと油断しただけ」
さすがに溺れたのは恥ずかしかったので、そっぽを向きながら答えた。
……よく平気だったなあ、お姉さま。咲夜を連れて来るからかしら。
- 270 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/05(金) 02:30:460
- >>256
「お前が飲んでも俺が駄目だって。
流石にその体格で未成年じゃないといわれても困る」
飲んでも大丈夫といわれても、
駄目なものは駄目。
ロボットであろうとなんであろうと飲ますことは出来ない。
>>266
「…奴は本能として忠実な行動をとりすぎた。
だからあんな目に会ったんだな」
目に涙を浮かべながら目の前で十字を切る。
安らかに眠りたまえ、アーメン。
「…そういえば、お前。酒を取りに行ったんじゃないのか?」
涙を吹きつつ、酒の行方を聞く。
>>269
「無理というか、やらせたらいけない。
あいつは誇り高く、そして惨めに散ったんだから
これ以上の業を背負わせてはいけないんだ…」
男として、悲しすぎるぞ横島…
あれも傍から見ればただのエンターテイメントに過ぎないというのか。
「まあ、浅いからといって油断はするなよ。
ちゃんと浅い所を選んで浸からないと扱けたりするぞ」
とりあえず酒を引き寄せて一杯。
- 271 名前:『悪魔の妹』 フランドール・スカーレット ◆495/xezQ72 :2007/01/05(金) 02:32:520
- >>268
ロボット。
聞きなれない言葉だった。
……パチュリーがいっていた気がする。
『外の世界の高度な式神。自律して動くものもある』
よく分からないが、そういうことらしい。
「……ふーん」
おずおずと手を伸ばして、そっと肩や手を触ってみる。
……あれ、意外に普通の感触だ。
「人間とあんまり変わんないねー」
高度だからだろうか。
すごいなー、としきりに感心しとおし。
さすがに血は流れてないだろうけど、ここまで人間に近づいてるというのも凄い。
「私はフランドール・スカーレットよ。あっちの方の屋敷に住んでるの」
イーヴァから名前を教えてくれた。
ので、礼儀として、私も名乗り返した。
ただ、屋敷の方角はけっこう適当だったりする。
なにしろ適当に飛んできたので何処をどう通ったかわからなかったり。
まあ、月明かりの下ならすぐに見つかるとは思うけど。
- 272 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/05(金) 02:41:490
- >>270 シロー・アマダさん
「ケチ……とは言わないけどさ。
わたしに成年とかそーいうの関係ないんだけど」
本当に真面目だなぁ。
ま、わたしまで飲むと一人当たりの量が減っちゃうしね。
それに、お酒の味は本当を言えばあんまり好きじゃないし。
>>271 フランドール・スカーレットさん
ぺたぺたと触られる。
「え……ちょ、ちょっと、くすぐったいって」
む〜、なんていうか、この子は好奇心の赴くままに行動してるって感じだ。
見た目よりも、所作というか、話し方も幼い気がする……。
ああ、でも、ハルカもちょっと子供っぽかったっけ。
「よろしくね、フランドールさん……名前で呼んでも構わないよね?」
お屋敷かー。お嬢さんなのかな。
- 273 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/05(金) 02:43:320
- >>268
「まあ、よく分からんけど、大丈夫でしょ」
ちょいと危ない奴らしいが、今までの振る舞いを見ていて、そうは思えない。
「まあそれはおいといて……あ、あった酒」
転がしておいたのを見つける。一緒に縛り付けておいた杯は無事である。
「……飲むかい?」
笑って、そんなことを言った。
いわゆる差し飲みである。
>>269
「―――あんまり、家族は泣かせるもんじゃないよ」
自分でも驚くくらい、ほろ苦い声が出た。
内心焦りつつ、咳払いで誤魔化す。
感傷だ。ただの感傷だ。
今ここには必要がない感情だ―――
「まあ、なんだ。吸血鬼の湯治ってのも妙な話だね。
……でもま、気分が良くなるのは同意かね」
肩まで使って、芯まで暖まる。
これだけで日本人に生まれて良かったと思える。
実際幸せなのだろう。外の世界は此処よりも厳しい所が多すぎた。
今はどこもある程度並んではいるが―――それでも、だ。
「……外、そういやどうなってるんだろうな」
ふと、どうでもいいことが呟きにもれる。
外の世界を気にするなど、感傷に過ぎない。
過ぎなかったけれども―――それも私の一部なのだ。
>>270
「私はこれでも千年くらい生きてるけど?」
けっけっけ、と笑いつつ、そんなことを言ってやった。
人間、外見だけじゃわからないこともある。
「あ、酒ならほれ」
ひょい、と同じような形の酒瓶を持ち上げる。
中身は大容量。そう簡単にはなくならない。
「一献いるかい?」
差し出して見る。
向こうのもそろそろ切れかけてるだろうし、ちょうど良さそうだ。
- 274 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/05(金) 02:53:360
- >>273 藤原妹紅さん
なんか、頼りになりそうなならなそうな答えが返ってきた。
ま、良いか。世の中、なるようにしかならないし。
藤原さんは湯船の傍に転がしてあったお酒を探している。
月明かりに照らされて、うなじが夜の中に浮かび上がるように白い。
美人って得だなぁ、何やっても絵になるし。
ぼーっとしていると、杯が差し出された。
「あ。えーっと……じゃあ、ありがたく」
うん、折角くれるっていうんだから、一杯くらいは受けておくのが礼儀かな。
- 275 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/05(金) 02:57:140
- >>272
「…しかしなあ。
年齢が関係なくても飲ませるのはな…」
ノンアルコールならいいのだが、
あいにくこれは結構純度が高めである。
飲み干してもう一杯…ってほとんどないか。
少しだけ杯にたまった酒を見て思案。
「…ま、少しだけだぞ」
少しだけたまった酒を差し出す。
>>273
「1000年…人魚の肉でも食ったのか?」
有名な不老不死になる方法としては、
人魚の肉を食うがまず頭に浮かぶ。
後は吸血鬼だが、これは死んでからなるものだし。
「ま、通りで怪奇現象を起こせるはずだ。
…ホントここでは俺たちの常識が通用しない」
羽生えていたり、尻尾が生えていたり、
もはや日常茶飯事、慣れてしまった。
「極端な若作りに騙されたあいつは不憫なもんだな」
横にいる女の子から杯を返してもらう。
「ちょうどなくなったし、貰おうか」
だいぶ入っているだろう酒瓶を持っている彼女に、
杯を差し出した。
- 276 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/05(金) 03:12:120
- >>275 シロー・アマダさん
「う〜ん、アマダさんてば、太っ腹〜
かんぱ〜い」
杯のそこに少したまったお酒を乾す。
故に乾杯。
アルコール独特の匂いが口に広がり、喉から鼻に抜けていく。
口腔内で揮発する感覚から、大分強い酒だと分かった。
んー、確かにこれは躊躇するかも。
「はい、ご馳走さま。
結構強いね、このお酒」
- 277 名前:『悪魔の妹』 フランドール・スカーレット ◆495/xezQ72 :2007/01/05(金) 03:13:010
- >>270
「そーなのかー」
誇り高くとか惨めとか良く分からないけど、男って大変なんだなあ。
とりあえずそう納得しておいた。
「……だーかーらー。もう同じ轍は踏まない、ってば。子ども扱いしないで」
ぶつぶつ言うけれど……ああ、やっぱりあの失敗が痛い。
うー、なかったことに出来ないかしら。
>>272
「うん、ていうかフランでいいよー」
別に困ることはないし。
というか、スカーレットだと名前っぽくない。
だからフランドールと呼ばれるのが何となく好き。
略してフランも可愛いからオーケー。
「あ、やっぱりくすぐったいんだー」
本当に面白い。私や人間と全く変わらないんだ。
まあ、私は吸血鬼だからその辺が大きく違ってるとは思うけど。
「あんまり外に出られいから、いろいろと物珍しくてねー」
面白そうだからたまに出てきちゃうのだ。
勝手に。
「うん、イーヴァに会えてよかったわ」
>>273
不思議な声だった。
なんというか、寂しい―――?
「……まあ、嫌いじゃないしね。なるべくそうする」
とりあえず、そう答えておいた。割と本心だ。
「ときどき偉そうだけどね」
まあ吸血鬼だし仕方ないと思うけど。
「外か……私はあんまりお屋敷の外に出たことないからわかんないなあ」
閉じこもっているというか、閉じ込められているというか。
まあ、両方なんだけど。
なにしろ私の力は扱い辛い。ふとした拍子で暴発することもある。
まあ、壊れたら壊れたでそれはいいんだけど、周りが困るらしい。
それじゃあ仕方ない、と閉じこもってるわけで。
まあ今はそうでもないし、たまに出てきては遊んで帰ったりする。
不思議なことに、お姉さまはこういうときはあまり怒らないのである。
「あ、それってお酒? 私にもちょーだい」
ふと、不思議な香りのする飲み物を妹紅が手にしているのに気がついた。
いわゆるお酒、というものらしい。
そういえば飲んだことがなかった。
- 278 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/05(金) 03:23:450
- >>274
「そんなに強くないから飲みやすいと思うよ」
いわゆる甘口である。
そっと、杯を渡して、軽く注ぐ。
「それじゃ、月夜にかんぱーい」
>>275
「人魚の肉は八百比丘尼。私は……まあ仙丹かしらね」
蓬莱の薬。―――不死の妙薬。
数奇な運命からそれを口にして、私は不老と不死を得たのである。
そのことが幸福であるかどうかは別として。
「まあ、んなことはどうでもいいさ。ほれ飲め」
酒を注いで、さらに自分の杯にも注ぐ。
>>277
――少し迷った。
飲ませていいのだろうか。
いやまあ、吸血鬼だし人間の年齢なんぞはるかに超越してるだろうけど。
……強いのだろうか?
しばし逡巡。
「……あー、まあいいか」
とりあえず、一杯程度ならいいだろう。
そう思って、杯に酒を満たして、渡した。
……後悔しませんように。
- 279 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/05(金) 03:31:300
- >>277 フランドール・スカーレットさん
「フラン、ね。了解。
うん、可愛い響きだね」
ちょっと浮世離れしたこの子には似合いの響きのような気がした。
「ほら、わたしは人間に似せる事を目的に作られたロボットだから。
人間と同じように感じないと、人間と同じような反応を返せないでしょ?」
なんていうか、好奇心満々って感じだった。
ああ、そっか。
そういうところ、ハルカに似てるんだ、フランって。
何でもかんでも知りたがってた、ハルカに。
「ありがと……わたしもフランに会えて良かったよ」
>>「あ、それってお酒? 私にもちょーだい」
……激烈に嫌な予感がした。
>>278 藤原妹紅さん
「ん、ありがと」
「月夜に」
乾杯、と軽く杯をあわせる。
杯を乾す。
口の中に複雑な香りが広がった。
ありがちな舌を刺激するような感じは、あまり受けない。
むしろ、香りと甘味が花を連想させる。
体温でアルコールが揮発すると、その香りはますます強く広がる。
そのままお酒が喉を滑り降りても、香りだけは口の中に残って、余韻となる。
「ん、良いお酒だね。ありがと」
- 280 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/05(金) 03:39:220
- >>276
「質は悪いが無駄にアルコールだけは強いもんだ・
…ま、配給品の限界だな」
そんなにうまい酒はこちらに回されてこない。
酒の飲みすぎで任務が出来なくなったら困るし。
陶器はちょっとした自前というか、
気がついたらなぜかあったというか。
「まあ、この程度でひっくり返らないと思うが、
そんなに飲ませられない物だってわかっただろ?」
これだけの量で倒れることはめったにない。
アルコールによほど弱い奴でなければ、
安心できるぐらいだし。
>>277
「そういうことだ。納得してくれ」
あいつは誇り高く、そして惨めに散った。
それだけでいいのだ。
「ま、注意にこしたことは無い。
子供でも救出するのは大変だからな」
からからと笑ってやった。
>>278
「仙丹…ああ、霞食って生きているのか」
仙人といえばまずそういうイメージ。
霞を食って生きて不思議な力を持っている。
彼女の場合不思議な力というのは、
あの炎の翼で飛んだりすることなのだろう。
「ま、難しい話は置いといて…」
乾杯、と酒を飲み干す。
…俺の飲んでいるのよりはるかに上質だな、これ。
- 281 名前:『悪魔の妹』 フランドール・スカーレット ◆495/xezQ72 :2007/01/05(金) 03:42:310
- >>278
「わーい。ありがと」
お礼を言って、早速一口―――
なんかすごい味がした。
何とか飲み干したけれど、くらくらする。
「うわー、すごい味。よく飲めるね……ってあれ?」
あ、なんだかやばい感じ。
そろそろ戻らないとまずい、かも。
「あー、ごめんもう帰るねー」
ふらふらと湯船を上がって、私は帰路につく。
途中、なんか邪魔なものがあったからレーヴァテインで斬った。
後日、それが山の一つだったのでお姉さまにすごく怒られた。
……お酒はもう飲まないようにしよう。
そう思った。
【退場】
- 282 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/05(金) 03:47:590
- >>279
「気に入ってもらえたようで何より」
にっ、と笑いながら私も一杯。
湯に浸かってるせいか、少し酔いの回りが速い。
ここちよい浮遊感が、少しずつ体に伝わっていく。
>>280
「はは、その辺は飛び越しちゃったんだよ。どっちかというと天人かね。
……ちなみに、普通にご飯は食べてるわよ?」
そんなことを言いながら、また酒を注ぐ。
意外とペースが速いので、すぐになくなりそうだった。
―――気がつくと。月が随分と傾いていた。
「あ、そろそろ戻るか。湯当たりしそうだ」
私は酒だけ置いていくことにして、湯船を上がる。
「それじゃ、またね。今度も付き合おう」
幸い、足にまで酔いは回っていないらしい。
今回は転ばずに、歩くことが出来た。
【退場】
- 283 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/05(金) 03:56:220
- >>282
「天人…いや、天女か?
なんか似合わないような気がするな」
実に人間臭いおかげで、そこまで人間を超越しているとか
神聖な感じがほとんどしないのである。
「俺もそろそろ出るか…」
長い間入りすぎて湯あたりするのも怖い。
それに酒をだいぶ飲んだんだ、これ以上はいると危険だろう。
「おう、また一緒に飲もう、妹紅」
上機嫌に笑って、脱衣所に戻った。
【退場】
- 284 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/05(金) 04:01:270
- >>280 シロー・アマダさん
「ああ、なるほど。これ、配給品なんだ」
納得。
何時の時代も、軍隊という奴は兵隊に困窮を強いる物らしい。
……少しだけ、昔を思い出した。
あの男たちも可哀想だった。
どう足掻いても助かる可能性は一つも無く、
狂気に奔る事で、その事実を否定しようとしていた、彼ら。
「……ん、まあね。
こんなん飲まなきゃやってらんないんだから、
やっぱりさー、戦争って良くないよね」
……ん、ちょっと感傷的かな、わたし。
古いメモリーを思い出した所為か。
>>281 フランドール・スカーレット
「だ、大丈夫、フラン?」
なんだかふらふらしたまま、フランは帰っていった。
ま、まあ、意識は割としっかりしてるみたいだし、大丈夫かな……。
目線で追いかけた先、何か、あったはずの景色が無くなっている気がしたが、
それは無視をすることに決めた。
>>282 藤原妹紅さん
「んー、お酒って実はあんまり好きじゃないんだけど、この香りは好き」
我が意を得たりと笑う藤原さんが、もう一杯を呷る。
白い身体が、ほんの少しだけ朱がさすように赤く染まっていく。
あー、うん、美人って(以下略
「じゃ、おやすみなさい」
やっぱり酔ってるらしく、少しだけ、歩き方が軽い。
弾むようだ、って言い換えも可。
多分、本人は気づいてないけど。
さて、わたしも充分あったまったし、帰ろーかな。
一人だけ残っても、寂しいし。
「じゃ、ルーク、帰るよ」
ぽつりと呟いた。
相棒には、それで十分聞こえているはず。
わたしは、誰も居なくなった温泉を後に、脱衣所へと向かった。
【退場】
- 285 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/07(日) 20:54:380
- 「ふぅ…今日も一日疲れたであります…」
そう呟いたのは、かのエヴェンクルガの武人…トウカ。
今日はまた剣の修行なども兼ねて、またこの温泉に来たのであった。
「さて、今日もこの温泉でゆっくりと浸かってから帰ると致しますか」
そして服を脱いで自分自身に近い場所に刀と一緒に置いて、
緊急時に何時でも刀に手を掛けられる状態にしたのを確認してから、
ゆっくりと身を温泉に浸した。
「…ふぅ〜〜…。やっぱりここの温泉は気持ち良いであります〜〜♪」
そう言いながら、トウカはただ一人…この温泉気分を満喫していた。
- 286 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/07(日) 21:44:480
- 「おじゃましまーす」
脱衣所で、誰かが入ってるのは確認済み。
湯煙の向こうの人影に断りの声をかけた。
かけ湯をして、湯船に浸かる。
う〜ん……気持ち良い……。
- 287 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/07(日) 22:00:480
- >>286
「む…?誰か入ってきたのか…?」
そう言ってトウカが声のした方向を向くと…
その方向には一人の小柄な女の子がこちらに来て…
>「おじゃましまーす」
…と、声を掛けてきた。
「…ええ、どうぞお構いなく」
某ははこちらに来た少女に対して、そう返事を返した。
- 288 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/07(日) 22:13:450
- >>287 トウカさん
ちょっとそっけない声。
初めて見る女の人だった。
美人さんだと思った。スタイルも良いみたい、でも……。
耳の辺りに……羽?
ま、ちょっと変わった人を見るのはこれが初めてって訳でもないし、
気にしない事にする。
「ありがと。ええと、初めまして、だよね」
そこまで言って、その人がすぐ傍に棒状の何かを傍に置いている事に気づいた。
あれは、日本刀?
だとしたら、随分物騒な人だ。
- 289 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/07(日) 22:27:220
- >>288イーヴァ殿
>「ありがと。ええと、初めまして、だよね」
某の目の前にいる少女は、某に向かってそう言ってきた。
「ええ、こちらこそ始めまして…でありますね。
ああ、申し遅れた。某の名はトウカと申しまする」
某は目の前の少女に向かって、自身の自己紹介をした。
しかし、何やらその少女は某の耳とすぐ傍に置いてある刀を
とても不思議そうに目を見やっている様子だ。それに気が付いた某は―――
「…ん?ああ、この耳でありますか?これは某…エヴェンクルガの者は
こういう耳をしているのでありますよ。他にも犬耳だとか
尻尾が生えている者とかもいるのでありまする」
気が付くけば、某はかなり長々と説明していた模様であった。
「あと、某は武人の身でありますから…この刀を持っているのでありますよ」
そう言って、某は自身が決して怪しいものではないと証明するために
そう説明を付け足したのであった。まぁ普通の人から見れば、
こんな物騒な物を所持している時点で怪しい人…だと思われても仕方がありませぬが…。
- 290 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/07(日) 22:45:120
- >>289 トウカさん
「初めまして、トウカさん。
わたしはイーヴァ、よろしくね」
羽耳の女の人――トウカさん――は丁寧に挨拶してくれた。
少なくとも、いきなり斬りかかってくるような危険人物ではなさそうで一安心する。
トウカさんが言うには、トウカさんの同郷の人は、
みんな何かしらの動物耳とか尻尾が生えてるらしい。
……自分では、そこそこ見聞を積んだと思ってたけれど、
世界は想像以上に広いよ、ルーク。
ま、まあ、それは兎も角、武人か。
言われてみればトウカさんには、
その言葉を自然と信用させる何かがある……ような気がした。
常日頃、修羅場に身を置いているなら、
確かに自分の得物は傍においておきたい気持ちは、よく分かった。
「なるほどね。常在戦場っていうのかな、そういうの。
こっちは見ての通り、か弱い子供だし、
何か有ったらトウカさんに守ってもらおっかな」
おどけ半分で聞いてみた。
- 291 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/07(日) 23:04:520
- >>290イーヴァ殿
「成る程、イーヴァ殿でありますか。こちらこそよろしく、イーヴァ殿」
この少女…イーヴァ殿が自己紹介をして来たので、某も一言返事を返した。
しかし、この少女が某の住む世界とは別…ではあると思われますが…
この少女からは…何だかとても不思議な感じがするであります…。
>「なるほどね。常在戦場っていうのかな、そういうの。
>こっちは見ての通り、か弱い子供だし、
>何か有ったらトウカさんに守ってもらおっかな」
それから、イーヴァ殿は少しおどげたような拍子で
某にそう言ってきた。それに対して某は―――
「ええ、某が住んでいる世界は未だ戦が続いているのであります…。
しかし、イーヴァ殿の言い分を聞いていると…イーヴァ殿が住まう世界は
戦の無い平和な世界なのでありますか?もしそうだとしたら…イーヴァ殿は
ある意味幸せなのかもしれませぬね」
それはそうだ。何せこの目の前の少女は戦…すなわち戦場というものを知らない…。
だからこそ、この少女は時には残虐で見るに耐えない光景を目にする事がないだけでも
それはある意味幸せなのかもしれないからだ…。
そんな少女がもし危険な目に遭遇した時、
某に守ってもらうということを呟いたのを聞いた某は―――
「勿論であります。その時は、このトウカが命を掛けてでも
イーヴァ殿をお守りするであります!!ですから心配は無用でありますよ?」
―――そう言って某はイーヴァ殿に向かってそう断言したのであった。
- 292 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/07(日) 23:20:550
- >>291 トウカさん
あー……
……………あー。
うぅん、す、凄く答えづらい……。
「え、えーとね……」
正直に答えるべきか否か。
……良いか、嘘をついて、何か得するわけでもないし。
良心が痛むだけだし。
「争いがないって言うのは、ある意味当たってるけど、
間違っても平和じゃない、かな」
「わたしの居た世界って、とっても大きな戦争の所為で、
殆ど人間が死んじゃったんだ」
「それから30年くらい経ったかな。もう人間は争うほど生きてないけど、
まだまだ世界は物騒なところでね。
戦場を自分の目で見た事はないけど、こう見えても、結構酷い目にもあってきたんだ」
色々すっ飛ばしたけど、嘘はついてないし、
多分、詳しく語ってもトウカさんを混乱させるだけだろうと、思う。
だけど、次の言葉は本音だった。
「あ、でも、わたしに何の力もないのは、本当。
凄く強い相棒は居るけどね。
だから、頼りにしてるよ、トウカさん」
- 293 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/07(日) 23:36:330
- >>292イーヴァ殿
「…成る程…そうであったのでありますか…。イーヴァ殿…
某の言い分でとても辛い事を思い出させてしまい、誠に申し訳ございませぬ…」
成る程、だからこの少女の…何処か悲しそうな
表情をしていたのは…それが原因でありましたか…。
人類が争うほどにいない世界……しかし何故かそれが
ある程度想像できるのは…何より幾多もの戦場を
駆け抜けてきた武人の勘…というものだろうか?
>「あ、でも、わたしに何の力もないのは、本当。
>凄く強い相棒は居るけどね。
>だから、頼りにしてるよ、トウカさん」
そして、次にイーヴァ殿がそう口にした時に某はこう応えた。
「ふむ、イーヴァ殿には心強い相棒がいるのでありますね?
実は某にも相棒と呼べる人物(女)はいるのでありますが…その…
何より酒癖が強くて時にはふざけた態度を取ることもありますがね…」
某はイーヴァ殿に対してその女―――カルラ殿という相棒的な人物がいることを話した。
>だから、頼りにしてるよ、トウカさん」
「ええ、任せて欲しいでありまする!!」
少女のそんな一言に対し、某は強くそう言葉を発したのであった。
- 294 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/07(日) 23:48:350
- >>293 トウカさん
「へぇ、トウカさんにも、相棒いるんだ。
きっと、凄く強いんだろうね」
自分を武人だと言うだけの自負があるトウカさんが、
相棒だと言い切るんだったら、きっと強いんだろうな、と思った。
少しだけ、羨ましかった。
自分は絶対にルークに同じ土俵では頼りにされる事はないだろうから。
いけないいけない。
ちょっとネガティブになりすぎてるかもしれない。
気を取り直す。
「うん、よろしくね。
あ、その代わり、トウカさんに何か困った事があったら、
わたしの事を思い出してよ。
わたし、こう見えても、相棒と何でも屋やってるんだ」
- 295 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/08(月) 00:01:150
- >>294イーヴァ殿
「ええ、まぁ確かにカルラ殿は強いでありますが…その…
何より見た目1tはありそうな分厚い刀を軽々と振り回して、
10〜20人の集団を一気に蹴散らしたり、とても頑丈そうな扉を
粉々に粉砕したりしているのでありますけどね…」
某はイーヴァ殿にカルラ殿の事を詳しく話した。
しかし、やはり改めて思うと…あの華奢な身体の何処に
とても女や常人とは思えない力があるのかどうかが未だに判らないでありまする…。
「…ふむ、イーヴァ殿はその相棒とやらと何でも屋をやっているでありますか?
それはどうも恩に着るでありまする。しかし…その…何でも屋といっても大体
主にどんな事を取り扱っているのでありますか?」
- 296 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/08(月) 00:12:240
- >>295 トウカさん
……t?
何か、物凄い数字が出てきた気がするんだけど、
気のせいという事にしておく。
気のせいったら、気のせい。
生まれながらにチャクラが全開にでもなってるのかなぁ、
とハルカと一緒に読んだ漫画の事がふと頭をよぎった。
あー、懐かしいなぁ。あれ、続きどうなったんだろ。
「んー、荒っぽい事の方が多いかな。
用心棒とか、後は持ってかれちゃった物資を取り返して欲しいとか。
集積シェルターを見つけたは良いけど、セキュリティが硬すぎて手が出せないから、
どうにかして欲しいとかね」
「で、相棒が荒事担当で、わたしは交渉担当。
そういうコンビなんだ」
- 297 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/08(月) 00:26:510
- >>296イーヴァ殿
「…え?しぇるたー…でありますか?
しかもせきゅりてぃ…?」
…何とも某の世界では聞いた事が無い単語でありまする…。
まぁそれぞれの住む文化や文明が大いに違えば、
それ位の認識差は出るといえば出るでありますが…。
「ま、まぁそれはともかく…そなたは交渉担当で
相棒の方は…荒事担当でありますか。
…ハハハ…まぁどの時代にもコンビという存在はいるという事ででありますね」
そして某の場合は力のカルラ、技のトウカというコンビで成り立っているのでありますけどね。
- 298 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/08(月) 00:41:450
- >>297 トウカさん
「やっぱり、一人で何でもかんでもできる人なんていないもんね。
1+1が2以上になる関係はあるよね……絶対に」
それが、そうであって欲しい、という願望であったとしても……。
- 299 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/08(月) 00:52:300
- >>298イーヴァ殿
「そうでありますね。少なくとも某も一人よりも二人の方が
戦闘においても大変有利だと思っております」
少なくとも、某が「うっかり侍」と呼ばれている間は…。
「しかし…今ここに来ているのは某とイーヴァ殿だけでありますか?」
- 300 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/08(月) 00:59:400
- >>299 トウカさん
「人数の有利は大きいからね」
それは何度も実戦で感じた事だ。
圧倒的な性能のルークも、数の不利を覆すのに何度か苦戦した。
「んー、そうみたいだね。
いつもは、楽しく話してると、そのうち誰か来るんだけど」
と、立ち上がって周りを見回してみる。
……う、寒い。
- 301 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/08(月) 01:11:470
- 「イーヴァ殿が辺りを見回す必要はありませぬ。
ですからここは某が辺りを見回してみるでありまする」
そう言って、某は立ち上がって辺りをくまなく見回してみた。
…うぅ…た、確かに寒いであります…。
- 302 名前:ドリアード(分身トレント):2007/01/08(月) 01:18:490
- …さて、俺はそろそろ寿命が近いか…。
…温泉で朽ち果てるのも、一興かも、な…。
(既に湯治客が居るのとは別の湯舟に、密かに姿を現す…)
- 303 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/08(月) 01:21:400
- >>301 トウカさん
そりゃ確かに背の高いトウカさんの方が遠くまで見えるだろうけど……。
え、えーと……
「あのさ、トウカさん。
少しくらい、身体隠したほうがいいよ……?」
男の人とか入ってたらどーするつもりだったんだろ?
「ま、誰も居ないみたいで良かったけど」
うんうん。
- 304 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/08(月) 01:28:040
- >>303 イーヴァ殿
「…あ…(^^;)そ、某とした事が…」
そうイーヴァ殿に指摘された時には、某の顔は恥ずかしさと
ついうっかりしてしまった事で真っ赤になっていた。
「ま、まぁ確かに助かったであります…る?」
>>302
「…シッ!!…イーヴァ殿、どうやら得体の知れない何者かがこの近くにいるであります」
そう言って、某は何時でも刀に手を掛けられる位置まで来て、
そうイーヴァ殿に呟いた。
- 305 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/08(月) 01:36:200
- >>304 トウカさん
「んー、トウカさんて、意外とあわてんぼう?」
にや、と我ながら、ちょっと悪っぽい笑いを浮かべる。
「へ〜、意外だな〜。こんなしっかりしてそうなのに、うっかりさんなんだ〜。
意外だな〜」
んー、弄られっこのよ・か・ん。
>>302 ???
「え、誰か居るの?」
とりあえず、お湯の中に身を沈めるわたし。
……ルークも居るし、大丈夫だとは思うけど。
- 306 名前:ドリアード(分身トレント):2007/01/08(月) 01:42:030
- >>304 トウカ
>>305 イーヴァ
…うむ?…どうやら先客の邪魔になってしまったか…。
…まぁ、確かに俺は人外の者だが、敵対する気は無い。
…言ってみれば…、死に場所を探しに来た…と言う所か…。
- 307 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/08(月) 01:51:190
- >>305 イーヴァ殿
「…うっ…そ、それは…その…た、偶々であります」
少なくとも某としては、自身がうっかり者だなんて事を肯定したくは無い…
というよりもうっかり侍だなんて事は認めたくはありませぬ!!
「うぅ…そなたまで某の事弄りがいがあると思うのでありますか…?
…うぅ、何だか切ないでありますよ〜〜…(涙」
>>306 謎の木の怪人
「成る程、そんな理由でありましたら別に警戒する必要はありませぬか…」
そう言って、トウカは刀に手を掛けるのをやめた。
「しかし、死に場所を探しに来た…でありますか?
何故そのような事を考えるのでありますか…?」
- 308 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/08(月) 02:01:580
- >>306 ???
いや、人外だからって、必ず誰かに害を為すって訳じゃないし、
人だから害を為さないわけじゃないのに。
そもそもわたしだって人外だし。
とは、口には出しては言わない。
口に出したのは別の台詞だ。
「人の集まる場所を死に場所にするって言うのも、ずいぶん悪趣味だね」
きっぱりと言った。
>>307 トウカさん
こ、この反応は……間違いない。
からかって楽しいタイプだ!
わーいわーい。
「ふふふ、わたしは別にそんな事言ってないけどな〜。
トウカさん自身がそう言うんだったら、きっとそうなんだろうな〜」
とりあえず、小手調べ。
- 309 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/08(月) 02:10:400
- >>308 イーヴァ殿
「…へ?……ああ、し、しまったあぁぁぁ!?
そ、某とした事がぁ…自分からうっかりであると言う事を
露呈してしまうとはあぁぁぁ!!む、無念であります〜〜(涙」
恥ずかしい…とても恥ずかしい…。その恥ずかしいという
言葉だけが某の頭を何度もよぎる。
- 310 名前:レミア・シルヴェスタW世 ◆MVlNEREMIA :2007/01/08(月) 02:17:030
- それは蛮行だと彼女は判っていたはずだ。
流れてないといえども、自然の水の中に入るなんて。
吸血鬼の伝承には流れている水の上を渡れないというものがある。
彼女は数百年生きた闇の貴族であり、またこの弱点も持ち合わせていた。
すなわち、入ったら最後。溺れるのだ。
―――――危険、ね。
だからこの金髪の西洋人の少女は悩んでいたのだ。
ずっと、夜風を浴びながら苦悩し続けた。
この気持ちよさそうな色湯の中に飛び込みたくてしょうがないのだが、
溺れる、沈む、溺れ死ぬ。というコンボがいつまでも不吉なイメージとして浮かび上がるのだ。
「―――――――――――――」
まあ実際彼女の肉体年齢は17歳程度で止まっている。
入ったところで溺れる可能性は少ないのだが、
本人はそのことに微塵も気がついてなかったりするのだ。
集中し、苦悩し、周りにもピリピリした空気が流れる。
先客とは反対側、ちょうど死角になっているところで、
周りにも気づかず、ひたすら集中し、入れ、入るなの自問を繰り返していた。
- 311 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/08(月) 02:21:490
- >>310
「―――よう、あんた、そこにいると風邪引くよ?」
ふと、なんとなく声をかけてしまった。
別に深い意味は無い。湯治に来たついで、すれ違っただけの縁だ。
ただ、何か深刻そうな顔をして湯船を見つめていたので、気になったというだけの話である。
- 312 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/08(月) 02:23:330
- >>309 トウカさん
ふっふっふ……あーもー、かわいー。
こう、やっぱり思わず墓穴を掘っちゃうタイプは良いなぁ。
「トウカさん、大丈夫大丈夫」
頭を抱えて恥ずかしがるトウカさんの頭を安心させるように撫でる。
「そんな、“うっかりさん”なトウカさんが、みんな、好きなんだから。
トウカさんはうっかりさんなままで良いんだよ。
うっかりさんなままでね!」
>>310 レミア・シルヴィアさん
ROOK-RES(001):温泉の反対側に誰か居るよ。 EOS
「……どんな感じ?」
ROOK-RES(002):頭を軽く下げて……何かじっと水面を凝視してるみたいだ。 EOS
あれ……?
軽い既視感。
- 313 名前:コーディー ◆1irMelIOTg :2007/01/08(月) 02:23:470
- 【ガラガラといつもの囚人服のまま扉を開ける音】
「おっ…前と変わらずか」
前に少し休息で寄ったが変わらずまだ動いてるらしい。
…色々またダルくて仕方無い倦怠期。というか常時倦怠期
他にも色々やる事は有るがその前にひとっ風呂浴びれば
少しは気は晴れるか…?
「バスタオルは何処だ…ああ、面倒臭ぇ」
- 314 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/08(月) 02:29:290
- >>312 イーヴァ殿
「は、はぁ…そ、そうでありますか…?」
そうイーヴァ殿に励まされて(?)某は何とか落ち着きを取り戻した。
「…ま、まぁそれはそうかもしれないでありますね…」
しかし、何気にうっかりの部分を強調しているのが何とも気がかりではありますけどね…。
>>310>>311>>313
「おや?どうやらぞろぞろと人が集まって来たみたいでありますね」
- 315 名前:レミア・シルヴェスタW世 ◆MVlNEREMIA :2007/01/08(月) 02:30:170
- >>311
「――――――――」
ゆっくりと振り向く。
顔は青白く、不健康な人間の印象を与える。
そして少し伸びた犬歯、異様さと奇妙さをかもし出す風貌。
微笑みながら、声の主に答えた。
「そうね、風邪なんて長い間ひいたことないから不注意だったわ」
だが決して温泉には入ろうとしない。
逆に避けているように感じられた。
- 316 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/08(月) 02:34:470
- とまあ声をかけたはいいものの。
私も入らなければ風邪を引く。
持ち込んだ手ぬぐいを体に巻いて、湯船を弾けさせないようにするすると潜る。
「あー、効く……」
肩まで浸かれば、冷え切った体はどこまでも熱くなった。
>>312
「……あら。またあったね」
見知った顔が一人。
知らぬ顔の一人と一緒にいるが、まあ悪い相手ではあるまい。
彼女自身、全く警戒していないのである。
私も近くにある刀が気になったものの、まあ大丈夫だろうと判断した。
>>315
「……よく見たらあんた吸血鬼か。そんなに深くないから溺れたりしないよ?」
なんとなく察しがついた。
いつぞやの吸血鬼を思い出す。
たしかに、吸血鬼はみんな泳げないと言う呪いにかかっているらしい。
ただ、足がついて頭が出るのであれば溺れない……と思う。
- 317 名前:ドリアード(分身トレント):2007/01/08(月) 02:36:330
- >>307 トウカ
>「しかし、死に場所を探しに来た…でありますか?
> 何故そのような事を考えるのでありますか…?」
…それは俺が、本体の不調時に代理として生み出された分身で、
分身である俺の寿命は、精々長く見積もっても一ヶ月だからだ。
…限度ギリギリまで生きられたとして、残り一週間程度かな…。
>>308 イーヴァ
>「人の集まる場所を死に場所にするって言うのも、ずいぶん悪趣味だね」
…それはだな、本体であるドリアードの、分身として生み出された俺は、
誕生する時に、本体の外見や記憶、人格を受け継ぐ。
…能力は本体にすら及ばぬが、キャラは本体そのままなのだな…。
…どうやら本体は、騒がしいのを嫌うが、寂しいのも嫌いらしい…。
…だからこそ、騒々しくは無いが、それでも様々な存在の集う、
この温泉で最期を迎えたくなったのかも知れぬな…。
- 318 名前:コーディー ◆1irMelIOTg :2007/01/08(月) 02:38:040
- 人の声が聞こえた。
こんな時間にか…?暇っつうか何つうか。
…いや、いわゆるその言葉は俺に使われるべき言葉か。
何にせよ誰も居ないと思ってただけに酷く疎ましい気分になる。
しゃあねぇ、適当に端で浸かって早々に去――って
女 ば っ か
∧ ∧
〃⌒ ヽ|l) ぅぅぅぉぉぉっ
/ rノ ;
Ο Ο_)***
【良い歳して鼻血を噴く男】
「…ヤベェ」
- 319 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/08(月) 02:42:150
- >>313 コーディーさん
ん? またお客さんらしい。
声からすると、男の人のようだった。
……とりあえず、バスタオル探す事一つめんどくさがるのはどうなんだろう?
>>314 トウカさん
トウカさんはあっさり頷いた。
んー、素直だなぁ……ここで更に突き落としても良いんだけど、
それはあまりにも人の倫に外れるので、諦める。
うう、残念。
「そうそう、細かい事は気にしない。気にしない」
>>316 藤原妹紅さん
「こんばんは、藤原さん。またあったね」
ついこの間も、一緒にお風呂に入った藤原さんだ。
「あ、この人はトウカさん。本当に良い人なんだ」
この喜びを、藤原さんにプレゼント。
「ええと、トウカさん。この人は藤原妹紅さん。
わたしの友達」
人と人との縁って大事だよねー。
- 320 名前:レミア・シルヴェスタW世 ◆MVlNEREMIA :2007/01/08(月) 02:42:420
- >>316
さて、少し魔物について簡単に話そう。
魔物とは時に人の姿をかたどり、己のエゴによって
強い魔力を振るう存在である。
魔物の存在を知らないものが魔物の正体を知れば、
精神崩壊に陥る危険性すらある。
だがあらかじめ魔物の正体を知っているものならたいしたショックは受けないのだが、
その魔物の正体を知るものはこの世に少ない。よって
「―――!!貴方…!」
こういう反応がとられても当然であると。
- 321 名前:ドリアード(分身トレント):2007/01/08(月) 02:47:440
- >>310 レミア・シルヴェスタW世
>>311 藤原 妹紅
>>313 コーディー
…っと、何やら、急に賑やかになった物だな…。
>>318 コーディー
>女 ば っ か
…人外の男なんてもの、混じってるがね…。
- 322 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/08(月) 02:52:440
- >>317 ???
「や、そうじゃなくてね……」
ズレっぷりに軽く頭を抱える。
「あのね。こんな所で死んだりしたら、温泉入ってる人に迷惑だとか思わないの?」
>>320 レミア・シルヴィアさん
大丈夫かなぁ、結構この温泉、滑るし……。
……あ、そんな風に、急に振り向くと。
(ルークからセンサーのデータを送ってもらってます)
- 323 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/08(月) 02:53:340
- >>318
―――なにか、妙な気配を感じた気がする。
こう、苦しむような感じの。
>>319
「そうだね。まあ、ここに通いつめてるならいつでも会えそうな気もするけど」
我ながら温泉好きが過ぎるなあ、と苦笑した。
まあ、冬の間限定なわけだし、使えるだけ使っておくべきだ、というのもある。
「ああ、そっち(>>314)の人とは始めまして、だね。
名前は―――もう言われてるか。まあ、よろしく」
>>320
―――なんか妙な気配がする。
こう、背筋がちりちりするような。
「……あー。なんでそういう顔されるのかは分からんけど。
喧嘩したいなら他所でね」
でも、要らんときに喧嘩なんかしても要らんので受け流す。
そ知らぬ顔で湯船の中で軽く足を動かし、体を伸ばした。
言わば隙だらけである。一般的にはそう見える。
- 324 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/08(月) 02:54:270
- >>316 妹紅殿
「おや?この女性は一体…?」
>>319 イーヴァ殿
「…ああ、成る程。イーヴァ殿のお知り合いでありましたか…。
ふむ、藤原妹紅殿でありますか。どうもお初にお目に掛かりまする妹紅殿。
某の名はトウカと申します。以後お見知りおきを」
そう言って、某は妹紅殿に対してその場で深くお辞儀をしてみせた。
>>317 ドリアード殿
「成る程…とりあえず状況は判ったであります」
しかし、某自身例えどんな者でも必ず死が訪れるということは判っていても、
何故か…いざその場面に遭遇した時には、何とも複雑な気持ちになるのであった…。
- 325 名前:コーディー ◆1irMelIOTg :2007/01/08(月) 02:54:300
- >>314>>316>>319>>320 トウカ イーヴァ 藤原妹紅 レミア
∧ ∧
〃⌒ ヽ|l)
/ rノ ;
「…別にな、悪気は無ぇんだぞ。悪気は…」
言い訳にも聞こえるが素直な気持ちをそのまま発した。
倦怠から何か熱い物に目覚めたがイマイチ表現できん
さて、ティッシュティッシュと…
>>321 ドリアード
まー、別に野郎が人外だろうがホモだろうがソレはまだ良しだがな…。
オイ、ティッシュ有るか…?
- 326 名前:レミア・シルヴェスタW世 ◆MVlNEREMIA :2007/01/08(月) 02:59:050
- >>318
どっかで聞いた声。
一人に正体がわれてしまっているが、
もっと多くのことを知った人間が傍にいた。
―――――てっきりどっかでくたばってると思ったのに
でもこの場で会いたくは無いわけである。
あまり正体を知られるのは好きではないし、
あんな泥舟での思い出を語るのもあまり気分がよくない。
周りを見渡し遮蔽物を探すが、そんな手ごろなものは無い。
ならば目の前にある大きな水溜り。
意を決し、温泉の中の特に深いところに潜り―――
「!?ガ――イギガ―――ゲホ!」
そのまま浮力が働かず、溺れた。
- 327 名前:ドリアード(分身トレント):2007/01/08(月) 03:00:050
- >>322 イーヴァ
>「あのね。こんな所で死んだりしたら、温泉入ってる人に迷惑だとか思わないの?」
…幾らなんでも、湯船の中で朽ちるつもりは無い。
…限界が来たら、温泉から少し離れた場所で、朽木に還るさ。
…こんな俺でも、焚き火の薪くらいには、なるかもな。
- 328 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/08(月) 03:05:200
- >>323 藤原妹紅さん
「ん、そうかもね……でも、わたし、仕事が不定期だから、
逆に何時来られるか分からないからさ。
もしかしたら、今回が最後かもしれないし」
思い返してみれば、今までの出会いの殆どはそんなものだ。
こういう風に、友達の出来る度に、旅から旅の生活に疑問を抱く。
……とはいえ、どこかに根を下ろせるわけでもなし。
だったら、一回一回の出会いを楽しむだけ、か。
「うん、仲良くしてあげてね、藤原さん」
>>324 トウカさん
うんうん、きっと藤原さんなら、トウカさんの良い所を見抜いてくれるよ。
良い事した後って、気分がいいなぁ(最低
……や、待って、トウカさん。
深くお辞儀するのは良いけど、ここ、温泉――。
>>325 コーディーさん
「全然説得力な〜い。
……兎に角、早く顔でも洗って、鼻血流してきなよ。
そんなんじゃ温泉にも入れないよ?」
何だか、可哀想になってきた……。
「あ、でも、こっちは向かないほうが良さそうだね。
血管の弱さをみると」
>>326 レミア・シルヴィアさん
……え、また溺れてるの?
とりあえず、顔だけでも水中から引き上げなきゃ……。
ちょ、ちょっと 暴れるなー!
(近づくに近づけません)
- 329 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/08(月) 03:05:380
- >>324
思わず目を丸くするほど丁寧な物腰である。
「はは、そこまで硬くなくていいわよ。
……改めて名乗るよ、藤原妹紅だ。この近くの竹林に住んでる」
近くといっても、山一つくらいは超えるけれども。
空を飛べれば意外に近いのである。
「……ふむ。見たところ武芸者さんみたいだけど。
ここには湯治で?」
刀と体つきを見れば、なんとなくわかる。
普通に生活してきた人とは、雰囲気からして違うのである。
>>325
「……元気だね。まるで思春期の子供だ」
ああ、紅い。床が夕日のように真っ赤だ。
その顔料の元は全然風流じゃないけれど。
「ちり紙欲しいなら、番頭さんに頼んでもらってくれば?」
困った時は番頭さんに言えば大体何とかしてもらえるものである。
温泉の中なら。
- 330 名前:コーディー ◆1irMelIOTg :2007/01/08(月) 03:10:090
- >>326
止まらん血に軽く悩みつつ、温泉の隅で囚人服のまま首の後ろを叩く。
違う意味の刺激だな…そういうのでどうこう騒ぐ女は一人で良いよ…。
まあ、その女にも愛想は尽かされましたが、と軽く自分に皮肉
>「!?ガ――イギガ―――ゲホ!」
「…あん?」
何か音が聞こえる。いや待て、これは…?もっと細かく言えば
溺れてる奴の声か?…って、更にヤベェ
ココで死人が出ちゃ俺が一番の容疑者にされそうじゃねぇか
―――ザバァン!!
囚人服のまま飛び込み、ソイツの腕を掴もうと俺は潜る
- 331 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/08(月) 03:14:390
- >>326
っと、やべ。
お約束やりやがった。
「まーた同じ展開かよ―――」
ばたばた暴れてる謎の吸血鬼娘の手首を引っつかんで、自分が立ち上がるのと一緒に引き上げる。
割と力技ではあるけど、一応妖怪とまともに喧嘩できる程度には鍛えてます。
「まったく、子供じゃあるまいし。飛び込むのは良くないわよ?」
- 332 名前:ドリアード(分身トレント):2007/01/08(月) 03:14:520
- >>326 レミア・シルヴェスタW世
…な、温泉で、溺れた!?
…う〜む、全く仕方が無いな…。
「俺は樹木だから、水に浮くぞ。
…まぁ、何だ、問題にならぬよう、
一時的に気絶して樹木に戻っておくから、
その間に俺を使って助け出すんだ。」
…そう言い放つと、強制的に意識を手放し、
一本の樹木となって横たわる。
- 333 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/08(月) 03:23:050
- >>329 妹紅殿
「…まぁそれもそうでありますね。しかしこれが某の…
エヴェンクルガとしての礼儀作法なのでありますよ」
「成る程、貴殿は某が武芸者に見えるでありますか?
まぁそれは当たっているでありますが…。
はい、ここの温泉にはこの前も訪れていたでありますから…
また今日この日に改めてここを訪れたのでありまする」
ふむ、某の事を武芸者と捉えているとなると、
どうやらこの妹紅殿も武芸などに大変詳しい…と某は思った。
>>328 イーヴァ殿
「…はい?何でございますかイーヴァ殿…?」
>……や、待って、トウカさん。
>深くお辞儀するのは良いけど、ここ、温泉――。
「…あ…(^^;)カァ(トウカの顔が赤くなる)
そ、某とした事が…ま、また……」
某はまた恥ずかしさの余り、全身を湯船に沈めた。
>>326 レミア殿
「…(ああ、大変だ!!人が溺れているであります!!)」
しかし、某は恥ずかしさの余り…一体どうしたらいいのかが判らずに
ただ…湯船にブクフグ…と全身を湯船に沈めながらそう呟いていただけであった。
- 334 名前:レミア・シルヴェスタW世 ◆MVlNEREMIA :2007/01/08(月) 03:24:320
- 彼女は不死身であり、並外れた体力を持つ。
それゆえに人々から吸血鬼と呼ばれたのだ。
さて、溺れ死んだ場合はどうなるのだろうか?
不死身の身でも死ぬ要素はいくらでもある。
だけど彼女は自分の人間性を大きく捨てることによって、
何回かの復活が出来る。
しかし温泉で溺れ死ぬ吸血鬼なんて前代未聞、
そして貴族のプライド的な問題でもあるのだ。
末代までの恥である。
だからまずは―――
>>332
痛くて目もろくに開けられない状況だが、
さっき気が浮いていた。
あれにさえつかまれば―――
……………………浮いてる樹木に手がとどかない
ああ、もっと浅いところに潜ればよかった。
そろそろ一時的な死を迎えるかと思った、そのとき―――
>>330
誰か飛び込んできた。
いったい誰――――囚人服だ。
彼に会いたくがないために潜ったのに、
これは酷い。
ああ、プライドがボロボロと…
>>331
ザバァと。
誰かに引き上げられた。
「――――――ゲホッ!」
咳き込んで、目をこすり、目の前の人物を確認した。
「―――あ、ありがと」
さっきのノウンマン…つまり魔物の正体を知っているものだった。
- 335 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/08(月) 03:29:080
- ROOK-RES(003):イーヴァ EOS
ん? 何?
ROOK-RES(004):仕事が来てるよ EOS
んー……溺れてる人ももう大丈夫か。
分かった、すぐ着替えて合流するね。
「えっと、急に仕事が入っちゃったから、先に失礼するね。
それじゃ、みんな、よい夜を」
脱衣所の方に向かいつつ、【退場】
- 336 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/08(月) 03:30:380
- >>328
「ああ、それじゃあ仕方ないな―――」
流れ仕事では、人の縁はかくも儚いものである。
一期一会の機会しか得られぬ間では、長く繋げられる縁はそうそうない。
でも、
「でも、これだけ出くわしてるんだ。いきなり切れることなんざないだろ」
そういって、私は笑った。
- 337 名前:コーディー ◆1irMelIOTg :2007/01/08(月) 03:34:140
- >>328
説得力無い
「…。」
酷くいつも以上に惨めさを感じる。
「…まあ、否定だけはさせな…」
血を手の甲で拭いつつ…血の涙を流したい気分になった
>>329>>311>>334 藤原妹紅 レミア
番頭がどうとか言ってた気もするが、湯の中じゃ何とも…ってヲィ。
溺れていると思われる女(自分推定)をソイツは掴み上げそのまま上がって行く。
…俺良いトコ無し?いや待て考える場所が違う。どちらにせよ助けれたんなら
それで良い。…ああ、血は止まらん、服はずぶ濡れ
ロクな目に合わん今日は。
ザバ―――【湯から顔を出す音】
「…オイ、ソコの溺れたお前」
ザバザバ――【レミア、妹紅へと歩を進める音】
「溺れるんなら俺が居ない場所でだ ばっ――!」
ドブッ…【湯の深い場所へ沈む音】
……
…あ?どうなった?何でまた湯の中に…?湯気で何が何だか分からん上に…
って、俺か!
【今度は自分が湯に沈む囚人服の男】
- 338 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/08(月) 03:35:330
- ―――ふと、一枚の紙が降ってくる。
式だ。
そこに書きしたためられた文字は見慣れた友人のもの。
「……うわ、急の仕事か」
どうやら、急病人が出たらしい。
すぐに永遠亭まで送らねばならない。
「悪い、ちょいと用事が出来た」
ばしゃばしゃと水を蹴立てて、すぐに湯船を上がる。
体を拭きながら脱衣所に飛び込むと―――
数分後には、夜の空に不死鳥が舞っていた。
【退場】
- 339 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/08(月) 03:39:510
- >>335 イーヴァ殿
「そうでありますか…。はい、また次の機会にお会いしましょうイーヴァ殿」
「―――さて、イーヴァ殿も帰ってしまった事でありますし…
そろそろ某も退場すると致しますか…」
そう言って、某は刀と服を手に取り、ザバァ…と湯船から上がった。
【トウカ 退場】
- 340 名前:レミア・シルヴェスタW世 ◆MVlNEREMIA :2007/01/08(月) 03:40:420
- >>337
やつが、溺れた。
深みにはまって、囚人服にしこたま水を吸って。
――――――どうしよう
さっきのノウンマンは急用があって帰った。
ならどうするか?
――――――だから溺れる呪いにかかってるんだって!
久しぶりに無力感を感じたような気がする。
なんだかんだでこいつとは絆があり、
それが失われるのはたまらなく嫌なのだ。
「…そうだ、これがあったわね」
>>332を浮力がかからないように、
ずぶずぶとあいつのところに沈めていった。
- 341 名前:レミア・シルヴェスタW世 ◆MVlNEREMIA :2007/01/08(月) 03:47:360
- ―――あいつの手に渡った感触。
気がつけば二人だけだったが―――
「残念だけど、私もこれで帰らせてもらうわ」
誰にも聞こえることのない言葉を呟き、
蝙蝠へと変化した。
「じゃあね!」
―――つまりだ。
何年生きていようと、彼女にも恥じらいというものがある。
温泉で溺れた?冗談じゃない!
そんな失態を犯しといて、あいつと仲良く混浴?
できるかーーーーー!!
とまあこういう具合だ。
浴場の片隅に置かれているとランクをひったくりつつ、
天に向かって羽ばたき、そして闇に消えた。
【逃亡】
- 342 名前:コーディー ◆1irMelIOTg :2007/01/08(月) 03:56:340
- >>340
全く…ちと羽目外しすぎたか。こんな茶番で人生の危機をまさか迎えるとは…。
何とも自分に苦笑。
あの街じゃこんなザマ見せられるモンじゃねぇな…。
何にせよ…やっぱ原因の主に余計に一言言いたくなった。
…ふと、そんな事を考えている折落ちてくる樹木。
何故こんなモンがココに?思いつつも、泳いで上がるよかはまだ速そうだ。
その樹木を伝い俺はようやく陸へ上がった。
ああ、もうずぶ濡れまくりって奴だ。
「ぜぇ…ぜぇ…全く。ついてねーな〜…!」
当て様も無い怒りをぶつけるかの如く、握っていた巨木の部分をバキバキと
握りつぶす。【それがドリアードとは知らず】
「お前、挙句の果て俺まで沈むのはどういう…」
女の肩を掴み一言二言突っこもうとする。が…
湯気から出てきたその娘は…
「…お…?」
何処かで見た顔…少し前、とある飛行船で共に乗っていた様な…
何故ココに…?
怒りは消え、残ったのは頭上にひたすら?マーク
- 343 名前:コーディー ◆1irMelIOTg :2007/01/08(月) 04:03:200
- >>341
「…って、あ!オイコラ待てっ?
何でココにッ」
(゜д゜;)…
残ったのは孤独。
何で風呂入りに来ただけなのに、血は流れるのか?
溺れてる奴を助けようとして助けられたりしてるのか?
そして何処かで会った女に再会するのか?そして何故気恥ずかしそうに
去っていくのか?そして何故…
「…誰も居ねぇ?」
狐に摘まれるとはこういう事なのか。
頭上に?マークだけ残し、俺は混浴場で一人突っ立っていた。
結論―――濡れ損…ックシ!
【濡れたまま退場】
- 344 名前:ドリアード(分身トレント):2007/01/08(月) 13:45:230
- …誰も居なくなった昼過ぎの温泉で、
横たわっていた樹木がブルブルと震えだした…。
「…む…ぐ…ぐ…があぁぁっ!!」
絶叫と共に、樹木が怪人へと戻っていく…。
…ハァ…ハァ…一体…どうなっ……ぐがぁっ!
…ウググ…こ…この…激し…い…痛み…は!?
(ゆっくりと腹に目を向けると、コーディーに握り潰された痕が…)
…な…な…な…お、俺の、腹が…!?
…どうやら…俺は…これまでの…様だな…。
…怪人が…人助け…を…試み…て…死ぬ…か…。
…全く、笑い…話にも…なら…ぬ…な…。
…最後の力を振り絞り、温泉の外に出ると、
温泉の外観を一瞥した後、朽木となって崩れ落ちた…。
【ドリアード(分身トレント)、絶命】
- 345 名前:パチュリー・ノーレッジ ◆fPATcHE/tU :2007/01/08(月) 14:41:180
- >>344
一つの朽木が横たわる温泉。
誰も鑑みない枯木を見下ろす少女が一人。
「……こんなところに死体が一つ、ねえ。気分悪いわ」
彼女が、元々この木が動いていた事を知っているかは定かでない。
彼女なら、只の枯木を見ても死体というであろうから。
「興がそがれた。入るのはまた夜ね……でもまあ、後片付けぐらいは」
そういうと、彼女は懐に手を入れ、2枚の紙片を取り出す。
力の具現された札。彼女の魔術の源の欠片。
……風呂場なのに服はそのままなのか、という指摘は無視させていただく。
「静かな泉の岩の影にて、木霊が密かに囁き謳う。
.静かな泉の岩の陰にて、木霊が静かに輪廻を刻む。
.Water,aqua.Timber,wood,verdure...」
彼女の呟きと共に、朽木が静かに震え、札が光を放つ。
朽木の彼方此方から小さな芽が萌え、合い絡まって天に伸びる。
彼女が札を放ると、その札は朽木の周囲を回り、札に近づかれた朽木はゆっくりと土に還ってゆく。
そして、彼女が最後に大きく息を吐いたとき、そこにはこれまで影も形も無かった「樹」がしっかりと根を張っていた。
「これで、少しは見た目はましになったかしら……さて」
少女は、自らの成果を軽く見上げると、ため息を一つ付き家路についた。
後には、大樹がさわさわと葉を揺らすのみ。
- 346 名前:横島忠男:2007/01/09(火) 00:01:080
- 「は〜、風呂浴びるの久々だなー」
俺が住んでいる安アパートには風呂なんて上等な代物は付いていない。
勢い、銭湯に通うことになるのだが。
「近所の銭湯には似顔絵出回っちゃったからなー。入れやしねぇ」
なんで貼られたかは秘密だっ!
閑話休題、美神さんの事務所でシャワーを浴びてはいたのだが
やっぱり日本男児たるもの風呂に入ってナンボである。
という訳で遠路はるばるここ来たのであった。説明終わり。
「しかし、なんだこの木。(>>345)前来た時にはこんなのなかったよなあ?」
- 347 名前:レミア・シルヴェスタW世 ◆MVlNEREMIA :2007/01/09(火) 00:18:490
- 昨日の温泉でわかったこと。
『浅いところなら特に問題なし』
昨日とうって変わって強気に出た。
そろりと片足を温泉につける。
「―――あつッ!」
思わず足を引っ込める。
ただ単に外との温度差で熱く感じられただけだが、
それでも自分の足が無事かそろりと確かめた。
もし聖水と同じ効果が現れるなら、
自分の足が焼け爛れるはずだが…
「問題…無し」
もう一回、熱いのを我慢して片足を入れる。
そして、風呂ぞこに着いた。ここは浅いので大丈夫だ。
もう片足も入れ、ついに平穏を保ったまま、
温泉の中に立つことが出来たのだ。
「昨日はゆっくり楽しめなかったけど、今回は大丈夫そうね」
温泉の中に身を沈め、安堵の息を吐いた。
人間もたまにはいい資産を後世に残すものだ。
- 348 名前:横島忠男:2007/01/09(火) 00:24:490
- >>347
む、誰か入ってきた。
>「―――あつッ!」
声からすると女性のよーだ。
ははは、本当にここの温泉は良く女の人が来るなあ。
「……さてと」
前回の失敗を生かし、今度は開幕からの奇襲攻撃によって目標を完遂する!
すばやくシュノケールを装着し、湯の中に潜る。
濁ってるのでちょっと見づらいが、大体の目星ぐらいは付くもんだ。
【水中からこっそり接近中】
- 349 名前:レミア・シルヴェスタW世 ◆MVlNEREMIA :2007/01/09(火) 00:33:130
- >>348
さて、彼女はまだ「変身」をしていない。
故に力などは人間のままである。
もちろん吸血鬼の能力を発揮しているなら、
こんな穴だらけの接近ならすばやく察知して跳ね飛ばしてやるのだが、
今は「人間」として温泉を楽しむことしか考えていなかった。
「こういうのが"いいお湯"って言うのかしら」
いつもは人工の風呂にしか入れない。
自然の川などは天敵であり、
いつもなら近づかないようにしている。
しかし今は、女性にとっての天敵には気づくことはなかった
- 350 名前:パチュリー・ノーレッジ ◆fPATcHE/tU :2007/01/09(火) 00:38:060
- パチュリー・ノーレッジが外出する機会、というのはめったに無い。
彼女は一日の…一生の…ほとんどを図書館ですごし、常に本を読んでいるからだ。
が、何事にも例外という物はあるものである。
今夜のその外出もそうだった。
「静かね。少しはゆっくり出来そうだわ」
トレードマークの帽子を脱ぎ、もちろん服も脱いでタオルを巻いた姿で歩む。
すでに湯船には先客が一人。それから謎の管が一本。
「……まったくもう」
溜息一つ、呪文一声。
水の泡が宙に浮かび、管の先めがけて静かに移動する。
これで化けの皮もはがれるはずだ。
不届き者への処分を済ませた彼女は、先客(>>347)から離れた位置を選び、湯船に身を浸す。
多くの人が集まる温泉であっても……むやみな喧騒は、彼女の望むところではない。
- 351 名前:横島忠男:2007/01/09(火) 00:42:380
- >>349
ふふふ、よーし気づいていないようだ。
ここら辺まで近づけば、ぼんやりとではあるがその女性の肌が見ることができる。
綺麗な肌だ、美神さんに勝るとも劣らない美人であろう。
奇襲攻撃も良いけど、このまま眺めていたいなぁ……(ハァハァ
【シュノーケルが見えるぐらいまで近くにいます】
- 352 名前:横島忠男:2007/01/09(火) 00:46:160
- >>350
「ごばっごぼめがっ!?」
急に口の中に水が入り込んでくる。
過去に無呼吸潜水80mを成し遂げた俺であっても、
水の中で息ができるよーな特殊能力は持ち合わせてない。
完全に水を飲み込んでしまった俺は慌てて浮上した。
その先に何が待ってるかも知らずに。
- 353 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/09(火) 00:46:480
- 「ふぅ…やれやれ…。どうして某はこうもうっかり…
うっかりと周囲から言われるのでしょうか…?ブツブツ」
そうブツブツ言いながら、某はまたこの温泉に寄ってきたであります。
「…さて、今日もこの温泉に入ると致しましょうか…」
そして、某は服を脱いでいつものように刀を傍に置いてから
ゆっくりと湯船に浸かった。
「…ふぅ〜〜やっぱり何度入ってもこの温泉は気持ち良いでありますね〜〜♪」
>>346>>347>>350
「…ん?どうやら今日は先客がいるみたいでありますね…。
それにあの女性の方(>>347レミア殿)はこの前会った様な気が…」
- 354 名前:レミア・シルヴェスタW世 ◆MVlNEREMIA :2007/01/09(火) 00:52:100
- >>351
そして、いつの時-352代にもピーピングトムはいるものだ。
目の前には管がある。
本人は完璧な偽装と自信を持っているらしいが、
あいにく人間でも判るところにいる。
おろかな人間には罰をくれるべきだ。
というわけで人間のまま、業を発揮することにした。
暴走する心配は無い。
心の準備を整え、さてやってやろうかと思った。
>>350
泡が管に?魔術?
―――なるほど、魔法使いでもいるのか。
何はともあれ、仕事はやりやすくなった。
彼女が使った業は―――
- 355 名前:レミア・シルヴェスタW世(オオカミ変身) ◆MVlNEREMIA :2007/01/09(火) 00:52:420
- >>352
「―――――――ガルルルルルルルル」
すなわち、「オオカミ変身」である。
そこにいた筈の少女の姿はどこにもなく、
銀色の体毛に覆われた、人ほどの大きさをもつ
犬の祖先へと変わっていた。
- 356 名前:パチュリー・ノーレッジ ◆fPATcHE/tU :2007/01/09(火) 00:54:490
- 覗きが呼吸不全で浮上してきた(>>352)
場所が場所だ。あの女性によってしかるべき裁きが下る事だろう。
下らない場合もあるだろうが、その場合は自分が骨を折ればいい。今は見だ。
……と思っている間に、女性が獣と化した(>>355)
人朗の類だったか。哀れ覗きは骨も残るまい。
冥福を祈ってもいいが、それは死んでからだ。
新しい客が来たようだ(>>353)
とはいえ、彼女に積極的に関わるつもりは無い。
一応視線を向け、会釈だけしておく。
「……ふぅ……」
なぜか、溜息が漏れた。
- 357 名前:横島忠男:2007/01/09(火) 01:00:340
- >>355
「ああっ!綺麗なおねーちゃんがヒトオオカミにっ!?
サギだー!!あの柔らかそうな肌を返せぇぇぇぇ!!!」
と、ひとまず絶叫。
しかし、これはどー見ても俺大ピンチ。
人狼の素早さには追いつけたもんじゃねーし…。
「あー、スイマセン。ここは一つ最高級ドッグフードをオゴりますから許して頂けないでしょうか?」
「……ダメ?」
ちょっぴり首を傾げながら聞いてみる。
- 358 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/09(火) 01:04:180
- >>352横島殿
「…ん?何か今変な声が聞こえたような気が…?」
そう言って、某がその何とも間抜けな声の聞こえた方を向くと…
そこには一人の男がとても苦しそうな顔をしていた。
「…見た所、どうやら男性でありますが…。
そしてその傍にいるのはレミア殿でありますね。
もし、そこの者…大丈夫であります…か?」
>>355レミア殿
>「―――――――ガルルルルルルルル」
「…え?えええぇぇぇぇ!?れ、レミア殿が…ば、化け物にーーー!?」
某はいきなりレミア殿が化け物に変身したことに対し、
とても取り乱してしまった。
「(…い、一体どうすれば…!?どうすればいいでありますか!?)」
- 359 名前:レミア・シルヴェスタW世(オオカミ変身) ◆MVlNEREMIA :2007/01/09(火) 01:08:380
- >>357
人狼と間違われるようだが、これは「完全なオオカミ」になる業である。
二足歩行で銀色の体毛に覆われた狼は、
それこそ人狼でしかなれない。
四足歩行で立ち上がったオオカミは、
ドッグフードをおごるなどという、本物の人狼なら
八裂きにされるだろう言葉を平然と言ってのけた。
それは無視して、>>356の近くに移動する。
そしてそこでまた座り、温泉を満喫し始めた。
小柄な体格の少女に、一匹の巨大な狼。
ある映画を見たことがあるなら一発で思いつくだろうこの歌が、
本当に流れてきそうな雰囲気である。
もののーけーたちーだけー もののーけーたちーだけー
- 360 名前:コーディー ◆1irMelIOTg :2007/01/09(火) 01:15:080
- 【風呂場の片隅】
>>344
__ ..
.|: |
.|: |
.(二二X二二O
|: | ..:+ .. …馬鹿野郎。また罪が増えたじゃねぇか
∧∧ |: |
/⌒ヽ),_|; |,_,,
_,_,_,_,,〜(,, );;;;:;:;;;;:::ヽ,、
"" """""""",, ""/;
"" ,,, """ ""/:;;
"" ,,""""" /;;;::;;
そうか、あの樹お前だったのか…。
何となく罪悪感感じ追悼中。
- 361 名前:横島忠男:2007/01/09(火) 01:15:270
- >>360
「ほっ……命拾いしたぁ」
狼に変身した元女性はどうやらこっちに興味を無くしたらしい。
「むぅ、今は腹が一杯だから要らないって事なのか?」
首を捻る。
にしても、潜水中の俺に水を飲ませたのは何所のどいつだ?
とぐるりと周りを見渡すと。
>>358>>356
おお、また美少女達が。
でも狼さんが怖いので大人しくしてるボクでありました。
いのちをだいじに。
- 362 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/09(火) 01:22:000
- >>356パチュリー殿
そしてそれとはもう一人、何やら見た目幼くみえる
その少女は…ただ某に軽く会釈をした程度でまた温泉気分に浸っていた。
「(ふむ…どうやら余り初対面の人とは話したがらない…まるで
最初に会った時の頃のアルルゥみたいでありますね…)」
しかし、だからと言ってこの少女がアルルゥ殿と同じ方法で仲良くできる
…とは思ってはおりませぬ。…これはきっとお互い親しくなるのは
かなり骨が折れるでありますね…。
そう思いながら、某はその少女とどういう風にしたらうまく接する事が
できるのかを…ただひたすら考えていた。
>>359レミア殿
「…ホッ。どうやら流血沙汰は回避されたみたいでありますね…」
もし、あのままオオカミに変身したレミア殿があの男性を襲っていたならば…
間違いなくこの温泉は血で真っ赤に染まっていたであろう。
そして、今のレミア殿に人を襲う気配が無い事を悟った某は刀と服を持って
恐る恐る先程の小柄な少女とオオカミ化したレミア殿のいる方に移動して―――
「あ、あの…隣、よろしいでありますか?」
- 363 名前:パチュリー・ノーレッジ ◆fPATcHE/tU :2007/01/09(火) 01:30:060
- >>359
どうやら彼女は覗きを八つ裂きにする気はなかったらしい。
……少々残念だが、仕方あるまい。脅かせただけでも御の字だ。
もういらないので、一言つぶやいて水の玉の魔法を解除し、温泉に混ぜておく。
と。彼女……といっていいものか……がこちらに来た。
そのままパチュリーの隣に陣取り、浸かり始める。
まあ、話しかけてこないなら煩わしくも無い。
そのまま、気にせず並んで湯を満喫する。
……ところで、あれはなんだろう……(>>360)
と、新しく入ってきた女性がこちらにきたようだ(>>361)
「別に……構わないわよ」
と一言だけ返し、また黙る。
静寂を作るコツは適度に自ら音声を入れることである、とか。
- 364 名前:横島忠男:2007/01/09(火) 01:32:500
- >>360
美少女達にちょっかいを出すとデッドフラグが立ちそうなので
風呂に浸かったまま、片隅で蹲ってるオッサンに声をかけてみる。
「おーい、オッサン。二日酔いにでもなったのか?」
「そんな所に居たら寒いだろ。早く入ってきたらどーよ?」
見たところ薄汚なそーなオッサンである。
これなら入ってきても女の子たちを掻っ攫われるという事もないだろう。
- 365 名前:レミア・シルヴェスタW世(オオカミ変身) ◆MVlNEREMIA :2007/01/09(火) 01:33:430
- >>362
少し移動して、スペースを空ける。
…しかしこの獣の耳、絶対に人間のものでは無い。
しかし、人狼やバステトということでもない。
…つまり、人間と獣のハーフが存在するなら、
こういうやつということになるのだろう。
>>361
「狼」を見据えたまま、オオカミは湯に浸かっている。
この私より先は聖域。
男達は立ち入り禁止の、まさにサンクチュアリである。
…とまあ、あまり使わない業は使い続けるものではない。
疲れてきたので変身解除。
「ふう」
と一息。でもいやみったらしく男を見据えるのは忘れない。
- 366 名前:横島忠男:2007/01/09(火) 01:48:400
- >>365
>「ふぅ」
とさっきのオオカミ変身美少女の声がするのでちらりと見るとヒトの姿に戻っていた。
そして向けられるのは毛虫を見るような嫌悪の目。
「嗚呼っ!何時も向けられている目とはいえ。見知らぬ美少女にそーゆー目で見られると悔しさもまたひとしおっ!
神サマのバカヤロー!!俺が何をしたっちゅうんじゃああああ!!!」
くそっ、こうなりゃヤケ飲みである。
と言っても俺は清く正しい17歳なのでジュースだけどな。
「ぐびっぐびっぐびっ…ぷはー!」
【バ○リースオレンジ一気飲み】
- 367 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/09(火) 01:49:120
- >>363パチュリー殿
「…ええ、では失礼致しまする」
そして某はこの少女と少し距離をとったぐらいでまた身を湯船に沈めた。
しかし、ただ一言返事をしただけでまた彼女は黙ってしまった。
「(…う〜〜む、これは何とも手強いでありますねぇ…)」
しかし、そこで…ふと某は思い出した。
そう言えば…某がこの一刻館を訪れる前に
某の部屋に突如現れたあの吸血鬼―――レミリア殿が―――
『ウフフ、実はね…貴方に頼みたいことがあるのよ。
私はしばらくここに来る事が出来ないから、その代わりに
私の友人…パチェの事をよろしくね。彼女は初対面の人には
かなり警戒する性格だから最初はうまくいかないと思うけど、
きっと私の名前を口にすると彼女は驚くんじゃないかしら?
ああ、それとパチェの特徴は髪が紫色でちょっと小柄で
痩せ気味な身体が特徴だからね。それじゃぁよろしく頼むわね』
―――と、そう口にしていた事を思い出した。
もしかしたらこの少女が…!?と思い、某は彼女に対してこう呟いた。
「…あの、もしかしてそなたは…パチュリー・ノーレッジ殿でありますか?」
>>360コーディー殿
「おや?あそこにいるのは…コーディー殿でありますか?」
- 368 名前:コーディー ◆1irMelIOTg :2007/01/09(火) 01:50:270
- 「フー…」
心底疲れ果てた様な鬱な溜息を吐いた後、今後の行動を考える。
行動原理はその場気ままとはいえ、またココに来ちまったか…。
>>364
>おーい、オッサン。二日酔いにでもなったのか?
「…ああ?」
ふと声を掛けてくる男。見た所年下らしいが随分と馴れ馴れしい奴である。
まあ、逆にそういった態度取ってもらえた方がコッチとしては言いたい事も
言い易い者なのだが
「…ま、追悼ついでに寄っただけだったが…別に少しくらいは良いか」
そう呟き――――が、
(>>362>>363)
「…って、また 女 ば っ か 」
∧ ∧
〃⌒ ヽ|l)
/ rノ ;
手の甲で鼻を押さえつつまた出る鼻血と出す自分に嫌悪を感じていた
>>365
「ほー、今日は溺れねぇのか」
先日気付けば逃げられたその女を見て一言、嫌味では無く
思った感情のまま呟いた
- 369 名前:レミア・シルヴェスタW世 ◆MVlNEREMIA :2007/01/09(火) 02:01:350
- >>366
そして孤独へ。
自分には関係ないものだ。
「こっちに来たかったら宦官にでもなることね」
オレンジジュースを飲んでいる狼に、
さらに追い討ちをかけるように言ってやった。
>>368
「フッ――――」
遠い日を見るような目。
そして、単純なだけに気に障りm
「そんなに沈められたいの?」
笑顔で、周りの気温が3度くらい下がりそうな声で言った。
>>363
ふと、どこかで見たことがあるような気がした。
そう、あれは書物の中で。
実際に会ったことは無い(たぶん)が、
噂話と書物で知った筈だ。
「ヴアル図書館の主、パチュリー・ノーレッジ」
遠い記憶から引っ張り出した単語。
「違ったかしら?」
一応相手にも確認を取る。
- 370 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/09(火) 02:09:380
- >>365レミア殿
どうやらレミア殿はオオカミの姿から元に戻った様子であった。
それを確認した某はというと…
「…いやぁ…びっくりしたであります…。もしかして
レミア殿は特別な術式でも体得していたのでありますか?」
…と、そう突拍子もない事を言った。
「…ああ、そう言えばレミア殿にはまだ正式に自己紹介していなかったでありますね。
某はエヴェンクルガ族の一人でありまして、名はトウカと申します。以後お見知りおきを」
そう言って、某はレミア殿に対して深々と一礼してみせた。
- 371 名前:横島忠男:2007/01/09(火) 02:10:490
- >>368
「追悼?」
よく見てみれば、オッサンが蹲ってた辺りには何かのオブジェみたいなものがある。
良くわからんが墓……なんだろう。
「あー、もしかして声かけなかった方が良かったのかな?俺」
落ち込んでる時には独りになりたい時とバカ騒ぎしたい時の二つがある。
このオッサンが前者だったら…少し罪悪感が。
>>369
「はいっはいはいはいっ!!お嬢さん達のお傍に居られるのなら何だってやりますっ!
三遍回ってワンだろうがやってみせましょう!」
声を張り上げ、手を上げてアピール。
罪悪感?誇り?美少女達のお傍に着く為なら棚上げ決定である。
「……ところで、宦官ってどういう意味なんでしょーか」
- 372 名前:レミア・シルヴェスタW世 ◆MVlNEREMIA :2007/01/09(火) 02:24:310
- >>370
特別な術…というのは確かにそうだ。
通常の人間が狼になれるわけがないし。
「まあ―――似たようなものよ。
どちらかというと体質に近いほうだけど」
他にも霧に変身したり蝙蝠に変身したりできる。
だがこのオオカミ変身はあまり使う機会がないので、
少し錆びついていたりもしたが。
「エヴァルンガ―――ああ、そういうことね」
少数民族だと聞いているので実際に見るのは初めてだ。
この世界にはまだまだ不思議が多い。
「ご丁寧に。私はレミア・シルヴェスタ―――吸血鬼、よ」
人狼とか言われて騒がれるのも癪だったので、
あえて真の姿を言っておく。
「それと―――いつ狼が覗くか判らないから、
立つのはやめといたほうがいいわよ」
獣が二人もいるし。
>>371
「そうね―――まず鋭利な刃物を持ちなさい」
宦官は中国で猛威を振るった集団のこと。
彼らは肉体的欲求をひとつ取り除かれるが、
そこから高いくらいまで上り詰めれるのである。
「それからすっぱりと―――」
さて、痛々しい言葉だ。
「去勢しなさい。
あ、風呂場を汚したら嫌よ」
クスクス笑いながら、世にも恐ろしいことを平然と言ってのけた。
- 373 名前:コーディー ◆1irMelIOTg :2007/01/09(火) 02:27:170
- >>367>>370 トウカ
「…あー、毎度水(血)も滴る良い男だよ。色は赤いけどな」
血が流れぬ様上を向き、夜空を眺めながら自分の足下の湯に浸かっている少女に
そう呟き、ふと気付く。
「…そういや、誰だこのジャパニーズ?ガールは。コスプレとかいうのが
流行ってるにせよ風呂ん中でもしなくて良いだろうによ」
そう言いつつ、浴槽の上から身を屈め、犬?と思われるその耳を掴んだ
「良くは分からねぇな、そういうコスプレ魂とやらは?
…ん?外れねぇ?」
>>369 レミア
「ああそうだ、クリーニング代くれ。あれから囚人服まだ乾いて無ぇんだよ。
季節の関係上湿ったまんまだし、マジでこの寒空の下 凍死しかけたっつうか。」
>「そんなに沈められたいの?」
…いや、カナヅチなお前が悪いじゃねぇか。…ゲフゲフ
【上を向いた姿勢のまま鼻血をつまらせ咳き込む】
>>371横島
「いや、別に良い。もう済んだ事だからココまでにする…。」
そう言い残し、何の感情を表現した訳でも無い乾いた微笑
「…ついでにな、マジになる程若くも無ぇがオッサンて歳でも無ぇんだよ」
【むしろコッチの方が傷付いていた元英雄】
- 374 名前:レミア・シルヴェスタW世 ◆MVlNEREMIA :2007/01/09(火) 02:39:320
- >>373
「脱走するぐらいなら、新しい服でも買ったほうが早いわよ。
それとクリーニング代だけど、ライヒスマルクでいいなら全財産あげるわよ?」
数百年かけて貯め続けた財宝があるが、
こいつにくれてやる義理は無い。
ライヒスマルクなら山ほどあったはずだ。
世界のどこにしまったかは忘れた。
「それと――――」
トウカの耳に触る邪な手。
絶対少女の力じゃ出ない握力でこれをつかみ、
持ち上げた。吸血鬼の本領発揮である。
「女の子の耳に気安く触るなんて、失礼だと思わない?」
温泉すらも凍りそうな、冷たい声だった。
- 375 名前:横島忠男:2007/01/09(火) 02:41:120
- >>373
「でもさ、そんな不精ヒゲ生やしてたらオッサンに見られても仕方ねーと思うぞ。
それにさ。そんなシマシマの服はないだろ。まるで囚人服みたいじゃん。」
>「ああそうだ、クリーニング代くれ。あれから囚人服まだ乾いて無ぇんだよ。
おや、このヒトマジで脱獄者?
まあいいや。美形なら即通報かますところだったけど。
>>372
>「そうね―――まず鋭利な刃物を持ちなさい」
「ふむふむ、鋭い刃物を持ってー」
何となく相手の言葉を反芻する。
>「それからすっぱりと―――」
ここでタメが取られた。
ちょっと怖い。
>「去勢しなさい。
……。
「例え女の子の傍に近づけるとはいってもそれだけはしたくないっ!
いくら何でもやると言っても死ぬ事だけはいやじゃああああ!!!」
(涙流しながら七転八倒)
- 376 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/09(火) 02:50:140
- >>372レミア殿
「成る程、そうなのでありますか。ああ、どうして某がレミア殿の事を
知っているのは、彼女…レミリア・スカーレット殿から詳しく聞かされたのでありますよ」
何でも本人はしばらくここ(一刻館)に来られないとの理由で
代わりに某にここに来るように…とそう言われたのでありますけどね…。
>「エヴァルンガ―――ああ、そういうことね」
「あ、あの…某は『エヴァンクルガ』ではなくて『エヴェンクルガ』なのですが…」
この際細かいことでありますが、一応誤った認識をされては
困ると思い、某はそうレミア殿に言った。
>「それと―――いつ狼が覗くか判らないから、
>立つのはやめといたほうがいいわよ」
…そうレミア殿がそう言ってきた時に某は…
「…あ(^^;)そ、某としたことが…
か、かたじけないでありまする」
そう言って、某は少し顔を赤らめながらそう返事を返してまたすぐに湯船に浸かった。
>>373コーディー殿
「…え?じゃぱにーずがーる?でありますか?
…お言葉ではありますが、某はそんな名前ではありませぬ…。
某はこう見えてもエヴェンクルガ族であり、名もちゃんとトウカと言う名がありまし…て?」
>そう言いつつ、浴槽の上から身を屈め、犬?と思われるその耳を掴んだ
>「良くは分からねぇな、そういうコスプレ魂とやらは?
>…ん?外れねぇ?」
そう言って、コーディー殿はいきなり某の耳を引っ張ってきた。
「…イダダダダダ!?い、いきなり何をするでありますか!?
や…そ、そんなに引っ張らないで下さい…!!」
しかし、コーディー殿は未だに両手を耳から離そうとしない。
そして…プツン―――と、何かが切れたような音がして…その時某はというと…
「…ク、クケェェェェ!!」ヒュッ!!…ドゴッ!!
…と、いきなりとても大きな奇声を上げ、その次の瞬間には…
コーディー殿に向かって右手で一発裏拳をぶちかまして…
「…キィィィィィ!!」ドゴッ!!ドゴッ!!ドゴッ!!…と、それから裏拳を喰らって
後方に倒れたコーディー殿の上に跨り、そのまま両手交互で
無差別にパンチを繰り出していた…。
- 377 名前:コーディー ◆1irMelIOTg :2007/01/09(火) 03:05:270
- >>374
「脱獄も気まぐれなんでねぇ、買うにも金無し宿無し、
まあ色々無しな身分なんだよ。」
何だかんだトレードマークにもなってる身だし。いや、闘う上では
関係無ぇけど。
>「女の子の耳に気安く触るなんて、失礼だと思わない?」
ご最とも。が、無気力な男にそんな事問われても
馬の耳に念仏。とりあえずいきなり掴み上げられて痛みを感じたのだけは
認めるが。…あー、待てよ。屈んでる上に掴み上げられて…
ヤバくねぇ?この体勢?
「いやだから、バランスが崩れ デバッ―――」
――――ザバァァン
【レミアを押し倒す形で風呂場へまた落ちる男】
…もう、良いっつうのこのシチュエーション
>>375
「…まー、言った通りの身分つうか、何つうか。とりあえずサツに
追われてるの除けば気ままな脱獄生活なんでね。
とりあえず通報はすんなよ。また撃たれるの面倒だからよ」
…何故俺を捕まえるのに奴等は発砲するんだろう。
捕まえるのが難儀だからっつってもソコまでしなくてもなあ?
例えるなら逃げたライオンを麻酔銃で撃つ感じ?
>>376
「お?」
風呂の中で突如食らう渾身の裏拳。しかし、何でだろうか
ココに来るといつもロクな目に合わん。退屈するよかは遥かにマシだが…
スッ裸の女が俺の上に跨って殴りかかるって構図はどうよ?
「…ちょっ ちょっ 落ち着け落ち着け。また出る (鼻血が) 」
上手い具合に両拳から繰り出される拳を受け流しつつ、そう答える
「つうか前を隠――
∧ ∧
〃⌒ ヽ|l)
/ rノ ;
もう無理 【本日2度目の鼻血】
だぁーかーらーなー…隠せってんだろ」
- 378 名前:レミア・シルヴェスタW世 ◆MVlNEREMIA :2007/01/09(火) 03:20:350
- >>375
馬鹿が七転八倒する。
去勢する気構えもなってないのに
秘密の花園に踏みいろうなど笑止千万。
「高貴な身分の女性に近づきたかったら、
それぐらいの誠意を見せなさい。この早漏」
あいにく坊やは趣味ではない。
男を捨てることが出来ないならば、
聖域に踏み込むことなど出来ないのだから。
>>376
「レミリア―――思ったより口が軽いわね。
様式美や威厳といったものを尊重するなら、
もっと貴族らしい行動をとってほしいものね」
嘆息、あまり周りに吸血鬼と言いまわられるのは
正直気分がよくない。
「そう?記憶だけが頼りだから、所々間違っているのよ。
あれは―――だいぶ古い資料だったかしら?」
エヴァンクルガ…辺境の地の資料なので、
そこまで重要視されていない。
中国の奥山に人狩り族がいるのに「ふーん」と答えるようなものだ。
>>377
「計画性のない脱獄は危険よ。
そのうちシベリアに送られるかもね」
実際脱獄を繰り返すと、もっと酷い処置がとられるものだ。
あまりにも酷いとろくでもないところに送られる。
「―――――え?」
バシャーンと、自分の上にコーディが落ちてきた。
押し倒される形。
少し呆けてしまう。ここまで男に迫られたのは何年ぶり―――
と思っている間に、上のが吹っ飛ばされた。
われに返り、そしてふつふつと怒りが込み上げてきた。
完全なる吸血鬼化。犬歯は牙となり、雰囲気も変わっている。
「―――人のことを襲わないあたり、そこの早漏のほうがまだましだわ」
怒りが頂点に達し、逆に冷静すぎる声が出る。
「吸血鬼にしてやる気も失せたわ。
――――――――貴方は、簀巻き、よ」
平然と、恐ろしいことを言い放った。
- 379 名前:横島忠男:2007/01/09(火) 03:36:020
- >>378
「何でもするって言ったけど、死ぬのだけは嫌なんじゃああああ!!!」(ごろごろ)
生命活動は止まらないだろーが、男としての命が絶たれる。
>それぐらいの誠意を見せなさい。この早漏」
ぐわん、ぐわん
頭を鈍器でぶったたかれたような衝撃が走る。
「確かに歳と彼女イナイ暦が一緒だけどさー。それはねーだろっていうかさー」(ぶつぶつ
【地面に『の』の字を書きながらいじける】
>>377-378
「不精ヒゲのアンちゃん。役得だなあ。良いなあー。あはははは」
「お、あのお侍っぽいお姉ちゃん見事な馬乗りバルカンパンチだなー。避けるアンちゃんもすげーけど」
【etcetc 益体もつかない事をぶつぶつ呟きながら『の』の字を書き続けるのであった】
【退場 もしくは奇妙な置物化】
- 380 名前:『紅い悪魔』レミリア・スカーレット ◆remyaGVniw :2007/01/09(火) 03:40:490
- 「……ウフフフフフ」
突如その上空に急に不気味な声が聞こえてきた。
そう、その声の主とは―――
「あれからちょっと気になって急いでここに
駆けつけてみたけど、どうやら案の定…という所かしら?」
―――紅い悪魔、レミリア・スカーレットであった。
>>378 レミア
「久しぶりねレミア。…あら?別に私はあの羽耳女に
貴女が吸血鬼…だなんて事は一言も言っていないわよ?」
別に名前と外見の特徴を口にしただけで
威厳だとか様式美だとか貴族らしい振る舞いをしろだなんて…
全く酷い言われようね。
「それに付け加えるならば、私はこの羽耳女にしか貴女の事を
口にしてはいないわ。そして万が一という場合には―――
この私の運命操作の能力で相手の記憶を操作してしまえばいいことだからね」
…さて、そうと決まればこの羽耳女を正気に戻してあげなきゃね。
>>376トウカ
「…何時までやっているの?さっさと正気を取り戻しなさい」
そう言って、私はあの羽耳女の所まで近づいて…パチン…と指を鳴らした。
- 381 名前:コーディー ◆1irMelIOTg :2007/01/09(火) 03:48:450
- >>378
トウカの対処に困り、とりあえず押さえつけようかと思案した先
背後から響く静かな声。…そういやアイツの上にさっき覆い被さってたんだったか。
…いや待て事故だろアレ。
>「―――人のことを襲わないあたり、そこの早漏のほうがまだましだわ」
「…待て。俺はお前の何も奪った覚えは…オーイ?」
聞くまでも無い。聞いてない、と…軽く人生の危機だ。
さて、死ぬか死なぬかの前に何でこうなったんだったか…?
> ――――――――貴方は、簀巻き、よ
SUMAKI…けったいな響きだ。このままだとマジでそうなりそうだけに
困ったモノだ。大人しくやられる気も無いが、かといって何かしらアクションを
起こすにもこういう茶番だけに何とも…
「フー…つくづく運が無ぇ。なあジェシカ…」
とりあえずさっきの奴…横島とかいうのに助けを請う事にする…。
>>379
>不精ヒゲのアンちゃん。役得だなあ。良いなあー。あはははは
…何てこったい。役に立ちそうな気配0 ort
>>380
ん…?また誰か来たな。
- 382 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/09(火) 03:51:570
- >>380レミリア殿
「……あれ?そ、某は今まで何を…?」
某がふと気付いた時には、何故か某はコーディー殿の上に跨っており、
しかも目の前にはあの…レミリア殿が空中に浮かびながら不敵な笑みを浮かべていた。
「…あ、あれ?レミリア殿…確か急用があるといっていたのでは…?」
>>377コーディー殿
「あ…も、申し訳ありませぬ!!コーディー殿!!
某としたことが…ついカッとなっ…て…?」
>「つうか前を隠――
そしてその言葉を聞いた時に某はというと…確かに某は生まれたままの姿であった。
「……あ…(^^;)そ、某としたことが…!?
は、恥ずかしいでありますーーー!!」
それから某は急いで服と刀を手を取り、急いで温泉から出た。
>>378レミア殿
「も、申し訳ありませぬ!!レミア殿!!某はこの辺で失礼するでありますーーー!!」
そう言って、某は一目散に顔を赤くしながらその場を後にした。
【トウカ 顔を赤くしながら猛ダッシュで退場】
- 383 名前:レミア・シルヴェスタW世 ◆MVlNEREMIA :2007/01/09(火) 03:59:450
- >>380
「ふーん、でも一応私は同属に追われている身だし、
名前を出すだけでも少しためらってほしいものよ」
送られてきたところでどうということは無いのだが、
やはり面倒であるのだ。
「ま、あまり人に話さない程度に操作して。
そんなに目立つタイプじゃないから」
吸血鬼は闇、そして夜の貴族。
損なのはあまり表立たないほうがいい。
>>381
「ただの簀巻きじゃないわ。
雲で簀巻きよ」
そんなことをするにははるか上空まで運ばないといけない。
そこで彼女はどっからともなく取り出した、物騒なものを持っていた。
ttp://www6.big.or.jp/~toka/cos/hal/hal18.jpg
30mm対化物砲ハルコンネンである。
「さあ…覚悟はいい?」
ニヤリとし―――――
- 384 名前:レミア・シルヴェスタW世 ◆MVlNEREMIA :2007/01/09(火) 04:01:230
 ̄ ̄ ̄ ̄-----________ \ | / -- ̄
--------------------------------- 。 ←>>381
_______----------- ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧ ∧ / / | \ イ
( ) / ./ | \ /
_ / )/ / | /|
ぅ/ / // / | / |
ノ ,/ /' / |│ /|
_____ ,./ // | / ─┼─ |
(_____二二二二) ノ ( (. | / ┼┐─┼─
^^^' ヽ, | | / ││
「反省して来い、このおおばかがあああああああ!!」
銃身を持ち、人と思えない力で振り回した。
もはや化物、その一言に尽きた。
- 385 名前:レミア・シルヴェスタW世 ◆MVlNEREMIA :2007/01/09(火) 04:05:180
- やつは空高く飛んだだろう。
飛んで雲に巻かれて簀巻き、いい気味である。
「――――まったく!」
何はともあれ、結局昨日より不機嫌になってしまった。
あそこまで馬鹿だとは思わなかった。
「じゃあね、私はそろそろ上がるわ。
あと―――」
そこで居眠りをしている紫髪の少女を指差した。
「彼女を持ち帰るの、忘れずにね」
そういうと、やはり蝙蝠に変身、
そしてさっきハルコンネンを取り出したばかりのトランクを持ち、
闇の空へと飛び去った。
【退場】
- 386 名前:『紅い悪魔』レミリア・スカーレット ◆remyaGVniw :2007/01/09(火) 04:11:020
- >>382トウカ
「全く、何とも手間のかかる奴ね。あの程度で
うっかりしているようでは、まだまだうちの咲夜には到底及ばないわね」
酷い言い方ではあるけど、こうも言わなきゃ私の腹の虫が収まらないからね。
まぁ今後あの羽耳女が進歩するかどうかは…その辺は今後のあの羽耳女の力量次第って所かしら?
>>385レミア
「そうね、パチェはちゃんと私が連れて帰るわ」
そう言って、私は温泉の中でぐったり眠っているパチェの所まで近づいて…
>>363パチェ
「…パチェ?そろそろ帰るわよ」
そういった後に私は空を飛んだまま温泉に体が浸からないように
そ〜〜とパチェの身体を持ち上げ、魔術で彼女に服を着せた後に
空の彼方へと飛び去っていった。
【レミリア 寝ているパチェを連れて空を飛んで退場】
- 387 名前:コーディー ◆1irMelIOTg :2007/01/09(火) 04:23:080
- >>382
ようやく正気を戻した娘…えーっと、トウカだったな。
「いやいーよ。俺も勝手にその耳引っ張って悪かった…ま、コスプレ魂ってのを
何処で有れ燃やそうとするその意気込みは良く分かった【違う】 」
…フー、そこまで真っ赤にして逃げなくて良いだろうに。今更もう
何つうか全部見てしまっ… てオイ、
∧ ∧
〃⌒ ヽ|l)
/ rノ ;
【3度目の鼻血】
「…もう良いっつの」【軽く鬱】
>>383
流石にこれ以上血を出すと貧血になる。
適当に捌く方法でも って、オイ。何だその武器は
…まあ、何だかんだで役得にはなったし、受ける罰は適当に受けるか。
それで気が晴れるなら面倒な手間も省ける…
と、思ったがやっぱ無理。何か殺意満面だし、まともに受け答えせにゃ死ぬ。
「あー、頼むから言い訳する時間はってくれねぇか グハッ…」
…飛んだな。俺
飛びつつ、夜空の月を眺める。あーあ、何でこうも綺麗な月だってのに
こうも血生臭い目に合ってるんだろう、と…。
…まあ、俺のセクハラ行為?らしき者が原因か。
「…昔の俺じゃ考えられんな。」
地に伏した後ケラケラ笑いながら、月を相も変わらず眺め続ける。
さて、次に目覚める時はどうなるか…?
その結末は次に訪れる俺の人生の成すがまま…
【気絶兼休眠という名の退場】
- 388 名前:パチュリー・ノーレッジ ◆fPATcHE/tU :2007/01/09(火) 09:33:550
- パチュリー・ノーレッジにとって気を失うのは珍しい事ではない。
今日も気だるい体を起こし、始めて自分が意識を失っていたことにきがついた。
どうやら、温泉に浸っているうちに気を失ってしまったようだ。
自らは図書館まで帰ってきているが、これは誰か……多分レミィ……が連れて帰ってきてくれたのだろう。
彼女に例を、出会った者たちには詫びをしなければと思いながら……パチュリーは一言つぶやいた。
「むきゅー」
【うやむやのうちにフェードアウト】
(メ欄)
- 389 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/13(土) 22:41:430
――旅館から温泉に向かう砂利道を歩いていたら、頭上から女の子が落ちてきた。
絶対に日記に書きたくない書き出しが脳裏を掠めた。
回想しよう。温泉旅館から温泉までの距離約四百メートル――風情豊かな松林の切れ目から覗く月を眺めて
歩いていたところ、その月に一瞬、黒い影が重なった――冬の空気に澄んだ空に見入って注意力を欠いていた
俺の思考に割り込むように、ほぼ次の瞬間、目の前に浴衣姿の同僚(推定年齢十五歳前後、性別・女)が立っ
ていた。
言葉にすれば素っ気無いが、事実を反復するなら素っ気もケレンも有り過ぎる。情景と状況で連想したのが菊
地秀行の「D」だったくらいだ。その場合は言うまでもなく、飛来したDに切り殺されるヴァンパイアが俺だ。
益体ない妄想を振り飛ばす為に頭を振る。
微かに感じる頭痛と無駄に大きい精神的疲労、ついでに先程感じた最悪の想像を必死で頭から振り払おうとす
る俺を気遣う素振りも見せず、恐らく世界でも初になるだろう同僚との合流を平然とこなしたセシルは、「用事は
もう済んだのか」と平時通りの言葉を口にする。
……オーケイ、俺はどう返答する?
「――”空から女の子が落ちてくる時、それは運命の出会いでなくてはならない"」
「急に……どうした」
「なんでか知らないけど、ジェイムスの言葉が唐突に頭に浮かんでな……あと、「郵送されてくる」とかのパター
ンもあるらしい」
「あの科学者の? どうでもいいが、運命というには些細過ぎるな。ならば投身自殺の女が頭上から降ってくる
のも運命か? 当たり所を間違えれば下にいた人間も死ぬぞ」
イヤ過ぎる運命だった。
「ていうか……だからヤメろっての、そういうの。気の効いたセリフも見付かんねーよ……第一頭上から背後っ
てな、簪の秀かお前は」
「簪の……。誰だ?」
「お前の好きな忍者マスターだよ。俺の尊敬するレジェンドの一人だよ。……まあ良いけどさ、良いけど、別に
良いんだけどな」
「私は風に当たっていただけだが……」
「いや、地上でやれよ!」
「誰もいなかったからな。しかしいつ誰が通るかもしれんだろう。だからああしてお前を待っていたんだが……」
「そういう問題じゃねえ! ていうか「待っていたんだが」じゃねぇ! 俺は知り合いにハットリ君を持った憶えは
ねえ!」
……疲れを癒しに行く前に疲労が乗算された。
気を取り直そう。今は温泉だ――それに、一緒に歩くだけなら、この相棒の外見はかなり華を持っている。セ
シルは旅館の浴衣をオビもキツめに着こなし、半歩ほど後れて俺の後をついてくる。ツーマンセルを組んだ際、
俺達が取り得る「強行突破」ポジション。今は果てしなく不必要に情緒を損じる隊列だ。……まあ、これくらいは
我慢しよう。ちらりと脇に視線を移せば、セシルの浴衣姿はそれなりに似合っていた(帯の締め方を間違えると
いう、国外人らしいベタなミスがないのは、まあ、いいとしよう)。
普段は目立つブロンドもこの人気のなさにあっては国外にいるも同然、温泉でまで連れの無駄に整った外見
に振り回されたくない俺にとって、随分とそれはありがたい。
しかし。
「……ところで、セシル」
「どうした」
「今から俺は温泉に行く訳だが」
「そうらしいな」
「お前はどこ行くんだよ」
「温泉だ」
「いや、つまりな……ああ、もう着いたな」
「つまり――なんだ」
温泉前の脱衣場前、セシルは訝しげに眉を寄せる。
今はいいよ、と手を振って別れる。セシルは首を傾げると、「そうか」とだけ言って脱衣場に消えた。
まあ、言わなくてもいいだろう。多分。
- 390 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/13(土) 22:50:080
――絶景かな絶景かな。
一度は言ってみたかったセリフは、恥ずかし過ぎたので心の中で呟くに留めた。とはいえ、こいつはなるほ
ど、悪くない。
広がる大自然。散逸する無数の温泉。露天に檜、挙句に川風呂。見渡す限りが温泉の光景は、旅番組で
レポーターが実況してる光景そのままだ。実在してたのか、こういうの。
ちょっとした感動に浸っていると、背中でガラガラと音がした。脱衣場の扉が開く音。はたして、浴衣姿のセ
シルが歩いてくるところだった。
「ちゃんと水着着てるから」
「一々断るな。……だが、どうしてこの時間まで待つ必要があった? そこが私には理解できない」
お前が目立つんだよ、とは言えない。
さて。ところで。
「夜ってのは……そうだな、温泉の風情ってヤツでさ。それは遅ければ遅いほどいい……まあ、月が見える
程度には、だけど」
セシルは空を見上げて、そういうものか、と言った。そうだよ、と俺は頷く。
平日に行く寺院の伽藍同然の響きで声は周囲に響く。湯殿に歩いて行く途中で合流したセシルは、浴衣
姿で周囲をきょろきょろと見回している。
……駄目だ。
やはり言わないと駄目だ。
「セシル。やっぱりな、一つだけ俺、お前に言っとかないと駄目だと思うんだよ」
「何をだ」
「俺達は……まあ、それなりに付き合いも長いし、俺も、多少はアレだ、お前に信頼して貰えると思ってる」
「は? あ……ああ。まあ、私は、そう、だな」
「ここらで次の段階に進んでもいいと思うんだ」
「つ、次……?」
「いや、つまりだな、言葉を正確に、お互いの意思を明確に伝えられる関係というかだな」
「そ……そうだな、言葉は所詮意味の伝達に過ぎない……その、いつも言っているだろう。い……いいから、
言ってみろ」
言葉は言葉。
超日常的な同語反復に頼らなくても、言葉の底=本心はいつだって伝わらない――言語発音や文章の
技巧による部分を差し引いても、言葉が伝える筈の意思は、無数の角を曲がりくねって『意味』という有象
無象のファクターへと変容してしまう。時にそれは本来なら馬鹿馬鹿しいくらいの理由でもって人間を角突
き合わせ、場合によっては人が死んだり人が殺したりする要因に変化する――「ヤハウェorエホヴァ、或
いはアッラー?」――もしくは、無数の解釈と批評が成り立つという経済システムの一環が抱えた病床に。
しかし、そんなあれこれを脇に置いて、伝えなければ伝えるべき意思は流れの中に消えて失せるのだ。
いつの世界だって、人類が最後の一人にならない限り、それだけは現在進行形の真実だ。そう、セシルが
そう言ったのだから、俺は伝えるべきだ。
「うん……いや、っていうかさ、あー、あれだよ」
「だ、だから回りくどいと――」
「脱げ」
- 391 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/13(土) 22:51:550
伝えた。
膝裏の関節がイヤな音を立てた。
視認できない速度で踏み落し気味のローが飛んできたのは疑うべくもない。――ていうか、足。
足! 絶妙な角度で膝裏に突き刺さったままの足が!
足、動かない俺の足っ。なにこれ。なにこれちょっとサイレン鳴ってる!?
「蹴るぞ」
「いやすいません。すいませんけどセシルさん蹴ってから言わないで下さい。いや今蹴ってないけど踏ま
ないで俺の足めっちゃメシメシ言ってるんだけど――あ、ちょ、痛、そこ力入れるの止め――そこそれ以
上曲がんないから。地面に膝付いてるからそれ以上曲がらんねーし人間ってあんまりまがらないように
できてますから――あ。いまちょっとなんかヘンな音鳴った、ちょ、いま、今マジやばいからッ!」
絶好の体重操作と関節制御。藤原組長もかくやってレベルで俺の足が崩壊間近。ていうか折れる。
いや、ていうかマジ折れるから!
片膝立ちの姿勢のまま、セシルの腰を叩きタップ――「ひゃっ!」――予想外に可愛い悲鳴と同時に、
足を踏み抜かれた。
……『メシ』って。
膝がメシって言ったよ今。
「……、いや、ちょっ……ちょっと、あ、え」
蹲る俺。
軽く息を荒げるセシル。
……ああ。
オーケイ。
これくらいは予想済みだった。
……いや、本音を言うなら全然違うけど、そう思えば気が楽だ。
立ち上がる。クールに怜悧に。
復活。
復活ッ!
俺復ッッ活ッ!
「……やっぱダメこれマジ痛ぇ」
「だ、誰のせいだと思っている」
腰を庇いながら、セシルが言う。……いや、確かに触った場所は悪かったけどさ。
「お前、格闘家になると大成するよ」
「誤魔化すな」
「……だから、別に妙な意味で言ったんじゃなくてな」
「それならそうと――」
言い、セシルは肩をすくめる。
「――言うか馬鹿者。変でなければどんな意味がある」
俺は蹲りそうになる体を支え(ていうか足、これ折れてないだろうな)、引き摺るように近くの温泉まで歩く。
少し熱めが常道の温泉に転がり込みながら、縁まで歩いてきたセシルを見上げた。
「テメーな、温泉をなんだと思ってんだ」
「観光施設」その態度は憮然として毅然、冷然。視線もえらく冷たく、どこまでも豁然。人類史上、ここまで
液体窒素を感情に再現した奴は存在しないに違いない。「貴様こそなんだと思っている。風俗街か? 質
の悪い冗談も大概にしておけ。ここはあの無駄に喧しくて猥雑な中華街とは違うぞ」
そうだけどさ。
ていうか中華街に敵意剥き出しかよ。なんかあったのかよ。
- 392 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/13(土) 22:54:560
- >>391
「……とにかく、礼儀。れーいーぎ。礼儀なんですよ。別に俺が脱がす訳でもねーし見せてくれとも言って
ねーよ。第一、見飽きてる」
セシルの膝が動く。俺はほぼ条件反射で頭を下げる。
「ウソですスイマセン」
「……やれやれだ」
セシルは猟奇死体でも見たように首を振って(あくまでセシルがする対応としては、って意味だ)、俺の
隣の縁に腰を下ろす。少しだけ迷ったように動きを止めると、結局その両足を温泉の中に突っ込んだ。
「水着は?」
「要らん。そもそも入らん。風情なら十分空と風で楽しんでいる。だから私に気を遣うな」
さいで。
「楽しんでるってのは、マジで?」
「多分な。悪い気分ではない」
「なら良いけどよ。誘っといて楽しんで貰えないんじゃ、流石に申し訳がねーし……旅行の難点は、行き先
がグダグダだと取り返しがつかないとこだよな。痛感するぜ」
セシルが首を振る。
「だから気分は悪くない。気にするな」
「……じゃ、入らない理由は?」
「宿まで距離がある。風が少し出ていたから、髪を洗うなら宿で構うまい。埃を落とさねばならんからな」
「根本的に温泉の楽しみ方じゃねーのな、お前……」
「健康を目的とした湯治だろう。生憎、私には健康も不健康も縁がない」
「あー出た出た、ワタシは人形発言。共通の感覚として前提が存在しない以上、その行為は無意味でしか
ない――わかんねーだろうが、んなの。サルもシカも温泉入るぜ」
「……サルとシカ」
「いやウソ、いやウソじゃないけどお前がそれと同じってんじゃなくて……まあ良いよ。俺が爽快感を実況
してやる。羨ましがれ。で、後から水着買ってこい」
やれやれ。
二人同時に溜息をついて、俺はセシルを見上げたまま湯船に沈んだ。
(場所:どっかの檜風呂)
- 393 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/13(土) 23:29:400
- >>392
「しかし……静かだな」
「ま、時間が時間だしな。どーよ、この俺の読みは。『狙い通り』っつー感じだろ」
「何を狙ったのやら、だな……」
「普段はもっと込んでるらしいけどな。でもアレじゃねーかな、正月明けだし、こんなモンだろ。混むって解っ
てるトコにわざわざ混んでる時期に行く必要もねーし……あー、でもどうなのかな。フツーは混む時期を外
そうと思う俺みたいな奴のが多いのかな」
「どちらでもあるまい」
「正論過ぎてつまんねーよ」
「それ以外を私に期待するのか」
「極論過ぎてダルいぜ、それは」
ただまあ、それは確かに。滝を下る水を逆流させることはできない。
差し当たり、きっと、今のところは。
「然り、目に見えるのはこの事実だけ――あ。でも、願掛けでもやってたら心理状態に影響及ぼしてるかも」
「願掛け?」
「いや、ちょっと思い付いた妄想だよ。だから……まあ、願掛けとかそこまで大層なモンじゃなくても良いけど
さ。「今から行く場所が混みませんように」って奴だな。結果は確定済みでも無意味な過程に理由付けできる
ウラワザ」
セシルはちょっとだけ額を人差し指で押して俺から視線を外した。
で、ばしゃばしゃと足先でお湯を蹴って言う。
「頭痛がするな」
「お前、ただの冗談じゃねーか。或いは理由付けしなければ耐えられない未来への一考察――んー、でもま、
いっか。月見えるし。兎と餅突きにゃ、生憎と一月ばかり早ぇけど。そうだな、どうよ。来月も一緒に来るとか」
「時間が空いていたらな」
「そりゃ残念」
「……」
「まあ、俺も時間取れるか解らないし」
「私は、空くと思うが」
「そりゃラッキー。オーケイ、誘うから空けとけよ」
「……。ああ」
消え入るような声で囁いて、セシルが黙る。どういう訳かこいつ、最近こうして反応が鈍ることが多々とある。
現場で鈍る羽目にならないか、少しだけ心配だ――それこそ昔は、百を越える機銃掃射の中をアレクサンダ
ー大王さながらに無表情で猛進していたのに。……いや、それは今も変わらないか。どちらかと言えば、街
に連れ出した時にこんな反応を見せるくらいだ。一度本人にそれを聞いたところ、「興味深いが、自覚してな
い」の一言で打ち据えられた。まあ、そんなもんかもしれない。
「でもま、いい場所だろ」
「かもな。……そうかもしれない。そうなんだろう、きっと」
話題も尽きたので、ぐったりと湯に使って天井を見上げる。檜造りの椅子がそこら中にしつらえてあるのに
合わせたのかはたまたその逆か、夜景を邪魔しない程度の高さに作られた天井も檜製。ちょっとした都市圏
に出れば、洒落にならない金額の贅沢だ。なるほど、「極楽」ってセリフを考えた奴は相当に冴えてる。
ぐるりと周囲を見回せば、はてさて辺りは湯気の白が混じる無明の闇。金殿玉楼から眺むるは、さても虚し
き松林。これも風流だ。
彷徨わせた視線をセシルの背後で止める。突き立った檜製の立て看板に上半身だけ乗り出す。
「……何をしている?」
「ん? いや、効能だよ、効能。温泉にはつき物でさ……リウマチとかその辺に効くやつ。縁がねーけど」
ほう、と興味もなさげなセシル。確かにこいつには、リウマチだろうが腰痛だろうがその他諸々の病気すら、
今後を通じて縁がないに違いない。
「えーと、ちなみにこの湯に含まれる効能は……」
湯気を払って文字を読み進める。筆文字で書かれたような独特の書き文字はなるほど、旅番組そのままだ。
「「一定時間無敵になる」、「効果音が電子音単音になる」」
「……意味がわからん」
「8ビットなんだよ」
「余計にわからん」
マリオとかだよ。俺は心で呟き、看板に意識を戻す。
「「ボスに犯人を指摘されなくなる」、「脇役扱いされなくなる」、「番組中盤で主人公の座から下ろされたりしな
くなる。お願いします。ホントもうマジ頼むからお願いします」、それから、えーと」
「最後のが嫌に切実に聞こえるが気のせいか」
「俺も意味わかんねーけどそれだけはすげぇそう思える。……つーかうお、これだけ後からマジックで書き足
されてんぞ! なんだこれ! ヤバ、なんだこの執念!?」
「よくは解らんが……なぜか呪詛めいた気配がある。放っておけ」
「ああ」というか……マジでそうした方が良いような気がしてきた。「……えーと、それからだな……エラく効果
多いな、こっちにも看板があるぜ」
- 394 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/13(土) 23:34:560
- >>393 (自己レス)
「「商売繁盛」、「受験合格」、「安産祈願」……温泉の効果じゃねーだろ、これ……ええと、後は「縁結び」か」
どれにしろ、あからさま温泉の効能と違っていた。……ここ、誰かが仏像放り込んだり菅原道真の遺骨か
なんか放り込んだりしてねーだろうな。
「……さ、最後のは違うだろう」
と、セシルが予想外に反応を示した。商売も受験も縁がない(やろうと思えば日常の延長にすら組み込ま
ずに成功させるのがこいつだ)セシルにしてみれば、随分と珍しい反応だった気がする。――ので。
遊んでみよう。
「どうかな。信憑性はあると思うぜ……っつーか、お前が気付かないのが俺には理解不能なくらい」
「そ……、そうか」
「そりゃお前、縁結びも何も、温泉の混浴に二人で来るような奴等が縁に浅いワケねーだろ。縁が深まるん
じゃなくて、ただの確認作業だよ、こんなもん」
「理屈は解るが……それは理屈だけだ」
「それでも効果はバツグンだろ。水系ポケモンに電気くらい」
「効果、か」
セシルがどこか胡乱に湯を眺めた。
「こんな物にな」
「こんなモノに、だよ。日本人こそ言霊信仰に縁深き、ましてその体系化に至っては最古の種族だぜ。まあ、
まず間違いなく……約九割方くらいには、効果らしい効果は有るんじゃねーかな。「こんな場所に二人きり
で訪れた僕達の関係は何もないそれとは別物です」――確認作業としてはまずまずってトコだろ。観光産
業には僅かに幸いに、本能としては聊か不可解に、ああ、ボク達はそうしないと自分の気持ちが理解でき
ないのです! ――以上、男女の気持ち整理講座終了。とはいえ、旅行客の大半は湯治客だから例外っ
ちゃ例外の例だけど。例に当て嵌まる連中に関しては、まあ、そんなトコだろ」
「……」
セシルは両手で湯を掬い、まじまじと水桶になった手のひらを見詰めている。
やばい。
なんか面白い。
「例えば俺達とかな」
「ぶっ!」
お湯をぶちまけるセシル。無表情を崩壊させて口元を引きつらせたまま俺を睨み、周囲の熱気に蒸され
たのか、真っ赤になって口をパクパクさせる。……くそ、こういう時に限ってカメラがない。
この表情はピューリツァー物だ。
「お前、そこまでイヤがるかよ。ショックにも程があるんだけど。なんだよ、俺ってそんなにダメかな」
「だ――な、いい嫌がっていたわけでは……いいいいいいや違う! 何を言い出す貴様っ!」
「あ? いやそりゃ俺のセリフだ。仲悪いのかよ、俺ら」
「だ、だから!」
「うん、はは……いや、うん、冗談」
俺は笑い、セシルはそこで表情を凍らせ、俺は延髄にいいのを貰って湯船に頭から突っ込んだ。
(場所:檜風呂−湯船)
- 395 名前:零崎人識 ◆kILLEREa5g :2007/01/13(土) 23:43:520
- 「絶景かな絶景かな」
細かい理由は抜きにして――温泉だ。
効能:神経痛、美肌、長寿、美肌、眼精疲労、意志薄弱――眼精疲労?
なんかテキトーに書いてみましたという感じがありありとする鄙びた宿。温泉の元とか
じゃねーだろうな、これ。
だがしかし――
「細かいことは抜きにして――癒されるのは事実だな。かはは……傑作だぜ」
まあ何にせよ、静謐で静粛な、上等な風呂だ。
歌の一つでも歌いたくなるってもんだが、突然の来訪者。
――ちょっと遠いか。
遠いにしろ近いにしろ歌うのは止めだ。
流石に恥ずい。《男一人ロックスター気分で大熱唱、ただし歌うのは童謡》みたいな?
そんなのは多分泣ける。絶対に泣ける。確実に泣ける。
「ま――呼吸を止めりゃいいだけだ。簡単だよ。簡単、だ」
- 396 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/13(土) 23:44:140
―――空気を読む、という言葉がある。
ちなみに日本語特有の表現で、外国には同じ意味の言葉はない。
強いて言えばムードとかTPOとかその辺だろう。
端的に言ってしまえば、空気とはその状況におけるタイミングであり、読むという動詞
は場を乱さないタイミングで入っていく、という意味となる。
何にでも、割り込んではいけないタイミングというものはある。だから、それをきちん
と見極めて入っていこう、という戒めの言葉なのである。
実に日本的な言葉である。
ただ、言うのと実践するのとでは非常に難易度が異なる。三日月と満月くらい違う。何
しろ「空気」というのはとても曖昧な概念なのだ。読むにしても、ときとして非常な苦労
を伴うし、また絶対に読めない状況もある。例えば密室とか。
そして、そうした時に限ってタイミング悪く入ってしまうのを「間が悪い」と言う。ま
たの名をお約束。この法則に引っかかった人は何か事件に巻き込まれることが非常に多い。
―――これでも、空気は読めていたつもりなのだけど。
最近のんびりと過ごしすぎたか、感覚が少し鈍っていた。
例えば人がいる事を知っているのに「まあいいや、見えないだろ」と水着を着ず、バス
タオル巻いただけで浴場に足を踏み入れたこと。
例えばこの日は月も綺麗で風も強く、湯煙や暗さはカーテンにもならないこと。
なにより、私の目が良かったことである。
>>392
―――なんだろう、あのコンビ。
片方はいい。知ってる相手だし、気を置くような相手でもない。
もう片方の女の子は誰だろう。それでもってそもそもなんで服を着ているのか。実はこ
こ浴場じゃなくて地獄めぐりの観光地だったりするのか。でもそれだと神父が湯船にいる
説明がつかない。
「…………ええと、え?」
思わず立ち止まってしまう。
気にせず別の湯船に行こう(なんとなく邪魔しづらかった)とも思ったけれども、見慣
れない格好で温泉の浴場で突っ立っている、というなんとも印象的な姿に気を取られてし
まったのだ。
―――肌が寒さに慣れて、冷気を意識しなくなってきた。
この状態でお風呂入ったら気持ちいいだろうなあ、と場違いにそんなことを考えた。
- 397 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/13(土) 23:46:370
- 一言でこの場を表すなら「混沌」だろう。
さっきまでのあらすじだ。
いつも通り一人で酒を楽しんでいると反対方向から、
男女二人組みが入ってきた。
そして彼らがとった行動はいかの通り。
『脱げ』
メシ
『ゴメンナサイゴメンナサイ』
『ひゃっ!』
メシ
『ゴメンナサイゴメンナサイ』
…メシだってよ、メシ。
哺乳類が立ててはいけない音ベスト3に入りそうな音が、
この静かな温泉に何度か響き渡ったのだ。
もうすでに酒の味が判らなくなるほど、
恐怖にかられている。
…物音をたてた瞬間メシっといわされそうな、そんな緊張感。
ああ、潤いが少ない生活の楽しみはどこ行った…
そう嘆きつつ一人で酒を静かに飲む。
「…不味い」
- 398 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/14(日) 00:06:220
- >>394
「が――しかし、よくも好都合でこんな話が転がってきたものだ」
「ん? 何が? 目的ついでに湯治できる環境のこと?」
「ああ」
「ちっと違うんだけどな、それ。話は偶然だけど、環境自体は主体的に選択したもんだし」
セシルが微かに眉を曲げる。説明になってないのを自覚している俺は、「お前は空気読めないのかオー
ラ(或いは「おっと会話の成り立たないアホが一人登場」オーラ)をセシルが出す前に言い募る。
「いやフツーに。仕事の場所が温泉宿付近って聞いたから、後はネットで調べただけ。あるんだよ、そうい
うコミュが。「お近くの住まい情報」とか「必見! 温泉旅行ガイド!」とか。んで、それぞれにBBSとか立っ
てて、意見出しあってんの。意見じゃなくて、ありゃ感想の羅列だけどさ。そこで評判調べたら悪くなかっ
たから受けたっつーか――ネットやらないんだっけ?」
「いや……あまり」
「あまり?」
微妙な判定だ。
「あまり情緒がない回答だな――と思っただけだ。ただ、私も紅茶を通信販売で頼んだことがある。あれ
は情報網としては便利だが、突き詰めれば個人の取捨選択に全てが委ねられる空間だろう? そこに
権利問題や管理意識の概念が犇いているのを自覚すると、どうも歯痒くてな。それからはあまり、あの
類は利用していない。一時期、大学で研究していた頃には技術面だけ突き詰めはしたが」
「あ、なるほど」その”技術的突き詰め”が俺達一般人の及びも付かない領域に有るのは明らかで、その
先に待つ墓穴を踏まないように俺は話題から片足をどける(要するにまあ、情報科学はそういう領域だっ
てことだ)。「まあだから、そうだな、通販なんかもそうだけど……えーと、問題。「イイモノ」が出来上がる
までの過程は?」
「高品質な材料と高度な作成技術だな」
凄まじく情緒ゼロで物理的な回答だった。
「イエス。それプラス、背中を一押しする金看板――ハイ、セシルさん! Q2、それに適切な例を述べよ」
「テレビコマーシャルを主体としたマスコミュニケーションだ」
「とか、ラジオとか。オーライ、満点だ。俺もMTVは大好きさ。けどこんな回答例もある。つまり、「行った
ことのある奴に聞いてみる」――悪くない。身近にいなくても、世界のどこかにはいるかもしれない。もっ
ともその信憑性はいつだって100%にはならないし、その回答が自分の主観に照らし合わせてどうかっ
てのも案外と微妙だ。けど、情報量としてはCMやらを上回ってることが多かったりする」
「……それのどこに主体性がある」
「ねーけどさ」
肩をすくめる俺に、相棒は小さく首を振って呆れと否定の意を示した。曰く、「やれやれ」。
「クロスワードパズルでも穴埋め問題でも数読でも、回答例が多い方がラクはラクだろ。地図を持たない
登山って案外人間は嫌がるんだぜ、フツーの奴はさ。キリストとブッダとアインシュタインくらいのもんだ
よ、例外は」
「喩えが悪すぎるな」
知ってるよ。
「……あとはまあ、その合算を主体にしちまうって手があるんじゃあねーか……と、俺は思ったりもする訳
だな。そう、ウェブという機能その物が無数の参照によって成り立ち、かつ参照する物それぞれの主体で
ある――」
「それは……」
「いやまあ、俗に言うネット依存症だとは思うけど――」
- 399 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/14(日) 00:06:500
- >>395
と。
「――気、遣わせちまったかな」
ぽつりと呟くと、セシルが首を振った。
「知らん。……ともあれ、それを私達が解釈する必要があるのか? いつも言っている筈だ」
「あーはい、はい、さいで。そこで意思と意味の解釈にボルヘスとエーコとか持ち出す前に言っとくけどよ、
俺だって他人を気遣う意思くらいあんだぜ、ホントさ」
要するに、つまり、それは付近に存在する気配のことに他ならない。今きたのか最初からいたのか、後
者だとするなら湯煙温泉気分に浸って俺のレーダーが鈍っていたということだ。(そして、セシルにそれを
尋ねるのは薮蛇だ――こんな場所に来ようとする時点で気分が弛んでいる。帰るぞ――必殺のオチだ)
「……まあ、そういうことにしておこう」
>>396
そうしてくれ。俺は心の中で百回くらい頷き、さて、と辺りにもう一度視線を巡らせた。
巡らせて、セシルが俺の背後をじっと凝視しているのに気付く。
視線を追って、そこで俺は顔面が引き攣るのを自覚した。
自覚して、セシルが俺の顔を見て訝しげに眉を潜めるのすら自覚した。
――オーライ、あんたは今、完全に穴を掘ったぜ。バカでかくて、洒落になんないサイズの墓標をおっ
立てるのに向いてるヤツだ。
さて、どうするか――スネーク、教えてくれ。スネーク。
こっちの葛藤を知ってか知らずか、セシルはくい、と俺の背後に顎をやってみせる。・……その光景に、
どうしてだか「ランボー」の敵役を連想する。――「オイ、あの人質を見ろよ。どうなってもいいのか?」
勘弁してくれ。
「……あそこに誰かいるな」
「あ、ああ」
「なぜ見ない」
「い、いやほら、バスタオル一枚の女性をジロジロ見るって、それだけで問題じゃん? ……じゃん?」
「どうして口調が軽薄になる」
「いや、そんな文章にしねーと自覚しないようなトコ突っ込まれても」
俺は言い、セシルは表情を凍結させていく。
「な、なあ?」
誰に言ったのか自覚しないまま、俺は呟いた。
ところで、と、俺は思う。
地獄ってのは、信じる人間に対してだけ存在する概念じゃないか。
ジーザス。
- 400 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/14(日) 00:17:190
- >>396
やはり酒を飲んでいたら出会うか。
前世でも一緒に酒を飲んでいたのだろうか?
「…このよく判らない空間にようこそ。
十分にヤバさっぷりを堪能してくれたまえ」
岩陰からヒョイと顔を出して挨拶、
一緒に犠牲者になってくれ妹紅。
どんどんアルコールのみが体に蓄積する感覚。
何とか目の前のことを忘れようとして酒を飲むのだが、
全く効かない。二日酔いという結果だけ残しそうだ。
ところでさっきからあのカップルに対して
戸惑いを見せているようだが…
「…もしかして知り合いか?ミシっと言わされた男と」
ああ、なんで忘れたい音ほど人間は記憶してしまうのだろうか。
生理的な気持ち悪さを感じる。
- 401 名前:零崎人識 ◆kILLEREa5g :2007/01/14(日) 00:20:150
- >>399
俺の意を汲んでくれたのか、はたまた向こうが気を使ってくれたのか、それとも単純に
人見知りなのか。
まあこんな場所で裸の男相手に声をかけてくるような男(しかも女連れ)は当然居ねー
から、これは当然の如く解答が一つに帰結する。
「空気を読む――か」
対人関係って奴は詰まるところこれの押し付け合いだ。事日本人においては否定する
までもなく延々と空気を読み続けて――互いに遠慮したまま終わる。いや、この風土楽
でいいんだけどさ。干渉されても困るし。息を止めてるのに息をせざるを得ない状況にな
るし。
そういうわけで、この空気の読み方は俺にとってはベストマッチだった。
これ以上ないほどのエアリード能力。心を読まれているような感覚を覚えちまうほど――
完璧で、否定のしようのない、エアリード。
しかし、不釣合いなカップル――男のほうは究極的に空気を読み違えちまったらしい。
自業自得といべきか。それとも因果応報というべきなのか。
まあ、犬も食わないような一心不乱の痴話喧嘩の始まりであることは想像に易い。
「かはは――傑作だな。しっぽり終わらねーのが、俺らしい」
代替品であるあいつがそうであるように。
代替品である俺もそうなのだろう。
なあ、鏡面存在?
- 402 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/01/14(日) 00:21:030
- >>396
「……おや?」
何時ものように何時ものごとく、湯に浸かりにやって来たホロ。
その格好も例に漏れず、慎ましやかだが女神のごとく均整の取れた
美しい肉体を隠そうとすらしていない。
そんな彼女が何とはなしに足を止め、暖かく自らを包む湯への期待から
思わず漏れ出ていた鼻歌も止め、訝しげな声を上げたのには理由がある。
湯船へと向かう途中に、見知った顔がぼぅっと突っ立っていたからだ。
「なんじゃ、ぬしよ。湯船にも浸からず、こんな所で何をしとる」
眉根を寄せ、ぴんと立った形のよい耳をひくひく動かし、ふさふさとした毛並みの尻尾を
ぱたりと一度だけ動かす。
ほとんど無意識で行われるこれらの挙動とともに、ホロはその理由を勝手に考えた。
顔色からして別段体調が優れないというわけではなさそうだし、どこか
怪我をしていると言う様子でもなさそうだった。
そのままタオルを巻いた妹紅の全身を上から下まで眺めた後で、気付いた。
彼女の視線が、どこか一点を集中して見ている事に。
「……はて、誰かおるのかや?」
そう言って視線を巡らした先に居たのは……
岩風呂から少し離れた、檜で造られた浴槽。
そこに浸かっている男と、浸かっていない女。
一見すると、女のほうが湯に入らない理由を考慮しなければ、
特に不自然な所のないカップルだった。
「ふむ。あれはぬしの知り合いか」
そう呟いた声に、僅かばかりの緊張が含まれていたことと、
呟きと同時に、ホロの紅い瞳が僅かばかり細められたのは。
彼女がその二人の内にある、己のよく知る、そして同時に
長年忌み嫌ってきた、ある種の雰囲気を感じ取ったからだろうか。
- 403 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/14(日) 00:21:150
- >>399
とりあえず、事態打開のためには動くべきだろう。
なんだか、気温が、さっきより随分と下がってるような錯覚を覚える。
いや、肌はそんなに寒くないけど背筋が寒い。
ツララを突っ込まれたような気分だ。
「…………」
さて、ここで取れる選択肢は二つ。何食わぬ顔で別の湯船に行くか。
それとも適当に取り繕うか……あ、そっちは地雷な感じがする。
踏んだ瞬間温泉が吹き飛ぶに違いない。
商売柄(といっても商売はしてないが)、見ただけで相手の強さの値踏みは出来る。
なんというか―――そうだ、アレだ。亀裂みたいな笑みを浮かべた薬屋。
あれそっくりだ。空気が。
「……君子危うきに近寄らず」
うん。たぶんそれが正しい。
でもその前に一つだけ。
「あー、そこのお嬢さん? 服着たままここまで来るのはちょっと」
なんというか、落ち着かない。
綺麗に並べた本棚の中に一つだけ板切れが混じってるような違和感が。
- 404 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/14(日) 00:29:580
- >>400
空気読め軍人。
「……刃物の上を素足で渡るような真似は止めろっつーの」
でもまあ、膠着を崩すにはちょうどいい。
適当な湯船に入り込んで身を隠す。
あとはまあ、成り行き任せ。
ことも無し、ならよし。
「……まあ、知り合いっちゃ知り合いだけど。むしろ隣の人がどうも気になる」
日本の温泉は初めてなのだろうか。
>>402
希望の女神登場。でも絶望とセットの場合もあるので注意。
ともあれ、こうして人が入ってくれることは割と空気が和らぐので助かる。
「ああ、うん、入るよ。入ってるよ。風邪引くし」
湯治に来たのに病気になってどうするのか。
ようやく味わった温泉は熱かった。それが心地良かった。
背筋の悪寒も消えるといいなあ。
「まあ、知り合いは知り合い。知らない人連れてるけど。誰だろ」
……何となく察しはつく。
彼女にとって彼らは「敵」と取れるのだろう。
基督は教義において罪を残した。
その一つがかつての神々の遺恨、なのかも知れない。
- 405 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/14(日) 00:40:500
- >>401
――いっそ喧しくしてくれて結構だ。
ふと先の気配を思い返して、心中で叫んだ。
なるほど、静かに楽しむのが風情ってもんだ。というよりも、そう感じることこそが風情だからだ――オー
ライ、そいつは重々承知さ。気配の主はきっと、俺と違って堂々と「絶景かな絶景かな」とか口に出せる奴
に違いない(例えば、中学生か高校生でぶらりと日本一週に出掛けるような奴だ)。風流ってやつを、ワビ
とサビを知っている。――なんてのは、状況が状況だから考えられたことだ。
衣食足りてなんとやら。窮地にありてはなんとやら。
今の俺は、気配の主が酔っ払った地元のラーメン屋のオヤジでも歓迎する。「――ねぇあんた、そこで
何やってんです?」「いえね、ちょいと連れが温泉を初めてで、物珍しさでして」「へえなるほど、どうです、
これから一杯」「そいつは重畳、こちらも望むところで」
ああ、今にもこいつが出てきてくれるに違いない。
ほら、すぐに。
すぐに――!
「……」
でも。
こういうのって。
大抵は――
(そう)
大抵は――
>>405
――夢。
「――ほう」
そいつは言う。
俺に視線を合わせないよう、セシルに向かって真っ直ぐに。
俺にはその真っ直ぐさが眩しい。そいつは真っ直ぐだった――矢のように。セシルの視線は、それを倍す
る鋭さで俺に飛んでくる。身を強張らせて視線を外す。外したまま済ました耳に、セシルの氷点下の声が聞
こえた。
「……日本の風習に慣れていない。申し訳ないな。――ところで」
セシルの視線を背中に感じる。振り向いたらアウトだ。その瞬間にスペランカーと同じ末路を辿るのは想像
に難くない。
「この男に見覚えはないか?」
いや、ストレート過ぎるだろ!
ツッコミを入れる為に振り向い――て、セシルの表情が確信に固まる。
俺は呪う。
キッチリとツッコミを入れる俺の誠実さを呪う。
先の気配に動く様子はない。そいつはいかにも当然で、この日本じゃ空気を読めない奴から排他されてい
くってシステムを象徴してる。風流? つまりそれって、我関せずってことだろう? ――おいおい、そいつは
ちょっと、大分、洒落にならない。
あんたは救援を出さなかった! お陰で俺の戦友が何人死んだと思ってるんだ! ――オーケイ、ライア
ン。俺は今ならあんたの気持ちがよく解る。
「……や、やあ、藤原サン。お久し振りで、アリマス」
- 406 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/14(日) 00:56:310
- >>405
師、曰く、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」。
最大のピンチとは最大のチャンスでも有る。
地獄の淵の砂は逆転の砂。凶運と幸運を引っくり返す。
―――死ねば助かる、といったのは誰だったろうか。
その機は、偶によって満ちた。
「うん。お久しぶり。妹さんは元気?」
他愛もない返答。ただここにはそれなりの意味が込められてる。
彼自身よりも妹に比重を置いた関係であることの暗喩である。
「で、そっちの人は―――初めましてかな。こっちの温泉は初めて?」
先手で笑みを浴びせる。
相手の警戒を解く極意はスマイルなり。
さらにさりげなく話題をずらす。
―――千年の間、私はただ身を隠していたわけではない。
身の振り方、世の渡り方、そして人のあしらい方も、そこらの山師の比ではない―――!!
威張れないけど。
「そっちじゃ医療目的で使われることがほとんどみたいだけど」
ちょいちょいと手招きする。
「見るだけじゃ寒いし勿体無いわよ?」
さあ、どう出る―――こっちはなんとか手を立てたぞ。
どうか世界が平和でありますように。
- 407 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/14(日) 00:58:440
- >>402
フハハハハハハハ。
耐性がついてきたということもあるが、
今の空間にはまさに闇を照らす太陽のように見える。
眩しすぎて直視できないが。
…酒が大量に入った頭で考える。
これ以上ミリタリーバランスを崩すのは危険か?
こっちはかなり手一杯だし。
「………(グイッ)」
ということで危険を冒してまで援軍を呼ぶのは得策ではない。
沈黙はどーたらこーたら。
>>404
「むしろパラシュート降下で地雷原に降り立ったみたいな心境だよ。
逃げようにも逃げられないので最期に大声出す寸前の兵士の気持ちがよくわかる」
そうそう、なんか泣きそうな空気だってのに、
心なしか半笑いだ、俺。
心を落ち着けるために酒を一杯飲んでみたのだが
やはり味がしない。
「女の方は判らないのか?」
ざぶざぶと湯船に入ってくる妹紅。
おそらく今は酒よりも心が落ち着く存在だ。
「俺が見た限りなんだけどな…
おそらく仲が良い仕事仲間ぐらいの関係。
さっきから男が軽口をたたいて女が罵倒するの繰り返しなんだよ。
…最初は武力行使で女が骨を折ろうとしていたが」
隠れて息を潜めて今まであつめた情報の内容を、
自分なりにまとめて提出。
たぶん合ってるだろう。
- 408 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/01/14(日) 01:01:260
- >>400
「なんじゃ、ぬしもおったのかや」
少しだけホロの中に走っていた緊張が和らぎ、その顔には意地の悪い笑みが浮かぶ。
「ぬしはわっちの居る所、いつでも先々で待っておるの。
それほどまでに、わっちに焦がれておるのかや?」
何時ものように飛び出す軽口。
だがそこには、どこか普段の切れが見受けられないようでもあった。
>>404
「うむ、それがよかろ」
調子を合わせつつ、ホロもまた妹紅と同じ湯船に浸かる。
先程まで期待していた通りの、肌に染み渡る暖かさに包まれるが、
今のホロには、それに合わせて鼻歌を漏らす余裕がない。
「ほう、知らない人を…さすれば、男のほうが知り合いかや。
ふふ、ぬしもなかなか罪作りな雌じゃの」
呵々と笑いながらからかいの言葉を繰り出す。
しかし、その笑い声にはどこか空々しい響きが混じっている。
普段のように振る舞いながらも、しかしどこか歯車を掛け違えている。
そんな印象が、今夜の賢狼にはあった。
- 409 名前:零崎人識 ◆kILLEREa5g :2007/01/14(日) 01:01:570
- >>405
「かはは……まったくどうして傑作だぜ」
助け舟が出るまもなく泥沼に足を突っ込んでいく。しかも底なし沼だ。
――此処は修羅の集う温泉地。タオルの端は翻さぬように、痴話喧嘩は盛大に行うのが
此処での嗜み……なんてことはある筈もなく、この広い地上で痴情が偶然にも縺れたん
だろう。いや、世の中って狭いな。通りであいつによく会う筈だ。
背中からはえも云われぬ哀愁が漂う。顔はきっとこの温度のせいだけじゃない汗がびっ
しりと浮いてることだろう。『舐め』とればきっと『焦り』の味がする筈だ。舐めねえけどな。
「さて、じゃあ少しだけ助けてやろうか」なんて一人呟き、近くにあった風呂桶を引っ掴ん
で――投げた。全力で。明後日の方向へ。
良い音が響く。
侵入者かなんかだと思ってくれればいいがね。
後は神様だけが知ってるだろうさ。
- 410 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/14(日) 01:14:120
静かな夜景で会話を楽しもうと思ったら、着いた場所は地獄の一丁目でした。
ていうか意味わかんねーよ。わざわざ時間外してきたのにこの混み様がわかんねーよ!
>>400->>402
片方は女性のシルエットだ――が、いやしかし、今そちらに視線を飛ばす余裕はミリとしてない。飛ばした
瞬間、もっとヤバいものが傍らから飛んできて、その次の一秒を十六等分した間隔で俺の首がスッ飛ぶの
は確定済みの真実だ。未来へと続く道はいつだって無数だ――それはつまり、ナイフが飛んでくるか槍が
飛んでくるかの違いだけだ。確立を弄んで、それで笑い飛ばせるのは、結論すれば肉体顕在であってこそ
でしかない。
「……げ、元気。元気元気。いやもう、原稿が忙しいとか言ってたから今日は置いてきてるけどさ、うん」
藤原!
藤原ッ!
アンタ実はいい奴だったんだな!
いや俺昔から知ってたよ! 色々とカオスだったけどアンタは俺の味方だったって!
「……えーと、偶然……いやほんと、マジで偶然なんだけど、こっちは俺の知り合い――」偶然、は本当だ。
その偶然のお陰で地獄の二丁目に差し掛かってるのは脇に置いて。「――で、ええと、」
「知り合い? ほう」
実に、「ほう」を口にするまでの間隔、1.5秒。すぐに返答しない辺り、まずい、こいつまだ疑ってる――疑っ
て――いや、何を? つーかなんで俺が慌てなきゃなんねーんスか? 葛藤は早鐘を打つ心臓のアラート
に掻き消される。問題はこういうことだ――ライオンに追い掛けられたサバンナ探検隊は平静でいられるか
どうか。
「……知り合い、じゃ、なかったな……その、ああ、あれだよ。妹の――そう、家庭教師! こ、古文をさ、古
文を妹が……」
セシルはふむ、と頷く。そして言う。
「お前の妹か」
「そ、そう」
「この間、お前は”妹に中学レベルの授業を教えられるような奴が存在するなら、そいつはきっと中学校っ
て概念を作り変えようとしてるに違いない”と言っていたな」
……。
フィー。
今だけ。
今だけ、俺はお前のデキを恨むよ。
「……ほ、他の妹、なんだよ。うん」
「ほう」
セシルは頷いて、そういえば――と空を見上げた。
「……ところで」
「な、なに?」
「明日は何時起きだった?」
「は? あ、ああ。いやもう今日だけど、八時……」
「明日の朝食は?」
「え? あーと、味噌鍋の定食……、」
「あの旅館はテレビ番組が少ないな」
「あー、いや、いいよ。DVD持ってきてるし。メガデスのブート買ってきたしさ」
「お前はこの女性のどこを気に入っているんだ」
「そりゃ胸、」
俺は空を見上げる。
セシルは首を左右に倒し、さて、と言った。
「――この温泉は打撲にも効果があるらしいぞ」
その声を聞いたのは湯船に後頭部を打ち付ける直前だった気がする。
「……生憎と、寒さというものを苦痛に感じられなくてな。――お名前をお聞きして宜しいか?」
意識が落ちる寸前に聞いたのは、多分そんな声だ。
- 411 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/14(日) 01:15:380
- >>407
なるほど。仕事仲間か。
……あれ、年齢離れすぎてないか。
私よりちょっと上か、下手すれば同じじゃないだろうか。
外見年齢での比較だけど。
「……まあ、手加減はしてるような感じはするから、そこそこ付き合いは長いのかしら」
というか、ああやって平然とどつき倒せるような間柄は、そう見られるものではない。
ちょっと、まあなんか爆弾が爆発しそうな状態だけど。今は。
相手にする方は大変だ。
「まあ―――なるようになる、わよね」
溜息をついて、空をなんとはなしに見上げた。
風はやんで、湯煙が戻っていた。
>>408
「いやいや、そういう関係じゃねーっての。それにこういうときに嘴挟むと野暮だろ」
苦笑しながら、なんとなくホロの違和感に気づく。
……あー、やっぱりダメなのかなー、そっちの手合い。
「ま、何とかなるだろ。神様が一柱に不死鳥が一羽だ」
とりあえず、そんなことを言ってみた。
確証はない。でもまあ、とっとと逃げるだけであれば何とかなるだろう。
そもそも私は死なないのだ。そのアドバンテージだけでも十分だ。
「……喧嘩する心配はしなくてもいいと思うけれどね。
現代の世に魔女狩りなんぞ時代錯誤も程がある」
人に仇なす悪鬼邪教の類であれば別だろうし、事実彼らはそうなのだろう。
でもまあ、静かに暮らしてる神様もいるんだ。そのくらいは解かってくれるだろう。
向こうだっていい加減疲れてるだろう。手打ちにしてもらいたいものだ。
- 412 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/14(日) 01:25:520
- >>409
音。
反応して手が出そうになるが、押し留めた。
此処で火やら妖術やら出すのは、流石に空気が読めてない。
>>410
胸と申したか。
口は災いの元。
パキィ。
「……南無」
被害は神父が一人。パライソへいけることを祈ろう。
すぐに引き戻されると思うけど。丈夫だし。
でもまあ、状況は見事に引っくり返ったわけだ。
「まあ、古文はこの世にいる誰よりも強い、と思うけど。漢文も」
なにしろ“その場”に居たんだし。
あの時代に出た本は全部リアルタイムで読めてたりする。
「まあ、それはさて置き。
私は藤原妹紅だ。……ああ、家庭教師とは違うわよ。
あの子に教えられる自信なんて私にもないし。
ただの健康マニアで焼き鳥屋だよ。
ついでにいうと、そっちが考えてるような関係でもない」
苦笑交じりに、返す。
まあ、紆余曲折あったけれどなんとかなってよかった。
……最初できっちり自己紹介しておけば防げたかも知れない、という仮定は埒が開かないので捨て置く。
- 413 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/14(日) 01:28:000
- >>409
「……っではっ!?」
なんか凄い声が出た。そこで自分の状態を自覚した。
多分俺、今、水死体でした。
衝撃で意識が飛んだのが数分前なら、覚醒も同じく衝撃によってだ。湯船に浮いた風呂オケが、俺の目
覚めを裏打ちする――根拠もなく、それが援軍の支援攻撃だったことを確信する。……なるほど、風流人。
あんたはどこまでも典雅で優雅だ。マジで助かりました。
……、……。
つーか俺、今ほっとかれてなかった!? 土左衛門になりかけたのシカトされてなかったか!?
「起きたか。……早速効果があったようで何より。打撲には効いたか?」
「いや効いたっつーか追撃食らってんじゃねーか。……づ、くそ、あれ、ていうかなんで俺こんな食らって
んの? 俺マジで今なんかしました? ねぇセシルさん?」
「いつしたのか聞いてもいいのか? どこで何をしたのか、と?」
「あー、いい湯だなあ! いい湯だなあ! すげえ最高の気分ですよなあド畜生!」
湯船に浮いた桶を拾い上げる。こいつが飛んでこなかったら、俺はもう数分ばかりここに浮かんでいたに
違いない。
「やれやれ、まったく――傑作だよ」
口元まで湯船に沈む。
溜息はぶくぶくと泡に散った。
- 414 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/14(日) 01:28:050
- >>408
見つかった。
スネーク、応答せよ、スネエエェェェェク!ってやつだ。
「結婚したばかりで心変わりするほど俺は軽薄な男じゃないさ」
自棄酒だやけざけ。
こいつの話し相手なると余計酷い目に合う。
「お前にとってはそう感じるかもしれないが、
俺にとっては俺の行く先にお前がついて来るような気がするんだよ」
見方を変えろとよく言ったものだ。
視野の広い人間のほうが良いに決まっている。
「…でだな、いい加減隠せよ。
また俺が温泉に着てまで疲れることになるんだが」
ため息、なんでこいつは隠し事が嫌いなのだろうか。
>>411
「ああ、骨が折れる寸前でとめている。
長年の付き合いの賜物だろう」
あそこまで見事な加減はなかなか出来ない。
生かさず殺さず、という方法が一番美味しく、
そして一番難しい。
「…まあ何とかなるように
>>410
バキイ
…ならなかったな。アーメン」
彼は死んだ、何故だ?!
馬鹿だからさ…
- 415 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/14(日) 01:42:010
- >>412
「……関係? ……まさか。私は何も言っていないし、そんなことはどうでもいい。ええと……そう、も――
こう、もこう?」
口の中で発音を確かめるように、セシルが何度か「フジワラ、モコウ」と繰り返す。やがて納得行ったよう
に頷くと、ひょいと肩を竦めた。……え? なにそれ。俺がブン殴られたのってそんな軽い扱い?
「なに、単に気になっただけなんだ。この男が――」
指差すなよ。
なんだその扱い。
「――迷惑を掛けていないかどうか、とな」
「……いやだから、別にそんなんじゃねーし……そんな頻繁に会った訳でもねーし……」
「私はセシル……セシル・ヴィルキエだ。偽名でもニックネームでもない、ただのセシルでいい」
シカトかよ。
聞いてくれよ!
「温泉、というのは……先も言ったように慣れていない。無作法で申し訳ないが、ともあれ、公共の場で肌
を晒す経験は少ないんだ。すまないが……容赦して貰えるとありがたいな」
俺に視線を合わせないまま、セシル。
……くそ、こいつ。
「……らしいぜ、藤原。俺もお前も大概、人間とは縁を他所にしてるが――こいつもこいつで、割と人間し
てなくてさ。案外、お前とは話が合うかもしれないよ」
「……”も”?」
「――さて、な。いきなりブン殴られたせいで、藤原がどんなのか、っつーのを忘れちまった」
セシルは口を引き結び、俺は内心で少しだけ笑う。
やれやれ。
- 416 名前:零崎人識 ◆kILLEREa5g :2007/01/14(日) 01:46:560
- >>413
「ホント――傑作だぜ」
反射に告ぐ反射。『マホカンタカ』か『リフレク』、『マカラカーン』でも掛かって
たかっつーくらい見事な反射で、後頭部に直撃。
――殺人鬼ってスゲーな。自分の才能に惚れ惚れするぜ。
まあ、結果オーライだろ。死ななかったし。殺してないし。瘤やら痣くらいは勘
弁してくれるよな? 慰謝料とか請求すんなよ?
さてと、そろそろ傍観者は消えるとしますか。人混み似るとついつい息がした
くなるってのもあるし、何よりのぼせるっつーの。いい加減。小一時間は入って
るし。
「ま――惜しくはあるが、また縁もあるだろうさ」
風呂上りはやっぱり牛乳だよな。
カルシウム取らねーと。
(退場)
- 417 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/14(日) 01:53:090
- >>413
蘇生速え。
というかよく溺死しなかったなぁ。
>>415
正確には「ふじわらのもこう」となる。
でもまあ、これは古い言い回しなので、問題はない。
「うん、よろしくセシルさん。
迷惑は―――まあ、とりあえず大丈夫。今のところは」
ときどき不穏な言動する以外は。
まあ、それは今する話ではない。
「まあ、普通は戸惑うと思う、わね。私の知り合いにも何人かいたし。
でもまあ、水着で入るのも最近は珍しくないかな。私が好きじゃないだけで」
……それにしても、神父あしらいなれてるなあ。
見事に手玉。
―――って、それはいっていいのかよ。
「……おいおい、話して大丈夫なのか、そういうの。
即異端扱いで襲われるのは勘弁だよ?」
まあ、さすがにそれは極端すぎる話だけど。
「色々あってね。生まれが平安の初めなんだよ、私は」
とりあえず、それだけ告げておいた。
まあ、しいてカテゴライズするなら仙人か天人の類になるだろうけど、私はイレギュラーだ。
神仙妖術の類は能く行うが、具体的に不老不死のために修行したわけではない。
- 418 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/01/14(日) 01:58:440
- >>410
この光景の一部始終を見て、ホロの緊張は、大部分が弛緩した。
浴槽に崩れ落ちる青年を横目に見る表情は、
ああ、これで敵がいなくなった、というような安堵のものではなく、
なんだか全てが馬鹿らしくなったとでも言うような、呆れの混じったものだった。
苦笑とともに、ホロは妹紅に向き直る。
「……やはり、罪作りじゃな。
これも、因果というやつかや」
その声には、先程より幾分か和らいだ様子があった。
>>411
「ああ、何々、わっちもそこまで剣呑な話にするつもりはありんせん」
ぶんぶんと手を振って、ホロは応える。
もっとも、相手の出方次第ではどうなるかわからぬがな、という胸中の呟きは、
声になることは無かったが。
「これはそういうのではなく……じゃな。ふむ、なんと言ったら良いか……
そう、自動的なのじゃ」
言葉を慎重に選びながら、言った。
「人の言葉を借りれば、『反射』かの。こういう臭いを感じ取ってしまえば、
わっちはごく自然の行動として、警戒をせねば居れぬのよ。
それ以外に、どうしようもないのじゃ」
ふふ、と自嘲気味に笑って、言葉を続ける。
「この緊張に気付いたぬしなら、分かるじゃろ? わっちの言葉の意味が、な」
己と同程度に長い時を生きた少女への信頼の言葉を投げつつ、更にホロは楔を穿つことにした。
「じゃが…まあ、実際ぬしの言う通りじゃな。こんな場所でこんな風にしこりを残したまま居るのも面倒くさい。
そういう訳じゃから、一先ずこの場では、わっちを見逃してはくれぬかや?
なあ? 聞こえておろ?」
浴場によく通る声で、言った。
>>414
「否否、分からぬぞ? ぬし自身は否定しておっても、無意識に…ということも有り得るゆえな」
自暴自棄になったように遮二無二コップを煽る男を生暖かい目で眺め、そう返す。
「ぬしがそう思うのも、無意識にわっちのことを考えて居るから、ではないのかや?
よく胸に手を当てて、考えてみんす」
この実直な男に、そんな移り気が無いことくらいは、見抜けている。
しかし己の心に疑いを持たせることで、その実直さゆえに彼の心が揺らぐこともまた、
ホロには容易に想像が出来た。
「では聞くが、何故わっちが裸じゃと、ぬしが疲れるのかや?
その因果関係をはっきりと聞かぬことには、わっちも考えを改める気にはなりんせんな」
ここに来て漸く、ホロの何時もの調子が戻ってきたようだった。
- 419 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/14(日) 02:13:270
- >>416
「やれやれ、助かったよ」
呟いた言葉は、そのまま風に掻き消えた。
居は気を移し、気分は快然。消える気配に、綏撫した思考で別れを告げる。
顔を見せず――顔も見せず。本人と出会わないと言うことは、時として幸いである。
これも風流。悪くはない。
>>417
「は、そんときゃ俺が責任とって守るよ。……いや、こいつがブッ切れたら俺には無理だけどさ。――って
も、別にそんなのは問題ないんだ。むしろそれを問題にするのは俺の方で、興味の対象にするのがこい
つなんだよ。――だったら俺がどうかっつーと、俺とお前は顔見知りだ。何の因果か何の縁かは知らな
いが、今更どうこうってこともない」
「――平安ということは」
と、セシルは俺の話を半ばで区切る。一瞬で俺の存在が思考の外に追いやられたのは想像に難くない。
既に頭の中には、日本の文化やら歴史やら風土やらが展開されているんだろう。
「この日本に……その時代に、肉体をそのレベルで保存し続ける存在していたのか?」
「だーかーら、無視すんなっつーに。……してたんだろ。っつーかさ、別に俺等だけが特別な訳じゃない。
隣のマンションに住んでる奴はテロリストかもしれない。この温泉に大量殺人犯が入ってたかもしれない。
んなことは言うまでも確かめるまでもない」
「……仙人が日本に住んでいたと言う話は聞いていない」
「聞いていないだけ、かもしれねーだろ。可能性は常に可能性さ」
風呂の縁に持たれかけて、俺は言う。セシルは思案顔を崩すと、小さく首を振った。
「……別に」――小さく苦笑い。「どこの国の人間も、考えることは同じなんだ、と思っただけだ。いつだっ
て、時は渦を巻いて溜まっていく。人間は、その流れがどこから始まっていたかを忘れてしまう。――違
うな。どこから流れてきたか、考えるのを止めてしまう。挙句、いつかは人間を止めることを望んでしまう。
行き着くところは、脳髄という連続性の保存に他ならない。……少し、日本には別のものを感じていたん
だがな」
ふうん、と俺は思う。
どうも、そいつは違うような気がする。
立ったままの藤原を見て、ふとそう思った。
- 420 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/14(日) 02:21:410
- >>418
「そんなに人の心を荒らすのが好きなのか、お前は…」
突然饒舌になった目の前の狼ことホロ。
男は狼だなんていうが、女だってそう変わりはしないのかもしれない。
「ああ、時々お前のことを想うよ。
恐怖の感情混じりでな」
なんせあっという間にたたまれてしまうのだ。
口下手な俺が何を言おうと、効果は無い。
「俺の休息をぶち壊しにする怪だとでも思っているよ、お前のこと。
…ええい、妖怪退治の方法でも勉強たほうがいいな」
まあ、そんなこと試したって効果がないどころか、
しっぺ返しをくらうことは明白なので、
学ぶ気はさらさら無いが。
「太陽を直接見続けると体がおかしくなるだろ?
それと同じなんだよ」
因果関係も何も、脳内麻薬らしきものが
俺の精神を圧迫するから気分悪いだけだが。
- 421 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/14(日) 02:50:480
- >>418
自動的と来たか。……どうにも難儀だなあ。
「まあ、こっちとしても喧嘩は本位じゃないよ。
それに―――たぶん大丈夫だと思うよ。
寝た子は誰だって起こそうなんて思わない」
休んだ神様に手を出そうなんて、それこそ徒労だろう。
だからまあ―――
堂々と宣言するその姿を見て、苦笑した。
強いなあ。
>>419
「まあ、そっちが考えてるようなのとは違うよ。私は―――人間だ。ある意味では純粋な
人間の形さ。超然とせず、諦観も得ず、ただ生と死の境界に偶然突っ立ってしまっただけ
のね。だからこそ欲に傾くこともなく、俗世を捨てることもなかったんだけど」
風呂の縁に背を預けて、手を伸ばして、軽く振る。
紅く、火が灯る。
それはやがて小さく鳥の形を取って、指先に止まった。
「ま、こんなんが呼び出せるようになったんじゃ、説得力はないだろうけど。でも私は自
分の意志で止まったわけじゃない。望んでこうなったわけではない。―――ただ、今はそ
んなのどうでも良くなっててね」
私の体は止まっても、心は決して、止まることはない。
随分と回り道をしてしまっていたが、答えは得ている。
私は、なんであろうと私である。
「私は、永劫ではないけど、有限でもない。無限に須臾を重ねているだけのことなんだよ。
殺せば死ぬし、病もかかる。痛みは覚えるし、疲れは溜まる。けれど―――生き返る。不
死鳥は炎の中から甦るって伝承そのままに。ある意味じゃ、生と死の概念が消えてるんじ
ゃなくて、生と死を両方抱えてしまっているのかも知れない」
そういい終えて、もう一度軽く指先を振る。
不死鳥は煙のように消えていた。
「自己保存―――だっけか。連続性でもいいけど。でも、そんなのは本当はどうでもいい
んだよ。時間の流れと共に自分は変わり、世界も変わる。常に流れ続けるものは、決して
濁ることはない。なら、自分自身にこだわりすぎる必要もない。私は誰よりも早く死に続
け、生まれ変わっているのだから」
そして、笑った。
「そうして私は、意味のなくなった復讐よりも楽園を選んだ。
―――生きてることの方が、素晴らしいからね」
- 422 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/01/14(日) 03:27:550
- >>420
「じゃから、それが分からぬのよ」
誰何の声とともに、ホロは問う。
「わっちの言葉で心を荒らしたり、恐怖を覚えたり。
休息をぶち壊されたりするのは、何ゆえか、とな。
それは本当に、わっちの所為なのかや?」
実直すぎる男のその瞳を真っ向からじっと見据えて、言った。
「そして、わっちは、否、他の輩も当然こう考えるじゃろうな。
ぬしがそんなにも心を乱すのは……」
最後に、指ではなく、尻尾をぴっと突きつけて、王手の言葉を放つ。
「ぬし自身に、何かやましい心持があるのではないかや? ふふふ」
相手の言葉を全てすり替え、逆方向に叩き付け返す。
この程度の話術など、ホロにとっては遊びにもならない。
その点では相方と比べて些か張り合いが無い、などとホロは思った。
>>421
「そうであることを祈るばかりじゃの。
…と、誰に祈ればよいのじゃろうな、こういう場合」
くく、と喉から失笑が漏れる。
「まあ、長く生きておるのも、須らく得であるとは限らぬわいな。
あの手の輩に散々追い回されれば、自然とこういう癖も身につく。
ぬしにだって、心当たりはあろ?」
それこそ釈迦に説法、とも呼べる話ではあったろうが。
互いの通ずる部分を確かめ合う意味で、ホロの話は有用だったといえる。
- 423 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/14(日) 03:30:260
- >>421
「……ずるいな」
苦笑して、セシルは言う。
初めて聞いたような声音だった。
それは――幾分、寂しげに。
「なるほど、その答えはもう出ていたのか。……自分に対する確信だけが、そうして自分を信じてやることこ
そが、無限に唱えられた虚無への唯一の抵抗である――。モコウ、私は以前、それと同じような考えを持っ
た人間に出会ったことがあった。その時、私はその考え方を理解できない、と一笑に伏した。――笑ってくれ
るな。その時の私は子供で、何も解らなかった。そして今――私は今も子供で、解らない物に手を伸ばし続
けている」
――続けている。
さて、と思う。そんなのは、誰だって同じじゃないだろうか。
「……貴方の正体について問うのは、今は止めておこう。しかし、――ああ、多分私は、モコウ、貴方が私と
似たモノかと思ったんだ。大きな間違いだったらしい」
どこかくすぐったそうに、喉を鳴らし、セシルは笑う。
「確かに生と死は同時に存在している。生があらゆる確立の出発点であるなら、死こそが全ての収束点だ。
数多の人間がそれを自覚し、自覚のままに時から去っていった。――そればかりはどうしようもない。いや、
どうしようもなくあるべきなんだ。私には、モコウ、それが理解できない。言葉の上で人間を想定し、感覚に
参照して理解したつもり(、、、)になることはできる。だけど、それだけだ。――こいつの」と、俺に視線を向
けるセシル。「知り合いなら、問題ないだろう。――モコウ、私は、人形なんだ。箱の中で、操り手に手繰ら
れる人形――それが私なんだ」
言うや、セシルは右手を俺の――ひいては藤原の方に突き出し、浴衣の袖を捲り上げる。――と、その
左手が一閃した。右腕肘から右手甲まで、小気味いいくらいの勢いで赤い筋が走り、ぱたぱたとその中指
から赤い雫が尾を引いてお湯に落ちていく。……おいコラ、ここ、一応借りもんだぞ。
「痛みはある、――か。私も、「痛い」と感じることはできる。だがそれは、本当にそれだけのことでしかない。
私という本質はどこか遠いところから、怪我をしたこの身体を覗いて「痛い」と思っているに過ぎない。――
極端だが、私はこの頭を吹き飛ばされても死なないし――そもそも、それは人間が考える死、とは別物な
んだ。貴方は人間のまま、人間を離れたと言った。私にはそれがとても羨ましく、そして理解し難い。私は常
から、誰かの「痛み」や「強さ」や「楽しさ」を観察し、それが自分のものと同質だと錯覚し続けてきた。これか
らもそれは多分、変えられない」
ぱたりぱたりと落ちていく赤い雫――セシルが右手をもう一度左手に這わせると、紅線は痕跡も残さずに
左腕から消えている。ミスター・マリックに挑戦コーナー。
「――私は、いつも鏡で、人形だった。……この想定から逃げられた試しは、私が存在してから一度として
消えたことはない」
セシルは小さく首を振り、藤原に向き直る。
「……私には姉がいる。私が知る限り、最もこの世界を憎悪し、そして信じ続けている存在だ。私と同じ彼女
は、いつかこう言った――もしも自分が人形なら、この世の全てこそ嘆き歌う芥の舞台に他ならない。全て
は神の独り芝居、そこに意味などありはしない――だからこそ、自分は快と不快にこの世を分け、そこに自
分の意志を見出すのだと」
……。
さて。問題がある。
「世界は変わる。その通りだ。――貴方は変わってきたのだな、モコウ。私は、だけど、変われない。生まれ
付いて人間を知らなかった私は、人間を想定して人間と関わることができない。人を殺してはいけないのは
当然だ――殺す必要がないのだから。私は、その理解によってのみこの身体を駆っている」
俺はどう口を開くべきだろう。
- 424 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/14(日) 03:45:440
- >>423
「――もしも人間がロボットであれば、筋肉と言う火薬が発火する原理に対する応答のモードを想定するのは
簡単である」
「……なんだ」
「生命の基準値として上げられるのは自己複製だ。しかし俺達の体内に存在する神経細胞――分裂すること
のできないこれらは、ならば「生命」のカテゴリーから外れている。三日前、お前んとこの修道院、休憩室にて。
バイお前」
「だから――」
「――お前、ちょっと焦ってねーか?」
「……なんだと?」
「藤原は――、まあ、早い話、俺達よりも長生きしてるんだよ。それは藤原本人にしか経験できなかった軌跡だ。
軌跡は正しく奇跡だぜ。想い出は重いで、じゃあねーけどさ、過去は自分を確実に肯定する。リョウシリキガク
殿も未だに生命を肯定できてねーんだ。そんなポンポンと答えが出る訳ねーだろ」
「……」
「藤原によっかかることはできやしない――お前が一番解ってるんじゃねーかな、それ。……ま、「もしかした
ら答えになるかもしれない実例」が目の前に出てきたら焦るのは解るけど」
セシルは――
苦く、何かを飲み込んだように苦く笑った。
オーケイ、それでいい。
しかし……まずい。
このままだと話から置いてかれる。ていうかセシル、地味にキレてないか。
「……で、まあ、さっきの話だけど。ネット依存症の。えーと、聞いてます?」
「聞いている」
めっちゃ不機嫌なんですけど。
ていうか俺に責任とかないんですけど!
「……要するに、価値の在り処だろう」
「近いっちゃ近いんだが……。まあ、だから、そうだな。そう、なんて言えばいいんだろうな。――よし、こう
だ。Dってバンドが居たとしよう」
「Aではないのか」
「Dは――」
「……まあいい」
「人気の最盛期でした。高度な技術を持ったギタリストと完璧なリズム隊、骨子を支えるヴォーカルも完璧
でした。ライブのチケットは僻地の僻地ですらソールドアウト、パフォーマンスにも不備はありません。何が
足りないか? 何も足らなくはなかった。問題はシステムの側にあった。CDってのは一枚出せばそれで終
わりってワケじゃなくてな。主体としては終わりでも良いが、それが商業というフィールドにある限り、商業ラ
インでそいつは確実にアウトだ。解るか?」
「どうだろう。お前が言うところのクラシックは聴くが……」
セシルは怪訝な反応でそう言う。きっと頭の中には、楽団ごとに区分けされたCD群が浮かんでるに違い
ない――イタリアのCD屋なら隅の一角を確実に占領してる”懐古”と銘打った、常時更新中の大御所たち。
(日本なら一昨年、ほんの一時期流行って廃り擦り切れた1500円シリーズだ)自分達の強大さを誇るよう
な、或いは忘れ去られた巨城のような”クラシック”。そして、それゆえにこれ以上忘れられることのない幸
せな懐古主義――或いは、作曲家という職業のささやかな正当性。
「クラシックは例としちゃ最悪に不適切なんだが……まあいいか。で、このバンドにはただ一つだけ悩みが
ありましたとさ。つまり、次の作品に対する不安だ。この作品はウケるだろうか? いくら自信があっても、
見て貰わなければゼロと同義だ。――が、しかしだ。見られる場合、これはこれで悩みと背中合わせな訳
だ。いやむしろ、不安はそれ以上と言っても良いぜ。好き勝手やるべきだ、それで結果を出すのが本物だ。
冗談、言うのは易いが、成すのはキツいもんだ。露伴先生じゃねーが、常に未知への不安は眼前に口を
開けている。何故か? 時代性、共感性、親和性――数多の共通感覚が一年開けた先に継続してるとは
限らない。で、このバンドを大っぴらに紹介してる雑誌があった訳だ。うん。仮にBとしようかな」
「……Eではないんだな」
「Bは――」
「……もういい」
「DについてBはこう評した。Dの作風は甲から乙への変換期であり、ファンはそれを快く受け止めている。
要約すればこんなところだ」
「要約か」
だからそこにツッ込むな。
「あろうことか、こんな意見が雑誌に散見されたんだよ。Dはどうしたか? つまり、その通りにした」
「ほう」と、セシルはそこで、僅かに興味深そうに首を傾げた。「それで、どうなった?」
「ああ。ウケた。まあ、当初はな」
「当初は?」
- 425 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/14(日) 03:47:420
- >>424
「ん。半年くらいで評価が割れてな。「前の方が良かった」とか「いやそれはおかしい」とか。まあ、当然っ
ちゃ当然なんだけど。つーか面白ぇのはさ、個々人のアタマん中に「そいつらがそうあるべきです像」を
作ってることだよ。喩えるなら……ジョニー・ロットンは一日にヤクをキロ単位でキメてるに違いない、トレ
ント・レズナーは昔一ヶ月でも平気で家から外に出ることを拒否ってた、ブライアン・ジョーンズは他殺で
ある――エトセトラエトセトラ。リッチー・ブラックモアが1994年にインタビューで語っていた「朝、一緒に
目覚める猫」はキャンディス・ナイトのことだったか? ――知るかよ、そんなの。こいつはそうだな、ドラ
えもんが本気で地球破壊爆弾を使うような性格であるかどうかを思索するみたいなもんだ。もしくはサタ
ンの姿をキャンパスに描くのと同じだよ。俺が奴を描くなら、巨大なのっぺら坊以外の姿を想定できやし
ねーけど」
七つ首のな、と笑って付け足す。
やれやれ、とセシルは溜息で俺を突き崩そうとする。
「それはただの妄想だ」
「それ以外のなんだってんだよ。エクスカリバーと泉の伝説信じてる奴がストームブリンガーとエルリック
皇子信じてねーっつーのは普通にアリだろ……その逆はまずないからな。あとはアレさ、X−MENとか知
らねーか? 原作別で色んな作者が描いてんだぜ。「無力なスーパーマン」みてーにシニカルな奴とか
よ……ありゃ誰だったか、ダグ・メンチかな。流布した情報は常に形を変えて情報網に蔓延する。手製
手榴弾の作り方をサイコパスの自宅のモニターへ、爆弾魔のマニュアルはテロリストの手に渡って「技
術」ってA要素を掛け加えて"戦術"へ。ま、ンなこと言ってたらトリビュートなんて成り立ちゃしねぇがよ。
原型辿れば行き着くのはいつだって宗教戦争だ。テロリスト・V.A.、十字軍編成、”アッラーと共に"」
「それを持って情報の悲観要素とするには、お前の理屈は強引過ぎるがな。現実と空想は別物だし、音
楽と宗教概念は位相が別だ……が、ならば、何も問題ないのではないか? まさかそれを間に受ける
ほど、その連中も馬鹿でもあるまい。プロフェッショナルなのだろう」
そりゃもちろん、俺だって解ってる。だけど解ってる、というのは「それだけ」ってことだ。
もしかしたらどこかのネジの外れた資本家が競争社会の原理に社会ダーウィニズムなんかを正当化
して結び付けたがるかもしれないし、アホなネオナチが適者生存を掲げてヒトラーに敬礼するかもしれ
ない。そんなことは俺の知ったこっちゃないし、恐らく世界中の八割以上(いや、9.9割以上か)はロック
フェラーやらヒゲの伍長を生み出したのが偉大なるダーウィンでないことを理解している。(というより、
ナチ公連中がヒトラーを支持する理由なら、自民族中心主義と外国人排斥主義と当時の社会ヒエラル
キーなんかを持ち出した方がまだしも適切でしかないだろう)――し、それ以前に悲しいかな、そういっ
た連中こそダーウィニズムを理解していないに相違ない――そのネジが外れた連中は、悲観的な確率
論に従えばもしかしたら存在するかもしれない。そして、そのダーウィニズムだっていつ引っ繰り返るか
解ったもんじゃない。情報はいつだって情報で、それについて考えることは――とりあえず、一応、今現
在を前に進むってことに他ならない。
ヘイ、そこのあんた、テレビを見てるかい? オーケイ、それじゃあんたは完璧だ。頭がいい。あんたが
気付かなかったフリをするには、あんたは賢過ぎるんだ。
うんざりだ。
- 426 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/14(日) 03:47:590
- >>425
「ふん、ま、そうだな。が、しかしだ。そこなんだな……論点が違うんだな、つまり、つまり――その意見
の総体はどこにあるか?」
「その雑誌だ」
「イエス。いい加減なもんでな、雑誌だって人間が書いてるんだぜ。ましてその主体は人間の演奏者で、
そいつらへの感想は尚更不安定な情報と情緒と感情で書き記す人間のもんだ。だったらこうしちまえば
終わりなんだよ。「あの時はああ言ったが――」以上、これにてデッド・エンド。責任は遥か忘却と無数の
他人の思考の彼方だ。じゃあ初めっから言うなよってカンジだ。結局のところは雑誌がその連中の方向
性を否定した訳だからな。クソくだらねぇとはこのことだ。音って要素は誰のもんでもないし、その感想は
個々人のもんでしかない――だったらその感想の集積が真実になるかと言えば……、それこそノーだ。
――だが、その個々人に無意味な先入観を与えるのは罪以外のなんでもない。顛末はどうなったか?
翌年、見事にその連中はグダグダなCDを出してきた。それで音沙汰なしだ。オーライオーライ、さて、
じゃあ”商業的に"重要な売上はどうなったか」
「それは単に、購買層が当てにするのがどちらか、というだけの話だ」
「いつだって頼れるのは大数の理論だけだろ。言うまでもない」
ざぶん、とセシルがお湯に足を突き入れる。
ぐるぐるとそのまま回される白い足が、湯の中に小さな渦を作っていく。
「良い物だ、と言われればそれは良い物だろうか――そうかもしれない。事実そうだが、そうであるには
理由がある――やれやれ」どうでもよさそうにセシルは呟く。そして、事実それはどうでも良いのだろう。
その前フリをミカン箱同然の(どうでもいいもののように)踏み台に変え、こいつは言う。「ふん、しかし一
つ忘れているぞ」
「そうだな」
「お前にとって、それはどうなんだ」
「生憎」
と、俺は苦笑してみせる。
セシルの予想を上回るように、精一杯の大袈裟を襷に掛けて。
「リアルタイムで経験してなかった世代なんだ」
「逃げたな」
当てこするようにセシルは小さく笑い、俺は肩をすくめ――逃げ場をなくした視線を空に投げた。
「だからまあ、こうやって今になって実感する為にネットに頼ってみたんだけど――どうよ、この選択は」
「微妙にも程がある」
「うへぇ」
「月が綺麗だ、とお前は言ったな」
「綺麗と思う由来を答えよ、とか言うんじゃねーだろうな。止めろよ、それマジで反則だから」
「違うさ。私も少々回りくどい話をさせて貰おうと思っただけだ。聞くが、お前は月に魔力があると思うか?」
セシルは真顔でそう告げる。俺は真正面から全開で面食らい、そして言った。
おいおい。流石にそれは予想外もいいとこだ。
- 427 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/14(日) 04:01:190
- >>422
「いや、お前がそういう言葉で俺を丸めこもうとするから、
俺がこうやって調子を乱す…
別の要因?」
何か別の部分でこいつに無意識に惹かれている?
こいつの行動ではなくこいつ自身に何か別の魅力を感じているのか?
もしそれが女性の魅力だとすると…
「あ、いや…そのだな。
お前自身にも原因があってだな…
それにさらに力を加えるがごとくそのお前の言動がだな…」
目をジッと合わせられる。
吸い込まれそうな瞳、濁りは全く無い良い目だ。
…ヤバイ、このパターンはヤバイ。
心の奥底では判っているのになんで…!
体が…反応できない!?
>ぬし自身に、何かやましい心持があるのではないかや?
「ガッ?!」
ああ無常。心臓をナイフで一突きされた感覚と同じ。
彼女が突きつけたのは尻尾であり、
その根を目で追うのは人間として間違っていると思ったり、
なんでまた休日ぶち壊しなんだよ、と悩んだり、
まあそれはともかく
「…そんな…俺が…」
ヤバイ、頭が暴走しそうだ。
頭が、溶けそうな感覚で…
後ろの岩を背にへたれこんだ。
ショックだ、大ショック。
アイナに申し訳が立たないと自責の念に押しつぶされそうだった。
- 428 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/14(日) 04:15:280
- >>423
……さて、この深刻な言葉に、私はどう答えるべきだろうか。
私は、迷う人を導けるような賢者でも、救える聖人でもない。
―――けれども、人間ではある。
そう、人間なんだ。
「――まあ、そうだね。私は悟りを開いてるわけじゃないから上手くはいえないけど」
息を一つ吸う。
珍しい。なんだか緊張してる。
「――それでも、その全ては、貴女自身なんだ。誰もが同じ感覚を、同じように感覚して
るわけじゃない。遠くに置いて鈍く、近くに置いて過敏に反応もする。自分を客観的に見
つめる人もいれば、そうでない人もいる。でも、何一つとして同じものを同じように感じ
ることは無いはずなんだ。それが気づかないほど小さいものでも、とてつもない隔たりで
も、全てが違っていることには変わりがない。貴女はあなたの感覚で、私はわたしの感覚
で世界を見ている。なら、そのことは大して意味が無い。比べる必要は無いんだ。
人間の定義は―――突き詰めれば自分の意志だよ。形でも、遺伝子でもない。自身が人
間であると信じて、人間であることを願うが故に、それは人間となるんだ。
貴女自身が錯覚と思っていても―――それは間違いなく人間としての情動として貴女の
中にある。人形であれば、何も感じることはない。思い悩むことも無く操られるものだ」
そして、かすかに紅く煙った水面を見て、私も腕を水面に上げた。
そして髪の毛の中をもぞもぞと探ると、小柄を一本取り出す。
本来は枝毛を切ったりする時に使うものなのだけど―――
その刃で腕を撫でる。
ちりっ、と熱にも似た痛みが走った。
滑り落ちた線は、やがて紅く染まって、燃えるような珠を作って流れていった。
「そもそも、人形が血を流したり、痛いと思ったりするかよ。私もあんたも生きてるんだ。
そのことには何も変わりがないんだ―――」
傷は、すぐに塞がった。元通りの白い雪のような肌になる。
けれど、痛みは残るし、血は消えない。
「変われるよ。万物は流転する。人は生と死を繰り返す。比喩的な意味でも、物理的な意
味でも同じだ。この世に不変はない。常に終わりと始まりが一緒に回っている」
そう、真の意味で不変があるとすれば―――それは「空」だ。
無とも違う、恐らくは最も真理に近い、この国に生まれた概念。
言葉では理解することの出来ない―――領域。
「貴女は人間だよ。もし人間を学ぶのであれば、世界の全てに答えがある。そこに人がい
て、貴女がいる限りは、人間の定義は無数に在り続ける。そして―――」
言い切ってしまっていいのか、という迷いが言葉を切る。
―――けれど、私は人間なんだ。そう在り続けたんだ。
それを振り払って――声に紡いだ。
「貴女の求める人間は、すでに貴女の中にある。貴女が生きてきた軌跡全てが―――人間
の証明になる。たぶん今は、実感も意味も分からないと思うけど、いつかきっと、そのこ
とが解かると思う。貴女が、変わっていくことを望むのであれば、答えはすぐ傍にある」
真っ直ぐに見据えて、言い終える。
途端に酸欠を覚えて息苦しくなって、深呼吸をする。
ふだん喋り慣れてないせいだ。
「……正しいかどうかまでは保証できないけれど。今の私が言えるのはこれだけ。こうい
うものは、自分で探しつづけて見つけないといけないんだけど―――でも、道標くらいは
あるべきよね。只でさえ人生は不親切なんだから」
ある意味、語ってきたことは自分に対する言葉でもある。
考えは違うけれども、でも彼女と私はたぶん、彼女が言うように似ているのだ。
だから、私は笑って、セシルが血を流した手をとった。
「もうちょい気楽に行きなよ。―――生きているだけで、もう私たちはたくさんのことを
学んでいるんだ」
- 429 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/14(日) 04:17:360
- >>418
「――んな状況なんで、どうとでも受け取ってくれ」
言う。視線をズラして、肩を竦めながら。身体はいい具合に弛緩して、動くのも億劫だ――ただまあ、
当然ながらに動けない、とは別物で、やろうと思えば百メートル以内の対象を刹那に刈り取るのに支障
はない。
「俺としちゃ、アンタが俺について知ってることの方が余程に驚きだ――なんだよ、俺ってそんなチンピ
ラにでも見られてんのかな。それともマフィアとか人攫いとか……そうだな、それこそ、さっきの話じゃ
あねーけど殺人鬼とか――」
浴槽の外、脱衣場に視線を向ける。
静まり返ったそこに、もう、誰の気配の残滓も残っていない。
「――まあ、人間ってのはさ。根本的に、自分と同種の存在だけを肯定したがるんだ。俺はその守り手
で、ただ、これはそれだけのことなんだけどさ」
横目に視線を向ける。
僅かに覗いたそこに、俺達とは違う――或いは同じ気配の影を見た。
「で、別にハラは減ってねーし……。だから、今は、いいよ」
どうする、と聞いて、俺は笑う。
なんにせよ、それは――それこそ、それだけのことだ。
- 430 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/14(日) 04:25:110
- >>423
「まあ、それはそこそこに。大体返り討ちだったけど」
そういいながら、私は苦笑した。
私を倒したいなら役に立たないエクソシストより魔法使いを持って来い。
……一度持ってこられて難儀したけど。
「ま……(>>429)どうやら大丈夫じゃない?
たぶん美人には手をつけないのよ、アイツ」
さりげなく酷いことを言ってみる。
でもまあ、あながち間違いじゃないだろう。
- 431 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/14(日) 04:40:280
- >>428
「――気楽過ぎると、こうなる訳だな」
「……こう? え? ちょっとなんで指指してんの? 俺? セシルさん?」
「多分、私は――そう割り切ることはできない。要素として生まれた(作られた)私は、これからも自分の外
に枠を想定し続ける。自分の中に、あるかないかの快と不快に、精一杯の理由付けを繰り返す。自分が流
した血の意味を、単に補うべき部品の欠落以上のものであると感じようとしながら――ただ」
口元を緩めて、セシルが視線を空に彷徨わせる。
「こういうことを私が口にするのは、それこそ妙ではあるが……」
降りてきた視線は、藤原に向けられていた。
「気が、楽になった」
言って、セシルは微笑む。
――まあ、そいつは随分と珍しい光景と言っていい。
愛されなかったから愛の意味を知らない、なんてのは雑誌に踊る常套句だが、だったら俺もセシルも、自
分に理由付けを繰り返してしか生きていけない。というより、生きている以上はそれを続けるだろう。生まれ
ついての価値の喪失は、本質的に埋めることのできない欠落であり――いや、それはもはや欠落ですらな
く、他者との間に存在する、巨大な深遠だ。それを埋める要素は或いは金銭で、コミュニケーションで、或い
は愛情だったり友情だったりする。
だったら?
つまり、大問題だ。俺達は埋めることができない。
――あなたは、神を信じますか?
まったく、よく出来た言葉には違いない。
意思には意味を。気が楽になった、というのは、だから随分と重要な理解には違いない。
――てな訳で、だからこそ藤原には感謝を。
多分、アイツは俺達よりも理解してる。――やれやれ。
もう少し頑張って生きないと。
>>430
「……いや、お前。ちょっとお前、それは――ああ、なんだ。なんだそうかあれか」
オーライ。
お前がそう言うなら、仕方ない。
「いや付けないとかそう言うんじゃないよ? 俺、今すげぇ空気読んでたよな? 手をつける――手をつける、
その言葉には『色々と意味』があってな……、じゃあ、」
「――”じゃあ”?」
「じゃあ、……これからは色々と考慮して話します」
- 432 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/01/14(日) 04:53:540
- >>427
「じゃから、わっちが何時も言っておるのはそういうことよ。
ぬしの心が強くあらずして、どうして伴侶と添い遂げることができようか」
少しだけ真剣な顔で、ホロは言ってやる。
この狼は狼なりに、この真面目すぎてどうしようもない男を心配している……のかもしれない。
「人を疑え、とは言わぬ。女を一切寄せるな、とも言わぬ。
ただ、今よりほんの少ぅしでよい。
心を強く持っておれば、ぬしもぬしの伴侶ももっと幸せになりんす。
それはわっちが保障してやろう」
片目を可愛らしく瞑って、励ましの言葉をかけてやった。
若い雄が悩み、そして強く育つのを見るのは、
彼女の楽しみの一つでもあった。
>>429
「そうか。話が分かる―――という訳でもなかろうが、それは助かるの」
同じく肩を竦め、応える。
嘘も装飾も無い、ホロの本心で。
実際、目の前の男が本気を出した時を想像すると、
彼女自身が逃げ切れるという予想にはどうしても及ばなかった。
同時に、男が手を出してくる可能性は万に一つあるかどうか、という見当もついてはいた。
が、その「万に一つ」を潰さなければ、彼女の安全性は確保される事はなかったのだ。
「いんや、勿論ぬしとは初対面じゃし、名前も知らん。
じゃが、分かるのよ。こんな場でも匂う、わっちに訴えかける空気をぬしが纏っておるゆえな」
人に交わり、人と長く暮らしたがゆえ、人の危うさも、またよく分かる。
矛盾しているが、しかし理に適った、賢狼の感覚だ。
「つまり、わっちにとってぬしは、チンピラやまふぃあや人攫い、あるいは羊飼いや猟師より、
もっとずっとおっかない存在じゃ、と。こういう訳よ」
ふふ、とそれでもホロは気丈に笑う。
一先ずの安寧を得る事には成功したからだろうか。
「まあ、口約束でもその言葉が聞ければわっちにゃ十二分じゃ。
ここはお互い、『それで良し』として手を打つとしよ」
パン、と両手を叩いて、己の緊張と空気の緊張、その両方を解き解す。
「じゃから、ここはお互い、この絶好の湯と、空と、夜を楽しもうぞ」
>>430
「くく、違いないの」
美人には手をつけない、という言葉を聞いて、爆笑を堪えるように笑いながらホロは言う。
「見たところそ奴も、雌を見る目はあるようじゃしな。
そこの女や、ぬしを見れば、それは瞭然というものよ」
くすくすと忍び笑いを漏らしつつ、しばし湯に身を任す。
「さて、わっちはそ奴のお目に留まることが出来たかいの?」
- 433 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/14(日) 05:08:460
- >>432
「いや付けないとかそう言うんじゃないよ? 俺、今すげぇ空気読んでたよな? 手をつける――手をつける、
その言葉には『色々と意味』があってな……、じゃあ、」
ケモノ耳。
……ああ、実在してたんだ。写真撮ってジェイムスに渡したら、きっと泣いて喜ぶに違いない――「いや、ケ
モノ耳とか言って邪道やろ? 付け耳なんて認められへんやろ? リアルケモノ耳少女しか認められていい
はずないやん!?」「――いや、死んでくれよ。頼むから死んでくれ」――懐かしい。ヤツがここにいれば、
泣いて手を叩いて朝まで踊ったに違いない。居なくてよかった。
――が。
「……アレか? 誘ってんのか? だったら場所が悪ぃし、ヘタすりゃ秒で気分が変わるのが俺だから相手
が悪ぃよ。オマケに今日は相棒付きで状況も最悪だ」
「ならばお前が悪いのは性根か頭の中身か――どちらだ」
「……あのさ、いやね、セシルさん? いやほんと、マジで何もなかっただろ? 美人イコール襲う、とかそん
なヤバい奴じゃないだろ?」つーかそれはただの変質者だ。「……まあとにかく、こんなダルい状況でどうこ
うしようなんて思っちゃいねーよ。あー……犬? 狼? ――まあ、どっちにしろ、その手のモンには慣れて
る……っつーか、俺自身が近い部分もあるしな」
さて、と頬を叩いて、お湯を顔に叩き付ける。
大概、夜も更け過ぎた。
「……最初から、俺の目的は温泉だっつーの」
- 434 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/14(日) 05:16:300
- >>431
―――楽になった、か。
「それなら、十分お役には立てたわね」
笑みが零れる。
少なくとも、何かのわだかまりを解くことはできた。
そのことは、なんとなく誇りに思いたい。
「さて―――あ、そういえば一つ」
思い出したことがある。
真似した私が言えることじゃないが、でもまあ。
そっと、彼女の腕を撫でる。
「あんまり自分を傷つけないように。
いくら治るって言っても女の子なんだから、自分のことは大事にしなさい」
少々間が抜けているといえばそういえる。
でもまあ、気楽に行こうと言ったんだ。
このくらいのガス抜きはやってもいい、と思う。
で。
「うん、空気読んでたのは認めるけど、過去の行いからしてそういう風にしか見えないのよね」
とりあえずしれっと返してみる。
考えてみれば今までいろんなのと居合わせてきたけど、そういうスイッチが入ったことは少ない。
……別の方面のスイッチは良く入ってた気もするけど。
「まあ、そんなわけだけど。セシルさんはどう思う?」
とまあ、話を振ってみたり。
>>432
「不合格になる要素の方が知りたいかなあ」
冗談めかして、そんなことを言った。
まあ、神様だしこのくらいの美は当然なのかも知れない。
「はは、まあ、うん。とりあえずこの場はのんびり行こうか」
- 435 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/14(日) 05:22:240
- >>432
「……はあ」
説教された。
なんていうか見たことの無いくらい真剣な表情。
彼女なりに心配はしてくれているんだろうが…
「心を強く…か。
まだ俺も弱いってことか。今までにいろんな体験をしてきたがな」
そこまで自分は意志が弱いとは思っていない。
むしろ頑固なほうなのだが…それを糸も簡単に突き崩されるあたり、
俺の心は弱いということなのだろう。
「…それにしてもだな」
ため息をつきつつ酒を一杯。
あ。味がわかる様になった。
「お前は俺を玩具にして遊びたいのか、
俺に人生と言うものを教えたいのかどっちなんだ」
前者だったら泣けるかもしれない。
- 436 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/14(日) 05:36:060
- >>434
「どう、と言われても……」
自分の腕を撫でながら、セシルがぎこちなく口を開く。
藤原に「女の子」と指摘されてから、随分とこっち、情緒が不安定だ。「自分を傷付けるな」と言われた瞬間、セ
シルは目を白黒とさせて笑えるくらいに狼狽した。
「そう言われると……。――どうなんだ、貴様」
「……いや、それを俺に聞くのは間違ってんだろ、根本的に。なんだ。何をどう答えればいいっつーんだ、それは」
「どう――つまり、貴様がこれまで話してきた女性についてどうだ、と聞いているんだ。なんだ? 例の古物屋の
姉妹を例に上げればいいのか? 貴様と貴様の妹が兄妹とは思えないくらい仲がいいことを穿って詮索しろとで
も言うのか? それとも以前に私の――」
「――いや、ストップ。わかった。すまん。なんかよくわかんないけど、うん、すまん」
……つーか。
ヤバい。セシルが向こうのペースに巻き込まれてる。
「……藤原。俺、今日お前になんかしたっけ。んな無茶なことしてない気がするんだけど……なんか、なんだろ。
なんだろこの扱い――いやマジで、婦女暴行犯みたいな捉えられ方してんのは納得行かないんだけど」
>>426 (月はもう沈みそう――夜について)
「けど、魔力――ね。大概、普通人に聞くような質問じゃないよな」
「お前は普通か?」
「さてな」
「第一、普通の人間も口にするだろう。魔力だ魔術だ魔法だ――とな」
「ファナティックでルナティック。本質で切っても切れない形容詞は存外多いぜ。ま、それこそお前じゃないが、
有ると言えば有るし、無いと言えば無い、だろ」
「ほう? なぜだ」
「その前に質問の「魔力」をしっかり定義付けてくれってところだな。それがもし単体で何らかの現象を物理的
に成し得るエネルギーを内包している概念だとしたら、当たり前だが答えはノーだ。で、比喩的な意味や表現
としてなら、イエス。前者に関しちゃ言い切るつもりはないし……事実、満月にはゴジラを一撃でブチ殺すくら
い強くなるお前を当て嵌めるならイエス、と言っても良いさ。けど、俺の意見としては当座、そんなとこだよ。実
感としちゃ、月見酒以上には月光の恩恵を俺は感じられやしない」
「そうだな。イエスでもあるし、ノーでもある」
「へえ……面白いな、それ」
断定口調ってのは頂けない。
なんでだよ、と俺は皮肉を潜めて混ぜ返す。
「月齢と体調の関係はよく聞くだろう。生理然り、血液然りな」
「バイオタイドってか? おいおい、ありゃ冗談だろ。勘弁してくれよ、審問局最高幹部医学博士」
「”月の力"というそれに限らずだ。騎士団では民間信仰レベルの占術に関しての学習は僅かにも課されない
のか?」
「ん? ……あー、と。ああ。やった憶えがないな。つーか俺、神学もアレだし。ラテン語アレだし」
- 437 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/14(日) 05:38:100
- >>436
セシルが少しだけ目を細めて、小声で「だから貴様は」とか言ったのを俺は聞き逃してない。
問題は、要するに俺が面倒事扱いしている語学のことだ。――ラテン語でコーヒー下さいってなんて言うの?
初めて言った瞬間、顎の下にド鋭いアッパーが飛んできた。しかし、とはいえ、俺にとってそれはそういう問題
でしかなく、要約すればそこにしか帰結しないのだ。セシルはことあるごとにそれを否定し、なじり、場合によっ
ては反対する俺を容赦なく弾劾した。ヒアリングCD付きテキストブックを郵送で十冊以上送り付けられた時は、
何の嫌がらせか冗談かストーカーの仕業かと思った。
日本語を主体にすれば会話の位相は「俺」と「僕」と「貴方」に、英語に変えれば「I」と「YOU」に。彼我の立ち位
置は文法に譲渡され、言葉の本質は流れにパスされる。煎じ詰めれば、あらゆる言語は行き違う為の手段と
手続きに他ならない。いつだって会話の距離は適応に不適当で、必要十分には適当だ。
――お前の言う水と、私が言葉にする水は違う。
――俺が見てるリンゴとお前が見てるリンゴは同じかよ。
――お前は、いつもそうだ。
――そうかもしれない。でも、俺とお前は話せてる。この距離が俺は好きなだけだよ。
――いつまでも誤魔化し続ける気だ、お前は。
解ってるよ。
だから俺はこれからも語学なんて気にしない。
「潮の満ち引き、と言ってしまえば極端だがな」
「ああ、そういうのならまあ、解るぜ。満月の時は会話が巧くいかないんだ。あと敵が強くてよ。オレサマ、オマ
エ、マルカジリみたいな。新宿シェルターまで行くのにすげぇ苦労する」
「……?」
「いや忘れて。続けて」
「一般的に言う魔術の儀式が月齢を考慮することは知っているな」
「そりゃもう。やったよなー、満月に儀式やってるクソカルト連中の集会ブッ潰すとか。満月だからガラスに立
つと映えるんだよ。ヒーローって感じで」
「月の満ち欠け自体に意味が無いとしても、その流れには意味がある」
「参上! 月光仮面! っつー感じだよな。見たことねーけど。アレ続けてりゃ、タブロイド紙でも話題になった
んじゃねーかな。「月夜に跳梁する現代のスーパーマン!」とか。……いや、やっぱスーパーマンはイヤだな
……いまどき赤と青で正義の強調とか、マジでハズいからな……」
「というよりも、あらゆる魔術は流れにこそ本質を置いていると言ってもいい」
言いつつ、セシルが壮大に俺を無視する。藤原に視線を向けたままな辺り、徹底している。
アレか。あの時スーツ着せて決めポーズとか一緒に取らせたのが気に食わなかったのか。
可愛かったのに。
- 438 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/14(日) 05:38:540
「月が始原、いつからその関係を結んだかは定かではない。しかし、一定の周期で私達の身体に影響を与え
るよう力を発揮しているのは確かだ。無論、月にそんな使命性があった訳ではないから、これは言うまでもな
く偶然だ。その偶然に――満月に近付くにつれエーテルのエントロピーが増大に向かうという事実は、本来は
無関係である筈の私達の視覚と――それと、情緒と――相関関係を結んでいる。周期性と、それを象徴する
ような外観にな。”魔力を持った月の光”、は存在している。だが、それはけして重力による体調変化のことで
はない。個人のバイオリズムと魔力の流れを結び付けて理屈付けするか? これは無理があると言ってもい
い。なぜなら、エーテル自体は力場に介在する要素だからだ。体調変化の理由ですら微妙なところだ。本当
に潮の満ち引きが影響しているのか? そしてそうなればもはや正しい答えなど存在しない。極端な話、「そ
うである」という思い込みこそが体調変化の本質だという人間も居る。伝承が数多の形を得るのと同様の理
屈でな」
「兎が居るとか?」
「とか、だ」
冗談めかして言った俺に、セシルは声のトーンも冷然と返してくる。
「ポーランドのルシフェルって奴だな」
考えれば(考えるまでもなく)、本当にあの天体に力があるのなら、それは地球に対する重力という絶対的
影響、もしくはそれによって引き起こされる潮の満ち引きという変化――という流れそのものでしかない。しか
し――「月の光」に意味を求め、それが現実に存在する時、果たして視覚効果以上に合理的な理屈を見付け
られるだろうか。それが自分以外の他人にも適用できる時、頷ける説明は存在するだろうか。
――頷ける説明を、やはり求めるのだろうか。
月には魔力がある。
月には兎が住んでいる。
時と場所を変え、人となりを変え、情報は合致とズレを繰り返す。
本当に魔力があるとするのなら、きっとそれは人間が自分以外の人間を理解できるという(或いはそう思い
込める)不可思議な事実に他ならない。
「最近から、ではないが――ことに最近、よく考えるようになった。運命とやらを信じるべきかどうか、という点
ではな。……今回のことにせよ、モコウの存在にせよ――な」
「永遠のロマンチックワードだからな、運命。凄絶に意味を凝縮しまくってる二文字だぜ。吉良義影に曰く、命
を運ぶと書いて運命ってな。人間が作り出しうる言葉としては最上だ」
「ふん、ならば……お前は好きなのか。その凄絶な皮肉に満ちた単語が」
と、セシルは二重の意味で皮肉な言葉を口にする。
「吐き気がするくらいな。もう、ホントに愛してる」
仰々しい単語に敬意を表し、俺はオーバーアクションで両手を広げた。ざざん、とお湯が盛大に毀れる。
「一つ付け加えておこう」
「なんだよ」
「私は月齢の影響を受けていない。偶さかお前と一緒に居る時が満月で、その時、偶然に少々力を込めただ
けのことだ。いつか言ったが、五指に入るほども脅威を憶える者を、私は想定できない。お前を除けばな」
居獣も巨竜も巨山をも切り伏せるお姫様は真顔でそう言って、マジかよ、と俺は天を仰ぐ。
「運命めいてるぜ、そっちのが」
「お前のせいだ。少しは自覚しろ」
さいで。
そういう告白は、場違いにも程があると俺は思う。
- 439 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/01/14(日) 05:46:140
- >>433
「おうそうか、それは疑って済まぬかった……というのは、おかしいかの。
それを聞いて安心した、くらいにしておいたほうが無難じゃな」
呵々と笑って言うホロに、先程までの緊張はもう殆ど消えている。
「まあ、何にせよ、ここに妹紅とそこの女がおるうちは、わっちも安泰のようじゃ。
ならば今度はぬしが、美人に囲まれておることを楽しむ番ではないかや?
もっとも、今も十分楽しんでおるようじゃがな。ふっふ」
そんなからかいの言葉さえ、飛び出すようになった。
ともすれば今この場で一番、ホロ自身がこの状況を楽しんでいるのかもしれない。
>>434
「ふふ、ぬしにそう言われると嬉しいの。
そこらの男に褒められるより何倍も価値があるような気さえする」
……あやつに褒められるのは、また別腹じゃがな。
という本心は、今は秘めておく事にする。
>>435
「んむ? 聞きたいかや?」
悪戯っぽい笑みを浮かべて、ホロは再び男の顔を覗き返す。
「……それはじゃな」
少しだけ勿体をつけて。返事を待つ男を焦らすように。
「……両方じゃ♪」
飛び出したのはある意味、予想のしやすい答えだった。
- 440 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/14(日) 06:00:400
- >>436-437
いやまあ、だってさ。
「いや、恨みはないけど。たぶん。でも最初のイメージと今のギャップがすごくてさ。
ときたま、そういう奴なのかなー、とか思う時があるのよ。
あ、女の子に優しかったり興味持ったりすること自体は健全だと思うけど」
そう。最初の印象はもっとこう、ハードボイルドでピカレスクな感じだった気がする。
情け無用の吸血鬼ハンター、異端狩り。伝奇小説とかに出てきそうな。
「……でもまあ、それはそれでいいんじゃない?
見境なく狩ったり暴れたりよりかは、よっぽど健全よ。
きちんとブレーキかかってればの話だけど……セシルさんがいれば平気か」
たぶん重戦車や列車砲も止められるくらい強力だ。
痛そうだけど。
「それにマジで迷惑だったらこうしてのこのこ顔出さないわよ。
それで本当に何かされたってのなら―――そうね」
ふと考え込みながら、指先をくるくる回して火を点す。
「人間で備長炭って作れるのかしら」
そんなことを呟いて、私は指先で炎の輪を作って弄んだ。
にこやかに笑いながら。
―――どうでもいい話だが、笑いとは本来攻撃的なものであり、獣が牙を向くことに由来している。
まあそれはさておき。
「……魔術関連かどうかは解からないけど。満月の夜に光を浴びると人間が怪物になる、
って話は聞いたことがある、かな」
記憶を掘り起こしながら、ぽつぽつと呟いてみる。
たしか、穢れの調整だとかなんとか言ってた気がする。
- 441 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/14(日) 06:06:160
- で、追記。
>>438
まあ、一連の話を聞いてると、なんというか。
理論的な部分への興味より、別の方に興味が。
「……けっこう仲いいのね。本命?」
そんなことを言ってみたりする。
もちろん冗談半分だけど。
どっちが半分かは謎。
>>439
「はは、それはどうも。相手にする男は大変そうだけどね」
そういえば誰か相手がいるような素振りを見せていた。
まあ、見初められた幸福なのか不幸なのかは彼のみぞ知る。
- 442 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/14(日) 06:31:290
- >>439
「楽しめる――ような状況じゃ、ねーからなあ」
セシルは相変わらず浴衣姿のまま、ばしゃばしゃとお湯に足を滑らせている。ていうか、この展開で温泉に
入らないのが有り得ないと思う。
……説得されてんじゃん!
この展開は打ち解けモードでいいじゃん!
なんで浴衣なんだよ!
「いっそこのまま全員で風呂上がって、そのまま旅館、」
「……が、どうした?」
「……いや、その、旅館――旅館は、久し振りだなあ」
ていうか――なんか、待て。
反応が早くなってないか。別に、「旅館にみんなで行こう!」だとか「俺の部屋へ!」だとか言った訳じゃない
のに、セシルの瞳は既に剣呑な光を帯びている。仮に二人のうち(セシル以外の)どちらかに声を掛けようも
のなら、正体不明の悪寒が現実になるような実感がある。
むしろ今の状況、酌でもして貰っただけでアウトだろう。
間違いなく、次辺りの任務で事故とかに見せ掛けて暗殺されそうだ。でなきゃこの場で呪殺されかねない。
>>440
「そう言われてもな……。正直、昔も今も変わらないよ、俺は。そりゃ、俺だって磨耗はするし――気分だって
変わる。だからこんなの、国のアタマが変わるのと大差ねーよ。理念が確固としてりゃ、な。生憎と明治以降
の日本と日本人には縁が薄い言葉ではあるが……ふん、けどさ、藤原。――俺は、根本的に変われないん
だ。ただ、俺は俺に対して理解を常に進めてるに過ぎない。今んとこ、それが虚無やら諦観やらどうしようも
ねーモンに向いてるだけで――俺は、何も変わらない。セシルが居ようが居まいが俺は何かを喰らうし、セシ
ルはそいつを止めないよ。それが俺達が俺達である為に交わした、たった一つだけの契約だ」
セシルに向けた視線は、無言の肯定で返された。
俺はセシルの剣であり、その逆も然り――セシルは、俺を「正義」やら「信念」やらの玉座に繋ぎ止める鎖
でしかない。
「てーか、藤原。本命って、お前こそ……なんか、俺とセシルの仲、誤解してないか?」
「誤――、」
「相棒相棒っつーけど……いや、それは実際合ってて、それこそ間違いなくこいつが俺の意を汲み取って
くれる共闘者ではあるけど、それは……それこそ、それだけの話だぜ。普段からいつも一緒に居る訳じゃ
ねーし、俺だっていつもこいつを見てる訳じゃない。ただ、他の人間よりも多く互いの時間を食い合ってて、
その時間が偶さか指向性を持った状況に置かれてるだけだからな。俺が街中で暴れたとして――その時、
こいつが確実に俺を止められるって保証はない。その逆も然りだ」
「……私は」
「なんだよ」
「……いや」セシルは小さく首を振り、言った。「……私は、お前と違ってそんな状況には陥らない、と言い
たかっただけだ」
「そりゃそうだ。――ま、けど、だからこそ俺達が確認するのは、人間を嫌いにならないでいられるお互い
なんだよ。俺が人間を嫌ったら……それこそ、止められるのは俺しかいない訳だからな。セシルもそれは
同じで――だから、俺達はそいつを常に確認し合ってる。それだけのことだよ。第一、本命っつったら――」
言うまでもない。
セシル・ヴィルキエはヴァチカンを統括する頭脳の一つであり、俺はヴァチカンに繋がれた獣に過ぎない。
「……そうだ。今更だな」
「今更だよ」
確認するように笑い合って、藤原の言葉を反芻する。
「けど、満月の――ってのは、それ、知らないな。……動物的性質が月に由来するから――じゃあ、ないか。
あー、セシル?」
「……む、ああ。というより、シュタイン愛好の秘境占星術にあるが――ほぼあらゆるオカルティズムに浸透
した二元論にある、これも特殊な宇宙原理に近いように思うが」
「あ? ああ、太陽と月のあれ?」
「放射と開放を意味するのが太陽だ――月が意味するのは集中と萎縮、ならばそこと結ばれたと考えても
おかしくはない。シュタインに言わせればオルムズドとアンリ・マンユだが……もっとも、伝承で辿った方が
正確だろう」
ともあれ。
肩を竦めて、俺は言う。
「生憎、燃え尽きるほど生きちゃいねーよ」
- 443 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/01/14(日) 06:32:560
- >>441
「ま、実際苦労はしておろうがの。
そこらは雄のほうに覚悟が必要じゃな……っと」
ほのかに明け始めた空を見上げ、目を見開く。
「そろそろ夜も終わりじゃな。ではわっちは帰るとしんす。
今日もまた、楽しい一晩であった」
言いながら、しなやかな裸体を、湯船から再び外気に晒した。
「ではの、皆の衆。また…どこぞでな」
別れの言葉とともに、ホロは浴場を後にするのだった。
(退場)
- 444 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/14(日) 06:43:100
- >>442
―――壮絶に話をずらされた気もするが、まあいいか。
「……まあ、なんつーか。それを仲がいいというような気もするんだけど」
割れ鍋に閉じ蓋。そんな感じの諺を思いついたが、口に出すとまたゴチャつきそうなので遠慮する。
「まあ、この話にしても私は完全に信じてるわけじゃないけど。
でも、月が何がしか影響与えてる、ってのは確かだと思う」
―――っと、そろそろ上がらないといい加減のぼせてきている。
「まあ、その辺の話はまた後でいいや。
正直伝聞が多すぎて私でも信用できないしね。
てことで、お先に失礼―――」
むやみにお湯を荒らさないように静かに上がると、
「それじゃ、また。セシルさんも今度は付き合ってくれると嬉しいかな」
邪魔が入らないときにでもね、なんて付け加えてみたり。
さあ、夜が明ける前に帰ろう。
【退場】
- 445 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/14(日) 07:01:200
- >>443
じゃあな、と手を振って見送る。約定通り、俺はその背を見送るに留める。――今思えば、人間に近しい
感性で喋るヤツについて、一考察するくらいの価値はあったかもしれない。が、それを言っても今や詮無く、
第一、それはあまりにも風流に欠けていた。
>>444
「ま、それじゃ、お前も――」
「ではまたな、モコウ」
声を上げ掛けた俺を遮って、セシルが言う。
「また」――セシルが、”また”。……珍しいことがあるものだ。今日辺りこの温泉、隕石が降ってきてツブ
れて消えるかもしれない。脱衣場に消える藤原の背に手を振るセシルは、――そして、恐らく自分の違和
感に気付いていない。
やれやれ。
珍しいこともあるもんだ。
「……それじゃあな、妹紅」
湯から身体を引き上げると、温度差に立ち眩みが起きそうだった。白み始めた空を見上げて脱衣場に歩
いていくセシルの後を追いつつ、ノボせた頭を朝風に晒す。どうやら今日も快晴、本日は晴天なり。
今から考えるべきことは、要するに一つだけだ。
「しっかし……ちゃんとチョコレートコーヒー売ってんだろうな、ここ……」
(退場)
- 446 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/14(日) 11:44:400
- …すまん、意識飛んでた。
>>439
「…なんでそんな器用な真似するんだよ」
ガックシと肩を落とす。
説教しつつ俺のことで遊びたいと。
「…そういえば、こっちはまだ名乗ってなかったな」
向こうは名乗られたが、こっちは聞いておいて退場してしまった。
片方だけって言うのもアンフェアだ。
「俺はシロー・アマダって名前だ。
…逃げられないなら正面から突破するだけさ」
この前言われていたよな、名前をお互いに知って逃げられなくするとか。
まあどうにかなると、酒瓶に手を出して…
カラ、か。
「…まあ、これ以上酒を飲むと倒れそうだし、
上がるにはちょうど良いさ」
ザバアと湯船から出る。
ああ、やっぱり休息がぶち壊しになったような気がする。
「じゃあな、皆」
酒瓶片手に脱衣所に向かう
夜はもう明けようとしていた。
- 447 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/14(日) 11:48:270
- …しかしアイツの玩具にならないためにはどうすればいいんだろう。
大量に酒を取った頭で考えたが、思い浮かばないのは俺が弱いからだろう。
【退場】
- 448 名前:コーディー ◆1irMelIOTg :2007/01/21(日) 02:06:080
- ――――こうして、静かに湯に浸ったのはどのくらい前だったか?
別に思いつく必要も無い疑問が頭の隅から転がり込み、やや真面目に記憶を辿続ける。
…瑣末な事なのか、脳が阿呆なのかは理解できぬがどう考えてもその時期は
思い出せない。一つ感覚で分かるのは、
煩わしい感覚ばかりが頭と胸に引っ掛かる。要はどうでも良いのだろう、
そんな事に時間を費やさせるなと無意識下の心が毒づいた。冷めるのも、飽きるのも早い
心中で有る。そうした心が今の自分という形成を成しているのだろうが…。
「…」
湯から上がり、いつもの動作で囚人服をそのまま着込み、何も考えずソコに
置いてある牛乳を飲み干し、そして一息付く。…金は払わないで良いのだろうかと
疑問に思ったが、自分以外誰の気配も無い空間で有る。まあ、どうとでも後で誤魔化すか。
今の事は今考える、明日の事は明日考える――――それが俺の今の常。
日々の喪失感と倦怠感、諦感が徐々に徐々に先を見据えず、今という刹那だけしか
心が傾かなくなったとしても、それが悲しいかな今の己。誰かにどう言われる筋合いも無い。
というより、言われる資格も価値も無いのが今の自分…コーディーという人間なのだろう。
―――そんな事考えさせるなと頭が再び毒づく。流石にこれには同意した。
更衣室から出て再び浴場へ。湯の波音を聞きながら夜空を、月を見上げる。
前見上げた時は雲で簀巻きにされた時だったか、と…。と心の中で自嘲気味に唇を歪めて笑った。
あの時と比べると今はすこぶる機嫌が悪い。
「…」
一切の言葉も無く、理由も無くただ黙々と過ぎるだけの時間。
ソコに確実に男は居るが誰かが居る気配を感じれぬ程、男の纏う雰囲気には
生気を感じなかった。その存在を知らせる唯一の手段は、時折向こうから拝借した
酒瓶を飲み干し放り捨てる音程度。
酷く気だるい自身の今に、何ともいえない感情だけが渦巻き、意識共々溶け掛けた
- 449 名前:コーディー ◆1irMelIOTg :2007/01/21(日) 02:47:510
- この月夜の下で、今どれくらいの馬鹿共が騒いでるのだろう…
孤独とも言える自身の気ままな生き方。他人に干渉されるのも理解を求められるのも
酷く疎ましく、群れから外れて――逃げて?
未だにそれは分からない。それでも今、自分と同じく踏み締めてる大地で
共に過ごした仲間と、平和と…愛する者と手を取り合って生きていたかったのも
紛れも無い事実だった。それが出来る者達が酷く羨ましかったし、事実、かつてはそうして
生きてみたが…結果はただ、悲劇と醜態と己の信念を根本から否定される真実。
頂点から底辺…。
暴力。闘争、殺し…思いつく限りにそれが本来の己だったのだろうかと思うと
かつての自分が笑えるくらい馬鹿馬鹿しくなった。そう、きっと今の俺は望む様に
生きてる筈…。そう、望む様に…
「…」
冷めた心は苛立ちすら起こらずただ、気力を減退させて行く標…
その目が見ているのはかつての自分が写っている写真で有った。
今の自分には出来ぬ笑みを浮かべながら女性を抱いている。…紛れも無く
ソコには自分が居て、人を愛し、その女と生涯を生きて行こうと決めていたのだろう。
―――誰にも出来ない生き方をさせてやる!
「…誰にも…」
- 450 名前:コーディー ◆1irMelIOTg :2007/01/21(日) 03:12:540
- ビリッ ビリッ バリッ――――――
バラバラに破り捨て、宙に放る写真だったその紙切れ共…。
風に吹かれそのまま夜空へ消えて行く様を、一切も見逃さずただ見上げ
見付め続けて居た。
「…誰にも…」
…誰にも、何処にも、どんな者が何を言おうと
「…闘い無しじゃ生きられない」
それが所詮は真実。満たされない答えと共に、
歩を後ろへと進める。次の行き場所は所詮歩いて考えねば分からない。
漠然とした闇の広がる浴場から先の道筋を見つめながら、そう思いつつ
その道へと足を再び踏み入れた。
さぁ、休むのも馬鹿らしい感傷に浸るのももう終わりだ…。
――――『何故逃げるの?』
空耳なのか、風の吹く音と共に
…そんな声が今聞こえた様な気がした。その言葉は…確か…
「…さあな?」
だが振り返らない。その言葉を最後に再び、闇へと消え…
そして静寂だけが残った
【退場】
- 451 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/28(日) 00:10:370
- 月、酒、そしてカポーン。
日本人の心の故郷、温泉はとてもいいものだ。
冷えた空気にさらされる顔と、暖かい湯に浸る体。
何度が味わった気持ちよさである。
さらにぬる燗となった酒を口に含み、
戦争の後片付けをしている時を忘れて快楽に身を委ねる。
「…いや、温泉ってホントに良いねえ」
誰に言うでもなく、その場で呟いた。
- 452 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/28(日) 00:22:110
熱い泉は、自分の体がどれだけ冷え切っていたのかを思い出させてくれた。
檜作りの湯船に身を滑らせると、熱湯かと錯覚しそうなほどの熱を肌に覚える。でも実
際はちょうどいい程度で、火傷をすることはない。相対的に自分が冷たいから、そんな風
に感じるだけなのだ。人間の肌は外気に適応して感度を変えるから、こういうことが良く
起きる。
「うわ……効くなあ」
もう少し家の断熱性に木を使うべきだろうかと考えつつ、私はゆっくり体を動かして、
空を見上げる。月が綺麗な寒い夜だった。吐く息も水面から漂う湯煙も白い。
……今日は、私は珍しく水着を着ている。肌の色と同じ、真っ白なツーピース。隠すべ
き部分をちょうど良く隠してくれるので、お湯に触れる部分が広くなる。ちなみに透けな
い素材だからより便利。外の世界もありがたいものを作ってくれるものだ。
>>451
ひとしきりくつろいだところで、先客に気がついた。
「やあ。今日も月見酒か」
そう声をかけて、今日は酒を持ってきていないことに気づいた。
別にそこまで好きというわけでもないけど、こういう時に飲むと美味しいだろうなあ。
- 453 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/28(日) 00:31:410
- >>452
さて、俺のほかにもう一人の客。
見知った姿だ。女性でもあわてることのないような人。
藤原妹紅、古臭い日本語名の酒飲み友達。
「まあな。やはり遠くから見る月は綺麗だからさ」
あまりにも遠くて、小さくて
それでいて綺麗な姿をする月。
まあ、あそこは兵器産業の中心地でもあるのだが。
「こっちに来てからかなあ…月がこんなに綺麗だと思うようになったのは」
故郷からも月が見えたが、風情というものはなかったような。
コロニー内であろうと、宇宙空間だろうと、
どうしても透明なガラス越しにしか見えなかった月。
ガラスを通さずに見れる月というのも、少なくとも俺にとっては珍しいのだ。
- 454 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/28(日) 00:44:480
- >>453
さて、月は今日も変わらず夜に光っている―――この輝きを無心に眺められるようにな
ったのは、本当につい最近だった気がする。それまでは、ただ仇として憎んだものが座す
る場所だとして、いつしかそこに届いてやろうという妄執に塗られて、今のようにただ風
流を楽しむ、などという境地には程遠かった。
「……ふうん、どこにいたの? 月が綺麗に見えない所なんてそう無いと思うんだけど」
基本的に、周囲の風景や見る人の心で月はさまざまな形に変化するが、その本質は静か
な美しさにある。満月や新月の時にはまた違った本質を見せるが、基本的にはそういうも
のだ、と私は思っている。
だから、綺麗に見えない場所というのがどうにも気になった。よっぽど月が近くにある
場所にでもいたのだろうか。それとも望遠鏡か何かで覗いていたのだろうか。月は遠くに
あるから美しいのであって、近くにあるとそのあばた顔に少し興ざめしてしまう。現実的
な姿に戻ってしまうのだ。そういう意味では、私は望遠鏡があまり好きではない。
- 455 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/01/28(日) 00:50:290
- 息が白く見える冬の夜。
昨夜の依頼が長引いたせいで、今日は昼まで眠ってたから、あまり眠くない。
どんなに遅く寝ても必ず朝起きられるパパは、すごいと思う。
眠れないし、寒いし、ベッドの中にいるのはちょっと辛いから、
身体を動かすため、外へ散歩に出た。
何をするでもなく、とりあえず、散歩。
時々見かける妖精たちに、挨拶したり、言葉を交えたり。
そんなことを繰り返しながら、辿り着いたこの、温泉。
立ち上る湯気で、中の様子ははっきりとは見えないけど、
こんな時間だし、誰もいないかな。
そう思ったあたしは、服を脱ぐと、タオルも巻かずにお湯の中に身を沈めた。
「ふう…、あったかーい。」
岩壁に背を持たせながら、呟いた。
空を見上げると、星がとても綺麗。
温泉の中は、湯気でほんの数メートル先もはっきりしないのに、
そこから見上げる夜空は、不思議と鮮明で、綺麗だった。
- 456 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/28(日) 00:57:230
- >>454
遠くから見た月は、その実態を見ることがなくていい。
様々なビルが開発され、多くの人々が住み着き、
月面ピザという名物が発売されている。
日本の資料では兎は月で持ちをついているとかあったが、
実際に歩いたことのある人間にとっては笑い話に過ぎなかった。
「いや、月は確かに綺麗だったんだけどさ…
いつでも見れるからなんていうか…面白くない?そんな感じだよ」
外部モニターで自宅にいながら月を見ることも可能。
許可さえ下りれば、コロニーの外でも見ることが出来た。
しかしあの無機質な球体を見て酒を楽しむなんて発想が
浮かぶことなんてなかったのだ。
「どこに住んでいたかっていうとだな…」
指で星空を指す。
故郷があったソラを。
- 457 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/28(日) 01:02:180
- >>456
立てた指の方角をなぞって視線を上げると―――マジか。
そういえば外の人間はもう宇宙まで出ていたんだっけ。
でも、住めるようになってるとは思わなかった。
「うわ……そりゃいつでも見られるわね」
昼でも夜でも関係なく。
「……てことは月も行ったことあるのよね。何かあった?」
私が聞いた話では、月には月人の都があるらしい。
地上の幻想郷よりもはるかに優れた文明を持っていたとかなんとか。
ただ―――それが今どうなっているのかはたぶん、永琳しか知らないだろう。
滅んだのか、それとも姿を隠しただけでまだ続いているのか―――
- 458 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/28(日) 01:13:250
- >>455
湯煙の奥に、ふと人影を見つけた。
岩風呂の方だろうか、やや小柄な姿が見える。
顔は―――湯煙に隠されて良く見えない。
少し湯船から身を乗り出すと―――目が合った。
ああ、思い出した。
「こんばんわ。割と久しぶりかしら」
なんだか、ずいぶん見かけていなかった気もする。
その懐かしさに、思わず笑みがこぼれた。
- 459 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/28(日) 01:16:410
- >>455
(*ノ∀`)<アチャー
湯煙でぼやけているが、タオルを巻かずに湯に浸かる少女がいる。
堂々と歩いてくるどこぞの狼よりかはましな気はするが、
それでも裸の少女にえらい目に会わされること数回。
相手も気づいてないみたいだし、ここは物音をあまり立てずに。
沈黙は金なり。
>>457
…やはりメジャーじゃないのだろうか、ここでは。
スペースノイドはアースノイドよりも多いのだが。
「上下左右がないあそこでは月を基準にして方角を教えるほどだ。
それぐらいいつでも見ているってことだ」
月の方向○○時。
少し特殊なので慣れるまでに多少時間がかかる。
「月…いつ行ったかな?高校の修学旅行だったかな?」
あそこに行くのには金がかかる。
月からアイランドイフィッシュまでいくらだったか。
「言ってしまえば…特に見る物は無い。
ちょっとした特殊な都会みたいなものだ。
紙幣はドル、名物は月面ピザ。
…後は兵器産業が栄えているな」
ガンダムも開発するアナハイム・エレクトロニクス。
それの工場があるのが月のフォン・ブラウン市である。
- 460 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/01/28(日) 01:33:550
- >>458
夜空の星を見るのに飽いて、視線を下ろして辺りを見回す。
やっぱり、湯気でよく見えない。
と、こっちを見ている人影が見えた。
あたしも、そちらに視線を合わせる。
「こんばんは、割と久しぶりかしら。」
人影が言った。
驚いて、前のめりになって目を凝らすと…、
「あー、妹紅!」
あたしは思わず立ち上がった。
「久しぶりだね、こんばんはー。」
満面の笑顔で妹紅に応える。
思わぬところで友達に逢えたことが、とても嬉しかった。
あたしの耳たぶから、小さな光がそっと離れ、それは小さな騎士になった。
甲冑に身を包んだ、金髪の女騎士。
妹紅と最初に会った、「勇気」の妖精。
妖精は甲冑を脱ぐと、湯船の淵に捕まって、お湯に身体を浸した。
「やぁ、久しぶり。 私の事、憶えてる?」
溺れないように気をつけながら、妖精は妹紅に笑顔を向けた。
- 461 名前:有角幻也 ◆rX9kn4Mz02 :2007/01/28(日) 01:34:280
――――月が、出ている。
地より見え、人が仰ぐは天球の月。
例え文明が天の彼方に進出しようと、その幻想的な神秘が変わることは無い。
その神秘の狭間に封じられた悪夢も、永久に現出適わぬ幻となる。
否、そうせねばならない。
友はその為に命を削った。
彼はその為に命を賭した。
彼らはその為に命を捧げた。
ひとつの輪廻、終わらぬ悪夢を終結させるため。
大自然を殺すことなく、露天の形を取った温泉の一角。
月を見上げ其処に身を沈めいるのは、ヒト型の美だ。
肌と同じ白の魔貌は氷のごとき表情なき表情。
絹より鮮やかに流れて濡れる、闇より濃い漆黒の長髪。
対極にある黒と白。
一切の異物を許さぬ、極点。矛盾を色とし褪せず際立つ陰陽の美、その持ち主。
もし月に心あらば、その美貌ゆえに月光すら貸し与えるだろう。
「…………月、か」
低くも決して濁にあらず、透明感のある声音。その持ち主が呟きを漏らす。
今まで一切の気配もなく先んじて入っていた男の、それが最初の言葉だった。
- 462 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/28(日) 01:57:420
- >>460
「ああ、そうだね。どんくらい空けてたっけか―――」
記憶を掘り起こしながらマリエルを見つめる―――と、彼女のそばに一人の妖精の姿が。
>「私のこと、覚えてる?」
「―――えーと」
眉間に指を当てて記憶を徹底的に洗いなおしてみる。
甲冑。金髪。夜。月。神社―――
「勇気!」
手を叩いて、解答する。
たぶんそうだ。そうに違いない、と思う。
外してたら格好がつかない。
「……っと、それはそうと、タオルくらい巻いたら?」
ふと気づいて、指摘する。
まあその、ものの見事に。
>>459
―――で、こっちの軍人は視線を思いっきりそらして静かにしている。
……ああ、やっぱり混浴だと大変なんだねえ、男は。
「―――で、月に、ああやっぱり人間が町を作ってるのか。
…………何か、変わったものとか見つからなかったのかしら」
どうも聞いている限りでは、月人のことは見受けられない。
巧妙に姿を隠しているのか、それとも滅んでしまっているのか。
>>461
―――ふと、冷たい気配を感じる。
今まで周囲の自然や温泉の熱、月の光や夜気に溶け込んでいたのが、急に現れたような錯覚。
けれど、それは、間違いなく最初から存在していた。
……少し驚く。私もそれなりに勘は鋭いが、まったく気配を感じることは出来なかった。
あんな、目が離せなくなるような、魔性の美しさをもっている姿、だというのに。
ここに入ってくるまで気づくことすらなかった。
(…………まあ、どうするか)
声をかけるべきか、少し迷う。
好んで静かにしているのが何かの拍子で敗れたか、それとも何か別の目的があるのか。
少なくとも、気配を消すことにまっとうな理由が思い当たらなかった。
- 463 名前:アマテラス:2007/01/28(日) 02:09:010
- 毛並は純白、紅の隈取を施した狼が歩いている
夜の散歩に出掛けた狼はふと足を止めた。
――温泉。
風呂に入って洗われるのは嫌いだが、冬の冷気で冷えた身体を温めるには丁度良いと思った。
「………。」
――白い狼アマテラスはちゃぷり、と前足を湯船に入れた。
大丈夫、足は届くようだ。
他にも何人か人がいるようだが湯気が濃く良く見えない。
アマテラスは挨拶するように「ワン!」と吠えた。
*アマテラスの姿は普通の人には普通の狼、もしくは犬にしか見えません。
ご自由にお呼びください。
- 464 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/28(日) 02:09:440
- >>461
「………………」
なんだろうか、ちょっと体温が下がった気がする。
温泉に浸かっているのに体が冷えるとはこれいかにだ。
つまりだ、「そんなことどうでもいい」と思わなくてはならないのか。
近寄りがたい雰囲気を出して湯に浸かるたぶん人。
さっきの女の子と同じく、沈黙は金なり。
>>462
直視しちゃ駄目だ直視しちゃ駄目だ。
妹紅のほうに顔が向けられない。
酒を飲みながら月にずっと視線を浴びせている。
「奇妙なものは見なかったな…
まあ、都市伝説らしきものは聞いたんだが」
都市伝説という名の不確かな情報。
ちょっとした有名な話を友人が持ってきたやつだ。
ええと、内容はなんだったかな。
- 465 名前:アマテラス:2007/01/28(日) 02:23:230
- >>471有角幻也
その呟きに狼はピョコン、と耳を貸すかに動かした。
声のほうを向くと自分とは対称的に美しい黒髪をした男が居た。
アマテラスは湯に浸かるとその男のほうへ泳ぎ始めた。
どうも動きが鈍く不格好な犬掻きに見える。
「アウ?」
とアマテラスがその男の顔を除きこんだ。
- 466 名前:有角幻也 ◆rX9kn4Mz02 :2007/01/28(日) 02:43:010
- >>462
(――――)
その時。
心の奥底で己を僅かに呪ったのは、気配を覚られたが故か。
白の肌に白の長髪―――正に白子と言った出で立ちの少女が視界に入る。
人であり、だが人に非ざる“気”を持つ少女の存在、知らなかったわけではない。
無論、このような形で見(まみ)えれば警戒の念を抱かれるということも。
「言っておくが」
そして、そのままでおくのは決して得策ではないだろう。
形のいい唇が先に動く。
ただ一つの『意』を伝えるために、紡がれるのは氷の冷たさを持つ言霊か。
「警戒をしているならば不要だ。
気配は絶つのを常としているだけのこと、それ以外の意味はない」
あくまで冷静に――――だが明確に言い放つ。
言祝ぎ霊の現となる。言霊の持つ効力は、有角の意をそのまま率直に伝えたであろう。
「人を襲う妖物でもない……ならば、此方も動く必要はないのでな。
例え人に非ざる“人”が居ようと、無闇に手を出す気はない」
この男の偽らざる本心である。
次の任務までの時間潰し。
近在に現れた魔を祓う、今此処に居るのはそのついででしかなく。
言うなれば――――害意なくば、異能が眼前に存在しようと動く道理もないのだ。
>>464
即ち、何かと問われるまでもなくその男の存在には気づいていた。
そして言うまでもなく、誰に言われるまでもなく。
「そんなことはどうでもいい」
気取ったか、向き直りもせずに言い放つ。
たまらぬ当然の道理であった。
>>465
「天照大神……その化身か」
一切の同様ない魔貌を覗くのは戌。なれど其は狗にあらず。
氷海を思わせる気を意に介せず寄るのは日輪の申し子ゆえにか。
陽は陰を照らし、その陰を散らす。
ならばこそ天地の道理ではあるのだろう。
魔王となった父の闇を受け半魔となった有角幻也。
いや―――――ドラキュラの継嗣たる「アドリアン=ファーレンハイツ=ツェペシュ」。
その身に負った濃き陰の気を払うに、陽の化身が擦り寄るなどというこの現状。
世界は光と闇の調和を欲する。
「……出来ている、というわけだな」
すう、と自然な仕草である。
芸術家すら嫉妬しようほどに美しいその右手が動き、白い戌の頭を軽く撫でていた。
それは相手を選ばぬ日輪の慈愛に対する、男なりの感謝の礼か。
冷厳なる美には存在せぬ筈の温もりが、今この有角の手には宿っていた。
- 467 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/28(日) 02:44:080
- >>464
……首が疲れないだろうか。
ものすごく他人事だが。
まあそれはともかく。
「都市伝説……どんな話かしら」
とりあえず、何かしら人間では計れぬ事柄なのだろう。
それはたぶん、月の幻想を伝えるものにはならないだろうか。
- 468 名前:アマテラス:2007/01/28(日) 02:53:120
- >>466
手が優しく触れる。
アマテラスは気持ち良さそうに黒い眼を細め
「クゥン」と鳴いた。
その手のぬくもりをたしかにアマテラスは感じていた。
- 469 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/28(日) 02:56:030
- >>463
―――ふと見ると、白い犬がいつの間にか温泉に入ってきていた。
今は、>>466の男に擦り寄っている。
ただ、ただの犬には見えない。というか……。
なんだこの溢れんばかりの神性。
下手すりゃ普通の人間でも分かるくらい強い。
「……まさか、ね」
ありえない話ではない。神はさまざまな形で世界に降りる。
あの戌もまた、何らかの形の神様なのだろう―――
>「天照大神……その化身か」
意表突かれまくった。
待て、なんで神代の最高神がこんなところに来る。
一発で見抜いた男もすごいけど。
>>466
―――なんだか釈然としない部分もいくつかあるが、まあ納得しておく。
そういう変わり者もいるのだろう。たぶん、きっと。
「……でも一言余計よ。これでも普通に生きてるんだからね」
さすがに人外人扱いされるのは鼻白む。
―――まあ、確かに不死を入れる枠は基本的に人以外だけど。
それでも私は“人間”として生きているのだから。
- 470 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/28(日) 03:05:210
- >>464
…こっちの考えが既に読まれてしまっている。
何も言ってないのに名言を言われた。
「…そういえば吸血鬼は水が駄目らしいけど、
お前はどうなんだ?有角」
前に妙な羽を生やした少女が溺れていたが、
あれの吸血鬼だったのだろうか?
まあ、そんなことはどうでもいいが。
>>467
…いい加減首が疲れてきたのだが、
降ろしてしまったら負けだと思っている。
「えーと…どんなのだったかな」
少し古い記憶を呼び出す。
あれは…そうだ、ジョニーが言ってたはずだ。
確かその内容は
「月面を宇宙服無しで歩く人が各地で目撃されているという馬鹿げた話だよ。
だから都市伝説なんだ。実際にやったら瞬時に凍死してしまうよ。
…あれ?人だったか?バニーガールだったような気もするな…」
やはり古臭い記憶なだけに信憑性がいまいちだ。
ほかにも何かあったような気がするな、
「そうそう、シャトルの船底に餅でGo Home Quicklyと書かれていたりもするらしい。
…いや、月に餅の原材料なんて輸入していたか?」
自分でも訳が判らなくなってきた。
やつの友人の友人から聞いた話みたいな。
- 471 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/28(日) 03:19:250
- >>463>>465>>468
ワンと、犬の鳴き声?
…犬にしてはでかすぎるような気がする。
地球に住むとこれぐらいでかくなる物なのだろうか?
天照大神?アマテラスオオミカミ?
いや、日本の神様だって言うのは判るんだが、
なんでこんな犬が神様なのだろうか。
真剣に二人が言うんだからたぶんその通りなんだろうけど。
- 472 名前:アマテラス:2007/01/28(日) 03:22:040
- >>469
ちょっとした視線を感じ振り返る。
なにか自分のことで驚いている様子だが本人にその自覚が鳴く
「クゥン?」
と呆けた声をだす。
>>470
もう一人男性が入っていた体格が良い健康的な男性だった。
どうやらこの温泉に入っている人々とは知り合いのようだ
しかし首があらぬ方向を向いてる。
気になったアマテラスは再び下手な犬掻きで近づき
男の顔を除きこみ首を傾げた。
「――アウ?」
まるで男を大丈夫?と気遣ってるように見えなくもない。
- 473 名前:有角幻也 ◆rX9kn4Mz02 :2007/01/28(日) 03:38:130
- >>468
陰あるところ、陽はある。陰陽は太極となる。
それは東洋の思想にのみあらず、拝火教にある伝承しかり、南洋のバロンとランダ然り。
或いは今、この地の大神と魔王の直系しかり。
「……感謝する。だが、もういい」
即ち大丈夫だ。という意味である。
彼によって周囲にあった“陰”の気は、アマテラスの“陽”によって中和された。
そう考えるにいいだろう、彼の持つ冷厳な気配がどこか薄れていたという事は。
撫でていた手を離し、アマテラスの任せるようにする。
いかに動くとしても、あとは向こう自身が決めることだ。
>>469
「……そうあって欲しいものだ。今の世界は人間の世界として在る。
魔といった存在は、最早彼らの世界には存在してはならない。
世界のその在り方が、たとえ無情なものであろうとな。今の世界は、幻想境とは違う」
(そうとも、いずれ俺も含め―――――)
冷徹とも聞こえる言葉から僅かに滲んだ色は、自嘲の色。
本来“彼”はもう存在してはいけなかった。
魔王であった父の呪いを受け、彼は人でありながら魔でもある。
ダンピィルとしてのみならず、世の破滅を願う魔王の眷族として授かった生。
異能ゆえ世に混乱をもたらす呪われた生。
封印の監視と、残滓として降りかかる怪異を鎮めるために今、アルカードは生きている。
だが、それも何時の日か終わらせなければならぬだろう。
彼は本来、人の世に存在してはいけないのだから。
「それと魂の色が変わらないのは、ある意味で“人間”とは言わん。
……とはいえお前の意は分かった。そこは詫びよう」
霊的な位相を、見えぬものを見る。
彼が幼少時、父の腹心を務める死神に教わった魂の鑑定術は健在である。
愛する母より学んだ人の教えも、人の心も。
「……それとだ。見抜いたのは仕事柄に過ぎん。
魔を祓う都合、正体を見極められる知識と眼がなければ仕事にならん」
序に言えば、元は戦術家だった父に学んだ観察眼も。
「――――思わず身を乗り出しかけたのも分かる。だから前を隠せ」
遠慮ない氷の心は地なのだが。
- 474 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/28(日) 03:55:570
- >>470
―――ああ、やっぱり。
幻想は、まだいきているのだ。
「たぶんそれ、本当のことだよ。間違いない」
笑って、彼の言う非現実的なことを肯定する。
だって、私がその非現実に身を置いているのだ。
否定する理由などどこにも無かった。
―――そこに、存在しているのだから。
>>472
―――視線が合う。
きらきらとした知性溢れる目。綺麗な毛並み。
……まあ、確かに普通の戌とは違うよなあ。
「……まあ、神様も湯治ぐらいするだろ。なんでもないよ、ごゆっくり」
とりあえず、気にしなくていいか。
変に気にして水を差すのもアレだ。
>>473
「……まあ、ね。だからこそあの郷は自ら線を引いて、幻想を守った。
いまさら外に出たってしょうがない……人づてで聞いただけだけどね、そういう話は」
……妖怪は人を攫い、人は妖怪を打ち倒す。
その天秤が崩れたのはいつだったか。
産業革命か、それとも啓蒙思想か。
ただ、それによって人と妖怪の関係が一度、完全に壊れてしまったのは確かだ。
共存から、競争、やがて互いの闘争へ。そして―――人は幻想を捨ててしまった。
「にしても、魔……か。いつからかしらね、共存が出来なくなったのは」
どこか、感慨深く、そのことを考えた。
結論は出ることは無かったけれど。
「……まあ、いいよ。素直にそう言ってくれる方が意外だった。
その手の人って、大概が頭固いからさ」
それに、言われるほど気にしていたわけではない。
水に流せる程度のことだ。
「あ、それと。ちゃんと水着は着てるわよ。白だから目立たないと思うけど」
さすがにそこまで無防備じゃないやい。
- 475 名前:有角幻也 ◆rX9kn4Mz02 :2007/01/28(日) 04:04:180
- >>470
無遠慮な―――即ち、面前で“吸血鬼”の名を出す―――隣人の問いにも
白と黒の魔貌は、微塵すら揺らぎはしない。
ただ冷然と、彼を知る者が常と知るように言葉を返すのみだ。
「…流水の概念だな。
水がではなく、本来駄目なのは水脈や河、海といった陸を隔てる“境界線”だ。
ヴァンパイアはそれらを渡る事が出来ない、というのが元々の伝承だな。
また、そういった意味では線路なども渡ることは出来ん。
だからこそ古来、伝承に出る“吸血鬼”は無闇に徘徊せず、人間が“境界線”から
出るよう誘惑するとされてきた。単純に流水が弱点となったのは、彼ら自身のその
概念が時を経て変容していったからだ。流水を渡れんという、自身にとって致命となる弱点。
その考え方がヴァンパイアを構成する呪いに反応すると言われている。
……これを聞いて気の持ち方次第などと言う人間が居るが、流水が致命的な弱点であると
いうのは事実だ。
超えられない筈の水脈を超えて存在しているヴァンパイアは、極めて少ない。
克服か滅び、どちらかの結果しか存在しないのでな」
これはベルモンドの教えだったか。
それとも研究の第一人者として名高いヴァン・ヘルシングだったか。
「どの道、俺には弱点となることではない。
半ばでも人間の部分があれば即死には至らんし克服もできる。
殊更……温泉程度ならば害にはならん」
極めて僅かだが、その語気に誇らしげなものが宿る。
常に冷徹と見られる彼を知る者にとっては、珍しい光景であったかもしれない。
ダンピィル。
人外の美貌を宿す身は、その存在の半ばが人間である。
それ故の不完全さ、だがそれ故の可能性を切り拓ける“余地”。
母の残した深き愛の証は、確かに今ここにある。
- 476 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/28(日) 04:15:540
- >>472
首も本当に疲れてきたなと思ったら、
犬が下から、思わず目線を合わせる。
「…なんか良い毛並みしているよな、これ」
神様なんだから仕方ないのかも。
そしてこういう愛らしいものには思わず顔を擦り付けたくなる。
>>474
「…三流ゴシップ誌が好みそうな話だな。
月には原住民がいたって」
ホント、ちょっとした話が出たらすぐ消えそうな話題だ。
この都市伝説自体は月に広く伝わっている。
妹紅の言ったとおりこれが本当とするならば、
相当数が月にいるということだ。
さて、この仮定が成立するなら最後に聞いた意味不明の行動にも説明がつく。
「…つまり、その原住民達は移民を煙たがっているようだな。
過激な行動を起こさない分、まだ許されているんだろうか」
まあつまり、いきなり他人の家に押しかけて占領したもんだし、
原住民達が何らかのアクションを起こすことは明白だった。
「しかし船底に餅でGo Home Quicklyは無いと思うな…
そんなことやっても普通の人間には意味がわからないだろ…」
どこに帰れと第一発見者は呟いたのだろうか。
もうちょっとでも行進とか、そういうのをやったほうが効果が現れるような。
でも姿を隠すところからそこまで人の目に付きたくないのだろう。
「それに都市化していない一部の地域は軍事演習が行われているんだから、
原住民がいたとしたらそれはまた迷惑だろうな」
核とかは流石にないが、新兵器のテストがよく行われていたりする。
あのRx-78ですら月でテストをしたのだから。
- 477 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/28(日) 04:24:230
- >>475
「流水…境界線…呪い…」
まあ、なんとなく言いたいことは判るのだが、
何とかなりませんか?
凡人には専門用語を並べてもわかりません。
というかなんで境界が嫌いなんだ、吸血鬼。
「へえ?なんだかこの前一人溺れたようだけどな。
そういうのは強い呪いがかけられているものなのか?」
境界が苦手というなら水に落ちても問題あるまい。
しかし実際に溺れたやつがいるのだし。
「…まあ、お前が強力な半吸血鬼だって言うのは判った。
種類はロードヴァンパイアとでも言うのか?
どれだけの領地を持っているか聞きたいものだな」
- 478 名前:有角幻也 ◆rX9kn4Mz02 :2007/01/28(日) 04:30:430
- >>474
「それもまた、あるべき選択だったということだ。
境界を引き領分を作る……だからこそ世界の調和が成り立っている」
昔、人は幻想と共にあった。
人から英雄が生まれ、天の神を崇め、悪魔という隣人を恐れた。
だが時と共に。
英雄は埋もれ、神は死に、悪魔に礼節すらも消え。
残ったのは害意をなす存在と、それ等を狩る者、それに僅かのマレビトに過ぎず。
それを現世に甦らせるというならば、即ち歪みの顕現となる。
かの混沌、破滅を誘う悪魔城のように。
父が狂い、望みの果てに契約した呪いの形に。
「共存は……均衡ではない意味ならば、恐らくは最初からだ。
魔は闇であり、闇は陰であり、そして強き陰は人を蝕む。
恐れるのみならず、人は魔に惹かれるものだ。その闇が強ければ強いほどにな。
均衡すら成り立たなくなったのは、人自身の力が御せる限界を超えた……そう考えるべきなのだろうな」
只管に増えた人間の数は、すなわち抱える負の想念と同じくある。
ならばその膨大な怨念、もし汲み上げられれば如何程の災厄となろうか。
人が滅びるときは、人自身の手によって滅ぶ。
母が憂いの表情で生前に漏らした言葉、魔女として処刑される際に説いた言葉だ。
だが、その顕現が想念を糧に食らう『魔』の仕業とは認めたくなかった。認めなかった。
―――――認めたのは人を呪いながら、そんなものに頼った父だけだ。
それを彼は許せなかった。
だから未だ、彼という存在は現世にある。
父の遺した全てを終わらせるために。
「そんな事はどうでもいい。
非は改めねばならん、それだけだ」
気にする様子もなく、言い放つ。
明快にして単純至極、だがそれ故によく伝わる。
彼をよく知る者は十中八九口をそろえて言うだろう。“こういう男”なのだと。
「それならばいい。
……温泉では邪道とも聞くが、当人が問題なければな」
だが、一言多いかもしれない。
- 479 名前:アマテラス:2007/01/28(日) 04:50:580
- >>475
「アン!」
と礼に対しアマテラスは応えた。
本来撫でられた側が礼を言うべき処ではあるが
生憎アマテラスには吠えるしか術がなかった。
>>474
「ワウ!」
とその言葉に応えるように吠える。
アマテラスもこの少女が人とは異なる存在だということに気づいている筈だが
本人は気にした様子も無い。
>>476
そう誉められて嬉しくなったのかの礼変わりとばかりに。
舌で顎の辺りを舐めた。
- 480 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/28(日) 04:54:380
- >>476
「あー、月には高度な文明があったって話、知らない?」
どうも彼の考えてる月人と私の知ってる月人とはズレがある。
いやそもそも―――何か前提が違うような。
「というか……結構派手に戦争やったような話も聞いてるんだけど。
知らないの?」
そう、彼の月兎がこちらにやってきた背景はそれだ。
侵略に対しての全面戦争。
その手から守るため、永遠を生きる二人は世界を結界で閉ざした。
そう、閉ざしたのだ。月を欠けさせ、月と地球をつなぐ道を。
「……もしかしたら、隠されてる話もあるかもしれないね」
ふと、そんなことを呟いた。
>>478
「まあ、邪道は邪道よ。私も普段はこんなのしないし」
苦笑して、来ている水着を撫でた。
泳ぐにはいいが、湯浴みには向かない。
「……でも、さびしい話よね。夢も幻も失って、何がその空きを埋めるのかしら。
空っぽの未来には、不安しかない。後は、人を惑わす―――貴方の言う魔とかね。
―――いつしか、そのことに人は気づけるのかしら」
気づいて欲しい、とは思う。
科学はいい。別に構わない。それは世界を解き明かす術だ。
だが、それは人の心や曖昧なものを載せるにはあまりにも固すぎる。
硬さは脆さにつながる。脆さは、危うさに繋がる。
―――夢想する。
科学という壊れそうな基盤に、歪な形で乗っている今の世界。
自分の足元が、実はぼろぼろだったと気づくことはできるのだろうか。
「……昔は良かった、なんていうつもりは無いけど。やっぱり寂しいものよね」
私は古い生まれだから、慣れ親しんだものが消えていくのはどうにも無常を覚えてしまう。
ただの感傷だ。感傷で世界は変えられない。
「なんか妙な話したね。ごめんよ」
苦笑して、適当に話題を切り替えることにした。
なんだか辛気臭くなってしまった。
せっかくの骨休めだというのに、気分を下げては意味が無い―――
だが、残念なことにのぼせそうだ。
「悪い、そろそろ失礼するよ。湯当たりがちょいと怖い」
ざば、と湯船から上がる。
「それじゃ、また」
やや素っ気無かったが、次はのんびりと話せることを信じて、そう告げた。
【退場】
- 481 名前:有角幻也 ◆rX9kn4Mz02 :2007/01/28(日) 05:14:390
- >>478
「詳しく知りたければブラムストーカーを読め
溺れたのは単純な話だ――――呪い以前に“泳げない”からだろう。
流水自体の弱点を克服してとしても、泳げる泳げないは別問題だ」
恐らくは、学者の論舌を聞くテレビタレントというのがこんな表情をするのだろう。
唖然気味の相手だったが、零度の美貌に容赦する気配はなかった。
とはいえ、いかな形であれ助言をくれるのは彼なりの慈悲なのだろうが。
「それと――――無闇にその言葉を出すのはやめておけ。
隠す気はないが、本来表の世界では存在しない者の言葉だ。
こと、この手の言葉に敏感な連中は、異様に耳聡く神経質でもある。
そんな奴らの耳に入れば……戦場を離れて尚、影に潜む奴らに狙われる事になるぞ。
迂闊な発言は災いとなってお前と家族に降りかかる。言動には注意を払え」
なお氷の相を見せる魔貌、投げかける氷点下の視線。
絶対零度の声音で静かに、だが厳しく嗜める。
知っているからだ。
ヴァンパイアを、“魔”というものの邪悪さを。人間においての恐ろしさを。
何よりも、己自身が人に非ざるからこそその力を知っている。
「それと……生憎だが“ただの”ダンピィルだ。
“生まれ”が特殊なだけで、出来ることが多いだけに過ぎない。
領地などはない、受け継いだのは力の半分……それだけだ」
否――――あってはならない。
ワラキアに今ある城も、かつて父が治めた領地も本来の領土ではない。
彼の父とは魔王であり呪いそのもの、其の領地は力の象徴。破滅をもたらす災厄の象徴。
魔王ドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ。
そして魔王と数多の魔が住まう呪われし悪魔城。
父が唯一の領土であり、或いは彼が受け継ぐべきだった混沌の具現。
継ぐわけにはいかなかった、人でありたいのなら。
そして継ぐ道理もなかった。
人を滅ぼす魔王になど、なる理由もなかったのだから。
だから――――――
「もし継げるとしても、絶対に受け継ぐことはないだろう」
- 482 名前:アマテラス:2007/01/28(日) 05:36:320
- >>480
「ワン!」
と湯船から上がる少女に対して返事をする。
少女とダンピィルの男との会話は聞こえていた。
その話の内容はまったくアマテラスとて無関係では無い。
神は人々の信仰無しでは達ゆかない。
アマテラス自身以前から比べると大分力が衰えてしまった。
アマテラスが徐々に信仰が薄れつつある現状をどう思うかは、この黒い眼から察することは出来ない。
なにか考える所があるのか、もしくはただ呆けているのか。
それは本人にしか判らなかった。
>>481
初めて聞かされる異国の地の妖怪の話。
「人の生き血を吸う」という妖怪にアマテラスが心辺りがある。
ダンピィルの男が話す限りそれもまた、人の営みを壊し自然を汚す「魔」には違いないだろう。
その名を発するだけで呪われる…その力は巨大な妖怪ならばどこでも同じなようだ。
「……。」
アマテラスはその様子をいつものように口を半開きにさせて聞いていた。
- 483 名前:有角幻也 ◆rX9kn4Mz02 :2007/01/28(日) 06:08:070
- >>480
そう、時はただ流れ行く。
何処までも無情に、何所までも不変に。
形ある物はいつか壊れ、生ある者は何時の日か死ぬ。否、形なき概念すらも例外なく。
人々の感傷すら無碍に飲み込み、それでも繰り糸は止まることはない。
だが――――――。
「……だが、そうとも限らん。
おかげで一つの悪夢も終焉を見せた。一先ずはだがな」
時を刻み続けた、無碍な歴史を積み重ねたが故に果たせたもの確かにある。
それは無限に続くかと思われた輪廻の終焉。
悲劇ゆえに生まれた力が、闇を討った。/ヴァンパイアキラーの誕生
一時とはいえ呪いに打ち勝った事実が、光明を生んだ。/悪魔精錬術による呪いの封印
争いゆえに生まれた悲劇と元凶が、輪廻を立つ手管となった。/不可能とされた悪魔城とドラキュラの分断
呪われた歴史を重ねたことで生まれた多くの系譜が、悪夢を断つ力となった。/1999年、永遠といわれた魔王の終滅
輪廻の残滓で生み出された存在が、ついに自らの手で、その輪廻を完全に断ち切った/宿命と離別した、魔王ドラキュラの転生体
「歴史の流れに失った物も小さくはない。混迷はまだ続くだろう。
だが――――それでもまだ、前に進めるならば“希望”は存在する。
例え、先行きがいかに危ういものだろうとしても……世界がある以上、それは必ずあるものだ」
返答になってはいないだろう。
いや、返答を出すことは彼にとってすら出来はしない。それもまた厳然たる事実、世界の摂理である以上は。
だから必要なのは同情でも弁解でもない。
同じく変わらぬ摂理―――それでも希望という名の道標があると、そう言葉で伝えるだけだ。
「ではな」
この男の言葉が届いたか否か――――それは少女以外に分からない。
>>479>>482
「……大丈夫だ、天照の狼(大神)よ。
彼らは人が倒し、我々が倒す。今の時代で人の世界を守るのは、人の役目だ」
――――たとえ、呪われた半魔の生であろうとも。
あくまで冷静な―――その彫刻じみた端正な表情を崩さず幻也は言う。
鉄の相に秘められているのは確かな決意。
あの時から変わらぬ心。
「だから――――戦うのは我々に任せてほしい。
魔を祓うために戦い、傷つくのは我々だけでいい。
あなたは天から見守り、時には悲しむ世界に日輪を見せてくれれば……それでいい」
昔、神の化身はその身を呈して魔を退け、穢れを祓った。
自らが傷つくことも厭わずに。
天照大神の知られざる伝承の一つ――――それを知るからこそ、有角幻也は言う。
『どうか――――今の生を安らかに』
「……時間だな」
脱衣所から微かに聞こえるのは電子が奏でるコール音。
時が来たのだ。次の戦いに往くときが。
彼が属する機関から下った新たな指令、今の今まで待ったその時が。
「邪魔をした。ではな」
その言葉を発する前、誰もが眼を離した刹那の事である。
白い肢体が、黒い長髪が一条の“影”となり……そして、消えた。
自然ゆえに気取られぬ体捌き、気配を消し去る穏形の業、霧散と消える人外の能。
その何れか、或いはその何れでもあらずか。
一ついえるのは、もはや有角幻也という男はこの場にはいないという事である。
そう、まるで在る日の幻のように。
【退場】
これが本当の幻也(まぼろしなり)。
『そんな事はどうでもいい』
お後がよろしいようで。
- 484 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/01/28(日) 06:10:230
- ごめんなさい、居眠りしちゃってた。
もっと、気をつけなきゃ。
妹紅…、本当に、ごめんなさい。
(退場)
- 485 名前:アマテラス:2007/01/28(日) 06:50:290
- >>483
「ウォォウ…。」
ダンピィルの男の言葉に低い声で応える。
彼の言葉に感謝する反面その半魔の生を憂うように。
アマテラスは霞のように消えた彼が居た場所をみる。
アマテラスは恐らく人の世が人の力が及ばぬほどの闇が現れば人知れず闇を払うだろう。
アマテラスはダンピィルの闘いの先に光明が在ることと祈った。
――夜が空けようとしている。
冬の朝が空けるのは遅いがアマテラスもそろそろ時間だ。
そろそろ「相棒」も起きるころだろう
アマテラスはバシャっと湯船から上がるとぶるぶるっと身震いし水滴を飛ばした。
そして狼は翔けて行く。
自らの名の示す通り浮世を遍く照らす為。
「オォ――――――――――――――――――ンッ!!]
アマテラスが天高く遠吠すると地平線から山吹色の日輪が顔を出す。
太陽は昇る。
[退場]
- 486 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/28(日) 07:37:490
- (ノ∀`)<アチャー
悪い、また寝落ちしてしまった…
>>480
「月の開拓史にはそんな話しは載っていないな。
大体遺跡みたいなものは残ってなかったし」
高度の文明と言われてもそんなものは何一つなかった。
ガラクタの山…遺跡すら月にないのだ、
そんな大きな戦争は考えられない。
「生憎聞いたことがないな。
俺だって月の全ての歴史を知っているわけじゃないし、さ」
さて、月にフォン・ブラウン市が出来たのは約40年前の話である。
この間に月で戦争が起こったことは1度だけである。
ルウム戦役にぼろ負けする前…そう、宇宙航空機があったかなかったかの時代だ。
その時代に戦争があったのだろうか?
「真実は闇の中、だな。Xファイルでも調べないとわからないだろう」
まあ、そんなものを見る機会など一度もないのだが。
「ん。じゃあな、妹紅。
今度会ったときは一緒に飲もう」
酒の最後の一杯を飲み干して別れを告げた。
>>481
「…カナヅチ?
ドラキュラ伯爵ってそんな弱点を持っていたのか?」
ブラムストーカーは未読だ。
ドラキュラが英国を乗っ取ろうとしていたぐらいしか
俺にはわからない話だ。
「―――オーケー、肝に銘じておくよ。
お前ぐらいしかそういう類の人間は知らないが、
少し自重することにしよう」
酒を飲もうとして空なのに改めて気づいた。
そろそろ終わりだな。
「ふーん?少しはでかい領地を持っているのか。
ま、一般人にはよく判らない理由があるのだろうけど、
継ぐ気は無いのか。へえ?」
何故かいたく感心。
こんなオカルティックな話はあまりしたことがなかったから、
いろいろと新しい発見が多い。
「―――さて、俺も出るか」
>>485
「…太陽は眩しいな」
ちょっとクラリとしながら俺は出口へと向かった。
- 487 名前:邪神モッコス:2007/01/28(日) 20:33:300
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- 488 名前:邪神モッコス:2007/01/28(日) 20:37:150
- いい湯です……私のルックスも200%ほど上昇したようです、シオン。
流石はいい日旅立ち湯煙名湯・IKKOKU温泉ですね。
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- 489 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/28(日) 21:03:520
- >>487-488
滞在期間は月末まで。
セシルと了解を取り合った挙句、現在温泉旅館に滞在中。何の面白みもない部屋で、十回は繰り返して見たライブDVDを
繰り返して試聴し、それに飽きたのは、多分、今日の夕方くらいだったと思う。
行く場所は限られていた。
浴衣に着替えて、その浴衣の更に着替えを持って、脱衣場に足を向ける。
脱衣場の扉を開けたところで――はたしてそして、俺は足を止める。
止めるべきだと思ったからだ。
『この間の話なんだけどさ』
『なんだ』
『月に兎――のあれ。憶えてるか?』
『まあな。それがどうした?』
『ああ。ちょっと話は変わるんだけど、例えばさ……オカルティストの考えてるバアルと、俺達の捉えてるバアルは別物だろ?
悪魔の概念についての考察、っつーか』
『そうだな。バアル自体が多面的な相を持っていることを考えれば、その例は適切だ』
『そうそう。で、更に視線を神話にズラすとさ、あれって元は豊穣神だったろ、確か。で、バアル、バアル・ゼブル、ベルゼブブ
――行き着く先は醜悪極まる地獄の主だ』
『……にわかオカルティストが口にしそうな言い振りだが、だから、なんだ』
『うん、つまりさ。今じゃベルゼブブの方が有名だってことだよ。本来の存在が歪められて、まったく別のものに変質して――
そいつを俺達が定めるとき、『そいつ』は最初の状態を……違うな、最初に、『最初のそいつ』であった頃の意味をどれだけ留
めてるんだろうな』
『急に――どうした』
『ん、いや、なんでだろうな。なんとなくだけど』
『いつかのオリジナル談義にはもう付き合う気も失せたぞ。音楽は趣味の合う人間とやってくれ』
『いや、マジで普通にそんなんじゃないけど……』
『なら、答えは簡単だ』
『ん?』
『そいつは、最初のそれの要素をどこかに留めただけの――まったくの別物だ』
『……成れの果て、っつーことかな、それ』
『というよりも――』
異質な――。
何、か――。
・………。
「……はっ」
何を考えてた、今。
忘我の遑は僅かだ。
脈絡のない(恐らく、多分――きっと)思考を振り払い、その根幹になった視界について考える。もっと言うなら、視界の――
湯船の中心から生えているモノについて考える。”生えている”ってのは、どう考えても「入っている」って文脈が頭に浮かばな
いからだ。乳白色の湯船の上、湯気から見え隠れするその顔が、とにかく印象的で――というか、印象が強過ぎて、俺の思考
はバベルの図書館へと逃避を決行する。
……この世には、考えて答えの出る物事が一体幾つあるだろう。
”いつか答えの出る”計算式を演算装置にトレースして、その答えが算出されるまでの時間が永遠に等しかったら、それはゼ
ロと同義だ(仮に、その間に技術的進歩のプラスアルファを含むとしてもだ――いつか、水木しげるについての憧れを放棄でき
る日がくるのか、と俺は考える)。ネコはシェイクスピアをあまり好きではないことを俺は知っているし、タイプライターがネコの
ステップで動く筈がないと理解している。
ていうか出ねえよ。
そいつについて考える。考えて、唐突に思い至る。
「……『シューティングゲームのボスキャラ』って感じだよな……」
直感だ。
直感だが、湯船に一歩でも踏み入れた瞬間、タマでも撃ってきそうな気がした。
顎に手を置いたまま、思案する。
「”入れ”んのか、ホントにこれ……?」
(脱衣場前)
- 490 名前:邪神モッコス:2007/01/28(日) 21:15:380
- >>489
人の気配をセンサーにより確認しました。
対ヒト用行動様式にシフト――――
恥……恥ずかしいです、シオン。
./ ̄ ̄\
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| ---'< 一、 ,-─-、
| / / / 丶、 丶
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| /──--、__ ./ /
| | __ 丶、 / /
\__/ ///ー-、 丶 ポッ .| |
| | | | | | | ! /一一-'
| | 丶.)_,/ ,.-丶 / | ./ /
/ .|丶、Y.◎) (◎) | |誰かそこに居ますね
/ | |~ * _,! * .| | / /
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( / ! /丶丶、丶 ! | |__| 丶 丶 -一''| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
\ 丶 丶__/ ./ '\~ 丿 | -─ ̄ | 当温泉は邪神専用です |
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- 491 名前:『双子の殺し屋』ヘンゼルとグレーテル ◆TWIN/RJ36g :2007/01/28(日) 21:17:100
- 「わぁ〜〜い♪久々の温泉だぁ〜〜♪」
『ウフフ、本当に久しぶりね兄様♪』
>>487-488
>当温泉は邪神専用です
「あれ〜〜?何だか貸切状態になってるよ?」
『本当だわ…。どうしてかしら?』
- 492 名前:邪神モッコス:2007/01/28(日) 21:17:250
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ふう……恥ずかしいので……つい周りの湯治客を食べてしまいました。
- 493 名前:通りすがりの一般湯治客:2007/01/28(日) 21:29:580
- 邪神様こわいよ・・・
- 494 名前:邪神モッコス:2007/01/28(日) 21:39:270
- >>491
私は神……慈悲の心を持っています。
ですから特別にあなた方の入浴を許します。
だから限定版を買うべきです。
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>>493
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怖くなどありません……なぜなら私はあなたのそばに何時も居るのですから……
- 495 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/28(日) 21:40:450
- >>497
出方を伺う。
様子を探る。
なんと言うか、なんなんだ、これ。
どっかの前衛系デザインコンペの出品物か。
そんなナマ優しいもんじゃないのはよく解るけど。
「つーか、こういう時こそアイツ辺りの出番だよな……」
いつか居たアイツはいない。
弾幕がどうのとか、向いてそうなヤツだった。
居ない以上、居るのは俺だ。
ああ。
やべえマズい。
こいつは、とにかくマズい。
反応は反射だ。懐に伸びた手が物語る――あるべきモノ(銃)はない。アレはマズい。分類できる理由はゼロに等しくても、
理解できる意図はビタイチ存在しなくても、間違いないと俺の価値観が警鐘を叩き鳴らす。簡単だ。「全長五十メートルの巨
大怪獣が原発施設の近くで暴れてる」って状態を、地球防衛軍が見逃す筈なんてない。
つーか今アイツ、なんか食いやがった。すげえイヤな絵ヅラが眼前で展開中。
場所弁えろ。スプラッタかますような空気じゃねーだろ、ここ。
「”聖剣”――じゃあ、ねえ。ストームブリンガーでもライトセイバーでもいいけど、とにかく……つーか、セシル! なんでこう
いう時にいねーんだアイツはッ!」
携帯を取り出す。短縮をプッシュする。
「ああ、俺。……悪い、ロトの剣でもエクスカリバーでもなんでもいいけど、とにかく伝説っぽい武器が必要になった。今すぐ
来てくれ――以上。場所?」
肩を竦めて、俺は言う。
「温泉だよ。このままだと入浴できねえ。あとなんか、ヒト食われた。多分」
- 496 名前:キタロー:2007/01/28(日) 21:47:080
- 「近くに温泉があるらしいから行ってみよーぜ」と順平が言い出して、行くことになった
のが昨日。
部活の面々も揃って(とはいえ、男は僕と順平だけになんだけれども。天田と真田さ
んは都合が悪かった)小旅行気分で出掛けようとなったのが昨夜。
順平。今朝方寝込む。ノロだってさ。
「遠足前夜に浮かれて、当日に風邪を引く小学生みたいですよね」天田少年は語る。
混浴と知って女性人壊滅――女性専用湯があることを知って別行動開始。
今脱衣場。
「アナライズ――すべきだろ、これ」
新手のシャドウ?
ま、どうでもいい。
取り敢えず風呂に入りたい。
タオル一枚だし、寒い。
「―――で、あんた。入るの? 入らないの?
入らないなら、邪魔なんだけど?」
携帯で話す男(>>495)に、背後から声をかける。
ポケットに手を突っ込めたなら、様になるんだろうけど。
タオル一枚って。
- 497 名前:『双子の殺し屋』ヘンゼルとグレーテル ◆TWIN/RJ36g :2007/01/28(日) 21:48:500
- >>494邪神モッコス
「わあ〜〜い♪ありがとうとても巨大なお姉さん♪」
『どうもありがとう、巨大なお姉さん♪』
そうして、ヘンゼルとグレーテルの双子の兄妹(姉弟)は
服を脱いで、自前の武器を傍に置いて温泉に入った。
「ふぅ〜〜♪やっぱりここの温泉はとても気持ちいいね〜〜姉様♪」
『そうね、兄様♪』
- 498 名前:名無し客:2007/01/28(日) 21:52:23O
- わかった!
これは色んな人々が力をあわせた必殺技でボスを倒すシーン!
違う?
ぎゃああああああ
- 499 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/01/28(日) 21:53:470
- >>487-
昔々あるところに一つの人形がありました。
その人形はあまりに姿が歪んでいたので、周りの人たちから嫌われていました。
あんまり嫌われたので、その人形も周りの人たちを嫌いになってしまいました。
いつしか、その人形は周りのみんなから特別な呼び名で呼ばれるようになりました。
そして、その特別な呼び名にふさわしい、力と威容も得て……
……という話と関係あるかどうか。
目の前に何かいた。
うっわー、これって私の……人形師の管轄になるわけ? あんまり歓迎したくないんだけど。
そうそう、言い忘れた。私はクロイツェル、人形師。
最近はローザって女の子と暮らしてるんだけど、今日はソロで湯治旅行。
で、水着を着て(着るよね?)浴場前で非常にあれな物と遭遇して硬直中。
「とりあえず……食べた人は出してあげたら?」
話しかけてみた。通じるのかな、会話。
同じようなアングルで二人ぐらい(>>495、>>496)隣にいるけど、今は後回し。
- 500 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/28(日) 21:58:570
- >>496
肩を竦める。
邪魔ってな。
「入るつもりなんだけどな。……ヒト一人分くらいのスペース、避けて通る余裕はあると思うぜ」
携帯を閉じて手桶に放り込んで、背中へ返答。
ツラを確認。――ああ、昔こんな顔どこかで見た気がする。
水木先生。
浴場入り口から一歩出て、傍らの柱(檜製のヤツだ。周囲に何本も立ってる)に背を預け、どうしたもんか、
と湯船に視線を移す。どうにもこうにも微妙な状況で、なんとも言えない程度に人が増えてきた。
「まあ、入るには入る――つもりだけど、さて」
つーか冷えてきたな。
いっそフツーに入るか。
>>498
「チームワークのない戦隊技、ってのは存在しないらしいぜ」
確か。
旅館に置いてあった小学生向けの雑誌で読んだ気がする。
- 501 名前:邪神モッコス:2007/01/28(日) 22:03:120
- >>495
入浴できないことを考えているのですか……それに関しては問題は0%です。
むしろ邪神エキスで健康になるといえるのではないでしょうか……もちろん嘘ですが。
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.| l゙ │゙l::: : : .、,,_ _,,i、 \::::::::::::: : :,| ボスなんて居ませんよ。きっと幻覚でも見ているのではないでしょうか?
l゙: . | : |;;│: `" : ::,l゙;:,、: : : | 林先生に見てもらう必要があるようです。もう絶対に逃がさない…
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ノ ) し' 人 Y´
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- 502 名前:キタロー:2007/01/28(日) 22:06:450
- >>500
顔を見てノスタルジィに浸られた気がする。
―――いつものことだから、どうでもいいけどね。
「温泉に来て、浸かっていかないのは、馬鹿げてるけど、ね」
なんていいつつ、男と反対の柱に背を預ける。
木って冷たくないから、こういうときには良い。―――普段実感しないけれども。
「あんたはさ―――普通だね。こーゆーの、慣れてる?」
どうでもいいお節介。
でもしっかり眼を見て話す。
意識は掌――指先にあるのだけど。
>>498
「フェザーマンは残念だけど、来てくれない」
意識は指先に。
指は銃の形に。
慣れ親しんだ、形に。
- 503 名前:アマテラス&イッスン ◆oKgH6ksxh. :2007/01/28(日) 22:12:500
- 今宵も白い狼が温泉にやって来る、今回は相棒である妖精も一緒だ。
しかし今宵は昨日とは来た目的が違う…突然現れた巨大な気。
それが気になり大神アマテラスは温泉に向かった。
イ「おい、アマ公水臭せぇじゃねェか!
こんな所に温泉が在るなんてよォ」
ア「アウ!」
イ「オイラァ、風呂嫌いだけど綺麗な姉ちゃんの裸は大好きだぜェ!」
>>495、496
脱衣所辺りに来るとなにやら、男性達が話しをしている。
一人の男は布を纏っているだけで寒そうにみえた。
イ「よぅ、兄さんどうしたんだィ?
こんな所裸で突っ立てたら風邪引いちまうぜェ?」
>>498「ぎゃああああああ」
温泉のほうから悲鳴が木霊した。
イ「な、なんだァ!誰か溺れちまったのかぁ!?」
ア「アウ!」
アマテラスは短く吠えると湯船のほうへ走り出した。
>>501
そこには女性の巨人が498に向かって遅いかかろうとしていた。
その身体は山のように高く真紅の紅い瞳からは感情を伺いしれない。
イ「な、なんだこりゃア!?」
驚愕する相棒を余所にアマテラスは498と501の前に踊り出た。
「フーッ!フーッ!フーッ!」
身を低くし目の前に聳える相手を威嚇する。
- 504 名前:邪神モッコス:2007/01/28(日) 22:15:370
- >>496
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- 505 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/01/28(日) 22:16:210
- 返事なし。ガチでスルーされたっぽい。こんちくしょう。
しょうがないから前に出てもっと根気よく話してみる。
う、至近距離だともっと怖い。
「暴れないの。湯治客の人怖がってるじゃない。それはいやでしょ?」
通じてなかったら只の道化だけどそれで結構。
事が人形相手ならこのクロイツェル、いくらでも道化になってあげるさ。
……と言いつつも、今後の対処はどーしようか。
通信クリスタルは部屋においてきちゃったのよねえ……。
- 506 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/28(日) 22:16:460
- >>502
温泉は風呂。同感だし、現状は馬鹿げてる。これも同感。
だったら、現実はそれより馬鹿げてる。
それだけだ。
「フツーっつーか……、まあ、そうだな。慣れてる。ある意味じゃ俺もアレと同類かもしんねーし」
それはいい、と首を振る。
キタロウ(隣のヤツへの心の愛称。今決めた)に視線を送り――どうしても髪型にツッ込みを入れたくなるのを
堪えて、どうしたもんか、と小さくごちる。
俺、だって温泉に来たんだぜ? 魔王退治に来たんじゃねーよ。
「ま、なんとかする時は――なんとかするけどさ」
軽く笑って、人差し指をこめかみに添える。バン、と呟いて、浴場に足を向けた。
>>501
『この温泉は安全です』
ぜってえウソだ。
つーか人語介したのか、あの悪魔。
額に指を添えて、三秒の思案。ニ、五秒で決断。
……いいや。
もういい。どうしようもなくなったらこの浴場消し飛ばすつもりでなんとかしよう。浴場一つと貞操は換えられねえし。
(少なくとも心象としては)ボス戦までの血廊と化した石畳を歩き過ぎ、浴槽に身を沈める。
湯気の奥に視線を送る――ダイレクトに見ると圧巻だ。
誰だこんなモン創造したヤツ。
少なくとも人類の叡智からは盛大に外れてる。
「念の為言う」
そして、俺は言う。
「俺に関わるな。触るな寄るなあとこっち見んな。頼むから」
- 507 名前:邪神モッコス:2007/01/28(日) 22:18:460
- >>496
やってみただけですが、カットインというものもなかなかよいものですね。
これからの販促方法に取り入れるとしましょう。
>>499
食べられた……?
いえ、彼らは食べられたのではありません。
神の滋養となり、そして世界へと還元されていっただけです。
そう……このように。
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- 508 名前:『双子の殺し屋』ヘンゼルとグレーテル ◆TWIN/RJ36g :2007/01/28(日) 22:19:530
- >>498「ぎゃああああああ」
「あれ?何だか悲鳴が聞こえたよ?」
『本当ね、兄様。一体どうしたのかしら?』
>>505クロイツェルお姉さん
「あれ?一体どうしたのお姉さん?」
『どうしたの?お姉さん?』
- 509 名前:キタロー:2007/01/28(日) 22:28:190
- >>506
同類―――同類、か。
「へえ……随分変わったことを言うね。突っ込んで聞かないよ、どうでもいいし」
浴場へ向かう彼。
『覚悟を決めろ』なんて声が聞こえてくる。
煩いな、少し静かにしてくれてもいいじゃないか。
「あんたさ、結構お茶目?」
バン、だなんてさ――と呟きつつ僕も倣って、撃ち抜く。
寒いしね、温泉。入ろう。
>>504
見るなよ……僕を見るなよ……(順平風に思っても見ないことを)。
危機的な状況、なのかもしれない。
サタンを喚び出した時のような、戦慄。
あたりに立ち込める気配は、それと同等ってこと。
「まったくさ―――置き土産にしては、大きすぎるんじゃないか」
なんて『彼』のことを思い浮かべてみる。
元気にしてる―――まあ、当然元気にしてるよな。
鮮度の良いお友達ができたみたいだし、ここで。
温泉とミステリーは切っても切れないのかな、やっぱり。
「あのカットインは、ホラーの手法で使うべきだね」
デカ。
- 510 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/01/28(日) 22:31:580
- >>507
どうも食べられた人は出てこないっぽい。ちーん、なむなむ。
というか邪神(仮名)、思いっきりかぶりついてるし。怖いよ。
こうなると、元が人形だからとかいう情は完全に失せる。
怪物になってしまった人形には言葉は無用。必要なのは質量を持った想いだけだ。
……さて、ところで私は現在丸腰なわけですが。
うわー、どうしよ。人形の子達はどこにおいてきたっけ?
>>508
入ってた子供に心配された。
「ん、ちょっと用事があってね。気にしないでくれていいわよ」
にっこり笑う。引きつってないでしょーね。
- 511 名前:邪神モッコス:2007/01/28(日) 22:34:150
- >>503
犬……いえ、同じ神の力を感じます。
同じ神同士、一緒に一緒に温泉に入り、語り合いませんか?
だんだん気持ちよくなっていきますよ…身も心も溶かしつくすように。
_,へyY`ー‐-,,,,___
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/" ̄〈 ̄-ヾ::::丶、丶゛::、::、::゛,
何を吼えているのですか ,'、____ノ ,へ|::: | ::::::::: | 、:::ヾ ::::;L
私は怖くなどありませんよ ゝ、__,,/|::/|::/ : ::::: |/丶-‐''"丶〉
|レ|:_|:: ||:/-ナレl: : ::::: | , l、_,,イ
|:`rj、|' 'で]: .: :::: |/ //:::::: |
| l| く || ::::::: |-_ノ:::::::::: |
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>>505
何を言っているのでしょうか、私は暴れてなどいません。
そう……神はただゆっくり湯に漬かっているのですよ。
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/~~ヽ / ∬
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( /~~ヽ / ∬ ∬ ∬ ∬ ∬
/ ヾ l/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>>506
見てなどいません、ええ……
__________________
|__/⌒i_______________/|
| '`-イ.|゙i、''゙,,ニニニミ' / ,ニニニ、、 |: : :| .|
|丶 ノ |゙l゙(、 ◎ ,) | ( ◎ )'  ̄i' | .|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ま っ た く
- 512 名前:『双子の殺し屋』ヘンゼルとグレーテル ◆TWIN/RJ36g :2007/01/28(日) 22:40:180
- >>510クロイツェルお姉さん
そう言って、お姉さんはにっこりと笑った。
「そうなの?それはよかった〜〜♪ああ、そう言えばまだお姉さんに
僕達の自己紹介をしていなかったね。僕の名前はヘンゼルだよ♪」
『そして私の名前はグレーテルよ♪よろしくね、お姉さん♪』
二人は目の前のお姉さんに自己紹介した後に、また温泉内を満喫する。
- 513 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/28(日) 22:43:260
- >>509
「茶目っ気は――どうだろ。偶に言われるけど、自覚がない。で、余裕の産物って考えると、状況に不適切だな」
縁に背を預けて、チラチラとそれを伺う。イヤでも視界に入ってくる。
見たくない物ほど頭に入るってのは、なるほど真理だ。シリアルキラーが突入した十二時間後の家屋に入るの
に少し似てる。要するに、生暖かくて不定形。
捉え切れないのはいつだって情感だ。
……しっかし、まあ。
「シュールだよな、これ……ちょっとヒネった幻想小説か夢野氏の作品を体験してると思えば悪くね……いや。そ
うだな、それもアリか……。ここまでの過程が全部ソレってのもアリだよな、これ……」
夢オチはダメだとは思うけどさ。
>>511
やっぱそのオチでいい。
「つぅか見んなっつってんだろ! ――あああ寒気ッ! 寒気がッ!」
いっそこの浴場ごと消し飛ばしてやろうか三秒迷って、風呂上りのコーヒー牛乳に思いを馳せることで詳細不
明の憤りを抑えて消した。
そうだ。
百数えて出よう。
それがいいに決まってる。
- 514 名前:シン・アスカ ◆LasOiegeiI :2007/01/28(日) 22:52:530
――雪が、積もる。
雪は平等に降っている。
ある雪は温泉の一部となり、また別のあるものはインパルス・ガンダムの上に。
トリコロール・カラーの装甲板の上に、白が塗り重ねられて行く。
跪き手を差し出した全長18メートルの巨体に、うっすらと雪が覆い被さっていく。
……あの時も、そうだった。
ステラを、静かな湖の底へと見送った、あの時も。
あの時も、こうして雪が降っていた。
だが、あの湖は、これほど暖かくはないだろう。
ステラは、今もあの湖の中で、寒さに震えているのだろうか。
それとも、自らが生み出した業火に、まだその身を焼かれているのだろうか。
「ステラ……俺、」
見上げる空は、ただ灰色に染め上げられて。
降り続く雪は、ただ静かで。
身を委ねる湯は、ただ温かく。
俺一人の思いを知ることも無く、ただ、ただ温かい。
「……俺、生きてるよ。君が教えてくれた、明日を」
この温かみを感じられる、それが生ということなのだろう。
俺はまだ、生きている。
もう、戦争も苦しいことも怖いこともない、平和な世界を。
この温泉の温かさに、平和の暖かさにひたりながら。
だから、だから――
「だから、あんなの(>>511)がいるなんて、おかしいだろ、これはぁ!
今、平和じゃなきゃおかしいだろ!?
なのになんで、風呂に入りに来ただけであんなのとご一緒しないといけないんだよ!?
誰か何とかしてくれよ、もう殺し屋でも神父でも人形師でも、誰でもいいからさ!
俺のガンダム貸してやるから、早く、早く!」
- 515 名前:アマテラス&イッスン ◆oKgH6ksxh. :2007/01/28(日) 22:56:370
- >>511
ア「ウー…!」
イ「オイオイ、なんか喋ってるみたいだけどよォ
アマ公が神様だってことが解るってことは神様の一人なのかァ?
それにしてもあの目はヤバ過ぎるぜェ!?」
アマテラスは邪神に敵意が無いと悟ったのか警戒を解いた。
ア「クゥン…」
イ「オイ!アマ公!?」
アマテラスはゆっくりと湯船に入った。
他にも何人か湯治客がいるようだ。
>>512
先ほど脱衣場で出会った男性だ。
どうやらもう一人の神に見られて寒気を覚えている様子だった…
アマテラスは男性のほうにバシャバシャと水滴を立てて泳いで行く。
「アウ!」
は男性の顔を見上げて元気良く吠えた。
- 516 名前:キタロー:2007/01/28(日) 22:57:440
- >>513
体の芯から温まっていくのがわかる。
かなり冷えていたみたいで、手足が熱に痛みを感じるくらい。
でも、心地良い。膝枕くらい。
それはさておき、天然なんだね、なんて呟いてから。
「―――人工的に染めた緑よりは、天然物の緑の方が、喜ばれるさ」
なんて意味のないことを言ってみる。
なんだっけ、漫画だったかな。この台詞。
そう、結局これは―――現実逃避。
片目にしか見てないけど、紛れもない現実に嫌気がさしているのは、事実。
あの『塔』の得体の知れない居心地の良さに似ているから。
「例えば一日と一日の狭間にある誰も知らない時間が、今だったとしたら。どんなに喜ぶ
だろうね。あんたも、僕も。誰も知らなくて良い時間だよ―――ホント」
このシュールさが紛れもない現実だってことを教えてくれる。
現実なんてシュールで皮肉に塗れたものだしさ。
>>514
―――シュールが嫌いなお年頃、かな?
いや、僕も変わんないだろうけど。
- 517 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/28(日) 22:59:230
- >>514
なんか降ってきた。
デカいのが……てーか、マジでデカい。ロボだから当たり前だ。
つーかどこの人外魔境だ、ここ。
そろそろ、いい加減、悪い夢なら醒めてもいい頃なんじゃねーのか。醒めない悪夢って、ただの現実だぜ?
で、ロボの上に見知った顔が一つ。
「……安っぽすぎねーか、ガンダム」
ヒトハコ幾らの価値観だよ、それ。
- 518 名前:ジェレミア・ゴットバルト ◆ORANGEE/ww :2007/01/28(日) 23:05:070
- >>511 >514
……何、出動要請だと?
下らんな、何故イレブンどもの娯楽施設に我々が出向かねばならんのだ!
フン、出没したのは『街を歩いてたら捕まるレベルの怪人物』か……。
(間)
――ゼロだ! ゼロに違いあるまい! こんな形容をされるのはゼロ以外に存在せん!
うぉぉぉ、行くぞヴィレッタァ! 手柄を得たいと思うならば我に続けえぇぇぇぇぇ!!
―= , -〈<ヘ、,.,,
―= 彡ξ´`"》'
―= .ヾ(l ゚∀゚} <<____>>
―= ⊆「 W¬⊇ノ\(: :)、
―= / ̄ ̄ ̄<=L三介三L
―= |⊂二ニ二、≠,lコ二ニ二⊃
―= \_| ̄ /
―= L_、\
⌒ // \\
(( ( (( _、 // _、| |
(( _ _ ( _ ( @==⊃ @==⊃
【誰もついて来なかったという】
- 519 名前:二番煎じのヴァン ◆VAN/JJP8tg :2007/01/28(日) 23:07:060
- ――雪が、積もる。
雪は平等に降っている。
ある雪は温泉の一部となり、また別のあるものはダン・オブ・サーズデイの上に。
真っ白な装甲板の上に、白が塗り重ねられて行く。
跪き指を突き出した全長20メートルくらいだっけ? の巨体に、うっすらと雪が覆い被さっていく。
……あの時も、そうだった。
エレナを、静かな土の下へと見送った、あの時も。
あの時も、こうして雪が降っていた。
あれ、そうだったっけ? どうだったっけ。
だが、あの土は、これほど暖かくはないだろう。
エレナは、今もあの土の中で、寒さに震えているのだろうか。
それとも、自らが生み出した業火に、まだその身を焼かれているのだろうか。
「エレナ……俺、」
見上げる空は、ただ灰色に染め上げられて。
降り続く雪は、ただ静かで。
身を委ねる湯は、ただ温かく。
俺一人の思いを知ることも無く、ただ、ただ温かい。
「……俺、生きてるよ。お前がくれた、命を」
この温かみを感じられる、それが生ということなのだろう。
俺はまだ、生きている。
もう、復讐も苦しいことも怖いこともない、平和な世界を。
この温泉の温かさに、平和の暖かさにひたりながら。
だから、だから――
あー。
オチが思いつかなかった。
はー。
あったけぇー。
なんかまぁパクりたかっただけだなんです。
今は反省している。
はー。
あ、息が白ーい。
- 520 名前:邪神モッコス:2007/01/28(日) 23:08:200
- >>513
私はあなたを見ているわけではありませんよ?
そう、神として、世界を見守っているのです。
皆が喜びのうちにゼノサーガEP2限定版を買うように、と……
.l゙ | | : : : : .l゙: : :|: : : : l゙ l | .l゙ : l゙ |゙l
| | | : : : : │: ::|: : : | /ニニ ,,l゙: ::,!: ../ │ :|: ゙l
│ .l゙ | : : : : ": _,,―‐'゙\__/ l゙: :/: :/,i ..,l゙: ,/: :゙l
.| .| | : : _,,-'"`  ゙̄:i/: .,/: ./:: : l゙
│: : |: 丶 '゙l、 : `i、/ : : :/:::: :l゙ ズズズズズー
'|``'-|: : 丶 ゙i/ ̄ ̄\ / / ̄ ̄\ |: : :_,,/.:: :│
│、: : \、:ゝ ゙l ◎ ) |( ◎ )  ̄i'‐ : : : : :l゙
l゙ │: : \、: :\__/ : \__/ /: : : : : :l゙
|::_,-''l / ..::::::::::::::::::;;|/ ::( ̄);;;_,-'" \
/ . ..::::::::::::::::::::;;`丶 丶 /\ \
/ ̄ ̄ :: 、;;:::::::::::::、 ,__;;::::://\\ \⌒丶、
 ̄ 丶 ..::;;; l:::::::::、_ /|[]::::::|_ / \/\\ / ''"⌒丶⌒丶、
゙:::: ..:..::::::::::::;/| ̄ ̄ ̄ ̄ //\ \/ \ //. ..:::.. ..___ Y"
. . .::;;:;:::;;:::;;;::::::| |:::「「「「「「 / \/\ /\\ /:::/ ./| |__
''"⌒丶,_..:.:::::_..| |:::LLLLL//\ \/ \/\\/::::::/ / | ロ .|lllllllllllll
/ llllll| |:::「「「「 / \/\ /\ .\/ ./::::::::/ / ./ .| |lllllllllllll
__ llllll| |:::LLL.//\ \/ \/\ /::::::::/ | / .| ロ .|lllllllllllll
(666 llllll| |:::「「「/ \/\ /\ \/ /::::::::/ | ||/ ..| |lllllllllllll
llllll| |:::LL//\ \/ \/\ ./::::::::/ .| ||/ ..|
| |:::「./ .\/\ /\ \/ /::::::::/⌒丶、 .| ||/ ..|
| |:::l//\ \/ \/\_, -― 、 ''"⌒丶,_ _____
(⌒丶、_,ノ⌒Y" Y ∧_∧ /
(⌒丶ー゙ ....::( ..::....... .__人.....::(Д` )< ぼうや、ここは危ない!
_ノ⌒丶 Y⌒丶;;:::::ウエーンコワイヨママー/ 丶 \さあ早くこっちへ!
___( ゙ ....:::..... Y" ∧_∧ // / |
// ll__丶_::::::::::::::::::::::::::::::丶....( ´A`)/// /L__⊃
「 丶O≡≡O:::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ⊃ _(_ノ ( V
>>514 >>518
私の意に添わぬ、限定版を欲しがらない輩が居るようですね……
ならば神の威光を受けると良いでしょう!!
/ / / \ .\ ヽ
N ./ / \ ハ V|
| ヽ / / V i / |
.| Y i V Y i
| | | .|
__.| | | |
 ̄ |. 、 | | / i───
V ヽ | __∠|| / /
ヽ ヽ ヽ _,-‐壬,ィ<ヽリ/ / カシャコ
ヽ ヽ \ |/<◎> /ノ/ /
ヽ ヽ\ `ー、__ .|ー、__...,イ´// /
ヽ \\_  ̄ ̄ ̄ _// /
\  ̄フ > ヽ、 ̄ /
\ ヽ\ // /
,-─iヽ `ヽ / ,-/ヽ、 //
\ ヽ ヽj_ `ー 、_, -‐ レ ノ //
\\ /く Y ̄iン‐、__,へ/⌒ヽ/ ト //
\\ ∧ `ー、/ i/ | V-‐' ゝ //
\\,-‐ヘ ヽ / ! | ヽ,-‐'ヽ //
> \\ `ーニ/ ノ V´ク /
,,,,,,,,--――---、,,,,,、
_,,-'"`: : : __、: : : : : : : `゙''-、,、
.,/`: : : :""⌒: :  ̄ ̄ ゙゙゙゙̄''ー-,,_.`\、
/: : : : ,,/゙,,、 : : : `゙'': `'i、
.,/: :/ .,,/,,/" .,、 : .,-,,_ : .、 、.i、 : \
,/` ,/ .,/ ./`.、 ,/ /:::::: ̄`゙''-i、.丶 .\ `'i、
.,i´.,/` /`/`.,i´ ,/` ../::;;;;;;;;;::::::::::::::::゙'i、゙l, `i、 ,!: 丶
│,i´ : `"..,i´ .,i´ ,l゙`゙゙゙゙゙゙゙゙''''―-、│ | │ ゙l ゙l
," | .l゙ |: /: ,.:,ニニニ `''| l゙ .| .| `),
.l゙ | | : : : : .l゙: : :|: : : : l.,( ◎ ) | .l゙ : l゙ | ゙l
| | | : : : : │: ::|: : : │_,.:,ニニニ .l゙: ::,!: ../ │ :| : ゙l
│ .l゙ | : : : : ": _,,―‐‐ ( ◎ ) 'iil゙: :/: :,i´ ..,l゙: ,/
.| .| | : : _,,-'"`''゙,,ニニニミ' ̄ ̄ ,ニニニ、、 ゙:i/: .,/: ./:: : l゙
│: : |: 丶 '゙l、 (、 ◎ ,) ( ◎ )'`i、/ : : :/:::: :l゙ 邪神のギアス!
'|``'-|: : 丶 ゙i、''゙,,ニニニミ' / ,ニニニ、 ̄ |: : :_,,/.:: :│>>518、あなたは、この世界から消滅する!
│、: : \、:ゝ ゙l゙(、 ◎ ,) | ( ◎ )'  ̄i'‐ : : : : :l゙
l゙ │: : \、: :/  ̄ ̄" : 、 ' ̄ ̄" /: : : : : :l゙
l l゙ │゙l::: : : ,,ニニニミ 、 ,ニニニ、 ::::::::::::: : :,|
l゙: .,! | : |;;│: ( ◎ )' ゙l ( ◎ )': ::,l゙;:, : : |
│ ,!│ : |;;;;;゙l,: :  ̄ ̄" .、,,_ _,,i、  ̄ ̄": ./::::l゙: : : : ::|
、:" | : |;;;;::::丶、: : `" : ,,'":: |: : : :|
,/: : : ,! : |;;;;;::::;;;`-、: (、 ◎ ,) ..,,i´;;;;;: |: : : ::|
./`: : : :` : |;;;;;;;;;;;;;;;;,/'-,_:  ̄ ̄" : ._,,/;;;;;;;;;;; |: : : l゙
.,/ : : : : │;;;;;;;;;;;;/ : `''-,,_: .__,,,,,,,-‐'゙);;;;;;;;;;;;;;;;;;;│ : : :|
- 521 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/28(日) 23:10:210
- >>516
「"誰も知らない時間"――ね。あんまり経験しねーけど、知らなくもないな――ていうか、最近のSFにならイケる
アイディアかもな、それ。「誰も知らない、だけどそこにある時間」ってな。一昔前ならジャンル違いでオシマイ、
だけど。
けど、まあ――」
いーち、にーい、さーん。
心の中で百へカウントを続行しながら、意識的に正面から視線を逸らす。でないと見たくないモノが見えてくる。
「時間――ってのは、人間が意識しねーと扱えない概念の最高峰だからな。過ぎ行く時は早過ぎて――なんて、
盛大なイイワケだぜ。そんなもんは単に、時間を蔑ろにしてたってだけの事だかんな」他人より早く動けば、自分
の時間は他人よりも長大だ――いつだって。動けないからアレは目の前から消えないってだけで。「一秒前のい
つか、と一秒後のどこか、だって、もしかしたら繋がっちゃいない。自分の知らない時間、なんてのは……案外と、
どこにでも存在してる。俺も――」
まあいいや、と、首を振る。
今日俺、こんなばっか。
「天然、は――天然かもな。んなコト言ったら、人間はどいつもこいつも天然だよ。その証拠に、互いのことは何
も理解できてねーし――まあ、だからこそ幸いである、だけど」
- 522 名前:名無し客:2007/01/28(日) 23:10:510
- オレンジーーーッ!!
(モッコスのハラワタの中でオレンジを叫ぶ)
- 523 名前:ジェレミア・ゴットバルト ◆ORANGEE/ww :2007/01/28(日) 23:13:450
そして彼は――――星になった。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::。::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::。:::: ノ \〈:::::||::://::::::/" __ 三、 .. :.: ::::/::/::,イ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::: // >=ゞ:::||/厶ー'゙ / }:::::::::::/:::/:/:::l :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::: レ /:::::::::rー''" / 彡/::/::/::/:::::::::! :::::::::::::::::::::::::::☆:::::::::::::::::::::::
::::::: / /::://:/ / ,.ィ≧ュ、 `ァ〃イ^ヽ::::::::::/ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
.::::: { ゝく〈_ヽ 、 // ,〃 ィ之ノ _.´ ∨ L }::::::/ :::::::::::::::。:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::: ゝ_ >ー 〉::ト=ミュゝヾ彡=´ ̄ ̄´ 〉 ,'::::∧`ヽ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
゜:::::::::::::: ヽ__/::/ ィ圦フ} `ヾ´ ̄ ゝ/彡'::/ } \ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::: -=ニ二ノ|::ヽ  ̄ノ ┬' ∨ / ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::゜::::::
::::::::::::::::::::::::::::: |::::l く 、 { / / \ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::: |:::::', ヽ __,. -ー- 、 l / / :::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::。:::: l:∧\ くr=' フ´ ̄ ヽ ノ / /
:::::::::::::::::::::::::::::: !::∧ \ ', / / , ' /
::::::::::::::::::::::::::::: \::ヽ /\ ∨__ / / r─//
:::::::::::::::::::::::::::::: \∨ ∧ ー─ / / // _
__. ;-ー ¨´ / ` { ∧ ,.イ__ / 〈 \ { r'
/ ヽ\` ̄「`Y´ 人_/ \ \! |
ゝ 三ミ{ | { / }\ ヽ|
:.... .... ..:.... .... ..... .... .. .:.... .... .. ..... .... .. ..... ............. .. . ........ ...... ............. .. . ........ ......
:.... . ∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ .... .... .. .:.... .... ..... .... .. .
... ..:( )ゝ ( )ゝ( )ゝ( )ゝ 全力で無茶しやがって… ..........
.... i⌒ / i⌒ / i⌒ / i⌒ / .. ..... ................... .. . ...
.. 三 | 三 | 三 | 三 | ... ............. ........... . .....
... ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ............. ............. .. ........ ...
三三 三三 三三 三三 三三 三三 三三 三三
- 524 名前:アマテラス&イッスン ◆oKgH6ksxh. :2007/01/28(日) 23:13:530
- >>516
空からまた巨人が降りてくる。
今同じ場所に入っている神とはまた違った風体をしている。
どちらかとこちらのほうがカラクリっぽい。
イ「今度はなんだァ!アレはそこのでっかい姉ちゃんの兄貴か弟かぁ!?
兄弟なら人を食うんじゃねェ!っていってやってやれよォ!」
ア「…(口を半開きにして眺めている。)」
- 525 名前:邪神モッコス:2007/01/28(日) 23:14:070
- ルックス回復、洗浄を確認しました。
私はそろそろ脱出をするべきのようですね。
皆さんが温泉に入ることで限定版を買うよう……そんな効果は無いとは思いますが
私も呪、もとい祝うとしましょう。
.| .| | : : _,,-'"`  ゙̄:i/: .,/: ./:: : l゙
│: : |: 丶 '゙l、 : `i、/ : : :/:::: :l゙
'|``'-|: : 丶 ゙i、''゙,,ニニニミ' / ,ニニニ、、 |: : :_,,/.:: :│
│、: : \、:ゝ ゙l゙(、 ◎ ,) | ( ◎ )'  ̄i'‐ : : : : :l゙
l゙ │: : \、: :/  ̄ ̄" : 、 ' ̄ ̄" /: : : : : :l゙
.| .":|: : : |゙l::` ̄' l ./: : ::: : : : :,!
.| l゙ │゙l::: : : .、,,_ _,,i、 \::::::::::::: : :,|
l゙: . | : |;;│: `" : ::,l゙;:,、: : : |
/| |: │ :: |;;;;;゙l,: : ニニニニ=‐ : ./::::l゙: : : : | |\
/ /| |、:" | : |;;;;::::丶、: .,,,,,,,,,,,、 : ,,'":: |: : : | |丶 丶
| / | |: : : ,! : |;;;;;::::;;;`-、: ..,,i´;;;;;: |: : : :| | 丶丶
| | L | : : :|` : |;;;;;;;;;;;;;;;;,/'-,_: : ._,,/;;;;;;;;;;; |: : : l _| | |
| | / |:: : : |: │;;;;;;;;;;;;/ : `''-,,_: .__,,,,,,,-‐'゙);;;;;;;;;;;;;;;;;;;│ : : :|丶 | |
| | | ,-‐‐‐‐‐‐‐- -‐‐‐‐‐‐‐、 | | |
| | | 丶 ̄~‐‐ 、 `',‐- ノ、 ̄ ̄,´ゝ-‐~´ ,.-‐~ ̄ノ | | |
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| | _| ∠丶 |=l/ .|二=/´_..|__丶:=二| ゝ=ノ /==丶 |_ | |
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/二二>==´ ノ 丿 ゝ=:|~ ̄l| ̄~~|::::=/ ゝ `‐`==<二二::丶
( /{ミ三∀__/ (____,.......-‐|_/ゝ__..|....._ノ\_|‐-........____) `ゝ∀三彡} | )
\__|:::|二, _/ / `l ゝ `,二|:::|__ノ
~∨~´ ,..-‐'´丶_/ ,⊥ \___/ `‐、_ `~∨~
_,:::´ _,.......、 丶/´ `丶/=‐-、 `丶
┌⌒丶 /====),< _ >、====丶 /⌒丶
,ゝ-'´丶|二=‐'´' 丶二‐二/ ゞ二==|__人__ノ
| /Τ ̄ ゝ二ノ Τ丶 `l
| |二_| |二_| |
,丶_____|二| |二|_____/
∠lllll匚/  ̄ \ ノ □lllllゝ
,〃)))\,、-'‐-<lllll\ ∠llllll>-‐-、/(((ヘ
|/ ̄  ̄\|
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ ∴し゛ゃしん デスモッコスは おともなく さっていった・・・ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
- 526 名前:シン・アスカ ◆LasOiegeiI :2007/01/28(日) 23:18:440
- >>517
安いんだよガンダム!
一応量産型だし、インパルス。
あ、でも、壊さないでくれよ?
もう保証期間切れてるから、壊したら給料から天引きなんだよ。
デスティニーは、この前差し押さえ食らってもって行かれちゃってるから、
今の俺にはもうこいつしかないんだから……。
……あ、ちゃんと説明書はあるから読めよ?
それに、エクスカリバーって剣もあるし。
名前だけだけど、何となく強そうだろ。
だから、こいつであの邪神、倒してくれよ!
>>518
小型のMS――プチ・モビ?
ええと、こいつ見るとなんか思い出すんだよな……。
ハイネ、ミゲル、テスト用プロトジン……
……オレンジ?
>>519
やめろよこの馬鹿!
自分のその行為で誰が傷つくことになるか、ちゃんと考えたことがあるのかよ!
パクリは俺のお家芸だあああっ!
――やめてよね、俺のアイデンティティがなくなるじゃないかぁ!
>>514
>限定版
(ピク
……聞け、邪神! 俺はシン・アスカ!
これから俺とお前の契約の話をしよう!
俺を信じろ! 俺と契約をすれば、売れ残った限定版、全て俺が売ってやってもいい!
全国の模型店で、絶賛売れ残り中の限定版インパルス(メッキだけでお値段が倍)を、
もれなく売り払ってくれるなら!
あ、後ついでに、HGとコレのインパルスもよろしく。
- 527 名前:キタロー:2007/01/28(日) 23:23:040
- >>521
「―――そう、SFだね。まるで、SFだ。その中で誰かが戦っているかもしれないなん
ていう、王道も兼ね備えた、ね」
それにしてもよく喋る人だ。
外見に似合わず――いや、案外外見に似合ってる?
「難しい理屈よりもさ、今ここに居るってことが大切で、一分でも一秒でも、楽しく生き
ていられれば、いいと思うんだけどね。時間なんて、ついで、だよ。偶々そこにあるだ
け、偶然居合わせた他人、みたいな? 例えば僕とあんたみたいな、そんなもの」
玉虫色。
人は、玉虫色だ。
人によってペルソナを選ぶんだから、それが、当然。
「僕はあなたを理解できます、なんて詐欺師のやり口だよ。だろ? 理解できないか
ら、歩み寄ろうとして、失敗したり成功したりするんだし」
だから、生きるのも、悪くない。
>>525
かくして温泉の平和は取り戻された―――。
「写真、撮ればよかったかな。順平、喜びそうだし」
ゆかりも弄れるし。
- 528 名前:シン・アスカ ◆LasOiegeiI :2007/01/28(日) 23:23:270
- >>525
って、待てよおい!
ああっ、俺の不良在庫の神が、神が逃げる……!
逃がしてたまるかっ!
不良在庫のためなら、俺は神にでも悪魔にでも、邪神にでも魂を売ってやる!
あと出番! ついでにステラやマユも生き返らせて! あと、それに……
……ええい、こんなことしてられるか!
シン・アスカ、インパルス、行きますっ!
【邪神を追って退場】
- 529 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/01/28(日) 23:28:490
- >>512
「私はクロイツェルよ。よろしくね、ヘンゼル君、グレーテルちゃん」
笑顔続行。強張るな強張るな。
>>514
何か振ってきた。
ゲノレマソディーの機動兵器? でも見覚えない型だから別口かな。
とりあえず。
「温泉に何持ってきてるのよ馬鹿ーっ!」
突っ込んでおいた。それどころではない邪神がいることはとりあえず置く。
>>519
もう一体振ってきた。
ご丁寧にナレーションまで似せて。
「以下同文!」
こっちの突っ込みも適当に成った。ま、いいでしょこれで。
>>525
そして邪神は去っていった。
関係者各位の精神に多大なる損傷を残して。
「あー……疲れた」
お風呂だお風呂。本来の目的に戻らないとやってらんないわ。
とりあえず、一人ではいるのも何だし、と。
「そこの片目隠れてるのがお似合いの少年、ちょっととなりいーい?」
- 530 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/28(日) 23:31:280
- >>518,>>520
>>525-525
「……うーわ」
湯船に顔を埋める。
意識を切り離して状況を俯瞰する。
この超展開。
「転生オチ」とか「魔界大戦争」とかの比じゃあ、ねえ――シェンロンもビックリだ。
ハマトリにでも出展した方がいいんじゃねえか、これ。
よく解らない。解らない、としても。
一つだけ、思うこと。
「その『勢い』ッ! その『収束感』ッ! 『アート』だと受け取ったッ!」
ていうか、もう整合性がなんだとか、どうでもいいでしょう?
それが雑スレってモンだと思うんだ。俺。
オレンジ――、と呟いて――どうしてそんな単語が思い浮かんだか、人力検索かはてなに頼るとしても――、
湯船を掻き混ぜる。怒涛だとか火勢だとか一気だとかありったけの形容詞を無視するような数秒間に思いを馳
せて、一気に思考の外に追いやった。
憶えといていいモンじゃない。
>>526
「なんっつーか……」
切実だよな、と続ける筈の声が喉の中で溶け落ちた。ヘタな同情悲惨な蔑み。
最新型使えないから量産直し直しとか、間違いなく泣ける。
「”ボトムズ”って感じだよな、なんか……うん。あと、もうそれいいから。アレ消えたから。……暫く見てなかっ
たけど、やっぱりお前はアレだよな、ほんと」
いつかの看板>>393にカブる顔が一致する。
そう、コイツはこういうキャラだった。
「――”出オチ”ってカンジだよな。美味しすぎる」
- 531 名前:アマテラス&イッスン ◆oKgH6ksxh. :2007/01/28(日) 23:32:470
- >>528526
イ「行っちまったァ…なんだか嵐見てェだったなァ…、」
ピョンとアマテラスの額の上に座り込んだ。
ア「アウ!」
イ「それにしても、限定版がどうとか在庫がどうとか…やっぱあの二人兄弟なのかァ?
まぁ、こっちの話は全然聞こえてなかったみたいだけどよォ」
イッスンとアマテラスは嵐のように去っていったカラクリの背中を眺めていた。
- 532 名前:出涸らしのヴァン ◆VAN/JJP8tg :2007/01/28(日) 23:35:520
- >>523
全力でお疲れ様でしたー!!!
俺もかつて全力のヴァンと呼ばれた男だが、アンタの全力には敵わない気がする。
全力で安らかに眠れ……はー、全力全力。
>>525
俺は思うんだ。
例えば愛する女の姿がコレだったら、と。
まぁ、愛せると思う。
抱きしめられると思う。
そんな自分がわりと好き。
夜明けのヴァンです。
なんか無駄なこと考えた気がする。
気も済んだし、帰ろう。
何しに来たんだろう。
<チッリーン>
- 533 名前:『双子の殺し屋』ヘンゼルとグレーテル ◆TWIN/RJ36g :2007/01/28(日) 23:37:440
- >>529クロイツェルお姉さん
「うん、こちらこそよろしくねクロイツェルお姉さん♪」
『よろしくね、クロイツェルお姉さん♪』
>>525邪神モッコス
「あれ?あの大きなお姉さんが何処かに行っちゃったみたいだね…」
『そして、何だか見たこともない乗り物に乗ったお兄さん達も
大きなお姉さんの後を追って行っちゃったしね…。あと、
ここに残っているのは私と兄様とクロイツェルお姉さんぐらいかしら?』
- 534 名前:キタロー:2007/01/28(日) 23:38:060
- >>529
「―――ん、どうぞ」
女の人だ、だとか。チッ……水着か、なんて思ったりはしない。
いや、まあ、健全な男子高校生としては反応しない方がおかしいのだろうけど。
周りが周りだけに、並大抵では反応しなくなってしまったと言うか。
―――そもそも、枯れてるのかもしれないけど。
「綺麗な、手だね」
なんて、呟いてみたのはきっと気紛れで。
冗談に聞こえない声は、きっと、届かない―――と、思いたい。
- 535 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/01/28(日) 23:50:490
- >>534
「ん、ありがとー」
お言葉に甘えてざぶん。おお、温かい。先人の知恵ね。
しかし、淡白な反応ね。女の子慣れしてる? それとも只の無愛想?
……と、言葉が一つ。
「あはは、ありがと。手先使う仕事だから気にしてるんだよね」
けらけらと笑って返す。ついでに、少年の目の前を手をひらひらさせてやる。
冗談のベールで包んだ会話。いまはまだ、ベールは取れない。
- 536 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/28(日) 23:56:570
- さあ、一月限定の天然温泉。
使い倒さなきゃ損というもの―――
「―――あれ、今何かいた?」
なんか邪悪な気配が残っている気がした。
くつろげるのかこれ。
【遅れて登場】
- 537 名前:キタロー:2007/01/28(日) 23:59:010
- >>535
「ホント―――綺麗な、『手』、だよね」
よくわからないけれど、この人の手が気になって仕方ない。
なんでだろう、なんて考えてみたりしても、結局答えは出ないまま。
ま、そんなもの。答えなんて、見つかるようで見つからないものだから。
「―――手先を使う仕事って、余計に手が荒れるんじゃ?」
普通、そうじゃないか?
どうでもいい疑問を、偶には口にしてみる。
最近、この『どうでもいい』が読まれてきてるし。
>>536
見ればわかるじゃん、とは口に出さないのがここでの嗜み。
きっと、わかる人には言わなくてもわかるし、わからない人はずっとわからない。
だから―――今目の前にあることだけを処理すればいいんじゃないかと、思う。
―――僕がなにをするわけでもないんだけどね。
- 538 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/29(月) 00:00:500
- >>527
「俺は理屈っぽい、なんて自覚はないけどな。まあ、考えてた方がラクって奴は多いもんだ……時間と金と労力は等
価っつーけど、レートはいつだって上下してる。時間を意識しないと、案外と人間は生きるのが難しい」
らしい、と付け加える。
俺はそうでもねーけど。
いや、俺が極端にそうなのか。
「だから、時間が他人ってのは……俺の感覚にも割と当たってる。どうにかして時間と時間を行き来するには、場当
たりでも誰かと交差するのが必然だ――金銭関係とか、恋愛関係とか、上下関係とか、その他諸々で」
桶から携帯を取り出す。
着信アリ。しかもメール。
セシルからだ――「RE:くだらん用事で呼ぶな。切り捨てるぞ」。――いや、くだらなくねぇし! 世界の危機寸前
だったし! 地球の危機何遍も救う前に俺の危機とか一度救えよ!
『パックマンは三階フロアにないぞ』――返信。恐らくはセシルが忙しいだろう理由に的確な回答を返し、携帯を手
桶に放りこむ。ていうか、なんでアイツはあのゲームしか興味がないんだ。
「理解できます、も救えないが、私は何々の経過を経てきたこういうものです――なんて他人に発信するのはカルト
教団の司祭だからな。いつだって慎ましやかに、誰かの隣を通り過ぎる時は静かに頭を下げて消える――雨降りの
江戸の粋だったかな、この作法。ただ、俺はこれ、好きなんだよな。もう少し人間が発達してないか、発達し過ぎてる
なら、これこそ最上の礼儀だと思うくらいには、さ。まあ、かと言って誰も主張しなけりゃ、俺の職業も成り立たちゃし
ないし、この時代じゃそもそも国だとか街だとか家族だとか崩壊しちまうけど――ひゃーく、と」
いい具合に温まった体をほぐして、手桶にタオル(三枚持ってたうちの一枚、頭に載せようと思ってた奴だ。礼儀と
して)を放り込む。
カオスった湯船の空気を深呼吸で排出、新鮮な(単にマトモな、とも言う)空気を身体に循環させる。毛細血管が
ハシから回復を主張して、ようやくマトモな心象が視界に投影された。
間違いない。ここは現実だ。
「歩み寄る時間、は生憎となかった――かな。まあ、でも憶えとくよ。お前、結構オモしろいからさ」
このカッコで格好はつかない。
軽く笑って、脱衣室に足を向けた。
コーヒー牛乳飲んで、パックマンやってるセシルからかってから、素直に寝よう。
(退場)
- 539 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/29(月) 00:03:470
- >>536
「あながち間違っていないと思うぞ。
さっき無線で未確認物体が進行中とか言われてたし」
怪獣でも出たのかねー、と失笑する。
何故か脱衣所に連邦軍制式自動小銃が置かれているのかは不明だが、
それなりにやばいことになったということだ。
「まあ、あまり気にしないほうがいいと思うぞ。
拝火教の悪魔みたいなもんらしいからな」
と昨日も見知った相手が呟いていたので、
さりげなく近づいて、近辺住民の皆様が不安に思わないように現状報告した。
- 540 名前:『双子の殺し屋』ヘンゼルとグレーテル ◆TWIN/RJ36g :2007/01/29(月) 00:06:110
- 「さて、僕達もそろそろ退場しようか?姉様」
『ええ、そうね兄様』
>>536藤原妹紅
「どうも始めまして♪僕の名前はヘンゼルだよお姉さん♪」
『そして私の名前はグレーテルよ♪それと、もう私達はそろそろ行かなくちゃいけないから
自己紹介ぐらいしか出来なかったけど、もし私達に会いたい時は『悪役どもがあつまる三丁目』にいるからね♪』
そう言って、ヘンゼルとグレーテルは温泉を後にした。
『ヘンゼルとグレーテル 退場』
- 541 名前:アマテラス&イッスン ◆oKgH6ksxh. :2007/01/29(月) 00:08:250
- 温泉のスペースを半分以上占めていた邪神がいなくなり、
温泉は本来に役目に戻りつつあるように思えた。
アマテラスは辺りを見回した。
>>533
見た所兄弟だろうか、二人仲良く寄り添って入っている。
「アウ!」
と挨拶するように兄弟に向かって吠えた。
>>534、535
彼も脱衣場であった少年だ、少女の隣に座っている
ア「ワウ!」
とこちらにも挨拶。
イ「よう、兄サンさっきは色々と大変だったなァ!
それはそれとして早速ナンパかィ?」
>>538
隣にいた男性はもう上がるようだった。
「アウ!」
とその背中に声をかけた。
- 542 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/29(月) 00:09:140
- >>537
―――なんか空気読め的な表情をされている。
いや、例え邪神が光臨してようと何しようと居合わせたからには分らぬっつーの。
というか機を逸していた気がしなくもない。何の機かはさておく。
でもなにか居心地が悪いというか。
>>539
「悪魔まで来たのかよ……って、拝火教の悪魔なんてまたマイナーね」
まあ、神様から吸血鬼まで入りに来るような温泉だ。別に不思議じゃない。
しかし……なんか暖まる気がしないな。早めに出たほうがいいかねこれ。
温泉に入って凍えた、なんて話、笑えもしない。
「まあ……祭りの後ってことか。通りで何か空しいと思った」
そうか。当事者になれなかったのが不満なのかもしれない、私。
吉事であれ凶事であれ、見てないところでやられるのはどっちも好みじゃないのだ。
傍観者に徹したいならともかく。
- 543 名前:キタロー:2007/01/29(月) 00:16:330
- >>538
僕が面白い、か。その辺りについて、自覚がない。
なんといっても、人と人との付き合いにペルソナを持ち込みすぎているから。
もう一人の自分。
誰かと接することで生まれる、自分。
彼にとって、僕は面白い。
ということは、僕は、彼にとって―――『面白い』ペルソナを被っていた、ってこと。
もしつまらないペルソナだったなら―――この仮定に、ほとんど意味はない。
僕は僕で、僕の被ったペルソナだって、僕だ。
きっと、それは、変わらない。
「そうだね―――また、機会があれば」
次がどんなペルソナになるのか、付き合いの浅い人だと、わからないけれど。
きっと、それなりに、やっていけるんじゃない?
>>541
「―――人聞きが悪いね。フラグが立っただけだよ」
意味が変わらない、ね。
それにしても、変な犬。
コロマルっぽいな―――背後関係。
>>542
「―――そんなに見つめられても、ね?」
話さないのは、話しても仕方のないことだから。
言葉にしてなにかを伝えるのは、とても難しい。
情報は、言葉には乗らないんだから。
- 544 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/01/29(月) 00:19:140
- >>537
「私の手が気になる? ふつーの手だけどねー」
ひらひら、ふらふら。手を舞わせる。
少年の目線は手に釘付け。
パーツに惚れられた? いやそれはないか。
「水仕事とかじゃなければそうでもないわよー。
それに、私は特に気をつけてケアしてるしね」
実際、何もしなければある程度荒れてしまうだろうとは思う。
人形制作。水仕事でもなければ、手に優しい仕事でもない。
>>543
「フラグって何よ」
一応礼儀として突っ込んでおく。
そうこうしてるうちに、人が出たり入ったり。
意外に出入りが激しいのかな、ここは?
- 545 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/29(月) 00:23:290
- >>537
やはり温泉と言えば恋愛フラグの立つところなんだ。
俺の経験もあるわけであり、
そして目の前の現象も結構いいムードである。
「若いっていいねー」
そんな俺はもうおっさん候補l。
>>542
「…あれは『限定版全ての悪』とコードネーム付けられているからな。
その姿を見て発狂する人間もいるらしいから興味を持たない方がいいぞ」
故にアーリマン、またはモッコスとも呼ばれる。
『限定版の悪夢が再びいいい!!??』とか言って泡吹いて倒れる兵士多数。。
本当に神様かもしれないね。
「まあ確かに騒がしいから祭りといえないこともない。
ただ、何故か俺達の仕事道具の類が歩き回っていたり、
もっと馬鹿でかい鎧が歩いてたりしているらしい、無線によると」
まあ、管轄外なので下手に手を出すと迷惑になりかねない
だから俺は静観するのだ。
- 546 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/29(月) 00:24:170
- >>540
―――なんだか童話の語り出しみたいな自己紹介をして、少年少女は去っていく。
よくわからないまま行ってしまわれると、なんだか置いてかれたような気分になる。
「次はもうちょい早く来るかな……」
ぽつりとそんなことをつぶやいて、巻いた手ぬぐいがはだけないようにしながら湯船に沈んだ。
>>543
「……見つめてきたのはそっちが先よ?」
苦笑して、そんなことを返す。
まあ、祭りが終わったなら新しい祭りを楽しめばいい。
終わったことを惜しむより前を見るべし。そのほうが楽しい。
「まあ、目が合ったのも何かの縁かしらね。……湯治に?」
そんなことを聞きながら、とりあえず周囲の状況を把握しておく。
危機回避のための、ほとんど癖みたいなものである。
- 547 名前:アマテラス&イッスン ◆oKgH6ksxh. :2007/01/29(月) 00:30:120
- >>543
イ「ブフフ、照れるこたァないぜェ
現にじっとみつめられてるぜ!」
と飛び跳ねて二人を茶化すイッスン。
初対面な相手に失礼極まりない態度だが彼はいつもこんな感じだ。
アマテラス自分の顔が見られるのを判ると。
ア「アウ?」
と呆けた顔で顔を傾ける
>>545,546
良く見ると昨日出会った人達も入ってきたようだ。
アマテラスはそちらにも顔を向けて挨拶する。
「ワン!」
- 548 名前:キタロー:2007/01/29(月) 00:33:050
- >>544
「へえ―――そう」
ま、ゆかりはゆかりで手のケアに時間を掛けてたな。そういえば。
風花は絆創膏だらけだった気がする。
美鶴は―――白魚って形容詞がぴったりだった。
女の人は、手に気を使っているのかもしれない。
「手が気になるのはきっと―――なんだろうね? よくわからないけど、その手が綺麗
すぎるから、気になるんだろうと、思う」
まるで、穢れを知る前のような手。
穢れすぎたが故に、なんてことはないだろうけど。
「フラグは、気にしちゃ駄目だ」
>>545
「おっさんのやっかみほど、呆れるものもないよね」
冷やかしには、皮肉を、だね。
>>546
「ああ――そうかもしれないね」
苦笑交じりのつもりでも、結局表情は微動だにせず、言ってのける。
人が言うには目が変化するらしいけど。
初対面じゃほとんど判らないから無意味、らしい。
「そうだね、湯治。他の目的は特にないし、温泉以外は、どうでもいい」
辺りを見回す女の子。
なにかあるとすれば、それは―――目の前の僕だというのに。
いや、何もするつもりはないけど、さ。
>>547
「照れて、見える? 僕が。へえ――そう」
表情が動くなんて、珍しいこともあった。
それよりも犬だ。
神代の息吹とでも言うべきかな、これは。
禍々しい感じじゃないから、どうでもいいけど。
- 549 名前:エンジェラン@生まれたままの姿 ◆6Jd7VR017. :2007/01/29(月) 00:37:260
- 水蒸気を含んだ空間に突如奔る稲光。
虚空に現出するアイスブルーの球電。
始めは小さな点でしかなかった電子の奔流は、瞬く間に大きさを増し
人間一人を呑み込み得るほどの大きさにまで膨張した。
雷鳴。 そして閃光。
クライマックスに達した光と轟音は、だがしかし現れた時と同様に
瞬時にして消滅し、霧散した。
その後に残されたのは、先と変わらぬ風景と先ほどまでは影も形もなかったはずの一人の少女。
――――――――――――――
『今度一緒にお風呂にいってみない?』
きっかけは、ある日わたしのところを訪れた妹のこの一言でした。
聞けばとあるところに大きなお風呂があるのだとか。
なぜわざわざ大きなお風呂に一緒に入らなくてはいけないのかはわかりませんが
妹の話では、一緒に入るお風呂はとても楽しいものなのだとか。
その話を確かめるべく、わたしはこうして妹に教わった座標に転移してみたのですが。
そこにはわたしの見知らぬ人々の姿が幾人も。
腰までお湯に浸かった状態できょろきょろとあたりを見回してみます。
困りましたね。
こういう時、どのようにお話すればよいのでしょうか?
- 550 名前:名無し客:2007/01/29(月) 00:40:020
- | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| 一刻新名物・邪神の湯 |
|___________|
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/~~ヘ/⌒⌒ヽ/~~~⌒ヽ/~~ヽ/⌒⌒ゝ /~~⌒⌒ヽ/~⌒`〃⌒~ヾ/⌒⌒
/ ( ミ ミ ヽ ソ 〃/ ゞ ( 彡 ミ V ヾ ゝ ヽ〃 ) ヘ ミ ( ヾ ゝ
/~~⌒ヽ ) / ̄~ ̄~~ ̄~ ̄⌒~ ̄ ̄~~~~⌒~~ ̄ ̄ ̄ ̄~~ ̄ ̄ ̄~ ̄ ̄ ̄ ̄~ ̄
( 〃ヾ ) / ∬ ∬ ∬ ∬
/~~ヽ / ∬
/ 〃ヾ ./ ∬ ∬ ∬ ∬
( /~~ヽ / ∬ ∬ ∬ ∬ ∬
/ ヾ l/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
- 551 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/01/29(月) 00:40:080
- 「う〜〜〜」
湯船の中で、時折呻くあたし。
昨夜は早々に居眠り退場なんて失態を演じてしまった。
妹紅にも悪いことしちゃった。
「マリエル、随分気にしてるんだね。」
あたしだけに見える友達、金髪の女騎士が、言った。
「そりゃ…ね、友達だから。」
そう言ってため息をついて、また呻く。
「じゃぁ、今度逢ったら、謝らないとね。」
「うん…、そうだね。」
「今夜も、ここに来てたりして。」
言われてあたしは、辺りを見回す。
やっぱり、湯気でよく見えない。
「謝りたいなぁ…」
あたしは俯いて、また呻いた。
- 552 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/01/29(月) 00:53:520
- >>548
「そうよー。女の子は手を気にするもんなの」
私の場合はそれに個人のこだわりが混じってるから、なんだけど詳細は省く。
「綺麗過ぎるから……ねえ」
表情が曇ったのを自覚した。
この手が背負った何かが彼に手をそう見せているのだろうか。
だとしたら、その背負った何かとは……何だろう?
「うん、フラグは気にしないわ」
「さて」
十分湯船にも温まった事だし、ここは去らせて貰うとしよう。
隣の少年は途中から来た白髪のおねーさんにご就寝みたいだし。
「じゃーね、少年。湯冷めするなよー?」
どうでもいい事を言いつつ、私は湯船から上がり、その場を去った。
(退場)
- 553 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/29(月) 00:54:330
- >>547
犬、でかい犬。
…本当に犬なのか怪しくなってきた。
>>548
「別に?人を妬むような寂しい人生送ってないさ。
ちなみに俺は23だ。お前らから見ればおっさんかもしれないが」
だって奥さんに不満足なわけでもなし、
というかまだ新婚なわけで。
「温泉って言うと俺の妻を思い出すんだよ。
いや、あれは死ぬところだったな、あと少しで」
おっさんの思い出話なのだろう、これも。
>>549
>稲妻、プラズマ、雷鳴、閃光
「…なんなんだ、いったい」
空間転移っぽい何かが起こった。
この世には理屈で説明できないことが沢山あるらしいが、
これは理屈で説明できそうで出来ないみたいな。
あと温泉は静かに入るもんだぞ。
>>550
「誰か塩素を撒け、塩素を」
- 554 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/29(月) 00:55:220
- >>547
「よう、また会ったね……ん、今日は連れもいるんだ」
アマテラスな戌のそばで、小さな影が湯に漬かっている。
わあ、リアル一寸法師だ。初めて見た。いや普通は見れないけど。
「……昔話とかじゃ知ってたけど、本物と会うのは初めてね。会えて光栄よ」
まあ、自分もいい加減常識はずれな部分持ってるわけだから、こうして戸惑うのもおかしいとは思うが。
でもまあ、一応は普通の人間だし。
そんなわけでちょっと驚いた後は普通に挨拶をさせていただく所存。
>>544
ひらひらと、滑らかに動く五本の指と掌。
最初に見て思った感想が綺麗だ、というあたり、たぶん相当気を遣っているのだろう。
―――そういえば、あの指。どこかで見たと思ったら。
知り合いの人形遣いを思い出す。
あれもずいぶんと器用だったが、指も綺麗だった。
そう、それに似ている。
「……ねえ、ひょっとしてあなた、人形遣いか何か?」
だから、そんなことをなんとなく聞いてしまった。
興味本位だった。
これではずれだったら微妙だが、何をしているのかはやはり興味深い。
>>545
どうやら祭りどころか黒ミサ、あるいはサバトの類だったらしい。
神は神でも祟り神であったか。
「……大変ね、そっちも」
非現実的なことほど現実的な人間にとって手に負えないものはない。
かかわる人間の不幸に黙祷しておこう。
「で、そっちは……あ、なんか管轄外みたいな顔してるね。
……まあ、祟り神の類だったなら避けるのが賢明だけど」
>>549
「うおう?」
唐突に、背後に気配が生まれた。
文字通り「宙」から現れたのだから、意表も突かれる。
とりあえず何事かと視線を向けると―――
少女と目が合った。
……ちょっときまずい。
- 555 名前:アマテラス&イッスン ◆oKgH6ksxh. :2007/01/29(月) 01:01:410
- >>548
イ「そうそう何事も男は度胸イヤヨイヤヨも好きな内ってなァ!」
その少年は頭の上で飛び跳ねる妖精よりも下の大神のほうが気になっている様子だった。
イ「どうしたィ兄さん?さんなにこのマムケ面が珍しいのかィ
まあこんなマヌケな面した狼はめったにいねぇと思うけどよぉ」
アマテラスはイッスンの無礼な言葉を気にする様子もなく辺りを見回していた。
>>549
アマテラスの耳がと少し動いた
新しい来訪者が来たことが判ったのかその音がした方向に顔を向けてみる。
イ「どうしたァ、アマ公またお客さんかィ?」
ア「アウ!」
イ「まったく今日は先客万来だなぁ、よーうそっちに誰かいるのかァ?」
- 556 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/29(月) 01:06:420
- >>548
―――あんまり表情が変わらない手合いらしい。
目を注意深く見てないと何を考えているか良く分からないというか。
でもまあ、会話が出来るなら別に困らない。話す中で相手の癖も分ってくる。
「……にしても、これだけ女の子比率高いのに表情も変えないって、身持ち固いのね」
いまどき珍しい、とは思う。とくに見た感じ若いのに。
興味がなさそうな素振りがまたなんとも。老成してるなあ。
「……ああ、回り見るのは癖みたいなものよ。一人旅してると危ないことも多くてね。
今はひとところに落ち着いてるけど、癖だけは抜けないのよねぇ」
どうにも不思議そうな目をされたので、そう弁解しておく。
言葉にしなければ、意味のある行動でも意味不明に映る。
まあ以心伝心が素晴らしいとは思わないが、ちょいと面倒だ。
>>550
一瞬フェニックス呼んで蒸発させようかと思った。
「……仕事はええよ。というか効能なんだよ」
呪われそうだ。
>>551
―――あれ、聞き覚えのある声がしたような。
改めて首を回して周りを見るけど、湯煙でよく見えない。
寒いせいか、かなり夜が白くなっている。
……立ち上がってみるか。
そんなことを思って、すこし湯船から体を上げてみた。
湯煙は相変わらずだが、こっちは割と目立つ姿だ。
知り合いがいるならすぐ気づく。たぶん。
- 557 名前:アマテラス&イッスン ◆oKgH6ksxh. :2007/01/29(月) 01:17:540
- >>553
ア「ワウ!」
イ「そっちの兄さんもどうしたんだィ不景気な面ぁしてよォ
もしかして、この毛むくじゃらのボァが染っちまったかぁ?」
554
ア「アウ」
イ「なんだぁアマ公、お前いつのまに可愛い姉ちゃんと知り合ったんだぁ?」
ア「ワウン!」
イ「ちきしょう、皆オイラのいない所でヨロシクやりやがってェ!」
>>「……昔話とかじゃ知ってたけど、本物と会うのは初めてね。会えて光栄よ」
イ「昔話?…まぁいいやオイラァ旅絵師のイッスン。
こいつァは知ってるかもしれねぇが大神アマテラス人呼んで『風呂嫌いのアマ公』さぁ!」
と、こちらも改めて挨拶で返す。
- 558 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/29(月) 01:19:540
- >>554
「ここに来てから慣れたよ。
例え何も無い所から火をおこせる人間がいても騒ぐことは無いしな」
その力で覗き間を吹き飛ばそうと、
海岸で溺れている人間を助けようと俺には関係ない。
そういうものなのだ、ここは。
「救援要請が出ない限り出ないさ。
それに仕事道具使ってやると銃弾一発が高いんだよ、これがまた」
なんせデカイし製造が大変出しで宇宙からしか輸入できない。
向こうで対処できる分には向こうで対処してもらわないと。
- 559 名前:キタロー:2007/01/29(月) 01:23:010
- >>552
その手はひらりひらりと舞う、穢れを知らぬ白い蝶。
全てを覆い隠す、綺麗過ぎるその手で、彼女はなにを掴んで、なにを得るんだろう?
あまりにも綺麗過ぎるから、その手にはなにもないように見える。
でもそれは、人として、あまりにも不完全、だと思う。
汚れるために、汚すために手足はあるのに。汚れたから綺麗にするのに。汚れる前
に綺麗にしたような。
なにもない、更地。砂漠というよりも、南極の地平。白が全てを多い尽くす、穢れなき
大地。
でも彼女は生きていて―――ここに居る。
約束されたものを、既に抱いているかのような気が、しないでもない。
歪、なのかな。
「じゃあ、また。会えるといいね」
もう少し、もう少しだけ、彼女の話を、聞いてみたかったから。
>>553
「思い出話、ね。共有できる相手じゃないと、意味ないよね。興味がなければどうでもい
い、なんていって流されちゃうし」
言葉が刺々しいのは―――なんでだろう?
まあ、気にしないで置こう。
「じゃ、機会があるか知らないけど、また、いつか」
>>555
「ここまで大きいのって、珍しいからね。いいもの見たよ」
コロマルが小さく見えるし。
「じゃ、また」
>>556
「まだ顔合わせだからね。意識したって、仕方ないよ」
どれだけ人が居たとしても、他人だ。仲間ってわけでもないし、友達だってわけでもな
い。だからこそ意識するんだろうけど、元々他人に関する意識が低いのだから、結果は
こうなる。
それだけの、簡単な、理由。
「へえ―――野宿、とか? 可愛い顔して、よくやるね」
今のご時勢、旅で危険な眼にあうことは、国内に限ってだろうけど、あまりない。
そしてこの子はどう見ても日本人で、外見年齢はよく見積もっても僕か、僕よりも若干
年上なだけ。そんな子が、海外で一人旅は、ありえないだろう。
まあ、突っ込んで聞いてもいいんだけど。時間も時間だし―――
「じゃあ、僕はこれで。明日、学校だしね」
(退場)
- 560 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/01/29(月) 01:23:180
- >>556
ザー…
水音。
誰かが入った? ううん、どうやら立ち上がったみたい。
湯気の中に、人の影が浮かぶ。
あ、やっぱりあたしの他にも人がいたんだ。
今日もタオル着けてないや、はは。
次来るときはタオル巻いてから……って、
「あ…っ!」
立ち上がればすぐに気付く、その姿。
あたしも慌てて立ち上がって、その姿が見える方へと歩いて行く。
そこにいたのは…、やっぱり、あたしが思ったとおりの人。
歓喜と、不安、罪悪感。
それらに、後押しされて、あたしは言葉を搾り出す。
「妹紅…、あの、昨夜は…、ごめん…、怒ってない…?」
- 561 名前:エンジェラン@生まれたままの姿 ◆6Jd7VR017. :2007/01/29(月) 01:26:420
- ttp://www37.tok2.com/home2/trance/Sin_tama/angelan_02.jpg
[生まれたままの姿]
随分と人が多いようですね。
わたし、見知らぬ人と話すのはあまり得意ではないのですが。
妹のように上手く話せるかどうか、少し不安です……
>>550
視界に入った一枚の看板。
湯気に隠れがちなその文字も、わたしの電子の眼は正確に読み取りました。
邪神の湯。
どこか、不安にさせる名前です。
本当にここは、妹の言うようなよいところなのでしょうか?
>>551
ひとりの少女のすがたが目に入ります。
まだ幼いそのすがた。
わたしは彼女に何か話しかけようとして、気づきました。
どうしましょう。 こういうとき、なんと言葉をかければいいのでしょうか。
わたしは自分の至らなさを噛み締めて、一人途方に暮れました――――
>>553
男の人がこちらを見ています。
わたしのすがたを見ています。
奇異の視線。
珍しい何かを見るときの視線。
「………」
張りつめる心に耐えきれず、わたしは彼から瞳を反らしました。
- 562 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/29(月) 01:37:050
- >>559
「ただの独り言さ。自己満足のためのな」
なんていうか、かわいげの無いやつだな。
最近の学生はこうなのだろうか?
いや、俺のときもこんなやつがいたかもしれないけど。
>>557
「…日本の昔話はよく知らないんだがな。
なんとなく判る。たぶん妖精の類だろ」
小人だ、本物の小人。
妖精と言えばクリスマスパーティーを思い出すな。
>>560
そうそう。こんな感じの女の子が妖精をつれていたんだ。
幸運とか持っていそうで羨ましいな。。
やっぱり精神コマンド二人分は大きい…って
「あれ?」
本当にいた。妖精を連れていた女の子。
>>561
「……………えーと」
機械だ、全自動自立機械みたいな。
珍しすぎるが、まあ慌てることじゃない。
俺だって奇妙なモンを一杯見てきたんだし、
これぐらいの試練…
「…よくショートしないな」
だめ、緊張感に負けてとりあえず思ったことを口にしてしまった。
- 563 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/01/29(月) 01:42:420
- >>561
「あれ…?」
こっちに近付いてくる、人影。
それは、初めてみる姿。
こっちを見ながら、困ったように、考え込んでる感じがする。
この人…、何か、憶えのあるものを、感じる…。
そう思ったあたしは、その人に声をかけた。
「ねぇ、貴方、以前にどこかで、会わなかった?」
そう…、確か、神社辺りで、一度会ったような……
あれ、でも、あの時会った子は、こんなにゴテゴテしてなかったような……
「気のせい…かなぁ?」
よく…わかんないけど……、とりあえず、自己紹介。
「あたし、マリエル。 貴方は?」
そうだ、名前を聞けば思い出すかも。
教えて、貴方の名前。
- 564 名前:エンジェラン@生まれたままの姿 ◆6Jd7VR017. :2007/01/29(月) 01:44:530
- >>554
次に目に入ったのは、わたしと同じくらいの年頃の少女。
その瞳は強い意志の力を感じさせます。
彼女は無言でこちらを見つめ。
わたしは無言でこちらを見つめ。
そして、数秒の刻が流れました。
彼女のことを見ている間に、一つ気がついたことがあります。
それは……
「何故、水着など身につけているのでしょうか?」
つい、口をついて出た言葉。
この場所に来て、始めて発した声。
わたしの頭の中で留めておくはずの疑問は声という形を得て、周りの人々へと知られてしまいました。
嗚呼、お父さま。
わたし、何か間違っているような気がいたします―――
>>557
ここは不思議な場所。
人間だけではなく、小さな動物までがやってきて話をしています。
いや、違いますね。
その言葉はわたしへと向けられたもの。
お父さま――
わたしに返事を返すだけの勇気をください。
「……あの、それ…は、わた…しの……こと…でしょうか……?」
- 565 名前:アマテラス&イッスン ◆oKgH6ksxh. :2007/01/29(月) 01:49:240
- >>559
イ「まぁこれでも一応狼なんだけどよォ
どうも見る奴によっては犬コロに見えるらしいなァ
お、帰るのかィまたなァ兄さん!」
ア「ワン!」
>>560
イ「へぇ珍しいなぁ人間で妖精を連れてるなんてよォ…。」
ア「アウ!」
アマテラスが昨日この温泉で出会った少女だった。
もっとも昨日は全然話す機会はなかったのだが。
イ「まぁオイラと同じ妖精族が増えたんだァ硬い話は抜きにしてまったり行こうぜェ」
ア「アウ」
>>561
先ほど雷と共に現れた少女だろうか
その姿様子から察するにこちらの様子を伺っているのだろうか?
何やら声をかけようか困っている様子だった。
「アウ?」
アマテラスはゆっくり(元から泳ぐのが下手)その少女に近づいた。
- 566 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/29(月) 01:51:460
- >>557
―――ここまでフランクだっけか一寸法師。
でもまあ説話と実際がかけ離れてるのは良くあることなので驚いたことは押しとどめる。
「顔合わせただけなんだけどね……こっちは藤原妹紅。
まあ―――そうだね、普通の人間だよ。割と非常識な感じだけど」
とりあえず、神様相手に気安すぎるような気がしなくもないけど、挨拶を返す。
後の方を微妙に濁したのは説明しづらいからだ。
一応自活はしてるけど、明確に仕事してるわけじゃないからなあ。
>>558
「……そうね。ずいぶん慣れたわよね。最初が嘘みたい」
ああ、なんか染まってますねこの軍人さん。
ここまであっさり受け入れられる現代人も珍しいというか。
……立て続けに怪異と遭遇すれば誰だってそうだろう、という話は置いておく。
「で……何をするにも金はかかる、か。世知辛いわね。
無駄撃ちしたら給料から天引きとか?」
まあ、貨幣を導入した時点で必然となることだ。
ただ、銭勘定だけで人情や世情は計れない、ということだけは忘れないでおきたい。
>>560
―――おお、マリエルだ。
なんだか済まなそうな顔をしているのは、先日のことだろうか。
……でもまあ、良い子のみんなは寝る時間だしなあ。
とりあえずわしわしと頭をなでて、
「そのくらい気にするなよ。まあ風呂で寝ると風邪引くからそこは注意だけど」
笑顔でさっぱり流す。
彼女は笑っているほうがいい。その方が、こっちとしても気持ちいい。
>>561
あ、やばい。泣きそうな顔。
やっぱり何か話したほうがいいよなあ。
うん、とりあえずそうしよう。
いったん視線を外す。そのまま何事もなかったように、
「やあこんばんは。いい夜だね」
いけしゃあしゃあと何を、とか思われそうだけどこれしかあるまい。
何事もなかったように進めて、気まずい空気を流すのである。
>>559
「まあ普通の人間よりか奇妙な人生送ってるからね―――っと学生は大変ね」
あっさりと去っていく彼。
そういえば名前すら聞いていなかった。
「……ま、また今度か。縁があれば」
- 567 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/01/29(月) 02:03:020
- >>556
「うん…」
よかった、笑ってくれた。
許してくれた。
胸の中に渦巻いていた、罪悪感と、不安。
やっと、開放された。
「良かったぁ…」
妹紅の笑顔に、あたしも笑顔を返して見せた。
「良かったね、マリエル。」
湯船の淵に捕まって、ぱちゃぱちゃとバタ足をしながら、妖精が言った。
あたしは、そっと頷いた。
- 568 名前:エンジェラン@生まれたままの姿 ◆6Jd7VR017. :2007/01/29(月) 02:18:410
- >>562
「…よくショートしないな」
何気ない一言が、わたしの胸に突き刺さります。
機械を見る目、そして道具をさす言葉。
「…………!」
脳裏にフラッシュバックするのは白い光景。
白い部屋。白い壁。 そして白衣。
そして、白く冷たい氷の柩。
「……嫌」
蘇ってきた忌まわしい記憶を振り払うべく、
口から吐き出されたのは拒絶の言葉。
そしてわたしと彼との間に現出するのは一枚の氷の鏡。
わたしと彼とを遮るべく生み出された鏡は、
彼の言葉のきっかけとなったわたし自身の姿を
余すところなく映しだしていました……
>>563
再び自分の殻に閉じこもろうとしたわたしに声をかけるものがありました。
振り返ると、そこには先ほどの小さな女の子が。
彼女はわたしよりずっと小さな身体をしていながら
自分の足でしっかりと立っています。
その姿を見て、わたしは思い出しました。
お父さまに、妹たちに、そしてわたし自身に誓ったことを。
「マリエル、というのですね。
わたしの名は――」
ここでわたしは少し詰まりました。
わたしはいくつもの名で呼ばれています。
開発番号VR-017と呼ばれるわたし。
ICE-DOLLの名で呼ばれるわたし。
そして、エンジェランの名でも呼ばれるわたし。
須臾の迷いの後、わたしは彼女に答えました。
「わたしの名は、エンジェラン。
そう、覚えておいてくださいね」
愛くるしい少女に向かって、わたしはそう答えます。
- 569 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/01/29(月) 02:24:030
- >>568
「エンジェラン…」
あ…、この名前は、憶えてる。
「そっか、エンジェランだったんだ。
変わった服着てるから、わからなかったよ。」
再開って、やっぱり嬉しいよ。
また会えるって、素敵なことだよ。
「でも、その鎧みたいな服は、お風呂では脱いだ方がいいと思うんだけど…」
ちょっとゴテゴテしてて、お風呂に入る格好には見えないし。
どうしてこんなの着込んでるんだろ?
- 570 名前:アマテラス&イッスン ◆oKgH6ksxh. :2007/01/29(月) 02:25:210
- イッスンは桶の中にお湯を入れた自分占用の温泉の中で応えた。
>>562
イ「オイラァコロポックルていう旅絵師のイッスンさぁ。
そっちの兄さんもよろしくなァ!」
怪訝そうに見詰める男に対しいつものように無邪気に応えるイッスン
>>566
イ「紅妹姉ェかァよろしくなァ紅妹姉ェ!
まぁオイラも捻くれモンだから似たようなもんさァ」
>>564
「おう、そうそう姉ちゃんアンタのことだぜェ!
折角の温泉なんだし、そんなに恥かしがるこたぁねぇだろぉ?
さっきも姉ちゃんに似た(?)カラクリのような奴が入りにきたっけェすぐ帰っちまったけどなァ!」
桶の中で飛び跳ねながら応える、
アマテラスと一緒に旅をする内こういった得意な現象にいつしか免疫がついたのだろうか
イッスンはいつものように軽い口調で応えた。
>>568
突然少女から放たれた拒絶の言葉。
「クゥン?」
今度は心配するようにアマテラスは低く唸った。
自然と顔を上げる。
- 571 名前:エンジェラン ◆6Jd7VR017. :2007/01/29(月) 02:34:320
- >>565
ぱしゃぱしゃという水音。
振り返ると先ほどの動物がこちらに向かって泳いできています。
わたしに何か用があるのでしょうか?
さて、どうしたらよいのでしょう。
敵意があるわけでもないようですが……
……わたし、動物とのコミュニケーションの取り方がわかりません。
>>566
「いい夜だね」
その一言に、わたしは助けられました。
そうでした。
ここは、皆で楽しむべきところでしたね。
怖くない、と言ったら嘘になりますが、
わたしも氷の殻に閉じ篭らずに、場にとけ込めるよう努力しましょう。
「はい、月の綺麗ないい夜ですね。
ところで、あなたのお名前はなんと言うのですか?
わたしはエンジェラン。 そう、呼ばれております」
先ほどのマリエルに倣って、わたしも少女の名前を聞いてみました。
- 572 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/29(月) 02:35:280
- >>566
「…そうだな、なんだかんだ言って慣れちまったか。
まあ、沢山の貴重な出会いが出来たんだからここに来たことは後悔しないよ。
…少し人間として間違ったことになれてるかもしれないけどな」
そう、幾つもの貴重な出会いをしてきたのだ、この地で。
ひどい目に会ったことも多いが、それはいつか楽しい思い出に変わるのだ。
「ま、よほど撃ちすぎない限りは天引きされないよ。
俺の場合は銃を使う前に殴るか切断するかを重点的に使うしな」
それに使っているマシンガンは
いかに多くの弾をばら撒くかを考えて作られたものだ。
すばやい敵に打ち続けるだけでかなりの無駄となってしまう。そしてなによりも
「そうした方が死人が出る確率が低いしな」
死人を出すのが嫌なのだ。
そしてこれは俺が軍人を続けている理由である。
>>568
拒絶する言葉
突然現れる鏡
閉じゆく世界
「お、オイ……!」
いきなり彼女は俺から大きな距離をとった。
何を使ったのかは判らないが、鏡で道をふさがれたのは事実だ。
いや、そんなことよりももっと気にしなくてはならないことがある。
「どうしたんだ、急に!何か悪いことを言ったなら謝るぞ!」
鏡に映る自分に対して言ってるようで、気分はおかしかった。
>>570
「こ、ころぽっくるぅ?ますます判らないな…」
後で知ったが、ころぽっくるとはアイヌ民族の信仰する小人のことだ。
まあ、アイヌ民族を話半分で聞きとめていた俺には何のことだかさっぱり判んないから。
- 573 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/29(月) 02:36:500
- >>567
「……やれやれ、気にし過ぎだって。私はそこまで了見狭くないよ?
ただまあ、風邪引いちゃうから気をつけた方がいい。最近寒いしね」
まあ、そんな風に細かく気を遣ってくるのが彼女らしいのかもしれないけれど。
というかこんないい子周りにいないぞ。すごく和む。
>>570
―――おい、早速名前を間違えてるよあんた。
「逆だ。それじゃ別の名前になる。も・こ・う。妹が紅いと書いて妹紅だ。
我ながら妙な名前だとは思うが、でも間違えてもらったら困るね」
どうも私と縁がある相手は名前を覚えにくい手合いが多い気がする。
まあ、確かに珍しい名前だけどさ。これ。
- 574 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/01/29(月) 02:39:470
- >>565
「あ。」
やっと見つけた。
小さくて、声の主を見つけるのに、ちょっと手間取っちゃった。
「そんな所にいたんだ。」
へぇ、この子も妖精なんだ。
「こんばんは、あたしはマリエル。」
「私は勇気の奇跡妖精。 よろしく。」
あたしに続いて、妖精も自己紹介する。
ふと視線をずらすと、犬が一緒にいた。
「わ、犬も温泉に入るんだ。」
驚いて、あたしは思わず呟いた。
- 575 名前:アマテラス&イッスン ◆oKgH6ksxh. :2007/01/29(月) 02:43:010
- >>573
イ「おおっとォすまねェ!オイラとしたことが間違えちまったァ
モコウ、妹紅ね…よっしこんどこそ覚えたぜェ妹紅姉ぇ
たくゥなぁ普段入らねぇもんに入ったもんだから頭が回らなくなってきたかァ?」
- 576 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/01/29(月) 02:43:530
- >>573
「うん、ありがとう。」
あたしを気遣ってくれる妹紅。
すごく、嬉しい。
「ねぇ、妹紅の住んでる所には、雪は降った?
オークベリーには、あんまり降らないんだ。
今年も、雪はまだ降ってないの。」
ふと気になって、あたしは尋ねてみた。
- 577 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/29(月) 02:51:280
- >>576
「……あー、降ったね。すごく降った。雪下ろしが大変だったよ。
でも下ろさないと家が潰れるからね。こればっかりはしょうがない」
―――実際一度潰して懲りた。
うん、雪は凶器だ。白いからって油断するな。
「でもまあ、雪で遊べるからそれで帳消しかしら」
実際、かまくらの中はあったかいし、雪合戦は楽しい。
ヒートアップしすぎてリアルファイト突入しなければだけど。
それでまた竹林を焼きそうになったのは別の話。
>>575
「……まあ確かにのぼせそうではあるけど」
小さいから余計に熱の周りが早いのだろう。たぶん。
それでも名前間違えられる理由としては薄いような気がするけれど。
―――まあさておき。
そろそろ上がるにもいい頃合だ。
「それじゃ、今日はこの辺で。またね」
【退場】
- 578 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/01/29(月) 02:56:270
- >>577
「そっか、いいな、雪遊び。」
水の迷宮にも雪はあるけど、
やっぱりヘイゼルやキャシーやコリン達と一緒に遊びたい。
沢山降ったらそれはそれで大変らしいけど、
積もるくらいの雪って、やっぱり憧れるなぁ。
と、妹紅はもう帰るみたい。
「さよなら、妹紅。 またね。」
あたしはそう言って、妹紅を見送った。
- 579 名前:エンジェラン ◆6Jd7VR017. :2007/01/29(月) 02:56:460
- >>569
言われてはっと気がつきました。
たしかに、マリエルの言う通りです。
こちらの姿でお風呂に入っても、センサーが湯温を知らせてくれはしても
あの熱いお湯の感触は得られません。
そんな簡単な事にどうして、気がつかなかったのでしょう。
「そうですね、マリエル。 あなたの言う通りです。
これは――この姿は――服ではありませんが、
あなたの言うようにお風呂に入るのには適切ではないようですね。
再コンバートしますから、少し離れていてくださいね」
再び雷鳴と閃光。
ヴァーチャロイドの身体情報が書き換わり、
もう一つの姿、17才の人間の少女の姿へと換わるわたし。
ざぶん。
ああ、なんということでしょう。
変換完了と同時に足を滑らせて真っ逆さまにお湯の中に落ちてしまいました。。
- 580 名前:アマテラス&イッスン ◆oKgH6ksxh. :2007/01/29(月) 02:57:240
- >>574
イ「おう、よろしくなァマリエル、そっちの勇気の妖精もなぁ!
そんでもって下手な犬掻きしてる毛むくじゃらはアマテラス。
人呼んで『妖精食らいのアマ公』さぁ!
迂闊に近づくとバクゥ!って行かれるかも知れねぇから気ぃつけろよぉ?」
ア「アウ?」
イッスン、被害者は語る。
>>577
イ「おう、またな妹紅姉ェ!」
ア「ワン!」
イ「また縁があったら会おうぜェ!」
見えるかどうかは判らないがイッスンは小さい手を振りながら応えた。
- 581 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/01/29(月) 03:04:480
- >>579
雷と、眩い光。
びっくりして目を閉じた次の瞬間…
ざぶん
その音に目を開けると、エンジェランは頭から転んじゃってた。
「だ…、大丈夫…?」
とりあえず、上半身を水面に引き上げて、尋ねた。
そこにあったのは、あたしが神社で出会った、あの女の子の姿があった。
きっと、早着替えってやつだね。 いや、脱いだだけか。
でも、すごい。
- 582 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/01/29(月) 03:11:270
- >>580
びくんっ
妖精は身体を震わせ、慌てて脱いでいた服と甲冑を身に着けると、
あたしの肩の上まで飛んで来た。
パッと光を発した次の瞬間、妖精はその姿を小さな光の粒に変えて、
まるでイヤリングのように、あたしの耳たぶに納まった。
「妖精を食べるんだ、その犬。
貴方は、食べられないんだ。 その犬…えっと、アマテラスだっけ。
アマテラスと、仲がいいんだね。」
- 583 名前:アマテラス&イッスン ◆oKgH6ksxh. :2007/01/29(月) 03:14:010
- >>579
イ「うおお、なななんだぁ!?」
ア「ワウン!?」
突然の光りに思わず目を晒す。
光からが止みそちらに向いてみるとそこには美しい女性が倒れていた
イ「―――ご、ごくり。」
思わず息を呑むイッスン。
アマテラスも口を半開きにしてその少女を眺めている。
- 584 名前:アマテラス&イッスン ◆oKgH6ksxh. :2007/01/29(月) 03:23:000
- >>582
イ「ん?まあ食うっていうのはちょっとした冗談さァ!
本気にするなィ!
ただ、こいつはボアッとしてやがるから寝惚けて口に入れちまうのさァ
まぁ、オイラが食われかけたんだけどよぉ…。」
あまりフォローになっていないフォローをするイッスン。
ア「アウ」
自分のことを警戒していることが判ったのか妖精のほうを向くアマテラス。
- 585 名前:エンジェラン ◆6Jd7VR017. :2007/01/29(月) 03:26:160
- 「…………」
どうにかしてお湯の中から起き上がりました。
痛いです。
それに、熱いです。
でも、不思議ですね。
何故か、涙よりも笑いがこみ上げてきます…
>>570
気がついたら先ほどの犬が目の前にいました。
やけに元気のいい声がします。
また、あの犬が喋っているのでしょうか?
そう思って見てみると。
驚きました。
小さな影。小さな人。
手の平に乗るほどの人間。
世界にはまだまだ、わたしのしらない不思議がたくさんあるようです。
「……大丈夫です。
心配してくださって、どうもありがとうございますね」
わたしをきづかってくれた小人に、お礼を言いました。
犬と小人という奇妙な組み合わせですが
何故か壁のようなものはあまり感じません。
>>572
鏡の構成情報を解いて、無に返します。
現れたのは、こちらに向かって何か叫んでいる先ほどの男性。
意を決して、彼の方を向いて答えます。
「いえ…… 気になさらないで…くだ…さい」
いけませんね。
まだ、彼の眼を正面からみることができません――
>>580
マリエルの手を借りて、お湯の中から助け起こされました。
小さな、暖かい子供の手。
そして冷たいわたしの手。
そこにはたしかに血と絆が通っていました。
わたしの身は所詮、偽りの虚のものとはいえ、
今、ここで彼女と手を取り合っているという事実は本物なのですから。
「ふふ、ありがとうございますね、マリエル。
わたしなら、大丈夫ですよ」
話してから気がつきました。
こうして誰か他人の前で笑ったのは、いつ以来のことでしょうか?
- 586 名前:sage:sage
- sage
- 587 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/01/29(月) 03:34:030
- >>584
アマテラスがこっちを向くと、妖精がびくつくのがわかる。
確かに、食べられちゃうとか言われたら、恐いよね。
でも、あたしには、優しそうにみえるんだけどなぁ。
「なんていうか……、恐い寝相なんだね。
そんなんじゃ、一緒の布団じゃ寝られないでしょ。」
- 588 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/01/29(月) 03:38:460
- >>585
「良かった。」
エンジェランに笑顔を返し、あたしはエンジェランの隣に座った。
「ほんとに、どこも怪我してないよね。」
エンジェランの身体を見ながら、あたしは言った。
あたしより、ちょっと胸が膨らんでるのがわかる。
むぅ…、歳は同じくらいのはずなんだけどなぁ。
- 589 名前:アマテラス&イッスン ◆oKgH6ksxh. :2007/01/29(月) 03:47:150
- >>585
イ「ヘッヘヘ、そうかィなら良かったぜェ美人にゃ笑顔が一番だからなァ」
ア「アウ!」
礼を言われたのが嬉しかったのか少し照れながら応える
身体が熱いのは多分お湯性だけではないだろう
イ「オイラはイッスンてんだィ!よろしくなァ姉ちゃん!
この白いのはアマテラス、人呼んで『大食らいのアマ公さぁ』」
照れ隠しでいつものよう口上を述べ自己紹介をする。
>>587
イ「まぁなァ…でもこの白毛並が気にいっちまってよォ。
こいつと居れば逆に寝床に苦労しないってわけさァ、
それによォ、こいつはボァっとしてやがるからなぁオイラがいねぇと何も出来ねぇんだ!」
ア「アウ?(首をかしげる)」
イ「まったく手間の掛かる相棒だぜェ」
イッスンはそう憎まれ口を叩きながらアマテラスを見た。
- 590 名前:エンジェラン ◆6Jd7VR017. :2007/01/29(月) 03:55:450
- そろそろ時間のようですね。
お湯の中から立ち上がり、定位リバースコンバートによる転移の準備を……
やめておきましょう。
また大きな音を立てては、皆さんに迷惑なようですからね。
こちらのルールにしたがって、わたしも歩いてこの場を去ることにしました。
マリエルがどこか既視感を覚える視線でわたしの胸元を見ていますが
きっと気のせいですね。
わたし、気がつかないうちに彼女と妹を重ねて見ていたのかもしれません。
そんな彼女に別れの挨拶を告げると、わたしはひとり、出口へと向かいました。
たしか、女性はあちらから……
[退場]
- 591 名前:アマテラス&イッスン ◆oKgH6ksxh. :2007/01/29(月) 04:13:300
- >>590
イ「お、姉ちゃんもう帰るのかぃまたなァ!」
ア「アウ!」
イッスンの身体も遠目からでも判るぐらい熱で赤くなっていた
イ「ウイー…。」
ア「アウ?」
イ「アマ公ぉそろそろ出るかぁ、もう今日は一生分風呂に入った気がするぜェ」
ア「アウ!」
イッスンは定位置であるアマテラスの頭の上にピョンと飛び乗った。
アマテラスも湯船か上がり水滴を飛ばした。
イ「それじゃあなァまた縁があったら会おうぜぇ!」
アマテラスは白い湯気を上げながら脱衣所のほうへ歩いていった。
<退場>
- 592 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/01/29(月) 05:34:080
- …ん?
目をこする。
誰もいない風呂。
やれやれ…またやったか。
あまりにも眠るのが早い自分に悪態をついた。
【退場】
- 593 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/01/29(月) 07:48:530
- ま…またやっちゃった……。
どうしよ、最初眠くなくても後で来るよ。
生活リズムが崩れてる証拠だ。
今日は早く寝て、ゆっくり寝て、また整えなきゃ。
はぁ…。
(退場)
- 594 名前:鳥妖 ◆ENoH/Y7Frs :2007/01/29(月) 22:50:180
かぽーん♪
・・・温泉も久しぶりだなぁ。
最後に入ったのって東と休戦したってのと
長飛丸サマが来てるって神野サマから聞いて
慌てて空屋敷に行ったあのときの前の日だから・・・
・・・えーと・・・
と、とりあえずいーキモチだぞー♪
<誤魔化した>
- 595 名前:鳥妖 ◆ENoH/Y7Frs :2007/01/29(月) 23:09:120
- 温泉もいいケド
入ると羽乾かすのがメンドーだよね。
・・・ときに今アタシが焔凰になったらお湯煮立っちゃうかな?
- 596 名前:鳥妖 ◆ENoH/Y7Frs :2007/01/29(月) 23:13:460
- 1月末まで・・・か。
さりげにココ使えるのってあとちょっとみたい。
来といてラッキーだったかな、アタシ?
- 597 名前:鳥妖 ◆ENoH/Y7Frs :2007/01/29(月) 23:27:380
- あたりには湯気が立ち込め
風情があるんだか視界が悪いんだか
なんとも言えないカンジ
ニンゲンはこういうのありがたがるんだよね。
「そーいえばニンゲンも変わったなー」
昔は妖を見たら殺すか殺されるかってなカンジで
ひどくサツバツとした関係だったんだけど・・・
なーんか今は「殺される」なんてこと
これっぽっちも考えて無さそうで・・・
・・・のんきになった・・・のかな?
「あー・・・」
あったまったせいかアタマもぼーっとしてきちゃった
- 598 名前:鳥妖 ◆ENoH/Y7Frs :2007/01/29(月) 23:47:370
- うー・・・
・・・コレ以上居ると煮えちゃいそう。
誰も来ないし、そろそろ帰ろっと。
<退場>
- 599 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/30(火) 19:38:450
- (キョロキョロ
- 600 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/30(火) 19:40:470
- ∧∧
(゚Д゚∩
⊂ ノ
/ 0
し´
えっ…と、
ここが噂の温泉スレかな?
∧∧ ∧∧
∩゚Д゚≡゚Д゚)
`ヽ |)
|_ |〜
∪∪
ドスッ
∧∧ ミ
( ) _n_
/ つ 貸切|
〜′ /′ || ̄
∪∪ ||_ε3
゛゛゛゛
- 601 名前:◆xdIdPRINCE :2007/01/30(火) 19:43:130
温泉スレ一部貸し切りのご案内
来る1月30日(火曜)21時より、当該スレの一部が貸し切り営業となります。
関係者以外のお客様は、仕切り内には立ち入らぬようお願い致します。
ご迷惑をおかけしますが、何卒ご了承ください。
(※あくまで一部貸し切りです。余剰スペースはうんざりするほどございます
ので、一般利用への支障は一切ございません)
【30日夜間限定】女風呂のご案内
来る1月30日(火曜)21時より、当該スレの一部を貸し切って女性専用のスペ
ースをお作り致します。スペースにはついたてを設け、脱衣所も別個に設置す
るため、殿方への配慮は一切無用です。
「例え水着でも、乙女の肌を異性に晒したくない」という純潔の子猫ちゃんも、
安心してお浸かりください。
女風呂にお入りになるお客様は文末に「【女風呂参加】」など、ご自分が
女風呂に浸かっていることを示す記述をお書き込みください。
記述がないと、一般参加(混浴)と見なされる場合がございます。
また、メール欄に年齢を表記した方には特別に、今夜限定の特別カクテルを
一杯サービス致します。更に17歳以下だった場合は、熟練者によるマッサージ
サービスの無料券を差し上げます。
是が非でも、何としてでも、絶対に、ご活用ください。
当企画への感想、要望、文句、罵詈雑言、求愛は↓
ライアー事務所 杏里・アンリエット までお願いします。
- 602 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/30(火) 19:58:070
ゴージャスにしてワビサビ/おフランスにジャパニスクなカクテルバーの
設置、オーケー! 100億のオリジナルカクテルが乙女を魅了できるよ。
ギリシャ式アヅチモモヤマな脱衣所の設置オーケー!
なんてアメニティの充実していることだろう。美容院も真っ青だよ。
貸し切りのための衝立、設置オーケー!
勝手に隔離しちゃって、温泉主さんに怒られないのかって?
そんなことはないよ!
だって、この「衝立くん」は隔離が目的じゃないもの。
壁面をよく見ておくれ。
「^ー^」
顔があるだろう?
つまり、この「衝立三姉妹〈ブロンテ〉」は生きているんだ!
温泉が大好きで、今日は姉妹仲良く浸かっちゃってワケだね。
「結果的に」何だか、姉妹が浸かっている場所にスペースができちゃって、
何だかそれがとても大きくて、ボクはそこで女風呂なんて嘯いちゃっている
けど、すべては結果的な問題であって、ブロンテ姉妹に罪はないんだ。
ああ、あとは一人でも多くの女性が来てくれるのを待つだけだね。
【女風呂】
- 603 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/30(火) 20:16:570
ああ、それにしてもようやく、夢が叶ったよー。
このスレを一度見たときから決めていたんだ。
絶対に、この温泉に茹で上がるまで浸かってみせるって!
お風呂と聞いて、ボクが逃す手はないものね……。
うー、気持ちいいー! 今日からここがボクの家ね!
【殿方の視線から女性を守る、頼もしき鉄壁ブロンテ姉妹の紹介】
「^ー^」
シャーロット
三姉妹の長女。姉妹の長らしく、穏やかな性格の持ち主かと思われるが、
「一度決めたことは絶対に翻さない」という死ぬほど頑固な側面もある。
誰よりも強い叛逆の精神を持つ。趣味は死体と添い寝。年上好き。
「■ー■」
エミリー
次女。ひと呼んで「ワザリングハイツの狼」。我が儘だとか無邪気だとか、
ロマンチストだとか、そう言った言葉を超越する理解不能な「自分ルール」
の持ち主。ある意味で三姉妹最強。でも、ちょっと病弱。特技は気絶。
「*^ー゜」
アン
三女。姉妹の中で一番影が薄い。実はボクもよく識らなかったりする、
ミステリアスな女性なんだ。シャーロット曰く「ジェントル・アン」。
「アグネス・グレイ」は日本だと5000円近くするのが痛点。
【女風呂】
- 604 名前:鳥妖 ◆ENoH/Y7Frs :2007/01/30(火) 20:38:450
アタシは昨日みっけた温泉を利用すべく今日も空を飛んでいたの。
そして何事も無く温泉に到着したわ。
・・・けど、今日はフツーじゃない事がひとつあったんです。
なんか湯船にぬりかべが3人も
「・・・なんだろ、アレ?」
なんか女風呂と書いてあるみたいだケド。
- 605 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/30(火) 20:46:360
(パチャパチャパチャ
暇だな……。
一人だから、周りの目を無視して泳げちゃうくらいに暇だよ!
乙女はまだかい。桃源郷はいずこへ?
……あ……?
まだ始まるまで10分以上もあるのかい。
何てコトだ! この調子だと21時を待たずに夜が明けてしまう。
どうしよう! どうしよう!
(パチャパチャパチャ
【女風呂】
- 606 名前:鳥妖 ◆ENoH/Y7Frs :2007/01/30(火) 20:51:500
- とりあえず、妖の中でもおとなしい塗り壁なら
別に気にしなくても平気でしょ。
アタシはそう結論づけると、体を流してそろそろと湯船に入ったワケ。
「お邪魔しまーす・・・」
そう、塗り壁に声をかけておく。
・・・とりあえず動く気配はなさそーだねー。
あれ、でも女風呂ってどういうことだろ?
もしかしてあっちがわとこっちがわでわけてるのかしら?
<塗り壁に気を取られて壁の向こうの人に気付いてません>
- 607 名前:カレン・オルテンシア:2007/01/30(火) 20:56:420
- 「これが―――――温泉」
かぽーん。
―――――なんて間抜けな音なのかしら。
気を取り直して。
「話には聞いていましたが―――――」
かぽーん。
「なんの音なのよ……」
これも風物詩―――――というのかしら?
【女風呂】
- 608 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/30(火) 21:11:550
>>606
(腹話術で)
「■ー■」<おや、あなたはこの温泉のニンフかしら?
今宵は貸し切りよ。あなたのために、特別にスペースを設けたの。
だからこちらへいらっしゃい。愉しませてあげるわ。
……あ、それとワタシにお湯をかけちゃやぁーよ?
水性だから、メイクが崩れちゃうわ。
>>607
……なんて、遊んでいるうちに、早速お客様が釣れたよ!
―――じゃなくて、来てくれたよ。
歓迎してあげないと!
―――聖女さま……よくおいで下さいました。
ボクは今宵、あなたを呼んだのにはわけがあります。
(呼ばれてないって? そんなことはありません。ボクは確かに、あなたに
救いを求めました。あなたはボクの嘆きに応じて、顕れたのです)
……ボクは今まで、多くの罪を重ねました。見てください、この汗……罪へ
の怖れが、ボクの精神を枯らすため、体内を渇きで満たそうとしているんです。
決して、ここがお風呂だからとかじゃありません。
ああ! だから、どうか! ボクに懺悔をさせてください。
【女風呂】
- 609 名前:鳥妖 ◆ENoH/Y7Frs :2007/01/30(火) 21:12:250
- >>607
あれ?
ニンゲンがあっち側に入ってく。無駄に颯爽と。
・・・あの人は女の人だよね。
「やば、もしかしてアタシもあっち行かないと不味いのかな?」
アタシは謎の強制力に導かれ、
湯船から出るとちょこちょこと壁の向こう側に回り込んで
湯船に入り直す事にした。
あら、壁で気付かなかったけど、もう一人いたみたい。
とりあえず二人に挨拶くらいはしておこうっと。
「お邪魔しまーっす」
- 610 名前:鳥妖 ◆ENoH/Y7Frs :2007/01/30(火) 21:16:200
- >>608
なんかすごくぎこちない動きで塗り壁が声をかけてきた。
しかも女みたい!!
でも口動いてないっ!?
「・・・いや、アタシは鳥の変化で・・・と、とりあえずそっち行きますけど
その・・・言いにくいんだけどさ・・・顔の口とかにじんできてますよ・・・?」
言いながらそろそろと移動した。
【女風呂】
- 611 名前:カレン・オルテンシア:2007/01/30(火) 21:23:220
- >>608
「ええ、どうぞ―――――」
タオルは水に着けないのが作法だったかしら。
このタオルを剥ぐのは躊躇われるのだけれど―――――
「一言一句聞き流してあげるわ」
結局タオルを体に巻いたまま、『温泉』なるものに体を沈める。
心地よい熱が全身に広がり―――――
>>609
―――――寒気がした。
左目からは血が滴り落ち、背中からは『何か』が生えてくるような感覚。
おぞましさと共に振る悦楽は、ここ暫く感じていなかったモノ。
「貴女―――――できればそれ以上、近付かないでいただけるかしら? 穏便に、済ませ
たいから」
『魔』に過敏に反応する体質は、やはりこういうところには向かないわね―――――。
- 612 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/30(火) 21:40:110
>>610
(うん? 何だかまた、よく視えない女の子が来たよ? ボクのセンサーが
うまく反応しないや。時々、こういう子がいるんだよね……)
―――でも、外見的に問題なく大好物だから、大喜びで大歓迎!
ねえ! エミリーと遊ぶのも良いけど、ボクのことも構っておくれよ。
せっかくこうして、同じお湯に浸かることができたんだ。これもきっと、
一つの運命―――ボク、キミのことがもっとたくさん識りたいなぁ。
あ、自己紹介が遅れたね。ボクは杏里・アンリエット。紫陽花の精だよ。
今日はキミと出会うために、秘密の魔法で人の姿を取っているんだ。
あとでボクの蜜、飲んでみるかい? とても美味しいよ……。
それにしても、キミの髪の毛、とても綺麗だね。
ボク、キミの髪の毛をシャンプーしてあげたいなぁ。
あげたいなぁ――あげたいなぁ――あげたいなぁ――あげたいなぁ……。
……ね、良いだろう?
>>611
ああ! キミってば、とても寛容な心の持ち主なんだね。
こんな不躾なお願いも、慈しみをもって快諾してくれるなんて。
でも、ああ、待っておくれ。
ここでキミは、
「どうして私が聖職者だと分かったのですか?」
と言って、首を傾げないといけないんだ。そう、斜め25度に。
そしてボクは答える!
「おお、なんてことだろう。これぞ正しく神の采配、運命の導きだ。ボクは
あなたの、その天使の如き容姿に引かれるがまま、跪いて慈悲を乞いました。
あなたの身分が神職に就くものだなんて、何一つ確信せずにです。
だって、あなたは佇むだけで至高者の存在を感じさせずにはいられないん
ですもの。あなたが浸かるこのお湯だって、あと数分もすれば葡萄酒に変わ
ることでしょう。あなたは存在その者が『聖』なんだ。
ああ、だって言うのに! 外面は内面を写す鏡だとはよく言うけれど―――
やはり、内に神を住まわせたるものは、その外見も神に近付くんだ。つまり、
この出会いは―――迷える子羊が、神との体面を果たしたということになる」
……って続くわけだね? 分かってくれたかい?
【女風呂】
- 613 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/30(火) 21:44:520
うぅ、しかしこの企画は大成功だね。
早速、二人もボク好みの素敵な子猫ちゃんが迷い込んできてくれたよ。
今宵、月は森の茂みによって隠された。外へと導く灯りはない。
夜が明けるまで、ボク等は踊り狂うんだ。それはもう、ぐつぐつと。
―――あ、ていうか、二人とも名前聞いてないや!
【女風呂】
- 614 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/30(火) 21:50:050
- 「ふぅ…今日も一日疲れたであります…」
そんな表の事情(スレ内の事)を言葉に出しながらも、
某は再びこの温泉を訪れた。
>>601
「…ん?何やら見慣れぬ表紙がありますね。ふむ、女風呂でありますか…
よし、今日はここに入ると致しましょうか…」
そして、某は女風呂の方角に向かった。そしてその女風呂に辿り着いた時に―――
「失礼致しまする」
―――と、他の湯冶客に断りを入れておいてから某は女風呂の中に入った。
【女風呂】
- 615 名前:カレン・オルテンシア:2007/01/30(火) 21:51:320
- >>612
霞んでよく見えないけれど、彼女は嬉々とした表情で私に語りかけ、自己の世界へと埋没
して行く。深く、深く、沈みこんで―――――浮き上がるコトはないのではないかしら?
まあ、目の前の彼女よりも、温泉の方に心を奪われている私は、上の空で答える。
「ええ。ちゃんと理解しました。ところで―――――懺悔はどうしましたか? 私を呼び止め
るためだけの嘘であれば、一人にしていただきたいのですけど」
効能―――――美肌、神経痛、肩凝り、腰痛。
まるで取って着けたような効能ね。
そもそもお湯に浸かっているのだから、体の凝りは解れるでしょうし、発汗作用で新陳代謝
が活発になるのは判りきっているコトなのに。
プラシーボ―――――だったかしら?
【女湯】
- 616 名前:裾野ユキちゃん ◆PASTELWP3I :2007/01/30(火) 21:52:170
- <小声> お は よ ー ご ざ い ま す 。 </小声>
いや小声にする必要もないし脳内音声聞く人もいないけど、なんとなくそう言ってみたくなったの。
本日はここ、天然温泉にやって参りました。
でもね、今日は特別なの。なぜなら――――曰く、女性貸し切りなのだそうだから。
そして私は、本来なら別に男であることは隠しません。
けれど今日は、今日だけは別!
だってこんな夢のようなシチュエーション、放っておけるはずがないじゃない! 男として!
だから……今日だけは、いつもはあんまりつかない嘘をつくわ。
[水着を着て、女の子の振りをして入浴]
さあ裾野雪彦、一世一代の大勝負よ!
とゆーわけで
「お邪魔しまーす」
【女風呂】
- 617 名前:鳥妖 ◆ENoH/Y7Frs :2007/01/30(火) 22:00:300
- >>611
「うっ・・・!?」
なになにこの感覚!?
このカンジはどこかで覚えがあるような・・・
えーっとあの時はたしか・・・
「あ」
・・・アタシは唐突に思い出した。
あれは確か西洋の術者の気配だ。
これって不味いんじゃない?
アタシ祈祷とかに弱いしなぁ・・・
・・・あ、でも穏便に済ませたいとか言ってるし・・・
言われた通り近づかなければ大丈夫かな?
「あはは・・・りょ、りょーかい。じゃ、ちょっと離れて浸かってるね?」
刺激しないように。
そしてなにかあっても逃げられるように。
うん、ホントは今のアタシは撃符に封じられてるから
もし仮にやられても撃符に戻るだけでへっちゃらなんだって事は忘れてたワケ。
>>612
知りたいって・・・
アタシに出会う為に来たのにアタシのこと知らないって変なんじゃ・・・?
まぁ、細かい事はいいや。
とりあえず植物の怪ならとって食われる可能性も低そうだし。
「アタシは鳥妖。
鳥の変化、西の妖(バケモノ)よ。よろしくね♪」
・・・蜜かぁ。
そう言えば花の蜜もここんとこあんまり食べて無いなぁ。
でも、なんだろう。
この寒気は。
殺気じゃないのに・・・なんか謎の恐怖が・・・??
>ボク、キミの髪の毛をシャンプーしてあげたいなぁ。
>あげたいなぁ――あげたいなぁ――あげたいなぁ――あげたいなぁ……。
・・・んーー
「シャンプーって何?石鹸のこと?」
とりあえず尋ねてみた。
- 618 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/30(火) 22:06:390
- 「お邪魔しまーす」
また来てしまったわけで。
ま、ほら、今日は女の子専用の日だって言うし、ね?
折角なんだからさ。
ROOK-RES(001):誰に言い訳してるの? EOS
気にしない気にしない。
ROOK-RES(002):良いけどね。それより EOS
ん?
ROOK-RES(003):男が居るけど、良いの? EOS
……あー。
ちょっと声掛けてみる。
ROOK-RES(004):気をつけて。 EOS
了解。
何か有ったらよろしくね。
>>616 ???さん
「もしもし?」
「そっちは女風呂だよ?」
さて、どうでるかな。
- 619 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/30(火) 22:09:350
>>614
わお! 更に一名様、ご来着ー! ……って、あ、え、あ、う?
また、センサーでは判別しにくい美少女がやって来たよ。
やれやれ……この板は相変わらず、油断がならないね。
「年下/年上」では計れない次元の子が多すぎるんだ。
まぁ、でも、からかい甲斐がありそうな子……では、あるかな?
ねえ、キミ―――そんな端で浸かっていても、この大自然は愉しめないよ。
ほら、もっとこっちに来て……ボクとお話をしよう。
ボクは杏里・アンリエット。さすらいの吟遊詩人さ。〈真実の愛〉を求めて、
世界を放浪しているんだけど―――ああ、何てコトだろう。もう38年も、求めて
きたものを……いま、この瞬間に、ボクは見付けることができたよ。
キミのお陰だ。
キミがボクに、愛を植え付け、愛を芽吹かせ、愛を咲かせてくれたんだ。
つまるところ、キミはボクの恩人。ああ、この恩は絶対に忘れないよ。
ボクは38年、愛を求めて迷い続けた。
だから、これからの38年は―――愛を与えてくれた、キミに捧げよう。
約束するよ。咲き誇ったボクは、今日からキミの花となる。
>>615
懺悔? ……ああ、しまった。何てコトだろう。新たなる罪を前にして、
ボクは畏れるあまり―――過去のあやまちを忘れようとしていた。
それは許されざる大罪……。
危うく、煉獄山から転がり落ちるところだったよ。
やー、助かった助かった。
キミってやっぱり凄いね。たった一言で人を救えるだなんて。
だけど、嘘なんかじゃないよ。
ボクは真実、キミから赦しを得るために此処に来たんだ。
だから、躊躇を投げ捨てて―――ボクは告解するよ。
ねえ、聖女様……ボクはあなたの(お湯で)火照って肌を沈めるために、
この唇でイグニスの焔を吸い取ろうと考えています。でも、赦しを得る前に
あなたの炎を盗んだら、なんかもう色々と後が酷い気がします。
だから、どうかボクに赦しを!
ただ一言「Amen(然り)」のお言葉を!
【女風呂】
- 620 名前:鳥妖 ◆ENoH/Y7Frs :2007/01/30(火) 22:16:190
- >>614
「うげっ!?」
トウカさんだ!?
犬猫鳥の妖の間じゃ「かいぐりうっかり侍」で名高いトウカさんが登場!?
待て。
落ち付けアタシ。
年へた妖はうろたえないッ!
そうよ、あっちはアタシのこと知らないかもしれないじゃない。
「あ、なんでもないの。
こんばんはー♪」
とりあえず様子を見ようっと。
>>616
あら、またニンゲンだ。
昨日と全然違うわねー
なんか今日は特別なのかな?
まぁ、あと二日しか使えないらしいし、
折角だからって言うのはニンゲンも同じってことか。
「こんばんはー♪」
とりあえず愛想はふっておこう。
これは長い間に習得したアタシなりの処世術だ。
こうやって無害をアピールするだけでも、
いきなり退魔術式とか聖職者呼ばれるとか刀抜かれるとか
やられる可能性はぐっと低くなる。
さらに上手くすればかばってもらえたりもするのよ?
>>618
「こんばんわ♪」
増えて来たなぁ。
・・・良かったニンゲンだけじゃないみたい。
人形の妖かな?
・・・見ないタイプだけど最近昔と違うタイプの妖増えたからなー。
【女風呂】
- 621 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/30(火) 22:19:260
- >>619杏里・アンリエット殿
「おや?そなたは一体…?え〜〜…コ、コホン…申し遅れた、
某の名はトウカと申します。以後、お見知りおきを―――」
そう言って、某は突如こちらに来た見知らぬ女性に自己紹介をした。
…しかし、何なのだろう…この者からただよらぬ感じがするのは気のせいだろうか?
しかも、見た感じ何かと変わった性格の持ち主のようであった。
>>618イーヴァ殿
「…おや?あそこに見えるのは…もしやイーヴァ殿では…?」
- 622 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/30(火) 22:20:540
わあわあ、どんどん来るよ!
>>616
あれ? あの子、どこかで見たことがあるような……。
あれれ? おっかしいなぁ。ボクがあんなウルトラキュートな子猫ちゃんを
忘れるはずがないんだけどなぁ。どこだったかなぁ……。
そうだ! 確か、前世だ。
ボクがボクであるより100年も昔、彼女とボクは惹かれ合う仲だったんだ。
ならば、迷っている暇なんてないじゃないか。
お邪魔なんてとんでもないよ!
だって、この温泉はキミが訪れると識って湧き出したんだもの。
まだ未成熟な、キミという蕾を咲かせるために、ね。
だから、御礼を言うのはボクの方さ。
キミよ、美しくてありがとうって!
>>617
鳥の変化? つまり、キミは小鳥ちゃんなんだね。
夜啼鳥(ナイチンゲール)が、夜を保つために舞い降りたんだ。
ああ、なんてロマンチックなコトを言ってくれるんだろう。
キミには詩人の才能がある。……いや、才能だなんて失礼だ。
キミは詩人そのものさ!
キミという存在が、詩人という言葉を生んだんだ。
……って、シャンプーを識らないのかい?
そんな許されざる大罪を、キミは今日まで見過ごしてきたのかい?!
キミみたいな女の子が、石鹸で髪の毛を洗うなんて……殺人行為じゃないか。
自分だけじゃない。キミは「美」という概念をも殺そうとしていたんだよ。
そんな、そんなことって……。
良いかい?
シャンプーっていうのはね、女の子をより輝かせるための魔法なんだ。
キミは今でも十分美しい。
だけどね、女の子は女の子である以上、そこに留まってはいけないんだ。
より至高へと羽ばたく義務がある。
シャンプーは、そのための力を与えてくれる呪文さ。
毎日欠かさず唱えれば、いつの日かきっと報われるよ。
だから、ね……実技で教えてあげようか?
【女風呂】
- 623 名前:裾野ユキちゃん ◆PASTELWP3I :2007/01/30(火) 22:21:060
- >>618
ちょ、いきなりばr
「…………えっと?」
――精神抵抗成功。そういうことにしといて。
そんなわけでまずはとぼけてみせようほととぎす。
でも……さすがに「私女の子だもん♥」とまでは言えなさそう。
こんなんで無事に帰れるかしら。
おまけに本日の主催である杏里は、以前会ってるから私のことを知ってるわけだし……
まあ、何とかしてみせるしかないんだけど。覚悟してやってきたんだから。
>>620
……っと、こちらは妖怪の類かしら?
これでも魔女っ子歴は長い、魔物の類は「見て」わかる。
そんでもって、要もなく危害を加えるべき相手でもないことも、ね♪
「こんばんは〜♪ 湯加減どうですか?」
愛想には愛想良く♪
- 624 名前:カレン・オルテンシア:2007/01/30(火) 22:23:230
- >>617
「聞き分けがよくて助かるわ―――――本当、私の犬たちに見習わせたいくらい」
下僕も居ない状況で、『悪魔』に立ち向かうのは得策ではない。
悪魔祓い見習いでしかない私には、対処しきれない可能性のほうが高いのだから。
それに―――――『変わってしまった』私を、消し去ってくれる人も居ないのだから。
「で、今日はどうしたのかしら。人里に降りなければならないほど、退屈していたの?」
コンタクト、スタート。
『仲魔』―――――やってみたかったのよね。
>>619
頭まで茹ってしまった彼女の言葉は澱みなく続き、要約してしまえば私が欲しい、と
言うコトらしい。今では顔も思い出せない彼の冗談と嘘の中に本音を隠す言葉とは逆
の、誠意溢れる欲望の言葉。
とても心地よい―――――歪み。
「そう―――――ならば、欲するがままに与えましょう」
私に唯一できるコト。
それが―――――誰かの慰みになるコト。
求められるがままに与えましょう。
貴女がそれを望むなら、私はなにも躊躇いません。
主よ―――――どうかこの方に、憐れみを。
そして、私の戯れをお許しください。
―――――彼女の手をとり、口付け「Amen」と呟く。
あまり慣れていないでしょうし、良い薬になるでしょう?
- 625 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/30(火) 22:26:590
- >>620鳥妖殿
…あっ(^^;)そ、某としたことが…ついうっかりして下の方に【女風呂】を書き忘れてたであります…。
…ま、まぁその事は置いときまして…
>「うげっ!?」
…何やら変な声が聞こえた方向を向くと、何やら鳥の姿をした人(?)が某の姿を見た途端、
物凄くびっくりした様な顔をして慌てふためいていた。
「…?そこの方、一体どうしたのでありますか?まさか某の顔に何かついているのでありますか?」
- 626 名前:裾野ユキちゃん ◆PASTELWP3I :2007/01/30(火) 22:30:430
- にしても……うんうん、あちらもこちらも女性女性、美女に美少女雨あられ!
我が世の春よ、至福の時よ! このまま死んだって良いかもしれない!
心配するまでもなく下手を打てば殺されるだろうけど!
で、その下手を打たないためにも肝心の杏里・アンリエットは……と?
>>622
あの顔は思いっきり忘れてやがります。
……いや、それならそれでいいけど。
「ふふ、お褒めにあずかり光栄です♪
にしても相変わらず口がうm……げふっ、げふげふ!」
…………なんで地雷踏みに行くかなー私?
(あ、私も書き忘れてた>>625)
【女風呂】
- 627 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/30(火) 22:31:300
- >>620 鳥妖さん
「こんばんはー」
この子も人間じゃない、か。
ま、この辺じゃ珍しくも無いか。
「初めまして、だよね。わたしはイーヴァって言うんだ」
>>621 トウカさん
あ、トウカさんも居るんだ。
「やほー。お久しぶり、トウカさん」
相変わらずうっかりさんなのかな。
>>623 裾野ユキさん
誤魔化す気満々?
まあ、確かに見た感じでは絶対に分からないし、
自信は分かるけどねー。
ふふふ、ルークとわたしが来たのが貴方の不運さ。
「別にわたしは良いけど……
ばれたら、どんな目に会うか、覚悟はしてるよね?」
女の子でも男の子でもなくなっちゃったりしてねー。
楽しみが一つ増えたっと。
【女湯】
- 628 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/30(火) 22:42:420
- >>621イーヴァ殿
「はい、お久しぶりですねイーヴァ殿」
そう言って、某はイーヴァ殿に返事を返した。
フフフ…あの時は某が未熟だっただけに、相当な醜態を晒してしまいましたが…
今回は修行の成果も兼ねて、うっかりしないようにするであります。
そして―――
「そう言えばイーヴァ殿は、あれからルーク殿とはうまくいっているのでありますか?」
―――何気に深い意味合いも兼ねて、某はイーヴァ殿にそう尋ねた。
【女風呂】
- 629 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/30(火) 22:44:160
>>618
(あれ、この声―――確か。……もしかして、リベンジのチャンス?)
>>621
へぇ……トウカって言うんだ。キミのそのイヌミミ(?)と相成って、
とてもミステリアスな雰囲気を作っているね。……よく似合っているよ。
ねえ、トウカ(呼び捨ててで良いだろう?)……今はちょっと忙しいから、
あとでキミの隣―――座ってもいいかい?
だって、キミってばちっともこっちに来てくれないんだもの。
だったら、ボクから行くしかないだろう?
ね、だから……お願いだよ。良いよね?
>>624
「え―――キミ……」
何てことだろう。外見とはただの器に過ぎず、内宇宙を映す鏡だと断言
したばかりなのに―――この子が聖女? 勘違いもいいところだ。
確かに、彼女の外見はボクの思い描くベアトリーチェに違いない。
でも、至高天の聖女ならば……この右手に焼き付き痕を何と証明する?
この疼きは罪の連鎖を促している。「墜ちよ」と強く訴えている。
ベアトリーチェの口付けに、奈落への誘いが含まれるはずがない。
ああ、ボクは―――赦しを得て、無限の自由を勝ち取るどころか……
更なる、深い罪へと堕ちようとしている。
なんて甘美で、なんて危険な誘い。ボクに救いはないのか……。
「―――以上、口に出して朗読」
それは良いとして、ああ、なんか、もう良く分からなくなってきたよ。
こんな展開、予想もしていなかった!
なんて嬉しい……じゃなくて危険なんだ。
「……聖女さま、告白するとボクはカインの子孫です。東の空に背を向けた
一族です。だから、赦しは乞うても、憐れみは必要としていません。
だから、どうか慰みの代わりに……ボクの愛を、あなたの愛でもって応えて
くれないでしょうか。ボクはいま覚悟しました。
あなたとともに、墜ちてみせると。
だけど、地獄はあまりに深く、奈落は闇で包まれています。
あなたの愛でもって、ボクを照らさないと……とても歩けたものじゃない!」
【女風呂】
- 630 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/30(火) 22:48:340
>>626
相変わらず? ……おお、なんてことだろう。
やはりボクの勘に間違いは無かった。
キミとボクは出会っていたんだ。―――そう、この生を得る前に。
ボクはもう、キミは絶対に離さないよ。
過ちは二度と繰り返さない。この生で、初めて二人は結ばれるんだ。
あらゆる過去を捨て、出会いを更新するために!
だから、言わせておくれ―――「初めまして」と。
そしてボクはキミに尋ねるんだ。「キミの今の名を、識りたいな」と。
【女風呂】
- 631 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/30(火) 22:48:510
- >>628 トウカさん
返事を返してくれたトウカさんは、何処と無く気張っているようだった。
きっと、もううっかりしないとか考えてるんだろうな〜。
そんな健気なところが実に可愛らしい。
無駄な努力である辺りが特に。
「ルーク? うん、仲良くやってるよ」
とりあえず、無難に答えてみる。
>>629 杏里・アンリエッタさん
……あ、何か捕捉された気がする。
- 632 名前:鳥妖 ◆ENoH/Y7Frs :2007/01/30(火) 22:49:030
- >>622
詩人って・・・
アタシはありのまま事実を言っただけなんだけど。
面白い子だなぁこの子。
>キミみたいな女の子が、石鹸で髪の毛を洗うなんて……殺人行為じゃないか。
「え、えーと・・・」
水浴びくらいしかしたことないとか言ったら
なんか取り返しがつかなそうな気がする・・・
うーん、石鹸の泡って目にしみるから嫌なんだけどなぁ・・・
・・・でもモノは経験かー
「じゃ、教えて?」
言ってはみたものの、
何故か言い知れぬ不安と恐怖が徐々に高まって来てる気がする。
この子は普通にニンゲンだと思うんだケド・・・
なんでだろ?
>>623
「湯加減?
ちょっと熱いかなー?
でもニンゲンはこれくらいでいいんじゃない?」
・・・ん?
まぁ、回りが気にしてないなら別にいっか。
そういうことにした。
>>624
「いえいえ」
お互い相容れぬモノとは言っても
ケンカしないで済むにこしたことはないもんね。
・・・アタシ、ケンカあんまり強くないし。
>「で、今日はどうしたのかしら。人里に降りなければならないほど、退屈していたの?」
「退屈はしてたけど・・・ここって人里なの?」
・・・きょとんとしつつ、アタシは言った。
まぁ、街中には見えなかったし。
ニンゲンも動物も妖もいっしょになって温泉に入る。
それ自体は別に不思議なことじゃない。
アタシがただの鳥だったころからあったことだ。
ここじゃケンカしないってのは人も妖もなんとなく守って来た
なんとなく発生した不文律みたいなモノ。
アタシはそんな風に思っていたんだけど。
>>625
「あっ、いえ、なんでもない!
なんでもないの。えへへ・・・♪」
アタシは全開で誤魔化しつつ、
大人の握りこぶしほどしかないアタマの半分ほどまで湯につかった。
・・・あのうっかり侍に正体を見られてはいけない。
それが犬猫などの小動物の妖の間での常識だ。
>>627 イーヴァさん
「ええ、初めましてだね♪
アタシは鳥妖、コンゴトモヨロシク〜」
良かった。
こいつも危険の少なさそうな妖みたい。
人形の妖ってみんな性格がバラバラで方向性読み難いから
話して見るしかないんだよね。
アタシはぱたぱたと羽のついた手をふると湯船に浮かぶ。
・・・いや、アタシの場合、ぜったい足つかないから、
常にそーなんだけどね。
【女風呂】
- 633 名前:『蓬莱の人の形』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/30(火) 22:49:250
- ―――女風呂と申したか。
「うわ、どこの金持ちだこんな酔狂」
閑散としていた温泉に、突如出現した女の花園。
ついたてで温泉の一角は境界を引かれ、さらに脱衣所やマッサージ機まで完備。
これは笑うしかない。というか、あまりに面白すぎて笑う。
「んじゃ、その酔狂に乗らせてもらうかね」
服や下着を脱いで籠に放り込み、ついで結った髪も解く。
あとは手ぬぐいが一枚だけ。これだけ気楽な状態で入るのも久しぶりだ。
姿見を見れば、真っ白な肌ときらめく銀髪がまぶしい。
鏡に映った自分の顔に紅い流し目を送って、
「お邪魔しますよ、っと」
私はこの宴に乗ることにした。
【女風呂へ参加】
- 634 名前:鳥妖 ◆ENoH/Y7Frs :2007/01/30(火) 22:59:050
- >>633
「こんばんはー♪」
なんか一見、ニンゲンとも妖ともつかないヒトが来た。
・・・人の変化??
珍しい。
そろそろ人が増えて塗り壁が邪魔になってきたかも。
・・・と、思ったが、
とりあえず顔が滲んで溶けていてマジで怖いので
塗り壁に声をかけるのはやめておく。
ま、こーやって集まってるのもたまには楽しいのかな。
ん〜
・・・お酒でも持ってくれば良かったかな?
【女風呂】
- 635 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/30(火) 23:00:220
- >>632 鳥妖さん
「こちらこそ、コンゴトモヨロシク〜」
やはり、人外同士の古式ゆかしい挨拶といえば、これ。
この人は悪い人ではなさそう。
鳥妖さんは、パタパタと羽根(?)を動かして水面に浮いている。
……疲れないのかな、あれ。
>>633 藤原妹紅さん
流れるような銀髪に紅い瞳。
脱衣所から現れたのは、またしても見覚えのある姿だった。
「こんばんは、藤原さん。今夜も良い夜だね」
……杏里さんの狙いは見事図に当たった模様。
う〜ん、こういう状態を入れ食いって言うのかな。
【女風呂】
- 636 名前:裾野ユキちゃん ◆PASTELWP3I :2007/01/30(火) 23:01:510
- >>627 イーヴァ
「???」
……ふ、不退転よ不退転。
一度つくと決めた嘘は最後までつき通すべきなのよ!
ていうかますます増えてきたから尚更逃げたくないし逃げられない!
とゆーわけでひたすらごまかし。
大丈夫、この子は良いって言ってるんだし!
>>630 杏里
……やっちゃった。しっかり聞いてたわね今の。
それでもやはり口説こうとするあたりはさすが我がライバル。
でもね、まだまだこれからよ!
「そうね、それでは『初めまして』。でもそれなら、まずはそちらから名乗るのが礼儀ではなくて?」
回避その1!
>>632 鳥妖
「ふむ、それなら私もそこへお邪魔しちゃおうかな。
うちのお風呂も結構熱いほうだから、たぶん大丈夫だしね」
とゆーわけでいざ入浴。
妖怪さんってどういうわけか美人さんが多いわよねー。
心も顔もにっこにこ♪
【女風呂】
- 637 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/30(火) 23:04:240
- >>629杏里・アンリエット殿
「…ええ、某は別に構いませぬが…」
…それにしても、やはりこの者…何だかただよらぬ気を感じますね…。
何だか…その…下手をすれば身の危険にもなりかねないと言うか何と言うか…
そんな感じが致しますね…(汗
>>631イーヴァ殿
「そうでありますか。それは大変よろしいことでありますね」
どうやらルーク殿とは今でも仲良くやっている様子であった。
ふむ、やはりコンビというのは常に仲が良いのでありますね。
コンビ…そういえば、カルラ殿は一体何処で何をしているのだろうか…?
>>632鳥妖殿
「……?(一体どうしたのだろうか?何だか妙に取り乱している様子だが…?)」
しかも、急に頭の半分まで温泉に浸かる様子を見ると…何だか妙に怪しいでありますね…。
そう思った某はその鳥の姿をした者のところまで近づいて、こう言った。
「…あの、失礼致しますが…もしかしてそなたは某の事を何か知っているのでありますか…?」
>>633妹紅
「…おや?妹紅殿もここに来たのでありますか?」
- 638 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/30(火) 23:05:010
- >>634
「ああ、こんばんは―――」
挨拶して、かすかな違和感。それは声をかけてきた相手を間近で見て溶解する。
そうか、鳥の妖怪か。顔を知っている相手とは違うが、まあ同じだろう。
どういう妖怪かは分らないが、まあ悪さなんざしないさ。
そう思って、衝立に張り付いている顔に多少驚かされながらも湯船に漬かる。
いつも開けている世界が、少し狭く感じて新鮮だった。
- 639 名前:カレン・オルテンシア:2007/01/30(火) 23:06:240
- >>629
―――――狙ったとおりの反応、フィッシュ。
慌てふためく彼女を見て、彼女の既知はどういう反応を示すのかを楽しみたかったの
だけれど―――――その機会には恵まれていなかったようね。なんて悪運の強い人な
のかしら?
「私の―――――愛、ですか」
詰まる言葉と思い。
黒い逆月へと還っていった私の思いは、月の満ち欠けと共に星となり、二度とこの手に
は掴み取れないものなった。
その思いを分け与える術は―――――ない。
「私は欲するがままに与え、求める術を知りません。貴女が私に焦がれるのは当然の成
り行きなのかもしれませんが―――――私が貴女に焦がれるのは、とても難しい。
私は、泳ぎ方を知らない魚。誰もが求めるものを求めず、暗がりを歩いてきた身ですか
ら―――――」
口付けた手をそっと離し、距離をとる。
これも―――――戯れ。
「私の愛は―――――何処に、消えたのでしょうね」
儚いに笑顔を加えれば、万全でしょう。
>>632
「ええ―――――頻繁に貴女のようなものが降りてくることはない程度には」
興味を惹けたようね―――――ここからが勝負……なにとかしら?
「そもそも、貴女のようなモノが堂々と闊歩できる世界ではなくなってしまったともいえま
すけど。世界に人の手が入っていない場所など多くはありませんし―――――なにより、
人から忘れられて行く存在ですからね」
それだけに齎す害が酷いのだけれど。
予期せぬ打撃は、ダメージが大きいのだから。
- 640 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/30(火) 23:07:220
何だろう―――今日はすごく調子がいいよ。雑談では、今までずっと散々な
目に合ってきたのに……今日はみんなボクに優しい!
もしかして、これも温泉の効能?
>>631
やっぱりイーヴァだ! 半年振りじゃないか。
こうしてまた会えるなんて、やっぱり運命はボクと彼女にご執心なんだね。
ああ―――でも、忙しそうだから、ウィンクするに留めておこうっと。
ANRI-RES(001):
結局、電話してくれなかったね?
あとでボクの愚痴、たくさん聞いてもらうから……
身体を洗って、待っていてよ。
あ、それとも一緒に洗う?
EOS
※通信エラー※
ボクの視線を通したメッセージ……ちゃんと受信してくれたかな?
>>632
ふふ……もちろんさ。ボク、シャンプーはすっごく得意なんだ。
この指先で髪の毛を弄られると、あまりの安らぎの果てに―――
みんな「かくり」と寝込んじゃうぐらいなんだよ?
本当さ! キミも頭を撫でられると、眠くなって来ない?
もちろん、ちょっと指捌きを変えれば……
睡眠欲じゃない、別の衝動を目覚めさせることもできるんだけどね。
それは、二人っきりになったときのお楽しみにしようか。
さあ、じゃあお風呂から上がって、シャワーの方に行こうか。
>>633
ああ、まただ!
一体、どうなっているんだろう、今日は。
また年齢の判別がつかない。
杏里・アンリエットも落ちぶれたものだよ……。
もう引退すべきかな。
……でも、それにしても―――かわいい。
うずうずしちゃうよ! ……ああ、シャワーが先、シャワーが先。
【女風呂】
- 641 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/30(火) 23:07:480
- >>637
「やあ、あんたもか。なんだか面白いことやってるみたいだね、ここ」
再び顔知りの相手。たしか武人の……トウカだったか。
男がいないという安心感からか、少し無防備になっている気もする。
というか、見えてるよ。色々。
「そうそう、気を抜きすぎだよ、その格好」
苦笑して指摘しておく。
困りはしないけど、こっちも視線を向けづらい。
- 642 名前:帝王ベガ様@衝立の向こう側 ◆X/VEGABW0k :2007/01/30(火) 23:11:350
- http://charaneta.sakura.ne.jp/ikkoku/img/1165164473/642.gif (8KB)
フッフッフ…
愚か者どもめが。
女風呂などという企画を立てた時点で、
闇の世界のターゲットとなるのは明白というもの。
そんな事にも気づかずに無防備な姿をさらけ出すとは笑止千万!
フフフ、こうやって盗撮用カメラを仕掛けておくだけで
自動的に裏のマーケットに流通する映像ソフトが出来上がり、
我がシャドルーの資金源となるのだよ、ククククク。
ちなみに今モニターに映っているのは無防備にも素肌を晒したまま……
- 643 名前:帝王ベガ様@衝立の向こう側 ◆X/VEGABW0k :2007/01/30(火) 23:13:060
- http://charaneta.sakura.ne.jp/ikkoku/img/1165164473/643.gif (11KB)
>>642
……眠っていたら先っぽを蚊に刺されてしまった私のアゴだ(ぽりぽり)
最近は暖房の普及のせいで、冬でも蚊が活動することがあるから
せいぜい気をつけるがいい!
フハハハハハハハ!!
【蚊に刺されたアゴを掻きながら退場】
- 644 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/30(火) 23:14:040
- >>636 裾野ユキさん
どうやら、覚悟完了はしてるみたいだね。
その意気込みだけは買ってあげたい。
ROOK-RES(005):呼吸が浅くなって、脈拍も増加してる。
あと、体温の不自然な上昇も。 EOS
ま、辛うじて顔に出してないのは大したものだけど、ね。
「あ、そういえば、お互い自己紹介してなかったよね」
「わたしはイーヴァ。よろしくね」
そういって握手を求める。
>>637 トウカさん
「ありがと、仲良き事は美しき哉って言うしね」
なんだかトウカさんは遠い目をしていた。
「トウカさんは? ほら、トウカさんにも仲が良い人が居るって話だったし」
>>640 杏里・アンリエットさん
すかさず杏里さんからウィンクが飛んでくる。
本当に、こういう事に関してはマメな人だよね。
そんなこtチェッカーが不正なエラーを検出しました
……多分、人間なら、背筋がゾクリとした、とでも表現するしかない感覚。
え? 不正侵入された?
で、でも、ルークもチェックしてたはずだし……。
- 645 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/30(火) 23:17:070
- >>641妹紅殿
「ええ、でも賑やかな事はとてもいい事でありますよ」
そう、ただ一人黙々と温泉に入っているよりかは二人や
三人いた方が何かと楽しいものだ。
「…ハハハ、その点については心配要りませぬよ。何せ
万が一の時には何時でも刀に手を掛けられる状態にしておりますから」
そう…某は修行を兼ねて(スレ内での出来事)うっかりを返上するためにも
ここでうっかりを連発していてはならぬでありまする!!
「ヒソヒソ(小声で)それから妹紅殿…。下の方に【女風呂】をつけるのを忘れておりますよ?」
【女風呂】
- 646 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/30(火) 23:17:210
>>636
痒い! なんだか、すっごい気になる。
なんか、キミのことを―――頭のここらへんまで、思いだしかけているんだ。
そう、ここ。ここまで!
なのに思い出せない……ああ、かゆいかゆい!
運命ってこんなに痒いモノだったんだね……。
あ―――名前?
しまった……ボクってば、なんて失礼なことをしてしまったんだろう。
運命の女性を前に、名乗るのを忘れるなんて万死に値するよ。
なんでだろう? なんでこんな失態をしてしまったんだろう?
「名乗る必要性を感じなかった」……本能がそう訴えたのかな。
そんな馬鹿な! 単純にボクの過失だね。
ごめんよ、運命の女性(ヒト)。
ボクはシンドバッド。洋上のシンドバットさ。
キミというランプの女神を求めて、こんな僻地まで迷い込んだんだね。
さあ、今から願いを言うよ―――
一つ、名を教えて。
一つ、姓を教えて。
一つ、全部教えて!
あ……ランプを擦らないと魔神は出てこないんだっけ?
うーん、どこを擦れば良いんだろう。
ボクは是非、胸をこすこすしたいんだけど……駄目?
>>637
「約束したからね! 絶対だよ!」
ああ、忙しい忙しい!
【女風呂】
- 647 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/30(火) 23:19:030
- >>642-643
―――背筋に刺すような痛みを覚えた。
錯覚か、それとも現実か―――勘が教えてくれる幻痛。
ターゲットは―――衝立東側、ほんのわずかの空隙。
私は滑らかに指を滑らせ、ゆっくりとそこを指差す。
「―――ばぁん」
そして、火線が走った。燃え盛るヴァーミリオンの輝き。
フェニックスの宿す炎―――それを操り、熱線として応用、撃ち出す妙技。
じじ、と何かが焼けて、内部から爆発を起こす音。
悪根焼き絶つべし。ここまでわずか二秒。誰にも悟られず―――
人目あるから無理な気もする。
まあいいか、覗かれるよりマシだ。
- 648 名前:裾野ユキちゃん ◆PASTELWP3I :2007/01/30(火) 23:20:260
- >>642-643
で、これはクサナギ・ブレード真空裂斬剣とかすべきかどうか。
>>644
「あ、うん、イーヴァちゃん……ね。よろしく♪
私は……そうね、ユキちゃんって呼んで♪」
回避その2発動しながら握手握手。
大丈夫、こんな可愛い子とお近づきになれたんなら元は取れてる……たぶん。
【女風呂】
- 649 名前:鳥妖 ◆ENoH/Y7Frs :2007/01/30(火) 23:25:160
- >>635 イーヴァさん
なんかこっち見てる?
視線の先は・・・アタシの手かな?
「ああ、まっすぐ浮かぶのって面倒なのよ。
あおむけやうつぶせなら浮くんだけどねー」
あおむけでは顔が見えない。
うつぶせじゃ息できない。
・・・いっそ誰か膝にでものっけてくれればラクなのに。
>>636 ユキちゃん
「どーぞどーぞ」
まぁ、アタシはちっちゃいから。
わざわざどいて場所あけなくてもいいだろう。
シアワセそーな顔。
ニンゲンのこういう顔ってキライじゃないなー。
>>637 トウカ殿
うげげっ!
こっち近づいてくる・・・ッ!?
「し、知ってるってゆーか・・・噂がその・・・
あははは・・・そんな気にするようなことじゃないんでその・・・おかまいなく♪」
と、とりあえず人型保ってる間は平気ってハナシだし、
大丈夫。
きっと大丈夫。
>>638
一瞬彼女は怪訝そうな目を向けてきた。
・・・まぁ、妖だし。
しかたないかなー。
でも顔を覗き込んできたわね。
知り合いに鳥の変化でもいるんだろうか?
ま、いっか。
アタシはとりあえず考えるのをやめた。
鳥の変化なんて数が多過ぎる。知り合いが少ない割に。
>>639
「そうかなー?
たしかに人の領域は広がったケド、
その分、アタシたちも人に混じって暮らすのが増えたわけだし。
今後も相容れないなりにつきあいは絶えないと思うよ?
イズナとか人間社会にべったりだもん」
アタシはまだそこまで踏ん切りつかないけどね。
まぁ、三志郎にくっついて人間社会を見るくらいはいーけど。
>>640
シャワーの方?
ああ、あの水が出る筒の方ね。
「りょーかい。じゃ行くね。
でも、アタマいじられて眠くなるかどうか以前に
アタマ他人にいじられたことないのよ。
すくなくともこの500年は触れられたこともない」
シャンプーがなにか、ちょっと興味が出て来た。
そんなにいいものなら妖にも伝わってそうなもんだけど・・・
【女風呂】
- 650 名前:裾野ユキちゃん ◆PASTELWP3I :2007/01/30(火) 23:25:280
- >>646 杏里
で、イーヴァには(一応)名乗ったから……よし、こっちは名乗らずに突っ走ってみよ。
「ファーストネームと、ファミリーネームと……全部?」なるほどこう来たか。
「それはちょっと欲張りだと思うな、私は。
そんな風に言うなら……名乗ってあげない、最後まで!
謎は謎のまま、っていうのも悪くないでしょ?」
奇策その1……かな?
で、胸とか言っちゃうわけねこいつは。
「それはそうと、いきなり胸を……というのは、性急すぎるんじゃない?
てことで、だーめ♥」
っていうかこっちは見るだけでお腹いっぱいだって言うのにほんと欲張りすぎんのよこのレズ王子様は!
とか思ったことは口に出さない。
【女風呂】
- 651 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/30(火) 23:25:480
- >>640
―――なんだか、こそばゆい視線を感じた気がする。
さりげなく視線の端で見ると、シャワールーム(これも設置してあった。すごい)に誰かと入っていく人影。
中性的な魅力を持った少女だった。
たぶん彼女からのものだろう。
そういえば、こういう視線は前にも受けた気がする。
確か―――そうだ、サフィズムな人と会ったときだったか。
百合な視線。
…………あー、そっち方面の人か。
「……まあ、いいか」
とりあえず気にせず、私は肩まで漬かりなおした。
>>635
「やあイーヴァ。楽しそうだね」
……どうも今回は知り合いに合う確率が高い。
まあそれは縁が良いから良い事なのだが。
「本当にいい夜だ。面白いことはやってるし月も綺麗だ―――
あ、そうだ。この宴の主催者って誰?」
聞き忘れてた。
挨拶くらい行っておかないと失礼である。
- 652 名前:カレン・オルテンシア:2007/01/30(火) 23:32:510
- >>649
「確かに人に寄生するかのように―――実際寄生している『魔』が多いのですけど―――
人の中に生きるものが多いのも事実ね。
でも、それを人は認識していないわ。いえ、認識できないといった方が適切なのかもしれ
ないわね。貴女たちはいわば影のような存在だから。普段は意識せずともそこに居て、時
が来ればどうにかしてしまう。言い方は悪いけれど、性質の悪い影。
人はその存在を認識できなければ存在しないものとして扱ってしまう。逆を返せば存在を
認めてしまえば、貴女たちを受け入れざるを得ないのよね。
だからこそ―――――多くの人は拒絶しているのだけれど」
だからこそ、私のような悪魔祓いの『付属物』に価値もある。
- 653 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/30(火) 23:34:230
- >>644イーヴァ殿
「某でありますか?…そうですねぇ…実は某はあれ以来カルラ殿とは会っていないのでありますよ…」
そう…某はあれからカルラ殿とは一度も会っておりませぬ…。
一体あの女が今何処で何をしているのかも分からないまま…なのであります。
>>642-643
「……何だ?この背中に刺さるような視線は…?」
>>646杏里殿
「…ええ、約束いたしまする」
>>649鳥妖殿
「…ふむ、そうだったのでありますか?それは失礼いたした。某はてっきり
噂で聞いた鳥の妖怪なのかと思っておりましたので…」
しかし…それならもっと落ち着いた姿勢をみせてもいいのではないのだろうか?
何故、某だけこうも慌てふためいたような態度を取るのだろうか?
まるで、「いえ!?わ、私は決して怪しい者では―――!?」と慌てふためく不審者みたいでありますね。
そして、ますます怪しいと感じた某はその者の隣に近づいて、そのまま温泉の中へと浸かった。
【女風呂】
- 654 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/30(火) 23:38:150
- >>648 裾野ユキさん
「ええと……じゃあ、ユキさん、で」
流石にユキちゃんと呼ぶのはわたしの趣味じゃない。
ま、それはともかく。
不意打ちでぐいっと握手を引っ張った。
耳元に囁く。
「……ねぇ、宦官って言葉知ってる?」
>>649 鳥妖さん
ああ、足が底まで届かないのか。
なるほど。
「それは大変そうだね」
う〜ん……わたしも身体の大きいほうじゃないから、役に立つか分からないけど。
「わたしの膝、使う?」
>>651 藤原妹紅さん
「うん、お陰さまで楽しませてもらってるよ」
「……まだちょっとガソリンが足りてないみたいだけど」
もっとこう混沌としててくれた方が好みなんだけどね。
大暴れ一番候補の杏里さんが銀髪の女の子に掛かりっきりになってるのが大きいかな。
「主催者? えっとね、あの人」
杏里さんを指差す。
「杏里・アンリエットさんって言うんだ」
「気づいてるかもしれないけど、ちょっと変わった趣味してる人なんだけどね」
>>653 トウカさん
「そうなんだ。それじゃあ寂しいでしょ、トウカさんも」
相棒が居ないっていうのは、本当に心細くて寂しいものだ。
隣に何時も居る相手が居ないというだけで。
「もしかして、喧嘩しちゃったとか? だったら、早く仲直りしたほうが良いよ」
- 655 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/30(火) 23:38:530
>>639
その言葉は虚無を孕んで、ボクの胸を貫いた。
醒めきった空虚が、焦熱の想いに取って代わる。
ボクは―――なんて事を。悔恨は下唇をぷちりと噛みきった。
「謝ります、ボクのベアトリーチェ。『泳げない魚など存在せず』『啼かない
ヒバリもまたあり得ない』―――そんな偏見が、気付かぬうちにあなたを傷付
けていた。ボクが愛を識るから、世の少女はみな同様に愛を識っているなんて
……そんな傲慢に支配されていたんだ。なんてエゴ―――無知の刃が、あなた
を傷付けた」
立ち去られても仕方のない、失態だった。
「あなたの愛の行方を、ボクは識りません。きっと識る権利もないでしょう。
だって、ボクはあなたの愛の喪失に……気付く、ことすら……できなかった」
取り繕う暇も無かった。ただ謝罪を為し、慈悲を乞う。
そう、慈悲だ。この距離をゼロに近付ける、慈悲が欲しかった。
「許されるなら……右手をボクに差し出してください。あなたが欲するままに
与えるならば、ボクもまた求めるがままに求めます。もう二度と、ボクの方から
『愛して欲しい』だなんて傲慢は言いません。ただ、ボクが―――ボクが、ボク
の愛であなたを求め続けることだけは赦して欲しい。その誓いとして、さっき
の返礼をしたいんだ……」
跪き、乞うように彼女を仰ぐ。
「そしてあなたが、ボクの中に『愛らしき何か』を見出してくれたら―――
その僅かでもいい。ボクに与えてください。ボクを求めてください」
>>641>>642
「^ー^」<……
「■ー■」<……
「*^ー゜」<……
「^ー^」<……今の男のヒト、あなたのヒースクリフにそっくりだったわね。
「■ー■」<いえ、ロチェスター様のほうが余程に似ているわ。不細工な所とか。
「^ー^」<とんでもない! あの自己満足気質! ヒースクリフそのものよ。
「■ー■」<あら、でもヒースクリフは絶世の美青年よ。ロチェスター様は?
「^ー^」<……
「■ー■」<……
「*^ー゜」<……(水蒸気でメイクが……)
【女風呂】
- 656 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/30(火) 23:39:070
- >>645
「そうだね、にぎやかなのは楽しい―――けど、刀持ち込んで平気かよ?
錆びたらどうする」
よく見れば、刀が一本、彼女の手の中にある。
普通お風呂に刀持ち込まないんだけどなあ。後の手入れが大変だから。
「まあ襲ってきたところで私が叩きのめすわよ。これでも強いし」
他のも―――例えばイーヴァあたりは頼りになるガードがいるし。
まあ、戦力的には十分な気がする。
「こういうときくらい、刀は置いといたら?」
笑いながら、そんなことを言ってみた。
【女風呂】
- 657 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/30(火) 23:39:340
- >>654追記
【女風呂】
- 658 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/30(火) 23:46:000
- >>654
「ガソリンねぇ……まあその燃料の人がかかりっきりみたいだからね」
見た感じは銀髪の美少女。
その手の人にはたまらないだろう。
そんなことを思いつつ、手を器用に組んで、湯を真上に飛ばしてみる。
そこそこ上がった。
「杏里・アンリエット……韻を踏んでるのね。風流な名前。
で、まあ確かにそういう人みたいね。視線だけで分ったよ」
苦笑交じりに、昔同じような相手に会ったことがある、と話した。
まあその好意を寄せられるのは良いが、私は一応そっちの気はない。
- 659 名前:裾野ユキちゃん ◆PASTELWP3I :2007/01/30(火) 23:49:050
- >>654 イーヴァ
「さん」、かー。まあいいけど。
どっちみちどう考えても腹の探り合いだしこれ。 って
『宦官って言葉知ってる?』
「か、宦官!?」
って、あああれかあれ、うんうん。
し知ってるけど大丈夫! 言葉の意味しか知らなければイメージとして割り込んでこない!
まだいけるわ! これでも百戦錬磨のパステルブルーなんだから!
「……ふう、びっくりした。突然何よイーヴァちゃん。宦官なら知ってるけどそれがどうかしたの?」
……ちょっとやそっとの動揺、既に読まれてる以上は関係ないわ。きっと。
【女風呂】
- 660 名前:鳥妖 ◆ENoH/Y7Frs :2007/01/30(火) 23:50:530
- >>642-643,647
「お」
塗り壁の向こうで爆発音。
そして爆炎。
うっわぁ、すごい術。
温泉だってのに容赦ないなーこの人。
・・・というか塗り壁はへーきなんだろーか。
・・・なんか顔が消えてる・・・塗り壁・・・死んだのかな?
>>652
ひどく冷たい視線。
遠いんだろうな。自分が。
そういう人間は昔から居た、術士にも、侍にも。
怖いタイプだ。
「人間と妖は相容れぬもの、
けど・・・どっちかだけってのも上手くいかないのよね。
不思議と昔からそう。
ま、暴走するバカが排除されるのはどっちの世界もいっしょってことね。
アタシみたいな妖にとってはいいメーワクだわ」
>>653 トウカ殿
あ、あれーーー?
なんで近づいてくるのぉ?
人型だから興味もたれないはずなのに・・・!?
「えへへ・・・あ、アタシは確かに鳥の妖怪だけど・・・
その、怪しいモノではありませんことよ?」
アタシは・・・無意識にじりじりと後退していた。
>>654 イーヴァさん
ありゃ、顔に出てたかな?
申し出られてしまった。
「ありがとー♪
でもシャワーとかいうのでシャンプーしてもらうんで今はいいや。
また機会があったら乗せてね〜」
- 661 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/30(火) 23:51:230
>>649
ああ!
ベアトリーチェのことか片付くまで、温泉から出るわけにはいかないよ。
かといって、この機会を逃すなんて……あり得ない!
どうしようどうしよう。運命の二者択一。
どっちを選んでも、ボクはきっと滅びを迎えることだろう。
いっそ、ここで頭をモシャモシャしちゃおうか!
―――って、え? 500年?
500年も頭を洗っていなかったのかい!
そんな……キミは自分の可憐さをまるで理解していない。
キミの容姿は、キミだけのものじゃないと分かっているのかい?
ボクがこうして、キミを見ている。キミに見せられている。
その時点で、キミは少なからず自分の美しさに責任を持つべきなんだ。
ボクがキミを好きになった責任、取ってもらうからね!
―――って、違ーう!
キミ、もしかして……500歳?
ボクの事務所にもよくいる……人外魔境のヒト?
ぼ、ボクより―――年上?
>>650
(仕方ないので、二の腕をさすりながら)
うわ、可愛い……!(肌もすべすべっ)
そんな風にボクを焦らしちゃうキミが、とても可愛いよ。
たまらなく好きになってしまいそうだ。
……あ、もうなっているんだっけ? じゃあ、もっと好きになっちゃう!
―――でも、ボクも意地悪をやめて本当のことを言うとね。
実はキミのファミリーネーム……識っているんだ。
だから、二番目と三番目の願いは無意味だったんだよ。
ちょっとした悪戯……許してもらえるよね?
そう、キミの性は―――アンリエット!
ボクと結ばれる運命の子猫ちゃんだ。
だから当然、ボクと性も同じなんだよ(近親相姦とかじゃなくてね)。
さ―――ボクはボクの性を名乗り、キミの性を言い当てた。
次はキミのターンだよ。教えておくれ、その香しき花の名前を。
【女風呂】
- 662 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/30(火) 23:56:290
- >>660 鳥妖
……ああ、やっぱり怪訝な目で見られた。
というか驚かれたか。
「これでも妖術の類の心得があってね」
そんなことを言っておく。
……まあ、少し壁は焦げたけど。当ててないから大丈夫だろう。
たぶん。
「それはそうと―――あなた、たぶん妖怪よね。どこから?」
幻想郷では見かけない姿。
自然と、まあ外にいる妖怪というのは決まっているが、興味がでてくる。
あえて単刀直入に聞いたのはまあ、こっちも関係者ということで安心してもらおうという話。
>>659
「―――宦官、たしか皇帝への忠誠の証として去勢した男性たちのことよね。
そんなのここで話題に出すようなことじゃないと思うけど……って、なんで慌ててるんだい?」
妙な話を耳にして顔をしかめ、その相手の顔を見たところで気づく。
―――あれ、なにか違和感が。
気のせいだと良いけど。
- 663 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/30(火) 23:57:150
- >>654イーヴァ殿
「ええ…まぁカルラ殿の事でありますからきっと元気にやっておりますよ」
少なくともここに来ている…という可能性はないでありますね。
「いえ、別に喧嘩などはしておりませぬよ。ただずっとカルラ殿とはお会いしていない…
ただそれだけの事でありますよ」
寂しい…でありますか…。確かに某もまだ普通の傭兵であったときは、同志はいても
真の友と呼べる存在はいなかった…。そして戦を通じて聖上達やカルラ殿と出会えた。
そしてカルラ殿は何かと某をからかってくるのでありますが…それが今はないと考えるとなると…
確かに物寂しい気はしますね…。
>>656妹紅殿
「え?刀が錆びるでありますか?…ハハ、その点も心配無用であります」
実は某はここを訪れる前に商人のチキナロ殿から頂いたこの温泉などに浸かっても
絶対に錆びないといわれる刀に持ち替えているからであります。
「ですから刀の事は心配要りませぬゆえ、どうかご安心を」
>「まあ襲ってきたところで私が叩きのめすわよ。これでも強いし」
「…ハハハ、それはまた頼もしいでありますね。しかし某はこれでも武人の身でありますので、
もしもの時は是非某を呼んで下さい。某が妹紅殿の身を全力で守り通す次第でありますので―――」
某はそう妹紅殿に言った。
【女風呂】
- 664 名前:カレン・オルテンシア:2007/01/30(火) 23:57:220
- >>655
あの言葉を引金に、彼女の表情は暗転後の舞台装置のようにガラリと変わる。恍惚から
落胆―――――あるいは失望、もしくは絶望への変化。
陽光のように明るい表情が似合うだけに、月の憂いにも似た表情は――――-私の嗜好
にとても合う、被虐的な表情。
「―――――謝罪は不要です」
拒絶。
容赦も慈悲もない、文字通りの拒絶の意思。
そんな形だけの、拒絶。
「貴女の責任ではありませんし、なにより―――――私の生き方が、歪だったのですから」
自責。
彼女はまた胸を痛めるだろう。
そしてまた、声を大に私への愛を語るだろう。
だからこそ―――――
「こんな私を、愛して、下さるの?」
そう呟き、右手をそっと―――――差し出した。
これはきっと知恵の実にも似た、禁断の果実。
誰も幸せにはなれない禁断の果実食むのは彼女―――――それとも私?
>>660
「基本的なコトですが、そもそものスペックが異なりますからね。
貴女方の一生は、私たちが何度地獄の業火に焼かれるコトができるのか、それを数える
のすら億劫になるほど長いもの。体力や知力も言うまでもありません。
だからこそ人は恐れ、貴女方を排除しようとする。
『共存』はできたとしても、『共生』はきっとできないままね。貴女がいうように、どちらかがど
ちらかを排除してしまうでしょうから―――――」
その担い手たる私にこんなコトをいう資格はない。
そして、主の教えを頑なに守る私にも。
- 665 名前:裾野ユキちゃん ◆PASTELWP3I :2007/01/31(水) 00:01:540
- >>661 杏里
……ぽかーん。
いや「結ばれるのだから姓はアンリエット」って、そーきますかこいつは……
やれやれ、よくもまあこれだけありとあらゆる口説き文句が出るものよね。こればっかは感心しちゃうわ。
……見習うべきかな、と思ったけどやめとこうっと。さすがにこういうノリは私には合わないし。
それに私にはすーちゃんが……って、今の状況じゃ説得力ないか。
ともあれ、呆れた顔は隠さずに。
そしてこう行ってみよう。
「……夫婦別姓って、知ってる?」
>>662 割り込んできた妹紅
「え? いえいえ何でもない何でもない。四方山話ってやつで」
はい誤魔化し誤魔化し。
「力」がただものじゃなさそうだしこの人。
【女風呂】
- 666 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/31(水) 00:04:490
- >>鳥妖殿
「……(この慌て様…やはり間違いないでありますね)」
…さて、そうと決まればやることは唯一つ―――
「…その程度で某の目をごまかせるとでも思ったか?鳥の妖怪よ」
そして某はいつでも刀に手を掛けらるような状態を保ちながら、そう言った。
【女風呂】
- 667 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/31(水) 00:06:190
- >>658 藤原妹紅さん
「杏里さんはああ見えて女の子に対しては真摯だからね」
「……物凄い博愛主義者だけど」
「だから、ああいう思わせぶりな態度取られたら、
かかりっきりになっちゃうのも仕方ないかな」
見れば、藤原さんは水鉄砲で遊んでいる。
何処を狙うわけでもなく、空に向かってお湯が飛ぶ。
……そして、水になって降って来た。
冷たっ。
いや、真上に向けて撃てば当たり前なんだけどね。
もしかして、藤原さん、暇?
「確かに頭韻は踏んでるけど……風流っていうか、
安易っていうんじゃないかな、そういうの」
苦笑交じりに答える。
「まあ、趣味や名前はともかく、悪い人じゃないよ?」
「信じられないほど節操が無いけど」
……我ながら、フォローのつもりなんだろうか、これ。
>>659 裾野ユキさん
あ、ちょっと動揺した。
ふふふ……
立ち直ったつもりでも、目が泳いでるよ〜?
「ああ、うん、ちょっとした謎掛けって所かな」
「今、この場で全部暴露したら、ユキさんはどうなっちゃうんだろうね」
最後に、ふっと耳元に息を吹きかけて寄せていた顔を離す。
離し際に意味ありげな微笑を送って。
>>663 トウカさん
「そっか……それじゃあ、しょうがないね」
理由があって離れているなら、その理由を取り除けば良い。
理由が無いほうが、元に戻るのは難しいかもしれない。
「でも、ほら、きっとまた何かの拍子に会えるよ、きっと」
「だから、そんな暗い顔しないで、トウカさん」
気休めでしかないと分かっていても、慰めずには居られなかった。
【女風呂】
- 668 名前:エンジェラン ◆6Jd7VR017. :2007/01/31(水) 00:07:100
- 何故でしょう? また、この場所に来てしまいました。
ここは多くの見知らぬ人々が集う場所。
それはわたしにとって、少なからず怯懦を感じさせるもののはずなのに。
それともわたし、人と話すことが出来るようになってきたのでしょうか?
聞けば答えてくれたであろう父を失った今、
その答えはわたし自身で見つけるしかないようです――――
浴場に入る前に、壁に備え付けてあった鏡を見てみます。
そこには手にした長い杖の他は、一糸まとわぬ姿で
不安そうにこちらを見つめる少女の姿が。
端正な顔立ちに白い肌。
V−コンバータの力が現出させた瑞々しい十七才の少女の肉体。
でも、その表情は怯えた幼子のように見えました。
頭の後ろでまとめた菫色の髪が、
心の揺らぎを映してか、所在なげに揺れています。
――――いけませんね、これでは。
このような弱気では妹に笑われてしまいます。
「頑張りましょう」
鏡の中のわたしに一言語りかけると、わたしは意を決してお風呂場の中へと歩みだしました。
「あ、あの……
お邪魔いたします…ね……」
お父さまに授かった長杖が手の中にあるのを確かめながら、
わたしはそこにいた人々に語りかけました。
- 669 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/01/31(水) 00:07:280
- 暖炉にどんどん薪をくべてたら、いつの間にか部屋が蒸し暑くなって眠れなくなるという間抜けな失敗。
仕方がないので外へ。 ちょっと涼もう……と、思ったけど、こんどは寒い。
自然と歩みは暖かな温泉へと向かうのだった。
「…あれ?」
いつもと様子が違う。
仕切りがしてあって、男と女がそれぞれ別々に入浴してる。
「いつの間に別々に…?」
「混浴のままの所もあるみたいよ。」
そう言ったのは、水瓶を両脇に従え、アクアマリン色の髪を風に靡かせている、「希望」の妖精。
「どうやら、一部だけ、別々になったみたいね。
きっと、その方がいい人のために配慮したのよ。」
今更な気がするんだけど。 だって今日は一月の末日だし。
とりあえず、せっかくなので女の子だけの温泉に入ってみることにした。
「うわぁ、なんかいっぱい人がいるみたい。」
例によって、湯気で顔はよくわからないけど。
今日は、なんだか楽しい夜になりそうな気がする。
【女風呂】
- 670 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/31(水) 00:08:580
- >>663
絶対に錆びない刀、なあ。
そんなのあったっけか。確かに錆びない素材の刀剣はあるかもしれないけど。
「……まあ、ちゃんと手入れはしといたほうが良いわよ。拵えにも影響でるから。
緩んだりとかきつくなりすぎたりとか」
そういう細かな状態の変化が割りと命取りになったりもする。
武人であれば自分の武器はきちんと把握しているだけに、その微妙な変化で感覚がずれたりもするのだ。
「全力で護る、か。いいね。男だったら惚れてるところだ。
でもまあ、気持ちだけ受け取っておくよ」
>>664
―――共存、共生。
まあ、それは定義にもよる。
幻想郷での人間と妖怪の関係はたぶん、共生だろう。
退治し退治される関係はあるが、それもある程度の秩序だった法に基づく。
どちらも則にのっとって戦い、負ければおとなしく引き下がる。
そんな中で、幻想郷は発展してきたのだ。
妖怪は高度な文明を生み、人間は歴史を残す。
それは理想的な共生だ。足りないものを補い合っている。
……多少、危うい部分もあるにはあるが。
「……出来なくはないと思うけどな」
ふと、そんなことを誰にもなくつぶやいてみる。
幻想郷に住んですでに幾年。
私の抱いた感想だった。
- 671 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/31(水) 00:12:480
- >>666
抜きかけたところで、柄頭を柔らかく押さえた。
「やめとけ。水を差すもんじゃない」
小さく、しかし重く鋭く声を出す。
……まあ、確かに妖怪だから警戒はするかもしれないが。
ここで刀を抜くのは無粋が過ぎる。
せっかくの湯を血で汚されても困るしなあ。
- 672 名前:鳥妖 ◆ENoH/Y7Frs :2007/01/31(水) 00:15:560
- >>661
いや、さすがにたまには水浴びするから自分では触るよ。
でも他人に触らせることなんて滅多にないから。
たしか500年くらい前にアタマ撫でられたことがあったから・・・
・・・ん?
アタシの年齢?
とら様や一鬼ほどじゃないけど、アタシけっこー年季入った妖だよ?
昔の白面との戦もいちおー支援で参加してたし。
まー1000年以上は確実かな。
・・・どーしたの?
急に落ち込んで?
・・・シャンプーするんじゃないの?
>>662 妹紅
いやいやいやいや・・・
心得って言う程度の威力じゃなかった。
とら様の本気の炎とか、陰陽師の賀茂の術くらいは威力あったって。
たぶんアタシなんかにアレは撃って来ないと思うけど・・・
>それはそうと―――あなた、たぶん妖怪よね。どこから?
「アタシは鳥妖。
いちおー西の妖、神野サマのとこに厄介になってた。
今は撃符につかまって三志郎といっしょに・・・」
なんとなく喋ってしまった。
いや、くわしそうだからつい・・・
>>664
「その前提をひっくり返すかのように
のーてんきに仲良くやれるって断言するコが居てさー。
面白そうだから同行中なのよ。
普段はあんまり慣れあわない方なんだケド・・・
そういう理想論って気持ちいいよね」
・・・視線は彼女からはずしたまま、一瞬、本音で語る。
嘘でも長続きしないとしても・・・瞬間に意味はあるってこと。
それをアタシは知っている。
>>666
あれ・・・?
殺気?
なんかヤバイ方向に流れてきましたよ?
温泉なのに。
「いや、誤魔化すって言うか・・・今はアタシこの姿がフツーなんですけど・・・」
アタシはなんとなくイーヴァの方へ身を寄せた。
さっきの優しさのせいかな。
しっかしなんで怒ってるのかなー?
- 673 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/31(水) 00:18:030
- >670妹紅殿
「そうでありますね。やはりどんな些細なことでも
刀の手入れは絶対に怠らないようにしませんとね」
>>671妹紅殿
刀を抜きかけた所を妹紅殿に止められた。
そして某に「やめとけ、水を差すもんじゃない」と言われた時に某はハッとした。
…確かに、ここで闘争沙汰を起こすのは何かと無粋ではありますね…。
某としたことが…誠に不覚であります…。
「…それもそうでありますね、妹紅殿」
そう言って、某は臨戦態勢を解除した。
【女風呂】
- 674 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/31(水) 00:22:260
- >>667 イーヴァ
水鉄砲は当然、自分とイーヴァに降ってきた。
冷たい。
「……悪い」
苦笑いして、今度は別の、誰もいない場所に飛ばす。
おお、飛距離が伸びる。
「杏里とアンリエットが安易……貴方も言葉遊びが好きねぇ。
まあ、安易だからこそ韻を踏めるんだよ。複雑な韻なんて聞いてて分らないだろ」
そんなことをいいつつ、ぐるぐると指で湯をかき回す。
……確かに暇人かもしれないなあ、私。
「……本当に節操ないわよね、彼女。ひょっとして全員口説く気かしら」
なんの功徳があってそこまで多くの愛を注げるのか。
……まあ、私にこられたらちょっと勘弁して欲しいところだけど。
正直言い逃れられる自信がない。
>>668 エンジェラン
と、また一人の少女が楽園にご案内。
ようこそ友よ。来るものは拒まぬが去るものは決して(主催者が口説き)逃さない場所へ。
……ってあれ、なんかどこかで見たような。
印象が前に見た何かに似ている気がする―――
「ねえ、どこかで会ったかしら」
とりあえず、多少気を引きつつもこっちに入ってくる少女に声をかける。
なかったらまあ、それはそれでいい。会ってたらちゃんと覚えておかないと。
>>669 マリエル
「……お、すっかり常連か」
またも一名様ご案内。
傍らに妖精を連れた女の子といえば彼女しか思い当たらない。
「やあマリエル。そっちも来たんだ」
湯船から手を出して、軽く振ってみる。
……我ながらずいぶんと打ち解けたものだ。
ここまで親しくなった相手などそうそういない。
- 675 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/31(水) 00:23:210
>>664
「世界はあなたを中心に回転している以上、あなたが歪だなんてことはあり得
ない。もし、あなたが何か歪みを感じているのなら―――きっと、捻れている
のは世界のほうだ。あなただけが……曲がることなく道なき道を進んでいる」
彼女は孤立しているのだろうか。
歪な世界と同化を求めているんだろうか。
一人はイヤなのだろうか。
自分が嫌いなのだろうか。
そうなのかもしれない。そうじゃないのかもしれない。
ボクはもう彼女から愛を求めるエゴをやめたから―――
その総てを、思いやる必要は無かった。
「もし世界が歪んでいるのなら、きっとボクも歪んでいるのだろう。歪んだ
ボクは、あまりに清廉すぎるキミから違和感を感じるかもしれない。『自分
とは違う』と疎外の刃を与えるかもしれない。ボクは酷い女だ。あなたは
孤独な女性だ。ああ、だけど―――でも、」
右手をとり、そっと唇を這わせた。
「ボクはあなたを心の底から美しいと感じている。誰が歪んでいようとも、
それだけは真実です。だから、『こんな私』なんて言葉はあり得ない。なぜ
なら、あなたは一人しかいなくて―――ボクはそんなキミが大好きだから」
その美貌の根源が歪みにあるのなら、どうが歪み続けて欲しい。
そう思ってしまうのは、やはり罪だろうか。
彼女の苦難の一切を考慮せず、ボクは勝手な情動を胸に偲ばせた。
>>665
え―――不正解? 夫婦別姓?
正解は「アンリエット以外」だって言うのかい。
しまった……納得してしまったボクがいるよ。
そうだよね。キミがキミで在るのは、その姓名によるところだって大き
いんだ。なら、姓を変えてしまえば―――キミはキミでなくなってしまう
かもしれない。そんなの……ボクは絶対に耐えられないよ。
あれ……でも、待ってよ? ボクは別に、ボクが姓を変えることでボク
じゃ無くなるなんてコトはあり得ない。
ボクはボクである限り、ボクだからね。でもボクはアンリエットを名乗
っている……青髪の彼女は、ボクの運命の子猫ちゃん。
それが意味することは、つまり―――
そうか、キミの姓はアンリエットだ!
ボクが姓を変えたんだ。ボクがキミの姓を名乗ったんだ!
何だかさすがに強引だけど、そういうことにしよう。
だから、キミはアンリエットだ。そうに違いない。
あ―――でも、そうなるとキミがタチでボクがネコ?
【女風呂】
- 676 名前:トウカ ◆YVNLOTouKA :2007/01/31(水) 00:25:570
- >>672鳥妖殿
それから某は先程の鳥の妖の方を向いてこう言った。
「―――先程は失礼をした。しかし、あまり怪しそうな素振りをみせぬ方が
今後生きていくためにも必要なことでありますよ?」
しかし、だとしたら何であんなに慌てふためくのだろうか?
未だにこれだけがわからないでありますね…。
「…さて、杏里殿には申し訳ありませぬが…そろそろ某は退場いたしましょうか…」
そう言って、某は温泉の場を後にした。
「では妹紅殿にイーヴァ殿にここにいる皆さん。またいつか別の場所でお会いしましょう」
【女風呂 退場】
- 677 名前:裾野ユキちゃん ◆PASTELWP3I :2007/01/31(水) 00:27:040
- >>667 イーヴァ
謎かけ、ね……いやわかってるけど。
何かこの子、見かけによらなさすぎるなあ……思わぬ強敵だった。
出来たら別の形でもう一度会いたいもんだけど。もちろん今度は男の子として。
「……全部暴露したら?」
んな風に思ってたらそんなこと聞いてくるもんだから
「あはははは……」
吹きかけられた息にちょっとぞくぞくしつつ
「…………せめて場の空気が乱れなければいいかな。なんちゃって。
ほら、みんな気持ちよさそうだしね」
小声だけど、素直に言っちゃった。
いや、実際そうだしね。特に杏里が……なのは置いといても。
>>675 杏里
で、こっちは。
えーと。
やっぱこうすべきなのかなー。
「んなわけあるかいっ!」
ツッコミながらお湯ぶっかけた。
もうこうなったら悉くリズム外してやろーかしらこいつ。
【女風呂】
- 678 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/01/31(水) 00:29:200
- >>601
うん? 女専用?
……ふむ、今夜はいささか、普段と嗜好が異なるようじゃの。
あの若造を弄くれぬのはちと残念じゃが……雌ばかりの華やかな風呂と言うのもまた一興よな。
どうせ、いつもこの辺りで話しておる雌どもも、今日は皆こちらに移っておることじゃろうし……
どこに入っても風呂には変わりないわいな。入って気持ちよくなれれば、それでよい。
しかし、この趣味の悪い衝立の顔は、どうにかならぬもんかのぅ……うぅ、寒い。
「おーう。邪魔するぞー」
【女風呂にて。例によって全裸也】
- 679 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/01/31(水) 00:32:190
- >>674
「やあマリエル。 そっちも来たんだ。」
すっかり聞きなれた声に、あたしは顔を綻ばせる。
あたしに向かって手を振っている女の子。
声を聞いただけで、誰だかわかる。
「妹紅、こんばんは。」
「こんばんは。」
あたしと妖精は、それぞれ挨拶した。
「あたしも妹紅も、すっかり常連さんだね。 もうすぐ閉店しちゃうのが残念だよ。」
だから今日は、いっぱい楽しまなきゃね。
- 680 名前:エンジェラン ◆6Jd7VR017. :2007/01/31(水) 00:34:090
- >>669
「こんばんは。マリエル。
またお会いしましたね」
そこには先日知り合ったばかりのひとりの少女が。
このような場所で見知った相手に会えるというのは、
心強く感じるものですね。
わたしの安心したこころに反応したのでしょうか。
杖の先のクリスタルが仄かに、優しく明滅しました。
>>674
声をかけてきたのは同じく先日出会った赤い瞳の少女。
こちらの方の名前はまだ、聞いておりません。
「その……こんばんは……
この前も……お会いしましたね―――」
俯きがちになりながらもやっと答えることができました。
ああ、でも。
先日出会ったときとは異なる姿のわたしに、彼女は気がついてくれるのでしょうか?
【女風呂】
- 681 名前:鳥妖 ◆ENoH/Y7Frs :2007/01/31(水) 00:34:300
- >>668
>>669
あらあら、さらに温泉客。
人と・・・妖・・・?
うーむ・・・
「こんばんは〜♪」
・・・背後のうっかり侍から微妙なオーラがふきつけていて
怖くてしょーがないけど、
とりあえず、愛想はふっておくことにしよう。
あの人の変化のヒトが止めてくれたからいきなり斬りつけてきたりはしないはず。
>>676 トウカ殿
律儀に謝られた。
チョーシくるっちゃうなぁ。
どうも間合いが読めない。
「いや、怪しいからって斬ろうとしないでほしいなぁ。
単にアタシは貴方の噂が怖かっただけだってば。
動物の間じゃ有名だから・・・」
おもちかえりとならんで恐怖の対象だってこと・・・
・・・まぁ、当人にはわかんないもんだよね。
「って帰り?おつかれー♪」
とりあえず手を振った。
>>678
「こんばんは〜♪」
今度は妖・・・かな?
獣の気配がする。
しっかし、いよいよもって人数増えてきたなぁ。
あたしも湯だってきちゃったし・・・もう少ししたらかえろっかな。
【女風呂】
- 682 名前:カレン・オルテンシア:2007/01/31(水) 00:34:550
- >>670
「―――――そうね、できないコトはないでしょう」
風に乗って聞こえてきた呟きに、呟き返す。
ただし、できないコトはない以上に踏み出せるかと聞かれれば、私は首を横に振らざるを
得ないではないだろうかと思う。
どれだけの共通項があろうとも、大きな隔たりがある関係。
太陽と月のように、極稀に並び立つような、そんな関係でしかない。
目的の一致、利害の一致。
例えばあの聖杯戦争のような状況と条件が揃わなければ、現在では不可能な共生。
「ままならないものね―――――」
仮に共生できたとしても―――――この体だ。
私は、誰とも共には、生きていけない。
>>672
「―――――理想論は、理想論よ」
あくまで理想でしかない、存在できないカタチ。
でもそれに救われたモノがあるとするならば―――――確かに存在するのだろう。
「まあ、追いかけなければ理想にも手は届きませんしね。完全に否定するつもりは、今の
ところはないわね。―――――本人が目の前に居れば別でしょうけど」
両手を組み「主よ、感謝します」と呟いておく。
>>675
ついに禁断の果実は人の手に渡り、奸智に長ける蛇の笑い声が響く―――――。
舞台であればそんな台詞が差し挟まれるのでしょうけど、残念ながらここは温泉で、私は
役者でもない。
唇が触れた右手は、温泉の熱なのか、彼女の熱なのか。その判別がつかないほどに熱を
持ち、私を苛む。
「―――――私は与えられるコトにもまた、慣れていません。貴女のその言葉に嘘や偽りは
含まれてはいないでしょう。
ですが―――――私は浅ましい女です。愚かな女です。貴女のその言葉を心の底から信
じるコトが、できないのです。
主だけを信じ、敬い、生きてきました。教義以外に与えられたものは、道具としての価値。
祈り以外のなにも学ばずに、私は今を生きています。
ですから―――――私は貴女の愛に報いる自信も、貴女の愛を信じ続ける自信も、私にそ
のような価値があるコトも―――――信じるコトが、できません」
とられた手を引き、胸に抱く。
まるで口付けられたその手を愛おしく抱くかのように。
もう後一歩、かしら。
- 683 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/31(水) 00:35:530
- >>673 >>676 トウカ
「ん、それでいい。誰も望んでないことはするものじゃない」
いいながら、刀から手を離す。
……まあ、これなら大丈夫だろう。
ちゃんと分ってくれている。冷静な武人ほど優れているものはない。
まあ、熱血漢は熱血漢で優れた部分もあるのだけど。
閑話休題。
「そうか、もう出るのか―――それじゃ、また」
手を振って、笑顔で見送る。
……刀、平気かしら。錆びないって言ってたけど。
>>672
―――あー、えーと。
いきなり固有名詞の乱打食らった。
「悪い。ちょいと良く掴めなかった。順を追って説明して欲しい。
……外にも妖怪はまだいるのか、ってことは」
西の妖、神野。撃符。三志郎。一緒に―――
なんとなく見えはするが、やはり良くは分からない。
色々聞いてみないとかね。
>>665
立ち振る舞いが、何か引っかかる。
引っかかるが―――まあ、いいか。
別に悪い予感じゃない。少し何かが違うと思っただけのこと。
「そうかい、そりゃ失礼した」
それだけ言って、鷹揚に構えておく。
まあ、これだけいれば何かあっても―――
>>677
あ、杏里さんとやらがフラれた?
残念、二兎を追うものは一兎も獲ず。
- 684 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/31(水) 00:37:080
- >>668 ???さん
?
なんだか妙におどおどした人が入ってきた。
年のころは……ああ、杏里さんのストライクゾーンに直撃してる。
……大丈夫かなぁ。
でも、なんだろう、この感覚。
「どーぞー。まだまだお風呂は空いてるから、遠慮しないでも大丈夫だよ」
>>669 ???さん
千客万来だなぁ。
>>672 鳥妖さん
なんだか妙にトウカさんが鳥妖さんを見る目が険しいような……。
んー、何を早とちりしてるんだろ。
と、思ってる間に藤原さんが取り成してくれたらしい。
「ほら、大丈夫大丈夫」
やれやれ。
>>674 藤原妹紅さん
「別に良いよ。温泉に浸かって身体温まってるし」
もしも、身体が暖まってなかったら大暴れものだけど。
……アンリと安易を掛けたつもりは無かったんだけどな……不覚。
「全員? 身体が複数あれば、迷わずやるんじゃないかな」
「あ、でも、杏里さんはストライクゾーンが年下限定だから、全員って事にはならないよ」
それでも充分難儀だけどね。
>>676 トウカさん
「じゃ、おやすみなさい。相棒さんと早く再会できるといいね」
その後姿を見送りながら、思った。
今日はうっかりしてない……明日は、槍でも降るかな、と。
>>677 裾野ユキさん
「いや……ばれたら場の空気が乱れるのは間違いないと思うよ?」
「ま、でも、確かに大騒ぎになっちゃうし、今日は避けるべきかもね」
まあ、良いか。
杏里さんが騙されるくらいなんだから、きっと他に気づく人もいないだろうし。
ユキさんは女の子、そういうことで良いか。
「ああ、でも、あんまり物欲しげに他の人見てると、
わたし以外の人も気づいちゃうかもしれないよ?」
気をつけてね、と言って、わたしは“彼女”から離れた。
- 685 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/31(水) 00:40:000
>>672
だって、キミ―――どう見ても、ボクより年下じゃないか。
い、いや……分かっているんだよ。ヒトは見かけによらないって。
キミ達みたいな特別なモノは、特にね。
ああ―――それでも、こんなに可愛いのになぁ。
勿体ない、勿体ないなぁ。いっそ、ボクが10000歳だったら―――この世の
女性を等しく愛でることができたのに。
ねえ、どうしてだろう? どうしてボクは10000歳じゃないんだろう。
シャンプー……? シャンプー?
良いのかい? ボクはもう、キミとは友達になれとも恋仲には絶対になれ
ない女の子なんだよ? 一緒にご飯は食べても、キスも、その後のお楽しみ
も―――全部できないんだ。そんな半端な関係しか作れないボクが、キミの
素敵な髪を弄くってもいいのかい?
まぁ……恋愛感情抜きに、キミの髪は障りたいけどさ……。
>>677
『んなわけあるかいっ!』―――え、じゃあ、やっぱりキミがネコ?
それって、もしかして遠回しなおねだり?
「私を攻めて」って……誘っているのかい?
そんなことなら! もっと早く言って欲しかったよ……。
もはや名前なんて、燃え上がる二人の間にはいらないんだ。
何も知らぬ二人だからこそ、築ける愛だってある!
この湯気なら、端にいけば気付かれないものね。
あ、でも……ちゃんと声を抑えなくちゃ駄目だよ?
湯気に隠れる意味が無くなってしまうもの。
【女風呂】
- 686 名前:コーディー+・・・ ◆1irMelIOTg :2007/01/31(水) 00:40:390
- そろそろココが閉まるらしい。時折入っては身を休めてた稀な憩い場だっただけに
酷く惜しく思う。また、ブラツク日々が続くんだろうがせめて最後くらい
ユックリ入るかね…。
「さて、と…。サクッと入ってサクッと上がるか…」
『そしてサクッと私と入らないか?』
「あん?いきなり っ!? ハ、ハガっ…!?」
【男風呂】
カポーン…
市長『…ん、私だ。マイク・ハガーだ』
___,,,,,,, __
_,シ''λ些三;
,シ_` _ ミ
rj '7ャj yァ` }、
ヽ!、 ,竺竺、 :i!ノ
j' ',.二、' .:ハ
_.... ,r' `ヽ、__}::' ヽ`丶、
r─=Y l亠―、--', ──`-- ` ー- - 、
. l l i::.:.:.. `ヾヽ `
l | |::. .::.:} .,
i! kzニヘ ノ::. ..:::.::.:ノ/
ヽ、__,ィ、_, -zj-'::.::. 、 _ , -'::.::/:イ
「…なぁ?」
市長『…何だ?』
「何で俺はアンタと風呂入ってんの?」
市長『…貴様の今の自堕落極まりない人生を更正させようかと思ってな』
「…だから、何で風呂?」
市長『大方貴様の事だ。衝立をぶち壊し、「ああ悪い、素振りの練習してたらつい
壊しちゃった(はあと」 とか抜かして女共の裸を見るつもりなのだろう?』
「…しねぇよ そういう変態妄想はテメエの娘で我慢しとけってんだ」
市兆『娘…。そうだ、ジェシカ… ジェシカ!!貴様ぁ〜
何故娘を捨てたぁ!散々好きだの何だのほざいておきながら
ただ体目当てで言い寄り、飽きたら用無しと捨ておって!お陰で娘は
一生ものの心の傷を!! 』
「し て ね ぇ よ 捏造してんじゃねぇ!つうか大声で喚くな聞こえるd」
市長『んんん〜!許るさーん!!毎夜窓際で「馬鹿…」と切な気に夜空を見上げる
娘の気持ちが分かるか!!その気持ちを断ち切るにはコーディー!
貴様を忘れさせるしか無い!』
「…だから、もうアンタに返しただろうが。何も手はマジで出して無ぇし、
…まあ、ケジメはつけてやんよ。どうすりゃ許してくれる?」
市長『死んでくれ!!』
ハァ!?
市長『そうだ!ココで頭を撃って事故死!死人はもう愛する事などできぬ!
という訳で…』
「という訳でじゃねぇよ。って、おまっ!こんな所でパイルドライバーかます気かっ!
いや、頭砕けるどころの問題じゃねぇっつうか、正義の市長のやる事じゃねぇ!?」
市長『否ッ!コレは正義だ!!家族を守るという偉大なる大義名分!!
その為には私は望んで修羅となろう!死んでくれコォーッディーッ!!』
ヾ、`ヽ、ヾ、;:ゝ ヽ:;:;:;:;:;::;ミ-、;:;:ゝ)
(ノ、_\`:/;-、:;:;:;:;`ヾ、;:;.,,,;:; :´゙ 市長『ウウワア!』
クラッシュ! ヽ、:;:;r;: ,ニヾ、`ヽ、ヾ、;:ゝ ノ
,'´ ̄ `ー、 :ノ、_\`:/;-、:;:;:;:;`ヾ、;:;.,,,;:; :´゙
l リ从ノヾ,ゞ∩(ヽ:;:;:;:;:;::;ミ- `-、;:;:`ゝ-´;;. ;:;:゙ ←この辺に市長
(q;,,゚ Д゚ノ/ ::ノ;:;:;:;:;:;:;:;:`ゝ-´:;:;:;:;::;ミ
((つ==/ :ノ :';:;:;:;:;:;:;:;:;:`ゝ-´;:;:;:;:
人⌒l ノ :: ::: ::: :::::::: :;:;::: :::)
し(甘) (:::::::: :;:;:
「だぁ〜ホ!」
ドタン!
ガシャン! グシャ!
バタン!
ゴガ!
【その後男性風呂が崩壊するまで殴り合い、風呂場からドサクサに紛れて逃げる
囚人服の男の姿が有ったという… 自己満足且つ、もうこれで最後の登場&退場】
- 687 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/31(水) 00:41:570
- >>678 ホロさん
「こんばんはー」
見知った顔がもう1人。
気だるげに手を振って挨拶。
相変わらず、色んな意味で惜しげもない人だった。
まあ、わたしも手ぬぐい頭に乗っけてるだけだから、似たようなものだけど。
【女風呂】
- 688 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/31(水) 00:45:290
- >>682
―――まあ、色々と難儀なようだ。
言葉だけで明確な何かを想うことは変わらないが、その表情や言葉の抑揚である程度は分る。
たぶん、ともに在りたい何かがいて、けれども何かの理由があって一緒にいることはできないとかそんな感じだろうか。
「……まあ、たしかに特殊だけどね。私の知ってるものは」
つぶやきは、気がつくと会話としてつながっていた。
つなぐつもりのなかった言葉。つながれるはずのない内容。
それが不思議と噛み合い、私から言葉を引き出していく。
「けれど……人間は不可能を可能にしてきた。どんな形であれ、それは特質だと思う。
……貴方の抱える悩みも、解決する日が来るんじゃないかしらね。希望的過ぎるかしら」
そして、そんなことを、問うて見た。
確かに楽観過ぎるだろう。希望はそこまで日常に転がっているわけでもない。
けれど―――私はその希望と楽観に救われたのだ。
>>679
「そうね。家で風呂沸かすのも大変だし、重宝してたけど。
……まあ、だからこそありがたみが増すんだけどね」
冬限定の温泉。
冬だからこそ成立するこの暖かな空間。
他の季節に開けたとしても、こうはいくまい。
「で、今日は……ああ、もう日も変わったか」
月の位置で分かる。そろそろ明日が今日になる。
「眠くない?」
そんなことを聞いてみた。
健康な子供であれば、とっくに舟をこいでいる。
彼女は―――まあそこまで子供でもなかろうが、平気だろうか。
- 689 名前:裾野ユキちゃん ◆PASTELWP3I :2007/01/31(水) 00:48:040
- >>684 イーヴァ
「あはは……まあ、ね。ご忠告痛み入ります」
うう、さすがにちょっと罪悪感が。
ていうか結局、いろいろと緊張のあまり楽しむものも楽しめてないし……
そんな物欲しげだなんて、この状況で出来るはずもないわ。ほんと。
そろそろ潮時ってやつかしらね。あちらの人(>>683)もかわせたようだし。
あとはじゃあ、杏里か。
>>685 杏里
てゆーかもう、こんなんじゃ何を言っても無駄っぽいし。
ここらで勝負といきますか。
「この湯気なら……? ふーん、何を考えてるの?」
とかまあ言いつつ、ちょっとだけその気になった素振りでされるがままに端のほうへ。
別にね、私は全然構わないのよ? 向こうだって女性なんだし。
だからほら、そのまま、二人っきりなら二人っきりに……
【女風呂……の、端のほうへ?】
- 690 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/01/31(水) 00:49:010
- >>680
「あ、エンジェランも来てたんだ。 こんばんは。」
これで、会うのは三度目かな。
あたしは、笑顔で挨拶をする。
…紫色だね、その髪…。
とても、懐かしく感じる色…。
「きょうは、なんか沢山人が来てるね。 賑やかで、楽しくなりそうだね。」
【女風呂】
- 691 名前:ミチル=フェアテーゼ ◆MytYLEu83U :2007/01/31(水) 00:49:450
- それは任務だった。
このへんに何やら連合の隠れ家があるとかないとか。
情報の信頼性はともあれ、放っておくわけにもいかない。
怪しいとされるポイントを大体調査したあと、立ち塞がったのがその場所だった。
ボクは通信機のスイッチを入れ、隊長であるマキさんの判断を仰いだ。
「マキさん……女湯です」
「女湯?」
「次の調査ポイントが……温泉です。しかも女湯です」
「よし、ゴー」
「早っ!? 無理ですよ、服脱ぐんですよ、温泉ですよ!?」
「バスタオル巻いときゃだいじょーぶだいじょーぶ」
「それ以前の問題がありますよね!?」
「ノンノン上官命令ー」
「横暴だぁ!?」
「だってなんかそのへんで戦いの跡(>>686)が観測されてるしー。
そのへんミチルしかいないしー。そして上官命令ー」
「うぅ、あぁうっ」
「返事はぁ?」
「……了解ぃ……」
そういうわけで任務なのである。
だからボクはお風呂なのにかつらをつけたまま。
しっかり線が出ないくらい厚手のバスタオルをぐるぐる巻いて。
視線をあげないようにあげないように。
本当は絶対入っちゃいけない方のお風呂に入ったのだった。
「お、お邪魔しまーす……」
見ない見ない見えない見えない…
【女風呂】
- 692 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/31(水) 00:50:200
- >>678
「っと、ホロさんまで来たか。すごい客寄せ効果だね。番台大もうけだ」
いや、無料だけどさ。ちなみに牛乳とかにはお金が要るけど。
「見ての通り盛況だよ。退屈できそうにない」
そう、退屈など入り込む暇もない。
会話は弾むし知り合いは来る。これで退屈する方がおかしい。
まあ、けっこうエネルギー使うけどね。それもまた一興。
- 693 名前:鳥妖 ◆ENoH/Y7Frs :2007/01/31(水) 00:55:480
- >>683
「外・・・?
その表現・・・ずっと前に聞いた事あるような・・・
もしかして幻想境とかのヒトだったりする?」
昔、境界をいじって妖怪と人が移った場所があったとかなんとか
誰かから聞いた事あったっけ。
だとするとアタシの説明じゃちっともわかんないかな?
「えっと・・・日本の西の方に住んでる妖って説明でいいのかな?
今は人間の子供の旅に同行中です」
>>685
えーと・・・
どうしよう。
言ってるイミがちっとも分かんない。
年がなんか関係あるんだろうか?
女性を愛するとか愛でるとか・・・この子も女性なのに・・・
あ・・・やっと分かっちゃった。
・・・もしかしてそーゆー趣味のヒトなの?
「いや、まぁアタシちっちゃいからどのみちキスとか難しいだろーけど・・・」
嘘だ。
年へた妖はある程度自分の姿を都合良く変えられる。
その気になればアタシだって人並のサイズになることはできる。
でもなんかこの方が都合がよさそーなんで・・・
「とにかく、そろそろのぼせちゃいそうだから、今日はもう帰るね。
シャンプーはまた機会があれば。それじゃ!」
アタシは他のみんなにも挨拶をすると・・・温泉を出た。
【女風呂 退場】
- 694 名前:カレン・オルテンシア:2007/01/31(水) 00:56:380
- >>688
「確かに……人間という群れならば、不可能は存在しなくなったといえるでしょうね。月に
行き、新たな星を見つけ、この星を完全に壊滅できるだけの力も持ちました。
ただ―――――個体としてみれば不完全なままで、特に私の場合は、致命的です」
どう言い繕ったとしても楽観視できるものでもない。
人の間に居ても、私は傷付いてしまうのだから。
だがこれは―――――主が私に与えた足枷であり、主が私に与えてくださった特質だ。
「とはいえ―――――不幸だと嘆くコトができれば、私は満足です。特別になりたいわけ
ではありませんしね」
そのときの私の顔は、他人から見ればどう写るのだろうか?
『彼』は―――――腹立たしかった様子だけれど。
- 695 名前:エンジェラン ◆6Jd7VR017. :2007/01/31(水) 00:57:150
- >>681
『こんばんは〜♪』
突然、背後からかかる声。
驚きの感情がびくり、と背筋をつきぬけます。
おそるおそる振り返ってみると、そこには見知らぬ女性が。
「…………」
気まずい沈黙。
どう反応すればよいのでしょう?
彼女が発するどこか人ならざる気配に
わたしは戸惑い、途方に暮れていました。
>>684
気さくにはなしかけてくる少女の声。
その声から、わたしは意識のパルスを感じました。
電子の流れが意識を生み出しているのを感じました。
そこには小さな女の子がいました。
彼女はわたしの妹たちよりも、さらに幼い年頃でした。
そして彼女はわたしと同じく人に創られたもの。
でも、彼女は人々の輪の中にあっても、堂々と己を誇っていました。
これは、見習わなくてはいけませんね。
VR-017(001):はじめまして。 わたしはVR-017エンジェランといいます。 あなたの名はなんというのでしょう? EOS
普通に声を出していうことができなかったのは、
彼女に親和感をもってもらいたい、という
わたしのわがままだったのでしょうか?
- 696 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/31(水) 00:59:510
- >>686 かつての英雄たち
―――壮絶な打撃音。
ときおり聞こえる「ディエアー!」とか「ダァー!」とかそんな声。
ああ、最終決闘。かつての英雄どこへ行く。
とりあえず黙祷しておいた。
南無。
>>680 エンジェラン
前に―――。
前に。
フラッシュバックする。
たしか、前に、似たような色彩の、似たようなプロポーションの、メカを。
え、と。マジか。マジだよな。
ああでも似たような知り合いもいるし驚くこともないか。うん。
「エンジェラン―――だっけ。驚いた。そういうのも出来るんだ」
というか、こっちの姿があまりに可愛い。
保護欲を掻き立てられそうになるとかそんな感じの儚さが。
年のころは―――私に近いくらい。十六か十七か。
たぶん私のほうが年下に見えるかもしれない。身長が同じかちょっと上だ。
「まあこの間はゆっくりと話も出来なかったから、ちょうどいいか。
よろしく」
と、手を差し出してみる。
まあ、挨拶というかなんと言うか。
こういうことをするのも割と気まぐれだけど、悪くはあるまい。
>>684
「はは、すまないね。次は気をつける」
取り繕いつつ、また鉄砲を撃つ。
伸びた水は岩肌に乗っていた小石を見事打ち落とした。
大当たり。
「……まあ、あの様子見てると本気で口説きそうだな、全員」
というか一人を陰に連れ込んじゃったぞ。大丈夫なのか。
さすがに百合展開されたら色々と危険な気がする。
助ける準備しとこうか。
- 697 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/31(水) 01:05:210
>>682
「……っ!」
手を跳ね除けたかった。拒んで、代わりに言葉を叩き付けたかった。
だけど、誘われるがままに飛び込んだ胸は、あまりに柔らかく、芯から
ボクを熱くさせてしまったから―――逃げるなんて以ての外だった。
右手どころか、このまま頬を埋めたい。そんな衝動さえ湧き出る。
「分かっておくれよ……そうじゃない、そうじゃないんだ」
卑怯なボクは、母の胸に抱かれるまま主への不平を垂れるんだ。
「言っただろう、ボクはカインの子孫だ。殺人者の末裔なんだ。ボクは罪など
畏れない。(懺悔がしたいとか言っていた気もするけど!)キミの不徳も、
キミの不義も、キミの不信も―――ボクの前では、キミという果実を実らせる
枝であり、葉であり、幹に過ぎないんだ。ボクは、目の前にいるキミが好きだ。
ボクの瞳に映るキミが好きなんだ。今のキミを構成する全てに、ボクは感謝
することはあっても、否定なんてできない……!」
つ……と胸元を指で撫でながら、吐き出すように言葉を紡ぐ。
「信じる必要なんて無いんだ。キミの美は、ボクが保証する。キミへの愛は、
ボクが信じている。だからキミはその一切を蔑み、憎しんだとしても、まった
く構わないんだよ。キミはそのままで良いんだ。キミはそれでいいんだ。自分
が嫌いなら、嫌えばいいさ。ボクを疑うなら、疑えばいい。だけど、ボクは
キミが好きだ。いつか愛して欲しいとは願っても『愛せよ』なんて口が裂けて
も言いはしない。『汝の欲するままに、為せ』―――キミは、キミで在り続け
るべきだよ」
そこに価値はきっと無いけれども。
それなら、この世には価値あるモノなんてどこにもないんだ。
虚無よ、世界を満たせ。
ボクは約束できる。
例え世界が夜に飲まれても、ボクは彼女が好きだと。
【女風呂】
- 698 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/01/31(水) 01:05:250
- >>681
うむ。こんばんわ。良い夜じゃな。
……おうおう、見たところぬしは同類かや?
といっても、人と違うと言う意味での同類、じゃがの。
ここはそういった輩も珍しくないゆえ、わっちも耳や尻尾を隠さずにおれるのは助かっておるな。
ともあれよろしくな、鳥娘。
>>687
おう。ぬしか。
相方は息災かや?
いや何、いまひとつその見た目だと、好調不調が分かり難いゆえな。
ぬしならその辺の機微、深く心得ておるじゃろ。
……で、当のぬしは、少し湯に当たって気が抜けておるようじゃがな。
>>692
おう妹紅。やはり居ったかや。
まあ…これだけ大々的に仕切っておってはな。人が来ぬ方がおかしいと言うもの。
それこそ金でも取っておったら、仕切り人は大儲けじゃろうな。
しかしそれをせぬということは、また別の目的がこの女風呂にはあるんじゃろが…ふふ。
確かに、退屈はしそうにない、の。
この夜、この湯の中で、この顔触れじゃ。
今宵もまた、楽しい楽しい宴となろう。
ぬしとわっちが大好きな、大騒ぎの宴にな。
- 699 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/01/31(水) 01:07:100
- >>681 鳥妖
「こんばんは〜」と、微妙な作り笑いを浮かべながら声を掛けてきた女の子に、あたしも挨拶を返す。
「こんばんは。」
…あれ、この子、羽が生えてる。
妖精・・・?
「こんばんは。」
希望の妖精も、彼女が人間ではないことに気付いたらしく、挨拶をした。
彼女なら、妖精の姿も見えるはずだから。
>>684 イーヴァ
うん、今夜はすごく賑やかだよね。
あたし、マリエル。 よろしくね。
【女風呂】
- 700 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/31(水) 01:10:080
- >>689 裾野ユキさん
……あ、いけない。不味い。
ああ、うん、ばれる運命だったんだね。
さようなら、さようなら。
>>695 エンジェランさん
え、嘘。
この人、ロボット?
「ええと、初めまして。わたしの名前はイーヴァ」
ルーク?
ROOK-RES(006):こっちにも聞こえてる。でも、確かにその人は人間だよ EOS
インプラント? でも……。
ROOK-RES(007):SQUIDは反応してない。
そもそも彼女は電子機器を身につけていない EOS
ルークのセンサーを誤魔化せるステルスエフェクター?
でも、そんなのが、このサイズに収まりきれる筈がないよね……。
何にしても、わたしたちの理解の範疇を超えてるって事か。
「貴方の名前は? 教えてくれたら、嬉しいな」
>>696 藤原妹紅さん
「あー、うん、大丈夫だよ、いろんな意味で」
百合展開にだけはならないから。
なんだか思わず遠くを見てしまうわけで――。
- 701 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/31(水) 01:12:330
なんか、もう立ち位置が矛盾で充ち満ちているけど、構わないや!
>>689
何を考えているかって?
……キミのことだよ。
当たり前じゃないか。キミしか考えていない。
―――っていうか、やけにあっさり応じてくるんだね。
随分積極的じゃないか。本当に、キミがネコ?
もしかしてリバネコなんてオチはないよね?
あ―――そうか、好奇心に突き動かされているんだね。
うふふ、可愛いんだ。じゃあ、たくさん教えてあげるから。
覚悟しておくれよ?
エミリー! キミ、もう少し手前に下がってくれないかな。
そうそう、支点はそのまま、そのまま。
それで、シャーロットは右にスライドしておくれ。
そうだ、そうれでいい。
するとあら不思議―――謎の空間がぽっかりと。
二人で浸かるにはちょっと窮屈だけど、そこがまた燃えるんだよね?
さあ、じゃあ……何か、リクエストはあるかい?
【本当に分身したような気がするボクが女風呂で遊ぶ】
- 702 名前:エンジェラン ◆6Jd7VR017. :2007/01/31(水) 01:14:060
- 気がついたら、ずっと洗い場の中で立ち尽くしていました。
どうやら緊張し過ぎていたようですね。
足音を立てないようゆっくりと、お風呂の中に入りました。
熱いお湯に肩まで浸かると、何ともいえない気持ちよさがこみ上げてきます。
少し、気持ちが楽になりました。
>>690
マリエルがにこやかに話しかけてきます。
人が大勢いると、賑やかで、楽しい。
「―――賑やかだと、楽しいのですか?」
つい、おうむ返しに答えてしまいました。
わたしには、それは思いもしなかったことだったから。
>>691
足音に思わず振り返ってしまいました。
ざあ、とお湯が波だって、何も身に付けていないわたしの胸元が露になります。
ああ、どうしましょう。
もし、このような姿を男性に見られてしまったら、わたし――――
やってきたのは分厚いバスタオルを巻いた女の子でした。
よく考えてみれば、今日は女性専用ということでしたね。
そう考えると、少し落ち着きました。
- 703 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/31(水) 01:15:100
- >>698 ホロさん
「ルークはお陰さまで元気だよ。
この間、仕事でスペアパーツも調達できたしね」
う〜ん、確かに完調の筈なんだけどなぁ、ルーク。
「別にお湯に中ったって訳じゃないんだけどね。
ほら、少しくらい気が抜けてる方が、温泉に入ってるって感じがするでしょ?」
その気になれば、しゃきっとした表情や仕草も出来るけど、
風情ないもんね、それじゃ。
【女湯】
- 704 名前:裾野ユキちゃん ◆PASTELWP3I :2007/01/31(水) 01:16:430
- >>701 ライバル・杏里
ちゃーんと場所を用意してくれるんだから……ほんと、抜かりないわね。
だから私も応えましょう。
小声で。
「ふふ、リクエスト?」
小声でって言ったから小声で。
「そうね、きっとそれは私にとって一つしかないわ」
可能な限り、ただし向こうにははっきりと聞こえる程度で小声で!
「ねえ、思い出してよ…………ていうか思い出しなさいよこの レ ズ 王 子 様 !」
「忘れんじゃないわよ杏里・アンリエット。
私は裾野雪彦! あんたにライバル宣言突きつけたでしょうが!
どう? 思い出した?
ああいやもう思い出せなくても別に良いわ。そろそろ身の危険……もとい、上がろうかと思ってたとこだから」
と、そこまで言い切ってそそくさと離れる。
そして
「それじゃ皆様、お先に失礼しまーす♪」
挨拶して、出て行きましたとさ。
……まあ、今のやりとりを他にもし聞かれてたら拙いかも知れないけど
あ と は
野 と な れ
山 と な れ
【退場】
- 705 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/31(水) 01:16:490
>>693
「あ―――行っちゃった」
何だろう。とても酷いことをした気がする。
勝手に好きになって、勝手に失恋して。
鳥子(仮名)ちゃんには、まったく関わりのない話だったのに。
無邪気に笑って、帰っていったけど……。
「さすがに少し、反省するべきだよね……」
『シャンプーはまた機会があれば』
その言葉を、信じるしかない。約束……だよね?
【女風呂】
- 706 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/31(水) 01:17:200
- >>691
で、また新顔―――新顔?
おどおどしつつ入り込んでくる女の子。
可愛いは可愛いのだが―――またもかすかな違和感。
先ほど感じたものと同じである。
「……はて」
首をかしげる。
なんだろう、これは。
気にしないほうがいいのだろうけど―――
「……ま、いいか。こんばんは」
気にしないことにした。
いまさら何が起きても驚きはしない。
>>693
ああ、本当に簡潔だ。というか知ってるのか幻想郷。
なら割と話は早かったりする。
「ああ、あそこで暮らしてる。
……にしても、まだ外にそういうのがいたんだね。少し驚いたよ」
もうほとんど全部、妖怪や幻想の類は幻想郷に集まってるという話だ。
だから、外で生きているそういうものたちはほとんどいない。
「っと、もう上がるのか、お疲れさん」
別れの挨拶。
興味深い話だった。
また次のときに聞ければいいのだが。
>>694
「……そんな顔で満足とか言うもんじゃないよ。
真逆に見える」
苦笑して、そんな風に言う。
「少なくとも、不幸が常態であることはない。それこそ異常さ。
どんな形であれ不幸と幸福はセットで、交互に来るものだよ。
試練の後には契約された幸福があり、嵐の後には太陽がある。
どんな宗教でも同じことさ。幸いと災いは表裏の関係にある。
―――だから、不可能はないといったのさ。どんな形で不幸を背負ってるかはしらないけれど。
その懊悩を解決しないままにしておくほど、愚鈍なことはない。
どんな形であれ、貴方が望むなら、いずれ福音は訪れるよ。基督風に言うならね」
そこで言葉を切って―――上手く確信に入り込めていないことを想う。
たぶん何かを抱えている。それも切り離せないような強いものを。
ただそれだけが分らない。
「……なあ、なんで悩んでるのさ。そっちは」
だから、単刀直入に聞いてみる。
私は賢者でもないし聖人でもない。ついでに言うと仙人とも違う。
が、人間である以上、その出来る範囲で何かしてみたい。
- 707 名前:ミチル=フェアテーゼ ◆MytYLEu83U :2007/01/31(水) 01:23:210
- 湯気も出てるし…だ、大丈夫っぽい?
と、とりあえず、変な反応がないかこっそり調査を……
>>702
がばぁっ!(思いっきり目をそらした音)
ぐきぃっ!(首の音)
「痛ぁっ!?」
大丈夫! 見てない! 見えてない! そして痛い!! 首痛ーい!
「あ、あははっは。だだ、大丈夫、大丈夫です。すみません、変な声出して」
思わずフォローをしてしまう。挙動不審なおはわかってる。わかってるんだけどっ。
「い、いいお湯ですよね、あははははは」
汗をかいてるのは暑さのせいだけじゃないと思う。きっと。
- 708 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/31(水) 01:23:460
>>704
―――あ、そうだ。どこかで見たことがあると思えば、4ヶ月前ぐらいに
エレベーターで出会った美少年だ。そうそう、そうだよ。キミだよ。
あー、良かった。ずっと気になっていたんだ。
「絶対、どこかで会ったことがある」と思っていたんだけど、どうも思い
出せなくてね。……なんだ、前世じゃなかったのか、残念だなぁ。
でも……何でキミがここにいるんだい?
キミってば、男の子だったはずだろう?
―――ていうか、ボクは……あれ?
ボクはまたしても、同じ過ちを繰り返してしまったのかい―――
うわあああああああああ!
ボクの恋はどこへ? ボクの愛の行方は?!
「にゃんにゃんする気まんまん」だった、ボクの身体はどうなるの!
何てコトだ。何てコトだあああああ!
ユッキーのバカー! せめてボクにぐらい「私、男ですことよ」とぐらい
教えてくれたって良いじゃないかー!
キミとボクが絡み合っていたら、自爆もいいところだ。
互いの尾を食い合う蛇だよ!
あああ、あああああー!! あああああああああああ!!!!
【女風呂】
- 709 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/31(水) 01:27:270
- >>698
「まあ、その辺は主催者の性癖を知れば分ると思うわよ。
この酔狂、たぶんそのためにやらかしたんだと思われる」
といいつつ、主催者の杏里さん(撃沈)を指差しつついう。
……まあ、猛獣の狩は十回に一回成功すればいい方という。
まだチャンスはあるさ―――私は全力で断るけど。
「まあでも、楽しいっちゃ楽しいさ。それにどうも年上は安全らしいからね。
……って、それだと私も危険領域か……十五で成長止めたし」
蓬莱の薬の副作用である。
幸いにしてそれなりの成長はしていたが、もし色々と足りなかったら危ういところだった。
ここはおいしいご飯を食べさせてくれた父様に感謝したい。すごく。
>>700
「え、それって―――」
と、そこで(>>704)な出来事。
そうか、この違和感の正体はそういうことだったのか。
「―――不覚、ぜんぜん気づかなかった」
だって可愛い顔してたもの。喉も気にならなかったし。
……世の中は広い。
「……ま、いいや。元々混浴なわけだし」
そんなことをつぶやいて、体を伸ばすのであった。
【女湯】
- 710 名前:エンジェラン ◆6Jd7VR017. :2007/01/31(水) 01:28:310
- >>696
彼女は以前出会ったわたしが、わたしであることを認識してくれたようです。
そしてわたしを受け入れてくれました。
その瞳には奇異の色が見えましたが、その奥にある暖かさがわたしにはわかります。
『まあこの間はゆっくりと話も出来なかったから、ちょうどいいか。
よろしく』
そういって、彼女はわたしにむかって片手を差し出してきましたが……
「あの……
その手をどうすればいいのでしょうか?」
差し出された白い手を暫し見つめた後、
意を決して聞いてみました。
自分の無知に顔が赤らむ中、
聞くは一時の恥に過ぎないというお父さまの言葉が脳裏に浮かびます。
>>700
困惑の表情が見て取れます。
いきなりあのような話し方をして驚かせてしまったようですね。
でも、それは彼女に心があることの証。
そしてかけられた言葉は、彼女の心が暖かなものである証。
そう、信じましょう。
「わたしは……
わたしはエンジェラン。 父にそう名付けられました……
わたしもそのように在りたいと願っています」
- 711 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/01/31(水) 01:31:260
- >>688 妹紅
「あはは…」
妹紅の問いに、苦笑する。
「多分、大丈夫だと思う。」
いまひとつ、曖昧な答え。
今日は大丈夫だと思うんだけど、
最近眠気が後でドッっとくるから、ちょっと自信なかったり。
「でも、話してたら、眠くなくなると思う。」
…かどうかはわかんないけど、ここで寝ちゃったら損だなって、思った。
>>702 エンジェラン
思わぬ問い返しに遭い、あたしは戸惑った。
「うーん…、まぁ、人それぞれだと思うんだけど…」
あたしは、たくさんの人と話したり、仲良くなれたりするのは、楽しいと思うんだけどなぁ。」
「あたしは、楽しいよ。 ほら、丁度、こうしてエンジェランと話してるみたいに。
沢山の人と、こういう関係になれたらいいなって、そんな期待感が、あたしは楽しいって思えるんだけど。」
うーん…、うまく説明できたかなぁ?
- 712 名前:ミチル=フェアテーゼ ◆MytYLEu83U :2007/01/31(水) 01:32:440
- う、人が多い……けど、変な金属反応とかは…ないよなぁ。
熱源はこれじゃ調べようがないし…と。
>>706
びくっ。
み、見られてる見られてる。
流すべきか流さざるべきか…それが問題なわけで。
が。
「こ、こんばんは。暖かくていい温泉ですよねー」
そりゃ暖かいだろう、ボク。
ああ、なんで人間隠し事があると余計なこと言っちゃうんだろう。
隠したいことがあるとき、人間は喋っちゃうものなんだ。
喋らないでいられる人は、きっと隠し事がうまい人なんだ。
そしてボクは……ボクはやっぱり、下手なほうの人間なんだと思うんだ。
ああ。なのに、なんでこんなことやってるんだろう。
とりあえず、張り付いた笑顔で冷や汗がバレないことに安心しつつ、変な方を見ていた。
- 713 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/31(水) 01:33:510
- >>708
―――それは壮絶な慟哭であった。
そう、例えるなら最高のドリップで仕立てたコーヒーに砂糖と塩を間違えて入れたこと。
あるいは、世界最大のダイヤを突然目の前で叩き割られたことでもあるかもしれない。
そういった不幸に準ずるような、絶望感。
「……南無」
ああ、悲劇なるかな喜劇なるかな。
私は哀れなる舞台役者にされてしまった彼女に、黙祷をささげた。
- 714 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/31(水) 01:39:160
- >>691 ???さん
また、男の子?
ROOK-RES(008):うん。 EOS
あーあー、あんなにおどおどしちゃって。
ユキさんの同類さんかー。
>>704 裾野ユキさん
で、本家本元さんは……
あ、逃げた。
さよーならー。
>>708 杏里・アンリエットさん
(合掌
>>709 藤原妹紅さん
「うん……ま、そういうこと」
あんまり騒がしくなっちゃうのもアレだから、黙ってたんだけど……。
被害者が杏里さんだし、いっか。
「細かいことは、気にしない、と」
>>710 エンジェランさん
「っと、ごめんね、顔に出てたかな。
よろしく、エンジェランさん」
なんだか妙に自信のなさげ子だった。
もっと前を向いて胸を張ればいいのに……
あくまで比喩表現なので、お風呂場で胸を張る必要はないけど。
「エンジェラン、か。うん、良い名前だね」
どういう意味か知らないけど、響きのいい名前である事は間違いないかな。
- 715 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/31(水) 01:41:420
うぅ、汚された……。ユッキーに汚されちゃったよぉ。
ボクの乙女心を二度も弄ぶだなんて。
惚れ惚れしちゃうぐらい、見事じゃないか。
―――じゃなくて、とても許せるものじゃないよ!
……お仕置きだ。彼には絶対、それが必要だ。
ボク、愛のない行為は大ッ嫌いだけど―――
少年を健やかに育てるためにも、心を鬼にするよ。
次に会ったら、肉欲の虜にしてやるきびしーくお説教してあげないと。
……今度、イライザに教えてもらわないとね。
ボクってば、その手の知識は疎いからなぁ。
ついでに、練習も兼ねてイライザと―――なんてねっ。あはは。
【女風呂】
- 716 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/01/31(水) 01:42:170
- >>703
おう、それは良かった。
すぺあぱーつと言うのがどういう意味か分からぬが、元気ならそれでよい。
しかし、ぬしは今一つ得心がいっておらぬ様子じゃが……何か気になることでも?
気が抜けてる方がよい、か。ふふ、それは確かにその通りやもしれぬな。
緊張して湯に入ったところで湯の効能をじっくり味わうことはできぬじゃろうし。
なるほど、これはわっちが一本取られたかのう?
>>707
んん? なんじゃ、騒がしいのう……おや? この臭いは……むぅ。
さてさて、この事を言うべきか、言わぬべきか…此処は思案のし所じゃな。
空気を壊さぬには、黙っておいた方がよいのじゃろうが……
まあ、あ奴が正真正銘の痴漢か否か、いま少し確かめるために泳がせるもよかろう。
>>709
ほう、なるほど、あ奴がのう。
……その為だけにこんな酔狂が出来るなら、あ奴はさぞかし金を持っておるんじゃろうな。
ならば金よりも女、というのもなるほど納得がいく。
ある意味分かりやすい輩じゃな……ふふ。
何、年上は安全とな。
それならわっちも安泰安泰、大安泰じゃな。
しかし見た目の方がよほど大事と言うのなら、ぬしもわっちも十分危険領域じゃがの。
さて、その辺は本人に聞いて見なければ分からぬが、
それをわざわざ聞くほど酔狂な話もありんせんな。それこそ自ら虎鋏に飛び込むような物じゃ。
- 717 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/31(水) 01:44:320
「あら、いつのまにこの温泉って女湯ができたのかしら………」
そんなふうに一人ごちつつも私こと源千華留―――聖ル・リム女学校
生徒会長という以外、とくに肩書きもない普通の女の子―――は、
いそいそと女湯の暖簾を潜りました。
三つの衝立に囲まれた場所。
何の遊び心かは存じませんが、とりあえず一つ目の衝立には
Charlotte Bronte
―――なんて書かれていました。
「はい、ごきげんよう、私の可愛いジェーン・エアさん。―――なんだか世間
では後半ばかりがもてはやされてしまいますけど、私はヘレン・バーンズさんと
貴女との友情も素敵だと思いましたわ。―――というか、そこしか覚えていない
気がするんですけど……」
お髭の紳士は素敵ですけど、王子様はやっぱり若い方で無いと。
そんなふうに思わなくもありません。
でもオノ・ナツメさんの『レストラント・パラディーゾ』に出てくるクラウディオさんは
素敵だと思ったりします。
二つ目の衝立には、これも何のおふざけでしょう。
Emily Jane Bronte
―――なんて書いてあります。
「はい、ごきげんよう、ワザリング・ハイツの尋ね人さん。一瞬Emily Temple Cuteって
読んじゃったのは―――貴女と私の秘密ですよ。それはいいとして、もし次があれば
もうちょっとだけ登場人物を減らしていただけるとうれしいです。キャシーとヒースしか
覚えてないんですもの―――私って、頭、悪いのかしら―――」
今度からはメモを取って読もうと切に思った私です。
でも、家計図があるだけ親切なのかな、とちょっとだけ思い直しました。
三つ目の衝立には、やっぱり。
Anne Bronte
―――なんて書いてありました。
「はい、ごきげんよう。ええと………ごめんなさい、私、貴女のことにはあまり詳しくないの。
もしも機会があれば、あなたの書いた本を紐解いて、ゆっくり貴女の綴った世界を楽しもうと
思うのですけど―――そもそも、何を書かれたかもよくわからないくらいなの。ごめんなさい」
一瞬だけ、お姉さまがたの著作の同人誌でも書かれていたのかしら―――なんて不謹慎な
事を思ってしまうのは、たぶん湯気の白さに酔っていたから。白い帯のようになびくそれに、
肌をやわらかく当てることが、なんだかとても素敵だったから。
それはともかく―――。
「わぁ、本当に女の子ばかり―――ごきげんよう、皆様。楽しんでおられます?」
ゆるり見回せば、白い肌としとどに濡れた鴉の濡れ羽の黒髪と、あと銀髪とか紫髪と。
ここはきっと、小鳥達の憩う庭。
白い湯気をレースの一片に見立てて透かす月の光のなんと青く白いことでしょう―――。
【女湯】
- 718 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/31(水) 01:45:240
- >>710
―――さすがに少し対応に困った。
ああ、そういえば握手の文化は日本にはないんだっけ。
いやでも、日本生まれには見えないような、えーと。
「えーと……ま、いいや。せっかくだしこっちきな」
少し強引ながら、彼女の手を取って引き寄せることにした。
もちろん、女の子なので優しく。
「まあ、なんというか。手と手を結んで友好の証、ってところね。
こっちじゃあまり馴染みがないかもしれないけど」
それから軽く解説する。
国際感覚があるとこういうときに戸惑わなくて便利だ、と思う。
異文化コミュニケーションとかそんな感じ。
>>711
「まあ、それも一理あるかな。話してるなら眠くなる暇もない」
ついでにいえば、話しながら寝てる奴も見たことはない。
わりと理にかなっている。
「で、そっちにいるのは―――『希望』か。また会ったね」
妖精にも声をかけておく。
しかし、妖精に好かれる人間っていうのも珍しいな。
伝承に従えば純真な心に惹かれるというが、その通りなのかもしれない。
―――と、またなにか難しい質問が来る。(>>702)
意識してないことほど難しいことはない。
ないが、まあ答えはある。
「まあ、そうだね。静かなときもいい。けれど、にぎやかだと不思議と楽しくなる。
たぶん、あれだ。人は人の間でこそ人らしく生きられる、ってことじゃないかな。
言葉も、文字も、他人と意思を通じ合わせるために生まれたものだ。
―――人間は、本能からふれあいを求め、そして安心するんじゃないかな。
簡単に言うなら、一緒にいるだけで楽しくなる、ってことさ。
これは感じてみないと分らないけどね」
私も話に自信はない。
経験はあってもそこまで哲学やら何やらを極めてるわけではなし。
けれど、楽しいことに間違いはないのだ。
- 719 名前:エンジェラン ◆6Jd7VR017. :2007/01/31(水) 01:45:450
- >>707
「あの……お怪我はありませんか?
それに汗もひどいようですが……?」
目の前で、不可解な行動をとった少女。
なぜ、目を背けるのかはわかりませんが、彼女の首が傷んだことはわかります。
わたしはお湯の中から立ち上がり、杖の先端、クリスタルに意識を込めました。
喚び出すのは「治癒の竜」
それは傷つき、穿たれたものをあまねく癒す
わたしの意志の具現です。
電界から顕現した氷の竜は、彼女の身体の周りを螺旋を描くように廻り
その力を――損壊した物質を再び元の姿に再構成する力を――
彼女の肉体に注ぐと実体を解いて虚界へと還って行きました。
「大丈夫……ですか?」
立ち上がったままの姿勢で、彼女に声をかけました。
膝から上が露になったので少し肌寒いのですが、
そんなことは彼女の怪我に比べれば些細なことです。
- 720 名前:カレン・オルテンシア:2007/01/31(水) 01:47:230
- >>706
「―――――悩む、ですか?」
悩むコトがあるとすれば、それは下僕の扱いや、『腕』を返してくれない無職のコト
くらいのもので、他に悩みなどそうあるものではない。
今では顔も思い出せない誰かのコトは、気に掛かるけれど、それは些細なコトな
のだから。
「悩みと言う悩みはありませんし、貴女のお心遣いは私の不幸には重過ぎるほどの
ものです。
でも―――――そうね。
例えば、人に出会えば肉体的に傷付き、傷付けてしまうような人間は、どう生きて
いけばいいのかを、偶に考えたりするわ。
私は祈るコトしかできませんし、山奥の修道院で自給自足の生活をすればいいか
とは思っているのですが、そんな体質であったならば、なにか他に生きる道もあるの
ではないかと、そんなコトを考えています。事実、他の道は存在しているコトも確か
ですし、傷付きながら生きていくのも悪くないと思えますから。
―――――となると、悩みは先のコト、でしょうか」
あと何年生きられるかも判らないこの体で、将来を考えるのはあまりにも無意味な
のだけれど。
きっと―――――価値はある。
>>697
主よ―――――私の戯れを、
主よ―――――私の不徳を、
主よ―――――私の愚行を、
主よ―――――私の不実を、
主よ―――――私の浅慮を、
主よ―――――私の不義を、
赦されなくとも構いません。
ですが―――――彼女に安息を。
母の胸で眠る赤子のようにすがりつく彼女を見て、微笑む。
こうしてみると、中々可愛らしい。凛とした雰囲気、立ち振る舞いで『カッコイイ』と言う
言葉が似合う彼女ではあるが、こうしてみれば年相応の、弱い女の子。
軽く背を擦りながら、この遊びを終わらせる方法を、考える。
「―――――ええ、私は私以外には成りえません。これからも貴女の愛を疑い、貴女の
コトを愛さず、主だけを愛し。貴女の愛を信じず、貴女への愛を信じず、主だけを信じ。
そんな酷い女です。ですが―――――貴女はそれでいいと仰った。このままでいいと
仰ってくれた。
ですから私は―――――」
一旦言葉を区切り、彼女を正面に見据え―――――
「この遊戯を終わらせるコトにします」
勝利者にご褒美を。
正確には、私の戯れに付き合ってくれたお礼を。
奪うように、接吻を交わし―――――
「私を愛してくれた―――――名前も知らない貴女。
貴女の懺悔はしかと聞き届けましたから、私が貴女の罪を抱えて生きていきましょう。
それでは―――――ごきげんよう?」
振り返るコトもせず、脱衣場へと向かう。
事後の顔が見られなかったのは残念だけれど―――――諦めましょう。
すがられても困るから。
(退場)
- 721 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/31(水) 01:55:130
- >>714
「まあ、そうだね。杏里さんの一人負けだけど」
やや意地悪く笑って、ふと(>>691)を思い出した。
あの違和感、もしかして。
「……ねえ、あの子もそうなのかな」
ひそひそとささやいてみる。
私は勘でしか分からないが、イーヴァなら私と違う感覚を持っているかもしれない。
>>712
あーあーがちがちになっちゃって。
どういう理由かは知らんが、まあ同情はしておく。
きっと罰ゲームかなにかだろう。
「―――何が怖いかは知らないけど、もう少し肩の力は抜きなよ。
あと視線はそらさない。余計に怪しまれるわよ?」
そういって、含みのある笑みを浮かべた。
どう取るかは―――相手次第。
>>716
「まあ、それもそうだね。わざわざトラバサミに突っ込むこともない。
―――ホロさんを捕まえるんだったら、特大サイズでないと無理だろうけど」
かすかに茶化して、そんなことを言ってみる。
私? んなもの溶かすさ。不死鳥に罠など通じぬ。
「ま、お金は使ってこそのもの。使い方を分ってる人間ほど痛快なのはいないからね。
―――や、ここまで大げさにしてくれると本当痛快だよ」
真実、私はそういう風に思う。
風流せい、風流せい。
銭を惜しまぬ歌舞伎人。
ふと、そんな印象を杏里氏に持つのであった。
>>717
―――あ、また楽園に人が。
たぶん彼女にとっては真実ここは楽園に違いない。
「やあ、また会ったね」
片手を軽く挙げて、出迎える。
いったい彼女はこの世界にどんな感想を持つのだろうか。
- 722 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/31(水) 02:00:020
>>720
然り、然り。全てはそうあれかし。
それで良いんだ、ベアトリーチェ。
名前も識らない聖女さま。
ボクはキミを勝手に愛した。ボクはキミに、勝手に儚さを見出した。
キミも、同じようにボクという枝葉を切り落として、天へと伸びればいい。
ゲームの勝敗は分からずじまいだけど――いや、きっとボクの負けだろう―
― 一連の睦ごとを愉しめたボクに、悔いは無かった。
素敵な贈り物まで、交わしてしまったからね。
ああ、でも―――このキスは少しだけ納得がいかない。
「ボクという罪で、いつまでもキミを汚しておくわけにはいかない。ボクだって
責任の取り方ぐらい分かっている。ボクの罪は、ボクに還るべきなんだ」
だから、唇を通して盗まれた罪は、唇を経て取り戻す。
そう心に誓いながら、彼女の後ろ姿を見送った。
「ああ、そう言えば」
唇に残る柔らかい感触を、親指でそっと撫でる。
「この板でキスをするの……初めてじゃないか」
【女風呂】
- 723 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/31(水) 02:00:570
- >>717 源千華留さん
新しい顔が、また1人。
何というか……杏里さんと同じタイプなんだろうか。
なんだかちょっぴり忘我の境地に行ってしまっている様な。
>>721 藤原妹紅さん
「まあ、杏里さんもまだまだって事だね」
ふ、女装した男の子に騙されてるようじゃあ、ね。
意地悪く笑う。
「で、ええと……あのバスタオル巻いてる子?」
「ルークのセンサーによると、間違いないらしいよ」
何でも、歩く時の重心の違いとかから分かるらしい。
なんで重心に違いがでるかとかは、わたしにはわかんないけどねー。
【女風呂】
- 724 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/01/31(水) 02:02:180
- >>718 妹紅
「あ、憶えててくれたんだ、すごい。 嬉しいな。」
最後に会ったのは最近と言うには少し遠い日のように思えた。
それだけに、妖精は心底嬉しそうにしている。
あたしも、それを嬉しく思った。
- 725 名前:ミチル=フェアテーゼ ◆MytYLEu83U :2007/01/31(水) 02:02:310
- >>714,>>716
違うんです。
違うんです、これには事情が!
……ボクは唐突に何を考えているのだろうか。
そんないきなりバレるわけもないだろうし……
でも、さっきから止まらないこの冷や汗…ああ、暑い。
凄いパイロットの中には、向けられた意識を感じる人もいるって言うけど……
……まさか、だよねぇ。
覗きとか絶対よくないって、死ぬほど実感してるのにこんなことしてるボク…
ああ、ボクは何をやっているんだ?
忘れよう。ともあれ今は、任務任務……
>>719
「い、いえその、あ、汗っかきなんですよ、ボク。
あ、あはは、全然心配ありませんから!」
女の子が近づいてきてしまった。
しまった。
心配をかけてしまったようだ。
女の子が近づく。
視界の隅に入る。
首をそらす。
「あいたっ」
余計に心配をかけてしまっている。
ああ、こんな優しい子に対してボクはなんてことしてるんだ。
絶対見るな。見ちゃいけない。ミチル、それがもう最低限の礼儀だ。
「だ、大丈夫っ、大丈夫ですから……って、え?」
痛みがひいた。
……ど、どういうことだろう?
痛み止めとか打たれた感じはなかったけど……
いや、まずは言わなきゃ。
「あ、ありがとうございます」
思いっきり、頭を下げる。
よくはわからないけど、何かの治療行為だったんだろう。
優しい子だ。絶対直視するまい、と、心に決めた。
「ボク、お風呂に入ると首をそらす癖があるんです」
苦しい。
- 726 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/31(水) 02:02:420
鳥子ちゃんは、年上でー
シャンプーは結局できずじまいでー
ユッキーはカワイイ顔しているけど、ばりばりの男の子でー
そうと気付かず、またしても弄ばれちゃってー
銀髪の聖女さまはー
おっぱい触れて、キスもできたんだけどー
やっぱり振られちゃってー
るるるるる〜♪
ああ、今日もまた全敗だー。
全敗だー!
【女風呂に漂う】
- 727 名前:エンジェラン ◆6Jd7VR017. :2007/01/31(水) 02:03:270
- >>708
突然張り上げられる悲嘆の叫び。
悲しみと哀しみに満ちたその声は、どこか既視感を覚えるものでした。
何故でしょう?
わたしは彼女のことは何も知らないのに、
彼女の気持ち、全てを失った時の慟哭はよくわかるような気がします―――
>>711
『たくさんの人と話したり、仲良くなれたりするのは、楽しいと思うんだけどなぁ。』
屈託なく話すマリエル。
その真っ直ぐな気持ちは素晴らしくもあり、羨ましくもあります。
彼女を見ていると、今は離ればなれになっている
わたしの妹を思い出しますね。
「マリエル」
わたしは彼女の名前を呼びました。
「あなたは初めて会った人のことが、怖くないのですか?
自分を利用しようとして近づいてくる人に会ったことはないのですか?」
少し語気が強くなってしまったのは、
わたし自身の過去の記憶、この力ゆえに何年もの眠りを強いられた
忌まわしい思い出のせいでしょうか。
>>714
「はい、そう言っていただけるとわたしも嬉しいですね。
それは、あなたにもわかっていただけることだと思います」
そう、この名前をいただいた時から、
わたしは開発コード:VR-017でもIce-Dollでもない
お父さまの娘の一人になれたのです。
コードナンバーではない、自分だけの名前というものの素晴らしさは
彼女になら理解してもらえるでしょう。
- 728 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/31(水) 02:13:160
- >>723
ずいぶんと優秀な相棒らしい。
……まあ、重量とか重心が違うというのは、アレだ。
アレがあるからだろう。
「……まあ、うん。確かに違うからね。そりゃ分るわ」
あえて具体的なことは言及しない。
はしたなさすぎる。
>>724
「まあ、なんとかね」
それぞれ特徴が違うから、意識しておけば何とか覚えてはいられる。
たまに混乱したりするけど、まあそれは愛嬌で。
「そういえば、ずいぶん妖精に好かれてるみたいだけど。
なにか……ってのもアレだけど、理由とかあったりする?」
そんなことを聞いてみた。
ここまで関係の深い人間と妖精も珍しい。
普通はある程度一線をおいて共存してるものだけど。
>>725
―――ああ、ビンゴ。
この反応だと私でも分かる。
「……ま、どういう理由があるか知らないが、おとなしくしとけ。
こっちも騒ぎは御免だしね」
苦笑して、そんなことをいった。
安心するかは向こうしだいだが。
……にしても、可愛い男の子が多すぎるような気がする。
いや、二人しか見てないけど。現状。
>>726
そして目に留まったのは絶望に流される現代のサッフォーさん。
たぶん、三連敗かしら。さすがにここまでくると可哀想な気もしなくはない。
……立ち直れるかなあ。失恋三連発。
悲哀は仕事をしてくれるのだろうか。
- 729 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/31(水) 02:13:500
>>717
……やあ、千華留。演劇部長。
シェイクスピアの伝道師。焦らせるのがお上手な子猫ちゃん。
ボクに会いに、来てくれたんだ。
どう? だいぶ雰囲気、変わっただろう?
もう、最期だからね。ちょっと思い切ったことをしたかったんだ。
でも、遅かった……。何もかも、遅かったよ。
―――あ、カクテル飲むかい?
『シャーリー・テンプル』―――ジンジャー・エールとグレナデン・シロップ
をステアしたノンアルコールカクテル。ボクを酔わせるニンフェットさ。
もちろん、カシスリキュールは入れてないよ!
だから、安心して飲んで欲しいな……。
……はぁ、それにしても。
千華留……ボクって、あんまり可愛く無いのかな。
さすがに、自信を無くしそうだよ。
どうして、ボクじゃ駄目なんだろう……。
はは……ちょっと、お酒が回ってきたのかな(ジュースだけど)。
何だか、とてもキミに甘えたくなってきたよ……。
【女風呂】
- 730 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/31(水) 02:15:030
>>721(藤原 妹紅ちゃん)
「あら―――ごきげんよう、たっとき人。 また逢えましたわね。
見知った―――というほどのことでもないのですけど、それでも合わせた顔が
あるとこういう場ではなんだか安心できます。 女の子同士といっても、衣服を
脱いで一緒の場所にいる、というのは、けっこう緊張するものですものね。
「それにしても、ああ、前に貴女の髪を結ったときのことを思い出しますわ………
ちょうどこんな月の晩で、貴女の銀色の長い髪に水が滴って、その一粒一粒に
月の光が映りこんで―――」
思い出すだけでも、うっとり。
このひとは―――このひとはまるで、見知らぬ異郷のお姫様のような気品を
たたえています。けれど、その柔らかな物腰は、まるでこの国のひとのよう。
雅でたおやかなる大和撫子のよう。
「でも、今日は雪。降っていませんわね―――もう春になるのかしら?」
そんなふうに、語りかけつつ。
>>723(イーヴァちゃん)
「ごきげんよう、こちらにも可愛い女の子! ああ、ここななんて素敵な所なんでしょう。
レストランテ・パラディーゾならぬ、温泉・パラディーゾ。――― 瞳をめぐらせば、
可愛い女の子がいます。あちらに可愛い女の子がいたと思ったら、こちらにも可愛い
女の子がいます! どっちを向いても可愛い女の子ばかり! なんて素敵なんでしょう!」
そんな風に言いつつも―――少し思うのですけど、ここってちょっと狭すぎません>
いえ、ブロンテ三姉妹に文句を言うわけではないのです。彼女達はとっても大きいですし、
衝立としての用は立派に果たしています。ただ―――やっぱり三角形って、面積的には
ちょっと効率が悪いというか。
どうしても、狭くなるというか―――。
「でも、誰もお洋服を着ていない、というのはちょっとばかり残念ですわね。―――いえ、だから
いいんじゃない、という声も聞こえてきそうですけど、女の子はきちんと着飾ってこその女の子
ですわよね。裸が女の子のいちばん綺麗な衣服、という意見は私、あまり好きではありません」
ちなみにそういう千華留は前髪をヘアクリップでアップにして、トレードマークのリボンを片方
だけ外しています―――まあ、片方あれば、仮に知った方が入れも、私を私だと認めて貰え
ますでしょうし―――あと、体をすっぽりと覆うウール地のタオルローブを巻いているのですけど、
こちらは同素材のレースが裾と襟ぐりにあしらわれていて、お気に入りですね。
胸元に刺繍でル・リムの校章をあしらってみたのは、私の遊び心ですわ。
【女湯】
- 731 名前:ミチル=フェアテーゼ ◆MytYLEu83U :2007/01/31(水) 02:18:350
がちがち。
多分、今のボクからはそんな効果音がするんじゃないだろうか。
>>721
「は、はいっ、そうですね!?
あれ、今なんて言いました?」
思わず脊髄反射で返事をしたようだ。
何を言われたのかよくわからなかった。
何かこう、意味深長な視線を送られている気がする。
するが、はっきり言って見ることができない。
あ、顔だけ見ればいいのか。
今更気付くあたり、多分やっぱりボクは動揺しまくっているのだろう。
>>728
って、やっぱりまずいっぽいっ。
だから温泉は無理だって言ったんですよ、マキさん!?
「や、やだなぁ。何ですか? あははは。
…何だかわかりませんがボクは何もしません見ませんからっ」
……バレてるのかカマかけなのかはともかく……
なんとゆーか、強い人だ……ああもう絶対敵わないっぽい。
…ボクが敵う人て、いるのか?
- 732 名前:エンジェラン ◆6Jd7VR017. :2007/01/31(水) 02:20:520
- >>718
「…え? 何が……?」
突然、手を握られて引き寄せられました。
これはいったい何の意図あっての行動なのでしょう?
戸惑い、困惑するわたしに彼女の手の暖かさが伝わってきます。
血の通った、人間の体温。
ああ、こうやって直に人と触れあったのはいつ以来のことでしょう?
それも女の子の手を握るというのは、初めてです。
混乱しているわたしに、彼女が今の行動の意味を話してくれました。
わかりました。 これは握手といって、友愛の意志表示だったのですね。
これはよいことを教わりました。
帰ったらリリンの手をいっぱい握ってあげましょう。
「ところでわたし、まだあなたの名前を聞いていません。
よろしければ、あなたの名を教えてください」
手を離した後にも仄かに残る彼女の体温の残滓を感じながら
わたしはそう問いかけました。
- 733 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/31(水) 02:21:510
- >>725 ???さん
なんだかこっちを見たと思ったら冷や汗かいたり首を振ったりしてる。
え、ええと……お薬でもキメテるんだろうか。
早めにルークに排除してもらったほうが良いのかなぁ。
>>727 エンジェランさん
どうやら、エンジェランさんは自分の名前にこだわりがあるようだった。
ロボットには、そういう人が結構居る。
工業製品であるわたしたちを分けるのは、
名前と蓄積された経験だけだからだ。
まあ、何となく、気持ちは、わかる、ような、気が、する。
……ごめん、実はよく分からない。
いやもう、生まれた時は自分の名前とか気にする状況じゃなかったし、
生まれた後も、ずうぅぅぅぅぅっと修羅場だったし。
「ごめん、ね。わたし、ちょっと状況が特殊だったから、
いまいち自分の名前とかにこだわりがなくって」
あ、でも、ルークはルークって呼ばなきゃダメ。
そこは、譲れないなー。
う〜ん、でも、そういうのともまた違う気がするし……。
>>728 藤原妹紅さん
「あ、でも、ほら、匂いとかでも分かるらしいよ?」
何となく、付け足しておいた。
……ん? こっちの方が不味いだろうか。
>>730 源千華留さん
「こんばんはー……えと、褒めてくれてありがと」
なんだか物凄くオーバーリアクションな人だった。
こんなところまで、杏里さんに良く似ている。
自己紹介……しても大丈夫かなぁ。
ええい、ままよ。
「えっと、わたしはイーヴァ。よろしくね」
少し逡巡した後、要点だけ伝える事にした。
【女湯】
- 734 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/01/31(水) 02:22:040
- >>717
おう、御機嫌よう。
ん、ぬしもいつぞや見た顔じゃな。確かわっちに飲み物を勧めてくれた―――
そうそう、あの飲み物は今日は無いのかや?
あれはなかなか甘露であったゆえ、また口にしてみたいぞ。
>>721
ふっふ、その通りじゃな。
わっちを捕まえるなら特大の鋼の網か、鉄塔ほどの矢でも持って来ぬといかん。
否、それでも足りぬかも知れぬなあ。何せわっちは賢狼ゆえ、
まず罠にかけるまでが大変じゃからの。
ま、ここまでやれば確かに嫌味は感じられぬわな。そこらの貴族とはその辺違うやもしれん。
じゃが―――
>>726
当人は、惨敗の結果土佐衛門のようじゃぞ?
やはり下心を持った金の使い方は良くない、という典型例ではないかや、これは。
- 735 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/01/31(水) 02:22:230
- >>727 エンジェラン
少し、戸惑った。
エンジェランの様子が、変わった。
「え…と…」
ちょっと、慎重になるあたし。
まぁ、どの道正直な気持ちを言うことしかできないから、あんまり意味無いけど。
エンジェランの問いは、きっと、彼女の境遇を表しているんだ。
似た境遇にある妖精を、あたしは知ってる。
多くの妖精使いに狙われ、追われ、捕らえられ、傷つけられた、妖精のことを。
「あたしはそういう人には遭ったことが無いけど、
そういう人に利用されて、ひどい目にあった子が、あたしの友達にいるの。
その子のことを知った時、あたしは人間の心の中にある、恐ろしい部分を知ったの。
怖いって…、思ったよ、人間のこと。
……でもあたしは…、信じていたいの。
どんな人とでも、きっと友達になれるって…、信じていたい。
人を疑うって、きっと悲しいことだから。
あたしは、人を信じたい。」
うまく言えない。
全然、うまく言えてない。
伝えられたかな…、あたしの気持ち。
- 736 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/31(水) 02:23:180
>>729(杏里ちゃん)
「まあ、そちらにいらっしゃるのは、杏里・アンリエットちゃん!」
暖かな水面にさつさつと波紋を走らせながら、彼女のそばに向かいます。
だってこの子ったら、いつもはとても明朗快活なのに―――その明るさも今日ばかり
影を潜めて、とっても沈んだお顔をしているのですから!
「ええ、頂きますわ。ちょうど喉が渇いていましたし―――ソフトドリンクなら安心ですし。
でも、シャーリー・テンプルって、すごい名前。ジューン・マープルとかもあるのかしら?」
そんなふうに声をかけながらも、私は心中、動揺していました。
ああ、痛ましい姿―――。
うつむけるかんばせは荒涼たるムアのよう。
颯と伏せたまなざしは凪いだ冬の湖面のよう。
心なしかいつもよりもほっそりとした頬に、黒い髪がひとふさ落ちて―――。
水の雫を、つたつたと垂らすのです。
「杏里ちゃんが可愛くないだなんて、そんなことはありませんわ!」
いつになく不安そうな彼女の一言に、思わず声が大きくなります。
「貴女はとっても素敵な王子様で、凛とした王子様で、格好いい王子様なんですもの。
でも―――王子様スタイルはいつの時代も人気があるかわりに、みんなもう見慣れて
しまっているもの。これからの王子様には、一風代わった個性が必要なんですよ!
そう、素敵な貴女からしいて欠点を汲み取るとしたら、ほんとうに、それだけなの!」
- 737 名前:エンジェラン ◆6Jd7VR017. :2007/01/31(水) 02:23:460
- >>725
初めて聞きました。
お風呂に入ると首をそらす癖。
そんな癖があるなんて、世界はまだまだ広いようですね。
そしてふと思い至ります。
彼女と同じように首をそらしてみれば、
彼女の気持ちをより理解することができるのではないでしょうか?
早速、実行してみましょう。
こ き ゅ っ
……痛いです。
- 738 名前:ミチル=フェアテーゼ ◆MytYLEu83U :2007/01/31(水) 02:31:240
- >>733
違うんですよ?
だからボクはなぜ言い訳から入るのだろうか。
堂々と……堂々と……
…多分、性格的に無理なんだろうな……
>>737
あれ、黙っちゃった。
しまった、おかしく思われちゃったかな。
…いや、もうその点に関しては諦めるべきか。
そうだ、顔だけ、顔だけ見て様子を確かめよう。
こ き ゅ っ
痛そうだ。
って、違う!?
「だだ、大丈夫ですかっ!?
ダメですよ、そんなことしちゃっ!」
自分のことは心の棚に置く。
慌てて見ないように見ないように駆け寄る。
でも、残念ながらボクには彼女のように痛みを和らげるようなスキルはない。
あ、でも、そうだ。
「お、温泉はいりましょうっ、痛いのに利くかもしれないしっ」
さっきの痛み止めは、もう持ってないのかな…?
と、とにかくボクのせいで痛い思いさせちゃったし、任務とかあとだ。
なんだかすごくいい子っぽいし。
- 739 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/31(水) 02:31:500
>>733(イーヴァちゃん)
「イーヴァ。つづりはイー・ヴィー・イー? どちらのお国の名前かしら?
なんだか東洋風の顔立ちでしたけど、意外とあちらの方なのね………」
そう一人ごちつつも、ちょっとだけ反省。
私は綺麗どころばかりのこの湯船のなかで、この子ばかりはゆっくりとお話できる
「普通の子」だとどこかで思いながら、イーヴァちゃんに話かけたのです。
けれど、女の子は秘密のかたまり。
長い長い睫の奥、透き通った瞳に秘密を沈めた、謎めいたヒロイン。
どこの誰だって―――きっと、そうなのです。
私は、そんなことさえ失念していました。
「ええ………私は源千華留。感じは分かります? 千の華が留まる、で、チ・カ・ル」
そう言って、
「―――きれいな名前でしょう?」
そんなふうに微笑みました。
>>734(ホロちゃん)
「あら、ごきげんよう! ええと、あのときは自己紹介できませんでしたわよね?
私は、チカル。ファミリーネームがミナモト。チカル、と呼んでくださって結構ですよ。
でも、ええ―――これでようやく、少し仲良しになれました」
そんなふうに言いながら向き合ったのは、少しばかり野趣のある、しなやかな女性。
美女―――と呼んでも差し支えないくらい整った顔立ちなのだけれど、その鼻梁が
どこか野生の動物を思わせて―――たおやかなお人形とは、到底呼べそうにない様子。
「うーん、残念ですけど、今日は私、ホストじゃありませんからね―――あ、でも、あちらの
杏里ちゃんが、お飲み物を用意してくださるみたいです。頼まれたらいかが?」
【女湯】
- 740 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/31(水) 02:32:000
- >>729 杏里
―――すごい。もう立ち直ってる。
あのバイタリティは見習っても良いんじゃなかろうか。
「……忙しい人だね、あんたも」
苦笑しつつ、すっかり挨拶を忘れていた気がする。
まあその、一応はしとこうかな。
「どうも。貴女が主催者さんかしら?」
そんな風に声をかけてみる。
……反応が極端すぎないと良いけどなあ。
下がった反動で思いっきり上がるとか。
>>730 千華留
「ああ、また会ったね。ごきげんよう。雪は―――そうだね。
降れば降ったで風情はあるけど、月の明かりもまたよろし、ってところね。
……って、結ってくれば良かったかな。また怒られそうだ」
苦笑して、髪を軽く持ち上げる。湯に流しっぱなしだった。
でも、痛んでいる気配はまったくない。我ながら丈夫な髪の毛である。
>『でも、誰もお洋服を着ていない、というのはちょっとばかり残念ですわね。―――いえ、だから
>いいんじゃない、という声も聞こえてきそうですけど、女の子はきちんと着飾ってこその女の子
>ですわよね。裸が女の子のいちばん綺麗な衣服、という意見は私、あまり好きではありません』
「んー、そうかな」
その言葉に思うところあって、私は湯船から立ち上がった。
そのまま―――ちょっと躊躇して巻いている手ぬぐいを落とす。
「飾りなき姿を飾るのは、世界そのものさ。天も地も海も、周りに抱く色彩で美を変える。
―――女の子も、そういうものじゃないかい?
時には人の手を捨てて自然に任すのも悪くはない」
冷たい風が体を撫でるが、気にならない。むしろ開放感がありすぎて、癖になりそうで怖い。
雪色の肌は下に軽く紅を差し、鮮やかな銀色の糸は風で流星の如くたなびく。
月光の下、私という影はざっ、と軽く髪を背に流すと、
「―――で、まあ。なんだ。どんな風に見えるかな?」
やや照れ笑いを浮かべる。
もともと着飾るのは好まない方だし、人の視線も割と気にするほうだ。
こういうことをするのは珍しい。
けれど―――たまには悪くない。
「ま、年がら年中裸でいるわけにはいかないけどね。
こういうときは、少し目線を変えてみても良いんじゃないかな」
そんな風に言って、私は湯船に体を戻した。
うわー、効くなあこれ。じんじんくる。
まるで水を頭から被ったみたいだ。
- 741 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/01/31(水) 02:33:410
- >>728 妹紅
「んー…」
妖精は、少し考えてから、話し始めた。
「理由としては、まず一つは、マリエルが誕生させた妖精だから。
あたしはホリィの希望から生まれた妖精だけど、
マリエルの、ホリィの願いを叶えたいっていう願いも、その源になってるの。
つまり、内側からインプリンティングされたみたいな…、ん? ちょっと違うかな?」
あたしもなんか違うような気がする…
「二つ目は、ごく単純な理由。
妹紅にも、好きな人、嫌いな人っているでしょ。
それと同じ。 そういう感覚なの。」
えへ、ちょっと照れる。
「どう? わかった?」
妖精は妹紅に訊いた。
- 742 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/31(水) 02:41:150
>>736
本当に不調子だった。頭の中に釘を打ち込まれたような気分だ。
重い上に、うまくバランスが取れない。お湯に浸かりすぎたかもしれない。
いつもなら、4時間程度―――全然平気なはずなんだけど。
恋の痛手は魂を削り、失意の大波は悦びをも攫うようだ。
「はは……今度、トニックウォーターベースでエミリー・テンプルっていう
オリジナルカクテルでも作ってみようか」
縁の岩に腰掛けると、足だけお湯につける。
夜風が鉛の肌に突き立ち、鈍った感覚を目覚めさせてくれた。
だけど、火照った身体が静まれば―――現実が残るばかり。
「千華留はボクをかわいいと言ってくれるんだ。……ありがとう。本当に、
ボクのことを見てくれているのはキミだけかもしれない。キミだけは、最期
までボクを見捨てずに、好きでいてくれるんだね」
ああ、紫陽花(季節外れ)の花が咲いている……。
―――というか、千華留のテンションがいつもより高いような気がするん
だけど、気のせいだろうか? こんなにボクは傷付いているのに、どうして
彼女は活き活きとしているんだ? 普段は、半分無視じゃないか無視!
ボクが傷付くと、千華留が悦ぶ? なんだ、その定理は!
「……ねえ、千華留。ボクを『無個性』だと、それとなく刃を刺した上に抉って
までくれる、ボクの千華留。ちょっと聞きたいんだけど―――」
わざわざ、こうしてロマンチックに演出までしていると言うのに。
「キミ、愉しんでいる?」
【女風呂】
- 743 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/31(水) 02:41:250
- >>738 ???さん
何かこう、言いたげな表情の後、
暫く懊悩した後、黙り込んでしまった。
……何か事情があるのかな。
そこはかとなく同情を誘う哀愁漂う立ち姿をしてるのは、間違いなかった。
>>739 源千華留さん
悪い人ではなさそうなんだけど……・。
「生まれも育ちも日本なんだけど、ね。
名前だけ向こう風なんだ」
「うん、だから、漢字とかも分かるよ。
貴方に似合いの華やかな名前だと思う」
釣り込まれるように、こっちも微笑を返していた。
む、この人、中々人あしらいが上手い。
【女湯】
- 744 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/31(水) 02:44:060
- >>732 エンジェラン
「ああ―――そういえば名前、言うの忘れてたっけか。悪いね」
いかん、いろいろあってすっかり忘れてた。
名前が呼べないというのは不便なものである。
こっちは教えてもらったわけだし、こっちも返さないと不義理だ。
「藤原妹紅。ふじわらの、もこうと言う。名前のほう、呼び捨てで良いよ」
それだけ伝えて、握られていた手を感慨深く見つめている彼女に笑顔を見せる。
「ま、これもなにかの縁だ。よろしくね」
>>731 ミチル
あー、マジで発覚五秒前だなあ、これ。
仕方ない。
とりあえずぐいっと引き寄せて、杏里から見えない場所に置く。
ちょうど私やらイーヴァやらマリエルやらがいるので死角になる。
「とりあえずそこでじっとしてること。バレると今はちょいとまずい」
……なんでここまでしてるんだろうなあ。
ああ、おびえてるのが可哀想に思えてからかもしれない。
でもまあ、とりあえずそういうことになったのである。
>>733 イーヴァ
「……におい、ねえ。文字通り鼻が利くってことか」
……まあ、確かにそういう部分でも違いはある。
むさ苦しいとか、色香とか、そういう言葉は山ほどある。
男と女は完全に違うものなのである。間違っても同列に扱えるものではない。
別次元といってもいい。
「まあ、なんだ。排除はしなくていい。こう、色々とそいつも大変なんだろうよ」
それに温泉が血で染まることは出来るだけ避けておきたい。
うん、意外とセメントなことしそうだし、イーヴァ。
>>734 ホロさん
「―――ああ、確かに。そもそも罠なんぞ避けるか。
最初から勝負になってないわね、あははは」
笑いながら、視線を杏里に移す。
……ああ、うん。まあ下心いっぱいだね。
「……でもまあ、実害ないから大丈夫じゃない?
それに、金持ちの豪遊は結構滑稽に見えるものよ」
そんなことをいいながら、肩をすくめた。
- 745 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/31(水) 02:46:310
>>740(藤原 妹紅ちゃん)
「ええ、うぅん―――でも、いくら言っても結ってくださらないんでしょうね、きっと。
でも、こちらでまたお会いしたのですもの。―――また、結ってよろしいかしら?」
しなやかな女の子の髪に触るのは、なんであんなにも幸せなのでしょう。
ビロードのしどけなさも、繻子のしたたかさも、リネンのたおやかさもなく。
でも―――風のようにさらさらと流れ、水のように波打つ、とてもきれいなもの。
体温はなく、けれど―――人の温かさをわずかに伝えて。
>飾りなき姿を飾るのは、世界そのものさ。天も地も海も、周りに抱く色彩で美を変える。
>―――女の子も、そういうものじゃないかい?
「ああ、なるほど―――星空が借景、ですわね。ちょっとそういう考えは素敵かもしれません。
今だと……月の光がディアラで、夜の闇がストールで、湯気がたなびく裾飾り、ですわねー。
たしかに、今の貴女はとても素敵だと思いますわよ―――本当にお姫様、みたいに」
彼女の言葉に、しばし思案しつつ、ふう、とため息をつきます。
「けれども、綺麗なお洋服の価値というものは、本当に何にも変えがたいものだと思うんです。
一人のデザイナーが、自分の美観に則って、どうすれば女の子がお姫様になれるか………
襟飾りから袖口にいたるまでが綿密に仕上げられた、小さな小さな劇場なんです。
けれど―――」
そこで顔(おもて)をゆるりと傾げ、
「もとからお姫様に生まれついた人なんかには必要ないかもしれませんね………ただ、綺麗に
なろうっていう女の子の意思は、私、本当に好きなんです。見た目ばかり気にする人生って、
世間ではなぜか卑しいものだと思われますけど―――それくらい自分の見た目を気にする人、
私はとても高貴だと思うの………」
なぜだか柄になく、真剣に語っちゃいました。
はっ、として。
「あ、ごめんなさい。なんだか、ちょっとおしゃべりですわね。今日の私」
- 746 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/31(水) 02:46:480
【もちろん女湯ですわよ?】
- 747 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/31(水) 02:48:230
>>740
ボク? ボクが主催者?
―――いや、そんなことはないよ。
キミってば、勘違いしていないかい?
主催はキミだよ。
少なくとも、ボクはそう思っている。
だって、そうだろう? ボクは、キミがこの温泉の常連客だと識って、
「なら、彼女のために特別な何かをしたあげたい」と考えたんだから。
この女風呂を設置した。
そう言う狭い範囲なら、ボクは確かに主催者かもしれない。
でも、ボクの中の荒野に悦びの泉を湧かせてくれたのは、キミだ。
全ては、キミという子のお陰さ。ありがとう、感謝してる。
キミがいなければ、ボクは何もできなかった……。
ボクは杏里・アンリエット。
キミという可憐な雲雀を撃ち落とそうと企む、悪い狩人だ。
身体はもう洗ったかい? シャンプーは?
良ければ背中を流してあげるよ。
浸かりっ放しも身体に悪いだろうしね。
それに、その髪の毛……一人で洗うのは大変だろう?
【女風呂】
- 748 名前:エンジェラン ◆6Jd7VR017. :2007/01/31(水) 02:48:370
- >>726
大気を揺らす哀しみの声。
感じます。
彼女の哀しみ、彼女の苦しみがわたしにも感じられます。
でも、わたしの力は人の心に作用することはできません。
わたし、彼女をどうしてあげることもできない―――
>>730
いつの間にかやってきていた黒髪の少女。
何故かはわかりませんが、とても楽しそうな表情をしています。
わたしにも、あのような顔をすることはできるのでしょうか?
つい、こわばった自分の頬に手がいっていました。
>>733
「そう……ですか。
でも、あなたの名前はあなたの存在の証。
そしてあなたを愛してくれるものとの絆でもあるのです。
だから、大事にしてあげてくださいね」
幼い外見とは裏腹に、彼女は随分と厳しい人生をくぐり抜けてきたようです。
だからこそ、忘れないでほしい。
わたしはそう感じました。
>>735
真摯な瞳がわたしを見据えます。
そしてマリエルはわたしの問いに答えました。
人は怖い。だが信じたい、と。
それはわたしが未だ到ることのできない答え。
わたしが目指したいと願ってやまないもの。
これが彼女の強さなのでしょう。
わたし、マリエルに一つ教えられました。
「……強いのですね。
ならば、その気持ちを忘れないでください」
つい先ほど教わった握手というもので、
マリエルの手を握りながら、答えました。
- 749 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/31(水) 02:51:140
- >>741
―――人の想いから生まれた妖精。
なるほど。自然の象徴でなく、そういう方面か。
だからこそ人の隣にいる。自然があるそばに妖精がいるように。
で、後は好き嫌い、か。
まあ確かに、マリエルは好かれそうだ。妖精に限定せず誰からでも。
「まあ、なんとなくは分ったよ。好きだから一緒にいるってことはね」
ちょっとからかってみる。
でもまあ、真実友情やら信頼やらはこれ以上ないくらい強いのだろう。
なるほどなあ。新しい関係がここにもあった。
「私の知ってる妖精は自然の化身みたいなものだからなあ。
大体がいたずらっぽくて、いつの間にか生まれたり消えたりしてる、って感じの。
だから、人の想いから生まれたってのは初めて見たな」
人とともに在り、歩く妖精。
―――幻想郷にもいるのだろうか。
ふと、そんなことを考えてみた。
- 750 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/31(水) 02:53:280
- >>744 藤原妹紅さん
「ルークは鼻が一番良く利くからね」
ルークの場合、その気になれば、
大気中に漂う分子数個からその場にどんなのが居たのか分析してのける。
男か女かの判別も、らくしょーらくしょー。
「あはは、やだなぁ、わたし、そんなに短気に見える?」
……行動は慎重に、決断は素早く。
じゃないと荒野では生き残れなかっただけですよ?
結局短気なんじゃないかって突っ込みはスルーの方向で。
>>747 杏里・アンリエットさん
あ、ターゲットロックオンした。
>>748 エンジェランさん
「うん、ありがと」
素直にお礼を言っておく。
彼女にとって、それは拠り所となる言葉なのだろうから。
無碍に扱うには、重すぎる言葉だと思った。
【女湯】
- 751 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/01/31(水) 02:56:060
- >>739
ふむ、ぬしはチカルというのか。
なら礼儀として、わっちも名乗らねばなるまいな。
わっちの名前はホロ、という。賢狼ホロじゃ。
これで更に、仲良しになれたかや?
ああ、なるほど、今日のぬしは客であるから用意はない、と。
それは仕方ないの。
ならそこで早速ぬしを見て復活しておる娘に、頼み込めばよいのかや。
では―――
>>729
のう、ぬしよ。
その飲み物、わっちにもくれぬかや?
出来れば酒が入っておる方が、嬉しいのじゃが。
>>744
ま、確かに実害は出ておらぬようじゃしな。
そしてぬしの言うとおり、見ておる分には面白いから、別によかろう。
何より、こうしてわっちらも、その豪遊に一枚乗っかって、楽しんでおるんじゃからな。ふっふ。
【ずっと忘れておったが女風呂】
- 752 名前:エンジェラン ◆6Jd7VR017. :2007/01/31(水) 02:57:390
- >>738
傷む首をさすりながら、再びお湯の中に入りました。
お湯に浸かると、身体がほぐれるからでしょうか?
少しずつ、少しずつですが痛みが退いていきます。
「大丈夫です。 もう痛くありませんから……」
右手でうしろ髪をかきあげ、左手で首筋をさすりながら
バスタオルの少女に近づいてそう言おうとした時のことでした。
両手をつかうため、小脇に抱えていた杖が
わたしの足にひっかかりました。
ざ っ ぱ ん
足をとられて転んでしまったわたしは、
重力の法則に忠実な軌道を描いて
バスタオルの少女の上に倒れ込んでしまいました―――
- 753 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/01/31(水) 02:58:150
- >>748 エンジェラン
エンジェランの掌が、あたしの手を包む。
あたしも、その手を握り返す。
「エンジェラン…、あたしのことは、信じてくれる?」
他の誰を信じられなくても、あたしのことは、信じて欲しい。
あたしは、エンジェランと、友達でいたいと思うから。
あたしも、エンジェランを信じるから。
だから…、信じて欲しいな。
- 754 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/31(水) 02:58:240
>>726(杏里・アンリエットちゃん)
ああ、杏里ちゃん―――私の杏里ちゃん!
その朗らかさは、明るさは、しなやかによく動く指先は、きらめく眼差しは―――。
犯すべからざるもの。何よりも美しく彼女を飾る、彼女だけのティアラ。
―――だっていうのに!
「杏里ちゃん、なんだか本当にショックを受けているみたい………どうされたの?
何があったか判りませんけれども、ひとまず千華留に話してみてください!」
いったいいかなる失意が、この子から輝きを奪ったのでしょう。
想像するのは容易―――。
恋の輝きを持つ恋の王子を刺すことが出来るのは、きっと恋の刃。
恋を語る恋の妖精を亡き者にすることが出来るのは、きっと恋の毒。
ですから、きっと―――杏里ちゃんは失恋を経験したのでしょう。自分の思いの丈を
いつもどおりに相手に語って聞かせて、そこで拒まれた。なによりも恋に生きるこの
王子様にとっては、たしかに手痛い経験です。
「私が杏里ちゃんを見捨てるだなんて―――! それに、私がちょっと行動的に
なっているのは、傷ついた貴女を慮るばかりに心が逸ってしまっているからなんです!」
………ほ、当ですわよ?^^;
なんでしょう―――なんでこんなに信用されていないのでしょう、私。
不肖ながらも私はル・リムの聖母と呼ばれた身………です、わよね?
「いいえ! 貴女は素敵な王子様―――理想の王子様、かけたる所のない月!
ですから、それゆえに―――」
ああ―――上せているからかしら、焦っているからかしら。
それとも、大好きな杏里ちゃんを怒らせてしまったから?
なんだか口が巧く回りません。
言い訳をすればするほど、なんだか失礼になってしまいそうで―――。
けれども、何かを言わなければいけない、というのは判っていて。
>「キミ、愉しんでいる?」
頭の中が、ひどく乱雑になって―――。
最後の一言に、思わずかぁっ、となって。
「―――楽しんでいるわけ、ないでしょう!?」
【女湯】
【女湯】
- 755 名前:ミチル=フェアテーゼ ◆MytYLEu83U :2007/01/31(水) 03:03:010
- >>743
何かわからないけれど、何かわかってもらえたようだ。
わかりあうってすばらしい。
そうです。違うんです。
違うんですよ。本当に。
>>744
「は、はい!?」
わたたっ、ボクは急に手をとって引っ張られた。
ああ……そうか……
何もかも終わりか…
ははははは。あ、なんか涙出てきた。
思えば、しょうもない人生15年の最後の一年だったなぁ…
……って、へ?
「え、あ、あの?」
ど、どういうことだろう。とりあえず、ボクはされるがままになってしまった。
このあとどうなるんだろう。
物陰……も、物陰?
人には覚悟を決めなきゃいけないときがあるみたいです、マキさん……
- 756 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/31(水) 03:03:390
- >>745 千華留
「いやいや、否定するつもりはないよ。服はもう一つの顔みたいなものだからね。
人にさまざまな姿や美しさを与え、雰囲気も変える素敵なものだ。そして何より、
女の子は常に綺麗であるべき存在というのには同意する」
そうでなきゃ、色々と気を遣ったりはしない。
私はまあちょいと特殊なので気にしなくていい部分もあるけど。
「こういうときくらい、ありのままを楽しんでもいいんじゃないか、と思ってさ。
それだけのことよ」
そういって、ゆっくりと髪を持ち上げた。
「またお願いしていいかな。鏡がないと一人じゃやりづらい」
あの日の再現である。
>>747
わあ、ロックオン速度速いな。
下がって上がるというか常に全開なのか。
「え、あ、いや」
というか、なんだこの猛烈マシンガン。
私が珍しく気圧されている。
このまま成り行きで色々とされるのはちょっとまずい。
「―――あー、まあ。気持ちは受け取っておくけど。
雲雀じゃなくてもっと危ないものってこともあるわよ?
狩人が狩られる話も、よくある」
苦笑して、少しだけ距離を置いた。
これで引くような相手じゃないと思うけど。
「妹紅―――藤原妹紅だ。まあ、なんだ。この度の宴、痛み入ります。
けれど、たぶん貴女より年上になるわよ?」
それも千年クラスで。信用してもらえないかもしれないが割とマジだ。
その気になれば平安のはじめから年代さかのぼって歴史が言える。
あちこち忘れてるから穴だらけだろうけど。
- 757 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/31(水) 03:07:430
>>751
あ―――ネコミミだ。いや、イヌミミかな。
実はボクも、セイファート(銀河)で活躍する場合は、ネコミミが生えて
いるんだよね。そう言う意味じゃ仲間かな。でも犬だから敵かな。
……ま、どうでもいいか。
肝心なのは、彼女が分かり過ぎちゃうまでに分かり易く、年上ってことだ。
「未来の国からボンジュール」でも「停滞した世界からボンソワール」でも
ない―――本当に、誤魔化しができない年上のお姉さん。
あ、でも、なんか見覚えがあるな……。
うちの事務所と関わりがあるヒトと。
あれは、確か―――ど、―――ど―――土下座調教システム?
「え、このシャーリーテンプル? 実は、そんなに上品なカクテルじゃない
けどいいのかい? お姉さんになら、もっと相応しいお酒があるんだけど」
と言って、どこからともなくボトルを取り出す。
「―――はい、芋焼酎『薩摩の藍』。とっても飲みやすいんだよ?」
【女風呂】
- 758 名前:イーヴァ ◆cpOCEg7EVA :2007/01/31(水) 03:09:140
- 「さて、と」
ざばー、とお湯から上がる。
「じゃあ、そろそろ時間だから失礼するね。
それじゃ、おやすみなさい」
といっても、これから仕事だけどー。
服を着たら、脱衣所の外でルークと合流する。
夜明けまで大体二時間。
わたしたちは、その狭間を駆け抜ける……なんてね。
【退場】
- 759 名前:エンジェラン ◆6Jd7VR017. :2007/01/31(水) 03:14:400
- >>744
「もこう…さん」
告げられた名前を反芻してみます。
少し変わった名前ですが、覚えることができました。
そして向けられる笑顔。
「は、はい……
その… よろ…しく……お願いしま…す――」
怖いわけではないのに、何故か言葉が途切れがちに。
それに顔に血が上ってきているのがわかります。
きっと、真っ赤な顔をしているはずです。
わたし、どうかしてしまったのでしょうか?
>>750
ふと、気がつきました。
先ほどからイーヴァさんは、近くにいるどなたかと頻繁に通信を交わしているということに。
わたし以外に聞こえる人はいないでしょうし、
それを立ち聞きするようなつもりもなかったのですが…
おそらく、一緒にこの場には入れない事情があるのでしょう。
通信相手について聞こうとして、わたしは思いとどまりました。
VR-017(002):それではイーヴァさんと連れの方、さようなら EOS
- 760 名前:ミチル=フェアテーゼ ◆MytYLEu83U :2007/01/31(水) 03:15:090
- ボクも立ち位置がわかりませんが…気にしません!
あちらの人が気にしないって言ってますし!
>>752
女の子は、やっぱり少し痛そうだった。
罪悪感がする。ボクのせいで痛みを与えたこともだけど騙してることに。
痛みのほうは少しずつ収まったみたいだ。
「もう大丈夫? 良かった……急にあんなことしちゃだめだよ。
ぼ、ボクはほら。癖になるぐらいで慣れてるから。あははは」
自分の視線に注意して、彼女を見る。
痛みは…ひいてるのかな? だったらいいけど。
そうしていると彼女がこちらを見て、何かを言おうとして……
ざ っ ぱ ん
倒れこんできました。
「うわあぁっ!?」
慌てて抱きとめ……ようとしたけど、お風呂場のこと。
足元にふんばりがきかず、思いっきり倒れこんでしまう。
ごちん。
「あいたごぼぁっ!?」
腰を打った。さらにお湯の中に倒れるボク。
と、とりあえず彼女に怪我がなければいいんだけど、できれば早く……
「ごべぼぼばっ」
どいてほしい。 …って、言ったつもり。
- 761 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/31(水) 03:18:410
>>743(イーヴァちゃん)
「あら、そうでしたの。
―――それなら、何かこちら風の名前を付けて上げたいのですけど、
やっぱり、止めておきますわね。名前だけ西欧風、というのもなんだか
個性があって素敵ですし」
そんなふうに返しつつ、うーん、とイーヴァちゃんを眺めます。
微笑に微笑みで返すしぐさ。この子もやっぱり、女の子ですわね。
こういうときのやりとりをきちんと知っています。
「あら、ありがとう。でも、私もなにかあちら風の名前に憧れる事があるの。
千華留―――だから、お花つながりで、マルグリットだとか、ローザだとか」
>>751(ホロちゃん)
「ええ、わかりました。ホロちゃん………け、けんろう?
よくわかりませんけど、わかりました」
そんな、自分でもよくわからない挨拶を交わしつつ、
「ええ、あちらの方、とても素敵なお飲み物をたくさん用意していらして。
でも、今日はなんだか沈んでいるみたいなの―――あんまりきつく接しないで
くださいね。そう、ウェイターではなく、一人の女の子として扱ってあげて下さい」
>>756(妹紅ちゃん)
「あら、意見の一致が見えましたわね。私、大変うれしく思いますわ」
付け加えるなら、男の子も美しくあるべきだと思うのですけどね。
ひとみなうつくしくあるべし。―――なんて素敵な考え。
「でも、ええ。たしかにくつろぐためには、少しばかり砕けた心持でいることも、
ときには大切だと思います―――ただ、私は基本的に着せ替え大好きですから、
貴女のような素敵な子を見ると、ついつい自分の好きな格好をさせたくなるの。
ギリシア風のローブだとか、男装だとか、意外と貴女には似合いそう」
そういいつつも、傍によって、水面から雪のような髪を掬い、わぁ、と感嘆。
ほんとうに―――ほんとうに綺麗な髪。
私の黒髪にはない、銀色の輝き。月の光を沈めたような、涼しげなひかり。
掬って、束ねて、この子には見えないように、静かに唇に当てて。
それから、水気を切って、結い始めます。
>>758(イーヴァちゃん)
「あら、もう帰られてしまうの? それでは、ごきげんよう」
口に出した声には、わずかに名残惜しげなひびき。
脱衣場へと足を向ける彼女を、ゆっくりと見送ります。
- 762 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/01/31(水) 03:18:440
- >>749 妹紅
「自然の化身である妖精も、もちろんいるわ。
火の精、水の精、氷の精、雪の精、光の精、風の精とか、いろいろ。」
「他にも」と、あたしが引き継ぐ。
「眠りの精、お酒の精、人魚、巨人族、小人の職人、火の鳥、
蜜蜂の精とか花の精とか、世界樹の妖精に、あとキノコの精とか狐の精なんてのも。」
世界には本当にいろんな妖精がいる。
しかも、結構ナンデモアリだったりして。
- 763 名前:エンジェラン ◆6Jd7VR017. :2007/01/31(水) 03:28:030
- >>753
「……はい。 信じましょう」
わたしの手を握り返してきたマリエルの瞳を見つめながら、答えました。
彼女は―――
―――どこか、わたしの妹に似ています。
それに、目を見れば相手がどんな人間なのか
わたしにはわかります。
マリエルの目は、真っ直ぐにわたしを見つめていました。
彼女なら、信じることができます。
>>756
『鏡がないと一人じゃやりづらい』
ふと聞こえてきた妹紅さんの声。
どうやら、髪を持ち上げた体勢で困っている様子です。
「鏡、ですか。
それならわたしが」
杖を一振りし、氷でできた光学反射鏡を一枚生成しました。
本来なら光学兵器から身を守るためのものですが、反射率は充分なはずです。
- 764 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/31(水) 03:28:150
>>754
うわ、千華留ったら何だか本当にテンションが高いや。
確かにこの子はお喋り好きだけど、こうも捲し立てるのは珍しい。
囀り好きの小鳥は、ボクという餌を発見して大喜びなのかな?
なんて悪戯好きなんだろう。まったく千華留らしい。
口元に微笑を称えながらグラスを煽った。炭酸が舌で踊る。
その適度な甘さを口内で転がしながら、ボクは―――
『―――楽しんでいるわけ、ないでしょう!?』
「っ?!」
一息に吐き出した。
お湯に朱が広がり、やがては溶けて消える。
かけ流しで良かった―――って、そんな問題じゃない。
え、千華留―――怒ってる?! 予想だにしていなかった展開だ。
まさか、その一言が千華留の逆鱗に触れるだなんて。
ていうか、千華留に逆鱗があるだなんて!←これが駄目なんだ、これが!
自分の顔が蒼白に変わっていくのが分かる。
しまったな―――胸裏で舌を出す。
少し千華留に甘えすぎていたのかもしれない。
ボクに必死で心配の言葉をかけてくれる彼女に「愉しんでいる」はないよね。
子猫ちゃんを相手には絶対に言わない、相手の気持ちを無視した軽口。
ボクに余裕が無かった? そうじゃない。
「千華留だから」という甘えが、彼女を傷付けたんだ。
ボクは縁から腰を下ろすと、膝をつく。
彼女は童顔の割にたっぱがあるけれど、それでもボクよりは小さい。
こうでもしないと、千華留より下の目線になれなかった。
そして、裸のまま―――頭を下げて「ごめんなさい」をする。
「千華留―――ごめんよ。キミの真摯な気持ちを、ボクは侮辱してしまった」
何だか今日は謝ってばかりいる。
それも全部ボクのせいで。
【女風呂】
- 765 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/31(水) 03:37:160
- >>757
「なんで芋焼酎やねん」
おもわず突っ込んでしまった。
……いや、だってさ。カクテルから何をどうすれば芋焼酎に飛ぶのか。
渋すぎるだろセレクト。まだ混乱してるのかあんた。
>>758
―――あ、もう行くのか。
ちょいと名残惜しいが、また会おう。
「それじゃ、またね」
手を振って、静かに見送った。
>>759
あら照れ屋さん。
こういう初々しい反応はそうそう見られない。
……やー、撫でたいなこういうタイプ。
「こういう人付き合いって初めて?」
そんなことを聞きながら、気づかれぬ程度に彼女を見ていく。
まるで箱入り娘みたいだ。緊張したりどきどきしたりと色々。
「ほら、落ち着いて。せっかくの温泉だし、気を抜きなよ」
軽く背中を撫でて、こっちもゆったりと構えることにする。
―――知らず、こっちも力が入っていたようだ。
まあそれだけ楽しんでいたことの証左でもあるけど。
>>761
「はは、男装か―――まあ、何度かやったことはあるよ。男で通すほうが便利なときもあったし。
でもギリシアのローブだと……ちょっと露出が大きいかな。着流しくらいならするけどね。どっち
でも―――男装も女装も似合う、ってのはいわれてるかな、たぶん」
髪の毛をいじられながら、そんな風に答える。
実際、男で通すほうが旅では便利だ。
女性だと大変なこともある、色々と。
「……まあ、男も似合うなら女装していいとは思うんだけどね。最近いるのよ、
そういう可愛いのがね。いや、昔からいたかな。女装が凄く似合う男とか」
例えばさっきの杏里を振った(?)のとか、今そこ(>>760)でピンチなのとか。
まあ、口に出さぬが華。
「そっちも男装はしたことある?」
そんなことを聞いた後、目を閉じて髪の毛に感覚を向ける。
丁寧に触れられているのが分かる。
綺麗に束ねられ、結い上げられていく心地よい感覚。
普段はこういうことしないのだけど、まあ、うん。たまにはいい。
>>762
「はは、本当に何でもいるなあ……って、火の鳥?」
思わず聞き返す。
まさかここでそんな言葉を聞くとは思わなかった。
この身に宿しているのもフェニックスであるがゆえに。
そうか、不死鳥は単一存在じゃなかったのか―――と変な感慨を抱いた。
- 766 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/01/31(水) 03:37:210
- >>757
うむ、実はあまり上品であるとか下品であるとかは関係ないのじゃがな。
実際、美味なものに上品も下品もなく、美味いものは美味いじゃろ?
わっちが求めるのは味、酸いも甘いもひっ包めて―――平等に頂くんじゃよ。
しかし、相応しい酒があるというのなら、ちと検めてみんこともない。
何、イモジョウチュウとな。聞いたことのない……東方の酒かや?
それはまた、気になる品を出してきよったのう。是非味わってみたい。
では、ほれ。
(コップを手にとって差し出す)
>>758
ん、ではの。
次会うときもまた、お互い息災で居られるとよいな。
その時もう一度、ゆるりと話をしよう。
>>761
ま、分からぬなら分からぬままでよい。
単にホロと呼んでくれればそれで構わぬし、その枕は名前に付けるにはちと仰々しくもある。
そ奴が沈んでおるのは…先刻目の当たりにしておったがの。
しかしそれほど痛手を受けているようにはどうしても見えぬのは、わっちの気のせいじゃろうかな。
どちらにせよ、これくらいの気は利かせてもらわぬと、わっちの立つ瀬がありんせん。
(コップをゆらゆらと揺らしながら)
- 767 名前:名無し客:2007/01/31(水) 03:37:300
- >>760
これは……
いけません……
わたし、バスタオルの彼女を下敷きにしてしまいました。
早く引き上げないと彼女が溺れてしまいます。
慌てて起き上がると、お湯の中に手を差し込んで彼女の姿を探ります。
…ありました。
指先にバスタオルの生地の感触が、確かに。
大急ぎでそれを掴んで引き上げます!
「!?」
どういうことでしょう?
思いきり引き上げたわたしの手の中には、
バスタオルだけがゆらゆらと揺れていました?
中にいた女の子はいったい何処に行ってしまったのでしょうか―――
- 768 名前:エンジェラン ◆6Jd7VR017. :2007/01/31(水) 03:38:190
- >>767はわたしです……
【女湯】
- 769 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/31(水) 03:40:330
>>763(エンジェランさん)
「あら、鏡? これ………不思議な鏡ね。それに、杖を振ったら出てきた?」
凛とした美貌の彼女にふさわしい、鋭い輝きを持った鏡。
す、と指先で触れるた冷さは、氷で出来ている証左。
すると、この子は―――こんなにもしなやかな外見をしているのにも似合わず、
案外、魔女なのかもしれません。
「ありがとう、髪を結わえるときには必要ないですけど、お風呂に一枚あると、
とても便利ですし」
そんなふうにお礼を言います。
>>764(杏里・アンリエットちゃん)
「ああ………」
真っ白い湯気の中に立ち上がる彼女の姿は―――
真っ白い月の明かりを浴びて、本当に真っ白で。
それがなんだか、体温を拒む蝋細工の人形のようで。
痛ましくて―――。
きゅう、と。
体温を与えるように、そっと彼女の体に腕を回して。
「私こそ、本当にごめんなさい。私は本当に、杏里ちゃんに元気になってもらい
たかったんです―――いったいどんな恋を失ったのかわかりませんけど、
今の杏里ちゃん、凄く悲しそうで、うつむいていて―――」
朗らかな杏里ちゃんが―――。
明るくて強い杏里ちゃんが失われるのは、それはとてもとても辛いことで。
誰かが悲しむ姿を否定して、自分の理想像を勝手に押し付けてしまうのは我侭
でしょうか。―――けれどそれは、きっと義務。美しく生まれついた、王子様に
生まれついたものの、悲しいさだめ。
これからもきっと杏里ちゃんは、同じような悲しみに耐えないといけないのです。
だから―――。
「杏里ちゃん」
自分よりわずかに背の高い相手を上目遣いに見上げて。
潤む瞳。杏里ちゃんの瞳もわずかに潤んでいて。
その言葉は、花がほころぶように、そっと唇から零れ落ちました。
「杏里ちゃんが元気になってくれるのなら―――私に、何をしてもいいですよ?」
【温泉】
- 770 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/31(水) 03:41:180
遅れ気味のレス! ごめん。
>>756
「へえ、キミがボクを狩ってしまうのかい? それはそれで、素敵だな。
さしずめハイタカの猛鳥と言ったところかな。凛々しくて、気高くて、
月までだって飛んで行けそうだ。そんなキミになら、狩られるのも悪い気
はしないよ」
すっと回り込んで、肩を並べる。湯気に溶け込んでしまいそうな、白銀の
髪に赤い眼―――病気なのかな、と訝るけど、肌は「異常」と見なすほど白
くはない。そういう人種なんだ、と思えば余計に感動が増す。天性の素質は、
余人に、憧れる暇も妬む余裕すら与えず、ただただ圧倒してくれるんだ。
「実を言うとね―――ボク、一人だけ妖怪の友達がいるんだ。とうかんもり
って田舎町にロケで訪れた時、たまたま知り合ったんだけど……キミは『腐り姫
の伝説』って識っているかな? キミと同じ、赤い妖怪なんだけど……」
永劫回帰の外側で世界を俯瞰する、赤い雪の童女を思い返す。
彼女は、確かに言ったんだ。
「―――『あやつは不老不死だから永遠の15歳』って」
つまり、ボクは彼女に恋をする資格があるってことさ!
【女風呂】
- 771 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/01/31(水) 03:44:430
- >>763 エンジェラン
「ありがとう。」
心からのお礼。
胸いっぱいの、喜びを込めて。
「あたしと、友達になろうよ。
あたしは、エンジェランの友達になりたい。」
友達。
それは、とても素敵なものだと思うから。
- 772 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/31(水) 03:49:160
>>766
上品も下品もなく平等って―――プロレタリアート万歳?
ホロさんは赤い国からやって来たのかな。
今に「ヒトの命も平等に価値がない」だなんて言いそうで、とても怖いよ。
博愛主義ってつまりは虚無主義のことだろう?
全部好きってことは、全部嫌いなんだ。
ああ、怖い怖い―――八岐大蛇みたいに、さっさと眠らせてしまわないと。
と言うことで、じゃんじゃん飲んでー♪ げろげろ吐いてー♪
……あ、吐く場合は外でね?
【女風呂】
- 773 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/01/31(水) 03:53:050
- >>765 妹紅
「うん、いるよ、火の鳥。
フェニックスって名前で、火の迷宮にいるの。」
オーラストーンが好きな、火の鳥。
身体が火で包まれてたりするわけじゃないけど。
- 774 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/31(水) 03:53:350
- >>763
氷がいきなり出てきて、目が点になった。
磨き抜かれた表面は、まごうことなく鏡。
それが、私と背後にいる千華留の姿を見事に映している。
―――うわ、すごい。
思わず見とれる。こんな氷みたこと―――って、その前に。
「ああ、うん。ありがと。―――ひょっとして魔法使いなの?」
まあ色々とすごいところは見てるので、あながち間違いでもないのかもしれない。
少なくとも、普通の人間はこういうことは出来ないだろう。
>>751
―――うん、見てる分には楽しいヨ?
でも当事者になるのはちょっと。
「……まいったな、どうするかなあ」
口説かれている。うん。絶対。
突っぱねるのもアレだしなあ。
>>770
「―――なるほど、外見がそうならそれでいいってことか」
ロックオン確定。千年の隔たりはゼロになった。
いやもー、どうしたものか。
「まあ、鷹とかそういうレベルじゃないかもしれないかね。
何せ私は―――ああ、まあこの話はいいか。どうでもいい」
苦笑する。別に不死鳥がどうとか言っても何も変わるまい。
簡単に出すわけにも行かないし。
「とはいえ、どうも見てる限りじゃ狩りの結果は良くないみたいだけど?
今日は口説くのに星の巡りが悪いんじゃないかしら」
意地悪するつもりはないが、まあこのくらいは反撃させていただきたい。
もちろん、自分が獲物になるつもりはないけれど。
「でもまあ、あきらめないってところは嫌いじゃないよ。お誘いを受けるかは別だけどね」
そこで悪戯っぽく笑って、一歩下がる。
「お姫様が待ってるよ。迎えに行ってきな、王子様。浮気は無しでね」
後は千華留の舞台。
私はまあ、身を引かせてもらおう。
- 775 名前:エンジェラン ◆6Jd7VR017. :2007/01/31(水) 03:53:430
- >>765
妹紅さんはこのような場に慣れているようですね。
わたしもあのように自然に振る舞えるように……
そう、考えていた矢先でした。
『こういう人付き合いって初めて?』
頭の中で思っていたことを聞かれてしまいました。
どういうことなのでしょう?
わたし、こころを読まれてしまったのでしょうか?
「は…い… その、わたし……
外…の世界には、あまり……出た…ことが……」
そう、これまでも、これからも縁なきものだと思っていた外の世界。
妹の、リリンの傍らにさえいられれば、それだけでよかったはずのわたしの世界。
でも、わたしの中でなにかが溶け崩れていくような気がします。
不思議なことに、その感触は決して不快なものではありませんでした。
- 776 名前:ミチル=フェアテーゼ ◆MytYLEu83U :2007/01/31(水) 03:54:210
- >>758
複雑な感じの人が帰るようだ。
あ、挨拶したほうがよかったかな?
それは…今度の機会にしよう。
>>767
ボクは光になった。
ような気がした。
そのときのボクは素早かった。
倒れこんだショックでバスタオルがはがれた瞬間……
ありえない程の反応速度で温泉の中を移動したのだ。
多分、あの瞬間のボクは、ちょっと人間を超えていたような気がする。
……水の抵抗なんてだいっきらいだ……
しかし。
……バスタオル……
ボクはちょっと離れた場所で、自分の身体を抱えてしゃがみこんだ。
・・・ぶくぶくぶく・・・
……どこまでも沈んでしまいたい……
- 777 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/31(水) 03:54:530
>>765(妹紅ちゃん)
「男装。って言っても、どちらかといえば和装みたいなものでしょう?」
相手をゆっくりと眺めながら、心の中に図面を引きます。
細い四肢、綺麗な撫で肩、何でも似合いそうですけど、あまりに細すぎると駄目。
裾飾りだとかは控えめに―――どちらかといえば簡素な着こなしが似合いそうな。
「個人的には、ブリティッシュなファッションが似合うと思うんです、ぴっちりとした
ブラウスとスラックスに、白いクラヴァットを巻いて―――黒いジレを………」
な。
なんだか―――萌えてきました^^;
「男の子の女装は、男っぽいひとがあえて女の子っぽいアイテムを取り入れるのと、
本当に女の子みたいになっちゃうのと、二つありますけど―――うーん、まあ、
どっちも素敵だと思いますよ? 中性的なのって、なんだか素敵ですものね」
最後の問いに対しては、わずかに思案し、
「ちょっと少ないですわね。お友達と『ポーの一族』ごっこをしたときにも、
私はお母様役でしたし」
次はトーマごっこでしょうか。
それなら、私がオスカーをやるのは決定ですわね。
>>766(ホロちゃん)
「それじゃあ、ホロちゃん、で構いませんわね」
いかにもきっぷがよいお姉さま、という印象を醸している彼女は、やっぱりフランクな
呼び方が似合うと思うのです。ですから、何かあだ名のひとつでも用意できれば良かった
と思うのですけど―――「ホロ」って、これいじょうどう約めればいいのでしょう?
そんなことを思いつつ。
「ええ、きっと気のせいですわよ。恋多き人は恋が終わるたびに深い傷を負って、けれど
恋の炎の熱さが忘れられずに、再び新しい恋に落ちるのですわ。
いわば彼女は、とどまることを知らない永遠のエトランジェ。
ゆっくりと見守って差し上げましょう―――」
【女湯】
- 778 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/31(水) 03:59:480
- >>773
「いるのか―――はは、妙な縁だね。私も、」
腕を軽く上げて、寝ているところを軽く起こしてやる。
―――少し出番だ、挨拶しときな。
概念はかくして蓋然とした幻想になり、幻像は現実に結ばれる。
想像の生命となって。
ばさり、と炎をまとった羽が舞う。
伸ばした手の先には、全身を炎で包む、文字通りの火の鳥。
「こういうのが憑いててね。まあ、色々と助けてくれる」
巨大な猛禽のごとき火の鳥が、突然現れる。
文字通り、目の醒めるような話だった。
- 779 名前:エンジェラン ◆6Jd7VR017. :2007/01/31(水) 04:05:190
- >>769
先ほどから嬉しそうに衣服について話をしていた少女が
わたしにお礼を言ってくれました。
たしかに、お風呂に鏡があると便利ですね。
握手に続いてまた一つ、学ぶことができました。
そして、勇気を出して聞いてみました。
「あの…
お洋服の着せ替えというのは、そんなに楽しいものなのでしょうか?」
いつも同じ服を来ているわたしにとって、
彼女の話は新鮮で興味深いものでした。
>>771
「とも…だち?」
耳慣れない響きに、一瞬戸惑いました。
ともだち。 トモダチ。 友達。
何度か反芻しているうちに、その言葉を思い出しました。
友達。 それはこれまでのわたしにはなかったものでした。
ゆえに、言葉の意味を忘れていました。
「ありがとう、マリエル。
わたしでよければ、よろこんで―――」
- 780 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/01/31(水) 04:11:190
- >>774
ふむ、なるほど。
妹紅もちと困っておるようじゃな……。
よし、ならば。
>>772
おうおう、東方ではこういう時―――
「オオットットットー」
じゃったかのう。ほれほれ、もっともっと、容器に溢れるほど、入れてくりゃれ。
それじゃ、頂くとしようかの……んくっ、んくっ。
……うむ、美味いのう。無色透明なのに、なんと深い味わいか。
これならば、何倍でもいけそうじゃの。ほれほれ、もう一杯。オオットットットー。
ほれ、更にもう一杯じゃ―――どうした、注ぐペースが落ちておるぞ? それそれ。
>>777
ふむ、まあ、過去に拘らぬのは確かに悪い傾向ではないかも知れぬの。
失恋もいつまでも引き摺っておっては、何も先へは進まぬからな。
しかし――修復の時間がいかにも短い輩も、それはそれで困り者じゃな。
ゆえに、ちっとばかし……わっちがその時間を引き伸ばして見せようか。ふふ。
- 781 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/31(水) 04:12:510
……しまったなぁ
またしても失点。こんな重く謝るべきじゃなかった。
責任を認める―――潔い決断も、視点を変えれば「責任を背負う」と読める。
ボクにプレッシャーを与えてしまったことで、千華留が悔恨を覚えるなんて
当然の成り行きだ。彼女からの怒りを誤魔化したいがあまり―――ボクはまっ
たく、足下が浮ついていた。自分を可愛がるあまり、千華留を蔑ろにしている。
これじゃ、駄目だ。こんなんじゃ、千華留を追い詰める一方だ。
―――駄目だよ、千華留。そんなに必死になるなんて、キミらしくない
ボクもきっと、余裕がないんだろう。
「らしい」……なんてエゴを押し通す言いぐさ、ボク「らしく」ない。
千華留は在るべきままに千華留で在るべきなんだ。
だから、今の千華留をボクは受け入れなくてはならない。
なのに、こうも取り乱してしまうなんて―――
「千華留……キミは凄いよ」
『ボクがするんじゃない。キミが為すまで待つよ』
『キミは、ボクに何もしてくれないの?』
頭を過ぎる正しい解答は、そのまま忘却の海へと投げ捨てられた。
ボクはボクという枷(ルール)を外してでも、千華留を守る。
「キミは王子さまを追い詰めた、竜の子孫だ。ボクはこのままだと、無惨にも
敗れてしまう。それはとても怖ろしく屈辱的で……甘美な誘いだ。キミに敗れ
るなんて、死に様としてはあまりに出来すぎているからね。でも、ボクはキミ
の言う通り王子だから―――叛逆するよ。抵抗するよ。足掻き続けるよ」
顎に指をかけて/それは銃座に銃身を据える行為。
唇を/引鉄に。
「願わくば、この刃が―――キミの心の臓を抉ることを祈って」
彼女の意思に沿って、ではなく。
彼女の言葉通り―――ボクのしたいように、唇を求めた。
つまりはボクの負けと言うことだ。
【女風呂】
- 782 名前:エンジェラン ◆6Jd7VR017. :2007/01/31(水) 04:14:330
- >>774
「―――これは魔法ではありません。
わたしとわたしの力の本質は、むしろその対極に位置します。
このことについて説明いたしますと……
[以下、超技術の初歩から応用、そして変遷に到る迄の長い長い論説]
……と、このようにこの杖のクリスタルが
わたしの意志を具象化させてます。
そして、わたしも本質はかつてそうであっても、今は人ならざる身なのです―――」
……つい、わたしの力のことから身の上についてまで話してしまいました。
話が長くなり過ぎてしまったかもしれませんね。
- 783 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/31(水) 04:15:180
- >>775
……わ、思ったより難儀な生き方してるっぽいなあ。
外を出たことがない、か。
「―――私も、昔はあまり外に出たことがなくてね。色々理由はあるが、まあ今は違う。
外に出たときに色々と無くしたものはあるけど、それ以上に得たものも多い。だから、
そうだね、なんでも興味を持っていくといい。そこで得たものは、きっと無駄にならない。
そっちの事情は分からないけど、せっかく出てきたんだ、楽しむのが一番だよ」
共感したとか、そういうわけではないけれど。
でもまあ、うん。彼女はそうしてみるのがいいと思う。
きっと、得たものは大切な宝となるのだから。
生まれて生きていく以上、楽しくなきゃ損だしね。
>>777
……あ、なんか想像してる。
おーい、手が止まってるぞー。
「まあ和装も多いけど、他にも色々と着てみたよ。これでも流行は追っててね。
……で、何を想像したか分からないけど、そんなに似合ってる?」
苦笑して、ようやく結い終わったと思しき頭を撫でた。
重心が上に上がったような、不思議な感覚。
「ありがとね」
もちろん、笑顔で礼を言った。
「少ない、か。でもやったことはあるみたいだね。結構似合いそうだし。
劇の練習かなにか?」
>>776
―――ああ、少年が往く。
この一瞬でどうやってあそこまで逃げたのか不思議でならない。
というかバスタオルがなくなってるぞ。色々とピンチだ。早く逃げろ。
- 784 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/31(水) 04:20:340
>>779(エンジェランちゃん)
「ええ、とっても素敵で、楽しくて、可愛いですわよ!
たとえば辛いことや悲しいことがあったとき、洋服を着替えたり髪型を変えたりすれば、
ちょっと別の自分になったみたいで、悲しみを置いていくことが出来るんです。
着せかえって、ほんとうに良いことなんですよ。
あ、貴女のお洋服、そのうち作って差し上げましょうか?」
そんなふうに言って、メジャーを持ってくればよかったかしら、と反省。
いっそ、この場にいるみんなを誘って、ファッションショーでも………
なんて、だめだめ。そんなに時間をあっさりと無為にしては。
>>780(ホロちゃん)
「うーん、あの子が過去にこだわっていないわけでは、ないと思うんですよね。
杏里ちゃんにとっても、過去の傷は人並みにつらく、痛々しいもの。けれども新しい
恋が―――彼女の心に、少しの間だけ麻酔をかけてくれるんです。勿論、麻酔が
切れたときは、過去の傷は容赦なくあの子を襲いますし―――それでもあの子は、
たぶん、恋を求めると思うの」
そんなふうに、ついつい語ってしまう私。
乙女の心にとって恋の話題というものは、なにか抜き差しならない引力を持っているの。
ああ、われながら安易―――。
「何をするかわかりませんけど、あんまり悲しい傷は残さないでね?」
そんなふうにたしなめつつ。
- 785 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/01/31(水) 04:22:240
- >>782
―――あー、えーと。
まさかコンバートがどうのディスクがどうの物質化がどうのドリキャスが云々とか。
そんな話に発展するとは思わなかった。
というか、専門知識ないから。こっち。
「……高度に洗練された科学は魔法に似ている、って言葉をひしひしと感じるわ」
外の世界の文明はすごい。
なんか間違ってるかもしれないけど。
―――さて、そろそろ静けさを楽しんでくるか。
「それじゃ、とりあえず向こうに移るか。そろそろ静かなのが恋しくなってきた」
騒ぎに騒いで楽しんだ後は、本来の湯治を終わらせてこよう。
「それじゃあみんな、お疲れ様。またね」
【退場】
- 786 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/31(水) 04:22:290
>>774
二兎追う者は一途になれず。……はボクの場合、当て嵌まらないから、この
場合は単純に、胸に溜まる澱みが想いを曇らせてしまったのかな。
何だか、他の子と違って「手応えなし」という感じじゃない。
ただ、今の半端なボクでは駄目だ、と―――来るなら、全力で。そうリクエ
ストしているように解釈しちゃうのは、ボクの勝手だろうか。
もしかして、ボクのこと好きなのかも。
少なくとも、好きになってくれる可能性はありそうだ。
ならばボクはボクの欲するままに動くのみだ。
次こそは必ず……!
というか、千華留……あの聖女様もそうだったけど、今日のボク、絶対に翻弄
され放しだよね。ボクは翻弄する側に立っているはずなのに―――そんな愚痴を
他所様のレスに混ぜてしまうぐらい、ボクってば戸惑っているんだね。
はぁ……。
【女風呂】
- 787 名前:エンジェラン ◆6Jd7VR017. :2007/01/31(水) 04:24:370
- >>776
そういえばバスタオルの彼女は何処へ消えてしまったのでしょう?
あれからお湯の中を何度も探しましたが、
何処にも姿が見当たりません。
もし溺れていたのなら、一刻も早く助け出さないと命に関わります。
――仕方ありません。
あまり無闇に力を使うべきではありませんが、
人の命には代えられません。
再び杖を掲げ、意識を集中。
電界から喚び出すのは索敵能力に秀でた「慈愛の竜」
でも、今回の目標は敵ではなく、姿を消してしまったバスタオルの主です。
巨大なとぐろを巻いて現界に具象化した氷竜は、
少女の姿を求めて空に舞い上がりました。
その鼻先に、少女が纏っていたバスタオルをくわえて。
- 788 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/31(水) 04:31:100
>>>780
わ。随分とお酒、強いんだね? ストレートで、こうもハイペースにいける
だなんて―――本当に、吶喊万歳の国のヒトじゃないのかい?
凄いよ、このペースは! あ……ボトルが切れちゃった。
じゃあ、次はスコッチなんてどうかな?
マッカランを愉しんでおくれよ。(アルコールは倍以上だ……!)
飲んで飲んで〜♪
吐くまで飲んで〜♪
【女風呂】
- 789 名前:ミチル=フェアテーゼ ◆MytYLEu83U :2007/01/31(水) 04:34:090
- >>783
…少年じゃないですよ?
だから今更何を考えてるんだろう、ボクは。
……温泉から出て脱衣所までの距離が……
地球と月より遠いんですよぅ……
>>785
なので、もしも貴女が気付いて…いてもいなくてもタオル持ってきてもらえると…
ああっ、行っちゃったっ!
>>787
どうしたものか…と考えていると。
とんでもないものが目に飛び込んできた。
そのときのボクは、やらなきゃいけないことも、
やってはいけないことも、何もかも忘れてポカンとしていた。
とっても間抜けな顔をさらしていたと思う。
ボクの決して多いわけではない知識から検索すると、あの姿は竜と呼ばれるものだ。
それが、空を舞っている。
タオルをくわえて。
……はっ。
一瞬、何が起こったのかと思ったけれど、それより何より大事なことがある。
そう、タオルだ。
ボクは、身体をお湯に沈めたまま、手をぶんぶんと振る。
……あ、あれ、気付いてくれるのかな? そういうものなのかな?
はっきり言ってなんだかわからないけれど、とにかくあのタオルをもらえないと、
ボクはずーっとこの中に閉じ込められることになってしまう。
こ、こっちこっちー。
- 790 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/31(水) 04:34:550
>>781(杏里ちゃん)
―――蝋細工のかんばせ。
そんな言葉が思い浮かびます。
長い長い睫毛は切れ長の瞳に黒い翳りをわずかに落とし、あまやかに
浮き上がる長く細い鼻梁は、とても中性的な魅力を湛えていて。
それらを裏切って真っ黒な、ショートレイヤーの髪の毛。
異邦の王子様のような、美しい髪の毛。
ばら色のくちびる。
求めるような。拒むような。罰するような。甘えるような―――。
さわると溶けてしまいそうな、雪のようなくちびる。愛を受けて爛れてしまう、
チョコレートのくちびる。甘い甘い、蜜のような喜びを湛えて綻び―――。
(あ)
それは―――。
それは、ちょっとした出来心なんだと思います。
いつもはおちゃらけた杏里ちゃんの真剣な表情。
とても切実な美しさ。なにかを与えないと崩れ落ちてしまう、はかない美しさ。
あんまりにも。
あんまりにも、綺麗だったから。
(あ………あら?)
おとがいに添える細い指をすり抜けて。
私から首を伸ばし。
彼女のくちびるに。
小鳥がついばむような、ささやかなキスを―――。
【女湯じゃなかったらどこだと言うのでしょう?】
- 791 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/31(水) 04:37:500
>>785(藤原妹紅ちゃん)
「あら、もう帰られるのね、それではごきげんよう」
また、いつかのどこかで会えることを祈りつつ、ささやかな別れを。
- 792 名前:エンジェラン ◆6Jd7VR017. :2007/01/31(水) 04:42:430
- >>783
「――楽しむ、ですか?」
それは、思いもしなかった考え方。
わたしにとって、生とは重い荷を背負って頂上の見えない山を登り続ける。
そんなものだと思っていました。
そんなわたしにとって、生を楽しむという妹紅さんの考え方は
衝撃的であり、そして羨ましくも思えました。
でも、彼女の言うことも少しは理解できます。
生の間に得たものは大切な宝となる。
それはたしかなことだから――――
>>784
「わたしの……服?」
今日はなんと驚くことの多い日でしょう。
お父さまからいただいた服と髪型を変えてみるなどということは
考えてもみませんでした。
よく服装を変える妹でさえ、髪型は変えたことはないというのに。
しかも彼女は、わたしの服を作ろうと申し出さえしてくれました。
これを断るわけにはいかないのでしょうね。
「では、お願いいたしますね。
ところで、わたしはどのような服を着ればよいのでしょうか?」
いつもと違う服を着たことがないわたしには、
着せ替えと言われてもどのような服を着ればいいのか見当がつきません。
ですので、例によって話の主に聞いてみました。
- 793 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/01/31(水) 04:50:240
- >>784
ふふ、何とも因果なものよ。
失うと分かっていながら、傷つくと分かっていながら、それでも猶求めるか。
まあ、そこらはわっちもあまり、他人の事は言えたクチではないがの。
とまれ、そんな顔をするでない。
わっちはこういう時に悪戯をするのが好きなのじゃ。
そう、あくまで悪戯、本気で心に傷を付けたりはせぬよ。
ただちっとだけ、辱めを受けることにはなるやも知れぬがな?
>>785
おう、またの。
ふふ、流石に年の功、わっちの助けが入るまでもなく、巧く間を外したか。
余計な助け舟、じゃったかのう。
しかし、まあ良いわ。
少なくともわっちは、もう少し楽しめそうじゃしな。
>>788
吶喊万歳が何のことかは分からぬが、酒は大の好物ゆえな。
もっともっと、いけるぞよ?
しかし、こうもわっちばかりが貰ってばかりと言うのも、また勿体無い。
ほれどうじゃ、ぬしも一献、言ってみぬか?
それ、オーットットットー。溢れんばかりに並々と。
ささ、ぐいっとぐいっと。
ぬしの良いとこ見てみたい〜♪
- 794 名前:エンジェラン ◆6Jd7VR017. :2007/01/31(水) 04:51:500
- >>789
天空を駆ける氷の竜。
一度地上に群れる影たちを睥睨し、一睨みで求めるべき標的を見定め。
うねくる巨体は上空より、氷の結晶を纏いながら
一直線にバスタオルの持ち主の元へと舞い降りて。
その頭上でくわえていたバスタオルを離すと、
再び舞い上がって虚空へと消えていきました。
ぴ ゅ る る る る
でも、意地悪な北風がバスタオルを湯船の反対側に
運んでいくことまでは計算外だったようです。
- 795 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/31(水) 05:03:050
>>790
銃弾(バレット)は不発のまま、ボクのターンは終わりを迎えた
彼女の息遣いは定型詩(ソネット)のように規則正しい。
唇の感触は例えるなら、トースト前のブレッドだ。
程よく沈み、程よく弾力がある。だっていうのに、ボクの胸裏に突き抜ける
驚愕の刃は、バヨネット顔負けに鋭いんだ。
眼を見開いて、小鳥の主を観察する。
その微笑ははにかんでいるように見えて/ボクを更に深い闇へと誘う、蠱惑
の産物のようにも思えた。―――貴族主義のボクは、ノブレスオブリージュの
精神を自分の都合のいいようにしか考えられない。
この場合、彼女は二度目のキスを求めているんだと解釈して、レディを待た
せるのは万死に値すると、勝手に自分を奮い立たせるんだ。
つまり、後者を―――蠱惑を、ボクは選んだわけだ。
瞼を下ろした。だってボクは眼を閉じる主義だから。
「……切りがないね、千華留」
照れ隠しに笑ってみせて。全身から迸る緊張の発汗は、湿度のせいだと誤魔
化して、ボクは言葉で自分を取り繕う。
「ほら―――気付けば、他に誰もいない」
帰ろう。ようやく、その言葉を紡げた。
【女風呂】
- 796 名前:ミチル=フェアテーゼ ◆MytYLEu83U :2007/01/31(水) 05:04:180
- >>794
き、気付いてもらえた?
空を舞う竜が、こっちに向かって降りてきた。
原理は…よくわからないけど、とにかくそれは後だ。
今、大事なのは、とにかく身体を隠すものっ。
そうしたらばっと仕事を済ませるっ、そして帰るんだ、ボクはっ!
竜に手が届くまで、あと1メートル。
30センチ。
15センチ。
ぴ ゅ る る る る
20メートル。
意地悪だぁ!?
思わず何かに対して抗議の声を…心の中であげる。
タオルがあっちに飛んでいってしまったようだ。
北風は意地悪だ。
い、いや、でも大丈夫だ。湯船の中だ。
湯船の中を行けば、あそこまで行ける…っ。
湯船の中を行けば、まわりもあんまり見えない…っ。
意を決して…というか、もういっぱいいっぱいなので、ボクは湯船を横断することにした。
ざぶざぶざぶざぶ・・・。
…そういえば、さっきの子、怪我とかしなかったかな?
- 797 名前:エンジェラン ◆6Jd7VR017. :2007/01/31(水) 05:05:130
- それでは、わたしもそろそろお暇いたしましょう。
今日はいろいろと実り多き日となりました。
この場所で得て、学んだことは、わたしの生にとって価値のあるものとなるでしょう。
さあ――
帰ったらまずは、リリンの手を握って握手をするところから始めましょうか―――
[退場]
- 798 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/31(水) 05:13:270
>>793
あ―――駄目だよ、ボク、今日は体調が悪いから。
それに、スコッチのストレートを溢れるばかりにって、急性アルコール中毒
で死んじゃうよ! あなたは不死身かい?!
で、でも……コールをされると弱いんだ―――。
水割りで良いなら……一杯だけだよ?
♪あ、ちょい あ、ちょい あ、ちょい残し―――っと。
……って駄目だよ!
ここは一応、よい子のみんなが観ている板なんだから。
もう朝を迎えてしまったし、ホロさんもそろそろ帰ろう。
ね?
【女風呂】
- 799 名前:ミチル=フェアテーゼ ◆MytYLEu83U :2007/01/31(水) 05:13:570
- あ、あと5メートル…
3メートル…
1メートル…
30センチ…
と、到着っ!!
や、やったぁぁぁ……
…どうやら、この辺りではおかしなこともないみたいだし…任務も完了でいいよね?
急いで再びタオルを巻きつけると、ボクはそぉ〜……っと撤収するのだった。
疲れた……ものっすごく……疲れたぁぁぁ……
帰ったら報告して、整備して……うぅ、休まらないなぁ。
……あと、あの子、今度会えたらちゃんと謝らないとな。
それから、あの人には事情を説明しちゃったほうがいいかなぁ……
なんてことを考えながら、ボクはこっそりダッシュで帰途につくのだった。
【退場】
- 800 名前:賢狼ホロ ◆1wqJqHoro. :2007/01/31(水) 05:24:130
- >>798
♪ほれ、呑んで呑んで呑んで―――
って、駄目かや。なんじゃつまらん。
わっちのおる所では、ぬしくらいの年齢は立派に成人じゃぞ?
酒ももっと歳の低い子供が飲むくらいじゃ。
何、此処は温泉、口付けと同程度には無礼講でも―――
ふふ、まあ、良いか。
今日の主役はぬしじゃ、ここはぬしの言うとおりに従うとしんす。
確かにもう夜も明けた、宴もそろそろ終いじゃな。
では、ここらが潮時、わっちはもう帰りんす。
またな、皆の衆。
【以上、貸切女風呂から、賢狼ホロがお送りした】
- 801 名前:源千華留 ◆.0ULULimIo :2007/01/31(水) 05:29:580
(レス、遅れてしまって申し訳ありませんわ!)
>>792(エンジェランさん)
「ええ、洋服も髪型も。私はほとんど髪はいじらないのですけど、それでもアップに
することは多いですし―――洋服に関しては、制服を着る場合でも時々、
着回しを変えたりしますわね。―――とにかく、そのあたりは好きにしていいんですよ。
貴女がなりたい貴女になって、構わないんです―――」
どのような洋服がいいか、との質問に対し、わずかに悩みこむ私。
うーん、この子はスタイルもいいし、何を着せても似合いそうですけれども。
「そうね、貴女は体も綺麗ですし、本当に豪奢なロカイユ調のファッションでもいいのでは
ないかしら。たくさんレースを付けて、飾り襟を立てて………きっと、皇女様に見えますわ」
>>793(ホロちゃん)
「まあ、それなら構わないのですけど―――」
相手の発言に対し、ふう、と嘆息。
あれであの子もナイーブですものね。
あまりひどいことをされないといいのですけど。
>>795(杏里ちゃん)
恋は―――。
恋は魔物。
華やかなだけではなく、時に暗く、人を引きずりこむ底なしの魅力を湛えている。
それは―――判っていたことですけど。
判っていたことですけど―――その冷たさに、今日はじめて触れた気がしました。
「ええ、それではもう―――」
許しを求めていたのか。
許しを与えたかったのか―――。
満ち足りたような、錯綜したような―――どこかよくわからない心持のまま、私たちは
帰途に着きました。
【退場】
- 802 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/01/31(水) 05:41:520
「^ー^」<自分のやりたいことを、やれたはずなのに。
「■ー■」<こうも全てが調子よく進んでしまうと、
「*^ー゜」<とても後ろめたいのは何故かしらね?
お喋り好きの三姉妹を雑巾で拭くと、衝立の守りはたちまち輝きを失い、
無機物へと還った。全部ボクの腹話術だったけど―――こうして終わりを
迎えてみると、たまらなく寂しい。
トラックを呼んで、特設の備品を回収してもらう。
自然の産物に戻る時が来たんだ。
ブロンテ姉妹「だったもの」も、引き取って貰った。
「うーん……明日から、どんな顔をして演劇部に顔を出そう」
畏れつつも、取りあえず、
今夜この時は―――
ドスッ
∧∧ ミ
( ) _n_
/ つ 終了|
〜′ /′ || ̄
∪∪ ||_ε3
゛゛゛゛
※杏里・アンリエット、お疲れ様! 自分にお疲れ様!
- 803 名前:マリエル=ウッドワース ◆M.Wb6zP586 :2007/01/31(水) 10:09:370
- ごめんなさい、また寝てしまいました。
最近変だね、あたし。 すぐ眠くなっちゃうの。
これからは、自分の体調と相談しなきゃね。
妹紅も、エンジェランも、本当に、ごめんなさい。
あぁ、寒い、早く帰ろう。
(退場)
- 804 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/31(水) 18:52:350
壁は漆喰、障子は薄紙。総畳張りの足元と、千里を望む三階の景観。
少し目を移せば、名物の温泉も壮観だ。
見下ろす冬の夜――。
ただしBGMがポジパンで、色々と壮絶に似合ってない旅館の夕べ(と言うには少し遅い)だった。
BGVにメガデスのブートを流しながら、フィールズ・オブ・ネフィリムの”ネフィリム”がマウントされたプレイヤーが歌い
上げている。少し前まではビックス・バイダーベックの”リアル・ジャズ・ミー・ブルース”か何かだったと思うけど、セシル
がCDを仕舞いこんだ今となっては解らない。ルイ・アームストロングはともかくバイダーベックは評価できる、というセシ
ルの理屈も解り難いので、終わって早々に今のCDをセットしたところ、今度はセシルが微塵も解ろうとしなかった。
ヤだね。理解者居ないって。
でもそんなものだ。エンリオ・モリコーネとジム・モリスンとモーターヘッドがイギリスの四つ辻でハチ会わせした音、と
説明しても、モーターヘッドが雑音でジム・モリスンが単に根暗で聴く価値のないヴォーカリストだと思っているセシル
にとっては無意味でしかない。
紆余曲折に経過あって互いに無言極まり、俺が三十五冊目の「ジョジョの奇妙な冒険」、セシルが二十冊目のハード
カバーに手を伸ばしたところで、その空気を断つように入り口の襖が開いた。
中学生くらいの女の子がいた。いや実際、中学生だった筈だ。確か――。
「あの……」
「ん、あ。慧壬さん。……どうしたの?」
泊まってる旅館の、俺達がここに来る理由になった旅館の、一人娘の。
ギリギリで名前思い出せた。
お茶を載せた盆を前に、両膝ついて一歩引き気味に佇んでる辺り、流石に旅館の一員だ。
「え、と、その、お茶を、と思って……父から、これを」
「茶菓子は……あー、いいよ。あるし。そこまで世話掛けちゃ悪いし」
「あの、ええと、でも、虎屋の――」
「え、虎屋。うん、ごめん貰う」
「ふふ……。好きだ、って言ってました、よね。あ、ごめんなさい。それじゃ、私、これで。ゆっくり――その、ゆっくりして
いってください」
「ん。ありがと」
丁度停止するプレイヤー。そこで彼女は俺の背後に視線を向けて、
「あ、妹さんも、その、ごゆっくり」
閉じる襖。
「……」俺。
「……妹」セシル。
睨まれてる。
睨まれてる睨まれてる。
物凄い勢いで睨まれてる。
「……その、いや、珍しいこともあるもんだな、国籍違うのになあ、俺達」
「”義理の兄妹です"か――"腹違いの兄妹です"とでも言えば、初対面の人間も、そう思うかもしれないな」
「そ、そうかもなあ」
「……」
「い、いや! 仕方なかったんだって! 巧い関係思い付かなかったし! 俺とお前、同じ部屋だぞ!?」
「……まあ、そうかもな」
「そ、そうそう」
「可愛い娘だな」
「まあ、そうかなあ」
「日本であの年齢の少女に手を出すのは犯罪だと思っていたが」
「出してませんよ!?」
「エミ、とか呼ばれていたな。お前の携帯のブックマーク、これだな。上泉慧壬、○○○-△△△△△△-……」
「携帯――、俺のプライバシーは!?」
「その前に言うことはないのか?」
「……いや、だから俺は頼んだんじゃなくて、登録してって言われてだな……つーかお前は俺が中学生に手を出すよう
なヤツに見えんのか……?」
- 805 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/31(水) 18:57:220
- >>804
益体のない想像をする。
地表の果てまで真っ白な空間。どこが中心かも解らない空間の、だけどその中心に、俺が一人で立っている。空も床
も果てまでも真っ白なせいで、そこは空と大地が区別できず、壁と道の区別もつかない。きっとそこは、白い服を着て自
分を無くしてしまうための場所だった。作ったのはイカれたナチか一重のバカか絶対神で、俺はどこかの実験室か落と
し穴か死の谷の麓から、脈絡もなく迷い込んでしまったという訳だ。
何か象徴的なようでいて、そのくせ何の意味も持っていない、寂寞とした虚無。
その空間で――果ての知れない白い伽藍で、その中心に佇む俺に、無数の鎖が絡み付く。無色の、白い世界に溶け
込む為に透明な、どこかの果てから伸びてきた、手首よりも太い鎖――すぐ足元から生えている、紐にも等しい脆い鎖。
その数は甚大で、数えることは、きっと、世界中の誰にも、どんな高性能のワークステーションにもできない。
首を巻き、手足を縛り、身体を一重二重に拘束する、シダの原生林のような――鎖の密林。
大半は弱い鎖だ。歩みに捩れて千切れる鎖――足を踏み出すだけで、容易く衝撃に千切れて消える。太い鎖――切
れるどころか俺を繋ぎ止める。じゃらじゃらと轟音を立てながら、一歩を踏み出すことさえ、時として拘束する。
小さい頃は、その大半が巨大な鎖だったように思う。巨大なだけで、絡み付いてくる数は極端に少なかった――弱い
鎖を、切らないようにと考慮していた。
今を思う。
小さな鎖は歩く度に絡みつき、絡む傍から千切れて落ちる。捩れる遑も与えず、歩みは鎖を引き千切る。太い鎖だけ
が抵抗に抗う。時として俺を縛り、時として轟音を立てて千切れ飛び、また新しく絡みつく。まったく別の、それでもそれ
と同じくらい太い鎖が。
意識したのは最近だ。――だから、この想像は聊か不適切だ。昔は、これが泉だった――どこまでも白い砂漠を歩く
俺と、点在するオアシスのような、無数の泉。或いは、無限を謳う落下の光景――目を閉じれば、ただただ無限の深遠
への落下――滑落の視界を過ぎる、無数の、地球上に存在しないはずのケモノたち。
その、どの想像よりも、その鎖は強いイメージで身体を縛り付けた。
虚無の白と、無色の鎖。
その鉄鎖。
それが本当は無色でないことに気付いたのは、いつだったろう。
確かそれは、ミスタードーナツでナイン・インチ・ネイルズの”フラジャイル”かなんかを聴きながら、うまくもマズくもな
いアイスコーヒーを啜っている時だったと思う。それなりにセンスよく据え付けられたテレビに(”それなりに”ってのは、
ミスドにテレビ、というのがそもそも異質だったからだ)自衛隊のイラク撤退を知らせるニュースが踊っていて、その前
の席に座る家族連れは、ミッキーマウスの風船を椅子に縛り付けたまま「トイザラス」で何を買うか相談していた。ひど
く場違いな、トレンチコートマフィアが市民運動会に紛れ込んでしまったような気分で、ドーナツを齧る。化石のような音
楽(つまり、ビーチ・ボーイズだったり、ダイアー・ストレイツだったり)と現ヒットチャートの十位以内を平然とリンクさせる
有線のセンスに奇妙さを憶えながら、ピンク色のフレンチクルーラーとチョコレートの掛かった幾つか、それにゴマを振
り掛けたポン・デ・リングなんかを指で突付いていた――そのとき、スリップノットの"ピープル・オブ・シット"が着信を知
らせ、その相手がセシルであることを確認し――、そして、その途端。
- 806 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/31(水) 18:59:540
- >>805
不意に気付いた。
じゃらり、と響く鎖の音。
座っていた安イスを中心に、世界は虚無の白一色へ――人もその他も消失し、残るは俺と安物のイス一つ――全身
を覆う鎖のイメージ。絡み付く、無色の鉄鎖。
途端、手首に朱が巻いた。――左手に青が絡み、指と指の間に黄が走る。
鎖の先を目で追う――地平の果てから伸びる赤い鉄鎖。四方を埋める巨大な鎖の群。
網膜を猛打する色の波濤。
手首に絡む赤い鎖が、腰を巻く青い鎖が、首を覆う白く太い鎖が――無色の全てが可視化し、混色する。
果てまで白い虚無が、果てから伸びる鎖にトリミングされていく。
白いカンバスを無限に割く、巨大に過ぎる無数の情報(いろ)。乱反射する視界。狂うような色彩。
嘆くように歌うトレント・レズナー。
ミスドは狂乱の相。
セシルにその日の予定を聞きながら、周囲から伸びている無数の鎖を眺め回す。
レジのあった辺りから伸びる、細いピンクの鎖――テレビのあった辺りから伸びる脆そうな緑の鎖。ちょっと――、どこ
ろでなくかなりサイケの色使いは、”フラジャイル”よりはギャバかゴアテクノなデス渋谷。セルフサービスにトレイを片付
け、店内を外へ。ピンクの鎖がバチンと弾け、緑の鎖が砕けて落ちる――途端、別の色がその空間を、俺を繋ぎ止めて
いた二色の空白に流れ込む。
パレードの開幕を告げる喇叭のように、バウハウスの”イン・ザ・フラット・フィールド”が呪詛めいた響きを鳴らしていた。
ブードゥー・パレードだ、と俺は思った。カテドラルの、”デカダンス”の、”ライド”。爆笑したくなった。狂色の中、込み上げ
る衝動をかき抱いていたくなかった――ふと、気付く。赤い鎖に繋がれた右手の異様――人のそれを二周り以上巨大化
させた、黒い鉤爪。振り薙げば、周囲の鎖を根こそぎ千切れそうな巨大な刃。原色の密林で、妄想が混濁する。いつの
間にか『傲慢』と掘り込まれた右腕を覗き込みながら、渦を巻いて収縮していく色の狂宴の最中に佇む。
握ったままだった電話が鳴り響く――セシルの声がする。「――早く帰れ」
色の崩壊が止む。
見回す光景はミスド前。白色の虚無でも鎖地獄でもない。
不意に、想像する。想定――妄想か。
襖の奥へ――。
さっき慧壬ちゃんに開けられた時、不意に生まれた藍色の鎖が、手首に絡みついている。
人差し指で手首に触れる――セシルの視線が、手首と、人差し指に落ちていた。
「どうした?」
「いいや」
と、セシルは言う。それきり何も言わなかった。だから、俺も答えなかった――それでも、どうしてだか、俺はセシルが
手首に触れた理由を理解している気がした。当たり前に妄想。とはいえ、話せば理解するんじゃないか、と、漠然と俺は
思う。
「昨日、温泉でなんかあったみたいだぜ」
「何か? ……何かあっても困ると思うが、何がだ」
「……パレード?」
「……心底解らんな」
「その感想は、解る」
自分の行動に理由を持てない人間だ、と言われたことがある。あまりに多義的な意味を持ち込んだその言葉を、俺は
即座に記憶の果てに流し込み、しかし、五年以上経った今も、その言葉を忘れられないでいる。
意味だとか。
理由だとか。
つまり、信念だとか。
信念はいい、と思う。
理念、は許容範囲だ。
真理、はダメだ。
そんな曖昧な言葉、今は頭痛すら覚える。
愛しく思うからこそ。
もがくように願うからこそ――。
- 807 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/31(水) 19:02:490
- >>806
「今日で帰る、というのに……つまらない顔をしているな」
「……セシル。それ違う。「つまらないカオ」じゃなくて「つまらなそうなカオ」、な」
「似たようなものだ」
「意味がまるで違ぇ」
「では、どうしてそんな顔をしている?」
「んー……いやな、なんつーか――」
言ってみれば、俺は朝から鬱だったのだ。
散歩に出ようとしたらゲタの鼻緒が切れていた。
散歩に出た先が拙かった。
ゴースツ・アンド・ヴォッカの何曲目か(リズムとメロディオンリーの音楽のトラックを憶えるほど、俺は案外ヒマじゃない)
を聴きながら旅館の外に散歩に出掛け、ローソンだったかセブンイレブンだったか――確かセブンイレブンだったと思う。
八時閉店という店名偽り有りのありえねえセブンイレブンだったので、印象強い。多分合ってる。
ともかく、コンビニ入店→菓子コーナー物色→酒コーナー一瞥→ソフトドリンクコーナー閲覧中、地元の、それこそ典型
的過ぎるアホ面のヤンキー(生きてんの? この単語生きてんの?)に話し掛けられたのだ。その時のサル語を精一杯日
本語に翻訳するのなら、恐らくは「オサケ買いたいんですけどぉ、お金ないんでぇ、オニーさん貸してくれますゥ?」だとか
なんだとか、そのへんだ。旅行(息抜き)に来て、どうして心労を背負う必要があるのか。湧き上がる壮絶な疑問。イヤホン
を片方外してバカの話を聞いていた俺は、うんうんと頷いて話の内容を租借、カンペキな回答を0.5秒で弾き出し、「イカレ
てんのかテメェ」とだけ告げたあと、もう一度イヤホンを付けて――何が問題かと言えば、恐らくその時に聴いていた音楽
が致命的に拙かった。丁度そこで流れ始めたのがアーク・エネミーの、しかも”ウェイジズ・オブ・シン"の"エネミー・ウィズ・
イン"だった。
荘厳なイントロが流れる最中、そのバカ(ヤバい、顔も思い出せねえ)が隣のバカ二人(ヤバい、一人も顔憶えてねえ)に
笑い掛けながら俺を指差した瞬間、耳朶を叩くブラスト炸裂。アモット兄弟のツインリードに導かれ、俺炸裂。よく憶えてな
いけど、多分内臓破裂しないギリギリの強さで一発づつ殴って這わせた。衝撃拡散、掌低一撃。走り出ようとしてそのまま
レジ内で硬直した店員さんにチョコレートとショコラ・オレを提出、払った金額は〆て三百八十七円也。
あの四人はきっと、ロスですらやっていけない。
罪悪感ゼロ。ただし爽快感ゼロ、達成感マイナス、ついでに店員さん可哀想。
まあいいか、九時で閉まるコンビニとかありえねえし。
「……顔はやめておけと言ったぞ」
「いや違ぇ! 違ぇってか根本的にお前が違ぇ! そういうんじゃなくて、こう――」
「まさか」
セシルが表情を凍結させる。
なんだ。一体。
「ついにやったのか!?」
「――いや殺ってねえよ!?」
思わず疑問形になった。
なんでだ。
「じゃあなんだ!」
「こっちがなんだがなんだだ! ちょっと殴り倒しただけだよ! つうか普通にシメただけだし!」
「ではなぜそんな顔なんだ!?」
「顔!? いやカオで疑われるの俺!?」
「普段のお前は誰かを殴り倒しても平然としている!」
「肯定すんな! するな相棒! お前は俺のこと衝動系の殺人鬼だとでも思ってんのか!?」
「……割とな」
「オイィィィィ!」
ていうか、顔で人を殺したと疑われた。
なんて屈辱だ。
「冗談だ」
「なってねえからな!?」
くすくす笑うセシルに舌打ちして、朝畳んだ布団に背を預ける。
「つぅか……なんつぅか、なぁ。すげぇ寒ぃんだよ。――暖房入ってる?」
「暑い」
「あー、そうかもなあ。効き過ぎてるのかもなあ、うん」
「言っておくが」
「ナンデスカー」
「お前が守りたい人間と、お前が守るべき人間は必ずしも一致しない――お前が守る人間と、お前が愛しく想う人間も、
一致しない」
「知ってるよ」
「私達はそういうものだ。お前の言葉を借りるなら、「正義の味方」という――「看板(コトバ)」だ」
「看板、ね。いいんだか悪いんだか」
「立て札、でもいいが」
「いや一気にレベル下がるなオイ」
「表札でも」
「いや意味変わってねえか!?」
「改札でもいいぞ」
「形すら残ってねえよ!」
「”Always remember, others may hate you, but those who hate you don't win unless you hate them”、だな」
「……動物愛護団体会長のセリフだっけ」
「似たようなものだな。リチャード・ニクソンだ」
セシルは少し笑い、俺は嘆息。
「ふふ……冗談だ」
「なあ、セシル」
「なんだ」
俺は肩を竦めて、そして言う。
「ポーカーやろうぜ。もちろんベット前提な」
- 808 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/31(水) 19:08:290
- >>807
「……鬱陶しくないか?」
「いや、このスペードはあんまり――って、今の手札見えてた?」
「違う。前髪だ」
「……普段から人に注意すんならさ、主語抜くなよ、お前。なんだっけ? 曰く、正確に言葉を使わない人間が正確に物事
を捉えられる筈がない、だったっけ……」
「お前が前髪を払った時に言った筈だ。となれば、適切なのは一つしかないだろう」
小理屈魔王め。いや、正しいけどさ。
言いながら目元まで降りてきた前髪を払い上げる。まあ、確かにこれは鬱陶しい。襟足もいい加減伸び過ぎた。肩に触れ
るほど伸ばさないのが俺のポリシーだった筈なのに。別に鬼太郎よろしく目玉のオヤジを住ませる為に伸ばしてる訳でもな
く、整えたい髪型が合って伸ばしている訳でもない。気付いたら伸びていただけの話だ――さしあたって問題がない。俺は
別に体育会系の部活に入ってないし、教会でも切れとか言われた訳じゃない。敷いて言われた例を挙げるなら、妹から「あ
んまり兄さんには似合わないね」と言われてるくらいだ――遠回しに「そのまま行くとダサいよ」と言われているようで辛いに
しても。
……あ、くそ。スリーカード死んだ。ハート待ちだとブタ以下だ。
チェンジチェンジ。
「んー、まあ、ウゼぇのは言えてるけど」
「切れば良いだろう。もし、散発の代金がないなら――」
「いや、あるからな? なにバッグに手ぇ伸ばしてんのか知らねーけどそれくらい持ってるからな? そんな可哀想な目で見
られるほど困窮しちゃいねーからな?」
「そうか」
「だからンな冷淡な目で見られるほど……いいけどさ。てーか、ここの払いは俺が持つって言ってんじゃねーか。お前にタカ
るつもりなんてハナからねえよ」
俺は言う。本心から、全力で。年下の相棒に旅館の滞在費を丸ごと頼ろうと思ってる――と、思われてるのは寂し過ぎる。
セシルは暫く俺の眼をまじまじと凝視し、それから含むように笑って、バッグを元の位置に戻した。
「髪くらいなら切ってやるぞ」
「素人に髪を触られるほど怖ぇことはねえよ。確実に信頼できる床屋やら美容院は最低でも三回通ってからが俺のセオリー
だし。ちょっと高くても、その辺は妥協する」
「不貞腐れるな。なら、お前が女の髪を触るのはどうなんだ」
「……訂正。怖いのは「切られる」のが、な」
「安心しろ。私には散髪の技術もある」
「あるのかよ!?」
マジで驚いた。
「コンテストにも入賞した」
「VIP待遇かよ!」
心底驚いた。
なんかもう、モナコでソムリエをしてようがパリでパティシエをしてようが驚くのは時間の無駄って気がしてきた。
多彩も過ぎれば無才だが、無才を通り過ぎた先はだったら異才だ。
一つの物事を修めることがその物事を突き詰めることに直結する――一つの物事から二つ、三つへと応用派生するのが習
い事の常なら、セシルの性質はその逆だ。執着しなければコトは容易い、とセシルは言う――執着しなければ一つの物事を
突き詰めることは易いと。ただ、極めて――しかしその先にまで行くことは出来ない、ともセシルは言う。あらゆることに執着を
持たないという総体が、その合算――俯瞰された視点こそが自分だと。解り易いような解り易くないような説明に、しかし俺は
思い当たることがある。
なにせ、その逆が俺だ。
「とはいえ、任務先に潜り込む為の細工だったんだがな。丸一日掛けて技術を詰め込んだ。……オープン」
「一日でって、全美容師的に回すような発言を、てめえはサラっと……オープン、って、うおお!? ストレートフラッシュ!?」
「私の勝ちだな」
「ぐ……」
「十勝目だな」
「ぐぐ……」
三つ折に畳んだ布団に頭を預けたまま、役目を終えたカードを投げ出す。手札の読み違えはなかった。ただ、致命的なまで
にセシルはポーカーフェイスで、しかもカードの配分に掛ける計算精度が段違いだったってだけで。スリーカードにフォーカード
のカウンター、起死回生のコーラ天然水四本賭けのフルハウスは、見事にストレートフラッシュで迎撃されて撃沈。ベガスのカ
ジノでカードを任されるディーラーは、客の勝ち分と自分の勝ち分を計算できるプロである、らしい。
まさか三泊一万円の旅館で思い知らされる羽目になるとは。
てーか、俺、こんな弱かったっけ?
「つうか……」
「どうした。織田信長の肖像画のような表情で」
「いや俺そんなイラつくツラしてねえから……ていうか、ありえねぇ。なんていうか今のカード配分で負けるってのがマジでホント
ありえねえ……『イカサマ』――は、なしだぜ、セシルさん」
言ってみただけだった。が、予想外に厳しい眼光が反撃を敢行してくる。
「したら指を折るんだったな」
「言ってねえよ。どこのダービーだよ。ていうかどっちが丞太郎だよ」
「お前はまず、そのイヤホンを外せ。……いつかのように、五感を削って精度が上がる、などとのたまう気か? それこそ状況限
定だ。カードなど思考速度と判断速度と配分状況の読み合いでしかない。まして配分状況に関しては、それこそ回を重ねない限
り計算条件にも入らないんだ。……十連敗というのは、どうかと思うぞ」
「試験勉強中の受験生は聴覚削った方が良いよな……」アレは視覚も削るべきだと思うけど、まあそれはいい。俺にそれは無関
係で、関係あるのは、問題は、どうやったら(性格的にガチ本気しか選択肢を持たない)プロのディーラーを相手に狙って一勝で
きるかってことだ。「……で、聴覚削らなかったらスペードのエースがあのタイミングで回るのかよ。記憶力と計算力上げるしかね
ーもんな、お前が相手だと……いや、それだと処理能力で押し切られるから、やっぱ運か……でも人間がマザーサイズの量子
コンピュータに演算勝負挑むってのもアホな話だからな……職業を遊び人に変えるしかねーよな、これ……ていうかさ、セシル」
「なんだ」
「お前もやっぱ、イヤホンマンとか嫌いな方だったりする?」
認める。それは割と唐突だった。
ただ、かなり――それこそ想定外に本気で意外だったらしい。セシルはしきりに目をしばたかせて返答した。
- 809 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/31(水) 19:13:370
- >>808
「……い――や? なん、……待て、なんだと? すまない、意味が解らないが」
「ん? ああ、や、つまりまあ、俺なんだけどさ……ほら、これ」
身体を起こす。とっくに音を流すのを止めていたイヤホンを外して、浴衣の内側に放り込み――違うな、と引き摺り出してセシル
に投げ渡した。セシルはイヤホンを受け取ると、首を傾げて人差し指にコードを巻き付ける。
「嫌いも何も……私は指摘しただけだ。正式な場であるなら話は別だが、私はプライベートな空間にまで口出しする気にはなれな
いからな」
「ま、そうなんだけどさ」
「それも――例の世間体か」
「ん……、そうだな、イテー奴だと思われる可能性は高ぇかな。自分の世界に浸ってると思われるのは仕方ないな――この「な」の
連続って、スゲー言い訳っぽいよな。ちなみに、教会でこんな態度取ってたことは一度もないからな。念のため」
「お前の言う「痛い」の意味はいまいち掴みかねるが――会話の拒絶がか?」
「ってーより、その態度。あと国民性。この国でコミュニケーション拒否して生きるってのはマジでムズいからさ。で、イヤホンとか耳
に突っ込んだまま歩いてると、あんま良くは見られない。なんでってそりゃもちろん、積み重ねてきた固定観念にしか行き着かない
けど。神話も伝承もその点じゃ同じだ」
「国民性?」
言って、興味深そうにセシルは居住まいを直しやがる。正座で小机の前に座り直した佇まいは、さながら子犬だ。
「曖昧だけどな」
「では……例えば私が同じことをしていたら、どうなんだ」
「はぁ? ……お前の性格でそれやんのが想像付かないけど、それこそ「似合う」だとか「近付き難いけど見ていたい」とかそのへん
じゃねーの?」
「見てい……、い、意味が解らんぞ」
「そりゃお前、外見が良いからな。十代雑誌のショボいモデルなんぞ比較にもなんねーし、普通にしてりゃ破格で可愛いし」
「な――、」
「その辺も割と関係ある。っつーより、関係ないモンがない。服の着こなしもなんか、特にそうだぜ。ダサいけどナイスなシルバーが
合うジャケット、合わないなら合うように合わせる為の外見の整え方、さ――フォーマルスーツの意味合いなんて言うまでもないだ
ろ? まあ、ただ、その度合いに関しての日本観、ってのもま、あるんだよ。極端な話、芸能人でもアヴァンな服装が似合うのとそう
でないのは明確に分かれてるし、例えばイタリアのオヤジなんかは総じてオシャレって印象が強い。これ、大体の日本人感な……
どうした、顔赤いぞ」
「――でも、ない」
「そうか? ……まあいいけどよ。で、そうだな。ファッション雑誌――は、読まねーか。読まないよな、お前は。雑誌如きでセンス左
右されるようなヤツでもないしな……天然でモデル体質のヤツはこれだから……えーと、まあ、アレはそう、一種の雛型みたいなも
んでさ」
「雛型――か?」
「つーより、データノードっつーか祭儀式の鏡っつーべきか……。地方ごとに有名な店があったりすると、その地域のセンスってワリ
とそこの店が主体になったりもするんだけど、それはあくまで小区域の枠組みでしかない。裏原系とかあのへんのジャンルな」あと、
古代の儀式「名古屋撃ち」とか。「けど、大抵はデカい情報源が確立されてると、大概はそこからデータ引っ張ってくる訳だ。テレビ
なり雑誌なりな。ニッチなデータは、このへんでどうあっても淘汰される――てーか、されなきゃヤバい。日本は人間多いけど狭い
から」
「個々人の差別化はあって然るべきだろう」
「そこなんだよな……ふふん、その辺り、やっぱりネイティヴに日本が解ってねーよ、セシルは」
「む……」
「まあ日本日本っつってんのもアレだから人間全体で喩えるけどさ、人間個人には、そいつのカラーみたいなモンがあるんだよ」
「当然だ」
憮然としたように、セシル。解っている、とでも言いたげに言い切り、だからなんだ、と続けてくる。
「そう、お前なら「金髪」で「小柄」で「華奢」で「小さい」で……」
「小柄と小さいは重なっているぞ」
「いや、その、別のトコが――いや、で、うん。そうだな、他には「修士博士持ち」で「魔法使い」で「シスター」で「なんでも壊せる」で、
――うわスゲーな、お前。キャラ立ちまくってるぞ」
「……それは、単に私に対する説明記号を増やしただけだ。私を想定し尽くそうと述語を増やすなら、それこそお前には幾らでも可
能だろう」
「いや、そうだけどさ。俺は別にンなギリシャな言葉遊びがしたいんじゃなくて――だ。いやしかし、そう、それだ。それこそが問題な
んだよ。その述語ですら、ある程度は共通だろ。優等生、not優等生、それ以下――またはその他、例外、俺、お前、テロリスト。区
分けされた述語の総数に、本来俺達は吸収されるべきだ」
「その総数こそ個人だ」
「そりゃな。けど、四季も折々三月は四色、国色たるや人類は少なく見積もっても一億五千万――尋常じゃねーよ。狂気の沙汰だ。
その数が一遍にカラー主張してみろよ。目が痛くて死ぬぜ、フツーに。殺人犯なんて一人いりゃ充分だし、極論、俺は一人だって欲
しくない。国を挙げての殺し合いとどっちがマシか――それは信仰の問題だけど」
「今、お前は自分を否定したぞ」
「お前もな」
「知っている。だが、私は職業的な殺人者であることにその差異を見出している。意味合いの違いだ」
うわ。言いやがった、「職業的」。ジーザス。どこの藤沢信吾だよ、”殺し屋俺”。間違っちゃいない。いないけどハズすぎる。世間に
も他人にも殺してきた連中にも顔向けできない。顔を向けられるのはお互いだけだ。
ああ、俺か。
「ま、だから、そこなんだよ。俺達みてーな、総数の中に一定の色を一定の方向に対して強く持った人間が確実に存在して――別の
場所には、俺達と真逆の人間が存在する。警官、軍人、それから……まあ、専門職のボディーガードなんかもそうだ。連中は、国を
定義する法律って膜を置いて俺達と背中合わせに表裏一体だ。で、ベクトルを180度引っくり返したのがサイコパスやらサタニスト。
話を戻すけど、日本人は――まあ、そのへんに、カラーってヤツに敏感なんだよ。それぞれが主張を強めれば、その摩擦で人類が
死に絶えることをちゃんと理解してる」
「夜中にバイクで走り回っている騒音の連中もか? あの、珍妙な髪型とネジの外れた服装の――」
「アイツらはお前、日本の伝統を受け継いでるんだよ。あれ、天然記念物だぜ。トッコー服っつってな、任侠ヤクザの流れを汲んだ正
装なんだよ。ただのアホな不良とは違う」
「ほう」
信じるなよ。
青春の浪費を系譜にしてるって点じゃ間違ってない気はするけど。
「しかし、やはりその想定は私には難しい」
「ん……」
「恐らく、国民性云々ではなく、な。それこそだが――私は、言語など世界に一種類あればいいと思っていたくらいだ。お前に出会う
前の私の――」
「ああ、知ってるよ。読んだ。「――よって、移ろわぬ時はない。発達した情報網の重要性は今後、飛躍的に集約と収斂、増加の一途
を辿ると推測される。統一された世界と管理を望むのであれば、現状の言語は英語以外に必要ないのでは――」アレな、ちゃんと読
んだよ。読んで笑った。ヤベぇよ、こいつって。俺の相棒どんなだよって。少女版ヒトラーみたいのだったらどうしようかと思った。実際
会ったら人形みたいなヤツだったけど。で、付き合ってみたら怪物だった」
「……、いや、あれはまだ私が、本当に物心ついたばかりで……その」
「いや、言いたい事は解る、とも思ったんだけどな。あと、フランス人失格だと思った。まあでも、ンなこと言ったら、日本語とか無駄も
遊びも多過ぎるし……まあ、中国の熟語なんかは日本語の多様性がなきゃ成立してなかったから、これも一概に悪いとは言い切れ
ないけど、それでも言語を収束させるなら日本語に無駄は多いよ。その指摘は理解できる。効率面では、だけどさ」
「……曖昧な締めだ」
セシルの手がカードを手際よく片付けていく。というより、ちょっとそれは手際が良過ぎた。左手一閃、俺の前に散らばっていたカー
ドは軒並み中に浮き上がる。どう考えても「風圧で」なんて言い訳の聞かないレベルで浮いたソイツらを一瞥もせず、セシルは右手の
指をパチンと打ち鳴らす。ただし真っ二つ――にカードは当然ならず、ならないのは良いとして、開いた右手の平に一枚残らずパタパ
タと落ちていったのが大問題だ。トリックどこ。
「……手品師属性もアリ、と……」
「だからなんだ、それは」
「属性――ジェイムスに曰く、なんだっけ。”キャラ立ち”にイコールする最大要素、らしい……あり過ぎるとただのギャグだよな、これ
……赤塚不二夫先生って感じだ」
「もういい……とりあえず、今後あの科学者と話すのは控えろ。最近のお前の変わりようは見るに耐えん」
「……いや、んなコト言われてもな。アイツくらいしか本部じゃ話すヤツいねーし……」
「私と話せばいいだろう。他の人間と話す必要などあるまい」
「……。……それ、どう受けとめりゃいいんだ」
「どう――、」
声を詰まらせるセシル。意味が解らない俺。
いきなり、セシルが顔面を高潮させて畳をブッ叩いた。
「……ば、馬鹿者! な、何を言い出す貴様!?」
「いやお前が言い出したんじゃねーか……」
畳に倒れ込む。ごろりと反転して、天井を見上げた。安っぽい蛍光灯に手をかざす。セシルに手を振って、苦笑を返される――冬を
思わせる音は、部屋から失せている。外を思わせる音は、人を匂わせる感触は、部屋から消えている。
雑談を終えて、ぱったりと静寂に落ち沈む。
普段なら何をしているだろう、と考える。
普段と何がと違うだろう、と考える。
どうしてここに着ただろう、と考える。
どうしてここに着たんだろう、と考えてしまう。
「セシルさ」
「なんだ」
「ヒマ?」
「生憎、その情感は理解できない」
「んー……ヤバいな。かなり同感かも」
(旅館前・温泉宿)
- 810 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/31(水) 19:21:180
- >>809
――そうだ。温泉へ行こう。
言い出したのは、当然ながら俺だった。
湯浴み用の服を羽織ったセシルは、前回に引き続いて湯船の縁で膝下浴。まあ、湯浴みする気で着てきた、と考えるなら、多少の
進歩は見られてる――んだろう。きっと。
「んー、しっかし良いよな、大自然。よく俺のツレが言うんだけどさ、「自然と我等は本来同一」とか。ああいうのはあんま共感できねー
けど……、ま、言いたいことが少し解る気がするぜ」
「連れ? ほう。誰だ。例の中華街に住んでいる古物商の……髪の長い姉の方か。妹の方はもう少し遠慮しているようだったからな」
「いや遠慮って」
「公衆の面前で抱き合っている阿呆に遠慮と言う言葉はまあ、ないのかもしれんがな」
「……」
まさか中華街に敵意満点だったのはこれが理由か!?
ていうか見られてたのかよ!
「なるほど、私にでも解るような美人だった。東西問わず、あそこまで造作の整った人間はそうはいまい。加えて、私と違って人間味
も温かみもある顔立ちだしな」
「ていうかあれは胸が有るから」
「そうか」
セシルは一秒未満の感覚を自分の身体(首の真下へ)に落とし、そしてこちらに向き直――睨み直った。
「そうか」
二回言われた。
「そうか」
三回かよ!
なぜか目線が刺すように痛かった。
俺は(意味不明の)危機感にブンブンと首を振り、新年開けて最大の力を込めた頷きで返答する。
「……いや、えーと……ああ、アレだ。劉とイリヤのジジイなんか風呂でこの間アホみてーな長湯しながらそういうこと喋っててさ」
「イリヤ老……あの御人が?」
言葉の中に、僅かな敬意の響き。
む。そいつは面白くない。
「あ? なんだお前、まさかアイツのこと神格化してねぇ? ありゃタダの酒食らい以上のもんじゃねーからな。ちょっとばかりアイツ
より優れてる生物が皆無だから最強でただ単にアイツに勝てる存在が存在しなくて無敵なだけだ。ウゼーけど」
存在が存在しない、と、セシルは俺の言葉尻を捉えてくすりと笑う。
「……まあ、構わんがな。しかしかの御老、思想という概念自体を嫌っていると思っていた。それが意外と言えば意外だな」
「嫌ってる、ね。そうだな、その意見は当たってなくもないかな……でもさ、なんでお前が知ってんだよ」
「知らないのか? 寄贈図書館にはあの御人が著した寄稿本が何冊か納められている。一冊の序文がこうだった――「思想は、そ
の思想を望もうと望むまいと、受け取る人間の望むものを見せる」とな。中身は対話編と料理の作り方だったが」
その本の方向性と意味が真実わかんねーよ。
やりそうだけど。
「ンなもん書いてたのか、あのジジイ……つーかカントじゃねーかよ。いや待てセシル、お前、まさかアイツに感化されたり」
「戯け。私が一度でもお前以外の誰かに影響されたことがあったか」
「ああ、さいで。んじゃ安心だよ」
「私はそれができないんだ」
「あ?」
「なんでもない」
……ああ、そう。
でも、そんなもんだ。
そのくらい――そのくらいでいいなら、俺は解ってる。
(場所:温泉「檜風呂」)
- 811 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/31(水) 19:55:340
- >>810
ぐ、っと姿勢を伸ばす。
前にここに来た時は、二回が二回、時間が遅過ぎた。
濡れて固まった髪の奥に月が透ける――振ってきそうな星空、という表現には少しだけ遠い、それでも充分に澄んだ夜景。
温泉は秋だと言うが、春前の冬だってなかなかどうして、悪くない。
今日で暫く温泉を締めるってことだから(――最近は業界も大変らしい。マスコミ対策も含めて)、次に来る機会は、それこそゼロに
等しいかもしれない。
と思うと、堪能しないと損って気がしてきた。
「それ以前にな、あのジジイの言うことなんざ何一つアテになんねーからな、マジで。昨日口にした真は今日において真に非ず、今日
口にした真理は未来において風音に過ぎず、があのジジイの本当の口癖だ。コイツはマジのマジ、大マジだぜ。俺が奴より強かった
日にゃ、間違いなく真っ先にアイツを主の御許に送ってる。第一あのヤロウ、俺に勧めたエルロイを一年後には否定してくれやがった
からな。あの時は掛け値なしでキレたぜ。うわ俺、超バカみたいに踊らされてねぇ? って。ホワイトジャズを否定しやがった恨みは一
生忘れねーよ」
「……呆れた」セシルはくすりと笑い、肩をすくめた。「よくもまあ、そうまで言えた物だ。一歩間違えば危険因子として排除されかねな
いお前にとって、最大の後ろ盾だぞ、あの御人は」
「後ろ盾ねぇ……」
つまりそれは、要するに、自分のいない場所で軋轢を引き起こしている自分と言う履歴(でなければ軌跡)が、いつだって誰かの中
で厄介物になってるって証明だ。温泉に浸かってリラックスしている俺と、同士同胞を皆殺しにされたテロリスト諸氏にとっての俺、そ
の栄誉と憲章を横取り(と言うか先取り)された俺の同氏達の中の俺に存在する、明確過ぎる差異――そして、基本的にコミュニケー
ションを得意としていない俺にとっての、その全てに関わっている俺という現象。
あらゆる諍いを起こさずに生きて行けるならどれだけ幸せだろう。――有史以来、無数の文章で認められた切実な願いは、今後永
劫けして達成されることはない。
無為にアンサーを上げるなら、つまりこういうことだ。
――どこまでも機械的なこの世界において、極論、俺もアンタも欠けちゃいけない歯車だ。ただし、一つ一ドルで取替え可能の。
グッバイ・クルーエル・ワールド。でなきゃ、この狂える世界にようこそ。……ああ、北斗の拳でも言ってたっけ。
「このフザけた時代へようこそ♪ ってな……」
「なんだと?」
「ん……いや、俺の大好きな曲を……ふふん、一つトリビアだ。風呂は鼻歌を歌う場所だぜ」
なんだそれは、とセシルが素っ気無い。
ニード・トゥ・コントロール。自然に、小さく笑いが漏れた。
「なんにせよ、だ。私達のような審問局の人間にとって、あの御人は辿り着く場所まで辿り着いた唯一の例として尊敬の対象だ。私
も少しは思うところがある」
「……アイツ、京都の清水寺で修学旅行生に混じって日本見物してるような奴だぞ。「ねぇ、見てくれ! さっきそこの料理屋で居座
ってたらお茶漬けを出して貰えたんだ! これがブブヅケって奴だろう?」とかさ、アタマ痛くなったぜ」
「それは置いておいてだ」
置くなよ。
女将さんにとんでもなく冷たい目で見られてハズかったんだぞ俺。
今の俺にとって京都は魔界だ。
「人間と言う主体を延長したその先――ルーツィア以外の局員にとって、あの御人はやはり理想系なんだ」
「俺はそのルーツィアさんに諸手を上げての大賛成だよ。じゃあ、その先を俺達は経験できるのか? 机上の空論だけで何もかも
誤魔化し続けてる詐欺師なんざ、掃いて捨てても沸いてくる路傍のゴミに等しいぜ」
「イリヤ老は誤魔化しだけで過ごしてはいまい」
「そこがムカつくんだよ、だから……。だってなお前、リアル聖徳太子はヒネくれてました、みたいな実際例だぞ、ありゃ。夢もなけりゃ
希望もねえ。つーか期待値がハナからゼロだ」
「どんな例外だろうと、俯瞰の位相を一つ上に上げれば例に収まる」
「げ、まんまあのジジイのセリフだ。「どれだけ的外れに思える行動でも、後にして思えばいつだってそれは必要な行動だったんだよ」
――ぐあぁ、殺してえ! んなセリフが似合うのは菊地秀行小説の登場人物だけだっつーの!」
「ふふ……だが、言葉の綾、とは考えないのか?」
足でお湯を掻き混ぜながら、どこかおかしそうにセシルは言う。表情が、既に「考える筈がないだろう」と言っていた。
「ないない。ないね。あのジジイに限っちゃそれはねーんだよ。日本とアメリカ経由して依頼された仕事が後になって巡り回れば、全部
あのジジイに繋がってたりな。ゾッとする」
言い出せばキリがない。俺が騎士団に入る前に見ていたテレビ番組が、読んでいた本の主義思想が、俺が見て回った人間達の関
わる真理真相が――全てが全て、俺を論破する際にイリヤが口にする言葉に集約されていた。残されるのは圧迫する強迫観念と無
根拠に沸いてくる壮大な被害妄想、ついでに所在不明の嫌悪感。そして俺は黙り、奴は悪魔めいた微笑みで俺の傍を通り過ぎる。
「それじゃあ、また」――リフレインする去り際の挨拶は、耳から離れたことはない。
「……「昔、ジャンヌダルクの家庭教師をしていた時に思い付いたのがダウジョーンズ平均値なんだけど」とか平気で言う奴だかんな、
アイツは」
「ありそうな話だ」
「納得するんじゃねーっつの……」
というか、本当に尊敬しているのか怪しいもんだ。
「それから」
「なんだよ」
「ホワイト・ジャズは傑作だ」
「……それこそ、今更過ぎるにも程があるよな」
ざぶん。
頭まで被ったお湯の上、透明度の低い膜に遮られて、月明かりが冴えていた。
(場所:檜風呂→檜風呂)
- 812 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/31(水) 20:29:100
- >>811
「……ともかくまあ、俺はこういう風情が好きなんだよ。三日も過ぎれば違うこと言ってるかもしれないけどさ。風も、水も、この月もな」
「心地好さと情景の合致は理解できる。そのくらいは、な。心情からの同意はできないが、ガンジス川で修行する人間の気持ちも少し
は――解る、とは言えんが」
理解できる方が怖いぜ、と俺は笑った。
他人を理解できると錯覚してるヤツの方が、もっと怖いぜ。
セシルは、だから、そこらを歩いているあれやこれやより――俺よりもさらにずっとずっと、素晴らしく人間に近いのだ。というより、
その本質に。
「陳腐だけど、生の実感だな」
「それも、理解しようと努めたことはある。――やはり、お前のようには感じられていないのだろうがな。私の感覚は、それほどには機
械的だ。多分、お前が考えている私とは形を全く異質にするように」
「別に」
と、俺は言う。
「お前のことなんて考えてないさ」
「……そうか」
「考える必要がないからな」
「……。ああ、そうだな」
「考える必要がないくらいには、お前は俺の身近に居過ぎる」
「……、……そうか」
「照れるなよ」
「照れてない!」
セシルが石縁を叩いた。石片が砕けて飛び散った。
……いや、色んな意味で自粛しろ、これ。ただでさえ一人で大量レスになってんだから。
「ま、でもそれ言ったら……お前の考えてる俺と俺っつー俺も違うんだけどな。俺は……ほら。ンな誰彼構わず女に声掛けるような人
間じゃないし」
「ほう。そうか」
目が信じていなかった。
「……節操はあるし」
「ああ。そうか」
声が信じていなかった。
「生死について、それほど無関心じゃない」
「それは、そうかもな」
信じるのかよ。そこだけアッサリかよ!
「……」
「何か言いたげな顔だが、私は取り合わんからな」
「……ああ。そこかしこに溢れる情報をフィルターしてしか認識できない俺達という鏡像について考えてただけだ。気にするなよ」
「なに、以前にお前の知り合いから話を聞いたことがあるだけだ。寝る前には実弾を込めた拳銃を自分のこめかみにつけて瞑想して
いるとか、そんなことをな」
「してねえ! ていうか俺は矢吹カケルでもペルソナ使いでもねえ!」
「なんだ、少しはお前らしいエピソードだと思ってやったのに」
「どこのイタげな映画マニアだよ……本業でリアル二丁拳銃振り回してる俺は身に摘まされるだろうが」
「銃など使わなければいい。それこそ貴様に振り回せん武器もあるまい」
「無茶言うな。マカオじゃ「グロックのイルさん」で通ってんだぞ俺。オレカンに住んでるFBIからは「グロックマシーン! プリティカイ
ン」だし。今更キャラ変えらんねー……つーか俺はそんな肉体派の哲学者じゃねえし。誰だよそれ言った奴。ていうか考えた奴」
「あの科学者だが」
「ヤロウ」
関西弁のイギリス人科学者の(ニヤついた)顔がアタマに浮かぶ。
即座に、想像した顔面に前蹴りを叩き込んだ。帰ったら温泉饅頭を窒息するまで口に押し込んでやる。
「しかし、プリティ……貴様、それは」
「言うな」
ノリで名乗った俺がアホだったのは理解してる。過激派プロテスト系テロからFBI諸君を守った時に「参上! プリティカイン!」と
か名乗った俺がアホだったのは。
「他にも色々聞いているぞ。妹にメイドの服を着せて朝起こさせているだとか義理の家族なのに「お兄ちゃん」と呼ぶことを強制して
いるだとか」
「いや強制はしてねえからな。メイドはそもそもウチにいねぇ。要素すらねえ」
……温泉饅頭で済ませようとした俺が大甘だった。
ヤツの部屋に飾ってあるフィギュアの顔を全て市原悦子に変えてやる。
「女の写真にハネを描き込んでいたとか猫の耳を描き加えてニヤニヤしているとか」
「してねぇ! ……いや、してねぇ。してね――ねーよ。……してない、よ?」
「なぜ語尾が小さくなる」
「いやほら。ハネとかダメだよ。リアル羽じゃないとダメだからさ。作り物とかダメだろ?」
「どこの部族の言語だそれは」
「いやだってお前、リアル羽とかがそこら中に溢れるとかないだろ。それじゃ桃源郷じゃねーか」
「ああ。解った。もう黙れ」
「……」
所在無い。
……なんていうか、色々とダメダメだった。
「……その。頭冷やしてくる。なんか水風呂あるし」
「……」
返答がない。
藪を突付き回して鬼を出す前に、檜風呂を出た。
……うん。水風呂は休憩に丁度いい。銭湯じゃあるまいに設備のいいことだけど、深く考えるのは止めて暫くそっちで休もう。
(「檜風呂」→「水風呂」(小休止(レス))
- 813 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/31(水) 21:42:130
- >>812
夜半もいい加減時間を回れば、やれることなんて限られてくる。YESの「ロンリー・ハート」が流れっ放しのイヤホンを耳に突っ
込んだままパックマンを三ゲームほどやり、なんだかよくわからないピンボールゲーム(ブロック崩しと一緒になった電子ゲー
ムのヤツだ)がゲームオーヴァーになったところで、背後でセシルがゲーム台を覗き込んでいることに気付く。セシルのその手
にはマラルメ訳版のエドガー・ポーが所在無さげに握られていた――頼めばきっと、ボルヘスばりにその訳詞が原著より優れ
ている個所と理由を事細かに説明し、「感覚としては理解できないが」と、ひどく矛盾したことを言うに違いなかった。(そして、そ
んな時のセシルと俺の話は行き着くところ『作品を真に理解しようとするのなら、その作者に会いに行くべきではない』というごく
単純な場所に落ち着く。例外は? そんなのはきっと、砂の本について作者に聞くって行為だけだ)
解ってるよ。
この辺りでは老舗の温泉旅館で、それなりの古株ということだった――けど、それは、要するにそれだけってことだ。老舗の古
株具合を、俺達がどう判断してやればいいのかなんて解らない。もしかしてそれは、壁や柱の古惚けた傷跡に何か理由を探せ
るって意味なんだろうか? そうであるにせよ、歩き回って散策すれば一時間も掛からずに終了できるって絶対的事実に変化は
ない。その散策法はたぶん悲しいくらいに間違いなく間違っていて、旅行に訪れた人間が自販機と書店の往復で時間を潰してい
るって証明に他ならない。――俺は言う。「セシル、温泉旅館の凄いところは何か解るか?」セシルは答える。「ロスのホテルより
宿泊費が二割増しで高いところか?」俺は返答する。「でかい風呂がついたでかい家に金を出して泊まりに来る人間が半端な数
じゃなく存在するってことだ」セシルは――「……ないな」何事か、こちらには聞こえないくらいの小さな声で何かを呟き、「さっき
のゲームの概要を説明しろ」と言った。
やれることは限られていた。
俺はセシルがパックマンをマスターするまでの十分間、効率的なレバーの操作方法に頭を巡らせた。
――セシルは教えて十分で俺の技量を越え、旅館の最高得点を叩き出した。敵が追ってくる時間と無数の移動パターンの規
則性とその対処、無敵になる時間のタイミングを完全に把握し、完全なタイムでハイ・スコアを計測した。ハヴ・ア・ナイスゲーム
――問題ない、いつだって。ゲーム台を立ち、俺はイヤホンを耳に突っ込み直し、セシルは無言で俺の後を着いてきた。
もう少しヌルく教えるべきだったのは明らかだった。だけど、効率を考慮する為の効率は、酷く寂しいものだ。
自然でない無駄は寂しい。
いつだって。
ちょっとした居酒屋と軽食屋が二件並んだ休憩室は、土日の商店街さながらのうんざりするくらいの人いきれに溢れていた――
どこにこれだけの人間が隠れていたんだ? 他の部屋よりマシな事実はと言えば、そこでは音楽が流れていることくらいだった。
マシだ――それがベートーヴェンのミサ・ソレムニスだろうが、ブリテン歌劇のピーター・グライムズだろうが、恐らくはバッハのミ
サ・ブレヴィスだろうが、或いは(セシル曰くだが)シャルパンティエの宗教音楽だろうが、マシはマシだった。――違うと俺は気付
いていた。それが悲惨だった。クリフォード・ブラウンのビギニング・アンド・ジ・エンド? 違う。セロニアス・モンクのブリリアント・コ
ーナーズ? 今は違う。ハービー・ハンコックのスピーク・ライク・ア・チャイルド? 旅行に来て眠っちまえってのか? リー・モー
ガン、ディジー・ガレスピー、ジョー・ヘンダーソン――違う、違う、違う――KISSなんかがいい、と思った。何も考えずに、デトロイ
ト・ロック・シティあたりがいい、と思った。――そう、考えてしまった。違うと思った。パール・ジャムでいい。サウンドガーデン――
ニルヴァーナだって構わない。違う。マイ・ケミカル・ロマンス――ああ、そんなのもいたな。最新のは酷かった。カサビアン。あれ
は人間が聴けるのか? 違う、違う。――だって、お前はベートーヴェンのミサ・ソレムニスを聴きにきたんだ。
レーマンのシューベルト、”冬の旅”が流れ始めたところで、許容量は限界値を突破した。イヤホンを耳に押し込んでランダム再
生をスタート。RUSHのテスト・フォー・エコー――舌を鳴らす。ブルー・チアーが聴きたかった。これはキレイすぎる。デヴィン・タ
ウンゼントの爆砕音が聴きたかった。ボリスでも良かった。ボリスが良かった。とはいえ、今よりは大分マシだった。コーラを飲み
干してスピーカーの真下にあるゴミ箱へスリーポイントよろしく空き缶を放り込む。何人かが非難めいた目付きで俺を射抜き、隣
の気配は溜息をついて俺の袖を引いた。
解ってるよ。
俺はオーヴァーアクションで肩を竦めてみせ、それがスピーカーの近くに座っていた数人の怒りを買い――ちょっとした一睨み
でそれが沈静し、虚しさが陪乗で増加。――ヘイ、社長さん。俺はアンタの目にはタチの悪いチンピラか何かに映ってるのかい?
それとも地元のヤクザ? オーケイ、俺はもっとタチが悪いぜ。
――何をしている?
セシルの声は、頭の中の声と同じ響きだった。
太鼓の音が聴きたかった。穿つような音が欲しかった。
- 814 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/31(水) 21:44:390
- >>813
RUSHの「テスト・フォー・エコー」が終了したところでMP3ウォークマンをOFFにして、自販機でポカリスウェットを二本。その旅館
が優れていたのは、多分、風情を無視して中に中途半端に気取ったバーなんかを作らなかったことだ。格式は必要ないけど、風
情を壊すのは頂けない。ビールじゃなくてワイン売るような旅館、ブッシュが認めても俺は認めない。ポカリをセシルに渡してヒー
ターの無駄に効いたロビーを出る。夜景をガラスに映す広間でデッキチェアに腰掛ける。弾力豊かなクッションは、馴染みの薄い
高級感。体重を掛けたら沈むどころかぶち抜かないかと心配になったのは三秒だけ、結局、高い物は高くていい物らしい。すっか
り暗くなった松林を眺めながらポカリを飲んでいると、セシルが傍らの一団(の、会話)に神経を向けているのが視界に映った。俺
は面白がってセシルに笑い掛け、セシルは鼻を鳴らす――俺もその一団に意識を向けて、すぐに後悔。
人真似なんてするモンじゃない。
なんでって? つまり、こういうことだ。会話はおよそ、こんな内容だった。「いつも同じことの繰り返しで」「とりあえず、今日はこ
んな所で過ごしてみた」――命の洗濯、回想する仕事と、それに向けた笑い話、繰り返しの退屈からの離脱――云々。もちろん、
俺は「自分はその一団とは違う、別の目的があってここに来ている」だとか、そんなことを言いたいんじゃない。セシルもそれは間
違いなく同じだった。だから後悔したのだ――まあ、セシルの気分は、後悔よりも若干は軽いものだったに違いないとしても。
多分に、俺とセシルは同類だったのだと思う。
日常(、、)。
何かの延長線。通学、通勤、発表、成果――その単語が孕む、確固とした連続性。モスクワのホテルを思い出す。軍人、犯罪者、
殺人鬼(二日後に、俺はそいつの頭をブチ抜いていたのだけれど)。軍人は言った。「少し金を溜めて、二日くらいここで過ごすん
だ。――まあ、自分のやっていることを理解するには悪くないよな」俺は言った。「あんたは上品そうだからな」犯罪者(そいつはス
リだった)は言った。「あんたはこの国の人間じゃないから解らないだろうが、この国での美徳は自分にどう対処できるか、その結
果だけだぜ」俺は答えた。「俺の故郷も、それはあんまり変わらないかもな」殺人鬼は言った。「あんたはここで何をして過ごしてる
んだ?」俺は言う。「まあ、もうそろそろ帰りたいんだけどな」
俺と殺人鬼は一緒にゲラゲラと笑い、床一面を覆い尽くすほどの量のドーナッツを平らげ、甘ったるいワインをプール一杯分ほ
ど飲み明かし、二日後、俺はそいつが路地裏で一人になったところで足払いを掛けた――スッ転んだヤツの額に銃口を定めた。
覗き込む何万回目かの絶望に、俺は一つの単語を疑問として想起した。――コイネー・アイステーシス。
最期に奴が言った言葉を少しだけ覚えている。
『――頼むから、早く帰ってくれよ』
帰りたい。
――どこへ?
俺は笑った。笑って、言った。――「――お前が帰っちまえ」
誰がどう違い、どこがどう変わるってんだろう。
そしてもしそうなら、俺達はどこでどうすればいいんだろう。
セシルはポカリのペットボトルをぐりぐりと弄り回して口を開く。ブックマークしたサウンドガーデンが”ジーザス・クライスト・ポー
ズ”のアウトロを終えてマンソンの”アンチクライスト・スーパースター”に雪崩れ込む瞬間の空白、一秒に満たない筈の、その間
隙に――その声は、モロに耳に届いた。
「お前は、自分の感じられない何かにどれだけの希望を抱いているんだ?」
何を?
一時停止ボタンを押し、巻き戻しを連続で三度プッシュ。テスト・フォー・エコーが流れ出す。片耳だけイヤホンをつけて、イント
ロの涼やかさに耳を済ませる。軽い曲でも良かった。薄っぺらい曲でも良かった。いつか人は言った。いつか誰かが言った筈だ。
「どうして今はこうなんだろう」――誰かがラッシュを聴いて言っていた。「雑音だ」――薄っぺらい曲を聴いて感動できる俺達は、
だったらなんだって言うんだ? あんた達は、どうだったんだ? 違うと俺は気付いている。厚みを無くしているのは俺達自身で、
あんた達の昔で、その昔の、更に昔、昔だ。そして。
それは――それだけのことでしかない。
やれやれ。
だから、俺はRUSHが大好きなんだ。
「わざわざ聞く辺り、お前は酷いよな」
「なんだ、今更気付いたのか?」
「……この。キスすんぞテメぇ……」
「やれるものならやってみろ」
テスト・フォー・エコー。
夜景を映すガラスに、セシルのシニカルな笑顔が写っていた。
――。
どぼどぼと上から落ちてくる水塊を受けながら、回想を終える。
視界が濡れている。
全身から体温が消え去っている錯覚すら。――いや、現実かこれ。
「そもそも、なんの拷問なんだ、これ……?」
一時間。
一時間の水風呂。
これはもう、リラックスしにくるとかそんなレベルの問題じゃない。――そもそも、温泉じゃなないだろ、これ。
岩で仕切られた泉から這い出る。冷えた身体に、冷え切った寒風が吹き荒んだ。
マズい。
自分でやっといてなんだけど、これはマジでバカの所業だ。
湯殿まで戻ると、セシルの冷却視線が俺を迎撃。いや待て、言いたい事はわかる。だから確認させるな。
「た、ただいま」
「……私には」
「え、なに」
「偶に、お前が何を考えているのか――理解したくなくなる時がある」
理解できない、ですらなかった。
湯船に沈む。
月が、相変わらず綺麗だった。
(「水風呂」→「檜風呂」)
- 815 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/31(水) 22:15:150
- >>814
隣から飛んでくるバカを見る目付きが痛い。
俺が悪かったのは確かだけど、ここまでロコツなの、ちょっとないんじゃないか……?
「あー……。ガキの頃――だけどさ」
「なんだ」
「俺、人並みにヒーロー物とか好きだったんだよな、確か」
「……ヒーロー?」
「あ、いや。まんま、の意味でなくて。英雄のシンボル、みたいな。特撮とかアニメとか……っても、前にも話したと思うけど、俺は
ガキの頃の記憶が――」
「知っている。私も同じだ」
「ん。で、まあ、ワリとヒネたガキだったんだよ。多分、『ライダー』とか『ガンダム』とか好きだった。でも他の連中がそういうの好き
だから、自分はもっと別の――って。ただ、ガキの興味範疇なんて狭いもんでさ。典型的に『コナン』シリーズのコナンとか『ラン
ボー』とかに興味示して、そっからまた移って、飛行機とか――戦闘機とかも好きだったそのガキは、軍隊とかに憧れた訳だ。
これもまた、典型」
「戦闘機? 意外だな」
「ツッ込むのそっちかよ。ああ、好きだったっぽい。当時の戦闘機のオモチャとか見て、それの名前全部言えるくらいには。これ、
イリヤの術で記憶穿り返された時の副産物な。……なんで軍隊かってーと、これも典型なんだけどさ、映画の影響だった。「トッ
プ・ガン」とかあのへんの」
「「エア・フォース・ワン」ではないのか」
「お前とは世代が違うよ。……ていうかお前、それすら世代から外れてんだろ」
「知識としては存在している」
「それ、最悪だぜ。マニア相手には」
「私に映画の感想を求めること自体最低だ。しかし、貴様のヒーローはエルリックではなかったか?」
「リアルエルリックと付き合ってるからな。悪い、冷めた」
「……まさか」
「なんだ」
「それは私のことではないだろうな」
「他に誰かいるのかよ」
「私の剣は喋らないぞ」
「喋るか、なんでもブッた斬るかの違いだけじゃねーか……つーか、俺にとってのストームブリンガーがお前だし。ともかく」
紅茶と思って口に含んだのが、実は色素の薄いコーヒーだった、みたいな表情のセシルを制して、俺は続ける。
「軍隊には揃ってた訳だ。頼れる仲間と、頼られる居場所と、勝ち取る栄誉と――なんて言うと、これも典型かな。その頃の俺の
ヒーローはっつーと、ズバリ、ボブ・リー・スワガーだった」
「国家の存亡にでも関わりたかったのか?」
「ああ、それ。ナイスだな、ビンゴ。フレンチー・ショートよりは断然、ボブ・リーだった。007なんて流行んねーぜ、と思ってた」
俺は笑い、セシルは呆れた、と呟いた。
「呆れるなよ。そのガキにとっちゃ、軍隊ってのは非現実――じゃないな。超現実空間だったんだよ。とんでもない悪と戦う組織
が揃ってて、確信できる居場所があって、その他諸々のストーリーが盛大に詰まってたんだ」
「今とどこが違う?」
「今とどれだけ違う?」
くだらん、とセシルは言う。
同感だ。
「違い過ぎるよ。まるで違う。軍隊の日常がカタギの人間と違う? 誰だってそんなモン違うに決まってる――軍隊は軍隊だ。殺
人鬼は殺人鬼だ。テロリストは多面化して然るべき思想を知ってて知らないフリしてるクソ野郎で、それでも日常は消えてなん
かなくならない。それだけだ。日常のループがどうの、なんて考えてたそのガキは、ほんとどうしようもないヤツだった。登校中
と下校中、決まった通学路を少し変えることに充実感を憶えてるような、その程度のな。そのくせ、その道をもっと反れることが
出来たなら、それは別の世界に通じてると信じてた。まさか、だぜ。軍隊なんぞ言うまでもない。超現実どころか完全現実、その
他人間の生活基盤に組み込まれる前提って点じゃ、現実も現実だ。テメェの欲しがったストーリーが転がってるんじゃなくて、
他人のストーリーに自分を組み込む行為だったってオチだよ。銃の使い方を憶えるのにも、スナック菓子の新製品宜しく一日
単位で増えてく銃の種類を憶えるのにも、ルーチン以上の意味なんてありゃしなかった。挙句、それを実感で知ったのがガキ
の時分だからな。笑えもしない。とどのつまり、殺した敵は誰の敵だったか、殺された敵は誰の敵だったか――考えてた俺と
考えてなかった俺、どっちが本当はマシだったか、さ。いつだったか、朝起きたら、イジめられてたガキが爆弾抱えてクラスの
不良道連れにしたニュースを連日聞かされて、なんか、解らなくなった。何もかもがコンビニで俺相手にケンカ売ってくるバカ
極まりねーガキ並にクエスチョンマークに溢れてやがる」
「安心しろ。お前は軍人ではない」
「司祭でもない」
「テロリストでもないさ」
「ない、ない、ない――だよ。俺にあるのは、家族だけだ」
「そうかもしれないな」
無音の空白と、それを埋める寒風一連。
「いや」
と、数秒の間を置いて、俺は言う。
「それも微妙だな。……あれだな。家族と、お前だ」
「……。誰にでもそんなことを言っているのか?」
「いや、今のは三回くらいしか――」
「・…………」
「ああいや、うん。はは、あははは」
「……まあ、いい」
「なあ、セシル」
「なんだ」
「お前、いつまで俺の傍にいてくれるのかな」
「お前が、世界を焼き滅ぼすまでだな」
……なるほど。
それは確かに、凄まじく曖昧な制限時間だ。
(場所:「檜風呂」)
- 816 名前:零崎人識 ◆kILLEREa5g :2007/01/31(水) 22:26:400
- 「月が出た出た、月が出たー、っと」
零崎人識のぶらり一人旅スペシャルエディション温泉巡りの旅、トリを飾るのは一度目
に訪れた鄙びた温泉地だ。――戯言だよな、まったく。傑作だぜ。
うん、なんつーかまあ――長ーよ。流石の俺でも解して並べて揃えるに時間が掛かっ
た……よそ様のモノローグとやり取りを盗み見ながら、じっくりと湯に浸る。
気に入ったんだ。木に入ってるような感じがする(贅沢にも総檜っぽい)のは悪い気が
しねーし、なにより静かだ。昨日は騒がしかったかもだが。そして今日も若干騒がしい気
がするかもだが。俺、出歯亀の趣味はねーんだけどな。
どんな因果が巡りに巡って、どんな運命が捻くれに捻くれて、なんだか見たことがある
顔が一つ、二つ。
かはは、傑作だぜ。同じ顔を二回も見るなんて。
「まったく――隅から隅まで傑作だぜ」
仲がいいんだか悪いんだか知らねーが、おアツイことで。
ちょっとぐらい茶化してみても罰は当たんねーよな?
「なー、お二人さんや。酔客みたいな絡み方で申し訳ねーんだが、そんなにイチャイチャ
されっと俺の眼に優しくねーんだよな。嫉妬しちゃうぜ?」
かはは、と笑いながら茶化してみる。
しまった――俺出歯亀じゃん!
(場所:檜風呂)
- 817 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/31(水) 22:37:170
- >>816
どこかで見たツラ――では、なかった。
ただ、どこかで嗅いだ気配ではあった。
「これがイチャイチャしてるように見えるなら――」
俺は天を仰ぎ、それから闖入客へと視線を向ける。会ったことはないけど、会っているようなツラだった。目にも鮮やか顔面
刺繍、そのハデさに反して小柄なそいつは、特徴的なアクセントで笑声を上げている。
センスは奇抜だが、どうやらその着眼点も奇抜らしい。
「お前の、」
「――お前の目と耳と脳は、今すぐにでも医者を必要としているな」
俺の言葉を、完膚なきまでにセシルが繋いだ。
オーケイ。
お互い自覚があるようでなにより。十歳以上年下の相棒相手にイチャついてるように見られたんじゃ、この先どうやってやっ
てけばいいのか解らない。ていうかどんな目で見られてもいいって覚悟を決めなきゃいけない。それは流石にツラすぎる。
なにより、ようやく視線が二つになったのが喜ばしい。
一人雑談って、だって、なんかすげぇサムいじゃん?
「……ま、そういうこと。何はともあれ、最後だよ、最後――この温泉、今日で店仕舞いらしいからな。ゆっくり、ゆっくり――と
したいとこだがな。……十二時ピッタリで終わりなのかね、これ」
(場所:「檜風呂」)
- 818 名前:零崎人識 ◆kILLEREa5g :2007/01/31(水) 22:49:210
- >>817
「かはは、以心伝心じゃん? ヒュー、熱い熱い。まあ勿論、風呂のことだけどよ。外、
寒いからな。で、なんだっけ? 医者? 勘弁してくれよ。悪いところなんて何処にも
ねーよ。心の問題はあるかもしれねーけど」
二人してそんな冷たい眼をしなくてもいいじゃねーか。ちょっとだけへこんじまうぜ?
まあ、遠目から見ただけでこいつらがカップルかどうかなんて判別つかなかったから
なんだけど。
よく見りゃまあ、不釣合いだな。
平凡にして平凡と言う形容がぴったりはまる――だがしかし決して非凡ではねーと
思われる男と、その美貌で平凡とは言い難い女が一緒に居るなんてのは――稀な例
じゃねーけど。身近に一人居たし――中々に不釣合いだ。
ま、男女男って絵面もどーかとは思うけどな。なんかヤラシー感じがするだろ?
「ああ、そうらしーな。最後の最後に珍客が集まってるかと思えばそうでもねーみたい
だし。最後の最後だし延長営業してくれるだろうさ。ま、きっちり計ったように揃えたよう
に終わるなら河岸を移せばいいんじゃねーの? そんなに話し込むかはしらねーけど」
- 819 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/31(水) 23:04:340
- >>818
「は、言えてる……つーか、ワリと冴えてるな、お前。ツラのワリに、さ。つってもこのへん、河岸を変えるにもロクなとこねーぞ。
昼間っから散策したけど、ジャンプとか二日遅れで発売してやがった――ありえねーよな、これ。偶に来るにはオーケイだけど、
絶対に住みたくねえぞ、俺……」
「というより――」
いい加減、ここにきて乱入者の存在に慣れたのかもしれない。セシルは平然と顔面刺繍に視線を送り、それから俺を見て、
「……似たもの同士か」とか、聞き逃しちゃいけない発言を零した。――いや、ねぇから。トレント・レズナーと平井賢を足してニ
で割ったような俺と、このカワイイ系アヴァンギャルドなシニック男が似てるとか、まったくもってありえない。
そんな俺の(心の)ツッ込みに半秒ほど先んじて、セシルはそいつにもう一度視線を投げた。
今度は、割と感情の篭った――場合によっては、害意→敵意→殺意のコンボをナノセコンドで励起する視線だった。
「――ここには、あまり普通の匂いをした人間が集まらないんだな。性質か?」
「じゃ、ねーのかな。……それこそ、俺達の言えたギリでもねーだろ」
「……」
「認めろよ、と――ふん、しかしまあ、医者に懸かるにはお互い、随分と手遅れではありそうだ。……そうそう、多分この分だと
俺等で貸切っぽいな、ここ。――ま、それも悪かねーだろ。顔面刺繍」
俺は笑う。――深夜体のハイさが加わって、予想よりも、随分と笑えた。
やれやれ。
面白くもなきなんとやら――は、結局、面白いと思えないから面白くないだけだ。
- 820 名前:零崎人識 ◆kILLEREa5g :2007/01/31(水) 23:17:590
- >>819
「おいおい、この通信網が発達した時代にジャンプが二日遅れだって? 洒落とかそんな
戯言捏ねるってレベルじゃねーぞ。『ゲンバー大王』が居てくれりゃあ改善すんだけどな…
…まあ、そりゃいいとして、確かに、なんにもねーよな。下りに下ったところに居酒屋があっ
たみてーだけど、結構遠いしな。つーか、さりげなく俺のチャームポイントになんてことを」
顔面刺青ってそんなに珍しいもんか? 向こうじゃイカツイ奴等が結構やってたけどな。
あー、ま、こっちじゃそんなに見ねーか。どうやら時代は俺のセンスにまだ追いついてねー
みたいだな。――これまた傑作だぜ。
「デカイ風呂に鮨詰めになんのは勘弁だな」かはは、と笑い「医者なんてのは予防以上の
意味はねーしな。俺や、アンタとそのお連れさんも、今更意味も意義も価値も、認められる
なんてのは信じらんねーくらい、終わっちまってるよ。怪我くらいなら治してもらってもいい
けどな。内面は無理だろ、お互い」
最悪なのは随分昔から知ってるよ。
かはは――傑作だろ?
- 821 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/31(水) 23:29:220
- >>820
「居酒屋……? もしかして、あのクトゥルー製の魚みたいのしかツマミに出さない小料理屋のことじゃねーよな・……」あまり下
った方角は散策してなかった――もしかしたら別の場所かもしれない。とはいえしかし、地方の料理屋ってのは常に侮り難いの
だ。隠れた名店の半数に隠れて、隠れた八仙飯店みたいのも平然と紛れてる。旅番組の「この街、いいとこ」の七割は欺瞞だと
視聴者は知るべきなのだ。ともかく。「……いや、いいや。まあ、そこチェック一で。旅先で酒飲まねーっつーのもアレだし」
ただ、まあ。
顔面を眺め回す。
うん、これは。
似合ってねえよ、やっぱり。
「チャームポイントっつうか、似合うヤツと似合わないヤツがだな……」
途中まで言って、似合わないを突き詰めれば誰もついて来れない場所で「似合う」が発生するんじゃないか、とふと思い直す。
とすると、こいつのこれ、悪くはないのか……?
いやでも、日本でこれはねえよな……。
「……やっぱり、大分違うな……「GLAY」から一気に『非常階段』、『暴力温泉芸者』って感じだぜ、それ」
「お前の喩えも大概だな」
うるさいですよ。
「ま、色々と同感だが……価値なんてもんは、その時々の鑑賞対象でしかねえよ。俺達の場合は――まあ、色々あって職種を
開かす気はサラサラねえが――」お前もだろ、と付け加えて笑い、続ける。「……常に価値を保とうとする努力ってのも、割と大
変なんだぜ」
肩を竦めて、俺は言う。
「――つまり、俺達の努力は認めろってことだよ。頑張ってんだぜ?」
(場所:檜風呂)
- 822 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/31(水) 23:40:360
- >>821
顔面刺繍(――やば、名前聞いてないな。まあいいか)を横目にして、ふと、セシルが俺を見下ろしているのに気付く。向けら
れた視線の気配くらいは感じ取れて然るべきなのだが、コイツに関しては然るべき状況、という限定条件が存在しない。多分、
いや、賭けてもいい。コイツにナイフかなんかで首筋を狙われた日には、俺はひとたまりもない。台所で包丁持ってたりするだ
けで最近は寒気を覚える。
そんなことを考えていたら、湯浴み用の服に視線が――いくらなんでも、ここにナイフはねーよな、くらいのつもりだった。
が。
「……何を見ている」
「は? あ、いや、違う――そういうんじゃない」
ていうか、身体を掻き抱くな。
これだと俺が変態みたいじゃないか。
想像外の反応のセシルは、ふう、と溜息をつくと、
「しかし……良かったのか。最終日までこんなに気を抜いて」
いきなり、水を差し込んできた。
「ん? いいよいいよ。あと解呪して帰るだけだし」
「……。なんだと?」
「いや解呪。依頼だし、一応。旅館の。でなきゃ三日で一万とかありえねーから」
「……概要は」
「概要? ……は、フツーだな。普通ってかありがちな話だよ。悪魔憑き程度に」
「悪魔憑きだと? ――貴様、ならばなぜこんな暢気に」
「……あ、悪い。悪魔じゃないな。俺等はひとくたに憑依現象は悪魔憑き扱いしてっからさ。審問局みたいなタイプ分けはしね
ーし……。だからさ――ああいや、なんつーか、小瓶の妖精って言うか……ぶっちゃけ、"夜になると髪が伸びる人形"の類だ
かんな……こんなんアルバイトのエクソシストすら必要ねーよ」
アルバイトのエクソシストがいても困るは困るけど。ていうか壮絶に嫌だ。
落胆したような――正確には呆れたような表情を浮かべるセシル。
と、不意にその整った眉を寄せる。
「……ただのポルターガイストか。――待て、どちらにしろなぜお前が呼ばれている?」
「さあ? ま、統括教会通してのハナシじゃあねーし、神父なら誰でも良かったんじゃねーのかな」
「通して――ない?」
不満というより、怪訝さを声に滲ませるセシル。俺は「ああ」と続けた。
「あれ、話してなかったっけ。今回のこれ、普通に知り合いから投げられただけなんだよ」
「なっ……呆れた、そんな理由で動いたのか」
「だから渡りに船だっつったんじゃねーか。もしも統括通してたら、こんな風にノンビリできねーだろ」
「……という事は、事前情報がない訳だな」
「詳細なデータはな。ただ――なんつーかな。こういうのって、大概は思い込みから来てるもんはあるからさ。「祓い落としてや
った」ってイメージをしっかり固定してやりゃあ、大概はどうにかなるんだよ。最悪、思い込みが固定観念呼んでマジモンの現
象起こすこともあるし」
「……」
「セシル?」
「てっきり、私はお前が受けたものだとばかり思っていた。いつも通り、としてな。それで私を呼んだのだと思っていた。私がい
れば探索もできるし、片付けるのも容易いからな。先程から薄々妙だとは思っていたが、もう腫瘍部は片付けたのだと思って
いたんだ」
「違ぇって……なにが言いたいんだよ」
「悪魔憑きは簡単に尻尾を出さない。経過日数次第だが、悪魔を身体に潜ませて一週間も放置すれば立派に人格崩壊だ。
あれはだからこそひどく厄介で、退け難い症状なんだ。ただ、大前提として悪魔はモノには憑かない。さらに言うなら、遮断性
の結界も張っていないこんな場所でのそのような状況、結実に至る前に私達が察知している」
「言ってんじゃねーかよ。悪魔じゃないって。俺は事前対策の専門家じゃねーけど、事後対策の達人だぜ」
セシルは頷く。そして言う。
大分面白くないことを、割と平気で。
「その通りだ。良いだろう。ではただの思い込みによる理由付けだとしたら、なぜあの宿にエーテルの乱れがある?」
「は?」
「やはり気付いていなかったか。お前の性質を考えれば仕方ないが――あの宿には磁気変動と静電気停滞、エーテル変調が
微弱だが存在する。私は今、その理由を考えていた。ポルターガイストという可能性は捨て切れんが、あれは爆発的な乱れが
定期的に観測されるものだからな。停滞した乱れとは別物だ」
「なんだよ、それ。じゃあ」
「あの旅館に何らかの異常は厳然とある。それが何かは解らん」
なんでもないことのようにセシルは言い、どうしたものか、と俺は額を覆う。
やれやれ。
人生はいつだって問題解決進行形だ。
- 823 名前:零崎人識 ◆kILLEREa5g :2007/01/31(水) 23:44:060
- >>821
なんつーゲテモノ食ってんだよ!
「取り立てて褒めるところのねー普通の店だったぜ? 味はそこそこ。値段の割りに量は
多いからそれでとんとんってとこだな。特徴のねー町だから、『トニオ』の店でもねーかと
思ったんだがなぁ。かはは、生憎見つからなかったよ。傑作だぜ」
ジロジロ俺の顔を見る男の顔は、まったくもって俺に賛同しちゃくれねーみたいで。
俺がクールだと思ってんだからいいじゃん。スタイルなんてそんなもんじゃねーか。雑誌
を買ってきて、それを取り入れたスタイルをページを捲るように淡々とやってる奴なんて、
結局無個性ってことでしかねーんだし。個性的ってのは翻ってチャームポイントってことに
なんねーか? なんねーか。そうか。
「そいつは酷ぇいいようだな――かはは、せめて『ラルクアンシエル』だろ?」
156って数字には何故か共感を覚える――管理陣辺りから制裁を食らうかも知れねー
危険な橋だぜ……
「かはは、確かに。努力してんのは認められるべきだな。じゃねーと――俺みたいな落伍者
ばかりになっちまう」かはは、と笑い続け「でもまあ、認めてくださいって言っちまった時点で、
誰にも認めてもらえねーもんだよな。まあこいつは、俺の場合だけど」
あんたもか、なんて笑いながら聞き返す。
傑作すぎて涙が出そうなやり取りだぜ。
- 824 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/01/31(水) 23:55:320
- >>823
「『トニオさんとこ』はねーだろ! ……いや、マジであれはねーからな……マジな話、「サイゼリア」で「モッツァレラチーズのサ
ラダ」見つけた時は感動したもんな、俺」……言ってから、大分、かなりハズい気がした。とはいえ、自宅で何度も作ろうと試みた
人間の気分はそんなものだ。「……しっかし、まあ、それでもいいか……フツーの居酒屋ってだけでも、この時間ならこの地方、
間違ってもヤカましくはねーだろうし」
……まあ、味のあるカオではある。
なにより、一度会ったら忘れ難い。夢に出る――ほどでは生憎ないにせよ、空港で探すのに苦労は要らない。まあ、空港で
呼び止められそうなのがコイツ本人のツラだってだけだ。
しかし。
ラルク……いや、皮肉にしてもそれは言い過ぎだろ……可哀想すぎる。
俺は苦笑して、まあ、しかし、と続けた。
「認めてくれ、と認められてない、は同義語だからな。で、そこに行くと「認められない」人間は足掻く手を止めるしかない――。
かくも不条理だが、巧くできちゃいるだろ、このシステムって、さ」
(場所:「檜風呂」)
- 825 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/02/01(木) 00:02:520
- さて、タイムリミットは夜明けまで。
最後だ。せっかくだから楽しんでくるとしよう―――
長く親しまれた温泉旅館も今日で店じまい。冬の憩いの場が消えるのを惜しんでか、雑
多な客が集まって、それぞれに楽しんでいる。そんな盛況に、今日は静かに過ごそうと思
っていたから、引き返そうとも考える。
―――だが、窓越しに見た温泉は静かなもので、その不思議な空間に心惹かれた。
あとはまあ、行かない理由などない。
体にバスタオルを巻きつけて、音を立てずに戸を開ける。
―――寒い。指先がもうしびれそうだ。
硬い指で桶をつかんで、掛け湯で一時的にごまかす。掛けた後に冷えてしまうが、その
前に湯船へ突っ込めばいい。手近なのは―――檜風呂か。よし、これ被ったらすぐいこう。
どこに行くかを決めてしまえば、後は早い。
湯を被り、冷える足元に堪えつつ、しかし滑らないように気を遣って歩く。
冷たい、冷たい、冷たい。あと数分もいたら間違いなく凍え死ねる。
足が、木の暖かさを捉えた。よし、ついた。
「ふう―――」
ようやく温泉に身を滑り込ませる。
そのまましばし顔を緩めて熱を堪能すると―――
>>824
「あれ? 奇遇だね」
また、顔を合わせることになった。
まだどちらにも縁はあるらしい。
- 826 名前:零崎人識 ◆kILLEREa5g :2007/02/01(木) 00:09:410
- >>824
「何処かの地方絶対あると信じて疑わねーぞ、俺は」一手間も二手間も掛けて出てくる
素晴らしい料理が割と良心的なお値段で。そんな傑作すぎる夢みたいな店が一軒くら
いあっても誰も文句はいわねー。誰だっていわねー。「普通ってのはそうあるだけで素
晴らしいもんだからな。もっとも、こいつは誰かの口癖みたいなもんだがね。ま――悪
くねー店だってのは保障するさ」
顔の話題は終わりっぽいな。誰もが二、三突っ込んで終わりになる話題ではあるん
だが――ま、締めの言葉は誰もが同じことを呟くから、あんまりダラダラと無為に話し
続けなくていいのは助かるっちゃ助かるんだが。
王道が好きな奴は嘆くだろーけどな。お約束ってのはつまるところそーゆーもんだ。
無いと意外に寂しいし、侘しいもんだからな。だからといってダラダラと顔のことで話
し続けたくはねーんだが。
「かはは、ごもっとも。認められたいとも認められたくないとも思わなくなった時点で、
そいつはそのシステムからの落伍者――つまりは『人間失格』だってことだ。普通に
歩くべき道から逸れちまってるんだから、否定のしようがねー事実だろうさ」
かはは、頭の上からつま先まで――傑作だぜ。
声にならねー呟きは、湯気と共に消える、ってか?
- 827 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 00:10:220
- >>824
あれこれあれこれ。
つまり、旅館から依頼されたのは「呪いの呪物」でした――云々。説明に要した時間は、セシルの飲み込みが俺の説明速度
を凌駕し、ほぼ数秒。
「まあいい。一度……確認するぞ。対象呪物は古時計、西洋型で、時代は軽く見て五世紀は前」
「――かどうかは、解んねーよ。あからさま呪物って決め付けるにゃ俺はレーダー働かねーし、鑑定士軍団呼んだ訳じゃねー
から時代云々は「クライアント曰く某」を越えやしない。呪物かどうかってのは……ま、お前が言うなら確定なんだろ。モノに関
しての真偽はそうだな、中嶋誠之助でも呼んどくか?」
「また忍者マスターか? 誰を呼ぶにせよ、お前と調査員一人の組み合わせでは埒が開かん。お前に壊せないものはないが、
お前は悪霊一匹祓えん」
「そんときゃ憑依対象者ごとブッ消してるよ。ゼウスだろうがアポロンだろうがバアルだろうが――俺は「めんどくさい時は取り
合えずブチ殺す」達人だ。……続けるぞ」
「ああ、続け――、」
俺は桶に入れておいた(一応用意していた)依頼人からの証拠物品(仲良くなった旅館の一人娘から内緒で借りた、とも言う)
を取り出――す、前に。
>>825
「――モコウ!?」
セシルが素っ頓狂な声を上げた。
……え。
「モ――藤原?」
……マジだ。
思わず呟く。奇縁も続けば意味深遠だ。
温泉に入って三回、実に遭遇回数はこれで二度目。
生まれてこの方ケガなんかしたことないだろう、ってくらい白い肌を晒した、知り合いが。
ていうかコイツ、いつも突然現れるけど、交通手段とかどうしてんだ……?
「……言えてるな。久し振り――ってほど、久しくもねーか」
- 828 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/02/01(木) 00:17:540
- >>827
「いや、そんな声ださなくても……って今日も入ってないのね。店じまいなのに」
足だけ浸かってるなら、いっそ肩まで入っちゃえば良いのに。
まあそれはこっちの雑感なんでおいておこう。
無理強いしてもつまらんだけだし。
「まあ、そんなに間は空いてなかったわね、たしか数日くらい」
そんなことを答えて、ふと桶の中に入れているものに気づいた。
相当古いたたずまいの時計だ。西洋風の拵えも古く、大体五世紀は前。
……でも、なんでここに?
「あ、その時計はどうしたの?」
ふと興味を持って、聞いてみた。
まあ、なんでここに持ち込んでるのかはさておく。
- 829 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 00:18:150
- >>826
「そいつは上等――いや、傑作かな。……つうかそれ、未来への不安とは真逆にポジティヴだぜ。食い物のこと
だけでそれだけポジティヴになれるネガティヴ体質のヤツって、俺、初めて見た気がするかな……」
ていうか、これは、ちょっとマジで。
いやほんと、少し尊敬した。
「でぶや」とか見てても尊敬のカケラも浮かばないけど、この共感――素晴らしきかな庶民のコモンセンス。
「認められたく――あとはそうだな、そこに「認められる必要がない」、そもそもシステム自体を不知のままに過
ごしてるヤツが偶にいるから、その三位一体でカンペキだ」
つまり、そいつらってのは殺人鬼みたいなもんなんだけど、と続けて笑う。
まあ、つまり――要するに、俺で、こいつだったりするんだろう。
じゃらり、と騒ぐ鎖の音。
――不意に。
視界が揺れた気がした。
顔面刺繍と俺とを隔てる湯船の膜――ヤツがいた辺りから、鎖が伸びているような錯覚。
共感、と俺は呟く。小さく――小さく。
赤に赤を塗りたくって、黒に近くなったような極赤。
濁った紅色の鎖を幻視して、俺は笑った。
なるほど。
これも、奇縁か。
(場所:「檜風呂」)
- 830 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 00:24:070
- >>828
「あ……いや、その、すまない。まさか、またモコウを見るとは思わなかったから――その」
しどろもどろに言葉を繋ぐセシル。
……なあ。
なんか、俺に対する態度と百八十度くらい違ってねーですか、それ。
「……この写真はだな、」
「――この時計は、今回の依頼で――ああ、私達は一応、仕事でここにきていた」
らしい、と皮肉交じりに俺を向いて続けるセシル。
相棒には優しく。
心のクリップボードに俺は書き止める。
「……まあ、そんなとこ」首を振り、俺。「……藤原巻き込んでも悪いだろ。つーか巻き込むまでもないだろ、こんなの」
「モコウは、日本の呪詛――には詳しいかもしれないだろう」
「いや、そんなもんか……?」
つーか、単にお前が藤原と話したいだけなんじゃないだろうな……。
なんで一回会っただけのヤツにこんな尊敬抱いてんだ……。
ていうか俺の立場はどうなるんだ……。
疑問が脳裏を埋め尽くす前に、俺は写真を三枚取り出し、その内の一枚を藤原に放った。
「――”呪いの置時計”ってヤツだよ」
笑えるだろ、と付け加えて。
- 831 名前:零崎人識 ◆kILLEREa5g :2007/02/01(木) 00:30:120
- うわー、俺盛大に無視されちゃってるよ。俺ってそんなに空気か馬鹿兄貴「空気という
よりは『カラケ』じゃないかな? それよりもあの女の子をお兄ちゃんに紹介してくれたら
角砂糖を三つプレゼント!」いや、つーかなんで出てくんだよ。電波受信とか勘弁。
>>829
「そう、当然傑作さ。いまやもう食道楽でもしてねーと退屈で退屈で息が詰まるからよ。
まあなんてことはねー息苦しさなんだが――なんかに集中してねーと生き苦しいから
な。いうなれば、暇潰しって奴さ」
『でぶや』とか『通りの達人』とかついつい見ちゃうからな。別に面白くねーのに。でも何
故かそこにふらっと行っちまうんだよな。なんでか知らねーけど。知る必要もねーけど。
「つまり、落ちこぼれが居てこそのシステムってか。中々どうして、傑作なシステムだぜ。
まあ、落ちこぼれなんてのは何処にでも居るからな。学校だろうが社会だろうが、そこら
の公園でダンボールに包まってる奴を見つけるよりは簡単に、見つけられちまう。それが
どーしたって言われれば――どーもしねーんだけどな」
――はあ? なに、この鎖。手錠プレイって奴?
繋がってるのは――ああ、そーゆーこと。
「かはは、傑作だな。お互い」
- 832 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 00:38:010
- >>831
当然ながら、こんなものは妄想だ。
第一、男と繋がってる時点で想像気持ち悪い。いや、相当気持ち悪い。
……まあ。
この空気には、イヤってくらい嗅ぎ覚えがあるってだけ。
オーライ、認めるだけなら吝かじゃあない。
似てはいるさ、多分。きっと。
「……なんだよ、生き甲斐でも喪失しちまったか? そのトシでそれはねえだろ。まあ、一つの空白を埋める為に
何かをムリヤリ詰め込むってのはアリだとは思うけどよ――ただ、それって、空いた穴の隣に穴埋めパテ詰め込
んでるだけってことに気付くと、少し虚しいよな」
言うまでもないだろうけど、こんなこと。
「まあ、その通り――簡単な理由だよ。で、そいつがシステムである以上、当然ながら殺せない。すぐに「殺す」っ
てクチにするヤツはプロシュート兄貴にお仕置されて当然だけどよ、「殺せる」ってことはつまり、そいつが存在し
てるって前提が存在しなきゃアウトだかんな。だから、どうもしない――できない、だよ。それ」
違うか、と応対する。
まあ、コイツにとっては――違うのかもしれない。
それが、似ていて、違うってことだ。
同じ色の殺人鬼なんて、正直見てても面白くない。
要するに、そういうこと。
(場所:「檜風呂」)
- 833 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/02/01(木) 00:41:070
- 前に1回だけ行った温泉が、なんでも今日で店仕舞いらしい。
で、せっかくだからまた来てみたわ。面白い出会いもあるかもしれないし。
もちろん例によって水着装備。トレードマークのリボンはつけてられないけど、これはしょうがないか。
そんなわけで、この温泉にやってきたのだ。お、適度にいい人の入り。
「ふう……お邪魔しまーす」
- 834 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/02/01(木) 00:46:200
- >>830
「……悪魔祓いもやるんだっけ、そっち」
なるほど。なんか危ない呪いの掛かったアイテムがあるから、そいつをどうにかしよう、
ってことか。写真を見ると、一見したところただの置き時計。しかし、写真から見てもただ
ならぬ気配を感じる。背筋を羽箒で撫でられてるみたいな違和感。珍しい、こんなものがま
だこんなところにあるのか。
―――ただまあ、あまりいい方向に作用しそうな感じはしない。まさに呪いだ。
「……なるほどね。九十九神とかそういうのには良く縁があるけど、これはたぶん、何か
呪詛でも仕込んであるのかしら。どういうのかは分からないけど……中に何を仕込んだか
にも拠るけど、あんまりいいもんじゃないね。―――で、なんか具体的な霊障ってあった
? 東洋のほうだとじわじわ効いてくるのが多いからね。一家が衰退したり病気にかかり
やすくなったり、まあ不幸が訪れるって感じのが」
ただ、この旅館の姿を見る限り、そういう類ではなさそうだ。
「でも、それだとこの旅館、潰れててもおかしくはないんだけど……てことはまだ動いて
ないか、別の効果があるってことかしら。持ってる人に勝手に呪いを掛けるような……て
こともないか。そっちは平然としてるし。じゃあ単純にまだ寝てるだけかしらね、こいつ
に掛けられた呪いは」
となれば、話は簡単だ。
いまのところ呪いに対して護りは必要ないから、適当に解体して呪いの元を引っ張り出
して処分するか、時計ごと処分するか、だ。
「まあ、はやく終わらせるに越したことはないけど―――私だと力技になりそうね。時計
ごと“焼いて”清める感じになっちゃうから」
- 835 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/02/01(木) 00:48:150
- ガラガラと温泉の扉を開ける。
今日で温泉は最後、長い間この温泉を楽しむことが出来ないのだ。
だから少し多めの酒と猪口を…数個もって温泉の中に入り、
最後の月見酒をゆっくりと楽しもうと思った。
>>828-830
湯煙の中には数人いる。
一人はもう見慣れない人物、二人は怖くて近づけなかった人物、
もう一人は…もう何度もここで酒を飲んだ友人だ。
「よ、お前も最後の温泉を楽しみに来たのか?」
盆を温泉に浮かべつつ、見慣れた人に声をかけた。
やはり考えることは一緒か。
「杯を幾つも借りたのが無駄にならなくてよかった…」
まあ、一人じゃないと踏んでいたが、もし一人だったら悲しいし。
- 836 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/02/01(木) 00:49:000
- >>831
―――っと、写真に見入ってて気づかなかった。
他の客もいたのか。
「やあ、こんばんは。挨拶が遅れてごめんよ」
挨拶して、ちょっと変わった雰囲気に気づく。
なんだろうかこの感覚。普通に見えて、ちょっとずれている。
少なくとも妖怪とかそういう類ではないけど、人間とするには軽くずれがある。
そんな感じだった。
- 837 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 00:52:420
- >>834
「うん。私も、大体は同感だ。洋の東西は問わないか、この場合……日本では密教系の呪詛にさえ注意を払えばいいから、
この手のタイプは逆にラクだ。私の専門だからな――しかし、こいつと同じ、か。なるほど、私の場合は対処を考えあぐねるが、
その方法は壮観だな。焼き清めるか」
「……セシル。お前さ、前、俺が呪物ごと殴って粉砕した時、「お前の方法には知性のカケラもない原始の香りがする」とか言っ
てなかったか……?」
「モコウは焼き清めると言った。お前の場合は体質で呪詛を食い殺しているだけだろう。知性もない」
「うわ言い切りやがったこいつ!」
ていうか、なんだ……? どうして俺はこんな扱いなんだ……?
はた、と気付く。
「――って、西洋型の時計に日本の呪詛とか関係ねえじゃん!」
「なんだ、今更気付いたのか」
「肯定!?」
こいつ……。
こんなキャラ隠してやがったのか……?
これが2Pカラーとかいうヤツなのか、もしかして……?
恨むぞ、藤原。
……、まあ。さて。
名目上、俺は悪魔祓いの司祭ってことになっている。映画で割とメジャーなこの職業、ベタ過ぎてネタになりつつあるこのジョ
ブ、案外と知られていないが「職業」として実在してる(あえて正確を期すなら、司祭のスキルとして実在する、と言っておくべき
か)。世間一般でもピオ神父の名前や聖痕はそれなりに既知になってる筈だ。「エクソシスト」も再映画化されたし、今なら「ベル
ゼブブ」も「オーメン」もレンタル屋に並んでる。やる仕事は至って簡単、明快明白。「悪魔」に取り憑かれた信者(だったり富豪
の娘だったり、或いは追い詰められたカルト教団の司祭だったり)を縛って叩いて閉じ込めて十字架突き付けてアブラ塗り込ん
で悪魔を追い出す。患者(或いは信者、でなきゃ妄想家)は悶え苦しみ、神に許しを希い、奇声を発し、仰向けのまま廊下を走っ
たりして最後に悪魔を吐き出す。依頼人と家族は揃って祓い師の栄光を称え、または一家諸共バッドエンドで映画は幕を閉じる。
――ところで。
そんな手法で悪魔を除外できた実例を俺は一件たりとも認知しない。
というか、捉えている悪魔像自体がまるで違う。
患者という呼び方はまあ適例だ。ポゼッショナー、なんて呼び方でもそれなりに適当。ただ、「悪魔」は別に地球外生命体じゃ
ないし、異世界からの来訪者でもない。ましてや携帯コンピュータに放り込んでおけるほど生易しくもなく、一山幾らで世界に湧
いてくるほど安っぽくもない。ついでに言うなら原因不明の奇病の別名でもない。キリスト教外の神が零落し、貶められた姿――
オーケイ、そいつはそれなりに正しい理解だ。もちろん、その場合は「キリスト教の神」を正確に定義できてから、という前提が必
要だとしても。西洋哲学史観と興味本位の(にわか)オカルティストが歪め切った悪魔像は、未だに訂正が必要かつ困難で、多
分この先も不可能だ。
相棒はかつて、悪魔をこう定義したことがある。――「もしもこの世界の人間の思考を分類できるのなら、そのそれぞれこそが
悪魔の彫像だ」――なるほど、と俺は頷いた。俺の出会ってきた実例は正しくその定義にこそ含まれていて、そう、なるほど、神
と悪魔の関係は今日でも続いてると理解するのに十分だった。
で、連中の特徴は大別して二つ。
一つ、強い。
二つ、ヤバい。
当時、一人で戦っていたピオ神父の偉大さ――或いは当時の悪魔の肉体的脆弱さと精神的崇高さを日々知る思いだ。なんせ
現代の悪魔ってヤツは洒落にならない。化学物質と合成調味料と悲観要素とにまみれた媒体を得てこっちに出てくるせいか、ハ
ッキリ言ってスペック自体が尋常じゃなく病的で凶悪だ。
連中は腐らず老いずその上傷まず、ついでに痛まないし誰をも悼まない。総じて、中々くたばらない。肉体的にも程度の低いヤ
ツがMBTを腕の一振りでブッ壊すくらいだったりするので、民間の「エクソシストさん」やどこぞの会社が設立したゴーストバスタ
ーズやらが間違って正面切って挑んだ場合、その相場は仲良く揃って連中のイケニエと末路が決まってる――マジな話、民間
で対処したいなら新宿在住の煎餅屋か魔界医師かハリーポッターでも連れてくるしかない。俺が民間で対処しているのに出くわ
した例は、アーケード街で肉屋を営む中国人(ビザ無し三年目)の斬殺魔だけだ。
そんな「実例」を見てきた俺とセシルは、連中についてそこらのオカルト書の数倍は詳しくなったし、悲しいかな職業的対処法ま
で身に付けてきた。何の因果でこんな特化スキルを身に付ける羽目になったかを呪うヒマもなく、俺達は現場に駆り出される――
超常現象を消し潰す為に、自身を超常現象と変えることを強要される。だからこそ、俺達騎士団やセシル達審問局は日増しに尖
っていく。伊達に諸組織から異常者集団と思われている訳じゃない。俺達がFBIならセシル達はCIA、俺達がシールズならセシル
達はデルタフォース――流行りのキリスト教特務部隊を地で行く思いで、比喩抜きに巨山を崩し大海を割る連中をブチ殺し続け
ている。セシルはその異常者を率いる最先端の殺し屋で、俺もその一連に名前を連ねている外道狩りではある訳だ。
だから、いつだって問題は一つだったし、考えることは一つだった。
今回は(、、、)?
- 838 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 00:56:210
- >>837
「――まあ今回は、対象が人間じゃねーからな」
「誰に言っている」
お前だよ。
「ん、まあ、時計だな。で――ほら、あったろ? 見てなかったかもしんねーけど、ロビーの中央にこの時計は飾ってあってさ。そ
れなりに細工もすげーし、名物みたいになってんだよ、これが。姪御さんが言うには、友達も見にくるくらい有名になったらしくて、
ここら地方の新聞にも名物扱いで取り上げられたらしい……地方はわかんねーな、うん」セシルは黙って聞いている。オーライ、
と俺は間を開けて続けた。「けど、ここ最近……ホントは半年前くらいから兆候はあったらしいんだけど、時計を外して掃除してる
時に関わった人間が不調を訴えだしたりしたらしくてな。ぶっちゃけ、俗に言うタタリってヤツ」
「些細な類感の可能性もあるがな。続けてくれ」
「……ん。で、特に酷かったのが姪御さんで――つまり、慧壬さんで、それから時々、一気に体調を崩すようになったらしい。普
段は何ともないのに、急に、な」
「それだけの理由で霊症を疑っているということか? 注意してはいなかったが、それなりに元気に見えたが……」
まあ、あん時のキミ、軽くキレてましたからね。
「だけ、じゃないな。十三年前にも一遍、同じようなことがあったらしい。その時は時計じゃなかったらしいんだが……で、そん時
は……小父だったかな。うん、小父が呼んだ霊媒師に――こいつは司祭らしいが、とにかくそのエクソシストに頼んで解呪した
らしい。あ、ちなみにそん時に解呪したブツは、そのエクソシストが解呪する時にブッ壊しちまったらしいから、探そうにも参考に
できやしない」
「それで、今回も司祭を――か」
「だろうな。シロアリ退治の業者でも呼んでるつもりなんだろ。今回解呪したら、時計は仕舞って新しいのを取り付けるんだとよ。
けど、物体からの間接的な霊障って、レベルとしては直接のポゼッションより遥かにランク下だろ? シナプスの中身イジられた
訳でもなし、急ぐ必要もないか、って――正直言えば、様子見の意味も含んでたんだけど」
「悪魔絡みではない――お前が言ったんだろう。……まあ、状況次第とだけ言っておこうか。日本なら……殺生石だったか。例
えばあの位階の呪物ともなれば、危険性は段違いに上がる。要石の封印を解くのが古来から禁忌とされている理由など少し考
えれば解るだろう。人間は不知の知を常に知らん。――その無謀を、絶対に知ろうとしない。過去の迷信と寓話は身近な現象を
教訓となぞらえた物だが、正にそのもの、例外も存在する。人間がこの世の全てを解き明かしてはいない、というその事実――
私達はそれを一番身近で理解している人間で……、……待て」
ぴくりと眉を潜め、セシルは言う。
「……祓えたら、すぐに仕舞う? 展示品を――わざわざ解呪を依頼したのに?」
「予定、らしい。ま、穿ちヒネって勘繰るなら「実は時計は評判のモノとは違うニセモノ、妙なことになってるのをいいことに祓いが
終わったら片付けて証拠隠滅」って感じかな。とはいえそう言うには問題があってさ。呼ばれたの俺だけじゃないんだな、これが」
「……?」
「ああ、説明足んなかったな。俺の前にも司祭は何人か呼ばれてて、そいつらが悉く解呪に失敗してんだ、これが。もしもニセモ
ノだとするなら……ほら、珍妙な話だろ? フツーは名目保つ為に司祭呼んだら、あとは片付けて終わりだからよ。呪詛の有無
は関係ないんだ。わざわざ危険の難易度を上げるこたぁねー筈だからな」
「なるほどな。……ともあれ、それは贋物という前提を敷いた場合だろう。つまる所、そうでないのだろうさ。簡単だ」
「まーな……でも、そっちのが状況としちゃラクではあるよな」
「……まったく。五人失敗だぞ。どう考えても只事になっていないだろう。お前一人でどうする気だった?」
「オイオイ、違うだろ。けど――じゃなくて、だから、お前がいるだろ? 広漠たる辺境に犇蠢く百億千億の怨呪すら、神韻縹渺た
る”不折”が背負う終末の終端を汚せはせぬ――ってな。審問官様、頼りにしてるぜ。だってな、こんなもん地球の危
機一回救うよりも全然ラクだろ」
「……最初から、私をアテにしていてどうする」
「アテにして、ってワケじゃねえけど。いや、正直言えばそれもあるけどさ。依存は認めるよ。頼ってるのも認める。けど、なんで
だろうな……お前には頼るまでもなく頼れる、ってーか」
「まあ、いいさ。……なんとかはする」
しなきゃマズい。
最後の最後でグダグダ、ってのは勘弁だ。
- 839 名前:零崎人識 ◆kILLEREa5g :2007/02/01(木) 00:57:460
- >>832
「生き甲斐っつーよりは、自分で敷いたレールから外れちまったってとこだな。ま、話し
ても仕方ねーことだけどさ。でもなんだ、喪失感っていうのか? そーゆーのは、ある。
今まで空気みたいに存在してたもんがなくなる――いや、空気みたいに存在してたも
んを否定するのは、なんだかんだ言っても、ツレーよ」
かはは――パテで穴埋めってのは傑作だけどな。
俺の場合それが食い気か。これもまた傑作だぜ。
「どーにもならねーもんほどどーにかしたくなるのが人のサガなんだろうけどな。失格
しちまった俺には、もう関係ねー話だとも思うけど。きっと、人間だけがシステムと向き
合って、システムと対抗し、システムを破壊できんだろうし」
殺人鬼なんて奴はシステムの同類でしかねーだろ。
人間を殺すために存在してる俺みたいなのは、人間を飼い慣らすシステムとベクトル
は真逆だが、生かさないという性質は同じ。
つまり――人は何時だって殺されるために居るんじゃねーのかと思えちまうくらいには、
世界って奴は優しくねーってことだ。
>>833
温泉に水着かよ! 邪道だろ!
と、恨みがましい視線を君に。
>>836
「あー、おー、こんばんは」
ひらひらと手を振りながら答えてみる。
あれ、フラグ立った?
「そんなに見つめてどーしたよ。俺の顔には刺青は入っちゃいるが――大して変わったも
んはねーぜ?」
- 840 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 01:00:590
- >>833,>>835
人が増えていた。
「……貸し切りは返上だな、顔面刺繍」
苦笑して呟く――片割れは女性で、そっちに視線を飛ばすのは、セシルの手前躊躇われる。躊躇われると言うか、
余計な他意を込めた瞬間、俺の意識は刈り取られるに違いない。同僚の恥は我が身の恥、とでも捉えているのか、
どうも最近セシルが容赦ないのだ。
……そのうち、こいつしか食事に誘えなくなるんじゃねーだろうな、俺……。
怖。
無意味で益体ない(と信じたい)想定に首を振る。
それから二人に会釈して、どうしたもんか、と仕事を控えた月空に視線を飛ばした。
(場所:「檜風呂」)
- 841 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 01:08:520
- >>839
「ふうん……まあ、理解できねーではない――っつか、ヘタしたら俺も速攻でそうなる状況だってことを考えると、
身に摘まされるな。イテぇ話だよ、それ。まあ、俺の場合は――どうだろうな。うん、どうなんだろう。レールがある
としたなら、いつそれを選んだのか、俺は自覚がないままに来ちまったからな――片道線で、しかも何駅前から
乗ってきたのかを忘れちまった、って感じだ。やり直す必要がない――ないが、この先に敷いてかなきゃならな
いレールが無限分岐カマしてて、こいつがワリと最悪なんだ」
つまり――。
レールが外れている、と想定するなら、そこに存在する末路ってのは一つだけだ。
その先のレールはどこに通じているのか。
外れたレールの先に分岐する無限は、外れている場所すら外れているのではないのか。
不安さえも食い殺す、絶え間ない記憶と意図的な忘却――新しい真理を取り込めば、古い真理を投げ捨てる。
投げ捨てざるを得ない、俺達という儚い媒体。
それを刈るには、あまりにも永遠に未熟な母体。
「最近、その話を何度か聞いた気がするぜ。システムと関係ない場所なんて、本当にあるのかどうか――あるの
なら、その幸福の意味は本当は、どこにあるのか」
まあ、感じられない以上は、それも無意味な想定と肯定でしかない。
俺は肯定できず、コイツは肯定した。
ただ、それだけのことなのだ。
(場所:「檜風呂」)
- 842 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/02/01(木) 01:13:330
- >>839
なんかすごい視線を感じる。
例えるなら、エッチな本を隠した親を睨む少年のような。
「残念でしたー少年。そういうのは私以外の人でどうぞっ」
♪が付きそうな勢いだけどそれは止めておいた。
なんか不憫で。
>>840
なんか困ってるお兄さんがいる。会釈されたので会釈を返した。ぺこり。
えーと察するに……となりの女の子が怖くて私に視線を向けられない、とか?
お兄さんと女の子すごい年の差っぽいけど、なにかしらかそういう関係なんだろうか。
聞くわけにも行かないから妄想が膨らむ。もやもや。
「……いや、さすがにそれはないない」
一人ボケ突っ込み。
何やってるんだろ私……。
- 843 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 01:18:350
- >>842
なんか、パントマイムしてる女の子がいた。
それはいいとして、顔を凝視されたまま「ないない」とかやられた。
……なんだ……?
この拷問タイムはなんなんだ……?
俺、そんなバカにされるような顔してたことはなかった筈なんだけどな……。
はにかんで笑ってみせる。
笑ったつもりが、頬が引き攣った。
話したこともない相手に妙な了見を自覚されてる――ああ。情報化社会の象徴か、これ。
冷たすぎる。
- 844 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/02/01(木) 01:20:430
- >>837
知性のカケラもないとはまた辛らつな。
でもまあ、ぶん殴るよりも炎のほうが綺麗だとは私も思う。
「ははは……まあ、昔から使い終わったお守りや護符は燃やして清める、ってのが風習だ
しね。水が穢れを流すように、炎は穢れを焼く。特に私のは、鳳凰だの火の鳥だの迦楼羅
だの……まあ一括してフェニックスにしとこう。ともかくそれが源流だから、特によく効
くわね。妖怪とか追い払うのにも重宝してるよ。……でも、けっこういいものよねこれ。
全部焼いちゃうのはもったいない」
例え贋作でも、ここまで立派な時計はそうそうない。この旅館の名物みたいなことにも
なってる。……うーん、やっぱり分解してそれっぽいのを取り出すのが一番かもしれない。
「……っと。もう障りは起きてたのか。外して弄った人だけが受ける、受動的な呪いって
ところかしら。でもなんでそんなの仕込むんだろ、理解に苦しむなあ」
なるほど、一応影響を受けた人はいて、さらに前にもこういう呪いを祓うよう依頼した
ことがある、と。ずいぶん曰くつきの抱えてるんだなこの旅館。さすが年季があるだけは。
ただまあ、問題はなんでそんな呪いがあるかという一点。
「とりあえず、呪いの源流が何か、よね。この時計が昔から使われてるなら神様がくっつ
いてる可能性もあるけど、大事に使ってりゃ悪さはしないはずだし。見た感じ、手入れは
完璧だったからこの線はナシ。となると純粋に中に何か仕込んであるか、なんか良くない
のが依り憑いたか、ってところかな。この辺は実際に見てみないと―――」
ひとしきり眺め終えて、ため息を一つ。
そのあとで、丁重に写真を返す。
「まあ密教関連は省いてもいいと思うのよ。確かにそういう術はあるけど、「仏教が人を
殺すか!!」って話になるしね。そもそも西洋時計と密教のつながりは薄いし―――あ、
最近になって仕込んだなら別だけど、そういう話は聞く限りだとないみたいね。
ということは―――やっぱりそっちの専門かしら。灰にしちゃって良いなら私でもやれ
るけど、現物保存となるとちょっと手間だから」
私もあんまり壊したくないしなあ、こういう年代ものの。
そんなことしたら今度は憑いてた九十九神に呪われそうだ。
まあ、呪い効かないけど。
- 845 名前:零崎人識 ◆kILLEREa5g :2007/02/01(木) 01:22:260
- >>840-841
「どーにもそうみたいだな、秘匿体質」
特徴がねーってことはそれだけで人の眼から隠れてるってことだ。で、隠し持ってるもん
でばっさりと。中々気の利いたネーミングだと思う、なんてのは戯言だけどな。
温泉つーから人が来るのは当然ではあるんだが――営業時間外からわらわらと増える
のは首を傾げざるをえないと思うんだがね。ま、精々息をしないように頑張るのが、一般的
な湯治客ってもんだろう。
「まったくもって難儀な奴だなお前も――傑作だよ。無限に在ろうが無かろうが、選ぶのは
たった一つきりで、選択肢なんてのはゲームでもねーんだから見えやしねーのが相場だ。
景気が悪い相場ではあるが、最悪だと判って最悪を選べるなら、それは最悪の選択って
わけでもねーさ。ま、戯言だけどな」
俺は落ちて行くしかねーわけだが、こいつにはまだまだ続いていくレールが無数に存在し
てる。最悪な道、災厄な道、最低な道、裁定の道。なんでも無数に転がってるってのは贅
沢ではあるが――その実、多すぎる選択肢は重荷以外でもなんでもねーわけで。
選択肢なんてのは限りなく少ない方が生きて行くには楽だ。そういう風に、いつだって無常
にも世界は回っていくんだから。
「何処にもねーのかもしれないし、何処にだってあるのかも知れねーな。案外、身近に転がっ
てるなんでもねーもんが、幸福って奴なのかも知れねーし、探しに探してやっと見つけること
ができるもんが幸福なのかも知れねーしそれが判れば誰も苦労なんてしねーよ。きっとな」
かはは、傑作だぜと続ける。
システムの在り方が変わらないなら、俺達の在り方が変わるしかねーんじゃと思うわけよ。
>>842
いや、見慣れてるっちゃ見慣れてるんだが。
畜生! なんかムカつくぞ!
「――まあ、水着ってのもそんなにかわらねーと思うんだけどな」
負け惜しみだ。カッコワリィ。
- 846 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/02/01(木) 01:26:460
- >>839
―――ああ、刺青。
確かにアレは目立つ。それだけで人物が印象に残るくらい。
ただ、私が刻んだのはむしろその空気。
なんとなく、殺伐とした針か剃刀みたいなものを綿か何かに包んだような。
あ、そうだ。こっちの神父っぽい。
「ああいや、別に理由はない。ちょっと誰かに似てるかなと思っただけでね」
とりあえず、当たり障りのないところを返しておく。
……なんだか本当、珍しい人にばかりである。
アレか。類は友をなんとやら、か。
>>835 シロー
「……ああ、まあね。静かに過ごそうと思ってたら意外と大所帯。
まあ、悪くはないけどね」
その手に酒瓶と杯を確認する。
なるほど、月見て一杯、雪見て一杯、といったところか。
しかもけっこう数が多い―――あれ、なんでだ。
「ひょっとして誰か来るって当たりつけてた?」
>>842
あ、前に見た指の綺麗な人だ。
「こんばんは。いい夜だね……ああ、私のことは覚えてるかしら。
一応居合わせてたんだけど」
さりげなく聞いてみる。
忘れられてたら、まあそれも仕方なし。
- 847 名前:『夜雀の怪』ミスティア・ローレライ ◆8hOOMYSTIA :2007/02/01(木) 01:34:530
- 辺鄙な温泉でゆっくり湯治。『湯』のイメージを持った日本人には素直に感心。
何でも今日が最後らしい、この温泉。雪で埋まるのかしらね。
持ち物はお風呂セットに酒と羽用ブラシ。羽は手が届かない。
「酒は飲め飲めェ〜♪ うわお。なんでこんなにヒト居んの」
しかもニンゲンばっかだ。別に興奮したりはしないけど。
牛肉好きは牧場の夢を見るのか。いやない(反語
- 848 名前:零崎人識 ◆kILLEREa5g :2007/02/01(木) 01:34:580
- >>846
『理由がねーのに人の顔を見てるって事はつまり、それは恋に落ちているってことだと理解
するのが常道ってもんだぜ……』このクソ電波! 降りてくんじゃねえ! そもそも人の口
調真似してんじゃねーよ!
――ゴホン。
「ハン――俺と、似てる? 俺に正しく正々堂々真っ向から似てる奴なんてのは、この世に
たった一人しか居ねーと思ってたんだがな。つーか、俺と似てるなんて言われちゃ、神経が
余程図太くなけりゃ生きてなんか行けねーよ。それくらい、屈辱的だろうぜ?」
まあ、なんだ。そこにいる秘匿体質は、似てるっちゃ似てるが。
だけど、こいつは俺じゃ、ない。俺はアイツじゃ、ない。
欠陥製品だけが、心底俺と同類だろう。きっと。
- 849 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/02/01(木) 01:39:240
- >>843
引き攣った笑みを浮かべられた。
……わ、私そんなに変な動作してたかな(注:してます)
何もしないのも変なので笑みを返してみる。
うわやば、私も引き攣った。
温泉で向かい合い引き攣った笑みを浮かべあう男女。うーんシュール。
「あー、えーとその……二人はお知り合い?」
他に台詞を思いつかないのか私っ。
>>845
「いやまあ、温泉に来るならしょうがないとこでしょ、それは」
水着でも裸でもないとすると、後は着衣。
着衣で温泉。
ちょっとした狂気の沙汰気分。
>>846
「こんばんは。そうだね、いい夜。いい……月夜」
軽く空を振り仰いで見る。こんなに騒がしいのに月だけは静かだ。
「ええと……ああ、先日の時の。しばらくぶりー」
確か、私と少年が会話してる後ろ辺りにいた気がする。
いや、言葉も交わしたっけ? うーん。
- 850 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/02/01(木) 01:40:580
- さて、アイツ以外にもいる客だが
>>839
…筋モンっぽい。
この若さで一台マフィアの若頭領みたいな。
顔には刺青が彫ってあり、
なんだか危ない雰囲気を漂わせている。
…まあ、言ってしまえば、あまり近づきたくないタイプ、だろうか。
それでも刺青が気になってジーッと視線を浴びせてしまう。
>>840
この二人は…この前温泉を魔境に変えた張本人だ。
温泉内でメキっといわされた様なゴキっと言わされたような、
そういう生理的に悪寒を感じるような音を出された男と、出した女。
…さて、女性については全くわからないが、男については少しだけ知っている。
なにやら神父をやってて羽には目が無いらしいって
どんな聖職者だ。そんなギャグで構成された神父なんているわけ無いだろ。
…いや、いないだろ、常識的に考えて。
「こんばんは、神父殿。メシっといわされた膝は大丈夫ですか?」
まあ、余計なおせっかいだと思っていても聞きたい。
たぶん大丈夫なのだろうけど。
>>842
そしてもう一人。
…まあ、これといった特徴の無い少女だ。
「や、こんばんは。いい湯加減だね」
当たり障りの無いことを。
- 851 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 01:44:220
- >>844
「灰にして――そうだな。陰陽道のヒトカタ式も、確かその系統ではなかったか?」
「か、って言われても……」
いや、藤原に言ってるのは解るけどさ。
「あの類感は見事だ。西洋には、分解と作成、つまるところ要素への解体と、その構築に全てを収束させる傾向があるからな。
私はその方法があまり好きではないんだ……白状すると、私がその最たる例だから」
要するに、セシルの「分解して崩壊させてブチ消す」だとか、「ガード無視の斬殺剣」のことだ。
まあ、美学なんてのはないよな。壊すだけだし。
当然、口に出しては言わない。
ただ、藤原の言う「壊したくない」、ってのは、これはまったくもって同意見。しかし言ってみれば、「どうして呪いが存在するの
か」――なるほど。言う通り、遡って突き詰めた場合、おかしいのはその一点だけだ。
ふむ……となると……。
「ただ、受動的な呪詛……この時代なら、確かに……」
「……なあ、専門的な話は噛み砕いてくれた方が――疲れるんだけど」
「地球を三回救うよりお前に一日付き合う方が疲れるが」
「俺はどこのピッコロ大魔王だよ。……あ、っとと、そうだ。これ。慧壬ちゃんに対象の写真貰ってんだけど。さっきの、ほら。藤
原に貸したヤツの……」
「ふむ。写真……か。見せてみろ」
「ほらよ」
三枚のうち、残る二枚をセシルに差し出す。
「……、聞くが」
「あんだよ」
「さっきお前が言ったことだ。贋物だとしたら、やはり身内には隠しておきたい物なのか」
「はぁ? ……まあ、場合次第だろうけどさ。大体はそうじゃねーの? 本人の見得っつーか、この場合は旅館の名物にもなっ
てる訳だし、姪御さんキズつけたかねーだろうし」
「傷付く?」
「だって、友達とかにも話してんだろ。悪評云々以前に、そういうのは結構深刻だろうかんな。「呪いの家」とかよ、犬神家みたい
な扱いになったら致命的だ。まだ中学生かそこらみてーだし……ガキは無駄なことを囃し立てることに関しちゃ達人だからな。
で、未熟だからこそその結果を想定して外部に適用することができやしない。一生懸命にやることを笑えるのは大人の偽善を暈
したシニカルで、もちろんそいつはカス同然にタチ悪いけど……ガキのあれは所謂ノリの暴走で、タチの悪さがベクトル別だ。
あー……まあ、お前にはわかんねえだろうけど」
「確かに解らんさ」
「皮肉ってんじゃないからな、念の為。俺も一般日本人として暮らしてたのは小学校までで、中学以降っつーのはあんま解んね
ーんだから……つーか、俺がガキだから」
「確認するな。それこそ下らん」
そこは否定しろよ。
ったく。
「けどまあ、ニセモノかどうかわかんねー以上、こんなもんは妄想の域を出ねーんだけどな……。ま、気味悪いから祓って貰っ
て、それなりの結果が見えたとこで蔵行き……、が普通に妥当だろ。大体な、普通は家法なんてのは大事を取って仕舞っとくも
んだ。飾り出す神経のが理解不能だよ」
思案顔のセシルに、軽く首を振ってみせた。
まあ、妄想は妄想。
いざとなったら、それこそ藤原に焼き消して貰うとか良いかもしれない。
パフォーマンスとかハデになりそうだし――「こちら不死鳥の巫女でございます!」
……。
いや、不死鳥と巫女ってないよな……。
自己嫌悪の入りそうなネーミングにツッ込み一つ。
せめて「爆殺陰陽師」辺りにしとこう。
(場所:「檜風呂」)
- 852 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/02/01(木) 01:47:030
- >>847
あ、騒がしいのが来た。
「千客万来中よ。妖怪はお前が一人目ね」
そんなことを言いながら、出迎えておいた。
まあ、変にもめなきゃ問題なかろう。
……不安要素がそばにいるけど。
神父のほうとセシルさんはどう思うんだろう、こういうフランクな妖怪。
>>848
おいおい、そこまでいうか?
さすがに苦笑する。ここまで形容できるのは、自分によほど自信があるか、その逆かだ。
「はは、そりゃ失礼。まあ、雰囲気だけで見た話よ。そういうちょっと危ない感じのね。
……で、まあ、気に障ったなら謝るよ?」
>>849
「まあ、あまり話してもいなかったから覚えちゃいないかな。
……藤原妹紅だ。これもなにかの縁、ってことで」
軽く挨拶して、改めて疑問を投げてみることにした。
この前は回答を得られなかった、アレだ。
「それで、貴女って人形遣いなのかしら」
- 853 名前:零崎人識 ◆kILLEREa5g :2007/02/01(木) 01:53:010
- >>849
「しょうがねーなら潔く脱げよ!(本音)」
なに、そのわけわかんねー拘り。(建前)
しまった――と後悔したときにはもう遅いのが人生だ。後悔なんて先にできねーんだから
それが当然であるのは言うまでもねー事実だが。
なんて傑作だ。泣ける。
「あー、まあ、冗談だぜ。じょーだん」
うわ、情けねー。
>>850
「なんだよ? いい加減その視線も慣れてっけどさ、あんまり気分のいいもんじゃないんだぜ?
ま、見飽きたらとっとと視線を外してくれよ。ウザくてたまんねーからさ」
俺は見せもんじゃねーっての。
じゃあそんなものを彫るな? それとこれは話は別だろ?
>>852
「危うい――危ういね。まあ、それは至極当然の成り行きで肯定せざるを得ない事実ではある
んだが――相当いい眼をしてんだな。いや、恐れ入ったよ。とはいえ、俺はまだ看破しやすい
ほうではあると思うけど、それでも、物怖じせずそういうことを言えるってのはスゲーことだぜ。
で、謝ってもらう必要は俺にはねーな。謝るなら、そこの奴に謝っとくべきさ」
俺に似てるなんて言われちゃたまったもんじゃねーだろ。
俺だったら自殺するな。
かはは、どうひっくり返しても傑作だぜ。
俺が俺に似ているのは、当然なんだから。
- 854 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/02/01(木) 01:54:080
- >>850
なんかさくっと刺さる事を思われたような気がする。
ふ、どうせ人形いないとキャラ立ちませんよっ。
……なんてことはおくびにも出さないけど。反論できないし。
「こんばんはー。そうだね、いい加減ー」
鸚鵡返し。
なんだか自分が頭悪い子になったみたいな気がしてきた……うう。
>>852
へえ?
「私はクロイツェルよ。よろしくね、妹紅」
一拍おいて。
「で、中正解。正解は人形師よ。……でも、人形も何も見ないでよく分かったわね?」
- 855 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/02/01(木) 01:56:370
- >>846
「ああ、確かに悪くは無い。
偶然であった人と話すのも一興だしな」
この国には祭り好きが多い。
祭りが起こるたびに人々が集まり、めいめいに騒ぎ、
そして翌日には何事も無かったように日常に戻る。
「まあ、静かにすごそうと思ったら結局他の客と酒を飲んでいることが多かったからな。
直感で多めに持ってきたら見事大当たりってとこだ」
とりあえず少しぬるくなった酒を一杯。
うーん、この酒も今日で最後となるとさびしいものだ。
「そういうお前も飲むか?一人で全部飲んだらバッカスに連れ去られちまうからな」
ギリシャ神話にも詳しくないし、大体日本酒でバッカスに抱かれるかどうかは甚だ疑問ではあるが
まあ、とにかく酒に付き合わないか?という趣旨だけは伝えた。
>>847
……羽、いつもの屋台の店主。
「…よお、八目鰻屋」
手にはブラシと酒。
ブラシの用法はいまいちわからない。髪を梳くわけでもあるまいし、
あんなので体を洗うとそれこそ血まみれに。
それともうひとつ気になること。
「なんで目がぎらぎらしてるんだよ、お前」
そう、なんか特上ステーキを目の前にした庶民の目みたいな。
- 856 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 01:58:540
- >>845
なんか凄い四字熟語で名前を付けられた気がする。
いや、マジで付けられちゃったのか……?
秘匿――か。
ただ、まあ。
言いえて妙では、ある。
あるが――。ふん。
やれやれ、初対面でここまで言われるとは、本当に、やれやれだ。
自分がガキの頃、どこかで――例えば、自分の過去を襲った履歴が今のものでなく、もう少し別のものだったなら、
俺の鏡はこいつだったのかもしれない。こいつが――。
益体ない想像を振り消す。
「いいね、「見える選択肢」――それってアレだろ? 「フラグ」とかアイテム使うゲームだろ? ふん、まあ、理解でき
なくはねーさ。つーか、最悪だから最悪を上方修正しようとして結局最悪に陥るのがシステムなんだよな、今はよ」
不意に、笑いが漏れた。
そう、それがシステムだ――だから、そこなのだ。
似て否なる、なんて常套句。あれはウソっぱちだ。
俺にとっての最悪と、こいつにとっての最悪は同じではない――恐らく、どんな価値観にしても(それこそ、多分、
メシ屋で注文するドンブリ物の味付けにしても)、まったく同じにはならない。
「システムから外れたお前――って存在は、俺にしてみれば、なるほど、貴重な訳だぜ。自分の近似値を知らない
俺は、そんな例にはまったく出会ってなかったんだからよ。……やれやれ、「漸く見付けた金庫、ただし別のカギが
ついてるけど」って感じだよ」
>>851
と。
顔面刺繍に気を取られていて、セシルがまたこちらを見下ろしていることに気付かなかった。
なんだよ、と返す。少し強い言い方になったかもしれない。
「お前は、旅費を用意していないんだったな」
「そうだな、旅費は……って、旅費かよ。ハナシ飛び過ぎだろ。ああ、今回の件は出してくれるってんだから……、まあ、それでも
宿泊費以外は用意してるよ。迷惑掛け過ぎは嫌だし」
「いつまで滞在するつもりだ?」
「一日泊まって、散歩して、それで帰ろうかなって思ってるよ。お前と町も少しは見て回りたいし……温泉街とか、歩いてみたくな
いか?」
「わ……私は――。私は、別に――いや。……では、処理は明日に回せ」
「あー、まあそうだな……、……明日――じゃねぇ! 意味わかんねえよ! イミフにも程があんぞそれ! 第一、お前が早く処
理しろっつったんじゃねえか!」
「対象が危険ならばな」
「な、ってな……」
「お前が言ったんだ。姪を傷付けたくないと」
「言ったよ。でもそりゃ、あれがニセモノだったらって話で……」
「贋物に決まっているだろう、あんなもの。そして状況の推移を見る限り、呪詛自体にそこまでの危険性はない。真贋と呪詛の有
無は別だが、贋物に金を掛ける理由もない――となれば、やはりお前が言う通り名目を保つ為だ。呪詛自体が言い訳――くだら
ないオチがついたな。それを指摘すれば祓って即日帰宅だぞ。いいのか?」
俺はぽんと手を叩き、深々と頷き、そしてもう一度「うん」と頷いてから、セシルに向き直った。
「うおい」
話がまるで繋がらない。
「……あのな、お前は鑑定士免許でも持ってんのか」――もしかしたら持っているかもしれない、とは思ったが、心の中で首を振っ
て続ける。「前提条件が不明である以上、決め付けて行動すんのは阿呆だぜ」
「阿呆? どちらが阿呆だ。写真を見せたのはお前だぞ」
「見せたよ。古い時計なんだろ?」
「……文字盤がアラビア数字のな」
「ああ」
セシルはふう、と溜息をついて続ける。
どこか、目が醒めていた。ついでに言うなら呆れ顔だった。
なんかしたか俺。
「……その小父とやらは、十四世紀前後の細工と言っていたんだろう」
「そうだよ」
「実際に見れば製作時期くらいは私でも解るが」
わかるのかよ!
どんだけ小技持ってんだこいつ。
「……じゃねえ、って。古いもんで、作った業者もわかんねーんだぜ? そんなもんにどうやって価値判断プラスしてやりゃいいっ
てんだ?」
「お前は……わざと恍けているのか。ならばいい加減にしろ」
「ああ!?」
「ヨーロッパで十五世紀前に作られた時計に、アラビア数字か?」
「え? ――あ」
思わず写真を見返す。複数方向から撮影された写真――その正面ポジションの一枚には、威風堂々と「1」「2」「3」と刻まれた時
計盤が写っている。藤原に渡した写真には、時計盤がボケたヤツしか写っていなかった――と、なると。
なるほど。
……なるほど。
なるほどじゃねえよ。
ていうか変だと思えよ俺――、うわ、やばい、なんかすげえハズくなってきた。ありえない。ありえないぞこれ! つーかこんなも
んエラそうに飾ってるあの旅館こそ真実ありえねえんじゃねえのか……? これは責任転嫁でしかないとしても、うわ、でも、くそ。
は、ハズ過ぎる!
口元まで湯船に埋まる。横目でセシルを伺うと、冷笑すら浮かべていない目が俺を迎撃した。
「そもそも、こうした細工の時計にアラビア数字という時点で妙だと思わないのか。著しく情感を欠いているぞ」
「う……」
「そもそも、どうしてローマ数字で時計に「四」を直接表記しなくなったかの逸話すら置時計に由来するんだ。アラビア数字など……」
「い、言うな……っ! 言うんじゃねえ! ってか、くそ。くそ……、くあ、そういうことかよ、畜生。中学生なぞなぞ選手権一次予選敗
退っつー感じだな……」
「価値が解るまで身内に預けたはいいが、相手が宿で、急に流行り出したのが問題だった――という事か。正直、本物だろうとニセ
モノだろうと古い時計は古い時計、でしかあるまいに。理解できないが――まあ、そうなのかもしれないな。気遣う気持ち、か……」
気遣う気持ち――。
それ。
相棒にも少し向けるべきなんじゃあないのか……?
- 857 名前:『夜雀の怪』ミスティア・ローレライ ◆8hOOMYSTIA :2007/02/01(木) 02:02:410
- >>852
「ああ。藤……こ? まぁ不死人だっけ」
知ってる奴居た。風呂茹だらせないでよね。
「いっや、ホントニンゲン多いね。幻想郷もこうだと気を遣わなくていいのにな〜」
うようよ居ても鬱陶しいだろうけど。
不死人の方に徳利を投げてやる。
「ちょっと汚れ落とすからさー。それ預かっててよ。中身減らしてても良いから〜」
バケモノであるのでそんなに汚れるわけでもないんだけど、羽は面積広いせいでどうしても汚れる。
>>853
脱げと叫ぶ男ありけり。
風呂に何か着てはいるのか? って思ったら、
>>833
あー。
着てはいることもあるんだ。
>>855
「失敬なニンゲンね〜。調理前のモノがそんなに美味しそうに見えるワケでもないでしょうに」
羽の縁……いやこれ自分でもなんだか分かんない。
素材とか。
これをゴリゴリこする。
- 858 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/02/01(木) 02:13:040
- >>851
「うん、身代わりとかにするやつは、使った後に燃やすか川に流すわね。そうしないと色
々と危ないし……本人に身代わりが受けた呪いが戻ってくることがあるからね。後は……
基本的に式神は水に弱いから、雨の日には外では使えないとか、その位かしら。
この辺、西洋とは違ってて面白いわね。向こうは全部自前で弄るけど、こっちはそんな
に手を加えないからね。その分効果は安定しづらいけど、まあ使いやすくはあるかな。例
えば丑の刻参り、なんて呪詛は誰でも使えるようになってるし」
とりあえず陰陽術についてはこの辺にしておこう。
話し出すと本当に長くなる。
「まあ、家宝でも……大事に使ってこその道具だからね。仕舞い込むよりも完全に壊れる
まで使った方が時計の方もありがたいと思うよ。それに、せっかく使えるのに蔵の肥やし
にしたら、今度は九十九神が憑いて勝手に動き出すかもよ?」
苦笑交じりに告げて、今度は真顔に戻る。
「……それで、こういうのは共同体作ってるところの常だけど。共同体ってのは、一度そ
の枠から外れた人を徹底的に叩く陰湿さがあるからね。傷つく、っていうのはそういう意
味さ。徹底的に排斥され、精神的に苦痛を受ける。ムラ社会ってところかしらね。……こ
の現代でも、そういう古臭い風習や考え方が残ってるところは多いのよ。迷信―――まあ
迷信みたいに下らないことだけど、実際に人が傷つくから笑えない。神父さんの言うとお
り、色々と噂になる前に片付けちゃったほうがいいと思うよ。物の真贋はさておき、呪い、
って言うのは格好の排斥材料だからね」
この辺は―――まあ、実体験だ。
共同体は中にいるものを絶大な力で護る。その代わり、出る者や、入ってくる異物を決
して許さない。その規範はさまざまだが、一度破ってしまったならば、笑顔で挨拶してき
てくれた隣人も石を投げつけ罵声を飛ばす悪鬼になる。
私からしてみれば、向こうのほうが鬼に取り付かれているようなものだが、自分たちで
は気づかない。長くそこで過ごしてきた穢れに取り付かれて、すっかり歪んでしまうこと
もある。
だからこそ、外と交流を持って流れが生まれるようにしないといけないのだけど。
けれど、この国はもともとムラ同士が交流しづらい地形だ。
その穢れは、今もまだあちこちに残っている、と思う。
「で、まあさておき。結局どういう呪いなのかしら。場合によっちゃ手伝うけど―――」
……って、神父。なにか変なこと考えてないか。
まあ、こういう話をしてると巫女みたいな感じだろうが、巫女や神主は本来呪詛なんぞ
やらないから。せいぜいが加持祈祷とか託宣とか……あれ、そういうのも抗議ではまじな
いになるか。となると完全に否定は出来ないっぽい。一応、雇われながら巫女をやったこ
ともあるわけだし。
- 859 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/02/01(木) 02:21:390
- >>854
「ああ―――知り合いに、人形遣いがいるもんでね」
というか殺しあった。結果は私の全敗だけど。
……向こうはタッグ組んでたんだよ。ずるい。
「その、なんていうか、指が似てたからね。器用に動いたりとか、綺麗だったりとか。
ほら、けっこう気を使うでしょ、指先とか。繊細な仕事をする人は特にね」
そんな風に推論を並べてみる。
そうか、人形師かぁ。作るほうがメインってところか。
「でも人形師か―――どんなの作ってるのかしら」
私の知ってる方は、人形であればなんでも作ったけれど。藁人形でさえも。
こっちの方は本職っぽいから、よほど本格的なものを作ったりするのだろう。
>>857
徳利を伸ばした手で受け取る。ナイスキャッチ。
「まあ、そういう部分は大変ね。一人で洗えるの?」
ふと疑問に思って聞く。
羽って、手が届きづらい部分に生えてるわよね。
洗えるのかしら。
- 860 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/02/01(木) 02:22:210
- >>853
「…あ、いや、すまない。
なんか顔に刺青彫るのも珍しいしさ」
顔なんかに彫ったらそっち方面系がまる判りだし、
大体買い物とかどうやってんのかなって気になる、
…いや、部下とか舎弟とかに買わせているのか?こういう身分の場合は。
>>854
「ああ、湯加減もいいし月も綺麗だし酒飲むには絶好の夜だよ」
そういいつつ酒を一杯。
…あー、やっぱり温燗は美味いな。
そういえばまだ少し猪口が余っていたな。
「一杯いるかい?未成年なら飲ませないけど」
まあ、見た目だけで判断するのは非常に難しいのだ。特にこの地では。
>>855
「ほお?じゃあこれからどう調理してやろうかわくわくしている目だったかな?」
調理ってどうやるんだ。
妖怪といえば生のまま頭からバリバリ食うとかっていうイメージがあったりする。
調理するといえば大鋸までぐつぐつと炊くぐらいだろうか。
- 861 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 02:25:260
- >>847
あ。
羽。
「――羽?」
え、ウソ。
マジで羽?
……作り物じゃなくて。
なくて!
ヤバいな。
ヤバい……。
すげぇ『フカついてる』って感じだ……。
(なんでこんなもんが実在するかはともかく、美味しすぎるよな……藤原が実在する時点で、もしかしたらこういうのも
アリなんじゃあないか、って気はしてたんだよな……)
ああ。
「時に、セシル」
「なんだ」
「羽がついている人間は――」
「天使だろう。モチーフは」
「ああ、うん。ウブメとか知ってる?」
「妖怪だろう。日本の」
「そうそう。で、さ。羽がついてる人間で、つまり、そういうのがいたとしたら――」
「斬り捨てるしかあるまい」
「セシル」
「な、なんだ……さ、触るな」
「いやさ、でも、そんなのは実在しないだろ?」
「それは、解らないに決まっている。もしかしたら――」
「まあ、ココの場所の磁気変動とか、藤原とか俺のせいだよな」
「は? ああ、そう、かもしれないな。……モコウと話していて、そういえば注意してなかったな」
「つまり、あそこにいる……ハネ」
「ハネ?」
「いや、つまりあれ」
「……」
「作りもんなんだよ、あれ」
「……? ああ、そうか」
「うん、だから、そういうこと」
セシルは小首を傾げ、俺は頷く。
よし。
ハネ確保。
>>849
なんか、女の子が凄い微妙な顔で挨拶してきた。
こんな挨拶、教会じゃ一度もされたことがない。
まずい。割と、じゃなくて、かなりショックだ。
「……ああ、ええ、一応」
……なんだ、この気まずさ。
どうして俺がこんな心痛を味わう必要があるのか、正直ビタイチ理解できない。ていうか、「一応」の先が続かない。
なんだ。俺は何を言おうとしたんだ。
「りょ、旅行なんですよ!」
「なぜ気合を入れて答える」
知らねえよ。
ていうか多分お前のせいなんだよ。
>>850
何を見られてたんだろう。
……なんだ?
なんでここまで俺の醜態が晒されてんだ……?
ていうか、あん時は誰もいなかった筈で……なんなんだ、この羞恥プレイ。
「……ああ。うん、大丈夫」
うん、大丈夫。
ただ、さ。
たださ。
「でも、それあんまり口にしてると、射殺するからね」
割と本心で言った。
初対面でそこまで言われる筋がない――ていうか、神父? ……俺、この格好で神父って解るほどセレスティアルな
オーラでも発してんのか?
血色累々だとかバーニングオレンジだとか全然嬉しくないアダ名が知らないウチについてたくらいなのに、オーラで神
父って解るくらいに俺は成長したのか。
レベルアップ。
悪くない。
- 862 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/02/01(木) 02:26:140
- >>860
「……あんまり焚きつけるなって。真っ先にあんたが狙われるわよ?」
冗談交じり―――まあ、冗談のほうが“真実”に混じっているから危ないが。
「ま、それはそうとして、ご相伴に預かろうかしら」
杯を受け取り、酒を満たして、月を映す。
月見酒。えーと、何点だったかね。まあいいや。
飲み干した。月の光と一緒に。
「冷でも燗でも、こういう時に飲むのは本当に旨いよ」
そんな感想を伝えて、私は空を見上げた。
すっきりした空の上には、さっき飲んだ月が浮かんでいた。
- 863 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/02/01(木) 02:34:180
- >>853
軽妙な言葉に、思わず笑いを誘われる。
まあ、とりあえずはそんなに気にしていない、と取っておく。
「まあ―――これでも異様に人生経験は豊富なもんでね。
その人の大まかな性格とかは、見ただけで分かる。立ち振る舞いとかでね」
他にもしゃべり方、食事の食べ方とかでもわかる。
意外とこういうのが、世渡りには重要だったりするのだ。
「ただまあ、実際は聞いてもいないから分からないけどね。まだ見た感じでしかないし。
……何をしてる人なのかしら。たぶん、荒事関係とは思うけど」
ボディーガード。警察官。軍人。いや―――どれもしっくりこない。
規律に縛られているような印象はまったくない。むしろ鷹揚としている。
……うーん、雰囲気や振る舞いからの鑑別はここが限界か。
向こうが話してくれるのを待ってみるかな。
- 864 名前:『夜雀の怪』ミスティア・ローレライ ◆8hOOMYSTIA :2007/02/01(木) 02:39:360
- >>859
「ほら」
羽用のブラシをあげてみせる。
「これでこう縁は割とガシガシとやるの〜。羽は梳くような感じかな〜」
雀を一匹喚んで視覚を共有。隅々まで洗う。
>>860
「あーのーねー」
全くこれだからニンゲンは。フゥヤレヤレ、と肩をすくめてみる。
「刺身を食うニホン人が魚にかぶりつくわけでもないんだし。いちいち食欲沸いてるなんてどんな節操なしよー」
見た感じ死にたがりの昏そうなのも居ないっぽいしね。
>>861
なんだコイツ。
すっごい微妙な視線。
どういう理屈でこんな春めいてるんだろう。
あれか。
私の外見的に、少女愛好家かな。
>>862
「そいつのいう通りよー」
外の人間はワケの解らない何か、を想像もしてない奴が多い。
そう云うのがこちらへ来ると、幻想郷のニンゲンにさえ、食われたがってるように見えること甚だしい。
「わざわざ自分が食い物だって思い出させるのは、こう云うところ以外じゃ勧めないねー」
- 865 名前:零崎人識 ◆kILLEREa5g :2007/02/01(木) 02:42:510
- 「――よっと」
流石に時間も時間で、風呂に入って体の緊張が解れたなら、後は帰って眠ることがで
きればそれ以上の不満はなんにもねーわけで。
>>856
「本当、いいよな。見える選択肢ってのがあれば、俺の人生はここまで失敗――しちゃあ
いるんだろうけどな。結局選択肢が見えてようが見えてなかろうが、俺が失格しちまって
るのは変わりやしねー。かはは、結局かわんねーのさ。自分で選んじまってるから、変え
られねーんだ、だからといって、誰かに選んでもらう道っつーのは、絶対に歩きたかねー
だろうけどさ」
かはは、と笑う。別に楽しいから笑うわけでもねーし、自分を嘲るために笑ってるわけで
もねーが、こんな益体もねー話ばっかりしてると笑いたくて仕方がねーわけだ。
俺一人ができることなんてたかが知れてる。つまり、俺一人がシステムなんかに立ち向
かったところでなーんにも変わらねーのが、現実だ。勇者様が世界を救う『ドラクエ』見た
いな都合のいい世界じゃねーんだし。
だけど、まあ――
「システムから外れてる、か。――ま、否定できねーよ。俺は世界に影響を与えない変わ
りに、世界から影響は受けてねーわけだし。例えば――今ここで、ここに居る奴を全部、
一切合財有象無象の区別なく、一切合財有機無機の区別なく、殺して解して並べて揃え
て晒したとしても、なんの影響も出ねーだろうな。お前が殺しただとか――お連れさんが
殺した、だと確実に何らかの影響が出るんだろうが――俺じゃあ、駄目だ。致命的に、駄
目なんだ。そーゆーのが、俺にとってのシステムなのさ」
殺しても殺さなくてもどっちでもいいし、殺すの殺されるのだってどうでもいい。
もしかしなくても世界は俺のことを弾き出したくて――或いは、世界と俺は共存し共生し
ているとも言えなくはないわけだ。
かはは、戯言の上に傑作だけどな。
「じゃあな――秘匿体質。また縁でもあれば会って、グダグダと愚痴でも撒こうじゃねーか。
あんまり楽しい語らいってわけじゃねーが、それこそ名前も知らねー二人が出会って会話
するのに意味を求めるのはナンセンスだしな。それじゃ、お別れだ」
>>860
「ハン――オーライ。把握した。物珍しさに見物しようって腹だな。ついでに言うなら、日常
生活にそんなに支障はねーんだな。銭湯とかレストランとかには拒否られっけど、割と普
通に対処してくれんだ。普通に慣れ親しんだ奴は、俺みたいな異常を見るとついつい覗き
見ちまうが、異常は異常であって正常――つまり、普通には溶け込まないことを肌で感じ
てくれるからな。腫れ物に触るように、手厚くも無い無機質な態度で接してくれんだよ。だ
から――あんたの抱く疑問や危惧は、特に問題ねーわけだ」
傑作だろ、と付け加えるのも忘れない。
>>863
「かはは、一目見ただけで相手のことを把握できるなんてたいした特技だよ。顔に似合わ
ず相当修羅場を潜って修羅ってきたんだろうけど――ま、見抜け過ぎるってのは、あんま
り楽しいもんじゃねーと思うけどな。人と知り合って付き合いを深めて行くプロセスが、割と
人付き合いの妙だろうし。戯言だけどな」
一目見ただけで相手のことが丸判りだなんて、相当嫌な体験だった。まあ、俺の場合は
出会いが出会いであり、相手が相手であり、それが鏡面存在という俺の生き写しだったか
らこそ、なんだろうが。
「で、はあ、なにをしてんだろうな。俺は元『殺人鬼』だったけど、あいつが俺と似てんなら、
相当殺しまくってるだろうぜ。それこそ有機無機の区別なく、有象無象を微塵に砕くように」
んじゃな、なんて手を振り、水面に石を放り込んで立ち去る。
嫌な男だね、俺も。
さて、俺にとってはこの温泉は一先ず終了だ。
記憶に残しとくに越したことはねー、素敵な温泉だったぜ。
(退場)
- 866 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/02/01(木) 02:56:320
- >>853
>「しょうがねーなら潔く脱げよ!(本音)」
「欲望一直線すぎるでしょ青少年っ!」
思わず叫び返してしまった。
言葉のクロスカウンター。
というより、相手が勝手に自爆した感ありあり。やっちゃった、って顔してるし。
「あー、冗談ね、冗談」
あっはっは、と乾いた笑いを返してあげる。
もちろん、極寒の視線で相手を冷却するのも忘れない。
>>859
「へえー、なるほど。でも、それだけで良く気付いたわね。
あ、ありがとね、綺麗って言ってくれて。自分でも結構気に入ってるんだ」
指をひらひらと躍らせてみる。確かに気は使ってるから傷一つ無い。うん、我ながら綺麗。
「そうね、最近はもっぱら一人の子専用につくってるわね……今はちょっと手元に無いから見せられないけど」
そういえば最近は他人の感想を聞いていなかったから、少し残念だ。
>>860
「酔いどれねー。ま、好きな人は好きなのは知ってるけど」
私は余りお酒は飲まない。
味は好みな物もあるのだけれど、あの酒特有の自分が自分でなくなる感覚が好きではないのだ。
「遠慮しとくわー。一応未成年って事になるし」
ゲノレマソディーではそういう制限がゆるいもんだから、私も飲んだことはあるけどさ。
>>861
「りょ、旅行なんですか。へー」
き、気まずいっ。ひたすらに気まずいっ。
何が気まずいってこのまま返事が思いつかないのが気まずいっ。
「………」
沈黙。
間が持たないっ。だーれかーっ。
- 867 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/02/01(木) 02:57:000
- >>863
声が響いた。
「ねえ、銀髪のキミ! 永遠の15歳のキミ!」
モーゼよろしく、湯煙を断ち割って人影が飛び出す。
「ああ、やっぱり今日もいてくれたんだね。キミってば、ここの常連だって聞
いたから、今晩もいるかな―――と思って、駆け付けてきたんだ。『もし、
いたら……』と思うと、いてもたってもいられなくてね。やあ、それにしても
良かったよ―――キミがいてくれて。また、会えたね」
名乗るまでもなく杏里・アンリエットである。
プライベートな時間のためか、ポーラースターの制服は着ていない。
外套にパンツと言った出で立ちだ。だが、決してシンプルではない。
フロックコート風の外套は厚手で、ダブルのボタンがぴったりと嵌められて
いる。襟からは二重にも三重にもレースをあしらったブラウスが覗いていた。
スラックスはタイトで、スマートな足のラインを嫌味なほどに強調中。
王子兼探偵を自認している彼女は、同僚の格言―――「操作の基本は足」を
頑なに守っているつもり≠セった。足で稼げ。そういうことだ。
全体的にモーニングの礼服の如き衣装で、これでもかと言うほど男性的な恰
好をしているが、首に巻いたシルバーフォックスのロングファー・マフラーの
お陰でバランスを中性寄りに揺り戻していた。
何が言いたいかというと――これが彼女の平服だ、というわけでは決して無
く――杏里・アンリエットはつまるところ、服をぴっちりと着込んでいた。
露天とはいえ、浴場の中で、である。
「こんなマナーを無視した衣装で失礼するよ。本当は、このダンスホールに相
応しいイヴの装束で――当然、知恵の実を囓る以前さ――キミと踊ろうと思っ
ていたんだけど、どうしても今日は忙しくてね……。今から、すぐに演劇スレ
のほうにも行かなくちゃいけないんだ」
名残惜しげに、右手を湯に浸す。
「ああ―――温泉を前にして、ボクが浸からずに帰らなくちゃいけないなんて、
これに勝る罰はない。キミの年齢同様に、この一瞬もまた凍り付いてしまえば
―――ボクはキミと、永遠に温泉に浸かっていられるのに。時間っていうのは
儚いものだね。いっそ、このまま入水してしまおうか。そうすれば、永遠も、
温泉も、同時に手に入る」
すくった湯を水面に垂らすと、その細い顎をゆっくりと横に振った。
「でも、それじゃあ駄目だ。何の意味もない。……だって、キミと一緒じゃな
いもの。その永遠には、キミがいないもの。そんな永遠に、一体どんな価値が
あるんだろうか。他の全てが内包されていたとしても―――ボクは、キミが
いないとイヤだ」
塗れた指先を、銀髪の少女へと伸ばす。
「それとも、一緒に沈んでくれるかい? ボクと深く……どこまでも深く」
【女風呂じゃないらしい】
- 868 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/02/01(木) 02:57:320
- >>864
なるほど。使い魔とは便利だ。
今度私も―――あ、式は水に弱いから駄目か。
「便利ねぇ、そういうの。……でもそんな乱暴に洗って平気?」
まあ、なんというか。折れそうでちょっと怖い。
力加減は知ってるんだろうが、見てるほうとしてはちょいと不安。
>>865
「ん、それについては同意見だよ。見ただけじゃ分からないことはたくさんあるからね。
そっから先は、付き合っていかないと分からない。心が読めるなら話は別だけど」
読めたら読めたで大変なんだろうけど。なにしろ隠し事や思った感情がストレートに見れるんだから。
むしろ人間関係に破綻を起こしそうだ。
さておき。
「殺人鬼―――ね。また物騒な単語がでてきたわね。でも元ってことは、今はやってないわけか。
……それで、」
言いかけたところで、水面に波紋が音を立てて生まれる。
それに気を取られた時には、すでに彼の姿はなかった。
「……やれやれ、良く分からないまま消えてしまった、か」
苦笑する。それはまるで幻のように―――
しかしまあ、縁があればまた会えるだろう。
今がひと時の別れであることを祈るとしよう。
- 869 名前:クロイツェル ◆KREU/c.SEU :2007/02/01(木) 03:00:390
- >>865
欲望少年(酷い呼び名だって? 名前知らないんだもん)が帰っていく。
「じゃあねー」
軽く手を振った。
ふあ……なんか私も眠くなってきたなー。
よし決定、かえって寝よう。ちょうどよく、それなりにゆだってきたところだし。
「それじゃ、皆さんまたねー」
再開と息災を祈願して、私は温泉を後にした。
(退場)
- 870 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/02/01(木) 03:04:120
- >>861
「いや、大丈夫ならいいんだ。
あの音を聴いた瞬間酒の味すらしなくなるほどマズイ音だったからさ、
思わず心配してしまったんだよ」
ところでなんでこの神父の顔は引きつっているんだろ。
なんだか聞かれたくないこと聞かれたような顔して。
そして射殺?またまたご冗談をって この目本気だ!?
「い、いや…俺は純粋にあんたが壊れていないか心配してだな…
なんていうか聞いておかないと酷く心が落ち着かないというか」
さっき大丈夫といったので、その心の痞えは取れたが
物理的な意味で生命が危険にさらされている!?
>>862
「…美味そうに見えるか?俺」
やり残した無念とかそういうもので美味さが向上するのなら
たぶん美味いのだろうが、こんなコロニー育ちで食ってるものが悪いやつを食っても、
肉質はあまりよくないだろう。
「ああ、もとより一人で飲める量じゃないんだ。
好きなだけ飲むといいさ」
こいつが酒を飲むのにあわせて俺も酒を飲む。
さて、何度月を飲み干したのだろうか。
「そうだな、友人と飲む酒というのはなかなか美味いもんだ。
一人じゃ味わえない旨さだ」
ぼおっと空を眺める。
相変わらず綺麗な月が浮いていた。
>>864
「ま、ちょっとした先入観と酒の勢いだ。
笑って許してくれよ、な?」
カラカラと笑いながら許しを請う。
「この国には踊り食いって習慣もあるそうだが、
流石に釣り上げたばかりの魚には食欲は示さないか」
まあ、解体していくとだんだん旨そうに見えてくるらしい。
釣りたての魚も食ってみたいな。どうでもいいけど。
- 871 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/02/01(木) 03:09:530
- >>867
―――ええっと。
とりあえず自体の把握に努めよう。
礼服―――執事(バトラー)?
いやいや、そうでなくて。とりあえず落ち着け。
そうだ素数を数えよう。1・3・5・7・11。よし落ち着いた。
でもそういえば1は素数じゃないんだった。
「……ええっと」
これは、昨日の続きか。続きなのか。
いきなり飛び込んできて、口説かれて、というか。
―――でも、永遠、ねえ。
そういうのは軽々しく口にするものじゃない。例え詩人の口にいくつ上ろうとも、その
本質は“超越”だ。人間の概念が及ぶ範囲ではない。
伸ばされた手をやんわりとそらすと、
「―――残念だけど。死は永遠じゃないのよ。生と死の円環の端に過ぎないからね。死の
後には必ず生がある。死を抱かぬ生がないように、死から生まれぬ生もない。永遠とは、
決して動くことのない静止。永く遠き果てにある、触れられないものの代名詞」
そっと握って、相手の胸元に戻す。
まあ、なんだ。私らしくない言葉だが。
「温泉で楽しむのも、愛を感ずるのも、全ては生きていることが前提。簡単に命を捨てる
ものじゃないよ、王子様? 楽しみたいなら、愛したいなら、生きたままで謳歌しな。特
に―――私と踊りたいならね」
そんな風に返答。まあ、振った、と言っても良いかもしれないが。
でも―――こう押しが強いと、いつか押し切られそうで怖いなあ。
- 872 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 03:15:080
- >>865
「ああ、お別れだ」
気の効いた言葉は必要ない、と確信した。
実感、と言い換えたって適切だ。
会う時は会うだろう。――それだけのことだ。
ヤツはこの先の目的を知らず――。
そして、俺はこの先の目的を選べず。
選択肢ゼロと選択肢無限大は、考えるまでも相似系なのだ。――そして、その無限大のベクトルがマイナスであれば
あるほど、心情すらそこに近似値を示す。
だからこそ、俺はヤツに相関図を見出した――のだろう。
いや。
だろう、と仮定するには、それはあまりにも正解に近い。
誰にも影響を与えないでいられるなら、それはどれだけ幸せなんだろう。
つい数時間前に願った想いを、ヤツは不適切だと笑い捨てる。
ヤツにとっての当然が、俺にとっての非現実。
俺にとっての当然は、ヤツにとっての見知らぬ過去――或いは、捨て去った憧憬。
そして俺達にとっての常態は――言うまでもない。
あらゆる人間にとっての、天敵だ。
未だに抗う俺と、それに「面倒だ」と言い切れた、ヤツ。
どちらが幸せかと言えば、俺達はどちらも、と答えるだろう。
どちらも、幸福なんて得ていない、と。
「……心底くだらねぇアダ名つけやがって……てめぇ。だがまあ、悪くはねえよ、人間失格」
それじゃあな、と心の中で呟いて。
じゃらり、と鎖の音が鳴った気がした。
巨大に過ぎる、赤錆びた極赤の鉄鎖。
「傑作だぜ、まったく」
>>858
手を振るのも面倒に――或いは、その必要はないと確信して、俺は視線を湯船に戻す。
セシルは藤原の言葉を租借するように口の中で繰り返していた。
共同体――。
共同体と、その外。
つまり、俺達と、その外だ。
寡聞になることさえ許されず、誰もがその事実を見知り、そして黙秘する。暗黙にして美徳となった迫害者の意識は、
今や情報となって偏在する。――まあ、だけどそんなものだろう。
昔がそうだったからこそ、今がこうなのだ。
雛型――。
嫌になるような単語を思い返す。
凄まじくどうでもいいオチがつき、一応の一件落着を見て、肩の力が抜け落ちた。あとの問題は、それこそ、どうやって
慧壬さんに話すかだ。あの時計はニセモノで――直球過ぎだろ、それは。
だから、藤原の協力依頼は、ありがたいにせよ無意味で――。
「手伝う……ああ、どうやらその必要はないようだ。すまない、モコウ、内容は――」
そこで、セシルの視線が俺の持っていた写真で停止した。
「……なんだ? そちらの写真は」
「あ? ああ、ポジション変えて写してあるんだよ。見てもしゃあねえよ、こんなもん」
一気にダルくなった身体を弛緩させて湯船に沈みながら、セシルに残りの写真を手渡す。口元まで浸かり――切った
瞬間、肩に走った下向きの衝撃に、頭まで湯船に沈められた。「――げあ!?」
言うまでもなく、肩を押さえつけているのはセシルの足だった――っていうか、力! 力入ってんですけどこの足!?
「げ――げほ、げ、うげっ! み、水飲ん――お、温泉旅館殺人未遂事件発生!? 火サス!?」
俺はセシルを睨み付け、
「てめ、なんのつもり――」
「――のつもりだ、戯け」
また肩に衝撃が。
頭まで湯が! い、息が!
もがいて湯船に頭を出す。セシルが醒めた目で俺を見下ろしている。
「……せ、セシル! てめっ!」
「……」
め、目が冷たい。
まずい。
な、なんか知らないけどこのままだと殺される……!?
「せ、セシルさん、俺、なんかしましたっけ」
「最初からなぜこれを見せない」
「い、いやだって、必要ないかなー、とか」
セシルの足が持ち上がる。俺は(半ば本能で)コンマ以下で三十センチ分湯船を掻き分けて命脈を繋ぐ。
思い切り不機嫌な気配を背負い、ただし極限まで無表情なまま、セシルはゆっくりと溜息をつく。黙り込んだままの空
白が三秒。
「ゲマトリアだ、これは」
セシルは冷然と言った。
俺は愕然と驚いた。
風が冷たい。
問題浮上、パートU。
……マジで?
(場所:「檜風呂」)
- 873 名前:『夜雀の怪』ミスティア・ローレライ ◆8hOOMYSTIA :2007/02/01(木) 03:22:560
- >>867
ずいぶん昔に見た劇だとかオペラのノリがこんなだった気がする。
バタバタと登場人物を踏みつぶして沸き立つ物語。
存外ニンゲンは同族が死ぬ話が好きなんだなぁ、と思ったものだ。
あれ。
温泉だよね、ここ。
>>868
不死人には折れそうな感じに見えるらしい。実は私にもそう見えるんだけどね。
「結構頑丈って言うか、柳みたいな?」
わさわさと動かすと羽は撓むけど、折れそうな感じはない。
羽の方は緩く。
実はこっちも割と脆くないけどね。
「爪が近いんじゃないかな〜。出したり引っ込めたりも出来るし」
ちょっと爪の長さを調節して見せた。
>>870
「マルカジリにするんならもっと口がデカイでしょうよ〜。まぁ私みたいに物わかりの良いバケモノだけじゃないって事」
歳食ってる分気が長かったりするから、そう危険でもないけどね。
「躍り食いねぇ」
人間も隠語で使うような『料理』をするなら、まさに解体の過程が料理に近いかも知れない。
どんな間抜けだって、手足の一本もとれた辺りで事態に気付くし。
言わないけどね。
「釣った魚なら、すぐ揚げて食べると美味しいよ。天ぷらとか」
小魚なんかは特に。
- 874 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/02/01(木) 03:24:050
- >>872
「あら、そっか。残念ね―――って?」
あ、目の前で殺人未遂が。
火曜サスペンス劇場―――外の世界で流行っていたドラマを思い出す。
……まあそれはそれとして、なんで怒ってるんだろセシルさん。
原因は写真にありそうなので、そばによって見てみると……。
あ、これって。
私もそんなに詳しくないが、なんとなくわかる。
「数秘術か―――うわ、幻想郷でも見たことないわよ、こんな手の込んだやつ」
まあ色々と話は錯綜したが、いよいよ怪奇「人を呪う古時計」の核心に近づいた。
……でもゲマトリアは大まかにしか分からないんだよなあ。
「ええっと、とりあえず解説お願いします、セシル、さん」
こういうのは専門の人に聞くにかぎる。
- 875 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/02/01(木) 03:26:300
- >>865
「まあ、確かに―――――傑作だな」
日常生活に支障は無く、普通に暮らせていける。
まあ、俺みたいな初対面の平凡な人間なら珍しく思って覗き込むのだろうが。
まあ、短くはあったが、少しは面白い話が出来た。
じゃあな…(たぶん)若頭。
>>866
「体質、趣向によって意見が真っ二つに分かれるんだよな・
俺は好きなほうだが」
そりゃ酒はかなり旨い飲み物だ。
ここに来て始めて日本酒というものを購入してみたが、
ワインと違った独特のうまさがあり、
何故か少し懐かしくも感じられたのであった。
「未成年ならしょうがないな。
酒はもう少し歳をとってから飲めよ?」
一応の警告。これで酒飲みになっても困るしな。
- 876 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/02/01(木) 03:32:390
- >>870
「んー、まあ妖怪の味覚は分からないけど。業の深い人間のほうが美味しいらしいわよ」
もちろん、食べたわけではない。
ただの聞いた話だ。
で、さておく。
今は酒を飲みたい。
「そうね。一人酒も悪くはないが、差し飲みもまたいいものよ―――」
遠慮なくもう一杯。すくった雪を載せて、一緒に飲む。
火照った体に、雪の冷たさが内側から癒してくれる。
「そういえば―――戦友。貴方、いるのよね。元気にしてるのかしら」
まあ、正直門外漢なので何も言えないが。
一緒に酒を飲むような相手は、いるんじゃないだろうか。
>>873
爪。爪か。
たしかに、言われてみればそうかも知れない。
それなりに固くてしなやかで―――まあ伸縮自在は別としても。
「てことは、折れてもまた伸びてくるのかしら、羽」
……少しずれた質問だった。
我ながら妙だと思う。
- 877 名前:杏里・アンリエット ◆xdIdPRINCE :2007/02/01(木) 03:34:130
- >>871
押し戻された指先には、新たな創世が。
杏里は眼を見開く。
こんなにも場は湿気で満ちているのに―――酷く、渇きを覚えた。
この指先は、何だろう。知らない。
自分なはずなのに―――何も、識らない。
指先は更新されていた。
今までとは、別な何かに更新されていた。
「……分かったよ」
圧倒される感動に、言葉を紡ぐのですら精一杯だった。
「ボク、生きるよ。愉しむために。キミと踊り続けるために。ずっと、ずっと、
生き続けるよ。キミという、誰よりも死≠ゥら遠い場所に立つ少女の死生観
―――ボクは、それを尊重したい。キミという、誰よりも生き続ける少女の人
生賛歌―――ボクは、それを崇めたい。ボク、絶対に忘れないよ」
少女の温もりが残る右手を胸に抱く。
「『――― 一緒に生きましょう』そう言ってくれたことを」
少女の肢体を眼に焼き付けるだけでも眼福だと考えていた。
ただ、少女をもう一度だけ眼にしたくて。
それだけのために訪れた。
結果は―――自分の謙虚さに、聖職者の素質を見出すほどだった。
そうか。想いは、同じだったんだ。
「なら、約束だよ! 杏里・アンリエットは生きることにしたから、次に会う
ときは絶対に、踊ろう。ボクとキミの二人で、朝まで踊り続けよう」
無理矢理に腕を取って握手。上下に振り回すと、立ち上がる。
本当はキスまでいきたかったけど「入水は駄目。一緒に生きなくちゃ」と
元気づけられた以上、浴槽には入れない。此処は清貧を偲ぶべきだ。
「うん、じゃあ、約束もしたことだし! ボクは帰るね。アディオス、ボクの
愛しい少女。次に会うときは、その名を聞き出してみせるからね」
後ろ髪を引かれる状況こそ、力強く地面を蹴るべきだ。
じゃないと、いつまでたっても想いを引き離せないから。
【女風呂じゃないどこかから退場】
- 878 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/02/01(木) 03:49:400
- >>870
「じゃあ頭からではなく腕からだとか?ま、冗談だけど」
年増万歳。非常に柔らかい物腰で対処してくれてよかった。
「そうそう。魚がかわいそうだとかいって、
海外で訴えられたりするあれだ」
基本的に価値観が倒錯しているんだと思う。
なら哺乳類食うなよと抗議してやりたいくらいだ。
「へー?魚の旨い季節になったら釣りに行って見るか」
川釣りは多少やったが海釣りはやったことが無い。
しかもてんぷらをする機会が無かったのだ。食いたいという好奇心に押される。
>>876
「業が深い…か。俺も数人殺してきたけどな」
もちろん戦場で、やらなければこっちがやられていて、
それでもって俺が望んだことで。
…いや、湿っぽい。酒を飲んで忘れなければ。
「で、俺の戦友のことだったな。
まあ、こいつらはおれの部下のことだが…
一人は軍隊辞めてミュージシャンになった。今でも結構売れているよ
よく世話になた曹長は仕事道具動かすのやめて医療器具もってあちらこちら走り回っているよ。
後は…ああ、こっちも世話になった軍曹だが、今でも俺とは別のところで復興支援をしているらしい。
あと一人…は今でも俺と一緒に仕事をしている。
ま、部下の中で一番頼りないやつだけどな」
苦笑する。
頼りないといえば頼りないが、息は合うのだ。
やはり少しでも一緒にいたことがプラスに作用しているのだろうか。
- 879 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 03:49:410
- >>872→>>867,>>877
「……だって、それ――」
「見て解らなかったのか? これは――」
と。
そこで、セシルの瞳が停滞した。
停滞、というのは――この場合、一ミリの比喩も含まない。瞬きを止め、ただ一点だけを凝視する姿勢に移行した。
視線の先を追う。
なんか、凄いのがいた――ヅカ系の極地みたいなヤツ。
顔はいい――というか、十人並みと言ったらその十人が自殺しそうなくらいには整っている。ただ――多分、そいつ
は衣装と態度とその他諸々、多分生まれる星すら致命的に間違えていた。……ていうか、あれ?
もしかしてこいつ、女――、
なあ、とセシルに呼び掛ける。
返事がない。
返事の変わりに、右手が剣印(ちょっと変形の)を組んでいた。――と、その意味を俺が図り知る、そのニューロン
の伝達速度よりも恐らくは早く。
異変が狂来した。
空気が帯電した。
セシルの表情が凍結した。
ほぼ一直線に延ばされた右手――俺は意味を知りかねる。セシルは無言。
そして。
剣印一閃。
ほぼ――それこそタイムラグゼロで、セシルの右手が夜闇をトリミングする。―― 一閃、と言うにもおこがましい、
それは、本当に、真空の波涛を地上に降臨させるような速度で。
だから、俺はその瞬間を見ていない。
セシルがその右手に、自分の身長に数倍する巨大な、トゥヴァイハンダーよりも遥かに長大な、セシルが本人の
異名の由来とする漆黒の冷刃を携えるその瞬間を見ていない――終末の死を召還した瞬間を見ていない。そして、
その権限を確信し、その意味を図りかねる暇もなく、
「――C'est le commencemnt de la fin!」
「いや終わらねえよ!」
セシルが叫んだ。
俺が止めた。
セシルを正面から羽交い絞めにする。抱きつく形で、「ヤベぇ、この体勢だと俺ヘンタイじゃねえのか」という疑問が
浮かんだのは全てが終わってからだった、ってくらい、そのくらいの勢いでセシルを止めた。振り上げられた刃が、
冗談抜きに空気を斬り貫いている――正確には、接触した個所を、状態無視で崩壊させている。洒落にならない。
ていうか、待て――待て!
「な、待て、てめぇなんでキレてんだセシル!」
「は、離せ貴様! ああああああああの身の程知らずっ! も、モコウの手をっ! 淑女の嗜みをっ!」
「ちょ、イミわかんねーよ!? マジでわかんねーよそれ!? ていうかなんで藤原関係あるんだよ! 俺達の知ら
ない関係だったらどうすんだ一体!」
ていうかもうどうにもならない。
こんなとこで暴れた以上(ていうか異常)、俺達の正体が疑われる。
セシル大暴れ。右手だけは全力で固定しないと洒落抜きに死人が出るので全力カバー。
「は、離せ! 貴様が誰か殺しても見逃すからヤツを斬らせろ!」
「キャラ変わり過ぎてる!?」
……待て。
いつこいつは藤原にそんな共感し出したんだ……?
「お姉さま」「ロザリオの交換を」の世界じゃねーんだぞ、これ……。
「とにかく! もう居ないから! 理解しろセシルッ!」
- 880 名前:『夜雀の怪』ミスティア・ローレライ ◆8hOOMYSTIA :2007/02/01(木) 04:00:140
- >>876
なんたらストリンガー。程は伸びないけど、まぁ普通に伸び縮みはする。
「まぁ千切れたりしたこともあったけど、ご覧の通り〜」
幻想郷に来たての頃は諍いも多かったし、今ほど落ち着いた界隈でもなかったわけで。
私自身荒れ気味だったしなぁ。
「て言うか妖怪はどっかもげたくらいじゃどうって事無いしね〜」
崖から落ちても生きてる法則も余すことなく完備。
>>878
「腕からねぇ。あっはは」
割と的はずれでもなかったりするなぁ。即死されると美味しくは成りにくいしね。
「可哀想ね〜。ずいぶんとニンゲンに余裕が出来たもんだわー」
食べる対象に可哀想とは、余程生に余裕があるんだろう。
「食い物すら可哀想なら、もう同族での殺し合いなんて止めてそうね〜」
- 881 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 04:06:170
ぜえぜえと息をつく。
セシルは顔を引き攣らせたまま、物騒極まる漆黒の塊を握った右手を一閃――大気が揺れ、空気が帯電し、ばちん、
と異音に召致されたように生まれた黒い球体の中に剣を放り込んだ。ほぼ一動作―― 一秒未満で行われた異形の居
合(この場合、文字通りの異形だ)を残心無しに終えて、俺に向き直る。
「……で、だ」
「いや、アッサリだな……」
俺まだ息切れてんだけど。
緊張で。
時と場所を違えれば、魔王も神仏も斬って捨てる絶殺の剣陣だ。問題は向ける相手と場所とが完全に間違っていた
だけ、ってことだけど。
気付けば、あちこちで状況が変わり過ぎている。>>869あの子とか帰ってるし――どんな勘違いをしたまま帰ったのか
考えると鬱になるので、とりあえず据え置き。
ていうか。
……なんかもう、やれやれだ……。
>>870
「……筋肉と骨が収縮する音って、外にまで漏れるモンなんだな……」
回想したくもない想定が頭を過ぎ去る。
膝の痛みは消えて失せたけど、痛みの記憶がこびりついたままだ。
「……まあ、いいよ。いいけどさ。このままだと俺、なんかネタかツッコミ担当にされそうなんだよな……発言考えてくん
ねえと、かなりマズいんだ――なあ」
解るよな、と目で釘を刺した。
疲れた。
色々。
>>864
なんか、凄い汚らわしい物を見るような視線で見られた気がする。
なんだ。
一体今、どんな想定を脳裏に浮かべて俺を見たんだ、このハネは。
笑いかけてみる。
大丈夫だ。
怖くないから。
近くによってきたらアメとかあげるから!
- 882 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/02/01(木) 04:06:490
- >>877 >>879
ちょいと無防備だったかな、と握られた手を想う。
でもまあ、無碍にするなんてそれこそ無粋だし、まあいいか―――
押し切られてしまう可能性はこの際おいておいて、私は鮮やかに去って行く彼女を、
って、え?
セシルさん、なんですかその重く分厚く大雑把すぎ―――はしないけど鉄塊みたいな剣は。
「ちょ、待った待った人斬り沙汰は勘弁だって!!」
あわててこっちも止めに入る。
幸い神父がフェイルセーフロックを抑えているので何とかなりそうだった。
―――あ、でもやばそう。ラグナロクであっさり引きちぎられたグレイプニルみたいな雰囲気が。
とりあえずこっちも押さえに回る。神父は右手を押さえてるので後ろから抱き着いて凶行を制止する。
「てか、なんでそんなに怒ってるのさー!?」
狂乱の中、それがまず疑問だった。
え、何、この人も百合?
違うよなあ、たぶん。
きっと。
- 883 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/02/01(木) 04:13:040
- >>881
とりあえず正体不明の大量破壊兵器はどうにか起動を止めてくれたらしい。
―――助かった。
「あー、まあ変なことじゃないから。あれでも女の子よ。
変わってるところを言えば、その、現代に生きるサッフォー、みたいな、だけど」
とりあえず簡単に説明。
何で過剰反応されたのかは分からないけれど。
「……で、ええっと。話し戻そうか。このゲマトリアの解説、でいいんだよね」
とりあえず、落ち着くついでに話を振る。
剣とか怒った理由とか色々疑問は尽きないが、それはまたあとで。
- 884 名前:『夜雀の怪』ミスティア・ローレライ ◆8hOOMYSTIA :2007/02/01(木) 04:16:080
- >>881
なんだか騒がしい連れ付きの少女愛好家(仮)ねぇ。
五月蠅いのは結構だけど場所は選ぶべき。
しかも連れにしがみついたまま面妖な表情。
まぁ面妖な生命体を観察しても仕方ない。
汚れも取ったことだし、
「よっと」
軽く飛んで、湯船の空いてるところにソフトランディング。
「ふぃー」
暖まるなぁ。
- 885 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 04:17:070
- >>882
「な……い、イヤではないのか、モコウ!? ああ、あんな態度で手、手を――に、日本ではああなのか!? あああ、
ああ! ああ、あれが! あれが当然なのか!? あ、あんな態度の人間を許容するのが!?」
いや違ぇだろ。
どう考えてもあれは異常じゃねえか……。
あたふたと手を振って何かを表現しようとしているのは解るが、言わんとすることの焦点が完全に崩壊している。
少し冷静になれば解るだろうに。
つまり、ああいうのはおかしいってことだ。
……こいつ、一度誰か崇拝するとマズいタイプなんじゃないか……?
まあ、いい。
「ゲマトリアだよ。聞かれてんぞ、セシル」
「……ああ。とりあえずお前は側面写真を見ろ」
見た。幅広の置時計側面はシックに黒く塗られた金属質で(っても、置時計の側面なんてあまり見ないから解らないし、
他のあらゆる置時計と比較は出来ないけど)、その上部――丁度、時計盤の真横になる個所に、無数のアルファベット
が書き込まれている。規則性のある、ただし文章としては成り立たない羅列。文章に意味は必要だろうか? 必要なの
だろう。だからこそ見逃していた――どうも、この無意味に意味はあったらしい。
「……ウソ、これ、マジもん?」
「言葉は正確に使うことだな」
「……これ、本物?」
「本物の対応表だ。十七世紀のスイスで、これと似たような照応表を作っていた結社があった。ほぼ同系と見て間違い
ない……なるほど、側面部の照応表と、前面の時計盤で組み合わせるわけだな。その組換えで呪詛を発動させる操作
型アミュレットだ。見ろ。側面に入っている亀裂……これは恐らく、側面を横軸方向へ回転させられる構造になっている
筈だ――認定聖異物としては、”ソロモンの指輪”と理屈が同じだな」
「それ……なんか、ルービックキューブみてーだな」
「玩具のパズルか? ああ、あの原理と同じだろう」
同じかよ。
十七世紀スイスが一気にテキ屋で980円の玩具に変貌してしまう。世知辛いにも程がある。
「……でも、どうなるんだ、これ」
ゲマトリア。――ってのは、解りやすく言えば数字とアルファベットのアナグラム/言葉遊びだ。オカルトで暗号として
はメジャーなノタリコンやらテムラーと混同されることが多いこいつは、しかし、言ってみれば数字と言葉の繋ぎでしか
ない。だからこそ、言葉そのものに魔術云々としての意味はないのだ。(とはいえその特性を利用・性質を分解、一つの
魔術から無数の特性を持った効果に分散させる、と言った業の深い技をやってのけるヤツもいる――例えば、セシル
のように)
ただ――、とセシルは以前に語ったことがある。自分が行使するあらゆる魔術の(それこそ、エネルギーを操作するも
のも行為に直接アウトプットするものも)、それを現象に変じる際のあらゆる言葉にも文字にも、本来はあらゆる意味は
ない。意味こそ人の側にあり、その因果は人間にこそ保有される。自分と言葉との間にある流れこそ意味の本質で、そ
れは魔術に限らないと。だからこの暗号法も、考えようによっては素晴らしくヤバいものに瞬時で化ける。以前に起きた
(暗号を利用した)最悪の事例としては、魔術の発動を完全に阻害できる筈だった結界内で合成された即効性の呪詛が、
ピエトロ大聖堂に集った司祭三十人を呪殺した、というテロまがいのモノがあった――犯人は、コンクラーヴェ直前のさる
枢機卿に依頼された、これも同じく司祭だった。絶対的な防御を破れるのは、同じくそれを作ったものである。で、それ
以来、審問局はその系列の事象に厳しくなっている。
色々あって、俺にはあらゆる呪詛が意味をなさない……俺の知ったことじゃないっても、もしそうだと思うと、これはキ
ツいものがある。
- 886 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/02/01(木) 04:19:380
- >>878
「―――生きるために何かを殺さなくちゃならないのは摂理よ。
その業はそうそう拭えるものじゃない。だから人は善を重ねなければならない」
天を仰ぐ。
空は何も知らぬと、月を浮かべている。
「なにかの命を奪ってきた分、いいことして帳消しにしろ、ってことよ。
そういうのを心がけてるなら、気にしなくても良いでしょ」
まあ、フォローといえばフォローかもしれない。
私とてすねに傷はあるし、なにより彼は「良い人」だ。
変に凹ませたままにするのは、義理と人情のところで良くない。
「―――そっか。みんな元気にやってるみたいね」
それは、幸運なのかもしれない。
生と死の境界を、誰一人欠けずに渡り切れたのだから。
>>880
「そういえば妖怪って殺せないわよね。倒してもすぐ復活するし。
だから封印とかそういう手段も出たんだろうけど、それも数年すれば出て来ちゃうし。
……なんというか、まあ。不思議の塊よね」
でも痛そうだとは思う。
背中の羽をちぎられた経験はないので想像でしかないけれど。
「……平和が一番よね。痛いのは私も嫌いだし」
苦笑して、そんなことを言う。
羽繕いをしてる夜雀と、こんなことを語ろうとは思わなかった。
- 887 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 04:21:510
- >>885
「それこそだが――」
写真を人差し指で弾くセシル。ぴん、とお湯が弾き飛ばされ――同時に、その表面から水分が蒸発して消えた。
「――最悪、悪魔召還の媒介物という可能性もゼロではない。そしてもしそうなら、今すぐにでも対処しなければならな
い――この手のタリズマンは、物によっては凶悪極まりない。時計塔と原始類感を利用してエーテルを圧縮したまま悪
魔を召致した「閉じたゴルゴダ」を知らない訳ではないだろう。十年前のあの事件では、探知可能な筈の励起反応まで
圧縮されて、対応が致命的に遅れた。あの時は二千人近くが死に絶えた――ただの一瞬でだ」
「そりゃ……。まあな」
その当事者の意見としては、それなりに実感は強い。
けど。
「でもそんならだぜ、悪魔召還狙いのサタニストが俺なんか呼ぶわけが……」
「ない?」
「ウソごめん、ある。……向こうは、俺のこと神父だと――いや神父だけど、普通のヤツだと思ってんだよな……」
面白くもなさそうに、セシルは旅館に視線を投げる。
「身内の家に預けていたのは、文章の解読まで手元に置いておきたくなかったから、という線も出てきたな。旅館の人
間がアレを飾ったのは予想外だったんだろう」
「いや、それねーし。だったら祓いなんて依頼する理由ねーじゃん? んなバカみてーに強力なタリスマン、仮にもエク
ソシストだったら見逃さないだろ。ブッ壊すか回収が常道だ……俺の前の連中、全員が全員見逃したってのか? 揃
いも揃ってどんだけ無能なんだよ」
「モコウが最初に言っただろう。あれは、私も最初から考えてた――つまり、呪詛が触れた者に発動するよう、元々か
ら仕掛けられていたと考えれば妙ではない。小父は……正体はさておき、いざ研究という段階になって、呪詛にそれ
を阻まれた――それだけで祓って貰う理由には十分足りる。……十四世紀なら、カースド・ボムの作成は既に行われ
ていた筈だからな。強力なタリズマンを保管する際、盗難の対処にトラップとして仕掛ける魔術師は多い。そうでなくて
も、「自分にしか対処できない」トラップを仕掛ける魔術師は多いんだ――えてして、魔術師はそういう人種だからな」
つまり、指向性のない自己顕示欲の塊、ってことだ。
少しは見習え、セシル。
「そして、司祭とて一見してタリズマンの価値が理解できる訳ではない。表面的な呪詛を払うだけに留まる、という可能
性は往々にしてある。そも、もしもゲマトリア(暗号文)なら、それ自体は呪詛でもなんでもない。感知などできん……
お前が精通していないように、司祭であることと魔術に通じていることとはイコールではない。寧ろ、司祭でありながら
魔術と神秘術の教義に通じる私達が例外なんだ。先達の司祭たちを詰るのは筋が違う。第一、前の五人は失敗して
いるのだろう? 確認し、祓おうとして、失敗した――それ自体が呪詛健在の証明でしかない。酔狂な魔術師なら、自
分の能力を試そうと仕掛けたモノを「払えるか」と依頼するかもしれないが――それもあるまい」
「待てよ。んじゃ、誰でも良かった訳じゃないってことだろ。意図性を持って俺が呼ばれた?」
「二重の意味でそうなるな。ある程度の実力を持っていて、かつ、魔術に精通していない人間が必須だ。言うまでもな
いが、呪詛の解除にはエーテルの流れを掴む技術が必須だ。だからこそ、その開放は技術的な習練と技法を有して
いない神主や坊主には出来ない。こればかりは国柄だからだ。そしてもしそうなら、程度は解らないがクライアントが
お前のことを調べている可能性は、ゼロではなくなった。例えば、お前がどこの町の司祭で、どんなことをしているか、
くらいは――だ。お前が専門知識を持っていればアウトだからな。時計の写真は本人が渡してくれたのではないの
だろう?」
「……まあ、そうだけど」
「価値の解らない人間にとっては、それは単なる古時計に過ぎない。ただ、用心を取って写真を撮らせない理由も解
る。お前以前に呼ばれた司祭の数は――」
「黒鎚……ああいや、俺のクライアントの野郎曰く、五人だったかな。ま、そりゃ、あんま多くはねーよ。確かに見せた
人数は多くないけどさ……でも待てよ、それでも妙だって。俺は……自慢にゃなんないけど、解呪は出来ないんだ。
確かに俺に呪詛やら呪殺やらなんやらは通用しない――俺にはな。でも、そんだけだ。俺の担当は殺戮と破壊であ
って、開放は、それこそ別の司祭の領分だ。ある程度の実力を持っていて、って前提が、だからもうそこで成り立っ
てな――」
言い切る寸前、セシルの詰問するような視線に絡め取られた。
思わず、息を呑む。
「……何を言っている?」
「え?」
「私とお前が、この国で幾つの呪詛を消してきた?」
「いや、そりゃお前が消し散らして来ただけで、俺はなにも……あ」
「そういうことだ。情報隠蔽の完全さが仇になったな。ふん……だがまあ、この場合は仇とは言わないか」
そこで、気付く。
ようやく気付いたと言ってもいい。
俺とセシルのこなしてきた「履歴」は、表面上は「俺の履歴」ということになっている。その事実は俺とセシルしか知らな
いし(そう、今回、こうしてここに俺と二人で居る、という事実さえも)、その情報は時間を経た瞬間、俺個人の事実として
のみ確定される。なら、誰かが俺の時間を参照した時、そこで覗き込まれる情報は一体なんだろう?
最高精度の審問官、人間の最終形体にして最古の雛型、セシル・ヴィルキエ――その威光と最終兵器同然の能力は、
ヴァチカンの内外に於いて、ほとんど無比なまでに絶対的だ。その審問官が日本に訪れて数ヶ月、呪詛の解除やらをこ
なした数もまた数知れない。頼んだのは俺で、引き受けたのはセシルだった。なにせ一般司祭が二ヶ月以上も準備して
こなすような儀式を、セシルは片手間に終わらせてしまうのだ。気軽に頼めば、セシルはそれを(少なくとも表面上、俺が
思う限りは)すんなり引き受けていて――だからこそ、今まで意識もしなかった。第三者にとっての俺は、”セシルと俺”と
タグを打たれた情報そのものになっている。
セシルが数時間前に言った言葉を思い出す。
自分と言う、看板。
「なんて皮肉だよ」
- 888 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 04:30:130
- >>884
――飛んだ!?
ハイバネは飛ばなかったけど、このハネ飛ぶの!?
藤原に説明中のセシルを他所に、こっちはこっちで見学中。
……いいなあ。
やっぱりこれ、いいよなあ……。
ちちちち、と口を鳴らしてみる。
まあ、ただ。
スズメでも今日日、こんなんじゃ寄ってこないよな。
なんでだ。
どうして今日は俺一人じゃないんだ……。
なんかもう、ゲマトリアとか呪詛とかどうでもいいから、俺とコイツだけにしてくんないかな、もう……。
やっぱり、人生はままならない。
なあ、と呟く。
多分、さっき帰った人間失格辺りに向けて。
- 889 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/02/01(木) 04:40:240
- >>885 >>887
「や、まあ。確かに握手の習慣はないけどね。気にしすぎだよ」
というか、こういうキャラだっけこの人。
人間って奥が深いな。私がいえたことじゃないが。
で、とりあえず専門家じゃないし、先生に教えてもらう生徒の如く話を聞く。
……でも聞いていいのかな、部外者が。なんか聖堂で呪殺とか物騒な単語が聞こえてき
たりするし、異端審問ってまだやってたのか教会。いろいろとアブねえ。気をつけよう。
まあそれはさておき―――この時計に仕込まれているものは、接触で発動する呪詛と、
護符、それも万能型の二段構えになっているようだ。で、時計は―――まあ、なるべく壊
さないほうがいい気もする、かな。下手に壊して悪魔か何かでも飛び出したら面倒だし。
で、これを解くには、ある程度の実力があって、魔術に精通してない人が必要―――か。
いるのかそんな都合のいい人。
「……どうしたものかしら、取り扱い」
たぶん、呪詛はこの暗号と連動しているのだろう。暗号を先に何とかしないと呪詛も外
れないし、もっと悪いことが起きるかもしれない。少なくとも死人は出そうだ。
……あー。壊したほうが早い気もするな。どうしたものだろう。
なにしろ私の領域をはるかに超えてるわけだし。
- 890 名前:『夜雀の怪』ミスティア・ローレライ ◆8hOOMYSTIA :2007/02/01(木) 04:40:380
- >>886
「本格的に生死の境迷ったのって……。んー、多分幻想郷に流れ着いたときくらいかなぁ」
身体が一部欠けたくらいでは大したこともないし。
銀だとか魔法だとかも効くけど、弱いってワケではないしね。
身体を穿つ痛みは妖怪にさほど効くもんじゃない。
「たまに誰かが騒ぎを起こす今が丁度良いかな。スペルカードは良い遊びだし」
たまに争乱が欲しくて仕方ないときもあるけど、遊びで誤魔化しが効く程度だ。
>>888
……。
私を鳥そのものだとでも思ってのか。
「そこのニンゲン。あんたの行動に疑問はないの」
バカにされてるのかしら。
- 891 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/02/01(木) 04:45:100
- >>890
飛ぶ夜雀。目で追う神父。
……とりあえず、その辺はスルーしとこう。
せっかくの話だし、あんまり気を散らしてもいけない。
「まあ、そうだね。弾幕ごっこは色々とちょうどいい。
こっちも気楽にやれるしね」
その気になれば不死鳥一発フェイタルKOで妖怪倒せたりもするが、どうにも味気ない。
多少は楽しみを見出さないと作業にしかならない、というものだ。
「にしても―――不思議よね、その羽」
こういう、人間にはない器官と言うものは不思議だ。
どういう機能を果たしてるか分からないけど、くっついているというか。
というか、飛ぶのに羽いらないんじゃなかったっけ。
- 892 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 04:57:060
- >>889
「どうしたものか、か」
藤原の言葉を反復して、セシルは胡乱げに呟いた。
俺は、その先の言葉を少しだけ想像できる。
――どうするか、と。
呟き、黙り込み、黙したまま語らない。
水面に足先を滑らせては、時折指で湯を跳ね上げる。その視線は遥か夜の奥に定められている――世界を切り取る怜悧
な認識器官。感情と呼べる残滓を覗かせることのない青い瞳は、その色一色に視界の全てを染め上げ続けている。いつも
――今でも。セシルは常に判事であり、セシルこそが死鎌を駆る執行官だった。
……まあ、小父さんを疑う理由は、解らないではない。
ただ、どうしてだろう。
どうにも歯切れが悪い。
「このままだと、ただ壊す、って訳には」
「いかないな。場合によっては――」
セシルはその先の言葉を飲み込む。
俺は首を振る。
「……でも、随分早い期間で五人呼んでるんだぜ。呼べば呼んだだけ、危険度は上がっちまうよな。たった五人、じゃないぜ。
既に五人も、って状態だ」
「早い期間だからこそ、それは焦りの証左に他ならん。展示している旅館が有名になってくれば危機感も募るだろう。保身は
小物の特権だ」
「セシルさんよ」
「なんだ」
「ギルド「だからこそ」、別の国の技術を先取りしてることってあんのかな。あの当時のギルドって、言ってみりゃ最先端の科学
者集団だろ?」
残念だが、とセシルは軽く首を振る。
「まず、ないな。ゲマトリアにせよテムラーにせよ言語学発展後にオカルティズムが吸収した後付けの技術に過ぎん。ゲマトリ
アはカバラの派生でしかない――ならば結論など言うに及ばずだ。第一、その時代ともなれば技術発展は科学の仕事だった。
その地で広がった技術や文化を応用することはあれ、他所から輸入してまで技術に取り込むという事例は少ない。専門化した
技術分野は、常にその周辺の技術のみを取り込んで先細りするものだ。専門的知識の乱立と不和は今に始まった訳ではない
ということだ……が、まあ、あの当時はそれほどその軋轢が激しくはなかったし、錬金術と科学の掛け橋を思えば、そう言い切
るのは、どうかと思うが」
「ふ……む、なるほどな。んじゃ、あれか。ともかくこいつが作られたのは間違いなく十七世紀以降か……」
「ヨーロッパ広域で見るなら十九世紀以降という可能性も高いな。ただ、どのみち作成された時期とは無関係だろう。国が特定
できればもう少々絞りようはあるんだがな。第一この細工、スイスというよりは……」
「かも、しんねーけどさ。スイスの結社が作ってんだろ、これ」
「スイスの結社が作った照応表ではあるさ。先に言ったが、技術的な輸入はないとしても……それはあくまで、「別の領域から」
というだけの話だ。同系統の概念に関してはその限りではない」
「……要するに、魔術師同士が交流してた可能性はあって、ヨーロッパ他方面の時計にどこぞのスイス人がアミュレット埋め込
んだ可能性があるってことか」
セシルは無表情に頷く。
ギルド(結社)とギルド(協会)。魔術師同士で仲良しこよし、なんて想像が容易に湧かないのは、セシルのこの態度に大半の
理由を置いている。何せ俺の知っている魔術師と言えばパーフェクト偏屈、マックス人間嫌い、マキシマム孤独、の三拍子に三
位一体、正しく伝統的なマーリンのイメージそのままか(ジル・ド・レに対して真の意味で正反対な人間を作れば、要するに、ああ
なる)、でなきゃコミュニケーション過多で前向きシニカルな最悪人間のどっちかだ(前者は言うまでもなくセシルだ。後者は――
思い出したくもない)。
「スイスでヨーロッパ方面の時計に埋め込んだか、スイス人がそうしたかは解らないがな。無意味な想定であることを承知で言う
なら、恐らくは後者だ。私なら……、そうだな。和平の挨拶と称して贈り付けた相手に呪殺の呪詛を発動させる暗殺用の媒介に
使う。このサイズなら、街一つ落とせるぞ」
「怖! ていうか発想が暗ぇよ!」
「何度も教えたが、呪殺は体性のない相手を殺害するのに最も適した手段だ。物的証拠は皆無に等しく、痕跡でさえ一週間も経
てば完全に消えて失せる。――辿れるのは人的経路だけだ。そして時計は発動期間を操作するには丁度いい媒体だ。高濃度の
水銀とエメラルドと、後は制度の高いルビーがあれば細工には充分に事足りる。組成式を変えれば城一つ程度は消し飛ばせる
爆発物の代わりにもなる――考えてみろ。「血の十七世紀」なら、とな――スイス傭兵を二千人雇うより、アミュレット一つで王を
落とせれば安い物だ。……それに、これは細工自体は緻密だからな。時計そのものは時計職人のものだと考えて間違いない。
十四世紀以前という線は消えたにせよ、それなりの貴族が所有していた筈だ」
時計職人の。
頭の奥で、何かが引っ掛かる。
「それなりの、なぁ。お前の家にもあるの? こういうの」
「ヴィルキエは没落貴族だ。茶化すのは止めろ――それに、個人時計の作成が活発になったのは、十八世紀以降だ。歴史の浅
い私の家と比べても参考にはならん」
「ん……あ、そっか」
商業の活発化と街の活性化――息衝く人のコミュニケーション増加。際限ない時の流れを区切る為、人は時間という概念をより
身近に欲した。
時は常に流れ行く――そして時は流れ/または溜り行く。
「……んじゃ、この時計もやっぱり十八世紀くらいなのかな。十四世紀ってのはガセで」
「さっきも言ったが……すまないな。そればかりは直接見ないことには、なんとも言い切れない。時計自体に関して言うなら、シャ
ルル五世がドイツ人に宮廷の塔時計を作らせたのも十四世紀だった。この時計はそこが曖昧なんだ。アミュレットの細工は確か
に十七世紀のものだ。しかし、時計だけなら過去のものを流用した可能性も考えられるだろう。仮に十八世紀以降だろうとこの細
工、雑貨とは口が裂けても言えん。まあ正直、私の好みとはそれこそ口が裂けても言えんが」
「うーん……つーか、なんつーか、なぁ。そうじゃなくて、なんかヘンなんだよ。違和感っつーか座りの悪さっつーか、『完成したジ
グゾーパズル』の最後のピースが後ろの絵とチグハグな感じっつーか――あ、れ」
ぱりん、と頭の中で疑問にヒビが入るような感触がある――記憶の断片と想定の糸で手繰り寄せ、憶測の点と点が結ばれて推
測の線が像を描いていくような錯覚を覚える。
「どうした」
「……なんかこの時計、どっかで見た憶えあんだよな」
セシルの怪訝な顔。
「あー……ルーアン、か?」
「なに?」
「この……ほら、中世っぽいっつーかバロックっぽいっつーか、飾り、あるだろ? これってルーアンの広場にある壁時計にすげぇ
似てないか」
「……なんだと。――む」
セシルは表情を僅かに硬くすると、「確かに」と呟いた。
時計塔にも壁時計にも遥かに及ばないサイズながら、そのシルエットはイタリアの旧市外にあるそれに酷似している。
「それにほら、この下のへん……っつーか時計のベース? っつーの? この形、デザインとしては同系だろ」
「これは――」
- 893 名前:『夜雀の怪』ミスティア・ローレライ ◆8hOOMYSTIA :2007/02/01(木) 04:59:500
- >>891
「そうそう。しなきゃいけない事なんてほとんど無いんだし、気負うものもなくて済むし」
あの春っぽい無賽銭巫女が考えたとは思えないくらい、弾幕ごっこは妖怪にもニンゲンにも都合が良い。
「あー。この羽?」
私としても色々不思議には思ってる。
似たような羽の動物が居ないんだよねぇ。
「まー、無くても飛べるけど逢った方が安定するね。歩くときの親指みたいなもんかな」
カガク的にはヨウリョクが足りないとか何とか。妖力?
飛べるんだから足りてないわけがないんだけどね。
「あとは夜盲にする時鳴らしてたりすることもあるかな。ニンゲンには聞こえないらしいけど」
- 894 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 05:10:280
- >>892
セシルが懐に手を差し入れる――と、ありえねえ位置から、ありえないモノが。
携帯電話が。
有無を言わさず盤面に指を走らせるセシル。短縮登録という習慣は、コイツに存在しない。
「サラ。ああ、私だ。……男の気配? し、知らん。な……なぜ貴様にそれが解る!? な、なんだと? ――たた、戯け! 刻む
ぞ! そ、それよりだな……それより頼みたいことがある……土産? ああ、一々言わなくても解っている。わ、忘れたりしていな
いし、――だから! 誰もいない! く、くどいぞ! それより! ……それより……ああ。調べ物だ。ああ……クレアはそこに?
仕方ない、今から言う物に該当物がないか、管理局のデータベースを洗ってくれ。パスと履歴は私の区分で構わん。そこの机に
入っているだろう。……無用心? 使う人間が使えなくて何の用心で何の機械だ。識別ABCコードはnj01po999io877a-laurencin
……いいか、画像を転送するぞ。……、……、よし。カテゴリーはタリズマン及び呪物全般、探索区分は美術品――骨董品全般
だ……そう、スイス、イギリス、イタリアのミュージアムを中心にな。……ああ。そうだ。個人で開いていた物も調べてくれ」
「ミュージアム?」
黙っていろ、と言いたげにセシルが軽く首を振る。
「そうだな、時代は……下限で十五世紀だ。それより以前は走査しなくていい。……ふむ。ああ、そうか。了解した」
携帯を閉じて、ふう、と溜息一つ。首を振って、セシルは俺を見る。
「説明プリーズ」
「決まりだ」
感覚は一秒未満。
息を吐くような音域で、セシルは言った。
「――それは盗品だ」
うわ。
なんかすげぇ話がデカくなってきやがった。
「……一応聞くけど、なんで」
「その手の細工は珍しい」
「かもな」
「それだけだ」
「おい」
「冗談だ」
……こいつ、キャラ変えてきやがった。
「そうしたタリズマンは、性質から考えても表に出る物ではない。だがな、表に出なければ一般人の手には入りはしないものだ。なら、
調べる手は逆にあるということだ。時計がフェイクで、物がスイスのそれと確定したなら、それこそ後は容易い。私達の成立はいつだ
と思っている? 私達は魔女を狩り人を狩り、その痕跡に至っても狩り続けた「中世の悪夢」だぞ。だからこそ私達は逐一微細、障害
になるような要素を記録しないではいられない。……話を戻すが、それが出たのはグレーゾーンの商品を扱うスイスのギャラリーだ。
本来なら出たとしても手には入らんが、何かをどうにかするのなら――手段を選ばんのなら、手に入れる方法はある」
「疑って掛かったからこそ、ってか」
「お前のせいだ」
「……そりゃそうかもしんねーけどさ」
そう言われると、なんだか知らないが微妙な気分だ。口出ししただけでクライアントの罪を(図らずも)追及して、俺はそいつをどう受
け止めるべきか。
受け止める必要はあるだろうか?
「十三年前だ。そこから二点、珍しいタリズマンが持ち出されている。犯人は未だに捕まってはいない。――もちろん、所在は今に至る
まで不明だ」
「不明、ねえ。一点はこれ……ちなみに、もう一つのってどんなんだったんだ?」
「口では説明し辛いな。……カバリストが作った地球儀、と言うとお前の想像には近いかもしれん」
近くねえよ。なんだよその人類の想像拒否ってるゲテモノは。
前のエクソシストが壊したのが解る気がする。
「その小父は奪ったタリスマンを時計に押し込み、外見をそのまま時計盤へ流用した。そのせいで大分――かなり、不恰好なモノにな
ってしまったようだがな」
つまり、違和感はそこだったのだ。
流用したパーツで作られた異質なタリズマンでも、世紀を無視して作られたオーパーツでもなく、これは――。
「最初から、小父サマが盗んだタリズマンを時計に埋め込んで隠しただけ、か。なんてオチだよ。呆気ねえっつーか、反則だろ」
「事実などそんなものだ」
ていうか単純にムナしすぎるんだよ。
「時計そのものは、それなりに高価なカモフラージュだ。購入するにも手が掛かる……だからこそ、その真偽は素人に解る訳がない。
しかし――」
「それこそ、本職の鑑定士にでも調べられればこいつ(、、、)はバレる、か。なるほどね」
「ニセモノという本物であることがな。もっとも、鑑定士にこのタリズマンの用途は理解できんだろうが。そこで本当に恐れるべきは、そ
の鑑定士の判断から然るべき判断を下せる人間に回る可能性だ。この場合、有名になった名物に対して外部からその声が掛かるこ
とこそ恐れるべきだ」
「まあ、根本的なとこで間違ってた辺り、表に出す予定はなかったんだろうけどな」
「家族への体裁だけ、だろうからな。外部にも騙される人間はいたがな」
「……」
言うな。
「問題は、ならばなぜ教会の人間を呼んだか、ということだ。多少なりともオカルティズムに精通している人間が、教会の人間を呼ぶ理
由が解らない。これを早く隠す為の、身内への表向きの言い訳といえばそれまでだが……となれば、やはり悪魔召還の媒体である線
は薄いか」
「ふーん……なあ、そっちのデータは?」
「生憎とな。本来なら記録されている筈だが……なにぶん、出所が小さなギャラリーでな。しかも、展示に出て即座に盗難だ。手際の良
さは相当な物だったらしく、死人も怪我人も出ていない――が。だからこそ気になるんだ。なぜなら、そこまで周到に計画した盗難なん
だ。これが出るのを待っていたと考えてもいいほどの」
「だったら、そいつは素人じゃなくなるな」
「その通りだ。そこが気に懸かる……ふん。その小父、直接見ておけば良かったと、今は少し歯痒い気分だな。魔術師である可能性は
低いが――」
「まあ、知識が皆無って人間じゃねえよな。このタリズマン、フツーの人間にも動かせんのか?」
「操作式とは言っても、所詮は護符だ。それそのものが魔術師にしか使えないほど動的である必要はない……それこそ、そんなものを
作れるのはお前達騎士団の異常者だけだ」
ヒデェこと言われてるし。つか、それやれるのはジェイムスだけな。
「そして、仮にこの世界に精通していて……審問官の存在を知っているなら、これは時限爆弾同然だ――いや、精通しているからと言っ
て、私達のような人間(処刑人)がいるとは想定していない――か。ふん、根幹は堂々巡りだな」
「業界が違うからな。あっち(神秘主義者)とこっち(俺達)じゃ。……ただ、悪魔召還って先入観はもう捨てていいと思うけど。タリズマン
使わないと悪魔も呼べないような人間だろ? そこまでやるにしちゃ、リスクとリターンが吊り合わないぜ」
「なんとも言えないな。……まあ、やることは決まった。理屈としては身内への言い訳に司祭を呼んだ、で充分通るだろう」
零度の響きで、セシルは言う。
どうしたものか、と俺は呟く。
本当に――。
- 895 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 05:18:140
- >>890
……喋った。
喋ったよ、今、このハネ……。
なんて癒し系なんだ。
つーか、何で今テープレコーダーがなかったんだ……。
そう。
こんな気分が殺伐した状態で、こいつは――。
「……、」
言葉に詰まる。
どうすれば着いて来るのか思案して、それ以前に状況が状況だと思い直させられる。
……。
なんか、もう。
ほんとこいつ、桃太郎宜しく着いてきてくれねえかなあ……。
「……現状、俺とお前の距離に疑問を」
- 896 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/02/01(木) 05:24:310
- >>894
……どんどんと話が大きくなってるなあ。
依頼人が盗んだアミュレット、じゃなくてタリズマンか。
それを時計に組み込んで隠して、で、手に負えなくなったと。
そんな感じでいいのだろうか。
……なんだかなあ。
「あー、うん。後腐れなく燃やしたほうがいいのかな、この場合」
それとなく聞いてみる。
呪詛も想定よりはるかに高い強度で掛かってるぽいし。
護符も外すのは無理そうだ。
だったら、もう災いなす前に焼いて清めて供養したほうがいいんじゃないだろうか。
- 897 名前:『夜雀の怪』ミスティア・ローレライ ◆8hOOMYSTIA :2007/02/01(木) 05:27:160
- >>895
黙った。
なんだろう。口から粘液を吐き出す準備?
そこはかとない幸福そうな顔が、不気味だ。
いわゆるキマってるとかブッ飛んでるとかラリってるとか……。
>「……現状、俺とお前の距離に疑問を」
……。
今日はもう帰った方が良いね〜。
脱衣場に一っ飛び。
「ビョーキは隔離とか矯正を受ければ治るそうよ〜」
望み薄そうだったけど。
【退場】
- 898 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/02/01(木) 05:29:380
- >>893
人間には聞こえない音って、蝙蝠みたいだなあそれ。
思ったけど口には出さないでおいた。
「一応、意味はあるのね、それ」
人間の足の親指とはまた面白い例えを出す。
確かになかったら凄く不便だ。
となると、空を飛ぶときにバランスを取るために生えているのか。
確かに理にかなってる。四足歩行動物の尻尾みたいなものか。
「その辺はてっきり趣味でつけてるのかと思ってたよ」
妖怪って割と姿かたちとかいい加減に出来るみたいだし。
- 899 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 05:34:390
- >>894
プチ癒し系のハネから視線を戻す。
やるべきことをやってからだ。
「――で? クライアントが持ち掛けてきた解呪依頼はオマケって?」
「オマケ、とも限らんだろうが……本質は身内への言い訳だろう。どちらにしろ、捨ててはおけん」
「言い切れるのかよ」
「お前が支持するのは、現状維持での大数の理論だったな」
やれやれ。
言葉の責任は、いつだって背中を追ってくる。
>>896
幾分曖昧に、藤原が言った。
同感だ。何もかも、全てが曖昧なままだ。
俺は頷き、セシルも頷き――ただ。
「……同感だ、モコウ。だが、責任の所在は突き止めねばならない。――私は、そう思う」
セシルは、その曖昧を許さなかった。
「どこにだよ」
「カタリナ派の支部だ」
「さいで。あーあ……あの小父さん、消されちまうな」
「考慮はするように言っておく」
言い直すなら、生きたまま心臓を抉り出されるのが全身の皮を剥がれるのに軽減されるって意味だ。
そしてそれは、実に俺達の理屈に適っている。一週間前の俺が鼻歌交じりにやっていたことと一ミリの差だってありはしない。
ところで、今日は休日だ。
「それ、電話?」
「改造はしてあるが」
それは普通に違法だと思う。
……まあ、テレパスだのなんだので会話されるより余程にマシか。
「貸してくんねーかな、俺の部屋でさ。どっちみちここじゃ電波アウトだし、しかも今の俺の携帯、テトリス入ってねーからやることねーし」
「……最後のは関係あるまい」
言いながらも、セシルは携帯をパスしてくれる。履歴やリダイヤルを調べても面白みのないログなのは明白なんで、迷わず用件のダイ
ヤルを速攻プッシュ。普段は二十回は絶対必須のコールは、万年に一度の奇跡かな、三回で繋がった。
「オイ、黒つ――ち……あ、うそ、三月さん? ごめん、あのアホに電話したつもりだったんだけどさ……ははは。すぐ繋がるからおかしい、
と――ん? 今? ええと……いや、俺一人、だけ、ど」横目にしたセシルがロコツに睨んできた。……だって仕方ないじゃん、こういうの。
世間って狭いんだし。世間体って重要だし。俺、神父だし。「……ああ、うん、外出中。ていうか旅行中……仕事なんだけどね。今、温泉な
んだよ。珍しい? うん、ちょっと仕事で……そうそう、今度、お土産持ってくから、……あ。三月さん、でさ、ちょっとだけ頼まれてくれると
嬉しいんだけど……あ、ほんと? レポート大丈夫? あ、いや、ホント嬉しいよ。ありがと」
眉根を寄せるセシル。俺はなにか言い掛けたセシルに手を突き出して制止し、口を開き掛けた相棒は憮然として静止。
悪いね、すこしだけ。
――果たして、結果は一分を待たずに算出された。
頼んだ内容を考えれば、ロスで迷子になった猫を十分で見付けるかのような恐るべき仕事の早さだ。”ムーヴィング・ピクチャー”、三月
運音。我が町きっての興信所職員にして探し物上手。ダメ人間全開の所長を一千億倍上回るスペックで今日も業務を大学のレポートと
並行して実行中。泣かせる話だ。迷子の猫から北の工作員からモサドの職員から潜伏中のテロリストまで、連絡は黒鎚探偵事務所まで。
例えバベルの図書館に宿る一冊だろうと、彼女に探せないものは存在せず。
「あ、うん。なるほど……なるほど、なるほど。なるほどなるほどなるほどね。サンクス、助かった。……あ、お土産、なにがいいかな。……
お茶? ……お茶の葉? 俺? 俺は、いや、全然いいけど……そんなんで? もっと無茶言ってくれても――……無欲だなあ。ん。解っ
た、それじゃ今度、そっちで。また」
通話を切って携帯を閉じる。
「――流石。仕事の速さじゃ、あそこのアホ所長とは比べ物になんねーや」
「誰と話していた」
「興信所所長――の、助手さん。所長がショボ過ぎるから、正に出て欲しい人が出てくれたって感じだ。まあ、予定とは違ったけど、結果
オーライかな」
手を突き出して無言で「返せ」と催促するセシルに、俺は携帯を差し出し――て。
「あ、手が滑った」
「――な」
湯船に沈む携帯。拾い上げる。
「あー、悪いな。濡れた。壊れたかも」
「防水だ」
「手が滑った」
ぐしゃりと快音。手の中には飛沫に散ったプラスチックと電池の残骸片。感電しなかったのが少しだけ幸い。
「――貴様」
「あ……あーあー、あーりゃー。こりゃもう使えないな。うん。ヤベーなぁ、しまったな」
俺を凝視すること数秒、セシルは呆れたような声音で告げる。
「……お前が仏心とは、世も末だな」
「仏心? それって指向性のない信仰って意味か? それとも無根拠な自己肯定? ふん、どっちでもねーよ」
電話のカケラを遠くに投げやって、セシルを横目に対峙する。
何故か、といわれれば――。
多分、そんな気分だったからだ。
- 900 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/02/01(木) 05:46:090
- >>899
どうにも血なまぐさいことになりそうな気配だったが―――
ナイス機転。携帯はご臨終になったが。
「……ま、この宿が来年も空かないとなるとさびしいし、あの可愛い娘さんを泣かせるよ
うなこともごめんだし。いいんじゃない? 向こうも懲りてるわよ、たぶんね」
白黒はっきり―――はまあ、私も同意したいところだけど。
あまり業を積むのは遠慮したいところなので、ここは敢えてなあなあで。
「で―――護符とかって、燃やして証拠隠滅できるのかしらね。だったら遠慮なく手伝う
けど? もちろん無償でね。これも何かの縁だし」
湯船から指だけ出して、軽く回す。その先端に小さく火が灯った。
まあ、元々業の深い身だ。善行の一つくらいやっといてもいいだろう。
- 901 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 06:02:500
- >>900
藤原が言う。
縁――か。
つくづく、そうだ。
じゃらり、と頭の中で音が鳴る。
いつかの人間失格の時と同じように――藤原の声に誘われるように。
セシルは唇を軽く噛んで、何も言わず、俺を見据えた。
切っ先めいた視線を流し、俺は鼻で笑ってみせる。
セシルは――何も言わず、俺と対峙する。
「今」
「……」
「俺の前に呼ばれた司祭の情報を洗って貰った訳だな、これがよ」
「前の、だと?」
「全部、俺の住んでる周辺だった。で、も一つ。十三年前に駐在してた司祭もな」
「……十三年前? もう一つの呪物を解呪した時期か」
ああ、と俺は頷く。
そして、言う。
「”マタイ”の――エリス”ブリング・イット”だよ」
「エリ……、お前達の、騎士団の――"天使の船"だと?」
「その”イェリコの角笛”だよ。壁を掃除する為に壁を壊して、床を磨くなら床を剥がすあの馬鹿だ。ふーん、お前も知ってんのな、アイツ」
「魔術の無効化と物理的な絶対破壊――だろう。マリアも「絶対にケンカはしたくない」と言っていた。私にはそれほど脅威ではないが」
「俺はそう言えるお前のが怖ぇよ。つーか、距離も防御も回避も耐久値も再生も無視の即死系斬撃って明らかに反則だよな……」
「単なる相性問題だ。――しかし」
説明しろ、と瞳が語っている。
「……つまりさ。うん、急ぎで俺が呼ばれた理由は、とどのつまりがクジ引きだったんだよ。当たるまで繰り返す特注品の、な」
「クジ……?」
「当たりクジは当然あの馬鹿だ。とりあえず今まで五枚引いて、全部ハズレ
だった。十三年前――まあ、まず間違いないが、この宿の「もう一つ」を祓ったのはアイツだ。んで、アイツはアホだから当然のようにブッ壊
したんだろ。今回急ぎで小父さんが探してたのはズバリ、あの破壊魔エリスだ」
と、思う――とは言わない。ここで一歩でも退けば、セシルはすぐさま任務に忠実になるだろう。であれば、俺もそうあるべきなのだ。
俺は忠実ではないのだろうか?
まあ、そうかもしれない。今のところは。
「……待て、その当時にお前の周辺に住んでいた――というのは、予測済みだったのか」
「イエェス。あ、いや、実は割と今思い付いたんだけど」
予想通りと言うべきか、セシルは半ば呆れ、半ば落胆したような目付きを俺に向ける。
当然だ。
「妄想に期待を掛け加えて理屈と呼べるなら筋は通るが……しかし、探している理由だと? もしもそうなら、そんな面倒を取らずに解呪の
専門家を探すことはできたろう。理屈には足りても、論証には弱過ぎるな。お前らしくもない」
俺らしいってのは証明しないってことだぜ、と俺は笑って頷く。
いや、そもそも「論証」という言葉自体が馬鹿げているのだ――なんだかんだ言って、セシルは付き合いがいい。これが他の審問官だっ
たら、俺の戯言なんてハナから無視確定だ。物事には証明を。無辜の民には安息を。証明付加の罪科にはとりあえずの懲罰を。言うまで
もなく、真実はその対象となる行為が行われた瞬間、正にその一回こっきりの産物で、その軌跡である。――訂正。一回きりの証左――、
で、しかない。ホームズさん耕介さん、犯罪の証明って、とどのつまり、相手の自白ですら証明になりませんよね? オーケイ。
それは、そういうことだ。レクター博士に背を叩かれて、俺は続ける。
「仮に解呪の過程で時計がニセモノってことがバレても、盗品ってことがバレるわけじゃない。だから司祭を呼ぶこと、それ自体は問題じゃ
なかったろうな、多分。家族への言い訳にもなる。で、ホントなら自分で祓えるヤツを探せる筈だったって今のお前の意見、こいつもわりか
し正解。この二つは矛盾しないだろ? だから、今回の対処にエリスみたいな真似ができるヤツを探した――いや、普通に考えれば「五年
前のもの」も盗品だからな。その時、まるでそいつを気にしなかったアイツ(エリス)そのものを探したのも、正解。ま、エリスみたいな、って
ーのはほら、エリスでなくても偶然それまでに祓えるヤツが出てくれば正解(ラッキー)、なんて気持ちもあったかもしれないからな。なに
はどうあれ残念ながら、エリスの野郎はただいま絶賛休暇中だ。エジプトで密造の現地ビールを向こう三年分飲み尽くすまでは帰ってき
やしねー訳だな、これが」
「それは……最後が矛盾しているだろう」
「どこがよ。ワインじゃなくてビールだから? あの国じゃビールも有名なんだぜ」
「あの男を探すというのは、対象が二度と返らないという意味だ」
「そうさ」
「……祓うことができる人間を探すなら、解呪のみを求める筈だ」
「エリスのあれも解呪だよ。地上最大の呪詛潰し、無敵のゴーストキラー、最悪の人間魔獣、"星潰し"のエリスだ。物理的な肉体スペック
だけなら騎士団でもそれなりの上位だよ。空母も一撃で殴りツブすバケモンがやるにゃ、いささかばかり小さいエモノだとは思うがな」
「だ、だから!」
ぶん、と右手を振り薙ぐセシル。
「……その小父は急いでいた。有名になり始めた旅館で、タリズマンが発見されるかもしれない状態を恐れて、だ。真性のオカルティストが
だ。あの男を捜す理由が解らない。あれを破壊するような可能性を――」
「なんで急ぐんだ?」
「だから――」
「謎でもなんでもねーよ。あと多分、理由は保身オンリーでもない。姪が苦しんでるのを見てられなかった――馬鹿みてーに単純だ」
「あれは盗品だ!」
「だから急いで祓って急いで隠すのか?」
「矛盾がない」
「それこそ理屈じゃな。ただエクソシストの住所なんて、タウンページにゃ載ってねーよ。ここ、日本だぜ」
- 902 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 06:07:410
- >>901
「……それは」
細い声。
穴だらけの(見てくれだけは正統的な)感情論に、セシルが声を詰まらせる。
「先細りした分野の特殊能力者を探すには骨が折れる――だろ? だったら、一度助力願った人間を探す方が手っ取り早い。小父さんはそ
う踏んだ。俺を呼んだのは、まだ俺が住んでる地区にエリスが駐在してると思ったからだ。普通の司祭は、そう頻繁に配置換えされたりしな
いからな。で、直接電話しなかったのは、以前も依頼という形を選んだから。教会を通せば、嫌でも妙なウワサは広まるからな。急ぎではあ
るけど、急ぎ過ぎることはできない――ジレンマだな。内心、「直接電話を掛ける」ってのは最後のブレーキだったのかもしれない。優先する
べきはなんなのか? ってな」
「盗賊風情が、小賢しい……」
セシルが言ったその瞬間、俺は狙い済まして苦笑し――その作り切った苦笑いに、唐突に、最悪の吐き気を覚える。
「――、私は」
その時――セシルが浮かべた苦い表情に、それは陪乗で増加した。
一日に一度は考えて、すぐに飽きる後悔を反復。韜晦を反芻。大多数(、、、)が、本当に共通の善意を持っているかどうか。自分がそれと
同じ感情を抱くことが出来ているのかどうか。均一化されたはずの情報と、それでもけして均質足り得ない俺達人間という要素。
貴方は自分に嘘をつけますか?
雑誌に何度も踊ったであろう言葉に、俺は怖気さえ感じる。寒気ですら生ぬるい、喉に絡みつく絶悪の不快感。――ああ、こりゃホント、本
当に最低だ。
「てーかさ……それ、そういう人間が姪を気遣うとは思えないって意味に聞こえるぜ」
「……。それは」
それは。
それは、なんだって言うんだ。
セシルは俺を肯定するように、静かに口を閉ざす。自己嫌悪で無限大に沈んでいく――無限小まで自己を練り潰していく。沈んだ気分の反
動で言葉が喉を滑り出る。虚言を詭弁で糊塗して、タイミングで塗り固めた、無意味な単語の羅列。
印象論の正当性と、その悪辣。
「絞っちまえば、簡単にも思えるんだよ。つまりさ」
つまり――。
俺はセシルに畳み掛けるように言って、自分の薄汚さに閉口する。タールを胃の内側に取り込んだような違和感がある。
つまり。
「姪に害を与えるモンを、小父サマは消し去ってしまう方がいいと判断した」
虚言の正当性は、いつだって素晴らしい。
「しかし、姪に軽蔑されることのみを恐れた――単純だよな、これ」
頭の中で、いつかの俺とレクター博士が肩を組んで笑う。
自分に対する吐き気ほど、我慢し難い物はない。
堪えるのも懸命に、俺は言い切った。
セシルは溜息をついて軽く目を閉じると、そうかもな、と小声で言った。
要求は紅茶一杯だった。
「休暇――の、つもりだったんだよなあ」
「そうだな」
「責任、委託できねーからなあ、休暇じゃ」
「そうだな」
「この場合の義務って、なんだろうな」
「ないさ。そんなもの」
俺は思う。
もしも。
もしも何かが正しくて、それが自分の理解できる範疇にあるのなら。
それが素晴らしいものであってほしいんだ。
そして、また俺は思う。
――だけどそれは、本当に素晴らしいんだろうか?
- 903 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 06:46:150
- >>902
「モコウの……”焼却”は、浄化に近いんだったな」
「だったかな、確か。……っつか、見た目にハデだしな、その炎」
セシルは藤原の指先を覆う火の粉を暫く見ていたが――やおら唐突に、湯浴み服に手を突っ込んだ。
ずるり。
出てくる凶器。
……マジで凶器だった。
セシルが差し出したそれを受け取って、俺は言うべき言葉に迷う。
「……なにこれ。クロムハーツのパチモン業者がエマーソンナイフ作ろうとして失敗したみてーなんだけど」
「ナイフで合っている」
「……柄のこれ。このちっこい瓶に入ってんのは何」
「高濃度水銀だ」
「怖! ていうかマジでイミわかんねーからな!? 今時こんなエゲツねぇデザインのナイフ作る業者、週刊雑誌の裏面に乗ってる通販にだっ
てねえからな!?」
「水銀に少量のエメラルドを溶解して、私の魔力性質を付加したものだ」
聞けよ。
俺の話聞けよ!
こんなモン持ち歩いてる事実のが怖いんだよ! 「俺の彼女、実はマイクロテックのナイフ廃盤シリアルナンバー付きで全部揃えてました」と
か笑えねえし! 彼女じゃないけど。
「へ……へー。でも平たく言や、マジックアイテムだろ。アグラナイフの類で。無駄にゴッついけどさ」
「刀身はアメジストだ。純度は完全だから、充分にエーテルを吸収できるだろう」
刀身は三十センチを越えている。
へぇ。
アメジスト。
……。
「へー……ってウソぉ!? いや、え? ……冗談?」
「それを対象に突き立てろ。霊障の再発を防ぐのと同時に、魔力の拡散を抑制する……正確には、拡散の元を吸い上げた刀身ごと、私の魔力
が破壊する」
「……アメジストを?」
「刀身をだ」
ちげえよ!
幾らを破壊だよ!
依頼量より明らかに高い破壊じゃねえか!
「……昔さあ」
「なんだ」
「怪人二十面相が逃げるときに使う時の仕掛け……あれさ……目的を達成した時の金額より明らかにマイナスだと思ってたんだよな、俺……」
「……何が言いたいのかわからん」
「俺はお前の金銭感覚がわかんないですよ」
「石は道具だろう」
「冠に宝が抜けてんじゃねえか! ストーンじゃねえよ。ジュエリーだよ。宝石は是非に飾るもんであって砕くもんじゃねえ……いやもういいよ、
いいけどさあ……」
言っても無駄なんで、俺が黙る。
セシルは静かに口を開いた。
「時計は破壊する」
「……ああ」
「だが、アレは回収する」
「……なんだって?」
「だから、お前とモコウに頼むんだ。私では……少々、加減が効かん。ケレンを効かせれば、宿が消える」
「いや、つうか、何が言いたいのか……」
「……ここには、所有者が何も知らないまま買ってしまった危険物があった」
呟くように、セシルは言う。
「私達は、それを回収した」
「……まあ、そうだな。仕方ないよな、そういうことなんだし」
「だからこれは、簡単に言えば、”儀式”の段取りだ。見た目に派手、と言ったな。……いいさ、そのくらいの方が洒落が効いている。こんな時くら
いは――まあ、悪くない」
俺は苦笑し、セシルは肩を竦め、さて、と独り言のようにごちた。
「――モコウ、すまないが、協力してほしい」
- 904 名前:シロー・アマダ ◆08MSKmNwKg :2007/02/01(木) 06:57:530
- そして俺にはすごく関係ない話へ
…まあ、俺には何も出来ないので黙って聞いていただけだが、
とにかく、その類では俺は何も出来ないわけだ。
エクゾシストでもないしお払いも出来ない。
俺が興味本位でその時計に近づけば、
逆に迷惑をかけることになるだろう。
酒の肴にしては少し不味い話だった。
「んじゃあ俺はそろそろ帰るよ。
―――――御武運を」
脱衣所にて着替え、これから仕事へと移る二人を見送った。
…頭いたい。 酒飲み過ぎたかな……。
【退場】
- 905 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/02/01(木) 07:11:410
- >>901-903
「ん? まあ、炎の出所が出所だからね。ほとんど浄化みたいなものになるよ。だから形
のないものにも効くんだけど―――」
と、そこでセシルさんはおもむろにナイフを取り出す―――うわ、宝石製だ。紫水晶。
……なるほど、吸い上げて中で壊しちゃえば外に出てくることもない、か。
で、その後で私の出番、と。
―――なるほど。面白そうだ。
「うん。もちろん手伝うけど―――っと、ああ、一つだけ。変に誤魔化してやな気分にな
るくらいなら開き直っちゃえよ。そんなんじゃすっきりしないじゃない?」
まあ、なんと言うか。あんな風に見てて辛くなるようなごまかし方は、して欲しくない。
要らないところでどうも真面目すぎるというか何と言うか。もう少し、こう、気楽にやれ
ないのかと言いたいのだがどうか。
だから、それからはただ湯船を上がった。
言葉を尽くすよりも、動いたほうがいい時もある。
「ほら。アレ、処分しに行くんでしょ? 早く余計な憑き物と一緒に、呪いなんざ焼いて
捨ててすっきりしたいわ」
そう、変に時間を掛けたものだから、私も含めて良くないものに憑かれてる。
まあ、拝み屋というには乱暴だが、火はそんなことお構いなくなんでも焼く。
罪も穢れも、だ。
具体的に言うなら、人間からはがすことの出来ないしがらみやら何やらで蓄積していく
負の感情とかどうたらこうたら―――まあ、そんなことはどうでもいい。
「それじゃ、えっと、ロビーのところで待ってるから」
そう、まあ、私流の憑き物落としだ。
時計と、神父と、セシルさんと、他諸々。
私も含めて、まとめて厄介なものを一緒に火にくべてしまえ。
乱暴な話だ。乱暴だけど―――たまには力技も必要だろう。
特に、この二人は本当に自分に真摯だから。
縁あってそれほど時間が経ってるわけじゃないけど、それくらいは分かった。
「じゃ、お先に」
私は笑って先に脱衣所へと入っていった。
さて、一つやりますか。
【檜風呂→脱衣所からロビーへ】
- 906 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 07:25:220
- >>905
雀が鳴いている。
マジかよ、と呟きたくなる。というか、呟いてた。
話し始めたのが夜なら、話がまとまるのが朝だった。
どういう時間の流れだと自問自答する間もなく睡眠ゼロで経過はまとまり、現在地は旅館のロビー。――より、状況に対して正確さを期すなら、
ロビーの置き時計前。奇妙な時計盤と、古惚けた時計台と――呪詛を内包した本体の、奇形な合いの子。
今の今までこんな物が平然と放置されていた――そう考えると、この旅館は結構キテる。
六時稼動の自販機で缶コーヒーを二本買い、一本を藤原に投げて一本を開封。プルタブを起こして、藤原を一瞥――うん、何度見ても、これ。
日本人の修道女、ってのは別に珍しくも何ともない。それ自体は江戸時代からアリだった――が。
セシルと並び、修道服を着た藤原――長い銀髪をまとめたそいつは、セシルと色を別った線対称の図形のようだ。スペアの修道服(つって良い
のか)を用意しておいてよかったと本当に思う。割と貴重な光景だ。
千年生きている、とのたまう藤原は(恐らくそれは本当で、だからこそ驚愕するのだけど)、千年そのまま真っ直ぐだったんじゃないかってくらい
のポジティヴさで協力を買って出た。
どこからどう見ても俺だけ場違いな風采を発揮する羽目になったものの、この陣営なら外見でハッタリが効いている。
コーヒーを飲み干し、朝食の準備に追われ始めた仲居さん達を遠くに見ながら、ふと、廊下の奥に目的の人物を見付けた。
長身痩躯、朝からスーツ姿でこっちを目指して一直線。
そんな行動をする人間、俺には一人しか憶えがない。
さて、気合入れてやらないと。
仕事は仕事。
営業顔で、本業だ。
(場所:「ロビー」)
- 907 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 07:55:260
- >>936
「こんな朝早く、すみません」
「いえ、こちらこそ、無理にお頼みして……」
初日に会っただけの”小父さん”は一人、俺達の呼び出しに答えて出てきてくれた。旅館の主である父親の兄に当たる氏は、株の流れを渡って
生きる、それなりに世間を見る目に卓越した御仁、らしい。旅館の主さんを一度だけ見掛けたけど、印象は「まるで似ていない」だったことを思い
出す。痩せた枯れ木のような宿の主人に対して、この上泉氏の風体は、さながらスーツに身を包んだ豹だ。ウォールタウンの一等地で牙を研ぐ
市場計算家のような――でなければ、それこそ魔術師のような。
「上泉――和也さん、でしたっけ」
「ええ」
「少々、どうでもいい話に付き合って頂けますか?」
「構いません」
「慧壬さんのことは、大切に?」
「はい? ……どうして――また」
「どうなんです?」
「大切です」
「十三年前、こうして依頼した司祭ですが……二メートル近い大男じゃありませんでしたか?」
「――、それは」
「いえ、どうでもいいことなんです。本当に――すみません、それでは、始めます。……あ、そうそう。今回の件は俺と――こっちの、彼女が担当
します。予定と違ってしまいましたけど、少々、ええ、エクソシストの数が日本から減ってしまっていまして――臨時ですけど、腕は折り紙付です
から」
頷く上泉氏。
会釈して、カソックの合わせからセシルに預かったナイフを取り出す。少々グロいくらいの外見は、朝日に映えて逆に神秘的だ。左手にナイフ
を携え、右手に印を。
「初めに、言葉があった」
聖句を紡ぐ。
前に一度だけ通った研修で憶えた歩法で時計に歩み寄る。
手順通りに――精一杯のケレンを利かせて、時計に向かって十字を切る。――正教徒と違って、カトリックの司祭はこの辺りに決まった形が
ないのがいい。というより、イチイチ拘るのが面倒だ。だって、そうだろう。どうして主への祈りが固定されてる?
「言葉は神と共にあった。 言葉は神であった――」
よくできた言葉だ、といつも思う。言葉と共にあるなら、意味を成すのが言葉そのものなら、誰も、苦しまないだろう。
右手をゆっくりカソックに戻し、ロザリオに吊るした聖水(別名:水道水)を振り掛ける――手順通り。
小瓶を懐に戻して、ナイフを右手に持ち替える。
「この言葉は、初めに神とともにあった。万物は言葉によって成った――言葉に拠らずに成ったものは何一つなかった。言葉の内に命があった。
命は人間を照らす光であった。光は暗闇の中で輝いている――」
時計の正面に立つ。
上泉氏から隠れるように、時計盤の位置に。
「――御身を崇めることを」
身体を沈める――そこで。
身体能力を、切り替える(、、、、、)。
時計とタリズマンを繋ぐ個所を秒以下で判別、筋肉に全シグナル送信――空気が歪み、視界がブレる。空気が、粘着質の重さを帯びる。
世界と俺とが、認識から切り離される。
斬割点は四点。盤面を固定する四隅――目視し、認識し。そして。
切り払った。
0.5秒。薙ぎ払う右手――薙ぎ返す刃。人間の認識外の速度で、時計と「個所」と呪詛とを解体――0.25秒追加、切断したタリズマンを懐へ引き
寄せる。懐から用意したシーツを――セシルが「ステルス」を掛けた布で覆い込み、脇へと放り投げる。光学的に視界から姿を消失し、落着音す
ら消音する布が脇に転がるのを確認、0.3秒――そして。
そのまま。
ナイフを、空の時計に突き込んだ。
合図だ。
「――エイメン」
あと頼む、藤原。
- 908 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/02/01(木) 08:27:300
- >>936
普段は縁の無い服を着る、というのもなかなかに新鮮だった。
まあ一応基督関係だし私もそういう格好してないと怪しい、ってことで貸してもらった
ものなのだけど、割と着心地はいい。ちなみに自慢の銀髪は長すぎて服に入れられないの
で、頭の上で結っておいた。超ロングポニーテールである。
こうすると、色を変えたセシルさんのようだ。まあ、神父の感想なんだけど、私は外見
が日本人離れしてるので、まあそう見えても不思議はないだろう。というか、鏡見た時に
この格好で写真取りたくなった。それくらい素敵。
……あ、考えてみたら、肝心の神父だけが普通の東洋人っぽいなあ。
逆に怪しいかもしれないが、まあそれはそれでハッタリ効いてていいかも知れない。
さて、ロビー前でコーヒー(MAXと文字の入ってる、すごく甘いの)を貰って、それ
で眠気を潰し終えた頃だったろうか。
依頼人らしき人がやってきた。
ボロが出るとアレなので、敢えてしゃべらずに一礼だけして、一歩下がる。
―――さあ、ここからが本番だ。意識を集中させろ。
色々と確認し終えた神父が、あの紫水晶の剣を厳かに取り出す。
それに合わせて、私はそれらしく手を組んで、祈りをささげるような形に。
―――すでに、私の半身は起きている。いつでも全開でいける。
重要なのはタイミング。
神父が患部を摘出し終えた後、ほぼ同時に着火しなければならない。
『初めに、言葉があった』
言葉とともに、儀礼的な動作が進む。
その間に、私は片手だけ下ろして、見えないようにしておく。
火を出すところが見えると、まあ、後で説明に困る。
『言葉は神と共にあった。 言葉は神であった――』
―――神、か。
言葉には力が宿り、それは万物に神を宿らせしめた。
不思議なところで共通点はあるものだ。
感慨を覚えつつも音を立てないように位置を移動し、時計が見える位置で止まる。
『この言葉は、初めに神とともにあった。万物は言葉によって成った――言葉に拠らずに
成ったものは何一つなかった。言葉の内に命があった。命は人間を照らす光であった。光
は暗闇の中で輝いている――』
神父が、ちょうど時計盤の前まで移動する。
これで、私の射線は確保できた。後は、タイミング。
早すぎず、遅すぎず、最高の演出を。
『――御身を崇めることを』
スタートが切られる。
認識できない速度で時計が解体される。これはさすがに驚いた。
が、直後には撃発寸前の状態へと熱量を装填する。隠した右手の指先が砲身となる。
そして何事も無かったように―――刃が突き立つ。
弾着、今。
私は手の中から、練り上げていた熱量を弾き飛ばす。
―――業。
狙い違わず、時計から火が吹き上がった。炎はいきなり燃え上がったかと思うと一瞬で
収まり、今度は燎原の如く時計を侵食し、焦がしていく。
ぱち、と木の弾ける音がする。
―――見事成功。ちょっと火力が強すぎたかもしれないが、神父も無事っぽい。
「……ふう」
集中する間、止めていた呼吸を戻す。
安堵で頬が緩む―――っと、仕事仕事。
「お疲れ様です」
十字をぎこちなく切りながら、やや事務的にそう声を掛けて、終わったことを告げる。
そう、これで憑いていた物は祓った。私の役割は終わりだ。
後はまた、日常に戻るだけ。
- 909 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 08:45:420
- >>908
頼んでおいてなんだけど、ちょっと壮観だ。
眼前で炸裂した業火は――それこそ劫火と呼んでいい炎熱は、二メートルを越える置時計を一瞬でケシ炭に変えた。証拠は残らず、痕跡すら
残さず、だからそこには何かがあった意味すら残らない――多分、人によってはそこに残る曖昧なものを「思い出」とか呼ぶんだろう。
――ただ、それは、だから、それだけのこと。
しかし。
少し、ソデが燃えた。……藤原、制御は巧いのかヘタなのか。いや、巧いんだろう。ここまでコントロール出来てる時点で、魔術やらよりも緻密
な式が練られているのか――或いは、それすら練る必要がないからこその精密さなのか。
熱量に煽られて刀身が蒸発したナイフで、儀礼式にもう一度印を切る。
そのまま柄だけになったナイフを懐に戻し、クライアントに一礼。
「……終了です。今後永劫、何かを成さない限り、障ることはないでしょう」
「何か、を――」
「ええ」
上泉氏は口を閉ざし、俺は精一杯の微笑を作ってみせる。
「貴方が、善い導きの元にあるのなら」
(場所:「ロビー」)
- 910 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 09:12:320
- >>909
「……世話になってしまったな、モコウ」
温泉に立ち戻って開口一番、本当に申し訳なさそうに、セシルは言った――相変わらず檜風呂の縁に座ったまま、脱衣
場の方から歩いてくる藤原に向けて。
「本来なら、時計ごと破壊してしまえば一番良かったんだが……」
「今更言ってもなあ、それ……」
盛大に睨まれる。
俺は肩を竦め、湯船に逃避。
「ただまあ、俺は妹と弟にお年玉盛大に放出したからな……正直な話、今回、タダで泊めてくれるっつー話はありがたか
ったってのもあるかな。俗で悪いけど。最大一週間だぜ? マジか! って感じだよな」
「……まあ、場所が場所だからな」
セシルが背に視線をやって、遠い宿を眺める。
「一人や二人宿泊させたとて、出費のリターンは痛手にならなかったんだろうさ」
「食事も天然モノの山菜だぜ、さ・ん・さ・い! 山菜鍋。鍋! 日本人! って感じでよ。「トニオさんの店」があるならイタ
リア料理も悪くねーけど、やっぱ俺は日本食だよ、米と味噌汁。うん」
「……少し前、どこぞのコーヒー屋で「ここのコーヒーが飲めるなら日本食なんて不要だ」と言っていなかったか」
「え。なんだっけそれ。どこだっけそれ。那美さんのとこ?」
「誰だそれは」
「あ、違った? ほら、あのコレットマニアの……ソフィ……あー。あれは紅茶専門店か。三月さん――は、専門じゃない
な。そもそも店じゃないし。えーと」
「……女の名前ばかりだな」
「いや、三月って苗字じゃん。性別不明だろ。偶々だって」
「三月はさっきの電話相手だろう。私に声が聞こえないと思うのか――十台後半から二十台前半の女の声だ、あれは」
「……いや、そこまでバレるとマジで怖いんだけど。その特技自体が」
解体したタリズマンを弄う。
割と巨大だった筈のパーツは、セシルの"分解"で主要稼動部だけ摘出され、見事に手の平大に。ルービックキューブ
だ、と発言した以前の俺は冴えてる。
なんせ俺の手の平のこれ、どこからどう見てもルービックキューブにしか見えない。
結論から言えば、上泉氏は何かを言いたそうにしただけで、その場を立ち去った。敢えて言うなら、「今後、ご自由にご
宿泊ください」とプレミアムな宿泊券を残していったくらいか。しかし温泉を閉鎖するこの時期とあっては、正直面白みが
八割減。藤原なんかは、それこそもう立ち寄らないんじゃないかって気さえする。
「なあ」
と、俺は言う。
セシルは無言。
「……結局、このタリズマン、なんだったんだ」
「呪詛の媒介物だ。それは変わらん」
「ふうん……」
ガチガチと数字のピースを回転させる。ルービックキューブは特定の手順で回すのが完成に一番近い法則を持って
いるが、この奇形に関してはそもそも「完成」が存在しない。作られた時の形が完成系だったなら、ロストした完成絵図
には、もはや誰も辿り付けないだろう。
ガチガチ、ガチ。
……あれ。
固まった?
キューブが回らない。
数字と文字の羅列が文章を浮かべている――俺には読めない。セシルが眉を寄せてキューブを覗き込み、そして、
なにか、とんでもなく恐ろしいものを見たような顔を作った。
「どうしたよ」
「……いや」
「……なんだよ、これ。なんて書かれてんの?」
「お前は」
「なんだよ」
「小父は、姪の為に――と言っていたな」
「……ああ」
事実、それは半分以上正解だった――のだろう。上泉氏の反応を見る限り。
「で、なんて書かれてるんだよ」
「笑うなよ」
「笑えるのかよ!」
「”愛しい姪へ”――だ。相当解析され、手が加えられている。こんな遊び文字を組み込めるとは、な」
俺は硬直し、セシルは俺の手からキューブを取り上げ、ガチガチと次々に組み合わせを連続させていく。
そして、もう一度手を止めて、それを俺に投げ渡した。
「……」
「身体を強化する発動式だ」
「……はぁ? なんだよ、それ。つまり、じゃあ――」
「護符だ、と言った筈だ。障っていたのは、あくまで呪詛だ――とな。……くだらん。くだらない――なんてケチがつ
いたんだ。――まさか、だ。まさかだ――最初から姪だけの為に全てを行っていたとはな」セシルは空を仰ぎ――
時を告げる朝日から隠れるように、右手で顔を覆った。「ふ……、ふふ」
「……セシル?」
「ふふ、はは、あはは――」
右手で顔を覆ったまま、セシルが笑い出す。
ひとしきり笑うと、セシルは笑声を苦笑の色に滲ませて、何かを振り切るように首を振った。
「……理解し難いこともあるものだ。これも――人間か」
(場所:「ロビー」→温泉、「檜風呂」)
- 911 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/02/01(木) 10:11:500
- >>910
「なに、こっちも色々と面白かったからそれでいいさ」
まあ、そんなわけでまた温泉へ―――いいじゃん別に。
普通は全開で使う力を無理に抑えたから疲れたんだよ。
まあそれはさておき、例の護符。
ルービックキューブみたいなかたちをしているこれを、今神父が弄り回している。
結局これは何だったのだろうか。色々あって核心からは離れたが―――
やがて、セシルさんによって解読が終わった。
「―――やれやれ、親の子煩悩に振り回されたのか。傑作だねこりゃ」
なんてこった、マジだったのか。
思わず笑いたくなって、笑った。や、世の中って面白い。
そう、行動力ありすぎるだろパパさんよ。娘のためにここまでやるなんざ。
「……そうね。これも人間よね。だからこそまだ世の中は楽しくて仕方が無いんだ」
セシルさんのつぶやいた言葉を繋いで、私は私の中でそう締めくくった。
「ねえ、ところでそれどうするの? やっぱり持ち帰るの?」
そうそう、せっかく回収した護符。
まあ、実害は無いって分かったし、壊す必要も無いだろう。
- 912 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/02/01(木) 10:34:170
- >>910
一つ目のタリズマンが解呪されたのは十三年前――。
よくよく考えれば、(強引だけど)計算は合う。
十四歳の少女が一歳かそこらで、身体を患っていたなら――そうでなくても、極端に身体が弱かったなら。
小父が、死力を尽くして二つの護符を盗み出したのなら。
その一つの使用に失敗し、しかし、二つ目に未だに拘泥していたなら――。
或いは、二つ目の効果は、もう発揮されていたのなら。
「……彼女は治って、けど、障られた。フェティッシュってのは、普通に捨て去るとそれこそ取り返しがつかなくなる――捨てるに
捨てられず、上泉さんはタリズマンを仕舞いこんでいた」
「想定に過ぎないがな」
「だとしても、納得はいくよな」
「……悪夢だな。理解できない」
やれやれ。
またそこに拘るのか、こいつは。
苦笑を浮かべるセシルの手を握る――セシルが目を丸くしたのを確認しながら、そのまま、思い切り引っ張った。
前のめり気味に湯船に落着するセシル。
「――な、何を!」
「何を、って――温泉だろ。最後だし、入らないと勿体無い、って――って、痛ぇ!?」
湯の中――中、足、思いっきり足、踏まれてる!
「……場所を弁えろ! こ、こんな――!」
「良いじゃねえか、もう……」
>>911
セシルを解放して、藤原に向き直る――もう面倒なのか、セシルは肩まで湯に浸かって空を見上げていた。
「んー、これか? そうだな、まあ、回収って決めたし、セシル――」
「……? ああ、まあ、正直どうでもいいんだが――良ければモコウ、持っていってくれても結構だぞ」
「いいのかよ!?」
ていうかすげえ投げ遣りになってないか。
プカプカと湯船に浮いたタリズマンを拾い上げて、もう一度ガチガチと回す。
「……いらねーなら、ホントに俺か藤原で貰っちまうぜ。インテリアにしちゃ奇抜だけど……ええと、その、まあ、な
んていうか、もしかしたら、そこがいいかもしれないし?」
「疑問系なのか」
「疑問しか浮かばねえだろうが、こんなもん」
多分、質屋に持っていったら投げ値で軒先に並ぶぞ。
しかも多分誰も買わねえ。
五百円くらいで並んでいる今回の現況を想像したら、無意味に笑えた――ハイになった気分と視線は、笑いな
がら、これまた笑っている藤原へ。
「……なんつーか、うん。色々世話になっちまったな、ホント。……奇縁もここまで続くと、傑作だ」
自分の――その、殆ど脳を通していないような発言に、また笑えた。
天然で忘我状態になっている思考に、ざらり、と鎖の音。
真っ赤な、混じり気なしの赤――ふと、藤原の姿に、それを幻視する。すぐに朝日に溶けて消えた妄想を、わ
ざわざ追求しようとは思わない。
そういう物があるのなら――。
俺が、そう解釈しているのなら。
それは、あるんだろう。
ただ――だから、それは、それだけのことなんだ。
微熱に浮かされたように湯船に漂う。視界の両端にはセシルと藤原。
……光景としては、これだけで壮観だ。
眠くなかったら、どんな桃源郷だったのか知れない。
純度完全の、金と銀の髪が湯船に漂っている――どことなく浮世離れした湯殿の光景に睡魔を浮かせ、ぶく
ぶくと深く沈む――沈んでいく。意識が消え落ちる寸前、強引に浮かされているような逃避感。
このまま寝たらヤバいけど、その一瞬の快楽はどれくらいのものなんだろう。
MAXに危険な誘いを断ち切ったのは、不意に飛んできたセシルの一言だった。
つまり、こんな。
「泉に石を投げ込んで――そこに反応がなかった時、なにも感じることはないか?」
意味を図りかね、その意思を汲もうと努力し、しかし睡魔に囚われた頭は場当たりな言葉を脳裏のメモリ領域に
羅列するだけだ。少しだけ考えて、俺は言う。
「波紋の形で明日の天気を占うとか?」
「波の形に意味を見出してもいい」
「波紋を修行してもいいかもな。……けど、ここは「感じない」って答えるのが正解なんだろうな。お前は俺にそれ
を期待してる。だけどそれは無理だぜ。俺にとっては、不知の全てが恐怖の対象なんだ」
「昔のお前は――」
「なんだよ」
「投げ込んだ石が、本当に石だったのかどうかを気にしていた」
「石? 意思?」
セシルはどこか、寂しげに笑った。
「或いは、その石がどこまで沈んでいくのかを考えるような人間だった」
「そうかな。そんなダウナー気質じゃねーと思うんだけど」
「なにも感じない。――そうお前が言うのなら、私は確かに、その方が嬉しかったかもしれない」
ああ、なるほどな。
言いたいのは、そういうことか。
「私は、お前が私に声を掛ける理由を知っている」
だろうな、と俺は言う。
その通りだ、とセシルは答える。
「かも、しれないな。その逆はどうなんだ?」
「どうだろうな」
「その泉は澄んでるか?」
「澄みすぎた水は問題だと知っているか? そんな水は、間違いなく毒より冷たく冷えている」
「けど、俺はその水だから触れてんだよ」
「どう受け止めればいいのか困るな」
「他意なく受け止めてくれればそれでいいよ」
俺は苦笑して、そして言う。
「テスト・フォー・エコー、だよ」
(場所:「檜風呂」→END)
- 913 名前:『紅の自警隊』 藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/02/01(木) 10:49:090
- >>911
「はは、いいのかなあ、貰っちゃって。……でもまあ、記念に貰っとこうかな」
少なくとも害のあるものじゃないしね。
流れてきた護符を、ルービックキューブよろしくいじくる。
これを機会に、すこし数秘術についても学んでみてもいいかも知れない。
父が娘のためにとしたためたメッセージを読むのもいいし、自分で使ってみてもいい。
―――父と娘。
自分にフラッシュバックする関係。だから、ここまで肩入れしたのだろうか。
「そうね、傑作よ。だから人間は止められないのさ―――」
いいながら、思い切り体を湯船にゆだねる。
おぼれるだろうか、という意識が一瞬よぎって、心地よさに消える。
体を沈めた反動で、水面に波紋が広がっていく。
それが朝日にきらめく様はまさに壮観。
「はは、生きてるってのは本当に楽しいね」
私の炎よりも金色な朝日が昇るのを見ながら、私はそうつぶやいた。
(END)
- 914 名前:書けませんよ。。。:停止
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