漆黒の侍女は闇に嗤う【100 souls only】

1 名前: ◆RACHel.vNs :2006/10/26(木) 01:21:52


▲このスレッドには、暴力シーンやグロテスクな表現が含まれています。


刻人の力を受け継ぎ、魔神に自らの血縁を『贄』として捧げし祭主の娘と接する際、汝は常に
己の振る舞いに注意を払わねばならぬ。

汝の発する言葉がいたずらに色欲にまみれしものならば、祭主は汝を『贄』の集める魂として
扱うだろう※1。汝の姿形が祭主の住まう世界の理から大きく外れる時※2、名も無き者同士が
不要に言葉を交わす時※3も同様であり、また、いずれに当て嵌まらぬ場合でも汝は常に己の
立つ場所に注意を払わなければならぬだろう※4。祭主は魔神の『贄』として大いなる力である
『罠』を扱う王家の姫に仕える侍女であり、己の本心を隠蔽し絶大なる信頼を勝ち得ている。
その信頼を跡形も無く突き崩す事で『贄』が魔神へその心身を売り渡す事を、この黒き侍女は
知り得ていたのだ※5

※1 過度のセク質を禁止するの意。 ※2 過度の越境行為を禁止するの意。
※3 名無し同士の会話を禁止するの意。 ※4 やっぱり罠が好き♪の意。 ※5 デスハンマーENDメインの意。



               【王女と魔の烙印・フローネンブルグ滅亡史】より一部抜粋

2 名前:レイチェル ◆RACHel.vNs :2006/10/26(木) 01:22:56

……皆様、御機嫌よう。
ここは私の隠れ家。日々の勤めや周囲の目、王宮の澱みからも離れ、
侍女としての仮面を外し、名も無き者との会話をゆったりと楽しむ静かな暗室。
気が乗れば、貴方の悩み草に慰めの言葉を掛ける事もあるかもしれないわね。
どうせ滅びる世界でも、一縷の望みは必要ですもの。
最も、この場所は隠し通路で黒い森の館やその他の場所にも繋がっているから
迂闊な言葉は貴方の身を滅ぼす罠にもなりかねないけれど――。

それでは、始めましょうか。

3 名前:名無し客:2006/10/26(木) 02:06:09

貴女が一番萌えるトラップ、および燃えるトラップはなんですか?

4 名前:名無し客:2006/10/26(木) 02:07:21

…ここは、どこだ?

(なにやら迷い込んできた)

5 名前:レイチェル ◆RACHel.vNs :2006/10/26(木) 16:54:36

>>3
以前、罠の連携について訊かれた事はあったけれど、単独でも成立する罠ならば――


          メイデンハッグ、鉄の処女。


無垢といえども女は恐ろしい魔物。
鉄扉の腕に抱擁され、内部にみっしりと植えられた鋭利な棘に四方八方から貫かれ、
犠牲者は苦悶に鮮血を撒き散らしながら絶え果てる。
与える苦痛も恐怖も突出した愛すべき罠よ。

こちらの世界だと、ニュルンベルグに所有されている物が有名ね。
鉄棺の分厚い扉は犠牲者の断末魔を決して外に漏らさないというわ。
――もっとも、魔神の力を受けて発動するそれは、手広く素早く敵を捕らえて
殺す事に長けているから、防音効果は無いに等しいけれど。
それでも罠を仕掛ける側としては、きちんと絶叫を聞けた方が風情があるでしょう?

この愛すべき罠を好んだ人間のいかに多いことかしら。
『血まみれの伯爵夫人』エリザベート・バートリーは豪奢を凝らして、
機械仕掛けで瞳や口元を動かし、宝石の首飾りや本物の髪までつけた鉄の処女を造らせたというし、
トレドで異端審問に使われた『悲しみの聖母』も、形は違えど残酷さに変わりは無い逸品だわ。
つい最近まで、実際に中東で使われていたという話もあるくらいよ。

本物は時代を超えて愛されるわ。
それが人々に恐怖と死を与えるものだったとしても。



          Wherever you are, Iron Maiden's gonna get you, no matter how far.
          (如何なる場所の果てにおいても、鋼鉄の処女はそなたをとらえる)

           ――髑髏を旗印に掲げた楽士男の書いたリリック『IRON MAIDEN』


6 名前:レイチェル ◆RACHel.vNs :2006/10/26(木) 18:49:29

>>4
これは……珍しい侵入者もいたものね。

アリシアを追ってきた兵でもない、護り手とやらでもない。
のこのこと館までやってきた暢気な旅人……というところかしら。
放っておけばアリシアと顔を合わせるでしょうけど――

魔神に捧げる魂は憤怒や悲嘆に彩られたもの……
どうしようかしら、ね?

(隠れ部屋の机の引き出しから一枚の紙を取り出す)

――――――――――――――――――――

父王殺しの姫アリシア、今尚フローネンブルグを逃亡中
王宮は姫を捕らえし者に莫大な報酬を約束

先日、残酷なる手口で父王であるオラフ2世陛下を死に至らしめた王女アリシア。
国の風紀を著しく汚したこの者は未だフローネンブルグ内にて逃走を続けており、
住民の生活に重大な被害を及ぼすものと予想される。

王宮では、この不埒なる王女を捕らえ、国の名誉を護りし者に褒賞を与える事とする。
捕らえし者の身分及びアリシア姫の生死は問わず。

――――――――――――――――――――

(ひらり、と紙は風に舞い、どこからともなく>>3の前へ落ちる)

7 名前:レイチェル ◆RACHel.vNs :2006/10/26(木) 19:20:01

――あら。
やっぱり風任せは駄目ね……もう一度やり直しだわ。

(ひらり、と紙は風に舞い、どこからともなく>>4の前へ落ちる)

8 名前:名無し客:2006/10/26(木) 23:16:23

逆恨みという言葉についてどう思いますか。

9 名前:名無し客:2006/10/26(木) 23:17:06

結局魔神を倒してもあの国は滅びるのでしょうか。

10 名前:レイチェル ◆RACHel.vNs :2006/10/27(金) 02:30:11

>>8
私には縁がないわね。必要以上に他人とは関わらないようにしているもの。
自分の目的を果たす前に、瑣末な事に神経をすり減らすのはお断りね。
ましてやこちらの行為を曲解されるなんて冗談じゃないわ。

私は、私と母の存在を無い物にした王家の存在自体を憎んでいるの。


>>9
……そう。
どう足掻いてもあの国は亡くなるのよ。


アリシアはあまりにも殺し過ぎた。
怨念の込められた無数の魂を捧げられ、ひとたび実体化したマルファスを封じる為に
『永劫の刻印』を施したとしても、その力も元を辿れば魔神に拠る物。


          一度定められた贄が、その宿命から逃げられる術はない。


魔神の力が開放された事で蘇った骨騎士が、王宮に群がったのは何故だか判るかしら?
死して尚消えない妄執、果て無き渇望、そして魔神の力を糧として動く死せる兵達にとって、
血の匂いをぷんぷんさせているくせに魔神を封じ、のうのうと玉座の間にいるアリシアは
恰好の獲物――という訳。
そして、王宮は今や巨大な共同墓地。
無念や怨念を抱いて死んでいった者達の屍には事欠かないでしょうね?


もはや、封印の護り手はあの大魔道士の弟子だけ。
あの娘の護り手は、あまりにも若い騎士だけ。
壊れた玉座に帰ってきても、もう、そこには何もない。


          そして私の復讐は果たされる――

11 名前:名無し客:2006/10/27(金) 02:59:59

 人間よ、夢の裡に遠くまで来たものだな。
 私の名は忘却という。
 この腕をおまえに巻き付け、脳の盃から記憶の全てを私に飲み干させておくれ。
 それがいかなる安らぎであるか、考えてごらん。
 これまでの人生を衣のように脱ぎ捨てて自由になれるのだからね。
 もはや過ぎし日の罪や恥に心を曇らせることもなくなるのだよ。
 さあ、迷うことはない、私にその身を任せておくれ――――






12 名前:名無し客:2006/10/27(金) 23:51:11

結局バッドエンドであるアリシアは国を出て行きましたエンドが一番マシかもしれませんね。
レイチェルにとってはバッドエンドでしょうが、まさに。

13 名前:名無し客:2006/10/27(金) 23:52:53

落石でぷちっと死ぬのはあんまりにもあっけない退場の仕方じゃなかったですか。

14 名前:名無し客:2006/10/28(土) 21:53:29

あなたの今いる一刻館のCMを考えてみてください。

15 名前:レイチェル ◆RACHel.vNs :2006/10/29(日) 16:34:46

>>11
その声を聞いたのは、ある真夜中……母が死んで間もなくの頃の事。
たったひとりの家族を喪った私に遺された財は少なく、かつて転がり込むようにして居を構えた寂村も、
暮らしを切迫する貧困に民は皆苦しみ、他人はおろか、自らの明日を賄う余裕さえ無かった。

私はたったひとり、隙間風が容赦なく吹き込む家の中で、過ぎ行く時間を眺めるでもなく眺め。
心は凍てつき、慰めもなく、何もせず、何も出来ず。
生きる糧を得る為に多くの物を売り払った殺風景な部屋で、
病に倒れ付す前の母がそうしていたように――ただ、漠と窓の外を眺めていた。
死んだも同然の体だったわ。
放って置かれたならば、まず間違いなくそのまま死んでいたでしょうね。


その声を聞いたのは……でも、その時だった。


          ――人間よ、夢の裡に遠くまで来たものだな――


それは、年老いた男の声だった。
風は身を切るように寒く、差し込む月光は冷たいというのに、その言葉はひどく優しげに紡がれる。
幼い私は顔を上げ、その声がする方向を振り返った。


          ――私の名は忘却という――


燃え差しもとうに消えた部屋の中、細々とした月の光を頼りに私が見たものは、
黒のローブを痩躯に纏った不気味な老人の姿。
目深に被られている布がその表情の殆どを覆い隠してはいたけれど、
皺枯れて節くれ立った土気色の手と頬だけがはっきりと確認出来た。
いつの間に、なぜ入り込んだのかすら判らない。
けれども、私は警戒する事も声を上げる事も忘れ、ただ目の前の老人を呆然と見つめていた。

「ぼう……きゃ、く……?」
ようやく鸚鵡返しに呟く私に、老人は更に言葉を続ける。


          ――この腕をおまえに巻き付け、
            脳の盃から記憶の全てを私に飲み干させておくれ――


16 名前:レイチェル ◆RACHel.vNs :2006/10/29(日) 16:36:46

>>11 <2>
彼の発する言葉の意味をすぐには理解出来ず、幼い私は立ち尽くしていた。

「記憶の、すべてを?」

未だ彼の言葉を繰り返すしか出来ない私に、老人は小さく緩慢に頷くと、
子供に言い聞かせるような口調で語り始めた。


          ――忘れる事、それがいかなる安らぎであるか、考えてごらん。
            これまでの人生を衣のように脱ぎ捨てて自由になれるのだからね。
            もはや過ぎし日の罪や恥に心を曇らせることもなくなるのだよ――



忘れる。
今までの事を忘れて――自由になれる……。



          『おかあさん……もう、あのおうちにはかえれないの?』

        モウ、カエレナイノヨ           ワタシタチハステラレタノ

          『おとうさんは……?』

      ソノナマエヲ ワタシノマエデ ニドトクチニスルナ!!

            オマエノナカニ、アノオトコノチガナガレテイルナド、カンガエタクモナイ!!


          『いや! いや! おかあさんごめんなさいごめんなさい、もうぶたないで……』


                     ………………


          『花がいっぱい咲いてたから、摘んできたの』

                     ……………ハ

          『……そんな所にいたら、風邪ひいちゃうよ?』

                     …………シハ

          『お母さん……』

                     ………タシハ

          『……お母さん……』


                     ……ワタシハ





             ワタシハ、アノヒトヲココロカラ、アイシテイタノニ

17 名前:レイチェル ◆RACHel.vNs :2006/10/29(日) 16:37:40

>>11 <3>
――新年を迎えたある日。
母に手を引かれ、幼い私は祭で賑わう城下町へと来ていた。
この大きな町には、王族が公務や他国の要人達を迎える時に使われる白亜の宮殿があり、
王族一同がそのバルコニーから一般国民の前に姿を見せ、祝賀を受ける日でもあった。

自分の住んでいる陰鬱な寒村とは全く違った活気と賑わい、大勢の人々。
通りに並ぶ店からは美味しそうな匂い、屋台には見た事もない綺麗な洋服や小物が並び、
可愛らしく着飾った少女が、母親、――そして父親に手を引かれ、楽しげに通り過ぎていく。
同じ年頃のその少女とはまるで違う自分の粗末な身なりが悲しくて、次第に俯いてしまう私の手を引き、
母は唯ある場所を目指して一心不乱に歩き続ける。
どこへ行くの? そんな私の言葉にも、母は押し黙ったままだった。

宮殿前の広場に差し掛かった時、母の細い肩に誰かがぶつかり、母はその場に倒れ付す。
あわてて助け起こそうとする私の頭上からは、男の怒鳴り声。

『気をつけろ! この薄汚い貧乏人が!!』

その場にいた人間の視線が一斉に私達に集まる。
舌打ちの音、侮蔑の言葉。同情、非難、蔑視。
初めて味わう恐怖に思わず身を縮こまらせた私の耳に、その時、遠くから歓声が聞こえた。


『王様と王妃様がお見えになられたぞー!!』
『アリシア王女様もご一緒だ!!』


王族のお出ましを知らせる弾んだ声に、群集は歓声を上げ、一斉に白亜の宮殿へと走り出す。
みすぼらしい母子の事など、最初から見なかったといわんばかりに。



……そんな喧騒の中で、母は宮殿の方向を睨み付けるように目をかっと見開き、
私の小さな手を痛い程きつく握り締めていた。

18 名前:レイチェル ◆RACHel.vNs :2006/10/29(日) 16:38:48

>>11 <4>
『王様、おめでとうございますー!!』
『王妃様ー!! エヴァリン様ー!!』
フローネンブルグ王族が人々の歓声に迎えられ、白亜のバルコニーに姿を現した。
立派な王冠を被り、群集に手を振ってみせる王。
その傍らに寄り添った王妃は、やはり幸せそうな笑顔で、民に微笑みかける。
そして――。
『ほら、あそこにいるのがアリシア様よ!』
『本当にお可愛らしい……』
初めて見る群集に気後れしたのか、王妃の後ろに隠れてドレスの裾を掴んでいる小さな王女。
王と王妃に促されてようやく前に歩み出ると、スカートの裾をつまんで、
まだ幼いアリシアは群集にはじめての挨拶をしてみせた。
『アリシア姫ー!!』
『アリシア姫ー!!』
すぐにひときわ大きな歓声が上がる。


そこから離れた場所で、母は小さな私に身を寄せしゃがみこみ、私だけに聞こえる声で低く囁く。


          ――よくあの顔を見て、忘れないようにしっかりと覚えておきなさい。
          あの王が、私とあなたを裏切り、モノのように捨てた男。
          その隣にいるのが、あの男が現を抜かした女。
          そして……あの小さな娘が、全ての元凶――


私は母の言葉通りにバルコニーを見上げる。


          つぎはぎだらけの服を着た私。
          綺麗なドレスを着たあの子。
          私には罵声、あの子には歓声。
          ここから帰っても、私に待っているのはひとかけらの固いパンとこちこちのベッド。
          あの子はきっと――そんなことは知らないで生きていけるのだろう。
          痛みを知らない、幸せそうな笑顔。


『王様ばんざーい!!』
『王妃様ばんざーい!!』
『フローネンブルグばんざーい!!』
歓声を上げている群集は裕福な町の人々ばかり。

ふと視線を後ろへと移せば――そこには私達と同じようなみすぼらしい人々がぽつぽつと立ち尽くし、
じっと押し黙ったまま、怨差の眼差しをバルコニーへと向けていた。

19 名前:レイチェル ◆RACHel.vNs :2006/10/29(日) 16:39:57

>>11 <5>




                     ――どさり。


          『お母さん!? どうしたの……お母さんッ!? しっかりして!!
           いや……いやあああああああああああ―――――っ!!!!!』




20 名前:レイチェル ◆RACHel.vNs :2006/10/29(日) 16:40:54

>>11 <6>
『……これから私が言う言葉を、よく覚えておきなさい。
 お前と私には、かつてこの大陸全土を支配した“刻人”と呼ばれる種族の血が流れている。
 刻人は人間には及びもつかない英知を以って人間を支配し、人間の命を得る事で
 己の永遠の生命の糧としてきた。

 彼等刻人は、その支配を良しとしない人間達によって追われ、
 今やこの世から消えたとされている……残っているのは、私達のような落とし子だけ……。
 けれども彼等は、刻人の血を引く私達に、刻人の力を手に入れ、
 “魔神”を復活させる儀式の方法を遺していった』


          お母さん……。


『私は、もう、長くはない――だから、おまえが――』


          そんな事言わないで! 私をひとりにしないで……!


『魔神の復活には……高貴にして忌まわしき王家の血を贄にする必要がある。
 その儀式は……おまえにしか出来ないのよ』


          ……私、にしか……


『私には、もう、おまえしか頼る者がいないのよ……』


          ……お母さん……


『あぁ……あああああ……く、るし、ぃ……』


          もう、しゃべらないで……!!


『……この手で、できるこ、となら、この、手、で……
 あのお、とこを……あのおんな、を、あの、む、す、め、を……
 じごくへ……つき、お、と、し……て………………………………………』


          お母さん!?

          ……お母さん!!


          お母さん!!!!!



      『………………………………』

21 名前:レイチェル ◆RACHel.vNs :2006/10/29(日) 16:41:55

>>11 <7>
そして――老人は私に告げた。


          ――さあ、迷うことはない、私にその身を任せておくれ――


――忘れる。
今までの事を忘れて――自由になれる……。


          母の狂気も
          失った安らぎも
          重苦しい沈黙も
          心無い蔑視も
          あの日見た父の虚栄も
          父を奪った女の姿も
          あまりにも違う境遇の娘も
          病に倒れた母の痩せ細る姿も
          最期まで私を見ようとしなかった母も
          ――そして、その死も?


――忘れてしまえば――


          『私の前で、二度とその名を口にするなッ!!』
          『……に、くい』
          『………………………』
          『気をつけろ! この薄汚い貧乏人が!!』
          『王様ばんざーい!!』
          『王妃様ばんざーい!!』
          『ほら、あそこにいるのがアリシア様よ!』
          『お母さんッ!? しっかりして!!』
          『……この手で、できるこ、となら、この、手、で……』
          『………………………』


――自由に、なれる……?








「…………そ、だ」

私は叫んだ。

22 名前:レイチェル ◆RACHel.vNs :2006/10/29(日) 16:45:13

>>11 <8>
「嘘だッ!!」
: : : : : : : : :/::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::/: : : : : : : : : : :`ヾヽ: : : : : : : :l:::::`ヽ、:::::::::::::::::::
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: : : : : ; : : : : : : : : .                   '´         . : : : : ,illll!ヅ:
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23 名前:レイチェル ◆RACHel.vNs :2006/10/29(日) 16:46:18

>>11 <9>
「忘れてしまえ、ですって!?
 忘れてしまえば、母の苦しみが、私の悲しみが、全部消えてしまうとでも言うの!?
 母と私は捨てられた!!
 そしてその陰で何も知らぬ振りで、王家の連中は今ものうのうと生きている!!
 おまえは――忘れる事で、その事実が消えるとでも言うの!?
 私が楽になれるとでも言うの!?
 母が報われるとでも言うの!?
 そんなのは嘘っぱち!!
 悲しみは消えない憎しみは消せない怒りは潰えない、それが罪ならば尚更!!!!!
 そんな誤魔化しの上に成り立つ安らぎや自由なんて、私には永遠に訪れない!!!!!
 そんな嘘、絶対に認めない、絶対に認めない、認めてなんかやるものか!!!!!」


私は声を振り絞って叫んだ。絶叫といっても良かった。


「私の元におまえ――忘却、いえ、暴虐の災いを運びし者に告げるがいいわ!!

 私は母を忘れない……母の痛みを、そして苦しみを忘れない!!
 ――私は今から母が王家から受けた痛みACHEを負って、自らの名RACHEL痛みACHEを冠して生きる。
 そしてこの痛みを、安寧を貪り続ける王家へとそっくりそのまま返す為に死ぬ!!


 私は、決して、決して決して母が王家から受けた痛みを忘れないわ……!!!!!」



無我夢中で叫んだ息苦しさに、私ははあはあと息を荒げる。
目の前の老人は――その身も表情も動じないかに見えた。
けれども、その口元は確かに


          ――ならば、娘よ――


にやり――と


          ――我が復活の礎となるべき贄――





          ――見事、捧げて見せよ――



嗤ったのだ。





……それを最後に、老人の姿は、まるで幻のように掻き消えた……。

24 名前:レイチェル ◆RACHel.vNs :2006/10/29(日) 22:29:40

>>12
「アリシアが……国を出たですって!?」
魔神の贄となる者が封印の地を離れる――それはすなわち、魔神の烙印が贄から離れ、
その力を喪う事を意味する。
「そんな……じゃあ、魔神の復活は果たされないというの……私の復讐も、母の無念も……」
身体中から見る見る内に力が抜けていくのが判る。
同じ年頃の娘が少ない王宮の中で、何も知らずに自分を姉のように慕っていたアリシア。
エヴァリンが死に、カタリーナが継母となり、王が国政を省みなくなって王宮が荒れ始めてからは
尚更自分を心の支えと頼り、何があっても信じていると公言して憚らなかったあのアリシアが。
私を見捨てて国を出るなど――。
「なんて――ことなの……」

あの時、若き騎士と共に館を出るアリシアを引き止めていれば、こんな事にはならなかった筈。
けれども、満ちる筈の時は未だ遠く――。

「あ……あ、は、あははははははは……!!
 これじゃなんにもならないじゃない、私はどうなるのよ!? あなたが殺した数々の人々は!?
 なんて残酷な女なの……なんて薄情な女なの!!
 私が欺き続けてきたアリシアは、そんな、そんな……!」


          『ここにアリシア姫の侍女がいるんだな!!』
          『始末せよとのカタリーナ様のご命令だ!!』


!!
どうしてなの!? ここは絶対に見つからない筈なのに!!


          『いたぞ!! 殺せ!!』
          『おまえはそっちへ回れ!!』


嫌よ!! 私はまだ死にたくない!! 私はまだ何も成しては――



            ――どすっ――



あ、あぁ……、
……お、母さ……ん。わ、た、しは……。



          そしてレイチェルは命を落とし、
          以降、アリシアに魔神の烙印が現れる事はなかった

          行方不明になったアリシアの捜索は早々に打ち切られ、
          暗王オラフ2世により混迷を極めていたフローネンブルグは
          新王ヘルツォークによる国政の元、国の立て直しを図る事となる

          だが、それと同時に王妃カタリーナは
          取り憑かれたかのように
          未だ国に多く残る魔神崇拝者にひそかに接触し始める

          自分をひとりの女ではなく権力の一部としか見ていない
          夫ヘルツォークへの抵抗だったのか

          純粋に王家の血を引くアリシアが手にした力を手に入れる事で
          みずからの身分を誇示したかったのか

          だが、その傲慢が後に命取りとなる事に、
          この時のカタリーナはまだ気付いていなかった




          【ENDING NO.4 「権力を望む者 それから」】

25 名前:レイチェル ◆RACHel.vNs :2006/10/31(火) 02:39:18

何処かで深夜の鬼ごっこに興じている者達がいるようね。
かつて狂信者達が起こした火薬の陰謀、そして裏切り。
実行者に与えられた苛烈な拷問、そして処刑。
今日はその恐怖を思い出す日。
実行者をかたどった襤褸人形を街中引きずり回して火にくべる日。

私にとってはあまり洒落にならない日なのだけれど――まあ、いいわ。

裏切りのお菓子ターキッシュ・ディライトでも、持って行こうかしら。


>>13
そう――確かに貴方の言う通り、私の最期はあっけない死に様だった。
悔いがなかったわけじゃないわ。
私が時を満たす最後の魂になってしまったのはアテが外れたけれど、
魔神がひとたび実体化してしまえば、どう足掻いたってあの国は終わる。
アリシアが死んでも生きてもね。

でも、魔神復活の伝説にあった、封印を満たす血の雨。
紅翼の魔神は血雨の中でその一歩を踏み出す。
その美しい姿形をこの目で見たかった――それだけが、心残りかしら。


               ☆ ☆ ☆

さて。
折角の血塗られた祭の日ですもの――ひとつ教えておいてあげるわ。
トリートは、甘いお菓子ばかりとは限らないのよ?

誰にも知られたくない秘密。
死に物狂いで積み上げた名誉や実績。
日々の研鑽から生まれる、誰にも負けない強さと誇り。
貴方の隣で微笑むあどけない笑顔。
何物にも変えがたい、平凡な日常。



          Trick or treat?


……ドアを開ける時は、せいぜい気をつける事ね。
一番親しい顔が、いきなり悪魔に変わるかもしれないから……ふふふ。

26 名前:名無し客:2006/11/01(水) 23:20:48

刻人って旧い記録によると人を生贄にして不老となっていたそうで、
人間を駒代わりにしか見ておらず、自ら駒とした人間の少女が原因で自業自得ともいえる滅亡を遂げたらしいですが、
そんな血でも誇らしいんですか?

27 名前:名無し客:2006/11/01(水) 23:21:59

トラップの発動の仕組みってどうなっているんですか。

28 名前:名無し客:2006/11/02(木) 02:12:43

あったら嬉しいトラップを、自作してみて下さい。

29 名前:レイチェル ◆RACHel.vNs :2006/11/03(金) 19:25:50

……いつの間にか招還の地が消えているわね。
小さな災禍の芽は、疫病で死んだ人間の屍が新たな病を撒き散らかす無限連鎖のように
あっという間にふたばの地を廃墟に変え、太陽の地の民をも脅かしたというわ。
この館もそうなるのかと思っていたけれど――残念ね。


          同じ姓を持つ少女なら知っていたのに。


絹のような栗色の長い髪。10歳とはとても思えないほどに気品あふれる少女。
こちらの世界の学び舎では小学4年生という階級にいながら、
それ以上の者とも対等に渡り合える賢さを持った美しい少女。
絵を描くのが好き、という可愛らしい趣味もあるわ。


          ――けれども、彼女は残酷さを極めた邪悪の化身――


姉を崩れる手すりから転落させ、階下の燭台へ突き刺して殺害
給仕の娘を生きたまま焼却炉に閉じ込めて焼き殺し
愛する男がかつて情を結んだ女を毒殺
男の今の恋人の飼い猫を電磁波加熱機で見るも無残に爆死させ、
その恋人を貯水槽で溺死させ、
自分は海の向こうへと逃げ延びた少女。
どこかの姫にも負けない立派な死の記録デスファイルね。

……え、探し人とは違う?
あら、そう。


>>14 宣伝

          ――その館を目指す者は多い――

          ――夢、希望、安らぎを求めて――


すごいクオリティとテンション――/これに憧れてここに来たんだよなぁ/いいぞー。その調子だw
色々とワロタw/すげえ、なんだかよくわからないけどまじすげえw/ やっぱ上手いな―――と思った
やばい、泣ける/本当に待ったかいがあったぜ/これから期待大/今年ものんびりまったりまいりましょう
恐れ入りました/乙です/いい夢をありがとう/皆さんのおかげで完走できました/これからもよろしく



          ――けれども、そこには――


                            


          ――その館には――


   


                       


          ――罠が、――
本人の自演乙/9(^Д^)/中層スレのキャラハン達は一刻館に来た意味がないんじゃないかってくらいに名無しがまずい
下半身だけ全部脱いでください/あいつのスレに「おまえなんなの?!」と書き込んできたら結婚してやるよ/
悪い馴れ合いの構図に酷似している気がしてなりません/てめえ進行中のはどうした/もはやスレ主のやる気は尽きた
1001の改変は元に戻して/キャラハンの皮をかぶった何か/おまえら、マジメに答えてやれよ(笑/はいはい、ワロタワロタ
餌があるのに食いつかないようじゃ名無しの名折れ/掛け持ちまで暴かれ、その上不当な罵倒までされたキャラハンさん
当人への気遣いを誰もしようとしない/まだだ。「管理スレに苦情を訴える名無し」と「感想スレで煽る名無し」が要る
そろそろ一刻を終わらせるべきだと思うんだ/セクハラに呆れ失踪/そして半月が過ぎました

         
            
       



          …………罠が。


           書けませんよ。。。 :停止
           真・スレッドストッパー。。。( ̄ー ̄)ニヤリッ


          ――その館に足を踏み入れし者、悉く罠に身を引き裂かれ、二度とは還らない――


          ――その館の名は――



キャラネタ喫茶「刻命一刻館」。

30 名前:名無し客:2006/11/03(金) 23:31:28

ひんにうですか?

31 名前:名無し客:2006/11/05(日) 01:43:31

解体業者「この館解体すればいいのね・・・。」

業者「おーい、ぶるどーざーもってこい」
業者「ハンマーもってこい。」

(BGM:日本ブレイク工業)

32 名前:レイチェル ◆RACHel.vNs :2006/11/05(日) 03:55:20

>>26 blue blood
確かに刻人はある時期を以って滅亡した。
その影には、彼等が操り人形として育てたひとりの娘が深く関わっている――それは本当の事よ。
でも、そういう貴方は本当に刻人の存在意義を理解しているのかしら?
血統そのものを誇りに思うのは馬と王族ぐらいなもの。
いわば銘柄だけを有難がった所で、そこには何の意味もないでしょう?

――刻人の血は叡智。
未だ脈々と落とし子へ受け継がれる秘法こそに意味があるのよ。

私は彼等が長い年月をかけて遺した、恐ろしくも強大なそれを復讐の武器として使っただけ。
誇りに思うのとは別の話。
そもそも、自分の武器を誇らしげに見せびらかす愚かな連中は大概がろくな目にあわないものよ。
こんな風に……。


          ニア 殺してでもうばいとる

          『な なにをする きさまらー!!』


>>27 罠の発動
すべては魔神の力と贄の意思によるもの。
……これ以上に的確な言葉もないと思うのだけど、どうせ貴方は納得しないでしょう?

まず語るべきは魔神マルファスの伝承とその力かしら。
かつて72柱の悪魔を従えた賢王ソロモンが、自国都市を造営する時に助けを借りた魔と言われているわ。
彼は『超自然的な手段でものを造る』優れた建築家としての能力を備えていた。
その後かの王の封印を離れ、フローネンブルグの地で多くの魂を得て、いつしか魔神とまでなった……。

『超自然的な手段』――これが『ある筈のない罠を其処へ具現化する』力。
たとえ魔神がその身を封印されていても、贄がいるのならばその力は烙印を通じて発動する。
時には、初めから其処にあるものを用いたり、其処にあるものの形を変えて現れる事もあるわ。

そして、その設置と発動は贄の意思ひとつ。
贄が望む通りに『超自然的な手段』は容赦なく振るわれる――。


建築家にして罠の魔神――紅翼のマルファス。
ソロモン王の都市にも、侵入者を拒む罠があちこちに仕掛けられていたのでしょうね……。


>>28 自作の罠
頭で思い描くだけなら簡単だけれど、いざ自分で作り出すとなると至難の業ね。
私にとって嬉しい罠――これも条件は限られるわ。
屈辱と恐怖、そして死に至る威力を与えられて、私にはなんら意味を成さない罠――。


          666 :名無しさん@非公式ガイド :2005/07/01(水) 09:57:20 ID:hAraGUrO
          各章でアリシア姫に死ぬギリギリまでダメージ与え続けると
          最終章で○○○○○と戦う時に服が破けるんだって!


流石にこれじゃ安直過ぎて罠にはならないわね。
もう少し考えてみようかしら。

33 名前:レイチェル ◆RACHel.vNs :2006/11/06(月) 00:49:06

>>30 脅威
貴方……この『館』で『その』話題を口にする事がどういう意味を持つか、知っているでしょう?
それなのに飽きもせずに、女と見るや胸の話……所詮男なんてそんなものなのかしら。

(画面が青白く回転し、収縮し――暗転)


―――――ガン!


          (>>30に、複数の憎悪の視線が集まる……)


――――――――――ガン!!


          (>>30のいる部屋のドアが全て閉ざされる!)


――――――――――――――――ガンッ!!!


『無限の時が鼓動を止め、人は音も無く炎上する。
 誰一人気付く者も無く世界は外れ、紅世の炎に包まれる……』
『黄昏よりも暗き者、血の流れよりも赤き者。時の流れに埋もれし偉大なる汝の名に於いて、
 我、ここに闇に誓わん。我らが前に立ち塞がりし全ての愚かなる者に、
 我と汝の力もて、等しく滅びを与えんことを!!』
『生きて還れると思わない事ね……』



――ダークイリュージョン『女神達の怒り』発動――



          >>30 『女神達の怒り』に触れ、死亡


>>31 壊体
王妃もヘルツォークも、懲りもせずによくやるものね。
今度は町から職人を呼んで、この館ごと壊そうだなんて――これだから権力狂は。

でも、職人とてこのご時世じゃ生活にも窮しているでしょうね。
城からもらった給金がどれほどのものか知らないけれど、
どうせめぼしい残り物がないか、売れる物はないか、館の中をあさって回る筈。
彼等もこの館に来た以上、すべからく生贄になる運命を辿るのよ。


……………………。

………………。

…………。


(程なくして、男達の悲鳴と共に、狂奏オルゴールがいつもと違ったメロディを奏で始めた)


♪ちゃーちゃちゃちゃちゃらっらっ ちゃらっ ちゃっちゃちゃらららー♪
♪ちゃーちゃちゃちゃちゃらっらっ ちゃらっ ちゃっちゃちゃちゃちゃちゃっ♪

♪トラップ トラップ 魔神の糧の
 狩りたい 狩りたい 魂狩りたい
 近衛の兵隊追ってくる ダッシュ攻撃迫り来る
 王女の命を狙う奴等さ Trap Set!

 魔神トラップ王女 アイアンボール Da Da Da!
 魔神トラップ王女 クエイクボムが大地を揺らし!

 足を挟むぜ! 橋を落とすぜ! タライ落とすぜ! 部屋から部屋へ
 走る! 走る! 魔神トラップ王女

 トラップ トラップ ダークイリュージョン
 兵士も 信者も 変態どもも
 残虐処理などお手の物 強力惨殺致します
 脅威のアッパー 拳をかざせ Trap Set!

 魔神トラップ王女 ロケットパンチ Da Da Da!
 魔神トラップ王女 悪魔のメロディ 館に響け!!

 土嚢落とすぜ! 橋が跳ねるぜ! カビン落とすぜ! 広間へ庭へ
 走る! 走る! 魔神トラップ王女


     「た、隊長! 例の館でアリシア姫を発見しました!」
     「なにっ!?」

     「ど、どうしましょうか?」
     「よし、闇使い投入!」

     「だ、だめです、全く歯が立ちません」
     「ではやむを得ん、変態兵士出動だぁ!」

     「変態兵士出動〜!!」


 魔神トラップ王女 アイアンボール Da Da Da!
 魔神トラップ王女 コールドアロー Da Da Da!
 魔神トラップ王女 殺人ローラー Da Da Da!
 魔神トラップ王女 空中ブランコ 棘に蹴り込め!!

 鐘を落とすぜ! はじをかかすぜ! 壁を崩すぜ! 詰め所へ牢へ
 走る! 走る! 魔神トラップ王女
 Trap Set!!



……随分とノリのいいオルゴールね……。

34 名前:名無し客:2006/11/06(月) 13:03:45

吸い込む回転床や魔人の足はご法度ですか?
刻命館は第一作しか知らないもので。

35 名前:名無し客:2006/11/06(月) 20:57:48

サインください!

36 名前:名無し客:2006/11/07(火) 23:45:47

他テクモ作品で隠しコスはぶっとんだのが多いですか、
今作においては隠しコスが数も種類も偉く控えめなのは何故でしょうか。

37 名前:名無し客:2006/11/07(火) 23:47:02

よく考えるとレイチェルの計画はアリシアが全てジェノサイドして成立するもので、
アリシアが中途で討ち取られる可能性も十二分にあった訳ですが、その辺考えてました?

38 名前:レイチェル ◆RACHel.vNs :2006/11/11(土) 16:34:23

今日になってようやく余裕が出来るなんて、まったく……侍女も楽じゃないわ。
問いかけに応える時間をろくに持てない時は、いくら私でも胸が痛むのよ?


>>34 地獄時空
あたかも人々から忘れ去られたが如く絶海に浮かぶ王国、アレンダル。
原因不明の滅亡を遂げたこの国の影にも――罠の存在があった。

魔神の力、戦いの手段として罠を操る力を手に入れる為に、人々は様々な術を凝らしたわ。
そしてそれに成功した数少ない者達があの島へ落ち延び、その術は師から弟子へと受け継がれた。
無論、元を辿れば『ある筈のない罠を其処へ具現化する』魔神の力を行使する以上、
代償として命を刻む呪いは避けられなかったようだけど。

それでも、あの罠の練成術は素晴らしいものよ。
様々な紋章と円環とを組み合わせる事で、最適な罠を造る事が出来る。
貴方の言う『吸い込む回転床』もそれで造られた物……ご法度だなんてとんでもないわ。
むしろフローネンブルグにその術が伝わっていないのが残念なくらいよ。
『魔神の足』に関しては、踏み潰すものと蹴りつけるものの二種類があるのだけど、
特に後者は色々と使い道のある素晴らしい罠ね。
壁際に敵を誘き寄せれば『最高のタイミングで横合いから蹴りつける』を体現出来るもの。
使いづらい罠はいくつかあるとしても、ご法度とされるような罠なんてこの世界には存在しないわ。
そもそもご法度なのはフローネンブルグ滅亡史の出来ね……ふう。

それにしても――今ではゼメキア王子の復讐譚を知る者も少なくなったのに、
奇特な人もいたものね。
貴方も館に九つの記憶メモカブロックを捧げた口なのかしら?

もしも機会があるのなら、貴方も人形計画やアレンダル滅亡史を紐解いてみる事をお勧めするわ。
フローネンブルグの伝説よりも色々な意味で充実しているから……。


>>35 記号
……………。

Sweet Dreams良き夢を――



          (握り拳から親指を立て、首の前に横切らせ――)


          (――そのまま下へ向ける)


                         ――You Bastard.お莫迦さん

39 名前:名無し客:2006/11/11(土) 18:32:08

|  |
|  |∧_∧
|_| ■-■)  ・・・一服盛っただけで…一年間は悶え苦しみ…死んでゆく、
|邪| o o[毒]        ・・・高価なお薬ですが・・・・・・………一服、いかがですかな。
| ̄|―u'
""""""""""
 

40 名前:レイチェル ◆RACHel.vNs :2006/11/13(月) 01:25:45

>>36 異装
数も種類も控えめなのは仕方がないわ。
だって、あの衣装は私が急いで用立てたものですもの。
カタリーナやヘルツォークの差し向ける兵から逃亡するのに――いくら殺せばいいとはいえ、
あの格好では流石に目立ち過ぎるでしょう?
それに、私の侍女としての面子というものもあるわ。
姫の身の回りの世話を務め、信用を勝ち得るのが侍女の役割ならば、
如何なる時でもそれを全うしなくてはね……ふふふ。


          もっとも、あの衣装のひとつは人形計画で刻人の操り人形にされながら、
          最終的には真なる刻人、魔神の僕とまでなった娘の物。
          そしてもうひとつは、孤島の王国アレンダルへと連れ去られ、家族を殺され、
          自らも罠の呪いで苦しんだ挙句に命を落とした娘のもの。
          何も知らずにあの服を着て、同じ運命を辿る――アリシア。
          私が最大の目的を果たすまでの間の、ちょっとした意趣返しよ。


それとも――もっともっと露出の大きい服が良かったかしら?
部屋から部屋を走る姿を正面から捉えたくなるような。
さぞかし邪な連中が増えるでしょうね……。


>>37 暗計
確かに、私の計画は場当たりなものだと捉えられても仕方がないわ。
私がした事といえば、あの暗愚なオラフを唆してアリシアを魔神の贄に捧げただけ。
正直な所――王宮を取り巻く状況に頼る場面が多かった。

ヒステリックに喚き散らすだけで結局は他人任せ、自分では何も成しえないカタリーナ。
そんな王妃を利用し、一方で王に加担する振りをしながら、魔神の力を侮っていたヘルツォーク。
このふたりの送り込んでくる刺客はともかく、あの『封印の護り手』が現れた時は……
いずれそうなるだろうとは思っていたけれど、背筋が冷えたわ。

けれども、仮にアリシアが計画の半ばで討ち取られたとしても、
あの臙脂の女魔道士の言う通り、魔神は巧妙に代わりの贄を見つけて己の口とするわ。
現世に現れる為の力を得るまでは何度でもね。
そしてヘルツォークは当初の計画通りにオラフを殺す。
暗愚な王と、魔手に憑かれて――何人であろうとも――兵を恐ろしい罠で次々と殺した姫は
自ら国を汚した恥ずべき王家として語り草になるでしょうね……この国が残っていればの話だけれど。


でも、ね。
アリシアは結局、贄の運命からは――


          「アリシア様……どうか、どうかお気鬱ならないでください」
          「……レイチェル……私は……」
          「私は……アリシア様に生きていただきたいのです……。
           例え、どんな事があっても」
          「でも!」
          「王を殺した犯人も、おいそれと逃切れるものではありませんわ。
           それに、王宮の兵も全てがカタリーナ様の味方をしている訳ではない筈です。
           私達が王宮から逃げる時に、グレインズ将軍とジョイス様にも
           アリシア様の無実をお伝えした以上、
           きっとお二人は姫様のお力になってくれますわ。
           それに何より私が、アリシア様の身の潔白を証明いたします。
           ですか、どうか……」
          「…………」
          「……アリシア様?」
          「いいえ……私は、変わってしまった……。
           魔神の声が聞こえたあの時から、その声に命じられるままに、
           あんな、恐ろしい事を……!!」
          「…………」
          「例えお父様を殺していなくても、私は、私は……う、うぅ……」


          「アリシア様――アリシア様はなにも変わってはおらません。
           私の目の前におられるのは、いつものお優しいアリシア様ですわ。
           ですから、どうか……お気持ちをしっかり持ってください」
          「レイチェル……っ」
          「私は――例えどん事があっても、」
          「……レイチェル」
          「姫様の、アリシア様のお傍を離れません――」


          「約束たします……
           これが今のレイチェルに出来る、精一杯の事です」
          「――レイチェル!!」


……姫を騙すのは簡単だった。
だって自分の手が血で汚れる事よりも、いずれ裏切る侍女の方が――あの娘には大切だったから。

41 名前:名無し客:2006/11/13(月) 20:32:26

つ[美味しいオヤツ]
ミ [美味しいオヤツ]

42 名前:名無し客:2006/11/13(月) 23:19:49

アリシアには憎悪以外の感情は持ってましたか?

43 名前:名無し客:2006/11/13(月) 23:20:30

アリシアがレイチェルと逆の立場ならレイチェルみたいな歪み方をしたとおもう?

44 名前:レイチェル ◆RACHel.vNs :2006/11/18(土) 19:26:47

>>39 毒厄
一年間の苦悶の末に迎える死。
かの有名な「遺産相続の粉」やボルジア家の毒薬「カンタレラ」にも匹敵する効用ね。
でも――残念だけどその薬は受け取れないわ。毒殺は足がつきやすいもの。
私が欲しいのは、死んで哀れまれるだけの姫じゃない。
死んでまで尚忌まれ、恐れられ、蔑まれる殺人姫――。

それに、毒は使えば使うほど女の口を軽くするのよ。
ブランヴィリエ公爵夫人。マリー・ボッシュ。
エレーヌ・ジェガート。ヴァン・デン・リンデン。
自らの告白衝動で身を滅ぼした女毒殺魔のいかに多い事かしら。


まあ、その薬が本物にしろ偽物にしろ、私には用のないものだけれど、
この館には私よりもその薬を使うに相応しい人がいる筈よ?


          生真面目に真っ当に仕事をこなすその人の傍で、権利を乱用してやりたい放題。
          他人が1001番目にようやく咲かせた花を平気で踏みにじり、
          名も無き者の名乗る名前を勝手に変えてしまう。
          その傍若無人振りが無軌道な連中に賞賛されればますます増長して、
          失態にまず頭を下げることさえ忘れてしまう。
          挙句の果てに自分の独断専行で、取り返しのつかない事態を招いて。
          その所為でひとくくりに悪者扱いされてしまう無実の『その人』は、
          きっと今回の件を苦々しく思っているでしょうね……。


この毒薬は、この場所へ届けた方が儲けになるかもしれないわよ?
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1162965452/l50


>>41 つミ
「……アリシア様、お茶の時間ですわ」
「いつもありがとう、レイチェル」


          それは、罠。


「41様から美味しいお茶菓子を頂きましたから、そちらもご一緒にご用意いたしましたわ。
 どうぞ、召し上がってください。
 味はレイチェルが保証いたします」
「貴女がそう言うのなら、きっと美味しいのでしょうね……楽しみだわ」


          甘い、罠。


「ねえ、レイチェル。貴女も一緒にどうかしら?」
「私は先程……あっ」


          甘い甘い、


「もっ、申し訳ございませんアリシア様!
 あんまりにも美味しそうなお菓子だったから、つい……」
「うふふ……レイチェルでも、そんな事あるのね。
 でも、これでこのお菓子の味は十分保証済みよ?」
「恐れ入ります、アリシア様……」




          ――脂肪という名の甘い罠。

          肥満という名の、恐ろしい罪。

45 名前:名無し客:2006/11/22(水) 23:03:20

屈強な戦士などなら兎も角アリシアなんか罠の誤爆にかかったらダメージどころか即死しそうな気がしますが、
割と生きてるのはどういう仕組みでしょうか。

46 名前:名無し客:2006/11/22(水) 23:03:35

人間に救いはあるとおもいますか?

47 名前:シャルロット:2006/11/25(土) 20:39:16

http://charaneta.sakura.ne.jp/ikkoku/img/1161793312/47.jpg (68KB)
・・・・貴方が密かに人気の高い侍女「レイチェル」ね?

貴方が私から人気を奪った・・・・許せない・・・・
私の方が数倍可愛いし、萌えキャラなのに・・・・

だから・・・貴方を今ここで殺すわ!!
貴方さえいなくなれば!!
謝っても無駄!!縋っても許さないわ!!
さぁ!!覚悟なさい!!!



48 名前:名無し客:2006/12/02(土) 23:36:490

あなたは今、一人で森の中を歩いています。
しばらく歩いていたら、目の前に動物が現れました。
その動物とは一体何でしたか?

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