■ 続・キャラハンが好き勝手絶頂に使うスレ3
- 1 名前:名無し客:2006/01/11(水) 04:11:01
- スレルールなどは>>2以降にスレを使いたいキャラハンさんがご自由に設定して下さい。
スレのタイトル変更は管理スレにて受け付けますが、このスレで呟いてもらっても管理側が気づき次第、変更します。
- 2 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/13(金) 02:32:10
- ……丸二日経っても誰も来ないって事は、別に俺が使ってもいいって話だよな、つまり。
っつー事で、ここは俺が居座らせて貰う。
……いや、日記のほうが案の定、三日坊主に終わっちまったので、もーちょっと気軽に手軽
にと言うか、なんというか。
ともかく、お約束のスレルールという奴は次のレス以降に。
- 3 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/13(金) 02:37:48
- ――とは言うものの。
別に強要させにゃならんようなルールなんてものもないわけだが。
つまりほら、あれだ。常識の範囲で判るだろ、普通。
ああでも――そうだな、これだけは守って貰わんと。
――ageるな。以上。
- 4 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/13(金) 02:41:16
- で、名実ともにここは俺が占拠したわけだが――
しかしながら、特にやりたいこともやらなくちゃならんこともないわけでな。
他にどうしてもここが使いたい、なんて御仁がいるんなら、そっちを優先させて貰おう。
つーわけで、その時は遠慮なく言ってくれ。
……まあ、ここの進み具合にもよると思うが。
それに、いまならもう一個開いてることだしな、と。
- 5 名前:護国海影 ◆HPv8dyzZiE @削除刀 ★:2006/01/13(金) 03:29:47
- 削除しに来ました。
- 6 名前:護国海影 ◆HPv8dyzZiE :2006/01/13(金) 03:31:40
- というのは冗談じゃが。
お主、自スレはどうした、自スレは。
- 7 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/13(金) 03:40:38
- >>5
……いや、なんつーか。
確かに誰の出入りも禁止してねえが。早速の客がこれってのはどういう事だ。
とりあえず、これにキャップを与えた奴はなにかしら責任を取るべきだと思うのだがどうだ。
>>6
え?
自スレ?
……なんだそれ、美味いのか?
――なんていうベタな話は横に置いておくとしてだ。
いや、俺にマメに日記付けるなんて芸当が出来る訳ねーだろ。
流石に消し去っちまうのはどうかと思うのでそのままにしてるが。
……いや書くよ?
残ってる以上は。
ただまあ、そのうちに。気が向いたら。多分。
- 8 名前:護国海影 ◆HPv8dyzZiE :2006/01/13(金) 03:49:18
- >とりあえず、これにキャップを与えた奴は
神奈尾(笑)
- 9 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/13(金) 04:01:56
- >>8
……あぁ、そう。
つまりアレか。管理人直々にと。
……なんだ、自爆趣味でもあるのか、管理人。
いやまあ、別に職権乱用も構わんし、多少のあれそれは必要だとは思うが。
せめて俺の居るところではやるなよ、頼むから。
- 10 名前:護国海影 ◆HPv8dyzZiE :2006/01/13(金) 04:08:11
- まぁ、冗談はさておき。
こんな感じで暇潰ししたいと、そういうわけじゃな?
まぁ、このようなところでは暇潰しも難しかろう。
というわけで、気が向いたら来てやるので、茶くらいは用意しておくように。
ま、今日はちと忙しいゆえ、これで帰るがの。
さらばじゃ。
- 11 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/13(金) 04:23:58
- >>10
いや、来てやるって、別にこれっぽっちも頼んじゃ居ないんだが――
って、行っちまったよ、おい。
久々に口をきいた気がするが、相変わらずの自己中心ぶり。思わず頭が下がりますね、まったく。
……まぁ、しおらしい彼奴っつーのも違和感ばりばりで気色悪くはあるが。
……じゃーな。
- 12 名前:名無し客:2006/01/13(金) 10:12:08
- >しおらしい彼奴
なにその季節外れの恐怖話し
- 13 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/13(金) 22:59:20
- >>12
おいおい、恐怖話ってなぁ。
なにも別に、そこまであり得ないって話でもないだろうよ。
ほら、人間――ああいや、彼奴人間じゃないらしいが――誰だって意外な一面、なんてのを
持ってるわけで、そもそも見た目は十分以上にいいんだから、ちょっと涙目で「ゴメンなさい」
とか小声で呟いておけばだな――
ぞくっ……
……うん。確かに一種のホラーだとしか思えんな。
いやいや、なれない想像なんてのはするもんじゃない――こう、厄払う時ってのはこう言うんだっけか?
……くわばらくわばら。
- 14 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/13(金) 23:11:59
- ……そういえば最近、なにやら妙な気配というか、視線というか。
そんなものを感じるんだよな。
気のせいにしちゃやけに生々しいし、最初はてっきり、どこかの誰かの復讐かとも思ったん
だが、それにしちゃ敵意も殺意もこれっぽっちも感じられんし――
まぁ、気分はあまり良くはないが、実害がないのなら放っておくしかないわけでね。
用事があるなら、何らかの実力行使にでも出てくれれば、こっちとしてもやりやすいんだが。
とりあえずは様子見か。
……そーいや、ご近所さんに引っ越しの挨拶もしてねえな。
こう言うときはあれか? なんか菓子折かなんか持って行くのが礼儀らしいが――
わざわざ買いに行くのもな。……なんにせよ寒いし。
……ふむ。
まあいいか、別に。
(結局行かないことにした)
- 15 名前:護国海影 ◆HPv8dyzZiE :2006/01/14(土) 06:42:07
- >>12-13
ぶち殺すぞ下郎どもv
【抜き身の刀を構えつつ】
- 16 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/14(土) 17:26:28
- >>15
――いや、どっから聞いてたんだお前は!?
ってか、その、なんだ。あーっと……ほら、落ち着け?
別にお前の存在がホラーだとか恐怖だとか言ってる訳じゃなくてだな、あまりに実像から
離れ過ぎてるような話は、冗談にもならんなぁ、と言う話で――
……だから刃物は振り回すなっつーんだよ、危ねえだろっ!?
――すいません、私が悪うございました。
- 17 名前:名無し客:2006/01/16(月) 03:01:56
- http://charaneta.sakura.ne.jp/ikkoku/img/1136920261/17.jpg (55KB)
(http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1136920216/42
から投げられてきました)
- 18 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/21(土) 02:10:07
- ……とりあえずだ、カペルテータ君。
「……なんでしょう」
ん――ああ、香茶の準備してたのか。そいつは失礼――
いや、別にこっち向かなくってもいいよ、そんな大した話題じゃないんだし。
手を休めずに聞いてくれ。
まあ、既に自分の活動場所とやらを持っているはずの俺達が、なにやら色々と面倒くさく――
もとい、息苦しくなってこうやって、息抜きもかねて新天地に居を構えた訳なんだが。
「――どうぞ」
……っと、すまんね。
ああ、ついでにそこの砂糖とミルクの壺を取ってくれるとありがたいんだが。
そうそう、いつもの通り。砂糖は五さじ、ミルクはたっぷりと。
ん――どうも。
(水面は、多めに入れられた砂糖とミルクとですっかりと濁りきっていた。
だがそれには構わず、味も香りも台無しになってしまっている、通に言わせれば言語道断
なそれを口に運んだ)
――ふう。
で、なんだったっけか。
「……居を構えた、までです」
ご丁寧にどーも。
……で、引っ越してきたというか逃げ出してきたというか――つまりまあ、なんにせよ特に制
約が特にない場所にこうやって移ってきた訳なんだが、ひとつ問題が出てきてしまってな。
「というと?」
ひとつ訊ねるが、カペル。
俺はこっちに移ってきてから、今までなにをやっていた?
「なにを――ですか」
そう、なにを、だ。思いつく限りでいい。なんでも言ってみてくれ。
「……起きて、食事を作って、本を読んで――あるいは魔族退治に出かけて――食事を作っ
て、そして寝床にはいる。その繰り返しです。大まかですが」
……まあ判りきってはいたが、はたから聞いてるとどーしようもない生活だな。
それを事細かに観察しているお前もお前だが。
まあ、それはともかく……そこまで見てるのなら、俺がなにを言いたいかも判るだろう。
つまり――
「……なにもすることがない――文字に表すべきものが、なにひとつない?」
ピンポン、正解――賞品はこれだ。
(といって手渡す、あめ玉ひとつ。ハッカ味)
俺の日常って奴は、平たく言えば家でだらだらとしてるか魔族とやり合ってるかのどちらか
しかないわけで――そんなもん、わざわざ見たいとか知りたいとか、そー言う奇特な奴が居
るわけがないだろう?
なにより、書く俺がしんどい。そんなことをいちいちするぐらいだったら、それこそ元の場所で
やればいいだけの話で、わざわざ此処を占拠した意味もない。そうだろ?
「…………」
だから――いったい、何をしようかと思ってな。
「……つまり、暇なのですか」
…………うむ。
- 19 名前:名無し客:2006/01/21(土) 02:23:22
- とりあえず、豆腐、いっとく?
- 20 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/21(土) 02:24:01
「こういった僻地では、どのように過ごすのが当たり前なのか、他の方を参考にしてみれば
どうでしょうか」
……他のっても、正直なところ俺は特に面識もほとんど無いしな。
まあ様子を見てみる限り、定点観測だか独り言だか、こう遠隔地の出来事につらつらと感想
を述べたりとかが主流……なのか。
「それではいけないのですか?」
……いや、既に他の連中がやってることを真似ても意味はないだろう。
第一俺なんぞにのぞき見されるのは相手だって気分悪いだろうし――それにほら、なにより
生産性に欠ける。うん。
「レイオットの口から生産性と言う言葉が出たことの方が驚きです」
……いや、まあ。いいんだが、それは。
ともかく、こういった僻地の一番のいいところは、客が来なくたって問題なく生活が出来るっ
て事な訳だ。そこを上手く突いて、いい暇つぶしになれば文句はないんだが――
>>17
(ごとんっ!)
……なんだ?
入り口のほうから――みたいだが。
「……見てきます」
ん。頼む。
……しかし、本気でなにをやろうかね。
いや、無理矢理なにか、と探さなんでもいいとは思うんだが――
「……レイオット」
お。どーした?
「お客様です」
……客?
こんな時間にか? いったいどちら様で?
「判りません。今喋ることが出来ないようなので、ご自分で確かめた方がよいかと」
……喋れない?
いや、そんな不吉な台詞を残したまま置いていくなって、おい!?
(GO TO 玄関……)
- 21 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/21(土) 02:44:51
- >>17
(玄関へと到着した一行。果たしてそこで見たものは――)
うわ! なんて凶悪な人相だ!!
――予想はしていたが、こうなんのリアクションもないとどうしていいか判らんな。
というか、誰だこいつ?
「レイオットの知り合いではないのですか」
……カペル、俺とお前の付き合いも相当長いと思うんだが、その間に一度でもこいつの顔を
見た覚えはあるか?
「はい」
そうだろう、いくら俺が人の顔覚えるのが苦手だからって、こんな特徴的な野郎を忘れる訳
が――ってちょっと待ておい。
ええと、カペルテータさん?
この愉快なお顔の御仁に見覚えがある、と?
「はい。つい先日」
……一向に記憶にないんだが。いくらなんでもそこまで物覚えは悪くないぞ、俺は。
あーと……カペル、いったいどんな状況で?
「そこの――隣の女性のところに出入りしていた方です。間違いありません。本人には、
迷惑そうにされていましたが」
……………………
………………
……ええと。
確認するが。見たって――お隣さんで?
「はい」
……俺との関係は?
「ありませんが。ただ、私が見覚えがある、と言うだけで」
………………
……いや、いいけどな、もう。
しかし、そうなるとますます状況がよく判らんな――なんだってお隣さんのところに出入りし
てた野郎が、うちの前で気絶してるんだ?
しかもこんな、くそ寒そうな恰好で。
「……レイオット、彼処」
ん――?
(と、そこには。悠然と去っていく、背の高い紫色の髪の女の姿があった
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1136920216/42)
あれは――
「お隣さんです」
あれが。こりゃまた……随分な美人だな。
それがこんなのに絡まれたらそりゃたまらんだろうに――って、あれ?
なんでこいつが此処にいて、彼女が彼処に――?
………………まさか。
「それは多分――」
――カペル。頼むから。それ以上、言うな。
……とりあず、明日にでも紅茶葉でも持って行くか。
挨拶代わりに。
(深々と嘆息。白い吐息が夜に溶けた)
- 22 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/21(土) 03:00:09
- >>19
いや、とりあえずの意味が判らん。というか、なんで豆腐。
「それはきっと――」
……カペルテータ君。
立て続けで悪いが、頼むからそれ以上言うな。
ここはひとつ、頑なに覚えていないと主張するのが勝利の鍵なんだ。多分。
「覚えていないのですか?」
……そんな訳ねーだろ。
忘れたくても忘れられねえ――というか、あれは単に魔が差したというか。
ともかく、俺の本意じゃない。どっちかって言うと事故だ、事故。
「事故、ですか」
そう言うことにしておけ。ここでぶり返されても、その――困る。非常に。
一時我が家に、これでもかと豆腐があふれたことを忘れたか?
「覚えています」
そうだろう。いくらなんでも、あのときみたいに毎日豆腐三昧っつーのは流石に堪えるからな。
ここはひとつ、知らぬ存ぜぬで押し通すのが肝心だ。
……で、ひとつ聞きたいんだが、カペルテータ君。
「なんでしょう?」
今豆腐って言ったの、誰?
「――わかりません」
――――あぁ、そう。
(気絶している男以外、二人の他には誰も居ない。
真冬の、季節はずれの恐怖――)
- 23 名前:名無し客:2006/01/21(土) 03:34:00
- まあ世の中にはもっと生産性がなくて堕落した生活送ってる人もいますよ。どっかの金貸し魔術士とか。
思えば彼もモグリですな。
ところで豆腐が溢れたレイオット邸に関して、シモンズ嬢やジャックからなんか言われました?
- 24 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/21(土) 04:03:38
- >>23
”もっと”って……フォローしてるつもりなのかもしれんが、それも大概失礼だな。
いや、事実その通りなんで別に文句はないんだがね。
しかしなんだな、魔術士で――かつ金貸し?
なんともはや、字面だけで見るとほとんどヤクザだな、そりゃ。
まあ俺みたいなのに限らず、魔法士って連中は基本的に協調性が絶無に近いからな――
他に仕事でもしようものなら、確かにヤクザまがいの仕事に手を染めるしか無いのかもしれ
んが。……まったく、気が重くなる話だな。
……だから豆腐については聞くなというのに。大体だな――
「シモンズ監督官は呆れてはいましたが、ひとしきりレイオットに説教をした後、適量を
お土産にしていました」
カペル、気のせいか最近自己主張が強くなってないか?
……というかなんだ、人のことをさんざん巻が恵那市だとかなんだとか言ってた割には、
彼女、結局持って帰ったのか。しかも俺に黙って?
「レイオットはお話が終わった後、自室に引っ込んでいましたから」
……いや、それにしてもだな。
まあいいや、次来たらこの件で強請ってやる。
「ローランドさんは――」
……呆然とした後、人のこと指さして大笑いしてやがったよな、彼奴――
流石に腹立ったんで一発叩いてやったが。
なにがコンニャクだったら別のことに使えるのにな、だ――!
「……別のこと、ですか」
……気にするな。
まあともかく、奴にもたっぷりと持ち帰って貰ったが。
残りは――フィリシスんところに持ち込んで料理にして貰ったんだよな。
お陰で、毎日豆腐三昧だった割にはそう苦痛じゃなかったが。
まあ、なんにしてもああいうのは二度と御免だがね。
- 25 名前:護国海影 ◆HPv8dyzZiE :2006/01/21(土) 04:50:42
- このような時間に暇じゃと言い始めるなど、まさに暇人の鑑じゃな、お主は。
しかしまあ、実際そのようなものなのかも知れんな。
こんな場所があったところで、お主自身は結局マメに挨拶をするような人間でもなければ、隣の家を
覗いて感想を述べるような性質でもない。
実のところ、暇な人間と言うものは滅多におらん。
やろうと思えば、何かしらやることはあるもんじゃからな。
暇じゃとわざわざ口に出す人間は、そのやれること、やるべきことから目を背け、自分に暇じゃと言い
聞かせる事によって得られる妙な焦燥感を愉しんでおる……のやもしれん。
で、茶を出せ。
- 26 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/21(土) 08:43:48
- >>24
……って、よく見りゃなんだこれ。
>人のことをさんざん巻が恵那市だとか〜
…………
……えーと。
ああ、そうか。
……こほん、正しくは「考え無しだとかなんとか〜」だ。
というか自分ですら読めない誤変換っていったい何なんだ、まったく。
「……レイオット、お客さまですが」
――判ってるよ、ちょっと現実逃避してみただけだ。
さてと……あまり向き合いたくはないのだが。
>>25
いやまあ……俺が暇人だって事には特に異論を挟むつもりはないんだが。
そうじゃなくてだな。
こんな早朝から人ん家押しかけといて、長々語った挙げ句にその態度は流石にないだろう
と思うのだがどうだ、お嬢さん。
あんたの国じゃ”親しき仲にも礼儀あり”なんて言うらしいがね――いや、別に俺とあんたは
そう親しい訳じゃないが、客なら客らしくそれなりの――
「……どうぞ」
――カペル、気遣いは非常にありがたいんだが、俺としてはこの非常識娘にマナーとかそう
いうものの話をしている最中でだな。
出すなら出すでいいんだが、もうちょっとこう……
「…………?」
――いや、そんなに不思議そうな顔されても困るんだが。
ああもう、いいや。
……ほら、お嬢さん。
家にゃ日本茶なんてものは用意してないが、それでもいいなら飲んでくれ。
そんでもってとっとと帰れ。
(疲れた様子で、深く息をついた)
- 27 名前:名無し客:2006/01/22(日) 00:31:40
- >>24
その金貸し氏、なんか妙な生き物と付き合いがあるらしいんですよね。
彼は業務を開始するにあたり、ビルの壁に張り付いてはいずりまわったり水中からジャンプしてきて
「わたしぃはぁ……人間んよぉぉ」
とか言ってる生命体から元金を借りたとかなんとか。
これはいわゆる魔族の類ですかね……
カペル嬢に質問。レイが(相対的に他より)テンション高くなるときってどんなとき?
- 28 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/22(日) 02:36:58
- >>27
ぶっ。
(と、思わず口に含んでいた香茶を吹き出した。
幸いにも外には零れなかったが)
……っと、失礼。
いや、何処の与太話だ、それは。
ついぞ人間に金貸す魔族の話なんぞ聞いたことがねえよ。
借りようとする奴は言うまでもないが。
そもそも魔族ってのは本能的に人間を殺戮するんだ、とてもじゃないが取引なんて社会的
なやり取りが出来るわけが――
……いや、そうなると、その明らかに珍妙ななにかが、少なくとも人類と大差ない知性を持っ
ていると言うことになる訳で……
…………
…………
…………
うっかり、そんな光景を思い浮かべてしまったが明らかにホラーとしか言いようがねえな。
と言うかそんな話は俺のところなんぞより、町のタブロイド系出版社にでも持ち込んでやれ。
最近ろくなネタがないみたいでな、記事募集の広告が載ってたよ。
こんな所にいるよりはよっぽど小遣い稼ぎになると思うがね。
- 29 名前:Kapeltetha ferrnandess ◆Kapel6wUeU :2006/01/22(日) 03:50:35
- >>27
――私に質問、ですか。
「……その前に、本人が目の前に居るってのに、そんなこと聞くか、普通。
いや、別に聞かれて困ることでもないから、構わんと言えば構わんのだが」
どうしましょう。
「どうしましょうって――聞かれてるのはお前だろう。
まあ、思った通りに答えればいいんじゃないか?
その――真面目に答えるか、拒否するかも含めて。お前の好きにすればいいと思うよ」
私の……ですか。
「……質問の内容は気に入らんが、お前が俺をどう見てるのか、少しは興味あるしな。
もっとも、俺が居ると答えづらいってんなら、しばらく席を外してもいいが」
……レイオット、私は。
「――ったく、そんな深刻そうな顔をするなよ。……はあ、判った判った。
十分かそこら、シャロンと何処かで時間潰してるからな。
答えるにせよ、答えないにせよ――終わったら、呼んでくれ」
……判りました。
>レイが(相対的に他より)テンション高くなるときってどんなとき?
――それではお答えします。
……普段のレイオットの姿と比較して、と言うことであれば。
戦っているとき――つまり、対魔族戦闘に及んでいるときです。
タクティカル・モールドに身を包み、武器を手に、敵と――魔族と対峙している時。
ですが、それはレイオットに限ったことではなく、人間、生き物というものは、命を賭した戦い
に身を置けば、誰しも昂揚するものだと思います。
何故なら、恐怖に支配されると言うことは、自らの肉体の自由をも奪い去り、それ自体が、
自分生命の危機に繋がるからです。
特に戦術魔法士は、その主敵は魔族であり、魔族の行使する魔法は人間の魔法士が用い
るそれとは違い、ほぼ制約というものが存在しません。
僅かな隙が絶対的な死となって襲ってくる以上、実際に相対する魔法死にかかる精神的な
ストレスは並大抵のものではありません。
故に、魔法士――戦術魔法士という職種を選ぶ人間は、普通の人間に比べて、より危機的
な状況や、死と紙一重の戦闘を楽しむ傾向にある――と言う研究結果もあるようです。
レイオットも……戦っている姿を見ている限りでは、その状況を、心から楽しんでいるように
見えます。
ですが――ですが。
それだけでは、ないようにも思います。それがいったいなんなのか、私にはよく判りません。
だから、私はレイオットのことを、見続けています。
- 30 名前:名無し客:2006/01/22(日) 03:54:24
- ☆ チン マチクタビレタ〜
マチクタビレタ〜
☆ チン 〃 ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\(\・∀・) < で、何時間抜けに死ぬの〜?
\_/⊂ ⊂_ ) \_____________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| 愛媛みかん |/
- 31 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/22(日) 05:35:37
- >>30
――ってちょっと待てっ!?
何時死ぬかっつーのはともかく、その『間抜けに』ってにはどういう意味だおい!?
……確かにこんな商売してるんだ。
何時どんな死に方するか判ったもんじゃないし、それこそどんな死に方をしても仕方がない
とは思ってるけどな。
それでも――そんなドキドキわくわく、期待感たっぷりの表情はなんか違うだろ!?
それともなにか、今度はコンニャクとかトコロテンとか……
いいや、ゼリーとかプリンとかでヤれと、そう言うことかっ!?
ははっ――期待してくれているところ悪いがね、せっかくだ。最近覚えたこの台詞を贈らせ
て貰おう。
『だが断る。
このレイオット・スタインバーグの最も好きなことのひとつは――
ベタなオチを期待している相手に、『NO』と言ってやることだッ!』
(そこまでいった瞬間。がちゃっと、ドアが開く。
そこには、カペルテータの姿が……)
「……レイオット。煩いです」
…………あーと。
その、すまん。話の途中だったか、まだ。
(がちゃん、と閉められるドア。
閉まる瞬間、隙間から器用に、シャロンが部屋の中へ入っていく。
――ひとり、置き去られた)
……なんだろうな。この敗北感。
- 32 名前:名無し客:2006/01/24(火) 22:29:38
- _从/ ::: |/
、|;; リ |::: ';;{
l|;;l| l |::|::: }ii
l|;;l|:l |::l:: リレ
、ナ"ヽl|::|::: //、
, '"/ ',|::|:: /"i ヽ
/ イ |::|:/ } ',
,' iリ |::/ | l
j j.{ ', サ | l: |
,,|/ ' ノヽ, ', i / ,r l |: i |
イr,l ,,,、、、,_ヽ ', lイ 〉 リ、
,、-t〈iij: ヽャ-ミ,,,ッt,、ィ≦ニヲ イiリ
,,r'" /', Y ノ`""",,ヒッ゙’'''"( リ ,'|、
,、 /::/ / /ヽ{ヽ| r" |"、ヽ'" リ イ/ lヽヽ
|;;ヽ、 _ ,,、/::/ l ,ノ `{:::', , '"~''_-'~ ゙' 、ノ イノ|、,t ヽヽ
|;;;;;;;;ヽ'"´;;;r '"´ / / |" {', ::|l ー=''三='-、,| | ~'、ヽ ', `,ヽ
,,,,r|;;;;;;;;;;;;);;r" /// / | ,{lt ヽ' `'ー''''ー''' l j l | :l ti `' 、 ,ri
''"/;;;;;'ー-ー';;;/ / // ノ | リ ::: ヽ| `〉´ / ノ l| l ::| tiヽ ~''ー、,,_____/;;;|
::/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;// / イ イ: | リ ::: ゙t イ j/ ヽ リ :| ti ヽ ~' 、ヽ;;;;(;;;;;;;;;|
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,'/ / // イ: lヽ| ::: ` '' ーー'" { ヽ / :リ l'、 ヽ、,, ヽ ヽヽ;;;~''ー'
~''''ー、;;;;;;;;;;' / // |: ',゙'、 `';;;'''" { / ::/ t、'、 l;;;;';;;;;;;;;;;;;;' ,ヽ、
;;;;;;;;;;リ;;;;;;;;l " '/ l ヽ ;; リ ,,,,/ ,> |;;;;|;;;;;;;;;;;;;;;;'、 `
ヽ;;;;ノ;;;;;;;;| / ,、-ー-、 l ~''ー- 、,, ,,、 -'''" / / ,、-'"´ |;;;|;;;;;r'" ̄;;''''ー
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| レ" ::: |ヽ l ` ''' ,r "-ー / / / ヽ ヽ ヽ |;;;|;;;;|;;;;;;;;;;;;;;r''"
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ::: | ヽ l Y;;" / /リ ヽヽ ヽ, |;;;|;;;;~''ー''";;l
無資格の癖に生意気だぞ!
- 33 名前:護国海影 ◆HPv8dyzZiE :2006/01/25(水) 00:51:00
- >>26
何がとっとと帰れかヽ(`Д´)ノ
人がせっかく来てやったというのにヽ(`Д´)ノ
このような辺鄙なところに足を運んでやっておるンじゃから、感謝して歓迎されこそすれ、追い返される
謂れなどないわっ。
おう、カペルは流石によい子じゃのぅ……物の道理がわかっておる。
……んむ、茶も美味い。将来はよい嫁になるぞ、善哉善哉。
しかしのぅ、お主……お主はそうやって無碍に人を帰そうとするが、ならば何故ここに越してきたのじゃ?
多少なりとも他人なりなんなりと関わり合いを持ちたくなったから……ではないのか?
ふふ。
まぁ、それはよいか。お主がどう変わろうと、儂の知ったことではない。
冴えぬ男のことなど、どうでもよい。
ここは静かじゃからの。それに、カペルやらネリン・シモンズやら、妙に女っ気も多い。
なかなか快適な場所じゃ。
よって、お主がいかに拒もうとも儂は来る。来るといったら来る。そう決めたので、下手に拒もうとせずに
茶菓子と茶を常に用意して置くように。
『人生を愉しむコツは諦めと慣れ』じゃぞ、レイオットよ?
- 34 名前:名無し客:2006/01/25(水) 01:01:57
- ちわっす。
からかうと楽しい暇人の住居はここですね?
お隣からの紹介できました。
レイさん達は年中暇っぽいですが、暇でないときは何をなさっているんですか?
- 35 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/25(水) 02:43:53
夜も遅くだってのに、どういう訳か今夜はあちこち騒がしいようだった。
煩くて眠れない――なんて程じゃないが、あまりない事態なので気になると言えばまあ、
気になる。特に、最近見つかったらしい温泉街のほうで、なにやら妙な爆音とか閃光とかが
発生しているのはなんなんだ。
「……まぁ、いちいち見に行こうとは思わないけどな」
ぽき、という音を立てて、口にくわえていたチョコレート菓子が折れた。
棒状の小麦菓子の先端部にチョコレートをコーティングした、ただそれだけの代物なのだ
が、ちょうど良い甘さと食べやすさが相まってなかなかに具合がいい。
今日たまたまリゴレット通りの雑貨屋で見かけたのだが……ある程度買い置いてもいいか
もしれない。お茶請けにも使えそうだし。
と――
こんな顔(>>32)して、護国海影が言ってきた。
「……じゃなくて」
そんな訳がない。
いくらあの小娘が見た目の割に妙に古くさい、言ってみれば婆さんのような口を聞くからと
いっても、強面の筋肉モヒカンと見間違えるなど論外だ。
「……ええっと」
しかし、見間違いだったらいいな――と思う俺のささやかな希望はあっさりと打ち砕かれた。
何故なら。
この強面の隣には、涼しい顔して香茶を啜る、あのお嬢さんの姿があったわけで。
「…………」
というか。
こいつ、誰?
「先ほど)家の前で気絶されていた方ですが」
絶妙なタイミングで、カペルテータ君は宣った。
ついで、ようやくそんな事実もあったことを思い出す――うん、そう言えば、確かにそんな
奴も居たような機がする。だけどな。(注:>>17)
「……なんでそいつが、此処で元気はつらつに俺を罵倒してくれてるんだ?」
「私には、判りません」
……そう言いながらその胡散臭いを通り越してギャグの領域に脚を踏み込んだ男に、
カペルは例によって香茶をすすめていた。
妙に腰の低い態度でカップを受け取る男を、妙に疲れた心持ちで眺めつつ、それを飲み終
わったら絶対にお引き取り願おうと心に決めて、もう一本チョコレート菓子をつまみ上げた。
- 36 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/25(水) 03:01:34
- ……ようやく帰ったよ。あのオッサン。
ていうか、本気で何者だったんだ、アレは。
カペル。次に彼奴見かけたらとりあえず通報しとけ。なんつーか、近づけると危険な気が
する――色々と。
「いいのですか?」
……警察にゃあんまり関わりたくないが、背に腹は代えられんからな。
この際だ、仕方ない。
>>33
……さて。
見知らぬ侵入者の件はとりあえず片付いたわけで――次は見知った侵入者の番だな。
まったく、やれやれって感じだが。
だから、別に俺が来てくださいって頼んだ訳じゃねーだろ、お嬢ちゃん。
それにだ、俺が自分で言うのもなんだがね――
にこやかに、ゲストをお迎えするような人間に見えるか? この俺が。
ようこそいらっしゃいました、どうぞごゆっくり――って?
……勘弁してくれ、ほんとに。
「……嫁、ですか?」
……いや、そこは別に反応しなくていいから。
――ごほん。
いや、つまりだな――俺が言いたいのはやってきた客を追い返したいという事じゃなくて、
客なら客らしくもっと礼節とかそーいうのを弁えてしかるべきであって、決してそうやって勧め
てもいないのにドカッと居間に陣取って茶と茶請けを要求する奴は、基本的に客とは言わな
いんじゃないかと、そう言うことでだな。
……どうでも良いが、俺の話、もしかしなくても全っ然聞いてないよな、お前さん。
……よし判った。こうしよう。
別に来るのは構わん――なにを言ったところで無駄だってのはよく判ったし、そこまで拒
否しなきゃらんものでもないからな。
だが、別に俺はお前さんを客扱いはしない。
カペルに茶を要求するのは勝手だが、俺が君を歓待するとか、そー言うのは一切無しだ。
オーケイ?
まあこれが、お互いにとっていい落とし所になるんじゃないかと思うんだが、うん。
- 37 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/25(水) 04:26:39
冷たい空気が吸いたくなって、外套を羽織って外に出た。
流石に寒い――が、色々な意味で疲れ切った身体の火照りが急速に冷まされていくのは
それなりに気持ちがいい。
ふう、と吐き出した吐息は白い。当然だ、冬なのだから。
夜空に散らばる星々というものは、まあ美しくはあった。かといって、それが何事かに役に
立つ訳じゃない。
無論、あれが役立つ人々も中にはいるのだろうが、少なくとも俺はそう言ったことを生業と
する人間ではない。
一分か。二分か。あるいはもっとか。星々と、そして細く痩せた月をただぼんやりと見上げ
ていた俺は、今度は逆に身体が冷え切っていることに気付き――
なにもかもが、妙に馬鹿馬鹿しく思えて、肩をすくめて屋敷に戻るべく、踵を返した。
……その時だった。
(>>http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1136920216/69)
「――――!」
がつん、と、脳天を殴られたような衝撃だった。ざわ、と言う音が実際に聞こえたのではな
いかと言う勢いで全身が泡立ち、何処にあるのかも判らない本能という奴が、全力でがなり
たてる――曰く、敵だ、と。
「んな事は――」
判っている、と口の中で自分自身に罵りながら、右手は反射的に腰元へと伸びていた。
掴み、抜く。
現れたのは、大きな銃だった。
つや消しの銃身、そして先端部に穿たれた45口径の銃口。
機関部に取り付けられた回転式六連弾倉には、軟弾頭45マグナム弾が装填済み。
撃鉄を引き起こしつつ銃口を向ける――だが。だが、何処に?
にらみ付ける闇、その奥は黒く塗りつぶされて見通すことは出来ない。
ただ屋敷を背にした状態で虚空へと油断無く銃を向けるものの、一体なにが起こったのか、
未だ正確に理解することは出来なかった。
「今のは――」
一体。濃厚な殺気だった。まさしく、見えない手で心臓を捕まれたような。
比喩無く殺されると確信した程の殺気ではあったが、今となってはそれはまったく、痕跡
すら残らず霧散し、先ほどまでの冷たい、ただの夜へと成り下がっている。
「気のせい――って訳じゃない。どこかに、消えた……のか?」
呟いた直後。背後で、なにかが割れる音が響いた。
「…………!?」
駆け戻る。
勢いに任せて扉を蹴り開け、屋敷の中を駆け抜ける。
その脚が、ちょうどキッチンにまで到達した時……ようやく、止った。
そこには、」カペルテータが。
蹲ったまま、なにかをこらえるように頭を抱えていた。
足下には、割れたカップ。先ほどの音は、彼女が取り落とし、床にたたきつけられた音だっ
たのだろう。しかし――一体、なにがあった?
「……カペル?」
近づきつつ呟いた俺に――カペルは、思わぬ一言を告げていた。
「……レイオット、今――ものすごい、魔力が」
なっ、と言う声が、喉の中で凍り付いた。
今。魔力。その単語と、今し方俺が遭遇した殺気を結びつけるのは、そう突飛な事ではな
いだろう。
「その魔力は? 今も感じるか?」
「……いえ。一瞬だけです。突然だったので、方向もよく判りませんでしたが――
すぐ、近くだったように思います」
「……そうか」
……あの殺気の持ち主と、魔力の持ち主が同一であるならば、その判断は恐らく、間違い
では無いだろう。しかし。
「……消えた、だと?」
もしそうだとしたら――果たして、なにが目的だったのか。それが、さっぱりと判らない。
――ともかく。気配は消えた。
言いようもない、不安を置き去りにして。
- 38 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/25(水) 04:42:05
――モールドの準備をしておいたほうがいいかもしれない。
そんなことを思いつつ外に出た。ガレージに向かうためだ。
先ほどの一件で、一気に冷え切った身体に、この寒気は堪える――が、万が一と言うこ
ともある。先ほどの魔力だか殺気だかの主が、源流魔法使――”完全体”と呼ばれる、理性
ある魔族、そう呼べる連中に関わりがあるかもしれない。
――もっとも、もしそんな連中だったとして、俺のような無資格の戦術魔法士のところに、
わざわざあんなデモンストレーションを行う理由が、さっぱりとわからないのだが。
拳で開閉スイッチを叩き押し、シャッターを開かせる。
……この奥に、魔法士を魔法士たらしめる、現存技術の粋を集めて作り出された拘束型
魔法支援機器――モールドがある。
開放と同時に電灯にスイッチ、ガレージの中を照らし出す。
その中に、足を踏み入れようとして――
- 39 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/25(水) 04:52:33
- >>34
……ええっと?
あーと、おたく、どなた?
ってか、訊ねる先が間違ってないか、あんた?
いや、確かに俺は暇だが――ってなにを言わせるんだ。ああいや、それはともかくとして
だ。
お隣からの紹介? だったらますます人違いじゃないのか?
俺はお隣さんとはまったく面識が無いし――何? 此処で間違いない?
……それはそれは。
で、なんの用だ、一体。
……年中暇って、大概失礼だな。
それは別に俺が怠慢な訳じゃなくてだな、俺等みたいな職業に就いてる連中は大抵――
ああと。
その前にだな。聞いておきたいんだが、あんたは俺の仕事を知ってるのか?
……まあ、知ってるという前提で言わせて貰うとだな、戦術魔法士ってのは、お上からの
出動要請が出る以外は、基本的に暇なんだよ――なんでかって?
決まってるだろ、魔族だよ魔族。
魔族がいつ現れてもいいように、それ以外の時は手透きであることが要求されるんだ。
ほら、判るだろ?
いざ魔族が現れました、なんて時に、忙しくて行けません、なんて事になったら、その時点
で大惨事だ――だから戦術魔法士は、高い報酬を約束されてるわけだ。
普段から仕事をしなくても、十分に生活が出来るようにな。
逆に言えば、それがあんたの質問の答えだ。
暇じゃないとき?
魔族相手にドンパチ、潰したり殺したりを楽しんでるって訳だ。
――こんな所で満足か?
- 40 名前:Servant/Rider ◆gorgon13xM :2006/01/26(木) 18:02:41
- >>38-39
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1136920216/74
気配を殺す。
霊体化寸前まで身体活動を落とし、その背に忍び寄る。
折りしも誰かと会話中だったようで、容易に接近出来た。
――――拘束。
石化はさせない。
まだ“敵”とは断定出来ないから。
下半身と両手が動けなくなる程度に力を抑え、眼前の男を視る。
そして詰問。
自分の肉声は使わない。
ここは押し出し感の強い、あの神父の声を借りよう。
「……動くな。
とはいえ動こうにも身動きできんだろうがな……」
今、この声はあの胡散臭い――だが妙に威圧感のある声に聞こえている筈だ。
更にアクセントを加えてみようか……。
両手に愛用の短剣――杭か大きな釘の様――を実体化させ、その鎖を大きく
振るう。
――――ジャラジャラ! と、ガラガラ蛇の如き威嚇音が鳴り響く。
「怯える必要はない、ただ質問するだけだ。
問題なければ、私は直ぐに去ろう。
問題あれば? さて、その時に考えるとするさ……」
聞きたいコトは一つ、彼が有害か無害か。
「汝、何故闘う?
汝、何と闘う?
汝、何の為に闘う?
汝、ヒトと敵対する意思を持つか――――?」
- 41 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/26(木) 20:11:15
- >>34
不躾な客――と言っていいのか少々悩むのだが、とりあえず邪魔者にお引き取り頂いて、
その後ろ姿にこっそりとため息をついた。
……いったい何がやりたかったんだろう、と言う疑問がわくのだが、それは少なくとも、この
場では聞かない方が正解だろう。
とたん、気が削がれる。
つい先頃まで抱いていた警戒心というものが薄れていくのを自覚して、またため息をつい
た。……いったい、俺はなにをしているんだ?
しかし、わざわざガレージまで開けてしまったわけで、このまま帰るというのも今の状況と
同じぐらいには馬鹿馬鹿しい。
「……まぁ、機材の点検に来たと思えばさほど腹も立たんか」
なんにしても、俺の<スフォルテンド>はモールドとしては二十年もの――かなりの旧式だ。
整備は欠かしてはいないが、いつ何時急なトラブルが起こるかも判らない。その点を考えて
も、確かにこまめな点検は無駄ではない。
……わざわざ自分に言い訳をしているのがなんとも悲しいが、それはそれとして、だ。
白熱灯が、室内を照らし出している――その中央部、移送用懸架台に固定されている
モールドへと、一歩足を踏み出……
- 42 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/26(木) 20:11:55
- >>41
>>40
――せない。
踏み出せない。
それどころか、指ひとつ動かなかった。
「……な、」
……訂正。口は、首は動く。
まるで彫像にでもなったかのように、ぴくりともしない手足に、視線を彷徨わせることが出
来る。天を仰ぎ、驚愕の呻きさえあげることが出来た。
「……これは」
こういった現象に、心当たりはあった。一度だけ、似たような状況を経験している。
<スタグナント>――分子運動制御を行う特殊魔法だ。
元々は研究室などで分子運動の観察を行うために開発された呪文書式だが、モールドが
無ければ魔法行使が事実上不可能となった今、一度に大量の拘束度を必要とするこの書
式は、もはや使う術者もほとんどいなくなった魔法である。
……だが、術者が人間でないとなれば話は違う。
そう。俺のような魔法士ではなく。
彼ら、源流魔法使たちであれば――
でもなければ、みっともなくオロオロとしているだけだったろうが――精神面が多少落ち着
いているというだけで、身動きが取れない、という状況にはなんら変化はない。
そもそも、理由がわからないと言う点においては、この状況が危険であることには代わり
は無かった。
もっとも、いつでも俺を殺せるにもかかわらず、わざわざ”動きだけを止めた”ということは、
少なくとも先方には、こちらにこれ以上、危害を加える気はないらしい――今は、まだ。
「……さて。どうしたもんかね」
とりあえず、他に何も出来なかったのでそんなことを無理矢理呟いていると。
背後に、気配が現れた。
緊張……と同時に、どこかほっとする。
先方は、俺に用があるらしい。まあ、このままあっさり殺されてしまう可能性もあるのだが、
それについては考えても意味がない。無視する。
「……動くな。
とはいえ動こうにも身動きできんだろうがな……」
声音は、男のものだった。
……年齢は、よく判らない。若いようでもあり、年寄りのようでもある。ただ、妙に疳に触る
声ではあった。
「……動くなだって? まったく、よく言うぜ。そもそも、身動きできないようにしておいて。
”これ”は、あんたの仕業なんだろう?」
そんな俺の言葉が気に入らなかったのか、背後から、鎖で鞭打ったような、そんな嫌な音
が聞こえてきた。
「……おいおい、頼むからそれで打たないでくれよ。仕掛けてきたのはそっちなんだぜ?
まあ仕事から、まったく恨み買う覚えはない、なんて口が裂けても言えないが」
そんな俺の軽口をどう受け取ったのか、『彼』はやや嘲るような口調で続けた。
怯える必要は、無い。
……まったく。ここ数日の客は、本気でハズレばっかりだ。
- 43 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/26(木) 20:13:04
- >>42
>>40
「汝、何故闘う?
汝、何と闘う?
汝、何の為に闘う?
汝、ヒトと敵対する意思を持つか――――?」
「人にものを尋ねる態度がこれか?
こんな大仰にやってくるからなにかと思えば――いったいなんだ、それは?
それが質問? ほんとのほんとに?
わざわざ人を背後から脅し付けてまでする話が、本当にそんなことなのか?」
だとすれば――本気で馬鹿馬鹿しいとしかいいようがない。
欠片もこちらに気付かせずに、これだけの魔法を行使できるほどの力を持った奴が、
なんだってこんなくだらない質問をしてくるのか。それとも、また別の意図があるのか。
どっちにしたところで、判断のしようがないことではあったが、皮肉のひとつも言いたくなる。
「まあ、そんな詰まらない話にここまで趣向を凝らして貰ったんだ。
こっちとしてもそのお返しはしないとな。何故。何故だって?
いいだろう、判りやすく答えさせて貰うよ――準備はいいか?
――何故闘うか?
決まってる、それが仕事だからだ。判るか? 俺はそれで生活をしている。
ま、確かにそれだけじゃない――それに、闘ってるのは愉しいからな。
あんたに判って貰えるかどうかは知らんが――まあ、麻薬みたいなもんだよ。
色々悩むこともあるが、少なくとも、その時だけは頭の中はすっきり爽快だ。
あんたも、なにか悩みでもあるんなら試してみたらどうだ。案外お勧めだよ。
――何と闘う?
それこそ馬鹿げた質問だ。
戦術魔法士が何と闘うか、だと? 決まってるだろ、魔族とだよ。
魔族――判るよな?
魔法中毒患者。
人間のなれの果て。生きる天災。ヒトのカタチを失った自存する悪夢。
人類の天敵だ。あんたにとってもそうかは知らんがね……
少なくとも、俺にとっての目標はそいつらだけだ。
……こんな所でいいのか? なら次だ。
――何の為?
世の為人の為――とでも言っておけばいいんだろうが。
そんなのじゃ、あんたは納得しないんだろうな。まあ当たり前だ。誰かの為に――なんて
戦いは、基本的にあり得ない。
戦闘における究極的な目的は、つまるところ自分自身の生還に他ならない。
まあ生きていたいだけなら闘わないってのが一番手っ取り早いんだろうが、俺の場合そう
も行かなくてね。なにせ、他に能がない。
……もう判るな?
何の為に――決まってる、自分の為だ。
……さて、これで最後だが。俺には、あんたがなんでこんな事を聞いてくるのか、イマイチ
理解に苦しむんだがね。まあ、聞きたいのなら答えるが。
――ヒトと敵対するか?
状況による。例えば、先方が俺のことが嫌いで嫌いでたまらない、とかな。
まあそう言う極端な例はともかく、少なくとも俺には敵対する理由がない。
……答えは、ノーだ」
一息に吐き捨てる。
……後は野となれ山となれ、だ。
- 44 名前:Servant/Rider ◆gorgon13xM :2006/01/26(木) 21:41:23
- >>42-43
「…………」
……どうやら彼は、普段無能を装って昼行灯にぼんやり暮らしているだけではない
らしい。
非常事態に陥れば、それが危険度が高まるほど落ち着き、また高揚感を増すタイプ
のようだ。
その口振りからも読み取れる。
まあ、そんな枝葉は今は関係ない。
確認すべきは、その言動の内容だ。
戦術魔法士―――始めて聞く単語だ。
言葉と共に流れ込んで来たイメージを信じるなら、戦闘に特化した魔術師のような
モノだろうか。
それと、魔族。
こちらは“悪魔憑き”となったヒトの成れの果てのように感じたが、どうもイメージの
齟齬があるようで、完全な理解には及ばない。
だが判るコトは、どうやら彼は“私たち”の世界とは、微妙にズレた所に在るのかも
知れない。
今度リンが帰って来たら聞いてみよう。
彼女ならば色々と知っているかもしれないから。
そして極め付け。
彼自身に、ヒトと敵対する意思は無いという。
多分この言葉に嘘は無いだろう。
この状況で虚言が吐けるとは思えないし、その理由も無い。
ならば―――この男、放っておいても問題ないだろう。
私の知る範囲では『魔族』とやらの噂は聞かないし、その存在も感知していない。
それなら、この男が武装しておっとり刀で駆け付けて来るコトもないワケだ。
後の心配は、多少でもその影が見えてからにしよう。
「……失礼した、レイオット・スタインバーグ。
いきなり拘束しての詰問の非礼は詫びよう。
君がどの程度の危険物が判断出来なかったので念の為にそうしたに過ぎない。
予め言っておくが、私は君の言う『魔族』ではない。
ただ、人よりかは少しだけ魔術が多く使えるだけの一般人だ。
……君が“世界”の境界を越えない限りは、もう君には感知しない。
だから……『こちら側』に入り込まないように願うだけだ――――」
その台詞を最後に、再び気配を消す。
拘束も直ぐに解けるだろう。
さて……『私』に疑いが掛かる前に、一芝居打っておこうか。
- 45 名前:Servant/Rider ◆gorgon13xM :2006/01/26(木) 21:42:19
- >>44
素早く隣の自分の家に入り、戦闘装束を普段着に替え、何食わぬ顔で玄関から
表に出る。
そして隣の家のガレージの前に立ち竦んでいる彼に声を掛けてみる。
「……あの……さっきから少し騒がしかったようですけれど、何かありましたか?
貴方も、その……顔色が悪いようですが、大丈夫ですか?
動けないようでしたら、肩くらいは貸しましょう」
- 46 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/27(金) 01:50:38
- >>44-45
そんな、詫びらしき言葉を最後に。
俺の身体を縛っていたなにかが緩やかに霧散した。
恐らく相当に緊張していたのだろう、縛めが解かれたとたん、くらりと地面に膝をつく。
「……くそったれ、なにが少しだけ、だ。
こんな事をやらかせる、野郎が、一般人の訳がねえだろうが」
罵りつつも、膝に力を入れる。
ただ縛られていただけだというのに、身体は恐ろしく消耗していた。恐らくは、無意識に
対抗手段を探していたのだろう。もっとも、モールドを纏っていない魔法士に出来ることなど
たかが知れている。結局のところ、全くの無駄だったわけだが。
……いや。むしろ。
「……下手に抵抗なんぞ出来なくて正解だったかもしれんな。
喧嘩して勝てるとは到底――」
嘆息しつつ脚を進め、落ちていた”それ”を拾い上げる。
魔力計――その名の通り、周辺域で活性化した魔力濃度を計測するための機器だ。
メーターの針は、つい今し方、高いレベルでの魔法行使があったことを示すように、左右に
やや大きめに振れ続けていた。
だがその反応も、ゆっくりと収まっていき、やがて――
「…………」
『V』の辺りで、安定した。
それはつまり。
今だに、辺り一帯には、《子爵》級の魔族――もしくは、それに匹敵する魔力処理能力を
有した”なにか”が存在している、と言うことだ。
銃を抜く。反射的に、ではない――背後に、気配。
今更モールドを着装している時間はない。
牽制ぐらいになれば御の字だが――なんて事を考えつつ、背後の気配へと銃口を向けよ
うとした、その時だった。
……女の、声?
振り向けば――そこにいたのは、やはり声の通り、女だった。
それも、飛び抜けて美人の。
とりわけ目につくのは、紫色の――そう、紫なのだ――地に届かんばかりの長い髪だった。
背後からさし込む月の明かりが、その輪郭を演出するように浮かび上がらせる。
眼鏡越しにこちらを見るその双眸も、やはり澄んだ紫色をしていた。
「……ああ――いや。その、大丈夫……だ」
立ち上がる――そこで、ふとどうでも良いことに気付いた。
視線がほぼ一直線なのだ。それはつまり、俺と彼女の身長がほぼ同じであることを意味
する。別に俺はさほど背が高いというわけではないが――女性としては、かなりの長身で
はある。
その長身と、まっすぐな長い髪とが相まって、見るものに清潔なイメージを与えるが――
しかし、全身にからみつくようなその長い紫色の髪と、澄んではいるが冷徹にこちらを見る
彼女の視線に、俺は何故か、蛇の姿を連想した。
――美しい、紫色の鱗をまとう、蛇。
……銃を右手に提げたままなのに気がついた。
今更それを突きつける気にもなれず――不本意にも、見とれていたのは確かだった――
彼女にわざと見えるように、ホルスタへと仕舞い込んだ。
「……と、失礼。ほれ、この通りだ。
もう大丈夫、問題ない――それに、ここは俺の家だからな。ヤバかったらとっとと部屋に
でも引っ込むさ。
それよりも、だ。あんたこそ、こんな時間になにやってるんだ?
最近は――て訳でもないが、夜は女の一人歩きは色々と物騒だ。わざわざ心配してくれる
のは有り難いがね。あんたこそ、早めに帰った方がいいんじゃないか?
こんな胡散臭い男は放っておいて」
ちらり、と左手の魔力計に、それとなく視線を落とした。
魔力偏差は今だ変わらず――『V』の指針を保っている。
……つまり。つまりは、そう言うことなのか。
確証はない――が、既に答えは出ているようなものだ。
要するに彼女は、自分がちょっかいをかけた人間の様子を、確認に来ただけなのだ――
それこそ、通りすがりの一般人を装って。
ならば、このまま余計な事は言わずに、さっさとお引き取り願うべきだ。
少なくとも、俺みたいなただの人間が関わっていい相手じゃない。
そう、このまま何事もなかったように、お互い分かれてしまうのが上策なのだ。
それは判っている。判っているのだが――どうしても、口にしてしまった。
「ああ、でも……あんたなら、別に心配は要らないか。
むしろ襲う方が災難って位だもんな――おっと、別に他意はないんだ。
人の親切もマトモに受け取れない、ロクでもない男の戯言だ、気にしないでくれ」
くるり、と背を向けて屋敷へと歩き出す。背後の彼女に、ひらひらと手を振って、
「それじゃお嬢さん。良い夜を――――」
たまたま、出会ってしまった。
これはただ、それだけの話。
- 47 名前:Servant/Rider ◆gorgon13xM :2006/01/27(金) 02:55:34
- >>46
声を掛けた私に対して、大丈夫だと言いつつ突いていた膝を伸ばす彼。
そしてこちらを振り向き、値踏みするように私の姿を睨めつける。
……まあ(気付かれなくとも)先に非礼を働いたのはこちらだ、我慢しておこう。
「それよりも、だ。あんたこそ、こんな時間になにやってるんだ?
最近は――て訳でもないが、夜は女の一人歩きは色々と物騒だ。わざわざ心配してくれる
のは有り難いがね。あんたこそ、早めに帰った方がいいんじゃないか?」
男はさり気なさを装い、手にした小さな機械に目を遣る。
何かの計器だろうか、そこまでは判らないが――それを見て男の表情が微妙に
変わった。
……何か気付いた?
むう、やはり様子見に来たのは失敗だったか……まあいい、ここは三文芝居を
続けよう。
「私は先程言った通り、隣の庭先が少々騒がしいようでしたので様子を見に来た
だけですが、どうやら問題ないようですね。
私の心配も無用です。
言葉通り直ぐ隣ですから、何事も無ければほんの数歩で帰り着けます」
それでは、と隣家に戻ろうとした所に彼の声。
「ああ、でも……あんたなら、別に心配は要らないか。
むしろ襲う方が災難って位だもんな――おっと、別に他意はないんだ。」
――――やはり、気付いている。
だが、敢えてソレを明言するコトなく、自分の胸の内だけで収めようとしている?
ならばコトを荒立てる必要もあるまい、こちらも今夜一幕の茶番劇の幕を下ろそう。
「それではごきげんよう、レイオット・スタインバーグ。
貴方にも星の加護がありますように――――」
そう去り行く彼の背中に告げ、こちらも踵を返す。
さて。
これで士郎の言っていた『健全なご近所付き合い』は御破算になってしまったようだ―――
- 48 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/28(土) 00:54:47
- >>47
「それではごきげんよう、レイオット・スタインバーグ。
貴方にも星の加護がありますように――――」
というような、いろんな意味で心温まるやり取りから、ちょうど一夜。
とりあえずお近づきの印に、紅茶の詰め合わせでも送っておくことに決めて――そのくら
いで、要らん厄介ごとが避けていくのなら安いもんだ――ソファに深く沈みながら、久々の、
静かな夜を満喫していた。
ぱちぱちと、ストーブが微かに発する石炭の弾ける音に耳を傾けて、昨日までの緊張の
反動のように、無防備にくつろいでいる。
まあ、要するに。
- 49 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/28(土) 00:55:17
……ぼー。
- 50 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/28(土) 00:58:11
……としていたりするわけだが。
これは他に特にやることがないからであって、しかしどちらかと言えば、こんな風に、
だらだらとしているのがここでの正しい生活の仕方なんじゃ無いかと思うわけだ。うん。
……決して俺が怠惰と言うだけじゃあない。
- 51 名前:名無し客:2006/01/28(土) 01:00:24
- ばーさんや、お茶を入れてくれませんかね…(よぼよぼ
- 52 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/28(土) 01:04:47
暇なら暇で、どこかに出かけてみようかとも思うんだが、さて。
しかしながら、近所にはあのトンデモ神父がいるわけだしな。
去年の一件以来、遭遇すると戦争の一歩手前になりかねんからなぁ……
ここは避けておくのが上策か。
別にそれはそれで構わん気もするが……
こんな時間に鉄砲ぶっ放すのは流石に近所迷惑というか。
……つーか、流石に彼処で、あの状況でそこまではやらんよな、彼奴も。
そうなると、開放地区でまだ行ってないのは……温泉?
――なんつーか、それこそまさか、って感じだな。
- 53 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/28(土) 01:11:57
- >>51
――――えっと。
……あー。
いったい誰かと思ったら、三軒隣のおじーちゃん。
てか何だってこんな時間にこんな所に。おばーさんはここには居ませんよ――と。
……まいったな。座り込んじまったよ。
仕方ねえ、カペル、とりあえずお茶頼むわ――ついでに俺のもな。
「はい、判りました」
……ついでに、爺さんの家に電話しておいてくれ。
後で送っていくから心配しないでくれって。
- 54 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2006/01/28(土) 01:41:30
- >>53
「どうぞ……」
ん――サンキュ。
ほれ、お爺ちゃん。
それ飲んだら家に帰ろうな。家族も多分心配して――
「所で、レイオット」
うん? なんだ?
「言われたとおり、ご家族に連絡したのですが」
ふむ。なんて言ってた?
「――お爺さんは、三ヶ月前に亡くなっているそうです」
へえ……そりゃお気の毒に。
呆けてはいたが、気の良い爺さんだったんだが――いや、待て。
……三ヶ月前?
「はい」
……えーと。
それじゃあ、この爺さんは……?
【そう言ってお爺さんが座っていたはずの場所に視線を戻すと、
そこには飲みかけのカップと、誰かが座っていた痕跡の残るソファだけが、
無言で残されていたのでした――――】
- 55 名前:なぜなに? すとれいと・じゃけっと! ◆LOSJACkEtA :2006/10/14(土) 23:17:33
「――一刻館在住の皆様、こんばんは。今夜も『なぜなに? すとれいと・じゃけっと!』
のお時間がやってきました。
この番組は日常の些細な疑問から、私たちの生活を日夜裏方で支えている魔法関連・派生技術まで、
幅広くお答えする情報発信バライティーです。司会進行は私、カペルテータ・フェルナンデス。
解説はレイオット・スタインバーグでお送りします。
なおこの番組は、帝国労務省魔法管理局、トリスタン支局の提供です。では早速最初のお便りから――」
……えーと。
「レイオット。なんでしょうか」
……いろいろと聞きたいこととか突っ込みたいことは山ほどあるんだが。
とりあえず――なんでそんなに馴染んでるんだ?
「そうでしょうか」
いや、そんな小首かしげられてもだな。カンペも見ずにあんな長台詞ぺらぺらと口にできる
時点で相当なモンだと思うが。
そもそもにして、なんの冗談だこれは? 情報発信とかなんとか聞こえたが。
「先日、企画が通った魔法管理局のイメージアップキャンペーンの一環なのだそうです。
近年の魔法犯罪や魔族事件の増加に伴い、その実情の理解度の薄さからか、魔法関連技術者に対しての不信感や
敵愾心が増加の一途をたどっており、魔法士本人のみならずその家族に対しての有形無形の迫害が深刻化してきた
事を受けて、魔法というものに対しての理解度を深めるとともに、『国民の皆様に愛される魔法管理局』をスローガンに、
多様なイメージアップ作戦を展開しようと――」
……それでなにか、いわゆる電話相談室のまねごとでもやりましょうってのか。
役人て奴はたまにとんでもなく阿呆なことをやらかす生き物だってのは知ってたが、それにしたって
これは極めつけだな。
まあ、趣旨は判った――だが、なんでそこに俺たちみたいな不正の固まりみたいなのがかり出されなく
ちゃならんのだ。
こういうのはふつうに魔法管理局の仕事だろう。
それでなくても、正規の魔法士が出張るはずだが?
「魔法管理局は人手不足の深刻化によりこれ以上業務を増やすことができないのだそうです。
当然、レイオットの指摘通り正規の魔法士にオファーが行ったそうなのですが――」
……が?
「断られたそうです。『冗談だろう』と言うことで」
……まあそうだな。
俺も事前に言われてたら同じ事言っただろうからな。
しかし、それでも俺がここにいることの理由にはなってないぞ。というか、その話今聞いたんだが。
「ムーグ魔法士の推薦だそうです」
………………ああ、そう。
「納得していただけたようでなによりです。
ちなみに実際の放送ではレイオットがモグリという点は伏して放送するそうです」
……それはまあ、当たり前の話だが。
それ以前にそんな人員配置を許す魔法管理局に問題があるような気がするんだが?
「なんでも、『ない袖は振れない』ということで」
……なんとも世知辛い世の中だな。つーかそんなので大丈夫なのか魔法管理局。
「それについては私たちが心配することではないと思いますが」
……いや、まあ確かにその通りっちゃその通りなんだけどな。
それでもなんというか、世間に対する不信感というか――
「これも管理局からの正式な依頼です。仕事をしましょう、レイオット」
……へいへい秘書様。がんがん勝手に仕事決められちゃっても気にしませんです、はい。
なんかもー、いろいろと諦めちゃったぞ、俺。
「『人生を楽しむ秘訣は諦めと慣れ』――なのだそうです。
では改めて――この番組は、日常の疑問から魔法、および関連、派生技術、その他オールマイティ
な話題でお送りする予定の情報発信バライティです。
番組は皆様からのお便りを心からお待ちしております――今のところ、紹介するお便りが何もないので」
……さっき最初のお便りとか言ってなかったか?
「あれは、魔法管理局の用意した『サクラ』です」
……さいですか。
- 56 名前:なぜなに? すとれいと・じゃけっと! ◆LOSJACkEtA :2006/10/14(土) 23:22:04
……ところで、こういうのはその、宣伝とかしないと誰も知らないままなんじゃないか?
俺は別にそれでも全く構わんのだが、一応役所の企画な訳だし。
なんかこー、こっちから働きかけないと拙いんじゃ。
「なんでも、予算がないそうなので。余計なことはするな、と」
……意味あるのか、それ?
- 57 名前:名無しリスナー:2006/10/14(土) 23:31:15
- この度、初めてお手紙をお送りします。
よろしくお願いします。
明日の天気を教えて下さい。
自分は多分、明日は大嵐だと思っているのですが。
まあ、その。
あの。
- 58 名前:名無し客:2006/10/14(土) 23:44:58
- 「魔法少女リリカルなのはA's」を見はじめたのですが、
魔法少女レイオットの出番はありますか?
- 59 名前:名無し客:2006/10/14(土) 23:48:00
- このたび、初めてお手紙を(ry
戦術魔法士は変態的な言動の魔族を駆除するのがお仕事ですが、
今まで駆除された魔族で一番の変態を教えてください。
- 60 名前:59:2006/10/14(土) 23:49:36
- 追伸
あと、魔法士の皆さんはこぞって変態という噂があるのですが本当でしょうか?
- 61 名前:なぜなに? すとれいと・じゃけっと! ◆LOSJACkEtA :2006/10/14(土) 23:52:02
- >>57
……うわぁ。
ほんとに来ちゃったよ手紙。
世の中に物好きはいるもんだってのを実感させてくれるな、おい。
――って、ちょっと待て。
いくら何でも早すぎるだろ、これは!? 昨日の今日どころか一時間も経ってねえぞ!?
「名無しリスナー様、お便りありがとうございます。
こちらこそよろしくお願いします。
さて、秋もだんだんと深まり、確かに台風といった自然現象が各地を襲ってくる季節が巡っ
てきています。幸いにもトリスタン市は本日も一日快晴でしたが――レイオット、どうでしょう?」
……もしかして、おかしいのって俺のほうだったりするのか?
「――レイオット?」
……いや、いいんだけどな、別に。ここはこーいう場所なんだと納得してやればいいだけの話だ。
耐えられるかどうはか別にして。
――で? なんだ? 嵐ぃ?
なんつーか……聞くところ間違ってるんじゃねーのか?
どう考えても気象庁の仕事だろ、これ。
「私もそう思います――
ですが、わざわざこちらに聞いてきたことには、なにか意味があるのでは?」
……なあカペル。
もしかしなくても、それ、わざと言ってるのか……?
「…………?」
いや、だから小首かしげられてもだな。
あー……もういい。お前がわざわざそんな面倒な事するわけないしな。
判ったよ。ここは一発びしっと決めてやりゃいいんだろ?
――コホン。
つーかだな。お前さんが何を言いたいのかはだいたい判るんだが――
巨大なお世話だこの野郎。
……俺だってレスぐらい書くよ。
- 62 名前:なぜなに? すとれいと・じゃけっと! ◆LOSJACkEtA :2006/10/15(日) 00:02:50
- 「――早くも2通目です」
……目敏いと言うべきか、極度の暇人と言うべきか判断に迷うな。
とはいえ、一番の暇人はそんな連中の相手をわざわざ金もらってまでやってる俺な訳だが。
>>58
……いや、ねえよはっきりと。
というかだな、いちいち聞くまでもないだろ……てか、なんだその奇妙奇天烈な名称は。
いったい俺のどこをめくってみたら魔法少女なんて単語に行き着くんだおい。
「――レイオット、レイオットという名の少女がいるのかもしれません」
んな訳があるか――いや、確かに断言はできないけどな。
しかし、ここにわざわざ手紙だしてまで聞いてるって事は少なくとも俺に関係した話題っつー
ことだろう。
だいたい、戦術魔法士に魔法少女なんてファンタジーな枕詞はとてもじゃないが合わん。
「――ということでした。またのお便りをお待ちしております」
……いや、この手の話題はもういいからな?
- 63 名前:名無し矢文:2006/10/15(日) 00:09:02
『お金を貰ってるんだから文句は言うべきじゃないと思います。
そう言えば疑問があるのですが、一回の依頼での報酬はどれくらいが相場なんでしょうか?
とくにモグリとか無資格とかの場合』
- 64 名前:なぜなに? すとれいと・じゃけっと! ◆LOSJACkEtA :2006/10/15(日) 00:21:49
- 「――今度は、魔族についてのお便りです」
……ようやく趣旨と一致したのが来たな。
やっぱり投稿制限かけないのは問題じゃねーのか?
「仕分けをする職員がいないので如何ともしがたいと――」
……やっぱりこの企画、明らかに失敗なんじゃないのか?
>>59
変態的――いや、確かに間違っちゃいないけどな。
魔族を”変態的”の一言で片付けちまうようなのは初めてだ。
想像だが、お前さんまだ”魔族”っつーのに出会ったことがないな?
いや、それはそれで十分に幸運な事なんだが。そもそも、魔族ってのは――
「――レイオット」
ん? どうした、カペル?
「――質問の内容から外れた話はなるべくしないように、とディレクターが」
………………もう帰っていいか?
「お仕事です」
……現場出てる方が万倍楽だな、こりゃ。
――さて。
まあ、魔族ってのは基本的に、誰がどう見ても否定のしようがない化け物だ。
能力が問答無用っつーのもあるが、見た目についてももう、『何を間違えたらこんな姿に
なるんだ?』ってのが当たり前だ。警官でも、対魔族戦闘でで派ってくるようなSES(特殊執行部隊)
でもなけりゃ、ベテランでも遭遇後、深刻なトラウマに悩まされる連中は少なくない。
だが……そうだな。
その中で並外れて妙だったのは――赤ん坊みたいな形してた魔族だ。
現場に到着して索敵を行ってたんだが――いきなり、赤ん坊の泣き声が聞こえてきてな。
そりゃ驚いたよ。周りは一面死人が散乱してる。あげく、事件発生からすでに20分は経過してた。
状況にもよるが――すでに皆殺しになってても全く不思議じゃない。
そんなところで、格好の餌食に違いない赤ん坊の泣き声だ。
生存者なら保護する必要があるし、それでなくとも、声につられて魔族が出てこないとも
限らない。
ひとつ覚悟を決めてそちらに向かったら――まあ、予想外というか、ある意味予想通りと言
うべきか。”魔族”はそこにいたんだ。俺が到着するよりも早く。いや、あるいはもっと最初から。
自分がくびり殺した女性の胸に、でっかい口で食らいつきながら。
おぎゃあおぎゃあと泣き声――いや、鳴き声を上げて。
130cmにもなろうっていう馬鹿でかい赤ん坊が。
散乱してる、人間だったの真ん中で――楽しそうに、鳴いてたよ。
「――レイオット」
あん? 今度はなんだ?
「人を怖がらせるような話は禁止、とディレクターが」
――いや、どうしろってんだよ。
- 65 名前:なぜなに? すとれいと・じゃけっと! ◆LOSJACkEtA :2006/10/15(日) 00:28:02
- >>60
……こぞって、って。
それじゃまるで、俺まで変態みたいじゃねえか。人聞きの悪い。
「――では、レイオットは違うのですか?」
……ちょっと、真剣に家族会議の必要性に迫られている気がするな。
まあそれは帰ってからだ。
さて、変態かどうかはさておいて、この職業選択の自由があるご時世に、好きこのんで
戦術魔法士になろう――なんて連中は、確かにどこか”壊れて”るのは間違いないな。
例えば……そうだな。トリスタンなら、有名どころでトーマス・パラ・ビーチャム。
彼は名前から判るとおり、ビーチャム子爵家の跡取り――といっても、貴族制度はすでに
形骸化してるんで、実益はないんだが――だが、狩猟の趣味が高じて魔法士なんてものに行き
着いた相当の変わり種だ。
獲物と全力で戦っているときの高揚感とかなんとかいってたが、俺にはよく分からん話しだな。
「――レイオット」
……今度はなんだよ?
「――オチがない、と、ディレクターが」
……別に笑い話をしてるわけじゃないんだが。
- 66 名前:なぜなに? すとれいと・じゃけっと! ◆LOSJACkEtA :2006/10/15(日) 00:48:20
- >>63
……至極真っ当なご意見をありがとう。
しかしな、受けた覚えもない仕事について、愚痴ぐらい言っても罰は当たらんと思うんだが。
しかし、報酬ね……金の話になると、世間一般のサラリーマンの方々と要らんトラブルに
なりかねないから、あまり話はしたくないんだが。
「そういうわけにも――」
いかないのは判ってるよ。不本意だがこれも仕事だ。
さて、魔法士の報酬だが――これはご存じの通り、この番組のスポンサーでもあらせられる
魔法管理局から支払われる。さらに言うならば労務省、つまり魔法士の報酬というのは国税か
ら支払われているわけだな。金額については同じ魔法士でも、職種によってある程度の幅がある。
その中でももっとも高額の報酬を受け取ってるのは、戦術魔法士だ。
理由は言うまでもないな――なにせ、魔族なんて常識外の化け物を相手に殺った殺られたの
命のやりとりをするわけで、高額の報酬もその大半が危険手当だ。
ハイリスク・ハイリターンという言葉を体現してる職業だな。
一度の出動で支払われる報酬は、そうだな――わかりやすく言えば、平均的なサラリーマン
の平均年収に匹敵する。
だから、年に数度の出動で、あとは遊んで暮らしてるような戦術魔法士も少なくない。
とはいえ、だ――実のところ、高い報酬をもらってでも割に合う商売か、といわれたらそう
とも言い切れないんだな。
報酬がでかい、ということはつまり、所得税でごっそりとむしられていくと言うことでもあ
るわけで、加えて俺たちは命あっての物種だ。装備その他に手を抜くわけにもいかないから、
少しでも強力な武装を金に飽かせて買いまくる。挙げ句、モールドやらの魔法関連機器は、
技術者が少ないこともあって単なるメンテナンスだけでも、新車一台分の金が一瞬で飛んでいく。
まあ、ふつうにサラリーマンやってる方が万倍気楽に生きられるだろうな、たぶん。
ちなみに、モグリやら、いわゆる無免許魔法士の報酬は基本的に言い値だ。
時価と言い換えてもいい。あらかじめ決められた基準がないから、好きなようにふっかけ
られる訳だな。あまり値をつり上げると客がいなくなるんじゃないか、って話もあるかもし
れんが、モグリの魔法士に依頼をするような連中はつまり、
『役所に届け出ができない後ろめたい話』
って訳で、必然的に足下を見られまくるわけだな。
- 67 名前:なぜなに? すとれいと・じゃけっと! ◆LOSJACkEtA :2006/10/15(日) 02:16:32
- 「さて、そろそろ夜も深まってきました。
お便りも途切れたため、本日の放送は終了させていただきます」
……ずいぶんとアバウトな終了だな。
出来ればもーちょっと早めに終わってくれると有り難かったんだが。
「いい加減ディレクターも帰りたいそうなので」
……嫌ならもう止めようぜ、ほんとに。
「――ディレクターもサラリーマンなので」
……サラリーで思いだしたが。
そういえば、これも管理局の依頼なんだよな?
「そうですが」
……依頼料、いったいいくらなんだ?
というか、やっぱり本人がきちんと契約してないってのはいろいろと拙いだろ!?
「そのあたりは、後見人ということでムーグ魔法士にすべてやっていただきました」
……いい加減、人を玩具にするのは止めてほしいんだがなぁ。
言ったところで止めるようなタマじゃないけが。
「ちなみに、依頼料は先日オープンした、健康センターのチケット一年分です」
…………………………ああ、そう。
「――それでは、次回もお楽しみに」
………………お楽しみに。
【冷ややかにフェードアウト】
- 68 名前:名無し客:2006/10/18(水) 17:56:21
- 初めてお便り差し上げます。
わたくし、先日、緊急事態ケースSAの発動に伴い交通規制を行った一警官です。
SA関連の行動に関わったのは初めてなのですが、
素直に誘導に従ってくださる市民の皆様方は兎も角、報道関係者と野次馬への対処に苦慮しました。
上司や同僚にそのことを伝えると、一瞥したきりで何も答えてくれませんでした。
何か良い方法はあるでしょうか?
- 69 名前:なぜなに? すとれいと・じゃけっと! ◆LOSJACkEtA :2007/08/20(月) 23:33:38
- 「……今回も何の脈絡もなく、”なぜなに? すとれいと・じゃけっと!”のお時間がやって参りました。
この番組は日常の些細な疑問から、私たちの生活を日夜裏方で支えている魔法関連・派生技術まで、
幅広くお答えする情報発信バライティーです。
前回に引き続き司会進行は私、カペルテータ・フェルナンデス。
解説は――」
「はーい、どうも。戦術魔法士のフィリシス・ムーグです」
「レイオットが出演を拒んだので、急遽本命に来ていただきました」
「まったく、相変わらずわがままだよねー。人がせっかくセッティングしてあげたのに。
あ、前回放送から一年近く経ってるのもレイのせいだったりするので、見かけたら徹底的にいじめて
あげてねー」
>>68
「……では最初のお便りです――といっても、一年近く前のものですが。
恐らくトリスタン市在住だと思われる警察官・匿名希望さんから」
「意外と真面目な内容だよね。明らかに出すトコ間違ってるんじゃない?
ま、確かに見てて鬱陶しいと思うことはあるけどねー」
「この前の《黒騎士》事件においてはマスコミの方がたまたま現場に居合わせた
お蔭で犯人の撮影に成功しています」
「そーいうのはほんとにたまたまのケースでしょ。
そのくせ魔族が実際に目の前に出て来たら我先にって逃げ出すんだから。
ま、そういうもんだし仕方ないけどね――それこそ居座られても困るし。
それに連中が群がるのって、ケースSAに限った事じゃないでしょ? 一緒よ、一緒」
「――それで、質問者への回答はどうしましょう?」
「あー、そうだったそうだった。
でもねぇ。言っても分からないヤツには何言っても無駄なんだよね。それこそ本当に痛い目にでも
会わない限り。で、あなたのお仕事はそんな人たちでも痛い目に会わせないことだから。
正直な話、そのまま頑張って貰うしかないかなぁ。
それにほら、それ以上はどっちかっていうと私たちの仕事だし、ね」
「――以上です。警察官・匿名希望さん、お便りありがとうございました」
「……ところでさ、カペちゃん」
「なんでしょう?」
「この警官――まだ生きてるのかな?」
「わかりません。最近ケースSAもかなりの頻度で起きていますから。
殉職していてもおかしくはないと思います」
「だよねぇ……あ、もしまだ生きててこの放送聞いたら、連絡お願いねー」
「お待ちしてます」
- 70 名前:名無し客:2007/08/20(月) 23:39:15
- あれ?今日は豆腐コーナー無しですか。
- 71 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2007/08/23(木) 01:12:43
- 【CMのお時間CHU!】
>>70
「――レイオット」
……なんだ、どうした?
言っとくが、俺は絶対に出ないからな。
「では何故スタジオにいるのですか?」
それはな。
君の目の前でニヤニヤしてる根性悪そうなお姉さんに聞いてみたらよく分かると思うぞ。
つーか、お前が出張ってくるんなら本当に俺はいらねえだろうが。
「あ、ひっどいなぁ。
そもそも君がいい歳してボイコットなんかするからこんな事になってるんだよ?
むしろありがとうの一言もあってもいいと思うけど」
……お前さんがここのスポンサーじゃ無かったりしたらな。
というかそもそもコレはいったい何の冗談だ? 金持ちの道楽にしても趣味が悪いぞ。
「うーん。なんていうか、気分転換……かなぁ」
「より厳密に言うなら、頻発する魔族事件のせいで風当たりが強くなってい
る警察機関、魔法管理局などの関係各局、緊急系魔法士などに対する市民のガス抜き
を兼ねているというお話ですが」
……建前にしか聞こえんな。
「まぁね。実際建前だし」
おい!?
「あんまり細かいこと気にしてると禿げるよ?
そーするとカペちゃんも困るんじゃない?」
「困りますか」
「困る困る。……っていうか、笑える」
「笑えますか」
……えーと、フィリシスさん? カペルテータさん?
「さて。そろそろCM明けだし――カペちゃん、準備いい?
あ、その格好、似合ってるよー。ね、レイ?」
「……よく、分かりません」
いや、そこで俺に振るか。
ていうかその衣装、一体どこから持ってきたんだ? 確か、ユカタだったか?
「あ、そういえば。ねー、レイ」
いや、聞けよ!? ……ところで、なんだ?
「……この、お便りなのですが」
「――豆腐コーナーって、なに?」
――――いや、知らねえよ!? ていうかまた豆腐かよ!?
「はーい、お待たせしました。それじゃ次のコーナー――」
だから聞けよっ!?
- 72 名前:名無し客:2007/08/25(土) 01:05:13
- 毎回レイオットさんが全国各地の豆腐の味を解説しながら食べるという
微妙さがたまらない豆腐コーナーですよ。
この番組の名物じゃないですか(大嘘)
- 73 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2007/09/09(日) 01:03:28
- 【相変わらずCM中】
最初に言っておくが――
特に今やりたい事は、無い。
「……では、何故こんなところに?」
……いや、今帰ったら仕上げなくちゃならない書類の山(注:レス)だしな。
「それはむしろ、いつもの事ではないですか?」
まあ、そうとも言う。
ついでに言えば、ことさらに指摘してほしくない事柄でもある。
「つまり――単に、サボり、と」
……とりあえず、言葉をもうちょっと何かに包んで発言してくれるようになってくれると、
もっとファンが増えるんじゃないかって思うんだ。
具体的に俺とか。
「ところでレイオット」
……なんだよ?
「>>72の件についてですが」
――人が全力で無視しているところ、思い出させてくれてありがとう。
まぁ、言いたい事は一個だけだな。
……んなコーナーはねえよ、
というかそんなに豆腐が好きか、おまえら!?
「――以上、『魂の叫び』コーナーでした」
――――いつの間に!?
- 74 名前: :2009/11/04(水) 22:47:34
――がた。
- 75 名前: :2009/11/04(水) 22:48:10
――――がた。がたがた。
- 76 名前: :2009/11/04(水) 22:48:45
――――――ぎぃぃぃぃぃ。
- 77 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2009/11/04(水) 22:52:09
- ――いやいやいや。まだ残ってたのか、此処。
とうの昔に立ち退き期限は過ぎてたと思ったんだが?
<Nelin Simmonz>
少なくとも放置した側の台詞じゃないでしょう、それ……
もっと好意的に残しておいてくれた、とかそーいう発想は湧かないんですか、貴方は。
別に残しといてくれって頼んだわけでもないしな。
そもそもこうやって戻ってくる保証なんてなかったわけだし、管理人は怠慢の誹りを受けても仕方ないと思うが。
<Nelin Simmonz>
言うに事欠いて怠慢って……
<Kapeltetha Ferrnandess>
……どちらかといえば、存在感が全くないので大家の方からも忘れ去られていたのではないでしょうか。
……まあそんなとこだろうな、実際。
まるまる二年も音沙汰なしで居たわけだし。
<Nelin Simmonz>
そんなまた身も蓋もない――まあ貴方たちにそれを言っても今更という気もしますけど。
で、どうするんです? わざわざ戻ってきたってことは、再開するつもりが?
無いことはないんだがね。だがそれにしたところで、二年前の案件がまだ残ってるのがどうにもな。
いっそ全部綺麗に無くなってたら楽だったんだが。
<Nelin Simmonz>
……それは人としてどうかと思いますよ、流石に。
あんたも、無資格の戦術魔法士にいちいち人の道説いても仕方ないとは思うけどな。いつものことっちゃいつものことだが。
とは言え、残ってる以上無かったことにするのも気が引けるしな。
出来る範囲で片付けるとしますかね。
んじゃ――ぼちぼち行きますか、カペルテータ君?
- 78 名前:名無し客:2009/11/05(木) 00:35:55
- おかえりー。
原作が「セキガンのアクマ」からちーとも進まないので、
ミイラになってるものだとばっかり。
- 79 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2009/11/05(木) 01:03:02
- ただいま、と言ってしまっていいものなのか悩むところではあるけどな。
――というか、あんたも大概暇人だな。
こんな最下層でも上層でもない中途半端な場所チェックしてるなんざ。
まあ彼もそろそろ本腰入れて――この国で言う、広げた風呂敷を畳み始めたからな。
俺もいい加減に、なんて血迷ったことを思っただけだよ。
こうやって人前に顔出すのも久しぶりなもんで、いまいち感じがつかめんが。
ま、そのうちなんとかなるだろ。
- 80 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆YrBOOKL5Tk :2009/11/05(木) 02:22:40
-
お帰り。
いや、カオが見れて嬉しいね。
一足早く私達もここに顔を出しててさ。お互い、風呂敷を巧く畳んじゃえればいいかな。
- 81 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2009/11/05(木) 23:18:26
- >>80
呼んでもないのに客が来る、と。
えーと、あんたは――
<Kapeltetha Ferrnandess>
お久しぶりです(ぺこり)
……知り合いか、カペル?
<Kapeltetha Ferrnandess>
…………
……いや、そんな目で見るなって。流石に冗談だよ。
確か――エーフィ、だったよな。あのキチ……失敬。ちょっとばかり個性的なご兄姉が
いらっしゃる。
ああ、あいつらが近くまで来てるんなら一言教えてくれ。
流石にこんな状況で相手するほど余裕がある訳じゃないんでね。
まあ、とりあえず形だけでもな。うまい下手かはともかく、手っ取り早く片付けてしまい
たいとは思うよ。
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