■ 蓬が宿の日向に車座を

1 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :05/03/29 22:59

 書斎から移動しましては。
 ルール?
 いやぁ、仮宿っスけど……そーですね、んじゃ、ま、こんなトコで。

大分類:地下スレ

・本の話
・音楽の話
・雑談
 

2 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :05/03/29 23:02

 っつー、ワケで、ハイ!
 向こうでの報告、まだまだ受け付けてます。
 ラジオで「ヘンだったな?」ってのがあるなら、是非ともご報告を。
 

3 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :05/03/29 23:14

 んー、読んでないかなぁ。
 今ので読んでないってんなら、アタシにゃもう微塵も云う事ないんスけどね。
 もうスレが尽きそうだったのが心配ったからってのがあるんだけど。
 不特定多数で不定期に使われるスレで、そこを「以前にラジオを流す為に」使って
たって前提があるからそうしたんだけどね。だから間借りってこと。
 

4 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :05/03/29 23:23

 ……あー、っつーか、あそこでバッティングして迷惑だったのはあるかな。
 ラジオスレだから解り易いのと、使用されるのが不定期だったからだけど……んん、
や、どう思われてるんだろ。
 迷惑になるならアタシはなんにもしませんし、やりません。

 このスレもやり残した事の為だったんで、ちゃっちゃと済ませようと思います。
 ンな訳で、>>991さん。ちょいとだけ待ってて貰えます?
 ぱぱっと書いて終わらせ……たいし、多分やれますんで。いややれるとも!

 全部済んだら削除依頼なりなんなり……は、手間掛けちゃうかなァ。
 あっと、ま、とりあえず、それまでに済ませますんで。
 だからタイミングが合って、アナタが読めたなら幸いに思います。
 

5 名前:名無し客:05/03/29 23:24
ちょっと動機としては弱いですね<ラジオスレ使用
あそこは基本的に、イベント的に使うスレですし。
(もちろんネットラジオを流すのに使うということも含めて)

テストスレ使え、は言いすぎだと思いますがね。
でも例えば最下層を使うのでもいいし、こうして次スレを立てる予定だったのなら
このまま使い続けてもいい。
どちらにせよ、あえてラジオスレを使わなくても無難に済む選択肢があるなら……とは、ちょっと思いますかね。

6 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :05/03/29 23:30

 おっと、と、こりゃどうも。
 最下層……なる、それは妥当だったかも。次スレ立てる予定は、実はなくて。
 立てたから残った質問を片付けちゃおうかな、ってくらいで。臨時で立てちゃったのは
ホントにノリだったしどうだったかな、って思ってるんで、用事が済んだら削除依頼しよ
うと思ってます。

 と、それでは、ご意見どうも!
 あはは……どーも、アタシは空気を読めないんスかね、こりゃ。


 では、この依頼……玉響に済ませてみせましょうぞ!
 

7 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :05/03/29 23:33

 うあ、云い忘れ。
 ちゃんと一週間くらいは残しとくんで、時間/期間はズレても多分見られると思います。
 

8 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :05/03/29 23:54

 って、書いてる最中にっスか。
 ……うあ、そういえばこれ、そうなるんだっけ。
 韓国鯖だからっつーだけで。
 そういえばそっか。って……げげ、違法はヤダよ。
 んじゃ、これで流し収めっつー感じっスかね。

 あ、ちなみに『勝手に流す』ってか、アタシがWINAMPの仕組みをあんま理解して
なかっただけで、これ(PC)誰かが音を流す/それで接続される→「誰かが動かし
てたかどうか」が気になるってカンジかな。
 だから「意図的に流そうとしてる」のは、実際アタシだけだと思います。
 WINAMP繋げたらステータス勝手に動いてて驚いたことこの上なし。

 ただ、最後に「どうでもいいこと」で締め括るなら上が無駄になっちゃうんで、それ
はあんま聞きたくないセリフかなぁ。



 っとと。
 んでは、ラストスパート――建てていきなりだけど、再開しましょう!
 

9 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :05/03/30 00:48

 ホドホドっつーのも……うーむむ。
 確かにあんまり意識してなかったなぁ、それ。



 所で、前に書いといてすいません、思考が色々な方に散っちゃうと、すぐには再開
無理っぽいです。うあぁ。
 明日辺りまでには書いときますんで。

 んん……ってーか、前のスレの最後二つ削除して貰って綺麗に締めたいな。
 だからこそ、なるたけ早く。頑張りますんで!
 

10 名前:名無し客:05/03/30 12:31
タイトルでそれっぽいなと思ったんですが、いきなり削除確定ですかorz
前スレでエーフィさんが後半あまり出なかったんで期待してたんですが……
前回と同じように使う訳にはいかないですか?聞いてみたい事もまだありますし。

ていうかスレ間の会話もいいんですが、書斎スレとかは空気も文章も完成してたので、どっちかというと
その中でのお話のほうが楽しみだったんです。
できればまた見たいです。待ってますので。

11 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :05/03/30 14:37

 春ですねぇ。
 日差しも麗らかでなんとやらってーか、朝からちょっと散歩してました。この所、どーも
色々あって精神が歪んでたんで。まだやる事たくさんあるけど。ぐあぁ。

 って、何いつもみてーに挨拶カマしてんですかあたしゃ。
 久し振りにダヴィンチ読んでみたけど、なんかもうオシャレ文芸雑誌になってましね、
見事に。「セカチュー」っスか。さいですか。
 でも京極特集だけは必見だと思います、マジで。

>>10

 文章は関係ねーだろ、文章は! おう!
 文っても、あーたここで書いてるのはホントの文体のゴマかしっスよ。そう云って貰え
ればま、こっちも嬉しいなってカンジなのかもしれませんが。
 えっと。ただ、ここは元々建てるつもりはなかったってーか……云ったと思うけど、こ
れ。ノリでやっちゃった……っつーと、めちゃ無責任なんで、そうは云いませんってか、
云いたくないです。だからシメときましょう、そういう事ですかな?

 いやまぁ、フィーちゃんの出番奪っちまってたのはアタシです、すいません。ただ、そ
れは……まあ、色々試したかった、って事もあるんデスよ。
 ま、でもそれは言い訳かな。
 それにアタシも、割とやる事があって……アレ書かなきゃいけないしー、とか、音も
作れとか聴いてさっさと書けとか、それ以外にもぶっちゃけ「あれ? やべ? 書かな
いともしかしてアタシ死ぬ?」みたいのも割とほったらかし……じゃないけど、結構こ
っちで時間割いてちゃったりしたので、それはそれでヤバかったし、みたいな。
 あはは……そう、んだからまあ、一区切り!

 機会があったらまたお会いしましょ……って、まだ終わってねーよ!
 勝手に終わらすな!
 本スレ(一応)とか兄貴の戦ってる場所(本来の場所)とかまだあるし!
 そっちも暫く休むかもだけど!
 だけど!

 いや全く、一応ほら、前回の残りのレスだけカタすって約束はしました。だからカタ
付けます。格闘ゲームっぽくのアレ、ちゃんと終わらせます!
 ただ、今日はこれからちょいとスタジオチェックしないとアレなんで(今度使うトコ、
ヤケにボロっちぃんだ、これが)、夕方くらい? うん、それくらいに、ね。
 また。

 アタシから云える事は一つ!

「ROCKだぜ!」

 ポジティヴに行こうよ。いつでもどこでも。オーライ?
 ではっ!
 

12 名前:10:05/03/30 17:59
いいえ、ミハルさんのお話も楽しかったです。
紹介されたCDも集めはじめてたしw
だから残念というか…再使用はないんですよね?
書かないと死ぬってなんか凄そうな状況みたいですが(汗)、もしここが続けばと思っていたので…
あと、仮に、前スレが暇つぶしだったとしても、私は楽しかったです。

「ロックだぜ」な気持ちで待ってます、…またいつか。
ファンでした。

13 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :05/03/31 02:28
>>12

 ごっめーんっ!

 マジごめん、ほんと、いや、忘れてた訳じゃなくて、ジョーク抜きに今日、あの後ダウンっぽかった
んスよ。スネア割れるわペダル壊すわ、挙句にスタジオは予想通りの不良物件だよコンチクショウ。
……まぁイイんだけどね。
 問題はいたいけな高校生に弁償させかねない流れになるようなボロスタジオアンド無情なチーム
メイツだよ。もー、ぜってー組まねぇっス。決めた。

 あー、ええと。
 ええっと、言い訳ヌキにしてぶっちゃけると、今日はムリかも。

 ……ってぇーかぁー、うぉい。
 だから「まだ」終わってねぇっつってんでしょうが。本スレ所か、約束のも書いてねぇーっスよ。
 アレか? アレなのか? 君は「ウナギ屋に辿り着く前に煙の匂いを吸い込んで満足する」ような
満足感を既にして感じてるとか? はぁん、まあイイんだけどね。

 とりあえずアタシはボスの地中海ブレンド飲んでやっと落ち着いたトコです。
 一応書ける分は書いとくけど、アタシはアタシでやんないと死ぬ事があるんで、時間はあんまり
割けない……って、前と同じこと云ってるジャン、アタシ。
 いやぁ、とはいえ書くにもネタがなくてダルさ全開……って、いやいや。
 泣き言止めて、あっちもこっちも頑張るからさ。
 ごめん、ちょっとだけ待ってて。

>>CD

 コラコラ。
 アタシが出したようなの参考にしちゃダメです。ノーです。ノウと断言します。
 アタシの「偏ったラウド趣味」は! 「マニアが持つ特性」! 故に! 「カタギに残りたいなら」あ
んな場所から集めたらダメだッ!
 いやマジ。ニューロシスとか初心者絶対聴かないから。断言して。死ぬくらい極端だから。スリ
ープとか、デスのキッツいのよりも聴き難いから。

 ……あはは。いや、うん。でも参考にしてくれたのは嬉しーよ。
 ん……ありがとね。偏ってるけど、アタシはマジで好きな作品だしさ。
 って、あー、あああ、ぶっちゃけ、本気でCD集める気なら……それはちょっと避けて……うーあ
ー、あぁ、メアドでも教えてくれればナイスな「ラウドCD・新旧・ミハル推薦盤」みてーなのをリスト
アップして年代別にマニアックな薀蓄を書き並べて送り付けて……ごめんウソ、そんな迷惑なこ
とやんないっス。
 アタシもイヘンサンゼツして音楽には習熟してきたし、やっぱ聴くのが重要なだけだよ、多分。

 正直、あんな自己満足な場所に付き合って貰ってウレシかったよ。
 へへ……あんがとね。うん、愛してるぞーっ。



 ……んで、ちょっとだけ待って待ってな。
 今日はムリ思うけど、ちゃんと片付けるし。あはは、あれあれ、ケジメ。
 ほな!
 

14 名前:雑誌「マリアッチ」広告:05/04/01 22:22

 「神父」紹介文が長過ぎる為、現在掲載が難航しております。
 ご了承下さい。
 

15 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :05/04/02 00:16

 はい、4/1は終了ね。
 上のレスはちょっとお遊びで入れただけだし、気にしないで。
 ……てかさ、そのお遊びにちょっと時間使っちゃったから、依頼レスってまだ
片付いてないんだよね。
 原稿白いしー、ネタ浮かばないし。ドロヌマ。
 ちゃちゃっとこっちはやっちゃうから、ちょい、待ち。
 何度目さ、これ。


 ……ホント言うと、関口秀明さんが死んじゃってヘコんでたのもあるんだ。
 ベースウルフ。……なんか、最近こんなのばっか。
 好きなヒトばっかり死んじゃうんだもの。
 

16 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :05/04/05 14:23

 もし見てたならだけど、>>10のヒト、もうちょい待ってて!
 兄貴の戦闘優先しちゃってるしアタマの切り替えするには書くの今、ちょい多過ぎて。
 バイバイって言っちゃってからアレだけど、ちょっとだけね。
 あ、気が向いたらタイセンの方も見といて。ちゃんと動いてるから。

 ……あとほら、もう春でさ。
 んー……キモチいいよね、ほんと。
 桜はまだいいけどさ、気持ちいい。冬はキライじゃないけど、やっぱり春は好きだよ。
 忙し過ぎてゼンゼン気付かなかったけど、うん。いいね。

 ちょっと春にお勧めのアルバム。

・メイ / ディスティネイション・ビューティフル

 この季節にピッタリのポップなエモロック。
 ……こーら、いつもの破壊暴力轢殺狂気殺害殺戮衝動なラウドロックじゃないぞ。

 胸を締め付けられるようなエモーション! じゃ、なくて、ふわふわした気持ちのいい
浮遊感。痛みゼロ、切なさ30%、暖かさ50%、美メロ20%=エモ100%。
 これが日本盤出ないの間違ってるよ。
 ウォークマンに突っ込んで春の日に持ち歩きたい曲。
 んー! 気持ちいい!

 このスレ削除されるまでにもしも見てたら、チェックチェック!
 

17 名前:名無し客:2005/04/17(日) 16:45:36
もうここの続きって・・・ないんでしょうか?

18 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/04/19(火) 00:54:53

 ありんす。
 つぅかまだなんスよおダンナっ! うげぇ、もう真っ白な原稿はイヤ……。

 ……うし。

 も少し待ってて、っつーのは云い飽きたというより言う度にアタシがダメージ
受けますんで、ケリつけて、カタは付けに来ますぜ。
 故に! 今しばらく! オサラバという奴だっ!

 音楽聴いてます。
 聴いてもサボってません。そんな状況。
 聴くだけなら新しいのも三十枚くらい聴きました。でもやることいっぱい。
 さながら「三日分の水を入れた水筒をサハラ砂漠横断中に落として彷徨っ
てる気分」ってヤツかな……。

 あ、あとまだ問題が。
 アタシ、格闘ゲーム、実は今はもうめちゃ疎いです。
 

19 名前:名無し客:2005/04/19(火) 00:57:12
ふっふっふ、いいことを聞きました。
くらえ、真っ白な原稿攻撃!

つ「





                                 」×400枚

20 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/04/19(火) 01:01:58
>>19

(そっとゴミ箱へ)


 ど……どこの手のモンだてめっ!
 くっ、い、今はもう、もうどこにもレビューもコラムもチマいハナシも書かないぞっ!
 い、いいい今はやることいっぱいなんだっ! 学校も宿題ヤバいし!
 愛しの妹は自分の原稿だかなんだかで手伝ってくんないし! アニキはバチカン
で忙しくてやっぱり手伝ってくんないし! お姉さまも以下同文!

 やってられっかーっ! っがー!
 

21 名前:名無し客:2005/04/20(水) 00:36:55
お兄さんはバチカンで待機中ですか。
今バチカンはアレやってますもんね。

ええと、ほら、アレですよ、アレ。
えーと、確か。

あ、そうそう。


……根比べ?

22 名前:名無し客:2005/04/20(水) 00:51:03
ヤンマガで「柳生忍法帖」が連載開始したり、「甲賀忍法帖」のアニメが始まったりして
ますし、山田風太郎好きっぽい孤児院の皆さんに、その魅力を大いに語ってみれー
…とか振りたかったんですが。神父さんが民明書房の本に載ってるような珍行事でいそがしい
となると無理でしょうか。

ちなみにアニメの主題歌、こちらでもプッシュされていたヘビメタバンド陰陽座の
「甲賀忍法帖」という曲だそうです。
タイトルが直球過ぎて喉の奥にしこんだ槍の穂吹きました(何

23 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/04/21(木) 03:58:21

 めちゃ忙しいのは確かだし抹殺予定の場所だったよーな気がするけど、えぇと。
 ぐっ、く、メタルネタは……小説ネタは……す、少しだけ言っとくデス。


>>22

 マジ、スっゲぇですね。
 そもそも故・山田風太郎大先生は(大、って付けていいお方デスよ)、陰陽座の
リーダーに当たる瞬火アニキが大好きな作家でして、そのリスペクト具合は京極
先生を上回る入れ込み様なんスよ。毎回ここのCDに「〜忍法帖」ってナンバーが
入ってんのは有名ですが、それもひとえにリスペクトあってのこと。今回シングル
発の「甲賀忍法帖」は、正に”忍法帖・正史”になるでしょうね、これ。
 一般の人にも陰陽座の名前が広がるのはいい事で……。ありゃ、でも深夜なん
スか、これ。んじゃそこまでは期待できないかな……ううん。
 でもでも、「いつか「Mステ」と「B!」で同時に取り上げられてもいいバンド」なんて
話を昔からして、インディ時代からライブにも通ってたバンドを今こうして見るのは
悪い気分じゃないね。

 さて。忍法帖に限らずこの一連の「山風作品」、どれもこれもが名作・傑作の類
であることは疑うべくもなく。評価されるのはイミテイターだけ、なんてお寒い状況
も「ベタ過ぎる」なんてケチも真っ向勝負で蹴散らすクオリティを持ってます。
 何故か――。アンサーは単純にして明快。
 それがモノホンの”オリジナル”だからっスよ。
 コテコテの、ガチガチの、そんでもって後世に受け継がれる濃さと毒を濃縮して
煮詰めた、原初のカオスみたいなモンです。そっスね。エクストリームな音に例え
るならナパームデス、映画で言うならスタンリー・キューブリックってとこかな。
 次から次に現れる異能の敵、風吹き荒ぶ荒野で交差する白刃一閃!
 そういう「シチュエーション」の元祖の一つでもありますし、日本伝奇の元祖の一
つでもあります。いやいや、元祖/本家とでも言いましょうか。そう言って差し支え
なく、かつ大袈裟でもありません。
 どこが伝奇って、ヤリの穂吹くような連中所が目白押し。いやまじで。
 

24 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/04/21(木) 04:37:17

 答え忘れ。ごめん、>>21サン。

 しかしまぁ、ちょっとした雑談っスけどね……。
 カッコいい大人のヒトっているもんですね。
 うん……ん、いいね、やっぱり。やっぱ、うん。そんな人になりたいっスよ。

 つーか、ま……ボチボチやって強くなって、色々知って強くなって、だからまだま
だこれから強くなれそうです。
 生きるってのは、強くなるってのは、『自分の失敗を認めることが出来る事』から
始まることだ――と、アタシは実感しました。どこかの神学者が言ったよぉーに!
 『本人が見ていない場所で他人を誉める者こそ信頼できる』ように!
 『自分だけが正しいと思って絶頂に浸っているクソ野郎すら許せる者』こそ信頼
できるようにッ! 『フンぞり返って自分が正しいと確信しているヤツには解らない
こと』は! 確かに世界に存在するッ!
 厭世観に浸るよりも先にやる事はあるッ! ノスタルジィを気取るよりもッ! 手
前勝手な破滅を夢想するよりもッ! 世界は強く明るいッ!
 ならば! 『運命』とはッ!

 え?
 あ、いや。何についてって、色々。
 敢えて強引に言うならNINの新譜とかかな。トレント、何があったんだろ。
 めっちゃ明るいじゃん、アンタ。

 ……アタシはまだヌルいや。
 けど、もう少し。何か掴める気がするから。

>>21

 この間、正に同じようなこと聞きました。妹に。

「所でフィーちゃん」
「なにかな、姉さん。所で私は三日後までに二千枚ほど書き上げなきゃならない
物があって割と忙しいんだけどな……」
「アタシの五倍っスか。オーヴァースペックな妹サマ」
「構想が多くてね。所でなに?」
「やー、ほら。兄貴がヴァチカン行ってるじゃん? 法王様が亡くなったとかで。
ニュースになってなかったっけ」
「今更な大ニュースじゃないか……それと”法王”じゃなくて”教皇”だよ。日本人
の認識ではそちらが近いだろうけど、敢えて日本語で言うなら”教皇”が正確だ
――が、今は兄さんもコンクラーヴェが終わって一段落、って所だろうね」
「あー……そう、それ。それそれ! こんくらーべ?」
「教皇選挙秘密会議のことだよ」
「ごめん、即答ナシで言ってくんない? きょ、キョウコウ? ってーか、日本か
ら? 日本から名前が伝わったんスか? 「根競べ」って。確か候補者カンヅメ
にして長々と会議するんでしょ? マジに根競べっぽく。あれってなんであんな
名前なんスか? 別に気になるほどじゃないけど、少し考えては放棄して、また
考えて……って、繰り返してると時間が無駄に数時間」
「もしも日本から伝わったならユングのアーキタイプ説でも支持するべきなんだ
ろうけれどね……ふん、原義を辿るなら、この場合はラテン語だ。違うと言わざ
るを得ないな。”Con"と”Clavis”、英訳するなら”With”と”Key”……要するに、鍵
の掛かった一室に閉じ篭って、新教皇が正当に選出されるまで外界との接触を
絶つ行為それ自体を指すのがこの言葉なのだからね」
「よく解んない……こと、も、ないか。なる」
「ま、実際のところ……現代人にしてみればカトリックの行事では特に神秘めい
ているし、古式の秘密めいた神秘性は興味深い所だけどさ。時間が許せば、私
もローマに行ってみたかったが……まあ、亡くなった教皇を好いていた兄さんに
してみれば、けして面白いことではないだろうからね。今回は見送るさ」
 

25 名前:名無し客:2005/04/21(木) 14:06:30
個人的にはこのまま復帰していただきたいですがw

ナイン・インチ・ネイルズは「フラジャイル」だけもってます。
新作はもう買われたんですか?
…などと、あえてまたCDの話題を振ってみたりw
お兄さんのお早い帰宅をお待ちしてます。

26 名前:名無し客:2005/04/21(木) 18:19:12
さて、新たな教皇猊下が御決定したわけですが。
新聞に載っていたプロフィールによると好きな物が猫とオレンジジュースらしいですね。
……このことについてコメントをどーぞ。

27 名前:名無し客:2005/04/22(金) 21:50:45
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1110821295/455

裏コンクラーベで選ばれたりしてません?
ラズベリー賞みたいなノリで。(ぉぃ

28 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/04/24(日) 01:43:50

 うぁお。
 なんでレスついてんのかしらデス。
 しかも前より多くねぇーっスか。


 えー……、ちょっと前に言ったこたぁ……どうしようっつーんスか、ココ。

 う……オンガク、音楽っスか。
 じゃ、じゃあ……また後で。
 このタイミングで増えたりしねーことを祈ります。
 

29 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/04/24(日) 03:41:55

 ただいまです。
 ちょっとライブに備えて体力を……いや、それ以外でもカラダの調整しとかないとマズい
んで、ストレッチやらランニングやら。でもって二度目のお風呂入ってきました。

 所でみんな、「プライド」って見たりするんでしょうか。あの格闘技の。
 今日は最終戦しか見れなかったけど、桜庭サンが韓国人選手を速効で倒したそうです。
 アタシは結構こーゆーのスキで見たりするんですが、最近は入場BGMが軒並み趣味の
曲と重なるんでそっちに気が行って参ります。
 つか、必ず。か・な・ら・ず! っつーくらい確実に流れるのが、ゲリララジオ。マジ、「プラ
イドのテーマソングなんスか?」っつーくらい掛かってます。毎回。毎回毎回。いやそれは
イイんですけどね、似合うし。
 ……ンですが、もうマジで毎回なんでパターン憶えちゃいました。アタシだけでなく。弟も
妹もソラで歌えます。もう家族で見てると合唱状態。
「らいあうっ! げりられでぃおー! たーんざっしっあっぷ!」
 ……みたく、オカゲでカラオケだと全員でハモれます。
 更にっ!
「(合いの手→)ごっ! ごっ! ごおっ! GOっ!」
「とらんすみっしょん!〜(以下)」
「かもんっ!→」「(ハモり→)いっつはずすたーさむほぇあー」
 な具合に合いの手まで入ります。友達とやるより盛り上がるのはどうかと思うけど。
 んー、やっぱ憶え易くて、ノレる曲なんだよね、ホントに。
 ……ま、それがレイジのスゴさだと思うんスけどね。ポピュラーに至るほど圧倒的なソン
グライティングに加えて、暴力的なまでの肉体性。
 やっぱライブはナマで見たかったなぁ……、
 はーあ。惜しい。オーディオスレイヴ、期待してるっスよ。
 ちょっとだけ。

 そーいえば、それとはまた別っスけど、ミルコ選手のBGMってワイルドボーイなんスよね、
デュランデュランの。80年代かよっ! とか言いたくなったけど、あのヒトらしいのかな。
 最近じゃネミックがカヴァーしてたんで聴き直してみたり。デュランデュランって、HRでも
ましてメタルでもないけど、このポピュラーさってスゴいよね。曲がいい。つまんなくない。
ポップスだからなんだっつーハナシっスよ。クイーンだってカッコいいじゃん。演奏能力だ
とかなんだとか言う前に、ゴタク抜かすヤツを捻じ伏せるパワーがあるもん。
 うむ、かっちょイイっ!
 「ちっ、ちっ、ちっ、ちっ、わいぼー! わいぼー!」
 それに、”オーディナリー・ワールド”、”ハンガリー・ライク・ザ・ウルフ”辺りは未だに(もち
ろん! ”ワイルド・ボーイ”は当然だッ!)ローテーションしたくなる曲だと思うし。
 何年経っても色褪せない曲を作れるバンドは尊敬します。
 うむむ……荒木先生、その内にスタンドで使ってくれるかと思ったのになァ。だってヨーヨ
ーマが(すら)あるんスよ?

 ……うわ、前フリめっちゃ長くなっちゃったし。
 

30 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/04/24(日) 04:08:54

 ハングリー・ライクだっつーに。ハングリー・ライク・ザ・ウルフ。
 打ち間違い。ぐあー。
 ちなみにデュランデュラン、ここで話題にしてるNINともどもにサマソニに出ます。
 っつーか、スリップノットもNINも出て、挙句にデュラデュラっスよ。マジ?
 ルースターも出るし、電グルとスチャダラもだよ。うわわわ。い、行かねば。

>>25

 どもっス。
 NINっスか……えー、その時点でも現時点でも、シングルカット以外で聴いてるヒトは、
多分リー(ピー)な音源聴いたヒトではないかと。
 アタシは輸入のデュアルディスク待ちかなぁ。日本盤でもイイけどさ。

 っつか、フラジャイル!
 いやぁ、お客さん! さては『通』だねっ!
 ……いや、ジョーダン。実際、どーなんだろ。アタシはトレント好きだからフツーに買っ
てたけど、なんつーかこのアルバムって日本以外だとビミョーな売れ行きだったんデス
よね。ダウンワードまではアッチのメタラーも……ってな具合だったんだけど。

 NINの本質は、アタシはトレントの「内面」だと思ってます。トレント・レズナーって男の
内面進化、変化の在り様をまざまざと反映したのが今までのCDなんじゃないかな、っ
てカンジかな。1stの進化系インダストリアルはトレントの出発点だったけど……じゃあ、
「ダウンワード」で見せたのは何かっつーこと。あんまりにもイタい、痛み。或いは激怒、
嘆きか。それはもちろんミニストリーみたく外にブチ撒ける、あんまりにも暴力的な激し
さとは違うし、マンソンみたく「痛み」自体を演劇にしちゃうような、皮肉った態度で世相
を間接攻撃ワケでもない。つまりは、内面だと思うんだ。
 自分自身、トレント自身を攻撃を抉る「痛み」のカタチ。
 フラジャイルは、それすら通過した……痛みを享受した、その先の形だと思う。
 そりゃ真っ黒っスよ? ドロドロのヘドロ状態なのは相変わらずだけど、攻撃的な、自
殺願望抱いてたよーな、あのヤバげな雰囲気とは違うっつーか。その代わり、ここで
不意に見せた諦観的な「空虚」は無闇にグロかったけどね。歌詞読んでゾッとしたよ。
 トレントって、んー。
 ……なんてったらイイのかな。普段はすんごい暗そうなイメージがあるんスよね。な
んでもないことでエラく傷付いて、部屋真っ暗にしてボーっとしてるみたいな。音にも拘
るしデキには当然拘りまくる、作品の求道者ではあると思います。究極のオタク。妥協
は一切ナシ、作品を出さない時はマジで出す様子も見せない、そんな感じの。
 ゲーム狂いで痩せてるときはハンサムで、なんか……うーん、正に「トレント」ライク。
実はライブじゃ激しかったりするけどね。マンソンとの共演はカッコよかったです。

 で、新譜。
 今までになく(聴けた分だけでは)ポップ……ポピュラーに、「歌」を歌ってます。それ
こそ、口ずさめる位に「歌」を。1stよりも更にね。トグロを撒くみたいな暗さじゃなくて、
開放的な「ポピュラー」を。ちょっぴり毒が仕込まれてるのは相変わらず。
 よいアルバムだと思いますよ。期待してます。
 

31 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/04/24(日) 05:16:20

 そういえば新譜はトレントがオフィで「自由に弄くってくれ」とばかり、弄くれるキット
として音源配信してます。むかーし、ダウンワード弄くってDJで使ってたのが懐かし
いっスね。
 時にエニグマを想起させるような空気から激烈なインダスへ。そして今回は歌を。
 トレント・レズナー。やっぱアンタはスゴいっ!

 てなワケでまだ起きてますっつーか、もう「起き」てる状態デス。

>>26

 みたいっスね。
 保守派だなんだとちょっとイキナリ拙いかなムードでしたが、リベラルに接してい
こう、ってな方針のようで。兄貴は……まだショック受けてるみたいだけど、すぐに
立ち直るんじゃないかな、と思ってます。や、ショックって今の教皇サマがどうだ、
っつーんでなく、前の教皇サマを尊敬してたみたいで。
 ……家族の前で司祭のハナシする時って、トモダチ以外だとあのヒトのことばっ
かだったしね。

 で、猫。
 アレっスよね。「教区内では猫を常に百匹以上確保」とか推進させる為に「ねこ
のきもち」とか「ポチたま」の録画ビデオとか大量にヴァチカンに持ってって、政策
転換を図るような気がしないでも、
 やば、笑えなくなってきた。

 猫で覆い尽くされるローマッ!
 スペイン郊外の「猫の町」の再現ッ! それはッ!
 「振り返れば猫がいる」状態の降臨祭ッ!

 ……うわぁ。
 

32 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/04/24(日) 05:28:32

 誤字脱字以下、結構あります。ご了承下さいマセ。

>>27

 その程度で済めば御の字、ってヤツじゃないかな……。

 例えば! 『教区内で猫っぽい子』が大量に行方不明にッ!
 「にゃー」と鳴くまで監禁、鳴いたら鳴いたでその子は耳とか尻尾とか付けら、

 ……いやウソ、自分の兄貴がそんなヘンタイだとは思ってません。思いたくないです。

 つーかこれ、自分で言っといてどんな鬼畜の所業だっての。
 片っ端からとっ捕まえて猫認定って。
 あー……。
 アレ? アレっスね?
 首輪付けて膝の上に乗せてアタマ撫でて「よぉ〜しよしよしよしよしよしよしいい子だ」
とか頬擦りしたりその他エトセトラでアレでコレな事を、
 ……あ、ぁと。

 少しいいかも。

 ……いやいやいやいや。
 余所サマに迷惑掛けたとあっちゃ、身内としては切腹モノ。
 故にそんな事実はありません。微塵も。
 これっぽっちも。

 ね、兄貴。

 ……って、起きてたんスか。
 いやほら、ないっスよね、そんなコト。



 なんで黙るんスか。
 

33 名前:会話記録:2005/04/26(火) 23:47:03
>>27

 ヴァチカン広場 方位○.周囲△
 スイス衛兵隊コンクラーヴェ警備、会話傍受記録 ラベル→例外 : 「偶然記録した会話記録」

「『猫っぽい』と『兎っぽい』の違いは何か……? 『兎っぽい』のが『猫っぽい』のはヘンだと君は言うが、
そうじゃあない。便宜上この二つは違うものだし、言葉の意味を辿れば『別物』であるのは疑いようもない
……それは認めよう。二つは違う物だ。俺はそれを認めるよ……だがね、『それは問題じゃあない』んだ。
『幸福』を得る為に重要なのは、そんな瑣末なことじゃあない……。そんな事には『知性を持たないプラ
ンクトンのクソ』程にも価値はない。そうじゃあない――
 重要なのは、『役割』だ。
 物事には須らく並べて『意味』があり、『猫』にも『兎』にも意味がある――。君は『ブランコに座って三十
分以上ボーっとしていた』ろう? その『ウサギっぽさ』が重要なんだ……。俺にとって重要なのはそこだ
……他の事に大した意味はないし、正直な話、君がこれまで生きてきた人生にも興味なんてこれっぽっ
ちもない。ああ……そんな顔をしないでくれ。『世の中はすべてそういう物だ』と、俺は何度も言ったじゃあ
ないか……喩えるなら、『街中で女性をナンパした男がそのままその女性と結婚した』としよう。こんな事
例は珍しくもないし、今この日常でも行われている事さ。重要なのは『そこ』さ。男は精々『外見がいいか
ら』『ちょっと声を掛けてみる』くらいのつもりでそうしただけなんだ。人間の視覚情報ってのはどう足掻い
ても『それくらいのこと』しか女性から見出せないし――しかし、『見出せないからこそ』意味がある。男は
そこから女性の別側面で『素晴らしい個所』を発見するかもしれないし、そうして発見したからこそ結婚し
たんだろう……なぁ、聞いてるかい? 怖がらなくてもいい……怖がらなくていいんだ。俺は別に『君の耳
を食い千切ろう』なんて考えてる訳じゃあないし、『舌を食い千切ろう』なんて思ってもいない。ただ『耳た
ぶをナメてみたり』、『外耳の辺りまで舌を入れてみたり』しているだけで――……それ以上の何かをや
ろうと思ってる訳じゃない。これはタマに俺が『捕まえた猫や猫っぽい犬』にしている事だから、あまり気
にするような部分でもないしさ……所でこのまま俺が『舌を内耳まで入れる』と――危険だからあまりや
ろうとは思わないが……この『耳管』ってのは、耳と鼻の奥をつないでいる管なんだ……『中耳の換気を
する通路』とでも言えばいいかな……。『子供が中耳炎を起こしやすい理由』としては、子供の耳管は大
人より短くて水平に近いから、細菌が鼻の奥から中耳に入り易いからでね……だったら『耳は安全』と言
う訳じゃないが、普段から『音を取り入れる為の器官』として動作している耳ってヤツは、随分とアバウト
だと思わないか? ああほら……『耳掃除』、君は嫌いかい? 俺は好きなんだよね、『耳掃除』。耳は敏
感だし、麺棒で掃除する時は『スカッとしてとてもサワヤカな気分になる』んだ……。特に膝枕してもらっ
て、『冷えた金属製の耳掻き』でやって貰うのが最高だ。いいかい? 『してもらう』のが『いい』んだ……。
『耳を預ける』と言うのは信頼の証だし、当然ながらその『信頼』ってヤツはとてもタマらなく気分がいい物
だからね……そうだな、後で君がやってくれないか……? そうだ、話がズレてしまっていたな……ああ
いや……ズレちゃあいないか。そう、『役割』を果たすのは『気分がいい』って話だからな。
 ――『兎っぽい』とはッ!
 つまりはそういう事なのだ!
 『猫はフサフサしていて気持ちイイ』ものだが、兎も『フサフサしていて気持ちイイ』ものだ――いいか?
重要なのはそこだ。そこだけだ。『フサフサしていない猫』と『フサフサした犬』じゃあ『フサフサした犬』の
方が重要なように――俺が『重要』なのは! 『求めている』のはッ! 『触って気分がイイ』ものだという
事だッ! 『頬を擦りつけて』気分がいいのはどちらか? 『耳の後ろを撫でて』気分がいいのは果たして
どちらなのか? 重要なのは『そこ』なのだッ!
 貴様ッ!
 ――だからッ!
 『ガタガタ震える』ンじゃあないッ! 『怖がっている』ように思えるだろうッ! 今ここでッ! 『全身隈なく
ナメ回されたい』かッ!

(ハァ――落ち着け……『フサフサした猫を想像の中で数えて落ち着くんだ』……『フカッと癒し系』の猫は
イラつきを鎮めてくれる……)
 

34 名前:会話記録:2:2005/04/26(火) 23:56:23

「いいかい……? よく聞くんだ……そんな『ギリシャの観光ツアーで外人ばかりの古代遺跡に迷い込ん
だ観光客』みてーな目をしちゃあいけない……俺の基準からすると君は『兎』だが、『兎のようである』って
ことは『猫っぽい』ことなんだ……猫も兎も『フサフサしている』し、『撫でると気分がよくなる』……ここに違
いはない……『赤い馬は馬』だからな……。君は別に『フサフサしている』訳じゃあないが、俺が君の『髪と
か』を撫でる限り、『フカフカ加減』ってヤツはウサギのそれに近い……解ったかな……重要なのは『そこ』
なんだ。これで君が人間じゃあないなら適当にした後は『埋めるなり何なり』して消えるだけでいいが、この
ままだと支障が大きい……だから俺は考えるし――これは君の為に考えるんだが、君は『猫になるべきだ』
と思う。いいや、もちろん『人間が猫になる』なんてのは不可能だし、そんな技術があるなら俺もシアワセな
気分になれると思うが、生憎とそんな技術は存在しないんだ……だから――ほら、ここに『携帯電話』があ
る……君は今から担当の『司祭館』と『修道院』――君が修道女でないなら『知人の家』ないしは『実家』に
連絡を入れてこう言うんだ……『旅先で調べたいことがあるから、帰るのが少し遅れる』と、こう言えばいい
……暫くは『慣れない』かもしれないが、次第に『慣れ』は来るものさ……その内、『俺の前では』、にゃー」
と”鳴ける”様になるし、日常生活と”猫”を分けて生活できるようにもなる……無理じゃないさ。いいかい?
こういう話がある……ある『多重人格者』の”治療”中、様々な"交替人格"を露にしたってハナシでね……
彼は『酔っ払い』の人格や『異性』の人格、はては『動物』の人格までを表出させたそうだ――『人格』!
これは驚くべき事例だと思わないか。アリストテレスは人間の本性を『ポリス的な動物だ』と論じていたが、
なら正に人間は固体として見てもポリス的であると言うべきだよ。『内面』を、『理性』で判断し、その統合に
よって『主体』を成す――俺は君の中に『もう一つの内面』を構築してやろうと言っているだけなんだ……別
に君が『日常生活』に支障を来たすような、外で『猫いこと』をしろと言っているんじゃあない……俺の前では
そうしろと言っているだけの話で、それ以上でもそれ以下でもないんだ……俺の前で『にゃーと鳴いてみた
り』、『目の上を擦ってみたり』、『膝や腰の上で丸くなってみたり』、そんなミエミエのことをしろと言っている
訳じゃなく――それも重要だが、それを『自然にこなせるように』するように薦めているだけなんだよ。何も難
しいことじゃあないし、恐ろしいことでもなんでもない……二日も掛からずに慣れるし、君に『素質』があれば
一時間でも慣れるかもしれない……――俺が見たところ、君には”素質”がある。天然の『ウサギ』な素質だ
……そうそう、君は『占い』は好きかな。動物占いってヤツがあるよな……君はあれで『ウサギ』を出すタイ
プだ……違うかい? 違う? 違う――”違う”ね。君は今、首筋に汗をかいたろう……それにこの『味』はウ
ソをついている味だ……正直に答えるといい。『猫占い』ってのは知ってるかな……俺はあるつまらない習
慣雑誌をこいつの為だけに買ってるんだが、この『占い』は『どんな猫』に当て嵌まるのか、タイプ診断をし
てくれるんだ。君は……差し詰め『ブリティッシュショートヘアか三毛猫』って所かな……『のんびり屋』で
『一本気』な所がある――どうかな? 違う……違わないだろう? この『味』は『恐怖している』味だな……
怖がらなくていい……怖がる必要はない……。撫でてやる……怖がる必要はない……。
 そう……重要なのは『適応』することだ。『適応』とは『進化』ということだ……『選択がない』状況なら、『そ
の状況を切り開く』ことだ。人間は成長することにこそ『価値』がある……俺は君の『成長』を手助けし、そし
て俺自身を『成長』させようと思っている……。この気持ちに『ウソ』はないし、君が『不幸』になることもない
と保証しよう――『幸福』とは! 成すことで見出すものなんだ……俺は君に『幸福』を与え、君が『幸福』
であるということは俺が『幸福』だということなんだよ……『最大多数の最大幸福』と言うべきかな……。長い
話になったが、君がすることは一つだけ、たった一つだけだ……この『携帯』で連絡を入れる……それだけ
で『幸福』が来るのだからね……」

 会話記録→終了
 テープの提出→不可 : 「上層部からの破棄命令」→スイス衛兵隊 受
 

35 名前:名無し客:2005/04/27(水) 18:29:35
> 『ガタガタ震える』ンじゃあないッ! 『怖がっている』ように思えるだろうッ! 今ここでッ! 『全身隈なく
>ナメ回されたい』かッ!
((;゚Д゚))

…ではここ一刻館だと、どんな人が「兎」ですか?

36 名前:名無し客:2005/04/29(金) 00:57:29
<テープは破棄される直前にセシル嬢の手により摺り返られました [確認]>
<内容音声は電子情報化されました [確認]>
<日本の孤児院併設型セーフハウス全てに送付されました [確認]>
<開封と同時に全音声が連続再生されます[確認]>

37 名前:◆WEISS0lzjQ :2005/05/04(水) 20:15:15
>>35

http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1064062692/n315
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1110825222/n292
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1068965939/n912
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1082297447/n280

 兎い。
 

38 名前:名無し客:2005/05/04(水) 20:46:01
>http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1064062692/n315

恋人の先輩に手を出そうとする外道のいるスレはここですか。

39 名前:◆WEISS0lzjQ :2005/05/05(木) 04:28:18
>>36

200×/5/5 6:30 − ヴァチカン・異端審問局カタリナ派修道院西棟、一階ロビー「白詰草」

「タダイマーっと、と……あり? ありりり、り、り? りぃぃ、って、マリー一人?」
「マリーって略はマリアだかメアリだか解ンないから止めろッてのに……あぁ、今はあたし一人だけどさ。
ナニかね。セシルがどうかしたのかい」
「……うーむむ。いやね、ちょっとココ来る途中、セシルかなー、っての見掛けてね。擦れ違いで。結構、
なんていうのかな? 思い詰めてるみたいな表情で、やぁ、だからあの子じゃないな、と思ったんだけど、
今更心配でさ。最近はゼンゼン話してないし、ていうか話してくれないし」
「アンタがベタベタし過ぎ」
「妹可愛がるのが悪いとでもッ!?」
「悪い」
「そんなだからあの子が家出するんだッ! 鬼ッ! 悪魔ッ! ロードベリアルッ!」
「ンじゃそうじゃないのかね」
「冷たッ。……まーそうなんだけどさ。仮にも、こー、妹の心配とかしないワケかなと思うのデスよ、この
私は」
「正直言うと、ちょッと前にココ出てったのさ」
「え、そうなの?」
「凄い剣幕でね。情報部から渡されたテープ引っ掴んだと思ったら、迷わずドアぶち抜くくらいの勢いで」
「……止めてよそれ」
「アイツなら放ッといても大丈夫だしね」
「ほう」
「アンタと違って」
「焼くぞ姐御」
「ケンカは後で受けて立つから、さっさと紅茶かコーヒー淹れてくンないかね……あー、アタマ痛。アルコ
ール分解し忘れちまってね……もう最悪だわ。やっぱコーヒー、ブラックで」
「あーいあい、ちゃんと後で探しにいこーね、セシル」
「後でね」
「どっかで人殺しちゃったりしてないといーね。砂糖どばー」
「そうさね……あ、こら。砂糖入れンなッてのに」
「どばー。ひひひ、思い知ったかっ! アル中はダダ甘いの飲んで反省してろっ!」
「……クソガキ、あんた――コラ、待ちなッ!」



 200×/5/5 6:34 − ヴァチカン広場・北西

「セシル? あ――と、ここか。お前……ちゃんと場所指定しろって、ここ。広いんだから。ちょっと探したっ
て……お前、こんな朝から何、」
「……来たか」
「来たっつーか……驚いたからな。急用ってなんだよ。こっちに居る時はお前、連絡の一つも寄越さない
だろ? お前も忙しいからその方がいいかもしんないけど……」
「……」
「セシル?」
「連絡、か」
「連絡……が、どうしたよ」
「私が――連絡の一つもしていれば、良かったのだろうか。私は――」
「……?」
「私は、――やはり、咎人だ。今までが――だとすれば、私は今までどれだけの罪を野に放ってきたのか
……私は――罪もない白羊を、アザゼルの罪に幾ら……私は」
「お、おい、セシ――」
「……聞いてくれるか」
「な、なんだ。なんだその諦観のツラで空を見上げるってのはなんなんだ」
「……初めて会った日も、こんな天気の日だったな」
「そう……だっけ? ま、でも……そうだったかな。アレだよな、俗に言う……”死ぬにはいい日”ってヤツ
か。インディアンに曰く、こんな日は――」
「死ぬには――か」
「死ぬには――さ。で、どうしたよ?」
「このテープなんだがな」
「テープ……? あ、ああ。それが?」
「……なあ」
「あ、ああ?」
「一週間前のこの日、どこで何をしていた」
「……え?」
「”兎と猫の違い”――か」
「…………。あ、いや、……え?」
「死んでくれ」
 

40 名前:◆WEISS0lzjQ :2005/05/05(木) 04:36:34

 BAD END
 

41 名前:◆WEISS0lzjQ :2005/05/05(木) 04:38:19

「じゃ、ね、ッて――う、お、わ、お、おぉぉおあッ!? お、オイっ! オイイィィッ! ちょ、は、はァ!?
今一瞬アタマに【BAD END】とかテロップ浮かんだぞお前、いや待て、待て解んねっ、マジ解んねっ!
いきなり死んでくれとか、ちょ、ちょ待、ちょちょちょセシルあッ!? そ、それデュランダ――ルぁッ!?
ま、まま待てお前、何いきなり聖遺物持ち出して相棒刀のサビにしてくれようとしてんだテメっ! ほ、
本気臭いぞ今の太刀筋ッ! 超やる気っぽいんだよそれッ! 地の文次に入れるなら「まずい本気だ」
とか入れるぞお前っ!」
「相棒……相棒か。相棒、相棒――ふ、ふふ」
「せ、セシルさん?」
「……――そうだな。私は、お前の相棒だ」
「そ、そうだよ」
「だからな」
「だ、だから?」
「――お前を殺して、私も死ぬ」
「だからどうしてそうなるんだ、って、て、てあッ!? って、き、斬れたっ!? ダイコンみたいに広場が
真っ二つ、ってお前、アラレちゃんかお前ッ! いやマジ死ぬ、死んでしまう、死ぬって! お、オオイ、
ひ、人来るだろ、人っ!」
「アラレでもおかきでもセンベイでも構わん……安心しろ。お前の罪は―― 一切合財、私が残らず連れ
ていく」
「だ、だから待て、その物騒なの仕舞え、し、仕舞えっていいからッ! ご、誤解があ、あるんだって。誤
解が、でっかい誤解がっ! ウソ、誤解、紛らわしい! そ、そう! あれだ! あれあれ勘違い! 紛ら
わしいウソがっ!」
「ふ、ふ……ふふ、あぁ、そうだな、ゴカイだかメダカだか知らんが……」
「い、いいから聞けって!」
「さ――触るなっ! 私に触るなっ! 肩を掴むなっ! 放せ!」
「いいから、ちょっとお前、」
「放せ――と、言っているんだ汚らわしい! 妊娠するっ!」
「するか!」
「う、ううう煩い黙れ放せっ! 男など皆不潔だ! きょ、今日はもう……もう、わ、私は、覚悟は出来てる
んだ。お、お前を殺して、」
「だ、だから殺すなッ!」
「……くっ、は、放せ、と――」

「――セシル」
「……な」
「聞けって、セシル。……いいから、俺の目を見て話せよ」
「……な、にを、今更――」
「今更じゃないだろ。……お前、どうしたんだよ」
「どうしたも何も、わ、私は――」
「……いいから、聞けって。お前、勘違いしてるんだよ」
「勘違い……だと。私は、だが、このテープが――か、会話が、お前の声、声で、声、」
「……俺の声で、何?」
「こ、声が――お前の、だ、だって、猫とか――お前が、女性にそんな、は、破廉恥な、だ、だって、私、
私は、これ――」
「ほら、大丈夫だって……な、セシル。お前さ。俺と、そんなテープと、どっち信用するんだよ」
「だ、だけど……だが、」
「……セシル」
「ひゃっ……ちょ、な、何を――は、はな、ははは放せ、」
「誰かがダマそうとしてるだけだって、そんなの。俺が――えぇと、とにかく、そんな事したりする訳ない
だろ? そんな猫とか兎とか。耳とか膝枕とか」
「……」
「……どうした?」
「……私は、兎や耳や膝枕などと一度も言ってはいないが」
「……」
「……」
「ね、猫とか兎とか似てるから、ほら、だ、大体予想つくから」
「……」
「ほ、ホントだって」
「……本当か?」
「ほんとほんと」
「ウソ、……ついてないか?」
「俺がお前にウソなんか吐いたことあったか?」
「結構、いっぱい」
「いや……その、言葉の綾、みたいな」
「信じて、いいか?」
「大丈夫だって。な、ほら。……落ち着けって。お前、ちょっと疲れてるんだよ。そんなニセモノの――え
ーと、どんなテープか知らないけど、お前がそんな情報に惑わされるなんて、あ、と、と……そ、そうだ。
せ、セシル? 今日、時間あるか? 良ければそうだな、うん、昼から何処かへ一緒に」
「え?」
「どうした?」
「……わ、私と?」
「そ。最近は篭りっきりだったろ? 図書館でも美術館でも――そうだ、偶にはショッピングとかでも」
「わ、私とか?」
「お前とだよ。な、偶にはいいだろ? デートだよデート。二人で」
「で……」
「な、それじゃ昼に。それと……あんまり考えるなよ、身体に毒だから」
「で、デート……」
「あ、そうだ」
「な――なんだ」
「ほら、それだよ。そのテープ……このままじゃキマリが悪いし、お前の方で――それとも俺、中身、聞
いた方がいいとか?」
「あ――いや、聞かなくて……いい。そう、だな、これは――こんな物は、私が処分しておく。データの
方も……なんとか、全部。ご……誤解して、その、悪かった」
「いやいや、気にしてないから。いいって。あ、お前さ、紅茶とか好きだったよな。店とかあるのかな、こう
いう専門店って……だったら回ってみるか? な、一緒に」
「み、店、って……」
「紅茶の。お前が案内してくれれば、俺も回れるし」
「あ――え? あ、ああ……そう、だな。解った。店は、その、色々」
「はは、頼れるのはお前だけだからさ。ホント、ありがとな。いつも」
「だ……っ、き、気にするな……わ、私はもう、行くぞ。時間が、その、惜しい」
「ホントだ……六時四十分か。まだ軽く礼拝するくらいの時間はあるかな、これなら。ああ、っと……そ
れじゃ、また後でな」
「……あ、ああ」
 

42 名前:◆WEISS0lzjQ :2005/05/05(木) 04:46:45
>>41

 200×/5/5 6:42 − ヴァチカン−マタイ騎士団詰め所、三階

[ILL -> Status : "online"]

200×/5/5 6:40 -> ILL : 頼れるのはお前だけだ。
200×/5/5 6:40 -> ALICE : これがミステリの書き出しなら最悪だな。所でメールでも良かったんじゃ
ないのかな? 電話を避けた理由は盗聴を警戒してるから? いいけどさ別に。そして”頼れるのはお
前だけだ”か。いやいいね、誰にでも言っていそうで怖いセリフだがそれはよしとしよう。
200×/5/5 6:40 -> ILL : お前にだけだって。
200×/5/5 6:40 -> ALICE : そうか。ではタイプ時間を除いた今の1.5秒の空白は問わない事にしよう。
僕以外に何人の候補が浮かんだのか興味深いが――まあ、それも問うまい。
200×/5/5 6:40 -> ILL : 不機嫌だなオイ。
200×/5/5 6:41 -> ILL : 連絡ってのは、
200×/5/5 6:41 -> ALICE : 不機嫌? 文面だから解らないだけさ。僕の気分はハッピー&ハッピー
だよ。敷いて言うなら二ヶ月も君が連絡を寄越さなかったこの事実を呪っておこう。で、君が繋いでる場
所は――そこは、ふん。アメリカじゃないのか。例のお仕事かな?
200×/5/5 6:41 -> ILL : ……そんなトコ。お前は俺の居場所解るのに俺が解んねえってのは不公平
だよ、これ。ソフト作ったのがお前だから文句も言えないし。
200×/5/5 6:41 -> ALICE : 馬鹿を言いたまえよ。君にスキルがあれば僕だってこんな面倒をしなくて
いいんだ。こんなチャチなインターフェイスで話すなんて気分が悪いことこの上ないね。技術者としては
最悪の侮辱だ。ちなみに前のアドレスは仕事の問題で放棄したんだよ。大学をダミーにするのも飽きた。
200×/5/5 6:42 -> ILL : スキルって、そりゃそーだけどさ。いやいいや、こんなのはどうでも。
200×/5/5 6:42 -> ALICE : どうでもいい?
200×/5/5 6:42 -> ILL : あ、
200×/5/5 6:42 -> ILL : ……もしかしてお前、今キレた?
200×/5/5 6:42 -> ALICE : 三文字で僕の言いたい事を読み取ってくれて光栄だね。苦手な日本語を
覚えた甲斐があった。0.5秒の拍を置いて返答、正に「怒気」だよ。スキルがないなら行動で示せ、会い
に来るのがそんなに難しいとでも?
200×/5/5 6:43 -> ILL : あ、いや。
200×/5/5 6:43 -> ALICE : 文章でもいいから、取り合えず言い訳が欲しいね。
200×/5/5 6:44 -> ILL : ……ごめん。
200×/5/5 6:44 -> ALICE : ”ごめん”か。まあ宜しい。で、要件は?
200×/5/5 6:45 -> ILL : もしかしてもう掴んでたり、
200×/5/5 6:45 -> ALICE : するかもね。とても不適切な音声ファイルなら先日入手したが……網に
掛かった、と言うべきか。ご丁寧にもサーバからの送付先にはヤバそうな宛先が記されていた。
200×/5/5 6:45 -> ILL : 音声ファイルっすか。
200×/5/5 6:45 -> ALICE : 音声ファイルさ。
200×/5/5 6:46 -> ILL : ……聞いた?
200×/5/5 6:46 -> ALICE : 「とても不適切な音声ファイル」と数秒前にタイプしたが――
200×/5/5 6:46 -> ALICE : ま、自分で聞いてみればいい。
200×/5/5 6:46 -> 《ALICEがファイルを送信しようとしています……Y/N》
200×/5/5 6:47 -> 《ファイルの受信が完了しました...[catRabbitMisanthrope.mp3]》
「→
To:Inquisition@vatican.va,Inquisition2@vatican.va,Inquisition2@vatican.va……
From:Inquisition@vatican.va
Date:200×/5/3
Re:緊急文書
この音声ファイルは事実に基く物であり、対象者(別所記載)に関しては充分な注意を〜
←」
200×/5/5 6:48 -> ALICE : 僕の感想はだね……
200×/5/5 6:48 -> ILL : 言わなくていいから。
200×/5/5 6:48 -> ALICE : 無論。僕は君を信じよう。しかし耳はいいな、耳は。耳に舌を……そう、
ちなみに僕は耳が弱いんだ。耳掃除とか感じるね。
200×/5/5 6:48 -> ILL : いや、俺は
200×/5/5 6:48 -> ALICE : 君の次にタイプする言葉は「俺は無実だ」だ。
200×/5/5 6:48 -> ILL : 俺は無実だ、
200×/5/5 6:49 -> ILL : ……
200×/5/5 6:49 -> ALICE : 時間差0.3秒、まずまずかな……さて、つまり「どうにかしろ」だろう。
とっくにやってるよ。このファイルが外に出回る心配はない。
200×/5/5 6:49 -> ILL : え?
200×/5/5 6:50 -> ILL : ……まじで?
200×/5/5 6:50 -> ALICE : まじさ。僕の忠義を甘く見るな。
200×/5/5 6:50 -> ILL : ちょっと感動したかも。
200×/5/5 6:50 -> ALICE : 存分にしたまえ。
200×/5/5 6:50 -> ILL : 愛してる。
200×/5/5 6:50 -> ALICE : 僕もだ。さてと、所で報酬だが……
200×/5/5 6:51 -> ILL : 日本円で一万円以内でどうにか。
200×/5/5 6:51 -> ALICE : 君の愛はCD五枚分か。まあいい。では京都の宇治を見物してみたい。
お茶が飲みたいんだ。来月の二日に日本に行くから、予めヨロシクと言っておこうかな。
200×/5/5 6:51 -> ILL : ギリギリかな。了解、それじゃ
200×/5/5 6:51 -> ILL : あ、待った。
200×/5/5 6:51 -> ALICE : 何かな。
200×/5/5 6:52 -> ILL : 愛してる。
200×/5/5 6:52 -> ALICE : もちろん。

[ILL -> Status : "offline"]

200×/5/5 6:52 -> ALICE : それにしても……やってくれるね、色々と。
200×/5/5 6:52 -> ALICE : ま、お茶は楽しみだから構わないけどね。
 

43 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2005/05/05(木) 04:55:47
>>38

 故事に……こんな言葉があるそうだ。
 『それはそれ、これはこれ』と言うんだがね……解るかな……「それはそれであり」「この
事実とは無関係」と言うべきか……『ウサギっぽい』、という事実を端的に述べたのが俺の
返答に間違いはないし、第一俺は『まだなにもしちゃあいない』……何も問題はない……
何も問題はないんだ……俺に問題はない……。
 

44 名前:名無し客:2005/05/06(金) 00:42:04
お前は自分が悪だと気付いていない、もっともドス黒い悪だ……

45 名前:名無し客:2005/05/08(日) 17:51:27
庵んと話してましたけど、お兄さんはKOFとかで勝てると思いますか?

46 名前:◆WEISS0lzjQ :2005/05/16(月) 01:37:24
>>44

「『邪悪』……「悪」とはッ! 信念を貫けなかった「弱者」が語る寝言に過ぎないッ!
いいか……全てを克服して見出した真理に邁進する事こそが『真理』なのだ……ッ。
伏してもう立つな……貴様――

 ――安っぽい感情で動いてるんじゃあないッ!

 いいか……人は信念を持たなければならない……人が人たらんとするためには、
『強く』在らねばならないッ! 『安らぎ』が必要なのだッ! 『天国』がッ! 俺がそれ
を実践する……俺こそが先駆者として人を導ける……『天国』へ……「人」はッ! 須
らく天国を目指すのだッ!
 貴様は――それをちょっとばかりの『猫』が目の前から居なくなるというだけで俺の
邪魔をしている……貴様が! 貴様如き薄っぺらな「藁の家」が俺と猫の深遠なる目
的の砦に踏み込んで来るんじゃあないッ!
 「何処へ行かれるのですか?(ドミネ・クォ・ヴァディス)」お前は「磔刑」だ――――――――ッ!」



「……ああ、もしもし? ごめん、いや、「連絡」が遅れた……ああいや、ちょっと仕事
が手間取って……大した問題じゃあないよ。ああ、それじゃあ……いや、大した問題
じゃないよ、セシル……ちょっとした「後片付け」が済んだだけなんだ……それじゃ」

(○○新聞朝刊、三ページ「……(前略)時間帯は深夜、銃声が聞こえたとされる住
宅街では不安を掻き立てられていたが、先頃川原で銃痕の見られる(中略)この銃
痕は専門家が「9ミリ、特にグロックと呼ばれるオーストラリア製の拳銃に見られる」
とする物で(略))
 

47 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/05/16(月) 01:42:44

 うーわ、最近の日本は物騒で困るっスよ。なにこの記事。

 ハイ、と、随分遅れたままレス付いてたんで、ちっとばかし。

 伊坂さんの重力ピエロ、やっば、いいじゃん。
 あと滝本さん、「ネガハピ」が面白かったんで「超人計画」読んでみました。イタタな自
虐を楽しむ内容だそうですが、ううむ。ぱ、パス。……佐藤友哉さんとこのヒト、この手
のネタ多いなぁ。講談社のだと――。なんて、一般読者意見してみたり。
 ここんトコ面白くもない生徒会に引き摺られっぱなしでヒマなんで、軽音部に逃げて
フィーちゃんに借りた小説読んでます。明日からは森さん再読ウィーク突入。
 「全てがFになる」で思ったけど、やっぱこの人すげーです。怖いくらい書くの早いし。

 とまあ、フィーちゃんの代わりに読んだ本並べてみたけど、こんなの意味あるやら。
生徒会に拉致られてる間はマジっぽく「ビバ! 読書時間!」なんで、この勢いだと今
月中に50冊以上読めそうです。……う、嬉しくねー。何サミシイことしてんだアタシは。
「黄金の夜明け魔術全書」なんて教室で読んでたせいで、隣の席のチハヤちゃんが
オカルトマニアと大誤解してくれる始末。あ、アタシは妹とは違うッ、……とか云うと、今
度は妹に刺されるからさぁ大変。
 でもってザック兄貴に会いに行きたい二日後。また拉致られます。タスケテ。ツァラ
ストラはかく語りきも、アタシにニヒリズムはなく。見逃したらマジ後悔して絶望しちゃ
いそーです。あ、あああああぁ、あ、兄貴ィィィィっ! た、助けてっ!

>>45

 けーおーえふ?
 ……はぁ、よく解んないけどケンカなら兄貴はまあ勝つんじゃないっスかね。兄貴と
ケンカして勝てるヒトって駅前で古物屋やってる美人姉妹しか思い付かないっス。
 どんな司祭だー、って感じだけど……いやでも、商店街だと知ってて兄貴にケンカ
売るヒトってもういないっスね。
 

48 名前:名無し客:2005/05/17(火) 18:33:39
拘りのある楽器とかはありますか?

49 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/05/18(水) 00:46:36

 だからどーしてレスがッ!?

 ……てぇか予想通り兄貴のライブ行けなかったーよ。
 もォ厭。色々とあらゆる意味でイヤ。
 ハコであった友達がCD出してて少し嬉しかったりSOADがメチャ良かったような今日。

>>48

 あんまりないっスね。んー、改造もほとんどやんないかな。今はそーだね、ストレート
のまま使うのがクールだと思ってるんで。ドラムとベースはほとんど素です。
 ……ってかさ。
 拘るほどお金あると思ってんスか。こっち、生憎と女子高生っスよ。とはいえギターだ
けは貰ったのが何本かあるんで使い分けてます。

 あー、家で使ってんのがギブソンES-335だけど、これはストップテールピースに付け
替えてありますね。あとなんだろ。ジャクソンはRRだけどアジトに置いたまんまで、こっ
ちは素のまんま。あと知り合いの楽器屋に作って貰った「ミハル・スペシャル(ななまん
えん)」がメインです。こっちはストラトタイプでハムバッキングの外側んとこのポールピ
ースいじくってあります。イジくったというか作ったというか。大きめにアームアップでき
るようにした、つもりっス。えーと、えとえと。あとエフェクターはロックトロンの使ってます。
録音に合わせて色々変えるんで、家に置いてるのは、ってことだけど。えと、アンプもお
んなじ。ライブと録音と場所に合わせてクリーンと歪み使い分けてます。そうそう、古い
けどデジテックのGSP2101はまだ残ってたっけ。
 

50 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/05/18(水) 01:08:32

 あー、や、待った。
 「どうしてレスが」ってのは、違うっスね。
 ここを残してて「片付けてから戻す」って言った期限はとっくに過ぎてるし、現に前のスレは
落ちちゃってるんだから。だったらその発言は傲慢だよ。ゴメン。
 うーん、「格ゲーわかんないから」なんて理由は言い訳だなァ。調べれば書けるんだもの。
 ここを覗くなら書けっつーハナシですよ。時間がないのは確かだけど、それはイイワケ。
 んー、んん。

 オッケ、取り掛かるよ。
 キレーに散華しよーぜぃ!
 

51 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/05/18(水) 01:09:19

 アタシの格ゲー知識って、数年前までで止まってるんだけどなっ!



 いーのですか、マジで。
 

52 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/05/18(水) 03:07:41

 うあっちゃ、タイムアウト。
 ごめん、別事で時間なくなっちゃった。
 またね。

 ……情けねー。
 

53 名前:名無し客:2005/05/20(金) 02:54:22
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1076866431/138

ええと、つまりミハルたんはおっきいっていう解釈で宜しいか(何

54 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/05/20(金) 03:03:16

>名前:ボンド……ジェイムズ・ボンド――ウソです。「児天 見晴(こあまの みはる)」。「海
>晴(みはる)」でもヨイです。ムズい名前と言いなさんな。
>トシ:15歳
>身長:160cm
>体重(聞くな!):47s
>血液型:A
>誕生日:6/22
>星座:今で言うと双子座
>B/W/H:88/57/84

 どーなんスかね。割と大きいのかも。比較対照が誰かなー、とか。それくらい。
 つっても触られたり揉まれたりは兄貴にくらいなんで……、いやウソ冗談。
 前に似たよーなの聞かれたんで、ちょっと抜粋してみました。
 

55 名前:名無し客:2005/05/24(火) 18:51:43
久しぶりに雑談でエーフィ嬢を見ました。
兄思いの妹さん達やセシルさんを見るにつけ神父の外道さが際だつ思いで(ry

ところで、英語の歌詞はどう憶えるんでしょうか?
CDスレでカラオケの話題が出ていましたが、日本語と違うだけに憶えづらいです。
ミハルさんにお勧めの方法などありましたら。

56 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/05/25(水) 00:56:01

 眠い。ダルい。寝られない。
 ……しんど。やると決めたからにはやんなきゃだけど。
 次の曲……、書いてこ。

 あ、本買いました。定価4800円のが古本で2600円。それなりに安く。

>>55

 いやもう、前置きはナシで。遅れてるのが悪いんで。
 が。

 アタシはッ! ヴォーカルじゃあないッ!
 ……まぁ、とはいえゼンゼン歌わないってワケでもないですけどね。
 ギターと兼任したことは何度か。

 うーんん、アナタはつまりアレっすかね。カラオケで歌いたいから、っつーこってヨロシイ
ですか? 純粋な意味でに「どうやって憶えてるか」って言われても、例えばこれが自分で
作った歌に乗っける歌詞だったりすると、やっぱハナシは違ってくる訳でして。
 アタシの友達はちっさい頃に某カラオケな番組に出たりするくらいウマかったんですが、
やっぱ「憶えて歌うだけ」だっつってました。基本的にメロディライン憶えて歌うのがカラオ
ケの趣旨ではありますが、自分でやるとこれまた違ってきたりするもんでして。マネること
に意識が集中しちゃう部分があったりも。

 アタシの場合は、バンド次第で歌ってました。今でも歌いますけど。んでも、あんまり専
門的なことは言えないんで、ちょい主観で。えー、ですね。そうだな、ちょっと前に専門誌
読んで書いてあったことなんだけど、「歌うときはあくまでクールに。聴き手が入り込める
余地を残しておく」なんて書いてあったんスよ。まー、否定はしません。しませんが、そりゃ
例えばポップスか一般的なロックのハナシであります。書いたヤツはジャジストのヴォー
カルを、コアかデスのヴォーカルをマトモに聴いたことがあるのかと問いたくなりました。
 ざけんな。
 しかもデス、コアに関しては「よく知らない」モード全開で「喉頭炎になるでしょう」って、
あーた。デッドケネディーズとレッチリ聴き比べてSYLでデヴィンの声でも聴いてから書い
てみろっつーんスよ。メタルに関しては「この手の音楽」扱い。そうですか。メタルはロック
ですらねーんスか。……すいません、めっちゃ私怨です。でも、コアとデスを一緒くたにし
てる時点でデスとメロデスとコアとグラインドとニュースクールの違いも解ってないような
ヤツに違いないのは間違いなく。

 前以って言っときます。少し横道します。
 「全ての歌が感情を込めずに歌ってこそクール」なワケじゃないです。これは言い切っ
ちゃいまいますけど、今、この時代、そんなんで「クールだ」なんて寝言をほざくヤツはも
うアレです。ガチガチの老害です。念の為言っときますが、「今存在するジャンルを」であ
って、全体ジャンルを指す訳じゃないっス。むしろマシーナリーな無感情こそが信条なバ
ンドも幾多とありますし。んでも、「入る余地すらない歌は受け入れられない」のか?
 そこで、ちょーっと、ヒトコト。
・KORN / ジョナサン・デイヴィス(1st、2nd)
・CONVERGE / ジェイコブ・バノン
・RAGE AGAINST THE MACHINE / ザック・デ・ラ・ロッチャ
 この連中の誰一人として「入ってこれる」余地なんて残してません。トグロを撒くような
内的憎悪に塗れたジョナサンは触れるだけで飲まれそうだし、ジェイコブはうねり狂うよ
うなカオスをただブチ撒けるだけです。ザックに至ってはもう「怒り」。怒号と怒声を削岩
機のようにひたすら打ち付けてきて、後にはペンペン草の一本すら残りゃしねぇのです。
 

57 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/05/25(水) 00:58:38

 ですが。
 それでも、届く。届くんスよ、感情なんてのは。
 「ぼくのことを話そう」「どうして君は泣いてるの?」
 「死にながら死にながら死にながら毎日死にながら生きている」「俺は」
 「行くぜ!」「行こうぜ!」「行くんだ!」「目を醒ませ!」「ヤツ等を引き摺り下ろせ!」
 或いは悲壮であったり、或いはやり場のない激情で、或いは問答無用の激怒です。
 何もかも、聴いてりゃ解ります。入り込む余地よりも「共感を呼ぶ力」が重要なんでは
ないでしょうか――と。まあ、そこまで行くとヴォーカルに限んないかな。
 でも例えばリンキンがラップスタイルから敢えて「歌」を選んでみせたのって、表現形
体を変えてみせたのとおんなじなんだよね。歌唱法それ自体も色々だし、ウィスパリン
グみたいなラウドやメタル特有のスタイルとか、実際は凄く効果的だと思うな。「ヒキコ
モる」ようなスタイルが共感を呼ばないのは事実だとしても、そこに問題はないです。
 と、勝手な意見ですけど。
 ……ライブパフォーマンスなんだよねー、結局。ヴォーカルのウマいヘタも。
 つまんないツナギやってるバンドなんて幾らでもいるし、そこを見せようとして失敗か
ましてるのだってもうわんさか。そこ行くとやっぱり最近のオフスプとかSUM41とかは、
それなりにそれなりでスゴいと思うんだけど。あ、SUM41はメタル好きらしいからヨシ。
マスパペカヴァーは笑わせて頂きました。

 あーとーは。
 あとは歌詞、歌詞ですか。英語の歌詞、ってことですが、あー、まあ、それはあるか
も。ほら、日本語ってば一語一音節じゃないっスか。母音も関わってくるし、どうもリズ
ムが狂うんスよ、英語歌詞に合わせると。とはいえ、日本語ロックならともかく身体の
リズムは調整できます。ひたすら聴きましょう。
 日本語英語なんてのもありまして、英語調に歌う方法なんスけど、そうやって歌うと
強引に「英語ロック」なリズムで日本語も歌えます。キャロル時代の矢沢永吉兄貴な
んかがそうではないかなと。
 それにそーだね、リズムだって、カラオケとだとカヴァー曲で演奏してもぜんぜん違
う感じ。ファジーに演奏するんだから、スピードなんて自分達で測らないと合ってこな
いもん。

 ……げ、また長く書いてる。兄貴かよあたしゃ。
 

58 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/05/25(水) 02:21:49

 ちょっと時間空いたから少しだけ。
 で、いやだけど実はまだ上の終わんないんです。長ッ。

 んで、コツっスか。
 えーとね、この方法は……あくまでアタシがカラオケで歌うような、あっと、ほら、カラ
オケで歌う曲って自分の好きな曲だよね。それ自体が方法なんだけど……。

 「好きな曲を聴きまくる」

 ……あ、怒った?
 いやでも、これがイチバンだと思う訳でして。だーって、ねぇ。義務感で憶えるのと、
好きだから憶えるのじゃぜんぜん違うもの。カラダで憶えるみたいな感じ。
 好きだから聴くし、好きだから歌詞を憶えて歌いたいし、気付いたら歌詞も訳して染
み込ませて、ってのが一番いいと思うな。詩の隠喩も含めて読み取ってね。そうすれ
ば、結構……気付くと、歌えてるもんだから。

 なんていうのかな。これはアタシだけかもしんないけど……や、アタシみたいな人は
多分いる、と信じて言うとですね。えーと、例えるならですね。
 空手……ってあんじゃないっスか。アタシが前に行ってた道場だと、や、多分どこの
道場でもそうだと思うけど、暫く、基礎練習だと基礎の技ばっかり繰り返すんですよ。
上段前蹴りだったらスクワットしながらそればっかりとか。きっついけど。んでまあ、あ
んま関係ないですけど、アタシはこの技が一番好きで、カラダも結構軟らかかったか
らこればっかやってたんですね。「蹴る時は引き足を取って、それから」って教えられ
て、ヤケにカンタンなそのロジックが妙に嬉しくて。……うわー、今思うとヘンなの。
 ……カテゴライズ、かなあ。敢えて言うなら。
 何をしてどうするか、ってヤリカタを憶えるのが好きな人間なアタシは、そうやってレ
パートリー増やす訳でして。カテゴライズ好きってヤな人間だなぁ、って感じだけど。
 妹や姉さんと違って、アタシは絶対音感って持ってないんだ。耳コピよりもギター憶
える時は譜面、ひたすらリフ憶えまくってそれアレンジして、って。それから耳コピ。だ
からまあ、どっちかって言うとメンバーん中だとプロデューサー扱いされるんだけど。
 歌詞憶えるのもそんなんでイイんじゃないかな。
 好きな曲をひたすら聴いて、耳に馴染ませたら……答えになってないなあ。
 自分で書いて、とは違うもんなあ。曲作ってそれに合わせるか先に歌詞か、そんな
んじゃなくて。

 あー、そだ。
 ヘンかもしんないけど、アタシは好きなフレーズがあるとそれを歌いたいから歌詞を
憶えたりします。単語でもいいです。例えばアタシだと「coffin」とか「crusade」とか。
「ふぁっきゅーあんだーい」「KILL! KILL! KILL!」とかも面白いっスね。……や、
別に好きなフレーズじゃないっスよ? 面白いだけ面白いだけ。
 ……やっぱヘンだなあ、改めて自分で考えても。
 好きなアーティストの歌い回しが気に入ると、「やってみたいなー」とか思うから。そ
こをどう歌うか、みたいな。あ、「どう歌うか」って結構重要だと思うっスよ、カラオケ。
メロディラインなぞるだけじゃなくて、ウケ狙いでもいいから自分のやりかた。
 あとね、カラオケって……ほら、画面に歌詞出るじゃないっスか。英語をわざわざカ
タカナに直して出てくる字幕みたいの。
 アレ邪魔。
 曲展開に合わせて流してるんだろうけど、実際の歌い回しとはぜんぜん違うから、
あれに合わせると途惑っちゃうんだよね。暗記して歌えるとメリットになる理由、イチ。
 あと身内同士なら、多少はハズいパフォーマンスやってもイイかもしんないです。
マイク覆ってウィスパリングとか以下略。
 

59 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/05/25(水) 02:25:35

 好きなアーティスト、がいないなら……いるとは思うけど。
 ま、そうでないなら……やっぱ、歌い易い曲を憶えることかな。
 ポップな曲とか、展開がカンタンなのとか。
 えーと、カラオケで見掛けて歌ったヤツ、ちょっと上げるとね。

・ディープ・パープル / スモーク・オン・ザ・ウォーター
・アイアン・メイデン / 撃墜王の孤独
・リンキン・パーク / イン・ジ・エンド
・マリリン・マンソン / ファイトソング
・ドリーム・シアター / アナザー・デイ
・ヴァン・ヘイレン / ジャンプ
・レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン / ゲリラ・ラジオ
・デフレパード / ラブ・バイツ
・ニルヴァーナ / スメルズ・ライク・ティーン・スピリッツ
・モーターヘッド / エース・オブ・スペーズ
・デュラン・デュラン / ワイルドボーイ

 この辺りは結構歌いやすいね。アタシの趣味でメタル寄りだけど。
 リンキンはこのテのラップ慣れするには丁度いいかも。ドリームシアターは、なん
ていうか歌うならこれが無難。ていうかこれ以外やんない方がいいかも。間奏多過
ぎたりする曲が結構あるから、カラオケだとシラけちゃうかも(メイデンもだけどさ)。
 で、メイデンのコレは問答無用。割と憶えやすいし、歌ってて楽しいね。
 レイジはカンタンだし、それにみんな聞き憶えあると思うな。
 デュランデュランは前も言ったけど、曲がいーね。すぐに馴染むよ。
 ニルヴァーナは、まあ、定番。
 モーターヘッドは最高なんだけどねー、練習CDが廃盤だよもう。

・スレイヤー / エンジェル・オブ・デス
・スリップノット / ピープル・オブ・シット
・アーク・エネミー / エネミー・ウィズイン
・チルドレン・オブ・ボドム / ヘイト・クルー・デスロール

 こっちは「アタシの声域じゃキツいなあ」って思ったヤツ。
 無理じゃないだろうし実際アーエネのエネミーウィズインは女性ヴォーカルだけど、
……「女性ヴォーカルじゃねーよ!」アンジェラ姉は偉大です。
 チルボドのは最近カラオケで見付けました。当然ながら最初の「カモォン!」は字
幕にも入ってないんで、みんなで行った時は「何やってんのアンタ」と思われないよ
うにした方がいいです。慣れてる人は一緒に叫んでくれるかもしれません。アタシは
叫びました。ノリが良ければ、「ファック!」とか「ノー!」「ヘイトクルゥ!」なんてやっ
てくれる人もいるかも。アタシはやりました。他のみんなにアレな目で見られたけど。
 スリップノットは……えー、と。
 みんなで叫びましょう。外まで聴こえるくらい。

 最近のカラオケはメタルもちゃんとあるのがスゴいよね。
 メガデス、メタリカ、AC/DCはともかく、おーい、ナパームデスって。

 カラオケ番外編。
・コーン / ダディ
・陰陽座 / 桜花の理
・クリスタルキング / 愛を取り戻せ

 コーン=マジ泣きで。
 陰陽座=「貴女が――蜘蛛だったのですね」
 クリスタルキング=説明不要。お前はもう死んでいる!

 うーわ、長くなったなあ。
 でもま、ドイツ語とかラテン語の曲よりは歌い易いと思うんで。あーでも、ラムシュ
タインとかカラオケに入ってきたらちょっと試してみたいかな。
 ドイツ語ヴォーカル。フィーちゃんはメチャ巧いんだけどね。なんせ現地人。
 

60 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/05/25(水) 02:26:34

 ……うわ。
 三十分くらい書いてた気がする。
 こんなコトしてる時間……って、色々やれるじゃん。うあー。

 長いんでどうぞ読み飛ばして下さいマセ。
 

61 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/05/25(水) 02:34:11

 あ、それとそれと。

・ナイン・インチ・ネイルズ / ザ・ハンズ・ザット・フィーズ

 宣伝じゃないよ宣伝じゃ。
 でもサイコーだね。
 トレントが狂ったんじゃないかと思うくらいにポップで歌モノでメロディ志向で、でもって
気持ちよく歌えて毒が吐ける即効性キラーチューン。
 ……カラオケ、あるのかなぁ?
 マンソンとかスリップノットとかニッケルバックとかはあるんだけどな。
 

62 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/05/26(木) 00:11:52

 すいません。
 まだメッチャ時間取れそうにない気配っス。
 ネタ考えてなんか書ける時間はないっつーか、うああ!
 遅れ過ぎて編集さんの顔見るの辛過ぎッ!

 ……ごめん、なんかもう休みたいです。



 てーかそこ、まだそんなに生き残ってたんスね。すげー。
 

63 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/05/28(土) 01:24:24

 ね、眠い……けど、そろそろやんないとマヂ時間が。
 格闘ゲームの情報ちゃんと検索してみます。
 多分ダメだけど。

 つーか明後日ライブだよ。
 新曲やんのにまだカンペキじゃないのが更にヤバすぎ。
 

64 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/05/28(土) 01:58:23

 あ、そういえばこの場を借りて。
 前スレでマンガのこと教えて下さった皆サマ、ホント助かりました。
 やー、少女マンガすっ飛ばしてジャンプ入ったモンだから、ロクになんにも知らなかった
部分がありまして……んでも、名作って色々とあるモンですね。
 めっちゃ参考になりました。色々と取り込ませて貰ってます。
 BANANA FISHを次は全部集めないと……っつーカンジっスか。

 ちなみに最近のベストなマンガは……ああっと。

神.ジョジョの奇妙な冒険&旧荒木作品
1.スティール・ボール・ラン
2.バキ
3.アクメツ
4.NANA
5.ジャンプの「ぎんたま」

 さっさと再開して下さい、SBR。バキとアクメツはすげーです。チャンピオンはこの二つ
が存在するだけで読む価値がッ! バキは特に凄いっスね。最近はグダグダらしいけど、
それでもなんか得るモンがあります。

 あと「ホーリーランド」って、人気あるのかなぁ。
 借りたんだけど、ドラマ化もされてるらしくて。……うーん、このテのって多いみたいだ
けどなぁ。共感とか呼ぶんスかね。ヤンキーだー、とかヤクザがー、とか。治安の悪さ
とか抗争とかだとかってあんまイイもんじゃないのに……とか言うと、伝統的なヤンキー
マンガの価値が失せるのでダメですが。「ぶっこみ」とか。
 それとも成長物語としての空気が……いやいやいや。微妙、かなあ。後半の借りると、
その辺のアングラな雰囲気すら消えてるし。
 

65 名前:名無し客:2005/05/28(土) 02:14:46
先生! SBRは月刊誌のウルトラジャンプに移籍して、とっくに連載再開しちょります。
確か、今月でもう二話目ですわよ?(ゴージャス☆アイリンのポーズで

66 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/05/28(土) 02:18:02

 何ィィィィィィーーーーッ!
(ドッギャァァァァァァン!)

 マジっスか!
 しまった……このアタシとしたことが! ジョジョ情報の検索を怠るなどッ!
 誓って! 古本すら手に入れると宣言しようッ!



 いやマジ情報感謝っス。
 

67 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/05/28(土) 02:32:46
>>前スレ991

(※エイプリルフールスレより一部再掲載)

・新世代・格闘体験!

 従来の家庭用ゲーム機では体験できなかった、超リアルな戦闘感覚を実現。新規新鋭
の業界新勢力、「ソウル・トライブ・カンパニー」社協力の元、宇宙飛行士訓練用のシミュレ
ーションレベルを凌駕する再現性を備えたHMD(*1)「Palantir(パランティア)」、データグロ
ーブ(*2)「Tengu」を搭載。現実の色彩、光源だけでなく、物体の質感までも忠実に再現し
た。このシミュレーター開発者のオザキ・シノブとアンソニー・チャン氏は、宇宙飛行レベル
の再現性に対しても「これはあくまでゲームとして作ったのであって、軍事流用もその他へ
の採用も考えていません」と語るが、その性能には関係者各位が舌を巻く所だ。公開より
も逸早く触れる事になった軍事シミュレーターの開祖、トム・F氏は「これは新時代のシス
テムだ。もしも軍隊に採用されるなら、わざわざトレーニング・ルームを利用する事もなく
なるだろう」と語る。
「国防総省にとって、モデリングやシミュレーションは経費節減の手段だ……これが採用
されるなら、ガソリンも実弾もギリギリまで節約できる。ヘリを飛ばして二万ドルを、戦車を
走らせて一万ドルを投資しなくてもいいんだから」

 L.Aで開催されていたE3の関係者は、「これが期日に間に合っていれば、ブースの客層
は丸ごと変わっていたでしょう」と苦笑いした。
「軍関係者、格闘技関係者が集まるゲームブースは、ひどくシュールですね」

 このシステムは――オザキ氏が語る。
「今までのHMDを使ったゲームは、いい所までは来ていても、確実に現実とゲームを混同
しない明確な、悪く言えば限界としての境界が付いていました。それはモラルの面で必要
な事かもしれないし、安全面でも必要な事だったのかもしれないけど」自らも天然理心流
の目録を所持するというオザキ氏は、「ゲームは戦いだ」と語る。「格闘ゲームだからって、
ニュースでよく言われるじゃないですか。悪影響を子供に与えるだとか、痛みを知らない
人間に育つ原因になるとか。アメリカのパドゥーカ事件とか、そうでした」オザキ氏が理想
とするのは、「ゲームと現実の触れ合い」であるという。チャン氏は、「机の上では実現可
能な領域にきていた。トライブ・カンパニーが協力してくれることになった時、やるしかない
と思った。今も反省してない」と語った。

「だが、私は謝らない」

 4/1、ソウル・トライブ・カンパニー待合室でインタビューを受けてくれた小崎氏。採用さ
れたこのシステムのコンセプトを聞いてみた。
●発表後、一部で批判の声が上がっていたと聞きます。
小崎「そうですね。でも、それは前から上がっていたことでしょう? だったら、今やれる
場所までやってしまおうと思いました」
●シミュレーターを試験した時、三人ほど再起不能(リタイア)したとか。
小崎「ゲームは戦いですから。尊い犠牲でした」
 このシミュレーターの斬新性は、その高性能に留まらない。シミュレーターでの再現は
不可能に等しいと言われていた味覚、嗅覚を、マウスピース型のメソッドと、筐体内部で
合成される数億種類の匂いの元から再現している。これによって「唇を切った鉄錆の味」、
「燃え盛る火と土の匂い」も再現だという。更には皮膚感覚を初めとした体性感覚、果ては
深部への感覚、内臓感覚を外部からの衝撃で再現したのだ。
電極と神経との結合、麻薬寸前のトリップ。倫理の限界に迫ってみた、と開発者は言う。
●シミュレーターの「痛覚再現」はやり過ぎではないか、という声が――
小崎「戦いですから。キャタクターが斬られれば、斬られます。殴られれば痛いです。キャ
ラクターのHPゲージが残っていても、本人が死ねばゲームセット。そんなリアルを求め
ました」

*1HMD=ヘッド・マウンテッド・ディスプレイ。頭にすっぽりと被る形式のディスプレイで、
ヘルメットのバイザー部分がディスプレイになるように作られている。主に宇宙飛行士の
シミュレーション、戦闘機にも採用されているシステム。
*2データ・グローブ=手に嵌める形のインプット・デバイス。医療面での活躍も期待され
ている次世代/近世代インターフェイス。

 開発予定のソフトから、遂に第一段が発表!

・痛みの再現+「オリジナルストーリー」

 グラフィカルに再現された破壊痕、リアルに耳を直撃する斬肉音! 全キャラクターに
追加されたキャラクター毎に用意された各々原稿用紙五千枚のストーリーが、完全な再
現性で作り出すシアトリカルな世界観が、プレイヤーを異世界に!
・ミステリー&アクション!
 キャラクターによっては総計一週間にも及ぶミステリーを、爆音で鼓膜を劈くアクション
を再現! 疲労で再起不能(リタイア)するかどうかはプレイヤー次第!


 バスケットに入れた猫 -CARCASS WORK-(仮題)

 今春稼働予定。

 キャラクター紹介の追加は随時。
 

68 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/05/28(土) 03:46:54

 ……技なんて思いつかねーっスね。
 やはり書き出しが早急だったかッ。

 ま、まあ。書いてある通り、あくまで「随時」、いつになるか、は……あ、あはは。
 はぁ。
 情けねー。
 

69 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/05/28(土) 03:52:40

 ていうか、ま……こういうトコが「キャラネタ」としての「ネタ」をどう処理して行けるか、
なんでしょーけどね。
 あー。
 ダメじゃんアタシ。
 

70 名前:ミハル:2005/05/28(土) 04:48:31
 トリップ漏れるみたいなんでトリップオンリーは止めにして貼り直します。
 念の為に言っとくと、以下はウチのスレの間違いなくウチのレスです。

71 名前:「バス猫(仮題)」キャラクター紹介:2005/05/28(土) 04:54:37

「一切合財ここで纏めて根刮いで、そんで何もかも終わりだ――祈れ。テメーは『俺を怒らせた』」

・”イル”

攻撃力−A スピード−A 魔力−D 防御力−B スタミナ−/

※A=超スゴイ B=スゴイ C=人間並み D=ニガテ E=超ニガテ

・概要
 ヴァチカンの神父――で、公的な身分はカトリック教会助祭。地方都市で教会と孤児院を担当
している。
 現在は宗教騎士団最大勢力「マタイ」の騎士。ともあれ全エージェント中、異常な(戦闘のみ)能
力を誇る戦闘屋として認識され、その異端性から同僚との折り合いはけして良いとは云えない。
キレると割と危ない。甘味が好き。小動物が好き。十数年前に壊滅した騎士団、”マウリティウス”
最後の一人。エーフィ、ミハルの『兄』に当たる。
 彼の在り方はスラヴの伝承で言う「クルースニク」と呼ばれる存在に近い。とはいえ生物学的に
は人間に違いなく、教会側はそれを「異端」とはせずに取り込んだ。その異能は伝承のままに「変
身」――質量保存の法則すら無視して姿を巨狼に変え大鳥に変え、対象を食い散らす姿は教会
の定義する「悪魔」に近いのだが。
 途中の選択肢は審問局ルートを選択するか「家族の絆」ルートを選択するかで、装備、仲間、
ストーリーの方向性、果てはラストボスまでが大幅に変わる事に注意。「家族の絆」ルートのラス
トボスは正に脅威。

・キャラクター概要
 能力は平均して高い。精神力、魔力面が若干弱いが、(相手に拠るが)特に問題はないだろう。
攻撃力が(特に)高く、単発、連撃、共にラストボスを除けば全キャラ中最大に近い。ガンガン攻め
込んで相手の体力を削り取っていれば大概の相手はツブせるハズだ。また、ほぼ全キャラとの間
に成立する協力攻撃も破壊力は高い。出の速いエース・オブ・スペードを主力に、攻められるより
も速く攻め殺せ。また、EX技の”Cain's Personality”系列は非常に強力だが、多用するとルート次
第では酷い目に合う事も。注意されたし。
 魔術への抵抗は比較的高く、魔術を編むタイプのキャラ、”マリア”や”セシル”を相手にするの
は比較的ラク。ただしキャパシティは有限なので、無限に等しいキャパを持つルートAのボスや審
問局(=魔術師)の”クレア”は非常に苦手。→参照キャラ「セシル」「マリア」「クレア」(更新未定)
 初心者〜上級者まで使えるキャラである。
 

72 名前:「バス猫(仮題)」キャラクター紹介:2005/05/28(土) 04:57:50

・”イル”必殺技一覧(一部)

・Ace of Spades/You Suffer/Divine Death(素手・銃)
□技の名前に意味はない。彼の趣味以外は。
■それぞれ、引っ掻くような右ストレート(右向いてる時)、左アッパー、浴びせ蹴り。出が異常に
速く、相手の行動を牽制、抑制できる。Divine Death→Ace of Spades→You Sufferの順に繋ぐ事
もできる。なお、どれもゲージを消費する事で白い炎を纏う(ダメージ追加、ダウン属性を付加)。
エース・オブ・スペーズ単発で当てた場合、自分が先に動けるようになるので別の技に移行しても
いい。

・Raging Speedhorn - Wake the Chaos(素手・銃)
□瞬時に相手の懐に飛び込んで、勢いそのままに足裏を叩き付ける。Overkill:首を引っ掴んで持
ち上げて白い爆炎で包む。
■一度飛び上がって蹴り付けるので、連続攻撃には組み込めない。例外的に浮かせた相手を蹴り
落とす事には使えるので、追加攻撃には向いているかもしれない。単発でヒットした場合、ゲージを
四分の一消費する事でオーヴァーキルを発動可能。飛び掛る際に無敵判定が発生。
「地獄まで――ブチ抜けッ!」

・Black Flag(Light/Hope Street/Hanging Moon-(Drop Out)/Last Light)(素手・銃)
□外見からは想像できない怪力は、優に体格以上の膂力を発揮する。触れ合うような接触でラク
に頚椎を砕き、その一突きはクレーンの一撃にも等しい。故に異能、異端。騎士とは如何に。それ
ぞれ、First Light/Hope Street:踏み込みからレバーブロウ→掌抵での打ち上げ。Hanging Moon:
浮いた相手の首を鷲掴んで地面に叩き付ける。Last Light:対象を追う形で跳躍、足元から顔面ま
で踏み上がり、仕上げにカカトで蹴り落とす。Drop Out:Hanging Moonの追加攻撃。倒れた相手に
ハンドガンでの速射。ボタン連打でHIT数が増加するが、最大で34HITが限界(グロック二丁装備、
フルロード状態で)。速射後は蹴り飛ばして距離を離す。
■連続コマンド入力技。ファースト・ライト→ホープ・ストリート→ハンギング・ムーンorラスト・ライト
の順に繋がる。単発ならラスト・ライトの方が破壊力は上だが、ドロップ・アウトは追加攻撃に繋げ
ることができる&ミスしても反撃を受けない。

・Bloody Kisses(素手・銃・刀)
□「魔術――魔術魔術、魔術師ねぇ。いいや、別に問題はないさ。オールオーケイ、そうとも。俺に
問題はない(、、、、、)。さて? どうだ? まだ動けるか? まだナンかできるってか? オーケイオーライ、
やれるならやってみりゃあいいさ。力が入らない? 精神が集中できない? 後者の理由はカンタ
ンさ。テメーにそんな力は残っちゃいない(、、、、、、、、、、、、、、、、)。俺がただ噛み付いただけだとでも思ってんのか? 俺
はドラキュラだってか? はぁン――まあ――最後にイッコだけ教えてやるよ。テメーが死ぬ前に
一つだけ教えてやる。大した問題じゃないし、トリックでもなんでもねーから。俺の身体は――どう
もテメー等が言う所の”あっち”側の世界と繋がってるらしくてな。専門家が言うには「繋がってると
言うよりもあっちのもので出来ている」――とからしいが、つまりつまればつまる所――なぁ、エー
テルって解るよな、専門家サン。俺の身体は――つまりだ、ソイツを底無しに喰らってくれるってシ
ロモノらしいぜ。まだ解んねーかな、解ったかな――噛んだんじゃなくて、吸ったんだ(、、、、、、、、、、、、、、、)。解るかよ?
しかし、フン。勘弁してくれよ――なぁ、ダセェぜ、あんた。這い付くばってんのもダセェし、俺を睨ん
でるのはウゼェしやっぱテメー駄目だわ。ダメダメ。もう駄目だ――な、あんた。もう充分だろ? ま
あアレさ。――もうウゼェから、死ねっつーコトで」
■コマンド投げ。相手を捕まえて抱き寄せ、首筋に喰らい付く。相手の魔力ゲージ残量を根こそぎ
奪い取れるが、抵抗の強い相手――例えば、「セシル・ヴィルキエ」を始めとした審問官は効果を
無効にするので注意。追加入力で吸った後に首筋を食い千切ることができる(ダメージは小さい)。
 

73 名前:「バス猫(仮題)」キャラクター紹介:2005/05/28(土) 05:03:33

・I Am The ”LAW”(素手・銃)
□「俺が法律だ」
■コマンド投げ。相手を引っ掴んで腹に三発、顔面に三発の銃撃。殴り倒して更に銃撃。ボタン連
打でHIT数増加。素手時はボディブロー→首筋に噛み付く→殴り倒し→踏み付け→蹴り飛ばしに変
化。噛み付きはエナジードレインとは違ってダメージのみ。グラフィックは殆ど”食い千切る”。
「――避けてみな」

・No Shelter
□「アレについて――ね。ハイハイ、オーケイ、前金で五千ドル、こんだけ払ってくれる上客を無下に
はできねぇよな。だからアンタがどこの組織のヤツだろうがデイリー・ニューズの新聞記者だろうが教
えられることは教えるさ。おっと、FBIとラングレーは勘弁だ。で、そうそうアレは……いいや、もちろん
当然、「それが俺です」なんてオチはねーよ。ブロンクスの伝説――伝説、レジェンド。いいねぇ、悪く
ない響きだ。一度は夢見るモンだが、そういうモンは得てして自分で名乗るもんじゃなし、と。ふふん、
ま、だがこいつはそんな「伝説」の類じゃあ、ねぇ。アル・カポネやモンク・イーストマンやビル・ザ・ブッ
チャーみてーなハナシを期待されてるなら、ちょいとご希望には答えられないが――それでもいい、
と。……オーケイ、それじゃヨタ話と思って聞いてくれ。怪奇現象一歩手前、UMAかX−MENか、その
類のハナシさ。――なぁ、アンタ。銃は使ったことがあるかい? レンジで。へえ……ン、まあそんなと
こだよな。この国だからって誰でも彼でもバンバンぶっ放してるワケじゃあない。所でこいつはベレッ
タだ――使用弾薬は9ミリパラベラム、手頃な重量とジャムり難さは折り紙付きでよ、アメリカ軍の正
式採用ってのはダテじゃない。俺が思うに、このグリップのラインは――ほら、エラくセクシーだろ?
人を殺す武器ってのはよ、ソイツは工芸品としても優れてるべきなんだ……おっと、別にアンタに向
けてバン、なんてことはないさ。報酬だけ貰ってバン、なんてことはない……アンタもそんなヘマはし
ねーだろ? なるほど、行き先は知り合いの警官に告げてきた……ね、それでもまだまだ不備はあ
るが――まあいいさ。これは俺の愛着でね。グリップからフレームまで入れ替えたのがまだ塒に幾
つかストックしてあるんだ。どう繋がるのか? そうだな……繰り返すが、こいつは銃だ。人間を殺す
為の”兵器”ってヤツだな。人間ってのは思いの他に強くて死に難いが……ふん、殺そうと思って殺
せない生き物じゃあない。だから俺達は成り立ってるんだが――さて、本題にレクチャーを移すが、
そこで強力なのが近代兵器……個人レベルのコイツらだ。まさかバズーカなんぞ家に隠しとくバカ
はいねぇだろ? ライフル? はん、悪くないが……この話の主役はワンショット・ワンキルなスナイ
パーじゃない――なあ、あんた……プロとプロが差し向かいで二対一で撃ち合ったらどうなるか解る
かい? 良くて一人道連れに一人の側が天に召されるだけだが――大概は二人の側が一人を無傷
で撃ち殺してハイ終わり、だ。なんでって、そうデキてんだよ。人間の心理状態も、運動力学的にも。
解り易く言えば数の暴力さ。こいつはとかく絶対で――ほぼ、間違いなく、誰だろうと覆すことはでき
やしない。ホントかどうか、スティーヴン・セガールかジャン・クロード・ヴァンダム辺りに聞いてみると
いいぜ。キアヌ・リーブスでもいい。さて、それじゃここで質問だ。三百メートル四方内、三階建ての
施設に篭ったプロ百二十六人、コイツ等を皆殺しにできると思うかい? 付け加えるぜ。一人で、だ。
一人で百二十六人。イエス? そう、イエスだ。ムリだよ。だから伝説なんだ――が、同時にヨタ話な
のさ。普通なら考えもしねーやな。そう、まったくバカげてるからよ。質問? オウケイ、で、なんだっ
て? コイツはエモノに何を使ったか――グロックだよ。そう、あのオモチャみてーな銃を二丁、それ
だけだ――信じろっつー方がムリだぁな、こりゃよ。そもそも「二丁拳銃」なんて幻想、ハリウッドだけ
やってりゃいいっつーの。……何? 続けてくれ? 奇特なヤツだぁな、あんた。フツーなら今のとこ
で「カネ返せ」の一言が出てもイイのによ。返さねーけど。……オーライ、それじゃ続けるぜ。結論し
て、「そいつ」は”そういう”ヤツだ。人間一人をラクにミンチに変える量の弾幕の雨を走って掻い潜り、
百二十六人悉くをヘッドショットのピンヘッドで一発づつ、無駄弾一つなく血祭りに上げて挙句に三十
メートルの屋上から跳んで消えた――ふ……く、くく、ひゃはははは! お、おい、おいおい、笑って
いいぜ、ここ。ギャグで言ったんだ、マジだぜ。マジでギャグだが、内容もマジだ。フン、何で知って
るってそりゃ、見てたからさ。ロザリオ握り締めて、祈るように椅子で震えて見てたんだ。見てた訳だ
よ、そのダンス・オブ・デスをよ――……あー、あんた、「イクイリブリウム」って映画見たことある?
B級だけど。ない? そっか。あー、じゃ、「ブレイド」だ。こっちはある? オーケー。カッコいいよな、
ウェズリー。主人公のタイプはちょっと違うが――まあ似たようなモンだ。”どんな弾にも当たらず(、、、、、、、、、、)”、
撃てば必ず当てる(、、、、、、、、)”――掻い摘んで言うが、早い話、人間の耐久力と反射神経、ついでに視神経
の反応には限界がある。それを越える動きにゃ人間は対応できねえし、ましてタマと同速の怪物な
んぞに襲われた日にゃ、フレディ・クルーガーとガチンコした方がマシだって気分にもなるぜ。ふふ
ん、フレディ、フレディ――か、コイツはいいな。規格外のモンスターって点じゃ似てるかもしんねー
や。フレディ・クルーガー、ジェイソン・ホービー、プレデター、エイリアン、あー、ドラキュラ伯爵も付
けとくか? そいつが「証拠隠滅」なんて必要としてねーのも、俺を生かしておいて平気なのも、そう(、、)
いう事だ(、、、、)モンスターがやったことなんざ警察は信じねえし(、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、)三流のバカ話載っけてる新聞社もジョ
ークで扱うのが精々だからだ。俺が見たのは、そういうヤツ(、、、、、、)なのさ」
 

74 名前:「バス猫(仮題)」キャラクター紹介:2005/05/28(土) 05:26:20

「あん? そいつがどんな姿をしてたかって? そうだな、全身白づくめの司祭服(、、、、、、、、、、)――なんて云った
ら――、アンタ、信じるかい? はん、それが売名行為だったらどうだ、って? あー、あーあー、そ
うだな言えてるよ。ありゃ自己アピールがキツ過ぎたからな……いやいや、そいつの姿さ――映画
ならともかく、現実には「目立つ殺し屋」なんてのはどこにも居やしねーのさ。だからよ――思うに、
殺し屋じゃねーんだろ(、、、、、、、、、、)。アンタ、信じるかい? 神を信じるかい――なんてな。いや、ちょっと近いか。
そいつはな、多分――本当に、司祭だったのさ。少なくとも精神的には。なんで、って――真っ白な(、、、、)
カソックを着た、神父だからさ(、、、、、、、、、、、、、、)。俺が祈りながらチビりそうになりながら震えてた屠殺場は、カトリック
の教会を一件ばかし無理に取っ払おうとしてたパスタ野郎の塒でよ。だっつーのに、イエス・キリスト
のイの字も知りそうにないノータリン共で、信仰心はフランクリンが印刷された紙束にだけ向いてるよ
うな連中だった。当時の俺はボスの使いっ走りでそこに出掛けてた訳だ。――心底後悔したよ。下品
なイタリアン・ジョークを三十分聞かされて、アメリカンの意味も知らねーだろうクソ不味いコーヒーを
三杯も飲まされて、そしたら天井のガラスをブチ抜いて死神のご登場だ。いきなり俺と話してたパス
タ野郎のアタマがブッ飛んで、同じ部屋にいた連中のアタマが片っ端からブッ飛んだ。シャレにもな
んねーよ。俺? 俺は連中の『仁義』とやらに従って銃を車に置いてきてたからさ。仕方ねえからロザ
リオ掴んで跪き、ジーザス・クライストに祈りを捧げてたんだよ。ヤツは――俺を一度だけ見て、それ
から少しだけ笑って、それからギグを始めたよ。ありゃあ、もう……そう、芸術的だったね。ダンダンダ
ン、一発残らず一発で殺して(、、、、、、、、、、、)、弾が切れたらピアノを弾くみてーにリロード――いいや、リロードする
トコすら見えねーのさ。いや、身のこなしすら見えない、と言った方がいいかなな……パスタ野郎が
そん時に部屋で流してたのはありゃ、”ボヘミアン・ラプソディ”だったかな。だが、俺の意見を言うな
ら、あそこで流れるべきは……リンプ・ビズキットかメタリカ、スレイヤーのラウドでハイなミュージッ
クだ。「エンジェル・オブ・デス」か「クリッピング・デス」、それともマリリン・マンソンの「ファイト・ソング」
か――いや……まあ、それだけヤバかったんだよ。ヤバくて、クレイジーで、タフで――正直、見蕩
れた。だってな、想像してくれ。それまで銃ってモンを十メートルの距離なら当たるも当たらぬも運次
第、相手が動くなら三割当たれば上等、二十メートル五十メートルで当てるのは至難の技と思ってた
駆け出しがだぜ――百メートル先で開いた扉から顔を出したヤツの顔面を一瞬でブチ抜いちまうよう
なガンマンをよォー、一秒で十人以上、人間を一瞬でダース単位肉のカタマリに変えちまうモンスター
を見たんだ。スゲぇショックだよ。衝撃、大衝撃、コイツはもう信仰と言い換えてもいい。死を運ぶ為に
閃き踊る二丁のグロック――ありゃ17だったかな。あー、あれだ、そうそう、そうだ。グロック17、キュー
トでシステマティックなキリング・マシンだ。聞いた話じゃ、そいつ(、、、)はいつでもグロックらしい。思えば、
あれを見て、その話を聞いてからだったかな……仕事の道具は選ばねぇが、拘りを持とうとか思った
のはよ。グロックじゃなくてベレッタなのはマネはイヤだったからっつーか……どうでもいいやな、それ
は。ん? 「なんでその話を、誰から聞いたか」? ナイスな質問だな。もったいぶらずに教えてやる
よ。ズバリ、ソイツは別の場所でも目撃されてるからさ。白い死神、抹殺神父――ここまでで三千ドル
分は喋ったか? じゃ、そろそろラストだ。そいつの目撃例は――少ないが、ある。俺達の業界では、
眉唾レベルで有名だ。アンタだって聞いたから俺を見付けた。だろ? イエス。そいつは、いる。”マッ
ド・ラビット”、”ホワール・ウィンド・リーパー”――そして、”ノウ・シェルター”。聞いた名前は幾つあっ
た? 全部、ウワサだよ。怪物じみた殺し屋のウワサさ。だが、ああ、掛けてもいい。あんたが俺を信
じるなら、それはマジな話なのさ。例え核兵器対策のシェルターに篭ってたって、ヤツには通用しな
いだろうぜ――ヤツは壊し、殺し、そして殺す。だから”ノウ・シェルター”さ。あん? ああ――そうそ
う、その名前を付けたのは俺だったな。いつの間にやら広がっちまったが……こりゃいい、レジェンド
に憧れるクセに自分でレジェンド作っちまってる訳かよ、俺は。くくく……いや、まったく、こりゃ傑作だ
よ――あーあ、ああ、っと。ふん? まだ聞きたいことがあんのかよ。なになに、ソイツがどこにいるか、
って……さぁな。ベガスでスロット回してるかもしんねーし、ウォール街でサラリーマン脅してるかもし
んねーし――いやいやいや、アイツは、違うな、そうだな……もしかしたら教会で跪いて「おお、神よ」
なんてやってるかもしんねぇやな。けど、そうだ。丁度いいや。アンタ、もしも会えたら言っといてくれよ。
「アンタの伝説を作った男が、アンタに会いたがってる」ってよ。……おいおい、ケンカ売ろうなんて考
えてないぜ――マジさ、憧れてるんだよ、俺は」
■接近系のプチ乱舞。ヒット後、蹴り倒した相手の上に踏み乗って残弾+マガジンチェンジ四回分の
乱射を浴びせ掛ける。最後にハラを蹴り飛ばすので距離は離れる。使いやすい。
 

75 名前:「バス猫(仮題)」キャラクター紹介:2005/05/28(土) 05:33:26

・虎切刀/影打・躯砕(刀)
□肉体能力の限界で繰り出される、文字通り”人に成し得る身体能力限界”の斬撃。「鞘から抜き
放つ」動作一つを、鯉口から抜き打ち斬り付ける薙ぎ払い、真っ向への斬り降ろし、初刀の軌跡を
なぞる逆胴薙ぎ――と収斂させる曲芸直前の剣技。否、剣技というにはあまりにも破綻した論理
である。「影打」:斬り払いの逆胴が入った瞬間、片手(右利きの彼は右手)を刀の峰に添え、更に
一歩踏み込んで心の臓を穿つ。況やこれは曲芸を極限にまで発展させた絶死の体術であろう。
「見えても避けられない」「見えても受けられない」のではなく、「見ることすら適わない」斬断の条
線は、技術を凌駕した域から生まれた奇術なのだ。
■発動後、相手の目前に一足飛びして斬撃を放つ。同時に炸裂する軌跡は三条、HIT数も同時
に三HIT。初刀が当たれば後はガード不能。追加入力の「影打」は壁際でHITすると対象を刀身
で壁に縫い付ける。

・雲耀落(刀)
□気は静めよ。相手を目視し、一刹那よりも速く踏み入れ、斬り伏せる。そこに払い、受けなる技
量の意味などなく、戦場を支配する観念は気迫と斬奸の意思のみである。
■リーチの長い斬撃。出るまではけして速いとは云えない、が、斬撃スピードが異常。破壊力が
高いので攻撃を誘ってカウンターに。ボタンを押し続けるとガード不能になる。

・鸚鵡捻り(刀)
□技と言うよりも技術。敵意に合わせて「意」で反撃する。達人は大砲の砲弾を断ち切り、同頃に
繰り出された十の切先を退けたとされる。
■上段、下段、どちらのHIT如何に関わらずカウンターする特殊攻撃。対象が銃弾なら飛び道具
でも対応する。
 

76 名前:「バス猫(仮題)」キャラクター紹介:2005/05/28(土) 05:47:44

・”イル”EX必殺技一覧(一部)

・ILL−”神の疫病”(素手・銃・刀)
□「俺の名前? そうだな、なんつったっけ――」
■突進系のEX技。HIT後、無数の打撃と銃撃で対象を血祭りに。装備でHIT数、攻撃の形式が変
わる。また、「Cain」発動時の破壊力は通常の1.8倍。出が速いので弱・強攻撃からも繋げていける。
食い殺せ。
「ダラダラ生きてよぉ――調子コイてんじゃねぇぞ、このド低能がぁぁぁッ!」

・Cain's Personality−”Nattens Ulv”(素手・銃・刀)
□「……ああ、起こしてしまったか。ごめんね。その表情は「カチャカチャカチャカチャ人が寝てる時
に煩ぇんだよガキ」と言いたそうな顔だから先に弁解しておくが、こう見えても僕は君の昨日の疲労
具合から推測して、この時間帯なら少しは物音を立てても睡眠妨害にならないだろうと予測したの
だよ。しかしどうも予測を上回って君の神経は過敏というか敏感というか繊細というか注意深かった
ようで、ふん……正に野生の感、第一級のスナイパーを凌駕するような素晴らしさと言った所だ。し
かしついでに言わせて貰いたいが、その過敏さは二年来の友人、生涯の親友であると自負していた
僕にさえ気を許していないのと同義だな。恐るべき身持ちの硬さに感嘆すると同時に、正にその事実
について僕の自信がブッ壊されそうな気分だ。おや……それは「いいからさっさと黙って寝ろ」と言い
たそうな顔だね、それは。解っているとも、なにせ君は明日――いや、この時間では既に今日と言う
べき今日に仕事を大量に抱えているのは解っている。だがね、君の隣で布団を引っ被って寝るのは
確かにカンタンだが、僕はこれでもそれなりに責任ある仕事を任されている身なんだ。サボリ方を憶
えればサボれる仕事というのはあるらしいが、僕がサボれば明日から色々と立ち行かなくなること
が出てくるからそうも行かない。は、責任なんて負いたくない物だよ。僕は地位よりも自由を望むね。
まあ、どうせこの性分は生れ付きだから望むだけで満たされはしないのだがね。君はいつも疑うが、
僕のこのガキ同然の身体はそれでも二十年以上を生きていることを忘れて貰っては困る。――前
フリが長くなったな。やぁれやれやれ、その顔は「スッカリ目が醒めた、十時間熟睡してバッチしな
気分だぜ」とは程遠い睡眠状態だな。なら仕方ない。僕がコーヒーを入れてあげよう。光栄に思っ
てくれていいよ。僕が自分でお茶を淹れて上げるのは、少なくとも三人の同僚にだけだからね……
もともと僕のせいだから当然だって? 女の子には言わないようにね、それ。嫌われるよ」
「さて、適当にドリップしてみたハワイコナで寛いで貰ってるが、漸くと僕の仕事も完了だ。後は朝八
時まで三時間、体力と気力の回復を図って休もうと思うんだが……いや、いやいやいや、君の睡眠
妨害して僕だけ眠ってしまっては申し訳ないか。当然ながら君が寝付くのを確認してからだよ、もち
ろん。これに関してはもちろんにもちろんを重ねると確約しよう……そうだな、少し君が眠くなるまで
話をしてあげようじゃないか。ドイツ人の僕が寝しなに話をってのが意外かな? ふふふ、別に意外
じゃないだろう。君の国――この国じゃなくても子守唄って概念はあるし、親が子に眠る前に話を聞
かせて上げたりはするものさ。で、いいかな? ……よし、その厚意と好意に感謝しよう。ふ……好
意は違うって? 発音はまるで同じなのにそんな場所にツッコミを入れるのは君ならではだな。で
は好意の上の行為で返して貰っても――冗談だから聞いてほしいね。さてと、こいつは昔話でもな
ければ映画の話でも君の好きな音楽の話でもない。おっと勿論、こんな時に仕事の話はしないさ。
安心してくれ。ある意味では安心できない話だが――。これは僕から君への好意の上で以って、
信頼の上での信義、忠誠の上での忠義で話すことだ。だから別に茶化してるんじゃないってことを
少しだけ意識してほしい」
 

77 名前:「バス猫(仮題)」キャラクター紹介:2005/05/28(土) 06:14:15

「うん……美味しいコーヒーだな、我乍ら素晴らしいデキだ。自画自賛――、これは嫌いな言葉じゃ
ないが、僕には似合わない。しかし君と居る時になら使っていいと思っているよ。君は僕の自信で、
誇りだ――さてと、唐突に言わせて貰おう。君は夕暮だ。『本当に唐突だな』って顔だね。ま、それも
仕方ない……ちょっとだけ狙ったのさ、今。しかし言ったことは本当だ。繰り返そうか。君は夕暮だ(、、、、、)
意味が解らない――というより、「つまらない」と言った顔だな。まあ、面白い話じゃないのは認めるし
観念論だから果てしなく仕方ないが……やれやれ、思うに君はアインシュタインにもニーチェにもグ
ルジェフにも興味を示す人間じゃないな。良いだろう、少し言い方を変えようか。君は一日をどう振り
分ける? 朝、昼、夜……ね。なるほど、そいつは妥当だ。昼を両天秤に、朝と夜の対極は、割と多
く知られているからな……しかし、昼の逆位相は夜だよ、イル。『昼と夜』だ。『灰の夕暮』――この単
語を憶えているかな? 一年前くらいに君が不思議がっていただろう? ほら、「どうして自分にそん
な名前がつくのか」とね。そりゃそうさ。付けたのは僕で、広めたのも僕なんだ――ふ、くく、あはは!
「本日二度目のビックリさん」ってな表情だな。ふ、ふふふふ……ああ、いいな、気分がいい。その顔
は可愛いよ、イル。ははは……いやいや、最初はそんなつもりもなかったんだけどね……仕事仲間
は憶え易くて好みだ、なんて言ってたから、あのまま通してしまったんだよ。灰の夕暮――というの
はね、ああ……いや、そうだな。アンサー前に意見を聞いてみたい。君はそう言われて、「灰の夕暮」
と言われて、どんな光景を想像するかな? ふむ、雨――雨空? そうか、雨空の夕暮……正解の
一つだな。それにそうだな、微妙に詩的で良いよ。君は理系というより文系だな、さて。私の故郷の更
に北ではね……夕陽が滅多に見えないんだ。真っ白な昼が、気付けば転じて夜になってる感じかな
……それだけに夕暮の感動はひとしおでね。明けの明星を拝むような気分になるんだ。だから君が
言った雨空とはまるで逆の意味になってしまうか……僕が定義した名前は、そうじゃない。唐突な変
化、両極の存在、存在の変転、濁流と清流――君を定義するのなら、ゼロか一の二進数が一番適
切なのだろうと思ってね。一秒前まで話していた相手ですら敵と認識すれば容赦一片なく蹂躙する
残酷さと、僕のような性格異常者――ああいや、生体異常者にも宿を貸す気になるような大らかさ
……――それとこれとがどこをどうしたら繋がるのかってくらいさ。だからそれを統合する君の意識
は、きっと正でも負でもない。存在しない夕暮のような不確定さ――どうだろう。迂遠ではあったが、
そんなイメージを込めて、精一杯君をリスペクトして考えた名前だったんだが……おやおや、およよ。
君は気に入らなかった――と、そう言うのかね。勝手に付けるな? アダナなんてのは勝手に広ま
る物なんだよ。ユナ・ボマーがそうだったろう? 一緒にするなって? ふむ、そいつはまあ、確かに。
君は彼以上に殺してるからね。ふふ……君は、誰も信用していない。誰一人――、誰一人としてだ。
見ていて解るんだよ。一人の方が良いと思っている。君は、常にだ。誰かと過ごしている時の君は酷
く退屈そうだし、実に眠そうだ。『無関心』とは違うが、君の『関心』は自分の内にしかない。更に言う
なら君が音楽が好きなのは、周囲の音との隔絶だ。映画が好きなのは視覚情報の隔絶……既に
定義された映画という情報だけを覗いていればいいからという前提に基いた、内面への没頭だよ。
自覚していなかった、って顔だね。無理もない。だけど……じゃあ聞くが、君に恋人がいたことはあ
るかい? 肉体関係の有無を聞いてるんじゃない。いいや、それにも僅かに掛かってくるかもしれな
いが……だが、例えばそうだな。君は、明らかにベタベタと常に誰かと過ごすのを嫌っている。『キス
をしてもそれだけ』、ノリだけでするタイプだよ。恋人所じゃなく、そういう意味では君は友情さえ否定
するだろうな。『友達』という言葉にすら嫌悪しているように思えるくらいさ……いや、無論のこと、君
に友達はいる。親友と呼んでも差し支えない、周囲の人間と比較しても上等なレベルの結び付きが
ある――あるだろう。だが、それでもだ。それでも君は誰をも信用していないし、誰をも友人と思って
いない。在り来たりなカウンセラーならこう言うだろう。「自分から信用しなければ誰も信用してくれ
ない。友人は作る物だ」――そして、君はそれを本当の意味で嘲笑えるタイプの人間だ。独裁者よ
りも冷徹に冷血に、好意を踏み躙れる人間だ。処刑人よりも淡白に酷薄に、誰かを見捨てられる人
間だ――……そうそう、いい言葉があったかな。『割り切った関係』が好きなタイプの人間だよ。極端
な例じゃ一方的に自分の欲求を満たす強姦魔に近い――だが、君と連中との決定的な違いはね、
確実にあるんだ。論理と矜持、そして培ってきた信念と確固とした真理。そう、君は敵に容赦しない。
そしてその『容赦のなさカゲン』ってヤツは実際、恋人や親友に向けられた”信頼”の度合いよりも確
実な、確かなものなんだよ。一方的な蹂躙を敷いて組み伏せるその瞬間にこそ、君は信頼を寄せて
いる。こんな話がある。二十年前の話だ。ある殺人鬼は――彼は女性を次々と殺し、死体を強姦し
まくった挙句に警察に捕まって、未だに懲役に服している。彼はこう言った。「今までそいつの物だっ
た身体が自分のものになる。その瞬間に生きていると実感した」とね。IQは160前後だったかな……
僕には遠く及ばないにせよ、平均よりも少々高い水準の知能を持ってはいた。いた――が、彼は世
界の一般基準から見て「狂人」でしかなかった。当然だ。狂人でしかないものな。なぜなら彼の矜持
は歪んでいるし、彼の論理は破綻している。彼の真理は崩壊している。自覚のない悪意、それは既
に形而上の悪だ。いわゆる『最悪』というヤツだよ。時に邪神や魔王と呼ばれる類の絶対悪だ」
 

78 名前:「バス猫(仮題)」キャラクター紹介:2005/05/28(土) 06:28:34

「僕は自己犠牲が『正義』だなんて考えられるようなおめでたい馬鹿ではないが、それでも怖気をふ
るうような悪――許し難い邪悪くらいは理解できる。……――そして、その異界に存在する悪には対
立概念が存在しないことを理解している。悪を打ち倒すのは、より凶悪で強烈な悪か、それを虐げる
「法」、ルール、真理だということを理解している。僕が君に惹かれるのはね、イル。そこさ(、、、)。僕は、君
と一緒にいるだけで誇り高い気分になる(、、、、、、、、、)。君は僕を気高い気分にさせてくれるんだ。閑静なイギリス
の大聖堂で跪いているよりもずっと荘厳で壮大な、絶対的な観念に信頼を寄せている感覚を憶えさ
せてくれる。僕はそれが好きだ。その感覚を愛している。確かと言えるものがないこの世界の隅から
隅までの中で、君は僕の唯一の止まり木と言ってもいい。その感覚以上に――だから僕は君を愛し
ている。僕が好きなのは安寧だ。真の意味での、静寂だ。平和は争いの温床で、孕んだ緊張は争い
に満ちている。そこに生きる君は平和の白であり、混乱の黒であり――その理性は両端を束ねる灰
色だ。それはけして汚せない瑞花のような白と、法を越える黒すら、更なる”法”で打ち従える”法”の
「漆黒」を、無限に深い夜を束ねた渾然色だ。それが君の力なんだよ。……さてと。この長い前フリを
全て纏めて結論に繋がる話をしよう。まだあるのかって? あるに決まっているだろう。僕達や「仕事
屋」――こと、フリーの魔術師にとって君の力が脅威であることに変わりはない。誰も、姿すら見付け
られなかったあの「碧の辻」を暗殺しただけでも、君は姿もなく行動の知名度だけがウナギ昇りだか
らね。遺跡ごと破壊されたノルウェイジアン・ブライトの連中は可哀相なくらいだった、が……まあ、
同情はしないよ。君がそうしたかったのならそうすればいい。僕はそれを認め、肯定し、真理とし、布
教しよう。そう、君の能力(ちから)は――本題になるが、君の能力だ(、、、、、)。僕は、あれが非常に興味深い。伝承の
ヴァンパイアですら、あそこまで極端に自分を変質はさせないよ。質量保存の法則もエネルギー保
存の法則も無視できるのは、形而上の神か悪魔しかないと思っていた。できれば研究したい所だが、
多分解明も出来ないだろうし――それ以前に何より応用方がないだろうから、流石に興味本位で取
り掛かれるような物でもないな。まぁ、それはいいさ……君は、マンフレット・ラーカーを知っているか
な。いや、無論知らなくても構わないよ。日本ではあまり有名とは言い難いからね……彼は犬に関
して、興味深い考察をしているんだ。犬――そう、あの犬だよ。犬と言うのは両価的な動物でね。狩
人の伴侶である反面、野生の捕食者として忌み嫌われる。神聖の象徴としてはエフェソスの七賢者
が有名かな。それに加えて、犬は死との相関を現す事でも最も有名だ――ケルベロスの逸話に限
らず、巨石文化の時代から人は死者と共に犬を葬った。犬は死地を導く先導としているからさ……
インドのヤマ、一番有名なのはエジプトのアヌビス神と言った所かな。そう、死の神は犬の姿をして
いるんだ。そう、犬……おいおい、いきなり顔を顰めないでおくれよ。まだ話は終わっちゃいない。僕
の話が迂遠だと言うことは自分でも理解しているが、その無意味さも楽しんでくれると信じているよ
……ふふふ、無理だって? そいつは参ったな。だが強引に続けるよ。君と一緒にいられるんだ、
何か話をしていたい。さて、君は犬のことをどう思う? ……抽象的だって? ふん、この質問はそう
いえば唐突過ぎるかな……犬、人間と共にあった犬を、君はどう考察するか、と聞いたのだけど――
ははぁ、いやまあ、確かにね。良い意味ではないな。「この犬め!」と言われると誰かの眷属、卑俗な
イメージが付き纏う。しかしそれはひたすらに忠節な忠義の現れなのだけど――例えば、君に対す
る僕のようにね。しかし僕は犬というより猫だな。君は猫が好きだったろう? にゃー……とか言って
みたりして。ふふ。目が一瞬怖かったぞ。掴みかかられるかと思ったな。いやそれは好ましいが、さ
て。転じて狼はどうだ。犬科の動物としては最大にして最強なのは言わずもがな、狼の力を得ようと
したベルセルク然り、勇猛な動物の代名詞だ――反面、群を成して行動し、かつて追い出された群
の首領が続に言う「一匹狼」になるシビアさはライオンのそれに似てもいるな。……あくまで、動物の
狼は、だ。君はストックホルムの歴史博物館に出向いたことがあるかい? そこにはブロンズ製のレ
リーフが保存されていてね……題して「フェンリルの束縛」と言った具合の彫刻が飾られているんだ。
ハッキリ言って「フェンリル」と言うには想像を絶した、いや――あまりにおぞましい姿が正に「最悪の
怪物」を表現しているかもしれないが、……まあともかく、そんな怪物が彫られているんだ。そう、この
話は有名な終末論(エスカトロジー)だよ。神々の黄昏、ラグラロク――有名過ぎて言うまでもないな。その細部まで
知っている人間がどれだけいると質問を変化させれば話は別だが、凡そラグナロクの根本的な理屈
は伝え聞く通り、誰もが知る通りだ。その破滅に於いて狼達は破壊を担う。世界の根幹を壊し、世界
の中心を殺す。主神を食い殺し、太陽を滅ぼし、月を破壊する――オーディンを殺す、というのはね、
イル。主なる神を、人間内部の意識を殺すのと同義なのさ。霊感と秘儀を破壊するメタファー、光と
いう光を抹殺する存在――それが狼、絶対破壊の象徴なんだよ。……だが、これは「悪」なのか?
フェンリル狼は現に殺され、未来へは新たな魂が羽ばたいて行く――これはサガを整えようとした詩
人達の脚色も大いに含まれてはいるが、一面では真実だ――と、僕は、思う。先にも言ったが、停滞
は死だ。どれだけ安定した世界に生きていても、安定は内部からの崩壊をゆっくりと促す。やがて溜
まり切った澱は全てを侵し、全てを殺すだろう。だからこそ――入れ替える必要があるんだ。世界の
総破壊、然る後の再生――狼はその為の剣であり槍であり――そして、生贄なんだ。……ん? な
んだい? それじゃ今の世界は総破壊の後か、って……ははぁ、ふふ。さあ、どうなんだろうね。僕達
は科学で地層から過去を、文明の痕跡で足跡を見付けてはきたが、嘗て滅んだ文明の全てを把握
できている訳じゃない。ラグナロクが何度起こったかなんてのは――解らないのさ。しかしそうだな、
敢えて言うなら……彼等、北欧の民が言うには「今はラグナロクの前」の世界なのだそうだよ。故に
破壊は内包され、澱は溜まりつつある。そしてフェンリルはどこかで――どこかで、ふ。そう、どこか
で牙を研いでいる。少々話を戻すが――犬が両価的であるように、狼もまた、両価的な動物なんだ。
僕の故郷では、白い狼は村を護る主語霊として扱われていた――……狼もまた、人と共に、と言っ
た具合にね。この国でもそうだろう? 僕が書物を読み漁った限りでは随分と強引だが、「賢き、貴き
神」――真神として狼を奉っているくらいだ。多分に恐れからくる畏れが強かったのだろうがね。強き
への恐れを祭り、畏れを奉り、これこそ祀祭の始めと成す。狼とはさて、果たして守護者なりや破壊
者なりや――終局的にはその狼が決めるのだろうが……ふふん、いつか全てが揃えば――北欧に
倣えば狂神と魔女と大蛇が起き、狼が吼え猛れば、全てが解る。何が選定され、何が破壊され、何
が選ばれ、何が生き残るのか。だから私は――最後に吼えるこの破壊者をこう呼ぼう……そうだな、
忌みつつ畏れ、敬い、夜の狼……と、ん……んんん? おや――おや、おやおやおや、これは。こ
れはこれは。君、イル。僕が締めを口にしている所で爆睡とはなんというか君、それは失礼じゃない
かな……いや、この時間なら仕方ないとは言えるけれど、これはなんというか、面白くないな……そ
れに君、君が頭に敷いているのは僕の膝なんだ。立ち上がるのは可哀相だから遠慮するが、キスで
もしてしまうぞ、やれやれ。……ふん。ふん、確かに、しかし、しかし、これは面白い状況だ――状況
だが、寝込みを襲うような人間ではないからね、この僕は。信頼の上での信義、忠誠の上での忠義
に則って、僕も眠ることにしよう。文字通り添い寝だが、やれやれ……明日、いや、今日起きて文句
を言わないようにしてくれよ……――お休み、愛しい僕の親友」
■巨大な狼に変身、そのまま対象に突撃粉砕。変身時にも攻撃判定が存在する上、ゲージを余分
に消費して変身した場合、突撃後も自分の操作で暴れ回ることができる。尚、飛び道具の類を貫通
するので強力。問答無用の全身無敵で敵陣を蹂躙せよ。「イル」の”Cain's Personality”系列中、恐
らくは最も使用頻度が高い技となるだろう。
 

79 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/05/30(月) 03:45:19

 うーわー……、酷。
 酷いっスね、誰だよこんな長いキャラ紹介作ったの。この編集最低じゃん。
 つーか何これ。技の解説でもなんでもねーじゃんさ。めっちゃ誤字多いし。文章ミスまであるし。
意味繋がってないとこあるし。直そうと思ったら直せるのにゴリ押したとしか思えな、
 い、
 ……ですゴメンなさいマジごめんなさい。寝ぼけたまんまダラダラ書きましたゴメンなさい。
 いやでも、ね、ね? アタシの中でレミー兄貴が囁いたんですよ、こ、こう、

『オーケイ、細かいことは気にすんなよガール。ロックンロールだ!』
「そ、そうだよね兄貴! ロックだよね! ロックは世界を繋ぐんだよね! 誤字なんて気にしてた
らレビューなんてできないよね!」
『そうさ! ロック! ロックだ! エース・オブ・スペーズ!』
「ロックだよ兄貴! オーヴァーキル!」

 ……。
 あ、いや。なんでもないっス。
 ただ、えーと、ホントに……ホントに!
 いやホント、深い、マリアナ海溝を凌駕せんばかりに深い理由があって、こ、こんなのにっ!

 ……つ、続きは未定っつーこって。
 めちゃ疲れたんスよ、今日。ホント。
 完全アウェーのライブだし、お客さんまでアウェーだし、そもそもアタシらみてーな異端者バリ
バリの人間がエモパンク全開のライブに呼ばれんのが間違ってるし……、
 っつーか誰ッ!
 アタシのバイクぶっ壊したバカはっ!

 散々。
 マジ散々。
 ……サマソニのお金、どーしよ。
 

80 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/01(水) 00:55:23

 ……ぬあぁー。

 駄目だ。もう駄目。改行タイミングと調整、疲れることこの上なし。
 なんてーのかなぁ、ううん。可読性を意識して逆に可読性下げてるカンジっつーか、
むしろ文章書くよりも改行に時間掛けちゃってるカンジ。フォントの問題もあるけど、こ
れじゃ本末転倒だよ。……うーん、普段あんまり意識しないからなあ。
 でも文章を「見る」のって結構拘っちゃうんだけどね。愚痴、ただの愚痴だけど。

 早いハナシ、例えばここで小説一本貼ろうとしても巧くいかないなー、ってこと。
 時間利用の作品とはいえ……うー。なんか勿体無いけど、貼るの諦めよ。
 

81 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/01(水) 01:02:46

 んで……このくらいの文章なら可読性も下げない、かな?

 ぶっちゃけもう、アタシらにやれることって時間的にも物理的にも限られてるからなぁ。
ネタであれこれアタシらを「ネタ」にするのはムリがありまして。
 一気にそれを解消できるのがオハナシだったワケだけど……まさかハード的な制約に
縛られようとは。恐るべし、WEB文章。
 ンなワケで、さっさとやれるとこだけサクッと片付けちゃいます。

 つーかまたネタでもなんでもないよ。
 やれやれだぜ。
 

82 名前:名無し客:2005/06/01(水) 18:46:01
>小説
別の場所にアップとか…どうでしょうか。

ミハルさんはお兄さんと出掛けたりしますか?
行くとしたらどんな場所でしょう。

83 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/03(金) 05:05:20

 ヘンな時間に目ぇ醒めちゃいました。
 ……コーヒー飲んでこのままガッコかなぁ。ま、いいけど。
 ライブ終わってから、ちょっと体調合わすのタイヘンです。

>>82

 別の場所って別のサーバとかココのアップローダーとか、そーいうんスか?
 フーム、む……

 だがッ!
 それではッ!
 「ネタ」にならないッ!

 あ。
 普段からアタシがやってるこたぁネタでもなんでもねーっつうツッコミはイタいんで勘弁ね。
 んでもま、理由はそんなんです。
 曲りなりにも「キャラネタ」って場所でやってるんだから。
 貼ろうとしてたのは前スレで約束してた「純文+ミステリの境界を探る〜エーフィ&ミハル
湯煙紀行編〜」なんで、あんま大したモンでもないです。ウソです。温泉はないです。でも
なんつーか、書いた後で村上春樹と太宰治を侮辱してる気分になったんで貼らなくて正解
かもしんないです。あと佐藤友哉さん好きですアタシ。
 ハイ次。
 えーと。
 えー、兄貴と……デートっスか。
 実は兄貴と一緒にいられる時間って、日曜の、それも限られた時間と回数だけなんスよ、
これが。なんでって、どーも……なんでだろ? お仕事忙しいんだと思うけど、気付いたら
いないってパターンがなんどか。家にいたらいたで妹弟がベッタリだし。

 それでも敢えて外に行くとしたら……うーん……ショッピングか、ライブか、ライブか、CD
屋か、CDかCDかCDか……あーうっさいうっさいうっさい、どうせアタシはマニアだよオタク
だよ。音楽聴いてりゃそれで幸せですよ。まあいいけど、つまりそんなトコです。

「……うわ兄貴っ! ちょっと! ちょっとこれ! カーカスの1stだよ初版だよ!」
「ウソ……って、マジかよオイ、ああそういやこれ、エースオブスペーズのデジパックだ」
「うそっ! めっちゃ豊作じゃないっスか! あ、そういえばこれ、兄貴、試聴ンとこで掛かっ
てたけどドローン系アンビエントでー、ね、よくない? 二千円は高いけど」
「へェ……ん、なる、ミニマルタイプのアンビエントか。面白いな。アコギと……あー……な
んだこれ、デジタルノイズがサンプリング?」
「アコギと、そーだと思うけど。あとピアノドローンの使い方ウマいよねー」
「ミニマルな音だなしかし……ポストロックとの境界、ってよりもテクノ・ポストみたいなさ」
「でしょでしょ? つーかコイツ等マイナー過ぎじゃん。オーストラリアのクラブ限定ってさ」
「ノイズ系にせよオーストラリアとウクライナはなぁ、こう、センスが――」
「……相変わらずマニアだねぇ」
「「あ、店長」」

 大概、周りにアレな目で見られてからハッとします。
 行き付けの店だともう慣れられてるからイイんだけど。
 もーアレっスよ。仮にアタシと兄貴が一緒にでもなったら完璧に音マニアな家庭が――
 言っててアレな気分になったんでよしときます。
 

84 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/03(金) 05:46:50

 んじゃまだちょっと時間あるんで。

 「やっちまった」

 と、仮に流行りのブログを使ってるなら、アタシはこう題したかもしれません。
 やっちまいました。
 「本格的に手は出さない!」と心に誓ってたのが音響・ミニマルタイプの音楽、ノイズミュージック
なんスけど……試聴したのがあんまりにも良かったんで、ズルズルと深みに。うあぁ。
 CD合計十枚、しめて二万五千円也!
 今月はフーファイもあるぜ! 「フーフォアアァーッ!」とか言ってたアレでなく、デイヴのアレ!
 合計して五万くらいCDに放り込む羽目になりました。なにやってんのアタシ。

 ……んでまあ、これなんだけど。
 これ。ノイズミュージック。前衛音楽。
 そもそも、「レイジ最高! 声を上げろ! 拳を突き下ろせ!」なアタシの意識とは根本的に違い
に違う、瞑想と妄想の境界に人間を引き摺りこむのがこのタイプの音楽です。聴きながら眠れるっ
つーか、むしろ聴いてると眠れると言いますか。ビート無き音に価値はナシ、な視点からすると、
正に「吐き気を催す邪悪ッ!」なんですが、これがまた。
 ヨイのです。
 ……うー。む。
 モグワイ辺りになると誰でも知ってるっつーかメジャーになり過ぎた感もあるけど、モグワイクラ
スはもう「認知された音」なんスよね。ニューロシスやアイシスやらまで知っててクロスオーヴァー
してるのってなんだかスゴいけど……ああまたオタク話。つまり音響ロックがハードコア畑のイン
テリジェンスと合体したって考えてもらうと解りやすいかもしれず。
 テクノの先、或いは……或いは、音楽の先の先、というのが正体なのかも。
 アタシ達みてーなメタルマニアとは、それこそ正反対、正と負、逆位相、例えるなら山岡四郎と
海原雄山、孫ゴハンとヤムチャでありまして。もちろんどっちがゴハンでどっちがヤムチャだっつ
ーことではなく。ファンタジーとノワール、アーサー王とビル・ザ・ブッチャー……マシンガンとエク
スカリバーの違いみたいなモンでして。アーサー王だってマシンガンでブチ抜かれりゃ死にます。
エクスカリバーの鞘の逸話なんぞ持ち出さないように。神話はもういいって。さて。
 例えばアタシ等が普通に知ってるのっつーと、LCD Soundsystem辺りになるんでしょーか?
 これもちょっとマイナーかもしれません。テクノに強い人は知ってるでしょうけど。
 敢えて納得が行かないとすりゃ、メタルのマイナーは「ヤバそう」「怖い」「ドロドロシテル」なイメ
ージなのに大してこっち側は「なんか神秘的」「キレイ」「修道僧みたい」と言ったイメージで、これ
はさながら人種差別の如き徹底排他の扱いを……お、をを、いや、私怨ではありませぬ。

 解り易く例を上げるならこんな音。↓
ttp://www.resonantlabel.com/zobiong204.mp3

 うーん……でも、ね。

 別んとこでも言った気がするけど、人間って幾つも趣味を持てないよね。極めるのなんて、それ
こそ一つできれば充分じゃないかな……なんて、改めて思っちゃいます。
 趣味に限らず、いろいろ。
 最近、色々やって、色々考えて、色々なことを手に入れて、また高いとこ見てヘコんでみてね。
 世界って広いなぁ、って。
 もちろん高みが沢山あるのは嬉しい事だし、まだまだ成長できるんだ、って思えるのは凄く励み
にもなるし、目標なんだけど……はぁ、富士山がエベレストに伸びた感じだよ、ほんと。
 CDで言うなら、聴くのには時間が掛かるし、買うのにはお金が掛かるし。まして聴き込んで理解
しようと思ったらハンパじゃないです。……でも、とまた思います。だからって気負って音楽聴くの
はアタシのスタイルじゃないし、そもそもそんなんでアタシはアタシのフィールド広げたくないです。
 ま、難しいけどそれなりに頑張ります。
 ボチボチやってます。
 やろうと思います、色々。今日から。今日も。

 ん。
 じゃ、今日も頑張ろ。
 またね。
 

85 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/04(土) 02:01:01

 「新作完成」

 とでもタイトルするとこですが、まだまだ細部がまだまだまだまだ。
 バンドでもこの間コンピに曲入れてきたんで、アタシもしっかりしたの作んないと。

ttp://www.shakon.com/images/ventill-poki-inner.gif
ttp://www.nexsound.org/images/ns30/ns30bg.jpg

 ところでこーいうデザインって新鮮です。
 久し振りにジャケ買いしました。音もステキ。
 この間CDショップの店長に頼まれて展示台を兄貴と日曜大工してて思ったんだけど、
LPのジャケってただ飾ってるだけでインテリアっぽくないっスか? 家が広いとそのまま
使えちゃいそう。
 つーか一番下、どっかで見た画風なんスよね。

 んー、でもキレイ。
 オーガニックなのに人為的に歪められた透明感が……って、文章じゃ表現無理無理。
 轟音ギターでアンビエンス。アタシも久し振りにやろっかな。

ttp://shop.relapse.com/dbimages/sleeves/6630_216.jpg

 そして結局いつも通りのジャンル。
 これがアタシの業か……ッ。



 ごめん、まだ休みます。
 

86 名前:名無し客:2005/06/05(日) 01:41:07
特に燃えた漫画を教えてください。
ジョジョとか今までここに出てきたの以外で。


87 名前:名無し客:2005/06/05(日) 01:45:48
特に燃えた漫画を教えてください。
ジョジョとか今までここに出てきたの以外で。

88 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/06(月) 18:38:34

 「バルバルバルバル」
 「ウオオォーム」
 に決まってんじゃないスか。
 

89 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/06(月) 18:46:56

 つまりッ!
 「バオー来訪者」!
 「魔少年ビーティー」ッ!
 「ゴージャス★アイリン」ッ!
 付け加えるなら「オインゴとボインゴ兄弟大冒険」に「死刑執行中脱獄進行中」も
忘れちゃあいけないッ!

 特に短編ながら「超絶!」の完成度を誇る「死刑執行中脱獄進行中」は、”デッド
マンズQ”の存在だけでも必読っスよ。”彼”はなぜ「在ろう」とするのか……? 死
とは、魂の所在とは、「安息」とは――「不安」を拒絶する、「安寧」を求める彼は、
どうして”そう”なったのか。生悪説を殴り付けるような「彼!」の存在は、”ジョジョ”
を読み進めてきた人間には感じるものがあるハズッ!
  

90 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/06(月) 18:47:31

 ……もしかして荒木作品以外ってことスか?
 

91 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/06(月) 19:09:32

 ほーかーは、そーっスね。
 敢えて言うなら「軍鶏」(初期)と「BASTARD!!」(初期)かな。

 後者はもうアタシ等、アタシと同類の人間は笑いながら読むしかないシロモノです。
名前! ヤバいよ名前! メタラー以外には「ありえないファンタジーネーミング」で済
むかもしんないけど、ヤベーですって。主人公、はぁ? 「ダークシュナイダー」?
 「ジオ・ノート・ソート」に「ラーズ・ウル」、「エデ・イー」で、「リッチー」、「アレキシ」?
国の名前が「メタ・リカーナ」「ジューダス」へえ、「リッチー」がキレて「紫の王国」を、っ
て、皮肉かよそれッ! もう爆笑モノです。挙句に「天地爆烈」っつー呪文があるんで
すが、これ、「メガデス」って読みます。それはもういいです。ここに来るまでに体性つ
いてるんで、それくらいじゃオドロキません。
 が。
「ディ・ヴムー・ステイン……大地と大気の精霊よ、古の契約に基づき、その義務を果
たせ……」
 おい。
 そりゃヤベェっすよ。ムス大佐召喚しちゃってるよ!
 もう最後まで笑わせて頂きました。
 あ。
 マニア話に徹してますけど、なんつーか内容はコナンシリーズよりもずっと徹底的
に破天荒なファンタジーです。絵の書き込みがヤケに緻密で、昔の漫画なのにすっ
ごいなぁ、と思いました。
 

92 名前:名無し客:2005/06/06(月) 19:22:31
『こいつにはクルちゃんさんぅでも勝てねーぜッ!』って人は居ますか?
アニメ・漫画問わず。

93 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/07(火) 00:30:47

 ……誰っスかね。
 

94 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/07(火) 00:33:43

 猫……。

 猫っぽい……、
 猫な人……?

 いや胡乱に考えてますが、こう、アレっスよだから。
 完璧に「猫!」な、”そんじょそこらの猫”じゃない「パーフェクツな猫」かつ兄貴を
宥めるように癒し系の「猫」な人ならそうなんではないでしょうか。

 言っててワケわかんなくなりました。
 あんまり詳しくないんでわかんないです、ホント。


 あ、荒木先生の作品にならもうそれこそ片っ端から。
 DIO様最高ーッ!
 

95 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/07(火) 00:42:26

 これが小説含むなら「黒衣の男」とか言ってるんスけどね。
 あと柚木加菜子ちゃん。

 どっちにも色んな意味で勝てそうにないっス。

 あと漫画ならスラムダンクの安西先生と男塾の塾長辺りで。
 ……ヤバいなぁ、絶対怒られたくないよ、この二人。
 

96 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/07(火) 05:24:50

「”シアーズ・タワー”ってよォ……「1974年」の時点で世界一高かったビルなんだけどよォー、今じゃペトロナス・ツイン
タワーにも負けてるっつーことになってるがよォー、ペトロナス・ツインタワーの「尖塔」が「高さ」の基準に入るっつーの
が曖昧じゃねーかよオォォォォオオーッ、ナメてんのか、このアタシをッ! 「39メートル」も「尖塔」が装飾目的に必要
だっつーのかよォー、しかもそんなのを「記録」として認めるっつーのはよォォォオーッ、間違ってんじゃねーのかッ!
 そもそも「シアーズ」自体タワー売却してんじゃねーかよォー、どーして未だに「シアーズ・タワー」なんだァアーッ!
納得いかねぇ……「名前」を変えろッ! 「尖塔」を含めるなッ! そもそも両方「ミレニアム・タワー」に負ける予定じゃ
ねーかよォーッ……クソッ! クソッ! イラつくんだよォーッ! コケにしやがってッ! クソッ!」

 妙な気分で妙な時間に目が醒めたんスけど、温度差激し過ぎ。
 いつかカラダ壊しそうで怖いっス。
 つーかなんかスゲーっスよね、超高層ビル。中国繁栄(してるっぽいけど)の証っつーんスか?
 「ミレニアム・タワー」って、アタシはなんだかメガテン思い出します。
 ミレニアム! クズリュウ!
 サタンめ! メギドアークは撃たせん!
 あ、なんか「ガンダム」に出てきそうなセリフです。ルシファー閣下。あとギアッチョ。
 実に「失楽園」的なルシファーで好きなんスけどね。メガテン。
 

97 名前:名無し客:2005/06/07(火) 17:49:47
メガテンにギアッチョが出てくるのは怖いですw
>>80のお話が読めないのは残念ですが、小説式のレスを書くときに気をつけることって何ですか?

98 名前:名無し客:2005/06/08(水) 11:37:19
>>89
ところで、変人偏屈列伝はー?
100%アラーキーの作品とは言えないかも知れんけど
元アシの人が全六話中四話書いているとはいえ原作はアラーキーだし
個人的には五話目の「〜未亡人が増築し続けた謎の館〜」がおすすめ
未読だったら、読んでみてなー?

99 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/09(木) 21:41:26

 「ピッタリ100レスでスレ停止」の予定だったけど、ニレスで収まんなくなるのでちょっと保留。
 復刻堂のコーヒーって美味いっスよ。蛇足蛇足。さて。

 で、あ、ちょい待って、時間。
 

100 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/09(木) 22:25:01

 100ゲットずさー!
 とかやる人がいなくて非常によろしいです。

>>98

 おう、見てきたぜっ!
 時間なくて買っときゃよかったなー、とか思うんだけど、明日にでも。財布ン中身、
CDでハタいちゃったんだよね……アタタ。久し振りにクラブハウス行ったら、友達が
ミキシングしたテープ捌いてたモンで。ちょっと売上に協力……って、なんで五千円
も使ってんだよアタシはっ! 何だよこのマニアくせージャケのメタルはよぉーッ!
 また買ってるし。もうイヤ。

 あ、と。

 つーか、これ最高でした。
 マジ最高ッ!
 今までエジソンをこれほど「悪!」に描いた人間がいたのか……? 否! いや、
居たとしても「このスカタン野郎がぁーッ!」なんて言わせた人間はいないと断言す
るねッ! 伝奇じゃない? 正統派じゃない? 笑わせるねぇ〜〜〜〜これがッ!
 これこそが荒木節だッ!
 原作者ってだけだけど、ビックリするほど荒木でした。
 以下、メモしてきた「エジソン」のセリフ。繰り返します。「エジソン」です。トーマス・
アルヴァ・エジソン、発明家です。スラムのゴロツキでもマフィアのボスでも、まして
や石仮面を被った吸血鬼でもありません。もちろん「スタンド」なんて出せません。
電球は光らせますけど、血は吸いません。「エジソン」です。

 トーマス・アルヴァ・エジソン(原作荒木・ヴァージョン)セリフ抽出。
「このヘナチン野郎がぁ〜〜〜〜ッ!」
「貴様はクビだッ! テスラァァァァァァーッ!」
「この変態がッ!」
「しかし皆さァァァァーん」

 極め付け。
「ほざくかッ! テスラぁーッ!」「殴られたってやめないぞ、エジソンッ!」
 読んだ誰もが「ジョジョ」の一部をフラッシュバックさせる、この圧倒的「暴力」ッ!
劇画チック絵で初期荒木的なテイストも加わって、もうジョジョ読んでんだかってな
カンジっス。もう「エジソンvsニコラ・テスラ」だなんて思えやしません。
 ステキさに身震いしました、ホント。
「このヘナチン野郎がぁーッ!」
 え、エジソン……っ!

 お勧めされた未亡人の話は、うえぇ。ミスってました、これ。
 こちらは正に「オリジナル・荒木」ゆえ、読んどかなきゃヤバかったっスね。
 一言で言うと、「超傑作」です。アタシにとって題材がなんであれ、荒木先生が書
いてるなら――それは例えるなら「アイアンメイデンを愛しているからブルース・デ
ィッキンソン」が好きなのではなく、「ブルース・ディッキンソンを内包するメイデン
だから価値がある」のと同様、荒木先生が書いてるなら「白鯨」だろうと「失楽園」だ
ろうと原作とは違った「荒木作品」として認識するほどの信仰があります。
 信者ウゼーと思われる前に次。もう思われてるかもしんないけど。

 えーと、つまりですね。
 「スタンド」が出てきそうな伝奇は始めて見ました。
 「悪霊と闘う夫人ッ!」「占い師の老婆、啓示、改築を繰り返す家屋ッ!」
 見事なまでに荒木作品に染め上げられて、ヤバいくらい輝いてましたね、これ。
兎にも角にも、現・荒木絵で描かれた伝奇なんて、チェックしなきゃヤバいでしょっ
てなモンですよ。
 「迷宮」となった「屋敷」。無限に改築された家。果たして、それを作った彼女は愚
かだったのか? 伝奇だからこそ、終わりは人物の死によって飾られます。淡々と
人物の生き様を描いた伝奇は何冊も読みました。感動で綴ったものも、わざわざ
と時代背景から書き出したエグみを添加した物も。
 その視点で言うなら、これは「夫人」の物語です。それ以上でも――、また、それ
以下でもなく。伝奇としての完成度は高いとは言い切りません。それでもこれが、
圧倒的な「リアル」を伝えてくれるのは荒木先生の力と言えるでしょう。
 ステキです、先生。

 つーかっスね。
 荒木先生ならファーブル題材にしたって「スタンド」出せますよ。

「くどいぜダーウィン……この「狩りバチ」の習性を見やがれッ!」
「フン! それが「ハンティング・ワスプ」か……いいだろう、ファーブル……」
「こ、これが……これが「進化論」か、ダーウィンーーーッ!」
「フッフッフ、そろそろ認めるしかないな、ファーブルッ! これが「進化」だッ!」

 やめやめ。
 

101 名前:◆qJKoTodamA :2005/06/09(木) 22:49:13
>>100
「伝奇ではなく、伝記であろうがァッ!」
と軽く荒木っぽくツッコミを入れて退場しますです。

102 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/09(木) 22:56:15

 くあぁっ!
 こ、この小学生時代のアタシのスリーサイズ以下のマナイタ娘がッ!
 そ、そんなツッコミをしにココまでッ!



 ……スイマセン脳内修正お願いします。
 普段伝奇伝奇書きまくるモンだから。
 

103 名前:名無し客:2005/06/10(金) 11:10:30
伝奇風伝記ってことでFA?

104 名前:名無し客:2005/06/10(金) 12:52:38
メガテンっぽいのおいときますね。
ttp://asame2.web.infoseek.co.jp/3jojotu1.html

105 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/10(金) 21:44:32

 フーゴは『なかったこと』にされたんじゃあないッ!
 ただッ! 『作者でも扱い切れないくらいアブなくて途中退場させられた』だけなんだッ!
 付け加えて言うなら元々裏切るって設定だったんだよォーッ! フーゴはッ!
 ノベライズじゃなくて漫画でその後を見たいっス、フーゴ。

 「パープルヘイズ」ッ!
 

106 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/10(金) 22:50:00
>>103

 ぉお、ウマいこと言うねー。
 んん、それじゃソイツを採用ってことでファイナルアンサァっ!

>>104

 ……いやま、それがさっき言ったことなんスけどね。
 やー、いいなぁ。ちなみにこれ、前にアタシも見ました。
 いいなあ、これ。
 ゲームで出たら絶対買うっスよ、アタシ。そもそもメガテンのグラフィック担当してる金子
さん(上遠野センセのミステリの表紙のヒトね)って、ジョジョに影響されて今の画風になっ
たらしいんだよね。アタシもめっちゃ好きです。

 だがッ!
 レベルが納得行かないッ!
 ザ・ワールドはG・E・Rより上位である筈なんだッ!
 ザ・ワールド――「世界」はッ! その体色にも現れる通りに「完全」の象徴ッ!

 ……っつーか「パブリダ」の元ネタが解んないっス。
 なんだろ……う、ピストルズ、エンペラー、マンハッタン・トランスファー……パブリック・
エナミーはいないからパブ、じゃないし……ううむ、銃のスタンド――、って、あ、いや。
 面白い企画だと思います、コレ。
 絶対神”HRHK”には絶対勝てそうにないけど。

 アタシも想像したのは”神霊”メイド・イン・ヘブン。
 まんま書かれててビックリで楽しいっス。
 

107 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/11(土) 00:57:57

 ちょっとやることデキて、私用のネタ考えてるんで……、す、スイマセン。
 前のレスはお休みさせて頂いてます。
 >>97サン、無視してるんでなくて、えっと、ちゃんと考えるトコもあるし(いつも即興レスでは
あるんだけどね……。一応、これでも考えてるんだよ)、また今度。
 ってなワケで、これ。
http://c35.inlive.co.kr/:1000/
 限定的に復活させます。
 もし良かったらレスの変わりに。



 カタが付き次第レスするから。……んー、長引かないといいなあ。
 んじゃ、またね。
 

108 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/11(土) 07:45:47

 おはようございます。
 暑くて台風着てて今年の梅雨とか六月とかオカシイんじゃねーんスかと言いたいけど、
ウェザー・リポートのディスク誰か貸してくださいおはようございます。

 すいません、まだ結構掛かりそうな……ああつまりまだアタシがこうして起きているのは
仮眠したいなーって状況なんスけど。
 昨日は途中で一辺切れたと思うけど、ぶっちゃけコンセント抜けました。
 すいません。
 繰り返すけどまだ掛かります。
 適当に流れてるんで、そっちでお楽しみください。
 アタマしっちゃかめっちゃかになるとアレなんで、静かなのしか流れないけど。

 ま、さっさと復帰しますんで――、
 で、って……まあ、多分。多分、だけど。今日明日にレスなかったら、多分暫く行方晦ま
します。多分大丈夫で、少しヤバいかも。
 

109 名前:名無し客:2005/06/11(土) 18:58:26
みなさん洋服とか、気を使ってますか?

110 名前:名無し客:2005/06/14(火) 15:18:13
ヘッドバンキングってどういう時にするんですか?

111 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/15(水) 22:10:47

 一応復帰はしてます。
 んですが、ちぃと待った。じ、時間がねーのよ。書いてる時間が。
 纏めて答えるんで、……いやもうなんで答えてたんだっけ、まあいいや。
 纏めて答えるんで、あと少し待ってて。
 今日中にはー、今日、
 ……今日? ま、まあ多分ええハイ。
 

112 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/15(水) 22:30:25

 久し振りに板を見て回りました。
 レキお姉さんは天然でそういうことするから街には出ない方がいいと思います、まる。
 ……。
 はっ! まさかこれが「萌えキャラ」ってヤツの条件なんスか!? 天然が!?
 これがそうでない人間と頂きの差ッ!?

 あーちくしょう。アタシも萌えキャラになりたいなー。
 やっぱ天然? 天然が「萌えポイント」ってヤツなんスか?
「往々にして無論にして萌えキャラはそんなこと言わないらしいのだけれどね」
 ストライクゾーンが一部限定のロリっ子に言われたくな……あ、止め、止め、止め止
め止めそれ本のカドぁはッ!

 ……つつ。何もブン投げなくても……
 でもウチの周辺のガッコでもどこも採用してないっスよ、あんな体操着。
 あー……、でも昔は標準だったらしいんだけどね。
 

113 名前:◆FXSAKUYA52 :2005/06/16(木) 08:15:59
萌えキャラになりたい?
萌えキャラになりたいですって!? よくもそんなことが(ry

あのね、本当の萌えキャラっていうのは自分からそんな事言わないの。
それでもなりたいというのなら印象的な語尾を付けるの、マジオススメ。

つ【脳髄グシャー】

114 名前:名無し客:2005/06/16(木) 12:10:36
萌えな語尾といったらコレ。

つ【りゅん】

115 名前:魔刃シャハル ◆SaHarLKKlw :2005/06/16(木) 23:28:58
つ【どりぃ〜む】

116 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/17(金) 00:24:14

 揃いも揃って侮辱してくれやがったッ!?
 

117 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/17(金) 01:10:00

 いやまあ……あー、言いたい事は色々あるんだけど、忘れちゃってるなあ。

 ・コールドプレイ、戸田奈津子氏による日本語字幕入りPVが完成!(VIBE)
 6月1日にリリースされた通算3作目となるニュー・アルバム『X&Y』が大ヒット中のコールドプレイ。
一層のスケール感を増したサウンドが世界中で大絶賛されているが、そんな彼らの作品の深遠な
世界観がよりよく理解できる日本語字幕入りのPVが完成した。

 同アルバムからの新曲「Speed Of Sound」のPVに、映画の翻訳や通訳として有名な戸田奈津子
氏が日本語訳を付けたもので、現在、日本版のオフィシャル・サイト→(http://www.toshiba-emi.co.jp/coldplay/)
 にて公開中だ。7月31日までの期間限定となっているので、チェックはお早めに!


 総員、退避っ!
 対衝撃姿勢で笑い飛ばせ!
 指輪の悲劇を繰り返すなッ!

 まあ、見るだけ見といてもいいかも。それ以上でもそれ以下でもないので。
 ぶっちゃけ指輪の字幕は殺意が湧きました。アタシのボロミアはあんなんじゃないやい。
 コールドプレイ、新作可もなく不可もなく。レディヘより普通人向けだと思います。
 

118 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/17(金) 01:11:35

 って、ぅあ、誤爆じゃん。
 まあ間違ってもいないけど。
 

119 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/17(金) 03:04:20

 順番もういい加減だけどね。カンベンして。
 えーとハイ、ファッションっスか。洋服、みなさんっつー事はアレですか。アタシ以外のみんなも。
つっても兄貴の知り合いやら彼女やらは知らないけどまあアタシの知ってる分でええ。

 ……って、別にンな大したモンじゃないんだけどね。

 アタシの街はー、ですね。でっかい川があるんですよ。……おっと、これは別にどうでもいいって
訳でもないんでちょい話させてね。えー、しがない地方都市なんですな、ここは。昔は林業やらな
んやらで立ってたらしいんですが、流石に時代が時代、今じゃ観光が主なんスよ。ええ、なんとい
いますか、「古き良き時代を思う」土地として。しかし無論京都には及びやしませんが。
 んで、この川。この川が割と重要でして、……フィーちゃんが言うには、風水的にも川ってのは、
えーとなんだっけ、境界がうんたらかんたら……あれ、風水だっけまあいいやうん、んで、この北
側が古い街並な旧市街、えっとアタシ達が住んでるとこ、南側が新市街になるかな。まあ新市街
ってもそこは地方、新しいのは単に「駅があるから」なんてショボい理由なんだけど。こっちには
アタシが顔を出してるクラブやら兄貴の愛じ、……もとい、兄貴のお友達の古物商のお姉さまで、
フィーちゃんのお師匠サマが住んでる場所があります。
 ファッションとどう関係があるかってーと、縫製が盛んでして。ここ。特に南ね。ちっこいショーも
開いたり、専門の展示館やら図書館を市が作っちゃうくらいなんですよ。
 だからまあ、それなりに悪くないモンが首都圏に行かないまでも安く手に入る訳で。だから、ま、
アタシの尊敬する露伴先生(inジョジョ)曰く「首都に住むのはバカらしい」に従って、特に可もなく
不可もなくのセンスで合わせてます。

 ……えーと。
 「気を使ってますか」と言われりゃ「最低限で」と答えるべきでしょうか。
 CDや楽器に回してる分は……う、実は古着好きだったり。

 や、でも、ダンナ! 古着はバカにできません。そもそも「合わせる」事ができねー連中がッ!
 雑誌から抜き出したカッコをファッションとッ!
 挙句にブランドを買い漁るッ!
 ……僻んでない僻んでない。兄貴の友達にキャット君(仮称)とジャック君(仮称)ってのがいま
すが、どっちも恐ろしくブランドで固めてホスト&ヤクザなんでブランドはちょっとヘキエキ……。
 一緒に歩いてるとナンパもされねー所かみんな避けてきます。キャット君はカッコいいけどすぐ
にキレるから怖くて……余談余談余談。ローソンで座り込んでたヤンキー君を店の外に連れ出し
て死ぬほど蹴った理由が「ウザかったから」なんてガンズのアクセルみたいな人の話は、機会が
あったらって事で――、ねえよそんな機会ッ!
 はい、ええと。
 なんだっけ。

 あ、そうそう。古着、古着っスね。
 

120 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/17(金) 03:47:38

 ねーむーいー。
 でも寝れない。なんで。

 眠いからダダ漏れのレス。ヤバ。
 えーと、つまりどこまで喋ったんだっけ……ブランドが嫌いって所だっけ? いや別にアタシ
は「ブランドなんて要らないね! へん!」なんて人じゃないんですが。
 つーかですね、グッチの財布やら下品な(ピー)のバッグやらは要らないっつーだけで。
 アタシが最近買ったブランドって、精々がブルガリのキーリングくらいです。ペンダント行き。
ん……なんでアタシがブランド嫌いかっつーと、ぶっちゃけ知り合い関係なんスよ。月にン十
万単位でブランドに次ぎ込むってあーた、そりゃ確かにアタシのCDシュミと同じだとしても、
それはあくまで別視点から見た「真実」の一つなワケで。で、どー考えても平均の閾値を凌駕
しちゃってるヒトを見てたらイヤになりました、まる。
 ま、だからアタシはフツーです。ユニクロは嫌いだけど。我が家でユニクロで間に合わせて
るのは、素材がいいのに活かそうとしない兄貴くらいです。あとフィーちゃん。

 洋服、っつーことですがそりゃ和服じゃなきゃ洋服なワケで。東洋風とかナシね。
 えー、と。

 何から言ったらいいんでしょうか。アタシの私服? とか? ううむ。
 ンなモン聞いて楽しいかは兎も角、下着のメーカーとかそんな質問でないならまあ。
 ……とはいえ、日によって変えるしなァ。「これとこれは一緒に!」って組み合わせならある
けど、うーむ。
 最近よくやるのが、キャミとタンクトップ重ね着して上からブラウス着て、カットオフしたデニ
ムに合わせる、っつーヤツですか。ザ・古着屋の着こなし。キャミはフツーに買ったけど。
 もう春も半ば過ぎてるんで、あんまり暑っ苦しいのヤなんだよね。ま、アタシがワンピやら
キュロット嫌いっつーワケもアリアリなんですが。兄貴、笑うし。普段のカッコと合わないのを
笑い飛ばす身内がいるとメンドーです。
 後は、んー。
 兄貴の知り合いのコ? セシルちゃん……、じゃないか、「さん」? アタシより上かな、トシ。
まあそのコがこの間訪ねてきたんだけど、あのコも割とシンプルなカッコだったな。白のワン
ピから覗く肩が同性ながらクラっと……、違う違う、アタシにそんなシュミはないない。
 外人さんは目立ちます。やっぱね、この時代でも、目立つ。目立つんだよォーッ! くそう、
閉鎖主義的ニッポンの弊害。我が家は外人ばかりでアタシはなんなんだ。
 外人っつーことならフィーちゃんですが、実はこのコが一番ヒドいです。ジャージ大好き、
パジャマ大好きで本さえあれば幸せ気分なんで。いやセンスはいいと思うんスよ、正直。冬
物の選び方も巧かったし、ちょっと手ぇ入れれば雑誌の合わせ方なんて相手になんないくら
いだし。やんないけど。ものぐさ過ぎ。ガッコの制服かバイトの制服かジャージか。バイトは
シュミだっけ、まあいいか。んー、と。今はワンピ着てますね。三千円か四千円くらいのキャ
ミワンピ。あ? 感想? アタシの妹が可愛くない訳がありますまい。髪もいい匂いでついフ
ラっと……ち、違う違う違う。でも道を一人で歩かせたくないくらいにはもう。
 センスはあっても活かしてない二号はメア姉。日本マニア。時代劇マニア。忍者マニア。
侍マニア。新撰組大好きで日本刀大好き、歴史大好きのこのアネキは、雨の日には番傘
を使用するくらい徹底してます。フツーならクスクス笑われてオシマイなんですが、が!
 「外人だから」「珍しい物好きだから」つー意識が日本人に働くのか、誰も文句付けねーと
来ましたよオイ。いいのかアンタら。学校にも平気で番傘差してきます。ブロンドの居合三段
娘が。雨の雫を払う時なんか「ザッ!」ってカンジ。「血振り」ってヤツっスか? 中等部のコ
は「カッコいい」って言ってたけど、とんでもねぇです。あれって「ヒトを斬り殺した後に血糊を
振り落とす」っつー居合の動作っスよ。近所歩くだけなら着物……、なのかな。なんだろ、安
い着物があるんだけどね、えー、着ます。着てます。さむえみたいのも。そりゃ……ねえ、顔
の良さが全部帳消しにするっても、外人くらいしかやっちゃいけないなー、とか思っちゃいま
す。少なくとも17歳は。ついでに下駄。
 ヘタすると我が家でナンバーワンの異端は姉さんかも。
 

121 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/17(金) 04:24:46

 寝たい。

 えーと……あと誰だっけ。まあいいか。
 でも、そーだなあ。メア姉のカッコを「ヤバいんじゃない?」ってーのもオカシーんだけどね。
どんなカッコしてようが人の勝手じゃん、つーんですよ。アタシのバンドの一つは面子がアタシ
以外全員外人なんですが(ストーナー系のバンドっス)、北欧人とアメリカ人とが混じってまし
て、えーと、まあハッキリ言って「カッコを気にして? バカかテメェ」って平気で言ってる連中
です。まー、何と言いますか。例えば明らかにダサダサな組み合わせでも、ンなモン本人の
勝手であって、それをバカ扱いするバカはどうしようもないバカだからほっとけってな連中な
んスね、これが。クソデカいヘッドホン付けて街を練り歩こうがストリートでスケボーガシガシ
やってようが気にしないって国柄は、そういうの、憧れます。いいじゃん、どこで何やってたっ
て。だからまあ、ファッション云々ってどーでもいいんだよね。
 ナードファッション+バカでかいリュックでCD漁ってる長身の外人サンが近所のCD屋の常
連なんですが(メロコア大好き、だけどビートルズのファン)、やー、これが、話してみたらイ
イ人でした。何事も気にするべき場所を間違えてはナラズ……と、そんなのがアタシの意見
です。本質を見失うな、ってのとは違いますけどね。「外に対する自分の外見、そこに発生す
る他人の意識の変容」っつーのはちゃんと「在る」モンではありますから、ましてその傾向が
強い国である訳だから、気にしないでいいよー、なんてことはないですが。
 でも、ねえ。
 明らかに「カンチガイ君」なカッコしてるコもいてねー、これが。
 クラブでもライブでもいますよ、ほんと。
 カッコ付けようとして失敗、ならまだ可愛いモンだけど、それがウケてると思ってるから救え
やしねーッ! 取り合えずいいから臭いのキツ過ぎる香水ヤメて。

 自分を見失わず、他人の意見に流されず、形は崩さず。
 んー、曖昧だけど、これかな。
 我が家の人間は(一部除いて)、概ねファッションに関してはそんな意思がモットーです。

 あん? メタルファッション?
 ふ、アレは真っ黒なメタTにビョウ付けてチェーンで飾って仰々しくしてナンボですよ。スレ
イヤーが来日したら「SLAYERRRRRRRRGHHHHH!!!!!」って叫べるように心の準備
を整えておくのがメタラーの嗜みです。モッシュだけが目的の(コア気取りの)ボンクラをド突
き倒す勢いで唸りを上げて暴れまくるのが正統派です。
 ファッションでもその勢いが基本ッ!
 異端ならッ!
 「4人で100人を煽り尽くすッ!」

 異端。
 そう、異端思想ッ!
 これこそがメタルですよ。メタラーの生き様。
 これに従って、アタシはライブでガチガチでロングなスリーピース(脚も動かし難いレベル
のヤツだったんだけど)で出たことあります。ガールズバンドに混じって。
 メロパンクが三バンド終わった瞬間に普通にアタシだけ入って、一辺証明落とさせてから
他のメンバーステージに入れて、スキンヘッド&筋肉ダルマの三人がガッツリメタルリフか
まして、一気に会場ドン引きさせた事があります。やー、最初はネタだったんだけどね。爽
快ってか脚も振り上げにくいカッコでスピーカー踏んで煽って、全員で暴れてました。
 メロパンクが対バンなら、事前連絡で「あ、パンクですぅ」とか言っといて不意打ちでデス
メタルリフブチ込むくらいがアタシ等の生き様!
 あ、アタシはヴォーカルとベースだったんで、ドスの効いたデス吐き散らしてたのは北欧
人の筋肉野郎です。演奏終わるまでに十人は会場から帰ったかなー、とか。あ、あはは。
 いやもう、最高でした。そのくらい異端がヨロシイです。アタシは。
 二度とその系列で呼ばれなくなったけどな!
 ふ、ふふふふふふふ。アートは理解されないのか……ッ!

 いやま、でもそれもヨロシイです。
 ロックだぜ!
 

122 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/17(金) 05:30:05

 徹夜決っ定ーっ! わーい。
 最低。
 ……、こ、コーヒー買ってこよ。

>>110

 ライブ行くと良く解ります。





 ……なんてのは不親切っスね。

 ついでに「ギング」。「ヘッドバンギング」です。銀行にアタマ預けてどーすんですか。
 えーとまあ、そっスね。紀元は遡るなら……どんくらいになるのかなー。
 少なくともアタシが生まれる遥か前から存在してたのは確かっスね。我が敬愛するマルコム・
ヤングの弟、ぶっちゃけアンガスがやってたのは確かなんで、あ、AC/DCっスね、とーぜん。
まあそんなワケなんで、かなり前にあったのは間違いないっス。
 どういう時に? とか聞かれると困りますが、ンなことに理由はないっつーのが正しいかと思
われます。敢えて言うなら「気分が乗ってきたら」「気が向いたら」「やるべきと感じたら」「宇宙
から電波を受信したら」「内なる声に導かれて」「大地の精霊が呼んだから」「太陽から太古の
記憶を受け取ったから」「ウロボロスが描くサークルに近付く為に!」と、まあどれでも。
 ライブに十回も行けば解ると思うっスけどね。いや二回で十分、一回でも。
 会場の空気にアテられて下さい、解んない時は。じっと突っ立ってるよりもアバれまくった方
が楽しめるしね。
 ただ一つだけ言えるとしたら、「パンクじゃねーんだよぉーッ!」つーことですか。
 パンク系のバンドとも結構やるけど、ヘドバンしてるヒトら見たことないもん。中には「カッコ
悪い」とか思ってるヒトもいるんだろうけどねー、実際。腕振り上げてるだけでつまんないよア
ンタとか思ったり。いやいやいや。
 考察アマいロック系の漫画とか小説だと「メタルってレザー着てメイクして首振って」とかク
ソいい加減な描写してるトキあるけど、あーそうですかフザけんなとか思いますね。レザーは
いやそりゃOKですよ。ロブの象徴ですよ。レザーにハーレー。そしてビョウ。正にオトコのファ
ッションではありませんか。アタシは素敵だと思いますよ。着こなしのムズさで言ったら、そこ
等のモデルなんて比較になんねー! とか。いやまじまじ。つーか、ンな古典的なモトリーと
ジューダスと混同してるような連中はメイデン見てこいと言いたいです。
 あー……まあ、中にはパンクすら見てねー、ってな書き手もいて愕然とするけどね。アンタ、
なんですか。オレンジレンジとピストルズの区別もついてないのかと。序に言うなら、大半の
パンクでもコアでももちろんジャズでもブルースでもヘドバンはないです。
 ふ、これぞメタラーの特権ってヤツっスよ。
 ダサい? ノンノンノンノン!
 最近だとスリップノットかな。ギターは前衛でブンブンアタマ振りまくりですよ。「SIC」のライ
ブなんて「ジャジャジャーン」に合わせてコリーが腕振り上げて会場全体「ッガー!」てな沸
騰模様でサイコーです。最近は「メタル」のカッコよさだけを巧く抽出した……、だからこそま
あ、「メタル」らしさとしては浅くて中途半端なニュースクール系のバンドもヘドバンは割と普
通にやってます。中でも「カッコいい」メタルなシャドウズフォールは、マックス・カヴァレラば
りのドレッドヘアなヴォーカルがアタマ振り回してて、これがもー、カッコ良くて。
 新譜は初回限定(もう手に入んないけど)でDVDにライブ映像が入ってたけど、実際にア
タシはライブ見てきて、「マジだ」と思いました。
 メタルの格好良さ!
 それはッ!
 「長髪を扇風機よりも激しく回転させること」と見つけたりッ!
 なんか違う。でも一つの真理なのでヨシとしましょう。
 や、ホントかっこいいけどね。ギターとヴォーカルは必須テクでしょ。ベースも。
 つーか、ショボい若手コアの曲の繋ぎのヘタさは、CDでは良くてもライブがカスなことが
結構あるんで、やっぱり老練の手練手管は流石と思います。
 ヘドバンは深層意識の発露! 是非CD買って家で首振り回して下さい。
 マーティ・フリードマンも言ってます。「ライブの初日から二日目はヘドバン酔い」
 お疲れ様です。
 

123 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/17(金) 08:36:44

 ……ドイツで連絡取れなくなってた師匠から連絡きました。
 すんごい嬉しいです。
 だからってワケじゃないけど、残りのレス、遅れます。すいません。
 

124 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/24(金) 02:41:11

 収斂と鍛錬。
 先鋭化と進化。
 ピンク・フロイドとマーズ・ヴォルタ。
 ビートルズと「何らかのもの」。

 自分のマズい所が解って、認識して、弱さを認めて、それからはもっと強くなれると思います。
 これを前の質問へのレスと変えて、とか言うと反則だから止めときますが。

 島荘と綾辻一気読み。それから乙一メドレー読み。太宰と芥川摘み食い。村上春樹もちょっとだけ。
 で、次は上遠野作品一気読みだっ!
 サボってますがサボってません。
 ……や、息抜きしてないと神経擦り潰れるんですよ、もう。
 

125 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/24(金) 03:06:20

 フロイドよりツェッペリンじゃねーか!
 とお叱りを受けたので訂正。
 キング・クリムゾンとマーズ・ヴォルタです。
 なんでツェッペリンなんだよぉ。解んないでもないけど。
 

126 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/25(土) 00:50:20
TO DAY'S CD&BOOK(ってもう昨日ぢゃん!)
・Amanda Rogers / Daily News
・Oasis / Don't Believe The Truth
・Dream Theater / Octavarium

 さよなら、オアシス。もういいよ。

再読殿堂。
・乙一 / 暗黒童話
・乙一 / さみしさの周波数
・乙一 / 平面いぬ。

・推定少女 / 桜庭一樹
・砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない / 桜庭一樹
・されど罪人は竜と踊る / 浅井ラボ
・灰よ、竜に告げよ――されど罪人は竜と踊る / 浅井ラボ
・ケルベロス第五の首 / ジーン・ウルフ
・ソラリス / スタニスワフ・レム

 ラノベ一気読み。「一揆」とか出るし。
 乙一さん、やっぱり好きだな。黒くても白くても。
 てぇかぐあぁぁ! 国書は何ベン買ってもよォォォッ!
 毎回毎回アンタら高過ぎるんじゃー!
 古本じゃなかったら絶対買ってないってのに……うああ、それでも高い。
 

127 名前:名無し客:2005/06/25(土) 01:02:58

おおお!
ジーン・ウルフ「ケルベロスだいごのくび」を ごこうにゅうされましたか!

ウルフのおそるべき ぶんたいのまじゅつを おたのしみください!

いちど たんのうしたあとは、SFマガジン 2004ねん 10がつごう
(ジーン・ウルフとくしゅうごうです)を さんこうしょとして どっかいしていくと
より たのしめるどころか いくども いくども どくしょのたのしみを あじわえます。

ちなみに 「ケルベロス」、 ぼくは しんぴんでry


ぼくこじんとしては 「ねこ」が たくさんでてきて ひじょうにじゅうような
やくわりをもつ ジョージ・R・R・マーティン「タフのはこぶね」(ぜん2かん)を
ミハルさんはもちろん しんぷさんに おすすめします。

こぎみのよい つうかいごらくSFですが ラストの ほろにがさがまた
いいあじを だしています。

ねこも いいですよ。ねこも。にゃあ。

おじかんが ありましたら。


by,とくめいきぼうけいじ

128 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/25(土) 01:26:45

 にゃあ。

 あんま妙なこと言ってると監禁されちゃうよー。

 しっかし……ぬあぁ、そんな解説ブックあったんスか。
 SFマガジンってバックナンバー手に入るのかなぁ……わっかんないな。ちょっと調べてみよ。
 いやまあ難解難問難物難敵(敵じゃないし)と聞いてたから「ベルゼブブと孫への某」みたいの
想像してたんだけど、それとはまた違うってーか何かこれ、フリッカージャブ装備の幕の内一歩
みたいです。でも……そーいうのあるなら、是非。このままないと困っちゃうから。
 あとこれ、新品で買うなんて無理無理です。CD一枚買えちゃうし。
 そーいえばウルフさん、カトリックなんスね。
 作品が作品だけに意外……あーでも、これまだだからそういう考察はあとあと、っと。
 しっかり読んでからにしときます。ソラリスとこれ、まだなんで。

 ジョージさんのはー、これ、スペオペっつー感じでもないっスね。
 んー、高くないから助かるか。おっけ、フィーちゃん辺りに感想聞いてからチェックしときます。
 どもでした。にゃあ。

 んでは、ヤスさん。どっかで会ったらまた。
 

129 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/25(土) 02:17:11

 やばッ。
 タフすっげぇ!
 カッコいい! なにこの猫愛っ!

 買ってきます、明日。
 

130 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/26(日) 06:15:15

 おはよ。
 実は一時間前に起きてましたが。

 「トゥ・デイ」に突っ込まれなくて幸いってーかそんなヒマ人さんはいらっしゃらなかったようで。
 なワケで、昨日久し振りにかなりラノベ読み込んでました。二十冊近く。
 上遠野先生いいなー、ブギー。ブギーブギー。「パンドラ」が好き。

〇纏めて読んだの
・され竜→リーダビリティが辛い。ポリティカルな視点で読むにも対比する現実世界があまりに
もアレな情勢なんで、今はあんま比喩的に思えなかったり。……うーむ、グロい、鬱だ、なんだ
なんだー、ってハナシなんで、綾辻の「殺人鬼」ばりのスプラッタ+政治要素+ファンタジーだ、
とか想像してて、なんかちょっと予想と違った感じです。んー……なんだかなぁ、感覚マヒってる
のかなあ、アタシ。グロくて鬱……? ちょっと感じないかも。最新刊が発売予定になってたけど、
うー、今はスルー。
・砂糖菓子→エンタ性を残した純文学、ってな風情です。面白いっスね、素直に。某「蹴りたい」
とか某「蛇」とかより良かったっス。厳密なミステリではないけど、「純文テイスト含んだミステリ」
は舞城先生や佐藤友哉先生(サブカルチャー的なとこも含めて)がもうやってるし、そんなの。
いいじゃんいいじゃん、桜庭一樹さん。他にも格闘小説やらも書いてるみたいで、しかも女性で
空手現役経験だっつーんで親近感湧きます。あー、こっちも時間あれば読みたいかな。
・推定少女→砂糖菓子のが好き。
 

131 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/26(日) 06:26:35

 眠い時に読み終えたんで、なーんか、曖昧。
 「され竜」、アプローチとか好きなんですけどね。あー、一気読みするような作品じゃなかった
のかな……勿体無かったかも。つーかアレですよ。纏め読みは作者が変わるから(当然)、作
風が違うのを読むと、一気にその差異がアタマの中で感想に。半ば速読使っちゃったのも痛。
 むー、つくづく勿体な……、あー、でもどうしよ。もう駄目か、次の読まないと時間ないし。
 

132 名前:ミハル ◆p1a4SYSTEM :2005/06/26(日) 06:37:02

 イヤ待ったッ! なんかヘンだよこの感想ッ!
 文章は書き流すなってーか、「サブカルチャー的」なのは佐藤先生の作風であって、
舞城先生に掛かる部分ではなくて、そして勿論「砂糖菓子」がそうである訳はなくて。
 ぬあー……まあいいか。
 面白い作品が不意打ちみたいに出てて、やられたー、って感じです。

 あと乙一先生、巧過ぎ。
 めっちゃ感動です。……どんどん書けばいいのに、勿体無い。
 

133 名前:◆p1a4SYSTEM :2005/06/28(火) 04:49:11
http://charaneta.sakura.ne.jp/ikkoku/img/1112104777/133.jpg (50KB)

国内発売アルバム 6/28

CROSSREVIEW / 今月のピックアップ・アルバム

■教科書のイニシャル / ANE MOE


発売前のイザコザにつき、曲名非掲載

<アーティスト紹介>
 日本の某所で突如出現したnaname(vo,g)が結成。今に至る。
 野外ライブで姉の存在と証明を訴える署名活動を起こすなど、何かとセンセーショナル。
 本作は初のフルレンスとなるが、「ジャケットが犯罪めいている」「ジャケットがヤバい」な
どの理由から例によって黒いカバーで表面を覆われての発売となった。

――――――――――――――
74
 まずはアイドル・ポップのようなタイトルに驚いた。
 音的にはなんて事のない似非プログレ・ハードコア。しかし、これが日本産であるという
事がまず脅威を煽る。チープな音質を補って余りある――或いは天然で補い得る――タ
イトなサウンドがまず脅威である。すわENVYの影響か、と思ってしまうような、清と動。音
の清流と濁流のコントロールは技術よりも勢い任せといった印象が強いが、好意的に見
ればオーガニックな純粋HCサウンドを成していると言えるだろう。
 歌詞は一貫して近親相姦を題材にした文学的な物で、リリックには太宰治や村上春樹、
或いは倉橋由美子が影に見えるだろうか。横溝ではない――と、僕は思う。
 所でバンド名の由来がわからない。何故姉を燃やすのか? 愛情と激情、転化した破
壊願望はせめて恒久的でないアルバム名であるべきだと思うのだが。
                                                  非呂瀬
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
10
 「姉」「姉」「姉」ってェェェェェーッ! うるせーぞハナくそッ! 「姉」……いいか……この
蹴りはグロリアの分だ……CDのどこかがブチ割れたようだが、それはグロリアがお前の
CDをブチ割ったと思え……そしてこれもグロリアの分だッ! そして次のもグロリアの分
だ……その次の次のも、その次の次の次のも……その次の次の次の次のも……次の!
次も! グロリアの分だあああーッ! これも! これも! これも! これも! これも!
これも! これも! これも! これもッ!
                                          エルメェス・コステロ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
68
 フーフォアアアアアアアアアアァァァァァッ!
                                 フー・ファイターズ(本体・エーテロ)

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
85
 寓意に満ちたバンド名であり、歌詞であり、サウンドである。確かにENVYからの影響は
見られるが、私は初期PINK FLOYDの揺らいだ狂気を、狭義の意味でだけど見出す事が
できる。妙に熱っぽいヴォーカルの切り口がその意図を強くさせる要因かもしれない。
 ついでに非呂瀬の旦那に言わせると村上春樹らしいけど、だったら「アフターダーク」な
んじゃなかろーかと、若年の意見で締めてみます。
 サウンド自体はシューゲイザータイプのギターを駆使しているように思えるけど、なんだ
ろう、確かにチープさを醸し出している気がしてならない。或いはそれがnaname(vo.g)の
狙いかもしれないし、メイナードがTOOLでなくAPCで打ち上げた社会への声なき声とも
受け取れるのだけど。M6”赤い疑惑”等は発狂したようなドラムフィルがアツくて、ヴォー
カルが技量を上げれば、更に求心力が上がるんじゃないでしょうか。
 つーか、なんで「姉」じゃねーとダメなんスか、この人。「妹」はッ!
                                                MIHARU・K
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 

134 名前:◆p1a4SYSTEM :2005/06/28(火) 04:58:22

■SPESIAL EDITION
P.20 HAI-BANE
 進化の速度を増して行くグリ・サウンドの開拓者を探る! 2004年度アコースティック・ベストの全軌跡。
P.38 ANE MOE
 ポスト・ハードコア? 「アイドル・コア」なるアンダーグランドジャンルの中心人物とは。
P.105 NEKO-i
 謎の仮面集団の全貌とは。休止以来、ヴェールに包まれていたあの「NEKO」サウンドが再び襲来する!

※ANE MOEに関しては本誌P.78からのインタビューも参照。
 

135 名前:名無し客:2005/07/05(火) 21:08:10
実弾が無いと世界とは戦えませんけど、
砂糖菓子の弾丸も必要だと思いませんか?

136 名前:◆Kana/lWMBI :2005/07/09(土) 03:55:17
http://charaneta.sakura.ne.jp/ikkoku/img/1112104777/136.jpg (47KB)
(ぜぃ、はぁ、ぜぃ、はぁ……)

ふふふ……なんかもういろいろ引っかかっちゃって大変だったわ……。
なんか、そこらへんの十字架とか触るだけでビリビリ来たし……。
結界だかバリアーだかそんな感じなのかしら? ふふ……。
ちょっと殺気立ちすぎてあなたの知らない世界に半分足踏み込んじゃったかしらね……。

まあいいわ。



果たし状 招待状

エーフィ・クロエ・ハウサー様。
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1069512742/にて16日に開催されます、
<第一回千鳥かなめ杯争奪グランプリ>の特別ゲストに御招待いたします。
主催者を下してツッコミキングに輝いたあなた様には、この大会の特等席をご用意しております。
ぜひ足をお運びください。


追伸:下克上するんでよろしく。

137 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :2005/07/14(木) 23:29:34

 ああ、眠い眠い眠い……眠いが寝れない、生き地獄とはこういうヤツだね。
 こんばんは、お久し振り、それから……いや、今はこれだけかな。

>>136

 やあやあ、久し振り……、とはいえ、参ったな。
 すまない、すっかりサッパリとここを覗いてなくて、今さっき気付いた次第だよ、かなめお姉さん。
ふむ、16日……はぁ、グランプリ、ね。いきなり殺気立たれても困るんだが、下克上、ねぇ。
 そもそも私はツッコミ王、なんて称号が似合うような女の子ではないのだがね、やれやれ。

 が、時間か。
 私はまあ、構わないが……参加できるかと言えば、恐らく――多分、と言った所でね。それでも
構わないならという事になるんだけど……いや、そもそも私が出る――ああしかし、出て、私に何
が出来るんだろう? 誘って貰ってこれは申し訳ない上に恐縮だが、正直な話だね、私はこういう
性格だ。あまり、そう……ネタ、という物には慣れていないんだが、大丈夫だろうか。
 それに、見る限り参加者の人数が少なそうだね。これも大丈夫かな、と思ってはいるのだけど。



 ごめん、この所は調べ物やら書かなきゃならないモノやらヤケに疲れてしまってね。
 それと……、そう。
 R.I.P...Shinya Hashimoto.
 

138 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :2005/07/14(木) 23:31:57

 失敬、>>135君。
 無視した訳じゃないんだ。
 だが、ああ、アタマが今、少々一つ事を仕上げなきゃならない状態でね、これがまた厄介なんだ。
好きでやってる事だから文句はないが、疲労が瞼の錘になって限界になってるのだけは如何とも
し難い。少々、後で……後、そう、できればまあ、今日にでももう一度。
 

139 名前:名無し客:2005/07/15(金) 01:32:47
「クロの顔が見れただけで幸せだよ」

と、百合っ子岬たんが申しておりました。

140 名前:名無し客:2005/07/15(金) 15:58:33
ハードコアとメタルってどう違うんですか?

141 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :2005/07/16(土) 21:09:15
>>135

 ただいま。

 君が言うその例題に符合する作品は、私もつい最近ながら拝見させて貰ったよ。
 いや、面白かった。私は誰が「ブンガク」を名乗ろうが気にしないが、結果的にそうなった作品と
いうのは久しく見なかったから、実に、そう、面白かったよ。ミステリ、プロットに関しては喰い足り
なかったが、ページ数としては短編もいい所だし……おっと、ズレたね。
 ネタバレしないように結論から云うなら、そして私が語るなら、その二つは相似形だ。

 常に、いつだって――元来は引き離せないファクターとして存在しているんだよ、>>135君。



 しかし……ふむ、ふん。
 姉さんは「純文っぽい」と言ったが、ならば、はて、どうだろう。
 考えてみて、実際にそうだろうか。テーマの在り方はなるほど、解る。この世界は”そういう物”
だし、そこに押し潰されたくなければ動くしかない。が、どう動くべきなのか。この話の”冒頭”は
既に決定項から始まる物語だ。芯を通すなら――そうだな、”可能性”があったか否か、かな。
 当然ながら鬱だ、ダークだ、なんて理由がイコールで文学性の定義に繋がる筈もないのは自
明だが、ここにそこを担うテーマはあったんだろうか? あるような気もしたし、無いようにも思え
る。或いはそれがこの時代だから――とすると、なるほど、正に末期でポスト的で、どうしようも
なく果てまできているね。書評誌にある「圧殺される子供」なんて書評はだからどうだろうと思っ
たよ。そんな物は見飽きてるし、それと同じモノだとは思っていないし、思いたくもない。
 批評家に「子供」だからって勝手な定義を押し付けられたくはないね。

 ……さて、随分とズレてしまったね。
 本の感想じゃないんだよね、これは……、ははは。うん、よし。
 

142 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :2005/07/16(土) 21:11:04

 そもそも、人間が知覚できる「世界」の範囲なんて細かいものだよ。呆気ないくらいに儚くて、
稀有壮大に果てがない、それが世界なんだ。箱庭の外を覗ける箱庭の住人はいないし、それ
は云うなら、「想像すらできない」よりも迂遠で広大な、地球人が宇宙人の思考を理解できない
のと同レベルの意味ですらある。そう、果て、なんて観念すら無意味に等しい。「宇宙の果て」
は未だに観測に至らず、事柄の地平は未だ遠く、劃して三次元の私達は四次元を夢想しなが
らもそこに至らない。こんな仮定は、そう、君が云う「砂糖菓子」なのだろうけれどね……これ
もまた「世界」の在り方を現す一つでもあるんだよ。
 生きて行くには力が必要だ――だけどね。
 生きる為には情緒が不可欠だ。
 情緒……ふん、そうだな。或いは思考か、でなければ感情か、または追憶か。
 ゲーテが思考から演繹したように、ペレキュデスが初めて人間を理解したように、そう。
 「汝自身を知れ」――さ。
 脆い人間は、夢想を抱かなければ生きてはいけない。
 知識を持って現実に変えるのは、ならば人間の力なのだからね。

 夢、妄想、空想、幻想――或いは、希望だ。時としてこれは現実を凌駕して、最終的にその
位相すら飲み込んで添い遂げる。そして――時としてそれは、個人レベルの事象ですらなくな
るんだ。そう……、例えばSFさ。ああ……そう、その通り。サイエンス・フィクションというやつだ
よ。小説だ。だがバカにできないものなのさ、これが。
 ハーバード・G・ウェルズが居たからこそ想像の地平は切り開かれた。彼は幻想者でありリア
リストであり、そして唯物論者だった。W・V・ブラウンはヴェルヌを読んでロケット研究に夢を抱
いた。かの作家達が世界に、人間に与えた影響は計り知れないよ。周囲を見てみればいい。
テレビ、ラジオ、携帯電話――ロケット、ミサイル。さて、現実に存在する幾らの科学が空想か
ら生まれたのやら。時に大量殺害すらなし得る技術は、全てが憧れから始まったと言っても過
言ではないんだ。
 が、こんなマクロレベルでなくとも……そう、現実を凌駕する”嘘”は存在するんだ。
 ペンは剣よりも強し、とはけだし名言だね。

 嘘じゃ世界は救えない、と彼は言った。
 嘘でしか君は救えない、と彼は応えた。

 そうだな……、ふん、例えば歌だ。
 想像してごらん、天国なんてないって。僕らの足元に地獄はなくて、頭上にはただ空がある
だけ――とは、レノンの”イマジン”だ。国はなく、宗教もなく、人間はみんな兄弟だ――彼が
東洋文化、特にその精神論に傾倒していたのは有名な話だけど、絶対的な平和を願って彼
がこの曲を作ったのは疑いない。しかし……ふん、実際はどうだろうね。種族どころか信仰す
る宗教の違いで人間は殺し合った挙句、世界の警察は雨霰とミサイルを”敵”に投げ掛けるの
が実情だ……と、ここまで云うのは”平和な国で育った人間の戯言“と返す人も多いだろうし、
それを承知で想像する人間も多いだろう。だがね、これほど寓意に充ちた歌はそうはないし、
悪意を持って解釈するのにこれほど適した歌もない。
 そうとも、これほどの最悪はそうはない。

 私達は天国にも行けないし、地獄にすら落ちる事ができない。

 落雷となって堕ちた天使はこう言っていたね。「ここを楽園にしよう」と。
 だったらそれ以上の真実はなく、それ以下の考えはゴミ程の価値もないんだ。
 

143 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :2005/07/16(土) 21:17:39

「”完全に死んでる”――ヤツは云う。いつだって楽観的。お前は俺の敵になる資質は充分だ」

 何かを歌おうか。
 ……なんてね。
 君はビートルズが生まれた街の名前を知っているかい?
 リヴァプール、と言うのだけどね……映画なんかでは有名かな……ふふ、結構、そう、その
通り。ビートルズ関係以外では、あまりいい意味で有名――とは云い難いね。残念ながら。私
の育った街ほどじゃないが、それでもかなり最悪に最悪な街だよ。中国人街と黒人街を内包
してる辺り、昔を思い出してしまうな……なにせ、学校の周囲にはコンドームやらハシシの吸
殻や、ドラッグを包んで捨てたセロファンが転がってるくらいだからね。
 ミハル姉さんの好きなブラック・サバスも国は同じだが――そう、そんな街だからこそ、まる
で砂糖菓子のように甘ったるい歌を奏でるグループが生まれたんじゃないかな。ブラック・サ
バスは……あちらはあちらで、どうしようもない世界を嘘で、歌で殴り返していたかな。
 ……人はそんな、甘ったるくてざらざらした都合のいい砂糖菓子が好きで堪らないし、求め
られたからこそべちゃべちゃとした砂糖菓子も存在してるんだ。「シガー・ロスのアルバムを聴
いて軍隊入りを止めた」という人がいれば、「マリリン・マンソンのせいでコロンバイン事件が起
きた」と糾弾する批評家がいる。ああ、事実そうなのかもしれないし……、そんな”砂糖菓子”
と現実は無関係だったのかもしれない。甘ったるい現実はない、と誰かは云うかもしれないが、
人間は夢想せずにはいられない。甘ったるい砂糖菓子を許容しているのは、だったら世界そ
のものなんだ。

 僕を夢想家だと思うかもしれない。だけど僕一人じゃない筈さ。
 君も僕らに加われば、この世界は一つに結ばれる。

 そして、彼は「君」に殺された。
 ジョン・レノンの理想のままにね。
 ……そう、人を殺せない筈の弾丸が殺したのさ。
 

144 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :2005/07/16(土) 21:19:52

 時代を遡ろう。遥かに遠く、ずっと遠くだ。
 書き出しはこうだ。

 昔々、ある所に一人の王がいました――

 円卓を囲む騎士を率いて、妖精から賜った聖剣を手に、侵略者から国を守り抜いた王がい
ました――、さて、有名な話だ。実際のところを口にするならマーリンなんて居なかったろうし、
アーサーなんて名前の王はどこにも居なかったのだがね……まあ、それをして甘ったるい夢
物語とは云うまいさ。それは「伝統」だ。二民族に渡る歴史という奴だからね。
 だが、「彼」はいたのさ。
 べとべとして甘ったるい、口当たりのいい「神話」じゃないけど、「彼」はいたんだ。

 アーサーは去った。
 折れた剣を友にトリストラムはカレオルに眠り――
 ――イズールトもその脇に眠る。
 滔々として西に流れる大河――
 リネオスを呑み込んで、太洋に注ぐ。
 ランスロットは斃れた。
 砕けた槍と共に、騎士の輝きの兜も既に錆び朽ちた。
 ――アヴァロンの名もない塚の中で。
 皆、土に還った。
 ――ガウェインも、ガレスも、ガラハドも。
 キャメロットの塔は、風見は何処だ。
 高く聳えたティンタジェル城は何処へ消えた?
 悲恋の騎士、輝ける貴婦人は何処へ去った?
 それは解らない――マーリンの魔法は失せたのだ。
 グウィネグィア。
 彼女を呼び戻してはならない――美しい時のヴェールは剥れ、素顔は露と、ナイチンゲー
ルの孤独な嘆きに歌われたその名を、歓喜と苦悩の物語を汚すなかれ。
 アストラットの姫の館――泥壁と草屋根の茅屋。
 虚偽に溢れた愛の騎士と、百合の乙女はただ淫ら。
 ――全てが見える必要はあるのか?
 色鮮やかな伝説――詩人の綴ったタペストリ。
 全ては空ろか。
 全ては虚ろか。
 齢を重ねて樹液が枯れて、根も腐り果てた樫の老木――ローマは崩れた。
 共に崩れてなるかと伸びた若芽――それはブリテンの物語。
 無骨で無知な男達の物語。
 命よりも自由を愛し――
 襲い来たる嵐を、荒れ狂う暴風を、決然と勇躍突進した男達の。
 剣を掲げ、槍を翳し、堂々と馬を駆った男達の。
 恐れを知らぬ、異教の戦士達の。

 ――全てが滅び去っても。

 そして、滅び去った敵を伝説に歌う。
 アーサーか、アンブロシウスか――
 名も知らぬ大将は夢の如き騎士道の華となり、騎士達は不滅の名声を与えられた。
 彼らは儚く、そして少なく――何故斃れたのか。
 知る者はない。
 キリストの旗を掲げ、暗黒に早駆けたのか。
 グウェントの鮮血の如き赤竜に踏み潰されたのか。
 知る者はない。
 されど、誰もが知っている。
 サクソンの群が彼らを圧倒し――ブリテンの上に太陽はもはや照らぬ。
 最後の灯りがあえなく消え去った。
 暗闇に残された誰かが呟く。

 ……アーサーは去った。


 ……さて。
 劃して真実は非ず、されど虚偽も非ず。
 人は伝説に王を謳い、円卓の騎士を称え、物語に物語を重ねて、アーサーは故に伝説
となった――アーサー王物語の、未だ潰え去らない最後の一欠けの理由、そのものさ。
 甘ったるい伝説で結構だ。
 物語は嘘っぱちで上等だ。
 時代は人間の可能性を消費し尽くした、と誰かが言った。そうかい、だったら云っていれ
ばいい。魔術師は何処にもいないが、人間はまだまだ残ってる。皮肉に世相を覗くより、
人間はもっとマシに生きていける筈だからさ。

 その甘ったるい砂糖菓子を、私は許容するよ。
 

145 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :2005/07/16(土) 21:21:42

 ああ……やはり疲れているか。
 身体がダルくて堪らない……ごめん、一度に応えようと思ったが、一つにつき三十分か。
 駄目だ、また。またね。後で。
 

146 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :2005/07/16(土) 22:43:26

 あ、誘われたの、今日だっけ。
 ……間違えてた。
 

147 名前:ミハル:2005/09/03(土) 23:14:11
http://c13.inlive.co.kr/:3890/
・Rock
・Post Rock/Jazz
・Jazz(Classic)
・R&B/Soul
・Core(Slow)
・Hard Core(essence is jazz)
  And More.

148 名前:名無し客:2005/09/04(日) 06:06:06
ここのスレ、ツンデレさんが多くないですか。
あと、猫っぽ神父がエロテープの処分を依頼した「alice」、あれ誰?


新キャラ? 新キャラ?(わくわく

149 名前:名無し客:2005/09/04(日) 18:11:34
>ツンデレ
この場合セシル嬢と・・・誰?

何はともかく遊園地デート期待してますw

150 名前:名無し客:2005/09/05(月) 00:11:23
148ではないが、エーフィ嬢からはツンデレ臭がしないでもない。
無論、今はデレ期。

151 名前:名無し客:2005/09/05(月) 08:49:07
セシル嬢は赤面するたびにデュランダル振り回す最高のツンデレっ娘ですね。

猫神「ところでセシル、なんで顔赤いんだ?」
セシ「ばかっ///(街が割れる)」

152 名前:名無し客:2005/09/06(火) 08:00:29
そういえば、雫が出ますね。

_,,-―=''' ̄      ___,,-―――='' ̄ __,-―='' ̄   /
   _,,-―=''' ̄        _,,-―='' ̄ ヽ       /  +
 ̄ ̄        _,,-―=''' ̄          \    /  . . .  .
      ,,-='' ̄    _ノ         ,_ノ ヽ  /    .  。. ★  ☆
    ,,,-''        / iニ)ヽ,         /rj:ヽヽ ヽ/     。.    .
-―'' ̄         ;〈 !:::::::c!  |___,/' {.::::::;、! 〉 | -┼-   -┼- 丿~~~| |~~~~~| __ ■ ■
.  |.            (つ`''"   |     /  `'ー''(つ.  |. -┼-   -┼- /~~~~/    丿  | 丿 ▼ ▼
   | .        /////       |     /      /// |   | 丶  |     丿   /  丿  ● ●
  ヽ    γ´~⌒ヽ.        |   /          /
――ヽ   /      ヽ      |  /         /⌒ヽ、
    \/       |        |_/         /    ヽ


153 名前:名無し客:2005/09/07(水) 19:18:55
来園翌日の<騎士団>回覧板 見出し

なんとあの"イル"に隠し子が!!?

154 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆WEISS0lzjQ :2005/10/06(木) 00:58:01

 ……お客さんが来てたのか。
 驚いた。そして、すまないね。放りっ放しだった事になる。

 が……ふむ、しかし、まず疑問があるな。
 真っ先に疑問符が浮かぶ謎だ。



 なんだ、ツンデレって。
 

155 名前:◆WEISS0lzjQ :2005/10/07(金) 00:25:14
>>148-151

「……あー、ッかしいわね。クレア――クレア、居ンのかい? ほらちょっとサッサと返事する」
「あー……はいはい、何の用ですかね、お姉さま……パソコン弄ってるって、珍しいじゃん」
「珍しかないんだけどね……それよりアンタ、メール消したかい?」
「メール? 何のこと?」
「審問局当てに送られてきてたヤツなんだけどね……消されてンのよ、これが。知らない? あとこの履歴、
イタズラされてるような気がすンだけどねぇ……「アリス」って、アンタこんなの使ってた?」
「知らないなー、悪いけど」
「はぁ……まァ、いいわよ。アタシも疲れてンのかもしンないしね……コーヒー淹れてくれないかい? あー、
確か……棚の二段目に、インスタントのドリップが……」
「ダメだよマリア、横着しちゃあ……ふふ、メールが消えた? そいつはご愁傷様。そういう時もある物だよ、
きっとね」
「……」
「ハトがショットガンで撃たれた、ってツラだね。やあやあ久し振り、マリア、クレア! 一年と八ヶ月ぶりか
な! お姉さまのお帰りだよ!」
「ルーツィア……アンタ、どこ行ってたンだい、今まで」
「どこと言われてもね……敢えて言うなら、京都でお茶を飲んでいたんだよ。日本さ」
「……え? ウソ、お姉さま!? ウソ、ってうわほんとじゃない! 何してたの今まで!」
「久し振り、クレア。何? と言われると色々とアレだけれどね。仕事だよ、仕事。僕も色々と忙しいんだ……
昨日までは休暇でね、日本にいた。ああ、それから僕にもコーヒーを淹れてくれたまえ。喉が渇いた」
「日本、ってなんで……ちょっと待ってお姉サマ、ついさっき舌の根乾く前にものすっごい言ってなかった?
横着しちゃダメって」
「言ったよ? インスタントなんて横着はダメだと言ったのだよ、僕は」
「ぜ……、ゼンゼン変わってないね」
「人間が変わるのは信念が弱い所為だよ。生憎、僕に薄弱な理念はなくてね」
「……もーいいっす。淹れてくるね、コーヒー。んー、っと、ルー、お砂糖は?」
「要らないよ」
「オッケ」
「相変わらずアル中全開のようで、我が姉妹。僕は君の体が心配だよ、マリア」
「アンタにゃ言われかないんだけどね……。日本行ってたって何? セシルの顔でも見に行ってた? アン
タ一体普段はどこで何してンのさ。優秀さは無謀の許可証じゃねーのよ」
「セシル? ああ、今は日本だったね。だが生憎、九十度ほどハズレだ。んん? 僕は仕事はしている。偶
には恋人と語らう時間があってもいいだろう?」
「恋人、ねぇ」
「ウソだよ。恋人じゃあない……まあ、現地夫、いや、僕が通い妻と言った所かな。あはは、その顔、いいね。
久し振りにナマで見たよ、マリア」
「あたしゃライブ放送か何かかい。ふん……で、日本に今まで?」
「色々とあってね。休暇をフルに活用して愛と堕落の日々を送っていただけさ……まあもっとも、その休日
中に心臓をエグられるわ右手を落とされるわで大変だったな。心臓は使い物にならなくされたし、右手は辛
うじて繋ぎ直したが――参った、新しい心臓がマトモに動くようになるまでに一週間も掛かったよ。久し振り
に、いやいや、初めて! 初めて地獄を見た! 東洋の神秘だよ! 素晴らしく世界は広い! 僕もまだま
だまだまだ未熟、いや、性能不足だね。性能差で言って軽く十倍だな。ふふふ、あれは騎士団のイリヤ老
でも梃子摺るだろうな」
 

156 名前:◆WEISS0lzjQ :2005/10/07(金) 00:25:35

「ただいま、って……うっそ、ルーが!?」
「僕がだよ。それよりクレア。コーヒーが零れるよ。気を付けてくれ」
「ああごめん。いやそんなことより」
「そんなこと、じゃないだろう。おいおい、しっかりしてくれたまえよ、僕には君のコーヒーの方が百倍千倍万
倍重要だ! 僕は何度も済んだ事を振り返るなと教えただろう?」
「……はぐらかそうとしてない?」
「まさか。しかし僕の容態なんて聞いても仕方ないだろう? とうに完治してるからここに来たんだ。老人方
に不甲斐ないザマは見せられないからね。第一だね、あまりボコボコにされた記憶など自慢げに語れるよ
うな神経は持ってないんだよ、お生憎」
「……ていうか、ルーがそんなボコボコにされたのが全然信じられない……何その相手。どんなバケモノな
のよ? もう1999年過ぎてるよ」
「世紀末の大王? はは、そいつはいいな。そっちを相手にした方が余程マシだったね……どんな相手と言
われてもな……、そう、女の子だよ。ついでに僕とこの組織のささやかなメンツを守る為に言うなら、あれは
僕と相性が最悪だった。クレア、君やマリアなら……もう少しマシだっただろうな。僕は外部供給タイプだか
らね。結界使いとは相性が最低最悪なんだ。時空間に干渉される結界なんて……いや実際、イリア老くら
いしか相手として想定していなかった」
「……女の、子?」
「君よりも年下、丁度セシルくらいの歳に見えたな。特徴と言えば服のセンスが壊滅していることくらいだよ」
「……外見だけならルーのが私より年下じゃない。それよりそいつ、」
「何者か? は、何者か解るなら良かったがね! しかし残念のお生憎、逃げるので精一杯だ。日本の某所
を散策中に不意打ち気味に凶悪極まりない攻性結界に閉じ込められて、逃げ道を探す前にズタボロにされ
た。……いや全く、殆ど一方的にやられたよ。僕とは油と水、そしてその水は清流の上に濁流で、挙句の果
てに大洪水だ。一滴の油など混ざってお終いだ。人間と戦っている心地がしなかったよ。相性が悪過ぎた。
マリアとセシルを足して二で割らないような子でね、アレは少し、大分、洒落にならない……そもそもどうして
僕が狙われたのかも解らなかった。なんとか刀を叩き折ってから空間を多少強引にブチ曲げて逃げたが、
あの時ほど武装忘れを後悔した事はなかったな。剣の腕だけ取ってもセシルよりも上かもしれない」
「アンタ……マジで言ってンのかい、それ」
「まじだよ。大まじさ。日本人か中国人か、可愛い子だったよ。そして強い。借りを返す自信はないし、僕はそ
んな事には拘らない。だから二度と会いたくはないね……、そんな訳でラクとは言い切れなかったよ、日本
旅行も。――さて、コーヒーを飲もうじゃないか。お土産はないが、土産話なら用意しているからね! まず
はエジプト、それとイギリスから……」
 

157 名前:◆WEISS0lzjQ :2005/10/07(金) 01:01:58
>>148-151.>>153

「……」
「どしたん。エラい剣幕で走り込んできよって……ナンや、ついに敵襲かい。ヴァチカン総力戦、マルっきり笑
えんな」
「笑えねえのは解るけどな。とりあえず入り口閉めろ。早く」
「もう締めたりますー、あのな、一応ここ、オレの隠れ家やで? バレたら笑えんわ。エエから座れや。コーラ
飲むか?」
「要らねぇ……要らねぇけど、黙っててくれ。心臓に悪い」
「……どしたん、ホンマ」
「何でも……」
「ん? んんん? この回覧版やないん? ”隠し子発覚”――うおわ、ナンや、ビックリするで」
「……テメエこれ、どこで見付けた」
「どこもクソも広がりまくっとるわ。騎士団で知らんヤツっておらんちゃう?」
「……」
「世界の終わり、っちゅーカンジの顔やな。ファティマの姉サンとかこれ見た時のカオ、な、ホンマ凄かったで、
いや傑作や」
「……ファティマ、見た?」
「おー、そりゃもう。半径一キロにゃあ近寄りたかぁないな。死ぬわ」
「……ああああぁぁぁ、やっぱりかよ。なんでアイツまでキレんのかな……」
「セシルちゃんに連絡はー」
「入れたらここで密室殺人が完成するな」
「ウソん。……いやまあやらへんけどな、でもワルいんオマエやろ? ナンやねん隠し子って。なに? 何歳?
オマエのトシから引いて何歳なん?」
「俺が生ませたんじゃねぇ……」
「ナンやそれ。じゃあアレか、連れ子か」
「似たようなモンだよ」
「うーわ……年上趣味かい、知らんかったなぁ」
「似たようなモンだけどさ……いや年上趣味ってのは結構大分違う……そうだけどスゲェ年上だから大分違う
んだ、って、けどなぁ、――あれ」
「ナンや」
「……この原稿、なんで配れそうなくらい束になってんだよ。百枚超えてんぞ」
「…………」
「黙んな」
「あ、ああああだだだだだだだだだ!? ちょ、ナンやオマエ、何疑っとんの!? まさかオレ? オレ疑って、」
「正直に言えばな、いいぜ早く」
「すいませんオレがやりました」
「……さて」
「ああああああだだだだだだだだだだだ、あ、頭が、わ、割れるってホンマちょっと、やめ、止めッ!」
 

158 名前:◆WEISS0lzjQ :2005/10/07(金) 01:29:48
>>151

「……」
「……セシル」
「……」
「セーシール」
「……なんだ」
「カオ固ぇって。……一時間くらいソレだな。俺、なんかしたっけ。不機嫌になるようなマネした?」
「……してはいない。少々、自分の置かれている状況が理解出来ないだけだ」
「なんだ……やっぱイヤだった?」
「イヤではない、が……解らん。サッパリだ」
「……セシルさん?」
「あ……あ、はい、なんでしょう?」
「浮かないお顔ですが、何か……」
「……いえ、あまりその、私は誰かのお宅にお邪魔するということが」
「そうですか? ……その、兄さんと親しいようでしたから」
「いえ、神父とは初めて教区が重なりましたので、時折、こうして取り留めなくお話を」
「……そ、うですか。あ、いえ、その、ごゆっくりなさって下さいね」
「ええ、ありがとうございます。メアリさん」
「……」
「……」
「なるほど、ムリしてるな」
「……黙れ。自覚はしている」
「唐突に斬り殺されるよりマシだけどな、いっそここに住んでくれ。気が楽だ」
「……、貴様、それはどういう、」
「なんでもね――、あれ。夕子!」
「……?」
「フィーだけどさ、今日は見ないな。どこ行ったか知ってる?」
「……、……、…………」
「へえ、打ち合わせ……ああ、解った、悪いな、引き止めて」
「……!」
「ははは、いやいや。いいから気を付けろよ、カラダ」
「……何を言っていたんだ、あの子は」
「妹の……いや、上から三番目の妹がな、どこ行ってるのか聞いたんだ」
「……よく解るな」
「妹だからな」
「……ふん」
「なんだよ」
「なんでもない」
「つまんねーな、その返答……問答しようってんじゃないけど、話題ねーのかよ、話題とかさ」
「話題?」
「雑談でもいいけどさ」
「と、言われてもな……例えばなんだ?」
「なんだ、って言われてもな。なんでもいいよ」
「ふむ。……ならば」
「なんだ」
「”ツンデレ”とはなんだ」
「……いや悪い、なんつった?」
「ツンデレとはなんだ」
「……日本語?」
「知らん。が、そうだろう。書き文字が日本語だった」
「メアリ……メアリ! ああ、悪い。このノート借りていい? 回線は……ああ、繋げてあるんだ、そっか、悪い。
ちょっとだけ借りるよ」
 

159 名前:◆WEISS0lzjQ :2005/10/07(金) 01:30:26

ttp://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C4%A5%F3%A5%C7%A5%EC

「出たぜ」
「……」
「スゲェな、流石もう記号の国っつーか、言霊? なんでも名前付けるってな、定義付けもここまで来ると壮観
だと思うぜ、俺。うわおい、本まで出てんぞ、な、これ」
「……ちょっと黙ってくれ」
「なんだよ」
「この際だ、私は別にこの国が造語を安易に発生させ得る土壌と地盤を持っていて、それがこれほどメディア
とサブカルチャーとして密接しながら溢れているという事実には何も言わん」
「言ってんじゃねーか」
「私がそれに該当すると言われた時、私はどうすればいいと思う」
「……、……あ?」
「だ、だから!」
「だからも何も、なんだよそれ。意味解んねー……、えーと、「“普段はツンツン、二人っきりの時は急にしおら
しくなってデレデレといちゃついてくる”ようなタイプのヒロイン、あるいは、そのさまを指した言葉である」……、
これ……なぁ。ふうん……ええと、セシル」
「な、なんだ」
「ツンツン、ってのは、まあ、解る」
「……まるで嬉しくないが、そうか」
「お前、二人の時もそうだよな」
「……そ、そうか?」
「まんまだっつーの……当て嵌まってねーし」
「……ちょ、っと、待て!」
「なんだよ」
「ど、どうして私が貴様の前でそ、そそそそそんな態度を取らなければいけない!? う、自惚れるな貴様!」
「セシル」
「私は別に貴様、」
「みんな見てんぞ」
「……だ、」
「座れって、とりあえず」
「……」
「だから別に言ってないだろ、そんなの。自惚れてねーし、俺もこれイマイチ意味解んねーし……」
「……”二人きり”という定義は、つまり、そうだろう。意中の人間と一緒でもなければ、」
「でも、ないだろ。っつーか……俺ら、別にそういう感情持てねぇだろ」
「そ、それは――」
「なんだよ、別にそんな相手がいるとか?」
「な……!」
「いやいいよ、それは。な、審問局だから規律固ぇの知ってるし、言わないから」
「……!」
「痛……ッ、ちょ、お前、な、」
「うるさい! うるさいうるさいうるさいバカ黙れ! もう知らん!」
 

160 名前:◆WEISS0lzjQ :2005/10/07(金) 02:34:20

「……と言われてもね、困るのさ、岬」
「えー。……なんで、流行ってるんだからいいじゃん、クロ。キライ? こういうの」
「意味が解らないと言うべきだね、だろう、湍那君」
「……ちょっと、こっち振らないでよ。なにそれ」
「なにもなにも、これは私より君に適用されるべき定義だよ、哭澤湍那君。普段からツンケンしている
君のことだ、こういうマンガやらでお約束、君は恋人ができた途端にその性格が猫を可愛がるプロレ
スラーのように豹変するとかそういう事はないのかい?」
「ってーか、死んで」
「おやおや。……だそうだ、岬。そもそも私にはそれが”解らない定義”だ……と言えるね。残念なが
ら、私はその「ツンデレ」に当て嵌まらない。いやいや、当て嵌まるのかもしれないが、私にはこの定
義が一体どこからどこまでを許容するのか逆に問いたいところだな」
「……許容?」
「許容さ。生憎と君が検索で引っ張り出してくれた「はてな」に引っ掛かっているマンガは一つも知ら
ない作品がばかりだが――だがね、意味くらいは解るよ。これは最初からトゲのある態度を取って
いた子が……という事だが、生憎と私は誰にも最初からデフォルト、この態度のままなんだ。数多
存在する作品に経験則を適用して作られた言葉、と言うのは解るがね……そうだな。湍那君、私は
最初どんな人間だと思われていたかな」
「はぁ? 誰によ」
「無論、君だ」
「なんであたしに振るかな……」
「いいからさ」
「変人」
「おっと、厳しいな。ふふ。……さて、では岬、君は?」
「え? やっとわたし? ……なんかさ、最近クロわたしに冷たくないかな……えーとそりゃ可愛かっ
たよ、最初っから」
「”変人”に”可愛い”か。実際それは両方何度か言われたな。結構、でははたしてそれは一般的知
識なのか? そうだろう。一般観念と言える物だよ、その双方は。経験の蓄積で定義された……と、
まずは言えるだろう。相当遡らなければならないが、アリストテレスの時代にも変人はいた。彼自身
がそうだった、とは言わないが……さて。知識の定義付けは、経験の反復だ。火を見て「熱い」と思
うのもそうだ。岬、氷は?」
「え? あ、ええと、冷たいね」
「では、湍那君」
「なによ」
「ラッキー・ルチアーノと言えば?」
「はぁ? ……マフィア――サラヴァトーレ・ルカーニア」
「流石マニア。さて」
「あんたちょっとサラっと何流してんのよ」
「マフィア映画を語る上で重要な作品は? ”コーザ・ノストラ”、”グッド・フェローズ”はまずは確定
と言えるだろうな。”ゴッド・ファーザー”、”ゴッド・ファーザーPARTU”も確定。さて、あとは……私
なら”ミーン・ストリート”を推すね。五つという縛りにしよう」
「”ミーン・ストリート”よりは”カジノ”じゃない」
「だからマニアと言ったのだよ、湍那君」
「……」
「からかうのはこれくらいにして、ふん、さて。これは一般化された知識なのか? まさか。だがまあ、
作品という固体レベルの話にしてしまっては聊か強引だが……ここで話を戻そう。「性格レベルの変
化」と、「元来の性格がそうだった」、というのはさっきの話を聞く限り同一に扱われるね。だが、だ。
いいかい? 数多のサブカルチャーの上で定義付けられたかの「ツンデレ」だが、私のように明確に
どう思われているかも解らないような人間をそう定義するのは少々難しいんじゃないかな?」
「……主観だと思うけど、そーいうの」
「そうかな」
「クロエ」
「ん? なんだい湍那君」
「横槍いいかしら」
「もちろん」
「知性と反射って、別じゃん」
「おっと、そう来たか……だがね、こうも言えないか。正にこの定義は個々の経験の蓄積が、ウェブ
という媒体を触媒として作り出された”一般知識”とね。これは知性よりも想像力、行動力の為せる
技だと思うよ、私は」
「ふーん……それ、ダウト。ハナシはぐらかすの反則」
「鋭いね。だがしかし、私が言いたい事は最初から決まっているのだよ、湍那君」
「……何が」
「この世には不思議な事など――これは冗談。つまりね、この「一般化」は、行き過ぎればレッテル
と化すのさ。兄さんならこれをヘヴィロックとヘヴィメタルとデスメタルとメタル・コアとポスト・ロック
に関して関係させて例を百個くらい引っ張ってきて長々と説明してくれるところだが、今回は私だ。
サッパリと行こう。「君のキャラはこうだ」と決め付けられては――ほら、困るだろう?」
「……クロ」
「なにかな」
「……な、なんかワリとどうでもいいこと気にするんだね」
「そうでもないさ……いやいや、実際私は”デレデレ”になった経験がなくてね。おっと、君がやって
くれるのは嬉しくない。遠慮しよう。湍那君なら新鮮で嬉しいんだが」
「帰っていいかな」
「ウソだよ。……ま、つまりそういうことさ。「適切な特性を取り出して定義付けられる日本という国
の特殊性」――とね」
 

161 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆WEISS0lzjQ :2005/10/07(金) 02:39:58
>>152

 で、「雫」か。
 ……少々調べてみたが、どうも解らないな。
 ひょっとして……以前にCDの関連でレスのついたことがある、プレイステーションのカメラで
心霊写真を撮って霊を撮り殺すというどこだかの小説で読んだようなあの作品のことかい?
 ふふ、失敬。いやね、実際心当たりがなくてね……すまないな、憶えがあればいいのだけど。
 

162 名前:名無し豆腐:2005/10/07(金) 20:11:58
>161
邪魅の雫が出ますよー、と講談社さんが発表したんですけど、
これは京極夏彦先生の原稿の上がり具合を無視した独断発表で、
実際にはまだぜんぜん発売できる状況じゃなかったみたいです。

なっちは夏の初めの体調の崩れと、
劇場版姑獲鳥のインタヴューなどに時間を割かれ、
予定通りのスケジュールをこなすことが出来なかったみたいですねー。
詳しくは大極宮参照。ブチきれたなっちが見れますよ(笑

163 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆WEISS0lzjQ :2005/10/07(金) 20:12:58

 な。
 

164 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆WEISS0lzjQ :2005/10/07(金) 20:15:22

 ……いや、失敬。
 そうか、そうだったか、しまったな。
 最近は……会報、いや、情報自体自分のことに感け過ぎていた……参ったな。

 ……ああ。
 失礼、それとありがとう。心に留め置こう。
 一瞬机に頭を打ち付け掛けたよ。
 素晴らしいニュースだよ、それは。「OH! GOOD NEWS!」のまま行く事を願おう。
 

165 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆WEISS0lzjQ :2005/10/07(金) 20:21:36

 ありゃりゃ、こいつは……全然「BAD NEWS!」じゃないか。
 ……でも、事情はわかったよ。作家である以上、こればかりは仕方ない。期待する人間として、
更なる発展と素晴らしい内容を期待しよう。
 

166 名前:ミハル:2005/10/07(金) 20:27:22

 つーかオレンジ新曲、めっちゃアレとかアレの臭いがしてるっスね。
 ……まー、サマソニだと見栄えしないバンドだったけど、これだけ聴いてるとこのJ-POPが
食中毒起こしてUSコアとラウドロックをクスリに飲み込んだような音はワルかないかなぁ、と
か思った、り、も……けど、実際アタシがこのバンドのライブ見るとノレないんだよなぁ……、
とも同時に感じます。
 レッテルとか抜きで、単純にアタシがここのヴォーカルダメなだけなんですけど。

 「GET WILD」素敵。
 当時に聴きたかったっスね、こーいうの。海外でも流行るのワカるかも。
 Mステこれだけ見るのヒサしぶり。
 

167 名前:ミハル:2005/10/08(土) 03:05:39

 時間あったんでモロモロやろうとしたことあったけど、ちょいヤメ。
 ……ネムいんで、明日また。
 

168 名前:名無し豆腐:2005/10/09(日) 13:30:17
眠気覚ましの【ナラン茶】【アバ茶】

さあ今日のご注文はDOTCH!?

169 名前:ミハル:2005/10/09(日) 16:15:48

 どっちもイヤにキマってんでしょうがッ!
 ……でも「ナラン茶」って、場面的にはねーっスよね。



 でもってゴメン。ゴメンじゃないけど。
 こっちのスレ向けのCD紹介でもやろうと思ったけど、ちょい友達のバンドがメンバー欠席で助っ人頼まれた
んで出掛けてきます。どーせちっこいハコだしソッコーでアタシの出番終わるけど、あんまり憶えてねー曲な
んで、さっさと思い出さないと……リズム隊だからまあいいんだけどさ。
 ちなみに予定してたCDは(誰も聞いてねーよってカンジだろうけど)、”やっぱり怒ってた”メタルコアへの怒
を乗せて・ビョーン・スピード・ストリッド、テラー2000、”この間地下スレで火の鳥のお姉さんに言われて思い
出した”クサ過ぎクラシカル・メロパワブラック、ディヴァインファイア、”あっちがヤマトならこっちは戦隊モノ”
メロパワ大家、ノクターナルライツでした。
 ……しっかし、結局アタシってメタル好きなんだよなぁ。どんなジャンル手伝ってもどんなジャンル聴き出し
てもここに戻って来るんだもん。
 

170 名前:名無し豆腐:2005/10/09(日) 18:48:06
ところで、荒木先生が表紙・挿絵担当なされている「女王陛下の少年スパイ!アレックス」
(JOJOラー的には「真紅のロマンホラー!女王陛下の少年スパイッ!アレックスの奇妙な任務」にしてもらいたい)
シリーズについて何か一言。

ジュブナイルだから児童コーナーにしか置いてないの見逃しがちだと思われますが。

171 名前:名無し豆腐:2005/10/10(月) 21:07:14
今までに出てきたキャラクターの整理をしてください。
誰が誰やらわかりゃせぬ。

オリキャラと版権キャラの区別も是非に。

172 名前:名無し豆腐:2005/10/11(火) 20:34:46
猫神父
猫ァ。
セシル・ヴィルキエ
猫神父の同僚、ツンデレ魔術師。町を一つふっ飛ばしちゃう武器、デュランダルの所有者。
マリア・C=ランカスター
セシル嬢の同僚。酒飲みのお姉様。セシル嬢を子供扱いしていたので相当強いのでは。
セシル嬢いわく。
>「私のデュランダルが無茶ならマリアのブリューナクは海を端から端まで余波で割るぞ」
だそうで。
クレア・エリザベート・クランツ
セシル嬢の同僚・その2。
アストリーデ・マクシミリアン・ゲオルク=フリードリヒ
名前だけ確認。セシル嬢の同僚?
セシル嬢、クレア嬢、マリア嬢、アストリーデ嬢が「四家」だとか。
ルーツィア>>155-156
某スレで七緒嬢が言う「叩き折った相手は右腕と心臓を破壊してやったのに巧く逃げおおせたこと、
その相手の見事さを称えたいこと」がこの人?
ジェイムス・”マッドファクトリー”・ブリングス
猫神父の同僚、科学者。
エーフィ・クロエ・ハウサー
猫神父の妹さん。読書家、不思議っ子。ドイツ人らしい。
牧村岬
百合っ子、クロエ嬢の友人。
哭澤湍那
なきさわたきな。岬嬢の友人で、分家筋?
>「牧村本家の宗像は、ウチの本家」
らしいので。
七緒
猫神父の隠し子…嘘です、友人の娘。センス壊滅な貧乳娘。ものすごく強い。
碧霞、メアリ、リーゼ、夕子>>158
猫神父の妹。
リック、トム
猫神父の弟。

過去ログとか見ながら書いてみました。
自分は設定厨なんで、一度長編とかの小説書いてほしいですが…。

173 名前:名無し豆腐:2005/10/11(火) 20:39:30
>リック、トム
リックドムに見えてしまった件について

174 名前:魔刃シャハル ◆SaHarLKKlw :2005/10/11(火) 21:33:04
何その12体が3分保たない弟。

175 名前:名無し豆腐:2005/10/11(火) 21:49:43
>172に勝手に追加

ファティマ(コードネーム)
弓使い。万軍を討つ元カーリーの巫女。
右手のブレスレッドは戦闘時には「サルンガ」に化け、ちょっと威力がやばい。


筋肉の人。たぶん素手の戦闘ならいちばん強い。
中華思想に通じていたようないなかったような。

イリヤ
たぶん最強の魔術師の爺さん。
ねこっぽ神父曰くもう死んだ方がいいらしい。

176 名前:名無し豆腐:2005/10/12(水) 17:25:03
>>175に追加
エリス・"ブリング・イット"・フィックス
騎士団の怪物大男、「聖なる浮沈艦」
「オガムの対霊呪詛を刺青し、拳には天使封印のサークレット」のアイリッシュ。
魔術が使えないかわりにどんな魔術も受け付けない。
ジェイムス氏曰く。
>「今度はイージス艦ブン殴って沈めるて息巻いとったで。もう人間あれへんな、ホンマ」
らしい。まだ登場してない(多分)

"ソリッド・システム"・ムステイン、"マスター・ビースト"・セシリア、"戮仙"・黄老人、"魔女"・アリシア
今は無き最古の騎士団「マウリティウス」の騎士?達。セシル嬢の組織から見てもまれな人材が揃っていたらしい。

鴻韶涵
>「このヴォケ! 謝れ! 謝罪しろっ! アンタは今すぐ全国のお父さんに地面に額を擦り付けて土下座しろっ!」
古物商、仙人。「顔は可愛い」らしい。(神父談)
物作りの才能は天才的?

鴻詠霊
>「いきなり人の髪を弄り回しおって……なんじゃ、ならばお主、道行く女子を捕まえては髪を撫でておるのか? それでは変態所か犯罪者であろうが」
鴻韶涵の姉、仙人。美人。猫神父の愛人…いえ嘘です。多分この人が七緒嬢の母親。
名前は偽名っぽい。

セシル嬢<クレア嬢・マリア嬢
神父<七緒嬢、七緒母・叔母
セシル嬢+マリア嬢>>156<七緒嬢
ぽいので、上の仙人二人か「イリヤ爺さん」が一番強いのかと。

版権キャラは吸血大殲関連で「ブレイド」「プレストン」「ダンテ」を確認してますね。
他にも三輪坂嬢とカレー修道女が吸血大殲での版権関連キャラだったような。
でも最近顔を見ないのでセシル嬢優勢(ぇ

177 名前:ミハル:2005/10/12(水) 21:51:43

 アンタら……


 ……なんでアタシの名前が出てねーのに疑問の一つも憶えないんスかぁーッ!
 そんな!
 胸の貧相な人種が何人も名前出ててッ!
 ちょっと前に喋ってたアタシの名前が出ずにリックとかトムとか名前出てるのはどーなのよ!?

 ……ま、まあ、いいけどさ。
 いいよ、もう。

 しっかしまあよくもこれだけ……アタシも憶えてな、いや、や……まあ、うん。
 なんてーか、出してくれた人お疲れ様です。
 版権との区別ってことだけど、そっち関連は言われてる通り兄貴の古巣オンリーです。
 あと「ピーター・カレンツァ」とか「フランク・ケリー」とか、「タルジェノ」とか「ガエタノ」とか。いやアタシ
は会った事ねーし誰だか知んないけど。
 

178 名前:名無し豆腐:2005/10/12(水) 22:01:06
>>173-174
3分で12人の弟を堕とす神父…!

ちぃ…っ。ヴァチカンの白い奴はケダモノか!?

179 名前:魔刃シャハル ◆SaHarLKKlw :2005/10/12(水) 22:27:57
12人の妹でない辺りがアレですね。
ちなみにブラザープリンスでぐぐr

180 名前:◆FXSAKUYA52 :2005/10/12(水) 22:57:07
>12人の妹
代表として言わせてもらうなら――――



―――――勘弁してくれ(豆腐が後頭部を直撃した時のレイオットさんッ面で)


181 名前:魔刃シャハル ◆SaHarLKKlw :2005/10/12(水) 23:08:11
というか、胸くらいしかアピールポイントがないのに覚えてろと言うのも我が儘な話(ry

182 名前:◆FXSAKUYA52 :2005/10/12(水) 23:12:43
>>177
「自称Fカップ」まで読んだ。

183 名前:ミハル:2005/10/12(水) 23:40:36

 え?
 あ、え、なにそれ。なにそれなにそれなんですか?
 皮肉? えぇ?
 なんだそれとも嫉妬かうらぁ!
 ああ! いいかぁ! >>172の人も>>175の人も>>176の人だって!
 ただ全員がちょっとだけ偶然にも忘れただけに決まってるじゃないっスか!

 それにッ! いいかッ!
 アタシは「F」じゃあないッ! 「G」だッ!
 兄貴だって、えーとなに? セシルちゃん? は! あのコとかフィーちゃんみてーなロリ体系より
アタシの方がいいに決まってんですよ! アタシなら「ぎゅー」ってできるんだ!
 解るか!

>12人
 カート、セバスチャン・バック、トミー・リー、スティーヴ・アルビニ、トレント、レミー、ロブ(ハルフォ
ード)、ケヴィン・ムーア、”リッパー”・オーウェンズ、メイナード・キーナン、ザック・デ・ラ・ロッチャ
で当て嵌めると理解できました。
 リッパー君はロブ君を尊敬しつつ敬遠してます。
 

184 名前:名無し豆腐:2005/10/12(水) 23:43:33
>>183
おいおい。
胸だけで妹選ぶのなら、>182の妹さんは一人勝ちしてたって。

185 名前:ミハル:2005/10/12(水) 23:48:19

 何ぃ!
 いやでもそんなでなく、キャラ立ちの問題、は、ぐ、く……!
 「ツンデレ」とかそーゆーのないとダメなんですか!?
 ワカんないよ世の中ッ!

 うー……いやだってですね、あー……なんでアタシじゃダメかなぁ……。
 

186 名前:魔刃シャハル ◆SaHarLKKlw :2005/10/12(水) 23:49:54
一人ハードゲイな弟さんがいるのですが、仕様ですか?

ああ、あと胸ならドイツ人ジャーマン妹春歌さんの方がry

187 名前:魔刃シャハル ◆SaHarLKKlw :2005/10/12(水) 23:52:33
あとカート・コバーンとかトレント・レズナーな弟はイヤだと思います。

188 名前:ミハル:2005/10/12(水) 23:54:53

 仕様です。だからリッパー君は畏怖してます。
 あとアタシもイヤに決まってんでしょうが。家がネクラオーラで包まれた挙句にショットガンで
肉片散ったり一度アルバム作った後はひたすらゲームに没頭する音楽オタクな弟は、

 ……ああでも、最近トレント君は更正したのでアリです。
 むしろメイナード君がどこまで行っても救えません。
 

189 名前:名無し豆腐:2005/10/12(水) 23:56:59
春歌さんは、胸”だけ”ではないので……

お兄さんを射とめる為には、ミハルさんにも、
もうワンポイント特徴が必要かもしれませぬな。


つ△_△

猫耳とか

190 名前:魔刃シャハル ◆SaHarLKKlw :2005/10/13(木) 00:00:44
つ【兎耳】

191 名前:ミハル:2005/10/13(木) 00:02:21
>>189

 前にイッペンそれ付けたら部屋に連れ込まれ掛けたんでヤメときます。
 ……ってのは、まあ、ないけど。ないない。

 そういう、ええと何?
 記号っていうより、なんだよあれほら!
 プラトニックなの! アタシはそういうのを求めてるんだ!

>>190

 そっちも。
 危うく貞操の危機、

 ……ウソウソ、兄貴はそんな人じゃねーっスけどね。
 アレでアタシらに触る時は許可取るし。
 

192 名前:名無し豆腐:2005/10/13(木) 00:05:10
許可取ってから、やりたい放題ですか

193 名前:魔刃シャハル ◆SaHarLKKlw :2005/10/13(木) 00:07:08
 「猫っぽ……ッ



 あ、ああ、いや何でもないんだ。ないんだが、そのふかふかしたむn

 いや違う、耳を、触らせてくれないか2時間程」


ということでしょうか。

194 名前:ミハル:2005/10/13(木) 00:09:31
>>192

 髪触るだけっスよ。髪。
 髪の匂いとか好きらしいから。

 やりたい放題もなにも、アタシは年少組と違って一緒に風呂入ったりとか一緒に寝てたりとかしないし、
その辺は知らないっス。
 や、一応家族だよ? アタシら。

>>193

 サイズ測ってくれたのは兄貴……、

 じゃあ、ないけどね。別に。
 耳はどーだろ。居間で寝てたら触られてた憶えがあるだけ、かなぁ。
 

195 名前:ミハル:2005/10/13(木) 00:26:05
>>170
 ってうあ、こんなJOJOな質問がッ!?
 ……フィーたんにパース。
 あとでね。

196 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆WEISS0lzjQ :2005/10/13(木) 03:19:20
>>170

 「物事にはお約束がある」

 ……再構築だリヴァイバルだと世間は騒々しいが、これは敢えて言うなら後者となり、そしてこの翻訳小説
業界は不変であったという事実を鑑みれば、別にブームだなんだ、と必要以上に騒ぐことはない。内容には。
いや、まだこれは置いておこう。そこは酷く私的な感傷だ。
 「007」を知らない人は……まあ、まずはいないと思うが、かの作品の再構築・再解釈モノは溢れて久しい。
だから解り易く説明しろと言われれば、こう言おう。
「少年が主人公の007だ」
 これで興味を抱く人間が何人いるかは別として、スタンダードな形式を突き詰めた作品としてはそう、所謂
日本で言う「少年探偵団」に馳せる憧憬や夢……という、”痛快冒険小説”に通底するロマンスが近いな。昔
はわんさと溢れていたが、最近で名前を見掛けるベストセラー……はこれで中々、ないに等しい。
 実の所、それ以上語るべき場所はない。ないが、それだけで魅力的だと言うべきだ。ジェットコースター的
なテンポと構成は作者の出自にも関係あるのだろうけど(映画脚本家)、これが翻訳小説であり、尚且つ少
年少女向けに書かれているのも大きいね。とは言え……翻訳以前の時点で読んでいた人には「今更」かな。
最初の一巻からテンポよく読める筈だ。穴がある? 君、馬鹿を言っちゃあいけないよ。冒険小説は夢と爽
快感を追求する作品なんだ。欠点と言う欠点は、そうだな。訳者が変わるという事実だけは避けてほしい物
だ。小説としては少々それが辛い……が。ここで「訳者と作品、訳者の存在による作品の価値、訳者という
存在の創造性」と一語りぶつこともできるが……長くなるな。これはまたの機会にしよう。「X/Yの悲劇」とか、
どちらかと言うとそっちに関連させて話せそうだ。「ライ麦」とかね。……もっとも、機会があればだけど。
 さて。
 最も重要なのは、この一点だ。

 荒木飛呂彦ッ!

 この「神」の存在で命を吹き込まれた小説が「駄作」などと言うことがあるのか?
 いいや! 「ない」ねッ!
 それが全てであり、それが結論だ。


 ああ、そうそう……ちなみに作者、「ポワロ」の監督だよ。
 

197 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆WEISS0lzjQ :2005/10/13(木) 03:26:38

 とはいえ、あはは……>>170君が「穴がある」なんて言った訳じゃあないけどね。
 値段が高いのはま、仕方ない。この系統は高いからさ。
 だがまあ、「ハリーポッター」の類似品を片っ端から買うよりは私にとって「スバラしく有意義」な選択で
あると言えるだろうね。ガクブチに入れて飾ってもいいそのアーティシズム! 荒木先生は偉大だ。
 文庫ではこうは行かない……これはハードカバーで仕方ないんだ。
 あと、映画の脚本、でなくてテレビドラマの脚本、になるか。
 成る程、テンポを考えればそちらが納得だ。
 

198 名前:◆FXSAKUYA52 :2005/10/13(木) 08:19:32
プラトニックな恋愛を夢見る女の子はなァ!

自分の胸の大きさをひけらかしはしねーンだよォ!!
【憑依合体ギム・ギンガナム御大将】

そういうわけだから後でミハルちゃんとシャハルさんは垂直飛び連続三十分のこと。
【胸が大きい人が一番痛がる事をやらせようとする元G'sの女王】

199 名前:名無し豆腐:2005/10/13(木) 14:37:02
>>198
え…シャハルさんも痛いの




――だそうですよ、神父。

200 名前:ミハル:2005/10/13(木) 17:49:31

 ひけらかしてるんじゃあない! 事実を言っただけだっ!

 ……てーか、やんねーですよ。
 別に下着しっかりしてるからイタくないし。そっちの人(?)が大きいかどうかは知らないっス。
 

201 名前:◆FXSAKUYA52 :2005/10/13(木) 17:59:42
>>200
……ああ、最近の補正下着はすごいものね。
背中の肉だったら揺れようと何しようと千切れるような痛み感じないし。


202 名前:ミハル:2005/10/13(木) 18:08:18

 ……ケンカ売ってんスか、アナタ。
 アタシのは純正にして天然ですよ。
 兄貴のお隅付きだい。

 てーかですね、アタシはそれなりに鍛えてるんで、あんまそーいうのないです。
 昔は太ってるように見えるからヤだったんだけどね。ま、あんま気にしてもしゃーないですし。
 いやまあ、ホントに最悪なのは服が選べないこととなんだけど。Eまでは割と選べるのあんのに、
なんで一気に減るかな。
 

203 名前:◆FXSAKUYA52 :2005/10/13(木) 18:24:23
――――奇遇ね。
私も(バストを)鍛えてます、ヒュッ(何)

ま、F越えると可愛い下着が無くなるしどうしても外国産になるから高いし。
女子高生はDあれば充分よ。


ちなみに春歌ちゃんは和装が多いし大きいので基本的にはサラs(ry

204 名前:魔刃シャハル ◆SaHarLKKlw :2005/10/13(木) 19:31:30
…………えー、何故私が垂直飛びしないといけないのか激しい疑問を感じるのですが。



本体が、とか言わないでくださいね。
色々と困ったことになりますから。

205 名前:魔刃シャハル ◆SaHarLKKlw :2005/10/13(木) 19:39:28
ttp://kittys.ytmnd.com/

とまあ、これだけでも何なのでお土産置いておきますね。

206 名前:ミハル:2005/10/23(日) 02:46:14

 うあぁぁぁ! 制限つけられて書くのウザっ! ウザいっ!
 ……あー、もうガマン。

 近況言っときます。
 まずはえーと、副業っつーかまあええとバイト代で冬物揃えてきました。本棚とCDラック追加したつ
いでにちょいちょいと。
 ただ問題は、ええ、なんでアタシはスカートのランクがワンランク半くらい落ちてんすかね。なんなん
で、す、か、ね! この! CD六枚はあぁぁぁぁぁ! なんでまた買ってんだあたしゃぁっ! いつだ!
いつ買った! ヘヴンとユニオンハシゴしたのは憶えてるんだっ! その後が! 記憶にないっ!

 ……あーもーなんか。
 今年入ってからかれこれ百枚はラクに超えてる気がします。棚見たら買わない買わないと思ってた
パンクもなんだかんだで二百枚はあるっぽいし。いつ買ったんだよこれ。知らねーよ。デッドケネディ
ーズはワカるけどなんであぶらだこなんて買ってんだよ。いくらメタルばっかじゃねーってもこれじゃ
結局アングラじゃんよ。自己反省しても多分アタシはこのままです。

 つーか前にここでメタルコアへの愚痴を書いてたらいつの間にか二十キロになってて確認したらそ
れはもはやメタルコアとハードコアエモとエモメタルへの愚痴でしかなかったのに愕然とした憶えがあ
ります。ぶっちゃけこの手の音楽(=特にスクリーモ)って、ユーズドとスライス以降は滅茶苦茶質が
高い反面、どれもこれも似たり寄ったりじゃんよってカンジがするんスよね。「アテテュード? 何それ」
状態な。悪かねーですけど、あたしゃライズアゲインストくらいしか支持できねーです。あとフィンチも。
ブレットフォーマイバレンタインはスクリーモ越えてメタルでしょこれ。いやもういいんだその手のメタル
コアは! アタシを開放しろ!
 問題はどれもこれも質自体は高いからどれ買うか迷って全部買っちまうことです。何やってんだアタ
シは。クリムゾンの宮殿を十枚くらい持ってるマニアを笑えません。アタシは二枚しか持ってませんが、
これでも十分笑えません。
 ライブはアメリカ産のが多いだけに楽しめるんだけどねー、なんかダメだわ、やっぱ。
 いきなり似通ったCD六枚を床に並べて途方に暮れる秋の夜です。

 >>139>>140さん、てな訳で今日はもうアウトみたい。
 忘れてる訳じゃないんで、時間ある時に、また、ね。
 

207 名前:名無し客:2005/11/20(日) 20:53:36
>アストリーデ・マクシミリアン・ゲオルク=フリードリヒ
さんはどんな方ですか?

208 名前:名無し客:2005/12/14(水) 16:30:33
人と非人、さらには人非人の区別は何処ですか?

209 名前:名無し客:2005/12/17(土) 19:50:00
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093797366/250-8248645-6845039

猫の為なら戦争も辞さぬ神父さん、または他の方々なら、この物語をどう評するでしょうか。
「ぼくん家のニャンコは戦地帰り」というフレーズは、一読してネタかよとも思わせますが、
実際は相当肺腑をえぐるものがあります。

210 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/05/20(日) 05:44:030

http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1171469025/802

 の続き。

「まあ、そんだけだったな。うん、正しくその通りで、殺害行為ってのは俺にとって特別な対象にはなりえない。崇拝するべき神聖な
儀式にも、憎悪を託す徹底にも、その他の何の代わりにもならない――というか、ならないから、俺は俺なんだろう。お前がお前で
あるように。人殺行為をてめえのレゾンデートルに設定して生まれてきた、でなきゃ途中でその事実に気付いちまった連中が――
そいつが正に生業で、世間と世界からは爪弾きにされざるを得ない性質を持って当然と存在するようにな」
「微妙に一緒にされたくはねえが……まあ、否定はしねーよ。できやしねーことは口にしない」
「”微妙に”、な――そいつは傑作だ。だから理解はしてやれるぜ。それこそ、「俺の理解の中でのお前」としてだがな」
「は、それこそ傑作だよ。んでまあ、そうだな。恐らくお前の想像は限りなく他の誰よりも俺についての正解に近い物と仮定して言う
が、あの死体について語るなら、ありゃ示威行為だとかなんだとか――そういうもんだとも思えねーんだよな、実は」
「あん? さっきのアレか? それこそありえねーだろ、秘匿体質。お前らしくもない……なんてフレーズはもうちょい慣れた知り合
いに向けるべきだが、あえてその引決割腹モノのセリフにツッ込ませて貰うなら、あれこそ自意識過剰の典型、美学も思想も意思
どころか意図した意匠さえも欠落した惨殺死体だ。見るべきところなんぞ、一箇所たりともねーじゃんよ」
「お前に責任問われるようじゃ終わりだな、顔面刺繍。――まあ、全部説明しなかった俺が悪いってのは、その通り。イミのねぇ責
任でお前と自刎長殤も笑えるからちゃんと説明し直すが、まあ、ぶっちゃけお前の見たそれと俺の把握してる現状の差だよ」
「差? 回りくどいな。つまり、つまり――ああ。はぁん、なるほどなるほど、殺人鬼が一人でなきゃいけねーって決まりはねーもん
な。この場合は二人でなきゃいけねーって決まりもなく、そんでもって今でさえお前を含めりゃ内訳は元殺人鬼と殺人鬼アルファと
現役殺人鬼とでデフォルトに三人だ。で、別件は?」
「別件、つーか数件っつーか。十人……と、八人と、お前ん時で一気にプラス五人だから、えーと、二十三人目か。まあ、件数で言
えば十九件目なんだが、ともかくお前のあの殺人がまるで誤解かつ理解を得てない証明不在の冤罪でしかないってのは、まるっ
きり、俺だけの内部理解って訳でもなくてな」
「んー。途中から参加する舞台としちゃ、聞いときてーとこだな。登場人物を全員把握してないミステリなんて、ちっと拍子抜けだぜ
――げ、お湯の温度足りてねぇ。下の方かてーぞ、このヌードル……待て、俺がなにかしたってのか? さっきの冤罪はともかく、
これはありえねーぞ……もしかして俺は呪われてるのか?」
「だからトマトヌードルとか止めとけっつったんだよ、俺は……日清ならストレートか塩の二択だぜ。まあ、今回は煮卵一個やるか
ら妥協しとけ。で、そうだな。こいつを見せた方が早いな」
「へえ、どれどれ――おいおい、お前、小学校の給食の時間にグロビデオとか平気で見せちゃうタイプ? アングラ系のグロサイト
に流せばすげー評判になっちまうな、これ。うんまあ、でもそうだな。こいつを見た方が確かに早いな。こりゃ別口だ――うお、トマ
トと煮卵、壮絶に組み合わせ悪いし」
「やる前に気付けっつーの」
「やってから気付くから人間なんだろ」
「その通り。見世物してんぜ、顔面刺繍」

一スレ、百八十レス目――『首吊りの庭、シャム双生児、ポルノグラフィ』より抜粋
 

211 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/05/20(日) 06:53:210

「俺達にとっては言うまでもない死体の差異だが、警察の皆様方にしてみりゃあ異常事態って括りでどっちも一緒だ――ついでに
考えてみよう。「真性」と、それを真似たつもりになってる似非野郎――これは、明らかに別件だ。で、回数をこなしてるのは、その
「別件」の方だ」
「意気揚々と繰り返してるもんな、これ……あー、ちげーな、そうじゃない。なるほど、進歩が見られねーからだな、なるほどな。日
常において極端でしかねえ行為である殺人に習練なんて概念を持ち出すのは阿呆のすることだが、そいつを目的にしてそれすら
達することのできてねえこいつは、確かに阿呆だ。救いようがない」
「へえ、顔面刺繍。お前はそう思うか?」
「そうだろ。他に理由なんぞ見出せるわけもねーし」
「あー、いや、ちげーよ。習練云々のほう」
「あん? あー、そりゃな。違う人間がやってんだぜ――かはは、同じことができるわけがねーっての。物理的にまず無理だが、精
神的には尚更無理だ」
「ふん、参ったぜ。同意見だな――また被りやがる。ここまでキャラ被んなくていいってのに……まあ、そこだな。コピーがコピーす
るために選んだ手段が、コピーになってると思ってやがるのがこれまた救えねえ。このまま放っといたら、プラスアルファの勝手な
細工加えかねねーぞ、この馬鹿。自分のほうが優れてる、とでも言いたげにな。現に、早速三つ目の写真で傾向が出てきてやが
る。余分な細工加えりゃオリジナルを越えたことになるとでも思ってんのか。切れ味の悪い刃物が幾ら数増やしてもニブさは変わ
んねーってのに」
「いいんじゃねえの? そんときゃ、めでたく警察にも判断可能のオチがついてケリもつく。くだらねえ結末だが、心底くだらねえ阿
呆には上等のエンディングだろ」
「一応、これ以上被害者は出したくねえからな……あんま良くはねえんだよ、俺にとっちゃ」
「ああ……ああ」
「……「ああ」って、忘れてやがったなてめえ。ま、なんだかんだで知り合いも増えたし、そっちに手ぇ出されたりしたら、俺、自己嫌
悪でこの国とか滅ぼしたりするかもしれないし」
「気にすんなよ。どれもこれも大した問題じゃねえさ――まあしかし、マジにつまんねー展開になってきやがったな。盗作疑惑なん
ぞ新聞か習慣雑誌でやってくれって話だぜ。構成要素が同じじゃねーんだから、完全な模倣なんてそもそも成立しねえっての」
「まーなぁ。言ってみれば、こうして話してる言葉ですら違う――多分、俺とお前ですら、「殺す」って言葉の意味をどれだけかは違
えてるんだ。言葉、なんて――考えてみれば、一番顕著な例だよな。それまで生きてきた土地、関わってきた事柄、触れてきた知
識に経験に事実の総体、全部ひっくるめて「自分の言葉」だぜ。文字にした時点で画一化されるが、流れ(、、)にあっては同じになるわけ
がねえ」
「当然だろ――そんなもん、同じであるわけがねえ。仮に模倣がこの世界において至上なら、てめえを構成する要素が模倣の対象
と違う以上、模倣のその後は何を模倣すりゃいいんだ(、、、、、、、、、、、、、、、、、、)って話だぜ。常に観測対象を必要とする模倣、そんなもんは模倣の域を永久
に出ねえ、故に模倣としてすら不完全な矛盾率(フェイク)だ」
「全く別のルートと手段と思想を持って、結果的に同じ場所に辿り着く例がないではないけどな。――数学やら物理学には顕著な例
だが、こと、人間なんてファジーな媒体でこうなると、それなりに運命めいてきやがる」
「はん、運命ね。この状況じゃ最高に安っぽいな」
「これだけ濫用されりゃあ、な――世界の中心で死のうが念仏唱える森本レオにビルから突き落とされて死のうが運命は運命だぜ。
考えてみろよ、貴族じゃなくたって運命は買える時代なんだ。そりゃあ安っぽくもなるさ。この国だって人間総数一億超えてニ千万、
俺だって経験がないではないくらいだ。自分が考えに考えて――違うな。習練に習練を重ねて作り出したもの……まあ、俺なら戦闘
技術だったりその他諸々の特殊技能だったりするんだが、ともかく、そう言ったもんが先人が通った軌跡でしかなかったりよ。人間の
思考パターンなんてもんは、まあ、なんだかんだで似通ってくる」
「はあん、流派だかなんだか、得物が同じで自然に型まで似通うとかのアレか?」
「はん、もうブルース・リーが考えてた――とかな。曲がりなりにもプロなんて呼ばれる足場に立ってみりゃ、余計に痛感する羽目に
なる。気付くだとか悟るだとか理解するだとか、そんなもんはいつだって大したことじゃあないんだ。常から修練を重ねるなんざ、プロ
なら当然のことだ。足踏みしてたら死ぬってことくらい、そこに辿り着くまでにてめえで否応なく理解することだからな。場当たりは構
いやしねーが――いや、この場合は多いに構うと言うべきだが、触発されてとりあえず人殺ししてみました、なんてのは――下の下
の、その最下層にも劣るド低脳の思想でしかねえ。まあつまり、許し難いのは、オリジナルの性能の高さのせいだかなんだか、未だ
にフェイクの特定がこうしてできてないって事実自体だがな」
 

212 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/05/20(日) 06:55:050

そういうもんから外れちまった(、、、、、、、、、、、、、、)俺には関係ねーことだけどな――けどよ、それって虚しくなんねーの?」
外れ切るなんてことは(、、、、、、、、、、)無理だとは思うが――まあ、置いとくさ。虚しさ、それな、感じてるとこれまた死ぬだけなんだよな。どこぞの先
輩がもうやってる、ああ、ならこれはもう駄目だ――なんて考えて、そこで思考停止した瞬間、自己嫌悪で潰れて死んだ奴の数は数
えるのも馬鹿馬鹿しいぜ。てめえは自分を何様だと思ってるんだって感じだ。厚顔無恥かつ無知にもその事実をスルーできりゃ問題
はねーが、それはそれで別の意味で思考停止だからな。自分の軌跡の否定――そんなもんは、自分の意味すら否定してるってこと
だ。自分で出した結論がそこにあるなら、そいつは受け止めるしかねーんだよ。それは間違いなく確かなもんだし、言うまでもなく、実
感として身体を取り巻いてる事実だ。だからこそ、他の誰か(、、、、)を参照して、自分を確実に理解する要素になる。そういう意味では模倣の
正当性ってのは理解できるが――反面、それだけに頼るなら、その不確かさも理解するしかない」
「いや、つまり――そうやって思考し続けることの虚しさ、に近いもんがあるんだけどな。だったら模倣するしかない運命(、、、、、、、、、、)とかはどうなる
んだ? あー、これって、すげえ欺瞞っぽいけど」
「でも、ないだろ。……あー。いや、でもこれだと結局自己憐憫だな……」
「あん? なんか言ったか?」
「なんでも。どっちみち、980円くらいで投売りされてそうな運命には違いねえけどさ……ふん、模倣を目的とした模倣、これが音楽なら、
性能さえ高けりゃ認められそうなもんだがな。模倣するしかない、なんてのは――それ自体が歪んでるんだ。機能性、等価性、我等が
ケラングでハイプの嵐だ。傑作だぜ。だったら百年ずっとビートルズ聴いてろっつーの」
「は、そりゃ80年代くらいのAORかなんかのことか? でなきゃメタルとかよ」
「おいおい……おいおいおいおいおいおい、メタルを馬鹿にすんじゃあねーぜ。時代へのカウンターが常なるオリジナルなら、メタルだっ
てオリジナルだった時代があるんだよ。市場に背を向けて技術一本槍で進化を続けるフィールドこそ、今でもカウンターに対するカウン
ター――言わばオルタナティヴ・オルタナティヴ、アンチ・オルタナティヴなんだ。そもそも市場原理自体が流動的である以上、メタルが
売れるようになった時代ってのは、言い換えれば「アーティストを象徴する純粋性としての技術」に時代の目が向けられるようになった
象徴でもあるんだ。言ってみればそう、そいつはスタジオプロダクションが市場のポップ性を凌駕した証左でもある訳だな。それがハリ
ウッド的な、いや、文字通りハリウッドの力であるとしても、それは否定できる筈はない。エアロスミス、ボン・ジョヴィ、そしてニッケルバッ
クだ。いいか? ジャンルの折衝ってのは、必然として日々繰り返され、日々消失してる。無限の否定と肯定、それこそが音楽の本質な
ら、メタルの市民権取得ってのは即ち、本来、主体が自ずから獲得するべきポピュラリティの外界からの自発的獲得で、この一連の流
れにメタルがメタルして存在する為の連続性は確固として存在するし、いやそもそもだな、話をアメリカとイギリスの基点に戻せば、八十
年代中盤のメイデンを基点としたメタルがパンクへのオルタ……なんだ、そのロコツにイヤそうな顔は……」
「あーうん。いや、なんつーかな、ちょっと話題失敗したかなってな……オタクにオタクな話題振ったら駄目だよな、こういう反応返ってく
るもんな……」
「さり気なく俺の要素をまるごと否定された気分がする……」
「いやだって、なんかプラケースのCDとか避けてわざわざ紙ジャケ買ってそうなやつの発言なんだもんな……」
「え……それって常識じゃねーの?」
「出たよ、自分常識。お前、それを正当化する理由に「薄くて場所取らないから」とか平気で言っちゃうんじゃねーか……?」
「え……それってだから常識じゃ……」
「駄目だな……やっぱり話振っちゃ駄目だったよな……俺もちょっと大人気なかったよ。ごめんね」
「やべぇ……俺、今、なんか素で殺意湧いてるかもしんない……」
「かはは、冗談だよ、冗談――少しだけな」
 

213 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/05/20(日) 06:55:480

「おいおいおいおい、怒っちゃうぜ、俺。――ふん、ま、なんにせよこのフェイク君、レッチリくらいのユーモアがあれば多少は救えてた
んだけどな。アビイ・ロード・EPみてーによ」
「フランク・ザッパくらいの遊び心でもよかったかもな――かはは、「ウィー・アー・オンリー・イン・イット・フォー・ザ・マネー」みてーなよ。
俺なら考えるかな……いや、俺はこんなつまんねーことしねーな。『死体コラージュ・パロディ、ビートルズだけどグラインドコア』じゃ、
イマイチ捻りに欠け過ぎてるぜ。あん? ありゃザッパだよな?」
「ザッパだよ。ビートルズとストーンズくらいだな、あのへんでそういう対象になってんのは」
「有名だからな、そりゃ。いや、有名だからこそ、と言うべきかね。だがまあなんにせよ、本質がそこに存在し、同時にそこにコミットする
べき明確な意思と敬意なり敵意なり皮肉なりが存在してこそパロディなんてもんは成立する。あれがパクリだパロディだオマージュだ
なんだと声を荒げることこそアホくせーぜ――そんなもんは知るまでもなく理解できてることなんだからよ。自覚的であろうがなかろう
が模倣は模倣だが、同一化を最終目的とするような模倣とは別だ」
「ふん……目的の手段からの逸脱と、その分化か。まあ、俺に言わせれば、お前が言うオタクとして言わせて貰うなら、つまりはヴェノ
ムとメタリカの関係な訳だが――パブリック・イメージ・リミテッドでもいいな。成そうとして失敗した模倣の、結論として算出された別の
結果――それが結果として受け止められるか否かだろうな、それは」
「フツーは受け止められるんじゃねーの? 基礎性能が違うんだから、算出された事実は別の結果として受け止める――それについ
ては、なんも問題ねーだろ。問題を担ぎ出すとしたら、その完成度くらいなんだろうが……完全でないことへの恐れ、強迫観念、なん
てのは――かはは、口にするとすげえ嘘っぽいけどな」
「入れ替わる、なんてのはハナから無理な話だからな。オリジナルが存在する以上、オリジナルには成り得ない。吉良吉影でもねーん
だからよ」
「とはいえ、それだって目的を到達点とした模倣だぜ。対象が流動する時、そいつの上っ面を撫でていくような模倣は模倣と言えるかど
うか、その模倣がその上っ面で事足りる模倣なのかどうか、だ。どっちにせよ模倣だが、本質に近付けねー以上、そんなもんは模倣の
ための模倣でしかねえわけだからな。だとしたら――んな不出来な模倣は原型(オリジナル)にしてみりゃ滑稽なだけだ」
「手段の為の手段ってか。乱歩と横溝の違いみてーだな」
「あん? 乱歩の怪奇癖は真性だが、横溝は空間構築の技術だろ?」
「そうだよ。つーか、正史は乱歩の担当さんだろ……ってかああ、模倣の例じゃ不適切だな」
「たりめーだ。影響っつっても、完全に向いてる方向が違うからな。んじゃおめーはフーコーとボルヘスを同列で語る気なのか?」
「いや、ありえねーし……ただ、俺は横溝のが好きだったわけなんだな、これが」
「知らねーよ」
「知る訳ねーだろ。だからこそまあ、俺達はあくまで似通うだけの俺達って……、……。……あー、まさかな」
「なにがまさかだよ」
「マサカー? どっちだよ、ジャズかメタルか。菊池さんがライナー書いてたな、あれ……、違う、そうじゃなくて、――そう、ニュー・オー
ダーだよ」
「はぁ?」
「ジョイ・ディヴィジョンは役目を終えた――だったら、ニュー・オーダーだろ。スパルタ、もしくはマーズ・ヴォルタでも構いやしねーけど」
「あー――あー、なる。犯人(せいかい)が明示されてない以上、犯人が犯人たる理由はない訳だ。逆に言えば、犯人という何か(フェイク)犯人(オリジナル)でも問題は
ないってわけね。くだらねえ椅子取りゲームだな」
「まーな。……は、しかし、自分で言っといてなんだが、そうなると成り代わり願望ってのもありがちだな、しかし」
「ありがちなものじゃあねーもんなんて、それほどはねーだろ。というより、ありがちでないものは共感を得られねーんだからよ、示威行
為としちゃマトを外してんぜ」
「成りたい何か、なんてもんこそ共感を得られない最大手だと思うけどな。なんせ、俺達はトップ(理想)を設定しても、ボトム(現在)からは到達点まで
の距離が測れないんだぜ。自分ってのは結局、経過とイコールだからな。気付いたらそうなってた――が、全てだよ。昔、俺って一人
称が「僕」だったんだぜ。信じらんねぇよ」
「ああ、それは確かにうん、信じられんねーな……ていうかキモいかもしれねーな……」
「お前、なんだ……もしかして俺にこの場で殺人を犯させたいのか……?」

「まあ――どれもこれも」
「そう――どいつもこいつも」
「堂々巡りだな」

一スレ、二百三十一レス目――『外した電池はお子様の手の届かないところに保管してください』より抜粋
 

214 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/05/20(日) 07:09:520

「おい、顔面刺繍」
「なんだよ、秘匿体質」
「コーヒーでいいよな。奢ってやる」
「あらかじめ対象を指定済みにしてやがることを除けばそれなりにいいこと言うじゃねえか。コーヒーでいいぜ」
「あ、間違えた」
「――待てコラ、なんでプリンシェイクなんだよ。ありえねえよお前」
「いや喋ってると俺、糖分欲しくなるんだよ……ま、だからそう、どうしてあの数件が別件と確証を持てるのか? 仮説いち、捜査を攪乱
する為に犯人が殺害手段を分散した」
手段は分散してねーもんな(、、、、、、、、、、、、)。もしも撹乱するなら、当然ある程度の類似性を持たせなければ事件そのものが「別件」になってしまうわ
けだ――まあ、連続殺人の一環として扱われてる以上、この段階はクリア済みだ。何せ場所が同じで斬殺って手段も同一。違いは思
惑のみ――だがな」
だが(、、)。そうだな、生憎と警察はそこに気付いちゃいない。あくまでまだ、って段階だが、とりあえずまだだ。なら、そこまで考えてる犯人
が警察のこの状態を読めないと考えるのは不自然だ。何より、死体にアート性を持ち出すような犯人が「撹乱」なんて手段を持ち出す
のは筋が違う。そんなのはむしろ、込めた意匠(いみ)雑多(むいみ)の中に還元する行為だ。仮説に、模倣犯の可能性。まあ、こいつが一番ありそう
だとは思う――ハンニバル・レクターと、その崇拝者だ」
「なるほどな。真性とジョークの違いだ。雑多な死体の方は、やり方のわかんねーヤツが精一杯やってみました、って感じでもある。うん、
まあ、及第点だ」
「及第点。まあ、かもな。その否定自体はまず問題ないレベルだと思ってる。第一仮説はNGで、第二の方は考えてみると問題は多少残
るが、ラインだけは繋がってるわけだからな」
「ふん、だったら? 仮説として一があるなら二があって三があるんだよな?」
「――雑多の中に還元する」

「――のが目的だったら?」
「あん?」
「もちろん仮説の域を出ねーが――いや、それでいいや。生憎と科学者じゃねーから反証テストなしでやらせて貰うぜ。で、要するに仮説
みっつめ。実は最初、「このアートを有象無象と並列化してやろう(、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、)」って行為か、とも思ったんだよ、俺は。一つ目の仮説の逆ヴァージョン、
犯人に対するどこかの犯人のカウンターだ」
「おいおい。殺人鬼が殺人鬼に嫉妬したってのかよ」
「共感しての発言じゃねえよ。俺は殺人鬼じ思想性(りくつ)ゃなくて鬼だからな。しかし、特異も乱立すれば平坦に過ぎない。嫉妬かもしれないし、「崇拝
者への捧げ物」かもしれない――この場合、「真性」の方に頼まれて、って前提があるけどな。単に「憧れ」だとかじゃ、模倣犯と同じだ。で、
その「平坦さ」のラインは世間の判断だ――だからそう思った。けどここで、殺害手段の中に思想性を持ち出して、そいつを並列化しようと
した、という仮説をプラスして考えてみた訳だ」
「へぇん? でもよ、そいつは二律背反って言ったばっかじゃんよ。それとも何だ? 俺達みてーな特異点の存在をあらかじめ計算して殺害
手段にそのパターン分岐対応を組み込んだってことか?」
「そうかもしれない。――というより、途中からそうした、と言うべきかもな。最終仮説、つまり、レクター氏は後追いの模倣犯を数件確認した
時点で、自らそれを実践した。全てのパターンの複合で芸はねえんだが、むしろ理論の収束としては弱いと言わざるを得ないが――まあ、
他の仮説よりマシではある。言葉遊びレベルではあるけどな」
「あー……」
「事実、三日前から「雑多」の方の殺人が増加してる。一日に一件以上あった日がなかったのに、一日に二件、多い日で三件だ。これは一
体どんな心変わりだ? 作品を濫造する気になった? オーケイ、だったら、プロだったら――その不出来にバラつきをなくすのが筋っても
んだよな。粗製濫造なんざ論外だが、デキのバラつきも問題ありだぜ。オリジナルは一人、フェイクは――一人ならそいつが濫造タイプ、
もしくはフェイクが二人以上、これで計算は合ってるよな。証明終了――は、残念ながら、証明すらしねぇしできねえけどよ」
「オーケイ、悪くない。つまり?」
「似たような例を見たことがある。要するに、「血の儀式」だ」
「…………、……あー、悪い。今、なんつった? なんかすげーアレな発言だった気がすんだけど」
「儀式。――サタニスト、血の葬列、四辻の死神。それさ。ブラック・サバスでもなくエンジェル・ウィッチでもなく、セルティック・フロストに影響
受けたメイヘムって感じかな」
「それ、なんのジョークだ? いや比喩か――どっちにしろ面白くねーよ」
「ジョークでも比喩でもなくて残念だが、そうだな、オカルトな事件を例に上げるより、そう捉えるのも面白いな。どうあれ「途中から」なんて案
を実行したんなら、オリジナルの方はそれなりに監督力には長けてるし、このエセた運命性を演出する手際はそれなりのもんだ。ただ、それ
が成立すんのはだぜ、前提としてどうしてあの殺人鬼が残した「アート」が、模倣の模倣たる対象になり得るか、それが問題になるわけだ。
はたして、アレは殺人として一般化される対象になり得るのか? もしかして特定の人種にはバロウズみたいな魅力があるのか? 例えば
そんなことだけどな。保証のない行為が芸術の先駆者たる所以だとしても――芸術にだって理論はあるんだからよ。ジャンクアートにだって
然りだ。意見が欲しいとこだな、元殺人鬼。生憎と、俺は凶器(どうぐ)手段(てぐち)に興味がないタイプでね」
「お前が俺に聞くってのは相対的な解答ですら求めてねーってのと同じだぜ、まあいいけどよ。俺にとって殺人ってのは――前にも言ったが、神聖な行為でもなければ勢い任せの場当たりでもなく、気負って望む試験でもない。俺は、俺だから殺すんだ(、、、、、)。俺とお前の殺人には躊躇や探求性が存在しないって点で大部分が同じだが、相違点を上げるならそれが俺だってことだ。つまり、それこそ、「殺人鬼」である俺には判断の仕様がねーよ、ってことなんだがな。なんせどう足掻こうが俺の行為は模倣に成り得ないし、そもそも模倣する理由を見付けらんねーんだからよ。つーか、俺って主体から判断できんのは、その意味が――このオリジナル野郎に行動の意味が不在であるってことだけだ。なにしろ、繰り返すが俺は俺でしかない。まあしかし、一般的な解釈はできねーでもない。なるほど、儀式(、、)ね。フィクションに溢れるガジェットを元にして言うなら、今俺が言った流れだと一般かどうか、なんてのは逆ベクトルだが、それでも言うとしたら――」
優れている方向がアレだって可能性だろ(、、、、、、、、、、、、、、、、、、)。況や多数決は世の常だ。判断つかねーな、ほんと。アレか? 初めてアリチェンが世に出た時
の視聴者の反応かっつーんだよ」
「さーな。フェイク君達にとっちゃベルセバなのかもしんねーぜ」
「かもな。……ああ、そうか。うん、それじゃねーか?」
「あん? ベルセバ?」
「じゃねーよ。それならむしろアレだ、ピンフロだ。そうじゃなくて、そう受け取られることを前提として残したアートだってことだよ(、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、)。ポリティカルハ
ードコアっつーか厭世ロックつーかよ」
「いや、犯人がわざわざんな七面倒くせーこと……する、かあ? するかもしんねーな、もしかしたら。正しいか正しくないかは別だしな」
どっちでもいいんだろうからな(、、、、、、、、、、、、、、)。この場合、正しいか正しくないか、そのどちらの可能性も受動者に受け取られた時点で顕在化する」
「けど、そうなると、ハナっからこのメッセージは殺人鬼の素養を持った連中に当てこすってるってことか――おいおい、こいつはネウロのオマ
ージュでもやりたいのか? だとしたらあんまりにもデキが悪過ぎるんじゃあねーのか?」
「いやネウロ以前にその手のネタは多いけど、いやネウロは面白いんだが、そうじゃなくてだな……ていうかネウロより面白い漫画ってそうは
ねーからな……確かに問題だな……」

一スレ目、三百八十五レス目――『ショットガン・オペラ。もしくは、戦場に百万と並ぶ手榴弾のピン』より抜粋
 

215 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/05/20(日) 16:21:020

「……ホントにあるんでやんの」
「これが例のアレ?」
「これが例のアレ。射角と速度から考えりゃ、まあ、こんなもんかと思ったが……どうやらやれやれ、ビンゴでなによりってとこか。
しかし射角を計測する媒体自身がこうして隣に立ってるのがなんとも不思議な気分だぜまったく――グロすぎる話だ。笑えねえ」
「あはは、いいじゃん結果は万事善しだったんだし」
「だから笑ってんじゃ――いいよもう。ふん、しかし痕跡だけ期待してたんだが、まさかライフルがそのままスッ転がってるとは、な
んともはや。推測される選択肢は幾つか、だが……うおい藤原ァ! 何触ってんだァァァ!」
「え? これ」
「「これ」じゃねぇし!? 危険物ですよ!? お前のアタマ一回フッ飛ばしてんですよ藤原サン!? しかも証拠品だし!」
「えー。だってあんた、警察には伝えてないって言ったろ? だったらいいじゃないか。――ん? 推測される選択肢?」
「……一つは月並みに、なんらかのアクシデントでそうせざるを得なかった、ってとこだろ。妥当っつーには、あんまりにも杜撰過
ぎるけどな」
「白昼堂々狙撃するようなやつだよ。杜撰か大胆緻密か、そのどっちかじゃないか」
「そうなんですけどな……」
「けど、凄いねこれ」
「なにがだよ」
「これ覗いて、これ引くだけで弾が出るんだろ。人が――これで死ぬってことじゃないか」
「死ぬってことだよ。そいつを覗いて、誰かを見据えて、それを引くだけだ。人は死ぬ。ライフルってのはただその一連の行動を能
率良く遂行するためだけに発展し続けた、曰く「芸術品」だよ。余計な要素を一切殺ぎ落として、全ての確立を一点に集中させる為
に叡智を結集させたって点では……アートっつーにも、あながち吝かじゃあねえか。しかも、この例で言えば「発展し続けてる」訳
だからな。は……ん、しかし未来へズレて何年だっつーんだ? いつまでワンショットワンキルに芸術見出してんのか知らねーけ
どよ。……ああくだらねぇくだらねぇ」
「そんなのは――」
「あ?」
「そんなのは――業じゃないか。簡単だよ」
「お前が言うと、あんま洒落になんねーよ」
「洒落じゃないさ。こんなのは洒落てもいない。いつだって人は変わるけど、変えられないなにかだってあるんだ」
「……ふん」

「まあ、同感だ――って、何持ち上げて――って、ってってってって、ちょっと待てってオイぃぃぃ! だから待てアブねぇこっち向
けんな!」
「向けただけじゃん」
「向けると危ないだろ!?」
「煩いな。撃つよ」
「撃つのか!?」
「ばーん」
「洒落んなってねえよ藤原ァ!」
「あははごめんごめん、けどさ、もうこの銃、撃っちゃってるんでしょ?」
「だーかーら、撃ってるけど終わってねーんだって。ライフルには幾らかばかり種類があって、あるっつっても大別すりゃ二種類
なんだが、ボルトアクションと――」
「え? なんでさ。弾とかもう入ってないでしょ。平気だった――、ら、    ――あ」
「――、――。ふ」
「……ふ?」
「藤原ァァァァ!」
「あははは、やー、ごめんごめん。入ってたね」
「だからその手のライフルは弾丸一発づつとは限んねーんだよ……ていうか弾倉っぽいのついてるじゃんか……江戸時代から
初期大戦越えて色々変わってるんだよ……すげえ初速だってことだけはよく解ったけどな、死ぬほど……死ぬほどよく解ったけ
どな――藤原?」
「ん? ああ、なに」
「なに、って。なに見てんだよ」
「んー……これ、使ったことある?」
「そりゃ、まあ、何度か――何度も。ガキの頃、それに割と頼ってた。もっとも、それよりもかなり旧式になっちまうけど。――うお、
なんだこりゃ、弾体がプラ製……? おいおい、この炸薬っぽいやつ、まさか伝導体じゃねーだろうな、おい……ありえねえ初速
といい弾頭といい、SFとか伝奇じゃあるまいし、ライフルでレールガンとか笑えねーぞ、これ……貫通力だけで人間十人は殺せ
るんじゃねーか……」
「――で、どんな気分?」
「は? ああ、どんな気分……そうだな。お前はどうだよ、どんな気分だ?」
「言い難いね。せまっくるしい部屋に閉じ込められたような気分だ――身体が圧縮されるみたいな感じ」
「言い得て妙だな。「機械のパーツになった気分」だとか、誇張表現で「神にでもなった気分」だとか言ってた奴もいる……後者は
明らかに物事を履き違えてる発言だけど、まあ、わからないでもない――なかった。当時の俺は」
 

216 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/05/20(日) 16:22:500

「当時は?」
「イジメんな」
「あはは」
「何分も何時間も下手すりゃ何日も――同じ場所で、同じ姿勢で、同じ動作を繰り返すんだ。普段してない動作に筋肉と神経の
フォーマットを置き換えて、ひたすらに繰り返す訳だよ。骨をベースにストック支えて後の筋肉は全部固定要員、でもって右手の
人差し指が意識と直結する最終ラインだ。覗く、固まる、トリガー――ガン、レティクルのクロスラインで倒れる人影が一つ。そいつ
は常に一つだ。一つづつ。弾薬を込め直す――ワンモア、ワンモア、ワンモア。アタマん中で響くのは常に「Shoot?」の、イカれた
ようなワンモア・プリーズだ。やれることはそれしかない。ないもんだから、感覚が磨耗してくることにすら気付けない。この「手」っ
てヤツのホントの使い方はどんなだったっけ? 足って交互に動かすもんだったよな――まあ、そんなことが考えられるのは初
めて一週間だけだ。疑問を抱かずに繰り返すしかないって状況なら、あっという間に身体が対応してスナイプ・ジャンキーが一匹
出来上がる――こいつは素養があれば、だけどな。そういう奴は撃てるだけ撃つし、撃てる時に撃つ。数が多けりゃ秒単位で繰り
返しだ。その内、自分のあるべき動作を忘れてくる――俺はマシーンだ! ってなもんだよ。あんまりにもダルくて辛ぇもんだから、
ハイにだってなってくる。なにせスコープ越しに覗くだけで――ただそれだけで、その視界の命は残らず余さず掌握できるんだ。
――さて、それなら俺は裁きの勺を振り翳す神だろうか? なんてな。ニューヨークで三十階建てのビルの屋上にそこそこのボル
トアクションライフルと俺を上げてみろよ。今でもカップラーメンができるまでに周囲八方射程半径一キロ以内の人間を絶滅させる
自信があるぜ……いや、今なら俺もライフルももっと精度は上がってるからな。二キロでいい。ボブ・リー・スワガーを俺が継いで
やる――いや、レップ中佐だな」
「あんたねぇ……」
「やんねえよ。そんなことはやらない――ただ、昔はやってた。中学生くらいの俺の青春は、油臭いライフルにあったって言ってい
いくらいだぜ。……ともあれ、そうだな。だからライフルってのは、そういう物で、スナイパーってのは、そういう人種だ。ハナっから、
そういう性質を背負ってる」
「……ふうん」
「何かを見る(、、)ってことはかなり能動的で、偉く狭窄的だ」
「うん、それはわかるかな。今、こっちこっち(、、、)の人間を見てると――特にね」
「それは……かもな」
「認めちゃうんだ?」
「そりゃもう。否定し切れないからな」
「ふーん?」
「まあ、それはいいよ。どうでもいい……こいつは、そう、ある意味じゃ、スコープ越しの視界はもう一つの世界なんだ。白いレティク
ルとレンズの倍率と光学処理された図像だけが支配する、数字と確立の支配する殺界だ。この特異性は結界めいてると言ってい
い。こいつを使うってことは、自分の身体を放棄して新しい身体を得ることなんだよ。普通に身体を動かすのとベクトルは違うが、
けど、それだって言ってみればルーティンの形質が変わってくるってだけだからな。物事がどれだけ狭視的であるかとか巨視的で
あるかどうかなんて、俺達のちっぽけな主体(しせん)からは判断なんてできない。仮に自分が「見ること」と「火薬を激発させて弾丸を打ち
出す動作を行うこと」だけしかできない何か、と仮定すんなら、ほら、こうして覗いてる世界と質が違うだけだ――」
「……」
「……なんて妄想も湧いてくるくらいにはな。恐らく、現代火器が唯一保有する結界が、こいつだよ。あー、エニィクエスチョン(他には)?」
「結界――ね。それ、紋切り型に言ってる?」
「生憎、お前の時代から下って「結界」の意味がズレてる」
「ふうん?」
「視界に世界を切り取って、そこに自分の意味を付け足す。モノとモノを隔てるのが結界なら、そいつを引くのは誰か(、、)に他ならない。
藤原。結界ってのは――なんだ」
「それ、なんかの比喩? それとも一面の本質?」
「んー、それなら後者かな」
「だったら、それは境界線そのものだよ。聖と俗、生と死、此岸と彼岸、こっちとあっち――。物事を隔てるムスビがあるんなら、それ
こそ結界だ。羽黒山とか木曽御嶽とか、ああいう霊山とかがそうだし――そんなじゃなくたって、仏堂の伽藍とか、あとは三途の川と
かがモロにそうでしょ? 生者そこに入るにあたわず、なればそこは死界なり――ってね。分かつこと、曰く結界なり、だよ。浄土だろ
うが日蓮だろうが禅宗だろうが、どこだってそれはかわんない。でも、人が作ったモノだってのは、結構マトを得てるよ。門だとか階段
だとか――それこそ、こういう……よっと、結構大きいね、このライフルってやつ。とと、……そう、こういう大伽藍だとかね。だから、そ
だね。正にここは結界ってわけさ」
「ふん……伽藍――か」

「……なるほどな」

「西方の結界とはまた違うんだろうけどね。あー、そだ。ついでだから聞くけど、西のってどうなの?」
「ん? あー、それは……どうだろうな。俺もこの国の人間だし、どうせならセシルに聞いてやってくれよ。お前が聞けば喜んで三日く
らいは喋りっ放しだろ」
「いや、なんでさ」
「なんででもだよ。俺だってウリ・ジョン・ロートに質問されたら舞い上がってあることないこと喋りまくるね。――ま、それでも意味は同
じだろうけどな。少なくとも俺が知ってる限りでは、そうだ。まあ、けど、一つの仮説を上げるなら、いつだって作為的で人為的であるこ
と――ただひたすら、人の側に因があるのが、西方の結界だ。例えばこいつもだよ。意味(だんがん)は人が内包し、況や人に完結する。自己満
足、自己解決、自己保管――我は我の内に全てを見出したり」
「はは。それ、物質文明(じぶん)への批判?」
「俺自身、そこまで皮肉ってるつもりもない……とは、思うけどな。ん……あれ? いや、確かにそうだな。どうなんだろうな」
「んー? そーだね、自覚してんならいいんじゃない?」
「ふん」
「ま、でもそうかもね。これ、要するに……普通の銃とは違うんでしょ? あんたの前に持ってた奴とかとは別の、さ」
「前? ああ、グロック(ハンドガン)か。違わない――けど、違うな。まったく違う。これを使うってのは、相手と視線を交わす必要も、理由すらも、そ
もそもあらゆる前提さえをも、まるで生じさせないって意味だ。使い手に求められる要素は、そうだな。精緻な技量と……モニターを眺
め続けられるかどうかって素養かな。的を得てるよ、藤原。まあもっとも、俺は射程圏内ならハンドガンでスナイプできるけどな」

「とはいえ、俺だって日本人だ。機械文明に云々言うつもりはサラサラねーけどさ。けど、目に映る全てを分解して、そこに自分達の法
則を敷き詰めてきた歴史は否定できないってだけだ。俺はそいつ(ライフル)が間違ってるとは思ってない。何せ俺は人間だからな。こうして生き
てる人間だから、そいつを否定する要素が見付からない。()(ころ)し、(巨人)を腑分け、鉄と火で()を打つ。まつろわぬ悪魔(かみ)を殺し、
我等が絶対神(ろんり)の神殿を築く――神はいつだって、在る(、、/RT>)モノじゃなかった。……なあ、藤原」
「なに?」
「結界の奥には――何がある?」
「神だとか――仏だとか。ま、今の場合は私とあんただね。でもなんで?」
「ちょっとな。お前の口から聞いときたい」
「ふぅん? まあいいや。あるのは――在るのは、その場所ごとの――そうだね、本質だ」
「本質――か」
 

217 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/05/20(日) 16:23:420

「じゃあ、そう……例えば」
「うん?」
「鳥居だとか結界石だとか――ああいう表像は、中のモノ(、、、、)を隔離するためのモノじゃないのか」
「んー……」
「隔離……とは、違うかな。アレは――目印じゃないかな。そう、道標(しるし)。「ここから先に入っちゃいけませんよ」ってさ。庭園の庭とか大き
い神社とかさ、石橋とか鳥居を越えた途端に空気の違いとか、感じられるでしょ? 侵すべからずって事は、侵す必要がないって
こと。守るように壁で囲む必要はないことなんだよ。まあ、陰陽道とか……なんだっけ、そうそう、いざなぎ流の囲みとかはちょっと
別口だけど」
「ああ、そういや……なるほどな、ああ、だから、そうか、それだ」
「それ?」
「いや、こっちのことだよ。ああ、だけど、ただ」
「ただ、なに?」
「日本の結界ってのは、俺達の中と、外と、その境を区切ってる。……ような、気がする」
「おい。また観念的」
「う、いや、なんて言うか、だから――」

「だから……モラル、か? いや、そんな上等なもんじゃないな。畏怖の対象を平然と殺せるのは人間としてズレて……それも違うか。俺
も、この世界も、今はそちら寄りなんだ。ああ待て、独り言だってのは理解してる……そもそも、西方(あっち)じゃ「畏怖」の対象なんてのはイコー
ルで殺して乗り越える為の要素に過ぎないんだからな。どこぞのオーディン然りさ。だから結局、素養の違い、性質の差――。……ああ
つまんねえな。結局、この身体が答えか」
「巨人殺しの伝説ってやつだっけね、それ」
「そういうやつ。そうだな……巨人じゃなくて、竜だったりデケぇ獣だったりするかもな。最後の例の場合は人間が殺したんじゃねーが、まあ、
大差ねーやな、この場合」
「あんた、司祭がんなこと言ってどうすんのさ。……でもなんでまたそんな?」
「なんでって、そうだな。思い出したからかな」
「思い出す?」
「殺すってことは、別に悪いことじゃない。同属殺しでないなら尚更だな。当たり前だが、本当に当たり前なんだが……つまらないくらいに
単純で、重要なことだ。いつだって俺達は、本質をごてごて飾り付けて意味を肥大化させちまう」
「――。……そう思う? 今まで人間がやってきたこと、この全部が、無駄な装飾だって、そう思う?」
「どうかな。どうなんだ?」
「どうだろうね」
「どうだろうな……どうなんだろうな。時間があるなら、もう少し聞いてみたいとこだが――まあ、今はいいや。お前と、お前の相棒が揃って
る時にまた聞くさ。セシルもその他諸々も集めて、その時にさ」
「それもいいね。それもいいかな――だけど、聞いても解るようなことじゃないと思うよ。私も教えられないと思う」
「ああ、解ってる。俺はお前に届いちゃいない」
「そういうんじゃなくて、だから、そういう考え方が――」
「いや、解ってる。解ってるから、そうだな、これは――愚痴だよ。俺を作った俺の身体は、結局のところ、未だにいつかのままなんだ。いつ
か――ずっと昔、その何時かのままだ。だから、お前は、正直遠い。お前の歩みは――遠い」
「あのさ」
「ああ」
「もしかして、焦ってる?」
「焦り?」

「……ああそうか、焦りか。そうだな、焦り――そうかもしれない。この馬鹿みたいに奇妙なハコに放り込まれてからこっち、どうにもそんな
イカれ気味の思考に取り憑かれてる。似非たこの輪廻を繰り返せば、俺も多少はマシになれるんじゃないかって――どんなくだらないこと
も、くだらなくないことに思えてる気がして、終いにゃ自分が嫌になってきた」
「……あんたねぇ」

「さっさと忘れちゃいなよ、そんなの」
「努力してる」

「……まあ、アレさ。西じゃ、結界で隔てるのは確かに聖と俗ではあった――が、それは人間(じこ)価値観(つごう)を分けるモノだからな。中にある何か
を畏れて、そいつを厳かに崇め奉る為の物じゃない。必要過剰に能動的で、強迫観念に満ちた結界が西洋のそれなら、東洋の結界は時と
して必要不十分で人の内に奉じられた観念だ」

「気になってるのは、だから――」
「だから――結界の、(かく)か。厄介だね。誰がこれを分けたがったのか解らない以上、何を分けたか解らない以上は、ほどけない(、、、、、)
「そう。なんつーかつまんねえくらいに単純だが、結局のところ、どこをどう結界としたのか解らない(、、、、、、、、、、、、、)以上、それらしきものが存在することを知
覚できない以上、俺達は囲われているのかどうかすら判別することができない。ぶっちゃけた話、このままだとなにをしても身動きを取って
いるつもりで取っていない。……ことになるわけだ、今は」
「説法めいてるね」
「皮肉だな。皮肉だが――さておき現状、こいつの結界(からだ)は、何を閉じ込めてるかが問題だ。それが解りゃ、なんにも苦労はねーんだけどさ」
「だね。まあ、いいよ。大丈夫――足を止めなきゃ、大丈夫さ。そうすればいつかは見付かる。そうすれば――後は、私がまとめて焼き払っ
てやるよ」
「概ね同感だ。こんなウザってぇ檻はとっとと食い破って仕掛けた野郎のハラワタ喰らってやる。ところで、な」
「ん?」
「最初に言ったよな。犯人がここにこんな証拠を残していった理由云々って」
「言ったね。で?」
「そうだな、色々傍証は挙げられるが、まあ、まとめて言うならだ。まとめて言うなら、例えばこういう可能性がある。探しに来る人間を想定し
ていた――足止めできる証拠をブチ撒けて、あとは適当に引いてればクジは引ける。『エサつけて糸を垂らしてれば小魚は釣れるかもしれ
ないよ理論』だ」
「あー、それってさ、つまり」
「罠、とか、な――ああウゼぇウゼぇ、来やがったよ、マジでこれ……」

一スレ目、六百レス――『蛭』より抜粋
 

218 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/05/27(日) 02:02:010

「無機質って言葉に、直球でビンゴな情景だと思うんだよな」
「えー? なんか言ったー?」
「なんでもねーよ」
「じゃあ無機質ってー?」
「聞いてんじゃねえか! 独り言っぽくて今少しハズかったよ!」
「あはは」
「あー、だから……こう、郊外まで続いてる線路な。いやまあ、ここなんだけどな」
「ここ? そうかなあ。……あ、でも、竹林の静暗とは違うかな。夜と昼がここまではっきり分かれてる理由が、場所によっかかってるんだもんね」
「俺の場合、人がいる場所の無人って矛盾が余計にそいつに拍車掛けてんだけど――そうか、藤原にゃ当て嵌んねーか、この場合」
「よっと。……ま、大分こっちの世界も変わってるからね。前にも言ったでしょ? 変わらないものなんてないんだ。昔は昔で夜って時間は怖がら
れたもんだけど……だけど、科学とか宗教だとか――まだまだ常夜灯じゃ、夜は消せないからね。対極としての昼夜、それは本質だよ。変えるこ
となんてできない。地球の裏側じゃ今は昼だけど、半日廻れば逆転だ。どんなモノでも、違う場所(してん)から見ることはできる。――だけど、本当の意味(ほんしつ)
は変えられない。人間は未知(よる)を駆逐した代償に、自分の中に不知(よる)を創ってるんじゃないかな。
 ……あはは、結局変わらない、になっちゃうか、これだと」
「いいや、大部分で直球だろ……まあ」

「……納得だよ。色々とな」

「ちなみにお前が乗ってたそれ、昼間は偶に動いてる貨物列車な。そうだな、生きてるのに死んでるみてーなもんで……この説明で、多少は同じ
気分を味わってくれると幸いだ」
「無茶言うね……。でもこれ、動いてる時に乗ってみたいよね」
「いや、それこそ無理だからな……。しっかし……どうにもまとまんねーな。結界だとか見立てだとか、要らねぇキーワードが多過ぎる。テーマなん
て微塵も絞られてねえ……なあ、藤原」
「ん?」
「あー……。……いや」

「悪い、なんでもない。言うこと忘れた」
「あのねぇ。まあいいけど」
「なあ」
「ん?」
「……。その――それだよ。その看板、珍しいなって。近くの美術館だな……「東西における意識観念の推移」――んだ、この曖昧ぶりは。展示物
とかどうすんだよ」
「無理に用意しなくてもいいんじゃない? それに、昔は日本じゃ一時の開帳でもなければ蒐集品を開示する機会なんてなかったからね。その頃
に比べれば、随分と美術も思想も外へ開けてきてると思うけど。……あ、この看板のやつ、十牛図だ」
「……ふん、そっか。……。……あー、あのさ」
「うん、なに?」
「ん……いや、ああ。そう――あれだ。終電終わってても自販機は電源点いてるなって。おい、コーヒーでいいかよ、微糖のジョージア」
「ジョージアってこの間のやつ? うん、めちゃくちゃ甘いのじゃなかったら」
「デジャヴを感じるな、その発言は……あち、っちっち、と、なんだおい、エラく設定温度たけーな、ここ……ほらよ」
「ん、ありがと」
「なあ、藤原」
「んー?」
「不滅ってのは――なんだろうな」
「……唐突だね。あはは、それともタイミング計れなかったとか?」
「あー……まあ。実は、割と」
「滅びないこと」
「ああ」
「そこに在ること――いつまでも、時のように。在るものが、そこに在るように。恬静に寂寞と、晦明を流れること」
「……だから、そうだけど、それはなんだろうなって」
「なんだろうな、って言われても」
 

219 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/05/27(日) 02:26:270

「困るよ。でも、答えは幾つか用意できるかな。だから……そだね。なにが聞きたいのか、それかな」
「悪いな、そりゃ単純に俺の癖だ。よく言われる――主語省いてんじゃねーよ、ってさ。自分の意図が伝わらないと怖いから、多分、相手にその辺の責任押
し付けてんだ」
「ほら。それが要らないんだってば。意図なんて考えなくても伝えられるもんだよ。日本語五十音、ちゃんと言える?」
「あ? あー……あいうえお」
「聞こえるでしょ? それに言える」
「聞こえる。っつか、二歳か三歳くらいから言えてたし理解もできてたよそりゃ」
「話せるし、読めるし、書けるでしょ」
「日本人だぜ、俺。ザ・現代人。……そりゃまあ、月代剃って二本差し、寺子屋通いか剣術道場――なんて時代とは違うから、スタバでストロベリーパイ齧り
ながらチョコレートモカ飲んでるような、日本民謡よりも流行りはメロコアって世代だけど」
「だったら、伝わるよ」
「……、」
「伝える相手がいるならね」
「……悪いってば。悪かった、全面的に俺が悪かったよ。そうだな、そうだな……時間や空間(ここ)が無限のモノであるかどうか、なんてのについては一万光年彼方に置いとくぜ。お前と話せる貴重な時間に話すような重大事じゃないし、第一、面白くもねえ上に状況に不適切だ。散々試してはみたが、俺の能力系統じゃこの空間と時間(けっかい)は破壊できない。まあ、だから俺はさ、馬鹿馬鹿しい疑似科学がやりたい訳でもないから――お前がいるから、お前に聞きたいんだ」
「……ふむ。だからなるほど、そうか。私のこと、か」
「不死ってのは――さ」

「それと、同義か」
「違うよ」
「即答ってのは……ちょっと、意外だな」
「当たり前じゃないか。死なないことと――そこにいつまでも在ることは、違う。それこそ今の喩えじゃないけど、時間や空間に死は結べない。そんなの
は、思考の欺瞞だよ」
「強引な"終わり"は幾つか理論付けられてるけどな」
「強引な――ね。うん、でも、それは未だに触れられないこと(、、、、、、、、、、、、、、)。確かめられないこと。人間が殺し切れない、科学の月気も届かない――ずっと深い、常
世のこと」
「されど事象の地平は未だ遠く――か。まあ、でも、そうだな……そうだな、そうなるか」
「それ、あの娘のこと?」
「だけ、じゃないけど、そうだよ。……まあ、そうだな、えーとあれだ、うんそう、ズバリ、魂について」
「まだちょっと曖昧かな。あんた、禅問答に慣れてない坊主じゃないだろ。つまり、それはあんたのこと。はぐらかすなら、もうちょっとマシにやんなよ」
「知ってて言ったよ。まあ、俺には魂って奴が解らない。概念として掴み辛い以前に、理解できない。……そういう顔されるのも予想済みだな。まーな、
司祭だもんな、俺。失格だってのも――解る。けどこう言っちゃなんだが、冗談抜きにサッパリなんだ。リーインカーネーションやら身体を魂の入れ物
扱いするエセ臭い新興宗教のぶち上げる愚説は論外だが、我等が御主の言葉に論じられる魂でさえ、俺には解らない――んだと思う。言葉の上じゃ
なくて、本質で解らない。幽霊だとか超能力だとかを否定する訳じゃない……つーか、同僚がリアルでマーリンの後継者やってる身分でこういうこと言
うのもなんだな」
「魂ね……それって、解答が解答にならないもんなあ。あー。そういえばあの()、一人で行かせちゃって良かったの?」
「まーな」
「それだけ――ちゃんと、信頼してるんだ?」
「信頼? 無自覚さとか……責任放棄への確信とか、そう言い換えられんのかな。でもま、アレだな。単純な理由だよ。一人の方が安全ってことも
ある……誰も巻き込まない状況を算出できるなら、俺はアイツに太刀打ちできる奴を殆ど想定できねーよ。あいつ、単純な戦闘スペックや汎用性
能だけなら完全に究極ランクなんだぜ。ナイフ一本で空母も沈めるよ、きっと。仮に砂漠が最終戦争の舞台なら、爆弾よろしくアイツ放り込めば何
もかもチリに変わってそれで終わりだ。試しにアイツ目掛けて世界中の核ミサイルを叩き込んでみたっていい。ニュークリアなバランスが平均化さ
れて案外と平和になるかもな。アイツのことを知らないヤツは知らないから消されるし、知ってるヤツは恐れから自滅する――ハンパに知ってるヤ
ツはそのハンパさに消えて散る。アイツは魔術師だけど、その性質がまるで魔術師してないんだ。――だからこそ、同類の弱点なんて見透かして
るし、そうでないヤツには純粋に何重の特性を持った驚異なんだ。大概の術師を殺すのに苦労はねえけど、アイツは例外中の例外でね。なんせ
そもそも、大前提として殺せない。死なない――終わらない。終わりがない。まあ、あえて問題挙げるなら、ほとんど大量破壊兵器みたいなもんだ
からさ。投下できる場所が限られてんだ。ゴジラが味方だとしても、近くでノンキに立ち見してるのはヤバいだろ」
「死なないことが、終わらないこと、か」
「それはお前のが詳しいんじゃねえのかな。俺にはない共通項って。――終わりがないのが終わり(、、、、、、、、、、、)。ちなみに、ゴールド・エクスペリエンス・レクイ
エム――じゃあ、ないぜ。一度言ってみたかったのはホントのホントだけど――セシルがいつか言ってたんだよ。「私には、自分の最後が思い描
けない」ってな。アイツに限っちゃ、そいつの意味するところはありがちな思春期の自意識過剰でもサイコパスめいた根拠のない万能感でもない。
事実を事実のままに言うなら、確かに、アイツには終わりなんてモノが見えてないんだ。”終わらない”なんてのは、「壊れない」よりも、殆ど無限
に近い概念だからな」
「言ってた――セシルさんが?」
「言ってた。俺には解らない。でも、お前には解るかもしれない――多分。無理でも、俺よりは近いハズだろ」
「かもね。……でも、聞いて理解はできないと思うよ。終わらないってことは、終わりが想定できないことだ。死を体験できるのは、どんな人間でも
一度きりなんだから。――ホントはね。それに、私やあの娘の不死性だって、「終わり」そのものを体験してる訳じゃない」
「ん。だから……それ――だな。それなんだろうな、きっと」
「それ?」
「魂。じゃなくて、聞きたいこと」
「酷い質問だね」
「ああ、よく解る」
 

220 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/05/27(日) 03:12:280

「アイツに壊せないものはない。例外もない。壊れないものすら壊した(、、、、、、、、、、、)矛盾の先、それがアイツだ。俺は今の今まで、アイツの前で形を保ち続けら
れたものを見たことがない。物質の構成を断ち切るとか――異物を打ち込むことで、その衝撃で構造を砕くだとか、要素の結合を解くだとか――
凡そ、「モノの在り方を否定する」あらゆる手段とすら、セシルの性能は方法を違えてる。流れ落ちる大河も、逆巻く暴風も、淀んだ空気も、捉えら
れない水も、触れることのできないあらゆるなにか(、、、)さえも――アイツにとって、この世界のあらゆる物事はピリオドを打ち付けるだけの文末だ。性質
の話を持ち出すのなら、アイツの役割は"終わらせること"、そのものだ。アイツにとっちゃ、どんな意図も対象も確殺絶壊、フェイント抜きの完全滅
壊だ。虚もなければ実もない。冗談抜きに、アイツは「存在する」ことに対しての天敵だ。それ自体は破格の性質だ。だからきっと、アイツの"不死"
なんてのはオマケみたいなもんなんだよ。「終わりの終わり」なんてのが存在しないように――な。だけど、セシルにとって重要なのは自分の性能(能力)
じゃなくて、在り方(せいしつ)だった。考えてみれば当然だよな。性能(スペック)なんて、試そうと思えば幾らでも試すことができる――性質は、事実を自覚しなければ、
どうしようもない。周りの何もかもが終わっていく中、全てを終わらせる自分の、終わらない終わり――アイツが口にしてたのは、それだった」
「終わらない――終われないことの、終わり、ね」
「アイツにとっちゃ、お前は辿るに辿れない場所に辿り着いた先達なんだよ」

「……聞きたいのは、だから」

「死ってのは――」

「……」

「いや、俺にとってもだ。アイツだけじゃない。俺にとっても、お前は辿るに辿れない場所に立った唯一例だ」
「一つだけ言ってもいいかな」
「幾つでもどうぞ、我等が人類の泰斗よ。俺なんて、最初から意見する立場にない。――で?」
「じゃ、一つだけ」

「――とんでもない買い被りだ」
「……やれやれ」

「――これは、俺も知ってる」
「これ? ああ、十牛図」
「絵が十枚あってさ。男と牛の絵だ。で、二つ目――二枚目の絵、男が逃げ出した牛の足跡を見付けるのが、えっと……ああ、二つ目だったよな」
「そうだね、見跡だ。割と単純な比喩だね」
「ああ。そこだけはよく憶えてる。フィーに概説して貰った覚えがあるくらいだ。草を撥って川を越えて、それでも山は遥か高く、路は更に深い――そ
れでも踏み込んで、逃げた牛を探す。牛の足跡は多くて、どれも牛の足跡だって事は解るけど、どれが本当か解らない(、、、、、、、、、、)。牛は自己と自我を繋ぐメ
タファーだ」
「概ね合ってるよ」
「ああ、合ってるかもしれない。――だけど、それだけだ。だろ」
「ま、そうだね」
「自分なんて不安定なモノ、俺には理解できない。さっきのアレ(、、)――見たろ」
「見たよ」
「アレも俺だ」
「うん」
「恥を晒すようでしかないけどさ。――アレに、俺のカケラは残っちゃいない。思考のカケラも、理性も――いや、知識って要素の僅かな残滓さえ、あ
のバケモノには残っちゃいない。記憶(ソフト)どころか思考形態(OS)が違うんだから、俺なんて要素は残ってる筈がない。つーか、笑えることに身体(ハード)すら残って
ないんだぜ、アレじゃ。あのフェンリルめいたヤツが存在してる間、俺はどこにもいない……つくづく笑える。自分でコールしといて、そいつが何をす
るかも理解しないままに暴れさせてんだからさ。射殺許可の出てる犯人を殺す為にラリった殺人犯を臨時で警官にするって、大概法治国家じゃ許
されてねーよ。アレに限っちゃ、セシルでさえ止められるかどうかわかんねぇ危険物だ。気付いたら火星人との最終戦争後、なんて事態にもなりか
ねない」
「だったら、私が止めてたさ」
「そうだな、頼む。目が醒めたらどこぞの世紀末映画よろしく地球がまっさらになってた、なんてのは泣けるから」
 

221 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/05/27(日) 03:17:000

「――でも」

「実際、こんなのは俺の普段と何も変わらないんだ」

「俺が俺を認識できるのは、その痕跡と、結果の廃墟と、後で教えられる自分の結論だけだ。魂ってヤツがあるとしたら、なあ、藤原。――俺に魂っ
てヤツがあるとするなら、それは、その時、自分が――なんつーかな。今、こうして俺とお前が話してるこの瞬間、自分が自分だと認識できてる瞬間
だけなんだよ」
「欺瞞だよ、それこそ。――あんたは、あんただ」
「確信だよ、俺には」
「……じゃあ、眠ってる時は? 意識が途切れてる間、あんたは死んでる?」
「睡眠って、死の暗喩だろ。ヒュプノス(ねむり)タナトス(おわり)は双子――よく言ったもんだよな。寝て起きて――目を閉じて開けて、そうして覚醒する度、視界を確
立する度、俺は俺を確認する。自分が昨日まで何を考えてたか、何をどう考えてたか。けど、それだって確かじゃない。俺を俺って枠に固定してくれ
てるのは知識と感情だよ。でもって、前者はともかく後者は果てしなく不安定だ。体調が悪いってだけでも揺らいじまう。記憶(むかし)は虚しいってな。そんな
もんは、雑多な流れ(いま)に容易く流されるだけだ。一日ならまだいい。二日前、歩く道で最初になにを見たのか、誰と話したのか――今日歩く道に誰と話
すかって要請(いま)に負けて、そんなことは忘れてしまう。今日は明日の昨日だ。仮に、明日にとって昨日のことより一昨日のことが重要だとしても――俺
達は昨日よりも今日を見る。今を、いつだって今を――今の、今の今を。目の前にある道だけを優先する。――でなきゃ、どうにもならないからさ」
「どうにもならない? それ、本気で言ってる?」
「本気? そりゃもちろん。生きる為にはマジのマジさ。仕方ないことはあるんだ。――誰かが誰かである為に、在り続ける為に」
「忘れることは――忘れられることだよ。それは、辛いことばかりじゃない」
「俺は、辛かった」

「感情は制御できない。思考は感情から逃げられない。どれだけ待っても、整然とした思考回路(パターン)は構築されない。周りの誰かに――フィーに、妹弟に
――セシルに、こうしてる今はお前に。俺は誰かに名前を呼ばれて、そうしてようやく、俺を認識する。でなきゃ、昨日の俺と今の俺が同じであるなん
て保証、どうやったって俺に確約されない。白状するけど、藤原。俺、眠るのが怖い時期があったんだ。昨日と同じ考えでいられない、その事実が怖
かった。カフカの毒虫じゃないけどさ、次の日の俺は俺じゃないんじゃないかって、本気で怖かったんだ」
「記録が魂――そう思うってこと?」
「違うよ」
 

222 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/05/27(日) 03:49:460

「記録は軌跡だ。……魂の痕跡、それが記録だろ。日記に残るペンの痕跡(いみ)は、百年だって消えてはなくならない。自己(きおく)なんて曖昧な手段に頼るのが
怖いから、人間は文字(きろく)なんて技術を生み出した。そう、俺達が使う言葉は強い――だけど、これ以上なく不完全だ。意味を伝達する経路として
この上なく発展した言葉は、人間って不安定な媒体にしか適用されない。だってそうだろ。日一日、秒単位で気分や感情に左右される人間は、記録
媒体としては最悪だ。なにせ人間ってのは、気分が悪けりゃ意思も悪辣だ。なのに、伝説だとか神話だとか、風化を超越したような観念にさえ――い
つだって、言葉は不可欠だった。――だから、自分以外に頼る手段を探したんだ。少なくとも言葉(きろく)の中で、俺達は永遠でいられる。文字(カタチ)の中でなら、
曖昧から逃れられる」
「でも、文字は文字だよ。……記録することが魂の保管だとしたら、宗教なんて必要なかったじゃないか。もしもそうなら、人間は自分だけを記すこと
だけで生きていられるんだから」
「そうだな。文字は文字だ。そこに魂なんてモノ、存在しない。しないけど――けど、だから。――それは、それだけのことだろ」
「……あんた」
「元々、俺達の必然(たしか)偶然(ふたしか)を選り分ける方法なんてない。だけど、写真はモノとして残るんだ。紙に走る文字は俺達よりもハッキリしてる。言葉が示す
のはいつだって一つの意味(ほんとう)だけで――それを捉える人間の中で、そいつは真実なんだ」
「……それは、あんたの本当(たしか)じゃないよ」
「だったらさ」

「それを誰かが覗き込んだ時、そこに、確かに俺達の痕跡は残ってるんだよ」

「俺は、そう思う」

「いつか言ったろ。何かを殺すなんて意味、俺は実感として捉えてないって。けど、俺は殺してる。殺し続けてる。実感と事実は俺の中でこれっぽっちも
近しくない。事実だけなら――それこそ自慢にもなんねえけど、俺は殺戮者としてはそれなりに優秀なんだぜ。なんせ、無駄に殺すからな。俺は、俺に
とって必要な数以上を殺してる。創生以来、生物個体として殺害した数じゃ間違いなく上位二十位には入ってるくらいだ。ああ、あと二年あれば五位に
は食い込めるかな。洪水でなく裁きの雷でもなく、俺は俺って意味を頼りに人を殺してる」
「それは――」
「だけど」

「――だから、それは、それだけのことなんだ。面白い話でもなんでもない。漠然と思うんだよ。あの狼に俺が迷ってる全部を聞かせてやったら、ヤツは
間違いなくこう口にする筈だ。『殺すのが悪いって事は、何かを食べるなってことか?』ってな。殺戮数の順位自体を崩壊させる数を殺害したあの野郎
規範(じょうしき)は、概ねそれだけだ。だから俺は反駁しようとして、すぐにそいつを諦める。『ああ、そうかもしれない』、ってさ。『暴力と殺害は意味合いが違うし、
本能と本質は方向が違う』――それ以上、何も疑わないし、疑えない。ヤツはその意味で俺よりマシなだけだ」
「聞いてきたみたいな、言い方だね」
「俺はさ、藤原」
「……なに」
「時々、「自分が死ななきゃ世界が滅ぶ」って状況があったら、自分はどうするかって考えるんだ。たとえば、夕方にチョコレートを齧ってるときとかヒマな
ときに、無駄によく考える」
「その状況で――」

「どうするのさ」
「自死――な。選ぶと思うよ。普通に」
 

223 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/05/27(日) 04:28:490

「だけどきっと、絶対にそうはならないんだ。俺の言葉なんかよりも、俺の意味の方が――多分、ずっと強い。空っぽの俺は、俺を定義する原型に抗えな
い。爆弾に爆発するな、ってのは酷な話だろ。決起の時を待つそいつを止めたいなら、炸薬と発火ユニットを分離するしかない」
「……それ、爆弾じゃないじゃない」
「はは。まあ、うん。死ぬってこと――で、俺は死なない。それは選べない俺がそこにいるだけで――だから、俺は常に炸薬のままなんだ」

「だから、俺は不確かだ。いつまでも不安定な俺は、お前達に頼って俺を維持してる。俺が俺を信じるより、それはずっと確かだから」
「あんたにも――記憶はあるじゃないか」
「あるさ。アテになんないけどな。俺の考える俺なんてのは、さ。だけど、過去は――責任は消せない。他人の中の自分は消せないし、消えない。残念な
のは、自分の意図する自分を他人の中に残すことができやしないってことだけだ」
「あのさ」
「あん?」
「十牛図、見たことあるって言ったよね」
「あ? ああ、県立図書館だったかな、近くに博物館がある場所があって、そこで。それが?」
「十枚、全部見た?」
「まあ、見るには見たよ。序文も読んできたし」
「……ちゃんと読んだ?」
「読んだよ。ただ、さっきも言ったけど、あれは結局、本人の資質を質すようなモンでしかないわけだろ。踏絵みたいな――」
「見る側に皮肉はあるかもしれないけどね。けど、違うよ。そんな説教くさいものじゃないさ。そりゃあ、禅道の古典だからね。ああだこうだと語ってしたり顔
するようなやつは論外だよ。だけど、そこまで閉じた内容でもない」
「……ふん。つまり、なんだよ」
「胸を露はし足を跣に店に入り來たる。土を抹で灰を塗り笑ひ腮に滿つ。神仙真の秘訣を用ゐず、ただ枯木をして花を放つて開かしむ――十枚目の頌文
は、確かこんな感じ」
「待て、あ、え――なんだって?」
「たとえば”神通力”なんて、修行の結果ですらないってこと。神仙の行だとか道のサトリだとか、そういうのは、それ自体が余計なもんだってことだよ。悟り
に至ろうとして結局そこに至れないのは、それが原因だってこと。そもそも悟ったなんて口に出して言えるような奴は、それが理解できてないってことだよ。
仙人の一顰一笑が余人のそれと変わるもんか。百万言の経文より、たった一音の石音を――頓悟に入りては大悟に至る。閑暇寸隙を問わずに悟了は訪
れる。あんたは多分、言葉の上で解ってない訳じゃないと思うんだけど。あのさ、別に私は悟った人間じゃないけど、そういう理想は、解るよ」
「……お前が言うとド直球で説得力抜群だけどさ。お前はそれ、違うだろ。……仙人みたいなもんじゃねーか、お前。つーか、そのものだろ。リアル仙人なん
て俺、お前含めても五人も見たことねーよ。お前で四人目だ、仙女様。レアリティ抜群だよ」
「違うって。それこそ仙人に怒られる。私は死なない。で、長い間生きてる、そういう人間。ていうか第一、悟って人間昇華して仙道に至ったんじゃないしね、
私の場合」
「それでも――」

「……同じことじゃねえか」

「なんか言った?」
「なんにも」
「あんたは――」

「――人間はそういうものだと知ってても(、、、、、、、、、、、、、)、気楽には生きられない?」
「誰も彼も、多分な」
「それは――」

「――それは、あんたがそう思ってるだけかもしれないのに?」
「かもな。けど、その逆かもしれないだろ。ホントは、誰にもできないのかもしれない」

「……なあ」

「……悟るだとかなんだとかとは言わないけどさ」

「俺、お前みたいに生きることはできんのかな」
「あんたは呼吸するのを難しいって考えたことあるの?」
「水中じゃな」
「馬鹿」
「はは……ま、でも。――でも、そっか」

「ああ、解ったよ藤原。いや、解ってた、けどさ。もう少し、考えてみる。くだらないこと訊いて悪かった」
「……ま、やるべきことが先決だけどね」


一スレ目、十レス目――『湖底の石、水無瀬川』
 

224 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/06/18(月) 22:15:450

 猫滝では
 水の代わりに猫が流れている
 滝壷には猫が溜まっている
 溜まった猫は下のほうで融けはじめて
 猫の素になって川を流れていく
 猫河はぐるりと周囲を廻って猫の滝に続いている
 猫の滝は
 こうしていつも猫が流れている
 滝壷で猫を浴びる
 にゃーと鳴き声が聴こえた

 猫の声を聴いているのか
 滝の音を聞いているのか
 

225 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/06/18(月) 22:20:220
 
「……兄貴?」
「え」
「ちょっ……いや、「え」じゃなくて。なくて! なんか今ヘンなこと言ってませんでした!?」
「馬鹿だなミハル……スレッショルドの新譜は来月に延びただろ」
「ンなこと聞いてねぇぇぇーっスからね? マイナープログレメタルの発売日が延びたのがそんなショックなんスか……!?」
「馬鹿だなミハル。エリオットスミスは今頃カートと仲良くアッチでハウロウだって」
「だから聞いてねぇぇぇーッ!」
 

226 名前: ◆zPhoEniXzw :2007/06/24(日) 01:02:550
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1063981092/226

(こっそり)

227 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆WEISS0lzjQ :2007/07/01(日) 23:50:450
 
 ん、と。
 
 はは、こいつは久し振りのお客さんだ。
 ……もっとも、こんな地下にあって動いてないのもどうかと思うんだけどね。
 
>>226
 
 本当に続けてみてくれたんだ。こいつは、また。
 参ったな、嬉しいよ。
 けど、そうか。
 読んでいて思ったけど、伝承のルーツを解釈/解体、って感じなんだね。京極先生の”妖怪”が解釈から
ルーツへだから、なるほどって。お姉さん達へ、「キャラクターへ」って形で、伝承の総括がされてるんだ。
ふと、蓬莱の伝承なんかだと列仙伝を考えれば国創りにも関わるし(とも取れる、かな)、なにせこの国は
神話の吹き溜まりだ。書き手によって広がりが残されてるんだって考えると、やっぱり面白いよ。
 
 これに関しては……さっき、地下スレを覗かせて貰ったよ。で、ごめん。
 制限敷くみたいな形で続けちゃって。
 実際……どこまで設定してやっていいのか、ってのは迷うところだし、こっちも迷惑を掛けなかったかが心
配だったから。付き合ってくれて、どうもありがとう。
 

228 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆WEISS0lzjQ :2007/07/01(日) 23:55:090

 ただ、私もぼんやり書いてたけど、プロットは作れなくもないんだけどね。
 お姉さん、殺人鬼君……と、兄さんにとっての理想、考え方の対置、で流れを持っていこうとしてた。

 断片にしたフレーズが元々はネタだったから、整理しなきゃ一つの「お話」にはならないのが残念だけど。

 うん、それじゃまとめてみようかな……。
 ふふ、やれやれ。どうにもだ。
 もうちょっと、時間があればいいんだけどね。
 

229 名前:ミハル:2007/07/02(月) 00:34:480

 ……だー、るー、いーっ。ダルいです、ダルすぎる。
 レコーディング終わってからもう色々ダレてますよ。冷たいもん飲みたい。南極一つぶん。
 あとマメ感想。

 NAHTの新譜、デキは流石と言えば流石なんだけど、かなり予想外っスね。多分聴いた人は等しく
「UKっつかこれNWリヴァイヴァルの流れじゃねーの?」くらいに思ってるんじゃ……。EPのディスコー
ダントなリズムとバカテクベース、その上を流れる日本語詞、ってな切れ味鋭いゼアイズ系ポストハ
ードコアを期待してた分には、大分アテは外れてるかな。特に歌詞、「その文末に腐ったピリオド!」
みたいなアレ、聴きたかったです。ダンサブルなリズムはまあ、考えてみりゃEPの頃からだってたん
で、今のはその結果かもしんないけど。とりあえずライブ待ち。
 CLASSIC CASEの新譜は、最近のアタリかな。1stの時に契約でモメてたの憶えてるんで(実際、
出なかったはずだし)、よもや国内盤ってのも驚いたけど、グラスジョー直系のヒネくれたメロディラ
インとかリズムを引き継いでるのがちょっと感動かな。ヘヴィロック黎明期にスクリーモとハードコア
の掛け橋になった音が、廻り廻って「エモ」の先に設置されたみたい。……まあ、ジャンルなんてそ
の程度の要石でしかないもんだって証明っちゃそれまでだけど。素直にこれはもう、カッコイイよ。
グラスジョー再結成で休眠っぽいけど、この音出してくれるんなら独立してくれればいいのに。再結
成自体は嬉しいけどね。

 最近はKsEの1st引っ張り出してきてよく聴いてんですけど、もしかしてこれってこのヒトらの最高
傑作じゃあねーんスか……? 2ndで入ってきたエッジ鋭いソロやらメロウなハワードのヴォーカル
やら(というか、正にメロデスの要素だけど)、最近の日和っぷりを見るにつけて、どうにも1stの激性
が削がれてるのが気になってしゃーないです。「畳み掛ける怒涛のリフリフリフ! 猛り狂う体育会
系ヴォーカルとギャングコーラス!」なパターンを北欧メロデスに結び付けてたのが好きなだけかも
しれないけど……っていうか、単にアタシが初期メロデスにまたハマってるだけかもしれないけど。
 

230 名前:ミハル:2007/07/02(月) 00:47:140

 ま、でも、元々日本語詞はNAHTからすりゃ異端でしたし、これはこれでいいのかな……。
 なワケで、相変わらず英詩のまんま。ラプチャーめいた復刻NWちっくなんで、微妙にヴィジュ系
を思わせる歌い口はナリを潜めてます。

 エリスミの追悼CD、これも好きだな。初期CD収録から漏れた音源ばっかだけど、音質なんかは
気になんないです。
 あと、今更に買って地味に「これすっげえ」なのが、FROSTの”MILLIONTOWN”ですね。ポンプ系
の連中集めて作った「一枚限りのプロジェクト」なんだけど(解散しちゃったから)、テクのひけらか
しに走らないハードインスト、ものすっげぇ泣きの感覚にクるピアノフレーズ、それを自然に発展さ
せていくパターン構成、と、ホントにどれとっても絶品のデキ。……ああ、ヤバい。ドリムシの新譜、
これと比べちゃうと、色々、ダメ、かも……。
 

231 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/07/06(金) 02:28:250

「くーっ、ろっ!」
「なんだい岬君」
「当然とばかりに間合い取られてた! ていうか避けられた!」
「気のせいだよ」
「な、なんでー、そういうことー、するか、なぁ……今日わたし、まだ何もしてない……」
「これからしようとしたんだね?」
「そ、それは! なんか現在完了系の否定文っぽく突っ込まれてる!? ……えっと、それよりも、ね、クロ、七日っ
てヒマかな。時間とか、あるかな」
「七日……は、どうだったかな。えっと、ああ、その日は姉さんのライブ翌日だ」
「ライブって……えーと、そういうんじゃなくて、ほら。もっと重要なイベントあるんじゃないかなあ、みたい、な……あ、
ちょっ、クロ!? どこ行くの!?」

                  ――――――――――

「というわけで滝那君」
「……」
「七日は君、ヒマかな」
「七日がヒマっていうか、あんたが今この現在で壮絶にウザいんだけど……」
「酷いな、ここを教えてあげたのは私だったはずだけどね。この猛暑、涼を取れる空間は私達みたいなインドア系には
必須じゃないかな。閑古鳥の鳴いてる図書館に住民が一人移住してきたんだ。もう少し喜んでもいいと思うんだよ」
「……。んじゃ私、帰る」
「待ちたまえよ。別に今日はなにか君に鬱陶しいことを言い散らすつもりはないさ」
「あんた、普段は言ってる自覚あったわけ……?」
「まあまあ」
「偶に」
「ん?」
「本ッ気で、アホな運命肯定論者の寝言を信じたくなることってあるわ」
「へえ、照れるね」
「否定的に使ってんだけどね……ヘンに日本語慣れしてんじゃねーよドイツ人……」
「で、七日だよ」
「…………なんかあんの、七日」
「おいおい、神道関係者がそんなこと言ってちゃいけないだろう。なにかって、デートのお誘いだよ」
「はぁ? 誰が関係……デートって、誰が?」
「君が」
「誰と」
「私だよ」
「……冗談。岬でも連れてけば」
 

232 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/07/06(金) 02:33:010

「――あああああぁぁぁーっ!」

「おや、ウワサをすれば、だ」
「またウザいのが増えた……」
「ウザいの参上! いや待ったウザくない!」
「だからそれがウザいってわかってんのあんた……」
「ちょっとクロ!? 聞こえたよ!? 聞こえちゃったよ今の!? わたしはスルーでキナちゃんはお誘いオッケー!?
なぜなにそれホワイ!? ていうかキナちゃん、幼馴染裏切って平気なの!?」
「あんたは私の言うこと何回裏切って十三年間生きてきたのか聞きたいけどね……」
「キナちゃん……今まで飲んだ水の回数って、憶えてる?」
「岬」
「なによ!」
「そこの窓、十秒だけ開放するのを許してあげる」
「なによ! ……え? 窓?」
「飛べ」
「躊躇ゼロ!?」

「っていうかさ……あんたら、揃いも揃ってウザいから。二人で行けばいいじゃない、汽船に乗ってベガでもどこでも」
「へえ、ハーシェルみたいなことを言うね。まあ、待ってれば数十万年後には向こうから来てくれるさ」
「あんたはなんていうか、私の想像した解答をスルーするから嫌い」
「……ベガってなに?」
「あんたはあんたで、想定内のボトムラインをキープするから嫌い」
「会話できる範囲内の嫌悪なら、無関心よりは幾分と上位だよ。滝那君、つまりさ、これだよ。どう?」

→これ:http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1178989083/39
 

233 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/07/06(金) 02:38:060

「……どうって」
「どうかな」

→どう:http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1178989083/39

「……どれ」

→どれ:http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1178989083/39

「巫女さん募集って」
「……いや、っていうか、だから」

「なんで、それ、私に聞くかな」
「なんでって……岬君?」
「岬」
「え、なにキナちゃん?」
「あんたまさか、また余計なことコイツに話したんじゃないわよね……」
「余計って……」

「……余計なのって、どんなのが……えっと、どんなのが、余計?」
「いや、つまりさ。君、実家は神社で巫女さんだろう?」
「岬」
「うん」
「剣道の授業、あんたってそろそろ私と当たる概算だったっけ……」
「なにそのぜんぜんさり気なくない脅迫! ていうか普段は体育とかサボってるくせに大人気なさすぎるよ有段者!?」
「別に。ウチの免許ってだけで公式剣道の有段者じゃないわ」
「駄目だし! キナちゃんとこのって腋の下とか防具の隙間とか狙って突き入れたりするヤバいやつじゃない! どこの
斎藤一って感じだよ!?」
「気にしなくていいわ。授業だと突き禁止だし振り回して当てるから」
「それってマキワラぶった斬っちゃうワザでしょ!? あんなガチ緋天御剣流みたいのカタギの人間がくらったら絶対死
ぬからね!? リアルに普通に死んじゃうよわたし!?」
「まあまあ、巫女さんがそんなんじゃいけないな。みこみこ滝那君」
「……み、」
「みこみこ」
「……」
「みこー」
「う、ウザい……」
 

234 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/07/06(金) 02:46:540

「……もう、いい。あんたに言っても無駄だし」
「やらない?」
「やんない。っつか、聞かれること自体心外。第一、名前も知らないっての、この神社。そもそも近いの? 交通費で
トントンなんて、ハッキリと笑えないよ」
「えっと……でもさ、キナちゃん。バイト募集だよ? 割も良さそうだし、ここは一つ本職が! って……あの、ダメ?」
「むしろ多少でも人目があるとこで巫女巫女クチに出さないで。殺すわよ」
「普通に殺すとか言われた! なにこの温度差!」
「じゃあ半分だけ殺すわ。いいわね」
「よくないです! めちゃめちゃダメですそれ!」
「じゃあどれだけ殺せってのよ……」
「どれだけも殺しちゃダメだよ! ほっといても細胞って生まれ変わってるから!」
「じゃあ要らない細胞殺して代謝促進したげるわ。良かったわね」
「墓穴でしたか今の!?」
「っていうか……っていうかさ」

「一つだけ言っとくけど、岬」
「う、ん?」
「私、あのくそったれな家でウダウダ生きてなきゃいけないって、これっぽっちも嬉しいと思ってないから」
「……あ。ごめ……あの、わたし、ごめん、そういうつもりじゃ」

「ごめん、あの」
「……」

「……だから、ウザいんだって。そういうの……ああもう、違う、違うわよ。あー……ったく、あのさ、クロエ」
「ん? もう友情劇は終わり? 偶に見せる君のライ麦旧訳的な言い回しはもう少し聞いていたいんだけど」
「そろそろ本気であんたとの縁切っていいかな」
「あはは、ごめんごめん。で?」
「あんた、巫女とか……なんていうか」

「……どう思うのよ」
「君らしくないな。いやに抽象的だ――普段から主格を抜いた会話を嫌がる君とは思えないな」
「ウザい」
「はは、それそれ。それが君だよ」
 

235 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/07/06(金) 03:00:280

「うん、まあ返答は幾つか考えられるけど……つまり、神職として見た場合の観点から考察しろってことかな」
「違う。ぜんぜん違う。前提として、考察とか抜いて。――イカれてると思わないかな、なんで絶滅してないのって。形骸
神道になって百年経ってんのよ。マッカーサーに素直に殺されてろってのにさ」
「国家神道の体系変化を考えれば、そいつについては是とも否とも言えないな。そもそも、ダグラス氏に日本人の根底
観念を殺し切れって方が無茶だよ。……ああごめん、つまりこういう観点を抜いてってことか。そうだね、そうだな……」

「うん。――けれど滝那君、この国じゃ本職じゃないメイドが「メイド然」として存在して、その「メイドならぬメイド」たる職
業が確立しているよね」
「……ああ」

「言いたいことと喩えの意味は凄いわかるけど、素直に殺意が湧いてくるわね……つーか、だからあんたに知られたく
なかったんだけどね……」
「そうかい? 私のバイト先、むしろそういうコスチュームがなくて寂しいのにな」
「コーヒー専門店が巫女やらメイドやら導入し始めらたら本気でお終いじゃない……」
「あ、はいはい。それ、この間さ、テレビの特集でやってたよ。メイドカフェならぬ巫女カフェとか」
「そんな店はさっさとツブれた方がいいって事だけは理解してやれるわ……クロエ。あんたんとこ、焙煎からの専門店
じゃなかった?」
「もちろん。この街じゃ唯一のマイスターが厳選した豆を使った自慢の一品だ」
「マイノリティってとこしか重なんないわね。で、マイノリティ同士は絶対に接触しない。わかった? 岬」
「えー? でもこれ、需要拡大の証拠ってことでしょ? 人手不足解消にならないかなあ」
「火乍神社。今年は全部バイトで賄ったらしいわよ、巫女」
「まじですか!?」
「……いまさら、祭儀に専門的な知識まで持ち出して神主やってるバカはいないわよ。絶対数で言っても官社くらいに
しか形式辿ってる神職なんか残ってないから。っていうか、そっちのがいいの。作法だとか伝統だとか形式だとか思想
だとか血統だとか言ってるウザいやつのが、どう考えたって救えてない」
「救えない? 神道思想が?」
「アタマとか気分とか性根とか、そのへん」
「はは、それはアレさ。多かれ少なかれ、誰でもそうだよ」
「錆びた鉄持ち出して時代の証明です、なんてやってる連中と一緒にされたくないけどね」
「錆びた釘持ち出して「これはキリストを磔刑にした聖遺物です」って声高に叫ぶ博物館もあるさ――正気か狂気か、
まあ、この現代においては前者のバランスが後者に天秤を傾けてるだけだよ」
「……あんたのそういうとこ、本気でウザいんだけどね」
「光栄だ。君のセリフはシンプルで層を成してる」
「あの」
「ん?」
「なに」
「官社って、えと。なんデスか?」
 

236 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/07/06(金) 03:05:240

「……。クロエ、パス」
「伊勢神宮の次のことだよ」
「伊勢神宮って……、」
「知らないとか言ったら……」
「し、知ってるよ! 知ってますよそれくらい! 天照様お祭りしてるとこでしょ? 行ったことないけど……あれ? で
も、次ってなんのこと? ていうか次ってなにが次なの?」
「神社の……そうだね、神社のレベルだよ。王様の次は女王様で次がジャック、そんな感じさ」
「あ、なるほど。さっすがクロ!」
「……あんた、その納得で意味とか理解できてんの……?」
「やだなぁキナちゃん、大丈夫だってば。天照様が一番レベル高くて、次がスサノオで、えっと次が……」
「違う。ていうか天照大神と並べて素戔嗚が出てくる時点で全然違う」
「え? そう? ……おっかしいなあ、合体する時のレベル、たしかそんなだったと思うんだけど」
「岬」
「ん? なに、クロ?」
「メガテンは参考にならないからね」
「あ、そうなの?」
「単純に、天皇と縁が深いほど格が上ってことだけ」
「ふーん……、えっと、ようするにアレですな。神様にもコネがあるってことで……うっわー、ケチいなぁ」
「そんなもんあるわけ……。……知らない、そんなこと。日本が国体維持する為の理由にケチ付けてどうすんのよ」
「でもさあ、それ、なんかズルい気がする。エラい人と仲がよければその人も偉いの?」
「見事に社会制度のアナロジーになってんじゃない。……っていうか、あんた。自分とこがその解り易い例だって知っ
てるわよね」
「うち?」
「あんたんとこのは、「エラい神社」の解り易い例だってこと。知らなかったって事もないでしょうに」
「そうなの?」
「……ああ、そう。そうなの。もういいわ」
 

237 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/07/06(金) 03:32:570

「うーん……でもやっぱりなんか、ズルい……けど、それ以前になんだかぜんぜん嬉しかったりしないよ……神様の
格がどうだとか、ハッキリ言ってわたしにはわけわかんないし関係ないし。うちの神社が偉いからって、私が誰かを助
けたりできるわけじゃないしさあ……神様が人を助けるのって、人が神様を頼るからでしょ? 偉い神様はだから偉い
んだろうけど、偉くない神様が人を助けられない訳じゃないと思わない? ……あのごめん、わたし今自分でなに言っ
てるかわかってないと思う」
「別に。今のは普通のこと言ってるだけ。”何が本物か”なんて論争するエセ学者よりよっぽどマシ。ただ――」

「あんた、神様が全部、人を助ける為に祀られてると思ってるんだ」
「んー、……ううん、そうは言わないよ」

「なんていうかさ、助け合いじゃないのかな。神様って、誰かにお祈りして貰えないとダメだって思うから。ほら、身命
公園の神社とか、誰もお祈りしないしなにがお祀りしてあるか、誰も覚えてないし。……誰も助けられない神様が役
に立たないなんて思わないけど、誰かを助けないと神様がそこにいる、って誰も気付いてくれないでしょ? だから
お供え物とかお祈りとかするじゃない、かな。うちのお父さん、「気持ちを込めてお祈りするから神様に伝わるんだ」
とか言ってたし……、えっと、だから、そういうものなんじゃないかな。神様は、お祀りされてる神様と、私達がお祈り
する時を合わせて、そこにいるのが神様だって」
「じゃあ……。例えば岬。それじゃ――」
「滝那君、つまり、そういうことだよ。関係ないさ、確かに――今や神仏解体も再集合も民間敷衍だ」
「……。……そうね。私らには関係ない」

「……ないから、どうでもいいじゃない。なんでこんなもん持って……ていうか、どこにこんなビラあったのよ」
「”相談スレッド”にさ。いやいやしかし、男性陣はもうちょっとわかりやすく神聖を求めてるのかもしれないよ?」
「神聖ってよりもカタチに対して即物的なだけでしょうが、それ……いや、でも」

「……まあ、そっちのがマシか」

「で、なに? 巫女やれって? だったら――岬。私よりあんたのが適任でしょ。あんたがやりゃいいじゃない」
「私? なんで?」
「さっき言ったでしょうが。つーか、ウチみたいな民間信仰集合とあんたんとこの国家神道直系なら、正統性なんて考
えるまでもないってこと」
「せ、せーとーせー? ……、ええっと」
「……、言い淀むな、本家」
「ええっと……なにやればいいんだっけ、巫女さんって」
「らしいわよ、クロエ」
「だろうね」
「あ、ちょっ! 待ってってば! 思い出すから! ……あ、そだ」
 

238 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/07/06(金) 21:55:490

「……なにが、「そうだ」なのよ」
「え? あ、あれ? なんか今、わたし、意識が切断されて、た? 丸一日くらい意識が飛んでたような気が
……はっ! クロ、キナちゃん! 気をつけて! スタンド攻撃を受けている可能性があるっ!」
「どんな壮絶なキングクリムゾンだってのよ……」
「そのネタわかっちゃうんだね……」
「……。じょ……ジョジョくらい、べつに、誰でも読むでしょ」
「誰でも……」
「誰でも」
「……」
「まあ、私の周りの人は全員読んでたけどね」
「……、……ウチに出入りしてるやつが置いてったの。それ読んだだけ」
 

239 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/07/06(金) 21:58:580

「ていうかクロ? ね、ね、あのさ。私の巫女さん姿とか、どう、見たい?」
「どちらかというと滝那君のが見たいな」
「がーん!」
「口でがーんとか言うヤツ初めて見た……。ウチ、あんたんとこと違って巫女の衣装とかないわよ」
「うそ、ないの?」
「だからなんであんたが知らないのよ、本家……」
「ま、家の仕事を家の子供が知らなきゃいけないって決まりもないさ。その方が幸せな人間だっているかもしれない」
「……そうね」
「ところで、差し支えなければお聞かせ願えないかな、それ。興味深いね」
「別に。神社に巫女が必要?」
「なるほど、そいつは言えてる。じゃ、君がそれだってのは?」
「……。形式化、形骸化、神の不在。他になにか聞きたい?」
「いや、結構。なるほど、って感じだよ」
「あー。ああ、でもでも、ねえ、クロ」
「なにかな」
「思い出したよ、巫女のお仕事っていうか、もっと凄いヤツ。巫女さんにできること!」
「へえ、凄い? 神憑りとかじゃなくて?」
「カミガカリ? そういうんじゃなくてねぇ……ふっふっふ、なんと! ……あれ、なんだっけ。紙……カミ、」
「式神、とか言い出さないよね」
「さっすがクロ、わかってる!」
「言い出しちゃうんだね……」
「……。岬」
「なんだねキナちゃん」
「他所でそんなこと言わないようにね。アホだと思われるから」
「直球で無惨なセリフですよ!?」
「所感所思に本音。疎意も悪意もなけりゃ他心なく言いたいのはそんだけよ」
「あはは、まあまあ滝那君。それはそれでいいじゃないか。中学生で巫女で式神使えたら、伝奇っぽくない伝奇の
登場人物みたいだよ」
「伝奇っぽくない伝奇って伝奇じゃないってことでしょうが……」
「そいつはカテゴライズ症候群の一歩手前だね。確かに「伝奇そのもの」でなければ「伝奇たりえない」のは然りだ
けれど、伝奇のような何か、というのは伝奇そのものとは別の何かでもあるんだ。仮にそいつが市民権を得るよう
なことがあれば、そこにも真理はあるわけだろう? すると、今度はその「何か」に対して差異を見付けようとする動
きが起こる訳だね。形状記憶のように、そういった力がこの現象には内在していると思うな」
「ぜんっぜん、完璧に話が横道に逸れてんじゃない……っていうか、そんなこと言ったら小説表現なんか限界のカ
タマリじゃない。媒介に記された文章なんて、不自由のカタマリでしかないんだからさ」
「それでも続いてるからね。そこが小説の本質ってヤツなんじゃないかな」
「欺瞞以外のなんでもないっての……。――岬、あんた、どこからそのエセ知識持ってくるわけ? 貸してやった帝
都物語とか途中で放り出してなかった?」
「あ、あれは!」
「なによ」
 

240 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/07/06(金) 22:03:510

「なによ」
「文字が一杯でめんどくなったから!」
「……読み易いの貸せって言ったのあんたでしょうが……」
「加藤さんがカッコいいのはわかったよ!」
「まあ、それだけ分かればいいかもね」
「よくないってーの……頭痛い。そんなんじゃ、文体が肌に合ってるからとか扱ってるネタが好みだからとかで本読ん
でんのと一緒じゃない」
「それじゃマズいかな?」
「マズいとかマズくないとかの問題じゃないでしょ。なら、パターンが分かれば本なんか読まなくていいってこと?」
「なんだかんだ言って、君も割と読書オタクだよね」
「うっさい」
「っていうか……っていうかさ、違う、違うんだってば。お父さんが言ってたの! えっと、神道ってもともと、色々なも
のが集まってできてるから、陰陽道――そう、陰陽道! あれの知識も入ってるんだって。でね、昔は日本の一番偉
いとこにもその人達がいたんだって」
「……あんたそれ、もしかして土御門神道のこと言ってんの?」
「あ、それそれ。ツチミカド」
「あれは陰陽道そのものであって、神道とは違うよ、岬君」
「……神道だよ?」
「……日本ってのは、だらだらだらだらだらだら、眩暈坂みたいにだらだらと伝統だとか伝説だとかを引き摺って生き
てきてんの。そのワリには統一性がないから、時代に合わせて「何が主流か」も変わるの。わかる?」
「わかるよ。歴史の時間でやったじゃん」
「んじゃ憶えてんでしょ。一時期、陰陽道隆盛期には陰陽寮って優先度がデカかったの。陰陽道が神道の名称を戴
けるくらいにでかかった。でも明治になってからはそんなカビの生えたワケわかんないもんに頼る必要がなくなって、
陰陽寮がブッ潰されて陰陽師が路頭に迷って土御門なんてもんは消えて失せた。今じゃ民間に吸収されて残って
るだけ――陰陽師を名乗るってことは、フリーの拝み屋だってこととイコール。わかった?」
「……な、なんかキナちゃん、陰陽師に私怨でもあるの? 安部清明の映画、そんなにつまんなかった……?」
「脈絡ない理屈を持ってくるね、あんたは……」
 

241 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/07/06(金) 22:08:160

「だってほら、キナちゃん、映画好きだから。この間とか、レイトショー廻りしてなかった?」
「……んで、んなことあんたが知ってんのよ」
「ハンチングとジャケットの女の子が深夜帯にアーケード歩いてたら、そりゃもうキナちゃんしかいないでしょう」
「だからなんであんたがその時間に危険地区にいんのよ……」
「お父さんの用事で。カポエラ教室の」
「だからなんであんたのオヤジはそうワケわかんないことしてんのよ……」
「けど、滝那君。実際、それは興味深いと思わないかい? これがキリスト教圏の信仰なら、国家包みの異端だと見
なされても仕方のない自体が平然と許容されてたんだぜ」
「はぁ? 道教指差して「異端だ」なんてホザく中国人がいる? それに、キリスト教から見たら自分とこ以外は全部
異端じゃない。ていうか、陰陽道の許容がなかったら日本神道なんて明治に辿り着かずに絶えて失せてたわよ。少
なくとも、「神道」なんて曖昧なもんは残らなかったのは確実でしょ」
「どうかな、日本人の精神はそれすら許容していたかもしれないじゃないか。私としてはそちらのA’にこそ面白さが
あったんじゃないかと思うくらいさ。こればかりは中国にすら類例を見ない、日本特有の精神だ。陰陽思想をすんな
りと飲み込めたのも、結びを本質とする精神が日本人に備わっていたからだろう? 大石凝真素美の精神性なん
て、今読んでもドキドキものだぜ」
「明治に書かれたオカルト本にドキドキするあんたこそドキドキもんでしょ。っつか、あんたの興味と日本人の実感は
繋がってるようで繋がってない。……なんだかんだ言って、あんたって物事バラバラに分解して全部をそっくり理解
しようとするじゃない。だからそういうこと言えんのよ」
「あ、ちょ、ちょっと、待った! ストップ! 途中からしっかりとさり気なく話がズレてます! 今は七夕の話題!」
「別に話題として話そうと思ってないわよ」
「えぇ!?」
「まあ、日本に流れついて変質した行事だからね」
「えぇぇ!?」
「むしろ、ズラしてるのあんたでしょ? 巫女にできるのがなにかって話題なら。式神がどうのとか菊池秀行の小説
みたいなこと言い出したのもあんた」
「……そうだけどさあ。……できないの? キナちゃん」
「なにが」
「だから式神」
「……なんで」
「うちのお父さん、キナちゃんところがそういうの伝えてるとか……」
「……、あのオヤジはまた、ウザいことを平気で……」
「ひ、人の家の父親を平気でウザい呼ばわり!?」
「あんな出来損ないのブコウスキーみたいなオヤジはウザくて十分でしょ」
「出来損ないのブコウスキーって?」
「クロは突っ込むところ違うんじゃないかな!?」
「ハードでもなくて作家でもないブコウスキーじゃない」
「ああ、それは出来損ないだな」
「酷ッ! ていうか、えぇ!? ホントに酷ッ!」
 

242 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/07/06(金) 22:31:530

「……まあ、とにかく、いかない。私も用事あんの」
「え? お祭りの?」
「関係ないでしょ、あんたらには」
「え!? もしかしてデートっすか!?」
「それも関係ないでしょうが……」
「さらっと抜け駆けしちゃうんだよね、そういうの……。でも、もしかしてこの学校の人?」
「冗談」
「年上じゃないかな、君のことだ」
「……だから?」
「まじですか!? 幾つくらい上!?」
「知らない――そんなの聞かないし、第一、どうでもいい。ていうか、別に付き合ってないから。ハタチ半ばくらいで
しょ、どうせ。……とにかく、いかない。私は遠慮する」
「……やれやれ、見事にオチのつかない会話になったな」
「あんたはいつもオチを求めて会話してんの……?」
「うーん……あ、ねえ、じゃ、クロ」
「ああごめん、私も遠慮するよ」
「えええぇ!?」
 

243 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/07/07(土) 04:08:490

『ところで』
『なんだよ』
『少々、用事ができてな。その、七夕だが、モコウが――』
『藤原?』
『あの人は、その、そういう風流を大事にするらしいからな。会ったら、以前は迷惑を掛けたと伝えておいてくれ』
『自分で伝えりゃいいじゃねーか、そんなの……』
『無茶を言うな!』
『今の無茶なのか!? っつーか、用事って?』
『アメリカでマリアの後任が外交絡みでミスをしたらしい。彼女は連絡が付かないし――』
『あ? 誰がなに……? 電話、くそ、これ、エラく遠いぞ』
『近頃は、この国も携帯電話を飲み込みすぎている』
『日本よりはマシだろ。電話会社の独占も避けられてる』
『人数の絶対量を考えろ――と、とにかく! 明日までに帰れたら、私も、その――』
『伝えとくよ。また会ったらな』
『また!? 今貴様、「また」と、』
『お休み。時差ボケすんなよ』
『待て貴様、今――』
『――(ツー)』

   ―――――――――

『……もしもし』
『キナちゃん!』
『……ウザい。朝から喋ってんじゃないわよ』
『それもうヒネってすらいない罵倒だからね!?』
『朝の四時に電話してきた奴に穏当な対応できるやつ、多分現代に生まれたブッダしかいないんじゃないかと思
うわ……』
『そのパラレルワールド不毛すぎるよ……スピリッツとかで読み切られそうな短編じゃない』
『……映画ネタなんだけど』
『そんなのわかんないよ……』
『っていうか、なに。用事』
『七夕。行ったの?』
『行ってない。映画見てた』
『デートは?』
『だから、映画見てたっつったでしょうが……あいつなら帰ってるわよ。で、十二時に寝た――あんたに叩き起こ
されたのが今。四時間って、なに。今日私、六時からウザい神事絡みで詰められてんだけど』
『あ、それだけどさ』
『それじゃないわよ』
『クロ、明日、っていうか今日は大丈夫なんだって。で――』
『――(切れる音)』
 

244 名前:ミハル:2007/07/14(土) 07:09:250

 ちっとだけ情報提供……、とか言いたいけど、アタシと趣味カブるなあ、って奇特な人限定。

 今月、なにげにチェックできるCD多いんですぞ。
 モタヘリマスター(全部確定!)は当然として、カオコア好きには必須だったBOTCHがリマスター掛かって
1stを再発。9月にはド名盤の2ndも再発する予定です。ただ、2ndはこれ、「9.11以降シャレになんなくなった
ジャケ」のまんまっぽいんだけど、どうなるんだろ。アタシが「以降」に買ったやつもそのまんまだから、案外
とそのまま出してくるのかも。
 レミーのおやっさんが来日すんのに合わせてのモタヘ再発は、泣けます。
 メタルはダサいハードコアは暑苦しいパンクは鬱陶しいと言われようが、あらゆるうるっせぇ音楽好きはこ
のバンドがいかに偉大であるかを延々語られても納得するでしょう。むしろ、語るなウゼェ、聴け、飲め、そ
してトべ、の方が正しいでしょうか。例え今後(ありえないと断言しますが)、「実はあのバンドって大したこと
なかったよね」的発言のマトにされようが、自分が意見に流されやすいところを自覚してようが、絶対の確信
でこれは言い切ります。「世界一のロックバンド? ――モーターヘッドに決まってんだろ野郎共!」
 少なくとも、アタシにとってはビートルズでも、ビーチボーイズでも、ストーンズでさえありません。

「ブラック・サバスが嫌いなやつは死んだ方がいい」

 は、どこかで聞いた憶えがあります。が、流石に言い過ぎかもしれません。

「ブラック・サバスが嫌いなやつはロック聴かなくていい」

 は、確実にどこかで聞いてます。言い過ぎだとは思いますが、この界隈では割と当然にこれは定説で、
でもってこの界隈では暴論とも思えるこれは常識とも言える説得力で通用してしまいます。モーターヘッド
にはある種、この文句に近い説得力があるように思います。
 なにはともあれ、ブコウスキーの文庫とでも一緒に買っとけ! っつぅ〜カンジっスよぉ〜ッ!
 

245 名前:ミハル:2007/07/14(土) 07:39:260

 音スレで締めようと思ったけど、ネタがないなあ……。
「無人島に持っていきたいアルバム10枚!」
「A〜Z、アルファベット順に10枚!」
「ジャンル別〜」
 ど……どれも微妙だ……。

 あと、NEUROSISの新譜がようやくにして日本盤ですね。
 気持ち歌心は増して、前作の延長線上にある音、って程度かな。ファンは安心かな。
 ISISがポストロック化しちまった昨今(ISISはヘヴィ・アンビエントなんかじゃありません)、ドロドロ泥濘
スラッジと元来的な意味でのカオティックなハードコア、としての質感を兼ね備えた大御所の新譜は、
説得力を欠くモノではないでしょう。……多分。ていうか日本盤待ちなんで早いとこ出してください。

 来月アタマには”やり過ぎメタルコア、むしろメタル”STILL REMAINSの新譜や、もはや公式に「ビクト
リーのメタル番長」扱いされ始めたDARKEST HOURの新譜もあるんで、メロデスで食中毒起こしたメ
タルコアみたいのが好きな人はチェックどうぞ。てーかもう、地域の差であって音楽性がどうのとか関
係なくなってきたなぁ……。「メタル、ハードコアの住み分け」が馬鹿馬鹿しいくらい破綻してきました。
「好きなバンド? ドラゴンフォース! アイツらはパンクだよな!」なんて言っちゃうハードコアバンド
もいますし。

 あ。トラブルとか(”あの”トラブル! リー・ドリアン、狂喜じゃないですか!?)ENTOMBED、相変わ
らアタマ痛くなるような名前と音のALABAMA THUNDER PUSSYも新譜出してます(これから出す)ん
で、「俺は漢(オトコ)だ!」って人はレミー番長復刻盤と一緒にゲットしてみては?

※トラブル(TROUBLE):ドゥームメタルファンには神にも等しい男、リー・ドリアンが「最高に影響を受
けたバンド」の一つに上げるクラシック・バンド。リーは他にもSAINT VITUSのデビューアルバムとか
が好きみたい……つまり、ドゥーム、という初期のカテゴライズ・フェチですね。分化された今のドゥー
ム・シーン(ポストロックとクロスする”ドゥーム”を誰が想像し得たでしょうか)とは割と違う考え方持っ
てそうでは、あります。非メタル・ドゥーム。……ある意味では、初期のドゥームにも通じますけど、「メ
タルに非ず」と公言する今の「非メタルなドゥーム」とは、やはり違うものがありますね。
 

246 名前:ミハル:2007/07/14(土) 08:19:200

 ていうか!
 ドラフォは誰がどう見ても生き方がパンクでしかありません!

 あーもう、朝からアタシはなに聴いてんだ。
 ピロピロピロピロ、やっぱりこの連中ってば、愛しすぎるじゃあないっスか……。



 COTDの新譜も買っときました。ユカリ・テレパス。シューゲ離れが加速してるんで、初期ファンにゃ微妙なん
でしょうが、和製電子音楽とのミクスチャーとして、十分に面白いデキですね。最近のEPが「”萌えヴォイス”・
デスメタル」だったり「和楽器ミクスチャー」だったりと、それまでは最低限で基盤にあったシューゲ色が希薄に
なってきてたので、ある程度は納得できるものかもしれません。
 今はサイドで、アストロブライト→シューゲ(って言うと、参加しただけだから強引だけどね)、サデスパー→
電子音楽、と分担されてるし、COTDが担ってるのがミクスチャーってことでいいのかも。

 今回のアニメ・ネタは「リボンの騎士」(むしろ漫画ネタ?)だけかと思ってたんですが、どうも「アクエリアン・
エイジ」もアニメネタみたいです。……まあ、つっても、タイトルだけとかそんなんでしょうけど。「ドリーム・シア
ターとナパーム・デス」な歌詞とか、どんなだよって感じです。……今思えば、「SAZABI」とかもアニメネタだっ
たんですな。シャア大佐のモビルスーツだ! って、気付くかそんなの!
 「エヴァ」のセリフを(そのまま)挿入とか、気付けそうにないネタも面白いんですけどね……。そういえば、ブ
ギーポップのサントラにも音楽提供してたらしいけど……むしろブギーポップのアニメって、マジですか。映画
があったのは知ってますけど。
 アニメネタでもう一つ。特撮が「絶望先生」のアニメに音楽提供してるみたい。週刊少年マガジンの漫画です
が(まだ続いてるのかな)、アニメ化って……ていうか、どんな音鳴らしてるんだろ。

http://www.youtube.com/watch?v=c4vbmzpaT_s

 とか言って、検索したら普通に出てきましたよ。……なんでもアリっスか、youtubeさん。
 女性ヴォーカルのパートはもしかしてNARASAKIさんかと思ったんですが、流石にそれはないみたいです。
 残念。……いや、正しいんです。多分、普通に考えれば。

 ……ていうかていうかこれ、なんでハングルで対訳ついてんですか……!?
 

247 名前:ミハル:2007/07/14(土) 22:38:170

 今年、長いお付き合いをしてる一枚。オススメ。

 Poison The Wellの”Versions”。
 なんというか、感想は「どちら様で?」です。激情系だとかポストハードコアエモだとか曖昧で大雑把な括りで捉えられてきた
ジャンルの中堅実力者、最新盤。……なんだけど、ですが。
 これもう、どこのどちら様のどなたが作ったバンドなのか解らなくなりました。前作で時流を汲んだヘヴィロック/メタルコア
なエモを作ってたと思いきや(どっかでDeftonesっぽいとか言われてました)、大幅な方向転換。原典への立ち返りも放棄し、
「延長線上の進化」やらはスッパリと投げ出し、或いは短調な意味で綴られる「深化」すらどうでもいいとばかりに、NSからも
更にジャンプして別のステージへ。でなきゃエネルギーが超過して性質が変化したに違いありません。
 まず、ジャケがおかしいです。ベタ塗りのイラストで氷河。ねぇよ。どこのハードコアがンなことすんだよ。……ちなみに、こ
のジャケ、ローファイ感バリバリでオシャレなやつじゃないですよ。むしろアングラメタルなそれです。一番近い例を上げると
すると、ディセクションの2ndのアレ。ちんまいオオカミも描かれてたり、なのにバンド名もタイトルも記述なし。どうやらレコー
ディングに行ったスウェーデン=北欧からインスパイアされた部分もあるとかで、もしかしたら機内のジュースの氷にブラッ
クメタルのエッセンスでも溶けて混じってたのかもしれません。でなきゃ教会燃やすような集団から悪いデンパでも受け取っ
たのか。ノルウェーだったらカンペキなのに。惜しい。

 今回のPTW、近いバンドを挙げるならMastodon(後期)とConverge(最新)とPlanes Mistaken For Stars(今の)と、以前の
痕跡を「微塵も」感じさせないパーツで構成された作品になっております。Cave Inのジュピター然りアンテナ然り、メディア
からすれば「やっちゃいけないことをした」か「大胆に一歩を踏み出した」かのどっちかで片付けられるもんではあるんです
が、(そして、ジュピターはオルタナハードコアの傑作でありアンテナはオルタナロック全体でも飛び抜けた傑作です。ちな
みに。個人的に)ここまで変わるとは、ですよ。一曲目から昨今のConvergeを髣髴とさせるハードコアなんですが、マジな
話、これと前作並べて聴かせたら別バンドの作品としか思えません。洒落抜きにコンバジとコンパチなカオコア/マストド
ンなオルタナコアと化してます。ささくれ立ったリフと展開を急転させるブラスト、ラインを無視した絶叫、どれもこれも「エモ
メタル(コア)の立役者・PTW」のカケラを残してません。せめてヴォーカルに名残が残るってのはどこのバンドにも言える
ことなんですが、メタルコア寄りにコードに合わせてカッチリまとめた歌唱が元だったせいか、ロカスト並に破綻。サソリの
構成変えてエビ作ってみました、どころかカメが出来てしまいましたような黒魔術的転換が今ここに。「歌モノ」な曲ではそ
れこそ最近のPMFSめいた(むしろ、より「らしい」)展開を聴かせますし、その辺りはコンバジ最新の「ハードコアで演奏した
ツェッペリン」に近いものがあるかも。ブルージーに爪弾かれるリフの背後で絶叫するヴォーカルとバーストするギター、な
んて曲は個人的に今回のハイライト。トチ狂ったNeurorisみたいな曲はPMFSがISIS+エモみたいなとこに落ち着いてるの
と比較するとかなり実験精神溢れるもんだし、全体的にフリーな印象を貫き通してる楽曲はジャンルで括る必要がなくなっ
たかも。(ブルージーなんてのはかなり今回強い特色で、ドロっとしてヌメったアメリカ産ブルース、フォークの音作りがか
なり強めにフューチャーされてます。この間のEarthじゃありませんが、この方がフロリダ産ぽさは強いかな)
 Hopesfallの方向転換は旧来ファンに総スカンでしたけど、これはどうなんだろ。個人的には良好な変化だと思いますが、
未だにこのジャンルに拘りがある人にはキツいかも。(アタシの場合、正直、変化が技量に寄りがちなジャンルだけに、あ
る程度ウマければ歌詞の好みくらいだったりするんだけど)

 当の”元凶”Hopesfallは……もういいや。
 

248 名前:ミハル:2007/07/14(土) 22:56:240

 65daysofstaticの”The Destruction of Small Ideas”は、これもちょっと前にそれなりに聴いてた音。
 本来、「ポストロック」ってなんだったんでしょう。権威に反抗する権威に反抗する権威に……エンドレス。の、その輪を断ち切る、
じゃなく、その外部に存在するような、根底においてシニカルな音。……なんつってみても、そんなもんは技術面から見ればアッサ
リ破綻するのが当然です。だってそもそも、トータスとモグの1stじゃ、受ける感想がまるで違ってましたもん。で、今や到達点は同
じですしね。Mogwaiがジダンのサントラ作る時代ですぜ。
 本質的にそこから切り離されてるのは、「周りなんて知ったこっちゃねえよ。ジャンルなんてそこにあるだけで、それだけのもんだ」
と思ってる人自身くらいのもんです。だったら、その「関係ない人」ってボブ・ディラン? ――多分。グレイトフル・デッド? ――そ
れは違う。突き詰めれば究極はビートルズかな。トータスのデビュー作がどこかシニカルに聴こえてくるのは、そんな理由からか
もしれません。

 で、これはモグMeetsエイフェックスなんて紹介で広まってるバンドで、マトを射抜いてる紹介ですね。非人間的なマシンビートを
ノイジーな轟音ポストロックの肉体性で捻じ伏せる作風は、去年の今頃に多いに楽しませて頂いてました。エイフェックス自体、作
品によっては強迫観念めいたテンポでひたすらビートを刻むハードコアなミニマルさを持ってるんで、肉体的な要素を最初から排
除してる(というか、性質的にそうならざるを得ない上、殊更そのことに必要以上に自覚的でラディカル)分、余程にこの界隈のポ
ストロックよりも人を突き放してた面があります。このバンドがやってのけた意義やらなんやらは、そのビートを「人間が鳴らす」こ
とでロックとしてのダイナミズムに収束させたことにあるんでしょう(多分……強引?)。
 これまでもポストロックとエレクトロニカとの交配は盛んだったんですが、持ってきたのがテクノ、しかもエイフェックスだってとこ
に面白さがありました。性急なリズムで突き進むインストハードコアは、今回更に肉体的な要素を強化。後半、前作めいた展開が
飛び出すまでは「エイフェックスの要素、薄れたかな」なんて思えるくらい。前作がイケた人なら今回も大丈夫でしょう。
 残響レコード発、ってのがいかにもでした。
 

249 名前:ミハル:2007/07/16(月) 08:29:580

 どうでもいいネタを打ち明けます。

 ――アタシの元ネタ、実は、東方仗助君なんです。ジョジョ四部の。
 あれ。
 ……。あ、コラそこ。ホントにどうでもいいってカオしない!


 ていうか……まあ、いいや。なんで休みの朝にこんなアホなことしてんだろ、アタシ……。


 SUNN O)))の会場限定CD、今になって眺めてます。
 シリアルナンバー付きのアルターは正直、国内限定盤の存在で不要でしたけど、こっちは別ですね。
 モノクロ統一のカンオケジャケがらしくて格好いいですぜ。
 最近のCDじゃねーんですけども、Myname is...の東京プラスチックがじわじわ良くなってきました。激情系に
エモ成分強くした、なんてまとめてもいいけど、インディーロック独特のクセがエモ味全開の歌詞と絡んで、そ
のアクセントがイイ感じ。ヘヴニンとか好きな人なら行けるかも。そういえば今月、あぶらだこが再発掛かって
るんで、日本の変拍子ハードコアに興味がある人はどうぞ、かな。

 ふと、リリックの推移について思いました。歌詞云々は音楽である以上、時代ぶった切って選び取るわけな
んだけど、「時代遅れの言説」が現実に存在するように、「時代遅れの歌詞」は存在します。とはいえ、それを
取捨して音楽のフォーマットに落とし込んだとき、バンド総体で見て「味になるか否か」が決定されるのは面白
いかなって。別に特定のバンドのことじゃなくて。

 ……ぶっちゃけると、朝っぱらからMonster Magnet聴いてて思いました。
 「ロックは官能的であれ!」……至上命題を続けられるバンドって、スタイルがスタイルですね……。
 

250 名前:ミハル:2007/07/19(木) 00:04:12

 すっっっ、ごい、眠いです。
 とりあえず、またレス。キリのいいところまで進めてみます。

 今日は、ちょっと前のライブ感想。
 今年、正直来日バンドはあんま見に行ってません。合計して十回に満たないです。「来日」って言っても、バンドオフィ
以外に広告打てるような、と前置きしますけど、それにしてもスルーしまくったなあ……。

 こんばじ・えんび・その他
 曲の細部まで覚えてるのが少ないんで、雰囲気重視で。すいません。
 時間経ち過ぎ。

・PLANES MISTAKEN FOR STARS

 激情エモタイプのカオコアバンド。……ってフレコミ。なんつーか、まー特徴のねぇ……もとい、印象が頭の中で薄れ
ちまってるライブではあるんですが、スタジオ音源を再現できるような音作ってないだけだと思います。
 なんでかってーと、”今は”要するに激情系カオティックコア〜轟音ポストロックなあのへんの音出すバンドなんで。
少し前のISISがちっとエモくなった感じ、ってーと解り易いでしょうか。ぶっちゃけ、最新音源の曲はポストロック化しそう
なMASTODONって表現で片付いちまいますが。前はポストハードコア系のエモだったんで、そのへんの変化はうーん、
微妙かな。ダークな色彩のスクリーモ、みたいな音出してる時のもユニークな気がするんだけど。エモいMASTODON
もユニークと言えばユニークかな、ヘンな話だけど。ガレージっぽいカッコしてたってどうでもいいとこに驚きました。で、
これもどうでもいいんですが、最後に気が狂ったみたく両腕叩き下ろしてスネア乱打してたのがカッチョよかったです。
 でも、CDのが、その……完成度、高くない……?

・ENVY

「あれ? 地味くない?」
 なんてのは、多分に中堅として出てきたからって理由もあるかもしれませんが、選曲と時間のせいだろうと思います。
大型イベントに顔を出すようになった、今や古株。殆どが最新アルバムから、しかもMOGWAIばりのアプローチをガン
ガンに効かせまくってるせいで、客の反応は首振ってリズム取ってる人のが多いくらい。ポストロックのライブに近かっ
たです。……とまで言うと、流石に言い過ぎですけど。アップ→ダウンの起伏が激しいのと、轟音ノイズ系のナンバー
やってる時に唐突にハードコアな演奏に戻ったりするので、モグとかみたくだらーっと身体の力抜いて聴いてるとかで
きないのがまた。コラプテッドみたいな方向には行かないみたいだし。
 ベスト盤のボートラだったヨーロッパ公演の音源から比べると、今や大分変わったなと思います。ま、ヘッドライナー
の時はEPの曲もバリバリやってくれてたし、相変わらずライブは楽しいので、こんな演奏もするよ、ってことで。
 しっかしまあ、そんなあれこれ抜いて、相も変わらずライティング巧いなー、ですよ。視覚効果の妙だけど、ALL〜時
の選曲で赤中心になるとか、「あ、これ来るな」って分かるとか目に見えて面白いですし、全体的にモノクロームと青に
色彩が触れてるステージ、その後ろで影になってる演奏陣っ、なんて凝った照明なんか(つっても、DOWNYとかTOOL
とかとはまた違うんですが)、完全に一つの世界です。
 まあ、トリだったりすると狂ったようにファンが暴れるのは目に見えてるんで、今回、これはこれで。
 なんだかんだ言って凄いライブでした。でもFarwell to wordsがなかったのは納得いかねーです。
 

251 名前:ミハル:2007/07/19(木) 00:17:04

・CONVERGE

 クリティカル!
 今年行ったライブの中で、間違いなく単独アーティストとしてはBTと並んで究極です! っつか、このライブの価値を
三倍五倍にするほどのエネルギーでした!
 前回来たのがYou Fail Meの時だったんで、実に二年ぶりになりますでしょうか。世界最強のライブバンドなのに日本
に来る回数がこれだけ少ないのはこれいかに。まあ、活動してる場所が場所だし、あっち行ったら行ったでちゃんと見
に行くの大変なんだろうけどね……。
 んで開始早々、気の効いたMCやらウダウダした前置きやらはうぜえとばかりに炸裂するジェイコブ&気狂い演奏陣。
お、割とヒアリングできる声で歌ってくれてる! が、前バンドに謝辞を述べた後はいきなり発狂。可聴域逸脱の声域で
「ギャッギャッギャギャギャーッ!」ていうかこの間、何気にグルーヴを維持するリフが匠です。各人がCDでは分かん
なかった凄さを発散してて、特にリズムを支配するベースがブッとくてヤバかったり、スラッシーなギターを刻んでくギ
ターリフはパンキッシュなくせにらしからぬウマさです。とはいえ、やはり時に身を折って痙攣するように歌い、時にセバ
スチャン・バックばりにマイクをブン回し、テンションを維持したまま常に客と自分の距離を空けないでステージを走り回
るジェイコブの姿は、肉体派なUSハードコアの典型です。ヘンリー・ロリンズを知らないアタシにとっては、これが「ハー
ドコアのシンボル」として眩く映りました。その指向性はマッチョイズムを(こう言っていいのなら、ある種のピュアな)肉体
性とストイシズムで純化した「ハードコア」と、どこかで通じるものがあったと思います。
 まー、ともかく走る走る! 普段着でステージを休むことなく駆け回るジェイコブのひたむきさと、そのピュア度に反比
例した気狂いヴォーカルが最高でした。エネルギーの発散量がハンパありません。アタシは生ロリンズ見たことありま
せんけど、時代とジャンルを違えて、なんとなくその姿を幻視しました。

 とにかく、飽きない! 身体を動かしてない観客が居ない! モッシュが途切れない! ブッ飛ばされて嫌がってる奴
なんて一人もいない! メタルだハードコアだとジャンルを分ける必要なんてなくて、正に普遍性のあるロックとして最上
のライブでした。ピットもタフガイが誘導して「オラ踊れ!」な感じでもなく、語弊を恐れずに言うなら、これは「明るいモッ
シュ」計画(カオコアって時点でミリも計画はないけれど)でしょう。ピットでは飛んでくる奴を投げ返し、愛を込めて突き
飛ばし、愛着の元に殴り飛ばし、笑いながらダンスする。これでこそ意味あるモッシュ!
 体力が尽きたかと思えば、そういうタイミングに名曲”Concubine”とか平気で放り込んでくるので、身体が自然に反応
してたまったもんじゃありません。楽しすぎて死ぬ。笑えて死にます。しかも、何気にと言うか当然と言うか、演奏技術
がハンパねぇのです。ウマさとか精確さとかでなくて、とにかくその場その場への適応能力が無茶苦茶に高いです(い
や、ウマいですけどね。「演奏で聴かせる、捻じ伏せる」みたいなメタルと比較はできないけど、そこらのスラッシュメタ
ルバンド蹴散らすくらい)。タイコの回し方一つとっても、グルーヴの作り方が凄すぎ。理屈とか抜きで、速く叩く、正確
に叩く、とかじゃなくて、ハコの雰囲気を掴むように叩いてます。元々、この人らの曲自体がライブ前提に作られてるよ
うな即興性があるからとも言えますけど、新譜の一発録りさながらの粗暴な音を、完全に、そりゃもう完璧に再現&ト
レース以上のパワーで叩き込んでくるんですから。とにかくもう燃える燃える! いや、これがあれか! 萌えってやつ
なんですか! 飛び跳ねては屈み込み、アプローチを繰り返すジェイコブは確かに萌えキャラってやつなんでしょう!
実際、これほど「楽しいライブ」もなかったです。奇を衒わないが故にカリスマが際立つ構成でした。
 ってか間近で見ると、ジェイコブ氏、あんまり背ぇ高くなかったです。人間離れした声で暴れ狂ってるステージが終わ
ると、求められた握手に快く両手で返す姿勢とか、余韻まで素敵。メンバーは気さくな人ばっかですし、単独でいいか
ら(いや、むしろ是非に単独で)もっかい見たいです。

※というか、ジェイコブはロリンズじゃなくてイアンに近いのかな。暴力的ではないけど攻撃的な、それ言ったらロリンズ
もだけど、内へと潜り込んでく内省の姿勢とかは。まあ、FUGAZIと比較するにもロリンズバンドと比較するにも、あまり
にもやってることが違い過ぎてるんで、蛇足。
 

252 名前:ミハル:2007/07/19(木) 00:31:21

 っつかアタシ、イアンも生で見たことなんてありませんけどね。……無理だってーの。

 なんにせよ、今年でヤバかったライブは間違いなくこれとBRUTAL TURUTHのDojo(クリプ&ヴェイダー)でした。
 Sunn O)))も凄かったし、この三つは未だに頭から離れません……が、メタル系が微妙に少ないのは悲しいな。
 あとはウォールオブデス! で、Lamb of Godも強烈でした。↓まさか日本で見れるなんて。……ここまで極端じゃないけど。
http://www.youtube.com/watch?v=U21KmVa3YXI

 で、サマソニはモタヘ。……凄いなぁ、今年。
 あーもう、お金が……。
 

253 名前:ミハル:2007/07/25(水) 05:21:58

 うがぁーっ!

 なんで休みだっつーのに生徒会! ファッキン空気読めてねぇーっスよ会長!
 明日からダラダラしようと思ってたのに!
 ていうか……図書館でヒマ潰そっかなあ、もう……。

 まとめた報告は後にするとして、モタヘのリマスター、買っときました。
 レーベルはBMG。キンクリに引き続き、やるな、って感じですね。
 コイツぁ文句なしでしょう。音圧は前回と大差ないんですが、音像の分離が『ヤカマし成分』強調に
一役も二役も買っててサイコーですし、平均八曲〜十曲のボートラというアホなサービス精神ぶりも
嬉しいところです。Bサイドやオルタナ、ライブトラックが殆どですけど、ファンにゃ必須でしょう。ただ、
これならノーリモのキルドバイデスをリマスターして入れてほしかったかも。(版権がアレかな)
 マジな話、九枚まとめてポンと入手する価値がアリアリですぜ。買っちまえ!

 ……あ、や。
 誰も彼にも薦められは、しない、かな。
 

254 名前:ミハル:2007/07/25(水) 05:39:03

 KBDはベストにも入ってたっけ……聴き比べてないからあの時点でリマスター掛かってるか不明っス。

 あと、ボマーの変貌具合は笑えるくらいですね。
 前回のベストに入ってたリマスターから比べても、音像の分圧、強調が格段にレベルアップ。
 曲の完成度をここまで際立たせられたら、どれもこれもがレベルMAX超えてます。
 哀愁、オトコ臭さ、爆音、爆走、ボマー! 青臭ぇ若造はケツを蹴り飛ばされる前に下がってろ! な無欠ぶり。欠
けてるところがあっても欠けてないのがMOTORHEAD!
「we are Motorhead! born to Kick your ass!!」
 くあぁ! サマソニがヤバい! ヤバすぎる!

 あー、あああ……つぅか、モタヘのせいで今年のベストが一位から九位まで埋まりそうな勢いですよ……レミー!
 

255 名前:ミハル:2007/07/25(水) 06:02:49

 思い出したんで補足です。
 前回のリマスターは、「一次→二次」の想定です。前回の紙ジャケは買い逃してましたので。
 ただノースリープは二枚組の時点で初期デジタルリマスター音源のままでしたし、コンプリベストが
あの時点での最新だったはずと想定して比較してます。あしからず。
 BMGなんで、多分、今回が最新だと思うんだけど。

 あとはKORNの新譜が来月アタマに予定されてるので報告。限定盤が一ヶ月遅れなんで変則的。
 タイトルが「無題」って、Downyみたいだなオイ。麻薬中毒患者の内省世界に住んでる住人、みたい
なデザインがカッコいいジャケ、今までで一番好き……ていうか、前にこういう絵、どこかで見たよ。
 ちらっと試聴した感じ、アンタッチャブル期の暗鬱ゴシックロックみたいな感じ。何気にKORN、1stと
2ndが異端過ぎただけで、出すアルバムは大抵高品質なんですよね……。今のジョナサンが呪詛じ
みた囁きを一本ン十万円しそうなマイクに吐き捨てても全然ダメだと思うんだけど、アメリカの閉塞感
を今また伝える伝道師として頑張って欲しいっス。
 てぇかまあ、今のこの人らが作る「ゴス」って、Type Oに近いマッチョな「ゴシック」ですよね。
 好きです、ハイ。
 

256 名前:ミハル:2007/07/25(水) 06:07:38

 とにもかくにも、面白い時期になってきました。
 ガリガリ行きましょう、ガリガリ。
 Right Now!!
 

257 名前:ミハル:2007/08/18(土) 12:45:31

 ……うーわ。
 ベクシルすげぇ……すげぇっていうか、ありえない……。

http://wmg.jp/artist/vexille/WPZB000030003.html

 デドカン。デドカンがこんなとこに。
 ”熾天使軍”とか、あからさまにDCD臭振り撒くタイトルもすげー……うわー、もうどうしよ。
 アンダーワールドとポール・オークンフォールドまでってのも地味にすげーですけど。

 作品はテーマ的に「どう攻めてくるか」次第なんだけど、見に行かない作品のサントラ買うのはポリシー的
に辛いし、けどこのメンツは……ううう! てーか高ぇよ! ていうか限定盤で五千円てって。フツーにハル
フォードのベストより高ぇ! 初回で通常と三千円近く違うCDとかイカれてんぜ……ふ、ふふ。やるじゃねえ
か、ちくしょうめ。でもポールのインタビュー以外に見たいところなさそうな限定盤だぁ……。
 トランスフォーマーのサントラにリンキン出てたけど、その比じゃあ、ねぇーっスね……。

 ていうか、まーだカラダのツカレ取れてないです……。
 大型イベントはこれであらかた終わっちまいましたが、地味に今月まだいいのあるしなあ……。
 つーかですね、どうせ金使うハメになるんだから三大都市圏で同時開催して三日に増やしてメタラー……
もとい、ラウド系ファンにアピールするライブ組めばもっと盛り上がると思うんですよね、ホントに。
もっと! そう、もっと! ストーンヘンジを占拠したレイヴァーの如くにです!
 

258 名前:ミハル:2007/08/18(土) 19:57:05

 最近/これからの音源まとめ。

・Yellowcard / Paper Walls
 歌って踊れる黄カードが帰ってきた! ……ていうか、最初っからそうしろってーか……前回
の失敗が堪えたのか、哀愁二割入りのメロコアになってます。思わず口ずさんじまう曲作りの
ウマさは、誰もが素直にウマいと認めざるを得ないでしょう。

・Behemoth / The Apostasy
 今回は日本盤が出るぜ! ポーランド版Nile、むしろデスメタルじゃなくてブラックメタル! けど
音楽性はブルータル直結のドラマティック(ですらある)・大仰・デスとなっております。前作路線と
なんら変わりありません。うるっせぇメタル好きは買っときましょう。

・High on Fire / Death Is This Communion
 元・魔神スリープのヤツが来襲! というより、あからさまなドゥームサウンドをグルーヴィにの
たうつヘヴィロックとして作り上げた地獄サウンドは唯一無二。我等メタラーには福音。なにがあ
ろうと買いです。

・Chimaira / Resurrection
 今やパンテラの後継者。日本盤が出たので嬉しいのです。輸入限定のDVDはオモしろいです
けど、お好みでチョイス可。今年のドうるせぇメタル候補、メタルコア・ライン。

・Arch Enemy / Rise Of The Tyrant
 クリス復活! とはいえやっぱり、アモ兄とアンジェラ姉だけでもシーントップクラスのフレーズ
構成+ブルータルヴォイスが聴けるだけでも信者は買っちゃいます。……買っちゃうんだよなあ。

・Soilwork / Sworn To A Great Divide
 きたぁーッ! 期待ハズされてもアタシはこの海坊主に着いていくッ!
 かつてのメロデス新星、MAメタルの草分け要因、ソイルワークだッ!
 ……あれ。なんかバキっぽくなったぞ……?

 あと、殻の「葬色」と「剥触」も結構良かったです。
 シューゲっぽい曲よりも一歩間違えたら和製ドラマか映画かアニメのOPに使われてそうなミック
ス版のが面白かったけど。

 ていうか……駄目だぁ。
 まだダルいです。怪談、書けるかな……。

□教訓総括(遅すぎ)
・水分補給はしっかりと。
 途中で抜けられない。ステージ間移動とか普通にめんどい。ジュースとか高すぎ。コンビニと
か行ってらんない。フジロックは現地メシとか良かったんだけど……ねぇ。
・別に一つのアーティストに固執しなくていいんだけどね……。
 大型イベントは「ふらっと立ち寄ってふらっと見てジュース飲んでダベって踊ってあと適当」が
基本。の、ハズ。アタシにはできません。ていうか無理です。だって勿体無いから!(←駄目)
・普段見ない連中を見よう!
 ていうかこんな時でもなきゃ(ピー)とか(ピー)とか見ないよね。けどオフスプとかはフツーに
すげぇってか、流石は叩き上げ。
 

259 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/08/18(土) 21:36:36

「お邪魔しまー……っす、いらっしゃいました! イン喫茶店! そして愛しき冷房という別世界! ビバエア
コントロールルーム! 古臭い我が家からこんにちは! むしろもうこんばんは!」
「……ごめん、遅れた」
「いらっしゃい、滝那君……と、岬君もか。君までいるとは驚きだな」
「さっきねー、途中で会ったんだ。で、こっそり追けてたら……ビンゴ! うっわ似合ってるよクロ、その服。
もしかしてここの制服?」
「私服の上に着てるだけだけどね。流石に店内は冷えるんだ。……にしても君らしくないな、滝那君。まさか
君が追けられるなんてさ」
「……スクーター乗ってて油断した。こいつがいたなんて思わないし……確立の恐怖ってヤツ。36回も回さ
なくたってシングルナンバーは的中するってこと。――これ、ウチのクラス分。適当にテーマ編集しといたか
ら使い回して」
「……あ、ああの、どうもすみません、哭沢さん。あの、わざわざ、その、お呼び立てしてしまったみたいで」
「まあまあまあ。で、怪談がどうのってなんの話……うわわ、委員長!? なんでこんなとこにいんのってい
うか私服! いつもと眼鏡違う! 驚く!」
「あ、こ、こんにちは、牧村さん……あの、一度に言われても……ええと、夏休み明けに発表する学級論文
なんですけど、私がハウサーさんに手伝って貰ってて……その、それで、休み前に集めたテーマ、編集し
てたんです。あのそれと、私も私服は持ってて、えっと、眼鏡は外出用と学校のもので別で……」
「テーマ? あ、あれね。「日本の怪談」とかいうやつ……うあ。ごめん、私それ書いてない」
「最悪ね、あんた……ていうか、あんたが質問してそいつが返事してんだからちゃんと聞いてやんなさいよ」
「う、うっさいですよ! ……ていうかさ、面子はクロと委員長でしょ? なんでキナちゃんまでいるのかな。
クラス違うじゃん。ラモーンズとピストルズが混ざってるくらい取り合わせおかしいよ」
「あ、あの、それは……」
「私が頼んだんだよ」
「クロが? ……え、まじで? ていうか、引き受けちゃうのがまじでって感じだよキナちゃん」
「あんたはいっぺん日本語文法やり直した方がいいって……物珍しい駆け引きなんてない。単純なギブア
ンドテイク。こっちはこっちで学級論文あるから、両方ここで片付けちゃえば早いってことよ」
「……うっわ。なにそのマッチポンプ。競争心とかないんすか」
「ないに決まってんでしょうが」
「言い切った!」
「何事もなきゃないでいいし、最小利益を最小労力で積み重ねられればそれでいいってことよ。日本人はエ
ゴイストじゃないけどインディヴィジュアリストには違いないし、私はだからそれで充分よ」
「なんでこんなイヤな現代っ子かなぁ、この子はもう……。そだ、クロ、私もなにか頼んでいい?」
「いいけど。だけど、アイス系はアイスコーヒーしかないよ。アイスティーは美味しく作ろうと思うと、どうやっ
ても手間が要るからね。マズいものを出して平気な顔をしてるなんて、大数の論理と私が許しても、この店
の矜持が許さない」
「……うげ。……ま、まあいいか、シロップあれば……」
「真正面から君は作り甲斐のないことを言ってくれるね……滝那君は?」
「アイス。ブラックで。シロップとか要らない」
「あ、私も」
「あ、あれ……? なんだろこの疎外感……」
 

260 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/08/18(土) 21:46:00

「あ、ねえねえ、これどうかな。五班の小畑君のやつ。イラスト入りっていうか漫画だけど。名前を書き込むと
書かれた人間が死ぬノートを拾った少年と死神の物語……イカすぜ」
「却下」
「えー……。ピカレスク物としてもイイ出来だと思うんだけどなあ」
「ていうか……岬」
「あ、こっちはどうかな。絶海の孤島に閉じ込められた中学生同士が、国の命令で「今日は皆さんに殺し合い
をして貰います」――おお、ショッキング!」
「あんた、もう死んで」
「なにそのビーンボール直球のツッ込み!?」
「載せる怪談選ぶだけなんだから、さっさと片付けなさいってことよ」
「んー、私はただのお手伝いなのに……。怪談怪談怪談……あのさ。聞いてもいいかな。すっごい下らない
ことかもしれないけど」
「下らないなら言うな。……クロエ、これ、文法おかしいんだけど。どうすんの、これ。捨てる?」
「う、いきなりクギ刺されてる……」
「捨てなくていいし、日本の中学生が読めるなら文法は気にしなくていいよ。紙面に載せるスペースだけさ、
問題は……あっと、いいよ、岬君。なに?」
「あのさ、どんなの選べばいいの?」
「というと?」
「怪談ってなに、ってことなんだけど」
「なにと言われても……先生の『遠野物語異緑』みたいな亜流は駄目だよ。そういうのじゃなければいいさ」
「……ていうかあれ、大学院の論文だって聞いてるし、あれがダメってのは私でもわかるんだけど、そうじゃ
なくてさ」
「と、言われてもね……ふむ。君が考える怪談ってどんなのなんだい?」
「ふあ? ……なんだろ。十三怪談?」
「”学校の怪談”系でいいって。クロエ、そいつにあんまり考えさせると訳わかんないもん選びかねないわよ」
「ちょっ、今の本人目の前にして口にしていいセリフかな!? ……うー、でもそれはわかりやすい説明だぜ
……ちくしょう、収容所の教官を尊敬する気分っす……」
「ふぅん……。学校の怪談……か、なるほど。そういうタームがあるのか」
「……あんた、どういう基準で選んでんの?」
「どう、と言われても……ふむ、そうだな。参考資料と比較して、あまり大きく離れない知見で書かれている
物かな。どうやら都市伝説の類が多いようだから、焦点はアバウトにしてるつもりではあるんだけど」
「あんたねぇ……そんなことやってたらキリないって。随時対処、即時対応は基本でしょうが」
「はは、そりゃ凄い。そいつをうまく回していける君も凄いな。……うん、うんうん、なるほど。よし、私も見習っ
てやっつけようか。……そうだな、岬君? 君が怖いと思った怪談ってどんなものだい?」
 

261 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/08/18(土) 21:54:34

「え? えー……あんまりない……ないっていうか、本気でないかも……あー、でもさ。怪談じゃないけど怖
い話なら。話していい?」
「うん」
「”巨大隕石、地球へ接近”って特集は怖かったかも。データとか被害予測とか、絶対避けらんないとか、
『地球はいつでもアラート全開! 隕石赤信号で宇宙を暴走中!』みたいな、そういうの」
「……あんたがこの店外に出た瞬間に玉突き事故でぶっ飛んできた火気満載のトラックが横滑りで突っ込
んできてガスボンベに直撃する確立が怖いって言ってんのと同じよ、それ」
「微妙にB級アクション入った解説をありがとうですよ。……でもさあ、なんか怖いじゃん。みんな死んじゃう
んだよ。防げないんだよ。ミサイル迎撃とかまだできないんだよ」
「誰だって死ぬでしょうが。殺しても死ぬわ」
「や、そーじゃなくてさ……」
「あの……確立の恐怖、ですよね。起こる事に対してはなにもできないしそれを予知もできないけど、なに
か起きることを考えてしまって余計になにもかも怖くなってしまうって」
「あ、うんうん、それそれ。さすが委員長、わかってる!」
「ふむ。そうだな……隕石なんてのは規模が規模だけに物理法則を超越した”恐怖”だからね。怪談めい
てるといえば怪談めいてるかな」
「めいてないわよ。物理法則が超越できないから地球が消し飛ぶんでしょうが」
「それ単体で地球が消し飛ぶような出来事が起きれば、物理法則について云々と思考する生物は消えてな
くなるだろうね。さて、されば懊悩は露と消え、銀河は平衡まで平然なり。もしかしたら銀河とは激突も消滅
も平然と受け入れる生命体なのかもしれないし、可能性を等分して存在する巨大な果実のようなものかも
しれない――かくて安定と平和は訪れる。無思考という安寧と共に」
「あの……でも、それだと別の生命体が偶然同じタイプの思考形態を持つまでに成長する可能世界の想定
が消えないんじゃ……」
「……どうしようもない理屈にマジに返してんじゃないわよ。つまり、それは”人間の疑問じゃない”って解答
が返ってくるに決まってるんだから」
「はは、君はやっぱり面白いね、滝那君」
「っとに、ウザすぎ……コーヒー、お代り。あと、思考の健全性と正当性は他所でやって」
「ふふ。オーケイ、すぐにお持ち致しますね、ご主人様」
「……う」
「……なにテーブルに頭突き入れてんのよ、あんたは」
「ううううう、羨ましい! ていうかありえない! なんで平然としてんのキナちゃん!」
「はぁ……?」
「クロに! 「ご主人様」なんて呼ばれた人間が世界に何人いると思ってるかな!」
「……そんなアホなことマジに考える人間がこの世界に何人いるのか知りたいわ」
「うっさい! 幸せは物理現象じゃないんだぜ!」
「全開で物理現象でしょうが……」
「……嫉妬も物理現象じゃないんでしょうか?」
「……あんたはなにを言い出してんのよ」
「あ、いえ。……す、すみません、なんとなくです」
「あーもう、怒った。キレましたよ私は。委員長、用紙余ってる? 私は今から書く! 書いてクロになんか感
想貰います!」
「いいからあんたは気合を別の場所で使いなさい……」

「ただいま……それで? そろそろ決まったかな?」
「全然……。へぇ、これ、水出しなんだ」
「そうさ。自慢の一品ってヤツだよ。ブレンドは私のオリジナルだ」
「あ、美味しい。……うん。美味しいです、ハウサーさん」
「ありがとう。……さて、こっちも休憩を貰った所だし、続けようじゃないか。……これは?」
「あ、どれです?」
 

262 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/08/18(土) 22:19:43

 終わらぬ終わり、と名付けよう。
 なぜなら今日の私か――その先をゆく私しか、その名を知らないのだから。
 今日の私はそう言って、
 昨日の私はそう、と首を傾げ、
 明日の私は、そう、と頷いた。

 光を欲望しない写像。
 音を成さない声の群。
 疎雨のような言葉の雲。
 ――私はきっと、空に鎔けている。


 目が醒めたのは、鏡が乱反射させる光の所為だと思った。

 けれど違う。
 前後左右を囲むのは、地平の果てまで同じ写像を紡ぐ合わせ鏡の祭壇だ。装飾されない大きな鏡は、旧い家に飾られていた儀式用
の化粧台を思わせる。戸口ほども大きな三枚の鏡で作られた祭壇は四組。だからこれは、シェイクスピアの劇場。十二の角を持った、
鏡の檻だろう。
 鏡の壁を隔てた檻の中には私が閉じ込められている――写像に作られた檻には、無数の私が見返している。巧妙に仕組まれたシン
メトリーを保ちながら、像群(わたし)は指を鏡に這わせる。鼎座する鏡面が、無数の私に応えた。
 ここに光はない。ないモノがわからない(、、、、、、、、、、)というのが真相だ。恐らく、私からはそれを表す言葉が私から抜け落ちていて、ここ(世界)はそれほ
ど褪めていた。
 世界は認識を映す鏡だ。頬をそよぐ風も、響するものどもの声も、私がそれを受け止めて形を作る。私の中に、事々を透写する。私は
世界を写像した一形態で、私は一つの形に世界を表す端末だ。――その認識が、傾いでいるのか。照り付ける陽射はなく、澱むような
大気は感じられない。私は応じず、目も当てられないとばかりに祭壇は無言。
 なにも、感じられないのか。
 その言葉を反芻する。
 私が捉えるものども(、、、、、、、、、)と、私が持ち得るフレーム(、、、、、、、、、、)の一致。現実や事実という命題は、そんな儚さと堅実で作られている。不出来な隠喩の
ような鏡の砦も、そこに佇む私も、ゆえに懐疑を厭う真実だ。
 捉える像は朧だ。薄氷のような現実感は脅迫的な認識に取って代わられて、それ(ここ)を確かでないと思うのは風を鋳造し、炎を氷で固め、
砂で縄を綯うよりも難しいと知る。紛れもなく、ここは私の現実だった。疑う対象を持つことのできない私は、そうしてこの場所へと所作諸
共にアッサンブラージュされる――たどたどしくも理解する。いや、それは正確ではない。私は理解を遠ざけようとして、押し潰される前
に渋々と受け入れるのだ。この在り様の、泰然とした整然と完璧を。
 私がいるから世界は存在する。そんな黴の生えた言葉が、意識(意識。私は――なにを意識している(、、、、、、、、、)のか)を掠める。ならば、ここにい
る私は感覚を削がれてしまったのだろうか。――それは違う。鏡の城を徘徊する私の姿が、唯一絶対の根拠になって感覚の不備を肯定
させない。
 そして、祭壇の私は眠るように想う。なぜなら、ここでは眠ることと想うことは同じことで、それ以外の何事も許されてはいないからだ。
 声を上げる――たぶん、私は私の名前を言葉にしたのだと思う。
 だとすれば、ここにないのは私ではない。
 私ではない他のものがない。
 視覚する為の光が存在せず、響く為の振動が存在しない。
 鬣を立てた死の彫像じみて闃然として、星霜の深き(しんえん)に口を開ける魔物のように昏い。
 その把握が快くて、私は鏡に背を付けて小さなすべてを見回し、ぐるぐると十二角の劇場を歩き回る。歩く度に理解するのは、この営み
こそが人が行うすべてで、行えるあらゆる物事だということだ。

「いちばん信心深い使徒と、いちばん優れた使徒は誰かしら」
 歩き疲れて手を付けた鏡が、唐突にそう言った。首を傾げる私に、鏡面の私は首を傾げながら続けて言う。「ペテロかしら?」
「優れた使徒はペテロだわ」私は言う。「だけど、いちばん信心深いのはユダよ」
「あなたは、私と掛け離れてはいないのね」
 理解を込めて私は頷く。
「あなたは昨日の私?」
「そうね」目笑して彼女(わたし)は応える。「エフェソスで野獣を打ちのめすより、パウロになる方が難しいと考えてるわ。ナポレオンのす
べてを掛けても、ラスリーニコフには及ばないって考えてる。私はどう?」
「エリオット・スミスが自殺したのが結構ショックだと思うようになったわ」
「それは大変ね」
See more glass(もっと見て、鏡さん)」輪唱する声――私は(、、)続ける。「ここには、すべてがないのかしら。それとも、すべてがあるのになにも解らない?」
「その二つは同じだわ。ここにはすべてがある――溜まった時間のなにもかもが。鍋に詰め込んだ時間は、沸騰して、冷えて、それを繰
り返してる。そっちには鏡がある(、、、、、、、、、)?」
「鏡の劇場で踊れるわ。そう、そっちにはないのね(、、、、、、、、、、、、)
「あるのかもしれないわ」私は応える。「だけど、私はわからない。そう、合わせ鏡なのね(、、、、、、、、、、)。私の後ろが見える? 一つ後ろの、風邪ひきさ
んの私」
「見えるわ。あなたより昨日の私ね。ねえ、聞いてもいいかしら。じゃあ、あなたじゃない昨日の私は、十一人いるの(、、、、、、、、、、、、、、、、、、、)?」
「あなたに続いた私は、いくらかに種別できるわ。でも、あなたに辿り着くのは十二人。私と、その他の私達だけよ。道筋は無限じゃない
わ。すべての物事は有限だもの」
 一泊を置いて、私は続けた。
「道筋って言葉はおかしいわね。事実が起きていく順番は、けして多くはないもの」
 それを納得して、私は視線を上向ける。――降りてくるような白い天蓋。恐らく、織り込まれた球体であるこの祭壇は、遥か高い覗き穴
から見下ろされる踊り場に過ぎず、その覗き穴さえもここと同じ構造を持った(ただ、その大小偏差、形の異化はおそらく、確実にあるだ
ろう)踊り場に過ぎない。そして、それぞれは”昨日”という巨大な重力を持った装置なのだ。眠ることによって起動を促される巨大な環構
造。熱に浮かれた現実を起きている時は意識することを許されない、冷えて固まった純然の真実。時のあわい毎に作り出される可能性
と結論の墓碑。明日(でなければ次の瞬間と言い換えよう)をこの空間が含んでいないのは、それが理由だ。過去は未来を夢見ても、そ
れを実感することはできない。
 有限の宇宙には、十二通りの存在の変奏。時の韜晦。鏡の氷塊に閉ざされた無限の空。――すべてはそれだけなのだ。
 無限に織り込まれていくちっぽけな祭壇は、ちっぽけな私を飲み込んで整然としている。
 結論は一つ。
 私は私を見下ろしてはいない。私は私を捉えてはいない。
 この祭壇さながら、なにもかもが在る為に――その為だけに、私は必要とされている。

 床は真っ白な鏡の氷塊。
 割れ落ちて、私は空に鎔けていく。
 

263 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/08/18(土) 22:58:10

「……、……ホラー?」
「怪談よりはそっちに近いかな。言いたいことはわからないでもないけど、怪談ではないような……いや、ないね」
「……ほら、さっさと次の行くわよ。なにいつまで同じの見てんのよ。こっち貸して、」
「ああ。なるほど、こいつは滝那君のか」
「……、な、あ――」
「え? どれどれ……あ、ホント。見覚えのあるこの無駄に綺麗な字は」
「な……んでこっち見んのよ、あんたら」
「えっと。いや、だってねぇ……」
「……ご、ごめんなさい、私、あの、別になにも」
「要するにさ、滝那君のことだから書くにしてもエルロイとトンプスンとバロウズを足して三で割ってタランティーノを
掛けたような文章になるって思ってたからだよ」
「うんうん。それ。まったくもってそれ。エルロイさんとか知らないけどそんな感じ。パレルモでマフィアが花束から
マシンガン出してズダダダダ! みたいな、そんなイメージだもん、キナちゃんって」
「……ご、ごめんなさい! あの、別に哭沢さんがコッポラ好きそうだとかスコセッシっぽいのとかそんなこと考え
てたわけじゃないんです!」
「……」
「あ、あああのええと、死人の口にハムを突っ込むとか、えっと、す、素敵ですよね! 人肉石鹸とかマフィアの怖
さが出てますし、ええと、花束からマシンガンなんて菅原文太の刃物使いみたいな美学があって」
「ないわよ。ていうか喋るなボロ出るだけだから」
「す、すみません……ああ、あの、でも、そ、そういえばマフィア映画って、怪談に通じるものがあると思うんです、
けど……な、ないでしょうか?」
「……ごめん。ないと思うよ委員長」
「あの、ちょっとだけ入ってくる人情劇とか……えっと、”シシリアン・マフィア”でテリー・サバラスがアントニオ・サ
バトに撃たれるところとか……」
「リッツァーニの”クレイジー・ジョー”でいいわよ、そんなもん」
「委員長……キナちゃんにそういう話題吹っ掛けちゃダメだよ、ホントに……」
「なんていうか、私には二人の口にしてる話題そのものが以外だけどね。ギャング映画……いや、マフィア映画っ
てのはイタリアよりアメリカの方が主流じゃないのかい?」
「主流は主流よ。イタリアのは真似って部分もあるから。だけど、もともとマフィアって……、次、進めるわよ。てい
うかなにやってんのよ、ホントに……」
「あらら、私も加わりたかったのにな。ま、それじゃこれは掲示決定、と……おっと、どうしたんだい、滝那君。急に
立ち上がったりして。コーヒーのお代りなら私に言ってくれればいいからね」
「まだ半分以上グラスに残ってるコーヒーが見えないなら、あんたの認識を疑うわ」
「なるほど、君は人間の認識に拘る傾向があるのは確かだな。ははぁ、さてはマトリックスの”レヴォリューション”
に失望したクチだね」
「ふん。てっきり綾辻行人で切り替えしてくると思った」
「あはは、今のはいいな! 最高だ! ……まあ、この種の……というより、この疑問は視点を切り替えただけで
数十年生き繋いでるからね。実を言えば、私も同感だよ。カート・ヴォネガットもきっと同感だろうな」
「……いいから、その紙寄越しなさいよ」
「おっと、掲示しなくていいなら私が貰ったっていいだろう?」
「……じゃあ、少し貸しなさいよ。四つ折りにして切って裏面メモ帳にして渡してやるから――ちょっと、岬! あん
たさっきから書いてるけど、まだ!?」
「ちょ、なんで私にバトンくるかな! 別にキナちゃんがそういう文章書いたってハズくないって……あ、あー、い、
いた、痛い痛い痛い痛いです! ほっぺた痛い! ……う、うう、でも、うん、できそう」
 

264 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/08/18(土) 23:45:45

「ウィル・グラース様! ウィル・グラース様! ”新生”おめでとうございます! 42U.S.C§45010に基き、”前生存者の権利譲渡
及び記憶情報引き継ぎ”の完了を遂行をお伝えします!」

 おっと、奴さん、目をお醒ましになったぜ。まだフラついてるようだが……まあ、珍しいことじゃないさ。人間ってのは馴れの生き
物だからな、何事に対しても、だよ。クローン問題も一度進展すりゃあトントン拍子だよ。臓器移植だけがメインだったクローン技
術と日本の開発した”ライフ・チップ”技術がありゃあ、人間の継続なんてのは難しいことじゃあない。――継続、ってのはヘンな
フレーズだってか。そりゃな、あんた、ついこないだ国境で黒き処女の森へ旅立ったジハード・マニアの連中にしか通じない言い
訳だよ。まあアレさ。この国じゃ人間は死なない……というか、死んだことにならないんだな。その二つは違うだろうって? おい
おい、じゃああんた、ここにいるおいらが”三人目”だって事実はどう思うね? 見てみな……ほれ、こいつさ、この手の甲んとこ。
ここにあるタトゥーは、”新生”回数を記すことになってんのさ。今じゃほれ、チップ・ログで決済も給金配布も完了しちまってんだ
ろ? おいらがそこらのコンビニで――今じゃ日本のセブン・イレブンが見られねえ国はねえやな――買い物をしたとするだろ?
するとだ、”前の”俺が扱ってたデータは、しっかりとこのおいらが扱えるようになってるわけだな。便利なもんだ。数字はウソを
つかねえからな。チョコレート・バーを買うのもスターバックスでテイクアウトするにも数字が重要なんだ。わかるよな。息子もカ
ミさんも、おいらはおいらとして扱ってんぜ。
 つまりさ、『継続』ってーのはだな、寿命を伸ばすことじゃないわけだ。いいかい? そこんとこが重要なんだな……同じ記憶を
持った人間を、”本人の希望に基いて作成する”わけだ。その希望ってのは、早い話がこの国の制度で、『生命の延長』のことな
んだな。少子化対策なんてのはいつぞやの日本でしか流行らなかったが、今や対策しないと人間自体が滅びちまうから、これ
もまあ、止むなしってわけだ。

「42U.S.C§45010備考に基き、”前生存者の権利譲渡”を完了、続いて権利状態の保存を手続きしますので、”前肉体(ボディ)”の利用法、
または廃棄法をお伝えください! もっとも安価なのはコースC、”溶解”ベースによる肉体の液状化、栄養化です! 一番高価な
のは冷凍保存(コフィン)による――」

 うん、うんうん。ん? ああ、なんだって? はあ、”前”肉体ってのがどうなるかって? あんたぁ、ナンも知らねぇんだな。そりゃ
お前さん、肉体(ボディ)死体(ボディ)だろ。まだ死んでない身体(、、、、、、、、、)はどうなるんだって? いやいやいや、そりゃな、お前さん、ああ、わか
るぜ。理屈はうん、わかるとも。しかしだな、考えてもみてくれよ。同じ肉体ってのは、同じ(、、)ってことだな。どこまで同じかって、なに
からなにまでだよ。ヘソのゴマの数から腸内細菌の数まで、なにからなにまで(、、、、、、、、)ね。違うのは一点で、新しいボディはさ、悪くなった
個所を取り除いてるってことだ。テロメアを延長して、病原体を取り除いて、そうやってボディ(生体)ってのは作られるわけだ。けどまあ、
同じ人間(、、、、)が地球に二人もいるってのは、こらまあ、マズいわな。身分証明は失効しちまってるし、”前”の人間は事実上、
人間じゃないからな。肉体(ボディ)相方(バディ)は必要ないってことだな、うん。

「ウィル・グラース様! ”新生”二回目につき、ポイント加算で景品をお選び頂けるようになっております! ただいまのお勧め商
品は、数世紀前に大流行した効率的ダイエットトレーナー、”ブート・キャンプ”モデル復刻版でございます。なお、十回以降の”新
生”をクリアして頂けますと、新製品の人口筋肉を繊維単位で織り込みサービスさせていただきます!」

 ああ、人口筋肉な、あれはいいよな。日本製は特にいい。日本人って連中は、脳髄(データ)を完全にソフトベースに移行しちまっててな、
こんな面倒な手続き自体がありゃしないらしいぜ。ビリー・シーンが日本へ移住したのはそいつが理由ってことなんだろうな、うん。
 だからな、じゃあ元の意思はどうなる(、、、、、、、、、)、とか言われてもな、そりゃ困るわけだな。大抵の人間は”生まれる瞬間”を意識しないもん
だが、”意識の終わり”は意識する必要がないと考えててな……っていうのも、”チップ”にゃそのへんを織り込みゃしないからなん
だな。いや、正確に言うとだな、チップの記憶領域に、そこんとこには「疑問を持つな」って書き込んであるわけだ。要するにだ、”新
しくなる”身体は”自分とは違う誰か”だってことを考えさせないってことだぁな。
 なんでって、そうしなきゃだぜ、「自分が死んだ瞬間」を記憶しちまってることになるだろ。
 となると、誰も”新生”なんて望まなくなっちまうわな。
 なんでってそりゃ、自分は結局死んじまうんだもんよ。
 同じ人間は同じ人間だぁな。ただ、同じ(、、)って意味が違う。意識ってのは……まあ、そんなもんなんだな。脳ミソの反応ってのは、
言ってみりゃ化学反応でしかありゃしないわけだからな、そんなデータを”古い身体”から”新しい身体”にゃ持ってけねぇわな。とな
るとだ、古い身体はどうにかしなきゃいけなくなるだろ。
 コースCってのは――今あっちの旦那が選んだボディ処理は、”今”の……おっと、”前”の、だな。前の肉体を溶液でドロドロに溶
かして、”今”のボディの繊維やら栄養剤に変えることだな。
 つまりだな、ウィル・グラース様――ウィル・グラース・ボディ殿。あんたの手の甲の”2”ってのはな、あんたの前にもこうやってゴ
ネたウィル・グラース様がいたわけでな、今回も”コースC”を履行せにゃならんおいらの身にもなって欲しいわけだ。そこの溶解液
はほら、一秒も掛からずにあんたをペーストして溶液に変えちまうし――ああ、麻酔は使うから心配ねぇさ。
 んで、あんたは”次に目を覚ます”、なんてこたぁない訳だが――でもよ、そんなもんは、誰でも同じだわな。眠って起きねえって、
そんなもんは誰でも同じだよ。”思考的にまったく”同じ人間なんてなぁよ、一秒先にだって、この世界中のどこにもいやしねえんだ
からよ。

 ん。
 ああ。
 お休みなさいだな、ウィル・グラース殿。

「ウィル・グラース様! 42U.S.C§45010に基き、”新生”手続きと業務を完了しました! コースC添付の栄養剤は、ご希望通り、後
日ご自宅へお送りさせて頂きます! ご利用ありがとうございます! では、よい人生(ライフ)を!」
 

265 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/08/19(日) 00:36:59

「ええっと……ど、どーかな」
「……。語り口が微妙」
「内容じゃなくて文章にツッ込まれた!?」
「文章って内容でしょうが……まあ、読み手がなにを求めてるかで価値なんてゴミから至宝に変わったりもするけど」
「うー、……うー……く、クロは?」
「そうだな。どうでもいいことを聞いてもいいかい?」
「え? あ、うん。いいよ」
「クローンなのかい? コピーじゃなくて?」
「ええっと……そこはほら、日本がね、不思議パワーな技術で人間のアタマの中身とか複製しちゃってるの。ええと、
だから――」
「いや。量子コピーとか言わなかっただけいいと思うよ。技術レベル的に脳髄のデータ化が可能になってるのに病原
菌の排斥が完了してないとか、矛盾点は追求しない。ただ――」
「――ていうかこれ、マトリックスじゃない」
「うぐっ!」
「まあ、テーマが違うのと直喩に近くなってるから私は許容するよ」
「う……さ、さりげに誉められてないっていうか糾弾されてる……!」
「ああ、名前はアレだね、直喩過ぎるね」
「うぐぐっ!」
「短編にもなんないから怪談、ってーか……クロ、……クロエ」
「なんだい?」
「SFってどうなの。怪談でしょ?」
「そうだね」
「寓話とかホラーは、根本的にベクトル別……ガジェットにSF使うと、ディストピア押し出してけばそれで済んじゃうし」
「うわぁ……全面的に否定しにきましたよ……!? さっきの仕返しだぁーっ! ていうかキナちゃんも人のこと言え
な、な――ああ、あいた、いたいたいたいた! 言えな、なんでもないです、ですから!」
「まあ、でも一理あるかもしれないな。SFは展望の絶望を書き続けてきたからね。だからこそ狭義としては最高の強度
と、技術への目端も最速の定義を用いてきた。だからこそ固有の枠内で発展したガジェットは、安易に用いると火傷す
るのは間違いない。……もっとも、ティプトリーやヴォネガットには当て嵌まらないかな」
「う、そう言われると……。……っていうかさあ、怪談ってムズいよね……条件厳しい上に、目新しい要素考えようとす
るとヘンな解釈必要になっちゃうし」
「さっきの、目新しくもなんともないテーマだって分かってんでしょうね……?」
「そ、それはそれ!」

「……うー」
「……。どんな進行具合よ……、っとにもう。なんでこんなテーマにこんな時間掛かんのよ……」
「ちょ、ちょっと……、休憩、しましょうか?」
「さんせーい……行き詰まっちゃったよ。ていうか息詰まっちゃったよ……カタ苦しいにも程があるよー。……もっとさ、
気楽にやりたいよ、こんなの……」
「ん? 気楽にやれてないのかな」
「制限多いよー……、怪談になってない、って感じが……あ、今のなし。別に私、自分のを否定したいわけじゃなくて」
「なくて、だけどやれてる訳でもない――か。なるほど」
「新しい風が必要だぜ……あ。委員長、そういえば委員長はどんなの書いてるの?」
「え?」

「あ……わたしですか?」
「そ。……なんかないかなあ、って。やっぱり、委員長のがないと締まんないんじゃないかなーって」
「ごめんなさい、わたし、書いてないんです。まとめて、編集するのが仕事だったから……」
「あ、あ、じゃあさじゃあさ、今、なんか話してみるのってどう?」
「あ、あのいえ、私はそういうのは、苦手で……」
「……無理だって言ってんだから押し付けてんじゃないわよ、岬」
「え、あ、あの、わたしは別に」
「だね。ま、例題を幾つかと結論でまとめれば、それなりに形にはなると思うよ。学級新聞、どうやら紙面も少ないよう
だ。もしも枚数が足りないなら、私が資料で総括しておくよ」
「えー……残念」
「あ……あの。いえ、その――」

「……ええと、それじゃあ、一つだけ」
「え、あるの?」
「怪談と言うのかどうかわからないのですけど……」
 

266 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/08/19(日) 01:07:35

「昔、……どのくらい昔だとは聞いていませんけど、福岡の方でのお話だそうです。山境にある小さな村ですけれど、
そこでは間引きの風習があったそうなんです」
「マビキ?」
「口減らしで?」
「あ、いえ。風習からだったそうで……ああ、あの、すいません牧村さん、間引きというのは、その……この場合、生ま
れた赤ちゃんを……その」
「殺して減らして、間引くから間引き」
「……う、直球ですかキナちゃん」
「で、間引きがどうしたって?」
「あ、ええと」

「間引き鬼、という鬼がその村に住んでいたそうです。……鬼は、人間が女子の双子として生を授かると、そのうちの
片方を連れて行ったそうです。そんな村に住んでいたある夫婦の間に、双子が生まれました。夫は嘆き悲しむ妻に、
どちらを差し出すか決めようと言いました。すると、妻は嘆いていたにも関わらず、妹の方を差し出そう、と強く言った
そうなんですね。双子はとてもよく似ていて……双子だから当然なのですが、本当に、とてもよく似ていたそうです。
どちらがどちらか、親にもわからないくらいに。生まれて四日後の晩に鬼は双子が生まれた家を訪れます。妻は妹
を差し出すと、鬼は妹を抱いて、その近くの川の中へ消えていったそうです。夫は嘆き悲しみながら、妻は姉を抱い
て、ほっとしたように家に帰ったそうで……。その翌日、妻が目を覚ますと、抱いて眠っていた姉がいない。慌てて探
したのですが、見付かりません。妻は夫と一緒に村を駆け回り、やがて鬼が消えた川のほとりで姉を見付けて安心
した二人ですが、赤ん坊は……つまり、双子の姉は、赤ん坊の声で笑うと、しっかりと二人を見上げて、こう言った
そうです。

 ――しりてなわすれそ、そがちかがみの、ねもとながるるうみひらは、ちむすばぬわがしとね。

 赤ん坊はそう言うと、二人があっという間もなく、川に飛び込むように落ちて行ったそうです。自分から飛び込むよ
うに――そしてそのとき、妻は赤ん坊が姉ではなくて妹の方だったのだ、と気付いて、泣き叫びました。以後、夫婦
は子供をもうけようとはしなかったと、そういうことです」
 

267 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/08/19(日) 01:25:54

「? あの、質問」
「はい?」
「なんで妻は最後に川に飛び込んだ赤ん坊が妹だってことに気付いたの?」
「あの、それは……話の肝の部分、というか……」
「ははぁ……いいかな、聞いても」
「あ、はい、なんでしょう」
「双子の赤ん坊の妹は、妻の妹だったんだね?」
「あ……はい。そうです。妻の妹の、怨念、で……」
「……? なんで? 妻の妹って、そんなの出てきたっけ?」
「このテの昔話には良くある話じゃないか。輪廻と憎悪、情念が留まる、ってタイプの話だよ。日本には特有と言っ
てもいいほどのレベルで根付いてる。要するに、妻も双子だったんだよ。彼女は……まあ、生まれてからなんらか
の事情で自分の出生に気付いて、自分の存在が妹を排除した上に成り立っていることを知った。だからこそ、自分
が双子を生んだときに自分が”奪ってしまった可能性”を恐れた――この場合、自分の生んだ”妹”を恐れたんだ」
「……でも、犠牲にした妹の怨念みたいのがいたとして、生まれ変わりだったら妹さんは姉の方に生まれ変わって
もいいんじゃないの?」
「話の都合だよ。第一、別に姉だろうが妹だろうが関係ないだろう? 妻に気付かれないように”妻の子供を殺せる”
のが重要なだけなんだから。……そうでなければ、「お前はどちらがどちらかわからない」と突き付けてると解釈し
てもいいしね」
「ふうん……」

「……あんたら、話の要素解体しちゃったら怪談じゃなくなるでしょうが」
「え? そうなの?」
「おっと、しまったな。まあ、でも都市伝説だったら解体前提だからね。ごめん、私のミスだよ」
「……」

「……。……あのさ」
「え? あ、はい」
「それ、福岡の、どこ」
「あ、あの。……いえ」
「……委員長?」
「……ご、ごめんなさい、今作った話なんです。じょ、じょーく、というか……」
「……わ、解り辛い……態度が態度だから素で解り辛いよ委員長……!」
「滝那君?」
「……なによ」
「いやなに、渋い顔をしていたからね。コーヒー、氷が溶けるよ。せっかく作ったんだから、美味しいうちに飲んで欲
しいな。それともお気に召さなかったかな?」
「別に。美味いわよ」
「光栄だ。……さて、と。……どうかな? 意見も一旦出揃ったことだし、後日再集合してまとめに入るってのは」
「あ、さんせーい……また来てもいいかな、私。どうせここまで一緒にいたんだし……」
「わたしは構いませんけど……」
「私も構わないよ」
「私は反対だけど、むしろどうでもいいわ」
「酷っ……本気でスルーなのが酷ッ! ……あ、帰り、どこか寄ってく? せっかくだし、この面子で」
「あんた、この時間にどこへ行くってのよ……」
「レイトショーとかどうなのかな。滝那君のお勧めで」
「委員長も!」
「……え? あ、あの、わ、わたしですか? あのでも、この時間に出歩いていると、その――」
「大丈夫だいじょうぶ! アーケードとか、警備員も怖がって近付かないし!」
「そ、それはダメってことなんじゃないんでしょうか……」
「ボディーガードもいるし!」
「……言っとくけど、守んないわよ、私」
 

268 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/08/20(月) 21:55:24

「ニューオリンズは総集編を出すべきだ!」
「……この暑さで態度まで暑苦しいと普段より見苦しいよ、ミハ姉」
「おおっとーっ! さり気なく毒を含んだ罵倒が小学生から! なんだね。この家にゃアタシの居場所はないのかね」
「この家じゃ出戻りだしねぇ……」
「それは言えてるね」
「……フィー助さん。いきなり出てきて挟撃するってどーなんスか。宿題とか終わってるんですか中学生」
「宿題は退屈凌ぎに初日に終わらせたよ。で、日常ってのはそんな物じゃないのかな……いきなりで脈絡もなく、何事
も唐突だ。いや、実はさ。私もミハル姉さんを見習おうと思ってね……物事にはすべて意味がない。決定して存在しな
い。こいつは斬新かつ、一面の真理を突いてると思ったんだよ。この街でその傾向は顕著だ。脈絡のなさを脈楽しよう
ぜ、姉さん」
「うっわ、直結でこの街否定したよ、この子……」
「ふふ。いや、素敵な街だよ。意味を求めて自殺したり意味の果てに自滅したり意味を掴んだらそれが存外下らないも
ので自壊したりするよりも、まったく健全だ……カウンセラー・タウンが日本にできるのはぞっとしないからね。で、ニュ
ーオリンズがなんだって? またフィル・アンセルモの生霊が語り掛けてきたんじゃないだろうね」
「あー……いえね、意味は別にないんだけどもね」
「やっぱり感覚脊髄が反応しただけなんだね……」
「いや、いやいや。まったく無いわけじゃ……そうそう、乱歩だぁね、江戸川乱歩」
「……。乱歩はあの街についてなにか書いていたかな。乱歩賞受賞作の舞台がとか言われても困るよ」
「ではなくて、総集編ですよ、総集編」
「江戸川乱歩全集?」
「そうそう、その乱歩の。あ、でも乱歩じゃなくてもいいけど、とにかく全集」
「ミハ姉」
「はい?」
「病院、今日は開いてるからね」
「うーわ……。なにこれ。ちょっとなにこの扱い……」
「……で、要するに姉さんが言いたい内容ってのは、主語が総集編なんだね。たまたま姉さんが江戸川乱歩全集を読
んでて、なんとなく思い付きで喋り出して思い付きでさっきの発言に至ったのは解ったよ。で、それが一体全体なんな
のかな。ニューオリンズ総集編でもやりたいのかい?」
「そうそう、それですよそれ」
「合ってるんだ……」
「いえね、(ピー)だとか(ピー)だとかの中身同じでジャケ替えたベストだとかノスタルジィな80年代曲集とか、ぜってぇに
誰も買いそうにないもんばっかり流通してんのに、不公平だと思ったりしないかな。あったらいいと思わない? 遠野物
語の音楽版みたいなの」
「遠野物語をオタクなスラッジロックと一緒にされたくないな……」
「なんスか今の通低音に流れる侮蔑の気配は……」
「……80年代のベストは多岐に渡る”時代の編纂”を目的にしてるんだろう? 地域の総括なんてものはCDには不要っ
てことなんじゃ……違うな。あるだろう、そういうの。パンクのオムニバスとか、そういうのじゃないのかな」
「あれはまぁ、そうなんだけどさ……けど、それってコミュニティの総集編ではあっても地域の総括じゃないんすよ」
「ふん? それはわからない理屈だな。コミュニティって、早い話が地域だろう。街の最小構成単位は人間だぜ」
「なんっつーか……人間単位ってのは割と近いんだけど……構成要素の妙? ってーの? ニューオリンズとか、地域
として横の繋がりが太いコミュニティって、そこだけで流通しちゃって表に出てこないんすよねぇ……早い話、普通に日
本で売られない聴けないどうしようもない。――アタシの手に回ってこない! ファッキンですぜまったくよ」
「しかしやれやれ、今日も暑いね」
「ほんと……あー、フィー姉、コーヒー飲む? インスタントに作ってあるけど」
「助かるよ」
「あーれー……。すっげぇスルーっぷりだぁ……」
「……まあ、アングラなマニア事情はそのうち聞くとして……しかし、なるほど……。コミュニティは狭くても、ところどころ
に表出してる個所があれば外部の人間が知ることもあるものなんだな。音楽でも同じか」
「ま、今はネットがありますしね。こういうのはテクノなんかの業界も同じなんじゃねーですかね……どーなんすか、そこ
んとこはよマイシスター」
「んー? コミュニティはあるよー……あるけど、ミハ姉が言ってるみたく「トライブ! ユナイテッド!」とかそんな暑っ苦
しいカンジじゃないかなぁ。もうちょい……むしろミクロな感じ。個人間で繋がったり離れたり。ヒップホップ系なんかと繋
がったりするし、あたしとミハ姉が繋がるなら接着剤はパットン先生じゃん?」
「繋がるって、まあ! この子ったらなんて卑猥!」
「フィー姉ー。あたしこの姉要らないんで、多数決で分離政策取りたいでーす。家族会議の招集を要請しますー……確
定したら空き部屋は半分フィー姉の書斎にしていいよー」
「ふむ。議題として憶えておこう。メアリ姉さんと兄さんが帰ってきたら伝えておくよ」
「いや、ちょっ……待っ……マジ死にます、メア姉はちょっと、か、勘弁……や、そ、それより、フィーたん? そこに広げ
てるのって、中学校の宿題?」
「ん? まあ、そうだな。ちょっと学校の方だね」
「へえ……自由研究っすか……懐かしいなあ、メタルでやろうとして怒られたもんなあ……」
「姉さんは怪談って好きかい?」
「好きでもないし嫌いでもない……なんて言うと月並だけど、月並でいいや。っつか、怪談って最近また流行ってんすか
ねぇ……テレビでも割と見るっスよ。兄さんいわく、「かわんねーよ」ってことらしいけど」
「変わったら怪談じゃないんじゃない? 四谷怪談ってあるじゃん、この国。あれって怪談でしょ?」
 

269 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/08/20(月) 21:58:23

「そりゃ怪談でしょうよ。怪談って名前付いてんだし」
「そんな数百年も前の話がルーツで継続してたら、古臭いままで当然じゃん。それを今まで同じパターンでダラダラ続け
てるってのが凄いよ。腐るどころか風化してんじゃない?」
「同じではないよ。学校にまつわる怪談は、どうも時代を経るごとに傾向を変えつつあるらしいからね」
「あ、そいえば、そっか……あたしのクラス、そういう話ってぜんぜんしなかったなぁ。先生はしてたのかもしんないけど、
面白くなかったのかな、あたしが憶えてないんだから」
「はっ、夢がねぇ小学生ですぜ。怪談の一つも信じてねーですか」
「ふうん。じゃ、ミハ姉は信じてたの?」
「信じるとか信じねーの問題じゃあねーんですよ……怪談ってのは……そう、美学! メタルでいえばソロとバッキング
を繋ぐ美意識のようなもの! なのですぜ」
「フィー姉、そうなの?」
「……と言うより、喩えが私には解らないな」
「や、いや、つまりですね、過剰さ? みたいな? 無駄を無駄と思わずにやることっつーかですね」
「人間から無駄を取ったら自然界で淘汰されるだけだと思いまーす……」
「……いや、あの、そうでなくて……」
「なくて……早い話、現在のB級ホラー映画がすでに”敢えてB級であること”そのものに美学を感じてるようなもの、って
ことかな。笑えるグロテスク描写とか、その種の無駄は、確かに無駄じゃない……悪いけど、ミハル姉さんの感覚は私と
共有できないから、あくまで想定だよ」
「それ……か、なあ、多分。スプラッタ映画とか普通にギャグですしね。まぁ、怪談なんて不思議感覚発動してアタシらが
フィルター全開で感じないと理解する必要もねーってことでしょ。サングラス越しなら世界なんぞどこも真っ暗だし、真っ
暗な世界でもネオンで飾ってやりゃあ何万色のパレードだし」
「……ミハ姉、日本中の妖怪さんに謝ったげなよ。可哀想だよ」
「なに意見翻してんスか……だからですね、アタシが言いたいのは、怪談ってのはその”なんでもなさ”を飾り立てること
だと思うんですよ。人間って、時々そうしてやんないと人間じゃなくなっちゃうじゃん? そういう潤滑油の一種みたいな、
そんなの」
「はー」
「……な、なんスか」
「やー、なんていうかさ。たまにはミハ姉もマトモな発想するんだなー、っていうか。うん、メタル聴くのやめたら?」
「最後の発案が悲惨な上にその前の文脈と繋がりがない!」
「メタルに関しては同感だけど……」
「いや、同感しないでください……」
「ケサランパサランだな、と思ってね」
「はい? いあいあはすたー?」
「日本の妖怪……みたいなものだよ。本質は”なんでもない”モノを人間が”なにものかである”ことに見立てること――
”それはなんんだろう?”という、怪異の本質かな。妖怪が想像力の賜物なら、その代表と言ってもいいよ」
「……観念名? 妖怪じゃなくて?」
「妖怪だよ。一般には毛玉の妖怪みたいに描写されることが多いね」
「へえ……あれ。怪談って妖怪談なの?」
「近くて遠いな。けど、一番近いのは間違いない。遠野物語と妖怪談義のどちらを柳田國男の代表作として取るか、なん
てのも関係あるかな」
「それ、フィーちゃんみてーな人種だけじゃないっスか……」
「あはは、それはまあ、確かに……ほら、メガテンでも怪異は別の幻想種と種別されてるだろう? そんな感じだよ」
「……納得できるようなできないような……そもそもメガテン知らない人にはなんのことだかサッパリのような……」
「えー……あたし、メガテンの概要とゲームシステムとそのファクターに相当する今の会話まで延々と解説する気、ない
よ……?」
「私もないな。ないというか、そのくらいはご愛嬌と言うことにしておこう。ここまでメタにやっておいて、なにを今更って気
もするからね」
「なんつーライトカオスな結論っスか、それ……」
「……フィー姉、ヤハウェってライトロウかな」
「微妙だね。ついでにその発言は二重の意味で危険だな――ヤハウェがライトロウの範疇を抜け出すのか、ライトロウは
意見を黙殺することを前提とするのか。で、さて、私達はキリスト教者だ。一応ね」
「ていうかもう、ここの家長がライトカオスじゃん……兄貴のどこをどう切ったらロウが出てくるのか知りたいっスよ。むしろ
LIGHTLAWってよりかRIGHTLOWっつーか……」
「……凄い不毛な会話してるよね、あたし達……よし、できた! んじゃさ、怪談ってこんなのどう? フィー姉?」
 

270 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/08/20(月) 21:59:34

「創樹祭に選ばれたって本当?」

 講堂の前でぼくが聞いたのは、大した意味もない音の塊だった。っていうのも……ぼくは言葉を正しく使わないの
が我慢できない性質だからだ(まあ、自分で間違えた時は仕方ないけれど)。ぼくみたいな連中は教室の隅で遠巻
きにひそひそ話の対象にされるのがオチで、だけどぼくに言わせれば言語性能に興味を持たないのは異常としか
思えない。シチューに入ってるのが魚か肉かなんてことより、ぼくにとって(そして、恐らくは世界の半数、数百人の
人間にとって)それはもっと重要なことだからだ。
 この層はそれでもマシな方で、一層から五層なんかの国は、文法を不要なものだと考えてるフシがある。おまけ
に、一つの文法ですら集落ごとにパターンが違うくらいで(あっちで使えた言葉がこっちで使えない、なんてのは、
かなり困ることなんだ。七層の連中は層を行き来するのを嫌がるから実感しないだろうけど)、それでも成り立って
いるのは不思議と言えば不思議なんだけど、それ当然と思えるならやっぱりそいつは当然で、必要とせずに成り
立つなら、今ってのはそういうものなんだろう(この、「今」ってのを一言で表そうと”言葉”を考えてたら、講堂の連
中は大笑いするんだな、これが)。

「……でさ、体系立てたら、それで……そう、この世界を書き記すことができると思うんだ」
 ふうん、と彼女は言った。わたしの話、聞いてないのかな、とも。
 栽培屋と行商人でごった返す時間帯にぶち当たったらしく、食堂管は穿孔蝗の群が襲ってきたような混みようだっ
たけど、流石に目の前に座ってる人間の声を聞き取れないほどぼくの耳は悪くはない。溜息と一緒にぼくは応える
(応える、ってのは……まだ発表しちゃいないんだけど、相手の言葉に言葉を返してやることだ)。

「聞いたよ。あの……益体ない祭りに選ばれたってやつだろ」
「どう思ってるの?」
「別に」ぼくは両肩をすくめる。「長い数周期にたった一度、だけど一度に数十人は選ばれるんだ。自分の知り合い
が選ばれても驚かないよ」
「……じゃあ、さっきの話」
「さっきの?」
「世界を書き記すだとかなんだとか」
「うん」
「私のことを書いてみてよ」
 それは面白い、とぼくは応える。実を言えば、ぼくはその祭りが嫌いで――祭りを取り仕切る神官の鼻持ちならな
い態度が大嫌いで、一度も見に行ったことがなかったからだ。ついでに言えば、人づてに聞く祭りの様子はてんで
面白そうだと思えなかった。

 翌日、創樹祭に繰り出したぼくは、講堂では一緒に樹生学を見聞きしている彼女が”選ばれた”ってことで最前列
の最高席を用意された。”自分の周り”を表す文法を持たないこの層では(八層ではそれを表するのに、”家族”や
”友人”という言葉を使う。後者は素敵な言葉だ)、目に見える誰かと誰か、という繋がりだけが契約を必要とする。
彼女はぼくを指名して、ぼくの正面に組まれた柵の向こうには、普段は露出しない「壁面」が晒されていた。この世
界の根幹。上りきれない高さと、一層から十層まで、人間で言えば骨から皮膚までに当たる壁を持った距離を持っ
た巨大な植物。ぼくたちはこいつから生まれて、こいつに栄養をくれてやりながら日々を送っている。
 創樹祭はそんなこいつに特別な栄養をくれてやる”重大な”祭りで、最高民族として国々を取り仕切る神官どもが
暮らす十層に、数周期にただ一度だけ、他層の人間が入層を許される日でもある。樹と会話する言葉を持った十層
の人間は、当然のように全層民の頂点という立場を獲得して、それが当然であるように多層の人間から無償の収益
と尊敬を得ていた。広場を埋め尽くす人垣の最前列。そこがぼくの居場所だ。
「輝かしくも素晴らしき全層の民草よ」
 と、柵の一つ向こうに設えられた壇上に立つ神官が(少々おかしな文法で)言った。その後ろ、露出した茶色の――
この語彙は色学に詳しい九層の人間が作ったんだけど――樹の前には、数十人からなる人間が居並んでいる。一
層から九層までの人間だということは服装の種類でわかった。今回の”ファクト”――十層の人間の語彙だ――達だ。

「幾月を隔て、こうしてまたこの喜びの時を迎えられた幸福を創樹に感謝する」

 どよめきやら歓声やら、一緒くたの声。そのときぼくが考えてたのは、その言葉を――つまり、声の種類を言葉にで
きないか、ってことだった。
 で、そうしてる間に、樹の前に列を作る数十人の最初の一人が、神官に両脇を支えられた。支えられたファクトと神
官が首を上に上げる。ぼくはつられて顔を上向けて、周りが騒々しい理由を知った。天井、屋根から突き抜けて伸び
ている一本の巨大な枝が……人間一人を縦にしたよりも太い筒状の枝の先が、真っ黒な空洞になったそいつが、管
状のいきものが首をもたげるように上から下りてきたからだ。ファクトは声を上げて――「喜びを!」――神官のやつ
が声にした言葉とは到底似付かない声を上げて、ばたばたと手足を降り始めている。両脇を支える神官はがっちりと
ファクトを支えていて、どれだけ手足を振り回してもどうにかなったりはしないんだけど(十層の神官どもが強靭な身
体を作る理由は、もしかしてこのためなんだろうか、なんて考えはした)、とにかく、ざわめく層民を層毎の言葉で宥
める神官とファクトの声――それも巨大な――だけしか耳に入ってこない。最初のファクトを見ながら、他のファクト
達はなにか声を作ろうとしている様子で、その三様がぼくにはひどく奇妙に見える。
 だからつまり、その筒が最初のファクトの肩口辺りまでを包んだ時、ぼくは神官の存在がいかに不可欠かを理解し
た。ぎ、とか、びち、とか、音の直接的な言語化でしか表現に相当しない音を筒の中で発てながら、ファクトはゆっく
りと持ち上げられていく。肩口まで筒に入っていたファクトはゆっくりと筒に吸い上げられながら、身体の動きを止め
ていく――釣り上げられた魚が、呼吸を止めていく姿によく似ている。やがて、その身体が落ちた。正確をもって言葉
にするなら、腰から下だけが落ちてきた。神官二人はそれ(、、)を荷物のように抱え上げると、筒の中に押し込む。二
人目のファクトが大声を上げて祭壇から降りようとするのを二人の神官が取り押さえる。神官は言う。層のそれぞれ
の言語でもって話したのは、まとめればこういうことだ。

「恐れる必要はない。彼の喜びはその声量に比して壮大なものだ」

 それは違う。ぼくは思い、隣で納得しようとした男を諭そうとして、諭すのに必要な言葉を持ってないことに気付く。
 馬鹿馬鹿しい。ぼくは思う。周囲がそれで静まっていく様子など、馬鹿げているを通り越して――そう、表現するべ
き言葉が見付からない。見付からない(、、、、、、)。ぼくは自分が信じられない。それを言葉にしようとするのは、ほとんど不可能
だと思えた。それぞれに語るのではなく、少なくとも、すべてに語るには(、、、、、、、、)
 ……祭壇の中に彼女を見付ける。彼女はぼくが見ていることに気付くと、優しげに笑い――(ぼくにはその笑顔を言
語がすることができない)、そして、自分の番が訪れる直前、自分の一つ前に当たるファクトが大声を上げながら手足
をばたつかせている最中、こっちを向いてこう言ったのだ。

「書いてみてね」

 人垣に乱れ飛ぶ意思と意図。それを表現しようとする無数の声。煩わしい――ぼくは声を上げていた。
 彼女が筒の中に消えてから考える。
 誰かに伝えるべきことのいくつかと、伝えることの無意味さを。
 

271 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/08/20(月) 22:03:52

「……ってのは、どう? あたし式フィー姉風味!」
「うおぅ、さっきからなんかチマチマ書いてると思ったら。……なんでこんな厭世的かな小学生」
「えー、そう? 結構前向きだよ?」
「言わんとしてることは解るんだけどね」
「あっちゃー、フィー姉にも不評? ……んー、あたしさー、ホラーとか怪談ってイマイチわかんないかも
……”怖い話”ってことでしょ?」
「能動的に怖がらせようとする話が”ホラー”とされる傾向は強いね。映画の文法にはそれが顕著だ」
「リングとか?」
「いやいやいや、ありゃギャグでしょ……ってか、映画のホラーって映像と音響一体だから、文章とは別
モンで扱うべきじゃない?」
「やってることは同じだよ。表現手段が違うから、伝え方に要約されるのは間違いないけどね。怖がらせ
ることを主眼に置くなら、それを演出する展開を作るべきだし、映画にはそれが可能だ。……まあ、残念
ながら私はホラー映画の怖さが解らないから解釈はできない」
「音だけで怖いとか?」
「あるらしいよ、それ。姉さんの方が詳しいんじゃないかな? デスメタルとか」
「デスは爽快感の結実であってホラーを持ち込むタイタニックじゃねーっつーか……そういうのはエレク
トロニカとか、音響方面の専門じゃねーんスかね……って、ああ。なるほど。そういうことね。……んじゃ、
怪談ってそもそもなんスか?」
「”もしかしたら怖いかもしれない話”だよ。それを怖く見せる、語る、ってのが怪談の手法」
「……そなの?」
「そうだよ。例えば、A氏が夜道で……そうだな、「普段はそんなところに存在しない裏通り」を見付けたと
B氏に話す。けど、B氏は曰く、「そんなところにはなにもない。今日も行ってみたけど、なにもなかった」
と応える。A氏はその日の夜、またそこへ行って……さて、ここで上等なのは、「そこへ行って」で話を止
めたりすることだけど、ここは語り手次第かな。大抵の場合は「それ以来、そこへは近付けませんでし
た」で終わる。……なぜって、怪談においては語り手が死んでしまうようなラストは想定されないからだ」
「あー……。あー、あーあー、うん、うんうん、わかる」
「民間伝承のパターンなら、ありがちなのは”祟り”や”場所の因縁”だね。こっちの場合、恐怖との関係性
は事細かに詳細される反面、やっぱり最後は「触れてはいけないものだったのです」と終えて、解決され
ない謎を残すことで恐怖を演出する。伝統の「呪いのトンネル」パターンだ」
「おお、なるほど! って、なんで今までこの家の連中はそういうの出さな――出せねーんスか……?」
「えー。……ってかさあ、ミハ姉、あたしの国、そんなのギャグでしか通らなかった場所だって、ちゃんと
知ってるよね?」
「う。……知ってるけど聞きたくない、ような、っていうかいやいやいやニヤけんなニヤけんな! あんた
が怖いよ! いやだから待ったマイシスター! ホラーどころかトラウマになりそうなリアル話はヤメ、
やめぇっ!」
「街頭で○○を△△で□□ってて……」
「ぎゃー! ちょ、ちょい待てぇっ! ストップストップ! 貞子がハダシで逃げてくような凶悪環境とか真
面目にネタにゃなんねっスよ! ていうか良い子が見るかもしれないスレにゃ載せらんない! 写真とか
あったら検閲モンですよ!?」
「だーかーらー……われらが愛しきお兄ちゃんとかさー、二作目以降のランボーみたいにそういうとこ平
気でウロついてたんだよ。この家でそんなもん怖がる人を見付ける方がムズいんだってば……お兄ちゃ
ん、吸血鬼とか撲殺しちゃいそうだし。でしょ、フィー姉?」
「ああ、やってるね。ヘルファイア・クラブばりのカルト集会に乗り込んでジェイソンも真っ青のスプラッタ
展開してるに違いない。で、古神の呪いには笑ってツバ吐いて平然としてる」
「えーっと……フィーちゃん? 兄貴のこと、好き……なん、だよね?」
「ん? そいつはもちろん。愛してるから彼のことは事細かに想像できるんだ……そうだな、私にとって
はそう、兄さんはハリウッドのアクション映画に出てくるようなヒーローだからね。幽霊やら悪魔やらに恐
れを成すような姿、間違っても脳裏には浮かばないな」
「それ、貶してる訳じゃないんだ……愛ゆえになんだ……」
「そりゃもう。私は兄さんのことを愛しすぎてるからね」
「歪んでるっつった方が正しいと思うっス……」
 

272 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/08/20(月) 22:07:06

「……ってーかっスねぇ……テーマ持ち込んだ時点でダメダメだと思うんですよね、あたしゃ。だって認
識論ネタも”現実or存在の確立”も、ホラーよりSFとかミステリの方がウマくっつーかエグくやっちゃって
るじゃねっスか。むしろ、その両方が巧い作家さんいるじゃん」
「ふー……グログロとか言っても微妙だよねー。死体写真の方がエグかったりするしさー、世知辛い世
の中だぜ」
「うおい小学生!」
「だってぇ……ミハ姉だってそっち系のサイトとか見慣れてるんじゃないの? カーカスだとかエク……
なんとかのCDとか、ヘタなグロサイトよりヤバいよ絶対。わたし、死体損壊画像とかよりさあ、断首殺人
現場の写真の方がヤバいと思うなー」
「アレはコラージュだし解っててやってるネタだし……」
「でーもさあ、死体写真でしょ?」
「いやでも、あれは悪意からじゃなくて……」
「悪意が有ろうが無かろうが死体写真は死体写真だけどね。第一、死体写真系のサイトはそれを好む
人間がいるから成立してるんだよ」
「うづっ! ……いやでも、本物使ってるのとそうでないのがあるし……」
「見た人が本物だと思えば本物だよ。それこそ、その手のネタは溢れてるさ」
「ぐ、っく……そ、そりゃまあ、そうなんスけどもね」
「描写のグロさってのは、だ――」
「おや、お帰り、兄さん。丁度お茶の時間だよ。さっき姉さんが――」
「メアリが?」
「――兄さん!? お帰りになってたんですか!?」
「あ。ああ……いや、ついさっき。多分、今月は家にいること多いと思う。悪いな、いつも世話かけて」
「そ、そんなこと……ええと、お茶、お茶……お茶淹れますね、ええと、なにが……」
「あー……ジュースない? 甘いやつ?」
「い、いいい、今すぐっ!」
「……これもさー、一種のホラーだよねー……メア姉、さっきまで二階にいたと思うんだよねー」
「何の話だ、そりゃ……ホラーだろ、話題。”小説におけるグロさ”ってのはだな……まあ、一般における
グロさとはかなり別モノだと思うわけだ、俺は」
「あれ? 兄貴でもグロいと思ったりする小説あんの?」
「無い訳じゃねえよっつーか、お前、俺をなんだと思ってんだ……?」
「あはは、いや、すいません。んで、どんなん?」
「小説にしろ映像表現にしろ、こいつは同じだが……まあ、つまり、”それ単体”のグロさは大したことな
いわけだ」
「単体?」
「表現それ自体ってこと?」
「いやまあ、なんつーか……」
「解り辛いよ、兄さん。……状況と環境、そこで行われる行為、ないしは起きた事実がいかにグロテスク
であるかの度合い、ってことだと思うけど。文脈から導かれる状況と、センテンス単位で算出される状況
では、明らかに意味合いが変わってくるからね」
「……解説、ありがとう。いやまあ、概ねフィーの言った通りだよ。話の主体と無関係の人間が殺される
よりは身内が殺された方がショッキングだし、フツーの場所でフツーに人間バラすより、地下室なり搭の
一室なり、薄暗くてジメついた場所でバラした方がエグさは強いだろ。というか、白昼堂々と公園やら議
事堂やらで解体ショーなんてやったら、そりゃ前衛芸術であってホラーではないってことになっちまう」
「あーそれ、なんか前に見た映画思い出すなあ……スペインのだけどさ、ド突き漫才の漫才師が、周り
よりもエスカレートした内容をウリにして成功するんだけど、そのエスカレート具合が原因で仲違いして
ね、で、最後は舞台でお互い撃ち殺すの。だけど「それまでも喜劇的だった」から、観客は舞台でブッ
倒れてる二人見ながら笑ってんの」
「姉さん、それは大分違う……」
「え、そうかなあ。うーん、デスメタラー視点から見てもあれは相通ずるモンがあったんですがね……」
「てゆっか、人間バラバラにするのは猟奇的って言わないの?」
「言うね」
「そりゃ言うでしょ」
「……あれ?」
「兄貴……その認識、ちょっとどうかと思うっスよ」
 

273 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/08/20(月) 22:08:41

「いや、だからだな……そうだな、つまり、例えば被害者から切り取った腕をだな、そいつの本人の目の
前にチラつかせたりする訳だ。これは心理効果として大きいだろ?」
「まあ、そりゃ……解るけど。なんか、マフィアみたい……」
「そりゃマフィアの手口だしな。有名どこだと、生きた人間をそのまま」
「あ、ストップ兄さん。一応検閲入るみたいだからさ」
「はあ? いや、俺はいいけど……それでだな、さっきの例で言うなら、切り取ってやった腕をウッドチッ
パーに掛けてミンチにしてやれば心理的ダメージってのは増加する訳だ」
「あ、それ知ってるよ。映画で見た!」
「見るなよ小学生ッ!」
「要するに、人間は自分の身体が”モノ”として扱われてることには恐怖を感じる傾向がある、ってことだ
よ。使い古された手段っちゃそれまでだが、有効と言えば有効だ」
「なるほど……勉強になります」
「なっちゃダメでしょ!? ていうかメア姉、なにをモノ扱いする気っスか!? いつっていうか誰を!?
むしろいつからそこに!?」
「『WHO』と『WHEN』と『WHAT』……質問が多いわ、ミハル……兄さんが帰ってきてるんだから、静かに
しなくちゃダメでしょう?」
「お、おかしい……『論理的』じゃあないぞッ! 理由が理由になってないッ!」
「ただ姉さん、テーマの存在が怪談を危うくする、ってのは、ちょっとどうかと思うよ。小川未明の話なん
かじゃ、母性愛を重視したような怪異の物語も散見するからね。怪談を一つに括ってしまう視点の方が、
どちらかと言えば危険と思うな」
「ふうん……んじゃさ、西洋的な恐怖と日本的な恐怖のパターンってのもよく聞くよね。あれは?」
「あー、簡単だよ、そいつは」
「ほほう。して、それは?」
「言ってみりゃエイリアンvs貞子だ」
「……フィーちゃん、兄貴がウケ狙いに走ってるよー……私の代りに笑ってやって」
「マジで言ったんだけどな、俺」
「だよね、今のは」
「え、ウソ。なんで」
「日本の怪談っつーのは……四谷怪談にしろなんにしろ、情念をベースにしてることが多い。泉鏡花の
書くそれが時に美しさの面から評価されるのは、そんなとこにも理由がある……ってか、日本の怪談に
は総じて美学があるんだよ」
「……西洋には?」
「あるよ。あるけど、西洋全般つーか、ホラーとして語るエイリアンの恐怖だけど、つまりだな、エイリアン
は怪物なんだよ」
「……? いや、そりゃ当たり前でしょ」
「だーかーら、早い話がウェルズの宇宙戦争だよ。アレの旧訳な火星人だ」
「あー……あー、ああ、会話っていうか、意思の疎通が図れないことへの怖さ?」
「もっと有名……有名じゃねえけど、範囲が広い分野ならクトゥルー神話でもいいな。ついでに言えば、
それは美学でもある。土着の風習を持てないアメリカにはここらが顕著でな。人口の大小はコミュニケ
ーションの大小だ。クトゥルーみたいな神像神話体系が成立したのにはそんな理由もあるだろ。水棲
生物がモチーフになってるのが多い理由は、まあ、ラブクラフトの性質が関係してるだけだろうけど」
「ふうむ……でもさ、フィーたんよ。一ついいかね」
「なんだい?」
「怪談ってのは、ネタの怖さと語り方の怖さと、どっちが重視されるんスか?」
「どっちもだよ」
 

274 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/08/20(月) 22:10:02

「……あ、在り来たりの解答が……」
「敢えて比重を置くなら前者だろうけどね。それも、鮮度命の”怖さ”だよ。都市伝説の類なんかは顕著
で、新鮮さを欠くと形骸化して、それこそギャグの領域に近付いていく……個人的には、そこらの怪談
よりも「ドラえもんの最終回」という都市伝説そのものの分布図それ自体が”恐怖”だと思うけど」
「あー、それ、なんか解るかな。うん、幽霊とかより怖い気がする」
「後者の場合、さっきの話に戻って申し訳ないけど……これはもう、視覚と聴覚の差がモノを言うね。視
覚言語と聴覚言語は、受動するスピードが圧倒的に違うからさ。小説を読むのが早い遅いは人により
けりだけど、これは視覚言語の受容スピードの違いが関係してる。説明が必要かつ読み手に意味を伝
え、そして伝えきらないことを目的とする(、、、、、、、、、、、、、、)怪談の場合、どうしても人から語られるほどには怖くない……
という意見が多いだろう? 私からはこんなところだよ。兄さん、こういうのは専門だろう? どう?」
「専門じゃねえよ。……語って怖い、読んで怖い、ってのは……あんまり、ないんだよな。ただ、そうだな。
ちょっとベクトル変わっていいなら、一意見として提出するけど」
「どーぞどーぞ。兄貴が怖がるのって、女性以外でなんスかって話、で……め、メア姉、目が、こ、怖い
なー、なんて思ったりして」
「ミハル?」
「は、はい?」
「兄さんは誠実な人なんだから、冗談でも貶めるようなこと言っちゃダメ。……わかる?」
「え? あ、ええ、あ、はい。はい、はいはいはい、はいっ! やーもう全面的にごめんなさい兄上ッ!」
「……で、もう話していいか」
「どーぞどーぞっ! この愚妹、なんの邪魔をしましょうや!」
「形骸化ってので思い出したんだけどな。早い話、その逆だよ。今じゃなんでもないような”なにか”になっ
てるモンってあるだろ。この国だと……そうだな、国津神系列の神様なんかがそうだ。信仰の衰退やら、
理由は雑多だけど、まあ、ひっ包めてだ。そういうモンには、当然ながら「元」があるわけだ。それがネガ
ティヴな面で語られてるモンだったりすると、落差に感じるものはあるな」
「……あ。グリム童話ですね」
「有名どころだとその辺だ。……俺の知り合いのイギリス人は、「カチカチ山」が怖いっつってな。あれが
童話だってのがありえねえんだってさ」
「へー、カチカチ山……なんで?」
「……なんで、って。なんでってのが解んねえけど。あれって比較的、日本の童話だとグロい方じゃない
のか」
「へ? そう?」
「ミハル姉さん、カチカチ山ってどんな話か知ってる?」
「お爺さんがお婆さんを狸に殺されて……で、優しいウサギが協力してくれて、タヌキをドロ船で沈めてめ
でたしめでたし」
「お婆さんがどうなったかは?」
「え? 殺されたんでしょ?」
「婆汁って言われててね」
「汁?」
「だから、タヌキがお婆さんを鍋に入れたんだよ。皮を剥いで、お婆さんに化けて、解体した死体を鍋に入
れてお爺さんに食べさせたんだ。タヌキはウサギにズタボロにされるのは、まあ、姉さんの知ってる通り。
痛めつけられた後、話によっては殺されずに改心するってパターンもある……ああ、その顔は知らなかっ
たって表情だな」
「……いや、なんていうか、ごめん。アタシ、それ好きくないわ。太宰さん、全部読んでなかったけど……
ううむ。いや、ていうか、人肉食系はそれだけで異端じゃないかなー、みたいな。「人肉」と「カンヅメ」みた
いに単語並んでるだけでもワリとアレですよ」
「むしろその並べ方の方がアレだと思うんだけどね、私は……ちなみに、日本の昔話には”うりこ姫”が似
たパターンで存在してるね」
「あー、そっちは知ってる。っていうか、そうか……言われてみれば、なるほど。元の童話知ってるだけに、
落差ってのは大きいっスね……」
「俺より世代前の人達は、”かごめかごめ”が普通に歌として隆盛してたらしいからな。これも落差モノと
してはアリだろ」
「つまり、なんですか? 怪談と御伽噺も近い場所にあるっつーことで?」
「いや、近くはねえ……筈だけど。微妙だな。寓話が使う教訓は、どうしてもネガティヴな側面持ってるか
ら、それが怪談じみてくることはあるけど、怪談そのものじゃないからな。……あ? 怪談って、そういや
なんだろうな。茶袋とかか?」
「ああ、いいね茶袋」
「チャブクロ?」
 

275 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/08/20(月) 22:13:42

「山道を歩いてると、頭上から袋が垂れてるんだよ」
「それだけ?」
「それだけ」
「……怪談?」
「開けると陰の気に当てられて長生きできない、とは言うね。”陰の気”がなにかは解説されないし、別に大
陸系の思想がモチーフな訳じゃない」
「それって……怖い、っスか?」
「不気味だろう? なんの意味もなく頭上から垂れてるんだ。なんとも思わない人には妖怪でも怪異でもな
んでもないだろうけど。イタズラにしか思えないかもしれない――だからそういう人達の前に実在したなら、
きっとそれは怪談ではなく冗談と映るだろうね」
「あ、あー……さっきのあれ? ケ……ケセランパサラン?」
「そんなところだね。……そんなところだな……うん、茶袋はいいな。いいかもしれない」
「……フィー姉、どんな話がいいの? よくわかんないんだけど」
「それが曖昧でね。流布される怪談の体系はこれでなかなか多岐に渡るんだ。現代における怪談……とな
ると、茶袋は伝承と民話とが合体した形式のケースとして適当だなと思ってさ。あまり遡ると、民話や伝承
に行き着いてしまうからね」
「民話とか伝承で、ついでに怪談ってスキル持ちなのもあるんじゃないの? 怪談はもっと観念的な、大き
なフレームみたいの」
「それは怪談かな」
「え? 違うの?」
「……要するにそれだろ、お前の悩んでんのって」
「ま、そういうことだよ。ははは、流石は兄さん。解ってるね」
「似てるからな。兄妹だぜ。……近代の怪談っつーことか、そうなると……オーケイ、それじゃ境界条件を設
定しようぜ」
「条件すら怪しいのが難点でね。近世文化成立期の、せめて後だろうな。体系化がゼロでは、今の怪談は
成立しなかったと仮定しよう」
「んじゃあ……儒学なんかの影響があったかどうかだな。となると、けど……あの時期は大陸の影響があっ
たんじゃないか。不語怪力乱神、ってさ」
「うーん、その”怪”は今の”怪しさ"とは別なんだよ、兄さん。案外、メアリ姉さんが詳しいと思うけどさ」
「……っつーと、定義付加の概念をひっくるめてたのか?」
「それに近い、と思います。論語でしたら、”論語集註”に「怪異、勇力、悖亂之事非理之正、固聖人所不語、
鬼神造化之迹、雖非不正、然非窮理之至、有未易明者、故亦不輕以語人也」の定義でしょうね。”常”に対
置する観念として扱われてます」
「……いや、わかんねーっす普通に。っつかスラスラとアジア言語口に出すイギリス人ってどうなんすか姉
さん……兄貴が言ったのは聞いたことあるけど、メア姉のはもうサッパリですよ。怪異で鬼神が、どうとかっ
て……ええと、なに」
「そうね……今回の”期間限定納涼スレッド”の閉鎖期限があと数時間だから端折るけれど……」
「そんな理由で!?」
「時間は有限よ、ミハル。そして、クライアントは絶対なの。でも、どう説明しようかしら……かいつまんで話す
と、造化之迹、この場合、造化は自然のことと思っていいわ」
「……怪異は?」
「聖人は理を語って怪異を語らず、よ。解っていないことを語ることはできない、そういうことね。可視的な自然
現象でも、当時にしてみればそれは鬼神の行いなの」
「……それ、今じゃ通じねーじゃねっすか」
「ううん。朱子は、その中でも不正な道理から生まれた鬼神を”怪異”と捉えていたの。それこそ、幽霊や悪魔
と言った物事ね。それは語れることじゃないでしょう?」
「まあ、そーっすけど……」
「そうね、朱子学では万物が気から成り立っているって説明するんだけど……」
「気って、あのキ? ドラゴンボールの」
「……そうなんですか、兄さん?」
「まあ、近ぇような……いや、近いか……? あー、そうか。儒学って万物創生が気とかいうアレなのな……ま
あ、大陸ではありがちな考え方だよ。人間も怪異も万物自然も、なにもかもを一手を引き受けて”気にて生ず
る”ってやつだな。この考え方は一概にサイエンティスト全体が否定できなくてな。こいつに基いた思想でそれ
なりに万能な術を使える奴が俺の知り合いにも、」
「術?」
「って?」
「……じゃなくて、なくて……ええと、な、なあ、フィー? つまりあれだよな、この思想はあらゆる物事を一つ
に収束させる視線その物ってことだよな」
「そうなるね。そして兄さんは迂闊にも程があるね。……簡単に言えば、朱子の言う「怪異」は怪しいこと、正
に今で言う「怪しきこと」なんだよ」
「……ん? んん? んじゃ、儒学で怪異は存在しないってことじゃん?」
「いや、羅山がいたからな。俺も掻い摘むけど、状況次第じゃ語るもやむなし、ってスタンスだったんだよ。羅
山は転じて、怪異の支配は神仏の力より自己の収斂によってあるべきだって説いてるからな」
「こ、根性論っスね……っつか、んじゃアレじゃないですか? どんな怪談も結局は「やっぱり人の心次第」な
んて素朴なとこに落ち着くんじゃ……ツチノコとか、あんなもんヘビの見間違いでしょ?」
「あれはまあ、鎚、の子、って流れもあるんだけど……まあ、否定しきれないね。話すと長くなるし」
「……んー、んん。オーケーオーケー。そんじゃ、その怪談とやら! アタシもいっちょ書いてみようじゃないっ
すか。身内の例でどうです? 一つ?」
 

276 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/08/20(月) 22:26:40

 昔、自然といういきものがいたそうだ。
 記録は正しいのかどうか、疑わしい。
 だけどそれは、どんな真実よりも美しいはずだと思った。

 なにかを食むという行為は、理由もなく忌まわしいものを感じさせる。それは単に、私が生まれ付き抱いている
些細な疑問と関係あるというだけなのかもしれない。
 院から戻る途中で出会ったセイムは、市場に寄って行こうと言った。なんでも、感情強制がAプラス以上に達
していない人間は立ち入ることのできない公開市場への抜け道(ID)を手に入れたというのだ。それほど興味のなかっ
た私は、彼女の熱心な誘いを苦笑ながらに受けて、迎えに来た執事達には適当な言い訳をして、王立区を抜け
出すことにした。

「……と言う訳で、地球で言えば十八世紀頃に作られた特注品らしいんです」

 普段は物事に熱を入れることのない彼女が私を外に連れ出したのも驚きなら、彼女が私にプレゼントをくれた
のも驚きだった。先代文化の、更にその懐古趣味であるらしい小さなペンダントの中には、ミリ単位で描かれた
細密画が嵌め込まれている。どう言葉を返すべきか迷っていると、彼女は、「持っていてくださいね」とだけ言っ
てずんずんと先に行ってしまった。
 双子のようだと言われて育ってきた私にとって、彼女の快活さは羨ましい。

「お嬢様は、人工物に罪を感じることはありますか?」
 その言葉はわからない。私は首を振る。「人工物とは、どのような?」
「なにもかも、でしょうか。教会の十字架も、合成血液の認識タグも、先ほどのミニアチュールも」
「ミニアチュールは素敵でした。大切にします」

 ありがとうございます、とだけ言って、彼女は笑みで会話を収めた。十年前までは近所の男の子と取っ組み合
いの喧嘩をして、泥だらけになりながら笑っていた彼女の面影は、今では、その笑顔だけだ。笑顔と言われれば、
彼女と、その概念だけを思い浮かべる。
 けれど成長と一緒に、彼女は妹のように私を扱っていた頃のなにかを失ってしまった。変化という概念を嫌うこ
の世界で、なぜそんな変化が許されるのか、私には不思議だった。
 市場の雑多さは、王立区の閑静をそのまま引っくり返したような混雑になって溢れている。γタグ市民の殆どが
集中する区画だけにその人口は桁違いで、目を離せばセイムの姿はすぐに雑踏の要素と区別がつかなくなって
しまう。「こっちです」と度々声を掛けてくれる彼女に手を引かれながら、市場に辿り着けたのは三十分後だった。
 感情の統制。
 それが難しい話でない、と旧地球の人間は気付かなかったそうだ。自然であること――統一されないこと、制御
されないことを否定しながらも否定しきれず、結果的に自然といういきものは滅んでしまった。それは技術発展と
人種文化の混合率が悲劇的な状態だったからで、当然の成り行きだったのは間違いない。今度は間違えないよ
うにと作られた今という時は、完全な人種、身分の文化と、その生産システムを流通させることで穴を作ることが
ない。自分の分業をこなせば、適量の快楽物質で脳髄を潤すことができる。生命の終焉には、かつて伴っていた
という痛み(忌まわしいものとしてそれは記録され続けている)など感じる必要がない。エントロピーで破綻した世
界は、エントロピーへと寄り添うことで恒久の安定を望んだ。
 旧世紀的な”汚れ”の概念が蔓延った堂内は、異質だ。あるいは、調理される前の肉というものは総じてこういっ
たものなのかもしれない。中心から二分割されて左右に割られた肉塊には、ψタグが無造作に打ち込まれている
――培養レベルで雑菌を排除された調理要素というのは、突き詰めればこういうものなのかもしれない。
 そして、確かに。
「……ごめんなさい、気分が」
 ここにα区民のような脆い人間が安易に立ち入るのは、感情的にも(その「感情」という物質の脆さを実感する為
にでも)危険なことで、病弱な私はなおのこと、ここの強い空気に当てられてしまうのかもしれない。
「こちらこそ無理をさせてしまって申し訳ありません。ただ、今日だけはと思ったのです。……今日だけは」
 訝しく思ったわけではない。ただ、彼女の表情が普段と違って、それが辛くて(辛い、とは恐らくこういう感情だか
らだ。疑問と不快のプラスでは、断じてない)
 私は彼女に聞き返す。どうしてですか、だとか、そんな幼稚な応対だった。
「いえ。ただ、貴女は私が守ります。絶対に」
 その言葉は、やはりわからない。ただ、嬉しかったのだと思う。
 セイムに気遣われながら寮に帰り着いてすぐ、私はベッドの白さだけを頼りに寝台へと沈んでしまった。
 疲れは眠れば取れるだろうか。心からは取れないかもしれない。薬箱から”silence”とエングレーヴされたアンプ
ルを首元に当てて、スイッチを押した。市場とは地続きの街、その先にあるこのベッド。アンプルの抑制剤は脳髄(ぶっしつ)
に過剰分泌された諸要素を統括する。今日も安心して眠れる。わからないまま、涙が零れた。

 起きたのは眠りに落ちた二週間後で、私の身体は以前のものとは違っていた。ただし、少しだけ。手術によって
取り替えられた心臓は当然のように規則正しく脈打って、それは生命の神秘と言うよりも私の身体が徹底的に物
質的だった証左で、私は見舞いに訪れていた父に少しだけ話を聞いた。
 ……セイムは、私を言葉通りに守っていた。Χ市民として扱われるクローンは、α市民とほぼ同等の人的権利
を有するのと同時に、自分の素体となったα市民及びその親権者からの臓器提供要請を拒否できない。
 彼女の身体は私の身体だ。
 なら、どう思うだろうか? 父にとって私と彼女の違いはタグに打たれたデータの順列違いの数ビットだけで、そ
れは微笑ましくなるくらいの奇妙な差異だ。私と暮らした時間で言えばセイムの十分の一にも満たない父は、私
を気遣いながら病室を退出しようとする。呼び止めた私の言葉は拍子抜け。そこに置いてある紙の束はなんです
か――そんなことを聞きたかったのだろうか? 制御されない言葉は空しい。父は、セイムが作った物だ、とぶっ
きらぼうに告げた。旧地球の日本が風習にしていた千羽鶴というもので、長寿の象徴である鶴を紙で折ることで
病人の回復を願うらしい。物質を重ねることで祈願を重ねる、過去の人間が作り出した文化(かんじょう)だ。

 だからこれは、私には滑稽なほど似合っている。
 心臓を摘出される寸前まで私に鶴を折り続けた彼女という物質を食んで、私はここで鶴を眺めている。
 退室する父の背中を見送って、枕元の私物入れを探る。
 旧地球のミニアチュール。精密な、彼女の残した物質。
 父が置いていった調整用の鎮静剤(アンプル)を握り締めた、私という儚い現象。
 その単純さに安心して、涙が零れた。

 きっと今日も、安心して眠れるのだろう。
 

277 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/08/23(木) 22:10:10

「――ティル・オイレンシュピーゲル(いたずらもの)は聖者を刺すか」
「なんスか唐突に」
「苦難を切り開く聖剣を持たず、栄光と破滅をもたらす魔弾を持たず、勇者のような家臣を持たず、神が遣わす奇跡を
必要としないまま勝利する。ティル・オイレンシュピーゲルは聖人ではなく悪魔なのか」
「人間っしょ。怪談じゃないし、笑い話の類だし」
「根幹は同じだよ。抵抗の可能性を記した伝説やら民話に対比するように、オイレンシュピーゲルは学者を殺すんだ」
「殺してないじゃん……ってか、なんなんスか急に」
「笑い話と伝説と民話は極めて近い場所にある。どこがどう近いのか」
「……舞台が日本じゃないとか?」
「面白くねえよそれ」
「話の構造が単純。って言うか、寓話的」
「ミハル、聞いて不安を掻き立てられる童話ってなんだか解るか?」
「グリムとか? アタシ的にはアリスもですが」
「ヘンゼルとグレーテルもそうだろうな。じゃあ、なんでそうなると思う?」
「足が付いてない舞台と……人食いが出てくること。かな、アタシは」
「コレクティベス・ウンベブステス、かな」
「はい?」
「アルヒエテユープス――アーキタイプ、でもいいかもしれないな。普遍的無意識とか元型とか、その類のタームだよ」
「……そっちのが解りやすいっス。ゲームとか漫画でよく出てくるし。ユングさんのあれっしょ? 全ての人の無意識が
繋がっているとか」
「繋がっているというより、構造的にそう説明できる、かな。彼の弟子であるマリー・ルイーゼは、それについて昔話を使
って説明している。昔話というものは普遍的無意識の課程を完結に表現したものだ、とね。だから、人間はその話を聞
かされることで喜怒哀楽を用意に揺さぶられる。"不安"という複雑な構成すらもだ」
「……それって、合ってんすか?」
「一理ある、とも言えるかな。人間が語り継いできた物語が、これだけ流布しているのが証明だ。全てを説明できるとは
到底言えないけど。……でも、寓話と言うのは社会風刺の意味からも非常に効果的だったからね。親殺し、子殺し、王
権剥奪、因果応報、およそ昔話には制度の全てが語り尽くされている」
 

278 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/08/23(木) 22:19:31

「ふむ。なるほどです。要するに、人間には予めそれを受けて反応してしまう構造が内包されている、と
説明するわけですね。うん、ていうか、ていうかですね」
「うん、なにかな」
「……ってーかなんですか、ほんと急に。怪談の続きっスか?」
「どうもスレッドの期限が延びていたようでね。なら、もう少し続けて終わらせようじゃないか、というのが
今回の趣旨なんだけど。さて、どうかな?」
「どうって……色々端折った上にグダグダで一度終わってるじゃん。ていうかさ」
「うん」
「どこまで話したっけ?」
「ふむ……了解した。少々強引だけど、まとめながら続けよう」
「続けるんだ……」
 

279 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/08/23(木) 23:14:14
 
「時間制限がないのと同じだしね。レキお姉さんに一言貰ってここで止める理由はない」
「そりゃまあ、そーですけど。……んで、なんでしたっけ。グリム童話? ってか西洋寓話?」
「グリムの寓話的構造についてダラダラと語るのは止めよう。これは周知のことだろうし……けれど、
西洋の寓話と日本特有の昔話――ひいては怪談に共通点が絶無ではないとするなら、それは話の
構造そのものだと思わないかな」
「……。……神話のパターン類似性とか?」
「それは、どちらかと言えばコミュニティ系の繋がりに関わるからね。ロシアの研究者は、これを話の
タイプという観点から分類した。”竜退治”があらゆる伝説の原型であると捉えられることがあるのは、
ここに一つの要因がある。原因と結果の繰り返し――それぞれに結び付けられる因果律だね」
「……単純ってこと?」
「単純じゃない昔話を知ってるかい?」
「そりゃまあ、知らないですけど……」
「装飾を省いた物語は、それだけ完結に”伝えるべきこと”だけを抽出するからね。口伝で伝えられる
容量はそうして確保される。グリムもそうだよ。兄弟は――特に兄は、グリム童話を”子供への童話”
として語ろうとはしなかった。寓話であるというよりも、さながら教訓であるようにね。第一、グリム童話
自体が年を経て改定されていったくらいだからね。たとえば、よく舞台にされる”森”は”暗い森"と描写
を詳細にされて、童話としての体裁は保ったままに”物語”に近付いている。……単純にロマン派の影
響を受けただけだ、と言ってしまえば簡単だけど、これがグリムを寓話でも童話でもあるという特異点
に押し上げているとも言えるかな」
「じゃ、オイレンシュピーゲルはどうなんスか? あれってそういうのじゃないでしょ」
「民衆の寓話だよ。兄さんが対置構造だと言ったのは、だからだよ。付け加えるなら、オイレンシュピ
ーゲルは都市の物語なんだ。片田舎で語られたものじゃない」
「都市の民衆が求めるのは、不思議より笑いだ、って、そういうこと?」
「そう言ってもいい。それが全てではないけど、人々の意思を反映しているのは確かだ」
「ふむ……ま、納得です」
 

280 名前:ミハル:2007/09/08(土) 01:05:37

 途中でぶった切っちゃってますけど、上のレス終わってません。すいません。
 中途半端な時間で初めて勢いで中断しちゃったせいで、結論出す前に……あーあーあー。

 ……とにかくはい、中断中断! そしてまた再開!
 都合、ついたら。うん、ボチボチに行きます。
 ダメダメじゃねっスか、もう……。

 最近のこと。
・神
 荒木先生がセルの表紙! っぎゃーっ! ヤバすぎる! ていうか媒体が!
・本
 覗かせて頂いてるスレの話題。ジャック・ヨーヴィル再発は嬉しいです。ドラッケン以外もですか、って。
今ならニューマン名義で上等だと思うんですが、版権でなきゃ本人の意向ですかね。
 ていうかワーコン行き損ねた! あああ! サイン! 文庫持ってってサインして貰いたかったのに!
・音
 アーエネが初回のみDVD。……まあ、どっちみち買うんで背中押しで。MUNICIPAL WASTEは日本盤
としては初で発売になんのかな。ハードコアにはありえないモッシャーが暴れまくるライブまんまな、現
代版「スラッシュ」ですね。リヴァイバル、最近流行ってます。手数が一回り多いドラムアプローチは、デ
イヴ(ex-Discordance Axis)が担当してます。「巧いスラッシュ」ってなんだよって感じですが、当時のを
聴くと「ヘタでナンボ、勢いと軽さで突っ走れ」だったんだから、これは現代的なアプローチかな。……あ、
最近、D.R.I.のオリジナルマスターがCDで再発してるんで、興味ある人は聴いてみてもいいかもです。
初期ハードコアの「軽い、早い、下手」が結実した名盤です。あとはSUNN O)))のラインナップ二弾が来
月。あとはガチUSブラックのXASTHURがデイメアから……、って、凄。BURZUM系音質劣悪ブラックで
す。好きな人はどうぞ。最近のマイブームはNEVERMORE。MORE! 改めて思いますが、この連中、
ハンパではありませぬ。
 

281 名前:ミハル:2007/09/08(土) 01:28:10

 この場合の「スラッシュ」は「スラッシュ・メタル」ではありません。が、D.R.I.はメタルとクロスする
”スラッシュ”としての先駆けなんで、あえて「下手なスラッシュ」にしました。紛らわしくてスイマセ
ンです。

 あーとーは、PARAMOREの2ndが今月日本盤発売してます。ヴォーカルはアタシとマジ歳近い
お姉さま。……アレっすかぁ〜「アヴリルたん」ならぬ「ヘンリーたん」っつー認識なんスかぁ〜?
……けど、前作に比べると確実にスケールアップした構成もヴォーカルの存在感もアリアリなん
で、エモ、パンク、メロコアファンには真っ向勝負でいけますぜ、これ。アヴリル姉さんの新作は
前作が「特定ブランド着てる特定地域の子」対象じみた作品(偏見ありまくり)だったのが、なにが
あったのかビッチ発言全開でクリーンver規制掛かるほどだったんで、これはこれでアリだと思っ
たんですけど。結婚してそれって最高っスよ姉様!

・MINUS THE BEAR / PLANET OF ICE
・HAWKWIND / SPACE RITUAL(コレクターズ)

 は、最近の中でも「きたぁーっ!」な作品でした。
 あとはDOORSの最新マスターも。
 

282 名前:名無し客:2007/09/08(土) 17:51:21
ttp://www.kwai.org/modules/news/article.php?storyid=35
てっ、てぇえへんだ、てぇえへんだ親分!
いつのまにやら「魍魎の匣」が漫画化だそうですぜ!

個人的には水木御大の「鬼太郎対悪魔くん」により心を鷲掴みにされましたが。

283 名前:ミハル:2007/09/08(土) 18:45:46

 ぎゃーっ! マジっすかこれ!
 一瞬、「ハコ、映画化!」と勘違いして色々な視界が真っ暗になりかけたけど、漫画!
 ヤバ、ちょ、やばッ! え、これウソ、中禅寺さん!?
 この顔で「不思議なことなど――」とか「貴方が――蜘蛛だったのですね」とか言っちゃう!?
 ていうか関口さんどこ!

 あ……や、失敬失敬。

 そんなあれこれ置いといて。
 んー、コミックコラボでまさかこれが見られるとは、っつー感じですね。ここんとこ怪追ってなかった
アタシとしては、かなり痛恨でありますよ。鬼太郎対悪魔君はこれ、前に名前聞いたヤツっスね。再
掲されるとはちぃ、っと驚きです。こんな形で見れるとは思ってなかったんで、こりゃ即効注文プラス
次巻予約ですよ。

 けど、再現度によってはエラいことになるなぁ……。
 どうせだから姑獲鳥からやってほしいのに。
 

284 名前:名無し客:2007/09/08(土) 18:59:44
なんていうか、俺の脳内中禅寺のまんまじゃないか!
っていっても、ファンコミュニティのあいだでかなりゼンジーの外見は
固定化されてるみたいだけども。

榎木津は逆に個々人の想像がバラバラだ。
ちなみにミハルたんの脳内エノさんはどんな感じですか。

285 名前:ミハル:2007/09/08(土) 20:19:55

 アタシの中禅寺さん像もそんなんかなぁ……あ、いや、別にヘンな意味でなくて――、
 ――ヘンってなんスか!?
 ていうか……調子コイてイラストとかネットで漁るんじゃなかったですよ。

 アタシ的エノさんっスか?
 んー。……あんまり「長身痩躯の美形」とかはイメージ合わないんスよねぇ。
 エキゾチックな長身美形東洋人は御手洗さん一択(ガチ)ですし。
 平井賢をもうちょい女性的にしたような感じ、かなあ……オダジョーではシブさが足りぬ。
 っつか。っつーか、むしろ問題は木場さんですよ。
 次の映画化ッ! 配役(キャスト)を変えたいんですが構いませんねッ!
 

286 名前:ミハル:2007/09/08(土) 20:42:04

 ん? けど、エノさんに「シブ味」が必要って考えてるアタシみたいの少数派?
 ……個人的に三人、まず程よい老成が培ったシブさあって然り、だと思ってるんですけど。
 ああそりゃ関口さんは全部通してヒロインみたいだけどさ。でもあの人もシブいんですよ。



 「脳内メーカー」ってこれ(話題おっそいなぁ)、最近知ったんですが、CANの2nd?
 なんて。
 ……もう色々と(ひっくるめて)出尽くしてそうなネタですいません。

ttp://usokomaker.com/?a=Maker&oo=%A5%C0%A5%E2%CE%EB%CC%DA

 で、思わずやっちゃいました。……あー、ワリと当たって……る、の?
 うん。リアルなヒッピー精神が理解できないアタシには判断付きませんな。
 

287 名前:ミハル:2007/09/09(日) 01:16:58

 だーっ、時間取れない……。

 この間の雑談とかしっかり起きてられれば、もうちょいマシに活動できたのになあ、なんて後悔
してます今頃。
 ……っても、明確な流れは用意してなかったんで、続けなくて正解だったのかな。

 でも……でもですよ。
 海といえば山。避暑地と僻地といえば陸の孤島――といえばこれは!

「死んで――いたのか」「だ、だが――なぜ豆腐なのだ」「豆腐の――中で」「盥の中に、大きな、
きょ、巨大な、豆腐が――あ、あれは」「し、しかし――これは。これでは」

 ――嗚呼、これは。
 どう見ても、これは――。
 誰ともなく膝を落とし、罅割れるような声で、誰かが言った。
 集まった皆の言葉を総じて。
 ――死んでいる。
 と。
 私は――。
 まるで、渇いた骨のようだ、と思った。
 散乱する白い破片。
 地獄の底に設えられたような巨大な金盥。
 その――中に。
 巨大な豆腐が。
 崩れた豆腐の中に――人が。



「ロビーに残された巨大なタライ、そして散乱した大量のにがり……。――この状況が指し示す
帰結は一つだけ。そう、あの状況で彼を殺せたのは、一人しかいない――謎は全て解けた!」

 次々と人が消える海岸。奇怪な形で発見された(豆腐好きな)テキ屋の死体。
 町を駆り立てる伝説の豆腐とタライ――。
 全ては、百年前の伝説がカギを握っていた!


 ……とかやりたかったなあ。
 みたいな。
 ただし超一部人間限定。
 

288 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2007/09/09(日) 01:34:27

……ふむ。
なるほどなるほど。
これはつまり、アレか。
遠回しに喧嘩を売っていると――そう判断していいんだな?

【と、超一部人間が言った】

289 名前:ミハル:2007/09/09(日) 01:39:51

 豆腐 が あらわれた!

 どうする?

 コマンド

 話す
 →メタル
 デスメタル

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 豆ふ……本人いたぁーッ!


 いや……いやいやいや!
 売ってないですよケンカはッ!
 友好的ですよリスペクトですよオマージュですよ。カペっちとか銘……名探偵役で登場
しちゃいますよきっと。

「――豆腐には刻みネギです、レイオット」

 とか!



 ……あれ?
 うん。
 えっと、とりあえず、書く時に竹本先生イメージしてたのはマジです。
 ぜんぜん……言い訳にはなってない、かな?
 か、かな?
 

290 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2007/09/09(日) 01:50:20

いや、これっぽっちもフォローになってない上にさらに意味が分からん。
ていうかさり気なく人の事を豆腐呼ばわりしてなかったか、今!?

正直な話、どこに顔を出しても豆腐、豆腐、豆腐でいい加減ノイローゼとやらになりかねんぞ、本気で。

「どちらかというと、薄削りの鰹節に生姜のほうが」

……カペルテータ君? 反応すべきは、多分そこじゃないと思うんだが。

いやまあ。
思わず乗り込んできてしまったが、何が言いたいかというとだ、

『――豆腐は関係ないだろう豆腐はっ!』

と、そーゆう訳だ。うん。

291 名前:ミハル:2007/09/09(日) 02:03:58

 まぁまぁまぁまぁ。
 それはそんだけ『キャラが立ってる』っつぅことじゃねぇーっスか。
 ミスちーさんと言えば焼き鳥、レイの旦那と言えば屋台でタライで豆腐!
 お。属性がなんと三つも!
 うっすいキャラなのがキャラ特性になりそうなアタシよかよっぽどマジで素敵ですよ。

 ああうん多分。
 無論のことマネはしたくありませんが!



 ……あーまあ、けど、雑談はキチンと落としてみたいなあ、なんて思ったりしますけどね。
 『闘争祭り』ならぬ、『雑談祭り』っつぅ〜カンジっスかぁ〜?
 二日の日程を費やして遂には終へと至る長時間雑談!
 海と陸に語られる『異邦人』の伝説!
 錯綜する思惑!
 村で起こった事件の真相とは!
 豆腐は本当に関係あるのか!

 みたいに。
 ……あれ?
 でもこれって雑談かな……。
 

292 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2007/09/09(日) 02:11:55
>無論のことマネはしたくありませんが!

――前言の全てを撤回する発言どうもありがとう。

まぁ、そうだよな。君らとまともな会話が出来ると期待した俺が間違っていた。
なんたって、”アレ”の身内な訳だし。

>ざつだんまつり
……えーと、その。
正気で? もとい、本気で?
いや、やるってんなら俺は別に止めないけどさ――
雑談っつーからには自分以外の他の誰かが要るんだぞ? そこんとこ分かってるよな?

>でもこれって雑談かな……。
とりあえず、疑問が生まれているその時点で答えは割と出ている気がすると、俺は思うんだが。


293 名前:ミハル:2007/09/09(日) 02:21:04

 スゴいさり気に兄貴バッシングされた!
 ていうか「ら」とか複数形にされてる!


 ざーつーだーんーはー、雑談は……まあ、アレですよ。
 ぶっちゃけまあ無謀ですけどね。っつか、「雑」じゃないなあ、とか言いつつ思いましたけどね!
 けど『祭り』みたいなもんの主体になったことはないんで、なんとも言えないかな。
 そもそも、祭りみたいな形式だと『どう収めるか』を想定して動かなきゃなんならないだろうから
これまた無謀ですし。
 

294 名前:ミハル:2007/09/09(日) 02:26:56

 まあ、けど、そうですね。
 いっそ、専用スレ立ててやってみて……って、これじゃ単なるコンセプトスレッドってヤツになっちゃうか。

 ……んー。でも一段落したら、フィーちゃん辺りとマジで考えてみようかな。
 「大まかな流れ」とかだけ設定して祭りっぽく……あー、あれかな。この間の神社祭りの縮小版。
 あんなの。

 題して!

『木綿豆腐で多次元は滅びるか』

 で。
 タイトルは半分くらいウソだとしても、うん、やってみたいです。
 

295 名前:ミハル:2007/09/09(日) 02:27:43

 参加人数はそうですね。最悪、一人じゃなきゃできるんじゃないかな、みたいな。
 ええとほら。
 どうぞ宜しくっス。
 

296 名前:ミハル:2007/09/09(日) 02:32:19

 ……っても、レスも色々と片付けなきゃなんないなぁ。

 ま、色々とマイペースにやってきますです。
 とりあえず……『音スレの完結』もやらないとっスよ……。

 あ。
 むしろ、『一刻館住人が選ぶ名盤100』みたいのも面白そうです。
 相談スレに提出してみて……無理かなあ。
 『名曲100』でもよさげですけど、色々なジャンルから集まったら面白そう。
 

297 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2007/09/09(日) 02:32:46

――いや。
この期に及んで木綿豆腐とか口にしちゃいながら、なんかすばらしく愉快な事を言ってませんか君は。
まあ、やるんだったら誰も止めないだろうし、待ってりゃそのうち誰か来るだろ。

来なかったら寂しく畳めばいいわけで。

……いや、だから。
ヨロシクとか言われても。



まあ、そのときの状況にもよるが。
気が向いたら、な。

……てか、あんまり他人ん家でごちゃごちゃいうのもアレなんで。
そろそろ帰りますよっと……じゃあな。

298 名前:ミハル:2007/09/09(日) 02:38:15

 やる前から寂しいとか結論出されてる!?

 ……ま、あ、そん時はお願いします。このスレともう一個の使い潰すか専用スレ立てるかくらい
の覚悟で殲滅戦仕掛けるようにやりますんで。
 そりゃもう、顛末がどうなろうと知ったこっちゃないってくらいに。



 あーここ、滅多に動かないスレですし。ごちゃごちゃだろうがなんだろうが別にオッケーっスよ。

 ……うぃっす。
 まあ、それではよい豆腐(ライフ)を!
 

299 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/09/11(火) 12:37:19
……そうか、また映画化なのか(何


あ、名盤百選とかやるなら乗るわよ?
けっこう貴女のレビューを参考にして買ってるしね。

300 名前:ミハル:2007/09/11(火) 15:51:39

 映画化は結構です……ていうか本気でカンベンして……。
 アタシの中禅寺さんは――つか関口さんはッ!



>>CD

 ……え。
 アタシの意見スか。まじで。……ていうかネタでなくて。

(思い返す)

(ダメだ……『メジャーフィールドで流通してそうな音楽を紹介した憶え』がない……ッ!)

 ……色々光栄なんですが、かなりどマイナーな嗜好の人間なんで、おねーさんのCDラックがマズい
ことにならないように祈ってます。あ……もしかしてハナから『こっち側』の人間すか!


 あ、でも乗ってくれるヒトがいるなら本気で考えようかな? この間もロシアの人が賛同してくれてたし。
 自分で能動的にスレッド立てたりすることがないんで、カンとか掴めないんですよね。なにより、ヒトが
集まんなきゃハナシになんないわけでして。仮に1000まで行かなくても、ここはスレッドストップ掛けて
貰えますし、100枚出た時点で終了! とか。
 ガッコや近所のCD屋でフリペにこういうのやることはあるんですけど、ジャンルが限られてますしね。
 なんで、こう、ジャンルごっちゃにして「この一枚!」みたいなのをやれればなあ、と。
 

301 名前:ミハル:2007/09/11(火) 22:09:19

 自分追い詰め用の宣言ネタ。

・音楽名盤(名曲)100選 (予定:月末までに建ててみる)
 曲単位も惜しいところ。ビートルズとかストーンズとか中島みゆきとか北島三郎とか安全地帯とか並ん
でる羅列に、歪みまくった平行世界と折衝したが如く”AT THE GATES”とか普通に入れてみたい捻くれ
た願望がものっそい……いやいやいや違います違います。だってハブられる作品のがクールじゃないっ
スか! ストゥージズがきてサバスがきてエアロがきてヴァンヘイレン入って、メイデンデフレパDIO(様
ではない)ときてアンスラニルヴァーナナパデパンテラ……ときたところで横っ面殴り付けるネヴァモア!
とまあ、普通にランクインからスッ飛ばされそうなのが入ってるとオモしろいなあと。
 ジャズからクラシックからフォークからブルースからポップスから民謡から伝統音楽から、ロック外の
音楽が集まると楽しげです。

豆腐小僧の皿暗渠の水蛟(仮題) (予定:今月末……来月くらい)
 とりあえず参加者一名、豆腐の旦那(巻き込み)。……っても、来月まで動けなさそうなんですけども。
マジに考えてたのか! って言われそうですが、まだ考えてません。けど考えます。やってみたいです、
長時間雑談。雑談……雑談? ていうか雑談で祭り? 無難にガチの対面雑談のがいいのかも。少し
想定してみましたが、休日二日で終わらせるか相談スレッド使って一週間くらいで終わらすか(それ以
上長引くと多分気力持たない)で試してみたいっす。

 ……あ。マジなハナシ、旦那って半分本気ですぞ。←最悪だ。
 

302 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2007/09/12(水) 01:45:05

 ↑
 最悪だ。


 ……いや、自分で言ってりゃ世話無いが。
 ていうか一週間ぐらい掛けて終わらすのは雑談って言うのか?

 ――言うんですか、そうですか。
 まぁ主催者がそうだって言うんなら別にとやかくは言わないけどな。
 しかし、巻き込みって、一体なにがやりたいんだ。言っておくが俺はいい加減、テキ屋とかは
卒業したのでそっちのほうのオシゴトなら他を当たってもらいたいんだが。

 ああいや、とにかく、だ。
 一体何をやるのかは知らんが――やるにしてもいつ、何処で、誰と……は別にいらんかも
しれんが、最低限決まり事ぐらいははっきりして於いてもらわんと。

 まぁ、何も知らないあたり、まさに「巻き込まれ」た、という感じがしないでもないんだが。



 ……え、というか。
 ほんとに出るの、俺?

303 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/09/12(水) 05:59:04
>>300-301
 ああ、私もそんなイメージで考えてたところ。
 ジャンル問わず、これだってのを一つ選んで、っての。
 もちろん、そいつについて好きなだけ語る。
 一曲一曲について解説加えてもいいし、バンドそのものについて語るのもよし。
 何も言わずにただ聞け、ってのもアリかな。


 え、CD?
 ……サーペント、ディヴァインファイア、ドリーム・イーヴル。
 後はラプソのアルバム全部と夢劇場、それと陰陽座がいくつか。
 他は……ドラフォも全部あるわね。
 紹介されてないところだとエクリブリウムとテュリサスくらいかしら。

 あれ、結構偏ってるか……?
 いやでも姫神とか全部揃ってるし、東方系のアレンジもあるし、大丈夫でしょ。

 たぶん。

304 名前:名無し客:2007/09/12(水) 21:50:02
むう…、ここ暫く遠くに逝っていたので豆腐が何のネタなのかすら分からない――――orz

でも、ここ読んだだけで、このメンバーだけでも見てみたいw

>東方系アレンジ
U.N.オーエンの-『SweetsTime』と『紅魔狂死曲』はガチ。

何か他にお勧めがあれば教えて欲しいところw

305 名前:名無し客:2007/09/12(水) 22:25:21
>>304
http://charaneta.sakura.ne.jp/ikkoku/kako/112/1126193984.html

何も言わずにこれを見る。

レイオットを追いかける。

>>511に辿り着く。


君は苦汁の涙を見る。

306 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/09/12(水) 22:32:59
>>304
 ……うにゃ? 他のおすすめ?
 どうしよ、ここで話していいのかしら。

 そーだね、ピアノアレンジが好きならアルトノイラントは鉄板。
 それ以外だと……ウィスパーレコードとWAVEのアレンジが秀逸かな。
 曲単位だと……supplyさんのプレインエイジアと。
 MORRIGANさんの...in the Brilliance(魔理沙テーマメドレー)はガチ。


 あと、豆腐は―――レイオット氏の汚点だからあまり突かないように。
 その当時は最高に盛り上がったけど。

307 名前:ミハル:2007/09/13(木) 00:12:02
>>302

 フン!
 だから『最悪』だと言った筈ですがね……。
 いいですかッ!
 『自覚する』ということは!
 『その物事を超越する』ということッ!

 いいっスか……ウチの兄貴は言いました。『あらゆる矛盾は後付けで解消できる……どんな神も人格神である
以上は自己矛盾を内包せざるをえない……だがな、いいかミハル……『矛盾』を恐れる必要はない……神は『矛
盾しない』だろうか……そう、『しない』んだ。どうしてだか解るか……? 神とは『矛盾を含んだ物事』そのものだ
からだ……面倒事は『試練』や『悪魔の仕業』にして片付けろ……論理と倫理の淵に立ったら、その両方をガケ
に蹴り落とせ……『終わり良ければ全てよし』だ……。さっきの男が『自分の彼女に手を出した』だかなんだかで
俺にケチをつけてきたとして……いいか、お前には『そう見えた』のだとして……『本当に俺が手を出した』と証明
できるのか……? その男が『誰かにハメられた』とは考えられないか……? つまり、『俺もハメられている』と
解釈はできないか……? 解るか……この場合、ただ一つの真実は……ただ一つ証明できるのは……『お前が
俺の妹』で、『俺を愛していて俺を信じてくれる』なら、『俺もお前のことを信じて、愛してやれる』って『相互関係』
だけなんだ……。いいか……自分が『間違っている』と思うんじゃあない……問題を『自覚』し、『超越する』……
必要なのはその二点なんだ……』――とッ!

 確かにアタシは『最悪』かもしれない……しかし!
 アタシはそれを受け入れ! そしてッ!
 この物事を完結させてその『先』へ行くのならッ!
 アタシが『罪悪感』を感じる必要がないというこ――

 ……あ、いや。
 冗談。冗談ですけどね、全部。
 いやほら、フィーちゃん、なんでもないっスよ。なんでまだこんな時間に起きてんスか。中学生はさっさと寝た
寝た寝た。

 ……あー、ああー、ああ。


 うん、出られるなら、出てください。
 出ましょう。是非。
 ヒトいなかったらいないで進めますけど。

 概要は……どうしましょうね。
 時間的にはまだかなり先ですし、相談スレッドかなんか作って追々進めてくのもいいかも。
 この場合、もう『雑談』形式取る必要はないわけですけど。
 

308 名前:ミハル:2007/09/13(木) 00:28:11
>>303

 バトル・メタル!
 っつか、TURISASって業が深ぇっスよ……。
 ツアー参加できなくて「ほら見ろ! カヌーじゃすぐには日本まで来れねーって!」とか言われちゃうような
連中っスから。……あーでも、あのヒトらのは1stでいいって感じかなあ。
 てか、伝統系のパワーメタル好きなんですね。
 傾向考えると、NOCTURNAL RITESの最新とかまだ持ってなかったらどうでしょ。「らしげ」なパワーメタル
全開なんで、結構気に入るかも。個人的には最新よりイッコ前で、GRAND ILLUSIONとかお勧めです。てい
うかこの連中はパワメタ系列では「メタルとしての剛性」と「メタルゆえの型ハマリ」を絶妙なバランスでやっ
てるんで、夢魔聴けてるならまずまずはイケるんじゃないかな。
ttp://www.youtube.com/watch?v=ooCIzZgcyxo
 ↑これとか、結構ワカりやすげです……前にも出したっけ? 年上の友達に聴かせたら「セイントセイヤ」
とか言われました。すげぇセイヤ。天空ロードといいどんだけメタルなんスか。
 このPVは夢魔のDVDについてきた馬鹿メタルぶりにも(ttp://www.youtube.com/watch?v=o-pN8qAiZhQ)
通じるものがあって好きで……あ。画面のエフェクトは、確かにこう、ドラゴンボールとかに通じるものがある
のかも。セイヤは現物見たことないんでワカんないんですけど。
「あーいむすてぃーあらぁぁぁぁぁぁいっ!」
 て。
 どっかの宇宙人と戦う気ですきっと。……とはいえ、デビュー十周年も超えてるんで、そんな心情とも重な
りそうな歌詞かも。ブチ抜け貫けアスペクトの道。

 で、紹介してなかったけどやっぱりそちらも好きなワケでして、最近ではブラガの再発とかどうでしょと言っ
てみます。リマスター再発掛かるんで、悪くはないかな、って。
 ラプソは最近ちょいイマイチです……。

 姫神はあれでワリと独特なんで(アンビエントとは趣がまるで違うし、リラクゼーション音楽よりはコンセプト
立ってるしで、フォロワーってフォロワーはないんですね。環境系とかイージーリスニングで重なるグループ
は多いんだけど)、いいですよね。
 

309 名前:ミハル:2007/09/13(木) 00:43:26
>>304

 いいですかッ!
 紹介しようと思ったときには! >>305で!
 『スデに紹介している』ッ!

 ここの面子って……アタシと旦那と姉御スか。
 豆腐を廻る海岸沿いの街の旅……って、「いい旅」か「でぶや」ですかよッ!
 ってか、豆腐に参加するのはレイの旦那が自己嫌悪でノイローゼ死しかねないんで、ええと、もうちょい、
ちょいとだけマシに考えてみよう、か……なあ?
 京極チックなタイトルは冗談です(てか、チックとか言うなら妖怪→述語にしなきゃ……でもって一文字。
轍とか?)んで、ええと、そこらはスルーで。



 アレンジって、リミックスなんスかね。でなくて、打ち込み?
 ゲーム音楽のリミックスってことだと思うんですが、ゲームのリミックスだと……著作権をクリアした場合
どうにでもなるんでしょうけど、あんま音がシャカついてたり派手な音楽だとムズそうな気が……この場合
はそうでもないのかな。
 ゲームじゃないんスけど、アニメにも使われた(あの”シティーハンター”!)GET WILDとかは国外でも人
気あって、ネット上でリミックス音源とか公開してるヒトいましたね。音の要素が少ないぶん、ミックスがカッ
チョよかった憶えがあります……すいません、スゴい私事な喩えで。
 

310 名前:ミハル:2007/09/13(木) 00:58:48
>>305

 『逃れられないものは過去だ』と人は言いますね……そして、『逃れられない当人』がそこにいるのなら……
この場合、『マズいことになる』のはアンタってことだな……。

>>303

 ……追記です。ごめんなさい。上のレス>>308、なんか趣味っぽくダラダラと語ってました。
 けど、参考にして頂けたなら光栄です。本気で書き散らしてるって自覚しかなかったんで、時々、「これって
読まれたらどう思われてるんだろ」なんて考えてましたし。レビューとかじゃないんで、一意見の提出、程度で
書いてはいたんですけどね。こんな見方(聴き方)で聴いてますよー、って。
 あ、それからDIVINEFIREとか未だにGlory Thy Nameのネヴァサレンダとか好きです。アツ過ぎて。個人的
にパワーメタルのキモはガチでどんだけ熱いかなんで、紹介してたのはその系統ばっかでした。ドラフォとか
ライブのショボさも『速いだけじゃねえか!』的なとこも全部があまりにもロック過ぎて、どう考えても神盤とし
か言えません。「いいじゃねえか速いなら!」で。

 で、スレの方は盤か曲、どっちかに絞った方が統一性はあるかな? とは思うんですけど。
 それでなきゃ、盤→曲単位の「思い入れ100」でやっても、上限の1000レスには充分ですしね。
 「ただ聴け」ってのはSLEEPとかモタヘには正にです。「聴かなきゃワカんねぇーからよォーッ!」てなカンジ
ですね。
 うん、ベネ!
 

311 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/09/13(木) 01:05:54
 あはは、まあテュリサスはバトル・メタルとインストカードだけで十分価値あったかな(何)
 ん、そういえばパワー重視のラインナップみたいになってるね。結構何でも聴くんだけど。
 ともあれ―――また新たなCDが登場ですか。
 やー、買い切れるかしら。

 ってあれ、私も頭数に入ってるのか?>豆腐行脚
 時間が合うならまあ、乗るけど。たぶん。
 実を言うとミステリ雑談スレみたいなの立てて動かそうとか考えてたのよね。
 秋が終わるまでくらいには。
 GM立てて、探索と推理で事件を解明していく、みたいな。
 問題はかなり時間食うことだけど(何)


 んー、まあ、他は良く知らんけど。
 東方は比較的リミックスとかアレンジとかしやすいみたいよ。
 ニコ動……は見れないんだっけか。
 結構転がってるから聞き比べてみると面白いかも。

 ……買うのが一番なんだろうけどね(苦笑)
 まあ、無理は言えないしさ。

312 名前:ミハル:2007/09/13(木) 01:44:30
>>311

 んあ? あ、すいません。てっきりパワーメタル関係主体かと。
 っつか、アタシも最近、「メタルなるメタル」がワカんないんですよね。いえ、もちろんメイデンもジューダスも
パンテラもメタルでしかないしメタルとして誇るモノなんですけど、周辺ジャンルのメタル要素獲得が、今まで
島状態だったメタルの要素をちまちま吸収し始めてるっつーか……ああもうなに言ってんだろ。
 でもSUNN O)))やISISからXASTHURがリスペクトされてたりとか、そんな風にアンダーグラウンドなメタルが
周辺から出てきてるのがオモしろいです。
 けど、別にジャンルは限らない、っスか。あの流れだと五人一首とか人間椅子とか出そうかなって思ってま
したけど。
 んー……ブラック行けるなら、1349とか国内盤出てるしどうでしょう。皇帝が軒並み廃盤食らってるんで、で
はあるんですが、ノルウェイジアンの真っ暗な血脈をこっちから感じ取れるかもしれません。つか、ブラックは
すげぇです。オールタイムで。偶にブラック以外聴きたくなくなったりして、一ヶ月で○十枚くらいブラックばっ
か買ったりすると、ふと我に返って「なんでこんな黒と青と紫と灰色ばっかのCDが並んでるんだろ……」とか
思ったりして一人で笑えてきたりします。メタラーですから!

>豆腐

 いや、いやいやいやマジで豆腐ですか。
 頭数は……とりあえず、今のところ旦那が参加してくれるみたいで……してくれるんスか、旦那?

 やろうとしてたのはお姉さんが提示してるそれですけどね。ただ、これをやる場合、レスの運びとオチの付け
方は大まかに二種類で、「臨機応変にレスに対応して、そこに対応した結論を捻出する」か、「あらかじめ骨組
みとなる展開を定めておいて、矛盾が出ないように結論へ運ぶ」かになることが多いんですが、前者は雑談で
進めるとまず時間的に不可能事で、後者は矛盾を出さないようにするのが至難なんですよね。
 フィーちゃんと「時刻表ミステリゲーム」とかやったことあるんですが……ええと、簡単に言うと「ターンごとに
互いの行動を紙に書き込んで、そこでどんな事件が起こったか」って記述してく殺伐かつアレなゲームでして、
これの要点はズバリ「行動に矛盾はなかったか」なんですけど(居間を通らないと行けない部屋で起きた殺人
があった場合に、事件が起きた時間にそこに行けた人間は誰がいたか、行けた人間はアリバイを作る時間が
あったのか……とかガリガリ記述しまくります)、ズタボロにされてました。矛盾出すなってスゴいキツいです。
 お姉さんの言ってるような形式……この場合前者だけど、そっちで時間掛けた方が無難かな、ってのはあり
ますね。上のレスで相談スレッド立てて……ってのはそういうカンジでした。
 

313 名前:ミハル:2007/09/13(木) 01:51:38

 あっとと。
 で、参加して頂けるなら、そりゃもう歓迎です。
 あんま人数多くても多分処理はできそうにないんですが、少なすぎてもガチの対面雑談、てこと
になりかねないんで。

 お姉さんの原作リミックスは……どうなんスかね。youtubeでちょっと調べてみます。
 ワリと見付かるのもありそうですし。買う、となると……流通してるか以前に、アタシの場合、どれ
がどんな音で、ってのが解らないのが前提にあるかな。通じてから、になると思います。
 

314 名前:ミハル:2007/09/13(木) 01:58:26

 てか、それ以前にちゃんと形式決めなきゃいけないし、そもそもいつくらいに始められるのか、ってのを調整
しなきゃっスけどね……。思い付きでやろうとするとこれだから。
 ネタ自体はどうにでもなるんですが、問題は処理と処理する時間ですね。
 やっぱり、相談スレッド活用タイプの刷り合わせでやった方が無難な気もします。
 

315 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/09/13(木) 02:02:51
 私としては推理に矛盾出して迷宮入り、ってのも面白いと思うけどね。
 その後の展開でGMが種明かしをするか、もう一度挑戦するか、も選べるし。
 やっぱり時間食うけど(何)

 というか、この場合だと参加者が犯人役をやると問題が出るのよね。
 ぶっちゃけ打ち合わせスレでネタバr(ry
 だからまあ、GMが犯人っぽい人を提示して先導してくのが妥当、かしら。
 まあ他にアイデアあったら是非とも聞きたいところだけどね。
 こっちはこっちでGMに負担掛かるわけだし。


 ……リアルタイムを廃すれば前者の案も可能だと思うけど。
 それだと大殲の二の舞になりそうな気が(何)


 んー、まあ原作触れないとわからない部分もあるからなあ。
 その辺はそちらの自由意志、ってことで。知ってもらえると嬉しいのは嬉しいけどね。
 まあ、元々が人選ぶ弾幕STGだし(何)

 あ、でも音楽CDの方は普通に聴けるから安心してね。
 今は―――うん、一応試聴曲もあるみたいだから、聴いてから決めるのもアリね。

316 名前:ミハル:2007/09/13(木) 02:28:02
>>315

 GM……あー、TRPGの概念でしたっけ。
 打ち合わせは、この場合だと主催か話の主体が構成の中で犯人を出していく、でなきゃ
それに相当する要素を中に練り込んでドラマとして処理する、って想定でしたけど。
 ネタバレを避けつつ満足する結果となると、どうしても変則的に……この場合は「レスの
形式として」ですけど、変則的になっちゃいますんで。
 リアルタイムじゃない方がいいってのは、そんなとこも理由です。

 音源の方は、これ、やってる人のページで音源とか捜せるんスね。
 ん。ボチボチ見てみます。
 リミックス音源はあんま買わないんで、どうにも楽しみ方が……ってのはあるけど、この
場合原作も知らない状態なんで、「それはそれ」ですし。
 

317 名前:名無し客:2007/09/14(金) 00:42:09
反応が早い――
最近の住みかとの人口密度の差を感じるわ……

>>305-306

レイ……人生長いと色々あるわ。


       ↓妹紅のイメージ

       ○
       ノ|)
  _| ̄|○ <し


そして、ミハル(>>309-310)のイメージ
      ↓
              \)
       O ?      )
      (ヽ┐ ☆ /O|
     ◎彡 ◎

まあそれはそれとして…

>>306
WAVEか昔々に久遠の絆のアレンジを出してたような?
最近だと『WHITE AVALON』がなかなかに良かったw

紹介ありがとう、とりあえずはWAVEから、他のお勧めも探してみるわ。


>>309
やはり「貴方が――蜘蛛だったのですね」系の導入から始まって、
その結論に矛盾しないようにレスの応酬で物語を相互に紡ぐ。
それで破綻したらその時はデウス・エクス・マキナの出番よねw

古代から続く正統な(ry


実際に弾いてる人もいるみたいだよ。
ただ、これ本当に人間が弾けるのか?って感じのアレンジも山ほど
あるし……どうなんだろう?

著作権的には常に灰色、でも必ずしも悪性ではないと思う。

TMネットワークかー、懐かしすぎるわw
わたし的にはアリスが好きで好きで……………CDを探してこようっと。

(=゚▽゚)/ ノシ!!

318 名前:ミハル:2007/09/14(金) 02:44:27

 早ぇってんスかね……たまたま早かったってのが正解な気がするっス。
 というわけで、お返事遅れましてスイマセン。
 アタシもここんとこ板に出たり出なかったりでしたし、この間まではそもそも板にすらいませんでしたし。

 正統……。うーん、この場合の正統ってどれなんでしょ。
 フィーちゃんなら「クイーンに決まってるだろう?」とでもツッ込んできそうなもんですが、アタシはやはり
京極信者としての道を貫いてそこに一票を投じますぜ。
 導入にせよ展開にせよ、それを決めることである程度は形式を固定することになりますんで、自分で主
催すると言った以上は、そこらも含めてキッチリとやりたいですね。趣味的に因襲と系譜は確実に持ち出
すハメになっちゃうんで、ここも形式含めてですし。指摘された倒述にせよ、やるとなるとここらが問題で、
「どこにインパクトを置くか」が主体によってバラけてくるんですよね。レスでどうやるか、どうなるか、って
のは経験がないんで尚のことなんですけど。なにより、話を作るって行為には制限がない分、自分で決
めたモノを作り通さないといけない責任がありますしね。

 あ、リミックスで『人間業じゃない』ってのは特には。ミックスの場合、版権とダウン前の音源の兼ね合い
があるんで、問題ってのはそっちのことですね。
 こっちでアホな速度で打ち込んでるのだと、ミニストリーの系譜からAGORAPHOBIC NOSEBLEEDやら
バーザーガーとか高BPMのがありますね。近くのハコだと、ちっこい場所なんでメタル系の連中が普通に
トリップできるミックス鳴らしてたりして楽しいです。……って、そんな繋がりで聴くようになったんだけど。
メルツバウばりにノイズ化したトラックに原型無くしたサンプル混じったヤツとか、トべました。
 著作権は……あー、あれ、どうなんだろ? ミックスCDなんかはマズくない範囲でサンプリングしてると
思ってたけど。トータスなんかもYESから堂々とやってましたしね。基本、版権問題クリアしてないで出さ
れたヤツはゲリラ状態で出されてるのかな。

 TMはヤベぇっスよ、ホントに。アタシの場合MP3で曲単位でウォークマンに突っ込んであるんですが、
お陰でGET WILD終わった途端にTODAY IS THE DAY(ノイズコア)が流れ出したりしてカオスです。曲
のよさでは、今のシーンでもそうそう比肩するのもないんじゃないかな。



 とと、それでは。気が向いたらまたどうぞ。
 っつか、どっかで聞き覚えのある声の人のような……。
 

319 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2007/09/15(土) 01:23:20
……なんの因果でまた顔を出さなきゃならないとかって思うが。
まあこれが最後。多分最後。
いい加減スレ違いの話題も甚だしい……しな。
【一度も趣旨に添った会話をしてない男】


>>317
……これっぽっちも慰められている気がしない。
というか事実慰めていないんだろうな、とも思ったりもする。
まあそれはさておき。

>>307
まあ、やるんならな?
本当に――本当にやるってんなら、出ない事もないが。

動かすめどがついたらまた呼んでくれ。
俺が覚えてりゃまた来るよ。

んじゃ、またな。




……良いのか、俺。こんな事言って。
【何か取り返しのつかない事をした男の表情】

320 名前:ミハル:2007/09/15(土) 03:10:02

 うぃす。
 相変わらずの時間ですが、連絡事項を。

>>319

 で、そうですね。
 祭り……となると難しいのかな、なんて現状になるのかな。今は一応、打ち合わせながらの進行ってことで
想定してみますね。行けそうならリアルタイムでガンガンと。
 今んとこ三人……まあ、都合つかなくても二人では行けるみたいですし、どうにかなるかなって。
 考えてみれば、数としてはむしろこれで悪くないと思いますよ。ありえないことですが、「全部で十人くらい!」
とかだったら全体を見通すのも難しいそうだし。んじゃま、とりあえず今のこの人数と想定して始め……まだ始
めるもなにも、日程がどうなるかすら決められる状態じゃないんですけど。
 ま、時間空いたらお知らせしますです。

 あと先言通りですが、このスレはテキトーに流して貰えればそれで。
 スレ違いだろうがなんだろうが、イッペンに全レス埋めとかスパムちっくなマネじゃなきゃ気にしないですよ。
 ……あ、でもここに来て豆腐豆腐言われるのが面倒なのはお察しします。うん。
 

321 名前:ミハル:2007/09/15(土) 03:15:46

 けどその『取り返しがつかないツラ』は……フン! ワリと『心外』じゃあねぇーっスか!
 いいですかッ!
 『道を切り開く』というのは! 『選択』に『覚悟』を重ねることッ!
 『過去は消せない』……しかし、『過去を踏み越えて行ける』のなら!
 『今を覚悟していける』のならッ!
 『道』に『迷い』は存在しねぇーんスよッ!
 

322 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/09/15(土) 03:51:10
 ―――いま、どこかのムーンプリンセスが通って行ったような(何


 ん、まあこればっかりは動かしてみないと予想がつかないわよねえ。
 小さい話を組んで動かしてみる?
 ちょっとした謎解き、みたいな。GMは私がやってもいいしね。
 それを見てから検討した方がまあ、とっかかりが解かりやすいと思うんだ。

323 名前:ミハル:2007/09/15(土) 04:20:11

 迂闊な発言はマズいですよおねーさんよ。
 ヘタ打つと兄貴が暴走しかねないじゃねーっスか……あーもう猫ネコ猫ねこと。
 胸デカくて顔が整ってればいいならアタシでもいいじゃねーかと思うんですけども。
 年上とか猫っぽじゃなきゃダメっつーんですかあの兄貴は。



 小さい話……どうなんスかね。
 ぶっつけ本番で行くつもりでしたが、なるほど。そういうのはあった方がいいかな。
 やるならやるでレイの旦那にも意見聞きたいとこですけど。っつか、それやるにも時間合わせなきゃですし。
 話として構築するだけなら、ネタとしては幾つか考えられるのがあるにはあるんですが、カタチにするにはど
うしても時間が必要ですしね。
 あと、仕切る以上は解りやすくしなきゃではあるんですが……そういえば、兄貴の周辺状況って文中で語っ
てけば充分かな。設定なんて開けっ広げにした憶えすらありませんでした。
 

324 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/09/15(土) 04:53:24
 ……その辺の基準が壮絶に不明なのよね。
 年下もロックオン距離に入ってるみたいだし。
 誰か統計とって研究とかしてないかしら。


 まあ、殺人とかの重いテーマじゃなくてもミステリは出来るしね。
 昔の映画じゃないけど、遺言状の謎を解くとか、七不思議を解くとか。
 ……って、七不思議も殺人に繋がりやすいわね。微妙か。

 まあそれはさて置き、人物設定は瑣末でいいんじゃないかしらね。
 ミステリに必要なのは謎とそれを解くためのヒントだから。
 必要以上に表に出すと……ほら、例えば私だと犯人見てたなら死んでもあっさり解決しちゃうし。
 そういうのをも織り込んでトリック作るのも面白いと思うけど、最初は極力排除してみたいのよね。
 まあ小さい話でそこまで考えることは無いと思うけど、一応ね。

 あ、でも、キャラネタでやるなら人物の魅力を前面に押し出すべきかしら。
 だとしたら人物の周辺状況を描写するのも重要になってくるわよね。
 ……むー、悩む。

 とりあえず、何か使えそうなのが出来たらこっちに繋いでみるわね。
 そっちも何かあったら遠慮なくね。

325 名前:ミハル:2007/09/15(土) 05:06:32

 え。
 単にアタシがあの兄上にとって魅力ないだけっスか、それ。
 ていうか、これで年下に持ってかれたら救えねーですよ……。
 まあ、ロリコンでは絶対にないはずですが……ですが。
 ……いやでもアタシ、あの人と十歳くらい離れてんスよね。



 こっちはとりあえず人物周辺は細々やろうと思ってます……っつか、レス形式でクイーンやアガサは無謀です
しね。まだどっちかって言えば毒入りチョコレートのが脈ありなんじゃねーですかってくらい。なんてのも、お姉
さんの言う通り、それじゃ解決がいつになるかってのがあるからでして。真相は提示者の恣意ですし、これはレ
スで提示する形式にしろ動かせませんから。これの例外は正統派のパズラーくらいですかね。……とはいえ、
そうでない状態で「現在進行形」だと状況がどんどんカオスへ散ってくのが問題で、それを続けると「デスノ」に
なっちゃいますけど。
 ドラマ性に頼るみたいで邪道ですが、ここは慣れてる通り、結末提示を主眼においてホストとして動いた方が
無難かなって。要するに、舞台を提示したあと、そこで物語として動かす、てな感じですけど。
 個人の特性を絡めるかどうかは……絡める方向でやりたいですけど、全部を自分で統括する小説と違って、
ここは不定要素として放置するしかないわけで。
 

326 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/09/15(土) 22:55:00
 身内には手を出さないって不文律でも持ってるのかしらね。
 もし存在するとしたらそれは十戒並みの強度だと思うわ。
 ……頑張れミハルさん。敵はモーゼだ(何)


 んー、とりあえずは解決すべき命題を提示。
 あとはそれに至るまでの過程をどうすべきか、よね。

 私が考えてるのは、提示される謎に対して参加者がアプローチしていく。
 そして、それに応じてGMがヒントや証拠になりそうなものを提示していく……って流れ。
 あ、でもこれじゃただのクイズみたいになりそうね。
 どうしたもんだろ。これでいいのかなあ。

 まあ、結末提示を主観に―――ってーと以前温泉でやったアレでいいのかな。
 あの時は知識量足りなくて付いてくの難しかったけど。
 ああいう感じも悪くない、とは思う。


 つーか、私のって何か前にあった探索スレっぽいノリに近いわね(汗
 ゲームっぽいというかなんというか。

 ……私らだけじゃなくて他の人の意見とか提案もそろそろ欲しくなってくる頃かな。
 方向性は二つ―――まあ、どっちにしても面白そうではあるけど。
 やっぱりミハルさんは結末提示メインの方?

327 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2007/09/16(日) 02:51:18

……っかしいなぁ。
確か俺、ここに来るの昨日で最後にするって言ったばっかりだった気がするんだが。
なんでまた此処に来てるんだ?
別に暇だって訳でもないのに。

>小さい話というか練習というか
練習という時点ですでに雑談じゃないよな、という事はもはや言うまでもない訳だが、必要か、練習?
いや、練習という言い方が悪ければ前哨戦と言い換えてもいいけどな。
まあそれはさておき、現状……その、参加見込みというか、曲がりなりにも一口乗ろう、として
るのは此処にいる面子だけだろう?
他にもごちゃごちゃと居るってんなら意義もまた違ってくるが、参加者少ない状態でやっても、
その……なんだ。

――ぶっちゃけ、飽きるというか。
手の込んだ料理は旨いが何度も喰うには腹がもたれるというか。

ついでに言えばそんな時間確保できるのか、とか、まあ色々とあるわけだが、下準備はある
程度必要だってのは分かるが、そこまで準備万端にしておく必要もないと、俺は思うんだがね。
別に顔会わせるの始めてって訳でもないし、お互い。

参加したい、という怖いもの知らずな連中がこれからぐん、と増えるならその限りじゃないが。

まずこれがひとつめ。

328 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2007/09/16(日) 03:03:54
つぎ、ふたつめ。

>ゲーム風味か結末重視か
……ざっくりと、要はこういう事を言ってるんだろうな、と認識してる。その前提で話するが、
時間制限が基本的に無いのなら、いわゆるテーブルトーク風味にしてしまっても面白いと
思うし、むしろそうするべきだとも思うんだが――

生憎と、そういうわけにも行かないのはお互いに承知してると思う。
となると、受け手の解釈によってそれこそ無制限に分岐が広がる方式というか……
「さあお題はこれだ、解いてみせろ」的な流れは、実際問題として難しいとも思うんだよな。

話を纏めやすいのは、やっぱ主催者が用意した結末に向けて話題を集束/終息させていく
やり方だと思う。そこの割と危険な事言ってるお嬢さんのほうだな。……身内は止めとけ、
身内は。

いやまあ、それはともかく。

現状では無限に広がりかねない選択肢は許容し難いわけで――
まあどちらにしても『親』が参加者を結末に導いていく、というそれ自体は同じなわけだが、
練習を必要とするほどスマートに事を収めるんであれば、結末提示型のほうが楽っちゃ楽かな、
と思うわけだ。

――ネタ考えるのは俺じゃないけどな。


329 名前:ミハル:2007/09/16(日) 23:10:51

 久し振りにデカめのDJイベント行ってきました。
 ……センパイにすげぇ妙なカオされるし。アタシはそこまで別世界の住人か。
 ペルソナに目覚めそうな勢いです。



>>326

 身内に手ぇ出すのは……そりゃねえ。
 まあ、だから一緒に暮らしてるってのはありますけども。ねぇ、フィーちゃんよ。

「……ん? そうだね。あってもキスまでだな」

 んー、そうそう。あってもそのへんまで。
 ……。……ってオイィィィ!
 いや、ちょ、今のどういう意――フィーちゃ――あ、おいちょっとォ!?


 モーゼっつかキリスト教の歴史のような……だとしたら相手としては最悪ですけど。
 二千年を体系化した聖書とローマの強大さ……相手にとって不足はねぇ! って、ありすぎ。

 探索の、見てきました。
 前提提示型の探索スレッドって言い様は合ってると思います。
 主体が結末へどう運ぶかって点じゃ、同じ系統のモンではあるんですけど。

 ううん、そーだなぁ……今、一気に見たんで、すいません、ちょっと勢いのレスになりますけども。
 意見として追記できるもんとしては、ミステリは「解決の提示」に形式を定めないってことですね。
 アンチミステリ然り、メタミステリ然り。……っても、これをやるには全体を一つのカタチに押し込め
なきゃいけないわけで、相当巧く取り仕切るか、でなきゃ馬鹿ミス覚悟で(馬鹿ミス、自体は蔑称で
もなんでもないです)はっちゃけるか、ですけど。
 前にやったのは……そーっすね、あれに近くなんのかなあ。ただ、あれはその場のノリで「ああ、
これなら流れで出してもまとめられるかな」ってもんだったので、用意して最初から取り掛かってくっ
て感じになりますでしょうか。
 で、アンチメタ含めてのをもっと極端に言うと、「ミステリじゃなくてもいい」とは思うんです。……な
んっつーか、ミステリミステリ言っちゃいましたけど、アタシとしては面子集めて、なにか一つカタチ
になればいいな……って程度の認識が発端でしたので。伝奇でもサスペンスでも、個人的にそこ
らはオッケーかな。……あ、これについては「ミステリじゃなきゃ駄目じゃない?」ってご意見ありま
したら、ちゃんと最初に聞いときます。
 

330 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/09/16(日) 23:23:15
 んー、まあ確かに集まって何かやる、って点じゃ何だっていいのかもしれないけど。
 でも方向性が定まってないと、やる内容が希薄になっちゃいそうで怖いのよね。
 雑談スレにしてもシチュエーションやテーマが決まってるわけだしね。
 ……地下スレ? あれはバーリトゥードだから比べちゃ駄目かも(何

 まあ、練習というか。
 とりあえずやってみるかー、って感じよ。土日辺り使って。
 ……やり方は模索中だからもう少し先になると思うけど(苦笑

 とりあえず結末提示に持っていく方向性で。
 私はネタになりそうなのが幾つかあるからホスト出来るけど、やりたい人っている?
 いるなら遠慮なく譲ろうと思うんだけど(何

331 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/09/16(日) 23:24:27
 あ、と追記。
 別にミステリ以外……まあアンチでもメタでも、それやることを否定するつもりはないから。
 「面白い・楽しい」ことになるなら何でも試すべきだしね。

332 名前:ミハル:2007/09/16(日) 23:47:26

 と、うわわ。
 ちっと出掛けてたらレスががががッ!
 え、っと。ちょい待ってください。
 

333 名前:ミハル:2007/09/17(月) 00:12:45
>>328

 『やる』んじゃあないッ! 『やる』と『覚悟』した時にはッ!
 『既にアンタは書き込んでいる』ッ!
 でなくても、その反応はナゲヤリっぽくていいですよ。

 ええとですね、しかし旦那。
 家系モノミステリで近親相姦ネタはすでに常套というか王道というか……ありがち通り越して定式になってる
じゃあないっスか。『閉じた箱』を作るのには不可欠で不可避で、ぶっちゃけそれ主軸にすればとりあえず伝奇
になるんじゃない? みたいな。ていうかむしろアタシが実は『呪われた家系の娘』とかそんな設定だったりし
たらカゲ薄いアタシでもヒロイン張れるんじゃないっかなぁーっ! とか! とかッ! ああいいなあこれ!
 そーっスね、けどこの家庭でそれやるとなると、最初から『閉じる』ものがないわけだから……あ。ネタになる
んじゃん、これ? よしアタシがヒロイン! 決まっ――、
 ――ってうおぉ! なにこの根元まで壁にメリ込んだ包丁! なんの見立て! ていうか台所から飛んでき
たこのレールガンは! メア姉! なんで無言で首狩りポーズ取ってんの! 犯人明白すぎじゃないスか!
 ……。あれかな。
 家系モノ作る前に、通俗モノの因縁殺人で死ねる気がしてきたかな……。


 んん……。
 参加者が複数人いる以上、選択肢は排除できませんし、条件が与えられてる以上は、(無茶しない限りは)
選択の中でしか動かない、はず、なんですけどね。
 まあけど、そうはいかないだろうなってのは、今まで雑談やらなんやらしてきた中で経験してることですし。
 短いにせよ長いにせよ、骨子にするネタ自体はそれなりに考えられるし使ってないストックも幾らかあるんで
すが、最後までやり通す、となると話は別だから。
 なんでまあ、できるだけ齟齬を出さないやり方で……が、アタシにできる無難さです。
 

334 名前:ミハル:2007/09/17(月) 00:13:19

 月末〆で生徒会に提出する原稿がまだ書けてねーっス……うあああ。
 この強敵やっつけねーと、とりあえずなんも動けそうにないです。

>>330

 あ、なんでもいい、ってのは、単に「この場合、ミステリ(或いは古典の)としてやらなきゃマズいと考えて
るなら」って意味なんで、そのへんは大丈夫ですよ。アンチミステリにせよメタミステリにせよ、ミステリは
ミステリですし。
 こう言ってしまっていいなら、「ミステリっぽいなにか」でもアタシは納得できます。

 練習自体は、そうですね。
 問題は時間が合わないとこれも動けないことですね。お互い有限なリソースが最大の難敵かも。
 ネタはアタシも作ろうと思えばなんとかなりますが……ホストは自分の時にぶっつけ本番でやれますし、
そこらはどんなカタチでも。
 まずは……じ、時間をどうにかしねーとですよ。
 

335 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/09/17(月) 01:02:37
 時間は―――まあ、土日なら割と確実に取れるから。
 あとはそっちの都合に合わせるよ。

 なんにしろ、無理すると何処かで良い仕事―――ってのも微妙な表現だけど、出来なくなるからね。
 余裕を持ってやるのが一番だよ。

336 名前:名無し客:2007/09/21(金) 16:52:49
ひとつ、思いついたんで横合いからで失礼いたしますが。

ゲーム風味か結末重視か、ついでに雑談の可能性について、
これ、両立できるんじゃないかな、と。

もこたん案にのっかった流れになりますけど、
例えば<事件>が起こるとして、参加者はそれに対して様々なアプローチをしていくことになるわけですが、
GMは、その沢山のアプローチの中で、<事件>の本質に関係してきたアプローチについてのみ反応を返します。

例えば、手がかりが見つかる、何かを思いつく、移動する・させる、アイテムの使用、からくりの作動、
突発アクシデント、ペナルティなどなどです。

一方で、参加者のアプローチのうちで、<事件>の本質に関係しないことは、ただひたすらにスルーします。
まぁ、完全無視も可愛そうなので、愛想程度の反応や受け流しは欲しいところですが。

そうすることで、参加者が多数になったり名無しも出てきたり、エントロピー増大しまくりなアプローチが
殺到ても、確実に<結末>に向けた方向性だけを選択して進めていくことができます。

ついでに余力があれば、関係ないアプローチを使ってサブエピソードを作る、または、サブエピソードが
勝手に出来上がるなんてことも、ありかもしれませんし、そこが雑談のよいところです。


さて、テーブルトークのような流れでは、GMは神様のようなポジションで場を作ることが多いですが、
GM自身が参加することも可能です。
例えば、GMが<探偵>的な役回りを演じることで、参加者がなかなか本質を見つけられないときに
自ら手がかりを見つけてみせるなど、話を進めることができます。
一方で、「簡単なことに気づかない」や「わかっていたのに手遅れになる」など<探偵>にありがちな
間抜けな面などを自ら演じる必要もあります。話を遅らせますが、参加者の領分を広げるためでもあります。


つまり、参加者は、自分のキャラで(またはイレギュラー要素として)舞台に上がるだけなので、
雑談形式が可能になる、のに対し、
GMひとり(または複数)は、すべてを知り全体を調節しつつ、かつ、演じるという、遊び方が異なって来るわけです。


いかがでしょう。「言うは易し」ですが、ご一考いただければ。
雑談ってイメージなら、限られた参加者だけでなく、多数の参加を見込める可能性ってのも
あったほうが面白いんではないかと思いますが、どんなもんでしょ。


いや、自分もGMをたてるゲームをよく知るわけではないですけどね。

337 名前:ミハル:2007/09/23(日) 00:48:52

 うああ。返事遅れてますごめんなさい。
 あああていうか編集ってか生徒会長ォ!
 ポンポンポンポンとリテイクかましまくって何様のつもりだアンタはぁぁぁぁぁッ!

>>335

 ってか、すいません、スルーしてたわけじゃないんですマジで!
 ……えっと、こっちの時間ですけど、やっぱ今月はキツいですね。

 無理はしないつもりですが、どうにもこっち、無理しないと片付かないモンが片付いてないんで、
それから、かな。……あ、でも、だけど、ですぜ。
 フィーちゃんにも手伝って貰って、資料集めとモノの構築、ついでに今片付いてない作業の副産
物やらなんやらとありますし、こっちでリターンできるように頑張ります。
 うん……ワリと突発的な思い付きに乗って貰ったことですし、キチンとやんないと、って。

 ま、今回はここでやらなかったことを!
 沿岸部の資料やら伝承やらは時間あるときにもうちょい調べたいかな。まあでもなんにせよ、因
縁と因襲はハズせねーでしょ! ……って、そんなのは結局いつものアタシですが。
 「雑談」てより、規模と準備アリの兄貴がやってる「闘争」みたいな感じになってきたかな。いきな
り始めていきなりグダグダ、とにならないように気をつけます。
 

338 名前:ミハル:2007/09/23(日) 00:52:47
>>336

 提示→アクション待機→行動の連続に、各々のイベント挟んでくんですね。
 GMはマクスウェル悪魔と化して分子統括みたいな。ヘイルGM!
 巧くその流れに乗せる、かあ……。
 アタシも温泉でこれやろうとして、「うわ、無理かも」って返事が結構おざなりになっちゃったんスよね。

 ただ、その時と見てからに違うのはアイテムやらトラップ(行動提起かな?)、その他諸々がパーツ的
に分類してあって、それを当て嵌めてく、って感じですか。うん、これは面白いですね。早い話、章から
章へと移動するにはGMの決定が不可欠で、それ以外では絶対に動かない、って点でも。
 ……てか、TRPGに致命的に詳しくないのがアレなんですが、「基盤となる行動指針を持ったGMが、
イベントを起こしつつ参加者を誘導」ってことなんだと思いますけど。
 ”参加型”かつミステリの場合……これが館物だったりフーダニット主体の犯人当てだったりするとき
の問題って、「結末提示するまでに真相がバレる」ことじゃないかと思うんです。(加えて言うなら、それ
を参加者にアッサリと指摘される)……って、この場合はGMが「クリティカルなヒント提示」をラストまで
省いていけばなんとかなるのかな? だとしたら、いつかのロシア人さんが提示してくれたみたく倒述
形式にして倒してくのもアリだと思います(ゲーム的には理想系かな)し、これなら多人数の参加もイ
ケそうな気がしますね。

 一つだけ問題があるとしたら……各要素がパーツとして分化してるだけに、「キャラネタ」の「キャラと
しての特性」を活かせないのと、活かした場合はGMが相当巧く舵を取らないとマズいかな、ってことで
しょうか。
 ともあれ、雑談として動かすにはベターな方法だと思います。
 

339 名前:ミハル:2007/09/23(日) 01:19:18

 この形式でやれそうなのは……。
 そうですね、「危機的状況下における脱出(または、それに付随するフーダニット)モノ→館モノ亜流」と
か、犯行後の状況から全員を誘導して結末まで持ってく(推理する場所を変える時に全員が移動する理
由がないと駄目ですけど。ザ・犯人探しツアー)ハウダニット……とまあ、やれることは多そうですね。
 まあ、館だと決め手になるポイントないとツラかったりしますけど、そこらを気に掛ければ多人数参加で、
雑談としても面白そうです。
 というより、集まる人間に常人が少ないような場所ですし、いっそ「今度の舞台は異空間! 謎を解かな
きゃ帰還不可! ”一刻館の狭間”から抜け出せ”!」みたいなのでもいいかもしれませんけど。この場合、
舞台の謎そのものを解け、てなクローズドサークルになっちゃいますけど。……言ってはみたけど、これ、
ロジックしっかりしないと大変だなあ。
 んで、ちょっと思ったんですが、藤原お姉さんが前に提示してくれた”練習”を、この「多人数参加想定
の雑談」にできればどうかな、と思うんです。……ヒト集まんないと成り立たないから、あんまり風呂敷
広げるとアレだけど。

 で、アタシがさっき言ったのは、キャラネタだからってことでキャラの特性を含めた(今のところ、参加し
てくれるレイ君と姉御の特性……確定じゃないってのは置いといて)形式でプロット作り掛けてました。
 こっちはどうもリアルタイムで動かすのに不向きな感じなんですね。雑談て言うより、相談スレッドと併
用でストーリーを提示した方が巧く回りそうで。ミステリよりサスペンスに転び掛けてますけど、想定した
内容をカタチにできればいいなあ、って思いつつやってます。
 ですからまあ、これはこれで別にやれればいいかな、って……これも時間の問題があるんで、お二人
が「無理! ってか時間無理!」でしたら、こっちはポシャっときます。
 

340 名前:ミハル:2007/09/23(日) 01:58:03

 ……の前に、名盤スレ建てるのが先っスね。
 これは来週中にやっちゃっときます。


 けどここ、名無しで見てくれてる人がいたのは驚きました。ご意見ありがとうですよ、>>336さん。
 参加者募るなら、一度管理か相談スレに言って募集してみるべきなのかも。
 集まんないとスゴい虚しそうなのと、まだ確定じゃないから募集もなにもないってのがあるけど。
 

341 名前:ミハル:2007/09/23(日) 21:07:22

 うおお!
 今日ってラムスタ地上波放送(大分違う)じゃねーっスか!
 カットされてないと嬉しいです。※

 微妙にメタル報告。
 26日はチェロメタル・アポカリと”ヴォーカル新しくしたよ”NIGHTWISHの発売日です。
 ……てか、布袋さんゲストってすげぇですよアポカリ。変態メタルとしては群を抜いてた感もあるけど、
ヒヨらずに異端しててくれるといいなあ。ドラマーが入ってグルーヴ強くなった分、大分キャッチーにはな
り出してますし。

※やっぱりカットしようがありませんでした。人肉ライブ!
 

342 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/10/08(月) 22:16:39
 猫RUSH。

343 名前:名無し客:2007/10/08(月) 22:28:49
――なにがあった?

344 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2007/10/08(月) 23:41:18

 長らく顔出しできなかったんで、俗に言う『生存報告』ってヤツをね……。
 一息入れられる状態とはいえ、どうにもまだ『時間の取れ具合』は不安定だ……。

 ……とまあ、色々な感情を一言で表現しただけだったんだ……。


 しかし……。
 「猫LUSH」か「猫HUSH」か少々悩んだが、一番映像的なのはこれだったかな……。
 音楽さえ付ければ、『脳内PV』ってヤツさえ再生できそうなフレーズじゃあないか……。



・CD報告

 月末はデイメアSUNN O)))国内盤二弾。00 Voidのみ発売延期で、残り二枚は相変わらず値段も内容も
最上級のSPエディションで発売。
 SOILWORKは再来週。
 

345 名前:ミハル:2007/10/10(水) 03:01:27

 うっしゃ終わったぁ!
 全校生徒のために頑張った偉いぞアタシ! いやウソ半分くらい強制だった!

 ……っても、ちょっと息抜きしたらまた頑張んなきゃだけど。
 読書でも……と思ったけど、今日は積んでた米澤さんの新刊二巻まとめて読んじまったんで、
小説はジュヌヴィエーヴ三部作読むだけにしときます。
 流石にこれ以上待たせるとサボってることになっちまいます。いやもうなってる。

 何気にレキお姉さんスレ(違う)がゴリゴリと動いてて嬉しかったっス。



■CD報告

 今月は十枚以上買わない予定でした。けど。
 駄目すぎる。

・Botch / We Are The Romans - Deluxe
 リマスター掛かってるってんで、キッチリとカタに嵌めときました。悪かねっつーか、今買うなら
問題なくこれでしょ。ボトムの音圧がしっかりと強調されてます。名盤てのは疑いようがなかった
んですが、モノがモノだけに大分マスタリングがショボかったんで、これでこそでしょう。
 

346 名前:ミハル:2007/10/10(水) 03:11:42

 ……うあ。
 ダメだ。ペース配分考えると、こんなダラダラ小説読んでる場合じゃない。
 普通に今週もレスに戻れないや。


 ……ホンっト、申し訳ないっすけど、スレ立ては宣言通りにできてません。建てるのは確実なんで、
少々お待ちを……って、こんなこと言うと、今度は誰か待ってるのかって話になるけど。
 草案なんかは上げてこうと思います。
 まずは音楽から。
 

347 名前:ミハル:2007/10/10(水) 03:19:43

 小説って言えば、そういえばケルアックの路上が今年新訳掛かるみたいっスね。
 個人的には「路上」が良かった……ことも、ないか。
 ライ麦が春樹先生訳でキャッチャー原題になったのは、ううむ、って思ったんだけど。
 

348 名前:名無し客:2007/10/10(水) 22:06:31
マッテマスヨ

まぁ、時期についてはそれこそ気長に待つ感じでw

349 名前:名無し客:2007/10/11(木) 01:18:39
私もレキお姉さんスレ(違うの?)がゴリゴリと動いて嬉しかったです。

村上春樹氏訳の内容はともかく、原題をただカタカナにするのは、昨今の洋画のようで
芸がないんじゃ、と思うのです。
柴田元幸氏は原題を如何に上手く訳すか、というところにも神経を使われていて
そこのところ感覚が違うのかなあ、と。

350 名前:ミハル:2007/10/11(木) 23:42:07
>>348

 ぎゃーっ!
 さり気にクギが! クギが刺さった!
 ラスティネイル!

 ……ていうか、上のレス見直すと、「ダラダラ小説読んでる場合じゃない」って小説読んでてここにレスできて
ない、みてーじゃねっすか……。い、言い訳するつもりじゃありませんが、流石にアタシでもそんな理由でサボ
りカマしてるワケじゃないっす。……や、いや、マジで! ホントに!

>>349

 意味としてはまるで違わねーんすけども、”レキスレ”ではなく”灰羽スレ”というか、主体の位置ってか、いえ
すいません、ゴネてるけど結構ノリで言いました。……あ、でもほら。ラッカさんがいたじゃねっスか。だからこ
う、個人スレではなく”灰羽スレ”! ってことで。
 他にも泉さんとこのスレとか伸びる速度がハンパねーなあ、とか、ここは久し振りに覗く度に色々変わってま
す。一刻内時事ネタとか多分もうアタシついてけてない。

 訳は、そうですねぇ……春樹さんの場合、差別化の意味もあったんでしょうけど、やっぱり「ライ麦」かなあ、
ですね。名訳です。
 一冊の本を訳すってこと自体が作品を別のものに捉える行為っていうか、訳者の主観で歪められた……や、
歪められたなんていうと言葉は最悪ですが、ともかく、そう、言葉の変化、かな。そういうモンだと思ってます。
「その言葉」が訳者ってフィルターを通過した瞬間、別の物事(作品を表現する別の一面)になる訳ですんで、
題はそういうのに顕著だとは思いますぜ。ライ麦畑で捕まえてくれる人はいません。グレート・ギャッツビーな
んかだと、まあ、原題でもいいかなあ、なんて思ったりします。とはいえまあ、これにしたって野崎さんのも最
初は邦題だったみたいだけど。ちなみに、アタシのは野崎訳でカタカナ改題後のやつ。
 けど「九マイルは遠すぎる」にしろ、「華麗なるギャッツビー」にしろ、作品を的確に表現したタイトルは素敵で
すね。カタカナ直はある意味原作に一番忠実なんですが、思い入れの大小で言えば邦題は好きですよ。

 で、後はまあ時代性じゃないかな。そもそもケルアックの路上にしろ、今のアメリカ人のアタシら世代で共感
できるかって話ですし。今だったら「直でいいや」みたいな。それ考えると、ライ麦の汎用性は偉大です。サリン
ジャーお爺さんを完全に束縛した作品だけあるって感じで。

 あと内容ですが、アタシ的には「ライ麦」の方が好きだったりします。いえ、春樹先生の作品自体は好きです
けど、それとこれとは別っつか。味があるんですよね、野崎さんの訳って。
 原題版・サリンジャーは間違いなく春樹verだけど。
 

351 名前:ミハル:2007/10/12(金) 00:48:06

 思い付いたんで、ちょっとだけ追記します。

 訳って、こういうの、音楽でもそうなんですよね。
 ただ訳してみた、じゃ愛が足りないかヒネりが足りないかって。かと言って、ヘンな邦題付けるくらいなら
そのままのがいいってことになるし、そこはもう訳者のウデですね。ピンフロの「原子心母」とか、多分、追
随するもんがない邦題だと思います。ナパデやカーカスのは壮絶で、多分悪乗りです。ていうか悪乗りし
かありません。「内蔵ドロドロなんでも溶かす」とかマトモな神経じゃやんない。メタルで最近だと、荒野の
コルピクラーニとか飛び出せコルピクラーニとか世にもコルピな物語とか、果てはコルピと古の黒き賢者
とか、ていうかこんなのどう考えてもノリでしか付けてねえぇぇーっスよ!

 とはいえ、ピンフロが凄かったのは「原子心母」なる破滅的まんま訳が、ピンフロの霧に包まれたような
不安定感を巧く表現してたからだと思いますけどね。
 あれがそこらのポンプロックバンドだったらこうは行きませんし。

・67年 『The Piper At The Gates Of Dawn』→『夜明けの口笛吹き』

 ちなみに最初は『サイケデリックの新鋭』。ぶち狂ってますが、デビューシングルの『See Emily Play』が
「エミリーはプレイガール」だったので当時の風潮は推して知ります。
 別事ですが、上遠野先生の”ブギーポップ”がピンフロネタ多くて、初めて読んだときはニヤけが止まり
ませんでした。ブギーポップのキャラクター元ネタはこれなんじゃないかなあ、なんて。口笛。

・68年 『A Saucerful Of Secrets』→『神秘』
 名訳。こっから”ピンフロ”というイメージが確立したと想像します。どんどん抽象・観念的になってくタイ
トルは明らかに1stと別。

・69年 『Ummagumma』→『ウマグマ』
 タイトルはそのまま。『Careful with That Axe, Eugene』、あの”ユージン、斧に気をつけろ”が入ってる
CDってイメージが強いんじゃないでしょうか。この訳はヤバいです。

・70年 『Atom Heart Mother』→『原子心母』
 言うまでもなく、最高傑作な邦題でしょう。シド期を通過した後でしたけど、ピンフロの初期は異常を通り
越したようなカリスマがあったみたいですし、事実それを象徴したような名盤です。題の点で言えば、直訳
したことでリリシズムが前面に押し出されてます。

 ってもまあ、やっぱり時代が変われば訳者が変わるのか、後期ピンフロの邦題は微妙ですけど。

・『Wish You Were Here』→炎〜あなたがここにいてほしい
・『Animals』→アニマルズ
・『The Wall』→ザ・ウォール
・『A Momentary Lapse Of Reason』→鬱

 などなどなど……ああもういいや。
 けどまあ、初期群って一年スパンなんだよなあ……昔の英国バンドはハンパありませんですね。

 洋画っつーと、パスタ映画で「ヘラクレスなのにオリジナル英雄の名前」な邦画がありましたね。お陰で
なんで怪物と戦ってんだかサッパリなんて事態が。
 

352 名前:ミハル:2007/10/12(金) 23:08:24

 ちらほら思い出したんで、片手間ですがちょっとだけ。
 CD邦題ネタ。

・Dead Kennedys
”Bedtime For Democracy”→『民主主義よ永眠なれ』
 ファースト・デッケネ解散作品。デキは微妙……じゃなくてそこそこですが、タイトルは秀逸。

・Henry Cow
”In Praise of Learning”→『傾向賛美』
 誤訳ネタ。LearningをLeaningと間違えて訳したのが現在まで。

・Scorpions
”Lonesome Crow”→恐怖の蠍団
”Fly to the Rainbow”→電撃の蠍団
”In Trance”→復讐の蠍団
”Virgin Killer”→狂熱の蠍団
”Taken by Force”→暴虐の蠍団
”Tokyo Tapes”→蠍団爆発!! スコーピオンズ・ライヴ
”Moment of Glory”→栄光の蠍団
”Unbreakable”→反撃の蠍団

 ギター仙人&ヒーロー在籍や児童ポルノ問題に引っ掛かるジャケやらで話題に事欠かなかったジャーマンHR
バンド。まあ、もう見ての通り。やりすぎ。

 でも、思い返すと滅茶苦茶あるっスね、この手のタイトル……。
 インパクトに繋がるなら全然アリだと思うんですけども。
 プログレ系の多さにはかなりビビり入ります。流石っつーかなんつーか。
 

353 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/10/12(金) 23:20:55

「けどさ、僕は君に何が言いたかったってわけでもないんだよね。いや、まったく。どっかのイカレた奴がさ、
僕の何事かを……そう、なにごとかを論ってだぜ、”僕達は一つだ”なんて歌ってたヒッピーをインチキ野郎
だって撃ち殺しちゃって――それって、どうなんだろうな。だって、僕は誰かを殺せ、なんて言った憶えはこ
れっぱかしだってありゃしないんだぜ。まいっちまうんだよな、そういうの。ロナルド・レーガンを殺そうとした
奴と僕は面識がない。もちろん、マーク・チャップマンなんて奴は知らない。だけど、奴らは僕を知ってたん
だよ。連中は僕を知ってた――だけどさ、これって、それだけのことなんだよ」
 

354 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/10/12(金) 23:29:05

「……で」
「で、の後が続いとらんで、イルくんよ」
「質問にズレた指摘で返すんじゃねーよ。微妙に新しいじゃねえか」
「んなこと言うてもな……ライ麦の感想なんてな、今言われたらこんなもんやろ。つか、日本人的にはあれ
どうなん? オレ、学生時分にめっちゃ年上の教授に聞いたけどな、当時はあれ、”読んどらんとハズいけ
ど、読んでても流行に載っててハズい”てな、すげぇタチ悪いもんやったみたいやで」
「つうか、お前はイギリス人だな、本気で……」
「ちゃうちゃう。めっちゃガキん時、まだオレがドがつくゲーデル信者やった頃やで……まだハーバードん時
の話やっちゅーねん。一時期フェロー扱いであっちにおったやろ、オレ」
「知らねーよ。ていうか俺はお前のなんだよ。むしろなんで俺が知ってんだよ。つーかなんでハーバードに
お前なんだよ」
「そら思考ロボット開発に決ま……あれ。話しとらんかったか。ナンやな、お前相手やとダラけてどっからど
こまで話したか忘れてまうでな……あー、ま、ええわ。とにかくそういう話やでな、オレのキャッチャー感想
は以上、終了や……あー、ちょいそこ退いてんか。そこ寝られると冷蔵庫開かんのやけど」
「……ソファの真裏に配置されてる冷蔵庫ってのはどうなんだろうな」
「秘密基地っぽくてエエやん。そして……よ、っせ……オイ、お前なんや。コーヒーか。言っとくけどここ、日
本やないでな。お前の愛しいボスもジョージアもないで。UCCもない」
「コーラ。サムズチョイス以外ならなんでもいい……つーか、高ぇんだよここのコーラ」
「ほれ。……そして、まあつまり、『キャッチャー』にはマーク・デヴィッド・チャップマンをレノン・キラーに仕
立て上げるなにかがあった、ちゅーことやな。ウォー・イズ・オーヴァー――イフ・ユー・ウォント・イット、だ
けど戦争はなくならない。だからあんたはインチキだ、てか」
「ねえよ。今ので理解できたことは一つだ――ホールデン喋りをリアルでやられると相当にウゼェってよく
解った」
「んじゃもうちょい正確にやったってもエエけど。and allとit killed meの連発て、自分でもぞっとせんわ」
「要らねえ。……つーか、ライ麦にまつわるその手のゴシップが要らねえ。……レノンに、って言った方が
いいか、この場合は……、どっちにしろ同じことだな」
 

355 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/10/13(土) 00:02:55

「はん。ほな、今度フェントン・ブレスラーにでも聞いてみるか」
「聞いてみろよ。こう言うに違いないぜ――『彼は当時、強い催眠状態にあった。まるでプログラムされた
ロボットのように彼はジョンの殺害に踏み切ったのだ……』――マーク・"レノン・キラー"・チャップマンは
レノンのファンでも、ビートルズの信者でも、サインまで集めるような狂信的なマニアでもなく、ついでに言
うなら気が狂っていたわけでもなかった。彼はアメリカという装置に殺された、あまりにも悲劇的なイコン
の一つだったのだ――タブロイドなら三日は持つネタだな」
「またそれかいな。お前な、もうちょいハナシをオモしろくするように努力しろっちゅーねん」
「……俺、お前のメイド議論やらツンデレ論やらなんやらが面白いと思ったことは一度としてねえからな」
「かーっ。お前はこれやから……アレや。お前は日本人として色々失格しとるわ。時には敢えてスノッブで
あることもまた面白! やで。つか日本人のクセしてメイド喫茶とか知らんて有り得んわマジで」
「その種のイギリス人と同じにされたくはねーな……つくづく。それと悪い、俺、メタラーなんだわ。ヘタな
皮肉は純血の悪意に劣るとしか思えない。とりあえずスレイヤー聴けよ」
「く、これやらからド真性のオタクは・……!」
「オタクにオタク言われたくねーっつってんだろうが……ていうか」

「要するに、チャップマンの頭ん中ではそいつが真実だったのかもしれねえ、って話でしかねえだろ、こん
なの。自意識過剰なガキだった経験があるなら自明だぜ。何気ない歌詞を読んで、この記述は俺に当て
付けられたもんだ――とかさ」
「いやまあ、そらそんなイタげな経験はあらへんけど」
「普通に否定されると俺が痛いな……」
「いや、お前イタいのはよー知っとるし……」
「死ねよ……いやほんと死ねよお前……頼むから死んでくれよ……」
 

356 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/10/13(土) 00:16:08

「まあ、どっちにしろ」

「……ていうか、マズいな、このコーラ」
「どっちにしろ、なんや」
「どっちにしろ――レノンは死んでたよな、って話だよ」
「あ? なんやそれ。操りと人間のキャラクター性について?」
「違え。その手の話題は法月先生に任せとけよ」
「んじゃ多世界解釈?」
「違え。……ついでに言うなら、俺はエヴァレット解釈しか当て嵌めねーからな。レノンは死んでる」
「なら、なんや」
「サリンジャーとチャップマンは直接面識があったわけじゃねーだろ。……まあ、面識があったならそんな
ことしなかったかっつーと、しただろうけどな。誰を殺したかは知らねえけど」
「はん、同属嫌悪か」
「自己憐憫だよ。で――解るだろ。あの国はデカいし、サム爺さんに自分の言うことを聞いてほしいって野
郎は腐るほどいた訳だ。現在進行形で、いる、っつーべきだろうけどな。お陰でここんとこ俺の時間は削ら
れっ放しだ。どうあれ、アメリカって語彙を読むなら、チャップマンが殺さなくてもジョン・レノンは死んでい
た――そう捉えるしかない。そういう意味では、タブロイド好みのレノン殺害説もアリはアリだ」
「んで、つまり?」
 

357 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/10/13(土) 00:20:00

「つまり――じゃ、ねーだろ専門家。原因に至る起源は、その経過について原因となる諸要素と明確な一
意性を持たない、だろ。人間は要素じゃなくてパターンだ。知ったこっちゃねーよ。ヤツがライ麦オタクだっ
たかどうかなんて知らないし、レノンがどんな理由で殺されたかなんてのは知りようがない。確かなのは、
オノ・ヨーコが未亡人で、アメリカはイラクにケンカを吹っ掛けたって事実だけだ。俺もお前もその後に生き
てて、これから先の帰結に至るまでの経過から逃げられる訳じゃない――マーク・チャップマンは最低の
サイコキラーだったけど、つまるところ奴は人殺しだ。ところで俺も人殺しで、お前はその幇助者だ。ヤツ
はライ麦を左手に銃を取り、俺達は聖書を左手に銃を取る――違いはなんだよ」
「そら……ふむ。せやな、そら言葉や。オレらは行き着くとこ、解釈する分子や。聖書を読み、州法を読み、
マニュアルを読み解き、そんで判断し、解釈し、行動に至る。お前はジハードクレイジーのターバン野郎を
解釈の帰結として殺して、チャップマンはライ麦を読んでレノンをインチキ野郎だと看破した。ジョン・レノン
は偽善者だ――オレには解らんけどな、もちろん。アシッドでハイになったヒッピーが作ったラブソングで
感動しとる人間が全部ヤク中かっつーとンなことは当然あらへんし、本人にとってクスリが善か悪かなん
てのは正義云々より思想の問題や。政府が悪や言うてクーデター弾圧しようが、政権転覆したらそんなも
んアッサリ引っ繰り返るし、革命家は殺しても殺しても湧いて出るで。オレらに入ってくるデータは幾十幾
百幾千のフィルターと情報を変質させるハブで分化されて、つまるとこ解釈なる推論戦でしか自分の中に
確定のサインをしてやれん。果たしてチャップマンはビートルズを聴いて偽善の断罪を決行したと言える
のか――そらま、結局のところ、本人にしか解らん。本人でもヘタすると解らんかもしれん。人間は一週
間もあれば自分を正当化できるもんや――お前なら秒でできるやろ」
「できるだろ。普通はできる。誰かを騙すのよりはずっとラクだ。自分なんて、軽くゴマかせる」
 

358 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/10/13(土) 00:22:29

「否定しろや。お前の殺戮レベルどんだけやねん……せやな、そういえばニクソンの思考回路じゃナム戦
に反対した連中は全部反米やったでな。解り易かったであのオッサン。……ああ、まあ、そうや。綺麗とは
言い難ぇけど、今回はお前の言い分で通るわ。経過なんぞ、綺麗である必要はあらへん」
「言葉に責任はない。けど、言葉でしか責任は問えない。相手が自分でもな」

「俺達はこの記憶から逃れられないし、この無数の言葉から逃れる方法はないし――俺達の脳髄はそい
つに悲劇的なまでに対応する。ライ麦が”幸福の処方箋”になる保証は、常に存在しない」
「んで、お前はそれを知りつつ、聖書を片手に、そう……「神よ」と、これからも殺す、と」
「建設的な案のつもりだったんだけどな。幸福に読まれる限り、その作品は幸福だ。お前の言ってんのは
だから、正にガキっぽくヒネくれた意見でしかねえよ。俺達は――あー」

「……つまり、そうだな。読むことに責任を持つ必要はないが、解釈することには責任を持つしかない」
「ちゃうやろ、それ。正確には自分の視点を押し付けること、や。”要素と原因”て、お前が初っ端にした質問
から考えるんなら、むしろ妥当な解答なんはそっちやで。言葉を自分のものにすることには義務も責任も
あらへん。ブッシュが聖書を読もうが……せやな。妥協して、聖書を引用すんのはええ。んなことは知った
ことかいな。問題は、や――オレらが敬愛した前教皇サマの意向すらシカトしたことやろ。いつカトリックが
戦争賛美したっちゅーんや。資本主義はええとして、資本主義の根幹は宗教やあらへんし、神サンは聖戦
のお題目でもあらへん」
「ていうか、オーウェルだろ」
「別に。黄色いケーキやらイギリスに押し付けるヒマあるんなら、もうちょい自覚せーよ、っちゅー話や」
 

359 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/10/13(土) 00:31:38

「……まあ、俺達がなにかを参考にしなきゃ言葉を口にできないのは事実だな」
「参考にして――んで、自分が口にする時には自分に責任がある、っつーだけのことや。誰も彼も、どんだ
け精度上げた予想立てたかて、望んだ結果に誤差を含ませんなんてのは、そら無理や。……まあ、そいつ
込みで人間それぞれが制御できんから、世界はカオスに散ってく。なら畢竟、試みなアカンのは、誤差の修
正やろ。オレらの思考は一つにはなれん。民族やら人種やら金銭やらが邪魔やからや。なら、他人に殺さ
れん程度に他人を生かさな――テメエまでくたばるハメになるでな」

「……せや、セシルちゃんに頼んでみるとかどうや。――『マーク・チャップマンによるジョン・レノン殺害事
件について。ライ麦畑に紛れた真実』てな」
「その理由で審問局に貸し一つかよ。民主が人種票で州一つ分取られるのと同じだぜ」
「いや、セシルちゃんやったらお前頼めばタダでやってくれる思うけど」
「ワケねえだろ。俺はアイツの兄貴か」
「兄貴て……まあエエわ。あの子も災難やで、ホンマ。つーか――」

「あー、あーあーあー、つまらん男やで、お前は――なあ」
「ずぁ……ウゼぇ……ていうかウザすぎる……! 乗んな! 背中乗んなウゼぇ! 仮眠したらロス直行だ
ぞこっち!」
「うお。今度はロスで女子高生と密会か」
「どっから出てきたよ女子高生」
「安心せーやホールデン君。もしもお前受け止めて報酬出す、っちゅーんやったら、オレがライ麦畑で待機
したるわ。安心して落ちてエエで」
「つうか……それじゃホールデンじゃねーだろ……」

「……んじゃ、寝る」
「おう。寝ろ寝ろ。時間になったら起こしたる」
「アテんなんねぇ……」
 

360 名前:ミハル:2007/10/15(月) 00:03:45

 URLが規制で貼れませんが、ヘラコプターズ解散。ショックすぎ。
 ブルーチアー国内再発でR&R復興とか浮かれてたらこれだもん、なぁ……。

 凡百メタルコア優待してるヒマあんなら呼んでくれって感じでした。プロモーター殿。
 

361 名前:ミハル:2007/10/16(火) 01:51:23
 
 うおし。
 これでボチボチと動けそうです。
 兄貴の戦闘もそろそろ始めないとですし。
 
 レッツゴー、あたし。
 ジミヘンとミエツコとダレルの名の元に、脳裏で息巻く悲劇をブラストビートで粉砕します。
 だから解散ツアーには着てねヘラコ!
 

362 名前:ミハル:2007/10/18(木) 20:58:01
 
 お。
 おおおおお乙一先生のッ! 奇妙なジョジョ!
 ついにっスか! しかも来月!
 
 中間報告からもすげぇーッ! 長い時間経った気がするけど!
 こいつはめちゃ期待ですよなぁーッ!
 

363 名前:ミハル:2007/10/18(木) 20:59:52
 
 ああ!
 しかもちゃんと杜王町!
 最初の創作予定のまま! めさめさ嬉しい!
 

364 名前:ミハル:2007/10/19(金) 22:06:48
 
 マーティ!
 やっぱマーティだった!
 
 八代亜紀さんもだけどついに大御所だよ!
 

365 名前:名無し客:2007/10/19(金) 22:12:34
マーティさんは週刊アスキーのインプレッション読むたびに、
「この人、ホンマにスゴイギタリストやったんかな……?」と思ってしまうから困る。

366 名前:ミハル:2007/10/19(金) 22:25:29
 
 やー、メガデス脱退当時から「今のメガデスよりキュアーのが全然ヘヴィ」とかフツーに言えちゃったり、
ムス閣下に普通に付き合えてたりする辺り、コミュニケーション能力がハンパないだけって気もするんで
すけどね。最近だと、ネットで話題になった「初音ミク」のこと語ってたりとか、時事ネタも付いてけてたし。
 
 ……週刊アスキーの、そんなのあったんスか。読めばよかったですよ。
 

367 名前:ミハル:2007/10/19(金) 22:29:07
 
 ちなみに、初音ミクってのは音声ライブラリを利用して、音楽を流すと曲に合わせて歌を歌ってくれるっ
つう、すげぇプログラムみたいっす。早い話、サンプリング素材がまるごと一ジャンル増えたみたいなモン
ですんで、ライブラリが作れるなら故人の歌も使えるようになったりと、色々とんでもないかも。
 
 個人的には、マーティははやっぱりRIP時代でキマリかな。
 メガデスギタリストだとクリスがフュージョンやってて素敵だけど、マーティはやっぱHPギタリストとして
有能な人だと思いますよ。
 

368 名前:名無し客:2007/10/20(土) 09:58:15
ミハルはニコニコ見れないんだっけ?

初音ミクはあっちでブレイクしてるから、ちともったいない。
軽く千近くあるからかるミク動画全部はチェックしきれないけどなー

369 名前:ミハル:2007/10/20(土) 23:57:21
 
 開始で88KBって。これだからプロット立てずにやるのは……っ!
 アホか……っ! アホかあたし……っ! いやでも兄貴の舞台だし駄目人間は兄貴……っ!
 ていうかリテイク。あーもう、折角の休日が……。
 
>>368
 
 あ、動いてるのは見ましたよ。テレビでも、あとニコニコでも一度。
 ってもお察しの通り、あたしので見てはないのですが。
 
 個人的にはFNMとかSOADとかの、アヴァンギャルドな吐き散らし系ヴォーカルにどう対応するのか
見てみたい気もします。音域の対応はどうもわかんないんで。
 

370 名前:ミハル:2007/10/21(日) 00:00:01
 
 サンデーの魔王読んだんですが、スゴい少年漫画してて驚きました。
 ジョジョしてますジョジョ。
 ていうか安藤さん、高校生スか……。
 
 蝉さんが出てるみたいなんで、岩西さんがどう出てるのか気になるっス。
 

371 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/10/21(日) 06:49:42
 
「……さ」
 
「おう、おはよーさん……あ? ナンや。今なんぞ言うたか」
「さ……さ、ささささ寒ッ、ちょ、おい、あぁ!? なんだおいクソ寒ィぞこれ!」
「そらお前、今年は秋スッ飛ばして冬来たでな。寒いも寒いに決まっとるやろ。やー、しかしまあよーできとるなー初音ミク。オレも
こういうの作ろかな。ブッシュの声サンプリングして、演説くっ喋らすんや。こういう感じで……」
 
『……”私はJ・W・ブッシュである。私は危険な武装を駆使し、あらゆる資源を駆使し、テロリストを駆使し、世界中の石油を――』
 
「そのネタはとっくにアルがもうやってる……って、なんでクーラー入ってんだここ! 超ウナってんじゃねえかあの怪物冷房機!」
「や、今ちょっとここの相棒ら全稼動中なんや。オレらと違てこいつら熱がりやろ? で、まあ。ちっとばかしお前と地球にゃ不快と
エントロピーの増加ガマンして貰て、色々と不都合解決せなアカンとこなんや。スマンけど」
「……もういい。その白衣一つ貸せ。カゼ引く」
「おいおいおいおい、ナニ言ーとんねん。騎士様がカゼ? カゼや? 主の御許でホスピタルの騎士殿も泣いとるで? ”なぜ我等
の後継者はこれほど軟弱なのだ”てな」
「知るか。千年前の人間なんて、身体構造で言ったら現代人と別人だ。いくら進化の行き詰まりっても、千年垂れ流して変わらない
システムなんてないだろ」
「あらへんけど。あ、なに? ダーウィニズム楯に取って言い訳しちゃう? それちょっとどうなんかなぁ、カトリックの司祭サマ。忍耐
は美徳やで」
「……生憎、俺の生まれは極東の吹き溜まりだ。遺伝子情報がアホな寒さには対応してないんだよ。万歩譲っても四季がない国に
は住めない……第一、お前のやってる行動は七大罪で強欲だ」
「論点ズレとるやん……まあエエけど、折角の休日の目覚めや。コーヒーの一杯もプレゼントしたるわ。あー、ホットとアイ――」
「ホット。氷とか入れたらマジでハジくからな」
「なんで起き抜けでそない猟奇趣味爆発させとんねん……メシは?」
「いいよ。後でセシルとどっか行く。あいつ、今日来てるから。多分図書館か礼拝堂だし、呼べば来るだろ」
「うわ最悪やコイツ。断られるとか最初から考えへんタイプやな」
「断られたことないし」
「……エエけど。でもセシルちゃん、メシ食わへんやろ。突き合わすん可哀想やで」
「……。じゃあ、なんかあんのかよ、ここ」
「んん? デリバリーのドミノピザと朝マックのどっちご所望や? それともオレの手料理とか?」
「うるさい。聞いた俺が馬鹿だった。……夢から覚めたら現実は悪夢でしたってディストピアかよ、これ」
「んーんー、惜しいな。気付くからディストピアなんやで、それ。「ふはははは! この世界はスデにこのHALの支配下にある! しか
し嘆くな人間どもよ、気付く必要はない! 自由意志に始点を見出せぬ汝らに自由なる幸福はない!」みたいな。エエやん、アメリカ
人はコカコーラ大好きで」
「普通にイヤなHALだな、それ……」
「まあHAL以前にネタ自体旧作のパクりやけど。しかしちっと古典過ぎて、リバイバル精神溢れる流石のオレでも十年以上前やないと
フツーには使えんわ。ガキの頃一度やったきりや」
「やったんだ……」
 
「アホだ」
 

372 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/10/21(日) 06:54:22
 
「……今。……いや今、モロにアホとか言われたんやけど」
「地の文を書くタイプのレスじゃなかったので」
「いや知らんわそんなメタな突っ込み! どんだけやねん!」
「まあ。まあまあ」
「……まあ、せやな。流石にこのセリフ文オンリーでお前の独白じみた自意識過剰の地の文とか聞かされるのはタマらんな。吹き出す
の堪えるの難し過ぎて」
「見てきたみたいに言うよな!」
「『……はっとする。まるで、艶やかな白磁みたいな首が目の前にあった。触れれば折れてしまいそうな、枯れ枝めいたカタチと、仄か
に人味を帯びた白。そんなつもりじゃない、と頭では理解しているのに、喉は白痴みたいに呼吸を忘れている』」
「だから見てきたように言うよな! 見てきたみたいに……ていうか、これは遠回しなイジメじゃないのか……?」
「『本当、タチの悪い冗談みたいな光景で、現実だ。いつも遠く見ているだけだったモノが、伸ばした手の届く場所で震えてるんだから。
息を呑む。伸ばした指が喉に触れて――』」
「なんでそんな喉に拘るんだよ! そんなフェティッシュな執着はねえよ!」
「んじゃ『襟から除く肩甲骨に』」
「ねえよ!」
「『胸に』」
「ド直球すぎるじゃねえか!」
「『太もも』」
「……、」
「……いやスマン、そこ詰まらんといてくれんか。むっちゃ困るんやけど」
「……いや。詰まったのは俺が悪いけど、……ていうか、悪い、違う、俺、そんな普通に駄目な視点で誰か見たりしてない……してな
いんだ、マジで……」
「マジ謝りされた……」
 

373 名前:◆WEISS0lzjQ :2007/10/21(日) 07:13:34
 
「……まあ、んじゃ気を取り直して」
「まだ続けるのかよ! オチもないレスでどんだけ痴態を晒す必要があるんだ俺!?」
「今度は挽回篇」
「いや、篇って……ていうか挽回って、しなきゃいけないようなこと、何もしてないよな……」
「『解釈しなきゃ誰も理解できないとか、理屈を前提に置かなきゃ誰とも付き合えないとか――それはきっと、どれも本当だ。俺達は
どんな言葉もどんな事柄も、その場その場で優先順位をつけることでしか処理できないし、共感なんて言葉を振り回したって、本当
にそれを理解できてるわけじゃない。……でも多分、そういう理屈は関係ない。俺達が状況でしか物事を処理できないのなら。確か
なのはこの状況でしかないのなら。この、今は。腕の中に抱き入れた、この感触は――俺はふと、十以上も歳の離れたこの少女に
抱く自分の感情がドス黒いものだと自覚し』」
「最後でドン引きだな! ていうかお前の考えてる俺像が大分この設定で見えてきたな!」
「え……せやけど、こうせえへんとロリコンっぽくあれへんし……」
「あらないんだよ!」
「ある、ない、で、あらない、な。うん、日本語ってムズいなロリコン」
「その呼称は断固拒否だ! そしてお前は俺に謝ってから遺書書いて錘巻き付けてアドリア海に飛べ!」
「……いやまあ、ちゅうか、アレや。お前昔、どこぞの女子高生にフラれてめっちゃヘコんどったやん。んでまあ、てっきりオレは年下
好みかと」
「フラ……れ……て、ない、よ? あ……、会えなくなってるだけ、だよ? み……えと、あの人も、ほら、ええと、学校とか忙しいだろ
うし、連絡も取れないことだってあるだろうし……」
「『フラれてない 思ってるのは 自分だけ』」
「五七五にすらなってねえしキャッチフレーズでもねえし、よし解った表出ろ!」
「ならなんや。あくまで自分はロリコンやないと主張できるわけやな」
「……当たり前だ。むしろ好みとか年上だよ」
「てえか、審問局の連中やらお前んとこの仙人サマやら、外見と年齢一致せん連中多過ぎやし……」
「ふうん。分子配列構造の新旧が年齢の基準ってのは、大分お前の主張とズレるよな」
「おお。お前、なんや。このタイミングでその正論ナシやろ。……っつか、年齢も外見も性別も取っ払った連中相手に恋愛感情成立さ
せるほどマゾいやつ、この世中引っ掻き回しても、お前くらいしかおらんわ」
「の以前に、その連中が好みだって言った憶えはねえだろ……」
「てかアレや。趣味趣向て、この場合は外見当てやろ。自己内の他者に当て嵌めるテキスト言うて、ンなもん好悪の印象しかあらへ
んワケやし。実年齢千歳で外見十二歳の吸血鬼に惚れたら本気でロリコンやん」
「いや、すげえ具体的な喩えだな……」
「丁度読んだ小説にな……いやいやいや……てか、この場合やな、外見の好悪に対する印象と実像に対するズレは問題やないわ
けやろ? 問われとるんは、むしろ対象よりも主体の感情なワケやし」
「そりゃまあな。ふん……そうだな、この場合は主体は対象と関連を持たざるを得ないって前提があるし、相手が吸血鬼だってことを
知ってる主体は、対象にどんな意味合いで接してるかが焦点になるわけだろ。となると、主体を含めた人間ってグループの価値観と
照合してロリコンかどうかを決定するべきだな」
「いや待て待て、待てや。価値観多様なグループにそんな複雑な条件設定してどうすんねん。ロリコンかロリコンやないか、イエスか
ノーの二択やろ、この場合」
「なら、ロリコンの意味を再定義する必要があるな。いや、この場合は範疇を定めてやるだけでいいのか。つまり、ロリコンって共通認
識を狭めてやるわけで……あー、ああ。いや、待て」
「……あー、ああ、いや。いや、待て」
「ああ。……むしろ、朝から俺はなにをやってるんだ……? なんで朝からロリコンなんてありえないタームを連発してんだ……?」
「いや、マジでオレも解らん……怖ぇな、ノリって……」
「そうだな……。朝からお前に付き合ってる俺は、ちょっと自分の寛大さに眩暈がしてきたとこだ……」
 

374 名前:名無し客:2007/10/21(日) 22:37:22
感想スレに書くのもアレなんでこっちにw


なんと言うか、台詞だけでも十分面白わね。
と言うか、台詞だけがこれだけ延々と湧き出してくるのが純粋に凄い。

神父がこれに地の文までつけたら1M超えの大作になるだろうから、ある意味こっちのほうが読みやすかったりw

375 名前:名無し客:2007/10/22(月) 00:59:46
ボイスドラマのように効果音とか欲しくなってくるなー。
誰かが録音していたとか、警備システムがSound Onlyになってるとかで。

376 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2007/10/23(火) 23:24:42
 こんな話題で三レスみっちり使える神父に戦慄した。
 ……いや、何と言うか。凄いわ。


 あ、名盤百選はここにやりたい人が居るんで是非(何)

>>336
 ん、遅くなっちゃったけど。結構いい感じね、これ。
 とりあえずこれを念頭において組み立ててみるわ。
 ありがと。助かったよ。

377 名前:名無し客:2007/10/28(日) 23:05:29
初音ミクがやばい。

発売から二月のソフトだとは知ってはいたが、ここまで使い手側の進化速度が速いとは予想外過ぎるw

最初は珍しいから聞いてただけだったけど、最近のオリジナル曲は普通にエンドレスリピートで聞ける
聞けてしまう……二重の意味で感動してしまった。

378 名前:ミハル:2007/12/09(日) 23:31:36
 ぶっちゃけます。
 メイン端末がギブアップしちゃってます。
 公私共に書かないと死んじゃえる状況なんでノートが恋人なんですが、学校がメインは、つ、辛すぎ。
 誰かすいませんマジでお薦めパソコンとかあったらお聞かせください。
 一応、エプソンダイレクトかマウスコンピュータで考えてはいるものの・・・・・。
ああぁ、もう。
 
 レス頂いたままみたいで、ホント申し訳ないです。またこちらに帰ってこれたら、そんときに。
 べんきょーは怠らず、キチンとシャッキリとした姿で帰ってきますんで。
 それではまた、いつか!

379 名前:ニコラス・ネイルズ ◆QUATreGC1A :2007/12/11(火) 04:05:48
 メーカー品ならOSがvista以外の奴を選べばいいぜ(何)

 ……ま、時間に余裕があれば自分で組んじまうのが早いけどな。
 欲しい機能を自分で取捨選択して値切れるし、後付けも楽だからよ。


 しかし、この乱痴気騒ぎに出て来ねえと思ったらそういうことかい。
 あんたらのファンだったから楽しみにしてたんだが、ちょいと残念だ。
 そっちに幸運の女神が早く戻ってくることを祈るぜ。頑張りな。

380 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2007/12/12(水) 00:00:20
……何をやってるんだ、あんたは?
いや、故障が不可抗力だってのは分かるが。
 
だからといってこんなところで助け求めてもたいした答えなんて返ってくる訳が――

ん?
俺?
俺はその――伝言伝えに来たというか、道案内というか。そんなのだよ。

……つーわけで、ローランド先生、どーぞ。

381 名前:Jack Roland ◆LOSJACkEtA :2007/12/12(水) 00:20:43
さてと。
それじゃあ、つまんない挨拶とかはおいといて、早速始めようか。
手っ取り早くすませるんなら、そこ(>>379)のオニーサンが言ってるように
自分で部品調達するのが一番なんだけど――案外お金も掛かるし、それこそ相性
なんかが出たら目も当てられないからね。
当初の目的通り、BTO(Build to Order)か、いわゆるショップブランドで探した
ほうが無難じゃないかな。

後は目的による訳だけど――どんなのがお好み?
どんな重いゲームでもサクサクのハイエンド?
それともグラフィックとかのクオリティ最優先? それなら本体もそうだけど
モニタも相当奢ってやらないと――
ああ、むしろ音質重視? それならDCS-SEV24/PEっていうなかなか面白いカード
が――
 
「……ジャック。ちょっと待て」
 
なんだよ、レイ。良いところなんだから邪魔しないでくれよ。

「いや、お前の趣味を満足させてどーする。ついでに、人の話は良く聞け。
『書かないと』って書いてあるだろーが」
 
……本気で? せっかく新調するのに、テキストライトオンリー?
最近パーツの価格と性能がこれでもかって反比例してるご時世、そんな無個性な
マシンを使おうって?
どうせだから、ケースとかもものすごいとんがった奴使ってさ――
 
「……最初と言ってることが変わってるぞお前。
 誰もがみんなお前と同じ趣味じゃねーんだよ。それに、とんがってるってだけで
人の端末にSolarisとかいう訳の分からんものを突っ込まれて、散々苦労したのを
忘れたのか。主に俺が」
 
アレは使い方覚えようとしなかったレイが悪いと思うんだけどな。
まあいいや。要するに、ごくごく普通の、ありふれたマシンを教えればいいの?
余分なものも何もなし。面白みのかけらもない無個性な機械を?
 
「そうだよ。
 つーか、あんまり人様の所に出張ってる訳にもいかんのだから、さっさと頼むぞ」
 
……わかったよ。やれやれ。だからロマンを解さない人間ってのは――

382 名前:Jack Roland ◆LOSJACkEtA :2007/12/12(水) 00:48:04
……まぁ、BTOってことは基本的に通販が前提だからね。
だったら正直、どこに発注かけても変わらないと思うけど。
 
マウスコンピュータ、エプソンダイレクトとメーカーがある程度絞れてるなら
尚更じゃないかな。
もしマウスコンピュータでなら……こいつかな。
http://www.mouse-jp.co.jp/desktop/lm/0712/index2.html
の中にある、Lm-A415S。
Intel系のCPUじゃない点が気になるかもしれないけど、価格帯のコストパフォー
マンスはAMD系は抜群だからね。いまならロハでメモリ2GBにできるって点も、
とってもオイシイんじゃないかな。

予算に余裕があるなら、
http://www.mouse-jp.co.jp/desktop/exg/0712/index.html
のMDV EXTREME ST 5800Bかな?
グラフィックカードの性能がちょっと寂しいけど、ゲームやらないんだったら十分
だと思うし。どのみち、VRAMが256MBなら上位モデルと比べてもたいした性能差
にならないからね。
同じくAMD系のCPUだけど、特に機能拡張をしないなら相性問題に悩まされる事
もないだろうから、問題ないんじゃないかな。
 
エプソンダイレクトも当然悪くはないんだけど、性能と価格を考えたら割高になる
のは否めない。故障とか、修理の対応を考えた場合は全然こっちのほうが強力に
やってくれるから、サポートを重視するかどうかが選択のポイントだよね。

後は……BTOだと、個人的にはHP DirectPlusもなかなか良いんじゃないかって
思う。
例えば、
http://h50146.www5.hp.com/products/desktops/personal/v7000_winter/model_c.html
のv7260jp/CTなんかも、性能から考えるとそれなりにいい値段だ。
デザインも――当然好みがあるだろうけど――悪くないんじゃないかな。
問題といえる問題は、搭載OSがVistaのみで、XPが選択できない点と、
Vistaならメモリ2GBは積まないと実用には厳しい点、そして、メモリを2GBに増
設すると、送料含めて十万円を超えてしまうところ……こんな所かな。

383 名前:Reiot Steighnberg ◆LOSJACkEtA :2007/12/12(水) 00:52:06
……以上、ローランド先生のオンラインショッピングのお時間でした。
それじゃ、またいつか――
 
つーわけで、とっとと帰るぞ、ジャック。

「えー。まだ本命を紹介してないんだけど――」

お前の本命なんて恐ろしくて使えねえよ!
いいから帰るぞ!

「はいはい。分かったよ。ほんと、冗談が通じないんだよなぁ、レイは」

……いずれ、じっくりと話をしような?

まあ、そんな訳で。じゃあな。

384 名前:ミハル:2007/12/12(水) 01:52:09
くあ、ケータイ小説に望んでる気分・・・・・・。

ホントにアドバイスありがとです。ていうか、皆さん自作デキるヒト系の発言だぁ・・・・・・うー、あたしにもそれやれるならなぁ。

385 名前:ミハル:2007/12/12(水) 01:59:53
 さすがにギリギリまで端末なしはシャレになんないので、お店見てきたですよ。
 マウス、そちらの方が言われる通りにすっごい安いんで驚いてます。ただ、サポートが・・・・・・。実情現状惨状非常、届いたらフィーちゃんばりにタイプ三昧なのは確定なんで、しっかりしたものを、と思いまして。
 望めるなら、えっと。
 ちょっと質問させてください。

386 名前:ミハル:2007/12/12(水) 02:10:27
 曲の編集は自宅でやんないんでそこまで多くは望まないんですが、映画とかはフツーに見たいです。
 えと、P4の3GHzくらいのを使ってたんですが、Dual-CoreのE2160ってのは、これより働いてくれるもんなんでしょうか?
 数値だけ見れば1.80GHzだけど、ベンチマーク見ると単純に比較はできませんし。ただ、今までよりは快適ならいいなあ、って。
 コストと環境(現状の情報隔離含めて)から、シロウトなりの兼ね合い出してみたんですが・・・・・・。

387 名前:Jack Roland ◆LOSJACkEtA :2007/12/12(水) 02:41:51
>>386
 
Pentium4の3.0Ghz?
だったら心配は無用だ。はっきりと快適になってくれるのは間違いない。
もともとPentium Dual-Coreっていうのは、Core 2 Duoの廉価版的扱いだからね。
2nd Cacheが半分の1MBに削られてるぐらいだし。
最近はクロック周波数よりも、1クロックあたりの動作効率が優先されてる。
Dual Core化したことによるメリットのほうが、多分大きいんじゃないかな。
 
もっとも、価格対性能比でいうなら、Athlon 64x2のほうが上なんだけどね。

あと、Vistaについて言及があったけど、あれだけで使う分にはそう悪いものじゃないよ。
あえて選ぶ必要性がないってのはもちろんあるけど、同時に積極的に避けて回る
必要性もないんじゃないかな。
互換性問題もだいぶ改善されてきてるみたいだし、32Bit版なら動かない過去の
アプリもだいぶ少なくなってる。
っていっても、Jane系はちょっと動作が怪しいんだけどねー。
あと、快適に動かそうとしたら2GBはメモリ突っ込まないと駄目なところとか。


よくを言えば、来年リリース予定のSP1を待ちたいところではあるけどさ。

388 名前:ミハル:2007/12/12(水) 02:44:09
 ていうか、ギブソン二代目お迎えした直後だけにキツかったっス・・・・・・。

 まあ、ネットで情報取得の強迫観念にせっつかれないぶん読書がはかどってます。
 今は空き時間の概念が割合アタマん中でハッキリしてるんで読んでなかった本とか片っ端から崩したり。読む気が萎えたままフィーちゃんから借りっぱだった民俗学の資料とか、まさかこんな切っ掛けで読むとは思わなかったけど。

389 名前:ミハル:2007/12/12(水) 02:53:24
 あ、DCってそうなんですか?
 状況によっては方っぽしかCPU動いてくんないとか、割と心配なこと言われちゃいまして。めっさ高画質のPVとか前は快適に見られなかったんで、それがサクサク動いてくれるなら言うことなしですよ。

390 名前:Jack Roland ◆LOSJACkEtA :2007/12/12(水) 03:02:47
プログラムとしてマルチプロセスに対応してないソフトウェアだと、逆にパフォーマンス
が落ちる、て話はあるけど、どちらか片方しか動かないって話は聞かないけどなぁ。

まあ、最近はOSそのものがマルチプロセスに対応してるから、相応のパフォーマンスは
期待できると思うけど。
あとは、なるべく高速なHDDを載っけたりとか、メモリを増やしたりとか……
その辺がまっとうな方法かな。

391 名前:ミハル:2007/12/12(水) 03:07:37
 来年のSP1待ちってのは・・・・・・えっと、たぶん死ねます。切実に。
 そのときはまだ新しくもう一台買ったほうがいいかもってくらいには。

 XPも自宅で使うのは初めてかも。
 兄貴は2000Winで現役だし。素っ気ないOSと兄上は相性いいみたいです。

392 名前:ミハル:2007/12/12(水) 03:16:51
 対応OSですか・・・・・・。
 時期考えればXPは対応してるでしょうし、これならまあ、大丈夫かな?
 全体の性能も底上げされてるでしょうし、後は再生するソフトで対応するとか。

393 名前:Jack Roland ◆LOSJACkEtA :2007/12/12(水) 03:26:11
あと、保証についてだけど。
さっき、マウスコンピュータとかエプソンダイレクトを見てたら、オンサイド(出張修理)
の規定なんかがあった。
当然、別契約になるばあいなんかもあるけど、故障の時に早急に直してほしい、
ってことなら、こっちも検討するといいんじゃないかな。
もっとも、壊れた箇所によっては自分で直しちゃった方が早い場合もあるんだけど。
 
2000も悪くないOSだったけど、時期を考えると流石に設計の古さは隠せない。
起動の早さはもちろん、いわゆるデュアルコアに対応したカーネルになってないし、
120GB以上のHDDを使う場合も、レジストリの変更が必要だったりするから。
ついでにいうなら、ネットワーク周りも最近の30Mbps超の高速ブロードバンドに
対応してないから、これもまたパラメータの書き換えが必要になる。
 
使えてるうちは、当然変える必要なんて無いんだけどさ。
新たに選択するのに、2000に固執する必要もないよ。
XPは、リリースから5年が経過してかなり良い仕上がりになってるわけだし。

394 名前:ミハル:2007/12/12(水) 03:27:35
 ともかく、こんな時間なのに、ホント色々ありがとうございました。
 慣れない執筆状況でお見苦しい文章になってるのは承知の上なのですが、どうかご了承願えれば幸いです。

395 名前:ミハル:2007/12/12(水) 03:36:08
保障と対応のスピードに関してですが、これでエプソン選びました。どうもマウスはそのへんが弱点らしいので。

HDDはもうIDEが使えないくらいみたいですし、時代は加速しまくってますね・・・・・・。

396 名前:Jack Roland ◆LOSJACkEtA :2007/12/12(水) 21:26:08
ま、S-ATA(今はS-ATAIIが主流だけども)には2〜3年っていうそこそこ長い移行期間が
もうけられてた訳で、こればっかりは仕方ない。
もうショップに出かけてIDEのHDDなんてものが少なくなっちゃってるからね。
そもそも、現在のメインストリームのマザーじゃ、IDEのHDDなんてものをプライマリ
に指定できないから、あと一年もしたらすっかり過去の遺物なんじゃないかな。
せいぜい光学ドライブ載っけるぐらい?
 
それはそれとして――
メーカー決まったところで一個だけ。
もし予算に都合がつくなら、グラフィックカードはきちんと載っけた方が良い。
別にゲームやら何やらは関係なしに、VRAMがちゃんと専用に確保してあるから、
通常利用でもモニタの描画のパフォーマンスは上がるし、何より映像の再生支援機能
が利用できる。
当然、対応したアプリケーションが必要な訳だけど――例えば、映像の再生の際に
CPUを利用してた部分がグラフィックカード側である程度処理できるようになるか
ら、負荷も軽くなるし、ついでに画質が向上したりとか、オイシイおまけもついて
くる。あと、メインメモリをフルで使えるってのも効能のひとつかな。

EPSON Directだったら、そこそこ低価格なモデルでもRadeon HD 2400か、GeForce 8500GT
あたりが選択できるはずだから、どちらを選んでもいい。

397 名前:名無し客:2007/12/12(水) 22:44:11
GeForc8500GTって、地雷だって聞いたけど。
そのへんどうなのよー

398 名前:ミハル:2007/12/12(水) 23:19:18
 げ、グラフィックボードはスルーしたまま注文しちゃいました。
 このへん詳しくないのと、あとで増設効きそうだったんで・・・・・・。
 まいったなぁ、問い合わせて変更してもらえればいいんですが・・・・・・。
 ていうか、今のグラボが流用できれば一番なんだろうけど。

399 名前:Jack Roland ◆LOSJACkEtA :2007/12/12(水) 23:33:22
ゲーム用カードとして見た場合はYES、だね。<地雷
ただ、そこのお姉さんはゲームしないみたいだし。
上位のカードと同じく再生支援機能も持ってる訳で、まあ必要十分なんじゃない?
だったら、価格の安いRadeon HD 2400でいいんだけどさ。

400 名前:Jack Roland ◆LOSJACkEtA :2007/12/12(水) 23:35:26
>>398
ああ、なら別にいいさ。
実際後付けできるだろうし。
LowProfile仕様のカードだったら大概大丈夫だともうよ。
欲を言うならファンレスで。
 
ていうか、今使ってるの、例のP4-3Ghzのマシンのだろ?
残念、規格変わっちゃってるから使えないねー。

401 名前:ミハル:2007/12/12(水) 23:45:20
 まあグラボはどれにしても、これ使わなきゃ動画再生もまともにままならない、ってレベルでないなら、とりあえずは急がないんですが・・・・・・。
 うーん、オンボード状態だとどのくらいなんだろ。

 あとほか、DVD周りはATAPIでマルチドライブを内蔵で後付けして、メモリも別のとこで買った1GBのを後付け予定です。

402 名前:Jack Roland ◆LOSJACkEtA :2007/12/12(水) 23:50:50
>>401
いや、それは大丈夫だって。
追加した方がもっと快適かも? ってぐらいだし。
オンボードでもそれなりの性能持ってるからね、最近のは。
 
俺にはどのマシン発注したのかは分からないけど、最近はIDEコネクタ自体が
ついてないマザーもあるから、そこのところ気をつけてね。<ATAPIドライブ
 
あと、メモリもDDR2ってのに変わって――ああ、これは仕様書にかいてあるっけ。

403 名前:ミハル:2007/12/12(水) 23:53:13
 あ、やっぱ規格変わっちゃってるんスか。
 うー、残念。

 ゲームはお察しの通りたぶん今のとこやんないんで、映画やら動画やら見られるならとりあえずは全然許容範囲です。

404 名前:ミハル:2007/12/13(木) 00:04:39
 マザー、ATAPIって一応確認してもらった上で選んだドライブなんで、たぶん大丈夫、だと思ってます。
 ちなみに、頼んだのはMT7800てヤツですね。
 HDDは変換して内蔵するか迷いましたが、とりあえずケースに入れてUSBで扱おうと思ってます。

405 名前:ミハル:2007/12/13(木) 00:20:33
 でもホント、二日も付き合って頂けて感謝の至りです。
 もうアレです。大好きです。

 あ、それから、グラボ性能のご示唆、ありがとうございました。
 世情に疎いアタシですが、参考にさせて頂きます。
 お礼は、復帰しましたら、こちらにて結果で必ず。
 マシンが来たらすぐに、というワケにいかない感じではあるのですが、アタシなりに不在期間はプラスにして帰ってきます。

406 名前:ミハル:2008/06/28(土) 22:09:35
夏にはカオ出したいです。

407 名前:名無し客:2008/06/28(土) 22:12:52
もう夏です

408 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2008/06/30(月) 14:20:53
まだ梅雨です。
おかえりー。

409 名前:ミハル:2008/07/08(火) 01:30:53
ただいまです・・・・・・じゃあ、ねえぇーッ! 全然!
うー、まだちょっと生徒会の資料作成が片付かないっす。
早いとこカタして色々話せるように気合い入れてきますんで、戻ったらヨロシクです。

410 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2008/07/08(火) 01:35:07
ん、よろしく。まあ焦らずにね。
こっちもまだちょっと色々と残ってる用事あるし。のんびりでいいよ。

411 名前:ミハル:2008/07/08(火) 02:23:38
うぃす・・・・・・、つぅか資料作るのに資料資料って!
読まないとニッチもメジャーもなんともなんねー状態なんで目がショボつく! クビ痛い!

が。
ううう、ヘバってても仕方ねえ!
お互い頑張りましょう!


412 名前:ミハル:2008/10/07(火) 22:57:23
かなり手間取っちゃってます。
手間取りすぎ。
もしまだあたしらのコト覚えててお待ち頂けるなら、もうちょい猶予頂ければ幸いです。
気合い入れたレスしたいです、マジで。

スリノ新譜はアレだったとかワリとよかったマイナーなのとかイロイロと雑な話題もあるのに!
あああ! もう!

413 名前:名無し客:2008/10/08(水) 01:34:01
ああ生きてたか
なによりなにより

414 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/11/01(土) 00:25:22
 
 い、生きてますよそりゃあ!
 どうなってると! 思われてるんだッ!
 くっ……これがネットの怖さ……『死亡認定』ってヤツっスか……王大人もビックリだぜ。
 
 な、なら!
 ならば!
 来週にはレスをするぞォーッ!
 
 ……べ、別にラウパ終わるまで来なかったとかじゃないんだからねっ!
 ……。
 あれ?
 あれぇ……?
 なんかすげぇ寒い視線がひしひしと……。
 

415 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/11/01(土) 00:35:02
 
 えーと。
 まず、PC新しいの来てます。かなり前に。報告してなくてすいません。
 ダークナイトもPCで見れそうで、スゲェーっ! 嬉しいってカンジっスよなぁーッ!
 
 レスとかマジで久し振りですが、ちょっとだけ。
 リハビリ?
 
 さしあたりCD感想。
 
・54-71
 
 アルビニった。
 再録分がアルビニ音に汚染されててモロでした。……っつかまあ、アルビニと相性いい人達だとは思って
ましたが、予想通りの範疇っつーか。アルビニが録音してもあんまり「アルビニっぽくない音」ってのはある
んですが(ジョアンナニューサムのとかそうだし)、これはナマ音の強調なんかはGiddy Motorsの1stに近い
印象もあります。個人的に2nd(無題)の空間強調した酔っ払いのラップコア、みたいな雰囲気が好きだった
んですが、路線的にはメジャー後の系譜で、ザラついたギターとぶっといベースがスキマ埋めた演奏陣に、
のたくるラップが絡んでくって感じになってます。シェラックとかビッグブラック好きなヒトにもウケるんでは。
バトルス好きにはどうかなあ、って思うけど。
 ジャケが相も変わらず手間掛け過ぎ。前のベスト集とまではいかないまでも、元取れるんですかこれ。自
分とこのレーベル経由だからいいんだろうけど、Killie並に無茶やってます。
 9DWとのスプリットがベック状態だったんで「うえぇ?」とか思ってたんですが、うむうむ、杞憂で良かった。
 

416 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/11/01(土) 00:46:14
 
 あ、54-71は新譜です。"I'm Not Fine, Thank You. And You"っスね。
 タワレコ特典死んでたんでユニオンで買いましたよ。やれやれ。
 
 ホント久し振りにスレッドを見渡してますが、マジで流れを感じます。
 状況の変化を確認するのが怖くて他のスレッドが見れない!
 
・Equilibrium / Sagas
 
 バイキングメタルの2nd。デモが1stの前にあるにはあるんですが。昔デモの頃にこの人ら見付けて、その頃は
学校で浴びるほど聴いてたんですが(ハタ迷惑な中坊だ)気付いたら出てた1stはめっちゃスルーしてました。
 つーか、スレッド見直したら藤原お姉さんが1st薦めてました。うおお。で、2nd→1stで聴きましたが、こっちのが
ダメ具合が増してます。蛮族的な意味で。
 言っちまえばヴァイキングメタル総集編なんですが、やり口が徹底してます。CD容量を使い尽くさねば気が済
まぬとばかりのアホな曲数&トータルタイムと、そのデタラメを成立させるマジっぷり。天然じゃなきゃこんなので
きねえ。まあ、案外計算してやってそうではありますが、蛮族的な計算で。
 
 まあハッキリ言って、ド真性のアレさ具合はフィントロールとかチュリサスとか初期のコルピに比べれば大分落
ちます。というか、マトモです。が、やってることが突き抜けてるのがスゲーです。ネタに走った(のはいいけど、
ちょっと定型化しすぎな)コルピとかヤケにまとまってきたフィントロールとかはちょっと……ってとこがあったんで
すが、無駄に壮大で尚且つジャンクな音をガリガリ鳴らすこのバンド、演奏面で無茶しすぎ。ヒヨったドラゴンフォ
ースの新作より全然イケます。流石蛮族。
 1stみたいな笛メタルとまではいかないまでも遠慮なく割り込んでくるフルートとその合間をズガズガ走ってくドラ
ムワーク、実はかなり巧者なギターのリフ作りと、メタラーには強引に聴かせる要素満載かつ、畑違いのリスナー
には「なんかヘンなRPGのサントラ」みたいなイメージで聴かせられそうな空気が充満。アホみたいに曲が長いん
で途中で飽きそうな感はあるんですが(あたしらはともかくカタギのヒトは特に飽きそう)、遊び入れまくって楽しく
聴かせてくれます。やってることはブラック流れのヴァイキングと大差ないんですが、エラく陽系のメロディはひた
すら楽しげな気配が漲りまくってますね。蛮族じみてますね。
 あと販売元がサウンドホリックから変わったのはちょっと残念。1stは例によって例によるSH伝統の邦題が炸裂
してて、「神々の紋章」なんて題打たれてました。どこのRPGだ(なんかこう、ドラクエっぽい)。蛮族過ぎる。
 

417 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/11/01(土) 01:04:14
 
 あたしのレスが死んでいるッ!
 なんかこう、感覚が戻ってこない! いやいやいやいやいや大丈夫かホントに!
 
・HASYMO / The City of Light / Tokyo Town Pages
 
 聴いた事ある人多いんでは。某ニュースのテーマソングです。そういう意味では非常にカタギな音楽。こ
のスレ的には結構異色。
 しっかし、教授はプロジェクト多すぎではありませんでしょうか。坂本さんの作る音楽は、基本的にこうな
んだ、ってイメージが固まるまで時間が掛かります。というのも、プロデューサーとしての立場でやってる
音と一作者として参加する作品では内容の開きが大きすぎるというか。
 ゲームのサントラはその例として顕著らしいのですが、生憎とその辺はまだ未聴。
 
 で、そんなサカモト教授の最新プロジェクトです。
 エレクトロニカです。和製エレクトロニカとしても傑作と言っていいんじゃないでしょうか。
 実にソツなくチルってて、かつ盛り上げるところは盛り上げるような『曲』を作っています。書店で流れて
そうで流れていない音楽、というとどうでしょうか。
 ここんとこの坂本アンドエレクトロニカシリーズとはかなり別、というか逆。アレはアレで傑作でしたが(ま
あ、あたしの場合チル系アンビエントはあんま嫌いなのがないってのもありますが)、ここで作られてるの
はすげー解り易い電子音楽、もっと解り易く喩えるとレイハラカミをもっと普通にした(キッチュな感覚だけ
抜いたような)音楽です。
 電車のアナウンスがカブってくる無機質なエレクトロニカは、どうにも寂寥感が漂い過ぎていて夏よりも
秋にピッタリではあるんですが。『誰もいない駅のホーム』あるいは『誰も省みない駅のホーム』的で日本
人にはグッとくるもんがあります。
 ジャケの空撮ぶりはバイオスフィアかよと言いたくなるくらい徹底的にハウスでした。あとサブカル色も
薄いんで、そっち系だと思って敬遠しなくて大丈夫な音楽ですね。
 
 あ、それとエクスマキナ(アップルシードex-士郎正宗)の映画版に音楽提供するみたいです。すげー。
 そういえばチルってーと、ウチの近所の本屋がJESU流してました。どうなってんですか最近の本屋。
 

418 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/11/01(土) 01:13:53
 
・Tokyo Town Pages
 http://jp.youtube.com/watch?v=48I48nQCn5Q
 
 流石youtube。こんなのまで。
 収録分は両A面二曲とアンビエントver二曲です。
 

419 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/11/01(土) 01:48:22
 
 あ、ちゃんと動画表示されるんだ。
 ちょっとだけブログ感覚。
 
 んじゃま、趣向を変えて少し動画紹介でも。
 
http://www.youtube.com/watch?v=vSKIl-NeZeE
・Efterklang / Mirador
 
http://www.youtube.com/watch?v=s5HVRe7UDuc
・Subtle / The Mercury Craze
 
 萌え系二連発。
 上のエフクラ動画はすげーハマってた動画ですが、中々紹介する機会もなかったので。一応日
本盤も出てるポストロックですね。
 サトルの方は「萌え動画あります!」とか言われたんで見てみたら案外そうでもなかった、という
感想だったんですが、2:22(2:20?)辺りからの展開は確かに。なんつーか不覚にも萌えました。
 

420 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/11/01(土) 02:02:21
 
 早くも動画ネタが尽きてきたのでネタとして成立してる動画で。
 ミステリファン推奨。……とか言っとくと面白いかな?
 よく見てると解ります。よく見てなくても二回見返すとネタが解ります。
 
http://www.youtube.com/watch?v=3c9RmtC-8mI
 
・NICKELBACK / Someday
 
 コンセプトなデキがこれだけいいのって、PVとしても例外中の例外かもしれないですね。
 映像ならではのトリックとインパクトでぜ、ホントにこれ。
 未だにヒマ見てはたまーに見返す作品です。
 

421 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/11/01(土) 02:29:21
 
・The Reign of Kindo / Rhythm, Chord & Melody
 
 普通に忘れてましたのROK新譜。周りで全然話題になんねーもんですからスルー状態でした。
 ちなみにTDAA(This Day And Age)残党です。あしからず。
 エモジャズロックのド定番ってイメージですが、ベンフォールズよりも明らかにエモでウェイキングアッシュランド
と違ってピアノ主体のジャズコード引いてける辺り、シーン的にも貴重な存在だと思います。曲によっては昨今の
モダンジャズなイメージ。
 強引に近いの上げるとUnchain(jp)なんですが(いや大分違うっちゃ違うんですが、エモでジャズって観点では
上げときます)、あっちがコジャレた肉体派/都会派ジャズロックなら、こっちは内省込みのアメリカ人的なそれ
ですね。レーベル的にもちょっと異色かも。
 
 個人的にTDAAはエモ過ぎる濃さが魅力的だったワケですが、そっち路線を見事に別方向に期待外してくれた
前作EPはそれなりに魅力的でも、いかんせん突き抜けきれてなかったのと六曲入り(カヴァーあり)だったのが
痛かったんで、それを埋めてくれる良作って感じです。EPよりもテクニカルでジャジー。シブさとエモさをギリギリ
のとこでバランス取ってるのがまた。
 つーか、JEW新作が微妙だったのとデスキャブは格好いいけどタフになり過ぎてるんで、このくらい濃くても良
かろうよ、と思います。エモはホント、メソメソしくてナンボでしょう。
 ただ、EPのジャズ寄りな曲を期待すると期待外れかもしれません。
 
・Gjallarhorn / Sjofn
 
 ギャラルホーン。ギャラルホルン。まあ、ヤァラルホーン、ってとこで。某メガテンの角笛です。9mmのEPが同
じタイトルなんでそっちのイメージばっかりかもしれません。世間は。
 ラディカルトラッドの最先鋒ってイメージがあるんですが、ガルマルナとかヘドニンガルナとかのトラッドプログ
レと同系統です。ディジリドゥ(民族楽器の笛)の荒れ狂うフィメールトラッド、とか言うとイメージできますでしょう
か、なんとなく。
 初期は割合アヴァンな叫びも多用してたヴォーカルは落ち着いてきて(最初の頃はイヴァビトヴァみたいでし
た。解り易く言うとヒスってる時のビョークっつーか)、しっとりめのフィメールヴォイスが堪能できます。
 生な質感を重視してた音にも録音被せてきてたりと、変化は結構大きいかも。
 いかんせんマイナーなので、なんか書いてて虚しくなりました。
 

422 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/11/01(土) 02:47:10
 
 今日はゆったり予定なのでまだまだレスで。
 
 っつーか。
 
 音楽ネタばっかりだ!
 むしろレスの仕方を忘れてる!
 なにすればいいですか! レスって! いやむしろどうしましょう!
 
・Giddy Motors / Do Easy
 
 まあ、54-71書いたんでついでに。
 アルビニプロデュースの1stを偶然買ってからむっちゃ気に入ってました。タイトルの皮肉っぽさは英国
ならではでしょう。
 
 最初は変態ポストロック、って触れ込みで買ったんですが、当時はマスロックもマスコアも明確に分類さ
れてる状況じゃなかったと思います。あたしの買った店のレコメンがイイ加減なだけの気もしますがそれは
それ。ザラつくギターにアルビニな生音が重ねられる、ともするとUKらしくない音でした。ついでに言うとア
ルビニ的でもないというか。
 で、今回はまた別。シェラックにスナップケイスとかプロングとか放り込んだらこんなんできました、みた
いな感じです。リズム重視なとこは変わってませんが、プロダクションが大分カッチリまとまってるのも影
響してるかも。
 タフなリズムワークと耳に残るヴォーカルはかなりユニーク。そして今回の録音費用は約19万円。あん
たら前回といい今回もどんだけ人力で通す気だ。金掛けてるバンドをアザ笑うようなデキは一度経験され
ても良いかと思います。
 
 ↓1st。
http://www.youtube.com/watch?v=C324WeHd0G0
 Ser Un Peyjaleroとか好きなヒネたプログレッシャーは案外こっちのが好きかも。
 2ndはもっと万人受け……は、しなくても、うん、もうちょっとだけ間口が広いです。
 
 で、オゾましいことにレーベルはFATCAT(MumとかAnimal Collectiveとか)。マジですかふとっちょ猫。
あんたらポストロックの最深部な空気はどこ行ったんだ。
 

423 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/11/01(土) 03:01:21
 
 「ぼくたちのメタリカ」はきっとどこもかしこも宣伝の嵐なので省きますね!
 ロクに聴きませんでしたが。……いやもうSHM-CDどうでもいいからリマスターしましょうよ。
 
 あとSHM-CDは出れば出るほどCD持ちは憂鬱になるんですが、どうしてくれよう。ELPはいい
でしょう。DPもまだ解る。モタヘとマンソンも時代の要請だ……だがッ! 『アナログ音域』想定
したCDで『チルボド』やら『マーズボルタ』やらってぇのはどういうことなんすかぁ〜ッ!?
 マスタリングから変えてきてるMFSLのが購買欲は誘われますぜ。
 まあ、CDの時代が過ぎたとしてもオタクは尽きまじ、ですが。紙ジャケ万歳。嗚呼オタク道。
 
・The Haunted / Versus
 
 来たよ来た来た今年の大本命!
 スウェーデン産アルティメットスラッシャーの最新作です。なんだかんだ言って前作はやはり
ダメだったわけですが、それはこの連中にしてはという意味であって、目に見えて駄作だったん
ではなく、この人達がマジで『駄作』と言い切れるものを作ったことは今んとこないと思います。
 つまりこれは傑作。マジですげぇです。
 まあ最初はゴリゴリのスラッシャー受けする音を期待してたんで疑問符浮かんでたんですが、
いやいやいや、こんだけスタイルの整った曲作られたら文句など出る訳もなく。どこもかしこも
タイトに引き締まったリフの嵐です。無駄な音がないスラッシュ。言っててなんか矛盾してる気
がしますが、ホントそう言いたい。安易な客受け狙いでセルフパロディに走るよりか億倍いいで
す(そういえば、どこかに、そんな大御所が、いた、よう、な……)。
 ハードコア畑に近いドスの効いた経験豊富なヴォーカルと的確に刻んでくるツインギター、そ
れをガッチリ支える骨太のリズム陣、というのは前々から不動。曲さえ良けりゃ悪いモン作る筈
がないのです。AT THE GATES流れのソリッドなスラッシュだった2ndまで、それをタメの効いた
モダンヘヴィネスに近付けた3rd、グランジなリズムを獲得した4th、それがなんかヘンな方向に
走った前作ときて、今回は絶妙に今までの流れが結実してます。つまりッ! リンキンとは違う
意味で萌え要素のカタマリだッ!
 押しと引きを強調するようになったリヴォルヴァー辺りからアメリカ受けする音を作り始めてた
んですが(簡単に言うとライブ映えする音)、それを推し進めてモダンヘヴィネスとメタルコアを
完全に食っちまうようなスラッシュメタルを作ってます。もはや驚き。純粋に曲作りだけでここま
でやれるとは。超高純度のオルタナスラッシュですこれ。
 北欧勢があんまりゲンキない今、ハンパなメロデスやらブラックじゃこれに太刀打ちするのは
無理なんじゃ。
 

424 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/11/01(土) 03:34:18
 
 ちなみにホーンテッドは国内盤がボーナスCD付きなので大推奨。AT THE GATES感溢れる曲が冒頭からブチ
込んであります。
 これとEquilibriumが最近のメタルでは二強な状態ですかね。
 書き忘れましたがEquilibrium、真性さだとか蛮族具合を求めるならストームロードとかムーンソロウとかのがい
いとは思います。こっちはコスプレしたあんちゃん達が楽しげに暴れてる感じっつーかロードオブザリングのイン
チキサントラだとするなら、アッチは蛮族がオノ振り回して略奪虐殺の真っ最中ってイメージなんで。武器と魔法
が交差してカッコ良く人が死ぬ映画と錆びたオノがローマ人の頭蓋骨をブチ割るリアルヴァイキングの差っつぅー
か、ンな感じです。正直、プロダクションはこのくらいよくていいかな。プリブラじゃないんだし、演出過剰でナンボ
でしょ、って気はします。
 あー。
 ただ、CD一枚通して聴くと明らかに疲労します。断言するが、『濃過ぎる』ッ!
 

425 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/11/01(土) 03:49:29
>>226
 
 或いは、語られたかもしれない物語。
 

426 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/11/01(土) 03:55:25
 
 だらだらとどこまでも続きそうな坂を、足が棒になるまで昇った場所が目指す場所である。
 空気は清清しい。
 景色は紅い。
 すっかり夏の気配が失せた山道に馳せる木々は、椛色には遠くも順繰りに色付いている――いや、色
付くのではなく、これは緑の葉から色が失せてきているのだそうだ。そんな瑣末な感想は、目指す場所で
実に如何でもいい知識に由来する。と云うのも、それは知人が語った無駄話の一つだからだ。無駄であ
ると理解っていても頭から離れない。雑談とはそういうものなのだ――と主は語ったが、なるほどそうなの
かと実感する。
 意味もないことに意味を見出すことは、私の性に合っている。
 坂にも山にも名前はない。
 有るのかもしれないが、誰も気に止めない。
 名前というモノは誰かが認識してこそ意味が在る――それがないのは幸いなのかもしれない、と云った
のは、これもくだんの知人である。
 この坂を上って山頂に通うようになって半年、昇った回数は二十を越える。生来体力の要る作業を苦手
とする私にしては、吾乍ら奇異とも自覚する勤勉さと云える。あまり足繁く通うのも迷惑であろうし、或いは
この程度の付き合いが適当だと判断したのだが、慣れぬ慣れぬと思っていたこの道程すら最近は然程苦
とも感じなくなったのだから現金なものだ。
 
 坂を大方上り詰めると、川沿いに見えてくるのが目指す庵である。昇ってきた坂を振り返れば、里は掌
に収まるほど遠く鳥瞰できる。そうするとここは里から三里ほども離れていることになるのだろうか。
 敢えて山頂に昇らねば採れない野草も木の実も無い為か、此処まで来る者など尚更に稀である。居て
も精々猟師くらいだ。先日、熊が人を襲ったという噂が流れてからは猟を控えているとも聞くので、この山
に足を踏み入れているのは私位の物かもしれない。
 そう思うと足を速める気が起きた。
 
 山頂付近まで行けば、まあ、熊に襲われる前に主人が助けてくれるだろう。
 

427 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/11/01(土) 04:03:28
>>426
 
 間近で見ても庵は頼りない印象だった。
 別墅と云うにはあまりにも寂れている。仙人でもこれほど淋しげな幽栖を好みはすまい。 
 本人は陋居だと云うが、それは謙遜でもなんでもない。碌に掻かれていない竈には灰が溜まっているし、
一月ほど前に破れているのを見た障子は無残な姿を晒したままだ。どうにも、彼方此方には住めればいい
とでも考えているような不躾さが滲んでいる。居は気を移すというが、ならばこれほど主の性質を写した物
もあるまい。
 三和土に草鞋を脱ぐ。
 勝手知ったる何とやら、私は土間を抜けて居間に上がり込む。
 割合大きく足音を発てたというのに応えはない。部屋の中心には粗末な座卓が一つ――そこに山と詰ま
れた和綴じの本が大量に置かれている。
 さあ、と風が頬を撫でた。
 開け放たれた障子戸から秋風が注ぎ込んでいる。
 そこに。
 庵の主人は縁側に腰掛けたまま、山だか空だかを見上げていた。
 
「よう」
 
 私はその様子に苦笑しながら挨拶を投げた。
 座卓から一冊適当な本を取ると、縁側の手前に無断で正座する。居間には座布団の一つもない。吾乍ら、
このぞんざいな扱いに馴れたのは凄いと思う。
 
「なんだ、来たのか。――俺はまた、昨日辺り尋ねて来ると思ってたんだが」
 
 景色から目を移さずに主はそう云った。
 私はそれには返さず、手に取った本の表紙を目で追った。
 
「『赤川次郎』か。こいつは中々良かったぜ。最近の新作きおくはなんだい?」
「ないよ」
 
 笑みを含んだ声が返ってくるが、彼は此方を見ようとしない。
 
「山を見るほど暇なら、君の読者にサァビスしてくれてもいいんじゃないかと思うがね。お世辞にもこの山、
美山とは云えないんじゃないか? 暮山見物にしちゃ随分時間も早いしな」
「暇なもんかよ。第一、あんたは俺の読者じゃなく俺の暇潰しの読者で、ついでに言うなら赤川次郎の読者
だ――俺が休筆しようがしまいが、あんたには関係ないだろう」
「そうかな。僕は赤川次郎という人を知らないし、僕はその人の実在を確かめ様が無い。君の言に拠るなら、
情報が内包する責任は発信者にこそ有る――のではなかったかな」
 
 正確にはもう少し違った論旨だった気がするが、要約するとそんな風だったように思う。その際に話題に
なったのは『幾人もに書き次がれた物語は、果たして誰のものなのか』という話だったのだが――そんな、
ある種の浪漫譚とでも評するべき会話はやがて独裁者と臣民の幸いについてに逸れ(私が『独裁者』なる
概念を実感したのはそのときだ)、果ては人間は価値と大豆と豆腐の話だの、金盥の話だの、繋がってい
るのやら繋がっていないのやら奇天烈な話題へと結び付くのだ。
 私の振った話題に関わらず、この男との会話はいつも横道に逸れ隘路に止まり、壁を壊して道に均す、
といった破天荒な道行を辿ることがままある。どちらが原因かは判らないが、恐らくは双方が原因なのだ
ろう。
 そして私は――そんな奇妙な会話と、それを口にするこの知人とを好ましく思っている。
 
「ところで伊里耶、今日の機嫌はどうなんだい?」
 
 私は少しだけ笑って、庵の主人は小さく鼻を鳴らした。
 

428 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/11/01(土) 04:06:22
 
 書き初めで眠くなった!
 しかも巧くまとまるか心配だ!
 ……ええと、また数時間……もしかしたら数十時間後かもしれないけど、そのくらいにお会いしましょう。
 
 では。
 お休みなさいませ。
 

429 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/11/01(土) 22:49:37
 
 こんばんは。
 またかよと言われそうですけど、今日もリハビリのレスから。
 ていうか見直すと誤字脱字ばかりとか、ブラウザ直書きは相変わらずあたしにゃ鬼門だ。
 気軽に書いたり消したりできるもんじゃないので、ちょっと気ぃつけなきゃです。
 
・MASS OF THE FERMENTING DREGS / ST
 
 性別引っ繰り返したキューミリなんて言われてましたが、個人的にはポストロックのコンテクスト
引っ張ってきたナンバガって気も。しかもNEU!とかジャーマンロック経由で。
 イントロがNEU!の1st一曲目ぽかったりするんですが、そこからキチンと曲を構成してく辺り、普
通に格好いいです。轟音好きにはイマイチかもですけど、最近の和製ロックの一極として聴いて
みると面白いですよ。
 ちなみに本人達は9mm好きっぽいです。
 

430 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/11/01(土) 22:55:30
 
・Autistic Daughters / Jealousy and Diamond
 
 もう時効かも。
 エレクトロニカ黎明期、レイハラカミとかフォークトロニカとかが話題になってた頃、レコメン系の
フィールドでちょっとだけ(マジでちょっとだけ)話題になってたCD。もちろん検索しても名前が出な
いこと出ないこと。
 
 ヴォーカル入りの宅録ロックとか言うと一言で終わります。基本、やってることは音響ポストロッ
クなんですが、空間の使い方が絶妙。スキマの多い曲感を気だるいヴォーカルが埋めてくんです
が、ギターの使い方がSilver Mt. Zionとかゴッドスピードにも通じるコードのハッキリしない展開な
のに、フレーズ一つ一つがヤケに叙情的で、流し聴きして気付けばハマってました。
 特筆すべきはマッタリ感溢れるヴォーカルとドローン状に重ねられるギターです。アンドレイキリ
チェンコとか、アッチ系のオタ系エレクトロニカ(フィールドレコーディングをそのまま音楽に落とし
込んだりする作風)にものっそい近いモンがあるかも。過度に内省的で過剰にマイナー指向。もう
大好き。
 今普通に聴くと「よくできたポストロック」で済んじゃうんですが、この辺の文脈持ってるオタクには
ちょっと鬱々とします。
 
・CYLA / LEVEL
 
 これも時効でしょうか。
 上に同じく、エレクトロニカ黎明期にひっそりとエレクトロニカレーベルで流通して一部のマニア
が聴いてたような作品。
 ピアノの音要素を録音分解解体、それを再構築して彼岸の情景を構築。Stars of Lidとかソッチ
系のクランキーオタにもイケそうな……多分イケる音作りは、知ってる人には解るかも。ラブラッド
フォードとかみたくデロデロしたドローンは使わないので、なんだか無駄にセレスティアル。ただし
音楽、というか”曲”としては構築されてないので(音のメリハリ? そんなモノは一ミリだってねっ
スよぉーッ!)、好みは別れるかも。
 

431 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/11/01(土) 23:44:04
>>421
 
 伊里耶いりやは此処で殆ど隠棲するような暮らしを営んでいる――その程度のことしか私は知らない。知人だ
なんだと云ってみた所で、彼にしてみれば私は珍奇な来訪者でしかないのだろう。私が伊里耶本人につい
て知っている事と云えば、住んでいる場所と名前くらいの物だ。
 ――いや、そもそも伊里耶というのも本名ではなく、本人が元々住んでいた場所の言葉を捩った物なの
だそうだ。本人に曰く、最も呪わしい言葉なのだそうだが、詳しい所までは知らない。元来は露西亜語だか
仏蘭西語だかと云う話だが、態々名前の由来まで調べる気にはなれないし詮索するのも品がないと思う。
私にとって伊里耶は伊里耶なのだ。
 そして。
「伊里耶」
「なんだ」
「――いや、ご機嫌伺いをだな」
「悪くないよ」
「……そうかね」
 
 挨拶をしたはいいが、実に間が持たないのだった。
 真っ白い着流しの背を私に向けたまま、伊里耶はそれきり無言で山との対話に戻っている。
 私は所在無く背中を見詰めながら、どうしたものかと独りごちる。私にとって伊里耶は友人と呼べる人間
なのだが、伊里耶にとって果たして友人と呼ぶような人間がいるのかは非常に疑わしい。
 なので――という訳ではないが、この男の付き合いの悪さは筆舌に尽くし難いのだ。
 
「まあ、そう邪険にするなよ。土産もあるんだ」
 
 私は云って、下げてきた包みを座卓に置いた。
 主は肩越しに振り返ると、
「饅頭か」
 と云った。
「饅頭だとも」
 数秒の間を置いて、主は私に漸く視線を向けた。
 
「――そんなところに蹲ってられると鬱陶しい。用があるならさっさと話したらどうなんだ」
 
 饅頭よりも優先度の低い私は、こうして漸く正式な客人となった。
 

432 名前:名無し客:2008/11/01(土) 23:50:21
和風ロックってのはある?
三味線とか、尺八とか、琴とか。

433 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/11/01(土) 23:51:41
>>431
 
 座卓に山と詰まれた本の傍らには、雑に置かれた和紙と乾いた筆が転がっている。私は胸底で抗議しな
がら紙と筆を退けた。伊里耶は無造作に私の正面に座ると、いつから座卓に放置してあったのかも解らな
い湯飲みを私と自分の前に置いて、これまた放置してあったとしか思えない急須から冷めた茶を注いだ。
 この男は――。
 
「寒くないのかね、君は。僕など山を登りながら肌を擦りっ放しだったんだが」
「秋だろ。涼しいのは当たり前だ――折角冷やしておいたお茶に文句があるんなら、別に無理に飲んで貰
おうとは思っちゃいないぜ」
 酷い言い訳である。
 私はやれやれと肩をすくめた。
「まあ、僕も飲みたいとは云っちゃいないのだがね」
 
 それより――、と僕は脇に退かした紙に目を遣った。
 伊里耶は気が向いたとき、こうして文を綴っている――と云っても書くのは自分が読んだ本を記憶を頼りに
紙に写す擬似的な写本造りなので、本人の創作行為と呼ぶには疑問符が浮かぶ。が、彼がこんな作業を始
めたのは、元々私が薦めたからなのだ。
 

434 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/11/01(土) 23:58:43
>>432
 
 おっとお。
 一旦レス中断。
 
 あーっと、どんなんが好きっスか?
 単純にそのへんの要素が好きなら、六三四とかどうですか? 名前は文字通り「武蔵」から。楽器も
ガンガンにお客さん好みです。
 あとプログレ好きなら、五人一首とかそのへんもいいかも。こっちは楽器的には和風だとかそういうん
じゃないですけど、ドリムシを日本解釈した気持ち悪いリズムがサイコーですぜダンナ。
 和太鼓主体ならもうちょっと濃いのあるんですが、いかんせん完全にハードコアに太鼓混ぜただけ、
むしろそれマックス抜けた後のセパルトゥラでもやったよね! ってカンジなのでオススメはしません。
 
 んでも、尺八はあんま聞かないっスねえ。
 前にアングラハードコアでインディに少し見掛けたかなあ、くらいかもしんないです。
 思い出したら書いときますんで、タイミングあったら見てみて下さいな。
 

435 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/11/02(日) 00:05:31
 
 ってかそれじゃん!
 鼓童!
 セパルトゥラに協力した経験のある日本の和太鼓集団です。前、なんかのテレビ番組にも出たような。
 アヴァンギャルドな太鼓グループ、というかロック耳にも充分聴けるんで、もし良かったら試してみてくだ
さいな。ツタヤ辺りにあるかもしんないし。
 
 後はまあ、最近だとkamomekamomeとかちょっと前だけどCOCKROACHとかですかねえ。
 キューミリは昭和歌謡のポストパンク解釈みたいな作風が凄い好きだったんですが、2ndアルバムはあ
んま聴いてない感じです。
 

436 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/11/02(日) 00:12:45
>>433
 
「この間君が書き掛けていたミシェルだかなんだかと云う思想家の本はどうしたね。原稿も見当たらないが」
「竈の中は確認したか」
「灰しかなかったよ」
「ふん、最高に灰って奴だな。安心しろよ、あんたは原稿の実在を確認したってことだ」
 
 呆れた、と私は肩をすくめる。
 自分の書いたモノをどうしようと自由だが、幾らなんでもそれはあんまりだと思う。
 
「紙だってタダじゃないんだぜ。気に入らない出来だったからと云って、なにも燃やす事はないだろう――参っ
たな。墨まで切らしてる訳じゃないと思うが、無くなったら早目に連絡してくれよ」
「あのな、あんたは俺の版元か――そこまで気にされると鬼魅が悪い」
 
 伊里耶は流れ者である。
 それは、私が知らぬモノに触れ、私が見聞きすることのない知識を蓄えてきた人間――ということでもある。
 当初、伊里耶はあれこれと尋ねる私に辟易としながら、それらを訥々と語って聞かせた。本人にしてみれば
退屈凌ぎ以外の何物でもないのだろうが、生来その種の珍奇な話題に目のない私にとって、伊里耶の語る異
聞奇聞は、益体ない辻講釈の何倍も興味を惹かれるモノだったのだ。
 いつだったか。
 ただ聞き流すのでは勿体無いと、私は伊里耶に書き物を薦めたのである。
 渋る伊里耶を拝み倒して最初に書かせたのがかれこれ五ヶ月前だが、それからは一月程度のペェスで彼は
本を仕上げてくれている。暇潰しになったのか本人の性に合っていたかは定かではないが、私にしてみれば喜
ばしい事である。座卓に積まれた本は商人から私が買い取って此処に持ち込んだモノが大半だが、伊里耶の
原稿を私が職人に渡して綴じて貰ったモノも混ざっている――いっそ刷らせてしまおうかと考えたことも有るの
だが、それは本人に睨まれて断念したのだ。その意味ではどれも一点モノなので、これほどぞんざいに扱われ
るのは、私としては何だか複雑な気分なのだ。
 

437 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/11/02(日) 00:13:38
>>436
 
「で。原稿の催促ならまたにしてくれないか、先生。生憎と抄録作りは休業中だ。第一急かされてまでやるような
事じゃないからな――」
「いや、そうじゃないよ。まあ、出来ていればいいなと思ったのは事実だがね」
 ふうん、と伊里耶は気のない声を上げる。
「それなら今日はまた何の用なんだ。ここにゃ茶店と違って気の効いたお茶は置いてないんだがな」
「知っているよ。僕だってお茶が飲みたきゃこんな辺境へは足を向けないさ」
 
 半分は嘘である。
 お茶目当てならこんな場所に来ないのは本当だが、用向き自体は特にない。
 敢えて云えばこの辺境に住み着いた変わり者の顔を見るのが目的――という事になるだろうか。勿論、そんな
本音を口にすれば雪崩れの様に振り落とされる厭味に押し潰されるのは目に見えているので、私は用意してい
た話題を振る事にした。
 
「――実は、先日君に訊いた話が知人との会話で口の端に上ってね」
 

438 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/11/02(日) 00:36:32
 
 あ、>>432のダンナよ。ちなみに六三四のコトですが。
 この間ナルトのアニメ見たんですが(ジャンプ作品)、BGMがやたらと六三四にダブりました。
 もしも見たことあるなら、何となくそんな感じか、と思っていただければ。
 
http://www.hmv.co.jp/product/detail/726092
 
 あとここで少し視聴できるんで、もし良ければ試してください。
 個人的にこのアルバムが好きです。
 youtubeはなんかGundohって検索ワードとか引っ掛かってロクに出ないです……。これが!
 例のアニメの力だとでも言うんスかッ!
 
 あと挙げてませんが、問答無用に和風なのはJ.A.シーザー関連でしょう。
 どれもこれもヤバ過ぎて迂闊に手ぇ出せない上に廃盤ばっかですが。
 最近ボックス出てたんで、もし近くに残ってる店があって興味あったら買ってみてもいい、かも。
保証は出来かねますが。
 
 HIPHOPだと降神とその関連は割と「和」っぽいかと。
 
 最近の和風ロックは、別に「和風な楽器」を使わなくても成立してる作品が多いですね。
 アジカンとかアートスクールとかコッコとかは普通に海外ウケがいいですし、アシッドマンは日本
でしかできなかったポストハードコアの形だと思います。バックホーンとかレンチとかブンサテとか
ホルモンとかフツーにかっけーロックだったりしますし、中二マインドにズキズキくる凛として時雨
とかキューミリとかもステキですね。
 
 和製ロックってーと一概にどんなだ、って定義は難しいんですが、雑食さとポップさがいい具合
に周辺の音楽を飲み込んでってる状態だと思いますよ。
 いやまあ、こんなこと言ってると『テメェみてーな……『どマイナー指向』のオタクが何言ってん
だぁーッ!』とか言われそうだけども。
 

439 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/11/02(日) 00:49:39
>>437
 
「話――」
 
 嫌そうな顔をして、伊里耶は包みから饅頭を遠慮なしに掴み取った。
 
「――どの話だ。猫の話か。荒木飛呂彦とダリについてか」
 
 知り合って長い訳ではないが、とかくこの男との会話は長くなる――私が生来知らないものを好むという性質
も関係しているのだろうが、私の知らない遠地から来たという伊里耶の話は物珍しく、ただ訊いているだけで概
要を掴もうとついつい長くなってしまう。ちなみに伊里耶の云う猫とは彼の住んでいた場所で神の使いとして崇
められていたと云う、私が普段そこらで見かける猫――神の使いというくらいなので、恐らくその猫とは違うの
だろう――と合い通じるものがある生物の事であり、荒木飛呂彦と云うのは、これも彼が住んでいた場所で神
と崇められた芸術家の事であるらしい。
 
「いや、君が語った天使の話だよ。アメリカ大陸を守護する大天使ブッシュ――だったか? あれは本当の話
なのかい」
「なんだ、そんな与太のことか」
「与太とは酷いな。第一、君が語ったんだぜ。君の住んでた世界じゃ、第一神の麾下、ブッシュなる天使が世
界を治めてた――そうじゃないか。ところが僕がそいつに訊いた話じゃ、アメリカにそんな天使が出てくる話は
ないと云う」
「情報伝達に齟齬があったんだろう。俺の知った事じゃない」
 飄々と云って、伊里耶は饅頭を咀嚼する。
「旨いかね」
「旨いな。最高だ。あんたが作ったのか?」
「まさか――ただの貰い物だよ。いつも尋ねてくる客が置いていったものでね」
 
 そうかよ、と短く応えて、伊里耶は饅頭の咀嚼作業に没頭し始めた。私は甘い物が好きでも嫌いでもないの
で、貰い物が活きたのなら悪い気分ではない。なにせこの男が『最高』などと褒めるのは余程の事である。
 そう。
 何をしていても楽しそうには見えないこの伊里耶が唯一感情を見せるのは、こうして甘味を頬張っている時だ
けなのだ。実に安上がりな感動だが、それ以外ではどんな芸事も喜劇も伊里耶を笑わせる事などないのだか
ら、それはそれで饅頭とて偉大である。多分神より偉大だ。
 

440 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/11/02(日) 00:50:46
>>439
 
「――第一、あんたは話としての実態を知らないんだから、くだんの天使が熾天使だろうと大天使だろうと関係ない
し、天使の名前がミカエルだろうとブッシュだろうと関係ないだろう」
「あのなあ、それはあんまり暴論じゃないか」
「どこが暴論だ。あんたにとっちゃ、ホームズもバフォメットも薔薇十字団もテンプルナイツも同じ場所に並んで
るんだろう」
 ふんと笑い飛ばして、伊里耶は口についた餡を舌で舐め取った。
「幾らなんでもそりゃ酷いだろう。なんだ、ホームズにテンプルナイツの冤罪でも証明させろってネタかい? 並
べただけじゃシャーロキアンに殺されるぜ」
「あんた以外のホームズクレイジーがここにいたらお会いしたいね」
 
 まあ、それはその通りだ。
 そもそもこの世界に存在しない知識は、媒介者が居なければ私の元まで流れてくることはない。こんな話が
通用するのも、私の周辺ではこの友人だけである。その意味では確かに天使も探偵も区別が付かぬし、体系
立てられぬ限りはどれもこれもが知識の断片に過ぎないのだ。
 それで何が困るかと云えば――恐らくは何も困らない。精々私の中で意見が纏まらぬ、と云った程度であろ
う。他の誰に共感を求めるようなものではないし、であるからには伊里耶に文句を云うしかないのだが、肝心の
当人がどうにも難物である。
 
「まったく――しかし君って奴はどうにもペテンだ。それじゃ小説も神話も一緒くたじゃないか。そりゃあ、言葉な
んてのは音の連なりで、本質的に意味に上下などないと云われてはそれまでだろうがね、知りたい、聞きたい
と思っている話そのものを知の欺瞞だなんだで片付けられては、話そのものがわやくちゃになってしまう。この、、
世界、、にはモダンもなければその前後もありゃしないんだぜ」
 

441 名前:sage:sage
sage

442 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/11/02(日) 02:46:25
>>441
 
「だけどな、一つだけ言わせて貰うのなら――小説と神話に違いなんてないんだぜ」 
 訳の解らないことを口にして、冷めた出涸らしを啜った。
「またお得意のはぐらかしかい? まあ、前に訊いた話じゃ、亜米利加には創作上のファンタジーを現実の事象に
併走させて信仰しているという団体があるらしいが、それは単に知名度があるから現実と混同して――」
「そりゃ前に話したムアコック信望者の魔術団体のことか? あれは小説を現実と混同してる訳じゃない。第一、
そういう意味じゃないんだ。クトゥルフも指輪物語もエターナルチャンピオンの知名度も関係ないよ」
「……どういうことだね?」
 
 興が乗ってきたな、と私は内心拍手する。
 つまりだな――と伊里耶は前置きして、私を正面から見た。
 伊里耶は私の不知にある領域の話を多量に保有ストックしている。なにしろ此処には流れてくる話、、、、、、しか存在しないので、
私はそれを蒐集できても此方から触れる事はできない。
 繰り返すが――私がこうして此処に上がり込むと、始まるのは決まって益体ない雑談である。
 話題は何処の茶店が巧かっただの、私が見て回った景観の話だの、伊里耶がそれに付け加える注釈につい
ての考察だの、大抵が毒にも薬にもならぬ雑事についてだ。
 彼は無愛想な態度に似合わず語るとなれば能弁で、私が語る話にも多分に興味を傾ける知りたがりでもあっ
た。そんな理由わけで、気付けばこうして長々と会話することは儀式のようなモノになってしまったのである。
 

443 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/11/02(日) 02:48:26
 
 つまり、と前置きした伊里耶は、
 

444 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/11/02(日) 02:48:37
 
 
 
「どんな言葉にも――差なんて存在しないってことだよ」
 
 
 

445 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/11/02(日) 16:01:14
 
 ぬあ。紹介しようと思ってた動画が消えてる。
 仲悪いんスかミッキーDとyoutube。ディズニーとかなら解るけど。
 うーむ。ドナルド(非ディズニー)がすげー動画作品があったんですけれども。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=cJPY3bXnLpQ
・SOULFLY / Unleash
 
 馬鹿さ(いい意味で)丸出しの新曲のPVです。
 
 紹介し忘れてましたが、マックスは最近のメタルとして極上の作品作ってくれました。
 カヴァレラ陰謀がアレだったので……ってヒトは、本隊の方だけでも聴いて頂ければと思います。
 限定盤のみ三曲ボートラ有り、ってのはオタクあたしら狙いとしか思えませんでしたが。
 

446 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/11/02(日) 18:31:29
 
 一遍に書いちまわないと何が書きたいのか曖昧になりそうで怖いっス。
 まあ、気楽にやりますが。
 
 実は後で誤魔化し効くように気を付けて書いてるんで時間掛かってるのもあるんだけど。姑息さが裏目に!
 
 あと昨日の音楽ですよ。
 そういや六三四も尺八使ってましたよね!
 とか後から気付きましたよあたしはね! あああああすいません勘弁勘弁勘弁してください。
 
■Losalios
 
 中村達也(ex-BJC、BJT)のソロバンド。クソ燃えます。ブランキーファンにはどーなのよ、と言われると流石に
「いいから聴くべし」とまでは言えやしませんが。
 ジャンクでフリーな半インプロですが、ロック色強めでグルーヴ重視の曲は初期ヘラコだとかターボネグロだと
かジェノサイドSSとかのヤサグレたロック大好きなメタラーにも全然イケますぜ。
 中期はサックス入ってジャズ力強化、後期はサックス抜けたけどフリージャズ色強化と、同じバンドでも結構ベ
クトルが変わってるんで、ギターウルフ大好き! みたいなヤサグレロック好きな人には曲がりなりにもヴォーカ
ル歌ってる初期のを勧めます。
 個人的に後期のシャレた音作りのが好みではあるんですが(ヤサグレ度は常食のメタルで摂取してるんで)、
どの辺りを取っても楽しめる作品ばっかです。エセ西部劇チックかつマイルスな黒い音の本流は素直にステキ。
スノッブ臭ゼロなのも個人的には好印象です。
 てかあたし、BJCは熱心に聴いてなかったんで、このバンドでこそ中村さんのこと知ってるような。この人のタイ
コ回しすげぇ好きです。インプロ重視でグルーヴ繋ぎまくり。メタル耳には刺激を与えまくってくれるので新鮮過ぎ
て萌えます。ってか、このテのバンドにゃベースとタイコありゃあそれでいいんスよ!(極論)
 

447 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/11/02(日) 19:22:55
 
http://www.youtube.com/watch?v=1_iGWYrZe-A
・Losalios / Sick
 
 現最新のアルバムから。タツヤさんのバチ捌きがマジかっけぇです。
 
 これ以上ハードコアでジャズかつフリーなのだと、やっぱBuck Jam Tonicってコトになると思うんですが、
ロック色はゼロ……というか解り易い『ロックっぽさ』はないので絡めてのお勧めは致しません。メンバーは
これ以上に豪華だけど。
 

448 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/11/02(日) 19:28:40
 
■Buck Jam Tonic / ST
 
 やっぱ書いてみよう。
 中村達也(Ds)、ジョン・ゾーン(Sax)、ビル・ラズウェル(Bs)。はい完了。設定だけならこれで充分なメンツが揃い踏み。
 「凄いの集めれば凄いよね!」感がプンプンだぜェーッ! ゾーン&ビルの経歴はアホみたいな長さになるんで省略しま
すが、解り易く言うと「スノッブなジャズ論壇ヘイトの宍戸錠大好きサックス吹き」と「流れ歩くベーシスト兼前衛プロデュー
サー」です。前者はアングラではバカみたいに知られてるんで、こんなスレ覗く人は言わずもがな、ってな人ですが、後者
は坂本龍一からモタヘからPIRからハンコックからファラオ・サンダースからオノ・ヨーコから、メインストリームからアングラ
までカヴァー範囲が多岐に渡り過ぎてます。ゾーンとはペインキラーで共演してますね。
 で、まあ、実際凄いです。ゾーンはネイキッドシティとかスピレーンでやってたアヴァン色全開の演奏はしてませんが、タ
イトかつテク全開で吹きまくり(アヴァン色求める人はグランギニョルとかパットン先生とのコラボがお勧め)で、ビルはグル
ーヴ重視でガリガリ弾きまくってます。
 演奏自体は特に前衛全開ではないんですが(ネイキッドシティとかに比べれば)、フリージャズの濃いとこだけ抽出したア
ツさが全編に行き渡ってますぜ。ストーナー好きな人なら共感できそうなグルーヴはケムリとアルコールのお供にもなりま
す。きっと。
 何よりステキな要素ですが、中村さんのガシガシ刻んでくタイコはアヴァンギャルド系にありがちなスノビッシュな雰囲気
を完全に否定してます。
 Losaliosがシンプルでロック色に偏ってる分、グルーヴだけ楽しみたいならこっちかな。アルバムトータルで見た場合、あ
たしはこっちのが好きかもです。
 

449 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/11/02(日) 21:34:23
>>444
 
 ざあ、と一際強い風が吹いた。
 ばたばたと本の頁が捲れ上がる。
 思わず目を細めた。
 視界が赤い。
 今更に気付く。伊里耶の背後――開け放たれた障子の外。
 紅葉には早いと思われた景観は、驚くほど赤く染まっている。
 紅い景色(せかい)から吹き込む清籟が、短く整えられた伊里耶の髪を無造作に嬲っていく。
 そして――。
 目の前に座る白衣の男は、紅い世界から切り出(トリミング)されていた。
 
「どういう――ことだ」
「神話と小説に差はないって言ったのさ」
「あ、あるだろう、それは」
 
 搾り出す声が上擦った。伊里耶は口の端に笑みを浮かべると、
 
「じゃあ、何が差なんだ」
 
 ――平然とした顔で、私の平然を問い潰した。
 
「な、何がって――」
 
 無茶苦茶である。
 神話と小説が同じだと云われても、冗談を押し通そうとしているとしか思えない。
 

450 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/11/02(日) 21:43:06
>>449
 
「小説は――個人が書いたものじゃないか。神話は時に共同体すら成立させるんだぜ」
「そうか。けど個人が書き始めたクトゥルフ神話は十全な共同体を築いてたな。神なき土地が生み出した、恐
れと空白の神格化――アレも見様によっては文字通りの『神話』だぜ」
「それは詭弁だろう――」
 
 私が云い切る寸前、唐突に伊里耶と視線が合った。
 虚を湛えたような黒瞳に縫い止められる。
 僅かに、熊か蛇に睨まれたような錯覚を憶える――否。この怖気がその程度であるものか。
 虹彩を湛えた瞳は、それでも蛇さながらに感情の欠片すら窺わせていない。
 奇妙な――己の鼓動が感じられなくなるような畏怖が私を縛り上げる。
 
「仮に」
 
 云われて、金縛りのようになっていた身体が自由を取り戻した。
 
「あ、ああ。なんだい」
「あんたが一切俺の世界しゃかいのことを知らない状態にあるとして――」
 

451 名前:ミハルさん:2008/11/18(火) 18:40:05
 『ニッケルバック』がよォォォーッ。
 『初回仕様』じゃねぇーっつぅーのはよォーッ。
 どーいうことなんだぁぁぁッ! HMVさんよォォーッ!

452 名前:ミハルさん:2008/11/18(火) 21:58:37
 いや問題は! SHM-CDでニッケルバックとかホザいてるキテレツさだッ!
 てかユニバとビクターとワーナーとテイチクとBMGと、あの流れに加わるつもりっスか?
 あたしゃSHM-CDで聴くハードコアとか笑えない冗談だと思うんですが。まあいいっす。
 
 で、ダークホース。
 これ、HMVだとボートラ有升、初回限定有升、とかホザいてたHMVはどうなってんですか。
 そして確認して買おうよねあたしは!
 正直、国内盤のメリット(オタクな)は今回ないですぜ。まあ「どうしようもないボートラ要らねえ」って人はいいと思うんですが、
生憎とあたしはボートラ追加とか瑣末なマスタリング変更で同じCDを五枚も六枚も買う人間だ。どうしろと。
 これで某ユニバよろしく二ヶ月くらいしたら「DVD付きボートラ追加で再発売!」とかやったら最高ですよね! ……買うけどな!
 
 デキはこれ、まあ、買うしかなかった気はします。
 相変わらずの似非アメリカ節・アップデート振り。更に精度は増して最高潮へ。

453 名前:ミハルさん:2008/11/18(火) 22:03:34
 ハーコー云々はロードランナーのことです、一応。
 遠すぎるんスよ、イメージ的に。別に「SHM-CDなど幻想なり!」とか言うんじゃありませんが。
 菅野よう子さんのCDをSHM-CDとかで聴きたいと思う人はいねーと思います。
 
 まあ、無難にデイメア信者のままでいいや、かなあ、あたしは……。
 TAAS新譜は格好良かったです。

454 名前:ミハルさん:2008/11/30(日) 03:06:17
 
・菅野よう子 / 娘フロ。/トラ。
 
 菅野よう子新作。と、言うには大分遅いんですが。
 まずは菅野過ぎる。そして凄絶過ぎる。
 実はこれの前の作品(以外にもあるかも)に当たる「アクエリオン」も聴いたんですが、パチンコ効果で話題になって
はいたものの、どうも菅野的な濃さが薄かったんで割愛します。
 で、これ。CD屋でもランキング一位に入ってたりオリコンも荒らしてたり、ぶっちゃけあたしより聴き込んでるヒトには
「はぁ? 『今更ナニ言ってんだ』テメーはッ!」とか言われそうな気がしますが、感動したんでひとつ。
 
 サントラの筈ですが、実に曲の半数近く(以上)がヴォーカルトラック。更にほぼ全部デタラメなクオリティで作られ
てます。アレンジャー・菅野、フルパワー。
 今回の元ネタは大分興味の範疇から離れるもんばっかですが(まあ、ミュージックの2ndから引っ張ってきたみたい
な”ノーザンクロス”のイントロなんかは一発で解りましたが)、既にネタとしてやってると丸解りの”ビッグ・ボーイズ”と
か映画サントラのネタなんかも詰め込まれてて、聴いてて飽きません。ホントにサントラかこれ。
 作品ではアイドル二人が登場人物になってるみたいなんで、それの架空のサントラって感じでしょうか、メタなアイド
ルポップみたいなイメージで。歌詞とか全然聞き流してるのに、無駄にキャッチーでいつの間にやら憶えちゃってます。
あたしこれ歌えますよ本気で。きーみはだーれーとキースをーすーるー。
 
 攻殻ではNPM(ニルスペッターモルヴェル。ポストロックとブレイクビーツとマイルスなトランペットと悪魔合体)なん
かも元ネタに入ってて、菅野さんの視聴範囲とアレンジセンスに舌を巻くばっかりでしたが、これ聴いて更に驚愕しま
した。そもそも凝った曲作りでこのヒトに比肩する人間がどれだけ探せるのか。
 アニメサントラだとプログレ(美狂乱起用のクロマティ高校とかタンジェリンドリーム参加の奴とか)か菅野さんかって
イメージだったんですが、この深淵は業が深いです。なまじのオリジナルが普通に足蹴にされるクオリティ、ハンパで
はありませぬ。
 今回これ、あたしは原作を未見の分、コンテクスト抜きの曲として楽しめたのも良かったかもしんないですが。なん
ていうか攻殻は聴いてる最中に作品の場面がアタマをチラついて、デキとは別の部分で感じるもんが多かったので。
 『タイアップ提供』……? そんなモンがッ! 菅野よう子に太刀打ちできるかぁーッ!
 マジな話、割と洒落になってない作品ですよ。
 

455 名前:ミハルさん:2008/11/30(日) 03:08:13
 
http://jp.youtube.com/watch?v=VlRy7BocQKA
・娘トラ。 / ノーザンクロス
 
 聴き憶えのあるイントロがッ! ……とか言って、その先のアレンジが菅野的に凄いんだけども。
 

456 名前:ミハルさん:2008/11/30(日) 03:31:53
 
 ……濃さが薄いって何。何語? あたしはドコの国の日本人スか。
 置いといて。
 
 今回はその他にもFour Tetに叙情的なフレーズ加えまくったオマケなトラックなんかも利いてます。
 いつも思うのは、サントラって性質上、どうしても聴きたい曲に限ってエラく短かったりすることです。
 ヘタなJ-POPよりも濃く、かつてのTOTOを凌駕するように派手かつ緻密、その上構成も抜群。
 なんだこれ。無敵ですか。
 

457 名前:ミハルさん:2008/11/30(日) 04:21:40
 
 ”菅野さんは濃厚”=それ自体が名詞だったんだよ!
 
 ……えー。えふん。
 ヒドい言い訳はこの辺にして、と。
 
 一週間に一度くらいはレスしましょうよあたし。
 

458 名前:ミハルさん:2008/11/30(日) 04:35:20
 
・クリストファー・ノーラン / ダークナイト
 
 内側インサイド外側アウトサイド
 或いはダイジェスト・ポスト9.11。
 
 スカイ・クロラは押井でした。
 ポニョはクトゥルフでした。
 原作がなんであれ押井化する押井節は凄いですし、千と千尋の辺りから顕著だったジブリのグロさも凄いです。
 が。
 夏のあたしに映画で一万使わせたほぼ七割の原因はこれでした。なんだこれ。
 
 DVDそろそろ出るんでネタバレ避けてサクっと言うと、最初の一言に尽きます。
 アメリカを時空から切り出した一部分、アメリカと世界の対応、その関係性。ヒーローの孤独にテーマを絞ってナイーブに
収めてたスパイダーマンとはまるで違うし、前作に当たるビギンズではここまで書き出してませんでした。
 「闇のヒーロー」がバットマンってことですが、バットマンは『自分の正義』を最大公約数に近付けようと願うだけじゃないで
しょうか。
 バートンの作り上げたバットマンとノーランの想定したバットマンの間には、あまりにも深い溝があるように思います。
 
「――あんたは、逃げられない」
 
 正義を名乗るには正当性が足りない主人公と、主人公が正義たれ、と願った人間の趨勢。攻殻で言えば荒巻さんがやろ
うとしたことに近いですが、国家正義など成り立たない(成り立つような状態にないし、主人公の立場はそこから遠い)状況
下にあって正義はいかに確立されるのか。
 正義? ていうか正義って何? 「じゃあ作ればいいじゃん、正義」――そういう話。それをやれてしまう主人公はどんな理
想を掲げるのか――まあ、それは前作でイビつなバットマンとして描かれてましたが、今回、ある意味では一人に集中する
力の構図のカリカチュアとして大富豪・バットマンは機能します(ビギンズのラストシーンとかで予兆はあったけど)。
 汚職に塗れた都市の正義と、それを正す個人の正義。
 それは市井に溢れた瑣末な小競り合いから、自ら”悪”を罰していくバットマンが掲げた『正義』の形でした。
 なら、それはどんなカタチなのか。
 それを浮き彫りにしていく『悪』の姿。これがダークナイトの骨子ですが、前作とはハッキリ言ってケタ違い。映像の構図な
んかも今までのハリウッドマナーに従ってた前作とは何か違ってて、空気がスデに異質。
 舞台にしても虚構のアメリカにヒーローを出現させるヒーロー系作品とは真逆で虚構の都市にアメリカを写し取って、そこ
に現実を投影するというエゲつなさ。
 
 もはや言われ尽くしてるんでしょうが――だが構わんッ! 敢えて言いましょう!
 ヒース・レジャーが眩過ぎて全てが霞むと!
 ジョーカー。――そう、私達はあの道化師を忘れていなかったか。いや勿論忘れてはいなかったけど、彼はここまで可憐
だったろうか。
 街を崩壊させ、お前らの倫理はなんだと声高に叫び、ならば正義を証明しろと哄笑するジョーカー。焼ける通貨。文字通り
にブッ壊される世界。中盤辺りで世界はカタチを残してません。正義ってヤツはイラつく――と言いながらもそれはそれでい
い、いやそれがいい、と笑って正義を肯定するジョーカーの姿は言うまでもなく混沌の象徴でしかありません。ヒーローの敵
役、という立場を借りて顕現した悪意そのものです。
 映画の展開は常にジョーカーの「遊び」に先導されていきます。
 彼のステップに導かれる崩壊は重苦しく、軽快に、そして鮮烈に運ばれていきます。
 ジョーカーによって拠って立つ正義すらブチ壊されていく世界。そうやって壊さないとバットマンによる正義すら定義できな
い世界。ついでに言えばその正義を渇望する「悪役」の存在感の混在というカオスがお見事すぎでしょう。
 これがアメリカで撮られた映画、というのが流石にお国柄。ある意味では決定版すぎて、これ以降に同系統のやろうとする
人間には堪ったもんじゃないのでは。ゴッサムシティは地獄だぜ。
 あと役者。リベリオンの頃よりも病んでるクリスも光ってますが、ぶっちゃけ作品としてはジョーカーに尽きます。
 時計仕掛けのオレンジ・アップデート。なんつーか、悪意の宣教師化したジョーカーの熱演ぶりは最高すぎ。後半、弟子を
諭すキリストみたいに、ある男に混沌とした世界を説くジョーカー(ただし看護婦姿)の姿は、ちょっと感動モノです。気取った
悪役も尊厳に満ちた悪の帝王もこんなオーラは持ち得なかったのでは。
 というかもうすげー。っていうかすげー。アニメやマンガでもここまで抽象化された悪役はそうそう描けたモンじゃないので
はないんじゃないでしょうか。
 何はともあれヒース・レジャー。すげぇですよ、本気で。間違いなく惚れます。演技にも脚本にも。
 
 なら、正義はなんなのか。
 お前の正義を捨てろ、とは言わないのがマジで格好いい。そんな定型句なお説教はジョーカーにはありません。
 なにせゴッサム、正義がなくなったら人間は成り立たない世界なので、道化も成り立たないのです。
 そしてジョーカーは踊り狂います。人間のモラルや理性を測りに掛ける告発者として。正義を叫ぶ独善すら賞賛する最大
最高の”悪”として。
 
 ――さあ歌え、カオス!
 
 あああていうか格好良過ぎる! 泣けるくらいに!
 ジョーカー、あたしん中ではレクター越えを果たしました。
 
 もちろん、配置と配役の重要性なんかはこれで完了じゃありません。ネタバレになるんで書かずにおきますが、話自体の
収束がお見事。タイトルにもなった「ダークナイト」は誰の事か。その意味はなんなのか。善の象徴と善悪の両極として描か
れるあるヒトの存在が話を引き立てます。
 加えて、それを作り上げていく話の立て方は緻密に一言でしょう。バットマンのやっていることは前作よりエスカレートして、
もはやその行動はある存在を想起させずにはいられないまでになっていきます。
 バットマンは力を持った存在だ。だから正義を成すのだ、と。
 まるで小説。悪意の裏糸で丁寧に織り上げた悪意のタペストリは、あまりにも華麗です。
 
 映画館は来年一年くらいずっとこれ上映してて下さい。一ヶ月に一回以上は見に行きますから。
 

459 名前:ミハルさん:2008/11/30(日) 04:46:16
 
 で、DVDっスよ。
 こうなると吹き替えが気になります。ハッキリとジョーカーは元の台詞回しが最高すぎるんで、これを巧く吹き替えられる
人って誰、というか。今までのヒース役やってた人がやるんでしょうか、もしかして。
 うーむ、俳優吹き替えは流行ってますけど、ここは本業さんにやってほしいです、是非とも。
 俳優さんなら俳優さんでいいんですけど、キッチリ演じられるヒトに。
 日本版の特典ったら吹き替えですけど、このヒースの声に関しちゃ蛇足になりかねません。
 
 ブルーレイは機材ないんで通常版をサックリ予約です。
 ……いや。いやいや、いっそデッキごとブルーレイを。
 どうしよう。
 

460 名前:ミハルさん:2008/11/30(日) 05:38:06
 
 しかし好意的なバイアス掛かり過ぎだあたしは。
 セリフ憶えてないとこ多いのにダラダラ書いちゃったような。
 まあいいっス。DVD出たら更にジョーカーへの愛を綴りまくってくれる。
 
 吹き替えの話。
 最近ちょっと声優さんが気になり出してて、大塚氏(バトーさん。あとケイジとかセガールとかバンデラスとかMGSのスネー
クをアテる人)が個人的に大ヒットです。セクシー過ぎて萌える。
 ききみみ名作文庫も担当してるそうですが、買うかとかマジ悩みしました。
 
 ジブリ作品見てて気付いたんですけど、全然違うんですよね、プロの声優さんと俳優の声宛て。
 アメリカだと専門の声優はいないので(文字通りにいない)、俳優が変わりに声を当てるってのは前にテレビで見たんです
けど、それでも日本人の声優さんは声の抑揚の使い方とかがかなり秀逸。文化圏の違いだとかネイティヴの耳にどう聞こ
えるかとか置いといて、純粋に声優さんのレベルが高いんでしょう。 
 何が凄いって、文字通りに『演じる』ことです。リアルさと虚構の境界、というか、例えば洋画吹き替えですが、動きながら
声を出したんじゃ表現できない声を巧く作り上げてます。声だけを当てるからこそ動かずに演じる声優には肉体的な余裕が
ある。だからこそどんな声を出すのか。あんま意識してなかったんですが、その妙が聞いてて楽しいです。
 
 大塚さんの話を出しましたけど、他にもすげーと思う人はわんさといます。
 若本規夫さんとかそういう人で、プリブレのバッグウェルとか木曜ロードショーの予告なんか担当するヒトなんですが、むっ
ちゃネチっこい声(こう、間違いなくボスか黒幕にしかならない声)出してて凄かったり。あと少佐、じゃなくて田中敦子さんも意
識しなくても誰の声か解るようになった人なんですが、この人の声も常に抑揚が効いてて格好いいです。木曜ロードショー見
てると割と聞けるので注意しましょう。
 あと山ちゃん……というか山寺氏は有名なんで知ってる人多いかと思うんですが(タモリさんの番組かなんかでボイスパー
カッションの一発芸とかやってましたし)、この人の声の幅とか無茶苦茶広くて驚愕しました。
 ダークナイトだと、個人的に若本さんみたく威厳交じりの声よりもサイコパスとの境界線を演じられそうな声のが理想な気は
するんですよねぇ。アタマの中で色々と声出してみたんですが、どうにもこうにも。MGS4の声とか鳴らしてみたんですが、ドレ
ビンの人とかなら多少は合いそうな気がします。こう、飄々と物事を説く雰囲気が。あの人も巧く声操ってましたし(いや、声優
さんはみんなそうなんでしょうが、雰囲気の調整というか)。
 ただ、ヒースの声に近いとなるともうちょいカン高い声の人がいればいいなとは思うんですけど。
 まあ、ダークナイトの話題ってワケじゃないんですが。
 

461 名前:名無し客:2008/12/01(月) 10:39:44
ああ、すっかり名無しも消え、ミハルの独演場になってる。
クルースニクはどこに消えたんだ。

462 名前:ミハルさん:2008/12/02(火) 00:53:53
 
 ああああたしよりあの猫メイニアの方がいいだとッ!?
 
・「猫の飼育日記」
・「猫の観察日記」
 
 とかそんなのがこの先延々続くだけでいいとでもッ!
 
 ……まあ、あたしが出張り過ぎな気はすげぇしますけど。
 

463 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2008/12/02(火) 01:04:20
 
 俺が顔を出すのはッ!
 明確な理由があるからこそッ!
 
 ここにふかふかしたのがいるとでもいうんですかッ!
 羽とか!
 猫とかッ!
 

464 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2008/12/03(水) 22:08:43
相変わらず何を言ってるんだお前は。

465 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2008/12/03(水) 22:25:38
 
 な、何ーっ! お、お前はーっ!
 

466 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2008/12/03(水) 22:26:27
 
 俺の羽、
 ……じゃなくて藤原!
 
 
 
 く……久し振り過ぎて冒頭の反応が男塾に!
 具体的には闘技場の後ろの方から唐突に現れたキャラに反応する富樫と虎丸に!
 
 『マズい』な……。
 危うく『自分のキャラ』ってヤツが解らなくなりかけてたじゃあねーか……。
 

467 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2008/12/03(水) 22:37:12
いや、本当は積みレス書いてから復帰しようと思ってたんだけどね。
ついつい顔を出してしまったというかなんというか。
とりあえず素数を数えて落ち着け神父。

……まあ、しかし、随分と久しぶりになっちゃったねお互い。
とりあえず―――おかえり。
もうちょい気楽に顔出しても良いと思うんだけどね、私は。

468 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2008/12/03(水) 22:51:44
 
 フフフ……いけないな……。
 どうにも『過去の記憶』ってヤツが不完全でね……。
 
 だが……。
 君とはこう、『爪切り』なんかをして貰うほど実に親しい間柄だった気がするんだが……。
 なんだ……コイツは『気のせい』という奴かな……。
 ンッン〜、俺はここは『感動の再会』とかいう場面だと思っていたんだがね……。
 『ケンシロウとラオウ』というか『中善寺師匠と堂島大佐』というか『矢吹カケルとニコライ・イリイチ』というか……。
 

469 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2008/12/03(水) 22:53:44
 
 ……これも明らかに違う!
 俺じゃない!
 違う、ハズだッ! 俺はもっとこう、理性的かつ理知的かつクールでちょっとだけお茶目!
 
 ……まあ、それも置いとこう。
 
 ま、お帰りって言うにはいつまた忙しくなるか解ったもんじゃないんだけどな。師走は司祭も忙しい。
 今は正直、周りがどう動いたのか見るのが怖いくらいだ。
 実は他のスレなんかも覗けてなくて浦島太郎状態なんだよ。いや、我ながら呆れる。
 
 
 それでもまあ、ツラ出すくらいにゃ不都合はないからな。
 ただいま、って言っとくよ。あんたの顔が見られて嬉しいってさ。
 

470 名前:名無し客:2008/12/03(水) 22:56:22
ところでマクフロは猫っぽだったかい?

471 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2008/12/03(水) 22:57:34
過去の記憶掘り起こすなら過去スレ掘り起こすと良いと思うよ。
なんか色々とのた打ち回る可能性があるけど(何)

……なんだよ。他に何かして欲しいことあった? 挨拶以外に。
それに仲良いって言ってもせいぜい一緒に温泉入ったくらいで……あ、十分か。
そいえば意識してなかったけどけっこう親しかったのね。
こっちとしては割と遠慮してた部分があるんだけど。
……ほら、そっち、なんか色々と気が多かったみたいだから邪魔しちゃ悪いかなと(何)

んでもってそれはどれも『感動の再会』というか『宿敵との遭遇』だと思うんだがどうか。
明らかにどっちかが死にそうじゃない。まあ私は死なないんだけど。

472 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2008/12/03(水) 23:04:31
……お、いつもの感じに戻った。

そだね。こっちも嬉しいよ。
こっちも色々あったけど元気よ。
……ちょっと、ガチで凹んで何週間か動けなかったこともあるけど(何)


>>470
マクロスらしいグダグダさで終わったよ(何)
基本的に板野サーカスとラブコメを楽しむバカアニメだから問題ないと思うけど。
……まさか最終回まで恋愛感情ゼロとは思わなかったけど。
どんだけ朴念仁なんだアイツ。

473 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2008/12/03(水) 23:04:49
>>470
 
 原作はまだ見てないんだよな、悪い。感想述べろってのは無理だ。
 
 ……とか言ってたら、知り合いのアホ科学者に、
『あぁ? マクロス見るならプラスをまず見ぃ。話はそれからや』
 って言われちまってな。……つーか、割と言い切られた。
 ま、仮に見るとしても割と後になるんじゃねーか。
 猫? ……猫、
 上に貼られてる静止画なら、うん、髪の長い方が、
 
 ……いや、いやいや。
 
 まだなんとも!
 猫がどうとかどうだとかなんとも言えません!
 
 サントラの二枚は面白い企画だったと思うけどさ。
 ミハルも大概に菅野信者になっちまってたから、アレは俺も結構聴いたよ。
 

474 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2008/12/03(水) 23:16:41
>>471
 
 過去……、は、過去だ!
 なんか色々と薮蛇になりそうなので突っ込まない!
 他にしてほしいことは色々あったが口に出さないッ!
 ……じゃなくて、挨拶で十分です!
 
 
 
 ……む。
 遠慮って、そのフレーズこそ意識して言われたら反則だろ。
 けどなんだ。気が多いってのは酷いな。お前のが大概モテてたと思うぜ。
 
 ま、正直、お前がヘコむなんてのはあんまり考えたくないんだけどな。
 セシルの言い分じゃないが、割合、俺から見てもお前は指針なんだぜ。仙人サマ。
 
 
 ここはまあ、ボチボチ動かしたりするよ。
 適当に気軽にやれりゃそれでいいって思ってる。
 軽く遊べるようなレスでも書いてみるよ。
 ヒマがあったら覗いてくれ。どのみち、遠慮するような場所でもないからさ。
 

475 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2008/12/03(水) 23:31:05
あはは、んな必死にならなくて良いのにー。
まあ私も見返すとちょっと恥ずかしいんだけどね、昔のこと。

……モテてたって、そうかしら。どうなんだろ。
私は別に何もしてないんだけどね。普通に話したり遊んだりするだけで。
てか、神父の本命ってまだいないの?(何)

ん、仙人って……もーだから買いかぶり過ぎだってば。
死なないだけで後は普通。普通の人間と変わんないわよ。
泣くときは泣くし笑うときは笑う。

……いや、だって伝説のSTGがあのザマじゃ幾らなんでも凹むわよ?(何)
ドラマチックな演出とメタルサウンドを融合させた究極のシューティング!
常にハードウェアの限界性能を引き出そうとしてきたサンダーフォースシリーズの復活最新作!
作った結果がこれだよ!(AAry

まあ、神父はSTG勢じゃないからよく分からないと思うけど……。

例えるならアイアン・メイデンだと思って新譜買ったら、
中身は日本のV系ヘタレメタルだったとかそんな感じなのよ。

まあ、今は何とか吹っ切ったんで大丈夫。
―――やっぱり5で終わってて良かったんだよ、うん。


そだね、私もまあぼちぼちやってくつもり。
今までは全部レス返そー、って気負ってたからさ。
でもそれだと息切れもネタ切れも早いし、きままに返すつもりよ。
……流石に名指しされたらちゃんと答えるけどね。嬉しいし。

476 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2008/12/04(木) 00:10:14
>>475
 
 ……ふうん。
 ま、自覚がないから仙人は仙人なんだろうけどさ。
 オーケイ。
 もうゴチャゴチャとは言わない。ヘタに濁らせて嫌われても困るしな。
 
 お前らのとこはレスの数も凄いみたいだからな。
 俺は、チマチマとでも返せる分で読み手が楽しめりゃ、それはそれで充分だと思うよ。
 そりゃ、気概は気概で持ってるべきだろうけど。……なんてのは、質問と返答の形式をロクにしてないヤツの戯言か。
 ただ、スランプになるよりは続けられるカタチで続けた方がいい、とは思うけどな。
 そうすりゃスタイルも洗練されるだろうし。
 

477 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2008/12/04(木) 00:19:24
 
 しかし普通に話してただけ――なあ。
 はあ。なんだ、人のこと言えるのか朴念仁。
 自覚がないのは自分のことだけにしてくれ。
 
 ……。
 
 ほ、本命とか!
 ……あー。
 お前に真っ向から聞かれると困るだろ、そういうの。
 まあ、今は別にいいよ。どうにも面倒になりそうだ。
 
 べ、別にフラれるのが怖いとかじゃあないッ!
 
 
 
 ――そして藤原!
 
 一つだけ言わせて貰うッ!
 お前は『メイデンの新作を買ったら』と言った……だが!
 だがッ!
 
 俺達メタラーは!
 いや!
 かつてあのメイデンを愛した俺達はッ!
 今のメイデンに『否』と言うッ!
 少なくとも我が家のメタラー陣(二人だけ)はッ!
 
 誰かに『戦記』貸してくれと言われたならば!
 俺達は中身を『初期クリエイター』に入れ替えて貸し出すだろうッ!
 誰かが『死の舞踏』を聴いてみたいと言ったならば!
 俺達は中身を『カーカスのハートワーク』に入れ替えて渡すだろうッ!
 延々と一時間近く同じリフを聴き続けられるほど!
 俺達の愛は浅くはないんだッ!
 
 あー。
 ……え、えふん。
 
 まあ、メタリカも同じようなもんだったからな。
 置き換えると気持ちは解る。
 同じ鋳型でカタ抜きした同じモンってのは、結局どれだけ面白いモノ聴かせてくれるかに尽きるからさ。
 で、俺達は孤独な撃墜王の慟哭に咽び泣くワケだ……いい加減泣き疲れたから泣くのも止めたけど。
 
 
 でも、ゲームか。
 STGは、まあ、お前の言う通りだな。
 プレイしてもすぐにゲームオーヴァーだ。
 ……ビデオアーケードのSTGとか、なんだあの人外魔境はって感じだよ。ジェイムズと遊びに行ったことあ
るんだが、十ドル使って三十分と持たなかった。後ろじゃジャイムズがゲラゲラ笑ってる。弾がバカみたいに
多い。ていうかパターンみたいの憶えないと弾がそもそも避けられねえ、とか。無理だあれ。
 興味はあっても根本的に難易度が高いんだ。……いや解ってる。俺がヘタなだけなんだ!
 
 他は、ゲームならMGS4は結構感動したよ。
 PMFの席巻する世界と管理社会モノの融合、なんて無茶を堂々とやらかしてくれるハリウッドセンスは少し
泣けてきた。些細なツッコミは無駄だ、ってかしたくない。ありゃ正直、やられたってカンジだったからさ。
 映像と音楽の力ってのは凄いよ。
 

478 名前:ミハルさん:2008/12/04(木) 00:27:03
 
 空気を読まずにミハル参上!
 
 このままだとこのスレが兄貴臭くなります!
 それは避けねばッ! この妹の手でッ!
 主にあたしの出番確保のために!
 
・NICKELBACK / DARK HORCE
 
 ヘタするとアメリカのバンドと思われてそうですが、カナダ出身のアメリカン哀愁ロックです。
 スパイダーマンに「HERO」提供してたのがここのヴォーカル、とか言うと解り易く……ないですか、そうですか。
 時期的にはポストなグランジロックで、(世間のよく言う)ラウドロック/ヘヴィロックからの転換期辺りに大ヒット飛ばし
てました。「The Long Lord」は有名ってか、ちょい前に”Someday”の動画上げてあるのがこれです。
 今やBON JOVIの嘗ての役割を担おうかって雰囲気すらあるガチのアメリカンロック、と言うべきでしょうか。当然、そう
であるかには曲が良くなきゃアレな訳で、そこらをしっかりクリアしての大御所、やはり今回もスゲーことになってました。
 
 今回のプロデューサーはマット・ラング。
 はい。そうです。デフレパとかAC/DC(いやあ、新作、変わってなかったなあ!)のあの御大です。当然メジャー感バリ
バリの音作りをやってる訳ですが、これがまたキッチリといい方向に向かってます。
 ”The Long Lord”のアンセムだった”Someday”路線を継承した”I'd come for you”とか、ズッシリくるバラードの質は言
わずもがななのだけど、アプローチ的にはちょっとだけ新しい”Just to Get high”なんかの性急なリズムの曲、忙しない
リズムとテンポをタフに聴かせてた”Flat On The Floor”を更に緻密にしたような”Next go Round”なんかも凄い密度が
詰められてます。
 ここんとこのアメリカのロックっつーと世界は終わりだのそれを歌う奴が終わりだのシニカルに対するシニカルか個々
のフィールドでウケる(つまりあたしらの聴いてるそれ)タイプの音楽ばっかなワケですが、歌詞もなにもここまで身近な
ことをまったく変化なしで歌い続けるこの人等はやることやってる感じです。
 そうだ! あたしらにはニッケルバックがいた!
 下品なフレーズをこの上なくタフに歌うコイツらが!
 
 しかしこのメジャー感には敬服しきり。やっぱ肉食人種は違います。
 

479 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2008/12/04(木) 00:34:18
ん。まあ私としても普通というか、気楽に接してくれればいいよ。
実をいうとそれほど自分の見られ方には興味なんて持ってないしね。
「いつもどおり」でいいよ。それだけでね。

そうねー、玉石混交というか、良い部分も悪い部分も噴出してるというか(苦笑)>レス
全レスの義務は無いけど、やっぱりなるたけ返したくなっちゃうのよね、なんとなく。
スタイルの向き不向き、ってところかな。
神父の場合は彗星みたいに気まぐれにやってきて気まぐれに答えていくのが似合ってる気がする。
突然、なんかとんでもない量の文章が降って湧いてくるあたり似てないかな? ふふふ。

……日ごろの言動に比べると随分奥手なんだ。びっくりしちゃった。
まあこっちも全部真に受けてるわけじゃないけどー。けどー。
確かに面倒になりそうだしね。本命決めるにも身辺整理が必要ってのは浮世も辛いもんだ。
……男の方がフラれた時の立ち直り、遅いんだっけ?

え、あ、そ、そうなんだ。適当なこと言ってごめん。
でも実際焼き直し&改悪&技術不足で以前のに比べると酷かったからさ。
……この辺がファンの辛いところよね。特に分かってても買っちゃうあたり。
文字通り悲しみを背負って次をスルーしかないのがまた泣けると言うか。

あー、うん。弾幕STGね。今の主流の。
確かにパッと見は難しいんだけどね。同じような攻撃ばっかりだから慣れればいける。
元々、STGは反射神経とかから覚えゲーにシフトしていったジャンルだからね。
STGのお約束、ってのを覚えていくと、だんだん楽になってくよ?
一部の弾幕STGは明らかに殺す気しかない弾撃ってくるけどね。
最初は当たりそうな気がしたらボム撃って無敵になってくぐってけば良いと思うよー。

でも難易度を全体で見ると昔のSTGの方が高めなのよね。
具体的には初見殺しと弾速がヤバい。前触れなく殺しに来る。

……私もそこまで腕が立つ方じゃないけど。
もし興味があっても難しくて困ってるなら多少は教えよっか?

480 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2008/12/04(木) 00:59:39
>>478
おお、ミハルさんお久しぶり。
最近は邦楽メタル再評価中だから偏っててね。助かるわ(何)

……STGとメタルサウンドって凄くマッチすると思うのよね。
ゲームのムードにもよるけど、少なくとも最近流行の萌え押し出しSTG以外なら通じそう。
実際、イングウェイのリフ丸パクリしてる曲とかソルジャーオブフォーチュンにそっくりな曲とかあるし(何)
リスペクトだとは思うけどちょっと露骨過ぎないか九十九百太郎。
youtubeやニコニコ動画にけっこう上がってるから少しチェックしてみると良いかも。
ほとんどがインスト曲だけどね。

481 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2008/12/04(木) 01:05:55
>>479
 
 やれやれ。
 難儀で律儀だな。お前らしいっちゃらしいんだけどさ。
 
 文章の量、ってのは……いや、こう言っちゃなんだが、短くサクッと書けるのがホントはいいんだろうと思うよ。
 畢竟、書いてたことを綴じる為に長くなるってのがここでのパターンだったからな。
 うん、もうちょいサックリ書いていこう。どうせだし似非(パロディな)序章も早いところ片付けちまうか。
 マジな話、これでも短く鋭く文章を書ける北方謙三先生は尊敬してる。
 
 
 
 た、立ち直りが遅、
 遅い、というか……!
 くっ!
 い、痛くない! 別にもう胸は痛んでない!
 
 あ、あと俺は普段から奥手だったと思うんですが! なんか初代シティハンターの主人公みたいな認識され
ててザクザクと言葉が刺さるんですが!
 
 あー、いや。まあ、なんつーかな。
 
 単にさ。いつブッ壊れるかわかんねえからな、俺。
 相手のが面倒だろ、絶対。ンなこと言われても困るぜ、ってな按配で。爆弾に「本気です!」とか言われてい
い気のするヤツは多分いない。
 第一、アレだ、ヘタに『身辺整理』なんてフレーズ使おうモンならジェイムズ経由でセシルに届いて気付いた
らバッドエンドって可能性が……月のない夜道は一瞬で根刮ぎ地雷原に変化! 怖過ぎる。
 
>ゲーム
 
 はあん……主流なのか、あれって。いや、世間の流行は怖い。俺が触ったのは絵、ってかゲームの画面が
古いカンジだったから、多分一昔二昔前のゲームなのかな。
 まあ、弾幕ってのがどんなのかってのは垣間見れたのは良かったよ。つーか、ボムってのもいつ使うか迷う
し、いやそもそもどうやって切り抜けりゃいいのか。何だお前ら。あんな魔界で戦ってんのか。……ジェダイ?
ジェダイのナイト? いやこう、パッと見でムズいっていうか、真実本気でムズかった気がするんだが。
 ……馴れなのかなあ。まあ、爆弾積んだ車見分けるられるようになるのも馴れっちゃ馴れだしな。やってりゃ
俺も通じるのかもしれないな。
 ただ、その時はあんまりキツかったもんだから速攻片隅のパンチングマシン全部で全ハイスコア更新しに向
かったよ。ボーリングやりに行ってあんだけ神経磨り減らすとは思わなかった。
 
 教える……じゃ、じゃあ手取り足取りで!
 ――じゃなくて、
 俺はそういうキャラじゃなくて!
 
 余裕できたら頼むよ、お師匠サマ。
 これでも凝り性だからさ。ハマると怖そうだ。
 

482 名前:ミハルさん:2008/12/04(木) 01:26:04
>>480
 
 ぬうぅ!
 邦楽メタルッ!
 ……は、話がワカりますね、藤原の姉上。
 
 そーっすねえ、最近の日本のメタル事情は結構変わってますからね。
 最近ライブ行くとどうしてもハードコアとの対バンが大半ですし、あたしもそのへん拘らなくなっちゃって
ますしねえ。地元のライブはジャンル境界破綻してるんであたしも馴れ切っちゃってますし。DJイベントも
普通に混ざるようになるウチらはちょっと魔界かもしれません。
 UNITEDとか不変にラウドでヤンチャで暴れられてかっけーバンドも健在ですけど、「メタル」ってーと、ど
うもストーナー(この言い方もどうかと思うけど)の方に拠っちゃうっつーか。CHURCH OF MISERYとか、
名古屋のETERNAL ELYSIUMとか大好きです。……あー、でも今ならEARTH好きやSUNN O)))好きなメタ
ラーはBORISとか聴いてるんじゃないですかね。デカい音、萌えます。
 轟音系に耐性あるなら、初期作品とかお勧めしますよ。ブルーチアーっつーかフーマンチューっつーか、
デカい音のロックでカッチョいいです。
 ……あ、陰陽座もホルモンもしっかり息吹を吐き続けてるのは流石と思います。
 
 反面、昔の名盤が結構市場から消えてるのはイタいですね。ヴォルケイノとか久し振りに見たら廃盤で
すよ。マジですか。
 
>ゲーム&STG
 
 ゲーム音楽とのマッチングはひしひしと感じます。
 FROSTみたいなポンプロックからゲーム音楽、あとZUNTATAさんとかの音聴くようになったんですが、
恐ろしいほどプログレ。しかもかっけー。若造プログレッシャーとして聴くにもサントラには凄いのが混じっ
てます。
 つーか、ドラクエとか素でチェンバーロックなんですよね。ドラクエのFC版プレイしたとき、「これってど
んなユニヴェル・ゼロの新作?」とか普通に思えましたし。
 九十九百太郎さんは……あれ、名前は聞いたかな? しかし、ども。インギー御大ですか。
 そりゃ是非チェックさせて頂きます。
 

483 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2008/12/04(木) 01:26:33
>>481
女の子は神秘的なくらい御しがたいもの。
そのくらいの方が魅力的なのよ? なんてね(何)

そうね。日本刀みたいな鋭さのセンテンスは私も憧れる。
一応、前よりくどい書き方はしなくなったんだけどね。無駄な漢字も減ったし。
ただ、元々が古い小説で土台作ってるからどうしても長くはなっちゃうな。
……詩集にも本格的に手、出してみよっかな。この間読んだ李白の詩選は良かったし。
和歌とか俳諧とか漢詩とか、ショートなセンテンスの黄金郷だものね。

……んー。私は核爆弾が爆発しても平気だけどね。
この辺はやっぱ感覚のズレかしら……。
……今のところはセシルさんが一番ポイント高そう。いろんな意味で(何)
とりあえずBADEND直行しないように気をつけてねー。
あるいは監禁調教ENDとか。最近は男もヤバい。


タイトルが分かればそれなりに助言は出来そうなんだけどね。
一応、名の通ってるSTGは一通り触ってるし。

あー、ボムはね。期限切れ寸前の一等宝くじみたいなものだと思って(何)
アレはガンガン撃って強引に抜けるもんだから。STGによっては無いけど。
特に初心者はどんどん先に進んで敵の出てくる位置とかボスの攻撃を覚える。
それ繰り返すたびに楽になるから、ボムは親の敵のように使っていきましょ。

まあ、神経は確かに磨り減るわね。集中力も要るし。目も疲れる。
プレイする時の姿勢とか、ちょっとした時間に目を休めるのも上達のコツね。
疲れにくいほど長く練習できるし、集中力も続くから。

本気で極めた人は目をつぶってても出来るらしいけど。
ここまでくると人間辞めてるわね。


あら、手取り足取り?
……そんな、いいのかな。そこまでして。
私けっこうスパルタタイプなんだけど。

ん、まあハマるのが実は一番の上達なんだけどね。
好きなゲームを好きなだけやる。これに勝る練習方法はない。
それと……最近のSTGは30分前後で終わる構成になってるから。
ちょっとした空き時間にやってるだけでも上達はするよ。

というわけで……ちょっとした解説のつもりが長くなっちゃったな。
それじゃ、気が向いた時にでも整理してどっかに書いとくよ。
私としてもプレイヤー増えるの大歓迎だしね、ははは。

484 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2008/12/04(木) 01:48:55
>>482
まだ手を出し始めたばかりなんだけどね。
とりあえずガルネリと陰陽座は押さえてて……あとはサーペントかな。
サーペントは試聴で気に入ってゲットしたわね。じつはこれが初のメロデス。
けっこうツボだったけど、日本でメロデスってけっこう珍しいのかな。

まあ、なんにしろ暗黒時代のVだけ路線は抜け出し始めてるみたいだから良かったわ。
……日本の音楽シーンを取り巻く状況が良くないからまだ苦しいけどね。
うーん、なんとか頑張って欲しいなあ。

そういや吉田兄弟ってロックに入れても良いのかな。


おお、ZUNTATA。ゲーム界の寵児。……今はメンバーけっこう変わってるけど。
全盛期は本当に凄かったけど今は活躍の場が少なそうで残念ね。
タイトーがスクエニに食われちゃったし。

ちなみに一番好きなのは「メタルブラック」のサウンド。
今聞いても泣ける傑作ね、ゲーム内容ともあいまって。
サントラも未だに中古価格が下がらないくらいなのよ。
……本当に廃盤多いのが惜しいなあ。動画サイトとかで聴けなくはないんだけど。

んーと、九十九さんは主にサンダーフォースVのサウンドやってる。
サウンドがメタルな傾向を帯びたのはIIIからだから、そこから遡ってプレイするなり聴くなり。
IIIとIVは中古でもけっこう安いから手に入りやすいと思うよ。ハードがメガドライブだけど。
Vは……VIの反動か異常なくらい高騰しててね。下手すると一万とか超えてる。
もうちょっと早めに手に入れておけば……ッ。ああもう、再販しないかしら本当に。

あ、ちなみに全部ニコ動にある。びっくり。

485 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2008/12/04(木) 01:57:22
>>483
 
 壊れるってのは、あー。
 身体よりアタマ自我の方だな、多分。
 なんせこの曖昧さだ。いつまで保つかわかったもんじゃない。
 ヘタすりゃ俺より先に世界がバッドエン……いやまあ、そうなる前にセシルに殺されるのがオチか。
 
 生憎、お前と違って俺は色々とヤワみたいでさ。
 自分でも気付いてなかったのがホント呆れる。
 
 ……監禁。
 き、聞き覚えがあるようなないようなフレーズ、が……。
 
 
 
 
 ボムが宝籤! た、達観してる!
 それ以前に弾で焦りが背中を蹴り出してくるからな。
 いや、戦闘機の操縦は疲れるらしいからなあ。
 ……そうか、俺はパイロットにゃ向いてないのかもしれない。
 
 す、スパルタ!
 は、激しく!?
 じゃ、じゃあ、うん。
 の、望むところってヤツでッ!
 
>>文章とスタイル
 
 センテンスの区切り方は手癖みたいなもんだからな。
 とか言うと、それもまあ人それぞれなんだけど。
 その辺に関しちゃ書いてるモンのスタイルに合わせるのが最適だろう、ってアタマだな。漢字なんか
も選び方がスタイルに直結しかねないから、そこらは状況で選べば、って思ってる。
 詩集なんかは俺も好きなんだが……とか言うと「似合ってねえよ」と周りの連中は馬鹿笑うのでそれ
はさておき、とブン殴るワケだが――それも置いといて、多田智満子さんとかが実は好きなんだが、文
章の構成に影響受けるかって言うとそれはそれで別の話かな。
 フィーからの借りモンで、自分で買ってなかったから有難味が薄かったのかもしれないけど、たぶん
文章そのものに影響受け過ぎるのも怖かったんだと思う。
 

486 名前:ミハルさん:2008/12/04(木) 02:06:34
>>484
 
 サーペント。うわ、懐かしっ!
 えーっと……そのへんいけたならBLOOD STAIN CHILDとか面白がれるかもしんないです。路線が
同系統ってことになると3rd辺りまでとか言いますが、個人的に新作が好きかも。
 あたし的にオタフレーズ満載のこの辺は大好物なので。
 
 俗に言う「ヴィジュアル系」はそれでも面白いと思える事が最近多くて、日本のフィルターで漉された
メタルって素材が料理されてたのが昔の「ヴィジュアル」だったワケですけど、最近のはある意味、日
本でしか作られない「日本のロック」ですよ。ケバケバしいヴィジュアルと適度に重い音、ゴスっ「ぽい」
雰囲気と、その組み合わせ自体は悪くないかなーと。
 ライブはあんま行きませんが。
 
 吉田兄弟は……ええと。
 ソウルがロックならロックです。たぶん。ぜったい。
 ただ、某天才バイオリニストがテレビで「インフレとかドリームシアターとか好きなんで……」とか言っ
てたのを聞いた時はどう反応するべきか素で悩みました。
 
 メタルブラック。
 ……それだ!
 いや、探してみろって言われてから中古屋で見てはいるけど中々見付かんないんですよね。
 サンダーフォースってのはさっき言ってたゲームっスよね。
 んー、動画サイトで聴けるなら後で探してみます。
 

487 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2008/12/04(木) 02:22:18
>>485
……む、そっか。確かに中身(こころ)は取り出して弄るわけにもいかないしね。
ガキ臭い話だけど自分のカタチ決めるのって面倒なものだからな。私も体験した。
―――例えリセットした先がバグで終了だったとしても、リセットできないってのは辛いから。
なまじ頭が良いと余計なことも覚えっぱなしで忘れられないし。
そんでもって、まあこの辺のことはあんまりいいたくないけど、一度全部「捨てて」今に至ってるのよ。
半分は自業自得で半分は不可抗力だったんだけど、それでもまあ箱入り娘がそのまんま放り出されたらきつい。
こうやって曲がりなりにも「どうにかなった」ことが奇跡だよ。
下手すりゃ考えるの止めてどこぞの山の中に仏像よろしく在るか、未だに放浪してるかのどっちかだった。
未来が漠然としすぎてると自分も曖昧になるもんだね。やっぱり怖いよ。今も。

でも、あんたは私よりもまだ恵まれてると思うよ。
周りに心寄せられる誰かがいるならいつか何とかなる。
私は1300年くらいかかったけど、あんたなら―――

……っと、心の問題にIFの話しても意味なかったかな。
なんか恥ずかしいし、忘れていいよ? やっぱり語るのはあまり得意じゃないや。


……んじゃまあ、まず心構えを一つ。

・死 ん で 覚 え ろ

STGはとにかく覚えること。無謀な避け方は事故死に直結する。
必要なのはどれだけ無茶な避け方を減らすか。安全に避ける方法を見つけるか。
アーケードなら連コインしてでも。
コンシューマならコントローラの二、三個くらいぶっ壊してでもやれ。
ちなみに私は自分の原典だけでも、コントローラ三個くらい壊してる。
このくらいの気合があればどんなクソゲーも攻略できるわ。頑張って。


 ……ってのはまあ、冗談で。
 さすがに初心者にコレは引かれるしね(苦笑)
 でも死んで覚えろってのは重要よ。体引きずってでもクリアすれば勝ち。
 進めば進むだけ敵がどんな風に攻撃してくるから分かるから、次から有利になる。
 これはもうギャラガとかその辺の頃から続く王道の攻略法ね。


 で、そうだね。初心者に重要なのは。
・迷ったらすぐボムする癖をつける
・自機の当たり判定、敵弾の当たり判定を大体でいいから把握する。
・大きく動きすぎない。

 ボムは上で言ったとおり。気合で避けるのは無くなってからでいいわ。

 で、当たり判定だけど。
 弾幕STGの場合は異常なくらい小さいから意外と抜けられる場所があったりするわ。
 私たちの場合は……低速移動中に、腰の辺りに出てくるマーカーがあるんだけど。
 その円より一回り小さいくらい、かしらね。全体の半分も無いわ。
 ゲームにもよるけど下手すると1ドットとか、コクピット部分だけ、ってのもある。
 ここまで来るとなんで被弾するのか分からなくなってくるけど気にしない。
 敵弾の当たり判定も見た目どおりじゃなくて、意外と小さかったり大きかったりするわ。
 この辺は弾の種類によるけど、知っておけば一見避けられないように見えてもすり抜けられたり。
 どっちもミスしなきゃ覚えられないけど、けっこう大事。

 で、最後。これはSTG全部に共通だけど。
 弾を避けるからってあんまり大きすぎると、自機を狙ってくる弾がバラけて飛んでくるの。
 こうすると広範囲に弾が散らばって残るから、うっかりぶつかってミス、ってことが起きる。
 だから弾幕の種類にもよるけど、基本的に自分を狙ってくる奴は少しずつ小さく動きながら避ける。
 そして自分を狙ってこない弾幕は動かないで避ける。
 意識するだけでもぐっと楽になるよ。


 ……後で、って言ってたのに今やっちゃう私はなんだろうなあ。
 サービスしすぎたかしら。
 まあ、基本はこんな感じ。後はゲームのシステムで変わってくるかな。

488 名前:名無し客:2008/12/04(木) 02:39:41
イングヴェイのパクリというとこれを思い出す。
こっちはSTGじゃなくてRPGですけどね。

http://b.hatena.ne.jp/entry/6277844

489 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2008/12/04(木) 02:48:14
 大きく動きすぎると、ね。ちょっと脱字しちゃった。てへ。

 文章については……まあ文体についてはもう気にしなくなったわね。
 読むたびに影響受けるってのは確かにあるけど、気にしないほうがいいと思うよ。
 ぶっちゃけ濫読してりゃシチュー鍋みたいになって勝手に自分らしく再構成されるし(何)

 意識して文体変えるのは……今のところ完全に切り替えて使えるのは冲方さんのアレくらいね。
 他はまだ模索中ってとこ。無理に変えるつもりは無いけど、書ける幅は広げたいからね。

 まー、最終的には自分の好きにやることよね。
 見も蓋もない話だけどw

 ……別に詩集開いてても違和感無いと思うけどなあ、貴方は。
 やっぱり日常的に接してるとイメージ変わっちゃうのかしら?


>>486
 まあ、確かにね。人くくりにして駄目だっていうつもりはないよ。
 色眼鏡で見られる中を頑張ってたバンドも多いしね。
 ……サーペント懐かしいって、最近2nd出したんだけどなー。そっちは知らない?

 ん、そうね。お国柄でくくれるくらい個性的になったのは嬉しいところかしら。
 あとは日和らないでロケットで突き抜けてくれることを祈るばかりね。
 ……ホント、ドラフォなんで日和ったのかなあ……ちょっと勿体無いわ。

 個人的には津軽三味線ってけっこうロックなメロディ演奏すると思ってるのよね。
 日本の楽器としては珍しいくらいの派手な演奏だから。
 現にギターと混ぜても違和感無かったし―――

 ……それは、私もちょっと悩むわね。
 メタルとクラシックはつながってる、みたいなことくらいは知ってるけど。
 ちょっとイメージとしてはすぐに結びつかないというか。ううむ。

 ……あー。超貴重品だから中古じゃまず見つからないと思うわよ。
 オークションについてても二倍から三倍くらいの値段ついてたりするし。

 ゲームならまあ、なんとかなるんだけどね。
 最近になってタイトーが過去のゲームの総集編みたいなの出したからそっち狙うといいかも。
 たしかまだ新品在庫がアマゾンに残ってた気がする。タイトーメモリーズってやつ。
 ベスト版も出てるからかなり安く手に入るはずよ。

490 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2008/12/04(木) 02:51:24
>>487
 
 ま、取り出すもなにも、俺って意識なかみはただの励起現象だ。
 たぶん他のヤツよりも俺は少しだけ脆くて、他の連中よりも少しだけ周りの事がどうでもいいんだと思う。
 だから、そうだな。
 結局のところ、自分のカタチなんてのは大分昔に放棄しちまってたワケだ。
 ま、これも最近気付いたんだけどな。
 
 俺はお前みたく全ての状態に充足したりできないし――。
 多分、するようにできてない。
 辛いのがイヤだから縋りつく。最悪なことなんだろうけど、多分、それで迷うこともない。
 
 心を寄せられる何かってのも、だから正直わかんねえかな。
 
 まあ、それは――それだけのことだ。
 
>死んで憶えろ
 
 とか!
 新兵教育マニュアルのタイトル見出しみたいな物騒なのが!
 ……なんていうか、それだとアーケードよりもコンシューマのゲームで憶えるしかなさそうな空気だな。
 外のゲームじゃ幾ら予算があっても足りない。
 

491 名前:ミハルさん:2008/12/04(木) 02:58:15
>>488
 
 これが!
 イースってヤツですか!
 ううむ、まさかこのスレで伝説ゲーの名前を見ることになるとはだぁーッ!
 
 RPGもかっけーですよね。
 FFの音楽とか好きだったんですが、色々貸して貰ってむしろ昔のゲームの音の方が全然に
面白! なんじゃないかと最近思っております。この間誘って貰ったイベントではFCのゲーム
音楽サンプリングしたDJさんがハジけてました。ハードコアだけじゃないんだなあ、この手の遊
びやってるの。
 メタルは素でゲームっぽいことが多いと解ったのでもう何も言いません。
 

492 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2008/12/04(木) 03:18:18
>>489
 
 いや、影響受けちゃマズいタイミングもあってな。
 そういう時は翻訳小説、とか言ってると訳者さんのスタイルはステキだよなあ、とか!
 息抜きに小説とか危険!
 黒丸ファンは地獄だ。
 まあ、流石に読んだら影響される、なんて状態じゃないけどさ。
 
 冲方さん、って、ああ。「ヴェロシティ」以降の。
 もうエルロイのそれとは別のリズムがあるからな。スタイリッシュだよ。
 
 
 む。
 何やら意外な反応。
 ……まあ、お前の見地で褒められる分には嬉しいような……、詩集と俺、
 褒められてる、ん、だよな。
 
 ……。
 こう、ネガな記憶がジワジワと脳の芯の辺りから。エリスの阿呆にはイェーツ開こうもん
なら馬鹿笑いされるしジェイムズの馬鹿には厭なスノッブ気取りだとか嘲笑されるしやっぱ
キャラじゃねえよなあとか思ってたんだが、いや。
 よし、もうちょい前向きに行け俺。
 


493 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2008/12/04(木) 03:20:00
>>490
 ―――ん、まあだからね。

 甘えられるなら甘えていいのよ。人間なんだもの。
 私みたいに孤立無援で魑魅魍魎どもと数百年くらい潰しあってるならともかくね。
 助けを求められる相手がいる分、まだ救いあるじゃない。
 ……威張れないけどね、あはははは。

 ま、傍にいる人がいるならそれでいいじゃない。
 誰かに頼って生きてけるなら別にそれでいいわよ。
 後は、自分で自分をどうにかするかどうかの違いだわ。

 ……どっちにしろ、人は独りじゃ生きられないもんだしね。
 私も、例え死ななくても、生きた心地はしなかったからさ。

 ……甘えていいのよ? なんてね。
 少なくとも私は気にしないよ。多少だけど、そういう辛さも知ってるから。


 あー、えーとまあだから冗談よ。割と有効なんだけどねコレ。
 そうねー。箱○とかWIIとかあるなら古いゲームダウンロードして遊べるのよ。
 特にSFCは難易度がいい感じに調整されてるからそっちのシューティングに手をつけるのもいいかも。
 後はPSPでも古いゲーム遊べるらしいから、プレステ時代のSTG楽しむならそっちね。
 後はセガが古いゲームパッケージングして安く売り出してるからそっちもおすすめ。

 アーケードはマジで万魔伝だから、まあ少しずつ慣れていくしか。
 この前遊びに言ったら斑鳩(激ムズSTG)を一人で二機同時に操作してクリアしてたバケモノがいたわ。
 最近は格闘ゲームも世紀末(色々な意味で)だし、新規勢が足を運ばなくならないといいけど……。

 そうそう。あらかじめ使うコインの枚数決めておくと集中力上がるよ。
 お金かけてるとやっぱり必死になるもんだから(何)

 まあ、こんなものかな。触りは。
 後はゲームのシステムと弾の種類くらいだけど、こっちはマジで長くなりそうだから割愛。
 流石に後回しにしないと迷惑になるわね(苦笑)

494 名前:ミハルさん:2008/12/04(木) 03:22:07
 
 ハジっこのブラウザで>>488さんの聴き通してました。
 ……マジでこれゲーム内で流れてんですか。
 『はっちゃけ過ぎ』てんじゃあ、ねーですか、これ……。
 ゲームが疎かになるような気がしてなりませぬ。
 
>>489
 
 サーペント、あ、2ndはスルーしてます。
 もしかしたらイベントで流してる人いたかもだけど。
 
 ドラゴンフォースは、ううん、こう言うとアレなんですが、自分らのキャラを意識し過ぎたのと
周りがそれを望み過ぎてたような。
 馬鹿速い方向はブラスト多用のテクニカルデスが至上になってますしね。
 クリプト魔王がヒネった方向で出してきたのはちょっと驚きでしたが、今年だとKRISIUNが正
統派な(デス的に)激速でかっけーっす。
 
 三味線自体は……前に書いた覚えがありますが、激しい演奏に対応すると思いますよ。音
圧がカヴァーできるかどうかは別として、それ自体はスタジオ音楽としてかっけーロックにな
るんではないかと。
 ただ、音圧確保って点ではやっぱ太鼓とかのが和楽器では強いんですよねえ。
 
 
 タイトーメモリーズ、っスか。
 ……むぅ。
 オリジナルはBOOKOFF殿に頼るしかないですか。
 まあ、チマチマとチェックしてみますです。
 

495 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2008/12/04(木) 03:32:35
http://www.nicovideo.jp/watch/sm866838

せっかくだから私も貼っとく。
割と豪快にゲーム内容バレてるから注意。
まあ、どの場面で流れてるのか分かりやすいけど。

>>494
ありゃ、スルーか。
日本メタルメタルしてて割と好きなんだけど。

んー、プレッシャーかけすぎたら良くないって典型だったのかな。
好きな曲はけっこうあるのよね。ボートラのE.P.M.とかは冒頭で吹いたし。
潰れないで頑張って欲しいな。

まあ、さすがにパーカッションと比べるとね。
私は音圧にあんまり拘りないからアレだけど、三味線だけだとやっぱ物足りないかしらね。

ああ、ブックオフよりネットのオークション探した方が速いと思うよ。
ブックオフの値段査定信用できないし、そもそもそんなところに売り払う奴がいないのよ(何)
ほら、下手すりゃ五千から一万くらいぼったくれる価値が出ちゃってるからさ。
普通に売ると大体二千五百から三千だしね、高くても。
……本当に値崩れしないのよね、中古。元々STGは販売する本数が少ないから、そのせいかしら。
最高傑作っていわれたTFVでさえ二万枚とちょっとしか出回らなかったらしいし。




さて、あんまり時間取るのもお互いにアレよね。
そろそろ失礼するわ。
お疲れ様。
……えっと、またね。

496 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2008/12/04(木) 03:51:40
>>493
 
 あー……どうだろうな、そういうの。
 責任は自分にある、ってのが俺らの不文律だ。助けを求めてた連中を殺してきたのが俺達なら、
とうの俺が誰かに助けてくれ、なんて泣き言は吐き辛い。
 だからまあ、俺は言うわけだ――主よ、俺は赦されますか。
 うん、実に酷い泣き言だ。
 神様じゃなきゃ赦してくれないだろ、こんなの。
 
 俺を赦してくれ、赦される資格はないけど。
 なんてのは、十年以上も前、どうしようもないガキだった頃に散々吐いてた妄言だ。
 今更同じフレーズを繰り返すのも芸がないしな。
 
 人は一人じゃ――か。
 あー……わっかんねえな。
 うん、わかんねえ。俺はお前が一人でも充足できる「そういうヤツ」だって思ってから。
 そういう部分に憧れてたんじゃねえかと思うんだよな、セシルは――多分、俺も。
 でも、そういうもんなのかな。
 
 けど、誰かがいれば生きられるなら――ってのは、少しだけ残酷だろ。
 俺はそれじゃ、こうならなくても生きていけたのか、、、、、、、、、、、、、、、、ってことになる。
 馬鹿みたいな選択の結果で俺がここにいる、って仮定は、俺には少しだけ怖い。ここにいるし
かなかったんだ、って思える事は、どうも俺には救いに思えてならないから。
 
 在り得ない仮定だけどさ。
 俺がキリスト教から目を逸らしたら――その時に甘えさせて貰えりゃあ、幸いだろうな。
 きっと。
 


497 名前:ミハルさん:2008/12/04(木) 03:52:55
>>495
 
 ううう、時間的にあたしも限界っす。時間が眠気が体力が。
 睡眠時間、ヤバ。
 
 サーペントとか、日本の「メタルとしてのメタル」はスルー傾向なんすよねえ……ううう、メタラー
のクセにとか言わないで! 石を投げるのは止めてください! メタオタのクセにメタルも中途半
端なのかよとか言わないで!
 ……どーも、ここんとこ色々なジャンルに浮気しててよくないっす。
 
 ドラフォはまあ、ある意味ではパンクよりパンクじみたスタイルが良かったんだと思いますよ。
 ライブ見ても「うわー、ひでー、だけどコイツらなんか楽しいなあ、やべー、もしかしてこれって
格好いいんじゃねえ?」みたいな。
 スタイルも技術も洗練された中で出てくるメロコアシーンに反逆するように生まれた、明らかに
パンクではないメタルのパンク性! とか言いたかった気がします。
 
 音圧はー、いや、あの人等をライブで見ることがないのでなんとも言えないんですけど。
 でも、正直圧力稼ぐの結構ムズいと思いますよ、三味線。
 太鼓はその点、ちっさいハコならアンプ不要でバカでかい音が出せる訳で。
 
 ブクオフ、あれ、信用なんないっすか?
 あたしのカーカス1st、実はブクオフの産物だったりします。
 あんまり拘らずに売る人、いるにはいると思うんですが……流石にコアですか。そうですか。
 
 
 
 そんじゃ、お休みなさい。
 今日は長いこと話こんじゃって申し訳ないです。
 こんなスレですし、片手間気軽に顔出してくれりゃ幸いですよ。
 

498 名前:ミハルさん:2008/12/04(木) 21:14:11
>>496
 
 ……むぅ。
 確かにこいつぁスゲーです。
 生音じゃないからできるチープなリフの重ね方とか、メタルとして聴いても面白いし。
 ただ個人的には、フュージョンテクノ路線の曲のが凄いなあ、と思うわけですが。T-SQUAREみた
いなガチじゃないけど、BGMに最適。
 あと後半の80年代ロックぽいのも好きですね。イエスだとロンリーハート時代っつーかむしろアウ
トバーンやってた頃のクラフトワークを日本音楽と悪魔合体させたら出来そうなトラックっつーか。
 似非ダークウェーブからメタル展開に持ってくトラックとか、こんなもん日本でしか聴けません。
 ぬああ、こうなるとゲーム音楽が範囲広過ぎる!
 
 あと何気に主張が強くないのもデカいっす。
 かといってインパクト弱い訳でもないし。
 ディスコーダンスでゲームっぽい音楽とか言ってたあたしは恥じねばならないのでしょうか。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=5M6VGfwD32M
 
 あたしからはこの辺をお勧め致します。
 多分どっかしら通じるもんがあると思うんで。
 メロディに萌える亜流プログレ好き、或いはマリリオン信者にも捧ぐ。
 

499 名前:名無し客:2008/12/04(木) 22:24:54
far beyond the sunのフレーズが出てきた瞬間吹いた。
そういやたまたま某所で同席した夢中夢の依田さんと
サンダーフォースVのデモ画面見てたとき、
オープニングのモトリーっぷりに一斉に突っ込んだりしたなぁ。
何面のか知らんがBGMやたら気に入ったりしてたけど。

500 名前:ミハルさん:2008/12/04(木) 22:34:40
 
 依田さん!?
 マジですか。いや、2ndは凄いハマってます。
 タワレコ特典のボートラが何気にヘヴィロテだったり。
 
 けどこの音楽、格好いいっすよねえ。
 ゲームサントラは領域広過ぎなんじゃねーっすか。
 
 
 ……うわ、もう500レス目。
 なんですかこの驚きの早さ。
 

501 名前:ミハルさん:2008/12/04(木) 23:13:44
 
 考えてみたら夢中夢にはゲーム音楽のエッセンスを感じる気がします。
 火焔鳥とか、「ボス倒したら出てきたもっと強いボス」みたいな雰囲気でしたよ。音が。こう、
FFで言うとヤバいウェポンってーか。
 2ndはコンセプトがものっそい大好きだったんですが、そういう面で考えても面白いですね。
 
 
 
 そして!
 
 マイアミバイス終了!
 木曜洋画の分類なんだねこれ!
 けど、あーれー、なんかおかしいなあ。
 サントラ見ると明らかにクドいくらい鳴ってた(コラテラルでも使ってたから監督のシュミ?)
ASの曲入ってないんですよねえ、これ。リンキン&JAY-Zのあれもだけれども。
 それからモグは丸解りでした。
 
 ド傑作! とか言いたいんじゃないけれど、フツーに見れて普通に格好いいのはハリウッド、
ズルいよなあ。
 

502 名前:名無し客:2008/12/06(土) 01:18:19
ゲーム音楽は日本のコンポーザーで影響されてる人多いのかもね。
サンホラとかも初期はあからさまだったし。
そういや浅草エクストリームとかデスメタルオールスターズ(笑)とかは
どういう感じなんですかね。
Arkha Svaはミーハーっ気出してちょっと見てみたかったけど、予定が合わなくて
結局スルーしちゃった。

503 名前:ミハルさん:2008/12/06(土) 02:26:04
 オールスターの方はスルーしちゃいましたよ。
 いや、興味が……いやややや、違う違う違う、そうでなくて!
 時間とその他諸々の関係が!
 でっかい祭りだと今年はまあ、ラウパくらいっすかね。
 これにしてもすっげー良かったですよ! とか言うんじゃありませんけど。
 私的なレジェンド見に行く分には目的果たせたような。
 
 最近で細々したのなら、(そこまで細々ともしてないけど)RSHの解散ツアーにお邪魔したくらいです。
 演奏はBRUTAL TRUTHとコンバジ足してナベアツ化したような暴れっぷりで、イギリス人だってこと途中で
忘れ掛けるようなヒトらでした。あと態度も気軽でいいアンちゃん達でした。
 っつか、今日のは行けねーっす。


504 名前:ミハルさん:2008/12/06(土) 02:46:02
 
 サンホラは……サウンドホライゾンですよね? ラプソディっぽかった。一応色々聴かせて
貰いましたが、いい具合に濃くなり過ぎた中期(より少し前?)があたしは好みっぽいです。
 
 ゲーム音楽はあと、セッションミュージシャンの人等も多いんじゃないでしょうか。
 TOTOみたいに表に出てくる、とは言いませんけど、腕利きのアーティストは多いんでないか
と。その関係でバンド活動にセンス持ち込めるヒトもいるでしょうし。
 そういえばEQUILIBRIUMのバンマスもゲーム音楽に通暁してましたよ。道理で似非RPG臭
い訳で……ディ・モールト良い! もっと派手に!
 
 ……FFとか好きなんだろうなあ、絶対アレ。
 
 エルリックサーガがマジで映画化される頃にはヴァイキングメタルがRPG化して世間に膾炙
してるかもしれません。お茶の間に流れる「ミャァァァァァーッ♪」な蛮族歌唱。
 
 ただまあ、個人的には、ファミコンのチープな単音イジり回して遊んでる音楽とか好きなん
ですけど。メカニカルハンド作ってた頃のHORSE The Bandのセンスとその元ネタになったFC
音楽にはすげぇ興奮しました。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=ZG7aDAPBCwY
 
・HORSE The Band / Birdo
 
 てなワケで今日の動画です。
 

505 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/09(火) 20:29:55
>>450
 
「そこに小説をポンと出されたら、あんたはそれを神話だとカン違いするかもしれない」
 
 自分の表情が強張るのを自覚する。
 胸奥で巡る断想もんくを押し殺して、私は反論する。
 
「君は僕を何だと思ってるんだ――幾らなんでもそんな間違いは起こさないよ。神話なら神話らしく書かれている
からな、間違えようがない」
「はあん」
 
 伊里耶は含むように笑う。
 
「じゃあ、神話らしく書かれた小説なら、あんたはそれを神話とカン違いするって訳だ」
「な――そんな訳が」
 
 いや。
 神話らしく書かれた神話と、神話らしく書かれた小説、、、、、、、、、、、を判じる術は、私には――否、此処には確かに存在しない。
 薄く笑う伊里耶の前で、私はそのまま言葉を飲み込む。
 伊里耶は不意に笑みを収めると、そういうことだよ、と囁いた。
 
「あんたの言う神話らしさってのはさ、善い神様が悪い悪魔を退治したのだの偉い坊主が暴れ回る龍を沈めただ
のって話だろう。――何をしたからこの土地はどうなってるとか、因果応報の隠喩だとか、その手の寓話であるか
どうかってことじゃないのか?」
 
 その通りだった。
 
「俺達が神話を神話だと判断する為に必要なのは、神話というそれ単体のモノじゃない。それを誰が語っていたか、
どこの地域で語られていたのか、どこの誰が語り得るのか、、、、、、、、、、、、それがどんな言葉で語られていたのか――諸々の断
片が寄り集まって、初めて”神話”は俺達の前に現出するんだ」
 

506 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/09(火) 20:31:44
>>505
 
「神話は歴史、と云うことかい?」
「それは違うだろう。歴史は熱量しか記録しないよ」
 
 熱量。
 その場違いな言葉に、私は当惑する。
 
「熱量――それはエントロピィの拡散、と云うことかい? いや、だがそれでは歴史云々の話とは関係ないか――」
 
 それで合ってるよ、と伊里耶は云う。私は益々混乱する。
 
「何がその瞬間に起こったのか、何がそこで行われたのか――それはそれぞれの瞬間に費やされる、純粋に物
理的な熱量の変換行為でしかない。かくして熱は拡散し、規律は渾沌へ散り、どこかでその恩恵を受けた規律が
生まれてる。ホロコーストはなかっただとかアポロ11号は月へ行ってないだとか、その手の議論が生まれるのは
それが万人に納得を許す体感が伴わないからだ。あらゆる記録は今に至るまで改竄の予知を常に残し続けてき
たんだ――断言するよ。絶対に変質しない記録、なんてモノは存在しない」
 
 そう云い切る伊里耶に、私はどんな顔を向けたのだろうか。
 少し困ったような表情で、だからさ――と彼は声のトォンを下げた。声音に冷笑的なニュアンスが忍び込む。
 

507 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/09(火) 20:37:48
>>506
 
「事実ってのは、誰がどう足掻いても物理的なモノでしかないからな。俺達がこうして話している間、裏の林で何
が起こってるか――まあ、精々が空気分子の移動とそれに影響される物体の移動程度だろうけど、そんなもん
がどこの誰に記録される? それはただの経過だし、俺達がこうして話している時間でさえただの経過、、、、、だ。土の
中で虫が這ってただの木をどこぞのキツツキが突付いてただの、そんなものを逐一記憶する「記録」は存在しな
い。それはどうしようもない事だろう」
「それは――別物だろう。キツツキだの土中の虫だのを気にする人間はいないが、歴史は――いや」
 
 私は云い淀み、伊里耶はくすりと笑う。
 どきりとした。
 普段が仏頂面ばかりで、笑ったとしても冷笑的シニカルに嘲笑するのが精々の男なので、この様に自然な笑顔はある
意味では貴重レアである。
 内心の動揺を押し殺す私に、伊里耶は一つ頷き――私は動揺を押し殺したのを了解した、とでも云われている
ようでまた動揺した。
 
「そうだ。どこかの英雄がどこかで戦ってただの、どこかの王様が英断を下しただの、どこかで偉人が発した発言
が歴史を動かしただの、そんなもんはただ記録されただけ、、、、、、、に過ぎない。カエサルはルビコン川を渡ったかもしれな
い。そこで「賽は投げられた」なんて言ったのかもしれない。真相なんざどうでもいいが、俺達にとっては「そういう
事実があった方が面白い」だろう。違いなんてそれだけだ」
「歴史は――存在しないと云うのかね」
歴史なんて実体、、、、、、、は存在しないって事だ。――いつだって世界は独り言を呟き続けてるだけだよ」
 

508 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/09(火) 20:59:15
>>507
 
 伊里耶は意地悪く微笑する。
 私は――なんだか。
 彼の云いたい事が段々飲み込めてきて、思わず背筋が寒くなった。
 
「僕は別に、『歴史という実体』が存在するなんて思った事はないぜ。いや、第一今話してるのは神話が小説とど
う違うのかって話であって、歴史の定義についてじゃないだろう」
「ふうん、そうか? いやすまん、俺はてっきり、あんたが無根拠に神代から続く慣習なんかを信じてると思った
ぜ。俺に向かって「仏壇か神棚は作らないのか」なんて言った奴は多分、あんたで二人目だ」
「――能く能く妙なことばかり憶えている奴だな、君は。僕はただ、此処らの人間の部屋取りというか、常識を適
用しただけだ。そりゃあ、君の居た場所では信仰の自由など前提になってしまっているんだろうが」
 
 それは、この家を訪ねてから私が訊ねたことだ。
 殺風景な部屋には仏壇どころか神棚もなければ髭題目の一つもなく、当然ながら不動場にも水場にも札の一
つも貼られていない。鰯の頭もなんとやらと云うが、伊里耶の場合は信心という言葉自体を嘲弄しているのだか
ら当然の成り行きである。
 しかし――以前の私にとって、それはあまり理解できるところではなかったのだ。
 私は不吉な場所には護符を携えて赴くし、穢れた場所だと云われれば近付かない。天台宗も真言宗も正直な
ところ区別が付かないが、そのどちらもに敬意なりは払っている。同様に、神事祭事に当たっては神主に誠意を
示すし、大祭日ともなれば面倒だが神社にも足を向ける。
 だが。
 この男に曰く、私が神仏を信仰する訳でもないのに仏壇を作り、神棚を用意すると云うのは甚だ不合理――
ということだそうだ。
 実のところ指摘通りだったので、苦し紛れの反論である。と云うより、私の他のもう一人とは誰なのだろう。
 口ごもる私に、そうだな、と伊里耶は云う。
 そして。
 
「だからそれが神話だ。あんたが無自覚に、殆ど常識的に語る風習や因習、それを規定するえがく文脈コード文脈――それこそ
神話という物語、、、、、、、に他ならない。あんたみたく仏門に入ってる訳でもないのに壇を組んだり、神道に通じてる訳
でもないのに不浄なモノに塩を撒いたりとかさ」
「それは――神話と云うのか」
「神話と言うのか、ねえ」
 

509 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/09(火) 21:09:19
>>508
 
 云ってから、しまった、と自分を呪う。伊里耶を相手に体勢を崩している時に反論すれば――それはもう反撃し
てくれと云っているようなモノなのだ。
 にぃ、と伊里耶は私の失態を詰るように笑い、
 
「それこそ無粋だ。神話と伝説の定義は曖昧だし、数百年後に伝説や神話と呼ばれる形式で語られる物語は幾
らでもある――ギリシャのイリオスや琉球の御嶽なんかがそうだな。遺跡としてのモノが残っているだけで、それ
が本当にかつて伝説の都市として機能した可能性のあるそれ、、、、、、、、、、、、であるかは解らない。ただ神話があって、現物が
存在するから、そういうものとして存在してるだけだ。実態と由来は別物――もっと言うなら、言葉で創られた別
の世界がある、と言うべきだな」
「言葉――世界」
 
 神話の可能態ざいりょうとして存在するのが遺跡なのだろうか――と私は小声で独りごちる。あまり自信がなかったので、
明瞭はっきりと口に出したくなかったのだ。しかし伊里耶は小さく頷き、
 
「まあ、そんなところだ」
 
 と首肯した。
 
「遺跡はあくまで理由の補強に過ぎない。なければないで神話は存在できる。遺跡があって神話が生まれたん
じゃなく、神話があったから遺跡は神話の一部にされたんだ。時間は全てを風化させる――なんて言葉は、その
意味で少し正しくない。どんな現象もどんな出来事も、過ぎ去った時点で塵に等しいが、記録される可能性を孕
んでいるという点で――記録される何か、、、、、、、を残すって意味で、情報はエントロピー崩壊に抵抗できてる。言葉という
不壊の世界がそこには築かれている――と言う訳だ」
「言葉が――人間を記録すると?」
「まあ実際、永久機関が作れないんだから、人間にとっては抵抗できているって意味でしかないけどな。それでも
そこには物質以外に残留する情報がある」
 
 一度にややこしい単語が並んで、私は少々混乱する。
 こういう時――全く既知の物でない言葉で語り掛けられる時、私は彼が異訪者なのだと殊更に強く自覚してし
まう。市場に行けば幾らでも見掛ける真っ白な麻衣の着流し。どに行っても人口の過半数を占める黒い髪と黒
い瞳。
 何処にでも見掛ける”誰か”――まったく区別の必要がないそんな”誰か”である伊里耶は、しかし決定的に
私達とは別物なのだと自覚してしまうのだ。
 
「云いたい事は、まあ、解るような気がするんだが――要するに、私達の言葉は単なる音の響きでしかなくても、
そこに含まれている情報は意味を孕んでいる――ということかい? いや、なんだろうな、云ってしまうと当たり
前のようでなんだか的外れだとも感じてしまうんだが」
「いや、当たり前の事だよ。当たり前だから普段は意識しない。現にあんたがそうだっただろう。今こうして俺達
が、血流で駆動する肉と骨の集合が会話している――というのは充分に物理的な現象だ――だろう? それは
重力に引かれてリンゴが落ちたのと何も変わらない」
 

510 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/09(火) 21:15:20
>>509
 
「僕らは林檎――かね」
 
 そうだよ、と伊里耶は平然と答える。
 そうかな、と私は口ごもった。
 私は――少なからず衝撃ショックを受けたのだと思う。
 ただ、それを巧く口にすることができない。いや、自分が特別な存在である、等と思った事はない。林檎が物体
であるように、私は私が物体であると知っている。どちらかと云えば私は、伊里耶の話を聞いて憤慨するような連
中――頑迷な祈祷師や見識の浅い宗教家がそうだろうが――とは対極の思想を持っていると自覚している。物
が高い場所から低い場所へと落ち下ることに理由がないとは思わぬし、それが超自然的な理由に拠る物だと考
える類の人間ではない。
 
 だから――恐らく私は、そんな自分が伊里耶の話に憤慨している事にこそ驚いているのだと思う。
 

511 名前:ミハルさん:2008/12/09(火) 23:25:10
 
 か、改行が面倒すぎる。そしてルビ打ちが。でも面倒になるとまた書かないってことに
なるのでさっさとこのネタを終わらせたいです。
 大分!
 やりたいことと変わってきてて展開が心配ですが!
 
 何やろうとしてたんだっけ……かふっ。
 

512 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/09(火) 23:31:21
>>510
 
「けど、それがどんな意味を持っているか、、、、、、、、、、、、は物理的に測量できない。俺とあんたの会話と俺と他の誰かの会話は
別物だし、俺とあんたの会話にしたって日ごとに意味を違えて変質する。今日のあんたは昨日のあんたより俺を
知っている可能性がある――で、そこに発生している意味、、、、、、、、、、、は完全に別物だ。俺達は自分の認識を介してしかあら
ゆる事象とその揺らぎを認識できないんだから、やはりそれこそが世界だ、と言うしかない。で――俺とあんたの
会話はこうしてここだけで成立して無意味に流れて行くワケだが、仮にこれを記録する人間がいたとしよう」
「記録――かい?」
 
 急に話が飛んだので、私は訝る。伊里耶は相変わらず縁側に座ったまま肩越しに私を見ている――枯れた笑
いが私を捉えて、思わず息を飲んだ。
 
「そうだ。例えば、俺とあんたがこうして語ってる一場面を記録した”物語”があるとしよう――どこかの誰かが冗
談でこの場面を装飾過多に飾り付けて文章にした訳だ」
「はあ、なんだい、僕と君の益体ない会話が希臘神話さながらの物語になるってことかい?」
「ははは、そりゃいい。じゃあそれでいこう――ごてごてとギリシャ神話並に装飾過多な、いかにも人間ヒト好きのし
そうな話だ。そこではこう語られる――”二人の神が、かつての人間の罪について語っていた”なんてな」
「勘弁してほしいな――僕等はゼウスだのユピテルだの、あんな身勝手な連中と一緒なのか」
 
 ユピテルはローマ神話だけどな、と伊里耶はおどけてみせる。
 どちらでも同じ事だ。人間の姿をした神々が、自分と同じ姿をした者達を身勝手な理由で生かしたり滅ぼした
りするという構図は、正直気持ちのいい物ではない。
 
「――で、まかり間違ってこれが歴史に残ってしまう。なんでかって言うと、暫くしてその文献を見付けた誰かが
それを何処ぞの遺跡と関連した神話だ、なんて言い出したからだ」
 

513 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/09(火) 23:35:34
>>512
 
「無茶苦茶だな」
 
 素直な感想だ。
 そんな無茶が神話になるのなら世界中が神話で溢れてしまう。書店の棚は神話だけで容易く占拠されてしまう
だろう。否、それだけ溢れた神話の中では――どの『神話』も『神話の固有性』を主張することなど出来はしない。
どの神話も平等に価値を並べてしまうだろう。
 どれもが等しく尊い神話なら、どれもが等しく価値がないのだ。
 そして。
 そんな私に、伊里耶は首を横に振る。
 どうやら――また私は云い包められるらしい。
 
「そうでもないだろう。戦国武将の家計図なんて酷いもんだ――自称『武将の子孫』が、家康には隠し子がいただ
の自分の家は義経の末裔だの平気で言い出すんだからな。信長は明智光秀に暗殺されていない、なんて話だっ
て出てくるくらいだ。それでも真偽は確認できないんだから仕方ない。つまり義経の隠し子が百人出てきたり俺達
の会話が神話になったりする訳だ」
「それじゃ言ったもの勝ちだな――身も蓋もないよ。歴史は勝者の持ち物だ、と云う理論かい。まあ、ありがちだが、
風情も理性もなにもかもあったもんじゃないな――」
「”勝者の歴史”か。それも厳密には正しくない。偽説や偽史が本当は正しかった事なんてのは――言っちゃ悪い
が、幾らでも検証価値を作ることができる、、、、、、、、、、、、、、、、、
「価値を――作る? それは歴史を捏造すると云うことか?」
 

514 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/10(水) 00:34:28
>>513
 
「違うよ」
 
 伊里耶は空になった湯飲みに冷めた出涸らしを注ぎ入れると、蓋でもするように飲み口を両手で覆った。
 
「あまりにも正史が整然としている場合、ハッキリとそれは疑わしい、、、、、、、、、、、、のさ。人間の行動なんてのは判で押したよう
にはいかないからな。清廉潔白が過ぎる国主だとか領主だとかの経歴には間違いなく手が入ってる――大方の
場合、間違いなくだ。でも、それで誰が損をするかというと、これはもうハッキリと誰もいない。むしろそういう人間
がいたことを強調することで、国やら藩やら、自分のとこはこんなに偉大な人物がいたんですよ、と誇れるだろう。
検証する意味がない。第一、あっちでは悪人、こっちでは善人、はたまたそのどちらでも泣いただの人、と来ては、
そもそも語り継げる要素がなくなっちまうからな。世紀の悪人でも語り所のないどこかの誰か――よりは後世に
都合がいいんだよ、、、、、、、、
 
 一々尤もである。
 しかし、その言い分では正史も偽史もないだろう。
 
「じゃあ、伊里耶。君にとっての偽説とはなんだね」
 
 我乍ら意地悪な質問だと思いつつ、私は問うた。
 伊里耶はしかし、事も無げに軽く頷く。
 
「多数派にならない言説の事さ。それ以上でも以下でもない――実際には敗者の歴史も悪人の真実も、この世界
に割り込む余地はある。それがどう観測されるか、何人に観測されるのか、その違いは多分にあるとしてもだ」
 
 渋い顔を作ったであろう私に、伊里耶は口の端を吊り上げる。
 こういう、何処か加虐的サディスティックな表情が不思議と似合ってしまうのが伊里耶の恐ろしいところである。劇で悪の親玉でも
張らせればさぞかし似合うに違いない――いや、この男は芝居がかった演劇自体を嘲笑するような節があるので
(現に、能などは嫌いではないらしい)、そもそも実現など有り得まいが。
 
「だからさ。説得力があれば言ったもの勝ちってことだよ。だからもっともらしい資料やら家系図やら検査やらが重
要ってことになる。一番それらしい、、、、、、、証拠を集めた人間の語る『史実』が本物になるって、単にこれはそれだけのことだ」
 

515 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/10(水) 00:42:43
>>514
 
 心底――無茶苦茶である。
 伊里耶は楽しそうに云うと、
 
「――話を戻すが、”その他多数の物語”とギリシャ神話やら義経伝説やらとの違いはそれを知っている人間の数、、、、、、、、、、、、
だけだ、、、
「な――」
 
 実に無茶苦茶な結論を出した。
 
「何を言ってるんだ、とか言いたいのか、あんたは。けど、言っちゃなんだが神話なんてのはそういう風にできてる、、、、、、、、、、
んだよ。観測者の数が増加することで、それについて語られる場が幾らも設けられる――語られることで言葉は複
製され続ける。言葉の集積とその認識、それが言葉という世界、、、、、、、だ。だから――神話ってのはそれが複数の観測者にんげん
に語られて、同じ特徴を共有されるようになった事態のことだよ」
「観測者の数だけ――神話が有るということか」
「そうさ。やれこの神話は正等だこの伝説は正しい、この民族の起源はあそこにある――なんて怒鳴り散らす連中
は腐るほどいた。百年、千年と経た時間の断片を恣意的に繋ぎ合せて浮かび上がるモノ――それが俺達が神話
や伝説と呼び習わす体系なんだよ」
 
 体系。
 云われてみればそれは当然で、『神話』と云うそれ自体の固有物が存在する訳ではない。
 畢竟、それが正しいと認められる、、、、、、、、、、、、為に必要なのはそれを裏付ける物象であり、それより重要なのはそれを正しい
のだと信じる人間の数である。
 ならば――。
 
「広まったモノが――神話になるだけ、ということか」
「まさかあんた、現実に神話の出来事が存在してた――なんて言いたい訳じゃないだろう。限られた土地の中で啓
教の民と北欧神話の怪物共とマヤの創造神がケンカしてたんじゃ、地球なんざ百個あっても壊れっ放しだぜ」
 
 神様は癇癪持ちだからな――と伊里耶はけらけら笑う。
 と。
 

516 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/10(水) 00:43:28
>>515
 
 
 
「――だからまあ、俺が今語った事をあんたが信じれば、あんたはその神話を受け入れたことになる」
 
 
 
 

517 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/10(水) 01:07:59
>>516
 
 その唐突な宣言に、私は狼狽した。
 
「え? ――う、嘘なのか?」
 
 至極尤もだと頷いた結論が、頭の中でぐらぐらと揺らぐ。
 ばらばらになりそうな思考を繋ぎ止めようとして、当初の持論としていた意見を手繰り寄せ――何処から何処ま
でが自分の思考で、何処から何処までが伊里耶から齎された意識なのかが解らなくなっているのに気付き、酷く
狼狽うろたえた。
 気付かぬ内に、滔々と流れる言葉の海の中で、私の持論は伊里耶の指摘と混合し、渾然一体となって『自分の
意思』となっている。
 俯き、畳を凝視したまま自分の思考を整理して、そのまま何分くらい経っただろう。
 急に目の前でくすくすと忍び笑いが聞こえたので、私は我に返った。
 顔を上げると、案の定そこには意地悪く笑う伊里耶の顔がある。
 

518 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/10(水) 01:13:13
>>517
 
「いや、今言ったのは本当だよ。まあ、俺は本当だと思っている、ってことだけどな。だけどあんたはそれが本当
かも確かめられない――と言ってるだけだ」
 
 私は憮然とする。
 成る程。今、私は――伊里耶の言葉が作り上げた世界、、、、、、、、、、、、、、に囚われているのだ。
 
「それが――神話か」
「そうだ。まあ、色々と語弊を生む言い分ではあるんだろうが、俺はそう思ってるよ。俺達を縛る、或いは俺達を創
る言葉の束――人間が自分の生存を賭して信じられるものを神話と呼ぶなら、そう言っても過言じゃない」
 

519 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/10(水) 01:18:31
>>518
 
 言葉。
 世界。
 確かに――。
 私の身体は物質で、
 私の世界は言葉で出来ているのだろう。
 縁側を覗く。
 秋風に木々が揺れている。騒々と葉が擦れ合う。
 会話の途絶えた間隙を埋めるのは、やけに耳を打つその音だけだ。
 ふと肌寒さを感じて、私は二の腕を摩る。
 
「正しく言霊だな」
「巧い」
 
 伊里耶が手放しで私を褒めたので、思わず渋い顔を作ってしまう。なんというか、散々やり込めておいてこういう
時だけ褒めるのは止めてほしい。
 

520 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/10(水) 01:23:36
>>519
 
「だからさ。有史以来そうして積極的に言葉を否定したのはブライアン・イーノくらいだった訳だ。ここで空気も読め
ずに「言葉なんぞ存在しない!」なんて言ったヤツもいたが、それじゃ言葉を捨てたら何が残るんだってのが人間
の現状だ。なんせ俺達の生存は言葉という道具ツールに大半を委譲しちまってるからな――言葉の厄介さに意を唱えよ
うが、それはもう治外法権だ。言葉がなきゃ成り立たないんだから、多少の不便さには目を潰れ、ってことになる。
だから脳味噌を培養槽に浮かべてロボットに管理させるような世界はまだまだ遠いんだよ」
「はあ」
 
 無頼餡だのなんだのと云われても、説明抜きでは理解できない。相変わらず、こうして語りに転じた際の伊里耶
の喩えは解り辛い(もっとも、最後の機械人形ロボットがどうのと云うくだりは、以前に映画だかエスエフだかの話に混ざっ
て聞いたことがあるのだが)のだ。
 
「結局、神話も歴史も小説も、どれも文章の連なりであることに違いはない。――あるのはそれを読む人間の違い
だ。解釈の千差万別と、その尺度だけだ。誰かは神話と伝説と言い換えるし、誰かは歴史を偽史と主張する。あん
たは知らないだろうが、小説通りにテロを実行したテロリストもいたんだぜ。そいつの頭の中じゃ、その小説は充分
に思想的な『神話』だったんだ」
 
 テロリスト――とは、己の主義思想に相反する相手に対して、現実的な暴力で報復する者達の総称だ。否、正確
にはもう少し明確な定義があるらしいのだが、伊里耶は面倒がって説明してくれない。
 この世界には在り得ないことだが、思想を思想で制圧することに躍起になる心理状態メンタリティとは――一体、どんな状況
なのだろう。
 
「小説を……自分の大義にしたということか。いや、しかしそんな事が有り得るのか」
「ふうん、なんだ。あんたはないと思うのか?」
 

521 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/10(水) 01:28:23
>>520
 
 問い返されて、私は口ごもる。質問に質問で返すのは反則ではないだろうか。
 それに――今の私に、それを無いと言い切るのは難しい。
 
「しかし疑うんじゃないが、君の云い分じゃ、神話は誰しもに共感し得る――君はこう云うと嫌がるだろうが、それ
は神話がユング的な、根源的なイメェジを元にして作られているからこそ成り立つんだろう? さっき君が云った、
僕達の会話が神話になるって喩えにしろ――それは神話になるような材料があってこそ、という前提でなければ
ならない筈だ。神話らしくない神話なら僕だって神話と神話に似せた物語を間違える事はない」
 
 違うか、と私は念を押す。
 

522 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/10(水) 01:29:54
>>521
 
 小さな間があった。
 伊里耶は僅かに目を見開き、驚いたような表情を見せる。が、すぐに目を細めると、
 
「――まあ、鋭いっちゃ鋭いよ」
 
 と、飄然と返してきた。
 
「けどさ、それはもう説明したじゃないか。大勢信じる人間がいれば、それはその大勢にとっての真になるのさ」
 
 云い切られて、私は聊か慌てる。
 伊里耶は強引に話を終えようとしている。面倒げに語る口調からもそれはありありと見て取れる。
 
「そして、その真が拡散する――だろう。僕等の知る神話とはそうして創られ、世界に敷衍したのだとね。それは聞
いたよ。納得したさ。そりゃそうだが――だが、その骨子は語って貰っちゃいないぜ。どうして神話らしくない神話が
神話足り得るのか、と云うのが本題だろう。小説と神話に差がないって断言したのは君なんだからな」
「断言した覚えはないんだけどな」
 

523 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/10(水) 01:41:19
>>522
 
「まあ――それじゃ手短に」
 
 難儀そうに云って、伊里耶は私を見る。
 
「俺達の世界がごく個人的なモノだってのは解るよな。人間の世界は常に人間的な認識に侵されている」
「? それは、さっきの言葉の世界――という話かい? 言葉で作られた認識を人間が享受しているという――」
「いや、そうじゃない。簡単に言えば、俺とあんたの見てる世界は、俺達の身体に色々とネジ曲げられてるってこと
だ。俺達の視神経だとか、脳の配線だとかにさ。他にも色々な要素はあるが、まあ、まずは身体だ。俺とあんたは
別の身体を持ってる。多分俺の方が頑丈だな」
「待ってくれ――そんなのはまるで違う話じゃないか」
「いや、違う話じゃないし大した話じゃない。すぐに終わるさ」
 
 私は渋々とお茶を啜る。
 

524 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/10(水) 01:43:00
>>523
 
「解ったよ。で、僕らの身体が別物だっていうのは、一体全体どういう意味なんだ。そんなのは当たり前の事じゃな
いか。お定まりのデカルト談義でも始める気かい?」
「冗談。そんなつまんねえことはやりたくない」
 
 やり飽きたしな、と伊里耶は肩をすくめる。
 この男のデカルトへの愛憎は少し度を越えているのだ。
 
「例えば、俺達の眼球――世界を捉える目は、一昔前のカメラ程度の性能しか持ってないんだ」
「カメラ――ああ、写真機かい?」
「そうだ。まあ、普通の人間でデジタルカメラの百万画素程度かな。どうせあんたはデジカメなんて知らないだろう
から仔細は省くが、新しいカメラはその程度の性能じゃない。その十倍を楽に越えてる」
 
 まあ、画素がどうのと云われても解らないのだから知らないと云われても仕方ない。写真機自体が正直未知の
技術なのだ。単に驚くばかりである。
 
「はあ――そりゃ凄い。僕らの目の十倍の性能か」
 

525 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/10(水) 01:48:04
>>524
 
 ――いや。
 云いながら違和感を感じる。
 私達の目の十倍の性能、、、、、、、、、、――。
 だとしても。
 十倍の瞳が映し出す像を捉えるのは、私達に他なるまい。私達の視界(せかい)は、どうあれそれ以上のモノを
見る事はできないのだ。
 ――ならば。
 私達は、私達以上の何かを理解し得るのだろうか。
 茫洋と走り始める思考に、伊里耶は平然と補足を投げ掛けてきた。
 
「で、そのカメラで撮った写真を見ると、これがそう綺麗でもなかったりする。百万画素――俺達の目と同性能の
写真なんかは、ハッキリ言って粗い」
「粗い――というのは、あまり綺麗ではないという事だな」
「ぶっちゃけ、汚い。けど、そうなると問題があるよな。あんたが捉えてる世界はザラついた写真と同じかどうかだ。
ホラ、例えば俺の姿はザラついた粗い景色に囚われてるか?」
 

526 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/10(水) 01:58:23
>>525
 
 もちろん、そんな事はない。
 視力に自信があるとは云わないが、それでも伊里耶の表情は確りと捉えられる。
 だが、極端な話だが――私より目の利く者が見れば、私よりも鮮明に伊里耶の表情を捉えられるだろう。
 幾らファインダ越しの世界が麗美だとしても――私達の”美しさ”を捉える精度には上限がある。ならば私達は、
その精度以上の美しさ、、、、、、、、、、をどうやって理解できるのか。
 
「いや、そんなことは――」
 
 云い終える直前に理解した。
 
「――僕達は、世界を自分に合わせて捉え直している、ということか?」
 

527 名前:ミハルさん:2008/12/10(水) 02:02:03
 
 くっ……!
 書くだけならともかく『改行』にこれだけ時間を食うとは……!
 
 『ルビタグを使う』、『それに合わせて打ち直す』……。
 両方やらなくっちゃならないのが『スレ主』の辛いところだな……。
 でもちゃんと片付けるよ、プロシュート兄ィ……。
 
 でも時間なので今日はこのへんで。
 

528 名前:名無し客:2008/12/10(水) 15:08:58
眼で見ている。
耳で聞いている。
鼻に匂ってる。
舌で味わっている。
身で感じている。

などというが、全ては本来脳がそう感じて居ると思っているに過ぎない。
そして、感覚器から入ってきた信号は脳というフィルターを通して、
自分の感じたいように感じているに過ぎない。
さらに、その情報が他者に伝達されるとき、言葉というフィルターを通る。

かくして、世界は曖昧になってゆく。

529 名前:ミハルさん:2008/12/11(木) 22:31:21
>>528
 
 ざっつはういっとわーくす。
 ……けど、パロディにして「似非一章」的に終わらせる予定だったのに。
 どうしたもんでしょう。
 あとざっと今見直したら部屋内の位置関係がおかしいです。
 いやほんとどうしよう。これ。
 

530 名前:ミハルさん:2008/12/11(木) 22:34:25
 
 弾丸ボウズが終わらないとレスができないッ。
 
 
 
http://jp.youtube.com/watch?v=258kloHSBfU
 
 とりあえず今日の萌え動画。カラオケだとアホみたいに盛り上がれます。
 この人達、この頃はマイケミと仲良かったんだよなあ。
 なんだかんだ言ってエモいの好きです。
 エモだからギリギリでカタギ扱いして貰えますしね。
 
 ……。
 何がッ!
 エンジェルオブデスの何が駄目だというのですッ!
 
http://jp.youtube.com/watch?v=cStDGr91Q4c&feature=related
 
 ノリが日本のメタラーと一緒過ぎるライブ。そしてメタルコア。萌え動画二段。
 やっぱり「Black Tears!」の反応は万国共通みたいです。
 平和過ぎるモッシャー達がまた楽しげ。
 音源で聴くと愛がなさ過ぎる解釈っぷりでステキなんですが、ライブだと愛に満ちててステキ。
 けどまあしかし、
「ブラッティァアアアアアァァァァァ!」
 とか、色気のカケラも残ってねえです。
 

531 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/11(木) 22:52:33
>>526
 
「脳が捉え直してる、って所だ。だから万人が同じリンゴの赤さを認識してるとは限らない――なんて有名な話が
出てくる。人間は脳に生かされてるってワケじゃないが、人間の世界は脳に捕らえられてるんだよ」
「脳が――」
 
 くらりとした。
 座っていると云うのに、足元が床に触れてないような錯覚を覚える。
 
「――僕がこうして、座りながら感じている畳の感触も、君と話しているこの実感も、僕の――脳が示唆したものだ
というのか」
「当たり前だ。でなけりゃ会話なんて成立しない。だから人間は脳の作った映像に支配されるし、脳の作った実像
を真実としか認識できない――そうだなあ、あんたは幽霊を信じるか」
「は? いや、そんな訳がないだろう」
 
 不意打ち気味の一言に渇を入れられる。
 
「幽霊騒ぎの原因も大抵はそんなだ。何がなんだか解らない物に理由をつけようとして、理由をつけ切れなくて脳
が言い訳をする」
「見間違え――ではなく、脳の誤認だというのかい?」
「誤認ならまだいいが、これはちょっとした詐欺だからな。タチが悪いと言えばタチが悪い」
「詐欺――かい」
 

532 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/11(木) 22:53:55
>>531
 
 牽制気味に問い返して反応を探る。
 ちらちらと表情を伺うと、伊里耶は変わらず平素な表情で私を見返した。
 
「そうだな、例えばあんたが何がなんだか解らない記号の羅列に出くわしたとしようか。とても読めた物じゃないが、
羅列されている規則性から文字だという事は解る」
「象形文字のようなものかね」
「ああ。けどあんたには読めない。手元には辞書もない」
「それは――無理だろうな。僕にとってそれはただの判読不能な図形に過ぎないよ」
「ああ。幽霊も同じだ。判読できない何かだから、既存の経験と照らし合わせる事が出来ない。脳味噌はそれが許
せない。だからとりあえず「何かなんだ」って言い張る」
 
 伊里耶は酷い擬人化をして、自分のこめかみを人差し指でこつこつと叩く。
 その仕草は妙に演技臭い癖に驚くほど自然で――何かのジェスチュアだと云う事は解るのだが、私は思わず吹
き出しそうになった。
 

533 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/11(木) 23:22:25
>>532
 
「言い張らないとどうなるんだい?」
「いや、言い張るよ。絶対に」
「絶対? いや、だが」
「なんだ。詐欺――なんてつまらない擬人化をしたのが拙かったか? だったら仕組みって言い換えたっていい。
ある機構が生み出すのはある現象だけだ――時計細工に然り、水車小屋に然り、脳は認識を強制する機構に過
ぎないさ。脳の機能ってのは、突き詰めれば一つだ――物事を処理すること、人間という受容器官に処理を強制
する、それだけだ」
「だから――脳が僕達を騙すのか」
「脳はワケの解らない現象に理由を付けようとする。でないとパニックから立ち直れないからだ。――これは単なる
俺の持論だが、ロボットよりも人間の性能が圧倒的に勝る理由は、その種のフレーム問題を回避できる事にあると
思うね」
 
 専門用語テクニカルタァムは能く解らないが、つまり、人間は不可思議を不可思議なモノとして認識できてしまう(、、、、、、)――と云うことなのだろう。
 専門用語は能く解らないが、つまり、人間は不可思議を不可思議なモノとして認識できてしまう、、、、、、、、――と云うことな
のだろう。
 が。
 納得しつつも疑問は残る。
 

534 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/11(木) 23:25:07
>>533
 
「幽霊――なんて結論付けることが混乱を収められる理由かい? それじゃ何でもありじゃないか。無茶苦茶だよ」
「何でもありだよ。土台解らないことに結論を出そうとするんだから、何でもありで当たり前だ。解らない事を解れ、
と脳は俺達に告げるのさ。だから幽霊が出来る。――これはさっきの話だが、だから宗教は成立するんだよ。解ら
ない事をどうにかする為に、どうにか理由付けする為に知恵を出し合う訳だ」
「宗教が……身体的な産物だと云うのかね」
「そうだよ。当たり前だろう、人間が所望した機構なんだから身体的でない筈がない。宗教は――そうだな、少々詩
的に言うなら、心の処方箋と言ったところだ」
 
 処方箋。
 確かに――伊里耶にしては聊か浪漫主義が過ぎる比喩である。
 ……それだけに、薄笑いする表情は一層底冷えして感じられたのだが。
 やにわに背中に走った震えを押し殺して、私は云い返す。
 

535 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/11(木) 23:28:29
>>534
 
「だが、宗教で救われる人間と救われない人間は確りと分かれているんだぜ」
「だから処方箋だよ。定量を間違えれば自滅してしまう――”心”や”精神”なんてモンに閾値の定義できない人間
には過ぎたクスリだな。劇薬と解っていて手を出す奴が後を断たなくて、それが常態化した今は誰もがそれを劇薬
だなんて思っちゃいない」
 
 益々解らない。私は眉を顰める。
 やれやれ、と伊里耶は私に物分りの悪い子供を見るような視線を向けると、
 
「まあ、例えばだな。脳が誤認した幽霊はあくまで個人の体験だ――これは解るよな」
「馬鹿にしないでくれ。今聞いたばかりだろう。僕はそんな鳥頭じゃないぜ」
 
 鳥頭ねえ、と伊里耶は含み笑いする。
 
「まあいいや。――で、この幽霊は他人と共有する事なんて出来ない。見間違いでしかないからな。これはそのま
までは個々人の怪奇現象で留まっているだけだ――そこで言葉で幽霊を囲ってやる。何人もが同じ場所で似たよ
うな怪奇に遭遇したなら話は早い。もっともらしい理由を作ってやればそれまでだ」
「理由……」
「だからさ。夜中に怪しい火を見たって連中がいたとするだろ。――その経験を共有した全員に「人魂」なんて概念
代入しおしえてやるんだよ。すると――」
 

536 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/11(木) 23:32:38
>>535
 
 ――ああ、と声を漏らす。
 私は――。
 漸く解った。
 
「怪しき火は全て之人魂也――ということか」
 
 伊里耶は頷きもせずに少しだけ笑い、
 
「その種の不安は絶対に尽きる事がない。現状ではな。で、宗教はその不安に理由を付けてやる事ができるんだ。
物事には理由があって原因がある。人間はコトのほか因果律を否定される事を恐れる。全ての原因には理由が
ある、と肯定してやれる機構しゅうきょうは強いのさ。自分以外の誰かも信じてるから、自分も信じていいんだって脳は思って
くれる。だからあんたの家は神棚の横に髭題目が飾ってある。宗派がなんだか解りゃしない」
 

537 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/11(木) 23:59:13
>>536
 
 まるで見てきたように云う。
 その通りなのだが。
 
「いや――待てよ」
 
 茶化されて、逆に考えが落ち着いた――すとんと胸に落ち着いた思考が、些細な疑問を頭から蹴り出す。
 
「それじゃあ、まるで宗教が不安を作ったってことになってしまうじゃないか」
 
 私は伊里耶を見据える。彼は――へえ、と息をするように応じる。
 
「どうしてそう思う」
「だってそうだろう。君は訳の解らないものに対して宗教が免疫作用するというが、宗教を信じるからこそ有りもしな
い幻想を抱いてしまうことはあるだろう――十字軍など狂信のいい例だ。魔女裁判を肯定されたのでは溜まった物
ではないよ。あれは、悪魔を崇めただかなんだかと集団パラノイヤを基督教が煽動したようなものだろう? しかも
扇動者はそれを理解していたのだから始末に終えない。君は宗教が幽霊やら怪物やらに理由を付けて処理する
と云うが、それでは本末転倒じゃないのか」
 
 ―― 一瞬。
 伊里耶が寂しげに笑ったのは、気のせいだったろうか。
 
「どうか――したのかね」
 
 いや、と伊里耶は首を振った。
 矢張り――気のせいだろうか。
 

538 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/12(金) 00:19:47
>>537
 
「偶にあんたは鋭いよ、本当」
「はあ」
 
 と云われても、私には何の事か解らない。
 
「まあ、宗教はその手の不安を作ろうと思って作った訳じゃない。大半は――結果的にそうなっちまっただけだ。キ
リストの教え一つを二千年も守り通せば、従来の教義だって更新アップデートしなきゃやってられなくなる。それを怠ればあっ
という間に大殺戮の一丁上がりだ。その辺は――そうだな、あんたの言う通りだ。キリスト教は大いに間違えた」
「ああ、いや、何も基督教に限らないのだろうがね」
 
 なぜ私が言い訳しているのだろう。
 奇妙な不安を心中で磨り潰し、私は早足で言葉を繋ぐ。
 
「だが、解らないな――基督にしろ仏教にしろ回教にしろ、当初の教えを守り続けることができたのかな。数百年、
数千年単位の事だろう。それだけ長く続けば、むしろ君の云う『更新』は必然的に起こるんじゃないのか? それこ
そさっきの話だ。君は過去の記録など曖昧模糊とした幻に過ぎないと云ったが、長く続く宗教はそれだけ多数の解
釈を許してしまうのではないのか」
 
 人の噂もなんとやら、ではない。
 伊里耶の理屈で云うのなら、それだけ長く留められた言葉は変質しない筈がないだろう。
 
「いや、そうはいかない。キリスト教はそんな馬鹿じゃない。例えばキリスト教で言えばそれを防いでいたのは信仰
基盤になるヴァチカンや聖書だ」
「防ぐ、のかい?」
 
 梵蒂岡とは基督教、世界最大の宗教網がその拠点と定めた都市のことである。
 
「そうだよ。何千人もの聖職者が、日々として世界の情報に目を通して教義と”合う”か”合わない”かを選り分けるの
さ。絶え間ない照合と証明の組み合わせだ――何処かで新しい解釈が生まれたら、それは”正史”からは抹殺され
る。信仰を永続的に保つ為に重要なのは、キリスト教じゃ聖書の解釈と適合するかしないかだ」
「……適合しないものを抹殺か。かのガリレオ教授のようにかな」
 
 どうだろうな、と伊里耶はわざとらしく肩をすくめる。
 

539 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/12(金) 00:30:26
>>538
 
「ガリレオの話は大分誇張されてるきらいがある。カトリック――ヴァチカンは、別にガリレオを本気で異端者と認定
した訳じゃないからな」
「へえ、そうなのかい?」
「そりゃそうさ。少し考えれば解る。もしも本気で認定したら火刑は確定だろう。カトリック側としちゃ、ガリレオには釘
を刺したかったんだ。『あんたの解釈は、あくまで物の見方の一つですよ』ってな。実際、地動説自体はカトリックも
とっくに認めてるよ。ガリレオのことだって今じゃ認められてる」
「ふん、だがそれはひどいな。本人が死んでから認められたんじゃ本人は報われない。第一、今は良くて昔は駄目、
なんてのは言い訳としても苦しいぜ。それじゃ絶対真理なんてあったもんじゃない。ガリレオが可哀想だろう」
「それは違うんじゃないかな」
「どうしてだ? 巨大な宗教の母体なら、自説を曲げるなど論外ではないかね。――君の云う『教義に合うか合わ
ないかを選り分ける』とは、その事ではないのか?」
「違うね」
 
 またあっさりと云う。
 やれやれ、と私は首を振る。
 
「じゃあなんだい」
「宗教の役割さ。――ガリレオの時代、地動説よりも天動説の方が信憑性があった理由は解るだろ。天体の観測
装置だって発達しちゃいなかったし、巷間に上る話題は科学よりも神話だの民間伝承だのの時代だ。地動説を採
用するにはキリスト教が世間に示す役割は大き過ぎたし、世間はキリスト教に頼り過ぎてたんだ。科学全盛の世
の中なら、自然科学にだって認めるところは多い。カトリックの意向は概ねそんな感じだったよ」
「はあ。じゃあ、その、基督教は――必要とあらば自説でも平気で曲げると?」
 

540 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/12(金) 00:33:35
>>539
 
「はあ。じゃあ、その、基督教は――必要とあらば自説でも平気で曲げると?」
「曲げた方が世間に適応できるならな」
 
 自嘲気味に口元を歪めたまま、伊里耶は続けた。
 
「いくら科学的に正しいとされる証明があったとしても、キリスト教にとってそれは『自分以外の誰かの物の見方』で
しかないんだ。だから言ったんだ――私達を信じなさい、されば救われよう、ってな」
「基督教は――あらゆる人間を救う事は出来ない、と云うことか」
 
 と。
 何の気なしに云って、はたと気付いた。
 伊里耶は俯いて、じっと床を凝視している。
 
「あんたもそう思うかな、やっぱり」
「え? あ――ああ、まあ、だが宗教はそんなものなんだろう」
 

541 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/12(金) 00:38:59
>>540
 
 俯く表情は見えない。
 爾来感情の読めない伊里耶だ。私には――彼が考えている事が解らない。
 
「宗教には価値がない。そう思うか」
「そうは思わないが、いや。君は」
 
 何が云いたいのか。
 犬や猫の方がまだ読める、、、。未知の文化。未知の環境。未知の物語。――私の外にあるモノで創られた伊里耶
は、私にとって他の誰よりも他人、、だ。
 だから理解できない。嫌いなのではない。解らないのだ。
 何か気に障ることを云ってしまったのか。ならば何が悪かったのか。どう言葉を次げばいいのか。――目眩狂し
く胸裏に意識が回り、
 

542 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/12(金) 01:04:18
>>541
 
「――まあ、そうだよなあ。ははははは!」
「え――あ、え?」
 
 唐突な爆笑に、私は前のめりに崩れ落ちた。
 この男は。
 いや、今のは本当に、正直腹が立ったのだが。
 くすくすと笑いの余韻を残して顔を上げた伊里耶は、試すように私を覗き込んでくる。反射的に睨み付けた。
 ――いい加減にしてくれ。どっと押し寄せた疲れを足を崩して逃がしながら、私は溜息を吐く。
 

543 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/12(金) 01:28:43
>>542
 
「つまり事ほど人間の認識は曖昧――と云うことだな。人間は環境を変え続けるが、容易く環境に変えられると。
脳はそれを滞りなく運ぶ為の機械ということだ」
 
 そうそう、と気軽に頷く伊里耶。少しはこっちの気持ちも考えて欲しい。
 
「ついでに、あんたはさっき鳥頭じゃない、なんて言ったけどな」
「何だ、違うというのか。自慢する訳じゃあないが、記憶力には自信があるんだぜ。此処まで来る道筋だって完全
に覚えている」
 
 と云うのは――これは本当である。
 特技というほどの特技ではないが、私は物事を記憶することに長けているのだ。
 と云うより、私の場合は記憶した物事を忘れようと思っても忘れられないのだが。生まれ付きの体質というやつ
で、場合によっては難儀もしている。
 
「いや、そりゃ知ってる。あんたの記憶力は大したもんだ。凄いと思うよ。インド数学でもやれば長じたことになると
思うぜ」
「はあ、いやだが、君は今それじゃ何と云おうとしたんだね」
「鳥の記憶力はあんた並だって事を言おうとしたんだ」
 

544 名前:ミハルさん:2008/12/12(金) 23:43:21
 
 ハンパなとこでレスが終わったーっ!
 
http://jp.youtube.com/watch?v=L8Cy1nniCIY
 
 別バンドってかEToS(メロデス)による黒涙。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=nwhzmUismio
 
 で、これがオリジナル。
 
 先日のに続いてヴァージョン違いの列記ですが、まあやっぱこんだけフックの強い
曲が作れるのは尊敬しきりです。鼻歌でも歌えますもん、これ。
 でもま、オリジナルがやっぱ色気たっぷりで最高ですね。
 

545 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/12(金) 23:59:23
>>543
 
 多分私は精一杯愚鈍な表情をしたのだと思う。それからありったけ不満そうな表情をしたのだろう。
 伊里耶は私を宥めるように苦笑する。
 
「そんな顔をするなよ。これは本当さ――鳥は記憶力が凄いんだ。凄過ぎて融通が利かない。道なんかも完全
に覚えてしまうから、ヘンに状況が変わるとパニックになっちまう」
「物覚えが良過ぎると困る、と云うことかい」
「困るってより、適応できなくなるんだろうな。特に人間の社会は、日一日と状況が変わる。昨日まで川だった場
所が埋め立てられて陸続きになったり、馬鹿でかい建築物が一ヶ月もあれば生まれてる。そりゃ物覚えが良過
ぎたら困るだろう」
「君の居た世界――か」
 
 まあそうだな、と足を崩して両手で身体を支える伊里耶。視線は私から外れて天井へ移動する。
 
「だから動物と人間のアタマの良さを比較するのも馬鹿げた話ってことだよ。要は適応の問題だからな――人間
は脳って分析機関を特化させて、あらゆる地形を開拓することを選んだんだ。どっちがいいだの悪いだのって話
じゃない。コウモリからしたら、『あの連中はどうしてこんな便利な音波を使わないんだ? イカレてるのか? だ
が奴等、俺達には使えない『光』を利用しているらしい――やれやれ、まったく奇妙な生き物だ』ってカンジだろう」
 
 ならば蝙蝠は人間を羨むのか、と私はどうでもいい突っ込みを思い付いたが、そのまま心中の塵捨て場に投げ
て落とす。
 不用意に口を挟むと三倍くらいの勢いで云い返されかねない。
 
「なるほどな――鳥頭鳥頭と云うから鳥は愚鈍なイメェジがあるが、そうではないということかい」
「『雀百まで踊り忘れず』とか言うだろ。むしろカラスなんかは頭がいいよ。都会のカラスは人間から見て最悪なく
らいに頭がいい。そうだな、野良犬なんかよりも余程に厄介だ」
「人間から見て――成る程な。それも尺度か」
「そういうことだよ」
 

546 名前:ミハルさん:2008/12/13(土) 03:43:52
 
http://jp.youtube.com/watch?v=HM7eKpPtQlw
 
http://jp.youtube.com/watch?v=BKm-OkHj-VM
 
 意識がブッ飛んでおりました。
 むしろ仮眠後の『最高にハイってヤツだぁーッ!』でしょうか。
 最近チャイにハマってんですけど、世間的にはあんま人気ないシロモノなんでしょうかこれ。
 海外モノ扱ってるお店から消えてて寂しくなりました。
 
 今聴くとEToS版の黒涙ってゲーム音楽ちっくだなー、とか思いました。黒涙がってよりもバンドの音が
そもそも濃いというか。黒涙はGソロがKeyソロになってるんで余計にそう思うんですけど。
 
 動画の二つ目は夏頃聴いてたポティヘですが、やっぱ面白いっすこれ。どっかのアーティストにラップ
アレンジされたヤツが配信されてましたが、まだ残ってんでしょうか。
 以前は「聴いてると気持ち悪い」とかひでーこと言われたんですが、やー、そうそうないですよ、これ。
 ダミーが(SHM−CDで)再発されてたんでちょっと出してみました。SHM。SHM。またその言葉ッ。
 なんスか。奥行きが深くなりましてー、とか言い出すんですか、あの音で。
 別にいいんですけどもッ。
 

547 名前:ミハルさん:2008/12/13(土) 03:59:48
 
 これこれこれこれ煩いレスだああぁッ!
 意識がハッキリしてないときに書くとか駄目ですってばマジで。
 あとはまあ、時間あったら「板的名盤100」とかテンプレ書いときたいです。
 
アーティスト:FRANK ZAPPA
アルバム名:HOT RATS
発表時期:1969
ベストチューン:M1・Peaches En Regalia
本文:――
 
 みたいな。いや、ザッパならワカジャワカとアンクル・ミートも悩みどころですけど。
 ただこれ、やるにしても、CDディスコとバイオと販売レーベルはスルーでいいとして、現在入手可能
かどうかくらいは書いといた方がいいのかな。
 エボニーティアーズとか書いても、今アマゾンで見たら二万。二万て。まだそんなんですかよ!
 
http://jp.youtube.com/watch?v=pq6QKAgnt7U
 
 これとか、個人的にメロデス(/デスラッシュ)でも屈指の名盤だと思うんですけどねえ。
 

548 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/13(土) 08:12:40
>>545
 
                           ◇
 
 気付けば日が暮れ掛けていた。
 季節が季節だけに山頂に長居するのはあまり好ましくないのだが、ここに来るとこんな事は珍しくない。
 伊里耶は少し待っていろと云ったきり、何やら居間を後にしていた。
 早数一刻半である。どう考えても少しではない。
 必然的に、部屋には私が一人残される事になる。
 慣れた家ではあるのだが――正直、この暗さでは心細くもあるのが正直な話だ。
 騒々とした葉の揺らめきも、引いては寄せる鳥の鳴き声も、この山頂の隠宅では恐ろしげな獣の息遣いに感じら
れてならない。
 伽藍じみた部屋は、モノが散乱していても只管に空虚である。
 静寂は嫌いではない。むしろ姦しい喧騒よりは好む方だ。
 が――この閑けさは、閑かと云うより、むしろ無表情なのだ。
 街中でも夜は静かだが、それはあくまで人が居る上で成り立つ環境としての静寂―― 一時的な安らぎである。
 此処にあってのそれは、それ以外のどんな要素をも含んでいない。
 只管に寂しいのである。
 私は一人部屋で天井を見上げてみたり、視線を無意味に部屋の隅やら座卓やらに飛ばしてみるのだが、それで
部屋の陰鬱さが抜けるかと云えば、当たり前だがそんなことはない。
 茫洋とした意識を抱えたまま、土間の様子でも見に行くかと立ち上がる。
 ふと座卓の傍に転がっている和綴の本に目が留まった。
 

549 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/13(土) 08:17:43
>>548
 
『ガレキ之王』
 
 とあった。
 この家にあるということは必然的に私が製本を依頼した内の一冊で――『瓦礫の王』と題されたその本は、慥か
一ヶ月ほど前伊里耶に手渡した物である。
 鈍々のろのろと座り、本を摘み上げる。
 無論、一読二読とした本には違いない。私は伊里耶から預かった本はどれも何度も読み返しているのだ。
 だから。
 この本も何度か読んでいる筈である。
 これは――。
 
 内容は――慥か、そう、死なない人間、、、、、、の物語だ。
 

550 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/13(土) 08:32:08
>>549
 
 死を知らぬ者達が暮らす街の話。
 あらゆる文化がかつて育まれ、尚も育まれつつも、全てが機能しない街を描く物語――死を知らぬが故に、全
ての可能性を最初から全て孕み、同時に放棄した物の町を描いた物語である。
 無限の停滞。
 無限の円環。
 そこに人間の価値が差し挟まれる余地があるのか、という諧謔趣味に満ちた物語だったが――。
 手にとって、おかしな事に気付いた。
 
 裏表紙と最後の頁との間に数枚、なにやら紙切れが挟まっている。
 本を縦向きに置いて、表紙と裏表紙を開く。恐らくあまり本を開いていないであろう伊里耶のことだ。迂闊に扱え
ば本から頁が毀れかねない。
 

551 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/13(土) 08:45:03
>>550
 
 古書の表紙を流用した、古い本に特有の香りがすうと漂う。
 差し挟まれた紙切れは私が先日届けた環魂紙だ。折り畳まれたそれを開くと、見慣れた伊里耶の字が目に飛
び込んでくる。走り書きのように記された文字は、正直云って普段の彼が書く字より数段見辛い。しかし――つら
つらと文面を追って、はたと気付いた。
 続きだ、、、
 何度か読み返した話だけに、筋は確りと覚えている。
 慥かに完結している物語は、私の中で整合性を持って記憶されている。
 だから解る。
 文面は――間違いなくピリオドを振られた筈の物語に付け加える形で書かれている。
 
 数十秒も迷った末に、私はその文頭に目を落とした。
 

552 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/13(土) 08:56:26
>>551
 
 内容は、一言で云って異質だった。
 
 ぎっしりと敷き詰められた文字。
 頁に換算すれば、凡そ十頁を越える文字数がそこには詰め込まれている。
 私が読んだ物語の終端は、当然ながら全く同じモノだった。
 不死の者達を対岸で見送る主人公の一人称。
 追記される文面。
 物語の余剰つづき本編、、同様、彼の一人称で始まっている。
 
 あろうことか。物語の最後てんまつを越えた場所で、彼は自分のことを語り始めていた。
 終章の先で成される自己紹介とは珍妙にも程がある。
 ――いや、そもそも私が読んだ『瓦礫の王』では、主人公は徹底的に無人称に近い、人格を持っていないかの
ような無感情さであった筈だ。それを考えれば、自己紹介などという過程プロセス自体が奇妙だとも
 加えて、徹底して不死者達の傍観者であった筈の彼は、此処に来て内面を吐露している。
 
 ――どうやら、彼は殺人者らしい。
 
 誰を殺したかも何人殺したかも書かれてはいないが、罪人だという事実を殊更深く書き付けられている。
 

553 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/13(土) 09:08:14
>>552
 
 極め付けがこの一文だ。
 
 ――私は咎人だ。
 
 冗談だろう。
 私は訝った。
 本題、、の中で、彼はそんな迷いなど欠片も見せてはいない。
 諧謔趣味のニヒリスト。皮肉で冷静で、挙句の果てに冷徹な神秘主義者。それが主人公だ。
 主人公はその言葉での中に住む住人達を誑かす。彼は死なない人間をモノ同然だと嘲り笑い、最後には街
そのものを否定して去っていく。彼の呪詛に浸された不死者達は、既に不死を不死として受け止めない。
 塀の中に残されるのは、死を願い、自死を望み、無限に死に続ける者達ざんがいだけ。
 情緒など入り込む余地のない話だった――と記憶している。
 触れることのない場所に住む、他人、、を描いた物語。
 それが『瓦礫の王』であった筈だ。
 これは――悪趣味と云うにも酷過ぎる。
 この文章は、本編を完全に否定している、、、、、、、、、、、、
 文体は同じである。文章の運びも似通っている。小説として考えるなら、凡そそれだけで作者としての背景は通
じ合う。
 が――。
 それだけに、異様が際立った。
 あまりにも心情が違い過ぎる。

 これでは――。
 
 これでは、まったく別の物語ではないか。
 

554 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/13(土) 09:44:28
>>553
 
 それでも文面を追う目が逸れないのは、私がその物語に惹かれているからだろう。
 シュルレアリスムの醜悪なパロディ――そんな意嚮が頭を過ぎる。
 既存の題材モティーフを過剰なまで煎じ詰めて組み替えた過剰な隠喩と暗喩に満ちた作品は、どうしようもなく暗鬱で昏い
喜びを描きたがる画家達によって創られたらしい――もしその理解で云うのなら、この物語はあまりにも自虐的で、
シュールと云うよりはむしろ現実に縋り付くようだ。
 
 罪と罰を放棄した者達と、それを鳥瞰する主人公。
 その本来の構図が、この別記によって根底から否定される。
 差し挟まれたこの走り書きは、世界を嘲り笑う自分をすら嘲り笑っているのだ。
 登場人物と舞台とをそっくり借り上げて創り変えた、厳かで奇怪な変奏。
 諦念を慷慨し、それでも諦念にしがみ付く――主人公の冷厳は、何処か嘆きにも似た妄執へと変わっている。
 

555 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/13(土) 09:52:36
>>554
 
 彼は語る。
 
 ――どうして、自分の触れる物は全て朽ちて往くのか。
 
 呪詛のような一言。
 不死者達を弾劾した言葉は、自分にすら例外なく向けられている。
 そして――。
 其処に至り、完全に物語は否定されている。既存の物語に込められた主題は組み替えられ、まるで別のモノへ
と移ろいでいる。
 主人公の否定した者達は、ここに至って主人公の願う者達へと変質している――いや、主人公はそれでも不死
なる人々を否定し、だからこそそんな自分を否定する。
 彼は壊れないモノを否定しながら、それを羨望する。
 目を眇めて文章を追う。細々とした文字は読み進めるにつれて密度すら深めている。
 主人公は街と決別する。
 彼は皮肉と自嘲で自己を遮蔽し、街の外へと足を向ける。
 そこからの展開は更に奇妙だ。
 
 街の外。
 主人公は、中に残る不死者達と同類の少女と出会う。
 彼は当然とばかりに少女を否定に掛かる。口にするのはくだんの呪詛だ。
 

556 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/13(土) 10:29:43
>>555
 
 ――貴方達はただ空しい。此処は有限で、移ろいから遁れられない世界だ。だから此処にいても貴方に出来る
ことはあるまい。あの塀の内へと下がるべきだ。
 
 少女は笑ってそれを否定した。
 
 ――それは違うわ。私は、私にできる事をやるだけ。移ろう時は、私にはいつも尊いもの。
 
 主人公はその言葉すら否定する。
 
 ――だが、貴方には何も成せなくともか。何を成した所で、貴方の中では一粒の芥にも過ぎまいよ。貴方には
悲劇も喜劇も同じものではないか。演じ終える題目もない貴方に、始まりも終わりもあるまいよ。慢ろ歩きであの
虚無へと帰り給えよ、此処は貴方の済勝するような場所ではないのだから。何処に早足を向けようと鈍足で歩も
うと、貴方には全てが吟歩吟行と同じ。否、酔い臥すのと変わりはしない。
  
 少女はそれにも首を振る。
 
 ――けれど私は、今ここでできる事こそ尊く愛おしい。
 

557 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/13(土) 10:58:39
>>556
 
 幾ら言葉を重ねても少女は折れない。
 彼女は塀の内にあった者達とは違っていた。
 気味悪がって立ち去ろうとする主人公へ、少女は面白そうに旅の道連れを申し出る。
 どんな旅なのかはまるで描写されていない。
 紙面が足りなかったのか、単に描写されていないのか――これを書いた伊里耶の記憶にそれがないのか。
 或いは。
 私は想像を打ち払い、文面を追った。
 
 旅の最中、主人公は少女に幾つもの問いを投げ掛け、或いは行動の内からその理念を読み取ろうとする。
 神について。
 信仰について。
 そして、自分について。
 煩雑な質問を、少女は膨大な見識と卓見と、けして誰をも見下さぬ言葉で解いていく。
 そして――。
 いつしか、彼は少女に縋り始める。
 その言葉に――その在り方に。
 彼にとって彼女は先哲であり、己の在処であり、寺院であり、教義ドグマであり、もはやその全てだった。
 不死にすら価値を見出さなかった瓦礫の王。
 彼は、不死でありながら不死を語らぬ少女に自分の意義すら捧げるようになっていた。
 
 恐らく――。
 彼が王なら、少女は神なのだろう。
 以前に聞いた覚えがある――王と神は番いで語られるのだと。
 
 民も領土もなく、信仰も理想も持ち得ぬ廓寥の王。
 彼が立つ場所は常に、そして必ず、穏やかに朽ちていく。
 殷盛の最中に在る国は枯れ果てて、静かな村さえやがては渾沌に飲まれて落ちる。
 彼が口を開くだけで理念は死に絶える。
 彼の言葉で、容易く神すら死に果てる。
 彼が詠うだけで、全ては死と荒廃に雪崩れ落ちる。
 その言葉は、あらゆる物事と事柄を綯い交ぜにする。
 かくして。
 そうして――。
 世界は死んで果てていた。
 物語の舞台は、どうやら始まる前から死んでいたらしい。
 地上から全ての差異は失せて、全ての言葉は拠って立つ基盤を失い、言葉を操る者は誰も残らない。
 彼は蕭寥とした荒野で王となる。
 賞賛もなく、罵倒もなく、称える者も疎む者もない。
 自分しか在れぬ其処で、彼は冠も戴かぬ王であった。
 あらゆる価値が果て、あらゆる意味が消え失せた無限の地平――無量の彼方まで続く真っ白な砂漠で、
瓦礫の王は不壊の少女に問う。
 

558 名前:ミハルさん:2008/12/13(土) 11:12:17
 
 む。
 時間なのでお出掛けです。
 
 つうか、八時に起きてレスしっぱとか!
 偶にレスとかするとこれだよ!
 ともあれタイミングが合えば夜にでも。それでは。
 

559 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2008/12/15(月) 22:41:39
 
 転生衆に加われるなら!
 吉良邸警護に加わりたいのですがいいですかッ!
 

560 名前:ミハルさん:2008/12/15(月) 22:56:47
 
 一応最近の。FOBです。
 Raheem DeVaughn新譜と一緒に結構ローテしてますね。
 
・FALL out BOY / Folie a duex(FOB狂想曲)
 
 またユニバ的メロコア邦題ですね! 「a」は文字化けしそうなので代用します。
 買うかどうか迷ったんですが(商法的に)、まあ買いましたよ。ボートラ七曲とか! 鬼ですか。
通常版と限定版でボートラまで分けるのってどうかと思……いえ。解ってます。そうですね。カタ
ギの人はこんな買い方しませんしね。妥当ですねハイ。
 
 初期FOBの快活エモパンク路線はどこへやら、というかそれはどうでもいいですもう。ハッキリ
とこれ、ジミーさん新譜よりイイ感じです。正統派アメリカンロックとメロコアとエモの境界線上を
成熟させたスタイルは、「あー、このフレーズは……」的箇所が幾つあろうと全然気になりません。
 イイ意味での俗っぽさ、解り易さ、フックのある曲とタフな音作り。ヒネりがないんじゃなくて、こ
れが所謂『正統派』でしょう。懐古趣味なロックの現代解釈みたいな部分もステキ。クイーンぽ
かったりR&Bぽかったりするとこは、エモ好きってよりもフツーのロック好きにウケそうです。
 ボートラはアコースティックver(限定版のみ)とリミックver、ジョン・メイヤーが参加した「今夜
はビート・イット」ですが(ジョジョファンは歓喜。多分)、割合満足してます。
 DVDはまだ見てません。……持ってるだけで満足しちゃうんだよなあ、この手のって。
 

561 名前:名無し客:2008/12/16(火) 00:01:45
>>559

http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1198637362/53

これで勝つる!

562 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 00:33:16
 
 位相がズレた世界ならッ!
 『ザ・ニュー俺発光ォ』!
 
 『山風小説』か『石川賢作品』の登場人物と一緒に殺陣れるってのはよォー、
すげぇーッ、『ロマン溢れる』っつぅーカンジだよなぁーッ!
 

563 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 01:28:03
>>557
 
 自分は煩わしくはないか、と。
 子供のように情けない泣き言を口にする主人公に、少女は冬の湖面に太陽の光を落としたような笑みで答える。
 どうして――と。
 どうして決まり切ったことを聞くのか、と。
 祈り歎きに対する解答に、彼は一切の言葉を止める。
 皮肉も、諧謔も、自分をすら騙しころし続けた歌すらも。
 彼の口は言葉を紡ぐのを止める。
 ただ、願いのような繰言だけが彼の言葉となっている。
 
 ――私は、咎人だ。
 
 文面には終わりが近い。
 主人公の独白と告解は、必要以上に強い筆致で記されている。
 墨の染みが所々強くなり、場所によってはべったりと塗られたようになって判読すらできない。
 事、少女の名が呼ばれる場面は――悉く筆に押し潰されている。
 細筆で引かれた筈の文章は、その名前が神聖過ぎて記せないとでも云うように文字の体を成していない。
 忌という字は、元来聖なるモノにのみ使うことを許されていたそうだ――何故か、伊里耶から聞き教わった言葉が
脳裏に浮かぶ。
 まるでその文章に執着するように、言葉はみっしりと紙面を覆っている。
 それまでが辛うじて均等な配分で執筆されていただけに――私の目に、その様は奇怪にすら映る。
 
 ――この円環に在りて私は思う。
 果たして■■は、私をどう想っているのか。
 私は■■に何を与えられ、同時に与える事ができるのか。
 擦り切れぬ意味を■■が持つのなら。この太陽の傍で私が照らされても良いのなら。
 願わくば、私を――
 

564 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 01:42:03
>>563
 
 ――願わくば。
 違う、、
 あれは――こんな。
 あらゆる諦念を更に俯瞰したようなあの物語は、『願う』などと安易な単語を混ぜる余地のないモノだった。
 伊里耶は写本以外を綴ることはない。
 だから――これは本物オリジナルの存在する書物だ。
 その筈だ。
 
 ――私を許さないでくれ。私の傍にいてくれ。貴方の傍に置いてくれ。
 

565 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 01:48:25
>>564
 
 他には、何も望まない。
 
 ……記された告白は、額衝くような祈りに似ている。
 
 紙面に終わりが近い。
 終端につれて細かくなる文字に視線を落としながら、私は文面を追う。
 恐らくは少女の返答とその顛末で綴られるであろう物語の終端は――しかし。
 がらがらと無遠慮に鳴り響いた木戸を引く音で中断された。
 私は慌てて紙面を裏表紙に挟むと、座卓の下へと本を滑らせる。
 

566 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 01:53:54
>>565
 
 戻ってきた伊里耶の手には、何やら水の滴る木筒が携えられていた。
 私は何故か背徳うしろめたい気分になっていて、その気分が言葉を喉から押し出した。
 
「――何処へ行っていたんだね。こんな襤褸屋に残されたら、熊でも入ってこないかと心配になる」
「そりゃないよ。どうも、動物はこの家が怖いらしくてな。天然の結界みたいなもんだな」
 
 注連縄でも巻いとくか、と軽口を叩く。……多分、動物が怖がっているのはこの家と云うよりも伊里耶なのではない
だろうか。私は漠然とそんなことを考える。
 
「で、何だねそりゃあ。随分濡れてるようだが――」
「これか? ああ、客に何も出さないのはどうかと思ってな。――まあ、気紛れってやつだ」
 
 それは何も説明してないのと同じだ。なので私が抗議するか追加で質問するか悩んでいると、伊里耶は思い出し
たように土間に姿を消すと、すぐに戻ってきた。木筒を持つ手とは逆の手に、湯飲みが二つ器用に挟まれている。
 それが何かと質問するより早く、湯飲みに琥珀色の液体が注がれる。
 
「――いや参った。実は朝方裏手の川に突っ込んどいたんだが、気付いたら流されてたらしくてな。どこに行ったか
と思ったら滝壺の中だ。フタはしっかりしてあるから、まあ、中身は大丈夫だろう」
 
 滝壺。
 この辺りにあるそれらしい場所は、小径の最中にあるなだらかな川の丘と、でなければその下流にある二十間を
越えようという轟々たる瀑布だけだ。
 ……慥か一度、滝の下流で拉げた狸の死骸を見た覚えがあった。
 前者だろう。
 そういうことにしておきたい。
 

567 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 01:59:30
>>566
 
「はあ、それでこれは何だね」
「冷やし飴だよ。知らないか?」
「いや、無論そんな事は――」
 
 ――ないが、命の危険を冒してまで作る物だとは思っていない。
 そんな荒行をこなさなければ作れないなら、茶屋も菓子屋も職人がいなくなってしまう。
 
「なんだ、嫌いだったか?」
 
 伊里耶は水でも煽るようにぐびぐびと冷やし飴を煽ると、木筒からお代わりを注ぎ入れる。つくづく、呆れるほどの
甘党である。
 私は苦笑しながら湯飲みに口を付ける。
 
「別に、構わなくていいぜ」
 
 りん、と風鈴が季節外れの音を鳴らす。
 秋風が肌を撫でた。――ふと気付く。先までの不安や不穏が胸裏から退散している。
 矢張り、こんな場所で独りと云うのは――少し、心寂しいだろう。
 
「細君は留守みたいだし、君に凝った物は期待しちゃいない――あちらは散歩かい?」
「どうだろうな」
 
 惚けるような口調で伊里耶は苦笑する。考えてみれば、私が訪ねた時に限って留守のような気がする。余程に私
は間が悪いらしい。
 会話が途絶えそうになったので、私は慌てて話題を探した。
 記憶を探り、強引に最近の出来事を羅列し、ネタになりそうな物事を捻出する。
 

568 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 02:06:13
>>568
 
「そういえば――」
 
 ふらりと至った思惟は、そういえば、と口にした後で浮かんだ。
 現金な物である。
 私の場合、言葉の方が思考よりも早いのかもしれない。愚案にも程があろうというものだ。
 
「先日、岳麓でえらくでかい熊が出たそうなんだが、知っているか」
 
 云ってみて、実際これは悪い話題ではなかったと思った。
 人寂しい村では、猪が出ただの熊が出ただのは結構な話題のタネである。
 が、伊里耶は何でもなさそうに頷くと、
 
「ああ。昨日の晩、解体したのを麓の連中に届けたからな――まあ、知ってるよ。もう少し早く来たらあんたにも分け
てやったんだが」
 
 冗談とも本気ともつかない口調でそう云って、空へと視線を投じた。
 私よりも空の方が面白いのだと云いたげである。
 この男にとっては事実そうなのであろうが、どうにも業腹である。
 

569 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 02:23:23
>>568
 
 熊を解体した、というのは何かの冗談でも比喩でもない。
 文字通り、伊里耶が猟師の代役を果たしたのだろう。
 
 偏屈という認識も広まってはいるが――それはある意味では事実なのだが――会ってみればそれほど気難しい
男ではない。愛想が良いかと云われれば断じて否だが、話も受け付けぬ程に臍曲がりではないのだ。
 なので、私以外の人間と全く親交が無いという訳ではない。
 熊やら猪やらの猛獣を狩るともなれば里の人間に頼られることもあるらしい。
 問題はその在り様である。
 なまじそうして荒事にだけ頼られる所為か、望む望まないに関わらず、本人のイメェジは恐ろしげなモノへと尾鰭
を付けて変貌する。
 話で聞いただけだが、熊を素手で縊り殺したのだというから、どうにも噂というのは恐ろしいものだ。
 一番酷い噂に至っては、七尺に及ぶ熊を叩き殺し、素手で引き裂いて喰らっていた――というのだから散々だろ
う。実在の当人を目の前に話している私にすれば、それは何処の怪物だ、という話である。
 そんな噂は彼について、決まって同じような説明をする。
 無感情な表情の、鬼と見紛うような――と、断片的ではあるが、その種の悪鬼じみたイメェジを強調するのだ。そ
の類の話を聞く度に私が嫌悪するのは、それらの噂がどれもこれも身勝手な主観でしかなく――加えて、一人歩
きするその噂を誰も疑いもしないからだ。それではまるで、異邦人であり、自分達と相容れぬ――自分達に寄り添
おうとしない伊里耶を、いつ蛮族に変貌するかも解らない、得体の知れないモノであると説明したいだけのように思
えてならない。
 
「――君は、自分が如何思われてるか考えたことはあるのか」
「どうって――はあ。もしかして鬼だとかなんだとか言われてることか?」
 
 呆れたものだ。自覚していてこれなのだから、鬼だ悪魔だと云われても仕方ない。
 
「まあ、異邦人が鬼やら悪魔やらと同一視されるのは世の常だからな。気にしちゃいないさ――ああいや、鬼は少
し違うが」
 
 鬼。
 現にそう呼ばれているのを、私は確りと訊いている。
 山には――白装束の鬼神が住むのだと。
 

570 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 02:28:21
>>569
 
 詳しい形容がされるから性質が悪い。なまじ本人を知っているだけに、事実ではなくても想像できてしまうのだ。
 ただ――私にしても、他の連中が騒ぐ所は解らないでもないのだ。
 枯れた印象の風貌だが、伊里冶の身体は良く締まっている。これは聊か不必要なほどに、と云ってもいい。
 そんな男が熊やら猪やらを殺す現場を村人達が見たのなら、鬼だのなんだの云われる根拠には十分である。
猛獣さえ叩き殺す鬼――と云うのは、その外見との落差から起こった畏怖を誇張したものだろう。
 
「まあ、こんな場所じゃ熊は蛋白源としちゃ貴重だからな。これで俺の料理が巧けりゃ干し肉にでもしておいたんだ
が、生憎と焼くか熊飯にするかしかレパートリーがない。腐らせるには勿体無いから、まあ、だったら別けてやるの
も吝かじゃない」
「やめてくれよ。熊肉はあんまり好きじゃない――ふん、君はしかし、食事はどうしてるんだ? 君のレパアトリィに
興味があるんじゃあないが、これだけ外界と離れてちゃ食材を調達するにも不便だろう」
 

571 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 02:34:14
>>570
 
「不便――とは思わないな。鳥も獣も魚も居るんだから、そんなに困ることはないよ。しかし狸鍋はよく試したが、
狐鍋はここに来てから初体験だったな――」
 
 事も無げに云われて言葉を失ってしまう。独力で獣を狩って過ごす猟師も最近は少ないのだ。
 しかし能く考えてみれば、熊を狩るような伊里耶が魚やら兎やらを獲るのに難儀するのもおかしな話だ。この似
非隠者は、殊更に他の生物を狩る事に長けているのである。
 仙人は生臭ではないのだろうから、里の人間が鬼と噂するのもその意味では已む無しだ。
 
「だがな、君の元居た環境じゃ、肉だってすぐに調理できる環境で売られていたんだろう」
 
 これは――本当の話である。
 なんでも伊里耶の住んでいた場所では、切り分けられた家畜の肉がそのままに店で売られていたそうだ――し
かも、値段は驚くほど安い。野菜と大差ない場合もあるそうだから、それを初めて聞いた私の驚愕の程も知れるだ
ろう。買い手は屠殺の手間を省くことが出来るし、何より動物を自分の手で殺す事などできないと嫌悪する人間も
簡単に蛋白源を得ることが出来る。しかも、それらの店ではほぼ普遍的に、毎日同じように、買い手に満遍なく行
き渡る量の肉が並ぶのだ。日々の糧を気紛れな自然に左右されずに得られるのは、考える限り最上に近い。塩
漬けだの燻製だのと保存に躍起になる必要もないのだ。
 そんな場所に住んでいた人間が獣を狩っては喰らう、といった生活にすぐに慣れられる物だろうか。
 いや、現に慣れてしまっている以上文句など付けられないが、それでも里や村では独力で猟をするよりも安定し
た食料を得られる猟師の組合がある。
 
「環境次第だよ。此処より酷い場所なんて幾らでもあった――ここなら野兎でも野鳥でもすぐに捕れるが、悪い場
所じゃ野良犬でも蹴り殺して喰うしかなかったし、最悪な時は家畜を拝借することもあった」
 
 拝借、と私は呟き、呟きの意味を咀嚼し、そして叫んだ。
 

572 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 02:36:46
>>571
 
「それは犯罪じゃないか!」
 
 ばん、と畳を叩いた私に、伊里耶はさもおかしげにからからと笑い声を上げる。
 
「餓鬼の頃の話だよ」
 
 野良犬はあまり旨くはなかったかな――と、冗談にならない冗談を飛ばして、彼は聊か強引に話を打ち切った。
 子供の頃の伊里耶。
 正直な所を云えば――伊里耶はこう云えば怒るだろうが――想像できない。
 まるで違う文化の中で育ったのだから当然だが、それ以前に伊里耶の過去を想像すること自体が難しいのだ。
これが伊里耶と同じ文化の中で育った、伊里耶以外の人間だったのなら――無意味な想定だが、私は恐らくそ
の誰かについて思いを馳せる事が出来たように思う。
 一度だけ、飲み慣れぬ酒を持って伊里耶を訪ねた事がある。予想通り私よりも酒に強かった伊里耶は(甘けれ
ば酒精であろうと水飴であろうと大好物なのだ)、猪口に数杯で潰れてしまった私に、いつもより少しだけ上機嫌
な(私がそう思っていただけかもしれないが)伊里耶は、いつも通りに益体のない話を語って聞かせてくれたのだ。
 伊里耶は流れ者である。
 私が知っている事は、実のところ驚くほど少ない。
 

573 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 02:51:21
>>572
 
 ただ、彼は――以前まで、神様を殺すことを商売にしていたそうだ、、、、、、、、、、、、、、、、、、
 
 百万の、千万の神々の屍を築き上げ、その躯を燔祭に捧ぐ事を生業としていた――伊里耶は淡々とそう語った。
 仔細は知らない。その意味は解らない。何らかの比喩であろうとは思うが、本人が語らないので此の先も知る機
会は無いだろう。呂律は回っていたから酔ってはいなかったのだろうが、凡そ理解の及ばぬ話である。が、あまり
にも飄然と語られたそれは――あまりにもどうでもいいものであるように語られただけに、普段の理屈で固められ
た話よりも現実味があるように思えてしまったのだ、、、、、、、、、、、、、、、、、、
 
 ――俺は、神様を食ってたんだ、、、、、、、、、、、、
 
 伊里耶はそう云って酒精を煽った。
 自由に酔えるってのは良い物だな、、、、、、、、、、、、、、、――と、言葉の回らぬ私に快さげに語り、そして。
 

574 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 02:52:13
>>573
 
 
 
「――それは、それだけのことだ」
 
 
 

575 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 02:57:22
>>574
 
 悔恨と諦観が入り混じった安寧が入り混じった、歌うように軽やかな声。
 告げられた諦念は、石碑に碑文を刻むような強固さで記憶に残っている。
 頭は酔いに浸されていた。
 だと云うのに、いやに冷えた頭の芯は儚げなその声をはっきりと記憶している。
 伊里耶は語る。
 自分は日常以外の全てを知らぬのだと。
 ……意味を問うた事はない。
 額面通りに受け止めるなら、自分にとって日常から食み出すような出来事は存在しない――と云う事だろう。
 日常と非日常。
 私にとって、その二つは明確な境界で区切られている。
 熊に追われでもすれば十分に非日常だし、罷り間違って殺し合いにでも遭遇すればそれは非日常としか呼べない。
 伊里耶の書いた文章を思い出す。
 『瓦礫の王』で何度も反復された殺戮の景色。
 血と肉で造られた聖堂を吟じる主人公の回想。
 伊里耶の描いた、彼岸の情景。
 腐り掛けて欠け落ちた骸の小峰。
 頭骨で敷き詰められた伽藍の聖堂。
 魔女の擂鉢に放り込まれた人々の肉。
 言葉にすれば現実味リアルの欠落した情景も、私の頭の中では適度に凄惨に、、、、、、描き出されていた。
 
 だが――と、私は思う。
 
 伊里耶は。
 あの生々しい光景は――。
 本当に、彼が読んだ言葉の写本なのか。
 

576 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 03:17:15
>>575
 
 想像は現実を模倣する――ありもしない現実を描写することは、人間の思考に許されていないからだ。だからこそ、
想像で現実を補うことで成り立つのが創作上のモノゴトなのである。
 ならば――。
 想像を模倣するような現実は果たして存在するのか。
 彼は――伊里耶は。
 一体、どんな世界を覗いてきたのか。
 
 沈思に落ち掛ける思考を引き戻す。伊里耶が私を不思議そうな顔で眺めている。俄かに熱くなった顔を振って、
私は言葉を重ねた。
 
「しかし、解らないな――熊一頭と云えば、里一つで分けても二日は晩酌が潤うぜ。それをポンとくれてやるかね。
こんなのは大きなお世話かもしれないが、君はもう少し我を強く持った方がいいんじゃないか」
「何を言ってるんだか解らないが、俺は充分に我が強いんじゃないかと思うぜ。――熊をくれてやった、それで感謝
された、だから嬉しい。――ほら、これはこんなに自己満足を満たしてくれていて、言葉にすると実に浅ましい。どこ
に我が強くない要素があるんだ」
「――じゃあ聞くがね、君は本当に喜ばれて嬉しかったのか?」
「さあね」
 

577 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 20:00:34
>>576
 
 嬉しいと思っている――とは思えない、、、、、、
 
 こんな事を云えば、他人の”思いを思う”なんてのは馬鹿げた戯言だ――と伊里耶は一蹴するだろう。この男に
とって、他人の心情に共感できる、という理解は並べて妄想でしかない。
 私に伊里耶の思考なぞ辿れないのだから図り様がないのは慥かである。しかし、そんな私が伊里耶との短い付
き合いで知ったのは、この男が他人に積極的な干渉を持ちたがらないということだ。
 だが、村社会は一種の閉鎖空間である。
 それは、共同体に属さない他人に対しては驚くほど排他的だ、ということだ。
 云うまでもないが、この偏屈者は自分から村や里と触れ合おうと考えない。
 結果、身内同士で食材やらを分け合うことに躊躇いを持たない村の人間も、全くの余所者に等しい伊里耶に対し
ては距離を置いて接している――この閑散とした家を見れば一目瞭然だ。此処に有るあらゆる食材や雑貨やらは、
私が持ち込んだモノと、伊里耶が必要だと判じたモノだけだ。狩猟に於いて鬼神の如く頼られる伊里耶だが、それ
以外の理由で村人達がこの余所者を受け入れる理由はないと云うことだろう。
 しかし。
 人付き合いの観念が絶滅していても、伊里耶はそれが齎す利益を知らない男ではない。
 本当に自己満足で村の人間と触れ合っているのなら、何もこんな僻地に住み着く必要はない。名うての狩猟者
として堂々と村で暮らせばいいのだ。
 
 ――つまり。
 
 伊里耶は人間嫌いなのである。――それも、筋金入りの。
 

578 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 20:09:30
>>577
 
 あれこれと理由を付けた所で、それが行き着く真相だろう。人が煩わしい――伊里耶の態度からはそんな気配が
漂い過ぎているのだ。
 
「本当、君はペテンだ。その調子じゃ自分まで偽っているんじゃないかね」
「ふん? なんだ、詩的な皮肉じゃないか」
「皮肉だって? 違うね、これは文字通りだよ。君は自分ですら騙しかねないからな」
「ははは、いや、そりゃいいな。脳科学ネタでツッコミを入れてくる人間がここにいるとは思わなかった」
 
 ひとしきりおかしそうに笑った伊里耶は、余韻を口の端に残して首を振った。
 
「けどそれは違う。俺の幸福は俺にしか定義できないし、俺の利益が何か、、、、、、、なんてのは他人には図り様がない」
 
 人には人が解らない。
 しかし、それはけして不幸なことではない――伊里耶はそう語る。
 
「またそれか。――しかしな、云わせて貰うが、」
「言うのはいいが、少し落ち着いてくれ。本当に大した問題じゃないし、気にしちゃいないんだ」
 

579 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 20:16:46
>>578
 
 本人がそう云うのなら私が声を荒げるのもおかしな話だろう。
 渋々と言葉を引っ込める。
 伊里耶は村に下りたがらない。と云うより、人と関わりたがらない。何故かと問えば―― 一応、私はその理由を聞
いたことがある。
 どうして村に降りないのかと問う私に、彼はあっけらかんと答えた。
 なんでも、彼は――社会と云うものを砕いてしまうそうだ。
 大概に解らぬ話ではあるし、私も意味を能く能く問い詰めた訳ではない。しかし、その意味を要約し、私なりに解釈
すればこうだ。
 伊里耶は――ただ在るだけであらゆる人間の作り上げた関わりを破綻させてしまうということらしい。
 人と人との繋がり。数多の繋がりを点として、それを線で結ぶ事で生まれる村や里、国と云った共同体ネットワーク。それを破
壊するとなれば、これはもう外部から暴力で蹂躙するか、でなければ災害で村々が崩壊するか、酷い凶作で人々が
村を捨てるかでしか起こり得ない筈である。
 だからそれは冗談と受け止めるべきだ。いつも通りの種話だと受け止めて、そのまま胸裏に押し込んでしまうべき
だ。こんなものは、人間嫌いの理由の反駁にはならないと一蹴してしまうべきなのだ。
 それでも私がそれを完全に疑えない理由がある。
 
 かつて伊里耶は――此処でない何処かを、、、、、、、、、、現にそうして崩壊させたのだ。
 
 ――これも、幽霊か。
 
 伊里耶が私に語った言葉――私を虚構の檻で閉じ込める、呪詛なのか。
 私は伊里耶が解らない。
 真相を確かめる術はない。
 

580 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 20:29:43
>>579
 
「……社会は人間の間に生まれ続ける。それは此処とて同じことだろう。君が持ち込もうと持ち込むまいと、社会の構成は書き換えられ続けるし、変質し続ける。そうだろう? 君が居たから崩れてしまう社会なんてのは、こう云っちゃなんだが僕には想定できない。そんな事があるとすれば――それは、単なる偶然だろう」
 
 益体のない回想が頭を過ぎる。伊里耶の言葉が再生される。
 
 ――俺には、繋がり方が見えてるんだよ、、、、、、、、、、、、
 
 意味が解らない。――違う、解ってはいけない気がする。
 果たして私の沈黙をどう受け取ったのか。僅かな間を置いて、伊里耶は穏やかに答えた。
 
「だったら、俺はそれが知りたいね」
「何だって?」
「あんただって、この世界が生まれてからずっと生きている訳じゃないんだろう」
「当たり前だろう。僕を何だと思っているんだ」
 
 それこそ彼の云う唯一神でもあるまい。
 
「じゃあ、あんたにはこの世界の成り立ちも先行きも解らない訳だ――悪くない」
「何が悪くないんだ――君は僕を馬鹿にしているのか」
「違う」
 
 ぴしゃりと云い切られる。普段の冷やかすような口調ではない。
 
「俺よりこの世界に長いあんたは、この世界が――安定していると思うんだろう」
「安定? ああ、いや、特に意識しては考えたことがないが」
「それは幸いだろうよ」
 

581 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 20:40:01
>>580
 
 訝る私に伊里耶は穏やかに続けた。
 
「俺はまあ、現状に――満足しているんだと思う。ここで暮らして長くはないが、こうしてることに、たぶん充足してる」
 
 私を無視するように云いながら、伊里耶は腰の位置をずらして柱に寄り掛かる。俯き加減になった表情は前髪に隠
れて伺えない。尤も、伊里耶の場合は見えてもその真意など知れたものではないので同じ事だが。
 ただ、私には――その声音が、心成しか和らいでいる様に見える。
 
「……では、君は今まで充足していなかったのか?」
「解らない」
 
 りん、と風鈴が鳴った。
 消え入るような声は――それでも、私の耳に届いている。
 
「解らないから――今が満ち足りていると感じるだけなのかもしれない」
 
 ――それでも、多分幸福なんだろう。
 消え入るように囁いて沈黙する。
 らしくもない反応に当惑する。普段が普段だけに、殊勝な反応を見せられるとこっちが困ってしまう。
 
「……散文的な感想だな。そんな脆弱すぎる基盤の展開は、伊里耶卿らしくない」
「そうかな。むしろ俺はそういう人間だったんだが――そうか、あんたにゃ俺が理屈っぽい人間に見えてる訳だ」
「見えてる、じゃなくて僕にとっては事実そうだよ。君が合理主義者でなければなんなんだ、と云いたくなる」
 
 そりゃあいい、と伊里耶は快活に笑う。
 
「目的の一つは果たした訳だ。ははは、なんせその感想は初めて聞いた。あんたも偶には役に立ってくれるんだな」
 

582 名前:閑話休題:2008/12/16(火) 21:19:33
 
お茶濁しスレッド内辞書
 
・瓦礫の王(人名)
 
 『瓦礫の王Lord of Nowhere』。
 異端審問局が暗殺要員としてリストアップする騎士団工作員の通称、俗称。
 命名は前局長のヨズア・マクシミリアン。「LON」とも。
 
備考:
 
 騎士団では「Il proiettili di ArgentoSilver bullets」。単に「IL(イル)=ILL」とも(英語圏の人間が付けた通称と推測される)。
 LON=LONG=龍という連想から、アジア系ということで中国人と思われることも多いが、日本人。情緒不安定の気配
濃厚につき、要メンテ。キリスト教のコードブレイカー。
 
・瓦礫の王(書籍)
 
 某県某市でひっそりと発行されている建築系の同人誌「言語石」の前進、「紙風船」に五度ほど掲載された小説の事。
文章は異常な細かさの特殊なフォントで印刷された為、一般書籍に直せば1500ページを越える弁当箱。その内容はと
言えば、隠花植物じみた諧謔趣味を膨大な語彙と多数の言語でデコレーションした内容が尋常ではない言葉遊びで
埋め尽くされる、ある種の拷問。全貌を把握する為にはラテン語からヘブライ語、果ては使用される複数の言語から汲
み出されるパターンを図表化し、そこに表出する言葉を暗号的に扱わなければならず、そのため、一読して読み解ける
内容ではなかったと言われている(内容を把握するだけでも困難な為、仮にこれを記憶して書き写そうなどと考えれば
『物語の一面を切り取る』だけになりかねない)。
 『紙風船』休刊後、一部サイトに数篇がアップされて反響を呼び、国内・海外を通してフォーラムが現在も拡大を続け
ており、マニア達による『暗号表』や翻訳リストが各サイトに日々更新されている。
 ちなみに作者は「E.C.H」とだけイニシャルが振られている。
 
備考:同人誌『言語石』
 
 隔月で『出版』される、地域密着型の同人誌。一冊2000円。建築や都市の表現をテーマに唄っているが、紙面の半分
は雑多なトピックスで構成されており、チェス講座や海外論文の翻訳、食文化の移り変わりから人気のスイーツ店ピッ
クアップ、果てはCDレビューまで扱っている。編集者は三月運音。『雑誌についてご用の向きは黒土探偵事務所まで
メール、またはお電話ください(電話は高確率でコードが抜かれているので、メールの方が確実です)』
 
備考:同人誌『言語石』:内容
 
 一冊350ページ前後に及ぶ本は一部にカルト的人気を誇っているが、どう考えても『元が取れていない』。
 最新号は33号(号数は『紙風船』から共通)。
 通常は市内の展覧会で販売される事が多いが、時折市内のDJイベントやライブハウスで別冊が配布される事があり、
販売された部数と内容の全容を把握することはマニアでも至難である。
 過去に掲載されたものでは、『瓦礫の王』の他にも地域と地形を建築学の観点から分析した『都市構造という幻覚剤と
投与分量を間違え続ける私達』『ブレイクダンサー、JR、ジャスコ』(著:三月運音)、風土文化を古神道の見地(と、伝統
の形骸化への苛立ち)から読み解く『鬼神論−異界という頑迷な虚妄に関する一省察−』『宗像に見る習合という構造』
『諏訪と原始信仰から紐解く郷土史』(著:哭澤滝那)、某映画国家に対する見解(と、タランティーノとゴッドファーザーと
マフィア映画への愛)を述べる『HOLLYWOOD HATE』(著:T.N)、ハードコアパンクへの憎悪、愛着をニッチな視点で描い
た『地方都市的音楽憎悪』、地元シーンのライブレポートを編纂した『学際ゲリラを磔にしろ!』(著:MiHaRu)、海外読者
からの貴重な寄稿文である『ハニカムソサエティ』(著:ルーツィア・マクシミリアン、本人の日本語執筆)、『ロードクリーナ
ー』(著:マリア・ランカスター、日本語執筆)、『DeLusion ControLLer』(著:Klara Kranz、訳:三月運音)、地方版の麺マニ
ア・ミシュランと名高い『麺王』(著:J・ゾーン)、和菓子から洋菓子まで、身近なスイーツに勝手な評価を下した『スイーツ
デストロイヤー』(著:猫砲)なども人気のトピックスだった。『瓦礫の王』作者が記したチェス講座は現在も史料価値が高
いと言われ、オークションで高値が付くこともしばしば。
 レアなパターンでは27号別冊(特集:サン・ラの系譜と神秘主義とクラウス・ディンガー・コミュニティ)が冬寂ウィンターミュート・レコーズ
から発売された”QUIETISM/MUTEPHOBIA/RHAPSODOMANCY Split”(いずれもMiHaRuのプロジェクト。それぞれ
クラストコア、インダストリアルスラッシュ、ノイズコア)に、31号別冊(特集:エッセンシャル・ケイオス――ノイズなる意識
の創出)が”(((RED SEA)))”『Corporate Void』(ノイズ/ヘヴィドローンユニット)の特典としてライブ会場売りされた(余
談ではあるが、通常の客層とは違った層が混じるライブになったそうである)。
 なお、前進である『紙風船』は現在全ての在庫が品切れで、県内一つの中学校と一つの高校にバックナンバーがストッ
クされるのみ。誰がこんなもん寄贈した。
 

583 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 22:16:46
>>581
 
                               ■
 
「しかし――」
 
 柱に寄り掛かったままぼうっとしていた伊里耶が突然声を上げた。
 私は散らばっていた本から視線を持ち上げる。何か面白い本はと思って探していたのだが、気もそぞろだった。此
処にある本は全て私も同じものを所蔵していたし、何より座卓の下の『瓦礫の王』が気になっていたからだ。
 
「鬼ってのは面白いな。普通、鬼ってのは土着の民族やら旧い理ルールに従ってる連中だって相場が決まってるんだが」
「ふん、どういうことだね?」
「どういうことって、俺が鬼なら、俺は退治されるべきだってことさ。この扱いなら鬼じゃなくて神様ってところだ――」
 
 伊里耶は自分だけ納得したようにうんうん頷き、それからくすくすと笑う。
 
「鬼は――なんだ、神だとでも云うのかね」
「悪くない解釈だな」
 
 予想した反論はなく、いつも通りの飄然とした笑みが浮かぶ。
 あのなあ、とぼやくのを辛うじて堪えた。
 
「……何処が悪くないんだ。それじゃ神様も妖怪も一緒くただ」
「神と妖怪の間に――大差なんてないんだよ」
 
 先の発言をわざとらしく反復する伊里耶。
 その様子に思わず溜息を漏らす。と、悪い悪い、と伊里耶は私の湯飲みに追加の冷やし飴を波々と注いだ。半分
ほど残っていた中身がまた満たされる。……正直、そこまで甘いものは好きではないのだが。
 
「けど、強ち冗談でもなんでもないんだよ。神と異形のモノにそう大きな差はない」
「鬼やら魔物やらが神だった、という話か。その、北方の神話で魔王が神様だったように」
 
 私が云うや、伊里耶は大仰にやれやれと首を振った。
 
「アジアのメンタリティは西洋とは別物だ。あのな、そもそも鬼と魔物じゃ役割が全然違うぞ」
 

584 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 22:20:01
>>583
 
 冷やし飴の入った木筒を撫でながら、白装束の鬼は微笑む。
 
「魔物ってのはそもそも真物――最高格の精霊のことだったんだ」
「精霊というと、原始的な神様のようなものだな」
 
 合ってる、と伊里耶は頷く。
 そして。
 

585 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 22:31:25
>>584
 
「――だから日本ではマモノ、という言葉それ自体は「魔」から齎される言葉のイメージとはまるで違うところにあった。
「魔」という概念は仏教からの輸入に過ぎないんだからな。じゃあ過去日本に魔が存在しなかったかと言えばそれは
話が別物だ。古事記にも日本書紀にも風土記にも『悪い何か』も出てくる。ただ、これは厳密には『魔物』とは言い難
い――なんだ、顔色が変わったじゃないか。大方、『過去の日本にも魔物はいた』とか言いたかったんじゃあないか
――ははは、まあいいさ。でだ、その辺の魔物、、は自然の霊威を暗喩したものだったり、敵対する豪族の氏神だったり
とその種類は千差万別だが、その連中が『魔物』なんて呼ばれていた事実はない。魔物なんて観念がないんだから、
魔物と呼ばれる理由もないんだ。『魔』が俺達の理解する『魔物の魔』として捉えられるようになったのは、仏教伝来
によって『魔』という言葉を俺達が獲得したからだ。まあ言葉概念を単体で獲得するということはないから、これは仏教の
齎す関係性の中で作り上げられた訳だが――要するにここで重要なのは、日本で古来祭祀されていた『神』とは善
悪の二元論で分断される事のない威霊だったってことにある。原初神道におけるカミってのは、アマテラスでもイザ
ナギでもイザナミでもない、未知の現象への恐れから培われた『力そのもの』という現象だったんだからな――四季
が明確に分かれていて、水が豊富で台風にも晒されて、地震まで経験する日本人にとって、周囲は恵みと恐怖に溢
れていた。これはアジアどころか世界中に例がない。そんな日本人にとって、寄せては返す波涛に、大地を揺らがす
地震に、全てに威霊は宿っていた。日本人はそんな自然そのものを畏れて、それを祀り上げたんだ――だったら、日
本には『魔』と呼ばれる物がなかったかといえば、これはまた話が違ってくる。今言ったように、かつての日本人にとっ
て世界は神に溢れていて明確にする必要はなかった。けど、そこには恵みと恐怖が同居していたというだけで、人間
共同体にとって『善』となるモノと『悪』となるモノが混在していたんだ――これは単にそれが不可分で、分かつ事がで
きなかったってだけだ。だからその時代、人間は神を畏れ敬っていれば良かった。対処する方法がないんだからそう
するしかないし、そうした方がいい。けど社会が経験を重ねて、自然への対処を憶える事で話は変わってきた。これは
畏れる事柄が違ってきたということでもある。稲作技術が発達すればこの土地は豊饒、あちらは不作なんて区分けが
生まれる。治水技術が向上すればあちらの川は浅くて氾濫し辛い、此方の川は流れが速くて溢れると危険、と理解に
差が生まれる。度合いが違ってくるんだ、、、、、、、、、、、。恐れるに足らない物事は崇められなくなったし、尚も脅威として認識される
物事はより強く認識されるようになった。だからこそ洪水の原因は水神の怒りだと解釈されて、地震は山の神の寝返
りだと夢想された――そうして恐れは細分化され、神々は別個の現象へと区分された。地方や文化の中に神が祀ら
れるようになった訳だ。つまり、神は在る、、のではなく、居座す、、、ようになった。山の民は山の神を祭り、海の民は海の神
を祭る。力の強い豪族は当然のように戦に強い神を信望した。そして、そうなると――神は神のままでいられなくなる。
解り易いのは八岐大蛇だ。元来畏れられる土地神だった大蛇は、素盞嗚尊に退治される事で神の座から零落した。
今じゃ八岐大蛇を『神』として認識する傾向は少ないからな――いいとこ悪神の一つで、ヘタをすると日本神話の書き
割り扱いされかねない。これは純粋に認識の問題だ。語り継がれる過程で『善い事をしている』神は善神に、『悪い事
をする』神は悪神に変身させられる、、、、、、、。それは所謂化け物であったり妖怪であったり魔物であったりするけど、そこには
厳密な区別がない。神に区別がなかったように、魔物達にも区別がない。言わば、魔物の区分とは社会の成熟過程
で生み出されたものである――ってワケだ。まあ、どうあれ根拠的なものはないんだから、多分に俺の持論だがね」
 

586 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 22:38:47
>>585
 
 立て板に水の勢いで喋り終え、伊里耶は冷やし飴を飲んだ。この男の場合、一度饒舌出すと油紙に火がついたよう
に言葉が雪崩れ落ちてくる。
 口を挟む間もなく放たれた言葉を頭の中で整理して、私は問い返す。
 
「では、元々カミには名前がなかったのか」
「ないよ。だから付けたんだ。真っ先に神と呼ばれるようになる物がなにか、考えてみればあんたも解るだろう」
 
 真ッ先に――僅かに思案し、私は僅かに開いた障子の間から外の景色を覗く。
 伊里耶が戻ってからにわかに賑やしく感じられるようになった虫の声と葉擦れの音が聞こえる。日は半ば山陰へ落
ちて、後は月が昇るのを待つばかりだ。
 なるほど、と私は相槌を打つ。
 

587 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 22:43:11
>>586
 
「太陽や――月だな」
「そう、単純な演繹法だ。身近にあって恐らくは最も身近に感じる自然――それが本来の神だった。沖縄には常世ニライカナイから
来て福を齎すキンマモンって神様がいるが、これなんかは所謂「マモノ」のイメージを幾らか残しているな――本土か
ら離れている分、生き残り易かったのかもしれないな。だから、カミであった神と妖怪の間にそう大きな差はなかった。
……そもそも言語的な分類じゃ妖怪は”怪しい物”で、魔は梵語の”マーラ”から来てる。これはまあ、仏教でいう邪神
だ。なら例えば『もののけ』が”怪物”のようなニュアンスを指すかというと、これは当初はまるで違ってた。モノノケという
のは、所謂障りの事だった――タタリという物が身近にあった時代、モノノケの座に座るプライオリティは障りにあったん
だ。もののけ姫はタタリ姫だったわけだよ」
「姫?」
 
 なんだそれは。
 
「待てよ。今でも祟りは巷間に残るじゃないか」
「付属物としてな。祟りは何らかの結果として扱われるようになった――祟りその物が重要性を失ってしまったからだ」
 
 此処ではそうでもないのだけれど。
 敢えて云うのは控えておいた。
 

588 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 22:56:05
>>587
 
「そうだなあ、天目一箇神は知ってるか――その顔は知らないってツラだな。まあ、日本の鍛冶神なんだが、一般的に
この神様は妖怪と一緒にされる事があってな。何でかって言うと、これが鬼みたいな体躯で一つ目なんだ」
「一つ目――と云うと、一つ目小僧や大入道のようにか」
「大入道が一つ目かどうかはともかく、後は一目連なんかも一つ目だな――これは龍神だったからちょっと事情が違う
が、それでも「一つ目」って特徴は今じゃ妖怪の特徴みたいに扱われてることがある」
「本来はそうじゃなかったのか?」
「まあな。一つ目片足って特徴のイッポンダタラなんかは、名前の通り「たたら」から名前を引いてる。鍛冶と一つ目って
特徴は世界中に見られる分類だ。アイルランド神話なら魔王のバロールがそうだし、ギリシャなら当然キュクロプスだ。
そうだな、どうせ「もののけ姫」を見たことのないあんたに説明するなら、これは類型神話じゃなくて普遍的無意識と社会
意識の合体パターンだと言ってもいい」
「何で僕に説明するとそうなるんだ――」
「ん? いや、あんたはユンギアンだったかなと思い出してさ」
「……僕は別にユング信者じゃないよ。それで、どうしてそれじゃ鍛冶の神は妖怪になってしまったんだ」
「人に伝えられたからさ」
 
 しれっと伊里耶は答える。
 神を語るにしては、素気も味気もなさすぎる。私の知人には神の名前を出す度に厳かな表情をする人間もいるのだが、
伊里耶にとっては焦げた秋刀魚の話も妖怪になった神の話も同じ俎板の上のサカナらしい。
 
「伝えられることで詳細は省かれていく。省かれた詳細は物語が元来内包した意味を薄れさせる――だから寓話は与太
話に、神話は神々の道化話になっていくって寸法だ。さてはて、かくして神官と司祭はその断片を拠り集めて口に糊する
糧とする――な、簡単だろ」
 

589 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 23:01:00
>>588
 
「だから考え様によっちゃ、妖怪の一部は神が神聖を剥奪されて零落した姿でしかない――と見ることもできる。今言っ
た天目一箇神はその最適な例だな。地方地方で語られる妖怪なんかにゃ、この神様の事を語ってる部分も多いんじゃ
ないか」
「ふうん、一人の神様が幾つもの妖怪になってしまうとでもいうのか」
「言うよ。実体がないんだから神様なんざ何人居たって問題ない。共同体で語られる妖怪なんぞは尚の事だろう。基本、
日本の”神様”ってのは神道体系を作り上げた編纂者の都合に拠る所が大きいからな。公認された神様以外は、まあ、
妖怪扱いされたって仕方ないんだよ」
「公認?」
 
 誰がそんなものを決めると云うのだろう。
 私が問うよりも早く、
 
「神社に奉られてる神だよ。天皇の祖神として認められた神と、それに連なる神――まあ、所謂天津神だな。よく天神地
祇って言うだろう。あれの天神がそうだ。地祇ってのは国津神に当たる。天神ありて地祇もあるってことだよ」
 
 まあ、それは解る。のだが。
 
「? いや、待ってくれ。国津神だって神社に奉られているだろう? 『因幡の白兎』の大国主命だって国津神だし、その
息子の事代主や建御名方神だって国津神と云うことになる。言っちゃなんだが、その三神なんかは下手な天津神より
よっぽど有名メジャーじゃないかな」
「まあ、建御名方神は解り易いが――」
 

590 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 23:36:11
>>589
 
「事代主は元々大和側の神だったって話もあるからな。いや、仮にそれが本当じゃなくても国津神である事が神社に奉
られない理由にはならないよ。……言い方が悪かったな、史実の神様として公認される資格は、それが史実を作るの、、、、、、、、、
に都合がいいかどうかだ、、、、、、、、、、、
「史実を――作る? それは」
「さっきの話と理屈は同じだ――”大和日本の正史”を大和朝廷が作ろうとしたとき、邪魔な連中を滅ぼす必要があった。
つまり、地方の豪族だな。だから国津神ってのは、言ってみれば朝廷に邪魔な有力者の事だ。まあ、朝廷たって元は一
豪族なんだから、力任せに”国家統一の理由”を欲しがっただけでもあるんだがな」
「滅ぼした豪族を、天津神が国津神を平定した、、、、、、、、、、、、と語り継ぐということかい?」
「そうさ。朝廷の一族は神の子孫、、、、、、、、、、ってことになっていたんだからな。そうだなあ、言ってみれば高官が天津神で、国津神
は国大名ってとこだな。吉良上野介は天津神で浅野内匠頭は国津神だ」
「存在が既に約束された天津神と、民間で常に信仰される国津神と云うことかね。……しかし、僕にしてみれば神は皆神
様だからなあ――優劣など付け難い。それに、広く信仰される神様ほど神格が高いと云うなら、国津神に部があるなん
て事も今じゃあるんじゃないかね」
「あるだろうな。それは勿論だ。大国主に匹敵する天津神なんざ、天照くらいしか思い付かない」
「天照大神か。それはまあ、壮大だな」
「壮大だな。日本人なら否応なく植え付けられる文脈だ。俺達が天照大神を知らないなんてことは、まあ、まずない」
「それは――まあ、そうだな」
「ところが、天照への信仰、、を常に持ってる人間となると、これはどうだろうな。日常的な儀式の中に織り込まれてるから信
仰はまず消え去らないが、反面、国津神――大国主なんかへの信仰と比べると、これは受動的な信仰になる。経済が
発達していく中で大黒様と結び付けられた大国主は依然信仰を集め続けて、結果的に日本に完全に根付いたと言って
もいい。これは大国主が祭祀的な、人間社会における『日本の神官』みたいな役割を持っていたからだ」
「朝廷は――それを危険だと思わなかったのか」
「思ったんだろうな。けど、有力な神様は抹殺するのも難しい。そうなると、その連中が崇めていた神様をどうするかは問
題というより課題だったんだよ。天照大神というのは、言ってみれば大和豪族が崇めていた神の一柱だ。知ってるだろう
が、昔はどんな土地にもそのブロックごとに神様ってのは存在してたんだ」
「地蔵や分社された神とは別の神、ということだな」
「分社は言ってみれば神様の押し付けだからな。地蔵に関してはこれは仏教の流入だから話がそもそも違ってくる。この
場合の神様ってのは、氏子が崇める氏神の事だ――大和が領土を拡大するにつれて、自分のところの神様を崇めろ、と
内外に信仰を拡大した理由と言えば解るだろう。当時、神の簒奪と言うのは他者の価値観を簒奪することだった」
「じゃあ、どうするんだ。無理矢理やれば反発が残るじゃないか」
「そうだよ。だから記録の中に取り込むんだ。『日本書紀』はその為にあった」
 
 つまり、と伊里耶は前置きする。
 
「元来、事代主も建御名方神も、大国主の息子ではなかったんだ、、、、、、、、、、、、、、
 

591 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 23:51:20
>>560
 
「なかった――」
 
 ――いや、それは考えれば解る。神様に血縁関係もなにもあるまい。実在しない存在キャラクタの親族関係は、即ちそうであった、、、、、、
と示す記録せっていに他ならない。
 
「では、なんだったんだ。息子ではない、、、、、、なら、何か別のものだったのだろう。君の口振りはそんなだぜ」
「あんたに先手を打たれるのは腹が立つなあ」
「なんだそれは――まったく、君って奴はどれだけ僕が嫌いなんだ」
「ははは、いや、嫌いってんじゃないけどな。まあ、でも合ってるよ。日本ってのは特殊な土地でさ、言ったように神様同士
の合併習合が繰り返されてきたんだ。これは神道全盛期に限らず、むしろ仏教が流入してからが本格化した時期なんだ
が、お陰で日本人の宗教観はまるで一定していない。例えばあんたが神棚を――」
「――僕の神棚はもういいだろう。だから、息子でないならなんなんだ」
「ないなら――決まっているだろう。別の神だったんだ。別の地域で祭られた氏神、さもなきゃ嘗てそこに祀られていたカミ
――と呼ばれるモノだ。信仰を体系立てる為に、神の構造は編成され、一つに集約される。それがこの場合の『神話』だ」
 
 私は眉を顰める。
 
「そりゃつまり、どういうことなんだね」
 

592 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/16(火) 23:54:49
>>591
 
「――そうだな、諏訪の例ならミシャグチ神なんて解り易いだろう」
「ミシャ……グチ?」
 
 聞いた事のない名前ではあるが、諏訪の大社ならば知識としては充分に知っている。お諏訪様と云えばお稲荷様――
ほど有名ではなくとも、割合知られている神様ではないか。だがしかし、その名は初耳である。
 
「漢字を当て辛い名前ではあるな。言っちまうと、つまり建御名方神と混同されがちな神様の事だよ」
「建御名方神――が、ああ。それは建御名方神が落ち延びた場所で変じた、、、、、、、、、、、という神様のことか? 変名が有ると云うこと
くらいは聞いているが――しかし俗説だろう。あくまで諏訪大社に祀られているのは建御名方神だ」
「記紀だとそういうことになるんだろうな。国譲りの神話は有名だ。まあ、けど落ち延びた先で変じたというのはどうなんだ
ろうな。混同されがちだとは言ったが、別の名前で呼ばれてるなんて意味じゃない。いや、そもそも変名なんてのがある
のもちょっとおかしい。別の名前で呼ばれているだけならともかく、源義経のハーン伝説じゃあるまいし、渡った先で名前
が変わる神様なんてのはそう聞かないぜ。それじゃまるで虹鱒だ」
「だが、そういうことになっているじゃないか」
「そうなると建御名方神は元々は諏訪の神ではなかったということになるワケか」
「なるのだろう」
「ならない」
 
 また私の話を一蹴して、伊里耶は肩をすくめた。
 私は肩をすくめ返してやると、
 
「つまり、どういう趣旨なんだね?」
 
 と、訊いた。
 

593 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/17(水) 00:02:52
>>592
 
「記紀じゃ、ヒットマンを買って出た天津神――要するに布津主神と建御雷だが、その二人が国津神を片っ端から殺しま
くった事になってるだろう」
 
 なっている。
 布津主神は確か刀の神霊で、建御雷は天津神の武人だった筈だ。所謂、喧嘩の強い神様の事である。
 
「だが、実際にそれをやったのは朝廷なんだろう。そりゃ解ったよ。朝廷の都合に沿った日本史の編纂作業だ」
「建御雷なんかは塚原ト伝の鹿島神道流が信仰してたから、これは記紀の齎した信仰のいい例だな。真相はといえば、
まあ、古事記を編纂した中臣氏の祖神が建御雷だったからってところだろうが――これはあくまで記紀の物語オフィシャルストーリーに過ぎな
い。諏訪にはもちろん諏訪の都合があった。これはもう言ったが、どんな正史が蔓延っても、偽史は常に割り込む余地
がある」
「それは、まあな」
「面白いのは、日本神話においてはその偽史が時として正史に侵食する事だ――諏訪の神話、、、、、というのは、それを証明
する最適な例だな。なんせ諏訪固有の文明活動は、日本で最後まで大和朝廷に反抗した共同体だった」
 
 だからなにがだ、と私は問う。
 
「だから諏訪の神話は日本書紀のそれとは別物だ。例えば諏訪固有の神話に当たる『諏訪大明神絵詞』じゃ、諏訪に
侵入した神は建御名方神だった」
「……侵入したのか? じゃあ、それは」
 

594 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/17(水) 00:18:22
>>593
 
「文字通りだ。布津主神と建御雷神が諏訪に国譲りを迫ったように、かつての建御名方神が、、、、、、、、、、諏訪に国を譲れ――と迫っ
た。だから建御名方神が諏訪を制圧した後に天神の国譲りがあった、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、と説明する事もある。正直、それはこじつけでしか
ないってのが印象だけどな。けどさ、それでも建御名方神が侵入者だったって記載には興味深いもんがあるだろう。本
来大和朝廷の敵である建御名方神をわざわざ『侵入者』と記録する媒体が存在する必然性は普通に考えれば奇妙だ」
 
 まあ――それはそうだ。
 都合が悪いものを残す理由がない。
 
「初耳だな」
「まあ、あまり聞かないだろうな。神話には常に改竄の余地があるが、それが国家レベルに至った時点で誰もがそれを疑
えなくなる。だから、民族集団のレベルでしかその種の話は語り継がれなくなるんだ」
「それは都合が悪いからかい」
「最初の理由はな。けど日が下るにつれて、話の本質は自ずから変質する。押し付けられた神話は本当の神話になる。
だから古文書だとか口碑伝承だとかでしか古い神話は残っていない。諏訪という民族の機能は、大和朝廷が訪れる事で
神話って媒体に吸収されたんだよ」
「最初は建御名方神が――国を譲れと言っていたのか」
「まあな。建御名方神は、元々そこに住んでいた神を――崇められていた神を打ち負かして、諏訪の大神になったんだ」
「打ち負かして――え? 戦って奪い取ったのか? それでは、だが、まるで」
「そうだな、国譲りの鏡写しだ」
「……ああ」
「だから言ってるんだよ。俺達は言葉の世界を信じ過ぎる。日本書紀や古事記、日本の神話に慣れ親しんだ俺達は否応
なくその世界観に理解を侵食されている――だが、それはそれだけのことでもあるんだ」
 
 韜晦するように云って、伊里耶は話を切った。
 馴れた世界。
 慣れた価値。
 だが――それは人間が安定した集合を築く為に必要な要素なのではないか。
 僅かに訪れた間に耐えられず、私は口を開く。
 

595 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/17(水) 00:20:42
>>594
 
「じゃあ、諏訪にかつて住まっていた神とは――それが君の云う、ええっと」
「そう。ミシャグジ、ミサグチ、でなきゃモレヤだとかモリヤだとか言われてる神様だな」
「モレヤ? なんだそりゃあ。ミシャグチとは全然違うだろう。字数すら合ってないぜ。読み替えるにも無理があるし、読み
違えで伝わったとも考え難くはないか」
「モレヤ、ってのは洩れる、に、矢と書くんだよ。ただな、これは読み替えたんじゃなくて、単にミシャグチ神を祀ってた氏
族の名前がモレヤだったってだけの話だよ。何度も言ってるだろう、神はかつて遍在した、ってさ。モレヤ氏の祭祀する
氏神がいるのはまったく自然な事だった。ミシャグチだとかミサグチだとか言われてんのは――これは奉られてた場所
の違いもあるだろう」
「ああ、そりゃあ――ではそのミシャグチ神はどんな神だったんだ。随分と奇妙な名前だが」
 
 というか、神様にしては尊称も敬称もないように思える。
 
「どんなって、まあ、典型的な自然神だよ。木や石に降りてくるって言われてる、日本らしい神様だ。だから山の神って意
味合いで『山宮神』だとか呼ばれるし、偶に『産護神』だとか呼ばれるのは原始神らしく豊穣の神だったからだろう。そうい
えば山梨の方じゃ柄杓に穴を開けて山児神に供えるらしいが、この辺りはお杓子さんだとか呼ばれてるミシャグチ神の名
残があるのかもしれないな――」
 

596 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/17(水) 00:27:13
>>595
 
 相変わらず色々と瑣末な事を知っている男である。
 
「――まあ、所謂地母神だ。自然物を媒介にした神様だから、ある意味では古代日本伝統の神様とも言える。名前につい
ちゃ、出雲の系譜に列なる神様じゃないんだから仰々しい名前で呼ばれてなくて当然だ――こんなことを考える度にいつ
も思うんだがな、日本の神様ってのはどうしてああも階級的な名前を付けたがるんだ? 西洋人は機械的過ぎて面白み
がないが、アジアでもここまで人間じみた名前を付けるのは日本の神様だけだぜ」
「僕に云われても困るよ、それは――神様と大和朝廷に文句を云ってくれ。第一名前の由来なんかは僕より君の方が詳
しいだろうしな」
「そうでもない。まあ、他にもミシャグチってのは御左口みさぐちとも読めて、これ自体は関東に広く知られた読み方だ。左口――
土地の開闢と言ってもいいかもしれないし、御尺から「みさく」と当てりゃ酒の神ってことにしてもいいんだろうが、土地神
としての霊威はやっぱり土着的な主神だったんだろう。武神だったり軍神だったりしたら、もっと詳細な記録が残る。まあ、
射軍神、なんて書くこともあるらしいが、これはどっちかと言うとカエルを射抜く祭事の方を思い浮かべちまうな――」
 
 ふうん、と私は曖昧に相槌を打つ。
 
「だけど伊里耶。君の云う話を聞くに、そのミシャグチ神はどうも単に民俗信仰としての神様のように思えるよ。「タケ」だと
か「アメノ」だとか、その手の仰々しい名前が入っていた方が、僕としては日本の神様としては正等っぽく思える」
 
 ぽく、と云うのは我ながら曖昧である。が、仰々しい日本の神様の名前を見回せば、生まれるのは大体そんな感想では
ないだろうか。
 私の拙い返答に伊里耶は責めるでもなく頷き、
 
「その理解は概ね正しいな。元来、ミシャグチ神ってのは原始信仰的な神様だ。信仰体系の広がりを考えても中部全域に
勢力を持っていた自然神信仰だったと考えるのが妥当だ。で――原始的な神様ってのは本当の意味で、これは日本とし
て国家体系が曖昧な時期の神様なんだ。そんな時期じゃ、小集団で崇める自然神は体系立てられた神様連中よりも広く
崇められてた。信仰としての体系、というよりも山やら海やらへの畏怖に近い。で、その理解で言えばミシャグチ神とモレ
ヤ神は別の神だった。祭祀の豪族であるモレヤ氏が奉ってたのはミシャグチって神の連合体であって、モレヤ神はミシャ
グチ信仰を取り纏める総領みたいな立場にあった訳だ。つまりミシャグチ神は自然神であり人格神であり、モレヤという祭
祀達の人格を投影された神でもある」
 
 面倒だなあ、と私は独りごちた。
 
「結局――それは別の神様なのか?」
「だから言ったろ、一緒になっちまったってさ。これは結果的に、だけど」
 

597 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/17(水) 00:36:26
>>596
 
「ややこしいなあ――それで伊里耶、君は建御名方神が大国主の息子でなく、流入してきた某かの神が――ええっと、モ
リヤだかモレヤだかの神を追い落としてあまつさえ信仰体系さえ吸収して成り立った神だというのか? しかしな、建御名
方神の日本書紀での位置付けと元々建御名方神が諏訪の神であったかは無関係だろう? 祭祀されていた場所が元来
諏訪であるなら、建御名方神は諏訪の神である筈だ」
「ほら、そこがもう違う」
「え?」
「あんたは今、まるで最初から建御名方神、という神様が存在していたように話してる。ミシャグチ神のことは疑えても、そ
こを疑えてない」
「それは――」
 
 その通りだ。
 私にとって、その名前は古事記と云う書物きじゅつによって絶対化されている。私の中でそれは歴史――自分が与り知らぬ場所
で設定され、厳密化された法則のような物だ。
 まるで言霊だ。私は胸裏に吐き捨てる。
 
「ならば君は、建御名方神が――捏造された神様だとでも云うのかね」
「捏造って言葉もおかしい。日本の神様には元来カタチなんて存在しないんだからな。様式だってない。今でも御神体が
神像だったりする話は聞かないだろう。そもそも、白山信仰なんかでは御神体でさえ必要とされない。これはもう説明した
が、そこじゃ海も森も山も特定の物質固体でさえ”神”じゃなかった。カミ、ってのは擬人化すらされる必要のない概念だっ
たんだ。言ってみれば、物事を成す力、、、、、、そのものをカミとして崇めてた訳だな――この種の考え方はヨーロッパでは錬金術
に見られるが、日本ではそれが宗教という装置によって顕在化していた」
「どういうことだ」
 

598 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/17(水) 00:41:03
>>597
 
「カタチは与えられてこそ存在する。コトがモノになったとき、カミは神様になるんだ」
 
 それっぽい言葉ではぐらかす――という訳ではない。伊里耶の語り口は時に直感的で、問い質さなければその意味が知
れないというだけのことだ。途惑う私の様子を悟ってか、伊里耶は悪い悪い、と付け加えて、
 
「だからさ。建御名方神という構造、、、、、、、、、、は、記紀に描かれた時、初めて生まれたってことだ」
「……なんだそれは。古事記が書かれなければ建御名方神は存在しなかったと云うことか。だが」
「だがじゃない。そういうことだ。他にどんな説明のしようがある?」
「例の――建御名方神が諏訪に侵入したという記録を描いた『諏訪大明神絵詞』か? あれはどうなる。古事記以前の建御
名方神が描かれているんだろう」
「そりゃ建御名方神そのものを描いてるんじゃなくて建御名方神を奉っていた諏訪氏――神氏とモレヤ神を奉っていた守矢
氏の関係を描いてるに過ぎないだろう。絵詞が書かれたのは室町の前後だからな。古事記とは別の、諏訪を語り継ぐ一つ
の偽史だ」
 
 私は釈然としない顔をしたのだろう。
 聊か面倒そうに伊里耶は付け加えた。
 
「建御名方神が古事記に記録されてから百二十年で南方刀美って名前が神階に記録されてる――これは言うまでもなく
建御名方神のことだ。けど、これには面白い事実があってな。日本書紀の記述だ――持統天皇の五年に、大和朝廷は竜
田の風神と、それから信濃と諏訪の神の風祝かぜほおりに勅使を出してるんだ。まあ、神様を祭る司祭だな」
「へえ、どうして――え? 持統天皇の五年と云うと、そりゃあ」
 
 古事記が世に出てきたのが和銅五年、つまり西記で云う七百十二年なのだから、持統天皇の五年――西記六百九十一
年と云うとそれより二十年も前になる。神階に列せられた頃からすれば二百年も前と云うことになるのだろうか。
 

599 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/17(水) 00:49:14
>>598
 
「個人的に気になるのは信濃の神――水内の神が建御名方神とは違って延喜式神名帳に名前を載せられてないことなん
だけどな。社に祀られてるのは今じゃ建御名方神と彦神別だから、こうなると歴史を遡るのも難しくなっちまう。まあそれは
この場合どうでもいいが、つまり建御名方神という名前が記録される以前、、、、、、、、、、、、、、、、、、に祀られていた神様というのは一体誰か、って問
題が出てくる」
「それが――ミシャグチ神なのか?」
「いや、多分違う。自然神のミシャグチ神はどちらかと言えば民間に近い神様だ。むしろミシャグチ神に近い性質は保食神と
か豊受大神なんかの死と再生の神だろう。朝廷がわざわざ遣いを寄越すとなれば、これは体系立った信仰形態に奉られて
たと考えた方が自然だ――その時点で『風の神』として奉られてたなら、これはミシャグチ神よりは祭祀が奉るモレヤ神の方
が適切だよ」
「待ってくれよ。その二つは同じだと君が云ったんじゃないか」
「言ってない。あのなあ、何度も言ってるだろう――名前は認識を強制する呪詛なんだ。諏訪の神は明らかに神格が変転し
た気配がある。これは日本でも稀な例なんだ。一つの共同体で奉じられていた神が、ある時を境に別の集団の神に取って
代わられた――その総称は両方とも「須訪神」でも、建御名方神という名前がそれまでの記録を塗り潰したんだ」
 
 諏訪の神ねえ、と私は呟く。
 
「じゃあ、その神様は、建御名方神と名前を戴くまではなんて呼ばれてたんだ」
「名前? そうだなあ――あえて言うならそのまま須訪神ってとこだろう。風神として信仰されていたモレヤ神のオルタナティ
ヴ――つまりプレ建御名方神だな」
 
 身も蓋もない云い方である。だったらポスト建御名方神は誰なのだろう。
 

600 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/17(水) 00:53:42
>>599
 
「つまり君は、名もなき諏訪の神が朝廷から使いを寄越されたんだと、こう云うのか」
 
 まあそうだ、と伊里耶は頷く。
 
「今言った水内の神だってナンタラ神だとかの”大和朝廷式ネーミング”なんて貰っちゃいないぜ。神が全て現在まで生き長
らえて名前を持っている、なんてのは俺達の認識が歪んでる証拠だ。神は現に忘れられるし、死ぬし、殺される――俺達は
それを繰り返してきた」
「俺達……って」
「ん? ああ、そうだな。人間は――ってことにしておこうか」
 
 伊里耶は薄く笑った。
 ――瞬間。
 何故だか、恐ろしく背筋が寒くなった。
 

601 名前:ミハルさん:2008/12/17(水) 00:56:29
 
 600っ!
 ッッッ!
 

602 名前:ミハルさん:2008/12/17(水) 01:17:47
 
 ……つうか、マジで疲れました。
 諏訪のとかはフィーちゃんに資料でも借りないと補足できないです。
 
 第一これ、書き始めは藤原お姉さんのレスへの返答だったんで兄貴とアネさんの話だった筈が何
やら別方向に。
 これはこれで続けられる要素だけ撒いてはみたものの、書いててそもそも「通貨はあるの?」とか
「前に人間はいるって聞いたけどどれくらいの規模?」とか色々後から疑問が! ナルニアみたいな
異世界、ってか『忘れられた文化の断片が流れ込んだ場所』みたいなイメージで書いてたんですが、
なんかヒドく違うような気がしてきました!
 
 ていうか通貨はどっかでお賽銭がどうのって言われた気がします!
 ……こ、ここは一つ、似たような別のそういう世界、ってことに……。
 
 ――パクリ!?
 
 今誰かパクリって言いました!?
 いえ、そりゃ確かにそもそもパロディですが!
 

603 名前:名無し客:2008/12/17(水) 01:20:17
今、某スレにお諏訪さまがきてるからタイムリーすぎる
しかし、濃すぎる、流石としかwww

604 名前:ミハルさん:2008/12/17(水) 01:25:10
 
 いるんスか!?
 
 いや、いちゃ駄目っつかどうしろと!
 ……や、やっぱパラレル解釈か、でなきゃ「実は舞台がもっと広くてヨソの場所」で、とか……。
 
 
 
 ――ここは『東方』ならぬ『西方』で!
 よし、それで!
 

605 名前:名無し客:2008/12/17(水) 01:27:50
とりびあ:「西方シリーズ」というのも実在している

606 名前:ミハルさん:2008/12/17(水) 01:29:36
 
 ぬぁ!?
 
 じゃ、じゃあ、ええと。
 ……ほ、北方、は、なんか違う! なんかこれじゃ雪国探検みたいですし!
 南方――なんか絶対密林とか石碑とか探す展開になりそうです!
 
 
 
 ど。
 どうしよう。
 

607 名前:名無し客:2008/12/17(水) 01:30:14
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1219772762/152-


余りにタイムリーすぎてわざとやってるのかとさえwww

608 名前:ミハルさん:2008/12/17(水) 01:38:30
 
 守矢て!
 ……。凝り過ぎてますね、どうにも。
 
 
 
 つーか、小ネタにしてさっさとオトしとけば良かったかもしれないです。
 

609 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2008/12/17(水) 10:36:39
 ……え、ホントに原点未プレイなの? これ。

610 名前:名無し客:2008/12/17(水) 20:46:32
もーみんな、なんで終わるまで待てないかな。
ここは終わったころを見計らってから
「実は某スレに諏訪さまが来てるんですぜ、へっへっへ」
といえば、もっと面白かったのに。

611 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2008/12/17(水) 20:57:36
とりあえず帰って来たので改めて。
……本当に原点見ないで書いたの?
信じられないくらい肉薄してるんだけど。

まー、うん。どういう世界かだけど。
ぶっちゃけある程度大枠があるだけで後は好き勝手やれ、な感じだからねー。
某連載漫画だと二千円札を賽銭箱に入れてた奴もいるし(何)

とりあえず一つずつ疑問に。
「通貨はおそらくある。だがどんな通貨かは一度も口にされていない」
「人間は存在する。ほとんどは里で集落を作って住んでいる。文化レベルは高め」
 「一部の強い人間は集落を離れて暮らしていることが多い」
「外の世界で忘れられたものが流れ込んでくる。来るものは基本的に妖怪たち」
 「忘れられたものでなくともたまに流れ着いてくる。人物問わず」
  「地形ごとこっちに来たケースもある(上の神様たちの場合、湖と建物ごとこっちに来た)」

 で、ルールとして。
「妖怪は定期的に異変を起こし、これを人間が解決しなければならない」
 「この際、勝負を決めるのは弾幕ごっこ(スペルカードルール)」
  「勝負は基本的に異変を解決するまで続けられる」
「幻想郷内の人間をみだりに殺してはならない」
 「吸血鬼は生きた人間を襲ってはならない」
  「その代わりに外の世界から食料となる人間を供給する」


 ……本当は小説仕立てにしたかったんだけどね。
 余裕ないからおおざっぱかつ箇条書きに。ごめんね。

612 名前:ミハルさん:2008/12/17(水) 22:31:58
>>609
 
 う、すいません。
 気に障るような内容じゃなきゃいいんですが。
 
 基本、以前にやってた「ここでの会話」的ネタの延長のつもりでした。
 舞台として使わせて貰えれば面白いかなと思ったんですが、一応メインは兄貴と姉さんの会話です。
 まだ本題も何も書けてませんが。
 
 が。
 京極ネタがやりたかっただけとか言われたら!
 それまでですがっ!
 
>>610
 
 そっちのがダメージでかいでしょうがぁーッ!
 
 ……く、ガチでモノホンがいるとかどーしろと。
 諏訪の話自体は鬼を語るのに使おうと思ってたんですが、時間の関係で前に出しちゃいました。
 

613 名前:ミハルさん:2008/12/17(水) 22:42:49
>>611
 
 内容は、や、結構ギリギリでした。
 『こっち側』(便宜上)の人だった(んですよね?)お姉さんは歴史上の事柄を知ってるけど、だとしたら
純粋に『そちら側』にいる人(これも当然いると思うんですが、社会構築されて時間が経過すれば)は、
『こっち側』の歴史を知らないんじゃないかなと思ったんで、「書籍でのみ知り得る」って形式を取ってみ
ました。
 これにしても信仰体系まで書物で知ってるのは割合ありえないと思うのと、都合よくそこらの書物を入
手できるのかって問題があるんですけど。いえ、ホントこの辺端折るのが心配でした。天照大神様のこ
と知らないなんてのは普通にあるんじゃ、とか。→「アマテラス? 誰? え? 昼? ヒルコ?」
 
 ……話してる相手は、きっとその辺の書物とか(流れてきたやつ?)集めてる人で、とか……いや、こ
れも割合無理がありますけど。流れてくる文化のサルベージ専門家ってなんなんでしょう。SFだ。
 
・貨幣制度
 通過に関しては、通過が成立してるってことは社会が成り立ってるってことなんで、ええと、この流れ
だと「かなりハジっこにある小さな集落」みたいになってます、きっと。場所。
 
 ていうか二千円札とかアバウトすぎる! むしろ忘れられたんだアレ! ……道理で最近見ないワケ
です。私の財布に入ってもすぐにCDで流してましたが。
 ……しかも文化レベル高いとか、スーパーみたいのまであったらどうしようこの仮定。
 こう、『牡丹肉一斤壱千五百円也』とか。
 
・ルール(スタンド的)
 前にお姉さんが言ってた「殺し合いはせずにゲームで解決」ってアレですね。
 あたしがその辺まで突っ込んで書いてもいいのか、って気がしないでもないのが……やっぱここら
がネックです。
 「リスペクト!」ってんなら、むしろスレッドに出てる人のこと調べてさり気に書いてくのもアリなんで
しょうけど、それもどうだろうなあ、とか。
 
 
 
 うーむ……注釈、色々どうもです。
 ボヤけさせたままオチ付けるのもアリっちゃアリかもしんないです。
 

614 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2008/12/17(水) 22:58:51
 んー、確かに普通の人だとそういうの知らないことってのはあるかな。
 でも幻想郷が完全に隔離されたのは明治以降だから、そこまでのことは知ってるかも。

 あと、「外から中に入るのは難しい」けど「中から外にでるのは簡単」だからね。
 一部の人間や妖怪なんかは出てこれて、外から何か持ってきたりすることも出来る。
 ……って私は考えてる。

 つーか、漫画版あるんだけどさ。公式で。
 もろに「ニュートン」がでてるんだよね……しかもサターンVロケットの記事。
 如何に何でもありかってのが分かるよなー、これ……。
 だからまあ、どんな本があっても不思議じゃない気がする。


 まあ、妖怪メインで文明築いてて、人間はその恩恵に預かってる形だからね。
 何があってもまあ、不思議じゃないかな。独特の文化が出来てるってだけで。

 ―――まあ、それでも最新作のアレには死ぬほど驚いたけどね。
 何でもアリ過ぎる。


 んー。
 まあ、好きにやっちゃって良いんじゃないかな。
 二次創作関連のみると分かると思うけど、極端に自由なのよ。
 設定の解釈からキャラクターの性格付けまで。
 だからそれぞれのファンで違う解釈があったり、違う推測があったりする。

 というか。
 神主自体が設定忘れ……いや適当に設定してるから。
 基本的に最新版準拠とまで言ってるからなあ……。
 だからまあ、「それっぽく見える」なら如何様にでもやれるのよね、こっち。


 そうそう。
 キャラ掴むだけなら設定まとめサイト見るのと体験版やるだけでもけっこう大きいよ(何)

615 名前:ミハルさん:2008/12/17(水) 23:33:56
>>614
 
 うあ、補足どうもです。
 
>記事
 
 ニュートン!
 それじゃフィーちゃんの部屋となんも変わりません!
 というか、生態系がそもそも違うって感じですね。いや、そこらで書けばそっちのが書いてて
楽しかったかもですけど。『豆腐小僧』的に。……ううん。この形式で引っ張った以上、どうに
かオチ付けるか流すかします。
 ……そういう世界ならラップするアメノウズメとかアリかなあ。
 R&Bはナキサワメ。
 
 く、でも文化の差でネタ振りするなら前回のまんまのが良かったのかも。
 なんにせよ許可頂けるんならお姉さんにサラっと出て貰ってオチ付けるかもです。
 

616 名前:ミハルさん:2008/12/17(水) 23:36:26
 
「神社の賽銭(二千円)>情報料(二円でも高い)」
 
 って。
 ……どんな価値判断っつか、こう、神威優先過ぎます。
 
 ノ……ノイ? ノインアウゲ?
 

617 名前:名無し客:2008/12/17(水) 23:47:12
「二千円」ではなく「二千円札」なのがミソなんじゃないかな。

618 名前:ミハルさん:2008/12/17(水) 23:58:01
 それだッ!

619 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2008/12/18(木) 00:29:32
>なんにせよ許可頂ける〜

 了承。
 まあ、うん。面白そうだし、そもそも私のどうこう言うところじゃないし。
 好き勝手やっちゃっていいよー。

 FM音源の曲があるくらいだからいけるっしょ。>ラップとかR&Bとか

 生態系は朱鷺がいっぱいいたりするとか以外は普通だと思うよ。
 ……あ、てことは絶滅した動物もこっち来てるのかな。
 朱鷺、鍋に出来るくらいいっぱいいるらしいし。



620 名前:ミハルさん:2008/12/18(木) 01:21:10
>>619
 
 マジですか。
 うあ、プロットでも組んどけば良かった。
 
 ていうか、前に話した相互参加モノ(?)として用意しようと思ったんですけど、
なんか大分ズレてきてますね。
 
>朱鷺
 
 ……恐竜とかいると困るような気はします。
 

621 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2008/12/18(木) 02:57:49
>>620
他の人もあっさりOKしちゃうかもねー(何)

や、流石に恐竜は無理じゃないかなー。生態系的に考えて。
多分人為的に絶滅しちゃった奴が幻想入りするんじゃないかな。
それ以外の理由だと、ただの淘汰だしね。

……え、アレ用のやつだったの?
てっきりまた新しい小説かと思ってた(何)
実は今もあれこれ考えてるんだけど「TRPGにした方が早い」って結論ばかりに。
参加型で推理ゲームってのも難しいわねえ……。出来なくはなさそうだけど。
やっぱり長く時間取られるのが大きいなあ。下手すると大殲みたいなことに。

まあ、うん。気長に気楽に。
楽しみにはしてるけど急かす気はないからー。
私も本復帰までもう少し掛かりそうだしね。

622 名前:ミハルさん:2008/12/18(木) 03:13:19
 
 時間的にギリギリなんで今日最後のレスです。
 
>恐竜という幻想(という迷妄)について
 
 うーん、つか、妖怪がワンサカ存在してて成り立ってる生態系は、既に「そういうもんですよ」と
納得するしかないんで、あんまりツッ込めない気はします。
 
>新しい
 
 ……や、その場合推敲しないと破綻しながら突き進むことに。
 ここのは適当な、というか、地下スレ的なネタってことで。
 
 気楽にってのは、ハイ、正直あたしもそうでないとやれそうにないのでそうさせて頂きます。
 続けるなら空き時間にでも適当にやれりゃいいかなと。
 
 では、お疲れ様でした。
 

623 名前:ミハルさん:2008/12/20(土) 01:59:04
 
 ぐ、またカゼ引きました。
 あたし弱ぇぇぇぇ!
 
 繋げてレスする筈でしたが、適当にお待ち頂け……え?
 あ、はい。
 そりゃまあこんな馬鹿長いのロクに読まれないのは解ってますが、ああ、ええ。
 
 いや……いやいや、そこ。
 凹みそうなんであんまイジらないで下さい!
 
 とりあえずダークマンのDVDが出たのでシアワセです。
 
・SUBTLE / ExitingARM
 
 サトルの新作。スノボじゃないよ! まあ、新作っつーには大分前ですが。
 やっぱりというかなんというか、あたしがハマったとか言うともう方向性が解るような気がしてアレですが、レーベルは
ナード総本山アンチコン。期待に違わぬオタっぷり。
 無駄な音の作り込みは殆どこのレーベルの専売特許ですが、それでもハンパなシャレっ気がちょっと苦手な感じで
それほど熱心にはチェックしてませんでした。んでNAHTのセイキさんがワイ?をヤケに挙げてたんで暫くまた見てた
んですが(ワイ?の新譜は良かったっす)、このバンドっスよ。
 重層的なメロディの重ね方と進行はシューゲかエレクトロニカ流れで、殆ど楽器状態のヴォーカルは正にこのレー
ベルならでは。内省的な歌詞がメロディを邪魔しない程度に乗っていきます。カンタンに言うと、韻の強調を重視して
トラック作ったりしてません。リリックがウザくなりがちな(内容はさておき楽曲としてウザいというか。……いやまあ、
ここで「ウザい」と感じる辺り、だからあたしはHIPHOP苦手なんですが)このジャンルにあって、この気持ち良さは殆
ど例外的。マジでカッチョいいです。
 
 ちなみに前作にはパットン師匠が参加しておりました。……参加してたのに限って微妙でしたけどね! つか、これ
がエラい良かったんで遡って買ったんですが、駄目だあたしにゃこれ以前のオシャレなサトルは聴けねぇぇぇ!
 糖蜜じみたベッタベタのメロディとシューゲ流れのポップさが全面に漂う音作りの新作は、その点でハマれました。
まあこれ以前のだと、初期の実験作品ぽいのが好きです。
 
 てか、このバンドに限らずアンチコンとかhueとか、なんつーか、あたしはHIPHOPだと最近マジでナードコアしか聴
いてない気がしますです。
 
・つじあやの
 
 カヴァーな人。
 ジブリっぽい曲調とエレクトロビーツと生音の重ね方がエラいハマりました。
 毎日聴けったら辛いけど、偶に聴く分にゃイイ感じっス。
 

624 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/12/21(日) 01:48:51
 
 クリエイター日本盤遅っ!
 完全に大手メジャーとマニア向けインディレーベルの二極化ですか。
 うーん。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=vBnEAH_FXMs
 
Andrey Kiritchenko / Timetravel of a snail
 
 ウクライナ・エクスペリメンタルの有名人。
 アングラとマイナーの間を行ったりきたりしてるヒトです。
 これはフィールドレコーディングオタク化した後の作品。一個前だったかな。
 あたしはこれの更に一つ前の作品がむっちゃ好きでした。
 これもビデオのデキを加味すると悪くないと思います。
 
 
 
 なんかスレッドでイベントやってたんで参加しようと思いました、が。
 時間が時間が。
 あと絶対空気ブッ壊しますウチの面子。
 
 ……え?
 
 何?
 いや兄貴、パフェならいつも食ってんじゃないですか。
 え? メイド?
 はあ、アレですか。「深夜帯のメイド喫茶」ってフレーズが興味深いとか。
 

625 名前:名無し客:2008/12/21(日) 02:34:58
空気は作るものだって誰かが言ってた。

626 名前:名無し客:2008/12/21(日) 10:27:33
エーフィが給仕と言うのも見てみたい。
今晩どうだ?

627 名前:名無し客:2008/12/21(日) 14:53:17
バイト初日でdデモない失敗を五分刻みで繰り返すのですね。王道です

628 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/12/21(日) 19:31:31
 
 ぬううっ! なぜにロクに顔も出してないフィーちゃんがっ!
 つまり!
 なぜあたしでなくッ。
 
 ……他人に共感する能力が致命的に絶滅してるだけで、それ以外は割と完璧超人ですよ、あの子。
 
 
 
 むしろさっそく眠いのが問題!
 んー、時間って十時くらいからなんスかね。
 聞いてみて大丈夫そうだったらやってみます。
 

629 名前:ミハルさん ◆WEISS0lzjQ :2008/12/23(火) 00:55:52
 色々な意味で!
 ヒドいデキになりましたが!
 
 ていうかカゼ引いてんのになにやってんすかあたし!
 あと今日から26日辺りまでは多分音信不通です。
 それでは皆様、またお目に掛かれますように。

630 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2008/12/27(土) 02:55:25
 
    ,. -─´、て
    Σco===、!,_
    l´i(ノリハノリ)
    ルlリ⊃⊂ヽ
     (( //xxxxヽ   ←
 
 猫い。
 

631 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2008/12/27(土) 23:36:11
 ロック速過ぎだろ常考。


 あ、せっかくだからアイアン・メイデンのリマスター版5th買ってきたよ。
 神だった。

632 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2008/12/28(日) 02:21:04
 
 違……ッ!
 誤解だ藤原ッ! これはそういうアレじゃなく……ッ!
 
 あるだろう唐突にお持ち帰りしたくなったりとかそういうの!
 
 
 コレは……。
 差し詰め『鳥篭』か『首輪』って所かな……。
 

633 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/12/28(日) 02:25:00
 
 メイデンリマスターは6thまで疑問持たずにイケるっすよー。
 その後が下がったり上がったり下がったり下がったりなだけで。
 
 5thだと撃墜王と絶滅2分前のリフはトゥルーパー並に口笛コースです。
 

634 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/12/28(日) 03:05:03
 
 あ。
 折角なんで『今年の十枚』くらいはやろうかな。
 臨時にスレ立てるのとかはイヤがられそうなんでここでとか。
 
 『今年発売した十枚』
 『今年聴いた十枚』
 
 かで話は変わってきそうですが。
 上の場合はメタラーらしからぬ背徳的な状態になりそうです。
 ……ダーティ仕事ッ! ホント何やってくれてんですかッ!
 
 
 
 ……あ。
 この『英単語プラス漢字』の言い回し少しジョジョくていいかも。
 でもマジでSOILWORKはアレ過ぎました。
 ビョーン! ディサルモニアに正式加入して!
 もうそっちで充分ですから! ……ああ、でもリズム隊は惜しいなあ。
 

635 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/12/28(日) 03:09:48
 
 まあ、土仕事の話題はさておき、今日の動画。じゃなくて音。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=TbMQccRkDwc
 
・Disarmonia Mundi / Resurrection Code
 
 メロデスオタ成分全開のフレーズと程好いスラッシーさとタフなリズムが最高過ぎます。
 むしろ気付いたら歌えるように。
 
 ちなみにメンバーは実質一人、ゲストがSOILWORKの天才ヴォーカリストという構成です。
 あとバッキングヴォーカルはオリジナルメンバーもやってます。
 ある意味イタリアらしくて、でも完成度がイタリアらしくないなんて天災発生中。
 

636 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2008/12/28(日) 03:56:30
>>632
 いや今さら繕われても時すでに時間切れだと思うよ。
 ……気持ちは分からなくもないけど流石にお持ち帰りー、ってのは無いなあ(苦笑)
 日本列島が地震で真っ二つになっても知らないよー?

 うん、撃墜王はマジで熱かった。昔の奴とは思えないくらいね。
 エースコンバットとか大好きだから余計にクる。
 しばらくこれでヘビーローテするかも。


 スレ立てについては回す、あるいは回る自信があるならいいんじゃないかな。
 やるんだったら私も―――あ、でも今年は本ばっか買ってたから選ぶの厳しいな。
 某2chみたく貴方の選ぶミュージックベスト○○とかそっちの方が回るかもね。
 どっちにしろ、やるんだったら私も乗るわよ?

637 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2008/12/28(日) 04:07:01
 
 繕うってワケじゃ!
 いや、ホント違うんだ! 誤解だ藤原!
 喩えるなら! こう、食事とオヤツは別腹とかそういう感じでッ!
 
>撃墜王
 常時フェイバリットだからな、この辺は。
 メリハリの付け方がハンパなく巧い。この時期のは明らかにパンクの技術熟成にも派生してると思うし。
 初期二枚はパンクス受けがいいけど、メタラーもハマれると思うよ。
 
 
 
 立てるのは……そうだなあ、無責任になるのは不本意だし、ここでサクッと片付けるのもいいか。
 2chは悪い、ほぼ見てない。
 乗ってくれるのは面白そうだし嬉しいけど、だったらやっぱ立てた方がいいか?
 臨時に立てて沈めて貰うってのもアリっちゃアリだと思うんだけど。
 

638 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2008/12/28(日) 04:13:46
 別腹って……w
 んー、まー、いいや。
 見境無しに手を出すとは思ってないしね(何)

 最近はゴアグラに手を出し始めた私に隙は無かった。
 ……なんか、ニコ動でセサミストリートとのMADで使わてたのよね。
 それでたまたま聞いてから「あ、作業しやすい」って思って聞き始めたわw
 パンク方面も興味あるし、余裕を作ってから手、出そうかな。
 基本的に音楽ジャンルには拘らないし。


 あ、浮上させてイベントやる、って奴?
 うん、気になるならそれもいいんじゃないかな。
 結局は主催の指先一つだしね。自由にやってみるといいかも。

 あ、アレ(2ch)の形式ってのは

・1〜5まで順位をつけて曲を紹介。
・それぞれ5〜1ポイントを加算。
・投票数とポイント合計で順位を決定。
・順位は基本的に投票数>ポイントで決められる

 だったかな。うろ覚えだけど。
 まあ参考までに。スレ見る必要はないよ。

639 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2008/12/28(日) 04:18:37
 
 わ、解ってくれたならそれで!
 
 ゴアなぁ。
 ……んー、基本的にグラインドとかゴアはアングラだけで流通するから(グラインドはともかく)、
『発売年』で考えると結構認知度が苦しいもんになるからな。
 セサミ+ゴアってのは聴いてみたい気もするけど。
 NASUMで踊る黒ネズミとか。
 
>2ch
 
 あ、5位までなんだ。
 てっきり10位制かと思ったんだが。
 ……だと、人数少ないとキツそうだな。無難に個人的な紹介〜の方が色々なの紹介して貰えて
面白そうな気はするが。
 ジャンルはなし、いっそ発売年月日もなし、の方がいいかもしれないな。
 

640 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2008/12/28(日) 04:35:02
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2168098

たしかこれ。名前はハードコアだけど中身はゴアグラインド。
……ジャンル間違ってないといいんだけど。
まだ齧り始めで自信無いや(苦笑)

あ、ゲームサウンドの奴は10位まであったかな。
私は全部STGの曲で埋めた覚えがある(何)

ま、この辺は個人裁量で○○位までって決めていいと思うよ。
やる気あるなら百曲くらい書いても文句は出ないはず(何)

無差別か。でもそれだと順位つける意味なくなっちゃうわね。
曲紹介したい、っていう動機には十分合致すると思うけど。
……そも、無理に順位つけなくてもいいか。
貴方のオススメサウンドセレクション的な感じでやるのも悪くなさそう。

641 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/12/28(日) 04:41:12
 
 とりあえず即興で。
 『今年出たやつ海外十枚』篇。
(試作例)
 
・THE HAUNTED / VERSUS
 まあ妥当。爽快感も聴き応えも抜群。
・SOULFLY / CONQUER
 カヴァレラ兄完全復活。秘境で人肉食ってそうな蛮行スラッシュ。
・PORTISHEAD / THIRD
 ネクラファイナリストなトリップホップ・人力版。
・PROTEST THE HERO / FORTRESS
 メシュガ+スクリーモ+プログレ。「ギャッギャッギャギャッギャッギャッギャッギャギャッ!」
・EQUILIBRIUM / SAGAS
 大長編蛮族絵巻。
・THESE ARMS ARE SNAKES / TAIL SWALLOWER AND DOVE
 マイナスザベアの双子の片割れ。スマートさを抜いてタフさを入れたFUGAZI。前々作くらい好き。
・FALL out BOY / Folie a Deux
 元エモパンク。クイーンとかR&Bとか鍋にブチ込んでエモく仕上げたらアメリカンロックでした。
・SUBTLE / ExitingARM
 ナードHIPHOP。メロディ過剰。
・THE REIGN OF KINDO / RYTHM CHORD & MELODY
 ジャズ+エモ。落ち着き過ぎた魅力は結構唯一無二。EPの頃よりもロック寄り。
・THRICE / Alchemy Index Vols.III & ?: Air & Earth
 もうメタラー好きなスクリーモだってこと憶えてる人いるのかな! (半分)日本人在住のエモ。
 
 
 PROTEST THE HEROはぶっちゃけフレーズ詰め込み過ぎです。でもまあ、そのやり過ぎが味になってる分には
アリじゃないかなと。前作ほどハナにつくソロとかもないし。
 あとDISFEAR(トマス鈴参加のクラストコア)とかも割と良かったです。なんにも前作から変わってなかったけど。
 
 ……え?
 オフスプ? あ、そう言えば出てましたね、ええ。聴きましたよハイ。
 おかしいなあ、でもCDラックにないんだよなあ……売りに行ったのいつだっけ。
 正直あとマズボルの最新とかも結構キツかったです。
 
 正直あたしも今年は本に注ぎ込んじゃってました。一冊ン千円とかナメてんのか。古本ないし! プレミアとか!
 

642 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/12/28(日) 04:45:48
>>840
 
 ゴアっすね。
 グロウルにもうちょいメリハリ欲しいですが。
 この系統は昔のそっち系の雑誌にひっそり通販掛かってたり専門ショップ(サイトは大概背景真っ黒)で
集めてくといいと思います。……ただまあ、こっち側にハマり過ぎるとメジャー側にエラく疎くなる場合もある
ので、そのへんは注意した方が。
 
 順位はあたし、ランキングで考えてませんでした。
 『十枚出せれば面白いのあるんじゃない?』程度で。
 んー、ただ2008年って縛りはあった方がいいのかな。この辺はちょっと悩みますが。
 

643 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2008/12/28(日) 04:48:22
縛りは〜……まあ、あってもなくても。
2008初出じゃなくて、2008に聞いた曲、でもいいしね。
個人的には変に縛るより気楽に書きやすいスタイルの方が、乗る人は増えると思う。


あ、やべ、もうこんな時間か。
そろそろ寝るよ。明日からゆっくり復帰するつもりだし。
お疲れ様。それじゃ、またー。

644 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/12/28(日) 04:50:10
 
 いやメリハリは要らない!
 ……あたしもこっち側疎くなったなあ。
 グラインドは今でも大好物ですけど、ゴアはネタっぽく扱われ出してからあんま聴いてないです。
 

645 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/12/28(日) 04:50:54
 
 お疲れです。
 あたしはヘンな時間に目ぇ醒めちゃったなあ、うーん。
 
 それではまた。
 

646 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/12/28(日) 14:30:12
 
 正月に向けてのお掃除中でござる。
 ちょっと休憩がてら朝方の話題に補足。
 あと十枚ですが、試作例はあまりにもあんまりすぎました。ニックケイヴも入ってないし。
 
・ミハル姉さんの「とりあえずイッとく?」ゴア入門。パート1。
 
■まずCARCASS聴こうよ。
 
 1stか2nd。ていうか1st。
 ぶっちゃけ「ゴア」が何かはコレ聴けばイッパツで解ります。先駆者というか創始者にして究極の到達点。
 「最初に世界に生まれた魔王が神だったよ!」的RPG展開。「フハハハ、よく来たな勇者よ、いや、我が遠き
末裔(すえ)よ……!」ゴア=血塊、血糊。流血と医学用語、人体解体アートワーク、死体コラージュ、エログ
ロ趣味満載(以下略、というか年齢制限だよ詳細は!)な展開を見せる『アンダーグラウンドとしてのゴア』は、
結局のところここから始まってます。のめりこむ気がないならこれだけ聴いときゃぶっちゃけOKだと思います。
 
 遥かなる汚染の源泉、CARCASS――前に話した事あったっけ、まあいいや、もう一度。
 1st、2ndの『ゴア期』、3rdのアモット兄参入な『デス期』、4th、世にも有名なメロデスの原型を生んだ『ハート
ワーク期』、5th、色々と暴走した『デス&ロール原型期』と、バンド一つで恐竜の発生から衰退まで辿ったよう
な単一生態系=CARCASS。何がすげーって、これだけやっといてどれもこれも後続の追随を許さない音楽
をキッチリカッチリ作ってたってことにあります。(ちなみにメインのビル・スティアーは当時ナパデとメンバー
を兼任してました。単なるトリビアバンドじゃねーんスよォォォ!)
 医療擁護をたっぷりとブチ撒けた歌詞としたいと流血と死体と死体と、あんた等どこのガキだ、と言いたくな
るリリックは何気に知的に洗練されていたり、ただ「流血! 死体! 血血血血血ィ!」じゃなかったのがあら
ゆる意味でオリジナル。
 「ゴボゴボゴボゴボ……」なグロウルヴォーカルもここが起源です。
 その後の『進化』で生まれた後続勢がCARCASSの各要素を突出させてることもあって、ブラスト速度や悪
趣味具合のベクトルで特化してない、なんて向きはあるかもしれませんが、いやでも、その全部を体系立て
てしまってる系統樹の最上部は至高ですよ。アルファ過ぎてオメガを一度に作り出してます。
 来年もう一度トイズから日本盤が出るそうなので買ってもいいかもしれません。世も末だ
 ああでも、ここってA.Cも国内出してたんだっけ。じゃあまあいいか
 

647 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/12/28(日) 14:44:03
 
 あとグロウルっつか今の主流はガテラルですね。
 ヒキガエルみたいな下水道ヴォイスです。
 出して貰った動画だとちょっと解り辛いかも。
 
 パート2は時間があればまた。
 
 ……ただ、CD集める段となると、正直アングラでもデス買ってた方が面白いと思うんですが。
サフォケとかオビチュとか復活して面白いことになってますし。
 いや、いきなり異界魔界にツッ込まれるなら話は別なんですが、最初から溶岩ブチ浴びると他
の音楽の感動が蒸発しそうな気がします。
 ああ……でもまあ、単調なリズムワークは作業に向くのかなあ。
 ゴアはゴアでもGOAの方ならともかく、とは思うんですが。
 
 ただまあ、CARCASSに関してはハズしがないと思います。ハートワークのリイシューはかなり
エゲつない構成(インタビューDVDつき)でしたけど、1st&2ndはレア盤オマケにしてのボーナス
入りなんで、この機会に買われてもいいのでは。
 この調子でガンガンリイシュー掛けて欲しいモンですけどねえ。初期ボートラ付きのエンペラー
とか期待できないですし。……誰でも買えないと話題共有できないんだから、貴重盤持ってると
か正直自慢にゃなんないですよ、こんなの。
 

648 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2008/12/29(月) 05:44:51
 
  γ/( ( こ))  
  ;〜 //(从从)
  と'⌒つリ゚−゚)リつ  ←
 
 猫い。
 

649 名前:名無し客:2008/12/29(月) 11:02:55
下水道ボイスってなんだよ……。
というか、何でそんなの聞いてるのさ?

650 名前:ミハルさん:2008/12/30(火) 07:28:04
>>649
 
 朝ですよー、気持ちのいい朝ですよーっ、ってとこで!
 なぜかこんな血糊の効き過ぎた話題が!
 
 聴き手は、いや、単にコレは「速いの聴きたいなあ、よしスラッシュ聴こう」→「スラッシュもなんかモタつ
いてんなあ、じゃあデスで」→「デスってこれで限界かなあ、いや、グラインドがあるな」→「速いけどなん
か単調だなあ、他になんかある?」→ゴア(終着駅)、なんてのはあるかもしれません。
 アレですね、クスリの効きが悪くなったから新しいクスリを探すのに似てるかも。
 いやぶっちゃけ、ブルデスなんかでも速度を追求するとドラムマシンに行き着いたりバカテクの人間四
人集めて「ゴシャシャシャシャシャシャシャ(エンドレス)」なリフとフレーズの境界がワケわかんない、た
だただ体感速度重視のアレコレになるわけでして(クリプ以降のブルデスがこれです)。
 
 断続的な軍拡競争の中で「じゃあ次は画期的な新兵器を造ろう!」とか言い出して、気付いたら敵地に
人間を直接撃ち出すような人間砲弾を作ろうとしちゃったナチの科学者的な何か。
 或いは。
 「凄いって何?」なんて定義を繰り返して速度を加速、内容を激化、歌詞を低劣に、を繰り返していたら
アンダーグラウンドの人間からも「お前ら多分俺らと違うよ。いや、ていうか違う」なんてコトになった何か。
 進化の過程で、何か凶悪な圧力に押されて奇形化したソレ=ゴアです。
 
 正直、ライブの内容は口で言ってどうにかなるようなモンじゃないと言うか、バンドによっては初見の客
が迂闊に入ろうもんなら一生モノのトラウマを刻み込みかねません。ブタの頭にナイフを突き立てたりと
かそれを客席に投げたりとかじゃまだヌルいくらいのも普通にいますので。
 ……まあ、この辺が行き過ぎると口には出せない手段で録音されたり口には出せない場所で録音され
たりとか、そんなヘンな方向に行くバンドが出てくる訳ですが。
 

651 名前:ミハルさん:2008/12/30(火) 07:30:30
 
 ちなみにガテラル内にもタイプが分かれます。
 「ゲボボボボボ」だったり「ヴォ、ヴォ、ヴォ、ヴォ、ヴォヴォヴォヴォヴォヴォ」みたいのだったり。喉の
使い方次第なんですけど、負担がシャレんなんないのと(常時声帯振動させっ放し)、そもそも負担に耐
えて迫力を出せる人間がどれだけいるかって問題もあるんですが。
 
 デスヴォイスってのはカンタンに言うと「どれだけオドし効かせられるか」なんスよね。
 ハードコアでもニュースクールがデスメタルに接近したのは、単にその手段が『脅せること』に優れてた
からで。で、そうなるとデスヴォイスにも巧拙が生まれるワケで。どれだけ錆びた声が出せるか、どれだ
け威厳を込められるか、どれだけきったねぇ声が出せるかとか。初期のモビエンなんか聴いて頂けると解
るんですが、明らかに当時主流だったスラッシュの延長線上で「ガナり散らすデス声」じゃないんですよ。
ハラの底からエグり出すデスヴォイス。どんだけタフか、どんだけマジになれるのか、そんな尺度として
機能してた面もあるんじゃないかと思います。
 で、そうなると、現在の限界値をどう突破していくかが重要になるんですね。グロウルやガテラルっての
は、ジャンルとクロスしながら生まれた手法なんですが、言っちゃうと「今よりすげーことやろう」って観点
から生まれてきてます。デス声が迫力あるなら、じゃあもっと凄くしよう→凄いけどそもそも聴き取れない
し迫力がどうのってよりもエグいことになっちゃったね!
 
 もちろんジャンル的な区分けしなくたって、例えばクリプト魔王のロード・ワーム氏(ミミズグミ!)は「ゲ
ボボボボボボボ」的なガテラルに近い声で歌ってますし(ライブだと結構シャウトしてましたが)、ここら辺
はジャンルがどうのってよりもバンドのスタイルに関わるもんじゃないかなと思います。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=fsTiitES4dg
 ディスゴーヂのガテラル声。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=GOQuX7pCiPo
 クリプのデス声。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=6gwPQIEbUuQ
 LAST DAYS OF HUMANITY。ゴアかつガテラル。
 
 最初がガテラルとしてはロコツなんでクリプのデス声との違いは解り易いと思います。
 つーか解り易いバンドの動画出そうとしたら画像がグロ扱いでyoutubeから制限掛けられてました。死体
関係は軒並みアウトっスか。断面図が隠されてるのとかは貼れるんですけど、自重します。
 えーと、貼った動画に関してはグロいのは出てきません。……関連動画のとこ見なきゃ、全く駄目って人
も大丈夫だと思います。
 あんまそういうの好きくないなあって人は聴かない方がいいのでは、と前置き致します。
 

652 名前:ミハルさん:2008/12/30(火) 07:32:26
 
 あ、ブラウザ再生すれば全然OKっスね。
 リンク先に飛ばれるとアレなんで、一応一言だけ。
 

653 名前:ミハルさん ◆WEISS0lzjQ :2008/12/30(火) 07:57:21
 
 イギリス――八十年代。
 音楽産業――黄金期アメリカの繁栄の影=メジャー層の停滞=BBCから流れるクソのような音楽群。
TOTOを聴け/ABBAを聴け/産業の素晴らしさを聴け――キング・クリムゾンのロバート・フリップは辟
易しながら隠遁の身へ。
 結論=”セックス・ピストルズの方が百倍マシ”=”ピストルズの売り手”――マルコム・マクラーレンの
彫像に敬礼。
 カネの為に歌われるようになったパンク――無為。声高なネヴァー・トラスト・ア・ヒッピー、ヘイト・アン
ド・ウォー――同じこと。
 アメリカ人のコピーバンドがのさばっている。雑誌の表紙で笑顔の「ロックンロール」。
 素晴らしい音楽は世界を繋ぐ――嘘ではない。素敵な音楽は世界共通の言語だ――嘘ではない。音
楽に憎悪はない――悪い冗談だ。
 巷で朗じられる『天使のような感性が生んだ歌詞』たち――ざれごと、、、、
 街を埋める電子音の洪水――シンセサイザー版『アナーキー・イン・ザ・UK』をやりたいクズがわんさ
かとクラブハウスを埋め尽くす/ギターを持った連中は郊外を目指す/住民が抗議の声を上げる/ポ
リ公と殴り合い――日常茶飯事
 不自然に盛り上がってる連中を疑え/不自然に盛り下がってる連中を疑え/情報が集まる場所を疑
え――アンダーグラウンド・カルチャーの真実=自己主張が強すぎるヤツも弱すぎるヤツも”音楽的民
主主義”の手先。
 マイノリティの集まり/マジョリティへの嫌悪/嫌悪から成る繋がり。情報は隔絶され、情報は引き伸
ばされ、口伝いに。
 パンク、ハードコア。ウサギ小屋のようなネットワーク。
 やるべきこと=テメエでやる。
 タイプライターでブチ打つヘドの出るような字体のファンジン――群がる『カセットテープ交換求む』。
世界中で聴き流されるディスチャージ/ヒア・ナッシング・シー・ナッシング・セイ・ナッシングしゅちょうせず/テープ流
通で広がり続けるアンダーグラウンドクソったれ音楽。マキシマム・ロックン・ロールの喝采。
 ナパーム・デス――シェーン・エンバリー。テープ・トレーディングでボストンのシージを入手。重過ぎ、
暗過ぎ、スケボーに似合わないナパーム・デスへ変化/革命。
 ブラスト・ビート
 スノッブな音楽論壇の連中のケツにミサイルを叩き込む――眉を顰める連中の頭を掴んでシンクの
角に叩き付ける。頭蓋骨を叩き割る。叩き割った頭部をゴミ箱に投げ捨てる=地下街の論理。
 ”Debut album by the undisputed worl'd fastest band. 28 songs of intense, manic and savagely異論なく世界最速のバンドによるデビュー・アルバム。最悪に強烈で躁病で野蛮で残忍な
brutal hardcore - thrashハードコア・スラッシュ.――LPの売り文句。
 二秒未満の”一曲”――影響拡大。
 地下に溢れる”速く短いハードコア”――軒並み三十秒未満。
 地下に敷き詰められる”アンダーグラウンドのルール”――地上の常識を持ち込むな。
 世界――ブラストビートに魅せられた”地下街の住人達”が騒ぎ出す。ニューヨーク――ジョン・ゾー
ン、ネイキッド・シティのサックス吹き。ボアダムスのアイ・ヤマツカとフレッド・フリスを招き入れてブラス
ト・ビートをスマートに洗練。日本――秋田昌美、メルツバウのノイズ使い。ブラスト・ビートの為にバン
ドを作る――バースト・モンスターズ。ゴア・ビヨンド・ネクロプシーと組んでノイズとブラストをヘドが出る
ような最高のデキに変える。ノルウェー――ブラック・メタルの巣窟。ホモを刺し殺す/教会を燃やす/
宗教集団化するリスナー達と暴れ回る/ショットガンで自殺するヴォーカル/ギターを刺し殺すベーシ
スト――吹雪のような環境で作り上げられるブラスト・ビートの美しさ。
 洗練された”非論理”なる論理。
 論理の基準――変質。デフォルとになった『速度』という真実――ナパーム・デスとの掛け持ちでビル・
スティアーが『新しい地下論理』の発明に取り組む。
 九十年直前――CARCASSの誕生。
 整合感なし/倫理なし/論理なし/音質劣悪/音楽性絶悪/徹底した生理的嫌悪への言及態度。
 菜食主義的論理――人体破壊の渇望。
 炭化する眼球/頭蓋骨焼却/軟骨組織の滴り/骨粗鬆症酸素に汚染し死汁を分泌する/熾烈な
球状新生物の――詮索じみた残虐行為。
 詞が死で埋められる=波打つ医学用語/人体解体描写/内臓/髄液/体液の想起――裏返しの
動物愛護/肉としての存在/肉々しい人間=菜食主義の賛美――ただの一面、、、、、
 菜食主義はスタイルだ――CARCASSの後追い勢=肉食礼讃の人体解体マニア達。
 激化し、鮮烈化し、進化し、深化する。

 つまりこうだ。大多数の正常対少数の嫌悪感。
 
 地上から灯りが燈る――灯りを消す。
 
 ブラストビートが喧騒を掻き消す。
 言葉より強いリズム――打ち消すことを望む連中のささやかな抗議の声。
 腐るように心地好いビート。
 安らぐような殴り合いの歌。
 雑誌、インターネット、飛び交う情報。居場所は混在し、音の在り処は散逸する。
 びっしりと世界に刻まれたその軌跡――ぐるぐる回って、落ちていく。
 

654 名前:ミハルさん:2008/12/30(火) 08:09:42
 
 長ッ!
 最後の一言書きたかっただけなのに長ッ!
 
 あー、えーと、まあ。
 要するに『速きゃいいよね』の別ヴァージョンとして生まれたというか。
 MESHUGGAHはそこら辺達観してて、速いんだけど精緻精密、フレーズごとのユニゾンを連続で繰り
返す、というデスメタルの職人になったりしてます。
 
 つか、当時のメタル、というかメタルシーンだとかインディシーン全般はガチだったそうです。「お前らは
ヌルい」とか言われましたし。モッシュはなくても「ハコでは何が起こるか解らない」「ガン付けられてガチ
で殺りに行った」とか、あんたらどこの世紀末の住人だと言いたくなるヒトらがわんさかいたそうで。
 ……まあそりゃ、ケムリ吸ってデロデロになりながら喚き散らしてたら速攻パクられますしね、今。
 そんな状況で育まれたバンドは、テクがどうのじゃなくて「やべー、すげぇ、近寄り難ぇー」的オーラを
纏っていて当然だったかもしれません。
 メンバーの経歴が口に出して言えないことになってたり、メンバーが既に故人だったり、メンバーが犯
罪に巻き込まれたり、メンバーがむしろ犯罪者だったり、そんな世界がメタル。むしろそれがメタルであ
るべきだった時代の名残でしょうか。
 サブカル(チャー、とはあえて言いません)の文脈でメタルが(特にブラックメタルが)捉えられたりす
る現在、それでもゴアに近寄れるスノッブな視線は皆無でしょう。
 ああ、正にゴア。そしてメタル。とーたるふぁっきんですとらくしょん!
 
 ――嗚呼。
 
 足元にはヘド溜まり。
 周囲に漂うゲロの臭い。
 バシャバシャと降り注ぐ血の雪崩。
 
 其処は――もう。
 
 煮沸消毒すら不可能な汚濁の海だったのです――。
 
 
 
 ……なんつーかまあ、正直デスの方があたしの好みではあります。強くてシンプルで。
 

655 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2008/12/31(水) 01:03:43
 ―――なんて、濁流。
 いやつーか、想像以上に凄いワールドが展開されてて言葉に出来なかった。
 もう音楽史の先生出来るんじゃないか? ロックやメタル限定だけど。

 私は音楽自体のイメージ、というか雰囲気で音を捉えてるからどうにも。
 その辺を系統立てて理解できないのが難点ね。
 それでもメインストリームから外れた趣味してるんだけど(苦笑)

 音楽の原点がゲームのBGMだったからね。そのせいもあるかも。
 くっきりとイメージが出てるからそればっか聴いてるうちに好きになった、みたいな。
 ただそれに気づくのが遅すぎてねー。買い逃したCDが多すぎた。
 確かサンダーフォースVのサントラは中古相場だと二万超えてた気がする。あたまおかしい。
 それだけ出た数が少なかった&手放さない人が多いんだろうけど……。
 あー、再販かかんないかなぁ。

656 名前:ミハルさん:2008/12/31(水) 06:45:31
 
 うぃっす。おはようございます。
 
 うう、音楽史っすか。なんてメジャーな話題。
「ピストルズはただのマーケティング論ッ! 最後の来日は逆にソレが良かったッ! 『資本主義
万歳かつ資本主義にヘドが出るぜぇーッ!』なスタイルが!」
 とか言うような講義は色々ダメだと思います。
 
                           ■
 
 メタラーは説明するのを止めた……。
 ”ジャンルに拘りつつ音楽を聴いてきた人間に、ただの一興味としてメタルをシタリ顔で解説す
るメディアの態度はガマンならなかったのだ……”。
 ”『ロッキング・オン』を引き写したような口上を堂々と面前で述べられることに、サバスをスルー
して『イギリスの最重要メタル』としてBFMBなどを語る態度にガマンがならなかったのだ……”。
 だが……。
 それを口に出せば『何ムキになってんだコイツ』と思われることは明らかだったので……。
 メタラーは説明するのを止めた……。
 
                           ■
 
 ……いや、まあ、今のメタルの扱いって結構アレです。
 
 つかあたし、ポーランドハードコアとかイタリアンハードコアとか特定のジャンルはかなり浅い
ですよ。レコ屋で聴かせて貰うくらいに留めてるんで、ニッチな部分にすげえ詳しいってワケで
もなかったりします。いや、流通ルートが限られてるんで買ってらんないんですけど。スプリッ
トでLPオンリーとかテープのみとかいつの時代の人間だ。
 
 サントラはキツいんじゃないですかねえ。
 シーザーなんかもそうだけど(あの人は全部かな)、需要が一定以上見込めないと再発は掛
けられないし、トップガンとか有名な映画を除けば「サントラ」の需要ってホント限られますしね。
 コンピ盤なら大して惜しくもないんですが、それのみってサントラはお姉さんが言う通り廃盤
事情がひどいかも。
 

657 名前:ミハルさん:2008/12/31(水) 06:52:13
 
 ……まあ、コンピにも悪いと言い切れないのもありますけどね。
 サントラオリジナルのとか偶にありますし。ラストオブモヒカンとかかなりニッチなの集めてて、
グレイシー兄弟の入場曲に混じってクラナドとか普通に入ってて驚きました。……いや、最近
マイナーなだけなのかな。でもこれも確かプレミアもんだったと思います。中古屋で見付けた
らゲットしてみては(クラナドっつーと、"In A Lifetime"のボノと競演したやつもシングル以外で
企画盤に入ってた気もします。ケルト系の)。
 モノが有名な場合、むしろ後にリマスター盤とかが出て「なんとぉーッ!」な自体に陥ります。
 
 で。
 それで思い出したんですが、ちょっとした話題。
 プログレで。
 
 BMGの!
 イタリアンプログレシリーズ再発中ッ!
 あたしもつい先日気付きましたが! バンコの「ダーウィン!」が!
 あたしが一日差で買い逃して馬鹿高いプレミア盤買うかどうか迷ってた名盤が再発ッ!
 デメトリオ・ストラトスと並んでイタリア至高のヴォーカリスト&ノツェンツィ兄弟が掻き鳴らす
カンツォーネとプログレの融合は、時代に錆び付かないド名盤です。
 恐らくまた売り切れるので興味がありましたら是非。
 他にもIL VOLOとかフォルムラトレ(多分市場在庫まだありますが)とかも再発中。割と貴重な
ムゼオ・ローゼンバッハもだったかな。
 ……そーだよなぁ、あたし、今年はこの手の再発モノばっか買ってたんだっけ。……何枚?
 

658 名前:ミハルさん:2008/12/31(水) 07:51:04
 
 オマケ。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=NJ2g-IzreK4&NR=1
 
・Banco Del Mutuo Soccorso / Canto Nomade Per Un Prigioniero Politicoせいじはんぎゃくしゃのうた
 
 バンコの3rd「運命の扉」から。
 個人的に2ndの次に1st、その次に3rdですが、いやこれはでも名盤。
 多分ゲーム音楽に通じる部分もあると思いますよ。あたしがゲームのサントラ聴いて「プログレじゃん!」って
思った理由って、割とユーロプログレによっかかってるとこありますから。
 ……つーか、ゲーム音楽のコンポーザーの人がこの辺紹介してくれた覚えが。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=lUeG_rDiGIE
 
・Museo Rosenbach / Della Naturaしぜん
 
 こちらローゼン。かなりハマって聴いてました。
 いや、濃いんですよ。何につけても。これがASIAとかYESならさっさとフレーズ展開させるとこでデロデロとリ
フ鳴らしまくったり、メロロトロンの使い方にしても音自体がバカみたいに凝ってたり。
 これと同クラスに濃いのは二、三個しか思い付かないかも。当時のイタリアンプログレには何気に凄まじい
のが混じってます。
 

659 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/31(水) 15:41:15
>>226 >>425
 
 another style.
 
 decode.
 

660 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/31(水) 15:43:03
>>659
 
 
 むかしむかし、そのむかし。
 とても頭のいい学者が、たいへんなことに気がつきました。
 
「人間は優しくない」
 
 翌朝、彼は一人で死んでいました。
 だけど、とても安らかな顔で。
 
 

661 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/31(水) 15:46:23
>>660
 
 ――さあ、モノ狂いさん、うたえ。
 
(エルサレム、嘆きの丘前。パレスチナ解放戦線、通信解析員の記録に混じっていた音声より)

662 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/31(水) 16:01:54
>>661
 
 マイブラの”ラブレス”に混じってサイレンが鳴っている。
 
 甘いノイズのカーテンが降りる――銃声に悲鳴が折り重なって、ビリンダ・ブッチャーの歌声が奔走する。
 存外風情があるミックスだとは思うが、まだサイレンを鳴らして、どこかの誰かの為に走ろうとする誰かが残ってるいること
にむしろ強く惹かれる。
 それは新しい価値か、単に俺が忘れてしまった価値なのか。
 解らないが、その事実は割合興味深い。
 誰かの為にいる誰か。
 誰かの為に戦う誰かや、誰かの為に犠牲になる誰か。
 今になって思う。
 そんな沢山の”誰か”を知っていた俺は、その『尊さ』だとか『意味』だとかは理解できなかったのかもしれない。
 
 まどろむ意識を目を擦って覚醒させる。マーブル状の光源が差し込む窓から目を逸らして時計を確認。マジか。まだ午後に
なったばかりとか。……いやなるほど、道理で眠い。昼メシを詰め込んでから仮眠した筈なのに、お茶にするにも早すぎる。
かつてイギリス人――なんて呼ばれていた人種は一日に五度のお茶を取って食事を二度に抑えていたそうだが、生憎と俺の
身体はどう足掻こうが医学的に日本人だ。
 新しい塒で目を覚ますこと十八回目。
 二階建て、バス、トイレ完備の7LDKの一戸建ては、マンチェスターでは結構な豪邸だろう。窓の外に見える光景は空襲後
と言った景観だ。
 そんな状況なので、ここが映画のワンセットだと思えば一階の物置に死体が放り込まれてるなんて問題なんかはちょっと
したご愛嬌じゃないだろうか。
 だってホラあれだ、昔から言うじゃないか。
 
「なんだっけな……あー、あれだ、住めば奈落」
 
 少し違うか。まあいい。大して違わないだろう。ブッ潰れたマンチェスターに奈落以外の場所なぞ存在しない。
 あるとすれば終末論者の寄り合い所と相場が決まっている。今やイギリスいちの自殺志願者の聖地と化したこの街は、中
国と並んで終末カルトからアツい視線を向けられている。
 使用可能な医療設備の大半が死んでいるので、その手のコミューンに所属している連中はキャンプカーやら救急車を違
法改造した特性車両で乗り付けているのだから笑えてくる。そんな連中に限って、自分が生きたまま終末を覗きたい、など
と寝ボケているからタチが悪い。
 自分がどんな場所にいるのかの認識もできずに終末だ自殺だと騒がれてもこっちが困る。
 とまあ、困るんだけどね、と言いたくはなるが、面倒なので口は出さない。
 怒るのは面倒だし、嫌悪するのはダルいのだ。
 横になったままコンポの音量を操作する。近所迷惑を鑑みる必要がなくなった――と言うかまあ、近所が無くなっているの
で、百人収容のハコでやるライブ程度の音量はデフォルトだ。全盛期のブルーチアーかジミヘンもかくやという爆音で(案外
と知られていないが、ジミ・ヘンドリクスのライブが”理性的な”音楽ファン諸氏を辟易とさせていたのはマニアには有名な話
でもある)空気分子をイジめる快感は、ちょっと前じゃ考えられなかった。
 リマスターされたラブレスは、イギリスという国体が消し飛ぶ前に発売された――それがどういうことかと言うと、ケヴィン・
シールズがこのバカデカい音の壁紙を発明してからリニューアルするまでに掛かった二十年は、この先で更に改定される
ことはないだろう、ということだ。
 悪くはない。CDマニアはもうレーベルに縛られない。
 
 さておき、以前はこの手の行為は迷惑と捉えられただろう。コミュニティ意識の強いイギリスではなおの事だ。
 以前なら。
 
 具体的に言うなら、俺が世界を壊す前なら。
 

663 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/31(水) 16:05:43
>>662
 
 
 
 − 新年と余談という雑談 − 我が家の幻想郷ゆめ、或いは磨り潰される差分オマケ
 
 
 

664 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/31(水) 16:23:24
>>663
 
 半日振りに外気に触れる。
 カギの壊れたドアを閉めて空を見上げると、雲が三重にブレていた。
 プリズム色の陽射し。ガラスの天蓋が掛かったように、差し込んでくる日光は地面に届くまでに無体に歪められている。一面
を覆った乳白色の霧と相俟って視界は十全に不鮮明。
 奇態な眩しさに目を細める。
 光量はそれほどでもないのだが、反射物もない場所で光が反射するせいで、慣れていても偶に面食らうのだ。
 異常気象だなんだと世界のメディアが騒ぐこれは、イリヤが施した仕掛けの一つである。同じような場所はイギリスの各所と
大陸のほぼ全域、ついでにロスと日本の各所にも発生している。
 終末の序章でも演出したのかと問う俺に、あいつは笑いながらそれを否定した。
 ――曰く、常態化した異状は平常だ。
 
『オルタナティブなシーンだって、メジャーに上がればそこの文脈に加わるだろう? 今となっては常態は常態になりえない。
そうそう、カンパニー・フロウがアンダーグラウンドに拘った理由は知ってるよね。インディペンデント・アズ・ファックだよ。いや
勇ましい、そう思わないかい?』
 
 世界中がこの調子では、マンチェスターだけを異常だと断言することはできない。……つまるところこれは隠蔽工作で、ヴァ
チカンから逃げ回る俺を隠す為にイリヤが仕組んだビックリ箱ということだ。
 グイグイとストレッチで身体をほぐしつつ、不振な車や昨日までなかったゴミ箱が転がってないか確認する。瑣事をイチイチ
気にしても仕方ないが、いつ狙われるか解らない身とあっては多少の自由は制限されても仕方ない。
 自由とリスクはトレードオフだ。カギを掛けずに自転車や車を放置すれば、盗難に合っても文句は言えない(――コトもない
が、それはつまり盗難者を自力で見つけて吊るすということだ)。なんで、多少の面倒をガマンすれば、ある程度の安全は確
保できる。
 リスク処理の苦手な俺が自分を鑑みるなら、どう考えても多少の自由を制限した方がスマートに進む。
 というかまあ、これは経験則だ。
 今はそうでもないが、ロンドンで居場所を探られていた時はヒドいもので、連日連夜の襲撃を警戒するのが常だった。サス
のヘタった無人の車が自宅(仮)脇に止められてた時は最悪で、「マジかよ」と頭を抱えたものだ。俺が死ななくても住処が死
ぬ。少なく見積もっても数百キロクラスのC4は街角を根こそぎ灰燼に変えかねない。ここはバグダッドなのかアルビオン。
 が、それは以前の話だ。
 引越しはある程度功を奏したようで、視界には異常なし。電柱に寄り掛かった見た目アル中、実際アッパーヘッドの白人は、
昨日そこでブッ倒れてから動いていないので、多分そろそろ心臓も止まっている頃だ。どう贔屓目に見てもジャンキーを装っ
た工作員ではない。
  
「――うし、本日も良好なり」
 
 見回す街角には瓦礫と死体。
 何の変哲もない、鏡の国の日常だ。
 

665 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/31(水) 16:56:26
>>664
 
                                  ■
 
 鏡の街をぐるりと睥睨して、世紀末な通りを流し歩く。かつてのマンチェスターはダンスフロアとスターウォーズマニ
アとヤク中が仲良く共存する大都市だったが、ここに残っているのは最後の一つだけだ。マトモな神経を持った人間
はとっくに南下するか最寄りの空港に殺到していて、自己犠牲精神に溢れたボランティアは最初の一週間でサジを
投げている。
 しかし、と街に馴染んだ者は言う。
 
「何が変わったのか、ってか」
 
 やれやれ。つくづく捨て難い。というか、救い難い。そりゃイアン・カーティスだって首の一つも吊りたくなるだろう。
 短期間で栄華から荒廃までを経験したマンチェスターだ。この数ヶ月で確かにイギリスは様変わりしたが、この街
ほど色彩を変化させていないのも稀だ。イカれた空模様と清々しいを通り越して気味が悪いのレベルに達した大気
に覆われた街は、それでも「マンチェスター」としてのカタチを保っている。
 世界で最高に陰鬱な街が世界最悪に陰鬱な街に変わったところで、世間の誰も気に止めまい。
 石畳を踏んで歩くと、天然でそうなってるんじゃないかと思えるようなドス黒い水が染み出してくる。思わずダメー
ジ床回避魔法が使いたくなるが、これは断じてトラップの類ではない。今は亡きロンドンが風情溢れる霧の街なら、
この街は以前から死情揺蕩う汚泥の街だった。その潔さはキレイ過ぎて感動的ですらある。
 ……と、最近は皮肉でなくそう思う。
 馬鹿馬鹿しい話だが、数ヶ月前までの俺は、透き通るような空だけが尊い美観で、見通せない曇り空が忌わしい
のだと嫌悪していた。
 不快さも生存の為に生まれた機能だったのなら、尊いのは不快を不快と思わないことだ。なにが言いたいのかと
言うと、俺はポジティヴに生きていたい。
 限りなく後ろ向きのポジティヴ。ベクトルはこの際問題じゃないのだ。
 というわけで、本日も我が心情は快晴なり。
 と、思っていたのだが。
 無人アパートを三つ通り越した所で、低音を利かせまくったダウナー全開のイルビエントに出鼻を挫かれる。
 
「…………うわあ」
 
 イギリスという情緒を粉砕する重低音はアメリカの(ドが付くほどマイナーな)クラブで鳴っていそうなノイズで、空
気読んでないことこの上ない。
 この街の色彩に合うのは、ツアー前日にヴォーカルが首吊り自殺するようなダウナーロックか明日をも知れない
連中が粗悪なドラッグをキメたまま踊り狂う為のアッパーなサイケミュージックだ。西海岸特有のネクラな文学性が
滲むトラックは、どう目算しても享楽的なこの街の空気と反発する。
 誘蛾灯にタカる蛾よろしく、ノリ辛い(というか無理)ビートに足を向ける。
 歩いて数秒、即効で視界一杯に飛び込んでくる白亜の豪邸。センスのいい彫像が絶妙に配置された庭。手入れ
されなくなって久しい、しかし造型の充分に整った庭木。パッと見貴族の別荘みたいな雰囲気。で、そんな瀟洒か
つ豪奢な樫の門扉の前には――。
 
 半開きの口から涎とかその他とかを垂れ流す黒人の姿。
 
 すげえ、カニみたい。
 新手の前衛アートかと見紛うような光景である。
 ちなみにダウナーノイズはソイツが膝の間に抱えたデカいラジカセからズンズン轟いていた。
 うむ、今日も見事な灰っぷり。
 
「うーわ。まだ死んでなかった。アロー、リン。どのくらい生きてる?」
「あー……、……あー?」
 
 焦点の合わない瞳が俺を目視する。
 誰あろう、見た目ダメ人間、本質廃人のコイツこそがこの大邸宅の主である。
 まあもっとも、今はコイツが、と言う但し書きは付くが。
 この街では家屋の『所有』に権利の主張も面倒な契約事項も存在しない。
 なぜって、家に住んでいた住民が誰でその家で死んでいる人間が誰だ、などと面倒な考察をする警察も、住民名
簿を管理する政府も、とうにマトモな機能を期待できなくなっている。
 

666 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/31(水) 17:05:45
>>665
 
 住みたい場所に住み、食いたいように食う。それがこの街で唯一通用する住宅事情だ。必要なのは最低限の自衛
能力とささやかな自己主張、殺されても文句を言わないこと。その三点セットが心に備えられてるなら、鏡の国はど
んなアリスも歓迎するのだ。イエス、We are Alices!
 
「ハロー……って、あれ? いや、マジで生きてる? 反射だけで動いてないよな? ……ハロー? ハローハロー
ハロー、ハゥロウどのくらい酷い?」
 
 涅槃ニルバナっぽく問い掛けながら目の前で手を振ってやる。
 と、瞳孔の開いた瞳がぐりんぐりんと振り子運動を開始する。
 うむ。
 ううむ。
 ギリギリ大丈夫だけどそろそろダメかもしれない。肩を竦めて立ち去ろうと、
 
「…………、……だ」
 
 うお、反応した。
 濁った瞳が上目遣いに見上げてくる。
 
「い、だだだだだ大丈夫、」
「じゃないよな、どう見ても違うよな!」
 
 すぐにゲームセットって雰囲気でもないが、ツーアウトツーストライクって雰囲気だ。
 と、ガタガタと肩を震わせていたリンは、焦点の合わない瞳でサムズアップ。
 
「……いや、全然、全然イケる、イケるよオレはイル。さっきまでジムが『お前はまだやれる』って言ってたんだ」
「誰ですか。ジム」
「も、モリソン」
「ダメじゃねえか」
 
 でなきゃ「お前こっちくんな」という、天国在住のヴォーカリストの意思表示だろう。ドラッグ常習者だった稀代の表
現者氏も、ド真性のヤク中と係わり合いになりたくないに違いない。
 
「まあ、そっち行ったら行ったでミエツコとダレルとドックによろしく。それよりホラ、これ」
 
 ポケットに突っ込んだブツを投げ渡す。ガタガタと手を震わせながらハツカネズミさながらの敏捷さでそれを受け
取るピルヘッド。
 
「ウチの洗面所にあったんだけどさ。俺使わないし。この間のハーゲンダッツのお礼っつーか、まあ、近所付き合い
の一巻だな」
「……?」
「いやいい。思い出さなくていい。どうせ記憶ブッ飛ばしてたんだろうし、うん、別にいいよ」
 
 こっちが寂しくなります。
 ドロップ缶の蓋を外して、アレな雰囲気の草を指で摘み上げたリンの瞳孔が途端に一点に集中する。先日、歯磨
き粉のスペアはないかと棚を漁っていたら出てきたのは、あんまり合法とは言えない乾燥植物だったのだ。一番馴
染み深いクサとは言え、俺は薬物で得られる快楽に興味がない。というか、薬物はあんまり俺に効果がない。捨て
るのも勿体無かろうと持ってきたのだが、この様子を見る限り正解だったんだか失敗だったんだか。
 
「俺の故郷ってか地域じゃ、こうやって地域住民同士の触れ合いが日常で――ってオィィィ!」
「……?」
 
 不思議そうに俺を見上げる黒人。
 その手元では乾燥植物に懐から取り出した錠剤のカケラを押し込めている最中だったりする。
 
「『なんだ?』って顔してるから言ってやるけどそりゃ俺が言うべきですよ! 俺のセリフですよ! 話してる最中に
カクテル作られるなんて思ってませんでした! なにこれ新しい! 新種の放置プレイか!」
 
 言っている傍から草と粉末を混ぜたアレなアレを奥歯に詰め込むバカ一匹。
 
「……、……お、おっ、」
「飛んだ! 話してる最中に向こう岸に!」
 

667 名前:◆WEISS0lzjQ :2008/12/31(水) 17:19:03
>>666
 
 ダメだ。これ以上は会話にならない。スノーバードは見事に雪原までブッ飛んでいる。
 ヘタを打つと明日辺り帰還不能ディストレスかもしれないが、それはそれ、本人が納得済みで旅に出たのを無理に引き止め
るのはよろしくない。自由とリスクがトレードオンの関係なら、その選択は本人だけが背負うべきなのだ。
 肩をすくめて白亜の邸宅に背を向ける。じゃあな、と言うには言ったが聞こえているかはかなり怪しい。
 何をしろとも示唆されない環境は、何をすれば生きていていいか示唆されない環境である。社会のサポートが機
能しなくなった場所にはよくあることだ――ソマリアだとか、ボスニアだとかでは。
 その意味では、ドラッグの多々は幸福の処方箋たりえる。かつてこの国ではレミー・キルミスター擁するホークウ
インドがマリファナ併用のライブで聴衆に生きたまま彼岸を垣間見せていた。法の統治下においても人間は現実
を否定したがるというのに、法の失せた空間に現実逃避を拒否する材料が存在する筈もない。
 法治国家において忌避される薬効成分ですら、それ自体を指して悪であると断言することなぞ不可能なのだ。社
会機能を侵害するという一点で薬物が忌避される以上、社会に利する効能は然るべき形で認められている。古代
エジプトで、あるいは南アフリカで、奴隷相手にドラッグが公的に使用されていたのはそんな事情からだ。日本で
麻薬が禁止されている理由も突き詰めれば「アメリカが悪いと言ったから」に他ならない。
 
 何が良くて何が悪いのか。
 何をすれば社会じょうしきに罰せられるのか。
 それは社会が規制すきめる文脈だ。書き換え続けられる世界という文章の束に記された、従うべき規範ルール
 書き込まれるべき場所がある限り、再記述され続ける無限のセンテンス。

 かつてはこの国にもそんな文脈があった。
 誰もの為に成立した、しかし誰かは必ずそれを憎まずにはいられない文章の束。力という名の法則。今亡き、懐
かしき物語。
 この国の国教を答えよ。――「A.英国国教会」。
 それが生まれた理由を答えよ。――「A.国王が離婚問題でカトリックとケンカしたから。信仰は欲しいけど結婚とか
離婚くらいは自由にしたいから」。
 この国で自殺者が九十年代中番から後半に掛けて増加した理由を簡潔に述べよ。――「A.雇用機会の不平等」。
 では、何故それが解消されなかったかを述べよ。――「A.他所から割り込んできた連中に職業を明け渡すつもり
がないから」。エトセトラエトセトラ。
 『隣の誰か』が優遇されることに耐えられない『誰か』。そんな『誰か』を『少数派だから』という理由で排除すること
でしか生きられない『誰か』たち。
 サッチャーはこの国から労働党なんて幻想を駆逐し、ブレアは限定的にその幻想を認めざるを得なかった。世界
は回り、関わる誰もが振り回され続ける。”絶対的な非合理”なんてモノを見付けていない人間にとって、社会主義
資本主義の趨勢すら日々移り変わる砂上の楼閣だった。
 何を信じればいいのかなんて空気を読まなきゃ解らない。それはいつの時代も変わらない真理だろう。
 ……まあもっとも。
 それもこれも国体を成していなければお話にならない。現在、英政府は国際的な信用を持った『政府』として認め
られてはいるが、事実上イギリス全土は『被災地』であって国としての機能を求められる『国家』ではない。首都機
能の消失と大量の難民発生は、かつての略奪国家に完膚なきまでのトドメを刺している。
 法が滑落し、罰が死んだ街。それを自覚した街並。アナーキストの地平、無政府主義者のエデン。何と呼ばれて
もいいが(大方その二つで呼称の形態は事足りるワケだし)、ここは大概の場合で失敗するその二つと確実に意を
別にする。
 この街には思想がない。
 実に単純な話だが、この街を統率する意義や理念といったものは最初から欠け落ちている。民と国を憂う革命家
が覇権を争うことはないし、第一『国』なんて曖昧な統率が成されていない。異様といえば異様かもしれないが、ソ
マリアしかり旧ボスニアしかり、それ自体は何も特別なことでもない。
 耳を澄ませば銃声と悲鳴。略奪か暴行だろうな、と漠然と思う。
 軽やかに誰かが誰かを殺し、歌いながら誰かは誰かの為に死んでいく。誰もがそれを踊りながら眺めている。
 誰もが誰をも敬わず、誰もが誰もを羨まない。
 あまりにも平和な世界。
 安らぐように『ラブレス』が鳴っている。
 愛がなければ生きていけない、なんてハーレクインな寝言は不必要だ。愛がなくても世界は回る。愛がなくても世
界はこんなに平穏に満ちている。……まったく、完璧過ぎて涙が出そうになる。
 ケヴィン・シールズの置き土産に揺蕩う、永遠に愛無き平穏の都。
 我が王国、新たなる白き平穏アルビオン
 そんなワケで、これはこれで平穏なのだ。
 

668 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆WEISS0lzjQ :2008/12/31(水) 21:33:50
 
 ……ごめん、管理さん。
 酷い手間を掛けたね。
 
 藤原お姉さんもごめん。直後だったのに。
 

669 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆WEISS0lzjQ :2008/12/31(水) 21:34:44
 
 静かで、格好いい場所。それが私の持ってたイメージだ。
 ああいうモノを残せるのが凄いと思う。私は本当にあのスレッドが好きだった。間違いなく言い切れる。
 改めてレキお姉さんにお礼を言いたいけど、言葉を濁すだけになりそうだ。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=wJBdnx70IKk
 
 どことなくこんな風景を思わせてくれるスレッドだったな、なんて思うよ。今更に。
 少しだけ懐かしむことを許して貰えるなら。
 

670 名前:名無し客:2008/12/31(水) 21:45:05
と言うか、やっぱアレは間違いだったか。

……いや、何気に面白そうな所だったので読んじゃったけど。

671 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆WEISS0lzjQ :2008/12/31(水) 21:48:41
 
 ん、JBBSでのスレッド経由でね。
 ……除夜の鐘までは起きてなきゃいけないんだけど、どうにも手持ち無沙汰だったんだ。
 

672 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2008/12/31(水) 22:00:53
 
 むしろ『ぱるぱる』って言われてもわかんねぇーっスよぉぉーッ!
 

673 名前:名無し客:2008/12/31(水) 22:09:03
……神父が女体化したらどんな外見になるんだろう。
女装じゃなくて、女体化。

674 名前:名無し客:2008/12/31(水) 22:15:31
上の神話談義って何処から読み始めたら良いんだろう?


675 名前:名無し客:2008/12/31(水) 22:22:12
>>426
からかな?
途切れ途切れで分かり伝いけど。

676 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆WEISS0lzjQ :2008/12/31(水) 22:44:23
>>673
 
 突拍子もなさすぎる気がするんだが……んん。
 性別を引っ繰り返すのは……ああ、そいつはアレだね。多世界解釈のパラレルワールド
で『もう一人の自分が!』っていうネタかな。
 性差を決定する時点で分岐してる『もう一人の自分』なんてのは、どう考えても他人でし
かないけれど……どうだろうな。
 
 彼のことだから、性格なんかはそのまんまじゃないかな。
 それに、あれでスタイルはいいからね。それなりにモテるんじゃないかと思うよ。
 ふふ、『姉さん』って呼ばなきゃいけないのが個人的に辛いけどね。
 
>>674
 
 削除されたままのレスなんかもあるから、そのうちまとめて貼り直せればいいね。
 ダラダラと長いネタだけど、興味を持ってくれたのは嬉しいかな。
 
>>675
 
 一応>>425からってことになってるけど、うん、大差ないよ。
 

677 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2008/12/31(水) 23:17:15
 ……滅亡エンド後に幻想入り?(何)

 しかしまあ、うん、すごいな相変わらず。
 私もアレ書き直したくなってくるくらいだ。

678 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆WEISS0lzjQ :2009/01/01(木) 00:11:00
 
 それじゃ、あけましておめでとう。
 と言っても、昨年は後半だけしか顔も見せられなかったけど。
 
 ……やれやれ、そろそろお神酒の準備をしないとな。
 
>>677
 
 おめでとう、お姉さん。
 今年もまあ、兄さんをよろしく。
 

679 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/01/01(木) 00:18:10
>>677
 
 
 ……え?
 滅亡させるとそうなるの?
 
 
 マジな話、十二時までに終わらせたかったんだけどな。
 ま、そう巧くはいかないかな。
 ネタ考えてる間に止まっちまってるし、ヒマがあったら覗いてくれ。
 書き直し――は、ははは。いや、お前にド突き倒される内容にしかならないな、これじゃ。
 
 ……ま、それじゃ妹共とお出掛けだ。
 今年も宜しくな。
 

680 名前:名無し客:2009/01/01(木) 00:46:22
>>675-676
らじゃw

あと、あけおめ!

681 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/01/01(木) 04:27:01
>>678-679
 あ、や、>>226>>425ってきて=>>659-667になるのかと思ってた。
 色々あって全部ブッ壊したあと、こっちに来た、って脳内保管。
 まー、外が“Welcome to this crazy time♪”になってもこっちにはほとんど影響ないからね。
 せいぜい幽霊とかが増えるくらいで、後はなんか色々と流れ着くものが増えるとか。
「外に依存してる部分もあるけど外が滅んでもまあなんとかなると思うよ!(超意訳)」
 って記述も縁起(求聞史紀)にあるしね。

 あ、その前に違ったらごめん。
 つーか読み返してみたら壊れてるのってイギリスだけっぽいじゃん!
 てことはまた別の、軽く関連があるくらいで独立してる感じのかな。


 ……ま、ド突き倒すかどうかは行く道次第で。
 生きてりゃなんとかなるからね、なんでも。
 必要なのはその意志で、それを進む強さってことね。

 それじゃ、いってらっしゃい。
 今年も宜しくね。二人とも良い御年を。

682 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/02(金) 05:09:08
 
 ……は!
 
 
 
 今まで意識をブッ飛ばされていた……これがスタンド!
 キング・クリムゾン『アルコール・リチュアル』っ!
 
 『時間を認識させずに』『眠りに落とす』……これは最強のスタンド……!
 つうか兄貴、妹眠らせて平然と出掛けるとか鬼かヤツはッ!
 せめて眠ってる間に手ぇ出すとか!
 

683 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/02(金) 05:13:36
 
 おめでとうです。
 ……チ、兄貴! さてはお年玉渡すのがイヤで脱出したんじゃ。
 
>>681
 
 後者に近いなあ、というか、まあ、そのうちちゃんとキリのいいとこまで。
 上のもまだ閉じてないレスだし。
 でもお姉さん、その仮定で前者の場合、兄貴のこと許さないんじゃ、とか思いましたが。
 
 意味合いが殆どラスボスみたいなもんですし。
 

684 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/02(金) 05:18:42
 
 ていうか幽霊いるんだ。
 いるんだ!
 ……ぬああ! ま、まあ、なんとか続けられると思います。
 
 あんな兄貴ですが、えーとまあ、どうぞド突き倒すなり矯正するなりよろしくです。
 
 
 
 新年初めの動画紹介やろうと思いましたが、youtubeがシャレになんないくらい重いので今日はこれまで。
 そんでは、また。
 

685 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/02(金) 05:27:05
 
 補足。
 
・マイブラのラブレスリマスター=実は発売延期しやがってました。
 
 でも些細なこんなことはスルーで!
 ホントに出す気あるんだろうなぁぁぁぁぁ!
 日本盤のBOXを発売直前で「出ませんよ♪」とかレーベルから言われた恨みは忘れやしませんぜ。
 

686 名前:名無し客:2009/01/03(土) 09:38:24
かなり上の方を見て思った、マクロスFなら

ttp://jp.youtube.com/watch?v=GlI_0gLIX2M

が一番好みだ。

687 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/01/03(土) 20:55:11
 レーベルの恨みで思い出した。東芝EMI。
 姫神のCCCDアルバムいつになったら出し直すんだよ……ずっと待ってんだぞ私は。
 繊細な曲にノイズ混じる仕様のディスクで出すとか正気じゃねえよマジで。


>>683
 うん。のんびり待つよー。

 いやまあ、私はもう、いわば彼岸の住人だからね。
 外がブッ壊れても大体知ったこっちゃない。理由にもよるけど(何)
 一発くらいは「やりすぎだろ!」って殴るかも知れないけど、まあそのくらいかな。

 ただまあ、やりそうなら止めに行くよ。きっちりとね。
 誰だって何か壊したらいい気はしないんだからさ。


 年末年始くらいどっかでかけろよと思う(何)>動画サイト
 ニコニコもヤバイくらい重かったからなあ。
 今は少しマシになったけどやっぱ鈍い気がする。

688 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/05(月) 06:31:56
 
 おはようございます。
 必殺2009を見逃したミハルです。おはようございます。
 藤田まことさんの久し振りな中村主水を見逃したあたしです。おはようございます。
 
 
 ……。
 ッ!
 
 ッッッ!
  
 
 
 あああああああああああああああああああああああ!
 

689 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/05(月) 06:38:16
 
 ふふふふ……こういうのって……「DVD」……ちゃんと出るんですかねぇ……。
 あるじゃあねぇーっスか……。
 『正月のスペシャル』から始まってちゃんと続くタイプのドラマ……。
 
>>686
 
 菅野さんの作風、デタラメに広いっすからね。
 正直、最近の作品から入るとここらへんの曲には戸惑いました。
 慣れた今となっては「キラッ」だとか全然気になりやしませんが。
 似非八十年代アイドルポップ菅野verというか。
 
 このへんのだと「トライアングラー」も面白かったです。妥当過ぎ?
 作品としてはコードギアスもガンダムもまだなんで、先にそっちでしょうね。
 特にハンパなところで止めてるコードギアス。どんだけ遅れてんだあたし。
 
 せめて主人公の声を大塚明夫さんにしてくれりゃ多少は消化も進むのに!
 ……でも声が合わないのも多そうだなあ。
 

690 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/05(月) 06:45:38
>>687
 
・姫神
 
 あんま気ぃ回してくんないですからねえ、イーエムアイさん。
 アシッドマンは回収見込めるからCCCD解除やってくれたけど。
 APCの13ステップもおんなじ状況だったりします。ファック。
 ……いやまあ、これは輸入盤で対処できるけど。
 一部はfeel系コンピでCCCD解除で聴けるんですけどね。もしくは高音質リップしてシリコンメモリに
叩き込んでスピーカー直結。なんて手間だ。
 
 個人的に姫神は初期〜東芝移籍までのチープだけどなんかあったかい曲が好きだったりします。
 本格的な民謡に移行してからは、間口が広い分壮大すぎるというか。
 ……オタ過ぎる意見でアレですね。すいません。
 

691 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/05(月) 07:01:08
 
 ……そーいえばキセルもCCCDだったっけ。
 限定盤は辛うじてプレミア保ってるけど、CCCDは値段のガタ落ち酷いですね。
 買う分にはアレですが、そのせいで逆に再発され辛い状況になってるような。
 
 正月ロスタイムの音楽紹介。冬っぽいので。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=3llkM9QxUWg&feature=related
・Snow Patrol / The Planets Bend Between Us
 
 今年国内盤も発売予定の(ハズ)なスノパ新譜。
 まさに冬ソングになってますので、聴かれてみてもよろしいのでは。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=LvOoQ0Ff2nA
・Goldmund / Threnody
 
 ピアノ系ポストロックユニット。割合ニッチな領域では人気があったり。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=KyV819CH7SI
・ROVO / Spica
 
 人力トランス。ブッ飛びましょう。やっはー!
 

692 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/05(月) 07:53:18
>>673
 
 ご質問、外見でしたか。
 すいません、年末はバタバタしててマト外れでしたね。
 
 ……でも、どーなんだろ。
 むしろ兄貴の外見って敢えて仔細に描写してないんで、個々人の方々にどう受け止められてるのかのが
気になるかも。イラストとかある方々は明確に想像とイメージが合致してるんでしょうけど。
 レズナー様+平井賢とか言った覚えはありますが、明らかにこんな書き方は反則でした。
 
http://www.elle.co.jp/var/ellejp/storage/images/fashion/modeldb/juliadunstall/model123_123/1011090-1-jpn-JP/Model123_123_final_type_a_main_image.jpg
 
 ↑
 とか……「性別引っくり返した」イメージとしてはどうでしょうか。いや、個人的にはもうちょっと落ち着きの
あるタイプで年齢下げた方がイメージに近いんですが。
 まあ、あのヒトあれで純潔の日本人なんで、身長はもうちょい低くなると思います。
  
>>687 追記
 
 ご示唆、どーもっす。
 なるほど、考え方は兄貴に近いんですね。
 ポジとネガで方向がまったく逆側だけど。
 
 まあ、どうにもならなくなった兄貴って仮定ですかね、どっちかっていうと。
 
(イメージ映像)
(無限に焼けた燎原。彼方まで続く瓦礫)
(積み上げられた家電製品の残骸の椅子の上に佇む司祭)
(背後にはテレビ塔のアンテナと通信機材の残骸で編まれた十字架。書き殴られた「JESUS」)
 
「なんだ、遅かったじゃねえか藤原。ああ、なんだっけ? 何をしたかって? そりゃアレだ。人類のユメって
ヤツを実現させてやっただけだ――つまり本当の意味でのホッブズ的な平和をさ。争いのない世界だとか、
際限なく自由な世界だとかってヤツをだ。ああ、利権絡みでの政治摩擦なんてヤツはもう起きやしないし、
そもそも政治がマトモに機能してやしないからな。大陸なんざ国自体が消えちまったからな――安心しろよ。
この世界は最高に平和さ。誰が誰を殺そうが誰を犯そうが誰を食おうが誰も気にしないし気にできない。『平
和』ってのは、要するにこういうことだろ――今の今までカン違いしてたけどな。ん、んん? ああ、どうした?
俺はお前に会いたかったんだぜ――出会い頭でブン殴られるってのは、ちょっと斬新過ぎるだろ」
 
「ああ、言うな藤原。解ってる。確かに生きるのに力だとか暴力だとかは重要じゃない。そんなモノは必要じゃ
ないさ。解ってる、繋がりや人の縁ってヤツは重要だよな。暴れてる連中はそれが解ってないんだ、そうだな、
だからお前に会いたかったんだ。他のヤツはさ、信頼しようとするハシからすぐに壊れやがってさ。アレだよ、
俺から信頼するヒマもなかったんだ」
 
「再会を喜ぼうぜ」
 
→ボス戦のエンカウント音(メガテン的な)
(BOSS:「クルースニク」(変身一段階目))
 
 こう、音楽は八十年代メタルと九十年代ヘヴィロックが目眩狂しく変わる感じで!
 ……あれ?
 ……RPG?
 ジャンルが違う、ような、……まあ、いいか!
 

693 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/05(月) 08:17:14
 
「φさん」
「……のっけからヒドい呼び方じゃないか、姉さん。文章だと区別が付くが、そんなギリシャ読みと私の名前に共通
点はビタイチ存在しないからね」
「わかりゃいいじゃないっスか。で、フィーちゃん。あのさ」
「なんだい」
「邪気眼ってなんスか」
「姉さんだよ」
「間髪入れずの反撃! いや、自覚はしてますけども! ええとじゃあ、邪気眼と中二病の違いで」
「……ああ、今日は出掛ける用事があったんだ。悪いね、姉さん」
「この時間から!? あからさまなウソに姉さんビックリだ! まだコーヒーも飲んでない!」
「じゃあ用意してくれたまえよ。飲んで出掛けるから。学校へ
「ヒドいウソだ! あんたらんとこまだ休みじゃないですか!」
「まったく……『やーれやれ』、だな」
 
「その種の語彙に付き合うのは距離が一番大切なんだよ。『どんなもの』なんて聞かれても、これはもう「その状
況」と照らし合わせて理解するしかない。それ自体を指して「なんであるのか」が解らない言葉なんて、世界中に
いくつあると思ってるのさ。そういうモノはね――つまるところ呪いだよ。或いは祝いだ。意味のない事柄に意味を
持たせる言葉、その機能の総体だよ」
「……戯言にしちゃあ、物凄い広がってる場合だってあるわけですが」
「だから効果がない、なんて言っちゃいないだろう。効果はあるよ。しかも広がる」
 
「これは言葉の性質だ。簡単に複製され、安易に使い回されるというのはね。かつてはこの機能を所有していた
人間は身分の高い人間だけだった――例えばフランスの貴族や宰相のようなね。この類のヒト達が宮廷で新
しい単語を発明すると、その言葉は宮廷内部で使い回されて、気付けば慣用になっている――なんてことはま
まあったものさ。だから当時は『安易に単語を作るな』なんて学者がいたくらいだ。とはいえ、今や単語の生起
は日常化してる。不特定多数の人間が文章のみを媒体として言葉を交わすネットという宮殿は、図らずも言葉
を生み出すヘルメスの工房と化したんだろう」
「えっと、はあ、なるほど」
「特定共同体の中で生まれてその内部でのみ流通するからこそ、無自覚的に生まれてしまう理解――民族社
会における言葉の成立なんてのは大抵そんなものでね、そうだな、こんな話がある。この国の南、広島の方で
前世紀の初頭に流行った俗信なんだが、相手の頭に触って『知恵貰ろた!』って言う流行があったそうでね」
「はあ、って、――待て待て待て待ってぇ! 話むっちゃズレてません!? あたしの理解力がマズいだけです
かこれ!?」
「いや? 単に姉さんが早くツッコミを入れないから私が喋り捲ってただけだよ。私を相手に会話するなら、相槌
くらい打つべきさ。でなきゃさっさと煙に巻いて語り殺すぜ」
「た、タチ悪……っ!」
「当然だ。何が悲しくてこの朝っぱらからそんな悲惨な雑談に巻き込まれなきゃなんないのさ」
「ま、まあいいっす。ギリで正月だし、こっちからそっちの雑談に付き合おうじゃないですか」
 

694 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/05(月) 08:50:36
 
「ふうん? よろしい、それじゃ続けよう。さて、このお話には続きがある。確かに広島ではそういう流行があったら
しい――私は広島に住んでいたことがある訳じゃないから、あくまで伝え聞いただけだがね。けれど、この俗信は
ね、かつてはロシアや日本の中部でも同じことが行われていたらしいんだ。――この辺りでも昔はそういうことが
あったんじゃないかな? そしてこっち、ロシアと中部のそれは多少事情が違ってね、「二人が同じ言葉を口にし
た瞬間、相手の頭に触って言葉を口にする」んだ」
「……なんで?」
「うん、この迷信が何を由来するかわかるかい?」
「はい! カケラもわかりません! え、これってクイズでしたっけ?」
 
「クイズなら――もう少し巧く作らないとね。けど、せめて意見くらいは出してほしかったな――これはね、「二人
が同時に言葉を口にした」という状況に恐らく要点がある。旧い社会では双子が忌避されたけれど、『二人が同時
に』という状況はある種の緊張を生み出すモノだった。長野の方では、蝋燭の火を二人同時に吹いた場合、負け
た方が死ぬ、なんて言われているそうだからね。これは典型的なイメージだ――蝋燭というのは寿命を暗示させる
ソレであることも関連してしまうからね。でね、思うに、これはそれまで平坦だった一つの空間に、二つの意思モノ
という状況が導入されることで起きる現象しんしょうなんだろう。それが意図的であること――人間の意志が介在する現象、
自分と誰かが対立するという構造に陥ったとき、ヒトはそこに不安を見出していた。多少専門的に言うなら、境界
を侵食する状況が起きた、と表現しようか。力関係の明示、均衡した状況に対する制圧――言うまでもなくそれ
は生死の暗示に直結するからね」
「んと……要するに『勝負!』って状態になるってコトですか? うーむ、あんまそういう感覚はないっすね。昔の
ヒトってそういうの多かったのかなあ」
「そうだね。現代病に毒された私達には解り辛いか、共有すらできない感覚かもしれない。でもね、こう言えば解
るんじゃないかな。何の根拠もなしに相手が「知恵を貰った」なんて口にして、相手が本当にそう信じてしまって
いる状況が、「本当に自分の知恵を貰われてしまうような気分の悪さ」を孕んでしまっているのだ、とね」
「……むう。それでハラ立てるのもガキっぽいような気はしますが」
「それは認めるよ。だが実際、相手と自分が同じ言葉を共有してしまっていること――同じ領域で立っていること。
この状況でそのルールは前提になってしまっている。この前提において発話された言葉は、こうして呪いを生み
出すんだ。ある種のケガレを相手に叩き付ける行為、と言ってもいい。……もっとも、そのケガレは自分達が無
根拠に生み出してしまったモノなのだから、これは少々自家中毒的ではあると思うけどさ。ま、丑の刻参りみた
いなもんだよ」
「はあ……いやまあ、そう言われるとなんとなく解りますけどね。相手が自分に対して「なんだかわかんないけど
アンタよりこっちは優位に立ってんだぜ」とか、正直気分のいいもんじゃなし――うわ、やばっ! あたし小っさ!
ガキか!」
「まあ、正当な反応じゃないかな。私には解らないけど――そうした嫌悪感を抱ける人間がいたからこそ、こうし
た民話だとか都市伝説だとか言ったモノは生き長らえているのだし」
「……まあ、そうでしょうけども。まあ、なんつーか――」
 

695 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/05(月) 08:58:19
 
「……あれ?」
 
「じゃ、邪気眼の話は?」
「え? まだそんなことを聞きたかったのかい?」
「さ、最悪だっ! 最悪すぎるちょっとマジで!」
 
 
 
「……とはいえ、殆ど同じコトを説明した気がするんだけどね」
「はい?」
「いや、いいよ。続けよう」
 

696 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/05(月) 09:06:09
 
「で、まあ、要するにそりゃ単語だよ。邪気眼だろうが中二病だろうが、それ自体に意味なんてない」
「それはまあ、さっき散々聞きましたが」
「だったら充分だろう。そんなのはね、ただの言葉の羅列だ。特定の状況に対して当て嵌められたセンテンス、
それだけだ。私は知らないけど、昔も同じような状況を表す言葉はあったんじゃないかな」
「へ? いや、ないんじゃないかな。だってこれ、現在進行形で作られてた言葉ですし。セカイ系だとかスイーツ
だとか、その類の流行言葉じゃねーんすか?」
「ふうん、なるほどね。……けど、理屈は同じさ。あらゆる言葉は、特定の意味と連動し続けるなんてできない。
リンゴって言葉はリンゴそのものではない。一度人類が滅びて同種の知的生命体が偶然発生して、彼等が社
会を作り上げて、さらに偶然リンゴを口にして、それを明示する言葉を生み出したなら――リンゴというモノを表
現する言葉を作り上げたなら、それは「リンゴ」でも「アップル」でもないに決まっている。どんな言葉も、それを
認識できる人間がいなければ無意味な音でしかない。観測者がいなければどんな意味も不在だってのは、今
や常識だ。継続して使われ続けなければ、一つの単語が一つのモノを指し続ける斉一性を証明したりはできな
いんだよ」
「……はあ。なんすかそのラッセル流のジョーク」
「重要なのは言葉の意味でなくてそれを認識してる共同体せかいだってコトさ。その戯言ジョークで言うなら、ある共同体Aと
ある単語Bが存在する場合、その二つが同時に存在してる時間が長ければ長いほど認識の強度は高い、と言
えばどうだい? ”よく使われる言葉ほど世界はその単語と高い精度の結び付きを保っている”とね……まあ、
ラッセルの結論とは違って、単語は幾ら世界と強く結び付いたとしても、重力だとか慣性だとかと違って、それ
を話す共同体がなくなれば消滅してしまうけどさ」
「いや……まあ、それは解るけど。言葉を使う人間の間にしか言葉は効果を及ぼさない、ってことでしょう?」
「じゃあそれだけで解らないかなあ、重要なのはホントそれだけなのに」
「む、バカにされてますかあたし」
「してないよ。けど姉さん、姉さんは「益体ない新語」とそれ以外の言葉を明確に区別してしまっているように思
えたからさ――”流行言葉”って、そういう意味だろう?」
「……区別はあるでしょ、そりゃ。今の話で言えば、えっと、『強く結び付いた言葉』があたしらの日常言語で、
そうでない言葉、、、、、、、があるとするなら、それがただの流行言葉ってことじゃないですか。死語なんて一日単位で墓
碑銘リストが更新されてますよ、きっと」
「ま、そいつは同感だけどね」
 
「そうじゃなくてさ。私が言いたいのは、どうしてそんなに「言葉の意味」に拘るのかってコトなんだけどな」
「へ?」
 
「例えば『忌むべきこと』なんて表現があるが、元来「忌」は現在のような呪わしい、汚らわしい――つまり『忌ま
わしい』ことではなかった。神聖過ぎて扱ってはいけない言葉、それが『忌』だった」
「んあ……それ、あれですか、言葉の変質ってヤツ」
「言葉はコミュニケーションの為に存在する。純粋にその為のツールだからね。だから、絶えず流動させなけれ
ば滞る。けれど、明確な定義のない単語は流動している最中に往々にして変化してしまう。姉さん風に言うなら
――昔、コーンだとかスリップノットだとかを”ヘヴィロック”とか呼んでなかったかい? 単語の意味で考えれば、
大きい音なら何でも当て嵌まるのにね。ブラックサバスだとか――」
「――ライドとかボリスとか。まあ、ヘヴィロックとかラウドロックとか今じゃデカい音のロック全体を呼ぶのに使っ
てますけどね。なに、つまり使い易いからそう呼んでるってこと?」
「便利だろう、カテゴリーってのは」
「ですけど」
「それが言葉だよ。私達の世界キャンバスを明確に塗り分ける為の境界絵の具だ――単に、その数が増え過ぎることで、調和の
取れた絵は混濁してしまうだけ」
 

697 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/05(月) 09:18:32
 
「てことはフィーちゃんは新語の否定派ってことで……いや、なんかイラつく場所が違う気がします」
「別にどちらでもないよ。そりゃあまあ、極端な単語作りには辟易とするけれどね。だからってどこぞの言語学
者さながらに「日本語を守れ!」だとか声を上げたりはしないよ。カタカナだとか漢字だとかは嫌いじゃないから、
ローマ字の完全普及は辞退して頂きたいものだけど……あのさ、単純な話だろう? 新語が増えるから面倒に
なる、そうやって言葉を安易に増やすから鬱陶しい、これはそんな話じゃないよ。問題は言葉の機能だ。『言葉
の意味』が問題になるとき、本当に重要なのはなんだと思う?」
「え? えっと、いや、フィーちゃんさっき、言葉の意味は重要じゃないって」
「ないよ。でも姉さんみたいにこだわるヒトは一杯いるんだろう?」
「いや、それは……、ああ、それってつまり、言葉の使われる場所が問題だってことっすか?」
「そういうコト。正確に言えば、場所と態度だね」
 
「安易で問題なのは、その言葉で物事にレッテルを貼り付けるという態度なんだよ。言ったろう、言語が共通す
共同体ムラの中で、特定の誰かを敵視する言葉を作ったとする。その言葉は共同体の外では何の役にも立たな
い、ただの言葉の羅列だけど――ひとたびムラの中に入れば、さながら魔法のように敵意を発揮する。これは
ね、発揮される人間がムラの住人である、ということが重要なんだ。自分がそこにある価値を共有してしまって
いるから、その呪いをモロに受けてしまう。私はこれでも言葉を扱うことを専門にしているから、多少は気分も理
解できるんだが――あのね、言葉がヒトを死に至らしめることは、これは本当だ。ニーチェの、ゲーテの言葉が
特定の人を心底絶望させることは本当にあった。だけど、例えば今姉さんが「若きウェルテルの悩み」を読んで
死にたいなんて思うかい?」
「……悪いジョークですけど」
「そう、ジョークだ。言葉は外から訪れて内部世界心象を変質させる呪文だからね。それを真に受けない人間にとっ
てはただの戯言、まさしくジョーク以外の何者でもない。言葉が個人の深層なかに辿り着くかどうかは、それこそ個
人の内面を図れなければ知りようがないんだ。もっとも、何人もの情報を集めれば統計学的な傾向くらいは出
せるがね。それでも、言葉というのは――どこまで行ってもカタチでしかないんだよ」
「はあん。ソシュールみたいですね、なんか」
「ま、その理解でもいいけどさ。そうだな……例えば事故で言葉を話せなくなった人がいたとするだろう? この
人は”言葉”を失ってもそれを意図する意思は以前として生きている。出力する手段を失っただけで、『言葉の原
型』は死んじゃいないんだ。言葉というのはつまるところ思考の出力単位でね。同時に、その言葉を認識する自
己の入力単位でもある。日本語しか解らない人は英語で罵倒されても気にならないだろうし、日本語で揶揄され
ても、それが酷く迂遠な表現だったなら気にならないかもしれない――兄さんやミハル姉さんはその辺り敏感だ
から、自分への言葉には強く反応するだろうけどね」
「要は、私達のアタマん中に届くかどうかってことですか」
「そうさ。いいかい? 言葉それ自体にはなんの意味もない。言葉は状況に応じて力を発揮する――いわばど
んな言葉も流行のCDみたいなものなんだ。思想じゃ世界は作れない。指針にはなるけど、市井の片隅で産声
を上げた『革命の意思』が大した意味を持てないのはそういうことさ。スターリンもヒトラーも然るべき状況にあっ
てこそ声を上げられた。こう言ってはなんだけど、彼らは彼らでなくても良かったんだ。偶然世界から見出され
た、『然るべき声』を上げるのに適切な人物――それが社会主義の旗印であり、優勢人種の妄想に取り付かれ
た虐殺者だった。私達は無限に続くバベルの書籍の、その内部に記述された幾つかのセンテンスに過ぎない」
「新年初めから厭世主義達観どうも。で、どう落とすんです、その話」
「うん。だから無根拠な諒解行為が連続することで、『空気』が作られる――というのはどうだい? みんな大好
きだろう、ほら、『空気読め』。それはそういうものなんだって空気。あれこそ適例だ。言葉に問題があるとするな
ら、それを諒解し続ける場所が存在することだし――この現在にあっては、その言葉が容易く意味を違えてしま
うことも了承するべきだ。例えばこう言うことができる。「私は何々厨だから」「君は何々厨だからなあ」とか、ね。
以前は一つの事柄に固執するヒトに対する皮肉として機能した言葉は、今や使い古され使い均されて、ただ『皮
肉のような状況』を自嘲する記号に成り下がってしまった。姉さんはさっき言ったよね、『流行語と日常言語は別
だ』って。うん、確かにそれはあるよ。日常に根付いていない新しい言葉は、濫用されることで容易く意味を摩滅
させてしまう」
 
「――ま、邪気眼だか中二病だかも同じモノだよ」
 

698 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/05(月) 09:34:41
 
「……大分牽強付会でしたけどね」
「あはは、バレてた? まあ、これは私の嫌悪感の吐露でしかないよ。何せ私にはその言葉を捉え切るだけの
情報が揃っていない――けど、多少は分析することができるよ。要はそれ、自分の理想――違うな、自分の中
にある世界と外にある社会せかいとの摩擦のコトだろう?」
「まあ……なんスかねえ」
「例えば姉さんは音楽にそれを仮託してるし、私の場合は本だろう。姉さんの世界は音楽に放り込まれて表現
に消化されるし、私の場合は文章に連ね続けることでその辺りを解消してる。いや、『解消』というのはおかしい
ね。私達は内側の世界と外側の世界で常に摩擦を許容し続けている――自分せかい社会せかいに近付けようとする時に
起きてしまう接触不良、それが中二病だかなんだかだろう」
「最近の事象だってのはどう説明するんすか」
「ん? そりゃ簡単だ。社会せかいの方が変わったのさ。前世紀のアウトローなら――なんだっけ、暴走族? あの人
達みたいなのは、ある意味で世界と対立するって目的を持ってたんだよ。社会に対する反社会――俗に言う
『世界の敵』ってやつさ。不気味な泡だよ。そこらへんが今は存在しない。なんせこの国は大東亜帝国の理想
陥落と経済の隆盛でそのへんをザックリと失ってしまっているからね。辛うじて『敵』を見出せた三島先生や押
井先生の時代とは根本的に違うし、ヤンキーが――あはは、スゴい言葉だな、これ――失敬、ヤンキーかせき諸氏
が息巻いていた時代とも状況が違うんだ」
 
「昔は自分が伝説の戦士の生まれ変わりだとか普通に信じられたりしたそうだ――結構なことじゃないか。状
況が変われば話も変わる。それだけのことだろう」
「……大分アッサリした結論に落ち着いた気がしますけどね。そんなもんでしょうか」
「さあ? ここは一つ、姉さんの罹患具合を教えてほしいね」
「……年初めからアンタはぁーッ!」
 

699 名前:名無し客:2009/01/05(月) 23:54:26
>>688
前日深夜に「必殺仕掛人」やってましたよ。緒形拳の藤枝梅安はじめてみました、かっこよかったす
(2009は同じく見逃したらしい、orz)

700 名前:名無し客:2009/01/06(火) 00:48:39
>>692
メタル+STG繋がりでこれとかどうだろう

ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm4825753

701 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/06(火) 07:00:24
 
 なんか700レス超えてる。凄っ。
 最近寝るのが早過ぎて起きるのも早過ぎます。
 おはようございます、正月番組ロクに見なかったミハルです。
 
>>699
 
 むぅ、初代仕掛け人っすか。
 確か再放送版を録画して送って貰った覚えがあります。
 が、もしやそれは一話ッ!
 
 仕掛け/仕事人シリーズ、そろそろ全部DVD揃えようかなあ。
 BOX高いんですよなあ!
 オマケにEU版の攻殻買っちゃってDVDに回してらんないし!
 CD屋のDVD陳列コーナーをチェックする日々はまだまだ続きそうです。
 中古でもいいから!
 
>>700
 
 おお、九十年代って感じですね。
 メロスピに萌えまくってたガキんちょの頃を思い出せます。
 ……けど、このリフの作り方は単純にカッコいいなあ。
 
 この人が九十九さんなんですね。
 雰囲気がyoutubeで探して見付けたのとはちょっと違った感じで面白いです。
 

702 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/06(火) 07:17:36
 
 是非この調子で2009もDVD化! あたしが見逃した分も是非に!
 なんか藤田さんの出番少なかったとか聞いて「なあんだ」って気分と「マジすか、ヤバくない?」な懸念が
半々なんですけど!
 
http://jp.youtube.com/watch?v=mNavy5zRxts

・SUBTLE / Long Vein of the Voice (Featuring Mike Patton)
 
 パットン師匠meetsSUBTLE(語弊でなく)。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=Q16KpquGsIc
 
・MICKEY D / Ronald McDonald insanity
 
 ミッキーD・ダンスver。ホントはもっとスゴいことになってる動画だったんですが、URLどっかいっちゃった
んで簡易ヴァージョンで。
 なんか無駄に楽しげな(というかマッドにアリスな)BGMにユニゾンしながら縦横無尽にザクザク踊りまく
るMD氏が途中からカッコ良く見えてくるという恐ろしい動画。
 ジャージ着て踊りまくる氏の4:14辺りのキメが最高過ぎます。
 
「これか? これか? これか? これか? こっちのがいいかな?」
「もしもし、ドナルドです」
 
 ……やっぱダメだ、迂闊に見るとクセになります。
 
 むしろ朝っぱらからこんなもん貼り付けるあたしはどうかしてんですか。
 

703 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/06(火) 07:28:05
 
 あと、使ってたオーテクのEC700が死んだんでイヤホン買い直しました。CKM50です。
 これまでだとイヤホンはいいのが一つあれば後はCDに回せばいいや、だったんですが、まったく聴けないと
なるとかなりきっついです。
 微妙に安くなってた評判よさげな低音イヤホンなんで、試しに一つ。届いたら感想でも書こうと思います。
 
 いや、その。
 ……まあ、自覚はしてます。ね、ネタのないスレッドなあ、とか思わないで!
 ここは基本的に! 空いた時間に誰かが連ね! 空いた時間に覗いた人が気分を共有するオタ領域ッ!
 
 ていうか、外で音楽聴けないのがツラ過ぎ。
 誰かにパッと手持ちの聴かせるとかできないですし。
 
 これが! オタクの性だとでもいうのですかッ!
 

704 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/07(水) 17:55:15
 
 やほーっす。
 
・Audio Technica / ATH-CKM50
 
 未エイジング。
 聞いた通りの低音カナルイヤホンです。ブルデスなんかのブラストは迫力満点。音量全開
にしてイコライズでベース最大にすればちょっとした「移動するハコ」気分。が、現状高音の
伸びが足んないような。イジれば全然気になんないレベルですけどね。ただブンサテとか聴
いてると低音ばっか強調されたんで、気にするヒトは気にするかなあ。
 
 ドローン系は全然OK。アンビ系ドローンでも、持続音は結構気持ちよく鳴ってくれます。イー
ノでアンビを試した感じ、図書館なんかで使う分にゃ問題ないですね。音漏れもないし。高音
強調系のがないからとも言えますが。
 何気に使ってて効果がデカかったのがTMのGET WILD。細かい音を拾いつつ低音をしっか
り確保してくれるので鳴りが楽しいですね。
 細かい音もしっかり拾ってくれてるんで、引っ掛け式だと音盛れに混じってたようなライドの
音なんかもキッチリ聴こえてくれます。これはヒトによってはウザいと思うかも。アコギなんか
のストリングスにも(アコースティックオンリーなら)しっかり対応してます。
 
 使ってみた感じ、バランスの取れたミドルクラスのイヤホンですね。遮蔽性能はかなり高レ
ベルですが、カナルだからこんなもんかって気も。ノイズキャンセラが鬱陶しいヒトには丁度
いいレベルじゃないでしょうか。アレ、重くてウザいですし。
 BOSE、ソニーの上級レベルと比べると用途次第ではこっちのがいいってヒトもいるかも。
 まあ、用途って言うかモロに低音目的ですがね!
 使ってみた感じ、正直これ、メタラー的にゃ全然問題ないっす。
 
 つーかまあ、保障付きで一年延ばせてこの性能なら外出用としては最適でしょう。
 てか、繋ぎで使ってたイヤホンがかなりアレだったせいか、違いがモロに出た感想に。
 

705 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/07(水) 17:59:46
 
 菅野系では攻殻の「rise」が臨場感たっぷりに鳴ってくれてます。
 脳裏で抗体プログラムとタチコマが疾走する!
 

706 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/07(水) 18:07:35
 
・Banco Del Mutuo Soccorso / Darwin!(Remasterd)
 
 BMGリマスターのバンコ2nd。
 どうだろと思ってたんですが、予想よりかなり音の輪郭がハッキリしてました。未リマのだと
ドロドロしてたフレーズがくっきりと各楽器の音に分けて聴くことができます。
 ガチなファンには「音の鳴りが弱くなった」的な、特有の暗さがなくなったのを嘆く向きがある
のも理解できるのですが、これはこれでいいでしょう。あたしはこっちのが好きかな。
 
 内容はケチ付ける場所もないイタリアンプログレの名盤です。
 ゲーム音楽聴いてみて思ったんですが、このアルバムから影響受けたヒトって多いんじゃ
ないんでしょうかね。暗くて複雑で展開の大仰なフレーズは正にイタリアです。
 なくなる前に買ってみるのも一興かもですよ。
 1st、3rdと違って変形ジャケではありませんが、2ndは内容にこそ価値があります。
 結構オススメです。
 

707 名前:名無し客:2009/01/07(水) 18:07:52
もとこーーーーーーっ!!!


攻殻はいい味だしてるなあ。
新シリーズを期待したい所だけど……

708 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/07(水) 18:22:34
 
 そのセリフはッ!
 早速とザ・ニューイヤホンで試したところッ!
 大塚さんの声、やっぱ最高ですね。むっちゃセクシーです。スネークもいいけどバトーさんだッ!
 
 このあたしにッ!
 攻殻の話題を振るとはいい度胸ですなぁッ!
 そいつはもう大好きだッ!
 
 ……いやマジで、アニメの攻殻はあたしをアニメに引き擦り込んだ最大の理由です。
 ちなみにあたしが好きなのはアニメシリーズ版ですね。押井さんのは元々の士郎先生色に押井色
足しただけで、まあそれはそれで素敵なんですけど、二人の領域が近過ぎるせいであんま変わっ
ねぇーっ、って向きがあるんで。
 アニメシリーズは『現代』なんですよね、あの設定で。書いてるガジェットが士郎正宗テイストでも、
書き出してる世界はあくまで「今」だったというか。つーか、押井さんは日本書いてないのに対してア
ニメの空気は日本過ぎます。社会派モノだったって理由もですが。
 テロ屋に対する少佐のスタイルの違いにもそのへんが現れてて大好き過ぎました。
 
 新シリーズは、どーなんすかねえ。
 SSSが辛うじて「その先」をできる形に整えてくれてて、『やる』って話もあるそうなんですが、あの先
というか、「現状」を語ろうとすると凄い難易度が高くなりそうな気が。
 ポスト攻殻だって聞いてたアニメもちょっとだけ見せて貰ったんですが(OPを9mmが担当)、正直、
やってることのピント合わせが攻殻ほど現代にザクザクと刺さるもんじゃありませんでしたし。
 

709 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/07(水) 18:27:22
 
 ちなみに原作攻殻はもう初代テイストに戻りそうにないので、まあ、それはそれで。
 
 あと声優だと、トグサ君を担当しつつ笑い男を担当してる山ちゃん、前にも上げたけど
少佐を担当してる田中さん、課長を担当してる阪脩もステキです。
 

710 名前:名無し客:2009/01/07(水) 18:43:32
うむ、良くわかる話だw

攻殻に描かれているカオスな日本は日本人から見ると、香港とかのイメージが
強いのだけど外国人から見るとまさに日本のイメージだとか。

まあ、日本の都会の町並みは昔の町並みを保存してる欧州諸国からみると確かに
カオス。
大量のネオンと角を曲がると何が出てくるのか分らない混沌とした商店は確かに
カオス。

いや、家電専門店の一部にタイ式の香港式だかの立ち食い軽食屋が間借りして、
それの向こう正面がアートギャラリーでその隣が女性下着専門店で、それらが
神社と寺の門前街にある通りを知ってるが、それまで疑問に思わなかったのは
日本人ゆえかw


あと、トグサはアニメでいい味だしてる。
SSSでの出世と娘を守る為のあの決断は実にキャラが立ってた。

711 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/07(水) 18:52:28
 
 っすねえ。
 あのカオスっぷりは士郎先生の病的な書き込みが原因のような気もしますが、混沌とした
『日本』のイメージは、どっちかっつーと香港とかマカオとか九龍城とかに近いんで。
 士郎世界だとアップルシードとかでは日本は「企業」なので、そのへんも加味したカオスで
はあるんですけど。
 ……ってか、あれが国外人から見た日本って。マジですか。適応難度高っ!
 
 まあ、でも中心街と下町が地続きに平然と繋がってる光景見ると、その感想もアリかなあ。
仰られる街並はものすっごいカオスだと思います。神社の辺りが特に。
 ……いえまあ、神社が電気街の中に埋め込まれてるのは珍しくないのがなんともアレです
けど。
 
 トグサ君の態度は、バトーさんとの関係でかなり強調されて描かれてましたよね。
 一番「法の番人に近い視点」で思考できるトグサ君が隊長で始まるって視点なんかは、ア
ニメシリーズとSSSを繋いでる最大の理由だったんではと。
 あとはまあ、オリエンタル過ぎる原作との対比ですかね。
 原作のトグサ君とアニメ版との差は強烈すぎじゃないでしょうか。
 

712 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/07(水) 19:00:15
 
 くっ!
 言われたらまた見たくなってきた!
 
 ちなみに攻殻の音楽ですが、マクロス聴いたあとでもあたしの中ではベストです。
 いえ、どっかどう聴いても元ネタが脳裏をよぎりまくる曲ばっかなのは疑いようもないの
ですけれど、それがまた楽しいというか。ジャズ系は何気にバカテクですし。
 上にも挙げた「rise」なんかは原作の感想も相俟ってあたし的なベストチューンです。
 ……まあ、流石にBOXまで買うのはどうかと思いましたが。悪いのは菅野さんじゃあな
いッ! もちろん攻殻でもないッ! レーベルの販売手段だッ!
 
 あと、カオスな商店街が神仏習合な門前街にある光景は想像したらなんかすげぇーッ、
楽しくなってきました。有意義な発言どもです。
 

713 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/07(水) 19:03:54
 
「――囁くのよ、私のゴーストがね」
 
 ……うん。
 一度で良いから言ってみたいです。
 

714 名前:名無し客:2009/01/07(水) 19:09:09
ああ、延々と街並みが続く光景も珍しいのだとか。
確かに夜の地球を衛星から撮った写真を見ると日本全体がメガロポリス化してる
のは良くわかる。
ハリウッド映画で砂漠の真ん中にGSがある光景に日本人が異世界を感じるのと
同じなのかも知れない。

原作のトグサ君とアニメ版との差は確かに強烈だけど、違和感というか不快感は
全然ないです。
これが我ながら不思議だけど、まあ良いものは良いという事で(何

>カオスな商店街
もし名古屋でお目当てのライブでもあった時は、大須〜上前津商店街へどうぞw

では。

715 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/07(水) 19:21:08
 
 あー、なるほど。
 アメリカってものっそい空洞ですもんね。周辺部と都市部の差がでたらめだってのもあるん
ですけど、日本より圧倒的に極端ですし。
 砂漠のド真ん中にGSは洋画とかゴルゴとかに慣れるとそこまで異世界じゃないんですが、
それでも初めて見た時は奇妙だなってのはありましたね。あと自販機がエラい少ないのと。
いや日本が多過ぎるんですが。
 
 トグサ君は、あー、あたしも同感です。
 というか、アニメ版を作るのに際してトグサ君を日常視点に設定したような。
 サイトーさんの違いも何気にデカいですよね。原作だと「トグサ君と並んで遠距離射撃でピ
ンヘッド不可」組なのに、アニメだと最強のスナイパーなんで。
 
>名古屋
 その時は是非っ。
 ……ていうかこの間見に行けば良かったです。
 

716 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/07(水) 20:42:35
 
 オチる前に感想もういっこ。
 
・ATH-CKM50
 
 HIPHOP系ではドープなのが相性よさげです。
 それと数は試してませんが、恐らくイルビエントなタイプはイケるでしょう。
 アングラ系ならドローン、それから音重ねるタイプのナードコアも相性いいと思います。
 
 んんむ、この値段でこの性能は結構アタリですぜ、ホント。
 評判ベストだったのはソニーのEX500でしたが、ソニー音がそこまで好きくないんでスルーしちゃいました。
 んでも、あたしにとっちゃこれがベストだったかもしんないです。や、視聴した感じなんで、聴き込んだらもうちょい
感想変わったかなーと思いはしますが。
 何より即決可能な値段だったのがデカいですね。
 

717 名前:名無し客:2009/01/08(木) 15:00:10
流れをぶった切って悪いんだが、新年早々神父さん等に読んでほしい本があるんだけどいいかな?
 
ttp://www.amazon.co.jp/dp/484024071X/
 
「さよならピアノソナタ」っていう本。
有体に言えばピアニストの女の子と音楽評論家の息子が出会って
なんやかんやあってバンド組むことになる、的なボーイ・ミーツ・ガール。
設定だけ見ればかなりありきたりだけど、文中にクラシックやら洋楽やらの用語が
かなり多くて、それらのガジェットが盛り上がりに一役買ってる感じ。
俺は音楽知識ほぼ皆無ながらもかなり楽しんで読めたんだが、
こういうのって君達ならどういう感想抱くんだろーかと、ちと気になった。
 
金・時間に余裕なければ1冊だけでもいい。
もし続きが気になったら続きも読んでほしい。
一応全4巻なので全部買ってもそんなに懐は痛まない…と、思う。
 
それじゃ、興味が湧いたらよろしく。

718 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/10(土) 10:00:22
 
 か、風邪っ。
 ……なんですかあたしの周り、なんでこんなカゼ流行ってんですか。
 
 やー、あたしはそういうの好きですよ。
 ベック(漫画の)とかそっち系。小説だと鳥飼さんとか(キンクリネタ)SK息子とか色々音楽ネタは思
い付きますが、そのものド真ん中でやろうとすると、興味のない人にどう伝えるか、というかジャンル
そのものをどう読ませるかなんで、それはもう題材っつか話の立て方が面白いんでは。WIKIで出て
くる作品見た感じ、広範囲に題材立てられそうなのが揃ってましたし。EL&Pて。
 映画で言うとスクール・オブ・ロックとか、音楽に興味がなくても楽しめますし、そういうのがホント
は必須なんではと思います。これがメタリカ自伝とかハードコアヒストリーとかヘッドバンガーズとか
になるとカタギに無理ですからね。
 
 あと足んないのは後者です。や、正月前ならいけたんですが。そろそろ激戦になる可能性が高い
のと、エラい読まなきゃいけないのが溜まってるのがありまして。
 読める時に見付けたらそん時にでも。値段的には問題ないですよ。四冊で文庫ならCD一枚分で
すしね。まあ、小説なら読む時間も掛かんなくて全然オッケーなんですが、ハマると四冊だとかで
は歯止めが効かなくなりかねないので……ううう。
 

719 名前:ミハルさん ◆WEISS0lzjQ :2009/01/10(土) 10:20:06
 
 ……あれ?
 もしかしてスクール・オブ・ロックってあんまカタギ向けじゃ……ない?
 あ……、あれ?
 
 で、でなきゃアレですよ。スティル・クレイジーとかロック・エイリアンの冒険とかベルベットゴールド
マインとか地獄のヘビメタとか! ……ああああ! 違う! なんか違う! あたしはこんなの言いた
いんじゃあないっ!
 
 けど、うん、アレですね、評論家ってことは、日常にその手の描写入れたりできますね。
 
「宿題にでも出されたように、何度も強調される二音のアクセント。ピアノが丁寧に編み込んでいく、
たった二つの音。それはどこかへ展開するのでもなく、何かを支えるのでもなく、互いを支える為だ
けに存在しているのは明らかだ。点描される音の色。……水面に小石を投げ込んで生まれた波紋。
それを打ち消すもう一つの波紋。打ち消された波紋の声を繋ぐように、また鳴らされる二つの音。あ
あ、残響だ、と思う。どんな変化も介在しない空間で、変化を否定するように変化する無限の反響。
ゆらぎがゆっくり広がっていく。紙の上に落とした絵の具を爪でゆっくりと引き伸ばすような、残響に
溶けた意識を拡散させていくような、ひどく冷たく透き通った音の粒――彼岸に至る執着音オスティナート。それが、
埃っぽくて寒い部屋の中で、どこまでも優しく、壊れるほど儚く鳴り続けている」
(某ジャーナル風)
 
 ……書いてみて思ったけど、どんな状況スか。
 あれですかね、ライバルが誰もいない部屋で演奏してたのを覗いた時とか。
 
「丁寧に重ねられていく音のレイヤー。そう、ミキサーにアイズレー・ブラザーズとレイ・ヴォーンとを
放り込んで掻き混ぜた濃縮果汁みたいな」
(某RO風)
 
 どんな……いや、想定して書いてません!
 
「まったく、いやになっちゃうんだよな。ポールがつまらないだって? ビートルズには刺激がないだっ
て? 本気でそんなことを言っているってんだから、こっちはほんと、参っちゃうんだよな。六十年代
のソ連ではビートルズを聴くことが禁止されてたし、そんな中でファン達はアンダーグラウンドで危険
を覚悟しながらビートルズを聴いてたんだ。刺激なんてそこら中にあったんだ。だからさ、赤の広場
でポールが歌うのを聴いたとき、そんな人達は涙を流しながら、まるで神様が共産主義賛歌をぶっ
潰してくれるのを見上げるみたいな気分だった筈なんだぜ。第一さ、あんた、なあ、知ってるかい?
ペレストロイカやらソ連の崩壊やらにはさ、ビートルズが関係してたんだ。なんでこんなことを言うの
かって? そりゃあね、これはだって、ゴルバチョフが言ったことだからさ。皮肉な話だよ。そう思うだ
ろ? KGB時代のプーチンだってビートルズを聴いていたし、ライブには仕事で行けないからってさ、
ヤツは途中から会場に駆けつけてくるんだぜ。おい、ブッシュとポールじゃどっちが偉いと思ってるん
だ? プーチンとポールじゃ? 決まってるよな、ポールさ――ポール・マッカートニー。僕たちはそ
んな凄い神様の音楽を知ってるんだぜ。だのに、あの教授ときたら――ポールがつまらないだって、、、、、、、、、、、、
難解な言葉を並べ立てて、それに注釈をつければ論文が誰にでも読んで貰えると考えてるようなあい
つがポールを馬鹿にするだって? まったく、こういうの、いやになっちゃうんだよな」
(ホールデン風)
 
「目に悪過ぎるサイケなライティング。ブ厚いゴムで首を絞められるような低音。ありえない三段積み
アンプ八連が叩き出すのは、誰が聴いても一発で解るベースライン――『撃墜王の孤独』。足元にブ
チ撒けられたブタの血の上でゲラゲラと笑う。やべえ、ありえねえ! どんなセンスだ最高すぎる!
爆笑しながらド突き合う明らかに同類の連中。気付けば周りはハッピー&テラーなモッシュピットだ。
ガッ、と不意に延髄に衝撃。確認するまでもない。前のめりに崩れ落ちた俺に後ろ回し蹴りを叩き込
んでくれたバカが一匹――クラウチングスタートよろしく背中から体当たりで突き飛ばす。ブッ飛んだ
馬鹿が背後の客列を巻き込んで殴り合いが加速。やべえ楽しすぎるマジ最高なんですが!」
(メタル風)
 
 ……うむむ。
 考えてみると、B!風って案外と音の輪郭を喩えで表現するから解り易いんですよね。日常生活じゃ
まず使用できませんが。「劣化メイデン」とか「ドリムシのやってることをダラダラ引き延ばした」とか、
あからさまメタラーにしか届かない言葉で。オタクの言葉はオタクにしか届かない――ああ!
 ああ、だからなんだというのですッ!
 そうさ! あたしらは久遠にミルトンの地獄を体言する万魔殿の狂兵さね!
 ふ、ふふふふ……、
 ……はぁ。
 ……ま、またムダに熱くなりましたが、それは置いときましょう。いやまあ、流石にB!をまだ買ってる
とかではありませんのであしからず。
 
 あとクラシックは、なまじガキんちょの頃から身内に聴かされてたせいで逆に辟易とするとこもあ
るんですけどね。発表会やらコンサートやらは行くつもりがないのに行かされ行ってましたし。
 ロックとクラシックを繋げて、ってのは漫画でもあるらしいですけど、それをフツーに楽しませてくれ
る作品はすげーと思いますよ。ホントに。
 

720 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/10(土) 10:54:49
 
 いやまあ、ROさんもここまで無茶は書いてないと思いますが。
 一応。
 つーかミキサーしたらレイヤーもなにもあったもんじゃありませんしね!
 
 ……でもほんと、雑誌買う量減ったなあ。
 特集でもないと集めたりしてない気がします。S&Rマガジンとか未だに濃いんでしょうか。
 

721 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/10(土) 11:00:03
 
 あと必殺2009見れました。
 仕置きは主水のダンナさえあればよかったです。
 
 むしろなんですかあの情念の薄さは。今っぽいといえば今っぽいんですが、必殺と言えば誰がどう見ても
救いのない悪人を仕置き人達が問答無用で惨殺してナンボじゃないですかッ!
 小暗い部屋に集まった仕置き人達が各々の事情を抱えて報酬受け取って仕置きに出掛ける時のあのカタ
ルシス! パターンだの常套句だの言われようが! あたしはアレが見たかったんだッ!
 現状だとこれ、まだ剣客商売のが面白いかもしんないです。ドラマ時代劇にしても。
 
 ……まあ、中村式暗殺居合い術が久し振りに見れたのは満足でした。
 

722 名前:名無し客:2009/01/10(土) 11:03:14
悪人が現代世情に即したような内容の連中だと、
また「必殺仕置人殺人事件」が起こりかねないからじゃねーです?

かといって助け人に走られても、ゴッド姉ちゃんパンチが炸裂しても困るが。

723 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/10(土) 11:13:57
 
 ぬあー、そういえばそれがありましたね。
 放送自粛もあったみたいですし……あれはデキが無茶なダメさだったからだっけ。
 特別版で放送されたとかの「現代版仕事人」とか見れないのかなあ。
 
 再放送の仕事人見せて貰うと、当時の世情を反映した作品、回が結構あるんですよね。
 縛りがキツくなったとはいえ、その手のを見るとなんだかなー、と思わずにはいられません。
 必殺2007の延長線上が今回のらしいですけど、過去の名作郡とは亀裂が深いなあ、っつーか。
 今回のはまったく面白くない訳じゃないんですけども、うーん、「仕事人」として見ちゃうとファンと
してはツラいです。
 
 主水さんの出番が少ないから! なんて本音は置いといて。
 

724 名前:名無し客:2009/01/10(土) 11:20:12
TVは順調に自分で自分の首を絞めて衰退してるのぉ。

725 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/10(土) 11:26:29
 
 お笑いはパターンから抜け出してる、なんて話は聞くんですけどね。
 こないだ、石橋さんと木梨さんが出てるバラエティ見せて貰ったんですが、もしかしなくても
今の漫才より面白くて困りました。
 

726 名前:名無し客:2009/01/10(土) 11:36:57
八時だよ全員集合がコントを楽しめた頂点だった。
年齢的に嗜好が合致したのもあるんだろうけど、腹を抱えて
笑えたのは確かだなー。
まあ、あらゆる娯楽は楽しむ側にも旬があるのだろうと。

今は世界経済が面白くて仕方ない。
大恐慌以来の激変で日本と言う割と安全で情報量が多い場所
から世界の激変を眺められるのは運が良いと思う。

死にたい訳じゃないが、もし世界が滅ぶなら世界の終わりを
体験してみたいと言う二律背反の願望に近いかも?

727 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/10(土) 11:47:40
 
 全員集合すか。
 あのへんは流石に見せて貰ったことないですね。ビデオも状態いいのがないのかな。
 
 んー。
 なんにつけても、「受け取る側」、というか「この世界を眺める視点」の変化は、テレビやニュースから
受容するもんが未だに大きいなあ、とは思います。
 昔の録画番組見ても、そこらは結構ひしひし感じますね。
 今はネットがそこらへんを加速させてるわけですけど。
 

728 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/10(土) 11:54:25
 
 く、そろそろカゼきついんで、今日はここらへんで。
 なんかマジで寒いここ最近、皆様もご自愛くださいませ。
 
 それではまたっ。
 

729 名前:名無し客:2009/01/10(土) 11:55:55
一次情報源は不変としても、メディアを通す段階で実は色々と
加工されていたと言う事実に気付いただけでも世界の見方は変る。

アレだ、世界を変えたいなら自分を変えろと言う台詞は色々な物語
にあったけど、アレを実感できる日がマジで来るとは思わなかった。

何が出来るわけでも、実際の世界の仕組みが激変した訳でもないけど
面白くはなったと思う訳ですよーw

730 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/10(土) 11:56:01
 
http://jp.youtube.com/watch?v=Tluogv9EGTQ
 

731 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/10(土) 12:00:41
>>729
 
 そこらについて日本は無自覚だ、なんて話はイラク辺りから結構出てましたっけ。
 今はネットの中に零れ落ちた情報があっという間に加速して、マスなメディアが侵食されるスピードが
ものっそい早くなるんで、以前より情報の体感速度がアップしてるんでしょうね。
 
 あたしらの立ってる基盤がどうなってるのか、その認識ですかね。
 どうあれ世界の仕組みは変わり続けますし。
 

732 名前:名無し客:2009/01/10(土) 12:02:06
ネットは広大だわw

733 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/10(土) 12:11:09
 
 しまった!
 締めのセリフに使うなら!
 それをあたしが先に言うべきだったんだッ!
 
 え、えふん。
 それじゃ改めて。
 
「ねえ、名無し。こう思わない? 世界は本当は、とっくの昔にあらゆる情報の単一性を失っていて――誰も自分以外の
ことを気にしてはいないんじゃないかって。自分以外の情報は、本当にただの情報でしかないんじゃないかって。そうし
て溢れている情報だって、そこかしこで好き勝手に改竄されていて、「本当の私達」は、自分の見たいものを見ているだ
けなんじゃないか、って。――そうね。
 
 ――ネットは広大だわ」
 

734 名前:名無し客:2009/01/10(土) 12:14:55
ふっ、>>713では負けたが今回は勝った(何

735 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/10(土) 12:19:59
 
 くあああ!
 やっぱあんときの人っ!
 
 次! つ、次は! 次はあたしが勝たせて頂くッ!
 
 覚えとけよっ!
 こ、こんな風にいうとこのセリフは負け犬っぽく聴こえるけど実は違うんですからなっ!
 

736 名前:名無し客:2009/01/10(土) 12:21:19
らじゃw

では。

737 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/10(土) 12:32:50
 
 ではーっす。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=Q7Vb5y3RLUE&NR=1
 
 あたしからは士郎正宗的アニミズムを紹介しつつオチることと致します。
 そんでは、今度こそ「それでは」で。
 は、早いとこカゼ治したい……。
 

738 名前:ある余談の資料 ◆WEISS0lzjQ :2009/01/10(土) 17:31:19
>>667
 
                                    ■
 
【調律侵食】(Harmony Corruption)
□単に『コラプション』とも。この場合、最初の被害を「ファースト・コラプションFC」、二度目を「セカンド・コラプションSC」と呼ぶ。
□中華人民共和国、大英帝国が被災した大規模災害のこと。
□本来二つの事柄には連続性も共通性も存在しない。しかし、世間ではこの二つを同種の事項として括り、時期としては後半
に当たる大英帝国の被災日を指して、キリスト教系宗教団体『ペテロの手紙』が『調律された世界が崩壊した日Harmony Corruption』と呼んだこと
が、この言葉を広めたものと推察される。
・主要な被害は中国大陸、欧州列島における天文学的な死傷者。
・副次的な被害は大陸・欧州列島崩壊における武器流出。
・大陸部の被害では、その甚大な災害規模から使用できる重火器の類は残されていなかったが、破壊規模の劣る英国の崩
壊では、陸・海・空軍基地から犯罪者に大量の火器が流出した。流出量は過去数十年間における武器密売の量に匹敵すると
考えられる。
・また、大陸とのパイプラインが崩壊したことで周辺アジア諸国への食料供給バランスが変転、甚大な被害が出た。アジア経
済への歩み寄りを模索していた日本とアメリカは、この事件を契機に日米安保の強力な再締結へと足並みを揃えたと考えら
れる(Francis Marr, 国連提出のCIA公開文書「現象及び状況不定災害における地政学的社会推移」より)。
・難民の流出についても多くの言葉を並べる必要がある。現在、ロシアと韓国、北朝鮮は大量発生した難民についての受け入
れに模索を続けている(現在、この情報について詳細なまとめが必要とされています。詳しくはフォーラムを参照してください)。
・英国の空洞化。現在、マンチェスターを初め北部から中部に掛けた都市には犯罪者、難民が大量に溢れ返っている。住居権
は事実上機能しておらず、街の中には不法滞在者が多く集まっている。これはNATO空爆後のボスニアと同系の事態ながら規
模は遥かに上回っており、国連は英国への渡航者に対して注意を喚起している。
 
・又は、ナパーム・デスのアルバム名。new!
 
                                                            ディスペディア 『調律侵食』
 
                                     ■
  
□英国での軍事行為代行においては、ロンドンからマンチェスターまでの被災区を我が社が、グラスゴー・エジンバラ境界線
をブラック・ウォーター社が請け負う。国連代行の暫定政府は、これに際し、我が社及びブラック・ウォーター社に自衛許可、
その人員に武器を携行し、作戦を実施し、契約義務を妨害されずに果たす為の承認、許可、権利、認可証など一切の物を与
える。第五項に設定されたように、これに関係する報酬及び経費は、いかなる税金及び代価もしくは手数料をも差し引くことな
く国連から支払われる。また、この報酬は英国から持ち出すことに一切の承認を求められない。なお、業務における全ての支
払いは米ドルによって速やかに行われる。
・本軍事代行業務の実施過程において起きたあらゆる損害は、国連特別災害対策部によって適切に請求される。
・国連特別災害対策部は展開PMFの行動に一切の許可を与えるが、国内での一切の損失において責任を負わない。
 
                                        アース・レキシコン社 『高強度紛争地帯に関する注意事項』
 
                                    ■
 
□SMITH - (S■rv■■a■ce of Mi■o■ In■e■■ity Th■■■t H■s■o■y)
 1■8■年のアリア■約に■■き、英■■■省と■■チカ■外事担当課、と■間に■■した共同の次■代特■作戦■開発
計画において作られた特殊作戦部隊。軍・警察とは運用理念が異なり、主な任務は英国内における現■不■災害への対処、
管理、対策である。
                                                   
                 英国陸軍、地上部隊司令部ファイルA 『■■脅■対応部隊の設■概念(焼けていて読めない)』
 
                                    ■
 

739 名前:名無し客:2009/01/12(月) 10:00:36
もこたんが雑スレで何かやっている……

740 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/01/12(月) 21:50:11
 
 うー、多少マシになりました、カゼっぴきのミハルです。
 ライブ後に歩いて帰るモンじゃないですね。ていうか着替え忘れたのがアウトすぎます。
 
>>739
 
 雑談っすか?
 ……ぬあ。
 そういえば一回参加した温泉とかここんとこマジで覗いてませんでした。
 

741 名前:◆WEISS0lzjQ :2009/01/12(月) 22:47:27
>>667
 
「やっほー」
 
 気の抜けた声が鏡の国に響き渡る。声の発生源は空。首をそちらに傾けて、げ、と思わず声に出た。
 信号機の上に座る天使の彫像。
 ドイツ映画のパロディならそれでいいが、生憎とここはベルリンではなくイギリスで、前衛を介さない狂気の都だ。
キャシー・アッカーが本心じゃこの街を好いてなかった理由はそんな閉鎖主義にある。
 さておき、俺がヌケサクな声を上げたのはそのせいではない。――なんというか、その彫像には見覚えがあった
からだ。
 
「ああ、いたな君。――よっと」
 
 信号機から飛び降りてくる天使。
 地上十数メートルを軽やかに降り越して、気軽に片手を上げてくれる。
 
「……。え? なに? なんで居んの?」
「来ちゃった」
 
 ぺろりと舌を出す天使――ではなく、アッシュブロンドの小娘。
 肩から肩甲骨まで露出したトップスはそこはかとなく前衛的なデザインで、それがまた不思議と似合っているの
が恐ろしい。
 
「どうした? 久方振りに出会った私に見惚れてたかい?」
「あー……」
 
 ニヤつきながら見上げてくる。至近距離で覗き込まれて、思わず自分が理性的な人間でよかったと実感してしま
うのが恨めしい。……正直認めたくはないが、人間の理性を侵食する外見ってのはマジで存在する。
 腰より下まで伸びた長い銀髪と、ザクロみたいに赤い瞳。
 人形が歩いて喋ってるような非現実感は、この不思議の国ですら一際異彩を放つ。
 通称イリヤ。本名不詳、年齢とその他もついでに不詳。一次大戦からの一時期は旧ソの薬学研究所にいたらし
いが、だからと言ってロシア人というわけではないらしい。なワケで、名前は言を俟たずにアイロニーだ。
 
「大方『天使』だとかなんだとか、ハズかしい一人称で内省してたんだろうが、まあ、それはそれ。いや、この辺りは
鳥が多くてね。私を仲間だと思ってるんだか、次から次へと寄ってくるものだからどうやって追っ払おうかとさっきか
ら難儀していたのさ。さっきなんて犬と縄張り争いを経験するハメになった。参ったよ」
「……。違う……よく解った、訂正する。お前は天使じゃなくてただのカラスだ」
「んん、そりゃいい。日本人らしい見解だ」
 
 これ以上望むべくもない瑰麗な外見。およそ感じる『整った容貌』の平均値を限界まで底上げした妍麗。そんなあ
れこれは外見を衣服同然に差し替える審問局の連中と共通した素養だが、コイツの場合は各部分のパーツのチョ
イスが絶妙なものあって(別に、断じて、言うまでもないことだが、それは俺が肩甲骨に偏執的な執着を持っている
からではない)、不覚にも会う度に戸惑ってしまう。
 
「……なんだお前、ガレスピュー贔屓止めたんだ。なんか、あのサイケな服」
「うん? ああ、もとより贔屓というわけではないからな。なんだ、あれが気に入ってたかい?」
「いや別に。今の方がフツーっぽくていい……お前を普通って言うと自殺したくなるけど」
 
 前回会ったときのこいつは、なにやら地球降り立ての宇宙人、といった風情の服装だったのだ。それをユニクロ同
然に(無頓着に)着こなしていたのを見たときは人間として些か釈然としない気分に浸らされたものである。
 メンディーニよろしく完成品の未完成品っぽさが好きだとかなんだとかホザいていたのだが、実際、そんな小理屈
抜きでインパクトだけで選んでいたに違いない。
 
「というより、新作発表予定だったのに君がロンドンを盛大に花火にしてくれたじゃないか。……それにしても、いい加
減君は私の肉体カラダ(カラダ)に表現以外の意味がないことを自覚するべきだ。人形は別の人形と自分の容姿を比較し
ないし、人間になりたいとも思わない。まあ、最終的になにが言いたいかというと、現状を楽しめよって事になるかな」
「つまらなくはねえよ。それなりに面白がってる」
 
 しかしそれとこれとは話が別で、服でも着替えるみたいに自分カラダを取り替えるやつの感性なんて理解できないししたく
ない。俺も似たようなものだと言えなくもないので、口には出さずに心中罵るに留めておくが。
 
「ふむ。ではもっと楽しんだらどうだい? ブロンドの方が好みだったか? 長髪好きなのは間違いないと踏んでるが
ね、もしや奇を衒ったような色は好みじゃなかったか――いやいや、この色は君にとって非常に印象強いと思うんだ
けどね」
 
 肩に垂れた髪の一房を人差し指にくるくると巻き付けて天使、もといカラスが笑う。……まあ、確かに。そこはかとな
くデジャヴな外観なのは認めてもいい。が、コイツは間違いなく狙ってやっているので、そんな悪趣味に付き合ってや
るつもりはない。
 
「はあ、なるほど。飲んだくれのジジイだったこと知ってるヤツを押し倒せと」
「押し倒さなくてもいい。相手が女の形をしていたら手篭めにするのがデフォルトなのか。ケダモノか君は」
「楽しめって言ったじゃねえか、お前……」
「そんな即物的な楽しみは八十年は昔の話だろう――この国では百年は昔だな。大英帝国の娯楽発展は近代にな
るまでは世界で有数だったんだ。それに君、こんな指摘は士郎正宗が十年以上前に世界に対して済ませてるぜ」
 
 否定するが、まるで遠いわけでもない。
 ここ数ヶ月の俺はヘビかオオカミだったのは間違いないらしいわけだし。
 

742 名前:◆WEISS0lzjQ :2009/01/12(月) 23:33:46
>>741
 
 どこかでケモノの鳴き声が聞こえる。
 もちろんそれは空耳で、聞こえるのはクソ喧しいテレビの音だけだ。
 
「ヘイヘイヘイ……そこ、そこそこ、そのベッドに座ってるガキ。テレビ消せ。電気代が勿体無い」
「えー。払う人間も回収する人間も不在じゃないか。それに一ヶ月は使える自家発電装置をこの家に取り付けたのは
私だったと思うけど?」
 
 ベッドの上、置き物のように座る人型が薄く笑う。
 見た目は十三前後――から、十六歳あたり。長い銀髪は背中からベッドに落ちて、シーツの上でゆったりとウェー
ブしている。冗談ではなく置物で人形で飾り物としか思えない外見は、まあ、見ている分には飽きない。
 が。
 それでもこちらの気分は壮絶に複雑だ。
 なにせ。
 そう、なにせ。―― 一ヶ月前のコイツは推定年齢六十歳後半の紳士だった。コイツや審問官全員に言えることだが、
外見で同一性を測れないのは正直面倒臭い。世間たてまえでは「大事なのは外見でなく中身」らしいが、外見あっての中身
だろう。外見相応の口調だとかポーズだとかはポーズでしかないと自分を納得させようとするのだが、コイツはその
紳士姿のままに同じ表現をやっていたのを知っている。
 つまり俺が何が言いたいのかと言うと、実に複雑な心境だということなのだが。いやまあ、なんというか、ぶっちゃけ
ると冷めるのだ。
 
「感情は肉体と不可分だよ、イル」
「止めろ読心術。……ていうか、狙ってやってんなら余計に止めろ」
 
 悪びれもせずに肩をすくめる廃都の天使。
 付き合いはかれこれ数年。気付けば隣にいるし、気付いた時にはどこにもいなくなっている。神出鬼没の量子的頭
痛のタネである。
 
「狙ってやっていない、なんてことは勿論ない。だけどさ、もしも君が私の姿を以前のモノでデフォルトとして捉えてい
るなら、その時点で先入観というコンテクストに束縛されてしまっていることになるぜ。ああ、なんてことだイル! 誰
からも自由な君は自分から自由じゃないなんて! あははは!」
「ダウトいち。自分から自由じゃねえから自由なんて寝言が生まれたんだ。知ってたか?」
「へえ、知らなかったよ。なんだ、想像以上に人間って脆いんだね」
 
 チ、と思うさま舌打ちを飛ばす。
 ビタイチ意に介さず、イリヤは俺に指を突きつける。
 

743 名前:◆WEISS0lzjQ :2009/01/12(月) 23:35:51
>>742
 
「たとえば私はこんな風に君に語ることができる――私は以前の姿に見合う表情や挙動を「演じて」いて、今はこの
姿に見合う行動を「演じて」いるのだとね。私や審問官がロールプレイに長けているのは今更だろう。私達のカラダ
に付随するのは、外見を決定する要素としての模倣DNAデータとそこに付き纏う周囲の認識の連続性、それだけだ。君
は以前の私の身体が持っていた認識データから逃れられていない。ふふふ、解るだろうイル、そんな無様を晒すのは勘弁
してほしいな」
「馬鹿。てめえに付き合うのとてめえの主張を受け入れるのは話が別だ。生憎と人間廃業するって言った憶えはね
えよ」
「ま、それじゃ別にいいけどね。で、それは横に置いてもだ。デザインは整ってるだろう? このカラダ」
「無駄にな」
 
 マネキンがどんな服装でも着こなせるのは不自然が最初から排除されているからだ。だから不自然がデフォルト
の人間は服装を選ぶのだが、そもそも動くマネキンは論外に不自然だろう。震えがくるくらい外見ナリは決まっていても、
嫌悪感が一緒に滲み出てくるのはやっぱりどうかと思う。
 
「なんせ君に合わせたからね。そうだな、まるで妹でも見るみたいに親近感は湧いているハズさ」
「意味わかんねえ喩えだな……」
 
 ……まあ。
 そんな理想的なデザインには、確かに奇妙な既視感がある。どこかで会ったような、と言っても、「世界に似た人
間は三人いる」が通用しない造形だ。見たら忘れない筈だが、どうにも記憶が抜け落ちたように思い出せない。
 イリヤに言わせれば、”記憶”はそもそも、その瞬間、その状況の意識に応じて再構成されるだけのモノ――であ
るらしい。全ての記憶は脳に蓄積された事柄の断片で、『今』は、自分がそこから結び付ける”状況”に過ぎないの
だと。
 ”自分”は、そこから算出されているだけの結果に過ぎないのだ、と。
 ――君達には誰一人として、そして何者にも価値などない。
 そう言われているようで、それはそれでホッとする。
 思い出せそうで思い出せていない『ように感じる』のは、思い出せているのに『思い出せてない』と俺が思い込んで
いるだけかもしれない。
 思い出せないなら割り切らないのは不健康だ。すっぱりとそんな懊悩は切り捨てることにする。
 

744 名前:◆WEISS0lzjQ :2009/01/12(月) 23:45:21
>>743
 
「他に喩えるなら、そうだな――」
「いや、もう喩えるな」
「ロリコンが好みの対象を物色するような親近感が沸いている筈だよ」
「生憎とその親近感は馴染みも理解も遠いなあ!」
 
 というかその設定にはこれっぽっちも心当たりがねえよ!
 確かに見蕩れたけどさあ!
 いやホント、そういうのじゃねえんだよ!
 テレビに映っているのは、お決まりになった「どっちの終末でショー」。どうやら本日のゲストはガイア論信望者の
環境(カルト)団体会員と陰謀論主張派の軍事アナリストらしい。……なんというか早速憂鬱になってくるのは、番組
の展開がこの時点で予測できてしまうからだ。
 
「……うわ、予想通り出やがった。『”政府の陰謀です”』だよ。こいつら、今が八十年代と勘違いしてねえか。くそ。
帰れ。マジでエリア51へ帰れ」
「どれどれ……は、あははは! え? なに? ええとなんだって? 第二次大戦時に閉鎖された研究所に出入り
があったから、それがなんだって? お、ちょっと、こら、イル、まだ消しちゃ駄目だ! ここからが笑える展開に決
まってる!」
 
 軽やかに俺の手からリモコンを奪い取ると、腹を抱えて爆笑。イリヤは鈴の鳴るような声を上げながらベッドに倒
れ込む。凄まじくキレイな声だが全く持って嬉しくない。というか、こういう時だけ人間っぽい情緒が伺えるのがなん
ともイヤだ。テレビの中ではそんなイリヤを爆笑させつつ、俺に頭痛を引き起こさせる会話コントが飛び交っている。
 
『――政府はこのことを隠していたんです!』
「な、なんだってー!」
 
 わざとらしくケラケラ笑う天使一匹。
 頭痛を堪える俺一名。
 
「……うっひゃあ」
 

745 名前:◆WEISS0lzjQ :2009/01/12(月) 23:55:59
>>744
 
 ロクに新聞もネットもチェックしなかった時期のことだ。
 漁ったネットログからの推測になるが、『調律侵食コラプション』から数ヶ月は、本気で世界中に末世思想が氾濫したらしい。
 真っ先に出てきたのはガイア論の信望者が主張する『地球は怒っています』派で(今更。ゴジラでも千回見直せ)、
その他にも醜悪な神秘主義復興のカットアップコラージュ(これも今更。二世紀遅い)やらユンギアンじみた戯言でデ
コレーションした「死後の世界肯定運動」(これもまた今更)やらここぞとばかりにダーウィニスト達を論破に掛かるデ
ザイン論者達(そしてこれも今更。そしてアッサリと論破し返される連中が議論開始から一週間後のログに)やら、”ボ
クの考えた世界の終わり”一覧表は見ていて震える肩を抑えるのが難しかった。アホすぎて。
 で、本日テレビを賑わせている論陣はその手合いの中でも最悪の部類である。主義主張の異なる空間を繋ぎ合わ
せるメディアで交差する空っぽのデータで着色した自説の嵐。しかも自分の立ち位置を肯定する為に激を飛ばす場
所は誰がどう見ても間違っているという地獄絵図。誰か助けろ。俺を。
 いやマジで。
 テレビで話題にされているのが自分のコトだというのは、誰がどう考えても地獄度が高過ぎる。
 
「――くっ、くふふっ、おい、ちょっと見ろよイル! あのオオカミきみは政府が作ったバイオ生物だそうだ! 凄いなこの発
想! いや、これはなかった! あははは! なんだこれ! まるでネタに困ると核を持ち出す軍事小説みたいだな!
万歳ヌーク! メガテン具合もここに極まれりだ!」
「う、ウゼぇ……いやそういうのホントにウザいんだが、あのイリヤさん、本気で勘弁してくれませんか」
「何言ってるんだ君は。世界規模でコメディに興じる機会なんて滅多にない。素直に楽しめ、大いに笑え、ここはそう
いう場面だ!」
「ぜ、絶対違う……!」
 
 くそ、誰かMMR呼んでこい! どこだキバヤシ!
 いい加減に頭にきたのでリモコンで電源を、
 あれ。
 
「……てめっ、リモコン隠しやがったな!?」
「くふふふ……リモコンは私のシャツの中だ。ロリコンの謗りを受ける覚悟があるなら奪ってみたまえ」
「ロリ認定を盾にした絶対防御!? なんだそのありえないガード!」
「へえ、今度のゲストは十年前に終末説を発表してた作家だそうだ! ほらほらどうした、テレビを見ないのか、
アンゴルモア君」
「上等だてめぇーッ!」
「おおお!?」
 

746 名前:名無し客:2009/01/13(火) 01:06:42
ちょっとまて、世界になにやらかしたんだ、お前は。
狼のように、「常識」を貪り食ったのか?

747 名前:ミハルさん:2009/01/13(火) 01:06:45
 
 うー、ヒドいミスでした。
 今日はこのへんで。
 
 ……ってか、藤原姉さんの〜って、全然別の場所だったんですね。
 あとカゼ引くんだ。
 全部含めて変質しない、恒常的な状態にカラダを保つ、ってことだと思ってました。
 

748 名前:ミハルさん:2009/01/13(火) 01:07:32
>>746
 
 あー、まあ、そこらへんは追々。
 できれば一片に片付けたいですけど。
 

749 名前:ミハルさん:2009/01/13(火) 01:21:32
 
 ぬ。
 あと、補足というかなんというか。
 レスでぼちぼちやってると読み辛くてご迷惑お掛けしてるのは承知なので、ちょっとだけ。
 『常識を食った』のは合ってるというか、元々はそれだけのつもりでした。
 なんですが、いい加減兄貴が「なんかメガテンにも出てくる変身できるアレ」というのを自分でも
忘れそうだったので、その辺もまとめながら書いてます。
 
 破綻しそうだったらサクっとそのへんも修正しちゃうんで(いや、依頼しての修正じゃなくて別の
カタチにしますが)、適当に流しといてください。
 
 ……じ、自分で筋書きネタバレとか!
 

750 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/01/14(水) 00:20:13
>>747
実は解釈の幅が広すぎてどうとでも取れたりする(何)
「老いることも死ぬことも無い程度の能力」だからなあ、説明が。

私は、

「死亡した場合は即座に復活する」
「直接的な損傷は随時回復する、がそれほど早いわけではなく、痛覚も残る」
「病気や毒、疲労などはそのまま受けるが死なない、また耐性もつく」
「飲んだ時点での魂がそのまま形になっているから成長はしない。
 けれど身体的な変化、たとえば筋トレしたらちゃんと強くなるとか髪が伸びるとかはある」

って解釈でやってるね。メタが過ぎる話だけど。




751 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/01/14(水) 00:22:51
あ、考えてみたらこの能力の解釈ってスタンドっぽいわよね。
制限範囲とかを考察し始めると色々と近づくかも。

752 名前:ミハルさん:2009/01/14(水) 10:09:27
>>750
 
 なるほどです。
 最初に記録したセーブデータが基盤になって、そっから積み上げ可能なワケですね。
 けど。
 
 程度!
 程度て!
 
 ……でも単語の元々の意味考えたら妥当っすね。
 
 差し詰め兄貴は「環境を支配する程度の能力」ですか。この文章だけだとサッパリだ。
 「変身する程度の能力」……いや意味が解らない!
 
>>751
>ジョジョ
 
 まあ、スタンドはルールから初めて応用範囲を広げるのがキモですしね。
 荒木先生は半端じゃないことを平然やってくれててそこにシビれる憧れるゥ! ですが、
アレは逆に縛りを作りまくったことが面白かったですね。
 スタンドバトル全盛期だった四部以降は特に。
 
 
 あとこないだの話なら、廃村での祟り払いは面白げなネタだと思いますよ。文化祭って
場所だったんで驚きましたが。
 生贄の話でしたら異人伝承だとかもありますし、水って地形ならケンカしなくても地形と
かパターンとか流用して抑え込むとかでも。
 ……生贄の通例だとお姉さんが生贄ですが、この場合それかつ来訪者になっちゃうワ
ケですけど。
 
「その因果を語り尽くすッ!」
 
 とかやるとジョジョっぽくないでしょうか。
 ……な、なんか違うかな。
 

753 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/01/14(水) 22:26:02
我ながら頭がおかしいなアレ(何

まあだって、使い辛いじゃんあのシチュ。
だからまあ埋めようと思ったついでに色々実験しようとしたらああなっちゃった。
たぶん誰かに呪われてるんだと思う(ぇー

実を言うと最初はミステリ型の雑談にする予定だったんだけどね。
前言ってた参加企画のプレ版みたいな感じで、推理しながら回してくっていう。
……まあ、祟り神様本人が来ちゃったのは大誤算だったけど(何

でも意義はあるからいいかなー、というか結果オーライ?
再構成中だった文体投入できたし。楽しいし。


スタンドバトルはあの時代において本当に斬新だったね。
パズルみたいな、って言うとズレそうだけど、まさにそういうアクションだった。
今も亜流はたくさん出てきてるけど、荒木さん超える人は未だに居ないだろうって思ってるわ。

東方の能力解釈もそれに近いんじゃないかな、って私は考えてる。
無制限にしたら全員アホみたいにチートだし(何)
そこで制限や条件を加えて話として成立出来るように調整もできるから気にならないんだと思う。
たぶん公式設定が部分部分わざと曖昧になってるのもその辺りが理由かな。

754 名前:名無し客:2009/01/14(水) 22:30:45
「頭脳戦だが絵的に映え、パワーゲームのカタルシスも味わえる」画期的アイデアだったからなあ
スタンドバトルは。
荒木は鬼才だとほんと思うよ。

755 名前:ミハルさん:2009/01/14(水) 22:56:30
 
 どもです。
 調子はそれなりに回復。ぶり返すのだけは本気で勘弁ッ。
 
>>753
 
 む? 打ち合わせてやってたワケじゃないんですね。
 訂正しに管理に依頼しに行った時に覗いたんで、てっきり会議かなんかとの併用かと思ってました。
 や、>>739さんに言われた後、顔出しするかどうか迷ったんですが、残りレスの数が矢鱈少ないのと、
打ち合わせアリなら割り込むのは筋違いだろうってのと、何より数増え過ぎると破綻するだろうっての
で見合わせちゃったんで。
 なんにせよ、有意義に使えれば万事オッケーなんではないかと思いますぜ。
 
 荒木先生に関してはッ。
 もう様々な意味でスゴいとしか言いようがないので詳細書いてるとこのスレが崇敬と崇拝だけでラス
トまで埋まるのでウダウダとは語りませんが!
 とにかく、あの期間を連載で突っ走ったってだけで目眩がします。しかもあの成長を続けながら、展
開の妙まで作り上げながら、テーマは一貫したままで。
 洒落になってません。神ですマジで。
 ただ、何気にフーゴさんは『使い辛さ』で途中退場だったりしたんですよね……。
 
 番外編でそこらへんの寂寞感まで救われてて、胸が熱くなりました。
 マンガがああまで人間を描ける、という一つの好例だと思います。
 
>>754
 
 YESYESYES!
 
 『亜流』ってのはあんま知らないですけど、あれだけ応用利かせられるのはホントすげーっす。
 設定が設定として生きてるんですよね。
 

756 名前:名無し客:2009/01/15(木) 00:00:42
SBRになったら今度は形としてのスタンドで殴りあうことがなくなったけど、
触媒(鉄球、爪、時計、等)が必要になって頭脳戦の趣が強くなってるしなー。
つーか大統領の能力が色々とやばすぎるんですが、あれ。
ジョニーの爪穴でしかダメージ与えられそうにないし。

『亜流』というとペルソナなんかが有名ですねー。

757 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/01/15(木) 00:12:05
>>755
実は途中から地下スレで打ち合わせ始めただけだったりする(ぇー
管理に申請したのは「あ、方向性が大殲に向くな」って思っての独断。
後は完全リアルタイムのアドリブだった。
……申請する時ちょっと緊張してたのは秘密。

まあ、結果オーライってことで。
なんか物好きな乱入者も来てくれたし。
スレ使い切るの前提でやってるから、人増えるのは割と歓迎だったりするのよね。

758 名前:ミハルさん:2009/01/15(木) 00:13:05
 
 SBRは一編の小説読んでるみたいな錯角覚える時があります。
 (週間)ジョジョの時の特徴的な文体が抑えられてるのも関係してますが、八十年代〜九十年代の
ロード物読んでる感覚って感じですか。
 いえ、スタンドバトルは燃えますけど。
 つーか、相変わらず荒木先生の能力応用センスが冴えまくっててゾクゾクでしょう。
 ……ほんと、あのセンスはどんな領域にあるんでしょうか。
 小細工通用せずッ!
 その威風、正に比肩するものなしッ!
 
 あ、ペルソナは知ってます。
 けど、あれはあれで『仮面』ってフレーズに重きを置いてましたからね。
 ゲームだから構成の応用とかはないですけど(プレイした感じでは)、青春モノとして面白いっす。
 

759 名前:ミハルさん:2009/01/15(木) 00:15:43
>>757
 
 ぬあ、そういう配慮でしたか。
 あんだけ潜ってる場所だと中々気付けそうにないんで、あの時点じゃ割り込むのも悪いかなと。
 
 残り少しみたいですし、一気にやっちゃっていいのでは。
 頑張ってください。
 

760 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/01/15(木) 00:52:34
>>759
気にしなくてもいいのに(何
まあ、また似たようなことやるつもりだからその時にでも。
がんばるよー。応援ありがと。

761 名前:ミハルさん:2009/01/15(木) 01:07:09
 
 いえいえ。それこそお気になさらず。
 こっちも気紛れですし、やれるもんをやれる時にやっときます。
 次のは……あーっと、まあ、タイミングが合いましたら、その時に。
 
 そんでは、今日はこの辺で。
 お休みなさいませ。
 

762 名前:ミハルさん:2009/01/24(土) 11:37:39
 
 カゼ。
 熱はなくともセキは止まらずとはこれいかに。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=ECQ3jtcAcV4
 
 木曜新曲のライブ。
 ENVYとのスプリットでかなりENVYを食ってた(というかこの人等目当てに買ったような)バンドですが、
正にスクリーモ(死語)黎明期の「ポストハードコア+エモさ=スクリーモ」な音をブン鳴らしてます。
 ライブパフォーマンスも結構タフでこりゃマジで格好良いです。
 
 そして仕事人2009。
 なんだかんだで面白くなってしまいました。
 が、やはり仕置きが! 東山さんの暗殺居合(もどき)が中村さんとカブってんスよぉぉぉぉ! いや、
相手の気を惹くモノ差し出してスキ作ってから袈裟掛けに一撃、ってのは確かに萌えますが。
 アレですか? 中村式はこれから室内での仕込み剣とかで鹹め手中心ってコトですか?
 仕込み大刀の刺殺とかはまだまだ出番ありそうなんでやってほしいんですけど。
 なんかあんま知られてないんですが、中村さんは色んな流派で免許皆伝って設定です。確か。
 
 ……しっかし、こう考えると剣客商売の小兵衛さんの無外流と中村さんの臨機応変な剣術は割とカブ
るとこありますね。
 

763 名前:◆FXSAKUYA52 :2009/01/24(土) 22:12:18
今月のウルジャンがG'sにしか見えない件について何かコメントを。

764 名前:名無し客:2009/01/24(土) 22:23:28
風邪流行ってますね。お大事に。

それはそうと東方スレでなんかやってますよ。

765 名前:ミハルさん:2009/01/24(土) 22:40:39
>>763
 
 ウルジャン……って。
 うわ! やば! まだ買ってないです!
 
 G’sは……略称っスか?
 
>>764
 
 ういー。
 ……アタマはハッキリしてるから問題ないんですけどねぇ。
 悪性のだったら怖いんでハシャげませんぜ。
 
 はあ。いや、東方で、って。
 覗くのは問題ないでしょうけど、あたしにどうしろとっ!
 ぬう……アレですか、祭りっぽいってコトなんでしょうか。しかしあたしはそれこそ場違いッ!
 
 つーか、兄貴と藤原姉さんくらいにしか接点がない気がしてきました。
 あ、鰻屋の鳥さんと温泉のヒトがいましたっけ。
 
 あー……えーと。
 とりあえずアレですね。
 姉御、頑張れッ。金属バットで暴れ回るザック先輩の如く!
 

766 名前:名無し客:2009/01/24(土) 23:38:52
 兄貴同伴でいいじゃん(何)
 戦闘力高い素敵なお姉さん(衣玖さん)もいるし。

767 名前:名無し客:2009/01/24(土) 23:48:35
まだ治ってなかったのか……

私はttp://page11.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/n64826203 これと同じものを買って
布団に放り込んで寝てたら治りましたさー

もう電気毛布には戻れん。

768 名前:ミハルさん:2009/01/24(土) 23:55:06
>>766
 
 戦闘能力……は、むしろDBじゃないのでどうでもいいんですがッ!
 問題は!
 あたしらがヨソのスレッドに平然と顔出しできるようなタマじゃあねーっつぅことっスよぉーッ!
 
 いやむしろ出掛けても何をすれば!
 
 ……ほんとう、どんだけ隠居カマしてるスレなんすかね、ここ。
 こうしてお客様がいらっしゃるのはそれでも幸いですぜ。
 
>>767
 
 セキが止まらないだけなんですけどねぇ。そんでも結構キツいっちゃキツいです。
 こんだけ長引いたのは始めてかも。
 
 ブツは……やぐらコタツって、聞いたことないっすね。
 掘り炬燵はそのまま寝られるシロモノじゃないですし。
 む、こいつはちょいと調べてみます。ありがとうございます。
 

769 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/01/25(日) 00:38:35
 
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1219772762/670
 
 猫い。
 

770 名前:ミハルさん:2009/01/25(日) 00:42:13
 
 いや帰って兄貴。
 今日は帰って。
 
 あとやぐらコタツ、結構評判いいみたいですね。
 気軽に置けそうなカンジなんで、ちょいとあたしも検討してみます。
 ……ヘタにでっかいコタツ置くと、結構片付けるときにジャマなんですよねぇ。
 

771 名前:ミハルさん:2009/01/25(日) 00:50:48
 
 で、これだけだとアレなのでちょっとした話題。
 
 こないだCD予約しに行ったら、限定盤表記もなにもないCDが『限定』扱いでした。これがどんな意味
かっつーと、「CDオール限定盤ですよ」な時代が目の前にッ! って状態です。
 ちょっと前は冗談で言ってたんですが、当たり前ながらCDのプレス枚数なんぞハナっから限られて
るワケで、それがあたしたらみたいな領域のCDになると非常にニッチ、なのでプレス枚数は元が取れ
る程度です。メタラーなら誰でも知ってる(たぶん)アヴァロンとか、CD単価が2700円になってるんで、
そろそろボートラで買わせるのもキツいんじゃないかなあ、なんて予想はありましたけど。けど。
 本気で「モノとしての媒体」を欲しがるヒトとDL販売で充分ってヒトの二分って構図なんですよね。
 予想はしてましたが、結構ショックでした。
 
「えー、CDーっ? モノ信仰が許されるのは前世紀までだよねー!」
 
 とかそんな感じでしょうか。いやコレ↑うろ覚えなんで合ってるか微妙ですけど。
 SHM−CDは徒花となるか否か、結構重要かもしれません。
 ……つーかまあ、ジャズとかではもっと金掛けたCD幾らでもあるんですよね。ジャンクな音楽とジャ
ズ論壇に守られたフィールドとの壁は厚いです。
 

772 名前:名無し客:2009/01/25(日) 01:02:55
うんまあ、正直作者に利益を還元したいと思うならともかくアルバム丸ごと買うよりは
その中の一二曲だけ欲しいと思う事は良くある。
アルバムの中で一度しか聞かなかった曲ってのはやっぱり多いわけで……


けど発売数が減れば一期一会買い逃せば終わると言う危機感から購入が促進するかも
しれぬ。
その理屈でインディーレーベルばっかり買ってる最近の私(何

773 名前:ミハルさん:2009/01/25(日) 01:15:44
 
 あー、あーあーあーあー、解ります解ります解ります。
 いやホントに。
 
 インディレーベルだと、ヘタすると売れたら終わり、ってパターンもザラですからね。
 しかも知名度によってはプレミア付いたら二度と買う気しねーですよんなもん! ってお値段に。
日本ではコンプリ盤出る前のクララとかゼアイズとか(コレは今でもかな)割と狂ってました。
 なんで、優先するべきじゃない、けど今買わないと絶対高くなる、ってCDは買いまくってました。
 これはこれでファンとしてどーなのよ、とは思いますが。
 
 ただ、欲しいのだけ、ってのはどうしようもないですけどね。
 特にインディーチャートやオリコンがこれだけネットと不可分になった今、「あ、これいいな」っての
を気軽にポチっとな、とやれるならそっちのが消費者心理には適応してる訳で。
 ……ワケなんですが。
 あたしらオタクにゃそれができないッ! 例えリーダートラック以外が全てアレだと解っていても、
「買うしかねぇ! 信者として!」なバンドがわんさか見付かるあたしらには!
 ちなみにこれがもっとヒドいことになってるのがLPで、シリアル付きで定期的にそういうことしてる
一部のバンドのLPはイーベイで笑える領域の値段が付いてます。
 特にプログレは地獄ですね。希少帯付きのヤツとか、爆笑もんのお値段でした。
 

774 名前:名無し客:2009/01/25(日) 01:27:27
時に
ttp://jp.youtube.com/watch?v=rf3tbDqjSrY&feature=related
これってジャズっぽい?

775 名前:ミハルさん:2009/01/25(日) 01:37:12
 
 途中までの状態で返答してすいません。
 ちらっと聴いた感じですが、アレンジ自体はジャズっぽいと思いますよ。
 五分辺りからクラブジャズっぽくなるとこ、結構スキですね。
 
 この辺が好きならジャズトロとかスリープウォーカーもイケるんでは。
 

776 名前:ミハルさん:2009/01/25(日) 01:40:05
 
http://jp.youtube.com/watch?v=vdmiroY_q5c&feature=related
 
http://jp.youtube.com/watch?v=XwdPD3wnHoI
 
 なんで、こういうのはどうでしょう。
 パッと浮かんだの出してるんで、マト外してたらすいません。
 意表突いてマーズヴォルタとかもアリかもしれませんが。……ジャズとか言えませんがね!
 

777 名前:名無し客:2009/01/25(日) 01:50:42
うーむ、流石にプロが本気だした映像と音は凄いな。
下の途中だけど自分の好みだと下の方が良いなあw

しかし、上のをジャズだとするとますますジャズの定義が分からなくなる。
アレね、考えるな感じろって事よねw

778 名前:ミハルさん:2009/01/25(日) 01:59:22
 
 ぬぬ、どこかで応対した感じのある感触の方。
 
 この曲ですが、ウチでは休日に居間でタレ流しになってること多いです。
 割とオタクなジャンルですけど、(メタルと違って)嫌がられずにみんなスルーしてくれるし、(メタルと違って)みんな
聴いてくれるので。メタルと違って。メタルと。
 ……ふ。
 ふふふふふふふ!
 
 ああ!
 そうさあ!
 メタルの扱いはこんなもんだろうさあッ!
 
 ……えーと、そーですね、ジャズっぽさ、というか、「クラブジャズ」ってのは、ちょっと前のアシッドジャズ……早い話
が電子音+ジャズの後継みたいなもんと考えて貰えれば。割と大雑把に使われることの多い単語で、「ジャズっぽい
アレンジで打ち込み使ってれば、まあクラブジャズなんじゃない?」的な認識されてることすらあります。
 
 ジャズのリズムとコード自体は複雑精緻なので、ロック……というかメタルやハードコアのテクニシャンが傾倒するこ
とも多いですね。
 そーですねぇ、有名どこ上げると、テスタメントのアレックス・スコルニック教授(ホンモノの教授に)とか元メガデスの
クリス・ポーランド氏がジャズにズッぱまりになってて、気付いたらフュージョンのバンド作ってました。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=5z9xtb0InmI
Alex Skolnick Trio / Detroit Rock City
 
 メタラー(HRファンにも)感動モノの曲だと思います。
 いやホント、ロクに情報もない時期に買いましたよこのCDはよ!
 

779 名前:名無し客:2009/01/25(日) 02:03:36
そんな事より、荒木飛呂彦先生の原画がルーブルに展示されるらしいですよ?

780 名前:ミハルさん:2009/01/25(日) 02:09:00
 
 メタルではもちろんメシュガーがそうです。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=8kKLQp2BqXE
 
 ……このヒトらには関してはもうなんも言うことない、というか、ただ「速い」「手数多い」だけがデスメタルの最終局
面(ニルバナ)に至る道ではない、と教えてくれた方々です。
 気の狂ったスピードでユニゾンする各パートが驚愕。それに乗っかるヴォーカルの平坦さにまた驚愕。
 あんまりにも正確過ぎて、むしろライブがつまらなくなるという突き抜けっぷり。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=qHypgyHnpjY
 
 こちらはオフマイナー。ハードコアですけど、エッセンスは実にジャズちっくです。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=kGNb-YT5ECA
 
 デリンジャー・エスケイプ・プラン。同じくジャズのエッセンスで味付けしたメタル/ハードコアですね。
 
>>779
 
 そ、『そんなコト』ですとッ!
 が。
 し、しかしそれは確かに……かなりスサまじいニュースっ!
 
 いやもうホント、あのヒトはどこまで超人なんでしょう。『尊敬』と『愛敬』入り混じるっつぅーカンジっスかぁーッ!
 

781 名前:名無し客:2009/01/25(日) 02:11:24
>複雑精緻
なる即興のジャズ演奏を譜面に起したら読めたもんじゃなかったと言う話は本当なのね。

と言うか平日の昼間にメタル垂れ流しだったら、わたしでも予告なしで切るかも(何

あと元メガデスと言われると何故か日本に住んでてJPOPにはまってるマーティ・フリードマンを
思い出したわw
一体何が琴線に触れたんだか、あるいはJPOPには日本人には自覚できない魅力があるのか…




コントラバスを手で弾くとウッドベースになるんだっけ?
実際に弾いてるのははじめて見たわ。

782 名前:名無し客:2009/01/25(日) 02:23:24
一番上を聞いて思ったこと。

やはり聞く人と聞く時間帯と聞く場所を選ぶと言うか、聞き手のテンションが其れ相応でないと
聞きコナスのは難しい(何

783 名前:ミハルさん:2009/01/25(日) 02:24:37
 
 それと、初期のプログレにはジャズ的なバンドも多いです。
 というか、プログレ自体ジャズと分けられない時期もあったので。
 
>>781
 
 ですね。ジャズ人達は、本人達がもうインプロ展開のカタマリみたいな人達なんで。
 自然、他のジャンルの人間よりもテクニックに長けることが多くなります。
 前に紹介したロザリオスのタツヤさんはそこらへん理解して叩いてるドラマーさんですかね。
 
 マーティさんは、やー、あのヒトがメガデスに泣きを持ち込んだ張本人ですからねえ。
 狂気の軍曹から毒を少しだけ抜いた功績は大きいのやら小さいのやら。
 演歌好きが講じて日本に住み着いて、ジーンズは蒲田で、散髪は鶴見で、なんて言い出した超日本的アメリカ人
ですけど、あの人、基本的に日本のジャンクな音楽性が大好きなんだと思いますよ。ポップス全般に詳しいですし、
バックミュージシャンもこなしてましたし。なんだったっけ、JPOPは『拘りがない』ことが逆に好きだ、なんて言ってま
したね。貪欲に周囲に音楽を取り込んで、型に嵌らない音楽性が好きだ、って。
 プロデューサーに完全依存するタイプの日本だからこそ、とも言えるんでしょうけど。
「え? 帰ったらパフューム聴く」
 とか平然と言っちゃうマーティ・フリードマン。時代は変わった。
 メガデスからジャズ的な、というかインプロな要素を払拭したのもマーティさんだったと思います。一撃必殺の泣
きフレーズ、ってのはジャズ的な素養とは逆なんで。
 
 コントラ/ウッドベースは呼称の違いですね。
 個人的にはあんま意識して使い分けてません。
 
 
 ……く、しかし平然と切るとか言われるとは!
 だからあたしら(というかあたしと兄貴)の居場所は家にないんだッ!
 

784 名前:ミハルさん:2009/01/25(日) 02:29:54
>>792
 
 体力の余裕があるときに聴きましょう!
 きっとステキにトリップできます!
 
 ……実はこの人達、「CD一枚ユニゾンし続けるだけの環境デスメタル」なんてブツも作ってますが、
あんまりにも聴く人間を選んだ為か、すっかり黒歴史にされてしまってたりします。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=MsCsOAsUJFQ
 ↑その一部。
 
 ちなみにバンド名はヘブライ語で、日本語に訳すなら『キグルイ』みたいな感じです。
 

785 名前:名無し客:2009/01/25(日) 02:36:16
>>784
ぬう、眠すぎの頭と相まってクラっときた。

とりあえずエンヤで相殺しつつ寝るとしますか――

おやすみ〜

786 名前:ミハルさん:2009/01/25(日) 02:39:22
 
http://jp.youtube.com/watch?v=Ykr0DQrRUsM
 
 日本でジャズプログレで有名なのでは、たとえばこんなアイン・ソフ。
 カンタベリー系の赴きもありますね。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=y3YdvKKh0YE
 
 日本ではこの人達がプログレ/ジャズでは大好きです。
 
 個人的には名曲”すっげー深い穴を見つけたんだ! 今から飛降りるよ。存在証明なんかじゃない、この深さなら誰にも
見付かる事はないだろ? 生まれてしまった償いをしなきゃいけねぇんだ、生きる事と死ぬ 事によって。俺はもう立派に一
つの精神として立った。これ以上殺生を繰り返す理由なんて何処にもみつからねぇよ。そもそも人は今しか生きられねぇ、
常に生きているのは今だ。でも「今ここ」と想ったその瞬間には既に過去になっているわけで、次々に未来が押し寄せては
今を認識する間もなく過去になる。「生」という刹那を証明するのは不可能だろ。証明しようとする時には常に過去のモノと
なり生きていたという記憶にすぎねぇ。つー事は生きていようと死んでいようとそんなもんどっちだって同じじゃねーか。だっ
たら俺は希望に向かってスペシャルダイブ!”が上がってれば、と思ったんですが、これも名曲だと思います。
 

787 名前:ミハルさん:2009/01/25(日) 02:41:47
>>785
 
 はい、お休みです。
 機会があったらもっと違う風味のジャズでもお話したいですね。
 
 
 
 ……むむ、しかし妙な時間に妙に盛り上がってしまったのでアレですが、あたしもこの辺で。
 そして!
 そちらがエンヤならこちらはクラナドでッ!
 断じて! 別に対抗してるワケじゃあないッ!
 

788 名前:ミハルさん:2009/01/25(日) 22:04:42
 
 ボンドすげー。
 
 ちょっと思い出しましたけどJ-POPではカトゥーンもジャンクでいいですね。
 聴くつもりはないのに家で流れてたので曲まで憶えてしまいました。しかしあれこそジャンク音楽の
真骨頂。パフュームよりも更にジャンク。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=6ldVe4-pdp4
 
 ジャガ・ジャジスト。ノルウェーのジャズ/エクスペリメンタルバンド。向こうの発音だから「ヤァガ・ヤ
シスト」かな。ターボネグロとかと同郷です。こっちは全然野蛮でもヤンチャでもありませんけれど。
 ものっそい大スキなのですが、かなりマイナーで寂しい感じです。
 ATDIのアフロ組、現マーズヴォルタのオマーさんもこのバンドのファンでした。
 これだけ聴くと解り辛いですけども、音作りはポストロックとリスナー層がカブる雰囲気を出してまし
て、たとえばエレクトロニカとポストロックの境界線にあるような感じです。レイ・ハラカミの最新作が好
きなヒトはどっかしら気に入る部分があるかも。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=fZXQ3P3_i5E
http://jp.youtube.com/watch?v=Hh0mcbZd64o
 
 これはちょっと前のアルバムですが、この時は正にクラブジャズ/ポストロック的なアプローチが
前編に漂ってました。
 今のヤガはもっと生音重視ですんで、クラブ的な音はこっちのが解り易いかもしんないです。
 

789 名前:ミハルさん:2009/01/25(日) 22:17:58
 
http://jp.youtube.com/watch?v=2nbAfoNIv94
 
 デートコース・ペンタゴン・ロイヤル・ガーデン。
 このスレ風に説明するなら、菊地秀行先生の弟さんのバンド、と言うべきでしょうか。とはいえ、単に
菊地成孔さんと言えば普通に他の場所で(雑誌なんかのテキストで)知られてそうな気もするのです
けれど。色々なバンドに参加してるんですが、あたしの好きなのはこれ。
 ポリリズムを多用しまくったビッグバンドジャズなんですが、CDJを使ったりする上にフェスなんかで
演奏するのにも大規模が過ぎて、ダンスミュージックとしても知られてますね。菊地さんが音楽理論
を重視する人なので、外部テキストと組み合わせてハナシのネタにされることもあります。
 あと面子がROVOと重複してるんで、人力トリップミュージックな側面もあるかも。
 
 というワケで、昨日のちょっとした補足でした。
 

790 名前:◆FXSAKUYA52 :2009/01/25(日) 22:27:08
>>765
あ、ゴメンね。説明不足だったわ。
G'sは「電撃G'sマガジン」の略で私の「原典」と書いて「故郷」と読む雑誌ね。

で、手元に有ると思われる今月のウルジャンの表紙と、

ttp://members.at.infoseek.co.jp/z_onoreda/dengeki_gm.htmlの2000〜2003年までを見比べるの。



791 名前:ミハルさん:2009/01/25(日) 23:01:13
 
 ああ、雑誌。絵柄の雰囲気ってコトですね。
 んー、でもマンガの場合、掲載する作品によって変わっちゃうのは当然なんですよね。
 ウルトラジャンプ、実はSBRが乗るまでは本気で読んでませんでした。
 というか今でもSBRしか……ああいえ。
 
 ジャンプも週間は結構様変わりしてる、のかなあ。
 週ジャンだと銀魂とワンピースとハンターと、ああ、でも今でも読んでる作品はあるかな。
 銀魂はアニメこないだ見たら、キッチリ雰囲気が再現されてて驚きました。
 新八君の声の人すげー。
 

792 名前:ミハルさん:2009/01/26(月) 00:05:02
 
 あと追記です。
 サイトで表紙確認しましたんで、UJ自体はまだ買ってません。
 つーか今月、SBR載るんでしたっけ?
 

793 名前:名無し客:2009/01/26(月) 02:10:44
>>792
載ってなかったよー。

794 名前:名無し客:2009/01/26(月) 10:03:56
>>778
>感触
にゃー?

795 名前:ミハルさん:2009/01/26(月) 20:12:45
>>793
 
 確かそんな『告知』を見たような気はしていた……しかし……。
 『SBRの載ってないUJ』……ッ。
 それはッ!
 『知り合いのライブに八駅先のハコに出掛けたら連中が渋滞に巻き込まれて間に合わないので
トリまで知らない連中の演奏を聴く羽目になったようなもの』……ッ!
 あまりにも……『残酷』過ぎる……ッ。
 
 ……というか、連載追ってる作品が少な過ぎるんじゃないでしょうか、あたし。サンデーは魔王を
追ってましたが、安藤編終了(というかやっぱり『安藤編』でした)で止めちゃってますし。
 

796 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/01/26(月) 20:14:39
>>794
 
 猫い。
 
 
 
 ……あれ?
 
 猫、あれ……ホンモノ?
 

797 名前:名無し客:2009/01/26(月) 21:51:08
>>787
グラドナと言う「時を刻む唄」って題名の歌がゆったりとして良い感じ。

まあ偶然ようべつで聞いただけなので、他にどんなのが有るのかは知らない
と言うか、ゲームもアニメも題名だけ知ってるだけで避けてた。

いやー、泣きゲー鬱ゲーらしいと言う噂だけでトラウマが(ぇ

あれグラナドだっけ?

>>786
ふっ、曲は兎も角説明文が電波過ぎる――

と思ったらライブで丼をかき込んでる人が居るわ、フルートは吹いてるわ……


牛丼か豚丼か其れが問題ね。

ttp://jp.youtube.com/watch?v=lPT_3PEjnsE
とりあえずTOTOで中和しておこう(何


>>796
ネコは蓋を開けると死んでいるのよー

798 名前:ミハルさん:2009/01/26(月) 22:16:16
 
 いやクラナドです。
 ……って、ゲームっスか?
 
 しかし。
 解説……解説、はっ!
 違うッ! これは説明文じゃあないッ! やったら長いのはわかるけどこれが曲名なんだッ!
 いやまあ、これはホントです。
 あと長いのだと、”要するに「見え方」変えただけだろ? その表面の薄っぺらい部分だけだろ? モダンだろうが
ポストモダンだろうがんなこたぁ、どうだっていいんだよ。お前らカエレ! 皆あの海にカエレ!!”とかそんなのも。
 まだありますが、まあ、そっちは割愛で。
 
 TOTOは、あー、年中これが流れるとTOTO空間に。
 恐るべしアメリカンドリーム真っ只中の前向きミュージック。
 ジャーニーが今でも現役なのも更に恐ろしいですが。
 
 
 ……死なれると非常に兄貴が悲しむので観測はしないでおきます。
 

799 名前:名無し客:2009/01/26(月) 22:31:45
最近聞いてよかったロック風の音楽と言うと、
New Canon Rockかなぁ。
パヘッベルのカノンを上手にロック調にしてるし。

800 名前:ミハルさん:2009/01/26(月) 22:48:10
 
 そしてそのプログレバンドの方々は素でハンパないテクをお持ちのステキ人達です。
 メキシコ・アメリカのプログレフェスでも堂々と他の連中を捻じ伏せる実力者!
 『演奏しながら弁当を食える』ッ! そこにシビれる憧れるゥ!
 ……実際、その発想は斬新過ぎました。
 
 海外のプログレ雑誌でもアルバム発売時には『今年、プログレで最も高みにあるバンド(意訳)』
とか言われてました。
 
 演奏自体は重めの音圧とドリムシな展開、前世紀プログレに対するオルタナな位置付けでは
あるんですけどね。んでもまあ、ポーキュパイン・ツリーとかがプログレの現代版をやってる今、
これがプログレらしいプログレとして聴けるのは間違いないと思います。
 怪しげなフルートが乗っかる各パートのユニゾンが楽しすぎ。
 
 
 クラナドは、って、ぬあ。……なる、まんまゲームですか。つーか検索しましょうよあたし。
 
 これはまあ、”CLANNAD”ってスペルで打った方が良かったかもしんないです。ケルト系の現
代音楽(っつか、語弊を恐れずに言うなら『ロック』)ですね。
 エンヤは元々ここのバンドに所属してました。……所属っても、アルバムに参加したのは実質
一枚だけだわその時は新米もいいとこだわで、バンドのカオだったか、と言われるとクビ傾げま
すけども。
 
 何分活動期間があたしの人生より長いベテランなんで、あたしが知った時期にはもうエンヤの
が有名だった訳ですけども、ケルトブームなんかでちょこちょこと表舞台に出てきたり、U2のボ
ノがこの人達のファンで競演したりと、この手のトラッド音楽好きにはウケてた……と思います。
間口が狭かったトラッドを広めたのは間違いなくエンヤなのですが(日本でケルトって言ったら、
ケルティックウーマンよりエンヤでしょうし)、エンヤはあくまでトラッドを現代の機材でトリートメン
トして提出した、というのがスタイルで、クラナドはそれより若干泥臭くて、トラッドの骨組みをその
まま現代音楽にして出力してました。なんで、今のケルトミュージックに慣れた人が聴くと、ガチ
な民俗音楽に聴こえるかもです。ゴスメタルとかが広めたアトモスフェリックな雰囲気のせいも
あるでしょうけど。
 
>>799
 
 カノンだとループ環境音楽が思い浮かんでしまいます。無限に続く輪唱の幕。
 ……ってか、クラシックを茶化す(或いはネタにする)のはロックとかメタルの十八番なんで、
ゴシックメタル化した白鳥の湖とかメタル化したドヴォルザークとか、探すとキリないくらい出て
きますよ。
 

801 名前:名無し客:2009/01/26(月) 23:13:55
曲名か―――曲名なのか。
普段のミハルの乗りと合致し過ぎて疑いもしなかった(何


クラナド?

検索……把握。
なるほどなー、うむ一つ賢くなった(何

最近珍しく買ったメジャーCDだと
ttp://jp.youtube.com/watch?v=lMsjNqNVF14&feature=related
このKalafinaだろうか。

まあ、大本の理由は原作小説の方のファンだったからだけど歌も凄く好みだった。
攻殻の音楽がいけるならこっちも逝ける気がする。

理由はゴーストが囁くから(何

802 名前:ミハルさん:2009/01/26(月) 23:27:19
 
 というか久し振りに聴いたらエラいハマれますね。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=wSbcUfpKmGg
http://jp.youtube.com/watch?v=KiSVHrjsbd4
 
 個人的に名盤な”CLANNADU”から。まんまのタイトル過ぎて言葉も出ません。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=QcHxkQujBio
 
 これは初期の傑作から。
 ゲール語で歌われる伝統音楽の現代版、みたいな感じですね。
 プログレファンにはガルマルナとかが思い浮かぶかと思います。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=Yu6xYN5SVPg
 
 これはケルティックウーマン版ですが、クラナドもこれやってました。
 ……ってか、どんだけ知名度低いんすか。マジでこの人等の見付かりません。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=KTwr8x7D_Rc
 
 ボノとの競演はこれ。
 けど、これに関してはクラナドの曲、ってイメージ弱いです。あからさまに80年代の当世ロック
の影響がニジんでますし。
 けど、ゲームの名前はリスペクトなカンジなんすかね。
 いや、この人等、ホンモノの家族でバンド組んでたビョークもかくやな人達で、なんかのフェス
に出るときに名前が必要になって「じゃあドア(街の名前)から来た家族で」なんてノリで付けた
名前、ってか造語だった覚えがあります。
 クラン、ドア、とか名前の頭文字くっつけてクラナド、なんてアバウトさ。
 
>>801
 
 ぬあ、こりゃどうも。
 確かにこの菅野ちっくな、というか、「細かいこと無視して浸れ! この音に!」って圧力は解
る気がします。
 日本の音楽の濃いとこ抜き出して凝縮したみたいな。
 
 フンッ!
 『ゴーストが囁く』んじゃあ……仕方ないな……。
 

803 名前:ミハルさん:2009/01/26(月) 23:39:32
 
 そして何気にひどいことを言われていることに気付くあたし。
 いつも。
 いつもそんなんですかあたしは。
 
 
 あとUIRL、空の境界ですね、これ。
 このノリなら京極先生の作品もアニメ化できるんじゃないですかね。
 蜘蛛とかやってほしいです。蜘蛛。
 
 桜舞う彼岸の景色!
 なんか無駄に荘厳な音楽!
 
「貴方が――蜘蛛だったのですね」
 
 そして始まる陰陽師と蜘蛛(文字通り)の魔界大戦な大バトル!
 あれ? 展開が違う……?
 
 ……でもほんと、映像綺麗だなあ。
 基本的にアレですね、日本のアニメはすげーっす。
 

804 名前:名無し客:2009/01/26(月) 23:54:03
京極作品はアニメ化してたような……
魍魎の匣だったかな? なにやら絵柄がイメージと違う気がしてそのまま見なかった事に
してしまったけど(何

蜘蛛は、あの物語の構造をアニメで説明するのは……などとはもう言わない。
空の境界を見て思ったけど、別にアニメで理解する必要ない原作を知ってる人間が
そのシーンを見て浸れればそれでいい(何

「それが――絡新婦の理ですもの」

けど本気出さない大量生産アニメはびみょー。

805 名前:ミハルさん:2009/01/27(火) 00:07:22
 
http://jp.youtube.com/watch?v=oiFTXckh0zU
http://jp.youtube.com/watch?v=mJYVWScH3p4
http://jp.youtube.com/watch?v=iLezeb-U0_M
 
 ついでなんで聴き比べられる距離に貼っときましょう。こっちがエンヤ。
 
 徹底的に『日本人受け』なケルト音楽を作ったのはエンヤだったのは疑いありません。一人で
多重レコーディングを行って土の香りが染み付いたケルト音楽を『今風』に仕立て上げた、って
感じですね。
 元来、哀愁に満たされた旋律は日本では相性がいいんでしょう。
 国外の音楽を聴くにしてもロシア民謡だとかケーナが大好きな日本人、なんて下地もあったん
でしょうけど、演歌が生まれるような国なんで、最初からメロディには敏感な国だったのでは。
 メロハーが異常に流行る国、日本はダテじゃない。
 
>>804
 
 あれ?
 ハコってもうアニメ化して……、あ。あああ!
 しまった! 本気でしまったッ!
 見られるなら見ようと思ってたのに
 
 ああ、でも『初見の人が面白い』は重要だと思いますよ。
 前衛作品ならともかく、だれが見ても解り易く……はなくてもいいから、目で楽しめるのは映像
作品ですげー重要なんでは。
 ルパンについても、「あれはルパンが動くから面白いんだ!」ってのは真実だと思います。
 アニメは動くから面白い、はジブリにも言えると思うんですけどね。
 
 んー、大量生産は……どうなんですかね。
 偶に見るとすげー、って思うのばっかですけど。
 サザエさんも実は偶に見てたりします。
 

806 名前:名無し客:2009/01/27(火) 00:20:44
おおう、ウォーターマークだ……懐かしい。
いやエンヤは一通りCDで持ってるし、手を伸ばせば届く所においてあるけど
機会がないとなかなか聴き返さないものだから……おー懐かしい。


http://jp.youtube.com/watch?v=Y1L8uRApYeQ
けどマイベストエンヤはカリビアン・ブルー♪

>>805
してたかな?
もしかしたら製作中かも知れない(何


>偶に見るとすげー、って思うのばっかですけど。
そういえば私が見かけるアニメネタは作画崩壊とかばっかりだから
公正に評価すれば違うのかも知れない……

ルパンは声優のかたが引き継がれてから何かが違うと、ひたれなくなった(涙
ジャッキーの声が変わらないことを心から祈るわ。

では、おやすみ。

807 名前:ミハルさん:2009/01/27(火) 01:16:00
 
 ウォーターマークは、とりあえずエンヤとイコールのような気がします。
 とはいえ、むぅ、アナタ聴き込んでいるなッ!
 うん。これはパッと出てこなかったです。
 
 ハコは……むう、もう完成してたみたいですね。
 ってか!
 ってかこの人物の並びが!
 あれ、中善寺さんエラく背ぇ高くないですか? ……いやあの、あたしん中では榎木津さんより
ちょい低め、関さんより少し高い程度が理想、もとい、妥当なんじゃないか、と……。
 ていうか関さん。関さんかこれは!
 
 ……ま、まあ、今度DVDとか借りてみますよ。ふ、ふふふ、楽しみじゃあねえか……。
 
 
 
 ルパンは……あー、でもあたしも昔のルパンのとか借りると、最近の金曜ロードショーはどうかなって
思うことありますよ。一番最近のやつは結構楽しめたんですけど。
 カリオストロとかその後の映画とか、動いてる見るだけで面白いですもん。
 
 声優さんは……む、考えてみれば山田さんは記録でしか聞いたことないってことになるのかな。
 クリカンさんはルパンを真似るんじゃなくて本人のマネをすることでルパンに近付いた、って言ってま
したね。そういう形で後継が見付かることは、或いは幸いなのかもしれませんけど。
 ジャッキーに関しては、これはもう変わるとツラ過ぎるでしょうね。というかセガールも大概声アテる人
が変わったら辛いですし、洋画劇場のイメージはどれも軒並みデカいです。
  
 うぃす、ではお休みなさい。
 どーもあれですね、音楽ネタはダラダラ語っちゃっていけません。
 お付き合いありがとうございました。
 

808 名前:名無し客:2009/01/27(火) 01:28:06
>>762
>なんかあんま知られてないんですが、中村さんは色んな流派で免許皆伝って設定です。確か。
最初は神影流皆伝だけだったのが、後づけであちこちの流派の皆伝になっちゃって、
「ええい面倒くせえ、全部皆伝にしちまえっ!」という話だと何かで見たおぼえが。確か。
 
必殺2009は、一話目が割と凝った構成の話だったから自分としては好印象です。
ただ東山のキャラクターが、誰しもが指摘する通り殺し方から家庭環境まで主水パロディな
ので、ううーんという感じでちと悩ましい。
これだったら藤田さんは要らなかったような気もしますが、しかしいなきゃいないで「なん
で出さねえんだ!」という不満は出るのでしょうなあ。
 
まあ愛着の深いファンだとついつい減点方式で見てしまうけれども、良い所も拾って観てい
けば楽しめるんではないかにゃあと思いますじゃ。……私は「ガチ剣客の仕事人っつったら
滝田さんの山田朝右衛門なんだよ!」みたいに濃ゆいファンではないですが。
そういや三話目の殺され悪役は、攻殻SAC2ndの合田の中の人でしたね。
流石の分厚い演技より何より、怪鳥のごとき奇ッ怪な断末魔が印象的でした。
 

809 名前:名無し客:2009/01/27(火) 01:30:01
それと魍魎の匣のアニメは、結構よく出来てましたよ。
手足が妙に長い全員美形なキャラデザインは、確かに初見でうっと来るものはあるのだけど、
そこを乗り越えて見慣れるとさほど気にはならない……かも。
所々にへえと感心する演出もあり、話自体も、あの長くてヤヤコシイ話を頑張って纏めている
なと思いましたし。
(そこは重視しなくてもいいんじゃないの、って箇所がなくはないですが)
 
ただ良くも悪くも原作既読者向けかな。実際、読んでない人からは「何だかよく判らん」という
感想もあるようで。そういう点ではあんまり親切設計ではないですな。
 
そしてやっぱり出ずにはおかないナッチー夏彦。しかもあのキャラあの台詞。


って長々と失礼しましたー。

810 名前:ミハルさん:2009/01/27(火) 01:47:14
>>800
 
 むむむ。
 「面倒だから」なんて理由で全部免許皆伝ってのは知りませんでしたぜ。
 流石過ぎて言葉も。いや、いい意味で。
 ってか、最初は御嶽新蔭流じゃありませんでしたっけ?
 
 2009に関しては、あー、やっぱりみんな同じ感想なんですか。
 最初のスペシャルを見逃したのが歯痒くて仕方ないんですが、二話目をちょっと見逃して三話目を
見たら、ああ、これ割といいかも、と思って。考えてみればカゼでダウンしてた日に見た一話(非スペ
シャル)も面白かったのでは、なんて疑問視してみます。
 藤田さんに関しては、どーしても贔屓目で見ちゃいますね。これで過去の仕置き人がそのまま出て
きたりしたら、「新参要らない」なんて思っちゃうでしょうし。
 東山さんは恐らく狙ってるであろう主水パロディの家庭環境をどうまとめて行くか、そこはちょっと気
になってます。
 
 つーかあたしゃ、山田朝右衛門の仕置き見れたってだけでも羨ましくてしゃーないんですが。
 据物斬りの居合術を応用した一撃必殺って。設定見たとき本気でゾクゾクしたっつか、涙まで出そ
うになりましたよ。異能揃いの仕事人の中にあって、更に際立つその立場。
 萌え要素のカタマリみたいなもんです。
 しかも七代目山田朝右衛門とか。ヤバ過ぎ。
 
 あと、合田さんの中の人(声優さんをやったってことですよね?)がってのは今知りました。
 くっ、結構好きなキャラだったのに気付かないなんて。
 

811 名前:ミハルさん:2009/01/27(火) 01:52:29
 
 ぬああ、アンカーミス。
 上のは>>808さん当てです。って、言わなくても解る場所ですが。
 
>>809
 
 魍魎の匣は、あー、でもなんだかんだ言って気になるので、見れる状態になったら見ちゃうん
じゃないかなと。ミステリの場合、物理トリックに主題置いてる方が多少なりともアニメには見栄
えもいいですんで、そこをどうやってるかは見てみたいです。
 や、解り辛くなってるって評判考えると、まあ、さもありなん、と言えるのでしょうけど。
 個人的にはさっきも言った蜘蛛をやってほしかったです。前フリ必要なので辛いでしょうが。
 
 ナッチー。……。え。
 って、もしや京極先生がまた声優を。ゲゲゲの時みたいにまたですか!
 
 ううむ、色々とご意見ありがとうございました。
 参考にさせて貰いますぜ。
 

812 名前:ミハルさん:2009/01/27(火) 02:23:39
 
 って、御嶽新影流は単に新影流の系譜なんですかね。
 ワケわかんない疑問差し挟んですいませんでした。
 
 中村さん、WIKIで調べたら奥山神影、御嶽新影、小野派一刀、一刀無心の免許皆伝で心形刀流
まで使える、なんてバケモノみたいな剣士でした。すげー。
 
 御嶽新影、奥山新蔭が新蔭流の系譜だとすると(直新影流みたいな繋がりかもしれませんが)、
一刀無心流が仮に一刀流の系譜なら、小野派一刀流の皆伝ってことで新蔭、一刀流の髄を極め
た人ってことになるんですかね。
 両流派に繋がってる心形刀流も使えるって設定は結構妥当なのかも。
 ”実践”本意にひた走る中村さんのスタイルは小野派一刀流の「常に実戦」にも合致しますし。
 

813 名前:名無し客:2009/01/28(水) 15:04:06
ttp://www.excite.co.jp/News/column/20090128/Getnews_4200.html

色々納得できねー(何
だがもしかして洋楽CD買い漁るチャンス!?

814 名前:ミハルさん:2009/01/28(水) 17:30:25
 
 あー。
 この辺利用したオークション売りの人とかいるらしいですからねえ。
 むしろ! 攻殻に関しては!
 ありえない値段でUK版を買ったあたしをどうにかしてくれと!
 現状英amazonで攻殻を通常コンプリした場合、35.94£(マイナス消費税)で買えることに。ナメて
んのか。SSSとか4£程度じゃねーっスか。
 
 ってもまあ、そこまで発狂モンでもなかったり。アニメのDVDって、日本国内と海外でバカみたい
に値段差があるらしいんですよ。洋書のハードカバー一冊と同額の場合もあります。あくまで今回
の攻殻の例になりますが。あたしが買った時はもうちょい高かったのは確かなのですけど。
 そん時にCDは注文しなかったのかというと、そん時はアホらしくてできなかったのです。高過ぎて。
ボートラなし共通で米英の値段差が2.5倍とかでした。
 今回のにしてもDVD-BOXが安いのは見た目通りなのですが、各巻ごとで買おうとするとそんな安
くなってないです。SAC六巻は19.59£で、なんとBOXより高額。BOXは割引がデカいので、その分
で安くなってます。……というか、ハナから向こうのBOXの値段が狂ってるんですけど。
 
 で、CDは大体5£〜10£。確かに安いっちゃ安いですが、この値段はアメリカでも大差ありません。
 早い話、CDに関してはこれ、そこまででもないのです。UK限定盤なんかは米国盤と共通のフォー
マットだったりすることが多いのでそっち買えばいいですし、その場合、今でもHMVで買うのとそこま
で大差ねーんじゃないでしょうか(まとめてドバッと買うなら話は別ですが)。いや勿論枚数によって
はかなり変動はしますが、だったら.comで買ってもやっぱり殆どかわんないので、結局んとこ、安い
ヤツ探してそれがお目当てのレア盤だったらサックリ輸入、というのがパターンになるかと思います。
 
 ……んで、だったらUK発売のはどうかなと思いまして、ちっとJoy Divisionとか調べてみたらやっ
ぱビニ盤は100£近いみたいですが、日本円で買うと五千ちょっとはしてるBOXが15.98£。おお。確
かにこの値段差はデカい。わざわざインポートしてないから関税なしってのもあるんでしょうが、これ
は国内Amazonや.comで買うよりかなりお安いですぜ。
 

815 名前:ミハルさん:2009/01/28(水) 17:35:38
 
 ええ。確かに安いです。そういう意味ではお安いです。
 ですが! 問題はっ!
 あたしらオタクは付加価値を求めてCDを買うということッ! ペラいライナーだとかオビだとか紙
ジャケの為に同じCDを平然と買い漁る人種だということですッ!
 そういう人間は!
 『国内盤を狙って購入する』ッ!
 
『”ディスコグラフィが紙媒体になっているかだけでCDを買うか”だって……? いるよなぁ……そ
ういう『疑問』を持つヤツってよォォォー……『買う』ねッ! ”メンバーが書いたライナーが延々続
いてるだけの見開きジャケ”を買うか……? それも『買う』ッ! わざわざ『CD買い集める』って
のはよォォォ〜〜〜ッ! そォォういう意味なんだよなァァァーッ!』
 
 ……すいませんすげぇ虚しいです。
 
 あと、あたしらメタラーにとってステキCDを乱発すんのは殆どがアメリカで、リマスターもまずは
そっちから流れるんで、英アマゾンだと取り扱わない可能性すらあるってことですね。「日本にい
ると大抵のCDが手に入る」ってのはそういうことで、このオタ度はもはや国民性と言えるかもしれ
ません。
 ……ただまあ、オルタナブームん時のリマスターとかUKのオタかつ高精度なロックが安くなっ
てるのは確かなので、そこらへんを狙っていけばCDでもお得な買い物はできる……かも。
 
ttp://www.amazon.co.uk/Loveless-Re-mastered-Kevin-Shields-2CD/dp/B00197X1V8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1233127007&sr=1-1
 
 なので重要なアイテムはコレだッ!(いろいろな意味で)
 つーか、マジで出してくれるんでしょうね。ケヴィン御大。今度こそ。
 なんか二月辺りに日本に発表来て平然とまた伸ばすってニオイがプンプンなんですが。
  
 どっちかっつーと、イギリスだとレコードのがでけーんじゃないでしょうかね。影響。
 プチブームどうなったんだろ。
 

816 名前:名無し客:2009/01/28(水) 23:37:22
買っちゃった―――(何


817 名前:名無し客:2009/01/28(水) 23:52:39
いや、攻殻フルセットの方をだけど―諸経費込みで3000円程度とは素晴らしいw

818 名前:ミハルさん:2009/01/28(水) 23:57:16
 
 いやまあ、アリでしょう。
 アリ。アリアリ。アリーヴェデルチです。
 ……というかッ!
 あたしはその二倍以上出してUK版買ったんですがッ!
 
 アマゾンはレートがモロに出るのは場合によりけりですが、こういうときは送料がほぼ
固定なんで助かるっちゃ助かりますね。
 それぞれのパッケージまで欲しいならアレですが、内容だけならBOXだけでオッケー
だと思いますぜ。
 UK版タチコマは慣れるまで非常にヤカましく感じます。
 

819 名前:名無し客:2009/01/29(木) 00:05:50
笑い男、個11人、SSS、映画版攻殻とイノセンスのフルセット――

いや、日本版持ってるのに買うのもどうかと思ったけど安すぎるので。
以前バトー役の吹き替えをやった人のインタビューを見た事があるので
衝動に任せてみたw

820 名前:ミハルさん:2009/01/29(木) 00:16:27
 
 ぬ。ラフィングマンとインディヴィジュアル11も買ったんですか。
 むう、あたしも買い足そうかなあ。
 字幕は評判最悪なのでそっちはどうでもいいのですが、総集編は日本版も持ってないんすよね。
 ……問題は、イチイチ買う度に兄貴にクレジットカード借りなきゃなんないことですが。
 面倒なんすよ、アマゾン。……テキトーな中古CD屋とかはもっとアバウトなのになあ。
 
 声優さんっつーと、エプカー氏ですか。
 ポッドキャストかなんかでインタビューしたってヤツですかね。
 何話してたんだろ。
 

821 名前:名無し客:2009/01/29(木) 00:26:59
ttp://willowick.seesaa.net/archives/200707-1.html

ここの2007の7月9と16日のエントリーだよ。
翻訳記事なのでどこまで正確かは保障しかねるけど。

822 名前:ミハルさん:2009/01/29(木) 00:39:40
 
 うお、こんなんあったんですか。ども。
 
 海外版、バトーさんの声は結構悪くないなと思います。少佐の人も。
 いかんせん、日本版のヒトが巧過ぎて比べるとちっとアレなんですけれど。……ってか、前にも同じ
こと書いた気がしますが、日本の声優さんは軒並み凄いのかもしんないです。
 大塚明夫さんがとりあえず最高です。
 
 てーか、エプカーさん熱いなあ。こんなタイプのヒトだったんだ。
 

823 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/02/10(火) 01:12:27
 ヤバいッ! 駿河屋でメタルブラックのゲームとサントラが共々2000台になっている……ッ!!
 というかサントラ買っちゃった! 見てから購入ボタン押しちゃったよ!

 ……実を言うとゲーセンでやったのとSS版は持ってたんだけどサントラだけなくてねー。
 今ヘビーローテしてるけどマジでヤバいわ、うん。

824 名前:ミハルさん:2009/02/11(水) 01:06:08
 
 ちゃっす。
 結構タテ込んでて、気付いたらバレンタイン!
 
 って!
 バレンタインなんてネタになりそうなのを放置してるのもどうなのよこのスレは!
 ……まあ、前後になんかやれそうならやっときます。
 
>>823
 
 ぬあ、例のサントラですか。
 中古屋は案外とプレミア……付くんですが、結構相場も上下するみたいですからね。
 オークションほどボられないから穴場なのかも。
 あたしもちっとチェックしときます。
 
 最近はいい加減ipod買い足さなきゃならなくなりそうなんで、Classic検討してます。
 容量多いんで、これだとサントラならサントラってカタチで入れられそうですね。
 イコライジング性能がちょっと心配だけれど。
 

825 名前:ミハルさん:2009/02/14(土) 23:14:18
 
 眠くて死んじゃうぜぇーっ!
 
 カゼがぶり返し気味のミハルさんです。
 チョコレートは渡しましたが貰いもしました。周りの人以外だと兄貴にも。
 ああ美しき兄妹愛。別名マッチポンプ。イエア!
 
 でも実際、二月三月で日本を挙げてのマッチポンプ劇場です。
 
http://www.youtube.com/watch?v=G1bTqfbXnZs
 
 
 仕事人が面白くなってまいりました。時事ネタ(とはいえ遅め)も微妙に取り入れる姿勢は、正に
仕事人って雰囲気を醸し出し始めてます。あれで洋画劇場と被らなきゃ最高なんですけど。
 
 あとお姉さまに教えて貰ったサントラは売り切れてました。というか、あたしが確認した時点では
もうなかったのかな?
 非現実的な値段で出回ってるんではなさげなので、オークションで狙ってみます。
 

826 名前:ミハルさん:2009/02/18(水) 23:12:41
 
 大分前のレスですけど、ちょっとそっちに回せる時間があんまりないので補足。
 というかちょっとお話聞いたのでそのまとめ。
 むしろマイメモ。
 
 諏訪の神様と生贄のお話。
 他のどの神社に比べても圧倒的に奇抜なお祭りの多い諏訪大社ですが、御頭祭という結構有名な
お祭りが(一番有名なのはよく知られた御柱祭りでしょうけど)あります。
 んで、コレは別の諏訪神社のお話ですが、ここにも類似のお話がありました。
 なんでもその神社では(でも)昔は鹿を生贄にしていたそうで、更にその前は人間を生贄にしていた、
なんて話があったそうです。真実かどうかはさておき、ってことになるのですが(こいつぁまあ、諏訪に
限らずですが、「人の生贄」譚にはそういう真偽が問えない部分があります)、そこから来歴をたどると、
生贄の内訳は人間から鹿へ、そこから魚へと生贄は変質してるってコトでした。
 正確に話を追うなら、「以前は大蛇に生贄として娘を捧げていたけど、諏訪の大明神さまを勧誘して
鹿を捧げたらパッタリと大蛇の生贄要求はなくなりました」って話で、コレ自体は類型の話がいくらでも
見付かります。ただ、これで鹿の贄の説話を取るとするなら、この場合、以前は「獣肉を捧げることが
むしろ尊ばれていた」んですね。
 だとすると、そこで「人間から鹿へ」「鹿から魚へと生贄が移った」のは、「鹿肉も良くはない」って意識
が出てきたってことで、それは結構重要なんでしょうね、というか。
 これは仏教との関係にかなり比重を置いてるらしくて、要は「仏教で殺生は罪とされるので日本もそ
の影響を受けた」ってコトなんでしょう。
 
 コレに直接関係するかどうかはちょっと横に置きますけど、諏訪神の狩猟神としての性質の顕在化と
しては鹿喰箸や鹿喰免があります。
 これは獣喰いが禁じられてたころ、文字通りに「鹿って食べちゃダメだけど、このお札があればそれ
も許可します。大丈夫です。この箸使えば大丈夫です」って主張するアイテムのコトですが、これは凄
く日本の風土に合った解釈だったんですね。
 お国柄、日本ナイズドするのはもはや必殺ワザですけど、当時からこういうのは得意だったんだなと
思いましたぜ。
 

827 名前:◆WEISS0lzjQ :2009/02/18(水) 23:39:51
 
「――片手落ちだな」
「は? 何が――何をなんだね、伊里耶」
「諏訪大神を仏教と関連付けて説明するなら、まずは本地垂迹的な要素があったことから話すべきだ――日本は
仏教との神仏習合過程で、そもそも日本に存在しなかった罪状観念と日本古来の”ケガレ”を結び付けて、肉食に
関する罪、なんて自分勝手な理屈を作り出した、ってのがまずは重要なんだからな。いきなり『日本風にアレンジ
した』なんて言ってもハナシが通じないだろう。まったく、フィーはなにかツッコミ入れなかったのか」
「だから僕は君が何を言ってるのかさっぱり――ふぃー? 誰だそりゃあ……あれ? もしかして今、僕ら以外に誰
か来てるのか?」
「いや、俺達以外は出掛けてるよ」
「……。まあ、いいんだが――では何の話だね、一体」
「ん、触穢のハナシかな。日本人の頭の中身のハナシだ」
「はあ、頭の中身……いや。ショクエ? なんだねそりゃあ」
「なんだね、って――」
 
「だから――ん? あんた、なんだ、もしかしてここらじゃ肉食の物忌みだとかはないのか?」
「物忌み? 肉食の?」
「肉食をすると、神社に行って神様を拝めなくなる期間のことだよ。八幡だと鹿やら猪で百日くらい、猿がもう少し短
くて、タヌキやらウサギが更にそれより短くて、もっと短いのが魚だな。笑えることに、喰う相手によって穢れの度合
いが決まるってワケだ」
 

828 名前:◆WEISS0lzjQ :2009/02/18(水) 23:45:55
 
「はあ――いや、それがケガレなのか? どちらかというと、それは罪の重さを――いや、」
「あはは、いや、分かってるよ。もしも殺生に罪を感じるなら、鹿と猿にどれだけの差がある、ってことだよな。第一、
現代人の禁忌から言ったら、多分サルの方が鹿より食い辛いモンがあるしな――」
「――どうしてそんな順序があるんだ?」
「うん。まあ、こりゃ多分カンタンな理屈だよ。四本足、二本足、足がない、この順番だ。けど、なんだ……そうか、な
るほど、ここじゃあケガレはケガレとして成り立たないか――ははは、こりゃいい。いや、結構驚いたな――」
「だ、だから何の話なんだ――」
「ああ、悪い悪い。――だから、触穢ってのは文字通りなんだ。穢れたモノと触れることで身が穢れる、なんて考え
方のことさ」
「汚れる……のかね?」
「汚れる、じゃない。穢れるんだ。アンタと俺でどこまで概念が通じ合うかは分からないが、そうだな――例えば今の
物忌みの話なら、肉を食べることで、身体に穢れがまとわりつく、、、、、、と言ったところかな。罪穢れ、なんて言うけどな。結
構これはそんなところから来てることも多いんじゃないかな」
「ケガレ……を、まとう、、、のか? それはその――罪を負う、というような?」
「罪のそれとは大分違うよ。ケガレ、ってのは、何をしていなくても自然に集まってしまうモノ、って意味合いが強い。
そうだな、近いのは厄だろう。縁起担ぎのハナシで、厄が付くのはよくない、だとか言うだろ。そう言えば、柳田翁は
「ケガレ」は気が枯れること、転じて「毛枯れ」で、その「ケ」は、祭りなんかの「ハレ」で発散される、なんて言ってた
な――ああ悪い、独り言になっちまった。うん、ハレとケ、なんて言うだろ。これはあくまで説話に過ぎないけど、日
本では何もしていなくても集まっていく鬱積した「陰の気」じみたモノを、祭りやら祭日やらに一気に発散する、って
考え方があるんだ」
「……まあ、確かに祭りは晴れやかに行うものだが」
「そう。だから、そうすることで『場』に集まったモノは全て『ハレ』る。これは時間と別ち難い考え方で、日本ではそう
して溜まったモノを発散する、って順序を作り上げてたんだ。そうだな、神様のお祭りでみんな揃って騒げば鬱積し
たモンも晴れますよ、って言うと分かりやすいかな」
「きみがそう言うと、なんだか集団パラノイヤみたいな口振りだな――まあ、分かったよ。要は、精神につく汚れのよ
うなモノ、という意味だな。実体のない嫌悪感のようなものだろう」
「ははは、察しが良くて助かるな――まあ、そんなとこだよ。つまるところ、理由もなくある事柄を避けたり忌避したり
することの言い訳、、、さ」
 

829 名前:◆WEISS0lzjQ :2009/02/18(水) 23:57:18
 
「だが――なあ。伊里耶、ぼくに分からないのは、どうして肉食が穢れなのか、ということだよ。そんなことを言ってい
ては、猟師も漁師も成り立たないじゃないか」
「まあ、元々はそうだったんだろうな。肉を食べることが穢れに繋がる、、、、、、、、、、、、、、というのは、だから仏教伝来が果たした一つの
成果なんだろう。仏教は肉食禁止だからな。平安辺りから体系化され始めてた神道は、丁度流れ込んできた仏教に
横槍入れられて、見事に『肉食をすれば穢れを得る』なんて解答を弾き出したってワケだ」
「ふうん……? 要は、それまで日本に何かを殺して食べることは罪穢れとなる、なんて考え方はなかったのか」
「生理的な嫌悪感はあったんじゃないか。ただ、そいつを理由付けして「罪」だとか感じる考え方はなかっただろうな。
天命の大飢饉で馬や人を食った人間が、自分の行為を酷く罪深いことだ、なんて話した例があるけど、これも罪状
観念が仏教のを流用したから起きたことだ。当時の富農なんかにも、馬や人を喰ったものは雇わぬ、なんて言うの
がいたらしいし――」
「ま――待ってくれ、伊里耶」
「なんだよ」
「馬や――人? 人をか?」
「人だよ。遺伝病の発生確率を増加させることを考慮しなきゃ、人間の肉ってのはそれなりに食える、、、、、、、、モンだぜ。まあ、
あんまり美味くはないが――ははは、冗談だよ。そんな顔は止めようぜ。なんだ、俺が人間を食ってたとでも?」
「い――いや、そんなことは」
「……まあ。望んで喰うヤツはいないよ、あんまりな。それはともかく、ここで重要なのはその富農が「罪の重さを案
じて雇わない」なんて言ってるんじゃないってことだ」
「違うのか? いや、そもそも馬と人を一緒に扱うのは――」
「分かり辛いだろうな。けど、「将門記」なんかにゃ罪人に馬肉を食わせた、なんて話があるからな。コレは明らかに
馬の肉を毒として扱ってる。馬肉なんざ、俺はナマでもそれなりに食えるが――」
「……」
「冗談だよ。今はそんなことしてないって」
「今は!?」
「偶に」
「偶に!?」
「……いや、あんたはほんと面白いな」
「い……い、伊里耶――」
 
「――安心しろよ、あんたを食ったりはしないさ」
 

830 名前:◆WEISS0lzjQ :2009/02/19(木) 00:15:26
 
「――まあ、最悪なのはさ。これが日本の貴族連中に「穢れあるモノは人ならぬ」なんてクソ馬鹿げた理念を植え付
けやがったってことだ。どこの阿呆が言い出したか知らないが、面前に居たら一刹那の十六分の十六分の一の間
に十億回刻んで肉片一つづつ三千大千世界全部の須弥山にバラ撒いてやるよ。七面倒なコードを俺達の世界に
残しやがって――当時の話を聞く限りじゃ、、、、、、、、、、、、やっぱり貴族なんて連中にロクなのはいねえな。――胸クソ悪くなって
くる。こういう時はまあ、ナマの話が聞ければいいってモンでもないな――」
「当時の……って、伊里耶、千年以上も昔の話をどう聞くというんだ」
「そりゃ決まってる。経験者に聞いたんだよ」
「経験者――」
「アンタは俺よりここらに長いんだ――そんな例外が居たっていいと思わないか」
 

831 名前:◆WEISS0lzjQ :2009/02/19(木) 00:18:38
 
「ま、問題はここでな。そんな観念は、当時の貴族社会にこんなアホな妄想を植え付けた。屠殺など罪ある仕事に
就くものは人に非ず、また、不具の者は穢れが故にそうなったのであって、これもまた人に非ず――」
「――ば、馬鹿な! そんなのは無茶苦茶だ! で、ではなんだ、猟師や漁師もそう扱われていたというのか? そ
れに、貴族は絶対にそんな事をしないとでも?」
「まさか。だってそんな事をしたら、貴族は狩りを楽しめない。だから、何が穢れとなるかは貴族が決めた」
「……酷いな。そんな理由は、神仏に還元されていい筈がない」
「まあな。だから神仏は貴族のモノだった訳さ。こんなのはハナシにならない。当時の貴族やら社会やらが捏ね繰り
回した、日本版クソ優生学のアレンジヴァージョンだ。神道に仏教やら密教やら陰陽道やら取り込んだ挙句、日本
は独自の『穢れ』を作り上げた。道徳に絡めたフレイザー式感染呪術だ」
 

832 名前:◆WEISS0lzjQ :2009/02/19(木) 00:47:40
 
「感染……? どうしてそこで呪術が出てくるんだ。フレイザー卿の金枝篇なら僕だって名前は知っているが――」
「呪術って言っても、西洋の儀式魔術だとかとはハナシが違うからな。呪術はもっとプリミティブな――シャーマンだ
とかドルイドが知ってる『知識そのもの』だ。そうだな、呪術の基本は共感だ――俗に言う共感呪術だな。コレには大
別して二つのパターンがある。一つは「感染呪術」、つまり長い間接触していたモノ同士は何らかの繋がりを持つって
ヤツだ。例えばあんたがインドの像を見せられたとするよな。ガネーシャとシヴァが一本の木から掘り出された像だ。
……ガネーシャとシヴァは知ってるか?」
「え? ああ。歓喜天と大黒様だろう」
「で――今回は、あんたがガネーシャとシヴァを知らなかったと仮定してくれ。その二つの像はピッタリと寄り添うよう
に作られていて、あんたにはまるでゾウと三眼の鬼人がシャム双生児みたいに合体してるような像に見える。どうだ、
想像できるか?」
「できるが……それがなんだと言うんだね」
「うん。つまり見えてしまったあんたにとって、その二つはシヴァとガネーシャじゃない。像姿の神と鬼人、という関係で
もない。あんたにとってそれは、『像の形をした人間と鬼が合一した異形のモノ』だ――これが「感染したモノ」ってコト
だよ。アンタは見事に俺の呪術に感染したワケだ――」
「な――また、君は――」
「ははは、いや、悪い悪い。まあ、要はさ。”感染”ってのは”以前一つのモノだったモノは、例え分割されても同じ性質
を共有する”だとか”長い間接触していたモノ同士は繋がりを持つ”って意味なんだ。同じ意味を共有したモノは立派
に感染してるんだよ。もう一つは類感呪術で、これは分かりやすく言えば『似たモノは同じ性質を得る』だとか『似たモ
ノ同士には繋がりがあって、片方に起きたことはもう片方も同じことが起きる』って迷信だ。つまり雨乞いやら豊作祈
願やらだな。南米では強いケモノの毛皮を羽織ることで、自分もそのケモノの力を得られるって信じたりすることがあ
るけど、それも典型的な類感呪術だ。呪術、なんて言うと仰々しいモノに思えるだろうけどな。呪術は他のどんな魔術
よりも根源的なプレ魔術なんだよ。人間が自分の手で触れて、自分の目で見る世界に意味付けした、この世界の原
初のオカルティズム――それが呪術だ。科学が台頭する以前、かつてそう信じられていた事柄の残骸だよ。分から
ないモノに意味を持たせる為のパターンの明示だ」
 

833 名前:◆WEISS0lzjQ :2009/02/19(木) 01:22:27
 
「だから――触れれば穢れるモノ、という扱いが」
「そうだな。穢れの差別転用だ。馬鹿馬鹿しいにも程がある」
「そんな、曖昧な理由が――」
 
「――そんな曖昧なモノが、どうして根付くに至ったんだ? 感染だの類感だの、当時の日本人が意識していた筈がな
いじゃないか」
「ないよ。だから――意識させる言葉が生まれた。あちこちに散らばった『穢れ』って概念を体系化して、日本は独自の
『嫌悪すべき諸事』のパターンを編み上げたんだ。かくして日本人の中には物理的な汚れと、精神的な穢れが生まれ
た。で、残念なコトにこいつは俺が住んでた『今』でも消えちゃいない」
「言葉が……”感じること”を選り分けた、とでも」
「そうだよ。言葉に導かれた概念が存在するのはおかしいことじゃない。禅の悟りと同じコトだ。西洋の価値観念で禅は
『瞑想』なんて訳しちまうけど、本土での悟りは複数の抽象化された概念を寄り集めたもんだし、それを更に高度化した
日本の『悟り』は、もっと複雑な意思状態を指してる」
 
「それに――ケガレに相当する観念なんてそもそも日本にはなかったんだ」
「なか――った?」
「驚くようなコトじゃない。ケガレ、なんて言葉を作ったのは当然日本人だけど、その由来は仏教が本筋だってのは説明
したよな。これは元を辿ればヒンドゥー教に行き着く。あっちヒンドゥーの来歴は死が日常を埋め尽くす血腥い神々の饗宴だ。そも
そも地力が違う。ありゃあ徹底的に生と死を直視して現実に溶け込ませる力技だ。日本みたくお行儀のいい神様が社に
侍る――なんてことは一切ない。まあ、その分後腐れもないから大分マシだったがね」
 

834 名前:◆WEISS0lzjQ :2009/02/19(木) 01:32:24
 
「いや――だが、君に言わせれば、言葉はただの表像でしかないんだろう。僕は君に説明されれば、『穢れ』がなんなのか
理解できてしまう。それが、本来は存在しなかった、なんてことはありえるのか。穢れ――は、その」
「もっと根源的で肉体的なモノだ、か。――そうだな。穢れはどんな宗教にも色々な形で存在するよ。アンタの言う通り、言
葉は思考に優先したりしないよ。ああ、ケガレって言葉が穢れを作り出した、なんてことはない」
「いや、じゃあ――」
 
「――じゃあ、その言葉を作るのは誰だ? 何を元にしてその言葉を練り上げる?」
「あ――え?」
 
「それは――僕たちは、この世界、から――」
 
「――そうだ。俺達はこの世界を明示することで「ケガレ」を作り上げた。その「ケガレ」を「穢れ」に変えることで、日本人はこ
の観念を自分のモノにした。そこに呪術と日常の、非日常と日常の境界はない。呪術からヒトが目覚めても、既に作られて
しまった憎悪は消えやしない。差別するものとされた者は隔てられてる。呪術コトバによって生み出された差別モノは、もう呪術なん
て言葉から切り離されて世界を呪う。この世界から呪術が廃れても、ヒトが数百年掛けて編み込んだ綾糸はそう容易くは千
切れやしない。憎悪も差別も無根拠に飲み込んで、俺達の思考は過去から数珠繋ぎなんだ」
 
「――ほら、だから俺達はこんなに言葉に囚われている。ここに住んでいたアンタと違って、俺の頭の中ではそんな憎悪
や差別や無根拠な殺戮の風景が那由他を埋め尽くしてる。どこに場所を変えても――俺の視界はそんな世界瓦礫/rt>の中だ」
 
「だから――俺は逃げられない。俺の身体を作った世界コトバから。俺の瓦礫なかから」
 
「伊里耶――きみは」
 
「今は、まだ、な」
 

835 名前:◆WEISS0lzjQ :2009/02/19(木) 01:59:31
 
「あー……話が長くなったな。えっと、元々は何の話だったっけ――ああ、アレか。そうだ、思い出した。アレだよな、路面を凍
らせて主人公たちの車を追撃してきたギアッチョがルーフの上に取り付く場面」
「ぎ、ギアッチョ? な、なんだねそりゃあ――そんな話には憶えがないんだが――」
「ここが重要な場面だ。追撃してきたギアッチョはルーフの上に取り付いて言うんだ。「『フランスのパリ』ってよォ……英語で
は『パリス』って言うんだが、みんなはフランス語通り「パリ」って発音して呼ぶ……でも『ヴェネツィア』はみんな『ベニス』って
英語で呼ぶんだよォ〜〜〜『ベニスの商人』とか『ベニスに死す』とかよォー――なんで『ヴェネツィアに死す』ってタイトルじゃ
あねぇーんだよォオオォオオ――ッ! それって納得いくかァ〜〜〜おい? オレはぜーんぜん納得いかねえ……なめてん
のかァ――――ッ、このオレをッ! イタリア語で呼べ! イタリア語で! チクショオ――! ムカつくんだよ! コケにしや
がって! ボケがッ!』――凍り付く車に取り付いて叫ぶ麗人! この瞬間っ! 世界中の連中が感動の滂沱と畏怖の奮え
に身体を預けたッ!」
「……」
 
「まあ、それはそれとして、美味い饅頭だな」
「……まあ、チョコレートが欲しいだのなんだのと言われても、悪いが僕はそれを見たことがないからな。甘いモノといえば、
正直それくらいしか思い付かない。……で、どうして急にチョコレートがどうのと言い出したんだね」
「ん、いや、理由はないが」
「はあ、いや――しかし」
 
「理由はないよ」
「……いや、だが」
「理由はない」
「……」
「理由はないッ!」
「……まあ、分かったよ。分かったから握り砕いた湯のみの破片を指先で磨り潰すのは勘弁してくれないか。あまりこの世の
光景を見ているとは思えない」
 

836 名前:古手梨花 ◆ReNAW5TNRU :2009/02/19(木) 02:49:40
ふふ、面白い話をしているわね。
和漢三才図会によると、確か鹿の首を75頭捧げる――のだったかしら。

ああ、ごめんなさい。
私は古手梨花。諏訪子や妹紅たちと遊んでいる者よ。
私もちょうど諏訪大社についていろいろと調べているところだったから、
ついつい読みふけってしまったわ。
特に本地垂迹のあたりは、私もいろいろ厄介に感じていたし、
もうちょっと詳しく話を聞きたいわね。

でも、そうね――言葉という牢獄に私たちは縛られている、というのは正しいでしょうね。
諏訪も、縄文の信仰を今に伝えるなんて言う人もいるけれど――お笑い草と言ったら怒られるかしら?
だって、誰も縄文の言葉なんて知らないんだもの。
思考は言葉に規定される――なのに、誰も知らない言葉の思考を、どうして分かるのかしら。
仮に、シャーマン的な感性の持ち主がいて、それを「感じる」ことができたとして、
心で「感じる」ことと、誰かにロジックで説明できるほどに「分かる」こととの間には――まさに那由他の間があるわ。

そうそう。
その思考から「漢意」を取り除いて、日本人本来の「やまとごころ」を見つけようとした本居宣長は、
万葉集の時代には「こころ(心)」と「こひ(恋)」の「こ」の発音は、それぞれ異なっていたことを発見したそうね。
「こころ」の「こ」は万葉仮名で「己・許」、「こひ」の「こ」は「古・故・孤」。
万葉びとは、この二つを別の発音で話していたそうよ。

でも。
江戸時代、本居がそれを発見した時、すでに二つの発音は同じ「こ」として、一つになってしまっていた。
私たちが、二つの発音を使い分けられないのと同じように、本居もそれを使い分けることはできなかった。

純粋な「やまとごころ」を求めて、それを支える「日本の言葉」を探して、万葉集を一生懸命研究した本居宣長。
そのゴールは、「既に言葉は混じり合っていて、かつての言葉を再現することは不可能」だった。
彼はどんなに絶望したのかしら。
彼がどんなに「漢意」を除いた日本だけの思考を蘇らせようとしても、
すでにそのためのツールである言葉は、すでに喪われた後だったのだから……。


けれど、本当に面白い話ね。
少し私も、「祟り」についでも書いてみようかしらw


837 名前:名無し客:2009/02/19(木) 09:33:59
類感呪術と感染呪術の複合としてもっとも人口に膾炙したものが、
丑の刻参りの藁人形ですね。

藁人形は、藁と言えど人の形をしている故に人と同じ苦しみを負う――これが類感呪術。
そして、その中に入れられる呪う相手の髪の毛は、呪う相手の体の一部分であった故にその相手といまだ繋がりを持つ――これが感染呪術。

陰陽師の使うとされる式神に基本的にはヒトカタと呼ばれる人の形をした紙を使うのも類感呪術の一種ですし、
雛人形を船に乗せて流す、流し雛は人に代わって穢れを受けた雛人形を、文字通り「水に流す」ものですし。

838 名前:名無し客:2009/03/08(日) 22:54:23
http://www.youtube.com/watch?v=_NNKK8Jfwyg

最近の個人的大ヒット。
つか一枚絵でPVとかかっけー

839 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/02(木) 00:02:54
 
 と。
 ちょっとお待ちください。
 
 久し振りに覗いたらレスついてるとか!
 ビックリだよミハルねーさんは!
 

840 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/02(木) 00:36:02
 
 うー……やっぱかなり眠いです。
 近況報告は今度にしますが、ちょっとだけ。
 
>>836
 
 本地垂迹は、うあー、これ、色々あとでフィーちゃんらにツッコミ入れられました。
 ちろっとまとめちゃうと、これ、「日本では仏教の世界観に殺生観を擦り寄らせる為に
元からいた神様の信仰を利用できた」ってことになるかと思います。猟師は獣を狩らな
いわけにはいかないのに殺せない、では話にならないので、それを許可する為に例外
を神様からお許しとして得ていた、ということになりますでしょうか。
 類似するお話だと、「ケモノは自分だけでは浄土に行くことができないので、人間に食
べられてこそ成仏できる」なんてお話があったかと思います(うろ覚えですが、この手の
正当化話は確か他にもありました)。
 
 言語はあたしらの思考を規定する……というか、言語が思考の材料になっている、と
かフィーちゃんには言われたことがあります。あたしらは言語の範疇でコトバすることが
できるというか。
 ただ実際、仰られてる万葉集もですけど、文化に関してはまさしくその言葉と一対にな
る形でモノが存在するので、それを「そのまま蘇らせる」ことは不可能でしょうね。どう足
掻こうが、あたし達はサムライも知らない時代に生まれたこの世界のパーツなので。
 
 タタリは……あ、なんか面白そうですね。
 あたしもまたなんか書こうかな。
 

841 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/02(木) 00:40:53
 
 うわ、凄い走り書きだ!
 ……今度書き直せる時間あったら補足します。申し訳ないっす。
 あとまあ、フィーちゃんの意見もですけど、言葉については、あたしは「思考できる範囲に
言葉はある」と思ってます。
 
>>837
 
 うぃす。
 概ねそんな感じですね。
 いざなぎ流だとこの辺がものっそい体系化されてて、って、これあたしの話題じゃない!
 フィーちゃん! なんかフィーちゃんのフィールド汚染してるよあたし!
 

842 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/02(木) 00:43:59
>>838
 
 お。
 藤原ッ。
 
 ……藤原かな、これ。
 

843 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/02(木) 00:55:21
 
 いや兄貴。
 ハネ+リボン=お姉さまという思考もどうかと思いますが。
 ……っつか、姉御は核融合っつーか炎ってイメージです。
 むしろ正しくIn Flames。
 
 さておき、一枚絵でPVっつーのは確かにあんま見ないですね。
 やっぱ動いてナンボ、というのがこれまでのパターンでは定石なので。
 
http://www.youtube.com/watch?v=SWaxfiya0kw
 
 一枚絵でPV!
 ……ウソですいません。
 ケラングのオマケだったCDのやつですね。マストドンでオリオン。
 これがついてた雑誌、今はプレミアついちゃってます。
 
http://www.youtube.com/watch?v=jFhlMuvqKWQ
 
 新譜出るのでついでに紹介です。
 こんなホガらかにデスメタルを紹介できる番組っていいなあ。
 

844 名前:名無し客:2009/04/03(金) 13:11:35
>>842
吸血鬼かどうかを確かめる方法に、こんなのがある。
『心臓に白木の杭を刺して死んだら吸血鬼』

同様に、藤原妹紅かどうかを確かめる方法に、こんなのがある。
『心臓に白木の杭を刺しても生き返ったら妹紅』

845 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/03(金) 20:24:28
 
 なるほど。
 それは名あ……じゃねぇ!
 
 やれるか! つーかやらせねぇ!
 吸血鬼風情と扱いまで一緒するな!
 
 何故と言うのならッ!
 俺以外の誰かがそんなマネするのは許さねえしそんなマネする俺も俺が許さねぇ!
 
 
 
 確かめるなら、もっと他の方法で……こう、匂いとか味とか!
 
 ……。
 特に妙なことは言って……ないな、うん。
 

846 名前:名無し客:2009/04/03(金) 22:45:11
音で確かめないあたりが何とも……

847 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/03(金) 23:14:55
 
 それじゃあ触ったりできないだろうがッ。
 

848 名前:名無し客:2009/04/03(金) 23:17:14
触って唄わせて、その声と音で確認するに決まっているだろうがっ!

849 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/03(金) 23:23:58
 
 だからッ!
 俺はッ!
 俺の他の誰にもそんなことをさせないと言っているだろうがッ!
 

850 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/04(土) 01:42:10
 ……いや、あの、さ。
 仮想的に既成事実を構築するなよ。マジで。
 もっとまともなアプローチの方法を勉強すべきだって。


 まあ、まだレスは投げてないけどただいま。
 せっかくの春先だし花見くらいには行きたいところだねー。

851 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/04(土) 01:46:46
>>842
 いや、私と地獄鴉を一緒にすんなよ。向こうはいちおー妖怪だよ。
 確かに炎、というか神の火扱ってるけど。インパクトあった。
 初めて見た時は突然アラート鳴り初めて吹いたよ。


>>844
 生き返るけどめっちゃ痛いんだからやめて。
 いやホントに。
 てかそこまでしないと判別できないくらいキャラ被ってる奴いないだろ。

852 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/04(土) 01:51:14
 
 あれ。
 藤原……、はっ!
 
 い、いや。
 いやいやいや! 違う! 違う、今のは違う!
 別に!
 断じて!
 俺の願望を垂れ流してたわけじゃなく!
 俺の中ではそうなってるとかでもなくッ!
 
 こ、こう……の、ノリ?
 じゃなくて、せ、宣言? の、ような?
 あ、あれ……こ、これもなんか違う……?
 
 
 
 ……さておき、お帰り。っても、そりゃお互い様か。
 花見ねえ。……ま、悪くはねえよな。マトモな花見をやった記憶がここんとこさっぱりない。
やっぱり桜で一杯、といかないと花見した気にならないからな。
 

853 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/04(土) 01:54:41
>>851
 
 ……ああ。
 カラスなんだ、あれ。
 
 お前の周りのヤツで知ってる鳥だの羽だのって、他には例の鰻屋しかいないからな。
 けどまあ、確かに誰であれお前と間違えるようなモンじゃないか。いや、悪かった。
 

854 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/04(土) 02:04:20
 ……どっちだよ。
 つーか、もうちょっと正統派のやりかたってのがあるんだからさー。
 もうちょっと粋な男になんなさいよ。女口説きたいなら(苦笑)

 ま、さておき。花見については近いうちに行こうかなって思ってるよ。
 ……面子が割と固定になるから遠慮してたんだけど、ね。
 でもまあ誰かが動かなきゃ誰も動かないわけだしねー。


>>853
 うん、いちおうカラス。ヤタガラス憑いてるけど。
 ……割とネタバレは配慮してたんだけどね、こいつらについては(何)

 いやいや、別に怒っちゃいないわよ、このくらいで。
 微妙にキャラ被ってるのは事実だしw
 ……うーん、本当にこのまま出番ないのはちょっと危機感を覚えるわね。
 どうにかならないものかしら。

855 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/04(土) 02:14:23
 
 く……気付いたら真っ向から口説くとか遠いキャラになってるみたい、な……む。
 てことは、なんだよ。
 真っ向勝負なら聞く耳持ってくれるのか、おまえ。
 
 ま、いいけどさ。
 ふん、けど花見か。
 そうだな、時間が合うなら俺からお誘い入れようかな。
 ほら、俺みたいな普通のガキと飲むのも――偶には悪くないだろ、仙人様。
 
>カラス
 
 ……ああ、ヤタな。
 なるほど。他に鴉っつーと、確かに鴉天狗くらいしかメジャーどころがいないからな、日本。
 
 ん……ああ。
 そういえば、俺も日本では鴉って呼ばれてたんだよ。
 なんだっけ……ああ、あれだ。
 そう。
 
 白鴉城枯らす
 

856 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/04(土) 02:36:30
>>855
 あれ、そんな感じしてた?
 確かにガッつくほど欲しい訳じゃないけど……。

 んー、まあ、なんだ。普通に誘ってくれれば喜んで、って感じかな。
 ただ変な発言は自重すること。雰囲気壊したら殴るよ?(何)


 そーそー、そういう風にさらっと言ってくれれば……あれ?

 ……えーと、いいのかな、私で。確かに予定は適度に空いてるけど。週末とか。
 割と本気にしちゃうよ?


>カラス
 正確にはヤタガラスが憑依してる地獄鴉、ってなるんだけどね。
 この辺は原典じゃないと分かりづらいからなぁ。しょーがないか。
 カラスに限定すると確かにそうなるわね。鳥の妖怪や神様はけっこういるけど。

 ……なーんか、物騒な語句が垣間見える渾名ね、それ(苦笑)
 でもまあ確かにイメージとしては似合ってるかも。

 カラスって、一生に一つの番(つがい)しか作らないんだけどね(何)

857 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/04(土) 02:50:52
>>856
 
 ……。
 あ……いや、悪い。その反応はこっちが予想外だ。
 週末は、そうだな。いいんじゃないか。お互い、急に予定が入らないならさ。
 つっても、もう今日か明日ってとこだけど……或いは来週かな。
 
 雰囲気は、いや、ほら、その、アレだ。
 善処する。
 
 
 
 地獄、ガラス……あー、地獄絵だと鴉は見るよな。
 意匠から抜け出すほどに強くイメージされてはいないけど。
 
 俺のは、ま、お前の想像通りじゃないかな。
 こっちの組織連中が勝手に呼んでくれたんだ。元はと言えば、日本の――どこだったか、実際にそんな
怪異が伝わってたらしい、ってのが名前付けられた理由なんだけどさ。
 白い鴉は城を涸らす、だとさ。
 
 ……一つって、いや。
 そりゃ、まあ、うん、妥当だろう、妥当。
 生物学的にも妥当だし、こう……ど、道徳的にも。
 
 でもまあ、実際……自分の片羽がいるってのは、幸福なんじゃねえかな。
 飛んでんのが当たり前の鳥でもさ。
 

858 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/04(土) 03:04:14
>>857
 ……こっちも予想外だった、というか初めて普通にアプローチかけられたような(苦笑)
 まあ、うん。いいか。
 今日明日でも来週でも空いてるから大丈夫よ。そっちに合わせられるから。

 うん。私にスペルカード抜かせないように。
 ……というか、むしろなんであんなハジけるのか私はちょっと疑問ね(何)
 お仕事でストレス溜まってるならある程度は仕方ない気もするけど。


 そだねー。まあ実際ホントに地獄が舞台なんだけど。
 地下に封じられた妖怪、が主軸のストーリーだし。

 ……で、吸血鬼はたいてい「城」を持っている、と。
 なるほど、割と粋な見立てねぇ。悪くないかも知れない。

 まあね。別に多妻型の様式を否定するわけじゃないけど。
 ただ、うっかり浮気して酷い目にあう事例が人間にはいっぱいあるからねー。
 私がまだ京に居た頃にはよくあった話だったよ(苦笑)

 ……うん、そうだね。
 どんな生き物でも独りじゃ生きられないから。
 一生添い遂げられる相手ならそれこそ至上の幸福じゃないかな。



859 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/04(土) 03:20:05
>>858
 
 初めてって……あれ、そうだっけ?
 いや……考えてみりゃ、そうだな。
 そういえば最初は別に、俺……あれ? ああ、いや……まあ、どっちでもいいかな。
 
 時間は、そうだな。お前に任す――とか言うと無限ループか。
 んじゃ、さ。日曜か来週の土曜、辺りでどうかな。
 
 
 ま、吸血鬼に限らないんだけどな。……で、俺みたいのは嫌われる、と。
 どうにもこうにも、八紘一宇なんてマジで考えてる連中と俺達とはどう頑張ってもソリが合わないんだ。
 
>カラスの夫婦
 そりゃまあ、カラスはサイズがサイズで、生活圏が生活圏だ。鳥ってのは基本的に一対で生きるように
出来てる――もっとも、オシドリに比べたらカラスの方が誠実に見えるか……いやいや、これはまあ、俺
達が人間だからこう考えるだけか。
 ……これで人間以外の考え方をしろ、ってのはあんまり正しくないよな。
 俺達は多分まだ人間で、人間でしかいられない。
 
 だからまあ、そういう相手がいるってのは――或いは、それだけで自分が死なない理由になるんじゃね
えのかな、多分。
 それが無理なら宗教に逃げるのもアリで、思想に殉じるのもアリアリだ。
 俺達はその瀬戸際で爪先立ちを続けてる。
 多分、これからも。
 
 
 ……けど京って、あれか。
 やっぱあの時代は色々と俺達の観念からズレてたのかな。
 

860 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/04(土) 04:02:29
>>859
 ……私も最初の方はほとんど覚えてないなー(苦笑)
 でもまあそれはもういいか。昔は昔で今は今、ってことで。

 ん、じゃあ日曜にでも。ちょっと早いけど大丈夫かしら。
 あ、そうそう。お酒飲める方?(何)


 それは私も同感かなあ。八紘一宇とかいわれると凄い胡散臭い。
 上の方で某巫女さんが何か言ってたけど、原点に戻ろうとするのってアレよ。
 ぶっちゃけていうとただの民族主義とか原理主義でしかないのよ。
 言語も思考も文化も文明も相互に関係することで常に変化と淘汰と吸収を重ねている。
 東西での価値観の違いや言語の上での相違は起きるけど、それも流動の結果適応しただけに過ぎない。
 ……起源を求めようとしたってバラバラに発生した文明がバラバラに交雑しまくって今があるんだ。
 探すのが無駄とは言わないし、学術的には大事だろうけど。
 でも国粋主義に使うのは筋違い、ってとこだろうね。

 本来の言葉、なんていうのは幻想だ。
 言葉は常に変化し続けるものなんだ。
 変化しない言葉は本の中にしかないよ。
 そして私たちは今、本の中にはいない。

 ……ま、乱暴な話になるけど。
 表す言葉が言葉が無いなら、作ってしまえばいいんだよ。
 言葉は道具。そして道具は常に改良されるもの、ってことね。
 ……簡単にできれば苦労はしないけど、ね(苦笑)


>カラス
 確かにそうだよね。オシドリは……どこで勘違いされたんだろう?(苦笑)
 まあ、物事に意味や名前をつけて考えるのは人間だけ、だからね。
 他人の考えを読めるわけじゃないからどうしてもこっちの主観になるわけで。
 ……人間以外の考え方をするには人間を止めるしかない、ってことね。
 少なくとも私は遠慮したいな。私は人間でいたいよ。
 面倒なことやつらいこともあったけど、でもやっぱヒトの方が楽しいからね。

 ん、そだね。誰か心にかける人がいれば、それだけで生きていくには十分だもの。
 私はまあ、負の念も多分にあったけど今も昔もそうだし、きっとこれからも変わらない。
 だからまあ、神様や自分の正義に頼る予定はまだない、かな。

 ……貴方ってさ、意外と回りにはそういう人、いる気がするのよね。
 それがあるならまあ、この憂き世でも十分生きていけると思うよ。
 神が隣人を愛せって言ったのは、「独りで生きるな」って意味もあったんじゃないかな。
 勝手な解釈だけどね。


 ああ、うん。すごいよ。竹取物語は半分くらい実話ってくらいすごい。
 本当に自由すぎるというかなんと言うか……まあ、うん、少しは自重しろって感じ(苦笑)
 まあ、今から考えるととんでもなく軽いノリだったからね、貞操観念とか。
 それでも無理に夜這いかけたら一族総出で袋叩きにされるけど。

 ただまあ、色恋に命を賭けられるって点だけは評価できる、かな。
 そこまで惚れられたなら誰だって多少はなびくもんだよ。



861 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/04(土) 04:06:49
……なんかえらい時間食っちゃったね(苦笑)
あんまり長居するのも悪いし、今日はこの辺で。

お誘いありがとね。
楽しみにしてるよ。

862 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/04(土) 05:00:13
>>860
 
 ……ま、そうだな。大した問題じゃないか。
 お前がそこにいるのは差し当たり本当だ。
 
 日曜……ま、大丈夫じゃないか?
 土曜なら許せる時間が増えるんじゃないか、程度には思っただけだ。
 酒は強くはないけど、……まあ、普通程度には。
 
 
 巫女……って、例の、お前の知り合いの?
 俺の周りだと、巫女は……フィーに知り合いがいたっけな。
 ま、この種の話は行き過ぎればヌケた陰謀論と区別が付かなくなるからな。
 
 白状すると、俺は遺伝的には結構『日本人的な日本人』らしいんだ――けど、こんなもんは俺の先
祖、ってーか、俺を組み上げてるパーツが山奥だの僻地だので周りの人間と関わらずに生きてたっ
てだけだからな。混血が進みまくった現代じゃ、二代も下れば”血の純粋性”なんざ水よりも薄くなる。
「原ユダヤ」みたいな寝言を言い出さなかったユダヤ人は、その分アーリア幻想をマジで信じようとし
た優生学マニアよりずっとマシだと思うぜ。
 俺は日本人にしか生まれられなかったし、俺の頭を組み上げた最初の理屈は日本語でしか作られ
なかった……けど、だからって俺は別に日本が世界の中心だ、なんて寝言を信じる気にはなれない。
日本人だから嫌いだ、って言われるのは流石に辟易とするけど、だからって嫌いだ、なんて言ってく
れたヤツの国の人間全部まで嫌う気にはなれない。
 問題は、俺達は国を望んで好きになることもできなけりゃ、嫌いになることもできないってことだ。
 誰かを敵視しなけりゃいけない状況、ってのは――生憎とお前の時代とは違って覆しようがない。
憎み続けなきゃ存在できない”国”はあるし、憎んでるフリをしなけりゃ成り立たない国だってある。俺
達は傍観者にしかなれないし、領分を弁えなきゃあっという間に偽善者扱いだ。
 極論、その全てを認めることでしか、俺達はどう足掻いても生きられない。
 
 言葉は――ん、いや、そうでもないぜ。
 ヘブル語を復活させたかのベン・イェフダ御大然り、日本語の有用性を認めて中国に取り入れた先
人然り、言葉は死に続ける中で淘汰に抗ってる。”創る”必要がなくなっても、受け入れ続けることを諦
めないなら、とりあえずは生きていける、ってな。
 そしてその通り、俺達は言葉に乗っかるけど、言葉は俺達の関係の中にしかない。
 記録と記憶を分かつモノは――そうだな、唯一俺達が意味付けした感情かもしれない。
 
 ……つーか、すげえ。我ながら久し振りにこんなロマンな結論出せた気がするぜ。
 
>比翼
 
 動物研究なんかでは、「動物を擬人化して”愛情”だのなんだのを想定するな」って前提があったり
するけどな。……とはいえ、それを考える人間の”愛情の閾値”なんざハナっから定義されてない。
俺達に”愛”はあるのか――もちろん、あるのかもしれない。こんなもん、要は度合いと囲いの問題だ
からな。行動の大半を刺激と反応に還元できるから、オオカミには愛情もなければ感情もない、なん
てのは割と眉唾だ。
 ……まあ、俺達みたく複雑にならないだけ、ケモノは幸せだ、ってのは確かなんだけどな。
 
 あれから、セシルが前のお前みたいなこと言ってるよ。
 意味は大切じゃない、意味があると信じることが大切なんだ、ってな。
 ほんと、大概毒されてる。
 
 隣人、は――ああ。
 なんだ、お前の言い分の方がラクにはなれそうな気がするな。
 生憎、二千年紀からこっち、隣人が隣人にならなくなって久しい。
 だから、『そんな誰か』を最初っから想定できりゃラクだったんだろうけどな。大概、それが片っ端
から死にまくるとそれが寝言にしか思えなくなるんだよ。多分な。
 
>色恋に
 
 うわあ……すげえ。
 いや、あんまりどうのこうの言えるレベルじゃなくて、すげえっていうか、すげえ……。
 ……ンな、惚れたの好いたので綴れる生き方ってのは正直、なんつーか理解の外だな。
 ハーレクイン過ぎて頭痛がしそうだ。
 


863 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/04(土) 05:14:12
 
http://www.youtube.com/watch?v=-1CE4P8qqPE
http://www.youtube.com/watch?v=4yG0QE9ce3U
http://www.youtube.com/watch?v=j6OYsP-zww4
 
 で、この手の話題は最近ミハルに任せっ放しだったから俺からも偶には。
 
 クロウフィンガー。
 メタラーにもかなり(きっと、多分、恐らく)ウケのいいミクスチャーラップ・元祖(かなり本気で)。
 レイジと違ってHIPHOPしてない(できてない)アクセント強なラップがギターの間で踊りまくる快感。
正直地味というか地味だけど、このダサいのにノリがいい&ウルさい、かつジャンク全開な辺りが実
にメタルでかなり好き。
 90年代ミクスチャーではhed(pe)もだけど、掘り出すと味があるアルバムが多いな。
 

864 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/04(土) 23:57:52
 
 ……あれ。
 そういや何時に待ち合わせたんだ、俺。
 

865 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/05(日) 00:14:30
 あ、巫女ってのは>>836のことね(何)

 そうそう。忘れてたけど待ち合わせの時間はどうしよっか。
 こっちは午後六時〜八時から行けるけど。

866 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/05(日) 00:25:44
 
 と、藤原。
 
 あっつ、結構早いんだな。でもそれくらいが妥当か。
 ……うーん、じゃ、俺もそのくらいでいいよ。
 流石に六時となると間に合わないかもしれないけど、ま、なんとか八時には。
 
 あとは……そうだな、もし俺が間に合わなかったら、先に始めてくれても。
 伸びそうななら回を分けてもいいとは思うけどな。
 
 
 ……あ、巫女さんなんだっけ、彼女。
 なるほど、言葉の変質について、か。
 

867 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/05(日) 00:39:50
>>866
 あ、いやいや。その時間から行けるよってだけで。
 基本的にはそっちの都合でいいからさ。
 回分けとかについても大丈夫だと思う。
 ま、気楽にね。花見が本懐だから。互いに楽しめればそれで十分すぎるよw


 うん、巫女さん。
 変質というか、私はまあ、上で言ったとおりの認識なんだけどね。
 相互に影響を与えながら変化していくのが言葉だからさ。
 もちろん現代の言葉じゃ表現できない要素はまだ残ってるかも知れないけど。
 それをコンバートしようとして苦労してる人らもまだ居るんでね。
 そこまで悲観的にはなれない、ってのが実感かなあ。
 原義がどうであれ信仰が続いてるのは事実だしね。形態を変えながらでも。
 肝要を外さなけりゃ、まあいいんじゃないかな……ってのはちょっとアバウトかな。

868 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/05(日) 00:58:37
>>867
 
 ん? ああ、いや悪い、そりゃまあ、そうだったな。
 大概ここの空気ってやつを忘れてる。
 ……まあ、ストーリーがあるんじゃないしな、よくよく考えると。
 時間は、それじゃ……始まるのが遅くなったら回を分けることも考えるか。悪い、司祭業務
はともかく、ちょっと地域行事のコトでさ。軽く打ち合わせだけしなきゃいけないんだ。
 
 言葉は、そうだな。
 変質からは逃れられないよ。権威主義に凝り固まった言葉がどうなるかは――ま、歴史が
証明してる通りだ。
 表意表音だけじゃなくて外来語を自分達の形で捉え直す日本語の柔軟さは、その意味じゃ
群を抜いてる。パンク過ぎて涙が出る。いやまったく、ジョジョとかAKIRAとか攻殻とか生まれ
るワケだぜ。
 
 コンバート、ってのは……ああ、文化や信仰の復刻のことか。
 その辺りは、むしろ今それが必要とされるのか、って段階に入っちまってるからな、日本の
場合って。これがアイルランドだとか北欧だったりするなら、もっと生活に神話だの伝説だの
が密着してるから話は違うんだけど。
 多信仰で無信仰、ってのは現代の日本人の美徳……じゃない、性質だよ。
 俺達は世界を共有してないんだ。多分な。
 

869 名前:名無し客:2009/04/05(日) 01:11:39
そういえば何処かのアンケートで世界の宗教観の意識調査やってたな。

日本が神様が居る居ないで居る、居ない、わからない、がほとんど同じ割合だったのは
笑ったw

870 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/05(日) 01:20:03
>>869
 
 ……まあ、だろうな。
 日本人は宗教を矛と盾の両方として扱える稀有な、っつーか唯一の民族だよ。
 国体から神話が切り離されて以降、神様の居場所は文化の領域にまで撤退したからな。
それがこれだけ巧く行った例は殆ど例を見ない。
 妖怪然り民話然り、日本のワビだとかサビだとかってヤツは相当なモンだよ。
 
 正直、無神論って意味ではヨーロッパでさえ比較にならない。
 

871 名前:名無し客:2009/04/05(日) 01:34:52
ttp://image.blog.livedoor.jp/dqnplus/imgs/0/6/0631a1d4.jpg

発見したので一応張っておきます。

872 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/05(日) 01:40:55
 
 え、エジプト……。
 ……だよなあ。
 あそこ、分派抜きにしてもヴァチカンは結構肩身狭いんだよなあ。
 
 ……日本人としては、なんつーか、ま、民族性を再確認した気分だよ。
 こういうのはむしろ、藤原の方が違和感持つかもな。
 千年。
 よくもまあ、ここまであらゆる文化の吹き溜まりになったもんだ。

 

873 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/05(日) 01:55:53
 いや、仕事がけっこう忙しいってのは知ってるから気にしなくていいよ。
 むしろ貴重な時間割いてくれる方がありがたいというかなんというか。

 うんにゃ。私はほら、身の上がちょっと特殊だから。>違和感
 だからまあ今の日本のアバウトさはけっこう気に入ってたりするよ。
 無神論というかカミが身近すぎて意識できない、って方が正しいかもね。
 八百万、ってのはつまるところ無限の見立てだから。何にでもカミは宿る。
 そして名づければそこにカミは生まれる、ともいえる。
 ここの信仰の原点は祖霊や精霊信仰だけど、それでもよくまあここまで懐が深くなったもんだ。


 や、そもそも日本じゃ失われてないと思うよ。すごく意識しないと見えないだけで。
 言葉や習慣、行事や記念日、色んなところにそういう信仰が溶け込んでるもんだからね。
 私がコンバートって言ったのはまあ、考古学とか民俗学的な意味での再発見、ってことかな。
 こういう見方もできるよ、って方が合ってるかも。


>>871
 色々吹いた。つーかロシアがちょっと意外。
 共産主義って基本的に無神論者だと思ってたんだけど。

874 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/05(日) 02:05:44
>>873
 
 ん、あ……いや、別に、そうだな。
 お前が誘ってくれるならそう大した手間とも思わないぜ、うん。
 
 日本の場合、ハッキリと祖霊信仰と精霊信仰が分離してるからな。
 特に生活の面では。それが文化の領域になると、途端に両方が歩み寄るってのは面白い
と思うぜ。……反面、そこらの公園に何を祀ってあるのか分からない祠があったりするのを
見ると、妙に寂寥感を憶えるけど。
 
 失われて――ねえ。
 どうなのかな、それ。俺はこっちの連中からハナシ聞くだけだから、どうしても解釈学的な
見方になっちまうとこはあるんだけどさ。
 ……まあ。
 でも、そうだな、俺が根っ子のトコから「再発見できること」なんて信じてないってのはある
のかもしれない。ここらは――アレだ、ちょっとした職業病ってヤツだ。
 
>無神論
 
 ロシアはそうでもないよ。
 正教信者は結構熱心だし……第一、神を頼るのは昔から長者か大衆って決まってる。
 頼れるモノが欲しい時にないのなら、神が入り込む余地はいつだってあったさ。
 ……ま、我等が御子か、かつてのモーゼがいい例になるのかな。
 

875 名前:名無し客:2009/04/05(日) 02:08:40
つーか、キリスト文明圏でも精霊信仰などのぶっちゃけ御利益頼みの信仰は聖人信仰に
すり代わって生き残ってるよな。

つかベニス、守護聖人強奪してくるな、元から居た聖人も忘れないでください。

876 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/05(日) 02:17:17
 
 ふんッ!
 
 我々キリスト者にとってッ!
 あらゆる『信仰』はッ!
 『キリストの元に在る栄光』へと収束されるッ!
 
 かつて『そこにあったモノゴト』などォーッ!
 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァーッ!
 我等がDioの内でッ!
 
 『メイド・イン・ヘヴン主の掌』ッ!
 全てはこの『栄光』へと『収束』されるッ!
 

877 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/05(日) 02:18:27
>>874
 ん、ありがと。当日は楽しみにしておくよ。

 ああ、たまに妙なところに祠があったりするわよね。
 私も何度か見かけたけど、何の神を祀ってるのか分からないことがほとんどだった。
 ……名も無き神、ってのがちょっと寂しい気がするのは同意したいところだなぁ。

 ああ、そっちは確かにそういうことほとんどないかもね(苦笑)
 こっちはまあ言語的に曖昧な表現が多いのと見立ての存在で色々と仮説が考察してるから。
 例えばケガレを気枯れと見てケとハレのケと同一視する、なんて説も今は出てたと思うよ。
 まあでも、結局は当時を生きてきた人たちしか分からないことなんだけどね。

 あ、そっか。正教あるんだったね。うっかり忘れてた。
 んー、まあ、そうだね。神様ってのは元来からそういうものだしね。
 それで救われる人がいるならそれが一番いいと思うよ、本当に。


>>875
 ……奪えるんだ、守護聖人。
 そんな扱いが軽いものじゃないと思ってたんだけど。

878 名前:名無し客:2009/04/05(日) 02:19:18
猫と主はいつから合一視されるようになったんですか?

879 名前:名無し客:2009/04/05(日) 02:23:12
>>876
何を信仰しているんだお前はw

いやそいつが神なのは否定しないが、いわゆる神とGODって概念として違うよな!
てか誰だよGODを神って訳した奴は――


>>877
なんか三人くらいで強奪してクリッパーでウムを言わさずトンヅラこいたとか。
遺骸として残ってる以上やれば出来るらしい。

880 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/05(日) 02:27:48
>>877
 
 ん……あ、おう。
 あんまり期待されてない方が気楽だから、適当にお願いしたいな。
 
 ”忘れられた神”、ってな。
 滝――、じゃない、こっちの知り合いにそんな話を聞いたことがあるよ。
 誰にも彼にも忘れられて、意味と理由を失くした神様、ってのは日本に多いらしい。そうなると
神なのか妖怪なのかはたまたただの記号なのか分からなくなって、そういうのは『祟る』そうだ。
 ……旧い家のヤツは大変だな、まったく。色々引き摺り過ぎてる。
 
 ああ、気枯れか。柳田翁のハナシで割と聞くな。
 あれはどっちの意味でも捉えられるようになった、ってのも結構アリだと思うんだけどな。
 俺達がその最果てで意味を捉えてるように、俺達がこう捉えるようになった経過を生きた人間
もそこにはいるんだからさ。
 
>>878
 
 同一……じゃあ、ないッ!
 まだ!
 ギリギリ!
 
 ……ただ最近、本当に猫の夢を見るようになったな。
 「掌サイズの猫をナデまくる夢」はまだ記憶の中で漂ってる。
 

881 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/05(日) 02:33:08
>>879
 
 イタリアに於けるDIOッ!
 メタラーに於けるDIOロニーッ!
 ジョジョファンに於けるDIO(様)ッ!
 
 この三つをッ!
 完全に信望できる俺こそッ!
 『主を崇める』のに相応しいのだッ!
 

882 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/05(日) 02:36:41
 
 この場合はDIO=DEUS=GODとしての扱いだな。
 つまり!
 絶対的なッ!
 我等が『主』をッ!
 
 荒木先生はよォーッ!
 まったく的確なネーミングをしてくれたもんだぜェーッ!
 
 ……いや。
 待てよ……。
 もしかしなくても……あの人は神そのものなんじゃあ……ねえのか……。
 

883 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/05(日) 02:39:56
>>880
 期待してるというかまあ、こういうのは一緒にいて楽しい人と行くもんでしょ?
 なんかしがらみでもない限り、私はそうだと思ってるんだけどね。違うかな。

 そだね。奉られなくなった神が祟りを成すのは割と普通のことだから。
 原義も探れなくなってると本当に難儀だと思うよ。
 何度かそのケース見たことあるけど、まあ根っこから解決できたのは少ないね。
 その辺は私が本職じゃないってのもあるけど。

 そうね、結果だけじゃなくて過程も見ないと学問は成り立たないものだし。
 私としてもそれは同意かな。私は学者ってわけじゃないけど。


 ん、もうこんな時間か。
 それじゃそろそろ帰るね。時間だけ決めようと思ってた結果がこれだよ(苦笑)
 ま、話すこと聞くことは別に嫌いじゃないからいいんだけど。
 じゃ、またね。

884 名前:名無し客:2009/04/05(日) 02:40:23
いやあの人は、創造神だが造物主ではないという特殊な神だぜ。

885 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/05(日) 02:46:25
>>883
 
 楽し……、……おう。
 ああ、まあ、そうかもな。
 ……分かった。それじゃ俺も楽しみにしてる。
 
 ふん。
 
 忘れられるのは――神様も『怖い』ってか。
 ま、そうかもしれないな。物理的な枠組みで終われる人間と違って、あっちにはそんな
フレームがないんだ。
 終われもしない神様を鎮めるのは、なるほど厄介そうだ。
 
 ああ、それじゃまたな。
 俺もまだちょっとやる事があるんでな。
 こっちは片手間の雑談ができて楽しかったよ。
 

886 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/05(日) 02:48:43
>>884
 
 それか!
 いや。
 それだッ!
 
 五部でフーゴが「使うと話が進み辛い」って理屈だけで削られても……。
 それが納得できてしまう圧倒的な『神話』……。
 それすら俺達の中では『運命』として完結してしまう壮大な叙事詩……。
 
 俺達は……正しく……。
 現代の『神話』ってヤツを垣間見たんだ……。
 

887 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/07(火) 00:25:57
 
 ウィザードリィとか銀魂でどんなか知ったっスよ。
 
 兄貴がカゼ引き掛けてたんでちっと仮眠させてました。
 栄養補給にはアンパン+ポカリ。最強。
 

888 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/07(火) 01:00:27
うぇ、大丈夫?
お大事にね。

889 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/07(火) 01:14:03
 
 いやいや、そこまででは。
 そのうち近況報告でもしたいですが、ちょっと最近色々ありすぎたんで。
 
 ネタの方ですが、神隠しとか絡めても大丈夫かな。
 舞台をあの周辺に展開するのがアリならですが。
 内部に楼とかあることにして……「千桜楼」とかまんまですか。
 

890 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/07(火) 01:24:35
まさかの白玉楼行きだと……。
いや、それはそれで面白いというかかなりアツい展開に持ってけそうな気もするけど!

891 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/07(火) 01:26:30
ああ、補足しないと。
白玉楼=冥界=桜の名所 ってことになってる。>東方
細かい設定は省くけど死んだ後で転生待ちするところと考えればOK。
……その割にはほいほい生きてる人間も入れるんだけどね(何)

892 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/07(火) 01:28:58
 
 白玉っスか?
 いえまあ、桜が千本ある中に立ってるから千桜ってのは大概そのまんまですけども。
 ていうかなんて読もう……センオウロウ?
 
 まずは冒頭のネタだけ解消しとこうかなと。
 麻薬とマフィアと日本のヤクザ。そして神隠し!
 どんな組み合わせだこれ。
 
 流れだけ読むと、姉御はこっちの世界のこと結構知ってるカンジなんすかね、あれ。
 建築家とかこっちのヒトなんでしょうか。
 

893 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/07(火) 01:30:13
 
 ぬあ、そういうネタですか。
 あ、でも桜と死者の寄り集まる場所は日本ならではですよね。
 その辺は原作知らないとあたしら側じゃキツいかもです。
 

894 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/07(火) 01:33:14
 
 と、あたしからも補足っす。
 ホントはフィーちゃん向けの話題なんだけど。
 楼って、基本的に「見えないものを追いやる場所」って意味合いを結構持ってるみたいなんです。
 んでまあ、そこらから話していこうかなと。そんなでっかいのでなくていいから、まあ、倉庫状態の二階が
あればいいかなあ、程度の規模を期待できれば十分ですが。
 

895 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/07(火) 01:42:15
 
 楼……。
 羅生門……。
 
 はっ!
 この展開はッ!
 ボスは鬼だとッ!
 

896 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/07(火) 02:00:32
うーん、せっかくだし。もうちょっと突っ込んで語るか。

白玉楼の元ネタは大陸の方で文人や書家が行くとされている場所。
それが転じて冥界、ということになった。
桜がいっぱい生えてるのはたぶん西行法師の逸話つながり。
そしてさらに、その西行法師がたもとで亡くなった桜もいっしょにある。

この辺り、実はもっと深い設定があるんだけど、それを話すと長くなるので割愛。
ネタバレ気にしないならwikiとか漁ってみるといいかもね。

897 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/07(火) 02:02:50
で、まー……外の世界関連は割とギリギリだったりする(何)
その辺りは完璧に二次創作なんで適当に考えてていいよ。

原典によると最近三百年くらいは仙人みたいな暮らししてて、
それから幻想郷に辿り着いたって感じだから外部と絡めづらいんだ(苦笑)
まあ、こういう柔軟な解釈が出来るのもいいところなんだけどね。

898 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/07(火) 02:09:06
 
 西行老っすか。
 
 そこらへんだと……どーだろ、場所として使えるような気はしますが、あたしら側じゃそっちへは
引っ張りようがないかな。
 一応まあ、こっちはこっちで動かしてく、みたいな感じでいいのかな。
 
>>897
 
 あー、外の知り合いとか建築家云々の辺りですか。
 
 三百年だとまあ、モロに近代化のアオリが世界を埋め尽くしたタイミングですしね。
 了解、そこらはアバウトに行きましょう。
 

899 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/07(火) 02:37:14
 や、設定だけ知ってれば後は何とか。私が引っ張れるし。
 それに西行桜……西行妖は人を死に誘う桜に変じてるからね。
 封印されてるとはいえ、その辺りで一気に組み込めるかも。


 まあ、結界自体は内側から出るなら簡単だからね……w
 外との繋がり自体は持てなくもないという。
 そういうわけで適当に流してくれると助かるよ。

900 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/07(火) 02:43:30
 
 おっけーっす。
 そこらへんは使えたら、って程度で。
 基本の流れだけ出しときたいですね。……誘導するのが本当なんだろうけど。
 
 設定は……文中で出してるこっちのも、結構その場その場で名前作ったり考えたりしてるんで、
合わせられればそれでいいんじゃないかなと。
 

901 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/07(火) 02:49:34
 え、今までのアレってだいたい即興?
 逆にヤバいというかすっげーと思うんだけどその辺(汗)
 うん、まあ。頑張ってこっちも合わせるよ。
 足並み揃える努力くらいはしないとね。

 誘導についてはまあ、それぞれで軽く打ち合わせながらやっていけば。
 一人より二人の方が作りやすいと思うんだ、そういうのって。


 ……さてと。ちょっと気まぐれに顔を出したけど今日はこの辺で。
 寝不足で顔出すと心配されちゃうんで(苦笑)
 それじゃ、また。

902 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/07(火) 02:54:49
 
 足並みって、いえいえいえ。
 こういう形式でどう動かすかってもう全然こなれてなくてバタ付いちゃってるんで、引っ張って貰ってますよ。
 むしろこういう時に気力続いてるあたしのが申しわけないっす。
 本番でブザマ晒してるんだもんなあ。
 
 心配……あ、例のお姉さんのお友達のヒトですか。
 ってか、あたしもいい加減時間はギリギリですよ。
 では、ここらで失礼します。
 

903 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/08(水) 17:45:17
>>あっちの29
 
 アッサリと見透かされて言葉を失くす。見据える視線から目を逸らす。……逸らした時点で負けているが、ハナ
から勝てると思ってたワケでもない。
 吐いた弱音を肯定されたのは、流石にまあ、ちょっと予想外ではあったのだが。
 ……偶に思うのだが、洞察力が図抜けたヤツの推察はエスパーめいている。金田一だのコナン少年だのを相
手にした犯人の気分が少しだけ分かる気がした。反則だこれ。
 
「……ひっでえのな。今の、結構勇気出したのにさ」
 
 なあ、と一世一代の告白を切って捨てたヤツに笑ってみせる。
 杯を一気に干して、据え置かれた酒瓶を直接煽る、が――流石に無理がありすぎた。耳まで達したアルコール
の熱が喉の奥で暴れる。……ただでさえ飲み慣れない酒だ。この飲み方は流石に暴飲がすぎていたらしい。
 あんまりにも格好が付かないが、恥ずかしいだのなんだのはそれより凶悪な酔いが押さえ付けている。……な
るほど、酔っ払いの気持ちが少しだけ分かる気がする。肉体の不和が意識の不調を圧殺してくれるのは、そう悪
いものでもない。
 げほげほとムセながら立ち上がる。
 
「うお、っと」
 
 覚束ない足元がフラつく。が、これくらいでどうにかなるようではマタイの騎士などやっていられない。
 降り注ぐ薄桃色の雪に露座した藤原の姿はどこか絵画を思わせる。点描された異なる色彩が、その集合とし
て自然にカタチを成す幻視的な印象画。
 煙霞の痼疾を地で行く風流人に、あのさ、と呼び掛ける。
 
「とりあえず、ちょっと歩かねえ? コイツはいい桜だけどさ、他の場所も見てみたい」
 

904 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/08(水) 17:46:40
 
 そういえばレスしとかないと想定も動かしようがないな、って、ことで一旦こっちから。
 場所動かす為のレスなんで、サクっとやっといたよ。
 
 続きは歩きながら話す感じで。
 

905 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/09(木) 01:07:54
あ、悪い。気づくの遅れた。
んー、と。繋ぎ的なレスでいいのかしら、これって。
こっちでも話を進めてみたいんだけど。

906 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/09(木) 01:33:04
 
 そうだな。
 場所を移動しながら、問い掛けにはこっちから返すよ。
 
 そっちで進める内容があったら入れてきてくれ。
 

907 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/09(木) 01:53:34
 
 補足。
 もし進める上で障害になる疑問があったら言ってくれ。
 調整しとくよ。
 

908 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/09(木) 02:42:00
おーけー。わかんないことがあったらまた明日にでも。
書きあがったらこっちに上げるから。

909 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/09(木) 03:35:31


 問いかけた相手は――視線を逸らしていた。
 それだけで、もう答えは分かっていた。
 が、まあその前に。

「バカ、そりゃ飲みすぎだ。洋酒より弱いっていっても15度くらいあるんだぞ。つーか
自棄酒だったらマジで止めなさいよ。……えーと。その、『保留』って言っただけでしょ。
“だが断る”だなんて一言も云ってないじゃない。あんたが思ってるより、その言葉って
かなりでかいんだよ? ……女の子には特に……うん、特に」

 とりあえずいきなりラッパ吹き始めた神父から瓶を取り上げて、そういった。恐ろしい
ことに瓶の中身はさっきより半分くらい減っている。立ち上がる姿もへべれけそのものと
いうんだから、完全に酔っている。
 かといって理性は保たれている辺り、流石というべきだろうか。
 ……私もアルコール入れておいて良かった。顔の赤みが判別できなくなるから。今の私
はきっと、輝夜あたりが見たら指差して爆笑されそうなほど、顔に感情が出ているだろう
から。もし見られていたら記憶から消えるまで燃やすだろう。割と本気で。

「……桜、か。そうだね、少し歩こうか。夜風に当たれば少しは酔いもマシになるしね」

 神父に付き合って立ち上がり、一緒に桜の遠く並ぶ公園を歩くことにした。
 遠くで喧騒が聞こえる。夜桜を楽しむには無粋な煩さだが、立ち並ぶ桜に遮られている
から、何とか我慢できるレベルにはなっている。とはいえ、近づく気は毛頭ないし、神父
もそのつもりなのだろう。


 必然的に、足は広い公園の奥の奥、人が足を踏み入れることのほとんどない桜の森へと
向いた。こんな時代でも分かる人はいるもので、あちこちの老木、大木と思しい桜の周り
は柵で囲って「許可なき立ち入り禁止」とあった。桜の木が宴会騒ぎで傷むのを嫌がって
いるのだろう。実際、土を踏み固めて根を踏みつけるような真似は、繊細な桜にとっては
好ましくない。下手をすればあっさり枯れてしまうこともある。
 物々しいというか、若干風情が削れるだろうが、まあ桜が枯れてしまっては意味が無い。
 このくらいは許容してもいいはずだ。私はできるし、すべきだと思う。
 繊細な桜をいたわるには、人間は増えすぎている。

「……外にもまだこんなところがあったとはね。まるで柵が結界みたい」

 優雅な曲線を描く花を見ながら、呟く。
 花も染井吉野が全盛であるこの時代に、貴重なほどの糸桜。枝は柳のようにしなり、花
咲く筋は長い。そこらへんではなかなか見られない、迫力のある墨染色。あえてこの樹を
選んで植えたのは好いセンスだと思う。この桜の下で死ねるならきっと悔いはないだろう。
かつての歌人もそう歌い、そのとおりに入寂したのである。
 さて―――儚げに散る桜を眺めるのもいいけど。

「……あのさ、イヤじゃなかったら」

 若干の緊張。ゆっくりと息を吸って吐き、心の波長を整える。相手の激流を受け止める
なら、こっちは凪の海のように冷静でなければいけない。割と感情豊かだからこそ、これ
も必要なことだ。激情は自分も他人も不幸にすると、私はイヤでも知っているから。
 ざあ、と少し強い風が吹いた。桜の紅色と墨色がライトアップと月光と混じって、印象
画のように極端で美しい風景を作り出している。まるでここが天界で、冥府で、高天原で
あるような錯覚をしそうなほどに。

 けれど、私は生きていて、彼もまた生きている。
 生きているから、しなくちゃいけないことがある。

「全部話してくれないかな。あんたにあったこと。何をして何を考え、何を求めたのか。
……私が理解できるかどうかも、何ができるかどうかも分からないけど。それでも、今、
私はあんたのこと全部聞かなきゃ、絶対に後悔すると思うんだ」

 死は必ず最後に残る幻想だ。死後を知るものなどこの世にはいない。故に、思い描いて
信じるしかないのだ。逆に言えば、森羅万象全てがこっちにくる可能性を秘めているとも
言える。実際、外で死んだ人間もこっちに引っ張り込まれて転生を繰り返しているようだ。
 つまりは、私のような人間には今生の別れというものがない。次の転生を待てば、再び
会うこともできるだろう。記憶が引き継がれるかどうかはほとんど運次第だけれども。

 けれど、そのスパンは数百年。
 その時間の重みを、私は実感として知っている。
 その時間のもたらす孤立と孤独と孤高を。

「……だから、一つずつ、忘れないように聞こうと思う」

 口に出して、言葉をかみしめる。
 不安を決意で塗りつぶしていく。

「……前に家族いる、っていったよね。血の繋がりはないけど、大事な家族だって言って
た。私もフィーちゃんやミハルさんから、貴方のことを大事な“兄”だ、って言ってた。
人は独りでは自分さえ定義できない。逆に言えば、誰であろうと貴方を知る人がいれば、
貴方は貴方として十分なくらいその形を持つことができる。
 ……その上で、どうして私なのか、聞きたいな。選んだ理由と、選んだ原因を」

 原因は、彼がここまで壊れそうになっている全ての発端のこと。
 理由は、私を求めて何をして欲しいのかという真の願望のこと。

「私、あんたが死んじゃったらたぶん、泣いちゃうと思うんだ。だから、聞きたい」

 かすかに胸が痛む。
 不安と、かつて覚えた何か。
 失ってはいけない感情がある。幻としてもそこには想いがある。

 ライトアップされた世界は遠く、ここは月だけが照らしている。
 黄泉の国の境目のように、桜は風にざわめいて花を揺らしていた。

 生きることは残酷だと思う。容赦ない理不尽に、誰も彼もが痛めつけられる。
 世界はおそらく、一度壊れる時が来るだろう。自業自得と大理不尽の洪水がこの星の塵
をリセットする時、もっとも残酷な時間が訪れるだろう。聖書とは違って、そこには救済
がない。生き延びたとしても、どうなるかは運命にも分からない。

 けれど―――だから私は。
 私は―――。

910 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/09(木) 03:37:27
ごめん、我ながらこの分量は馬鹿げてた(何)

とりあえず疑問というか話を進めるのがメイン。
まだ普通についてけるから大丈夫っぽいわね。補足とかはまだいい、かな。

それじゃとりあえずこれで。おやすみー。

911 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/10(金) 18:00:13
 
 日が長くなりましたねこんばんは、って、うえぇ!?
 あの後即効レスられてたですと!
 
 姉御早っ!
 なんすかこのスタンド能力ッ!
 
 くっ、今からちょいとお出掛けですが、戻ってきて気力あったらこっちにもお返事します。
 

912 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/10(金) 22:53:41
>>911
 ノってきた時の単位時間作業量は滅茶苦茶速いよー、私。
 具体的には大殲祭りレベルの速さ。
 ……波があるのが欠点だけどね(苦笑)

 まあ、のんびりやってくれればいいからね。
 まだ時間あるし。

913 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/11(土) 14:39:27
 
 び、美容院行く予定だったのに!
 あと昨日!
 昨日駄目でした! もーいや!
 
 うー、これから四時までちょっと書きます。頑張ります。
 
>>912
 
 マジ早くて驚きでした。
 ぬう、結構草案はあるんですけどね。
 
 とりあえず書き出してみて合わせましょう。んでは。
 

914 名前:◆WEISS0lzjQ :2009/04/11(土) 14:58:48
>>909(仮)
 
 言葉は流れて留まることがない。……それを言うなら留まる空間もありはしないが、無限の時間を生きることが
ない人間にとって、空間はその場に留まり続けている。
 詩は歌のようにut pictura poesis
 そう諳んじたバロックの芸術家を批判したのは、詩や物語は時間を切り出し、絵画は空間を切り出す技法なの
だ、と反駁したレッシングだったか。
 時折そうして何が正しいか、何が優れているのかと線引きを繰り返すのは、人間にとって”移ろうことのない真
理”が絶無であるという証左に他ならない。あの音楽は素晴らしい。あの絵画こそ荘厳だ。――そうやって定義
された”正しさの基準”は、啓示を穿たれた石碑のように世界に突き立っている。
 そう在れ、かく在れ、このように成り立て、と謳う記念碑(モノリス)のように。
 真実という言葉が執拗なくらい世界に顔を覗かせるのは、それを定義しないと誰もが正気を保てないからなの
だろう。
 
 ここは結界だ、と藤原は言う。
 だろうな、と俺は答える。
 ここは結界だ――と。
 
 入るな、と仰々しく明示した言葉を誰もが認識し、従うことで生まれる共通理解――そうして敷衍した事実その
ものを守り続けることは、あらゆる社会における集団の基本原理である。
 盗むな、犯すな、殺すな――誰かの権利を侵害することがないように振舞うこと。生物学的な基礎条件を感情
で適度に味付けしたパターンの正体が、この世界を統率するルールの根底条件に他ならない。
 そうしてルールを束ね続けることでしか、人間はお互いを繋ぎ止めておくことができない。
 誰かと繋がる為に、繋がりの根拠を作り上げること。
 この国では、古来そうした理解を広めるのは祭祀や巫覡の役割だった。かつての日本は『神の言葉』として法
を束ね、国を統率する指針に変えることで”日本”という人格を保っていたのだ。
 誰もが知り、それを分かち合うこと。
 周囲からあからさまに浮いている藤原の格好が周囲からまるで気に止められないのは、場所が場所というこ
ともあるだろうが、ここが半ば祭りという非日常に首を突っ込んでいるからだ。仮装行列が通り過ぎるような空間
では、浮いた格好もなにもない。
 そうして日常と区切られたこの時間と空間は、既存の日常へと現実感を置き去りにする。
 自分の居場所日常と隔てられた世界は、並べて人にとっての異世界非日常だ。ここにいる俺以外の誰もが知っている、明
確な”日常”との境界線。紛争だの高脅威地帯CAだのを意識しないで暮らすことのできる世界日常
 隔絶された内側(インサイド)と外側(アウトサイド)。
 
「……なるほど、こりゃ結界だ」
 
 資本主義文化の結界。
 花見会場、と言ってもいい賑わいを見せるのは駐車場から近いスペースとテキ屋が屯する大通りが大半だ。
ここまで深い場所に足を踏み入れている人間はほとんど稀で、いてもカップルか通の酒飲みか、と言った連中
がほぼ大半である。その内訳は花見客全体の一割未満。結界コードに逆らってまでこの内側にまで侵入できる資格
を持った連中は、要はそんな少数派だ。
 暫く歩いて、行き止まりに突き当たった。沈黙に疲れたとか無言で隣を歩く藤原のことが気になって仕方なく
なっただとかの比喩でなく、物理的な隘路だ。
 左右には堀と、昼間ならともかく夜歩き厳禁とばかりに密生した背の高い木。
 枝の合間を縫って差し込んでくる月明かりに浮かぶのは、古めかしい建造物の一部らしい。……寺や神社と
いう雰囲気の場所ではなかったと思うのだが、わざわざ正面に回り込んで確認するのも面倒だ。
 藤原に向き直って土塀に凭れ掛かる。
 ……頭上に掛かる満月は、どこか睥睨する眼球を連想させた。
 

915 名前:◆WEISS0lzjQ :2009/04/11(土) 15:14:59
>>914
 
「……そうだな。俺も話したい」
 
 巨大な瞳を睨み返しながら、さて、と思う。
 どこから話すべきなのか、というのがまずは問題だ。最初から話すには、俺の話したいことは雑多すぎる。が、要約し
てしまえば数行で言い尽くしてしまえる。
 あまりにも素っ気無いが、言葉にする――というのはそういうことだ。
 伝えるべき事柄のディティールを削り、必要な情報を取捨選択して、相手に語り聞かせること。百年の歴史を教科書
の数ページに凝縮すること。……時代が下れば下るほどその記述は増加しまくって、伝えられるべきモノのオッズは自
動的に倍率を跳ね上げる。
 昔の物事ほど強く世界に刻まれているのは、それが何度も参照され、殊更に強く記憶されてきたからだ。今ほど情報
が溢れることがなかったかつて、それは規範として世界を覆い尽くしていた。聖書が、コーランが、トーラーがそうであるよう
にだ。
 

916 名前:◆WEISS0lzjQ :2009/04/11(土) 15:57:36
>>915
 
 ビートルズを聴いた事がないヤツはいない。ストーンズを知らないヤツもいないだろう。ツェッペリンとブラック・
サバスを知らないというヤツも、これもいない筈だ。とはいえ、ロバート・フリップだのドミノ・ファッツだの、そんな
横道を知っている連中は案外と少ないのだ。ビョークは? サウンドガーデンは? レイジ・アゲインスト・ザ・マ
シーンだとかレディオヘッド、エリック・サティは、リチャード・D・ジェイムスはどうなんだろう(ブライアン・イーノ
の音楽を聴いたことのない現代人は少ないかもしれない――マイクロソフトのウィンドウズの起動音は、きっと
大半の人間が聴いている筈だから)。
 新しい物事を記録するには、世界ノートは既に余白を失い過ぎている。
 あらゆる戦争がB3版の用紙一枚に押し込められる世界。ブッシュは、フセインは、ビン・ラディンは、そんな教
科書の何ページ分に押し込められることになるのか。
 だからこそ、巨大な宗教は姿勢を曲げることを許されない。カトリックにもプロテスタントにもユダヤにもイスラ
ムにも、間違っても聖書に手を加えようなどと考えるバカはこれまで一人として生まれなかった。もしもキリスト
教が時代に合わせたテキストを作り続けたら、マタイとマルコとルカの優先順位は合衆国大統領演説のそれと
並んでしまう――などという冒涜的なジョークが騎士団で流行ったくらいだ。
 だから。
 変わらない神の声を伝える為に、俺はこれまで殺してきた。
 俺に聖書のような不変性はない。
 語れることは曖昧で、それを記録する人間もいなければ、記憶している人間もいない。――そもそも、そんな
人間がいないことを望まれたのが俺達だった。
 異端審問聖省においてもマタイ騎士団においても”個人”という要素は意味を成さない。身分も本名も国籍さ
えも既に抹消された俺達は、いわば亡霊だ。
 騎士団。時代遅れの言葉を引き摺りながら、中世からキリスト教を守護し続けてきたマタイ騎士団の前歴は
普遍だった。けしてイタリアに属する軍隊ではなく、ヴァチカンを警護するスイス警備隊とも無関係で、更に言
うならローマ教皇庁とも繋がりを口にすることはない。その所在はどこに依拠することもなく、世界のあらゆる
場所に行為だけが普遍的に存在する、、、、、、、、、、、、、
 異教徒を殺し、侵入者を殺し、キリスト教の害となる全てを殺す。
 キリスト教という巨大な総体を成す上で障害となる事象を排除する神の大槌。
 神の勅令としての戦力集団。
 出自と出身を一切問わず、その行く末までも一切見届けない。
 騎士は生まれた時から死んでいて、だからこそ二度と死ぬことはない。
 俺達は生まれる前からこの世には存在していない。 
 神の記述を曲げぬよう、自分で在る必要がないように。
 俺達は無名の葬列だ。
 
 俺、という固体は故に意味などなく、『俺が伝える言葉』にも同様に意味はない。
 この世界に存在してはならない亡霊。
 誰とも繋がらない俺の言葉は、そもそも語れることを最初から欠いている。
 
 だが。
 
 話してほしい、と藤原は言った。
 伝えたい、と俺は思う。
 
 ……だから、これは懺悔なのだろう。
 誰にも伝わらない言葉を告げる、亡霊の告解。
 
 いいだろう、時間はある。
 俺が伝えたいことを伝える時間は、十分だ。
 だから、俺は語ることにした。
 俺が今に続いてきた全てと、藤原と出会うまでに作られてきた全てを。
 

917 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/11(土) 15:58:48
 
 タイムアウトっ!
 
 後でまだ書きますので、すいませんちょっと待ってください。
 兄貴の出自から、今回のお話へ繋げようかと思います。
 

918 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/11(土) 16:09:49
 
 一部修正メモ。
 

 新しい物事を記録するには、世界(ノート)は既に余白を失い過ぎている。
 あらゆる戦争がB3版の用紙一枚に押し込められる世界。ブッシュは、フセインは、ビン・ラディンは、そんな教
科書の何ページ分に押し込められることになるのか。
 定義され続ける現実という流通の中で、個人の名前などほとんど芥に等しい。

 
 つーか他にも直すとこありすぎます。
 ていうか自由にガリガリ書いてて楽し過ぎますが、もうちょいゆっくりやりたい気も。
 うーむ、あそこで完結しなかったらどうしよう。
 
 んでも、なんかこう、久し振りにレス対応書いてるって感じっスね。
 なんだろ、うん、楽しいですぜ。
 

919 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/11(土) 17:48:02
 完結しないなら完結するまでやるだけ(何)
 ……ま、実際金土日はなんとか時間空けられるしね。

 とりあえず全力で来ることは分かったからこっちも全力で迎え撃つよ。
 もーなんか、今から楽しみで楽しみで仕方ないというかw
 こんな気合入った雑談(もうそういうレベルじゃないけど(何))なんて年単位で久しぶりだから。
 そういうわけで、きちんと最後までつきあわせてもらうよ。



920 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/12(日) 18:24:27
 
 き、気合って。
 もーちょい、もーちょいこう、気楽な感じで。
 
 んでも楽しくやりましょう。
 ガチガチに縛られなくていい、って言って貰えたのは正直嬉しいです。
 じ、実は焦っちゃうんですよね、レスって。
 あ、あはははー……は、ははは、はあ。
 
 慣れないなあ、ううん。
 

921 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/12(日) 18:28:37
 
 今日はリアルタイムのは無理かな、なんて思うんですが、ちょいと書いてきます。
 んで、この際なんで、振ってくれたネタで兄貴について忘れられ掛けてる設定なんかも掘り下げて、って、
いやあたしも忘れてた! 忘れてましたよクルースニクとか! ただのメタラーかと思い掛けてた!
 
 あとマストドン日本盤買っときました。結局かよあたしは。
 見覚えのある曲名がボートラにあったのでまさかと思ったらやっぱりカヴァー。いいんですけどメタリカの
時といいメルヴィンズん時といい、この人らはやっぱオリジナルのがいいですぜ。
 再発のレヴァイアサンがボートラ差し替えられててうひゃあ、でした。
 
 あと(また)ポストロック十枚くらい買いました。どうせなので聴きながら書こう。
 

922 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/12(日) 18:34:53
>>916
 
 ――神様の為に戦うといい。君はそれで赦されるから。
 
 そいつは言って、俺は頷いた。
 それが俺の最初の記憶。
 俺が始まってから最初に刻まれた、唯一の意味コード
 

923 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/12(日) 18:36:07
>>922
 
 君の家族はごく普通に、平和に暮らしていた。
 気軽に言って、イリヤは俺にチョコレートを差し出した。
 君が殺した弟もごく普通だったんだがね、などと重ねながら。
 知らねえよ。
 一緒に押し付けられたのは三十キロより少し重いSASモードのベルゲン。アジア人の、それも十歳足らずのガ
キが背負うには冗談みたいなサイズだったが、一週間セルビア人を単独で殺し続けろ、という命令を考えれば妥
当ではあった。中身の大半は水と糧食、ついでに虫除けスプレーなんかの生活補助用品だが、それがナイフだ
の予備の銃弾だのよりも重要なのは明らかだった。
 なんせここは戦場で、武器を握った死体など簡単に見付けられる。なので、武器だの弾薬だのは現地調達で
充分以上に間に合ってしまうのだ。地雷を掘り起こして仕掛け直す、なんて手間の掛かる遊びもそこら中でやれ
てしまうくらいだから、わざわざ不要物を持ち込む必要もない。
 ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争。
 それが後にこの大地に名付けられたラベルだ。今となってはそれなりの認知度を持ったこの一連の事件が、実
はクロアチアがアメリカに持ち込んだ一代戦略だった、ということを知っている人間は、どうも意外に少ないらしい。
そして、そのプランをクロアチアに持ち掛けた働き掛けたのがヴァチカンの異端審問聖省――異端審問局ないし
は信仰教理聖省――だったことを知っている人間となると、これはもう当時の作戦に関わった聖省の審問官数名
くらいのものだ。
 例外は――まあ、いないことはない。
 少なくとも俺は知っていて、俺はそれを見ていたのだから。
 
 俺はガキで、殺し屋だった。
 その時も。
 

924 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/12(日) 18:46:19
>>923
 
 真っ先に独立を宣言したスロヴァニアとクロアチアにはカトリックが多かった。それがイリヤが俺をユーゴに放り
込んだ理由だ。内密にクロアチア勢力を支持し、独立を後押しせよ、と言う勅命である。
 ……が、実際は内密もクソもない。スロヴァニアとクロアチア両国の独立支援に力を貸すカトリック、セルビアに
力を貸す東方教会、モスレムに協力するイスラム義勇兵と、あからさまな代理戦争モードだったのだ。だからまあ、
この紛争がハーグ協定など知ったことか、とばかりのカオスに雪崩れ込んだのも無理はなかったとも言えるだろう。
 
 ごく単純な認識を述べるなら、この国で起きたのはありがちな独立民族紛争、、、、、、、、、、、――ということになる。数年前まで
ユーゴスラビア連邦、として社会主義国家の顔を持っていた他民族国家は、指導者だったチトーの死を契機に分
裂を始めた。
 分かり易い理屈ではある。様々な人種が一つの意思を練り上げる為には、巨大な指針が必要だからだ。或いは
アメリカのような愛国心パトリオティズムが、或いはロシアのようなスターリニズムが。……それを死に往く人間、という物理的媒体
に頼っていたのがユーゴスラビア、という国家だった。
 
 崩壊は蟻の一穴から。
 偉大なるチトー元帥の死は、ユーゴという共同体を一瞬で粉砕した。
 
 連邦を構成していた最西に位置するスロヴァニアが独立したのがまずは最初。続いてクロアチアが独立の狼煙
を上げた。とはいえ、スロヴァニアとクロアチアはほぼ単一民族領土だっただけに、独立は他民族を追い出すだけ
で済んだ。問題はボスニアで――なぜかと言うと、この国が三つの民族が手を携え合って生き延びてきた国だっ
たからだ。最大勢力のモスレムは人口の四割強、三割強のセルビア人と、二割弱のクロアチア人。その中で、自
分達も独立を、と中心になって叫んだのは多数派だったモスレム人だ――セルビアとクロアチア、という独立国を
持った民族と違って、モスレムには帰る場所がなかった。要は、モスレムは”自分達はここにいるのだ”と世界に向
けて叫びたかったのだ。が、独立を歓迎する人間が全員とは限らない。ボスニアが独立すれば、ボスニア領内の
セルビア人はセルビアとの繋がりを断たれ、単に『ボスニアの中のセルビア人』として迫害される可能性を孕んで
しまうことになる。それを恐れたセルビア人がモスレムに反発した――というのが、表舞台の筋書きだ。
 どんな戦争もそうだが、明確に悪い誰か、という存在を定義するのは不可能だ。初期条件の違う人間が競い合っ
た結果、不可避の衝突が血腥い戦闘に発展することは往々にしてある。それを完全に予測するのは不可能だとす
ら言っていい。
 誰が悪い、という図式ではありえない。
 これはあくまで単純な願いが並列して生み出した憎悪の綾糸。ただ単に、誰もが自分であることを願い、自分で
在りたいと叫び、自分はここに居るのだ、と主張した結果だ。
 
 そして。
 ヴァチカンの――正確に言えば聖省の――目的は、極論すれば紛争自体の停止にあった。
 

925 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/12(日) 18:47:26
>>924
 
 少なくとも。
 その時の俺は、そう思っていた。
 

926 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/12(日) 21:07:05
 
 全力でグロッキーだったり仮眠だったりしてました。
 く、どうにもこうにも。
 
 ええと、セルビアんとこだけ書いちゃおうと思います。
 なんでかというとそもそもクルースニクとかバルカンの神話だったよなあ、などと思い出しつつだったり。
 そうだよスラヴ神話だよアレ! だからボスニア!
 
 ……いい加減にならないようにしないと。
 
 
 
 ただ思ったんですが、ベッタベタなネタでは過去に一度会ってる、とかだったりするんでしょうね。
 ガキんちょの頃の兄貴とかつてのお姉さん。
 ボスニアで遭遇とかかなり無理ありますが。
 

927 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/12(日) 21:22:03
うーん。この時期に、となるとちょっと難しいかな。
こじつけようと思えばいくらでもこじつけられるけど。

結界が完全に成立して外部と遮断されたのが明治初期。
私はそれ以前から……数百年くらい前から幻想郷にいるからねぇ。
まあ、やるんだったら何か考えておくよー>遭遇

928 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/12(日) 21:27:13
 
 早!
 
 いえ、ベタベタなの承知なので、無理だったら無理のままの方がいいかと思います。
 姉さんへの問い掛けは、どっちかっていうとこの後が本題なんで。
 

929 名前:名無し客:2009/04/12(日) 21:28:20
妹紅に似た人に会った事が有った様な気がするけど気のせいだったぜ、で逝ける。

930 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/12(日) 21:32:43
>>928
いやまあ、そうだとは思うんだけどねw
まあ、うん。乗れそうな時にだけ乗ろうかな。

……しかしこれ、終わるのかしら(何)


>>929
いやノリ軽すぎるだろ常考。

931 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/12(日) 21:34:52
>>929
 
 すげぇ一途なヒトになってしまいますが、兄貴が。あの兄が。
 いえだって、その過程だとその人のこと殺してますよ多分。
 執着の理由! とかやれるのは面白げではありますが、それはもうもっと規模がデカいことになってしまいそうです。
 
>>930
 
 終わらせるとも!
 というか終わらせます!
 

932 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/12(日) 21:36:04
 
 ていうか!
 なんで俺だと紛争とか戦争とかこんなんばっかなのか!
 ラブとかコメとかそんなんじゃないんだ、デートって!
 ハーレクインとか読み直そうと思っても! 当然のように参考にすらならないッ!
 
 ……まあなんつーか、いつものことなんだけどさ。
 

933 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/12(日) 21:40:09
 
 そしてその前にこのスレが尽きやしませんかこれと心配に。
 予想外に進んでてビックリです。
 

934 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/12(日) 22:24:29
遊園地スレを思い出すんだ。
……まー、デートというには無理がありすぎる流れだけどねこれ(苦笑)
うーん、超人に普通の恋愛は出来ないということか。
んなことないとは思ってるんだけどねえ。


三スレ目立てちゃえ(何)

935 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/12(日) 22:35:25
 
 遊園地。遊園地……。
 ……。
 
 あ、あれ……?
 

936 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/12(日) 22:37:06
 
 というかまあ、まだヒネた兄貴の昔話というか。
 
 次のスレッド、まあ、ヨソに面倒持ち込むよりは妥当、なんですが。
 しかしこんな暗黒星雲を続けて需要があるんでしょうか。
 え、えーと。
 とりあえず使えるトコまで使っちゃいますかね。
 

937 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/12(日) 22:57:15
あのノリけっこう好きだったんだけどな(何)

というかもう、ここが実質個人スレとして機能してるような。
なんだかんだ言って見てる人も書いてる人も反応する人もいるわけだしね。
風の吹くまま気の向くままにやってけばそれでいいと思うよ。


えーと、それじゃ明日が早いから今日はこれで。
お疲れ様。

938 名前:名無し客:2009/04/12(日) 23:00:43
というか、ここ地下個人スレでしょうに。
本スレなしのオリキャラがやってるだけで。

つーか、クルースニクは一帯どんなけ過去があるんだ。
自分史年表みたいなのある?

939 名前:ミハルさん:2009/04/12(日) 23:12:37
>>937
 
 反応……いえまあ、見てくれてるヒトはいるみたいで。
 現にこうしてるワケなんで。ありがたいことです。
 
 このスレで完結しなかったら、まあ、立てるだけ立てさせて貰って、それから管理でどうにかして貰
う、ってのもアリといえばアリですしね。
 
 では、お休みなさいませ。
 あたしも今日はここらで抜けさせて頂きます。
 
>>938
 
>兄貴史
 ざっと構築してしまえる気はしますけどねえ。
 偶々こう書いた方がいいかな、という流れでこうなっただけで。
 家族構成とかちろっと出したやつで憶えてるとこは変えてません。兄貴、弟いたんだ。
 明確に設定作るのってどうなの、というのが以前のパターンだったんで、こうやって書き出すのは、
まあいい機会かもですね。
 
 半ば音楽感想ダラダラ垂れ流す場所だったここがこんな風に機能してるのが驚きです。
 

940 名前:名無し客:2009/04/12(日) 23:48:08
時々ここに出てくる面々がオリキャラだってことを忘れそうになる件。
いやぜったい長編伝奇小説できるって。

941 名前:名無し客:2009/04/13(月) 16:41:33
弟……ああいたなぁ。
周囲との違和感に耐えかねてヒッキーになってたクル助に懐いてたけど、
両親殺された時に吸血鬼化してたのが。

でも生まれつき戦乱の子だったとか、物心付いた時にはすでに部隊の一員だったとかの設定もあったような?

942 名前:ミハルさん:2009/04/13(月) 17:21:46
>>940
 
 長編の場合、キャラとしての前提を捨ててから書いちゃった方がラクなんですけどね、ホントは。
 キャラをお話に合わせるかその逆かの違いなんですが。
 
 が、伝奇。伝奇――伝奇ですと!
 

943 名前:ミハルさん:2009/04/13(月) 17:24:31
 
「兄貴」
「なんだ」
「今日から銃を捨ててください」
「銃……はぁ!?」
「伝奇はただの武器に興味ありません! 特殊炸薬のアサルトライフルか気象変化爆弾か<新宿>で扱ってる超小型核とか
なら伝奇としてイケます!」
「いや、なんでそんなメタ発言よ! しかも初期の魔界都市シリーズってどれだけ認知度あるんだそれ!」
「そんなことはどうでもいいッ!」
「いや、よくはねえよ!?」
「代わりに糸です!」
「い、糸……?」
「伝奇。伝奇ですよ! 武器ならミクロン単位の妖糸か、でなきゃメスか化け物ハンドガンでしょうがッ!」
「いや、お前の言いたいことはすげえ分かるけど、それは俺とキャラが違うんじゃないかな……」
「あ、喋る左手とかあるともっといいですね」
「いや、だからそれは無理なんじゃねえかな……」
「トドメは人格変化です。『気の毒に、私と会ってしまったな……』」
「いや、だからキャラが違うんじゃねえかなあ!」
「いや実際、今日びはキメ技だのキメ台詞だの必殺技だのないとダメですって。マジで」
「マジで!?」
「フィーちゃんも言ってました。『必殺技の一つもなきゃあ、漫画の主人公とは言えないね』と……」
「マジなんだ……。必殺技とかないとダメなんだ、俺……いや、漫画じゃねえよ! 違う! 趣旨変わってる!」
 

944 名前:ミハルさん:2009/04/13(月) 17:27:23
 
 このスレは屍刑四郎さんを応援しています。
 
>>941
 
 一応終わったけど表に出てないお話だった設定を知ってるですと!
 その事実にあたしの方がびっくりだ!
 
 ……生まれた時から、ってか、少し成長してから、ってパターンでやってた気はします。
 

945 名前:ミハルさん:2009/04/13(月) 17:34:07
 
「弟とかいたんですか」
「いたんですね」
「このパターンはあれですか。生き別れの双子とか途中で出てきたりするんですね……?」
「いや、しねえんじゃねえかな……」
「それはさておき兄貴、昨今、『カタに嵌った設定』ってヤツは重要ですよ」
「重要、ねえ」
「具体的に言うとかめはめ波が撃てるか撃てないかくらい重要」
「それは重要すぎる! なんだそれ、作品変わっちまうじゃねえか!」
「”生まれた時から戦場育ち”、まあ、これはこれでアリかもしれませんが、インパクトは弱いです」
「……別に生まれた時からじゃねえし、ていうかそういう問題なのか……?」
「そうです。そうなのです! そこ! 最近では何を契機にして主人公になるかが重要なんです!」
「……重要か、それ」
「重要ですとも! いいですか兄貴。最近じゃ海外の映画でさえ『記憶をなくした主人公がなぜか殺し屋に』なんてやっちゃう時代
ですよ? 平井和正先生ちっくな展開に慣れ親しんだあたしら日本人が後れを取ってどうしますよ!」
「ああ、いや、それは元々あっちでもラドラムとかがやってた気がするんだが……ていうか、それ、幻魔大戦とゾンビーハンターの
どっちを想定して言ってんだおまえ」
「パターンいち、通りすがりの死神――もとい、教会の殺し屋を助けて吸血鬼との戦いに身を投じる。ヴァンパイアハンター代行、
武器は日本刀で必殺技は卍解」
「いや、聞けよ! 聞けよっつーか、それはもう最初からただのパクリだ! カタにハメるとかそういう問題ですらねえよ!」
「いえいえ。最近はもう日本人ならポン刀武器にして吸血鬼だの死神だのとケンカしてナンボですよ」
「それ、俺がやる必要はあるのか……?」
「……。次!」
「いや、だからもういいよ!」
「え……『空から降ってきたヒロインを助けて』とか『連綿と続く何々の家系に生まれて』とかまだ色々パターンあるんですが」
「言わせなくて良かった……マジで止めて良かった……」
 

946 名前:ミハルさん:2009/04/13(月) 17:37:52
 
「というかですね、兄貴」
「なんだよ」
「根本的な問題があります」
「だからなんだよ」
「認知度を高める為に必要不可欠な外見があたしらには設定されてません」
「……あ」
 

947 名前:ミハルさん:2009/04/13(月) 17:39:24
 
「逆に言うと、どんな外見を想定してもまだまだオッケーってことです」
「……まあ、そうだな」
「これはコト文章に拠る限り、あたしらにの外見には制限がないのだ、と言い換えてもいいです」
「まあ、それはそうだけど」
「そう、ここで兄貴が秋せつらさんクラスの美形だったいう事にしても……」
「いや無理! 普通に無理だそれは!」
「え。でも魔界医師に好かれますよ」
「……それは悪くないが、生憎とこれはそういう問題でもねえ!」
 

948 名前:ミハルさん:2009/04/13(月) 17:50:14
 
 というわけであたしはヌーレンブルグに弟子入りしてきます。
 

949 名前:名無し客:2009/04/13(月) 19:58:44
・45-70ライフル弾を使用するオートマチックリボルバー
・64口径の爆弾みたいな弾を撃つリボルバー
・戦車も撃破出来る魔法のモーゼルM712
・相手を勝手に追いかけてくれる魔法のマテバオートリボルバー
・後退理論に基づいた太陽に向けて撃つと太陽が爆発する銃

この辺りならいいんですね分かります。

950 名前:ミハルさん:2009/04/13(月) 20:39:46
>後退理論に基づいた太陽に向けて撃つと太陽が爆発する銃
 
 渋ッ!
 

951 名前:名無し客:2009/04/13(月) 23:21:17
伝奇っぽい銃といわれるとけっこう悩むなあ。
十字架型のロケット/機関銃装備の複合武装とか?
あと車椅子に仕込んだ大砲とか。

952 名前:ミハルさん:2009/04/14(火) 17:27:59
 
 超人忍法帖なトライガンは伝奇っぽいと思いますけど。
 
 上で出てるのだとゼンガンよりはネズミ銃のが伝奇かもしれません。
 というかその二つしか分かりませんでした。
 

953 名前:ミハルさん:2009/04/14(火) 17:44:23
>>925
 
 パイプ椅子の背凭れを前にして座り、カロリーの塊みたいなチョコを齧りながら周囲を見回す。廃校を利用して作
られた作戦会議室にクーラーなんて気の効いた設備はなかったが、この部屋からは余分な湿度やホコリなんても
のは合切が取り除かれている。
 部屋の間取りは高さ五メートル、縦横およそ十五メートルの正方形。
 内装は天井から床から壁から真っ白。部屋の四隅を判別するのも困難というこのデザインは、誰がどう見てもイ
カれている。それだけならまだしも、ここはあらゆる意味で外界(そと)とは切り離されている。室内は室温21度湿度
40%で、この状態は永遠に変化することがない。
 
「……相変わらず最悪だ、ココ」
 
 誰に向けた訳でもない悪態は、その場で即座に消え果てた。……解ってはいたけど、改めて部屋の異常さを再確
認する。作戦の度にイリヤが俺を呼び付けるこの部屋は、百回呼ばれても慣れを拒絶する。
 吸音材でも敷き詰められているみたいに、ここでは声を出しても発声のエネルギーは即座に部屋に吸収される。
音を反響させる物質が存在しないのか、この中では距離を離せば離すほど声は伝わらない。……実に簡単に言え
ば、この中では音に関して純粋な逆2乗則が完璧に働いているのだ。
 
 さながら実験用の無響室だ。
 目を瞑れば自分の心音が聞こえる。手首を耳に当てれば血液の流れまで聞こえるかもしれない――残響がまる
でないここでは、自分の足音さえも環境に還元されるからだ。その奇態さを言葉にするなら、自分、という肉体がと
ことん環境に還元される空間を想像してみるといい。
 加えて、全方位を白く密閉されたこの内装だ。ちゃんと四隅がある筈のこの部屋は、まるで無限の地平が上下左
右に伸びているような錯覚を覚える。中から見た部屋の入り口は完全に空間と同化していて、何もない場所にぽつ
りとドアだけが存在しているように見えてしまう。
 
 真っ白な宇宙に放り出されたような、奇妙な異界。
 ……加えて言うなら、ここは真実異界でもある。
 流動する周辺の分子パターンを基盤に描かれた不壊天球イリアステルのコードは、”この部屋じょうたい”を直接場に上書きして作り上
げる。イリヤの魔術によって描かれた、現実の上に敷かれたもう一つの現実――それがココというわけだ。……以
前、この部屋の十数倍のホールをここと同じ状態にされた時は流石に素で引いてしまった。
 

954 名前:ミハルさん:2009/04/14(火) 18:01:15
>>953
 
「面と向かって言われると流石に傷付くな。静かなのが好きだろう、イル?」
「こんな魔界村に放り込まれるなら、クソやかましいアーケードの方が億倍マシだけどな」
 
 本気で、と付け加える。
 そんな厭味をサラリと受け流す笑顔を浮かべるのは、年齢推定六十台半ばから七十台前半、と言った風体の白
髪の司祭だ。隙一つなく着こなしたカソックは修道服というより軍人の制服じみていて、いちいち芝居がかった仕種
は苛立たしいくらい堂に入っている。ジュード・ロウをそのまま老けさせて顔立ちを更にハッキリさせたようなツラ、と
言うのが少し解り易いかもしれない。なにせこのジジイは控え目に表現しても美形なので、あまりそれ以上の表現
はあんまりしたくないのだ。
 場所はサラエボのクロアチア人居住区。
 放火飛び交う激戦区――とはいかないが、それでもそれなりに外は姦しい。それとて慣れれば慣れられるのだか
ら、何度来ても慣れそうだ、なんて気配がサッパリないここは相当に狂ってる。戦場が魔界ならここは大魔界だろう。
 こっちの精一杯の文句にやれやれ、と肩をすくめたイリヤは、
 
「じゃ、音楽でも流そうか」
 
 ――言うや、世界に音が満ちた。
 眉を顰めたと思う。……スピーカーもないこの部屋で、どこでどう鳴っているのか。流れてくるのは同一音形を延々
と繰り返す奇怪なクラシックだ――エリック・サティの『家具の音楽』。ナメたタイトルのこの曲を、俺はイリヤに何度と
なく聴かされていた。家具さながら、当然のようにそこにある音楽を作ろうとしたサティは、指向性なき指向性を想像し
たらしい。誰もがその音を意図しないように、ただ聞き流される為に繰り返される反復音。息吹のように、声のように、
ただの環境であるように、と願って作られた音楽。が、音楽は音楽として作られた時点で指向性を持たざるを得ない。
戦場に作られたバイオスフィアで鳴り響く流暢なピアノは、薄気味悪いほど場違いだ。
 眠気すら誘う単調な音階は、それだけで現実感を奪い去ってしまう。外の音を完全に遮蔽されたこの無菌室は、だ
から正直に異常でしかない。完全に現実感がゼロだ。本来、この町のBGMは悲鳴と咆哮で、銃声と爆音だ。環境に
定義される日常を、こうして断絶された空間かんきょうで切り離しているのが、どうにも俺には耐え難い。
 

955 名前:ミハルさん:2009/04/14(火) 18:30:27
>>954
 
「……イヤガラセはもういいからさ、さっさとハナシ進めてくれよ」
「おいおい、酷いな。私は本心から君を和ませようとしたんだぜ。――まあいい、話を進めたいのは同意見だからね。
ええと……サラエボで暴動があったのは知ってるよね?」
「セルビア人が起こしたやつ?」
「オーケイ、充分だ」
 
 イリヤが指を鳴らす。――とたん、足元を格子模様が埋め尽くす。縦横無尽に走る真っ黒な光の線が、瞬く間に行
儀よく、等間隔に床を敷き詰める。
 パッと見、ホログラフで作った方眼紙のようなイメージ。真っ白な床を賽の目に区切るそれが示しているのは、ここ、
ボスニアの抽象図だ。最北はクロアチア・ハンガリー境界、最南はボスニア・モンテネグロ共和国境界、最東はセルビ
ア・ブルガリア境界で、最西がスロヴァニア・イタリア境界。部屋の中央西に座っていた俺の足元はセルビアで、距離
を置いて正対していたイリヤは、丁度ボスニアのど真ん中に立っている。3Dモデル状にボスニアを切り取った方眼紙
の上では無数の点がチマチマと動いたり曲線がウネウネうねったりと、実に忙しい。
 抽象化された世界のミニュチュア。
 当初は冗談としか思えなかった事実だが、この中には戦局がそのまま押し込められている――この図はボスニア全
域の鏡写しだ。イリヤの銀紐はボスニア全域の空間を余すところなく満たして、物体の流動から何から、その歪みの反
映から生じる全ての情報をこのスクリーンに送り込んでいる。
 蠢く無数の点は人間。幾本もの曲線はその点が移動した軌跡を表現し、或いは空気の流れだの戦車が放った弾道
曲線だのまでイメージ化している。
 衛星画像でもまだまだ精彩を欠くこの時代、一切の装備を用いないで作ったこの情報密度は狂気としか思えない。
 ……審問官は軒並みイカレ野郎揃いだが、イリヤはその中でも図抜けて狂っていると言っていい。国一つの情報を
これだけ流暢に弄ばれると、各国の国防は立場がないだろう。
 
 そして。
 完全な戦場のジオラマを概観しながら、俺は込み上げた気分の悪さを飲み込む。
 一言で言って、気分は最悪だ。
 こうして視覚化された人口分布や気象情報その他諸々の情報からは、戦場の生々しさがまるで感じ取れない。その
くせこの情報は完全に正確で、これが戦場そのものであることを疑う理由がどこにもないからだ。
 情報化された暴力。
 数値化された死。
 戦場に身を置きながら、ここは戦場から世界で一番遠い。
 

956 名前:ミハルさん:2009/04/15(水) 23:24:38
 
 そして間を空けて戻ってみたら時間ですよ!
 もうイヤだ。
 ちゃっちゃと済ませたいのに。
 
 ていうか済ませないとヤバいでしょうに!
 どうすんですか花見の時期! 周囲はッ! 超! 葉・桜ッ!
 ……いやもうこの兄貴とお姉さんのこれ、もうウチのスレのライフワークにしようかな。
 ま、間に合わなかった場合の逃げの言い訳にしたいのではなく!
 

957 名前:ミハルさん:2009/04/15(水) 23:48:12
 
 間っつーか一日経ってますが。
 流石に今日はこれ以上頭動かないので、あの、すいませんです。
 でもこのままだと、洒落抜きに次のスレッド一時的に立てるハメになるかも。うーむ、これ沈めて終わりの
予定だったのに。
 
 あと坂本教授のアルバム揃え始めました。ギブスンがリーディングしてるとかパンクすぎ。
 むしろニューロマンサーよりミラーシェードを早く採用するとかパンクの極みです。スターリングもYMO好き
だったらしいってのがもう。
 

958 名前:◆WEISS0lzjQ :2009/04/16(木) 00:33:01
>>955
 
 砂を噛んだように思考が濁る。
 
 ……盤上において、死は等価だ。
 数値の増減と指向性の拡散だけで評価される戦況マップにおいて、”どう死んだか”や”どんな断末魔を上げたか”
など区別されない。
 ここには銃声がない。
 爆音もなければ火薬の匂いもなく、悲鳴も死臭も感じ取れない。
 ここには、徹底して死の意味がない。
 それの何が気持ち悪いのか。――それは多分、致命的にディティールを欠いたこの風景だ。
 拭い去られた戦場の実感げんじつ
 このジオラマは完璧でありながら、俺の覗いてきた風景の一割も投影していない。
 七つの国境、六つの共和国、五つの民族、四つの言語、三つの宗教、二つの文字。
 ……この国は、成り立ちがそも複雑すぎた。
 旧ユーゴ時代、この国には三十近い民族が暮らしていた。主要民族に属していない人間はひとくたに『ユーゴ人』と
名乗っていたくらいで、そのいい加減さは冗談みたいなレベルだ。
 それで『国』として認められることにビックリだったが、それだけの繋がりで自分達を同じ民族だと認めることができた
連中こそ驚愕モノだ。
 民族、と言ってもその定義は様々だ。言語も人種さえも違うユダヤ人達は自らの血筋で民族を律したし、スイスでは
言語こそが民族を隔てていた――あろうことか、ユーゴではそれが自己申告制だった、というだけのことだ。
 ユーゴには信念の数が多すぎた。宗教への熱意もチグハグで、そこから生まれる現実感も当然のように違っている。
 ボスニアではそれが極まっていた。自然人類学的な意味では外見も判別できない。公用言語も同じ。違うのは宗教
くらいのもので、唯一そこに付随する生活習慣の違いだけが、『民族』としての三者を隔てていたと言っていい。
 セルビア人やクロアチア人、モスレム人、という区別自体が、そもそも環境に定義されるものでしかない。
 

959 名前:◆WEISS0lzjQ :2009/04/16(木) 00:40:07
>>958
 
 三つの民族、二つの宗教、一つの戦場――結果として生み出される、個々人の紛争。
 互いを殺し尽くす道筋ドラマを記した、千を越える物語。
 ここにあるのはそれだ。
 この国で殺し殺された連中を語り続ければ、千夜一夜など余裕で過ぎる。
 だからこそ、この戦場は泥沼だ。
 外見でも言語でも区別できない人間同士が殺し合う。
 この国で”民族”はどこまでも曖昧だ。
 同じ言葉を話すから、同じ地域に住んでいたから、家族がそこに所属しているから――精々その程度だろう。俺達の
ような外国人から見れば、誰がセルビア人で誰がクロアチア人なのか、それを判断するのは正直難しい。
 国家という集合。
 国はあって当然。誰もが自明のように語る言葉は、俺にとっては理解が難しい。
 何が『国』を作る要素で、どこからどこまでが『国家』なのか。
 国籍法や地理制約で強引に纏め上げた無数の”他人”。
 同じ言葉。同じ思想。そこで纏め上げられた団結せる集合。そんなのはクソみたいな戯言で、『自分の国』に嫌気が
挿す人間は少なくない。でなければカストロは革命を起こさなかったし、三島由紀夫は自決しなかった。
 

960 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/16(木) 00:43:26
 
 あー……、うー、あー、ダメ、ダメですッ。
 やはりここらで失礼致しますッ!
 
 自分でもちょい何言ってるか解りませんが、ご意見ご要望などあったらこちらのスレまで、
 って、
 いやこれなんか違います。お便りとか受け付けられる内容なんですかそもそも。
 お姉さま、すいません、もうちょいお待ちください。
 

961 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/17(金) 17:53:07
>>958-959の修正です。
 
 砂を噛んだように思考が濁る。
 
 盤上において死は等価だ。
 数値の増減と指向性の拡散だけで評価される戦況マップにおいて、”どう死んだか”や”どんな断末魔を上げたか”
など区別されない。
 ここには銃声がない。爆音もなければ火薬の匂いもなく、悲鳴も死臭も感じ取れない。
 ここには、徹底して死の意味がない。
 それの何が気持ち悪いのか。――それは多分、致命的にディティールを欠いたこの風景だ。
 拭い去られた戦場の実感げんじつ
 このジオラマは完璧でありながら、俺の覗いてきた風景の一割も投影していない。
 どこかで小競り合いがあったのだろう。国境付近で点の位置が激しく流動し、動かなくなった点が明滅して消滅する。
銀紐が感染した空間の状態が変異する毎にマップはその波形を逐一変えていく。生命かつどうを停止した人体は速やかに状
況に還元されて、その痕跡は残らない。
 さて、とイリヤは言う。
 
「くだんの”青空市場襲撃”から、セルビアは一気に悪者になった。知ってるよね?」
 
 ああ、と頷く。
 ここまでセルビアのイメージを悪化させた最大の原因は、非武装地帯に迫撃砲を撃ち込んだのがセルビア人だ、と
報道されたニュースだ。
 少し前――と言っても一年以上前、サラエボの市場に迫撃砲弾を撃ち込んだバカがいたのだ。被害者の大半がモス
レム人であることから、セルビア人の犯行だろう、となし崩しに理解されたその事件が契機になって、国際世論は非戦
闘区域を攻撃したセルビアに一気に敵視の姿勢を強めることになった。
 まあ、その真相はともかくとして、と但し書きをつけるけど。
 
「あの一件から、国際世論は一気にセルビア排斥の方向に流れた――君が投入されたのは、是正に傾いたクロアチア
支援の流れを武力で後押しする為だ」
「後押しするまでもないだろ。そんなの、空爆で殆どケリは付いてたんだ」
 
 そうだね、と素っ気無い返事が返るのと同時に、目前の空間に光条が乱舞した。
 密集する格子が板状に寄り集まって巨大な光のスクリーンを形成する。
 薄っぺらい半透明のスクリーンがザラ、とブレて、
 地獄が灯った。
 

962 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/17(金) 18:01:11
>>961
 
 周辺の壁にブチ撒けられた赤と白のペイントは多分、脳味噌と骨辺が混じった肉塊だ。炸裂弾を顔面にブチ込むとこ
うなるよな、などとぼんやり考える。二年前、ソマリアの撤退戦で民兵を殺していた頃、米軍に頼まれた俺はこんな死体
を量産して、民兵の指揮を削いでいた。
 できるだけグロく殺せ、と当時のDIA付きだった工作員は俺に説明した。そうして蔓延した恐怖は鈍く憎悪を濁らせると。
まあ、それはそれで間違っちゃいなかった。スクリーンは十五秒ほどの映像クリップをエンドレスでループさせているが、
死体の周囲は完全にパニック状態だ。ハーグ陸戦条約でこの系統の炸裂弾を兵士に使うことは禁止されているが、実
際の戦場でそれを律儀に守る連中は少数派だ――さておき、死体をよく観察すると、それが炸裂弾で作ったモノではな
いことがよく解った。千切れた手足と半ば消し飛んだ下半身は、爆薬の最大効果域で粉砕された死体と酷似している。
 だからレシピはきっと迫撃砲かお馴染みの手榴弾。完成したのは見事なハンバーグ。できたてのプリンよろしくリズミ
カルに揺れる肉片を眺めながら、スクリーンに表示されたデータに目を通す。
 枠に記載された表示は「サラエボ・市場チャルシア、PM4:58(20-35)」。
 
「……なんだ。市場って、最近は警備とか少なかった?」
「一応は非武装地帯だからね。いきなり迫撃砲をブチ込んでくるような輩にそうそう対処できないよ」
 
 やっぱりソレか、と肩をすくめる。実際の戦闘で最も大量の人員を殺傷するのはライフルでもなければナイフでもない。
相手の姿を視界に捉えもしない位置から肉片に変える組み上げ式武器クルー・サーブド・ウェポンだ。
 

963 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/17(金) 18:02:28
>>962
 
「で、これ、、がセルビア人?」
と、いうことにはなってるかな、、、、、、、、、、、、、、。や、実際にはモスレムもクロアチアも混じってるって話なんだがね、なんせ――ホラ、
これじゃどれがどれだか、、、、、、、――ふふ。死体は軍が一時的に預かりとして、それから共同墓地に埋葬される手筈になって
るよ。ははは、いや、これじゃ埋葬というよりただの廃棄処分みたいだけどさ」
 
 ケラケラと快活に笑うイリヤ。
 ……が、まあ、なるほど。
 ここまで徹底的に破壊された死体は、冗談抜きにモノと区別が付かない。軍が始末したのもむべなるかな、それは家
族にとっても悪いことじゃないだろう。これはあなたの子供です、あなたの兄弟です、とミートパテを差し出されたところ
で、戸惑うのがオチだ。
 ここまで尊厳を冒涜された死体は、埋葬を自ずと拒否している。
 死者を弔うことをルーチン付けた社会は多分、ミキサーされた肉片や骨辺を『死体』とは認めない。
 拭い去られた戦場の実感げんじつ
 手足が千切れ、顎が半分消し飛んだ死体。その光景はむしろ喜劇的に見えた。
 開けた腹腔からハミ出た腸が零れ落ちてウナギのようにのたくっている様子などは、以前に資料で読んだバイキング
の拷問を想起させて、ともすれば笑ってしまいそうになる。
 ……この光景も、現地で見ていれば多少は感想も違うのだろうか。こうしてフィルター越しで観察する分にはこの映像
は死の匂いが薄過ぎて、スナッフムービーを気取った出来の悪いホラー映画を見ているのと気分的には大差ない。
 死、というモノは、少なくとも俺にとってその場その場に取り残される事象でしかない。
 だから俺にはそれが気持ち悪い。
 こうして死がただのメディアに変換されてしまっている事実が、脳のヒダを引っ掻いていく。
 死がただの変化でしかない、という事実。
 それが大切でもなんでもない、と断言するような、この世界。
 俺は、それが――。
 

964 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/17(金) 18:07:57
 
「まあ、それが例の市場だ。で、こっちが――」
 
 そんな俺には構わず、イリヤがパチンと指を鳴らす。
 スクリーンが入れ替わる。
 映るのは、小銃で腹や頭を撃ち抜かれて折り重なった死体の山。この種の紛争地帯では見慣れた光景だ。多少違う
のは、殺された側と殺した側がつい先頃までは平穏に共存していたことくらいだ。
 
「そこから百メートルほど離れた広場で見付かったヤツ。自治組織が確認に向かったときにはその有様。こっちの死体
は原形留めてるけど、全部セルビア人で身元確認済み」
「目撃者は?」
「だから、それさ」
 
 スクリーン越しにイリヤの笑い声が聞こえる。
 ……ああ、目撃者、これ。
 
「人が殆どいない地域だったからね。最終的に生存確認が取れた時間から自警団が到着した時間を換算するとおおよ
そ二十分。住民を一掃するのに使えた時間は大体十五分、ってところかな」
「たかが暴動起こすようなイカレがやったのにか? バカだろ。こんなの手際が良すぎる。……つーか、それ、冗談だろ。
こんなのホントにタダの暴動扱いで処理できたのか?」
「まあ、ギリギリだけどね。ボスニア警察は今が”慎重な時期”であることを鑑みて発表は避けてる」
「……慎重って。今の流れならセルビア人がやりました、でいいじゃねえか」
「ところが、さ。――イル、君はここ数週間のサラエボがどうなってるか知ってるかい?」
「なんだ、急に」
 

965 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/17(金) 18:10:34
 
 あ、ちょっと辻褄違う。
 後で修正です、アンドあたし自身がまた後で。
 うう、今日は少し書けるといいなあ。
 

966 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/17(金) 19:47:07
>>961の微修正。
 
「あの一件から、国際世論は一気にセルビア排斥の方向に流れた――君が投入されたのは、是正に傾いたクロアチア支援の
流れを武力で後押しする為だ」
「後押しするまでもなかったけどな。空爆で殆どケリは付いてたんだし」
 
 この数週間。
 俺はセルビア人兵士を殺し続けたが、大局はこれまで繰り返されたNATOの空爆で決している。だから現状、俺は殆どその
役割をルーチン付けられた殺し屋として過ごしていた。
 
「そう、付いていた。このままいけば何の苦もなくセルビア側は停戦に合意するだろう。何もなければ、だ」
「……あった訳だ」
 
 そういうこと、と素っ気無い返事が返るのと同時に、目前の空間に光条が乱舞した。
 
>>962
 
 枠に記載された表示は「サラエボ・チャルシア(市場)、PM4:58(20-35)」。
 
「あの日の再来、という訳だね。非公式にだけどセルビア側からは抗議の声が出ている」
「てことは、被害者は――」
 
 スクリーンのミートパテからは誰が何人か、なんて判断するのは難しい。
 そもそも、クロアチア人もセルビア人もモスレムも、自然人類学上の人種はまったく同じだ。肌の色も髪の色も
同じ死体がミックスされてしまうと、俺が判断材料にする物は何もない。
 
「セルビア人が八割。前回の構図を丁度引っ繰り返した感じだね」
「……なんだ。市場って、最近は警備とか少なかった?」
 
>>964
 
「そこから百メートルほど離れた広場で見付かったヤツ。自治組織が確認に向かったときにはその有様。こっちの死体は原形留
めてるけど、全部セルビア人で身元確認済み」
「じゃあ、やったのはクロアチアかモスレムって見方か? 目撃者は?」
「だから、それさ」
 
 スクリーン越しにイリヤの笑い声が聞こえる。
 ……ああ、目撃者、これ。
 
「人が殆どいない地域だったからね。最終的に生存確認が取れた時間から自警団が到着した時間を換算するとおおよそ二十分。
住民を一掃するのに使えた時間は大体十五分、ってところかな」
「十五分って、たかが暴動起こすようなイカレがやったのにか? バカだろ。こんなの手際が良すぎる。……これ、ホントに暴動扱
いで処理できたのか?」
「まあ、ギリギリだけどね。ボスニア警察は今が”慎重な時期”であることを鑑みて発表は避けてる」
 
 含むようなイリヤの笑いが気に障る。
 
「――イル、君はここ数週間のサラエボがどうなってるか知ってるかい?」
「なんだ、急に」
 

967 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/17(金) 19:50:02
 
 まずは修正を。
 ユーゴ紛争は憶えてるようで憶えてないのがなんとも。
 回想中の兄貴は大体十三歳か十四歳くらいを想定してます。
 こう、最近流行のエヴァ的な。あれです、シンジ君。
 身長はたぶん150ちょい程度。そんな子供。
 
 ……そういえばお姉さんはどのくらいなんだろ。
 

968 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/17(金) 19:58:21
>>964
 
「なんだよ、それ。ぜんぜん見えてこない。俺が連れてこられた理由って――」
 
 返答はない。スクリーンの向こうでニヤつくイリヤに悪態を付いて、自分で調べることにした。
 二本目のチョコバーを齧りながら、右手の人差し指で『CALL』と空間をなぞる。と、光の格子が呼び出しコマンドに応じ
て俺の指周辺でパターンを描いてイメージパネルを形成する。
 実際には存在しないこのパネルは、俺の視神経に連動してこの世界に張り付いている――その証拠に、俺が視線を下
げると、パネルも視線に合わせて位置を下げた。……どことなくペットめいたその動きに和んでしまって、いかん、と頭を
振る。
 デフォルトでのパネルの表示は『人口』、『天候』、『戦況』。構築されたマップのインターフェイスは、およそこちらの望む
全ての対応に追従する。三つ以外にも、望めばその他のコマンドも表示してくれるはずだ。
 『サラエボ』とパネルをなぞってから”人口”をタッチする。足元の格子から光のパネルが立ち上がり、ここ一週間の人口
の増減をグラフにして描き出した。――結果、俺は肩をすくめることになる。
 巨視的なグラフでの変動は大差ないが、サラエボでは数週間前……俺が丁度ここに到着した辺りを境に、死傷者の人
数がハネ上がっている。
 武力抗争が続く中、偶々そうなっただけだ――とでも言えばそれまでだが、非武装地帯である安全地域で『武力抗争』が
続くのはどう考えたって異例だろう。
 手を振り払ってグラフを消す。
 
「死に過ぎてる」
 
 端的に言う。素直な感想だったが、それ以上の感慨が沸くこともない。
 死の匂いが綺麗に脱臭されたグラフは、どんな数の死人も無化してしまう。もしかしたらそれが、英雄譚も虐殺史も記録
の上では等価でしかない、ということの証明かもしれないけど。
 
「そう、政府もそう判断したわけですよ、イル」
 
 冗談めかした返事にウンザリする。
 こうして情報から検索される真実は、俺達が戦場で見ることのできる風景より上から世界を見下ろしている。目の前の物
しか見ることができない人間には、自分達がこんな風に数値化しまうことなんて想像だにしないはずだ。
 なにか。
 ひどくイヤなモノが込み上げてくる錯覚を振り払って、言葉を継いだ。
 

969 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/17(金) 20:20:37
>>968
 
「……どういうことだ、これ。この辺りじゃニュースになってる?」
「ニュース? ニュースとは驚いたな! この辺でマトモな情報を流通させてるのは軍関係の通信網だけだぜ。ニュース
なんて上等なメディア、どこを突付き回したって出てきやしないよ」
 
 ……こんな風に停滞した情報は、国の死と同義だ。
 外界と情報的に寸断されることは、あらゆる意味で国が国として機能しなくなることを意味している。新聞もラジオも情報
を伝えてくれない世界では、自分の所属している集団が本当はどうなっているのかさえ理解できないからだ。
 
「でね。そう、ここからが本題なのさ。これは非公式だけど、ここ数週間の間、クロアチアの武装勢力がセルビア人の一団
を襲撃してるんだ。でね。あろうことか、この武装勢力は『銀の煙』と名乗って、メディア向けに犯行声明を流してる。"我々
は奸族たるセルビア人を打ち滅ぼすまで戦い続けるだろう”――と、こうだ」
 
 へえ、と俺は頷く。
 うん、ああ、なるほどね。滅ぼすまで。うん、なるほどなるほど。
 
「……バカ?」
「かもしれない。けど、可能性として考えるならもう少し先を見てもいいね」
「ブラフとか? ……これ、セルビア側の偽装工作だってこと?」
「うん、それもありえない話じゃない」
 

970 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/17(金) 20:43:10
>>969
 
 引っ掛かる言い方だったが、実際、話の通りは良くない。
 だって、それはいくらなんでも安直過ぎる。
 
「……でも、微妙だよな、これ」
 
 犯人はセルビア。
 そう推察できてしまうからこそ、この件にはイヤな歯触りがある。
 
「うん、それが分かってるなら何より。一応聞くけど、何が気に掛かるのかな、イル」
「だってさ。もう世界の見方はセルビアが悪者ラスボスって方向で一致してるだろ。今更こんな暴動を演出した所で、こんな風に疑わ
れるのがオチだ」
「いいセンスだ。流石に他人の目を気にして生きてる怖がりなだけはある。鋭いじゃないか」
 
 だからうるさいよ。
 ……既に世論で圧勝しているクロアチアは、これ以上セルビアのイメージを悪化させるメリットが殆どない。かと言って、こ
れがセルビアの偽装工作だとするのもしっくりしない。俺が疑ったように誰もがセルビアの意図を疑念する筈だ。犯行声明を
出すような連中がいる、ということ自体が様相の狂いっぷりを強調している。
 前回の市場の事件も、結局は世論の大勢がセルビア=悪のイメージをゴリ押ししただけだ。それをそっくり再現して、しか
もクロアチア名義で犯行声明を出すようなメリットは双方にない。
 

971 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/17(金) 21:24:58
>>970
 
「国連は……」
「メディアが半ば断絶してるってのはね、この国が殆ど世界と切り離されてるって意味さ。国外メディアは安全なホテルで楼
上の客人だよ。国連の査察団は現地入りもしていない。というより、展開部隊の主力を担ってる米英と国連は足並が揃って
ないからね。停戦合意まで査察が本格化するとは思えないね」
 
 だろうな、と解り切った回答はそのまま流す。この国について世界が知っていること――BBCやABCのニュースや報道特
番で組み上げられた『悪の枢軸・セルビアと、その被害者・クロアチア』。アメリカ人がこの国について知っているのは、セサミ
ストリートの前後に流れているニュースクリップと言った程度だろう。
 ……国連防護軍がこの国で被害を出し始めてから、世界のこの国への興味は相当にケズられている。実際に送り込んだ
軍隊から人死にが続くことで世論は驚くほど簡単に意見を変える。あの国を助けろ、と声を荒げていた連中の、あんな国に
はもう関わるな、とばかりの綺麗な掌返し。いっそ清々しいほどだ。
 
「だから政府は沈黙する。『被害者』であるモスレムが、事実上同盟状態のクロアチアを疑うのはちょっとばかりよろしくない。
『セルビア人を殺す為にモスレムと同胞を巻き込んで爆殺しました』なんてね、それこそ全然笑えない」
 
 そう言いながら、こいつの声は明らかに笑み混じりだ。
 
「大体解った。……このアホをやらかしたヤツはボスニアかクロアチア領内にいる可能性が高くて、その上それを世界にブチ
撒けようとしてるかもしれないってことだ。――マジかよ、俺が連れてこられたのって、このクソ仕事――」
「はい正解。――っと、ナイスタイミングだな」
 
 何が、と問うより早い。
 唐突に世界が回帰した。
 スクリーンが一斉に消失する。四方を囲む白い宇宙が溶けるように消え去る。異界の皮膜が剥がれたそこにあるのは、ど
こにでもある廃校舎だった。
 未だに鳴り続けているサティは部屋の隅のCDプレイヤーから流れている。
 そして、ガタン、と立て付けが悪い扉が開く音。
 
「さてさて、お客さんだよ、イル」
 

972 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/17(金) 21:33:06
 
 ここまで書いて、お姉さん側の舞台装置になりそうな人物を出せれば、と思ったんですが、
やっぱりかなり無理が。
 兄貴が一人語りしてる状態なんで、言葉を挟むとかは、もしかしたらアリかもです。
 
 長くて長くて申し訳なさ過ぎて。
 がー!
 

973 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/17(金) 22:14:12
 
 そこに立っていたのは。
 
「御行奉為――」
 
 りぃん、と、鈴が鳴った。
 

974 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/17(金) 22:15:11
 
 いや、違いますが。
 なんかいいなあとか書いた後で思ったりとかもべ、べべべ別にしてませんが!
 
 ……でもこの人ならいてもおかしくないよなあ、というかなんというか。
 

975 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/17(金) 22:47:31
>>971
 
 ……外部の人間と協調するのは、騎士団にとって珍しいことじゃない。
 
 現代のバベル図書館――異端審問聖省は、言わば世界のデータベースだ。
 依頼されれば状況に応じた情報を譲り渡し、対価として相応の情報を得る。聖省に接触した時点で相手方の状況は周囲の
環境から推察されるので、実際は接触を持った時点で情報は得られているのと同じことだが、本題はその先、こうして実際の
作戦に首を突っ込むことにある。
 あらゆる国が聖省を頼った結果、聖省は全ての国に対して情報的なアドバンテージを獲得している。聖省が保管する敵性
行動に関する秘密作戦の実情をブチ撒ければ、恐らく世界の諜報機関は一瞬で発狂するハメになるだろう。西が聖省を頼っ
て東の情報を得た次の日には、東が聖省から西の情報を買う。延々と繰り返される情報の流通の中で、誰もがその円環を前
提としなくては生きられなくなる――戦争の霧フォッグ・オブ・ウォーを纏う、死界の魔術師。それが異端審問聖省だ。
 畢竟、聖省は諜報の基盤として世界に打ち立てられた集会所だ。
 だからまあ、別に、明らかに素人以上玄人未満な身のこなしで歩くスーツ姿の白人が部屋に入ってきても、それはさして驚
くようなことじゃなかった。
 年齢は四十代から五十代、外見は典型的な白人。
 紛争地帯には似合わない上等な仕立てのカジュアルスーツ。刈り込んだ金髪はいい具合にくすんで、見た目は目付きの悪
いハリソン・フォードと言った具合。
 軍人の無骨さを削いで、代わりに文民のエッセンスを一匙ばかり振り掛けたらこうなるんじゃないだろうか。
 なんというか、正体はかなりバレバレだった。
 

976 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/17(金) 22:52:21
>>975
 
「やあやあ、待ちかねたよ。どうだい、久方振りのボスニアは」
「どうもこうも、空爆続きの空模様とはあまり清々しい物でも――」
 
 と。
 そこでやっと気付いた、と言わんばかりの芝居気を顔面に浮かべて、目付きの悪いハリソンは俺を見る。超ワザとらしい。
 
「イリヤ……彼は?」
「ああ、前に話さなかったかな。ヴァチカンが誇る天使の刃――うん、彼がイルだよ」
「イル・プロイエッティレ・ダージェント――シルバー・バレット銀の弾丸、彼が?」
 
 あからさまにアレなアダ名を口にされて軽く頭痛を覚える。……勘弁してほしい。正直、大人がこんなアダ名を平気で呼ぶ
ことを俺はつい最近まで知らなかった。
 ズカズカと入ってきたスーツ男は、迷うことなく手近なパイプ椅子を手繰り寄せて腰掛ける。
 自信溢れる官僚的なオーラが満点なので、ハッキリ言って大嫌いなタイプだと言い切るのに躊躇いは憶えない。
 
「そっち誰、イリヤ」
「ああ、彼は――」
「いや、私から話しますよ」
 

977 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/17(金) 23:05:15
>>976
 
 ブロンド男は苦笑して、
 
「初めまして。メイナード・ジョンソン・スミス、”内紛屋クーメーカー”の工作担当次官DDOです」
「ふうん。ラングレーCIAの壊し屋が何の用で」
 
 驚いたな、とメイナード氏。
 
「CIAと名乗ると、大抵は怪訝な顔をされてね。外国の人は悪の秘密結社だとか世界征服を狙うアメリカの尖兵だ、とか思っ
てるってイメージがあったんですが」
「そう思ってるならさっさと辞めた方が良いと思いますよ。それ、末期だ」
「確かに」
 
 苦笑気味のメイナード氏の対応は、(俺の皮肉がトゲにもなっていないのが原因かもしれないけど)ちょっと苛立たしいくら
い落ち着いている。
 ……で、苛立たしいのは多分、俺がメイナード氏の組織についてロクなイメージがないからだ。
 CIA。
 マジな話をするなら、その言葉で大半の人間が想像するのは、正にメイナードDDOが口にしたイメージだろう。暗殺者を養
成し、秘密裏に敵国に侵入して機密情報を奪い、国家を混乱に叩き落す。もちろん、それも事実ではあったが、それはあくま
で冷戦構造下にあっての話だ。権謀が持て囃された核の時代が終結して、CIAは大幅は改革を求められた――その結果が
惨憺たる物だったと知っているのは、世界でどれくらいの割合なのだろう。
 グアテマラでCIAエージェントがアメリカ人殺害に関与していたのが世間にバレてから、CIAはなだらかな組織改革と性急な
自己破綻を始めた。
 その当時の長官が部員の採用条件に清廉潔白な人間以外は必要としない――などと、実に正気の沙汰とは思えない提案
を出したからだ。言うまでもないが、修道院でリクルートはできない――特に諜報部員は。
 デイヴィット・バーコウィッツとユナ・ボマーとマルキ・ド・サドの要素を移植したレクター博士が可愛く思える連中が百ダース
単位で犇くヴァチカンとは大違いだ。CIAはクリーンになりたがった挙句、クリーンになり過ぎて自分がどんな組織じんかくだったのか
解らなくなった。就職活動とスパイ活動を取り違えた連中がドカドカと情報部に入ってきたCIAの退廃は目を見張っている。な
により、ハンターだとかクランシーだとかラドラムだとか、『ミスター・CIAメン・イン・ブラック』の出てくる小説を読んで育った人間としては、その光
景は現実との乖離が酷すぎる。
 
「……第一、あんたらがしっかりしてたら俺はわざわざソマリアくんだりまで行かなくて済んだんだ」
「ソマリア――ああ、あれは本当だったのか。驚いたな、米軍撤退に尽力してくれたイリヤの兵士は君か。聞きましたよ、疫病
の天使が我々を守ってくれた、野蛮なソマリ人達を雷の怒りで打ち据え、その悪をイナゴの群に食わせた、とね。死の天使サリエル
従えた殺戮の天使モービッド・エンジェルだ」
 
 飄々と言い返されてムッとする。
 まあいい、別に皮肉が言いたい訳じゃない。
 

978 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/17(金) 23:19:00
>>877
 
「何の用なんですか、だから」
「そうそう、用と言うのは――ああ、と。彼にはどこまで話したんですか、イリヤ」
「君がセルビアを焼き払おうって考えてることまでかな」
「何も話してないんですね」
 
 おっと、と肩を竦めるイリヤと苦笑するメイナード。
 
「ええと、イル・プライ――」
「……イルでいい。長ったらしくてキライなんだ、それ」
「ではイル、結論から言わせて頂きます。貴方と今回行動を共にするのは、クロアチア軍ではなく我々だ」
 
 返答せずにイリヤに視線を投げる。笑みを含んだ視線で迎撃される。言ってもムダだ、このジジイ。
 
「現状、ボスニアがどうなっているかは理解できていますか?」
「クソの山になってる」
「素晴らしい理解力だ。ウチでのたくっているハーヴァード出のぼんくらに家庭教師をしてやってほしいですね――では我々アメリカ
がどうしてここに出張ってきたかは?」
「クリントンが世界中に突っ突き回されてどうしようもなくなったからだ――違うのかよ」
 
 事の経緯はこうだ。
 クロアチアとスロヴァニアが相次いで独立してから、ボスニアの外務大臣がアメリカの広告会社にこう打診したらしい――
「我々の国は蹂躙されようとしている。だが貴方達の大統領は私達のような小国に興味を持たないだろう。だが、貴方達が声
を大にして私達の国を救えと言ってくれるのなら、大統領も動いてくれるかもしれない」――どうなったかと言えば、アメリカ国
民はボスニアの惨状を知り、「あの国を助けろ」と声を上げ始めたのだ。折りしも大統領選期、前大統領だったブッシュがボス
ニアに介入するのか、と問われて回答に窮した際、現大統領のクリントンは「私が大統領になればボスニアを平和にする」な
どとヌカしたのだ。
 結果――クリントンの勝利。「戦争調停」という聖剣を抜いた現大統領はしかし、それ故に聖剣の所有者としての義務を負っ
たのだ。公約をウソにしない為に、クリントンは軍を派兵せざるを得なくなった。
 アメリカは内政の延長でセルビアへの介入をブチ上げて、つい最近までその発言を保留していたのだ。
 

979 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/17(金) 23:29:51
 ……ええと。
 コレに何かレスを挟むのって原子炉を解体するより難しそうなんだけど。
 要約とか欲しいんだけど無理、かな?(汗

980 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/17(金) 23:35:52
 
 おおう、レスする寸前でした!
 
 あ、えっと、まとめとか全然オッケーですよ。
 ってか、やっぱりごちゃついてましたか?
 書き直そうとすると時間がアレなので、挟んで頂く場合は要約上等! かと思いますし。
 
 とりあえずここまでのあらすじ。
 
1.兄貴、ヴァチカンからボスニアへレンタル(クロアチアへ)。
2.ボスニアは内戦状態。史実で言う停戦合意直前(NATOの空爆は決行済み)。
3.ところが、戦闘禁止区域のサラエボでは事件が多発中。クロアチア人が粛清を謳ってセルビア人殺し。
4.兄貴の疑問→「なんでクロアチア人がそんなマネ? セルビアの偽装工作? それも違うだろ」
5.CIA登場「そこからは私がお話しよう!」
 
 あ、あらすじが荒過ぎる!
 

981 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/17(金) 23:44:37
……こりゃ私も何か工夫して書かないとバランス悪いかも(苦笑)
掛け合いみたいな形で進めてくイメージだったからさ。
うーん、どうしようかしら……拮抗できる書き方が思いつかん。

982 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/17(金) 23:45:43
 
 ちなみに、このまま続ける場合はもうちょい続きます、すいません。
 この時点での兄貴はまだ「神様の理由」も見付けてませんので。
 まだこの時点ではただのひねくれたガキです。
 
「……あ」
 
「や、ち、違いますよ兄貴? べ、別にあたしが『ひねくれたガキ』とか思ってるんじゃ、あ、あの? な、なんであたしの
ハーゲンダッツに手を掛け、ちょ、待、『そのアイスクリーム』に手を出すなぁーッ!」
「もう遅いッ! 冷凍庫から出して五分! 食べ頃! 勝ったッ!」
 

983 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/17(金) 23:48:25
>>981
 
 む、すいません、イメージ壊しちゃってましたか? あ、と、どうしよう。
 この際なので、お姉さんの設定、ってか、今まで話して頂いたことなんかも活かしてまとめられるように
書こうかなと思いまして。
 
 うーん、こちらからお誘いした形なんで、ホストとしての役割は務めたいな、とは思いますが。
 ぶ、分量は想定してなかった、かも……。
 どうしよう。
 

984 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/17(金) 23:53:33
>>983
 いやまあ、話聞くって感じだからそっちのほうがメインってのは割り切ってるよ(苦笑)
 でもこんだけ書かれると応えたくなるじゃない? いろいろと。
 そんなわけでまあ、気にしないで続けてw
 もーせっかくだから最後まで見たい。

985 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/17(金) 23:54:55
>>978
 
「オーケイ、テストなら間違いなく100点ですね。では私から少し補足しましょう。アメリカはドイツ他イギリス、EU諸国から突き上
げを食らってる状態でしてね。特にドイツは東西を併合したばかりだ――第二次大戦ザ・ウォーの傀儡政権再来を目指している、とまでは
言いませんが、独立したクロアチアに加えてボスニアまで影響力を拡大しようとしている、というのが曲げ難い我々の見解です」
 
 ガキを諭すような口調だったが、さして気になるものでもない。
 実際、俺は世界がどう動いているか知らないガキで、アメリカの真意だのヨーロッパの地政学条件なんて興味がなかったから
だ。選挙でボスニアへの介入を公言していたクリントンが今になって及び腰になって、それをメディアに叩かれている――そんな
事情は、実のところエリスと劉が話していたのを聞いただけだ。俺にとって、海を隔てた新大陸の選挙事情がこの国の趨勢を左
右している、というのはまるでリアルじゃなかった。
 
「ラングレーに言わせれば、これはブッシュとクリントンのケンカに後始末をつけているだけです」
「だったら巻き込むなよ。面倒だ」
 
 言いながら、いつもの嫌悪感に囚われる。
 こうして語られる諸々が真実なのは疑いない。メディアで報道された悲劇が国内で膨れ上がって、本当に「あの国を救え」とい
う位相が形成される。どれだけ救われたいと願ったかは問題ではなく、どれだけ叫んだかも一顧だにされない。重要なのは、そ
れがどんな手段で、どんな経緯で世界に浸透するかだ。
 知られない国はそのまま死ぬしかない。世界共存を詠う国連さえ認めた、それは暗黙の了解でもある。
 
 メイナードは肩をすくめて、
 

986 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/17(金) 23:59:36
>>985
 
「巻き込みたくはありませんでしたよ。ですが民意の反映は我々の基礎条件だ。ロシアや中国と違って、私達は自由でなければ
ならない――敢えてこう言いましょうか。我々は、自由であることからは逃れられない、、、、、、、、、、、、、、、、
 
 苦笑気味のその言葉を、俺は疑問に思わない。
 その根底から自由であること。自由に囚われること、、、、、、、、、
 ……酷い欺瞞だ。自由なんてのは、要は何から自由なのかだ。だから法律がない国は自由なのか――そんな疑問はそもそも
馬鹿げている。ガキでも判る理屈だ。法律がないなら、法が生み出す利益が存在しない。武力集団の蛮行を止める手立てはな
いし、法から生まれる連帯もない。人間は法がない地平では常に殺戮と廃墟を羨望するようにできている。
 
「いいじゃねえか。ウソっぱちの自由の方が、マジな自由よりよっぽどマシだ」
「でしょうね。人間は高貴な野蛮人ではありえない――私達が制御しなければ、アメリカでさえあっという間にリヴァイアサンこんとんの顎
に飲み込まれてしまうでしょう」
 
 この国のようにね、とCIAは嘯く。
 
「時を計る術もなく、世界を見る目もなく、文化も社会も持ち得ないような世界では、恐怖と死が常に付きまとう。それが本来の自
由だというのなら、自由などない方がずっといい」
 
 要は度合いの問題なんです、とメイナードは言う。
 
「自由自体をコントロールしてやらなければ、人間にはそれを使いこなすことさえできない。戸籍や住所を国に登録しなければ、
配達物も受け取れないし、保険に入ることも困難になってしまうでしょう。『自由』は得る物ではなく、最初から存在する物です。
その蛮性を整えてやることが、我々や貴方がたの使命だ――と、私は考えていますがね」
「で、コントロールし損ねた訳だ、あんたらは」
「面目ないことに」
 

987 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/18(土) 00:02:06
>>984
 
 うう、ご迷惑お掛けします。
 レスして貰えるのは嬉しいっすよ。途中で挟めるような……形に、できなくもないですが。
 一応これ、書いてるのは前にここでレスした正月ネタのオルタナティヴです。
 兄貴がお姉さんに会ってたら、みたいな仮定でしょうか。
 
 ってか、確かにレスって形式だと長くなると一方的ですしね。甘かったなあ。すいません。
 
 これ、とりあえずケリ付けちゃいます。
 

988 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/18(土) 00:08:26
>>986
 
 アメリカは自由だ、とメイナードは言う。
 確かに自由なのだろう。自由にCIAは情報を奪取し、自由に操作を妨害したりする。国の利益にならない情報は入ってくる前に除
去することも厭わない。……なんのことはなく、ロシアなら全体主義の名の下に制御される情報が、アメリカでは自由の名の下に
制御されているのだ。
 とはいえ、ボスニアがアメリカを頼ったのには訳がある。自由に情報を得て、自由に声を上げてもいい、と国が認めるアメリカ国民
は、自由の名の下に他の国の惨状を救えと政府に訴えることも可能だったからだ。……当然、そんな願いは政府にとって厄介なだ
けだが、ボスニアが契約した広告企業は諜報機関や政府機関が本格的に動き出す前にアメリカに働き掛けた。メディアにボスニア
の惨状をネタとして売り込み、焼き払われた村々や殺された子供の映像を流し続けた。
 
 ――その結果。
 
「アメリカは何の利益も生み出さないこの国と付き合う羽目になった」
「有体に言えば、そうなるでしょうね」
 
 アメリカ人達は”正義の怒り”を爆発させた。
 あの国を救え、と大統領に訴え掛けたのだ。
 
「一つだけ言わせて貰うなら」
「なんです?」
「俺が殺したのはセルビア人がほとんどだけど、やってることはセルビアもクロアチアもモスレムも大差なかった」
「尤もです。ですがね、イル。アメリカ人は”正義”を欲しているのです。殺され、虐げられ、必死に戦うモスレム人、というメディア受
けする『正義』をね。どちらも蛮行に耽り、相手を殺し、犯し、奪い、蹂躙することに先進している――そんな事実は誰も知りたくない
し、知ってしまえばアメリカがここまでお膳立てした『正義の軍勢』が無駄になる。必要なのはイメージなんです。悪がいて、正義が
そこにいる。そのイメージが、この世界を流動させる唯一の燃料なんです」
 
 どうだろうな、と俺は言う。……けれど実際、ここではそのイメージこそが全てになっている。
 テレビを見ているアメリカ人は、モスレム人にレイプされて殺されたセルビア人のことなど知らないのだろうし、国内で報道された
強制収容所がクロアチア側にもあったことを知っている人間もいないのだろう。
 物理的に隔たれたこの混沌の景色を、アメリカ人はけして知ることはない。そして――何も知らないそんな無数の人間の『善意』
こそが、この国の混沌を『正義』と『悪』に分断しているのは、疑いようもない事実だ。アメリカは意見を挟むには強大過ぎて、チャチ
な国はその発言一つでズタズタにされる。
 現代の『正義』は、そんな輻輳する音が奏でる変奏曲だ。手続きを踏まなければその音色すら現れない。
 

989 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/18(土) 00:14:38
>>988
 
「ですから現在、私達は広告会社の意向をむしろ全面的に肯定することで国内の意思を統一しています。……なにせこうなった以
上、この国の厄介事にはさっさとケリをつけてしまいたいですからね」
「勝手なハナシだ」
「私もそう思いますよ。しかしねイル、私達の手錬は、元を辿れば貴方達ヴァチカンのオルタナティヴでしかないんですよ。「道徳」
だの「社会性」だの「大衆の善意」だのを持ち出して魔女狩りの免罪符にするのは、貴方達を経由して伝わってきたスコラ哲学式共
通善のパロディだ。この世界で正義を啓蒙した最初の人間、それは貴方達カトリックの末裔に他ならないのだから」
 
 知るかよ、と毒づく。
 その日本語の機微をメイナードが理解したかは、ちょっと疑わしい。
 
「――でもさ、イル。アメリカ人ってのは実に『正義』に満ちているじゃないか。そう思うだろう? 遠く離れた国の惨状に眉を顰めて、
まったく関係ない他人の子供が無残に死んでいるのに心を痛め、本当に軍隊を動かしてしまう――こんな国はアメリカだけだ。自
分達を信じ、神を信じ、そして国を信じることができる。素晴らしいことじゃないか」
「妄信がすぎるけどな」
「結構じゃないか。疑わずに生きられるならこれほど幸せなことはない。人間ってやつはね、仮に騙されたままでも幸福に生きられ
るならそれでいいのさ。自分達の正義を確信しながら朝食にハムエッグを作って、テレビの向こうで顔に傷を作った内戦地帯の子
供を話題にして、自分の子供達を見送りながら世界の惨状に心を痛める。ふ、ふふ――あっはははは! おいおいおいおい、これ
ほど正しいアメリカ人の生活はザラにないぜ! ああ、日本も大差ないか! 失敬失敬!」
 
 ……多分、俺とメイナードが眉を顰めたタイミングはほとんど同時だったと思う。
 キツすぎる皮肉は、だが否定し難い真実でもある。世界のシステムはバカみたいに単純で、単純すぎて制御が利かないのだ。流
石に笑い声が耳障りなので黙れジジイと添え置くのは忘れなかったが。
 

990 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/18(土) 00:24:08
>>989
 
「ともあれ、その甲斐あって今やこの大地での戦列は最終局面に達しました。四日にはクロアチア軍とモスレム勢力を総動員して
大攻勢を掛ける予定になっています」
 
 アッサリといわれて返せた言葉は、ああそう、だとか、そんなもんだったと思う。CIAがここまで腹の内を綺麗に見せてくれるとい
うのは、なにか逆に不気味なものがある。
 
「ふむ。MPRI社が訓練したんだよね、クロアチアは」
「ええ。そうしなければクロアチアの部隊は民兵と大差ない有様でしたからね。NATO標準まで訓練してやれば、「使えない兵士」は
世界中にほとんど存在しませんよ」
 
 PMF――言われて、ああ、と呟く。アレはそう、最近流行し始めた、資本主義の究極形態やまいだ。主流はSASが始めたイギリス企業
だが、今や年々増加するPMFの数は、米国で市場を築くまでに成長し始めている(もっとも、冷戦期にCIAと提携していたヴィネル
社辺りは実質PMFと言っても差し支えないだろうが)。言い換えれば、戦力自体は既に資本主義の産物へと移行し掛けている、と
いう話なんだろうけど。
 
「……でもいいのかよ。MPRIって、ニカラグアとかアフガンで武装勢力強化に乗り出してた連中だろ。あれは――」
「まあ、そうですね。アレは確かに私達の国の都合も些少は考慮している、と言っていいでしょう」
 
 考慮も何もない。些少ですらない。
 俺が知ってるMPRI社の実態は、殆どアメリカあんたらの外部業者だ。
 
「そうそう。なにせMPRIときたら、予備人員の九割オーヴァーが米陸軍の退役軍人だからね。ウリはこうかな――『すばやく強化、
すばやく制圧。貴方の国の軍隊、NATO標準にしてみませんか?』なんてね」
「……まあ、間違ってはいませんがね」
 
 苦笑するメイナード。
 けど、俺が聞きたいのはそんなことじゃない。
 
「だから……待てって、そうじゃない。経済制裁喰らってるユーゴにどうして軍事支援なんてやらかしてんだよ。裏技にも程がある」
 
 そう。それは意外過ぎる。
 目算では、この版図の奪い合いに精力的なのはヨーロッパで、むしろアメリカは巻き込まれる形だったはずだ。
 紛争が続いたユーゴスラビアには国際非難が集中して、ガチの経済制裁が課せられている。クロアチアに限らず、セルビア、ボス
ニア、スロヴァニア他、旧連邦に所属した国家全てにあらゆる武器、軍事技術の輸出が禁止されて、どの国も軍事的には孤立状態
だ。身内のケンカは身内で収めろ、というのが世界の意見だった。
 だけど、とも思う。
 どんな戦場も、「フェアな戦闘」にはなりえない。各国からの支援を断った所で、そこに残るのはそれまでに支援されてきた武装の
量と、地政学的な条件で得られる戦略的優位性だ。強い国は最初から強く、弱い国は最初から弱い。それをフェアだ、と言うのはあ
からさまに欺瞞だろう。――とはいえ、そんな疑問は飲み込むだけだ。
 世界は本音を口にしない。してしまった瞬間、何かが壊れてしまうとでもいうように。
 

991 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/18(土) 00:32:23
>>990
 
「ああ、それは違うよイル。だって、クロアチアはアメリカに軍事支援を頼んだんじゃないからね。あくまで企業と契約したのさ。金で
力を買うってのは、こいつは中世以前の原始国家から不変の法則だぜ。むしろ現代国家の『軍隊』は新参者でしかないんだ。世界
はかつて、文字通りに金で動いていた――今はその「文字通り」の上に色々とゴテゴテしたルールが乗っかってるだけだ」
「なんだその理屈。正々堂々と勝負しろってリングの中に蹴り込んだら、”これは金で買った戦力です”って用心棒出してくるような
もんだろ」
「んん? イル、君はオリンピックのコーチが金で雇われないとでも言うのかな?」
「だって、それとこれとは――」
 
 俺の言葉を遮るように、そういうことです、とメイナード。
 
「国務省はこのプランにGOサインを出しました」
「……マジかよ」
「じゅうぶんに『契約』として通る、と判断したのでしょうね。で、晴れてクロアチアは東側の戦術モデルから西側の戦闘技術へと転
換した――と、こういうことです。なにせあの国の戦略レベルときたら、これはもう酷くて――兵士個人の戦闘技術は日本のジエイ
タイと比べてもずっとお粗末でしたからね。……ああ、と、ジエイタイはむしろレベルが高いですかね。いえ、失敬、戦わない軍隊が
紛争地帯に直面している軍隊よりも強力だと言うのは、実感としてはいささか奇妙でしてね」
「自衛隊のことはどうでもいいけど――信じらんねえ。……叩かれなかったのか、それ」
「今のところは。まあ、強引な手段ではありますからね。まったく非難されないと言うことはないでしょうが――幸い、講義してくる国
も少ないとは思いますよ」
 
 ああ、と納得する。それはまったく事実だろう。
 限りなくグレーゾーンの契約は、あくまで国同士の取り決めに過ぎない――そういうことだ。
 取り決め、契約、相互認識。正当性を叫ぶ了解事項。自分は正しいのだ、と世界に訴える為に作り続けられる、ゼロから生み出
された拘束具。見知らぬ国の法律を俺達が把握し切れないように、戦争の端末である兵士達は自分達の上に何十層にも折り重
なったそれを知ることは、殆ど不可能になっている。
 アメリカが婉曲な手段で武力介入した――ヨソの国がそれを不当だと叫ぶことは自由だが、行き着く先は「直接アメリカに言え」
でしかない。極論、国際非難を浴びても平然としていられる国があるのなら、どんな責任も訴追するだけムダだ。
 アメリカ。
 ボスニアを覆い尽くした、現代のドグマ。
 自由を啓蒙する連中の最上層は、自覚的な不自由を謳っている。
 

992 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/18(土) 01:17:11
>>991
 
「ですから、私達はこの事態を収束させたいのです。是が非でも、何があろうと、です。ボスニア政府との連絡は取り付けてありま
すから、私がこうして大っぴらに動くことも可能、という訳ですよ。この件に関しては、英国政府とも了解を取り付けています」
「……イギリスと?」
「ええ。サラエボの市場周辺にはSISMI6の工作員が何人か入り込んでいますが」
 
 気付きませんでしたか、とメイナード。
 ……気付くも何も。
 これまで俺はボスニア国境を環状ルートに設定してセルビア人を殺しまくっていたのだ。気付きようがない。
 
「おや、市場を直接見なかったのかい? あそこはとっくに諜報機関の博覧会だったぜ――CIAだけじゃなくて、クロアチアのUNS、
スロヴァニアのSOVAからモサドまでいるくらいだ。となれば畢竟、英国外務省のお墨付きだよ、彼等の派遣はね」
 
 話をまとめれば、各国諜報機関の懊悩はアリアリだった。
 東欧で着火した火種を、いい加減どこもどうにかしたくてたまらないのだ。まったく同感だが、立ったらキッチリ協力しろと言って
やりたい。……もちろん言ってやりたいだけで、そんな冗長は面倒だし御免蒙るが。
 
「……けど、なんでボンドファクトリーSISなんて来てんだよ。”Live And Let Die死ぬのはやつらだ”なんて状況でもあるまいし」
「”Live And Let Live我らは生きる”だよ、どちらかと言えばね。ミスター・ボンド氏に曰く、これ以上推定される難民の数が増えるのは、イギリス
にとっても好ましくないそうだ」
「なんで」
「治安が悪化するから」
 
 なるほど、と俺は肩をすくめる。実にイギリスらしい発言だ。紳士的過ぎて涙が出る。
 あはは。お前らマジでもう帰れジョンブル共。
 

993 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/18(土) 20:05:26
 こんばんは。……おはよう? 寝坊しすぎたゴメン。
 とりあえず流れはもう大丈夫、だと思う。
 こっちもコレ(過去)にシンパシーして合わせていけそうだね。

 あ、やっぱ正月のアレ……の前日譚みたいなのだったんだ。
 ならなおさら合わせやすい、かな。
 見かけてからあれこれ考えてたし(何)

994 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/18(土) 20:43:40
 
 おはよーさんです。おは、……おはよう? です。
 
 内容ですが、そうですね。焦点合わせようとしてるのもそこらへんです。
 ブッ壊れる前の兄貴(現在)と、ブッ壊れた後の兄貴(正月)で。
 お姉さんに会ってなかった兄貴は後者だった感じでしょうか。いえ、会ってても、になるかもしれないで
すが、まあそれはレス進めないとなんとも。
 ええと、あれですね。流行語で言うと……そう、分岐、フラグです。
 現状、殺し屋フラグ→クロアチアフラグ→アメリカと仲良しさん的な状態ですか。普段はヴァチカンで神
様にフラグ立てまくってます。
 
 あっちで話してたイリヤさん(ナイスミドルでなくて女の子の方)は、神様を否定した後の兄貴の信仰の
対象=お姉さんのネガみたいな感じですね。
 前日譚、としてはむしろ正月前に出した方に近いのかな、心情は。
 正直、そこらがどうなるにしろそこらはこの後の会話次第なんで、こっちも楽しみにさせて頂きます。
 
 とりあえず、ここがもう少ないので先に埋めた方が……あと八レスですか。
 
 ……むむ。
 
 むう。
 うん、よし。
 
 臨時企画。以下2レス、このスレ内での些細な疑問、質問解答!
 期間は21:30辺りまで!
 なかったら適当にやっちゃって埋めちゃおうかな。
 

995 名前:名無し客:2009/04/18(土) 20:46:26
なぜミハルさんには巨乳とか言う無駄設定が搭載されたのですか。

あとクルちんの現在の交友関係についてkwsk。

996 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/18(土) 21:01:28
次スレどうする?
孤児院再利用とかどうだ。

997 名前:ミハル ◆WEISS0lzjQ :2009/04/18(土) 21:02:14
 
 早い! 早すぎるよ!
 
>デカい理由
 
 え?
 あった方がキャラ付けになるんじゃないっスか?
 あ、安直? し、知るかッ! ムダとか言うのもNGッ!
 だってそれがなかったらキャラとしても成立しねーとか言われるんですぜどうせ!
 く……っ、あ、あんたらに一発ネタで生まれたキャラの懊悩が解ってたまるかぁーッ!
 
>兄貴の関係
 
 ぽつぽつ出た人だけ。

■当時からのお知り合い
 
・イリヤさん
 ヴァチカン所属。兄貴の大好きなお爺さん。
 ジュード・ロウっぽい。美形。魔法使い。ロシア人じゃありません。
 
・エリスさん
 ヴァチカンの人。兄貴のお友達。
 北欧人。酒飲み。超強い。
 
・劉さん
 以下略。
 中国人。地仙。やっぱり強い。
 
・メイナードさん
 CIAの人。ハリソン似。
 
・ヴィルヘルム(ヴィルヘルミナ)さん
 カウンセラー。言語学者。花見スレの最初に出た人。
 異端審問官。
 
■今の知り合いさん
 
・セシルさん
 最終兵器娘。兄貴の相棒。
 異端審問官。
 
・マリアさん
 言語学者。兄貴の知り合い。
 
・クレアさん
 建築学者。兄貴の知り合い。
 
・ルーツィアさん
 環境学者。兄貴の知り合い。
 
・三月さん
 興信所の人。
 地域雑誌の編集者。
 
・家族
 あたしら。
 
・レイさん
 他のスレでよく会ってた人。
 
・ヤスさん
 犯人。
 
・藤原の姉御
 死なない人。兄貴に関わってくれた奇特な方。
 

998 名前:ミハルさん:2009/04/18(土) 21:07:11
 
 孤児院再利用、あ、それもアリかも。
 地下スレにしちゃうのもいいかもしんないし。
 
 けど、それだと辛うじてあった表との繋がりが失せるワケですよね。ううむ。
 一応終了まで間借りってことで新しいスレッド作らせて貰おうかな?
 
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1240056368/
 
 一応ここってことでお願いします。
 ととと、下げて貰うようにお願いしなきゃ。
 

999 名前:『蓬莱の人の形』藤原 妹紅 ◆zPhoEniXzw :2009/04/18(土) 21:10:10
おっけ。じゃあ続きはそっちで。
……でもあったの繋がり?(何)

1000 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :2009/04/18(土) 21:12:28
 
 あったんだよ一応!
 
 ……と、それじゃ。
 ここでは長いお付き合いに感謝を。
 この場はこれにて閉幕で。
 

1001 名前:1001 :Over 1000 Thread
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。


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