【楽園への道は】されど罪人は竜と踊る総合スレッド【果てしなく遠く】
- 1 名前:アナピヤ ◆CmAnapiYy. :04/11/25 23:31
- 突然だけど問題っ!
このスレタイには1箇所間違いがありますっ!
正解者には5イェンとあたしの真心進呈っ!
そして正式な色々は、>>2か>>3にあるといーなって、希望的観測を述べてみるっ!
- 2 名前:アナピヤ ◆CmAnapiYy. :04/11/25 23:32
- 問題の正解は「長過ぎて無茶苦茶意味なし」でしたっ!
これも「間違い」だし、むしろ人生間違いだらけだし。特に咒式士。
だからこのスレは人生の縮図なのぢゃ!(エセ老師風味)
……えーっと、ふざけてばかりじゃいけないんだよね。
御挨拶しなきゃ。
はじめまして。あたしはアナピヤといいます! よろしくお願いしますっ!
いろんなお話みんなとしたくて、こんな場所作っちゃいました!
よろしくお願いしますッ! って、あ……2回言っちゃった。
えーと、後はお約束書くんだよね。
・エリダナのみんなが一緒に答えてくれるのは大歓迎!
その時は、トリップっていうのつけるといいと思うな。
・それ以外のお客さんも大歓迎!
・でも荒らしはイヤ! あんまりエッチなのもダメだよ!
・みんな仲良くやってこうっ!
こんな感じかな。
- 3 名前:アナピヤ ◆CmAnapiYy. :04/11/25 23:32
- で、これがあたしの自己紹介!
出典 :されど罪人は竜と踊る くちづけには長く、愛には短すぎて/そして、楽園はあまりに永く
名前 :アナピヤ
年齢 :??(10代前半風味?)
性別 :女
職業 :なし
趣味 :猫をなでること
恋人の有無 :ガユス!
好きな異性のタイプ :ガユス!
好きな食べ物 :ガユスの料理!
最近気になること :あたしの過去
一番苦手なもの :……あたしのことを嫌いな人
得意な技 :咒式が使えるみたいなんだけど……。
一番の決めゼリフ :うーん、これが少女から大人になる痛みってやつね。
将来の夢 :……何だろ。ガユス達と暮らすコト?
ここの住人として一言 :あたし頑張るっ!
ここの仲間たちに一言 :あたしのこと、嫌いにならないで、ね?
ここの名無しに一言 :ずーっと、ずーっと、よろしくお願いしますっ!!
……ごめんなさい、いい加減なところが多くて。
あたし、記憶がないの。
たまに思い出してきたりするんだけど。
だから、みんなとお話してたら、そっちも戻るかもしれないって、前向きに希望っ!
それじゃ、勢いとノリでレッツゴー!
- 4 名前:名無し客:04/11/25 23:56
- され竜キターーーーーーーーーーーーー!
よし、浅井ラボを語れ、存分に!
- 5 名前:名無し客:04/11/26 00:04
- 記憶の彼方の自分て、怖くありませんか?
- 6 名前:名無し客:04/11/26 00:08
- 生活へのこだわりを一つ。
- 7 名前:アナピヤ ◆CmAnapiYy. :04/11/26 01:05
- わー、質問いっぱい来てるし。
これもあたしの人徳!? それとも高徳?
どっちでもかまわないけど、あたしの魅力ってコトで決定! 今決定! あたしが決定!
>>4
んー、っと。あった! ガユスの資料の中のレポート!
なになに……。
「高度な自虐と自己嫌悪は世間一般へとそのベクトルを転じ、強いてはそれが自己に帰結し、
その螺旋の中で生み出される客観と主観の合一は極度のニヒリズムとなって結晶し……」
……あーもう、難しくて分かんないよ!
もういい、あたしの感想!
この人の書くお話って、凄く良く考えられてるって思う。
怒ってるのも、悲しいのも、いろんな登場人物も、全部計算されつくしてる。
みーんな、パズルのピースみたいにピッタリはまってる。
ホントはそんなにうまくいくはずないのにね。
もし、あたしがこんな目にあったら、あたしは神様を信じちゃうな。
だって、全てが計算されつくしてるなんて、ありえないと思うし。
むしろ誰かが計算してると思った方が自然! これ常識的判断!
――あたしも?
>>5
うーん、確かに思ったりしたりしなかったりの無限回廊だけど。
自分がなんなのか、ってのはいつもあるし。あたしの隣りに。
なんか、小船の上で目をつぶって立ってる感じ?
足元ぐらぐらしてて、失敗したらドボーン!
でも、あたしそれでも不安に思わない。
だって、ガユスもギギナもいるし!
あたしは記憶がないから、世界のことなーんにも知らないみたいなものだけど、
もし知ってる世界の全てが嘘でも、あたし全然驚かないよ。
だってあたしが今感じてる、この気持ちは全部本当だもん!
>>6
こだわりって、ないなぁ。
コルッペンおばさんのとこにいた時は、みんなに芸見せてもらったりしてたけど。
だからあたしも芸人風味な人生観。笑いはエリダナを救います、税率が下がった後の一週間くらいの感じで。
あ、でもこの会話方法はガユスとギギナ直伝。
なんかいろんな人に「あいつらだけには影響受けるな」「その話し方は忘れろ」って言われたけど。
でもあたし的にはOK。むしろ楽しいし。主にあたしが。
だから下らないことでもへーきで喋るの、あたし。早朝の鶏にも負けない勢いで。
どんなに苦しくても哀しくても、優雅に笑ってくだらないことを言う。
これがあたしの唯一絶対唯我独尊的こだわりっ!
- 8 名前:◆m9n.GUILTY :04/11/26 02:23
────森羅万象を統べる究極の力、咒力。
それを自在に操る咒式士二人組。
魔杖剣〈断罪者ヨルガ〉を操る、ひねくれ者で理屈屋のガユス。
その相棒で〈屠竜刀ネレトー〉を操る、戦闘意欲と傍若無人の塊ギギナ。
〈竜〉をも屠るほどの実力を持つ二人だが、
彼らの経営する〈アシュレイ・ブフ&ソレル咒式事務所〉は、
ギギナの無駄遣いのせいで生活費にも困るほどの極貧ぶり。
会計担当のガユスの顔色はいつも悪い。
そんな状態を解消すべく数々の依頼を受ける二人だが、
どれもこれも猫探しとか詐欺師を捕まえるといったショボいものばかり。
しかし簡単なはずの事件が、どういうわけか厄介な事件に発展することもしばしば。
そんな二人が今回巻き込まれる事件は果たして……。
- 9 名前:ガユス&ギギナ ◆m9n.GUILTY :04/11/26 02:24
ガユス 「スレが立った、スレが立った、実にめでたい。
何がめでたいって、俺が>>1の文章を考える必要がなくなったのが一番めでたい」
ギギナ 「いきなり恥ずかしい本音全開だな、貴様は。
まあ、貴様のような軟弱で低能な眼鏡にはふさわしいとも言えるが」
ガユス 「例によって何も考えてなかったお前が言うな」
ギギナ 「貴様は何度言えば理解できるのだ? 私に何かを期待すると痛い目に遭うと」
ガユス 「…………まあいい。
とりあえずアナピヤ、スレ立てお疲れさん。ご褒美に、さっきそこの道端で拾った、
この汚い石ころをあげよう。ただの石ころじゃないぞ? この石ころには、馬鹿には見
えない俺の真心が表面にたっぷりと付着しているのだ」
ギギナ 「ならば、その真心とやらは貴様自身未確認というわけだな」
ガユス 「さて、戯言はこれくらいにして簡単に自己紹介でもするか。
俺はガユス・レヴィナ・ソレル、一応この作品の主人公らしいと噂されている者だ。
隣に立っている全自動剣振り機(ただし制御不能)、通称ギギナと一緒に、<アシュレ
イ・ブフ&ソレル咒式事務所>を経営してる」
ギギナ 「我が名はギギナ・ジャーディ・ドルク・メレイオス・アシュレイ・ブフ。ドラッケン族の剣
舞士だ。
隣の赤毛型眼鏡掛けの相棒にして飼い主でもある」
ガユス 「馬鹿全開のギギナは放置して、以下にありがちなテンプレでも載せておく」
出典 : されど罪人は竜と踊る(角川スニーカー文庫刊)
名前 : ガユス・レヴィナ・ソレル
年齢 : 23か24か、それくらい。
性別 : 男
職業 : 攻性咒式士。
それと、副業に予備校の非常勤講師を務めている。
趣味 : 暇つぶしの無駄思考。来世の人生計画(何故か大抵途中で破産する)とか。
あと人をおちょくって遊んだりすること。
恋人の有無 : ……ノーコメント、とさせてもらおう。
好きな異性のタイプ : これもノーコメントということで。
好きな食べ物 : 食い物の好き嫌いがないのが数少ない自慢だ。
最近気になること : 最近の不景気とギギナの無駄遣い──主に後者の理由で傾き続ける
事務所の経営状態。
一番苦手なもの : 自分の中の欺瞞を思い知らされるのは、何度経験しても辛い。
得意な技 : 咒式と嘘と欺瞞。
一番の決めゼリフ : 「いつでも来い。敵でも味方でも、俺はあの事務所で待っている。
決着はつける。どのような形であれ」
将来の夢 : そんなもんがあるくらいなら、攻性咒式士になんかなっちゃいないさ。
一言 : ギギナがご迷惑をおかけすると思うが、どうかよろしく。
出典 : されど罪人は竜と踊る(角川スニーカー文庫刊)
名前 : ギギナ・ジャーディ・ドルク・メレイオス・アシュレイ・ブフ
年齢 : ガユスより1つ上だ。
性別 : 男
職業 : 攻性咒式士
趣味 : 息子や娘達(注:棚や椅子といった家具)の面倒を見たり、嫁や婿を見繕ってやることだ。
恋人の有無 : 故郷に許嫁がいる。が、それについてはこれ以上触れるな。
好きな異性のタイプ : たかが夜の無聊の慰みに、好みも何もあるまい?
好きな食べ物 : 食い物を選り好みするようなヤツに、攻性咒式士など務まらぬ。
最近気になること : 私を満足させるに足る、強者との出会いの在処。
一番苦手なもの : 私に猫を近づけるな。あのような柔らかくて弱い生き物は好かぬ。
得意な技 : 前衛に立ってこの屠竜刀を振るうのが、ドラッケン族たる私の役目、そして生き甲斐だ。
一番の決めゼリフ : 「さあ、闘争を享受しよう、殺戮を肯定しよう。命と命の刃が激突し火花を散らす、
その瞬間だけ私と世界は脈動を始める!」
将来の夢 : ドラッケンとして生まれたからには、一匹でも多くの竜を狩り、一人でも多くの強者と
刃を交えたいものだ。
一言 : そこの軟弱眼鏡の戯れ言には気を付けろ。
- 10 名前:ガユス&ギギナ ◆m9n.GUILTY :04/11/26 13:14
アナピヤ、もう一度よーく>>4を見直すんだ。彼は「され竜キターーーーーーーーーーーーー!」
とは言ってるが、「アナピヤキターーーーーーーーーーーーー!」とは言ってない。つまり、彼は
アナピヤの魅力に惹かれてやって来たんじゃなく、『されど罪人は竜と踊る』の魅力、つまりは
主人公たるこの俺の魅力に惹かれてやって来たんだ。分かったかな?
「そこまでして虚数空間の彼方にすら存在せぬ貴様の魅力とやらを信じたいとは、愚かを通
り越して哀れにすら思えてくるな。
余りに哀れすぎるので、私が屠竜刀でちいっと切れ目を入れて少しでも魅力的に見えるよ
うにしてやろう」
結構だ。というか10レス目かそこらで早々に持病の突発性連続殺人症候群を発症するな。
せめてもう少し後にしろ。
「最初の一言でいきなり低能性戯言病、別名ガユス病を発症した貴様に言われたくはない。
ところで、我々の会話の表記法が変わっているのに意味はあるのか?」
ちょっとしたテストだ。いくつかのパターンを試してみて、どれが一番見やすいか意見でも求
めてみようと思ってな。
ちなみに、ト書きで喋ってるのが俺ことガユス、括弧付きのがギギナの台詞だ。
「相変わらず、価値観すら他者に委ねるところは変わらぬな。私には理解しがたい」
放っとけ。
とりあえず>>4は後回し、>>5はアナピヤ向けっぽいので飛ばして>>6といくか。
>>6
「毎朝の日課たる<クドゥー>は欠かせぬ。
それに、日々刻々と変化する、我が娘ヒルルカの美しさが最もよく映える立ち位置を求め、
的確に立たせてやるのも重要だ」
少しは初見の人間でも分かりやすいように解説を入れろ。お前には親切心ってものがない
のか?
「解説役たる貴様に仕事を与えてやったのだ、感謝しつつ責務を果たせ」
……お前にまともな人間性を期待した、俺が馬鹿だったよ。
<クドゥー>というのはドラッケン族の礼拝儀式で、連中はよほどのことでもない限り毎朝これ
を行う。何でも、自らの武運と竜や獲物に対する畏敬の念を、祖先と血族に祈り報告するって
いうものらしいんだが、俺には床の上に毛氈を敷いてその上で頭下げたり剣振ったりしてるよ
うにしか見えない。まあ、自分に理解できないものなんて、大概そんなもんだろうが。
で、ギギナが娘だと言ったヒルルカだが、こいつは椅子だ。ギギナは椅子だの棚だのといっ
た家具を収集しては名前を付けて息子だの娘だのにして可愛がる、ちょっと頭の可哀想なヤ
ツでな。まあ、生暖かく見守ってやってくれ。
「まあ及第点と言ったところだな。
貴様の貧民性をもう少し上手く表現できれば、さらなる高得点も期待できるのだが」
存在自体が馬鹿っぽさを余すところなく表現してるお前が言うと、何だか説得力がある気が
……するかっ! というかいい加減事務所の階段脇の棚を縁組にでも出せ。通行の邪魔だ。
「馬鹿な! 私の可愛い息子を、ならず者の闊歩する狂乱の巷へと放り出せと言うのか!?」
馬鹿はお前だこの天然記念物馬鹿。
ちなみに、俺のこだわりはこの舌だ。この舌の刃こそが俺の最大の武器、嘘と欺瞞が俺の
流儀だ。
それに、心が眼前の事実に耐えきれず正気を失いそうな状況下では、下手な気遣いよりも
軽口や憎まれ口の方が救いになることもあるしな。
- 11 名前:名無し客:04/11/28 23:40
- 自分を客観視すると、どんな人間だと思いますか?
- 12 名前:名無し客:04/11/28 23:40
- あなたにとっての絶望とは?
- 13 名前:名無し客:04/11/28 23:41
- 誰かと話していて、ムッコロスと思ったり、殺意と言う文字はどう書くのか考えたり、
懲役も辞さない覚悟を決めたり、そういった事はありますか?
などと聞くのは愚問ですか?
- 14 名前:名無し客:04/11/28 23:41
- 一週間憎まれ口を封印して生活してみてください。
- 15 名前:アナピヤ ◆CmAnapiYy. :04/12/02 04:47
- あー、ごめんなさいっ! なんかいきなり空けちゃったしあたしっ!
山より深く、海より高く反省しますっ! ってのはもはやお約束?
>>8-10
あー! ガユスとギギナ来てるっ!
えーと、改めまして、名無しのみなさんこんにちはっ!
そこの赤毛型眼鏡掛けと全自動剣振り機(ただし制御不能)の保護者、アナピヤ・レヴィナム・ソレルですっ!
昔一緒に旅行した縁で、保護者兼恋人っぽいもの、ただし10年後くらいに? をやってますっ!
……あれ? そーいえば、あの旅行って最後どーなったんだっけ?
それに、いろいろ思い出したような気もしてたんだけど……全部忘れちゃってる?
ま、いっかっ!
>とりあえずアナピヤ、スレ立てお疲れさん。ご褒美に、さっきそこの道端で拾った、
>この汚い石ころをあげよう。ただの石ころじゃないぞ? この石ころには、馬鹿には見
>えない俺の真心が表面にたっぷりと付着しているのだ
……ぶーっ! ガユス相変わらずひどいっ! 口とか性格とかっ!
いーもん! あたしからもたっぷり真心、別名告訴状あげる!
「被告人ガユス・レヴィナ・ソレルは、あたしの胸を数回もみもみした危険人物です」
……嘘じゃないでしょ! しかも見てるしッ!
あたしの大事な(でもまだちょっと小さい)胸とかっ!
>アナピヤの魅力に惹かれてやって来たんじゃなく、『されど罪人は竜と踊る』の魅力、つまりは
>主人公たるこの俺の魅力に惹かれてやって来たんだ。分かったかな?
うん、そーだねっ! ガユス主人公だもんねッ!
だからあたしがずーっと来れなかったのもガユスのおかげだよねっ!
この件に対する苦情はガユス宛、具体的には上の一行掲示板あたりでよろしくお願いしますっ!
- 16 名前:アナピヤ ◆CmAnapiYy. :04/12/02 04:48
- >>11
最強の萌えキャラっ!
自分で言っちゃうとなんか凄くイタい気がするけど気にしない!
むしろあたしの魅力に萌えろ萌えて萌え狂え愚民どもっ! みたいな?
世界の人口半分を占めるバカ、別名オトコはあたしの魅力に逆らえないッ!
ちなみに、「世界の人口〜」は、ツケを受け取りにきた……えっと、ショウカン? の人が言ってたことだけど。
あ、それと、ギギナによろしくって。
えーと、後は……。
うん、強くて素直な子!
いろいろ辛いことあるけど、でも負けないッ! だってアナピヤ強い子だし!
ってゆーか、ガユスたちといるとほっとする。
あんな人格破綻したひとが立派に大人としてやってけてるんだもん、あたしも大丈夫だ、って!
>>12
絶望?
そんなことしないよっ!
どんな中にだって希望はあるんだよ?
愛して、愛されれば、そこに希望はできるのっ!
この前読んだペーパーバックスからの受け売りだけどっ!
――私が愛してるって抱きしめると、あの子達ったら嬉しそうに笑うのよ?
気持ち悪いったらありゃしない!
でも、そうでしょ?
一人じゃ淋しいし、辛いことにも負けちゃうし。
だけど、みんなが一緒にてくれるし、励ましてくれるから頑張れるんだよ!
あたしだって、孤児院とかで辛かったもん。
でも、お義父さんやお義母さんがはげましてくれたから、頑張れたんだもん。
――我慢しろ。私も我慢して父親の演技を続けて、あの子を可愛がってやっているのだから。
それに、友達だっているし。
絶対の友情で繋がった、永遠の親友っ!
――メーティが悪いんだからね? いつも泣いて媚びてばかりで。
だからあんたは嫌われてたのよ、どこでも!
な、に?
なんか嫌で嫌いで嫌われて……いやあああっ!
愛してよ、愛されてっ、あたしに、あたしをおおおおっ!!!
――な、ん、な、の?
- 17 名前:アナピヤ ◆CmAnapiYy. :04/12/02 04:49
- >>13
えーと、割とムッコロスとか思ったりしたりするけど、
でもそうすると本当にムッコロしたりムッコロされたりするし、
ってゆーかいつも見てるから、それにお義父さんに怒られるからあんまり思わないけど、
だけど殺意って文字は多分嫌いって書くんじゃないかって思ったりしつつ、
うわこれすんごく面白くないっ! て自虐もあったりなかったり、
まあ、あたしはジグムント・ヴァーレンハイトじゃないからそんな気の効いたこと言えないよっ!
って開き直ってみるのもむしろ人生の知恵だよねと自己防衛&自己欺瞞、
ついでに懲役覚悟するのはバカ、むしろ裏取引推奨、
具体例が目の前に2名いるし、ってゆーかしてなかったら今ごろ懲役千年くらいだし、
こんな人でもまともに社会人で一般人やってるんだからそんな覚悟なんてバカ、
とか言いつつ、ガユス達はどっちかってゆーと一般人ってゆーより逸般人? と思ったり、
あ、今いい事言ったと思ったり、
だけど殺意って文字の時にこのくらい気の効いたこと言えればモアベターだったのになんて消極的後悔、
ついでに質問してくれないと進まないからどんどん聞いてくれて吉、
だけどあたしに聞く段階でまともな返答は期待しないでねってゆーかまあ、そこの二人よりはマシだけど、
ん、ってゆーかむしろここに書き込んでる段階であなたの判断力欠如は自明の理、
そんなあなたに剣と月の祝福を。
……疲れるー。
こんな会話いつも天然でやってるガユスとギギナは凄いっ!
>>14
>14さんが、弾丸飛びかう戦場で、一週間鉄砲封印して生活できたら。
あー、そういえば。
後ろ向きコンテストとかいう所にガユスが出てるんだ?
うん、真後ろに全力で前向き、非生産的ナンバー1だって、
巷(イーギーさんとかジャベイラさんとか)で大評判のガユスなら1位間違いなしだねっ!
みんなも応援よろしくお願いしますっ!
あたしもバッチリ投票して来るから!
えーと、征衣大将軍さん、っと。
(だって、さすがに一位はガユスかわいそうだし……)
よし、これでバッチリ!
それじゃ、またねっ!
- 18 名前:ガユス・レヴィナ・ソレル ◆IORGA/hKoE :04/12/04 14:45
>>4
事務所の私室兼事務所兼倉庫。
資料やら咒式研究書やら、依頼主への報告書──依頼内容は迷子になったペットの犬探
し。いつも通りのショボい仕事だ──やギギナの無駄遣いの領収書が、乱雑という文字を描
いている、いつ見ても変わり映えのしない自席で。
俺は一冊の雑誌の頁をめくっていた。靴の一種から名前を取った、娯楽的な軽小説誌で、
暇潰しにはちょうどいいので、実は毎号買っている。
が、俺が読んでいるのは最新号ではない。1年半も前のバックナンバーをわざわざ引っ張り
出してきて、浅井ラボというその作家のインタビュー記事を読んでいるのは何故なのか、俺に
もよく分からない。
鏡の中の自分というのは、自分自身と同じようでいてやはり違う。左右が逆になったその姿
は、見ている者に違和感を覚えさせずにはおれない。
俺が受けた印象はそれに近い。
この男と俺はよく似ている。
よく回る口から飛び出すのは、本心を隠すための軽口と戯言、それに嘘。身の回りにいるの
はロクでもないヤツらばかりで、「こいつらとは一緒になりたくない」と思いながら、どこかで悪
口の応酬を楽しんでいる、「こんなのも悪くない」と思っている俺がいる。
あと、自分でも時々嫌になるくらい嫌な会話術とか。
一瞬浮かんだ苦笑は、しかし次の一節を読んだ途端凍り付いた。
───ストーリーが、現代の我々の問題に関わっているように思えるのは、
意識してですか?
悪い敵を善の主人公が倒して強くなっていくことや、空前絶後のトリックや
綺麗な美文にも、ギミック以上には興味ありません。
どこかで、自分たち自身の愚かさや矛盾、やり切れなさに関係するような
話を描けたらな、とは思っています。
自分たち自身の愚かさや矛盾、やり切れなさ。それこそが、俺が常日頃から感じているもの
だったからだ。
戦闘に勝っても、心は負けている。相手の論理に圧倒され、打ちのめされている俺がいる。
人間の──あるいは俺の心の汚さ、弱さを見せつけられ、軽い絶望を覚える。
この作家の描く物語も、きっとそんな話なのだろう。
「好き嫌いが圧倒的に別れるタイプだろうな、どっちかといえば嫌いなヤツの方が多そうだけ
ど」と思いつつ、傍らのペンを取る。ふと、今の印象を書き付けておこうと思い付いたのだ。
高度な自虐と自己嫌悪は世間一般へとそのベクトルを転じ、強いてはそれが自己に帰結
し、その螺旋の中で生み出される客観と主観の合一は極度のニヒリズムとなって結晶し……
そこまで書いたところで、ペンを放り出す。急にアホ臭くなったのだ。
書き付けた紙自体も資料の山の上に放り出し、俺は雑誌を本棚に戻す。そろそろギギナの
アホが家具市だかから帰ってくる頃だ。また息子だか娘だかが増えなきゃいいんだが……。
- 19 名前:ガユス&ギギナ ◆m9n.GUILTY :04/12/05 01:30
ギギナ 「見ろ、私の新しい息子だ」
ガユス 「どうしてお前は底抜けのアホなんだ? 新しい椅子の置き場所なんてないことくらい
いい加減分かれ。いいからさっさと捨ててこい」
ギギナ 「最近は粗大ゴミの収集にも金がかかるらしいな。安心しろ、貴様は細切れにしてか
ら小分けにして捨ててやる。そうすれば余分な金はかからぬし、事務所の経営にも優
しいぞ」
ガユス 「うわ優しい、ギギナに事務所の経営を考える脳味噌が残ってたんだ……じゃなくて。
いくら何でも屠竜刀を抜くのが早すぎだろ!」
ギギナ 「先程ゴミ収集車が近くまで来ていたのでな。今出してしまわねば、確か次の収集は
一週間後だったはずだ」
ガユス 「ああ、確かに一週間もゴミを放置しておくのは邪魔だな……なんて言うと思ったかこ
のバカの見本市。というか人をバラバラ殺人した挙げ句粗大ゴミに出そうとするな」
>>11
ガユス 「シニカルな悲観主義者。顔は悪くないが顔色は常に悪い。主に事務所の経営が常
時転覆寸前なせいで気苦労が絶えず、トラブルメーカーの相棒がその苦労を更に助
長する」
ギギナ 「その上先天性の眼鏡性低能症が脳まで進行し、更に主食の欄に記入された糞尿
という文字は、世の常識ある者たちの眉をひそめさせずにはおれぬ」
ガユス 「いきなり勝手な悪口を付け加えるな。というかお前自身について語れよ」
ギギナ 「ここで普通に語るより、貴様の援護に回った方が面白いと思ってな」
ガユス 「ドラッケン方言では、人の足を引っ張ることを援護と呼ぶのか? もういい、代わりに
俺が語ってやる。
名前の無駄な長さが存在の無駄さ加減と正比例する、先天性流血嗜好症候群の
重度患者。無意味に美形だが、性格は数百年掃除してない暖炉の一番奥にこびり
ついた煤以上にタチが悪い。家具を指して息子や娘と呼ぶ妄想癖の持ち主なので
注意」
ギギナ 「……貴様こそ、純粋混じり気なしの悪意で私のことを語っているように思えるのだ
が?」
ガユス 「気のせいだろ」
- 20 名前:ガユス&ギギナ ◆m9n.GUILTY :04/12/06 02:38
>>12
ガユス 「俺が知らない間に勝手に増えていく領収書、必要諸経費の数字の多さや収入の
銀行振り込み通知書の数字の少なさを見たとき、思わず湧いてくる感情」
ギギナ 「弱者が自ら努力を放棄する際、言い訳として用いられる常套句。
そこの眼鏡が事務所経営の建て直しに際して唱えるお題目でもある」
ガユス 「あのな、俺が本当に絶望したら、この事務所は明日にでも担保として持って行かれ
るんだぞ?
つーかそもそも、誰のせいで俺がいつも頭抱えてると思ってるんだ!?」
ギギナ 「と、このように他者へと責任を転嫁するのも、絶望という病気に取り憑かれた者の
特徴だ」
ガユス 「少しは人の話を聞きやがれっ!?」
>>13
ガユス 「誰かというか、隣の重量級無駄型空間占有器、製品名ギギナに対して殺意を抱い
たりすることは多々ある。というか実際に暗殺計画を練ってるし」
ギギナ 「奇遇だな。私も時々、目の前の低能式糞尿製造器、正式名称ガユスを切り刻みた
くなる欲求が沸々と沸き上がってくることがあってな」
ガユス 「そりゃ実にめでたいこったな。めでたすぎるので、今すぐ全世界の恵まれない子供
たちのために文字通りその身を捧げてこい。別名自殺とも言うが。
ちなみにギギナを殺しても懲役刑にはならない。何故なら存在自体が無駄極まり
ないギギナをこの世から葬り去ることは、世のため人のためになる英雄的行為だか
ら。実行できればの話だけど」
ギギナ 「ガユスよ。
どういうわけかは知らぬが、先程手入れした屠竜刀の切れ味を再確認したくなった。
快く付き合え」
ガユス 「俺も、急に高位攻性咒式の練習がしたくなった。付き合ってくれるよな?」
ガユス 「というわけで、その質問は愚問であると胸を張って言い切れる」
>>14
ギギナ 「不可能だな。ガユスの低能が治らぬ限り、ヤツの憎まれ口が収まることは有り得ぬ。
そして、周知の通りガユスから眼鏡と低能を取れば何も残らぬ。つまり不治の病だ」
ガユス 「一週間どころか1秒も保たないのかよ。少しは憎まれ口以外のことも言ってみたら
どうだ?」
ギギナ 「私は憎まれ口など叩いてはおらぬ。
貴様の捻じ曲がった性根を冷静に捉え、的確に判断した後で、若干の脚色を加え
て口に出しているだけだ」
ガユス 「……それを指して憎まれ口と呼ぶという学説を、噂にでもいいから耳にしたことはな
いか?」
- 21 名前:名無し客:04/12/07 18:46
- ドラッケン族に伝わる諺でこれは、と言うのがあればひとつ教えて下さい。
- 22 名前:名無し客:04/12/08 13:04
- キギナの高潔なまでに孤高、そして激しい生き様がステキすぎる。
あと、椅子への愛も
- 23 名前:名無し客:04/12/09 15:33
- あなたを主役にした映画または劇が製作されることになりました。
どんな物語の、どんな役がいいですか?
- 24 名前:ギギナ・ジャーディ・ドルク・メレイオス・アシュレイ・ブフ ◆NERETOjj2Y :04/12/10 19:56
今日はガユスが諸手続のため留守だ。
なんでも、事務所の建物を担保に借りた金の返済期限が今日なのだそうだ。
>>15
アナピヤも息災で何よりだ。
性格はガユスの悪影響で多少捻じ曲がってきているので、少し矯正すべきだが。
>保護者
生憎だが、私には保護など不要だ。
その分、ガユスのことでもしっかり保護してやれ。ヤツの低能を守るのは、生半可な努力で
は足りぬだろうが、おまえならば務まるだろう。
……ミイラ取りがミイラになるという気もしないでもないがな。
>胸揉んだ
ふむ。
やはり、漁色王の栄誉は私ではなくガユスの頭上に輝いたようだな。
わざわざ10歳近くも歳の離れた娘に手を出すなど、私には到底考えられぬのだが、まあ珍
種・眼鏡人間の思考形態など推し量るだけ無駄ということか。
ガユス 「人が忘れ物を取りに戻ってみれば、何好き勝手なこと言ってやがる。
誰が手なんぞ出すかっ! あれは不可抗力だっ!」
しかし、アナピヤはああ言っているが?
愛の告白に告訴状というのも珍しい話だが。
ガユス 「もういいから黙ってろこの耄碌ドラッケン。
とりあえず俺は出かける。あと原告人アナピヤ・レヴィナム・ソレル氏の告訴は、ソ
レル最高裁判所のガユス判事の独断により棄却されました」
>苦情はガユス宛で
そうだな。
私も後で出しておくとしよう。
ガユス 「出すな。
……ああくそ、約束の時間に遅れると事務所の建物が人手に渡るってのに、なん
でアホのせいで下らない時間を取られなきゃいかんのだ」
- 25 名前:ギギナ・ジャーディ・ドルク・メレイオス・アシュレイ・ブフ ◆NERETOjj2Y :04/12/10 19:58
ようやく出かけたか。
これで万が一間に合わずに事務所が人手に渡るようなことがあれば、次はガユス自身を担
保に新しい事務所を探さねばならぬな。
>>22
単にドラッケンとしての生き方を貫いているだけなのだがな。
時折苛烈な生き様だとか言われることがあるが、自らの肉体と精神のみを恃み、心の内に
自ら課した律を裏切らぬという、ただそれだけのことが孤高であり激しいとなるのか、正直理
解できぬ。当たり前のことを当たり前に行っているだけではないか。
むしろ、悪と知りつつも悪を行い、後になって自らの行為を悔やみ、嘲る。判断や価値基準
まで他者に異存するといった、ガユスのような弱さの方が、私には不思議でならぬ。
問題があるのならば、全力を以て立ち向かえばよい。敗れたとしてもそれは自分の納得の
ゆく選択であり、そこから逃げて自らの心にすら敗れるよりはずっとマシなはずだ。
それはそうと、どうやら貴様には私の子供たちへの愛が理解できるようだな。
ガユスのヤツは私の愛を一種の病気のように語るが、単にガユスが愛たるものを理解して
おらぬだけだということが、これで実証されたわけだ。
- 26 名前:sage:sage
- sage
- 27 名前:アナピヤ ◆CmAnapiYy. :04/12/12 00:51
- >>22
うん、確かに素敵でカッコいいよね。
しかも顔もかっこいいし!
でも――なんか怖い。
なんか、研ぎ澄まされた刃の上を、片っぽの足だけで歩いてるってゆーか、
そんな怖い感じ。
それで落ちないのは、ギギナが前だけ見てるからだよ。
ほらあれ、媚びず・怯まず・囚われず、わが人生に一遍の悔いなし! みたいな?
そんな感じだから真っ直ぐ行けるだけだよ。
あたし達だったら、右や左に気を取られて落ちちゃう。
凄いけど真似はできないなぁ。
でもいいっ!
あたしはあたしであっちこっち行っていろんなもの見るの。
そしていろんな人に会って、いろんな人に好きになってもらう。
そういうのもいいでしょっ!
……あと椅子は……分かんない。
でも、男と女は分からないのが当たり前だっていうし。
ほらきっと、ガユスが看護婦さんや婦警さんとかのいろんな衣装をジヴさんに着せて、
あんなことやこんなことしてるのと同じだね!
>>23
ううんっと、あたしが主役で、凄くて、ええっと……。
うん、そうだ! あたしが愛の天使!
そしてみんなに幸せをばらまくの!
……何よぉ、その目!
どうせ子供っぽいとか思ってるんでしょ!
いいじゃない!
あたしがいろんな人を仲良くさせて、戦争とか嫌がらせとかみーんななくしちゃって。
そして、みんなで祈るの。
みんなが幸せでありますように、って。
だって、あたし思うもん。
幸せになりたくない人なんていない。
だったらみんなで幸せになろうよ!
>>25
あ、ギギナだ!
ねぇ、また顔触っていい?
>ガユス「あと原告人アナピヤ・レヴィナム・ソレル氏の告訴は、ソ
レル最高裁判所のガユス判事の独断により棄却されました」
あー! ひどい! 意地悪! 眼鏡星人!
不公平裁判! げんじゅーに抗議!
えっと、少しは誠意ってもん示してくれてもいいと思います!
……ガユスの誠意は、多分高利貸がお金を貸す時に見せる誠意と同じ種類っぽいし!
それとギギナ、次に担保になるのは、多分ガユスより先にヒルルカだと思うよ!?
それじゃ、またね!
- 28 名前:アナピヤ ◆CmAnapiYy. :04/12/12 01:31
- えーっと、あたしのちょっとしたミスで順番入れ替わっちゃった。
ごめんなさいっ!
狡猾で獰猛な悪意よりはるかに恐ろしいものがある。
愚かなまでに真摯な善意である。
――ジグムント・ヴァーレンタイト
こんばんはっ! アナピヤだよっ!
この前、凄い人に会っちゃった。
なんか髪の毛がピン! って立ってる神様!
神様だよ神様! あたし本物見たの初めて!
あー! サインもらってくるの忘れちゃった!
その人……じゃなくて神様が欲しいっていう人がいるから神様、だって言ってたけど。
じゃあ、必要がなくなった神様は、もういらないんだ。
なんだか淋しいなぁ。
……ところで、この話ジヴさんにしたら、
「それはやばい人よ、そのうち3分祈りたいとか言ってくるから気をつけなさい」
って言われたんだけど、そーなの?
>>21
諺かぁ。
あたしはあんまり詳しくないんだけど。
ただあの諺、あたしから見ると、結局
「殺られる前に殺れ!」
ってこと言ってるよーにしか見えないんだけどなぁ。
わお! なんか一族揃って黒社会風味?
ただ……これ諺じゃないかもしれないけど、あたしはあれかなぁ。
「どんなに苦しくても哀しくても、優雅に笑ってくだらないことを言え」
うん! やっぱりこれだね!
- 29 名前:ガユス&ギギナ ◆m9n.GUILTY :04/12/12 02:06
- ガユス 「……何とか今回も不渡りを出さずに済んだな。
早めに次の仕事を取ってこないと、今度こそギギナに生命保険を掛けて抹殺する
という、経済事情の解決と害虫の駆除の一石二鳥だが実行は極めて困難な手段に
走らざるを得ないが」
ギギナ 「眼鏡の戯言は聞き飽きた。先を急ぐぞ」
>>21
ガユス 「“蒼い月を転がして遊ぶ子猫”。物理的に不可能なことを指すそうだが、最初に聞
いたとき全く意味が分からなかった。
ドラッケン族には諺を作るどころか、戦闘以外何の能もない血塗れ種族だというこ
とを改めて実感した瞬間だった」
ギギナ 「単に、我らの難解な比喩を貴様の眼鏡の飾り台以上の役目を持たぬ頭が理解で
きなかっただけだろう。
それに、我らには戦闘以外の才能がないというのにも異論がある。近代経済学の
父たるゲイブルが我らドラッケン族の出身だというのは、以前にも話したはずだが?」
ガユス 「そのゲイブルと、金銭感覚ゼロのギギナが同じ種族の出だっていうのが、何度聞い
ても信じられんな、俺には」
ギギナ 「安心しろ、私にも信じられぬ」
ガユス 「自分の底抜けのマヌケさを、堂々と自慢するな」
ギギナ 「さて>>21よ、貴様にはこの言葉を贈ろう。
“一度も賭けない者は、誰にも何一つとして勝てない”
そこの赤毛の生えた眼鏡台が反面教師だ。ヤツのようにだけはなるな」
ガユス 「俺からも言っておく。間違ってもギギナに憧れたりなんかするな。ドラッケンの生き
方は、ドラッケンの強さと単純に過ぎる脳味噌、主に後者が不可欠だから」
- 30 名前:ガユス&ギギナ ◆m9n.GUILTY :04/12/12 02:09
ガユス 「たまにはageてみるか」
ギギナ 「現時点でのageに意味があるのか? 上から数えて3番目なのだが」
ガユス 「細かいことは気にするな」
>>23
ギギナ 「映画になど興味はない。見るのも演じるのもな。
そもそも、今の自分以外の自分を演じることに何の意味があるのか、私には理解し
がたい。生きている限り、いや、例え死んだところで私は私以外のものにはなれぬの
だからな」
ガユス 「たかが自分の主演映画を撮るなら? っていう仮定の話で、いきなりクソ真面目に
人生論を語るなよ。少しは空気を読め」
ギギナ 「存在自体が空気を読めていない貴様にだけは言われたくないな。
で、貴様の答えはどうなのだ?」
ガユス 「そうだな……さしずめこんなところか。
『森羅万象を統べる究極の力、咒式。それを自在に操る咒式士2人組。ひねくれ者
のガユスと非常識極まりない美貌の狂戦士ギギナは、事務所の財政難を解消すべ
く、いつものように役所の下請け仕事を引き受けたのだが……待っていたのは900
歳になろうかという巨大竜。しかもそいつを倒したのがまずかったらしい。皇国を揺る
がす大陰謀劇に強制出演となってしまった!』 とか。
実話に基づいたストーリーってのは割と受けがいいからな。
ああ、もちろん俺が主役で」
ギギナ 「もはや手抜きというのもおこがましいな。
貴様は何とやらいう映画俳優に似ているのをいいことに、実話を元にした悲劇映画
にでも主演していろ。主演俳優の貧乏性と無能さが余りにも真に迫りすぎていて、観
客が逃げ出さねばよいが」
ガユス 「うるさい、演技でなく本気で相手役の役者を斬り殺しそうな、それどころか演技にダ
メ出しした監督まで斬殺しそうなてめえよりはマシだ」
ギギナ 「失礼な、いくら私でもそこまではせぬ。せいぜい片腕を斬り飛ばす程度だ」
ガユス 「……腕だけでも斬るな。頼むから」
- 31 名前:名無し客:04/12/12 13:27
- いつになったら翼将になるのだね?
- 32 名前:名無し客:04/12/12 14:47
- ガユスがピンチの時ほどくだらないこと言うのって、地ではなく
ギギナの教育のせいだったんだね・・・
- 33 名前:ガユス&ギギナ ◆m9n.GUILTY :04/12/13 20:26
ガユス 「大変なことに気付いた。
『一刻館質問・雑談スレ一覧スレ』に、このスレは登録されていない」
ギギナ 「それがどうかしたか?」
ガユス 「……すまん。
お前に話してまともな答えが返ってくると、少しでも思った俺がバカだった」
>>27 アナピヤ
>看護婦さんや婦警さん〜
ギギナ 「アナピヤよ。私の椅子に対する崇高な愛を、ガユスの変態趣味と一緒にするな」
ガユス 「椅子に対する愛とか、それ自体が変態趣味であることにいい加減気づけ。
というかアナピヤ。俺がジヴにいろんな衣装を着せて楽しむのは、変身願望の充
足という、人間の根本的な欲求の一つを叶えてやっている、いわば慈善行為なので
す。これも高徳の聖者を目指す俺の責務なのだ」
ギギナ 「と、自らの性癖を暴露されたことを戯言で誤魔化す低能眼鏡であった」
ガユス 「放っとけ」
>ギギナの顔
ギギナ 「私の顔など、触ったところで対して面白いものでもないと思うがな。
触らせてやってもよいが、面倒だ。今日は代わりにガユスの股間でも触っていろ」
ガユス 「今時有り得ないほど低レベルなセクハラ発言だな。つーかアナピヤだったら本気で
触りかねないからやめろ」
ギギナ 「……貴様のその発言の方が、よほど性的侮辱に当たると思うのだが?」
>次の担保はヒルルカ
ガユス 「ヒルルカを担保に出すことは考えた。が、よく考えたら椅子1つで借りられる金など
たかが知れていることに気付いて止めた。
……やっぱり、ギギナに対する嫌がらせの為だけにやっておけばよかったかもな」
ギギナ 「ガユスよ、貴様の戸棚の影から面白いものが出てきたぞ。記録素子だ。
早速再生してみるか」
ガユス 「するなっ! つーか人の戸棚の裏を漁るな!」
ギギナ 「私に当たるのは筋違いだ、恨むなら物を隠すのが致命的に下手な貴様自身を恨め」
ガユス (──決めた、今決めた。次はヒルルカだけでなく、ギギナの大切にしてる家具を全
部担保に入れてやる)
- 34 名前:ガユス&ギギナ ◆m9n.GUILTY :04/12/13 20:26
>>31
ギギナ 「──という手紙が届いているのだが。
差出人は『匿名希望の枢機卿長』とあるな」
ガユス 「何が匿名希望だ、どう考えてもバレバレだろうが。
というかそんな日は永遠に来ないから。お前もそんな手紙持ってくるな。捨てろよ」
ギギナ 「いや、嫌がらせに貴様の名前で承諾の返事を送ろうかと思ってな」
ガユス 「……どうやら、かねてから計画していた事務所の大掃除を決行する時が来たようだ
な。内容は主に邪魔な家具の処分。
下取りに出せば多少事務所の財政にも貢献できて一石二鳥だ」
ギギナ 「貴様、人身売買は違法だぞ! それも私の可愛い息子や娘たちを!」
ガユス 「アホは放っておいて次に行こう」
>>32
ギギナ 「少し違うな。
確かに、ガユスの新人時代にそのような教育を施したことは事実だ。だが、ヤツの
発言がくだらない上に腐っているのは、紛れもなくあの眼鏡の地だ」
ガユス 「なあ、今だから聞くんだが。
本当はあの時、少しだけこのまま殺そうと思ってただろ?」
ギギナ 「いや。あの時殺ってしまわなかったのは、我が生涯屈指の痛恨事だったと、今でも
考えている」
ガユス 「へえ、ギギナが物事を後悔するなんて珍しいな、普段は後悔する前に忘却しきって
るのに……って、感心するか! 自分で連れてきた後輩を殺そうとするな!」
ギギナ 「気にするな。既に時効だ」
ガユス 「時効もクソもあるかこの殺人嗜好症。やっぱりドラッケン族って殺し合い以外に能の
ない血塗れ種族だ」
- 35 名前:イェスパー・リヴェ・ラキ(M):04/12/14 13:05
- ドラッケンの凶剣士よ、次は必ず殺す!
- 36 名前:名無し客:04/12/14 13:10
- 人望があるのかないのか微妙なジオルグ所長。
スピード狂のクエロ。自殺志願者のストラトス。
このような面子と一緒なのにラルゴン菌のところと同等か
それ以上の評価を受けてたのはなぜだろう?
- 37 名前:ガユス&ギギナ ◆m9n.GUILTY :04/12/15 00:32
>>35
ギギナ 「いつでも来い、凶猛なる機剣士よ。
貴様とならば、我が闘争心と誇りの全てを賭け、互いの命を剣峰に乗せた、本当の
命と命の遣り取りを楽しめよう」
ガユス 「……勘弁しまくれ。つーか殺し合いなら俺の目の届かないところでやれ。
ついでに、死ぬ前に自分に保険金を掛けておいてくれればなおいい。もちろん受取
人は俺で」
ギギナ 「軟弱者め。まあ貴様に我ら闘争者の心を理解することは期待しておらぬが」
ガユス 「狂気とイコールで直結できるようなものを理解したくもないね」
ギギナ 「話は変わるが機剣士よ、貴様も戦士であれば、その頭の(M)など取り払って、この
場で回答などしてみてはどうだ。貴様一人では不足だというのなら、弟も連れてくれ
ばよい」
ガユス 「げ、ギギナが珍しくまともなことを言ってる。明日はきっと空から美少女が降ってくる
に違いないな。
まあ、殺し合いは困るが普通に質問に答えたりしていく分には歓迎だ。その方がス
レも賑わうだろうしな」
>>36
ガユス 「簡単なことだ、人間失格の度合いと戦闘における働きの良さは、必ずしも正比例し
ない。
闘争にしか興味がないくせに女誑しで、家具に家族愛を感じる変態なのに前衛と
しては超一流の、ギギナが一番分かりやすい例だ」
ギギナ 「確かに、眼鏡で低能でよく死に、数少ない売りの透明感は女の目に留まらぬ程度
にしか役立たないガユスでさえ、後衛役としてはそれなりの働きをするからな」
ガユス 「それに、他の連中も決して捨てたものじゃなかったよ。数少ない到達者級の咒式士
としての、ジオルグの実力は本物だったし」
ギギナ 「我らの諍いを、文字通り身を挺して止める働きは見事だった。それを人望と呼ぶか
どうかは甚だしく疑問だが」
ガユス 「ストラトスだって、いくら自殺志願者だとはいっても戦闘中にまでは自殺しないし」
ギギナ 「新人時代に、戦術のイロハも知らずに前衛を咒式に巻き込んで他殺しようとしたガ
ユスに比べれば、遙かに有能であったことは間違いない」
ガユス 「運転席にさえ座らせなければ、クエロは前衛としても後衛としても超一流だった」
ギギナ 「貴様にとっては特にそうだろうな、殊に私生活においては」
ガユス 「わざわざ人の古傷をほじくり返すな、せっかく簡潔に語って済ませようとしてたのに」
ガユス 「しかし、ラルゴン菌はよかったな。
あのおっさんの殺しても死なないしぶとさは、確かに菌類並だ」
ギギナ 「単に貴様が貧弱すぎるだけだろう」
ガユス 「人間止めてる前衛の咒式剣士と一緒にするな」
- 38 名前:名無し客:04/12/15 02:24
- 始めて人の死を見た時、何を思った?
- 39 名前:イェスパー・リヴェ・ラキ(M):04/12/16 15:15
- >>37
俺の名を騙る酔狂な奴などおらぬだろう。いたとしたらラキ家の名に
賭け首を刎ねてくれる。
回答、か・・・
俺に向いた仕事とは思えぬし、弟にやらせたいと本当に思うのか?
あの方に命とあらば別だが。
まあよい。次こそ、九頭竜剣の真髄をその身に刻んでやろう。
それまで腕を上げておくがよい、ドラッケンの狂戦士よ。
- 40 名前:名無し客:04/12/17 16:42
- ぶっちゃけ、あの不良中年枢機卿長は殺しておいた方が
よくない?
- 41 名前:ガユス・レヴィナ・ソレル ◆IORGA/hKoE :04/12/21 02:28
────ギギナは死んだ。
- 42 名前:ガユス・レヴィナ・ソレル ◆IORGA/hKoE :04/12/21 02:29
嘘だが。残念ながら。
実際は椅子のヒルルカの婿探しとか、脳味噌の成分が揮発しきったような事を言って出か
けただけなので、現実逃避は止めてレスに戻ろう。
>>38
あれは確か、親類縁者の誰かの葬儀だったと思ったんだが……。
まだ幼かったせいだろう、自分とは関わりのない、どこか遠い世界の出来事のような感じだ
った。目の前で行われる儀式の意味もよく理解できぬまま、周りの大人たちがするのを真似
て、棺の上に花を投げ込んだりしていた。
「親や子供や友人の死体の横で美味しく飯が食えれば、一流の攻性咒式士だ」と言われる
が、そういった感覚の麻痺とは違う、きっと俺はまだ死というものを理解してなかったんだろう。
俺が初めて死を強く実感したのは、妹のアレシエルが死んだ時だった。
……あの時のことは思い出したくもないし、詳しく話そうとは尚更思わないが。
- 43 名前:ギギナ・ジャーディ・ドルク・メレイオス・アシュレイ・ブフ ◆NERETOjj2Y :04/12/21 20:28
────ガユスは死んだ。
- 44 名前:ギギナ・ジャーディ・ドルク・メレイオス・アシュレイ・ブフ ◆NERETOjj2Y :04/12/21 20:28
嘘だが。誠に遺憾ながら。
実際には予備校の講師などという、攻性咒式士にあるまじき軟弱な副業のため出かけただ
けだ。咒式士は戦いにのみ生きるものだと、何度も言っているのだがな。
>>39
確かに、貴様には言葉を以ての回答よりも、剣を以て己の意を示す方がお似合いだろう。私
と同じくな。貴様の弟の意味不明さも、ガユスの戯言と同じく、人類のほとんど全てにとって理
解しがたいものではある。
それでも、貴様たちの問答を見てみたいという需要は比較的多いと思うが、こればかりは無
理強いできる類の話ではないな。
モルディーンが、何かの酔狂で貴様たちにこの場への派遣を命ずることを願う。ガユスは命
令の裏を勘ぐって嫌がるかも知れぬが、私の知ったことではない。
九頭竜剣の真髄か。
ならば私も約束しよう、再戦の折には我が力と業を、誇りと狂気の全てを以て、至上なる剣
と咒式の宴を、最高の命の取り合いをしようとな。
そして、屠竜刀に貴様の血を存分に吸わせることを以て、貴様への返礼としよう。
それまでその命を大事にしろ、くれぐれもつまらぬ敵の手にかかるような真似はするな。
ではな、剣と月の祝福を。
- 45 名前:名無し客:04/12/21 20:30
- >予備校講師
意外と固い仕事ですねぇ
- 46 名前:ガユス&ギギナ ◆m9n.GUILTY :04/12/22 02:39
ガユス 「ようやく終わったか、高校生相手の授業は疲れるな……って、人を勝手に殺すな
阿呆ギギナ」
ギギナ 「先に私を妄想の中で亡き者にしたのは貴様だろう?」
ガユス 「親戚に重戦車の名前があるに違いないお前が死んだとか言っても多分誰も信じな
いが、友達の友達にお忍びのお姫様の目撃者がいるかも知れないくらい繊細な俺
だと、微妙に現実味があるからな」
ギギナ 「正しいのやら間違っているのやら分からぬ自己認識だな」
>>40
ガユス 「できるものなら、春先の事件の時にどさくさ紛れに殺っている。
しかしそういうわけにも行かない。あの男の頭脳が、この国にとって必要不可欠な
のは厳然たる事実だからだ」
ギギナ 「相変わらずつまらぬところに気を回しすぎるヤツだ。
私自身とドラッケン族以外の行く末など、私の知ったことではないな」
ガユス 「お前が気を回さなさすぎるんだよ。
それに、モルディーンの側には常にあの十二翼将が付いてるんだぞ? あいつらと
もう一度やり合うなんて真っ平御免だ。考えるだけでもぞっとする」
ギギナ 「臆病者め。“竜に喰われることばかり怖れる者は、いずれ本当に竜に喰われる”と
いう諺があるが、貴様はまさにそれだな」
ガユス 「無用な危険を避けてるだけだ。お前も少しは見習え。
まあ、何かの間違いでぽっくり逝ってくれれば、それはそれで嬉しいかも、というの
が結論か」
ギギナ 「どこから出てきたのか意味不明な上に、とことん他力本願な結論だな」
ガユス 「ああ、そうだ。そこの>>40?
>>39にいる隻眼の男が剣を抜く前に、早々に逃げることをお勧めしておく。
……もう遅いという説もあるが」
- 47 名前:ガユス&ギギナ ◆m9n.GUILTY :04/12/23 02:10
ギギナ 「どうしたガユス、表情が暗いが貧民性歯痛でも再発したか?」
ガユス 「暇潰しに、俺とお前のフルネームで検索をかけてみたんだがな。俺が63件なのに、
お前の名前だと240件もありやがった」
ギギナ 「人気の差だな。当然の結果だろう」
ガユス 「単に名前が無駄に長く、文節が多いから検索に引っかかりやすいだけだろうが」
>>45
ガユス 「攻性咒式士ってのは不安定な職業だからな。殊に俺たちのようなフリーだと。
確実な契約があるうちはいいが、そうでない時は「2〜3日中に仕事を取ってこな
いと、事務所が人手に渡る」なんて状態も珍しくない。
まあ、うちの経営が不安定な理由は、主にどっかのアホが経済状況も考えず、始
終咒式具の衝動買いで無駄遣いしまくるからだが」
ギギナ 「正しい自己認識を行えるようになった進歩は認めるが、経理担当がそのように無
駄遣いを繰り返してどうするのだ?
これだから貴様は低能でマヌケだというのだ」
ガユス 「あのな……どこをどう聞いたらそうなるんだよ!? 全部お前のことだろうがっ!」
ギギナ 「いや、たまには趣向を変えてみようかと思ってな」
ガユス 「そんな暇があったらそのイカれた経済観念を変えろ。
……とまあ、このようなアホを飼っていることもあり、どうしても副業が必要になるわ
けだ──それも攻性咒式士と違って確実な収入の見込める、いわゆるお堅い職業が。
まあ、こういう時は中退というか逃げ出したとはいえ、かつて皇立中央咒式大学院
まで進んだ経歴が役立つってわけだ」
ギギナ 「そうだ、先日ロルカ屋で掘り出し物の咒式具を見つけたので購入しておいた。領収
書はそこに置いてあるので、忘れずに処理しておけ」
ガユス 「──言ってる側からまたか、この広域指定特別無駄遣い犯!
いいからさっさと返品してこいっ!」
- 48 名前:名無し客:04/12/23 15:28
- 最初に黒竜倒してからこっち、ずーーーっと強敵とばっかり
当たってますね。長命竜とか禍ッ式とか。ていうか、モルディーンの
置いていった指輪のせいかな?
- 49 名前:ガユス&ギギナ ◆m9n.GUILTY :04/12/25 17:12
>>48
ギギナ 「我がドラッケン族の諺には“獲物と女は強いほど良い”とある。
私は非常に満足だ」
ガユス 「俺の辞書には“危険や困難はできる限り避けろ”とある。
俺は非常に不満だ」
ギギナ 「その割には、モルディーンの置いていった例の指輪を手放そうとせぬのが不可思
議だ。竜や禍つ式共がこぞって狙っているというのにな。
まあ、捨てたところで私が拾うが」
ガユス 「拾うなよ。というかお前も言ってただろうが、絶対に呪いか何かがかかっているに
違いないから即刻捨てろって」
ギギナ 「最初はな。しかし長命竜や禍つ式までが狙っているとなれば話は別だ。
黙っていても向こうから強者がやってくるのだ、みすみす手放すなど愚か者のする
ことだ」
ガユス 「戦いのことしか脳味噌に詰まってない、お前が底なしの愚か者だと一刻も早く気づ
け。ついでにショックの余り脳味噌を屠竜刀で輪切りにした上で、どっかの研究機関
にアホの標本として売り飛ばし、事務所に金を落としてくれるとなおいい」
ギギナ 「貴様の戯れ言は止まらぬな。
で、結局何故手放さぬのだ? まさか高価そうで勿体ないから、ということもあるま
いが」
ガユス 「…………」
ギギナ 「……やはり、貴様には眼鏡と欲の重さで圧死するのがお似合いのようだ」
- 50 名前:名無し客:04/12/26 16:49
- ガユスってば主人公なのに、一冊目にして二回も死ぬなんて
ある意味すごすぎる。
- 51 名前:ガユス&ギギナ ◆m9n.GUILTY :04/12/27 12:39
人はどうでもいい対象については無関心である。賛美も誹謗も、服従も反抗も対
象に関心があって初めて発生する。
無関心こそが、人を破壊する最高の手段だ。
───アスプ・カル・ダロウズ「怪物の肖像画」 皇暦493年
>>50
ギギナ 「しかも、2巻ではまた2回、3巻では死なぬが4巻で1回、5巻では何と3回も死ぬ。
さすがに、特技の欄に「よく死ぬこと」と記入する軟弱生物だけのことはある」
ガユス 「んなアホな特技があってたまるか。
というか子供の教育に悪い嘘をサラッと吐くな。よい子の皆が、「人間って死んでも
生き返るんだ」なんて、変な誤解したらどうするんだ」
ギギナ 「貴様の存在自体が情操教育には悪影響だ。それに、貴様の言うよい子はこのよう
な場所など覗かぬ。
まあ、貴様は主人公といっても名ばかりで、実質は解説役兼驚き役、及び苦痛の
悲鳴と惰弱な鳴き声を上げる役だからな。数回ばかり死ぬのも当然と言える」
ガユス 「そういう台詞は一度でも死んでから言え。
あの死と再びの生の感覚は、思い出すだけでも身の毛がよだつ。
思い出……───」
- 52 名前:◆IORGA/hKoE :04/12/27 12:40
赤い緋い紅い朱い赫い丹い。
血溜まり。
寒い。
生命、流……れ───
───闇。
無色の光芒。
音のない、
…………喧噪。
高密度の空虚、
充満する虚無、
混沌───。
我を、俺を、僕を、私をををををを……
───浸食し侵入し占拠し蹂躙し咀嚼し反芻し排泄し、
それを認識する自分が、
俺が、
私が、
僕が、
我が、
思考ががががががががががが……───
───無。
───虚無。
───絶無。
光。
熱を伴った波のような光が、俺を俺の部分を破片を細部を全部を拾い上げ、いや違う。
俺が光を光の粒子を収束させ結集させ構成させ治癒させ蘇生させ、違う。光は死であり
俺こそが生、嘘だ、俺は死であり世界そのものが脈動し、それも嘘だ、偏在する死こそ
が世界で生の苦痛こそが死そのものであり、神で波で闇で、逆だ。死に至る世界の中
で俺だけが生を謳歌し、それも逆で逆の逆で、苦痛。痛み。再びの生は痛みであり砂で
あり、砂が、砂が、砂が……───
- 53 名前:ガユス&ギギナ ◆m9n.GUILTY :04/12/27 12:40
ギギナ 「起きろ馬鹿ガユス!」
ガユス 「……え? あ、ああ、……」
ギギナ 「ようやく目が覚めたか低能錬金術師。大方以前体験した死を追憶し、その中に取
り込まれかけたのだろうが」
ガユス 「以前お前も言ってたことだが……本当の俺はあの時死んでいて、今ここにいる俺は
2人目、3人目のガユスなのかも知れないと思うと、ちょっとな」
ギギナ 「下らぬ事を考えるな。貴様も私も生きている、生きてここに在る。それが現実であり
その全てだ。
分かったら即刻次の仕事を取ってこい。私が領収書を取ってきてやったので、その
釣り合いをとるためにも」
ガユス 「取ってきてやった、じゃねえだろっ! 俺に無断で無駄遣いするのは止めろと何度
言えば……」
ギギナ 「断れば無駄遣いしてもよいのか?」
ガユス 「……そういう問題でもないんだがな。
時々本気で死にたくなるよ、こういう炉心溶解馬鹿と組んでると」
- 54 名前:名無し客:05/01/07 19:49
- 漫才コンビですか?
- 55 名前:名無し客:05/01/07 19:50
- 芸名を教えてください。
- 56 名前:名無し客:05/01/08 03:36
- 自分だけの美学はありますか?
- 57 名前:名無し客:05/01/08 03:37
- 竜ってどんな生き物なんですか?
- 58 名前:ガユス・レヴィナ・ソレル ◆IORGA/hKoE :05/01/08 23:53
>>54-55
「〈漫才〉、だと……?」
俺は学院を出て諸国遍歴という名の、正直いうと傭兵兼盗賊紛いの生活をしていた、悲しく
侘しい時期がある。
ある時、旅の相棒になった東方より放浪してきた曲刀の剣士が、旅の長い夜語りに〈漫才
師〉のことを教えてくれたことがある。
漫才師とは、コメディアンとも言われ、笑いと娯楽を生業とする営利組織の構成員であり、
その訓練は話し方とギャグセンスを極限まで鍛錬し、その一言で謹厳な聖者の唇を綻ばせる
ことすら可能にするまさに生ける爆笑装置の一流派である。
(中略)
その異境の職能者が俺たちだというのだ。
「んなわけあるか。存在自体が冗談としか言い様のないギギナはともかく、俺は謹厳実直、
真面目一辺倒で売ってるってのに」
「以前聞いたことがある。確か、そのような戯言に対してはこう反応するのだろう?」
俺が頭を下げると、ギギナの抜き打った屠竜刀が頭のあった位置の柱に食い込んでいた。
降りかかる木屑を払い落としながら俺が睨み付けると、ギギナは平然とした表情のまま言
いやがった。
「何故躱す? 当たらねば意味がないではないか」
「当たったら死ぬだろうが。というか突っ込みに刃物を使うな」
──胸部に衝撃。
受け身も取れぬまま、脇にあった応接椅子に頭から突っ込む。勢いは減殺されず、そのま
ま椅子もろとも横転。
椅子と抱き合うような格好のまま3回転した後ようやく停止、全身の痛みに耐えながら起き
あがったときには、俺は自分の身に何が起きたかを悟っていた。
刃物を使うなと言われたギギナが、素手で突っ込みを入れやがったのだ。
「少しは手加減しやがれっ! 一瞬違う世界が見えたぞっ!」
「これでも目一杯手を抜いたつもりなのだがな。むしろ、この程度で吹き飛ぶ貴様の方に問
題があると思うが?」
「自分を基準に考えるな馬鹿ギギナ。おまえの馬鹿力での裏拳突っ込みに耐えられるのは
ラルゴンキンくらいだって事にいい加減気づけ」
埃を払いながら立ち上がる。同時に、語気を荒くして言い放つ。
あらぬ方を指差しているのは、気にしてはいけない。
「とにかく! そういう訳なので、俺とギギナが漫才コンビだとか言う戯言は即刻忘れろ。
芸名とかもなしだ。分かったな」
- 59 名前:名無し客:05/01/09 16:55
- ジオルグ事務所が少数精鋭だったのは、要するにジオルグが経営
下手で大勢雇えなかったからなのだろうか。
ラルゴンキン事務所もきつそうだけど
- 60 名前:ガユス・レヴィナ・ソレル ◆IORGA/hKoE :05/01/11 03:17
>>56
美学なんて聞こえのいいものは生憎持ち合わせちゃいない。
が、俺なりの処世訓というか、気を付けていることはある。
前(>>49)にも言ったが、危険や困難はできるだけ避ける。
戦うのは勝算のある時や、あるいは他にどうしようもない時だけ。誇りだとか名誉だとか、そ
んなもののために常に命懸けで戦うなんてのは、ドラッケン族にでもやらせておけ。
世界を狙うような巨大な悪に立ち向かうのも、身を挺して社会の不正を正すのも。
俺には不可能だ。そんな青臭い正義感は10歳までにどこかへ置き忘れてきた。
見知らぬ女を庇うために1つしかない命を投げ出すのも、どこか遠い国の飢えた子供達のた
めに全財産を擲つのも。
やはり俺には不可能だ。同情することはあっても、実際に動くことなんてない。
──攻性咒式士は人類の剣にして盾である。
よく聞く台詞だ。
悪徳咒式士や〈異貌のものども〉と戦う、人類の最前線。そういった理想を一言で体現した
名言だろう。
が、こんな理想通りの生き方を送れる咒式士なんて、それこそラルゴンキン事務所のような
大手で働く、他に何の心配事もない連中だけだと俺は思う。
俺のような小市民は、せいぜい自分の身を守るのが精一杯。
もっとも、気まぐれな枢機卿長の置いていった〈宙界の瞳〉だの、隙あらば我から危険な強
敵との戦いに身を投じていく戦闘愛好病の相棒のせいで、それすらままならないのが現実な
んだけどな……。
- 61 名前:ギギナ・ジャーディ・ドルク・メレイオス・アシュレイ・ブフ ◆NERETOjj2Y :05/01/11 03:19
ふん、相変わらず軟弱な眼鏡だな。
>>56
ドラッケン族としての誇り。
闘争者としての矜持。
それこそが、誰にも譲ることのできぬ我が美学だ。
我らドラッケンにとって、闘争とは至上の命題であり義務。
何故ならば、真に高貴なる誇りも名誉も、闘争を肯定し、怯懦を否定し、ただ自分の肉体と
精神のみを以て、外なる戦と内なる律を戦い抜くことによってしか生まれ得ないからだ。
相手の次の一手を読み切らんと渇望し、己の刃を以てその命を絶ち切るべく、全身全霊を
費やして思考し、行動する。互いの身に刻み込む傷と痛みこそ、己が魂の輪郭を確かめる導。
これほどの魂の結びつきに比べれば、愛も友誼も、状況によっていかようにも移ろう空しい影
に過ぎぬ。
強さこそが闘争における唯一絶対の規矩。命と命を火花と散らし、全身全霊を賭けて向き
合う2人の戦士の前には、世界すら意味を失い、消え失せる。愛だの友誼だのといった上辺
だけの紛い物など、存在する余地はない。
「誇りか……。それこそがドラッケン族の血の呪いだ」
「誇りと因習が、我らの心を縛っている。破壊と流血でしか、我らの心の輪郭を示
せない。言葉の不確実性を捨てた我らは、だから、悪鬼のようにしか生きて、死
ねない」
私とて理解している。
ドラッケン族の闘争による誇りと名誉の法則は、どこまでも破壊と流血、そして死しか生ま
ぬのだろう。緩やかに、だが確実に滅びへと向かう種族の、忘れ去られてゆくだけの誇りな
のだろう。
だが、今更他の道を選ぶことなど不可能だ。ドラッケンとして生まれた以上、ドラッケンとし
て生き、死ぬしかない。
ならば、ただ前を向いて進むのみ。後悔も自己嫌悪も、そこに何の意味もない。
己を一振りの剣となし、いかなる敵とも真正面から向かい合う、それこそがドラッケン族の
生き様であり、死に様なのだ。
- 62 名前:◆m9n.GUILTY :05/01/11 23:49
>>57
── 〈竜〉に関する基礎知識 ──
〈竜〉。
それは強大な力を誇る、〈異貌のものども〉の王。
鰐に似て、それよりも遙かに巨大な頭部。
巨塔のような長首に続く、小山にも例えられる胴体。
それらを支える、宮殿の柱の如き四肢。
全身を覆う、高硬度の鱗。
一睨みで人を怯えさせ、〈異貌のものども〉を操る、精神支配の権能。
人族の姿を纏う、変化能力。
高度な知性と、内なる絶対律に裏打ちされた高潔なる魂。
大地の覇権こそ人族に明け渡したとはいえ、空は未だ彼らの領域。
彼らこそまさに地上最大最強の生物であり、それ故に竜を倒すことは大いなる名誉を伴うの
だ。
・年齢と体長
DDMM(汎ドラッケン式竜測定法)によると、竜は誕生から10〜100年の間に、全長10メル
トル前後まで成長すると言われる。
それからは、更に100年ごとに1メルトル前後ずつ成長を続けていく。つまり、200歳級なら
ば11メルトル、300歳級ならば12メルトルということになる。
竜は加齢によってその戦闘力や知力、咒力を増していくため、全長からその年齢を把握す
ることは極めて重要である。
・竜咒式
竜がその身体に恒常的に発動している咒式。
巨象をも遙かに凌駕する巨体を、翼によって自在に飛翔させるのも。
たとえ四肢を失おうとも数秒と費やさずに完全治癒する、驚くべき再生能力も。
炎や雷、冷気や強酸の形を取り、死の息吹と化して犠牲者を襲う吐息も。
咒式による物理干渉そのものを、より強力な干渉によって阻害し、無効化してしまう咒式
干渉結界も。
全てはこの竜咒式によるものである。
人間の用いる咒式と違い生得の能力であるため、その発動には意識的な咒式展開の必
要すら存在しない。竜はこれらの能力を、手足を動かすのと同様に使用できるのである。
・長命竜
竜族は加齢によりその戦闘力・知力・咒力を向上させるが、1000年を越える時を生きた竜
はその鱗に金属質の輝きを加え、特に畏怖を込めて〈長命竜〉と呼称される。
彼らはまさに地上最大にして最強の生命体であり、正面から戦って勝つのは不可能に近
い。
・〈龍〉
1000年を越えた竜は長命竜と呼ばれるが、万年を越えた竜は〈龍〉になるといわれる。
深い叡智と絶対的な力を持つ彼らは、まさに神と呼ぶに相応しい存在と言える。
この星の誕生以来世界を見つめ続けてきたといわれる彼らだが、現在では僅かに5頭が
存在するのみだという。
・ティエンルン条約と竜緩衝区
人と竜との闘争を回避する竜族の最大派閥、賢龍派と、エリダナの属するツェベルン龍皇
国は、皇暦36年のティエンルン合意により、互いの生息領域への相互不可侵条約を結んで
いる。
これにより定められた、竜族の側の生息領域が竜緩衝区である。
が、竜族は元々個体で生息する生物であり、己の生息地を頑迷に固持し、緩衝区を無視
して人族の領域に踏み入り、人や家畜を殺戮し、建物を破壊するといった竜も多い。
このような竜は、ティエンルン合意条約違反であるとされ攻性咒式士や軍隊によって討伐
されることとなる。
無論、人族が境界線を越えて竜緩衝区に踏み入れば、同様に条約違反であり、もし発見
されればその末路は竜の胃袋の中、ということになるだろう。
- 63 名前:ガユス&ギギナ ◆m9n.GUILTY :05/01/11 23:49
>>62 続き
ガユス 「とまあ、簡単に説明するとこのようになるわけだが」
ギギナ 「相変わらず貴様の話は無駄に長いな。
「竜を倒すことは大いなる名誉を伴う」という要点を語るのに、何故そのような冗長
な説明が必要になるのだ?」
ガユス 「そこが要点になるのはおまえだけだ、そんなだから俺が苦労するんだよ。
というか、おまえにとって竜って何なんだ?」
ギギナ 「決まっている。我らドラッケン族にとって、竜との戦いこそ最大の名誉。真正面から
立ち向かい、打ち倒してこそ勇者と呼ばれるのだ。その他のことなど些末事でしかな
い」
ガユス 「少しは相棒の身の安全とか考えろよ。おまえのバカ誇りでおまえが死ぬのは勝手
だが、俺が巻き込まれるのは真っ平御免だ」
ギギナ 「私と貴様が組んで、負けることがあると思うか?」
ガユス 「そりゃ、まあそうだが……って騙されるかよ。負けてたら、今頃は土の下で地虫の
餌だろうが」
ギギナ 「負けたときのことなど考えるな。。“竜に喰われることばかり怖れる者は、いずれ本
当に竜に喰われる”という諺を、以前(>>46)教えてやったはずだが?」
ガユス 「単に無謀とアホという2つの単語を混ぜ合わせて翻訳しただけにしか思えないな。
やれやれ、俺の苦労はまだまだ続きそうだ」
- 64 名前:名無し客:05/01/12 15:42
- 短編集の2巻読みました。また性格の捩れて腐ったのが出てきましたな。
緋のパンハイマはやべえだろ、部下も。
- 65 名前:ガユス・レヴィナ・ソレル ◆IORGA/hKoE :05/01/14 19:34
>>59
まず最初に言っておくと、ラルゴンキン事務所が経営的にきついということはまず有り得な
いな。
あそこの規模はエリダナどころかエリウス郡でも最大で、その名声は所長のラルゴンキン
個人のものも含め、皇国全土に知れ渡っている。当然、大手の企業との契約も多いし、俺た
ちのようにわざわざ自分の足で探さなくとも、依頼は引きも切らない。
ラルゴンキン事務所が経営難なら、俺たちなんてとっくの昔に不渡り出して夜逃げしてるよ。
困っていることがあるとすれば、むしろ人手不足なんじゃないか? 曙光の鉄槌事件で何
人も死者を出したし、代わりを補充すると言っても物じゃないんだ、手練れで組織向きで現在
フリーの攻性咒式士なんて、そうそう簡単には見つからないし、かといって新人が育つには
時間が掛かる。
あとは後継者問題か。ラルゴンキンもそろそろいい歳だが、直情バカのイーギーや多重性
格女のジャベイラじゃ、後を任せるにはいかにも不安だろうし、ヤークトーは所長って柄じゃな
いだろう。
まあ、俺の知った事じゃないがね。
閑話休題。
ジオルグが経営下手だった、というのも間違いだと言っていい。
ビル1棟よりも高価な椅子を、知らぬ間に事務所の経費で落とそうとする、無駄遣いの無差
別級王者ギギナを抱えて倒産しなかっただけでも一流だ、と俺は思う。
確かに、橙色の遮光眼鏡に火の点いてない煙草、高級品のはずだが妙にくたびれて見え
る背広やシャツといった外貌からは、エリダナでも数少ない13階梯に達した咒式士という姿
を想像するのは難しい。俺も最初は全く信じられなかったし。
だが、人間ってのは外見だけでは判断できないものだ。
怜悧さと精悍さを絶妙のバランスで兼ね備えた、まさに生ける武神にして美神そのものとい
ってもいい外見のギギナが、その実人跡未踏のマリマル海溝の底よりもなお深くどす暗い性
格で、漫画風の吹き出しを頭に付けたら、出てくるのは家具のことか俺を殺すことくらいだって
いうのが、いい実例だろう。
それに、元々ジオルグの気質がラルゴンキンみたいな大家族型じゃないって事もある。
締めるところはしっかり締めるとはいえ、基本的に面倒臭がりの昼行灯っていう性格じゃ、
大勢の咒式士を指揮し、面倒を見るのは向かないだろうしな。
まあ、必ずしも会社の規模を大きくするのだけが立派な経営者じゃないってことさ。
──俺たちが2人でやってるのは、そういった理念でも何でもなく単に経営難で人を雇う余
裕なんてない、というのが一因だが。
- 66 名前:ガユス&ギギナ ◆m9n.GUILTY :05/01/15 01:50
>>64
ガユス 「確かに、パンハイマの腐れ女はありゃヤバ過ぎるな。
どこの地獄のスープを浚ってくれば、あんな外見も中身も真っ赤っかなイカれ変態
女が生まれて来るんだ?」
ギギナ 「だが、あの女が我らと並ぶ13階梯であるというのも事実。
嗜虐的で独善的な性格だけで、〈荊刺の女王〉などと呼ばれているわけではない
ということだ」
ガユス 「そりゃそうだけどな。
それにあの奴隷共。何が楽しくて、いい歳こいて首輪に鎖で繋がれてお犬様ごっ
こなんてやってるんだかな」
ギギナ 「ガユスよ、そのようなことに興味を持つということは、貴様もあの中に加わりたいの
か? 私は止めぬ、好きにするがいい」
ガユス 「んなわけあるか。
大体だな、なんだって俺の周りには、こうも性格の捩じ曲がった変人ばっかり寄っ
て来るんだ!?」
ギギナ 「貴様自身の性格が一番捩じ曲がっているからという、当然の答えしか出てこない
のだが?」
ガユス 「聞こえなーい、類は友を呼ぶっていう諺なんて聞いたこともなーい。俺は純真無垢
で清廉潔白、金のためなら仲間も売れる、いやむしろ積極的に売りに出す正しい攻
性咒式士だ。よーし洗脳完了。
というわけで、悪いのは全てギギナなので、誹謗、中傷、苦情、陳情は全てギギ
ナのところまで。なお、このギギナは自動的に消滅しません」
ギギナ 「どういう訳か知らぬが、急に親切心が沸き起こってきた。貴様の人生の苦悩も悲
哀も、屠竜刀で綺麗さっぱり削ぎ落としてやろう」
ガユス 「いるかそんなクソ親切心。てめえの空っぽの頭にでも刺しておけ」
- 67 名前:ガユス&ギギナ ◆m9n.GUILTY :05/01/15 01:52
ガユス 「ちっ、age忘れた」
ギギナ 「間抜け眼鏡め、それだから貴様は間抜けなのだ」
ガユス 「うるさい。気付かなかったおまえも同類だろうが」
ギギナ 「私は貴様を試していたのだ。低能と一緒にするな」
ガユス 「はいはい、そーですか」
- 68 名前:名無し客:05/01/23 02:59
- 物理的な戦い、精神的な戦い、そして長き人生との戦い。
それぞれに必要なものと不必要なものを教えて下さい。
- 69 名前:ガユス&ギギナ ◆m9n.GUILTY :05/01/28 23:56
>>68
ガユス 「じゃあ個別に答えていこう。まずは物理的な戦い、いわゆる戦闘から。
要らないのは勇気とか根性とかその類の精神論。んなもんで勝てるなら誰も苦労
しない。
あと名誉とか誇りも邪魔。それらがいらんトラブルばかり引き寄せてくるのは、俺の
隣の絶頂馬鹿ドラッケンが実証済みだ」
ギギナ 「名誉も誇りもない人間など、屠殺場の豚と変わらぬ。これらなくして何の闘争だ?
そんなことだから、貴様はいつまで経っても姑息で卑小なのだ」
ガユス 「姑息で卑小でも結構。相棒にまで刃を向けるような、重度の熱狂的決闘主義者の
クソ誇りなんて理解したくもないね」
ギギナ 「さすがは自らの人生からも逃げ出すような、重度の退廃的臆病症候群患者だ。言
うことが違うな」
ガユス 「…………話を戻すぞ。
不要なものがあれば、当然必要なものもある。
まずは充分な装備。敵を倒す咒式を紡ぐための、魔杖剣や法珠、咒弾。〈異貌のも
のども〉の爪や牙、咒式士の刃や咒式を防いでくれる、鎧や防刃服。
不良品の法珠が停止したり、咒弾が粗悪品で不発だったりしたせいで咒式が使え
ず、安物の装甲がつまらないところで破られて斬殺、なんてのは余りにもアホすぎる
死に様で笑えない。
命を賭ける最前線だからこそ、装備は信頼の置ける最高級品を使うのは当然のこ
とだ」
ギギナ 「ようやく貴様にも理解できたようだな、私の買い物が無駄ではないということが。分
かったらこの領収書を……」
ガユス 「おまえのは限度を超えてるんだよ、つーか領収書って何だ領収書って! 言ってる
側からまだ無駄遣いかよ!」
ギギナ 「無駄ではないと、貴様自身がついさっき言ったはずだが。
それに見ろガユス、この法珠の輝きを。美しさの中にも、獰猛にして強固な咒力を
感じる一品だ。さすがは──」
ガユス 「あー聞こえない聞こえない、後ろから聞こえるのはギギナじゃなくて季節外れのコ
オロギの声だ、よーし自己欺瞞終了。
さて、他に重要なものとして、相互の連携が挙げられる。
どんなに優れた咒式士を数多く揃えようと、連携が取れていなければそれは単な
る烏合の衆に過ぎない。年古りた竜のような強大な力の前では、強風に吹き散らさ
れる枯れ葉のように無力だ。
逆に、相互の連携がしっかりと取れていれば、多少の実力差や数の不利など充分
に埋めることが可能だ。単純に個々の咒式士の咒力だけが、勝敗を決する材料では
ないということだ」
ギギナ 「いかにも弱者らしい臆病な考え方だ。まあ、貴様のような脆弱な人間を援護役とし
て使うことは、私といえどもやぶさかではないが」
ガユス 「そう思うなら、1対1の決闘に付き合わないからって、その援護役の相棒に投剣を
放つような真似をするなよ。
さて、ここで一旦切ろう。残りはまた後ほど」
- 70 名前:名無し客:05/01/30 05:54
- バッドエンドは覆せますか?
- 71 名前:名無し客:05/01/30 05:54
- 金は命より重い。
- 72 名前:名無し客:05/01/30 14:56
- ジャベ総統閣下超万歳☆
- 73 名前:名無し客:05/01/31 00:00
- バッドエンドの話題ついでに。
来るべき未来(だった筈)の一つ、ハッピーエンドを考えてみて下さい。
- 74 名前:ガユス・レヴィナ・ソレル ◆IORGA/hKoE :05/01/31 00:24
順番は前後するが、こっちだけ先に返しておくか。
>>72
「覚悟しろよ豚の糞ども! 失禁&脱糞し、発狂してそれを喰うほどの猛訓練で、
肉体どころか人格から徹底改造してやるぞぉ。実の親や妻子でも見分けがつか
ないくらいになぁ!」
「ええと、ジャベイラ。見たこともない新人格が出ているんですけど? はじめまし
てって言ったほうがいい?」
噛み合ってない先輩たちの会話が、広々とした地下訓練場にこだまする。
ラルゴンキンのお膝元に集う咒式士たちが、今日も歴戦の勇士のような精悍な
笑顔で、花崗岩の堂々とした門をくぐり抜けていく。
敗北を知らない心身を包むのは、最高級の防刃服や積層鎧。
魔杖剣の鞘は鳴らさないように、防刃外套の裾は翻らせないように、ゆっくりと歩
くのがここでのたしなみ。
もちろん、魔杖剣の分解と組立を30秒ギリギリで行えず、砂浜で産卵させられた
上に教官に上を走り抜けられて可愛い卵をぐっちゃんぐっちゃんにされるなどといっ
た、はしたない新入りなど存在していようはずもない。
ラルゴンキン・バスカーク咒式事務所。
皇暦482年設立のこの事務所は、今やエリウス郡でも最大の規模を誇っている
という、実績ある正統派咒式士事務所である。
エリダナ市下。「行き場のない奴が最後に辿り着く街」と呼ばれる陰謀と犯罪の
渦巻くこの都市で、ランドック人の所長に見守られ、駆け出しから支社長までの一
貫教育が受けられる攻性咒式士の園。
時代は移り変わり、従業員の数が68人にまで増えた皇暦497年の今日でさえ、
数年生き延び続ければ集団戦慣れした純粋培養の高位攻性咒式士が箱入りで
出荷される、という仕組みが未だ残っている貴重な事務所である。
────帰れ。ラルゴンキン事務所に帰れ。今すぐ。
ていうか洗脳か? 洗脳療法なのか!?
- 75 名前:ガユス&ギギナ ◆m9n.GUILTY :05/02/05 12:26
>>69続き
ガユス 「さて、>>68への回答第2弾、精神的戦いに必要なもの、そして不要なもの。
実を言えばこの質問、俺には非常に答えにくい。何故なら、俺は攻性咒式士には
非常に珍しい、純真無垢で清廉潔白な正直者であり、こういった騙し合いのようなこ
とは甚だしく苦手としているからだ」
ギギナ 「それで、貴様が思う精神戦にとって必要な要素とは何だ?」
ガユス 「……少しは突っ込めよ、空しくなるだろうが」
ギギナ 「いや、貴様のマヌケさが余りにもマヌケ過ぎて、つい」
ガユス 「……まあいい、じゃあまずは前と同じく不要なものから挙げていこう。といってもこれ
は割と簡単だ。
駆け引きに不要なのはさっき俺が言ったようなもの、つまり純粋さだとか清廉潔白
だとか正直の美徳だとか。英雄物語の主人公なら必須かも知れないが、現実でこん
なものを揃えてるヤツがいたら、このエリダナじゃ3日と経たないうちに、身ぐるみ剥
がされた姿で冷たくなって路地裏に転がってるだろうな。
あと名誉とか誇りも邪魔。それらがいらんトラブルばかり引き寄せてくるのは、俺の
隣の絶頂馬鹿ドラッケンが実証済みだ」
ギギナ 「貴様はよほど私の人生を全否定したいようだな」
ガユス 「いや、俺が全否定したいのはおまえの存在そのものだが。
というか、おまえが考える精神戦に必要なものって何なんだ?」
ギギナ 「貴様自身を全否定して消し去った方が早いな。
そして、貴様のような小賢しい言葉遊びなど、私には不要だ。ただ刃を以て己の意
志を示し、押し通すのみ」
ガユス 「戦闘しか頭にない単純思考は楽でいいな、少しはその分俺が苦労してるってことも
考えろ」
ギギナ 「苦労は貴様の役割なのだから仕方あるまい。それよりそろそろ話を戻せ」
ガユス 「うわ、反省成分が過去、現在、未来の全てに渡って微塵も感じ取れない台詞。まあ
アホに何か期待するのもなんだし、話を戻すか。
精神的戦いに必要なもの、それは手段を選ばない卑劣さだ。
嘘の刃を振るい、罠の矛を突き立て、敵手の纏った論理の鎧を一枚一枚剥がして
いく。そうして露わになった矛盾を突き、破綻を衝き、相手の思考を自らの望む方向
へと導いていく。
誇り高い竜のような相手、内なる絶対律を持ち、それを決して破らぬ存在に対して
は、その絶対律につけ込み、利用する。彼らの誓いを盾に懇願し、脅迫する。
それはとても卑劣なやり方だろう。正義も真実も、そこには存在しない。だが、そん
なものがいったい何になる? この世界に溢れているのは偽りと欺瞞だし、たった1
つの真実なんてものが存在するのは、推理小説の中だけだ」
ギギナ 「尊厳の欠片すら感じ取れぬ、汚猥で卑怯な思考だ。私には理解できぬ」
ガユス 「だろうな。俺がおまえの家具に対する変態性愛を理解できないのと同じだ」
ギギナ 「私の高尚にして崇高なる愛を、下劣な性愛や貴様の軟弱な思考と一緒にするな」
ガユス 「バカは死ななきゃ治らないってのは至言だな。ま、バカは放っといて先に進むか」
- 76 名前:ガユス&ギギナ ◆m9n.GUILTY :05/02/17 01:35
>>75続き
ギギナ 「自分自身の肉体と精神。頼れるものも信じられるものも、他には何もありはしない」
ガユス 「おまえ、いつの間に譫言なんて言う癖ついたんだ?」
ギギナ 「>>68の質問に答えただけだ。長き人生との戦いに必要なもの、というのが残って
いただろう」
ガユス 「だったらそういう前置きくらいしろよ。それでなくてもおまえの言動はいつも意味不
明なんだから」
ギギナ 「存在自体が意味不明な貴様にだけは言われたくないな。それより貴様も答えたら
どうだ? ただし3行以内で」
ガユス 「短っ。なんだよそれ」
ギギナ 「苦情のお便りが届いているのだ。『ガユスの回答は毎回毎回冗長に過ぎる。もう少
し短縮し省略しろ。ついでに貴様自身も圧縮し破棄すればなおよい』とある」
ガユス 「……その手紙、ちょっと寄越せ。
差出人はエリダナのギギナ…………って、おまえじゃねーかっ! つーか名前伏
せるくらいしろって前にも言っただろうがっ!」
ギギナ 「読者の気持ちを代弁していると自負しているのだが……」
ガユス 「そんな腐れ自負はおまえの頭脳と一緒に産業廃棄物として不法投棄しろ。
……ったく、なんでギギナはこんなにバカなんだ? 誰か教えてくれ」
ギギナ 「先日図書館で読んだ本に、『スタンド使い同士はひかれあう』というのがあったな」
ガユス 「平然と別世界の箴言を持ち出すな。
で、>>68の質問の残り1つ、長い人生との戦いで必要なものと不要なもの、だった
か? それに対する俺の答えだが……必要なのは適度な諦めと慣れ、不要なのは
過剰な誇りと自尊心。
俺は特別な人間なんだ、とか思いこんで他人を見下したところで、単に自分もその
下らない人間の一人に過ぎないという事実と直面して打ちひしがれるだけだ。適当
なところで折り合いを付けて生きていく方が楽だし、結局は効率的だ。
まあ、大きな事を成す人間の思考じゃないことくらいは自覚している」
ギギナ 「3行を越えたな。罰として、この請求書を処理しておけ」
ガユス 「罰も何も、書類仕事なんか一度たりともやったことないだろうがおまえは。というか
さりげなく無駄遣いするなっ! 亜光速で返品してこいっ!」
- 77 名前:名無し客:05/02/23 16:13
- 足元がお留守ですよ。
- 78 名前:ガユス&ギギナ ◆m9n.GUILTY :05/03/05 02:06
>>77
ガユス 「足下がお留守ですよ、足下がお留守ですよ」
ギギナ 「脳味噌がお留守な貴様に言われたくはない」
(言葉と共に抜き打ちで放たれた屠竜刀が、一瞬前までガユスの頭の存在していた位置を
走り抜け、逃げ遅れた赤毛の先端が数十本宙に舞う)
ガユス 「……いくらなんでも刃物を振り回すのが早すぎないか? おまえに忍耐だとかそう
いう人間のような精神性を期待するだけ無駄だとは分かってるけど」
ギギナ 「いや、貴様の口調が妙に癇に障ったのでつい、な。それに元はと言えば、貴様が
もたもたと返答を遅らせているのが原因だろうが」
ガユス 「うわ、典型的すぎる責任転嫁の台詞。まるで俺たちの事務所が万年貧乏なのも、
空がムカつくくらいに青いのも、全部俺が悪いみたいな言い方」
ギギナ 「そう言ったつもりなのだが、理解できなかったか?
低能眼鏡の理解力に合わせるのは至難の業だな。私もまだまだ修行が足りぬ」
ガユス 「そんな腐れ修行してるヒマがあるなら、少しでも人間への進化を目指すか、せめて
安全で儲かる仕事のひとつも取ってこい。
おまえの取ってくる仕事はいつもいつも、危険度と実入りのバランスが原子崩壊を
起こしてるからな。それこそ足下がお留守だ」
ギギナ 「危険のない仕事など面白くもない。攻性咒式士は戦いこそが本分だと、貴様には
何度となく教えているはずだが?」
ガユス 「その度に『温厚な平和主義者の俺をおまえの戦闘中毒に巻き込むな』と忠告して
ることについてはどう思う?」
ギギナ 「臆病者の言いそうなことだ。死んで反省しろ」
ガユス 「おまえが死ね。自分に保険金を掛けた後で。もちろん受取人は俺」
ギギナ 「どんなに間を空けようと、貴様の減らず口だけは変わらぬな」
- 79 名前:ガユス・レヴィナ・ソレル ◆IORGA/hKoE :05/03/16 02:25
「ゴーゼス三大組織も、この街も、おまえらの魂も、いつか俺が買ってやる。この
デュピュイの力、金の力でな!」
───デュピュイ・ミワ・ブランネル
>>71
まあ、確かに金は大事だ。
金こそは現代社会の力の根元、あらゆる事象を平等に断罪する万能の尺度。
この高度文明社会においては、あらゆる活動には常に金という呪縛がつきまとう。
日々の糧、衣服、家や車。生きるためには、とかく金が必要だ。咒式士のような命懸けの
商売なら尚更だ。
地位や名誉、他人の尊敬といった目に見えないものですら、掴み取るためには時に金が、
それも多額の金が必要になる。いや、目に見えないからこそと言うべきか。
金がないのは惨めなことだ。
ギギナの咒式具購入のせいで事務所の財政が瀕死になったばかりに、10日で30.05%も
の金利を課すような腐れ高利貸しから金を借りてでも急場を凌がなきゃならない羽目に陥る
のはとても惨めだ。
幸いにして俺にはそんな経験はないが、その日を生きることすらままならず、コイン1枚のた
めに地べたに這いつくばって慈悲を請うのはもっと惨めだろう。
だから、人は金に迷い、溺れる。
その日1日の糧を得られる程度の金のために、裏組織の鉄砲玉として人を殺し、時に殺さ
れる貧民。
殺到する女の鼻っ柱をへし折り、手を伸ばした子供の手首を踏み砕いてでも、地面に散ら
ばった硬貨や通貨素子を掴み取り、我がものとしようとする群衆。
宝石強盗の咒式士崩れを追いかけ、捕まえたはいいが、そいつの隠していた多額の現金
や宝石に目がくらみ、仲間を殺してそれを持ち逃げし、自らも犯罪者に堕ちる攻性咒式士。
俺には彼らを責めることはできない。
数千万、数億イェンといった桁外れの大金。それを目の前にして、「これだけの金があれば、
この腐れた人生だってやり直せる」と思ったことがないと言えば、嘘になる。
しかし、だからといって金が命よりも重いかと言えば、正直疑問だ。
そもそも、自分の命を売ってまで金を得ようとするヤツは普通いないだろう。死んだら金は
使えないし。
まあ確かに見ず知らずのヤツの命よりは、金の方が重いとは俺も思う。
賞金首だの組織の裏切り者だのを捕まえて突き出す。攻性咒式士の主要な仕事のひとつ
だが、これなんかはまさに他人の命を金に換える作業だ。
そうやって引き渡された人間の末路といえば、残酷な処刑と相場は決まっている。「人の命
は星よりも重い」なんて考え方の持ち主には務まらないだろう。
だが、それが親しい知人や恋人、親兄弟なら?
愛する者を見捨てるのと引き替えに、大金──それも一生遊んで暮らせるほどの──が手
に入る保証があったとしても、恐らく俺には不可能だろう。口ではさんざん文句を言いながら、
結局は大金をフイにしても助けに向かってしまうのだろう。
俺に限らず、大抵の人間はそうだと思う。
しかし、もしそうでない奴がいるとしたら。
誰の命だろうと、笑って売り払うことができるとしたら。
大切な者と呼べる存在を全て失ったそいつは、心が死に絶えてしまったそいつは。
恐らく、金を愛してなどいないだろう。むしろ憎みきっているだろう。
そいつがそんな風になってしまったのは、きっと金のためだから。
それでもそいつは金を集め続けるしかないのだ。執着するしかないのだ。
例えこの世の富の全てを積み上げたところで、悲しみも憎しみも決して癒えることはないと、
知っていたとしても。
- 80 名前:◆m9n.GUILTY :2005/05/18(水) 15:14:27
>>70
教会の扉が開く。
現れたのは、純白の衣装を纏った男女。
腕を組み、幸せそのものの笑みを交わしながら階段を下りる2人を、居並ぶ参列者が投げ
かけた色とりどりの花びらが迎える。
拍手と歓声。花嫁が、参列者へ向けて手にしたブーケを放る。
どこにでもある、それでいて幸福感に満ち溢れた、結婚式の風景だった。
出張仕事から事務所へと帰還する帰り道。
信号待ちのヴァンの運転席からその光景を眺める俺。
助手席では、窮屈そうに身を屈めたギギナが屠竜刀を抱えて瞑目している。
「なあ、ギギナ」
「何だ」
「……いや、何でもない」
いつもなら皮肉の一つも返ってきそうな状況だが、珍しくギギナは一言も発しない。
もしかしたら、ヤツも俺と同じ事を思い出していたのかも知れない。
そう、結婚式の光景を眺めながら、俺は思い出していた。
先日遭遇した、ある事件のことを。
「そう、これがあなたの選択によって強制された、私の選択です。そして私もあなたも、なにも
選択できていない」
俺たちはとある仕事を請け負った。
依頼人はレンスバーグ咒装社の経営者、ダッドレイ。依頼内容は彼と息子ロスローズ、主
に後者の護衛。
一週間後に幼なじみでもあるショーゲル商会の令嬢、トゥーリとの結婚を控えているロスロ
ーズ。その身辺にちらつく、不審な影。
結婚を条件とした融資を受け、開発資金の増加のため苦しい社の経営を立て直したい。
そのためにも何としても不祥事を避け、この政略結婚を成功させたいダッドレイ。
会社の警備部門だけでは不安で、外部の俺たちを雇ったというわけだ。
だが、過去にダッドレイとの競争に敗れ、破産した復讐者たちによる襲撃の際。
それに乗じロスローズを誘拐したのは、あまりにも意外な人物。
社の警備部門に所属する女咒式士サヴィーニ。それが、誘拐犯の正体だった。
改めてロスローズ奪還の依頼を受け、逃げたサヴィーニの行く手を突き止めた俺たち。
だが、そこで交わされる2人の会話が、更に意外な真実を語る。
この誘拐を立案したのは誘拐されたロスローズ本人。これは狂言誘拐だった。
人知れず、2人は愛し合っていたのだ。
真に愛し合う2人が、全てのしがらみを捨てての愛の逃避行。確かに美談だろう。
人間としては、見逃すのが正しいのかも知れない。
だが、ここで彼らを見逃せば、当然ショーゲル商会からの融資は白紙。そうなればレンスバ
ーグ社の経営は傾き、190人の社員は路頭に迷う。
ロスローズを襲撃した、あの復讐者たちのように。
そして、俺たちはダッドレイにロスローズの奪還を依頼された咒式士。
すべきことは、ひとつしかなかった。
壮絶な戦いの結果。
俺たちに敗れてサヴィーニは死に、ロスローズは連れ戻された。
ロスローズ自身の計画した狂言誘拐、逃避行であったという事実はなかったことにされ、彼
は予定通りトゥーリと結婚した。──いや、させられた。
よき跡取りとして振る舞ってきたロスローズの、これは人生でたった一度の大きな賭け。
その賭けに、彼は敗れた。俺たちが、賭けを失敗へと追いやった。
あの結婚式の際、束縛と監視の世界からロスローズの見せた苦渋の表情を、俺は忘れる
ことができない。
そして、彼を抱きしめる花嫁、トゥーリが俺に向けた微笑みを。清純で汚れのない嘲笑を。
「アナタダケ、自由ニナドサセナイ」
俺には分からない。
俺の選択は正しかったのか。他に選択肢があったのか。
ただ、はっきりしていることがある。
ロスローズが束縛と監視の世界から、妄執にも似たトゥーリの愛から逃れることは、もう二
度とできないということ。
過去を覆すことは、決して叶わないということ。
信号が変わった。
苦い思いを振り切るように、俺はヴァンの加速板を踏み込んだ。
- 81 名前:◆m9n.GUILTY :2005/05/18(水) 15:15:58
>>73
教会の扉が開く。
現れたのは、純白の衣装を纏った男女。
腕を組み、幸せそのものの笑みを交わしながら階段を下りる2人を、居並ぶ参列者が投げ
かけた色とりどりの花びらが迎える。
拍手と歓声。花嫁が、参列者へ向けて手にしたブーケを放る。
どこにでもある、それでいて幸福感に満ち溢れた、結婚式の風景だった。
出張仕事から事務所へと帰還する帰り道。
信号待ちのヴァンの運転席からその光景を眺める俺。
助手席では、窮屈そうに身を屈めたギギナが屠竜刀を抱えて瞑目している。
「なあ、ギギナ」
「何だ」
「……いや、何でもない」
いつもなら皮肉の一つも返ってきそうな状況だが、珍しくギギナは一言も発しない。
もしかしたら、ヤツも俺と同じ事を思い出していたのかも知れない。
そう、結婚式の光景を眺めながら、俺は思い出していた。
先日遭遇した、ある事件のことを。
「彼を束縛から救いたい。それだけよ」
俺たちはとある仕事を請け負った。
依頼人はレンスバーグ咒装社の経営者、ダッドレイ。依頼内容は彼と息子ロスローズ、主
に後者の護衛。
一週間後に幼なじみでもあるショーゲル商会の令嬢、トゥーリとの結婚を控えているロスロ
ーズ。その身辺にちらつく、不審な影。
結婚を条件とした融資を受け、開発資金の増加のため苦しい社の経営を立て直したい。
そのためにも何としても不祥事を避け、この政略結婚を成功させたいダッドレイ。
会社の警備部門だけでは不安で、外部の俺たちを雇ったというわけだ。
だが、過去にダッドレイとの競争に敗れ、破産した復讐者たちによる襲撃の際。
それに乗じロスローズを誘拐したのは、あまりにも意外な人物。
社の警備部門に所属する女咒式士サヴィーニ。それが、誘拐犯の正体だった。
改めてロスローズ奪還の依頼を受け、逃げたサヴィーニの行く手を突き止めた俺たち。
だが、そこで交わされる2人の会話が、更に意外な真実を語る。
この誘拐を立案したのは誘拐されたロスローズ本人。これは狂言誘拐だった。
人知れず、2人は愛し合っていたのだ。
真に愛し合う2人が、全てのしがらみを捨てての愛の逃避行。美談だった。
人間としては、見逃すのが正しいのだろう。
だから、俺たちは2人を見逃した。虚偽の報告を行い、情報を握りつぶした。
その後、サヴィーニとロスローズの行方は杳として知れず、警察の必死の捜索にも関わら
ず、遂に彼らを見つけることはできなかった。
ショーゲル商会からの融資の話は白紙となり、資金繰りに行き詰まったレンスバーグ社は
倒産。190人の社員は路頭に迷うこととなった。
よき跡取りとして振る舞ってきたロスローズの、これは人生でたった一度の大きな賭け。
その賭けに、彼は勝った。俺たちには、彼の賭けを失敗へと追いやることはできなかった。
どこか遠い空の下で、束縛も監視もない世界で、ロスローズは微笑んでいるのだろう。
そして、彼を抱きしめる花嫁、サヴィーニもまた、夫へと微笑みかけているのだろう。苦悩も
翳りもない、清純な笑みを向けているのだろう。
「愛している。サヴィ、君を愛している」
俺には分からない。
これが、本当に幸せな結末なのか。
そんなものなど、はじめから存在しないのではないか。
ただ、はっきりしていることがある。
ロスローズが束縛と監視の世界に囚われることは、もう二度とないということ。
しかしその代償として、190人が不幸へと転がり落ちていったのだということ。
信号が変わった。
苦い思いを振り切るように、俺はヴァンの加速板を踏み込んだ。
- 82 名前:単眼の火葬兵(M):2005/05/21(土) 20:30:55
- 都市の下に張り巡らされた地下水道。普段は闇に閉ざされているこの場所に明りが灯った。
焔だ。銃のような物の先から出ていることから火焔放射器だと予想できる。
その炎に照らされて見えるのは宇宙服を連想させる耐熱服に身を包んだ人間。
「寒イ‥‥ サムイ‥‥ 寒イ‥‥ サムイ‥‥ サムイ‥‥ 寒イ‥‥ サムイ‥‥」
ゴツイ服のせいで外観から性別は判断できないが、声から男性だと分かる。
「コノ服キテ俺ノ体‥‥ “寒サ”消エタ “熱サ”消エタ “温カサ”消エタ
ソシテ心カラモ‥‥“熱サ”消エタ “温カサ”消エタ ナノニ‥‥ “寒サ”ダケ消エナイ
サムイ サムイ 心‥‥ サムイ‥‥
“908”ノミンナガイレバ 温カカッタノニ‥‥ ミンナ‥‥ モウイナイ
コノ服ヲ脱イダラ 崩レテ死ンダ 罠ダ 脱グナト言ッテ 死ンダ‥‥
会イタイ‥‥ ミンナニ会イタイ‥‥」
そして彼は火焔放射器を操作、燃料を供給し‥‥
「炎ノ中ナラ ミンナニ会エル ダカラ焼ク 人間ヲ焼ク‥‥
人間 焼ケバ‥‥ 少シダケ 心 温カイ」
暗い地下水道を紅蓮の地獄へと作り変えた。
- 83 名前:ガユス・レヴィナ・ソレル ◆IORGA/hKoE :2005/05/22(日) 21:35:54
>>82
受像器の電源を切る。
昼間からこんなB級ホラー番組を流す放送局の将来が心配だ。
まあ、放送局の方も、昼間から事務所の応接室でゴロゴロしてる俺に心配されたくはない
だろうけど。
目をやれば、そこには飽きもせずに愛用の椅子を磨くギギナの姿。
その手つきが、極上の美女の絹のような柔肌を愛撫するかのように繊細で丁寧なのは、俺
の精神的健康のために見なかったことにする。
「退屈だな。ギギナ、何か面白い自殺法で死んで、俺のヒマ潰しの種になる気はないか?」
「奇遇だな。突然貴様に面白い体験をさせてやりたくなった。
私の屠竜刀で体中に尻の穴を量産して、そこから糞を垂れ流しながら死ぬ自分の姿を、鏡
で見物するというのはどうだ? 今なら料金は負けておくぞ」
「わーい、そりゃ楽しそう。なんたって人生でたった一度の貴重な体験……って萌えるか馬鹿。
しかも有料かよ」
アホ臭い会話を打ち切り、もう一度受像器を点ける。
さっきの耐火服の怪人の姿が大写しに飛び込んできて、俺は一瞬動きを止めてしまった。
もちろん、画面の中で炎を撒き散らす怪人の姿にビビったわけではない。
その姿を見ているうちに、ふと脳裏に浮かんでくるものがあったのだ。
──化学練成系咒式士である俺は、当然だが練成系の爆裂咒式を用いることが多い。
炎と爆風を撒き散らす、破壊を象徴するかのような咒式。
中高位ともなれば、教会の礼拝堂くらい一撃で崩壊させる威力を持つそれらを向ける対象
は、無論命を持たない岩盤ばかりではない。
人類の仇敵たる〈異貌のものども〉。
そして、同じ人類である攻性咒式士たち。
炎と刃の嵐に飲み込まれ、血泥と肉片の塊と化す瞬間の、彼らの断末魔の表情。
何度となく目の当たりにしてきたそれを、俺は思い出してしまっていたのだ。
「またつまらぬことを思い返しているようだな。
大方、自分が殺してきた者たちの姿でも脳裏に浮かべていたのだろう?」
揶揄成分たっぷりのギギナの声で我に返る。
こいつに心中を見透かされるとは、実に不覚で不愉快だ。
受像器の映像を消しながら、それでもふと思い返す。
怪人の、哀調に満ちた台詞を。
──人殺しを生業のひとつとする俺たち攻性咒式士も、こいつと同類なのではないか。
そう思いながら。
- 84 名前:名無し客:2005/07/14(木) 15:06:06
- 12翼にも聖者を除いて性格破綻者しかいない・・・
というか、高位咒式士には変なやつしかいないのは、
され竜の仕様なんだろうか?
- 85 名前:名無し客:2005/07/16(土) 10:23:09
- BADEND
SADEND
DEADEND
どの結末が好みですか。
- 86 名前:名無し客:2005/08/28(日) 22:25:49
- 何の為に生まれて、
何をして生きるのか?
- 87 名前:名無し客:2005/09/13(火) 13:33:54
- 御自分に説明書をつけてみてください。
参考
子供に説明書をつけるとしたら
http://life7.2ch.net/test/read.cgi/baby/1107828986/
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