■ 【繭・小石の道を歩く夢】灰羽連盟総合スレッド【一刻館】

1 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/04/18 23:10
前略、どうも、レキです。
好きな教科は歴史、好きな暦は太陽暦。
年を食ったと思ったら――そう、還暦!

――無理ありすぎだって、この>>1……。




なので、正式な何やかんやは>>2辺りからにしよう。

2 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/04/18 23:13
(おもむろに煙草をくゆらし)
さて。何から話そうか……。

私の名前、はもういいね。――ああ、背中の羽、気になる? それに頭の天辺の輪っかも。
天使みたい、って思うかもしれない。でも別に飛べたり、特別な力がある訳じゃない。
その点、人間と変わらないんだ、私達は。
でもやっぱり人間じゃなくて、天使でも無い変な生き物。
灰羽(はいばね)って、そう呼ばれてる。それが私達。

ここはそんな私達、灰羽の物語――『灰羽連盟』の総合質問雑談スレってことで、前口上の
代わりにさせて貰うよ。

3 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/04/18 23:15
名無しに他所のキャラハンさん、お客は誰だろうが大歓迎。原典がある人は、メール欄にでも
書いておいてくれたらいいし。
age・sageもお好みで。別に堅苦しい場所じゃないから、気軽においでよ。
とはいっても、お客同士で長々と盛り上がるのだけは、ちょっと勘弁して欲しいけど。

で、何時もいて、お客さんの相手をするのは私達、グリの街の連中の役目だね。
ネムにヒカリ、カナにクウ、それに――ラッカ。
オールドホームのみんなも来てくれたら、嬉しいよ。――いや、別に話師のじいさんだって
歓迎だけどさ。けっ。

それくらいかな。他には……何かいっとく事、あったっけ。
荒らしだのどんぱちだの、過度にやらしい質問だのは禁止なんて、今更だろう?
常識、常識。


最後に一応紹介しとこう。公式ホームページってやつらしい。

公式HP
ttp://www.geneon-ent.co.jp/rondorobe/anime/haibane/index.html

4 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/04/18 23:17
じゃあ、これ。履歴書代わり。
……いや、もう洒落じゃないってば。


名前 :レキ(礫)
年齢 :灰羽歴七年。人間でいうと十八、九歳くらいじゃないかな。
性別 :女だよ。
職業 :オールドホームで、ちびどもの面倒をみてる。保母さんみたいなもんだね。
趣味 :絵を描くこと。風景画中心。
恋人の有無 :……いないって。
好きな異性のタイプ :さあ……。あんまり裏表のない奴、とか。
好きな食べ物 :これといって。そうだね、甘いものを作るのは得意だよ。食べる方も。
最近気になること :うちの新生児、ラッカの事。色々悩んでいるようだから……。
一番苦手なもの :人参は目をつぶれば食えるんだ。こういうの、苦手とはいわないよな?
得意な技 :うーん、絵かな。
一番の決めゼリフ :はは、いってみたいかも、何か格好いいの。
将来の夢 :――私にも、いつか巣立ちの日が……ごめん、何でもない。忘れて。
ここの住人として一言 :取り合えず、よろしくお願いします、と。
ここの仲間たちに一言 :無理は禁物。いいね?
ここの名無しに一言 :ま、ゆっくり一服していくといいよ。
 

5 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/04/19 00:45
(灰皿に煙草の灰を落としながら)
ま、店開き早々にやる事も、あんまりなかったりする訳で。


さーて、どうしたもんだろう。
詳しい自己紹介より、まず灰羽について、何か説明した方がいいかもしれない。
だってここは壁の外だし、そうなると普通、あたし等のことなんて知らないだろうし。

――ああ、あたし達の住んでるグリの街は、高い壁に覆われていて出入り禁止でね、外の
世界がどうなってるのか、確かめた者はいないんだ。
いや――どうなんだろう。ここが本当に外の世界なのかどうかは、あたしにはわからない。
多分、誰にもわからない。
……ま、いいか。それより灰羽についてだ。


灰羽ってのはね。最初に小さな種子として、グリの街にやって来る。
やがて種は芽吹き、一抱え以上もある大きな繭に育つ。
灰羽はその繭から生まれるのさ。勿論、あたしもそうやって生まれたんだよ。

年格好は人それぞれ。大体五、六歳から十ニ、三くらいまでの間かな。
ただ、みんな記憶はない。
元いた場所も、家族のことも、自分の名前も――もし本当にあったら、だけど――全部忘れて
しまっている。

そして、失った過去を思い出すことはないんだ。絶対に。

 

6 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/04/19 00:48
そうなると、一生名無し卸じゃないのかって思うかもね。その辺り、自然の摂理ってのは
よくしたもんだねえ。
灰羽は繭の中で夢を見るんだ。その夢が自分の名前になる。

例えばオールドホームの仲間のヒカリは、真っ白な光の中にいる夢だったんだって。
だから光(ヒカリ)。
ラッカは空を落っこちる夢。で、あたしが落下(ラッカ)って名付けた。
こんな具合に。……今、安直だっていったやつ、誰だおい。

え、あたしの夢?
(暫く黙ってから煙草を消す)

――スレタイにもした通りだよ。夜中、小石だらけの道を歩いていく夢。
だから石ころの、礫(レキ)。

7 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/04/19 01:20
うん。
あたしの夢は置いておいて、と。


生まれた時には、灰羽には羽も光輪もない。
羽は一日おいて、ぐらいかな。背中の肉を突き破って生えて来るんだ。
痛いよ。当たり前だけどね。

光輪の方は、大体その前に授かることになってる。
あたし達の面倒をみてくれる団体で――作品名にもなってる「灰羽連盟」から、ね。


ざっと流すとこんな感じだけど……ぼやぼやと一人語りするのも、虚しいっちゃ虚しいなあ。
お客が来ないと辛気臭くていけないね。賑やかしがないから。
まあ、始めってのはこんなもんか。煙草吹かして気長に待つさ。

8 名前:名無し却:04/04/19 23:42
今は何か絵を描いていますか?どんな風景ですか?

9 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/04/20 00:33
>>8(何か絵を描いてる?)
――うわおっ、客が来たっ!?
い、いや、驚く事じゃないんだけどさ、一、二週間はぼけらーっとしとけるかなーとかさ、
けしからんこと、考えてたから。……あはは、ごめんごめん。


ああ、絵の話だったね。
あたしは油絵専門で……といったって、絵の具をこね回してるだけ。
ただのスケッチくらいなら日記帖に描いたりもするけど、ちゃんとした作品は、今は準備中。
グリの街も春めいてきたし、毎年のことだけど、新しい季節に逢うのは世界が違って見える
ものだから。きちんと筆を取りたくなるね。

近所の風の丘あたりで、って思っていてね。風力発電の風車が幾つもある所なんだ。
割合やかましいけど、構図としては捨てがたいんだよな。


でも、いいもんだよ、描くって。
なんていうのかな。頭の中でこういってる自分と、紙の上に表現した自分とをさ、話し合わせ
たり、折り合いつけさせたりして、そして確かな『何か』を生んだ時、『何か』を俯瞰する時
ってのは、上手くいえないんだけど――心がね。
動くんだ。今まで知らなかった場所へ。

その動いていく感触が止められないから、多分あたしは絵を描くんだ。

10 名前:名無し客:04/04/20 03:28
こんばんは。
グリの街の見所を少しだけ、かいつまんで教えて下さい。

11 名前:名無し却:04/04/20 13:49
好きな芸術家やゲージツ家はおりますか?


12 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/04/21 02:12
ふう。今日はまた、随分な陽気だったなあ。そろそろ衣替えだもんね。
今年も、ちびども引き連れて古着屋遠征だよ。やーれやれ。


>>10(グリの街の見どころ)
やあ、いらっしゃい。一晩遅れちゃったけど、こんばんは。

見どころ、と訊かれちゃあお国自慢を……と張り切るところなんだけど。
結論からいうと、あんまりないね。

いや、暮らす分には、落ち着いてて住み良い所だよ。でも特に目を引くような場所とか
ある訳でもないし。――はは、こりゃ別の意味であんまりだな。
じゃ、軽く案内してみようか。


今、住み良いっていったけど、グリの街のいい所はこれかもしれない。快適さってやつ。
便利さ、ということじゃない。居心地のよさだね。
古い物って、不思議な懐かしさがあるだろう? グリの街にも、そんな手に馴染んだ
ような雰囲気がある。……古ぼけてるだけ、とかいわないよーに。

総人口が何万か何十万かは知らんけど、中心部の街並みは綺麗で穏やか。背の高い建物も
派手々々しい看板もない。ゆったりと心を配って街づくりをしてるって感じが、居心地の
良さを生むのかもしれない。
その周りには農業区域や丘陵、森があって――ここいらも、のどかで美しいよ――その更
に周りで、高い壁が全域を囲んでる。これが大体の景観だね。

街に目を戻して名所を探すと、ああ、灰羽仲間のカナが働いてる時計台があった。
中央広場にある、街一番高い建物だから最上部からの眺めは格別だ。あそこの親方は頑固
だけど気のいいおっちゃんだから、風向きを見計らえば、中の見学もさせてくれるよ。

――結局、かいつまめずのだらだら語りになっちゃった。
ま、もしあなたがグリの街に来ることがあったら、町外れのオールドホームっていう建物
を訪ねるといい。灰羽の巣、つまりあたし達の家なんだ。
ロハで、ゆっくりガイドしてあげるからさ。

13 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/04/21 02:16
>>11(好きなアーチストは?)
オカモト・タローは好き。図書館にあった画集で見たんだ。

ああ、グリの街にも図書館はあるよ。仲間のネムが勤めてる所で、ここの――というか、
グリの街にある本は、外からやって来る交易商人のトーガが扱う品の一つでね。
つまり、壁の外で書かれた作品ってわけ。――トーガってのはまた、全く正体がわからん
連中なんだけど、まあこれはいいや。

オカモト・タローは、すごいよ。
絵を描く時には心が動く感覚があるっていったけど、この人の作品に触れると、自分がどこへ
押し流されちゃうんだって、ただもう驚いてしまう。
それも一直線の流れじゃなくて……色々な要素が矛盾したり対立したりしながら、決して
混ざらずに――しまいには破裂しちゃうような興奮。
……どうも上手くいえないな。なんていったら――ああ、そうだ。あれだよ。



爆発だ。



あら?

14 名前:名無し却:04/04/21 17:19
特別に、好きな色ってありますか?

15 名前:爆発に巻き込まれた名無し却:04/04/21 19:21
羽は肉を突き破ってでてくるものだったのですか!
出血も相当なものでしょうか。

16 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/04/22 04:28
(大あくびを噛みころす)

ネムじゃなくても眠い時間だな、流石に。
……あ、ごめんね、煙くない? ずっと吸いっ放しだったからね。
ちょっと窓開けようか。
――うん。良い、夜風だ。


>>14(特に好きな色は?)
白と黒を混じらせて出来る色さ。
charcoal――つまり灰色。

灰羽だから灰色好きかよっ――ってつっこみ入れた奴。
正解と書いて、読みは「ぴんぽーん」だ。


はは、自分の体で一番目立つ色だから、じゃないよ。
灰色ってさ、積極的にいいイメージ、ないよね。「曇り空」とか、「老い」とか。
後は「死」とか。
でも灰色は、闇ほど黒すぎ、光ほど白すぎはしない。偏ってないだろう?

どっちつかずかもしれない。宙ぶらりんかも。
でもそんな所も含めて、不思議にあたし達らしい気がするんだ。人間じゃない、天使でもない
あたし達に相応しい色なのかなって思う。

黒くも白くもない灰色が、だからあたしは好きだよ。

17 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/04/22 04:32
>>15(羽が生える時には)
肉を突き破ってでてくるものだったんだな、これが。――ちょっとちょっと、頭がカミナリ様に
なっちゃってるじゃない。大丈夫?
病院……いや、もう床屋だな、それ。ご愁傷様。

ああ、羽が生える時ね。出血するといっても、そんなにひどいもんでもない。床一面血の海に……なんて
ことにはならないよ。ベッドのシーツは取り替えなきゃ、ってくらい。

出血はその程度だけど、痛みはきつい。前後には少し熱も上がるし。
産みの苦しみって言葉があるけど、この場合、産むのも産まれるのも自分だ。
灰羽という、新しい自分を創る一環なんだ。

そうそう、血糊と脂がべったりついた羽は綺麗に洗っとかないと、後で染みになっちゃう。
少し前、ラッカって新生児が生まれた時は、あたしが一晩中羽を梳いてあげたんだ。
だから今、ラッカの羽は良い灰羽の色だよ。

黒くも白くもない、とても――とても綺麗な灰色。
祝福された灰羽に相応しい色、さ。

18 名前:名無し却:04/04/22 15:46
カエルに見立てられても平気ですか?

19 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/04/22 23:58
風が、速いね。
……明日は雨かな。


>>18(見立て殺人! 「古池や――」の発句に隠された哀情の連鎖!)
カエル? ……ああ、この前、クウが買って来た置物か。カエル一家の。
あたしは確か、ちょび髯生やした父ガエルだったっけ。
全然平気さ。可愛いじゃないか。

どっかのアンティークショップで見つけたとかいってたな。
父ガエルに母ガエル、それに子ガエル達と、ちょうどオールドホームの年長組と同じ数なんだ。
そのカエルそれぞれに、みんなの名前が割り振られてて……あれがやりたくて買ったんじゃないか、
クウのやつ。ふふ。

しかし配役のチョイスがよかったね、あれ。
気持ちよさそうに寝てるやつを、寝ぼすけのネムじゃくてカナに持ってきた辺りがさ。
ヒカリガエルはやっぱり眼鏡だし。


――いや、まあもし他の連中が白鳥とか鹿とか格好いい動物に当てはめられてる中で、あたしだけ、
あたしだけがカエルだったらだよ。
「怒ってない、怒ってないからこっちおいで」って反省室に連行して、腹割って話さなきゃあ
いかんけど。

20 名前:名無し却:04/04/24 20:05
輪ッかに触ると感電したりしますか?

21 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/04/25 17:20
グリの街を抜けるとグラの街であった。夜の底が灰色になった。


――い、いや、さっき、ちびどもにねずみの絵本を読んでやってたら、ふとね。
何だか思いついたフレーズだったもんだから。
……疲れてんのかなあ。ちょっとageて、気分を換えるか。

>>20(輪っか、発電してるん?)
はあ? ……あのな、あたしら人間ダイナモかっつーの。
ん――むむ。

――いやー、よく知ってるじゃん。
灰羽の光輪はね、常時十万ボルトの電流が発生してるから、うかつに触れちゃ駄目だよ。
なんの因果だか知らないが、おかげでブラシをかけるのも一苦労さ。
月に四、五回――オールドホームの朝に「くむぬう」だの「ぽけこ」だのと凄まじい絶叫が
響き渡るのは、櫛の具合を誤った奴が出た証。

こんな体だから、血気盛んな灰羽の中にはゲームに使う連中もいる。
二人で、不安定な足場の上に立つ。針金を1本ずつ持って、互いの輪の中に挿し入れる。
で、光輪には触れずに円を描ききった奴の勝ち。
どっちかが閃光とともに自分の骨格をあらわにするまで、戦いは終わらない。
アドレナリンの続く限り何日でも、何週間でもね。

懐かしいね。あたしもよくやったよ。
しかしネムにゃあ勝てなかったなー。

22 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/04/25 17:21
(つんつんと、自分の光輪をつつきながら)

いっつ・ぐりあん・じょーく。
信じるんじゃないよ。

23 名前:名無し却:04/04/25 21:17
>>6
> 夜中、小石だらけの道を歩いていく夢。

裸足で?

24 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/04/26 02:45
>>23(こんな夢をみた)
足の裏にあたる小石がごつごつしてた……ような気がする。
だから、裸足だったんだと思う。
――ごめんね。あまりよく、わからないんだ。

夢ってのは大抵ぼんやりしたものだろうけど、あたしのもきっちりと思い出せなくって。
まあ、そんなものだろう、夢なんて。

25 名前:◆xRtREKI.VQ :04/04/26 02:50
(レキの日記より)
※月○日


今日、ある人に繭の夢について聞かれた。
私はきちんと答えなかった。夢の内容と同じように、曖昧に応じることしかできなかった。
答えられる筈がない。
だって私は私の夢を思い出せないから。正確な形では。

繭の中でだけじゃない。生まれて七年間、繰り返しあの悪夢を見ている。
昨夜だって見た。悲鳴を上げて目を醒ます、お決まりのパターン。
けれど思い出せない。説明不可能な苦しさだけが、じっとりと嫌らしく残る。


何度も何度も、私は私の夢を絵にしてやろうとした。
駄目だった。
何枚描いても絵は絵として像を結ばず、最後まで再生できた試しはない。
ただの夢でないことには――他人に理解して貰えるものではないが――不思議な確信がある。
あの光景には意味がある。
恐らくそれは、常にぼんやりと、またある瞬間ははっきりと感じる名状し難い罪悪感の原因だ。

私は、罪人なのだ。


そうだ、描くのではなく、書いてみようか。
絵筆ではなくペンでならば、異なった捉え方が出来るかもしれない。

26 名前:◆xRtREKI.VQ :04/04/26 02:53
あの夢に始まりはない。
ただ、とても暗い。それで私は何時もの世界なのだと覚る。

空には月がある。
でも、変に赤い月明かりは行く先を照らしてはくれない。
空気に温みはない。
風が頬を切る。ひどく寒い。
震えながら、私はそんな道を行く。石ころだらけの道を歩き続ける。そして、


とても悪いことが起こる。


それは厭で、恐くて、哀しくて、怖くて、決して許されないこと。
それはわかる、それだけは。けれど――。

――駄目だ。文字に綴っても、それが何なのかは見えてこない。
私は何をした? 何の咎を犯した?
答えは出ない。七年前、最初に泣いた晩と同じく。
もう涙は出ないけれど。

何時まで、私はこの同じ場所を回り続ければいいのだろう。
何時までも、なのか。私のような罪憑きは、皆そうなのだろうか。

クラモリ、私は


(書きかけた文字は乱雑に消されている)

27 名前:名無し却:04/04/27 03:01
例えようのない不安を解消する為に、何か具体的な行動を起こす事ってありますか?

28 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/04/30 02:16
ごめんね。ちょっと立てこんでて、留守にしてた。
とはいっても、ここの時間の流れ方はグリの街くらいゆったりとしてるから平気かな?
……平気だといいんだけど、ねえ。

>>27(行く手にあるもの・選べる道・選んだ道)
……割合と抽象的な事を聞くんだな。
そう、だね――。

(煙草が半ば灰になってから、口を開く)

――あたしの場合なら、あるよ。あった、というか。

もし、そういう状況になったとしたら、人は何らかの行動を選択しなきゃならない……とは思う。
誰の人生の、どんな瞬間だってそうだけどさ。
逃げるのか、立ち向かうのか。
或いはそのまま何もせず、不安に押し潰されてしまうのか。

やり様はある筈だ。何を選ぶのか、どう行うのかは十人十色。
でもそれは、自分自身でしなきゃならないことだと私は思うよ。
――え? あたしはどれを選んだかって? さあね。どうだろう。
わからないんだ、自分でも。

29 名前:◆xRtREKI.VQ :04/04/30 02:22
(レキの日記より)


(スケッチが描いてある。森の中で遊ぶ灰羽の子供たち)
(一人の子供が、木の梢から落ちかけている。スライディングでその下に突っ込む少女の図)

今日は年少組の課外授業。要はピクニック。
近くの森へ行った。ラッカと、仕事が休みのヒカリとクウも手伝いに来てくれた。

ダイとショータがまたケンカする。口論の内容は「羽で飛べる」「いや飛べない」だって。
挙句に、飛べる派のダイは自説を証明しようと木の上からジャンプ――というか落っこちる。
慌てて飛びつき、寸での所でキャッチに成功。ダイに怪我はなかったが、私は肘を少し擦りむく。
ちょっと目を離したと思ったら、やれやれ……。ほんと、おばかなんだから。

(最後の行の文字が、やや滲んでいる)


何だろう、久しぶりに涙が出た。
そんな気はなかったのに。

30 名前:◆xRtREKI.VQ :04/04/30 02:26

慣れたと思っていた。
罪悪感を晦ます日々には、もう心が麻痺しているのだと。

人間なら、良い子にしていれば褒められる。普通の灰羽は、祝福された良い灰羽だ。
では、そうではない灰羽が、良い灰羽になるには?
繭の夢を思い出せず、黒い羽で生まれた「罪憑き」が祝福を受けるにはどうすればいい?

私は、人の役に立とうと思った。
幼い子供らの面倒を見て、仲間の力になるよう努力した。
黒斑を覆う染料を毎日羽に塗るように、そうしていれば自分の罪深さが隠せる気がしたから。
神様でも何でもいい。けどそうやって人の為に尽くしていれば、いつか誰かがやって来て、この
罪の意識という澱を洗い流してくれるのではと、そう信じた。そう願った。


子供達は可愛い。仲間達は大切だ。
特にラッカ。
愛しいあの娘の繭が生まれた時、私は彼女を守ると自分に誓った。
ラッカ達の悲しい顔や苦しい顔なんて、絶対見たくない。私がさせやしない。
ああでもそれは――詰まる所、見返りを求めてるんだ。
最初がそうだったように、私は何も変わってはいない。

子供達の為、仲間達の為、ラッカの為。
「偽り」とは人の為と書く。私のしていることは、ただの偽善でしかない。
始めに覚悟したことだ。考えないように、考えないようにと努めていただけで。
でも辛い。心は空っぽにしている筈なのに、何も知らない皆の顔を見るのは辛い。

皆への笑顔や労わりの裏で、私の心はこんなにも薄汚いざまを晒している。
羽の斑と同じ色。誰にも見せたくない色。


吐きそうなほど、黒い。

31 名前:名無し却:04/05/02 03:04
絵を描きたくなるとき。
絵を描きたくないとき。
絵がどうしても描けないとき。

それぞれのシチュエーションを教えて下さい。

32 名前:名無し却:04/05/03 01:21
ひとが飛ぶために、あと少し足りないものといったら、何だと思いますか?

33 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/05/03 18:44
やー、昨日は参ったよ。
年少組のショータが風邪引いちゃってさ。寝る時に布団を蹴っ飛ばしてたらしい。
昨日今日と涼しかったからね。皆も気をつけて。

>>31(描くという欲求)
描きたくなる時――これは単純で当たり前だけど、描きたい対象に逢った時。
どんなものかというと、それはどう仕上がるか読み辛いもの。人でも景色でも。

慣れてくると、絵をどう描いていくかってのは、何となくコツが掴めるようになる。
技術の経験値がたまる訳。
勿論これは必要なことなんだけど、ただそうなって来ると、頭の中にある形や色をキャンバスに
出す時、要らない誇張や飾りが混じり易くなる。
技術に頼りすぎてしまうんだね。
上手い絵にはなるかもしれない。けど、それは良い絵ではなくなってしまう。

ただただ描いていた初めの頃は、何かを生むために自分の心を動かすことに、然程苦労しなかった。
稚拙な分、純粋さがあったと思うんだ。
そうだった時を忘れないように、と描いてはいる。でも中々難しくて。
描き難い対象だと、緊張感や挑戦心ありで、昔に近いテンションで臨める。
だから良いんだ。

特に美しかったりする必要はないさ。通りすがりの垣根だって、裏道への入り口だっていい。
そう、道ばたの石ころだって。
今まで描いたのを思い出してみると――オールドホームやグリの街での日常、みたいな風景が
多いかもしれない。
見慣れているから、かえってどう表現するか難しいし……まあ結局、好きなのかな。
この街も、仲間達のいる所も。


――あーあーうん、えへんえへんっ。
な、何か喉がいがらっぽくて。こりゃショータの風邪がうつったかな。

34 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/05/03 18:47
>>33の続き

描きたくない時は――これまた単純に疲れてる時。
しんどい作業だからね。体力にしろ気力にしろ、充実してないと良い物は出来ないし。
ま、疲れてるのに、どうしても今描かなきゃって、変にボルテージ高くなる時もあるけど。
でも大抵、こういう時は三番目の答えの方になっちゃったりする。
つまり、どうしても描けないんだ、やっぱり。

――こいつは、本当に自分が描かなきゃいけないものを描く時、だからかな。
一対一で、深く深く自分自身と語る。それはとても辛いことでもあるから――。

ん? ああ、今まで以上に具体的じゃないね。
当然。はぐらかしてるから。


あんまり、声を大にしていいたいことじゃなくて、さ。察しておいてくれると助かる。
……すまない。

35 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/05/03 18:55
>>32(飛翔・見知らぬ空・あと一つの何か)
スプーン一杯の愛情じゃ……あ、こりゃ料理の秘訣だったっけ。


飛ぶには、かあ。
それは信じること、じゃないかな。自分は飛べるんだって、そう、信じること。

例えば鳥は、多分自分が飛べることを疑いもせずに飛んでると思う。
あたし達が息をしたり、立ったり歩いたりするように。
信じる、と気負うんじゃなく、ごく普通にすることなんだろう。彼らにとってはね。

飛べないあたしらがここまで想うのは……ちょっと難しいか。でも、それこそさ、信じていれば
いつかはって、そう信じたいじゃない?
人生、何かを信じてやっていれば、十割は無理でも六、七割はこなせるもんさ。
飛ぶのは無理でも、ふわふわ浮く位なら大丈夫かもしれないよ。

それでも駄目な時は、そうだね。背中をちょっと後押ししてくれる誰かがいれば、飛び立……。
――。


いや、駄目だ。
私は足手まといにはなりたくない。それに、そんな資格なんか――。


……あ、いや。な、何でもない、何でも。
独り言、独り言。
まあ、灰羽だって本当に飛べる訳じゃないから、大したアドバイスは出来ないよ。

36 名前:名無し客:04/05/06 22:45
空を飛べたら自由を手に入れられるのでしょうか・・・
心の自由というものを。

37 名前:名無し客:04/05/08 01:46
路傍の石と聞いて、何を連想しますか?

38 名前:◆xRtREKI.VQ :04/05/09 02:59
(レキの日記より)


ちびどもを寮母の婆さんに任せ、街へ買い出しに。ネムを荷物持ちに付き合わせた。
ついでにいつもの古着屋へ寄る。

年少組の夏服一揃いについて依頼。店主の兄ちゃんの確約を取りつける。
自分の買い物もと思ったけど、品揃えが前来た時と大して変わらなかった為、止す。
何でもお古のみ、が灰羽の鉄則ではあるが、しかし服ぐらい新品着たって構わないだろうに。

ネムは妙な服に心そそられた風情。止めさせる。
……サバトでも開くつもり?


(おっとりした容貌の灰羽の女性が、「宇宙人民服」とロゴ入りの雨合羽みたいな服を着てポーズを
取ったりしているスケッチ)

39 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/05/09 03:03
>>36(自由の鳥)
自由を得るのに、何も本当に飛ばなきゃならないって法はないだろうけどさ。
飛んで手に入るのは自由じゃない。それもあるけど、それだけじゃない。

考えてもみなよ。例えば鳥。
羽のある生き物は、確かに飛ぶ自由がある。彼らはどこへでも行けると――少なくとも、そう空想する
余地は大いにあるね。
けど、彼らにも失ったものがある。
飛べることで、鳥は大地に住むという選択肢をなくしてしまっただろう?
何かを得れば何かを失うんだ。バランスシートだよ、世の中。

心の自由も同じ。
どんな形にしろ、自分とつながっている誰かを振り捨ててしまえば、あなたは飛べるかもしれない。
飛んで自由を得れば、そこは制限もなく、平穏であるのかもしれない。
でも、同時に寂しくて孤独な場所だ。

誰もいない空を一人舞うことは、幸せだろうか?
それでもあなたは飛びたい?


止した方がいい。
私からは、そう忠告しとく。

40 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/05/09 03:06
>>37(石ころ・STONE・山本有三)
かしましく靴音が行き交う道。
石が転がっている。
つまらない石。変哲のない、ただの小石。

ふと、誰かの爪先が石を蹴る。
蹴った者はそれに気付かない。回りの人々も。
あたし――じゃない、石ころは転がる。誰も注意を払う者などいない。皆、気にも留めない。
転がり続け、そして小石は川に落ちる。

ささやかな波紋が水面に広がって、すぐ消えた。
それでおしまい。



――浮かんだのはこんな風景。

41 名前:名無し客:04/05/09 23:13
利益を得たら、失うものは何ですか?

42 名前:名無し客:04/05/10 00:33
自分の心象風景を描くときに、必ず画面に登場するモノってありますか?

43 名前:名無し客:04/05/12 07:08
『外』はどんなものだと考えてますか?

44 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/05/13 02:19
……何だか、また空模様が怪しいね。
やれやれ、久しぶりに綺麗な薄緑の空になると思ったんだけど。

>>41(売上・損失・等価交換)
まず懐からなくなっているのは、その利益を得る為に必要だったものじゃないの。
何にしろ、先行投資は要るでしょ。

これはまあ、当然だね。
しかし、謎かけみたいなことをいう人だな。
「利益を得」ているんなら、物理的な収益にしろ精神的な充足にしろ、どちらかはある訳だろう?

ああ、でも……それを得たことで、その人自身が変わってしまうことはあるか。
例えば権力。
人が変わるっていうじゃない、それもあんまり良くない方向に。
他には、知らなくて済む、知らない方が良い知識とかも。
他人の本当の気持ち――なんてさ。

こういう「利益」――といっていいのかどうか――を得た場合、失うのは「以前の自分」、要するに
「以前の自分の考え方」なんだろうな。
得たのか、失ったのか。
それは捉え方次第かもしれないけどね。

45 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/05/13 02:37
>>42(昏い夜・失った夢・礫)
あたしの心象風景、といったら、

(無言で煙草一本を灰にして、漸く)


――夢、だね。
繭の夢だ。生まれる前に見ていた記憶の欠片。
ただ、あたしはその大事な部分を取りこぼしているんだよ。

小石だらけの夜の道を歩く夢だって、前にいったと思う。
大体はね。それは、こんな風景。


凍てつく夜気。血の色をした月。
硬く、冷え冷えとした小石の連なり。


一人ぼっちで、私はそういう夜を歩く。
何度も見てるから、それはわかる。――うん、生まれてからも、繰り返し見てるんだ。
断片的にはそれだけなんだけど、それだけじゃない。
その後、何かが起きる。
良くない何かが。


そこを描くことが出来ない。どうしても、思い出せなくて。
繭の夢を正しく思い出せない、私みたいな灰羽を「罪憑き」といって――たまに生まれる。
呪われた灰羽が、ね。

罪憑きの羽は灰色じゃない。生まれた時から、黒い斑がある。
染料で誤魔化しているだけなんだ。私もそうさ。
何故、罪憑きなんてものが生まれるのかはわからない。誰も知らない。
私にわかるのは、これは呪いだということ。
私には、良い灰羽に授けられる祝福はないのだ、ということ。

しかし、何とも暗い心象風景だね。そう思うだろう?
私だって、そう思うから。
フフッ……呪われた出来損ないの夢としちゃ、相応だよ。


あ――ごめんね。
辛気臭い話、長々としちゃって。
ほら、他人の夢の話はつまらないって、よくいうじゃない。
あんたが変なこと、聞くからだよ。はは、は――。

46 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/05/13 02:40
>>43(絵を捨てよ、街を出よう)
グリの街の住人なら、多分一度はそれを考えるよ。
壁の外はどんな所なのかってね。

風俗や習慣についてはお手上げ。正直、想像がつかないから。
ただ、外の世界からもたらされる交易品から察すると、天と地ほどかけ離れてるって訳じゃない――
のかな?
そりゃ大いに違うとしても、鳥と魚くらいの差じゃないんじゃないかと。
ま、あくまで推測。

でも、どんな所であろうとね。
そこは人の世界なんだと思う。
泣いたり笑ったり、悲しんだり怒ったり。一生懸命生きてるのも、そうでないのもいる。
人がいる場所だろうって、そう思う。

あたしみたいな、どうしようもない人間もいるだろう。
ひょっとしたら大勢だろうか。グリの街が穏やかな所だからって、他もそうとは限らないものね。
けど、仲間達みたいに優しくて、強くて、素敵な人間だっている。きっと。

――と、あたしは願ってるよ。

47 名前:名無し客:04/05/13 20:04
のっぴきならない事態になって聞こえてくる歌や音楽は?

48 名前:名無し客:04/05/14 02:32
ふと、家族や、仲間の絆を感じるときって、どんなときでしょうか?

49 名前:名無し客:04/05/16 03:47
もし、何処からか、そう本当に最初から物事を、人生をやり直せるとしたら、望みますか?
勿論、今ある物は全部、思い出も失います。

50 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/05/17 00:55
>>47(危機一発・スーパーピンチ・お元気ソング)
本当に抜き差しもままならないと、歌や音楽なんて、脳内でかけてる暇もないんじゃない?
こう、瞬間的な事態だとってこと。

あたしの場合だと、前にスクーターでこけそうになった時。
確か雨の日だったな。スリップしかけて車体が大きく傾いた時は、歌も音楽も聞こえなかった
ように思う。
逆に音が消えたみたいだった。
一瞬――妙に長い一瞬だったよ――雨音がね、途絶えてた。
まあ、大事には至らなかったけど。

そういう瞬間的な事態じゃないと――ああ、あったあった。不思議な曲が聞こえてきたこと。

大分前、ちびどもがね。クレヨンで教室を壁画だらけにしちゃったことがあったんだ。
あれには参った。
掃除をどこから手をつけよう、と考えるのをちょっと止して、のろのろと煙草に火をつけた時、
頭の中でリフレインしてたなあ。
とてもうらぶれた曲。あれ、なんてタイトルなんだろう。
いつだったか、街の広場でギター弾きが爪弾いてて……こんなメロディだったな――。

(低く静かにハミング)


ttp://www5f.biglobe.ne.jp/~futakoz/versoj/v-folksong/sekishoku.htm

51 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/05/17 01:10
おっと、挨拶もなしで悪かった。今晩は。
ついでに少し空けちゃって、あはは。
――笑うとこじゃないな、ここ。嗤う所。

>>48(寄り添い・つながり・帰るべき場所)
絆、とかさ。大袈裟に大文字で語ったり、目と目を逸らさずひし! と手を握り合ったりする
ような状況って、ええと、その、うーん。
……こっ恥ずかしくないか?

――ああ、普通の生活でやるから可笑しいんだ。
波乱万丈絢爛豪華、かてて加えて驚天動地な物語とかなら、する方も見る方も違和感ないか。
生憎と、グリの街の日常は静かなものなんだよ。そういうのとはちょっとご縁が遠い。

劇的に確かめ合う絆ってのは、だからないけどね。
普段はわざわざ思い出す必要もない、でも思い出した時、ふっと暖かみを感じられる時はあるよ。
それは皆が揃ったいつもの食卓だったり、日曜日に行く買い物だったり。

うん。ごく些細なことさ。
けど、そういうつまらないことが、家族や仲間との絆ってやつじゃないかな。
構えたりする必要のない、優しい時間の積み重ねで作り作られると思うんだよ。

52 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/05/17 01:33
>>49(リセット)
元々が、あたし等は何もかも失って、灰羽っていう新たな生き方を送ることになったんだし。
二度も望むのは欲張りってもんだよな。
ただ――あたしも、随分と色んな間違いをしてきたから。
そう、随分と。

だからやり直したいって思うこと、あの時に戻れたらって願うことは、いくらでもある。
半面、もしそんなことが叶ったらと考えると、無性に怖いんだ。
また同じ過ちを犯してしまいそうで。

何度生きたって、人は同じ生き方しか出来ない。そんな風にも考える。
あたしがあたしであるならば、特にね。
人間なんて、中々変わらないもの。良しきにつけ悪しきにつけ。


第一、その仮定だと思い出なんかもなくしちゃうんだろう?
そいつは勘弁。オールドホームで過ごした時間を捨ててまで、生き直したくはないさ。
それこそ「絆」ってのをなくしてしまうのはね、一度で充分だよ。
二度は、多すぎる。

53 名前:名無し客:04/05/18 13:45
あなたが「これは本物だ!」と思った相手を一人あげてみてください。

54 名前:名無し客:04/05/19 04:06
世界が回る音を聞いたことはありますか?

55 名前:名無し客:04/05/20 16:55
罪科を背負いながらも貴方を動かしている原動力は何でしょう。

56 名前:名無し客:04/05/21 17:03
誰かのために尽くしてますか。

57 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/05/30 22:17
なんだか、外の世界は暑かったんだって? 大変そうだなあ。
こっちは夏もそんなに気温が上がらないから、実感としてはよくわからないんだ。

――なぁんて、さり気なくお天気話をしつつ、さり気なさを装って遅れた返事をする訳で。
申し訳ない。いや、本当に。

>>53(飛翔せるタカ・影との戦い・全き人間)
ある本を読んで、あたしは「これは本物だ!」ってうなったことがある。
その物語を書いた作者に、なにより主人公にね。
――うん、小説。だから相手は実在の人じゃない。反則気味かな?
でもあたしには、あの魔法使いは本当にすごいことをやってのけた本物だと、そう思えたんだ。

あたしは本は余り読まない方なんだけど、ネムは時々「これ、面白いよー」って新しく入荷した
ものとかを勧めてくれることがある。
図書館司書の公権力横領ってやつさ、ふふふ。――あれは何時だったかな。
一冊の本を貸してくれた。それは、こんな物語。


その男は、偉大な素質を持った魔法使いだった。
でも才気走った若さは驕りと妬みを招き、男は禁じられた呪文で「死の国の影」を喚んでしまう。
肉も、命も、名も持たず、自分をつけ狙う影と戦い続け、男は遂に決着をつける。
影と――自分の心の闇を受け入れ、全き自分、本当の自分を彼は得る。


何故本物だと思ったかというと、あたしには出来ないからさ、この魔法使いみたいな真似は。
自分の心の一番汚い部分に打ち勝つ、なんてことはね。
――ネムがどう思って勧めてくれたかはわからないけど、差し入れは無駄足だったみたい。
私は今も、同じ闇を見続けてる。


ああそうそう。その魔法使いの名前、ゲドというんだ。
彼の名が冠されたシリーズの一巻目の話でね。外の世界で書かれた本だから、ひょっとしたら
あなたも読んだことあるかもしれないね。

58 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/05/30 22:22
>>54(ねじの回転)
へえ、世界って回ってるの?
例えばろくろを回すみたいに、大地全体が回転しているってこと?
ん、壁の外はって意味かな。それとも外も内も実は一緒に?
――何だか詩みたいな光景だ。ふふ、面白いね。

残念ながら「これがそうです」って太鼓判を押された音は、あたしは聴いたことがない。
けどそんなの、どこでも聴けるんじゃないかな。
あなただって耳にしたこと、あると思うよ。


グリの街でなら――じゃあ、市街地の片隅に立ってみるといい。
通行人のお喋りや物売りの声が行き過ぎるだろう。
さほど騒がしくはないけど、市が立つ日なら大門広場の辺りはもっと賑やかになる。

烏とかの鳴き声や羽ばたきを耳にすることも、あるかもしれない。
忘れられた思い出を運ぶ、なんて言い伝えがある鳥は、壁を越えられる数少ない存在だし。
あなたのいる所でも、鳥達はいるでしょ?

灰羽は特に近づいてはいけないけど、その壁の近くにも行ってみよう。
森のある方。ここは静かだ。鬱蒼とした木々ばかりで、小動物もさほどいない。
けど風は吹く。
涼しく、暖かく、時に冷たく。どこにだって。


耳をすませてみて。
――ね、世界は音で一杯だろう?
生きるものが立てる音、生きてはいないものが発する音、その一つ一つが、世界が世界として
運行していくリズムであったりサインであったり――つまり「世界が回」っていく音なんじゃ
ないのかな。

59 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/05/30 22:26
>>55(斑の羽・罪の影・進み行く足)
罪科……か。

自覚はしてても、フフ、他人からいわれるとどきっとするもんだね。
いや、別に気を悪くした訳じゃない。事実だし、はっきりしてるのは、あたしは好きだよ。
でも、その問いにははっきり答えられない――と思う。
原動力とか、この為に生きてるとか、そんな大層なものはあんまりないから。

その、あたしが罪憑きであるということを考慮に入れても、若い頃ってのは色々悩むよね。
なんで自分は生きてるのか、自分はどこに行くのか、とかさ。

中々それが見付からなくて、また悩んだりするものだけど、何、そんなのは後からついて来る
ものだし。
歳重ねてりゃ、自然とわかった気にもなるしね。
それに生き甲斐とはなんて気負わなくても、私達は生きてるんだ。
だったらそれで充分。そう、思うよ。

60 名前:◆xRtREKI.VQ :04/05/30 22:29
(レキの日記より)


(街の裏通りにある店のスケッチ)
(ひっそりとした店先のハンガースタンドには、何着かの服が飾り気なく吊るされている)

古着屋にて、注文していた年少組の夏服受領。
割と良い代物が揃い、先ずは満足。あそこの兄ちゃんには毎年頭が下がる。
商売なんだから当然といえばいえるが、まあ感心するのは素人の役目だ。

しかし皆、随分大きくなった。とはいえ、服のサイズが一段上がった分だけ手も焼かせる。
とっくに私の手を離れたカナやヒカリやクウのように、一人前の灰羽になるにはまだまだ。


そういえば、私の生きる原動力について訊いてきた人がいる。
そんなものは特にない、と私は応じた。

嘘ではない。
嘘ではない、と思うが言葉は足りていない。

子供達が育っていく所を、私は見守りたい。
仲間達と共にある時間を、私は慈しみたい。
今しかないこの時は、過ぎ去ってもう戻らない日々は、こんなにも大切で美しいから。
だから私は、皆と共にある「今」をいとおしむ。
傍からみれば大したことじゃないのかもしれない。でも、それが私の「生きる原動力」。

声を大にしてはいわない。そんなことをすると、何だか胡散臭くなる気がするので。

61 名前:◆xRtREKI.VQ :04/05/30 22:32

最近、私自身について訊かれることが不思議と多い。
また別の人に「誰かの為に尽くしているか」と尋ねられた。

尽くしている、といって良いだろう。
私は子供達の世話をし、仲間達と支え合いながら日々を送っている。
それは仕事だからではない。
頭か胸か、或いは体全体かもしれないが、とにかく私を構成する何か大事な所がいうのだ。
皆を放っておけない、と。

――でも、本当にそうなのだろうか。
私の出発点は、小奇麗な無私ではなかったのに。

得体の知れない罪悪感を誤魔化す為。
私が皆の支えになった動機は、そんな自己満足なものでしかなかったのだ。
こんな振る舞いが「尽くしている」などといえることなのか。

ふと我に返ると、その事実を思い出す。
声が大きくても小さくても、こんなことはいえたものじゃない。
だから私は、確かこんな風に答えたのだった。

62 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/05/30 22:34
>>56(労わり)
尽くす――って程のことは、してないさ。
ちびどもや新しく生まれた灰羽の世話をしてるのは、それがあたしの仕事だからだし。

人間、働くのは当然だろう? 灰羽だって仕事を持って一人前。
あたし等はグリの街に間借りしてるようなものだからね、人口比からいうと。
街には色々と恩恵を受けてる。きちっと働いて、恩返ししなきゃいけないもの。
ふふん、それにさ。
(チッチッチと舌を鳴らし、立てた人差し指を振る)

これでもプロフェッショナルだからね。当たり前のことを自慢するのは、プロとは呼べないだろ?
え、誰がだって?
何いってんだよ、ほらあたし、このあたし。子供の面倒みるプロ。
はははっ――。

63 名前:名無し客:04/05/31 00:19
もしその翼で一度だけソラを飛べるとしたら何処へイキたいですか?

64 名前:名無し客:04/06/01 02:57
自分の無力を感じるときは、どんなときですか?
自分が誰かに支えられていると感じるときは、どんなときですか?
自分は独りであっても強いんだと感じるときは、どんなときですか?

65 名前:名無し客:04/06/03 18:07
鳴子で失敗したとき、滝で修行させられるそうですね。
どういう修行なんですか?

66 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/06/12 01:31
――あーほらほら、ダイにショータ、それにハナも。駄目じゃない、まだ寝てなかったの?
お姉ちゃん、こっちで大人の話があるっていったろう? 早くベッドに戻りな。
……はは、ごめんね、夜中に。ちびどもが騒いじゃって。

>>63(舞い降りる場所)
――クラモリのところへ。


最初に浮かんだ答え、つい、そのまま口にしちゃった。
私は、彼女の所へ行くことは出来ないから。特にそう思う。

順を追って話そう。クラモリっていうのは、あたしの大切な人。
「だった」と過去形を付けなければいけないけど。
彼女も灰羽。あたしの先生役で、姉代わりで、母親のような存在で、つまり大切な家族だった。
でも、もういない。
五年前、クラモリは行ってしまった。グリの街から旅立ったんだ。

あなたは「もし」といったけど、仮定の話じゃなく、灰羽は一度だけ空を飛べる。
いや、本当に飛行出来るという意味かは知らないよ。
ただ「その」時期が来た灰羽は壁を越える。
誰にもそのことを告げず、西の森にある遺跡に導かれる――らしい。そして去って行く。
壁の外の世界へ。


これを巣立ちの日という。
 

67 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/06/12 01:34
>>66の続き

私達にまつわるあらゆることを同じで、何故こんなことが起きるのか、知っている者はいない。
わかるのは、巣立ってしまった灰羽とは二度と会えない、そういう現実だけ。
灰羽の別れは死と同じなんだ。
――もしかしたら、巣立った者同士は壁の外で再会出来るのかもしれない。けど、この街から
出られない私達に、それを確かめる術はない。

そう、特に私には。
なぜって、罪憑きの灰羽には巣立ちの日は訪れないからさ。


別に――私は巣立ちたくなんかない。ちびどもだってまだ手がかかるし、ラッカ達にお別れを
いうつもりもないもの。でも、もし。
――ああ、これは元々仮定の話だったね。あなたのいう、「もし」の話だった。

「もし」私が街の祝福を受けられていたら。
「もし」私の羽が、不可解な罪に汚れていない灰色だったら。
「もし」いつか私も、街の外へ旅立っていけるのだったら。
だとしたら、私はクラモリのいる所へ行きたい。
話したいことは幾晩かけても終わらないとも思うし、黙って抱いてもらえれば、それで充分だ
という気もする。

ただ、会いたい。
ほんの少しの間だけでもいい、昔と同じように、一緒の時間を過ごしたいんだ。


今いった通り、私に巣立ちの日は来ない。所詮叶わない願いだけど。
でも、私が飛んで行きたい場所はそこだけだよ。

68 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/06/12 01:41
>>64(高木ブー・互助・静かな拒絶)
自分が無力だと思い知らされる時――は、仲間が巣立っていく時かな。
私には、クラモリが巣立った時ぐらいしか経験ないけどね。

私は、クラモリを見送って上げられなかった。
突然無人になった彼女の部屋の前で、呆然とするだけだった。
ありがとうも、さよならも、行かないですらも、私はいえなかった。
何一つ、そう何一つ、私には出来やしなかったんだ。


……支えられてた時、それは、そんなクラモリが共にいてくれた頃だったと思う。
罪憑きとして生まれた私は、みんなに恐れられ、疎まれた。
ネムもね、まだ小さかったから、初めは私の黒い羽を嫌悪の目で見たよ。
クラモリは違った。
彼女だけは、気安い同情も過度の憐れみもなく、私を家族として迎えてくれた。
普通に、そして優しく、私に接してくれた。

誰にでも出来ることじゃない。クラモリには、いくら感謝してもし足りないよ。


独りでも強いと思う、そんな時?
いや、ない。ありはしないさ。別に私は強くなんかない。
クラモリが巣立った後、支えをなくした私は、簡単に道を踏み外したぐらいだからね。
見捨てられたと、浅墓にもそう思い込んでしまったから。
当のクラモリがどんな気持ちで旅立って行ったのか、推し量る余裕もなかった。

そして私は自棄になった。色々な間違いを犯して、色々な人に色々な迷惑をかけた。

誰かに頼ることを止めたのは、私が強いからじゃない。
すがれば、いつかは裏切られるかもしれない。だから私は――


――やだなあ、こんな話、いつもだったらしないのに。
今夜は口の滑り具合がおかしいみたいだ。クラモリのこと、久々に喋った所為かな。
ごめんね、下らない話、しちゃって。

69 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/06/12 01:50
>>65(灰羽大武練場)
へえ、妙なことに詳しいなあ。内輪の話だと思ってたけど。

あ、知らない人の為に説明が要るね。あたし等灰羽の後ろ盾をしてくれてる、灰羽連盟って
団体があってね。本拠地の寺院は、街外れの大きな滝の側にあるんだ。
辺鄙な場所だよ。スクーターや自転車だと、途中までしか行けやしない。

許可がない限り、この寺院では喋っちゃいけない。話せるのは話師(わし)の爺さんだけ。
だからここを訪れる灰羽は、入り口で鈴つきの鳴子を羽につけて貰う。
話師は「はい」か「いいえ」で答えられる質問をするから、もし「はい」だったら――ほら、
こうやって右の羽だけ動かせばいい。「いいえ」はその反対。
そうすると鈴が鳴るからね。相手にもわかりやすいって訳。

あー、これ間違えたら、なあ。あの爺さん、ちくちくと小言がうるさいんだよ。
それだけじゃない。あなたが聞きつけてきた通り、ろくでもない修行までさせられちまう。


暴風雨が来た晩、この時を選んで、ポカをやった灰羽は滝壺に立たせられるんだ。
水圧と、落ちて来る流木やら落石やらに夜明けまで耐えるべしってのがその内容。
とんでもない衝撃に体中が悲鳴を上げる間に、何ていうんだろ、灰色の内的小宇宙が高まって
昂ぶってね、思わず空に突き上げられるげんこつ一撃、滝の全水量を逆流れに天へと葬り――


こら、ダイ、こっち来るなって……え、何? 俺も修行してー?
ば、馬鹿。あのね、修行ってのは遊びじゃないの。滝には行ったことあるだろ。
でかいんだから、あんたなんか滝壷に立ったら即流されちゃうでしょうが。
違う違う、流されんのは楽しくないの! ……あ、こら、ショータにハナまで。
もう、あんた達、寝たんじゃなかったの?

ええい、うるさいっ、みんなして「修・行」「修・行」コールやめ! やめいっ!
おねえちゃんの冗談なの! 修行なんてない、な・い・の!
みんなさっさとベッドに入れという!!


――ったく、もう。ようやく行ったか。
ん、後半法螺ばなしなんで、よろしく。……なはは、どっちらけ。

70 名前:名無し客:04/06/12 13:17
羽の手入れはどうやっているんですか?

71 名前:名無し客:04/06/12 14:30
頭の輪っか以外に、輝くものは持っていますか?
輝く未来、輝く明日、輝く心、輝く思い出……。

72 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/06/17 03:07
そういえばひと月程前、感想スレってとこで、あたしがちまちまやってることを評価して
くれた人達がいたみたいで――今更だけど、有り難うね。とても励みになったよ。
どうも感想返しってやつが照れくさくてさ。向うに行く二の足、ちょっと踏んでて。

なんでこんだけ間を空けてからいうかな……。ともかく、重ねて感謝。

>>70(ブラッシング・韜晦・老人の樹)
髪とおんなじだよ。ブラシを使ってするのが基本。
朝晩こまめにしないと、やっぱり痛んでしまうからね。
まあオールドホームは女の子ばかりだし、大体教えなくても自分でやるようになるなあ。
カナなんかは、面倒くさーいとかぶーたれてるけどね。ふふ。

ただ、あたしのような罪憑きには、もう一つ欠かせない手入れがある。
羽の斑を隠す、っていう作業さ。

(小豆色の液体が入ったガラス瓶を置く)

壁の近くにだけ生える、雪鱗木(ゆきりんぼく)っていう木があって――ぐにゃぐにゃ皺
みたいに捻れてるから、老人の樹ともいわれてる。
そいつから取った染料が、これ。
老人の樹は「悪いものの目をくらませる」っていう言い伝えがある。
だから罪憑きの灰羽は、これを塗って羽を灰色に偽り、羽にこびり付いた罪の気を隠して
いるんだ。

こういうやり方を、私はクラモリに教わった。――彼女は話師の爺さんから。私の為にね。
老人の樹は生えてる場所が場所だから、特に壁に近づいちゃいけない灰羽が取ってくるの
は大変なんだ。森の奥深くっていう、実際にも行くのは難儀な所だし。
クラモリはね、元々とても体が弱かった。
それなのに、随分無理をしてこの樹皮を摘んで来てくれたよ。

彼女はいつも、自分のことより皆のこと、私のことを気遣ってくれていた――。

――まあ、ハネケアも楽じゃないってこと。

73 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/06/17 03:10
>>71(闇に輝くもの)
はは、あたし達の光輪てのは、金ピカに輝いてる訳じゃないんだ。
暗がりだと、薄ぼんやり光ってるかなってぐらいさ。
何かこう、あなたのいう未来とか明日とかに喩えるのは、少し大袈裟な気もするな。

そういう、ささやかに輝いているものでいいなら。――思い出は、そうかもしれない。
最近、クラモリの思い出話ばかりしてる気がするけど、当然そればかりじゃない。
あたしの灰羽としての七年。色々あったよ、誰でもだろうけどね。

そりゃあ、大したことない出来事ばかりだよ。まるで灰羽の輪っかの光みたいに。
だけど、だからこそ大切なんだと思う。

例えば、グリの街のはじまりがどうだったかってことは、よくわかっていない。
でも積み重ねる日々の暮らし、明日のために今日の糧を紡いでいく小さくて強靭な連続
――人々は、そういうものを大事にして街を作って来たんだと思う。
他所の事情はよく知らないけど、こういうことは何所でも変わらないんじゃない?

街が街らしくあるように、あたしがあたしである為にも、大切なことな訳で――なんて、
そんな偉そうな視点を持ち出さなくてもいいか。
格別のフィルター付きであることを考えに入れても、思い出せる想いは、大抵何らかの
光を帯びているものだから。

こうやってあなた達と接してること、その一つ一つがあたしのささやかな、けど大切な
輝きになっているように、さ。

74 名前:名無し客:04/06/17 13:46
空の青さが目に染みたことはありますか?

75 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/06/20 02:23
>>74(見上げる空)
空の青さ?
ふうん、そう訊くってことは壁の外では空は青い訳だね? 少なくとも普通の状態では。
グリの街の空はね、ごく薄い緑色なんだ。
光線の具合によっては、例えば夜明けや夕焼けなんかは青味がかってるかな。

とにかく、空の色が目に染みる時だよな。うーん、そうだなあ。
徹夜明け――なんて、寝不足気味の脳味噌までじんわりとくる感じがするかも。
眠気覚ましのコーヒーと煙草が、美味いっていうかお腹の方にも染みる感じでさ。

ひょっとして、あなたもそういう経験、あるの?
まあ遊んでて朝帰りとかは論外だけど、何か仕事入っちゃってたりすると悲惨だよねえ。
幸いにしてあたし等は、そこまでハードワーカーじゃないから助かってるよ。

76 名前:◆xRtREKI.VQ :04/06/20 02:26
(レキの日記より)


(灰色の羽が描かれている。羽だけが、一対)

空の色が目に染みる時。
今日、そんなことについて喋っていて思い出した。
あの日の夜明けの空は、真っ直ぐ見られないくらい眩しかったということを。


その光景を思い起こす度、私は奇妙なまでに確かな手触りを感じる。
私の部屋という名目のゲストルームに居るのは私と、ベッドにうつ伏せに寝た少女だった。
その夜、灰羽になったばかりの。
とても静かだった。私がブラシで彼女の羽を梳く時、タライに張った水でそれをすすぐ時、
無意識に反応する彼女が羽をばたつかせる時の他に音はなく、窓から差し込む月の光は部屋
中を灰色に塗り替えていた。

一晩かけて、私は少女の初めて外気を吸った羽から血脂を拭い落としていた。
新生子として羽の生える夜を迎え、彼女は熱を出して眠っていた。
その熱も下がったようで、寝息はごくかすかになっている。口元に耳を近づけないとわから
ないが気持ち良さそうだ。

少女は随分と汗をかいていた。私は手を止め、彼女の額をタオルで拭き、乱れた髪を整えた。
そしてちょっと躊躇ってからそっと彼女の頬を撫ぜた。
少女は目を醒まさなかった。やわらかい。
温かい。


いつも一緒にいると、繭の中で眠っていた彼女に(その時はまだ性別を含めて、中にいる
灰羽について何一つわからなかったが)約束した。私は何があってもあなたを守ると。
少なくとも最初の晩だけは、私は誰にも伝えていないその公約を守れたようだった。

77 名前:◆xRtREKI.VQ :04/06/20 02:32

手入れが終わった。汚れを落とされた少女の羽は綺麗な灰色になっている。
祝福された羽だ。
当然のその事実に訳もなくたじろぎを覚えた時、私は部屋を沈ませていた光が青味がかって
いるものに変化していることに気付いた。夜が明けたのだ。
羽を拭う為に大きく開けていた寝巻きの背を直してやり、私は彼女の脇から離れてベランダ
に出た。寝不足の所為か、足は忘れられた牢屋の枷がついているように重く、でも上半身は
たんぽぽの和毛のように軽いという、何とも不思議な重量感があった。

手すりにもたれ、煙草に火を点ける。
段々鮮やかさを増す真新しい空気を煙ひと筋分汚して、私はいくつかのことを考えていた。
しかし煎じ詰めればそれはたった一つのことについてなのだった。


私は、あなたが求める温もりになってあげられるだろうか。
私は、あなただけの私になれるだろうか。
私にとってクラモリがそういう灰羽であったように。


私は何度も目をしばたいた。
昇りはじめた朝日が余りに目を射すので、私は顔を背けた。

その日、ラッカが生まれた翌日の朝焼けがとても眩しかったことは、私には忘れられない。
何時の日か私が何処かへ去って、誰もが私を忘れ、その私を忘れた人々さえもいなくなるの
だとしても、私の想いは残る。どこかに必ず残る。
そんな風に考えてしまう程、私はその朝の眩しさを忘れたくないのだ。

78 名前:名無し客:04/06/20 04:11
誰かに、あなただけに、あなたの為だけに、言ってもらいたい言葉はありますか?

79 名前:名無し客:04/06/22 01:14
旅立ってみたい気分になったことはありますか?
…羽を使わずに。

そして、行くとしたらどこですか?


80 名前:名無し客:04/06/25 03:05
最近、心から「きれいだなあ」と思った風景って、何かありますか?

81 名前:名無し客:04/06/30 08:25
「繭・小石の道を歩く夢」を見た気分はいかがでしたか?

82 名前:名無し客:04/06/30 12:55
今自分が何処に向かって飛んでいるか自覚出来ますか。

83 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/07/04 02:20
今晩は、って挨拶が、ほとんど隔週になっちゃってるよ。
やれやれ、せめて週イチペースを目指すかなあ。

>>78(adore)
あるよ。
もうずっと前、私はその言葉をもらったことがある。私だけに、私の為だけにね、その人は
いってくれた。
私が一番そういって欲しかった時――孤独と自己嫌悪にさいなまれて、自分で自分を傷つけ
ている時だった。

そしてその人は――クラモリは私を抱き締めてくれたんだ。


彼女は巣立ってしまったから、その言葉は実際には果たされなかった。
勿論恨んだりなんかしてないさ。とても寂しいことだけど。
クラモリが側にいてくれた間、私は確かに救われていたもの。色々なことからね。

だから考える。今度は私の番だなって。
もし仲間の誰かが、昔の私みたいに自分は一人ぼっちなんだって唇を噛んでいたら、昔の私
みたいに道を誤りそうになったら。
寄り添いたい。支えになりたい。
クラモリの代わりに、あの言葉をいってあげたい。


「そばにいるから。私が、そばにいるから」


そう、思ってる。

84 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/07/04 02:24
>>79(道程・道連れ・君とともに浜で)
旅、ってことは、グリの街以外だよね、勿論。
ふうむ。
いや、街から出られないあたし達は旅ってのをしたことがないし、そもそもあんまりないん
だ、そういう風に思うことは。

旅をしたいってのは、いつもと違った風景や人に会いたいって欲求だろう。格好よくいうと
「未知なるもの」を求めてる訳じゃない?
グリの街は、壁に閉ざされてる場所だ。それ自体で充たされてる。
ただ、いびつな形ではないけどね。温かみがあるっていうか、自然っていうか。
こういう所だと、人間それ以上のものを求める必要がない――少なくとも、人はそう思う所為
かな、積極的に外に出ようとは考えないみたい。いい加減な分析するとね。

でもまあ、もし行くなら海がいいな。
「海」っていう概念は知ってるけど、街の誰もが実際に見たことはないからね。
水平線ってのを拝んでみたいし、夜の浜辺をそぞろ歩き、なんてのもいい。
石ころの道じゃない、砂の道を行くって寸法。
一人で――だと、ちょっとつまらないか。かといってオールドホームご一行様じゃあ、いつも
と同じでやかまし過ぎるよな。
そうだね、じゃあラッカと。

潮騒が響く中、あの子と二人で静かにお喋りしながら、砂浜に足跡をつけて行くんだ。
どこまでも、どこまでも。


――うん、旅ってのもいいかもしれないな。
何となく行きたくなったよ。

85 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/07/04 02:28
>>80(生れ落ちる光)
ああ、取って置きのがある。
あれには思わず見惚れたなあ。

先々週のことなんだ。朝から曇ってた日さ。
段々空模様が怪しくなって来て、どうもこりゃ一雨くるなあと思って洗濯物取り込もうとした
んだけど、思わず空の一箇所に目が釘付けになったね。
空全体は雲に覆われてた中で、その一点だけがさ、雲が無かったんだ。小さく、円の形に。

まるで――そうだなあ、雲の上の神様が悪戯っ気を出して、人差し指の先をぺろっとなめて
から、雲をつついたみたいだった。
ぽっかり開いた雲間の穴から、薄緑の晴れた空が覗いていてね。
光がそっと射しこんでて、風の丘の辺りに注がれてた。

灰羽は最初、種子として芽吹き、繭から生まれる。
その種子がやって来るのは、ひょっとしたらあんな所からなのかもしれない。
そんなことを考えて、洗濯物も忘れて暫く眺めてたよ。


>>81(悪夢・繰り返す朝・残滓)
――何時も変わりはしない。良いもんじゃない。
いや、はっきり最悪だっていおうか。

この七年、幾度も繰り返し見てる。
何もかもが変わらない。全てがおぼろげで、その癖に暗さと寒さだけはくっきりとした情景と
極めつけに曖昧なラスト。判で押したみたい。
残るものも何時だって同じだ。
自分の悲鳴で目覚めた後の、例えようもない罪悪感。

私の夢は、地面に落ちた影みたいなんだ。何所にでもついて回る。
例え夜の闇の中だって、自分の影はなくなった訳じゃない。同化して見えないだけなんだから。
消しようがないのさ。


ま、幸い今週はまだ見てない。それが救いといえば救いかな。
今夜はどうだかわからないけど。

86 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/07/04 02:33
>>82(遠い旅路の目的地)
それはとても難しい問いだと思う。
自覚があるって簡単に答えられるのは、よほど物を考えない奴か、よほど物事がわかって
る奴か、どっちかじゃないかな。
あたしはどっちでもない。だからそんな自覚なんてない、とまずいうよ。

灰羽が生きていくことは、基本的に普通の人間と変わらない。
人も灰羽も、自分の選択が何をもたらすのか、選んだ道の先に何があるのか、わかる者は
普通いないよね。
わからないから人は歩いていける、あたし達は飛べない羽で飛んでいけるって、そんな気
が私はするんだ。

全部わかってしまったら――何をすればこうなって、どこへいけばああなって、結局の所
どうなるってのが全部わかっても、それでも人はそこへ歩いていけるんだろうか。
もしそんなことが出来たとしたら、人は歩みを止めてしまわないだろうか。結果が知れて
いるならば、といって。
どちらにせよ、特に後者は幸せなことじゃない。


自分の行く先は見通せなくても、より良い方向へと願うのは勿論誰でもだろうね。
ただ、私は罪憑きだ。
繭の夢と同じく、あんまり明るい方には飛んでいけないかもしれない。その程度の予感だ
ったら、あるにはある。
少なくとも私に答えられるのは、その程度のことだよ。

87 名前:名無し客:04/07/05 00:59
雨の日には、羽が濡れてしまうんじゃないですか?
でも、「カラスの濡れ羽色」なんて色もありますし、きっと灰色の羽も
綺麗ですよね?

88 名前:名無し客:04/07/05 17:45
こっそりウイスキーの樽からお酒を抜き取ったりして、
いったい何に使っているんですか? 

89 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/07/11 00:56
>>87(雨ふり・傘・ヌレバネ)
いや、灰羽の羽はそんなに大きくないんだ。精々ニ、三十センチってとこ。
傘を差してれば、そんなに濡れたりはしないよ。よっぽどひどい降りならレインコートって手
もあるしさ。
まあ濡れたら濡れたで、乾かすのは結構大変だ。
丁寧に拭く前に、こう、ぷるぷるって羽ばたきして水を飛ばして……おっとと、試しにやって
みたら小羽が散っちゃった。

え、濡れた羽が綺麗? ふふ、そいつはどうも。
しかし黒かったら光沢が増すかもしれないけど、灰色はどうだろう、我ながら。
「冴えない濡れ鼠色」なんていわれちゃったりして。

雨の日ってのは、空だけじゃなくて空気も灰色一色みたいなものだから。
どうしても気分がくさくさしちゃうのは置いといて、でも純粋に色合いだけなら愛想のない
灰色同士、あたし等の羽と合ってるかもね。

90 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/07/11 01:00
>>88(酔いどれ天使)
……ん? ハナ、どうしたの、こんな夜中に。
え? こわい夢を見た?
――そっか。あーよしよし、泣かない泣かない。大丈夫だから。
じゃあ、今夜はおねえちゃんと一緒に寝よう。ほら、ベッドのこっちに入りな。

あ、ああ、この匂い? あ、明日のビーフシチューの仕込をしてたから、そのせいだろ。

何だ、お話かい? しょうがないなあ。
一つだけだよ。それで寝るんだよ。
(こほん、と咳を一つしてから)


昔々のお話です。
神によってつくられた人間が、土を耕し、牛や羊を飼いはじめた頃のこと。

早く起きてから早く寝るまで、人々は働き通しです。皆、溜息をついてしまいます。
そこで神は天使を遣わして、人間を労わるよう命じました。
考えた末、天使はお酒というものを作り出し、その作り方を人間に教えました。
人々は喜びました。お酒は疲れた体を慰め、心をほぐしてくれます。
神も満足し、褒美として、人間の作るお酒の一部は天使のものとするようにいいました。

その時、一人の灰羽が進み出て、私もお酒を欲しいのですが、と申し出ました。
神は首をかしげました。それは人の飲むものであり、また天使の取り分である。
何もしていないお前がどうして権利を求めるのかと神は尋ねました。

確かに私はお酒を作った訳ではありません、と灰羽は認め、こういいました。
ですが杯を共にすることができます。
酔いがもたらす心地良さと苦さを分かち合うことができます。

誰かが生まれたら、杯を上げて祝いましょう。
誰かが死んだら、杯を干して弔いましょう。
誰かがやり切れない時、途方にくれた時、泣きたい時笑いたい時、私はそれぞれの想いを酒
に浮かべて、人と共に酔いの中へと還したいのです、と。

よろしい、と神はそれを許しました。
こうして灰羽は下界に降り、人と共に暮らし、お酒を飲むことになったのです――。


……ようやく寝たか。
まあ、灰羽と人は普通、積極的に交わらないものだけど、大昔にはそんな変り種もいたかも
しれないしね。しかし子供向きの話じゃなかったかな。
――かくして灰羽のレキさんは、シチューの肉にきかせたウィスキーを多めに味見してご満足
なのでした、めでたしめでたし。
なあんてオチは、とてもちびどもには聞かせられないから寝てくれて助かった。ふふっ。

お休み、ハナ。いやな夢なんか見ないようにね。

91 名前:名無し客:04/07/11 15:28
もしも嫌な夢を見たとき、その夢を早く忘れようとしますか?
それとも、嫌な夢でも、心の片隅に置いておこうとしますか?

92 名前:名無し客:04/07/17 14:13
夏の暑い日ざし、刺すような陽の光に当たると、灰羽も痛んだりしませんか?
……ということで、夏の日の羽のお手入れはどのようにしていますか?

93 名前:名無し客:04/07/24 01:48
『灰羽』がこの世に存在する意義は何だと思いますか?

94 名前:名無し客:04/07/24 02:50
ぬるぽだと思います

95 名前:名無し客:04/07/24 02:51
しまったここ本スレじゃなかった

    パーン _, ,_   _, ,_パーン
パーン_, ,_ ( ・д・)(・д・ ) _, ,_パーン
  ( ・д・)☆ミ⊂ ⊃彡☆(・д・ )
   ⊂彡☆))∀゚(>>94 ☆ミ⊃  パーン
    , ,∩彡☆ ☆ミ∩, ,
  (   )  パーン (   )
 パーン      パーン


96 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/08/12 03:44
……あちゃあ、こりゃまた大分ご無沙汰。ひと月だもんなあ。
いや、すまない。有言実行って言葉を、もうちょっと肝に銘じておかなきゃいけないな。


>>91(忘却・消去・輪の中)
最初はそう思った。はやく忘れようってね。
でも駄目だった。
前にいったかもしれないけど、嫌な夢――繭の中でみた夢は私の影みたいなものなんだ。
心の隅に置いておくっていうか、それは心の中にあるだけ。私には動かせない。
あの夢は、私自身が生み出したものである筈なのに。

もう、七年だから。
慣れたなんてとても思えないけど、重みが重みであることを諦めているのかもしれない。

そういえば、私が絵を描き出したのは、他人どころか自分にも伝えられない夢を何とか
わかる形にしてみたいと、そう考えたからだった気がする。
色々やってみて――結局今も駄目だけど。

>>92(サマータイムブルース)
いや、グリの街の夏はそんなに暑くないんだ。気温もさほど上がらないし、刺すようなっ
てほど日差しも強くないし。
羽を痛めちゃうのは、日差しより変に寝違えたりした時が多いかな。

だから夏ならではっていう羽の手入れは、あんまりないかも。
強いていえば――そうだね、お風呂でよーく洗ってから、日なたでたっぷり日光浴なんて
のは、夏の醍醐味かもしれないな。
やっぱり羽毛で、乾きにくいからね。

今日みたいにいい風が吹いてる夏の午後、ベランダで乾かしがてらぼーっとする時間は、
結構好きだよ、あたしは。

97 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/08/12 03:48
>>93(コート・ポケット・灰羽)
この世界のことなんて、何かしら意味があるか全部無意味かのどっちかさ。
真面目に考えるだけ疲れちゃうよ。
――なんて、斜に構えたりもするけど。
意味はある。人にしろ灰羽にしろ、私達が生まれてきた意義は何かしらあると思う。

世界って、これは想像だけど、おそろしく大きなコートみたいなものじゃないだろうか。
それにはポケットが一杯あって、色々なことやものが沢山つまってるんだ。
勿論、人や灰羽もね。
様々な中身に合った、色んな形のポケットがある訳で。グリの街もそんなポケットの一つ
――なのかもしれない。

本当にただの空想だけどね。
「人とは、灰羽とは」っていう、なんていうかジャイアントな視点の問いかけはさ、だから
ポケットの中にいる私達には答えられないんじゃないかな。手を突っ込んで、好きなように
あちこち振り分けてるのは――もしいるんなら――神様だろうし。

「私が灰羽であること」の意味とか意義だとかは、私にはわからない。多分、誰にも。
でももっと小さい括りでの、そう、「自分が自分であること」ならわかる筈だ。
人だろうと灰羽だろうと、それは自分で見つけることだと、そう思うから。
ポケットに入れたのは神様でも、その先を云々する自由くらい私達にはあるだろうから。

ま、これだって多分だけど。

98 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/08/12 03:51
>>94(たったひとつの冴えたやりかた)
……えーと、あれだよな。なんかこう来たらこう返すっていう風習なんだよな、これ。
準備よし。指差し呼称よし。――せぇのっ、


                 __
            ("´ 三 ニ-'
              ̄ ____
           ,.::''´::::::::::::::::::::::::`ヽ、        人_人_人_人_人_人
          /:::;ィ::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ       )
         /::リ l:::::ト;:::::::::::::::::::::::::::::::::',      ) がっ!
         〃ト '^,ン´ヾト;:::::::::::::::::::::::i     <
          コ `'ィi⌒'  ゙i::::::::::_::::::::::l       )
             ,ソ    ̄´   !:::::/ヘ::::::::::!     ´ヽへ/ヽへ/ヽへ/ヽ
          ヽ_,, _-、    l:::::lう 〉::::::::l
           丁__〉    !::::K":::::::::::l  _
       、 , ク  '、__,,.、-   l:::::l ヾ、:;;;;;;_l/ `ヽ
      (,ィ/ , -‐'' l::l..:.ト   l:::::l /..:..:..:..:ヾ   ヽ_____
        ” /..:..:..:..:.l::!..:l   l::::l'.:/:..:..:..:..:.:ヽ    ヽ    ___`ヽ
        /..:..:..:..:..:.!:l..:.l    |::リ..'..:..:..:..:..:..:..ハ   ヽ  oヽ   i│
        /..:..:..:..:..:..:!:l..:.li  ノ'´.:..:..:..:..:..:..:..:'.:.l     ヾ~ )  ヽ |│
      ノ..:..:..:ヽ;、..:..:.ヾ..:.>' ´:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:.l     `く  o ソ│
     /..:..:..:..:..:..ヽl..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:.、:..:..:..:..:..:..l      ヾi   |
     /..:..:..:..:..:..:./1..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:.ヽミ、..:..:..:..:..ト'"'へ、 ト-ゝ'ヽ │
 `' ‐-/..:..:..:..:..:..:/ ヽ..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:゙l.:..:..:..:..:..:.l    /`/ /  } |
   /..:..:..:..:ヾ、:/    \..:..:..:ヾ トト..:..:..:..:.l.:..:.._..:..:...!   /ノ  / ,ノ |
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     \..:..:..:..:..:>'⌒ヾつ   `フ..:..:..:..:..:..:..:..:ノ        / l |
l __l__`` !  \..:..(  、ヽ\`ッ‐ ''´..:..:..:..:..:...:..,.:‐´ー- ,,_    / ││
l <ナ、  l∧ノ_とニ´ ̄``ヾ´:..:..:..:..:..:..:..:,,.:‐ ´        ̄ ┴ ⊥_」_
   >   ゝ‐_''ニ ,   ノ.:..:..:...;_ - ´
  <     `'ー‐''つ r--'-‐ ''´
   >       `''´
  ∠ ヘヘ/`⌒ヘ/`


>>95
――え?
なんだ、間違いだったのかって、おいおい、叩くな、そんなビンタすんなって。
うわっ……悲惨だなあ。あんた、ほっぺたおたふく風邪みたくなっちゃってるじゃん。

自業自得っていっちゃあ、ちょっと可哀想だけど。
しかしまあ、一体全体どこと間違えたの? あたしはそこが不思議だよ。

99 名前:名無し客:04/08/13 18:49
頭の輪っかの、日常での便利な使い方ってあります?

100 名前:名無し客:04/08/13 19:06
帰りたい場所、ありますか?

101 名前:名無し客:04/08/14 18:45
「本スレじゃなかった」というコメントや
登校のタイミングからCOG.54の
920 名前:風の谷の名無しさん@実況は実況板で 投稿日:04/07/23 18:48 ID:wL+o7gaM
ぬるぽ連盟作りませんか?>>ネム軍事総長


921 名前:風の谷の名無しさん@実況は実況板で 投稿日:04/07/23 20:15 ID:6+s4VAMg
>>920
対抗してレキを筆頭にガッ連盟が作られます。

あたりに対するレスを間違えてこっちにしちゃったんじゃないかな?

ところでレキさんの乗っているバイクですが、
クウがぶつけたり
西の森でラッカを見つけたときに思いっきり乗り捨てたりと
かなり乱暴に扱っているようですけれど壊れたりしません?
修理するのが大変そう。

102 名前:名無し客:04/08/16 23:25
死した灰羽の魂は何処へ行くのでしょう?

103 名前:名無し客:04/08/18 02:06
課金するアカウントを切り替えるので次回からしばらくお休みします。
ので、戻ってきた時にすぐ参加できるよう月1がいいなぁ
と言ってみたりして。

104 名前:名無し客:04/08/18 02:07
うわー、とんでもないところにゴバクしちゃった

105 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/08/20 01:02
いきなりなんだけど、育ち盛りの食欲は恐ろしいよなあ。
いやさ、今日、フルーツ入りの寒天を作ったんだ。ちびどもがまあ食うわ食うわ、甘いもん
となると眼の色変わるから。
それはいいんだけど、あたしが夜食用に確保しといた分まで食っちまいやがって。……明日の
朝飯、にんじん出してやるから覚悟しとけってんだ。


>>99(必要・用途・無用)
うーん。光輪で、ねえ。
こいつは、ただふわふわ浮いてるだけだし。背の低い入り口なんかで、つい光輪をドア枠に
ぶつけたりすると、連動して首までガクッとなったりするぐらいだからね。
不便とまではいわないけど、あって役立つことってそんなにはないなあ。

あ、でもごく軽いもの、普通の本を一、ニ冊程度だったら、上に乗っけられる。
両手が塞がってて、もう一つ軽いものを運びたいなんて時、ひょいとこいつで……なんて、
まあ出来なくはない。ただバランス感覚は必須。
ていうか、あっても落っことす可能性高し、だな。経験者からいわせてもらうと。

いやね、あたしが子供の頃、料理が乗ってる皿をその伝で運んでさ、見事に落っことしちゃ
ったことがあるんだよ。あはは。
クラモリに叱られちゃってさ。それ以来、皿は止すことにしたね、皿は。

うん、だからまあ、これもあまり勧められないな。となると……。
やれやれ。羽とおんなじで、ほんと何の役にも立たないよな。

106 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/08/20 01:04
>>100(郊外の家)
お、あなた100番目だね。きりがいい数字だからだっけ、外の世界じゃ何とかゲットとか
いうんでしょ? ふふ、おめでとう。

で、ええと、帰りたい場所か。
(吸っていた煙草を、木彫りの人形灰皿の口に咥えさせて)

私達って、繭から生まれて物心ついたら、心細さを覚えることもあると思うんだ。
今まで住んでた街、元いた場所に帰りたいって、そういう不安みたいなものをね。
私がそうだったから。

灰羽は、壁を越えてこの街に来た。
でも壁の外のことは何も憶えていないし、外の世界の方だって、その灰羽を知っている人は
もういない。この街にも勿論。
そして拠り所となるのは繭の夢だけ。――自分の立ち位置、っていうのかな。その不確かさ
を感じても当然だろう?

でも生まれた巣――オールドホームとか……南の廃工場とか――には同じ灰羽の仲間がいるし、
この街自体灰羽を優しく受け入れてくれるから、その内に馴染んでしまうんだね。
グリの街、生まれ育った巣。それが第二の故郷になっていく。

気付いたら、外の世界へ帰りたいとは思わなくなるものさ。
私も今はそういう風には思っていないよ。

107 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/08/20 01:06
>>101(二つの連盟・ぽんこつ・メンテナンス)
なるほど、そういうことか。鋭い読みだね。
ありがとう、謎が解けた。――しっかしネムったら、いつからそんな妙ちくりんな役職に
就いたんだ? くくくっ……って、うわ! あ、あたしも対抗勢力の神輿に担ぎ上げられて
んのか!?
やらん、やらんぞ。


う、さすが鋭い分析力の持ち主。あたしのバイクの使い方までご存知とは。
灰羽の愛機として当然中古だから、心持ちブレーキの利きが甘めでってのは……弁解にゃあ
なんないか。いや、止める時の乗り捨てなんて、よっぽど緊急な場合だけだよ。
あー、うん。ええっと、まあ、うん。

その、あのスクーター、フレームはスチール製だし頑丈は頑丈なんだよ。古ぼけてる割には
故障もそれほどないし。手入れの方は、時々やらなかったりやらなかったりなのにね。
――つまり結局やらないんだな? っていわれると、あーっと……うん。

まあ、あたしはエアクリーナーの掃除何かを偶にしてる位で、本格的にトラブっちゃったら
街の業者に持ち込むよ。そこまで機械にゃ強くないから。

で、前まではそうしてたんだけど、最近はカナに任せることが多いんだ。あの娘、時計職人
見習いだから、系統が違っても機械いじりは肌が合うらしくてさ。
先々週だったかな、キャブの調子が悪くなって困ってたら、カナがいじり回して何とか調整
し直してくれてね。
さすが時計屋の親方仕込み、エンジニアの面目躍如ってとこだよな。

108 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/08/20 01:09
>>102(この世の彼方の海)
私の知る限り、死んだ灰羽ってのはいない。
いや、死なないってことじゃなくてね。灰羽は、大体大人になるかならないかで巣立って
しまうから。人間でいうと天寿を全うする――のとは違うけど、まあ似たようなものか。
それまでに病気とか事故とかで死ぬってことも、不思議とないみたい。

なら、巣立てなかったら? 私のような罪憑きは、って?
――あるものは羽も光輪もなくし、人でも灰羽でもない存在になって街に留まる。以前、
そうなってしまった元灰羽は、「それは穏やかだが孤独な生活」――って、そういってた。

普通の、つまり巣立つ灰羽は祝福されてる。彼等の行く先についてわかるものは誰もいない
けれど、そこは恐らく幸せなところなんだろう。
街から祝福され、仲間達に見守られ、そして導かれて旅立つ先が哀しい場所だなんて、
私は思いたくない。クラモリがいるのがそんなところだなんて――私は嫌だ。

……ああ、いや、だから巣立つものの魂の行く末は、やっぱり私にはわからない。
じゃあ、巣立てない灰羽の魂の行く末、か。
それは――ま、そんな事は死んでから考えたって遅くないんじゃない?
私達はまだ生きてるんだし、他に考えなきゃならないことは一杯あるよ。
例えば、

>>103>>104(誤爆・不可解・省察)
さあ、この謎めいたメッセージをどうやって解読したらいいのか、とかさ。
西の森のサダコの井戸に篭って、あたしはこいつをじっくり考えてやるつもりなんだ。

109 名前:◆xRtREKI.VQ :04/08/20 01:12
(レキの日記より)


(オールドホームの遠景の素描)

いずれちゃんと仕上げるつもりだが、構図に悩む。中庭辺りでもいいし。
タイトルは、今日ある人と偶々そんな話になったので――「帰るべき場所」なんてどうだ
ろうと思ったけれど……よく考えると、カナ辺りが大笑いしそうだ。止そう。


帰りたい場所、帰るべき場所。
どちらも私にとってはオールドホームだ。巣立ちの日に行く所を除いて、ならば。
七年の間、私に巣立ちの日は訪れなかった。
何度も何度も願っている。だがその日は来ず、私を救ってくれるものも現れはしない。

私がこの街にいられる時間は、ひょっとしたらそれほど長くはない。そんな気がする。
どうしてかはわからないが、わかる。
巣立てず、街に留まることも許されないのなら、呪われた私の魂はどこへ行くのだろう。

私は知っている。文字に綴ることすら厭わしいけれど、その行く果てを知っている。

それはどこでもない。
消えるだけだ。誰の記憶からもいなくなり、削除される。
それが私の世界の終りなのだ。

110 名前:名無し客:04/08/22 22:06
最近誤爆が多いですねぇ。枯れ木も山の賑わいで閑散としているよりはいいのかな?
井戸の中は暗いし、静かだし考え事には最適ですよね。
でも誰かさんに縄梯子を引き上げられないように注意してくださいね。
リングの貞子しかり、番町更屋敷のお菊さんしかり、
井戸に髪の長い女性の幽霊はつきものですから。

なるほど、さすがはメカニック娘、やるときゃやるって感じですね。
でもその後なんか悲惨な目にあっていたような気が。気のせい・・・カナ。

ところでヒカリがラッカに光輪を授けるときに光輪をつかむのに使っていた
「パンばさみ」をなんて呼べばいいのか分からないっておとーさんが悩んでますね。
あれって正式名称はなんていうのか知ってます?

111 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/08/23 00:25
>>110(ドーナツトーク)
はは、間違えて他所が被弾しちゃうより、こんな辺鄙な所が防波堤になった方がいいでしょ。
ま、あれだ。井戸の底から「輪っかがいちま〜い、にま〜い……」っておどろおどろしい声が
響いて来る。すると井戸の中から、十段重ねの光輪がニョキニョキ姿を現すのが灰羽流怪談。
……あれ、ちっとも怖くないな。

そうそう、あれでカナは親方の秘蔵っ子だから――え、悲惨な、目?
何だろう。いや、あたしにはさーっぱり見当がつかないなあ。
橋のとこでカーブを切り損ねたなんて、ましてやそれで川に落ちたなんてある筈ないし。
そう、あり得ない訳で。気のせいだね、気のせい。

……た、煙草、逆さに咥えちゃった。いやあ失敗失敗。あは、はっはッゲッホゲホ!


ええとだ。で、そんな下らんことで悩んでるのはどこのお父さんなの?
まあ、あたしも知らなかったけど。
パン屋で働いてるヒカリに訊いてみたら、店では「トング」って呼んでるらしい。勿論、光輪
じゃなくてパンを掴む為のやつ。でも、連盟から貸してもらったのも同じものだろうね。

とと、知らない人の為の解説その何個目。あたし等のこの輪っか、後付けなんだ。
新生子が生まれそうになると、灰羽連盟から光輪の鋳型と光箔を借りる。
鋳型は、中央に穴があいた蓋つきフライパン。光箔は光ってて、ふわふわした苔――みたいな
ものかな。こいつを鋳型で熱すること数分、灰羽用光輪一丁上がりぃ、ってね。

出来たては熱々なんで、パンばさみ――いや、トングか――で新生子の頭に授ける。
この光輪の係、ラッカの時は妙にはりきってヒカリが立候補したんだけど、ふふ、後で聞いた
所によると、密かに鋳型でパン作ってみたんだって。光輪と同じ形の、穴のあいた丸いパン。
あははは、ひどいよなあ。ラッカもぶうぶういってたっけ。

因みにその穴あきパン、今じゃヒカリの店の人気メニューらしい。
実際美味いからね、あれ。ラッカを嘆かせた甲斐はあったって訳か。

112 名前:名無し客:04/08/24 22:24
その羽が無垢の「白」でなく、汚れた「灰色」であることに、
なにか意味があると思いますか?

113 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/08/25 22:17
>>112(光、闇、アマルガム)
おいおい、汚れたってのはひどいじゃん。
はは、でもそれが普通の感想かな。

意味、か。そうだね……。
(ゆらゆらと流れる煙草の煙を眺めて)

あたしの思ってることでいいなら。
イメージとしては「白」は確かに無垢や、聖なるものだったりする。反対に「黒」は、罪――
だとか、悪いものが多いみたい。こういうのはどこでも共通なのかな。
神様は高くて白いところにいて、悪魔がいるのは暗くて黒い地の底深く。
どっちも人間とは――灰羽とは縁の遠い場所さ。

完全に無垢な人はいないし、どす黒さに染まって生まれた奴もいない、とあたしは思う。
白黒どっちにしろ、それ一色ってことは神様と悪魔の領分だ。
あたし達の生きてる世界は、色々な色が混ざり合ってる世界だろうから。

だから人の世界を象徴する色があるとしたら、それはまっさらの白に黒を少し落として汚した
色、灰色なんじゃないかなって、そう思う。
あたし達の羽がこの色なのは、人の世界で生きなさいっていわれてるから。
――何となく、だけどね。そんな風に考えてる。


そういえば前にもいったっけ。白くもなく、黒くもない。でも白でもあり、黒でもある。
だからあたしは灰色が好きなんだ。

114 名前:名無し客:04/08/29 19:28
グリの街ではどうだか知りませんが、こちらの世界では神様のことを父と呼ぶこともあるんです。
って、本当は創竜伝という小説各巻巻末の座談会のノリを拝借したんですが。

なるほど、あれはトングというのですか。ひとつ勉強になりました。
ヒカリさん考案の穴あきパン私も食べてみたいなぁ。
真ん中に生クリームとかをトッピングしたらきっとさらにおいしくなるだろうなぁ。

さて、こちらでは今オリンピックが開催されています。
日本チームは期待以上の大活躍をしているので街中すごく盛り上がっています。
グリの街にはスポーツに限らず街中が盛り上がるような祭典などは有りますか?

115 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/09/04 02:00
>>114(死と再生の弁証法)
神様。
ああ、なーる……。創造主って奴だね。どこのどいつだ、なんていったら不敬な発言てのに
なっちゃうよな、あっはっは。

ん、あのパン屋にはあるよ。横にスライスして、中に生クリームとかフルーツ挟んだの。
ヒカリもアイデア出してるみたいでさ、周りをチョコでコーティングしたり、ナッツまぶし
たりした新作が出てたっけ。
あたしはシナモンパウダーのが好きだな。コーヒーによく合う。――ひょっとして、外の世界
にもあるのかな、おんなじようなのが。


へえ、スポーツのお祭で。凄いじゃない、あなたのところのチーム。
グリにはスポーツってあんまりないんだ。そういうの見るのは、楽しそうだけどね。
だからお祭といえば、一番でかいのは過ぎ越しの祭になるかな。
その年の最後の日にあるんだ。一年の締めくくりと、新しい年を祝う祭。
いつもは静かな街も、この時は賑やかになる。一週間前から色々な市が立つし、当日の夜は
屋台や夜店も沢山出るし。

でも当日の夜は静かだよ。過ぎ越しの時は静かに過ごすのが仕来たりでね、合図の鐘が鳴る
とみんな口にチャックするから。
黙ったまま、振るとコロコロ固い音がする鈴の実っていう木の実を贈り合う。
五色の色それぞれに、赤は「感謝」、緑は「お祝い」とか意味があるから、鈴の実に託したその
気持ちを伝えるプレゼントなんだ。

ちょっと凝る人だと、鈴の実じゃなくて、その色をした別のものを贈ったりもする。
例えば赤い瓶のお酒とか、黄色いマフラーって具合に。

で、後は家に帰ってお祝いの晩餐を囲んで夜通し過ごすんだけど――その前に忘れちゃいけ
ないメインイベントがあるな。
でもこれ、口じゃ説明しにくいんだよね。何ていうか、心で感じるものだから。

まあ来れたら、シーズン狙ってグリにおいでよ。百聞は一見にしかずってやつさ。

116 名前:◆xRtREKI.VQ :04/09/04 02:02
(レキの日記より)


(日付はかなり古い。ページは黄ばんでいる)

今日は本当にすごい日だった。
いつもならとっくに寝てる時間だし、クラモリももう休みなさいといったけど、どきどきし
てぜんぜん寝られないから日記を書いておこうと思う。

何から書こうか迷っちゃうから順番に書こう。
今日――もう日付は変わっちゃったけど――は待ちに待った過ぎ越しのお祭の日だ。
私は初めてだから、ずっと楽しみにしてた。鈴の実の市で色々買って準備はばっちり。
夜はオールドホームの全員で街へ行った。雪混じりの風は寒いので、充分に暖かくする。
通りは人で一杯で、街にもこんなに人がいるんだって驚く。
屋台のふかしまんじゅうがとっても美味しかった。でも大きくて、ネムと半分つにした。

二番目の鐘が鳴ると、がやがやしてた街は急に静かになった。
みんな黙ったまま、知り合いの人を訪ねて鈴の実を渡すのだ。コロコロ可愛い音で鳴ってる
のは手に持った実だけ。
私達も寮母のお婆さんの家や、よく買い物をするお店を回って歩いた。
贈るのは大抵赤い実。もらうのも同じだ。喜んでくれるし、私達もうれしいのも同じ。
もちろん、オールドホームのみんなとも渡し合った。


私はクラモリには黄色の実をあげたかったけど、照れくさいのでネムと同じ赤いのにした。

117 名前:◆xRtREKI.VQ :04/09/04 02:07
>>116の続き

十二時の鐘が鳴る頃、みんなで風の丘に戻った。
丘からは街が見下ろせる。まだあちこちで灯りがともっていて、とてもきれい。
クラモリが目を閉じて耳をすませてご覧なさいというので、みんなその通りにした。

すると、ささやき声が聞こえてきた。
ううん、人の声じゃないのかもしれない。笑ってるような、古い歌を歌ってるような音。
うるさい感じは少しもしなくて、積もった雪の中にそっと溶けてくみたいで。

びっくりして目を開けて、もっとびっくりした。
街の向うに見える壁が光り出していた。
あっちこっちに小さい点がともって、段々全体が青白く光っていく。多分、壁の全てが光っ
てたんだと思う。ささやきはその光る壁の中から響いて来るみたいだった。
小川の底の方から浮かんでくるような光はとても優しい色で、月を見上げる時みたいに心が
落ちついた。


あれは街の人全ての想いなんだって、クラモリが教えてくれた。壁が一年の間に受け止めて
くれていた想いを、空に返すんだって。
――じゃあ、あの光の中に私の想いはあったのかな。
私がこの街で過ごした一年の想いも、あんなにきれいなものなのかな。
私には、そうは思えないけれど。

でも私は来年も、さ来年も、ささ来年もその次も、みんなと過ぎ越しのお祭をしたい。
クラモリやネム達と一緒にいたい。
だから、せめて私の想いがみんなの想いの光を汚しませんように。

あったかいクラモリの手を握りながら、光が返っていく夜空に私はそうお願いした。

118 名前:名無し客:04/09/05 20:15
ほほう、野球ぐらいはあるかと思ったのですが、そうでもないのかな?
シーズンに限らずグリの街には一度行ってみたいのだけれど、行き方が判らないんだよね。
噂ならいろいろあるんだけどさ。
河を泳いでいくんだとか、空を飛んでいくんだとか、
鬱蒼とした森を抜けていくんだとか、とある湖に冬の間通路が開くとか・・・。
一番簡単そうなのは「果報は寝て待て」ってやつかな。
でもあまり寝てばかりだと運動不足で太っちゃいそうな
って流石にここまでは木槌飛んでこないよな(゚Д゚;≡;゚д゚)

ところで最近はめっきり過ごしやすくなってきましたが
こちらの今年の夏は1日の最高気温が30度を超える日が1ヶ月以上も続くような例年にない暑い夏でした。
そちらは冬は結構厳しいようですが、夏の気候はどんな感じなんですか?

119 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/09/07 02:19
>>118(羽っち野球軍・ハンターチャンス・真夏の一ページ)
ああ、野球はあるよ。街の人がいくつかチーム作ってる。
でも街全体が盛り上がるって程でもないかな。それでも試合がある時は、ちびども連れて観戦
に行ったりする。男の子は特に喜ぶからね。
ただ、最近廃工場――ここも灰羽の巣なんだ――の連中もチーム作るって聞いてさ。
くやしいんだよな。オールドホームの年長組が定数揃ってたら、チーム結成して喧嘩状送って
けちょんけちょんに負かしてやるってのに。

うーん、やっぱ外の人も来かたがわかんないか。自由に行き来できるのは鳥とトーガの隊商
だけっていうしね。
はは、「果報は寝て待て」か、そりゃいいや。「夢で逢いましょう」って返すとこかな。
単なる噂なら、西のはずれの沼の水底が外と繋がってるとかいないとか……あ、ネム。お茶の
おかわり、ありがと。こっちのお客さんにもお願い。――何それ?
いやそれ、後ろ手に持ってるやつ。隠さなくったっていいじゃん。ていうか見えてる。

……ヘンなやつだな、ひくひく笑って行っちゃったよ。何だろ、あのでかいとんかち。


うは、毎日三十度オーバーが更にオーバーひと月。そいつはご愁傷様。
そこまで蒸し風呂チックだと「地獄の季節」だな。そういう話を訊くと、グリ在住で助かった
って思っちゃう。あはは、悪い悪い。
うん、冬はね、急に大雪になるけど、夏は過ごしやすいから。薄手の長袖でも大丈夫な位の気温
だし、あんまりじめじめしてない、からっとした天気が多いんだ。

まあ、「おーい太陽の数増えてるぞー。カナー、時計台の天っ辺からニ、三個撃ち落しといて」
的な日もたまにゃあるけど。水ん中へ飛び込みたくなるようなあっちい日。
といったって、この街には泳げるような場所はないんだよな。精々一昨日みたいに、ちびども
をオールドホームの前の河で水遊びさせる位で。
まあ深さは膝までもない河だから。足をひたしてばちゃばちゃやるだけさ。
でも、足首冷やすだけで不思議にすうっと涼しくなるよね。
こういう気持ちいい冷やっこさが味わえるのも、暑い時ならではの楽しさなのかねえ。

120 名前:名無し客:04/09/08 02:06

    ,.:.:''"´ ̄ ̄ ̄``ヽ、
   /.:.:.:.:.;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
  /.:.:.:.:.:,:<.:.:.:.:.:.:;ィ:vヘ.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
 f.:.:.:.:,:<、:.:ヾ、/´ ̄`ヾ.:.:.:.:.i.:.:'  <がさつな子は嫌いよ
  !.:.:./.:.:.:ヾ/      `、.:.:.:l.:.:l
  l.:./.:.:.:/‐-     -─゙、.:.:l.:.:l∧          ∧
  l:.:l.:.:/ ,ィt:ア`   'イtァ、 }:ノ.:./ ヽ_       / .∧
  ノ.:ハ〈  `´     `´  'イ/   `、⌒ヾ⌒ヽ/  __∧
/.:.:.ヽヘ        ,     /    (.....ノ(....ノ  / /ヽ
{.:.:.:.:.::::::ヽ          |   ι      し::(....ノノ
ヽ.:.;、.:.::::::::\   ´ ̄`  / ̄ ̄ヽ  U>>118::::::::::::::/`ヽ
 V ヾハ、ト、:i、l丶、__,. イ (___..ノ     :::::::::::::::::::(....ノノ
  __    ノ     !、  ヽ   ι ::::::::::::::::::::::::::ノ


121 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/09/09 02:31
>>120(握撃)
全員そのまま!

大丈夫、大丈夫だから。――動かないで、>>118のあなた。リラックスして。
別にネムは重ねたトランプの束をカステラみたいに引き千切ったり、物凄く精密な秤に手を
乗せて、敏感なメーターを完全に静止させたりなんて握力は持っちゃいない。
ましてや「そいつに触れることは死を意味するッ!」訳でもないんだ。
撫でてるだけ。それは撫でてるだけなんだから。

ほーらネム、はいしーどうどう、はいどうどう。
お歌だよー。クラモリがよく歌ってくれたやつだよー。


おやすみ赤ちゃん 木の上で
風が吹いて 揺りかご揺れる


揺りかご揺れるー……そうそう、そうだよ。歌っててあげるから、そっと手を離して――


木の枝折れて 揺りかご落ちる


……どわあっ!
落ちない、揺りかごは落ちない! 赤ちゃんも落ちないってば!
落とさないから落ち着け! あんたは落ち着けー!!


――ふう。命拾いしたね、>>118の人。
うかつに口にしちゃあいけないよ。「ぽっちゃり」だの「ふくよか」だの「でぶ」だのと、
あ痛っ!
痛いってばネム。いいじゃんか、やってみたかったんだよ、「けだものと猛獣使いごっこ」。
あんただってノリノリだったじゃうわあ! とととんかち、とんかちはいやあ!!

122 名前:名無し客:04/09/12 03:50
こちらは夜めっきり涼しくなってきました。
グリの街はいかがですか?
こっちでは今の季節、スポーツにも読書にも旅行にも睡眠にも──食欲にも
最適だと言われているのですが、レキさんはどのように過ごすおつもりですか?

123 名前:名無し客:04/09/12 18:52
こんばんは、また遊びに来ました。
おや、珍しい。今夜は先客がいらっしゃいますね。
これを機会にお客が増えるといいですね。

ところで先週お茶のおかわりをもらったあたりから記憶が飛んでるんですけれど、何かありましたっけ?
なんだか頭も痛いし・・・。
そういえば、レキさんも絆創膏だらけですが、転んだか何かしたんですか?
お互い怪我には気をつけましょうね。

あー、やっぱり夏はすごしやすい気候なんだ。
夏場は避暑にそっちへ行ってみたいなぁ。
でも行きkうわっ、急に頭痛が・・・イタタタタ
どうしたんだろう? そちらへの行き方を考えようとするとひどい頭痛がする。

ところでこちらでは先日1日に2回も大きな地震がありました。
もともと地震の多いところではありますが、これはなかなか珍しい現象だそうです。
そちらでは地震はありますか? あるとしたら地震に対する備えとかはどうしてます?

124 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/09/14 23:52
おや、久々にお客さんが何人も……あつっ。
やれやれ、たんこぶの腫れ、まだ引かないよ。


>>122(秋の先触れ・森・収穫)
ああ、外の世界もなんだ。うん、今はこっちも大分涼しいよ。
朝晩が過ごしやすいのが助かるよな。起きるのも寝るのも気持ちよくって。

秋の過ごし方なんだけど、実はこっちの秋は短くてね。
夏が終って、すこーし気温が下がったなと思ったら、すぐその下がり方がずんとでかくなる。
それでもう冬になっちゃうから。結構駆け足なんだ。

で、その短い内でやっとかなきゃいけないのは――うちらの場合、きのこ狩り。
森全体で毎年生える場所はいくつかあるけど、街の業者や料理屋なんかが採ってる所も多い
から、かち合わないようにオールドホームの近くですることにしてるんだ。
この辺りは街から遠いし、まああたし達のテリトリーって訳。
年長組、年少組みんなで行くんだよ。今年はラッカが初参加だな。
採れるのはまいたけ、なめことか。――時々怪しいのもあるから、そういうのは絶対パス。
あ、そうそう、近くに栗の木もある。まだ実は青いけど、これも忘れちゃいけないね。

炊き込みご飯に栗ご飯、和え物に天ぷら、きのこスパゲティー。
……むふふ、今年も楽しみだなあ。

125 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/09/14 23:56
>>123(After the Quake)
やあ、この前はどうも。……いやもう、ほんとにどうもね。
お客さん、うん、増えるといいけどね。これが中々。

怪我もだけど、あたし等が気をつけるべきはあれだな。
誰だっけ、確かカフェのマスターがいってた。「医者とレストランと毒のあるジョークはきちん
と吟味した方がいい」んだって。
命に関わるから。

まあ、その。――絆創膏か湿布、要る?


えっ、地震が日に二度も? 怖いな、怪我とか何か壊れたりとか、大丈夫だった?
こっちではあんまり、っていうかほとんどない。何年も前に少しぐらぐらっと来た位だよ。
何かあった時用の乾パンや水、灯油なんかはどっかに……確かどっかに置いてあった筈だけど。
うーん、考えるとグリの街は防災観念低いかも。こいつは壁の所為かな。

ああ、要するに壁に守られてるから、ってこと。
この街を覆ってる壁は、外から悪いものが入って来るのを防いでくれてる。
「悪いもの」っていうと抽象的だけど、天災とかそういうものも大きいと思う。
ひどい飢饉とかもないしね。だから街は平和なんだ。
その壁の守備範囲は、地面の下もなのかもね。

まあ地震には地震なりの、っていうとおかしいけど、何かしら起きる理由はあるんだろうし、
悪者扱いはいけないのかな、あはは。

126 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/09/14 23:59
……よし、ちびどもの服の繕いはこれで終わり。
秋の夜長ってのも何だか暇だよな。まだあんまり眠くもないし。
――お、今夜は虫がよく鳴くじゃん。ちょっとしたオーケストラだな、こりゃ。

ラッカ達は――寝てるか。ネムなら起きてるだろ、書類の整理があるとかいってたから。
大体ありゃ、うたた寝ばっかしてんだから、夜の睡眠は少なくていいんだよ、多分。
ま、それはさて置き。気分転換がてら、夜のそぞろ歩きにでも誘ってみるか。
この前のどんぱちの詫びも兼ねてさ。ふふっ。

取り合えず、このコーヒー飲んじゃったら行ってみようっと。

127 名前:名無し客:04/09/19 19:19
ああ、地震は少ないんですね。いや、オールドホームってなんていうか、その、アレだから
大きな地震があったりしたら被害も大きいんじゃないかと心配だったんですよ。
でも非常持ち出しはちゃんと整備しておいた方がいいですよ。
非常食も年に一度は入れ替えるとか、灯油もあまり長い間放置しておくと腐っちゃいますからね。
え、私ですか?
私はもちろん・・・・・・・・・・何もしてませんが。

あ、お茶のおかわりですか? はい、いただきます。ネムさんの淹れてくれたお茶はおいしいですね。
いえいえお世辞なんかじゃないですよ。いやだなぁ。
そういえばオールドホームってお茶の時間を大切にしているようなイメージがあるのですが。
ネムさんなんかは茶器にもこだわってるようですし。実際のところはどうなんです?
それから、皆さんの好きなお茶はなんですか?

ところで、・・・・・・・・・・湿布もおかわりいただけます?

128 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/09/20 00:47
>>127(湿布・アフタヌーンティー・ハーブ)
まず、こっちのおかわりからいっとこう。
……まだ腫れてるね。まあ、換えながら話そうか。
ああ、大丈夫だって、そんなにネムに怯えなくても。もう怒ってないからさ。


いや、心配してくれんのは嬉しいよ。でも、なんていうかそのアレって何だよ、ドレよ。
……ま、わかるけど。ここはおんぼろだからねえ。
灰羽の巣になる前は学校の寄宿舎だったみたいだから、広いのはいいとして、人口比で
いうと広すぎるんだよね。
で、掃除やらの手は回らないし。使ってない階だと昼間でも肝だめし出来るもんな。
――その、何、お互い設備管理に危機管理はしっかりしときましょうってことだね、はい。

うん、お茶の時間は大事だよ。
みんな勤め先がばらばらだからさ。全員揃う時って、朝晩を除くとあんまりないんだ。
だから貴重な機会って訳。気合い入れるって程でもないけどね。

お茶の種類は、そうだね、大抵コーヒーか紅茶がメイン。
でもお茶請けによっては緑茶とか、ほうじ茶もあるな。きゅうりの浅漬けとかさ、よく合うん
だこれがまた。……カナなんか、じじばばくさいとかひどいこといいやがるのな。
そうそう、カップとかも大事だよね。やっぱりいい器で飲むと感じが違うもの。
今飲んでるこれ、こいつはこの前ネムが仕入れてきたティーセットなんだ。中々いいでしょ?

最近、うちじゃハーブティーが流行っててね。ヒカリが買ってきて、みんなはまっちゃって。
あたしはカモミールティーってのが気に入ってる。
お茶ってさ、どんなのでも飲むとほっとするじゃない? こいつは特にそうなんだ。
寝る前とかに飲むと、まったり寝られる気がする。――妙な夢とかみないように、ね。

……はい、再湿布完了。おっとネム、話のついでだ、おかわりはカモミールで頼む。
ふふ、騙されたと思って、あなたも試してみなよ。

129 名前:名無し客:04/09/20 08:14
(電話が鳴りました)

「あー、私、私。私だけどさ」

(中略)

「とても困ってるの、今から言う口座にお金いれてくれる?」

130 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/09/21 00:15
>>129(ハネハネ詐欺)
おっ、電話じゃん。珍しいなあ。
いや、オールドホームにはないんだよ。街中でもあんまり見ないし……ところで出ていいのかな、
これ。
――えーと、もしもーし。は? 誰? 私だけじゃわかんないよ。
……もしかしてミドリ?
いや、口座とかいわれてもこっちも困、あれ、何だよ、切れちまった。

まいったな、うちに金なんかないぞ。ミドリだってそんなこと知ってるだろうに。
ああ、あたし達灰羽はお金を持てない決まりがあってね。
どうしてだかは知らないけど、しきたりの一つでさ。

それじゃ使った紅茶パックを、干しては淹れ干しては淹れ、結局最低十回は再利用するような悲
惨な暮らしじゃないかって? ――いや、いくらつましい生活つったってそこまでは。
大丈夫、お金の代わりにこれがあるから。灰羽専用の灰羽手帳。

この臙脂色の手帳は、灰羽連盟から支給される。光輪と一緒だよ。
これのページに日付とか相手とかの詳細を書いて、一枚破って店に渡すのが灰羽の買い物の仕方
なんだ。その代金は、連盟の方で支払ってくれる。
要は小切手みたいなものかな。
その代わり、これも決まりで働ける年齢になった灰羽は、どこか所定の場所で働かなきゃならな
い。賃金はなし、っていうか、働いた分だけ手帳を使えるって訳。
つまり給料は本人じゃなくて連盟に行くってのが、灰羽の雇用形態なんだね。


……やっぱミドリじゃないよ、今の。あの子も灰羽なんだから、そんなこと承知してる筈だ。
おまけに金のやり取りしようってのに、ちゃんと名前もいわないなんて。
なーんか胡散臭いな。―― 一応自警団に報せとくか。

131 名前:名無し客:04/09/26 01:55
カモミールだけのハーブティは、ちと苦手だったのですが、他の普通の紅茶と
ブレンドすると、驚くほどすんなり飲めてびっくりでした。
レキさんがお茶をするときにいつも食べるお菓子やおつまみって、何かありますか?
やはり、そういうものも皆さんとの手作りだったりするのですか?

132 名前:名無し客:04/09/26 18:40
暑中見舞い用のはがきのことですか? などと判りづらいボケは置いといて、
せっかくなのでいただいてみます。
ほほう、りんごのようないい香りですね。
効能は・・・・・・リラックス効果のほかにも消炎鎮痛、消化促進作用、美肌効果なんてのもあるんですね。
だからレキさんの肌はいつもしっとりすべすべなんですか。

そうそう、なにやら怪しい電話があったとか。
どんな電話でした?
ふんふん、なるほど。
それはこっちでは有名な詐欺の手口ですよ。さすがレキさん、きちんとした対応をしてらっしゃる。
それにしても、こちらの世界から電話してきたのですかねぇ?
グリの街にもこういうよからぬ考えを持っている人っているもんなんですか?

133 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/09/28 22:53
>>131(マゼルナ危険・甘味・はいばねクッキング)
ブレンドかあ。あたしは普通のと混ぜたことはなかったから、試してみたよ。
うんうん、確かに味が丸くなった気がする。
例えると気難しい小物屋の婆さんが、ちょっと多めに買い物したら珍しく「毎度あり」って笑っ
たような感じ。――あんま、いい例えじゃないな。

あたしが試したブレンドだと、ミントと緑茶が美味しかった。後味がすっとして。
ああ、そういや……うちのクウがね、いっぱい混ぜたらもっともっと美味しくなるよーとかいって
やったらと混ぜたことがあったっけ。何種類もだよ。
そしたら飲めない程不味くない、でもどうにもこうにも美味しくない、がっかりブレンドが出来
ちゃってさ。
オールドホームは「ご飯は残しちゃダメ」条令を敷いてるから。何日かかけて、自分で始末させ
たよ。やれやれだ。

お菓子は街で買って来るのと作るの、半々かな。
面倒くさい時はありあわせのクッキーとかチョコレートで済ますし、気が向くと少し凝ったもの
作るし。シフォンケーキとか、ムースとか。
あたしはお菓子作りっていうか、料理は好きだし得意なんだ。――そういうと、なんか似合わな
いっていわれるんだよな。よっぽどがさつに見えるのかね。

うちではヒカリが得意だね、お菓子関係は。ほら、あの子パン屋で働いてるから。
近ごろはレシピを教えてってせがまれるんだ。なんで、よく一緒に作るよ。
ヒカリは飲み込みがいいし、もうレパートリーが大分増えたなあ。

あー、久々に何か作りたくなってきた。
さつま芋がまだあるから、明日はスイートポテトでもやろっかな。裏ごしは面倒だけど、あれを
するのとしないのじゃ大違いだものね。
昼間はみんな仕事だし、そうだな、ラッカに手伝って貰って。
よし、決めた。明日はスイートポテトの日。

134 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/09/28 22:56
>>132(グリ犯罪白書)
いや、女性で初めて宇宙とかいう所に行った人の言葉でしょ、それ?


――あたし、今何を口走ったんだ?
いかんいかん、光輪が変な波動を受信したのかな。そんな機能ない筈だけど。
こういう時こそお茶飲もう、お茶。……ああ、まったりだあ。

へえ、これにそんな色々効果があるのは知らなかった。
薬っぽいっていや、そんな香りだしね――すべすべ? あたし?
ふふ、こりゃどうも。褒めても何にも出ないよ。


ははあ、あの電話、やっぱりそういう連中からだったんだ。
どっからかけて来たのやら。電話線だって外とは繋がってないもの。
かといって、そこまで悪いやつはグリにはいないと思う。
のんびりした所だからね、ここは。事件らしい事件はないし。
悪ガキが店先に落書きしたとか、酔っ払い同士が殴りっことか、その程度。

とはいっても、この街にも自警団ってのはあるよ。
でも今いった通りなんで、むしろ主な役目は街全体の主導や、街への出入りの監視になる。
大門では、こわい顔したおっさんと、輪をかけておっかない犬が番してるんだ。

ああ、でも……最近廃工場の灰羽連中がバカやり出したって聞いたから、あれは取り締まり対象
だな。
スクーター何台かで、人気のない道をヒューヒュー叫びながら突っ走るだけらしいけど。
別に被害はないし、街の人達からは「灰羽珍走団」とかいわれて面白がられてんだって。
――なんていうか、こういう灰羽の面汚しどもはさ、びしばし反省室へぶっ込んでよしだな。
ついでに話師の爺さんに、四十八時間耐久説教でもかまされろってんだ。

スケボー乗って粋がってる、約一名のバカは特に。

135 名前:名無し客:04/10/01 02:36
朝晩は涼しくなり、気持ちのいい季節の筈なんですが、どうにもこの頃
寝付きが良くないです。
レキさんおすすめの、ぐっすり眠れる方法は何かありませんか?

レキさんがおっしゃっているような、ミント緑茶のようなブレンドティーでも
飲んでみようかと思っているのですが。

136 名前:補佐参 ★:04/10/02 07:12
どうも。
管理人神奈尾氏のお手伝いをしている補佐参★です。
こちらを見て、お返事頂けないでしょうか。

http://www.appletea.to/~charaneta/test/read.cgi/ikkoku/1084952300/644

137 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/10/03 00:49
>>136の管理人さんには今答えて来た。いやー、嬉しいし、驚いたよ。
どんな絵になることやら。ふふ。


>>135(涼風・眠れぬ夜・Good sleep)
ああ、中々眠れないのは辛いよなあ。
色々やってみたでしょ。寝る姿勢を仰向けにしたり、うつ伏せにしてみたり。
時計とにらめっこして勝負つかなかったり、数えてた羊が、何時の間にか大牧場クラスになっ
てたり。

そういう時は無理に寝ない、起きてるに限る――で済めば楽なんだけど。
次の日は仕事だってあるだろうから、そんな夜更かしする訳にもいかんしなあ。
うん、季節柄、あったかい飲み物をニくち三くちってのはお勧めだよ。
別にハーブティじゃなくてもいいさ。普通のお茶でもホットミルクでも。
何か飲んで、仕切りなおしてみるのは悪くないと思う。落ち着くしね。

多分一番いいのは、寝よう寝ようって無理に思わないこと、なんだろうな。
あたしはね、妙に眠れない時、よく歌ってみるんだ。
声に出してじゃないよ。流石に夜中は迷惑だ。
頭の中で、ね。好きな歌ばっかり、端から好きなだけ繰り返すの。
ああ、当然あたしが歌えるのは、全部この街で覚えた曲ばかり。
灰羽は、外の世界のことをみんな忘れてしまっているからね。

でも歌う時は――心がどこかと繋がるような気がする。
なくした何かをたどる道、それを見つけられそうな、そんな安心した気持ちになって。


で、その内に寝ちゃう、と。……これ、あんまり他人向きじゃないかもしれないな。
ごめんね、あまり力になれなくて。

138 名前:名無し客:04/10/03 04:06
只今、一刻館ラジオを聴きながらこれを書いてます。
グリの街にもラジオ番組は存在していますか?

そうそう、レキさんや子供たちが普段聴く音楽って、どういうものが多いですか?
うーん、ちょっと、そのグリの街で覚えたという曲を歌って下さい……というのは
駄目でしょうか?

139 名前:名無し客:04/10/03 19:19
そちらはずいぶん治安がいいようですね。うらやましい限りです。
こちらは年々治安が悪くなってきているようで・・・。
件の詐欺も手口がどんどん巧妙になってきていますし。
警察からという電話もうっかり信用できないとは悲しい限りです。

珍走団ですか、私も若いころ似たようなことをやっていたので耳が痛いです。
スピードを出して走るのって気持ちがいいんですよね。
それにしてもダイ君、ずいぶんスケボーがうまくなったようで。
くれぐれも羽目をはずしすぎないよう伝えておいてくださいね。
え、違うって?

今年は台風の当たり年で現在8個も台風が上陸して
各地で農作物をはじめ大きな被害が出てしまいました。
そちらでは嵐はどのぐらいの頻度で発生してます?
対策などは大丈夫ですか?

140 名前:名無し客:04/10/05 21:42
爆撃絵師さんがバナーを描きたがってますねぇ。
お絵描き掲示板活用スレッドの方は動いていないようですし、
いっそのこと上記スレでの依頼はキャンセルして
爆撃絵師さんにお願いしてはどうでしょう?


141 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/10/08 01:19
>>138(レディオノイズ)
ラジオか。いいなあ、あたしも聴きたかった。
ああ、ラジオはグリにもあるよ。知り合いだと古着屋の兄ちゃん、あれがいつも聴いてる。
なんか暇潰しにはもってこいなんだとさ。どんな番組なのかね。
いや、オールドホームには受信機がないんだ。お古で中々出回らなくって。
番組っての、聴いてみたいし、まめに古道具屋詣でするしかないか。

あたし等がよく聴く音楽は、説明するよりレコードかけようか。ちょっと待って。
(ttp://www.h6.dion.ne.jp/~satohdyk/mpnhk83.html)


――プレーヤーはあるんだ、一応ね。でも盤は大したのは揃ってない。
今かけてるのは、ちびどもの歌の時間に聴かせるやつ。不思議な歌でしょ?
どことなくこの街みたい――といったって、こんなに暗くも変でもないけど。
他には「赤鬼と青鬼のタンゴ」とか「トレロカモミロ」なんか好きだね、あいつら。
歌の時間じゃなくても、みんなでよく歌ってるよ。

あたしが一人で聴く時の定番は、チック・コリアって人の曲だな。
この人のピアノがお気に入りなんだ。空気が違っていく、ハッカみたいにスッとしていくよう
な感じがしてね。コーヒーと煙草が一番のお供――え、この街で覚えた曲?
う、歌うの、あたしが?

みんなは……自分の部屋行ってるな。
しゃーない。いいよ。

142 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/10/08 01:21
>>141の続き

(灰羽手帳を開いて)
ええと、あーあー、あーあー、エヘンエヘン。
じゃ、ま、一つ。『灰羽連盟歌』。


西の森に光がさして
壁は高く空に伸び
実り豊かなグリの街に
旭は注ぐよ 朗らかに

滝の桟橋 急いで渡るな
自給自足がモットーさ

あぁ、灰羽
灰羽連盟


ハネとわっかの子供たち
学舎に響く笑い声
つつましき生活と勤労
心を伸ばせよ 清らかに

自転車 バイク なるたけ歩け
不便が必要の母となる

あぁ、灰羽
灰羽連盟


……お粗末。感想はシャットアウトな、頼むから。
しかし、なんていうかこの歌――すぼけなとこは灰羽らしいかもしれない。はは、は……。

143 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/10/08 01:23
>>139(悪意・スピードデーモン・嵐)
いや、ここが緩過ぎなのかなあ、とは思うけどね。
でも悪いことってのは、考えれば考えるほど、それこそ悪い意味で煮詰まっていくもののよう
な気もするんだ。
人間ってのは、どこかに緩くていい部分も必要なのかもね。

……ぷっ、おいおい、あんたもやってたのか!
まあスピード出すのが爽快だってのは、わからなくもないよ。あたしもスクーター乗るし。
だけど、そこで廃工場灰羽のバカ大将、ヒョコみたいになっちゃダメダメだってことさ。
……ダイが? ほら、そういう悪影響を受けるから、それがいかんっての。


えっ、前に地震が一杯あったっていってたのに、台風も? 凄いね……。
まあ台風はね、こいつはグリにも毎年来る。大体、今ぐらいの時期。
立ち木とか、折れそうにしなっちゃう位の大風が吹くこともあるよ。
オールドホームは使ってる部屋数が少ないから、そういう所の窓なんかを重点的に――特に、
がたが来てそうな所は念入りに補強したり、準備はそんなもん。
これだって結構大変だけど、もっと大変なのは来てる最中さ。ちびどものお守りが。

いやもう、男の子は大抵はしゃいじゃう訳。
今年は「折れた木の枝が飛んでくとこ見てー!」な脱走者が出そうになって、水際で何とか食い
止めたよ。ったく、なんでまた浮かれるんだろうな、子供ってのは。
反対に、女の子は怖がるね。泣く子も出るし。
つきっきりで色々世話しなきゃなんないから、結局外でも内でも台風一過って感じだよ。

144 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/10/08 01:28
>>140(爆撃絵師戦闘集団)
爆撃絵師さん――実はね、あたしもそう思って、密かにその人にコンタクトを取ってみた。
そしたら、時間的に難しいから本決まりではないんだけど「是非描きたい」ってお言葉を
貰っちゃったんだ。
――まじだよ、これ。

いやー、もう本当に嬉しい。もし今回の話が流れちゃったとしても、それでも嬉しいよ。
一人で過ぎ越しの祭をやって、一人神輿やっちゃいたい勢いだな、あたしは、うん。

145 名前:名無し客:04/10/10 19:12
珍走といっても近所の山道を一般的な車両よりも1〜2割増し程度のスピードで走って
満足していたプチ走り屋って程度だったんですけどね。
最近はガソリンも値上がりしたし、車も15万km近く走ってだいぶくたびれてきたから
無茶はほとんどしなくなりましたがね。

ちゃんと台風対策はなさってるんですね。
いや、オールドホームってなんていうか、(以下略)
台風が来ると浮かれるって言うのは解るなぁ。
普段と違うことが起こるとなんだかワクワクするんですよねぇ。

さて、地震、雷(台風)?と来たので次は火事について聞いてみようかな。
グリの街は見た感じ石造りの建物が多いようだから、あまり大きな火災には発展しないのかな?
消火活動はやはり自警団が中心になって行うのでしょうか?

146 名前:名無し客:04/10/10 19:16
「ネコミミモード」は流行らしいです。
一つ挑戦してみてはどうでしょう。

147 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/10/13 00:44
>>145(頭文字名無し・ときめき・め組)
十五万キロ! そりゃ随分走ったもんだ。
いや、この街じゃ、いくら駆けずり回っても中々難しい距離だもの。余計感心するよ。
ふうん、山道かあ……。ここはそういう起伏がないから、あたしは未経験。
ツーリングとかも、出来たらしてみたいね。でもま、無茶しないのが一番、一番。

……いーよいーよ、「がらくた工場」の連中みたく、「ぼろ屋敷」っていえばー?
大体「三匹の子ぶた」じゃないんだから、流石に大風で吹っ飛んだりしないっての。
ああ、ワクワクする、か――うん、わからないじゃない。期待と不安の煮込みみたいな感覚は。
ただ、そういうドキドキ感に乏しい毎日でね。――灰羽も、どっかで必要なのかもなあ。
(煙草に火を点けかけ、やっぱり止めて)

火事は、石造建築だからなのか、確かにあんまりないと思う。
でも去年、いや一昨年だったかな、東地区の工場街でボヤが出たことがあった。煙がオールド
ホームからも見えて、とても……そう、とても心配した。
幸い大した怪我人は出なかったらしいから、ほんとよかったよ。
まあこういうこともあるんで、街全体でも備えをしてない訳じゃない。
火事みたいな人災は、予防も被害が広まらないような対策も大事だからね。

そう、ご明察。火消しとかも自警団の役目の一つなんだ。
でもそれだけじゃ人手が足りない、急場の時もあるじゃない?
そういう時に備えて、年に一回か二回、地区ごとに防災訓練の日がある。
あたし達も参加するよ。灰羽は、街の人と積極的に交わらないのが仕来たりだけど、こういう
行事だとそうもいってられないから。

訓練では避難ルートを確認したり、消火器を実際に使ってみたり。そうだ、バケツリレーもやっ
たっけ。
これなんか結構面白くて。よっ、はっ、ほっなんて、みんなで妙な気合い入れちゃってさ。
まあ、本番ではそんな余裕ないだろうし、本番なんかないに越したことはないけどもね。

148 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/10/13 00:46
そういや、そろそろ冬の用意をしなきゃいけないな。
もう随分冷え込むようになったし、油断してると風邪引いちゃう。
……と思って、タンスや物置整理してたら出てきたんで、試しにつけてみたけどさ。
(嫌そうに被って)

>>146(ハイバネモード)
……猫の耳、ねえ。
何でこんなのが流行ってるんだ?

まあ、可愛いっていや可愛い、かもしれない。――いや、あたしがじゃなくて、こういう格好
を女の子がするならってことだよ、勿論。男は止めときな。
でもさ、わざわざ流行るってのが、あたしにゃわからん。外の世界も変わってるよ。
とにかく、この街じゃ受けそうにないね。

ていうか、灰羽は羽と輪っかはあるけど天使でも、人間でもない訳で。
更に妙な耳とかついてたら、余計訳わからない存在になっちゃうんじゃないかにゃあ。


――にゃに?

149 名前:レキ@ねこみみカチューシャ ◆xRtREKI.VQ :04/10/13 00:53
てか、>>148では結局つけ忘れてんじゃん……。
もうさっさと取るぞ、こんなん。ったく、どうにゃってんだ。

――うにゃ?

150 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/10/17 00:05
はいはい、みんなちゃんと一列になって歩きな。あんまり離れちゃ駄目だよ。
うん、絵のある所はすぐそこだから、あっ、ダイ! そっち行くんじゃないっ。
こっちおいで、もう。……やれやれ。毎度ながら、ちびども率いるのは大変だ。
誰か手伝いに連れて来るべきだったな。――おっとと、あそこか。

ほら、よぉーく見てみ。あそこに、お姉ちゃんを描いた絵が飾ってあるだろ?
今の此処の看板みたいなもん。ある人にね、描いて貰ったんだ。
ゲイジツの秋だもん。お前等にも、たまには良いものを鑑賞させてやらんとなー。

ん? 嬉しそうだって? そりゃそうだよ。
ううん、目立つ所に飾ってあるから、じゃあないな。絵が綺麗――そうだね、それはそう。
ハナも素敵だって思う? ――だよな、あたしじゃないみたいだ。
でもね、お姉ちゃんが嬉しい理由はそれだけじゃない。

この絵描きさんの絵は知ってたけど、あたしは本人と話したことはなかった。
全然知らない人って、そういってもいい。
けどその人は、そんなあたしの頼みを聞いて、そして素晴らしい作品を作ってくれた。
縁が出来たんだ、そこにね。
人と人とのつながりは、例えごく短い間のことだったとしても、かけがえのないことさ。
だからあたしは、その縁がとても嬉しいんだ。


……うーん、ハナにはちょっと難しかったか。ははは。
さ、みんなで絵描きさんにお礼をいおう。この絵はあたしの為だけじゃなくて、オールドホーム
の為に描いて貰ったようなものだから。
お姉ちゃんの合図があったら、声を揃えるんだよ。じゃあいくぞ――いっせえのぉせっ、


どうもありがとうございました!


一同、礼! ――はい、よろしい。
さて、じゃあ帰ろっか。……ほらほら、一列一列。

151 名前:名無し客:04/10/17 00:32
トップバナーの出演、おめでとうございます!
秋らしい日差しがとても綺麗で心地よいですね。

レキさんが今の季節──秋──の1コマをトリミングして絵にするとしたら、
どのような情景を描きますか?

152 名前:名無し客:04/10/17 19:42
防災訓練もちゃんとやってるんですね。いや、オールドホームって・・・
私も年に1回の職場での訓練に参加したこともありますよ。
消火器を使ったり、消火栓のホースを使って放水したりしましたけれど、
本番でちゃんと落ち着いてできるかどうかはちょっと自信がなかったり。
それからはしご車に乗せてもらったこともありましたね。あれは結構楽しかったなぁ。って楽しんでる場合じゃないんですが。

さて、怖いもののトリ最後にレキさんから見たグリの街の親父たちについて語ってもらいましょうか。
時計屋の親父師匠、パン屋の親父職人、カルチェの親父マスターなどなど人選はお任せします

そうそう、看板見ましたよ。いいのができましたね。やっぱりモデルがいいと作品の出来も違いますね。

153 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/10/17 23:28
>>151(太陽・雲・風)
やあ、どうもありがとう。
評判いいみたいで、あたしも嬉しいよ。

うん、空が高いね。こっちだともう心地良いのを過ぎちゃって、少し寒い位。
でも確かに綺麗は綺麗だよな。おまけに過ごし良いし。
で、その秋の絵か。
うーん、悩むね。描ける所、描きたい所が沢山あるから。

それじゃあ――「風の丘から眺めるグリの街」にしようかな。

具体的な、季節ごとにしかない何かだって勿論好きだよ。
例えば街の並木の銀杏なんかだって、題材としては素敵だ。実際描いてみたいしね。
でも今、あなたが「日差しがとても綺麗で」っていったでしょ? それ聞いてさ、無性に絵にし
たいなあって思えたんだ。
何ていうか、秋の日差しとか秋の空、秋の街――そこから生まれる秋の香りを、ね。

――ちょっと大きい一コマだけど。
秋味ってのは、ついつい欲張りたくなっちゃうもんだからさ。

154 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/10/17 23:32
>>152(グリのおやぢーズ)
(ふいーと煙を吹いてから、煙草でトントン灰皿を叩き)
突然ですが、被告>>152への判決を申し渡します。
「オールドホームがゴニョゴニョゴニョ」というブジョク罪で三十日、同じく重要機密漏洩罪で
三十年の刑に処す。これにて一件落着。閉廷しまーす。


……あはは、嘘うそ。
機密もなにも、みんな知ってる機密だもんな。――事実だっつーのが、また何とも。

まあそれはいいや。そう、本番だよ、問題は。
大事が起こったら、どれだけ動けるかって心配はある。訓練の時は大丈夫でもね。
実際、どれだけ有効なんだろうな、訓練て。でも何もしない訳にもいかないし。
そういう火事だの地震だのな非常時こそ、街のおっさん達が頼りになる気がするな。

ほら、四十になったら自分の顔は責任持て、とかいうじゃない。
それは、その人なりの個性や考えが本当にまとまるのに四十年はかかるものだからって、そう
捉えてる。
時計屋の親方は剛愎――りっしんべんの方の“愎”――だし、パン屋のおじさんは気さくだし、
カフェのマスターはちょっと粋。
みんな、何十年かの経験をきちんと積んでいるんだなってさ、そんな風に感じるんだ。

逆にいえば、あたしらなんてまだまだひよっ子なんだろう。
灰羽は若いのばっかだから、緊急時には親父なベテランが頼もしいんじゃないかって考える所、
大いにあるよ。
実感したことは余りないけど、そう思えはする。
あの親父さん達を見てると、ああちゃんと顔が出来てるなあって納得しちゃうから。
いや、あたしみたいなのが「出来てる」なんて、偉そうかもしれないな。ふふ。

――え、モデルが? はは、だから褒めても何も出ないって。
おーい、ヒカリ。洋梨のタルト、まだ残ってたよな。じゃんじゃん持って来てー。

155 名前:名無し客:04/10/24 03:59
既に寒いくらいの気候でしたら、グリの街はそろそろ紅葉し始めているのでしょうか?
風邪などひかずに、お気をつけて。

という事で、この時期にぴったりなあたたかい飲み物といえば……レキさんは
何を想像します?
また、その飲み物に合う食べ物もついでに。

156 名前:名無し客:04/10/24 19:42
グリの街は頼もしい親父たちが多いようですね。
いや、オールドホームってなんていうか、その、・・・アレ?
まぁ、それはともかく、
私は40歳になったときちゃんと自分の顔に責任持てるようになれるかな?

それにしても今年のこちらは本当になんだか変です。
台風はその後さらに増えて合計上陸数10個になりましたし、
昨日は大きな地震が立て続けに起こって死傷者が2000人近くも出てしまうし・・・
幸い大火は今のところ発生してませんがけれど。
あ、でも火山噴火が火にあたるのかな?
あとは親父の来襲に気をつけなくっちゃ。

そうそう、私は坊主のあたまとお世辞はゆったことがないですよ。

157 名前:名無し客:04/10/31 19:22
あんまりからかったからすねちゃったかな?

158 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/11/07 23:05
こりゃまた失礼。暫く間、空けちゃったね。
ごめんごめん、冬の用意で何かと大変だったもんだから。


>>155(落葉・底冷え・秋なす)
いや、そうこうしてる内に、もう冬が来始めた。そろそろ雪が降り出すよ。
それに紅葉――っていうのか、葉っぱが紅くなる木はあんまり見ない。
森の奥にならあったと思う。でも、どちらかっていうと黄葉の方が多い。銀杏とかね。
そうだ、どこ仕舞ったっけな……ああ、あったあった。
ほら、これ、先月もみじの葉っぱを拾ったから、押し葉にしたんだ。
色合いが渋いでしょ? 琺瑯の鍋でことこと煮込んだみたいで。

ああ、ご丁寧に、ありがと。……って注意された側から、先週軽く引きかけちまった。
そっちも気をつけてね。冬との境い目は、取り分け風邪ひきやすいから。

で、今の季節にぴったり、かどうかはわからんけど、あたしだったらプーアル茶だな。
麦茶とかこれは冷やしてもいけるから、夏の間はそうやって飲んでるんだ。でもって、秋口
辺りからホットに移行するって訳。
臭いはちょっとばかしカビっぽい。でも、じんわり暖まって中々いいよ、このお茶。

食べ物は、そうだなあ。じゃ、なすはどう?
やっぱり旬だし、ごま油でさっと炒めるだけでも妙においしいし。
それにプーアル茶って、お菓子でも割りと油っぽい料理でも、どっちにも合うんだ。
夕飯の時にも出す所為か、この時期不思議とよく飲んでるって気がする。

実は今も飲んでたり。まあだから、オールドホーム限定だとこれがアンサーだね。

159 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/11/07 23:08
>>156(祈り)
はん、オールドホームにゃオトコはいないっ。精々ちびどもだけの女の園さ。
親父もいなけりゃバンジーもないっ。つまり「おやぢ+オールドホーム=ぼろ」を導き出す公式
なんてない! 小羽の先っぽ程もない!
ふ、勝った。

……勝利ってやつは、どうもムナシイね。
なあに、顔なんて平気平気。こういう勝利や敗北の馬鹿馬鹿しさを何度も味わえば、自然と
それらしい趣きがにじみ出て――来るわきゃないよな、あははは。


と、笑えてる状況じゃないようだね、そっちは。――外の世界の普通は知らないけど、それは
絶対普通じゃないだろう。
天災も、少しはクールダウンすりゃいいのに……でも、こればっかりはね。
あたし達には、どうすることもできない。起こった後の被害を何とか減らすこと位で。

特にあたしには、つらい目に遭った人達が一日も早く穏やかな生活を取り戻せるようにと、
願うことしかできない。
雨は何時までもふり続きはしないってことを、朝になれば陽が昇って、光のぬくもりが公平
にふってくることを、せめて信じていけるようになって欲しいと――そう、願うだけ。

ん、じゃあお言葉は素直に受け取っとく。サンキュー。

160 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/11/07 23:12
>>157(グリ女侠伝・灰羽仁義・大門の決斗)
すねる?
いや、そりゃちょっとばかし可愛く見すぎじゃないの、このあたしを。

そんくらいのジョークでへそ曲げちゃう程、堪忍ぶくろの紐は緩くないって。
でもまあ――これは例えばの話ね。もしオールドホームの壁とかに、三つ重ねのでっかーい
ひねりウンウンなんかいたずら書きするやつがいたら、とっ捕まえて締め上げて、


「このスットコドッコイのふんばりヤロー! 踊んのもいい加減にしやがれ!
 あたしをコケにするだけなら、いくらでも笑ってすましてやるけどな、オールドホームの
米びつに砂まくような真似されて下向く位なら、ハイバネなんか何時だって止めてやらあ!
 うちの前の川にゃフタはねえんだ、そのつもりでヤキ入れて出直して来な!!」


ぐらいの啖呵は切っちゃうだろうな、きっと。……ってか、我ながら下品過ぎ。
少し、すこぅしだけね。

161 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/11/07 23:14
http://www.appletea.to/~charaneta/test/read.cgi/ikkoku/1063165569/233
そういや、なんか↑で占いを紹介してたから、あたしもちょっと頼んでみた。
さあて、どんな結果が出たかな、っと。何々――。


レキさんは 策略家 ヒロイン型です!

● 不言実行を信条とするタイプです。
自分の意図を他人に知られる事を嫌い、常に裏の裏を隠し持っています。
的確な判断力で周囲の信頼が厚く、リーダー的才能はピカイチ。
恋愛にはやや淡白ですが、一度好きになると激しく燃え上がる傾向があります。
基本的に、道理を深く考える思索派で、意思が堅く、独立心旺盛です。


【ヒロイン的傾向】
基本的には恋愛に興味を示しません。
相手のアプローチには当然気づいていますが「だから?」と一刀両断してしまいます。
しかし好きな相手が出来たら一変、まずは情報収集から始め、ありとあらゆる状況を考慮、
徐々に範囲を狭めていき、必ずや相手を掌中に収めます。
狙われた相手はもはや釈迦の手の上の孫悟空、逃げ道はありません。

情報だけが全てではありません、時には何も考えずに体当たりしてみましょう。


●好相性●
弱気、強気。



● レキさんの開運ダンスは、タンゴです!


(バブベープとプーアル茶を吹きました)
げほっ、げほっ……!
いや、はあ? ――何なんだよ、策略家って。あたしは悪だくみなんかしてないぞ。
タンゴってのも訳わからん。体当たりかました奴と、それ踊れってか?

まったく。結局あれだ、占いなんて、あてにならんってこと。
だよな、うん、うん。

162 名前:名無し客:04/11/10 03:53
レキさんというか……グリの街の人ってタンゴ踊ったりするのですか?
……いや、ちょっと、灰羽が沢山集ってタンゴを踊っている光景を見てみたいと
思いましたが。

最近、朝晩が冷え込みます。
寒くなる冬に向けて、グリの街で準備している事って何かありますか?

163 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/11/11 01:19
>>162(冬来たりなば)
うーん、タンゴってのはやんないな、流石に。
第一振り付けがわかんないし。結構難しいんでしょ?
街の人達は、お祭りの時にフォークダンスとかしてたっけ。あたし等だと、踊りはちびどもの
お遊戯の時間にダンスさせたりする位。
何か適当なやつ、ハイバネサンバとか。

――何? あたし、変なこといった?


まあいいか。そうそう、特に朝方が寒いよ。背筋と羽がぞくぞくっときちゃう。
冬支度っていえば、灰羽はやっぱり羽袋かな。
こいつは要するに手袋みたいなもの。手じゃなくて、羽を覆う防寒具な訳。
出かける時につける。羽ってのは、これでちゃんと神経通ってるから、服の外に出てると冬場
は寒くてね。
ちなみに羽袋は、灰羽が唯一自分で作っていい衣類なんだよ。

あたし達灰羽は、人が使い終わったものを引き継ぐのが決まりだから、住処や服、身の回り
の品は全部お古なんだ。
でも羽袋はそうはいかないでしょ? 羽は人間にはないものね。
で、余った布を貰ってきて、皆でちくちく縫い上げるの。

こっちの冬は長いし、とても寒い。河は凍るし、雪も積もる。
何より、灰羽を悪いものから守る壁の力が弱まるって、そういわれてる。
――だから、ちゃんとあったかくして、冬を乗り切らないとね。
今年はラッカの初めての冬だし、あの子の羽袋を作らなきゃ。いっそ、ちびども含めて皆の分
も新調しちまおうかな。

164 名前:名無し客:04/11/12 15:10
あなたの原典が映画化される事になりました。

アニメではなく実写+CGの組み合わせです。
監督は那須博之氏。
予算は何と30億。
ゲストに劇中のニュースで外の世界の有名人のボブ・サップがニュースを読んだり、
KONISIKIが「灰羽、万歳」と言ったりします。



―――――映画化を望みますか?

YES/NO

165 名前:名無し客:04/11/12 15:12
今までで一番拙いと思ったことを教えてください。

166 名前:名無し客:04/11/12 15:13
グリの町も不況ですか。

167 名前:名無し客:04/11/14 18:31
お帰りなさい。冬支度は終わりました?
うちでは今日今シーズン初めてストーブに火を入れました。

でも「坊主のあたまとお世辞はゆったことがない」って言うといつもうそつき呼ばわりされちゃうんだよなぁ。
なんでだろ?

うわっ、そんな啖呵切られたら2度とオールドホームにちょっかいなんか出せませんね。
って、否定してましたけど、>101のガッ連盟総長役に就任したんですか?

最近このフラッシュを見て瞳ウルウルさせてしまいました。
ttp://hisasouseki.hp.infoseek.co.jp/toki325.html
新幹線脱線の初報を聞いたときとんでもない大惨事が起こったと思ったんです。
扉に挟まれた時点ではまだ乗車していないなんていうような言い訳のしようのない
新幹線初の乗客死亡事故が起こったと。
でも実際には死者どころかけが人の一人も出ていない。
新幹線の安全性の高さに改めて感心しました。
それなのにマスコミはここぞとばかりに安全神話崩壊と新幹線に非難を浴びせかける。
そりゃ今回の地震の経験を元に更なる安全対策を進める事は重要ですけれど、
いったいどこの世界に震度7の激震でも100%安全な乗り物があるというんだ。
なぜ200km/hを超える速度で脱線し、そのまま1.6kmも走行しながら
けが人一人出さなかった新幹線の安全性の高さを評価しないんだ。
とかなり憤慨したものです。
というわけで質問。
グリの街にもマスコミはありますか?
あるとしたらどんなニュースを報道してます?

168 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/11/16 23:32
>>164(「ハッピーバースデーハイバネ!」・「罪憑きだからな」・「まほーん」)
そもそも映画って、この街にはないからなあ。今いち実感としてわかんない所があるよ。
しかし、億? 予算の桁がすごいね。
例えその三分の一でも、それだけありゃ面白いもん作るには十分でしょうに。
(二本目の煙草に火をつけて)

うーん……そうだなあ。
映画化はともかく、そういう派手派手しいやり方はさ、何か向いてない気がする。
鳴り物入りっていうか、大看板を張るっていうか。そういうのはこの街を表現するにはね。
――別にここがびんぼ臭い所為、じゃないぞ。少しはあるかもしれんけど。

その、色々な技術やお金を無造作に使って、有名人とかも出して――なんて聞くと、手間と暇を
しっかりかけるっていう当たり前のことが、おろそかにされてる印象を受けてさ。
細かい気づかいが薄れちゃうような、そんな感じが。
……これは全然知らないその監督への偏見かもしれない。だったらごめん。
まあとにかく答えは、折角だけど、


→NO

169 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/11/16 23:33
>>165(ミステイク)
まずいと思ったこと、か。
んー、あたしが仕出かしたことについて、でいいなら。
でもあたしのしくじりなんて、山ほどあるし。それに一番ってのはさ、何であれ選ぶのが難し
いじゃない?
だからちょっと待って。コーヒーお代わりしてくる間に思い出してみるから。


ただいま。――あ、さっきの話ね、料理を焦がしちゃったこと、かな。
(コーヒーをひと口飲んで)

あれはクラモリが巣立って、暫く経った頃のことだったと思う。
まあ色々あって、私がちびどもの世話をするようになってた。
ネムや寮母の婆さんもいたけど、そうそう最初っから手際よくできる筈もないし、小さな失敗
を幾つもやったよ。
で、ある日、うっかり食材を切らしかけちゃったんだ。

買出しに行くには時間が遅くて、しょうがないから冷蔵庫の残り物のうち、食べられそうなの
と食べられるかもしれないの、それに食べられるといいなあってのを全部ぶっこんでさ、ぐつ
ぐつシチューを煮てた訳。
これで出来てりゃめでたしめでたし、なんだけど、そうは問屋がおろさなくてさ。
ばたばたしてる内に、ホワイトソースだったのがデミグラスソースみたいなっちゃって。
我ながらあれは手際が拙すぎで、ついでに最低に不味かった。


話のオチの出来は四十点ってとこかな。でも、実際の料理もそれ以下の赤点だった。
ほんとに不味かったよ、あれは。――クラモリがいてくれたらって思うと、余計にね。

170 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/11/16 23:38
>>166(もの・流通・グリの経済学)
いや、今の所、特にそういうことはないよ。
でもあぶくみたいな好景気って訳でもない。これは街のどこの業界も同じだろうな。

この街の主な産業っていうと、大体農業と工業になるのかな。
農業は小麦や野菜、それに牧畜をやってて、主食や何かは賄えてる。
工業の方は大したものじゃない。街中で出回るような品を作ったりとか。
こういうものの輸出と同じ位、街に重要なのがトーガからの輸入品なんだ。

トーガってのはね、街の外から来る交易人のことで……でも詳しいことはわからない。
みんな顔を覆面で隠してフードを目深におろしてるし、街の人間が接触することは禁止され
ているから。
こいつ等と交渉できるのは灰羽連盟の話師だけ。
この話師の爺さんも妙な仮面つけてるんで、はた目には変人連盟って感じさ。
食料からバイクみたいな機械類までの交易――トーガとは物々交換らしい――の仲介を、話師、
というより灰羽連盟が担ってるんだね。

つまり灰羽連盟はグリの生命線を握ってる、といえなくもない。
ある意味、この街を支配してるようなものって、そういう表現もできる。
でも連盟はそれで儲けたりはしてない。どっちかっていうと清貧な暮らしをしてるし、それに
壁の力と連盟の管理が、実際にこの街を守ってる訳でもあるから。
街の人からも、だから何ていうか、尊敬に近い目線を受けてるよ、連盟はね。
こういうソフトな気風の影響下で細々とやってるのがグリの街だから、景気の大きな揺れは
起きにくいのかもね。

171 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/11/16 23:44
>>167(デイリーモーニングリ)
やあ、ただいま。うん、おかげさまで衣替えは全部済んで、冬への備えはばっちりだよ。
そっか、外の世界も寒くなってるんだ。風邪ひかないようにね。

……ていうか、この前はさ、のど元まで来てた「坊主の頭はゆうんじゃなくて剃るもんだ」って
言葉をぐっと飲みこんで、大人しーく賛辞を受けたっつーのに。台なしじゃん。
あんたはあれか、そんなにあたしを「ガッ! ガッ!」なんて叫んであっちこっち駆けずり回る
つっこみ総長に就任させたいのかっ。ガッ。


――で、そこの紹介してくれたところは見たよ。
例えば、何かをなし得た人がいたら、あたしはその人に対して心を震わされると思う。それが
困難なことなら尚更に。
でも知らなかった。対象がものでも、同じ感情を持つことはあるんだね。
この列車――考えてみると、この乗り物もグリにはないな――は、自分の本分以上のことをやり
遂げたんだ。
今はただぐっすりとお眠りって、傷ついた車体をさすってあげたい。

そこで、もう誰もあなたを苛むものはいないよ――と付け加えてやれないのが悲しい。
あんたが怒るのも当然だ。あたしも同じ気持ちになったよ。
批判の目は、何時でも大切なことだと思う。けどその矛先を狙い定めることも、同じ位に重要
じゃないか。

ああ、マスコミってのは、新聞を出してるところがあるよ。
まあ大した記事はない。「どこ地区で三つ子誕生」とか、「街のこの人趣味悠々 〜門番の盆栽
事始め〜」なんてインタビューとか、他には催しもののお知らせとか。
何せ大したことが起きないからね、記事は地味なのばっか。

でも派手だけど悪シュミな新聞より、地味でつまらんこっちの方がましだな。
少なくとも、あたしはそう。

172 名前:名無し客:04/11/21 19:21
グリの街の新聞はいいですねぇ、のんびりした感じがして。
こっちはやれどこの国で戦争が起こったとか、どこの町で誘拐殺人事件が起こったとか
そんな殺伐とした記事ばかりが目に付いてしまいます。
たまにはほのぼのとした記事もないこともないけれど、やっぱり殺伐とした記事のほうが多いですね。

今年もまたうちの近所に石焼芋屋さんや灯油の移動販売屋さんが出没し始めました。
グリの街にも冬の始まりを感じるような風物詩ってありますか?

173 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/11/22 01:40
>>172(冬のワイン・雪・寒気)
それは嫌だな、その手の記事ばっかだと。
新聞の内容は静かな方がいいよ。むしろ殺伐だと世の中困っちゃう。

冬の始まり――ああ、灯油売りならこっちにも出るね。リヤカー引いてるおっさんが。
いや、出没だの出るだのいうと、まるでお化けみたいだ……てのは置いといて。
石焼芋屋はいないな。さつま芋は、落ち葉で焚き火して焼き芋だし。
これがまた熱々で、ほっくりして。……おっと、また話がずれた。
でも、そっちのも美味しそうだね。

物売りだと、屋台でホットワインを売り出すのは丁度今頃かな。
ハチミツ入りで、結構甘口でね。それとあれは何だろう、香料も効かせてあるみたいでさ。
ぷうんといい香りがするよ。
寒い日の買い物は、大抵これをふうふうすすりながら。あったまるんだ。
まあオールドホームは未成年ばっかだし、飲むのはあたしかネム位だけど。

もっとも、こういうのは全部街まで行かないとない。何せうちは街外れだから。
灯油とかも、業者に頼んで持ってきて貰ってるんだ。重い缶に入れて運搬するのは、ちょっと
ばかりキツい。
オールドホームでも感じられる本格的な冬の訪れとなると、やっぱり雪でしょ。
一昨日は、初雪が降ったよ。
まだ然程積もってないけど、これからは一面まっ白な日が続く。
白いのがちらちら舞い出すと、ふっと口をつぐみそうになる。雪の下で、街も野原も春を待っ
てるのと同じようにね。

――たまらんなあ、寒いのは。心まで縮こまっちゃいそうで。

174 名前:名無し客:04/11/22 11:52
冬の寒さが厳しく、雪の為に長い間家の中で過ごさねばならない北国では、
様々な「家の妖精・妖怪」の話が出来てきたといいます。
そういう類の話、グリの街やオールドホームでもあるのでしょうか?

175 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/11/23 01:16
>>174(戸口にあらわれたもの)
家の中に出てくる何か、ね。
いや、様々というほど色々な話は聞いたことないな。
ただ街の人とは、そうつっ込んで話したことはないし、あたしが知らないだけって可能性は
ある。ほら、年よりは詳しいでしょ、そういうの。

ちびどもをおどしつける時、「ご飯を残すと出て来るもったいないお化け」とか「悪いこと
すると、閉まらない三階の窓からそっと忍んで来るくろこっこ」の話をするけど、こいつは
全部あたしの創作だしなあ。
はは、効果は抜群、なのはどうでもいいや。
ええと――あ、随分前に寮母の婆さんが話してたあれは、それに近い話だな。
ま、古い話だし、今でも「出る」のかどうかは知らないよ。

冬の夜遅くのことだ。玄関でノックの音がする。
当然、家の人はドアを開ける。でも、誰もいない。
これだけだったらイタズラだ。ただ、雪が積もると足跡が残ってる筈でしょ。
いや、あることはあるそうだよ。小さいのが二つ、ドアのすぐ前に。
他はないんだって。
左右の通りを見渡しても、足跡は一つも見当たらない。
雪は変わらず降ってるだけ。

……よく考えるとこわいな。
まあ、実害はないらしい。不幸が続くとか、あやしいことが起きるとかは全くなし。
何なんだろう。悪いものじゃないとして、この現象というか、お騒がせな奴というか、それ
の名前も不明。正体に至ってはさっぱり。
結局、妖怪とか妖精って、そういう訳のわからないものなんだろうか。


あ――いや、そうか。
いるじゃない、あやしい生き物は、この街に。
そう、灰羽だよ。
グリの街っていう大きな「家」に住みついてる「妖怪」は――あたし達かもしれないな。

176 名前:名無し客:04/11/23 10:48
     (⊂⊃)           ―― 妖怪「灰羽」 ――
     , -―-、
   γ y ノ  、 λ    ひと気のない廃屋に住み、繭から生まれる。
    l ノ,/lノl/ Wリ|    温和な性質で人語も解するが 特に芸はない。
   .、i レ |┃ ┃〈|     灰色の翼を生やしているが 空を飛ぶことも出来ない。
  ./ iノiノ、 _ワ /从
 /, 、と|⌒ヽ∀フ⌒|つ   独特の掟と しきたりに従って生活しており
  ′  ~|  只 |~     古い商店などに出入りし その商いを手伝ったりもする。
     /    |
      T TT       天からの使者とされ 出会うと縁起がいい、とも言われる。
      (二)ニ)


177 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/11/24 00:47
>>176(妖怪・瑞祥・言い伝え)
フハッ!


――と、ギョッとした。
ついでに、思わず鼻からぴーっと息が出ちゃいそうだ。
いや、妖怪かあ。ぬりかべとか、ぶるぶるとか、へまむし入道とか、そういうのと同類なん
だ――と思い直すと、我ながら変な気分。
ま、自分でいったことだもんね。身から出た錆か。

ああ、その紹介文、よくまとまってる。何の本に書いてあった?
灰羽の生態は大体その通り。縁起がいいってのも、街ではそういわれてるんだよ。
飛べない芸ないお金ないの割りに、灰羽のことを天の祝福を受けたものって、そんな風に呼
ぶ人もいる。
自分でいうとちょっと照れくさいな。本当のところは、今いった通りだから。

街の人も、それはわかってるんだと思う。本当にご利益がある訳じゃないのはね。
空の雲を見てて、お、あの形はパンケーキみたいだって思うといい気分になる――多分その程
度だよ。
それでも肉屋でコロッケ買ったりすると、「灰羽のねえさんにはポテトサラダおまけね」なあ
んてしてくれたりして。
へへ、こういうのは役得だ。妖怪も捨てたもんじゃない。

どうでもいいけど、この絵のラッカは可愛いね。静電気体質もばっちり。

178 名前:名無し客:04/11/25 00:50
ttp://so.la//test/read.cgi/haibane/1062864373/114

179 名前:名無し客:04/11/25 23:26
縁起……灰羽の街では、何かげんかつぎみたいなことはしてるんですか?

180 名前:不確定名称“神造の者”:04/11/26 21:07
人ではなく、天使でもない不思議な人たち…………
だからこそ貴方達に聞きたい。

私は“私”が何を成したのか知りたいのです。

私は神々によって全てを授けられ、この世全ての災いを収めた魔法の小箱と共に
人に与えられました。

――――――教えてください。

ゼウスは私に何を望んだのか、と。

私は何を貴方達に与えたのか、と。

私は何者なのか、と。

修道院に住まう少女には“呪い”だと断じられ。
天空の城に住まうモノには“祝い”だと告げられ。
英雄の介添え人には“無色の道標”だと諭され。
博物館の主には自力で調べろと怒鳴られました。
月の才女にはそのようなレッテルに囚われる愚かさを説かれ。
千の影を持つ少女は“ヒトがヒトであるための証し”と信じ。
幻想と共に歩む魔法使いは何も気にしていませんでした。

――――――私達は一体…?


http://www.appletea.to/~charaneta/test/read.cgi/ikkoku/1097842207/224-227
http://www.appletea.to/~charaneta/test/read.cgi/ikkoku/1072028042/76-82
http://www.appletea.to/~charaneta/test/read.cgi/ikkoku/010000027/405-406
http://www.appletea.to/~charaneta/test/read.cgi/ikkoku/1088451368/456-459
http://www.appletea.to/~charaneta/test/read.cgi/ikkoku/1079199767/533-535
http://www.appletea.to/~charaneta/test/read.cgi/ikkoku/055896688/288
http://www.appletea.to/~charaneta/test/read.cgi/ikkoku/1079199767/546

181 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/11/28 17:41
>>178(忘れえぬ人々)
あ、この本かあ。
何だか図書館の方で修繕が必要だとかで、暫く前から閲覧不可になってたでしょ。
久々に見たな。
誰が描いたのやら、灰羽の絵がたくさん載ってるんだよね。うんうん、こんなことあったな
って光景が色々描いてあって、面白いんだ。
勘定するとオールドホームのみんないるな。あたしも、あっ。
――クラモリもいる。

ttp://so.la//test/read.cgi/haibane/1062864373/146
(暫く絵に見入ってから)

奇麗だね、このクラモリ。
私の思い出の中の彼女と同じ、とても奇麗な顔をしてる。

灰羽は、人より思い出の数が少ない。生まれて数年の記憶しか持っていないからね。
その分、この街での思い出は大切に思えるよ。
ただすがる為じゃなく、依って立ち上がる為の――クラモリのやさしい横顔は、私にとってそう
いう思い出。
だから以前、私はクラモリの絵を描いた。一枚だけ。


しかし時々「これはやってないだろ」「ていうか誰?」なのもあるな。まあいいか。

ttp://so.la//test/read.cgi/haibane/1062864373/193-196

……何だこの気色悪い話師はあっ! 趣味か、あの爺さんの趣味なのか!

これは忘れよう。これだけは。
それが良い、それが良いといいました。

182 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/11/28 17:42
>>179(茶柱・黒猫・キットカット)
それは例えば番茶を淹れて、茶柱が立ったら「おお」って思うこととか? 何が「おお」なのか
は置いとくとして。
あ、肉屋では、学校でテストがある子供の母親が豚肉買うことがあるって聞いたな。
テストに「勝つ」ようにって「とんかつ」を作る為だってさ。

こういう語呂合わせとか、日常での細かいことは色々ある。
十三は不吉な数字だとかで避けられたり。何でだかは誰も知らない。
聞いた話じゃ、十三日の金曜日になると、けったいなお面被った不死身の化け物がうろうろ
し出すからだって。
んな、まさかね。あほらしい。

他には、黒猫が前を横切ると、何かいやなことがありそうだっていうね。
色が黒いからってだけで、黒猫はまあ貧乏くじ引いたもんだ。
あと、合わせ鏡なんかも嫌がられる。特に夜にすると、悪いものを呼ぶっていわれてる。
これは実際不気味だもんなあ、鏡の世界の連なりは。実は帰って来れない世界に繋がってるっ
ていわれたら、うかつに信じちゃいそうだし。

ただまあ、出会っちゃった場面場面でちょっと気にはしても、みんな大真面目には取らない
んじゃない?
験かつぎって、多分その位なもんだよ。

183 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/11/28 17:42
>>180(生に続く病)
人影のない街角から吹いてくるような……。これは、声なんだろうか。

私に、そんな大それたことを教えられるんだろうか。
だって灰羽も、ある意味同じような立場だから。
私達も自分が何者かを知らない。テストの問題を作った先生みたいに、正しい答えを黒板に
書いたりは出来ない。もしその答えがあるならばね。
そんな私の考えでもいいのなら。


前に、あなたの話は本で読んだよ。箱だか壺だかの中に今もいると、そう書いてあった。
でもその本には、あなたが一人考え続けているとまでは触れてなかった。
とても賢い人達から無数の答えを得ても、なお問い続けてるとも。自分とは何なのかって。

希は「ねがう」、望は「のぞむ」。こうしたい、こうありたいという気持ちだ。
伝えられてる通り、あなたが神の与えた「希望」、それも「最初の希望」ならば、それはきっと
「自由」の出発点なんだ。
そこからなら、どこにでも行ける。様々な可能性が芽生え出す。
ただ選び取れる自由が完全に自由であるなら、逆にそれは完全な不自由になってしまう。
神がしたのは、あなたを出発点――「問いかけ」として固定したことじゃないだろうか。
誰もがあなたから何かを得て、どこかへ行くけれど、あなた自身は何処にも行けない。

何故なら「自由の牢獄」に囚われているから。おそらくは、永久に。

――私は、ひどく残酷なことをいっているね。
でも人も灰羽も、大事なのは多分答えより問うことだと思う。
問いがなければ答えは成立しない。出発点がなければ、誰だってどこにも行けない。
最初に拡がったのが災いだったように、世界には哀しいことの方が多いのかもしれない。
だけどはじまりは、問うことは、あなたは、厳しくてもやさしいことの筈なんだ。


あなたは色んな答えを得て、その度に納得して、けれど別の解を求め続けるだろう。
私には何もして上げられない。何も。
でも、あなたのことは忘れない。私が消えてしまうまで、私はあなたを憶えているよ。
そしてあなたと同じように、もう一度、自分とは何かを問いかけてみようと思う。

昔、希望を求めてそうしたように。

184 名前:名無し客:04/11/28 17:43
(じっと羽に見とれています)

185 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/11/28 18:03
>>184(灰の羽・観察者・古小屋ショウ)
また物好きな人だな。こんなん、見て面白い?
人のいない所では、実は飛んでるんですなんてこともないんだしさ。
まあ見られて小羽が減っちゃう訳じゃなし、そんなに見たいんなら別にいいよ。
だからって、かぶりつきで観察日誌つけられても困るけど。
(ぴこぴこ羽を動かしてみました)

これ、一応サービス。
のつもり。

186 名前:◆xRtREKI.VQ :04/11/28 18:06
(レキの日記より)


(日付は以前のもの)

今しがた、使った絵の具と使わなかった絵の具を一つずつ、画材入れに仕舞った。
暫くは絵を描きたくない。明るい絵も、暗い絵も。

ずっとそばにいると約束してくれたクラモリは、もういない。
でも彼女が私に残してくれた心の羽を、私はキャンバスに閉じ込めた。
これでクラモリがどこかに行ってしまうことはない。


巣立ちの日、クラモリはどこを目指して行ったんだろう。
クラモリみたいにやさしくなれたら、私にもそれがわかるのだろうか。
私を信じてくれた彼女の想いに、正しく答えられるのだろうか。
この癒しがたい罪悪感が何かわかれば、そうすれば。

そうすれば、私もクラモリのところへ――。

187 名前:名無し客:04/11/28 18:35
ホットワインですか、おいしそうだなぁ。
今度試してみようかな。
赤と白どっちが良いんだろう?

そちらはもう雪が降り始めましたか。
私の住んでいるところは年に数回しか降らないんですよね。
それだけに下手にたくさん降ると交通やらなにやらあっちこっちマヒしちゃう。
まぁ、冬来たりなば春遠からじとも言いますし、
長く厳しい冬があるからこそ、生命あふれる春の喜びが感じられるわけで、
冬には冬の役目があるんですよ、きっと。

ちなみに私は寒いのと暑いのでは寒いほうが良いかな。
だって、寒いのは着ていけばそのうち追いつけるけれど、
暑いのは脱ぐのに限界があるじゃない。
ホントは少しこの余分なものを脱ぎたいんですけれどね。

188 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/12/04 03:33
>>187(十二月の月)
屋台では、赤が多いみたい。
あたしも赤の方かな。程よく甘口になって、そこが好きでね。
これ、家でも手軽にできるよ。小鍋で沸騰させないようにあっためるだけだから。
そこにハチミツかメープルシロップ、なければ砂糖を少々。後はお好みで、シナモンとかクロー
ブ、バニラなんかを入れてもよし。
(湯気の立つカップを軽く上げて)

簡単でしょ? ぽかぽかすること受けあいだよ。……へえ、そっちは雪が少ないんだ。
羨ましいなあ。この街は、冬来たりなば春いまだ遠し。
まあそれでも、ドカ雪で交通までマヒしちゃうってことはほとんどない。
ただスクーターにはちょっと乗れないし、何より冷え込みがきついのはね。

冬が冬の役目を果たしている間は、ねぐらでじっと体力を養っておくべきなのかな。
春の息吹きを思いっきり味わう為に。
……ああ、ちびどもはそんなのお構いなしだ。雪合戦に雪だるま、風の丘でそり遊び。
雪かきもお楽しみの一環なんだから、つき合うのにこそ体力がいるよ。

ぷっ、そりゃそうだ。いくら暑いったって、皮やその下にあるものまで剥ぐ訳にはいかない。
あたしだって、風呂上りにお腹つまんで、うーむとうなっちゃう時もある時ゃ――まあ、いいや、
こんな話。……だからいいんだってば。
無理やり話をそらすと、あたしは寒い方がやだな。重ね着しても、足元冷えるのが困る。
おまけに、寒い季節にはあまりいい思い出がない。その所為もあるんだろう。
冬は、好きじゃない。

――ま、そんな時にはあったかいものでも飲むさ。今みたく。

189 名前:名無し客:04/12/04 23:33
飛べない羽に何の意味があるんでしょうね……。

190 名前:名無し客:04/12/05 20:44
なるほど、赤がお勧めですか。早速今度試してみよう。

やっぱりダイエットとか気になります?
無理なダイエットをして命を落とした有名人だっていますし
今のままで十分だと思いますよ。
それに私はスレンダーとぽっちゃりならぽっちゃりの方が好みですし。
私に好かれてもしょうがないかもしれませんが。

ネム姉さんだってあのままで十分魅力的だと思うのです。

191 名前:名無し客:04/12/05 20:47
冬の白い景色に灰羽って、結構似合う光景だと思うんです。
辺り一面に白く塗られた静かな景色に灰羽が……って。

レキさんは、灰羽に一番似合う季節っていつだと思います?
色鮮やかな紅葉の中にただ一つの色だけの灰羽、というのも
捨てがたいところではあります。

192 名前:名無し客:04/12/09 15:31
あなたを主役にした映画または劇が製作されることになりました。
どんな物語の、どんな役がいいですか?

193 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/12/14 01:30
もうすぐ鈴の実の市が立つなあ……。
やれやれ、さぼってる暇なんかないぞ、こりゃ。


>>189(長物・ハネ・きっかけ)
何なんだろう。あたしにゃさっぱりだ。
わからんので以上、おしまい。
――って、投げっぱなすのもどうかだし、まあ頭ひねってみるか。何せ自分のことだからね。
(肩と羽をすくめて)

この羽も、それから輪っかも、考えるまでもなく灰羽の必須アイテムなんだよな。
当然といえば当然。最初から持ってる所為で、何時もは特に意識したりしない。
ああ、大分前にいったっけ、灰羽の羽と光輪は、繭から生まれた後に授かるものなんだ。
羽は背中の肉を破って生えてくる。とても痛いよ。
光輪には、そういうことはないけどね。頭の上にのっけるだけでくっついちゃう。

どっちも祝福の証しだっていわれてる。
光輪が外からもたらされる祝いなら、羽は自分の内から生じる祝いってことになるのかな。
でも例えば、他者から授かる祝福は――言葉は悪いけど、時に容易い。
この前、他所でちょっと話したんだけど、「がんばれ」って励ましは、時に無責任でもあった
りするだろう? 光輪を乗せるように、気軽に放ってしまえる。
いや、別に光輪が、祝福それ自体がいけない訳じゃない。
双方にそれなりの余裕や体勢がないと、祝福は祝福として機能しない。そういうこと。

それ以上に、自分の内から、自らへ祝福を与えることは難しいと――そう、思う。
時には、そこに痛みがある。その傷を誤魔化さず、自分を赦すことはとても苦しいから。
そういうことを知らせてくれるっていうか、気付かせてくれる「働き」なのかもしれない、私
達の羽は。
だから羽は生えてくる。痛さと一緒に、私達の中から。

……なのかもね。

羽が体に馴染む前は、そんな風に考えはしなかった。
そう思うようになったのはね、もうちょっと経ってから。
だからって――頭でそう感じても、心でもすぐ納得できる訳じゃあないんだけど、ね。

194 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/12/14 01:31
>>190(ナイスバディ)
いや、あたしもダイエットとかまではやんない。
夜中にお菓子をつまみすぎたかなーって、ちょっとばかり反省する程度さ。
そんな、ウェスト縮めて命も縮めるなんて、流石に馬鹿らしいって。

へえ、じゃあネムみたいなのが好みなんだ。
でもがりがりに痩せちゃってるのよか、ある程度肉付きがいいのが自然だと思うし、それに
ついては同感だな。ネムなんかその点、はははは、ぽっちゃ――

……オホンオホンオッホン、体質構成が常態より冬季対策をにらんでる、ここに着目したのは
目のつけ所がさすがさすが。
やあネム。あ、ちびどもの洗濯物? あんがと。そこ置いといてよ。
あー、あーその何だっけ、何の話だったかな。

(小声でひそひそと)
まあ、実際の話。
ネムは全然太っちゃいない訳よ。何ていうんだろうね、シチューのパイ包みみたいな、あった
かそうなふっくら感はあるような気がする。ここらがミリョクテキなんでしょ?
――何かまた誤解されそうだな、この表現。で、こう、そこの所をちょっと指摘されると、プン
プンくることがままあたっ!

(ポカリ、と後ろからゲンコではたかれました)

195 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/12/14 01:36
……なんで、あたしだけ叩かれんだ。納得いかん。
ま、でっかいとんかちじゃなかっただけ、よしとするか。


>>191(白・紅・美しき灰)
素敵な情景だね。――ちょっと絵にしたいなあ、それ。
雲の中みたいに白いその中に、誰を立たせようか。
ヒカリなんか、割りに合う気がする。あの子の冬物のコート、黒っぽいケープみたいだから、
それも色が映えていいんじゃない?

秋の中だと誰がいいかな。うーん、ネムかなあ。
落ち葉の黄や赤に合う灰羽は、暖かそうなネムの羽、なんて気がするし。

ビジュアル的には、確かに雪だとか紅葉は合うね。
でもあたしは、春もいいと思うんだ。
春は灰羽の繭が生まれるでしょ? 繭も草木も、色々と芽吹きだす季節だ。
緑色の日差しの下、そういう明るい色とりどりの中で、野原かどこかに寝そべったり、羽を
伸ばしてるのんびりとした色。
――そんな肩の力を抜いた灰色は、あたし達らしいような気がするよ。

え、へぼーんとし過ぎ?
うーん、反論できん。あはは。

196 名前:◆xRtREKI.VQ :04/12/14 01:37
>>192(灰色の用心棒)
その女は、ギターの音と共にやって来た。


二つの灰羽(やくざ)が相争う街、グリ。
街の支配権をめぐるオールドホーム・グループと廃工場一家の抗争は激化の一途を辿り、自警
団はおろか、灰羽連盟すらも手をこまねいているばかりだった。
既に貨幣経済は崩壊、物々交換が原則だ。グリ紙幣は尻拭く紙にもなりはしない。
うかつに水場へ近づいただけで、子供ですらマイムマイムの刑に処される。
海は枯れ、鳥は空を捨て、人はほほえみをなくす――自由と腐敗と暴力の真っ只中。

そこへふらりと現れ、カフェ・かるちえに陣取った謎の女はレキとだけ名乗った。
スクーターを駆り、荒くれ灰羽達を圧倒し、ピースをふかす彼女は何を企むのか?


「用心棒にも色々ある。雇った方で用心しなきゃならないのもね」


双方の灰羽に自分を売り込み、女用心棒は血で血を洗う抗争を煽り立ててゆく。
そしてオールドホームに里帰りした凄腕の少女、ラッカとの宿命の対峙。

今、街を覆う壁は朱に染まる!

197 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/12/14 01:39
>>196
(などと書かれた紙束をバンバン叩いて)

……この滅茶苦茶なあらすじは何だ。
誰だよ、こんなこと書いたの――って、「作・ネム」!?
こ、こらぁっ、さっきの仕返しかー! あ、あたしは出ないぞ! やんないぞ!

198 名前:名無し客:04/12/17 01:45
  _____  .r────────────────────
/:\.____\.| 対ガッ用超高性能ぬるボックスのテスト開始!
|: ̄\゚ω゚( ゚∀゚)< 重いので持ち上げたり投げ飛ばしたりするのは不可能。
|:   |: ̄ ̄ ̄∪ ||耐熱耐寒耐水耐電耐風耐食仕様、ペテルギウスに突っ込んでも大丈夫。
|:   |:      :||飛行機が突っ込んでも返り討ち、薬品も通り抜けフープも毒針も効かない。
|:   |:  T H E :||防音で誘惑に負けないし超音波も効かないがスピーカーによりぬるぽを外に配信できる。
|:   |:NULLBOX||反中間子ビーム信者にも圧力にも屈しない。外部からの衝撃で中の人間が死ぬ事もない。
|:   |   2004  :||宇宙空間でも大丈夫。酸素も食料も一生分ある。排泄物も秘密システムで処理できる。
|:   |:      :||秘密ルートの出口があるから蓋を塞がれたりコンクリで固められても平気。
|:   |:Version0.7||マイナスイオン型空気清浄機式で完全循環型だから毒ガスアタックなんか効かない。
|:   |:      :||日産のタイヤだから外れない。テトリスのブロックになることもない。
|:   |:      :||両親や親族をみんな連れて入るから代理ガッは不可、メンタル面での対策も万全。
|:   |:      :||箱は内側から鍵をかけられるし中からしか開かない。tanasinnだってへっちゃら。
|:   |:      :||アバカムかけられてもマホカンタがかかっているから利かない。
|:   |:      :||もちろん自由自在に動き回ることが可能!ふはははは、完璧すぎる。
    バタンッ!!
________
|: ̄\      \  <ヌルポヌルポー!!
|:   |: ̄ ̄ ̄ ̄:|







199 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/12/17 23:11
>>198(CHARCOAL FEATHER SISTERS・やさしいぬるぽの返し方・されど罪憑きは鳥とガッする)
ええい、年の瀬も押し迫ってるつーのに、相変わらず世の中バカばっかりか!
(腕まくりして、フタにでっかくペインティング)



       ,,..、  i'''''''''、
       ! ..l  .l ‐│                 /゙゙゙'、
      .,!  ."'''''!!'゙‐'′                │ │
   ...-‐'"゛      ゙;     /^''i .,,....、        ゙l  !
  .l      ./ '''ッ  .!   .i¬|.  |,i"._  l           !  .,!
  .ヽ,,.. ,  /  . l  |   l  .l  ゛ / ! .!          |  !
    ./  /  ,!  l    .!  .!  l .,! .|        !  .,!
    ./  ../  . l   !    l  l,,,,ノ l゙  l゙          |  !
   ./   ./  ./  /     .!、 .|  /   !           ゝ..ゞ
  ./    `'―′  l      . `゛,./   ./        ,i--、
  .ヽ___ノ \    /       r'"   ./          !  |
       `'--ヾ          \....-"             \ノ




       ,,..、  i'''''''''、
       ! ..l  .l ‐│                 /゙゙゙'、
      .,!  ."'''''!!'゙‐'′                │ │
   ...-‐'"゛      ゙;     /^''i .,,....、        ゙l  !
  .l      ./ '''ッ  .!   .i¬|.  |,i"._  l           !  .,!
  .ヽ,,.. ,  /  . l  |   l  .l  ゛ / ! .!          |  !
    ./  /  ,!  l    .!  .!  l .,! .|        !  .,!
    ./  ../  . l   !    l  l,,,,ノ l゙  l゙          |  !
   ./   ./  ./  /     .!、 .|  /   !           ゝ..ゞ
  ./    `'―′  l      . `゛,./   ./        ,i--、
  .ヽ___ノ \    /       r'"   ./          !  |
       `'--ヾ          \....-"             \ノ



(箱に背を預け、フーと紫煙を吐いて)
ああ――何か自分で動けるんだって?
ここ通り道だから、ちゃっちゃと退いてくれな。ヨロシク。

200 名前:名無し客:04/12/21 21:46
え? あ、いや、別にネムさんが好みだとか、いや、そういうわけでも、
えーっと、なんていうか、うん、まぁ、そういうわけで、あははははは・・・
(ゴホン、ゴホン)

と、ところで、こちらにはクリスマスというイベントがあるのですが、
そちらにもありますか?
あるとしたら誰に何を送りたいですか?
<font color=ffffff>
>>198
どんなに頑丈なNULLBOXを用意してもネム姉さんなら一撃でガッしてしまいそうな気がする・・・。</font>


201 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/12/23 01:45
ひゃー、冷え込む晩のお風呂は、また一段と生き返るわ。
ってな訳で、ほかほかしてる今のあたし。……念の為に断っとくと、湯上りってことだよ。


>>200(バラエティギフト)
お、二百番目じゃん。切りがよくって何より。

(意味ありげに笑って)
浮いた話は聞かないしなあ、ネムは。落とすのは、ちょぉっとばかし難しいかもね。
いや、「ネムは」じゃなくて「ネムも」か。……ふっ。

クリスマス? ああ、確かプレゼントを贈りあうとかっていう。
いや、生憎こっちにはそういう催しはないな。
ただ年の終わりの過ぎ越しの祭りに、気持ちを表す鈴の実や、実の色にちなんだ贈りものを
贈ったりする。ここの所は似てるっていえば似てるかも。
そういや今週は、その鈴の実を売り出す市が立つんだった。忘れずに行かなきゃ。

で、あたしが誰かに何かを贈るとしたら、ね。
うーん。……あはっ、そうだ、ネムにおニューのとんかちを作ってやるってのは、どうだろ。
意味もなくトゲトゲ装飾が一杯で、ちゃんとドクロみたいな鈴の実もついてんの。
わははは、まあそんなのなくっても、あんたのいう通りだよ。ネムなら>>198の箱なんか一発で
ばすこーんと、

――い、いや、近くに誰かいる訳じゃないんだけど。
何か、風が変わった気がした。
空気に瘴気が混じったような……。真面目にやれってことか、真面目に。


で、真面目に考えると――それでも、やっぱり贈りたい相手はネムだろうか。
何だかんだで、はや七年。私とのつき合いは一番長い。
その変わらぬ女の友情ってのを祝して、実は赤い膝掛けでもと思ってさ。密かに準備してる。

……そうか、七年か。もうそんなになるんだなあ。

202 名前:名無し客:04/12/25 17:22
>気持ちを表す鈴の実や、実の色にちなんだ贈りもの

これですと、レキさんが贈ろうとしている「赤い膝掛け」って、どのような意味が
込められているのでしょうかね?
ちょっと、気になります。

そうそう、「赤い色」って、どのような印象を持たれていますか?
炎、血、破壊、再生、心臓……。
絵を描くというレキさんに、是非お聞きしたいです。

203 名前:名無し客:04/12/26 20:12
あ、え、「も」ですか? えーっと何のこと言ってるのかな〜。ボクよく判らないや〜。あははははは・・・。

赤い膝掛けですか。えーっと、それってもしかして赤いちゃんちゃんこの代わりですか?
──あ、やば、こっちも空気が変わってきたみたい。話題を変えよう。

今年も後残りわずか。グリの街は過ぎ越しの祭の準備で賑わっているんでしょうね。
過ぎ越しの祭といえば鈴の実。普通は露店で売られているものを購入しているようですが、
自分で育てるのって難しいのでしょうか?
聞いた話によると作りたい色によって土に色々と工夫をしなければならないとか。
やっぱり露店で購入するのが無難なのかな?

今年はこれが最後の訪問になると思います。
まだ4ヶ月ほどですが、色々とお話できて楽しかったです。
来年もまたよろしくお願いしますね。
それでは、良いお年を。

204 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/12/29 03:38
>>202(感謝・赤と黒・燃える石になって)
いや、別に特別なことでもないんだ。
鈴の実の色は、ええと、全部で五種類か。茶色が「ごめんなさい」、緑が「おめでとう」とか
それぞれの色に応じたメッセージがある。
で、赤は「お世話になりました」や「ありがとう」。特に二重底な意味はないよ。
膝掛けにしたのも他意はなし。この前、足が冷えるってこぼしてたから。
ネムは図書館の司書をしてて、デスクワーク多いしね。

そんだけ。残念でした。
え、赤い色の印象?
赤ね。赤、赤は――こわい色、だろうか。

近寄りがたい、そうでなければ手の届かないところ、もの、人。
子供の頃、日が暮れる時に感じた訳もない怯え。
さっきまでは夕焼けだったのに、いつの間にか夜に変わってしまいそうな心許なさ、不安。
どうしてか、そんなイメージがある。
まあ、これはあくまで個人的な、絵を描く時の感触だから。

そういえば、クラモリを描いた一枚は、色合いが赤中心だった。
あの時使った赤は、別にこわいとかじゃなかった。その逆だったように思う。
――何故だろう。

205 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/12/29 03:43
>>203(民光書房刊「鈴の実今昔 ――中つ国拳法における植物学の影響」)
フーン、わからない。ア、ソウ。
その最低限の思いやりだけで、あたしは満足さ、うん。
……てか、赤いちゃんちゃんこかい。結局じじばば扱いかよっ。
そう来ると、あたしだってあんま変わらないじゃ――いや、もういい。ちぇっ。

そ、先週からのこの時期、街はえらく混んでるよ。
何度か買い出しに行ったけど、人出がすごくてね。いや疲れた疲れた。
ああ、鈴の実は一応グリの名産品だし、基本的に業者が作ってるものだから、家庭で育てる
のはあんまり聞かないなあ。
それにあれ、土に鉄や緑青を混ぜないと色が出ないらしいし。種からは難しいんじゃない?
……混ぜないと何色なんだろ。もっと地味な色なのかね。

ていうか、今の色々な実に育てるのにも、きっと色々な試行錯誤があったんだろうね。
上手く色が出ない、なんてこともあったろうし、逆に斑や縞々になっちゃったりとか。
真っ黒い実が出来て、意味が「全ての不義に鉄槌を」になりかけたり、または恐怖! 人の顔
らしきものが浮かび上がっている! なんつって。
――あんまり馬鹿馬鹿しいから自分でつっ込んどくか。んな訳ぁ、ない。


ああ、足繁く通ってくれて、ほんとにありがとう。
大したお持て成しもできなかったけど――寧ろ生傷こさえさせちゃったりとかばっかで――
これに懲りずに、また来年も遊びに来てくれると嬉しい。
あ、それと……ちょっとフライングだけど、当日は無理だろうから、はい。


(赤い鈴の実ストラップをおみやげに持たせて)

それじゃ、良いお年をね。

206 名前:◆xRtREKI.VQ :04/12/29 03:45
(レキの日記より)


本日もノルマ達成。予定日まで余裕を若干残し、堂々の完成なり。
つまり毎日編んでいた膝掛けなのだが、これは多分ぬくいぞ、と自画自賛。
試しに今、膝に掛けてこれを書いている。満足なぬくさ。
ふと、ネムのようだと思った。

ネムは、私にとって膝掛けのような存在だ。
気づけばそこにいて、私は包まれていた。ぬくもりを貰っていた。
クラモリを失い、周りを見失った私がどんなにひどい言葉を投げつけても、それでもネムは
私をみてくれていた。
そして立ち上がる力を、勇気を与えてくれた。何一つネムの為にして上げられない、こんな
私の為に。


絵を描く時、私は赤い色をあまり好かないという話を、最近ある人とした。
いつもの繭の夢の中では、月は暗く、赤い。血のようだ。
私の体に流れている血液は、あの月から滴り落ちてきた色を集めたのではないか。――そんな
風にも感じていたから、厭うのはその所為だろうかと思った。

今は違うように思う。
それは、赤が私にとってぬくもりだからではないだろうか。
クラモリのように失いそうで、ネムのように傷つけてしまいそうで。
何度でも過ちを繰り返しそうで。
だから私は、赤い色がこわいのだ。

ならば繭の夢の赤い月も、いつか私がなくした――最初になくした何かなのかもしれない。
二度と思い出せないことなのに、私はそれが恐ろしい。
それ以上に、哀しい。

また、なくしてしまいそうだから。

207 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/12/31 19:19
今年もいよいよお終いか……。やれやれ、早いような、遅いような。
そうそう、今晩は過ぎ越しの祭りだから、ここだけ今夜だけ、な鉄のおきてを守るよーに。

一つ、沈黙を守ること。
過ぎ越しの時は、静かに過ごすものだからね。
どうしても喋りたかったら、

(ヒソヒソ……)
こうやって、小声でしゃべればいい……。
別にメール欄だっていいけど。オッケー?

二つ、sageること。
過ぎ越しの時は、ageずに過ごすものだからね。


他には特になし、いつも通り。
――お、そろそろ合図の鐘が鳴り出すな。過ぎ越しの時間は、今から夜中の十二時まで。
日付が変わったら、もう普通にしていいからね。
さてと、じゃあ挨拶回りに行ってくっかな。

208 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :05/01/01 00:18
いつも通り平和に、過ぎ越しの祭りも終わったな。
さ、後は夜っぴて晩餐な訳で。流石に腹減った……いけないいけない、大事な挨拶を忘れてる
じゃない。


ええと、新年おめでとう。
今年もよろしくお願いします。――それじゃ、またね。

209 名前:名無し客:05/01/02 04:54
あけましておめでとうございます。
今日は、お年玉替わりに「こたつ」を持ってきましたよ。
これは、とある職人が幼少のころより愛用してきた思いでのつまった逸品。
こびりついた絵の具やら接着剤やらカッターの後やら…。
まぁ、ぱっと見は汚いですが、
電源コードも新品に交換しておいたので火事の心配もありません。
多分…。

210 名前:名無し客:05/01/02 19:45
<font size=7 face="Comic Sans MS">A
color=#dd22ff>H
AP
55ff>P
Y <font color=#7788ff>N</

font>EW
color=#33ccff>Y
EA
ffff>R
</font>

あけましておめでとうございます
今年もまたよろしくお願いしますね。

この前は鈴の実をありがとうございました。
鈴の実をあげるといわれたとき黄色い実を渡されたらどうしようかとちょっとドキドキしちゃいましたよ。
黄色って確か「バカ」って意味でしたよね? え、違う?

さて、お正月といえばこちらでは凧揚げ、羽根突き、コマ回しにお年玉といろいろと風物詩がありますが
グリの街には正月らしい風物詩というのはありますか?

211 名前:名無し客:05/01/02 19:48
   

あけましておめでとうございます
今年もまたよろしくお願いしますね。

この前は鈴の実をありがとうございました。
鈴の実をあげるといわれたとき黄色い実を渡されたらどうしようかとちょっとドキドキしちゃいましたよ。
黄色って確か「バカ」って意味でしたよね? え、違う?

さて、お正月といえばこちらでは凧揚げ、羽根突き、コマ回しにお年玉といろいろと風物詩がありますが
グリの街には正月らしい風物詩というのはありますか?

212 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :05/01/04 01:04
それじゃ改めて、新年おめでとう。
去年は色々な人にお世話になりました。今年も、どうぞよろしく。
……何か月並みだな。ま、時候の挨拶は奇をてらうものじゃないからいいか。


>>209(引き継ぎ・こたつブースター・至福のとき)
やあ、おめでとう。――え? 年の初めから、そんな大切なもの貰っちゃっていいの?
確かに外見は割りとばばっちいけど、それは問題ないでしょ。暖かくてなんぼだもん。
おまけに愛用の品なんだろうに。
ん、この変な傷、何を切ったんだろう?

灰羽はお古専門のせいで、新品じゃない使い込んでる品物には慣れてるし、あたしは結構好
きなんだ、こういうの。
長く使ってきたものは、その時間の分だけ思い出がついて来てる。
一つのものを大切にしてきたその想いを、最後にバトンタッチされるのは、そう悪いもんじ
ゃない。
古道具に触れると、何となくそんなことを考えるよ。要はアンカーなんだなってね。

これは灰羽の役目でもあるけど、それ以上に、折角の好意を受け取らないのは失礼かな。
それじゃあ、ありがたく頂きます、と。


――よし、搬入と配備完了。ついでに現在、運用実験の真っ最中。
ゲストルームは空きスペースがないから、同じ階の使ってない部屋に置くことにした。
つーか、あたしは思うんだが……こたつを発明した人って、きっと天才だよ。
今、あたしは天国に一番近い所にいると断言するね、あたしは。

多分ここ、冬の間のたまり場になるな。ありがとう、末永く大切に使うよ。
うう、あったけー……。

213 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :05/01/04 01:10
>>211(はいばね正月)
こりゃまた、一発目から気合入りまくりじゃない。
去年はお世話になりました。今年もシクヨロ。

えっ、黄色の実を?
そいつは残念、馬鹿は馬鹿でも――おっと失礼――馬鹿ちがい。
黄色がバカってのは……意訳すれば「あなたの為なら馬鹿にだってなれる」なんてメッセージ
を馬鹿正直に告白できるような奴は、そりゃやっぱりばかだろうってことだよ。
……「馬鹿」って言葉ばっかだな、どうでもいいけど。


それで今の時期らしい色々は、街の方だとあんまりないかな。過ぎ越しの祭り後の、晴れ晴
れとした静けさが漂ってるのが、年明けのここ二、三日って感じ。
凧揚げは、あー、好き好き、ちびどもは。街の子もやってるようだね。
コツがあるんだよな。壁の外からでも見えそうな位高く上げられるの、カナだけだよ。
羽根突き。うん、これもする。
弾の羽根がへたっちゃったんで、今のは自分達の背中から抜いたのも混じってる。
しかし、負けたら顔に落書きされるペナルティ、誰が考えたんだ?
――落ちてるかな。ったくカナめ、よりによってヒゲだの肉だの書きやがって……。
そんで、独楽回し。これは特に今に限らない。男の子は好きだよ、ベーゴマとかも。
これもカナが名人で――とんだ正月娘だな、あれは。

こうしてみると、何だ、結構壁の外と似通ってるんだなあ。
そうそう、年始の挨拶で、灰羽は揃って連盟の寺院に行かなきゃならなくてね。
「初詣で」っていわれてる。話師の爺さんが、まあたグダグダ訓示を垂れたりするんだ、こ
れが。――あたしは勿論、適当に聞き流す、てけとーに。

と思ってたら爺さん、今年からちびどもに、おもちゃの詰め合わせ袋を配り始めた。
何が入ってるかわからない「福袋」とか称して――これがもう、やつらに大うけ。
仮面でよくわからんけど、爺さんまんざらでもなさそうな、してやったりな感じでやんの。

あたし達には小言ばっかの癖に。……全く、結局子供に甘いんだからな。

214 名前:名無し客:05/01/08 02:43
「はいばね福袋」があったら、中には何が入っていると思いますか?

どの袋にも、灰色の羽が一枚、入っていたら、それはそれで素敵だな、
などと思ったり。

215 名前:名無し客:05/01/08 03:32
外へ出るのがおっくうになりがちなこの季節。
今日は映画フィルムの差し入れですよ。
16ミリ総天然色、音声は光学記録方式です。
プロジェクターも一緒に持ってきましたんで、心ゆくまでどうぞ。
映写技師資格については…うーん…、ごにょごにょ…。

で、モノは「オールウェイズ」です。
山火事とか、飛行機とか、別れとか。ちょっと泣けますよ。

216 名前:名無し客:05/01/09 20:23
昔フルにタグが使える掲示板に出入りしていたころは
テーブルタグも駆使してさらに派手なモノを頻繁に貼り付けていたけれど、
最近はトンとご無沙汰だったからなぁ。
某所で何度も何度も確認しておいたのに結局失敗してるし。

あー、カナさんですか。
オールドホームで一番運動神経ありそうですし、らしいといえばらしいですね。
クウさんなんかも年少組と一緒に走り回っていそうですね。
ラッカさんは無理やり引っ張り出されて参加させられてるって感じかな?
ヒカリさんも一緒に外には出るけれど、参加しないで見学してるだけでしょうか?
ネムさんは・・・・・・きっといつも通りでしょうね。

ところでそろそろレキさんがオールドホームに来た季節ですよね。
灰羽たちにも誕生日にプレゼントを贈ったり、ケーキを食べたりして
お祝いをするという習慣はあるのでしょうか?
こちらではケーキに歳の数だけろうそくを立てたりするのですが、
灰羽の場合はやっぱり繭から出た年を基準にろうそくを立てるのかな?

217 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :05/01/15 02:51
>>214(福袋・選択・一握の灰)
灰羽らしく、当然のようにお古ばっかだったりして。インクの切れたボールペンとか、ゴム
の伸びきったサルマタとか。
……夢も希望もないな。ついでにどうしたって福は入ってそうにない。
てか、これじゃ只のガラクタか。

ま、ここまでひどくなくても、もしも「オールドホーム謹製」で売り出そうってんなら、そ
れはやっぱり古物オンリーになっちゃうとは思うよ。
全員、何か品物を供出! なんてことになったら……あたしは何を出そう。
福袋に入れられるようなものとなるとね。ああ、これはどう?
大分前に小物屋で買った、手のひらサイズの天使の像。やや濁った白色してて、灰羽に見え
なくもないとこが、ちょっと気に入ってる。
何でも岩塩製なんだってさ。底の方なめたらしょっぱかったから確、あわわ。
あー、えー、えー。……オフレコで。
そして何食わぬ顔で徴収に応じる、と。

おっ、そうだ。「あなたの職場に灰羽が働きに行きます」券とかは?
灰羽が働ける場所は決まってるけど、これには一切制約なし。ついでに給料タダ。
まあしょーじき、労働力としては、そんな期待される程のもんじゃないだろうね。特殊な力
がある訳じゃなし。
でも受付け、接客なんかは喜ばれそうじゃない? なりだけは天使みたいだしさ、祝いもの
っぽいでしょ。
……うーん、いまいち売りに欠けるかも。

小羽は、どうせなら袋の口に結わえとくよ。きゅっと口を縛って、一緒に挟んどく。
アピールってやつ。――セールスポイントが薄い分、こういうとこで。

218 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :05/01/15 02:54
>>215(Smoke Gets In Your Eyes)
うわわ、こりゃまたおっそろしくゴージャスな差し入れじゃない。
いや、いいのかな。わざわざありがとね。

なになに、おまけに総天然色? へえっ、そりゃすごい。
前に「この街に映画はない」っていったのは、こういう派手なのはないってことでね。街の
映画館で上映してるのは白黒で、サイレントのだけ。
趣味で映画撮ってる物好きな集まりがあるから、あそこに持ち込んだりしたら、涙流して喜
ばれそうだ。
でも多分、その前にカナが大はしゃぎするよ。機械好きだからさ。

さ、それじゃ折角だから、みんなを集めて鑑賞会と行きますか。


――で、さっき見終わったよ。年長組全員、ややコーフン気味。
何しろこういう映画は初めてで。そんな状態でのあたしの感想をいうと……。
まず、山火事の中を消火に飛び回る飛行機が、えらく格好いい。
飛行機から降りても、操縦と同じくらい軽々とばらけてるピートが格好いい。
そして死んでからも、後に続く若者を見守って、後に残した恋人を想って悩んで、でも最後
には自分の想いを手渡して別れを告げるピートが、やっぱり格好いい。

死んだ人のぬくもりが体に残ってる内は、涙は乾かない。
でも今はもういない人の心、こういう形で伝えてくれる心が、残された人の新たな人生に繋
がっていくって考え方は、何かとても勇気づけられる。
素敵な映画だったよ。ありがとう。

失礼、ちょっと鼻かまして。……え? 目が赤い?
そりゃ、え、えっと、け、「煙が目にしみる」の。煙草吸ってたから。

219 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :05/01/15 02:59
>>216(不倶戴天・誕生日・贈りもの)
いや、しかしお客さんが一番華やかだもんなあ。
ホストとしてはどうなんだと、そう思わんこともないねえ、はっはっは。

名無しさん、見てきたようにものをいい、なんて。
あはは。うん、年明けに外で遊んだ時は、実際そんな感じだった。あたしはちびどもの世話
がてら一通りつき合ってる内に、カナと「両雄並ビ立タズ」なバトルモードに。
っきしょうめ、来年は雪辱だっ。

ああ、うん、そうだね。そろそろになる。
もうすぐ、私の誕生日だ。
(煙草を灰皿でゆっくりと消して)


ただ、その、私の生まれた日なんて、祝う程のものじゃないから。
私の時は、いつもは特にそういうことはしない。

その代わり、みんなの生まれた日をお祝いしたいよ。ちゃんとね。
そう、灰羽は年齢不詳だから、立てるろうそくは繭から生まれてからの年の数。
もちろんケーキは焼くよ。私お手製のやつ。
仕上げに砂糖で作った小っちゃい人形、その誕生日の人そっくりのを、ちょこんと乗せる。
という風にケーキ担当なんで、贈りものの選定は他の連中に任してる。

ただ今年は、ヒカリがケーキを作りたがってるんだ、私の誕生日の時。
いいっていったのに、お菓子づくりの練習にもなるからって力説するもんで、どうしようか
と考えてて。ラッカやクウも手伝いたいというし。
まあ――それは、確かにありがたいことだけれど。でも。

いや、やっぱり受けとこうか。たまには素直にさ。
……ふふ。いや、さっき観た映画みたいに、クラモリが脇でそっとアドバイスしてくれたのか
なって思ってさ。ちょっとおかしくなったんだ。

220 名前:名無し客:05/01/16 21:29
人の好意は素直に受け取っておくべきですよ。
せっかくお祝いしてくれるというのだから素直に受け取りましょう。
大体自分は他人をお祝いする楽しみを味わっておきながら、
他人にはお祝いをする楽しみをさせないなんてズルイじゃないですか。
それにもしかしたらニンジンだって食べられるようになるかもしれないじゃないですか。
ttp://so.la/test/read.cgi?bbs=haibane&key=1063809631&st=128&to=130&nofirst=true
それにしても何でそんなにニンジンが嫌いなんです?
とても美味しいとまではいわないものの、そんなにひどい食べ物でもないと思うのですが。

ところでロウソクも使い古したチビた物を使うのかな・・・(汗

221 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :05/01/18 00:55
>>220(Atack Of The Killer Carrot)
あ、そっか。
お祝いする方も楽しいものね。ああでもない、こうでもないって頭悩ますのは。
確かに、一人分の貴重なチャンスを奪うのはずるいよな。りょーかい、ちゃんと祝ってもらう
ことにす……んぐっ。
(ちょっと椅子からずっこけて)

ち、ちびどもと一緒にすんな! あああたしはニンジン食えるってば!
目さ。目さえつぶれば何本だって――えへん、おふん、あー、えー、そう! 何きれだって食っ
たろうじゃないの! むしろ貪ったろうじゃないの!
――よし。あたしも女いち人だ、駆け引きなし、腹割って話そう。
いや、だってあれ、苦みっていうかえぐみっていうかさ、あるじゃん。強いじゃん。
あたしにはちょっと、少しばかり、あれだ、認めがたいのそこが!

そういや、トーガの市で入ってきてた外の世界の野菜、あのニンジンは割と食べやすかった
ような気がした。えぐみが少なくて。
ただ、味自体ちょっと薄かったかな。こういうの、品種の違いなのかも。
ま、いいのさ。所詮一本でもニンジン、それ以上以下にはなれやしない……。

え? おいおい、流石に食べ物や消耗品は普通に買えるよ。
それでいくとあたしら、残飯しか食べちゃいけないことになるでしょ。そりゃたまらん。
なに、ニンジンだったら、残飯でなくったって勘弁だけども。
い、いいのっ、好き嫌いだって立派な個性なんだよっ。


もっとも、ちびどもにはそんな勝手は許させんケド。
あたしだって散々苦労――ウォッホン、子供の内はまずきちんとした栄養バランス。ねえ?

222 名前:名無し客:05/01/20 01:56
戦中食料に苦労したとか何だとか醉うと散々語りだす父が、
「薬臭くて嫌だ」
とか言っちゃって、ニンジン、ちゃんと食べようとしないんです、これが。

そんなニンジン嫌…………いやいや、食べ物にうるさい、なかなかにグルメな
レキさんにお料理を差し入れ。
すりおろしたニンジンを混ぜたハンバーグです。
さあ、熱いうちに召し上がれ〜。

223 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :05/01/23 17:48
>>222(キャロット・キャロット・キャロット)
ほら見ろ! あたしだけじゃないんだ!
何だかあなたの親父さんと握手したくなってきたぞ。

(すげくしょっぱい顔で)
いや、あのなあ……。最初からバクロしてどーすんだ。
こーゆーメニューを出す時には、それこそ>>220が紹介しやがった苦い思い出みたく、全部腹に
収めさせてから「実は」って衝撃的告白すんのが定石でしょうよ。
ちぇっ、こういう時に限ってみんな寝てるし。丁重に引き継がせようと思ったのに。
……ちきしょう、あたしは腹ァくくったぞ。
受けて立とうじゃない。ニンジン相手にイモ引いてちゃ、年長組の名がすたるってんだ!


――え? 何で黙って食ってるかって?
そりゃ、その、舌でさかんに鼓を打ってると、お喋りの方は大人しくなるもんさ。
うん、とても美味しいよ。ソースの塩梅がいい。シェフはずいぶん修行してると見たね。
何よりこの肉、炭火で焼いてる所がとてもジューシーで、それにほのかな甘みが、

んっがぐっぐ。

――“そこ”に気づくな。美味しいんだ、これは美味しい。実際それなりにうまい。
開けちゃいけない。閉じたままだ。大丈夫。目さえ開けなきゃ大丈夫だから。
うぷ。

224 名前:名無し客:05/01/23 19:57
今そこで寮母さんに会ったんですが、この前の話をしたら

           ,. <´ ̄ ̄ ̄「 ̄ ̄ ̄``ヽ、
       /.:.:.:.:.:.:.``:.:.:.:.:i:l.::.:.:.:,;:-.:''".:.:.:.:\
      /.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.ヾ.:.:.':.:/.:.:.:.::.:.'、:.:.:.:.:..:\
      , '.:.:.:.:.:.:.:.j´ ̄ ̄ ̄``"´ ̄ ̄ ̄`!.:.:.::.:.:.:..:ヽ
    /.:.:.:.:.:.:.:.:..j              i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、
.   /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;'    _   __   l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
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  /.:.:.:.:.:.:.:.:.:/      ̄` ー‐ "´  `  '、.:.:.:.:.:';.:.:.:.:.゙、
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. '.:.:./.:.:.:.:.:./     、  ̄     ̄,. '    `、:.:.:.:.:.';.:.:.:.:',
{.:.:/.:.:.:.:.:.ノ _ r''ァ:;;:Tヾ ヽ    /  ''T:;;ァ‐ッ_ヾ.:.:.:.:.ヾ.:.:.:}
 ヾ{.:.:.:.:,;イ ´  ` ̄,´ '" }  ′ ヾ`_ ̄´ ` ヽ:.:.:.:.:}:.:.ノ
  Y⌒Y                      Y⌒V′
  / /`{                       }'´` ',
  〈 ー,'ヘ         /    ヽ        ノニ´  〉
  \ r''ト、      ヽ '` '` ノ       ,イ冫 `/
    \ヽl      /              ' lノ /
    /:ゝ1    /            ヽ     lーく
   /.:.:.:.:.:.l  、 〈   '´ ̄___ ̄``ヽ  ノ ,i  l.:.:.:.ヽ       そう言うのは喰えるとはいわん!
   (.:.:.:.:.:.:.:'、  ヽ  /⌒`─-- 、  ′  ノ:.:.:.:.:.:)
    \.:.:.:.:.:ヽ    ノ   ,、__ _ Y⌒j /!:.:.:.:/
     ヽ、.;/l\/  _,厶‐''´ ヽ l 〃 : :「ヽf
      ト、  l :.|  '´ ___ ヾ//  .:l  ドー- 、
   /´  ̄l  l |            ヽ/ノ   .:l  l    ヽ
  /     l  リ      --一ヽ 〉   : :ト、 ノ     )
  (、_    l  /      ___  /ィ′ .:/: :レ'⌒ ー-- イ
  ハ `` ー--lノl      ト、`ノ .:|   /: :(      ,イ、
/..:..ヽ   /レ'|      {:. ´ .:.:ノ  / : : 厂 ̄ `` <l、.:\
..:..:..:..:..ヽ i(  |       }  .:∧  : : : :|        )..:.:.`
..:..:..:..:..:..:ヽ!__) ノ:.     ノ .:.:レ、)  : /⌒ヽ、__,,. - 7..:..:..:..

だそうですよ?
まぁ、確かに昔のニンジンは苦かったという話はよく耳にしますけれどもね。
そんなニンジンもちょっと食べてみたいような気もしますが。
私も昔は煮付けた大根が苦くて苦手でしたけれど、
最近の大根はぜんぜん苦くないんですよね。
昔の大根みたいな苦さだったのかなぁ?

そうですか、食料品や消耗品は大丈夫なんですか。
街一番のレストランで残飯をもらってるとか言う噂も聞いたことがあるんですがうそだったんですね。
えーっと、そ、それじゃあ下着なんかはどうなんです?
なんか自分の生まれた繭を材料にして作るんだとか言う噂や
ブルセラショップで入手しているという噂も聞いたことがあるんですが。

225 名前:名無し客:05/01/24 02:07
そうだそうだ。
ご自分の生まれた繭ってのは、どのように処理なさっているのですか?

繭っていうくらいだから糸取ったり、お肌の手入れに使ったり……
そうそう、現代人は繭のような狭い場所に籠もってストレスやら
披露やらを回復するとかで。

226 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :05/01/26 23:50
>>224(灰羽らんじぇりー事情)
……婆さんには、後で直接「やかましわい!」といっとく。
ああ、大根。確かに結構強いからなあ。
大根の煮物は下ゆでの時、米のとぎ汁を使うか、水に米を少し入れただけでも味がまろやか
になるよ。だしの染み加減もよくなってさ。
でも大根おろしは辛くないといかんでしょ。そこが旨みでもある訳じゃない。
そういう苦さや辛みは、有りのままで作っていくべきなんじゃないか、と思うけどね。
はは、自分が食えるものには文句つけ放題だ。

そうそう、全然関係ないけど、今の季節だとふろふき大根にぶり大根は外せ――は、はあ!?
何だそりゃ、残飯あさり!?
烏か野良猫扱いかっ。うちは残飯にも空腹を紛らわせてくれる白い粉(小麦粉じゃない方)
にも縁なんかないってえの!
ぶ、ブルセラなんて怪しげなとこで売りも買いもしない! たはあ、なんつーロクでもない
噂だよ、全く。

まあ下着の場合、全然知らない人の古着はちょっと……と思う訳で。
そうなると困るんだよね。古着屋にも売ってないし。
それにあたし達は羽があるでしょ。普通のブラだと引っかっちゃうから、ノーブラで通さな
きゃならないのがまた困る。……キミ、どこをしげしげと見ているのかね?

で、オールドホームの灰羽達が代々使ってきたお下がりか、後は手縫いでちくちくってとこ
に落ち着くの。
いや、こういうの、意外と気軽に作れるものなんだ。
おしゃれなレース使ったり、小さいリボンつけてみたり。ちょっと工夫するだけで、普通に
売ってるのと変わらないのが出来るよ。
これでも裁縫には慣れてる。今してるのだって自作のだから。

フフッ、何なら確かめてみる? いま、ここで――。


なーんて。冗談だよ、冗談。
誰がヌードダンスなんかやるかって。……ちゃんと縮めときな、鼻の下。

227 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :05/01/26 23:51
>>225(揺籃・マユコロン・安息)
それは、だね。
ゴミに出します。

ううーん、夢もチボーもないんだが。他に使い道、ないっぽいしなあ。

繭って、何しろでかいんだ。大きいのだと、ひと部屋の半分は占領しちゃう位。
外側の殻は割りと堅くて、内壁は水藻かスポンジみたいな柔らかいので覆われてる。
あれは繊維の一種なんだろう、でもちょっと服とかにはなりそうもないな。
中は水が一杯。不思議なことに息はできるね。
この羊水みたいなのにぷかぷか漂いながら、灰羽は孵化する時を待つって訳。

そういや、みんな繭の中では空の中にいるみたいだったっていう。
グリの空と同じ、薄い緑色をしてたって。――私は、よく憶えてないけど。

お肌のお手入れに? ははあ……いや、そういう利用法は考えたことなかった。
繭は、私達が生まれるまで私達を護ってくれてたものだから、灰羽の肌との相性は良いよう
な気がするよ。
使うとしたら、えーと、何だろ? へちま水みたいにして化粧水とか洗顔水?
後はお風呂に入れて入浴剤代わりとかかな。
なんか良さげじゃない。肌はつるつる、羽もぴかぴかになっちゃったりして。
……ちょっと興味、湧いた。今度新生子が生まれたら試してみようか。

ふうん、精神疲労時の栄養補給にって感じなのかな、その狭いとこ篭りって。
でも、わざわざ狭い所までもぐり込まなくても、もっと簡単に済むのに。
目をつぶればいい。それが世界で一番狭くて、一番他人に邪魔されない場所だよ。
繭の中より、母親のお腹の中より、ね。

228 名前:名無し客:05/01/29 05:06
下着関連で、その胸の……いや、ゲフンゲフン、それは置いておきまして。
羽があると、やっぱり肩がこりやすくありません?
例え使わない羽であっても、それを支える筋肉ってのはある程度必要な
ものでしょうし。

そうそう、肩、お揉みしますよ?
あ、いや、別に下心があるわけじゃ。いえ、その。

229 名前:名無し客:05/01/29 23:27
この前、大門広場で市が立った時 こんなものを手に入れたんですが…

これって、もしかして本人さんですか…?

いや、入手経路と代価については答えられません!
無論、引き渡す事も拒否致しますッ! <猛スピードで逃走開始

http://niaman.s2.x-beat.com/cgi-bin/stored/ab0037.jpg

230 名前:名無し客:05/01/30 18:32
ちゃんと縮めときな、と言われても>229とか見せられちゃうとなんていうか、その、鼻以外の場所も・・・ゲフンゲフン

そっか、やっぱり手作りなんですね。
そりゃそうですよね、ブルセラとかそんな怪しげな店がグリの街にあるわけないですよね。
確かに皆さんお裁縫とか得意そうですものね、約1名を除いて。
普通に売られている服だとそのままじゃ着られないから羽袖開けたりしないといけないし、
お下がりの羽袋なんてまず売られていないから自分たちで作らないといけませんものね。

そういえば羽袋ってオールドホームのオリジナルなんですか?
廃工場の灰羽さんたちは付けていないようですけれど。
ということは防寒対策というよりファッションの要素のほうが大きいのかな?
オールドホームの灰羽さんたちは寒がりで、廃工場の灰羽さんたちは暑がり、なんてことはないか。

231 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :05/02/01 00:18
>>228(ハネノホネ)
こるね。んー、やっぱり羽の所為は大きいのか。
ま、慣れだね、慣れ。いつもは意識とか、あんまりしてないし。
それにこるのは、肩より首筋から背中の方だよ。重みがこっちにかかってるのかな。

羽が生えて間もない時に、肩を動かそうとすると羽まで動いちゃうって経験は、灰羽なら誰
でもあると思う。
そう考えると肩甲骨の辺りと連動してるっぽいけど、なら肩の方がこりそうな気もするし。
まあ医者じゃないから、その辺の解剖学的事情はよくわからない。
ただ普通の人と比較してみたら、肩から背中の筋肉のつき方が全然違ってて、灰羽の背面は
異様に盛り上がってた! ……なんてことは、まあないだろとゆーことはわかる。

へ? いや、お客に按摩させるなんて。そりゃイカン。
いくらなんでも悪いよ。悪いなあ。
(といいつつ、そそくさと座り直して背を向けて)


あはっ、ちょっとそこくすぐった、うひゃっ。
……いや、もうちょい力入れていいよ。思い切って。
そう、もっと強くしていいから。……うん、そうそう、そんな感じ。
あ――んん。
いいね。こういう振動のリズムって、何だかうとうとしてくるなあ……ふう。

232 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :05/02/01 00:19
>>229(闇市・キャミソール・脱衣麻雀)
ほわぁあ……え、なに?
――何だそりゃあ!?
(眠気も>>228もムッハーと吹っ飛ばして)


               ,.-‐-¬-、      l l   〃〃
             r'´.:  .:.゙:.、ヘ_     l l  〃〃
            , -' .:, .:  :.. 、 .:..ヽ    l L_
           ( .:".; .: ' .:  :. .::. ゙:, ノ    l r-ニニ
           ヽ、.: ゝ;, :..  ,.:〃ノ     l l
              ,ニl:.:.  亡´       l l
            (´ ー┴---┴ `)      l l
             `フ:.ー─弋'´          l l
               _ ............... _       iニニ ニ、ヽ
            、,.`'::::::::::::::::::::::::::`ヽ           l l  l l
           /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ,,      l l  l j
          /::::::::;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
          Z:::://;;;∧::::ト、:::::::::::::::::::::::::l´        l l
          l:::l \  ヽN `ゞw、:::::::::::::l          l l
          l:::l(ヽ.\ ヽ/ _,,ィ i:::::::::::::l         l l
          l:::l `‐`   '、´_ノ l:::::::::::::l         l l
            /`l:::l  ,、 _  __   l::::r''ヽ::!.   ,.へ、  l l
        /  l:::ト、/::`':::`´:::`ヘ  l::::l_ノ::::l /   \
        /  l:::::;べ、;;;::::::::::__;;; >"l::::Fニ弍、     \ <ヽ、
        /, - ‐l::::l.:..:/.:ヽ ̄    ソ.:l::::l..:..:..:フ.:`ヽ、    \ヽ、`>    />
    ,. -、_'ィ :..:..:..l::::l..:/..:..:l′   /.:...l::::l..:..:..:..:..:..:..:..`ヽ.,.、ヾヾゝ `  //
   ノ、  ヽ..:..:..:..:.l::::l/..:,、.:ト、  /..:..:.l::::l..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:l. `┐  ,,,//
  r'  ヽ  、..:..:..:.ヾトイ.:トl:::`='f≦`:州!..:..:..:..:..:..:..:..:..:..l   ト、 └- '
 /    ヽ  ヽ.:.:..:..:..:..:..:.l.:l::::::::::::l:O:..:..'.:'..:..:..:..:..:..:..:..:..:.ノ  /  `、
./     ,ヘ _ノ´ ̄厂..:..:..l.:l::::::::::::l.:.i..:..:...:..:..:..:..:ヾr-─<  ノ    `、
ばっ、ばかやらぁ!! もしかしなくてもどー見たってあたしだろうが!
ち、違う見るな、見せるな、止せってば!

ちっくしょう、人様の無防備な姿を克明に描き出しやがって……どこの爆撃絵師さんのシワザ
か、洗いざらいゲロさせてルート摘発、あっ、こら待て!
何ぴとたりともあたしの前は走らせねえ! 逃がすかー!!


(その後、>>229が血ゲロはくまでスクーターで追い回したという)

233 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :05/02/01 00:23
>>230(防寒具)
(後ろを向いて小声で)
ベースケ。


ま、そこはそれとして。
おっしゃる通り、女の子の灰羽は大抵裁縫とか慣れてるよ。羽袖とか羽袋とか、どうしても
羽関係の針仕事が多くなるからね。
そしてこれもおっしゃる通り、オールドホームでは約一名、時計屋勤務の約一名、機械いじ
りが飯より好きな約一名、裁縫からっきしな某カナがいる。
自分で色々縫うのも、でも楽しいもんだよ。ま、ここら辺の感覚は女だからかな。……はは、
これじゃまるでカナが女捨ててるみたいだな。

いや、別に羽袋はうちの専売特許って訳じゃない。
あれは代々、っていうような代物でもないか、まあ灰羽達に伝わってきたものの筈だよ。
ファッション要素は後付けでしょ。服の背中に穴空いてる訳だからさ、ここの所の隙間風を
シャット出来るか出来ないかは、実際大きいよ。
そっか、廃工場の連中がね。全然気づかなかった。

あそこは街中にあるし、おまけに男女共学で一緒に暮らしてるせいか、服装とかあか抜けて
るような印象があるね、うちと比べると。
昔からそうだった。――昔、ごく短い間、あそこの厄介になったことがあって。

今はもう、足を運ぶことはないけど。

えっとその、つまり、お洒落なのが多いから、コーディネートで色々考えてるのかな。
それほど寒くない日は、私達でもしない時もなくはないし。
ああ、でもうちはちびどもが大勢いるからさ、「ちゃんとあったかい格好しなきゃダメ」って
いい聞かせる時、年長組が模範を示してないと様にならないじゃない?
だから普段から装着率を上げとくってとこ、なきにしもあらず、かも。

234 名前:名無し客:05/02/06 06:00
灰羽さんって、寝るときはやっぱりうつ伏せか、それとも横を向いて寝るか、の
どちらかになるのですよね?
上を向いて……天井を見ながら眠りに就く感覚って分からないものでしょうか?
あの、天井の滲みが、人の顔や目玉に見えてきてしまう感覚は……。

対して、横を向いて、少し丸まって眠るのは、繭の中に居たときの感覚を
思い出したりしません?

235 名前:名無し客:05/02/06 19:09
そんなこと言ったって健康な成人男子ならごく正常な生理反応でなんらやましいことなんか一切ないもーん。
それともレキさんは>229を見られてもまーったくなーんも反応しないほうが良かったというのでしょうか?
大体それを言うなら下ネタになった途端に沸いて出てくる人のほうがよっぽどだと思いません?
まったく誰だよ、下ネタなんか振ったのは。

ああ、そっか。穴ふさぎの意味があったのか。
いや実はね、羽はもともとあったかそうな羽毛で覆われているわけだし、
さらにそれを覆わなければならないほど寒さを感じるものなのかな? とちょっと疑問だったんですよ。

で実際のところ羽にはどのぐらい神経が通っているんだろう?
粉羽を抜いたときにピクッとしていたから痛覚はあるのかな。
慣れればある程度自由に動かせるそうですけれど、
逆に言えば慣れなきゃうまく動かせない程度にしか神経は通ってないんわけですから
やっぱり身体の中では鈍感な部類に入りそうな気がしますけれど。

236 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :05/02/21 01:33
悪いね、また空けちゃってて。これからは、もう少しきちんと来られると思う。
さ、お茶を換えて灰皿を空にしなきゃな。


>>234(寝相・錯覚・繭の中)
いや、あお向けで寝られない訳でもない。邪魔だとか、ちょっと関節しびれるとかいっても
腕まくらで寝るのと同じ程度。我慢できなくはない。
とはいっても、寝っ転がるには確かに邪魔っけだ。
なんで普通は横向きで、疲れてる時とかは自然にあお向けで寝てるかな。やっぱり一番リラ
ックスできる体勢だしね。

ああ、あるある、脇の壁の滲み。体を横にして寝てると、脇に壁があるからわかるよ。
ついつい人の顔に見えちゃったりする。何かおっさん灰羽に見えて気味悪い、とか。
見えるっていうか、見い出しちゃうっていうか。滲みが三つ、逆三角形にあるだけで、それ
を人の顔だと連想しちゃうんだから、こういう錯覚って不思議なもんだ。

繭の中での?
ああ、それは――繭はね、中で普通に立っていられる位の大きさで、縮こまってなくても別
に大丈夫だと思う。
でも横向きに、それこそ赤ちゃんみたいにうずくまって寝る時って、なんていうか安心感を
おぼえたりするし……灰羽も、みんな繭の中ではそんな姿勢だったのかもしれない。

――さっきから伝聞ばっかりだね。
私は、生まれた時のことをよく憶えていないんだ。
そういう……繭の中でのことは、ちょっとわからない。自分のことなのにね。

自分のことだからかも。あなたもあなたが生まれた時のことは、まさか憶えてないでしょ?
そこで「あの時は産湯が熱くって熱くってさあ」とかいわれたら、私の負けだ。はは。

237 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :05/02/21 01:35
>>235(神経接続)
あ、あのなあ、いくらこっちも健康な成人女性だからって、健康な成人男性のごく正常な生
理反応を目の当たりにして、親指ぐっと上げてウィンクするほど下品かよっ!
……くっ、むっ。
そりゃその、いくら下ってほど下じゃないネタでも、顔の筋肉ぴくりとも動かさずに「では
次の議題です」とか流されたりしたら、確かにオンナの沽券に関わる……けど。
そういう意味じゃ、何か複雑びみょーな満足感は――いや待て。やっぱだめ。ナシ。

う、うるさいな、もう。乙女心はややこしいの。
ややこしくていいんだよ、女は生きてるだけでエライんだから。


ええと、それで何、ああ、羽ね。
そうそう、紛れもない体の一部なんだから、色んな感覚は通ってるさ。
小羽だったら髪の毛を一、二本抜くのとそんなに変わらない。乱暴にむしったり、はさみで
切ったりしたら、そりゃ痛いよ。
指先とか歯みたく、体の末端で神経の痛いとこが通ってるだろうし。

最初に動かしにくいのは、神経より寧ろ骨の具合じゃない? 動かせる範囲の骨格の。
「自分に羽が生えてる」っていう出来事を、脳と筋肉と骨に納得させるのに、ちょっと間が
要るんだと思う。
鳥みたいに実践の為の器官じゃなくて、ただの飾りにしてもね。
まあ敏感鈍感でいえば、鈍感な方なのかなあ。

実際羽が生えてるのがどんな感じなのか、上手く説明するのは難しいよ。
腕がもう一対あるっていうより、肩の辺りが延長してるみたいな、暑さ寒さもそれなりには
感じられて、ついでに動かせる耳たぶみたいな。……ちょっと違うか。

灰羽も、生まれたては羽を持っていない。生えた後にはやっぱり違和感はある。
さっきもいったように、私はその辺りの――生まれた時のことをよく憶えてないから。
気づいた時には羽はあった。それでも、自由に動かせるまで妙な感じは残ってたけどね。

238 名前:◆xRtREKI.VQ :05/02/21 01:38
(レキの日記より)


生まれて初めて見たものは、あの人の顔だった。
寒さと暗さが消えていくような、あの人の笑顔だった。


夢の中と同じくらい寒い雪の日、使われていない物置で私は生まれた。
繭がそこに出来たからだ。孵化しても誰にも気づかれなかった。
その時のことは、夢の続きのようによく憶えていない。
息のできる水の中――つまり繭の中で目醒め、ずっとここにいてはいけないといわれている気
がして、とても不安になって、内壁をほじって外に出ようとした。そんな記憶はある。

後はわからない。
決壊した繭から勢いよく流れ出す水と一緒に、私は床に叩きつけられたのだと思う。
私は気絶し、やっぱり一人ぼっちだった。
羽の生える夜も、私は一人のままだった。
肉を破る羽の痛みで意識を取り戻し、それが新たな肉体となっていく熱でまた気を失った。
おそらく、そういうことだ。

誰かに抱き上げられ、その人の体温に包まれて、私は自分が凍えていることを知った。
それがわからないほど私の体は冷えきっていたのだ。
目蓋の重みをはねのけると、そこには光があった。
どこかに置いてきた古い思い出のように、目に映る女性の――クラモリのやさしい微笑みは、
体をきゅっと抱きしめてくれた以上に私を暖めてくれた。


時々こうして思い出をなぞる。文字に書くことはあまりしないが、最近ある人達と話してい
て、何だか鮮やかに記憶が蘇ったから書いてみた。
クラモリはもういないし、私だっていずれ、何時かは知らないが消える。
何もかもが過ぎ去っていき、やがて皆なくなる。

けれど思い出せる瞬間は、今だけは想いをつないでいられる。
その儚さはきっと大切なことだ。だからなのだろう。


だからこの世界は、こんなにも美しい。

239 名前:名無し客:05/02/22 21:01
これで反応しなければオトコのコカンに関わる

240 名前:名無し客:05/02/22 23:58
流石に「産湯が熱くて〜」なんて事は覚えてませんが、人によっては生まれたときの
記憶があるとか何とかで。
「オレンジの香りの水の中で〜」とか言う子供が実は、オレンジのアロマオイルだかの
水中出産の子だったとか何とか。

話は変わりますが、レキさんの記憶に残る「香り」って何ですか?
今、鼻づまりでもう、香りという香りが薄まってしまって。
何とかして下さいホントにもう。

241 名前:◆xRtREKI.VQ :05/02/24 02:48
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242 名前:◆xRtREKI.VQ :05/02/24 02:51
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       l::::::;-、i:::::::::::l::l:::::ィ:l:l:::l::::l::::::;イ::li::l ヾ::::::|::::l:::l:::i:::i::::::l::::::::::レヾ:::::!
-.、      l::::::l  l::::::::::レl:::/ !l l l::::l:::::/ !:l !:l  l:::::::ト;::l:::Nヾト、::l::::::::::l  l::::l      , -‐- 、
  \    l::::::l  l::::::::::l`lナ┼H::」;;:/  |;ハl   L:::_LH┼lナ''i"l::::::::::l  l::::|    /     ヽ
   \  .|:::::::', l::::::::::l _,,,___′`` ′   '´  ___,,,_  l::::::::::l ノ::::l   /
      \,l::::::::入l::::::::::l ´ヽ ヾ:::ノヽ ノ´ ̄`ヽ _'´ヾ::::ノ `′l::::::::::l人::::::l /
   _,. -─ '' T´: : l::::::::::l   ` ̄  /  `ヽ  ヽ、 ̄`ヾ ´  l::::::::::l: : `T'''ー--──- 、
''"´ : : : : : : : l : : : |::::::::::l!     /'"´   、 ヽ、  ``ヽ、 \  l!:::::::::l: : : :l : : : : : : : : : : : : ヽ、
: :__,: -‐ :" ̄l : : : :|::::::::::l:!   /       ヽ、 \    \ ヽ!l::__;;; -一 ''ヾ:;:} ー- 、_: : : : :
´: : : : : : : : : l : : : :!::::::::::l:', /          ヽ、 \、_   ヾ二 、-┬:''"T:´ ̄: : : : : : : : `:ヽ:、
: : : : : : : : : :.!: : : : l::::::::::j ´      ヽ、 i     ヽ、 ヽ`ヽ   \ (\: : : l: : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : :l : : : : !;:r''´            / ̄`ヽ   }  }─`ヽ  ヾー-': : : l : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : l : :__,/           /     l   l  l    \ (\: : : : l : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : :.l l´             '      __」  l  ├‐──ォヘ_ヽ ゝ : : l : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : :l/         ,..、__,,. -─'"´  ヽグ  l   /.:l:::::::::下、: : : :l: : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : :/         /.: : : :\           { , -j /: : : :l:::::::::::l: : ヽ、: l : : : : : :/: / : : : : :
: : : : : : :/          /: : : : : : :.〉         ヽノ 〈.: : : : : :!:::::::::l: : : : : `: : : : : : l :/ : : : : : :
: : : : : :/          /i: : : : : : :/``ー- 、,,___,, -‐ "´ヽ: : : : :l:::::::::l: : : : : : : : : : : : V: : : : : : : :
: : : : :/           /:::l: : : : : :/;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ: : : :l:::::::::l: : : : : : : : : : : : l :/: : : : : : :

243 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :05/02/24 02:54
>>239(馬鹿・とんま・助平)
       ─┼─  、   , _/__
  ・ ・ ・ ,.-┼j-、  ヽ  /  / -─ッ
        ヽ__乂 ) ___,ノ  / 、__,, 、

       ̄|  ̄|   l   、ヽヽ  i  ┼┼  l _|_ ___ ー─ッ _|__i_ヽヽ
       ヽ l ヽ |  ̄j ̄ヽ\ ヽリ l二l  |   l   r'"´  〆‐-、  |  l
      ,/ | ,/ |   /  ノ    ∧ フ|ヾ、 ∨ ノ   ヽ、__ ´(二>'   ヽ__,,   o



あンた、それ以上話すと言葉が白けるぜ。

244 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :05/02/24 02:56
>>240(夏がくればにおい出す)
へええ、そりゃすごい。そんな一番はじまりのこと、憶えてるものなんだ。
ああ、でも……考えてみると一番最初だからかもしれないな。
はじめて見て、感じて、考えた時のことなんだから。その時は意味不明でも、イメージだけ
刷り込まれてるってのはわかる気がする。

あらら、風邪? それとも花粉症?
どっちにしても鼻づまりは辛いよな。頭までつまって、意識がぼーっとしてくる。
こういう時は、しょうが入りの紅茶が割りと効くよ。
好みの量、しょうがのしぼり汁を入れるだけ。砂糖を入れて味を整えてもいい。
しょうがは鼻の通りをよくするし、何よりあったまるからね。

そんな鼻関係でめげてる人に、農業地区の方で嗅いだ厩舎の香りが、なんていって更にめげ
させるのは止しますか。
記憶に残ってる香りっていうと。――今、ふと思ったのはベッドのシーツの。
よく晴れた日に洗濯して、干して、取り込んだやつ。まだほんのりあったかいのを、さっさ
とベッドに敷く。
で、寝そべる。こう、ごろんと。

日の光の匂いを感じられるよ。鼻からだけじゃなく、全身で。
こういうの、鼻が大変な時でも感じられるんじゃないかな?

245 名前:名無し客:05/02/27 20:39
なるほどー、耳たぶとは面白い例えですね。
確かに今まで使っていなかった動かし方をしようとすると
もともと自前で持っていた器官でもうまく動かすのは大変だもんね。
今まで持っていなかった器官ならなおさらですか。

最近こんな絵を見かけたんですが、
       (⊂⊃)
      , -―- 、
     /    ,、  ヽ  ♪
  ♪  l ノ,/lノl/ Wリl |
     i|ld |┃ ┃〈ノ
    ,ヘ i l |、 _ワ/l
    / ̄ヽ/,― 、\l 。。。
    | ||三∪●)三mΕ∃
 ♪ \_.へ--イ_|  '゚ ゚ ゚
       |    |
       |    |  ♪
       .(二)ニ)

レキさんは絵や料理だけでなく楽器も得意なんですか?
私はそういう芸術方面(料理だって一種の芸術だと思いますよ)はまったく不得手なので、
芸術的センスにあふれる方に憧れちゃいます。

246 名前:名無し客:05/02/28 03:15
座右の銘、好きな言葉、好きな四文字熟語をそれぞれ上げてみてください。

247 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :05/03/05 23:52
まだまだ寒い日が続くなあ。体調崩したりしてない?
うちは寮母の婆さんが風邪で寝込んじゃったよ。あれだ、鬼の霍乱ってやつ。
街にある婆さん家まで見舞いに行ったら、作ったスープを残らず平らげた上に「来るのが遅
いわえ!」ときた。
……全く、達者な年寄りだ。心配して損した。


>>245(ソロプレイ・豆スープ・芸術)
いや、楽器は全然。
ちょっといじれる程度で、大したことない。謙遜なしで。

へへえ、その絵だと、何か上手そうな演奏に見えるじゃない。
でもギターなら「禁じられた遊び」を何とかって、そういうレベル。
こいつは、どこかの部屋で埃をかぶってたんだ。うちは使われてない部屋が多くて、あっち
こっちに色んながらくたが転がっててさ。
で、てろてろ一人で練習したり、ちびどもに弾いて聞かせたり。

楽器は、他にも幾つかあった。ハーモニカとか、太鼓とか、小さいアコーディオンだとか。
ただ弾き方がよくわからない所為もあって、他のみんなもあまり触ってない。
むしろ、ちびどもの方がこういうのは好きだな。弾き方がわからないなりに、いじり回して
ブーブードンドンと遊んでる。

まあ料理はね。まかり間違っても不味い皿は出さない位には得意だよ。
けど、幾らなんでも料理のゲージツカじゃないなあ。
カフェの豆スープが気に食わないからって、目をくわわんと光らせて、足音高く厨房にまで
乗り込んで「このスープを作った奴は誰だあっ!」とか怒鳴ったりはしない。
ってか、あははは、そんな極端な美食狂い、いるわきゃない。


それはそうと、気恥ずかしいっていうより、何だか戸惑うよ。私が絵の具をこね回したもの
を、他の誰かに芸術なんて呼ばれるのは。
自分の中にあるイメージを、キャンバスの上に広げてみる。そして再確認する。
私の絵は、そんなごく個人的な作業に過ぎないからさ。

248 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :05/03/05 23:56
>>246(箴言)
しかし自分の好きな言葉とかって、そりゃ考えれば色々あるよ。
ただいきなり、例えば「好きな言葉は?」「あんぱん!」なんて即答は、するっと出て来ない
もんだね。好きな言葉なのに、ちょっと考えちゃう。

まあそれはいいや。じゃあ、順番に。


『心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。
 かんじんなことは、目には見えないんだよ』

大分前、読んだ本にあった文句。


『私は大ぞらの星だ。
 世界を見つめ、世界をあなどり、
 自分の熱火に焼け失せる』

これも別の本から。言葉っていうか、詩の一節。


『不言実行』


いじょ。

249 名前:◆xRtREKI.VQ :05/03/05 23:58
(レキの日記より)


(ページの余白に書かれているのは、どこかの誰かが吐いた警句)

『愛しているのにそれを隠したり、愛していないのに愛を粧(よそお)ったりすることを、
長い間続けられるような偽装は、どこにもない』


本当に、そうなのだろうか。だとしたら――。

250 名前:名無し客:05/03/06 21:04
       (⊂⊃)
      , -―- 、
     /    ,、  ヽ  ♪
  ♪  l ノ,/lノl/ Wリl |
     i|ld |┃ ┃〈ノ
    ,ヘ i l |、 _ワ/l      あ〜〜ああやんなっちゃった♪
    / ̄ヽ/,― 、\l 。。。
    | ||三∪●)三mΕ∃  あ〜〜あんああ驚いた♪
 ♪ \_.へ--イ_|  '゚ ゚ ゚
       |    |
       |    |  ♪
       .(二)ニ)

何かが違うような気がする・・・

そんな謙遜しなくても「何かを作り出すことができる」ただそれだけで十分私にとってはスゴイことです、ハイ。
それにクラモリさんの肖像画や、グリの街の風景画を見せてもらったことがありますが、
私はいい出来だと思いますよ。

豆のスープといえば私も以前外食屋で飲んだことがありますよ。
「粒」は入っていませんでしたけれど、きれいな緑色でなかなかおいしかったです。
あれってどうやって作るんだろう?
ただちょっと残念だったのは容器が竹筒ではなくてお椀だったこと。
最も和食のコース料理だったので竹筒で出されても
スプーンなんかついてこないだろうからそのまますすろうとすると両脇からダラーっと・・・・・・

251 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :05/03/11 02:37
>>250(ギター漫才・レシピ・食器)
えー、では「やんなっちゃった節」に続きまして……。
(じゃららん、とギターを軽く爪弾いてから、本格的にじゃかじゃかと)

うちら陽気なはいばね娘〜♪ 誰がいったか知らないが、女六人揃ったら――
って、乗せんな。
そういうコミックソングは、ついつい乗っちゃうじゃんか。


まあそれはそれとして、おやおや、そいつはどうも。
じゃあ「私が作り出した何か」をほめてくれたお礼に、豆のスープの作り方講座。

カフェのは、この街で採れる緑豆を使ってる。あの苦みが割りとうまい。
なければ枝豆で代用できるよ。豆類全般で応用利くし。
塩茹でした枝豆を、彩り用に少し残してうらごしする。で、そのうらごししたのをホワイト
ソースでのばしてさっと煮立たせる。
粒のままのも入れて、塩こしょうで味を整えれば出来上がり。
皿によそったら、トーストを小さく刻んだのを上に散らす。あったかいままでも、冷やして
もいい。つるっと飲める。
「豆スープ=貧民食の象徴」なんて馬鹿にできないおいしさ……なんじゃないか、多分。

ああ、あの店はテイクアウトの時、竹の容器に入れてくれるんだっけ。
そりゃあの手の器だと、スプーンがないと飲むのはちょっと、だろうし。
かといって和食の場合でしょ? ついたとしても、精々れんげ位かな。
なんか和洋折衷だなあ。

そういう、料理と食器の合う合わないは結構あるからね。逆にスープ皿にみそ汁入れても、
いまいちしっくり来ない、みたいな。
食器は念入りに選びたいけど、そもそもうちみたいに古物屋頼りだと、中々不便でね。
な訳で、カフェの竹製の器は、何個かうちの食器棚にも並んでる。汁ものだけじゃなくて、
サラダやつけ合わせを盛ったり、色々活躍なさってます。
再利用、再利用。灰羽じゃなくても、捨てるにゃちょっとばかし勿体ないってもんだ。

(再びギターを抱え、じゃかじゃかじゃかと)
♪それでは、みなさま、ごきげんよー。

252 名前:名無し客:05/03/13 00:39
豆じゃないけど、あるスープチェーン店のスープがなかなか美味しいです。
ちょっと高くて、店にある全てが美味しい訳じゃないのが難しいところですが。
それでも先日食べた野菜と鶏のスープが美味しくて、胡麻入りご飯と一緒に
はふはふと幸せを感じつつ頬張りました。

と、レキさんは、食事をしているときに幸せを感じる事はありますか?
あるとしたらどんな料理でどんなシチュエーションでしょう?
美味しくて幸せを感じた食事って、その食事だけでなく、周りの人や物、
風景まで覚えていたりしません?

253 名前:名無し客:05/03/13 21:07
レキさん選択古すぎ!
波田陽区や、せめてテツ&トモならともかく、なんでかしまし娘が。
トシがばれますよ?お互い様という話も・・・

なるほど、豆のスープも意外と簡単にできそうな気がする。
「気がする」だけじゃないかって話もあるけど。

竹容器の再利用じゃないけど、我が家にも峠の釜飯の容器とか何個かありますよ。
容器に限らず、使い捨て感覚で売ってる割には
捨てるにはもったいないものって結構ありますよね。
降るもの屋頼りだと色々と揃えるのが大変でしょ?
ネムさんは先日ちゃっかり(?)ティーセットをカップからポットまで揃えたようですけど、
実際にはカップとソーサーの数が合わないとか、夫婦○○のはずが離婚しちゃってるとか。
そういう苦労話でとっておきのってあります?

254 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :05/03/19 18:44
おお、レシピが流出してる。
いいことだ。おいしいものは分け合わなくちゃ。


>>252(しあわせのかたち)
へえ、スープの専門店なんてあるんだ。
いいねえ、野菜と鶏ってのは相性だし。うーん、外の世界の料理、ちょっと味わいたいね。

食事どきに感じる幸せっていうと、とりあえず今晩はそうなるな。今作ってるさわらの包み
焼きとチンゲンサイのミルク煮、こいつは我ながらよく出来てる。
うん、きっとみんなで幸せだ。――カッコつきの予定。

うまい不味いは結局単純、でもそれでにこにこ笑ったり腹立ったりするんだから、やっぱり
みんな単純だってことか、あたしを含めて。
考えてみると、あたしはあんまり外食とかしないかも。だからゲストルーム以外で、周りの
人や風景込みで憶えてる食事っていうと……そうだなあ。

ああ、例のカフェは憶えてることが多いよ。クウが働いてる所為で、みんなよく使うから。
その中でも、例の豆のスープとミックスサンドかなにかを食べたことがあって――丁度クウが
あそこで働き始めた頃だったと思う。
あの時のことは、よく憶えてる。

年からいったら、クウはまだ子供だから。普通の人でいうと、多分十二、三歳位なのかな。
おまけに無理な背伸びをしたがるし。少し心配で、様子を見にね。
そしたら、ちゃんと頑張ってたんだ、あの子。
ちょこまか注文取りに走り回って、危なっかしく料理や飲み物を運んでた。

ああ、クウももう一人前だなってうれしくてね。クウの給仕で食べたサンドイッチもスープも
おいしくてさ。
オープンカフェで日差しも気持ちよかったし、実に幸せな昼下がりのひと時だった。


ただ、少し――すこうしだけ、スープの豆がほろ苦かったけれど、ね。

255 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :05/03/19 18:47
>>253(年齢・振り分け・茶碗の中)
え? 古い? ギターで芸っつったら、これっていわない?
――いわないのか。そっか、この街は遅れてるんだなあ。……なに、歳だあ?
おいおい、あたしは実年齢未成年じゃないかっつー位には若いっての。


ああ、まあ料理の説明聞くだけなら、何でも鼻歌まじりに三分クッキングって気はするよ。
実際に作るとなるとまた別だ。ミレリーゲ・アラ・パンナ・コン・イ・ブロッコリなんて呪文
みたいな料理じゃなくても、慣れてないと簡単にはね。

そうそう、使い捨てるには惜しいデザインのは、時々ある。
ただそういうのは、当然強度が弱かったりするから、そこの所がね。うちは子供もいるから
頑丈なのが一番なもんで。
で、前に古物屋でマグカップをたくさん買ったんだ。
ミルクガラスっていう、耐熱ガラス製なんだって。オーブンとかでも平気で、かなり丈夫だ
って聞いて、うちの全員分揃えたの。
絵柄は全部ばらばら。かえってそれも楽しいかと思ってさ。

さて、それぞれ専用のカップを決めようとしたら、ちびどもがケンカ始めやがってさ。
「“犬小屋の上で寝てる犬”のはぼくの!」「お花がいっぱい咲いてるのじゃなきゃやだ!」
って、まあカンカンガクガク。
なだめてすかして説教して、全く仲裁すんのにひと苦労だったよ。
少なくともちびどものは、全部同じのにしときゃよかった。やれやれ。

……取っておきって程、大した話じゃないけどね。
ちなみに、あたしのカップは翡翠色の。とろんとした緑が柔らかくて、そこが好きだな。

256 名前:名無し客:05/03/20 19:48
あれだけの大人数じゃ使い古しで同じものを揃えるのは不可能に近いのでは?
その点古着屋の兄ちゃんは偉大ですよね、年少組全員分のコートをきっちり揃えたんですから。
まさに勲章ものですよね。

ところでこちらは本格的に花粉症の時期になってまいりました。
今年の花粉の飛散量は前年の30倍だとか。
山から煙が上がっているのですわ山火事か!? と思ったら実は花粉だったとか
そんなうそみたいな話も実際にあったそうです。
幸いなことに私は花粉症ではないのですが、
グリの街にも花粉症というのはあるのでしょうか?
レキさんは大丈夫?

257 名前:名無し客:05/03/22 02:08
花粉症と言えば、くしゃみに鼻水。
……と、鼻水は置いておきまして。

くしゃみを一回すると人から噂をされていて、
くしゃみを二回すると憎まれ口をたたかれていて、
くしゃみを三回すると……風邪をひいているそうですが。

レキさんはこの中で心当たりのあるもの、あります?

258 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :05/03/25 01:06
ちょっと、風がぬくくなったみたい。
でもまだ。積もった雪の最後のひとかけらが溶けて、春になるのはもう少し先。


>>256(壁を越える花粉)
ま、そうだよなあ。二個三個のセットならともかく、さすがに年長組と年少組含めた全員分
でとなると、ちびどもの子供用コートひと揃え、なんて具合にはいかない。
実際あれはよく揃ったよ。裾たけバラバラだったのを差っ引いても。
あそこの兄ちゃんには敬意を表し、謹んで“冬期戦功オールドホーム灰翼付ありがとー勲章”
を授与するものであーる。……ってとこ。

ああ、花粉か。森のほうに杉の木立ちがあって、そこが火元だと思う。
飛んでるよ。ただあたしは、この時期くしゃみがよく出るかなーって程度。
うちの連中も、そんなにひどくはないみたいで助かってる。
でもちょっと街に出ると、いつもマスクしてる人とか、見かけるたびに鼻かんでる人とか、
割りと目につくな。
うは、外の世界はそんなひどいことになってんの。これこれこういう状況って教えて上げた
ら、目や鼻を腫らしてる人達、本気で家から出てこないかも。……ご愁傷様。

きっと、街の外からも飛んで来てるんだろうね。
外の世界から来るトーガの交易で、この街にもたらされたり、反対に出て行ったりする品物
の流れの他に、こんな所で接近遭遇してるものもあるんだな。
川の水の流れとかだったらともかく、花粉は一方的に来るばっかの、寧ろお邪魔虫だけど。

何にせよ、花粉だけはかんべんって……は……。
……は。
あ、いや、鼻がむずむずしてさ。どうもやだな、くしゃみが出そうで出なっくしゅっ!

259 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :05/03/25 01:08
>>257(くしゃみ・噂・妖精)
んくしゅっ! ……うあ。
おっと失礼。くしゃみ二回目、だな、これで。
単なる噂話を通り越して、けしからん噂領域に突入ってやつか。

さあ、いいたい放題吹いてんのは、どこのどいつだ?
ちびどもかな。いたずらの相談でもしてんじゃないか、また。
他にしそうなのは……ひょっとしてミドリとか、それに――ヒョ、ヒョ、ひょっくしっ!

うー、本日三回目。
久しぶりな名前なんか口に出すから、鼻の方までグズついちゃったよ。
生憎と風邪じゃない。――そうだ、くしゃみを三回して「お大事に」っていわれないと、妖精
になっちゃうって話、誰かに聞いたことがあったっけ。
やばいな。さあさ、はやく誰か頼むよ。でないとこの羽、ほんとに飛べる羽になっちまう。
なんてね。

260 名前:名無し客:05/03/27 01:12
レキさん、「お大事に」!

――ええーと、コレで大丈夫ですか?
いや、ホントはもっと延ばして、妖精になったレキさんてのも見たかったんですけど。
ああ、残念。うう、残念。いやいやホントに残念だ!

……ところで、レキさんの想像する「妖精」ってェと、どんな妖精?
やっぱりグリの街でも、「虫のような羽の生えた小さな女性」ってのが主流なんでしょうかね?
それとも、「醜い老人のような顔した男性」? なーんてね。

261 名前:名無し客:05/03/27 21:41
花粉症とかアトピーとかのアレルギー症状というのは
要は体内に侵入した異物に対する過剰な生体防衛反応に起因するものですから、
アレルギー症状が軽い、出ないということは鈍感だってことですね、お互いに。
もしくは昔は体内に侵入してくる異物が多かったけど、
近頃は抗菌、除菌ブームとやらで必要以上に雑菌を排除してしまったため
暇になった免疫細胞が花粉にまでいちいち反応して
「小人閑居して不善をなす」状態なのが花粉症が増えてきている原因のひとつという話もあるので
花粉にまで手が回らないほど異物が侵入している不潔な人といえるとか、いえないとか。

まぁ、冗談はともかくちょっと強引に「小人〜」と諺を使ってみたわけですが、
グリの街にも諺はありますか?
あればその由来も教えてください。

262 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :05/04/03 01:21
>>260(フェアリーテイル)
おやおや、サンキュー。
とはいっても、元々が人間じゃない灰羽だ。カウントが有効かどうか。
ま、オトコ風情の手にゃ女は余るものだし、灰羽だけじゃなく、女はみいんな妖精みたいな
ものだからいいか。ふふん。

ああ、妖精って、何か小さいのっていうイメージがまずあるよ。おとぎ話なんかでも大抵そ
うでしょ。
まあそれは、結局人が想像した姿で――そういう不思議な存在をイメージし易い形式なのか
なと思う。形のないものを、わかり易く捉える為の。
妖精には、本来形はないんじゃないだろうか。

森にいったことって、ない? いや、別にこの街のじゃなくていいよ、あなたの住んでいる
世界ので構わない。
奥のほうまでいってごらん。人の領域じゃない場所って、まず空気が違う。
とても澄んでいて、ひんやりしてて――何かいるんじゃないか、と思っちゃう。
こういう時は、世界の厚みが二重にも三重にも感じられる。見たり聞いたり、触ったり匂っ
たり出来る世界と同じ、でも全然別の世界が重なってるのにふと気づく。
あの静けささえも、「それ」の一部なのかもしれない。妖精のね。

妖精ってさ、そんな時の「感触」そのものじゃないかって、そう思うよ。

263 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :05/04/03 01:24
>>261(鈍さ・諺・経験)
ははーん、鈍感ゆえ、ねえ。
鈍い方、鈍いふりでもしてる方がしあわせってことなのかな。ま、確かに、積極的なプラス
は得られないにしろ、自分の損に気づかないのは、それはそれでしあわせかも。
ことわざでいうなら……何だろ。ちょっと思いつかん。
(椅子の背もたれに体重を預けて)

この街にもことわざはあるよ。例えば、ええと、こんなの。
「せまいグリ、そんなに急いでどこにゆく」。
……解説の必要は、ないでしょ。世の中、本気で急がなきゃならないことなんか、そんなにな
いんだよ。こんなせせこましい街だと特にさ。
他には、灰羽の間じゃ買い物する時に「残り物には福がある」って慰めあったりする。
ほら、あたし達が買えるものって、人が使い終わって手放したものっていう、これ以上ない
残り物ばっかだから。何だかあんまりって場合も、ある時にはある訳で。

後は、そう――「触らぬ壁にたたりなし」、なんていう。

壁は、神聖なものなんだ。外の世界から隔てることで、この街を悪いこと、引いては私達が
知る必要のない全てから守ってくれている。
だから傷つけたりすれば自警団に捕まるし、触れたりするだけで“壁自体から”罰せられる。

昔、そういう真似をやらかした馬鹿が一人、いた。
そいつは罰を受けたよ。普通の薬も効かない高い熱が出て、ひどく苦しんだ。
自分の為じゃない、他人の為に壁を穢したのに。
悪いのは、いつだって私だったのに――。


ああ、いや、だからその、何がいいたいのかというと……。
「馬鹿につける薬はない」。そういうこと。

264 名前:名無し客:05/04/03 19:03
グリの街にもこちらと同じような諺が結構あるものですね。
こちらでも遠く離れた国どうしでも同じような諺があったりするので
グリの街にも同じような諺があってもおかしくない、のかな?

先日4月1日はエイプリルフールといって害のないうそをついても良い日とされています。
もともとは4月1日が新年だったのを1月1日に変更したところ
反発した民衆がうその新年として4月1日に馬鹿騒ぎをしたからとか、
インドでは3月25日から31日まで悟りの修行をするがそれでもすぐに迷いが生じるために
4月1日を「揶揄節」としてからかったからだとか由来は諸説あるようですね。
私はどっちかっていると騙すより騙される側ですが、グリの街にもこんな風習はありますか?

265 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :05/04/08 00:51
>>264(恐ろしき四月馬鹿)
ふうん、同じようなのが。そういうの、あるもんなんだなあ。
まあことわざって、どんな状況でもそれに応じたものがあるでしょ。反対の意味の言葉も、
大抵あったりするし。
場所によって入れ物が変わるだけで、昔の人の残した知恵の中身は、どこでもあんまり変わ
らないみたいだね。

へ、うそをついてもいい日? ぷっ、そりゃ傑作。
残念ながら、この街にはそういう愉快な日はないよ。今度話師の爺さんに、グリでもやって
みたらって持ちかけてみっか。
……駄目か。ありゃ筋金入りの堅物だから、絶対くどくどお説教し始める。

でも、結構その、あほっぽいっていったらなんだけど、そういう変な日にもそれなりの由来
があるんだな。流石に何の意味もなく「今日は馬鹿をやる日!」なんて宣言しても、そりゃあ
習慣として定着する訳ないか。
普通に休日や、何かの記念日なんてのはこの街にもある。そのはじまりって、実はそれぞれ
思いもよらないような起源が――あったりするのかもしれないな、ひょっとしたら。


しかしさ、どうせつくなら、でかーい大嘘がいいじゃない?
自分は騙される方なんて、弱気はいかん。どうせなら世間を煙に巻く位でいかなきゃ。
例えば街角で叫んでみ、「狼が来た!」――だとつまらないから、「裸の美女の大軍が襲って
来たけど誰も助けなくていいよ!」とか。
……んー、害はない。害はない嘘だが、踊らされて真っ先にかけつけたスケベどもに袋叩きに
されても、当方は責任持ちませんので悪しからず。

266 名前:名無し客:05/04/08 03:02
こちらの住まいは随分と暖かくなってきました。
グリの街はいかがです?
草木の新芽がいっせいに芽吹いてきた頃ではないですか?

こちらでは今度の休みの日には、きっと沢山の人が桜の花を観に繰り出すと
思うのですが、グリの街ではお花見はします?
お花見で酒を飲んでほろ酔い気分の灰羽を観るのもまた、いとおかし、ですね。
レキさんも酒の飲み過ぎには注意注意。

267 名前:名無し客:05/04/10 20:04
それじゃこんなのはどうかな?
(すーっと息を吸って)

うわぁ〜! 向こうから饅頭屋が来る〜!!
オレはどうにも饅頭が苦手なんだぁ〜!!!
饅頭怖い〜〜〜!!!!


・・・・・・やるんじゃなかったかな?

先日信者の数約11億人とこちらの世界で最大級の宗教の教皇が亡くなりました。
なんでもこの方は過去に行われた宗教裁判や遠征行為に誤りがあったことを初めて認めたとか、
他の宗教との融和を進めたり、戦争を回避するために世界中を飛び回ったりと大きな功績があったとか。
グリの街でも神様という概念はあるようですが、宗教は存在しますか?

268 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/04/16(土) 18:26:08
>>266(春一番・花見・桜酒)
ああ、こっちもだよ。春になった。

ようやく雪がなくなって、沈丁花の匂いが強くなったなと思ったらすぐさ。街全体が、空気
まで思い切り背伸びしてるみたいだ。
地面のあちこちに、小さな緑色が目立つようになったし。いや長かった長かった。
へえ、お花見? 賑やかそうだね。
それはこっちにはない習慣。桜はあるんだけど。

この前、ちょっと森へ行く途中でも見かけたなあ。
一、二本咲いてたよ。まだ六部咲き位なのに、もったいないほど花びらを降らせてた。

んー、あたしはそれほどいける口じゃないよ。
ロッカーを開けるとウイスキーのボトルがごろごろ出てきて、見つける度にネムが全部捨て
て、またあたしが別のとこに隠す、なんてことはない。――これじゃアル中だ。おい、マジで
ないからね、そんな話。
冗談はおいといて、うちで行くとしたら、一緒に連れていくちびどもの面倒もあるからさ。
そうそう酔っ払う訳にもいかないじゃん?

しかし、花見か。なんかいいね、絵になる。
今度やろうかな、オールドホーム総出で。
……よし、決めた。やる。散り始めたら早いし、ぱぱっと明日の日曜にしちまうか。

269 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/04/16(土) 18:28:58
>>267(神さまのつくりかた)
……ば、ばっかもん! いきなり大声出すな!
鼓膜がジンジンするじゃんかよ、ったくもう……。
(空のカップを片付けかけて)

取り合えず、あたしは何だか無性にお茶が恐ろしくなってきた頃合なんだが。
あ、ごめんねえ、饅頭こわい人は、もち連鎖反応で茶もこわいよな。
いやいや、嫌がってるものを目の前に出すなんて惨い真似、あたしは出来ませんから。
自分一人で自分のキョーフと向き合うことにするよ。……あーこわいこわい、紅茶こわーい。


信者が十一億か……。何だか単位が雲の上。外の世界が広いのがよくわかるよ。
それとは別に、その人が立派な坊さんだったんだなってことも、何となくわかる。
宗派の違う、それも人間じゃないのにされちゃ迷惑かもしれないから、お祈りはなしで。
ただその人の最後の想いが、安らかなものであったらいいと、そう願うだけ。

――ああ、宗教。西の森の奥の方に、古い礼拝堂の遺跡がある。もう誰も寄りつかないけど、
大昔には何かしらの信仰はあったんだろう。
今はもうないね。宗教があった跡といえばそこ位で、随分前に廃れたみたい。

何故、と聞かれても、何故なんだろう。あたし達に取っちゃ、ないのが普通だから。
多分――壁の所為なんじゃないかな。
宗教って、要は神様を崇めるものでしょ。何かをもたらしてくれる上位の存在を。
それはこの街にもある。そう、壁だね。
はじめはあった何とか教も、自分達を守ってくれる何かがそこにある所為で、段々なくなっ
てしまった。でも壁は神聖なものであっても「作用」とか「機能」に近いから、それを崇拝
しようって流れにならなかった。――そんな所なのかもしれないな。


まあとにかく、「新興宗教カベ教」っつーようなものは、だからない訳で。

270 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/04/16(土) 18:30:09
(レキの日記より)


(桜の一枝のスケッチ)

いつもの羽の薬を取りに森へ行く途中、今年も咲いていた。
少し足を止めて、今年も見とれた。風もないのに、雨のように花を降らせる桜にはため息が
出る。

今気づいたが、髪の毛に花びら一枚、ついたままだったようだ。
これは捨てずにおこう。このページに挟んでおくことにする。

去年か一昨年も、同じようなことをした記憶がある。ただ、そこのページをめくってみても
間に花びらはない。
気づかない内に落ちてしまったのだろう。


花は風に散らされて、どこかに消えてしまう。けれど、私が自分の心に描き止めたものは、
どんな風が吹いてもそこにある。

271 名前:名無し客:2005/04/17(日) 21:30:16
     (
      ) (⊂⊃)  丿
.     ( ,ゝ-―-、 (
   (  γ    、  λ
    )  l /lノl/Wヽl(
     , ル| ┃ ┃|ゝ
    ( ノ!lヽ _ヮ/ル,,)   <お茶よりもニンジンおばけが怖い
    i ヾ:;_`: : :   _,.ン|
    l    ̄ ̄...:;:彡|
    }    灰. ..:;:;;彡{
    i    羽.::::;;;;彡|
    }   . ...連:::;:;;;;彡{
    !    盟 .:.:;;;彡j:::::::::::::::.......
     ト ,  . ..,:;:;:=:彳:::::::::::::::::::::::::::..
     ヽ、..  ....::::;;;ジ.::::::::::::::::::::::

そうですか、特に宗教はないのですか。
でも灰羽を見かけたら幸運が訪れるというのも一種の信仰のような・・・。
そのうち灰羽を崇める「灰羽教」なんて新興宗教ができたりして。

こちらでは今「萌え」業界がずいぶんと注目を浴び元気がいいようです。
いまや楽しむ(?)だけでなく「萌える」教養本なども多数発行されていたり、
さらには2次元から3次元へ飛び出して「メイド喫茶」なるものが大盛況だとか。
確かヒカリさんの働いているパン屋さんには飲食できるコーナーがありましたから
ヒカリさんにメイド服を着てウェイトレスをしてもらったらどうでしょう。
「めがねっ娘萌え〜」なんて意外と人気が出るかも知れませ人よ?
いや、決して私がヒカリさんのメイド服姿が見たいわけではなくて
純粋にパン屋さんの売り上げ向上につながるのではないと・・・(以下延々と言い訳が続く)

272 名前:名無し客:2005/04/18(月) 15:54:35
世界のどこかでうっかり人類補完計画が発動しました。
あなたのところに来るのは誰ですか?

273 名前:名無し客:2005/04/18(月) 21:35:36
あなたは今、ただひたすら西の果てを目指す大陸横断鉄道の中にいます。
ある者はまだ見ぬ新天地のため、ある者は一攫千金のため、
そしてある者は復讐のために西の果てを目指しています。
では、あなたが西を目指す理由を考えて下さい。

274 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/04/24(日) 02:58:13
>>272

 こんな夢を見た。

 水底へ潜るように緩々と、少女が空から降りてくる。セーラー襟のついた白いワンピース
が、まるで天の使いが纏う衣のようにまぶしい。
 自分は頭上のそれを仰いでいる。灰羽の少女だ。自分達の羽も飛べるものなのかと訝しむ
べきだったろうが、不思議とそうは思わなかった。
 世界が終わってしまうような諦観はあったが、別段不安や恐れはなかった。むしろ安堵と
平穏だけを感じていた。

 それは少女の所為だろう。彼女がにこにこと笑っているからだ。
 彼女が笑うのは嬉しい。自分も微笑み返した。
 少女は両手を差し伸べてくる。自分も手を伸ばす。

「――」

 彼女の名前を舌の上で転がして、自分はその小さな手を取った。
 そうして自分達は生まれる前の形に戻った。

 後には皆が溶け合った水たまりだけが淀んでいた。

275 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/04/24(日) 02:59:25
>>273

 こんな夢を見た。

 自分は乗り物に揺られている。細長く大きい室内に、向かい合わせの座席が二列並んでい
て、その一つに腰掛けている。
 何でも鉄の轍(わだち)の上を走っているらしい。酔いでもしたのか気分が悪い。
 乗り物は西へ向かっている。窓の外の夕陽を、ずっと追いかけているから多分確かだ。

 乗客は大勢だ。自分と同じように、じっと窓の外へ視線を送っている者が大半である。
 残りはハンカチを目元にあてているか、聞き取れないひとり言を呟いているかだ。

 不意に、隣に座っていた老人が「あなたのような若い方が、どうしてこの汽車に乗ること
になったのか」という意味のことを、不明瞭な発音で訊いてきた。
 自分にはよくわからなかった。その辺りの事情は全く覚えていない。
 だから口の動くままに任せてみた。

「私は、自分の意思で乗ったんです」

 言葉にしてみたら、本当にそうだった気がして愕然とした。
 大事なものを捨てたから、自分はこれに乗ることになったのだ。それが何であるかは思い
出せないのだが、余程貴重だったのだと思う。
 過ぎ行く車窓の景色へ、元いた場所へ二度と戻れないことはその代償なのだ。どうしてだ
か、それだけは確かなことだった。
 自分は後にした世界を悔やみ、これからゆく世界に怯えていた。

 老人はしきりと頷き、痛ましげな目でこちらを見た。
 乗り物はまだ止まらない。陽は赤々と沈み続けている。

276 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/04/24(日) 03:00:51

 私は階段を降りた所でその少女を呼び止めた。

 少女は振り返り、不思議そうにこちらを見た。黒いワンピース、白いエプロンとキャップ
姿は私と同じである。彼女は箒を持っておらず、手ぶらだが。
 私達はこの古いお屋敷で働くメイドである。彼女は新入りで、私は先輩だ。

 自分のことですかと訊いてくる少女へ、私は近寄った。
 癖っ毛の娘だ。大人しそうな顔立ちをしている。

「呼び止めたのはあたしで、その相手はあんた。間違いない」

 肯定し、「持って」と箒を彼女に預けた私は、気になっている襟元へ手を伸ばした。何を勘
違いしたのか、少女はびくりと目を瞑り、首をすくめる。

「タイが、曲がってるよ」

 手早く結び直してあげながら、作業の都合上ごく至近距離から少女にいった。

「身だしなみは、いつもきちんとね。大奥様が見てるよ」

 あの婆さん、喧しいんだもんなとは口には出さない。
 結び終えた。これなら婆さん、もとい大奥様でも文句のつけようはない。
 満足した私は、どうしてだかうっすら頬を上気させている少女から箒を取り戻し、踵を返
した。朝の掃除の途中なのである。
 客間への道すがら、そういえばあの癖っ毛の娘、何ていう名前だったろうかと考えた。

277 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/04/24(日) 03:02:29







 という夢を見ていたよと、でか頭にターバン巻いた色黒おやじに話している夢を見た。







.

278 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/04/24(日) 03:03:41

「――あんたそりゃ納豆そばだろっ!! ……ああ?」

 意識の三分の一は目を覚ましていたけれど、残りはまだ眠っていた為、自分のベッドの上
で跳ね起きて叫んだのだと理解したのは、暫くしてからだった

 目がしょぼつく。――窓の日差しからすると、少し早起きしてしまったようだ。
 三分の二は起きたが、また三分の一が寝始める。
 体を横たえ直す。何となく姿勢が決まらなくてうつ伏せになった。
 無性に煙草が恋しくなり、枕元をあさって煙草とライターをつまむと火をつけた。
 行儀悪いなあと自分でも思うが、行儀の悪いことは大抵止められないものである。だから
といって、寝煙草など始終やっている訳ではない。あくまで今朝だけである。

 夢を見ていた気がする。
 いつもの繭の夢ではなかった。覚えていないが、何本立てかだったようだ。
 追うともなく、追わぬともなく煙のゆくえを眺めていると、その中にメイドという単語を
発見して、それで一つはメイドの夢だったことがわかった。

 なぜメイドだろう、という疑問を目の前にぶら下げたまま煙草を吸っていたら、数日前に
ある人と交わした会話に思い当たった。
 ぼんやりと反芻してみた。

279 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/04/24(日) 03:05:07
>>271(茶碗風呂・萌え・メイド)
……いくら茶が「こわい」つっても、ドラム缶みたいな湯飲みにつかりたかないわい。
つうか、ニンジン関連はそりゃマジ怖い方――こ、こら、何いわせんだっ。


ええ、灰羽教は勘弁だなあ。神様待遇なんて居心地悪いよ。
縁起物扱いが精々ってとこで――そういえばこの前、カフェでお茶してたら、隣に座った若い
女の子が急に「あー! 灰羽さんだーっ!」っつって寄ってきてさ。
一人でえらく盛り上がって、連れの彼氏らしいのにたしなめられてた。
あそこまではしゃぐ人は珍しいね。別に迷惑じゃないけど。

……フムン。
……ホォオ。
……ヘエェ。
(延々と続く言い訳に対して、やる気なさげな相づちを打ち打ち)

「萌え」。……どうもわからん言葉だなあ。
要するに「可愛い」ってこと? にしちゃ、名状しがたい異次元の色彩渦巻く言霊が宿ってる
気がするのは、あたしの邪推なんだろうか。
ていうかそれ、売り上げは上がっても客層変わっちゃうでしょ。
血走った目をヒカリに注いでる野郎ドモの屯所になりそうじゃん。――力説してた時のあんた
みたいな。

(部屋の照明を落とし、卓上ライトを向けて)
自分に嘘はつかない方がいい。お父さんお母さんを悲しませたく、ないだろ?
――いや、欲望だだ漏らせちゃったこの場合、親御さんは余計悲しむかもしれんケド。

280 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/04/24(日) 03:06:54

 メイドがウェイトレスでどうしたとかいう、よくわからない会話。

「……あれの所為かあ」

 その割りに、話題になったヒカリは夢に出てこなかったようだけれど。
 では誰だったのか思い出そうとしたが、そもそも忘れ、取りこぼしてしまったから、思い
出すという行為をするのである。
 何であれ、失くしたものを見つけるのは難しいことだ。――夢の内容などは特にそう。

 一服したら、何だかうとうとして来た。
 二度寝の心地よさに侵食されていく内、思い出せることも思い出せないことも、どちらも
どうでもよくなり、私は枕に顔を埋めた。


 そしてきっかり一分後、指先に火のついた煙草を挟んだままだったのに気づき、悲鳴を上
げた私は今度こそ本当に起きたのだった。

281 名前:名無し客:2005/04/27(水) 03:31:19
うーん、「好きな人」には灰羽はモテにモテそうな気がする。
や、物好きな人間の間では、背中に羽付けるのが流行っているそうですし。
あ、あくまでも噂ですけど。

えー、まー、それはそれとして。

レキさんの服はそれはそれで素敵なんですが、どうも地味めな感じがします。
ここは思い切って、ばばーんと変身してみませんか?
メイドがウェイトレスの何とか……じゃなくていいんで。

282 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/04/29(金) 23:59:06
>>281(イメージチェンジ)
のっけから何だか色物扱いじゃん。そういう妙ちくりんな層にモテてもなあ。
ま、しゃーないか。

んー、じゃ、そこはそれとして。

う、地味か。――まあ反論はできんなあ。
今日なんて作業服だしね。我ながら、お客の前に出る格好じゃあない。
いや、ちょっと絵を描いてて。絵の具で汚れるといけないし、こういう時はつなぎが一番。

なにしろ、灰羽は古着だけっていう決まりがあるでしょ。どうしても選択肢は限られてくる
し、悩むところは大な訳。
元々あたしは、派手派手しいのがそんなに好みじゃないとはいっても、やっぱりね。
ただ去年の冬に、古着屋で見かけたあれは、ちょっと着てみたいと思った。
袖なしの、ロングのワンピースでね。青地に小さな蝶が散らしてあって……ええと、確かこん
な感じだったかな。
(手近な紙にさらさらとスケッチ→ttp://www.touekiki.com/d1blue3.htm)

いいかも、とは思ったんだ。でもどこへ着てくんだとも考えちゃってさ。
迷って、結局止した。……やっぱ少し派手だよ、あたしには。スリット深いし。ねえ?


その時、古着屋の兄ちゃんに「ならこいつはどう?」って紹介された別のがあって――掘り出し
もんだぜ、あったかいぜーとかぬかしやがったんだけどさ。

(こんなの→ttp://www.bigweb.jp/justtime/Goods.asp?L01=7&M01=11&HID=1230)

……いや、あんた人なめてんのかと。あったかい以前に、これ服じゃないだろと。
いくら「ばばーんと変身」つっても、こんな方向へは絶対ごめんだね。
っていうか、そもそも何考えて仕入れたんだ、あいつは。謎だ。

283 名前:名無し客:2005/05/01(日) 17:20:39
……そんな「ばばーんと変身」したレキさんは見たくないです……(涙)。
灰羽ファンの百年の夢も覚めてしまいます。とほほ。

でも、その「ロングのワンピース」を着たレキさんは拝見したいかも。
本格的に暖かくなった頃に、是非。
期待しています。

ここ数日は長期の休暇なので、音楽を聴きながらのんびり過ごしてます。
特に最近お気に入りの一曲を繰り返し聴いているのですけど……結構音楽に
うるさそうなレキさんは、そういう、一曲だけを延々と繰り返して聴く事あります?

284 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/05/04(水) 02:13:14
>>283(フィット・リピート・ミステリオーソ)
ふむ、じゃあ夢を覚ますために一肌脱いじゃおっかなー。
……ゴメン、嘘。流石にそこまで女、捨てられん。
それじゃご希望通り、気温が上がるの待たずに別の肌脱ぐか。ちょっと待ってて。
(着替えて来る→ttp://www3.famille.ne.jp/~hirobe/Frame01.htmlの五月一日の所を参照)

買っちゃった。買ったというか、買わせられたというか。
でも確かに掘り出し物だよ。刺繍がすごくよくて、それに着心地もやたらと――いいっていう
か、何でこんなベストフィットしてんだろ……古着なのに。
まあそれはいいや。あ、この扇子はね、靴とおまけでつけてくれたやつ。
鉄製で割りと重いよ。不審者が現れたら、こいつでバーンとひっぱたいてやろう。
えー、おほん。で、えっと、その、あれだ。これ、変じゃない?


いや、別に音楽にうるさくはないよ。気に入ったのを聴いてるだけで、詳しい知識とか深い
考察とか、そういうの全然ないし。
よく繰り返して聴くのはね、セロニアス・モンクの「ラウンド・ミッドナイト」かな。

この人のピアノって、どこかしら謎めいてる気がする。
ぽつ、ぽつと口ごもってるようで、ぼっさりしてるどころかその反対、隙がないし。
難しくはないのに、でも簡単にはわからない謎かけみたいな、そんな感じだな。

それで、この曲。
鍵盤の中に、どこかで失くしたなにかの欠片があって、それをゆっくりと探ってる。
どうしてだか、そんなイメージがある。
だから、ついつい繰り返し聴いてしまうのかもしれない。この人の拾い出してるものが何な
のか、それを知りたくて。

285 名前:名無し客:2005/05/08(日) 19:31:31
何をおっしゃいます。
客層が変わろうが、落とすお金は一緒ですよ。
それどころか彼らのほうが客単価は高いはずです。
そこでさらにオールドホームの面々を総動員すれば
メガネっ娘萌え〜以外にも
ドジっ娘キタ━━━(・∀・)━━━!!とか、
ボーイッシュそこが(・∀・)イイ!!とか、
ょぅι゛ょハァハァとか、
デブ専な人とか
チャイナ服がツボな人とか、
さらに客層が広がること間違いなし。
これはもう実行するしかありませんな。

話は変わって、先日大きな脱線事故が起こりました。
原因はたった1分30秒の遅れを取り戻すために
スピードを出しすぎてカーブに進入したせいだと言われています。
ほかの国では5分ぐらいの遅れは遅れのうちに入らないなんてところもあるようですが
われわれ日本人は秒単位の正確さを求めてしまう傾向が強いようです。
その点グリの街の時間感覚はどんな感じなのでしょうか?

286 名前:名無し客:2005/05/14(土) 23:19:46
「罪を知る者に罪はない」
「罪を知る者に罪はない」
 不可解な罪の輪の謎賭けが、困惑気味の罪憑きの脳裏にこだまする。
灰羽連盟の寺院に集う灰羽たちが、今日も天使のような無垢な
翼で、口を閉ざして門をくぐり抜けていく。
汚れを知らない心身を包むのは、思い思いの古着。羽につけた鈴は
片方ずつ、言葉はこぼさないように、口を閉じて歩くのがここでのたしなみ。
もちろん、大声で話師に怒鳴るなどといった、はしたない灰羽など存在していようはずもない。

グリの街。
いつからあるのかわからないこの街は、もとは罪憑きの灰羽のためにつくられたという、
伝統ある西洋系城壁都市である。
海と空の間。世界の始まりを未だに残している謎の多いこの街で、神に見守られ、
年少組から連盟印までの一環教育がうけられる灰羽の園。
時代が移り変わり、神様が居眠りを三回もした今日でさえ、
想いのしずくがいっぱいになるまで通い続ければ古小屋育ちの純粋培養灰羽が箱入りで巣立ちする、
という仕組みが未だに残っている貴重な街である。

287 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/05/15(日) 18:32:34
>>285(土曜の夜と日曜の朝)
いや待て、「するしかありませんな」じゃねーだろ。
大体そんなの、経営者と利用者のほくほく顔はさておき、被雇用者側がやだっつーとるの。
勘弁してくれだね、目ん玉グルグル血走らせたヤロードモ相手の接客なんてさ。
ってか、ほらほら、そんなうかつにデブだの何だのいってると、げ。

……。

「誰かさんが飛んできて、ひどい目に合わされるよ」といおうとしたら、正にそうなった。
久々に閃いたなあ、ネムの怒槌(いかづち)……。あの、ネムさんネムさん、そいつのびちゃっ
たんですが。どーすんのさ。
え? 地下室に放りこんで、幾つも棒のついた大きな柱を回して電力を供給させる古代奴隷
みたいな強制労働の刑? ――どこにあんだ、そんな設備。
ったく、しょうがないな。床に寝そべらしとく訳にもイカンだろ。取り敢えずそこに拘留し
よう、そっち持って。

……ふう。では改めて、>>285のカップにコーヒーを注いで、バーボンを入れよう。
煙草にも火をつけて、カップの脇の灰皿に置いて――コーヒーの湯気と煙草のけむりの細い糸
を見つめるか。
「さよならを言うのはわずかなあいだ死ぬことだ」とか渋い声で呟きながら。――ま、そっち
のベッドに寝かせただけなんだけど。


で、本人が大の字なんで、湯気とけむりに語りかけると――痛ましい話だな。
そりゃ仕事なんだから、時間を守ろうってのはわかる。でも、それが秒単位で時間を詰め合
わせることに直結しちゃってるのは、隙間がなさ過ぎるんじゃないかな。
その二分足らずの犠牲になった人たちのことを考えると、とてもやりきれないね……。

この街には、そこまで時間に正確にって習慣はないよ。そんなにカッカしてない所だから。
仕事や何かの時に、事情があって少し――それこそ五分や十分くらい遅れちゃったとしても、
それ位なら定時のうち。騒ぐようなことじゃない。
煙草に火をつけて、けむりでも眺めて待っていられる。今のあたしみたいにね。

良い意味でわき目を振れる、こういうのは社会の仕組みが緩いんだろうか?
せっぱ詰まらずに済むだけの余裕があると、あたしはそう思うな。

288 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/05/15(日) 18:34:40
>>286(ごきげんよう・灰薔薇のつぼみ・姉妹)

“純粋培養の灰羽たちが集う、グリの街。清く貧しいはいばね生活を受け継いでいくため、
 オールドホームには「助力者」と呼ばれるシステムが存在していた。
 光輪を授受する儀式を行って助力者となることを誓うと、年長組が後輩である新生子を指
 導するのである。新生子として生まれて、まだ光輪が安定していなかったラッカは、憧れ
 の『灰薔薇のつぼみ』である年長組のレキから、突然「光輪の補助具」をつけられるが!?”


「なるほど、ラッカさん。漢字でどう書くの?」
「『このごろ都に流行るもの、夜討ち強盗にせ綸旨』の二条河原落書の落、それに下克上の下
です」
「めでたそうで、いいお名前」


「レキは、そんなに頻繁に新生子の光輪を直してあげてるの?」
「逆だよ」
「え?」
「滅多に。……いや、はじめてなんだ。どうしてそんな気になったんだろう」


 クウは話師のおじいさんが好きで、ニンジンが好きで、パンケーキが好きで、烏が好きで。
 レキは話師のおじいさんが嫌いで、ニンジンが嫌いで、同情が嫌いで、男が嫌い。
 ネムは寝るのが好きで、本が好きで、子供は少し苦手。
 それで、自分はというと。
 話師のおじいさんは好きだけどニンジンは嫌い。
 それで。
 似合わないことをしてしまうレキは、やっぱり格好いいなと思ったりするのだ。


「おのれヒョコ、両刀だったか……!」


「調子に乗んの、止めやがれ!」


「いて」
「ここにいて」



 狂ほしく
 血のごとき
 月


 と、話師だけが二人を見ていた。



【民光書房マンガン文庫  安倍高和『話師様がみてる』より一部抜粋】

289 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/05/15(日) 18:36:02
ないない、そんな話。

290 名前:名無し客:2005/05/22(日) 20:10:56
イタタタ・・・
久しぶりにくらうとやっぱり効くなぁ・・・
それにしても具体的に誰がどれ担当と明言してないのに反応したってことはやっぱり自覚してるのかな?
え、あ、いや、なんでもない、なんでもない、こっちの話。

あ、やっぱりそんな感じですか。
なんだかとてものんびり、まったりした感じなところですものね。
たまにはグリの街でのんびり羽を伸ばしたいなぁ。

新緑が目にまぶしい季節になりました。
気温も暑からず、寒からずちょうどいいので
最近は近所の山を歩くのが楽しみの一つになっています。
レキさんには今の時期ならではの楽しみってありますか?

291 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/05/30(月) 01:56:48
>>290(五月の果実)
おや、お目覚め。大丈夫?
……って、あんだけ痛い目見たっつーのに、起き抜けにナーニをぶつぶついってんだ。
やれやれ。そういうの、「のど元すぎれば火もまた涼し」とかいうんだっけ、確か。

あたし達の場合は、実際に羽をうんと伸ばして、日差しと空気をゆっくり吸い込んでみる訳
だけど――この時期の木や草は、本当に色がくっきりしてるよね。
木洩れ日まで緑色な気がするもの。山歩きなんてしたら、もっとそういう緑を感じられるん
だろうな。この街には山はないから、ちょっとうらやましい。
じゃあ対抗して森でも散策、って訳にもいかないし。あそこは、特に西の森なんかは不用意
に入り込むと危険だ。

ならでは、と訊かれると、今の季節には限らないんだけど、時たま果実酒を作ることがあっ
てね。今月は用意したばかりだから、印象に残ってるのはこれかなあ。
その時その時の果物で作る。今だと夏みかんとか、さくらんぼあたり。
後で漬けこんだ果実だけ取り出して、煮詰めてジャムにできるし、お菓子の材料にもなる。
他にも調味料代わりにしたり……寧ろこういう使い方がメインかも。
うちには酒飲みはいないからさ。あたしも嗜む程度で。

まあ飲めるのは、大体二、三ヶ月経ったら。熟成させないといけないんだ。
寒い時に作っておいた、例えばりんご酒なんかを取り出して味わうなんてのは、だから今の
お楽しみかな。冷やしてもいけるよ、きりっとしてて。
時間差ってやつだね。少し前の季節を今味わって、今の季節はもう少し後に持ち越す。
そういう楽しみ。

この前漬けたさくらんぼのも、夏場が飲み頃だろうな。今から待ち遠しいよ。

292 名前:名無し客:2005/05/30(月) 05:29:01
都会の鳩は外敵に適応する為どんどん黒い鳩になっていると聞きます。
種としてのたくましさを感じますが、反面、都会の穢れを証明する出来事と思うのです。
羽が黒く染まるのは果たして良い事なのでしょうか。

293 名前:名無し客:2005/05/30(月) 05:30:19
(参考 http://ww5.tiki.ne.jp/~metoron/2005diary04.htm#09 )


ル〜ル〜ルル〜ラ〜 ルルルラ〜ルルラ〜(BGM)

このBGMの後に倒れたあなたを励ますのは誰ですか。
又、その時かけられる言葉は?

294 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/06/05(日) 00:53:52
>>292(街・鳩・汚れゆく羽)
それは――それは、私には良いことだとは思えない。
(煙草を灰皿に置いて)

良いことなんて、いえる筈がないじゃないか。
だってそれは、鳩のせいじゃない。鳩の羽が黒くなっていったのは、人が暮らしていく為に
出てしまう汚れを押しつけられたからなんだろう?
鳩は精一杯生きてるだけ。とばっちりを受けただけなんだから。
割を食うのは、いつも弱い所、弱いものが先だ。納得はできないけど、それが現実というの
はわかるよ。
でも、そういう避けられない汚れこそ、掃除を怠ってはいけないんだと思う。鳩の羽に象徴
されるような汚れはね。


それにしても、外の世界の鳥は――強いんだな。羽が黒くなっても、それでも羽ばたいてる。
私とは大違いだよ。
自分でもどうしたってわからない、生まれながらの黒い色に憑かれてる私とは違う。

もっとも、たくましいと褒められても、鳩達は何ていうだろう。
黒い翼でもすくめるだろうか。鳴き声は、私達にはポッポポッポとしか聞こえないけれど。

295 名前:オールドホームの灰羽達 ◆xRtREKI.VQ :2005/06/05(日) 00:55:36
>>293(かくも短き眠り)


 んーんーんんーんー、んんんんーんんんー……。


「レキ、それは何ていう曲なの?」

 ああ、ラッカは知らないか。――いや、あたしも知ってる訳じゃないんだ。
 昔、ちょっと耳にしたことがある曲でね、気づくと何だかハミングしてる。

「さあ大変です。年少組の子供達によるおやつピケラインに屈し、当局は遂にパンケーキの
前倒しに入りました。はたしてキッチンは全員分の要求を供給できるのかしら?」

 いや、ヒカリ。いらん解説はいいから、小麦粉ふるいにかける。

「パンケーキ作んの? んじゃ、あたしのにはママレードつけといてよな」

 なんか……こう、んなろーって感じでやる気力が湧いてきたよ、カナ。
 食うばっかじゃなく手伝え。

「わーい、クウもお手伝いするー」

 あんがと。じゃあそこの皿を取って。……あっ、落とす落とす落ちるっ!
 たあ――これで今月、三枚目か。けが、してない?

「うん、大丈夫。ごめんなさーい」
「あ、あの、レキ。私も手伝うから。何でもいって」

 ああ、それじゃラッカはクウと、割れた皿を片付けてくれる? 指を切らないようにね。
 ……ふう。何だか疲れたな、これから焼かなくちゃなのに。

「レキ、レキ。負けちゃ駄目よ。立ち上がってパンケーキを……ぐう」

 ネム、あんたが寝てどうする。
 あ、ヒカリ、小麦粉と卵はもう少しかき混ぜた方がいい。ちょっと泡だて器貸して。
 ……ほら、こんな感じで手早くぐるぐるっと。やってごらん。

「ふむふむ、こう? ばね仕込みのジョイスティックで嘘っこ十六連射みたいな感じ?」

 例えは意味わかんないけど、そう、上手い上手い。ダマにならないようにね。
 さ、じゃあ焼こうか。これ以上待たせて、ちびどもに暴動起こされちゃかなわないよ。


「レキ、大変大変! オチ! このお話のオチを忘れてる!」

 いや、ラッカ。それはいいんだ。あたしに考えがある。
 パンケーキ、またの名をホットケーキなだけに放っとけい、な訳で……。

「あ、クウがまたお皿割った」

 クウーっ!


【おしまい】

296 名前:オールドホームの灰羽達 番外編 ◆xRtREKI.VQ :2005/06/05(日) 00:57:58


「んーんーんんーんー、んんんんーんんんー……」

 柔らかいハミングが私の耳をくすぐる。
 目覚めに感じる音は何でも苛立たしいけど、クラモリのは別だ。


 私とネムの大きなベッドがあるここ、ゲストルームでは、クラモリが朝食の用意をしてく
れている――ようだ。私はまだ毛布の中でぐずぐずしているから、すぐ隣りのキッチンから漂
ってくるおいしそうなにおいで判断すると、そうなる。

「レキ、ネム、もう起きなさい。日曜だからっていつまでも寝ていては駄目よ」

 テーブルに料理の皿を並べているらしいクラモリが、優しい声をかけてきた。
 それはそうだけど。朝、眠いのと曜日は関係ないもの。
 ううん、むうんと生返事をしてもぞもぞしていた私の両目は、電気スタンドのスイッチを
ひねったみたいにぱっちりと開いた。とても甘いにおいがする。
 まるでそれが見えているかのように、クラモリは笑った。

「パンケーキを焼いたの。冷めないうちに、ネムを起こしてね」

 はーい、と今度はきちんと返事をする。クラモリのホットケーキの誘惑には勝てない。
 思い切ってお布団の外へ飛び出した私は「ネム、起きようよ」と、すぐ隣りで夢の中に立て
篭り続けている親友を揺すった。
 それでもネムは起きないので、私は彼女の光輪をぐいぐい引っ張って――
 

297 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/06/05(日) 01:00:15
(レキの日記より)


ゆうべ、昔の夢を見た。


起きた後で、私は開けたばかりの目をもう一度瞑った。
そうした所で眠りは訪れず、いってしまった想いは戻っては来ないとわかっていたけれど。

298 名前:名無し客:2005/06/05(日) 18:44:29
果実酒ですか、いいですなぁ〜。
実は私、お酒(日本酒、ビール、ウィスキーetc)はあまり好きではないのですが、
ジュースにたまたまアルコールが入っているもの(果実酒、サワーetc)は大好きなのですよ。
ぜひ今度ご相伴させてください。

ところで今オールドホームでは体操服がブームになっているとか、いないとか。
カナさんはサッカー、ネムさんはバレーボールが得意とのはなしも漏れ聞こえてきますが、
レキさんには得意なスポーツなんてありますか?

299 名前:名無し客:2005/06/05(日) 22:48:49
梅雨に入りましたが、この憂鬱な季節をどうやって快適に凌げばいいでしょうか。

300 名前:名無し客:2005/06/05(日) 22:49:53
灰色は黒に近いと思いますか、白に近いと思いますか。

301 名前:名無し客:2005/06/08(水) 03:31:48
クラモリさんのパンケーキの魅力について教えて下さい。
レキさんのパンケーキの美味しさが「1ハイバネ」だとすると、
クラモリさんの作るそれは、何ハイバネくらいの美味しさでしょうか。

あと、「パンケーキを美味しくするちょっとしたエッセンス」も、ついでに
教えて下さい。

302 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/06/13(月) 00:27:32
最近、返事が遅れがちになってて、すまない。
出来る範囲で頻度を上げられるよう、頑張るよ。


>>298(体操服・ピンポン・コーチ)
お、好物なんだ。そりゃよかった、なら飲みごろ見計らってご馳走しようか。
酒は酒として楽しんだ方が、酒も本望でしょ。――っと、今日はこんな格好なんで、取り敢え
ず着替えてくっから。ちょっと待ってて。
ん? ああ、この服? これが噂の体操服ってやつ。……あ、あんまジロジロ見んなっ。


はい、お待た……なに残念そうな顔してんだ?
あの服はさ、ちょっと事情があって、例の古着屋に動きやすい服はないかと聞いたら、それ
ならこれ! って勧められたんだ。
動きやすい点に文句はない。運動するためのものだから。
でも、このブルマーとやらのデザインは何だよ。太もも丸出しじゃんか。
古着屋に文句いったら、「そこが一番大事なんです!」って、コブシ固めて力説されて……。
買うの、止そうかと思ったんだけど。ヒカリがまた妙に勧めるし、何か押し切られたよ。

ま、うちは女ばっかだから、別に問題は……あ、さっきあんたにもろ見られたな。
ウーム、これはゆゆしき問題だ。

まあその入り用な事情は、当然スポーツに関する訳で。
使われてない部屋のがらくたの山から、卓球台ってのが出てきてね。せっかくだし、みんな
でやろうよという話になったんだ。
で、今しがたまで体動かしてて、あの格好だったと。
いやあ、結構面白いね、卓球は。球一個のやり取りなのに、奥深い駆け引きがある。
しっかし、あたしのスマッシュをさばける奴は、今の所オールドホームにゃいないね。いや
なに、割と自慢だけども。ふふん。

今現在で得意といえるのは、そんなこんなで卓球かな。
うちは人数が少ないから、大勢でやるスポーツの経験はないし、断言はできないけど。自分
ではそう運痴でもないかな、と思うな。
でもあたしはあれだ、する方より寧ろコーチ役がいい。
ラッカを鍛えてエースをねらわせたり、トップをねらわせたりしたいね。……どこのエースか
トップかは置いとくとして。

303 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/06/13(月) 00:29:27
>>299(雨だれの前奏曲)
んー……。
外に出ない。これしかない。

と、いう訳にもいかないか。日々の糧を得る為には、そうもいってられないね。
雨がふれば、人も街もみんな濡れる。外へ出るには傘をささなきゃならない。
おまけに湿気でじめついてるとくれば、どうやったって快適に過ごすのは無理があるよ。

ま、雨の中、傘を差さずに踊るのも、それはそれで自由だけどね。好き好き。

ただ雨音もさ、屋根がある所で聴く分には、気持ちを内省的にさせてくれるじゃない?
色々なメロディがある。小雨はバラード、どしゃぶりならカプリッチオって具合に。
浮き浮きするようなものじゃあ、ないかも。でも人は、憂鬱な気分も――それが本当に深刻で
ないのなら、ある程度は楽しめる変な生き物だから。

ちょっと内省的になって、灰色な雨ふりを迎えてみるのも、まあ一年に一度の季節と思えば
腹も立たない。
そう思うんだけど、どう?


>>300(黒・白・はざかい)
絵の具を混ぜる時、黒に近いと思う人は、まず黒に白を加えて灰色にする。
白のイメージが強い人は、白に黒を落として灰色を作る。
見る人次第なんじゃないかな、物ごとの黒白や灰色は。
ちなみに、あたしの考えだと等距離。灰色という色で固定された時点で、どちらでもなく、
どちらでもあるものになった。そんな気がする。

と、いうあたしの答えには、おそらく大した意味はないんだろう。

答えは多分、重要じゃない。
重要な問いかけが皆そうであるように、問いの方にこそ大事なことが含まれてる。その問い
があってこそ、その答えが導き出される訳だからね。
私の答えなんか、だからどうでもいい――といったらいい過ぎだけれど、そういうことなんだ
と思う。

灰色は黒に近いか、白に近いか。
その問いかけは、何だか問い自体が答えのようにも思えるよ。

304 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/06/13(月) 00:29:59
>>301(パンケーキデー)
あたしの料理なんか、まだまだクラモリには及ばないよ。
おいしさの度数、あたしのが「1ハイバネ」なら、クラモリのは「1ワシ」だね。
100ハイバネで1ワシ。ちなみに100コバネで1ハイバネになる。……最上級は微妙にまずそうな
名称だな。

クラモリのパンケーキはね、大抵のパンケーキがそうであるように、見かけはありきたりだ
と思う。
薄い黄金色のが何枚か重ねられて層になってて、一番上ではバターが溶けてる。
脇のピッチャーにはジャムかメープルシロップ、生クリームが添えられてる。そんなの。

でもこれが絶品なんだ。
濃厚なシロップを受け止められるよう、パンケーキ自体は程よい甘さ。
ふんわりとして、口の中にふくんだ雪みたいに溶けるようでね。色々なジャムやシロップを
かけ回す度に、新しい味の組み合わせが発見できて、ついつい何枚も食べちゃう。

クラモリが教えてくれたコツは、生地にとかしバターを混ぜること位だったなあ。こうする
と、風味がまろやかになるんだって。
後はフライパンはよく熱しておくとかだね。
もっとも、コツはわかっても、それで再現できるとは限らないのが料理の難しさだよなあ。
どうしたらあの味が出せるだろうと、試行錯誤は繰り返したんだけどね。今に至るも完全な
成功例はなし。
ふふふ、こんなおいしい話してると、あなたも食べてみたくなるんじゃない?


――うん。あたしもだよ。
食べたいね、もう一度。クラモリのパンケーキ。

305 名前:名無し客:2005/06/18(土) 15:21:49
いやぁ、ここんとこ雨が降って涼しかったり、晴れたら晴れたで暑かったり。
今日は暑い方なんで、よいしょ。
ハイ、でっかい氷の差し入れですよ。
コレをガリガリ削ってかき氷といきましょう。 体に悪そうな色とりどりのシロップもそろえてきましたよ。
それとこっちは手動式アイスクリーム製造機です。
このハンドルを延々と回し続けると、いずれアイスクリームが出来上がります。

あ…、なんでいきなりノミとハンマーを持ち出すんですか!
かき氷の材料をどうしてシャチホコの形に削っちゃうんですか!

306 名前:名無し客:2005/06/19(日) 19:45:35
ざ、残念そうな顔なんかしてないですよ。やだなぁ、何を言ってるんですか。あははははは・・・

なるほど、卓球のコーチですか。
他の選手の僻みから来るいじめに耐えるラッカ。
それでもけなげに練習に打ち込み地獄の特訓の中で築き上げられてきた信頼関係がやがて・・・
なんてことには同姓同士じゃならないか。
それはそれで好きですけれど。
なんのことだかわかりませんが。

先日こちらの世界の世界的スーパースターの裁判で陪審員全員一致で無罪の判決が出ました。
この陪審員制度と似た裁判員制度が近々日本でも導入されることが決まっています。
裁判員に選ばれると基本的に拒否できず裁判にかかわらなければなりません。
レキさんは他人の罪を裁く裁判員をやってみたいと思いますか?

307 名前:名無し客:2005/06/24(金) 12:50:11
お願い・・・・・・水を・・・ください・・・・・・。(パタッ)

308 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/06/27(月) 00:38:44
て、天然て、あたしがか!?
何だか脳天ヤッホーのラリパッパ呼ばわりみたいだ……今頃どっかの誰かに反応すると。


>>305(暑い一日・運慶・氷の世界)
おお、これはすごい差し入れ。こんなでかい氷、業者で扱ってるサイズじゃない?
またシロップの色がどぎついったら。うんうん、これでなくちゃね、かき氷は始まらない。
中でもこれ、青いやつ。
いいよね。花や果物にはないでしょ、こういう冴えた青はさ。氷によく映えて奇麗だな。

しかもアイスクリーム製造機? こりゃまた助かる。ちびどもも喜ぶよ。
もちろん、あたしも。ありがとね。
かき氷アイス添えなんて、久し振りだな。それじゃまず氷かき――の前に、かき氷器に収まる
よう、氷をカットしないと。
のこぎりか何かで挽くって手もある……が、前々からやってみたかったんだよねえ。
それをまず、試したい。
(と、すっと出したノミとハンマーで、かつかつこつこつ氷を削ったり彫ったり)

い、いいじゃんか。どうせ削って小さくしちゃうんだから、それまでは見て楽しむんだ。
それにこの氷には、元々シャチホコが埋まってたの。
土の中から石を掘るみたいに、あたしはそれを掘り出しただけ。ノミとハンマーの力でね。
……彫師っぽく韜晦すると、そういうこと。むむ、まだ色々埋まってるぞ、と。

しかし、こうやって氷削ってると、破片が細かく飛び散って雪みたいだ。
冬の雲の上には、でっかい氷をせっせと削って雪降らせてる神様がいるのかねえ。


(そしてフクロウの置物、太陽の塔、アダムスキーへの五番型UFOなどがさくさくと作製さる)

309 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/06/27(月) 00:39:36
>>306(十二人の怒れる灰羽)
困った人だな、そーゆー信頼関係が、やがてどこの明後日の方向に発展してくさまを見たい
んだか。
あたしは別に宇宙放射線病にかかっての死に際、恋敵に「ラッカを愛している」をかける三回
も連呼するような真似、しないからな。
……って、な、何をいわせるんだよ!


へえ、裁判員制度ね。
専門職は、とかく視野が狭まったり閉鎖的になってしまうものだから、風通しをよくしよう
って試みなんだろうか。
その有名人だから無罪っていうような、感情的な判決を誘ってしまうものになったら、それ
はそれで困るだろうね。ただ一般の人が口を挟めるのは、悪くないことのように思うな。
――それはそれとして、自分がやってみたいか否か、なら、答えはいいえ。

誰かの罪を裁くこと、罪を贖わせること、その資格を持ってるといえるのは、どこかにいる
かもしれない神様か、そうでないなら被害を受けた者だけだと思う。
司法は仮の、あくまで仮の仕組みなんだ。「人を裁く」という意味においては。
もちろん、それ無しで社会は成り立たない重要な仕組みなんだけど。

誰かの罪を罪として仕分け、しかるべき罰を下す。
私は、進んでやりたい仕事には思えない。
自分にはそんな資格なんかないと、そう思うから。

あ、でも選ばれたら拒否はできないんだっけ、その制度だと。
それなら――せめて公平に、誠実に仕事をするだけだよ。

310 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/06/27(月) 00:41:10
>>307

(レキの日記より)


今日、行き倒れが来た。

いや、この言い方はおかしい。
「行き倒れがうちで倒れた」、こう書くべきだろうか。倒れた人が倒れたまま訪ねてくる訳
はないのだし、実際そうではなかったのだから。

暑さにやられたらしい。
この時期にしては、ちょっと太陽が頑張りすぎている、そんな一日だった。確かにわからな
いではない。
が、いきなり玄関のところでぶっ倒れ、水、水とうわ言のようにいう。みんな驚いた。
取りあえずゲストルームに運び込み、水を飲ませて介抱した。
……後から考えると、うちの前の小川に漬けた方が早かったかも思ったが、そんな日射病の
犬の手当てみたいな真似は流石にひどいだろう。

ついでに、ちょうどかき氷を作っていたところだったので、一つすすめたら、居候でもない
からって三杯四杯までぐっとおかわりを要求し、五杯目でようやくそっと出した。
すると散々平らげた癖にというべきか、為にというべきか、「脳味噌がパンパンする」と頭を
抱えてうなりながら、よろよろと帰っていった。


一体何だったんだろう。
世の中、不思議なことばかりだ。

311 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/06/27(月) 00:42:27
(同じ日のページの余白)


他人の罪を裁く、私にはできないことだ。
罪人を裁く資格なんて、罪人にはないから。

 

312 名前:名無し客:2005/06/27(月) 10:36:40
自分をタロットカードに例えると何に相当すると思いますか。

313 名前:名無し客:2005/06/30(木) 02:46:54
かき氷、いいですね。
あの緑やら青やら紅やらの見た目からして体によくなさそうな色が、
また妙に食欲をそそったりして。
色の付いた舌を見せ合いっこしたりして。
山のような氷をがしゃがしゃと食べて、頭キーンとなったり。
こめかみが痛くて痛くてたまらなくなったり。

レキさんは夏になると、オールドホームのみんなのためにかき氷、
結構作るのですか?
オススメのフレーバーは何かありますか?

314 名前:名無し客:2005/06/30(木) 18:47:19
身近な人との賭けに勝って、罰ゲームを施すことになったとします。

さて、誰とどんな賭けをして、どんな罰ゲームをさせることになったのでしょう。



315 名前:名無し客:2005/07/03(日) 18:59:54
やはりあまりやりたくない派ですか。
レキさんの言うとおり世間一般の常識からズレた判決が度々出たため
それなら一般常識を持っている(はずの)一般人にも裁判を手伝ってもらおうと
裁判員制度を制定してみたら今度は自分はやりたくないという人が大半だったり。
といっても>306のような質問のされ方をしたらやりたいって言う人は普通あまりいないものですが。
この辺はちょっと誘導尋問してますけど。
かくいう私はちょっとやってみたいかなとも思っています。
何しろ好奇心が旺盛なもんで体験できるものは何でも体験してみたいという性分なんです。
でも裁かれる側に立つような体験はしないように気をつけたいと思っていますが。

さて、ここ数日はようやっと梅雨らしい空模様になってきましたが、
こちらでは少し前までとても暑い日が続きました。
各地で6月としての最高気温を更新したり、6月の平均気温の最高温度を記録したそうです。
このまま気温が上昇したら12月になったらいったいどれだけ暑くなることやら今から心配です。
こう暑いと火を扱うことが多い台所仕事がとても大変です。
夕食の準備をしているだけで汗だくになりばててしまいます。
レキさんは暑い時期の台所仕事で何かいい対策をご存知ありませんか?
あ、これでも私ヤローなんで裸エプロンはなしの方向で・・・・・・。

316 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/07/08(金) 02:22:43
>>312

 私が首を傾げると、店主は「見たとおりの絵さ」といった。
「男が吊るされてる」


 この街へ交易にやってくるトーガ達は、さまざまなものをグリへもたらす。
 商品には本当にさまざまな種類がある。食料から雑貨、衣服、機械、その他色々諸々。
 だから時たま、何だかわからない品が混じっている場合もある。
 どう使えばいいのかわからず、どこへもたどりつけない。そういう品だ。

 この店――つまり顔なじみの古道具屋の店主は、仕入れたはいいものの扱いに困った品物の
ことで、図書館の司書に調べ物を依頼した。
 つまり親友のネムにだ。ネムはきちんと自分の仕事をこなして、書架のどこかからその品
について書かれた本を見つけ出した。
 ネムは用事で席を外せないらしく、買い物のついでに私が本を届けることになった。

 占いに使うのだという二十二枚のカードには、それぞれ違った不思議な絵が描いてある。
 それが依頼の品だった。

 本を届けると、店主は大層喜んだ。
 問題のカードを肴に話しこむうち、店主はカードを引いてみないかといい出した。一枚選
んだカードの意匠が、その人間を象徴するものになるのだという。
 私はやってみることにした。格別の興味はないが、話の種にはなる。
 店主は、二十二枚のカードを年に似合わない鮮やかな手つきでシャッフルし、カウンター
の上に広げた。そうして引き当てたのが、

「“吊るし人”ねえ。――何だか気色のいい絵柄じゃないな。意味合いとしてはどうなの?」
 

317 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/07/08(金) 02:24:45
>>316の続き

 待て待て、と道具屋の店主は私が持ち込んだ本を開いた。彼がページを手繰っている間、
私はカードをカウンターに置いて煙草に火をつけた。備えつけの灰皿がある位で、この店は
特に禁煙という訳ではない。

 煙草をふかしながらカードに目を落としてみる。太い木にさかさまに吊るされている男。
 苦しそうではない。笑っているのだろうか?
 何にせよへんな絵だ。


「このカードには、全てに正しいのと逆の、二つの象徴がある」と店主はまずいった。

「解釈は色々みたいだが――あんたが引いたのは、概ね自己犠牲や慈愛を表してるそうだよ。
 正しい位置にあっては、自らは厳しい状況にありながらも弱い者を救い、導こうとする。
弱者への労わり、導きを示す働きだな。
 これが反転すると自棄、失意という意味になる。
 努力は報われない。自分を見失う。自分を無価値と思う。無力。閉塞。絶望。喪失」

 煙草のけむりをゆっくりと吐き出しながら、私は自分の選んだカードを眺めた。
 見ず知らずの他人の評判を聞くようでもあったし、胸の深いところを触れられたようでも
あった。

「どうだね。当たってるかね?」

 店主はそう訊いてきた。
 私は少しだけ笑い、煙草を灰皿で消した。

318 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/07/08(金) 02:25:39
>>313(彩り・フレーバー・定番)
おーおー、夏とかき氷を満喫してるねえ。
……まるでちびどものはしゃぎっぷりと同じだ、と思ったのは口には出さないでおこっかなー。
ふふっ、まあわかるしね、そういうの。

ああ、夏場はよくやるよ、かき氷。
かき氷器はもと業務用のやつがある。古道具屋で掘り出してね、ちょっとガタピシするけど
まだまだ動くし。
あの鮮やかすぎるシロップ、あれは単品で奇麗だからって、混ぜても駄目なんだよな。
「ただの汚い色」になる。味も、まあ……ただ甘いってだけか。

みんなで食べる時は、あたしはもっぱらかく人だな。ほい次、ほい次って感じで、かき氷製
造工場のラインをフル稼働して全員に配ってる。
お勧めのかけるやつ? うーん、そうだね。
そうだ、前に果実酒を作ってるなんていったっけ。大人向けになっちゃうけど、この果実酒
をかけるのは割りと好みだよ。少しガムシロップを入れて、甘口にして。
冷製カクテルみたいで、中々いけるんだな。
まあこればっかりは、ちびどもには食べさせらんない年長組メニューだね。

こういう変化球は変化球でいいとして、でもやっぱりかき氷の基本はあれでしょ。

氷いちご。一度はこれをやらないと、かき氷を食った気がしないよ。そうじゃない?
もちろん、氷は粗めのつゆだくで、ね。

319 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/07/08(金) 02:27:02
>>314

 彼女は罰を受けるといった。
 それが自分に科せられたものならば、と。不安そうに、それでも笑ってそういった。
 私は唇を噛みしめた。私が彼女のためにして上げられたことは、それだけだった。


 彼女は罪を犯した訳ではなかった。それは賭けの結果だった。彼女と私達との。
 勝負といってもいい。ともかく私達――いや、私は彼女を偽った。
 欺いた。つけ込んだ。
 そして私達は勝った。勝って、彼女に罰を与えるという権利を得た。

 彼女は負けた。
 だがそれは、彼女が純粋であったことの証左に他ならない。
 純粋であること、無垢であることにより齎された敗北は、卑しい勝利に劣るのだろうか?

 「自己犠牲」という言葉が私を象徴しているのだと、誰かにいわれたことがある。占ったら
そんな結果が出たらしい。
 お笑い種だ。ならば彼女の身代わりになればいい。今すぐに。
 できない。
 私にはできなかった。

 私は秤にかけている。彼女の味わう苦しみと、自分の味わう苦しみを。
 何という汚い心だろう。こみあげる吐き気とともに、私は私を蔑み、憎む。
 声を張り上げてこういえばいい。「こんなことは止そう」と。意味なんてないんだと。
 誰かのために尽くすことが自分の象徴というなら、もっとはっきりといったっていい。
 そう、例えば、
 

320 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/07/08(金) 02:28:07
>>319の続き







「ラッカの代わりに、その氷いちご酢醤油かけはあたしが食ってやる!」

 と。




 いえない癖に。

321 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/07/08(金) 02:28:38
>>320の続き

 そもそもが、かき氷をして余った氷をどうしようかといったら「いちご酢醤油ってやった
らおいしいんじゃない?」などとトンデモないアイデアを出したヒカリ、「ババ抜きやって負
けたやつに食わそうぜ!」と浮かれ出したカナが悪いのだ。悪いのだ。
 それに思いっくそ釣られたクウは、あれは少し自分が負けて食わされる時のことを予想し
てみてからはしゃげというんだ。結局クウは勝ったけれど。

 ネムだって「もう、悪趣味ねえ」とか苦笑してないで止めろよ。止めなさいよ。
 私はした。ちゃんと反対したぞ。賛成多数で否決されたが。

 ラッカは素直だ。それは好ましい性質だし、私がラッカを大好きな理由の一つなのだが、
いかんせんこの手のゲームでは鴨をしょった葱である。逆か。
 思っていることが、表情にもろ出てしまう。ババの(らしき)カードに手を伸ばしかけただ
けで顔は緊張するし、癖っ毛までひよひよとなびくようだった。
 ラッカは負ける、と私は思った。それは予想ではなく確信で、すぐ現実になった。


 薄い茶色が、白く削り出された氷の山頂を染め上げている。――色だけはコーヒーフロート
のようだが、あの色彩は本来あそこにあってはならないものだ。
 その禁断の混合液の暫定政権地帯を、ラッカのスプーンがいかにもおずおずと、といった
動きでしゃくり、いかにも恐る恐る、という風に口元に持っていき。
 駄目だ、もう見ていられない。
 ごめん、ラッカ。ごめん。ごめんなさい。

 あなたを守れなかった私を許して――。




「……あれ、結構いけるかも」
「ええ!?」

322 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/07/08(金) 02:30:02
>>315(Heaven's Kitchen)
裸エプロンて……そりゃ涼しいかもしれんけど、油がはねたら危なくない?

――などとウブにボケるとでも思ったか! ったく、男はすぐこれだ。
好奇心旺盛は大いに結構だけど、くれぐれもハレンチ罪で裁かれる立場に落っこちて、市中
引き回しの上ハリツケ獄門、更に遠島きっと叱りなんて羽目にならないよう気をつけてくれ
よな。

ま、あんたの趣味はおいとくとして、実際夏場の炊事は、ちょっとうんざりするからね。
そこはわかるなあ。煮こんだり、焼き魚の加減を見たりしてると結構汗が出るもの。
おまけに外の世界は、今年も暑いんだって? 確か去年もそんな話を聞いたっけ。
大変だね。かといって毎日三食かき氷……じゃ、何はさておき腹壊すか。

よし、こうなったらもうキッチンの床を水漬けにしちまえば万事オッケイ。
くるぶしより上まで水を張る。その中で煮たり、揚げたり、炒めたり。全然涼しいぞ。
――という実現不可能な案もおいといて真面目に考えると、対策らしい対策は「できるだけ火
を使わないようにしましょう」位なんじゃないかな。
なるたけさっと火を通せる料理中心にするとか、そういう。
いやあ悪い、あんまり役に立たないね。

そもそもが火を使う場所だから、涼しくしようってのが無理なんだ、多分。
だから料理のあと、食事の時の涼み方でフォローを入れてみたらどうだろう。
うちでは、夏の晩ごはんはゲストルームのベランダで食べたりする。
夕涼みの風が気持ちいいから、これで冷たい飲みものでも楽しめば、ちょっと台所でかいた
汗なんか飛んじゃうよ。

台所仕事を終えて、そうして自然の風で涼むのを楽しみにすれば、料理の汗かきに張り合い
も出てきたり、出てこなかったりするんじゃないかなあ。

323 名前:名無し客:2005/07/10(日) 19:12:22
さすがのレキさんでも夏場の台所仕事における暑さ対策の決定版はご存じないですか。
一応冷房をガンガンに効かすという奥の手があるにはあるけれど、
基本的にエアコンってあまり好きじゃないんだよなぁ。
しかたがない、時々洗面所に駆け込んでザバーっと水で顔を洗いながらがんばるとしますか。

もう過ぎてしまいましたが7月7日は七夕でした。
年に一度織姫と彦星が逢瀬をすると言われている伝説の日で
この日に飾り付けをした竹に願い事を書いた短冊をつるすと願い事がかなうといわれています。
レキさんでしたらどんな願い事をしますか?

   ミ /彡
..ミ、|ミ //彡   ⊂⊃
ミ.|.ミ/ ./.|   ン'  '' y
.|//|.  []  y ,iノリ゙W)i
/.  []    ,ヘ'从i、 ゚ヮ゚ノ!、
┬┬┬┬┬┬-O∞O‐┬┬┬
‐┼┼┼┼┼┼┼‐┼┼┼┼‐
┼┼┼┼┼┼┼┼‐┼┼┼┼



324 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/07/13(水) 02:25:57
ん? ああ、この花瓶?
ふふ、奇麗でしょ。花屋の前を通りがかったら目に止まってさ。
ちょっと生けてみた。水みたいな青で、涼しげな花だからね。この季節にはいいもんだよ。
(こんなの→ttp://aquiya.skr.jp/zukan/Delphinium_belladonna.html)


>>323(天の川・その一日・願い)
ふと思ったけど、洗面所まで行かなくたって大丈夫じゃん。
流しでざぶっと水かぶればいいんだよ。鍋の火加減→洗顔→炒め物→洗顔、みたいな連係で。
いや、流しは顔洗う場所じゃないのは承知の上でさ、緊急避難ってことで。


ふうん、七月七日はたなぼた祭りってのがあるんだ。
しかし年に一度の密会なんて、何だかロマンチックというか、むしろ我慢強いというか。
いや、よく持つもんだ。例え逢うことを禁じられようが、「くそ喰らえじゃー!」つって無理
やりにでも押しかける位のバイタリティが……最初からあったら、そういう伝説の日にはなら
ないか。これじゃ情緒もへったくれもないし。

まあ、もしこの街にそんな慣わしがあったら、きっとその絵みたく賑やかに飾りつけやら何
やらして、盛り上がるんだろうなあ。
そうだ、折角だから、ちょっと作ってみようか、短冊。竹に吊るすのは省略で。
色紙はっと、あれ、どこへやったっけ……。


――こう切る、と。大体こんな大きさでいいのかな。
後は願いごとを書くんだね。願いごと、願いごと……。うーむ。


  ┌───────────────────────
〜│私がニンジンを食わなくても済みますように。
  └───────────────────────


(くしゃくしゃ、ぽい)
おっと、書き間違い。ハハ。
……書き間違いだってば! 「ちびどもの好き嫌いが治りますように」って書こうとしたの!


  ┌───────────────────────
〜│ケガなし病気なしで、みんな元気にすごせますように。
  └───────────────────────


面白みはないかな、我ながら。
でも、健康なのが一番じゃない? こいつは誰だってそうだ。
それで楽しくやっていけたら尚のこと良し。だから。

325 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/07/13(水) 02:27:41
(吊るされることのなかった短冊。書かれた後、ごみ箱の一番底に押しこめられた)


  ┌─────────────
〜│良い灰羽になれますように。
  └─────────────

 

326 名前:名無し客:2005/07/13(水) 16:33:03
(何処かで見たような落書き)

良い灰羽は死んだ灰羽だけだ

327 名前:名無し客:2005/07/13(水) 16:34:28
自分を分類すると何系ですか。
いやし系とか爽やか系とかアキバ系とか、そーいうの。

328 名前:名無し客:2005/07/13(水) 16:37:29
旅行に出かけるとします。
飛行機、列車、車、徒歩、ほふく前進、馬車、牛車、人力車、どこでもドアetcetc……
どの様な交通手段を用いますか。

329 名前:名無し客:2005/07/17(日) 18:53:21
そうそう、何もしなくても願い事がかなっちゃうというまさに棚から牡丹餅のような・・・・・・
って、違〜〜〜う! た な ば た 祭りです

ところで私は何をお願いしたかですって?
いや、私はすっかり忘れてました。
じゃなくて、誰かさんと違って
逢うことを禁じられようが、「くそ喰らえじゃー!」つって
無理やりにでも押しかける位のバイタリティがない二人が
1年ぶりの逢引を楽しんでいるところを邪魔するような野暮なことはしませんでしたよ。
うん、そういうことにしておこう。

先日北海道の知床が世界遺産リストに登録されました。
世界遺産リストとは国や民族を超えてこちらの世界にある自然や文化を守り、
未来に受け継ごうという目的を持って作成されているものです。
グリの街には未来に受け継ぎたいものって何かありますか?

330 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/07/20(水) 02:32:15
>>326

 その落書きは、埃っぽい本棚の三段目の隅にあった。
 誰が書いたのかはわからない。ただ判別するのに手間取った位、古いものであるのは確か
だった。


 がらくたの整理をしていた時のことだ。物置代わりの空き部屋で、私はそれを見つけた。
 一瞥しただけで、特に感想はないつもりだった。ふうんと思っただけだ。
 だというのに、気づくと片付けをしている間も、その後も、私は子供が考えるように死と
はなんだろうと思いを巡らせていた。

 その人が、他人の心の中にしか存在しなくなった時。それがその人の死だと思う。
 死んだ人は何もいわない。遺された者達の声が届いているかどうかさえ、定かではない。
 決して還って来なくなるというのは、多分そういうことだ。

 人間の場合は土に葬られた時がそうだろう。
 灰羽は少し違う。
 普通の、良い灰羽にあるのは巣立ちだ。死後の世界ではなく街の外へと去る。
 しかし巣立ちと死を同義とするなら、この落書きのいうように死んだ灰羽は良い灰羽だ。
街での生活を全うし、巣立ってゆく灰羽は、皆祝福を与えられているからだ。
 そうして祝福されて“死んだ”灰羽は、きっと遺された者達の心にい続けるに違いない。

 ――その者達もまた、他人の思い出の中へと場を移すまでは。


 これを書いたのはどんな人だったのだろう。
 オールドホームが灰羽の巣になる前、まだ普通の人が使っていた頃の住人か。
 もしくは巣立ちの日が訪れなかった“悪い”灰羽か。


 私のような。

331 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/07/20(水) 02:34:19
>>327(カテゴライズ)
とりあえず、例として上がってる三つには当てはまらない気がする。
あたしは誰かを癒したり和ませたりしてる訳じゃなし、サワヤカでもないし。
秋葉系? ってのはよくわからんけど。何となく違うっぽい。
そうなると……そうだなあ。

んー、「お姉さん系」?
あたしの仕事、ちびどもの世話でしょ? こいつらときたら、まったく手のかかる弟妹軍団
みたいなものだから。
自然と年長者のカンロクが出来てくるような、こないような。

と語ってみたって、やっぱり分類するなら他人にやってもらわないと。
自分で自分を判断するのは難しいよ。どうしたって目が曇っちゃう。
あんなに思慮深い人なのに、自分のこととなるとびっくりする位判断が甘くなるなんてこと
は、よくあるからね。

だからあたしを知ってる街の人に訊いてみたら、全然違う風にいわれたりしてね。
「がさつ系」とか「ヤニくさい系」とか。
……実際のはなし、どういう風に分類されるやら。


>>328(旅がらす・支度・考える足)
ほふく前進だのカニ歩きだの、ましてやひたすらでんぐり返しなんて手段は絶対用いないと
してだ。
やっぱりスクーター、かな?
足というと、あたしはこれだからさ。

ただ旅ってしたことない所為で、どうも勝手がわからないんだ。何を持ってけばいいのか、
なんてことから迷うから、交通手段なんてもっとだよ。
自転車でもいいかも、と思ったんだけど、荷物が載るかって心配もあるし……。
ま、手軽にまとめれば大丈夫かな。それにスクーターは、長旅だとガソリンを補充できるか
どうかわからない所が怖いな。

うーん、そうなると一番手軽で安心度が高いのは、やっぱり歩きかも。
第一二本の足だったら、地続きならどこへだって行ける。時間さえかければ。

こう頭を悩ます前にさ、あたし達は自前ので行けたら一番なのにね。
羽で飛んで行けたら楽なのになあ。壁の外の――世界へ。


まったく、なーんも役に立ちゃしない羽だから困るよ、ははは。

332 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/07/20(水) 02:38:42
>>329(継承杯)
くっ、あんた、人の素ボケにうまくツッこむじゃん。
最近どっかに現れた、どっかの「おとーさん」なんか目じゃないな。……ま、あんなのと比べ
たら、かえってそっちに失礼な気もするけど。

そっか、願いごとはしなかったんだ。
何か聞いた話だと、男どもは「モテたい」という願いを書き連ねた短冊を、重みで竹がへし
折れる位に大量に飾り倒すのが習わしらしいから、そういうもんかと思ってた。
ま、んなバイタリティ、あたしだってないしなー。


遺して、伝えていきたいもの、か。
いい運動だね。形のある思いも、ない思いも、それは大事にするべきだよ。
ただ、そういう動きがあるということは、保護していかないと消えてしまう恐れもあるって
ことか。そいつは寂しい話だけど。
この街でいうと――何があるだろう?

街を覆う壁は、あれはまあ残ってるだろうな。
百年前だってあったんだし、百年後だって多分あるよ。何故だかそう思う。
カナが働いてる時計台、ネムのいる大きな図書館辺りは、手を入れないとありゃぼろいから
ねえ、危ない。あ、時計台は今、丁度補修工事やってたっけ。
街の周りの風景でいったら、河や森、丘……。

――そうだね。そういったものをひっくるめて、この街を、一番この街らしい形にしておける
意識や考え方みたいなものは、遺せるなら遺していきたい。
例えば、ごみごみした街並みじゃなくて、揉めごとで始終角つき合わせたりしなくて。
食べ物と水はおいしくて、のんびりやっていけて。
そんな風に、この街を自然体にしておける気風みたいなものが、ずっと大事にされていける
のだったら――それはとても素敵なことだと思うんだよ。


建物や環境をきちんとした形で保っていくことは、恐らく大変な作業なんだろう。
こういう形のない思いを守っていくことは、また別の大変さなんだろうとは思うけどね。

ついでに、隅っこで灰羽が暮らせてたら尚結構って訳で。

333 名前:名無し客:2005/07/22(金) 13:19:34
レキさん流の避暑術を教えてくださいな。

334 名前:名無し客:2005/07/24(日) 19:26:42
グリの街そのものを世界遺産にしようというのですか。
それもいいかもしれないですねぇ。
ただ、世界遺産にも色々と問題がるようでして
たとえばもともとその地で林業を営んでいた人たちが
景観保全のため自由に木を切り出すことができなくなり
経済的に打撃を受けてしまったり、
世界遺産に登録されたことにより観光地化が進み
観光客がどっと押し寄せてかえって環境破壊が進んでしまったり・・・
まぁ、グリの街に観光客が押し寄せることだけはないでしょうけれどもね。

7月28日は土用の丑の日です。
この日にうなぎを食べてスタミナをつけ、
暑い夏を乗り切ろうという風習が江戸時代から続いています。
ただ今年は稚魚の不作が響いて価格のほうもうなぎのぼりなのが困りものなのですが。
グリの街には夏に向けた風習とか習慣って何かありますか?

335 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/07/31(日) 00:37:26
>>333(避暑・開かれた窓・西風)
避暑術。うーん、術なんていわれると困っちゃうね。
オールドホームは川のすぐ側で、割かし涼しいもんだから。うちわで扇いでる程度でも何と
かなっちゃうしさ。

日差しが強い日は黒っぽい服は着ない、なんてのは「術」に入らないもんな。
他には、んー、あたしは部屋の中では裸足になったりするよ。部屋靴は脱いじゃう。
熱が逃げるからひんやりするんだ。もっともちびどもが真似するといけないんで、こういう
お行儀が悪いことは、やつらがいない時に限るけど。

そうだなあ、後は……。あ、窓は開けてる?
いや、そりゃ夏は開けるのが当たり前だろうけど、開け方に気をつけてるか、ってこと。
風の通り道を考えてね。これは意外と重要なポイント。
別の場所――うちだと階段の踊り場や、近くの部屋の窓も開けておいて、上手い具合に風が
入って来やすい、出て行きやすい道を作ってやるとさ、思わず吹いてくる方を眺めちゃう位
のいい風が通っていったりするよ。

日が陰った午後、風の行き来をばっちりにして、ちびどものお昼寝につきあってると、つい
こっちもうとうとしちゃうんだよなあ。
これなんか、最高に心地良い暑さ避けだからだと思うね。

336 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/07/31(日) 00:38:56
>>334(夏への扉)
どんなことでも、あっちを立てればこっちが引っこむものだからね。何かをしようと思った
ら、例えそれが正しいことであろうと反発や恨みを買ってもおかしくない。
――難しいよ、月並みだけれど。


へえ、うなぎをねえ。あれは確かにスタミナ食材って感じだもんな、こってりして。
こっちでも西の沼で獲れるんだ。漁師のおっちゃんが、なまずや何かと一緒に獲ってる。
でも特に夏用の食べ物ってことはないかも。寧ろ旬は冬場かな?
面白いね。旬とは関係なく、季節々々で好まれる食べ物があるのは。

で、こっちで夏に向けてというと――ああ、花火を買い始めるのは今の時期だ。
地面に立てた筒からばちばち火が噴き出すやつに、みんなできゃあきゃあ逃げ回るねずみ花
火、しっとりとした締めの線香花火と、買っとくべきなのは色々ある訳。
街の方だと花火大会もあるよ。ポンポーンと、こう景気よく打ち上げてね、あれは楽しみだ
なあ。

花火には、あたしは涼しげな印象がある。煙だって結構出るし、何より火を使うのにね。
冬にしても――やったことないけど――熱さより、華麗な冷たさが深まるんじゃないかな。
花火の華麗さは、瞬く間に消えてしまうじゃない? 儚い位、あっという間に。
こういう儚さ、寂しさみたいなものは、それが消えて温度がなくなる時、人の心も冷やすん
じゃないだろうか。
意識的、無意識的にせよ、その冷たさはみんな感じ取ってる。だから花火をするのは、元々
寒い冬じゃなく夏。
そんな気がする。


そういや花火大会の打ち上げ花火は、あれは正に豪華絢爛のダンスだよ。
小ぶりな花が幾つも幾つも咲き乱れて――と思ったら端から散っていったり。
シャワーの蛇口を全開にしたみたいな光の雨が降って――くる間に跡形もなくなったり。

ひょっとしたら、壁の外からも見えてるのかなあ。

337 名前:名無し客:2005/07/31(日) 21:47:00
ああ、いいですねぇ、花火
夏の花火はもちろんのこと、冬の花火も悪くないかも知れませんよ。
特に黄色いのとか、打ち上げるのとか、レモンのスフレとか。
今は引越ししてしまったのですが、以前住んでいた所からは
近くの(と言ってもそれなりに距離はありましたが)遊園地の花火が
部屋の窓から見ることができ、毎週楽しみにしていました。
ただ、最近では花火大会の場所取りに何日も前からシートが敷き詰められていたり、
現金で場所の売り買いがなされていたり、なんとも世知辛い世の中になってしまったものです。

最近オールドホームでは体操着に続いてスクm・・・・・
あ、なんか冷たい視線を感じる。この話題はやめておこう・・・。

先日太陽系10番目の惑星ではないかと言われる天体が確認されました。
太陽を巡る天体でこれだけ大きなものの発見は実に75年ぶりのことだそうです。
こちらでは街が明るすぎて夜空を見上げてもあまり星が見えないのですが、
グリの街ならきっとたくさんの星々が見えるのでしょうね。
グリの街で見る夜空のことについて教えてください。

338 名前:名無し客:2005/08/04(木) 01:02:52
花火といえば、最近は随分と具象的な花火が出てきたとかで。
漫画のキャラクターをこう、ぱあっ……と、絵をそのまま打ち上げる事が
出来るのだとか。

あ……でも、灰羽の姿の花火を打ち上げても地味かもしれませんね。
灰色なので。
いや、絢爛豪華な色の洪水の中に、一つ単色の花火があっても良いかも。

さてさて、レキさんが打ち上げてみたい花火って何かありますか?

339 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/08/07(日) 16:22:52
>>337(灰羽バカ一代・スクール水着・星影のステラ)
でも冬場で打ち上げ花火をするような催しって、ぱっと思いつくのは過ぎ越しの祭り位だし
なあ。
まさかそこでやんの? 鈴の実と同色のプレゼントを贈ったりする場で、しかも黄色で?
ぷっ、ばかだなー。「何と黄色のメッセージの滑稽なことよ。まさしくバカの花火だ!」って
感じ。ケーキならまだしも、それは恥ずかしいでしょ、それは。

そっか、外の世界は人多いみたいだしね。花火大会なんていったら、すごい人出になりそう
だもんな。
イベント自体を無心で楽しむ、って具合には中々いかないようで、ご愁傷様。

こら、何水着だって? 一体全体ナニを期待してんだ?
――っていい、いい、いわんでも。ったく、充分察せられるよ。


星は、夜空にあれだけ光ってるもんね。新しいのをもう一つ見つけるって、割り合い難しい
んだろうか。
ああ、グリの夜空では星はよく見えるよ。雲がなければ、
今はまだ蚊が多いから、もう少し涼しくなったら風の丘に夜、行くんだ。
風車の側に寝っ転がってね、煙草吸いながら星を眺めたりする。

星座には、あたしは詳しくないから。あれが何座、これが何座なんていう風に指差したりは
出来ない。
ただ見上げてるだけ。一つ一つ違う光をたどってると、ひょっとしたら自分が星に見下ろさ
れてるのかもしれないな、なんて考えたりして――その内にどっちが上下かってことは曖昧に
なっていく。

虫の鳴き声がBGM。夜を聴きながら、夜を見る。
こういうのは、楽しみとは少し違うかもしれない。考えごとをする訳じゃなく、そこにある
自然を感じてるだけ。
それでも、心は満たされる気がするんだ。心のどこかか、或いは全部がさ。

340 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/08/07(日) 16:24:29
>>338(HANA-BI)
そりゃすごい。そんな凝った花火なんて出来るもんなんだ。
いや、白系統の単色って、意外に映えると思うよ。
何しろ夜のキャンバスは黒一色だからね、充分目立つ。

それに花火って、いかに目立つか、派手にするかっていうものじゃない?
それは確かに目を楽しませてくれるけど、見続けてると飽きがきちゃったりもする訳で。
地味な、箸休めみたいな花火はさ、だから案外印象に残るかもしれないよ。
灰色の灰羽花火。いいじゃない。
うちの皆の姿をちゅどーんと上げたりしたら、うんうん、素敵だ。

打ち上げてみたい花火……。うーむ、結構悩むね。
あれは自分でどうにかするものじゃなくて、ただ見物するものって頭だったからなあ。
派手なのばかりじゃな、なんていっときながら前言撤回で、あやめにひまわり、ラベンダー、
ききょう、のいばら、さるすべり、ヘクソカズラにハナショウブと色とりどりの花をモチーフ
にした――変なのが一つ混じったな――花束みたいな連続大花火はどうだ。
……あんまり灰羽の花火ってイメージじゃないかも。

んじゃ、ま、穏やかに、ネムノキをイメージした花火なんてどうだろう。
いや、うちのネムとは字が違う。「合歓木」って書くのかな、それこそ線香花火を逆さまにし
たような花だよ。淡い、赤っぽいピンク色をしてる。
丁度季節にも合ってるし、こいつをモチーフにすると。

打ち上げするとしたら、風の丘からだな。
薄い白や赤の火が、細く放射状に広がって――ことんと眠りこんじゃったように消える。
まあ、よく似た名前の誰かさんは何というやら、だけれど。

341 名前:名無し客:2005/08/21(日) 00:07:48
残暑お見舞い申し上げます。
こちらは水不足が深刻な地域もあるのですが、グリの街の気候はいかがですか?

ところで……前から気になっていたのですが、あまり大きくはないとは言え、
灰羽の羽もふわふわの羽毛。
夏場は結構暑いんじゃないかなー、って。
猫とか犬の毛皮のように、熱をこもらせてしまうんじゃないかなー、って。

深夜になると、近所のノラ猫が少し冷えたアスファルトの地面にべたって
寝ころがっているんです。
多分、その方が涼しいんでしょうね。
レキさん達も、そんな風にべたっと地べたに腹這いになって寝る……なんて
事はないと思いますけど、あ、冗談です冗談。
何か、夏の涼しい過ごし方を御存じではないでしょうかねえ?

342 名前:名無し客:2005/08/21(日) 22:26:35
いや、まぁ、指差して「あの風車から上に25個目、左に8個目の星と・・・」
なんて星座の説明されてもちょっと困っちゃったりするわけですが、
以前田舎に行ったときに見上げた夜空はすごかったなぁ。
なんだか本当に吸い込まれそうな感じがして。

さて、夏といえば夏祭。
境内の屋台では風船やお面、わたあめなど色とりどりの商品が並び
浴衣姿の老若男女が盆踊りの輪を作る。
なんてのが定番ですが、グリの街にも夏祭みたいなものはありますか?

343 名前:名無し客:2005/08/28(日) 22:05:41
何の為に生まれて

何をして生きるのか

344 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/09/03(土) 16:47:43
随分長いこと、お客を放っぽりっぱなしで……。
すまない、本当に。


>>341(残暑・羽毛・ひんやり)
こりゃご丁寧にどうも。――そうだね、こっちは例年通りってとこ。
暑いことは暑い、けど水不足になる程じゃないよ。
外の世界は大変そうだね。暑い寒いで大変なのは、どうにもこうにも参るよなあ。

あーあー、わかってくれますか、羽毛の要らんあったかさ。
これ、日なたにいると背中から暑くなってくるって感じだな。汗かく時も、服の背中の方に
集中してたりね。
ぱたぱた動かしたって自分を扇げる訳でもなし、余計暑くなるだけで。
やれやれ、暑さ寒さは着物の厚い薄いじゃ解決しないんだよな。

……おいおい、犬猫じゃないんだからさ。いくら背中方面があっちいからっつって、地べた
にべったりなんてするか。
でも犬猫追っかけるのは、一つの手かもね。あいつらは、一番涼しい所やあったかい所を知
ってて、そこに行くでしょ。
それはそれとして涼のとり方。そういや、この前――話師(わし)の爺さんがいってたな。


爺さんは「暑い時は、暑くない国へ行けばよい」っていうんだ。
どうやって行くんだよって突っ込んだら、「暑いと思う己で己を殺せば、暑さと一体になれ
るだろう。そこが暑さのない国だ」だとさ。


……あの爺さんのいうことは、大概訳わからんからな。
無理やり解読すると、要するに熱い風呂に入れってことじゃない?
気合の入った温度のお風呂入って出れば、あちぃとは思うけど周りの暑さはどうでもよくな
ってるだろうと。そういうこと。

ま、あたしはそんな、どっちみち暑い真似はやらないよ。
それだったら水風呂に入ろう、水風呂に。

345 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/09/03(土) 16:48:24
>>342(祭りの晩)
うーん、聞いてるだけで楽しそうじゃない。
やっぱお祭の時ってのは、どこも賑わうんだろうなあ。

夏に限ったことじゃないんだけど、大門広場の市が立ったついでに、露店が色々出たりして
お祭りみたいになることはあるよ。
トーガが来ると、外の世界の品物が多く入ってくる。買わないでも、見てるのは楽しいよ。
夜になっても店が引かないで、割りと遅くまでやっててね。
過ぎ越しの祭りみたいに、真冬に夜っぴて外をうろつくのと違って、今時分の夜は過ごしや
すいから。そういうこともあるのかも。

そうそう、これ、この前の祭りの時に買ったんだ。
狐のお面。外の世界の物らしい。
(面で顔を半分隠して)


ちょっと目つきがこわい、と皆いうんだけどね。
あたしはそれがいいと思うんだけどな。

346 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/09/03(土) 17:01:23
>>343

 また話師の爺さんお得意の、もっともらしい話が始まった。――私は、ふんと鼻を鳴らした。

「そんな簡単にいくもんか。暑けりゃ暑いし、寒けりゃ寒いんだから」
「答えは何時でも目の前にある」と話師はいった。

「ただ、多くの者は見方を知らない。故に惑う。それと同じで、行うのも容易くはない」

 夏祭りの夜のことだった。


 街へ祭り見物に来て、人ごみの中で皆とはぐれた私は、街角で煙草を吹かしていた。
 迷子になるなんてラッカやクウあたりの役回りだと思うのだけれど、なってしまったもの
は仕様がなかった。寧ろ他の皆が団体で迷子になっているのだ、と考えて心を慰める。
 それに、たまには一人でぶらつくのも悪くはない。手のかかるちびどもの引率を一時忘れ
て、気ままに屋台をひやかすのは楽しいものだ。

 昼に交易人のトーガの一団が来たので、大門広場では市が立ち、またその余波で街のあち
こちは賑やかだった。見慣れない外の世界の物品は、早くも露店に並んでいるし、食べ物や
飲み物を売る屋台は今が書き入れ時だ。
 私はというと、建物の壁に背をもたれ、頭の後ろにさっき買ったお面をかぶっている。
 古物屋の露店で購入した、白い、多分狐のお面だ。
 赤や青で隈取りが施してある。可愛いといえば可愛いが、何かしらこわい印象もあった。
 そこが気に入って買った。

 祭りの喧騒から外れ、行き交う人々を眺めていると、何だか水槽の外側にいるような気が
する。同じ場所にいるというのに、どこかしら現実感が薄い。

 煙草が二本目になった時、話師に会った。
 

347 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/09/03(土) 17:03:53
>>346の続き

 話師は、ふらりと脇の横道から出てきた。お供の連盟員も連れていない一人だ。
 灰色っぽい頭巾を被り、ねずみ色のローブを着て、逆さにしたひょうたんみたいな形の仮
面をつけている。仮面には黒い穴が縦に二つ。
 初めて会った七年前から出で立ちは変わっていない。その時既に年寄りだったから、この
爺さんはもう結構な年なのだろう。
 ――「実は婆さんなのだよ」などといわれたら、少なくとも自分は腰をぬかすと思うが、多分
そんなことはないのでまあどうでもいい。


 お面なんか引っかけている所を見られたのが、少々気恥ずかしくて、いつも仮面をつけて
て暑くないのかと先んじてからかった。そうしたら、暑い時は暑さで己を殺すのだ、とか何
とか訳のわからないご託宣を寄越した。
 話師は、いつも何でも知っているかのように語る。その話しぶりは私を苛立たせる。
 本当に何でも知っていて、私の思いも見透かされているのではと不安になるからだ。私の
浅はかな思いなどは特に。

「あんたは、もっともらしい答えを山ほど抱え込んでるからな」と私は皮肉っぽくいった。
「例えば“何の為に生まれて、何をして生きるのか”なんて青臭い質問したって、きっとぐう
の音もでない位に金ぴかな答えが返ってくるんだろ」

「私は何も知らない」

 話師はいった。とても静かにそういった。


「私にわかるのは、光も、風も、鳥も獣も魚も、みな自分が何かなどと問いはしないという
ことだ。――石くれでさえも」

 思わずきっと話師を睨んだ。

348 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/09/03(土) 17:05:27
>>347の続き

 話師が街に来ることは滅多にない。普段は街から遠い連盟の寺院にいて、トーガが訪れた
時に交渉役としてやって来る。
 その話師と灰羽が一緒にいる光景は、人には奇異に映るのだろう。通り過ぎる人々の多く
は、我々を視界に入れるとお天気雨でも見たような顔をした。

 通行人の一瞥も私が睨むのも、どちらも気にした風もなく話師は続ける。

「あらゆるものは世界の一部であり、同時に全てでもある。
 全てを内包しながら、世界から切り取られた形はその形にしかならず、しかし世界の全て
と途切れることはない。
 鳥や獣達はそのことを自得している。だから彼らは問わず、迷うこともない」

 私は苦笑した。短くなった煙草を携帯灰皿で消す。
 新しい一本を点けようとして、止めた。

「くよくよ悩んでる奴は獣以下の馬鹿だってことか」
「そうではない」と話師はいった。


「迷うこと、問いかけることは人の在り様なのだ。人以外のものの在り様が、在りて在ろう
ものであるように。それは恥ずべきでも、忌避すべきでもない。
 もっとも問いに憑かれ、答えを出すことに囚われるあまり、輪をなぞり続けるように自ら
を見失ってしまうのなら話は別だが。それはとても哀しいことだ」

 私は目をそらした。絞り出すようにいった。

「私に謎かけを出したのはあんたじゃないか」

 もう何年も前の話だ。
 今も答えは出ていない。この先も出ないんじゃないかと思う。

「勝手に問題を出して、答えられなければ勝手に憐れんでくれるのか。不出来な生徒として
は嬉しい限りだよな」
「では別の質問をしよう。――何の為に生まれたか、は今は問うまい。それはある意味で同じ
問いだから。

 お前は“何をして生きるのか”?」
「……ちびどもの世話」
「なぜだ?」
「なぜって、灰羽としての仕事だから」

 そうすることで、私は皆の役に立っている。
 誰かに尽くし、喜ばれると、自分の羽に黒い汚れがあることなど忘れてしまいそうになる。
 そうした後で一人になると、羽はもっと黒くなっているような気がして泣きたくなる。

 灰色の羽に黒い斑、じゃないのかもしれない。
 私の羽は最初から真っ黒で、何かの手違いで灰色が混ざっただけなのかもしれない。
 皆を偽り、欺いて、私はただ救いを求めている。
 神様か誰かが、この昏い夢と黒い羽の呪いを解いてくれることを切望している。
 それだけだ。


「本当にそうか?」


 向こう側を見越せない高い壁が口を利いたような声は、そう訊いてきた。
 唇が震える。そうだ、と叫ぼうとした。

349 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/09/03(土) 17:06:40
>>348の続き

 急に名前を呼ばれて、私は我に返った。

 見回すと、人ごみの頭の連なりの向こうに仲間達が振る手が見える。
 光輪も見える。誰かのは――おそらくクウだろう――ぴょんぴょん跳ねている
 ため息をついた。とてもやわらかいため息だった。
 手を振り返し、私は無言の仮面をちょっと横目で見て、何もいわずに踵を返した。

 レキ、と名付け親に名前を呼ばれた。
 立ち止まりはしたが、私は振り返らなかった。頭の後ろで狐の面だけはあっちを向いてい
る。それで十分だと思った。

「真実とは、とても単純なことだ。だが単純だからといって、それは容易に理解できるもの
ではない。むしろ真逆だ。
 そのことをよく考えなさい」
「……答えが単純なら、教えてくれたっていいじゃないか。人の頭を悩まさせなくたって」

 話師は首を振ったようだった。

「教えられた答えは答えではない。己の答えは、己自身で導き出さねば己の答えたり得ない」
「そんなことは――」

 いいかけて、止して、私は歩き出した。


 そんなこと位、わかってると――そう胸の内で呟いたことは、多分話師にもわかっているの
だろう。あの人は何でも知っているのだから。

350 名前:名無し客:2005/09/06(火) 02:27:59
「真実」と「事実」が違うって、本当ですか?
そして、多くの人にとって大切なのは「事実」よりも「真実」だというのも、
本当なのでしょうか?
レキさんにとって大切なのは、「事実」? 「真実」?

351 名前:名無し客:2005/09/13(火) 01:08:08
先日お隣の国で大きな嵐のために
ひとつの街がほぼ水没してしまうような大洪水が発生してしまいました。
完全に水が引くまで1ヶ月かかるとも3ヶ月かかるとも言われています。
この街は周りを川と湖に囲まれた上に周囲に比べて標高が低かったために
より被害が大きくなってしまったようです。
周りを水に囲まれているかは判りませんが、
地形的にはグリの街と似ているのでちょっと心配になりました。
グリの街の治水対策は大丈夫でしょうか?

352 名前:名無し客:2005/09/13(火) 12:41:32
御自分に説明書をつけてみてください。

参考

子供に説明書をつけるとしたら
http://life7.2ch.net/test/read.cgi/baby/1107828986/

353 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/09/19(月) 03:07:27
>>350(事実・真実・現実)
「事実」は、単純に起った出来事なんじゃない?
「真実」は、それをどう見るかっていう解釈。
何だか言葉遊びみたいだけど。

どう見るかってのは、どう見たいかってことだからね。
自分の思い通りの見方をしたい。そういう人の方が多いのは、多分当然なんだと思う。
それに、起ったことを起った通りに捉えるだけのことも、結構難しいでしょ。
客観的な視点、ってのはね。何らかの視点は、どうしたって入っちゃうだろうから。

私にとって大切なのは? それは――そうだなあ。
(半分になった煙草を一度吸ってから、灰皿で消し)

「事実」、かな。
そりゃ私だって、中々冷静に物事を見られたりは出来ないよ。自分なりの嘘が混じってしま
うかもしれない。
でも、せめてはじまりの部分は大事にしとかないと、眼鏡に色をつけようにもどれを塗って
いいやら迷っちゃう。

「事実」をまず捉えとかないと、「真実」だって大事に出来やしないから、さ。

354 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/09/19(月) 03:08:37
>>351(川の流れのように)
街が一個水没!? ……そりゃとんでもないな。
例えばグリの街がまるまる水の底ってことだろう? 何ていうか、想像できないよ、そこまで
の規模だと。

地形としては、確かにちょっと似てる。この街もすり鉢状の盆地だから、水はけはいいんだ
よね。
その反面、大水は出やすいんだけど――大雨や台風になっても、川が決壊したって話は聞かな
いなあ。
いや、あたしも連盟や自警団に深く関わってる訳でもないから、どういう治水対策してんの
かはよく知らなくて。
それでも堤防みたいなのは、ある所にはあった筈。あ、溜池も、農業地区にあったような。
それに川の周りに森や木々は多いから、こういうのでも歯止めになってたりするのかもしれ
ない。木は、水をよく貯えるからね。

自然は、とんでもない力で襲ってくることもあるけど、反対にそっと守ってくれもするんだ
ね。
まあ人間の方の勝手な受け取り方なんだろうな、どっちにしろ。

そういや、窪んでる地形の中心は街の中央部で……大体カナが働いてる時計塔の辺りか。
この街が水漬けになったとすると、辛うじてあの時計塔だけがにょっきり生えてたりする訳
なんだな。
……笑えんなあ。怖い話だね。

355 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/09/19(月) 03:12:26
>>352(トリセツ・マニュアル・注意書き)

@灰羽共用オプションについて
・「光輪」は外れません。無理やり引っ張らないで下さい。
・背部の「羽」に飛行する機能はございません。高い所から落とさないようにして下さい。
・水に濡れても作動に支障はありませんが、羽毛が乾きにくい場合があります。
 その際、電子レンジで乾かそうとしないで下さい。爆発します。
・紙製品ではありません。山羊に食べさせないで下さい。
・磁石は近づけても平気です。


@機種別設定について(xR Type REKI.Ver.9の場合)
・炊事・洗濯・育児等の家事に関しては、初期設定のままで過不足なくお使い頂けます。
・定期的にニコチンを補給する必要はありません。しかし本人は摂取したがります。
 禁止しても構いませんが、落ちつかなくなるなどの副作用が発生する場合もありますので、
 公共のマナーを守らせて適量を与えた方がよいでしょう。

・絵を描くことができます。
 (絵の具、パレット等は別売りです。※→P.63周辺機器のご紹介参照)
 放って置くと思い出せない暗い夢の情景ばかり描こうとしますので、奇麗な風景画などを
 描くよう薦め、心のケアに繋げましょう。
・スクーターを運転することができます。
 ただし普通自動二輪免許はインストールされていません。公道を走らせる際には注意して下
 さい。


【注意!】必ず読んで下さい【注意!】
・羽の汚れは仕様です。洗っても落ちません。
・黒いままでも動作に支障はありませんが、精神的な苦痛を感じる恐れがあります。
 雪鱗木から取った染料を塗布し、罪の気を霞ませるようにしましょう。
 (※→P.28 ハネケアについて参照)


・「巣立ちの日」までは返品のお問い合わせには一切応じかねます。ご了承下さい。
・接し方を間違え続けると巣立てなくなる恐れがあります。気をつけましょう。


■お問い合わせ先
販売店:グリ西地区 オールドホーム
販売元:灰羽連盟

受付時間 9:00〜17:00(土日、祝日除く)
(電話はございません。お手数ですが、下記の住所までおいで下さい)

356 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/09/19(月) 03:13:45
(レキの日記より)


私は皆に嘘をついている。
私は皆を裏切っている。


愛や慈しみの方が、嘘や裏切りよりも、時に人を傷つけてしまう。
そういうことはある。結果として、にしろ。

ならば私は嘘を抱いていこう。私だけの「真実」を信じていよう。
「嘘」で皆が笑ってくれるのなら、私は「嘘」をつき続けよう。
その内、「嘘」も「真実」になるかもしれない。そう信じて。

――あるいは、そう自分にも「嘘」をついて。

357 名前:名無し豆腐:2005/09/24(土) 02:05:24
あなたの未来予想図…………一番見たくない、考えたくない未来。
それはどんなものだと思いますか?

358 名前:名無し豆腐:2005/09/25(日) 18:47:23
そうですか、わざわざ大規模な治水工事を行わなくても
自然がグリの街を守ってくれているのですね。
こちらの街ではどんどん森を切り地面を固めてしまったために
きっちり治水工事をしないとすぐに川が氾濫してしまうような状況になってしまいました。

先週は中秋の名月といって昔からお月見をする風習があります。
昔の人は月の模様をウサギや蟹、女の人に見立てて色々と物語を想像したりしていました。
レキさんには月の模様が何に見えますか?

359 名前:名無し豆腐:2005/09/26(月) 22:04:23
ぺったらぺたらこぺったんこ

360 名前:名無し豆腐:2005/10/10(月) 22:29:34
『〜先日この街へ引っ越してきた○○商店でございます。
 画材から高級葉巻、限定モデルのスクーターまで広く取り揃えております。
 ご入用の品などあれば何なりとお申し付けください』

(と、カタログ付きのダイレクトメールが送られてきました)

361 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/10/14(金) 02:16:34
>>357

(レキの日記より)


私の夢を語ろう。
繭の夢を。


どこかに失くした、思い出したくもない過去でもある。
一番見たくない、考えたくない未来でもある。

いや、正確には違うかもしれない。
想像し得る最悪な未来は、あの夢と同じ光景の中で、誰も助けてくれないことだ。
誰も彼も、誰一人として。


その夢を語ろう、それが何なのか知るために。
誰かに対してではない。キャンバスに向かってだ。
いつもと同じように、恐らく今日も描けないと思う。その最後のところまでは。
せめて、タイトルでもつけてみようか。

今日の題は『百年の孤独』だ。

362 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/10/14(金) 02:17:57
>>358(月喰ウ蟲)
ふうん、雅やかな習慣だね。
いいなあ、お月見。お花見ほど喧しくなく、静かに楽しめそうじゃない?

そうそう、月に兎がいるなんて言い伝え、聞いたことがあるよ。
……結構前、実は言い伝えどころか本人に会ったこともあってさ。月の兎に。
まあ、グリの街じゃなくて、ご当地での話なんだけど。
http://charaneta.sakura.ne.jp/ikkoku/kako/110/1101828450.html>>109以降あたりを参照)


謎めいた子だったなあ。――月を眺めてたら、ちょっと思い出した。
ああ、あの模様をね。

目を細めてじっと見てると、あれは確かに意味ありげに見えてくるよ。
兎が飛び跳ねてるようにも、女性の横顔みたいにも見える気がする。
片目に何かが刺さって、しかめっ面してる人の顔みたいにも――見えないことはない、かな?

子供の頃、あたしには蝶みたいに思えた。
貼りついたように止まってて、気づいたら月光の中に舞い出してそうだってね。

今夜も、一応月は出てる。
さて、何に見えるかな、と。――あん?
あ、いや、ちょ、蝶には見えないなー、みたいな。つ、疲れてんだな、はははは。

363 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/10/14(金) 02:19:01
(レキの日記より)


月の中に何を見るか。
そんな話をした夜。

そうして見上げた月に、思わず訳のわからないものが見えてしまったのは秘密。
(付されている絵はこんなの↓)



  _  ∩
  ( ゚∀゚)彡 兎ァ! 兎ァ!
  (  ⊂彡
   |   |
   し ⌒J



ていうか何これ。

364 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/10/14(金) 02:20:25
>>359

(レキの日記より)


(豆腐が一丁、描かれている)

晩のおかずの豆腐を買った帰り、家の前の橋のところでへんな声を聴いた。
声というか、メロディ?
メロディというなら、誰かが歌っていなければならないのだが、周りには誰もいなかった。

虫の声を聞き違えたんだろう。きっとそうだ。


しかし、豆腐って「豆が腐る」と書くんだよなあ。
こういうことは、冷やっこを食べながら思い当たることじゃないな、とは思った。

365 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/10/14(金) 02:21:20
(再び、レキの日記より)


(豆腐が二丁、描かれている)

この所、私はあるフレーズを口ずさんでいるらしい。
らしいというのは、私には自覚がないからだ。ネムにうるさいといわれたけど、そんなこと
本当にいっているのか?
意味のわからない、擬音みたいな言葉だし、心当たりもないのだが。


そういえば最近、豆腐をよく買ってくる。何だか病みつきになってしまった。
カナは毎日朝晩じゃ飽きたというが、いいじゃないか、豆腐。ヘルシーで、おいしくて。

366 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/10/14(金) 02:22:38
(三たび、レキの日記より)


(豆腐が三丁、描かれている)

毎にちとうふばかり食べてる。
あじないから、おいしい。

気づくと■■■■■■■■■■■■■といってる。
気づかないときはずっといってるんだ。

■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■


このことば、気もちわるいから、ぜんぶけす。

(後の行はもっと汚くかき消されている)

367 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/10/14(金) 02:23:24
(また、レキの日記より)


おなか へた
とうふ とうふ しろろいおいし
■■■■■■■■
■■■■■

 

368 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/10/14(金) 02:24:04
(またまた、レキの日記より)


(この一ページは、無数の豆腐の絵で埋め尽くされている)
(辛うじて残った部分に書いてある、あの言葉は、もう消されてはいない)




ぺったらぺたらこ
ぺったんこ



 

369 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/10/14(金) 02:25:08
(そしてレキの日記より)


昨日までの数日に渡る私の日記。――これを書いたのは誰だ?

私ではない。そんなことを書いた覚えはないし、そもそもこんな出来事はなかった。
でも書いてある。私の筆跡で、私の絵で。

ならこれは、本当にあったことなのか。

あったことが消された、またはなかったことが上書きされた。
そういうことなのだろうか。


私は不可解なページ全てを破り、ライターの火で焼いた。
誰にも知られずに、それらは灰皿の中で燃えていった。

記録は消してしまえばそれでおしまいだ。見る人も知る人もいなくなった記録は、最初から
なかったのと変わらない。
記憶だって同じだ。そっとなかったことにしよう。
想いですら、人は容易く虚しくしてしまえる。


ぺったらぺたらこは灰にした。


だから、
もうそれは、
存在しない。

370 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/10/14(金) 02:28:04
>>360(店びらき・葉巻・絵の具)
なんだ、これ? ああ、新装開店のちらしか。
ふんふん――ラインナップが妙に広いな。ここ、結局何屋なんだろ?
お、この二人乗りのスクーター、格好いいじゃん。でもあたしが乗るには、ちょっとでかい
かな。

うーん、こういうカタログ、めくってるだけでも楽しいね。
ただ、灰羽が使っていいのは人のお古だけだから、買えるものは少なそうなのが残念。
消耗品は、ああ、よかった、置いてあるみたい。
ええと、入り用なのは二階の廊下んとこの電球でしょ。流しの石鹸に、あ、煙草も補充しと
かないと。ん? 高級葉巻?

トルコ巻きのトレンドね……。
いや、吸ったことないけど、これはパス。
あたしがライターの火をやたら大きくして、葉巻くわえてぶはーって煙吐き始めたら、一体
何事だって感じだもん。
似合わん似合わん。いつものでいいや。
(煙草に火をつけようとして)

あれ、ライターのオイル、切れてんな。……ちぇっ、換えもだ。
これも買い物メモに追加して、それじゃ冷やかしがてら、行ってきますか。


そういや、画材も扱ってるみたいだし。絵の具も見繕って来よっかな。
アイボリーブラック、それとテラローザがあると助かるんだけど。

後あれば、クリムソンレーキ。

371 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/10/14(金) 02:29:30
(レキの日記より)


(ヤマハのマグザムっぽいスクーターのスケッチ)

っていうか、こんなの描いてる場合でもない訳で。


いつもいつも、返事がとても遅れてしまって、ごめんなさい。
ごめんなさい……。

372 名前:名無し客:2005/10/15(土) 16:35:56
ぺったらぺたらこ。
しろいしろい、とーろとろ。

最近は「とうふ」と言っても、「たくさん栄養のある豆の加工品」という事で
「豆富」と記す事も多いのだとか。
こちらでは豆富料理を売りにした居酒屋も結構な数ありますし、豆富の
カクテル(!)まである始末です。

カクテルはさておき、空も月も綺麗な今日この頃。
レキさんが豆富と一緒に飲みたいお酒と、シチュエーションを教えて下さい。

373 名前:名無し客:2005/10/15(土) 21:55:22
あ、あのう…
レキさん? なんだかいつもと違う、でっかいスクーターを転がしてるのを見たんですけど…
買っちゃったんですか?
すっごいなぁ。灰羽手帳何ページ分で手に入るんだろう?

でも、あれくらい大きいと2人乗りも買い物もらくちんかもしれないですね。
前のはなんだか辛そうな音で走ってたし。
でもまぁ、おっきいのとちいさいの。 適材適所でこれからも頑張っていただきたいものですなぁ。

374 名前:名無し客:2005/11/06(日) 18:16:55
今日本の近海では個体によっては1.5メートルにもなるような巨大クラゲが大発生し
漁業被害が相次いでいます。
中には早々に今シーズンの操業を打ち切ってしまったところもあります。
魚好きな私としては今後魚の値段にも影響が出るのではないかと心配しています。
ところでレキさんは魚を食べたことはあります?
グリの街における主要な蛋白源っていったいなんでしょう?

375 名前:名無し客:2005/11/06(日) 20:45:59
いよいよ寒くなってきました。
街では鼻をすする人、咳き込む人がちょろちょろと見られ、風邪のシーズン到来です。
グリの街は突然に冬が訪れる為、灰羽一年生は必ず風邪を引くと聞きます。
レキさんも灰羽としての初めての冬は、やっぱり風邪引いたんですか?
また、早く風邪を治すコツって何かありますか?

376 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/11/12(土) 03:22:39
ひと月近く、ご無沙汰してた。
待ちぼうけを食わせちゃってたお客さん達には、頭を下げるだけしか出来ない。
その上で、あたしはあたしに出来ること、やれることをするだけ。


>>372(同音異字・酒・肴)
う。
うう。

なんか、その文句を聞くと、頭の隅っこの方がずきずきするような、むずむずするような、
しむしむするような、そういう訳のわからない気分になっちゃうから。頼む。
や、やめて。


で、豆腐の、いや「豆富」の話ね。
しっかしカクテルと来たか。……ちょっと想像できんけど、豆乳みたいな代物なのかね。
まあお酒は、あたしはそれほど飲む方でもないから。何ていうか、格好いい飲み方みたいな
のには自信ないなあ。

ただ、豆富には米から作った酒なんか合うんじゃないかと思ったよ。
料理にも使えるんで買った、外の世界の。割りと飲みやすい、すっきりした味だから。
その酒を飲むとしたら、そうだなあ。――雨の日なんか、いいかも。

雨音って、長い間聴いてるとごく自然に耳に馴染んでるものじゃない? ふと気づけば慣れ
ていて、そこにあるのが当然になってる。
酔うのと似てるね。飲み始めた時、っていうはじまりは規定出来ても、この瞬間に酔いが回
り始めたって断定は出来ない。なのにいつの間にか自分の中にあるでしょ。

シチュエーションは、あえて薄ぼんやりとした雨の日がいい。
水の底みたいな雨ふりの日に、ぽつりぽつりと豆富をつまみながら、お酒を少し。
その内、雨音と酔いがどっちが先にやって来たのか、よくわからなくなってくる。そんな軽
い混乱を楽しんでみるのもいいんじゃないかな。


そんなところ。
これで「ギムレットには早すぎるね」とか、気のきいた台詞の一つも用意しておけばいいんだ
ろうけど、あたしの柄じゃないからなあ。そういうのは、止めとく。

377 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/11/12(土) 03:25:25
>>373(ファイアスクーター)
あららら、見られてたか。
(ttp://www3.famille.ne.jp/~hirobe/Frame01.htmlの十月十四日辺りを参照してみましょう)

――買っちゃいました。一応中古品で、灰羽でも大丈夫だったんで。
いや、久々に大きい買い物したなあ。手帳の先月分の残り、全部はたいちまった。
確かに荷物がたくさん載せられて、そこはすごく便利だよ。
ただやっぱり、というか……急に大きいサイズのを運転しようとするとさ、これが中々難しく
て。ちょっと怖いから、そろりそろりと慣らしてるとこ。
早くちゃんと乗り回せるようになって、堂々と後ろに誰か乗っけたいね。

でも前のやつも、まだまだ十分動いてくれるから。あっちはあっちで大事にしないと。
大事にすれば、した分だけはきちんと応えてくれるものだからね、機械は。そういう所は、
何だか素直でいい。よしよし愛いやつめ、っていう感じで。


そういや、クウがなあ。――いや、昔みたいに勝手に動かして事故っちゃったりじゃなくて、
もう堂々と乗り込んじゃってさ。
いや、流石に停車させてる時ね。新車のシートの上に、変てこなポーズでまたがるっていう
か何ていうのか、ともかく乗っかって「胸のエンジンに火をつけろ♪」とか、意味不明な叫び
を上げやがって。
叱ったら、「若さって振り向かないことだよっ」って素っ頓狂なこと抜かすんだ、これが。
いや、振り向けよと。あたしの方を振り向いて躊躇えよ。

それ見たちびどもが、また早速感化されちゃうときた。
「あばよ涙」だの「よろしく勇気」だの、みんなで決めポーズらしきものキメキメ。
もう訳わからん。どうやって止めさせたらいいんだ? 全く……。

378 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/11/12(土) 03:27:16
>>374(魚・肉・グリの食生活)
「海」っていう言葉自体は、海のないこの街の人間でも知ってる。
それはあくまで言葉の上でだけ。でも灰羽は、実際に海を知ってるのかもしれない。
生まれる前の、外の世界でのことを憶えてる――のかどうなのか。
じっと記憶を辿ろうとすると、すぐどこかに消えてしまうつかみ所のない感触だけど、潮の
においや波の音なんかをね、体験したことがある気がするんだ。

ただ、そんなお化けみたいなクラゲの記憶は、少なくともあたしにゃないけども。
一メートル以上って、それでかすぎだろ。そりゃ魚も食われて減っちゃうよな。


魚を食べたこと? もちろんあるよ。今晩のおかずはニジマスのムニエルだった。
ああ、確かに海はない街だから、魚にも縁がないみたいな印象があるのかも。でも河や沼で
魚を獲ったりも、ささやかながらしてるしね。
それに海の魚介類は、時々トーガが持ち込んだりする。こっちはそう頻繁じゃないけど。

動物性蛋白ってことだと、農業地区には牛や豚、それに鶏もいるから。
あと植物性でいうなら豆や穀類か。こういうのもそっちの方で作ってる。
主要なといったらやっぱり、街の外からもたらされるものより、内で生産されるこの辺りの
食べ物になると思う。

例えばうちは、農家で産みたての卵を買っててね。これが美味しいの、本当にぴちぴちで。
壁に囲まれてる街だけど、中の食生活はそう貧しくもないんだ。意外かな?

379 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/11/12(土) 03:29:40
>>375(風邪)
初めての冬どころか、今も引いちまってるんだよね、風邪。先週から治らなくて……失礼。
(ぶぶーっと鼻をかんで)

ふう。――うん、こっちの冬は急に来るんだ。
冬になるのはとても速いよ。壊れ物を落とした時みたく、あっと思ったら、ひゅうすとん、
って具合。
もう暫くしたら、雪がちらつき始めるだろうな。

どうしても油断があって、初めの冬は風邪引いちゃう灰羽が多い訳。
そ、あたしも初めての冬には風邪引いたなあ。冬服を見繕わなきゃって思ってる内に、思い
っきり。
おまけにこじらせて寝込んじゃってさ。ああいう時って、世の中全てが敵意悪意むき出しな
気がして、えらくめげたりしたもんだった。
まあ、看病してくれたクラモリは別だけど。

んー……。ちょっと寒気がする。風邪、ひどくなったかも。
そうだ、さっき話したお酒を使って、卵酒でも作ろっかな。
そういうあったかいものを飲んで、あったかくして寝る。――風邪の対処法って、実のところ
これ位しかないんじゃない?

じゃ、その最強にして唯一の対策をとるので、おやすみ。

380 名前:名無し客:2005/11/12(土) 03:37:15
ところでレキさん。


……ヒョコさん、元気にしてます?

381 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/11/17(木) 01:50:01
>>380(思慕・邂逅・春にして君と離れ)
――え?
(思わず口から落っことした煙草を、危うくキャッチして)

うわっとっと、あちちっ!
……あ、いや。いきなり妙な名前を聞いたから。


ヒョコ、ね。
くたばったって話は聞かないし、多分生きてるんじゃない?
あのバカには会ってないから――よく知らない。悪いけど。
 

382 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/11/17(木) 01:51:32
(レキの日記より)


今日、ヒョコに会った。

私は廃工場のある東地区に、奴はオールドホームのある南地区に、お互いが立ち入りを禁止
されている。だから偶然顔をあわせる時は、大抵が街中だ。
今日もそうだった。
買い物の途中、大通りでばったりだ。こういう時、なぜだか口喧嘩になる。
今日もそうだった。

あんまり腹立たしいので、その時の会話を抜書きしておく。
誰が見てもあいつが悪い。開口一番にこうだもの。


「……何だよ」
「……何が『何だよ』、だよ」
「こんな所で何してんだよ」
「歩いてんだよ」
「んなことは、見りゃわかんだよ」
「だったら訊くんじゃねえよ」
「何ぃ!」
「何を!」


一目瞭然で、あいつが馬鹿に間違いない。
馬鹿め。

383 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/11/17(木) 01:53:12
>>382の続き

何が「氷湖(ヒョウコ)」だ。あいつにそんな小洒落た名前、似合うもんか。
あんなのは、「カエルひょこひょこみひょこひょこ、合わせてひょこひょこむひょこひょこ」
の夢を見たからヒョコです、ぐらいでいい。

大体、あのリュックと帽子は何だ。
羽と光輪を隠して、普通の人になりすましてナンパでもするつもり?
無理無理。あんなバカチン灰羽に振り向いてくれる女なんか、いる訳がない。

そういえば、あいつがああいう格好をし始めたのは、五年前からだった気がする。
あの時――私達が別れて以来。


クラモリを失い、ばらばらになりそうだった私を、ヒョコはつなぎ止めてくれた。
私達が駆け落ち――違うかもしれないが、他に言葉がない――したのも、あいつが私の手を
引いてくれたからだった。
その挙句、私達は自警団に捕まって互いの住む地区への往来を禁じられたし、あいつは受け
る必要なんてこれっぽっちもない罰を受けた。私の身代わりに。


馬鹿だ。
やっぱりあいつは、大馬鹿だ。

384 名前:名無し客:2005/11/20(日) 23:19:36
とか何とか言いつつも、ヒョコさんが気になってたまらない、に10灰羽。

出掛けていて、そして家に帰ってくると、ほんの十分足らずでも
家の香りや暖かさにほっとします。
冬なんて特に。
やっぱり「自分の居場所」って大切なんだなあ、と思う事しかりです。
レキさんにとっての「自分の居場所」って、やっぱりオールドホームですか?
それともグリの街全て?

385 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/11/27(日) 17:56:53
(レキの日記より)


自分のものは、人は自分の力で自分のものにする。
「居場所」もそうだろう。私はここを「自分の居場所」にしようと――している。

ここ、つまり私が絵を描いている部屋だ。
心が安らいだりはしない。そういう、何ていうか自分を肯定する場所ではない。
否定でもない、今の所は。私は問いかけているに過ぎない。
答えを得られた後で、肯定するか否定するか、それはわからないけど。

ただ絵筆をひと刷けするごとに、どこへも辿りつけない想いは昏く、澱んでいく。
この部屋は、そんな繭の夢のかけらで覆い尽くされようとしている。


確かにこの部屋は私の「居場所」だ。
でも、ああ答えたことだって事実なのだと思う。
そう、願う。

386 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/11/27(日) 17:57:58
>>384(故郷の空)
みょ、妙ちきりんな通貨でなに賭けてんだ!
たまらない訳ないだろ、ヒョコとは別に何でもないんだから! あいつのことなんか、一昨日
の夕飯の献立程度にどーでもいい!


ったく、もう……。で、ああ、うんうん。そういうの、わかるなあ。
誰だって、やっぱり我が家が一番落ちつくでしょ。思い切り伸びをできたり、よそ行き用の
顔をしなくても済む場所だもの。
ありのままの自分でいられる「居場所」ってやつは、大事にしたいよね。

そうだね、あたしの「居場所」は、お察しの通りオールドホーム。
グリ全体をあたしの居場所っていうのは、少し広すぎるよ。特に縁のない場所が多いし。
その点、一番大切な「縁」がある所だからさ、ここは。
――皆がいる、オールドホームのゲストルームはね。

387 名前:名無し客:2005/11/27(日) 18:53:25
先日ロイヤルウェディングが執り行われました。
皇室から民間へ嫁いだので結婚式当日までは宮様、宮様と報道されていたのが
翌日からは○○さん、○○さんと見事なまでに切り替えられてました。
まさに様変わり。
冗談はともかく、レキさんは結婚なんて考えたことあります?
たとえば南地区のひょk・・・うわ、何をするくぁwせdrftgyふじこlp;

388 名前:名無し客:2005/11/30(水) 01:43:26
――レキさんは「過ぎ越しの祭」の為に、黄色いナニかを用意しているに違いない!


……あ、いえ。ゴニョゴニョゴニョ。
し、失礼いたしましたー!

389 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/12/01(木) 02:24:05
>>387(契り・はいばね男塾・添う人)
キック! アタック! 電光パンチ!

(拳にこびりついた血糊を静かに拭いつつ)
その若さ、いつかあんたを殺すぞって――前に、そう忠告したじゃないか……。
あれ、したっけ。まあどっちでもいいか。


それにしても、宮様っていうのは王族なんだよね? つまりはお姫様だ。
そういう階級って、実際にあるんだなあ。いや、お話の中でしか知らないからさ。
でもその人、何だか苦労しそう。普通に結婚するのだって大変だろうに、そんなに自分を取
り巻く環境が違っちゃうんなら。

私はといえば――いや、結婚なんて考えてない。全然。
大体、結婚した灰羽ってのは聞いたことがないよ。別に「年長組の生きざまは、色なし恋な
し情けあり」なんて仕来たりはないんだけど。
そういう年齢に落ち着く前に、きっと皆いなくなってしまうんだと思う。
良い灰羽には、巣立ちの日が訪れるから。
その点、私の場合は――どうなるんだか、ね。

それならそれで、嫁かず後家のまんま、ずっとちびどもの面倒みるのもいいさ。
そりゃまあ……一度は花嫁衣裳に袖を通してみたいとはさ、思わないでもない、かもしれない
ケド。
こういうことは、何しろ相手がいないんじゃしょうがない。

ふん。

390 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/12/01(木) 02:25:10
>>388(告白)
ちょっと、こっち向いて。……いいから、黙って。
(そっと>>388の頬を両手で挟み、じっと目を見つめながら)

いい? 一度しかいわないからよく聞いて。
確かに過ぎ越しの祭の時には、ただ鈴の実を贈るんじゃなくて、その実と同じ色のプレゼン
トをして気持ちを伝えるっていう、そういうやり方もある。
赤や白の贈りものをする人は大勢いる。もちろん、黄色のだって。
でもあたしには、そんなメッセージを贈る相手はいない。
だから用意してるナニなんてないし、ナニもしない。
この理屈、ワカル?

わからないのならば、あたしはこの手をちょっと上にずらして、あなたのこめかみに梅干し
をかます。
……わかるね。そう、それでいい。ありがとう。

391 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/12/01(木) 02:26:46
(レキの日記より)


これは純然たる嫌がらせだ。それは間違いのないことだ。
甘いもの嫌いなやつに、お菓子を贈る。そういう行為の中に、その手の感情なんかこれっぱ
かしも介在しないことは断言できる。
ありはしない。ないったらない。


過ぎ越しの祭りの日、あの馬鹿に渡すとしたらレモンパイがいいか、スフレがいいか。
悩むのはそこだ。

392 名前:名無し客:2005/12/03(土) 15:06:36
ひぃぃ、梅干しはやめて、やめて下さい、やめてくださぁぁいぃぃ。
(そっと「茶色いナニか」を渡す)

……そ、そういえば、冬になると羽袋してますよね。
羽から感じる暑さ寒さって、肌で感じるものとは違うのでしょうか?
羽の一本一本から寒気が吸いついてきて、ぞわぞわぞわ〜って感じなのかな。

393 名前:387:2005/12/04(日) 18:41:18
(むっくりと起き上がって)
レキさん、レキさん
言葉で否定しても態度に表れてますよ。
今までずっと停滞気味だったのがこの話題になってから
反応速度が桁違いに速くなってる。
というわけでレキさんはツンデレであると認定します。ポン

394 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/12/11(日) 17:43:47
>>392(羽袋・さむけ・遮断)
ん、これは茶色――鈴の実でいうと、あれじゃないか。
オッケー、その心、確かに。
(そそくさと茶色い「ごめんなさい」なナニがしかを懐に入れて)


あ、ああ、羽袋。してるね。暫く前から、出かける時にはつけてるよ。
羽で感じる寒さは、確かに肌とは少し違う。吸いついて来るっていうより、幾分シャットさ
れてる感じ。
寒いことは寒いんだけどね。ぞわぞわまではいかなくて、少し鈍い目っていうか。
人間でいったら頭の、髪の毛の辺りを想像してくれれば近いんじゃないかな。

羽毛って、寒さを防いで寄せつけないものだからさ。
まあ、あたし達の羽はそんなにモコモコしちゃいないにしろ、それでもね。寒さ避けの層が
一つあるとないとじゃ、やっぱり違う。
冬を迎えるには、羽が生えてて助かるって思うよ。まあその分、夏はちょっと蒸しちゃうん
だけど。

……待てよ、最初から羽がなかったら、いらん暑さ寒さを感じることもなかった訳で。
うーん。何だか卵が先か、にわとりが先かみたいな話だな。

395 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/12/11(日) 17:45:25
>>393(冷静と情熱のあいだ)
こ、こら、「これが結論」な感じで手を叩くな! 納得する人が出ちゃうじゃんか。

ていうか、意味がわかんないんだけど、なに、つん――でれ?
わけはわからないなりに、なんつーか大分前に聞いた「萌え」とかいう言葉と近い雰囲気が、
すごくするぞ。どうもロクな意味じゃないっぽい……。

語感からいって、何だか略語くさいな。
だとすると「ツン○○○○○デレ○○」みたいな意味が最初にある訳だから、この○○を埋め
れば解読できるはず。
略して「つんでれ」になる言葉。……うーん。


「つんと鼻にくる体臭のデレゲーション(代表団)」。いや、風呂入れよ。
「ツングースカじこみのデロレン祭文」。ふしぎミステリーありすぎ。
「つんのめらずにデスマッチボレロ」。……畜生、想像力を発展させる方向を見失ってる。


わかったのは、個人の力には限りがあるってことだけか。
なので物知りな人たちの話に耳を傾けて、知恵を拝借してみよう。
(→を参照 http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1112104777/159

こういう意味かよ。
ツンツンて……あたしが? そりゃよっぽどのバァッタレ相手の時だけだろ。
それに百歩譲っても、でれりこでれりこイチャツキなんざせんっ。
と、ゆーことで結論。
(ぴぴっと煙草を突きつけて)

あたしはツンデレじゃない。
よって認定はさっくり取り消し。悪しからず。

396 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/12/11(日) 17:47:54
>>395の続き

――あ、ラッカ。お帰り。
外、寒かったでしょ。気をつけないと風邪引くよ。
って、いってる側から顔、何だかちょっと赤いな。熱あるんじゃない?
こっち来て。おでこくっつけて熱計る。……んー、一応大丈夫みたいだね。
でも予防が肝心だから、すぐレモネードでも作るよ。ストーブのとこ行ってな。
その前に、ほら、背中向けて。羽袋取ったげるから。


な、何だよ。
こういうのはデレデレとはいわないだろ! 別に普通のことじゃんか。
大体ラッカにツンツンなんかしやしないし……もう、へんな言葉でくくるなっての!

――ああいやラッカ、こっちの話。なんでもない、なんでもない。

397 名前:名無し客:2005/12/12(月) 21:10:05
HEY!
 カ〜ノジョ〜
  オチャしな〜い?

398 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/12/17(土) 18:42:22
>>397(誘い・仕来り・お断り)
おー、これがナンパか。なるほど、こういう風にするものなんだな。
いやね、珍しいっていうか、そういうのされた経験、あんまりないもんだから。

折角だけど、お誘いは受けられないな。
なぜかというと、とりあえずこの街には、人間は灰羽とあまり深く関わっちゃいけないって
いう仕来りがあるから、が一つ。
別にそれで差別されたりは全然ない、むしろ逆かもしれないけど。
なんで、あなたもこういうことは止した方がいい。ナンパにしろ何にしろ。

より重要なもう一つは――例えあたしが普通の人間でも、この手の安い誘いにほいほい乗りゃ
しないってこと。
あなたが見積もってくれたのよりは高いと思うよ、あたしは。少しばかりね。


見てると随分バイタリティがあるじゃん。手当たり次第に粉かけるどころか、前後左右に撒
き散らしてるみたいだし。
そういう調子でアタックしてったら、誰か一人位はつき合ってくれる人がいるかもね。
多分。
(去り際にポンポンと肩を叩いて)

ま、がんばんな。

399 名前:名無し客:2005/12/18(日) 20:10:27
その年一年を表す漢字として今年は『愛』が選ばれました。
>387でも紹介したロイヤルウェディングや
主にスポーツ界で「アイ」という名前の女性選手たちが活躍したことが
選ばれた理由となっています。
レキさんの今年一年を漢字一文字で表すとしたら何になりますか?

400 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/12/24(土) 02:56:46
冬が寒いのは毎年のことで、当たり前なんだけど、それにしても最近えらく冷えるなあ。
街へ働きに行ってるネム達は、行き帰りがほんと大変だ。こういう時は、家にいられるのが
つくづく有り難いよ。


>>399(今年の一字)
ふうん、一文字で一年を表現なんて、随分シンプル・イズ・ベストな企画だね。
で、『愛』かあ。中々いい字が選ばれたみたい。
こっちもやってみるとなると……。これ結構難しいな。

んー、『久』とか。
「久し振りになっちゃってごめんなさい」なんてことばかりいってた気がするから、っていう
のは――いかんいかん、後ろ向きすぎだよな。
そもそも今だって久し振りみたいなもんで、余計にいかん。これはやめ。

そうだね。それじゃあ、『会』。
今年は色々な人、それもグリの街じゃお目にかかれないような人達に会えたからさ。
出会いっていう縁を大切にしたい、そういう気持ちをこめて。

いや、妙なのも割といたけどね……。

401 名前:◆xRtREKI.VQ :2005/12/24(土) 02:57:50
(レキの日記より)


『会』の字は、古い読みで「たまたま」という意味もあるらしい。
と、さっき調べて知った(私の今年一年を一字で表したら、なんて聞かれてこの字と答えた時
には知らなかったのだが)。

これはこれで。今年という――私がラッカの繭を見つけた年を表すには、合っているかもしれ
ない。
何であれ、はじまりがそうであるように、私達はまさに「会(たまたま)」会った訳だから。


私がラッカの繭を最初に見つけたこと。それは偶然だ。
でも、その後に続く想いは、そんな不確かなものじゃない。
ラッカを大事に思うのは、そこにいたからとか、誰でもいいからではなく、それがラッカだ
からだ。
しかしその想いを――この字のもう一つの古い読みのように、私は信じられるだろうか。
汚れ、ねじ曲がった私の心が信じてもいいのだろうか。


「会(かなら)ず」、と。

402 名前:名無し客:2005/12/25(日) 18:41:23
レキさんの一年を漢字一文字で表すと、『会』。
何だかいいなあ。
来年もレキさんに素敵な『会』がありますように。
それが『たまたま』であってもレキさんの良き記憶に留まりますように、と。

それでは、今年あった印象深い『会』について、ちょっと語っていただけませんか?

403 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/12/30(金) 03:15:06
>>402(ゆく年・くる年・STAND BY ME)
はは、ありがと。
お互い来年も――そう、来年「も」、より素敵な出会いがあるといいね。

印象深い『会』は、これは今年には限らないけれど、うちに来てくれるお客さん達と過ごす時
がまず浮かぶなあ。毎週のように足運んでくれる誰かさんを筆頭に。
あ、すまないけど、その誰かさんに伝言頼める?
いつも来てくれてどうもありがとう、って。……お客さんを代表して、これと一緒に、ね。
(赤い鈴の実を手に握らせながら)


その他に印象に残ってる『会』というと……ああ、こんなことがあった。

夏になる前だったと思う。朝、みんなのごはん作りにゲストルームに行った時。
ラッカはまだ寝てて、他の連中も来てなかった。とりあえず一服しようかと思ってベランダ
に出た。そしたら先客がいたんだ。
手すりの所に烏が一羽。

烏特有のふてぶてしさで、あたしが傍で煙草に火をつけても全然動じないんだね、これが。
何でこれが印象に残ってるかというと、その烏、部屋の中をじっと見てたから。
部屋というより、ベッドですやすや眠ってるラッカの方を。
黒い瞳――黒であることすら忘れそうな程深く黒い瞳で、あの烏はラッカを見つめてた。

そのへんな烏と一緒にラッカの寝姿を見ながら、しばらく煙草吸ってたよ。
そうこうしてる内、烏は何かを思い出したみたいに飛んで行っちゃった。


誰かにこの話をするの、実は初めてなんだ。
その日の朝ごはんの時にも、その後も、何となく言いそびれてた。
何故だかは自分でもわからない。――なぜだろうね。

404 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/12/30(金) 03:17:03
ええと、年末の買い物は全部済んだし、大掃除もつつがなく終了してるし。
後は過ぎ越しの祭りを待つだけか。……もっとも当日の晩餐の支度、これがまた最後の一仕事
なんだよなあ。

さて。今年も色々とお世話様でした。
それじゃみんな、良いお年を。

405 名前:名無し客:2005/12/30(金) 20:54:13
もういくつ寝るとお正月。
お正月といえばおせち料理。
まめに暮らせるようにと黒豆とか、子孫繁栄の数の子とか、豊年豊作祈願の田作りとか、
縁起のいい料理を集めてみました、という振りをして実は日持ちのいい料理を作り置きしておいて
お正月はのんびり過ごそうという生活の知恵だとかなんだとか。
というわけでグリの街にはお正月の定番料理とかってありますか?

ところでさっきある人から赤い鈴のみを預かったのはいいのですが、
今年会えた妙なのって言うのは
メガネっ娘萌え〜とか、ツンデレ、ツンデレとか騒いでいた人のことですかっ!? ≡≡≡=- σヘ( `Д)ノ  ウワァァァン!!
                                              ≡≡≡=-   ( ┐ノ
                                              ≡≡≡=- :。;  /
       (((σ

406 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2005/12/31(土) 18:59:22
さて、晩餐の準備は大体済んだし、そろそろ皆で街にくり出さなきゃ。
あっちこっちの知り合いに、鈴の実を贈りに行かないとね。


>>405(幸福な食卓)
街の人達の食卓を覗いたことは、あまりないけど……そんなに特別な料理が並ぶってことはな
いんじゃないの、うちと同じで。
まあちょっと豪華なメニューにはなるよ。前日の過ぎ越しの祭り、つまり今日の晩餐のお残
りがあったりするから。
一応お祭りの日の献立で、鳥の丸焼きとか珍しい魚介だとか、そういう品が翌日も並ぶ訳。

ああ、日持ちのいい料理で……っていうのはわかる。すごくわかる。やっぱり新年の初めか
ら台所でばたばたしたくないのは、どこも同じだね。
あたしはテリーヌやゼリー寄せを作ることが多いかな。他にはパウンドケーキとか。
にしても結構語呂合わせにこだわるんだ、外の世界は。前にも聞いたけど、面白いなあ。


時に、おいおい、妙な奴の正体を追及したいの? 真実の探求はほどほどにしとかんと、自分
の身を滅ぼしちゃうぞー。
……おっと、そうこうしてる内に、もうすぐ過ぎ越しの祭りが始まるじゃないか。
前に>>207でいった通り、今夜は静かに過ごさないといけない仕来りだから。
(立てたひとさし指を口元に持っていき、>>405が置いていった茶色の――「ごめんなさい」の
鈴の実をころんころん振りながら)

沈黙、沈黙。――思いやりをこめて。

407 名前:名無し客:2006/01/01(日) 02:28:43
またひとつトシが刻まれた…ッ!

408 名前:名無し客:2006/01/04(水) 02:04:11
「過ぎ越しの祭り」のとき、壁から何が聞こえてきましたか?

409 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/01/07(土) 18:46:28
ちょっとばかし遅くなったけど、新年おめでとう。
今日も今日とて是好日、なオールドホームを今年もよろしくお願いします。
(ちょっと咳をしながら顔をしかめて)

……いや、コーヒーをね、朝飲んで昼飲んで夜も飲んでたら、何だか胃がもたれちゃって。
どうも気分がすっきりしないな。カフェオレでも飲むかな。


>>407(年輪・時間・不可逆)
そうだね。一年が終わって、また一年が始まった。
動いた目盛りは一つで単位は年。

時の経過って、考えてみると不思議だよなあ。
一分一秒、気づけば一日ですらぽつぽつと垂れ続ける水滴みたいに過ぎていって、痕も残さ
ないように感じられるのに、何時の間にか一年が溜まってる。
でもやっぱりそれは、「時間」全体からすれば瞬く間のことで、「刻まれた」その印しはすぐ
に新しい時間の連続の中に埋もれていってしまう。
ただ過ぎ去ったこと、もう戻らないことがわかるだけ。

――何となく、この言葉を思い出したよ。どこかの音楽家がいったんだそうだけど。


『あなたが今、耳にした音楽は空中に消えて、再びそれを聞くことはできない』。


その“今”は、永遠に掴まえられない“今”だね。

410 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/01/07(土) 18:47:48
>>408(イエスタデイをうたって)
いつもの年と同じだったよ。
やわらかい光と、ほのかな囁きの混じり合った音みたいな、雰囲気そのものみたいな……そん
な何かが伝わって来る。


街の壁は、祭りの晩の真夜中になると青白く光り出す。
その一年の間に受け止めてきた人々の想いを、静かな光に乗せて空に返す働きなんだって、
そういわれてるんだ。
この時間になると、街の人達は高い所からそれを見物するのが習わし。
うちらは揃って風の丘に行って、あそこから眺めることにしてる。
今年もいよいよ終わりだな、と思いながらあの光と声を眺めてると、何だかゆっくり深呼吸
したみたいに、とても落ちついた気持ちになるよ。

あの声みたいなものが何をいっているのかは、誰にもわからない。
一年間に積もった人の想いなら、中にはそれは悲しかったり、遣り切れなかったりした感情
もあったんだろう。
でも――あの光や囁きがそうであるように、最後にそれが帰ってゆくのは、穏やかな所なんだ
と思う。


いつもの年と同じように、壁はただそうやってそこにある。
去年も、おそらく今年も。

411 名前:名無し客:2006/01/08(日) 20:12:30
   |
   |Д´) カンガエテミタラ ミョウナノニ アカイスズノミヲモラエタッテコトハ
   |⊂  ミョウデアリガトウ ッテコトダヨナ・・・
   |



   ♪         コトシモ
♪    σヽ(`Д´;)ノ   モエー トカ
         (  へ)    ツンデレ ツンデレ トカ
          く       イッチャウヨ


     ♪       コトシモ
♪    σヽ(;`Д´)ノ  ミョウナシツモン
         (へ  )    イッパイシチャウヨ
             >


さて、新年の舞も踊ったところで、
こちらの今シーズンの冬はとても寒いです。
例年における1ヶ月分以上の雪が1週間足らずで降り積もってしまったりして
雪に慣れているはずの地方でも交通網に障害が出てたり、
さらには雪の重さで家屋が倒壊するなどの被害も出てしまいました。
オールドホームの雪対策は大丈夫でしょうか?
いや、オールドホームって・・・ってこのネタはもうずいぶん昔にやったっけ。

412 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/01/11(水) 02:24:07
>>411(雪・労働・遊び)
読み違いも甚だしいセリフの一部には目をつぶろう。
……つぶっていいんかな。ダンコ糾弾すべきか?
(ホームコメディのようにワハハ、ワハハと謎の笑い声が響く中、皆でぱちぱちと拍手)

……クウ、おひねりは上げなくていい。つーかうちらはお金持ってないでしょ。
なに、角砂糖? あー、それならよし。


しっかし外の世界も大変だなあ。夏は大水だの台風だので、冬は冬で大雪か。
家が潰れる程の雪ってとんでもないじゃない。こっちは自転車やスクーターを出せない位は
積もるけど、いくらなんでもそこまで降らないよ。
ああ、愛車はとっくに冬眠させてる。街へ出るのが大変で困るよ。

ご心配、あんがと。取りあえず、うちで雪対策っていったら雪かき。
出入り口の通行が出来るよう、その辺りをざっとやるんだ。全員総出でね。
それと平行して、物置とか出来る範囲の雪下ろしかな。梯子かけて、屋根に上って。
こういうの、結構な労働なんだよな。寒いのに汗かいちゃう。
そりゃ「遊びだと思えば重労働も平気だ」とはいうけどさ。

まあちびどもは、雪だるまやカマクラ作りと直結してっから、ほんとに遊びでいいやね。
でも、あいつら中々上手く作るんだよ。見せてあげたい位。
特にあのボヨヨンとした、ふふふふ、おたふくだるまの造形ときたらもうそれは。
――や、や、ネム。呼んでないよ。
なんもいってない、いやマジ。マジで。

んー、そんな訳で、うちの陣地はお説の通りそりゃぼろい。
ぼろいんだけど、冬将軍の侵攻に負けるほどやわな砦でもない、という話。
……と、いうことにしとこ。しといて。

413 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/01/11(水) 02:25:03
しかし……まさか自分がおみくじの絵柄になるとは思わなかったよ。
流石に上手いこと描く人だと感心するやら、そういやこれ自分の姿じゃんと気づいて何だか
照れるやら。
何にせよ、とてもうれしい。
エントリーしてくれて、描いてくれて、本当にどうもありがとう。


……黒おみくじってとこは、妙な気分だけど。

414 名前:名無し客:2006/01/11(水) 09:59:19
羽……
ふかふか〜(目つきが怪しいです)

415 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/01/14(土) 22:19:37
>>414(秘密のハネ園)
う、うわっ! 急に至近距離に、しかも背後に入ってくんな!
――っていうかヤバいな、この目は。
普通じゃないよ。原子番号七十の元素が、光になって出そうな位ヤバい。

よし。……いや、全然よかないけど、よし。
放置だ。


わ、悪いかよ。だっていきなり「羽、ふかふか」だぞ。
あのなあ、普通の女の人に置き換えてごらんよ。いきなり「ちち〜」とか「太もも〜」とか、そう
いうことをそういうピンク色な声でいえるか? いえるんか?

大体、羽のふかふかした感触を味わおうと思ったら、相当密着しないと無理でしょうが。
――させろ、という含み? 冗談。
あたしの羽はあたしので、別にあんたの植民地でも何でもないんだから、そうそう好き勝手さ
せらんないっつーの。
わかった? わかったなら、口でウンウンという前後にマムといえ!

……結局放置しきれなくて、こんこんと相手しちゃったなあ。
やれやれだ。

416 名前:名無し客:2006/01/17(火) 01:27:51
きゃあ〜、灰羽ちゃんよ! ほら見て、あのふかふかした綺麗な灰色の羽!
ウッソー、やったぁー! いいもの見ちゃった!
今日一日、なんだかいいことありそう! ラッキー!



なんて言ってはしゃぐ女の子たち。
……レキさん、本音ではどのように思ってますか?

417 名前:名無し客:2006/01/17(火) 12:33:51
最近不審者が多いようなのでプレゼント。


つ【スタンガン】

418 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/01/21(土) 22:32:21
よくふるなあ、雪。
こんな遅くになっても、まだ止みやしない。この調子だと明日は雪かきかな。


>>416(幸運・いえないこと・壺の子)
――いや、本音トークとかいわれても。
なんか照れくさいなって位で。

灰羽の数は、この街の人口から言ったら全然少ないからね。街の人達も、毎日灰羽の姿を目
にしちゃいないだろうし……それに灰羽は街と壁に祝福された存在だから、見かけると縁起物
みたいに喜ぶ人も多いんだ。
街中を歩いてると、卵を割ったら黄身が二つ入ってた時みたいな、あれっていう目で見られ
たりするよ。
あたしもこの前、正にあなたが例に挙げたみたいにはしゃがれたこと、あったっけ。

そういうのは、うっとうしいまではいかないけど、ちょっとくすぐったくはあるかも。
大体が、本当に幸運をもたらす力みたいなのは、あたしら持ってないでしょ?
何かこう、経歴詐称してるみたいでさ。気がとがめるっていうか、何ていうか。

別に自分で言いふらしてる結果じゃないし、まあ――いいんだけどね。

419 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/01/21(土) 22:33:29
>>417(専守防衛)
あ、ああ、そりゃどうもありがと。
っていうか、何の道具なの、これ? ……うわっ、バチバチ火花が出た!
あ、あっぶねー、これでやっつける訳か。また物騒な道具もあったもんだ。

んー、ご厚意はありがたいんだけど、戦備増強としては過剰気味じゃない?
少なくともこの街では。
不審者っつっても、こんなので応戦しなきゃならないのはいないもの、今の所。
そりゃ力なき正義は無力だろうけど、こういう代物って、正義なき力イコール暴力に直結し
そうな気がする。


でも折角の親切を無下にしちゃ悪いし、一応頂いとこうか。
ちびどもの手の届かない所に仕舞っとくよ。使う日の来ないことを願って。
……あ、ちなみに新品じゃないよね?

420 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/01/21(土) 22:34:41
(レキの日記より)


はしゃがれている、その時は平気なのだ。
奇麗な羽とか、いいことがありそうとか、そういう言葉にも笑って応じられる。空疎な笑顔
は何にだって耐えられるから。
その後で部屋に一人、今みたいに誰にも見せない絵を描いていると、駄目だ。
クラモリが行ってしまった後のような気持ちになる。


昔読んだ物語の一節に「人間は壺と同じで中身が見えない」ってのがあって――つまり、壺は
かたむけて初めてその中身がわかるように、人もその人が行ったことで、どういう魂の持ち
主かがわかる、っていうような意味だったと思う。

皆、壺の外見だけを見ている。
中に汚い水が湛えられていることなど、気づきもしない。
――いや、それは当然か。
何しろ私は、自分で自分の壺の色を塗り替え、ごまかしているのだから。


私は、あなた達の罪のない祝福を受けられる程、きれいな存在じゃない。
呪われていて、汚れている。罪人だ。
だから、だからそんな目で見ないで。そんな言葉を私に投げかけないで。

自分の胸を抱きしめ、そんな叫びを心の底に仕舞っておく時。
きっとこんな時、私の羽はまた黒くなるのだ。

421 名前:名無し客:2006/01/21(土) 23:06:19
芸術は残酷なものだと思いますか

422 名前:名無し客:2006/01/22(日) 00:02:44
イノセントな存在なんて在りやしない。
在るとするなら……そう、苦いペテンにかけることを至上命題とする、
何処ぞの詐欺師どもがそう言い張ってるだけだ。

ダーティ、故にイノセントであると考える事は出来ないだろうか。
漆黒に染まった、それは黒という名のイノセンス。
混じりけの無い、無限の闇を湛えるイノセンス。

それに比べたら、貴方は“白”い分、イノセントであると思いますよ。

423 名前:名無し客:2006/01/22(日) 03:37:49
他の誰かが使った「お古」を使わなければならないという灰羽さんたち。
「古いものは良いもの長持ちするもの」というふうに言われがちですが、
ときには困った事態になった事は、ありませんか?

424 名前:名無し客:2006/01/22(日) 18:10:41
か、かかか、角砂糖だとぅ!!
         \   ∩─ー、    ====
           \/ ● 、_ `ヽ   ======
           / \( ●  ● |つ
           |   X_入__ノ   ミ    そんな餌で俺様が釣られクマ――
            、 (_/   ノ /⌒l
            /\___ノ゙_/  /  =====
            〈         __ノ  ====
            \ \_    \
             \___)     \   ======   (´⌒
                \   ___ \__  (´⌒;;(´⌒;;
                  \___)___)(´;;⌒  (´⌒;;  ズザザザ

冬将軍には負けないですか。
でも油断は禁物ですよ。
こちらの世界では建築士が設計図をごまかして
ちょっとした地震でも壊れかねないような建物を
ポンポン建てちゃっていたことが明るみに出てしまい、大騒ぎになってます。
オールドホームの強度は本当に大丈夫ですか?

425 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/01/29(日) 04:31:53
>>421(芸術・投影・自己)
私に限っていえば、そう思う時もある。
もちろん、私が絵の具をいじりまわした結果を芸術と仮定するなら、の話。

詩や音楽、それから絵みたいな形式はどうであれ、芸術は自分を――それが内面でも外面でも
――投射するものだと思う。
そういったものを表すには、対話が必要なんだ。自分との対話が。
自分の語りたいイメージを誇張なく、自分の描きたいイメージをよりよい形に、整えたり、
すり合わせたりする話し合いの中から絵は生まれると思うし、私はそうやって描いてる。

残酷というのは、その自分が持ってるイメージを掘り起こす工程のことだよ。
それは、ありのままの私と向き合うことだから。
自分の心のかたちをなぞっていくのは――少なくとも、私にとっては辛い。とてもね。


誰に請われたわけでもないのに、自らそんなことを科させてしまう芸術は残酷なものだ、と
――確かにそんな風にも思う。
私が本当に描かなければいけない絵を描いている時は。

426 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/01/29(日) 04:32:21
>>422(罪の中の罪)
どうもこれは、褒められてるんじゃないみたいだね。――いや、別に褒めるの褒めないのって
話でもないのか。

無垢という意味のイノセンスに、色がどうとかは関係ないんだろう。
どちらでもいいんだ。黒でも、白でも。
他の色を知らないって、そういうことだと思う。

現実には、でもそんなイノセントな存在なんてない。
陽の光が照れば影が出来るし、夜の闇の中にも星や月は瞬いてる。
世界は混じり合って成り立ってるんだ。どこにだって、何にだって。
あなただって、私だって。

そう――私も、なんだな。
最初から白なら、それでよかった。黒一色だろうとね。
でも私は、どちらでもない。何色であってもイノセントなんかじゃない。
ただ、汚れているんだよ、私は。


あなたが最初にいった通り、『イノセントな存在なんて在りやしない』。そういうことさ。
そういうことなんだ。

427 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/01/29(日) 04:33:21
>>423(古物・トースター・リサイクル)
ま、時にはね。

例えばうちの電化製品は、いっちゃえばポンコツ一歩手前ばっかだったりするんだ。
何しろ中古品ばかりだし。調子が悪くなったり、故障したりはしょっちゅう。
で、こうなるとカナの出番だな。メンテナンスは、あの子の得意分野だからね。
……そういや、大分前に使ってたトースターはやばかったなあ。

ほら、上からパンを差し込むタイプね。焼きあがると、ぽんと飛び出るやつ。
朝食作ってて、ついスープやサラダの方に専念してたら、パン焼いてるのを忘れちゃって……
粟食ってトースターの前に駆けつけたら、焦げ臭い煙がモクモク噴き出してて。
おまけにいくらスイッチ押しても、パンが中でふんばって出てこないんだ。
しょうがないから、パンを長めのフォークで崩してかき出したよ。

トースト(になる筈だった消し炭)は流石に再利用できなくて、ごみ箱に葬った。
ついでにトースターも殉職扱い。まあ、火事になったりしないだけマシだったかも。


あと、困ったって程でもないけど、使えそうな小机なんか拾ってきたりするとさ、名前が書
いてあったりする時があって、こういうのは苦笑いしちゃう。
元の持ち主だって想像もしてないだろうな、自分の手放したものを灰羽が使ってるなんて。

これはひょっとして、だけど、あなた達が使ってた道具や機械も、トーガを通じてこの街に
もたらされていて……回りまわってあたしらが使ってたりしてね。
可能性がなくはない、よな。ふふ。

428 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/01/29(日) 04:34:23
>>424(廃域)
……思いっきり入れ食い状態じゃん。
クウが手で握っててべたついた角砂糖が、そんなにいいか?

ふうん、しかしま、随分ぐだぐだな話だな。
建物って、人が暮らしていく上でどうしたって必要で、かつ大切な要素でしょ。
それを扱う仕事をしておきながら、そういう杜撰な真似が出来るなんて、とてもじゃないけ
どあたしには考えられない。

そりゃうちも、あちこちガタが来てはいるよ。
北棟辺りの壁が壊れてる箇所があったりして、廃墟っていったら何だけど、うーん。
当たらずといえど遠からず、か。
でも、大きく壊れてるのはそこ位だもんなあ。
後はドアの立てつけが悪いとか、細かいのはなくはないにしろ、生活するにはそこまで深刻
でもないし。

人が手離して長い年月が過ぎた建物、そういう所が自然と灰羽の巣になる。
その年月をどうにかこうにか生き残ってきたんだから、基礎設計はしっかりしてると思う。
こっちは大して地震もないしさ。ご心配はありがたいけど、ま、大丈夫なんじゃない?

楽観的かな?
まあ万が一、何かあったら……下敷きになってミンナオダブツになるしかないか。

429 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/01/29(日) 04:35:27
(レキの日記より)


(オールドホーム北棟の、半ば壊れた壁のスケッチ)

すばらしい絵や詩、つまり芸術には英知が描かれてなくてもいいのだ、という。
それは英知の成果だから、と。


だとすると、私の絵は芸術にはならない――なれないんだろうな。

430 名前:名無し客:2006/02/02(木) 01:21:46
絵は平気で嘘を吐く。
例え本心を描いたとしても、それを上からどんどんどんどん塗りつぶして
隠してしまう事が出来る。不透明な絵の具で全て被い隠してしまう事が出来る。
隠した嘘の色はざくざくざくざくナイフで削る事が出来るけれども、削った傍から
嘘の色が濁流となって溢れ出て来る。
嘘の色で隠された本心を見る事は難しい。
嘘の色と混じった本心の色を見分けるのは難しい。
絵は平気で嘘を吐ける。
絵が本心をさらけ出すなんて、滅多にない。
絵は平気で大嘘を吐ける。

431 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/02/04(土) 20:34:12
>>430(虚構・嘘・絵)
そうだね。――それはそうだよ。
元々が何かを平面に移し替える作業だから。作り事なのは確かだし、嘘っていう風にいえる
かもしれない。
どんな線を引いても、どんな色を塗っても、それは変わらない。例えそれら全てが、偽りで
なかったとしても。

それにね、一番見抜くのが難しい嘘は、自分で自分についた嘘だ。
自分をどれだけ偽っているかを、自分でわかってる人なんてとても少ない。
絵を描くのも同じさ。
描いている内に、どれが本心かを見失って迷うことはよくある。あなたがいう通りにね。
――そう、とてもよくある。


その色々な嘘を、どれだけ本当にできるかが絵を描くことなんだと思う。
最初から大嘘だといっているのに、それでも人の心を動かせられるような絵。
そんな作品が、本当の芸術って呼ばれるんだろうね。

432 名前:◆xRtREKI.VQ :2006/02/04(土) 20:36:03
(レキの日記より)


(オールドホーム中庭の、冬枯れしている藤棚のスケッチ)

結果としてばれなかっただけ、という幸運な例もあるのだろう。
けれど、つき通せば嘘も真実になるという。

私の嘘は、いつか真実になるのだろうか。

433 名前:名無し客:2006/02/04(土) 23:31:13
失われた記憶は此処にあります。

http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1138746096/

434 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/02/05(日) 03:21:09
>>433(失われた時を求めて)
え?
そこに私が失くした記憶が――繭の夢があると、そういうの?


正直にいえば、怖い。そこに行ってみるのが怖いよ。
今でも毎晩のように夢に見るんだ。けど目が覚めても、それが何なのかわからない。
体中の骨が氷に変わってしまいそうな寒さや、夜明け前みたいな暗さは辛うじて憶えてる。
残り香のような、そんな情景以外は損なわれている。繭の中と同じで。

怖いからわからないのか、わからないから怖いのか。
私にはわからない。何もわからない。

――フフ、情けない話だよな。
ずっと、何とか思い出そうとしてきたのに。いざとなると怯えているんだ、私は。


でも、もう七年分の想いを終わりに出来るのなら。
この閉ざされた輪の中から抜け出せるのなら、それなら――。

435 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/02/05(日) 03:24:52
>>433(魂のアソコ)
http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1138746096/14


       ゃ    こ
    じ             の

 ん                   ス

な         ぁ   っ         レ
       ぁ         !
                       は
      ぁ      !  !
                      あ
      ぁ
                    あ
         ぁ       あ
             ぁ


……お見事。グッジョブといわせて貰うよ。
寧ろ叫んでやるよこんニャロー!
(煙草を灰皿でひねり潰し、ビシッと親指を立てる。――下向きに)

向きは間違ってねーよな、この場合……。

436 名前:名無し客:2006/02/05(日) 19:11:28
(おずおずと)
……あの……レキさんは、……元ヤンって本当ですか……。

437 名前:名無し客:2006/02/05(日) 19:50:19
特攻服をレキさんに(脳内で)着せてみる。

……ふむ。

438 名前:名無し客:2006/02/07(火) 00:48:37
なんて失敬な!
我らがレキさんがよりにもよって元ヤンだなんて
そんなバカなことがあるはず無いじゃないですか!
失礼にもほどがあるってもんですよ。
ねぇ、レキさん?

>160を見れば判るように元ヤンなんかじゃなくて現役バリバリです!

      ≡≡≡=-   ヘ( `Д)ノ  コンジョウヤキヲサレルマエニニゲロ!!
     ≡≡≡=-   ( ┐ノ
    ≡≡≡=- :。;  /

439 名前:名無し客:2006/02/07(火) 23:18:08
>>438の追跡用にどうぞ。

つ【カブ】

(スロットルあけると「ぱらりらぱらりら」言うのは秘密)

440 名前:名無し客:2006/02/07(火) 23:18:44
レキさんヤンキー化(復帰?)計画はこのへんにしておいて。

着てみたい衣装ってありますか?

441 名前:名無し客:2006/02/07(火) 23:25:05
芸術は残酷なものだと思いますか

442 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/02/11(土) 17:34:09
>>436(熱笑!! 古小屋高校・今日からあたしは!・特攻灰羽)
ぶっ!
(しばし目を閉じ、頭を抱えてから)

ど、どこ情報なんだよ、それ。
ヤンキーってあれだろ、すぐケンカしたり、滅茶苦茶にバイク転がしたり、餡パンをたらふく
食ってへらへらしたりするろくでなし集団だろ?
現役にしろ元にしろ、そんな風に見えるか、このあたしが!?

ったく、なんだって急にそんな……ああ、ひょっとして、あたしが廃工場の世話になってたの
が変な風に伝わってるんじゃない?


だいぶ前、あそこで暮らした時期がちょっとあって――あっちの連中は、別に柄が悪い訳じゃ
ないんだけど、オールドホームに比べたら活動的なのが多いんだ。
羽目を外しやすいっていうか。男女共学な所為もあるかもね。
あたしも背伸びしたい年頃だったし……初めて煙草を吸ってみて、見事にむせたりとか。
まあ、その程度。深刻な悪さなんてしてないって、全然。

しかしどこのどいつだ、んなデマカセをいったのは。
裏手の焼却炉前にでも呼び出してヤキ入れ……あー、ううん、なんでもありません。

443 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/02/11(土) 17:35:20
>>437(烏(クローズ))
何なんだ、その「納得いった」みたいな頷きは!
とっとと脱がせろ、そんな服!
……あっ、ち、違う、別に頭の中であたしを素っ裸に剥けなんていってない! シャットアウ
トしろっつってんの!

ええもう、しょうがないな。そのイメージがいかに間違ってるか、その頭の中の映像につき
あって論破してやる。
まず、その特攻服? あたしがそれを着たとしてだ。
背中にでっかく「暴走灰羽(ミッドナイト・エンジェル)」とかなんとか書いてあるやつで、それ
をさらし巻いた上に羽織って、鉢巻しめて。
木刀かなんか肩にかつぐとしよう。……我ながら頭痛くなってくる絵だな。

あたしに似合うかどうかは別として、ファッションの統一は取れてるかもしれない。
でもさ、それで乗るのがうちのおんぼろスクーターじゃ、どうにも格好がつかないでしょ。
>>377で手に入れたでかいのでも、何かイメージ違わないか?
最後のピースがはまらないから、最終的なバランスを欠いてる。なんで、容赦なく不採用。

さ、わかったでしょ。脳内の絵は消しといてよ。
へんなのも、そうでないのも。

444 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/02/11(土) 17:36:49
>>438(名門! グリ西応援団・BE-BOP-OLDHOME・疾風伝説 特攻のレキ)
だよな、だよな。
あんただけだよ、そういう良心的な人は。そっちの連中にもいってやっ……って待てこら!
なんつった! 今なんつった!



                       !?



上等(ジョートー)……!
“根性焼き(パンケーキ)”なんて“甘(スイーツ)”い持て成しで済むと思ったら……それは
大きな“間違い(ミステイク)”だぜ……!?


>>439(脱走と追跡のサンバ)
こ、これ、“ドエレー”ゴキゲンな差し入れじゃん!
ブリバリにリキ入ってんじゃん!
サンキュー。ちょっと借りるよ。


それじゃ……“開始(オーバーチュア)”だ……。
今夜を“>>438”サンの……“過ぎ越しの祭(ブラッディ・フェスタ)”にしてやんヨ……!!

(ぱらりらぱらりら♪ ぶろろろろろーん)


(その後ひと晩中、>>438を狂い咲きサンダーロードで追い回したという)

445 名前:◆xRtREKI.VQ :2006/02/11(土) 17:37:42








あだしごとはさておいて。
今日も今日とてオールドホーム。







.

446 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/02/11(土) 17:39:08
(次の日)

ふう……。
何だか意味もなく疲れたな、昨夜は。


>>440(昔話・織物・ハネノコロモ)
ヤンキー化なんてしないし、元々違うし。
そこら辺、あんまつっこむと“不運(ハードラック)”と“踊(ダンス)”っちま……ゲホゲホ。
えーと……まあそういうことで。


着てみたい服っていうと、オーバーがもう一着欲しいかな。まだ暫く寒いし。
と、いうような話じゃない訳だね。そうなると……着てみたい衣装、か。

あ、そうだ。ああいうのは一回、袖を通してみたい。
この街じゃお目にかからない服で、ちびどもに読んであげてた絵本の挿し絵にあったんだ。
どこかの国独特の衣装らしくて、ゆったりした一枚の生地を、体に巻くように使って着るみ
たい。腰の辺りで帯を締めて止めるのかな。
面白いデザインだと思ったよ。体に合わせて着られるっていう辺りも、中々合理的だし。
ただこの街の今の季節だと、ちょっと寒いかもしれないな。

因みに、ちびどもに読んでやってた絵本に出てきた服そのものは、あれは勘弁かなあ。
何より気がとがめるよ。「鶴の恩返し」っていう、悲しい話だったから。

447 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/02/11(土) 17:39:55
>>441(展覧会の絵)
ああ……前にも同じようなこと、訊かれたなあ。
その時は確か、「そう思う時もある」みたいに答えたんだっけ(>>425)。

そう、残酷だと思う時もあるよ。
ただそうでない時もある。いい絵を描けた時みたいに。

それは別に上手い絵ってことじゃなくて、何ていうんだろう。
私がその絵を描こうと思った時、はじめに浮かべたイメージ、私だけが持ってるイメージを、
そのままキャンバスに移し替えることが出来た――そんな時のことなんだ。
そういう時には、好きな歌の一番から三番までを大きな声で歌い終えたみたいな満足感があ
ってさ。
残酷かどうかなんて、もうどうでもよくなってる。


これ、多分単純な話なんだよ。とても単純な。
絵を描くのが好きっていう、ただそれだけの話。

448 名前:名無し客:2006/02/12(日) 17:49:11
   |Д´) レキサンガキタイノハ イチマイノキジデ
   |⊂  コシノアタリニ マキツケテキル ミンゾクイショウカ・・・
   |

    |
\  __  /
_ (m) _ピコーン
   |ミ|
/  .`´  \
   |Д´) ソウカ アレト アレノコトダナ
   |⊂  センジツノ オワビニ プレゼントシテアゲヨウ
   |

                      ┌─┐
                      |.レ |
                            | .キ |
                            | .さ. |
                            | .ん |
                      |の|
                      |衣|
                      |装|
                      │ !!.│
            [さらし].  [まわし]  └─┤     ( `Д)<レキサ-ン ホシガッテタイショウヲ モッテキマシタ-
         | ̄ ̄ ̄|─| ̄ ̄ ̄|─| ̄ ̄ ̄|─□( ヽ┐U
     〜 〜  ̄◎ ̄  . ̄◎ ̄   ̄◎ ̄   ◎−>┘◎



449 名前:名無し客:2006/02/12(日) 20:07:47
>>448が「鶴の恩返し」という文字を読む前に早合点している件について。

……い、いえ、物語に出てくる「キモノ」もレキさんのその長い髪と合うと思いますがっ、
で、でもっ、コシミノ……さらし、まわしも捨てがたいっ!

あ、いえ、ゴホン、そのさらしやまわしは、こちらの国では大抵は「腕っぷしが強い人」が
身に付けるものだと決まっているのですけどね。
レキさんは「腕っぷしが強い人」には憧れたりするんですか?

ヒョコさんはとてもとてもそう見えませんし……。

450 名前:名無し客:2006/02/12(日) 21:33:37
>とっとと脱がせろ、そんな服!
>……あっ、ち、違う、別に頭の中であたしを素っ裸に剥けなんていってない!

(´Д`) (悶々中)


ごめんね…最近こんな名無しさんばかりでゴメンね

451 名前:名無し客:2006/02/16(木) 00:57:08
しまった、レキさんにチョコ貰うの忘れてた。

…もとい。
バレンタインはどうやって過ごしました?

452 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/02/19(日) 18:35:54
何だか、どっかで投票をしてるらしいね。
相変わらず選考基準がよくわからないんだけど、その中にあたしもエントリーされてるのは
もっとわからない。
このコメントは更にわからない。もう不可知戦域に入ってる。

>灰羽スレの395-396参照デス (2006/02/13(月) 22:22)
あたしが「つんでれ」じゃないと証明した下りを引用して、何を表明したいんだ!


>勝ったら羽ァ。 (2006/02/14(火) 00:24)
しねーよ!


>たまにはヒョコにもデレっとしてあげてください (2006/02/17(金) 01:18)
だ、だからなんでだよ。あの馬鹿にデレデレする理由なんてないだろ!


っとに、もう。……ただまあ、わざわざ一票入れてくれたんだから、悪気はないんだろうし。
まあ、なんていうのか、その。
あんがと。


>>448(さらし・まわし・土俵入り)
な、なんか鳴り物入りで運んで来てくれて、どうもありがとう。
つうか、さらしはいいとして、なんなのその……巨人のベルト?
(まわしを手に取り、一分ほど考え込みました)

……どう考えてもでかいだろ、あたしには。
いや、ひょっとして特殊な着方とかあるのかな。
うーん。
(スカートの上からまわしを当ててみて、三分経過)


が、頑張ったけど無理、これ絶対無理だろ!
それに>>449の人の話によれば、何かあからさまに間違ったチョイスらしいじゃない。
そもそもよく考えると、さらし巻いてこの帯締めるだけって、ほとんどマッパじゃんか!
恥ずかしいにも程がある。あたしにナニさせたいんだ、あんたは!

453 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/02/19(日) 18:36:50
>>449(どすこい(羽))
はは、似合うかな。……って、またこの人は訳のわからんこといい出した。
捨てろっ、そういうのは捨てていい!
大体なんだ、腰みのって。


ああ、あのベルト、割と特殊な衣装なんだ。
やっぱりだよな。どう考えてもあたし向きじゃない。
うん、まあヒョコだって、別にそんないいガタイでもないし。
廃工場の仲間内で、ちょっと喧嘩とかはしてたみたいだけど。こんなでかいベルト締めるよ
うな「腕っぷしが強い人」と戦ったら、そりゃ片手で張り飛ばされちまうだろうね。

あたしは別に、そういう人に憧れたりはしない、と思う。
あんまり大きい人だとさ、体だけじゃなく心もってことだけど――頼りたくなっちゃいそうだ
から。
そういうのは嫌っていうか、苦手なんだ。自分を預けるのは。
どんな部分でも、ね。

だからあたしは、面倒を見られるよりは見る方でいたい――って思うよ。
ま、相手がちびどもばっかりじゃ大変だけど。

454 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/02/19(日) 18:37:27
>>450(妄想・無視・断固たる態度)
……。

(あてつけのような棒読み口調で)
あ、さて。
お客さんは今の所いないよな。うわー、のんびりできるわー。
まるで目の前に人がいないみたいに、のんびりできる。もう無人の空間みたいに。

そうだ、レモンすっとかなきゃ。
レモンカードを作ろうと思ってたんだ。明日の朝ごはん用に。
おっと、ひとり言なんていっちゃったよ。だって誰もいないんだから。


(キッチンへ去り際に、背を向けて小声で)
……あやまる位なら最初からすんな。
ばか。

455 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/02/19(日) 18:38:46
>>451(ウァレンティーヌスの贈り物)
ん? なんでまたチョコ?
いや、食べたいんならあげるよ。キッチンにブロックチョコが残ってたから。

そういう訳じゃないの? ……ふんふん、成る程ね。
そういう習慣なんだ。大事な人にチョコを贈って、気持ちを伝えるのか。なんか一日甘った
るそうな日だなあ。
こっちにはないんだよ。だからその日は、別に普通に過ごしてた。

そうだね、じゃあ今年はともかく、来年は外の世界の習慣に倣おうか。
お客さんにチョコを配って、感謝の気持ちを表すのも悪くない。
ま、ひとり頭チョコケーキ1ホールみたいな真似すると、貰う方も微妙に引いちゃうよな。
ささやかにひと口サイズの1個でいいかな?


(ふと、呟くように)
……そっか、チョコか。じゃあラッカに上げるやつは、特に念入りに作らないと。

456 名前:◆xRtREKI.VQ :2006/02/19(日) 18:41:06
(レキの日記より)


(灰羽連盟のロゴマーク入り、ハート型チョコのスケッチ)

チョコはいいかもしれないチョコは。
この街の人は、誰もそういう習慣を知らないし。堂々とできる。
いや、堂々とは無理かもしれないけど。

457 名前:名無し客:2006/02/19(日) 19:32:18
あれ、違いました?
レキさんの言う条件
>この街じゃお目にかからない服
>どこかの国独特の衣装
>ゆったりした一枚の生地
>体に巻くように使って着る
>腰の辺りで締めて止める
>面白いデザイン
>今の季節だと、ちょっと寒いかも
全てに当てはまるからこれしかないと思ったんですけどねぇ。
着物のこともチラッと頭に浮かんだことは浮かんだのですが、
着物姿のレキさんは以前某爆撃さんのところで見た覚えがありますから
どうせなら今度は違う格好でと思いまして・・・。
(どことも判らぬ虚空に向かって)
というわけで今度の拍手絵はぜひともまわし、さらしでお願いします。

今こちらでは鳥のオリンピックが開催されており
烏や雀や梟たちがスキーやスケート、ソリ等の技術を競ってます。
すいません、ウソです。
実際にはトリノという街で人間が競技をしているわけですが、
我が日本は>114の時と違って苦戦を強いられており
いまだにメダルをひとつも獲得できないでいます。
で、何が言いたいかというとグリの街における冬の遊びやスポーツについて教えてください。

ところで私以外にもレキさんはツンデレに投票してる人がいますね。
というわけでここは素直にツンデレ認定を受け入れちゃいましょう。
ってここで素直に認定を受け入れるようではツンデレではないわけで・・・。

458 名前:名無し客:2006/02/27(月) 02:23:32
最近ダイエットしてますか?

459 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/03/12(日) 19:22:21
毎度ながら(この毎度、というのが一番いけないんだけど)とても遅くなった。
ごめん、本当に……。


>>457(冬の遊び・ふれあい・どっちらけ)
あんたそりゃ、想像じゃなくて妄想の産物だろ……。
こらこら、他所に変な電波を送るの、止しな。いやいやいやマジでっ。


え? いくら外の世界だって、そんな器用な鳥は……ってなんだ、やっぱり冗談か。
ああ、前に聞いたっけ、スポーツの大会があるって。冬場にもやるんだね。
こっちだと、冬ならではのスポーツって、あんま想像できないよ。
そういうのが盛んな街じゃないのもあるし、大体冬は雪ばっかでしょ。家の中に篭ってる人
の方が多いし。
それでも、ちびどもは別か。あいつらにゃ夏も冬もお構いなしだから。

しいていうなら雪遊びじゃないかなあ。そりとか雪合戦とか、雪だるまやカマクラ作ったり
とか。
同じ空から降って来るものでも、雨だと全然遊びにはならないのに、雪は中々いじり甲斐が
ある訳だ。固形物は強いね。


そういえば、この前――。

460 名前:オールドホームの灰羽達 ◆xRtREKI.VQ :2006/03/12(日) 19:25:00
>>459の続き

 何だか無性に煙草が吸いたくなったので、懐を漁ろうとして部屋に置いてきたのだと思い
出した。そして、持っていないのに気づいたのも二度目であることに気づいた。
 やれやれ、と口に出さずにぼやいて、私は作業に戻る。雪玉づくりだ。


 オールドホームの中庭は一面真っ白い。空は曇り気味だが、少なくとも明日までは、雪が
再び降り出すことはないだろう。
 雪だるま作りに飽きたちびどもを含め、私達はこれから雪合戦をすることになったのだ。
私とラッカは、せっせと雪玉を作ってはそれに備える係だった。
 カナ達は、待ちきれずにはしゃぎ回るちびどもの相手をしていた。
 ネムはというと――あらら。向こうの方で、一際大きい雪だるまに背を預ける形で座りこ
んで、おまけにうつらうつらしている。
 私は苦笑した。雪中遭難するぞ。

「どうしたの?」とラッカが不思議そうに訊いて来たので、あれ、と船漕いでる船頭を指差す。
 ラッカもくすくす笑う。ふとその手に目をやって、私は驚いた。

「あれ、ラッカ、手袋してないじゃない」

 ラッカの手は、すっかり赤くなっている。素手で雪をすくっては握り、握ってはすくいしていた
のだから当たり前だ。
 ばつが悪そうに両手を後ろに隠し、ラッカはもじもじしながらいった。

「うん、私、まだ持ってないから……」
「――ごめん、気づかなくて。ちょっと手、貸してごらん」

 私は自分の手袋を外すとハンカチを出し、ラッカの手を取った。
 そして拭う。丹念に。
 いいから、と遠慮するラッカの手を、いいから、と私は清める。
 ラッカは初めてこの街の冬を迎える。まだ冬物の衣類が不揃いがちなのに、私はそのこと
をつい失念していたのだ。

「あ、ありがとう」
「それと、後はちゃんとマッサージしとかないと。しもやけになっちゃうよ」

 拭い終えた私は、改めてラッカの手を取るとゆっくり揉み始めた。
 冷たく細い指を一本ずつ、指先から根元までをほぐすように揉む。

「レキの手、あったかい」とラッカは照れくさそうにいう。
「あんたの手が冷たいんだよ」と私は笑った。

 しばらく無言でラッカの体温に触れ続けた。


 何か、私達の間に育まれた感情があった。そう、それは「私の」ではなく「私達の」だったと
思う。
 それはティーバッグにお湯を注いだように、今生まれたものではなく、サイフォンで淹れた
コーヒーみたいに時間をかけて形になった何かだった。
 それが何なのか、自分でもよくわからなかった。だから口を開いてみた。
 口をついて出るままに任せれば、それが何なのかわかるかもしれない。
 そう思った。

「ラッカ――」

461 名前:オールドホームの灰羽達 ◆xRtREKI.VQ :2006/03/12(日) 19:25:45
>>460の続き






「んっがくっく」
「ひゃあ!?」
 

462 名前:オールドホームの灰羽達 ◆xRtREKI.VQ :2006/03/12(日) 19:27:13
>>461の続き

 突如、目の前が真っ白になった。


 その所為で変な声を上げてしまった。
 体中に当たったそれは口の中まで入り、私はぺっぺっと出す。――雪玉だ。
 ラッカも同じ攻撃を食らったようだ。一瞬の衝撃から覚めて、何だか呆然としている。
 私は飛んできた方向を向く。そう、自分で飛んできたのでなければ、誰か投げたやつが
いる訳で。

 いた。
 そいつは、そいつらは向こうの方で笑っている。
 あの笑い方は「にひひひひ」だ。文字にするとそうだ。そうに決まっている。

「いやー、やっぱ何かつっこんどかないとって思うじゃん、そういうフインキだと」
「わ、私はやめましょうっていったの。ほんとなのよ」

 なぜか勝ち誇ったようにいうカナの横で、ヒカリがひきつった笑みで弁解する。わかってい
るよ。
 でも結局投げたんだね、ちびどもと一緒になって。
 私は無言で自分の顔についた雪を払い、やはり無言でラッカの頭や光輪からも雪を払い、
なおも無言でそばの雪だるまに近づき、

「……ふんがーっ!」
「レ、レキ!?」

 気合を入れて雪だるまの頭を持ち上げた。おののくラッカの頭上より高く、自分の光輪の
上まで。

「カァァァァァナァァァァァァァッ!」
「やっべ、怒った」
「もう、だからいったじゃない!」

 蜘蛛の子を散らすように、キャーキャーいいながらカナ達は逃げる。
 私は追っかける。おろおろとラッカはついて来る。
 暫く雪上の追撃戦が続いた。

 そして照準内。

「そこぉー!」

 私はぶん投げた。
 飛ぶ雪だるまの頭。弧を描く雪だるまの頭。
 そして命中する雪だるまの頭。

 全然違う所に。

「んっがっくっく」
「……げ」
「ああっ、ネムに当たった!」



 その後、みんなで怒られました。
 雪まみれのネムに。

【おしまい】

463 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/03/12(日) 19:28:29
>>462の続き

……っつー話があったり、なかったり。
まあ、どうでもいいんだけど。

こんな感じで、この街の冬の遊びは油断ならないという……ん、そんな話じゃない?
つまり何だ、教訓としては、つんでれ認定なんて受け入れねーよという……ああ、その辺りで
もない?
まあ概ね違うけど、あんま違わないからいいや。

464 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/03/12(日) 19:29:16
>>458(ダイエット地獄)
ダイエット? いや、全然。
私は、そんな太る方でもないし、そもそも大食いでもないし。
そういうのに妙にこだわりすぎてると、体の栄養も心の栄養も不足しちゃうんじゃない?
そりゃ暴飲暴食を勧めたりはしないよ。でも適度に好きなもの食べてりゃそれでいいと思う
なあ、あたしは。

ただ、まあ――風呂上りに、脱衣場にある体重計に乗って、ちょっとだけ眉間にしわが寄る。
なんてことも、ある時にはある。
という可能性もないとはいえない、けど。

ただあれはポンコツで、針が……ええっと、確か一キロ分ばかりずれててね、数字の大きい
方に。
そこを差っ引いて見なきゃいけないから、何だか得した気分になるんだよ。はは。

ははは。

465 名前:◆xRtREKI.VQ :2006/03/12(日) 19:39:11
(レキの日記より)


(年代物の体重計のスケッチ)

日々の中で、「そういうことにしておく」と棚上げすることは、時にある。
精神衛生上からだ。こういうのは暮らしの潤滑剤といってもいいかもしれない。


本当はもう直ってるんだけど、あれのずれ。

466 名前:名無し客:2006/03/15(水) 01:17:38
(そ〜っとオールドホームに入り込み……)

ごそごそ……。

(……「年代物の体重計の針」を数字の大きい方にずらして、とんずらしました)

467 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/03/19(日) 23:56:43
――結構、日が落ちるのも遅くなって来たな。
そろそろ冬も終わるかなあ。
(煙草を出そうとして思い直し、しゅんとした様子で座っている年少組のダイを見ながら)

あのね、ダイ。
お姉ちゃんは、あんたが植木鉢にとび蹴りくれて割っちゃったことを怒ってるんじゃないん
だよ。まあ、それだっていかんけど。
それより、ちゃんといわなかったことを怒ってる。「これやったの誰だ!」って聞いた時に、
とぼけて済まそうとしたことを怒ってる。

そりゃ誰だって失敗したり、へましたりすることはあるよ。
けど、そういう時はまず謝らなきゃ。頬かむりで通すのは駄目さ。
その場しのぎな嘘ついても、それで何も解決したりはしない。何より他の人にも、自分にも
失礼なことなんだよ。

……うん、よし。ちゃんとごめんなさい出来たね。
もう駄目だよ、あんなことしちゃ。


さ、お腹減ったろ? 晩ごはんにしようか。

468 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/03/19(日) 23:57:27
(その後、風呂上りの脱衣場にて)


>>466(テロ・虚偽・回帰)
ふう。風呂は命の洗濯、と。
ん? 体重計の置き場所、何かずれてるな。よいしょ、と。
……。


頬かむりは駄目、か。
自己ギマン、ってのもよくないよな、やっぱり。

(体重計の針を更に大きい方へ進めてしまいました)

469 名前:◆xRtREKI.VQ :2006/03/19(日) 23:58:03
こうしてオールドホームの灰羽達は、本当の体重よりやや重いことになってしまいました、
とさ。

めでたくもあり、めでたくもなし。

470 名前:名無し客:2006/03/20(月) 00:02:20
美味しいものをおなかいっぱい食べて、なにがわるいー!

471 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/03/20(月) 01:49:25
>>470(美食倶楽部)
いや、別に悪かないよ。それは間違いなく幸せなことだろうし。
ただまあ……美味いものってのは、大概脂分多かったり、コレステロール高めだったりする気
がする。偏見かもしれないけど。
その手のものばっかり無分別に食べてると、それはいい結果を生まないでしょ、という話。

それに美味しいご馳走って、たまに食べるからいいんだよ。
毎食々々料理に手が込みまくってちゃ、ご馳走と普通の料理の境目がいい加減になっちゃう。
卵の白身と黄身をかき混ぜたみたいに。

――あ、いや。待てよ。
うん、そうだ、美味しいもので腹いっぱいにするのは悪くない。それだったらうちの連中は、全員
悪事を働いてることになっちまう。それも毎日。
何しろ、あたしの作った料理を三度三度食べてるんだからなあ、はっはっはー。


……いや、実際欠食児童どもを沢山抱えてっと、栄養のバランスとボリュームを維持するの、
結構大変な訳で。もうホントに。

472 名前:名無し客:2006/03/20(月) 02:49:11
そういやレキさんっていうと、フライパン持って年少組を追い掛け回している姿が
印象的なんですけど、正直、料理にはどのくらい自信がおありで?

473 名前:名無し客:2006/03/20(月) 17:38:05
http://w5.oekakibbs.com/bbs/ikkokukan/data/175.jpg
この前、こちらで見付けた絵です。
【なにもない場所】だそうですが、レキさんはグリの街でそういった風景を見かけること、感じることがありますか?

474 名前:名無し客:2006/03/22(水) 12:29:57
何気なく道を歩いていると「墓場は 暗く……」という立て札がありました。
無視して進むと「罠は 時を 刻みしもの……」という立て札が。
更に無視して進むと「この先は 行かぬが得策 さもなくば……」という立て札が見えます。

貴方なら無視して進みますか? それとも引き返しますか?
また、「さもなくば……」の後に続く台詞(立て札)があるとしたら、貴方の場合はどう考えますか?

475 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/04/02(日) 04:54:18
>>472(脱走兵・手料理・自信)
げ、とんでもないとこ見られちゃってた。
いやでも、あれはにんじん食えないからって逃げ出した連中がいけないんだ。ちびどもと、
何よりもにんじんが悪いんであって、別にあたしの料理のせいじゃないぞ。

で、改めて自信というと……まあ、ありきたりな家庭の主婦くらいの自信かな。
毎日の食事はそれなりに作って、得意なレパートリーはいくつか持ってて。
たまには出来合いのもので済ませることもある。そんな感じ。

ただうちの場合は人数が人数だから、揚げ物なんかやると、キッチンはちょっとした戦場に
なるんだ。
だから、そういう沢山作る段取りとかはてきぱき出来る方だと思う。
因みに揚げ物、最近作ってみたライスコロッケが好評でね。みんなよく食べるよ。


肝心の味の方は――例えば美食三昧で鼻持ちならないほど偉ぶった父親と長年対立して
て、姓を母親(食事が気に入らないからって父親にいびり殺されたと思い込んでる)のに変
えた、というような人がいたとする。
……世界は狭いようで広いっていうし、そんな奇特な人もどっかにはいるだろ。
そういう舌の肥えた人に食べてもらったら、

「このでんがくシチューは出来損ないだ、食べられないよ」

なんていわれちゃうかもしれない、という程度には自信がない。
ま、うちの連中は美味しい美味しいって食べてくれるから、それでいいか。

476 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/04/02(日) 04:55:13
>>473(NOWHERE)
へえ……あたしだ。
これは後でお礼をいいにいかないと。ありがと、教えてくれて。


『なにもない場所』、ね。
どこにだって何かしらはある。けど強いていうなら、そうだなあ。
(窓の外に目をやって)

壁のある所、とか。――ああ、こっからは見えないよ。
この街と外の世界は、あの高い壁で隔てられてる。空はつながってるのに、その下には行
き止まりがある。

でも実際はどうなんだろう?
ここが外の世界にとっての終点なのかもしれないし、壁の向こうは本当には何もなくて、終
わりなのかもしれない。
境い目自体はどちらでもないんだ。どっちにも接してて、どっちにも属してない。
両手をぱちんと打ち合わせた音みたいに、そこには『なにもない』。


灰羽は特に近づいちゃいけないから、いつも遠目に眺めるだけだけどね。
そもそもどっちが内なのか、外なのか――なんて思う時もある。壁を見ていると。

477 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/04/02(日) 04:55:56
>>474(メッセージ・落とし穴・PSトレボーサックス)
煽り立てるなあ、キョーフシンってやつを。
随分とまた、念の入ったおどかしじゃない?

んー、そのまま進むのも気分悪いし。
かといって引き返すのも、びびってるみたいで嫌だ。
それじゃ、ええと――。

わき道に入ってやり過ごす。

 

478 名前:◆xRtREKI.VQ :2006/04/02(日) 04:57:23
>>477の続き

 しかし現実問題として直面してみると、と私は腕を組む。
 これは中々に難問だった。進むべきか、退くべきか。


 これは夢だ。そう知りながら夢の中にいる。
 で、何か脅し文句が書かれた立て札の前に私は立っている。

 こんな夢を見ている理由は簡単だ。こんな立て札が行く先々にあったらどうする、なんて話
を誰かとしていたから(相手が誰だったか思い出せない。誰だっけ)、その影響だろう。状況
が全くその話の通りだから、丸わかりだ。
 なんとか意識だか、ふんにゃか心理だかの働きか知らないが、もう少し捻った方がいいの
ではないだろうか。


 で、「さもなくば」。
 何だかいい響きの言葉だと思う。そうせずにはおかない、というような意思を感じる。断固
としたっていう風な。「さもなくば」。
 立て札を褒めてみても状況は改善しないので、進むことにした。
 わき道は駄目らしい。道はあるのだがない、というか「ないのがある」というか。
 とにかく選択肢としては不許可のようだ。

 進行方向はもちろん前へだ。後ろへ前進しても始まらない。
 怖いといえば怖いが、どうせ夢なんだし平気だろう、というような高のくくり方もしてい
るのは確かだった。


 暫く行くと、何か見えてきた。また立て札だ。
 「でないと……」と書いてある。
 ちょっと目をしばたいて、私は奥へ進むことにした。

 何となく予想していたことが、少し進んだ目の前に形作られていた。
 「もしくは……」と記された立て札が。


 つっ走ることにしました。
 

479 名前:◆xRtREKI.VQ :2006/04/02(日) 04:58:58
>>478の続き

 立て札が現れては過ぎ、過ぎては現れてまた過ぎてゆく。
 走る走る私達、流れる汗もそのままに。いや、私一人なのだけれど。

「および……」
「もしくは……」
「しからば……」。
「なかんずく……」。
「けれども……」。
「かてて加えて……」。
「一方その頃……」。
「さもなくば……」。おい、それ。二度目。

 そう突っ込んだ途端、足場がなくなった。


 落とし穴だ。
 人間は空を飛べるように出来ていないし、それは灰羽も同じだ。だから私は落っこちた。

 勢いに反して風圧は感じない。ただ空間的に物凄い移動をしている実感だけがあった。
 とんでもないスピードで落下しているのか、猛烈な勢いで急上昇しているのか、とても判断
がつかない。
 何しろ夢なので不可解なことばかり起こる。机の引き出しを開けたら青い狸が顔を出した、
なんて訳のわからない状況だってあるだろう、それは。
 ラッカの見た繭の夢も、こんな感じだったんだろうか。空を落ちる夢だったそうだけど。

 一応落っこちてオチがついたのかと考え、私は何だか釈然としない気持ちになる。
 そして落っこちながら(そう、まだ落ちている最中なのだ)思う。


 人生にオチなんかいらない。夢にもだ。




 と、いうようなことも何もかも、おそらく起きたら全部忘れてる訳で。

480 名前:名無し客:2006/04/05(水) 02:03:54
レキさんが繭の中にいた時の夢……については置いておきまして。
あ、え、えーと、他意はないです。はい。
寝床に入ると見る「定番の夢」ってありますか?
人によっては夢の中の常連キャラクターってのがいるそうですねえ。

481 名前:名無し客:2006/04/05(水) 11:51:53
姉になってください

482 名前:名無し客:2006/04/05(水) 21:53:16
今までの人生で一番の傑作だと思ったオチを教えてください。

483 名前:名無し客:2006/04/08(土) 00:39:49
米のつく某国では、煙草を吸ってる人物はそれだけで評価されないそうです。
ボーダレスになることを考えて、今すぐイメージ戦略の一環として禁煙を!!

484 名前:名無し客:2006/04/12(水) 01:00:19
飴が3日ほど降り続いています……

485 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/04/13(木) 02:10:46
>>480(ドリームペインター)
「定番の夢」っていうのが――その、私が繭の中にいた時の夢なんだ。
石ころだらけの道を歩いてくっていう、ね。
――ああ、いや。別にいいんだけど。


それを除けば、定番って程、同じ夢を見たりはしてないと思う。
いや、本当は見てる夢があるのかもしれない。けど覚えてない、というのが正しいのかも。
大体夢って、その夢を見ていた事実だけは覚えてるんだけど、内容とかは奇麗に忘れちゃ
ってることが多いでしょ。
何かの名前を度忘れした時みたいで、ひどくもどかしいんだよね。

うーん、でもいわれてみると、何かそんなのを見てる気はする。
ただそういう時、初めて見るのに「ああ、またこの夢か」みたいな既知感っていうのかな、そ
んな感じを受けることがある……ような覚えもあってね。
目が覚めた後も、その既知感だけは残ってたりする。

本当の所はわからない。
「またか」と思う初めての夢なのか、初めて見る「定番の夢」なのか。


それでも――あの繭の中の夢だけは、繰り返し見てることを自覚してる。
私のなにかが失われていることも、はっきりと。

486 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/04/13(木) 02:11:41
>>481(告白・契り・ごめんなさい)
……どっから話し始めるべきなんだろ。はあ。

あのね、「恋人になってくれ」とかなら、まだわからないでもない。あくまで話としては。
だけど何でいきなり要求される立場が姉なの?
姉だの兄だのは、生まれた時から決まってる関係でしょ。そりゃ義理の兄姉になることはあ
るけど、それはあくまで他の人との絡みでついてくることだし。

あ、義兄弟の契りを交わす、みたいなのはあるか。
でもそんなの、一般的じゃないじゃん。それにそういうシチュエーションだったら、もう少し
こうなんていうか、雰囲気出さないとなあ。
使われてない温室とか、人気のない図書室の隅っこ。まあいいんだ、そんなのはどうでも。

いや、これは「(姉のような)恋人になってくれ」という意味だと解釈すべきなんだろーか。
姉さん女房ってやつ? どっちにしろ訳がわからないのには変わりない。
取り合えず結論をいうと、だね。
お姉ちゃんにはなれないお姉ちゃんからの、最初で最後の返事ね、これ。



だ!

487 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/04/13(木) 02:13:04
>>482(落としどころ)
(暫く無言で煙草を吹かしてから)

二番目に傑作だと思ったのでいいんなら。
小話、かな。何時だったか、街で酔っ払いが喋ってたのを聞いたんだ。


恋とかけて、悪酔いした時と説く。
その心は――「こみ上げてくる甘酸っぱいなにかを、どうすることも出来ない」。


……我ながら汚いな。こりゃ二番目以下かも。
なんで二番目なのかって?
そりゃ一番目っていうのは、大抵が常時更新中だから。
 

488 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/04/13(木) 02:13:58
>>483(煙草・査定・イメージ)
それは今の所、コメ国とかいう場所のハナシなんでしょ?
いくらボーダレスだの、世界をひとつにしめてやるだのっていったってなあ。

煙草はさ、なんとなく手持ち無沙汰だったりすると、時間を潰せていいんだよ。
人と待ち合わせしてる時とかね。
第一マナーは守ってるもん。まあ当たり前のことだけど。

そりゃ健康にはよくない、無駄な行為だといえばそれまでだよ。
でも合理的なんてことを突き詰めたら、趣味や嗜好は無駄なことばっかじゃん。
ものごとは、食器棚に皿を仕舞うみたいに単純に割り振り出来やしないんだ。こういうのは
精神的なゆとりの一環なんだから、別に吸ってたっていいと思うな、あたしは。

それに煙草を吸うだけで評価しない人がいるなら、数は少ないかもしれないけど逆の評価を
くれる人もいるってことだよ。
(ふう、と紫煙を吐きながら)

評価なんて絶対的なものじゃないんだし。
煙草をやる人が下した評価なら、いち喫煙者としてはそれで十分だからさ。

489 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/04/13(木) 02:15:13
>>484(グリは今日も雨だった)
そりゃ災難。虫歯だらけになっちゃう。
あ、別に落っこちてくるの、端から食べなくってもいいのか。ストックしとけば。
しかし、空気が甘ったるくなりそうだなあ。

……なんていうメルヘンな状況ならよかったんだろうにね。お互い生きてるのは現実の世界
だもんな。
まあ確かに、雨が続くのは気が滅入るよ。こっちもここ二、三日雨続きでさ。
こういう時は、なるたけ外に出る用事がないことを祈るしかない。

逆にいえば、外さえ出なきゃ雨だって捨てたものでもないと思う。
夜中に、雨のふる音で目を覚ましたりするのは、あたしは嫌いじゃない。
好きっていう程でもないかな。でも悪くない感じがする。
まだぼんやりしてて、暗がりと眠気と自分の心がごちゃまぜになっていて、何だか自分が自
分じゃないみたいな瞬間。
こんな時に聴く雨ふりのリズムは心地良いもんだよ。全く別の世界の出来事みたいで。

もっともそこで段々目が覚めてきて、「ああ、明日も雨か」なんて気づくと一挙にうんざりし
ちゃう訳だけど。

490 名前:名無し客:2006/04/13(木) 02:54:34
誰かがいるから振り向かないで歩いていけるってことはありますか?

491 名前:481:2006/04/13(木) 12:10:51
変なことをお願いしてすみませんでした

492 名前:名無し客:2006/04/16(日) 02:47:41
レキさん染み、染みがーっ!

あ、羽じゃなくてお肌に……っと、すみません、蠅が止まっていただけでした。
灰羽ってどうしても羽や光輪の美しさに目が行きがちですが、お年頃の女性も
多い事ですし、お肌も磨いているのでしょうか?

493 名前:名無し客:2006/04/16(日) 20:22:21
や、どうもお久しぶりです。
ここの所ちょっと立て込んでた物だから・・・。

結局トリノオリンピックでは金メダルがひとつだけに終わってしまいました。
最近は不景気のため企業がスキー部などを廃部にしてしまったために
新しい人材が育たずにこのような結果になったのではないかと分析されているようです。
その代わりといっては何ですが、障害者によるスポーツの祭典パラリンピックにおいて
日本勢はかなりがんばり金2銀5銅2の計9個のメダルを獲得することが出来ました。
要因としては企業のサポートがようやっと整ってきたためということで、
オリンピックもパラリンピックも企業ぐるみ、国家レベルで対策を立てないと
トップクラスの選手は輩出できなくなってきたようです。
いいのか悪いのか良く判りませんが。

ところで最近なんだかあちらこちらで野鳥の大量死が発生しています。
原因も良く判っておらず調査をしている人たちも首をひねっているようです。
確かグリの街では鳥は特別な存在なのでしたよね?
グリの街の鳥たちは元気にしてますか?

494 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/04/22(土) 19:51:06
何だか暖かかったり、そうかと思うと肌寒かったり。
気づいたら春だなあ。


>>490(背後・かえりみすれば・助力者)
――それは、あると思う。
後ろには、大抵誰かがいるんだ。その人を見てくれてる誰かが。
どんな人だって、最初から自分一人で歩き出した訳じゃないんだから。

最初から見守ってた人だけじゃなくて、たまたま道を交えた誰かなのかもしれないけど。
そんな人がいてくれたから、今もいてくれるから、歩いて行ける。
多分誰にでもあるんだと思う。そのことに自分で気づいているか、そうでないかは別にして。

その人の遺した声を――耳じゃなくて、胸で――聞いていられる。
肩を寄せ合っていなくても、触れ合ったぬくもりは手の中に残ってる。
そういう支えが、うつむかず、振り返らずに人を歩いて行けさせてくれる。

例え雨雲に隠れても、昇った太陽はいつも空にある。
その誰かも、そんな風に自分の背中を見ていてくれてると、そう――思うよ。
 

495 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/04/22(土) 19:51:58
>>491(赦し)
あ、いや、エヘンエヘン。

(『……すぐさま謝られると逆にまごついちゃうな。こっちは全面的に悪くないのに。
  何ていうか、ちょっとはいうこと聞いて上げてもよかった気も――いやいや、いかん。
  そんな安易に応じるほど、あたしはオープンプライスじゃないっつーの。
  寧ろ姐、じゃない姉ならばこそ、毅然とした態度を取らなきゃ。まあ、姉でもないけど』

 ――というようなしばしの葛藤を経て後に)


……ま、その、わかってくれればいいんだ、うん。
 

496 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/04/22(土) 19:53:15
>>492(引き締め・潤い・スキンケア)
うわわっと! しっしっ。
(手と、ついでに羽をばたばたさせて蝿を追い払って)

ふう、ありがと。
蝿が出る季節か。今日なんか暖かかったからなあ。

ああ、お肌のお手入れね。
ま、これでも女の子だから、それなりには。――といいたいんだけど、灰羽は化粧品の類い
は買えないんだ。化粧水もペケ、乳液もペケ。
こういう時ばっかりは、人が使い終えたものしか使えない仕来たりが恨めしくなるね。

まあ、駄目なら駄目で、自分で何とかする他ない。
肌を引き締めようと思ったら、朝晩に石けんで洗顔した後に、水でパパパパッと軽くパッティ
ングをするだけでも大分違うからね。
何より手軽なのがいい。

それに化粧水だって、割りと簡単に作っちゃえるからさ、作ろうと思えば。
薬局で買ってきたグリセリンと、農家に分けて貰った肥料用の尿素と水を混ぜて出来上がり。
薄めて使うんだけど、いや、確かに効き目があるよ。
必要な水分が、ちゃんと肌にとどまってるなあって感じるから。

夏にはへちま水も作れるし、色々とやれることはあるんだ。
頭はひねる為にある、なんてね。ふふふん。
 

497 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/04/22(土) 19:54:03
>>493(夜鳥)
おやおや、お久し振り。
元気そうで何より。

ふうん、あたしはあんまりスポーツには詳しくないんで、よくわからないけど……ま、きちん
とした土俵で勝負できるようになったってことなんだろうから、多分いいことなんじゃない?
勝つにしろ負けるにしろ、勝負は全力を出せてこそだからね。


しかしその鳥が沢山死んでるってのは、いやな話だなあ。何だか気味が悪い。悪いことが起
こる前触れなんじゃないか、って思っちゃうよ。
そう、この街では、鳥は特別な存在だって言い伝えがあるから。忘れてしまった何かを運ぶと
いわれてる。
死んだのが、壁を越えてやってくる鳥でなければいいけど。

ああ、こっちでは特に変なことは起きてないよ、鳥達には。
朝、目が覚めて最初に聴く音はいつも鳥の声だね。
何ていう鳥かはよく知らない。寝起きに聞かされる物音は大概が鬱陶しいけど、鳥の声だけ
は例外なのが不思議だな。
他にも相変わらずカラスはうちのゴミ捨て場をつつき回して、相変わらずカナはそれを追っか
けてるし。……懲りないっつーか。カナの方が。
卵も普通に美味いし。んー、なべてグリはこともなし、だな。


――何だよ卵は食うのかよ、といわれても。
ホラ、パンケーキはおいしいからしょうがない。「そこは、それ」ってやつで。
 

498 名前:◆xRtREKI.VQ :2006/04/22(土) 19:55:54
(レキの日記より)


見守ってくれる人の、その視線の労わりが辛いことがある。
私を想ってくれることで、私はその人を縛る枷になっているのではないか。
重荷、足手まといでしかないのでは、と。


ネム、私は大丈夫だから。
私は一人でも大丈夫だから。
 

499 名前:名無し客:2006/04/23(日) 00:13:27
               ヾ、_:.:.:.     メ                        /:.:. |
                 j:.:.:.    チ                    /:.:.:.:  l
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" " "゙'、   _, r'、:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:       /  ̄ `ヽ         `ヽ、 〔:.:.:.:.:.:   /
      Y":.:.:.:.:.:.:.\:.::.:   \.    /       ` ,           `ヽ、:.:.   /
      ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ,     \   {   , - 、   |              \r-"
       ヽ‐-:.、_    \.     \, ヽ.  P::::ノ  .,イ               `,
        ヽ:.   ̄`ー-、_ `      ゝ,  _ /        ニ二 ̄;;;;ー-,、_|
            \                           `ー''、_;;;;;;;;;;;;ヾ、
            ヽ    、_____                  `ー-;;;;;;_ト,
                ` ー- ,_    / ̄ ̄  ー──- ァ ___         l
                   _   ̄ ー- _ ,ィ       /      ̄ ー- __.    |
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               /   |   /   /            ー- _/     | E
                _/   |__,/     / _ 、               ̄ ー' /
        ,_r-ー' " ̄/     |./     /     ̄ ` ー-- 、 _           ヾ,
    _,r '"        /     ''"      /             ̄ヾー- 、、、_、、, ,  ヽ
  /         /           /                       ̄ー-ァ,\
,/        /ァ    ___       ヽ                           ヾ、_
      ,,,;;;;;''/ノ   /。 l         |          ,,;;;'''';;;,,               \
     ,;;';;;;;;;;;/.     L_/           |        ,,;;'';;;;;;;;;;;;;;;;;'';;,,              \

忘 れ 物 を 届 け に き ま し た

500 名前:オールドホームの灰羽達 ◆xRtREKI.VQ :2006/05/06(土) 19:00:25
>>499

 洗濯籠を抱えた私は、ドアの前でため息をついた。
 扉の向こうからは言い争う声が洩れ聞こえている。よく知った、そう、とてもよく知った声
だ。

「いる訳ないじゃん。やっぱりうそだあ」
「ほんとだもん! 見たもん!」

 ちびどもだった。やれやれ、まったく。
 ため息はもう一回だけにした。私はドアを開け、ついでに口も開いて「こらっ、何またケン
カしてんだ」と叱りながらゲストルームの中に入って行った。


 議題は何かわからないが、論争中なのは年少組で一番いたずらっ子なダイと、同じ位や
んちゃなショータだった。
 おしゃまな女の子のハナは、ベッドに腰かけて足をぶらぶらさせている。
 怖そうに作った声は、室内のちびども全員を硬直させる効果はあったようだ。ごく僅かの
間だけだったにせよ。
 一瞬、私の声にびくっとしたようだが、すぐさまダイとショータは駆け寄って来て口をとん
がらせた。

「だって、ダイがうそつくんだよ」
「うそじゃないっていってんだろ!」
「はいはい止め止め」

 私は籠をテーブルに置き、つかみ合いを始めた二人を引っぺがして、その前にしゃがむ。
目線を合わせようとすると、二人ともそっぽを向いた。
 苦笑して、私はダイの髪の毛をくしゃくしゃとくしけずる。
 それで幾分は機嫌を直したか、ダイはふくれっ面のままこっちを見た。

「で、ダイがどうしたって?」
「トロルがいたんだ。ほんとだよ。僕見たんだ」
「へ?」


 つまり、こういうことらしい。
 ついさっきまで、ちび三人は使われていない部屋で探検ごっこをしていたのだという。
 元は寄宿舎か何かだったらしいオールドホームは、部屋数だけはやたらと多い。その大
半が、今回ちびどもが潜りこんだような埃っぽい空き部屋ばかりだ。その手の遊びをしよう
と思ったら、選択肢には事欠かない。
 そういう所では遊ばないよう、何度もいい聞かせてはいるのだが。困ったものだ。
 で、窓際の棚でがらくた漁りに夢中になっていたダイは、不意に陽が陰ったような気がし
て窓を見た。

 はっきりとは見えなかった。
 だが確かに、窓の向こうを何かが横切った(とダイは断言した)。
 灰色っぽいそれは「すっげえおっきくて」、うちの全員で手を繋いでも周囲をまわり切れな
い程だった――のだそうだ。

 お化けの“トロル”だと、ダイは直感した。以前、そういう絵本を読んで上げたことがあるの
を覚えていたのだろう。
 早速そのことをショータとハナにも伝え、みんなで恐る恐る窓から身を乗り出したところ
――しかし周囲には別段、何もなかった。
 そこでダイはショータに嘘つき呼ばわりされることになり、そのいさかいはゲストルームに
戻ってきてもまだ続いていると、こういう次第。


 話を聞いている途中で、あることに思い当たった私は吹き出しそうになっていた。
 なぜって、ちびどもを驚かしたトロルは今、私がここへ運んできたばかりだったから。
 

501 名前:オールドホームの灰羽達 ◆xRtREKI.VQ :2006/05/06(土) 19:01:46
>>500の続き

 一歩も譲らず、ちび二人はにらみ合っている。私はその前まで籐椅子を引っ張って来て、
そこに腰を下ろした。ちら、と横目を洗濯籠の方にやる。
 トロルの正体は、恐らくあの中にあるベッドのシーツだ。
 色は落ちついた灰色。ネムかヒカリの部屋のだったと思う。

 種を明かせば簡単だ。すっかり暖かくなって、ついでに風も強かった所為で、今日は干し
ておいた洗濯物がいくつか飛ばされた。
 灰色のシーツもその一つだった。おかげでもう一度洗濯し直さねばならないが、まあそれ
はこの際関係ない。
 問題なのは、それが風に運ばれていく過程でどこかの窓の側を通った可能性がある、と
いうことだった。
 例えばちびどもが遊んでいたような部屋の窓を、例えばダイが窓際にいた時に、だ。

 偶々といってしまえばそれまでだが、確かに珍しい偶然ではある。
 ついでにいうと、シーツは中庭の外れまで飛ばされていたから、窓の外を見たちびどもも
気がつかなかったのだろう。
 でかいトロルが家の周りを徘徊しているという仮説よりは、何ていうか面白みのない推論
だが、物事の落ち着きどころは大抵そんな場所だった。
 このことを説明して、と思い――いやいや待てよ、と私は考え直す。

 この際だ、面白おかしい結論を捏造して、ちょっとおどかしてやろう。


「いや、ダイは嘘ついてないな。それはトロルだったんだよ」

 私は自信あり気に断言した。
 嘘つき呼ばわりされていた方は得意そうになり、嘘だと主張していた方は不満そうになっ
たが、続けて私が、

「お前ら、お姉ちゃんのいうこと全然聞かないもんなあ。そういう悪い子をさらいに、トロルが
様子見に来たんだろうね。どの子がいいかなあって」

 というと――ダイとショータだけじゃない、ハナまでびくっと反応した。
 よし、掴みはオッケー。びびってるびびってる。

「いうこと聞かない悪い子は、夜中迎えに来るんだよ……わあっ!」

 歌うように怪しげな節をつけ、最後に大きな声を上げて身を乗り出すと、ちびどもは仰け反
って後退る。
 誰にでも経験があると思うが、こういう他愛ないことで子供をおどかすのは妙に楽しい。
 が、どうも真剣に怯えてしまったようなので――ハナに至っては少し涙目になっている――
慌てて「でもそれはいいトロルだよ」といい直した。

「今いったろう、悪い子を連れてくトロルは夜に出るんだ。昼間のトロルはいいトロル」
「ほんとう? こわいトロルじゃないの?」
「本当さ、怖くない」

 と不安そうなショータを落ちつかせるようにいったけれど、トロルの営業時間や種類なんて
知らない。
 即席で作った話は、やはり練りが足りない。ちびどもは、これで中々突っこみが鋭いから、
ぼろを出さないようにしないと。

「大丈夫だよ。皆をさらいに来るようなお化けは、あたしがのしてやるから」
「がらがらどんみたいに?」と、絵本でトロルを退治した山羊の名を上げるハナ。
「そう、がらがらどんみたいに」と、パンチの真似をしてみせる私。

 手を伸ばし、ハナの頭を優しく撫でる。
 と、彼女の両手に気づいた私はあっと声を上げた。

「ハナ、手のひらが真っ黒じゃない! どこで泥遊びしたんだ?」
「泥んこじゃないの。あのね、あのね、さっきの部屋のまっくろくろすけがいたの」
「? なんだそりゃ?」

 その時、がやがやとカナやヒカリ達が入ってきたので、「まっくろくろすけ」が何なのかに
ついては訊きそびれてしまった。
 

502 名前:オールドホームの灰羽達 ◆xRtREKI.VQ :2006/05/06(土) 19:02:49
>>501の続き

 後でよくよく訊いてみたら、ちびどもが探検ごっこをしていたのは北棟の外れらしい。
 窓の向きは物干し場の辺りとは全然逆だ。いくら洗濯物がダイブしようが見えっこない。

 と、いうことは――どういうことなのだろう?



 どこかいたずらっぽい春の風に乗って、へんな生き物がそっと通り過ぎた。
 なんてことは――ないよなあ、真逆。

 ねえ?
 

503 名前:名無し客:2006/05/07(日) 23:38:42
不老不死についてどう思いますか?

504 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/05/13(土) 18:16:47
>>503(不老不死・石の時間・心)
不老不死。……何だか突拍子もない話だなあ。
つまり年を取らないで、死にもしないってことでしょ?
何ていうか、生き物が持つ時間じゃない気がする。例えば石みたいなもので。
いや、石だって長い長い時間が経てば砂になって、いずれはなくなってしまうかもしれないか
ら。

永遠に変わらないものなんて無いんだよ。
生き物もそうでないものも、皆何らかの形で損なわれていく。
だから、かけがえがないんだ。ものごとも日々も何時だってこれっきりで、だから何もかもは
貴重なんだ。

もし永遠と呼べるものがあるのなら、それは世界が常に損なわれ続ける――或いは変わって
いく、その変化自体が永遠なのかもしれない。
だとしたら不老不死は永遠じゃないね。それは、ずっととどまり続けているから。


自分以外の全ての変化に取り残されて、それでもあり続けなければいけないのは、多分――
いや、きっととてもやりきれないことなんだと思う。ちょっと想像できない位に。
 

505 名前:◆xRtREKI.VQ :2006/05/13(土) 18:19:05
(レキの日記より)


石ころのように長く長く生き続けていれば、心まで石ころのようになるのだろうか。
一人きりで地面に転がったまま、いつしか何も感じなくなるのかもしれない。
つまり、私のようになるということか。

そんなに長生きはしていないけど、嘘をつき、偽りの笑顔を浮かべても、私は何も感じない。
感じるはずがない。
私は石ころだ。
 

506 名前:名無し客:2006/05/15(月) 01:05:16
昨日のこちらは母の日でした。
……とは言っても、繭から生まれる灰羽さんたちには、母と呼べるものは
存在していない訳で。
もしグリの街にも母の日が存在していれば、レキさんはやっぱり、
クラモリさんに感謝をする日になっていたのでしょうか。

507 名前:名無し客:2006/05/16(火) 03:29:05
憶測で私の正体を語ってください。

508 名前:名無し客:2006/05/17(水) 03:58:58
――後になってからミスに気づいて「しまった!」って思ったことはありますか?

509 名前:名無し客:2006/05/21(日) 21:30:26
ところでレキさんって綺麗な髪をしてますよね。
ロングってツインテールにすると可愛いし、
松本零士のようにぶわっと広げると色っぽいし、いいですよねぇ。
個人的にはポニーテールが一番好きだったりしますが。
でも実際には手入れが色々と大変なんでしょうね。
髪の手入れでどんなところに苦労してます?

510 名前:名無し客:2006/05/22(月) 12:44:41
お下げとか。(ぼそ


…(想像中)


。。。。。。。。。。。。

511 名前:名無し客:2006/05/22(月) 23:48:35
お下げというか、お化け?

512 名前:オールドホームの灰羽達 番外編 ◆xRtREKI.VQ :2006/05/26(金) 03:00:10


 暗い階段の途中に座っている私は、七年前の私だった。

 六年前かもしれないが、それは大した違いではない。
 今より幼くて、今とあまり変わっていないだけだ。


 オールドホームの夜は暗い。人が少ない上に、そもそも電気が通っていない場所が大半
だから当然といえば当然だ。
 手を伸ばせばもぎ取れそうな、塊のような闇の中に私は座っていた。
 背中の羽の一枚一枚に重石がついているかのようだ。黒ずんだ羽は特に重い。
 いつもの夢を見た後は、決まってこうだった。

 こうして静かな暗闇の中に身を委ねていれば、次第に意識も闇に飲まれ、眠りというかり
そめの救いがやって来る。
 どんな人にももたらされる安息は、だが私にはない。
 毎晩のように繰り返される夢の世界は、これまでも、そしてこれからも私を苛むのだ。
 階段の途中で私はじっと座っていた。上がることも下がることも出来はしない。泣くことさ
えも。

 その時、足音が聞こえてきた。
 上の階からだ。段々こちらへ近づいてくる。
 背中の羽がぴくりと動いた。誰のものかわかったので、何か思うより先に体が反応してし
まった。

 足音の主は踊り場の辺りでこちらに気づいたのか、はっとして立ち止まる気配があった。
 私が膝に顔を埋めている間に、足音は階段を降りてくると私の隣に腰を下ろした。
 見なくても誰だかわかった。息遣いや匂いや、何より優しい気配を間違える訳がない。


 クラモリだった。
 

513 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/05/26(金) 03:00:52
――あ。
っと、いけない。こんな所でうつらうつらしちゃってたよ。
(煙草に火をつけ、ゆらゆらと立ち上る煙をぼんやり眺めながら)

何だか――懐かしい夢を見てた気がする。
寝言とかいってなかった?


>>506(永遠のマドンナK)
ふうん、母親に対して感謝を捧げる日か。
外の世界には色々あるんだなあ、何かの記念日。

ああ、そうだね。
クラモリは母親のような人だった。ちびどもにとってもそうだし、私やネムにとっても。
ついでにもし「姉の日」というのがあったら、その日にもクラモリに感謝しなくちゃいけない
し、「先生の日」なんてのがあったって同じだと思う。


大切な人だったんだ。
とても、とても。

514 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/05/26(金) 03:04:09
>>507(憶測・推測・不測)
ふーむ。
難問だな。何しろ手がかりが少ないからね。ま、やってみますか。

まず遊び心のある人、かな。
いきなり「私は誰でしょう」なんて謎かけを持ち出すんだから、がちがちの堅物じゃあないと
思うね。小言と説教で暇つぶししてるどっかの爺さんとは違って。

次に社交的な人っぽい。
似たようなこと、うちだけじゃなくて、あちこちで声かけてるみたいじゃない?
一つ所から出てこない人じゃ、こうはいかないでしょ。かび臭い寺院に篭りきりのどっかの
爺さんとは違って。

最後にいえるのは――憶測だけじゃ、常に真実にはたどりつけないってことかな。
とりわけ人の正体なんてことに関しては。
互いに向き合って話していても、その人そのものなんて中々わかりはしない。
仮面を被って顔を見せないどっかの爺さんと――いや、それより私と同じで。

だから結局、あなたの正体は不明、かな。
 

515 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/05/26(金) 03:05:39
>>508(あやまち)
まあ、初めに気づいたらミスは回避できちゃうしねえ。「しまった!」って思ったり、それで
祭りが開かれるのは先じゃなくていつも後な訳で。

で、そんな風にミスったのは……ああ、前に焼きりんご作ってた時、まさに「しまった!」と
叫んだなあ。あれは盛大なアフターフェスタだった。
作ってたというか、出来上がってオーブンの中から取り出した時にミスに気づいてね。
我ながらそんなベタな……というか基本的なポカで。何で間違えたんだか未だにわからん。

たまたまそこにカナが顔を出してさ。明らかにつまみ食いの隙を窺いに。
これは丁度いいと思って、「あーん、してみ」って口を開けさせた。で、小さく切ったやつを
放り込んだの。
当然、カナは嬉しそうにもぐもぐ食べ始め……たと思ったら、顔中ひん曲がっちゃって。
で、予めコップに汲んでおいた水を出したら、一気に飲み干して「なんじゃこりゃあ!」って
叫ぶもんだから。
やっぱ砂糖と塩を入れ間違ってたかと確認できて、ついでに自分で味見しなくて助かった
なと胸を撫で下ろした訳。


何だね、失敗に気づいても、慌てることなく対処すれば問題ないという教訓が、え?
カナはどうしたかって?

あー、滅っ茶苦茶怒ってた。
吐き出さなかったのはエライと、褒めてやったんだけどなあ。
 

516 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/05/26(金) 03:06:49
>>509(スタイル・カット・ケア)
おいおい、急になに? 持ち上げたって何も出ないぞ。
でも、ありがと。ふふ、ストレートに褒められると何だか照れるね。

長いと色々いじれはするよね、髪は。
まああたしの場合、そういう派手なのは似合わないし、髪型はいつもこれ。
あ、でも台所仕事する時にまとめ髪にしたりする。割と暑いからっていう散文的な理由。
(何となく髪を後ろで結び、ポニーテールに)

ま、せっかく褒めてもらったし。これはサービス。
髪の毛のお手入れは、それなりに気を使うよ。長い分、どうしてもね。
あたしは枝毛はあんまりない方だけど、それでも時々毛先を整えたりしてるし。
それにブラッシングも、し過ぎると逆に髪を傷めるから注意しないと。

それに髪が長いと、洗うのも結構大変だよ。あんまり熱い温度だとよくないから、ちょっと
ぬるめのお湯で洗うんだ。
その後、乾かすのがまた一苦労でさ。ごしごし拭くのも髪を痛ませるから、大き目のタオ
ルで包んで軽く叩くようにしたり。こういう時は短いと楽かもって思うねえ。
一番楽なのは……多分坊主頭だな。タオルで拭く必要なさそうで、あれは羨ましい。

いや、だからって坊主頭だの五部刈りだのにしようとは絶対思わないけどさ。
 

517 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/05/26(金) 03:09:08
>>510(おさげ髪の少女)
……何なんだその不自然な沈黙は。
あーいえ、説明して頂かなくてケッコウ。人の肖像権を侵害なさってるのはよくわかる。

とはいっても目新しい選択肢でもない。五、六年前までは三つ編みのお下げにしてたから。
んー、何だか懐かしい。

そういえば――時々クラモリにしてもらったな、三つ編み。
自分で出来るっていっても、いいからいいからって、結局編んでもらって。
ちょっと恥ずかしくて、でも嬉しかったのを憶えてる。

ちびどもの髪を梳いて上げたりしてると、何となくクラモリも同じ気持ちだったんじゃないか
って思うよ。
親心みたいなもの、なのかもしれないな。


>>511(毀誉・褒貶・パフォーマンス)
うわ酷っ。いうに事欠いてそれはねーだろ!
ちっきしょう、持ち上げる人が出ると下げる人も出るのか。よし、見てろっ。
(しゅるっとポニーテールをほどき、手早く三つ編みにしながら)

そりゃ今お下げにしたら、ちょっと幼く見えるかもしんないけどさあ。
大体面と向かって女性をお化け呼ばわりなんて、普通「執事、お客様のコートをとって差
し上げなさい」って対応されるぞ、きっと。

……よし。久し振りの三つ編みお下げだ。
どうよ! これでもお化けに見えるか!?


とか乗ってはみたものの、何だか……ひどく虚しくなってきた。
乗ったつもりが乗せられた気もするし、そもそも我ながらどこに乗ってんだろ。

やれやれ、部屋行って寝直すか。
お休み。
 

518 名前:オールドホームの灰羽達 番外編 ◆xRtREKI.VQ :2006/05/26(金) 03:11:59
>>512の続き

 夢の続きを夢見たのか、その夢を見ていたことを別の夢の中で思い出したのか、それは
わからないし、そんなことはどうだっていい。
 大事なのは、その時クラモリは私の側にいてくれたということだ。
 それは何にも増して大切なことなのだ。


 繭の夢を見ると、大抵悲鳴を上げて目を覚ます。
 ネムと一緒にゲストルームに寝起きしていた当時は、隣りで寝ている彼女を起こしてしまう
のが常だった。
 今夜もだった。ちょっと外の風に当たってくるといって部屋を出てきたが、心配したネムは
クラモリを呼んだのだろう。

 お互い口を開かずに、私達は座っていた。
 私の場合はいうべきことがなかったからだが、クラモリは何かいいたいこと、掛けたい言
葉があっても黙っていてくれたのだと思う。
 クラモリは何もいわなかった。ただ、隣りに座っていた。
 いつも私に接する時と同じように、側に寄り添ってくれていた。

 そうしてどの位の時間が経ったのか、クラモリは私を自分の方に抱き寄せた。
 されるがままに、私はクラモリの胸へ体を預けた。暖かい手が、そっと私の羽を撫でる。
 クラモリは囁くようにいった。

「今夜は一緒に寝ましょう。ネムにはいっておいたから」

 その言葉に頷きながら、その時だけは羽の斑が消えたような、そんな気さえしていた。
 それは、その時の私が一番求めていたぬくもりだったから。


 クラモリは体を離し、促すように立ち上がったので、私もそれに倣った。
 と、陽だまりのような笑顔を見せて、

「こんな所に座っていると、お尻、冷えちゃうわよ」

 ぽんぽん、とクラモリは私のお尻の汚れを払ってくれた。
 笑い返して、私は漸くこぼれてきた涙を拭いた。
 

519 名前:オールドホームの灰羽達 番外編 ◆xRtREKI.VQ :2006/05/26(金) 03:13:24
>>518の続き




 そうして私達は同じベッドで眠った。
 何一つ夢は見なかった。見る筈がない。


 その夜の私は、確かに満たされていたのだから。



 

520 名前:名無し客:2006/05/26(金) 23:04:45
カラオケの持ち歌は何?

521 名前:名無し客:2006/05/27(土) 00:26:40
             /:::::::;:::::::::::∧:::::::::|    \ ___
            /:::::::::::;;;::::::::/  l;:::::::l    / ;;;;;;;;;i
           , '::::::::::::::;;;;;::::::::i  l;:::::::l   ─<;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
           /:::,:::::::;::::;;;;;;l:: ::::l  l::::::::l    \;;;;;;;;;;;;|
         /::::,::::::::;:'''''';;;;l:: :::::!  l::::::::l      !;;;;;;;;;;|
          !::::::::::::::r    l:.: :::|   l:::::::l-─-、  i;;;;;;;;;;|
        |:::::::::::::;;l   l:: :::::l    !:::::::l ̄ ̄`  |;;;;;;;;|
        |:::::::::::::::ヽ-┐|:::::::|    |::::::| )       |;;;;;;;;|
        |:::::::::::::::::::;;;;;| !:::::::| __  |:::::|'  ___  |;;;;;;;;|
          |:::::::::i::::::::;;;;;;| |:::::::| ヽひ) |:::::| (ひノ ,l;;;;;;;;;!
          !::::::::l:::::::::::i::::l |:::::::| ---、 l::::| ,---  /;;;;;;;;;l
       |:::::;;;i;!:::l::::::l:::::||:::::::|     l::::|   ,/;;;;;;;;;;:l
   ,,.-‐''‐-、|::::;;;i;|:::'!:::::l::::::||:::::|;;;;;,,,,,,   l:::l ,,,,;;;;;;;;;;;;;;;::|
  /     l::::;;;!l|::::l!:::;l:::::::||:::::|;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::|
 l    ,.‐-、 l::::;;| l:::| l:::|:|::::|;|::::|;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;|:l;;;;;;;;;;;;;l;;;;;;::::|
 i    !   l:::;l l::| |:::l l::::|;|::::|;;;;;;;∧;;;;;;;;;!;;;;;;;;;;;;/!;;;::::::|
  ゙、   \   !::l l:| |:::l |:::| l::::l;;;;;;/ l;;;;;;;;;;;;∧;;/ l;;;::::::|

ほら、お化けだ

522 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/06/07(水) 00:43:10
>>520(プチノネ)
カラオケって? ……へえ、伴奏してくれるジュークボックスみたいなものか。
中々楽しそうな機械じゃん。

でも、あたしは歌は得意な方じゃないし。
持ち歌っていわれても、レパートリーだって大してないよ。
ああ、でも――あの歌なら歌えるかなあ。

どこで覚えたんだかは忘れた。
ついでに歌詞の意味もわからない。外の世界の曲らしいんだ。
節回しが気に入っててね、なんとなく口ずさんだりしてる。そんな歌。

そうだな、サビの部分だけ――ちょっと歌ってみようか?
ま、笑わないでよ。

 

523 名前:◆xRtREKI.VQ :2006/06/07(水) 00:45:23
>>522の続き
(小さな声で歌う。英語の歌だ)


 この汚れた羽を広げ 飛び立ったとしても
 私は何を言えるのだろう? あなたは私を見てくれるの?
 お願い 教えて


 私は愛を 真実を信じてる
 adore adore
 あなたの願いになれたなら

 私はあなたの中にいる 空の上にいるように
 adore adore
 あなたのところへ飛んでいくよ


 そう あなたを見守っている
 ずっと ずっと

 

524 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/06/07(水) 00:47:43
……お粗末!
はい、何もいわなくていいからなー。寧ろいわないでよ。


>>521(さかさま・お化け・TPO)
いや、そりゃなんていうか、時と場合だって。
例えばちびどもにいうことを聞かせようと思って「お化けが出るぞー」みたいにさ、こういう
感じで、えーと、こうか?
こういう姿勢を取っておどかす時はあるよ。まあ、ある時には。

だからって、常に「あたし=お化け」の関係にはならないでしょうが。
大体逆さに見れば、誰だってお化けみたいな顔になるってもんだろ。
特に今の状況だと、お互いそうだ。――ええい、「ほら」とかいうな、「ほら」とか。


……時に、座ってるあなたを後ろから覗き込んでるこの姿勢、もう止めていい?
足、吊りそうだし、何だか頭に血が上ってきた。
 

525 名前:名無し客:2006/06/10(土) 01:54:16
それじゃ、言っちゃおーっと。
いいなー、レキさんの歌、いいなー。いいなー。いいなあー。
アンコール。

あまり歌は得意な方ではないそうですけど、それでもついつい
歌いたくなるときってありません?

526 名前:名無し客:2006/06/10(土) 06:33:25
>>524
ひょいと顔を前に突き出してみたり

527 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/06/18(日) 03:55:38
>>525(I'll remember)
よ、よせってば。照れるじゃんか。
だめだめ、アンコールなんてしない。なしなし。


うん、得意じゃなくてもハミングとか、好きな歌の好きなフレーズだけついついってね。
そんな風に自分で歌いたくなる時はさ、気持ちがやわらかくなってるんだよ。だから歌が
出て来る。
この前、何となく口ずさんじゃった時もそうだったし、キッチンでサラダのマカロニ茹でて
る時なんか、ふんふん鼻歌まじりでなんてよくあるし。

逆に他の人の歌を聴きたくなるような時は、気持ちが強張ってるんじゃないかな。
疲れてたり、色々あったりで。
自分で歌うよりは、誰かの歌声の方がそういう凝りをほぐしてくれるのかも。
他の誰かの、ね。


 遠い街に旅に出て 帰らぬ人の
 声が言葉が 今も胸で 愛を伝える


……しまった、結局アンコールに答えちゃった。
今、やわらかくなってる時だから、と言い訳しとこう。
まあ――あたしの歌じゃ気持ちの強張りをほぐすなんてこと、出来そうにないけど。
 

528 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/06/18(日) 03:56:26
>>526(第三種接近遭遇・激突・負傷)
(不幸にも丁度バランスを崩した所に、デコとデコとがごっちんこ)
あうわっ!!
――っつう、星が見えた……。ぎざぎざの円盤型の。

ごめんごめん、大丈夫?
あ、おでこ。赤くなってる。それ、たんこぶ出来てないか?
んんー、あたしの方もっぽいな。
やれやれ。ちょっと待って。
(キッチンへ姿を消し、すぐに濡れ手ぬぐいを二つ持ってきて)


ほら、当てときなよ。
いや、自分でやんな、自分で。お互いセルフサービスだ。
あいたた。……全く、とんだお肌の触れ合い会話しちゃったな。
 

529 名前:名無し客:2006/06/18(日) 12:48:01
レキさん、こんなものが落ちてましたよ。
巻末を見た女の子がなにやら顔を赤くしておりましたが。

http://charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1101826341/69

530 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/06/19(月) 02:49:23
>>529(涅槃羽れき)
ええっと。

ああ、そう。どうもあんがと。そんな厄い本はこっちで預かろう。
大丈夫。責任持って処理するから。うん。


――こんなもん、即行涅槃……じゃない、焼却炉行きだな。
「書を焚(や)けよ、儒者を坑(う)めよう」って、どっかの王様だかもいったそうだし。
儒者って何者かわかんないけど、多分厄いやつのことだろ。こんなの描くような。
(ぱらぱらと、破かれてる袋とじの辺りに目を通していたかと思うと突然)


(鼻血噴く)
 

531 名前:名無し客:2006/06/19(月) 03:38:45
鼻血だったのか。
喀血するかと思ってたけど。板垣絵柄じゃなかったんかしら(何

532 名前:名無し客:2006/06/20(火) 21:40:16
今こちらではサッカーのワールドカップで世界中が盛り上がってます。
わが日本は残念ながら予選突破が大変厳しい状況になっていますが・・・。
もしハイバネーズでサッカーチームを結成したら
誰をどのポジションにしますか?
GKはたっているだけでゴールの大半を塞いでしまうアノ人で決まりのような気もしますが・・・

      ≡≡≡=-   ヘ( `Д)ノ  フミツブサレルマエニ ニゲロ!!
     ≡≡≡=-   ( ┐ノ
    ≡≡≡=- :。;  /


533 名前:名無し客:2006/06/24(土) 22:52:12
お酒はいけますか?

534 名前:ラッカ ◆FALLmQbKtY :2006/07/01(土) 14:55:59
レキー、いるー?
あのね、ヒカリが売れ残ったパンをもらって来てくれたから、みんなと一緒に食べよ?
いつもの穴あきパン。早くしないと、みんなチビちゃんたちに食べられちゃうよ?


――あれ? 何してるの?
日記……じゃないよね? なになに、壁の外と……へえ、レキ、こんなことしてたんだ。意外だなー。
あ、ごめん、気を悪くしちゃった?
でも、レキって一人の時は、いつも静かに絵を描いてるってイメージがあったから、びっくりしちゃって。
かってなイメージだよね。ごめん。

そうだ、ねえ、レキ。
私も一緒にやっていいかな?
何だか楽しそうだし。何でもやってみるって、私大事なことだと思うの。ね、いいでしょ?
もちろん、レキとここのみんながいい、って言ってくれればの話だけど。


よし、、伝言終了。あとはレキの返事待ちかな。
それじゃ私、下でパン食べながら待ってるね。早くしないとみんな食べられちゃうよ?

535 名前:◆xRtREKI.VQ :2006/07/02(日) 15:22:20
>>531(グラップラー烈牙・レキ・灰羽烈牙)


はいばねはねえ
SAGA的な意味で
グラップルするために
この世に生まれて
きたのではないんだよ
はいばねがさき
SAGAは後

れき (←垂れた鼻血の跡)
 

536 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/07/02(日) 15:23:20
また久し振りになっちゃったな。
ええと、何ていうか……ごめん。


>>532(ハイバネブルー)
結局何色だ。

あれ? 何につっこんでんだ、あたし?
あ、ちょっと、そこの明日へ向かって走ってる人。そっちには古小屋ハイバネーズが誇る
鉄壁の守護神が……あーあ。
(人間の体に発生してはいけない音が響いてくる向こうから、そっと目をそらして)

ええっと。
サッカーってのは、あたしはよく知らないなあ。――どこに向かって語りかけているんだ
か、自分でも謎だけど。
……何だこれ。今の人、本を落っことして行ったみたいだぞ。
スポーツの解説書かな。民光書房……『世界の怪球技・奇球技』?
微妙に怪しげな本だな。でもこれに当たれば、サッカーの何たるかはわかる訳か。

ふむふむ、基本的に足だけ使ってボールのやり取りをするスポーツ、と。
ポジションの振り分けはゴールキーパー、ディフェンダー、ミッドフィルダー、それからフ
ォワードの四つか。
じゃ、こんな感じでどう?


キーパー:ネム
ディフェンダー:ラッカ、クウ
ミッドフィルダー:レキ
フォワード:カナ、ヒカリ


監督は寮母の婆さんで。
カナとヒカリのコンビは、割とアグレッシブな攻めが期待できると睨んでる。
しかし守りが弱いな。真逆ちびどもを加える訳にもいかないし、どうしたもんかなあ。

あ、そういや総員何名でするんだろ。そこ読んでなかった。
なになに、一チーム十一名以下で――どちらかのチームが七人未満の時には試合は
できない。
……っておい! 結局キックオフにならないじゃん!
 

537 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/07/02(日) 15:24:13
>>533(酒・泪・男と女)
いけるか、と聞かれたら、うーん、いけることはいける。
でも毎日飲む訳でもなくて、ごくたまに夕食に少しワインをつけたり程度だよ。
潰れるまで飲んだ経験もなし。……ひょっとして、こういうのは「いけてない」のかな?

ちびどもは論外として、年長組もそんなに酒飲みなのはいないんだ。クウあたりは「お
酒なんて苦いよー」ってレベルだしさ。
ま、皆まだ若いからなあ。

ネムもそれほど好きな方でもないんだけど、それでもちょっとおいしいワインを手に入
れた時は、寝る前に二人して味見したりする。
今日も一日お疲れ様、って感じで二人でグラスを傾ける訳。仕事の愚痴なんかも訊い
たり、訊かなかったり。
司書ってのは、あれで中々大変みたいだしね。

一人で飲むよりは、誰かと酔う方がいいかもしれない。
一人だと際限なく飲んでアル中になりそうだ、なんて。――ははは。
 

538 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/07/02(日) 15:25:57
>>534
お、ラッカ。どうしたの?
ああ、ヒカリんとこのパンの差し入れか。あれ、最近じゃあの店の人気メニューらしいね。
してみるとラッカの光輪さまさまだな、ははは。

ん? ああ、これは――ま、そういうこと。
意外か、ふうん、そっか……。
ふふ、大体はその通りだしね。いや、別に怒ったりなんてしてないよ。
もちろん、ラッカも手伝ってくれるのは願ったり叶ったり。
それに悪いなんていう人はいる訳ないでしょ。こっちこそよろしく頼むよ。

それと、以前のお客さんの相手は出来る範囲でいいからね。
無理に全部する必要はないんだよ。こういうことは、まず楽しむのが第一なんだから。


うん、あたしもすぐにゲストルームの方に行く。
腹ぺこ軍団に、少しは残しとくよういっといて。
 

539 名前:◆xRtREKI.VQ :2006/07/02(日) 15:27:24
(レキの日記より)


(光輪のようにも見える穴あきパンのスケッチ)

今日から、ラッカが私の仕事――ではなく趣味? のようなものか。
ともかくそれを手伝ってくれることになった。

何だかどきどきする。
こんなにどきどきするのは、ラッカの繭を見つけた時以来。

一つ屋根の下で暮らしている仲間に、改めていうのは変な感じだけれど。
でもいっておこう。例えそれが届かない言葉だとしても。


ようこそ、ラッカ。私達のオールドホームへ。

 

540 名前:名無し客:2006/07/02(日) 17:51:33
いやー、結局ものの見事に敗退しちゃいましたね、ワールドカップ。
一つ一つの試合を見ればもうちょっと何とかなったんじゃないの?
と思うところもあるけれど、試合結果だけを見るならまあ、順当なところだと私は思いますけどね。

>メンバー不足
ヒョコさんやミドリさん等廃工場のメンバーも加えればいいんですよ。
レキさんならヒョコさんとのアイコンタクトもバッチリでしょ?

>>534
ラッカタンキタ━━━━━━━━ヽ(`Д´)ノ ━━━━━━━━!!
すみません、ちょっと取り乱してしまいました。
ところで、ラッカさん=ドジっ娘という印象があるのですが、
ご自分ではこの評価をどう思いますか?

541 名前:ラッカ ◆FALLmQbKtY :2006/07/03(月) 03:08:10
じゃあ、レキが許可してくれたからあらためて。

はじめまして。私は灰羽のラッカ。
落ちる夢、落下の夢。
そんな夢を繭の中で見て、そこからレキがつけてくれた名前。

後は――えーと、「灰羽」とかについては、もうレキが説明してくれてるんだ。
私が説明しなくちゃいけないことって、特にないね。
はは、またレキに何でもしてもらっちゃってるなあ、私。

とりあえずの説明終わり、っと。
あ、足りないところがあったら、何でも聞いてね。
どうも私、ちょっと抜けてるところがあるみたいだから、あはは。

>>540
>ところで、ラッカさん=ドジっ娘という印象があるのですが、
>ご自分ではこの評価をどう思いますか?

むー……。
(ぷくー、と頬をふくらませ)

酷いなあ、もう。
抜けてるところもあるとは言ったけど、だからって「ドジっ娘」はないと思うよ?

お裁縫にしても料理にしても、それなりくらいならできてるつもりだし。
別にガシャンガシャンお皿落としちゃったりとか、そういうのもないよ。
たまーにカナが、曲芸みたいに光輪の上にお皿乗っけて運んできて、
危ないよー、って言ってるのに結局ガッシャーン、ってのはあるけど。
でもあれは、ドジっ娘って言うより、コドモって言う方が近い気がするなー。

やっぱりオールドホームにドジっ娘っていないんじゃないかな。
みんなしっかり、一番小さいクウだって自分の仕事をしてる。
それが「いい灰羽」の条件だから。

あ、でもレキって案外ドジっ娘かも。
よく「ライター忘れたー」とか言って戻ってくるし。
そして、ライター持って行ったはいいけど、さっきまでライターが置き忘れられてたテーブルの上に、
代わりにタバコが座ってる、なーんてよくやってるし。
それによくベッドから落っこちてるし。
やっぱり、私の名前ってレキの方が似合ってるんじゃないかな、なんちゃって(くす



>>538 レキ
うん、ありがとう、レキ。
レキみたいに、私、頑張る。


>それと、以前のお客さんの相手は出来る範囲でいいからね。

うーん……うん、やっぱりやめとく。
それはレキのための言葉だと思うから。

あのね、言葉って大事だと思うの。
誰かが誰かに向けた言葉は、その人を癒したり傷つけたりする、そんな力があるもの。
でね、そんな誰かの言葉が、時間がたつにつれて、みんなの言葉になってく。
そんなみんなの言葉が、いーっぱい詰まってるんだって、
ネムの図書館に行った時に、私、思ったの。

だから、ここまでの500いくつの言葉は、レキのものだよ。
レキのための言葉、レキにかけられた言葉。
それを横から奪っちゃうっていうのは、やっぱりよくないと思う。
いつか「みんなの言葉」になるまで、それはレキが大切にとっとくべきものだと、私思うな。

それに、ここには練習するための場所があって、
そこには答えてもらうのを待ってる言葉がたくさんあるみたいだし。
時間ができたら、そっちの方をこたえて練習させてもらうよ。
その方が、私にも、そこに待ってる言葉にもいいと思うんだ。

それじゃ、あらためてよろしくね、レキ。





542 名前:◆FALLmQbKtY :2006/07/03(月) 03:16:46
(ラッカの日記より)



(何か描こうとして、上からぐしゃぐしゃに黒く塗りつぶした跡)


日記を、つけてみることにした。
この前部屋に入ったときに、レキがつけてるのを見たから。
絵日記なんだと思う。見せて、って言っても曖昧に笑って誤魔化して見せてくれなかったから、
本当のところは分からないけど。

私もレキみたいに描いてみようとしたけど、ダメだった。
鉛筆一本でなら何とかなるかな、って思ったんだけど。
素直に諦めて、文字だけの日記にしようと思う。
やっぱり、絵が描けるレキは凄い。

絵に限らず、レキは凄い。
優しいし、いつも笑ってられるくらい、強い。
私はなんだか、いつもレキの真似ばかりしてる気がする。
こうやって日記をつけてるのも、そうだけど。


ええと、何を書こう。
あらためて考えると、戸惑っちゃうなあ。
とりあえず、今日「レス」っていうのを始めたことを書いておこうと思う。
初めてのことを始める時は、いつもドキドキする。
期待と不安、ワクワクする気持ち。
いつかは忘れるこんな気持ちを、忘れないうちに書いておこう。


――でも、本当は「新しい」ことじゃない。
レキがやってるからやろうと思った、ただそれだけだもの。
この日記もそう。
小さい子達の面倒を見るのも、そう。
私はいつも、レキの背中ばかり見てる気がする。

まねっこだなあ、私。




真似てれば、いつか私もなれるんだろうか。
いつか私も、レキみたいな灰羽に。

543 名前:名無し客:2006/07/03(月) 03:18:01
大変だ!
ラッカが階段から落下した!

544 名前:名無し客:2006/07/04(火) 00:40:47
わーい、ラッカだ!
いつまでも仲良く、レキさんと一緒にいられるといいね。
いつもでも……。

ところで、ラッカの髪の毛って、一時期静電気で跳ねてましたよね。
まだショートのラッカだったから良かったものの、もしロングのレキさんが
跳ねまくっていたら……!?

……なんて、思いません?

545 名前:名無し客:2006/07/04(火) 22:49:35
明日の天気は晴れのち曇りだそうです

546 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/07/09(日) 04:47:08
(あちこちゴソゴソと探しながら)
あれ、どこやったっけな……。
ラッカ、あたしのライター見なかった?


>>540(がんばれ! ハネーズ)
あ、そっか。グリハイバネーズでいいのか。ついオールドホームだけで面子組んじゃった。
いや、ヒョコと――じゃない、廃工場と戦うんだろうって頭がまずあったからなあ。

んー、でもそれもどうだろ。ミドリや、ちょっと名前忘れたけど三人組の女の子達はいいとし
て、あそこの男どもは相当腰のすわった馬鹿揃いだぞ。
男女混合チームも面白そうだけど、プレーヤーとしてはねえ?
まあしかし、こういう時こそ監督を務める話師の腕の見せ所って訳で。

ていうか待った! あ、アイコンタクトって何だよ。
なんであたしとアレが目と目で通じ合う、そういう仲なんだよっ。
むしろアイコンタクトどころかフルコンタクトだっつーの!
 

547 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/07/09(日) 04:48:42
>>541 ラッカ
はは、私みたいになんて、変な目標を設定しちゃだめだめ。
ラッカはラッカらしく頑張ればいいんだよ。

私のための言葉、か。
――そうだね。とても素敵なことだと、今更ながらに思う。私なんかにはもったいない位。
私がそれを大切にしているのと同じように、ラッカも思ってくれるのは嬉しいよ。私の為だ
けじゃなく、言葉をくれた人達の為にも。

これからきっと、ラッカにもたくさんの言葉が贈られるよ。
ラッカもそれを大事にしてあげて。
きっとそれは、かけがえのないものになるから。


ほら、さっそく寄せられてんじゃない、「ドジっ娘」っていう言葉が。
ぷぷっ。

あ、こらこら、あたしまでドジっ娘呼ばわりしないよーに。
やっぱりその評価、ラッカの方が妥当でしょ。ドジっ娘っていうか、「ドジるかもしれなそう
な娘」って感じ。後ろから見てっと、何となくね。
この前、ラッカがオムレツ焼いてる時は特にそう思ったなー。「うわ落っことす! ……ああ
大丈夫か、やれやれ」みたいなさ。ふっふ。

大体ベッドから落っこちるのなんて、しょっちゅうしてる訳じゃないぞ。先週と先々週とその
前位だってば。
んな、ドジっ娘なんてそんな……んん?
(ふと探ったスカートのポケットからあっさりライターが出てくる。
 軽く咳払いしながら、まったく自然極まりない仕種で煙草に火をつけ)


だれが? なんだって?


>>543(緊急事態・虚報・Ballad Of Fallen Angels)
(思わず煙草を落として立ち上がり)

――ラッカが!?
怪我は! 救急箱、いいや医者はどこだ!
……って、そこにいるじゃん(>>541)。
なんだよ、びっくりさせんなよ。全く人騒がせだなあ。

いや待て――「実はさっき落っこちてたけど、心配させるといけないから黙ってた」なんて
話はなしだよ、ラッカ!

(不安に駆られて、ラッカの体中をぺたぺたとチェックチェックチェック)
 

548 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/07/09(日) 04:51:51
>>544(髪、跳ねてるん?)
おー、ラッカ人気だなあ。ふふふ。
そうだね。――ずっと一緒だよ、あたし達は。これからも。
そう、ずっと。


あー、そのあたしが静電気体質だったらっつう話の方はね。
思いません。
だってやだよ、あたし。この長さでそれだったら見られたもんじゃない。まるで山姥だ。

しかしあの朝、初めて髪の毛跳ねまくってるラッカを見た時、灰羽が見た夢で名前をつ
けるんじゃなかったら、


「じゃ、跳ねっ毛のハネにしよう。あなたの名前は、ハネ(跳)」


なんて決定しちゃってたかもなー、と思ったもんだ。
いや、でも逆にラッカをロングにしてみる、って手はあるか。何とか跳ねっ毛を押さえら
れればさ。
ふーむ。

想像してみると……けっこう大人っぽくてよさそう。
でもやっぱりしつこい跳ねっ毛が、なんだかあやふやな印象を与えそうな気がしなくも
なくないような、そうでないような。
 

549 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/07/09(日) 04:53:21
>>545(ウェザーブレイク・ヤン坊マー坊・降っても晴れても)
そいつは一大事。……って程でもないか。
とりあえず雨になったりするとやだな。洗濯物は昼辺りで取り込んどくか。

あれ?
でもなんで明日の天気がわかるんだ? 月にかさでもかかってた?
ほら、太陽や月にかさがかかってると、次の日は雨だっていうじゃない。ほんとかどう
かはわかんないけどね。
(新しい煙草に火をつけようとして、中々つかず)

なんかつきが悪いな。
こういう時も雨が近いっていうっけ、確か。煙草が湿っぽい時。
晴れのち曇り、ついでに「ところにより雨」だったりして。

あ、かさといえば、だったら仕事に出るネム達には傘持たせた方がいいかも。
万が一、帰りに降られたらたまんないからね。
 

550 名前:◆xRtREKI.VQ :2006/07/09(日) 04:55:25
(レキの日記より)


(二枚の小羽のスケッチ。一枚は普通の羽だが、もう一枚には黒い斑紋がある)

あの子には、時々はっとさせられる。
思いもかけないようなことを聞いてきたり、してみせたりすることがある。
ラッカの話だ。

いつか、ラッカも巣立つのだろう。オールドホームの皆と同じように、ラッカは良い灰羽だ
から。
私一人だけが違う。
きっと皆、私を置いて行ってしまう。

ラッカは平気なのだろうか。
「その日」がくれば、私のことなど書き損じの紙切れのように忘れて、見知らぬ世界へ去
って行くのかもしれない。


私はそれを喜ぶべきだ。祝福すべきなのだ。
そうしなければならない。そうしなければならない。
 

551 名前:名無し客:2006/07/09(日) 19:35:42
>>541
わりとよくコケるし、井戸にも落ちるし、静電気体質だし、
そんなに的外れな評価でもないと思うんだけどなぁ。
まぁ、ドジっ娘は自分で自分の事を理解していないことも多いし、
これはこれで。

>>546
なるほど、いつもフルコンタクトでスキンシップをはかっているから
アイコンタクトもバッチリなんですね。

さて、わが日本には古くから年に2回
お中元とお歳暮といってお世話になった人にお礼として品物を送る習慣があるのですが、
お二人でしたら誰に何を送りたいですか?

552 名前:名無し客:2006/07/11(火) 12:42:09
羽に目がくらんだ人を撃退する方法を紹介してください

553 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/07/16(日) 03:16:11
>>551(まごころを君に)
……くっそう、あたしの手持ちの言葉じゃ、この間違った論理を論破できん。
ラッカに対する評価はまあ、それはそれでって感じだケド。


それはそれで置いといて、中々細やかな習慣だね、そのオチューゲンとオセイボって。
気持ちが行き届いてるっていうか、行き届かせようっていうか。
あたしは、そういう相手はあんまりないから。寮母の婆さん宛てにでもすっかな。
品物は……鈴の実まんじゅうか、お茶っ葉でいいや。あの婆さんだし。

まあ内輪じゃなんだから、それじゃ――ああ、古着屋の兄ちゃんがいい。
考えてみると、あたしだけじゃなくてうちの全員がお世話になってる訳だからね、着るも
のに関しては。
色々と無理も聞いて貰ってるし、改めてお礼をしとくのも悪くない。

あいつ、酒は飲むのかな。それだったらウィスキーでも届けるけど。
それともお菓子でも作るか? ザッハトルテみたいな、ちょっと凝ったのを。
ちゃんと砂糖なしの生クリームも持っていってさ。これなら贈り物として立派でしょ。

でもって、お持たせ扱いで一緒に食う気満々で。ふふふ。
 

554 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/07/16(日) 03:17:39
>>552(不審者・対処・必殺技)
それ、むしろあたしに教えて欲しい。
確実に効くやつを。


っつっても、やっぱり自衛の手段は自分で備えておくべきだよな。
いや、案がないことはないんだ。
そういう不届き者にはさ、「しゃがんでごらん。羽はね、低い位置から見上げるようにす
るといいよ」なんて出鱈目でしゃがませた相手の膝を踏み台代わりにして、頭に飛び膝
蹴りかますってのは?
これは効くぞ、これは。

え? けっこう危険な技じゃないかって?
まあ、確かに。
でも例えばラッカとか、ちびどもにまで手を出そうなんて悪党には情け無用! 位でい
いんじゃないかな。


ちなみにあたしは、この技を「シャイニングハイバネ」と名づけようと思ってる。
 

555 名前:名無し客:2006/07/16(日) 23:30:04
アイスクリームは何味が好き?

556 名前:名無し客:2006/07/29(土) 16:03:16
オールドホームで何故か各自「自由研究」に取り組む事になりました。
どんな研究に取り組みますか?

557 名前:名無し客:2006/09/13(水) 23:55:57
あれ、まだ帰ってきてないのかな………なら。

(座布団の下にブーブークッションを仕込んでいく)

558 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/09/16(土) 04:30:28
「唄を忘れた金糸雀は」――何だっけな。
そんな歌をどっかで聴いたような、聴かなかったような。

ちょっと唄を忘れてたみたいだ。自分の唄を。
随分長いこと空けちゃって、ごめん。……よいしょっと。

>>557による悪魔の罠に全く気づかず、テーブルにお茶のカップを置きながら椅子に座る。
 ――そしてやんごとなき音が)
あっ……。
や、やだ。

おほんおほんおほん!
あは、ははは、も、もう、困ったなあ。
誰だよう、座布団の下に人騒がせなパーティグッズを入れたのは、なんちゃって。
ははは、は……は……。

……ううっ。



(実はそこは、>>557の仕込みがある席ではなかったという)
 

559 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/09/16(土) 04:32:11
……き、気を取り直していくぞ。ああ、いくったらいくぞ。


>555(ハッピーアイスクリーム)
アイス?
んー、あんまり甘さがくどくないのが好きかな。コーヒー味とか、その辺り。

少し暑い日は食べたくなるね。街で買い物したついでに、ちょっと食べたりするよ。
ただ街からオールドホームまでは、少し遠いから。アイスを溶かさずに運搬できる距離じゃ
ないのが困りものでさ。

なんで、そういう時は作っちゃえばいい。いや、割りと簡単に出来るから。
この前作った時は紅茶味が好評だった。こういうの、ハーブでも応用できそうだ。
カモミールとか、ミントとか。今度やってみるかな。


>>556(研究・開発・発展)
ああ、それなら「自由研究」っていうか、「共同研究」っていうか。
ちょうど最近、そういうのをやってる所なんだ。ヒカリと二人で。

どんなのかというと――。
 

560 名前:オールドホームの灰羽達 ◆xRtREKI.VQ :2006/09/16(土) 04:35:19


「ね、レキのもなめさせて」


 とヒカリがねだるので――特に断る理由もなかったから、私は自分のそれを彼女の方へ
「いいよ、はい」と向けた。
 慎ましげに舌を出し、ヒカリは私の方に顔を近づけた。ポニーテールが可愛らしく揺れる。
 菜の花にとまった蜜蜂みたいに私のをなめて、

「うーん、こっちも捨てがたいわね」

 そういうと眉を寄せた。

「……むむ、このかりかりしたトッピング、なにかしら? 香ばしくて美味しい」
「粗びきしたコーヒー豆じゃないかな。流石に凝ってる」

 と応じ、私はヒカリがなめた辺りをかじった。うん、やはりコーヒー豆だ。
 ――アイスクリームの話だ、コーンのカップに乗った。私はカフェオレ味で、ヒカリはラム
レーズン。


 もう少し経つと陽が陰り始める街の広場は、珍しく人影がまばらだった。私たち以外だと、
暇そうにしているクレープとアイスクリームの屋台の他は数えるほどだ。
 少し暑い所為もあるのだろう。私も買い物がなかったら、オールドホームでちびどものお
昼寝につき合っていたかもしれない。

 今日は早上がりだというヒカリと落ち合って、先ほど買い物を終えた私たちはここ、広場
の噴水の前で、現在ひと休み中である。
 甘いものでも食べようかということになり、屋台のクレープか、その側のアイスかがシュク
シュクと協議された結果、結局アイスに落ち着いたのだった。

 噴水の縁に腰かけていると、流れる水の音が気持ちいい。これだけで大分涼しくなる。
 それに美味しいアイスと――ああ、ちょうど今通り抜けていった澄んだ風があればいうこ
とはなかった。
 

561 名前:オールドホームの灰羽達 ◆xRtREKI.VQ :2006/09/16(土) 04:36:48
>>560の続き

「ねえねえ、レキ、そのバッグいつ買ったの?」
「ん、これ?」

 アイスを食べ終えたヒカリが訊いてきたので、私は脇にあるバッグを持ち上げた。
 あっさりしたベージュのトートバッグである。

「いや、買ったんじゃない。ほら、この前壊れちゃった傘が何本かあったろう? 骨の金具
がいかれたやつ。あれの布地で作ったんだよ」
「見せて見せて! ――あ、内と外で色が違う。内側はチェック模様だね」
「別の傘のと組み合わせた。結構いいだろ?」
「いいなあ。これ、普通にお店で売り物になるよ」

 取っ手の付け根にある灰羽連盟マークの刺繍に、ヒカリはえらく感心している。
 少し照れる。「そりゃどうも」とコーンの最後の三角錐をがりがり噛んで誤魔化した。

「こんなのでいいんだったら、ヒカリにも作ってあげようか?」
「わ、ホント? うれしい。
 でも、どっちかっていうと作り方を教わりたいな。私も自分だけのを作りたいもの」
「ヒカリらしいね」と私は笑って、煙草とライターを取り出した。

 ヒカリは料理や裁縫が得意だ。家事と聞くだけで逃げ出すカナと違って、こっちも教え甲
斐があった。
 煙草を口にくわえた。少し風があるので、慎重に火をつける。
 風に散らされた煙が、抽象的にも具体的にも見える図形をえがいて消えてゆく。

 それを眺めていると、ふと私がいなくなる時のことを思った。
 巣立ちの日か、そうでない別の終わりの形か。
 訪れがいつかはわからない。まだ先の話――そうであればいい。
 何にせよ、そんな時が来たら、ヒカリや皆は私のことなんか忘れてしまう。この煙みたく、
最初からいなかったようになるに決まっている。

 そうなった時でも、糸は残っているだろうか。
 吸った煙草の煙はなくなっても、上着の繕い、編んだセーター、靴下やらタオルやら――
皆のために私が針を通した痕は、ぬくもりとなって皆の側に寄り添っているかもしれない。
 それでいいじゃないか、と思う。


 思うだけだった。いつものように、ほんの少し思うだけ。
 そして私はいつもと同じ優しい声でいった。

「いいよ、一緒に作ろっか。まだ布地は余ってるから何でも出来るよ」
「ありがとう。それじゃ私、ポーチがいいなあ。クロワッサンみたいな形の」
 

562 名前:オールドホームの灰羽達 ◆xRtREKI.VQ :2006/09/16(土) 04:39:39
>>561の続き

 バッグをためつすがめつしていたヒカリが、不意に「あ、いいこと考えついちゃった」と呟い
たので、私は大げさに肩をすくめてみせた。

「そりゃ怖い。ヒカリの“いいこと”は、大抵ロクなことにならないからね」
「ひっどーい」

 口をとがらせるヒカリだが、別に本気で怒っている訳ではないようだ。バッグを置き、目と
眼鏡をキラキラさせていった。

「クロワッサンみたい、で思いついたんだけど、焼きたてのクロワッサンかブリオッシュを横
に切って、アイスを中に挟んでみるのって美味しいんじゃないかしら。
 つまりアイスクリームのサンドイッチって訳」
「お、さすがパンはパン屋……じゃなくて餅は餅屋。うん、いいんじゃない?
 外があったかくて中は冷たいと、温度差が面白い食感になりそうだし」
「でしょう?」

 この子には中々面白いひらめきがある。時々外すことはあるが。
 クロワッサンのポーチやアイスクリームサンドは、十分当たりの部類だろう。

「ものは試しだ、今度うちでアイス作ってやってみようか。何味が食べたい?」
「この前の紅茶風味の、美味しかったよね。えーとね、じゃあ明太子味」

 思わず煙草にむせた。もうハズレが出た。
 「あ、アイスクリームラーメンって手もあるか」と更にコワいアイデアを洩らすヒカリへ「んな
手があるかっ」と軽くチョップする。
 やれやれ、キッチンで禁断の実験なんかされちゃたまらない。

 すぐそばのクレープ屋のおっさんが、そんな私達の話を妙に真剣に聞いていたことには、
全然気づかなかった。



 ――アイスクリームの屋台と手を結んだそのクレープ屋が試行錯誤の末(なんだろうね、
多分)に「アイスクレープ始めました」という看板を立てたのは、その翌週のことだった。

 割と売れているのは客の入りでわかる。通りがかった私を呼び止めたクレープ屋のおっ
さんは経緯を説明すると「無断でアイデア借用しちゃって、いやあ申し訳ないねえ」とえらく
恐縮しつつ、せめてものお礼にとクレープのクーポン券をたくさんくれた。

 明太子やラーメンの方を使われなくてよかった、としみじみ思う。


「つまりこれは」と傘の生地にはさみを入れながら、ヒカリはいう。

「歴史に残る新商品の開発者という名を捨てて、大量のタダ券といういっときの実を取って
しまった訳で。タダより高いものはないってホントよねー」
「……いや、それは違うんじゃないか?」

 私は首をひねった。ことわざの使い方が間違ってる気がした。
 どこがどう違うのかは、ちゃんと指摘できなかったけれど。


【おしまい】
 

563 名前:名無し客:2006/09/16(土) 08:47:23
誰にでも簡単に習得できる護身術をお教えします。
その名も「蛙轢死体」
早乙女流裏技秘中の秘。轢き潰された蛙の如く土下座して敵を油断させる。そして攻撃をする。
レキさんならこれを完璧に習得できると思うのですがどうでしょう?

564 名前:名無し客:2006/09/16(土) 08:49:35
大砲の中に入って発射!

で壁は越えられませんかね。
れっきとした拳法としてあるみたいですし、配管工の親父等も移動手段として用いる事があるらしいですよ。

565 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/09/17(日) 03:42:43
井戸水でキンキンに冷やしたスイカって、なんでああ美味いんだろうな。
昨日買ってきたやつが、これがまた当りでさ。甘いのなんのって。
我ながら目利きの腕前を誉めてやりたい、ふふふ。

そういや、スイカはお新香にしてもいけるんだよね。あれも好きだな、あたしは。


>>563(真の護身)
……なんでまた、あたしなら完璧に習得できると思うんだよ、そんなせせこましい技を。
あ、字の読みが一部同じだからか? 根拠に乏しすぎだっつーの!

っていうかその技、護身術なんだから隙を突くのはわかるけどさ、あんまりにもあんまりだ
ろ。プライドやら何やら、もう全面的に。
もっとこうさあ、指で五箇所つつくと、相手は少し歩いてから心臓が破裂するみたいな見栄
えのいい技はないもんかねえ。

でもまあ、極悪な顔で死んだふりして油断を誘って、


「うわ! なんて凶悪な人相だ、こいつはきっととんでもねえ大悪党だ!!
 生きているといかん、息の根をとめておこう」


なんていわれてる所で、仰向けに寝たままの姿勢からジャンプして倒せ、みたいな無茶な
案を出されなかっただけマシかな。
大体護身術なんてのは、股の間を蹴とばすとか――そうでなきゃ相手がくっついて来た時
にパンチでもくれてやれば済むんじゃないの。

え? 密着した状態でまともなパンチなんか出せないって?
大丈夫。
正拳突きを駆動する二十余りの動作の内、三箇所分を差し引くだけさ。
十七箇所動かせれば、十分刺さる。

(しゅっしゅっと寸勁(に見えないこともない打撃)を放ってみる)
 

566 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/09/17(日) 03:44:22
>>564(砲弾・肉弾・放談)
……大砲ぶっ放つのはいいとして(いや、よかないけど)、アフターケアはどうすんだよっ。
まさかそのまま地面に激突して止まれってか? なんちゅうずさんな計画だ。

壁を越えられるかっっていったら、まあ越えられそうな気もするけどさあ。
そんなあほんだらな手段で壁越えた日にゃ、永久にグリの歴史に名が残るぞ。
もちろん、よくない意味で。
やれやれ。ったく、この街に大砲がなくてよかったなんて思う日が来るとはね。

第一そりゃ、拳法家だの配管工だのって特殊な冒険野郎ご用達のやり方なんだろう?
うちに話を持ちこむ時点で人選を間違ってる。取り合えず、あたしはやらん。
絶対やらん。


ま、あれだ。せっかくのアイデアを腐らしちゃ勿体無いっていうんなら、あんたやってみ。
壁の外から街へ向かって、一発ドカーンと。

こっち側では、できるだけ大き目のクッション用意しとくからさー。
 

567 名前:名無し客:2006/09/18(月) 19:47:31
努力と根性で奇跡は起こせると思いますか?


568 名前:名無し客:2006/09/18(月) 23:35:54
悪夢に終わりはあると思いますか。

569 名前:名無し客:2006/09/18(月) 23:38:39
一週間後に世界が滅んでしまうとします。
その場合、最後の一週間、どう。過ごしますか。

570 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/09/21(木) 00:35:30
>>567(勇気ある戦い)
努力と根性って、それがあるのは前提なんじゃない? 奇跡を起こすにはさ。
最低限そういうものを持って望まないと、出来ることだって出来やしない。
それらが欠けていても簡単に何とかなるようなら、最初から奇跡という程の事態でもないん
だろうし。

もし、努力や根性に縁がなかった人の所へ、信じられないような素晴らしい結果がもたらさ
れたとしたら、それは奇跡っていうか、単なる幸運ってことだと思う。
要するに「ついてた」だけさ。

必死で頑張って、出来ること以上のことをして、それでもどうしたって無理な時、いつもは縁
がないのに思わず「神様」って祈ってしまうような時に――ふっと願いが通じた時、そんな瞬
間が奇跡なんだろう。
自前の努力や根性だけじゃ足りないんだよ。多分、後押しが要るんだ。

それは「運命」――とでもいうのかな。
別の言葉もあるのかもしれないけど、そういう人の力の及ばない何かの後押しが、さ。


>>568(エンドマーク・救済・後先)
何にでも終わりはあるよ、きっと。
それは救いや赦しなのかもしれない。ある意味では。

ただ、問題があるとしたら――。
(煙草をそっと灰皿に置いて)

悪夢が終わるより先に、その人の一生が終わってしまう場合の方が多いってことかも。
 

571 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/09/21(木) 00:36:25
>>569(彼らの終末)
明日終わるとかじゃないんだ。そう考えると、一週間って結構長い気がするな。

最後の一週間、かあ。
「滅ばないように努力する」って答えは反則? まあどうせ、もし世界が滅んでしまうような
事態が起こったとしても、私に出来ることなんてないか。
そうだな――。

そう、やっぱりオールドホームでみんなと過ごすよ。
できるだけ長く。みんなと過ごせた時間は、何より大切な思い出だから。
何もかもなくなる瞬間まで、そのしあわせと一緒でいたい。

それから、きちんとお別れもしないとね。
いいたくてもいい出せなかったこと。
お互い当たり前のように思っていて、通じ合ってもいて――でも口には出さなかったことを、
きちんと言葉で伝えておきたい。

そして――。


……ああ、いや。何でもない。
やっぱり短いなと思ってさ。最後の後始末するのに、一週間程度じゃ。
 

572 名前:◆xRtREKI.VQ :2006/09/21(木) 00:38:06
(レキの日記より)


(書き損じのような線が、ぐちゃぐちゃともつれている)

はやくあの絵を完成させよう、と改めて思う。
繭の夢の絵を。


いつ、世界の終わりが来てもいいように。
いつ、私に残された時間が尽きても大丈夫なように。
 

573 名前:名無し客:2006/09/21(木) 02:39:57
一つの場所に結構長く居ると、「私はここにいていいんだろうか」とか、
ふと思ったりしませんか?

574 名前:名無し客:2006/09/21(木) 23:54:24
グリの街はある意味贖罪の場とも取れます。
けれど、灰羽以外の生き物は何故存在しているのでしょうか。

575 名前:名無し客:2006/09/21(木) 23:57:03
傲慢、嫉妬、憤怒、怠惰、強欲、暴食、色欲。

いわゆる7つの大罪ですが、自分が犯していると思う罪はありますか。

576 名前:名無し客:2006/09/29(金) 21:46:47
夕日に向かって何か叫んでみてください。

577 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/10/08(日) 21:04:10
>>573(居場所・認可・ここではないどこか)
――多かれ少なかれ、そういう風に悩んだことがない人って、いないんじゃないかな。
そこにいた時間の長さとは関係なく。

何か不満があれば、別の場所を求めたくなる。
満たされていても、逆に落ち着かなくなったりする。
可もなく不可もなくだったとしても、「ただぼんやりとした不安」を感じてしまう。

こういうことは、夏の逃げ水みたいなのかもしれないよ。
ここではない「本当の居場所」がどこかに――ある時にはすぐ目の前にあるような気がして、そ
れを追いかけてしまう。
追いかけても追いかけても、それは先へ先へと逃げ去って辿りつけない。
まぼろしなんだ。暑さで揺らいだ空気みたいな、まぼろし。


大抵の場合、今その人がいる所が、その人のいるべき場所なんだよ。
その人なりのいるべき理由はある。誰にだってある――。

だからいいんだ。誰であろうと「そこにいていい」んだと思うよ、私は。
 

578 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/10/08(日) 21:05:03
>>574(僕らはみんな生きている)
確かに、罪を受けて――理由もわからないその罪を、贖い方すら判らずに暮らす灰羽もいる。

だけどほとんどの灰羽は、そう、ラッカ達にはそんな罪なんてない。
良い灰羽の光輪と羽は、償うべき罪がない証だ。そういう灰羽の方が多いんだ。
だから贖罪という生き方を選ぶにしても、それは少数派だよ。


まあ、それはそれとして――なんでいるんだろう。
灰羽以外の生き物、つまり街の人達も含めてだよね。ふーむ。
(煙草に火をつけながら)

と、思わず考えこんでしまうこと自体が答えかも。
外の世界の人は、例えば「世界に人間以外の生き物は何故存在しているのか」と訊かれても、
すぐに答えられる?
それと同じでさ、何かこれこれっていう理屈があるからある、ってものじゃないような気が
する。なんで生きてるのか、どこに行くのかみたいな疑問は。

それを踏まえて答えると、この街も世界の一部だから、かな。
グリは灰羽のための街かもしれないけど、同時にそこにいる人や生き物や、それ以外のため
の場所でもあると思う。

人も灰羽も「そこにいていい」場所なんだよ、きっと。
だから人も灰羽も存在する。そういうことじゃないかな。
 

579 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/10/08(日) 21:06:06
>>575(七つの罪・自分の罪・ツミ)
さて、ねえ。暴食だの色欲だのは、まあ最初から除外するとして。
強欲ってほどがめつくないし、憤怒ってほど怒りっぽくもないと思うけど。
傲慢に怠惰? あんまり自覚ないなあ。

残りは――嫉妬?

――別に誰かを羨んだりするようなこと、ないよ。
まあ、タンパクな性分でね。


>>576(青春はうるわし)
叫べって? 夕日に向かって?
「バカヤロー!」とか?
「ダンチョネー!」とか?
「イワッシャー!」とか?


何かあんま気が乗らんけど……。
そーだねえ。じゃ、「なんでやねーん!」で。


おいおい、実際にやるのは勘弁してよ。
オールドホームは野中の一軒家みたいなもんだけど、うちの皆が何事かと思うって。
 

580 名前:オールドホームの灰羽達 ◆xRtREKI.VQ :2006/10/08(日) 21:07:35


 こうして繰り返し見る度に「まただ」と思う。それが何処なのはわかっていても、しかし決して
慣れはしない。


 ふと気づくと、私はお決まりの光景の中にいた。
 赤い月が出ている。見上げなくてもわかる。
 辺りはとても暗く、ひどく寒い。陽が昇ったことがあるのか疑わしい程に熱がない。
 いつもの夜の、いつもの夢。石ころだらけの道だ。
 繭の中で見たのと同じ暗い光景が、今も目の前に広がっていた。

 そう、いつもの夢と何一つ変わらない。
 あまりに変わらない眺めだったので、一人ではなく同伴者がいることが暫くわからなかった
程だ。


 連れは白い服の少女だった。前を行くその少女に手首を掴まれ、私は一緒に歩いている。
 少女の服は、生まれたばかりの新生子が着ている素っ気ない衣に似ていたが、彼女は灰
羽ではなかった。羽も光輪もない。
 髪は肩の辺りまでで、夜と同じ色をしていた。前を向いており、顔はわからない。
 わからないといえば年齢も不明だった。私より大分年下なのは確かだが。

 少女の白い装いは寒々しく、何となく弔いの衣を思い起こさせる。
 その後姿に、どことなく見覚えがある気がした。どこで見かけたのかは思い出せなかった
けれど。


 「ねえ」と遠慮がちに声をかけたが、少女は答えず、黙々と進んでいく。
 もう少し強い声で呼びかけ、私は足を止めた。ほとんど同時に少女も止まる。
 私は幾分緊張した声で訊いた。この夢に誰か他の人が現れたのは初めてだった。

「あなたは、誰? ここは――この夢は一体何なの?」

 少女は黙っている。振り向きもしない。
 その沈黙に苛立った私が、更に問いを重ねようとした時、少女は木の葉が枝から落ちる
ような声で「ツミ」といった。


「それが私とあなたの名前。そしてこの風景の意味」
 

581 名前:オールドホームの灰羽達 ◆xRtREKI.VQ :2006/10/08(日) 21:09:23
>>580の続き

「罪? ――私はそんな名前じゃない。私の名前は……」

 私は言葉に詰まった。
 わからない。灰羽として与えられた、自分の名前が出てこない。
 心の中にわけのわからない空白が居座っている感じだった。どこかへ忘れてきた自分の
名前を探そうとしても、その空白が邪魔しているのだ。
 ツミと名乗った少女は相変わらずこっちを見ずにいった。

「あなたの心は損なわれているのね。この場所も、自分の名前すらも思い出せない。
 だからこそ、それはあなたの名前なのよ。罪を犯して失ったものの代わりに、あなたはそ
の名前を得たの」
「私が罪人だというなら、それでいいさ」

 私は吐き捨てるように応じた。

「だけど教えて。ここで私は――何をしたんだ?」

 我ながら青褪めた声だった。七年間、求め続けた問いなのだ。
 ツミの答えは簡潔で、しかも意味がわからなかった。

「よくないことよ」


 私は下唇を噛んだ。いつの間にか歩みを再開した少女に従って、自分も歩き出している
のにも気づかなかった。
 ツミは細々とした声で続けた。

「この光景のことじゃなくてもいいわ。日々の暮らしの中でだって、あなたは罪を犯し続けて
いるでしょう。人を偽り、自分を偽っている」

 私には答えられなかった。その通りだった。
 私は仮面を被り続けている。人の為という――偽善の仮面だ。そうしている時だけ、私の
罪悪感は晦まされるのだ。
 「まだあるわ」とツミはいった。

「嫉妬という罪よ」
 

582 名前:オールドホームの灰羽達 ◆xRtREKI.VQ :2006/10/08(日) 21:10:28
>>581の続き

「嫉妬? 私が?」
「そう。――が巣立った時、あなたは彼女を妬んだ」

 私は目を瞬いた。何をいっているんだ?
 そんな筈はない。あの子はまだ普通にオールドホームで暮らして、

 いや。
 そうだ。確かに――が巣立った時の記憶が私にはある。
 私は――が巣立ちの日を迎えた時、その別れを哀しみ、その旅立ちを祝福しようとし、け
れど確かに嫉妬してもいた。
 それが切っ掛けだったかのように、全く別の記憶も蘇ってくる。未だ体験していない思い出
なのに、まるでついさっき起こったことのような生々しさで。
 これらは「未来の」記憶だとでもいうのか。

 そう、――が罪の穢れを雪いだ時も、私はそのことを祝福する前に彼女を妬んだ。
 罪の夢に憑かれたのは同じなのに、一人だけ先に赦された――を羨んだ。
 彼女と二人だけの秘密を共有出来なくなったことを、身勝手にも裏切りだと感じた。
 未来かどうかなど関係ない。彼女のいう通り、嫉妬が罪ならば、確かに私はこの上ない大
罪人だろう。


 みんな行ってしまう。みんな私を追い越して行く。
 私だけが一人取り残される。いつもそうだ。
 そうして羽の斑より多くの黒い想いを抱え込み、そんな汚い感情を育てている惨めな自分
を、私は心の底から厭わしく思ったのだ。


 何かいおうとしたが、唇が震えるばかりだった。泣き出したかったが泣けなかった。
 そんな私にはお構いなしに、陰々と少女は続ける。

「あなたは思っている。いつも思っている。なぜ自分だけがこんな目に合うのか、他の皆は
楽しく満ち足りているのに自分だけなぜ、と妬み、嫉んでいる」
「違う! 私はそんなこと考えてない!」
「お得意の嘘ね。ほら、また罪が増えた」

 羽に疼きが走り、私はうめいた。黒い斑点が増えたのだろう。
 反射的にツミの手を振りほどこうとしたが無理だった。自分の手足が体から外れないのと
同じように、少女の手はひどく自然に私の手首に添えられたままだ。
 暴れる私の動きなど気にも留めていない様子で、ツミはゆっくりと振り向いた。
 ひっ、と私は息を呑んだ。


 見覚えがあるのも当然だった。彼女は私自身だったから。


 ただし、今の私じゃない。七年前の私だ。
 壁の向こうから――本来いるべき場所からやって来たばかりの私だった。

 体中がどろりと溶けていくような気がした。私という輪郭が線を失い、ツミという名の私と
この暗い世界との境が曖昧になっていく。


「あなたはこの場所を思い出さねばならない」

 託宣を告げるように私のツミはいった。

「そして受け入れなければならない。その行為が、何も救いをもたらさないのだとしても」
 

583 名前:オールドホームの灰羽達 ◆xRtREKI.VQ :2006/10/08(日) 21:12:29
>>582の続き

「――レキ、レキ。ねえちょっと!」
「え……?」


 肩を揺すられた私は、はっとして身を起こした。
 ――ここはゲストルームだ。夕映えはそろそろ薄れがかり、窓辺からは薄っすらと夜の
暗さと、気の早い虫の音が侵入しかけている。
 心配そうに私を見ているネムの顔をようやく認識して、私は何だかとてもほっとした。

「ひどいうなされ方だったから起こしちゃったわよ。大丈夫?」
「ああ――そっか」

 どうやらテーブルでうたた寝をしてしまったらしい。眉間を揉んで顔をしかめた。
 よく覚えていないが覚えている。いつもの夢を見たのだろう。

「ごめんごめん。ちょっと夢見が悪くて」

 軽く笑ってそういった。
 大丈夫だ。いつも通りの顔は出来ている。
 そう、とだけ答えたネムは「もう暗いんだから、電気つけなさいよ」と自分からスイッチの
方に行った。

 ――ネムは私の悪夢のことを知っている。
 態度には出さないが、時として自分自身より私を優先させもする。
 うぬぼれではない。心苦しいのだ。私には彼女に案じてもらうような資格はないから。
 だから、これ以上彼女を心配させてはいけない。私はいつでも笑っていなければ駄目
なのだ。

 その時、幽かな笑い声がした。
 夢の中で聞いた声だ。愕然と振り向く。
 ほの暗い背後の空間には、しかし誰もいなかった。

 不意に部屋の灯りがついた。気の抜けたような灯りが夕闇を払っても、やはりそこには
何物も存在しなかった。

「なに? どうかした?」とネムが不思議そうに訊いてきた。
 ネムには何も聴こえなかったらしい。今の笑い声は幻聴だったのか。

「いや、別に何でも――」

 ない、といいかけて、手首に目を落とした私は硬直した。
 テーブルに突っ伏して寝ていたから、変な痕がついたのだ。そうに決まっている。


 手首の辺りには、まるで誰かに掴まれたような痣が残っていた。


【おしまい】

584 名前:名無し客:2006/10/08(日) 22:21:16
レキさんの羽を狙う輩は色欲に狂っているのでしょうか?

585 名前:名無し客:2006/10/09(月) 21:01:36
最近は、ネムと喧嘩してませんかね?

586 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/10/13(金) 01:51:39
>>584(羽に羽して・想い出のはね・羽とは何でしょう)
……訊くのか、それを。あたしに。

狙われる側としては、なんで羽なんだよといいたい。
だってさ、そのなんだ、ん。
……何というか、カンというか的な欲求を抱かせる部分じゃ、ないじゃんか。
まあ、そういう欲求を抱いてしまう人だから、色欲に狂ってるといえるんだろうケド。

あたしを狙う分には、適当に撃退してやるからまだいい。
けど、それが高じて年少組とか、ラッカ達をターゲットにしたら許さんぞ。マジで。
 

587 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/10/13(金) 01:52:37
>>585(強き二人の羽)
ああ、別にしてないけど。
え、なんで? なんかネムにいわれた?

昔はともかく最近は……やっぱ覚えがないな。
ずっと昔、私がオールドホームに来たばっかの頃は――まあ色々あったからさ。
喧嘩してたっていうより、しっくりいってなくてね。あっちは何歩も引いてるし、こっちも踏み込
めないしっていう感じだった。
あの一時期は、逆に喧嘩はしてなかったように思う。ただ、溝を挟んで立ち尽くしてた。

むしろ、普通に喧嘩できるようになったのはその後。
まあ、やっぱり色々あって……いいたいことをいい合ったり、ぶつかっていけたりするような
関係に変わっていったんだ。

――またその後で、ネムの気持ちをひどく傷つけてしまったことがあった。
でも、あれも喧嘩じゃない。ネムは悪くなかったし、私がどうしようもなく馬鹿だっただけだ。
一方的にね。


最近は喧嘩とか、んー、ない筈なんだけど。
なんだろう、ネムを怒らせるようなこと、したかな。
……あ、待てよ。戸棚にあった最後のマシュマロ、あれ、ネムが狙ってたんかな。

むむむ。
ま、鼠が引いてった方向で押し通しますか。
 

588 名前:名無し客:2006/10/13(金) 01:54:49
最近のベストオブ「こいつはうっかりだ!」を、身近な人それぞれについておせーてください。

トリは自分ので。

589 名前:名無し客:2006/10/14(土) 22:31:34
今のお仕事についた理由をお聞かせ願います。

590 名前:名無し客:2006/10/14(土) 23:03:17
そろそろ羽袋が必要な季節でしょうか。
ところで、あの羽袋のデザインって誰がやっているのでしょうかね?
女の子らしく、もっと可愛いヤツとか作ったりしませんか?

591 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/10/20(金) 01:55:33
>>588(黙秘・暴露・さらしもの)
いやー、それはちょっと……教えらんないな。
何しろ皆の失敗談を棚ざらえしちゃうことになるからね。いくらなんでもそれは。
まずいでしょ。
(などといいつつ、辺りをはばかる小声で)

今はまずいって。まだカナ達が出たり入ったりしてるから。
もうちょっと、待つんだ。そしたら……。


――ふふ。
 

592 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/10/20(金) 01:56:23
>>589(はたらくひとたち)
「お聞かせ願います」なんていわれると、まるで面接みたいだ。思わずしゃちこばっちゃ
いそうになるね。
えー、「現在の職についた理由は、ある人に勧められたからです」なんて感じかな、はは。

ある人っていうのは、クラモリだよ。
あの頃――自分が何をしたらいいか、何をしたいのかもよくわからなかった七年前の私
に、クラモリはそう勧めてくれた。
新生子やちびどもの世話をする仕事はどうか、ってね。
それは私の為に与えられた部屋、今のゲストルームと一緒に、この街で生活する大切な
標(しるべ)になった。

子供の世話ってのは、どうしたって大変だ。目も手も離せない。
だから悩んでる暇もない。――そうして私は、この街での自分の道を歩き始めたんだ。


ひょっとしたら、何かの加減で私も図書館や時計屋で働いてたかもしれない。
そう考えるとおかしな気がする。ないようで、道は様々に枝分かれしてるものだからね。
といっても結局、どれかしら一本の道しか選べないけれど。
でも不思議とその人の選んだ道は、その人にしか選べない、その人だけの道――のよう
にも思えるよ。たどっていった道を後から見ると。

さしずめ、私のいく道は――。


(小さく首を振って)
いや。何でもない。
 

593 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/10/20(金) 01:57:27
>>590(冬支度・意匠・試行錯誤)
ああ、もうじきだな、羽袋出すのは。
もうそんな季節なんだ、と毎年思うね。――って去年もいった気がしなくもない。

デザインは……いや、あたし達も教わった通りにやってるだけだから。伝統ってやつで。
大元の羽が羽だし、それを覆うとなると基本的なデザインはあんま変えられないんじゃない
かと思うけど。
あ、でも手袋は色々とバリエーションあるもんな。ミトンみたいなのからフォーマルまで。
うーん、アイデア次第か。可愛いやつ、っつーと……。

黒いレザーでキメてみる、とか……駄目だな。あやしすぎる。
コートの襟っぽく、羽毛で縁取り……そもそも「羽」の防寒具としては、なんかおかしい。
指なし手袋みたく、羽の付け根の所だけ……い、意味ねー。

まあ無難に毛糸で編む、あたりがいいのかも。あったかさ倍増しなのは確実だし。
今度作る時、皆に意見を聞いてみっかな。
 

594 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/10/20(金) 02:02:25
>>588(愚か者死すべし)
(さりげなく席を立ち、入り口のドアを開けて付近に誰もいないのを確認してから)


さて、「ハチベエさんも真っ青! こいつはうっかりだ!」グランプリ。
満を持してノミネートに入っていく訳で。

トップバッターは、やっぱヒカリかな。こう、あっけらかん、とやるよ。
この前なんかご飯にかける用の生卵に、醤油じゃなくてソース混ぜちゃったことがあった。
あちゃあ、と思ったんだけど、しょうがないから卵焼きにしたら、不思議とそれなりに美味
しかったんだよな……。流石に転んでもただでは起きんというか。

カナも中々だぞ。勢いに任せて突っ走るからなあ、あれは。
朝、あたしがご飯の支度してたら、バタバタ駆け込んできて「寝坊した寝坊したー!」って
一人で大騒ぎしてすっ飛んでったことがあって。
暫くして帰ってきて、「今日は日曜じゃんか! 教えてくれよ!」と怒るんだこれが。
いや、それは当然知ってたけど、どこまで行くんだろうと思って黙ってたの。
因みに街まで行って漸く気づいたんだってさ。ご苦労様だね、全く。


で、うちの最年長、しっかりと腰の入ったうっかりをするネムさんのお出ましだ。
書庫の整理でてんてこまいだとかで、ネムの帰りが連日遅くなってた晩のこと。
ゲストルームに来るなり「瞼と瞼はお友達」ってな顔してるから、「もうざっと風呂入って寝
ちゃいなよ」と風呂場に送り出したのはよかったんだけど。
そのまま帰ってこないんだ。
長湯にもほどがあるし、念の為に覗いてみたら、案の定というか。
浴槽に浸かったまま寝てた。……そういう意味でいったんじゃないんだけど。

唇までお湯の中だっつうのに、鼻ですうすう息してたな。器用だ。


ま、ここらへんの年長組三強の座は揺るぎないね。ラッカやクウなんて可愛い可愛い。
……え、トリはあたし?
ご冗談を。ここでそんなん晒したら、それが最大のうっかりじゃん。はっはっは。
 

595 名前:◆xRtREKI.VQ :2006/10/20(金) 02:03:37
(レキの日記より)


今日、街へ行こうとスクーターの置き場に行ったら、鍵を持ってき忘れたのに気づく。
部屋へ取りに戻ったが、鍵はどこにもない。

散々探した後で、三日前にゲストルームの棚に置いたのを思い出す。
で、ゲストルームに行くと、腹立たしいことに影も形もない。
一昨日使った時、服のポケットに入れたままだった……ような気がして、ジャケットを放り
こんだ洗濯籠を漁る。
ジャケットはあったけど、鍵はやはり見つからず。

困り果てたその時、不意にすごく悪い予感がした。
その予感に導かれるようにスクーターの所に戻ってよく見たら、鍵は昨日から差しっぱな
しだった、とさ。


こういう時、うちの周りは人気がないから、スピードをいつもの三倍くらい出しても平気な
のはいい。気が晴れる。
しかしスクーターの鍵は、きちんと置き場所を決めておこうと心に誓う。
……あれ? 結局それでどこに置いたんだっけ?
 

596 名前:名無し客:2006/10/20(金) 22:46:51
レキさん流のストレス解消法を教えてください。

597 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/10/26(木) 00:07:34
その年、最初に着るセーターって、なんだかえらく頼もしい感じがするな。
ちょっと窮屈な感じで、少し重いようで、でもやっぱりあったかい。


>>596(意識の中・イメージ・気分転換)
そういうことなら、あたしは絵かな。絵を描く。

軽くスケッチとかね。
記憶の中に収めておいた情景を、じっくり眺め直しながら、その線をなぞっていくんだ。
その情景と切り離せない、自分の思いも一緒に織り込みながら。

まあ、悪戯書きみたいなものだけど。
それでも中々思う通りに進まなくて、逆に煮詰まっちゃうこともあったりする。
ただ、この手の好きなことやってる時の悩みや苛立ちみたいなのは、本当にいやなこと
のストレスとは全然別物だし。


いや、別に絵じゃなくてもいいさ。自分の好きなことをすればいい。
時間の許す限り自分のしたいことに浸りきれば、いやなことの全部とはいわないけど、
半分は忘れられると思うよ。
いつもの自分が半分も取り戻せたら御の字さ。
五分五分ってのは、悪い勝負じゃないんだから。
 

598 名前:名無し客:2006/10/26(木) 00:11:06
ハロウィンの準備はしていますか?

599 名前:名無し客:2006/10/27(金) 02:44:54
ところでレキさん。
煙草はやめないですか?

……吸い続けたらきっとヒョコさんに嫌われるよ……(ボソッ)

600 名前:名無し客:2006/10/28(土) 22:02:29
あなたの今いる一刻館のCMを考えてみてください。

601 名前:名無し客:2006/10/30(月) 09:23:55
ミドリが「レキはトンボ取りの名人だ」って言っていました。
私もトンボ取り名人になりたいです。
出来ればコツを教えてください。


602 名前:名無し客:2006/11/01(水) 02:48:00
 ヾヽヽ
 (,, ・∀・) 一羽でチュン!
  ミ_ノ
  ″″
 ヾヽヽ    ヾヽヽ
 (,, ・∀・) (,, ・∀・) ニ羽でチュチュン!!
  ミ_ノ    ミ_ノ
  ″″    ″″
 ヾヽヽ    ヾヽヽ   ヾヽヽ
 (,, ・∀・) (,, ・∀・) (,, ・∀・) 三羽そろえば
  ミ_ノ    ミ_ノ   ミ_ノ
  ″″    ″″   ″″

に続くフレーズを考えてみて下さい。

603 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/11/04(土) 03:46:30
>>598(十月はたそがれの国)
ハロウィン? ……ははあ、そういう祭りかあ。
残念ながらこの街にはないんだ、そういう慣わしは。ふんふん……へえ、外の世界のお
祭りは派手だねえ。

あ、じゃああれはそのお祭り用の品物なのかな。
いや、前にね、一抱えもあるようなお化けカボチャをくり抜いた被り物を、大門広場の市
で見たことがあるから。
何に使うんだろうって皆で笑ったんだけど。それ用なんだ。

そうか、もう終わっちゃったんだ。
ちょっと見てみたいもんだね、一度。さぞかしすごい騒ぎなんだろうな。


怪物や幽霊や魔女の格好した子供たちが、「お菓子か、しからずんば死か」って叫びな
がら一軒一軒家に火をつけるって、しかし大概な奇祭だなあ。
どんだけお菓子を用意しとかなくちゃいけないんだろ。
 

604 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/11/04(土) 03:47:16
>>599(タバコ・禁煙・君の名を呼べば)
……だ、だからなんでそこであのバカの名前が槍玉に上がんだよっ。

何となく習慣になってるから止めづらいし……っていうか、いいじゃん、別に。
第一、あいつに嫌われるんなら丁度いいさ。ばんばん吸ってやる。
もう五、六本一気にくわえて、耳や鼻にまで突っ込んでモクモクと。
(流石に馬鹿らしくなってきた顔で、げんなりしながら煙草に火をつけようとして)


……これ、逆さまじゃんか。
ええいもう、まったく!
 

605 名前:◆xRtREKI.VQ :2006/11/04(土) 03:48:21
ラジオCM台本 >>600(楽園の向こうへ)

●シーン1
(『プロムナード』のBGM、静かに流れる)

(少女の声)
「そのキャンパスは、まるで夜みる夢のようにはかなくて、昼に想う夢のように確かで」


「どんな色だって塗ることが出来る。光も影も、昨日もあしたも。
 本当も嘘も」

「あなたは、どんな色を見つけますか?」


●シーン2
(BGM、スイッチを切り替えるように消える)

(再び少女の声)
「『キャラネタ喫茶 一刻館』」


(終了)
 

606 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/11/04(土) 03:50:03
>>601(トンボ・捕り方・追憶)
えっ、ミドリが?
……なんでまた、そんなことをいったんだろう。心当たり、ないんだけど。

あ。――ひょっとすると、あれか。
いや、大分昔の話。ヒョコやミドリと一緒にいた頃、なんかそんなことがあった気がする。


そう、確か三人で、川の側を歩いてた時だった。
川っぺりをトンボの群れが飛んでたんだ。川の中のメダカみたいに何匹も。
で、ほら、ぐるぐる指を回すとトンボも目を回すっていうじゃない? それをやってみたん
だよ、私が。
何だか上手くいって、トンボの動きは鈍くなった。素手だとちょっと気持ち悪かったけど、
えいっとばかりに摘んでね。捕まえた。
そうだ、ミドリがすごく感心してたっけ。

そしたらヒョコのやつ、「指回すより、後ろからひゅっと掴んだ方が確実に捕まえられん
だよ」なんていって、そのやり方でちゃんと捕まえてみせてさ。
得意げに鼻の下こすってたな、あのばか。


――よく憶えてたなあ、ミドリ。
コツなんてものは、よくわからないよ。
今、同じように捕まえてみろっていわれても、多分できない。

うん。
私にはもう、できないと思うから。
 

607 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/11/04(土) 03:51:03
>>602(ワ、ワ、ワ、ワが三つ)
一羽でチュン!
二羽でチュチュン!!
三羽そろえば、


(パパンがパン)
だーれが殺したクックロービン♪(アソーレ)
だーれが殺したクックロービン♪(アソーレ)


……いや。
何でもない。忘れて。
忘れろったら。
 

608 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/11/04(土) 03:52:04
>>607の続き
疲れてるのかな、なんか訳わからんことを口走った気がする。
コホン、では改めて。


一羽でチュン!
二羽でチュチュン!!
三羽そろえば、


魏!
呉!
蜀!

よーかいにーんげん♪


(頭を抱えてうずくまりながら)
……やっぱ忘れて。お願い。
頼むから。
 

609 名前:名無し客:2006/11/07(火) 12:48:29
>>607-608
そのとき、ひそかにカメラが回っていたことにレキが気づくのは、
テープが公衆の面前で再生されてしまった後のことである。

(ちゃんちゃん♪)

610 名前:名無し客:2006/11/08(水) 01:37:07
………………レキさんは、>>607-608のような事を、年少組の前で
披露していたりするんですか……?

いやあ、思ったより人生(灰羽生)エンジョイしているようで、よかった、よかった。

611 名前:トーガ:2006/11/12(日) 05:45:42
………。

612 名前:名無し客:2006/11/12(日) 22:45:35
そういえば、そろそろ鍋料理の季節ですね。



―――――鶏鍋とか(ボソッ

613 名前:うらら ◆N7/15/V7xw :2006/11/13(月) 01:18:38
グリの街のみなさんこんばんは!
スペースチャンネル5の時間です。
お送りするのは私、灰羽歴二年のうららです。

レキさんこんばんは!
私は踊りが大好きですがお絵描きも大好きです!
もしレキさんの灰羽生で後一枚しか絵を描けないという
状況になったら、どんな絵を描いてみたいですか?

     人人人人人人人人人人人人人人人人人人人
   Σ                            て
  <             (⌒)ヘ⌒ヘ.(⌒)           て
  <     ヽ(`Д´)」 Jノ∩・∀・)ヽし  ヽ(`Д´)」    >
  <       (フ )     /  D ら     (フ )     >
  <         /      ゝつ /         /       >
  <                し'               >
  <      ━                ━       >
  <             ━━               そ
    Σ                            そ
     ∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨

614 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/12/06(水) 02:54:590
……またも、ご無沙汰。ごめん、本当に。
何をいっても言い訳にしかならないから、出来る限りの行動で代えさせて貰うよ。


>>609(盗撮・公開・後の祭り)
な、な、な、なにぃ!?
カ、カメラ? くっそう、外の世界のあやしげなテクノロヂィを使いやがって……!

――そうか。これの所為だったんだな。
カフェで豆スープを頼んだら、マスターの口元が微妙にぷるぷる震えてたのも、
大通りを歩いてる時に、どこかでくすくす笑う声がしたのも、
知らないガキんちょ集団に「ねえねえ灰羽のおねーちゃん、クックロビンやってー」ってせ
がまれたのも、

アレが街の人達に知れ渡ってたからなのか!


い、いいさ。構うもんか、胸張って歩いてやる。
例えそういう目で見られたって――「どういう目で?」とか聞くなよ! ――平気さ。
そういう目線には、下向いたりしたら返って逆効果なんだから。
「それがどうした」って顔してれば、向こうがきまり悪くなっておじけづくさ。たかが七十五
日ぐらいが何だってんだ。

(上ずり気味な声で)
あ、あたしは全然平気だからな!
 

615 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/12/06(水) 02:56:030
>>610(死亡遊戯)
そりゃ時には、つまりちびどもの学習の一環として、歌やダンスなんかをする時はある。
ああ、あるよ。
けど。

――あーゆーのの披露なんてしてない! しません!
何か綺麗に話をまとめるな! 微妙な憐れみのこもった目線であたしを見るなぁっ!

(「それがどうした」な決意、1レスも持たずに早々と決壊す)
 

616 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/12/06(水) 02:57:160
>>611(来客・トーガ・消息)
あれ? あなたは、トーガだよね。
なんでこんな所に? ――っていっても、トーガは皆口をきかないし。こっちの言葉、通じ
るのかな。
(胸の前で、両手の指を折ったり曲げたりして形を作ってみる)

……っと、やっぱこんなでたらめな真似ごとじゃ通じんよな。
参ったな。知ってるだろうけど、あたしらはあなた達と接してはいけない仕来りなんだよ。
話師の爺さんにでも見つかったら、また小言だ。別にあたしは構わないけど。
あ、ひょっとして話師に会いに来たの? あの爺さんなら、多分寺院にいるよ。
ここへ来る途中、小さな橋があったでしょ。そこを左に曲がって道なりに行くといい。
暫くすると滝があって、そこの吊り橋を渡ればすぐだから。


にしても、こんな近くでトーガと会ったのは初めてだ。煙草、どう?
――だんまりか。まあいいや、じゃ失礼してこっちは一服、と。


あのさ。
大分前、壁を越えて巣立った灰羽がいるんだ。クラモリっていう名前の。
どんな小さなことでもいい。彼女について何か知らないかな。
私の大切な人だったんだ。とても、とても大切な。

――やっぱりだんまりか。フフ、それが仕来りだものね。
いや、いいよ。そんなに期待はしてなかったから。
ん、もう行くの? 滝の近くの崖は足場が悪いから、気をつけて。
それじゃ。
 

617 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/12/06(水) 02:58:270
>>612(素食の晩餐)
ああ、鍋物。いいねえ。あたしも好きだよ。
この時期に食べると、つま先まで暖まる感じがする。実用的な暖房って感じだな。
それと作る側としては、手間がかからんのも助かる。材料切って出汁を作って、後はお
好きにどうぞ、だからね。ほんと楽。

え? 鶏?
んー……ああ、まあいわんとすることは解るよ。「とも食い」みたいだっていうんだろ?
お互い生えてるからなあ。羽がね。

いや、そういう意識が全くない、っていったら嘘になるけど。
ただ「肉」みたいに食材の形としてだと、それほど直接的には意識しないっていうか「そ
こはそれ」と割り切れる部分があるっていうか。
っていっても、手羽先はちょっと複雑な感じがダイレクトにくる訳で。
だからうちで鶏鍋をする時は、肉だんごにして入れることが多いよ。


うーん、そんな話をしてたら鍋をつつきたくなってきたぞ。
明日も冷えこみそうだし。うん、明日は鍋にしよ。一昨日も鍋だったけど、まあいいや。
 

618 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/12/06(水) 02:59:180
>>613(生放送・インタビュー・ラストダンス)
え? え? な、ななな、なに!? なんなの!?
ちゃんねる? ああ、ラジオみたいなもん――って、ええ!?
よくわかんないけど、今まさに放送されちゃってんのか! むは。

あーいや、えーと。
あ、あなたはその、灰羽には見えないんだけど……あ、ど、どうも。今晩は。レキです。
あー、その、ああ、それはその、すてきなご趣味です、ね、ははは……。ごほんごほん。

(咳払いをしながら小声で)
落ち着け。落ち着けレキ。――え? 後一枚だけだったら?


それは……難しいな。
大体、「これが最後になる」って経験は想像しにくいでしょ。
普通は次の機会があるし、もしなくても「次回」が来ることは疑いもしないものだから。
うーん、そうだね。後一枚……か。

そう、そんな時が来るとしたら、多分あたしはラッカの――ああ、うちの仲間の女の子な
んだけどね――彼女の絵を描くと思う。
普段は、人物はあんまり描かないから。風景ばかりなんだ。
もしそれが本当に「これでおしまい」なら、毛色の違う絵を描きたいじゃない?
もちろんそれだけが理由じゃない。モデルとしてラッカは魅力的だから、ね。ふふ。


以上、オールドホームのレキでした。
おしまいっ。どうも失礼っ。

ふう、と。やれやれ、こんなので番組になるのかな……。
 

619 名前:◆xRtREKI.VQ :2006/12/06(水) 03:03:070
(レキの日記より)


これっきり、という最後の絵ならば、
せめて最後だけは、一番きれいなものを描きたいと思う。それを遺したいと思う。

私が知る限り、一番きれいなあの娘の姿を。
 

620 名前:名無し客:2006/12/06(水) 13:42:510
来世では何になりたいですか、何になれると思いますか。

621 名前:名無し客:2006/12/06(水) 13:43:300
今まで見てきたもので一番汚いものは何ですか?

622 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/12/08(金) 02:11:520
>>620(鳳翼天翔)
生まれ変わったら?
うーん、その手の話ってさ、どうも前提が不確かだよな。そもそも来世が本当にあるの
かもわからないし。
「何になりたい」っていったって、選択肢はおっそろしく沢山じゃない。
何だか雲を掴んで形にするようだよ。


まあ受理されるかは置いといて、希望だけ出そうか。
あたしは、普通の人がいい。羽も光輪もない普通の人間。
グリじゃなくて、どこか他の場所で暮らしてるならもっといい。

別にこの街は嫌いじゃない。でも、どうせなら壁の向こうを見てみたいでしょ?
それにこの羽は――。
ほら、羽なんか生やしてると、これで結構肩こるからさ。
いっぺん普通に暮らしてみたいかな、なぁんて。はは。


といっても、なりたいものになれるとは限らない訳だけど、ね。
 

623 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/12/08(金) 02:12:420
>>621(汚いもの・骸・感情)
汚いもの……汚いものね。
あんま思い出したくないんだけどな、そういうのは。

あー、あれは割とキツかった。
この前、街に行く途中の道で死んでた蛙。多分農家の四輪車か何かに潰されちゃった
んだと思う。
こう、でろっとしててね。ううっ。

それがまた道のど真ん中でさ。しょうがないから道の脇に弔っといたけど。
中々にご飯が美味しくなくなったよ、あれには。
 

624 名前:◆xRtREKI.VQ :2006/12/08(金) 02:14:340
(レキの日記より)


私が一番汚いと思うものには、毎朝お目にかかっている。
顔を洗う時だ。いつも鏡の中にいるので。

汚れた想いを眩まして、そこに映っている私の顔。
 

625 名前:名無し客:2006/12/09(土) 02:19:580
もし、その頭上の光輪が、目前の暗い道を照らしだせたら。
もし、その背中の羽で、空高く舞い上がれたら。
まず、グリの街のどこに向かいますか?

626 名前:名無し客:2006/12/12(火) 22:57:54O
今年はよい年だったでしょうか?

627 名前:名無し客:2006/12/13(水) 02:07:470
で、今年の過ぎ越しの祭りこそ、「ヒョコさんに」「直接」「手渡しで」「黄色い何か」を
さしあげるご予定だとか? とかとか?

628 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/12/17(日) 02:57:180
>>625(翼をください)
この役に立たない羽と光輪が、きちんと働いてたら。
きっと戸惑うだろうな。何をしたらいいんだろうかって。
ああ――でもこの街のどこかへ、なんだね。壁の外へ飛んでいける訳じゃない。

じゃあ、高く高く上へ飛んで、壁の向こうにどんな光景が広がってるのか見物しようか。


――いや、やっぱり止そう。
どれだけ手を伸ばしても決して届かないものを、ただ眺めたって仕方がないからね。
それよりも触れられる何かを大切にしたい。

どこかへ向かう必要はないよ。私はどこにも行かない。
みんなとここにいる。そう、オールドホームに。

ほら、結局我が家が一番、ってやつさ。
 

629 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/12/17(日) 02:58:020
>>626(一年の終わり・総括・次の年)
今年が終わるには、もう少し間があるけど。
楽しいこと、うれしいこと――かなしいこと。
色々あった。色々とね。


そういうのは、きっとしあわせなことなんだろう。何にしろ、バラエティ豊かな時間を過ご
せるっていうのは。
だから、ひっくるめていい年だった。そう思うよ。

来年もそうだといいね。お互いに。
 

630 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/12/17(日) 02:59:050
>>627(とろけなよ、そしてみだれなよ)
……へー。あのバカにそんな酔狂な真似する人がいるんだ。そいつはびっくりだな。
ああ、あたしに聞いてたりする訳?
ないない、んな予定。いくらなんでも有り得ない話でしょ。

例えば、そうだね。
グリの街の壁の中にはさ、実は建物よりもでっかい機械の人形が埋まってて、灰羽だ
けがそれに「ふぇーどいん」――乗り込むって意味らしいけど――出来る、なんて
与太話を聞いたことがあるんだ。
その人形は鳥みたいな形にもなれるとか、頭に羽が生えてるとか、歌うとか、まるで意
味不明な話。

何ていうか、さ。
あたしが「あのばかに」「直接」「手渡しで」「黄色い何か」を渡すなんて話よりは、まだ
こっちのホラの方が信憑性があると思うね。
だろう?
 

631 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/12/17(日) 03:01:120

あ、ネム。ちょうどよかった。
この前探してもらった本、読み終わったから。図書館行くついでに返しといてくれない?
まあまあ、たまにはいいじゃん、職権乱用。もう雪でスクーター使えないから、どうも街
へ出るのが億劫でさ。
はは、サンキュ。

え? お菓子作りは得意なのに、なんで今更お菓子作りの本を借りたのかって?

ま、まあそうだけどさ。
そりゃ大抵のお菓子は作れるよ、あたしは。ただ色んなレシピを試してみたくて。
それだけだって。


はい、これ。頼むね。
ああ、ごめんごめん。あちこちに貼っといた付箋、取り忘れてた。……って、わざわざ
そこのページ見なくてもいいから。

え? 付箋のあるページは、レモンタルトにレモンスコーンで黄色づくしだって?

ま、まあそうだけどさ。
ほら、レモンは今が旬じゃん? 寒い時には酸っぱいものがうまい。
それだけだって。


……なに。なんだよ、意味ありげにニヤニヤして。
過ぎ越しの祭はそろそろね、だって?
か、関係ないんだ、そんなこと!
 

632 名前:名無し客:2006/12/17(日) 17:11:420
ネムさんのニヤニヤ顔とレキさんの慌てふためいた姿が想像出来ますw

年少組のおやつも、やっぱりレキさんが担当しているんですよね?
この時期、黄色いもの以外での、レキさんオススメのおやつ・お菓子を教えて下さい。

633 名前:名無し客:2006/12/20(水) 03:15:050
 人間よ、夢の裡に遠くまで来たものだな。
 私の名は忘却という。
 この腕をおまえに巻き付け、脳の盃から記憶の全てを私に飲み干させておくれ。
 それがいかなる安らぎであるか、考えてごらん。
 これまでの人生を衣のように脱ぎ捨てて自由になれるのだからね。
 もはや過ぎし日の罪や恥に心を曇らせることもなくなるのだよ。
 さあ、迷うことはない、私にその身を任せておくれ――――

634 名前:名無し客:2006/12/20(水) 03:15:250
 人間よ、遠くよりも遠く来たものだね。
 わたしは夢想だよ。
 この髪をおまえに巻き付け、脳の盃をあなたの求める宝物で満たさせておくれ。
 目覚めぬまま永久に色とりどりの舞踏会を彷徨うこと、
 それがどれほどの楽しさであるか考えてごらん。
 この灰色の世界よりも遥かに美しい新たな世界がそこにはあるのだよ――――

635 名前:◆xRtREKI.VQ :2006/12/28(木) 01:13:200
>>633>>634



 それを斥けられたのがふかし芋のおかげだといったら、あきれられるだろうか。
 笑われるかもしれない。

 でも本当だった。
 私の繭の夢が何らかの真実であるのと同程度には、本当の話だった。


 

636 名前:◆xRtREKI.VQ :2006/12/28(木) 01:14:150
>>635の続き

 それらはおそろしく自然に私をいざなっていた。
 いつの間にか居座り始めている次の季節が、もう衣替えの時期だよ、と教えるように。
 思わず頷きそうになる。実際、首を縦に振りかけた。


 忘却と夢想。それが私の手を取ろうとしているものの名前だった。
 私というカンバスをまっさらに、あるいは極彩色に塗りつぶす作用だ。

 誘いを受ければよかった。寧ろ受ける方が当然だろう。
 私は七年間、そのどちらかを願い続けてきたようなものだから。
 寝れば繭の夢にうなされ、覚めても残るその不可解な罪悪感につきまとわれた。人を
傷つけ、自分を傷つけ、結局覚えたのは人も自分も偽ることだった。

 頷くだけでよかった。どちらを選ぶにせよ、もうあの悪夢に苛まれることはなくなる。
 私は癒されるのだ。


 けれど、私は頷かなかった。――頷けなかったのだ。
 ごく僅かな動作を(自分でも欲しているその動作を)、私は行えずにいた。
 何かが引っかかっていた。そう、何か大切なことが。
 ひどく漠然としているのに、その何かはしっかりと私を押しとどめているのだった。


 それが何なのかを私は考える。わからない。
 空気をなぞるように記憶を辿っていると、ふと最近誰かと話したことを思い出した。
 

637 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2006/12/28(木) 01:16:020
>>632(手作り・甘味・定番)
だあーっ、どっちも想像せんでいいから!
ええい、ほんとにもう……。


おやつ? そ、大抵あたしが作ってる。
今の季節ならではのっていうと、やっぱりあったかいものを食べたいよな。
パイやクッキーやスコーンは、出来立てのあつあつがおいしいしね。

ま、そこで敢えて反逆して、冬こそアイス! もたまには悪くない。暖房のきいた部屋で
食べるんなら。
バニラアイスに熱いエスプレッソコーヒーをかけるってやつ。これなんかは好きだな。
甘みとほろ苦さの混ざり具合がいい。正式な名前は知らないけど。
ちびども向きじゃない、年長組向けメニューだね。


っていうような、ちょっと手の込んだのもいいけど。
もっと手軽なのでいったら、ふかし芋なんてお奨めだな。
結構よく作るよ。さつま芋、じゃが芋どっちでも。じゃが芋だったらバターでどうぞ。
これのほくほく感を味わえるのは、冬ならではじゃないかなあ。
 

638 名前:◆xRtREKI.VQ :2006/12/28(木) 01:17:400
>>636の続き

 その他愛のない情景を反芻する内、不意に私は気づく。
 何かが私の心を刺激したのだ。そしてそれはふかし芋だった。

 そう、私はおやつのさつま芋をふかしていた。
 それが現実の世界であり、ここは夢の中だった。鍋を火にかけている途中で、私は一
番親しい友人のようにうたた寝をしているのだ。

 私は起きなければならない。そして鍋の火を止めなければならない。
 でないと芋が焦げてしまう。焦げたら芋は食べられない。私も困るし、皆も困る。
 そう、ここが重要な所だ。おやつは皆のために作っているのだから。


 忌まわしい記憶ごと白く塗りたくった世界。
 きらびやかな絵の具だけで何もかも覆い隠した世界。そのどちらにも皆はいない。
 ネムを、ヒカリを、カナを、クウを、ちびどもを、そしてラッカを、私は失ってしまうのだ。
限りなくいとおしい人々を。
 そんなことを代価としてまで、私は自己の救済を望んでいたのだろうか?

 私は、ゆっくりと首を横にふった。忘却の腕を振りほどき、夢想が巻きつける髪から遠
ざかった。


 例えば、おやつのふかし芋だ。
 皆にそれぞれの分を配ったとする。しかし食いしん坊のダイは、これだけじゃ足りない
と口をとんがらせるかもしれない。
 だから私は、しょうがないなあと苦笑して自分のをダイと分け合う。

 そんな光景だ。私が望むのは、そんなことでいいんだ。

「どっちも断るよ」と、だから私はいった。

「真っ白も、けばけばしいのも。そんな色を塗るよりは、私の世界は今のままでいい」
 

639 名前:◆xRtREKI.VQ :2006/12/28(木) 01:18:480
>>638の続き

 私は目を閉じた。矛盾しているようだが、目を覚まさなくてはならなかった。
 こんな「夢のようなこと」は目を覚ませば忘れてしまうだろう。ただ一つの例外を除けば、
夢はいつもあやふやなものだった。


 それらが、どこからかやって来た何かだったのか、最初から自分自身の中に潜んでい
た悪いものだったのか、私にはわからない。
 両者が違うものなのか、同じものなのかどうかも。

 後悔しないかと問われれば、これ以上嘘をつくのは嫌だから「している」と私は答える。
 私は誘惑に乗るべきだったのだろうか?
 わからない。私にはわからないことが多すぎる。


 ただわかるのは――私は癒されはしないということだ。忘却にしろ夢想にしろ、私が抱
え込んでいる何らかの影を癒すことは出来ない。
 もしあるとすれば、赦されるだけだろう。
 誰かが、もしくは自分自身がそういってくれるのなら。それでいいのだと、「赦す」と。

 それこそが、ほんとうの私の願いなのかもしれないけれど。
 

640 名前:◆xRtREKI.VQ :2006/12/31(日) 21:55:310


 机の上に鈴の実の鉢植えが置いてある。
 いくつも生っている実の色は暖かそうな赤だ。こめられた意味は「ありがとう」。
 ころりとした硬い実は、そっと振れば優しい囀りのような音色を立てるだろう。

 それはどこかの誰か達への贈り物だった。
 言葉だけでは伝わらない気持ちを、色と音とで伝えるための。

 

641 名前:名無し客:2006/12/31(日) 23:37:540
レキさん……。
もちろん、その赤い実は、どこかの誰か達に贈ったのですよね……?
そうであると、願いたいです。

642 名前:名無し客:2007/01/01(月) 07:30:430
あけおめ
ことよろ

643 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/01/05(金) 00:37:140
さてと、ちょっと――いや、かなりか? まあいいや――遅ればせで新年おめでとう。
去年は色々お世話になったけど、今年もよろしくお願いします。


>>641(君去りし後)
ん? あれ?
あれは、ほら、ここへ来てくれるお客さん達用のなんだ。
きちんと届けたいとは思うんだけど、中々手渡し出来なかったりするから。せめて過ぎ越し
の祭の最中は飾っておきたくて。

仲間内とか、お世話になった方面だとか、そういう人達へはちゃんと渡してるからさ。
心配ご無用。――そう、手渡しできる人には、ね。
 

644 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/01/05(金) 00:38:120
……はくしゅんっ!
っと、失礼。どうも年明けは気が緩むせいか、いつも風邪ひきそうになるんだよなあ。
まだまだ冬は続くし、皆も気をつけて。


>>642(最初の挨拶・略語・隠語)
アケオメ・コトヨロ?
……ああ、ははあ。
略してるだけで、今の時期の挨拶って訳だ。なーる。

いや、いきなり何のことかと思ったよ。外の世界のおまじないなのかと。
こういう、自分達の周りでは何の気なしに使っていても、外から見ると通じない言い回しは
意外とあるのかもね。
この街でいったら……んー、すぐには思いつかないな。視点が内側からだと中々。

ま、取りあえず郷に入っては何とやらで。
あけおめ、ことよろー。
 

645 名前:◆xRtREKI.VQ :2007/01/05(金) 00:39:220
(レキの日記より)


(赤と茶色、二個の鈴の実のスケッチ)

もう手渡しできない人への鈴の実は、ここに描いておこうと思う。
遠い、遠いところへ行ってしまったあの人への分。

所詮、自己満足だろうか? それでも構わない。
言葉や文字で表そうとしたら、どれだけの量を使っても語りつくせないと思う。
そんな想いをこめた「ありがとう」と「ごめんなさい」。
 

646 名前:名無し客:2007/01/05(金) 02:06:240
初夢は何でしたか?
今でも、クラモリの夢を見ますか?

647 名前:名無し客:2007/01/07(日) 14:27:440
言葉や文字で心をあらわすには限界がある。
だから、レキさんは画筆を手に取り、絵を描くのですか?
真っ白のすべすべした色つやと質の良い紙ではなく。
少し黄ばんでいてガサガサとした麻のキャンバスに、スケッチブックに。

648 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/01/12(金) 00:37:260
>>646(朝めざめては)
今年、初めて見た夢?

特に――いつもと変わった夢は見なかったと思う。よく憶えてないけど。
新しい年のはじまりだからね、せめていい夢を見たいもんだよな。
それこそクラモリの夢みたいなのを。

いや、最近は見てない。
もうあまり見ないね、そういういい夢は。


(いつも通りの笑顔で、いつも通りの口調で)

649 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/01/12(金) 00:38:380
>>647(表現・曖昧さ・動いていく心)
言葉や文字に限界があるように、絵にだって限界はあるよ。
部屋をまるごと埋め尽くすような壁画より、たった一つの言葉の方が人の心を動かす、な
んてことも、世の中あるかもしれない。――あくまで例えだよ、例え。

私が絵を描くのは、たまたまさ。
何となく向いてるっていうだけの話で。
何となくって曖昧なようで、でも割と重要なポイントなのかもしれないな。そもそもそれで表
現しようっていう心自体が、とても曖昧なものだしね。


そう、心の動きは、いつだってひどく曖昧だ。しっかり歩いているつもりでも、いつの間にか
足が乱れてたりするし、おまけにそのことに気づかなかったり、気づいても止められなかっ
たりする。
言葉も文字も、そして絵も、そんな不確かな心が残した足跡みたいなものだよ。

だけどそれは、確かに心が動かされたっていう証でもある。
私にとって絵は、自分の心が自然とたどっていった道筋――そのイメージを伝えるのに一
番納得いくやり方なんだ。


それには単純すぎる白紙より、ちょっと味のある汚れでもあった方が面白い。
そういうこと。道は平坦すぎてもつまらないからね。
まあ、それだって程度の問題だけど。

650 名前:名無し客:2007/01/18(木) 01:36:220
小石の道を歩いていた夢が名前の由来との事ですが、
その道の小石はどんな色をしていました? どんな形をしていました?
もっと夢の話を教えて下さい。もっとたくさん教えて下さい。

651 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/01/28(日) 03:00:330
外が明るいなあ。……いや、雪が積もってる所為。
おまけに月が出てるから、随分明るい夜だよ。


>>650(私の闇)
――不思議なことを訊くんだね。だって普通、そんなことを気にする人なんていないよ。
ちっぽけな小石のことなんて、さ。

そう、道端の小石がどんな形をしてるかなんて、誰も注意を払ったりしない。
どこにでも転がってるし、別に転がってなくてもいい。
もし一個や二個なくなっても、誰も見向きもしない。
そんなつまらない存在だよ。つま先でちょっと蹴ってみたりする、ほんの僅かの間だけなら
気に留めるかもしれないけど。

私の夢の中ではどんなだったろう?
わからない。きっと、現実の小石と大して変わらないんだと思う。
道を作る程たくさん集まっても、かえって一つ一つの印象なんか薄れてしまうから。


別にはぐらかしてる訳じゃない。ただ、よく憶えてないんだ。
私にいえるのは、夢の中の私はそんな道を歩いてたっていうことだけ。――暗くて寒い道を、
どこまでも、どこまでも。

(いつもと変わらぬ口調、いつもと変わらぬタバコの煙)

652 名前:◆xRtREKI.VQ :2007/01/28(日) 03:01:400
(レキの日記より)


いつしかそうなりたい、と願っていた。
そして私はなった。名前通りの存在になった。
誰も信じないから傷つくこともない、私はそんな小石になった。

「夢を叶えた」訳だ、まさしく。
大したお笑い種だと思う。

653 名前:名無し客:2007/02/03(土) 16:47:120
どこか遠い異国では、悪霊払いの為に豆を撒いたり、柊の枝に魚の頭を刺しておく
行事があるそうです。
レキさんも、悪夢払いの為に豆を撒いたり食べたり魚の頭を飾ったりしてみては
いかがでしょうか。
……たぶん、オールドホームの灰羽のみならず、街の人にも変な目で見られると
思いますけど……。

654 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/02/15(木) 01:35:55
>>653(豆・いわしの頭・繋がり)
げ、豆食べるのは手軽でいいとして、魚の頭を飾るのはちょっとなあ……。
悪いものの前にうちの全員が嫌がるぞ、多分。で、その豆をばら撒く所だけはちびどもが大
はしゃぎすると。
そんなすったもんだを街の人に見られて、でも「まあ灰羽だから」とか納得されたらそれはそ
れで嫌だ。

ま、それは置いといても、やっぱり遠慮したいな。
豆を撒いたり魚の頭を飾ったりする慣わしに、どんな由来があるのかはわからないけど、そ
ういう行事はその「どこか遠い異国」で行われてるんだろう?
この街じゃない、遠いどこかの。

しきたりや習慣はどこの土地にもある。それは、長い間に伝わってきた想いの形だよ。
だから、この街で形だけ真似ても意味はない気がする。――外の世界で、急にグリみたく過
ぎ越しの祭りを祝っても意味がないのと同じなように。

そこで育まれた想いは、そこの人たちが伝えていくべきだと思うよ。
何かの祝祭みたいなことは特にね。
 

655 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/02/15(木) 01:37:09
そういや前に耳に挟んだけど、今ぐらいの時期に親しい人へチョコを贈る――なんて習慣も
あるらしいね、外の世界には。
で、折角だからあたしも用意してみた。オールドホームの皆用に、手作りしちゃって。
……「風習はその土地土地で大事にしろとかいっておいて、ちゃっかりチョコだけは贈るのか
よ!」だって?
い、いいじゃんか。第一食いもんに罪はないだろっ。


ま、余ったのを使ってチョコチップクッキーをたくさん焼いたから、欲しいっていう奇特な人は
どうぞ。ほら、この大皿にどっさりあるから。
ああ、あくまでお義理なので、ナニか変な気を回さないよーに。

656 名前:名無し客:2007/02/15(木) 22:27:58

      ≡≡≡=- ヘ( `Д)ノ<レキタンノ チョコチップクッキー ゲトー!!
     ≡≡≡=-   ( ┐ノ
    ≡≡≡=- :。;  /


657 名前:名無し客:2007/02/19(月) 23:15:28
こっちじゃ暖冬だ暖冬だと言われているものの、やっぱり寒いモンは寒いです。
ちょっとその背中の羽に挟まって、もふもふしてていいですか?

658 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/02/22(木) 01:32:09
ううっ、今夜は一段と冷えるなあ。
毎年毎年、冬のしぶとさには参るよ。もう少しで暖かくなると思うけど。


>>656(クッキーモンスター)
いやあのね、喜んでもらえるのは作った方としても嬉しいけど、クッキーひとつでそんな盛り
上がらんでも……って、行っちまったよ。
よっぽどひもじい思いしてんだな……。色々な意味で。


ったく、まだ説明終わってないってのに。
実はこのクッキー、中に折り畳んだ小さな紙を入れてあるんだ。
作るの手伝ったヒカリのアイデア。要はおみくじみたいなクッキーって訳で、言葉を書いたの
もヒカリ。
内容は「今日のラッキーカラー:パーシモン」だの、「今日の注意:七度捕らえて七度放つ」だ
の。なんかよくわからん。

ほとんどヒカリが書いたけど、一つだけあたしのが混じってる。
灰羽連盟のマークだけが描いてあるやつで、ま、いってみれば当たりみたいなもんかな。
で、これを引いた人には景品として――フフ、もれなくあたしとの一日デート券を、
 

659 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/02/22(木) 01:33:07
>>658の続き
――進呈するなんていう面白おかしい特典は特になかったりする。丸っきし、なし。


これがお話だったら、今クッキー掴んで全力ダッシュしてった人が見事当たりを引き当てて
景品を手に入れたのでした、みたいな展開になるんだろうに。いや惜しい惜しい。
……え? 期待した?
だめだめ、うまい話なんて世の中そうそうないんだから。その手の話には裏があるか、さも
なきゃ裏になんもないハリボテなんだよな。

(皿から取ったクッキーを二つに割りながら)
世知辛いねえ。ま、このクッキーに使ったチョコはビターじゃなくて甘いから、そこだけはご
安心を。
さて、これには何が書いてあっかな、と。なになに……「人を呪わば穴ふたつ」。


う。
 

660 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/02/22(木) 01:34:56
>>657(日々の冬・はざま・マグネットパワー)
ふうん、やっぱどこでも冬は寒いんだ。
ああ、あたしでよければ。トルク圧の設定は――キツめがいい?


……とでも自然な流れでオッケー出すと思うのか! このホデナス!
いいか、あたし達の羽は自分自身をあっためるもので、あんた達をぬくんぬくんさせる意図は
これっぱかりもない! もふもふも、ふもふももせん!

っていうか、その羽の間に挟まるっていう発想が意味不明過ぎだっての。
そんなに挟まりたいんなら、ネムと二人で挟んでやろうか?
ただし羽じゃなくて腕で。前と後ろからあんたの首めがけて、まるで磁石が引き寄せあうみ
たいに、ばぁんとサンドイッチ。

(腕まくりして力こぶを作りながら)
一ラウンド、いっとく?
 

661 名前:名無し客:2007/02/22(木) 13:15:43
                       ┌─┐
                       |大|
                       |  |
                       |当|
                       |  |
                ⊂⊃      .|. り .|
                   _=_、、    |  |
           ,.へ(( ・.__.・ ))へ、 │ !!.│
             ^^  ,. ー '.,'  ^^" └─┤     ( `Д)<レキサ-ン デ-ト シヨ-!!
         | ̄ ̄ ̄|─| ̄ ̄ ̄|─| ̄ ̄ ̄|─□( ヽ┐U
     〜 〜  ̄◎ ̄  . ̄◎ ̄   ̄◎ ̄   ◎−>┘◎

662 名前:名無し客:2007/02/24(土) 18:22:07
それでそれで、「本命のチョコ」を得たであろうヒョコさんからの「三倍返し」は
期待していたりするのですか? レキさん?

663 名前:名無し客:2007/02/24(土) 18:29:33
以前も今も、静かに活気があるように見えるグリの街ですが、5年後、10年後、
20年後、30年後……どうなっているのでしょうかね。
今後、きらびやかな発展を遂げるのでしょうか。
「世界の終わり」に向けてゆっくりと衰退いくのでしょうか。

それとも、この街は、ずっとこのままなのでしょうか。

664 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/03/01(木) 01:07:00
>>661(私をデートに連れてって)
んがっ! まじか、ニセ物じゃないだろうな!?
……本物だ。ちっ。

あー、んー。そいつはおめでと。
はい、当たりが出たからクッキーもう一個! よかったねー。

……なんだよ、そんな恨みがましい顔しなくってもいいだろ。
そもそもデート云々は口からでまかせなのに。どっから情報仕入れて来たんだ?
ったくもう、しょうがないな。一度口に出したことを反故にするのも何だから、特別にちょっと
つき合ってもらおうか。
いや、いいよ。コースはこっちで設定するから。

えーと、まずは野菜からだな。じゃが芋、ほうれん草にかぶに、ああ、かぼちゃもだ。
次は乾物屋。米が切れかかってるから、大入りの袋で補充しとかなきゃ。
それとヒカリのパン屋に寄って、明日の朝用のパンも買っときたい。
あ、お茶っ葉もだな。それから古着屋と古道具屋と……。


それじゃ、行こっか。せっかく荷車みたいなの曳いてるみたいだからね、目一杯利用させて
貰わないと。
なに、これじゃ単なる買出しだって?
ふふん、主観の相違ってやつだな。まま、カフェでお茶くらいはおごるからさ。
 

665 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/03/01(木) 01:08:09
>>662(本命・期待・見返り)
ちょっとストップ。……なんかこう、話の前提によくわかんない点があるみたいだけど。
(額を押さえつつ)

“「本命のチョコ」を得たであろう”約一名のバカ、ここはいい。
チョコを贈るっていう、外の世界の習慣を知ってる誰かが偶然いて、その誰かがヒョコなんか
に気がある酔狂で頓狂な女性だった、すごい偶然だね。
そこまではいいよ、そこまでは。

それで、なんであたしが三倍返しを受けるんだよ! それじゃまるで、あ、あたしがヒョコにチ
ョコをくれてやったみたいじゃないか。
それはない。そんな早口言葉みたいな事実はない。

繰り返していう。
ない! ないといったらない!


っていうか、そういうお返しの習慣なんてあるんだ。知らなかった。
ふうん……。
いや、なんでもない。
 

666 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/03/01(木) 01:09:02
>>663(世界のゆくすえ)
「そんな先のことはわからない」――って答えるのは簡単だし、多分事実なんだろう。
誰にだって、未来を正確に指し示すことは出来ないから。


ただ実感としてなら、想像できないよ。
例えば壁よりも高い建物ばかりになったり、夜でも星明りも見えないほど光が溢れてたりす
る――この街がそんな風になるのは、何だか想像できない。実際に住んでる身としては。
それだったら、まだ穏やかに朽ちていく方が似合っているかもしれない。

何にせよ、ずっとこのままってことは有り得ないと思う。
いつか、どこかで「世界のはじまり」が起こったから、今のこの街がある。だったらいずれは
「世界の終わり」が来るんだろう。
永遠に変わらないものなんてない。この街も同じさ。
いずれは人も灰羽も姿を消して、街全体が西の森の遺跡みたいな廃墟になってしまうのかも
しれない。


幸いなことに、そんな未来があるとしても、ずっと先のことだと思うよ。
「ずっと」って言葉が意味をなさなくなる位に、ずっとずっと先。
 

667 名前:◆xRtREKI.VQ :2007/03/01(木) 01:10:21
(レキの先々週の日記より)


 何か決まったものを贈ることが、何らかの気持ちを伝えることを意味する――予めそういう
習慣があるのなら、それに倣うだけで済む。
 そういった習慣がない場合、まずこの行為がナニを意味するのか、という説明から初めな
くてはならない。
 でなくては、伝えたい気持ちは正しく伝わらない。

 ということに遅まきながら気づいたので、あのばかにチョコレートを贈るのは止した。
 うちの皆へ贈る用とは別に、一応あいつの分も作ってみたけれど。
 やはり、急に他所を真似ても付け焼刃なのかもしれない。やるのなら、この街の流儀でや
らないと意味がない。


 だから、この想いはチョコと一緒に食べてしまおう。
 そして胸に仕舞っておこう。そう、今はまだ。
 

668 名前:名無し客:2007/03/01(木) 18:33:02
                        ┌─┐
                        |新|
                        |  |
                        |鮮|
                        |  |
                        |野|
                        |  |
                        |菜|
                        |  |
            [人 参]  [人 参]  │ !!.│
            [人 参]  [人 参]  └─┤     ( `Д)<レキサ-ン リョウボサンニタノマレタ カイダシノツイカ-
         | ̄ ̄ ̄|─| ̄ ̄ ̄|─| ̄ ̄ ̄|─□( ヽ┐U
     〜 〜  ̄◎ ̄  . ̄◎ ̄   ̄◎ ̄   ◎−>┘◎

669 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/03/04(日) 17:57:39
>>668(敵の増援・献立・赤い食卓)
うろたえるなちびども!!

にんじんが大量にやって来たからって、一々大騒ぎするんじゃない!
畜生っ、まだにんじんは充分残ってるってのに、あんの婆ぁめ……。
あんたもあんただよ! ほいほい安請け合いすんな!

ったくもう、どうしてくれようか。
取り合えず今日から当分にんじん責めだな。皆には覚悟してもらわんと。
手始めに、にんじんだけのチンジャオロース、にんじんの炊き込みご飯、にんじんのスープ
辺りから攻めてみっか。

後は……にんじんパイ、にんじんの煮物、にんじんのきんぴら、にんじんの酢漬けとかもい
いか。
サラダもにんじん、飲み物もにんじんジュース、パンにつけるのはにんじんジャム。
デザートはにんじんケーキ、またはにんじんゼリー。
もちろん、つけ合わせのグラッセはがっちり山盛りだ。


……うっぷ、テーブルが一面真っ赤に染まってるとこを想像すると、くらくらしてきた。
頑張って食べて貰わないとなあ、あたし以外の全員に。
 

670 名前:名無し客:2007/03/07(水) 22:52:39
   |Д´) ソレダケ チョウリホウホウヲ シッテイルナラ
   |⊂  ヒトツグライ オイシクイタダクホウホウ ナイノカナ?
   |

671 名前:名無し客:2007/03/17(土) 14:13:12
うわ。食卓が真っ朱だ……。
レキ先生! こんなにニンジン食べたら体だけじゃなくて羽までニンジン色に
染まってしまいそうな気がしますよ!

672 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/03/28(水) 00:55:28
っとっと。またちょっと空いちゃったね。ごめんごめん。
どうもにんじんのダメージがでかくってさ……ははは。笑うとこじゃない、ここ。


>>670(攻略法)
おいしく食べられる調理法なら知ってるさ。「あたし以外が」って注意書きつきの。
年長組は結構よろこんで食べてたぞ。まあ最初の内はね。
こうにんじん責めだと、あたしっていうシェフを以ってしても、流石に皆ぶーぶーいう。

(煙草をフウーっとひと吹きして)
結局、どんなに料理してもあれだよ、目をつぶって、鼻の息を止めてさ。
えいやっと飲み下すのが正しいにんじんの食べ方なんだからしょうがない。
ま、こんなことは教育上、ちびどもには教えらんないけど。

あー、ちょっと。そんな物陰で窺ってないで、こっちおいでよ。
何しろ現在ただ今、おもてなしの料理の皿には事欠かないんだからね。
一つといわず、「おいしく頂けるにんじん料理」を片付け、
じゃない、味わっていってもらわんと。
さあさあ座った座った。
 

673 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/03/28(水) 00:57:58
>>671(赤軍・変わりゆく羽・ラストダンスをあなたに)
あたしもつくづくそう思う。……アカバネになっちまうよな。
いや、もうにんじん色になっちゃってるんじゃないか?
何せここんとこ、よく食ったと思うもの、我ながら。
このにんじん週間で、えーと、しめてグラッセをふた切れか三切れ。

いやあ、よく食ったよなあ。羽も赤くなるわ、そりゃ。

……ん? 何か文句が?
ないね。よろしい。

そんじゃま、ついでにこっちの人にも最後の赤いのを片す手伝いを、
おほんおほん。えー、ディナーのゲスト二名様、ごあんなーい。
そんな遠慮しない。遠慮は美徳なんてしみったれたこといわんと、さあさあさあ。
 

674 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/03/28(水) 00:59:20
さぁて。
知ってるかどうかわからないけど、うちは「お残しは許さない」条例を敷いてる訳で。
対象はお客さんも例外ではありません。当選者の発表は発送を以って代えさせて頂きます、
てなもんなので……フフ。

今夜は帰さないよ。
食いきるまでは。


(その後>>670>>671は、にんじんフルコースを全部食べきるまで帰して貰えなかった、とさ。
 めでたしめでたし)
 

675 名前:名無し客:2007/03/28(水) 19:36:00
    ☆ チン     マチクタビレタ〜
                        マチクタビレタ〜
       ☆ チン  〃
        ヽ ___\(\`Д´) <レキタンノ テリョウリ マダ-?
            \_/⊂ ⊂_)
          / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |
       | 未整理..未洗濯 |/

数時間後…………

    (`Д´)∩" <モウ コレイジョウ クエナイゾ ゴルァ!!
    /  ⌒ヽ ポン
    (人___つ_つ

676 名前:名無し客:2007/03/29(木) 23:54:56
「世界を救う勇者」になりたいですか?

677 名前:名無し客:2007/03/30(金) 23:33:08
「世界にニンジンを広める伝道者」になりたいで…………あ、もういいですか?
こりゃ大変失礼しました。

678 名前:名無し客:2007/04/01(日) 02:13:50
「おのこしはゆるしまへんでー!」と叫ぶおばちゃんがおりましてな。

679 名前:◆xRtREKI.VQ :2007/04/02(月) 00:11:080
(レキの日記より)


(何本かのにんじんのスケッチ)

伸ばした手は、いつだって届かなかった。
最初から先を行く者はより遠ざかり、後から来た者は追い抜いて行き。
いつも私だけが置いていかれる。

だから私は、ただ拳を握り締める。
誰とも手を取り合わなくても済むように。
 

680 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/04/02(月) 00:12:010
そういや前に聞いたっけ。何でも外の世界じゃ「嘘をついてもいい日」だったって?
嘘、かあ。ふーむ。

実はあたしは、嘘ついたことなんて一度もないんだ。
……うっわ、なんてジャイアントな嘘なんだろ。ははは。


ほんと、ひどい嘘だな、我ながら。


>>675(まるで春のよう)
いやー、平らげたねえ。
これだけ綺麗に食べてくれると、作る方も甲斐があるってもんだよな。

っていうか、大丈夫か? お腹、かなりぽっこりじゃん。苦しくない?
少し窓でも開けようか。
大分あったかくなってきたしね。

っと、やっぱ朝晩はまだ寒いな。今夜は風も強いし。
……ああ、結構雲が出てる。こりゃ明日は降るかもね。
でも雪になんないだけ増しだよな。雪なんかそれこそお腹一杯、って感じだよ、ひと冬つき
合うと。
(開いたベランダから吹きこむ夜風が、タバコの煙をかき乱していく)

ようやく春だな。
 

681 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/04/02(月) 00:13:330
>>676(勇者・取捨・出来ること)
世界――といっても壁の向こう、外の世界まで救わなきゃならないとしたら、ちょっと実感
が湧かないな。
この街一つだって大きすぎるってのに。

なりたい、とは私は思わない。きっと私の手には余る仕事だよ。
何時だって、目先のことしか見えやしない。そんな奴に救える世界なんてないさ。

でも、目先のことしか見えないから――見える範囲の、手を伸ばせる所だけでも救えたら
いい、とは思う。
どこかの見知らぬ誰かじゃなく、至近距離の誰かをね。
私に出来るとしたら、せいぜいそんなこと位だろうから。
世界相手なんて、大役過ぎる。
 

682 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/04/02(月) 00:14:300
>>677(にんじんを憐れむ歌)
……かんべんしてくれよ。

(げっそり顔で煙草を灰皿で消しつつ)
オールドホームをにんじん責めに出来る程度には出回ってるんだ、広めるもなにも、もう
広まりすぎ位に広まってるんじゃないの。
壁の外は知らんけど、うちがこれ以上赤い侵略を受けたらげっぷが出ちまう。

ううっ、にんじんのげっぷかよ。
やだね!
 

683 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/04/02(月) 00:15:480
>>678(寮母・掟・発露)
うちにもおりましてな。
おんなじこと叫ぶ婆さんが一人。

何しろ街じゃ「オールドホームは鬼よりこわい、寮母の婆さんの声がする」なんて歌われて
る……みたいなことは別にないけど。これは今あたしがでっち上げた。
ま、それほどじゃないにしろ、食べ物問題に関しては婆さんは厳しい。
そりゃちびどもが、あんまり好き嫌いばっかいうようになるのはいいことじゃないし、それに
何より食べ物を粗末にするのはよろしくない。
それは全くそうだ。うん。

しかし、しかしだ。
大きな声じゃいえないけど……好き嫌いだって一つの個性じゃないか!
なあ! なあ!?
 

684 名前:名無し客:2007/04/05(木) 18:35:130
    (`Д´)∩" <ナンデ オトコハ オンナノテリョウリニ コロット ダマサレルンダロ?
    /  ⌒ヽ ポン
    (人___つ_つ

685 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/04/05(木) 23:58:020
>>684(肉じゃが)
そういうのは、ころっと騙される同性に訊いた方がいいんじゃないか?
こう、実感もって分析してくれそうだけど。

でも確かに「おふくろの味」みたいなこというし、男って妙に思い入れがあるんだよな。
……関係ないけど「おやぢの味」っていうと、なんか途端に不味そうな気がする。
というのは、ほんとにどうでもいい話。


そうだなあ、要するにこういうことじゃないの。
自分が口にする食事を作ってくれるっていう行為は、ある意味とても信頼に基づいた関係
によるでしょ? まあ食べ物商売は別にして。
こういう関係は、大抵の人が子供の頃に経験してる。
そう、最初にご飯を作ってくれるのは母親だ。
そこでさっきの「おふくろの味」に戻る、と。

無意識の内に、そんなイメージを重ねちゃってるんじゃないのかな、あたし達女性にさ。
だから、ふっとガードが緩んじゃう。


で、ころっと参っちゃうオトコどもを、可愛いと見る女も世の中にゃ多い訳で。
え? あたしはどうかって?
さーてね、どうだろう。ふふっ。
 

686 名前:名無し客:2007/04/06(金) 20:26:580

  γ  ̄ ヽ
  |  ノノノノ        ∬
 ノ リ ゚ヮノ( `Д´),っ━~ オジョウサン オイラニホレルト ヤケドスルゼ
く   ( j]つ(   _ノ___ ∀
 ` くノ_/>  ,へ /    |.┷┳━
 ̄ ̄(_ノノ ̄(_ノ__) ̄ ̄|. ┃

687 名前:名無し客:2007/04/07(土) 00:25:430
そういやヒョコって煙草吸わないの?
健康にはよろしくないですけど、二人並んで一服している姿は
何だか絵になるなあ、と思ってみたり。

688 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/04/08(日) 01:32:550
>>686(踊るあほう・見るあほう・一番のあほう)
へーえ。
(じろじろ)

火傷ねえ。ご心配、あんがと。
いやあ、お生憎さま。火傷するほど危険すぎる男ってのも、ちょっとね。あたしの趣味から
は外れるなあ。
そういう手合いは、遠くから見てるだけの他人同士の方がしっくりくる。

なんちゃらは踊らにゃ損とはいうけどさ、まあ幸いなことにお連れさんもいるみたいだし、こ
っちの出る幕はなさそうでよかった。
さあ、心ゆくまでダンスをどーぞ。
 

689 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/04/08(日) 01:34:200
>>687(break)
そ、そりゃちょっと、いや、かなり美的センスがどうかしてるよ。
絵になんかなるもんか。断言する、ならん。
あたしだけならともかく……なんちゃって。

それはいいとして、あいつは……今は吸ってるのかな。
どうだろう。最近は会わないから。

五年前、あいつと一緒につるんでた頃に、確か初めてタバコを吸ったんだっけ。
タバコや酒をやるのがすごく格好いい、って思うんだよね、あの年頃は。
今じゃあの馬鹿、時々出くわすと「女はタバコなんか吸うな」とか怒って、人が吸ってるのを
取り上げたりするからな。
全く、大きなお世話だっての。

――昔みたいに、あいつがくわえたタバコに、あたしのタバコで火をつけたり……そういう
ことは、もう出来ないね。
いや、別にしたい訳じゃないけど。
 

690 名前:名無し客:2007/04/09(月) 02:05:290
>あいつがくわえたタバコに、あたしのタバコで火をつけたり

………………何か、レキさんに激しく惚気られた気がする……。
ニンジンも、煙草の火も赤らむ惚気話で。

691 名前:名無し客:2007/04/09(月) 19:47:250
  γ  ̄ ヽ
  |  ノノノノ
 ノ リ ゚ヮノ
く   ( j]つ______..
 ` くノ_/>←実はマネキン| ┷┳━
 ̄ ̄(_ノノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|.  ┃

    〃〃∩  _, ,_
     ⊂⌒( `Д´) < ヤダヤダ!
       `ヽ_つ ⊂ノ
              ジタバタ
         _, ,_
     〃〃(`Д´ ∩ < レキタンデナイト ヤダヤダヤダ
        ⊂   (
          ヽ∩ つ  ジタバタ

    〃〃∩  _, ,_
     ⊂⌒( つД´) < セメテ ラッカタン ジャナキャ ヤダー
       `ヽ_ ノ ⊂ノ
              ジタバタ
       ∩
     ⊂⌒(  _, ,_) < カワイイ カノジョガ ホスィ…
       `ヽ_つ ⊂ノ
              ヒック...ヒック...
       ∩
     ⊂⌒(  _, ,_)
       `ヽ_つ ⊂ノ  zzz…

692 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/04/14(土) 20:47:490
>>690(おのろけ・赤い火・青い灯)
ゲホッ、ゲホッ!
(思いっきりタバコにむせつつ)

……ちゃ、ちゃうわっ! どうしてそういう風に取るかなあ。
よくやるだろ、こういうの。やらない? あ、そう。
まあ、今はあたしも周りにタバコ吸う人がいないから、しないけど。

タバコみたいに小さな火は、ちょっと赤らんだってすぐに消えるさ。
全部吸い終わらない内に消したりもするしね。
女の昔話なんて、そんなものだよ。大したことじゃない。

にんじんは……まあ煮ても焼いても赤いままだけど。
だから何だって話だよ、な。
 

693 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/04/14(土) 20:49:100
>>691(いつもあなたが....)
憐れすぎて言葉も出ないな……。
こらこら、ダイ、ショータ。指差すんじゃない、かわいそうだろ。
あれはダメな大人の見本。お前らはああいう有り様になっちゃ駄目だぞ。

まあまあ、そう泣くなって。
あたしは無理だけど、いつかはそこのマネキンじゃない、本物の彼女が見つかるかもって、
おい。
「せめてラッカ」ってなんなんだ、ああ?
結局誰でもいいんじゃねーか! まったく、男は結局これだからなあ……。
大体、ラッカはあたしんだ! やらん。


あ、いや。
あーっと。その、なに、なんだ。ははっ、は。
……で、で、出ていけ!

(人、それを逆ギレという)
 

694 名前:名無し客:2007/04/14(土) 22:06:570
らっかはあたしんだ。やらん。
らっかはあたしんだ。やらん。
らっかは…

695 名前:名無し客:2007/04/15(日) 04:37:470
       ∩  _, ,_
     ⊂⌒( * ゚∀゚) <スコシハ ボセイホンノウ クスグラレタ?
       `ヽ_つ ⊂ノ


696 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/04/18(水) 01:19:060
そういえば今日、おやつにパンケーキを作ったら、ちょっと焦がしちゃったよ。
少しばかり目と手を離した隙。いやあ、久々に失敗した。
でも案外食えるもんだな。まあ完全に真っ黒焦げって訳じゃなかったからだけどね。


>>694(失言・反復・壁の耳)
た、他意があるだろ、この物まねは! 絶対ヒボウだ!
ええい、せからしいわ! うるさいうるさい!


ったく、しくじった。なんでこんなこと、ポロっといっちゃったかな。
売り言葉に買い言葉ってやつなんだ、きっと。なんか違う気もすっけど、精神安定上そうい
うことにしとこう。
ふう、近くにラッカがいなくてよかった……。

……き、聞かれてないだろうな!?
 

697 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/04/18(水) 01:19:510
>>695(宴の始末)
オホン、オホン。
(体勢を立て直しつつ)

やっぱ嘘泣きか! んなことだろうと思った。
安心しな、エブリシングエブリタイム、まるっとするっとくすぐられてないから。

大体、男に泣かれるっていうシチュエーションはさ、女からすりゃかなりウザったいんだぞ。
そこで母性本能にモノ申そうと思ったら、もうちっとアイデア練らなきゃな。
今のままだと単純に鬱陶しがられるだけだね。

っていうかホラ、そこの持ち込みの人形も片した片した。
 

698 名前:名無し客:2007/04/18(水) 21:00:530
                       ┌─┐
                       |録|
                       |  |
                γ  ̄ ヽ |音|
       ラッカハ アタシンダ!|  ノノノノ |  |
          ヤラン!!   ノ リ ゚ヮノ |済|
              V    く   ( j]つ |  |
            _______  ` くノ_/>  │ !!.
          [_i(::)ェ.]    (_ノノ  └─┤     ( `Д)<デモ マァ レキタンノ オモワヌホンネヲ ロクオンデキタカラ ヨシトシヨウ
         | ̄ ̄ ̄|─| ̄ ̄ ̄|─| ̄ ̄ ̄|─□( ヽ┐U
     〜 〜  ̄◎ ̄  . ̄◎ ̄   ̄◎ ̄   ◎−>┘◎

699 名前:名無し客:2007/04/25(水) 13:42:290
>大体、男に泣かれるっていうシチュエーションはさ、女からすりゃかなりウザったいんだぞ。

え、実体験あり?
どんな体験?

700 名前:名無し客:2007/04/25(水) 13:49:270
誰かに助けをもとめたことってありますか?

701 名前:名無し客:2007/04/28(土) 13:53:380
ラッカが泣いている姿って、母性本能をくすぐられますよね。

702 名前:名無し客:2007/05/01(火) 16:27:420
じゃあレキが泣くと何がくすぐられるんだろう

703 名前:名無し客:2007/05/01(火) 16:29:370
死を意識したことはある?
輪廻とか信じる?

704 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/05/07(月) 00:24:250
ここんとこ晴れの日が続いたんで、その間に洗濯物を片付けちゃって正解だったなあ。
今日は一日、ひどい雨だったからね。明日延ばしにしないでよかった、よかった。


>>698(陰謀・録音テープ・撤収)
……うなっ!?
(椅子からズッコケた)

野郎っ、いかにもな怪しい人形はフェイクか!
一杯くわされたー! ちきしょう!
っていうか、あ、あたしのセリフんとこエンドレスで回すんじゃない!
消せよ! 後でぜったい消しとけよ!


ちっ、やっぱり男は油断ならねーな。
こういうことは、ちびどもにもよくよく教えてやらないと……。
 

705 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/05/07(月) 00:25:040
>>699(泣く男)
いやいや、別に体験談って訳じゃあないよ。
いつだったか、そんな現場をちらっと見かけたことがあったんだ。街の方で。

別れ話らしいのが、もつれてこじれてこんがらがってる状況だったみたい。
しかもそれを、オープンカフェでやってんだぞ。男の方が「おれが悪かったからやり直そう」
っぽいこといっては、さめざめ泣く訳。
はた目にも「うわ、こりゃ面倒くさいなー」って思ったね。
あんま弱々しい男もどうだろって話。


そう、あいつは女の前で泣くなんて真似はしなかった。
寧ろ色々あってあたしが泣く方……って何いわせんだよ!
誘導尋問、巧みだな、おい。
 

706 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/05/07(月) 00:26:030
>>700(助力・もとめ・ごまかし)
おっと、いい所に。
ちょっと手が離せなくてさ、そこの棚の大皿、取ってくんないかな。
この炒め物、もうすぐ出来あがるから。……いや、それじゃない。その下の青地のやつ。
そうそう、それ。あんがと。


っていうような救援依頼なら、普通にしてるけど。
そりゃ人間相身互いっていうじゃん。
――はは、こちとら灰羽だったか。
 

707 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/05/07(月) 00:27:460
>>701(親鳥)
ええ? 本当に母性本能をくすぐられるとしたら、その人の泣いてる顔なんか見たくないっ
て感じるんじゃないか。
「守ってあげたい」みたいにさ。少なくとも、あたしはそう思うけど。

ラッカをそんな姿なんかには、あたしが絶対させやしない。
と、思う意味では、まあ確かに母性本能はかき立てられてるのかも。

……っていうか見たのか? 実体験か?
まさかあんた、ラッカを泣かしたんじゃないだろうな!? だったら許さんよ。
 

708 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/05/07(月) 00:28:370
>>702


 不意に襲ってきた想いの重圧に耐えかねて、私は両手で顔を覆った。

 言葉にならない想いと、言葉にしてはならない想いが、心の中にあふれ出す。それらを
つなぎ止められず、私は自分の頭が破裂してしまうのじゃないかと半ば怯えた。
 もう泣かないんだ、泣けはしないんだと思っていたのに、コーヒーに入れた角砂糖が溶
けるように、いつしか私は泣いていた。
 こんなに涙が出るのはいつ以来だろう?
 あの時だろうか。今よりもっと愚かだった五年前。

 私が差し伸べた手は、いつも最後まで握ってはもらえなかった。
 ある時はそっとふりほどかれ、またある時は気づいたらお互いに手放していた。
 また手を――助けを求めたとしても、きっと同じだ。
 似たようなことが繰り返され、それでおしまい。私の居場所はお決まりのままだ。
 だったら助けなんていらない。


 泣き声だけは洩らすまいと必死に噛んでいる歯を緩めると、自然に誰かの名前が飛び
出た。
 二度と戻らないあの人の名前だ。去って行ったあいつの名前だ。
 もう一度を呼ぼうとしたが、きちんとした声にはならなかった。
 それでも私は、何とかしてその名を呼ぼうとして、泣きながら言葉にならない言葉を紡ぎ
続けた。
 

709 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/05/07(月) 00:29:440
>>702(涙・くすぐり・演技派)
……なーんちゃって。


(けろっとした顔を上げて)
嘘泣きだよ、う・そ・な・き。
知らなかった? これでも嘘泣きは得意なんだよ、あたしは。

そう、とても得意なんだ。――とても。


で、訊いてみたいね。どこの辺りがくすぐられたか?
 

710 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/05/07(月) 00:31:210
>>703(めめんと、もり)
水ってさ、どんな細い小川でも、向こう岸が見えないほど広い河でも、最後は『海』ってい
う場所に流れ着くっていう話を読んだことがある。図書館でね。
ああ、『海』っていう言葉は知ってる。もちろん見たことはないけど。
でもそういう場所が、どこかにあるらしいってことは知ってる。

普段ははっきり意識する訳じゃない。
そのことについて考えても、私が考えるそれと、本当のそれとが同じかどうかはわからな
い。何しろ、それは見ることも触れることもできないんだからね。

ひょっとしたら、ふり落ちる雨や河の水もいずれは蒸発して、空にのぼって雲になって、ま
たその中から雨をふらせるのかもしれない。
この街にふる雨は、壁の外の海や川の水が干上がって、そこから生じた雨なのかも。
でも、それが本当かどうかは確かめようがない。この街に住んでいる限りは。


『海』に対して思うように、『死』や『輪廻』についてもそんな風に思うよ。
 

711 名前:名無し客:2007/05/07(月) 00:32:380
ムキー! 嘘泣きとはっ!

712 名前:名無し客:2007/05/08(火) 00:30:340
もう一度、壁を越えたいと思わない?
もう一度、壁を越えて向こうの世界を見たいと思わない?

713 名前:名無し客:2007/05/08(火) 21:11:38O
羽を染料で染めるオシャレな灰羽はいないの?

714 名前:名無し客:2007/05/12(土) 04:58:210
綺麗な灰色でなくて、綺麗な白色に羽を美白しようとする灰羽はいないの?

715 名前:名無し客:2007/05/15(火) 17:41:090

               ∬
        ( `Д´),っ━~ コノテープヲ カエシテホシクバ 100マングリヲ ハラッテモラオウカ
______(   _ノ___ [_i(::)ェ.]
         ,へ /    | ━┳━
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(_ノ__) ̄ ̄|  ┃

716 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/05/21(月) 01:42:510
……っと、間が空いちゃっていきなり何だけど、ちょっとばかりお相手の順番を変えるよ。
どうやら最後じゃなくて、最初にへこます必要がある奴がいるみたいだから、なー。


>>715(恐喝・交渉・覚悟完了)
――ふうん。

(同じ灰皿にタバコの灰を落としながら)
一年三百六十五日、カラスの鳴かぬ日はあれど、悪人笑わぬ日とてない――とはよくい
ったもんだよな。
ふふふ……。

おい、見損なって貰っちゃあ困るぜ。
こちとら、>>607-609辺りで赤っ恥かいたぐらいの前科は背負ってんだあ! 今更そんなの
周りにバクロされたからって、笑い話がいっこ増えるだけなんだよっ!


脅迫は、脅される方に退く気がこれっぽっちもなけりゃ何の意味もねーんだ。
で、あんたどうする。
そのテープとやらを、落としたライターを拾ってくれるような気安さでこっちに渡すか。
それとも、あたしの四十八の殺ハネ技を喰らってから、瀕死の状態で奪い取られるか。
(タバコを灰皿でえぐりえぐり揉み潰しつつ)

……選びな。
制限時間は五秒きっかり。「はい」以外の回答は認めない。
さあ。
 

717 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/05/21(月) 01:43:580
>>711(男の憤激)
あらら、もしどっかくすぐられた所があっても、これで帳消しになっちまったかなー。
はは、怒らない怒らない。オンナの嘘はオトコにゃ見破れない、っていうじゃん。
昨日のホントと今日の嘘を見分けるには、もう少し人生経験が要るかもね。

でも嘘泣きは女の罪だけど、ま、それを許さないのもこれまた男の罪ってもんだな、多分。
むしろその罪、おれがひっ被る! ぐらいの度量が欲しい。
(タバコに火をつけながら)

って本気でいう程、罪作りな女でもないつもりだけどね、あたしは。
ふふ。
 

718 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/05/21(月) 01:45:000
>>712(帰還・ふるさと・夢の在り処)
もう一度? 繭から生まれる前のように?


「見たい」とは思う。壁の外の世界を見たい、とは。――でもそれは、あくまでも見るだけ。
壁の外にいた頃の自分に何があったのか。なぜ罪憑きとして生まれたのか。
それは知りたい。

だけど、実際にその場所へ行きたくはない。
帰れたとしても、そこが心地よい所だとは――私には、とても思えないから。
これは皮膚感覚みたいなものだよ。ただ、間違ってはいないと思う。

切れ端とはいえ、七年も見続けていればわかるさ。毎晩のようにね。
 

719 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/05/21(月) 01:47:070
>>713(染めつけ)
ああ、廃工場の方だと、したりする灰羽もいる……かな。
羽自体を派手な色で塗ったり、ぐるぐる渦巻きみたいな模様を描いたり。
間違いなく、話師の爺さんに見つかったらお説教だね。灰羽の羽は祝福として与えられた
のであって、玩具にするものではない、とかいってさ。


大分昔、あたしもしてみたことがあったっけ。
話師には叱られた。他の灰羽には普通のことでも、私にとってそれは逃避だから、と。


――ま、それはさておき。
そういうおしゃれは、オールドホームでは皆やらないね。趣味の問題ってやつで。
ちびどもにもさせてない。まだ子供だし。
自分で判断ができるような年になって、そうしたいなら止めないけど。
 

720 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/05/21(月) 01:49:170
>>714(スノーホワイト・日常の暮らし・欺瞞)
羽を真っ白に?
いや、あんまり見たことはないな。少なくともあたしは。

違う色に塗ったり、こう、模様を描いたりってのはあるけど。
白だと、なんていうのかな。元の色と極端に違う訳じゃないから、じゃない?
せっかく変えるなら、もっと派手に……なんて思うのかも。
それに実際問題、白だとちょっと汚しただけで目立つだろうし。普通の生活じゃあ、灰色よ
りは白の方が暮らし難そうだ。


そう考えると、全くの純粋な白ってのは、どこか嘘っぽい所があるっていうか。
ずっと真っ白って具合には、中々いかないんだ。――よくも悪くも。
結局は「白い羽は天使のもの」でいいのかもしれないな。
 

721 名前:◆xRtREKI.VQ :2007/05/21(月) 01:52:020
(レキの日記より)


(綺麗な白色の羽のスケッチ)

羽に雪鱗木の薬を塗るのだって同じことなんだ。
これも逃避に過ぎない。嘘と言い換えたっていい。

上からどんな色を塗りたくろうと、元の色そのものを変えることは誰にも出来ない。
染みは染みのままで、汚れは汚れのままなのだ。
羽の色も、私の色も。
 

722 名前:名無し客:2007/05/21(月) 05:02:130
灰羽さんたちって、どんなことを忘れて、どんなことを覚えているんですか?
ここ(グリ)の言葉を皆さんちゃんと話してますけれど、灰羽さんたちがもともといたところも
ここ(グリ)と同じ言葉を話してるんですか?
過ぎ越しの祭りってありましたか? 壁ってありましたか? 図書館ってありましたか?
風車ってありましたか? バイクってありましたか? パンってありましたか? 太陽ってありましたか?
灰羽さんたちが、「グリでは冬がすぐ来る」とか言ってたって話を聞いたことが
あるんですけど、前のところではすぐ来なかったりしたんですか?
灰羽さんたちはみんな、同じところから来たんですか?
本当に外から来たんですか?

外ってどんなふうなんですか?

              ―好奇心旺盛な街の少女より。

723 名前:名無し客:2007/05/21(月) 05:09:47O
>721
けど、最後に塗られた色をみんなが見る事になるよ
逃避だ逃避だって言って変わらないって言うのも逃避だと思うな

724 名前:名無し客:2007/05/21(月) 23:21:110
      (⊂⊃)
      ,  -―- 、
     / # ,、  ヽ.
     l ノ,/lノl/ Wリl | ,.--.、
.   [lll]i|ld#┃ ┃〈. ( ◎ )
.   ┃ il |l、 _口/  `┳´
.   ○二i ̄├┤ ̄i二○
   /, ,,, ~i'"゙83| ̄,,.ヽ、                           ■
  ´"  ` | .口| ″               ≡≡≡=-   ヘ( `Д)ノ<ラッカタ-ン コロサレルマエニ
     (ニ)ナ-ィヽ                ≡≡≡=-   ( ┐ノ    コノテープヲ ウケトッテ-!
         (二)               ≡≡≡=- :。;  /

725 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/05/28(月) 01:53:200
ま、待てえ! ……くそッ、取りあえずこのバカチンを止めるのが最優先事項だ!
笑い話が増えても構わないとはいったけどなあ、それを誰に聞かせても平気だとはいって
ねえんだぞー! 特にラッカには!!


>>724(前言撤回)
このチンピラが! あたしをナメてんのかッ!
何回教えりゃあ理解できんだコラァ!
答えは「はい」だけだっていってるだろうが、この……


クサレ脳ミソがァ――ッ!!


……うわ! ララララッカ!?
あ、いや、これはその、あの、なんでもないんだよ、なんでも。
ケンカ? まさかまさか。ちょっと話し込んでる内に熱くなっちゃってさ。
それだけ。ほんとに、うん、うん。なあ?
(冷や汗いっぱいの笑顔で>>724と無理やり肩を組み、しっかりと逃がさず)

え? この平べったいプラスチックの板?
なんかね、外の世界の道具らしい。音や声を留めておいて、好きに再現できるっていう装
置……いやいやいやっ、ラッカは聴かなくていい!
そ、その、すごく変な歌声なんだ。「えぇえむいれぶん、ぴぃえむせぶん」とかいう……。
だから聴かない方がいいよ。ああ、とても聴かせられない。

なんでそんなの、記録したんだろうね。
なんでかな。なんでだろう。なあ、こーいつぅ。あははははー。
(あくまでもにこにこ顔を崩さず、>>724の耳元でそっと)


……ブッコロス。


(有無をいわさず、>>724を物陰へ引きずって行きました)
 

726 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/05/28(月) 01:53:560
>>725の続き
(その物陰からは、実にグロテスクで地獄的な絶叫が響いてきたとかこないとか)




(チャンチャン♪)
 

727 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/05/28(月) 01:55:390
さて、と。――ん? 何かあったのかって?
いや、別に何も。いつも通り、静かなもんだよ、オールドホームは。はははは。


>>722(隔てられるもの)
おお、盛り沢山の質問だね。こんなに一気に色々訊かれたのは初めてだな。
ははは。――そうだね、じゃあ冬の話からしようか。


「グリでは冬がすぐ来る」。この街の常識だね。あなたもよく知ってると思う。
誰が話してたか知らないけど、多分それは「この間まで暖かかったのに、もう寒くなった」っ
ていう意味合いだろう。別の場所と比べて、っていう訳じゃない。
残念ながら前にいた所、壁の向こうでどうだったのかはわからない。それはあなたと変わら
ないんだ。


冬の訪れがどうだったのかだけじゃなく、灰羽は色々なことを忘れてしまってる。
自分でも驚くほどたくさんのことを。


今、私たちはこうして同じ言葉で喋ってる。風車もバイクもパンも、あるいは太陽も、見た
り、そう説明されたりすればわかる。
それは本当は違う理解で、違う認識なのかもしれない。でも、あなたと私の認識が全く同じ
で共通しているのか、なんてことは確かめられない。
生まれる前のことも同じなんだ。

つきつめれば、それはやっぱりあなたが最後にした質問になるのかもしれない。
そう、「外の世界はどんな所なのか?」ってこと。


それは誰にもわからないんだよ。壁の内側にいる間は、絶対に。
 

728 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/05/28(月) 01:57:380
>>723(外観・リテイク・逃げた先)
ああ――絵の話?
そうだね。最後に塗った色が、最初に誰か他の人が見る色だから。

ただ、もう塗り直しがきかない場合も、時にはある。
どれだけ塗りを重ねても、汚い色になっちゃってどうしようもない、っていうような。

そういう時は――また別のカンバスに描き直すしかない。
絵なら、そうする。そう出来るから。
絵ならね。

729 名前:名無し客:2007/05/29(火) 01:12:210
       ∩
     ⊂⌒( `Д´) <「ハイ」ダケダッテイウカラ ラッカタンニ 「ハイ」 ッテワタソウトオモッタダケナノニ
       `ヽ_つ ⊂ノ

730 名前:名無し客:2007/05/29(火) 03:00:08O
レキ!ガンバ!

731 名前:名無し客:2007/05/29(火) 22:39:360
今ぐらいの時期の、レキさんの心象風景を素直に描いたら、どんな絵になりますか?
新緑の季節くらいになると、真冬に較べると格段にぱーっと明るくなる人がいて・・・。
レキさんも、この時期は気分がいいんじゃないかと思いますけど・・・。

732 名前:オールドホームの灰羽達 ◆xRtREKI.VQ :2007/06/11(月) 01:05:120


 日差しは適度に暖かかった。うるさいほどまぶしくはなく、雲にすっかり遮られるほど主張
が弱くもない。
 天気がいい日というのは、それだけで何だか気持ちを明るくさせる。考えてみれば不思議
な働きだ。
 別に雨の日が悪い訳じゃないけれど、洗濯物が気持ちよく乾いたり、ぬかるみを気にせず
街まで行けたりする方が助かるのは確かだった。
 今日みたいに晴れ渡った午後、こうしてゲストルームのベランダで風に吹かれてる、なんて
いうのはまさに文句なしだと思う。


 木々の緑は、晴れわたった空の色のおすそ分けみたいに鮮やかだ。
 階下の中庭では、カナとヒカリが年少組の相手をしている。少しの間、ちびどもの世話を代
わってもらったのだ。
 ちびどものはしゃぎっぷりを眺めていると、毎日面倒をみているというのに、ふっと微笑んで
しまう。


 そうしていると不意に、そう、不意にあれが姿を現すのだ。
 私自身の「はじまり」から、そして恐らくは「終わり」までを通じてつきまとっているあの罪の意
識、弱さ、偽善――そういった暗い想い。

 まるでうちの前の川底をあさったみたいだ。底の泥をかきまわすと、奇麗な流れは一瞬にし
て汚く濁ってしまう。
 私が抱えている闇は、本当は川底の泥のようなものなのだ。空気までもが初夏の明るさに彩
られていようと、七年間変わらずに、じっと心の奥底で澱んでいる。
 ただ、普段は忘れているふりをして、底の方をつついたりしないだけに過ぎないのだ。


 ふと、私は客の相手をしている途中だったのを思い出した。
 もたれていたベランダの手すりから身を起こす。タバコをポケットから出そうとして、気が
変わって止めた。
 室内へのドアをくぐった時には、いつも通りの顔は出来ている。その筈だった。

 安らぎにひたる権利など、私にありはしない。
 その事実を噛みしめながら、私は「どうも、お待たせ」と来客たちにいつもと変わらない笑顔
を送った。
 

733 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/06/11(月) 01:06:250
>>729(恐ろしき錯誤)
か、会話の組み立て方を考えろよっ。
あそこまでの流れで、どこをどうするとラッカに「はい」って手渡しになんだよ!
っていうかわざとだろ! もしそうじゃなかったら、手の施しようがない天然バンザイ野郎だ、
あんたはあ!


っとにもう、まったくもう……。
(キッチンでしぼってきた濡れ手ぬぐいを、ぽいと>>729へ放りながら)

ほれ、冷やしとき。痛かったろ。
……まあ謝るつもりも必要もないケド、ん、たんこぶは痛いだろ。
これに懲りたら、ちゃんと改心してくれよな、くれぐれも。
 

734 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/06/11(月) 01:07:140
>>730(声援・脱力・ちょっとひと息)
あ、ああ、どうも。あんがと。

なんか応援された……。そんなに疲れた顔でもしてたかな。
や、ひょっとして今しがたのおバカさん退治を見られてたってやつ?
げげ、参ったな。えらいとこ見られちまった。
ま、取りあえずと。
(新しいタバコをくわえつつ)

失礼して、ちょっと一服。……ふう。
いや、今しがたしてきたばっかだけどね。はは。
 

735 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/06/11(月) 01:08:400
>>731(紫の空)
ああ、今は過ごしやすい時期だからね。寒くて長い冬に比べたら、浮き浮きしちゃうのも無
理ないよ。
この街だと特にそうかも。ようやく冬が終わったなあってね。
そんな時の心象風景、か。


そうだね、何となく気分が明るくなるのはわかるよ。
あたしもそうだもの。――ほら、今日みたいにいい天気だとさ。


描くとしたら、やっぱり明るい風景になりそうだ。
でも今ぐらいの、きりりとした光の色を出すのは難しいんだよな。
風の丘にでも、イーゼル担いで行ってみようか。外の空気を吸いながら描くのも悪くない。

そうしたら――そうしたら、少しはいい色が塗れるかもしれないね。
少しだけでも。
 

736 名前:名無し客:2007/06/11(月) 21:51:33O
スカートめくりに対する代価は幾らくらいですか?

737 名前:名無し客:2007/06/12(火) 20:10:150
     ⊂⌒( `Д´) <オサナナジミガ テレカクシデ オコッテルカンジデ タノム
       `ヽ_つ ⊂ノ

738 名前:名無し客:2007/06/12(火) 22:57:020
灰羽さんの羽を一本取ったら、どのくらいの幸福がおとずれますか?
四葉のクローバーと比較して教えて下さい。

739 名前:名無し客:2007/06/20(水) 19:38:350
こんにちはレキさん。
こっちの世界は近頃ムシムシと暑くてたまりません。。
グリの街は気持ち良さそうで羨ましいです。
それはそうと私は先日国に仕える為の資格試験というものを受けてきました!


…慰めてやってください…orz

740 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/06/26(火) 01:00:210
>>736(痴漢・まいっちんぐ・罰則)
そりゃあ……。
(タバコを灰皿に置きながら)

相手によるよ。
例えば犯人がうちのダイ辺りだったら、とっ捕まえてほっぺたをぐいとつねる。
教育的指導、ってやつだな。こういう所はしっかり躾けとかないと。

でも、それがいい歳した大人だったら……。
そいつが泣くまで殴るのを止めないのもいいし、こっちの気分によっては重さ百トンのハン
マーでひっぱたいて済ませるかもしれない。
何にせよ、しでかした始末のツケは払って貰わなきゃ。こういうことでの問屋さんの見積も
りはかなり厳しいんだから。

一番いいのは、そういう被害にあったら、無言で手近にぶら下がってる紐を引く。
すると犯人の頭の上に「十六トン」てラベルつきの重りがふって来る、なんて仕組みだと助
かるんだけど。楽で済む。


(タバコをくわえ直しつつ)
世の中ままならないよな、全く。
 

741 名前:◆xRtREKI.VQ :2007/06/26(火) 01:01:580
>>737(灰羽レキの憂鬱)





 それだけ全てが物語られている。
 何も足さない。何も引かない。誰がいつ、どんな顔をしているか――もし目の前に、ぐい
と引っ張ればお目当ての人物目掛けて「十六トン」のラベルつきの重りがふって来る紐が
垂れ下がっていたとすれば、ため息とともに躊躇わず引いたであろう。けれど現実はそう
上手くはゆかない、と嘆くようなそんな表情――が手に取るように想像できてしまう。
 看板としては理想的ではないだろうか。――タイトルの話だ。


 そんなタイトルがあってもいい。一つぐらいは。
 二つ以上となったら、これは多すぎだろうけれど。




 

742 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/06/26(火) 01:03:090
>>738(小羽・クローバー・比較)
ああ、幸運のシンボルだとかいうよね、確かに。
うーん、でも灰羽の羽に、四葉のクローバーに匹敵するようなご利益はあるかな?


灰羽を見かけただけでも何かいいことある、なんていう街の人もいるぐらいだから、そう
いう人なら同じ位には有り難がってもらえそうだけど。
逆に知らない人から見たら、ただの灰色の小羽だしなあ。
まあそれをいったら、四葉のクローバーだって葉が四枚の草っぱか。

確実に訪れる「幸福」じゃなくてさ、こういうのは何となく「幸せな気分」を得るためのもの
じゃないのかな。
大したことじゃなさそうだけど、何かいいことありそうだ。――そんな、くすっと笑う程度の
心地。
余裕っていうか、ゆとりっていうか。そんな気分を楽しめればいいんだよ、きっと。


そういう話だったら、やってくる(かもしれない)「幸せ」は同程度かも。
何しろ小羽も葉っぱも、吹けば飛ぶようなちんまい代物だし、ね。
 

743 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/06/26(火) 01:04:210
>>739(ラベンダーの香り)
うへえ、外の世界はそんなに暑いの。そいつはしんどいなあ。
うん、確かにこっちは蒸すってまではいかないし、そういう点では過ごしやすいよ。
で、ほほう、またずいぶんと難しそうな試験だね……って、あららら。
ははあ。

ま、その顔色見れば、手ごたえがどうだったかはお察しするよ。
お茶でも淹れ直そうか。取っておきのがあるんだ。



――ちょっとお香みたいな、つんとした匂いだから、苦手な人は苦手かもな。
ああ、これはハーブティ。何でも緊張をほぐしたり、気持ちを穏やかにする働きがあるん
だって。試してみる? 慣れれば中々いけるよ。

まあ、さ。何であれ次がない、後がないってことはないよ。
「全ての道はナントカへ」続いてるってことわざがあったっけ。はは、ナントカの地名は忘
れちゃったけど。

道はいくらでもあるんだ。時にはつまづいたり、疲れて立ち止まったりしてしまうかもしれ
ない。
ただ、それでずっと座りこんだりしなければいい。
そうすれば、いつかはきっとたどり着くさ。自分の目指している場所へ。

――難しいかもしれないけど、あんまり落ちこまないようにね。
 

744 名前:名無し客:2007/06/28(木) 19:19:370
              _。_
  旦      c(__ア
    \( `Д)ノ<ハイバネハ イツモゲンキニ ニコニコシテテクンナキャ
    ( ┐ノ
     /


     ( `Д)  _。_ <ナニガアッタノカハシラナイケド ソノウチカザムキモカワルサ
    /  J つc(__アi! トポトポ
    しー-J       旦~


     (`Д´)   _。_ <アア コレハハーブティ ナンデモキンチョウヲホグシタリ キモチヲオダヤカニスルハタラキガアルンダッテ
    /  J つc(__ア
    しー-J       旦~


..   (`Д´) <アンマリオチコマナイヨウニネ
.   (o旦o)  _。_
   `u―u' c(__ア

745 名前:名無し客:2007/06/29(金) 01:10:150
まだ繭の夢をはっきり思い出せませんか。
そちらには、<夢読み>はいないですか。
<夢読み>は図書館で働いているです。

746 名前:名無し客:2007/06/29(金) 03:50:170
自分に心無い言葉を浴びせられるのとラッカたちに心無い言葉を浴びせられるのはどちらが耐え難い?

747 名前:名無し客:2007/06/29(金) 03:50:500
自分の前世と来世を想像してみてください。

748 名前:名無し客:2007/07/06(金) 03:07:290
レキさんのハーブティーと励ましで勇気を貰い、自己採点をやってみました…。。
どうも思っていたよりは良いけど、限りなく中途半端なラインギリギリという
やつのようです。。

どうか…どうかレキさんの祈りで奇跡を起こしてください(´・ω・`)
もし…もしそれでも駄目だったら、、またハーブティー頂きにお邪魔します(ノД`)


749 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/07/15(日) 02:57:570
>>744(励まし・ティーセレモニー・反作用)
……あー。
なんかこう、とても言葉にはできない類いの脱力感が……。
(テーブルにぐんにょりと上体を預けつつ)


一杯もらおうか。
確かに、今のあたしが飲むのにぴったりの、どんぴしゃの、ど直球ストライクのお茶だ。
まさかね、いや、悩みの対象自体に慰められるなんてね。
甘かった。その発想はなかった……。


「いつも元気に、にこにこ」させてくれ……。
「そのうち風向き」変えさせてくれ……。
頼むから。……くあぁ、この味。今日は特にしみわたるわあ、腹の底に。
 

750 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/07/15(日) 02:59:340
>>745(夢読み)
夢読み? 図書館で?
そんな仕事してる人の話は聞いたことないなあ。いや、いないと思うよ、この街には。


夢読み、か。――えらく不思議な名前だね。
だって夢っていうのは、何ていうか、すごく個人的な体験だろう?
どうやっても観客は自分だけ。「こんな夢を見た」と伝えることは出来てもね。
時には自分自身ですらきちんと思い出せない。

「夢読み」っていうからには、他人の夢を知ることができるんだろうね。
それこそ本でもめくるように。人の夢を知って、それでどうするんだろう?


見た夢の――その人の心の情景の意味を解き明かしてくれるんだろうか。


もしそんな人がいるのなら、一度読んでもらいたいね。
取り戻せない私のページのことも。
 

751 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/07/15(日) 03:00:130
>>746(ほこ先・優先順位・傷ついた心)
そんなの決まってるさ。考えるまでもないことだよ。
後の方。ラッカ達に対して何かいわれる方がつらい。

私なら、何をいわれたって平気だ。
慣れているから。例えそれがどんなひどい言葉だろうと。
けど、ラッカ達はみんないい灰羽だ。心無い言葉なんてかけられる理由がない。
そんな、そんな理不尽な話が許されていい訳ないだろう?


――ああ、ごめん。例え話だってのに、妙に熱くなっちゃって。はは。
でも、いいたいのはそういうこと。
 

752 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/07/15(日) 03:00:530
>>747(BEYOND THE TIME)
来世、来世ね。……うーん、何になるんだろう。

そういや前に「生まれ変わるなら人間になりたい」といったけど(>>622)、考えて見ると動物
になるとは限らないよなあ。
木や草かもしれないし、無機物の可能性だってある。
こういうのはちょっとな。出来れば、やっぱり動くものがいいよ。
――特に、石ころなんかに生まれ変わるのは願い下げだ。

あ、そうだ。「風」なんていいかもね。
どこにでも行ける。どこにだって。
何にも心を残すことがない代わりに、何にもわずらわされない。


ん、自分の前世はどうだと思うかって?
さあね。どんなものであれ、今と大して変わらないだろうね、きっと。
きっと、そんな何かだったんだよ。
 

753 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/07/15(日) 03:02:530
>>748(採点・明日の笑顔・願い)
あー、それは辛い。そういう微妙な出来だと収まりが悪いよなあ。
良い方でも悪い方でも、どっちかに針が振り切ってれば落ち着けるのにね。

え? あたしのお祈り?
いや、自信ないよ。あたしなんかじゃ、ろくな力添えにはなれないんじゃない?
だってお祈りっていうのは、もっとこう――純粋な人がやる作業だと思うよ。
そうじゃなきゃ、祈りは正しく聞き届けてもらえなさそうだ。


でも、ああ、いつでもどうぞ。お茶ぐらい、レキさん手作りのお菓子つきでご馳走するから。
だから今度は笑顔で来られるといいね。――そう、願っているよ。
 

754 名前:名無し客:2007/07/18(水) 01:41:400
灰羽は風そのものにはなれなさそうだけど、風には乗っていけそうですね。
その羽根で、ある日ふっとどっか飛んでいっちまいそうです。

755 名前:名無し客:2007/07/19(木) 19:11:50
結果出ました。


…レキさん…。


ハーブティ一杯お願いします(´;ω;`)!!!


あぁ…私もオールドホームへ舞い降りたいです…。。
性別的に廃工場の方かなぁ。。


756 名前:名無し客:2007/07/19(木) 21:31:06

   |Д´) イツモゲンキニ ニコニコサセテクレ・・・
   |⊂  ソノウチカザムキ カエサセテクレ・・・
   |

    |
\  __  /
_ (m) _ピコーン
   |ミ|
/  `´  \
   |Д´) ソウカ オールドホームハ カザムキガワルイカラ ヘヤニネッキガ コモリヤスインダナ
   |⊂  ダカラコレカラノキセツハ アツクテニコニコシテイラレナイト
   |

                     ┌─┐
                     | .グ |
                     |  |
                     | .. |
                     |  |
          〆 ̄ヽ       |の|
         r'-'|  O | 〆ヽヽ   |  |
.         `'ーゝ_ノ├─O   |夏|
.          | ,|   ヽ_/ノ   |  |
        ,,-/ ̄|、  __||__    │ !!.
      ヽ__シ \。 ..\  └─┤     ( `Д)<レキサ-ン コノセンプウキデ カザムキヲカエテ コトシノナツヲノリキッテ-!!
      | ̄ ̄ ̄|─| ̄ ̄ ̄|─| ̄ ̄ ̄|─□( ヽ┐U
  〜 〜  ̄◎ ̄  . ̄◎ ̄   ̄◎ ̄   ◎−>┘◎

757 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/07/30(月) 00:44:43
>>754(飛ぶが如く)
羽が生えてるせいで、よくそんな風に思われがちなんだよな。
実際には、まあ全然ダメなんだけど。

ほんと、もっと有効利用したいよな、この羽。折角生えてんだから。
こう、いい風を受けて皆でつーっと滑空出来たらいいね。気持ちよさそうだ。
それでもって、ネムは一番風に乗るのが大変だったりして……おっと失言、失言。


――ああ、でもしないともいい切れない、か。
いや、急にどこかに消えたり、って方。
人にいつ死が訪れるかわからないように、灰羽にも別れはやってくる。鳥が飛び立つ瞬間
のように、ある日突然。


でも平気だよ。
あたしに限ってはそんなことないから。
誰にも告げず、ふっといなくなったりなんてしないから。
 

758 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/07/30(月) 00:45:54
>>755(スペアミント・おやつ・どこでもドア)
オーケー、ハーブティーね。この間とは別なのを仕入れといたから、味見してみて。
お、ちょうど冷えてる。アイスでもいけるし、気分がすっとするいい後味だよ。

これも一緒にどうぞ。さっきバナナのババロアを作ったとこなんだ。
少しバナナの量が多すぎたみたいで、カナに「こりゃどこまでいってもバナナじゃん」なんて
いわれちゃったんだけど。

え? こっちに来たいって? しかも灰羽になって?
でもあそこは、女子はともかく男どもはアホ揃いだぞ。約一名はとびきりの。
あたしだったら勘弁だなあ。いやほんとに。
別に住むんじゃなくて遊びに来たいなら、うちはいつでも歓迎だけどね。
何かから逃げる訳じゃなし――まあ、それだっていいんだよ。時には逃げたって。
また戻ってくればそれでいい。


そうだ。こんな話、知ってる?
どんな所にでも行ける魔法の扉はどこの家にもついてる、って話。
……それは玄関。玄関から一歩踏み出せば、どこにだって向かって行ける。

だからって、わざわざこの街に来ることはないよ。あなたが行くべき場所は他にある。
今回は、ちょっと道を間違えちゃっただけさ。一度や二度くらい、普通に取り戻せるよ。
――大丈夫。きっと大丈夫だから。
 

759 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/07/30(月) 00:46:32
>>756(回る羽と羽と羽)
あっ、このヤロー! また妙なブツを搬入しやがって、こらあっ!
んなもんあったら、涼しい風のおかげで暑い日も快適に過ごせるじゃないか! どうしてく
れるんだ……って、ん?
あ、なんつーか、よく考えたら別にデメリットはないや。はっはっは、悪い悪い。

ま、助かるよ。ちゃんと人が使って手放したものっぽいし、あんがと。
さて、コード繋いで……こっち側から通した方がいいかな。よし、スイッチ入れて、と。


(ぶーんと回り出す扇風機に向かって真正面から)
あ゛ー。
づっ゛ごま゛な゛い゛ぞー、
ア゛グロ゛バヂッ゛グな゛ろ゛ん゛り゛の゛びや゛ぐに゛ば、
ぜっ゛だい゛づっ゛ごま゛な゛い゛ぞー。

ごの゛よ゛ばバガばっ゛がり゛だー。
 

760 名前:名無し客:2007/07/31(火) 23:12:05

      ≡≡≡=-  ヘ( `Д)ノ<レキターン ラッカタンノ セイデンキタイシツガ サラニスゴイコトニナッテル-!!
     ≡≡≡=-   ( ┐ノ
    ≡≡≡=- :。;  /

ttp://haluna7.chu.jp/diary/dairy.html

761 名前:名無し客:2007/08/01(水) 01:24:22
……静電気よりも、ねるねるねるねが気になるお年頃です。
レキさんはグリの街の駄菓子を食べる事はあります?
舌を真っ赤や真っ青にして、互いに見せ合いっこするようなの。

762 名前:名無し客:2007/08/14(火) 20:31:09
レキさんのハーブティーのおかげか、、はたまた灰羽さんのラッキーパワー
のおかげか、、第二志望の1次試験に運良く合格できました(´;ω;`)!

まぁ2次試験でまた絞られるような試験なので舞い上がってもいられませんが、
どん底状態だったので素直に嬉しいです(ノД`)
では今から2次に向けて頑張ります!!
レキさん、勢いづけにハーブティーもう一杯!なんか濃いそうなのを(´・ω・`)

763 名前:名無し客:2007/08/16(木) 12:30:32
「ギギギ……くやしいのう、あんちゃん」と思わず言いたくなるようなエピソードがあったら教えて下さい。

764 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/08/17(金) 02:14:38
グリではそうでもないけど、外の世界はえらく暑いんだってね。
そんなに暑くなくても、あたしはちょっとバテ気味だ。こういう時は、壁の内側でよかった
気もするねえ。……ま、皆も体を壊さんよーに。


>>760(もじゃ・もじゃもじゃ・もじゃもじゃじゃ)
……くっ!

悪い、ラッカ。ちょっとこっち向かないでくれる?
え、なんで顔そらすのっていわれても……笑ってないよ、笑ってない。笑ってなぶはっ!


ご、ごめん、ごめん。悪かったってば。
だってさ、それ既に静電気体質とかいうレベルじゃないじゃん。一体どうしたのさ?
いや、何とかしようにも、どうしたらいいかなあ……。
ま、ばっさり切る前に、ちょっとこれだけやらせてくんないかな。これだけ。

(もじゃもじゃ頭の天辺、髪の毛に埋まっている光輪の中央に、どこからか出した卵を置き)


……鳥の巣。

(呼吸困難になるほど爆笑しまくった挙句、ラッカに半日口を聞いてもらえず、心底落ちこん
 で市が栄えたという)
 

765 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/08/17(金) 02:15:29
>>761(駄菓子屋のおねえさん)
あー、わかる、わかる。何となく。
別に頻繁に食べはしないけど、でも時々目にすると、つい口にしたくなるよな、そういう安い
お菓子って。……その「ねるねるねるとん」つうのは、今いちわからんが。

あたしはあれ、ゼリービーンズなんか時々つまむな。
ちびどものおやつ用に買ったついでに、一つ二つ。結構うまいんだよね。一つ二つのつもり
が、三つ四つになっちゃったり。
他には、あめとか。あたしはハッカやラムネ味のが好き。


そういうお菓子は、自分で買いもしたけど、よくクラモリと買い物に行ったついでに買ってもら
ったりしたっけ。
ふと気づくと――今は逆に私が買ってやる方なんだな、なんて。感慨深くなったりも……ま、
あんまりせんな、別に。
第一、ゼリービーンズ食ってしみじみしてちゃ絵にならない、か。はは。
 

766 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/08/17(金) 02:17:12
>>762(勝訴・代替品・マックスコーヒー)
おお! そりゃ何より。よかったよかった。
いやいや、あたしは別に何もしてないから。それは全部あなたのジツリキってやつさ。
っと、悪い。ハーブティー切らしちゃってるんだった。代わりにコーヒーでいい?
ああ、すぐ淹れてくっから。


(台所の方で、がさごそしながら)
だけどホラ、あたしのいった通りじゃん。取り返しなんて、大抵の場合はきくもんさ。
まあ後悔だけは、立つのはいつでも決まって後で、なんだけど。
……げ。まずった。ちょっと濃いな、これ。
あ、いや、何でもない。あはは。
まるで黒い溶岩汁だ。ミルク入れてもおっつかんな……。いっそ練乳でごまかすか。
……うわっ、一気に出過ぎたっ!
い、いや、何でもないから。大丈夫、ほんとに大丈夫。

取り返しがつかない上に、後悔立ちまくりの事態がさっそく大発生中な訳で。
いかに攻略すべきか、この難題。取りあえず、ちょっと味見して……。
――おぇ。
こ、このものっそい甘さ、今まで飲んだ一番甘いコーヒーより、少なくとも1.3倍は甘い。
致死量じゃねーだろうな。ま、まあ大丈夫だろ。たぶん。


や、やあ、お待たせー。はい、ミルクコーヒー。
疲れた時には甘いものっていうし、一発ガっと飲んで、二次試験の対策がんばらっし。
あはは、あはは、あははのはー。
 

767 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/08/17(金) 02:18:20
>>763(宇宙灰羽レキ)
うーん、そんな歯ぎしりなんだか違うんだかわかんない擬音しぼり出すほど、怒った経験は
ないなあ、幸いなことに。

あー、でもちょっとニュアンスは違うけど、あるにはあるか。
あのさ、あたしらの住んでるこのオールドホームのことを、廃工場の灰羽で口の悪いやつが
「ぼろ屋敷」なんて抜かしたりすることが、ま、あってね。
こんな失礼な野郎ァ、大体約一名限定だけど。頭に「ヒ」がついて、次が小さい「ョ」で、おしま
いが「コ」の字っていう……ああ、ヒントとしては少々難しいかもしれない。

「ぼろ屋敷だと言われると、身ぶるいするほど腹が立つ」……ってほどでもないけど。
つっても、なにがぼろ屋敷だよ。じゃあそっちはがらくた工場じゃんか。
初めて逢った頃から、ずっとそういってるんだ、あいつ。――全く。
(いらだたしげにタバコの煙をぷうぷう吐きながら)

あんのばかったれが。
そう思わない? なあ。
 

768 名前:名無し客:2007/08/18(土) 23:50:22
灰羽ならッ! 灰羽ならッ……!
これが出来る筈だッ……!!

「口から煙草を吸って耳から煙を出す」

769 名前:名無し客:2007/08/18(土) 23:51:46
レキさんは「致死量」な甘さのコーヒーや紅茶を味わった事はありますか?
年少組はそういうの好きそうですけどねー。
疲れたときにミルクティーを甘めにして飲むと美味いんだ、これが。

770 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/08/21(火) 00:04:33
>>768(小羽じかけのオレンジ・灰羽の巣へ遊びに行こう・灰羽のH)
「質問に答える」「ネタもやる」。「両方」やんなくっちゃあならないってのが、「灰羽」のつらい
ところだな。
覚悟はいいか? あたしはできてる。
(何らかの奇妙な冒険を思わせる立ち方で)


あんたッ! いいがかりをいっているんじゃあないぞッ!

灰羽について無知な連中は、そうやってすぐにデタラメをいいふらす!
「灰羽の光輪には交流電流が流れており、触れたら即座に感電死」!
「灰羽は人の目に留まらないほど素早く移動できる」!
「灰羽の巣は人が使って手放したガラクタで埋まっており、寮母のガイドがなければ一生建
物から出てこられなくなる」!

あたしが思うに……「灰羽は口から煙草を吸って耳から煙を出す」ってのも、そこら辺のナン
パ道路や仲よしクラブで大口叩いてるやつらのセリフだろう……。
だが!
だがしかし、灰羽とは……いいか、よく聞けッ! 真の灰羽とはッ!
自分の為、自分達の住み処の為、幼い同志達の為、働き! よい灰羽であろうとする!
その「信念」の形をいうッ! 白くも黒くもない「魂」の色をいうッ!

「耐え忍ぶ(スタンド)」という意味をこめて……あたしは敢えてこの自分達の「覚悟」を、
「灰羽(スタンド)」と呼ぼうッ!
(バルバルバルバルバルバルバルバルッ!!)


やっべ、擬音間違えた。
 

771 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/08/21(火) 00:05:39
>>769(甘い生活)
疲れた時って、やっぱり甘いものがうまいよなあ。
こういう時に砂糖もミルクも大目のコーヒーなんかを飲むと、何ていうんだろ、頭もお腹も、
やわらかさがぐーんと増す感じがする。

あたしは、普段は砂糖とか入れない方が好みだけどね。
そう、でもちびどもが甘いものに目がないのはいっつもだよ。蜂蜜入りミルクとか大好き。
虫歯になるからもうダメっていっても、もう一杯もう一杯ってうるさいったら。
で、しょうがないなあっつってカップに半分ぐらいやってると、寮母の婆さんに見つかって
怒られたりするんだよな。まったく。

ちなみに致死量級に甘ったるいのは……まあ今んとこ生きてるからして、何とか回避は出
来てたかな。
それに近い線なら、この前ちょっと味見したけどね……。なんだな、物ごとの限度は甘い辛
いにこそ必須だと思ったね、しみじみと。
 

772 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/08/21(火) 00:07:10
そうそう、小耳に挟んだんだけど、こわい話大会であちこち盛り上がってるみたいだね。
え? あたしも一つどうかって? ……うーん、怪談ばなしねえ。
まあ、知ってる話がなくはないけど。
でもこれは大してこわい話じゃないんだ、先回りしていっとくと。
妙な話っていうか、変な話っていうか。そんな話。
(煙草に火をつけながら)


グリの街のある人から聞いた話なんだ。その人が子供の頃に体験した話。
――『漂うタバコの煙を追いかけるように、彼女はそう語り始めた』とでも書くのかな、物語
のはじまりなら。

はは、それはともかく。
その人が、街の近くの森へ遊びに行った時のこと。


何人かの友達と一緒だったんだって。お弁当も持って、まあピクニックだ。
彼らは朝のうちに街を出て、森の方に向かった。
といっても、そんな奥まで入った訳じゃない。西の森はうかつに入ったら迷っちゃうし、そうで
なくてもすごく安全な場所って訳でもないからね、森は。

まあ、せいぜい入り口の辺りだと思う。その辺へ行ったのも初めてだったそうだから。
朽ちかけて倒れた木があって、そこの小道の脇に、ちょうど空き地があった。
終わりのページまで使ったノートの、それでもあっちこっちに残ってる余白みたいに、ぽつん
とあった野原だった――そうだよ。

その人達はそこで遊ぶことにした。
駆け回ったり、隠れんぼしたり、くたびれたら木陰でお弁当を食べておしゃべりしたり。
たっぷり半日は遊んで、ちゃんと親のいいつけ通り、日が暮れる前に帰った。
別に何も変わったことなんて起きなかった。へんなものを見たとか、帰る時に一人減ってた
とか逆に増えてたとか、全然なかった。帰った後もね。

それで何日かして、また同じ場所に遊びに行くことにしたんだ。


でも、そこに空き地はなかった。

 

773 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/08/21(火) 00:08:16
>>772の続き

その場所が見つからなかったんじゃない、とその人はきっぱりいった。
森に入ってすぐの間違えようがない場所だったし、現に目印代わりの倒れた木はちゃんとあ
った。側の小道もあった。
ただ、空き地だけがなかったんだってさ。空き地があった場所には、木々や草むらが堂々と
生い茂ってた。
空いてたノートの余白が、誰かに落書きして埋められたみたいに、空き地はなくなっていた。


その人は不思議そうにいってたよ。
「あの日、自分達はいったいどこで遊んでいたんだろう」――って。


おしまい。
 

774 名前:名無し客:2007/08/29(水) 01:37:30
どうもレキさん、二次も終わりましたよー。
自分的に散々な出来でしたが、あとはなるようにしかならないと…。。

あぁー、コーヒーありがとう御座います!
レキさんにコーヒー入れて貰えるなんて私は幸せ者ですよー(´・ω・`)
ではでは、頂き…



ぶべはっ!!!ぐ…が…は…

775 名前:名無し客:2007/08/31(金) 01:04:50
は、は、は、灰羽殺●事件!?
は、犯人は、お前だ!(ビシッ!)

ところで、グリの街って相当のんびりしているようですが、犯罪摘発率って
どのくらいなんでしょうか。
そもそも、犯罪があるのかどうかもあやしい……。

776 名前:名無し客:2007/09/12(水) 00:32:01
レキさんの部屋にある、あの木製の彫像(?)は、レキさんの趣味なんですか?
実はクウが密かに隠し持っていた曰く付きの一品で、形見分けのときに
こっそり貰っていたとか……。

777 名前:名無し客:2007/09/22(土) 02:32:55
レキさんも他の灰羽のように、人の沢山いる賑やかな街中で働きたいと思いませんか?

778 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/09/30(日) 17:27:45
うあーっとっとっと、また返事が遅れちまったか。
やれやれ。本当に、ごめん。……いや、待ってる方がやれやれ、だよな。失礼。


>>774(失神・適量・受け入れ)
あ、やっぱり死んだ。

じゃなくて、ちょ、ちょっと大丈夫か!? 水、水飲んで!
(こんなこともあろうかと用意済みの水を張ったバケツの中に、>>774の頭をつっこんだり介抱
 したりして、しばし)


……少しは落ち着いた?
そう、よかった。いやあ、びっくりしたよ。いきなり泡吹いて倒れ……ん、あのコーヒー?
甘すぎだ?

そ、そうかな。オールドホームではあれ位が普通なんだケド。日常茶飯事って感じで。
むしろ逆に、苦すぎるんじゃないかって心配してたんだ。はーはははは。
は。

まあ、その、なんだね。
試験の結果待ちとかけて出されたコーヒーと解く。その心は――甘んじて受けるしかない。
どれだけミルクや砂糖を入れても、コーヒーそのものの味はどうしようもないのと同じ、ってな
訳で。……ま、それが文字通り甘い場合もあると。
いやー、ニンゲン何からでも教訓は得られるもんだなー。えらい。
 

779 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/09/30(日) 17:28:56
>>775(古小屋館殺人事件)
あ、あたし!?
濡れ衣だ、いいがかりだ、嘘ッパチだ! ……ちょっと胸がちくりと痛んだりもするけれど、
私は元気です。
つーか殺すなっ、そもそも死んでねえよ!


ったく、コーヒー淹れる度に人死にが出てたら、今ごろうちは墓場だってえの。……ああ、まあ
そりゃ人が大勢で暮らしてる所だからさ。時にはケンカやいがみ合いになっちゃったりもする
だろうけど。
犯罪まではいかないな。そんな大事件になった話、聞いたことないもの。
街の自警団は、だから暇なんだろうね、多分。
でも、こういう職業の人が椅子をお尻で磨いてるだけで済んでるってのは、ひどく恵まれてる
環境なんだなって、今話しながら改めて思ったよ。


なんて、昔自警団のお世話になったあたしのいう台詞じゃないか。
前に――大分前にね。そんなことも、あったんだよ。
 

780 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/09/30(日) 17:30:51
>>776(置き物・出どころ・喫煙人口)
ああ、あの木彫りの? 結構いいだろー。
かろうじて目鼻がわかる程度のボロだけど、なんかこう、しみじみとした味があるような、やっ
ぱりないような、とぼけた面が気に入ってるんだ。
時々タバコくわえさせて、一緒に一服したりしてる。何しろうちではタバコ喫うやつ、一人
もいないんだもんな。


いや、物置で見つけたんだったか、古道具屋で買ったんだかは忘れたけど――あれはクウの
じゃないよ。
それだったらおぼえてる。忘れるはず、ないからね。
 

781 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/09/30(日) 17:31:47
>>777(バーバヤーガの小屋)
ああ、そういわれてみると、あたしも興味はあるよ。
灰羽の仕事先は大抵が街中だし、オールドホームの皆が働いてるとこもそうだし。
ま、うちのちびどもときたら、やかましさだけなら街中にも負けてないけど。

うーん、でもにぎやかさそのものには、すごく魅かれる訳でもないかも。
沢山の人を相手にする楽しさの反面、結構気疲れするだろうし。まあどんな仕事だって、何ら
かの形で他人と接するのは変わらないか。
それはそれとしても、接客なんかはやってみたいね。飲食店とか。
行きつけのカフェなんかいいな、あそこいい店だし。――クウも働いてたし、ね。


ただ、街まで結構遠いんだよな、オールドホームからだと。あたしはスクーターあるけどさ。
ここだと通勤時間ゼロ分だもん。そこは大いに考えどころだな。
 

782 名前:オールドホームの灰羽達 ◆xRtREKI.VQ :2007/09/30(日) 17:33:44



 まるでミルクを緩やかにまき散らしたようだった。――そう表現するには大げさ過ぎたけれど、
いつもより立ちこめているタバコの煙が濃いのは確かだった。
 それもその筈で、喫煙者が多いのだ。私と、私の部屋の入り口脇に鎮座している木彫りの像
の二人である。
 私は椅子から立ち上がり、窓を開けた。淀んだ空気と入れ代わりに、最近めっきりと温度が
下がった夜気が入ってくる。
 少し身震いした。どこかで夜鳥が鳴いていた。


 一応は目と鼻と口があるからといって、木像がタバコをくゆらしているのは、別に「彼」(と便宜
上こう呼ぶが)からの要求によるものではない。私が勝手にくわえさせたのだ。
 特に深い理由がある訳でもなかった。寝る前に一服するのも、木像を喫煙者に見立ててみる
のも、どちらも「気まぐれ」のひと言で説明がつく。
 使われていない部屋の方が多いこのオールドホームに、もう一つ空き部屋が増えたから、とい
うのだって、気まぐれを起こす理由になる。言い訳を見つけるのは、いつだって簡単な作業なの
だった。

 しばらく前、クウが巣立ちの日を迎えた。
 親しい家族が不意に姿を消す、という事実を、私は忘れていた。
 忘れようと努めていただけなのかもしれなかったが、実際に効果はあったようだ。夜が更けて
も、こうしてタバコの吸い殻を量産し、とりとめのない想いを手繰っている程度には衝撃だったの
だから。
 

783 名前:オールドホームの灰羽達 ◆xRtREKI.VQ :2007/09/30(日) 17:37:20
>>782の続き

 私は窓を閉めると、木像の口からタバコを外した。大分短くなっていたので、このまま放ってお
くと丸焼けになってしまう。
 「彼」はそんな簡単な用も自分では済ませられないのだ。クウとは違って。

 そう、クウとは違う。あの子には、私の助けなど要らなかった。自分一人の力で、立派に巣立っ
て行った。
 私がしていることは、結局何もかもが余計で身勝手な真似に過ぎないのだ。
 タバコを灰皿で消しながら、ふと私は「彼」に訊いてみた。


「いつか、みんな私を置いていなくなっちゃってもさ、あんたはここにいてくれるかい?」


 木像は黙ったままだった。別に返事は期待していなかったので、落胆はしなかった。
 ただ、私はもう一度身震いした。寒い所為ではなく。


【おしまい】
 

784 名前:名無し客:2007/09/30(日) 19:30:17
ごはんー!(ちゃっちゃっちゃっちゃと食器を鳴らす)

785 名前:名無し客:2007/09/30(日) 23:00:18

    \    コノケムリノ ヒモトハ ドコダ ゴルァ-----!!!      ./
      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       ∠⌒0ヽ   ∠⌒0ヽ   ∠⌒0ヽ   ∠⌒0ヽ
      √/`д´)  √/`д´)  √/`д´)  √/`д´)  //
  〜〜〜(〜つ つ〜(〜つ つ〜(〜つ つ〜(〜つ つI=くニニニ二二二二
       / /〉 〉   / /〉 〉   / /〉 〉   / /〉 〉   丶\ブシャーーーーーーッ
      (__)_)  (__)_) (__)_)  (__)_)


786 名前:名無し客:2007/09/30(日) 23:12:39
煙草でぼやを起こしかけた事ってありますか?
今のレキさんなら、ぼんやり考え事して灰が落ちたのも知らずに・・・って
シチュエーションがありそうで。

787 名前:名無し客:2007/10/01(月) 22:13:46
ぼやはないけどタバコの灰落としてつくった黒こげがあっちこっちにあるね!

788 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/10/09(火) 01:26:13
>>784(小皿・野菜炒め・換気)

(キッチンにて)
あーはいはい、もうちょっとだから待ってな。……っとに、遊んでると呼んだって来やがらん
くせに、腹ぺこの時は催促早いんだから。
こらダイ、茶碗たたかない! こっちまで聞こえてんぞ!

あ、ヒカリ、丁度いいや。この炒めもの、もう出来るから運んじゃって。
ああ、そうだね、強火でじゃーっとやったから。そっちの方にも煙行ってる?
じゃあついでに、窓を開けといてくんないかな。……ほい、一丁あがり。サンキュ。
さて、これでようやく晩ご飯になるか。


おっ、こりゃずいぶん煙いなあ。ドアも開けとくか。
いいよ。あたしがやるから。……なんだ? 廊下から、何かへんな物音が。
 

789 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/10/09(火) 01:27:23
>>785(バックドラフト)
うわっ、急にどやどや入って来て水をまくな!
料理の煙だよ、料理の、火事じゃねわっぷ!

……てんめえ、頭からぶっかけやがって。そのホースこっちに寄越せ! つぁあ!
(水をかけたりかけられたり、ひとしきり大騒ぎの後)



――結局晩飯どころじゃなくなったじゃねーか! どうしてくれんだよ!
うー、寒っ。
(ぷるぷると羽を震わせ水を切って)

ちっ、取りあえず着替えないと、風邪引いちまう。
あーホラ、ちびどもは茶碗をたたかないの! ……ネム、悪いけど教室の方でちびどもにご
飯食べさせてやって。あたしは着替えたら合流するよ。
いや、部屋の後始末はいい。この馬鹿どもにやらす。

オラァ、水まき軍団! ここの床、ちゃんとふいとけよ! まったく……へくしゅん!
 

790 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/10/09(火) 01:29:12
へっくしょい! ……くーっ、こうびしょ濡れだと、すきま風がキツいったら。
って、歩きながらのお相手で悪いけど。たまにはこういうのもいいかな?


>>786(過失・赤猫・放心)
いや、ぼやはない。流石にそこまではね。
でも寝床でタバコ吸って、ついシーツに焦げを作ったことは、実はあったりして。
なははは。……行儀悪いよね、うん。わかってます。

そういえば、ラッカの繭を見つけた時は、びっくりしてくわえてたタバコ落っことしちゃったん
だっけ。「大変たいへん!」って泡食っちゃってさ。
すぐ気がついて消したからよかったけど。いや、考えてみるとマジでやばかったわ。
……歩きタバコもいかんよな、はい。


(タバコをポケットから引っ張り出しながら)
しかし、そんなにぼーっとしてる、あたし?
寝不足のネムじゃあるまいし、さ。はは。

あー……歩きタバコ。ついついね。
はいはい、わかったって。ん?
ちぇっ、さっきの騒ぎで、すっかり水かぶってしけってやがんの。
 

791 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/10/09(火) 01:31:03
>>787(ブラックマーク)
オールドホームは古い建物だから、そ、そういう染みはあっちこっちに……わっ、いちいち
チェックしてメモってんのかよ!?

ゲストルームのテーブルの角っこにあった? それはだね、えーと。
そう! ネムがインクをこぼしたんだよ。そうそう。
なに、ベランダの手前の床に?
そ、それもインク。ヒカリがインクをこぼしたんだよ。そう。
洗面所の前にも、だあ? 細かいとこまでよくもまあ……性格ねちっこいな。小姑か。
いや、その、それもカナがインクをこぼし……。

う、うっせー! 灰羽はついうっかりインクをこぼしちゃう生き物なの!


ん、なにそれ。ああ、誰かの小羽か。
え? それにも黒い染みがある?


ああ、それは――それは正真正銘、あたしのだよ。
あたしが、タバコの灰を落としたんだ。そう、こっちに頂戴。捨てておく。
いけないよね、こういうのは。気をつけるよ。

あたしの部屋はこっちの階だから、じゃあここで。
うん――それじゃあ。
 

792 名前:名無し客:2007/10/09(火) 23:07:42
灰羽手帳が煙草交換ばかりに使われてしまいやしませんか?
思い切って禁煙しよう、と思った事はあるのですか?

……でも、レキさんの喫煙姿は、ちょっと好きです。

793 名前:名無し客:2007/10/11(木) 03:32:06
人面犬って実在していたのでしょうか?

794 名前:名無し客:2007/10/11(木) 23:58:42
人面人参は、実在するのでしょうか。
もちろん、レキさんなら実在してても簡単に食べられますよね?

795 名前:名無し客:2007/10/15(月) 12:32:08
灰羽分煙化運動とかホタル族とか禁煙ファシズムとかなっちゃったらレキさん大変!

796 名前:名無し客:2007/10/15(月) 23:03:18
夜明けが来ないよ…

797 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/10/19(金) 00:42:55
今日、午前中の雲行きが微妙でさ。
洗濯物を干すか干さないか迷って……ええい、いちかばちかだ! と賭けたんだけど。
ひと言でいうと、賭け事はよくない、という結果に落ち着いちゃったよ。……あの雲は晴れそ
うな気がしたんだけどなあ。
 
 
>>792(比重・きっかけ・天下御免)
んな、まさか。タバコばかりってことはないよ。
そりゃ消耗品だし、生活必需品だし、月々それなりのウェイトを占めてはいるけど。
……な、なんだよ。いいじゃんか、あたしの手帳なんだから。
 
禁煙は、考えたことないよ。……ネムなんかはよく「止めたら」っていうけど。
なんとなく、止めづらいんだよな。何かしらのきっかけがないと。
なにかこう――コレデオシマイ、みたいなさ。
 
 
おやおや、どこを見こまれたんだか。
ふふ、あんがと。
(ポケットを漁り、くしゃくしゃのタバコの箱を引っ張り出しつつ)
 
ま、せっかくお褒めの言葉を頂戴したことだし。
今日は大手をぶんぶん振って一服するとしますかね。
 

798 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/10/19(金) 00:43:45
>>793(闇に光る目)
ジンメンケン? なに、それ。
……はあ、人の顔してしゃべる犬。そんな気味の悪い生き物、見たことないなあ。
 
この街にも犬はいるけど、ごく普通のだよ。……「普通ってどんなだ」っていわれると、困る
けど。
要は四本足で、しっぽがあって、鼻先が突き出してて、顔はなんというか、うーん。
実にけだものっぽい感じの。
 
でも、どこかにそんなのがいる場所もあるかもしれない。
羽と輪っかつきの生き物だっているんだ、世の中、何がいたっておかしくないよな。
大きな繭から生まれて、古い建物に住み着いて、人間の使い終わった物を引き継ぐ――
そんな人でも犬でもない存在がいる街。
 
そこでそいつらを見かけて大騒ぎしても、「ほっといてくれ」って言い返されちゃったりして。
 

799 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/10/19(金) 00:44:43
>>794(マンドラゴラ・調理・不安)
オエッ……。
 
ないだろ。寧ろない方がいいだろ。
人面犬とかいうのより気色悪いわ、そんなん。台所にほっぽっといたら、逆にそこら辺の食
材を喰い漁りそうだよ。
そんな珍眩菜、もとい珍野菜、食うのも料理すんのも絶対やだ。
へんな呪いでもかかりそうだ。………そ、そんなあやしげな話して、夜中にでかい人面ニン
ジンの化け物が出たらどうすんだよっ!
トイレに一人で行けなくなっちゃうでしょうが!
 
 
あー、あー、つまり「ちびども」が。
「ちびども」が、だ。
 

800 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/10/19(金) 00:45:18
>>795(相撲の王様がいない)
いやー、まさかそこまでエスカレートはしないでしょ。
……だといいけどなあ。コワいな。
 
今のところ、こっちではそう五月蝿くはいわれてないよ。
タバコを吸う人は少なからずいるけど、大抵がごく普通にしてるし。
といっても、要はそれで他の誰かが嫌がったりしないように気をつけてるってだけ。
ごく普通のことを、ごく普通にしてるから、とりわけ騒がれたりしない。まあごく普通の話――
なだけなんだけどねえ。
 
 
ま、ベランダに追いやられて喫う分には構わないかなあ。
冬場以外の、天気のいい日ならね。
 

801 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/10/19(金) 00:46:32
>>796(払暁・底辺・行動)
中々来ないんだ、夜明けは。
どこのどんな夜も、すぐにはね。
 
今、あなたがいるのは真夜中か、それを過ぎた辺りなのかな?
そういう時間帯が一番暗いんだ。夜が一番深い時間は夜明け前、っていうじゃない。
寒いし、暗いし。思わずため息――手のひらに乗っけたら、ずしりとくる位に重いため息の一
つも出ちゃうよなあ。
 
そんな時は――どうするべきだろう。
じっと待ってみるのもいい。じゃなかったら、東の方へ歩き出してみるのもいい。
自分から、より夜明けに近い方向へ、ね。
 

802 名前:名無し客:2007/10/19(金) 02:08:36
レキさんの次回予告があまりにもアレな感じなので腰が砕けました。
ここは是非、灰羽的に格好良いのを一つ実演してみて下さい。

803 名前:名無し客:2007/10/19(金) 23:32:23
        ∬ 
      |.~~~~.|
      |    |
      |    |
      |    |
      |    |
      |    |     .キンエンナンテ カンタンサ
      |`д´| y━~  ナンドモヤッテルカラ マチガイナイ
      |__|
      |.エコー|
      |//|
      |//|
        ̄ ̄

804 名前:名無し客:2007/10/23(火) 00:58:47
レキさん、煙草吸い続けてたら料理の味がよく分からなくなるからやめなよー。
手作りお菓子の味も分からなくなっちゃうよー。
ヒョコさんにあげる為のお菓子の味も分からなくあああなにするんですかqawsedrftg

805 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/10/25(木) 02:01:08
>>802(嘘ではない予告)
あれがアレっていわれてもな、アレだって、その……なんていったらいいか。
あ、あたしだって一杯一杯だったんだよっ。
 
 
ったく、藪から棒に実演とかいわれたってさあ、こっちにも準備ってもんがさ。
うーん。
 
>>803の方を横目で見て――)
 

806 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/10/25(木) 02:02:52
>>803(レキさん・よりぬきレキさん・古小屋家の秘密)
さぁーて、来週のレキさんは?
 
 
どうも、レキです。
なんだか最近、タバコを止めろ止めろと人からいわれます。
急にどういう風向きなんだか。まったく、喫煙者はどこでも肩身が狭いよな。
さて、次回は、
 
 
「喫って喫わせて、喫わせて喫って」
「時計屋さん大いそがし」
「ヒカリドットコム」
 
 
の三本です。
 
来週もまた、見てくださいねー。じゃん、けん、ぽん!
(グーが出ました)
 
うふふふー!
 
 
 
いや、なんか違わないか、これ。
どこがっていうか、全面的に。
 

807 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/10/25(木) 02:04:38
>>804(装甲騎兵ハネムズ)
喫煙のための禁煙。
消費のための購入。
歴史の果てから連綿と続く、この愚かな行為。
 
ある者は悩み、
ある者は傷つき、
ある者は自らに絶望する。
だが、試みは絶えることなく続き、また誰かが呟く。
たまには紫煙の臭いを嗅ぐのも悪くない。
 
次回、『禁煙』。
 
 
壁も、ピリオドを打たない。
 
 
……あ、もう予告はいいのか。ああそう。
 
大体、舌が馬鹿になるほど喫ってないしさ。まあいいじゃん。
つーかあのバカにやる菓子なんざ、麦チョコ一個だってないっていってるだろ!
むしろ蝋燭の代わりに、タバコを立てまくったニコチンケーキ食らわしてやらあ!
 

808 名前:名無し客:2007/10/25(木) 12:38:01
(ぴーぽーぴーぽーぴーぽー)

午後のニュースです。
急性ニコチン中毒でおーるどほーむのヒョコさんが救急車で運ばれました。
警察では計画的犯行ではないかと見て関係者を事情聴取しています。
以下略。

なんてことに。

809 名前:名無し客:2007/10/25(木) 17:35:33
     _____________     _______________
   /|:: ┌──────┐ ::|   / 
  /.  |:: |   ∧_∧   │ ::|  <  ……おーるどほーむのヒョコさんが……
  |.... |:: |  .( ´∀` ).  │ ::|   \ 
  |.... |:: |__(_<ヽi/>.)___| ::|      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  |.... |:: └──────┘ ::|       
  \_|    ┌────┐   .|    ガバッ ヽ从/ 。
      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄        (`Д´):._ <ボクノレキタンガ イツノマニヒョコノヤロート ソンナカンケイニ!!!!
                          r'⌒と 、j ミヽ
                         ノ ,.ィ'  `ヽ. /
                        /       i!./
                         (_,.         //

810 名前:名無し客:2007/10/25(木) 20:19:33
幸せな状態を想像してみてください。

いえ、言う必要はありません。
(百面相を楽しむためのしつもんですのでー)

811 名前:名無し客:2007/10/26(金) 23:39:14
くそう、何か悔しいから、過ぎ越しの祭までに黄色い鈴の実を買い占めてやるぜ。

812 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/11/01(木) 02:06:43
>>808(ニコチン中毒・衝撃・本音)
(くわえていたタバコをぽとり、と落っことして)
 
――そんな。
なんで、ヒョコが。
今、どこの病院に……どこだよ! どこ!?
ええい、まだるっこしい! どうせ街のだろ!
(最後の部分を聞き漏らし、鉄砲玉のように部屋を飛び出して)
 
 
ばか、ばか、ばか野郎!
いくらあたしが作ったものだからって、食えるか食えないか、見てわかんないのかよっ。
あいつは昔っからそうだった。何も変わってない、救いようのない大ばかだ!
 
――厭だ。あいつを二度も失うのは、絶対に厭だ。
もう二度と逢えなくてもいい、生きてさえいてくれればいい。
あたしはどんな罰だって受けるから、この羽全部が黒に染まっても構わないから。
 
 
だからお願い、誰でもいい、ヒョコを助けて――!
 
 
(スクーターをかっ飛ばして街に向かってから――約三十分後)
 

813 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/11/01(木) 02:08:12
>>809(馬鹿が単車でやってくる)
(どういう訳だかナチスSSの黒い軍服姿で、スクーターにまたがり突っ込んで来て)
 
>>808のくそ馬鹿たれ野郎はどこだああああああああ!!
 
べたんべたんに真っ赤なガセネタ掴ませやがって、あのバカぁ元気でスケボーしてたぞ!
……なにぃ、「怪獣オゴポゴを捕まえにオカナガン湖へいく」って出て行った?
くそったらァ!
 
 
そこのあんたも! あたしが誰のだって、ああ?
勝手に人の体を自分とこの領土扱いすんな! そんな関係もあんな関係もない!
あたしは、あのガラクタ工場のバカバネとは無関係だ!
あんなバカ、どこでくたばろうが知ったこっちゃない。もう、ほんとバカ。
 
 
……うっせーな、わかってるよ! どうせあたしが一番大バカだあ!
 

814 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/11/01(木) 02:09:42
なんつーか、ここまで無意味に疲れたの、初めてだわ。
はあ……。
 
 
>>810(多幸感・目をつむるまで・目を開けるまで)
幸せな状態。
いわれてみると中々難しいな。こう、何だか漠然としてて。
ふーむ。
(籐椅子にゆったりと背を預け、両目をつむりながら)
 
 
ネムだったら、このまま寝ちまうなあ。それがイコール幸せな状態だ。
ふふふ。……そうだねえ、幸せな状態。
 

815 名前:◆xRtREKI.VQ :2007/11/01(木) 02:11:09
 
 
 目を閉じたまぶたの裏の色を、こう「何色」と定義するのは難しい。
 暗くもあり、明るくもある。黒にしては雲みたいにとらえ所がないし、白にしては底が知
れなさ過ぎる。
 いうならば――そうだ、これは灰色だ。
 時に薄れがかり、時に壁のように立ち塞がる。そんな灰色の世界だ。
 
 
 ふと目を閉じ、私は自分が幸せな状態におかれている所を想像してみた。
 実のところ、これは簡単な作業だ。あの光景を思い浮かべるだけのことだから。
 
 それは、皆が一緒にいる場面である。
 皆とは誰か、と問う。みんなさ、と答える。
 そう、私が同じ時間を過ごした仲間達だ。あの人も、あの娘も――あいつもいる。
 すぐ傍にあるのに、どうしたって手が届かない。そんな情景。
 
 
 灰色の闇に思い描くその情景を凝視していると、どこか自分の奥底に仕舞いこんでい
る想いが鋭く――時には鈍く――痛むようにうずく時がある。
 今もそうだ。
 でも、まぶたの裏がにじむことはもうない。そんな涙は、とうの昔に流しつくした。
 
 
 目を開けた時、周りがその幸せで充ちていればいいと、唐突に私は願った。
 わかっている。そんなことが起こり得ないのは、とてもよくわかっている。
 七年もの間、願って、願って、願い続けて叶わなければ馬鹿でも悟る筈だった。
 そして自覚している。私は聞き分けのない大馬鹿なのだ。
 
 
 こうして願うことが、私の罪なのかもしれない。
 同時に、罰なのかもしれない。
 目を開ける直前、そんな風に思った。
 

816 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/11/01(木) 02:12:16
――ふわあーあ。
 
(あくびを一つして、目をこすりながら)
何だか眠くなってきちゃったよ。これじゃネムを笑えないな。
ははは。
 

817 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/11/01(木) 02:13:24
>>811(独占のやり方)
いや、どんだけ無駄なことに金使う気?
それに第一、鈴の実がなくても、同じ色の贈り物で同じ気持ちを伝えるっていうやり方も
あるしなあ。お生憎様。
……。
 
 
……何だよこの間は!? だ、誰がやるっていった!
ったく、さっきから一体全体、なんだってのさ。
ああもう、鈴の実でも黄色い絵の具でも、好きなだけ買い占めりゃいいだろ!
 
ちっくしょう、もうバカは出入り禁止にすっかな、ここ……。
あーあー、わかってるよ、わかってる。そん時ゃ、あたしが真っ先に立ち入り禁止になっ
ちまうよな! くわーっ!
 

818 名前:名無し客:2007/11/02(金) 03:30:53
あ ばかはしななきゃー なおらないー♪ あそーれ♪

819 名前:名無し客:2007/11/02(金) 23:30:01
(にやにやしながら)
くっくっくっ、レキさんの為にレモンや黄色い絵具は残してあげますよ。
くっくっくっ。

820 名前:名無し客:2007/11/03(土) 03:53:31
\モウ/    \ね/  \ アボカド /  \ 馬 /  \ 鹿 /  \ カト /
                                    ∩   ∩
                                    | つ  ⊂|
    ∩;;;∩                      ∧ノ~       ! ,'っ _c,!
  (Y;;;;;;;;;;ヽノ)               ヽ      ミ| ・  \    ⊂/  ・  \
   i;;;;;;;;;;゚;;;゚ヽ           γ⌒^ヽ    ミ|   ... '_)   | __,,▼    ∫
/;;;;;;\;;;;'⌒)          /::::::::::::::ヽ  .ミ| (`Д´)   . |・ (`Д´)   (`Д´)
 )|;;;;;;;(`Д´)    (⌒)(⌒)  /.::::::::(`Д´)    | (ノ  |)  .   | (ノ  |)  ⊂三つ: つ ババンバ
ι|;;;;;;;つ ;;;/つ   ( ・Å・)  i::::::(ノDole|)   |  馬 |      |・・ .鹿 |    .  ||||||||   バン
  ヽ..;;;;;;;;/  γ⌒ (`Д´))  ゙、:::::::::::::ノ    人.._,,,,ノ     ι・,,__,ノ     |  |     バン
    U"U  乂_) UU      U"U       U"U       U"U      U"U :y=-( `Д´)・∵;; バーン

821 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/11/11(日) 01:34:30
……落ち着け。落ち着くんだ、レキ。
お茶、淹れよう。やっぱお茶だな、こういう時は。それがいい。
 
こういう時は、まず冷静にならなきゃ。
どっかからか得体の知れない圧が、あたしに向けられてる。
しかも、とんでもないヘクトパスカルで。
 
 
>>818(風刺・リラックス・第九条)
のっけからこう来やがった。……無視、無視。
街の店先で「安いよ安いよー、もう店じまいだよー」なんて店の人が大声はり上げてても、品
物に興味がなければ素通りする。
それと同じなんだ。
 
この「ばか」が誰を指しているのか、あたしなりに推察できるし、それに対する見解も山ほど
あるけど、やっぱ無視だ。
あたしは正義と秩序を基調とする平和を誠実に希求し、戦争と武力による威嚇又は武力の
行使は、紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。交戦権は、これを認めない。
 
……自分でも何いってるかよくわからなくなってきたから、止める。
とにかく、あたしはこの下品なセルフ合いの手入りの節回しを、ダンコ無視する。
あー、お茶がうまい。うまいったらうまいっ。
 

822 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/11/11(日) 01:35:42
>>819(幸福の黄色いハンカチ)
こいつもシカトだ。当然だ。
黄色と名のつくものは、勝手に残らず買占めりゃいいんだ。世の中から色がひとつ消えたっ
て、誰が困るもんか。あたしの知ったことじゃない。
 
 
大体、赤と緑を混ぜ合わせれば、ちゃんと黄色になる。
誰かに黄色をあげたけりゃ、そうするさ。……べ、別にやらねーっつってんだろうが!
 
 
くそっ、ニヤニヤ笑いやがって。……落ち着け、腹立てたら負けだ。
そうだ。人をぶんなぐりたくなった時は、にっこり笑顔を浮かべてやり過ごすといいって、どっ
かで聞いたっけ。
笑顔セラピー。
スマイル、スマイル。
 
(ひきつり気味のにこにこ顔を返しつつ)
 

823 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/11/11(日) 01:37:03
>>820(アボガド・馬・鹿)
……あ、あははは。
面白い面白い。愉快なダンスだねえ。すごく生き生きしてるよ。
(指先にはさんだタバコを震わせつつ)
 
へ、へえ。
そんな着ぐるみ揃えてはやし立てちゃう位、そいつバカなんだ。バカの女王様だなあ。
ま、でもさ。何でもトップになるのはいいことだから。ほら、オンリーワンより、やっぱナンバ
ーワンだもんな、結局。
そうそう……。
 
 
(そしてついに――ぶちり、と何かが切れた音がして)
 

824 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/11/11(日) 01:38:12
ああ。
もう駄目、もう限界。
てめーら! 全員そこに並んで歯ぁ食いしばれ!
>>818->>820には、シゲル・ミズキえがくところの“ビビビビッ”な連続ビンタを食らわせ)
 
 
このスカポンタン! ナスのへた! ごくつぶしのろくでなし!
……くっ!
 
 
(なぜか真っ赤になりながら、明日へ向かって走り去ったという)
 

825 名前:名無し客:2007/11/12(月) 20:01:47
レキさん、ちょっと凶暴になった?

826 名前:名無し客:2007/11/12(月) 20:42:31
昔からじゃないですか?
っていうか昔は怖い人たちの先頭に立ってパラリラパラリラしてたらしいですよ、
ここだけの話。

827 名前:名無し客:2007/11/13(火) 19:40:24
海水浴に行きませんか?

828 名前:名無し客:2007/11/14(水) 03:58:33
総員、水木しげる画で>>824を妄想せよ!

829 名前:名無し客:2007/11/16(金) 21:41:49
ババナあげます・・・緑のを。

830 名前:名無し客:2007/11/20(火) 14:20:58
          _
      ミ ∠_)
         /
         /   \\
 ウイーン  Γ/了    | |
  ウイーン  |.@|     .| | ガッガッガッ
       | / |    人
       |/ |    <  >  ∩
      _/  | //.V`Д´)/ レキタンハ キョウボウジャナイヨ コワクナイヨ
     (_フ彡        /

831 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/12/10(月) 01:17:44
――ええっと。
さて、いつの間にかグリにも雪が積もり出す季節になっていて……そのぐらい、大幅に久し
ぶりな訳で。
待っててくれる人達、ごめんなさい。本当に。
 
 
>>825(その女、凶暴につき)
おいおい、そりゃないよ。
考えてもみなよ、あんだけのバカちんどもの誹謗中傷の嵐に、あんだけ耐えたんだぞ。
そんでもって、必要最小限度のジツリキ行使で済ませたんだ。むしろさ、ここは褒めてもら
うとこじゃないか?
 
やれやれ。我ながら奥ゆかしいっていうか、丸すぎるっていうか。もっと積極的に攻めてか
ないといけないよな。
 
 
……え? 本当に奥ゆかしい人は、自分からそんなこといわない?
ふふん、そうともいう。
かも。
 

832 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/12/10(月) 01:19:27
>>826(過去・性分・脅し)
ほらっ、いってるそばからまた出た!
敵は一人いると、後三十人は隠れてるって本当だな。>>825の人、よく見てくれよ。
こういう、藪からスティックに訳わかんないこといってくる連中を相手にさ、耐えがたきを耐
え、忍びがたきを忍んでんだぞ、あたしは。
 
 
ったく。こっちのあんたも、そういう与太ばなしはホント、ここだけにしといてくれよ。
なにしろ、ゲストルームみたいな皆の目がある場所だとさ……。
 
(タバコを静かに、静かすぎるくらい静かにくゆらしながら)
 
 
あたしも、いいたいことが思うようにいえないじゃないか――。
 
 
 
……なんつって、凄んでみたりして。
いや、だから嘘だってば。う・そ。
 

833 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/12/10(月) 01:20:46
>>827(満ち汐のロマンス)
え? それはつまり、「海」に行って、それで泳ごうってこと?
ちょっとそりゃ……無理でしょ。今は冬だよ。こっちじゃ雪も降ってる。
「海」の水の温度がどうなのかはわからんけど、少なくとも水に入るんなら風呂以外は勘弁
してもらいたいなあ。
 
でも、そうか。外の世界じゃ、そういう風に海で泳ぐ習慣があるんだね。
グリの街だと、あんまりそういう場所はないから。精々河か、沼の方くらいで。
いいね。話でしか知らないけど、「海」って向こう岸が見えないほど広いんだろう?
空と水の境い目がはっきりしないような、そんな広い広い場所で泳いでみた……
 
んー、ダメだ。
夏だったら、もう少し欲求が刺激されるんだろうケド。今の季節じゃ、率先して水に飛びこ
みたいとは思えないよ、やっぱり。寒いし。
悪いけど、誘うんなら来年、もっと暖かくなったらにして欲しいな。
 

834 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/12/10(月) 01:21:51
>>828(ハネネのレキ太郎・灰羽くん・灰羽のヒョコ平)

   は
      は
         は
            は
 
 
トホッ! おめえ、オモチロイこというじゃないの。
その類の話は、年少組のベビイなら大喜びで飛びつくだろうナ。
 
でも、レキサンは気に入らない。
なぜかといえば、冷や汗まみれのレキサンが「うわー」とか叫びながら鼻息をフーッと出し
てる、なんてえ姿はとても好ましくないなァと思うからだ。
ワカル?
わかったら、即刻全員止めること。
 
 
(そして今日もオールドホームには、レキをたたえるハネネのネの歌がこだまする……)
 

835 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/12/10(月) 01:23:14
>>829(ギネオベルデ)
わ、こりゃどうも。ありがと。
……って、貰っておいてなんだけど、また随分青っぽいバナナだなあ。
まだ食べられないな。もう少し置いといて、熟れるのを待たないと。
 
そういやさ、バナナを寝かせておいたの忘れて、うっかり熟れすぎて真っ黒けにしちゃった
ことって、ない? 
あたしは何度かやった。皮が火であぶったみたいに全部黒くなって、見た目的には最悪な
んだよな。
ま、あれはあれで美味いんだけどね。甘みがねっとりと濃くなるから。
 
でも、やっぱりあたしは普通に黄色いのがいいな。
張りがあって、甘みもそこまで強くない方が好き。
てな訳で、黒くなりすぎないよう注意して熟成させるとしますか。折角の貰い物だしね。
 

836 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/12/10(月) 01:24:33
>>830(装置・刷り込み・時計仕掛けのオレンヂ)
よしよし、「おバカさん矯正装置」の具合はいいみたいだな。
後五時間はその強さで叩かれ続けること。
その内に、あたしに対して暴言を吐いたり、あやしい振る舞いに出たりする気なんて全然
起こらなくなるよ。
大丈夫。嘘みたいになくなっちゃうから。
 
 
そして悪者は退治され、物語のラストはいつも決まって「めでたしめでたし」で終わるのでし
た、と。
……あ、機械が止まりかかったら、ちゃんと自分でぜんまい、巻いといてくれよな。
シクヨーロ。
 

837 名前:名無し客:2007/12/20(木) 21:30:35
レキさんに叩かれたい。

838 名前:名無し客:2007/12/20(木) 21:33:54
レキさんのタバコにこっそり葉っぱを混ぜておきました。

839 名前:のら犬:2007/12/20(木) 21:35:28
う〜〜〜〜〜〜〜!

840 名前:名無し客:2007/12/22(土) 03:07:18
     qq            ρρ   
マンボ! ヽ\(`д´三`д´^)// マンボ!
           (へ
            ノ

841 名前:名無し客:2007/12/23(日) 00:17:55
レキさんのこないあいだに馬鹿騒ぎ……

>>840の足元で焚き火開始)

842 名前:名無し客:2007/12/23(日) 00:18:20
レキさんの いないあいだに ぷーぷーくっしょん

(字余り)

843 名前:名無し客:2007/12/23(日) 02:29:16
クリスマスですよ?

準備はしてますか?

844 名前:名無し客:2007/12/27(木) 02:13:12
朝つゆで口をそそぎ
朝つゆで顔をあらう

かわいいポリーのすぐうしろ
木かげにかくれた人がいる

その名はだれでしょ?
どなたでしょ?

845 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/12/30(日) 23:28:52
>>837(ファイトクラブ)
いや、なんであたしがいきなり人をひっぱたかなきゃならないんだよ。悪さでもしたっていう
んなら別だけど。
それにあたしは、無理やり人をはたく趣味なんかないぞ。
っていうか、あんたがそういう趣味なのか!
 
……待てよ。この理屈からいくと、あたしに叩かれたい為にヒワイな真似する奴でも出かね
ないな。
そうなる前に、先手を一発ぶっ放しておくべきなのか?
でも今の時点ではまだ無実だし、むしろただ変態を喜ばせる結果にしかならないし。
 
うーん、わからん。
まあいいや、面倒くさいからしばいとこ。とりゃ。
(軽めのちょっぷ)
 

846 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/12/30(日) 23:29:48
>>838(侵入者・白い犬とワルツを・トレインスポッティング)
……ん? なんだ、表が騒がしいな。
ありゃ、中庭に犬が入りこんでる(>>839)。
あーほら、ちびどもは行かないの。噛まれたら大変だろ。
あたしが追い出してくっから、ここで大人しくしてな。わかった?
 
 
なんか犬にやれそうな餌は……パンの耳でいいか。
っと、タバコタバコ……あ、あった。
あれ?
あたし、こんな椅子んとこに置いといたっけ?
ま、いっか。ちょっと外、行ってくるから。
 

847 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/12/30(日) 23:31:06
>>839(レザボアドッグス)
くーっ、寒っ。上着だけじゃなくて、マフラー巻いてくりゃよかった。
 
……よーし、よしよし。そんな吠えんなよ。ほーら、パン耳だぞー。
お、興味津々、て感じだな。尻尾でバレバレ。
ほれほれ、ほーれ。
それっと。おお、ナイスキャッチ。上手い上手い。
 
なに、もっと欲しいの。駄目だよ、駄ー目。
もうおしまい。お前も野良なら、ちゃあんと引き際は見極めないとな。
よしよし、いい子だ。……お前の顔、何だか誰かに似てるなあ。誰だろ。
ああ――あいつだ。
あのバカ。なんも考えてない、バカっぽそうな所がそっくりだ。
じゃ、お前の名前は「ヒョコ」。ヒョコ、お座りしてみ、お座り。ちんちん。
 
 
ふふっ。……ん、なんかこのタバコ、へんな味がする。
風邪でもひいて、舌がおかしくなってんのかな。
 
そういや、頭もぼーっとしてきたし。
風邪か。やだな。
 
あれ――どっかで誰かが歌ってる声がする。
Raの音かな。
違うな。これはLaだ。
北の空で四個目の月が溶け始めてるし、こけ桃みたいな味がしてるから、やっぱりLaだな。
Raだったら、白いもぐらが。
いや、フラスコの中で展翅板が煮えるんだ。そうそう。
 

848 名前:◆xRtREKI.VQ :2007/12/30(日) 23:32:31
>>840(ガンジャ・アマニタ・ムスカリン)
 
 まだオールドホームに来たばかりの頃だったから、もう七年も前になる。裏庭で青い石を
見つけたことがある。
 
 クラモリ以外の誰とも打ち解けられず、花壇の隅で一人ぽつんと時間をつぶしていた時だ
った。
 石というか、大き目の砂粒だった。さほど透明ではなかったが、濃い青のガラス玉みたい
で、ひょっとしたら宝石なのかもと思ってどきどきした。
 クラモリに見せたら、ごくありふれた石なのだと教えてくれた。
 随分がっかりしたのを覚えている。難しいその石の名前は、もう忘れてしまったが。
 
 あの青い石はどこにやったろう?
 どこかの机の引き出しにでも仕舞いこんだか、もうとっくに捨てたのか。
 日向の土の中にあった所為か、少しぬくいような手触りだった。角がなくて、不思議とつる
つるしていた。
 
 
 マラカスを振って踊っている誰だかの前で、なぜだか私は、その石の感触を鮮やかに思い
出していた。
 
 
 頭がふわふわと重い。あの青い感触は、こんなにもはっきりしているのに、どうにも思考だ
けがほどけてしまって一つにまとまらない。
 なんでこの人は踊っているのだろう? 全くわからない。
 わからないから、私は、
 
 アッハッハと笑って誤魔化した。
 イッヒッヒと歌って誤魔化した。
 ウッフッフと踊って誤魔化した。
 エッヘッヘと気取って誤魔化し――あれ?
 
 
 私はなにをしているんだろう?
 私?
 私って誰だっけ?
 

849 名前:◆xRtREKI.VQ :2007/12/30(日) 23:33:49
>>841(炎のさだめ)
 
 その時、ぱちぱちという音が背中の羽にくっついた。
 羽袋の中まで入りこんで来て、実にくすぐったい。
 音のする方を探すと、いつの間にか、すぐ近くに赤い火が点っていた。
 誰かが焚き火をしているのだ。羽にくっついたのは、焚き木が爆ぜた音らしい。
 
 赤い炎の色合いが鼓膜と光輪に心地よい。「ふむぁっ」という感じがして。
 
「なんだ、あたしをのけ者にしてパーティか? ずるいぞ。混ぜろよー」
 
 そういって、私は火の方に近づいて行った。我ながら不思議なほど間延びした声だった。
 
 
 火はゆっくりと、落ち着きを払って燃え上がっていく。その火に手をかざして、私はため息
をついた。
 
「あったまるなあ。――そうだ、さつまいもでも焼こうか?」
 
 それがわかったのか、すぐ傍にいる「ヒョコ」が嬉しそうに尻尾を振った。
 

850 名前:◆xRtREKI.VQ :2007/12/30(日) 23:34:48
>>842(異臭騒ぎ・冤罪・バッドトリップ)
 
「……何だって? あたしがおならした、だあ?」
 
 誰かの呟きを耳にして、私は顔をしかめた。
 灰羽だって生きている。トイレにも行けば風呂にも入るし、例えばその、なんだ。時には
体内にたまったガスが、
 
「っていうか、してねーよ。そんなデマカセいう奴には、焼きいもやんないぞ」
 
 
 そう、そんなことより、さつまいもを何個焼くか考えねばならない。それが最も重要なこと
なのだ。
 一つ二つと指を折って、十まで進んでまた戻る。五で止まって更に二つ。
 三つ、と私は思わず考えこんだ。
 三つって何個だろう? そもそも二つとは何個なんだろう?
 

851 名前:◆xRtREKI.VQ :2007/12/30(日) 23:36:04
 
 ふと顔を上げると、「ヒョコ」はどこかに行ってしまっていた。
 
 
 焚き火ももう消えている。中庭にあるのは痛いほどの寒さと、積もった雪だけだった。
 なんだか頭痛がする。玄関脇の壁に背を預けた私は、こめかみを揉みながら答えた。
 
 
>>843(宴の支度)
 
「クリスマス……ああ、外の世界のお祭か。
 確かその日の晩は、
  
  
  蛇口を捻ると噴き出す真っ赤な血で染めたような服着た「サタン」とかいう爺さんが、
  オクタゴンでヘキサゴンな角の生えた獣がひくそりに乗ってやって来て、
  夜中に煙突から忍びこんで子供のおもちゃを盗んで、
  
  
 いくんだよなー。
 へんなジサマもいたもんだ。
 
 それと、親しい人に贈り物をする習慣もあるんだったっけ。
 この街には、そういうお祭りはないよ。ただ、もうすぐ過ぎ越しの祭りだから。街中、その
準備にかかりきり。
 先週の鈴の実の市なんかも、すごい人出だったよ。なにしろ、
  
  
  いい音がする鈴の実は、中にホタルカズラの種が入ってる。
  七千二百二十一個入りのを選ぶんだ。外れたら緑色の巨人に持っていかれちゃうから、
  皆真剣だよ。勿論あたしも、じっくり時間をかけて分度器で――」
 
 
 答えながら疑問に思った。
 さっきから私は誰と話しているのか?
 

852 名前:◆xRtREKI.VQ :2007/12/30(日) 23:39:39
 
 ふと顔を上げると、「ヒョコ」はどこかに行ってしまっていた。
 
 
 焚き火ももう消えている。中庭にあるのは痛いほどの寒さと、積もった雪だけだった。
 なんだか頭痛がする。玄関脇の壁に背を預けた私は、こめかみを、
 
 何だかおかしい。
 これと全く同じことを、今さっき体験したような覚えがある。気のせいかもしれないが。
 
 
>>844(童謡・見立て・幻影)
 
 いや、違っていることもある。
 どこかでまた歌声が――また? ――している。聴いた憶えのない歌だ。
 歌っているのは、うちのちびどものような子供の声で――でもあの子たち、こんな歌を知
っていただろうか?
 
 もやもやと漂っている頭痛は一向に引かず、へんなメロディがその周りをぐるぐる回る。
 誰かが泡立て器で私の頭の中をかき回しているようだった。悪酔いした時というのは、こ
んな感じなのかもしれない。
 
 
 子供達の歌声は色んな物語を歌っていた。
 大きな橋が落ちたり、卵が割れて元に戻らなかったり、
 靴の中に住んでる寮母の婆さんが、ちびどもをぴしぴし鞭で打ったり、
 私が弓矢で殺したクウを、皆でお弔いしたり。
 
 
 灰羽は、砂糖とスパイスと素敵な何かで出来ている。
 そう一緒に呟きながら、寒くなってきた私は、ポケットにライ麦をたくさんつめて建物の
中に入っていった。
 明日は過ぎ越しの祭りだ。晩餐のパイの下ごしらえをしなくてはならない。――二十四
羽の黒ツグミ入りだから、とても手間がかかるのだ。
 
 
 
 そして誰もいなくなった。
 灰色羽の小鳥たちは一羽二羽と巣立って行って、後には小石が一つきり。
 
 

853 名前:名無し客:2007/12/31(月) 13:59:19
この寒い季節にとある国ではこたつむりという生き物が大量に発生する様ですが、
そちらはどうですか?

      ∧∧
    /,,(,,゚Д゚)
   //\ ̄ ̄ ̄\
  // ※.\___\
 \\※ ※ ※ ※ ※ヽ
   \`ー──────ヽ

854 名前:名無し客:2007/12/31(月) 14:02:02
とある国ではおとし玉と称して二階の窓から大量に玉を年明けに落とす儀式があるらしいです
けが人も多数でる過酷な祭りとか
そちらの街ではこういう年明けの儀式はありますか

855 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/12/31(月) 18:12:46
……まだ頭痛がする。
なんか気分よくないんだ、昨夜から。風邪じゃないみたいだけど。
ちょっとひと休みして、こたつで暖まってこようかな。
 
ああ、おこた。前にお古をもらったんだ(>>209>>212)。
ゲストルームには置いてないけどね。時々ここ、つまり置いてある部屋にこもってぬくぬくするっ
ていう訳。
 
 
>>853(コタツダイバー)
それはそれとして、んー、そういうものぐさな生命体は、ボクメツしないと駄目だねー。
徹底的になー。そーそー。
 
 
       (⊂⊃)
       ,  -―- 、
      /    ,、  ヽ.
      l ノ,/lノl/ Wリl |
      i|ld |┃ ┃|リ
    /i l |、 ー━~~
   //\ ̄ ̄ ̄\
  // ※.\___\
 \\※ ※ ※ ※ ※ヽ
   \`ー──────ヽ
 
 
……そろそろ晩の支度の続きをしないと、だけど後十分。
いや五分。
三分だけ、三分。
 

856 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/12/31(月) 18:15:47
>>854(新春・グリの風習・ヤーパンの風習)
ああ、なんか聞いたことがある。
その年最初のお寺のお参りは、でっかい凧に乗って空飛んで行くんだよな、確か。
他にも、皆でかくし芸大会をやって、負けた人は一枚ずつ服を脱いでポロリしなきゃならな
いとか。……やだやだ。
 
そういうけったいな習慣は、まあないな。年明けは静かなもんだよ。
年の初めくらい、ゆっくりと過ごすのが一番。……ああ、でもよく考えると、こっちは年中そ
んな感じだなあ。
 
 
んー、名残惜しいけど、そろそろ晩御飯の用意に戻りますか。
今年も一年、色々とお世話になって、本当にありがとう。
来年も良い年になるといいね。
 

857 名前:名無し客:2007/12/31(月) 18:44:58
チン      ☆  チン       ☆
       チン    マチクタビレタ〜   チン     ♪
           ♪
    ♪          ☆チン    ☆   ジャーン!   マチクタビレタ〜!
        ☆ チン   〃         ヽ        / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          ヽ  ___\(`д´ #) /\_/ <  過ぎ越しの祭まだー?
        チン    \_/⊂    つ    ‖     \__________
           / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|     ‖        マチクタビレタ〜!
        |  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:| :|   /|\
        |             |/

858 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2007/12/31(月) 19:16:58
>>857(静かなれども振り向かば)
こらこら。過ぎ越しの時は、鳴り物は控えるように。
……あ、もう時間だな。鐘が鳴り出した。
ほら、しーっ。
 
 
 
 
(ころりとした赤い鈴の実を一つ、皿小鉢の中に転がして「それではサラバ」のジェスチャー)
 

859 名前:名無し客:2008/01/06(日) 21:43:49
新年の抱負は何かある?

860 名前:名無し客:2008/01/06(日) 21:44:22
次生まれ変わるとしたら何になりたい?

861 名前:名無し客:2008/01/10(木) 23:46:29
グリの街の冬の風物詩といえば何がある?

862 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/01/20(日) 03:09:56
……あちゃあ。新年の挨拶をするには、大分遅れすぎだなあ。
毎度ごめんね。どうも初っ端から締まらないけど、今年もよろしくお願いします。
 
 
>>859(木綿・絹ごし・厚揚げ)
ホーフっていうと、「勝って兜の緒を締めよ」とか「欲しがりません勝つまでは」とか、さもなきゃ
「カツのパンツに白い粉」みたいなの?
いや、こりゃ標語か。
え、全部違う? 特に最後のは違う? あ、そう。
 
まあ、今年こそこうしよう、ああしようなんて年の初めに考えても、大抵すぐ忘れちゃってるん
だよなあ。
そういうの含め、新年っぽい気分を味わうイベントっていうだけなのかもね、結局は。
 
それじゃ今年の抱負は、「タバコは来年から止めよう」にしとくかなー。
 

863 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/01/20(日) 03:11:07
>>860(カーネーション、リインカーネーション)
そうだね。――悩んじゃうよ、そういうのは。
「生まれ変わるとしたら」みたいな話は、誰でもしたことあるだろうけど、その「何に」っていう具
体的な転職先……じゃないか、まあそういう答えは、あんまりすぐに出てこない。
なんでだろうね。
 
 
あたしは、何でもいい。
普通の人間でも、小鳥でも、カエルでも。
ただ、また皆と――オールドホームの皆と会えるなら、一緒にいられるなら。
あたしにはそれで十分過ぎる。
 
 
まあ、何でもいいからって、庭に転がってる石ころとかは勘弁だけど。はは。
 

864 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/01/20(日) 03:12:55
>>861(天候・真っ最中・銀世界)
やっぱり雪かな。……ああ、空模様からして明日は降らなそうだけど。
ま、もう十分に積もってるしね。
 
雪が降ってくると、いよいよ冬も本番だから。
街へいく途中の原っぱなんか、一面真っ白になる。ちょっと足跡をつけたりするのをためらう位
に、白一色になるよ。
 
その雪が全部溶けて、ずっと重かった空が軽くなると、冬が終わる。春が来るんだ。
それまで、もうちょっとスクーターも冬眠中。
……くー、寒い。もう窓閉めよ。
ふう、冬の夜に窓開けるもんじゃないな。部屋の中なのに、息が白くなりそうだ。
 

865 名前:名無し客:2008/01/20(日) 17:05:58
貴女の人生哲学を教えて下さい

866 名前:名無し客:2008/01/20(日) 19:28:29
愛ってなんだと思いますか?

867 名前:名無し客:2008/01/21(月) 21:29:02
┌─┴─‐┐          ─◇
│| ̄ ̄ ̄|│              /
│|___|│       ♪
└───‐┘      〜
         ( `д´)__   __ <アイハシニマスカ? ココロハシニマスカ? オシエテクダサイ
         ノ/ ¶/\_\. |[l O | 
         ノ ̄ゝ\/__/ |┌┐|   
        | ̄ ̄ ̄|  __ll__ .|└┘|
 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|

868 名前:名無し客:2008/01/22(火) 17:27:32
あなたの目の前に、宝箱が一つおいてあります。
中身はなんだと思いますか?

869 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/01/31(木) 02:07:58
>>865(ホリゾンタルホールド――水平維持調整)
人生哲学? ひゃー。
そういう堅っ苦しい教訓話は、話師の爺さんの専門分野なんだけどなあ。
(頭をかきながら)
 
そうだね。――どんなことでも、長続きはしない、ってことかな。
ジャムの瓶は使っていれば空になるし、電球は切れたら替えなきゃならない。
良いことの後には、また良いことか悪いことか、どうでもいいことが起こる。
悪いことの後も同じだ。
何にしろ、ずっとそればっかりってことはない。
 
人はいつか死ぬし――灰羽だって、やがては巣立つ。
 
 
まあ、そんなところ。
参考には――ま、大してならないか。あはは。
 

870 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/01/31(木) 02:09:09
>>866(作麼生・アガペー・ガンダーラ)
え、ええ?
いや、いきなり「愛とは何ぞや?」なんて訊くもんだから……。ちょっと動転した。
急にそんな話振られたら、誰だってうろたえるよ。
 
まあいいや。愛だね、愛。
きっと、人の数だけあるんだろう。あれも愛、これも愛。
どれだって愛さ。どれもそれなりに納得がいく形をしてる、一般論みたいなものだから。
あたしが思うのは――そう、信じること、かな。
 
相手を受け入れたり、逆に身を任せたりって、結局そこに信頼関係がなければ成り立たない
だろう? だからだよ。
勿論、その信頼が通じない時だってあると思う。
それを承知の上でまごころを通わすことが、信じる――愛することなんじゃないかな。
 
 
ごほんごほん。
やれやれ、こんなテーマ、どうも真面目に語ると照れくさいったら。
 

871 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/01/31(木) 02:10:18
>>867(愛は道を点灯するでしょう)
 
(ぽいっと>>867を押しのけ、奪ったマイクを手にして――うたうのは英語の歌)
 
 
 
 そう、もし心がはりさけそうになっても心配しないで
 私があなたの支えになるから あなたの手を取り、慰めに行くから
 知っているでしょう? 私たちが何のために生きているのか
 
 だから、どんな気持ちになろうと安心して
 愛は、いつだって私たちの行くところを照らしてくれるのだから
 
 
 
……おいおい、拍手は勘弁してよ。アンコールはなし、やんないから、やんないから。
あ、ネム、タオルあんがと。
 

872 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/01/31(木) 02:12:01
>>868(箱・中身・疑い)
ふーむ。箱の中身はなんじゃろな、と。
宝箱っていう位だから、そりゃ何か素敵なお宝が入っていればいいんだろうけど。
 
だけど、多分そうじゃないんだろう。そんな気の利いたものは入っていない。
中身は「よくないもの」だ。少なくとも、あたしにとっては。
どうしてだか、そんな気がするんだ。自分でもうまく説明できないけどね。
 
なら、箱を開ければいい。そうすれば中身がどっちかわかる。――そうだね。
その通りだよ。
 
 
でも、あたしがその箱を開けることはないと思う。
だから、中身が何なのかはわからずじまいなんだ。
 

873 名前:名無し客:2008/02/01(金) 07:29:20

   |Д´) アレモアイ コレモアイ
   |⊂  レキタントヒョコタンハ イガミアイ
   |    コレモヒトツノ アイノカタチ

   |
   | 彡
   |  サッ

874 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/02/09(土) 23:53:41
今日も冷えるなあ。飽きずに雪は降ってるし。
大体、うちは建物自体からして寒々しいから参るよ、まったく。
 
 
>>873(彼と彼女のソネット)
な、何いってんだ! いうに事欠いて、なんでそこであたしとヒョコなんだよ!
 
あのなあ、会う度にののしったりアテコスリいったりする関係の、どこに愛っぽい形があるん
だってえの。
愛ってのは、そうじゃないだろ。なんていうか、ラ、ラブっていうのは。
こうさ、好きだーとか、ほっとけないとか、世界を敵に回しても護るとか。
ついつい憎まれ口きいちゃったりとか、それがわかってても、わかってるから余計に苛々した
りとか。
相手のことを想ってるからこそ、背中合わせじゃなきゃいけないとか、さ。
 
 
そういうのが……って、もういねえし!
ちっ、ったくもう。
 

875 名前:名無し客:2008/02/12(火) 19:38:13

   |Д´) ダレモイナイ…
   |⊂  
   |

                  *:..。.。◇@☆*
               。 ◇◎。o.:O☆οo.∂∇。
              。:゜ ◎::O◎@ ☆★◎☆。∂:o゜  
.               /。○。 ∂☆*・゜★O◇。☆
.             /  ◎| ̄ ̄ ̄ ̄ ゚̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|::◎
.            /    ☆。|. レキタン オタンジョウビオメデト |☆
   |Д´)    .▼      。○..io.。◇.:☆______| 。.:
   |  つ ∠▲―――――☆ :∂io☆ ゜◎∂:.☆◎*・
   |

                    *:..。.。◇@☆*
                  。 ◇◎。o.:O☆οo.∂∇。
                 。:゜ ◎::O◎@ ☆★◎☆。∂:o゜  
                     /。○。 ∂☆*・゜★O◇。☆
                   /  ◎| ̄ ̄ ̄ ̄ ゚̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|:◎:
   |             /    ☆。|. レキタン オタンジョウビオメデト |☆
   | 彡        ▼      。○..io.。◇.:☆______| 。.:
   |  サッ  ....∠▲―――――☆ :∂io☆ ゜◎∂:.☆◎*・

876 名前:名無し客:2008/03/13(木) 02:58:15
もし手からビームが出せるようになったらどうする?

877 名前:名無し客:2008/03/28(金) 00:00:56
怖かったんだ。
質問しても、誰も答えてくれなかったら?
ひとりぼっちだとしたら?

878 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/03/30(日) 04:14:33
この前、街へ行く途中の道の真ん中を、大きなカエルが歩いててさ。
こう、我が物顔にのっしのっし横断してた。危うく踏んじまうとこだったよ。
もうそんな季節なんだなあ。
 
……あたしもそろそろ目を覚まさないとね。
カエルとかネムとかに笑われるのはいいけど、お客さん達に申し訳が立たない。ごめんね。
 
 
>>875(誕生日・紫のバラの人・存在すること)
あれ。なんだ、この豪勢な花束。
なになに……あたし宛て?
でもバースデーっていっても、日にちが――。
 
いや、それは別にいいか。
極端なことをいえば、誕生日を祝うのは、別にその当日でなくても構わないし。
日付じゃなくて、生まれて――その人と繋がりが持てたことそのものへの祝福だから。
何時だっていいんだ、意味を見い出すのはね。
 
誰かは知らないけど、ありがとう。
うん、いい香り。早速飾らなきゃだな。
 

879 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/03/30(日) 04:15:17
>>876(蟹光線)
変だぜ。
 
……ってか、日常生活で、手から怪光線出て得することって、思いつかん。
どうやったって活かしようがないよなあ、そんな利点は。利点かどうかもあやしいし。
 
そもそも「人でなし鳥でもなし」な灰羽なのに、手から光線なんて出せたら、余計正体はなん
なんだって話になっちゃうでしょ。
大体、ビームなら光輪から出せるんだから、いいんだよ。間に合ってる。
 
 
(タバコの箱をとんとん叩きつつ)
ああ、嘘だぜ。
 

880 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/03/30(日) 04:16:17
>>877(壁打ち・誰もいない部屋・回答)
あたしが傍にいるよ。
 
あたしは、クラモリを失った所為で道を踏み外しちゃったけど、あたしは何があっても、
きっとあなた達の質問に答えるから。
 
 
……あー、ごほんごほん。
さてと、花瓶の用意をしなくちゃ、と。
 

881 名前:名無し客:2008/03/30(日) 22:26:57
春だな。
つ「春限定生八ツ橋桜あんこ」

882 名前:名無し客:2008/03/30(日) 22:36:09
春だな。
つ「草餅」

883 名前:名無し客:2008/03/30(日) 23:39:52
                        
      ≡≡≡=-   \( `Д)ノ <ヤツハシト クサモチ ゲトー!!
     ≡≡≡=-   ( ┐ノ
    ≡≡≡=- :。;  /

884 名前:名無し客:2008/04/01(火) 22:30:28
ああっ!
せっかくの俺の「花より団子! 敵は体重計! ふはははは!」な罠がっ!

885 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/04/03(木) 02:04:26
>>881>>882(デコイ)
まだ風は冷たいけど、ようやく春になるね。
へえ、これお菓子? この街じゃ見ない形だなあ。
いい香りがする。春みたいにホージュンというか、フクイクというか。
こっちの緑のも? こりゃどうも、ありがとね。
 
 
ハナはピンクのにする? じゃ、ダイとショータは緑のほう、半分こな。
あたしはいいから、あんた達で食べな。
その前に、みんなちゃんとくれた人にお礼をいうんだよ。それから手を洗って……
 
あ、あれ?
なんで視線をそっちからこっちに戻すと、皿の上からお菓子がなくなってんだ?
しかも二つとも。お前ら、もう食べちゃったのか?
……あっ!
 

886 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/04/03(木) 02:06:26
>>883(自由射撃・左目に気をつけろ・嘘字幕)
ぬ、ヌスットー! せっかく貰ったおやつを!
テメーこらぁ、のぼせ上がったボーイスカウトみたいなことをやるんじゃねえよ!!
 
くそっ、もうあんな遠くまで逃げやがって……。
街の時計台のてっぺんから、八時間で三百四十五のターゲット(注:祭りの射的)を撃ち落し
たこのレッキ中佐様をなめんなよ。
――神よ、我に力を与えたまえ……。
(PAN!)
 
 
【グリ暦538年 4月3日 深夜
                             名無し客、死亡】
 
 
……安心しな。ゴムのパチンコ玉で死んだやつはいないから。
けど、悪をこらしめるには十分すぎる。
 

887 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/04/03(木) 02:07:35
>>884(孔明の計略)
……罠が、じゃねーよっ! ったくもう。
あー、ちびども。お礼はやっぱりいわんでよろしい。
逆にせびってねだってたかり倒してやれ、お菓子でも何でも。あたしが許す。
 
ふん、大体そんなちんけな悪だくみ、魂胆なんざパンツ丸見えだっての。
「団子」は、今度からじゃんじゃん持ってきな。敵は体重計なんかじゃない。
本当に戦うべき敵は、体重計を恐れる心なんだ。……ん、我ながらカッコよく纏まった。
 
 
しかし窃盗犯にいんちき策士と、なんでこんな不届き者どもが横行してんだ。
自分ちだってのに、片ときも油断できやしない。
 

888 名前:名無し客:2008/04/14(月) 22:19:41
むむ、菓子は盗られたか…。
ならこれを。
つ『桜わらび餅【8個入り】』
京都駅で見付けた。

889 名前:名無し客:2008/04/15(火) 12:48:33
つ「だんご三兄弟」

890 名前:名無し客:2008/04/16(水) 20:15:30
   |Д´) ゴクリ
   |⊂
   |      ─


891 名前:名無し客:2008/04/17(木) 00:28:28
ほほう、体重計を恐れぬ心意気、気に入った!
くらえ、アメリカンな原色カラフルチョコレートの山っ!
クリームこってりバター過剰ショートケーキっ!

すーぱーさいずみー!(呪文)

892 名前:名無し客:2008/05/10(土) 02:56:30
   |Д´) ダレモイナイシ クサラセチャ モッタイナイヨネ
   |⊂
   |      ─

   |
   | 彡
   |  サッ  ────


893 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/05/11(日) 15:28:59
>>888(独占禁止法・視覚効果・それはそれ)
う、さっそく次なる体重の敵、襲来か。
いや、ありがたく頂くけど。ドウモ、アリガトウゴザイマス。
 
えーと、八個か。ちびども用だと数が足りないし……こういう大人っぽいお菓子は、あいつら
向きじゃないな。
よし、年長組だけで。……ど、独占とかいうな!
 
そ、それにしても綺麗だね。澄んだ桃色で。
こういうお菓子って、何だか食べるのが勿体なくなってくるよなあ。
何ていうか、愛でるだけで十分ていうか。
 
 
食べるけどね。
食べるよ、勿論。食べるとも。
 

894 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/05/11(日) 15:32:27
>>889(トリニティ)
……なんか最近、あちこちからお菓子が配給されてる。なんでだ。
みんな、陰謀に加担してるんだろうか。太らせてから食べてやろう、みたいな。
 
と、いう風に悪い方向に考えるのはよくないか。
我ながらよくない。思考がすさんでる。
厚意は素直に受け取るのが一番だしね。ありがたく貰うことにするよ。
ひと串だけだし、まあ公正に早い者勝ちにすっかな。
 
……そう決めながらも、すぐさま手に取らないあたしは、なんて奥ゆかしいんだろう。
自画自賛の許可を申請したい位だな。
 

895 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/05/11(日) 15:33:45
>>890(しくまれた罠・張り込み・凝視)
 
>>890のさらに背後にひそんで、その様子を観察中)
ふふん。
こりゃ長丁場になりそうだ……。
 
 
>>891(飽食の僕)
しーっ、しーっ。大声立てるんじゃないっ。
今、えーとその、ナンだ、学術的な研究観察の途中だから。静粛に、静粛。
 
……ていうか、体重計を恐れないとはいったけど、闇雲に何でも受け入れる訳じゃねーんだ!
大体こんな山ほど貰ったって、全部食べきる前に悪くなっちゃうよ。
え、オールドホームの全員で分ければいい? 一人で丸ごと食べる必要はないって?
いや、そりゃ……。
正しいよ。反論できないじゃないかよ、もう。
 
それにしたって、でもやっぱこりゃ量が多すぎる。
悪いけど持って帰ってもらえるかな。ホント、悪いけど。
 
 
……ナニ? チョコの数が足りないみたいだ?
まさか、あたしがくすねたっての? ば、馬鹿も日曜祭日に休み休みいえよ。
だってこの山盛りの中から、四粒ぽっちなくなってるのがどうしてわか、え?
四粒なんて正確な数は誰もいってないって?
 
……う、うるさい! 語るに落っこちたんだよっ。
 

896 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/05/11(日) 15:34:29
>>892(回収作業)
――おっと。
まあ、待ちなって。
>>892の肩に手をかけて止めながら)
 
あたしとしてはこう思うんだ。結論を急ぎすぎてるんじゃあないか、って。
それはまだ食べられるかもしれないし、そもそも食べる誰かがいるかもしれない。
やたら濃ゆいチョコを食べたばかりで、口直しにさっぱりしたお団子を食べたいなあなんて
いうやつがいないとは断言できないんだ。
そう、誰にもね。
 
(もう片方の手で、ひょいと団子を失敬しつつ)
と、いう訳だから。
これはあたしが頂きます。ごちそうさま。
 

897 名前:名無し客:2008/05/14(水) 19:14:39

   |Д´) ヒトツキモ ホウチサレテイタ オダンゴナンカ タベテ ダイジョブカナ?
   |⊂  セッカク オドクミヲ シヨウト オモッタノニ
   |


898 名前:888:2008/05/14(水) 20:15:04
>897
心配するな。
ブツは冷蔵庫の中にいれておいたから。

…よかったら、そこの喫茶店で何か食うか?
割り勘だが。

899 名前:名無し客:2008/05/15(木) 22:17:31
   |Д´) ワリカンッテコトハ ドレダケタベテモ
   |⊂  888サンガ ハンガク ハラッテクレルンダヨネ
   |
 
                 ┌─┐
                 |満|
                 |  |
                 │入│
                 │  │
                 │御|
                 │  │
.       クウゾ   ノムゾ  │礼│
                 └─┤    
    ヽ(`Д´)ノ ヽ(`Д´)ノ  (`Д´)ノ    ( `Д)<フルーツパフェト ストロベリーサンデート プリンアラモードト・・・
    | ̄ ̄ ̄|─| ̄ ̄ ̄|─| ̄ ̄ ̄|─□( ヽ┐U
〜 〜  ̄◎ ̄  . ̄◎ ̄   ̄◎ ̄   ◎−>┘◎

900 名前:898:2008/05/16(金) 00:21:15
>899
そうきたかこのやろ。
あ、後半のプリンとかもらうぞ。(頼んだ分の半分いただく)

901 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/05/17(土) 23:50:29
>>897(MYTH)
……ぶっ!


このタイミングで、それを問題にするか?
食べちゃったよ、ひと口。食べちゃったよ!
なんでそういうことを、もっと早く……! うっ。
 
な、なんか気分悪くなってきた……。
あ、
 
めま、目まいが、
 
 
【ゆっくりと倒れるのと同時に、BGMが『WALKING THROUGH THE EMPTY AGE』に変更】
 

902 名前:◆xRtREKI.VQ :2008/05/17(土) 23:51:23
>>901

                                ⊂⊃
                               _=_、、
                           ,.へ(( ・ω・ ))へ、
                            ^^  ,. ー '.,'  ^^"
                                  ’
                         ──────────
                            Une Fille Qui
                         ──────────
                           A Des Ailes Grises
                         ──────────

   ┏━━━━━━━━┓┏━━━━┳━━━━┓ ┏━┓     ┏┓      ┏━━━┳━━━┓
   ┃┏━━━━━━━┛┗━━━┓┣━━━┓┃ ┗┓┗┓┏━┛┗━┓   ┃┏━┓┃┏━┓┃
   ┃┃     ┏┓      ┏━┓┃┃┏━┓┃┃   ┗━┛┗━┓┏━┛  ┃┗━┛┃┗━┛┃
   ┃┃  ┏┓┃┃┏┓   ┗┓┃┃┃┗┓┃┃┃ ┏━━┓┏━┛┗━┓   ┃┏━┓┃┏━┓┃
   ┃┃  ┃┃┃┃┃┃     ┗┛┃┃  ┗┛┃┃ ┗━┓┃┃ ━  ━ ┃   ┃┗━┛┃┗━┛┃
   ┃┃  ┗┛┃┃┗┛     ┏┓┃┃  ┏┓┃┃   ┏┛┃┗━┓┏━┛   ┗━┳━┛┏━┓┃
   ┃┃  ┏━┛┗━┓   ┏┛┃┃┃┏┛┃┃┃   ┗┓┃┏━┛┗━┓   ┏━┻━━┻━┻┫
   ┃┃  ┃┏━━┓┃    ┗━┛┃┃┗━┛┃┃    ┃┃┗━┓┏━┛    ┃ ┏┓┏┓┏┓ ┃
 ┏┛┃┏┛┃   ┃┗┓   ┏━┛┃  ┏━┛┃ ┏━┛┗━━┛┗━━┓┏┛ ┗┛┗┛┗┛ ┗┓
 ┗━┛┗━┛   ┗━┛   ┗━━┛  ┗━━┛ ┗━━━━━━━━━┛┗━━━━━━━━━┛

                 H A I B A N E      R E N M E I





                              〜Fin〜
 

903 名前:停止しました:2008/05/17(土) 23:52:29
真・スレッドストッパー。。。( ̄ー ̄)ニヤリッ

904 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/05/17(土) 23:53:59
>>898(再生・再開・再動)
 
>>903を押しのけて跳ね起きつつ)
 
……っぶはぁ!
ぎ、ギリギリセーフか! あ、ありがと。
 
あー。何か、まだ手足が震えてる……。え?
あ、ああ。喫茶店ね。
ちょっと口直しがしたいから、お招きに応じるよ。
 
……っていうか、ひと月冷蔵庫の中ってのも相当なもんだよな、食い物としては。
道理でかぴかぴだった訳で。大丈夫なんだろーか。
ま、いいや。深く追求するのは止そう。
 
 
しかし、なんでこう毎日ハチャメチャが押し寄せてくるんだ?
あたしは、落ち着いた暮らしがしたいだけなのに。
 

905 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/05/17(土) 23:55:38
……そして、なぜかもうカフェに陣取ってるし。
いつの間に。つーか、なんで当然のようにこの変奇郎(>>899)もいるんだよ!
 
 
>>899(饗宴)
うわ、それ誰かと食事する時に、一番嫌がられる行動パターンでしょうが。
……って、どんだけ注文してんだ!? 悪魔か、あんたは!
あ、マスター。こっちはラズベリーパフェのビッグとパウンドケーキ、それとグレープフルー
ツのシャーベットに……あ、おすすめのクリームパイも美味しそうだな。
じゃ、クリームパイはコーヒーのセットで。
 
取り合えず、それだけ。
 
 
>>900(紛争地帯・移譲・平和的解決)
こらこら、取り合いすんなよ。
争いごとの中でも、食い物関係の争いは抜群に見苦しいぞ。あー、ちょっと。
そのプリンは、あー、こっちの管轄だから。責任を持ってあたしが処理します。
いや、心配はしなくていいから。任せて。……んー、こりゃ絶品。
 

906 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/05/17(土) 23:57:39
>>905
 
(そして、全員でさんざっぱら食べたり飲んだり食べたりの宴も果てて)
……空き皿の数がすごいな。
なんか、さっきと違った意味で気持ち悪くなりそうだ。げっぷ。……失礼。
 
さて。そろそろ、出ますか。
ああ、いいよ、ここはあたしのおごりで。
何か最近、頂き物が多いしね。せめてものお礼。ま、ま、いいからいいから。
 
 
(灰羽手帳を切りながら)
しかし食べた、食べた。
みんなよく食べたよ、あたし以外は。
 

907 名前:名無し客:2008/05/18(日) 00:38:18
>>901
三秒ルールならぬ三ヶ月ルールですなー

908 名前:名無し客:2008/05/18(日) 00:39:12
(摂取)カロリーは割り勘できませんな。

909 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/05/18(日) 15:01:23
>>907(民光書房刊「三秒経ったらサヨウナラ 〜ミクロの決死拳〜」)
あ、やっぱいうよな、落っことしても三秒なら平気って。
そういう風習、外の世界でもあるんだなあ。
まあその、厳密に施行するかっていったら、また別問題だけど。
 
って、三ヶ月かよ!
漬け物じゃあるまいし、いくらなんでも三月はさあ、冷蔵庫の中だってどうなのさ。
そんな放っぽっといたら、そりゃ平気じゃなくて兵器だろ、もう。勝手に動き出して暴れま
わるとか、冷蔵庫の中がカビに汚染された別世界になるとか、そういうレベル。
うちの冷蔵庫にはないよ、そんな放置されまくった食べ物なんて。
 
……なかったよな?
 

910 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/05/18(日) 15:02:05
>>908(選択・リスク・要するにそれは体重的な意味で)
何かを選択して得るのは、別の道を選ばなかったことへの後悔も、だから。
 
その結果として、信じることしか出来ない。そういう状況は、ごくまれにある。
自分のやったこと、やらなかったこと。その意味を直視しながら、その心地よさ・危うさを
共にするより他にない。
そんな状況がね。
(もんすごく遠い目でタバコの煙を追いかけながら)
 
 
……今のあたしは、あの頃と何一つ変わっちゃいない。
そう、信じてる。
 

911 名前:名無し客:2008/05/19(月) 00:55:52

   |Д´) オチツイタクラシガ シタイノニ・・・?
   |⊂  
   |
 
    |
\  __  /
_ (m) _ピコーン
   |ミ|
/  `´  \
   |Д´) ソウカ オチツイタクラシガシタイカラ ハチャメチャヤッテモ
   |⊂  チャントオヘンジシテ オチヲツケテイルンダナ
   |

912 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/05/20(火) 00:55:10
>>911(変奇大作戦 〜赤い夕陽が古小屋を染めて、お前のハネに釘を打つ〜)
ちげーよ!
ええい、「わあぼく上手いこといっちゃった」みたいな得意げな顔すんな!
 
そもそも落ち着いた暮らしがしたくて、でもハチャメチャもやってわざわざ自分でオチつけて
っていう時点でおかしいだろ。単なる性格破綻者じゃねーか!
それに第一な、あたしは巻き込まれてるだけなの。こっちが被害者だっつーの。
夜空の星が輝く影で、ワルの笑いがこだましてんの!
 
大体あたしがオチつけてる訳じゃないし。いいんだよ、オチなんかなくったって。
普段起こったことって、何でもかんでもきちんとオチがついたりするか? しないだろ。
「起」の後にいきなり「結」だったり、「転」から始まってその後が全部なくって尻すぼみだった
り……。現実はそんなもんさ。
 
 
それにホラ、この話にだってオチがない。
でも何とかなってる。世の中、そんなもんだよ。
 

913 名前:名無し客:2008/06/19(木) 00:55:07

   |Д´) ・・・・・・
   |⊂  
   |

   |Д´) セッカク オチツイタ シズカナクラシヲ マンキツシテルノダカラ
   |⊂  .ジャマシチャ ワルイヨナ・・・・・・
   |

   |
   | 彡
   |  サッ

914 名前:名無し客:2008/06/19(木) 13:26:17
ラッカとヒョコ、手を繋ぐとしたらどっち?

915 名前:むしっちゃうおばさん:2008/06/20(金) 11:08:06
さあさあ、貴女達の羽根をドンドンむしっちゃうよ〜

916 名前:名無し客:2008/06/20(金) 11:12:58
鶏肉料理食べると共食いした気分になりませんか?

917 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/06/21(土) 17:13:48
……ふぁあー、あ。
暇なのも、結構肩こるんだよな、これはこれで。
 
 
>>913(静かな場所・満ち欠け・空騒ぎ)
そりゃ、落ち着いた生活もそれなりにいいと思うよ。
たまにちびどもの相手から開放されて――連盟の寺院みたいな場所で、何事もない暮らし
をするのも悪くないかもしれない。
 
でもニ、三日もしない内に飽きるだろうな。
そういうのは柄じゃない。何にもなく、ずっと一人ぼっちなんてのはね。
 
でもよくしたものっていうのかな、落ちがつく、何とかかんとかだったとさ、でおしまいに
なるのはおとぎ話だけだから。
お話なら、一件落着したら後はもうないけど、普通の暮らしは落ち着いたようでも、また騒が
しくなるもんさ。……今みたいに。
 

918 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/06/21(土) 17:14:59
>>914(片手だけつないで)
……何かそれ、そもそも選択肢がおかしいじゃないか。
「パンケーキとバイクはどっちが好き?」みたいなもんで、同じ分類じゃないだろ。
大体設定だっておかしい。ラッカはともかく、何であのばか野郎と手なんかつながなきゃなん
ないんだ。
 
 
って、設問自体に難癖つけてもしょうがないか。ちぇっ。
じゃあまあ、あれだよ。手っていうのは、幸いなことに二本ある訳で。
片手で一人ずつ、両方と手を取ればいい。……簡単だろう?
まあ、あのばかたれと手なんて絶対つながないけど。
 

919 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/06/21(土) 17:15:33
>>915(バックアタック・蹂躙・ハンギングベアー)
……ちょ、ちょっとタンマ、ストップストップ!
痛っ、痛いってば!
 
 
い、いきなり何すんだ! 
あのね。あたしらの羽むしって、一体全体何をどうしたい訳? そういうのは養鶏場行って
やってくれ。
それに第一、羽をむしるんなら普通しめた後じゃないの。……いや、やらんでいいから!
 
あーあー。小羽がとっ散らかっちゃったじゃない。
っとにもう。せっかくのお手入れが台無しだよ。
 

920 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/06/21(土) 17:16:06
>>916(特別料理)
んー、そりゃま、なくはない、かな。
普通に切ってある肉ならまだいいけど、手羽なんかだと、どうしても、ねえ……。
自分の背中のどっかが気になる感じはするよ。
 
でもさ、それを気にしてたら卵だってそうでしょ。目玉焼きもプリンも食べられない。
しかしだ、おいしいものはおいしい。
おいしさを遠ざけてはならない。おいしいこと自体に罪はないから。……って話師の爺さん
がいってたというような事実は特にないけど。まあそういうこと。
 
 
さて、今日の晩ご飯は親子丼でも作るかな。
 

921 名前:名無し客:2008/06/21(土) 23:27:01
果物酢を作る季節になりました。
折角なんでキウイ漬けたヤツ置いていきます。

つ『キウイサワー(完成は二週間後)の入った密閉容器(一リットル)』

高温多湿を避けて保存下さい。
なお、完成したら炭酸水などで割って飲んで下さい。
残った実も食べてよし。

922 名前:名無し客:2008/06/22(日) 18:03:21
               ∬
       ( `Д´),っ━~ ワレワレハ レキタンガ ヒビノクラシニアキヌヨウ アエテ ハチャメチャヲ エンジテイルノダヨ
_____(   _ノ__
         ,へ /    | ━┳━
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(_ノ__) ̄ ̄|  ┃

923 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/06/26(木) 01:22:30
そういえば、最近雨が多いから、街へ行く道が大抵ぬかるんでるんだよなあ。
足元が汚れて困るったら。……やれやれ。からっと晴れないもんかねえ。
 
 
>>921(キウイ・酢・自家製)
果実酢。そういうのもあるのか。
果実酒ならあるけど、お酢は作ったことないよ。
 
炭酸で割るの? ジュースっていうか、カクテルっぽい感じになるのかな。
当然というか、結構酸っぱそうだし、ちびどもは飲めないかも。
ああ、あたしは割と好きだよ、そういうの。全然平気。
実の方はジャムにでも出来そうだ。ふーん、無駄がないねえ。
 
ともかくありがと。冷蔵庫に入れておくよ。
……まさか、つまみ食いする奴は出ないだろ。
いや、むしろ見てみたい。知らずに食べて、酸っぱさで顔面崩壊するとこ。ふっふっふ。
 

924 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/06/26(木) 01:23:02
>>922(姿はあれど音もあり)
ぐぬぬ……。
この空っとぼけたおすまし顔を見ると、何かこう、どろどろとした黒い感情が……!
 
駄目だ駄目だ、頭を冷やそう。相手のペースにはまったら負けなんだ。
ええと、深呼吸をして、数を数えて、羊を数えて、
って最後のは違うっ。
あーもう! とにかく数だ、数!
(両手で耳をふさぎ、捨て鉢気味の大声で)
 
 
だるまさんが転んだ、だるまさんがしゃがんだ、だるまさんが政治に口を挟んだ!
聞こえないぞ、何っにも聞こえないぞー!
 

925 名前:名無し客:2008/06/26(木) 01:47:10
>>924
つ「釘バット」

926 名前:921:2008/06/26(木) 06:31:30
>>923
>果物酢の作り方
容器に果物、氷砂糖(黒砂糖も可)、穀物酢(好みによって米酢、りんご酢でも可)。
以上を1:1:1の割合で入れる。
その後二週間、一日一回清潔なスプーンで酢が実にまんべんなくつかるようカキ混ぜる。
梅は更に一週間。

927 名前:名無し客:2008/06/26(木) 19:31:51
『むしっちゃうおばさん』の弱点は砂糖。
かけると溶けて消える。

928 名前:名無し客:2008/06/30(月) 02:14:21

    ─┼─┐─┼─  /  ,.         _ , .. - .....     `゙''‐、_\ | / /
      │  │─┼─ /| _,.イ,,.ィ' ───/、):.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ───‐‐--(`Д´ )<オチツイタクラシハ アキルトイイ ニギヤカニスレバ クギバット イッタイドウスリャイインダヨ---!!
      │  |  │     |  |  | イン  /.:.::/::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..i     // | \
                           /:.:.::ト;::::::::.:.::.:.:.:.;':.:.:.:.:}>  / ./  |  \
                         l:;:i:.:.l、ノ;;:::.::::::.::::::::.::.:./::.:ヽ/  ./  |
                         川:.::|ゝ-'';;::;''"';:;::_:ノ ´!::.:.:l  /. ∵|:・. 
                    __ .. - ─ ナ!:lヽ    ̄ `ヽ  l::.:.:! / .∴・|∵’
             __ --‐‐ ´       _リ ノ,,.:'      }   !::.:! 
               /           _ -'ー-'/::       '、  l:i.:l      |
              .ノ._ノ´ヽ     _ -‐ ´    /    .. : : : : . ヽ 〃ノ      |
         _ -"´     }.   /      / _..=_.ニ,~_ヽ、   ヽ
     __ -‐ ´      /   /       ///::.::.::.::.::`:..、ヽ、  ヽ
. -‐ ´ ̄ ヽ       / ..∠ノ      /, '/::.::.::.::.::.; -‐  ̄` 、_ヽ、l
       ヽ   /ー "´         { /::.::.::.::.:/      ヽヽ}
.          l. /               ヽ|::.:::::::::/         | /
          l/.               {::::::::::/         l´
        /                |、:_::/             /
      /                     l /            /
    /                   V           /、
   /                     /         / ヽ

929 名前:名無し客:2008/07/01(火) 22:54:36
要は総理スレの名無し記者のごとく、スレ主に喧嘩を売るな。と?

930 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/07/23(水) 23:57:16
>>926(サワー・試飲・美容)
追加のメモ、サンキュ。
最初に貰ったのは、この前飲んでみたよ。割った水が足りなくてさ、ちょっとむせた。
もう少し水を多めにしたら、いけたね。すっきり加減が丁度よくて。
試しに牛乳でも割ってみたけど、ヨーグルトみたいでこれも中々いい。
 
せがむから、ちびどもにも飲ませてみたけど、ちょっと不評だった。酸っぱすぎるってさ。
その代わり年長組には評判いいよ。皆で飲んでるから、もうなくなりそうだ。
 
第二弾は自分で作ろっかな、せっかくレシピも教わったし。
何か健康によさそうだもんなあ。肌もつやつやになりそうで。
どう? 美人度、アップしてる?
 

931 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/07/23(水) 23:58:31
>>927(イカレルオバサン)
……そりゃ一体、どういうお化けなんだ?
なめくじは塩かけると溶けるっていうけど。まあ実際にやったことないから、本当かどうかは
知らない。
あー、塩じゃなくて砂糖か。それとおばさん。羽をむしる。
 
(ゆっくりとタバコを一服してから)
わ、わからん。
図書館の本、総ざらいしてもこの問題は解けないんじゃないか。そんな気がする。
 
 
教訓。
世の中、不思議なことはそうそうないけど、わからないことは一杯ある。
あたしに出来るのは、そんな妙ちきりんなおばさんを砂糖で退治する羽目にならないよう、
祈ることだけだな。
 

932 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/07/24(木) 00:00:01
>>925(凶器・追加装備・釘バットのようなもの)
……いや、これは怖いでしょ。なんだこの釘の山。
流石のあたしも、こんなんで誰かの頭をぶっ叩いたことはないぞ。
こりゃ過剰防衛ってやつだよ。ううっ、痛そーだ。
 
(しかし受け取ってブンブン素振りしている最中に――)
 
 
>>928(星の王子さま)
あ。
当たっちまっ、
 
 
す、すごい。空飛んでった。
え、星に。
いや、あー、えーと、んー。
……うん、見なかったことにしましょう。
 
 
 誰も悪くない。そう、誰も悪くなかった。
 ただボタンをかけ間違えただけなんだ。……あるいはジッパーを上げ忘れた、みたいな。
 

933 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/07/24(木) 00:02:04
>>929(叛乱・鎮圧・法律)
いや、別にそういうことじゃない。
これはレクリエーション。あくまでレクリエーションだから。
(釘バットのようなものを窓の外にほうり捨てながら)
 
そもそも、あはっはっは、何をいってるんだ?
あたしはバットを振ってた。
その時、お客が一人帰った。
あたしはバットを振るのを止めた。
 
それだけで説明がつく話に、喧嘩ざたも何も、なぁんにもない訳で。
もちろん事件も被害者も隠蔽工作もない。
ワカルね?
 

934 名前:名無し客:2008/08/09(土) 18:39:21
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:.... .... ..:.... .... ..... .... .. .:.... .... .. ..... .... .. ..... ............. .. . ........ ......
:.... . ∧∧   ∧∧  ∧∧   ∧∧ .... .... .. .:.... .... ..... .... .. .
... ..:(   )ゝ (   )ゝ(   )ゝ(   )ゝ無茶しやがって… ..........
....  i⌒ /   i⌒ /  i⌒ /   i⌒ / .. ..... ................... .. . ...
..   三  |   三  |   三  |   三 |  ... ............. ........... . .....
...  ∪ ∪   ∪ ∪   ∪ ∪  ∪ ∪ ............. ............. .. ........ ...
  三三  三三  三三   三三
 三三  三三  三三   三三

935 名前:◆xRtREKI.VQ :2008/08/09(土) 22:26:52
>>934(不滅の詩)
 
 
 
 
 
二人の灰羽がオールドホームの窓から外を眺めたとさ。
一人は石を見た。一人は星を見た。
 
 
 
 
 
.
 

936 名前:名無し客:2008/08/22(金) 20:48:07

       \( `Д´ )/<カッテニ オホシサマニ スルナ ゴルァ!!
           (  .  )
        /     \

937 名前:名無し客:2008/08/22(金) 22:32:57
おお、地獄からおかえり。
とりあえず、こいつを…

つ『マンゴーの果物酢(1リットル)』(今漬けたばっか

熟成するまで一緒に待とうか。二週間くらい

938 名前:名無し客:2008/09/05(金) 19:40:16
    ☆ チン     マチクタビレタ〜
                        マチクタビレタ〜
       ☆ チン  〃
        ヽ ___\(\`Д´) <マンゴーノ カジツス マダ-?
            \_/⊂ ⊂_)
          / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |
       | 未整理..未洗濯 |/
        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

939 名前:937:2008/09/05(金) 19:47:36
>938
フムン。
では、そろそろ空けるとするか…。
ところでこの散らかりを何とかしてからでも遅くはないと思うぞ?(割るためのバニラカップ片手に汗)…レキたんも早く来てくれ。
君の分が無くなる前に。

940 名前:名無し客:2008/10/06(月) 20:18:38
いつかままた会えるよね?
うん、そう信じてる
私も信じる
目を閉じて
え?
巣立ちの日を迎えた灰羽はふっといなくなるしきたりだから
最後までレキはレキだね

  /; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; : : : : . . .
. /; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ,l; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; l; ; ; ; ; ;/; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; i
/; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;ノ |; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;|; ; ; ; ノl; ; ; ; ; ; ; ; ;'、; ; ; ; ; ;l
:; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;.. ‐'-、|; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; |; ; ;/ ノ; ; ; ; ;:, イ; ; !; ; ; ; ; ; } -‐'''"゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙"''''''―-
:; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;/,―- |; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;|; ;/  /イ ; ; / ノ; ;ノ; ; ; ; ; ; l: : : : : : : : : : : : : : : : : .
; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;l゙ ( ¬`|:; ; ; ; ; ; ; ; ; ;:|; /   { |; ;/  //}; ; ; ; ; ; ノ: : : : : : : : : : : : : : : : : :
::;; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;|  ,‐-..,,]; ; ; ; ; ; ; ; ; ;川`゙゙゙"'i'' | l.,_     丿:; ; ; ; ;/::/: : : : : : : : : : : : : : : : :
; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; || { 、 |; ; ; ; ; ; ; ; ; ;:|      リ `ヽ ノ; ; ;ノ;;ノ;/: :i: : : : : :ノ: : : : : : : : : : : :
; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;;l゙ | `く),|; ; ; ; ; ; ; ; ; ;|   .、   、  ノ ハ;/;;/l;//|: : : :/|: : : : : : : : : : : : :
; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ノ  l、  |:; ; ; ; ; ; ; ; ;:|     `''''"   /{ : : / | /  |: : /   | : : : : l: : : : : : : :
; ; ; ; ; ; ; ; ; ; /   ヽ、_,|; ;; ; ; ; ; ; ; ;|             { !: :/  !{'゙"''ヘ: :{   |: : : :/: : : : : : : : :
; ; ; ; ; ; ; ; ; /       | ; ; ; ; ; ; ; ; |          i ソ ,  `   ヽト、 ノ: : イ: ::、,: : : : : : :
; ; ; ; ; ; ; ;ノ         l; ; ; ; ; ; ; ; ;|            l´  ''ヽ-‐、       /ノ |: : : |: : : : : : :
; ; ; ;,, '´〈         l; ; ; ; ; ; ; ; ;|             l            ノ   |: : : :|: : : : : : : .
,. r'"   ヽ       |; ; ; ; ; ; ; ; |          ,r‐'"               |: : :.;.|: : : : : : : :
  !、     ヽ        |; ; ; ; ; ; ; ;:|      ` -rく、                   |: : / |: : : : : : : :
  \    `' 、   |; ; ; ; ; ; ; ;|      /´;ノ  `゛                | :/'、|: : : : : : : :
     ヽ       `゙ 'ー|; ; ; ; ; ; ; ;|     /;: /                     |/ノ,|: : : : l: : : :
-‐ 、   ゙  ,,       l; ; ; ; ; ; ; ;ト 、 _ ノi; ; ;(                 _,丿 ゙ノ|: : : : {: : : :
⌒ヽ. ヽ     ''  .,,  |; ; ; ; ; ; ; |     | ; ; ;\                、,,. -'"´ .|: : ::/ |: : : :
   ヽ ヽ       ''l; ; ; ; ; ; ; |     |; ; ; ; ; i ヽ、             /       |: :/  |: : :
    l   \         |; ; ; ; ; ; ;:|     |; ; ; ; ;:|    );,.                 |ノ   |: :

941 名前:名無し客:2008/10/06(月) 20:18:57
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  , -―-、     ,.ゝ―γ、    |     |     , -―-、
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 | |l |. ソ|l     lノ     .リ . | i     |    ノlノ    |
 ヽ | l / リ    ノlノ    ゝ   ヽ(l、 W./リ ノ   lノ    λ
   | .l ̄|_  .   ノl/ Wリ/ゞ   /^ヽ_/ ^\   ゝWリ/ゞ
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レキは無事ね
・・・(うなずく)
良かった
レキ
うん レキ・・・
寂しいけど 良かったんだよね
そう 祝福があったんだから

(中略)

私は このスレの事 忘れない

942 名前:オールドホームの灰羽達 ◆xRtREKI.VQ :2008/12/31(水) 18:02:45
 
 
 自分がそれまで過ごして来た人生のことを、何一つ残さず思い返そうとしたら、その人生
と同じだけの時間がかかるだろう。
 私がこの街で過ごしたのはたった七年だけど、やはりそれだけの時間が要るに違いない。
 まさかもう一度七年はかけられないが、私はできるだけ丹念に、今まで過ごしてきた日々
を思い返していた。一枚の絵を仕上げていく時のように。
 
 
 今日は過ぎ越しの祭りの日だ。年長組もちびどもも、オールドホームの皆は街にくり出し
ている。
 いつも通りだったら私も行く。何しろちびどもの監督ときたら、手がいくらあっても足りやし
ない。
 
 けれど今年、私は残った。
 そしてオールドホームのベランダで、こうしてタバコを灰にする作業に勤しんでいる。
 仲間達には反対はされなかった。恐らく皆、薄々察してくれたのだと思う。
 午後遅くになったら日は段々翳り、暗くなる。夜の訪れがわかるように、私にもそれが理
解できたのだった。
 「レキ」という名の少女の物語は今日終わってしまうのだということが。
 
 
 そうして、ぐるぐると同じ場所を回り続けた歳月をもう一度巡っている。
 沈んでいく夕陽を追うような無駄なことだとは理解していても、そうしたかった。せめて私
自身だけでも、過ぎ去った日々と人達を忘れぬ為に。
 
 こうしていると、何だか思い出されるのは――
 

943 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/12/31(水) 18:03:52
>>936(欲求・乾燥・犯人)
(小声で)
あれ、生きてた。
そうか、あれで生きてるってことはツマリ、手加減はノーサンキュー、むしろウェルカムって
ことなんだな。
成る程。この教訓は次回に活かそう。
 
(大声で)
いやあ、よかったよかった。
あたしは最後まで信じてたよ! ひと時もあんたが帰って来ることを疑ったりしなかった。
な。
 
 
>>937(甘酸っぱい恋人)
おや、ありがとう。いつも悪いね。
マンゴー? へえ、この街じゃあんまり見ない果物だなあ。
甘そうな黄色してるけど、何だか甘めのお酢になっちゃいそうだね。
 
二週間か。それじゃついでに、そっちの>>936も酢に漬けといちまうか。
となると、でかい入れ物がいるな。丸ごと着けこめるでかーいのが。
物置にあったかな、壷かカメ……。
 

944 名前:オールドホームの灰羽達 ◆xRtREKI.VQ :2008/12/31(水) 18:05:21
 
 
 思い出されるのは、誰かしらとどたばたしていたことばかりだった。
 そんなことばかりしていた筈はないのだけれど。
 
 ――いや、ひょっとしたらそうだったのだろうか?
 私がそう意識していなかっただけで。
 

945 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/12/31(水) 18:06:52
>>938-939(ゲスト・ホスト・すっとこどっこい)
はいはい、ちょっと待って。今出すから。
ええい、ちんちか皿を叩くんじゃない! ほんとに酢壷に漬けちまうぞ!
行儀悪いなもう。こりゃちびどもが一匹増えたみたいだな。それも図体のでかい。
 
じゃ、そっちの人も一緒にどうぞ。
……アイス持参? それで割るの? へえ、面白いなあ。
後でちょっとひと口、味見させてよ。
 
 
しかし確かにここら辺、妙にとっちらかってるな。
んじゃ、まずお二人さんには片づけを手伝ってもらおーかな。働かざるもの何とやらってね。
人も灰羽も変わらない、これは原則。
なに、自分らは客だって?
そうか、あたしは主人だ。何か問題が?
ふふん。
 
さて、それじゃこれとこれはクローゼットにお願い。こっちの洗濯物は畳んじゃうから。
そんでもってそっちのバカタレは、いい加減に皿と箸を置け!
 

946 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :2008/12/31(水) 18:07:57
>>940-941(Ailes Grises)
何の感動最終回なんだそれは。
……っていうか、けしからん画が挟まっとるでしょうが! なんだこれは!
何でその、あたしとラッカがその、熱烈な、ち、ち、チッスしなけりゃいけないんだ。
破廉恥すぎんだよっ。さっさと消せ!
 
うわわ、ちびどもも食い入るように見てるんじゃない! 大人の見るものなの!
っていうか年長組もきゃあきゃあ騒がんでいい! 大人も見るな!
全く、もう。……
 

947 名前:オールドホームの灰羽達 ◆xRtREKI.VQ :2008/12/31(水) 18:09:37
 
 
 自然と体が震えた。
 少し寒い。気づけば辺りはすっかり暗くなっている。
 私はタバコを灰皿で消し、ため息をついた。白い息はタバコの煙と混じり、流れて消える。
 
 結局私がしてきたことなんて、この煙のようなものだった。誰かの心に残ったりはしない。
風にまぎれて無くなってしまうだけなのだ。
 それでもよかった。今の私には、何だかそれはある種の救いのようにも思われた。
 
 
 私はスカートのポケットに入っていたものを取り出した。
 ベランダの手すりに転がすと、それはことりとした硬い音色を立てた。白い鈴の実だ。
 あいつ――ヒョコにも同じものをこの前渡した。ちょっと前倒しの、最後の挨拶だった。
 
 ふと私は、これを渡すべき相手へ挨拶をすることにした。
 そもそも鈴の実は、言葉だけでは伝えられない気持ちを形で示すものだ。祭りの晩、沈黙
の内に過ごす間に渡す代物だから、添える言葉は要らない。
 だが七年間、思うだけで口に出さないことは数多くあった。今、少しばかり空気を震わせた
としても特に問題はないに違いない。
 この期に及んでも誰かに聞かれないよう、私は小声で言った。
 オールドホームに。そして、今まで私と共にあった全てのものに。
 
 
「ありがとう。さようなら」
 
 

948 名前:オールドホームの灰羽達 ◆xRtREKI.VQ :2008/12/31(水) 18:10:49
 
 
 ありきたりだな、と私は肩をすくめた。最後の時に言うべきこと、なんてストックは、誰の頭
の中だっていい品揃えではないにしても。
 それに大抵の人は、それが最後になるとは思わない。明日があるし、次の機会もある。日
はまた昇り、そして沈む。
 私は別だ。私にはもう明日も次もない。
 終わるだけなのだ。本のページをぱたんと閉じるように、これでおしまい。
 
 私はゲストルームの中に入り、窓を閉めた。ストーブをつけていないので、部屋の寒さは外
とあまり変わらない。
 この街も、オールドホームの仲間達も、私が大好きな全てはこれからも続いていくだろう。
――そう、ラッカも。
 私はそれら全部に祝福があることを願った。心から願った。
 
 それは、そのことだけは、私にとって何よりの救いだったから。
 
 
【おしまい】
 

949 名前:◆xRtREKI.VQ :2008/12/31(水) 18:11:48
(レキの日記より)
 
 
(黒い羽が上からぐしゃぐしゃに塗りつぶされた絵)
 
クラモリ、ごめんなさい。
私は赦されなかった。
 
 

950 名前:停止しました:停止
真・スレッドストッパー。。。( ̄ー ̄)ニヤリッ


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