果てしなき戦いの道

1 名前:案内人:2003/08/13(水) 16:26

ここはいつ敵が現れるか判らない危険な地域です。
参加する方はそれなりの覚悟をしてくださるようお願いします。

どんな方でも参加してOKです。
無論敵対勢力の参加も歓迎します・・・。

なお、本スレの打ち合わせなどは、↓でお願いします。

果てしなき戦いの道打ち合わせスレ。
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/read.cgi/game/116/1070378707/l10

2 名前:??? ◆4DUGuN/Jak:2003/08/13(水) 16:54

フォーフォーフォー!
なんか戦闘スレのようだ4
いい事思いついた4
ロボット乗りの戦闘スレがあるようだから4
ここをそれ以外のジャンルの戦闘スレにするというのはどうか4?
>>1の意見を待つ4

3 名前:ローラーロボット(敵) ◆xINXtgFau2:2003/08/13(水) 16:58

一つの影が街に迫る・・・・。
”それ”は一見学校のグラウンドに置かれている地ならし用のローラー
を人間が抱えているかのような異様な姿をしていた。

ただ一つだけ違うのは”それ”がとてつもなく巨大であるという事
だった。”それ”目の前にあるもの全てを踏み潰しながら進撃してゆく。

4 名前:xINXtgFau2:2003/08/13(水) 17:00

>>2
あ・・・・ごめん先に書き込んじゃった・・・。
ちなみに自分は>>1です。

とりあえず見本として書いてみました。

5 名前:四次元皇帝 ◆4DUGuN/Jak:2003/08/13(水) 17:05

そろそろ名前を明かす4

>>3
フォオー?
最初の敵はこれのようだ4
こいつを倒せる者が現れるのを待つようだ4

>>4
別に気にしてない4
見本としては良いと思う4
とりあえずこのローラロボットに戦いを挑むキャラハンを待つ4
えっお前はやらないかって?
私が出たら面白くなくなっちゃう4!<マテ4

6 名前:xINXtgFau2:2003/08/13(水) 17:06

>>2
えーとですね自分としてはロボットモノを含めて
いろんなのジャンルの方が参加出来れば良いと思ってます。

7 名前:四次元皇帝 ◆4DUGuN/Jak:2003/08/13(水) 17:08

>>6
フォ・・・・。
なかなか良い意見4
別にそれでもよいと思う4
私や3D軍団の面々も来ると思うからよろしく4

8 名前:ローラーロボット(敵) ◆WkKT/yF0GY:2003/08/14(木) 15:53

”それ”のブリキのような形をした頭部の中央に設置された二つの大きな赤い目に
複数の灯りが映った。それは”彼”が初めて見る文明の光だった。
そして彼の頭部に設置された頭脳――人工知能が”彼”の身体に一つの命令を下す。
――――破壊せよと.....。

”彼”の巨体が轟音を上げながら夜の街に突入する。
巨大なローラーが高層ビルを紙細工のように粉砕し、不幸にもその進路上にいた人々を
踏み潰してゆく。まるで人間が蟻の巣を蹂躙するかのように。
さらに”彼”の頭部に設置された二つのアンテナから熱線が放たれ、シュッと言う鋭い
音と共に熱戦の触れた場所が燃え上がる。
熱戦はローラーの進路外に向けられ熱戦を浴びた家、樹木そして人々が炎に包まれた。

彼の”眼”が進路上にある建造物を捕らえた。てっぺんの部分に赤い十字架のマークが
書かれている。
病院だった。そして彼の眼が下に向けられるとそこにはたくさんの細々とした生き物。
人間達があわただしく動き回っていた。

感情のない冷酷な人工知能はその建物もお構いなく破壊するよう彼の身体に命じた。
巨体がスピードをあげ突進する。

9 名前:ローラーロボット(敵):2003/08/14(木) 15:56

・・・・・・・・・・・・・。
(トリップを変えたついでに上げる)

10 名前:名無し客:2003/08/14(木) 17:06

闘争スレ?個人個人が戦う場所じゃないのかな・・・・

11 名前:ローラーロボット(敵) :2003/08/15(金) 23:12

>>10
基本的にどんな作品、ジャンルのキャラも使っていいスレだ。
デカイのから小さいのまで入り乱れて使ってほしい。

12 名前:名無し客:2003/08/16(土) 00:01

先ず告知用のスレで宣伝した方がよくない?

13 名前:ジャイアント・ロボ:2003/08/16(土) 00:31

>>8

冗談のような大きさのローラーを転がし、破壊を撒き散らしつつ、巨人はなおも突進を続ける。
そして今、爆走を続ける“それ”の進路上には――――― 一軒の大きな病院。
このまま進めば、大勢の人々は病院ともども粉砕され、地面の赤い染みと化すであろう。
そう、まるでトラックのタイヤの前に置かれた卵の様に。
大音響で唸る鉄塊が、多数の人命をコンクリごと轢き潰すまで、あと数百メートルに迫り―――


              「ロボ、そいつを止めるんだ!」


轟音に紛れて、一つの声が叫ぶ。
直後、夜のビル街を轟音が支配した。

爆音。
咆哮とおぼしき、重低音の唸り。
夜のしじまに、重くとどろく地響き。アスファルトが砕ける音。
蒸気機関車の急ブレーキが如き、耳障り極まる金属の擦過音。

耳を圧するそれらと共に、もうもうと舞い上がる粉塵が収まった後―――――

止まっていた。
先ほどまで人も街並みもお構いなしに踏み散らし、暴君の如き“整地”を行っていたローラーが。
爆走しつつ猛烈な勢いでその鉄塊を、
そして文字通り“整地”を押し進めてきた張本人―――――ブリキのような巨人が。

そしてそこには、破壊の主とローラーをはさんで対峙する巨人が一体。
鉄巨人はローラーに手をかけ、破壊を撒き散らすローラーを力ずくで押しとどめていたのである。
その額には、一角馬を象った装飾。
その身は、眼前の破壊者よりもはるかに重厚さを感じさせる、鉛色の装。
そしてその顔には――――頬より張り出した取っ手に掴まった、一人の少年。

彼らこそ国際警察機構の切り札――――ジャイアント・ロボと、その操縦者・草間大作であった。


「通報があったから急行してみたけど・・・・・・何なんだこいつは!?
 BF団のロボットとも違うようだけど・・・・・・」

困惑する少年の声をよそに、破壊ロボの目に再び光が灯る。
どうやら自らの邪魔をするこのロボットを、次なる障害と認めたようだ。

「迷ってる暇なんてない、か・・・・・・
 行くぞ、ジャイアント・ロボ!こいつを叩き潰せ!!」

少年の号令に応えるように咆哮すると、ロボは手元のローラーをめがけ、その巨大な拳を振りかぶる。

14 名前:草間大作:2003/08/16(土) 00:33

・・・・・・告知する前に挑戦しちゃいましたけど・・・・・・大丈夫ですよね?(汗

15 名前:名無し客:2003/08/16(土) 00:51

>>14
がんがれ!!

16 名前:名無し客:2003/08/16(土) 13:29

このスレは敵に多数で立ち向かうモノなのかい?
それともサシで?

17 名前:ローラーロボット(敵) ◇WkKT/yF0GY :2003/08/16(土) 15:41

>>16
このスレではその両方とも可である。
すなわち一対一で戦うもいいしそこに乱入しても良いし
一体の強大な敵に複数で立ち向かうのも良い。

大きなキャラから小さなキャラまで参加可能。

18 名前:ローラーロボット(敵):2003/08/16(土) 17:17

>>13
病院まで後数百メートルに迫った時、突如大音響と共に猛烈な衝撃が自らの身体を襲った。
なにかと衝突したのだ。
直ちに人工知能が状況の把握を開始する。そして”彼”の眼に一体の巨人が映った。
額には一角馬を思わせる装飾。全体的に丸みを帯びた重厚な鉛色の巨体。
自分を真っ直ぐに見る鋭い二つの目。

もしこれが感情のある人間のパイロットだったならばその巨体からにじみ出る重厚さに圧倒
されたであろう。

しかし感情のない冷酷な機械である人工知能は、眼前の巨人から味方の識別信号が見受けられない
事、そして眼前の巨人が自らのメモリーに記憶されているどのロボットにも当てはまらない事を確
認すると即座に目標を変更した。

―――――攻撃。開始。

しかし敵の方が攻撃に移るのが速かったようだ。敵が豪腕を振り上げその鋼の拳を
”彼”のローラーに叩き込む。先ほどに続く衝撃と轟音。猛烈な粉塵が吹き上がり
”彼”の視界をさえぎる。粉塵が収まりようやく視界が晴れるとそこには半壊した
自分のローラーがあった。

―――――損傷率30%。戦闘続行可能。

”彼”は反撃を開始した。
それまでのローラーに寄りかかるような形から持ち上げるような形へと移行した。
つまり立ち上がったのだ。
その姿は重厚さを欠くものの目の前の”敵”よりも巨大だった。

”彼”はそのままローラーを高く持ち上げたと思った瞬間、ローラーを
”敵”目掛け振り下ろした。

―――ローラーアタック

巨体が、のし掛かる。

19 名前:hiUdBjj5/E:2003/08/17(日) 16:19

俺もそのうち参加するぜ。

20 名前:稲葉美守 ◆rPzuMxkNII:2003/08/17(日) 21:00

>>19
スクライドのキャラ・・・なのか?

あのさ1さんあたしも等身大キャラとして参戦していいかな?
今やってる話とは別の話になるけど。いいか?

21 名前:ローラーロボット(敵) :2003/08/17(日) 23:36

>>19
歓迎する。
>>20
別にかまわぬ。ここはいろいろなキャラが使用してもよいスレだからな。

22 名前:稲葉美守 ◆rPzuMxkNII:2003/08/18(月) 18:07

>>21
じゃ、早速書かせてもらうぜ。

絡みたい人は好きに絡んでいいぜ。

23 名前:ジャイアント・ロボ:2003/08/19(火) 19:05

>>18
耳をつんざくような衝突音と共に、衝撃が鋼の巨人を襲った。


「うわぁあああっ!?」
激しい揺れに振り落とされまいと、少年は必死に取っ手を握り締める。
強い衝撃が過ぎ去って、どうにか落ち着いた大作少年が顔を上げる。
自分を護るようにジャイアント・ロボの左腕が、その剛力を以て、振り下ろされた鉄塊を受け止めていた。


しかし、鉄壁を誇るジャイアント・ロボのG型特殊鋼の腕といえども、その凶悪なサイズの鈍器には
無傷というわけにはいかなかった。

「ロ、ロボ・・・・・!?」
重厚な腕を形作る装甲面が、めり込んだローラーによって半ば近くまでひしゃげ、
ひび割れた腕からは、内包されていた流体金属や循環液が、さながら血の様に流れ出している。
まだどうにかこの戦闘には耐えうるであろうが、この状態ではいつもの十全の働きは望めないだろう。
大作は驚愕を怒りに換えると、意を込めて号令を飛ばした。

「くそっ・・・・・・・・!ロボ、反撃だ!」

―――ガォォォォオン!
号令に応えて、鋼の重低音が叫ぶ。
左の二の腕にのしかかるローラーに右手を添えると、まるでローラーごと
敵ロボットを突き倒そうとするかのように力を込め、力強く押す。
その反動で敵の破壊ロボットも大きく後ろにたたらを踏み、超大型の鈍器は盛大な音と共に地面に落下した。


―――相手の最大の武器は、このローラーだ。
なら逆に考えれば、これさえ何とかしてしまえば・・・・・・!
わずかな間の思考の後、大作はさらに命令を飛ばした。

「潰せっ!ロボ!!」

―――ガォォォォオン!
応じる重低音の咆哮と共に、ジャイアント・ロボはふたたび右の剛拳を振り上げる。
それは少年の意を汲んだように、再び、しかし先程よりも力強く、眼下の鉄塊に打ち込まれる。

「まだだっ!このまま砲撃スタンバイ!」
さらに叫ばれる大作の命令。
ローラーにめり込んだ拳もそのままに、ジャイアント・ロボは、その全身で反応した。

まず、両肩を覆うドーム状の装甲が90度回転した。
その紅いライン・・・・否、カバーが敵の正面を向いて開き―――そこから、4つの大型ミサイルが顔を覗かせる。
胸部装甲版より少し上――人間で言えば鎖骨に当たる部分から、二基の多連装ミサイルポッドがせり出す。
腰周りについている四門の小砲座――スポンソン砲が、全門、目の前の破壊ロボを照準する。


「――撃てっ、ロボ!!」

少年のその声を引き金に、目前のブリキを思わせる巨人に向けて、破壊の雨が降り注いだ。

24 名前:カズマ ◆hiUdBjj5/E:2003/08/19(火) 21:51

宣言通り登場だ!

>>21 稲葉美守
アンタの原典は知らないが同じ等身大キャラとして絡ませてもらうぜ。
でもよ、敵はどうすんだ、敵は?
>>21にやらせる訳にもいかねぇだろうし。

25 名前:カズマ ◆hiUdBjj5/E:2003/08/19(火) 21:55

すまん、間違えた。
>>21にやらせる訳にもいかねぇだろうし。
>>20だ。

26 名前:稲葉美守 ◆rPzuMxkNII:2003/08/19(火) 23:06

>>24カズマ
ん、今SSを書いてる所だ。ただあたしは普通の女子高生って設定だから
難しいな・・・・。

敵は取り合えず「正体不明の影」みたいな形で出してみようと思ってる。

27 名前:稲葉美守 ◆rPzuMxkNII:2003/08/20(水) 01:26

市内にある県立の高等学校。各教室では昼休みを終え、いささか疲れた様子の
生徒達が授業を受けていた。

そのなかの一つ、2年B組の教室の一角、窓際の席に一人の少女が退屈そうに
授業を受けていた。おおよそ服装から言って優等生と言うよりも不良といった
ほうが適切な表現だろう。
その少女――――稲葉美守はゆるくカールしたロングヘアをいじりながら
窓の外を眺めた。青くどこまでも晴れわたった空、その中に小さな飛行機
が見える。どこまでも続くそれは子供の夢を空に描いているようだった。

あー退屈だ。早く終われ。

美守はぼやいた、6時間目の授業と言っても自習なのだが、
しかも前の時間が体育だったとあって皆疲れきった様子だった。

「な、なあ」
唐突に話し掛けられた、美守の目線の先、となりの席に座っている
いたずらっぽい笑みを浮かべた少女、”神楽”が話し掛けてきたようだ。

「なんだ」
返事をした所によると恐る恐る神楽は消しゴムを貸してほしいと美守に言った。
どうやら忘れてしまったらしい。
ったくちゃんともってこいよな。
「ほらよ」
美守は筆箱から消しゴムを取り出すと、となりの神楽に軽くなげた。
神楽は消しゴムを受け取ると、いつもの笑みを浮かべ「サンキュ。ありがとな♪」と
一言。

神楽はとは一年の時からクラスが一緒だったが話すようになったのつい最近だ。
神楽は消しゴムを使いながら友人の春日歩や滝野智となにやらひそひそ話をしていた。

授業が終わると美守は荷物をまとめさっさと帰ろうとしたが神楽に呼び止められた。
「今日、あたしら掃除当番だろ?」
「ああ、そうだすっかり忘れてたぜ。めんどくせー」
美守がだるそうに返事をすると先ほどまで教室後ろでふざけあっていた少女達、
春日歩と滝野智が駆け寄ってきた。
春日歩は典型的な天然ボケで大阪弁で喋る、そのため普段は”大阪”と呼ばれている。
滝野智はとにかくやかましく、よく神楽とふざけあっている。

「美守はん。早いトコ終わらせようや、ゴミが一杯や〜」
「そうだよ。早く帰りたいぞー」

美守は2人の言葉を聞いて溜息をつき、用具箱へほうきを取りに行き掃除を始めた。
しかし、今日は遅くなりそうだ。教室は週の終り、金曜日なだけあって滅茶苦茶に
散らかっていた。これらを4人で掃除するのはかなりの労力だろう。
めんどくさいがやるしかない。

四人は手分けして掃除を始める。

28 名前:稲葉美守 ◆rPzuMxkNII:2003/08/20(水) 01:27

「おーしっこれで最後だ」
それから一時間近く、ようやく掃除は終わろうとしていた。
後は四つの大きなゴミ箱を持っていけば良いだけ。
四人はそれぞれゴミ袋を抱え人気のない廊下を歩いてゆく。

廊下は不気味なくらい静まり返っていた。四人の歩くと以外音は無い。

階段の踊り場まで来た時だった。
美守はふと足を止めた。それにあわせ四人全員が足を止めた。
「どうしたんや美守はん、なんかあったん?」
「いや・・・・今、誰かに見られてたような・・」
美守が大阪の問いに答えると神楽が口を開いた。
「教室に誰か居るんじゃないのか?」
「嫌、いくらなんでもこんな時間に・・・・」
そこまで言った時だった。


                   「ヒエエ!!」


                   
と言うかすかだが悲鳴のような物が聞こえたのは。
そしてその直後。


              

                      グシュ


 
四人全員の動きが止まった。しばらくの沈黙。
沈黙をやぶり神楽が口を開く。
「なんだ・・・・今の・・・?」
智も口を開く。
「あ、あたしが知るわけないだろ」
「ど、どっから聞こえてきたんや?」
大坂の問いに美守も口を開く。

「屋上・・・・・・からだ」
「お、屋上って確か業者の人が水道パイプ直すって言って閉鎖中じゃ・・」
智も珍しく真剣な表情をしている。
どうする?と神楽が聞くと誰もが困惑した表情を見せた。

「様子を見に行くか・・・?」
先ほどに続き智が提案する。
「えーおっかねーよ、それよりも職員室に行って先生に・・・」
「そーは言っても先生達、今日は会議と出張でもういないぞ」
智と神楽の会話に美守が割り込む。
「しょうがねえ行ってみるか。ここにいてもはじマラネーしな」


美守達四人は一つにかたまり、もしなにかあったすぐに逃げられるように
慎重に階段を登ってゆく。
屋上に出るとそこは強い風が吹いていた。空は曇っていて今にも雨が
降り出しそうだった。
「なんかあるか?」
見たところ不審なものは見当たらない。
―――――――――思い違いか?

そう思った時神楽が美守の目の前でピタリと止まった。
「どうした?」
返事が無い。神楽はまるで人形のように固まっている。
よく見るとその体がガタガタと震えているのが判った。
「あ・・・・・あれ・・・・・」
ようやく口を開いた神楽の指差す方向に目をやり、美守も氷ついた。
それは大阪も智も同じだった。

そこには業者の作業員がいた。
いや正確にはそれは”元”作業員だった。だって首から上が無いんだから。
その首のない作業員の傍ら。”首”をもった”なにか”が立っていた。


            逃げろぉおおおおおおおお!


美守は我に帰り叫んだ。

29 名前:カズマ ◆hiUdBjj5/E:2003/08/20(水) 22:37

よくよく見たらまた間違ってるじゃねーか!!
正しくは、

>>20 稲葉美守
アンタの原典は知らないが同じ等身大キャラとして絡ませてもらうぜ。
でもよ、敵はどうすんだ、敵は?
>>21にやらせる訳にもいかねぇだろうし。

だ。しかし二度も間違ってるとは…面目無ぇ。

レスの方はもうちょっと待ってくれ。今絡むきっかけを捜してる所だから。
すまん!

30 名前:稲葉美守 ◆rPzuMxkNII:2003/08/22(金) 00:49

>>29カズマ
ああ、いいって気にすんな。間違いは誰にでもあるしさ。

所で絡むきっかけか・・・・・もっとたくさんの人が参戦してくれれば
チャンスもあるんだがな・・・。

と言うわけで今回は上げてみるぜ。

31 名前:カズマ ◆hiUdBjj5/E:2003/08/25(月) 22:00

――商店街――
明らかに周りとは違う独特の雰囲気を身に纏う男が居た。
着ている衣服はただの洋服には見えない。ヘビメタのそれとも違うし、ただのファッションとも思えなかった。

男の名はカズマ。名字はない。本来は大隆起現象によって本土から隔絶された大地、「ロストグラウンド」の住人である。
カズマは本土から隔絶されたロストグラウンドで「物質を分解し、再構成する」能力、「アルター」を使い、
何でも屋稼業をして生計を立てていた。
しかし、隆起現象によって荒れ果て、作物が育ちにくくなってしまった大地と本土から送られてくる物資が途絶えがちである為、
たまに友人兼同僚の君島と本土に忍び込み、物資を調達するのだった。

「これで全部かよ、君島。」
カズマは自分の傍らに立つ友人、君島に言った。
「おう、今日はこの位にしとこうぜ。あんまり買っても持ちきれないっしょ。」
それもそうだ。カズマは両腕に持つ物を見て言った。
カズマの腕に抱かれた荷物には食料品やら医薬品やらこれでもか!と言うほど詰め込まれていた。
勿論君島も荷物を持っているがカズマのものよりは少なかった。

物資調達の帰り道、君島が口を開いた。
「にしてもさぁお前、金の勘定くらい覚えろよな。かなみちゃんが大変だろ?」
かなみとはカズマと一緒に暮らしている本土にいれば小学校に通っているであろう年頃の少女である。
数年前、突然の雨にカズマが雨宿りした時カズマとかなみは出会い、それ以来一緒に暮らしている。
「うるせぇな、かなみは関係ないだろ。」
そう言って君島を小突こうとした時、”何か”がカズマの鼻を刺激した。

「血の臭いだ…。」
生臭いような独特の臭いをカズマは感じ取った。

どうやら路地裏から臭ってくる様だ。
カズマと君島はすぐさま路地裏に向かった。

狭い通路を抜け、少しばかり広い空間に出た。その光景を見たカズマと君島は言葉を失った。
……そこはまさに地獄絵図であった。所々に人であった物が転がり、辺りにはおびただしい量の血が池を作っていた。

「あ・・・・、たすけ…て、くれ…。」

32 名前:カズマ ◆hiUdBjj5/E:2003/08/26(火) 06:28

「どうした!オイ!何があった!!」
カズマは両足と右腕がもげているが辛うじて生きている男に問いかけた。
「ば、化け物だ…。”影”の化け物が…突然…。」

「娘が…娘と妻が家で待って……。」
そう言ったきり男は動かなくなった。

「畜生!」
カズマは拳で地面を力一杯殴った。そして怒りに顔を歪め、許せねえ、そう呟いた。
「許せねえ…ああそうだ、許せねぇよな!オイッ!!」
そう叫ぶとカズマは猛然と走り出した。奴を…”影”をボコる為に。

”影”の追跡は簡単だった。奴の通った場所には猫やら犬やら動物の死骸や、何かの血痕が残っていたからだ。
それがまたカズマの怒りに拍車をかけた。

それらを辿って行くうちに大きな建物、「学校」の近くに着いた。不意に、

逃げろぉおおおおおおおお!

そう聞こえた。それがあの”影”とあってしまった者の声だとカズマは直感した。
更に加速し、校門をくぐる。加速しながらカズマは右腕を突き出した。
髪が逆立った。虹色の光を放ちながら周囲にある物体が粒子にまで分解される。
右腕が3つに割れてその上から紐状のアルターで纏められ、分解された物質が右腕に集まり、手甲型のアルターを作り上げた。
それがカズマのアルター「シェルブリット」である。

カズマは右腕を地面に叩き付け、跳躍した。見る間に高度が上がり、屋上にまで届いた。
”影”を視認した。4人の女生徒に襲い掛かろうとしている。

(もうやらせるかよ!)
「衝撃のぉぉぉ…、」
カズマの声にあわせて背中の三枚の羽のようなものの一枚が砕け散った。
急激に加速。”影”との距離が詰まってゆく。
「ファーストブリットォォォォォ!!」

拳が”影”に触れた瞬間、”影”は屋上の柵を突き破りそのまま地面に激突した。それほど強力な力で殴られたのである。
「てめぇ、好き勝手やってんじゃねえぞコラァ!!」

33 名前:抜剣者教師と機械仕掛けの新入生 ◆4sTePBjgjE:2003/08/26(火) 17:11

レ「ここに来てなんだけど俺達も参加させて貰っても良いかな。」
ク「一応、いかなる人が集まる所らしいので、ここもデータを集めるのには良い
  参考になりそうです。」
レ「一応原典を言っておくとサモンナイト3っていう恋愛要素の入ったSRPG
  が原典なんだ、自己紹介をしておくと俺がレックスで横にいるのがクノン。」
ク「先生はサモンナイト3の主人公で家庭教師の職にありますが、果てしなき蒼という
  魔剣の使い手でそれによる抜剣覚醒・改による変身でパワーアップを測る事もできます。」
レ「できればあんまり使いたくない能力だけどね、それ以外には大剣による剣術とか
  召喚術が得意かな・・・で隣にいるのクノンは俺の大切な人で。」
ク「せっ・・先生!!照れますよ。(////)」
レ「従軍看護用機械人形とかいてフラーゼンと言う種族の子なんだけど、手を槍みたいに伸ばしたり
  放電したり修理とかもできるんだ、ロレイラルの召喚術も少し使えるし。」
ク「一応、簡単に言えば看護婦ロボットなのですが・・・心(感情)は持ってますから(///)
  一応フラーゼンなので怪我人の治療はできます。」
 
ク「参加させてもらっても良いなら早速誰かとお話で絡ませてもらいたいのですが。」
レ「そう言う訳でよろしく(細かい自己紹介載せたほうがいいかな。(;゚ω゚))。」

34 名前:ローラーロボット(敵) ◇WkKT/yF0GY :2003/08/26(火) 18:02

>>33
歓迎する。今私は時間がないので自由に参加、進行してかまわない。
では。

35 名前:カズマ ◆hiUdBjj5/E:2003/08/26(火) 19:49

>>33 サモ3の奴ら
お、新入りかい?俺はカズマだ、よろしくな。
>ク「参加させてもらっても良いなら早速誰かとお話で絡ませてもらいたいのですが。」
基本的に制限はないから良い筈だぜ?じゃあな。

36 名前:抜剣者教師と機械仕掛けの新入生 ◆4sTePBjgjE:2003/08/27(水) 18:53

ク「早速許可が降りたようなので、参加させてもらいましょうか、先生?」
レ「そうだね、でもその前にここのみんなに挨拶をしてからね、クノン。」

>>34 ローラーロボット(敵)
レ「ありがとう、それじゃあ早速参加させてもらうよ、これからもよろしく。」
ク「いつお手合わせ願える機会が来るかは解りませんが、
  わたしからもこれからお願いします、ローラーロボット様。」

>>35 カズマ
ク「こちらこそよろしくお願いします、それにしても変身すると人外レベルの
  強さになるのは先生と共通していますね。」
レ「人外って・・・・クノン、君ね・・・・カズマさん、今の言葉
  気にしなくてもいいから。」
ク「向こうはアルター、こっちはエルゴと繋がっているグリプス(境界線)
  を持っている魔剣、正直言っていい勝負と思いますが何か?」
レ「それじゃあ、早速そちらの方へ参加させてもらうから。」

>>22〜 稲葉美守
レ「こっちにも挨拶を、美守さんといったよね、これからもよろしく。」
ク「お近づきの印に、シルターン産の唐草うどんを持ってきたのですが
  良かったらどうぞ。」

>>23 ジャイアント・ロボor草間大作
ク「こういうサイズの人も参加してるのですね、とても大きいです。」
レ「大きい事は良い事だって言葉もあるけど、流石にね・・・・・
  圧巻だよ、それはともかくとして、よろしく、大作さんにジャイアント・ロボ。」
ク「しかし・・・これだけのロボットを少年と言う年齢の子が従えてると言うのも
  すごいですが、大作様と言いましたか、先生共々よろしくお願いします。」

>>2〜 四次元皇帝
レ「確か・・・あの四体とも本体な人だったかな。」
ク「確かそうだったと思います。(うわさには聞いてましたけど・・・ある意味
  すごい格好です。(へ;^^))」
レ「とにかく、四次元皇帝さん、よろしくお願いするよ。」
ク「お手合わせする時が来た時はよろしくお願いします、四次元皇帝様。」

>>1 案内人
レ「ここのスレ主の案内人さんだったよね、よろしく。」
ク「時々・・・・ペースが遅くなる場合はありますがよろしくお願いします。」

37 名前:抜剣者教師と機械仕掛けの新入生 ◆4sTePBjgjE:2003/08/27(水) 19:15

ここは名も無き世界の商店街。
(サモンナイトシリーズでは地球及び現実世界の事を名も無き世界と呼びます。)

その商店街に何かが原因で一人と一体・・・いや、片方の種族を考えると
もう一人と呼んでも差し支えないだろう・・・二人が、一筋の光と共に
現れた・・・・それから数日後、商店街のある店で世話世話になっていた
二人は、今日も元の世界に帰る手段も無いまま、商店街の店の出前をしていた。

片方の赤髪のいかにも平民っぽい洋風の異世界の服を着ている青年の名前は
レックス、向こうの世界では家庭教師をしていた者である。
家庭教師をする前は地方出身の元帝国軍人だった事から相当の実力者
らしい。

出前の箱を振り回している所をみると、出前を終えた事がうかがい知れる
おまけに言って見ると、その姿からとても元軍人とは思えないのであるが。

「確かにそうかもしれないかな・・・あははは。(へ;^^)」
少しは否定したらどうですか・・・・貴方は・・・レックスらしいと言えば
らしいのですが。

もう片方の少女はメイド服に似たナース服に身を包んでいる、髪は茶色の
ボブショートに近いショート、その頭にナースの帽子を被っている。

一見人間に見えるが・・・・後ろの蓋のような部分が、人間でない事を
表している、彼女の名はクノン、機界ロレイラルで造られたフラーゼン
と言う看護婦ロボである、一応、レックスとは先生と生徒と言う
間柄だが、カップルと言ってもさし仕え無いような気が・・・・。

「差し支え無い様なは余計です・・・ナレーター様、少なくてもわたしは
 先生が好きですし、先生もそう思っているみたいなのですから。」
あらら・・・そう言いますか、クノンさん。

(クノンEDの後の設定と言う事で)
人物紹介はさて置き・・・さっそくお話に入るとしましょう。

38 名前:抜剣者教師と機械仕掛けの新入生 ◆4sTePBjgjE:2003/08/27(水) 20:01

「先生、この名も無き世界もとい、ロストグラウンドに来てから数日・・・一週間は経ったようですが。」
(ちなみに言い忘れていましたが、リィンバウムと四界以外の世界も名も無き
 世界と呼ばれます。)

「そうだねクノン、一緒の旅先だったかな・・・サイジェントのとある所で
 無色の派閥の本拠に沿うと知らずに足を踏み入れて、オルドレイクとの
 再戦のさなかでの出来事でここに飛ばされたようなものだし。」
「そうですね・・・迂闊だった事もありますが、ここは召喚術と言う物が
 知られていない上、細かい原因がはっきりしない以上・・・帰る手段が
 見つからないのは確かです、はぁ〜。」
「俺達の言う事を信じてくれて、お世話にならせて貰っている所があるのが
 唯一の救いかな。」
二人はトホトホ歩きながら、一緒にため息を付いた。

「でも、希望はまだ費えた訳とは決まっていないし、諦めたらそこで終わり
 だからね、とにかく元の世界に帰る手段が見つかるまではここで頑張らないと
 いけないな。」
レックスはそう言うとクノンに向かって、前向きな微笑みを見せてみた。
くじけても仕方が無いという位に、屈託な微笑みを。
「そうですね、先生・・・頑張りましょう、それにお世話になっている人達の
 好意の為にも。」
クノンもレックスに対して微笑み返した、彼女は元来、感情がないただの
フラーゼンだったが、レックスとの出会いが彼女を変えたと言っても差支えが無い。
レックスの優しさと前向きさに・・・・。

「そろそろ、着きますね。」
「そうだね、いったん帰ったら物資調達に言ってこようかな、小麦とか
 ・・・他の何か在るか言ってみてからのお楽しみと言う所かな。」
「わたしもお供します、先生。」
その時、商店街の一角から大きな音が鳴り響いた、それは爆発音のごとく
大きな音で。
「何があったんだろう・・・。」
「そうですね・・・何故か知らないですが・・・胸騒ぎがします、ほっといたら
 とんでもない事になりそうな・・・。」
「そうだね、この爆発音からしてただ事じゃないのは確かだし、
 行こうクノン。」

そこで目にしたのは地獄絵図のごとき風景とその風景の中、影と戦っている
男だった・・・・そしてその近くで女子高生四人が一人の男の誘導の下
非難していた、その男の背中には動かなくなっていた重病の・・・
生きていないと思われそうな男が背負われている。

「どうしたんですか!!一体!?それにその背負っている人は・・・酷い有様
 のようです、どう見ても、脈は・・・心臓が止まっているみたいです。」
「クノン、俺は正体不明の影と戦っている人に加勢する、君はここの人と一緒に
 非難でしてくれ。」
「はい、安全な所に非難したらしかるべき処置を試みて見ます、こういうのは
 フラーゼンとしてほっとけませんし、処置を試した後、安全な所に非難させたら
 わたしも加勢させて貰います。」


「・・・・心臓は止まって間もないようですから、心臓マッサージを。」
倒れている男の人に手を当てて電気ショックを与えてみる、何度も何度も
そのうちにその男は息を吹き返したようである。

「ふぅ・・・息を吹き返したようですね、もう少し遅かったら手遅れに
 なる所でした、次は傷口から異物を取り出して手当てを。」
そしてクノンはその男からピンセットで次々と傷口から異物を取り出した。
そして、異物の除去が人どうり終えらえらると、彼女は懐から黒い石を
取り出す、機界ロレイラルの世界の召喚獣を呼び出すサモナイト石である。

「クノンの名において、ヘルプを要請します・・・出てきてください
 インジェクス!!」
彼女のサモナイト石が光を帯びると、その光が天をさしそこから次元の渦
らしき物が現れる、そこから騎士風のロボットが現れた、右手が注射器
なった騎士風のロボットが・・・。

「インジェクス、メディカルヒール!!」
クノンはそういうや否やインジェクスとよばれた召喚獣は、その男に
大きな注射器で注射する・・・そしてしばらくするとその男の傷口が
光が帯びると同時に塞がっていく。 

39 名前:抜剣者教師と機械仕掛けの新入生 ◆4sTePBjgjE:2003/08/27(水) 20:12

一方、レックスの方はと言うと・・・・この様子からして加勢した方が良いか。
意を決すると、透明のサモナイト石を取り出す、そして何かを詠唱すると
「盟約の元に命ずる、七本の光の剣よ、邪悪を打ち砕く力を・・・・
 シャインセイバー!!」
天空から七本の光の剣が召喚され、影に七本ともつき刺さる。
そしてそれを確認すると、彼は剣を取り出し、影と戦っている男の下の駆けつけた。

「どういう事かしらないけど、加勢にさせて貰うよ、確かカズマさんって言ったよね
 君島って人がそう言っていたけど。」
そう言うと彼は右手を天にかざす、すると何処からか青く光る剣が現れる。
魔剣「果てしなき蒼(ヴィスタリス)」である。
それを手にすると、彼の赤髪は肌と共に白髪になり、髪の毛が伸びる。
そして背中に青い後輪が付き、瞳は蒼に変色し、果てしなき蒼は
青き光が光の剣のごとく刀身を覆った。

40 名前:稲葉美守 ◆rPzuMxkNII:2003/08/28(木) 01:05

次々と起こる事態に美守達は混乱していた。

作業員の凄惨な死体(どう見ても切り刻まれてる。人外の力で)を見るに
戦っても到底勝てる相手ではない事はすぐにわかった。

逃げろ避けんだのもつかの間、次の瞬間にはもう”影”は美守の前の位置にいた
神楽の目の前に迫り襲い掛かろうとしている。神楽は足がすくんで動けないようだ。

―――――神楽!

美守は不意に目をつぶった。その時だった。美守の耳に男の声が聞こえてきたのは。

「衝撃のぉぉぉ………………ファーストブリットォォォォォ!!」

鈍い音が響いたと思った瞬間。金属の悲鳴があたり一体に響き渡った。
目をあけてみるとそこには”影”の姿はなく変わりに一人の男(少年?)が
立っていた。奇妙な男だった。固めているのか髪が逆立っていて、右手には手甲の
ような物を装着している。
男は美守達がまだ事態を飲み込めていないのをよそに大声で叫んだ。

「てめぇ、好き勝手やってんじゃねえぞコラァ!!」

見ると男が睨む屋上の一角。柵が滅茶苦茶に破壊されていた。
恐らく先ほどの金属的な悲鳴はこの男に殴られた”影”が柵を
突き破った時のものだろう。

「おい、あんたら大丈夫か!?」

視線を戻すと男がこちらを見ている。
ようやく事態を飲み込んだ美守は神楽や大坂の変わりに返事をした。
「だ…大丈夫だ。あんたは一体……それにその手……」
しかし美守の問いは詰め寄ってきた男にさえぎられた。

「ち……まだ生きてやがったのか……詳しい説明は後回しだ。一旦引くぞ!」

足のすくんだ神楽を引っ張りながら男が言う。
大坂と智もこの時は素直にこの男のいう事に従った。

41 名前:稲葉美守 ◆rPzuMxkNII:2003/08/28(木) 01:05

男に誘導された美守達は急いで学校を出て商店街へ向かった。
商店街の路地裏入ると先ほどの”影”が凄まじい勢いで追いすがってくる。

「あかん。追いつかれるでー」
完全に場違いの呑気な口調で喋る大阪の顔は苦しそうだった。
無理も無い。この四人の中で一番体力に劣る大阪だ。
そもそも大阪は体育の授業も苦手だった。

「クソ。なんなんだよ!あいつは!!」
美守は走りながら叫ぶ。叫びながら近くにあったバールを”影”目掛け投げつける。
カーン。と言うマヌケな音と共にバールは影の頭部に命中した。

しかし怯むことなく”影”は追いかけてくる。
今度は影のほうが攻撃してきた。大きくジャンプし手の刃を構え突っ込んでくる。

「まがれ!」
男の叫び声を聞くと同時に美守達は右に曲がった。
美守達の急な反転に目標を失った影はそのまま、停車していた燃料タンク車に
突っ込んだ。

耳をつんざく轟音と共に燃料タンク車が爆発した。

「うああああああ!」
「しゃれになんねぇええええ!」
神楽と智が交互に叫ぶ。

―――くたばったか?
そう期待して見た先、炎の中でゆらりと蠢く影。

「くそ。なんて野郎だ!!」
男が叫ぶ。

「大丈夫ですか?」

突然誰かが声をかけられた。そこには一人の少女が。
少女はメイド服に似たナース服に身を包んでいた。
髪は茶色のボブショートに近いショート、その頭にナースの帽子を被っている。

さらにその先にも一人の男。なにか、独り言(?)を言っている。
すると突然空から光り輝く剣がふってきた。剣は真っ直ぐに影に突き刺さる。

男は髪の逆立った男に駆け寄り話し掛けた。
「どういう事かしらないけど、加勢にさせて貰うよ、確かカズマさんって言ったよね
 君島って人がそう言っていたけど。」

それを見た美守はしばらく呆然としていたが、すぐに事態を飲み込みほっと胸を
撫で下ろす。

どうやら味方・・・・みたいだな・・・。

42 名前:名無し客:2003/08/28(木) 01:57

横やり失礼しますが、最初にハイパーリンク(>>)によるレス番指定を
入れていただかないと、どれがどの文に対するレスなのかわかりにくく
読みづらいものになってしまいます。
戦っている皆さんは自分がどのレス番に返しているのか明記していただきたいのですが。

43 名前:抜剣者教師と機械仕掛けの新入生 ◆4sTePBjgjE:2003/08/28(木) 18:21

>>42
レ「なるほど・・・・確かにこれだったらわかり難いかな、ありがとう
  42さん、アトバイスとして受け取っておくよ、それにしても
  俺もしっかりしないと駄目だなぁ・・・あはは。(;^^)」
ク「ちなみに最初に書いた文はカズマさんの所当てと言う事を申して
  置きます、一応わたし達の世界が元々異世界なので、向こうでのいざこざ
  による事故で名も無き世界に来てしまったという事になっている事も
  補足しておきます。」

>>40〜41 稲葉美守さんへの文

倒れていた人への治療を終えたクノンは一息つくと、そこにいる女子高生四人
と男性一人はクノンを珍しがっているのか、クノンをジロジロ見ていた。

「こんな所に看護婦さんがおるで〜あっ・・・背中に変なもんがついとるんやけど?」

看護婦がここに立っているという突拍子の無い事にのんきに驚く大阪、確かに
こんな所で看護婦と出くわすとは思っていなかったであろう。
一応念を押すと、クノンはフラーゼンであり、人間ではないのだが。
その証拠に背中にハッチ部分が付いているのが何よりの証拠だろう。

大阪はそのハッチ部分が気になってしょうがないのか、手を伸ばす。

「これはなんやろうか〜。」
「これはハッチ部分なんです、中は機械仕掛けの内部のパーツで・・・
 中を見なくてもこのハッチ部分を見れば私が人間ではないと言う事
 は、おそらくわかると思いますが。」

それに対して、クノンは苦笑いをしながら大阪にそう答えた。
そこに男性が一人クノンにつめ寄る、そしてクノンと騎士風の
ロボットをまじまし見ると。

「看護婦!?なぜこんな所にという疑問は後で考えるとして・・・すごい
 なんてもんじゃ・・・死に掛けの人間を一瞬にして完治だよ、
 もしかして君、アルター使いかい?あのカズマと同様に。」

男はクノンにそう問いかけた・・・答えはアルターとはぜんぜん違うが
こういうタイプのアルターもあるらしいので間違えられても不思議では
ないだろう。

「アルター使い?・・・・あっ、この子の事なら多分違います、この子は
 インジェクスという召喚獣で、わたしが召喚術をつかって呼んだんです。」

クノンは一瞬首を傾げるが、インジェクスと遠くにいるトサカもどきの男を
見比べると、柏手を打って納得したようにうなずく、そして近くにいるインジェクスと
自分のさっき行っていた事を男に軽く説明した。

44 名前:抜剣者教師と機械仕掛けの新入生 ◆4sTePBjgjE:2003/08/28(木) 18:37

>>40〜41 稲葉美守さんへの文の続き。

「本当ならわたし達が何者なのかを詳しい事も説明したいんですが、そうもしている訳には
 いかないようです。」

クノンは背後から近寄ってくる影に気づき、右手を槍みたいに伸ばして
こっちに向かってくる影を貫く。

「うわぁ・・腕が伸びてるよ?!」
「あの娘、人間やなかったんやな〜。」

美守と大阪はクノンに対してそう言うが・・・あんたら、さっきクノン本人が
人間じゃないと言っていたじゃないのかな・・・。(^^)

「そんな事を言っている場合じゃないぞ・・・うわぁ!!」
「影は一匹だけじゃない・・・・皆さん、下がってください!!」

男の背後から加勢というばかりに影が飛び込んでくる、それに対して
クノンは男達に襲い来る影の前に立ちはばかる。

「貴方達が何者かは知りませんが、貴方達のやっている事を見ていたら
 ほおっておく訳には行きません!!放電します!!」

クノンは目をつぶると、襲い来る影達に向かって体内から高電圧を放つ。

「wtfdyjytkk・・・・!!」

クノンの電撃を浴びた影達はそこから先に進めず、次々と感電していく。
そしてクノンは腕を構えると・・・・。

「フルパワー!!ええぃ!!」

掛け声と共に槍のごとく腕を伸ばし、感電している影を次々を打ちのめす。

45 名前:3D大元帥 ◆3DTrJRjEX. :2003/08/31 18:28

今から数時間前、ここは3D軍団の本拠地。

「ナマポリタン大使、爆竜カルノリュータスと爆竜カスモシールドの死骸は回収できたであろうな?」
「はっ、アバレンジャーによって破壊されましたが、回収に成功し再生装置にて再生中でございます。」

3D大元帥はナマポリタンに命じてアバレンジャーと爆竜達に葬られた2匹の最凶の爆竜、爆竜カルノリュータスと爆竜カスモシールドを密かに回収させていたのであった。
かつてダイノアースを滅亡寸前に追い込んだ伝説の2匹の青き爆竜。
その力に目をつけたのが3D大元帥率いる3D軍団であった。

「ではその様子を見せてもらおう。」
「かしこまりました。」

大元帥の言葉にナマポリタンはあるボタンのスイッチを押した。
するとモニターが映り、再生装置内でゆっくりと再生しつつある2匹の爆竜の姿が映った。

「ほう・・・だがまだ完全に再生しきってないようであるな。」
「申し訳ございません。」

大元帥の指摘は正しかった。
爆竜を再生させるにはまだ力が足りなかったのであった。

「今しばらくお待ちになってください、必ずやこの爆竜達を・・・。」
「その必要はない。」
「はっ?」

大元帥の言葉にナマポリタンは驚いた。

「どういうことですか?」
「丁度、我が軍が開発した強固なエネルギーを吸い取る装置が完成した所だ。こいつを用いれば必ずやこの2体の爆竜は完全に蘇るだろう。」
「おおっ!なんと言うアイディアでしょうか。」
「その役目、この我々にお任せください。」

大元帥の前にワイヤード伯爵とスケルトン男爵がやってきた。

「ほう、そなたらがこの大役を買って出るとは・・・。」
「わいらも普通のヒーローといたちごっこも飽き飽きしていたところですや。」
「カルノリュータスとカスモシールドンの完全復活の役目、必ず果たして見せましょう。」
「良かろう、期待している。」

数時間後

「この町やな。」
「ええ、強力なエネルギーを感じる・・・。」
「面白い事になっとるわな。」
「さて・・・どこから狙うとするか?」

ワイヤード達は商店街の方向へ向った。


46 名前:神鏡衝/完全懲悪ダンザイバー ◆iDDanzaI1A :03/09/09 08:52

俺も参加させてもらうぜ。参考にテンプレも一緒に上げておくぜ!

名前 :完全懲悪ダンザイバー(神鏡 衝【みかがみ・しょう】)
年齢 :21歳
性別 :男だ!
職業 :汎銀河辺境文明保護機構所属の特異監査官
出典 :封神領域エルツヴァーユ
趣味 :タクティカルフレーム磨き、TVゲーム
恋人の有無 :……敢えてノーコメントでッ!(パートナーの双子ルリィとユリィとどっちつかずのラブコメ状態だから)
好きな異性のタイプ :言えるかっ! 理由は上に同じくっ!!
最近気になること : 地球を狙う悪の組織『惑星狩猟旅団クライオス』の動向
一番苦手なもの :菌糸類
得意な技 :ハウンドブレイク、スパイラルボンバー、ダンザイ・バースト
一番の決めゼリフ :「覇王の力が罪を断つ! 完全! 懲悪!! ダン、ザイバーッ!!!」「正義、完了!」
将来の夢 :ヒーローとして宇宙を悪の魔の手から守る事
ここの仲間たちに一言 :この星に迫る、悪の手から平和を共に守ろうぜ!
ここの名無しに一言 : 君たちに胸に燃える、正義の心を見せてくれ!

47 名前:神鏡衝/完全懲悪ダンザイバー ◆iDDanzaI1A :03/09/09 08:53

>27>28>31>32>37>38>39>40>41>43>44

――――その日は、誰にとっても平凡で何も変わらない日常の一コマである筈だった。

「よーし、今日のパトロール終了っと……」
道路脇に停車したス○キのジム○ーの運転席で精悍な印象の青年が一人ごちた。
彼の名は神鏡 衝(みかがみ・しょう)―――またの名を完全懲悪ダンザイバー。
「そういえばルリィの奴、確かコーヒー豆切れてるって言ってたな……買って帰るか」
ふと、彼はパートナーの少女の事を思い浮かべる。
彼女の淹れるコーヒーは……美味くはないが絶品だ。
一仕事終えた後に飲めばそんなに悪くは無い。お世辞などではなく、そう思える。


だが、そんな彼の耳に届いたのは――――
爆音だった。日常を木っ端微塵に破壊する、非日常の尖兵。
彼は咄嗟に車を放置し、爆心地を求めて走り出す。

そこに辿りつくまでに在ったのは阿鼻叫喚の光景。
先程まで生きていたモノたちの残骸、理不尽な暴力の爪痕、弱きものたちの悲しみ。
「……っんだよ、これはぁっ!!」
明かに、常人が出来得るレベルの破壊ではない―――となると!
青年は左手首のブレスレットに向かって叫ぶ。

「ユリィ、ルリィ! 聞こえるか! 奴らだ、クライオスの連中が出やがった!」
『わかったわダンザイバー、今ダンザイバーのいる座標から中心半径500mをマテリアルスキャニング開始………これは!?』
「どうしたっ、ルリィ?」
『大変よ、市街地を中心に反応が…20以上! ダンザイバーのすぐ側に三つ…四つそれぞれ違う反応が同時に存在してるわ!』
「どう言う事だ、クライオスじゃないのか!?」
『わからないわ………気をつけてね、ダンザイバー!』

通信の指示に従って辿りついた場所に居たのは。

右腕を金色の鎧で包んだ怒髪天の少年。
赤髪の剣を構えた異国風の青年。
四人の女子高生―――制服からして近くの高校の生徒だろう。

そして、ナース……ナース?
金色の竜ではない、最近看護師といわれるようになった看護婦の方のナースだ。

その7人が謎の黒い影に包囲されている。
少年も青年もナースも腕が立つようだが、守りながら戦っているためその実力を出しきれていないようだ。

「これこそヒーローの出番っ、だな!」
軽く加速して―――
「トォゥゥゥゥ!」
影に飛び蹴りを入れ―――
「あ゛」
ナースの放つ電撃に巻き込まれた。


48 名前:神鏡衝/完全懲悪ダンザイバー ◆iDDanzaI1A :03/09/09 08:53

「お、おい……アンタ、大丈夫なのか?」
ショートカットの女子高生が恐る恐る声をかける。
「だいっ、ジョーブ!」
ニッカリ白い歯を輝かせ、サムズアップ。これぞヒーローにしかできない技だ!
「それは兎も角、君達は早く安全な所に隠れるんだ!」
「隠れるって………どこに?」
そう言われて始めて、自分が包囲網の中に突っ込んでいった事に気が付いた。
「くっ……忘れてた……緊急非難だし、事が終わったら……うん……」
彼は左手のブレスレットにこそこそと話し始める。
もっとも、極秘通話モードになっているため端から見れば只の挙動不審者なのだが……。
「よっしゃ………カッコイイところ、見せなきゃ男が廃るってもんだ」
「だから、なんなんだよテメェ! いきなり割り込んで自己完結してるんじゃねえよ!」
金色の腕の少年が突っかかってくる。だが、そダンザイブレスレットんな事は関係無い。

「邪魔するなよ……ここからは正義のヒーローの出番だっ!」


衝は全身を強張らせ大きく奮い、叫んだ―――。

「 零 着 ! 」

 特異監査官ダンザイバーは、わずか10の17乗分の1秒で零着を完了する!
 では、その原理をもう一度プロセスを交えて説明しよう!

『 零 着 ! 』

 神鏡衝が変身ワードである「零着」を唱える事で、体内の被転移用極小システムプラントがセキリュティを解除して、左手のダンザイブレスレットから転移命令シグナルを発信する。
 ダンザイブレスレットとセイングリードのタクティカルフレーム転移システムがリンクする事によって、ある種の理論において0秒とみなされる最小の数値である、わずか10の17乗分の1秒で神鏡衝は完全懲悪ダンザイバーへと変身するのだ!

「覇王の力が罪を断つ! 完全! 懲悪!! ダン、ザイバーッ!!!」

雄々しき赤いスーツの戦士! それが完全懲悪ダンザイバーだ!!
「貴様達の好きにはさせん! ヴァイストライバーッ!」
ダンザイバーが突き出した左手に銃が現れる。それがダンザイバーの任意によって衛星空域でに駐留する超々弩級戦術支援母艦「セイングリード」から転送された専用銃「ヴァイストライバー」だ!
「レーザーモードっ! はぁっ!」
銃口から蒼い光の束が溢れ、次々に影を撃ち―――――。

49 名前:抜剣者教師と機械仕掛けの新入生 ◆4sTePBjgjE :03/09/13 17:03

>39の追記と>47 >48の続きから

魔剣「果てしなき蒼」にて抜剣覚醒をしたレックスはカズマに微笑みながら
駆けつけてきたが、カズマは怪訝な顔をするとすぐさまレックスに吠える。

「いきなり変身なんかしやがって・・・・あんたが何者か知らねぇが
 ・・・・これは俺が買った喧嘩だ!!邪魔すんじゃネェ!!」
「まぁまぁ、そう怒らないでよ・・・・こう言う連中に腹を立ててるのは
 君だけじゃないんだから、俺だって・・・・目の前の、周りの人たちを
 あそこまで傷づけられながら、黙ってはいられないんだ・・・・・。」

そう言うカズマをなだめるとレックスは周りの人たちを傷つけられた
怒りを果てしなき蒼と共にジャインセイバーに突き刺されている
影に向ける、そして果てしなき蒼による蒼き光りの刃を影に向って
思いっきり打ち下ろした。

「くやしいけど、できれば力尽くでこうする方法はしたくなかった、けど
 他に方法はないから・・・・・・てぇぇぇぇい!!」
「チュドー---ーッ!!」

蒼き光の刃を打ち下ろされた影は突き刺さっていたシャインセイバーとともに
木っ端みじんこに砕け散っていった。

「これで良いのか・・・・わからないけど。」

打ち下ろしたあと、影の消去を確認すると果てしなき蒼を鞘にしまい
送還し、赤髪の・・・本来のもとの姿に戻る。

「あんた一体何者なんだ!?それにさっきの青い剣、まさか新手のアルター使いとか言うんじゃないだろうな?」

その一連のプロセスにカズマは驚き、レックスに向って目の前で起こった現象の
原因、果てしなき蒼の事とレックスの事に対して疑問を投げかける。
しかし、レックスはそれに対して微笑み返すと。

「えっ・・・さっきのあの剣の事かな、それならアルターとは違うものだよ
 あっ、そうだ、自己紹介が遅れたかな、俺はレックス元々家庭教師を
 やっていたんだけど、とある事情でこの世界に飛ばされてしまってね
 元々この世界の人間じゃないんだ、信じてもらえないだろうけど。」

そうやんわりと違うと言うと、レックスは加えてカズマに対して自己紹介とした。
そして自分が元々この世界の住人じゃない事も。

「先生は果てしなき蒼の使い手の抜剣者(セイバー)なのです、ちなみに詳しく
 説明しますと、あの果てしなき蒼は先生の心の強さとリンクしており、先生の
 心の強さが刃の硬度と力に直接繁栄させるしろものなのです。(^^)」

その横で一人のナースもといフラーゼンが果てしなき蒼の説明を割って入って
カズマにする、それに対してカズマはあんた何者だと、クノンに疑いの目をかける。

「ああっ、この子は俺の大切な生徒なんだ、名前はクノン、見てのとおり
 人間に酷視しているけど人間じゃないんだ。」
「わたしはフラーゼンっていう種族なんです・・・加えて言うなら
 先生はわたしにとって大切な人なんですが。。」

それに対してレックスは微笑みながら、カズマにクノンの事を紹介ついで
に詳しく説明した。
それに続いてクノンも顔を赤くしながら自分の大切な人と言う説明を加える。

「それより、向こうの影はどうしたの?」
「大丈夫です、何とか向こうの影は肩つけてきました、さいあい今引き連れている
 人達に犠牲はありませんでしたが・・・・。」
「そうか・・・・。」
「倒れている人達の中で辛うじて生きている人に対して治療も行って
 安全な所に避難させておきましたが。」
「ご苦労さん、クノン・・・・と言いたい所だけど、まだあの影はいるみたいだ。」

レックスはそう言うや否や、黒色のサモナイト石をとりだすと意識を集中させ
即座に詠唱を開始、ドリルに目が付いたようなロボットを召喚してレックス自身の
背後にけし掛ける。

「ドリトル召喚!!ドリトル・・・ドリルブレイカーだ!!」

そう呼ばれたドリトルはレックスの後方の壁に向って顔のドリルを高速回転
させて突っ込む、すると。

「kaykjttagl l・・・・・・?!」

そこに潜んでいたのか、影がニ〜三匹飛び出してきた、そしてこちらを
円を描いて囲むと、二倍三倍の数に増殖してきたのである。

「これは一体どう言う?!」
「これはまずい事になりましたね、先生!!」
「解ってるよクノン、こう言う場合はここにいる皆を守るのが先決だな。」
「はい、もう目の前で人は死なせたくはありませんから。」
「俺もだよ、行くぞ!!クノン、それにカズマさん。」
「俺に命令するんじゃねぇ!!しかたねぇ・・・・今の所はあんた達を
 信用してやるよ、悪いヤツじゃねぇ見たいだしな、だが俺の邪魔は
 すんじゃねぇぞ!!」

驚く忍をよそに、戦闘準備に入るクノンとレックス、それに対して
しぶしぶ、共闘を許すカズマであった。

50 名前:抜剣者教師と機械仕掛けの新入生 ◆4sTePBjgjE :03/09/13 17:33

>>49の続き(ダンザイバー参上!!)

そして合流して一時間・・・二時間たつが・・・状況は刻々とばかり
悪くなる一方だった、あれから影が一方的に増殖し、倒されては
増え、倒されては増え、まったくキリがない状況に追い込まれていた一行は

「まったく!!一体なんだってんだよ!!クソが!!」
「確かに・・・このままじゃキリがないよね。」

次々に襲い来る影をカズマは拳で、レックスは果てしなき蒼とは違う
別の普段使う方の大剣「ナイトオフナイト」で叩き伏せる。

「何も方法はない以上、まとめて相手を叩き伏せるしか方法がありませんが。」
「S級クラスの召喚術は街ごと被害に巻き込みかねないし・・・こうなったら
 クノンの放電でまとめて影の動きをとめて、その隙にまとめて叩くしかないな。」
「そうですね・・・・後1回分のエネルギーはのこってますから・・・一が八か
 やってみます!!皆さん伏せてください!!」

クノンはそういうや、回りの影にありったけの電気を放電する、しかし。

「あぎゃぁぁぁぁぁっ!?」

一人の青年が飛び込んできて、クノンの電撃に思いっきりまき沿いを食ってしまって
いた。(;゚ω゚)

「お、おい……アンタ、大丈夫なのか?」
「だいっ、ジョーブ!」

忍のその声をよそにニッカリ白い歯を輝かせ、サムズアップする青年
はっきり言って決まっていなかった。(;゚ω゚)

「誰かは知りませんけど、こんな所に出てきちゃ危ないです!!
 ですらここはわたしたちに任せてください!!」

クノンにそう言われてもその青年は全然聞いちゃいなかった。(;゚ω゚)

「それは兎も角、君達は早く安全な所に隠れるんだ!」
「隠れるって………言われても、どこに?」
クノンにそう言われて、青年は自分が包囲網の中に突っ込んでいった事に気が付いた。
「くっ……忘れてた……緊急非難だし、事が終わったら……うん……」
彼は左手のブレスレットにこそこそと話し始める。
もっとも、極秘通話モードになっているため端から見れば只の挙動不審者なのだが……。
「よっしゃ………カッコイイところ、見せなきゃ男が廃るってもんだ」
「だから、なんなんだよテメェ! いきなり割り込んで自己完結してるんじゃねえよ!」
カズマがたまらず突っかかってくる。だが、青年はそんな事にお構いなく。

「邪魔するなよ……ここからは正義のヒーローの出番だっ!」


衝は全身を強張らせ大きく奮い、叫んだ―――。

「 零 着 ! 」

青年は一瞬にして赤い戦闘用スーツのような者に変身を遂げる。

「レックス・・・あれ、あんたの同類じゃねぇのか?」
「いや・・・・多分、絶対違うと思うけど。(;゚ω゚)」

それを見てカズマはレックスに向って同類かと疑問を投げるが、レックスはあせをタラしながら
唖然とした顔で否定する。

一方、変身の完了した青年は・・・・・。

「覇王の力が罪を断つ! 完全! 懲悪!! ダン、ザイバーッ!!!」

思いっきりそうさげんだ・・・・まさに変身ヒーローのノリである。

「貴様達の好きにはさせん! ヴァイストライバーッ!」
ダンザイバーと名乗った青年が突き出した左手に銃が現れる。
「レーザーモードっ! はぁっ!」
銃口から蒼い光の束が溢れ、次々に影を撃ち―――――。

「fyatoaatlyllllljnjhyuu・・・・・!!」

影達が次々と消滅を遂げるが・・・・それでもまだ一部が生き残っていた。

「gkkjot ;k;k;ii;!!」

生き残った影が天より正体不明の光を浴び、その光を浴びた影は
それぞれ結合をはじめ、一体の巨大な影に合体を遂げた。

51 名前:カズマ ◆hiUdBjj5/E :03/09/13 17:41

>>39,>>47-49
「あんた一体何者なんだ!?それにさっきの青い剣、まさか新手のアルター使いとか言うんじゃないだろうな?」
青年の使った不思議な能力を目の当たりにしたカズマは言った。
本土でアルターを使う奴がいる等とは聞いたことが無かった。
(返答次第によっちゃ・・・。)

身を強張らせ、拳を構えるカズマに青年は軽く微笑みながら言った。
「えっ・・・さっきのあの剣の事かな、それならアルターとは違うものだよ
 あっ、そうだ、自己紹介が遅れたかな、俺はレックス元々家庭教師を
 やっていたんだけど、とある事情でこの世界に飛ばされてしまってね
 元々この世界の人間じゃないんだ、信じてもらえないだろうけど。」
そう説明した後、青年、レックスは簡単な自己紹介と自分がこの世界の人間ではない事を告げた。

「先生は果てしなき蒼の使い手の抜剣者(セイバー)なのです、ちなみに詳しく
 説明しますと、あの果てしなき蒼は先生の心の強さとリンクしており、先生の
 心の強さが刃の硬度と力に直接繁栄させるしろものなのです。(^^)」
それに続いて看護婦姿の女性が現れ、付け加えた。

レックスの話を聞くには彼女は人間ではないらしい。
しかし、二人はお互いに「大切な人」だと思っているようだ。

(ここに来てから訳がわかんねぇ事ばかり起きやがる、なんだってんだ!)
そう思いながら、カズマは小さく舌打ちをした。

52 名前:カズマ ◆hiUdBjj5/E :03/09/13 17:42

かぶっちまった・・・。わりぃ。

53 名前:カズマ ◆hiUdBjj5/E :03/09/16 17:41

気を取り直して>>50(話が飛び飛びでスマン)

「ケッ、面白い事いてくれるじゃねぇかよ。」
カズマが拳を前に突き出し、身構える。

「さぁ、喧嘩だ。喧嘩を始めようぜぇ!」

そう言うとカズマは走り出した。巨大な影に向かって一直線に。
拳を地に叩きつけ跳躍、それと同時に二枚目の羽が砕けた。
砕けた羽が衝撃波を出し、一気に加速する。
「撃滅のォォォ、セカンドッブリットォォォォ!」

巨大な影の顔にあたる部分に突き刺さり、影が大きく仰け反った。が、

「カズマさん、早く離れて!」
「なにっ!」

巨人はすぐさま己の拳でカズマを叩き潰そうとしたのである。
間一髪でカズマに避けられ、ぶつける対象を失った巨人の腕は自らの顔を叩き潰していた。
レックスの警告が無ければ今頃自分も押し潰されていたかもしれなかった。

しかし影は何事も無かったかのようにカズマ達の方へと向きかえる。

「なんて野郎だ。俺のセカンドブリットを食らって平然としてやがる!」
カズマは着地と同時に身体を回転させ、勢いを殺しながら言った。

「だからここはヒーローに任せとけって、あんたらはさっさと逃げな。」
ダンザイバーはそう言うとさっき影を撃っていた銃で巨大な影を撃ち始めた。
「うおおぉぉぉ!!」

レーザーが影に当たるが大したダメージは与えられていないようだった。
影がダンザイバーに迫る。

その時、何かが影へと駆けていった。
レクスとクノン、それにカズマである。

「勝手な事言ってんじゃねぇ!!これは俺の喧嘩だ!あいつが売った、俺が買った!
 てめぇにツベコベ言われる筋合いはねぇ!!」
「今は協力するべきだと思います。一人ではこの影に太刀打ちできませんから。
 行くよ、クノン!!」
「はい、先生!!」

影の拳がカズマ達目掛けて振り下ろされる。

54 名前:神鏡衝/完全懲悪ダンザイバー ◆iDDanzaI1A :03/09/18 08:46

>50>53(ナレーション:若本規夫)


ヴァイストライバー・レーザーモードによる水平照射で撃ち崩されていく“影”。
だが、その一部は確実に生き残り群れを成し、謎の力を受け一つの大きな“影の巨人”へと変貌していく…!

「ケッ、面白い事してくれるじゃねぇかよ」
怒髪天の少年―― カズマ ――はあくまでも不敵に笑う。

その雄々しく輝く拳を構え、

「さぁ、喧嘩だ。喧嘩を始めようぜぇ!」

           ――――吼えた!

「撃滅のォォォ、セカンドッブリットォォォォ!」

背の羽根が砕け、推進力を生み出す。
己の筋を曲げる事無きその姿は、まさに比類無き弾丸…!

そして『弾丸』が影の巨人の顔面にクリーンヒットする――しかし。

『kaeoiyoiofkjbsablaxzz!!』
巨人が、己の顔面に拳を叩き込んだカズマに己の拳を放つ。
だが間一髪で避けるカズマ。その動きを捉えきれず、巨人は自らの拳で自らの顔面を打ち貫いた。
が――――

驚くべき事に巨人は些かのダメージも残していなかったのだ…!…
「なんて野郎だ。俺のセカンドブリットを食らって平然としてやがる!」
脚を伸ばして回転し、着地の衝撃を殺しながらカズマがうめいた……。


「だからここはヒーローに任せとけって、あんたらはさっさと逃げな…!」
そう、ダンザイバーは悪の手から平和を守る正義のヒーローである!
だからこそ―――“逃げる”という選択肢は選ばない!!
いやっ……そんな選択肢など、元 よ り 存 在 し な い の だ ! !

「ヴァイストライバー・ラピッドモードォ! うおおぉぉぉっ!!」
ヴァイストライバーのバレル内において斥力場コーティングされた超重量実体弾が次々と巨人に突き刺さる。
発射時に弾頭の表層から剥離した、赤色の余剰エネルギーがあたかも華の様に咲いては散る。
だが、それでも巨人は平然と、悠然と怯む事無くその巨体を推し進めていく。

(バカな……ッ……効いていないってのか?!)
仮面の奥のその表情に、怯えを写しダンザイバーは一瞬だけ立ち竦んでしまった……。



55 名前:神鏡衝/完全懲悪ダンザイバー ◆iDDanzaI1A :03/09/18 08:46


巨人が、その超大な威力を、轟然たる暴力を宿したその腕を振り上げたその時―――。

「勝手な事言ってんじゃねぇ!! これは俺の喧嘩だ! あいつが売った、俺が買った!
 てめぇにツベコベ言われる筋合いはねぇ!!」
何時の間にかダンザイバーの真横に付いたカズマが拳を握り締め、叫ぶ。
「今は協力するべきだと思います。一人ではこの影に太刀打ちできませんから。
 行くよ、クノン!!」
レックスもまた、己の剣を再び握り締め、その強い意志を剥き出しにする。
「はい、先生!!」
そしてクノンも、レックスに続く。重なり合う、強い意志。

そこへ振り下ろされた巨人の拳を、四人は散開して回避。
「そうだな……一人だけじゃ嫌だよなぁ、お前だけでも無理だよなぁ……良い事言うぜ、先生ぇ!」
ダンザイバーはヴァイストライバーを下ろしレックスの方を向いた。
「わかって、くれましたか……!」

「ああ、ヒーローたる者はその想いを共にする者と協力して悪を討つのは当然!
 いやっ、必然に等しい! つーかむしろ義務!!」
独自のヒーロー哲学を突然騙り出すダンザイバー。
その姿に、安全を期して物陰に隠れた女子高生達もメロメロだ!(ダンザイバー主観)

「ンなことどうでもいいんだよ!
 とにかく俺は奴を徹底的にボコる! それだけだ!」
カズマが吼え、構えを取る。

「おい、お前……確か、カズマ……とか言ったな」
「なんだよ、喧嘩の邪魔すんじゃねーよ!」
「良いから聞けっての…。いいか? あのデカブツはちょっとやそっとの攻撃は通じない。
 だから、今から俺が奴の動きを止めてやるっ……!」

「そんな事ができるのですか!?」
「できるかどうかわからん……だが、奴の動きは確実に鈍る! その隙を狙ってお前らの最高の一撃を――奴に叩き込むんだっ!」

「へっ………面白れぇじゃねえか。俺は乗ったぜ!
 けどなぁ! できるできないは問題じゃねえ、やるんだよッ! いいな!?」
カズマがダンザイバーに喝を入れる為に、腕を出す。
「ああ……やってやるさッ!」
ダンザイバーもカズマの心意気に答える様に、腕を交わしバイザー越しに燃えたぎる眼光を送る。

その瞬間、男の熱い魂が伝達され――――二人のやる気のパルスを極限まで増幅させた!!!


56 名前:神鏡衝/完全懲悪ダンザイバー ◆iDDanzaI1A :03/09/18 08:46

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ! トォォォォォォォゥ!!」
もはや言葉は要らない―――――と一人飛びだして、巨人の左側面に回り込むダンザイバー。
カズマとレックス・クノンはその間合いを崩すことなく巨人と対峙する。

戦場の空気が凍りついたその時―――両腕を交差してダンザイバーが叫んだ!
「ライトニングゥドラァァァァァァァァイブッ!!」
左右の腕を中心にして、ピンポイントに凝縮された一定範囲の重力が、雷を纏った重力球へと変じ巨人へと向かって直進する!

この重力球に接触した相手は局所的な重力負荷により、一定の時間その行動の自由を奪われるのだ!

同時に、両肩から後方に同心円状に向けて発生した、発射時のエネルギー余波が辺りの瓦礫を揺るがせ唸りを上げる!
『siiufiueuilqioysdu];p@[p^……t?!』
巨人もまた、未体験の強大な重力負荷に悲痛な叫びを上げる!


「コネクト! セイングリィィィィィド!」
絶え間無く、身体を捻ってポーズを取りながら左手首のブレスレットに向かって叫ぶダンザイバー。
『ダンザイバー、セイングブレイズ…20セカンド後に発射準備完了だよ!』
ブレスレットからユリィの声が響く。
セイングブレイズ……それはセイングリードに直結した「対汎用衛星兵器ゲイ・ボルグ」からのレーザー照射による、超々高度からの遠隔長距離攻撃である。
その対象物(もしくは対象者)への攻撃直径は、1ミクロンから2000キロの幅で設定が可能なのだ!

「ルリィ、ユリィ、発射タイミングをあの三人の攻撃後にセットしてくれ!
 攻撃直径は……75cmにセット、奴を徹底的に焼き尽すっ!!」


57 名前:抜剣者教師と機械仕掛けの新入生 ◆4sTePBjgjE :03/09/19 14:48

>>53及び54〜56(カズマさん及びダンザイバーさんへ)

「まさかこんな事になるなんて・・・・でも、俺達はここで引っ込む訳には
 行かないんだ!!」
「ケッ、面白い事いてくれるじゃねぇかよ・・・・さぁ、喧嘩だ
 喧嘩を始めようぜぇ!」


レックスがナイトオブナイトを構え治し、融合し、巨人と化した影を牽制する
傍で、カズマは拳を固め突き出して身構えると、影の巨人に向って
すかさず巨大な影に向かって一直線に突っ走る。
そして拳を地に叩きつけ跳躍、それと同時に二枚目の羽が砕けた。
砕けた羽が衝撃波を出し、一気に加速する。

「撃滅のォォォ、セカンドッブリットォォォォ!」

影の巨人の顔にあたる部分に突き刺さり、影の巨人が大きく仰け反った。が。
巨人は仰け反りつつ、すぐさま己の拳でカズマを叩き潰そうとする。

「!?・・・・カズマさん、早く離れて!!」
「なにっ!」

レックスはそれに気付くや否や、その様子をすかさずカズマに知らせた。
そしてカズマは間一髪の所で影の巨人の攻撃を回避する。

「kyasalllllljhekl・・・・・!!」

それにより、ぶつける対象を失った巨人の腕は自らの顔を叩き潰していた。
レックスの警告が無ければ今頃自分も押し潰されていたかもしれなかった。

しかし影は何事も無かったかのようにカズマ達の方へと向きかえる。

「なんて野郎だ。俺のセカンドブリットを食らって平然としてやがる!」
カズマは着地と同時に身体を回転させ、勢いを殺しながら言った。

「だからここはヒーローに任せとけって、あんたらはさっさと逃げな。」
ダンザイバーはそう言うとさっき影を撃っていた銃で巨大な影を撃ち始めた。
「うおおぉぉぉ!!」

ダンザイバーは気合を入れて打ちまくるが・・・・レーザーが影に当たって
も大したダメージは与えられていないようだった。
それをあざ笑うかのように巨人の影がダンザイバーに迫る。

「あの野郎は・・・まったく!!」
「あの人が何者なのかはしらないけど、このままほっとく訳には行かない!!」
「はいっ!!このままほっといたらあの人は確実に危ないでしょうし。」

ダイザイバーの不利を見かねてすかさずダンザイバーと影の巨人の間に
割ってはいるろうとする三羽カラスごと、レックスとクノン、そしてカズマ。

「あのなぁ・・・何で俺達が三羽カラスになんだよ。(;´Д`)」
「まぁ・・・こう言うナレーターのお茶目に突っ込んでもキリが無いから。」

そしてカズマが二人を抜いていち早くダンザイバーと巨人の影に割って入る。

「勝手な事言ってんじゃねぇ!!これは俺の喧嘩だ!あいつが売った
 俺が買った! てめぇにツベコベ言われる筋合いはねぇ!!」
「今は協力するべきだと思います。一人ではこの影に太刀打ちできませんから。
 行くよ、クノン!!」
「はい、先生!!」

レックスは一人で無茶をやらかそうとするカズマとダンザイバーを諌めると
クノンに準備を呼びかける、それに対してレックスの呼びかけに応ずると
クノンは黒色のサモナイト石を取り出し、握りしめる。

そしてクノンと共に二人に追い付くが、そこに巨人の拳がすかさず打ち下ろされた。
しかし四人ともそれに気付くとそれに対して散開する、まさに危機一髪である。

















58 名前:抜剣者教師と機械仕掛けの新入生 ◆4sTePBjgjE :03/09/19 15:44

レ「あれ?何故か下の方が大きく開いてしまったみたいだけど。」
ク「何かミスをしてしまったのでしょうか?」
レ「大丈夫かな・・・あはは、ごめん。(;゚ω゚)」




「そうだな……一人だけじゃ嫌だよなぁ、お前だけでも無理だよなぁ……良い事言うぜ、先生ぇ!」
ダンザイバーはヴァイストライバーを下ろしレックスの方を向いた。
「わかって、くれましたか……!」

「ああ、ヒーローたる者はその想いを共にする者と協力して悪を討つのは当然!
 いやっ、必然に等しい! つーかむしろ義務!!」
「あはは・・・・。」
「そう言う物なんですか?ナルホド・・・メモメモ、結構面白い方ですね。」

独自のヒーロー哲学を突然騙り出すダンザイバー、それに対して苦笑いをする
レックスとそれを間に受けて手帳を取り出しメモるクノン。

「あのな・・・・・(;゚ω゚)ンなことどうでもいいんだよ!
 とにかく俺は奴を徹底的にボコる! それだけだ!」

カズマはその様子に少し呆れると、すかさず吼え、構えを取る。
それの様子に構わずダンザイバーはカズマを見つめると。

「おい、お前……確か、カズマ……とか言ったな」
「なんだよ、喧嘩の邪魔すんじゃねーよ!」
「良いから聞けっての…。いいか? あのデカブツはちょっとやそっとの攻撃は通じない。
 だから、今から俺が奴の動きを止めてやるっ……!」

「そんな事ができるのですか!?」
「たぶん、おそらく遥か上空にある衛星兵器か何かで相手の動きのではないのですか?」
「えっ!!なんで君が知っているんだぁ!!」

そう言って胸を張るダンザイバーに対してレックスはすかさず驚くが、クノンは
それを知っていたかのようにダンザイバーに言い当てる、驚く様子からして
どうやら図星のようだ。

「貴方が指示を飛ばそうとしていらっしゃる電波の方角から考えると、上空に
 何かあるものと考えられますし、こう言う自体から考えますと、恐らく
 衛星兵器の端末を使うのではないかと思った訳なのですが、図星のよう
 だったみたいです、さっきしていたと思われる通信の技術からしても
 そうではないかと思ったのですが。」
「君・・・・人間じゃないのか?」

自分の憶測が図星だったのかと微笑むクノンに対して、ダンザイバーは
ダンザイバーはクノンの人間になしえない行動に人間でない事を確信して
いた。

まぁ・・・たしかに電波の方角や本人がこっそり通信で話している事が
丸聞こえだった事を考えれば十分考えられる事であるだろうが。

「はい・・・・わたしは人間ではなく、従軍医療用機械人形であるフラーゼン
 と言う種族ですから、それにこの手の兵器はわたしの故郷では使い手が
 割といる者ですから。」
「そうなのか、確かに君の体の節々を良く見ると人間ではないのがいっぱいついている様な
 気がするな・・・おほんっ!!それはそうと。(;゚ω゚)」

ダンザイバーはクノンの体の節々を見ながら何故、俺は気付かなかったんだろう
と思いつつ、咳払いをし、颯爽と気分を切り替えると

「できるかどうかわからん……だが、奴の動きは確実に鈍る! その隙を
 狙ってお前らの最高の一撃を――奴に叩き込むんだっ!」

「へっ………面白れぇじゃねえか。俺は乗ったぜ!
 けどなぁ! できるできないは問題じゃねえ、やるんだよッ! いいな!?」

カズマがダンザイバーに喝を入れる為に、腕を出す。

「ああ……やってやるさッ!」

ダンザイバーもカズマの心意気に答える様に、腕を交わしバイザー越しに燃えたぎる眼光を送る。

その瞬間、男の熱い魂が伝達され――――二人のやる気のパルスを極限まで増幅させた!!!

「それじゃあ、俺達も二人に続こうか?クノン、あの勢いにはついていけそうも
 ないけど、あはは・・・・。(;゚ω゚)」
「はい、確かにそうですね、でも・・・ダンザイバー様と言いましたか・・・・
 その方の考えている戦術は有効かもしれませんし、まぁああいう心意気も
 嫌いではないのかも知れません。」
「ああ・・・確かにね、だから彼の心意気を無駄にしない為にも、次で絶対終わりにしなくちゃな
 これ以上は誰も傷つけさせたくはないし。」

レックスとクノンは、二人の熱血体育系よろしくな世界にある意味圧倒
されつつも、その心意気に微笑えんだ。

59 名前:抜剣者教師と機械仕掛けの新入生 ◆4sTePBjgjE :03/09/19 16:47

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ! トォォォォォォォゥ!!」
もはや言葉は要らない―――――と一人飛びだして、巨人の左側面に回り込むダンザイバー。
カズマとレックス・クノンはその間合いを崩すことなく巨人と対峙する。

戦場の空気が凍りついたその時―――両腕を交差してダンザイバーが叫んだ!
「ライトニングゥドラァァァァァァァァイブッ!!」
左右の腕を中心にして、ピンポイントに凝縮された一定範囲の重力が
雷を纏った重力球へと変じ巨人へと向かって直進する!

この重力球に接触した巨人が局所的な重力負荷により、その行動を封じられる
と同時に、両肩から後方に同心円状に向けて発生した、発射時のエネルギー余波
が辺りの瓦礫を揺るがせ唸りを上げる!
『siiufiueuilqioysdu];p@[p^……t?!』
巨人もまた、未体験の強大な重力負荷に悲痛な叫びを上げる!

「コネクト! セイングリィィィィィド!」
絶え間無く、身体を捻ってポーズを取りながら左手首のブレスレットに向かって叫ぶダンザイバー。
その一方・・・・・。

「機界ロレイラルより援軍を要請・・・・・召喚!!エレキメデス!!」

クノンはその手に持った黒色のサモナイト石に意識を集中し、機界ロレイラルから
古臭い感じの頭と両手がコンセントのような感じの召喚獣、エレキメデスを
召喚する。

このエレキメデスは旧世代のロボットにしては、当時としてはその出力からして
優秀なロボットだったが、エネルギーのバランスの悪さから生産を見合わされた
ロボットである、その数もあまり多くは無い。

「エレキメデス・・・召喚憑依、わたしに力を貸してください!!」

そのエレキメデスはクノンの指示の通りを透明化すると、彼女の体
にじっくりと憑依していった、召喚獣を己や対象の体に憑依させ
パワーアップさせたり、パワーダウンさせたりするこの技法は
憑依召喚と言うものである。

クノンにエレキメデスが憑依すると、クノンの利き腕が電気を帯び
背後にうっすら、エレキメデスが映っている。

「これでよし・・・・先生!!行きましょう!!」
「ああ!!一斉にかかるぞ!!カズマさんも準備はいいですか?」
「言われないくてもボコってやるまでだ、そう言うあんたも抜かるなよ!!」
「もちろんだよ、カズマさん。」


クノンが憑依召喚を使ったのを確認すると、レックスはクノンとカズマと共に
巨人の一斉の向っていく。

「てぇい!!いっけぇぇぇぇぇ!!」
「行きます!!アタック・・・オンッ!!」

レックスがナイトオブナイトを巨人の頭に叩きつけ、その意気追いに負かせ
突き刺すと、ナイトオブナイトを引っこ抜き、飛び降りる、続いてクノンがエレキメデスの
憑依によって凄まじい電気を帯びた右腕を、思いっきり巨人の顔面に突き刺す。

巨人はすかさず、さっきみたいに拳を振り上げクノンとレックスを叩き落そうとするが
突き刺さったエレキメデスの宿ったクノンの右腕から
電気が体の墨墨までに行き渡り、たたき落す所ではなかった。

「クノン、そこを離れて!!今これを使って!!仕留める!!」
「先生、あれをやるのですか!!でも下手したら!!」
「大丈夫・・・・心配する事は無いよ、けど一か八か。」

レックスは飛び降り、ナイトオブナイトを地面に突き刺すと、果てしなき蒼を
喚び出す、クノンはレックスの先の行動を読み取ったのか、巨人の顔面に突き刺
していた右手を引っこ抜くと、すかさずその場を離れる。

「果てしなき蒼、皆を守る力を貸して!!」

レックスは喚び出した果てしなき蒼を掴むと、すかさず抜剣覚醒・改を
発動させる、レックスは蒼き光に包まれて、先ほどの長い白髪
白肌のその姿へと変貌していく、そして黒色のサモナイト石を取り出すと
それに意識を集中し、召喚術を実行するがいつもと様子が違った。

サモナイト石から禍々しい赤き光が上ると、その赤き光が門をつくり
そこから黄色をした巨大なロボットが現れた。

「誓約による魔力の限界を越えて・・・抜剣者レックスの名のもとに
 今、召喚せん・・・ナックルボルト、暴走召喚!!」

レックスにより召喚されたナックルボルトは上空から咆哮を上げると
その巨大な拳を相手の巨人にすかさず向ける。

この召喚方法と暴走召喚といい、サモナイト石による魔力の制限を
とき、限界を越えた力を引き出し、召喚術を行使する方法である。

その威力たるや、最大で通称の七倍、しかし、そのあまりの力に
サモナイト石が壊れて、二度と召喚できなくなる場合もあると言う
リスクの付きまとう諸刃の刃なのである。

今回の場合はレックスのサモナイト石の様子をみるや
何とも無かったようであるが。

「ナックルボルト・・・ツインインパクト!!」

そしてレックスの指示とともに赤きオーラに包まれ、ナックルボルト
は両手をロケットパンチの如く影の巨人にむかって発射する!!

そのナックルボルトの両腕から放たれるツインインパクトは影の
腹部を前後ろにわたってヒットし、その場所をえぐり行く。
その様子はまさにピッタンコになりそうな様である。

「まだのこの場ではツインインパクトを爆発はさせない
 カズマさん、今のうちに、あいつの身体をえぐり込んでいる
 ツインインパクトごと強烈な一撃を!!」

60 名前:神鏡衝/完全懲悪ダンザイバー ◆iDDanzaI1A :03/09/22 09:16


あー、とレックスに業務連絡だ。
感想スレの方に、ちょっと俺から言いたい事を書いておいた。
何一つ悪意の無い、俺の曇りの無い真心から発した誠意の文面である事を汲み取ってくれれば幸いだ!

>カズマ
ああ……俺の説明不足で少々矛盾が出てきちまったみたいだな。
ヴァイストライバーは要するにハンドリニアレールガンみたいなもんで、本来は単発で超重量実体弾を射出するんだがモードを切り替える事で単射程広範囲攻撃のレーザーと多方向連射が可能なんだ。
その辺をわかってもらわないまま進めちまったのは俺の手落ちだ。本当にスマン!

とりあえず前回から俺の地の文は若本規夫ボイスで聞こえる用に書いていく事にしたから、みんなその辺はヨロシクな!
これは俺の原典である『封神領域エルツヴァーユ』をイメージしてるんだよ!
そういえば、スクライドもアニメ版のナレーションは若本さんだったな………。

って、何雑談してるんだ俺は(セイングブレイズ溜めポーズのまま)

61 名前:カズマ ◆hiUdBjj5/E :03/09/22 18:57

>>60 ダンザイバーへ
(そうか気にしねぇでくれ、俺もよく間違えるし。あー、俺の文面とかかなり汚ねぇけどよ、そこら辺は勘弁な。)

>>54-59 レックス達とダンザイバーの続き

目前に迫る巨大な影の拳を4人は散開して避けた。
拳は勢いを殺さずに真っ直ぐ地面へと叩き込まれた。
抉れる地面。

土煙がもうもうと立ち込める中、ダンザイバーが口を開く。
「そうだな……一人だけじゃ嫌だよなぁ、お前だけでも無理だよなぁ……良い事言うぜ、先生ぇ!」
ダンザイバーは自らの持っていた銃を下ろし、言い放つ。

「ああ、ヒーローたる者はその想いを共にする者と協力して悪を討つのは当然!」
突如としてヒーロー哲学を語り始めるダンザイバー。

こんな状況でもンなこといってんのかよ、とカズマは独り言のように言った。
こういう風に人に長々と語る奴はあの野郎を思い起こさせて虫唾が走る。

「いやっ、必然に等しい! つーかむしろ義務!!」
ダンザイバーが一頻り自らの持つヒーロー哲学を語り終えたとき、カズマは吼えた。
「ンなことどうでもいいんだよ!
 とにかく俺は奴を徹底的にボコる! それだけだ!」

「おい、お前……確か、カズマ……とか言ったな」
「なんだよ、喧嘩の邪魔すんじゃねーよ!」
また邪魔立てするつもりか?神妙な面持ちで話しかけてくるダンザイバーを睨むカズマ。

「良いから聞けっての…。いいか? あのデカブツはちょっとやそっとの攻撃は通じない。
 だから、今から俺が奴の動きを止めてやるっ……!」
「そんな事ができるのですか!?」

驚愕するレックス。・・・・無理もない、今までの攻撃が全て決定打になっていない上にあの巨体である。
本当に抑えられるのか心配だった。
「できるかどうかわからん……だが、奴の動きは確実に鈍る! その隙を狙ってお前らの最高の一撃を――奴に叩き込むんだっ!」

「へっ………面白れぇじゃねえか。俺は乗ったぜ!
 けどなぁ! できるできないは問題じゃねえ、やるんだよッ! いいな!?」
可能性があれば上等、無理でもやる、できなくてもやる。それが信条のカズマはダンザイバーのその心掛けに共感し、答えた。腕を出すカズマ。

「ああ……やってやるさッ!」
ダンザイバーもカズマの心意気に答える様に、腕を交わしバイザー越しに燃えたぎる眼光を送る。

その瞬間、男の熱い魂が伝達され――――二人のやる気のパルスを極限まで増幅させた!!!

「やってやろうぜ・・・・俺らの喧嘩をよ!!」


62 名前:カズマ ◆hiUdBjj5/E :03/09/22 18:58

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ! トォォォォォォォゥ!!」
もはや男達に言葉はいらなかった。一人飛びだして、巨人の左側面に回り込むダンザイバー。
カズマとレックス・クノンはその間合いを崩すことなく巨人と対峙する。

戦場の空気が凍りついたその時―――両腕を交差してダンザイバーが叫んだ!
「ライトニングゥドラァァァァァァァァイブッ!!」
左右の腕を中心にして、ピンポイントに凝縮された一定範囲の重力が、雷を纏った重力球へと変じ巨人へと向かって直進する!
同時に、両肩から後方に同心円状に向けて発生した、発射時のエネルギー余波が辺りの瓦礫を揺るがせ唸りを上げる!
『siiufiueuilqioysdu];p@[p^……t?!』
今まで経験した事のない苦痛に膝を折り、脱出しようともがく巨人。
「コネクト! セイングリィィィィィド!」
絶え間無く、身体を捻ってポーズを取りながら左手首のブレスレットに向かって叫ぶダンザイバー。

カズマには何が起こっているか分からなかったが、巨人の動きが止まった事は確認できた。
チャンスだ・・・。

「行くぜ、先生!アイツが動きを止めてくれてんだからよ!」
「クノン。」
「はい、機界ロレイラルより援軍を要請・・・・・召喚!!エレキメデス!!
 エレキメデス・・・召喚憑依、わたしに力を貸してください!!」

召喚されたアルターのようなもの(カズマにはそう見える)がゆっくりとクノンの中に入っていく。
憑依が進むに連れ、クノンの利き腕が電気を帯び、憑依後には背後にうっすら、エレキメデスが見えるような状態になった。

「これでよし・・・・先生!!行きましょう!!」
「ああ!!一斉にかかるぞ!!カズマさんも準備はいいですか?」
「言われないくてもボコってやるまでだ、そう言うあんたも抜かるなよ!!」
「もちろんだよ、カズマさん。」

一斉に向かっていくカズマ、レックス、クノン。

「カズマさんはここで待機しててください。」
「ちょっと待て・・・・!」
カズマが言い終わらないうちに、レックスとクノンは巨人に先制攻撃を仕掛ける。
レックスが剣を巨人の頭に叩きつけ、その意気追いに負かせ突き刺す。
続いてクノンが凄まじい電撃を帯びた右腕を巨人の顔面に突き刺す。
巨人がレックスとクノンを叩き落とそうとするが身体の痺れで思うように動けないようである。

「クノン、そこを離れて!!今これを使って!!仕留める!!」
「先生、あれをやるのですか!!でも下手したら!!」
「大丈夫・・・・心配する事は無いよ、けど一か八か。」

レックスは地面に降り立つと同時にあの能力を使った。
アルターではないが、異世界から力を呼び込む能力。
見る見るうちにレックスの髪が伸び、白髪となる。

「誓約による魔力の限界を越えて・・・抜剣者レックスの名のもとに
 今、召喚せん・・・ナックルボルト、暴走召喚!!」

風が吹き荒れる。何か見えない力がレックスを中心に渦巻いている。
カズマの右腕が疼いた。

巨人が、もう一体の機械の巨人が現れ、咆哮を上げる。

「ナックルボルト・・・ツインインパクト!!」
レックスの命令の元、機械の巨人が影の巨人へ向かって己の拳を発射する。
拳が、影の腹と背中に減り込む。

「まだのこの場ではツインインパクトを爆発はさせない
 カズマさん、今のうちに、あいつの身体をえぐり込んでいる
 ツインインパクトごと強烈な一撃を!!」


63 名前:カズマ ◆hiUdBjj5/E :03/09/22 18:59

「言われなくてもやってやらぁ!!」
熱い、熱い男の魂でやる気のパルスを極限まで高められたカズマが、吼える。

「アイツの作ったチャンス、無駄にはしねぇ!!
 抹殺のォォォォォォ、ラストッブリットォォォォォォォ!!」

最後の羽が砕かれ、三回の”弾丸”のうちもっとも大きい衝撃波を作り出す。
急速に加速し、黄金の弾丸と化すカズマ。機械の巨人の拳との距離が、0になった。

「ウオォォォォォォォォ!!」
拳が、巨人の腹へと更に抉りこまれていく。
しかしカズマはまだやめようとしない。

「まだだ、まだこれからだぁぁぁぁぁぁぁ!!」
更に衝撃波が噴出される。カズマの右腕の装甲が拉げ、砕けていく。

「今だぁぁぁぁぁ!!!」


64 名前:ワイヤード伯爵:03/09/22 21:16

ちょっと業務連絡や。
今は様子見させてもらっておるわ。
そろそろわいらも戦闘に参加したいんやけど、まだ影との戦闘は続くんやろうか?
とりあえずそっちの戦闘が完全に終了次第襲撃させてもらう予定や。
まだ続くんならそちらの都合も考えてもう少し待つわ。
んじゃ。

65 名前:抜剣者教師と機械仕掛けの新入生 ◆4sTePBjgjE :03/09/23 11:23

>>60 神鏡衝/完全懲悪ダンザイバー
レ「感想スレの方をじっくり見せてもらったよ、それはそうと」
ク「……それはそうと、ダンザイバー様に申し訳ない事をして
  しまったようです」
レ「我ながらまだまだ未熟だと思ったな、俺達も少々でしゃばり
  過ぎたみたいだし、という訳で今後も精進すると共に
  侘びを入れさせてもらうよ、ダンザイバーさん」
ク「あの衛星の指摘も少々やり過ぎのようでした、この事を踏まえて
  精進する必要があるでしょうし……今後気を付けます」
レ「今後未熟ながら、至らぬ点があるかもしれないけどよろしく
  ご指導お願いするよ」

>>64 ワイヤード伯爵
レ「俺としては影との戦闘終了後でかまわないけど。」
ク「皆様の様子も考えて、空気の流れからしてもうすぐ終わりそうな
  気はしますが、その時はよろしくお願いします。」

66 名前:神鏡衝/完全懲悪ダンザイバー ◆iDDanzaI1A :03/09/24 08:59

まずは業務連絡だッ!
>カズマ
(ああ、せめてメモスレにでも俺の武装の説明を張りつけておけば良かったとか反省する点は多いんだが…。
 いや、言うほど文面は汚くないと思うが! むしろカズマっぽくてGood Tasteだ!(Good Taste違う)
 なおメモ帳を使用すると、レスを全体的に確認できて推敲もしやすくなるので俺的にはお勧めだ!)
>レックス&クノン
(見てくれたなら、それで良いと俺は思う。これ以上グダグダ言うのは男らしくないからな!
 実際の所、レックス達の文章はかなり読みづらい……今回の俺のレスはその点を踏まえた、言わば模範解答としての面があるので参考にしてくれれば幸いだ!)
>3D軍団の皆様江
(とりあえず、俺のレスでVS影戦は終了だろうな。よろしく頼むぜ!
 で、あの最凶の爆竜二体が復活……という事になったら俺の原典に設定だけ存在する巨大ロボット『ストラグル・ヴァリアント』の出番なのか!?)



>57-59 >61-63 (燃えの基本は島本和彦だろう!)

「機界ロレイラルより援軍を要請……召喚! エレキメデス!!」

クノンが召喚獣・エレキメデスを召喚し――――。

「エレキメデス……召喚憑依……わたしに力を貸してください!!」

――――今、その身に宿らせる。召喚獣のシルエットがクノンの輪郭を取り巻く様にして蒼く浮かび上がる。

「これでよし……先生! 行きましょう!!」
「ああっ、一斉にかかるぞ! カズマさんも、準備はいいですか?」
「言われなくてもボコってやるまでだ、そう言うあんたも抜かるなよ!!」
「もちろんだよ、カズマさん」

レックスとクノン、そしてカズマが影の巨人に向かって駆け出して行く。

「てぇい! いっけぇぇぇぇぇ!!」
「行きます!! アタック……オンッ!!」

レックスが跳躍し、『ナイト・オブ・ナイト』を巨人目掛け唐竹気味に叩きつけ、その勢いのまま突く。
続けてクノンが召喚獣によって膨大な電力を帯電させたその右腕を、思いっきり巨人の顔面に突き込む。

巨人は二人の攻撃に抗うためにその巨腕を振るうが、先程の重力負荷から抜け出したばかりの所に
叩き込まれた大電圧・大電流の雷の威力が浸透した身体では思うように二人を振り払う事が出来ない!

「クノン、そこを離れて! 今この一撃で、仕留める!!」
「先生、あれをやるのですか!? でも下手したら……!!」
「大丈夫……心配する事は無いよ、けど一か八か……!」


67 名前:神鏡衝/完全懲悪ダンザイバー ◆iDDanzaI1A :03/09/24 08:59

レックスは『ナイト・オブ・ナイト』を地面に突き刺し、今再び『果てしなき蒼』を喚び出す―――。
それを見たクノンはレックスの次の手の邪魔にならぬよう、巨人から距離を取る。

「『果てしなき蒼』――――皆を守る力を……貸してくれ!!」

レックスは喚び出した『果てしなき蒼』を掴むと、すかさず【抜剣覚醒・改】を発動する。
蒼き光に包まれて、レックスの姿がアルピノを思わせる白く輝くそれに変貌していく……。
懐から取り出した黒色のサモナイト石に意識を集中し、召喚術を実行する――――だが、明かにいつもと様子が違う。

サモナイト石から立ち昇った禍々しいまでの赤い光、そしてその先に門が生まれ金色に輝く巨大なロボットが現れる―――。

「―――誓約による魔力の限界を越えて…抜剣者レックスの名のもとに今、召喚せん……ナックルボルト、暴走召喚!!」

己が限界を超える特殊召喚術―――暴走召喚。
それは召喚術の媒体たるサモナイト石を失う可能性という多大なリスクを背負うが故に、通常召喚の約七倍という超威力を誇るのだ!!

果して、レックスのサモナイト石は――――幸いにも無傷だった。

「ナックルボルト……ツインインパクトォ!!」

そして召喚者たるレックスの指示とともにナックルボルトが赤きオーラに包まれ、両拳を影の巨人にむかって射出した!

“ツインインパクト”が影の巨人の腹部を挟み込む様に撃ち抜く。
何時かアメリカン・カートゥーンのように其処だけペラッペラになりそうな勢いだ!

「まだ、この場ではツインインパクトを爆発させない……!
 カズマさん、今のうちに私の放った“ツインインパクト”ごと……強烈な一撃を!!」

「言われなくても……やってやらぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
熱い魂に不可能は無い――――と言ったのは誰だったか。
兎も角、今四人の身体を満たすのはマグマよりも熱く、熱く、熱く燃え滾った魂だ。

「アイツの作ったチャンス、無駄にはしねぇ!!」
カズマが、爪が食い込むほどに拳を小指から順に、強く握り込んでいく―――。

「抹殺のォォォォォォ、ラストッブリッドォォォォォォォ!!」
背中に残された最後の羽根が砕け散ると同時に、カズマの拳は熱き威力を秘めた黄金に輝く絶対必殺の弾丸に変わる!

「ウオォォォォォォォォッ!!」
捻り込む様に、“ツインインパクト”目掛けて撃ち込まれた拳が、深く深くめり込んでいく!
そして――――カズマは止まらない。
「まだだ、まだこれからだぁぁぁぁぁぁぁ!!」

搾り尽くす様に、砕けた羽根がもと有った箇所から更に、カズマを前へと推進させる衝撃波が噴き上がる。
アルター『シェルブリット』で生み出された右腕の装甲は削げ落ち、無残な姿をさらし始めた……。

嗚呼―――だが、それでもカズマは止まらない。これぞまさしく、命を賭した最高の一撃!!
「今だぁぁぁぁぁぁッ!!!」


68 名前:神鏡衝/完全懲悪ダンザイバー ◆iDDanzaI1A :03/09/24 08:59

そして、ダンザイバーもまた三人に答えるべく、額に血管を浮かせて叫ぶ!!
「セイングブレイィィィィィィズゥ!!」

その時、空を断ち割って迫り来る絶死の光芒が巨人目掛けて迸った!
適切に制御されたレーザー光線はカズマに何の害を与える事無く、的確に影の巨人の真芯を貫いていた。
そして――――

「断罪刃(ダンザイブレイド)ォッ!」
ダンザイバーが突き出した右手目掛けて、右腕に収納されているレーザー剣『ダンザイブレイド』が高速射出される。
飛来する柄を握り締め肘を下から回し、ダンザイブレイドを構えるダンザイバー。
「いける……っ!」
そして左腕に収納されていたエネルギーアンプリファイアーを取りだし、ダンザイブレイドの末端部に音高く増設する!
これによりダンザイブレイドの出力は増大し、発生するエネルギー刃は平時に比べて1.5倍もの長さを持つのだ!
「たった今閃いたぜ………新必殺技!」

(―――――セイングブレイズの威力が減衰し切らぬ内が、この勝負の分け目――――!)

「名付けて……」
眼光鋭く光らせて、ダンザイバーが大きく一歩、踏み込んだ。

「断罪轟炎破(ダンザイ・ブレイジングバァァァァァァスト)ォ!!」

ダンザイ・ブレイジングバースト……それは、ダンザイバーの必殺技『断罪破(ダンザイ・バースト)』に超々弩級戦術支援母艦・セイングリードからの支援砲撃『セイングブレイズ』のレーザー照射の威力を付加することで生まれる、超必殺技である!
通常はダンザイブレイドの斬撃の軌跡を中心とした前後に、衝撃波を巻き起こす斬撃時の余剰エネルギーはレーザー光線との相互干渉によって相手に余す事無く叩きつけられることになる。
そのために、ダンザイ・ブレイジングバーストの威力はダンザイ・バーストのおよそ五倍にも膨れ上がれるのだ!!



熱き魂に導かれた四人が放った、最高の必殺技を撃ち込まれた影の巨人は、その内側から大爆発を起こし―――――完全に消滅した。



69 名前:名無し客:03/09/24 15:42

玉葱chのキャラネタ&なりきり板にも来てね。
2chと違って細かい規制も無いし、IPも取ってないよ。
もちろんかちゅ〜しゃ等の2chブラウザにも対応してるよ。

ttp://gungnir.versus.jp/charaneta/

70 名前:神鏡衝/完全懲悪ダンザイバー ◆iDDanzaI1A :03/09/30 10:41

>68 (そして、終わらない始まりへ)

――――戦いに、一先ずの決着が付いた。
『果てしなき蒼』を再び送還し、溜め込まれた疲労に膝を付くレックス。
そんなレックスの様子を覗き込むようにして、心配するクノン。
傷付いた右腕を庇う様に押さえ、不敵な笑いを浮かべるカズマ。
爆発に背を向け、ダンザイブレイドを構えるダンザイバー。

だが、次の瞬間――――

ダンザイバーのタクティカルフレームが火を吹いた。
「ぐあぁぁぁぁぁぁっ?! 」
火花と白煙をあげるダンザイバーは、そのまま倒れこむ。
「どういうことだ、ルリィっ、ユリィっ……」
ブレスレットに苦痛を叩きつけるように叫ぶダンザイバー。

『ダンザイバー、今の爆発はさっきの新必殺技の反動が原因よ……』
「なん、だって……!? 」
『セイングブレイズの力を借りて無理矢理威力を高めたバックブーストで、タクティカルフレームのダメージ限界を突破しちゃったみたい……詳しい事はセイングリードに戻らないとわからないよ…! 』
「あ、ああ……あの三人の記憶処理の事もあるしな……」

――――記憶処理。
本来、特異監察官の活動は保護宙域の現住者に知られてはいけないというルールがある。
やむを得ず知られてしまった場合、特異監察官は対象となる現住者の記憶から特異監察官の活動に関する記憶を消去しなければならないのだ。
元々の本命だった惑星狩猟旅団クライオスでは無かったにしろ、目の前で戦闘行為を行ってしまっている以上選択肢は無いのだから―――――

「おい、また何をゴチャゴチャやってんだよ! 」
その様子に焦れたカズマが駆け寄ってくる―――――

「見つけましたぞ、極上のエネルギー源を! 」


                                 To be continued…

71 名前:名無し客:03/10/23 08:01

age

72 名前:名無し客:03/10/28 21:24

更にage♪

73 名前:名無し客:03/10/29 16:30

3D大元帥が戻ってこないから先に進めない・・・・

74 名前:名無し客:03/11/03 22:43

ならば彼らと別の場所でストーリーを展開すればいい

75 名前:名無し客:03/11/09 20:15

期待age

76 名前:連合軍少年兵 ◆1oWHscADPA :03/11/22 15:16

複数の蒼い影が地面を駆け抜ける。

猛烈なスピードで影は灰色の巨人に突撃してゆく。
灰色の巨人――――モビルジン。宇宙の優良種、ザフト軍の主力MSだ――――は
三方向からの攻撃に成すすべもなく串刺しにされる。

遠くにいる、俺のコクピットから、爆炎とそれに伴う黒い煙が確認される。

――――俺達の名は「ブルーコスモス軍」

あの決定的な敗北から一年。ブルーコスモスは地球連合軍の下から独立し
た一つの軍隊となっていた。

現在、俺達は地上に存在するザフト軍を片っ端から襲撃し叩きのめす事に
躍起になっていた。

一年前の戦争で総帥、ムルタ・アズラエルを失い、ブルーコスモスは一時、弱体化したが
滅びたわけではなかった。

蒼い巨人、ストライク・ダガー。ジンはおろか、モビルゲイツさえも倒せる
傑作機。

俺は全速力で機体を突進させる。

――――蒼き清浄なる世界のために!!

77 名前:連合軍少年兵 ◆1oWHscADPA :03/11/22 15:25

「喰らえ!」

俺は複数の仲間の機体と共に、ビームライフルの引き金を引く。
量産型らしい軽い発射音と共に緑色のビームが放たれる。

ストライク・ダガーは基本的に集団戦で戦う。決して一対一では戦わない。
個々の性能ではザフト、コーディネイターの方が上だからだ。

だが、いかに個々が優秀であれ、それには限界がある。

ビームライフルに四方八方から滅多撃ちにされたモビルゲイツが火を噴いた。

―――――次だ!

78 名前:連合軍少年兵 ◆1oWHscADPA :03/11/22 15:43

突然鳴り響く警告音。

すると、突然近くの地面が爆発した。
新たな敵だ。

四本足の猟犬・・・・・バクゥ。

地上戦専用の機体で地上ではジン、ゲイツ以上の性能を発揮する。

「クソ・・・・素早い!」

ジン、ゲイツと違い、素早い動きでこちらを翻弄する。
あたれ!
俺はビームライフルの引き金を引くがあっけなくかわされ、
ビームは何も無い地面を虚しく焼く。

バクゥは背中に設置されたビームを放った。
味方の一機が足にビームを受け各坐する。

「クソ!」

俺は機体を走らせた、敵の横に回りこみ・・・・・横っ腹に蹴りを叩き込む。

腹を蹴られたバクゥはたまらず横転し、がけの下に転がり落ちてゆく。

79 名前:連合軍少年兵 ◆1oWHscADPA :03/11/22 15:56

俺達はそのまま奴等の占領している、港に突撃する。

港には水中戦用MS、グーン及びゾノが多数配備されていたが
陸上ではお話にならない。

水中用の機体は陸上では悲しいぐらい動きが鈍い。
ダガーの軽快な動きに比べればゾノ、グーンの動きはナメクジの
ようだった。

それでも必死に水の中に入ろうと、ノロノロ動き回るゾノとグーン。

「逃がすか!」

俺達はビームライフルの一斉射撃を浴びせる。
打ち抜かれたゾノ、グーンがそのまま各坐し火を噴いた。

80 名前:連合軍少年兵 ◆1oWHscADPA :03/11/22 16:09

戦闘が一段落し、俺達は進撃をやめた。

傍らには珍しい形のMSが、同じように立っている。

片方は、テレビのような顔を持つMS―――「リーオー」と言うらしい―――。
そしてもう一方はダガーと似た感じの機体―――「ジム」と呼ぶらしい―――。

これらは連合で使用されていた機体の払い下げらしい。ブルーコスモス
が一つの軍として独立した時、ダガーと共に大量に配備された機体だ。

頼もしい味方。

81 名前:連合軍少年兵 ◆1oWHscADPA :03/11/22 16:26


現在、連合にはコーディネイター以外にも敵対する勢力が存在するらしい。
―――スペースノイド―――と呼ばれる人々。

コーディネイターとは違い、同じナチュラルなのに。

だが、今は考えても仕方がない。
俺達の敵はコーディネイター。それ以外は他の奴等に任せて
置けばいいのだ。

ジム、ストライク・ダガー、リーオー。
異なる目的、異なる組織でで建造されたMS達が夕日に照らされ、
並んでいる。

82 名前:連合軍少年兵 ◆1oWHscADPA :03/11/22 17:02

その日俺達はその港を制圧した。

当面はこの地域での戦闘はないだろう・・・。
ザフトは撤退し、他のスペースノイドの組織も見当たらない。

今夜は、この港町でささやかなひと時を過せるだろう。

83 名前:ナチュラル:03/11/22 17:31

>連合軍少年兵
ガンガレ!俺は応援しているぞ!
―――蒼き清浄なる世界のために!!


84 名前:連合軍少年兵 ◆1oWHscADPA :03/11/22 23:10

>>83
新たに街を占領した俺達にたいする港町の住人の反応は予想外によかった。

街は歓迎ムードで盛り上がり、俺達を”解放者”として称えてくれた。

俺達は今、がら空きとなった港と基地に駐屯している。
傍らでは、拿捕したザフトのMSや機密資料がトラックで運ばれていく。

月の綺麗な夜だった。俺達の勝利を祝福してくれるかのように。

85 名前:連合軍少年兵 ◆1oWHscADPA :03/11/22 23:19

――――――――――――アメリカ、カリフォルニア州の砂漠地帯

ここには生前、ムルタ・アズラエルの所有していた秘密工場が存在する。
周囲の地形を利用し巧みに隠されたその場所は、地図にも載っておらず、
上空からの発見も極めて困難な場所にあった。
その工場の中ではMSの大量生産が行われていた。

ストライク・ダガー、リーオー、ジム、などがベルトコンベア式に
無人作業機械で大量生産されてゆく。

この工場では生産と並行して、MS用のOSの開発も行われていた。
一年前のザフトとの戦争では薬物で強化された兵士が使用されたいたが、
戦後、ブルーコスモスの掲げる理想に反するという事と人道上の問題、
そして開発コストのあまりの高さから中止、放棄された。

それよりも優れたOSやパイロットを守るシステムを開発する方が
遥かにメリットがあるとし、OSその他の制御、防御システムの開
発に全力をあげていた。

86 名前:連合軍少年兵 ◆1oWHscADPA :03/11/22 23:25

MSの生産は、世界中にあるブルーコスモス直下の工場で行われていた。

アメリカの五大湖周辺、ユーラシアの大平原、中国の沿岸部、
日本の五大工業地帯、などだ。

一年前、倒されたブルーコスモスは氷山の一角に過ぎない。
その巨大な工業能力が少しずつではあるが状況を左右し始めているのだ。

87 名前:連合軍少年兵 ◆1oWHscADPA :03/11/22 23:57

――――――ヨーロッパの港町

俺は、月明かりの下、隊長の命令に従い警戒にでた。
月明かりがストライク・ダガーの勇姿を照らす。

数機のリーオーやジムが後に続く。
港町のはずれに向かい、今夜はそこで一定時間見張りにつくのだ。

88 名前:連合軍少女兵 ◆1oWHscADPA :03/11/23 14:13



                   回想編

                 「偉大なる別れ」



89 名前:連合軍少女兵 ◆1oWHscADPA :03/11/23 14:18

操車場に並ぶ数台の機関車が、一斉に警笛を鳴らす。
警笛の音は、遠く離れた大通りにまで聞こえてくる。

その大通りに私はいた。
私の周りには、沢山の人が集まり大きな列を作っている。
その列に並ぶ人たちに共通する物が二つある。
一つは、皆同じ方向を―――通りの方を―――見ているという事。
もう一つは、皆泣いていたという事。もちろん私も。

道の中央を通るのは、四つの”空”の棺桶。

90 名前:連合軍少女兵 ◆1oWHscADPA :03/11/23 14:26

今、私達の前を通り過ぎてゆく四つの棺桶。
その棺の上にはそれぞれ違う人物の写真が飾られている。

先頭を行く棺桶の上には、ブルーコスモスの総帥、ムルタ・アズラエル。
その後に続く三つの棺桶にはそれぞれ、
オルガ・サブナック
クロト・ブエル
シャニ・アンドラス
の三人の写真が飾られている。

91 名前:連合軍少女兵 ◆1oWHscADPA :03/11/23 14:32

通りは人々の嗚咽が溢れている。
怒りと、悲しみに満ちた嗚咽に見送られ、棺桶は馬車に乗せられ
墓地へと向かう。

無力なナチュラルのために自ら戦艦に乗り込み、指揮を取り散っていった総帥。
コーディネイターに対抗するための薬物強化の実験に自らの身体を捧げた
三人のパイロット。

――――――安らかに眠れ。我等の英雄達。

92 名前:連合軍少女兵 ◆1oWHscADPA :03/11/23 14:56

さて・・・・・ここらは少し、昔話をしよう。

二年近く前、我々はコーディネイターの投下したニュートロンジャマー
により前例のない大損害を受けた。


93 名前:連合軍少女兵 ◆1oWHscADPA :03/11/23 15:03

我々の文明は電気なしでは成り立たない。
もしそれがある日突然断ち切られてしまったら?
それによって引き起こされる事態は容易に想像できる。

νジャマーが投下されて以降、数ヶ月間、地球上は大混乱の坩堝に
放り込まれた。

電力供給の停止により、生活に必要な最低限の物質さえ供給できなく
なった。通信網もズタズタに破壊され、人々は全く情報を得る事が
出来なくなった。

社会の受けた打撃はもっと凄まじかった。工業地帯は完全に操業を停止。
商業も完全に停滞し地球の経済は完全に麻痺状態になった。

94 名前:連合軍少女兵 ◆1oWHscADPA :03/11/23 15:20

この時代、地球は電力の9割を原子力発電に依存していた。
すなわち原子の炎は命の炎なのだ。

それを断ち切ることにより、コーディネイターは我々にユニウス7など
比べ物にならない被害を与えた。

北欧、ロシア、北アメリカなどでの寒冷地帯では暖房器具の使用不能という
致命的な事態が引き起こされた。

これらの寒冷地の気温は夏でも零下を下回る地域さえあるのだ
投下されたのは2月。冬の真っ只中で気温は−50〜60度。

暖房器具の使用不能により引き起こされる事態は容易に想像できる。
都市のいたる所で凍死者が続出した。
人里離れた町、村では住民全滅などと言う悲惨な事態が続発する。

性格な死者数は未だに判らないが、最終的には1千万に達するのでは
ないかとの説もある。

95 名前:連合軍少女兵 ◆1oWHscADPA :03/11/23 15:25

そして、もう一つ大惨事の起こった地域がある。
アフリカなどの赤道直下の国だ。

これらの国は、戦前も他国からの援助に頼っている国が多かった。
特に食料や医療物質に関しては。

電力の停止により、航空機、船舶、鉄道などのあらゆる輸送機関が
停止した。そしてすぐにアフリカでは飢餓が始まったのだ。
後はもう話す必要もないだろう。
莫大な餓死、病死者を出しアフリカ諸国は連合から脱落した。


96 名前:連合軍少女兵 ◆1oWHscADPA :03/11/23 15:32

―――――――そして汚らわしい、遺伝子改造の化け物どもは
我々の故郷に進行を開始した。

新兵器MSを引っさげて。

調停者と言う名前とは裏腹にザフト軍は各地で捕虜の虐殺を
行った。

電力供給さえままならない中で地球連合はよく戦った。

ザフト軍は占領したマスドライバーとその周辺の地域を維持するのが
やっとだった。

97 名前:連合軍少女兵 ◆1oWHscADPA :03/11/23 15:39

所詮、階級のない市民軍など烏合の衆。しっかりとした訓練をつみ
厳然とした階級を持つ正規軍の敵ではないのだ。

しかし、この階級がないという事がザフト軍による捕虜虐殺を一層
過激な物にしていったようだ。
(戦後の裁判ではザフト軍の戦犯は千人を越えた)

それは言うまでもなく我々の凄まじい憎しみをより一層倍加させる。

98 名前:連合軍少女兵 ◆1oWHscADPA :03/11/23 15:43

このまま、戦い続けていさえすれば、我々は勝てたのだ。

あの艦が我々を裏切るまでは。


――――アークエンジェル。


我々の敗北の原因を生んだ忌々しい天使の名を持つ強襲揚陸艦。

99 名前:連合軍少女兵 ◆1oWHscADPA :03/11/23 15:59

アラスカ攻防戦において、この船は連合をあっさりと裏切った。
それ以前にも、アルテミスを潰す、民間人のそれもコーディネイターの
少年を最高機密のMSに乗せて戦闘させるなど、問題行動を連発していた
艦だ。

連合を裏切ったアークエンジェルは中立オーブに逃げ込んだ。
あっさり亡命を決断するこの艦の艦長も艦長だが、それを受け入れる
オーブ首脳は何を考えていたのだろう。

かれらは後に連合にもザフトにも属さない第三勢力を作り上げ
我々の作戦を妨害し続けた。

これにより我々の勝利は永遠に失われる。

100 名前:連合軍少女兵 ◆1oWHscADPA :03/11/23 16:05

そして我々の敗北を決定ずけたのは宇宙における第三勢力の妨害。

そして―――――ジェネシス。

コーディネイターと言う種族がいかに野蛮で下劣な存在であるかを
自らで証明するようなこの兵器は、破壊兵器の分際で「創生」など
と言うふざけた名前を持つ。

この一撃は我々の艦隊の約半数を一撃で消し飛ばした。

101 名前:連合軍少女兵 ◆1oWHscADPA :03/11/23 16:09

そして、第二射。
第三勢力はラクス・クラインを筆頭に「ナチュラルとコーディネイターの共存」を
掲げて行動を起こしたという。

しかし、彼等は第二射が発射された時、何をしたいたのか?
何もしていなかった。みすみす二発目は発射され、増援の艦隊と
月基地は、その非常識なまでの威力により壊滅した。

ちなみ、ありがたい事にクライン一派は我々の攻撃は完全に綺麗に阻止した。

盟主アズラエルもこの時の戦闘で死亡する。

102 名前:連合軍少女兵 ◆1oWHscADPA :03/11/23 16:14

そして遂に奴等は、それを地球に向けた。
これを見たクライン一派はようやくジェネシスの破壊に向かったようだ。


――――で、阻止されたのか?
と聞かれれば、NOだ。

どうやら内部で自爆しジェネシスの機能を停止させようとしたらしい。
しかし、MS一機程度の爆発で阻止できるほどやわな構造はしていなかった。

ジェネシスは多少威力を減らしたものの、綺麗に北米大陸東海岸に放たれた。

103 名前:連合軍少女兵 ◆1oWHscADPA :03/11/23 16:17

その日、ワシントンとその周辺は快晴だった。
人々は何も知らず、必死にそこで生きていた。
コーディネイターによって滅茶苦茶にされた世界を立て直すために。

しかし、それは唐突にやってきた。

天空を先、紫の光の柱が降りてくる。

そこで生きていた数千万の命は、何が起こったのかも判らず、
焼き尽くされた。

104 名前:連合軍少女兵 ◆1oWHscADPA :03/11/23 16:20

その爆発は400キロ以上離れた場所からも確認できたと言う。

それから先は地獄だった。
ワシントンとその周辺は一週間近く燃え続け、その炎に照らされた
大地はまるで昼間のようだったと言う。

――――――高校に入ったばかりの私もそれを見た。

105 名前:連合軍少女兵 ◆1oWHscADPA :03/11/23 16:23

私はこの目で見た。何千、何万と言う男、女、子供、老人の黒焦げに
なった死体が、原型を留めない程の無残な死体が地平線の向こうまで
転がっているのを。

彼、彼女達はコーディネイターのハゲタカどもに殺されたのだ。

殺された者達のの涙が私の胸の中で煮えくり返った。
殺人鬼パトリック・ザラとその一味には、この涙を奴等の狼の血で償ってもらおう!
憎しみに燃えた復讐者は、容赦しない。

106 名前:連合軍少女兵 ◆1oWHscADPA :03/11/23 16:26

私はその時、歴史の”変わった”瞬間に立ち会ったのだ。

この巨大な歴史の流れは人間一人の力ではどうにもならない。

その流れとは・・・・これから数百年、数千年にも渡って続く
赤い、憎しみの流れだ。

私は歴史の変わった瞬間に立ち会ったのだ。


(回想編 終)

107 名前:連合軍少年兵 ◆1oWHscADPA :03/11/23 23:31

(>>87の続き)

俺達は港町のはずれ、草原の広がる大地にやって来た。
そらは相変わらず月の綺麗な夜だ。

俺達は指定された場所につき、監視を始めた。
僚機のストライク・ダガー、ジム、リーオーが月明かりに照らされて、そそり立って
いる。

―――――今夜は、平和だな。

そんな事を考えていた。

108 名前:連合軍少年兵 ◆1oWHscADPA :03/11/23 23:48

俺達は機体の中で無線を使いながら談笑していた。
ある者はガムを噛んだり、チョコレートを食べたりしている。

俺達よりも年上の兵士はたばこを吸っている。

交代の時間まであと2〜3時間はある。

109 名前:ナチュラル:03/11/24 01:28

大変だ――――!
コーディネーター共がこちらに反撃を!
皆、早く避難を……うわぁああああ!!(吹き飛ばされる)

(注:メール欄)

110 名前:ナチュラル:03/11/24 02:11

(また別の場所では)
クソッ!クソッ!
化け物め!来るなら来い!来るなら来い!
せっかく解放されたこの町を好き勝手させるか!
(ビルの上からジンにRPG発射。だが、当然のように通用しない。)
―――――!!
(声も上げられないまま消し飛ばされる。)

111 名前:少年兵ハンス ◆1oWHscADPA :03/11/24 02:30

>>110
唐突に無線から悲鳴じみた声が聞こえてくる。

―――――ザフトの伏兵か!

俺は自分の愛機「リーオー」を走らせる。

現場にたどり着くと、そこではこの地域のレジスタンスと思われる人々が
なんとロケット砲だけでモビルジンに挑んでいるではないか!

「無茶だ!」

俺は叫んだ。叫んでる間にも一人の人間がジンに消し飛ばされる。

「この野郎!!」

激怒した俺はリーオーの最大の武器、バズーカをジン目掛け放つ。
このバズーカは対MS用の極めて強力な砲弾をたたき出す。

砲弾の直撃したジンはしばらく煙を上げていたがが次の瞬間、大爆発を起こした。

112 名前:少女兵リリィ ◆1oWHscADPA :03/11/24 15:41

―――――――東南アジア。日本国。

ここでは、ある一つの研究が行われていた。

それは、学習型コンピューターを搭載した無人MSの開発だ。
そしてその母体となるOSは”SEEDを持つもの””最高のコーディネイター”と呼ばれた
ある人物の戦闘データを元にプログラミングされていた。

完成すれば、コーディネイター抹殺用の恐るべき無人兵器となるであろう。

私達は、今その基地を守る役割を与えられている。

113 名前:BC少女兵リリィ ◆1oWHscADPA :03/11/25 23:08

この日本は反コーディネイター陣営に属していて、戦時中もたいした
損害を受けなかったため依然として他の東南アジア諸国と共に反コーディ
ネイター政策を推進していた。

そして今、この基地ではコーディネイターどもを抹殺するための
兵器の開発が行われている。
それだけに警戒は厳重に行われている。コーディネイターだけではない
他のスペースノイドの組織に対しても警戒が必要だ。
なにせ奴等は、コーディネイターとの共存などという、戯言を掲げる輩
なのだ。

油断はならない。

114 名前:BC軍少女兵リリィ ◆1oWHscADPA :03/11/26 22:41

現在、MSの開発が行われているのは基地の出入り口に近い第一棟だ。

そして―――――――

リリィの目線の先、鉄筋コンクリートで出来た異様な建物が闇の中に聳え立っている。

リリィは口元を歪ませた。無人MS以上に面白いものがあそこで開発されているのだ。
その建物の入り靴付近に立てられた看板にはこうかかれていた。

「ガス及び細菌兵器研究施設」


115 名前:BC軍少女兵リリィ ◆1oWHscADPA :03/11/26 22:47

そう、ここでは強力なガス、細菌兵器の研究と”実験”が行われている。
もちろん、コーディネイター抹殺用の。

そして今夜も”実験”が行われる。

リリィの目の前を一台のトレ―ラーが通過してゆく。
そこには場違いな私服姿の民間人が乗せられている。
彼等は、捕らえられたコーディネイターである。

トレーラーが停止し、兵士に誘導されたコーディネイターどもが
降りてくる。

彼等は今夜の”実験材料”だ・・・。

116 名前:BC軍少女兵リリィ ◆1oWHscADPA :03/11/26 22:52

兵士が、コーディネイター達を連れてゆく・・・。
中には女や子供、老人も居る。泣き叫んで命乞いをする物もいる。

――――お父さんやお母さんだって苦しんで死んだんだ。

―――――お前達も苦しんで死ねばいいんだ・・。

この時、リリィは少女とは思えない、邪悪な笑みを浮かべていた。


―――――――助けなんかこないよ。ブルーコスモスに勝てる組織なんて
ないんだから・・・。

117 名前:Astraea FGA Mk.I:03/11/27 13:45

異形の戦闘機。
鮮やかなブルーに塗装されてはいても、その形状は異常ですらある。
ある種の羽虫にも似たフォルムに、機体の下部より伸びた一本の腕。
腕が掴むのは、側面に『JUNO』と書かれた巨大なガトリング式40ミリ機関砲。
腕だけならまだしも、機体の上部にも同じ物を搭載している。

アストライアー・FGA Mk.I。
ガンポッドを二基同時に使用し、圧倒的火力を持って目標を殲滅する火力特化型戦闘機。
そして、その腕は、あらゆる兵器を掴んで使用するために取り付けられたもの。
そう、何でもだ。規格など関係ありはしない。
たとえそれが、敵のものだとしても。
それ故にこの機体はこうも呼ばれた。
「隻腕の者(アインハンダー)」。

『指揮衛星“ヒュペリオン”カラ通信。南西方角ニ存在スル敵軍事基地ニ単独進入シ、
 指揮系統ノ混乱、及ビ施設破壊セヨ』

通信機から、やわらかな女性の合成音声が任務を告げる。
それを受けたパイロットは操縦桿を操り、最大戦速。

ただただ破壊し、蹂躙し、撃滅する。
今、アインハンダーは空を翔ける破壊の死者となる。

118 名前:BC軍少女兵リリィ ◆1oWHscADPA :03/11/27 23:19

>>117
(メール欄)

119 名前:元連邦兵:03/11/27 23:23

―――蒼いカラーリングが施されたGM…いや違う。
開発当初にRGM-79[G]を使用していたため、頭部はジムタイプのものとなっているだけ…それ以外はRX-79[G]の物…
この機体はデータ収集部隊として活躍していたモルモット隊に所属するユウ・カジマ少尉が搭乗していた…そして、キャルホルニアベース奪還にも使われたMSだ。
だが、今はパイロットは居ない…壊れた筈だが、当時の連邦軍が秘密裏に基地へと運んで修復したのだろう。
しかし基地には誰も居ない…いや基地そのものがもう上に存在していない…そこに一人の青年が入り込む…

「ふいー、戦闘が突然起こるなんてなぁ…何とか逃げたはいいが…此処、元は軍の基地だったのかね?…ん?」

倒されたまま、カバーをかけられているだけのRX-79BD-1…ブルーディスティニー1号機、通称「蒼い死神」に気付く。

「MS?なんでこんな所に…こいつ…動くか?」

少々埃っぽいカバーを取り、コクピットハッチを開け中に乗り込み…起動…
すると、低い駆動音が響き始める。

「動くな…乗って行くか。外は相変わらず戦闘が起こる事もあるし…まずは勘を取り戻さなきゃな…」

まず、シュミレーターを起動させる…
ブルーディスティニー1号機…この蒼い死神と呼ばれたMSが何に、どう影響するかは…まだわからない。

120 名前:BC軍少女兵リリィ ◆1oWHscADPA :03/11/27 23:26

>>119
>>118参照

121 名前:BC軍少女兵リリィ ◆1oWHscADPA :03/11/27 23:34

泣き叫ぶコーディネイターどもを、武装したBC兵が銃で殴りつけ連れてゆく。

彼等は施設の中に入れられ毒ガスを浴び、悶え苦しんで死ぬ。
しかし、リリィもその場にいた誰も、良心の呵責などと言う
感情は抱いていなかった。

だって奴等は”人間じゃない”から。

ティターンズのスペースノイドに対する差別には賛成できない。
なぜなら、彼等は同じナチュラルだから。

スペースノイドの死は悲しい。なぜなら彼等はナチュラルだから。
でも、今目の前の”生き物”は違う。
遺伝子を弄び、選民思想を掲げ人間を殺戮する外道どもだ。

「そろそろ、施設にガスが入る頃ね」

私は一人つぶやいた。

122 名前:元連邦兵:03/11/28 00:16

シュミレーションを終え…一息…ふと、マニュアルらしき物を見つける。

「ん…武装関係のマニュアルか?」

100mmマシンガン、頭部バルカン、胸部ミサイル…特殊装置として頭部にEXAMシステム搭載…
胸部マシンガン、ビームサーベル…この頃のMSの武装としては多い方だろう。

「ふんふん…ハイザックくらいにゃ、使えるかもな…しかし、EXAMシステムって…なんだ?」

EXAMシステム…パイロットの精神力の強さが求められる擬似ニュータイプ装置。
EXAMシステムはそのシステムの性格上、パイロットの精神に多大な負荷を強いる…
システム起動時の限界時間は五分…この青年はそれを知ってはいない…青年の精神力が弱ければ暴走という結果が待っているだろう。

「まあ良いか…後からわかんだろ…多分奥の手だと思うけどな。」

呟き、パイロットシートに深く腰を沈め…メインカメラなどを完全に起動させ…

「そろそろ出るか。」

機体を操作し立ち上がらせる…すると、天井が開いた…
そしてバーニアを吹かし跳立ち―――蒼き機体が地上へと出る。

123 名前:BC軍通信兵 ◆1oWHscADPA :03/11/28 00:17

>>117
レーダーの液晶画面に一機の不信な機影が映し出される。

マイクを取り、無線のチャンネルを国際共通チャンネルに合わせ警告する。

「国籍不明気に継ぐ。貴機はわが国の領空を侵犯している
 国籍、所属を明らかにし速やかに領空より退去せよ。退去せぬ場合
 我が国に対する敵対行為と見なし、撃墜する!」

――――――――まさか、基地の場所がばれた訳ではあるまいな。

「基地に連絡!国籍不明機、一機そちらに向かう。厳重に警戒されたし!」

さらに命令を続ける。


124 名前:元連邦兵@BD1号機搭乗:03/11/28 01:20

「やれやれ…Gを感じるのも久々だ」

跳んだ時のGの感覚を思い出し、呟く…暫く機体を走らせるとモニターに岩陰が見えた。

「あそこで休憩と行くか、補給もないしな…」

岩を背にして隠れ、機体の動力を停止させコクピットハッチを開けて外に出る…
そして、空を見上げつつ煙草を口に咥え火を点け煙を吐き出す。

「宇宙(そら)か…一度上がってみたいもんだ…俺が連邦に居た頃は、下っ端だったからな…
 しかし、ティターンズは気に入らない…コーディネーターは…どっちとも言えないけど。」

独り言を呟きながら煙草の火を消すとコクピットに入り、ハッチを閉め…一時の休息。

125 名前:Astraea FGA Mk.I :03/11/28 09:33

>>123
加速するアストライアー。
『国籍不明機に継ぐ。貴機はわが国の領空を侵犯している
 国籍、所属を明らかにし速やかに領空より退去せよ。退去せぬ場合
 我が国に対する敵対行為と見なし、撃墜する!』

警告は二回。最初は日本語で。続いては英語で。

だがパイロットは、引き返す気など微塵も持っていない。
そもそもこの機体で、「生還する」ということ自体が無理難題なのだ。
警告を無視して進入しようとも思ったが、ふと、パイロットは地球に降下する前に読んだ小説の一説を思い出し、
回線を開いた。

「こちらは月面セレーネ軍機動独立降下部隊。指揮衛星“ヒュペリオン”の命令によりあんたらの基地を攻撃する。
 悪く思うなよ」

回線の向こうからは沈黙が。おそらく絶句しているのだろう。

「聞こえなかったのか。だったら判り易く言ってやる。“ハ、うるせぇバカ黙れそして死ね”ってことだ。
 月に栄光あれ、地球に慈悲あれ。オーヴァー」
歯切れのいいニューヨーク英語で二回繰り返し、一方的に回線を切る。
モニターには基地の全貌が手に取るように見えてきた。
地を這うような超低空飛行から、一気に上昇。

指揮衛星“ヒュペリオン”からの情報により、基地南西部から進入。
最初の標的は、燃料タンク。
アームに接続された40mm機関砲「ジュノー」の銃身が回転。

轟ッ

軽い一射だったが燃料タンクの装甲など、ちり紙に等しい。内部の燃料に引火し、高々と火柱が上がった。
火は基地全体をくまなく走るパイプラインが導火線の役割を果たし、施設に引火。基地のそこここから煉獄の炎が上がる。

けたたましい警報が鳴り響き、真昼のごとく照明が焚かれる。
その中を突き進むアストライアー。

それは正に、空を翔ける死神の如く。

126 名前:BC軍通信兵 ◆1oWHscADPA :03/11/28 13:56

>>125
警告から間もなく、国籍不明機からの返答があった。

『こちらは月面セレーネ軍機動独立降下部隊。指揮衛星“ヒュペリオン”の命令によりあんたらの基地を攻撃する。
 悪く思うなよ 』

なんだと!
通信兵は絶句した。コーディネイターではない。月の住人達がこの基地を
攻撃しようとしている。こちらが返答に詰まっているとさらにマイクから
の返答は続く。

『聞こえなかったのか。だったら判り易く言ってやる。“ハ、うるせぇバカ黙れそして死ね”ってことだ。
 月に栄光あれ、地球に慈悲あれ。オーヴァー 』

その時初めて通信兵は我に帰った。

「イカン!基地指令に連絡、敵機一機。基地上空に侵入!!
早急に迎撃の準備と、”サンプル”の移動を・・・・」

そこまでだった。
基地に耳をつんざく大轟音が響き渡った。
窓の外に目を向けると燃料タンクをやられたのか、巨大な火柱が
上がっている。

「いかん!消火部隊を・・・・消火部隊をだせ!誘爆するぞ!!!」
通信兵は絶叫するが、その時は何もかもが手遅れだった。
燃料タンクの火は基地全体をくまなく走るパイプラインが
導火線のの役割を果たし、施設に引火した。

「なんという事だ・・・・なんという事・・・」
そこまで喋った時、通信兵の意識は永遠に途絶えた。

通信兵のいたレーダーサイトは誘爆の衝撃波に中にいた兵士
もろごと粉砕された。

127 名前:Astraea FGA Mk.I :03/11/28 14:40

>>126

轟音。
熱風。
銃声。

炎の赤と、照明の青白い光がない交ぜとなった、前衛的なポップ・アートのような基地を飛ぶアストライアー。
対空砲座や警備のMSが空に向かって発砲するも、アストライアーには掠りもしない。
MSの襲撃は予想の範疇にはあったものの、まさかたった一機の戦闘機で突入する、などということは考えもしなかったらしい。
前方から、スクランブルしてきたらしい人型機動兵器が三機。青く塗装され、ゴーグルのようなカメラ・アイが特徴的だった。
すぐさまヒュペリオンが敵機を照合し、パイロットに伝える。

COMBAT□
MS:STRIKE DAGGER 3□

ストライク・ダガー。連合軍の最新量産型MS。
パイロットはデータを一瞥しただけで、ガンポッドのセーフティを解除。
機体の上下に搭載されたジュノーのバレルが、音を立てて回転する。

FIRE□

トリガーを押し込む。

ババババババババババババババババババババババババババババババババ
破破破破破破破破破破破破破破破破破破破破破破破破破破破破破破破破ッ!!

二挺のジュノーが咆哮し、40mm機関砲弾を雨霰と三機のストライクダガーに浴びせる。
一機は至近距離からの直撃を食らって四散し、一機は上半身を吹き飛ばされ、一機は機体の中央に大穴を開けられた。
駄賃代わりと、アストライアーは手近な施設にジュノーを叩き込んだ。
ウェハースのように施設が砕け散り、爆発。
緑がかった火柱が上がったことから、化学薬品か何かの生成施設だったようだ。

だが、それが何だというのか。
撃って、奪って、ぶち壊す。
アストライアーはそのために作られた機体なのだから。

128 名前:BC軍少女兵リリィ ◆1oWHscADPA :03/11/28 14:54

>>127
(メール欄)


129 名前:BC軍少女兵リリィ ◆1oWHscADPA :03/11/28 15:03

>>127
また・・・・またやった!
あいつ等は、空の化け物どもはまた殺した!

リリィはリーオーのコクピットの中でこの忌々しい襲撃者を
睨みつける。

炎上するレーダーサイト、さっきまで仲間が作業をしていた。
そして今三機のストライク・ダガーが粉砕された。

さらにとんでも無い事に・・・・ガス施設を破壊したのだ!
あの爆発では警備兵だけではない”実験材料”も死んだだろう。

だが、怒っている暇はない。

”サンプル”を守らなければ。
リリィは愛機、リーオーを発進させた。

130 名前:基地防衛隊 ◆1oWHscADPA :03/11/28 15:13

(>>129の続き)

基地のあちこちから火の手があがっていた。

空襲警報が鳴り響き、一斉に高射砲が、機関砲が、対空ミサイルが
放たれる。

次々と消防車が発進し消火作業を開始する。
ジム、リーオー、ストライク・ダガーなどのMSも増援に駆けつける。

さらに他の基地に戦闘機の増援が依頼された。
VTOL戦闘機がじきに到着するだろう。

基地の指令は叫ぶ。
「ブルーコスモスに逆らう愚か者め!」

131 名前:Astraea FGA Mk.I:03/11/28 15:43

>>129
空の死神は、次々に立ちふさがるMSを粉砕していく。
ギリシャ神話に登場する正義の女神、「アストライアー」の名とは裏腹に、
戦うその姿はあまりにも無慈悲だ。
きっと、名前を使われた女神も目を背けるほどに。

果敢にもスプレーガンを撃ってきたジムが、蜂の巣にされる。
背を見せて逃げ出した砲撃戦用MS、トラゴスが、上半身を消し飛ばされる。

回避行動の際も、二挺のガンポッドは間断なく弾丸を吐き出し続け、
車両、施設、果ては逃げ回る人間すらも標的に定め、破壊と混沌と爆発を生み出していく。

刹那。

――!CAUTION CAUTION CAUTION!――□
MS:REO 1□

後方から銃撃。アストライアーは急上昇してインメルマン・ターン。
不届き者を正面に捕らえる。
パイロットは直感した。“こいつは今までの雑魚じゃない”と。
乗っている機体こそ平凡なMS、リーオーだが、中からは隠そうともしない憎しみの念。
きっと、無差別殺戮を行う戦闘機(アストライアー)に怒りと憎しみを抱いているのだろう。

だったら確かめてやる。死んだらそれまでのことだ。
あとは動力施設なり何なりを破壊して、基地ごと吹き飛ばせばいい。
凶鳥の嘶き(いななき)にも似た音を響かせ、アストライアーは二挺のジュノーを乱射しながら加速した。


追記:アストライアーFGA MkI
(ttp://www.h5.dion.ne.jp/~ein_site/info/kitai/hyouji/astraea.htm)

写真ではカラーが黒いが、ゲーム中ではブルーのカラーリング。

132 名前:基地指令官 ◆1oWHscADPA :03/11/28 15:50

(>>130の続き)
「なぜ、迎撃が遅れた!?」
司令官は叫ぶ。

「Nジャマーにより発見が遅れました。レーダーに探知された時は
もう基地の近くに侵入していたと思われ・・・」

なんたる失態だ!
司令官は地団駄を踏んでいる。

「敵の正体はまだわからんのか!?」
「判りません!しかし、ザフト軍でない事は明らかです」

・・・・となると、スペースノイドの者達か?
あのナチュラルの癖にコーディネイターに味方する愚か者ども!!

追い討ちをかけるように部下の悲鳴じみた報告が入る。

「化学施設を破壊されました!!」

くそ・・・・どこまでもナメタ真似をしてくれる。

「航空支援はまだか!?」

133 名前:元連邦兵@BD一号機搭乗:03/11/28 20:09

随分と前に眠りから覚め、機体を走らせる…もっとも、補給が無いので低速でだが。

「やれやれ、補給が無いってのはやっぱりきついな…」

コクピット内で一人呟く…
この状態でもし、敵機だと思われ攻撃されたらたまったものではない。

「連合軍やBC軍なんかに見つけられても、補給が受けられるかはわからないからな…
 …いや、見つけられたら機体を明渡す様に言われるか…見つけたのは俺だが、はした金掴まされてそれで終いだな。」

苦笑しつつ機体を駆る…そして、操作のとおりに大地を歩いて行く蒼き機体。

134 名前:ミーレス&??? ◆FlaME4YnNg :03/11/28 21:15

その頃、基地では所属不明の幾人ものノーマルスーツを着た兵士達が紛れ込んでいた。
彼等はそれぞれのブロックに分散して基地のいたる所であることをした。

その様子を基地から遠くはなれたある場所である男が見ていた。

「ミーレスどもでもこれくらいはできそうだな・・・。」

その男はミーレスと呼ばれるその兵士を通じてモニターに映し出された基地の様子の映像をこまなく見つづけた。

「にしても人間どもは愚かだな・・・未だに己同士で傷つけ殺しあう・・・。」

その男は不気味に微笑を浮かべていた。

「さて、準備が終わったら基地を爆破させるとするか・・・そしてオレが乗り込んで・・・これでいい・・・。」

男はそう言うと真紅色の機動兵器を発進させた。
場所は連合軍の基地である。

135 名前:BC軍少女兵リリィ ◆1oWHscADPA :03/11/28 21:41


>>131

青く塗装された羽虫のような戦闘機は迎撃したMSを機体の下から伸びる腕に
ぶら下げた機関砲で次々となぎ倒してゆく。

それだけではない。倒すMSの数が少なくなると今度は車両や施設、
そして人間にまでその銃口を向けた。

その光景を見たリリィの怒りは遂に頂点に達した。


      「いい加減に!しろぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


獣のような叫び声と共にリリィはマシンガンの走りながらマシンガンの引き金を引く。
105mmマシンガン。一発でもあたればあの貧弱な戦闘機など粉々だ。
憎しみの弾丸が戦闘機をはじめて掠める。
銃弾の掠った敵戦闘機はは急上昇してインメルマン・ターン。
リリィのリーオーと正面から対峙する。ほどなく敵戦闘機は下部と上部に装着された
機関砲を乱射しながら突っ込んでくる。

リリィのリーオーは近くに横転していた一台のトレーラー
を掴んだ。そして――――――。

敵戦闘機のパイロットもこれには驚いたかもしれない。

トレーラーを戦闘機目掛け、放り投げた。

136 名前:連合軍少年兵 ◆1oWHscADPA :03/11/29 00:11

追記:現在確認されているブルーコスモス軍のMS

ストライク・ダガー
ジム
リーオー

ブルーコスモス軍の支配地域。

南北アメリカ大陸、東南アジア諸国(日本含む)、ヨーロッパ、
南アフリカ統一機構一帯。

生産拠点
アメリカの五大湖、カリフォルニアなどの西海岸。
日本の京浜、中京、関西、北九州工業地帯。
中国の沿岸部。
ヨーロッパ各地の工業地帯。

秘密工場、基地、施設多数。

137 名前:連合軍少年兵 ◆1oWHscADPA :03/11/29 00:21

ブルーコスモス軍のMSに追加。

砲撃戦用MSトラゴス。


138 名前:Astraea FGA Mk.I :03/11/29 11:48

>>135

リーオーが迫る。
その手に握られたマシンガンからは間断なく銃弾が吐き出されつづける。
だが、アストライアーはバレルロール、ハーフターン、ヨーを駆使し、
致命的な一撃のみを回避していく。
掠めた銃弾が、機体に黒い引っかき傷を描いていく。

二機の距離が半分ほどになった時、リーオーは驚くべき行動をとった。
側に横転していたトレーラーを引っ掴むや、アストライアー目掛けて投げつけたのである。
この距離で、この速度。回避など不可能に近い。
だが、アストライアーは回避するどころか、逆に加速。
上下のジュノーの火線を、飛来する鉄の塊と化したトラックに集中させる。
ただ一点のみに集中した銃弾は、トラックを真っ二つに引き裂いた。
その隙間を、一迅の疾風となって抜ける。

そのままリーオーに断罪の一撃を加えようとしたが――

CAUTION□
GUNPOD [JUNO] ENPTY OF AMMO□

ジュノーはからからと乾いた音を立てて、バレルが空回りするだけだった。
弾切れである。
だが、アインハンダー乗りにとってこんなことは問題ですらない。
リーオーがマシンガンを拾い上げ、銃口を向ける。
次の瞬間、アストライアーは驚くべき行動をとった。

機銃で牽制しつつ、下部のガンポッドをマシンガンの射線に投げ込み、囮とする。
上部のガンポッドをカメラアイを狙ってパージし、目くらましにする。
さらに、アームを伸ばし――

すれ違いざまにリーオーの頭部をアームで「殴りつけた」のだ。
一撃自体はたいした事はない。せいぜいモニターにノイズが走る程度だろう。
だが、それだけの時間があれば――
アストライアーは地面を掠めるように飛び、上昇。再びリーオーに向き合う。
だが、その上下には新たな武器が搭載されていた。

下部には巨大なカートリッジ式ライフル、ドーバーガンが。
上部には、ポンプアクション式のMS用ショットガンが。
基地のそこここにある、MSの残骸から奪取したものに相違ない。
アインハンダーの本領。それは、規格外の武装であろうとも、装備することができるということ。

そう。死神は、新たな鎌を手に入れたのだ。
ドーバーガンとショットガンが、炎に照らされて、ぎらりと光った。

139 名前:BC軍少女兵リリィ ◆1oWHscADPA :03/11/29 14:01



「あたれ!」

リリィはリーオーのコクピットの中で叫ぶ。
敵は近距離、しかもあのスピードだ。回避できるわけが無い。

しかし、次に敵戦闘機が行った行動に、今度はリリィhが驚く事になる。
投げられたトレーラーを回避するどころか戦闘機は逆に加速し、機関砲を
トラック目掛け集中した。
銃弾の集中を喰らったトラックは空中で真っ二つに引き裂かれ地面に派手に
激突する。

引き裂かれたトラックの間を疾風のように抜け、リリィのリーオーに迫る。
だが、それ以上敵の機関砲が吼える事はなかった。
バレルが空回りしている。どうやら弾切れのようだ。

―――なら。

こちらが105mマシンガンを拾い上げ再度射撃を試みようとしていた時、
敵は固定武装と思われる機銃を撃つ。さらに機体下部の腕からぶら下がって
いた機関砲をこちらのマシンガンの射線に投げ込み、上部の機関砲をカメラ
アイ目掛け投げつける。
一瞬マシンガンの射線がそれる。

さらに鈍い衝撃がリーオーのコクピットを襲う。

――――――殴られた?

大した損傷はない。モニターに一瞬ノイズが走っただけだ。

体制を立て直し、戦闘機と向き直ると敵はあらたな武器を装備していた。

140 名前:BC軍少女兵リリィ ◆1oWHscADPA :03/11/29 14:02

(>>139は>>138宛てのレス)

141 名前:??? ◆DANTEOlcmY :03/11/29 15:01

銀髪で赤色と黒色が主に使われているマント風の服を着て
背中に時代がかった長剣をくくりつけた男が基地の方に向かって歩いていた。
その男が何の目的で基地の方に向かって歩いているのかは分からない。
しかし男はまるで何かを追うようにひたすら基地の方に向かって歩き続けていた。

142 名前:BC軍少女兵リリィ ◆1oWHscADPA :03/11/29 15:56

(>>139の続き)
下部には巨大なカートリッジ式ライフル、ドーバーガン。
上部には、ポンプアクション式のMS用ショットガン。

おそらく、撃破されたMSの残骸から回収したものだろう。

リリィはまた激怒した。
自分達の仲間が使っていた武器をどこの誰かも判らない奴が使用している。
それだけでも許せなかった。

――――――所属?そんなもの判ってるわよ。どうせスペースノイドでしょう?

現在、ザフト軍にあのような機体は確認されていない。
遺伝子を弄びナチュラルを見下してるあいつ等が、ナチュラルの武器を扱える
機体など作るわけがない。

敵が射撃を開始するよりも一瞬早く、リリィのリーオーは駆け出していた。
すぐ後を火線が伸びてくる。

ふとある一つの物体が目に入る。それは輸送していた途中で放置されたのか。
無秩序に地面の上に放り出されている。

リリィは一瞬、なんでこんな物がここに?と考えを巡らせたが
すぐに思考を打ち切った。考えてる場合ではない。


リリィはそれを持ち上げた。
それは一見巨大なビームライフルにも見えたが、違った。

―――――――超高インパルス砲「アグニ」

コロニーの壁を一撃でぶち抜く破壊力を持ち、空を飛ぶ敵に対し
絶大な効果を発揮する。

これで、終りにしてやる!!

143 名前:名無し客:03/11/29 16:03

>>133
(メール欄)

144 名前:元連邦兵@BD1号機搭乗:03/11/29 17:08

>>143
(メール欄)


カリフォルニアの荒野を移動しているが、特に機影は見えない…青年の目的…それは、戦闘に巻き込まれても生き残る事…
そのために逃げ込んだ先にあった、この機体に乗り込んだ。

「ふぁ…景色も変わり映えしないな…
 カラバに知り合いでもいれば、協力する条件で補給と空輸も出来るんだろうが…俺には居ないしな…」

独り言を呟く…この青年は二年程前まで連邦に属し、生き抜いて来た。
―――もっとも、乗る機体は陸戦型GMなどの量産機だったが。
学生の時に志願兵として連邦軍に入り、一年程補給部隊に身を置き…MS適正試験を受けMSパイロットへ…階級が少尉の時に退役した…
理由はティターンズにある…やり方が気に入らない…噂ではコロニーにガスを注入したという。
まぁ、あくまで噂なので嘘か真かはわからないが…本人は過去などあまり気にしてはいない…今はただ機体を走らせる。

145 名前:運び屋少女@大型トレーラー:03/11/30 00:12

>>144

「♪〜♪♪〜」

鼻唄を歌い、ハチマキを棚引かせながら、ただ何も無い荒野を走る。
目的地など無い。目的地を決めるのは、自分ではなくこの愛車の調子とお客様次第。

……?
荒野の中に一つ、影が見える。
その影の形からして、MS。しかも連邦系。
色は青いし頭はジムだけど…あれは先行量産型ガンダム。客発見!

この何も無いところでお客様に会えるとは何と言う幸運。指を一つ鳴らし、
目の前を歩く蒼き機体へと、トレーラーを近づける。
そして手元のコンソールをいじり、通信を開いてみた。

「ねぇ!そこの青いののパイロット!乗ってく?安くしておくよ!」

まぁNジャマーかミノフスキー粒子かで聞こえるかどうかも知らないが。

(メール欄)

146 名前:元連邦兵@BD1号機搭乗:03/11/30 00:41

>>145
「ん…?」

レーダーに反応…一瞬、焦ったが…MSでは無いとわかるのにそう時間はかからなかった。
そして、近づいてくる大型トレーラーをメインカメラが捉え、機体の操作を止める。

「…民間のもんだよな…?多分…」

モニターを見て一人呟いていると、トレーラーから通信が入った。

『ね…そこの青…の…イロット!乗っ…く?安く…ておくよ!』

ミノフスキー粒子の所為か、少々雑音が入ったが内容は十分にわかった。
ありがたい…だが、手持ち金はあまり無い…間に合うか?などと思い、少し考えたが…
決断すると、回線を開く。

「ああ、出来れば頼みたい…安いならかなり助かるんだけどな。」

言葉につい苦笑が混ざった…それを気にしてか、「ゴホン」と気を取り直す様に咳払いを一つ。

147 名前:Astraea FGA Mk.I:03/11/30 11:19

>>142

リーオーが、地面に転がっていた緑色の「筒」を抱えた。
形状から推理すれば、大口径のレーザーキャノンの類か。
だが、大口径ならば、こちらが奪ったドーバーガンも負けてはいない。

がちゃん。

ドーバーガンに弾丸が装填される。
マズル・フラッシュ。
銃声は遅れてやってきた。あまりの初速に、音が追いつけないのだ。
次の手のため、ドーバーガンの狙いは甘くしている。
急加速するアストライアー。
レーザーキャノンの真正面から突撃する。

機体の大きさよりもはるかに巨大なMS用の武装を二基も搭載しながら、
動きが鈍った様子は微塵もない。
相手は間違いなくキャノンを撃つ。

MS乗りの常識を超えたものを見せてやる。
パイロットはにやりと笑った。

148 名前:BC軍少女兵リリィ ◆1oWHscADPA :03/11/30 13:19

>>147
アグニを持ち上げた瞬間、敵の持つドーバーガンの銃口に
マズルフラッシュが煌く。

―――――フン。狙いが甘いのよ!

ドーバーガンの一撃をかわしアグニの標準を敵戦闘機にあわせる。
敵は真っ直ぐにこちらに突っ込んでくる。敵はMSの巨大な武装を
持っているにも関わらず相変わらずのスピードだ。

―――――――でも。これでお終いよ。散々やりたい放題やってくれたわね。お礼はたっぷり返すわ。

アグニ最大出力。

閃光が煌く。

149 名前:??? ◆DANTEOlcmY :03/11/30 14:36

>>148
基地の近く
俺は空に向かって伸びていく光を目撃した。
その瞬間ある考えが俺の頭の中をよぎった。
「・・・・・なんだあの光は?
まさか・・・俺が追っている奴が出たのか?」
俺は急いで光が伸びている方向に向かって走りだした。

150 名前:運び屋少女@大型トレーラー:03/11/30 14:42

>>146

『あ……出来…ば頼み…い…安い…ら…なり助かる…だけど…。』

目の前の青いジム頭から返事が返ってきた。
どうやらその口調、内容から推察するに金が無さそうな気配がぷんぷん。

『ゴホン』

うん。金が無いなこりゃ。
まぁ旅は道連れ世は情け、こんなところで出会ったのも何かの縁だろう。
ジム頭を追い抜き、トレーラーを止める。再び回線を開きパイロットに呼びかけた。

「OK!それじゃあ後ろに乗っけてね。あと私の荷物にぶつけないでよ!」

私の愛車は元々ジオン軍がMS運用のために使っていたトレーラーの改修車、
標準サイズのMS2機が載せれるようになっている。
その荷台にはMS一機分の空きがあったが、もう一機分のスペースには何だかフシギなものが載っていた。

シートを掛けられた『私の荷物』のシルエットは、MSサイズの巨大なハートに見えた。

151 名前:元連邦兵@BD1号機搭乗:03/11/30 16:56

>>150
トレーラーが自分の乗るMSの前へ出て行き、返答が入る。

『OK…それ…あ後…乗っけて…あ…私の荷物に…ぶ…けないでよ!』

乗せて貰えるか…そう考えると、ホッとしたのか一息吐き出した。
そして、雑音が相変わらず入る通信回線を再び開いた。

「すまない、ありがとう。ああ、君の荷物にはぶつけない様に気をつける…。」

と、返答すると、メインカメラが最初から乗っていた機体を捉える。

「…ん…?MS…か…?不思議な機体だな。」

モニター越しにハートのシルエットの機体を見て呟いたが…
…後から聞いてみるかなどと思うと、トレーラーに自分の機体を載せコクピットハッチを開き外へと出た。

152 名前:運び屋少女@大型トレーラー:03/11/30 23:16

>>151
『すまな……あ…がとう。ああ、君…荷物に…ぶつ…ない…に気をつける…』

この距離でも回線を通して聞こえる男の声にはだいぶ雑音が入っているが、
声からしてそこそこ若いことが分かった。
…ついでに言っておくならこれだけミノフスキー粒子の濃度が濃いから
この辺りは軍事基地のレーダーとかに引っかからなくて安全なんだけれども。

車を降り、こちらへと近付いてきたMSを見つめる。
ジムの頭部、多くの改造のなされた陸戦型ガンダムの胴体、蒼いボディカラー…
その機体の特異な姿に眉をひそめた。
トレーラーにジム頭が仰向けに倒れ、そのコックピットから、青年が姿を現す。

「お〜い!」

その青年へと大声で呼びかけ、笑顔で片手を振る。

「本日はご利用いただきありがとうございまぁ〜す!助手席に乗ってもらえる〜?」

153 名前:元連邦兵@BD1号機搭乗:03/11/30 23:46

>>152
「ふぅ…取り敢えずは一安心か…。」

外に出て呟いていると…

『お〜い!』

声が聞こえ、笑顔で片手を振っている少女の顔を見る。
声の感じからして、若いとは思ったがまだ少女…多少驚いた。

『本日はご利用いただきありがとうございまぁ〜す!助手席に乗ってもらえる〜?』

矢次ぎに掛かる声…それを聞くと地面に降り立ち…

「あぁ、了解…っと…癖が出たか…分かった。」

言葉を返すと、トレーラーの助手席へと乗り込む。

154 名前:Astraea FGA Mk.I :03/12/01 10:42

>>148

予想通り。
真正面から突撃するアストライアー目掛けて、リーオーはレーザーキャノンを撃った。
喰らったら最後、機体どころか魂まで消し飛ぶだろう。
光が押し寄せる。
ドーバーガンが二度火を噴いた。
一発は迫るレーザーに。
一発は真横の施設に。

次の瞬間、アストライアーは驚くべきマニューバを見せた。
真横に「飛んだ」のだ。
もちろん、アストライアーにこんな機能は付いていない。

トリックはこうだ。
最初に、迫るレーザーに放ったドーバーガンの反動と、ダイブブレーキの併用によって、強制的に一時停止。
続いてドーバーガンを真横に発射し、反動をを無理やり横方向のベクトルに変化させたのだ。
しかしこれで終わりではない。
再び嘶きにも似た轟きを響かせ、アストライアーはキャノンの旋回半径内に潜りこんだ。

ターゲットをロック。

LOCK□
ALL WEAPON FREE□

FIRE□


轟音轟音轟音轟音轟音轟音轟音轟音轟音轟音。


至近距離から放たれたショットガンが、逃げ場を与える間もなく、リーオーの装甲を抉る。
それに合わせて連続発射したドーバーガンの弾丸が一点集中。
キャノンを支える左腕を文字通り「粉砕」した。
同時に急速離脱して距離をとる。
一撃でも喰らえばアウトのアストライアーにとって、ヒット・アンド・アウェイは基本である。
ついでに、ドーバーガンをまた手近な施設に叩き込む。

パイロットは確認すらしていなかったが、そこにはこうあった。

『捕虜収容所』
捕らえたコーディネーターの一時収容施設であった。

155 名前:運び屋少女@大型トレーラー:03/12/01 17:56

>>153
私の見る前で青年は地面に降り、助手席へと乗り込んだ。

「了解…か。やっぱり軍人かな?」

私も運転席に乗り込み、キーを差し込んで捻り、エンジンを起動する。

「ほい」

座席の後からペットボトル(ミネラルウォーター)を取り出し、青年に手渡す。
頭に?マークを浮かべながら受け取った青年に、サービスだよ、と言うことも忘れない。

「それじゃあ目的地はどこ?ロス、シスコ、サンディエゴ、それともベガス?」

ま、ラスベガスはありえないだろう。多分サンディエゴの連合軍基地にでも行くに違いない。
ただそこまでの最短ルートは、この先の砂漠地帯を抜ける必要がある。

あの辺りには、運び屋の仲間内で悪い噂があった。
通った者はほぼ例外なく――――――帰らない。

156 名前:元連邦兵@BD1号機:03/12/01 21:19

>>155
助手席に乗り込むと、すぐに少女も運転席へ乗り…キーを回し、トレーラーのエンジンに火が入る。

『ほい』

…?取り出し、差し出されたペットボトルを見ると、一瞬置くと受け取る。

「…あ、あぁ…悪いね。」

サービスか…なら、別に問題は無いか。などと思ながら受け取り、キャップを開ける。

『それじゃあ目的地はどこ?ロス、シスコ、サンディエゴ、それともベガス?』

目的地…か…そういや、考えてなかったな。軍人でも無い身…どうするかと考えていると、少女の表情が少し曇っている事に気付いた。
それを不思議に思ったが、理由は考えても判らない…思い切って訊こうと口を開く。

「…実は目的地も、決めてないんだよ…こいつ(MS)も拾った様なもんだし。
 で、ちょっと顔色が悪い様だが、どうかしたのかい?」

こんな事を言われて、少女はきょとんとしていたかもしれない。
だが、顔全体の表情はもう見ずに、少女の目を見ながら言う。

157 名前:BC軍少女兵リリィ ◆1oWHscADPA :03/12/01 23:23

>>154
――――――しとめた。
リリィは一瞬、勝利を確信した。しかし、次の瞬間その表情が硬直する。
敵戦闘機はリリィの予想を遥かに越えた機動をとったのだ。

「真横に飛んだ!?」

リリィは叫んだ。その一瞬の隙つかれた。
リリィが我に帰るった時にはもう、敵はアグニの旋回半径内に潜りこんで
いた。

―――――いけない!

至近距離から放たれたショットガン。それと同時に放たれたドーバーガン
の衝撃がリリィを襲う。

「きゃああああああああああ!!」

モニターに機体の損傷が報告される。
左腕が使い物にならなくなっている。

敵戦闘機は急速に移動し距離をとる。
その途中でドーバーガンをまだ無傷の施設に打ち込んだらしい。

「あれ?」

それを見たリリィは、場違いな、一種間抜けな表情を浮かべた。
敵戦闘機は捕虜収容所を吹っ飛ばした。
中にはかなりのコーディネイターの捕虜が居たはずなのに・・。

――――――スペースノイドはコーディネイターと共存を訴えてるんじゃないの?



158 名前:BC軍少女兵リリィ ◆1oWHscADPA :03/12/01 23:27

>>154
(メール欄)

159 名前:BC軍少女兵リリィ ◆1oWHscADPA :03/12/01 23:36

(>>157の続き)
―――――多分、これは大問題になるわね。

とにかく今は生き残る。こんな所で死ねない。
リリィのリーオーは衝撃の少ないビームライフルに持ち替えた。

片腕を失っても、リーオーからは戦う意思が溢れていた。

160 名前:イグニス ◆FlaME4YnNg :03/12/02 00:12

――――そろそろやるか・・・・。

オレ、イグニスはルイーナ、メリオルエッセの一人だ・・・。
丁度、オレ達の手足として動いている意志のない兵隊”ミーレス”どももそろそろ例の爆弾を仕掛け終わったようだな。
あそこにはコーディネーターと言う人間を遺伝子的に改造した人間の収容そして処分する施設らしい・・・。
オレの目的はあの施設の破壊・・・それと同時に得られる人間とコーディネーターの苦しみともがき・・・死の恐怖・・・そして絶望と言った負の感情だ・・・。
オレにとっちゃコーディネーターだろうが・・ブルーコスモスだろうが関係ねえ・・・。
ただあいつらの苦しむ姿と憎しみさえあればいい・・・。

「やれ・・・。」

オレは静かに基地にいるミーレスにそう命令した。

――――すると前方の方で光が見えた。
どうやら基地が消滅した事を示す狼煙だ・・・。
さて・・・生き残った連中がいるか確かめるか・・・。

オレは愛機インペトゥスでその”基地”がさっきまで存在していた場所へ飛んだ。

161 名前:運び屋少女@大型トレーラー:03/12/02 01:59

>>156
私が青年に目的地を訊ねたら彼は少し考え、私の目を見ながらこう言った。

『…実は目的地も、決めてないんだよ…こいつ(MS)も拾った様なもんだし。
 で、ちょっと顔色が悪い様だが、どうかしたのかい?』

とね。少しばかり唖然とした。おいおい、目的地ぐらい決めておいてよ。
…いや、それよりこの先の砂漠のことなどを考えなくては。実際最近見ないヤツが何人かいるし。

「う〜んと…ロスか、サンディエゴ…まぁ西海岸に行くのならこの先の砂漠を通らないと
 いけないんだけど…まぁその砂漠に行った奴がそれっきりっていう噂があるの」

なら避けて行けばいいんじゃないかい?と言う青年に向かい、私は苦笑をしながら答える。

「それが砂漠を迂回すると燃料がマジでやばくてさぁ…その…直進するしかないワケで。
 …この先どこかに行くならロスかサンディエゴはベストなんだけどね」

嗚呼、こんな時あの人がいたらどうするのだろう。
…多分このバカモノがぁ!とか怒鳴られて進まされそうだが。

162 名前:元連邦兵@BD1号機:03/12/02 05:25

>>161
流石に明確な目的地も無いのでは、少女が唖然とするのも無理は無いだろう。
目的としてはまず、補給だが…生憎、そういう便利な知り合いは居ない…

『う〜んと…ロスか、サンディエゴ…まぁ西海岸に行くのならこの先の砂漠を通らないと
 いけないんだけど…まぁその砂漠に行った奴がそれっきりっていう噂があるの』

なるほど、表情が曇った理由はこれか…何故砂漠を通る者がそれっきりになるのか…少し興味もあるが…
もし、噂が本当かどうか確かめようと、好奇心に任せて砂漠を通り、MSやその他の機動兵器の類に出られるのも困る。
そう考え、避けて行けばいいんじゃないかい?…と言うと、返答は苦笑と共に返って来た。

『それが砂漠を迂回すると燃料がマジでやばくてさぁ…その…直進するしかないワケで。
 …この先どこかに行くならロスかサンディエゴはベストなんだけどね』

燃料がヤバイって…なぁ…とはいえ、こればかりはどうにもならない…ロスかサンディエゴに行くのがベストとは言うが…
通ろうとした者はそれっきり…という、噂の砂漠を通るリスクもある。さて、どうするか…
選択肢は二つ、とりあえず腹を決めて砂漠を通るか、西海岸地帯以外の場所を目的地にして向かうかのどちらか。
腕組みをし、暫く考える…そして、考えがまとまると口を開く。

「…ロスかサンディエゴに向かった方が、この先別の場所に行くならベスト…か…
 それなら、とりあえず直進かな?その、消えるっていう噂も…少し気になる。
 もしかすると、連合や、BC軍…もしくはティターンズなんかの秘密基地、工場なんかがあったりしてな?」

腹は決まった、とでも言う様に、青年の表情には軽く笑みも含まれている…そして最後の言葉は、冗談まじりの様に。
だが…砂漠地帯など、過酷で人が近づかない様な場所は、人間が駐屯する秘密基地は地下なら有得るとして…
無人工場などなら、しっかりと管理さえすれば問題無く機能する…それを含めて半分冗談、もう半分は本気だ。

「連邦の頃には、この辺に工場や基地なんか無かったと思うが…まあ、ティターンズが発足してから俺は退役したからな…」

と、自分の身の上を独り言の様に呟くと、蓋を開けたペットボトルに口をつけ、中身のミネラルウォーターを飲み込む…
ふと、最初から載っていた少女の荷物を思い出した。

「そういえば、君の荷物って…何だい?MSサイズみたいだが…
 あー…言えないとか、言いたくないなら別に答えなくても良いけど。」

シート越しにシルエットが確認出来たが、ハート型という不思議な形…MSでは無いかもしれないが、訊いてみる。
…もしもだが、砂漠でMS、機動兵器の類が出るならば、EXAMという聞き慣れない装置…一部の武装変更…
試作段階だった、マグネットコーティングまで施されてるが…改修されていても、元は陸戦型ガンダム…GMよりはマシだが。
そして…戦闘に入れば、砂漠という条件下、相手にする機体の数にも左右される。
機動兵器等が出ると仮定して、自分の機体一機だけでは何処までやれるか判らない…戦力は多い方が良いと思ったのだろう。

163 名前:Astraea FGA Mk.I:03/12/02 12:33

>>157
弾丸を撃ち尽くしたドーバーガンとショットガンをパージ。
再び残骸から新たな武装を奪う。
MS用のロケットランチャーとミサイルランチャーだ。

片腕となったリーオーは、レーザーキャノンを捨て、ビームライフルに持ち替えて攻撃してきた。
動きの鈍った機体が、おぼつかない挙動で機械的に射撃してくるのだ。
動きを見切るのは容易過ぎる。
矢継ぎ早に浴びせられるビームの雨を、易々と突破。

LOCK□
ALL WEAPON FREE□

FIRE□

下部のロケットランチャーが。
上部のミサイルランチャーが。
同時に火を噴いた。
誘導性能に優れたミサイルが複雑な機動を描いて逃げ道を奪い、
直進性能と威力に優れたロケット弾が必殺の一撃となる。

ロケットをかわせばミサイルが。
ミサイルをかわせばロケットが。
文字通り必殺の布陣をもって、ミサイルとロケットがリーオーに着弾し、大爆発を起こした。
煙が晴れたあと、そこには焼け焦げた大地と、倒れ伏したリーオーの残骸だけが残った。

『指揮衛星“ヒュペリオン”ヨリ通信。当該基地ヘノ奇襲ト破壊ハ成功トスル。
 残存兵力ハ無視シ、次任務ヲ遂行セヨ。700km前方ニ存在スル――』

ヒュペリオンからの通信をうけ、パイロットはアストライアーを転進させる。
炎で真っ赤に染まった空を、死神が翔ける。
次の任務、次の次の任務の果てに、パイロットとこの機体には驚くべき結末が待っているのだが、
それは語るべきことではない。

アインハンダー。空の死神、異形の凶鳥。
撃って、奪って、ぶち壊す、セレーネ軍戦闘機の代名詞。

(Astraea FGA Mk.I 退場)

164 名前:BC軍少女兵リリィ ◆1oWHscADPA :03/12/02 22:58

>>163
次に私が目を覚ました時。自分がどこに居るのか一瞬判らなかった。

―――――ここはどこ?ねぇ、お父さん、お母さん。

次の瞬間、全てが戻って来た。
スペースノイドの襲撃。次々と殺されてゆく仲間達。
そして戦闘。
あわててコクピットの開閉レバーを開く。

外に出たリリィの見たもの、それはあまりにも対照的な光景だった。

青く晴れ渡った空。徹底的に破壊された基地。MS、車両の残骸。
そして―――――つい数時間前まで一緒にいた、仲間達。

「あ・・・ぁぁあああああああああああああああああ!!!!!」

私は叫んだ。喉が張り裂けんばかりに。

憎い・・憎い・・・・憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い!!!!!

よくも仲間を、Nジャマーの大災害、ジェネシスのワシントン砲撃でボロボロ
になりながらも必死で、一緒に力を合わせて生きてゆこうとしていた人達を!!

「許さない!!!絶対に許せないぃいいいいいい!!!!!」

殺してやる。コーディネイターだけじゃない。スペースノイドも皆、殺してやる。
いつもいつもそうだ。被害者面して、同情を買って、その一方で牙を磨ぐ。
これがあいつ等のやり方だ。

この日、私の中に再び一つの感情が蘇った。
大切なもの――――親を――――永遠に失った。ワシントン砲撃の日。
虚無の感情が蘇った。

165 名前:BC軍少女兵リリィ ◆1oWHscADPA :03/12/02 23:03

(>>164の続き)
数日後、仲間の死体を全て埋葬し、私は他に生き残った僅かな仲間と
共に別の基地へ移った。

基地を襲撃したのは月のセレーネ軍と呼ばれる組織の、戦闘機アインハンダー
と呼ばれるものらしい。

―――――仇は撃つわ。

私は拳を握り締める。

数日後、私は別の作戦に従事する事になる。

166 名前:イグニス ◆FlaME4YnNg :03/12/02 23:05

>>164
「ククククッ・・・凄まじいドス黒き憎悪じゃねえか・・・。」

その時、少女の頭上から声が聞こえてきた。
少女が上を向くとそこには紅蓮の人型の機動兵器が空中にあった。

「悔しいだろう・・・オレがこの基地を爆破してやったんだぜ。」

男はさらに挑発するように言った。

「もっと憎悪しろ、嘆け、憎め、怯えろ・・・そして絶望しろ!!」
男はさらに脅迫するように罵声を続けた。

167 名前:イグニス ◆FlaME4YnNg :03/12/02 23:10

>>166の続き
男はそう言って引き上げていった。
どうやらこれで満足したようだ。

やがてルイーナなる謎の組織が大幅な破壊活動に移るのはその数日後だった。
ルイーナによる大規模な占領を問わない破壊活動は日が過ぎるごとによってさらに激化した。

連合軍はルイーナに対する策を何も打てなかったのであった。

168 名前:運び屋少女@大型トレーラー:03/12/02 23:19

>>162
青年が腕を組みしばし考える。ま、こんな話聞いたら普通考えるよね。
燃料は余分に積んでないし、砂漠は悪い噂があるし…こういうのを
前門の虎、後門の狼と言うんだっけ?…違ったかな。
そんなことを考えるうちに、青年が口を開いた。

『…ロスかサンディエゴに向かった方が、この先別の場所に行くならベスト…か…
 それなら、とりあえず直進かな?その、消えるっていう噂も…少し気になる。
 もしかすると、連合や、BC軍…もしくはティターンズなんかの秘密基地、工場なんかがあったりしてな?』

その表情に軽い笑いを浮かべながら、青年は冗談めかして言った。
どうやら、この様子だと腹を決めたらしい。
…おもしろい。連れて行ってやろうじゃないの。私は青年の言葉ににやりと笑った。
その呟きから、青年は軍人ではないと私は知る。私の見る前で青年はボトルの水を飲み、
ふと何かを思い出したように目線を上げ、こちらを向いて私に問う。

『そういえば、君の荷物って…何だい?MSサイズみたいだが…
 あー…言えないとか、言いたくないなら別に答えなくても良いけど。』

その言葉に待ってましたとばかりに私は笑い、こう答える。

「ああ、アレ。ヘンテコな形でしょ?でも変形したらメチャクチャカッコ良いんだから。
 ある人からもらったんだけど…モビルファイターって言えばわかるかな?」

青年の目の色が変わった。まぁ普通は驚くだろう。
私が出会い、しばらくともに過ごした人から必要ないものともらったMF。
…其の名は『シャッフル・ハート』。王者の風を吹かせる機体。

169 名前:ウンブラ ◆yTYsy5wW2M :03/12/02 23:24

>>168
―――――ワタシはウンブラ・・・。
メリオルエッセの一人・・・。

人間の高い負の感情をさらに増大させるべく”憎しみの元”となる機会を探していた・・・。
ワタシがある小さな街を壊滅させ、我が機体を別の場所へ隠し終えた時・・・運命が動き出した。

後方から”何か”を積んでいるトラックが走ってきたのだ。
ワタシは己のカンを感じた・・・。

「ついているな・・・・。」

そしてワタシはヒッチハイカーと呼ばれし車を持たぬ移動者の振りをし、その運転手の目を引くこととした・・・。

――――これは火種となるとな・・・。

170 名前:BC航空兵ワタル ◆1oWHscADPA :03/12/02 23:30

――――――――――ヨーロッパ。フランス、スペイン国境。

「畜生!!この借りは倍にして返してやる!!!」

俺は、BC軍戦闘機。”スカイグラスパー”のコクピットで叫んだ。

日本の仲間達の居る基地が月のセレーネ軍の機体に襲撃されたと
知られたのは、つい先日だった。

真夜中の、しかも超低空からの侵入により、ろくに対処も出来ずに
一方的にやられたと言う。
さらにワタルを初め、BC兵を怒らせたのは戦闘機が無抵抗の
人員まで殺傷した事だ。

―――――ゆるさねぇぞ。空の化け物ども。

先日の奇襲に対する報復は即座に許可された。
基地からは無数の航空機が飛び立った。

セイバーフィッシュ、フライマンタ、ティンゴット、トッリアーエズ、
ガンペリー、コアファイター、コアブースター、VTOL戦闘機そして
スカイグラスパーなど多数の航空機がアフリカに存在する(と思われる)
スペースノイドの基地を目指して飛行してゆく。

さらに前方には、空中戦用MSエアリーズが同行していた。


171 名前:BC海軍兵キリアン ◆1oWHscADPA :03/12/02 23:38

さらに同時刻、海上を進んでゆく数隻の艦隊があった。

その艦隊は、”モニター”とMS母艦、駆逐艦、ロケット砲艦そして
揚陸支援艦数隻からなっている。

モニターとは喫水線の浅い、平べったい船体に不釣り合いな35センチ、
40センチと言う巨砲2〜4門を搭載する沿岸防衛用の艦だ。

この艦は航空隊に呼応し、スペースノイドの基地の砲撃を行う任務を
与えられたいた。

「あなた達をゆるしはしません」

モニター艦の一隻”エレバス”の砲座にいる紅顔の少年兵キリアンは
小声で誓った。

172 名前:元連邦兵@BD1号機:03/12/02 23:47

>>168
少女からの返答は、「待ってました!」…という様な、笑いと共にすぐに返って来た。

『ああ、アレ。ヘンテコな形でしょ?でも変形したらメチャクチャカッコ良いんだから。
 ある人からもらったんだけど…モビルファイターって言えばわかるかな?』

MF…なるほど、実物は見たことは無いが、噂は聞いた事がある…可変型がある事なども聞いた。
だが、驚いた…MSとは操縦方式の違う、MFが少女の持ち物という事に。
そして、MFという未知の機体…少女の技術は判らないが、一機だけでは無いので頼もしく思える。
…「ある人」…というのは、少し気になったが。

「あぁ、実物は見たことは無いが…話なんかでは聞いた事もある。
 変形というと、今はモビルアーマー形態なのかい?…ま、変形した姿を見たい気もするが…
 この先に通る砂漠では、そうならない方が良いねぇ。」

苦笑しつつ、もう一度ペットボトルを口につけ、斜めに傾ける。
ある人の事を聞くのは、少女の気を悪くするかもしれないと考え止めた…
まぁ、何はともあれ…MSとMFがあれば、砂漠を通ってもなんとかなるだろう。
そう思いながら、ペットボトルのキャップを閉めた。

173 名前:コンターギオ ◆4dgmAenWe. :03/12/02 23:50

>>170-171
―――――某所、ルイーナの地下施設
ここでは我らルイーナ軍の主力機動兵器の量産が進められていたのだ。
さらに死んだ連合兵やザフト兵、果ては民間人の遺体は再利用され我々の手足であるミーレスの量産も・・・。

「クククク・・・世界は確実に憎しみに包まれつつあるようだな・・・。」

私、コンターギオは偵察隊が齎した連合軍やブルーコスモスの動きを見て愉快でたまらなかった。

「愚かな連中だ・・・あの基地を爆破させたのは我々だとも知らずに・・・。」
「そんなことはどうでもいい、奴らを叩き潰すのか?」

私の後ろには片眼の男がいた。
”アクライ”・・・我々メリオルエッセの一人だ。

「コンターギオ、各都市の破壊によって齎される負の感情だがまだ規定値には足りぬ・・・。」
「分かっている、そのためだろ・・・クククク。」
「俺に連中を潰させろというわけか?」
「まあそういうことだ、特に空軍は厄介だ。奴らにここや他の施設を見つけられるとな。」
「分かった、ならば行こう、だが俺のやり方でやらせてもらおう・・。」

そういってアクイラはこの部屋から出て行ってしまった。

「まあいい・・・アクイラよ・・・”破滅の王”のためにより破壊と絶望を齎してくれよ・・クククク」

私はさらに人間は負を広げるよう我々の勢力を拡大させる事としよう・・・。
破滅へのカウントダウンが楽しみだ・・・。

174 名前:???(魔人) ◆DANTEOlcmY :03/12/02 23:57

>>171
目的は不明だが海上に浮かんでいる艦隊に向かって近づいてくる者がいた。
近づいてくる者それは・・・・・
背中に翼が生えていて人間に近い姿をしている化け物だった。

175 名前:BC航空兵ワタル ◆1oWHscADPA :03/12/03 00:20

>>173
国境地帯を抜け、スペイン上空に入った時、突然仲間の機からの通信が入った。

「一時の方向!敵飛行物体出現!!」

――――――敵か!!

見てみると、仲間の知らせた方向から、謎の飛行物体が接近してくる。

「護衛機以外の機体は全機散開!敵飛行物体を撃墜せよ!!」

「護衛機はガンペリーを守れ!」

俺は操縦桿を引き、急回避に入った。
仲間の機体も一斉にばらばらに散開してゆく。

俺は叫ぶ。

「ミサイル発射用意!!」

176 名前:BC海軍兵キリアン ◆fDgN2CQV56 :03/12/03 00:26

>>174
―――――モニター艦。エレバス。

駆逐艦のレーダーがある機影を捕らえた。
初めは、航空機かと思われたがそれは違った。

いや、それはその場に居た誰もが、キリアンも含め、誰もが
今まで見た事のない”物体”だった。

「なんだあれは・・・・?」

177 名前:sage:sage

sage

178 名前:運び屋少女@大型トレーラー:03/12/03 00:18

>>172
私の言葉を聞いた青年は苦笑を浮かべながら、言葉を返した。

『あぁ、実物は見たことは無いが…話なんかでは聞いた事もある。
 変形というと、今はモビルアーマー形態なのかい?…ま、変形した姿を見たい気もするが…
 この先に通る砂漠では、そうならない方が良いねぇ。』

まぁたしかに、使わないにこしたことはないだろう。
青年は苦笑しつつ水を飲み、キャップを閉めた。

「実はかなり使ってみたいんだけどね…」

ボソッと呟いてみたが、多分青年には聞こえてはいないだろう。

>>169
なおも笑顔を浮かべながら、前方を見ると何か影が見えた。
すぐにそれはヒッチハイカーだとわかったのだが…ぁゃιぃ。格好が何よりあやしすぎる。
…とは言え私はそれ以上の疑問を抱かずに、変わった格好の人程度と捉え、車を止める。
窓から体を乗り出し、魔術師風味のソレに話しかけた。

「ねぇキミ、乗ってくの?」

179 名前:元連邦兵@BD1号機:03/12/03 00:47

>>178
『実はかなり…』

少女の呟きは、最初の方だけ聞こえたが…最後は聞こえなかった。
何か言ったかい?と、聞こうと少女の方を見たが…
トレーラーが止まったので発しようとした言葉を飲み込む。
…そして、前を見ると、魔術師の様な風貌の人物が立っているのが見えた。
怪しい…かなり…果たしてマトモな人物なのか?…という、不安が脳裏を少し過ぎる…

「…何者なんだろうな…」

つい、呟いた…小さくだが。

180 名前:sage:sage

sage

181 名前:???(魔人) ◆DANTEOlcmY :03/12/03 00:57

>>176
その化け物は一度接近するのをやめエレバスの方をじっと眺める。
しかし、しばらくすると眺めるのをやめまた高度を下げながらエレバスに接近していった。
しかしそのスピードは先程よりも速い。
どうやらエレバスの甲板の何処かに着地するつもりのようだ。

182 名前:BC海軍兵キリアン ◆fDgN2CQV56 :03/12/03 01:02

>>181
「艦長!」
「いや待て!下手に刺激してはならん!!」

艦長は射撃を見合わせた。その物体はエレバスに着地するつもりらしい。

キリアンは甲板に出た。
物体が降りてくる。僕の方向に。

183 名前:???(魔人) ◆DANTEOlcmY :03/12/03 01:41

>>182
その化け物はキリアンのすぐ近くに着地した。
着地後化け物はある動作をする。
すると化け物の姿が消え代わりに
銀髪で赤色と黒色が目立つマント風の服装をし
背中に時代がかった大剣をくくりつけ
片手に携帯型の小型ミサイルランチャーを持った男が姿を現した。

184 名前:名無し客:03/12/03 15:19

>>177(メール欄)

185 名前:名無し客:03/12/03 15:51

では改めて。
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/read.cgi/game/116/1070378707/l100

186 名前:アクイラ ◆QVqgYqgC3U :03/12/03 22:50

>>175
俺がアクイラ、ルイーナのメリオルエッセの一人だ。
今俺は地球連合軍どもに更なる絶望と恐怖を与えるためにフォルティス・アーラに乗ってアンゲルスで構成された部隊を率いて向かっている。
――――もうすぐだな・・・。

やがて、連合軍の部隊が見えた。
敵は戦闘機を中心に飛行用MSも配備された部隊だ。
こいつらがどれだけ俺を楽しめさせるかは微妙だが邪魔者は排除したほうがいい・・・。

俺はその部隊に対してこう言った。

「俺を呼んだのはお前達の憎悪と怒りの念か、感じるぞ、お前達から発する強烈なる憎悪を・・・。」

この者達は仲間を殺された憎悪に塗り固められている・・・。
この負の感情、我等の糧となりうるのだ。

「俺の名はアクイラ、我らルイーナの名を改めてしるがいい・・・。」

俺の言葉と同時にアンゲルスらのビームが航空部隊を襲う。

187 名前:BC航空兵ワタル ◆1oWHscADPA :03/12/03 23:12

>>186
やがて、雲間からこれまでのデータにない、異形の機動兵器が
姿を表した。
唐突に敵からの物と、思われる通信が入った。

「俺を呼んだのはお前達の憎悪と怒りの念か、感じるぞ、お前達から発する強烈なる憎悪を・・・。」

突然の通信、しかも訳の判らない事を言っている。

――――なんだ?何を言ってるんだ?

そこまで考えた時さらに通信が入ってくる。

「俺の名はアクイラ、我らルイーナの名を改めてしるがいい・・・。」

まさか。コイツは――――!

次の瞬間敵の機体から光が迸った。

「全機。ブレイク!!」

隊長の叫び声を認識するまでもなく俺達は緊急回避する。
これまでに、殆どの味方機は散開している。

俺は、パネルのスイッチを押し、叫ぶ。

「ミサイル発射!!」

188 名前:BC海軍兵キリアン ◆fDgN2CQV56 :03/12/03 23:22

>>183
まるで、子供の頃(といってもキリアンはまだ14だが)に読んだ
ファンタジー小説の1シーンのような光景だった。

エレバスの甲板に着地したモンスターが幽霊のように姿を消し
代りに現れたのは銀髪で赤色と黒色が目立つマント風の服装をし
背中に時代がかった大剣をくくりつけ
片手に携帯型の小型ミサイルランチャーを持った男が姿を現した。

僕はゆっくりとその男に近づく。他の兵士達はそれを固唾を飲んで
見守る。

全速力で走る船の上、前方からやや強い風が吹いている。

僕はその勇気を出し、男に話し掛けた。

「・・・・あなたは・・・一体・・?」

189 名前:BC軍 ◆1oWHscADPA :03/12/04 16:04

―――――――アメリカ。カリフォルニア州ロサンゼルス郊外。

森に囲まれた、一つのちっぽけな山小屋。
この家の地下にブルーコスモス軍の情報収集及び、分析を行う大規模な
施設が存在する。

すなわち、山小屋は上空からの発見を困難にするカモフラージュなのだ。

その中で、先日日本の関東地方のブルーコスモス軍施設を襲った正体不明の
敵について、分析と対策が講じられていた。

暗い会議室のスクリーンにはスライドで、偶然撮影された敵戦闘機の写真、
そして謎のスーツ姿の人物が映し出されている。

「生存者と目撃者の証言及び、この写真を照合した結果この戦闘機は月のセレーネ軍
に所属する機体と思われます。しかしもう一方のノーマルスーツの集団に関してはい
まだ所属が判明しておりません」

分析官が報告する。

「なぜ月の軍が我々に敵対する?狙うならばOZかティターンズの基地
でも攻撃すればよかろうに」

将官の問いに分析官が答える。

「本当の意図はわかりませんが、これは我々に対する挑発ではないかと」


190 名前:BC軍 ◆1oWHscADPA :03/12/04 16:14

(>>189の続き)
その言葉に一人の将官がテーブルを叩いた。

「挑発?これのどこが挑発だ。これは明らかな敵対行為ではないのか?
奴等の事だ。コーディネイターどもの肩を持つ気なのだろう」

分析官はそれに答えた。
「私も最初はそう考えました。しかし、それでは一つ矛盾が生じます。
あの当時、あの施設には少なくとも一千人以上のコーディネイターが
収容されていました。普通ならば今回のようなやり方はせずに救出に
くるはずです。しかし実際はこの戦闘機もノーマルスーツの集団もコ
ーディネイターなど一切関係ないかのように無差別に攻撃を仕掛けま
した」

さらに別の分析官が続ける。
「その日を境に、世界各地でテロ行為が頻発しております。そしてその度に
このスーツ姿の集団が目撃されているのです。やはり、ナチュラル、コーディ
ネイターなどの区別なしに攻撃は行われています」

参謀が言う。
「早急に対策を講じねばなるまい。少なくとも我々には敵が二つも
出現したのだからな。


191 名前:BC軍 ◆1oWHscADPA :03/12/04 16:17

その結果以下のような対策が取られる事になった。

1、戦闘機の襲撃に対する各基地の防空能力の強化。戦闘機のさらなる増強。

2、スーツ姿の集団に対しては対テロリスト部隊を創設し、対処する。

3、無人兵器の早急な配備。

4、ブルーコスモスに協力する各国の都市を防衛する「スーパーロボット」の
建造を急ぐ。

192 名前:BC軍 ◆1oWHscADPA :03/12/04 16:23

南北アメリカ、ヨーロッパ、ユーラシア、東南アジアなどの各国では
都市などを防衛する「スーパーロボット」の建造が進んでいた。

MSとは違い、圧倒的な巨体を誇り、強大な火力を持つスーパーロボットは
一体だけでも極めて強力な戦力となる。

各国ではBCとの強力の元、一台でも多くのスーパーロボットを建造
しようとしていた。

193 名前:コンターギオ ◆4dgmAenWe. :03/12/04 19:32

―――某地下施設

今日も幾つかの連合やザフト、スペースノイドの拠点を破壊した。
特にヨーロッパ方面のラゲーン基地とザフト軍のジブラルタル基地は徹底的に我々によって破壊され周辺住民も容赦なく皆殺しとなった。
その憎しみと悲しみ、怒り等の負の感情がより糧となるのだ・・・。

「イグニス、戻ってきたか。」

施設周辺の都市や軍事施設を破壊しに向かったイグニスが戻ってきた。
イグニスも自分が好む破壊が出来て嬉しがっているようだな・・・。

「コンターギオ、今日も楽しかったぜ。」
「それは良かった、私も各基地跡からの機材でより生産プラントを増大させる事ができる・・・。」
「これでより人間の負の感情が増えるな。」

それがあの”破滅の王”の願い出もあるからだ・・・ククククッ。

「これからイグニスにはアジア方面の極東地区に向かって欲しいが。」
「なんだ?」
「そこではMSよりもさらに強力なスーパーロボットと言う機動兵器の開発が進められている・・・つまり・・・。」
「なるほどな、そこを潰しちまえばさらに絶望と悲しみが増えるって訳か?」
「そういうことだ、極東地区だけではなく世界各地の開発施設や生産拠点を破壊尽くせばいい・・・。」
「任せておけ・・・。」

これからが更なる絶望そして・・・”破滅”への序章なるだろう・・・ククククッ
まったく愉快だ。

「ところで例のプランはどうだ?」
「もうすぐ装置が完成する、それさえ作動すれば地球に誰も”入れなくなるだろう”・・。」

194 名前:アクイラ ◆QVqgYqgC3U :03/12/04 22:32

>>187
「見せてみろ・・・お前達の意思を・・・。」

俺は青い戦闘機の発射したミサイルを巧みに避け、またはビームで叩き落した。
ほう・・・少しはやれるではないか。
ならもう少し楽しませてもらおうか?
お前らのその絶望感に満ちた足掻きを・・・。

俺の乗るフォルティス・アーラはエアリーズに向かって突っ込んだ。
まずはこいつからだ。
そして機体の翼の先端をエアリーズに向けた。
先端からビームサーベルが現れそのままエアリーズを突き刺した。
これが、俺の戦法だ。



195 名前:BC航空兵ワタル ◆1oWHscADPA :03/12/05 00:36

>>194
なんだと!

異形の機動兵器はスカイグラスパーのミサイルを巧みな機動で回避し、
逃げ送れた一機のエアリーズをビームサーベルで突き刺した。
貫かれたエアリーズは火を噴き墜落してゆく。

「畜生!またしても!」

俺は友軍機に向け叫んだ。

「コイツの相手は俺がする!お前等は敵基地を吹っ飛ばせ!」

俺はスカイグラスパーの速度を上げ敵の機動兵器目掛け突撃する。
あの機体はビームサーベルが主な武器のようだ。

ならば、俺のスカイグラスパー、もといランチャーグラスパーの
「アグニ」で。遠距離から攻撃する。

機動力ならこっちの方が上のはずだ。

196 名前:アクイラ ◆QVqgYqgC3U :03/12/05 00:54

>>195
俺が突き刺したエアリーズはそのまま爆発した。
やはり量産機は脆いな。
その時、青い戦闘機以外の航空部隊が離脱し始めた事に気づいた。

「奴らの狙いはこの近くのスペースノイドの基地か・・・」

俺はその基地は後で叩く予定だった。
だが目の前の敵を潰さずして何をなすか・・・。

「面白い・・・お前達はあいつらをやれ・・・俺はあの機体を叩く。」

アンゲルス部隊にそう指示した。
アンゲルス部隊は俺の指示どおり、離脱した敵部隊に向かっていった。
あの程度なら任せても全滅できるだろう。
その時だった。

「なにっ!?」

高出力のビームがフォルティスを襲った。
俺はすかさず回避運動をしたが多少喰らった。
幸い俺の乗っているフォルティスにはビームコートを装備してあったために少しはダメージを抑えられた。
・・・ますますこの闘い面白いぞ!

「貴様がどこまで”破滅”に抗うか見させてもらおう!」

俺は標的を青い機体に定め銃口を向けた。

「貴様の意思・・・俺が潰す!!」

高出力のビーム砲を撃った。

197 名前:BC軍 ◆1oWHscADPA :03/12/05 15:52

>>196
―――――――フランス。パリ。
郊外の基地に設置された司令部では、この謎の敵の出現に困惑していた。

「スペースノイドの機体ではないとするならば、恐らく最近世界各地で
テロや基地の襲撃を繰り返している謎の集団と思われます」

設置されたモニターや電子パネルには敵の部隊のグリップが映し出されている。

ここは一時、作戦を中断し撤退するべきか?
指令は考えていた。
既に味方に何機かの損害が出ている。敵の機体の性能なども
良くは判らない以上、無駄に戦って貴重なパイロットを消耗
してはならない。

指令は命令を下した。
「作戦を一時中止する。各部隊は応戦しつつ撤退せよ。海軍艦隊にも
そう伝えろ。


198 名前:BC航空兵ワタル ◆1oWHscADPA :03/12/05 16:04

>>196
放たれたアグニは敵の機体に命中した。しかしダメージは軽いようだ。

「ビームコートされてるのか?」

敵の機動兵器がをビームライフルのような物をこちらに向ける。
銃口が光り、アグニかそれ以上の強力なビームが放たれる。

「うおおおおおおおお!!」
操縦桿を倒し全速力で回避。凄まじいGが身体を襲う。
間一髪。ビーム砲は逸れた。

――――あんな武器まで持ってるのかよ!?

その時、隊長機から通信が入った。
「作戦を中断し、応戦しつつ撤退せよ」

中止命令か。しかし少なくとも俺は今、目の前のコイツをなんとか
しなければ(撃退するなり)撤退は出来ない。

このまま基地まで連れてってしまう訳にはいかない。

「いくぞ!」
スカイグラスパーは上昇し敵の機体の上を取る。
頭を狙う。

「喰らえ!」
20ミリ機関砲の銃口から銃弾が吐き出される。

199 名前:ダンテ ◆DANTEOlcmY :03/12/05 17:17

>>188
人間の姿に戻った俺は周囲を見回した後
「俺か?俺は、ただの通りすがりの便利屋だ。
それよりもお前は一体誰だ?」
と少年に言葉を返した。
そして俺は少年の様子を窺いつつ
その場でミサイルランチャーの点検を始める。


200 名前:BC海軍兵キリアン ◆fDgN2CQV56 :03/12/05 23:49

>>199
え・・・・えーと、どっかの奇術師の人なのかな( ;)。

どう反応してよいのか判らず反応に困る僕と兵士達。

青年はそんな物お構いナシにミサイルランチャーの点検を始める。
僕はようやく口を開いた。

「と、取り合えず、この艦に用事があるならその武器・・・剣とミサイルランチャー
を渡してください・・そうでないとあなたの身の安全が・・・」

艦は相変わらず全速力で航行している。
作戦開始までまだ時間はあった。

201 名前:スカルプルム:03/12/06 00:04

>>200
その時、近海を巨大な龍に似た生体兵器が海中を航行していた。
スカルプルムと名づけられたこのルイーナの機動兵器の攻撃目標はBC軍の潜水艦隊であった。
龍の怪物達はさらにスピードを上げて泳いだ。

「前方から未確認物体接近!・・・これは海の怪物・・リバイアサン・・!?」

リバイアサンとは旧聖書において語られた巨大な海の怪物である。
それに似たルイーナの兵器はその牙を潜水艦隊に向けて進行を早めるのだった。

202 名前:BC海軍兵キリアン ◆fDgN2CQV56 :03/12/06 00:09

>>201
(メール欄参照)



203 名前:アクイラ ◆QVqgYqgC3U :03/12/06 00:15

>>202

>>198
俺はそいつが真っ向から向かってくるのを確認した。

「そうか、決着をつける気か・・・。」

こいつは俺が戦ってきた敵の中でもっとも手ごわい存在かもしれない・・・。
だがそれもまた一興、この闘い我が胸に刻み込まれる事だろう。

「いいだろう、ならば俺も全力で受けよう・・・お前が破滅に抗うのか見極めさせてもらう!」

フォルティス・アーラから多数のミサイルが発射された。
これがフォルティスの最強の攻撃”カリドゥムサギッタ”だ。
さあ全力で俺にぶつかってこい!
どっちが勝つのか勝負だ!!

204 名前:BC海軍兵キリアン ◆1oWHscADPA :03/12/06 00:24

>>201
その時、突然警報が鳴り響いた。
艦内放送のスピーカーから艦長の声が響く。

「駆逐艦より未確認物体接近の報あり。総員戦闘配置!」

それを聞いた僕はあわてて前の男の人に声をかける。

「後で事情は聞くので、今は早く艦の中へ!」

僕は男の人の腕を半ば無理やりひっぱり艦内へ連れ込む。
僕は砲座に座り、標準機から外部を見る。どこだ?

205 名前:BC海軍兵キリアン ◆fDgN2CQV56 :03/12/06 00:32

(>>204の続き)

その頃、外部では戦闘がはじまろうとしていた。
駆逐艦や揚陸支援艦、ロケット砲艦がキリアンの乗るエレバス
と同様に戦闘態勢に入る。

キリアンの乗るモニター艦エレバスは今ここに居る艦隊の中では
最大の艦だ。一番狙われる可能性がある。

キリアンの経験する初めての本格的な実戦だった。

206 名前:BCパイロット@フォビドゥン・ブルー:03/12/06 00:32

>>201
何だよ、一体。

俺の目前のレーダーサイトには接近する何かが映し出されている。
それの姿は言うなれば龍か蛇、或いはリバイアサンとその眷属。

「シーサーペントだと…冗談じゃないぜ!」

即座に強襲形態に変形し、トライデントを握る。
ったく、俺はこんな化物と戦うために乗ったんじゃないっての。

「おい!オペレーター!一体あれは何だ!?」

デッキへと呼びかけ、その間にも左右の耐圧シェルからニーズヘグを展開、
青き禁断はカブトガニの如き姿になる。

来るなら…来い!

207 名前:BC航空兵ワタル ◆1oWHscADPA :03/12/06 00:44

>>203

今までに出会った事のない敵。最初に見たときからなんとなく
見当はついていた。

――――コイツはスペースノイドじゃない。恐らく、未知の敵。

――――――もしかしたら、俺は生きて帰れないかもしれない。だが!

急降下し機動兵器が目前に迫った時、敵は無数のミサイルを放った。
無数の白い矢がスカイグラスパーに向かってくる。

どうする?上か?下か?はたまた右か、左か?

どこもだめだった。この距離で下手に交わそうとすると
どちらにせよ命中する。

なら、一か八かだ!

俺はさらに速度を上げる。
スカイグラスパーはよける事なく真正面に進み、ミサイルの中を突っ切る。

そしてアグニの発射ボタンを押した。迸る閃光。

その後もスカイグラスパーは真っ直ぐに突き進み、雲の中に消えた。

208 名前:アクイラ ◆QVqgYqgC3U :03/12/06 00:49

>>207
――――――勝負は決まった・・・・。
フォルティスの右翼に深い傷が刻まれた・・・同時にミサイルも青い戦闘機を掠った。

どちらも痛み分けか・・・。
ふははははははは!!!
これだ・・・これこそ俺の生き甲斐・・・。
素晴らしいぞ、俺に破滅の力以外の生き甲斐を与えてくれたパイロットよ。
また縁があれば闘いたいものだ。

俺はそのままコンターギオのいる基地へ帰還した。

209 名前:ダンテ ◆DANTEOlcmY :03/12/06 12:31

>>200・204
俺はミサイルランチャーの点検をやめ
「それは無理だ。」と少年に言葉を返そうとした。
しかしその時けたたましい音と共に放送の一部が俺の耳に聞こえてきた。
(何だ、この音は何か起こったのか?
未確認物体接近だと?
まさか……)
などと考えている内に
俺は少年に無理やり手を引っ張られ艦内に連れ込まれた。
艦内に着いた俺は周囲を見回す。
(これは何か起こるな。)
俺は艦内の緊張した空気を感じてそう思った。
それと同時に俺はその場で自分の装備を確認する。
(今、俺が持っている武器は全部で6つか。
ミサイルランチャーを含めての遠距離戦用の銃火器が4つ。
そして接近戦用の武器としてこの剣と例の篭手がある。
これなら、奴らとの戦いにも十分に臨めるな。)
確認を終えた俺は艦内から出ようとする。


210 名前:コンターギオ ◆4dgmAenWe. :03/12/06 13:19

私が”例の計画”の準備をしているとアクイラが戻ってきた。
フォルティス・アーラもいくつか破損していたようで地球連合軍やブルーコスモスにも我らに抗う力を持つ者がいるようだ・・・ククククッ。

「かなりやられたようだな、お前ほどの者に手傷を負わせるとは私も一度出撃する必要が理想だ。」
「ほう、お前もでるのか?」
「ああ、既に施設の準備は整ったそれにイグニスによって極東地区の戦力は大方片付くだろう・・・ククククッ」
「大した自身だ、地球を封印する事でどれほどの効力があると思っている?」

アクイラの言葉に私は思わずニヤリと笑って見せた。

「クククク・・・考えてみるがいい・・・今の人類は宇宙に進出し始めている、ニューフロンティア時代と言うべきだ、しかし羽ばたくべき雛鳥達がもし巣から出されなくなったら?」
「ほう・・?」
「それに地球を”閉じて”しまえば地球に現存するスペースノイドやコーディネーター達は恐怖と不安、そして絶望へと代わっていくだろう・・・そのためにこの計画は非常に重要なのだ・・クククッ。」
「勝手にしろ、俺は人間の負の感情さえ増大するばそれでいい・・・。」
「相変わらずだな・・・これから私は新たな基地建造のためにいかねばならぬからな・・・任せたぞ。」
「ああ・・・。」

そういえば・・・哨戒に回したスカルプルムの一部隊が敵艦隊と遭遇したようだ・・・。
では私もついでに”闘争”を楽しむとしよう・・・。

211 名前:BC海軍兵キリアン ◆fDgN2CQV56 :03/12/06 14:29

>>206
>>209-210
水中のフォビドゥン・ブルーが戦闘態勢に入った。
既にエレバスや他の駆逐艦、揚陸支援艦、ロケット砲艦もいつでも
砲撃を開始できる状態だ。

さらにフォビドゥン・ブルーに遅れること、MS母艦に搭載されている
水中用MSアッガイ、ズゴック、キャンサーなどが発進する。

アッガイとズゴックはジオン製、キャンサーはOZの物をライセンス生産
した物だ。オリジナルとは違い、ブルーコスモスの名にふさわしく青く塗装
されているのが特徴だ。

皆・・・・気をつけてください。

エレバスの砲座で僕は祈った。

その時先ほどの青年が艦内から出ようとしている事に、僕は気づかなかった。

212 名前:スカルプルム:03/12/06 22:17

>>206
>>211
スカルプルムの目標は艦隊に搭載されたMSだった。
ルイーナの戦略・・・それは敵軍の戦力を徹底的に削ぐことだった。
より大きな憎しみや悲しみ、絶望の感情を引き出すために容赦なく殺戮を行いあえて何人か生き残らせてルイーナの名とその恐怖を知らしめることだった。
そのための優先的破壊目標はMSだったのである。

一体のスカルプルムの尾についた鋭い刃がBC軍のアッガイやズゴックに襲い掛かった。
スカルプルムの方が一回り大きかったためにその牙や爪はMSにとって脅威だった。

さらに幾つかのスカルプルムは標的をフォビドゥン・ブルーに狙い定めた。
その龍の巨大な顎で噛み砕こうとするのだった。

その頃、スカルプルムよりさらに巨大な”何か”が近海に近づいている事にまったく誰も気づくことはなかった。

「クククク・・・楽しみは取っといて欲しいものだ・・・。」

そのコクピット内でコンターギオは笑みを浮かべていた。

213 名前:ダンテ ◆DANTEOlcmY :03/12/06 22:21

>>210-211
俺はそのまま艦内から甲板へと出た。
そして甲板で逸る気持ちをを抑えつつ俺は未確認物体の襲撃に備えた。
(さあ、何処からでも掛かってきなチキン野郎。)

214 名前:BCパイロット@フォビドゥン・ブルー:03/12/06 23:06

>>212
「来やがったな、ウナギ野郎!」

モニターに映るのはその顎を開き向かってくる敵の姿。
どうせ戦うならグーンかゾノが良かったのだが、そんなことを考えてももう遅い。
周囲では既に戦闘が始まり、ズゴック、アッガイ等のMSが奮戦しているが
そのMSより巨大な体躯の前に苦戦を強いられている。
覚悟を――――決めるか。

「蒲焼きにしてやるぜ!」

敵の口内を狙い即座に魚雷を発射。放たれた牙は超音速で航行、
一瞬でスカルプルムの一体の口へと到達し爆発した。
さらに敵群へと数発の魚雷とフォノンメーザー砲、即ちビーム砲を放つ。

焼けて燃えて、灼け尽くしちまえ!

215 名前:BC海軍兵キリアン ◆fDgN2CQV56 :03/12/06 23:13

>>212
一方、海上では水中からの脅威に対しついに駆逐艦が攻撃の口火を切った。

次々と対潜魚雷やロケット弾が甲板のランチャーから発射されてゆく。
さらに対潜ヘリコプターが同じく、対潜爆弾の投下を開始する。
水中のMS隊を援護するのだ。一人でも多くの人間を死から救うために。

やがて、水中でいくつもの爆発が起こり、いたるところで水しぶきが
上がる。魚雷とロケット弾はMS隊を巻き込まないよう、浅い深度で
爆発するようにセットされていた。

216 名前:コンターギオ ◆4dgmAenWe. :03/12/06 23:23

「そろそろか・・・意外にもがくものだ・・・。」

スカルプルムがBC軍によって幾つか撃沈されているのを確認し海上に浮上する事とした。
そして私の乗る半生体兵器ウィオラーケウムはとうとうその巨体を海上に姿を現した。
日本の神話で言う「大和の大蛇」を連想させるこの龍に酷似したその機体はまるで海神に怒りのごとく吼えた。

「私はルイーナ、メリオルエッセの一人・・・コンターギオだ・・ククククッ」

ガンダムタイプの機体を中心とする部隊を見上げるように私は言った。

「ここまで頑張った諸君には特別に私が相手をしよう・・・存分に絶望と恐怖を味わいたまえ・・・ククククッ」

そしてこの龍の8本の触手がMS隊目掛けて襲う。
さあ私に抗うか・・・?

217 名前:BCパイロット@フォビドゥン・ブルー:03/12/06 23:40

>>216
俺がニーズヘグで敵をぶつ切りにしてやった時に、眼下の海中から何か巨大なものが
迫ってきていた。

「何だ、何が来る!」

姿を現した敵は、まるでギリシャ神話に謳われるヒュドラのような八本の龍頭を備えた怪物であった。
俺らの目前でそいつは吼え、そして八頭龍から通信が入る。

『私はルイーナ、メリオルエッセの一人・・・コンターギオだ・・ククククッ』

聞いたことはないが…まさか、こいつは最近BC軍への攻撃を繰り返す敵…!
だとすれば、ブッ殺すしかねぇ!

『ここまで頑張った諸君には特別に私が相手をしよう・・・存分に絶望と恐怖を味わいたまえ・・・ククククッ』

そして向かい来る八本の龍の首。しかしその首を避けず、あえて胴体で受け止める。

「…くっ!」

猛烈な衝撃が機体に襲い掛かるが、特に大きなダメージにはなっていない。胴体、特に
コックピット付近は対水圧装甲とフェイズシフト装甲に覆われ、実弾兵器や打撃には
かなりの耐久性を誇っている。

「まず一本!」

その首を左右耐圧シェルのニーズヘグで挟み込み、フォノンメーザー砲を放った。

218 名前:BCパイロット@フォビドゥン・ブルー:03/12/06 23:53

>>217
(メール欄)

219 名前:コンターギオ ◆4dgmAenWe. :03/12/06 23:53

>>217
(打ち合わせスレを見て欲しい)
この青い水中用のガンダムのパイロットは私への”強烈な殺意”を向け私に襲い掛かった。
ウィオラーケウムの触手での打撃を受け止めるとはさすがは特殊加工の装甲と言うべきか・・ククククッ
その機体は私に対してその鋏で押さえ込み、フォノンメーザーで我がウィオラーケウムに撃った。

「少しはやりようだが・・・私の相手ではないな・・・。」
軽傷だった・・・。
さらにメーザーで撃たれた傷がすぐに塞ぎはじめた。
この機体には自己再生能力があるのだ・・・クククッ。

「では君はたっぷりと洗礼を与えてくれるとしよう・・・クククク」

3本の首と腹部の口から連続でビームが発射されそのガンダムを襲う。
このビームは水中の敵でも効果はある。
たっぷりと受け取ってくれ・・・。

220 名前:BCパイロット@フォビドゥン・ブルー:03/12/07 00:15

>>219
敵に対して放った攻撃は損害軽微、
しかも俺の目の前で敵の傷口はすぐに塞がれた。

「さっ、再生した!?」

なんちゅうバケモンだ。自己再生をする機械なんぞ聞いたことが無い。
三頭龍はその顎を開き、それらと腹部から一斉にビームを放つ。
…だが俺はその敵を哂った。こいつが何故禁断なのかを教えてやる。

両耐圧シェル、ゲシュマイディッヒ・パンツァーを前面に向ける。
こちらまで向かってきたビームはあらぬ方向へと曲がり、水面を飛び出していった。
敵の攻撃を許さぬ――――故に禁断。

「流石にエネルギーを喰われたか…」

敵の攻撃の威力は想像以上、耐圧シェルにも相当な負担がかかった。
また同じ攻撃を受け止めるのは不可能だろう。
取り敢えず残った魚雷6発を腹に向かって放つ。
――――どうやればこいつを潰せる?

221 名前:BC海軍兵キリアン ◆1oWHscADPA :03/12/07 00:15

>>216-219
海上に林立する水柱が収まると、海中から一体の巨大な物体が
浮上してくるのがソナーとレーダーに探知された。

「巨大な物体が海中より浮上してきます。前方海域!」

オペレーターの叫んだ方向を見ると三本の首を持つ伝説の海竜のような
物体が海面に浮上してきた。

「シーサーペントといい海竜といい、冒険小説じゃあるまいに!」

航海士が叫ぶ。

「私語を慎め!フォビトゥンブルー及びMS隊を援護する。主砲発射用意!」

主砲発射準備のブザーが鳴り響く。

―――――遂に来た。この時が。

僕は砲座にすわり、主砲の引き金を握りしめ艦長の号令を待つ。

「ってぇ!!」

僕は引き金を引く。次の瞬間、落雷のような轟音が響き渡りエレバスの
前甲板に設置された主砲が火を噴いた。

――――――36センチ主砲。

凄まじい破壊力を秘めた砲弾が。三つの首を持つ異形の敵に放たれる。

222 名前:コンターギオ ◆4dgmAenWe. :03/12/07 00:23

>>220-221
クククッ・・・面白いガンダムタイプだ。
私の攻撃を歪曲させて回避するとは・・・。
だが今のでエネルギーを使い果たしたようだな・・・。
ガンダムタイプからミサイルが6発発射された。
私は避けずさらに打ち落とさずにそのまま受けた。
もうウィオラーケウムを倒す力がないと分かっていたからな・・・。
私が終わらすために触手を振り落とそうとした時・・!

「ほう・・・艦が残っていたか・・・。」

ウィオラーケウムに砲撃が命中した。
先ほどのメーザー以上の威力だ。
その威力の為が一度、その巨体は海に沈んだ。

「ここまで楽しませてくれた事は感謝しよう・・人間達よ今回の体験を恐怖として刻み込むがいい・・・。」

再びウィオラーケウムは浮上した。
そして高速に移動して三本の首の牙が光った。

数十秒後、ウィオラーケウムはMS隊と幾つかの艦に体当たりした。

223 名前:BCパイロット@フォビドゥン・ブルー:03/12/07 00:44

>>221-2
魚雷を鰻のボスは避けることもせず、受け止めやがった。
その体にまったくダメージは認められない。
イヤミかよ――――俺の機体へと触手が迫る。

だがその巨体へと、砲弾が炸裂した。敵の体躯が海へと沈み、動きが鈍る。
我が愛すべき友軍艦からの砲撃に、俺は素直に感謝した。

「これで退けば…ってぇ!?」

突如としてウィオラーケイムは浮上。MS隊と艦数隻に体当たりを掛けてきた。

非常識なヤツだ!

次には俺の機体は宙へと舞い上がっていた。俺の意識も少しばかり飛んだが
――――即座に持ち直し、姿勢を制御しつつ、眼下の龍を見つめた。

「このなにがしがぁーーーーッ!!」

背部バックパックを切り離し、そのウィオラーケイムへ向かい発射。
バックパックを失ったフォビドゥン・ブルーは、水面に叩きつけられ水柱を上げた。

周囲の水面には同じように、MSやその残骸が浮かんでいた。

224 名前:BC海軍兵キリアン ◆fDgN2CQV56 :03/12/07 00:47

>>222
放たれた36センチ砲弾は三本の首を持つ敵に命中した。
敵の巨体が崩れ落ちるように海中に没してゆく。

―――――――やった!

僕も、他の艦の乗組員も歓声をあげる。
しかし、次の瞬間。僕も、他の乗組員も、艦長や航海士でさえも
表情を凍りつかせた。

敵が再び海面に敵が姿を現したのだ。三本の首の牙を光らせ突撃してくる。

「いかん!回避!面舵一杯!MS隊は敵を足止めしろ!」

遅かった。敵は数機のズゴックやアッガイを巻き込み、そのまま
エレバスの艦体にぶち当たった。

「うわぁああああああああああああああああああああ!!!」

僕は砲座から放りだされ、意識を失った。
体当たりを受けたエレバスでは火災が発生し、いたるところで
浸水が起こっていた。

225 名前:コンターギオ ◆4dgmAenWe. :03/12/07 00:52

>>223-224
今の突撃によって敵艦隊はかなりと打撃を受け混乱していた。
素晴らしいぞ・・・負に満ちている・・・。
その時、あのガンダムタイプのバックパックがウィオラーケイムに命中した。

「最後の抵抗か・・・。」

中規模の爆発が起こり、首の一つが破損した。
まあ、十分に目的を果たしたと言えるだろう・・・。

「貴様達も十分にその恐怖を刻み込まれただろう・・・やがて真の恐怖が訪れるだろう・・・。」

そう言って私は上空へと飛び去っていった。
これでますます我々への憎しみと怒りが強くなり・・・負の感情が破滅の王へ糧となろう・・・クククッ。

226 名前:BC海軍兵キリアン ◆fDgN2CQV56 :03/12/07 01:04

>>225
――――――数時間後。

僕が目を覚ました時。既に艦の火災は沈下したらしい。
所々、エレバスの船体が黒く焦げているのが確認できる。

―――――あれから何時間たったのだろうか?

僕の頭には包帯が巻かれていた。どうやら放り出された時に頭を
打ったらしい。

外を見るとヘリコプターがあちこちを飛び回り、撃破された艦やMSの
乗組員やパイロットの救助を行っていた。

――――あの怪物は一体・・・。

僕は、空を見上げる。
空は何事も無かったかのように静かだった。まるで嵐の前の
静けさといっても過言ではないくらいに。

227 名前:BCパイロット@フォビドゥン・ブルー:03/12/07 01:15

>>225
で、情けなくも俺の所属する艦隊は未知の敵に大敗を喫した。
まさかこれだけの数をここまで痛めつけるとは。

俺の後ろには艦上に立つ愛機の姿があったが、
バックパックの無いその姿は随分と寂しく見える。
その足元で俺は水を飲みながら、座り込んでいた。

敵の消えた天を見つめた。敵の姿を思い出し、握った拳を震わせる。
恐怖?畏怖?違うな。

憤怒だ。怒りだ。ここまでやられたんだ。
これは10倍くらいにして返さないと気が済まないな。

だけど正直…今は疲れた。そのまま俺は愛機の足元で寝ることにした。


――――後で風邪をひいたのは言うまでも無い。

228 名前:火星人 ◆35wpepfCH6 :03/12/07 01:33

――――――――某山中。

人家もなく、人も殆ど立ち入る事のない延々と、山が連なる山岳地帯。
その森の奥深くに一つの巨大な影が立っていた。

遂に、行動を開始する日が、移住計画の発動する日が来たのだ。
この日をどれだけ待ち望んだ事だろう。
酸素の薄い、寒く、痩せた大地の我らの故郷。火星。

この不毛な大地から脱出するべく、我々は火星時間で9年(地球時間で15年)
間、ひたすら黙々と準備を続け待ち続けてきたのだ。

愚かなる下等生物どもは、未だに同族同士の戦いを演じている。
そのお陰で、地球に侵入するのは非常に容易かったが。

森の中に佇む巨大な影。それは三つの脚に支えられた。
巨大なウォーマシンだった。

229 名前:火星人 ◆35wpepfCH6 :03/12/07 01:48

(>>228の続き)

現在、森の一角では木を切り倒し、陣地が構築されていた。
森の中では不気味な緑色の光が点滅を繰り返している。

陣地には作業用の機材がいくつも組み立てられている。
まるでナシのような形をした不気味な容器の中にドス黒い液体とも
気体とも呼べぬ物質が充満している。

これは、切り札だ。

火星人はサイレンのような不気味な声を発する。
火星人は意思を伝えるのに、言葉を用いないのだ。

一人の火星人が声を上げると、陣地で作業をしている者が
それに呼応し次々と声をあげる。

不気味な演奏が森に響いていた。

230 名前:一警察官 ◆1oWHscADPA :03/12/07 19:35

―――――――アメリカ。カリフォルニア州。サンフランシスコ。

市街地の一角で暴動が発生していた。
反プラント、反コーディネイターを掲げる団体が暴動を煽動しているのだろう。

暴徒と化した群集は手にそれぞれの武器を持ち、コーディネイターの住む
住宅や商店を荒らしまわっている。
それを止めようとしたコーディネイターが群集に袋叩きにされている。
Nジャマーの投下と戦時中のジェネシスワシントン砲撃により反コ―ディ
ネイター感情はこれまでにないぐらい高まっていた。それは一年たった今
でも収まる気配はなかった。

サンフランシスコではいたる所で反コーディネイターデモ、暴動が発生していた。

しかし、本来ならこれを鎮圧する役目を追うはずの警察は、一切これに手を
出さなかった。警察官達は暴徒達にコーディネイターが袋叩きにされ、ある
いは助けを求めてこようとも見て見ぬふりをしている。

反コーディネイター感情は警察にまで浸透していた。
むしろ積極的に暴動に加わる警官まで現れる始末だった。

231 名前:BC軍 ◆1oWHscADPA :03/12/07 19:44

それを尻目に一台の車がサンフランシスコの通りを走ってゆく。
ブルーコスモスの専用車だ。

ワシントン砲撃以降、ブルーコスモスは大西洋連邦の政権を握った。
全滅した政府首脳に代り、暫定的にブルーコスモスがこの国を統治していた。

現在は、新しい政権、政府が出来ているが、その殆どがブルーコスモスの
息のかかった者だ。一応、非ブルーコスモスの穏健派も存在するが、影響力
や発言力は比較にならなかった。

ブルーコスモスは戦時中連合軍が蓄えていた、大量の食料を市民に
提供した。さらに警察を再編成し秩序を維持し、学校を建設し経済を
建て直し、破壊されたインフラを復旧させた。

今や、民衆の殆どは、ブルーコスモス支持だ。

232 名前:BC軍 ◆1oWHscADPA :03/12/07 19:53

そしてもう一つ、戦後ブルーコスモスが行った事がある。
それはコーディネイター同士の対立を煽り立て、対立を発生させる事。

元々、プラントは一つの問題を抱えていた。それは遺伝子の不平等だ。
コーディネイターだからと言って全員が全員同じぐらい優秀ではないのだ。
まして、プラントは理想郷でもない。

プラントにも脱落者や失業者、犯罪者や不安分子などが存在するのだ。
ブルーコスモスは彼等の不満を煽りたて、彼等と密かに手を結び武器を
与えた。

現在プラントでは、コーディネイター同士の内戦と言う、愉快極まりない
事が起こっている。

―――――本当にありがたい。何もせずとも勝手に自滅してくれるのだから。

地上のザフト軍は現在、極めて弱体化している。

233 名前:火星人 ◆35wpepfCH6 :03/12/07 20:14

その日の夜。世界中で隕石の落下が観測された。

確認された数はおよそ数百個。
人々は、これから自らの身に襲いくる未知の恐怖など知りもせずに
隕石郡を眺めていた。

それは世界各地の無人地帯に落下した。
外部から見ればそれはただの隕石にしか見えなかったが。

一つだけ不自然な点があった。それはクレーターだ。
本当ならこの大きさの隕石が落下すればとてつもなく巨大な
クレーターが出来る。しかしこの隕石によりクレーターは、
本来ならば考えられない程、小規模な物だった。

しかし、専門の人間でもない限りそれを見分けられる人間はいなかった。

234 名前:火星人 ◆35wpepfCH6 :03/12/07 22:06

落下した隕石(に偽装した宇宙船)の”蓋”が開く。

中から出てきたのは・・・人間とはあまりにもかけ離れた異形の生命体。
生きている火星人を見た事のない物にはその不気味さは想像できないだろう。

尖ったV字型の口、眉の隆起がなく、くさびのような下唇の下には顎がない。
その口は常に震えている。
なれない地球の大気の中で一層大きく聞こえる無気味な呼吸音。

全てが人間からかけ離れていた。

彼等は地球の大地に降り立った。そして即座に”陣地”と”拠点”の構築を
開始した。無言で、黙々と。

235 名前:??? ◆35wpepfCH6 :03/12/07 23:31

(>>234の続き)

その時、偶然落下した円筒の蓋が開くのを目撃した物がいた。
その人物は蓋が開き、中から火星人がゆっくりと這い出てくる一部始終を
見ていた。いや、目を離せなかったと言った方が正しいかもしれない。

やがて、火星人達が何かの作業のような物を始めたのを認めると、
慌ててその場から逃げ出した。逃げ出しながらも、首から上は円筒の方向を
向いていた。そのためその人物は途中何度も地面に足を取られた。

しばらくしてようやく人里に戻り、行き会う全ての人々に自分が目撃した
事を話した。
しかし、誰もそれを信じようとはしなかった・・・。

236 名前:ウンブラ ◆yTYsy5wW2M :03/12/08 00:34

>>178-179
その大形のトレーラーはワタシの前に止まった。
ワタシは良く荷台を見た・・・。
そこには何か2機のMSが配置されていた・・・。
これをどこかへと輸送するのか・・・。
輸送の目的地を破壊すれば・・・それほどさらに負の感情が手に入ろう・・・。

「ねぇキミ、乗ってくの?」

ワタシは運転手から声をかけられた・・・。
娘か・・・。
よほどこの世界は人手が不足のようだ・・・。

「分かった・・・今乗るとしよう・・・。」

そう言ってワタシはトレーラーに乗る事となった。
さてこの者達の素性でも探ろう・・・。

237 名前:運び屋少女@大型トレーラー:03/12/08 00:51

>>236
『分かった・・・今乗るとしよう・・・。』

その不思議物体は早速乗り込んできた。声の感じから女性とも思ったが、
よくわからないので、考えるのはやめることにした。

「悪いけど、シートの後ろに乗ってくれるかな?」

流石に三人も乗せるスペースは無いため、席の後ろに座ってもらうことに
した。ちょっと乗り心地はアレだがまぁしょうがないだろう。

「さてと…私達はこれから先の砂漠を抜けて西海岸まで行くんだけど、
君はどこまで?」

ヒッチハイカーに訊ねる私の横で、青年は訝しげな視線をそれに送っていた。

238 名前:元連邦兵@BD1号機:03/12/08 00:56

>>236
…後ろの席へ乗ってきた人物の格好は、間近で見ると益々怪しい。
それに、乗る前に荷台の方を見ていた事も気になる…MSも今となっては珍しい代物でもない。
何者だ…?軍の者では無いと思うが…そもそも、こんな格好の者は軍に居ない…
そんな事を考えながら、視線を前へと戻した。

「………」

別に、自分から聞く事は無いので無言だが…
自分の事を聞かれれば、それなり答えるつもりだ…隠しておく事は何も無いのだから…

239 名前:( ◆3YvQSisyoo :03/12/08 15:31

一年数ヶ月前…

ザフト軍が戦争早期終結のため連合軍本部アラスカに対して史上最大の
攻撃作戦『オペレーション・スピリットブレイク』を仕掛けた。陸・海・空・宇よりの
総攻撃により戦争はザフトの勝利で終わる――――はずだった。

事前にザフトの動きを察知した連合軍上層部はアラスカを捨石としたのだ。
超兵器『サイクロプス・システム』によって敵味方問わず全てが焼き尽くされた。
文字通りの殲滅。虐殺。鏖殺。滅絶…消滅。

後に残されたのは死屍累々、MSの残骸の山。アラスカ基地は事実上消滅し、
放棄され今も地獄の姿を留めている。

ただ変化があったとするならば――――地表からMSの残骸と死体が全て消失した。
MSの残骸、パイロットの遺体を回収すべく連合軍の部隊が基地跡に上陸したある夜、
その部隊もろとも全てが消えたのだ。今もってその理由は解明されてはいない。


240 名前:( ◆3YvQSisyoo :03/12/08 15:32

そして現在、アラスカ基地跡、地下――――

かつてサイクロプス・システムと呼ばれた装置の残骸のある空間、そこ一面を触手が
覆っていた。その金属の触手の森の奥に、それはいた。

全身いたるところから触手を生やした、下半身が巨大な頭部という異形のガンダム。
その瞳に光は無いが、近付くもの全てを威圧する覇気を発していた。
その周囲は黄土色の機体色、一つ目のMSが群を成している。

その下には多くの人間の死体があったが、それらの体表は銀色の金属片によって
覆われ、あたかもゾンビのような姿に変化している。
そして同じようにゾンビ化した、ジン、ストライクダガー、バクゥなどのMS。
いずれも異形の姿となっていた。

そしてそれを正面から見つめるは漆黒のガンダム。全身をマント状の装甲で
覆い、頭部には巨大な双の角を有している。その側には、巨大な鉄の白馬。

そのMS、いやMFの肩の上に体をマント、顔をマスクで覆った人物が立っている。
その表情を窺い知ることは――――出来ない。

241 名前:ネオ・ジオン軍:03/12/08 21:49

「・・・・。」

ある赤い色の軍服を着た男がモニターを見ていた。
するとドアが開き何人か入ってきた。

「シャア!?貴様、一ヶ月前の5thルナだけじゃなくアクシズを落とすというのは本当か?」
「ああ、アムロ・・・。」

彼こそ現ネオ・ジオン共和国元首のシャア・アズナブルであり、もう一人の男はアムロ・レイであった。

「貴様、勝機か!?あんなものを地球に落としたら地球に人が住めなくなる、核の冬が来るぞ!」
「落ち着け、アムロ。アクシズは今ブルーコスモスが押さえてある。ネオ・ジオンの艦隊でもよういに確保できないはずだ。」

傍にいたブライト・ノアがアムロをせいした。
さらにシャアは続ける。

「アクシズはBCに譲渡してもらう。既に受け渡しは完了した。」
「なんだと?」
「地球派の連中は表面の損得勘定しかできん連中だ。地球連合とやらの官僚たちに金塊の一つも見せれば、話は動く・・・」

シャアは冷静に言った。

「まさか・・・そんな簡単なわけがない。いくらBCだって自分達が危険な事くらい分かっているはずだ。」
「そうだ。だからネオ・ジオンは武装解除し、BCに投降する条件がついている、その代わりネオ・ジオン政府を認め、コロニー開発用の資源としてアクシズを譲渡してくれるわけだ。兵士たちの失業対策も含めてな。」
「そんな馬鹿げた話を連中が信じるというのか?」
「所詮、連中はその程度しか認識をもたんよ、アムロ。BCなどは我々の艦隊程度の戦力をあまくみているようだがな。ラクス・クラインが行方不明のままなのは我々にとって好都合だよ。あの女ならこちらの策を見抜き妨害しようとしたがな。」

先の大戦後、アークエンジェル、クサナギ、エターナルら艦隊の消息を一向に掴めぬままであった。

「それでは・・・。」
「いずれアクシズを落とす。だが連合のMS部隊は実践経験の少ないパイロットには不利だ、こちらには旧ハマーン派やエゥーゴの残党も組み込まれているのだが、だから協力しろ、アムロ、ブライト。」
「冗談じゃない!シャア、貴様が何をしようとしているのか分かっているのか?」
「十分分かっているよ、アムロ。地球に住む者は自分のことしか考えない・・・だから抹殺すると宣言した・・・アムロ!」
「エゴだよ・・それは。」
「地球が持たん時、がきているのだ、ザフト戦争はその一環にすぎん。」
「BCの陰謀に気づき、我々や家族を保護してもらった事は感謝するがこれは別だ。とても協力できん。」

その時、ジオン軍の軍服を着た男が兵士を連れて入ってきた。

「それは遠慮していただこう、アムロ大尉、作戦終了後まで軟禁させてもらう。」
「お前はデラーズ・フリートの・・・。」

ブライトはその男に向かっていった。
その男こそアナベル・ガトー少佐だった。



242 名前:ネオ・ジオン軍:03/12/08 22:21

アムロ達が連行されてから数分後

「少佐。このたびの件はご苦労だった。」
「とき、シャア・アズナブル大佐・・・。」
「何か?」
「自分はア・バオア・クーでデラーズ閣下に命を拾われた時から・・・
いや、それ以前からジオンの理想を成し遂げんがために身を捧げると誓っております。しかし、
今一度・・・大佐のご決意をお聞かせ願いたい」
「私を疑うのか?」
「今回の作戦に際し、先ほどの旧連邦軍の白い悪魔ことアムロ・レイ大尉及び元ホワイトベース隊及びアーガマ隊艦長ブライト・ノア大佐の登用、
唾棄するべき旧エゥーゴと各反連合組織の編入・・・そしてプラントとの和睦などと・・彼奴らに我がジオンの大儀が理解できるは思えませぬ。」

ガトーの苦情ももっともであった。
実際、元連合側の人間やコーディネーター至上主義の続くプラントをガトーら旧ジオン軍人達もよくは思っていないのである。

「なるほど、私をまだ完全に信用出来ぬというのか?」
「少佐、閣下に無礼だぞ。」

無礼な態度をとるガトーに怒った重臣をシャアは抑えた。

「構わん、少佐の疑念はもっともだ。」
「無礼も百も承知の上・・・。今一度真意をお聞かせください。」
「私はエゥーゴに参加していた時、連合の腐敗の実態を目の当たりにした。
そして彼らでは地球圏をより良い道に導くことは出来ないと私はそう判断したのだ。
故に私はもはや手段も選ぶつもりは無いとそう決めた、これが私の真意だ。」
「お父上の名と遺志を継ぐ覚悟がおありで?」
「無論だ、そのために少佐やアムロ達の力が借りたいのだ。」
「そのお言葉だけで十分です、総帥。我が命・・・存分にお使いください。」
「礼を言う、アナベル・ガトー少佐。少佐には地球寒冷化作戦の前線に立ってもらいたい。」
「ありがたくお受けいたします。」

243 名前:BC軍少女兵リリィ ◆1oWHscADPA :03/12/09 01:17

―――――――――ユーラシア大陸。

何もない平原の上空を、BC軍の輸送機ガンぺリーが飛行してゆく。
私は今、その輸送機の中にいる。

あの基地襲撃から数週間が過ぎていた。しかしリリィの心の中では
コーディネイターと新たに敵と認識されたスペースノイドへの憎悪に満ちていた。

リリィの乗った輸送機は何もない平原に着陸した。
時折吹く風に、リリィの長い髪の毛が靡いている。

私達はヨーロッパ方面軍に呼び出された。
ヨーロッパで、日本の基地を襲撃した、あのスーツ姿の集団が目撃された
と言う。

そのため、実際に彼等と戦った事のあるリリィが呼び出された。
その途中私達はここに立ち寄った。
小さな町だった。今日から数日の間、私達はここで過すと言う。

しかし、リリィは一刻でも早く、ヨーロッパに行きたかった。
あのスーツ姿の集団。私達の基地を破壊し、私の友達を、先輩を殺した
奴等の片割れ。なんとしてでもこの手で一人残らず皆殺しにしてやりたかった。

リリィは始終落ち着かない様子で、用意されたホテルから外出した。

244 名前:BC軍少女兵リリィ ◆1oWHscADPA :03/12/09 01:27

(>>243の続き)

街の通りは人影もまばらで、寂れていた。
行き交う人々の顔はどれも疲れ果てた表情を浮かべていた。
店も営業している物は殆どなく、大半の店がシャッターを閉めている。

私は街を見下ろせると言う、小山の上の公園に向かった。
公園には人影もなく、無人の遊具が不気味な雰囲気を曝け出している。

私はこの山の向こう側に見えるはずの夜景を探していた。
この山からの見える夜景は一つの観光スポットだと言う。



―――――しかし、夜景が見えるはずの場所に言っても広がっているのは
暗闇だけだった。

おかしいな?と考えていると。突然声をかけられた。
声の下方向を向くとそこには私よりも小さな背の―――――子供の――――兵士が
立っていた。

245 名前:反コロニー軍少年兵セシル ◆1oWHscADPA :03/12/09 01:39

>>244
―――――――珍しいな。こんな所に、こんな場所に客なんて。

「どうしたんですか?」

俺は自分より三つばかり年上と思われる少女に声をかけた。
ロングヘアの綺麗な少女だった。
セシルの問いに少女は答える。
「いえ・・・別に、ただちょっと夜景が見たくて・・・」

―――は?
俺の反応はそれだった。もしかして知らないのか?あの街は、夜景はもう―――

「夜景は、もう見れません」

俺は重苦しく口を開いた。少女はしばらくぽかんとしていたが、

「どうして・・・?」
と言った。

俺は続ける。

「あなたの見ようとしている夜景の街は”消滅”しました。”奴等”の攻撃で」

セシルの言葉を聞いた少女は一瞬驚愕の表情を浮かべたが、現実を認識したのか
見る見る内に怒りの表情に変わってゆく。

「・・・・・なんで?・・・・なんでなのよ!?・・・消滅って・・・・奴等って
一体なんなのよ!!!」
「消滅っていうのは、5thルナとかって言う、馬鹿でかい隕石をジオン野郎どもが
投げ落としてきたのさ。お陰で、綺麗さっぱりあの街は消えた。俺の親や友達もな、
あんたは見る限りBCのようだが、俺達に取っちゃ、コーディネイターなんかより
ジオン野郎どものほうが憎いよ」

少女はまた驚きの表情を浮かべている。

246 名前:BC軍少女兵リリィ ◆1oWHscADPA :03/12/09 01:50

>>245

同じだ・・・この子。私と同じだ。
相手は違うけど、親や友達を殺されて・・・・敵を討つために戦っている。

「私も・・・私もコーディネイターに自分の街を破壊されたんだ・・お父さんも
お母さんもそれで・・・・」

それを聞いて、今度は少年の方が驚愕した。

「・・・・・・・そうか、ジェネシスか?」
「そうよ、空の化け物どもの兵器よ」
「フン。宇宙に奴等ってのはどうしてこうも傲慢で野蛮なんだろうな」
「・・・・あいつ等、遺伝子操作されて自分達こそが未来の担い手とか
言って、あたし達を滅ぼそうとしてるんだ・・・」
「そりゃ、ジオン野郎だって同じだ。あいつ等の傲慢さには本当にあきれる。
あいつらは自分達の理想のために、数え切れないくらいの人間を踏み台にしてきたんだ」

何時の間にか、仲間意識のような物が生まれていたのかもしれない。
ふたりはそれから数時間に渡り会話をした。

普通に平和に暮らしていただけの人々を、無差別に殺戮し、自分達だけは
高見に置く。それはコーディネイターもジオンも一緒だ。

戦う相手は違うけど、私とこの子は仲間だ。
蒼い人類の故郷を守る。戦士なんだ。

247 名前:アラド&ゼオラ ◆y2DXVpu63E :03/12/09 11:52

アメリカ、サンフランシスコ。
観光名所として名高いここに、二人の男女がいた。
アラド・バランガとゼオラ・シュバイツァー。

まぁ、久方ぶりに休暇が取れたので、二人はシスコの街をぶらついていたわけで――

「それにしても坂が多いよなぁ、シスコって」
アラドが、コンビニで買い込んだチョコレートバーを齧りつつ言う。
対するゼオラはといえば――
「えーと、シスコの名所は、ザ・ロック、金門橋、路面電車――」
ガイドブックから目を離そうともしない。
「ロック!?ゼオラ、そこ行こうぜ、ロック!」
「あのね!あそこは刑務所跡よ!そういう辛気臭いところは後でいいじゃない!」
「おまえ分かってないなー。ロックって言ったら、ショーン・コネリーも行った名跡だろうが!」
「アクション映画と現実を混同しないでよね!」

と、唐突に、理不尽に、シスコの町を大音響が襲った。
「な、何だ!?」
「行ってみましょう!」

二人は大通りを目指して走り出した。
そして、それを見た。
巨大な三本足の鉄の塊を。
鉄塊の頂点から光が放たれるたび、町並みが破壊されていく。

「な、何なんだこいつ!?」
「細かいことは後!今はあそこに行きましょ!」
うろたえるアラドの尻をたたいて、ゼオラ達は港湾区の倉庫に駆け出した。

−港湾区倉庫−

重い音を立てて倉庫の扉が開く。
倉庫の暗がりでもはっきりと分かる、二機の青いPT(パーソナル・トルーパー)。

PTX−015R、ビルトビルガー。
PTX−016R、ビルトファルケン。
アラドはビルガーに、ゼオラはファルケンのコクピットに飛び込み、機体を立ち上げる。
シスコへの足代わりに二人はPTを使っていた。街中では目立つために、この倉庫に隠して置いたという訳だ。

「行くぞゼオラ!」
『わかったわ!あんなガラクタ相手に負けてやらないんだからね!』

百舌と隼、二機の鋼の猛禽は倉庫の天井をぶち抜いて、燃えさかる街に舞い戻る。


248 名前:ダンテ ◆DANTEOlcmY :03/12/09 18:14

―――――――――大西洋上空

広い海の上空をヨーロッパ方面に向かって移動している化け物がいた。
その化け物は一度だけある場所に姿を現していた。

この化け物が一度姿を現した場所………
それはBC海軍が所有していたモニター艦エレバスである。

その化け物…いや、俺は移動しながらあの海戦の事を思い出していた。

〜回想〜
あの海戦が開始された直後俺はモニター艦エレバスの甲板上で
俺はある力を解放し化け物になった。
そして、空に飛び上がり戦場へ向かった。
しかし、戦場に着いた後
俺は敵に攻撃を仕掛けずにすぐその戦場いや艦隊群から離れた。
理由は敵は水中にいるという事が周囲の状況を見て分かったからである。
「まさか、敵のいる場所が水中だったとはな。
俺もそこまでは考えていなかったぜ。
それよりも………今回は無駄な寄り道をしちまったな。」
艦隊からだいぶ離れた場所で俺はそう呟いた。
その後俺はそのまま艦隊から離れ何処かへと姿を消したのだった。
〜回想終了〜

回想を終えた俺は
「しかし、あの海戦に介入できなかったのは悔しかったぜ。」
と思い出すように呟いた。
そう呟いた後俺はある思いを胸に秘め
そのままヨーロッパ方面に向かって移動して行った。

249 名前:シャア・アズナブル:03/12/09 21:09

サイド3 ネオ・ジオン首都 スウィート・ウォーター
私は地球に送り込んでいた諜報員であり、一年戦争後も地球圏で私の部下として働いてくれたキグナン・ラムザが地球に情勢に関する情報を持ち帰ったことを知り呼び出した。

「久しぶりです、大佐。」
「キグナン、それでBCの様子の動向は?」
「はっ、BCは先の5thルナによる寒冷化作戦及び月のセレーネ軍によるテロを警戒し、さらに兵力の増強に移った模様です。」
「そうか・・・もう知っていると思うが形では地球連に投降すると口実を結び、アクシズを手に入れる事が出来た。」
「ではいよいよですか?」
「ああ、その前にルナツーや地球連合軍の地球の基地に貯蔵してある核を手に入れる必要がある。」
「しかしニュートロンジャマーによって核への影響は無いと思うのですが?」

キグナンは私にそう言った。
確かに”今のまま”では地球は汚染できんな。

「だが、既にプラントと和睦との時にお互いの技術提供としたNジャマーキャンセラーをデータを入手することができた。
予定通り地球寒冷化作戦は実行に移す事は可能だ。」
「なるほど・・・それと大佐・・・。」
「例のルイーナの事か?」

地球連合だけではなくザフト軍にも攻撃を仕掛けている戦闘集団・・・。
もしかしたらBC以上に厄介な相手だな・・・。

「それもあるのですが、北米周辺で別の勢力が現れたとの情報を入手しました。」
「もしかすると異星人か?」
「詳しくは分かりませんがどうも地球圏の兵器ではないのことです。」

異星人・・・以前地球圏も幾多の異星人の脅威に遭った。
やはり急がねばならんな。

「キグナンは引き続き、月都市郡にてアナハイムへの根回しとセレーネ軍との交渉を進めておいて欲しい。」
「分かりました。」

しかし地球に侵入した形跡はまったくなかった。
以前から工作活動を行っていたという事か・・・。
厄介だな。

250 名前:シャア・アズナブル:03/12/09 21:31

「αアジールの再調整が間に合わないのか?」

私はニュータイプ研究所所長でもあり私の秘書的な存在であるナナイ・ミゲルとミーティングの最中であった。
ナナイはハマーンは違い私の言う事をよく聞く。

「実戦テストをギュネイにやらせればいいでしょう。」
「彼はまだ実戦経験が薄い。それに強化するのに金が掛かりすぎた、事故で死なすわけにもいかぬだろう。」
「大佐、大佐が推薦なさってくださったクェス・パラヤですが、本物です。」

クェスはブライトを保護する際に一緒についてきた娘だ。
私の思想に惹かれているらしく、よく懐く。

「すぐに実戦に出せそうか?」
「いえ、まだ微調整が必要です。」
「まあいい、今回の作戦はガトー少佐とギュネイに任せておこう。この作戦が終われば全てが終わる・・・。」
「大佐、今回の地球寒冷化作戦ですがあのザフトのジェネシスすら上回る人類史上どんな独裁者でもやった事がない悪行ですよ?」

ナナイの言葉に口篭もることなく私は言った。

「今更説教はないぞ、私は宇宙に出た人類の革新を信じている。」
「しかし、パトリック・ザラやムルタ・アズラエルのように何故人の魂は重力に惹かれるのでしょうか?」
「それは定められた呪いかも知れんな。」
「呪い?」

私の言葉にナナイは少し驚いた、無理もないだろう。

251 名前:シャア・アズナブル:03/12/09 21:40

「そうだ、地球は美しい星だ。そこから出る事は人類全体にとって恐怖や絶望への旅路かもしれん・・・。」
「・・・・」
「しかし、人類全体をニュータイプにするためには、誰かがその業を背負わなければならない。」
「それでいいんですか?本当はアムロを見返したいだけでは?」
「今の私にとってそれはどうでもいい事だ、私が業を背負う事で地球や宇宙に住む人々だけではなくコーディネイターも救われるのならそれでいい・・・。」
「分かりました、これ以上は察しは控えさせていただきます。」
「今後の作戦は頼むぞ。」

――――たしかに今はアムロと過去の確執を続けている時ではない。
第2、第3のザビ家、ザラ議長やアズラエルを生むことは許されんのだ。
たとえ己が地獄の業火に焼かれろうとも成し遂げねばならぬ・・・。
―――――なぜ私の決意が分からぬ、アムロ!

252 名前:火星人 ◆35wpepfCH6 :03/12/09 23:12

>>247
サンフランシスコから数キロ離れた地点に陣地を構築したある火星人の一部隊
は市街地へのウォーマシンによる強行偵察を行った。

あくまで偵察が目的であり、都市の壊滅が目的ではない。
火星人の操る三本足のウォーマシン。
それは例えれば三脚に乗ったボイラーと言った感じだった。
上部の部分から突き出たカメラのような物が光を発し焔が迸る。
熱戦砲。その破壊力は凄まじかった。一撃で無数の建物を貫通し、内部から
吹き飛ばしてゆく。

―――――威力は上々だ。

操縦室の中で火星人の身体に合うように作られた椅子の上に座った火星人は
熱戦砲の威力に満足気味だった。現在、彼のウォーマシンを含めた三台のウォ
−マシンがサンフランシスコの街を横切るように進行していた。

突然、警報が鳴り響く。
操縦室の水晶のような物に二つの物体が移された。
青く塗装された二つの二本足の物体。それがこちらに向かってくる。

―――――下等生物どもの兵器か。丁度良い。どれほどのものか、試させてもらおう。

”三本足”はサイレンのような音を発し、残りの二台のウォ−マシンに敵の
存在を知らせた。

不気味な、叫び声にもにたサイレン音だった。

253 名前:BC軍少女兵リリィ ◆1oWHscADPA :03/12/09 23:42

(>>246の続き)
次の日、私とセシルは昨日出合った山の公園で待ち合わせした。
私とセシルは山の向こう側。昨日は行けなかった場所に案内してくれた。

そこで、私は見た。
地平線の向こうまで続く、白い無機質な十字架。
たくさんの人たちが、その下に眠っているとは思えないような粗末な墓地だった。
幾つかの十字架の前には花が、添えられていた。

その無限に続く十字架の道を、私とセシルは歩いてゆく。

「ここも、ザフトのニュートロンジャマ−で酷い目にあってな」
歩きながらセシルが切り出す。
「やっぱ・・・・凍死した人とかも居たの・・・?」
「・・・・・・ああ、でもその時は・・・俺の親は助かったんだ・・」
「セシルのお父さんとお母さんは・・・・どうしてセシルだけ助かったの・・?」
「俺はその時はまだ小学生でな。ここに隕石が落ちてきた時は偶然疎開してて助かったんだ」
「・・・・・・」

私はしばらく、黙っていた。するとセシルが聞いてきた。
「リリィはなんで助かったんだ?」
「私・・・・?私は・・あの日、偶然中学の旅行に行ってて・・・」

少し、おかしかった。同じように偶然助かるなんて。


254 名前:反コロニー軍少年兵セシル ◆1oWHscADPA :03/12/09 23:55

(>>253の続き)
リリィと少し笑った後、俺は空を見上げた。
空には満月が輝いてる。白い十字架が月の光を反射し、輝いている。

俺は今でも思い出す。あの日の惨劇を。

この街がニュートロンジャマーによるエネルギー停止で、引き起こされた惨劇から
ようやく立ち直ろうとしていた事は、当時小学生だった自分にも判っていた。

暗い、停電した闇の中。母と父に抱かれていた感触を、今でも覚えてる。
皆、支えあっていた。大切な人の死を乗り越えようとしていた。

だが、あの宇宙から地上を見下ろして、自分達こそが新たなる時代の
担い手などと言う誇大妄想に取り付かれたスペースノイドどもは、そんな
人たちの想いを踏みにじり、命さえも奪い取った。
あの巨大な隕石が都市を消滅させた時、何人の命が消えたと思う?
何人の人間が泣いたと思う?

貴様等の身勝手さ、思い上がり、全てが許しがたい。

255 名前:ダンテ ◆DANTEOlcmY :03/12/10 00:26

>>253-254
丁度セシルが空を見上げていた時
突然上空から銀髪の青年が二人のいる地点に向かって落ちてきた。

256 名前:◆3YvQSisyoo :03/12/10 00:30

ユーラシア大陸ヨーロッパ――――イタリア。

今ガンダムファイトにおいて出場していた代表MFネロスガンダムと
GFミケロ・チャリオットを日本代表のシャイニングガンダムとそのファイター
により撃破され、この国は決勝戦出場の権利を失った――――はずだった。
だが逮捕された彼は何故か刑務所より舞い戻り、再び代表選手として
この地にいる。新必殺技「虹色の脚」をいつの間にか得て。

そして彼が舞い戻ると時を同じくし、ヨーロッパでは奇妙な事件が
続発していた。各地の基地でMSとそのパイロットの失踪が
相次いでいたのだ。
原因は不明。

深夜、ブルーコスモスイタリア基地――――

数体のストライクダガーやGMが周囲を警戒している。
最近続発する失踪事件にBCも神経を尖らせていた。これ以上わけの
わからない理由で戦力を失うわけにもいかないのだ。


257 名前:◆3YvQSisyoo :03/12/10 00:31

「なぁ」
「何だブラザー」
「暇だな…」
「確かになブラザー」
仲良く並んだストライクダガーが周囲を見回している。そのコックピット
内でそれぞれ二人のパイロットは暇を持て余していた。
「給料の足しになるかと思って引き受けたけどな…だる」
「でも評価はあがるさブラザー。退役するころには金が有り余ってるよ」
「そうだと良いんだけどな…ん?」
急に霧が出てきた。おかしいな?この辺りで霧は…

『うっうわぁぁ!!』
「どうした!」
「何が起きたブラザー」
『てっ、敵が!て……ザザ…』
「ちくしょう、なんてこった!」
互いに背を合わせ、ビームライフルを構える。どの方向から敵が
来ても良いように警戒した。
「どこから来る…どこから」
「…!!うっ、うわぁぁぁ!!!」
「何ッ!」

振り返ったパイロットの目には、黒い霧の中から現れた巨大な爪に捉えられた
仲間の姿。
「助けて!嫌だァ!!」
「チクショウ!ちくしょう!畜生!!」

ビームライフルを放つものの、攻撃空しく同僚の乗ったストライクダガーは霧の
中へと引きずり込まれる。そして再び、静寂。

「…神様、いるんだろ。助けてくれよ…すぐ側にヴァチカンがあるんだから助けに来てくれよ…」

だが、その願いは届かない。漆黒の霧に自分の乗機より一回り以上巨大な影が
映し出されていた。真っ赤な双の眼を光らせ、こちらへと迫ってくる。
「お前は…何だ!」
段々とその姿が露わと成る。それは白きガンダム。
「お前は…誰だ!」
大きく謎のガンダムは腕を引く。
「一体…何者なんだぁぁぁ!!!」
ストライクダガーのビームライフルから光芒が放たれようとした次の刹那、
ガンダムの貫手がコックピットを貫いた。


258 名前:天剣絶刀 ◆3YvQSisyoo :03/12/10 00:32



霧が晴れたとき、そこには数体のMSの残骸が転がっていた。
――――その残骸が腕を動かし、あたかもゾンビのように動き始める。
カメラアイを真っ赤に染めたストライクダガーやGM達が海岸に向け
歩き出す。その先、海上では蠢く触手の姿が確認できる。

MS達が海岸まで到達したその時。海中より姿を現したのは巨大なガンダムの
頭部。そのフェイスマスクが展開し、牙向く顎(あぎと)が露わと成る。
その口の中へと続々とMS達が飲み込まれてゆく。
全てのMSを飲み込み終わると、再び海へと戻り、海底へと消えた。

イタリア上空、雲上。
一体の鳥の姿をしたモビルファイターが空中を飛翔している。
その名は天剣絶刀――――ガンダムヘヴンズソード。

259 名前:反コロニー軍少年兵セシル ◆1oWHscADPA :03/12/10 00:48

>>255
空を見上げていると、突然何かがこちらに落ちてくるのが見えた。
最初は鳥か?と思ったが・・・・・。

「人が・・・」
「え・・・・」
セシルの発した言葉にリリィも慌てて上を見上げる。
それは人間だった。銀髪のリリィよりも年上と思われる青年が
落ちて来た。

260 名前:BC軍少年兵トウヤ ◆1oWHscADPA :03/12/10 00:59

>>256
トウヤは暗闇の中を擬視していた。
最近、各勢力のMSがパイロットごと行方不明になる事件が続発しているのだ。
目撃証言と照らし合わせて見せると、どうもこれはとてつもない化け物の
仕業のようで、つい先ほども我が方やティターンズのMSがこの化け物
によって行方不明に――――多分やられた――――なっていた。

だが・・・”これ”はそうはいかない。
トウヤは”それ”の物体のはるか後方に居るトレーラーの中、
モニターに移される、海面を見ながらつぶやいた。

”それ”はイタリアでBCの援助の元、建造された火力、装甲、馬力
どれをとってもMSとは桁違いの力を持つ「スーパーロボット」だった。

261 名前:ウンブラ ◆yTYsy5wW2M :03/12/10 01:24

>>237-238
―――――運転手はなんの怪しむことなくワタシをトレーラーに乗せた。
そして運転手の娘に言われたとおり、シートの後ろに回る事にした。
もう一人の乗客の軍人はワタシを多少は怪しむ動作をしていたがすぐに平静になった。
このトレーラーは2人乗りだ・・・。
今ワタシは無理をして乗っていると考えればいいだろう・・・。

「さてと…私達はこれから先の砂漠を抜けて西海岸まで行くんだけど、
君はどこまで?」

その娘はワタシに向かってそう言った。
――――しばし沈黙し考えた・・・。

「ワタシはいく当てのない占い師・・・・このトレーラーが適当に向かう先まで頼む・・・。」

真の狙いはいずれ止まるであろう軍事施設・・・。
それまでは毒牙を隠しひたすら沈黙しよう・・・。

262 名前:アラド&ゼオラ ◆y2DXVpu63E :03/12/10 12:47

>>252
『アラド!三本足の数は三体、多分偵察が目的だと思うわ!』
ファルケンからゼオラの通信。
「どっちにしろ、このまま街を壊されて黙ってられるかよ!」

アラドはビルガーを加速させ、同時に左腕にマウントされた実剣をすらりと抜刀。
「行くぜ!コールドメタル・ソード!!」
三本足の直前で急上昇、落下速度を生かして大上段から剣を振り下ろす。
「でやああああああああっ!!」

斬ッ!!

メタルソードは三本足を一刀両断。
一瞬遅れて爆発。
「成敗!なんてな!」
『アラド!右前方!』
「へ?」
ゼオラからの通信を受けて、ビルガーのカメラがピントを右前方に向けると――
三本足がビルガーに光線を撃ってきた。
「どわわわわわわっ!」
慌ててビルガーに回避運動をさせるが、光線がビルガーの装甲を一部熔かした。

「ちきしょー、油断しちまったぜ!」
『あんたが見境なく突撃するのが悪いんじゃない!』
「あのなぁ、ビルガーは突撃戦特化のPTなんだぜ!ファルケンとは違うんだよ!」
通信機ごしに罵りあいをしていても、二人の目は戦況を見据えている。
ゼオラの駆るファルケンが、ビルの合間を縫うように移動しながら、
大型ライフル、オクスタン・ライフルを構える。

「いくわよ、ファルケン!シューティングモード!」
轟音一声。Vの字型のマズル・フラッシュが煌めき、放たれたナパーム弾が、
三本足に命中。
次瞬、三本足のいたるところから紅蓮の炎が噴き出した。
倒れこむ三本足。搭乗員は1500℃の高温で丸焼きにされたことだろう。

「よっしゃ!残るは一体だけだぜ!」
ビルガーが、右腕の鋏を掲げる。
「スタッグビートル・クラッシャー、セットアップ!」
ビルガーがクラッシャーで最後の一体を鋏み潰そうとした刹那、
三本足は飛び去ってしまった。

「こんにゃろう!!逃げるのか!!」
『アラド!深追いしちゃ駄目よ!罠って可能性もあるし!』
「……くそ!」

ゼオラに諌められ、アラドはクラッシャーを解除した。
またあの三本足が襲撃してくるんじゃないのか。そんな思いを抱えたまま。


263 名前:ダンテ ◆DANTEOlcmY :03/12/10 16:21

>>259
リリィが慌てて空を見上げた丁度その時
落下していた銀髪の青年は空中で半回転し着地態勢に入る。
そして青年はそのままの格好で落下し
2人がいた地点よりも少し後ろの地点に片腕と片足を着いて着地した。

264 名前:運び屋少女@大型トレーラー:03/12/10 16:23

>>261
私が目的地を聞くと、怪しい人は少し考え、口を開いた。

『ワタシはいく当てのない占い師・・・・このトレーラーが適当に向かう先まで頼む・・・』

なるへそ。ならばこのまま砂漠を突っ切り、適当な都市へと
向かうとしようかな。

「分かったよー。それじゃあ、発進!!」

まぁ発進とか言っても普通に走るだけなんだけど。
…占い師かぁ…ちょっと占ってもらおうかな?

三人と二機を乗せたトレーラーは、カリフォルニアの砂漠へと向かい
突っ走るのだった。

265 名前:反コロニー軍少年兵セシル ◆1oWHscADPA :03/12/10 18:12

>>263
銀髪の青年は空中で半回転着地態勢に入った後、セシルとリリィのいる
地点よりも少し後方に着地した。

「何者だ!?所属と階級を名乗れ!ここが、共同墓地と知っての行為か!?」
俺はすかさず手に持つ自動小銃を青年に向ける。
リリィも腰から拳銃を取り出した。


266 名前:BC軍 ◆1oWHscADPA :03/12/10 18:22

――――――カリフォルニア州。ロサンゼルス郊外の森。

BC軍情報収集・分析センター。

センターのモニター画面に昨日から目撃されている、なぞの化け物と
思われる写真が映し出されている。
現在、センターでは緊急会議が行われていた。立て続けに敵勢力が出現への
対応に追われているのだ。このまま放置すればますます被害は大きくなる。

分析官が事件の概要を説明している。
偵察機からの報告によれば各地でMSをパイロット事さらってゆく怪物は
どうも一年前の戦争で放置されたアラスカ基地を拠点にしているようだ。

この怪物に対する対策として建造中のスーパーロボットなどで対抗するのが
望ましい。さらにMSを有人から無人MSへと交換し危険な作業、任務は全て
無人機に任せる。BCでは機体はあくまで使い捨てであると言う方針が徹底し
ていた。MSの単独、もしくは少数での行動も禁止した。

267 名前:BC軍 ◆1oWHscADPA :03/12/10 18:29

そしてもう一つ、先日サンフランシスコ市街に現れた謎の戦闘機械について。

市街地に現れたのは合計三台。その内の2機は所属不明の機動兵器に破壊された。
この機動兵器と戦闘機械がとこから現れたのかは不明。
戦闘機械は地球上のどの勢力にも存在しないタイプの機体であるらしい。

対策は、警備のの強化と哨戒の増加だけであった。
今の段階では大した脅威ではないと判断されたのだ。

268 名前:BC軍 ◆1oWHscADPA :03/12/10 18:39

そして最後に、ネオ・ジオンの処理についてだ。
既にアクシズの引渡しは完了した。現在では同じ枢軸に属する、OZとティターンズ
の艦体が監視のために留まっているだけだった。

BCと反コロニー軍には宇宙の戦力が欠けていた。

アクシズの引渡しと引き換えにネオ・ジオンは武装解除される。
それまで存在を認めていなかったネオ・ジオン政府を認め兵士への
失業対策としてまた、コロニー開発用の資源としてアクシズを譲渡したのだ。

公的にはそう発表された。

しかし、枢軸、特にBCと反コロニー軍は内心ではネオジオンに対し強い警戒感
を抱いていた。

世界の各地にあるBC軍、反コロニー軍の基地では厳重な警戒態勢がしかれている。

269 名前:元連邦兵:03/12/10 22:21

>>261 >>264
『ワタシはいく当てのない占い師・・・・このトレーラーが適当に向かう先まで頼む・・・。』

占い師…ねぇ…胡散臭いが、格好から見てもっとも…と、言えばもっともかもな。
そんな事をボーっと考えながら、前を見ていた…が、少女の方を横目で一瞬見ると…
表情が少し明るくなってる様な…その理由は大体想像がついた…女の子ってのは総じて占いが好きなのかね?
ま、占いという単語に反応したのかどうかは判らないんだが。

「くあっ…」

気だるげに欠伸を一つすると、姿勢を直す…偶々会った運び屋の少女…と、MF。
そして、「自称」占い師で怪しい格好をしてるヒッチハイカー…
この先で、これ以上何か出るか……いや、出ない事を祈っとこう。

270 名前:???:03/12/10 22:51

―――――アメリカ、サンフランシスコ
ネオ・ジオン総帥のシャア・アズナブルの特命で地球に降下したジオンの部隊だ。
この街にいる目的は北米大陸の連合軍施設の探索だ。
そして例の「地球寒冷化作戦」に必要な核弾頭を奪取し、アフリカ大陸で散らばった同胞と合流し宇宙へ帰還する。
そういう手筈だ。

俺は幾人かの部下と一緒にあるホテルの一室にいた。
一人はノートパソコンで軍の施設へのハッキングを試み、もう一人は窓から街の様子を見ていた。
どうやら外で戦闘があったようだ。
ここからだとかなり遠い、まだここには避難勧告は出されてないと言う事だな。

「中佐、どうやら未確認部隊は撤退した模様です。」
「そうか、BCの連中もここに来るだろう、長居は無用だ。」
「その前に現場を調査しませんと、総帥の命でもありますから。」
「ああ、分かった。」

俺達はMSが積めるくらい巨大なトレーラーに乗り込んだ。
当然、荷台には降下した際に宇宙から持ってきたMSが隠してある。

「んじゃ、誰と誰が戦っていたのか、行ってみるとするか。」
「ええ、ジョニー・ライデン中佐。」

俺、真紅の稲妻ジョニー・ライデンはまた戦場に戻ってきたと言うわけだ。



271 名前:BC軍少年兵トウヤ ◆1oWHscADPA :03/12/10 23:06


(>>260の続き)

月は雲に隠れて見えなかった。
そんな暗闇の中を進撃してゆく一つの巨人。

神話に出てくる巨人のような赤い一つ目。身体中に装備されたゴテゴテのパイプ。
そして茶色く塗装された機体。

イタリア製スーパーロボット「ベスビオスY」

当初の目的は火山調査を目的としていたが、未知の脅威の前に急遽設計を変更し
戦闘用ロボットに改造された。

火山の熱にも耐えられる超耐熱性能を持つ。

トウヤは暗闇を進む巨体のはるか後方に位置する場所から腕時計の
ような物に叫ぶ。

「ベスビオス。進路そのまま、速度を落とせ」

このロボットはMSなどとは違い、コクピットを持たない、遠隔操縦(ボイス・コントロール)で
動いている。

この付近に出没する、謎の怪物を打倒するために昨晩、MSが襲撃された場所へ向かうのだ。

272 名前:ダンテ ◆DANTEOlcmY :03/12/10 23:21

>>265
少年と少女が銃を向けている。
こんな状況の中で俺は平然とした態度で
「おい少年、撃つつもりでいるならさっさと撃てよ。それとも撃つ度胸がないのか?」
と言いながら少年に向かって挑発の手招きをする。

273 名前:ミケロ・チャリオット ◆74DEvilpq2 :03/12/10 23:23

>>271
スーパーロボット『ベスビオスY』の目指す先――――

ブルーコスモス基地が『あった』場所。昨晩の襲撃でMSは失ったものの
基地自体には特に損害は無かったはずだった。

だが――――今の基地には誰もいないのだ。
誰も、この基地にいたはずの人間全てが消失していた。
その代わりに基地には――――


基地の中央に一機のMFが鎮座している。
そのMFはイタリアにおいては知らないものは誰もおるまい。
何故ならばその機体はガンダムファイトイタリア代表のMF、
ネロスガンダムなのだから。
その側に立って少しずつ基地へと迫ってくる巨大なロボットを
見ているのはマフィアの大ボスにしてガンダムファイター、
――――悪名高きミケロ・チャリオット。

「来たぜ…来やがったぜ。またカモが一匹なぁ!」

ミケロは口を歪ませ、ニヤリと哂った。

274 名前:反コロニー軍少年兵セシル ◆1oWHscADPA :03/12/10 23:39

>>272
セシルとリリィが銃を向けているのにも関わらず、その青年は全く
動じた様子は無い。それどころか平然とした態度でこちらを挑発してくる。

『おい少年、撃つつもりでいるならさっさと撃てよ。それとも撃つ度胸がないのか?』

俺はゆっくりと引き金を引く。
この青年に何かやばいような物を感じたので。

275 名前:BC軍少年兵トウヤ ◆1oWHscADPA :03/12/10 23:50

>>273
もう少しで基地だ。
トウヤは少し息をつく。ベスビオスYの後ろについて歩いてくるのは結構
骨だった。基地につけばまだ警戒があるとは言え、少しは休めるだろう。
しかしトウヤはすぐに基地の様子がおかしい事に気づいた。

基地のゲートが開いていた。そして誰の気配もない。

「ベスビオスY!止まれ!」
ベスビオスYの巨体が停止する。トウヤは暗視ゴーグルを取り出し、
基地の様子を見る。
誰も居ない。歩哨さえも居ない。
続いてトウヤは無線機を取り出し、基地に連絡を入れた。
案の定、応答がない。

やむ終えず、再び前進を初め、基地の中に入ってゆくベスビオスYとトウヤ。
やがて基地の中央に一機の機体が鎮座しているのが見えた。

見覚えのある機体だった。
いや、見たことあるぞ!あれはガンダムファイトイタリア代表のMF。
ネロスガンダム。

なんであんな物がこんな所に?!

そしてトウヤは見た。その傍らに佇む一人の人物を。
マフィアの大ボスにしてガンダムファイター、
――――悪名高きミケロ・チャリオット。

俺は声を上げた。

「ミケロ・チャリオット!?なんでこんな所に!!?」

276 名前:ウンブラ ◆yTYsy5wW2M :03/12/11 00:01

>>264-269
ワタシの発した言葉とともにトレーラーはそのまま砂漠地帯へ突き進んだ。
その娘はワタシに占って欲しいと思ったような顔を一瞬したがどうでも良い事だった・・・。

トレーラーはある程度進んでいったが一向に街につく気配はなかった。
さらに立ち入り禁止の立て札・・・。

「ここは軍の施設跡か・・・?」

ワタシは2人に聞いてみるとした。
この者達の基地ならばきっと反応するだろう・・・。

277 名前:ミケロ・チャリオット ◆74DEvilpq2 :03/12/11 00:08

>>275
おうおう、入ってきやがったぜスーパーロボットさん。
チャイムも鳴らさねぇたぁ良い度胸じゃねぇか。

自らの愛機よりも、さらに巨大なロボットを見上げた。
顔の真ん中に真っ赤な一つ目。デスアーミーにしたら
おもしろくなるかもなぁ?

目線を下ろした俺の視界に入ったのは、一人のガキだった。
アイツが――――成る程。

『ミケロ・チャリオット!?なんでこんな所に!!?』

ガキが俺の名を叫んだ。俺も有名になったもんだ。
そいつにくるりと背を向け、取り敢えず適当な言葉を繕う。

「んなモン決まってるだろぉ?ガンダムファイトの挑戦を受けたのさ。
だが…ふざけたことに誰もいねぇんだよ。この基地には、だれもなぁ?
何故だと思う?」

理由なんて…決まってるんだがな。

278 名前:元連邦兵@BD1号機:03/12/11 00:18

>>276
砂漠地帯に入り、トレーラーの揺れが大きくなって暫くの時間が経った。
相変わらず、後ろの席に座っている自称占い師は殆ど無言…
後ろに乗ってるMSも相まって軍人と思われてるからかもしれないが…ま、そんな事はどうでも良いんだが。
とにかく、言葉が無ければ会話にもならない…そんな風に思っていた矢先―――

『ここは軍の施設跡か・・・?』

鼻歌を小さく歌っていると…自称占い師の言葉が聞こえた。
前を見れば立ち入り禁止の立て札…あながち俺の推測も間違ってなかったか…

「軍の施設後?…変だな…俺が連邦に属してた頃には無かったと思うんだが。
 …推測が本当になったかもな…という事は、砂漠に入った奴が消えるって噂の元はこれ…
 …いや…工場なんかの、施設跡なら消える事も無い…よなぁ…うーん」

一人考える…もし、「跡」ならば砂漠に入った奴が消える事は無い。
だが…これが偽装された工場なんかなら、消える事も頷ける…少し嫌な予感が頭を過ぎった。
…これは完全な勘だが…もし、当たっていれば…

「…とっとと抜けた方が良いかもしれないな…触らぬ神に祟り無しだ…」

―――不味い…ただ一つ、そう思い呟いた。

279 名前:BC軍少年兵トウヤ ◆1oWHscADPA :03/12/11 00:26

>>277
噂の通りだ。嫌みったらしい奴だな。
俺はそんな場違いに呑気な事を考えていた。

俺の声を聞いたミケロは俺に背を向け、言った。

『んなモン決まってるだろぉ?ガンダムファイトの挑戦を受けたのさ。』

はぁ?ガンダムファイトなら闘技場にでもいってやれよ。おい。
酔ってんのか?

『またしても呑気な事を考える俺。
だが…ふざけたことに誰もいねぇんだよ。この基地には、だれもなぁ?
何故だと思う?』

そこまで来て、俺はようやく事態を把握した。

「・・・まさか・・・まさか・・お前、まさか!?」

緊張が高まる!

280 名前:運び屋少女@大型トレーラー:03/12/11 00:26

>>276>>278
その後トレーラーは順調に進み――――燃料は少しずつ
ヤバイことになって来てるんだけど――――無事に砂漠地帯へと
到達した。そのまま車体を進ませるが、目の端に一瞬、立て札のようなものが
とまった。

『ここは軍の施設跡か・・・?』

占い師さんの言葉に私は肩をすくめ、さらにお客さんが少々悩みながら答えた。

『軍の施設後?…変だな…俺が連邦に属してた頃には無かったと思うんだが。
 …推測が本当になったかもな…という事は、砂漠に入った奴が消えるって噂の元はこれ…
 …いや…工場なんかの、施設跡なら消える事も無い…よなぁ…うーん』

なるほ。おもしろそうじゃん。
表情を曇らせながら、お兄さんはしばらく考えた後、言葉を続ける。

『…とっとと抜けた方が良いかもしれないな…触らぬ神に祟り無しだ…』

「ま、そーかもね。でも、ちょっとだけ面白そうかも?」

そう言い、心持だけ車の速度を速める。鼻歌を歌いつつ、風にハチマキを
たなびかせながら。

281 名前:BC軍戦車兵スグル ◆1oWHscADPA :03/12/11 00:32

>>276
>>278
>>280
俺は今日も工場の周辺の監視の任務についていた。
俺は今、一人、BCの主力戦車リニアガンタンクの中にいる。

俺達に与えられた任務はこの先にある、秘密工場にBC関係者以外の
人間を近づけさせない事だった。

唐突に一台の大型トレーラーが視界に入った。

282 名前:ウンブラ ◆yTYsy5wW2M :03/12/11 00:37

>>281
そろそろ頃合だな・・・。
すでに多数のミーレス達がトレーラーを追跡している。
そろそろ兵もでて来る筈だ。
ここで大規模な戦闘が起これば、他の勢力も気づくはず・・・。

その頃、多数の飛行物体が近づいてくる事にワタシ以外は誰も気づかなかった。

283 名前:ミケロ・チャリオット ◆74DEvilpq2 :03/12/11 00:39

>>279
背を向けていてもピンピン伝わってくるぜ、俺へのいや〜な目線がな。
だがその目線はだんだんと驚愕のそれへと変わるのが、空気を通じて伝わってくる。

『・・・まさか・・・まさか・・お前、まさか!?』

「そうさぁ!この基地の連中が消えたのはぁぁぁ!」

ガキの方へと振り向き、親指で自分を指す。

「俺の仕業だぁ!」

驚くガキを尻目に、俺は膝、肩、頭部とネロスガンダムの体を
ジャンプし上り、さらに頭部から大きく跳躍する。

まずは小手調べ。

「ぎぃんいろのあしぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」

右足の一閃とともに、強大な真空波がスーパーロボットへ向かい放たれる。
ビルくらいなら両断する威力――――――期待外れはさせるんじゃねぇぞ。

284 名前:元連邦兵@BD1号機:03/12/11 00:44

>>280
『ま、そーかもね。でも、ちょっとだけ面白そうかも?』

…おいおい…もし、防衛隊がワンサカいたら面白いも面白くないも無いだろ…
と、心の中でツッコミを入れ…言葉を返す。

「そんじゃ、頼むよ…本当に秘密工場なんかだったら、アレだし。」

言いながら、ドアに軽く手を掛ける…止められたら出て行かなけりゃなら無いだろうし。
消えるって話からすると、問答無用で攻撃されるかもしれないという点を考慮して…

>>281
―――と…工場の横に見える黒い影…
シルエットから察するに、タンクタイプか…?
…長距離砲撃は嫌だねぇ…ブルーにビーム兵器は装備しちゃいない。
装備出来るのだが…見つけた場所にはマシンガンだけ…そんな事を思いつつ口を開いた。

「…抜けられりゃ、いいんだがな…」

285 名前:運び屋少女@大型トレーラー:03/12/11 00:50

『そんじゃ、頼むよ…本当に秘密工場なんかだったら、アレだし。』

そんなこと言われてもキニシナイ!なおもテンションを上げつつ走る…と、

>>281
目前に工場。そして戦車。これはもしかするともしかするかも!
大きな期待と少しの不安に胸膨らませつつ、アクセルを踏み込む。

『…抜けられりゃ、いいんだがな…』

確かに。でも後ろのアレがあれば…!
指パッチンの準備はOK。息も十分吸い込んだ。

――――いつでも、いける!

286 名前:BC軍少年兵トウヤ ◆1oWHscADPA :03/12/11 00:51

>>283
『そうさぁ!この基地の連中が消えたのはぁぁぁ!』

ミケロが俺の方向に振り向く。
次にいう事は予想がついた。

『俺の仕業だぁ!』
――――――やっぱりか!!!
トウヤの頭に今度こそ本物の怒りが噴き上がった。

怒ってる暇はない。あっという間にミケロは膝、肩、頭部と
ネロスガンダムの体をジャンプし上り、さらに頭部から大きく跳躍する。
そして。

『ぎぃんいろのあしぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!』

TVで見た事がある技だった。たしか真空波で相手を切断する技だった
と思う。

「ベスビオスY!ガード!」

トウヤの命令にベスビオスYは両腕を組んで屈み防御の体制を取る。
真空波はベスビオスYの装甲に弾かれた。
猛烈な空圧にトウヤは頭のゴーグルを目の位置に下ろす。

「べスビオスYの装甲がんなもんで破れるわけあるかぁ!!」

俺は興奮していた。

「ベスビオスY!パンチだ!!」
ベスビオスの鋼の巨腕がネロスガンダムに迫る。

287 名前:BC軍戦車兵スグル ◆1oWHscADPA :03/12/11 00:55

>>282
>>284
>>285
トレーラーの様子がおかしい。

「おい・・・ちょっと待てよ・・・!厄介事はごめんだぞ・・・!」

俺は冷や汗をかいている。
無意識の内に砲の引き金に指がかかる。

何が目的だ?まさかコーディネイターか?
はたまた、ジオンか?いやルイ−ナか?

しばらくの沈黙。

288 名前:ベルグランデ:03/12/11 01:00

突如空から数機の大形の機動兵器が降下した来た。
ルイーナ軍の量産型大形機動兵器のベルグランデである。
アンゲルスとは対照的にパワーと装甲に力を入れ設計されたスーパーロボットと呼ばれる兵器に近いメカだった。
ベルグランデは手にもったボールハンマーで近くにいたトレーラーを狙う。

289 名前:ミケロ・チャリオット ◆74DEvilpq2 :03/12/11 01:02

>>286
『ベスビオスY!ガード!』

俺の放った銀色の脚をデカブツは両腕を組んで屈み、
防御の体制を取って防いだ。
そうそう、そうじゃないとおもしろくねぇ。

『ベスビオスY!パンチだ!!』

そんなこと思ってるうちに、俺のネロスガンダムに奴の鉄拳が迫る。
オイオイ、動けない機体に攻撃たぁ卑怯だな?

「行くぜェェ!!ガンダァァム!!」

ネロスガンダムの眼に光が宿り、ロボットの拳をかわし、空に飛び上がる。
俺はそのコックピットへと吸い込まれる。

全身をファイティングスーツが覆っていく。戦闘準備、完了。

「ガンダムファイトォォォォォォ!!!!レェディィィィィィィィィィィ!!!」

俺は力の限り叫んだ。

290 名前:元連邦兵@BD1号機:03/12/11 01:03

>>285
「はァァ…」

溜息を吐いた…タンクタイプのシルエットを見たからではない…
少女の嬉しそうな様子を見て…だ。
よっぽど後ろのMFに乗たいんだろうなぁ…などと考えながらドアに手は掛けたまま…

「…戦闘は遊びじゃ無いからな…あくまで、最悪の場合の手段だ。」

…少し強めに言う…実際、実戦には何度も出たのだ。
普通に帰投出来る事もあれば、もう機体はボロボロの状態の時もあった…
それこそ…死にかけた事も一度ある…それを踏まえての警告だ。
出来れば、あちらさんから攻撃を仕掛けて来て欲しく無いねぇ…

>>287
…ヤバイ…頼むから仕掛けてくるなよぉ…
死ぬのは御免だ…いや、マジで…

>>288
―――そんな事を思っていると…後方からの降下音が耳に入った…

「な、なんだぁ!?」

驚き、つい声を上げた…今度はなんだってのよ?
明らかにヤバイぞ、おい…

291 名前:BC軍少年兵トウヤ ◆1oWHscADPA :03/12/11 01:08

>>289
パンチがあたる直前。ネロスガンダムは空に飛び上がる。

「ああ、くそ!はずれちまったぁ!!」

ベスビオスYはパワーこそネロスガンダムの数倍を誇るが、
いささか目標が小さい。

突然敵のガンダムからミケロの声が聞こえる。


『ガンダムファイトォォォォォォ!!!!レェディィィィィィィィィィィ!!!』
その時俺もなぜか叫んでいた。

「ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」

俺はこんなに興奮したのは生まれて初めてだった。

292 名前:ウンブラ ◆yTYsy5wW2M :03/12/11 01:09

>>290
――――そろそろ引き所・・・・。
丁度良いタイミングにてボールハンマーがトレーラーのすぐ先に叩きつけられた。
その衝撃は激しく、衝撃がトレーラー内に響く。
激しく揺れる車内・・・・。

「ここまでだ・・・。」

ワタシは悟られぬように車から抜け出した。
そして我がしもべを呼ぶのだった。

293 名前:運び屋少女@大型トレーラー:03/12/11 01:11

>>290
溜息を吐かれた。そうやら私の態度に呆れたらしい。

『…戦闘は遊びじゃ無いからな…あくまで、最悪の場合の手段だ。』

少し強い口調で言われた。わかってるよ。それぐらい。
頬を少し膨らませる。

>>288
基地の前を突っ切ろうとする我が愛車の頭上に、ロボットが迫ってくる。

「ウッソォ!こんなところで!?」

そのロボットは手のハンマーを振り下ろし、私達を粉砕しようとする。

「ふざけないでよねッ!」

その攻撃を巧みなハンドルさばきでかわしながら、私は基地の目の前で
トレーラーを急停車させる。

「お兄さんは自分の機体に!私も戦うからね!」

そう言いながら天へと手を高々と掲げ、指を立てる。

「出ろぉぉぉぉ!ガンダァァァム!!」

パチィン!

周囲へ澄んだ音が響き渡るとともに、シーツを突き破り、巨大なハートが姿を
現す。そのコックピットへと私は颯爽と乗り込んだ。

294 名前:BC軍戦車兵スグル ◆1oWHscADPA :03/12/11 01:12

>>290
「な・・・・・なんだぁ!?」
突如謎の機動兵器が降下した来た。

ザフト?いや違う、ジオンでもない。

セレーネ!!!!

その時俺は引き金を引いてしまった。
轟音と共に150mリニアカノンが放たれた。

295 名前:ベルグランデ:03/12/11 01:15

>>294
不意打ちに近かった150mmリニアカノンを受けて一機のベルグランデが煙を上げながら倒れた。
いくら装甲が厚いこの機体でも今の一撃にはさすがに耐えられなかったのだ。
だが残ったうちの何機かが拳を戦車に向けた。
やがて拳が戦車に向かって発射された。

296 名前:ミケロ・チャリオット ◆74DEvilpq2 :03/12/11 01:15

>>291
「良い返事だぁぁぁ!!!」

期待通りに答えてくれたガキに向かって叫ぶ。

目の前のロボットはネロスガンダムよりも遥かに重装甲、重パワーだが
それ故に遥かにネロスガンダムより――――遅い。

まず連撃。落下しつつ、その体に幾つもの蹴りを叩き込む。
さぁ、来い!ファイトの時間だぁぁ!!

297 名前:ミケロ・チャリオット ◆74DEvilpq2 :03/12/11 01:19

(メール欄)

298 名前:元連邦兵@BD1号機:03/12/11 01:25

>>292
『ここまでだ・・・。』

それだけ呟き、車内から出て行った自称占い師…その姿はやはり只者ではない。

「ちっ…何だってんだよ!」

揺れる車内で、つい叫んだ。

>>293
「どぁぁっ!?」

揺れが酷い…トレーラーは、暫くスピンやら、急発進やらしてやっと止まった。

『お兄さんは自分の機体に!私も戦うからね!』

マジかよ…ったく、正体不明の機体は来るわ、秘密工場は本当にあるわ…
厄日か?

「ああ、すぐ行く」

そう返すと、すぐさま外に出…荷台のブルーのコクピットハッチを開ける…

『出ろぉぉぉぉ!ガンダァァァム!!』

聞こえた声、そしてシーツを突き破って現れたハートのシルエットのMF…
それを見ると機体に乗り込み、コクピットハッチを閉める。
やれやれ…やるしないか。

「一丁、行くか…実戦も久々すぎるな…まったく。」

MSを起動させ…砂漠の地へと蒼きジ…頭部がジムタイプの陸戦型ガンダムが立つ。
手には108mマシンガンを携えて。

「俺はあっちのタンクに、一回通信を入れる!聞き入れられなかったら、タンクの相手は俺がする…
 それでいいか!?」

とりあえず通信を少女のMFに入れる…チャンネルが合ってるかは判らないのだが。

299 名前:運び屋少女@シャッフルハート:03/12/11 01:32

巨大なハートは変形し始める。その外周は背部バインダーに、そしてその
中心部は胴体へと変形する。

「くっ、あああ…ああああ!」

全身をファイティングスーツが覆ってゆく。いつまでたっても、これだけには
慣れられない。全身がバラバラになるような痛み、だがこれに耐えれなければ
MFに乗る資格などない。

『モビルトレースシステム、セットアップ!
脳波、血圧、心拍数、呼吸、体温、代謝機能、オールグリーン!』

機械音声と共に、ファイティングスーツを装着完了した私の体を機械が
スキャンしていく。OK、心身健ヤカナリテ以上ナシナリ!

「はっ、はっ!はぁっ!」

二度三度、確かめるように拳を動かす。

「てやぁぁ――――っ!てりゃああ!!」

いつでも――――戦える!!

『俺はあっちのタンクに、一回通信を入れる!聞き入れられなかったら、タンクの相手は俺がする…
 それでいいか!?』

青いGM頭のガンダム、お客のおにーさんから通信が入ってくる。

「わかった!じゃあ私はこいつらを!」

そう返答すると、ゆっくりと敵を向き、構えた。
息を大きく吸い込む。

「ガンダムファイトォ!レディー…」

多分答えてくれなさそうなので。

「ゴォ――――――――!!!!!」

自分で叫んでおいた。

300 名前:ウンブラ ◆yTYsy5wW2M :03/12/11 01:38

―――――そろそろだな。
突然砂漠の砂が吹き出た・・・。
膨大に噴水いや噴火に近いと言うべきか・・・。
激しく砂が吹き出る・・・。

「人よ己の運命を受け入れるがいい・・・。」

やがて砂の噴射がおさまり、中から漆黒の大形の機動兵器が現れた。
両腕に鉤爪が、両肩にはリングが装着されている。

「悲しみの涙と真紅の血は最高の美酒となりて・・苦しみのうめきと轟く絶叫は、美しき調べとなる・・・」

ワタシはその場にいた者達にそう語りかけた。

「生きとし生けるものすべてを・・・滅びへ導くために・・・貴様らの血でワタシを喜ばせるのだ・・・
そう・・・ワタシはウンブラ。その意味は闇なりて・・・お前達の死を破滅の王とワタシの糧に・・・。」

そう言ってワタシは爪を向けて飛び掛っていった。
さあ・・・来るがいい・・・。
心弱気人よ・・・。


301 名前:元連邦兵@BD1号機:03/12/11 02:01

>>299
ハートの機体が変形する様をサブカメラが捉え、それはモニターに映し出されている…
MA可変型は凄いねぇ…思わずそう思う。

『わかった!じゃあ私はこいつらを!』

返答が入り、再び回線を開き…応えようとしたその時…

『ガンダムファイトォ!レディー…』

『ゴォ――――――――!!!!!』

…二言を聞き…ああ、言うんだよな確か。
等と思い、つい言葉を飲み込んだ…そして…

「悪いな…そっちは任せた!」

言葉を返すと、ブースターを吹かし基地へと跳んだ…
マシンガンのトリガーには、マニュピレーターが掛けられてはいない。

>>300
基地の近くへと一度着地し…タンクへ通信を入れようとしたその時…
砂が吹き出た…そして…

『悲しみの涙と真紅の血は最高の美酒となりて・・苦しみのうめきと轟く絶叫は、美しき調べとなる・・・』

回線に入って来た声…そして、レーダーに反応。
砂の噴出が止まり…現れた、闇の様に深い黒の機体…声からして、さっきの自称占い師の様だが…

『生きとし生けるものすべてを・・・滅びへ導くために・・・貴様らの血でワタシを喜ばせるのだ・・・
 そう・・・ワタシはウンブラ。その意味は闇なりて・・・お前達の死を破滅の王とワタシの糧に・・・。』

…ハァ?滅びに導く?…血で喜ばせる?
死を破滅の王と私の糧に…だ…?ぶっ飛んでるな……生憎、俺は死ぬつもりは無い。
ウンブラとか名乗る自称占い師…怪しいと思ってたが、なんかの組織に入ってんのか?
…面倒過ぎる…データも無い二種類の機体…だが、幸いなのはタンクはまだ味方になる可能性もある事だ…

「死を糧にするってんなら、生き抜いてみせる…」

呟くと、チャンネルを国際共通チャンネルに合わせ…タンクへの通信準備。

302 名前:BC軍戦車兵スグル ◆1oWHscADPA :03/12/11 16:27

>>295
わざとじゃない。本当になんで撃ってしまったのか判らない。

リニアカノンはものの見事に敵機動兵器に命中した。

―――――普段、訓練で撃ってもあたらないのに!なんでこんな時に限って!!?

残りの敵の機動兵器が、こちらに拳を向ける。

まずい!こりゃまずい!妹の下手くそな料理よりまずい!

その時、突然正面のジムタイプのMSから通信が入った。

303 名前:BC軍少年兵トウヤ ◆1oWHscADPA :03/12/11 16:40

>>296
「うぉおおおおおおおおおおおお!!?」

ネロスガンダムの連撃にベスビオスYの巨体が小刻みに揺れる。
だが――――

「大した損傷じゃない!」

しかし、あまりにも目標が小さすぎる。本当ならこのあたりに出没すると言う
化け物を退治しに来たのに。

――――!

そこまで来て一つの疑問がトウヤの頭の中をよぎった。
俺の戦う相手は今、目の前にいるネロスガンダムなのか?
それ以前に基地の人間を消したと言ったが、殺したのか?なら死体の一つぐらい
あるはず。いや、もっと重要な事がある。目撃証言では巨大な化け物だったはずだ、
なのになんで――――――。

だが、今はコイツを何とかしなければ。
トウヤはベスビオスYに命令を下す。

「ベスビオスY!手刀だ!」

命令を受けたベスビオスは手を横に薙ぎ払う。
手刀一閃!

304 名前:BC軍少女兵シュティーナ ◆1oWHscADPA :03/12/11 17:18

―――――――――ネバタ州。砂漠地帯。

砂と、僅かに生えた草が延々と続く荒野。
そこににその基地はある。

入り口の看板ににはこう書かれている。

           核物質保存施設につき立ち入り禁ず

                    大西洋連邦政府

その基地から離れた砂漠地帯に数機のMSが停止していた、そのMS足元で
くつろいでいる一人の少女がいた。
一応、BCの兵士であるようだがその服装はかなり乱れている。
丈の短いへそだしスタイル。少し砂に汚れたズボン。

私、シュティーナはふとつぶやいた。
「ほんとに、こんな所にくるのかしらねぇ・・・」

シュティーナのつぶやきに近くにいた中国系のBC兵リウツゥが言った。
「くるさ。あいつらは絶対にここを狙ってくる。」
シュティーナなは少し頬を膨らませて言う。
「どうだか」

シュティーナとリウツゥの居る所から少し離れた地点にも
MSが居た。


305 名前:ミケロ・チャリオット ◆74DEvilpq2 :03/12/11 17:28

>>303
フンッ、やっぱり図体のでかい奴は固いな。
俺の放ったキックは、ロクなダメージにもなっちゃいねぇ。
更なる攻撃を仕掛けようとしたときに――――

ベスビオスYの横薙ぎに払われた手刀がネロスガンダムの体に食い込んだ。

「ギェェッ!!こぉんのヤロォォォォ!!」

ファイティングスーツを通じ、腕がへし折れるにも等しい痛みが伝わってくる。
――――やってくれるじゃねぇか!
肘関節を破壊されたネロスガンダムは、腕をだらりとぶら下げていた。
もはやそれは動かなくなった――――はずだった。
トウヤの目の前で異様な光景が始まった。
破壊された間接部から触手が伸び、破損部を覆い隠すように絡み合う。
そして触手が硬質化し、肘関節のパーツとなった。
――――自己再生。
ミケロも確かめるように、ニ、三度腕を振る。

「ヒヒヒ…いくぜぇぇぇっ!!!!」

ベスビオスYの腕に飛び乗り、その上を疾走、さらに肩から飛び上がる。
ブースターをふかし、その頭上、遥か上へと飛翔する。
脚を引き、力をタメる。

「にぃじいろのあしぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」

空を切り、振られた右脚から七色に光り輝くサテリコンビームが豪雨の如く
降り注ぐ。これが必殺――――――――虹色の脚!

306 名前:BC軍少女兵エルサ ◆1oWHscADPA :03/12/11 17:37

(>>304続き)
シュティーナ達の居る地点から数キロ離れた場所では一機のMSが核物質保存施設
を監視していた。

――――スペースノイドどもめ、くるなら来い。

MSのコクピットの中、エルサは息巻いていた。
この保存施設の内部は何十もの仕切り扉で封鎖されている。
さらにこの基地を守るために各地から兵器がかき集められた。

戦車、対空戦車、装甲車、ミサイルジープ、自走砲、高射砲、高射機関砲
、対空ミサイル発射機などが一定の間隔で基地を囲むように配置されている。
これらは全て無人兵器だ。基地に近づく物に対しては容赦なく発砲する。

既に無人兵器の起動スイッチは入っている。すなわちもうあの基地周辺には
近づけない。

エルサが空を見上げると、戦闘機が編隊を組み上空を通過していった。
あれも無人兵器だ。一定の高度で同じコースを飛行し続け、敵の侵入を
感知するやいなや侵入者に対して攻撃を開始する。

――――さらに

基地の内外に設置された周囲の背景に偽装したたくさんのコンテナ。

このコンテナには日本で研究されていた学習コンピューターの”サンプル”を
元にしさらに、最高のコーディネイターと呼ばれる者、そしてこれらの機体の
オリジナルに搭乗していた三人のパイロットの戦闘データを組み込んだ人工知能
を持つMSが収納されている。

これらの起動スイッチも先ほど入れられた。

エルサは笑う。くるならこい、コーディネイターとそれに味方するスペースノイド
共。ナチュラルをスペースノイドを舐めるなよ。

貴様等に殺された人たちの苦しみを味あわせてやる。

307 名前:ダンテ ◆DANTEOlcmY :03/12/11 20:57

>>274
その直後俺はその場から動かずに腰のホルスターに素早く手を掛ける。
そして愛用の二丁拳銃を取り出し素早く銃口を少年のいる方へ向けた。
銃口を向けた先―――――――――
そこには姿は見えないがある生き物がいる。
その生き物の正体それは………魔界から這い出てきた悪魔だ。
俺はその生き物…いや、悪魔に銃の狙いを定めた………
そして――――――――
「おい、そろそろ正体を現したらどうだ?悪魔ども。」
俺は二丁拳銃を構えつつそう呟いた。
その瞬間…………
「ギャウ―――――!」
という耳を劈く様な鳴き声が聞こえ
右足に怪我を負った鳥型の悪魔が姿を現した。

308 名前:BC軍少女兵エルサ ◆1oWHscADPA :03/12/11 23:01

×スペースノイドを舐めるなよ。
○アースノイドを舐めるなよ。

309 名前:火星人 ◆35wpepfCH6 :03/12/11 23:07

サンフランシスコの市街地で遭遇した地球人の兵器との戦闘でいきなり地球人の
武器の威力を見せ付けられた火星人はもとの無人の山中に作られた陣地に退却した。

破壊された二台のウォ−マシンは別の三本脚が回収した。

―――――下等生物だと思って油断したようだ。

構築された陣地の中で、火星人達は地球人に近づく事への危険さを
認識した。そして新たなる対策を立てていた。

彼等火星人の戦力は24時間事に増強されていた。

今はまだ、時期が早い。

しかし、あの二体の下等生物共の機体をこのまま放置しておくわけにはいかない。

310 名前:火星人 ◆35wpepfCH6 :03/12/11 23:37

(>>309の続き)
現在、火星人の陣地では火星から送られてきた物質や機材を運び出していた。
八本の足を持つ地球で言う蜘蛛のような作業機械が忙しく動き回っている。

不気味な梨のような容器の中で、黒い気体とも液体とも呼べない物資が渦巻いて
いる。その傍らには山済みにされた巨大な筒。

311 名前:運び屋少女@シャッフルハート:03/12/11 23:41

>>300-302
気合の一言と共に、敵へと向かい走り出す。

『悪いな…そっちは任せた!』

GM頭のパイロットさんから通信が入った。
どうやら向こうも戦闘準備はOKらしい。

「よっしゃあ!まかせといて!!」

掌から、ビーム布、ハートクロスを発生させ、敵を捕捉する。
だけどその時、急に砂が吹き上がり、目の端に漆黒の機体が現れた。
何だかおかしい事言ってるみたいだけど…さっきの占い師さん!?

「悪役だったの!?」

騙されたのか!でもあっちはどうやらおにーさんが頑張ってくれそうだが、
正直そう持つようには思えない。急いであっちに行かないと!
目の前でロボットがタンクを破壊しようとしている。

――――させない!!

「ドおりゃああああああああ!!!!」

取り敢えずジャンプキックをかまして、吹っ飛ばした。

312 名前:反コロニー軍少年兵セシル ◆1oWHscADPA :03/12/11 23:48

>>307
俺が引き金に手をかけると青年もまた腰のホルスターから二丁の拳銃を
取り出した。

――――やる気か!?

しかし、銃口が微妙にずれている事に気づいた。リリィを狙ってるわけでも
無いらしい。

『おい、そろそろ正体を現したらどうだ?悪魔ども。』
青年が唐突に口を開くと、突然背後からこの世の物とは思えない
ような叫び声が聞こえてきた。

振り向くとそこ居たのは、巨大な鳥いや怪鳥と呼ぶほうが正しいだろう。
羽の両端が赤く染まっていて、頭はハゲタカのようだ。

「リリィ!伏せろ!」

リリィが伏せるのも確認すると俺は怪鳥に自動小銃を向けた。

313 名前:元連邦兵@BD1号機:03/12/11 23:50

>>302
「そこのタンクタイプ!そっちの所属は何処だ?BCか?それとも連合か?
 …何処でも良いんだが、これだけは言っておく…俺達はあんたらの敵に回るつもりは無い。」

タンクのパイロットへ通信で呼びかける…あの正体不明の機動兵器以外に敵が増えるのは勘弁だ。
そして、メインカメラが飛んでくる拳を捉えた…おいおい、ロケットパンチみたいなもんか?

「回避運動をとれ!!」

通信回線を開いたままタンクのパイロットへと、怒鳴りつつ機体を操作し…
マニュピレーターが、マシンガンのトリガーへと掛かる。

「…はてさて、撃ち落とせるか…一つでも落とせたらいいんだが…」

呟いた後に、マシンガンの標準を向かって来る拳へ合わせ…
バーニアを吹かし、多少の回避運動をとりながらマシンガンの弾が撃ち出された。

>>311
『よっしゃあ!まかせといて!!』

その言葉と共に、MFが動いた…飛び蹴りの様子がモニターに小さく映る…

「おーおー…やるねぇ…こりゃ、俺も気合入れるか。」

そう、一人呟いた。

314 名前:BC軍戦車兵スグル ◆1oWHscADPA :03/12/12 00:04

>>313
「俺の所属は・・・・・・・・・・・・・・・・連合!連合だ!」
流石にBCとは言えないよな。

「・・・・判った。取り合えず今だけは協力する。」

取り合えず俺は厄介事はご免なので、ここは一時協力する。

・・・・・・・・・・・・・・・・・って。

「うおおおおおおおおおおおおおおあああああああああああ!!??」
俺はリニアガンタンクを急発進させた。
すぐそばを鋼の拳が通り過ぎてゆく。

「くそ・・・・やったな!」

こうなりゃヤケクソだ。俺はリニアガンタンクの主砲を謎の機動兵器目掛け撃つ。

315 名前:ウンブラ ◆yTYsy5wW2M :03/12/12 00:14

――――今この場にいる者達は闘争と言うものを繰り広げている・・・。
まるで踊りのように・・・。
悲しきかな・・人とは踊らされ動く定め・・・。
ならば・・・ワタシはさらにそれに歯止めが来る事がないよう進めよう・・・。

敵は全部で三体・・・・。
一つはMF型・・・。
二つめは陸戦用のガンダムにジムの頭部を付けた青い機体。
最後は旧式へ成り代わった戦車・・・。

まとめて相手をいたそう・・・。

「さあ・・・血と肉からなるものよ・・・恐怖の中で散れ・・・。」

ワタシの機体の両肩のリングを外してそれを敵に投げつけた。
高速にその手裏剣ごときリングはまず戦車と青いジムへ向けられた。
さあ踊るがいい・・・。

316 名前:BC軍戦車兵スグル ◆1oWHscADPA :03/12/12 00:34

>>315
敵の機体が両肩のリングを外してそれをこちら目掛け投げつけた。
リングは猛烈な速度でこちらに迫ってくる。

「うわわわわわわわ!!」

俺はリニアガンタンクをスピンターンさせ必死の回避運動に移る。
戦車の機動力なら!
それは文字通り、敵からみればダンスを踊っているかのようだ。
だがこちらは命がけなのだ。

あたってたまるか。あたってたまるか。あたってたまるか。
あたってたまるか。あたってたまるか。あたってたまるか。
あたってたまるか。あたってたまるか。あたってたまるか。

俺は目を閉じた・・・・・・・・んで、しばらくして目を開けると・・。
リングは”外れ”た。


317 名前:元連邦兵@BD1号機:03/12/12 00:37

>>314
『俺の所属は・・・・・・・・・・・・・・・・連合!連合だ!』

なんとか二つの拳を撃ち落とした所に入った通信…連合ねぇ…微妙な間が気になったが…
今は気にしている余裕は無い。

『・・・・判った。取り合えず今だけは協力する。』

今だけねぇ…終わった後に仕掛けるなよ?頼むから。
そんな事を思いながら、再び通信回線を開く。

「了解、了解…別にこっちは、あんたらが何者でも良いんでね。」

そう返答すると、正体不明の機動兵器へ自分の機体を向ける。

>>315
「な…っ!?」

黒い機体の両肩からリングが外され、そのリングがこっちへ放られた…
高速で向かって来るそのリング…マシンガンじゃ、撃ち落とせそうにも無い。

「ちぃっ!なんなんだよ、あの機体は!!」

コクピットの中で悪態をつきながら、緊急回避動作を取ろうと操作を始める…

「少し引きつけて動けば…」

いちかばちか…だ。高速で向かって来るリングを、安全な範囲で幾らか引き付け…
凸型シールドを機体の前面に構え、バーニアをフルに使い右方向へと回避運動を取る。
機体へと、響く衝撃。

「くぅっ!?…掠ったか…?ったく、やってくれる…」

シールドを掠めた衝撃がコクピットまで伝わる…シールドに当たった部分両断された…
もう、使い物にならないな…こりゃ…

「そう簡単に、やられて溜まるかよ!!」

すぐさま、シールドをパージ…
そして、マシンガンの照準を黒の機体へ向け…発射。

318 名前:運び屋少女@シャッフルハート:03/12/12 00:38

>>315
私の周りを数体の機動兵器が囲んでいる。
皆が皆一斉に攻撃しようとしているが――――遅い!

「そんな動きじゃ蠅にも劣るよ!!」

まず一体の顎を掌で撃ち上げ、腹に左手の掌底を叩き込み沈黙させる。
次に二体目、振り下ろしてきた拳をハートクロスで受け止めそのままビーム
布を腕に巻きつけ、捻り上げ引き抜く。
その引き抜いた腕を近付いてきた三体目の頭部に振り落とし、二体目を振り
向かずに前を向いたまま後ろに蹴り飛ばす。
そして三体目の体を踏み台にジャンプ、その背後の一機へと向かい高速で
回転して接近、踵落としを決めた。
――――どうだこの華麗な舞い。これがMFだ。

計四体を片付けた時、おにーさんの乗るジム顔と戦車にエセ占い師の機体の
リングが迫っていた。

早く助けに行かないと。でも目前にはさらに数体の敵――――しょうがない
アレをやるか。

319 名前:ウンブラ ◆yTYsy5wW2M :03/12/12 00:47

>>316-317
「悪運とはまさにこれぞ・・・。」

ワタシの攻撃を何とか回避できたようだな・・・。
青いジムの方はシールドを切断されてしまったようだ・・・。
だが”痛み”を与えねば意味はあるまい・・・。
血を流し・・痛みを味わい怒りと憎悪を向ける・・・。
その負こそ我の糧なり・・・。
もう少し痛めつけねば・・・・。

「狂おしき絶望と、耐え難き恐怖の中で、死にゆけ、愚者よ・・・。」

プリスクス・ノクスの背部から刺が発射された。
二本の刺はそのまま青いジムと戦車目掛けて向かう。

「無理に避ける事もあるまい・・・痛みと苦しみを・・・。」

ワタシは期待するように呟いた。

320 名前:ウンブラ ◆yTYsy5wW2M :03/12/12 00:49

(続き)
青いジムのマシンガンが発射された。
その銃撃は我が機体へ撃ちこまれた。

「少しは出来るようだが・・・威力が足りぬな・・・。」

我が機体の装甲への傷はなかった・・・。

321 名前:運び屋少女@シャッフルハート:03/12/12 00:51

(>>318の続き)

「いくよ!」

化鳥の如き構えを取り、自らの体を回転させ、一個の砲弾と化す。
行くぞ、流派東方不敗が奥義の一。

「ちょうきゅうはおぉ!でんえいだぁぁん!!!」

自らを砲弾とし敵に突撃、粉砕する技。
其の名も超級覇王電影弾!

「どおりゃあああああ!!!」

敵を次々と吹き飛ばし、その群を突破する。
後には機体を抉られた敵が立っていた。

「成敗ッ!!」

私の叫びと共に、全機爆発。殲滅完了。
――――今そっちに!
私は黒き機動兵器へと向かい、走って行った。

322 名前:BC軍戦車兵スグル ◆1oWHscADPA :03/12/12 00:55

>>319
リングを避けて一安心したのもつかの間、敵の機体は続けて
背中の部分から刺を発射した。二本の刺はそのままこちら目掛けて
飛んでくる。

「またかよぉ!」

俺はリニアガンタンクを再び急旋回させる。
間に合わなかった。もう刺はすぐ近くに迫っていた。

こうなったらあいつも!
俺は150mリニアカノンの標準を敵の機動兵器に向けた。

砲弾が発射されたと同時に刺がリニアガンタンクを直撃した。

「ぐわぁああああああああああああああああああああああ!!!!」

俺は大慌てで後部の脱出用ハッチから飛び出した。
直後リニアガンタンクは爆発、炎上した。

323 名前:ウンブラ ◆yTYsy5wW2M :03/12/12 01:00

>>321-322
我が渾身の攻撃「ウィースグランデ」によって戦車は見事に爆発した。
分かるぞ・・・その苦しみともがきが・・・。
生死などはどうでも良いがな・・・。

「ん?」

ワタシは戦車が爆破間際にはなった砲撃がこちらに向かっていることに気づいた・・・。
だがプリスクスの爪での斬撃で砲撃を叩き落した・・・。

「所詮・・・この程度・・・さて。」

向かってくるMFの方にワタシは向いた。
ワタシとやり合う気のようだ・・・。

「さあ来るがいい・・・闘士よ・・・。」

ワタシも臨戦の構えを取った。
全力で来るがいい・・・。

324 名前:元連邦兵@BD1号機:03/12/12 01:06

>>319
ちょっと待てよ、オイ…蚊が刺した程にも効いてないのか?
化け物かよ…まあ、武装の中では貧弱な部類に入るマシンガンだがらそれも判るが。
そんな事を思っていると、レーダーに反応…何を撃ちやがった!?

「今度は何なんだよ!?」

駄目だ…避け切れない…その時、音声がコクピット内に響いた。

『EXAMシステム…スタンバイ。』

機械的な音声が響くとジムの特徴的なアイ部分の光が緑から赤へと変わる。
そして…何かが自分の頭の中に流れてくる…それは、理想的な動き。

「くぅっ…おぉ…!?なんだ…これは…」

何かが、自分に入ってくるような感じ…だが…今は気にする事は出来ない。
…自分の頭に入って来た通りの動きを…

「やられる…訳には行かないんだよっ!!」

マシンガンを後腰のラックへと掛け、足にあるハッチを開きビームサーベルを抜く。
そして間近へと迫ってきた棘を斬り落とした。

「はぁ…っ…はぁ…っ!だぁぁっ!!」

そのまま砂の地を蹴り…
頭部のバルカンを撃ちながら、黒い機動兵器へ接近していく蒼き死神…ブルーディスティニー1号機。

325 名前:運び屋少女@シャッフルハート:03/12/12 01:10

>>323
私の目前で、青ジムと一緒に戦っていた戦車が破壊された。
――――やったな!占い師モドキ!!

「ウンブラとか言ったねっ!あんた何かに語る拳なんて…無いっ!!」

こんな奴とは戦いを楽しむ必要はない。
ハートクロスをニ、三度振り回し、連続でビーム布での攻撃を放つ。
振り下ろし、薙ぎ払い、槍のように突き、剣のように斬る。
これぞ東方不敗が布技。
布を鉄に変え、鉄を紙のように切り裂く。

326 名前:ウンブラ ◆yTYsy5wW2M :03/12/12 01:16

>>324-325
その時、ワタシは気づいた・・・。
流石に2つの敵に対処するのはリスクが大きいと・・・。
――――――ならば先にどれを潰す・・?
あのビームサーベルで向かってくる青いジムか・・・?
それともビームの布でワタシに斬りかかるMFか・・・。
―――――――決まったぞ!

プリスクスは高く飛び上がった。
そしてその両腕の爪で引き裂く構えを取った。
急降下で落下するワタシ・・・。

「先に潰しておくのは貴様だ・・・。」

―――――そう言って斬撃を放つ・・・・。
我が爪が振り下ろされた・・・・。
そう青いジムの頭部へ・・・。

327 名前:元連邦兵@BD1号機:03/12/12 01:32

>>326
上へ飛び上がった黒の機体…その次の動きは一度機体のEXAMシステムが予測…
その後に対処方の動きが頭に流れてくる。

「…っ!左っ!!」

ニュータイプさながらに、すぐさま背中のバーニアを噴出…
サイドステップの様に左方向へと動き爪による斬撃を避ける。
そして…黒い機体が着地すると、今度は攻撃の動きが頭に流れてくる…

「でぁぁぁっ!!」

胸部が開き、そこから続け様に二基のミサイルを至近距離で発射…
そして、斬り付けようとビームサーベルが振るわれた。

328 名前:ウンブラ ◆yTYsy5wW2M :03/12/12 01:37

>>327
我が斬撃を避けた青いジムはそのままビームサーベルで斬りかかった。

「ほう・・・どうやら予知できるシステムがあるようだ・・・。」

すかさずワタシはそのジムの腹部へ蹴りを入れた。
この機体はジムよりも一回り大きい・・・。
その一撃は絶大なものだろう・・・。

さらに向かってくるMFにも爪で斬り付けた。

329 名前:運び屋少女@シャッフルハート:03/12/12 01:38

>>327
「凄い…!」

口をついてでた正直な感想。まるで別人のように青いジムは
黒い機体の攻撃をかわし、それへと攻撃を仕掛けた。

「私も…負けてられない!」

ハートクロスでの攻撃を切り上げ、拳へと気を集中させる。
ゆっくりと息を吸い、大きくそれを吐いた。

胸に手を当て、目を見開く。
そして、敵へと向かい猪突猛進、一直進に突進する。

「私のこの手が光って唸る!」

シャッフルハートのマニュピレーターの間接部が開く。

「お前を倒せと輝き叫ぶ!!」

真っ直ぐに腕を伸ばし、その手が白熱化した流体金属に覆われ、
淡紅色に光り輝いた。

「ひっさぁつ!ハァ――トフルゥ、フィンガァァ――――!!」

黒き敵機へと向かい、輝く右手を叩き付ける。
これこそが必殺、心震指先ハートフルフィンガー!

330 名前:元連邦兵@BD1号機:03/12/12 01:59

>>329
サブカメラの映像…少女の機体が黒の機体へと向かう。
必殺技ってやつか?そう思いながら、ビームサーベルで黒の機体を斬りつけようとした、その刹那…

「…っ!?回避…!」

黒い機体がこちらへ、蹴りを繰り出した…マトモに当たれば、不味い…!

>>328
芯をずらす様に、横へ少し動いたが…相手の蹴りが右腹部を掠る様に当たり、機体が宙を舞う…

「うあっ…くぅ…」

コクピットが衝撃により、大きく揺れる…ちっ…本当に化け物か?フザケンな。
そう思いながら、左手にビームサーベルを持ち替える。
そして、後腰のマシンガンを右手で抜きマガジンを交換すると…
機体を立ち上がらせつつ黒の機体へ照準を合わせトリガーを引いた。

331 名前:ウンブラ ◆yTYsy5wW2M :03/12/12 02:21

>>329-330
ワタシが青いジムを蹴り飛ばす際にミサイルが当たったが微々たるもの・・・。
そしてその機体は再び体制を立て直しワタシにマシンガンを撃ってくるのだった・・・。

「愚かなりて・・・眠るがいい」

再びリングを青い機体に向けて放った。
今度は2つ、足と腕を切断させてもらおう・・・。
その時だった・・・。

「ひっさぁつ!ハァ――トフルゥ、フィンガァァ――――!!」

あのMFがワタシ目掛けてその掌を繰り出そうとしていた。
まさに熱き拳だ・・・。
ならばワタシもそれに応じねば・・・。
貴様が燃える拳ならばワタシは鋭き爪ぞ・・・。

「貴様のその力に答えよう・・・!」

ワタシはプリスクスの最大の技である「フォルテアルム」を繰り出した。
高速で移動し、ストレートを打つがのごとく腕を繰り出す。

―――凄まじい爆音が響く・・・。

332 名前:運び屋少女@シャッフルハート:03/12/12 02:34

>>331
拳と爪が衝突する。
力と力が衝突する。
光と闇が衝突する。


ハートフルフィンガーとフォルテアルムが正面からぶつかり合い、
閃光と爆発が周囲を多い尽くした。

それが収まったときもう既に敵の姿は無く、そこにいるのは倒れたシャッフル
ハートだけであった。
その右腕は亀裂が入り、煙が吹き出ている。

「痛い…痛ッ!!」

私はコックピット内で腕を押さえ、ただただ身悶え、唸っていた。はっきり
言ってメチャメチャ痛い。手が焼かれたにも等しい痛みが腕を駆け抜け、
ところどころ血が滲んでいる。
ファイティングスーツも所々焼き切れ、破れていた。

「次は絶対ぶっとばしてあげるからね――――――――――――ッ!!!」

思いっきり私は叫んだ。…叫んでてもしょうがないから、起き上がって
コックピットハッチを開いた。

333 名前:元連邦兵@BD1号機:03/12/12 02:36

>>331
―――機体損傷率は30%程…まだ行ける…完全に体勢を整え、立ち上がる。
モニターに映し出されている機体は、再びリングを放ってきた…しかも、二つ。

「ちっ…今度は倍か…」

既にシールドは無い…選択肢は、二つ…避けるか、撃ち落とすか。
即座にEXAMシステムが、最良な回避行動を割り出しそれが頭に流れる…

「ぐ……はぁぁっ!」

高速で向かって来るリングを、バーニアで上昇する事で一つ避け…
もう一つのリングには、胸部のミサイルを撃ち出し爆発で軌道を逸らした。

「はぁ…はぁ…っ…」

精神力も限界に近い…良く意識を保たしている方だ。
行動不能に陥るまで残り二分…だが、青年はその事を知らない…
回避を終え、着地したその時…響いた爆音。
なんだ?…まさか…相打ちになったのか?
そんな事を思いながら、モニターを見ていた…煙のせいでMFが無事かどうかは…判断出来ない。

334 名前:ウンブラ ◆yTYsy5wW2M :03/12/12 02:41

>>332
――――――戦場からかなり離れた場所にプリスクスがあった。
腕をかなりやられていた・・・。
先ほどの灼熱なる熱き拳とのぶつかり合いにて無理がたたってしまったのだろう・・・。

ワタシは降りて、砂漠のほうを向いた。
砂漠では砂嵐によってよく見えなかった。
だがな、今回の闘いはワタシにとって満足できるものだった・・・。

「素晴らしいぞ・・・その意思。」

ワタシはそう言ってあのMFとの再戦を願うのだった・・・。
今度は死闘そして・・・血闘になると・・・。

335 名前:元連邦兵@BD1号機:03/12/12 02:55

>>332
『敵機ノ撤退ヲ確認…』

機械的な音声が再び流れ、アイ部分が緑に戻り…精神的負担はかなり軽くなった。
そして煙が晴れた…機体は無事…とは言えないかもしれないが、少女は無事だろう…
黒い機体が居ないのが気にかかるが。

「…何だったんだか…な…」

そう呟くと、コックピットを開け…機体を操作しMFの方へと歩かせ始めた。
使い物にならなくなった、シールドをどうするか…等と考えながら。

336 名前:ダンテ ◆DANTEOlcmY :03/12/12 11:56

>>312
鳥型の悪魔は少年が自動小銃を向けた瞬間上空へと舞い上がった。
そして飛び回りながら俺と少年達の様子を窺い始める。
どうやら襲う相手を選んでいるようだ。

その行動を見て俺は一旦銃を下ろし悪魔の様子を窺いつつ少年に近づく。
そして・・・・・・
「おい少年、お前は奴と戦うつもりなのか?」
と真剣な表情で少年に尋ねた。

337 名前:BC軍少年兵トウヤ ◆1oWHscADPA :03/12/12 15:43


>>305

俺は声にならない歓声を上げた。横なぎに払われた手刀はネロスガンダムの
身体に深々と食い込む。
ネロスガンダムは肘関節を破壊されたらしく腕をだらりとぶら下げていた。

――――片腕を封じた。

そう思った矢先、俺は信じがたい光景を見た。

破壊された間接部から触手が伸び、破損部を覆い隠すように絡み合う。
そして触手が硬質化し、肘関節のパーツとなった。

「なんだと!?」
俺は素っ頓狂な声を上げる。我ながら情けない。

MFってあんな機能を持ってるのか?
いや、そんな訳が無い。BCですら保有してない技術を一体どうやって!?

ネロスガンダムの自己再生に気を取られ、接近に反応するのが一瞬遅れた。
俺が命令を下そうとした時にはもうネロスガンダムはベスビオスYの腕に飛び乗り、
その上を疾走しさらに肩から飛び上がってブースターをふかし、その頭上、遥か上へと飛翔していた。

そしてその右足から虹色の光――ビームだ――を放った。

やばい。

「ベスビオスY!ガー・・・・・・」

そこまで言ったときにはベスビオスYの顔面にビームが着弾していた。
ベスビオスYの頭部が爆炎に包まれる。




338 名前:BC軍少女兵エルサ ◆1oWHscADPA :03/12/12 16:06


>>306
無人兵器と無人MS、そして基地防衛設備の起動スイッチを入れた後に私達は
すぐにそこから撤退した。

本当は私もあそこに残り戦いたかったが、私達の任務は無人兵器の最終確認と起動スイッチを
入れることだけであった。

無人兵器のみの防衛にいささか不安もあったが上層部の方針、命令には従うしかない。
それに―――あの基地の内部にはそれらのMSよりもさらに強力な機動兵器が隠されて
いるのだ。万が一、敵が基地周辺の無人兵器郡を突破したとしても、この機動兵器には
手も足も出ないだろう。

万が一敗れる事があるにしても相当な損害を受けるはずだ。

私はMSの中で微笑を浮かべた。

339 名前:B反コロニー軍少年兵セシル ◆1oWHscADPA :03/12/12 16:17


>>336
怪鳥は俺が銃を向けた瞬間空へ飛び立った。
そして上空を飛び回る。どうやら俺とリリィそして青年の様子を
窺い、襲う相手を選んでいるようだ。

その行動を見た青年は銃を降ろし上空を窺いながら俺とリリィに近づいて来る。
そして真剣な表情で俺に尋ねる。

「おい少年、お前は奴と戦うつもりなのか?」

答えに詰まる俺。ここは共同墓地。死んだ人たちの魂を踏みにじるような
事はしたくない。それじゃスペースノイドやコーディネイターと同じになってしまう。
俺はリリィと目を合わせてから口を開いた。どうやらリリィを同じような気持ちのようだ。

「・・・・出来れば、墓地での戦闘は避けたい・・」

340 名前:ダンテ ◆DANTEOlcmY :03/12/12 16:47

>>339
「そうか、分かった。
なら俺が奴の気を引きつける。
その間にお前達は何処かへ逃げろ。」

そう少年に伝えた後俺は銃を腰のホルスターに収める。
そして少年から少し離れ・・・・・・
「おい、チキン野郎何処を見てやがる。俺はこっちだぜ!」
と鳥型の悪魔を挑発する。
すると悪魔は挑発に乗り俺の方へ向って来た。

(よし、上手くいった。)
それを確認した俺はその場で自分の中に眠る悪魔の血を覚醒させる。
そして人間とは思えないスピードで共同墓地から走り去った。
すると鳥型の悪魔も俺の後を追い共同墓地から飛び去って行った。

341 名前:ミケロ・チャリオット ◆74DEvilpq2 :03/12/12 17:53

>>337
「ビンゴォ!!」

虹色の脚がロボットの頭部に炸裂、顔面から炎が吹き上がった。
まさしく真っ赤にした顔から火を吹き、ロボットはその場に突っ立っている。
ネロスガンダムはそのまま落下し、着地した。

「おうおう、もう終わりかぁい?」

ロボットを操っていたらしいガキを見下ろす。
このままバルカンでも撃って挽肉にしてやってもいいのだが、少しばかり
良いことを思いついたので口元が緩んだ。
――――持ち帰って、手駒の一つにでもするか。

「おい、ガキィ?テメェはこのままブッ殺してやってもいいんだが…
やめだ。お前もこいつも持って帰って、ゾンビにでもしてやるよ」

そう言いロボットの足に寄りかかり、ぽんぽんと叩いた。
コイツを感染させれば…ヒッヒッヒッ!

「来ぉぉいぃ!ガァァンダァムヘェェェッドゥ!!」

――――ラヴェレ川の水面下に一瞬巨大な影が見えたかと思うと、それは
そのまま岸に突っ込み、地下を掘り進み基地を目指す。

その日イタリアで地震が発生、移動する震源が観測された。

342 名前:イグニス ◆FlaME4YnNg :03/12/12 19:50

その日、日本の各地は炎に包まれた・・・。
オレの手によってな。

まず最初に破壊されたのは北九州にある連合軍ドックだ。
オレの乗るインペトゥスと多数のベルグランデによってあっという間にな。
連合の奴らもMSを繰り出してきやがったが意味のないことだ。

「ふん、雑魚が・・・」
「うああああ・・・!」

インペトゥスの炎の刃が奴の乗っているストライクダガーを真っ二つしする。
ちょろいもんだ。
その場にいたMS部隊と軍事施設は残らずぶち壊し、市街地も容赦なく破壊してやった。
逃げ送れた人間どもの断末魔があちらこちらで聞こえてくる・・・。

「最高だぜ・・・。」

九州一帯の軍はほぼ壊滅した。
別働隊もそろそろ関西方面の部隊を壊滅させている頃だ。
オレも合流して、本来の目的を果たすとするか。

「まだまだ足りないぜ。」

そう捨て台詞を吐いてその場から飛び去った。

343 名前:運び屋少女@シャッフルハート:03/12/12 22:07

>>335
コックピットハッチを開け、どっかり座っていると、
お客のおにーさんの機体が歩いてきた。
そこそこダメージを受けているようだが、無事だったようなのでほっとする。

「ふぅ…痛ッ!!」

右腕を見ると、未だに出血は続いている。
火傷こそ無いものの強い痛みが残っている。
――――しばらく使い物にならないかも。
これからのことを考え、ため息を一つ吐いた。

「お〜い!私は無事だよ〜!!」

立ち上がり左手を振る。右手はほとんど動かせはしないがまぁ何とかなるだろう。
右手からは、血が滴り落ちていた。

「お〜……!!」

その時、重大な問題に気付いた。
ファイティングスーツは、素っ裸になって装着するもの。
つまり体のラインがバレバレなワケでして…、ついでにスーツの
カラーリングは――――黒のスーツ、胸の真ん中に赤いハート。

「きゃあああああ!!!!」

急いでコックピットに入り、ハッチを閉め、着替えを始める。
恥ずかし――――――――!!!!!!

344 名前:B反コロニー軍少年兵セシル ◆1oWHscADPA :03/12/12 22:42

>>340
俺が戦闘の意思はない事を継げると青年は俺達に逃げろと伝えた。
青年は持っていた銃を腰のホルスターに収める。

そして鳥のモンスターを挑発し追って来た怪鳥と共に、
俺達とは正反対の方向に走り出す。
その瞬間、俺とリリィは自分の目を疑った。
青年の走る速度が人間のそれを凌駕していた。

プロのスポーツ選手ですらあそこまで驚異的なスピードでは
走れないだろう。

しばらく俺達は青年と怪鳥の姿に見とれたいたが、やがて我に帰り。

「リリィ!走ろう!」
「え、ええ!」

俺達は走り出した。

―――――この世には、俺達の知らない敵が存在する。

そんな事を考えながら俺達は共同墓地を走り抜けた。

345 名前:BC軍少年兵トウヤ ◆1oWHscADPA :03/12/12 22:56

>>341

ビームは頭部に直撃したらしい。ベスビオスYは人形のようにその場に立っている。
ネロスガンダムが俺の前に着地した。

『おうおう、もう終わりかぁい?』

嫌味ったらしい勝ち誇った声で俺に語りかけてくる。

―――――――――ここまでか。
ミケロは続ける。

『おい、ガキィ?テメェはこのままブッ殺してやってもいいんだが…
やめだ。お前もこいつも持って帰って、ゾンビにでもしてやるよ』

ゾンビか・・・・・いよいよ持ってやばそうな奴等だ・・・。

そう言うと、ネロスガンダムはベスビオスYの足に寄りかかり
ニ、三回手で叩いた。

俺は気づかれないように、ちらっと一瞬だけ腕時計型コントローラに目を
落とした。すると・・・。

―――――まだ、反応がある?


『来ぉぉいぃ!ガァァンダァムヘェェェッドゥ!!』

その時、ミケロが叫んだ。しばらくすると地面が揺れ始める。

俺は下を向き黙り込む。

――――――くるなら来い。

再生能力のある奴。こういう奴の弱点は漫画やゲームなんかじゃ必ず決まってるんだ。

346 名前:ミケロ・チャリオット ◆74DEvilpq2 :03/12/12 23:22

>>345
俺が名前を呼びしばらくして、地面が揺れ始めた。
地下を巨大な物体が移動するのがMFを介し肌から感じる。

「来たなぁ…」

俺がガキに目を落とすと、俯いて黙りこくっている。
――――何だ、もう降参かよ。
つまんねーのと呟きながら、それが来るのを待つ。

そして揺れがいよいよ大きくなってきたころ、地面に亀裂が走った。
そいつは地面から現れた。

長大な触手――ベスビオスYの巨体よりも更に長い触手――の先端に
ガンダムの頭部が付いている。
そのガンダムのフェイスガードが上下に開き、牙が並んだ口が露わとなる。

「ガアアァァ!!!」

それは吼えた。
ガンダムヘッド――――そう呼ばれる怪物は。

「じゃあキッチリ捕まりなぁぁぁぁ!!!」

ガンダムヘッドの頭部に飛び乗り、ベスビオスYを見下ろす。
触手の胴体から更に触手が生え、ロボット目掛け襲い掛かった。

347 名前:BC軍少年兵トウヤ ◆1oWHscADPA :03/12/12 23:39

>>346
より一層大きくなる地面の揺れ。基地のアスファルトには所々亀裂が
生じ始める。

――――おそらく”コイツ”が俺達のMSを仲間を消した奴だ。

勝てるかどうかも判らない。敵は二体も居るのだ。
だが、ただで負けるわけにはいかない。必ず一泡噴かせてやる!

アスファルトに一際大きな亀裂が入った。
亀裂の中から現れたのは長大な触手。ベスビオスYの巨体よりも
大きいそしてその先端にあるガンダムヘッド。
そのフェイスガードが上下に開いたかと思うとソイツは野獣の如く吼えた。

とんでもねぇ化け物。
いよいよ持ってファンタジーRPGの世界だ。
こりゃ案外いけるかも・・・。

『ガアアァァ!!!』

ネロスガンダムが巨大なガンダムヘッドに飛び乗り、俺とベスビオスYを
見下ろす。

『じゃあキッチリ捕まりなぁぁぁぁ!!!』

俺は頭を上げ、目を開いき。叫ぶ。

「べスビスY!原子光線だ!!」

沈黙していたベスビオスYの頭部の赤い目玉が光る。
そしてそれは放たれた。ガンダムヘッドのでかい口目掛けて。

348 名前:連合軍兵士 ◆1oWHscADPA :03/12/12 23:49

>>342
破壊されたドックと隣接する基地の中で俺はストライク・ダガーの中から
辛うじて這い出た。

服には血が滲んでいる。
力尽きる前に何としてでも報告と警告だけでもしなければ・・・。

俺は身体を引きづり、通信施設に向かった。

なんとか無線をいじり、全国の基地と司令部に通信を発する。

「こちら・・・北九州基地・・・我が基地は所属不明の機動兵器の奇襲攻撃を受け
 全滅した・・・なみのMSでは奴等の兵器には歯が立たない・・BCに”スーパーロボット”
 の出動を要請してくれ・・・頼む・・・・指令・・・奴等は強いです・・・どうか、皆、
 いきのこっ・・・・・・・・・・・・・・・・」

そこまでだった。その兵士はそっと目を閉じた。
そしてもう二度と目を開ける事はなかった・・・。

349 名前:ミケロ・チャリオット ◆74DEvilpq2 :03/12/12 23:58

>>347
俺の叫びと共に牙を向いたガンダムヘッドが、スーパーロボットに襲い掛かる。
だが噛み付こうとした瞬間、俺の目に顔を上げ叫ぶガキの姿が見えた。
――――まさかっ!このパターンは!この展開はッ!!

『ベスビオスY!原子光線だ!!』

ロボットの赤い目から光線が放たれ、その閃光がガンダムヘッドの
口に吸い込まれる。
そして、爆発。

「ギィヤァァァァァァァァァ!!!」

ガンダムヘッドの胴体は爆発し、粉砕。そしてネロスガンダムは火に包まれた。
炎に包まれたネロスガンダムは地面へと落下、叩きつけられて動かなくなる。
そのボディからは、火が轟轟と吹き上がっていた。

全てが終わったかに――――見えた。

350 名前:BC軍少年兵トウヤ ◆1oWHscADPA :03/12/13 00:15

>>349
「わははははははははは! 正に漫画の展開通りだぜ!」

地面に叩き付けられ炎上するネロスガンダムと粉砕されたガンダムヘッド
の胴体を見ながら、俺は笑っていた。

10万メガトンの破壊力を持つ光線を至近距離からまともに喰らった。
これが漫画なら、逆転大勝利だ。

お願いだから倒れてくれよ。ここまでお約束な展開なんだから。

351 名前:イグニス ◆FlaME4YnNg :03/12/13 00:26

>>348
「さて、このくらいかな?」

オレの機体の下には沢山のMSや機械の兵士の残骸が転がっていた。
こいつらはオレに対して歯向かった愚かな奴らの”骸”だ。
実はあれからまだ数時間しか立ってねえのにオレはもう既に10箇所の基地を潰した。
何故こんなに済むかというと簡単だ。
こいつらが弱すぎたことだ。
だが中には歯ごたえのあった連中もいたマジンガー軍団、量産型グレート、量産型ザンボットなんかがそうだが所詮は烏合の衆だ。
このオレのインペトゥスと配下の多数ものベルグランデの敵じゃなかった。

「さて、次はどこ潰すかな?」

この近くだと富士近くの光子力研究所、さらに早乙女研究所もあるな。
次はそこだ・・・。
オレがあいつらに恐怖という文字を覚えさせて何も出来なくしてやるぜ。

352 名前:ミケロ・チャリオット ◆74DEvilpq2 :03/12/13 00:33

>>350
火達磨となったネロスガンダムを目にし、ガキは呑気にも
笑っていやがる。
――――甘いな。どれぐらい甘いかというとローマの広場で食ったジェラードよりも甘い。
今から起こることも展開としてよくあるぜェェ!!

ピクッ。
ネロスガンダムの指先が少し動いたかと思うと、一気に
火焔に包まれたそれは立ち上がる。
驚く少年を、真っ赤に染まった双の眼で睨み付ける。

「オシオキのぉ…時間だぁぁぁぁぁ!!カァァァァァァァァァァッ!!!!」

一瞬のうちにその体から炎が消えうせ、ひび割れた装甲の隙間から
黒いガスが噴出す。すぐに視界はゼロとなった。
その暗黒の霧の中で、変化が起こった。
ネロスガンダムの全身に亀裂が入り、一回り巨大な何かが飛び出す。
それは黒いガスの霧を切り裂き、ベスビオスYのさらに頭上まで飛翔した。
それは鳥。鳥は鳥だが鉄の鳥。鉄の鳥だが――――MF。

鋭く長く伸びた頭部、恐ろしく巨大な脚の爪、そして白き翼の羽は赤と黄。

天剣絶刀――――ガンダムヘヴンズソード!

353 名前:BC軍少年兵トウヤ ◆1oWHscADPA :03/12/13 00:49

>>352
突然、ネロスガンダムの指が動いたかと思うと火焔に包まれた体が
起き上がった。

「なにぃ!?」

もう何度目になるかも判らない驚きの声。
衝撃の展開の連続にリアクションも大変だ。
驚く俺を真っ赤に染まった双の眼で睨み付けるネロスガンダム。

『オシオキのぉ…時間だぁぁぁぁぁ!!カァァァァァァァァァァッ!!!!』

とミケロの声と共に、ネロスガンダムを包んでいた炎が消え
ひび割れた装甲の隙間から黒いガスが噴出してくる。
ガスはあたりに充満し、視界がさえぎられる。

しばらくすると黒いガスのを切裂き、何かがベスビオスYの頭上天高く
飛翔した。

鋭く長く伸びた頭部。
恐ろしく巨大な脚の爪。
そして白き翼の羽は赤と黄。

・・・・・・・・か・・・・・・・かっこいい・・・かも。
じゃない!焔の中の覚醒なんて反則だ!

「き・・・・汚ねぇえええええええええええええ!!!」

354 名前:??? ◆FlaME4YnNg :03/12/13 00:58

>>352
その様子を遥か彼方から見る者がいた。

「あれがデビルガンダムと呼ばれし機械生命体の尖兵か?」

日本風の着物を着て青い長い髪と肌の薄いその女性はデビルガンダムの配下とBC軍の戦いを傍観していた。
まるで氷のようなその瞳で。

「自己進化、自己増殖、自己再生・・・元々は軍事利用か新たな開発なのかは分からぬが我らルイーナの敵となる事は確かだ。」

彼女はスーパーロボットよりも寧ろデビルガンダム四天王、ガンダムへブンソードの方に興味があったようだ。

「あの機体の操者はかなりの邪念を持つ、あのような者こそが我等の”破滅の王”の礎となりうるか・・・。」

そう言って女性は小さく笑みを浮かべた。

「その翼、いずれこの手で折りたいもの・・・このグラキエースが・・・。」

グラキエースはいずれまみえるだろう強敵に惹かれるのだった。

355 名前:ミケロ・チャリオット ◆74DEvilpq2 :03/12/13 01:16

>>353
ガキが俺の姿を見上げ、口をあんぐりと開けている。

『き・・・・汚ねぇえええええええええええええ!!!』

何かアホなことを言ってやがる。

「勝負に汚いもクソもあるかよぉぉぉ!!!」

大きく羽ばたきながら、地上の敵を捕捉する。
ウスノロ野郎がこの俺と戦えると思ってんじゃねぇぞ!

「喰らえやぁぁ!!!」

翼の羽先をロボットに向け、刃の如き鋭さを持つ羽を矢のように放つ。
赤と黄の刃が地上に降り注ぐ、ヘヴンズダート。即座に羽は補填される。

さらに目前で翼が背部バインダーに、巨大な爪は脚に、そして両腕を広げ、
頭部のフェイスマスクが左右にわかれ、ガンダムの顔が露わとなる。
アタックモードからスタンディングモードへ変形した。

356 名前:BC軍少年兵トウヤ ◆1oWHscADPA :03/12/13 01:25

>>355
『勝負に汚いもクソもあるかよぉぉぉ!!!』
俺の叫びにミケロの即答が帰ってくる。
ああ、そのセリフ、嫌って言うぐらいいろんな所で言われてるよ。

鋼の鳥は大きく羽ばたきながらこちらを狙ってくる。
翼の羽先をこちらに向けたと思った瞬間羽が矢のようにこちらに
放たれる。

よけられない。

今度こそベスビオスYは羽の直撃を受けた。


ズゴンッ


・・・・・・・・・・うわ。なんかスゲ−嫌な予感。

恐る恐る腕時計のコントローラーに目をやる。

「!!!!!」

―――――――機関部直撃。爆発の危険性大。

「ば・・・・ばばばばばばばばばばばばばば馬鹿やろぉおおおお!!!」

俺はその場から全速力で離れた。

357 名前:グラキエース:03/12/13 01:32

>>356-367
その時だった。

「見事だ、ガンダム。」

私、グラキエースは自分の機体ファービュラリスに乗ってそのガンダムの前に現れた。

「案ずるな、私は戦いに来たのではない、挨拶に来たのだ。」

私はそう言ったが万一敵が攻撃の可能性もある。
一応は構えておいた。

「私はグラキエース。ルイーナの五人のメルオルエッセの一人だ。」

冷徹に私はそのガンダムに向かっていった。
かなりの実力を持っているようだ。
もしかしたら、この私と互角の力かも知れん。

「いずれお前達、デビルガンダムを殲滅するだろう・・・その日まで恐怖と後悔に悩まされ震えるがいい・・・。」

そう言って私は飛び去った。
さて、デビルガンダム・・・お前達がどの程度我らに抗うのか楽しみにしておこう。

358 名前:ミケロ・チャリオット ◆74DEvilpq2 :03/12/13 01:56

>>356
ヘヴンズダートは敵の胴体に直撃、深々と突き刺さった。
さらに幾つもの羽が突き刺さり、敵は完全に沈黙した。

「トォドォメェだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

大きく脚を引き、敵に接近する。

「にぃぃぃじいろのあしぃ…ってえ?」

敵の装甲の隙間から閃光。これは…これはまさかッ!

BOMB!!

「ウギャアアアアア!!!!!」

>>357
かくして天の剣は地に堕ち、森林へとその身を預けていた。
爆風で多少のダメージは受けたが、ほとんど動作に影響は無い。

「ふざけやがってあんのガキィ…何ッ!!」

俺の目前に突如見たこともない機体が現れた。

『見事だ、ガンダム。』
『案ずるな、私は戦いに来たのではない、挨拶に来たのだ。』

女の声でそいつは話しかけてきたが、んなもん関係ねぇ。
即座にサテリコンビームの発射用意をする。

『私はグラキエース。ルイーナの五人のメリオルエッセの一人だ。』

ルイーナ?その名を聞き、俺は攻撃の準備をやめた。確かマスターのジジイが
最近地球上で派手に暴れまわってる奴らがいるって言ってたが…コイツかぁ!

『いずれお前達、デビルガンダムを殲滅するだろう・・・その日まで恐怖と後悔に悩まされ震えるがいい・・・。』

――――冗談だ。

「んなもんありえねぇなぁ!デビルガンダムが敗北することはないし、
それに俺は恐怖も後悔もしてねぇよ!自分から悪魔に身を売ったんだからなぁ!」

そこまで言うと、奴は飛び去っていった。メリオルエッセのグラキエースは。

「…フン!」

ヘヴンズソードの輪郭が歪み、元のネロスガンダムへと戻る。
俺はコックピットから出て、空を見上げニヤリと笑った。

「ヒッヒッヒッ、面白くなってきたじゃねぇかぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「そりゃ良かったな」
「ん?」

ガチャ。
何だ?俺が右手首を見るとそこには手錠、そしてそれを掛けたのは、

「ベッ、ベルチーノ警部!!」
「お前がこれまで何をやってきたかはわかってんだよ。障害、恐喝、
薬物取引その他もろもろ。オマケに今度はBCの基地で戦闘だぁ?」

俺が周りを見回すと、パトカーと警官隊が俺を取り囲んでいる。
この状況――――このパターンは!

「あはははは…」
「お縄を頂戴しろ。ミケロ・チャリオット」

そんなわけで翌日の三面記事にはミケロ・チャリオット逮捕の文字が
踊るわけだが――――――――数日後に彼が脱走したのは言うまでも無い。

359 名前:元連邦兵@BD1号機:03/12/13 10:47

>>343
『お〜い!私は無事だよ〜!!』

コクピットハッチを開けて立ち上がり、左手を振る少女…
それを遠目で確認すると、手を振り返したが…

「…おいおい…」

近づくにつれて、ハッキリと確認出来る体のライン…
ファィングスーツは着ている…と、いうより装着するものだから仕方が無いのだが…
黒いスーツの胸にある赤いハート…それもぼんやり見える距離た。

「…後から文句でも言われたら、敵わない…」

少女が気づきかけた時に、俺は呟きながらコクピットハッチを閉め、機体を座らせた。
その為、叫び声は聞こえなかった…

「はぁ…とりあえず、無事なようで良かった。
 …あのタンクタイプのパイロットも…脱出してりゃ、良いんだが」

コクピットの中で、一人呟いた。
…出来れば、生きていてほしいもんだ…

360 名前:BC軍少年兵トウヤ ◆1oWHscADPA :03/12/13 15:51

>>358
ヨーロッパ。イタリア。

どのぐらい走っただろうか。俺はなんとか味方のいる地点まで逃げ帰る事が出来た。
俺は基地で目撃した事、起こった事、各地で観測された移動する震源の正体。しして
この敵の持つ再生能力の事などを全て上層部に報告した。

ベスビオスYを失った事は痛手だったがその代わりこれまで漠然としていた敵の正体が
かなり明かされただけでも、大きな成果だった。BC上層部は俺をこの未知の敵と遭遇し
生還した兵士として表彰してくれた。

次の日。

俺が新聞を読んでいると・・・。

「ミケロ・チャリオット逮捕・・・・か」

取り合えず今後はこの未知の敵に対抗する部隊がBC内に創設され、俺は
そこに配属される事になるのだが。それはまたの機会に。

361 名前:BC軍少年兵トウヤ ◆1oWHscADPA :03/12/13 15:53


>>256-258
>>260 >>271 >>273 >>275
ミケロ・チャリオット「ネロスガンダム」VSトウヤ「ベスビオスY」

場所:ヨーロッパ。イタリア。

362 名前:BC軍戦車兵スグル ◆1oWHscADPA :03/12/13 16:07


>>359vsルイ−ナ軍

カリフォルニア州、砂漠地帯。ブルーコスモス秘密工場入り口ゲート付近。

俺は戦車のハッチから脱出した後、工場に非常事態を報告した。
世界各地の基地と都市を襲い続けている謎の組織が遂にここにも来た。と。

非常警報が鳴り響き、工場の仕切り扉が閉まってゆく。
付近からはMSや戦車が駆けつけてくる。

どうやら敵は所属不明の二機の機体によって撃退されたようだが。まだ油断はならない。

363 名前:飛龍&マグマウルフ ◆1oWHscADPA :03/12/13 16:23

>>351vsルイ−ナ軍。イグニス他多数の部下。

極東地区。日本国。

短時間で日本各地に存在する基地や研究所を壊滅させ快進撃を続けるルイ−ナ軍の
前に、二つの機体が立ちはだかろうとしていた。
連合軍の要請を受けブルーコスモスが出撃させたスーパーロボットである。

一体目の名は「飛龍」

その名前の通り飛行能力を有し高い機動力を持つ。
元々は公害監視除去用ロボットであったがその高性能を買われ、戦闘用に
改造された。

二体目。これは現在地中でルイ−ナ軍を待ち構えている。

名前は「マグマウルフ」

日本列島改造用ロボットの異名を持つ。

364 名前:運び屋少女@シャッフルハート:03/12/13 19:21

>>359
>>362
あ〜もうハズカシー!
私は顔から火を吹くほどに真っ赤にし、チャッチャと着替え始める。
見られたとしたら恥ずかしすぎる格好。これを改善してくれたら…。
ファイティングスーツを脱ぐのは手間が掛かるため取り敢えず上から
服を着て、腕の傷に手早く包帯を巻いた。
傷は痛むが、我慢我慢。

「ま、しょうがないよね」

その時、急に工場の入り口が閉まった。
顔を挙げ周りを見回すと、周囲から続々と戦車やMSが集まってくる。

「ヤバイ…よね」

立ち上がり、機体をMA形態に変形させる。
巨大なハートは宙に浮かび上がった。
私は青年に通信を入れる。

「…どうしよっか?」

365 名前:元連邦兵@BD1号機:03/12/13 22:07

>>362>>364
コクピットの中で武装の残弾を確認…
100mmマシンガン―――OK
頭部バルカン―――OK
胸部マシンガン―――OK
胸部ミサイル―――Empty

続いて損傷率、消耗率を調べていく…
損傷率―――30%
消耗率―――20%


「流石に、ミサイルは底をつく…か…ま、このぐらいの損傷で済めばまだいい方か。」

コクピット内で溜息を一つ吐くと、レーダーに反応…小さい警告音が鳴る。
そして、確認すると…反応の元は工場の方向…

「おいおい…部隊を展開してるってのか?
 …今の状態で仕掛けられたら、マトモに戦えないってのにな…」

先程の黒い機体との戦闘で、ブルーはシールドを失い、多少だが損傷…ミサイルも撃ち尽くしている。
そして、少女の機体は見る限り、右腕を損傷…いよいよ拙い状況だな…こりゃ…
そんなことを思っていると、MFが変形し、少女から通信が入った。

『…どうしよっか?』

…どうするもこうするも、攻撃はしないという意思を表すしか無い…
今の状況であの部隊と交戦すれば、負ける要素の方が強い。

「投降…と、いうか…こっちから攻撃を加える意思が無いって伝えるしかないな…
 こっちは幾らか、損傷してるしな…結果的に助けたんだから、見逃して欲しいもんだよ。」

はぁ…最悪だ…全部あの黒い機体の所為だ。
あの似非占い師…今回は無理だったが、今度会ったら絶対この借りは三倍で返してやる…
そんな事を思いながら、自分の蒼い機体を立ち上がらせた。

366 名前:BC軍 ◆1oWHscADPA :03/12/13 23:05

>>364-365
どうやら二機のMSは損傷している様子だった。
集結してきたMSや戦車達は遠巻きに眺めているだけでだった。

「隊長。あの二機のMSが正体不明の敵を撃退した様子です」
「その様だな」
「どうしますか?」
「放っておいてもかまわんだろう。それよりも未知の敵の方が重要だ」
「では二機のMSに対してはどうしますか?」
「威嚇射撃で追い払え」

MSと戦車は威嚇射撃を開始した。
要するに見逃してやるからとっとと立ち去れ。という意味だ。

367 名前:運び屋少女@シャッフルハート:03/12/13 23:21

>>365
おにーさんの青ジムはある程度の損傷を負っているようだった。
まぁ見た目それほど酷くは見えなかったんだけど。

『投降…と、いうか…こっちから攻撃を加える意思が無いって伝えるしかないな…
 こっちは幾らか、損傷してるしな…結果的に助けたんだから、見逃して欲しいもんだよ。』

私の言葉にそう答えると、蒼いジム頭は立ち上がった。
動けるのなら何とか――――ならないか。

「はぁぁ…」

>>366
と思ったら撃たれた。外れはしたが――――撃たれた。

「だーっ!いきなり何するのよバカ〜!!………?」

外れた…違う、わざと外した。つまりは…
――――行けって事か!!
自分のトレーラーの上に移動しシャッフルハートを載せる。
コックピットから飛び出、運転席へ走り、乗り込む。

「置いて行くよ!おにーさ…痛イジジジジジジジ!!」

ハンドルを握った瞬間激痛が走るが、この程度。

エンジン――――点火ァ!

368 名前:元連邦兵@BD1号機:03/12/14 00:08

>>367
『はぁぁ…』

溜息が聞こえた…ま、当然か。
とりあえず、損傷も軽めで戦闘行動は取れるが…

「仕方ないだろ…逃がしてくれるってんなら、色々と楽なんだ…」

そう言いかけると…警報がコクピット内に響く…

>>366
―――撃たれた!?…だが、MSと戦車からの射撃は外れた…
一体、なんだ?可能性は二つ…パイロットがルーキーか、威嚇射撃か…だ。
…後者か?…いや、そう考えたい。
そんな事を考えていると、少女のMFが一足先に飛んでいった。

「あー…もう、どうにでもなれ!!」

こうなりゃ、もうヤケだ…機体を疾らせる。
そして、少女に続いてトレーラーの荷台前に移動し、自分の機体を載せ…
素早くコクピットハッチを開け、外に出ると既にエンジンに火が入っている…慌てて助手席に乗り込んだ。
…少女を見ると、右手には包帯が巻かれていた…訊こうと思ったが今は止めた。
俺も結構、疲れている…後からでも訊けるだろう…そう思っている内にトレーラーは走り出した。

(ブルーディスティニー1号機&シャッフルハート カリフォルニア州、砂漠地帯…BC軍秘密工場付近から離脱)


――
―――今回ノ戦闘データヲ、マトメマス…

ブルーディスティニー1号機&シャッフルハートvsルイーナ軍 プリスクス・ノクス&ベルグランデ数機

場所:カリフォルニア州 砂漠地帯 BC軍秘密工場付近

導入:>276>278>280-282>284-285>287-288>290>292-295>298-300
戦闘履歴:>301-302>311>313-335>343>359>362>364-368

369 名前:ローズ ◆QFOYVVK5/6 :03/12/14 00:22

―――――――カリフォルニア州。砂漠地帯のガソリンスタンド。

あの、怖気を振るうような化け物を間近で目撃してから何日が経っただろう。
恐怖に駆られ、一目散に走り出し、地図もどこか落としてしまった。

砂漠の真ん中にある古ぼけたガソリンスタンド。
その建物の中に一人の少女が疲れきった様子で座り込んでいた。

砂漠の砂に汚れた皮の帽子。西部劇の映画に出てくるような上着に
アンバランスな現代的なヘソ出しスタイル。
左側はふともも、右側は膝まで破かれ露出したジーンズ。

そして誰かに作られたかのような均整の取れた顔に少年のような短髪。

少女の名はローズ。
砂漠を歩きヴァージニア州に向かっていたローズは数日前に山の中で
ある光景を目撃した。地面に食い込んだ隕石。その中から出てきた、
異形の生命。

―――――――あんな生物。このあたり、いや地球上にすらいない。

じゃあ一体なんだったんだ?夢でも見てたのか?

違う。あれは夢なんかじゃない。本当にあたしは見たんだ。
あの生き物を。

キュゥゥゥ。

唐突に音が聞こえた。
なんの音かと思ったらそれはもう今日何度目かになるかも判からない
自分の腹の音だった。

ローズは露出した自分の腹に手をやった。

「お腹空いた・・・」

持っていた食料の大半は食べてしまった。
今はこのスタンドの中にあった僅かな食料で持っているが
既に底をつき始めている。

―――――なんとかしなきゃやばい・・・。

その時、エンジン音のような物が聞こえてくる。

――――――――誰か来た!?

370 名前:運び屋少女@大型トレーラー:03/12/14 00:42

>>369
「チィッ!通常の5分の1以下のエネルギーゲインだとっ!」

色々と意味不明な言葉を吐きながら、私は目の前のガソリンメーターを見つめていた。
それを見た瞬間から、ずっと全身から冷や汗が吹き出ている。
――――さっきの戦闘のドサクサにかなり使っちゃったか…。
思わず右手の親指の爪を噛もうとしてしまい、動かしたときまたもや右手に痛みが走る。
隣で青年が心配そうに見ているが、だいじょーぶだいじょーぶと答えておいた。

ヤバイ――――このままだとこの砂漠で――――遭難。
ヤバイですよ危ないですよ危険ですよ危機ですよ。
その時砂漠の先に、建物――ガソリンスタンドの姿が見えた。

「やったぁ!!」

おもわず私は指を鳴らす。地獄で仏、極楽で閻魔とか何とか。
急いでそこへと滑り込み、給油の用意を始める。
右手が痛むがまぁ使えないことは無い。

「チェッ、結構高いな〜…ん?」

建物の中にカウボーイの格好をした少年…いや少女が座り込んでいる。
砂に汚れた帽子を被った少女の顔は――――ヒジョーに残念ながら、
可愛かった。敗北を認めざるを得ないだろう。
取り敢えずただ事じゃない様子なので、声をかける。

「君、どうしたの?」

371 名前:ローズ ◆QFOYVVK5/6 :03/12/14 00:53

>>370
窓の外に目を向けて見るとそこには一台の大型トレーラーが停車している。
どうやら大きい物を運んでいるらしい。
そのトレーラーの持ち主と思われる少女が声をかけてくる。

『君、どうしたの?』

――――――助かった。
トレーラーを見たローズは俄然元気を取り戻し、建物から飛び出す。
そして少女の近くまで来て言った。

「あ・・あたしも乗せてってくれないか!?というか食べ物が尽きかけて
 ピンチなんだ。助けてくれ!」


372 名前:ダンテ ◆DANTEOlcmY :03/12/14 01:01

>>344
俺はそのまま走り続けた。
あの少年と少女は旨く逃げる事が出来たのだろうかと考えながら。
しかし、今はこいつをかる事が先決だ。
しばらく走った後俺は足をとめ奴と向かい合う。
そして・・・・
「さあ、始めようぜ!」
俺は二丁拳銃を抜き悪魔に銃口を合わせた。

373 名前:運び屋少女@大型トレーラー:03/12/14 01:06

>>371
私が声をかけると、少女は建物を飛び出してきた。
そして私の近くにまできて、こう言った。

『あ・・あたしも乗せてってくれないか!?というか食べ物が尽きかけて
 ピンチなんだ。助けてくれ!』

ピンチなのか…ピンチといったらスーパーなクラッシャーだけど今はんなこと
関係ない。

「ちょい待ち!」

手を突き出し、顎に手を当てしばし考える。そう言えばあのウンブラとか言う奴も
こんなふうに来たっけ…てかあのおにーさんを拾ったせいでこんな事態に…
もう一度少女の顔を見る。かなり必死な顔付きをしている。
もうこの世の終わりに神様に出会ってどーたらこーたらとか、そんな顔。
――――私の負けだ。

「OK!それじゃあ座席の後ろにでも座っておいてね」

おにーさんに相談無しだが。ま、良いか。

374 名前:元連邦兵@BD1号機:03/12/14 01:27

>>369-371>>373
『チィッ!通常の5分の1以下のエネルギーゲインだとっ!』

…さっきから意味不明な事を言いながら、ガソリンメーターを見ている少女。
まあガスが無いって事は判る…はあ…退屈しないねぇ…ま、暇になるよりマシなんだが。
だが、今は眠さ最高潮…疲れからか?…身体が重い…
そんな感覚が身体を襲う中、ふと、少女の方を見ると顔を顰めた。
怪我をした右手を動かしたからか…「…大丈夫か?」…と、声を掛けようとしたが俺が言う前に大丈夫と言う。
そうは見えないんだが…大丈夫と言ってるし、とりあえずそれ以上は言わない事にした。
睡魔と格闘しながら、フロントガラス越しに前を見ていると…ガソリンスタンドらしき建物が見えた。

『やったぁ!!』

歓喜の声を少女が上げた…

「とりあえず、助かったな。」

そう相槌を打つと、少女はトレーラーを止め給油の用意を始めた。
あー、睡魔が俺を猛烈に眠りの渕へと誘ってくる…少し寝るか…
…そんな事を考えながらふと、前を見ると少女が誰かに話し掛けた…
なんか、また厄介事の匂いがするが…ま、別に良いか…なるようになる…だ。
そのまま少女が話し掛け、出てきた相手を見る…その人物の姿格好は、まるで西部劇のカウボーイ…
…似非占い師といい、あの人物といい…なんで妙な格好の奴ばっかりに遭うんだか…
そう考えると、少し頭痛がしたが…あまり気にしない事にして、俺は瞼を閉じた。

375 名前:ローズ ◆QFOYVVK5/6 :03/12/14 01:29

>>373

『ちょい待ち!』
ローズがそう言うと少女はそう返事し手を突き出し、顎に手を当てしばらく
考え込んだ後もう一度ローズの顔を見る。

――――――頼む。

『OK!それじゃあ座席の後ろにでも座っておいてね』

その返事にローズは明るい元気な笑みを浮かべ、
「ありがとな!」と返事し、座席の後ろに飛び乗った。

376 名前:運び屋少女@大型トレーラー:03/12/14 01:51

>>374-375
私の言葉に少女は元気な笑みを浮かべ、

『ありがとな!』

と言い、トレーラーの座席の後ろへと飛び乗った。
――――元気な娘だなぁ〜。
こちらを見ながら少しおにーさんが呆れたような顔をしていたが…
すぐに寝てしまった。

「それじゃあ私も」

給油を終え運転席に乗り込むと、シートの上にビニール袋があった。

「こっ、これは…!」

私が大事にとっておいた…メロンパン。
――――まさか!!

377 名前:ローズ ◆QFOYVVK5/6 :03/12/14 01:55

>>376
「う〜〜〜〜〜〜んおいしい〜〜〜〜。久々のまともな飯だぁ♪」
ローズはトレーラーの中にあった食料を物凄い勢いで平らげてゆく。

『こっ、これは…!』
先ほどの少女が驚きの声を上げた。
「ん?どうしたの?」
ローズはさらにウインナ−を平らげながら聞く。

「いや〜助かったよ。ずーっと干肉ばっかでさ〜」



378 名前:運び屋少女@大型トレーラー:03/12/14 09:48

>>377
『う〜〜〜〜〜〜んおいしい〜〜〜〜。久々のまともな飯だぁ♪』

ああ、やめて!そのコルネは今日のオヤツに!だぁーっ!
そのハムは朝飯の!パンを食うなパンを!ああっ、そのチョコだけは…

『ん?どうしたの?』

そう言い、少女はウインナーを口に放り込んだ。
それは晩飯の…嗚呼、HELP ME! SUPER PINCH CRUSHER!!

『いや〜助かったよ。ずーっと干肉ばっかでさ〜』

「へーそれはたいへんだったねー」

まともに答える気にもならず、口からは無気力な声が出る。
確かにそれは大変だけど…人の食事を勝手に食べちゃう理由にならないよねぇ?
食い物の恨みはチョモランマよりも高くマリアナ海溝よりも深い…この
恨み、晴らさでおくべきかぁ!
いまここで即刻布技で細切れにしたい感情を抑え、
こめかみに青筋を浮かべつつ私はどこからかハリセンを取り出した。

「取り敢えず今日はこれで勘弁したるわァ!!!」

スパーン!と爽快な音が響いた。

379 名前:ローズ ◆QFOYVVK5/6 :03/12/14 16:10

>>378
『へーそれはたいへんだったねー』

ローズがそう言うと少女は妙に無気力な言葉で返事をした。
よく見るとこめかみに青筋のようなものが見える。

―――――もしかして・・・・やばい?

突然少女はどこからとともなく白い紙のような物を取り出した。
え?なにそれ?おい?

『取り敢えず今日はこれで勘弁したるわァ!!!』

スパーン!という爽快な音ともにローズは紙の束みたいな物でひっぱたかれた。

「いて〜!なにすんだよ!こっちは”化け物”を目撃するは地図は落とすわで
 危うく、死に掛けてたんだぞー!」

380 名前:??? ◆1oWHscADPA :03/12/14 16:32


>>351vsルイ−ナ軍。イグニス他多数の部下。

極東地区。日本国。

短時間で日本各地に存在する基地や研究所を壊滅させ快進撃を続けるルイ−ナ軍。
彼らは基地だけではなく、市街地にまで無差別に攻撃を加えた。
軍民問わず犠牲者が続出している。

海も空も陸も我が物で蹂躙するルイーナ軍に、数機の機体が激しい憎しみと敵意を
抱くかのようにな速度で迫りつつあった。

一機目はスマートでまとまった印象を持つシンプルな外見を持つ機体。

二機目は一機目とは対照的にゴテゴテした全体的に赤と茶色を
帯びた重厚な外観を持つ機体。両脇に抱えた大口径砲からして
支援用の機体のようだ。

三機目は全身が黒く塗装されていて、”影”と呼ぶにふさわしい外見だ。

そして最後の四機目。ブルーコスモスの名にふさわしい蒼と白でカラーリングされた
機体。生と言う物を感じさせない、無機質で冷酷な雰囲気を持つ。
その青白い機体の持つ巨大なサーベルはさながら死神を思わせる。

四つの機体がルイーナ軍に攻撃を開始する。

一機目のスマートな機体―――デュエルガンダム――――は真正面から
突撃する。ビームサーベルを引き抜きルイーナ軍のど真ん中に切り込む。

二機目の二門の巨砲を持つ重厚な機体―――バスターガンダム―――が
その後方から猛然と射撃を開始する。二門の巨砲と六連装のミサイルが
白い糸を引きルイーナ軍めがけて襲い掛かる。

黒く塗装された機体―――――ブリッツガンダムがステルスガス。ミラージュコロイドを
展開し奇襲攻撃に出る。

四機目の青白い機体――――ソードストライクガンダム・ブルーコスモス仕様――――
もまたその巨大な刀を振りかざしバスターの援護の元、切り込んでゆく。

381 名前:BC軍少女兵リリィ ◆1oWHscADPA :03/12/14 17:03


(>>344の続き)

あの奇妙な出来事のあった日の翌日。
私達のガンペリーがこの街から出発する日が来た。

セシルと過ごしたのはほんの数日だったけど。とても楽しかった。
出発の数時間前、私達は最後の待ち合わせをした。

場所は勿論、二人が最初に出会ったあの小さい山の公園。

私達はベンチに座り、最後の話をした。

「リリィ・・・。」

私の方がセシルよりはずっと年上だけど、いちいちリリィさんなんて
呼ばせるのも堅苦しいから、私はセシルに呼び捨てにしていい事を許可
したのだ。勿論、私もセシルを呼び捨てにしてるけど。

「何?」

私が返事をするとセシルは懐からひとつのペンダントを取り出した。
ペンダントは蒼く美しい装飾が玉が中央にはめ込まれていた。
まるで私達の故郷の、この星のように。

セシルは「これ・・・なくなった街の俺たちの街の特産品なんだ」
と言って私にそのペンダントを渡した。

私が「綺麗・・」と言うとセシルは「リリィにあげる」と言った。

「いいの?だって街が無いって事は・・・もうつくれないんでしょ?」
「いいんだ。リリィはこの地球とそこに住んでる皆ををコーディネイタ
 ーやスペースノイド達から守りたいって言っただろ?」
「ええ」

今、この蒼い美しい星に、未曾有の危機が迫っている。先日のニュースで
最近各地でMSが行方不明になっている事件の原因が判明し、さらにリリィ
のいた日本を含む極東地区ではルイーナと名乗る軍隊と連合軍やBCが武力衝突
したと言う。それにネオ・ジオンとサンフランシスコに現れた謎の兵器郡。

それら全てから、この人類の故郷を、そこに住む人々を守りたい。
それがリリィが今一番抱いている思いだった。

「俺が思うに、地球は奇跡の星だ。もしかしたらこんなに綺麗な星は
 ほかに無いのかもしれないし、これからも現れることもないのかもしれない。
 このペンダントも同じさ・・・もう二度と作れない。一度失ったら二度と帰って
 こないんだ。人間の命もね。それを守りたいって言う君にはこれがピッタリだと
 思うんだ」

リリィはセシルの渡したペンダントをもう一度眺めた。
一度失ったら、もう二度と取り戻すことはできない、このペンダントも
人間の命もそしてこの星も。

負ける事は許されない。

「ありがとう。これ大事にするよ」

私がそう言って微笑むと、セシルも微笑んだ。

別れの時間が近づいてきている。

さよならは言わなかった。

リリィは心のどこかで予感していたのかもしれない。
何時か、力を合わせてこの星を狙う者たちと戦う日がくるのを。

「じゃあ、また」
そう言うと、セシルも同じように「また」と言った。

小さな仲間。またいつの日にか合おう。

(リリィ&セシル。ユーラシア。主要都市跡)

382 名前:運び屋少女@大型トレーラー:03/12/14 20:48

>>379
ああ、愉快爽快痛快快感。
私が少女に振り下ろしたハリセンは綺麗に決まり、
素晴らしく心地よい音をたてた。

『いて〜!なにすんだよ!こっちは”化け物”を目撃するは地図は落とすわで
 危うく、死に掛けてたんだぞー!』

少女が頭を抑えながら言うが、んなもん知らない。
食い物の恨みはブラックホールよりも深くホワイトホールより広大なのだ。
化け物見て地図落として死に掛けてもそれは私の食べ物を勝手に食べていい理由に
ならな…”化け物”?

「ねぇ!化物ってどんな奴!?何だか魔術師みたいなカッコしたエセ占い師の
ウンブラとか言う奴じゃなかった!?」

左手で少女の肩を掴み、ガクガク揺らす。
揺らす勢いが凄すぎて少女が失神しかけてるのは多分気のせいだ。

383 名前:ローズ ◆QFOYVVK5/6 :03/12/14 23:19

>>382
紙の束で激しく引っ叩かれたローズが頭を抑えながらそう言うと、
少女が好奇心に満ちた目で迫ってきた。

『ねぇ!化物ってどんな奴!?何だか魔術師みたいなカッコしたエセ占い師の
ウンブラとか言う奴じゃなかった!?』

少女は左手でローズの肩を掴み、物凄い勢いでガクガク揺さぶる。

―――――なんだよ、おい。この腕の力は?!

「おい・・・ちょっと・・・やめ・・・・・て」

ローズは意識が遠のいた。


             「や め ろっ つーーーーーーーーーの!!!!」


遂に怒ったローズは暴れて少女の手を引き離した。

「ハァハァ・・・・・ウンブラだか、コブラだか知らないが、私が
 見たのはそんなんじゃない!このあたりの・・・・地球上の生き
 物なんかじゃないんだ!」

384 名前:運び屋少女@大型トレーラー:03/12/14 23:49

>>383
『や め ろっ つーーーーーーーーーの!!!!』

――――うわっ!ビックリしたぁ!
少女は暴れて肩を掴む私の手を振りほどいた。
…私何かした?

『ハァハァ・・・・・ウンブラだか、コブラだか知らないが、私が
 見たのはそんなんじゃない!このあたりの・・・・地球上の生き
 物なんかじゃないんだ!』

地球上の生き物じゃない?何言ってんのこの娘。
私はニヤニヤ笑いを浮かべながら少女にこう言う。

「じゃあ何を見たの?グレイ、エイリアン、プレデター?
 まさか火星人とか言うんじゃないでしょーねー?」

ま、大方腹が減ってた時に急にマトモなもの食べたから混乱してるんでしょ。

385 名前:ローズ ◆QFOYVVK5/6 :03/12/14 23:58

>>384
ローズが必死に説明すると、少女はニヤニヤ笑いを浮かべている。
馬鹿にしてるな!?

『じゃあ何を見たの?グレイ、エイリアン、プレデター?
 まさか火星人とか言うんじゃないでしょーねー?』

からかわれてる・・・クソ!
ローズは必死に説明する。

「グレイ?作り物だろ!エイリアン?プレデター?映画だろ!
 火星人・・・・・そう!それだ!私は火星人みたいなのを
 見たんだ、タコが直立したような奴隕石の中から出てくるのを
 見たんだ!」

386 名前:運び屋少女@大型トレーラー:03/12/15 00:24

>>385
いや何でこんなに必死に説明してるの?
マジで見たとかぁ?……えー。

『グレイ?作り物だろ!エイリアン?プレデター?映画だろ!
 火星人・・・・・そう!それだ!私は火星人みたいなのを
 見たんだ、タコが直立したような奴隕石の中から出てくるのを
 見たんだ!』

私はズッこけかけた。まさかそんな古典的なモノを見たと言うとは…
第一火星人がどーたらこーたらの時点で怪しいのだ。あの星は
不毛の大地、とても生物が住めるような星ではない。
でも一応聞いておこう。嘘ならこの辺りでボロが出るはずだ。

「じゃあ古典的タコ生物を見たとしてね、君はどこで見たの?」

387 名前:ローズ ◆QFOYVVK5/6 :03/12/15 00:32

>>386
少女はズッコケルがローズはなおも必死だ。
お願いだから信じてくれ。

『じゃあ古典的タコ生物を見たとしてね、君はどこで見たの?』

ローズは答えに詰まった。
死に物狂いで逃げてきたのではっきりとした場所を覚えていないのだ。

「え・・・・えーと、カリフォルニアの・・山の中・・・だったと思う」


388 名前:運び屋少女@大型トレーラー:03/12/15 00:46

>>387
少女は言葉を詰まらせた。
ほらほら、嘘っぽいぞ〜。

『え・・・・えーと、カリフォルニアの・・山の中・・・だったと思う』

カリフォルニアの山中ね。火星人が。宇宙から。
つまりはアレか。マーズアタックとか地球防衛軍とかか。

「カリフォルニアの山ね…ま、途中で寄るなりロスかシスコに着いた後に
でも寄ってみようか、おにーさん…ってありゃ」

そういえば青年は寝てしまっていた。まぁ先に機体の修理とかしないといけない
ので適当な街へ行くことになろうが。

「じゃあしょうがないから…発車!」

思わず溜息が出てしまった。

389 名前:ダンテ ◆DANTEOlcmY :03/12/18 17:51

>>388
カルフォルニアの砂漠地帯――――――――

広い砂漠地帯を背中に時代がかった長剣を括りつけ
マント風の服を着た銀髪の青年が歩いていた。
歩いている青年の名前はダンテ。

ダンテは数日前まである依頼の仕事でヨーロッパ地方にいた。
今はその仕事が終わり事務所へと戻る途中だった。
「久しぶりの依頼でヨーロッパに行ってきたが
少々期待外れのだったな。
なんせ狩った奴はあの鳥型悪魔だけ。
食前酒にもならなかったぜ。」
広い砂漠地帯を歩きながら愚痴をこぼす。

愚痴をこぼしてから数時間後―――――――――
「くそー、やはり昼間の砂漠は熱いぜ。
休憩出来る場所を探すか」
と呟いたその時ダンテは何かのエンジン音を聞く

「エンジン音?車でも走っているのか?」

390 名前:トウヤ ◆1oWHscADPA :03/12/22 17:53

―――――――――ヨーロッパ。イタリア。

あの怪物の襲撃から暫く。ブルーコスモスかた独立した、ルイ−ナ軍及び
謎の怪物(デビルガンダム)に対抗する独立した組織が創設された。

「独立機動軍」と言うなんかアニメにでも出てきそうな名前の軍だった。

とは言っても、今は非常時であり、さらに相次ぐ攻撃で機体の補充を急がなければ
ならないBCや連合軍からはこの新設されたばかりの部隊にまわせられる機体など皆無に等しかった。

そこで苦肉の策として旧式化した機体や試作段階で廃棄され倉庫に眠ってた機体、
量産されなかった試作機などのの再整備を行って使用する事になった。

お陰でこの部隊には時代遅れのポンコツや奇抜な機体、訳の判らない力を持つやばそうな
機体、パチモンとしか思えない機体が世界中から集められた。

ベスビオスYを失ったトウヤにも後日新しい機体が届けられれる事になる。
トウヤ個人としては今度はなるべく小さい機体が良いと思っていた。

独立機動軍と言う名前とその目的からして小型で、どこにでも迅速に
展開できる機体と兵器が望ましい。

391 名前:トウヤ ◆1oWHscADPA :03/12/22 18:03

(>>390の続き)
そして機体が引き渡しの日、俺達はプレハブみたいな粗末な基地の機体格納庫
の前に集合した。

周りを見ると何人か知ってる奴がいた。
この基地には世界中の連合軍、ブルーコスモス軍から兵士が集められた。
話したことはないがこの基地で対面した時お互いに自己紹介ぐらいはしたので
名前ぐらいは知っている。

落ち着かない様子であたりを見回している元戦車兵の「スグル」
先日までアメリカに居たらしいが急遽派遣されて来た中国人MS乗り「リウツゥ」
そして下着みたいな格好で仲間からは「エロ曹長」のあだ名を居ただいた女性兵「シュティーナ」

などなど・・・微妙な面々が集まっている。

果たしてどんな機体が配備されるのか。この面々でやって行けるのか?
数々の不安要素を残し、独立機動軍は出発したのであった。

392 名前:神父 ◆1oWHscADPA :03/12/24 00:37

――――――――――アメリカ。東海岸。フロリダ州。

マイアミ市の郊外にある森林地帯。その森を抜けるとそこには広い草原が広がっている。
天候は快晴。普段ならば絶好の遠足日和の筈だ。
しかし今は違う。草原には確認できるだけでも数十機の巨人――――MS――――が
並んでいる。
もしこれがなんの知識もない人間であるならば連合軍かブルーコスモスであると
判断してしまうだろう。現在大多数の国民は大西洋連邦に存在する軍事力は
大西洋連邦軍以外はブルーコスモスだけであると思っているのだから。

だが、今この草原に展開している軍隊はそのどちらでもない。
そもそも使用しているMS自体が違う。草原に並ぶMS達は皆、どこか爬虫類、
昆虫を思わせる顔をしていた。

393 名前:神父 ◆1oWHscADPA :03/12/24 17:50

(>>392の続き)
草原に並ぶMS郡は類別するならば全部で三種類ある。
それぞれ「ゾロ」「トムリアット」「リグ・シャッコー」と呼ばれている機体だ。
さらにその周りを大型のキャノンを搭載した戦闘バイク「ガリクソン」が多数停車
している。

MS郡の中央には一つの教会が立っていた。
その入り口に設置された台の上で集まってきたパイロット、整備員の集まりに
向け演説を行う人物が居た。

「地球のために戦う親愛なる同士諸君!」

その人物がこう切り出すと周囲からは大きな拍手が巻き起こる。
それは奇妙な光景だった。黒い喪服。胸の部分に刻まれた十字のマーク。
それはどう見ても一人の「神父」だった。そしてなによりも異常なのは
この神父が機関銃を手に持ち集まっている兵士に向け高々と掲げている事だった。

本来ならば隣人愛を旨とし、慈悲深い存在であるはずの神父が機関銃を持ち兵士達を
演説で鼓舞している。

「今日(こんにち)神に背いた許しがたきコーディネイターの豚共は。
 あろうことか自らの生みの親である我等人類(ナチュラル)に牙を剥き、襲いかかろうとしている!」

集まった兵士達から怒りの声が上がる。
神父の演説に呼応していうるのだ。

「立ち上がれ!ナチュラルの戦士達よ!この青く美しい惑星と原生種である
 ナチュラルを守るために!」

兵士達の歓声があがる。
兵士の中には男も、女も、子供も、老人もいた。
神父はさらに続ける。

「奴等に、誰が貴様等を生み出してやったのかを。思い知らせるのだ!!」

それはコーディネイターからすれば戦慄すべき演説であった・・。 

394 名前:神父 ◆1oWHscADPA :03/12/24 18:03

演説が終わった後、この神父は教会の中に戻り機関銃を傍らに置き
彼の信じる”神”に祈りを捧げる。

神よ・・・・我等人類にご加護を。我が「聖十字軍」に、勝利を。

一通り、祈りを捧げ終えると神父は機関銃を手に表に出る。
外では聖十字軍の兵士達が整備に遁走している。

この聖十字軍は一年以上前のザフト戦争の期間中に創設された”義勇軍”である。
その発足は西海岸に本拠を置く、ブルーコスモスが独立した軍となるよりも早い。

ジェネシス砲撃以降は大災害の生き残り達の難民や遺族達も多数加わっていて
規模は発足した当時の倍以上に膨れ上がっている。
使用しているMSはザンスカール帝国から購入した物のライセンス生産だ。

彼等の目的は一つ。ブルーコスモスと同じコーディネイターの排除と報復だ。
ただ一部方針が違い聖十字軍は宇宙のコーディネイターをも武力で
排除しようとしている。

つまりブルーコスモスよりも過激で、強行的な一面をもっている。

395 名前:神父 ◆1oWHscADPA :03/12/24 18:08

この世界にはナチュラルしか住むことは出来ない。
私は老人から子供、そしてコーディネイターの存在した痕跡にいたるまで
きれいに片付けてしまうつもりだ。

私が神父の格好をしているからといって機関銃を乱射しないと思ったら大間違いだ。

私はこの青い星に刃向かう者は全て殺してやる。
例えそれが赤ん坊であっても汚れた科学の遺伝子を持っているものは浄化しなくてはならないのだ・・・・!

396 名前:??? ◆1oWHscADPA :03/12/24 18:24

――――――――――――宇宙。アクシズ付近。

漆黒の宇宙を数隻の艦が航行していた。
一隻はサラミス級戦艦・・・そして大量鉱石運搬船と駆逐艦、護衛艦である。

本来ならば連邦もしくは連合に属している筈であるがこの艦は
どこの国家にも属していない。性格に言えばこの艦は一つの企業が保持する艦である。

そしてその企業である彼等は一つの旗と目標の下に集う軍隊を構成する。
その名は「統一国家企業軍」。
ジオン系のスペースノイドやコーディネイター、そしてジャンク屋からすれば
それは恐怖と、憎悪と、侮蔑の対象であろう。

この統一国家企業とは地球各国の大企業が連携して創設した機構である。

彼等は宇宙の各地に建造、設置されたコロニーや資源用小惑星から
産出される鉱石や燃料の源物質を長年独占し続け。スペースノイドやコーディネイター
を搾取し続けて来た。

そして今日も沢山のスペースノイドの犠牲を払って採掘された現物質を
我が物顔で自分達の生産拠点である工業用コロニーに運んで行く。
巨大化した彼等が自らの財力と豊富な資源で作り上げた、「統一国家企業軍」に
護衛されて。

397 名前:統一国家企業軍 ◆1oWHscADPA :03/12/24 18:33

この統一国家企業軍とは本来ならばコロニーや資源用小惑星などの治安維持を
目的とした植民地軍的な要素が強かった。
だがそれは資源の採掘量と利益が増すにつれ巨大化し、ザフト戦争で地球連合軍
の宇宙戦力が壊滅した現在。地球連合に変わり、地球を防衛する中核を担うまでに成長した。

兵士は主に地球出身者と、地球側についたコロニー出身者から構成されている。
主力MSはジェガン、ヘビーガンなどだ。使用する兵器こそ平凡の極みだが
その運用性や実用性の高さと圧倒的な物量が統一国家企業軍の強みなのだ。

アクシズが引き渡されてから暫く、企業軍は監視の目を光らせていたが
武装解除が行われた事が確認されてからは、警戒網を緩めていた。

だが、現場に居る一人の兵士は嘆いた。
奴等は必ず、何かやる・・・と。

398 名前:◆1oWHscADPA :03/12/24 18:36

>>390-391
ヨーロッパ。イタリア地方。

「トーヤ達のその後」

>>392-395
アメリカ。東海岸。フロリダ州

「聖なる十字架」

>>396-397

「新たなる脅威」

399 名前:神父 ◆1oWHscADPA :03/12/28 01:00

その日、神父はたまたま他の州で開かれる会議のためにワシントンを離れていた。
神父は元々宗教系の学校の教師で、貧しい子供達のために地域の教育に参加していた。
収入は低かったが神父は学校に行けない、行かない少年少女のためにつくすこの仕事に
参加できることが嬉しかった。彼等の笑顔を見ることが自分の幸せになりつつあった。

だが、あの日宇宙の化物どもの兵器がワシントンを消滅させた時。神父の中で
何かが壊れた。

ジェネシス(創世)だと!
遺伝子改造の”家畜”の分際で!
自然の摂理に逆らった上に、子供達の未来を、笑顔を奪い去った貴様等が許せぬ。

そしてそれと共存しようなどという裏切り者達はもっと許せぬ。

この神父はその後、他の難民、連合軍の生き残り、遺族と共に聖十字軍を結成。

コーディネイターとコーディネイターと共存する人間の抹殺を掲げ武器の購入を
始めた。

月に照らされたMS達は、神父の狂気を具現化したしたかのように
無慈悲な印象を持って、そこに佇んでいる。

400 名前:ユウ・カジマ ◆YX.NTuBLUE :03/12/28 21:32

>>399
―――ワシントン、郊外の荒野。
月に照らされながら、歩く胸部装甲が蒼に塗装されたGMUとそれに従う、ジム改、ジムキャノンU…
ティターンズと正規軍に別れ、弱体化し、力が衰えた連邦正規軍に所属するMS小隊の機体…どうやら、哨戒任務中の様だ。
…そして一年戦争中、蒼き死神を駆り、生き残ったユウ・カジマは大尉として、そこにいた…胸部が蒼いGMUのコクピットに。

『大尉、数十m先前方の岩陰に反応がありますが…』

部下から通信が入る…だが、ユウは通信が入る直前に気付いていた…

「…各機警戒態勢を取れ、反応元を確認しに行く…」

『了解しました、大尉。』

寡黙だが、信頼出来る上官…部下からはそう思われ、ユウは頼りにされている。
そのユウから指示が出ると、ジム改が側面から回り込むように…GMUと、ジムキャノンUは警戒しながら近づいて行く…
自分達の機体と、同じ様に月明かりに照らされたMS数機が立っている場所へ。

401 名前:神父 ◆1oWHscADPA :03/12/29 23:27

>>400 フロリダ。マイアミ市郊外の森林地帯。

「神父!」
部下の聖職者が慌てふためいた様子で駆け込んでくる。
様子からしてよくない事である事は判った。

「何事だ?」
「敵・・・いや、連邦軍です!この森林地帯の入り口に数機のMSが!」
「連邦だと?連合ではなくか?」

地球連邦は地球連合と並ぶ地球上の国家集合体の一つだ。
しかし近年はいくつかに分裂しその力は全盛期の数分の一に落ち込んでいる。
そのような者達がなぜ今更?

「連邦軍の目的は?規模は?」
「目的は不明ですが規模から言って偵察の模様。我々に対する攻撃の意図は
 ない物と思われます」

偵察部隊。
それなば放っておいても構うまい。
この聖十字軍のゾロとトムリアット、リグシャッコーは新型の第二世代のMS。
連邦軍の使用している第一世代の機体と比べて極めて高性能な機体だ。
勝てない筈が無い。

「放っておけ。偵察部隊など大した脅威にもならん」

そう告げると神父は再び教会の中へと戻っていった。

402 名前:ガイゾック ◆kAxzoB0n6A :03/12/31 13:27

偵察メカ スネソーダ
α456星系第12恒星第3惑星に降下します。
???「この星のものたちの悪しき想念がどの様なものか・・・知らねばなるまい・・・」
(偵察メカ 地球大気圏突入)

403 名前:ユウ・カジマ ◆YX.NTuBLUE :04/01/02 22:26

>>401
反応元のMSとの距離、約200m…これだけ近づいても、あちらからの攻撃…威嚇射撃すらない。
そして、反応元と思われる、昆虫を思わせるシルエット…狐目のMS数機…見たことが無い機体だ…
…と、そんな事を考えていると、回り込んでいたジム改のパイロット…部下からの通信が入った。

『大尉、見た事の無いMSが7機ですが…どうしますか?向こうに攻撃の意思は無い様ですが…』

…あちらに攻撃の意思が無いなら、こっちが選ぶ答えは二つ…仕掛けるか、仕掛けず黙って帰投するか。
……暫く考え、考えはまとまったのだろうか?ユウは一拍置いて、返答を部下へ返す。

「…全機、仕掛けるな……今の任務は哨戒だけだ…無駄に仕掛ける事は無い…」

『了解しました、しかしどこのMSでしょうね…AE(アナハイム・エレクトロニクス)でも無さそうですし…』

確かに、見たことの無い機体だ…だが、AEもまだあそこまでの小型化には成功していない。
…最近、ムーバブルフレームを使いティターンズが開発したガンダムMKU…
その技術を得て、発展機に当たる新型量産機が月面にあるAEの工場で何機かロールアウトしたらしいが…噂でしかない。

「確かに…AE、ティターンズ…では、無いだろうな……BCという可能性もあるが…推測でしかない。
 …そろそろ、帰投時間だ…」

所属不明機の映像記録が終り、狐目のMSも大型トラックへ搬入され、森の中へとそのまま運ばれていく…
きな臭い…な…と、ユウは森の方へ機体のアイ・カメラを向けモニター越しに見る…
そして、暫くすると機体を操作し、森に背を向け三機のMSは基地へと帰還しようと動き出した。

404 名前:ユウ・カジマ ◆YX.NTuBLUE :04/01/02 22:27

(>>401の続き)
―――そして数時間後、アメリカ…フロリダ州連邦正規軍基地、司令塔…

「ユウ・カジマ大尉…入ります…」

報告の為、映像を記録したフロッピーディスクを手に持ち、司令塔の基地司令室をユウは訪れていた。

『カジマ大尉、君が私の所へ来るとは珍しい…何かあったのかね?』

「いえ…先の哨戒行動中に、所属不明のMS数機を発見したので…こちらが、その映像記録です。」

フロッピーを渡す…初老の基地司令は…「ふむ…所属不明機か…」
…と、一言漏らすとフロッピーを受け取り映像を確認する。

『…!?…なんだね…この小型MSは…』

「…私に聞かれましても…判りません……」

驚いた後の沈黙…当然だろう、現在連邦で使用されているMSと比べると…
いや、ティターンズで使用されているMSとも違い、かなり小型に設計されているMSだ。
しかも、アイ部分はモノアイでも無く、ガンダムタイプのデュアル・アイでもなく、ジムタイプなどのバイザータイプでも無い。
…暫くの沈黙後に、司令が口を開いた…

『むぅ…連合や、BC軍でも無さそうだな…BC軍はストライクダガー、リーオー、ジムしか使用が確認されていない。』

「…では、司令は新たな勢力…と、言うんですか…?」

『ああ、それしか考えられまい。厄介な事になりそうだ…テロ組織などではなければいいんだが。』

「確かに…その様な組織でなければ、いいんですが…警戒レベルは…?」

『…B+としておくか…理由は、ジオンの降下部隊が君達の哨戒していた森近くの荒野に潜伏している可能性がある…と、してな。
 真実をありのままに話して、混乱させる訳にはいかん…それと、君の部下だが…他言しないように言っておいてくれ。』

「了解…しました…ですが、本当に降下したらしきネオジオンの部隊は…どうするつもりです…?」

『…悲しい事だが今の正規連邦では、相手をしきれんよ…ティターンズや、BC軍に任せるしかあるまい。
 だが、救援を求められれば出撃してもらう…ティターンズからは入らんだろうがな。それで…大尉、君の機体だが…』

「……出撃の件については、了解です。
 …ジェガンはすぐに用意出来ませんか…」

『ああ、ジェガンは現在統一国家企業軍だけが使用している最新機体だからな…
 取り敢えず、近い内にGMVへの換装作業はさせるつもりだ。』

「換装作業だけでも…有り難いです…それでは…」

『そうか…頼りにしているぞ…カジマ大尉。…また、何かあったら報告してくれ。』

「了解しました…失礼します。」

そして、報告を終えたユウは司令室を出て行った…

405 名前:ユウ・カジマ ◆YX.NTuBLUE :04/01/02 22:45

×>>401
○>>403

406 名前:神父 ◆1oWHscADPA :04/01/02 23:07

導入部及び回想。

>>399>>400>>401
>>403>>404


407 名前:元連邦兵 ◆YX.NTuBLUE :04/01/02 23:22

>>389 カリフォルニア、砂漠地帯
…騒がしい…まあ、女の子が二人もいれば当然か…
騒がしさに寝ていられなくなって、目が覚めた…それだけの事だ…まぁ、騒がしいのも嫌いじゃないが。
そういえば、スタンドで少女が会い、乗せる事にした子はローズという名前らしい。
俺の寝ている間に、火星人がどうとか言ってたらしいが…にわかには信じられない…少女も半分信じていない様だった…
だが、興味は出た。本当に火星人がいたと仮定して、なんの目的で地球に来たんだか。
そんな事を考え、自分の機体のマニュアルを改めて見ていた時ふと、フロントガラス越しに前を見ると…
人らしき、陰が見えた…まだ距離はいくらかある。
砂漠だってのに、随分人がいるな…厄介事はもう御免だぞ…?
そう思いながら、ドライバーの少女へ声を掛ける…既に気付いているかもしれないが、一応だ。

「なあ…あれ、人だよな?」

408 名前:運び屋少女 ◆kFKINGV5Nk :04/01/04 21:33

>>407
私はローズと他愛のない話をしながら車を走らせていた。
まぁ火星人の話を除けば別段普通の女の子みたいだし、そんな悪い印象も持たなかった。
…火星人を除けばだけど。
口の中で飴玉を転がしつつお喋りしていると、パイロットの男性に声をかけられた。

『なあ…あれ、人だよな?』

前を見ると、少し距離を開けたところに陰が見えた。この距離からでも人だとは認識できる。

「人…みたいだね」

おかしい。この砂漠に入ってから何か色々な者に出会いすぎている。
おにーさんとかエセ占い師とか火星人娘とか。
呪いでもかかってんじゃないかと疑いたくなるほど出来事が多い。
う〜んと下を向きながら唸り、顔を上げた。

「一応…声をかけとこっか」

陰へと車体を近付ける。我ながらお人好しと思いつつ。

409 名前:ダンテ ◆DANTEOlcmY :04/01/06 10:39

>>407-408
ふと前方に視線を移すと大型の車が此方側に向かって走っている。
(やっぱり俺が聞いた音は車のエンジン音だったか。
しかし昼間の砂漠地帯はじっとしているだけでも体力を消耗するな。
そのせいか背負っている剣が重く感じるぜ。
もしかして・・・・ヨーロッパから此処まで移動して来た時の疲労が
今頃になって体を蝕んできたのか?)
そう考えつつ走ってくる車の方を見ているとダンテの前でその車は止まった。
どうやら車の運転手がダンテの存在に気づいたらしい。

ダンテは停車した車の運転席側へ近づこうとした。
しかし体を思うように動かす事が出来ない。
(くそ、やっぱりあの時の疲労が今になって体を蝕んで来たみたいだな。
しかし辺りは一面の砂漠地帯・・・・・休憩できそうな場所もねえし・・・。
だからと言って休憩なしでこのまま町に向かって歩いて行ってもいいが・・・
そうすると町に着く前に倒れちまうだろうな。
ならこの車に休憩がてら乗せて貰えるか聞いてみるか。)
そう考えたダンテは残っている力を振り絞り重い足取りで車の運転席側に近づく。

そして車の運転手に―――――――――――
「なあ運転手さんよ・・・・俺は今仕事帰りで・・・・町の方に向かっているんだが・・・
このまま歩いて行くと・・・・・砂漠の暑さと・・・・仕事疲れのせいで体が持ちそうにねえんだ。
ついさっきまで・・・・休憩出来そうな場所を・・・探していたんだが・・・・・
此処は砂漠地帯なんで・・・・休憩出来そうな場所が見つからねえんだ。
だから・・・・もしこの車が町の方へ向っているなら・・・・休憩がてら・・・
車に乗せて・・・・貰えねえか?」

410 名前:運び屋コノエ ◆kFKINGV5Nk :04/01/06 23:46

>>409
陰へと近付いて見ると、やはり人間だった。
マントを纏った銀髪の青年――そこまでは問題ないが、背中には剣を背負っていた。

――――――――剣?今の時代に剣?

「また何か背負い込むハメになりそうだなぁ…」

一言だけ呟き、車を止める。
こちらへと歩いてくる男の足取りは重く、歩くのも精一杯という感じだ。

『なあ運転手さんよ・・・・俺は今仕事帰りで・・・・町の方に向かっているんだが・・・
このまま歩いて行くと・・・・・砂漠の暑さと・・・・仕事疲れのせいで体が持ちそうにねえんだ。
ついさっきまで・・・・休憩出来そうな場所を・・・探していたんだが・・・・・
此処は砂漠地帯なんで・・・・休憩出来そうな場所が見つからねえんだ。
だから・・・・もしこの車が町の方へ向っているなら・・・・休憩がてら・・・
車に乗せて・・・・貰えねえか?』

運転席の私へと、彼はそう言った。
何の仕事か詮索する気は無いが、剣なんか背負ってるとなると…
私は車内を見渡す。

正直お金払ってくれるか微妙なパイロットのおにーさんと、タダで乗せてあげたのに
人のご飯を食べたローズ。ついでにまたタダ乗りの予感。
…ま、なるようになるかな?

「赤字だねこれ…良いよ、適当なところに乗って!」

そこまで言って、私は気付いた。
運転席は私、助手席はおにーさん、席の後ろはローズ…

――――乗る場所がねェ!!

411 名前:元連邦兵 ◆YX.NTuBLUE :04/01/07 06:39

>>408-410 カリフォルニア、砂漠地帯
『一応…声をかけとこっか』

「ま、そうしておいた方がいいだろうな…」

…ここで声をかけずに放っておいて行き倒れにでもなられたら夢見も悪い。
少女の言葉に対してそんな事を思いながら答える。
そして、トレーラーが人らしき陰に近づく…
見えたてきたその姿はマントを纏い、背中に何かを背負った銀髪の青年…
同い年ぐらいか?…って、そんなとこは問題じゃない…背中の物はなんだ?
そんな事を考えながら、近づく青年を見ていた。
だが、少女も同じような事を考えたのか呟きが聞こえた…まったくだ。
そして、トレーラーが止まる…青年の声は小さくて聞き取りにくいが大体はのみこめた。
だがその時…偶然に見えたのは背負っていた物………おいおい…今時分に剣?…頭が痛くなってきた。

『赤字だねこれ…良いよ、適当なところに乗って!』

どうやら少女は乗せる事にしたらしいが…前に俺と少女、後ろにローズって子…乗る場所は無い。
暗に俺に自分のMSのコクピットに乗れって言ってんのか?…別にそれでもいいが。
だが、その考えもすぐに消えた…そう、少女がはっとして動きを止めたからだ…
言った後に気づいたのね…内心苦笑しながら俺は口を開いた。

「なんなら、俺は荷台に積んでるMSのコクピットに行くか?流石に暑過ぎるって問題があるから町までの距離にもよるが。」

近づいてきた青年は見た限り衰弱…と、いうか疲れきっている…
ま、人助けしといて罰は無いか…という、考えでの提案だ。

412 名前:デビルガンダム軍団 ◆74DEvilpq2 :04/01/08 00:29

仏蘭西、巴里――――

花の都とまで呼ばれたこの街は、今恐怖に打ち震えていた。

夜な夜な現れる謎の一つ目のMS達による破壊活動。
小規模な被害ながらも、それは確実にパリの人々に恐怖を植え付けていた。
いつどこに現れるとも知れない敵、正体不明のMS。

もちろんフランス政府とてこの状況に手をこまねいたわけでは無い。
フランス代表ジョルジュ・ド・サンドに心配をかけまいと何とか自らの力で
これらを解決しようとした。
だが、幾ら倒そうとも、敵は無限に現れる。
政府は憔悴しきっていた。

そしてある夜、ついに事件は起こった。

シャンゼリゼ通りを突き破り現れた一つ目のMS群「デスアーミー」。
その攻撃の前に、瞬く間にパリの都が火に包まれた。

そしてその路の先、エトワール広場が凱旋門の上には二体の影があった。

イタリア代表ミケロ・チャリオット駆る「ネロスガンダム」。
イングランド代表ジェントル・チャップマンの操る「ジョンブルガンダム」が。

413 名前:カイナ ◆1oWHscADPA :04/01/08 00:55

>>412
花の都パリ。
この街を襲う異形の敵に対しては発足したばかりの独立機動軍にも
出動要請が届いていた。

本拠地であるイタリアを出発し、このパリに到着してから数日後。
ある夜、唐突に奴等は現れた。

パリ市内の公園を借りて野営していた私達はその轟音に目を覚まし出撃した。
通りも市街地も火の海に包まれている。

身体にフィットしたスーツに身を包み女性カイナは機体を急がせる。
彼女とその後方に続く機体は極めて兵器とはかけ離れた外観をしている。

しいて言えば子供番組出てくるヒーローロボットを思わせる外観だ。
だがこれは兵器としてのMSでもなければヒーローロボットでもない。

独立機動軍がデビルガンダム及びルイ−ナ軍に対抗するべく世界中から
かき集めた世界各国のガンダム―――MFである。

そしてカイナともう一機の機体はついにエトワール広場にたどり着く。

414 名前:デビルガンダム軍団 ◆74DEvilpq2 :04/01/08 01:09

>>413
街のあらゆる場所に、膨大な数のデスアーミー達が出現していた。
黄土色の巨体、顔は一つ目、巨人サイクロプスを思わせるこのMS達は手に持った
金棒で次々と目に映るものを破壊していった。
次々と建築物はビームと鉄塊の前に崩れ落ち、人々は悲鳴を上げ逃げ去っていく。

エトワール広場の周囲の路はデスアーミー達がひしめき合い、まるで群成す
悪魔――――レギオンのように見える。

その彼らの目の前に、二機のMFが現れた。
たった二機のMFが。

一斉に広場へとデスアーミーが殺到し、金棒型ビームライフルの先端を向ける。

その姿を腕を組み、ハゲタカのような目でミケロ・チャリオットは見つめ、哂った。
一方チャップマンはその光景を冷たい目でじっと見ていた。

415 名前:カイナ ◆1oWHscADPA :04/01/08 01:25

>>414
通りに出ると黄土色の巨人に蹂躙される街の光景がより一層明らかになる。

「おそかった……畜生!」

巨人の一つ目は神話に登場する巨人サイクロプスを思わせる。
巨人は鉄の棍棒とその棍棒の先から放たれるビームで破壊の限りを尽くしている。

そして―――。
巨人は広場に現れたカイナともう一機のMFを認めると一斉に襲い掛かかってくる。

「いくわよ!」

カイナは叫び自らの愛機「ブリィスカヴィツァ・ガンダム」を走らせジャンプする。

「喰らいなさい!」

刹那、燃え上がる市街地に雷鳴が響き渡ったかと思うと強大な電流が
巨人の群れを直撃する。直撃を食らった巨人―――デスアーミーが四肢を
バラバラにされ吹き飛ばされる。
直撃を免れたデスアーミーも猛烈な電撃に痙攣しもがき苦しむ。

「みたか!ブウィスカヴィツァ(稲妻)の力を!」

416 名前:デビルガンダム軍団 ◆74DEvilpq2 :04/01/08 01:36

>>415
『喰らいなさい!』

轟音と共に襲い来る雷撃。
ブルーコスモスのMFの前にデスアーミーは一撃で破壊され、十何体もの
デスアーミー達が激しい電撃に悶え苦しむ。

『みたか!ブウィスカヴィツァ(稲妻)の力を!』

敵の持つ技の恐ろしさを認識したデスアーミー達は密接すると危険と判断
したのか、互いに距離を空ける。

一機が意を決したかのように走り出し、金棒を振り上げた。
それに続くかのように他のデスアーミーも走り出し、ある者は金棒を振り
回し、またある者はビームライフルを放った。

そして、ネロスガンダムが凱旋門の上から飛び降りた。
ミケロは面白そうに哂いながら拳を鳴らし、敵の動向を見つめる。
そしてジェントルガンダムは――――チャップマンは、無言でロングビーム
ガンを構えた。

417 名前:カイナ ◆1oWHscADPA :04/01/08 01:55

>>416
電撃から逃れたデスアーミーの集団は散開を始めた。
向こうからすればその選択は正しい。ブウィスカヴィツァガンダムの電撃は
敵が密集していれば居るほど威力を高めるのだ。

しばらくは着地したブウィスカヴィツァを遠巻きに見るだけだった
デスアーミー達。だがふいに一機が走り出したかと思うと次々と走り出す。
カイナのブウィスカヴィツァとその後方の”もう一機”を目指して。
その中の数機はビームを放ってくる。

「ふん!はぁ!」

デスアーミーの突撃とビームを軽快に避けるブウィスカヴィツァ。
MFに乗ってからの実戦は初めてだが、これなら行けそうだ。
少なくともデスアーミー相手なら。

だが次の瞬間視界にはいったのは凱旋門の上から飛び降りる
一機の機体――――形からしてMFだ。
さらにもう一機。はっきりとは見えないが何か居る。

――――果たして私達に対処できる相手かしら?

418 名前:デビルガンダム軍団 ◆74DEvilpq2 :04/01/08 22:32

>>417
敵は素早い動きでデスアーミー達の攻撃をことごとくかわし、その群を
駆け抜けていく。
その動きの速さについていけず、全体の何機かはもつれ合いその場で転倒した。
残りのデスアーミーは必死で敵のMFを撃破しようと金棒を振りかざし、
次々と突撃していく。

その様子を見ていたミケロは、フッと鼻で一つ哂った。

「おもしれぇじゃねぇか…!テメェラ!どきやがれェ!!」

ミケロは吼え、ネロスガンダムが脚の一振りと共に混乱するデスアーミーを
破壊し、ブウィスカヴィツァガンダムへと走り寄る。
走り抜けた後には、多くのデスアーミーの残骸が飛び交う。仲間であるはずの
デスアーミーをゴミか何かのように吹き飛ばしていった。

「行くぜぇぇ!!にぃぃじいろのあしぃぃぃ!!!」

宙へとジャンプし、大きく脚を引き必殺「虹色の脚」を放った。
赤、青、緑、七色の無数のビームが雨あられとブウィスカヴィツァガンダム
へと降り注ぐ。

そしてジェントルガンダムは、もう一つの影へと照準を合わせ――――
ロングビームガンの引き金を引いた。

閃光が、闇を切り裂きその体を照らし出す。

419 名前:カイナ ◆1oWHscADPA :04/01/08 23:23

>>418
凱旋門から飛び降りたMF―――イタリアのネロスガンダム!―――は
仲間と思われる黄土色の巨人デスアーミー達を破壊し、
ブウィスカヴィツァガンダムに迫る。

『行くぜぇぇ!!にぃぃじいろのあしぃぃぃ!!!』

操縦者の声―――多分、ミケロだ。―――の叫び声が聞こえた瞬間。
大きく開かれた脚から七色の閃光が放たれた。

「く…うぁ!…うわわわ!」

降り注ぐ七色の光にカイナは対応が追いつかない。最初の数発を避けた時、
脚がもつれバランスを崩した。そこへ直撃する光。

「ぁあああああああああ!!」

――――痛い!冗談にならないぐらい痛い!

このMFの操縦システムは機体のダメージが操縦者に伝わるタイプだと
言う。予想はしていたがこれほどとは。

ブウィスカヴィツァガンダムの動きが停止する。

420 名前:シュゼット ◆1oWHscADPA :04/01/08 23:30

>>418

煌く閃光。
その光に照らされ、ブウィスカヴィツァの後方にいたもう一機の姿が露になる。

額の三日月。
全体的に紅い塗装を施された胴体。
そして腰の部分に装着された巨大な半月刀。

その名はトルコ製MF「オスマンガンダム」

かつての大帝国の名を持つ強力な機体。
その操縦席にスーツに身を包む金髪の少女シュゼットは自らを
狙撃した相手と自らに迫る光を認めると瞬時に走り出す。

421 名前:ミケロ・チャリオット ◆74DEvilpq2 :04/01/08 23:52

>>419
『ぁあああああああああ!!』

ニヤリ。

虹色の脚は敵へ直撃。搭乗者の悲鳴が響く。
ブウィスカヴィツァガンダムはその動きを止めた。

「女…か!女なんぞが、俺に勝てると思ったのかぁ?」

着地すると、敵のMFの側にまで歩み寄り、その体を見下ろした。
その時走り出したもう一つの影を横目でチラリと見る。紅い体躯、
腰には巨大な刀を帯びている。額には、三日月。

――――あっちは、チャンプさんに任せておくか。

「ヒヒヒ…いきなり仕掛けておいて何だが、タッグマッチと洒落込もうじゃねぇかぁ?」

そこまで言うとネロスガンダムは空中へとジャンプし、さらにブースターをふかし上昇する。

「ガァァァンダムファイトォォォォ!!!」

ネロスガンダムの全身に亀裂が走り、その装甲の破片が地上に落下する。
そしてその体を突き破り、巨大な影が姿を現した。
月光を背にしたその姿はまさしく鳥――――天剣絶刀ガンダムヘヴンズソード!

「レェェディィィ!!!!」

422 名前:ジェントル・チャップマン ◆74DEvilpq2 :04/01/08 23:53

>>420
敵はこちらへと向けて走ってくる。
この私の狙撃をかわすとは、対した者だ。
考えを巡らせながら、チャップマンはふと気付いた。

――――まだ、考えるだけの知性は残っていたか。

ふふふ…と自嘲気味に笑いつつ、ジェントルガンダムもまた敵へと
向かい走り出した。

『ガァァァンダムファイトォォォォ!!!』

奴はもう本性を現したか――――だが、私が姿を現すのはまだ早い。
かつて三連覇した時以上の力を得た、あの姿は。

「ウォォォォォオオオオ!!!!」

敵へ向かいビームガンを振り上げ、振り下ろす。銃底で殴りかかった。

423 名前:カイナ ◆1oWHscADPA :04/01/09 00:15

>>421
『女…か!女なんぞが、俺に勝てると思ったのかぁ?』
倒れこんだカイナのブウィスカヴィツァガンダムを見下ろし操縦者の男―――ミケロチャリオットは
自身に満ちた顔で言う。

――――クソ!女だからってなめんじゃないわよ…!

その時カイナの目に後方から走り出す僚機「オスマンガンダム」の姿が目に
入った。その向かう先にはネロスガンダムとは別のMFの姿。

あっちはシュゼットに任せて――――。

『ヒヒヒ…いきなり仕掛けておいて何だが、タッグマッチと洒落込もうじゃねぇかぁ?』

どうやら敵も同じような事を考えていたらしい。
ネロスガンダムはジャンプしさらにブースターにより急上昇した。

『ガァァァンダムファイトォォォォ!!!』

次の瞬間ネロスガンダムの機体に亀裂が走り装甲の破片の中に一機の巨大な
影が現れた。月の光を背にするその姿は怪鳥そのものだった。

「こいつがトウヤの言ってた”変身”ってわけ!?」

『レェェディィィ!!!!』

咄嗟にカイナも叫ぶ。同じガンダム乗りとして。

「ゴォォォオオオオオオオオ!!」

424 名前:シュゼット ◆1oWHscADPA :04/01/09 00:23

>>422
なんとか避けられたようだな。
あの狙撃は極めて正確だった。もしオスマンガンダムのダッシュ力が無ければ
命中していたかもしれないと思うほどに。

敵のMF―――イングランド代表のジェントルガンダム―――の猛烈な突進が
目に入る。どうやらこちらのダッシュに呼応したようだ。

ならば―――――受けて立つまで!

敵はオスマンガンダム目掛け持っていたビームガンの銃底で殴ると言う乱暴な
戦術にでた。

「紳士とは思えない戦いかただな」

ちょっとした皮肉をいう傍らシュゼットも迎撃する。
腰に装着された巨大な半月刀「オスマンシュミッター」を腕に持ち、
振り下ろされた銃底を受け止める。

ガキィイン!

金属と金属のぶつかり合う音が炎上する市街地にこだまする…!

425 名前:ミケロ・チャリオット ◆74DEvilpq2 :04/01/09 00:50

>>423
『ゴォォォオオオオオオオオ!!』

俺の声に、女の乗った機体は答えた。
やっぱりコイツがなくっちゃなぁ!

少しの間地上の敵を見下ろしながら、空中を旋回する。
風が心地よい音を立てていた。
そして――――

「イィィヤッハァァァァ!!!!」

敵へと空中から突撃する。翼から衝撃波を生み出しながら、
頭を下にし急降下。
音の壁をすぐに突き破り、周囲に爆音が響き渡った。

そして――――突如として姿勢を変え、その巨大な爪でブウィスカヴィツァ
ガンダムに掴みかかった。
黄金に輝く爪が、その体へと迫る。

426 名前:ジェントル・チャップマン ◆74DEvilpq2 :04/01/09 00:51

>>424
私の振り下ろした銃は、敵のガンダムの剣に受け止められた。
金属のぶつかり合う音が周囲に木霊し、力と力が拮抗する。

『紳士とは思えない戦いかただな』

最もな意見だが――――五月蠅い。今やそのようなものを
持ち合わせないこの体。精神ですら、それを持つかどうか。
ただただこの声が――――五月蠅い。

ジョンブルガンダムのカメラアイが真っ赤に染まり、ビームガンを持つ手に
力を込める。

「フン!…ウォォォォオオオオオ!!」

そのまま力で押していく。力だけならハッキリ言って遥かに上。
負ける要素など――――無い!

「ふふふふふ…ハハハハハハ…死ィねェッ!!!」

至近距離で頭部バルカン砲を放った。蜂の巣になるが良い!

427 名前:カイナ ◆1oWHscADPA :04/01/09 01:11

>>425
空に舞い上がった敵の機体はしばらく上空を旋回する。
その目にカイナのブウィスカヴィツァガンダムを捕らえながら。

そして――――

『イィィヤッハァァァァ!!!!』

敵は急降下に移った。恐るべき速度で。
音速の壁を超えたのか、市街地に爆音が響き渡る。
発生した衝撃波は炎上する炎を煽り立てる。

敵が唐突に姿勢を変えた。
その巨大な爪をカイナの機体に向け突っ込んでくる。

「クソ…この!」

カイナは逃げずに前に出た。迫り来る黄金の爪。

グワシ!

「ぬぅううああああ!!」

爪に掴まれた体の部分に激痛が走る。
だが激痛に悶えながらもカイナは叫んだ。

「全力放電!はぁああああああ!!」

叫びの後、ブウィスカヴィツァガンダムの全身から文字通り
”放電”始まった。それは電気ナマズが発するがの如く敵を襲う激烈な電撃となる。

428 名前:シュゼット ◆1oWHscADPA :04/01/09 01:18

>>427
シュゼットの皮肉に対する回答はさらなる力押しと、頭部バルカンだった。
どうやらかつての紳士の面影はもう、どこにもないようだ。

――――倒さなければならないのか?

凛とした印象を持つシュゼットの顔に微かながらの哀れみの感情が現れる。
だが今は―――

さらなる力押しに対し、シュゼットはいきなりオスマンシュミッターに
込めた力を抜いた。
相手が僅かな隙を生んだ時、シュゼットは横に跳んだ。
その後をバルカンの弾丸が地面を建物を抉りながら追いかけてくる。

「おかえしはさせてもらうぞ」

シュゼットは相手の攻撃が一段落するのを見て同じように頭部バルカンを
放つ。

429 名前:mi:04/01/09 01:57

>>427
ブウィスカヴィツァガンダムは逃げることもせず、逆に進んできて
ヘヴンズソードの爪に掴まった。敵の体に、深く爪が食い込む。

『ぬぅううああああ!!』

「どうしたどうしたぁぁぁ!!!」

さらにトドメを刺すべく脚の力を強める…と、

『全力放電!はぁああああああ!!』

何ッ!?
閃光と共に稲妻が走り、ヘヴンズソードのボディを駆け抜けた。
全身が電撃に嘗め尽くされ、焼かれる苦痛。

「ぎゃあああぁぁぁあ!!こぉぉぉんのやろぉぉぉぉおお!!」

急いで敵から爪を離すものの、そこから後ろへと倒れ込んだ。土煙を上げ、
地面を転がる。ミケロはしばらく目を閉じ、そしてカッ!と目を見開いた。

「ブぅチころぉぉぉぉぉおおすッ!!!」

鳥形態のアタックモードからMF形態のスタンディングモードへと変形。
瞬時に立ち上がり、その手をブウィスカヴィツァガンダムの顔面へと
伸ばした。アイアンクローを仕掛けるべく。

430 名前:ミケロ・チャリオット ◆74DEvilpq2 :04/01/09 01:58

(すまねェ、↑は俺だ)

431 名前:ジェントル・チャップマン ◆74DEvilpq2 :04/01/09 01:58

>>428
唐突に、敵が力を抜いた。
私は姿勢を崩し、おもわずよろける。その隙に敵のガンダムは横へ跳び、弾丸をかわしていた。
その動きを追い頭部を動かすものの、素早い敵に当ることは無い。

カチッ。カチッ。

「チィィッ!」

弾切れ。これで武器が一つ減ってしまった。敵もこちらの攻撃が
一段落したのを見てバルカンを狙い、その放たれた弾丸を、両腕を盾にして耐える。

――――もうそろそろ、頃合か。

ジョンブルガンダムはオスマンガンダムに背を向け、凱旋門の下へと弾丸から
逃げるかのように入っていく。

そして変化は起こった。
黒い霧が凱旋門の周囲に漂い、ジョンブルガンダムの全身にネロスガンダムと
同じように亀裂が走る。――――影が現れた。

ゴゴゴゴゴ…。

凱旋門の中心に巨大なヒビが入ったかと思うと、そのまま左右に裂けていく。
その中心から、凄まじい巨体が姿を現した。
通常のMFの二倍以上はあろうかという巨体。四門の砲を両肩に備え、背部には
長大な槍のような角を持つ。
そして、手と足に備えた、巨大な蹄。

「ウォォォオォォォオオオオオオオオオ!!!!!」

獅王争覇――――――――グランドガンダム!

432 名前:カイナ ◆1oWHscADPA :04/01/09 23:24

>>429
『ぎゃあああぁぁぁあ!!こぉぉぉんのやろぉぉぉぉおお!!』

無線を通してミケロの悲鳴がうるさいぐらい聞こえてくる。
どうやらかなりのダメージを与える事が出来たらしい。
敵はブウィスカヴィツァガンダムを掴んでいた爪を突然離した。

「ああっ!」

ブウィスカヴィツァガンダムはそのまま地面に転がる。
早く立ち上がらなければ!

「ク…!」

なんとか立ち上がろうとしのブウィスカヴィツァガンダムに
先ほどの鳥が変形した物と思われる機体の腕が迫る。
どうやら怒り心頭らしい。

「っ痛ぅ!」

カイナは咄嗟に右腕を上げアイアンクローをガードする。
だがやはり痛い。クローが刺さっているらしい。ジンジン右腕が痛む。

「…っこの!」

カイナは腕にささったクローを引き抜き、相手のMFに蹴りを放った。
狙うは胴体。

433 名前:シュゼット ◆1oWHscADPA :04/01/09 23:35

>>432
シュゼットのオスマンガンダムのバルカン砲弾を両腕で防御するジョンブルガンダム。
しかし唐突に背を向け凱旋門の下に入って行く。

「―――――!」

その瞬間凱旋門が左右に裂けた。そのまま左右に分かれてゆく。

「なんの冗談だ?」
シュゼットは苦笑いを浮かべる。
こいつもあの鳥と同じような機能を持っているのだろうか。

――――変身という奴を。

そしてそいつは現れた。オスマンガンダムの二倍はあろうかという巨体。
その巨体の背負う四門の巨砲。そして背部の角。
太い手足の巨大な蹄。

正に獅子と呼ぶに相応しい姿が。オスマンガンダムとシュゼットの前に
君臨する。

チャップマンの咆哮はそれを一層際だたせる。
それを見たシュゼットは苦笑いを浮かべたまま言う。

「もう…紳士ではないのだな…なくしてしまったのだな…」 

434 名前:ミケロ・チャリオット ◆74DEvilpq2 :04/01/10 00:02

>>429
ヘヴンズソードが敵の頭を掴むべく伸ばした鉄爪は、咄嗟にそれを
防いだ敵の右腕に食い込み、その動きを止める。
チッ、どこまでもこの俺に逆らうかァ!

『…っこの!』

ヘヴンズソードの爪を引き抜いた敵は、こちらの胴体へと蹴りを放つ。
真っ直ぐ向かってきた蹴りが、白いボディに叩き込まれる。
――――が。

「テェンメェ、嘗めてるのかぁ?…蹴りは俺の十八番だァァ!!」

その胴体で蹴りを受け止めたヘヴンズソードは、両手でがっしと脚を
掴んだ。電撃などはともかく、密接しての肉弾戦ではただのMFでは四天王
相手には分が悪い。
敵より一回りほど大きなガンダムのパワーも、また敵より大きかった。
そのままブウィスカヴィツァガンダムを投げ飛ばそうとする。

自らの領地たる、天へと向かって。

435 名前:ジェントル・チャップマン ◆74DEvilpq2 :04/01/10 00:03

>>430
圧倒的な巨体。

見ただけでその体躯より生み出されるパワーを推測するのは容易く、その
装甲は強靭なものに違いない。
炎に照らされたその姿に、ある者は魔王を連想し、ある者は悪魔を見る。
大きすぎる体の小さな頭部、影となったそれに光る二つの目が、恐怖を
煽り立てる。

そしてそれはゆっくりと歩き出した。

もっともそれはゆっくりなどという悠長な言葉を使えるものではない。巨体な
だけにその歩幅も大きく、見た目よりも移動速度は遥かに速い。

石畳に亀裂を走らせ、砂煙を上げながらそれは走る。

目の前の獲物を狩るべく。目の前の敵を叩き潰すべく。

グランドガンダムは右腕を振り上げ、振り下ろした。

436 名前:カイナ ◆1oWHscADPA :04/01/10 00:21

>>434
蹴りが命中したのはよかったが。ブウィスカヴィツァガンダム片足は
敵のMFの両腕に捕まった。

「く…ぬぅうう!この…離せ!」

物凄いパワーだった。通常のMFでは考えられない程に。
敵はそのまま大きく振りかぶった。
恐らく投げ飛ばす気だ。空中に。
だがこのパワーの前ではどうしようもなかった。

「うぁああああああ!!」

次の瞬間ブウィスカヴィツァガンダムは宙に舞い上げられた。


437 名前:シュゼット ◆1oWHscADPA :04/01/10 00:29


シュゼットの独り言は獅子の突撃にかき消された。
普通。このぐらいの巨体を持つ機体であれば動きは鈍重と
誰もが思うだろう。

だがこの獅子は違う。
一歩一歩の歩幅が極めて大きく、そのため移動速度が
尋常でなく早い。

地面に亀裂を走らせ、砂埃を巻き上げながら突撃するその
姿は正に獲物に向かう獅子そのもの。

鋼の巨腕がシュゼットの視界一杯に広がる。

「――――フ!ダッシュ!」

シュゼットの叫びと共にオスマンガンダムは”ダッシュ”する。
小さな砂埃を上げ、滑るように地面を移動する。
獅子の鋼の一撃が何もない場所を無意味に破壊する。

オスマンガンダムはさらにダッシュし。敵の懐に潜り込む。
巨大な半月刀を抜き出し叫ぶ。

「オスマンシュミッター!」

438 名前:ミケロ・チャリオット ◆74DEvilpq2 :04/01/10 00:57

>>436
『うぁああああああ!!』

俺は敵を投げ飛ばすと、機体を変形させた。
空中でアイツはじたばたしている。直ぐにでも地上へと落ちてくるだろう。

――――だが。

「そォォんな勿体無いことするかよォ!!」

大きく翼を羽ばたき、敵へと接近する。空気を切り裂き、爪を光らせながら。
衝突コースを超音速で。

そして、その「下」を通り抜けた。体当たりでもすれば、確実に仕留められるのに。
だが正面から当たらなかった。理由は簡単。

その翼から生み出された衝撃波と突風が、上方向へ向け大きな力を
生み出す。相手のMFはそれを受け、さらに浮かび上がるという寸法だ。

獲物を――――タダでは地上に帰らせねェ。

439 名前:ジェントル・チャップマン ◆74DEvilpq2 :04/01/10 00:58

>>437
「ウォォォォォオオオオオ!!」

大声で叫びながら振り下ろした腕は、あっさりとかわされる。
巨大な鉄の腕は、道路を抉るに留まった。
敵は攻撃の当る寸前信じられないほどの速度で動き、こちらの
懐へと潜り込んできた。
――――まずい、そこまで接近されると動きづらい。

『オスマンシュミッター!』

敵は声と共に剣を抜き、グランドガンダムへと切りかかる。
だが――――――――グランドガンダムの装甲は、通常のMFのそれとは
比較になどならない。

耳障りな金属と金属のぶつかる音が周囲に響き、剣と鎧に火花が散る。

「オォォォォオオオオォォォッ!!!!」

四門の砲から、マニュピレーターがそれぞれ現れた。轟音と共に、触手の先端に
付いたそれが射出される。
四つの拳による攻撃、グランドボンバー。
――――高速の鉄拳が、オスマンガンダムに迫る。

440 名前:カイナ ◆1oWHscADPA :04/01/10 01:40


空中に投げ飛ばされたブウィスカヴィツァガンダムのコクピットの中
カイナはもがいていた。

恐らくすぐにでも地上に落ちるだろう。何とかして着地体制を
取らなければ!

だが次に視界に入ったのは大きく翼を広げブウィスカヴィツァガンダム目掛け
突っ込んでくる敵の姿だった。猛烈な速度で迫る敵MF。

―――――やられる!

思わず目を瞑るカイナ。だが予想していた痛みはこなかった。
目を開けると先ほどよりさらに高度があがっている。

どうやらただで落としてはくれないようだ…だが!

…なめた事してくれるじゃない…!

カイナは身構えた。丁度敵目掛け腕を向けるような形に。

「ライトニング!」

次の瞬間先刻、デスアーミーを吹き飛ばした稲妻が
ブウィスカヴィツァガンダムの腕から放たれた。
稲妻が迸る。

441 名前:カイナ ◆1oWHscADPA :04/01/10 01:41

(>>440は>>438へのレス)

442 名前:シュゼット ◆1oWHscADPA :04/01/10 01:48

>>439
「やはりか!」

あっさりとオスマンシュミッターを弾いた獅子の装甲に驚きの声をあげるシュゼット。

『オォォォォオオオオォォォッ!!!!』

咆哮と共に敵の反撃が始まった。まるで微弱な抵抗を行う動物に
良かった獣のように。
身体に背負う四門の砲からそれぞれ不気味な触手が現れた。
轟音と共に、触手の先端に付いた物体が射出される。
その物体とは高速ではじき出される高速の”拳”だった。

オスマンガンダムはダッシュし、襲い来る鉄拳を避ける。
一個目、二個目と避けるたびに傍らを空気を切り裂く音と共に拳が通過する。

「・・・・が!」

だが3個め目を避けた直後シュゼットの腹部を鈍痛が襲った。
喰らったのだ。避け切れなかった。

オスマンガンダムは一瞬ふらついたがそれでもまだ立ち続ける。


443 名前:ミケロ・チャリオット ◆74DEvilpq2 :04/01/11 00:07

>>440
敵は突風に煽られ、さらに高度を上げる。
このまま甚振り続けてやるよ――――ミケロは敵へと接近する。

『ライトニング!』

敵はこちらへと腕を向け、雷を放った。空気を灼き
迫る稲妻に、ヘヴンズソードはその翼を盾とした。

「こぉぉのヤロォォォォオオオ!!!」

稲妻に体を痺れさせながらも、ミケロはなお敵への殺意を
強くした。いや、むしろ殺意は増している。

翼を羽ばたかせ、素早く敵の下へと回る。落ちてくる敵に、
身の程を知らせてやるために。

バチッ!

ヘヴンズソードの翼に、電撃が走った。そして――――!

「喰ゥウらえやぁぁぁぁァァァ!!!」

敵を向き、翼を振る。翼から生み出された突風―へヴンズトルネード―
は、翼に纏った雷と共にブウィスカヴィツァガンダムに襲い掛かった。

444 名前:ジェントル・チャップマン ◆74DEvilpq2 :04/01/11 00:08

>>442
目の前の獲物は、ひ弱で、小さく、いまにも壊れてしまいそうである。

グランドガンダムの放った四つの鉄拳の内一つは小さな目標の腹部に
食い込み、その体に多大なダメージをもたらしただろう。
現に敵は一瞬ながらもふらついた。このまま倒れるだろ…

倒れない。敵はまだ立ち続けている。
その敵の姿に、チャップマンはかつての自分を重ね合わせていた。
多くの戦いを経験し、三連覇したあのころを。その栄光から担ぎ出され、
なお国のため闘ったあのころを。

「ウウウウ…ウォォォォオオオオオオオ!!!」

手を地に付け、蹄を大地に突き立てる。そして砲の拳を収納し、
顔は敵を向いた。スタンディングモードから、四足獣の姿をした
アタックモードへの変形。

いまや自分は獣、デビルガンダムの僕!人では無い!獣なのだ!!

四つの砲の照準を敵に併せ、一斉に放つ。
グランドキャノンで、滅べ、焼けろ、潰れろ、

「ウォォォオオオ!!…私の前から消え去れェェェェェ!!!!」

445 名前:カイナ ◆1oWHscADPA :04/01/11 00:26

>>443
「げ!」
敵の行動にカイナは叫んだ。
敵はブウィスカヴィツァガンダムの放った稲妻をその大きな翼でガードした。

『こぉぉのヤロォォォォオオオ!!!』

無線機を通してミケロの怒りの叫びが聞こえる。
まずい。余計に怒らせただけってか?!
敵はブウィスカヴィツァガンダムの下に回りこむ。
回り込む敵の翼に一瞬。電撃が走るのが見えた。

――――まさか!?

敵が激しく翼を振り突風を生み出す。それはすぐに突風を越えるもの―――竜巻へと
変化する。稲妻の竜巻を纏う敵が迫る。そして―――――

「うぁあああああああああああああああ!!!」

衝撃と共にカイナの全身を激痛と猛烈な電撃が襲う。
攻撃をもろに受けたブウィスカヴィツァガンダムは死んだように
そのまま地面へと落下してゆく。

446 名前:シュゼット ◆1oWHscADPA :04/01/11 00:40

>>444
腹部の鈍痛はまだ続いていた。
敵は途轍もなく強大だった。立ちはだかるその姿は正に魔王の如く。

――――だが。

シュゼットは敵を睨む。負けるわけには行かない。
なおも戦う意思を失わないシュゼットとオスマンガンダムに
敵は何を抱いたのかは判らない。

突然咆哮を上げ。砲弾の拳を収納し、四本足の
先ほどに比べれば幾分身軽そうな形態へ変化する。

―――その姿に何か悲しいものを感じるのは気のせいだろうか。

そして敵は狂ったように四門の砲をオスマンガンダムに向ける。
四門の砲に爆煙が迸る一瞬前に再び、オスマンガンダムはダッシュする。

「はぁああああああ!!」

再び敵目掛け突撃する。勢いに任せ叫ぶ。

「オスマン!フラァァアァアアアアアアアアアッシュ!!」

眩い閃光がシュミッターを包み込む。
光りに包まれたシュミッターは振り下ろされる凄まじい熱の剣と化す…!


447 名前:ミケロ・チャリオット ◆74DEvilpq2 :04/01/11 01:05

>>445
天剣の翼から放たれた風雷は、雷を貫き、その身を地へと墜とす。

ヘヴンズソードのヘヴンズトルネードは、電撃と共にブウィスカヴィツァ
ガンダムを直撃。大きなダメージを与え、機体を地へと落とした。
ブウィスカヴィツァガンダムは地へと臥した。

「ヘヘッ、まぁまぁ楽しめたほうだなぁ?」

機体をMA形態からMF形態へと変形させ、空中から動かない
敵を見下ろす。まぁそこそこ頑張ったほうだろう。拍手を
送ってやってもいい。

「それじゃあ、サヨナラだなぁぁ!!!」

ガンダムヘヴンズソードの右脚が、銀色に光り輝く。
最強、最高の必殺技を放つために。

「ハイッパァァー、ぎぃんいろのォ…何ッ!?」

その時、強い光を見たミケロはその動きをとめ、その方向へ首を向ける。
そこではグランドガンダムに切りかかる、先程の機体の姿があった。

448 名前:ジェントル・チャップマン ◆74DEvilpq2 :04/01/11 01:06

>>446
敵は向かってくる。
砲弾の雨をすり抜け、私を打倒するために。

『はぁああああああ!!』

気迫の篭った声、勝利への信念の声が聞こえる。
――――速い!追いつけるのか!?追いつけない!
――――ならばァ!!

『オスマン!フラァァアァアアアアアアアアアッシュ!!』

閃光に包まれた剣が、灼熱の刃が振り下ろされる。
いかな獅王争覇とて、胴体に喰らえば。

「ウオオオオオオオォォォォオオオオオオ!!!」

ドゥン!!

咄嗟に右腕を振り上げ、正面から激突させる。
グランドガンダムの腕は音を立て、左右に裂けていく。
凄まじい激痛が、腕が裂ける激痛が襲うが、この程度の敵に!

「死ぃぃぃぃぃぃぃねぇぇぇぇぇぇ!!!!」

背部の角、グランドホーンの一本を敵の体へと向け伸ばす。
電撃を帯びた槍が、オスマンガンダムに襲い掛かる。

449 名前:カイナ ◆1oWHscADPA :04/01/11 16:10

>>447-448

地面に落ちた衝撃でさらに強烈な痛みがカイナの身体を襲う。
それは電撃と竜巻により受けたダメージと重なり、カイナの意識が一瞬遠のく。

ぼやけた視界の中、敵が空中に舞い上がる。

『それじゃあ、サヨナラだなぁぁ!!!』

ミケロの勝ち誇った声が聞こえる。
くそ…ここまでなの…?

輝く敵の右足を睨みながらカイナは思う。
だが、予想していた留めはこなかった。敵はどうやら別の方向に注目しているようだった。
その方向を見やると、上空のMFの脚とは異なる強い光が見える。

輝く刃がもう一体の敵の腕を切り裂いていた。

―――――オスマンガンダム!シュゼットなの!?

まだ彼女は戦っている。まだ負けてない。
それを見たカイナは再び闘志を奮い立たせる。

部隊一タフな女と呼ばれた私が。こんな所で這い蹲ってどするのよ!
それはシュゼットへのライバル意識もあったのかもしれない。
採用試験の時、自分と同じく優秀な成績でMFのパイロットに合格
した彼女への。

闘志を抱く稲妻は再び立ち上がる。
稲妻は背中に背負う、杖をかざしていた。

450 名前:シュゼット ◆1oWHscADPA :04/01/11 16:20

>>448
初めての有効な打撃だった。
光りと熱の刃は獅子の腕を左右に引き裂き、その機能を確実に奪い取った。

狙った胴体への攻撃は成らなかったがそれでも有効なダメージである事には
かわりないだろう。

巨大な獅子もそれでも戦意を失わない。

『死ぃぃぃぃぃぃぃねぇぇぇぇぇぇ!!!!』

主の叫びと共に迫る、電撃の槍。
それを認めるシュゼットは一瞬だけ同僚であり、ライバル意識を持つカイナの
事を考えたが、すぐに全神経を目の前の”槍”に集中する。

槍はすぐ目の前にまで迫っていた。間に合うか。

「ぬぁあああああ!!」

ダッシュするオスマンガンダム。迫る槍。
刹那―――――


バキィッ!


鈍い音と共にわき腹を痺れを伴う鋭い痛みが襲う。
文字通り槍にさされたような痛み。

だが、直撃は避けた。

451 名前:ミケロ・チャリオット ◆74DEvilpq2 :04/01/11 17:11

>>449-450
馬鹿な――――最初に頭に浮かんだ言葉はそれだった。
四天王が、グランドガンダムがその腕に大きなダメージを負っている
事実は、ミケロに少なからず動揺を与えた。

シャッフルならともかく、こんな三下にィ!?

チッと一つ下を打ち、ミケロは眼下の敵を見た。
しぶとく敵は立ち上がり、杖をかざし、それを天高く掲げていた。
見ただけでその闘志は伝わってくる。
恐らくは、次に来るのは全身全霊をかけた一撃。

「だぁが!!おっそぉぉぉおおおい!!」

一気に機体を上昇させ、小さくなった敵を見る。
テメェにこれが受け止められるかぁ?

「ハイッパァー!銀色の脚!!スッペシャァァァァゥルッ!!!」

右脚が再び銀色の輝きに包まれ、それを突き出し敵へと一直線に迫る。
これがハイパー銀色の脚スペシャル!

452 名前:ジェントル・チャップマン ◆74DEvilpq2 :04/01/11 17:13

>>450
――――避けられた!
敵を仕留めるべく放ったグランドホーンはその胴体を貫かず、わき腹を
抉るに留まった。

これをかわすとは…だが、これ以上の接近を許すものかッ!


「オオオオオォォォォォッ!!」


右腕を横薙ぎに敵に振りつつ、四つの砲門を敵に向けた。
更には角同士の間に電撃が走らせる。

裂けた腕の断面からは、触手が伸びそれぞれ絡み合い
引き合う。右腕の裂けた面はゆっくりと癒合していった。

自己再生能力――――DG三大理論の一つである。

453 名前:カイナ ◆1oWHscADPA :04/01/11 17:28

>>451-452
その杖は先が二つに裂けた槍のような形状をしていた。
杖を掲げるブウィスカヴィツァガンダムガンダムからは只ならぬオーラを
発していた。

カイナの目は先ほどよりも一層強固な闘志を秘めた一種獣を思わせる瞳をしている。

敵も気づいたようだ。
恐らく、次の一撃で決着を付けるつもりだろう。
気迫からそう読み取れる。

『だぁが!!おっそぉぉぉおおおい!!』

敵の方が早かった。
こちらももう少しだと言うのに。
お願いだ。間に合え。

敵の右脚が再び銀色に輝く。

―――――来る!

『ハイッパァー!銀色の脚!!スッペシャァァァァゥルッ!!!』

カイナの視線一杯に広がる銀色の閃光。
それを認め叫ぶ。

「ボォォォォォォルゥテェックスレェェェエイブゥゥゥウ!!」

叫びと共に目の前にかざした杖が、これまでとは比べ物にならない巨大な”落雷”が
閃光と共にカイナのブウィスカヴィツァガンダムを、上空の敵を、シュゼットのオスマン
ガンダムを、そしてそれと戦う再生途上の敵を飲み込む。


耳をつんざく大轟音と共に巨大な土砂が吹き上がる。
巻き上げられた土砂と共に発生した凄まじい衝撃波が四体のMFをそれぞれ
打ちのめし周囲の建物をなぎ倒す。

454 名前:シュゼット ◆1oWHscADPA :04/01/11 17:35


>>452-453

まずい。敵はダメージを回復している。
こんなMFは聞いたこともなければみた事もない。

敵はさらに四つの砲をこちらに向け、残っている角同士にも電撃を走らせる。
こちらのダメージに気づいているのだ。

その時、突然大轟音があたりを支配し、その直後猛烈な衝撃波が
二機を襲った。

「何!」

確認する間もなく衝撃波に飛ばされるシュゼットとオスマンガンダム。
猛烈な土煙は彼女と機体の姿を隠すのに充分な役割を演じた。

チャンスだ。
悔しいがこれ以上の交戦は無理だ。機体も身体も持ちそうにない。

シュゼットはオスマンガンダムをダッシュさせた。
土煙に紛れ逃走する。カイナの事が心残りだがすぐに考えを打ち切った。
あのタフな女だ。そう簡単に死にはしないだろう。

(シュゼット。逃走。)

455 名前:ミケロ・チャリオット ◆74DEvilpq2 :04/01/11 18:07

>>453
ハイパー銀色の脚スペシャル――DG細胞の力を手に入れた
ことにより会得したミケロ最強の必殺技――は敵を葬る寸前、天からの
雷により阻まれた。

雷の威力は凄まじく、ヘヴンズソードの体を貫き、その身を火に包んだ。
全身という全身の細胞が、焼き尽くされる感覚。


「ギィヤァァァアアアア!!!」


そのままの勢いで地面に突っ込んだヘヴンズソードは衝撃波も手伝ってか
大きく滑り、近くの瓦礫の山に衝突して止まった。

「殺す…ころぉ…ス…」

何とか立ち上がろうとするもののそのまま力尽きる。
ミケロの意思は暗転した。

ガンダムヘヴンズソードの装甲が灰となり、内部から
傷ついたネロスガンダムの体が現れた…。

456 名前:ジェントル・チャップマン ◆74DEvilpq2 :04/01/11 18:08

>>453-454
私の行動は、閃光、轟音、衝撃波の前に阻まれた。腕を組み衝撃波に耐えながら
敵の姿を探るが、周囲を猛烈な粉塵が包み込み、目標を見失ってしまった。

――――どこだぁ!
出鱈目に砲を撃ち続けるが、どうやら敵はこの土煙に紛れて逃亡したようだ。
そのことを理解すると、砲を撃つのを止め、機体を止めた。

まさかこの私が敵を逃がすとは…かつて三連覇したこの私が、軍属の
アマチュアファイター如きを。
いや…想像以上に敵が強かったということか。

グランドガンダムの全身から黒煙が噴出し、その体躯を包み込む。
そしてその姿は、ジョンブルガンダムへと戻った。
――――しばらくすると、僅かながら周囲が見渡せる程度に視界が回復した。
瓦礫に突っ込み、動かないネロスガンダムの姿も見える。

「…フン」

その体を担ぎ上げ、周囲を探る。そして目の端に力を使い果たし、その場に
うずくまった敵の姿が見えた。
敵は杖を地面につき、一向に動こうとしない。

その頭部へと、ライフルを向けた。今引き金を引けば、確実に仕留められる。
――――だが、チャップマンは引き金を引かなかった。


心の奥底にある戦士としてのプライドが、それを許さなかった。
ライフルを持つ右腕には、赤いラインが走っていた。名誉の傷が。


ジョンブルガンダムは踵を返し、急に現れた霧の中へと消えていく。
そしてデスアーミーの残骸を、触手が地中へと引きずりこみ、

――――後には壊滅した街と一人の戦士だけが残った。
(DG軍団、撤退)

457 名前:まとめ ◆1oWHscADPA :04/01/11 22:43

導入部
>>412-414

場所:ヨーロッパ。フランス。パリ市街地。
>>415-456

              サブタイトル
             「花の都の攻防」

                        完 

458 名前:BC軍 ◆1oWHscADPA :04/01/12 15:08


(>>380の続き。)
アジア。日本国。関東地方付近。

市街地を好きなように蹂躙する。ルイ―ナ軍のベルグランデ達の群れ。
その快進撃に強制的にブレーキを掛けられたのはその瞬間だった。

物体が空気を切り裂く音が暫く続いたかと思うと、巨大な砲弾―――150mmガンランチャー
から放たれた150mm砲弾―――がベルグランテ達の集団のど真ん中に着弾した。

轟音と共に土砂や瓦礫が巻き上がり、着弾地点付近に居た数機のベルグランテ
を木っ端微塵に粉砕する。
着弾地点から離れていたベルグランテ達にも衝撃波と瓦礫、味方の破片が降り注ぎ
行動不能になる機体が続出した。

災難はそれだけでは終わらなかった。

巨大な砲弾を放った張本人。バスターガンダムは胸部の220mmのミサイルポッドを
開閉させる。殆ど間をおかずに開かれたミサイルポッドから無数の白煙が伸びた。

白煙は広範囲に伸び、ベルグランテの集団を襲う。
先ほどの砲弾以上の惨禍がベルグランテ達に襲い掛かる。
無数のミサイルは慌てて散開しようとしたベルグランテの一団に満遍なく命中し
ある者はバラバラに砕け、ある者は身体の一部を損傷し動かなくなった。

459 名前:BC軍 ◆1oWHscADPA :04/01/12 15:24


(>>458の続き。)
アジア。日本国。関東地方付近。

だが、各地を蹂躙し続けるこれらの集団に対する報復はまだ終わらない。
バスターガンダムの遠距離攻撃が一段落する間もなく、3機の機体が
ベルグランテの集団に突っ込んでくる。

一機はスマートでまとまった印象を持つデュエルガンダム。
もう一機はその姿からは生を感じさせないソードストライクガンダム・ブルーコスモス仕様。
そして姿こそ見えない物の、そこに居るブリッツガンダム。

二機はそれぞれの手に持つ武器でベルグランテに斬りかかかる。

ビームサーベルを引き抜いたデュエルガンダムがベルグランテを真っ二つに切り裂く。
新たなる敵の出現に戸惑い、生まれた一瞬の隙をついた奇襲は成功したのだ。

ソードストライクガンダムの巨大な対艦刀。シュベルトゲーベルがまとまっていた
3機のベルグランテを同時に切り裂く。その破壊力はビームサーベルの数倍である。

ブリッツガンダムは二機に遅れつつも三本の熊手のような武器、グレイプニールを
放ち、混乱から立ち直ろうとするベルグランテをかく乱する。

そして手をこまねいていた、ストライク・ダガー、ジム、リーオー、リニアガンタンク
などの量産MSや通常兵器もようやく反撃に転じる。


ルイ―ナの前線が押し戻され始めていた。

460 名前:コズモレンジャーJ9 ◆zxRU2PNQg6 :04/01/13 09:39

〜アステロイドベルト・ウェストゾーンJ区9番地〜

「はーい、J9に新しい依頼でゲスよ」
片眼鏡の商人、パンチョ=ポンチョがJ9基地にやってきた。

「内容は」
真っ先に振り向いたのは長髪の男、アイザック・ゴドノフ。通称“かみそりアイザック”。
「そうそう。依頼内容を知らなきゃ、動くに動けないぜ?」
椅子に腰掛け、愛用の銃を磨いている木戸丈太郎、通称“ブラスター・キッド”が応じる。
「チョメ!依頼した人の気持ちも考えなきゃダメよ、キッド」
制した女はマチコ・ヴァレンシア。通称“エンジェルお町”だ。

「えーとでゲスね、ブルーコスモスという集団の、一人の兵隊さんからでゲス。
 何でも、ルイーナとかいう軍団の奇襲でお仲間を失ったそうで、その敵討ちだそうでゲス」
「ポンチョ。わかっているとは思うが、我々の人助けはビジネスだ」
アイザックが、切れ長の目を細める。
「ええ、そりゃあもちろん。報酬は570万ボールでゲス」
「承った。行くぞ、キッド、お町」
「イェイ!」
キッドとお町が親指を立てて応じ、三人は格納庫に向かう。
格納庫には一台の自動車と、それを整備するベースボールキャップにそばかすが印象的な男。
「ボウィー、ブライサンダーはいけるか」
「任せとけって!俺のかわいい子猫ちゃんはいつでも全開よ!」
スティーブン・ボウィー。通称“飛ばし屋ボウィー”である。
「J9、出動だ」
「イェーイ!」
四人はブライサンダーに乗り込み、宇宙空間に飛び出す。
「ブライ・シンクロン・アルファ!」
ボウィーがハンドル脇、ウルフのマークの入ったスイッチを入れると、
変形と同時に機体が一回り巨大化、宇宙航行形態、ブライスターに変形完了。
「さ、地球までひとっ飛びと行こうぜ、子猫ちゃん!」


461 名前:コズモレンジャーJ9 ◆zxRU2PNQg6 :04/01/14 12:30

>>459

地球に降り立ったブライスターは、まっすぐにアジアをめざす。
やがて、ブライスターの行く手に、行く筋もの黒煙が上がっているのが見えた。

「おやおや、ブルコスの方々、派手におっ始めてるみたいですなぁ?」
ボウィーがのんきにそんな事を言った。
「よしボウィー、ブライサンダーにリバースシンクロン。そのまま敵陣に突入だ」
アイザックが指示を飛ばす。同時にブライスターが縮小変形し、ブライサンダーに。
「さーて、太陽系一の飛ばし屋の腕前、見ててちょーよ!」
「ル・マン・デ・ソール・グランプリの実力発揮だね」
「期待してるわ、グランプリさん」
キッドとお町の茶々もどこ吹く風。飛ばし屋ボウィーの駆るブライサンダーは加速し、敵陣に突入する。
BCの兵士たちは唖然としただろう。
自動車一台で敵陣に突入するなど狂気の沙汰だ。
時折自動車のヘッドライトからブラスターらしき光線がベルグランデに打ち込まれるが、あまり効いているようには見えない。

だが何よりも、兵士たちを驚かせたのは、自動車の回避力である。
弾丸がよけていくのではないかと思ったほどだ。

「ボウィー!ブライシンクロンだ!」
アイザックの指示が飛ぶ。
「はいよ!そんじゃま、仔猫ちゃんの真の姿ってやつをお目にかけちゃいますか!」
ボウィーがウルフのスイッチを入れ、無線を開いて一声。
「ブライ・シンクロン・アルファ!」

同時にどこからともなく謎のナレーションが無線に割り込んできた。

『夜空の星が輝く陰で、悪(ワル)の笑いがこだまする。
 星から星に泣く人の涙背負って宇宙の始末。
 銀河旋風ブライガー、お呼びとあらば即参上!!』

ブライサンダーが空中に浮かび上がるや、巨大化変形し飛行形態ブライスターに。
しかし変形はこれで終わらない。
「ブライ・シンクロン・マキシム!!」
ブライスターからさらに変形巨大化し、人型に。
人型ではあるのだが、両手は人間のような五指ではなく、鷲の爪のような三本のクローなのが目を引く。

そう。これこそがコズモレンジャーJ9の戦力、ブライガーなのだ。
「キッド。ブラスター・ピットに移ってくれ」
「OK!」
キッドのシートが頭部にあるブラスターピットに移動。
「キッドさん、攻撃任せましたよ!」
「ボウィーさんも、操縦任せましたよ」
「お喋りはいったん中止。敵が来てるわよ」
お町が割り込む。
「さぁて、情け無用のJ9といきますか!」
ブライガーが敵陣に突入!

462 名前:ジュリアン ◆1oWHscADPA :04/01/15 17:40

>>459-461
四機のガンダムを先頭に配置し、ブルーコスモス軍は反撃を開始した。
上空からのVTOL戦闘機とスカイグラスパー部隊の援護を受けながら
ストライク・ダガー、ジム、リーオー、リニアガンタンクは進撃を開始した。

先頭の四機のガンダムの猛攻に怯んだルイーナ軍のベルグランテ達に
ブルーコスモス軍のMSは集団戦法で戦いを挑む。

ビームと弾丸の雨が浴びせられ、ベルグランテ達が一機また一機と破壊されてゆく。

だがベルグランテ達もみすみすやられているだけではない。
ここまで連合軍やブルーコスモスの基地を破壊してきただけの事はある。
反撃の光線が次々と放たれる。

MSや戦車とベルグランテの砲火が入り乱れ、市街地のあちこちで攻防戦が
展開されていた。

そんな時、多数のブルーコスモス兵とジュリアンは交戦の傍ら、目撃した。
どこから現れたのか一台の自動車がベルグランテの群れに、真っ直ぐに突っ
込んで行く。

「なんだあれは!おい。あぶないぞ!」

兵士の叫びとは裏腹に自動車はその車体からは想像もつかない機動力で
ベルグランテの砲火を避けて行く。

なんて機動力だ!?この化物といいあの自動車と言い、なんなんだ一体!?
突然、ジュリアンの無線にあの自動車に乗っている者からと思われる声が
聞こえてくる。

『夜空の星が輝く陰で、悪(ワル)の笑いがこだまする。
 星から星に泣く人の涙背負って宇宙の始末。
 銀河旋風ブライガー、お呼びとあらば即参上!!』

その声の後、自動車が突然光りと共に変形した。
それだけでは変形は終わらない。さらに変形巨大化したのだ。

ジュリアン含め、そこに居たブルーコスモス兵全員が一瞬固まった。
なんつー変形だよ・・・。

そんな俺たちの思惑も関係なくブライガーはルイ―ナの化物の真っ只中に
突入して行く。

丁度四機のブルーコスモス製ガンダムが突入した辺りだ。

463 名前:コズモレンジャーJ9 ◆zxRU2PNQg6 :04/01/16 16:19

>>462
「あらあら、ブルコスの皆さん方、びっくりしちゃってるようじゃない?」
「そりゃそうさ。自動車が巨大化してロボになったんだぜ?」

キッドとボウィーが軽口を叩きあい、ブライガーは戦闘体制。
「キッドさん、前からお客さんよッ!!」
ボウィーの声。
「OK!狙い撃ちだ!」
ブライガーの胸から二挺の光線銃が出現。プラズマ破壊ガン・コズモワインダーだ。
ブライガーはそれを構え、西部劇のガンマンよろしくガンスピンを交えて撃ちまくる。
「キッド!後ろから来るわよ!!」
お町の声と同時に衝撃がブライガーを襲うも、かすり傷程度の損傷しかない。
「よ〜し、こいつはちょうどいいや。退屈しのぎに遊んであげようじゃん?」
「賛成!」
「おおぅ、そいつはいいねぇボウィーさん♪」
お町も交えたノリの軽いやり取りが実況生ライブ。
コズモワインダーを収め、ブライガーの胸中心部にあるシャッターが開く。
「やろうじゃないの!」

キッドの掛け声と同時に、シャッターから飛び出した光が槍、ブライスピアになる。
「行くぜ!ブライスピアだ!」
スピアを振り回すと、瞬く間にベルグランデがダース単位でなぎ倒されていく。
そんな中、ブライガーは一機のベルグランデを捕まえた。
『た、助けてくれ!!』
中の兵士が命乞いをしてきた。
「どうする?アイザック。助けてくれって言ってるぜ!」
キッドは余裕綽々。アイザックの目がきらりと光る。
「善人を泣かすような奴らには……情け無用!!」
次の瞬間、ベルグランデは握りつぶされて爆発。
これぞ、『情け無用のJ9』たる所以だろうか。

戦いつづける中、ブライガーは三機のガンダムタイプMSを確認。
「おーやま、俺ちゃん達以外にも戦ってるやつらがいたんだねぇ。どうするアイザック」
「ボウィー、彼らを援護するぞ」
「はいよ!キッドさん、気張ってちょーだい!」
「OK!ブライソードを使うぜ!」
再び胸のシャッターから武器が飛び出す。ウルフのマークの刻まれたブライ・ソードを構え、
今まさに巨大な対艦刀を下げたガンダムに飛び掛らんとしたベルグランデに狙いを定める。
「でやぁぁぁぁっっ!!!」

気合一閃!

両断されたベルグランデはすさまじい爆発をおこす。
「イェーイ!!」


464 名前:ジュリアン ◆1oWHscADPA :04/01/18 23:54

>>463
部隊指令からあの機体に関する連絡が来た。あの機体はJ9という組織
に所属する物で、ブルーコスモスがこの謎の敵に対処するために報酬付きで
一時的に協力するよう要請したのだ。

その効果は抜群で四機のガンダムに加え、新たに戦列に加わったブライガーに
より敵は後退を始めた。状況はこちらに有利になってきている。

ジュリアン達も四機のガンダムとブライガーに負けじと後に続き突撃する。
鋼の巨人達が地響きを立てて走り回りながらぶつかり合う。

ストライク・ダガー、ジム、リーオーそして戦車のリニアガンタンクに装備された
武器が一斉に火を噴き、後退する敵に迫った。

465 名前:BC軍 ◆1oWHscADPA :04/01/24 01:05

――――――アフリカ。

極東での激戦が続いていた時。アフリカのとある小国で、その惨劇は起きた。
この小国は、ザフト側の北アフリカと連合側の南アフリカの境目近くに存在する
海に面した小国だった。

この国は戦前からコーディネイターとナチュラルの共存を謳い、戦時中も
なんとか中立を保ち続けてきた。海に面し、砂漠の続く国。

その時が来るまで、この国で地獄絵図が展開される事などだれが予想しただろう。
外国からはこの国はコーディネイターとナチュラルが平和裏に共存する、オーブ
などと同様の国であると見られていたのだから…。

466 名前:プロローグ ◆1oWHscADPA :04/01/24 01:23

(>>465の続き)
アフリカの強烈な日差しが大地を照りつける。
今日もまた一日が始まろうとしている。
 だがその日のこの国は、いつもと違った。各主要都市は、物々しい雰囲気に
包まれている。

大通りをあるくのは目を血走らせた人々。個人個人異なる服装からして、
一般人である事は明白だ。
 彼らはそれぞれ、凶器―――銃、ナタ、斧などの―――を持ち、何かを
探しているようだった。

その傍らに…一つの”モノ”が転がっていた。
そのモノから流れ出る赤い液体が、アフリカの強烈な日差しを浴びて乾いてゆく。

467 名前:サブタイトル ◆1oWHscADPA :04/01/24 01:24




             「大地、紅に染まる時」





468 名前:ハンス ◆1oWHscADPA :04/01/24 02:14


「凄い熱さだな」

その国に来た時、俺が最初に口にしたのは、それだった。
ヨーロッパでの戦いが一段落した後、俺たちの部隊はそのまま待機していた。
その間にパリで、なぞのMS郡がBCから独立したての独立機動軍と
交戦、撃退された事を知った。

それ以外は特に変わった事はなく。平穏な日々が流れて居たのだが。
数週間前、突然出撃が決まった。場所はアフリカの小さな中立国だという。

俺たちは輸送船に分乗し、数週間かけてアフリカの小国に向かった。
その間、海軍のイージス艦「ウィリブス・ウーティニス」と少し前のルイ―ナ軍との
戦闘で負った損傷を修理したばかりのモニター艦「エレバス」の護衛を受けた。

そして今日、ようやくその国の港のひとつが見えてきた。
輸送船団はウィリブス・ウーティニスとエレバスを先頭に港の中に向かう。

港の中で五隻の小型の軍艦の歓迎を受けた。艦尾に掲げられたブルーコスモス旗が
美しく風になびいている。これらは河川砲艦と呼ばれる、喫水線の浅い、平べったい船体の
主に川や湖で使用される軍艦だ。

この国で”何か”が起こった時。この五隻の河川砲艦はたまたまこの国の港に
停泊していたのだと言う。

ハンスは輸送船の甲板から街の方角を見た。
暑い日ざしがきつい。

まぁ。今回は大した任務じゃないだろう。

この時ハンスは―――――そこに居た誰もが、そう思ったに違いない。
陸から吹く風は、金属のような臭いを帯びている。

それがなんなのか?
この国で何が起こっているのか?
これから何が起こるのか?

その時は、知る由もなかった。

469 名前:リャオ ◆1oWHscADPA :04/01/24 15:50

(>>668の続き)
アフリカ。小国の海岸。

港に到着した輸送船団とは別に、車両を搭載した輸送船団の一部は海岸で
戦車や装甲車両の揚陸を開始した。

輸送船から上陸用の戦車載せた舟艇がクレーンを使って海面に下ろされてゆく。
波に揺れる舟艇の中に搭載された戦車の傍ら、ブルーコスモス兵士リャオは
少しづつ迫ってくる小国の砂浜をぼんやりと眺めていた。

今、自分達の上陸しようとしてるこの国は自分達の宿敵であるコーディネイターも
居るという。そして今回の任務は現地の治安維持らしい。

―――それにしても。

リャオは思った。
治安維持にしては重武装じゃないか?これじゃ、上陸作戦だ。
いや、そもそも本当に上陸作戦なのか?

謎は深まるばかりだった。
戦車を載せた小さな舟艇は波に揺れながら、砂浜に向かって行った。

470 名前:ZAFT軍 ◆1jBq828gys :04/01/24 23:50

>>469
アフリカの小国――――――――平和の国。
今この国は、異様な空気に包まれていた。

どの都市も血の匂いと殺気と狂気、恐怖が支配し、何処も
彼処もが原初の戦争の姿を見せていた。

異変は、ザフト軍も既に察知していた。

ザフトは至急主要都市のコーディネイターを救出すべく各都市に向け
幾つかの部隊を送り込んだ。

何れも、救出部隊にしては多すぎる武装を与えられて――――


471 名前:チャーリー ◆1jBq828gys :04/01/24 23:51

(>>470の続き)
熱砂の上、陽光の元――――

砂漠の上を一つの巨大な船が突き進んでいた。
小山ほどもあろうかというその戦艦は、艦艇部が地中に沈み込み、
まるで砂漠を海上の様に航行している。
地面を振動、液状化させスケイルモーターにより航行する艦、地上
戦艦レセップス級――――「カルニエウァウ」と呼ばれ、この地に
おいてのザフトの力を象徴するこの艦――――は今ある使命を帯びていた。

使命の内容は「各都市のコーディネイターの救出及び事態の収拾」。

その使命、”事態の収拾”の意味を理解したものがどれ程いようか――――


「ふむむむむ…」

禿げ上がった頭頂、猛禽を思わせる鋭い目、筋骨隆々とした巨体を少々
小さすぎる艦長席に沈め、胸には幾つもの勲章、大きく曲がった鷲鼻、そして――――

その下のチョビ髭。

それを指でさすりながら、今回の事件について書かれた報告書に目を落としている
のはこの艦の艦長、ザフト軍アフリカ方面指揮官アンドリュー・バルトフェルドの
後任、チャールズ・ウィリアム、愛称「禿鷹チャーリー」。

彼は今回の事件にあたり、コーディネイター達の安全を図るべく各地に
多くの部隊を送り込んでいた。
各都市で何が起こっているのかは大体掴めていた。
そこでこの事態を利用し、この国を都合の良い状態にすべく
各部隊の武装を強化しておいた。

「事態の収拾の意味…間違ってくれるなよ?」

窓の外には艦の上に立つディンやジンが見える。フィッツの指揮する
ディンによって編成された部隊「白昼の鴉」は腕が立つ。
さらには都市には「砂塵のハイエナ」他部隊を、海にもいくつかの艦がある。

彼は口の端を吊り上げニヤリと哂った。元々この国は平和すぎると
感じていた彼は、今の事態がある意味で愉快であった。
久方ぶりの血と硝煙の匂いを嗅ぐのが、愉快でたまらなかった。

472 名前:ジャン ◆1jBq828gys :04/01/24 23:52

(>>471の続き)
ある都市を見下ろす、崖の上。
そこに幾つかの影があった。

潮の匂いと、鉄の匂いが入り混じった風が吹くその場所にある影は
今回部隊を運んできた陸戦艇ギャロップ、この距離から支援を行う、
走る列車砲メルザ=ウン=カノーネ。
巨人、ドム=トローペン、鉄の猟犬バクゥ、虎狼を思わせる
フォルムをもった、バクゥより一回り大きな鉄の獣、ラゴウ。

彼ら「砂塵のハイエナ」隊が出動した理由は一つの
任務、「各都市のコーディネイターの救出及び事態の収拾」。

ラゴウの背に乗るブロンドの長髪を風に棚引かせる女性が、この隊を
指揮するケイ・エリオット。ラゴウの二人のパイロットの一人。
豪放快活、ナイスバディでなおかつサブミッションを使いこなす姐さん。

無数の武装が施された巨人ドム=トローペンの操縦席に座り、優雅に
足を組み本を読んでいるのが知性派にしてイヤミ野郎、典型的メガネ。
アルフレッド・ローランド。

バクゥの背で一生懸命今回の作戦の確認をしているのが、部隊最年少の
少年トーマス・モーリー。何をするにも慎重に慎重を重ねなければ我慢出来ないらしい。

そしてケイ姐さんと共にラゴウに搭乗するのがこの俺、ジャン・リュック。
今ラゴウの背の上でガムを噛んでいるのがそれだ。

今回の任務には他にも後方のカルニエウァウの部隊、海の潜水艦隊
もあたるらしい――――一体、あそこで、あの街で何が起こっているのだろうか。

473 名前:??? ◆1oWHscADPA :04/01/25 00:24

>>472
アフリカ――――平和の国。

丁度、「砂漠のハイエナ」隊が崖の上から見下ろせる位置にある都市。
今この街は不気味な、一つの臭い、一つの騒音に支配されている。

異臭の漂う市街地。そこは通りも、建物の壁も、何もかもが真っ赤に汚れていた。
錆びた鉄のような臭い。その臭いの下、それは街のあちこちに転がっていた。
遠くから見れば壊れた人形に見えなくも無い。

しかし”ソレ”から湧き出るように流れ出す赤い液体は、ついさっきまで
それが生きていた、何よりの証拠だった。

死体が転がっていた。
それも一つや二つではない。

まるで空き缶が転がっているかのように、死体が転がっていた。
血まみれになった死体と街の西洋風の建築が不気味なアートを作り出している。

灼熱の太陽に照らされ、乾いた血の臭いが都市に充満している。
そのむせ返るような臭いの中、数人の人間が平然と歩いてゆく。
まるで、ゴミを見るような目で死体を一瞥し、何かを探しているようだ。

彼らは皆、ボロボロの服を着ていた。手にそれぞれの武器を持っていた。
皆、目を血走らせ歩いてゆく。

474 名前:??? ◆1oWHscADPA :04/01/25 00:32

(>>473の続き)

そしてもう一つ、この都市を支配している物があった。
街のあちこちから同じ人物の怒鳴り声が聞こえてくる。

蔓延する血と、無数に転がる死体。そして聞こえてくる怒鳴り声。
この世のものとは思えない、異様な光景だった。

ボロボロの服を着て、目を血走らせ、武器を持っている人々は
その声に聞き入っていた。彼らが聞き入る声のする方向、開きっぱなしの
電気屋の棚に一つの箱が置いてある。

それだけではない、街のあちこちに設置されたスピーカー。
そこからもやかましい声がひっきりなしに響いてくる。

血とやかましい怒鳴り声。

スピーカーやラジオから聞こえる声。その声は同じ事を繰り返し告げていた。




「隣のゴキブリを処分せよ!」

475 名前:ジャン ◆1jBq828gys :04/01/25 01:19

>>474

兎にも角にも、こんなところで油を売っていても意味が無い。

「ジャン、アルフ、トム、行くぞ!」
「りょーかい」 「了解です」 「了解しました!」

姐さんの掛け声と共に各々が機体へと潜り込み、起動させる。
各機体の単眼に光が宿り、その体躯を持ち上げた。
唸り声のような機動音を響かせながら、三つの影が起き上がる。

「ポール、ジョン、もしもの時は砲弾をブチかませ、いいな!」
「了解しませー!」 「…了解…」

姐さんのかけ声に答えた二つの声は、ザメルのパイロット、ポール、ジョン。
いざという時に後方より支援する役目を負っている。

「じゃ、降りるよ」
「へーい」 「了解です」 「え゙?」

まず最初にラゴウが、崖を滑り降りてゆく。それに続き、ドム=トローペンも
崖の下へと姿を消した。最後まで戸惑っていたバクゥ、トーマスも意を
決したように崖を滑っていった。

476 名前:ジャン ◆1jBq828gys :04/01/25 01:21

(>>475の続き)
俺達が着いた街はまさしく地獄絵図、戦場の様相を呈していた。
血と死体により飾られた街並み、そこかしこから聞こえる罵声、
そしてゾンビのようなに血に塗れた、武器を持った市民。

「おいおい、どう言う状況ですかこりゃあ…」
「ゔげぇ〜…」
「トーマス…吐くなよ」
「だってぇ〜…」

まだガキのトーマスにはキツかったかも知れないが、これがハイエナの
ゴミ漁りと言うものだ。現に姐さんは冷静に地図とモニターを見つめ状況
を分析しているし、アルフレッドの野郎も同じだろう。
いや、俺も吐きたくてたまらんのだが。

「帰りましょ〜よ〜」
「泣き言言ってんじゃないのトム!私とジャン、トムはこのままメインストリートまで
 直進、アルフは別行動、良いね!」
「へいッ!」
「了解です」
「…ふぁ゙ーい゙…」

俺達の機体とバクゥは、市民達を避けながら直進、アルフの機体は別行動。
姐さん、トーマスと俺はこのまま市内を探索、アイツは別に与えられた任務をこなすだろう。
そう、アルフレッド・ローランドに与えられた任務、『事態の収拾』を。

477 名前:ローランド ◆1jBq828gys :04/01/25 01:22

(>>476の続き)

「行きましたか…」

ふぅ、と溜息を一つ着き、私は本来の任務を開始した。
事態の収拾即ち、今回の事件の元凶を探り、それを断つこと。
あのトーマス少年には今回の任務は正直重荷だろうし、私の本来の任務の内容を
知らされれば私は彼に嫌われることだろう。
隊長やジャンはわかってくれているのだが…まぁ、これも任務だ。

「まずは五月蠅い…声を断たせて頂きましょう」

左腕に装備されたB3グフと同型のガトリング・シールドから弾丸を放ち、街のあらゆる
場所にあるスピーカーを見える範囲で撃ち砕く。さらに同じように不愉快極まりない
声を響かせるラジオもそれの置かれた場所ごと撃ちぬいた。

「そして…ゴミ諸君にも消えてもらおう」

更に私はその照準を地表の人間にも向けた。この際ナチュラルかコーディネイターか
などどうでも良い。任務の邪魔になりそうなものは排除しなければ。

「GOOD…BYE」

ガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!



まずはこの声の元を探さなければ。私は放送局、ラジオ局などに狙いを絞り探索を
始めた。
――――通った後に血の池を造りながら。

478 名前:民兵 ◆1oWHscADPA :04/01/25 01:51

>>475-476
「コーディネイターの軍隊が来たぞ!」

武器を持って通りに集まった群衆に一人の民兵が走りながら新たなる敵の出現を
伝える。群衆は皆それぞれ、ある”人々”から与えられた武器を持ち、目を血走らせていた。

――――テキダ。

――――――――アノヒトガイッテタコトハホントウダッタ。

報告を受けた群衆と民兵は聞こえてくる機械の獣―――MSの駆動音を聞いた。
奴等が来る。

その証拠に先ほどの銃声と絶叫。その後ぱったりと消えたラジオやスピーカーの声。
奴等が来た。ザフトが、コーディネイターどもが。

民兵と群衆は一斉に散開し、建物や車両の陰、MSの入れない狭い路地裏などに隠れた。
後に残ったのは死体――彼らによって殺されたコーディネイター達の――のみ。

彼らは皆武器を持っていた。
自動小銃。ロケットランチャー、重機関銃、迫撃砲、野砲…。
どれも誰にでも簡単に扱う事の出来る武器だった。

その中の一人―――無線機を持った民兵が”誰か”と連絡を取っていた。

「奴等が着ました」と。

その時、通りに複数のMSが表れた、四本足の紫色の、鋼の狼。オレンジの虎狼。
恐るべき奴等が来た。

479 名前:アラン ◆1oWHscADPA :04/01/25 02:07

>>477-478
アフリカ。平和の国。

「砂漠のハイエタ」隊が任務を行っている都市から数キロ離れた、この国の首都。
海に面した、美しい西洋風の街並みと崩れかけたスラムをもつこの都市も、
他の首都と同様、異様な雰囲気に包まれている。

そんな首都の雰囲気とは無縁であるかのように、首都の一角にある小高い丘の
頂上。

一つの小さな、小奇麗な建物が佇んでいる。
近代的な鉄筋コンクリート、平べったい屋根の上に存在する沢山のアンテナ。

その建物の一室で、彼等の中で言う、聖職者風の服を着た一人の少年が
座っていた。放送用機材に向き合い、薄ら笑いを浮かべるその目には、
全く光りがない。

「お客さんの一人が来たよ」

アランはとなりに居る、本を読んでいる一人の女性にそう言う。
アランの声を聞いた女性は、パタンと本を閉じ、アランと同様に笑みを浮かべる。

「そう」

その目に、全く光りはない。
在るのは――――無。

しかしアランはそんな事も気にせず、作業を続ける。
この国の沢山の都市の一部でスピーカーやラジオが破壊されたらしい。
――――今更手遅れなのに。もう君達は罠にかかったんだよ。

アランはにやにやしながら放送機材をいじった。電波の出力をさらに強力にした。
既に隣の部屋ではアナウンサーがザフト軍の、コーディネイターの来襲を告げていた。
ひっきりなしに、怒鳴り声が聞こえてくる。

ここで発せられた声は、超強力な電波に載せられ、この国の全土に届くのだ。

彼等の居る施設の玄関。
そこにはこう書かれていた。

「緑の丘ラジオ放送」

480 名前:アラン ◆1oWHscADPA :04/01/25 02:07

×「砂漠のハイエタ」
○「砂漠のハイエタナ」

481 名前:アラン ◆1oWHscADPA :04/01/25 02:08

×他の首都
○他の都市

482 名前:サエコ ◆1oWHscADPA :04/01/25 02:23

(>>479の続き)
アフリカ。平和の国の港町。

「なんだよこれ…」

上陸し、港のある町に到着したブルーコスモス軍MS部隊。
その中で、ストライク・ダガーを操る少女兵サエコは街の景観を
見て絶句した。
 以前、雑誌で読んだこの港町は美しい景観を持つ町で、写真に写った人々は
純朴で優しそうな人達ばかりだった。
だが、今サエコ達の眼前に広がるのは、血塗られた建物と、そこら中に
転がる、目を背けたくなるような死体の山、耳に入るやかましい怒鳴り声。

そして、目を血走らせた人々。

一体何があったんだ?
アタイ達のくるまでに何が?

街中から聞こえてくるうるさい怒鳴り声は、ザフト軍が現れた事を告げていた。
それにあわせ、アナウンサーはコーディネイターに対する激しい罵声を浴びせていた。

何が起こっているのかを理解するのに暫く時間が掛かった。
サエコは凛とした美しい顔を血なまぐさい臭いでしかめ、ただそれを見ているしかなかった。
死体の山を。
サエコのボーイッシュな髪が血なまぐさい髪に小さく揺れていた。

483 名前:zyann ◆1jBq828gys :04/01/26 00:51

>>478
姐さんと俺、トーマスのラゴウ、バクゥはメインストリートを直進していた。

「…こりゃひでェ」
「チッ!」
「あっ、隊長!」

目の前の死体…それを見ると、いても立ってもいられなくなったのか、隊長が
機体を降り、それへと近付いた。

「…隊長、どうッすか?」
『全員…コーディネイターだ。…糞ナチュラル野郎ども!!」

通信機を通じて聞こえる隊長の声からは、悲しみと怒りが強く感じられた。
同じように、通信機からトーマスの嗚咽の声も聞こえる。

「おい、トーマス」
「うっぐ…なんですか、ジャンさん」
「何泣いてるんだよ」
「だって…だってぇ!」
「………!!隊長、至急機体に戻ってください!生体の反応が!!」

サーモグラフィーに反応あり。こちらへと走って来た隊長は、ただの一跳びで
頭部ユニットへとよじ登り、そのままコックピットへ滑り込んだ。

「航空隊に連絡、支援要請!」
「了解!」

鉄の獣二機は、戦闘準備に入った。

484 名前:ジャン ◆1jBq828gys :04/01/26 00:52

(名前欄訂正)

485 名前:ローランド ◆1jBq828gys :04/01/26 00:52

(>>483の続き)
どうやら、道路上の死体はコーディネイターのものらしい。
一目瞭然、何れも”個性の少なそうな”人間ばかり、遺伝子操作された
人類だと見ればわかる。

「フン…寄生虫どもが」

センサーに反応のある場所へ向かい、容赦無くジャイアント・バズを放つ。
其処彼処にゲリラ的民兵どもが潜んでいるので、直接叩くのと、炙り出しの意味を
込めた砲弾を。
悲鳴を上げ、火達磨になって出てきたナチュラルに、次々と弾丸を浴びせる。
街は血と肉と骨のミンチとムースとワインのアトリエと化していった。

「…存外に、苦戦しているようですね。隊長殿」

機体を翻し、隊長以下の元へと向かう。その途中、ある一つの通信をギャロップを
経由し、カルニエウァウのチャーリーの元へと送った。

『今回ノ事件、メディア特ニラジオ放送ガ原因ノ疑イアリ。至急コレラノ探索ヲ』

486 名前:フィッツ ◆1jBq828gys :04/01/26 00:53

>>483

空を駆ける、5つの影。

フィッツ・シュート率いる「白昼の鴉」隊の五機のディン――――
彼らは地表の「砂塵のハイエナ」の連絡を受け、その支援をすべく空中より都市へと
近付いていた。
いずれも左肩が黒く塗装されているが…その中にあって一機だけ鴉の如く漆黒に
塗装されたディンの姿があった。
フィッツの駆る、鴉(クロウ)の群を統率する大鴉(レイヴン)。

白昼堂々、空から迫る五羽の鴉。

「ほな、行くでェェェェ――――――――!!!」

487 名前:ドルチェフ ◆1jBq828gys :04/01/26 00:54

小国、沿岸――――

静かに、深く潜行している彼らは、ザフト軍ボズゴロフ級潜水母艦
ハンニバルを中心とした潜水艦隊、通称「波間の白鰐」隊。
彼らの任務は単純明快、『海の敵の排除』。
何故救出任務ではなく戦闘命令なのか、そんな細かいことを考えないのが
海の漢であり、そして――――

「さあ行くぞテメエラ!任務達成すれば一富士二寿司三芸者を奢ってやろう!!」
「…艦長、それを言うなら一富士二鷹三茄子ッす」
「ん?そうなのか…まぁいいわ!ガハハハハハハ!!!」

この艦隊の指令隊長、ドルチェフ・ドミノスキーである。

ハンニバル、そして周囲の潜水艦から機影が幾つか現れる。
グーン、ゾノ――――水陸両用MS部隊が。

488 名前:スタン&民兵隊 ◆1oWHscADPA :04/01/26 01:24

>>483-485
都市に響き渡る爆音と、断末魔の絶叫。
肉の焼ける臭いが鼻につく。

絶叫が耳から離れない。

仲間が殺されている。コーディネイターに。

荒らされている。自分達の故郷が。
部族の大地が。

大通りに転がる死体を踏みつけながら市街地を数台の車両が駆け抜けてゆく。
その内の数台はこの街に居る民兵の――――部族の兵器である。

それは今、彼等の街に現れた鋼の猛慟どもに比べれば小さく、頼りない印象だ。
だが、それを操るもの達の目は闘志に満ちている。

ここら辺は歴史の浅いコーディネイターやスペースノイドには理解できない
感情だろう。

彼らは遥か古代からこの国に住み、大地と共に生きる、誇り高き部族の戦士達だ。
独自の文化を持ち、独自の言葉を話す。ただの民兵ではない。

彼等が馬のように操る車両。

ゴムタイヤの軽い音を立て、MS並みの速度で失踪する武装ピックアップトラック。
荷台に無反動砲を取り付けただけだが、シンプルだからこそ、強い。

そして、同じような武装を施したトラック、ジープ、ワゴン車が後に続いて行く。


先頭のトラックに彼等に古代から伝わる部族の”旗”を掲げ、
今部族の戦士は宇宙からの侵略者に――――かつて自分達の祖先がこの国にやってきた
移民に対して行ってきたように――――突撃する。

彼らは、義理に熱い部族。
大地と民を汚すものに容赦はない。

489 名前:ワタル ◆1oWHscADPA :04/01/26 01:25


>>486

熱砂の砂漠の上空を編隊を組んだ戦闘機が飛行して行く。
青く塗装されたその機体は、晴れ渡った空と見事にミスマッチしている。

ブルーコスモス空軍戦闘機。スカイグラスパー。

そのコクピットの中で、航空兵ワタルは眼下に広がる風景を見下ろしていた。

海軍と陸軍の到着に先立って、ワタル達には偵察命令が出ていた。
上層部によればルイ―ナと謎のMS対策で殆どの機体が出払っているのだという。
本当ならばルイ―ナの事が気になったのだが今回は割り切って任務に集中する。


突然レーダーが異常を報告した。
前方約数キロの街の上空。

「ディン!」

ワタルはその姿を認めるなり叫んでいた。

490 名前:キリアン ◆1oWHscADPA :04/01/26 01:26

>>467

小国の港。

殺伐とした陸上とは違い、平和なひと時が流れていた。
陸から吹く血なまぐさい風の事は気になっていたが、それでもここにいれば殆ど
関係の無い事だった。

キリアンはデッキの掃除をしながらふと辺りを見回した。
今、この港には七隻の艦艇が停泊している。

モニター艦エレバスと最新鋭のイージスシステムを搭載する「ウィリブス・ウーティニス」
そして五隻の河川砲艦だ。

今回は出番はないかもしれない。
キリアンはデッキを掃除しながら思った。



しかし―――――出番はあったのである。

491 名前:ジャン ◆1jBq828gys :04/01/27 00:03

>>488
目の前から近付いて来るのは、数台の武装した自動車。
どうやらやっこさんも、ヤル気マンマンのようだ。

「どうしやすか…隊長?」
「どうもこうも無い…上等だァ!やっちまえ!!」
「了解!!」

「え?」

唖然とするトーマスのバクゥを尻目に、二人の登場するラゴウは脚部の
無限軌道を地に接し敵へと向かい突撃する。姐さんは敵へと二門の
ビームキャノンを向け、引き金に指をかけた。

「お前も早く周りの敵を叩け!」
「りょっ、了解!?」

だがしかし、MSの巨体では道をUターンも難しい。
置いてきぼりのトムは、その場で立ち往生をしていた。

駆け抜ける虎狼、立ち往生する猟犬。
経験の差が、如実に表れていた。

492 名前:ローランド ◆1jBq828gys :04/01/27 00:04

>>491
私の乗るドム=トローペンは、虐殺を続けながら大通りへと向かっていた。
有象無象の区別無く、目の端に映った動くものは全て排除。
皆殺しこそ重要であり鉄則。
今殺したのは少年に見えたがどうでも良い。
髭面の男も多くの的の一つに過ぎない。
老人ですら容赦はしない。

「原住民どもが…時代遅れの分際でッ!!」

正面の建築物にシュトゥルム・ファウストを撃ちこみ、その中央に空いた
風穴を通り抜けて行く。
後方で崩れ落ちた建物に、何者か達が押し潰され悲鳴を上げた。

「フン…見えた!」

目の前で右往左往し、立ち往生するバクゥの姿が見えた。
――――トーマス君か、だから子供は連れて来るなと!
ついこのような事を思ってしまうのも、私が彼に比べ経験、知識、実力、遺伝子的に
全て上回っており、私が彼を見下しているからかも知れない。

機体を飛翔させ、路地裏に潜む者達へ向かいジャイアント・バズをおみまいする。
更には周囲の敵の隠れそうな場所にガトリングガンを頂戴してやるのも忘れない。
焼け死ね、燃え死ね、灰になれ。

「死んだナチュラルだけが、良いナチュラルだ!!」

493 名前:フィッツ ◆1jBq828gys :04/01/27 00:05

>>489
目の前のレーダーは、ある物を映し出していた。
味方識別反応無し、このスピード…

「スカグラか!えらいやっかいなのに捕まったで!!」

五羽の鴉は敵を確認すると、即座に散開、戦闘用意。
それぞれが敵に火器を向けた。

――――せやけど、地上の支援はどうする…?

敵へと接近しながら、フィッツは思考する。もし自分達が間に合わなくて、
彼らに何かあったら?
一瞬のうちに結論を出し、地上のザメルへと通信し、一言言う。
都市を撃て、ハイエナを支援しろと。

通信を受けた地上のメルザ=ウン=カノーネは都市へと向かい射程数十キロを
誇る680mmカノンを向けた。その姿、正しくMSの姿をしたドーラ。

494 名前:スタン&民兵隊 ◆1oWHscADPA :04/01/27 00:22


>>491-492

鋼の猛慟どもは、その背中の砲を我が部族のピックアップトラック部隊に向けた。
だが、疾走する自動車隊は、全く同ずる事もなく、鋼の虎狼に突撃する。
かつての自分達の祖先が、獲物を仕留めたように。部族の戦士達は
自動車を、自分の身体の一部であるかのように操る。

まとまっていた自動車は散開し、街のあちこちから接近する。

さらに、自動車に乗る一人の合図を皮切りに、鋼の猛慟ども目掛け猛烈な銃撃が始まった。
建物の中から、屋上から、影から自動小銃、機関銃、ロケット砲や携帯ミサイルを
浴びせてくる。

鋼の猛慟の一機が立ち往生している。
そこに容赦なく、襲いかかる。

だがその時、建物をぶち破り、その下に生きる人々を踏み潰し、新たなる鋼の巨人が
現れた。
虎狼の仲間。巨人は飛び上がり、天空を駆る死神と化し付近の建物を、人間を
焼き尽くし、殺し尽くす。

だが。

まだ部族の戦士達と民兵は戦意を失っていない。

生き残ったもの達は、死んだもの達の武器を拾い上げ、反撃を開始する。
携帯対空ミサイルが、自動小銃が空の巨人に襲い掛かる。


「部族の大地を荒らすゴキブリども!一人残らず血に沈めてやる!」

495 名前:ワタル ◆1oWHscADPA :04/01/27 00:28


>>493

どうやらこちらも敵に発見されたらしい。
一斉に紫の天使が散開し、こちらにライフルを向ける。

だが――――それ以上にワタルの目を引くものがあった。

眼下の都市、煙の上がる街の中を逃げ惑う人々。
既にピクリとも動かない、ゴミのように転がる物体もある。

ワタルは無意識の内に、偵察用カメラのスイッチを入れた。

そこに移るのは――――血まみれになりながら戦う人々。
そしてそれをアリのように踏み潰すコーディネイターのMSども。

こいつら!

撮影した映像はほぼリアルタイムでブルーコスモス本隊に送られる。

496 名前:ジャン ◆1jBq828gys :04/01/29 23:40

>>494

「姐さん、敵さん多数!」
「わかってるよ、そんなことは!」

四方八方、あらゆる方向に敵は散り、そしてあらゆる方向から攻撃を仕掛けてくる。
その行動の素早さはガゼルを思わせ、その攻撃の熾烈さはまさしくサバンナの肉食獣。

――――だが、甘い!

「ジャン、タテモンに突っ込め!」
「了解ッ!!」

その総身に攻撃を受けながらも、ラゴウは最も近い建築物へと突撃し、
屋上、屋内の人間を砕きながらその粉塵の中へ身を隠した。
濛々と上がった砂埃が、その姿を眩ませる。

そして――――

「コーディネイター殺した代償、どれだけ高いか教えてやるよッ!」

背部2連ビームキャノンを放った。高熱は殺意をもって敵に襲い掛かる。

497 名前:トーマス ◆1jBq828gys :04/01/29 23:40

>>494
上下前後左右、全方向からの攻撃。

「うわぁ――――ッ!!」

僕は悲鳴を上げた、あまりの恐怖に、恐ろしさに。殺せるわけがないのだ、
生身の人間を殺すことなど出来ない。バクゥはその体躯に民兵と戦士の怒り
を刻み込まれながら、その場所に蹲っていた。

――――まだ死にたくない、死にたくない!
――――ここは、平和の国じゃなかったのか!?

コンソールは深刻な被害を告げ、機体は悲鳴を上げ続ける。

――――だけどッ!

その時、頭上を一つの影が通り過ぎた。影はビルを突き破り現れ、
弾丸を地上に向かい浴びせながら、敵の攻撃をその盾で受け止め、それを投げ捨てた。

「何をやっているんだトーマス君!」
「…ローランドさん!?」
「何を躊躇い、戸惑っている!!」
「相手は…人間です!生身のただの人間です!!」
「それがどうしたッ!!地を駆け、敵を見つけ、皆殺せ!後はくだらないことだ!!」

そこまでで通信機から聞こえた声は途切れ、巨人は腰のマシンガンを手にとり
地に向かって放った。更に片手に握ったヒート・サーベルで人を薙ぐ。
目の前で人が死んでいくのを、僕は震えて見るしかなかった。

498 名前:フィッツ ◆1jBq828gys :04/01/29 23:41

>>495

紫色の鴉達は、敵への攻撃を開始した。
素早い動きで空の捕捉者へ向かい、機銃、ミサイルランチャー、散弾銃で
襲撃する。

その鴉どもの中において一際異彩を放つ漆黒のディンは、超音速で
敵へと襲い掛かる。
MSとして在りえない速度で敵へと接近、これもコーディネイター故に
Gへの耐性が強いので出来る所業。

「ジェェロォニィモォォォ――――――――!!!!」

掛け声一つ叫び、機銃を放つ。
フィッツのテンション最好調。
もはや地上のことなど頭に無い。

499 名前:スタン&民兵隊:04/02/03 18:13

>>496

こちらの猛攻撃に、オレンジの虎狼は近くの建物にその巨体を突進させる。
轟音と砂埃と共に鉄筋コンクリートは崩壊し、屋上や屋内でで射撃を続けていた
民兵の絶叫が聞こえる。

その土煙目掛け、スタンの乗るトラックを先頭に数台の自動車が突撃する。
 砂埃の中から一つの殺意と共に緑の閃光が煌いたのはその時だった。
スタンの乗るトラックは辛うじてビームを避ける事が出来たが後続の車両はそれが
出来なかった。
 轟音と共に直撃を食らったトラックが紙屑のように粉砕され、車体の破片、ガラス
そして肉片と化した人間をばら撒く。直撃を受けなかった車両も、ビームの熱」、衝撃波と
破片を浴び次々と横転する。乗っていた民兵や戦死が火達磨になりながら悲鳴をあげ、
のたうち回る。

それを見た残りのスタンを含めた民兵と戦士は怒り狂い、さらなる突撃を始める。
屍と残骸を乗り越えて、数台の車両が現れた。
スタンと同じトラックに乗る仲間が荷台に装備された無反動砲に砲弾を込めた。
トラックは猛烈な速度で爆走し、ラゴウに接近する。

「死ね!」

仲間は無反動砲の発射ボタンを押した。
白煙が上がり報復の砲弾が跳ぶ。

「うおぉおおおおぽおおおお!」

スタンは見を乗り出し、自動小銃の銃身が熱くなるまで撃ちまくる。
効こうが効くまいが関係ない。




すれ違い様に、相手のMSのパイロットと目があったような気がしたが、それも関係ない。

500 名前:ソヌイ&民兵隊:04/02/03 18:15

>>496-497
「この野郎!」

突然現れた一つ目の巨人に、路地裏に居た部族の戦士ソヌイは怒りを露に叫ぶ。
巨人はそのサーベルを人間を薙ぐのに使用している。肉片と化した
仲間の死体と血飛沫が建物を道路を、さらに真っ赤に染めて行く。

この国が、ナチュラル、コーディネイター、部族の共存する平和の国などとと言っていたのは、
この国に住んでいた少数のコーディネイターだけだ。

やっとあいつ等を追い出せたと思ったのに。また来やがった。
また殺しやがった。

「あのデブに攻撃を集中しろ!」

彼らは殺意に満ちた目でMSを見上げ、怒号を上げながらそれぞれの持つ武器で攻撃してくる。
攻撃は、新たに現れた巨人に集中した。サーベルで人を薙ぐ巨人に四方八方から
ロケット砲や携帯ミサイルが白煙を上げて迫ってくる。

ソヌイも近くに転がっていたロケットランチャーを拾い上げた。
そのまま走り、通りに飛び出す。敵はこちらに背を向けている。
仲間の機体を守るために地上に降りている。さらにその向こうでは
ちらっとだけ見えたが自動車部隊と戦うラゴウの姿が。

砲弾を装填し、狙いをトラックと戦うラゴウに向け、口を開けて引き金を引く。
そうしなければ発射時の轟音で鼓膜が破れるからだ。
猛烈なバックブラストと共にロケットが放たれた。
さらにもう一発はすぐ近くで人をサーベルで薙いでいるMS目掛け
ロケット砲をその背中目掛け撃ち放つ。。

「調子に乗ってんじゃねぇ!クソコーディ!」

501 名前:ワタル ◆1oWHscADPA :04/02/03 18:16


>>498
地上の事に一瞬気を取られていたが、接近する敵を視界に捕らえたワタルは
機体をバンクさせる。

―――――あの地上の光景は本部に全て映像で届いてる筈だ。

こりゃ、ただじゃ終わらないな。

ディンの編隊は猛烈な加速で迫ってくる。
だが、今回は偵察が目的だ。適当に戦ったらとっとと逃げる。

機関銃とロケットの弾道が迫ってくる。

「回避しろ!」

隊長の声にワタルは機体をバンクさせ、急行下に入る。
機体のすぐ近くを機銃弾が通過して行く。

ヒュンという金属音が不気味だった。

「応戦しろ!」

隊長の声と共に、ワタルは敵をロックオンしミサイルの発射ボタンを押す。
噴射音と共に白煙が伸びてゆく。

502 名前:サエコ ◆1oWHscADPA :04/02/03 18:37

(>>501の続き)
小国の港町。ブルーコスモス軍仮設基地。

この時、サエコ達は上陸した港町のはずれ、殺気立った住民の尋常ならざる
目の中で仮設の基地を建設し、そこに陣を取っていた。
街で空き缶のように転がっていた死体の山は全てコーディネイターだった。
街の住人達はそれぞれ武器をもって殺気だっていた。

そこで治安維持のために住民の武器を押収しようとしたが、住民は猛反発
し、危うく発砲する事になりそうな場面もあった。

そこまで来て、サエコにも、そしてハンスにも、その場に居た全員にも
何があったのか大体見当はついた。ただ誰も口にはしなかったけど。
お互いの表情で判った。

しかし、今この陣地に居る者――――サエコやハンスも含めた全員――――が
港町で見た人々と同じ感情を抱き始めていた。

それは激しい怒りと憎悪の感情だ。

偵察に発進したスカイグラスパー隊が撮影した、ある地方都市の映像。
その中で、地元の住民と思われる人々にその強大な武器を向けるMS。
そのMSに虐殺されてゆく市民。

リアルタイムで伝えられる映像の映るテレビモニターを前に、サエコとハンスも
勿論、その場に居た全員が立ち上がり、口々に怒りの言葉を吐く。

「あいつ等!MSの武器を人間に向けてやがる!!」
「なんて奴等だ!パナマと同じ事を!」
「ふざけやがって…!」

サエコも同じだった…怒りに振るえ、近くのパイプ椅子を蹴飛ばした。
「許さねぇ…許せねぇ!」
サエコの一際大きな声が仮設基地に響いた。











だが彼等の感情は今この国に居る”先客”にとって、最高の役者と機会の到来でしか
なかった。

503 名前:ジャン ◆1jBq828gys :04/02/04 00:06

>>499

俺達の放ったビームは、民兵達の乗るトラックを捉えた。
ゴミの様に次々と人間が吹き飛ばされ肉塊と灰になる光景は、悲惨であり、
見方によっては爽快。ガラクタと死体が次々と道に転がった。

「姐さん、このままじゃ埒が明きません!」
「それぐらいわかってる!…えぇいッ!!」

ブゥウン、と静かな音を立て、ラゴウの頭部から輝く二本の牙、ビームサーベルが発生した。
その牙を振り回し敵の弾丸を消滅させながら機体を走らせる。
すれ違いざまに、トラックに乗っていた敵のガキと目が合った気がした。

ドウッ!!

その時機体に衝撃が走った。どうやら、正面ゲリラの無反動砲のタマが直撃した
ようだ。だが、あえてそいつを無視し機体をUターンさせ、トラックを追う。

「姐さん!」
「よっしゃあ!!」

そして、爪を振り上げ跳びかかった。敵を叩き潰すため。

504 名前:ローランド ◆1jBq828gys :04/02/04 00:07

>>500
「カスどもが…調子に乗って!!」

腰のラックへとマシンガンを戻し、ヒートサーベルを持ったマニュピレーターを高速
回転させ敵の火砲を防ぐ。
だが、機体の各部から衝撃が伝わってくる。完全に全方位をカバーしきれない。

「トーマス、君は戻れ!!」
『し、しかし!』
「いいから、ポールとジョンのところまで逃げろ!君の機体ではいつまでもつか保障しかねるッ!」
『でも…!』
「邪魔だから帰れと言っている!!」
『りょっ、了解!!』

トーマス君のバクゥは私の通って来た道を猛スピードで撤退していく。これで
足枷は全て消えた。

轟音と共に機体後部から衝撃が伝わった。どうやら背後から原住民が撃ってきたようだ。
だが、この程度のダメージではMSは破壊されない。敵の方へと私は振り向いた。

「…排除!」

周囲の建築物という建築物に機関銃から銃弾を吐き出し、ガラスを地上の者どもへと降らせる。
そして最も手っ取り早い制圧手段をとった。
――――即ち、踏み潰す。

505 名前:フィッツ ◆1jBq828gys :04/02/04 00:08

>>501

「オラ、回避や!!」

スカイグラスパーの放ったミサイルを回避しながら、各機が急上昇していく。
猛烈な速度でミサイルを振り切り、ディンが一列となりより高空へと舞い上がる。
そして五機のディンが、下を向いた。

――――上、とった!

「全機、攻撃!!」

編隊を組んだ五機のディンは一斉に敵へと機銃とミサイルランチャーを
雨あられと浴びせた。
――――適当に弾をばら撒いたら、撤退する。

506 名前:ジョン ◆1jBq828gys :04/02/04 00:08

>>499-500

都市から少し離れた丘から、ザメルは砲を向けた。
射程数10キロメートルを誇り尚且つその精度も高いこの機体ならば、
ピンポイントな砲撃も容易い。

「ジョンちゃ〜ん」
「…何だ…」
「見えるかい?」
「…ああ、苦戦しているようだ…」
「じゃ〜あ、一発いくZE!」
「…了解…」

機体の四方から飛び出した杭が、機体を地面に固定する。
ギリギリギリ…と耳障りな音を立てながら、砲の角度がゆっくりと上がっていく。
その狙いは戦場から少しだけ離れたポイント。
――――威力を見せ付け、敵の戦意を削ぐ。

「「FIRE!!」」

DooooooN!!!

凄まじい衝撃波と音を背に、一個の砲弾が空へと放たれた。ビュウ、と風を切り裂き、
都市という要塞を突き崩すべくそれは飛翔した。

507 名前:スタン&民兵隊 ◆1oWHscADPA :04/02/04 17:08

>>503

「ち!」

スタンは自動小銃の弾倉を交換しながら舌打ちした。
こちらの放った無反動砲弾は無効化された。ラゴゥは
仲間の放った砲弾を口にくわえたビームサーベルでこちらの銃砲弾を消滅
させながら前進し、猛烈な速度ですれ違う。

すれ違った直後、ラゴゥの機体に爆発が起こった。建物の下に居る
仲間からの援護のようだ。しかし敵にはそれもあまり効いている様子は
ない。

「来るぞ!」

見ると、ラゴゥはスタン達の乗るトラックを追いかけてくる。
見る見る内に追いすがってくる。

「皆、飛び降りろ!」

運転していた仲間が叫びスタンとトラックに乗る四人の仲間は
一斉にトラックから飛び降りる。

直後、鋼の爪が、トラックを叩き潰した。

「うぉおおおおお!?」

衝撃に吹っ飛ばされたスタンは誇りまみれになりながら地面を転がる。
突然背中に何かがあたった。

――――クソ!

振り向くとそれは死んだ人間だった。
血は乾ききっていたのでかなり前に殺されたコーディネイターの
死体である事はすぐに判った。

クソこんな奴等のせいで!

スタンは銃を拾い上げると全速力で近くの路地裏に飛び込んだ。

508 名前:ソヌイ&部族の戦士達 ◆1oWHscADPA :04/02/04 17:10

>>504
背中にロケットを喰らった巨人はこちらを向いたと思った瞬間
機関砲をあたり一面の建物に撃ちまくった。
ガラスの砕ける甲高い音とその内のいくつかの
建物の中で射撃をしていた民兵と部族の悲鳴が聞こえた。

しかし、災いは地上のソヌイ達にも襲い掛かる割られたガラスの
破片が降り注いで来た。

「ぐわぁあああああ!!」

反応の遅れた仲間の悲鳴が聞こえた。ソヌイは慌てて身構えたため、無事だった。

直後轟音とその中に混じって鈍い、とても嫌な音が聞こえてきた。


忘れられない音だった。

目を向けると巨大な鋼鉄の脚が地面に下ろされている。


――――!

その下にある大量の肉片と、骨の欠片、内臓、血。

何が起こったのかは一瞬で理解できた。
身体が、怒りで振るえ、喉の奥から声が飛び出してくる。

「ううおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

殺してやる!殺してやる!ぶっ殺してやる!コーディのゴキブリがぁ!

しかし脚に飛び掛ろうとしたソヌイの袖を誰かが引っ張り、思いっきり
路地裏に引きずり込んだ。見ると部族の仲間の戦士がソヌイの袖を掴んでいた。
乱戦でどこに居るのかも判らなかったが生きていたのか。

『死にたいのか!?』
「うるせぇ!あいつは…絶対に許せねぇ!ゴキブリ野郎が!」
『今ここで死んだらそのゴキブリを殺す事も出来なくなるんだぞ!
 俺たちの武器じゃあいつ等は倒せん!無念だろうが今は逃げるんだよ!』
「畜生ォォ!!」

ソヌイは思い切り歯を食いしばった。
そして見た。踏まれた数人の仲間を。ただの有機物の塊になった彼等を。

さらに睨み付けた。あの、仲間を踏み潰したMS。
目に焼き付けた。必ずこの仇は撃つ。

「てめぇは必ず俺が殺す!」

そう一言だけ言い放つとソヌイは他の生き残った仲間と共に
路地裏を走り、後退を始めた。

509 名前:ワタル ◆1oWHscADPA :04/02/04 17:11


>>505

敵はこちらの放ったミサイルを易々と避けて急上昇に移る。
敵は追跡するミサイルを猛烈な速度で引き離しさらに上昇する。
暫く上昇して敵は下を向き、やがて急行下に移った。


「上から来るぞ!全機回避!」

隊長の叫び声と共にワタルはスカイグラスパーを急旋回させる。
ある物は前に進み、またある物はエアブレーキを掛けて敵の機銃とミサイルの
標準から外れる。

コクピットに警報音が鳴り響く。

クソ!掴まった!

ワタルは上空から降下してくるディンにも注意を払いつつ、機体を
急旋回させて回避運動に移る、さらにフレアを撒き散らしミサイルを
攪乱する。

ミサイルはフレアにふれ爆発した。


「この隙に逃げるぞ!敵を牽制しろ!」

隊長の指示にしたがい、残りのミサイルを全て撃ち放ち、機関砲で
敵をけん制し、仲間が逃げるのを援護する。

ワタルは最後まで撃ちまくった後、仲間に続き退却を始める。
あの映像は、全て届いてる。果たして何が起こるのやら。

退却しながらもワタルはとても嫌な予感がしていた。

510 名前:スタン(部族&民兵隊) ◆1oWHscADPA :04/02/04 17:12

>>506
路地裏を通りながら退却を始めた民兵と部族に破局が訪れた。
戦意を削ぐつもりで放たれた砲弾は撤退する彼等を直撃したのだ。
街の外から放たれたと思われる巨大な砲弾は街の建物を根こそぎ吹き飛ばし
不幸にも近くを走っていた車両や人間を粉砕し天高く撒きあげた。

瓦礫や車両の破片、ガラスそして人間の肉隗の降り注ぐ中を
スタンと民兵、そして部族の戦士たちは砂埃と血に汚れながら退却してゆく。
悔しさに時折後ろを振り返り、ザフト軍のMSを睨みながらスタンは思った。

この街の――――いや、この国のどこに行ったってお前等は
生きたコーディネイターの市民なんかに、出会えはしないんだ。

お前等が見たような光景はこの国のありとあらゆる場所で繰り広げられてるんだ。


この国が平和の国なんて思ってるのは――――お前等コーディネイターだけだ。
この国に入り込んで、ただで帰れると思うなよ。

―――――俺たちは必ず勝つ。この国を侵す者は誰であろうと許しはしない。

スタン達は都市からそれぞれの方向へバラバラになりながら逃げてゆく。

今は逃げる。だが次こそは。

都市は夕闇と静寂に包まれようとしていた。

511 名前:コズモレンジャーJ9 ◆zxRU2PNQg6 :04/02/05 15:50

−コズモレンジャー側導入−

急ごしらえの野戦基地。
あたりは負傷者の呻きや血の匂いでさながら地獄の釜の底の如く。
其処に、一台の車が。
側面にはウルフのマークがペイントされたスーパーカーが。
名はブライサンダー。
「あー、こいつは派手にやられたようだな、キッドさんよぉ」
スティーブン・ボウィー、通称「飛ばし屋ボウィー」が辺りを眺める。
「まあ、俺たちが頑張るしかないでしょ、ボウィーさん」
木戸丈太郎、人呼んで「ブラスター・キッド」がボウィーに返す。
「そうよね。なんたって追加でお金貰っちゃった事だし」
マチコ・ヴァレンシア、「エンジェルお町」も相槌。
「そうと決まれば、我々も本気だ」
アイザック・ゴドノフ、「かみそりアイザック」が締める。

そのとき、四人に近づく影が。
どうやら、着陸したスカイグラスパーから降りてきた少年兵。
「あの、あなたたちは?」
少年はそうアイザック達に聞いた。
アイザックが返す。
「コズモレンジャーJ9。宇宙の始末屋だ」
少年兵ははたと思い当たる。
アステロイドベルトに居を構え、アウトローさえも震えだすその噂を。
「もう心配するなよ。俺たちが来たからにはもう安心だぜ!」
キッドがサムズアップ。


512 名前:ロドルフ ◆1oWHscADPA :04/02/05 16:56

>>511
アフリカ。小国の沿岸部の港町。
ブルーコスモス軍仮設基地。

仲間であるワタルの援護を受けた俺達スカイグラスパー隊は
この国に最初に入ったブルーコスモス軍の先遣隊が気付いた仮設
基地に帰還した。

現在では本隊も到着したのだが、依然として異様な雰囲気に包まれている。

「また襲撃があったのか?」
機体から降りた俺が最初に感じたのは新鮮な血の臭いと
負傷者が痛みにうめく声。

先遣隊がこの国に入って数日。治安維持活動に入ったブルーコスモス軍に
武装した民兵と地元の部族が襲いかかるという事態が頻発していた。

彼等は我々の行う、治安維持は”敵”のコーディネイターを
守る事であり、我々はそれを邪魔する敵対行為と見られているようだ。

しかもここの所、駐留したブルーコスモス軍と住民との間に小競り合いが
頻発している。小競り合いは、時には武力衝突に発展し本隊が来るまでの間に、
数回の大規模な襲撃があった。

本隊が到着したここ数日は、襲撃の回数は減っていたのだが…。

「一体この国で何が起こったんだ」

訳が判らなかった。ザフト軍が内陸から侵入したとの情報もある。
それだけじゃない。この国の政府機関や軍隊とも連絡が全くとれない。

首都から入るのは、あの”ラジオ放送”だけだ。
住民達はコーディネイターを見つけては殺しまくってる。
それを止めようとしたブルーコスモスとの間にも対立が生じてる。

誰が敵で誰が味方なのかも判らない。いや、味方は判るか。

最も。ブルーコスモス事態。コーディネイター殲滅を掲げる組織なんだが。
それがコーディネイターを守ろうするのもおかしな話だ。

513 名前:ロドルフ ◆1oWHscADPA :04/02/05 16:58


(>>512の続き)
と、そんな事を考えていると。ロドルフの目に、四人の人物が目に入る。
そしてその傍らに駐車する側面にウルフのマークがペイントされた自動車。

ロドルフは四人に近づき話し掛けた。

「あのあなた達は?」

ルドルフの問いにリーダーらしき人物が答える。

『コズモレンジャーJ9。宇宙の始末屋だ』

ロドルフはそれを聞いてはたと思い当たる。
宇宙の始末屋。ブライサンダーと呼ばれるマシンを操り、お呼びとあれば、
どこにでも参上する。星の海に跋扈する荒れくれた無法者達でも震え挙がる。
その名を。

『もう心配するなよ。俺たちが来たからにはもう安心だぜ!』

もう一人のロドルフより少し年上ぐらいの青年が言う。

彼等の協力で、この訳の判らない憎しみに満ちた紛争をなんとか
する事が出来るのだろうか。

歴史上この類の紛争は―――――解決に途轍もない労力が必要になる。

一陣の風が陣地を吹き抜ける。
それはこれから起こる、戦いを告げるかのように。

514 名前:ジャン ◆1jBq828gys :04/02/05 23:57

>>507
――――逃がしたか。

夕焼けに照らされるラゴウの背中で、ジャンは煙草をふかした。
一仕事終えた後の煙草は妙に美味い。
コックピットの中では姐さんが、報告書を製作している。

状況はかなり酷かった。
確認出来ただけでも住人だったコーディネイターは半数以上がもう既に
ホトケになっており、この分では生存者が見込めそうに無かった。
更にラゴウ、バクゥ、ドム=トローペン何れも大きなダメージを受けており、
特にバクゥは機体のダメージ、そしてパイロットの精神的ダメージも大きい。

とはいえ、一まず山は乗り越えたようだ。
地平線に一つの影が見える。レセップス級「カルニエウァウ」――――
このアフリカにおいて最強クラスの地上艦――――これまで戻り、
一度補給を受ける。そこでこれからの対策を練るつもりだ。

目線を街に戻すと、地面が抉られ、巨大なクレーターが形成されていた。
ザメルのカノン砲の威力は凄まじく、多くのナチュラルを天国へと送った。

いつまでこんな争いが続くのだろうか。


「…ま、ケ・セラセラってね」


頭上をカルニエウァウへ向かい、五つの影が飛んでいった。
鴉達が巣に帰っていく。

515 名前:ローランド ◆1jBq828gys :04/02/05 23:58

(>>515の続き)

「まだ泣いているのかい、トーマス君?」
「…すみません」

私達を収納したギャロップの格納庫、少年は未だにすすり泣いていた。
後ろでは自らの戦果にはしゃぐポールとそれに黙って頷くジョンがいる。
――――面倒な奴らだ…。
私は彼に近付き、しゃがんで彼に顔を寄せた。

「…あのね、トーマス君。戦場では殺し殺されるのが当たり前なんだよ?それを
 戸惑う必要などあるのかね?」
「でも…」
「しかも今回先に手を出したのはナチュラルどもだ?わかるかね?ここは偽善や
生易しい感情で生き残れる場所じゃないんだよ。生身であろうとMSであろうと、老人
青年子供関係なく殺さなければならない。言葉だけでは、何も守れないんだよ」
「…だけど、人を殺したくはありません。ここは…」
「君が今まで見てきたこの国が嘘だった。それだけのことさ。…全てはザフトのために」

私はニッコリと笑い少年から離れると、自分の機体を見上げた。
そこそこに大きなダメージを受けたが、まだまだ戦える。次の戦闘では、より重装備に
しなければ。隊長達には人型に乗ることを進言しよう。

次の戦いでは、ハゲタカは確実にアレを使うだろう。アレによって有象無象全てを
焼き尽くすに違いない。
そしてまた多くの犠牲が出るだろう。
だがその犠牲も我らの生存のために生かされる。





――――――――この戦い、この血、この死。全てはザフトのために。

516 名前:小国の民 ◆1oWHscADPA :04/02/06 00:35

>>514-515
小国首都。

ここ小国の首都は、しばしの沈黙に包まれていた。
スピーカーやラジオからは弔いの音楽が流れ、アナウンサーは怒りに満ちた声を張り上げる。。

『この国に侵入したクソコーディどもは、地方都市の一角で男、女、子供老人を無差別に殺戮した!
 奴等はこの国に住む民と各部族を根絶やしにしようとしている!一年前の創世の時のように!』

放送の直後。街のあちこちから、ナチュラル住民の怒りの声が挙がった。

彼らは路地に繰り出し、暴徒と化して叫ぶ。
建築物(コーディネイターによって作られた)を叩き壊しながら叫ぶ。

「奴等に死を」
「仇を討て」
「この国から追い出せ」
「徹底抗戦だ!」
「大地を荒らすゴキブリを倒せ!」

憎しみはさらに深く強大になっていた。
この国は都市から村まで、憎悪の焔に燃えている。
かつては、彼等の――――貧しく、殆ど娯楽のなかった彼等の心の拠り所
だったラジオからもアナウンサーの殺意に満ちた罵倒が続く。

『殺せ!殺せ!殺せ!我々の国に奴等は要らない!』
『傲慢な奴等の鼻をへし折ってやろうぜ!』
『今まで散々好き放題やってきた奴等はもう居ない。だがまだ奴等の仲間が
 居る。皆これ以上奴等にすき放題されても良いのか?』
『女子供老人まで殺すどこまでも汚くえ傲慢な奴等に死をくれてやろうぜ!』

まるで暴言製造機のように激しい罵倒が続き。その度に国の都市という都市から
怒号と、歓声があがっていた。


泥沼はまだ始まったばかりだ。

517 名前:スタン(部族&民兵隊) ◆1oWHscADPA :04/02/06 15:31

>>516
小国首都郊外の町。

俺たち民兵は各地の部族と合流しながら首都に近い都市に向け、この国に住む者でも
彼等部族しか知らない道を部族の戦士に案内されながら歩き、退却した。

あれだけ大勢おた仲間達はいまや半分に減っていた。
車両も大半がMSとの戦闘と最後の巨大な一撃により破壊された。

―――――――畜生。

スタンは、その場に居た民兵と部族の誰もが怒りと殺気に満ちた顔で自分達の
居た都市のある方向を見ていた。
辺りは夕日に紅く染まっていた。この町でもご多分に漏れず、ナチュラル住民による
コーディネイターの殺戮が行われ、真っ赤に染まった建物が夕日に溶け合い周囲の
景色をより一層紅く染めている。

やっと奴等を追い出して大地を取り返したと思ったのに。
やっと幸せが戻ってくると思ったのに。

『………畜生……コーディのクソ野郎が!』

誰かが叫んだ。
その民兵は思いっきり近くに転がっていたコーディネイターの死体を蹴っ飛ばした。
仲間がそれをなだめている。だがその民兵はなだめようとする仲間に食ってっかかる。

『黙ってられるかよ!あの都市の下には何があるか忘れたんじゃねぇんだろうな!」

あの都市は―――――さっきまで戦っていた都市は俺たちの先祖から伝わる土地を、
家を、畑を、墓場を潰して作られた都市だ。

俺たちはやっと土地を取り返したばかりだった。
そこに住んでた、どこまでも人を見下して思い上がった奴等から。

いや。先祖から受け継いできたこの国を取り返したと言った方が正しいか。

『何が調停者だ!何が新たなる時代の担い手だ!ふざけやがって!』

仲間はさらに続ける。死体に唾を吐きかける。

調停者。そんな言葉は全くの出鱈目だ。心の国境がないなんてのも嘘だ。
奴等のやってる事は―――――そのナチュラルにも劣るような事だ。
もうこれ以上。そんな奴等の支配下に甘んじる必要など何もない。

518 名前:スタン(部族&民兵隊) ◆1oWHscADPA :04/02/06 15:33

(>>517の続き)
唐突に仲間の一人が言った。

『奴等の一番の強さは、その力だ。奴等の開発した物を見れば判る』

それを聞き今度は別の仲間が口を開いた。

「だから何だ?今更はいそうですかと、奴等に降伏したって奴等は俺たちを皆殺しに
 するだろうよ。一年前のNジャマーとジェネシスを忘れたのか?奴等は自分達こそが
 新たなる時代の担い手とか思い込んでる。遠慮なんかないだろうよ」

すると最初に言った仲間はむっとなって反論した。

『そんな事言ってるんじゃねぇ。奴等の武器に正面きって立ち向かえる武器が俺たちには
 ないだろ?ロケット砲や機関銃じゃあのデカブツには歯がたたんぜ?』

その仲間はさらに続ける。

『それに奴等の事だ。俺達を皆殺しに出来る武器を何種類も開発して持ってるんじゃねぇのか?』

そこまで来て今度はスタンが反論した。幾分。凄みを入れて。


「奪って使ってやればいい。そんな物使ったって逆効果だって事を教えてやれ」


スタンの唐突な、凄んだ発言に幾分戸惑ったのか仲間は苦笑いしながら続ける。

『それだけじゃねぇ。奴等はどんな手でも使ってくる奴等だ。伊達に遺伝子操作を受けておつむを
 強化している訳じゃないんだぜ?』

それにもスタンは即答した。



「だから何だってんだよ。それならこっちもどんな手を使ってでも守れば良いんだろうが」


―――――何がなんでも守りきってやる。

その時。背後から一人の”使者”が連絡にやってきた事に、スタンは気付かなかった。
その使者は場違いな聖職者風の服を着ていた。

519 名前:キリアン ◆1oWHscADPA :04/02/10 00:32

>>490
小国沿岸。港町。

 内陸と、空での血なまぐさい戦闘などとは無縁であるかのように海は穏やかだった。
港に停泊する、モニター艦「エレバス」とイージス艦「ウィリブス・ウーティニス」と
部隊を揚陸し、空っぽになった輸送船や揚陸艦に心地よい風が吹く。

港町の中に通じる運河では五隻の河川砲艦が警備活動にあたっている。

今回の任務は主に陸の―――この国の治安維持と、秩序の回復が目的であり
陸上戦力と航空戦力でなんとかなると、上層部は考えているようだった。

しかし、現在、その予想は外れつつある。

この国で起こった。ナチュラルの国民の大暴動と、コーディネイターの大虐殺という
前例のない異常事態に、報告を受けた上層部も、楽観的な対応を改め、援軍として
数隻の艦を増派するという通告が、先日来た。
現在その数隻の艦はこちらに向かっているという。

内陸部に進んだ部隊の報告によれば、現地のナチュラル住民は皆殺気立ち、
コーディネイターを見つけては殺害を繰り返しているという。

そして治安維持に努め、やむなくコーディネイターを保護するという”絶対にありえない事”
を行ったブルーコスモス軍に対しても、住民は不信と憎悪を募らせているという。
そしてテロや襲撃が現在でも耐えないという。
 エレバスの巨大な38センチ連装砲の砲塔で、キリアンは砲の整備をしながら、漠然とした
不安を抱いていた。陸で、ザフト軍と地元民兵と部族の交戦が行われたという。そして
友軍のスカイグラスパーが敵の空戦用MSを交戦した。

となると―――――次は。やっぱり。

キリアンは首を横に振り、その考えを打ち消した。少女のような眺めの髪が左右に揺れる。
ここは港の中だ。いくらザフトが滅茶苦茶な軍隊(ブルーコスモスも人の事は言えないが)
でも、いきなりドカンなんて事はないはず。

それに――――。

キリアンは砲塔から甲板に出た。アフリカの強烈な日差しが眩しい。

――――増援の艦も来る。

キリアンは不安げに沖合いを見つめていた。

520 名前:ドルチェフ ◆1jBq828gys :04/02/10 23:40

>>519
静かな海――――穏やかな海――――


無音の水中を高速で、数機のMSが進んでいく。
地上の騒ぎも何も知らず、ただただ敵へと向かい突き進む。

ザフト軍「波間の白鰐隊」の母艦ハンニバルから出撃したグーン、ゾノ達が
目指すのは波間のブルーコスモスの艦隊。
作戦目的は唯一つ、敵の撃破。

モニターに映るのはたった数隻の敵。


――――ハンニバル内、通路を二人の男が歩いている。一人は副艦長、
もう一人の濃いヒゲ面がこの艦の艦長ドルチェフ・ドミノスキーである。

「かんちょー、な〜にも貴方が出撃しなくても…」
「馬鹿を言えィ!艦長が前線に出てこそ、士気が高まるモンなんだよッ!!」
「ヘ〜イヘイ、わかりましたっス。…で、何に乗るんで?」
「そりゃあ勿論…アレだ」

彼の目線の先には、巨蟹がその姿を見せていた。


「よォォォしッ!行くぞォォォ!!」

水を切り裂き、巨大な機影が現れる。上部を青、下部を銀で塗り分けられた、
巨大な腕に爪を持つ、脚の無い蟹の様な姿。

MAM-07――――グラブロ。その額には、ザフト軍特有の”ツノ”があった。

521 名前:キリアン ◆1oWHscADPA :04/02/10 23:56

>>520
突然、非常警報が鳴り響いた。
まさか――――
「ザフト軍!」?

キリアンは右舷の甲板に出て沖合いを見た。
他の乗組員も作業を中断し、キリアンと同じく右舷の甲板に集まってきた。
港の沖合い数キロに、巨大な物体、ザフト軍特有のツノを持つ、巨大な蟹が
海面を切り裂き浮上していた。
 その時、艦内放送が聞こえる。艦長の慌しい声が周囲の海面と艦内に響く。

『総員!戦闘配置!』

そう聞こえた瞬間キリアンは弾かれたように走り出し、自らの持ち場である
主砲塔に向かう。他の乗組員も、一斉に走り出し、それぞれの持ち場に向かう。

キリアンは艦内に入り、階段を登って自らの受け持つ砲座に座る。


機関は既に動いていたので、すぐに「エレバス」の平べったい艦体は動き出した。
すぐ隣に停泊していたイージス艦「ウィリブス・ウーティニス」も同様に動き出す。

運河の河川砲艦五隻も戦闘態勢に入った。

砲座に座りながらキリアンは自分の心臓の鼓動が早くなってゆくのを感じた。
果たして、勝てるのか。増援は来るのか。

522 名前:ドルチェフ ◆1jBq828gys :04/02/11 00:10

>>521
「全機、攻撃開始」
「了解(ラージャ)」

グーン、ゾノの部隊が高速で敵艦隊へと接近する。
まずはそれぞれ魚雷、ライフルダーツ、フォノン・メザー砲を撃つ。
敵に気付かれたようだが、この距離ならば。

それにあくまで彼らは露払い。後ろから来る本命のサポート。
各機散開しつつ、火器を雨あられと放つ。


そして本命、グラブロの中でドルチェフは敵をしっかりと見据えていた。
どうやら水中に対応したMSはいないようだ。これならば特に
警戒する必要も無い。戦力的にも、こちらが上だろう。
機体を水中に沈めながら、その上部のハッチが開いた。

ヒュウゥゥ――――――――ッッ!!

対空対艦ミサイルランチャーが発射された。いくつものミサイルが、尾を
引きながら敵艦隊へと向かう。

「ガァ――――ッハハハハ!選手必勝ォウ!」
『艦ちょー、ソレを言うなら先手です!選手じゃありません!!』
「あ、そうなのか?…まぁいいじゃねぇか!ガハハハハ!!」

523 名前:アルビナ ◆1oWHscADPA :04/02/11 00:32

>>522
イージス艦「ウィリブス・ウーティニス」

海上に出たグラブロがこちらの水中用MSの不在を確認した後、その
機体から対艦ミサイルを放った。幾筋もの白煙が伸びミサイルがこちらに
向かってくる。

『全艦!回避行動に移れ!ミサイルを迎撃せよ!』

司令官の命令に従い、ウィリブス・ウーティニスは回避行動に移る。
同時に20ミリバルカン・ファランクスがミサイルに向けられ、さらに
甲板のセルから迎撃のミサイルが飛翔する。

レーダーを見ると、五隻の河川砲艦も港に出て、こちらに近づいてくる。

アルビナは艦橋の窓から遠くに見える、敵MSを睨んだ。

エレバスは最高で12ノットという低速艦だ、五隻の河川砲艦速力は同じぐらいだ。

守りきれるか?いや、守り抜いて見せる。
それが艦体の守護神、イージスシステムを積んだイージス艦の役目なのだから。

迎撃ミサイルが対艦ミサイルに命中し、爆炎が吹き上がり、空気を振動させる音が
海上に響き渡る。

爆発は連続し、その度にミサイルは迎撃されてゆく。

―――――全て落とせ!

しかし、アルビナの祈りとは裏腹に、レーダー員が叫ぶ。
『敵ミサイル。迎撃ミサイルを突破。二発接近!』
『ファランクス起動!打ち落とせ!』

艦長の即座の命令と同時に20ミリバルカンが牛のような音を立て咆哮する。
毎秒数千発という驚異的な連射能力を誇る最後の防御手段は正確に二機の
ミサイルを射抜いた。

『今度はこっちの番だ!速射砲。射撃開始!』

前甲板に接地されたウィリブス・ウーティニスの127mm速射砲が旋回し
MS目掛け咆哮する。毎秒80発の砲弾が、一定の間隔で放たれた。

524 名前:コズモレンジャーJ9 ◆zxRU2PNQg6 :04/02/12 10:51

>>520-521

突如としてブライサンダーを格納した艦が揺れる。
魚雷の類か。
「おいおい、いきなり歓迎の花火とは歓迎されてるね、俺たち」
キッドが飄々とぼやく。
「ボウィー、出撃するぞ」
「頼むわよ、グランプリさん!」
アイザックとお町がボウィーに言う。
「はいよ!ほんじゃ仔猫ちゃんに乗っちゃってくださいな!」
「イェイ!」
サムズアップも勇ましく、ブライサンダーに乗り込む四人。
同時に勝手にエレベーターを起動させ、甲板に出る。
「すまないけどさぁ、俺ちゃんたちも行かせてもらうぜ!ほ〜んじゃ、行くぜ、仔猫ちゃん!!」
ボウィーが無線で言づててアクセルをふかし、甲板を真っ直ぐに疾走。

ジャンプ!!

ブライサンダーは空中に飛び出し、そのまま空を走る。
ブライサンダーは空中でも走ることができるのだ。
そして降り注ぐ弾丸の雨あられ。
「ビンゴ!相手は水中にウジャウジャいるわ!」
「ボウィー、ブライサンダーでは分が悪い。ブライシンクロンだ」
お町の報告に、アイザックが指示を飛ばす。
「おうっ!」
ボウィーがスイッチを入れて叫ぶ。
「ブライ・シンクロン・アルファ!」
空中のブライサンダーが光に包まれる。
その光の中で――

タイヤとエンジンが車体内部に収納。
側面装甲がリアに折りたたまれる。
フロントが左右に展開。
同時に下部から機首パーツが接続。
リア部分が伸長展開の後、展開したフロントと合体し、エンジン部となる。
最後に主翼と垂直尾翼が展開し――
小型ジェット機サイズまでに巨大化。
これがブライサンダーからなるスライド変形の第二形態、ブライスターである。

「お初にお目にかかります」
ボウィーがおどけて――
「そして、お別れの時」
お町が続ける。
ブライスターから大量のミサイルが水中用MSに牙をむく。
爆発。水柱が次々にあがり、ブライスターに応戦の攻撃が。
「おおっとぉ!飛ばし屋ボウィーの回避力をなめないでよん!」
ブライスターは白い飛行機雲を引きながら水面すれすれをかっ飛ぶ。
同時にブラスターを撃ち込んでいく。

525 名前:海軍兵 ◆1oWHscADPA :04/02/13 20:16

>>522-524
次々と海面から放たれる魚雷とビーム、そしてフォノンメイザー。
艦隊の守護神、イージス艦ウィリブス・ウーティニスが対艦ミサイルと共に次々とそれらを迎撃する。
速射砲が咆哮し、バルカン・ファランクスの唸り声が響く。
迎撃ミサイルが白煙を上げて飛翔し、メイザーとビームと接触し爆発する。
先ほどまで穏やかだった海上は、一転して轟音と爆煙に包まれる。

ブルーコスモス艦隊は隊列を組んで、港の外に出る。

モニター艦エレバスと五隻の河川砲艦、そして多数の輸送船、揚陸艦はお互いをガードしながら
必死に攻撃から逃れようとしている。
さらにウィリブス・ウーティニスがザフト軍のMS郡の前に立ちはだかり、そのイージスシステムの持つ
能力の全てを総動員し、艦隊に迫る攻撃を片っ端から迎撃していた。
だが―――――――!

轟音が港と海上に響き渡る。

「輸送船が一隻やられた!」

別の輸送船の見張員の叫ぶ声が聞こえる。
見ると、隊列を組んでいた輸送船の一隻が右舷に直撃を受けたらしく、爆発炎上している。
輸送船は見る見る内に傾き始め、艦の中から乗り組員が次々と脱出を始める。
救命ボートに飛び乗り脱出する乗組員。

その時、さらに。爆音が聞こえた。
今度は別の輸送船がやられた。
ブリッジから火炎が吹き上がっている。

―――――クソ!ついに被害が出てしまった。畜生!

幸い。あれらの輸送船や揚陸艦は全て空っぽである。
運んできた戦車、MS、車両、航空機、兵員などは既に陸揚げしてある。
おまけに、輸送船や揚陸艦の搭乗員は省人化による無人化が進んでいるので
少ない。

だがこれ以上やられる訳には行かない。

526 名前:ドルチェフ ◆1jBq828gys :04/02/17 23:44

>>523>>524>>525

多数の重火器が吹き荒れる戦場で、敵へ与えた損害は思ったよりも
少なかった。それもこれも敵のイージス艦のシステムの高性能さ故であろう。
だが、それが同時に敵の弱点にもなる。

あれを沈めれば、後は簡単。

『全機、敵艦隊の盾を排除しろ。奴がアキレス腱だ』
『了解』
『Yes,Sir』

水中へと叩き込まれた敵の弾丸を浴びながらも、鮫達は敵へと接近する。
まだまだ火器は残っている。

――――だがその頭上へと巨大な影が近付いていた。

『何だ、アレは!?』
『まさか…スーパーロボットか!』

彼らの目前で非常識な変形、巨大化を見せ現れた艦は次々とミサイル、
ブラスターを放つ。
応戦するも何機かがその威力の前に撃墜され、海の藻屑と消えた。
周囲の海面に火と鉄屑が浮かび上がり、白煙・黒煙・爆煙が吹き上がる。

『コッ、こちら三号機、浸水酷くこれ以上の作戦行動の続行は…うわぁぁッ!!』
『私ももう無理です!機体が、機体が!!』

次々と敵の攻撃の前に鮫達は潰されてゆく、だが――――


「どぅあ――――っはっはっはっはっ!!!!」


巨大な爪が海面を突如裂き飛び出した。
豪快な笑いを周囲に響かせ、水飛沫を上げながらそれは伸びる。
蒼く輝くその爪はグラブロのクロー。狙いはただ一つ、空飛ぶブライスター。

そして――――

『全機、接近戦(インファイト)だ!このままじゃ埒が空かない!!』
『了解しました!』

その爪を叩き付けるべく数機のゾノが神の盾へと迫る。
フォノン・メーザー砲、魚雷を次々と彼らは吐き出した。

527 名前:アルビナ ◆1oWHscADPA :04/02/18 00:10

>>524>>526
イージス艦「ウィリブス・ウーティニス」

敵のMS郡は相変わらず健在だった。水中の目標には毎分80発の連射能力
を持つ速射砲もその効果を半減しているようだ。

獲物に群がる鮫の如く、敵水中用MSは接近してくる。
アルビナを始め、ブリッジに居た全員が艦の沈没を覚悟した。

その時だった。突然後方の輸送船の一隻から、一台の――――何と言えば
良いのだろうか自動車が飛び出した。

なんだ!?
艦長がそう叫ぼうととする前に、その自動車は光りに包まれ
文字通り、変形したのだ。ジェット戦闘機を思わせる姿に。

「なんだあれは!?」
『あんな兵器が我が軍にあったのか!?』

そのジェット機は大量のミサイルを、水中用MS郡に放った。
こちら目掛け突撃していた水中用MS郡は急な状況の変化に対応できず
次々とミサイルを喰らった。
爆発と巨大な水柱が起こり、MSの破片をばら撒く。

――――なんだか知らんが、これは―――――

状況はこちらに僅かながら有利になった。
そう思い、少し安堵した瞬間、海面からブリッジにもはっきり聞こえるぐらいの
笑い声と共に、巨大な爪が飛び出してきた。
その爪は新たに加わったジェット戦闘機に向けられていた。

そして次の瞬間、ソナー要員の叫び声が耳に入った。

『新たなMS郡。こちらに接近!』

見ると、右舷の方角から数機の陰がこちらに接近してくる。
水中用MSお得意の格闘戦に持ち込むつもりらしい。
再び艦長が迎撃を指令した。

20ミリバルカン・ファランクスが猛烈な速度で回転し、弾丸の防壁を築く。
速射砲と合わせ、その壁はさらに強固になる――――なった筈だった。

『右舷舷50度!魚雷!命中します!』

レーダー要員の絶叫が聞こえた瞬間、艦全体を凄まじい衝撃が襲った!
下から突き上げるような衝撃に、その場に居た全員がその場から放り出された。

「ぐわぁああああああああ!!」

528 名前:ザフトパイロット ◆1jBq828gys :04/02/18 00:28

>>527

敵艦から撃たれた無数の弾丸。
その威力は想像するに容易い。強烈な水圧に耐えるゾノの装甲すらも
撃ち抜くことは可能だろう。

――――だが、ここは水中だ。

『全機体、潜航!』

一斉に海底へと機体を沈め、水の抵抗に減速した弾丸の間を
易々とすり抜けて行く。

そして、轟音。

敵艦へとこちらの攻撃が命中。火を吹き、煙を上げた。
敵の混乱する姿を思い浮かべながら、”ゾノ”のパイロットは表情を緩め、
そして引き締めた。

兎にも角にも勝利は見えた。

『行くぞォォ!』

ゾノ達は一気に海上まで接近。
そして、敵艦へと取り付くべく猛烈な速度で突進した。


そして――――何時の間にか空中を幾つものミサイルが白い尾を引き飛んでいた。
母艦ハンニバルから放たれた、対空ミサイル十数発が敵艦隊へと襲い掛かる。

529 名前:アルビナ ◆1oWHscADPA :04/02/18 00:46

>>528
魚雷は右舷に突き刺さるように命中した。
爆圧によって生じた孔から、猛烈な勢いで海水が流れ込む。

『クソ!艦の傾斜の修復を急げ!敵が接近してくるぞ!』

艦長の命令が飛び、ブリッジ要員達は慌しく動き回る。
アルビナは放り出された衝撃で一瞬気を失ったがすぐに気がつき、
自分の持ち場に戻った。艦内ブザーが鳴り響いている。

その時、再びレーダー要員の叫び声が聞こえた。
『新たな機影!これは…対艦ミサイルです!』
『ち…迎撃ミサイル。全弾発射!速射砲、バルカン・ファランクス射撃開始!』

命令と共に、前後の甲板に設置されたセルが開閉し、無数の白煙が上空に伸びる
白煙は、一旦上昇した後、迫り来る対艦ミサイル目がけ、殺到して行く。

『右舷前方!水中用MS接近!』
『なんだと!!』

ソナー要員と艦長の悲鳴に近い叫び声がブリッジに響き、
直後、先ほどの魚雷の時とは比べ物にならない衝撃がブリッジに居た全員を
なぎ倒した。

取り付かれた。もうだめだ。

アルビナを始め、全員がそう思った時…。

「左舷後方より接近する艦影5!河川砲艦です』

―――――何?
誰もが驚いていた。小型の警備用の艦である河川砲艦が何をする気だ?
そう思うアルビナの視線に、低速ながらも突進する五隻の河川砲艦が移った。

先頭を行くのは河川砲艦「ファルコン」だ。

小型の砲艦達は、ウィリブス・ウーティニスに今まさに取り付かんとしている
MS郡目掛け、76ミリ速射砲を放った!

530 名前:ザフトパイロット ◆1jBq828gys :04/02/18 01:02

>>529

我々の機体は敵艦へと突進し、その衝撃で持って艦体を揺らした。
もはや勝利は確定。この距離なら――――外さない。

一機がクローを振り上げたとき、唐突に機体に衝撃が走った。
見ると、五隻の河川砲艦がこちらへとむかい速射砲を放っている。
その弾丸を受けたゾノの内、一機がコックピットに直撃。
目の前で沈んでいった。

『チィッ、ナチュラル風情がッ!!』
『しゃらくさい…俺は奴らを叩く!お前達はソイツを沈めてしまえ!!』
『了解ッ!!』

装甲で覆われた頭頂部を盾としながら、一機のゾノが敵へと向かい
フォノン・メーザー砲を放った。頭部から肩部にかけての装甲であれば、
耐え切れないこともないだろう。

そしてその後ろで残ったゾノが、クローを振り上げ、そして――――

叩き付けた。鉄と鉄の擦れ合う音、切り裂かれる鉄の音、そして切り裂かれた
箇所に流れ込む水の音が周囲に鳴り響く。

531 名前:コズモレンジャーJ9 ◆zxRU2PNQg6 :04/02/18 09:38

>>526

突如として水面を割って現れる巨大な爪。
「のおおっとぉ!」
ボウィーの操縦テクにて間一髪でかわすブライスター。
「ボウィー!ブライシンクロンマキシムだ!」
アイザックの檄が飛び、ボウィーが叫ぶ。
「ブライ・シンクロン・マキシム!!」
ブライスターが光に包まれ急上昇。同時にこの場にいる誰でもない(もちろんJ9メンバーの声でもない)、渋いナレーションが全軍の無線に割り込む。

『夜空の星が輝く陰で、悪(ワル)の笑いがこだまする。
 星から星に泣く人の、涙背負って宇宙の始末。
 銀河旋風ブライガー、お呼びとあらば、即参上!!』

機首パーツが機体下に格納。
エンジンパーツの後ろ半分が伸長、脚部を構成。
前半分から鷲の爪の如きクローが飛び出し、腕部に。
機体上部の増加装甲展開と同時に頭部が飛び出し、一気に30m近く巨大化し、キメポーズ。

これぞ、スライド変形の第三段階にして最終戦闘形態、ブライガーだ。
3形態の中では最大の戦闘力を誇る、まさに誰が呼んだか、無頼の牙。

「へえぇ、クローか!面白いじゃないの、だったらこっちもクローで一騎打ちだぜ、イェイ!」
頭部ブラスター・ピットに移ったキッドが叫ぶ。
ブライガーは水中に飛び込み、クローの主と思しき角付きのグラブロと対峙。
「おーやおや、角付きとはまたアナクロですなぁ、キッドさん」
操縦担当のボウィーがキッドに言う。
「気をつけなさいよ、普通の奴より三倍早かったりして」
お町も返す。
「任せろよ!こんな悪党に負けるようなブライガーじゃないぜ!」
キッドがノリも軽くあしらい、ブライガーがグラブロに急接近。
左右の拳をたたきつけ、とどめに右のクローでグラブロのアームの片方を握りつぶす。
「イェーイ!!」


532 名前:BC海軍兵 ◆1oWHscADPA :04/02/18 17:37

>>530
五隻の河川砲艦は低速ながらも全力で航行し、ウィリブス・ウーティニスに取り付こうとしている
MS郡に速射砲を叩き込んだ。
五隻の河川砲艦は一列横隊になって進み、その武装である76mm速射砲をグーン、ゾノに
浴びせ掛ける。

着弾した海面に小さな水柱が林立し、その中で一機のゾノが直撃を受けた。
致命的な部分に砲弾を受けたゾノはがっくりと力を失ったかと思うとそのまま
水没していった。

『やったぞ!』

先頭を行く河川砲艦「ファルコン」の小さな艦橋で、無精ひげを生やした中年の艦長は
叫んだ。どうやら普段地味な警備活動に順次してきた鬱憤がたまっていたらしい。

『敵が一機こちらに向かっています』

見張り員の報告を受け、艦長は『砲撃を奴に集中しろ!』と命令する。
それに従い、再び五隻の河川砲艦は速射砲を連射する。

だが、何発かは命中してるのが肉眼で見えるのに、ゾノはこちらに突進してくる。

『畜生!どうやら思った以上に装甲が硬いらしいぜ!』

一人の海軍兵が叫ぶ。
別の海軍兵は甲板に設置された40ミリ機関砲を撃ちまくる。
だが、殆どが弾かれ、カンカンという音が虚しく響き渡る。
『クソ―――――!』

その時、ゾノの肩が緑色に輝き、一筋の閃光、フォノンメイザーが水面を迸った。
フォノンメイザーはそのまま五隻の中で三番目を航行していた河川砲艦「ロビン」を
直撃した。
 排水量僅か200tクラスの、しかも本来ならば警備用の艦である河川砲艦に
この攻撃が耐えられる訳がなかった。フォノンメイザーはロビンの薄っぺらな装甲を
易々とぶち抜き、内部からの猛烈な爆圧に一瞬ロビンの艦体が膨らんだと思った瞬間、
巨大な火球が出現しロビンの艦上層部が根こそぎ吹き飛んだ。

艦体の鉄片と木片そして乗り組員が燃えながら海上にばら撒かれ、全ての爆煙が消えた後、
上層部が根こそぎ失われた、ボロクズのような艦体がゆっくりと沈没していった。

『チクショウォォオオオオオオ!』

それを見た中年の艦長は大声で叫んだ。
海軍兵達も、ある物はMSを睨みつけ、ある物はロビンの艦体が沈没してゆくのを
呆然と見ていた。

ゾノに向けて、すぐに反撃は開始された。

『クソッタレめ!コーディネイターが!』
『ロビンの仇だ!』
『これでも喰らいやがれ!』

残りの四隻の河川砲艦がゾノ目掛け全ての武器を総動員した猛砲撃を開始した。
各艦が装備した二門の76mm速射砲と、六丁の機関銃が一斉に咆哮しゾノの周囲に
先ほど以上の水柱が林立する。

533 名前:アルビナ ◆1oWHscADPA :04/02/18 17:53

>>530
ゾノが遂にその爪をウィリブス・ウーティニスに突き立てた。
金属的な悲鳴とと共に海水が一気に流れ込む音が後に続く。

衝撃に揺れる艦橋でアルビナは歯噛みする。
近づかれた以上。速射砲はもう使えない。ミサイルを使えばこっちも吹き飛ぶ。

ならば――――。

艦隊全体で見れば五隻の河川砲艦の内、既に一隻は撃沈され、残りの四隻もMS相手に
戦闘中だ。便りに出来るのはこの艦隊の中で最大を誇るモニター艦「エレバス」のみ。
そのエレバスも飛来するミサイルに苦戦中らしい。

艦長が下礼する。

『落ち着け!浸水の防止に努めろ!20mmバルカン・ファランクスをゾノのクローに
 向けて撃て!』

20mmバルカン・ファランクスが旋回する、目標はゾノのクローと腕の接合部分。
毎秒数千発の弾丸を放つ艦の最終防御兵器が吼える。

534 名前:キリアン ◆1oWHscADPA :04/02/18 18:04

>>528
『全速回避!全対空砲、射撃開始!』
艦長の号令が艦橋に響き渡る。

キリアンは36センチ主砲の砲塔の中で、艦の無時を祈った。
味方の艦隊がどうなったのかはこの中からは判らなかった。

だがどうやら敵は水中用MSと潜水母艦らしい。
 そう考えてる間にも、外からは対空砲火が放たれ、砲撃音と振動が
一定の間隔で砲塔に響いてくる。時折、一層激しい爆発音も聞こえる。

突然、砲撃の開始を告げるブザーが鳴り響いた。

『砲撃準備!目標。敵潜水母艦!』

キリアンは改めて向き直った。ついに来た。自分達の出番だ。
心臓がドキドキしていた。二回目の実戦。巨大な砲弾が装填される低い音が
聞こえる。

目標は敵、潜水母艦。

砲塔がゆっくりと旋回し、それにつれてキリアンの視界にスコープを通して
水平線上に、一隻の潜水母艦の姿が見える。

『てぇぇええええええええ!!』
艦長の号令と発射を継げるブザーが鳴り響き。
キリアンは引き金を絞った。

落雷を思わせる轟音と共に巨大な主砲が火を噴いた。
36センチという巨大な砲弾が敵母艦目掛け空気を切り裂き飛翔してゆく。

535 名前:ドルチェフ ◆1jBq828gys :04/02/20 00:04

>>531

「避けられたかぁッ!!」

グラブロのクローは敵の側を掠め、その巨体は海へと沈んで行く。
水中へと潜航するグラブロのコックピット内のドルチェフにも、その声は
聞こえていた。

『夜空の星が輝く陰で、悪(ワル)の笑いがこだまする。
 星から星に泣く人の、涙背負って宇宙の始末。
 銀河旋風ブライガー、お呼びとあらば、即参上!!』

「ワシを差し置いて合体だトォ!?羨ましいッ!!」

ドルチェフは身を乗り出し、モニターへと顔を近付け叫ぶ。
唾が飛び散り、モニターを汚した。
カメラアイに映ったその姿は、正しく噂のスーパーロボット。
戦場の常識を非常識な力で覆す超兵器。ついでに言うと男の浪漫。

海中へと飛び込んできたブライガーと対峙するグラブロ。
仕掛けてきたのはブライガー。左右の拳を叩き付けオマケに
右のクローでグラブロの左腕を持っていった。

激しく振動するコックピットの中、ブザーが鳴り響き、機体はボロボロ。
だがドルチェフは諦めない。

「船乗り根性を見やがれい!!」

全速で大きく右へと旋回、敵との間に距離をとり、魚雷をブチ込む。
だが機体は限界へと近付いていた。

536 名前:ザフトパイロット ◆1jBq828gys :04/02/20 00:05

>>532

「こんのォッ、雑草どもがァ!!」

悪態を垂れるパイロットの乗るゾノは、次々と弾丸をその身に浴び既に満身創痍だった。
装甲の厚い場所ならともかく、そうでない場所に打ち込まれた弾丸は確実にゾノの
戦闘能力を奪っていく。
航行能力は確実に落ち、レーダー能力も削られた。
たかがナチュラルに、たかだか地球人に。
強く歯軋りをしながら、パイロットは機体を操作した。

敵の銃弾を避けるかのように機体を潜航させ、水底を機体で引っかきながらゾノは
その体を敵艦隊の真下へと移動した。

そして――――

「地獄まで付き合ってもらおうかッ!」

高速で敵艦体の中心へと浮上、そして弾丸を受けながら――――コックピットまでも
それに貫かれながら――――ゾノは、

その巨躯を敵の艦へと叩き付け停止した。

537 名前:ザフトパイロット ◆1jBq828gys :04/02/20 00:05

>>533
ゾノの巨大な爪は敵艦の脇腹を抉り、その傷から油を吐かせて行く。
透き通った海は黒く滲み、あらゆる物を粘り付かせる。
更にその爪で艦を抉りこみながら、ゾノはフォノン・メーザーを敵艦へと
向けた。

「コイツで終わり…んぁ!?」

左の爪に弾丸が突き刺さり、腕とそれとが切り離された。
火花を上げながら、左腕はただの鉄塊と化した。

「チッ…上か!」

頭上から豪雨の如く降り注ぐ弾丸。恐るべきはバルカン・ファランクス。
機体を海中へと沈み込ませ、フォノン・メーザーをそれらへと向けた。

「もらったッ!!」

海が一瞬で沸騰し、凄まじい勢いで水蒸気が上がる。
そして海上の油に、引火した。

炎はMSの姿を覆い隠し、そして艦を赤く灼いた。

538 名前:副艦長 ◆1jBq828gys :04/02/20 00:06

>>534
戦場からは無縁の母艦――――少なくともんなワケないのだが――――
は的確に敵艦隊へと攻撃を行っていた。
どう考えても足りない火力を補うための攻撃だが、思いのほか効いていない。
そして敵のスーパーロボット。これと艦長のグラブロが衝突。予想外も良い所である。
しかも戦況はこちらが思いのほか不利。
副艦長は船員に指示を飛ばしながら、タバコを思いっきりふかす。

「艦長といいナチュラルといいスーパーロボットといい…え〜い!うッとおしいッ!!」

ストレスを溜めながら、指令を下す。その姿に船員は肩をすくめた。

しばらくしてレーダーにあるものが映った。敵艦から放たれた砲弾。

「副艦長!三時の方向からタマです!!」
「何ィ!…全速前進、絶対に当てるな!!」
「無理でス、もう当ります!!」
「はっ?」

次の瞬間、ハンニバル内を大きな衝撃が襲った。
副艦長一人を除き、何時の間にか皆は既に衝撃に備えていた。
――――よって副艦長だけが床を転げ回るハメになった。

「痛ゥ…速く言えアホ!被害は!!」
「ドライチューブが一個吹っ飛びましたが、他はナシっス!!」
「よし、チューブ内の乗務員を全員艦内へ!避難完了後チューブは切り離し、
 全機に撤退を命じろ!!」
「了解!!」

539 名前:海軍兵 ◆1oWHscADPA :04/02/20 00:35

>>536
残された四隻の各河川砲艦に搭載された二門の速射砲と六門の機関銃による集中射撃は
確実にゾノの装甲を、機体を抉ってゆく。

ゾノは頭部の特徴的なツノが吹っ飛び、爪も損傷した、そしてあの厄介なフォノンメイザー
の発射口も潰され、速力はみるみる低下して行く様子が『ファルコン』の小さな艦橋からも
見て取れる。

中年の艦長は子供のようにはしゃいでいる。

『よっしゃあ!後少しだ!』

だが――――突然、ゾノが水中に潜った。
既に機体は満身創痍である。装甲にも歪みが生じているはずだ。
そのような状況で潜行するとはあまりにも無謀すぎる。

『な……何をする気だ!?』

はしゃいでいた艦長も、他の海軍兵も戸惑いを隠せなかった。

だが、しばらく間をおいて起こった光景は、艦長も含め、その場に居た全ての
海軍兵の度肝を抜いた。

なんと潜ったゾノは一列に並んで航行する四隻の、ど真ん中に浮上してきたのだ。

『なんだと!』
『……やばい!全艦早く奴を撃て!撃つんだ!』

たちまち、集中砲火を浴びるゾノ。
猛烈な集中砲火は、ゾノの機体をただの屑鉄へと変えてゆく。

だが次の瞬間ゾノは、「ファルコン」の艦体にその巨体を叩き付けた。
猛烈な衝撃と轟音がファルコンの艦橋を襲い、その直後に起こった大爆発は
『ファルコン』を跡形も無く、乗組員諸事吹き飛ばしてしまった。

黒煙が晴れた時、ファルコンの姿も、ゾノの姿もそこにはなく、僅かな
破片と、油、艦の残骸が漂っているだけだった。

540 名前:アルビナ ◆1oWHscADPA :04/02/20 00:36

>>537
発砲されたバルカン・ファランクスは正確にゾノの爪を射抜く。

――――いいぞ!

アルビナを始め、艦橋に居た全員がひとまずは助かったと安堵した。
しかし、それは一瞬の喜びであった事を彼等は思い知る。

体勢を立て直したゾノは、自らの左腕を射抜いた張本人、バルカン・ファランクス
目掛け、その強大なフォノンメイザーを放ったのだ。

この時、ウィリブス・ウーティニスを二つの災厄が襲った。
一つは放たれたフォノンメイザーによるファランクスの破壊とそれにともなう爆風、
衝撃波、そして破片。

そしてもう一つは発射と同時に発生した―――――大火災!

『総員退艦!繰り返す!総員退艦!』

艦長が、そう命令するまでもなく、アルビナを始め艦の乗組員は
テンでバラバラになって在る者は海に飛び込み、ある者は脱出用ボートに
飛び乗って逃げ出していた。

クソ!

アルビナは全速力で現場から離れる救命ボートの上で歯噛みしながら
自分達の艦が沈没してゆくのを見ているしかなかった。

541 名前:キリアン ◆1oWHscADPA :04/02/20 00:37

>>538

放たれた砲弾は確実に敵潜水母艦を捕らえた。

―――――やった。

ザフト軍は撤退を始めたらしい潜水母艦は水中用MSを収容すると
ゆっくりと姿を消していった。

取り合えず。なんとかこの場は凌いだ。
 だが、被害は甚大だった。部隊を運んできた輸送船と揚陸艦は殆ど沈められた。
さらに護衛のイージス艦「ウィリブス・ウーティニス」と河川砲艦『ロビン』『ファルコン』
までやられてしまった。

こうしてブルーコスモス軍もまた、血と狂気の渦巻く、泥沼へはまり込む事になった。

542 名前:コズモレンジャーJ9 ◆zxRU2PNQg6 :04/02/20 09:38

>>535
「ヒュウ♪いやまた、あきれた頑丈さだぜ」
キッドが歓声を漏らす。
左腕をもぎ取られたというのに、グラブロはなおも攻撃してきた。
大量の魚雷がブライガーに叩きつけられる。ブライガーは両腕をクロスしてそれに耐えた。

「ボウィーさんよ、グランプリの名が泣くぜ?」
「まぁ、そう言ってくれるな」
キッドがボウィーに軽口をたたく。ボウィーもそれに返す。
「しかし、やられっぱなしってのも癪に障るぜ。反撃だっ!!」
ブライガーの胸部中心にあるシャッターが開く。
シャッターから青い光が飛び出し、巨大な槍、ブライ・スピアに。
「さぁて、やつらの化けの皮でもひん剥きに行きましょうか」
「どうせひん剥くなら、こっちの方といきたいね、僕ちゃん!」
「チョメ!」
お町の服に触れたボウィーが叱られる。
「おりゃあああああっ!!」
ブライスピアを振りかざして接近し、グラブロの残った腕を破壊。
「キッド、トドメだ!」
「わかったぜアイザック!行くぜ、ブライ・ソード!!」

キッドの掛け声で、再びシャッターから飛び出した光が、今度はウルフのマークの描かれた剣、ブライソードに。
水中だというのに、ブライガーの動きは正に旋風を思わせた。
大上段にソードを振りかぶる。
「でやぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!」

気合一閃!!

両断されるグラブロ。一拍おいて爆発。水中を爆発の衝撃波が駆け抜ける。
「イェイ♪」
爆発の寸前、グラブロから脱出ポッドが射出されたのが見えたが、あえて追撃はしない。
あたりを見回すと、ザフト軍は撤退をはじめている。
「よし、一度艦に戻る」
「はいよ!仔猫ちゃんの玉のお肌が海水でサビちゃコトだ!」
アイザックの指示が飛ぶ。
水中から飛び出したブライガーは光に包まれシンクロンバック。ブライスターへ縮小変形。

だが、これがまだ前哨戦に過ぎないだろうということに、J9のメンバーは気づいていた。

543 名前:レジェア ◆1oWHscADPA :04/02/25 23:46

―――――――地方都市。夜10時頃。

この一見平和に見える地方の都市でもでも、この国の市町村で起こった事と同じ事態が発生していた。
いや、この国で、この惨劇から逃れられた都市や町、村など一つもなかった。

都市はほぼ無人の街と化していた。
つい先日、ザフト軍がこの国に侵入したとの情報がラジオからの放送でもたらされた。

それに伴い、ザフト軍の侵攻を恐れ、この街に住んでいた殆どの人間が逃げ出していたのだ。
彼等は一路、この国の『首都』を目指してある者は徒歩で、ある者は自動車で避難していた。

 その殆ど無人と化し、電気も付かない都市の外れで、一人動く影があった。
それは自動小銃で武装した一人の民兵―――それも女―――だった。
その女民兵は今一つの”物体”を引き摺って、ある場所へと向かっていた。

「おもてーな。クソ」

物体を引き摺りながら女民兵ははき捨てるように言った。
その物体が引き摺られた後は、赤い、染みがペンキのように続いている。
もはやなんなのか判らないぐらい酷く変形した物体は、かつて生きていた物だ。
 正確に言ってしまえば、この国に住むナチュラル達の憎悪の対象となっていた
者達だ。

 この都市の特徴を挙げてみると、それは大体見当がつく。
この都市は――――いや、この国の殆どの都市がそうであるのだが――――
大きく分けて二つの区画に分かれていた。

一方は素晴らしい設備と環境を持つ、衛生的な、白亜の住宅地や高層ビルが並ぶ中心街

そしてもう一方は、それらとはコンクリートの”フェンス”を隔てて存在する
薄汚れた窓の小さい、低い建物や、バラック小屋のような粗末な家が並ぶ郊外。

女民兵――――『レジェア』はフェンスの所までその物体―――死体を運んできて
一休みしていた。

自動小銃でぶっ壊した自動販売機からかっぱらった酒(よく冷えてる)を開けて
思いっきり飲む。

「ん………ぷはぁ!…うめー」

美しい容姿に似合わない粗野な言葉。後ろで束ねられたポニーテール。
ヘソまで出したタンクトップに、太ももまで露出したホットパンツ。
あぐらを書いて地面に座ったレジェアは周囲を見回す。

フェンスに囲まれた美しい都市にはあちこちに、ベッタリと血が付着していた。
目をフェンスの方に向けると、重機かなにかでぶっ壊され、ひしゃげ、粉々にされた
フェンスの変わり果てた姿があった。

――――――ふん。あれだけ威張ってた割には大したこと無かったな。

レジェアは静かに息をついた。。本当ならその美しく、かわいくもある顔は、こんな血
にまみれた異様な場所には酷く不釣り合いなのだが、そんな事は今の彼女にはどうでもよかった。

レジェアは近くにあった死体に目を向けた。
昼間、灼熱の太陽に照らされた血は、アスファルトの上で既に乾ききって染みを作っている。

彼女の心の中には、同情とか、良心の呵責といった思いは皆無だった。
今ままで散々、人の事を見下してた奴等。
そいつらの最後はある種の”喜劇”としか言いようがないほどあっけなかった。

「さてっと…」

レジェアはまた重い死体を引き摺って歩き始めた。
これが彼女に与えられた仕事―――暴徒と化した民衆に殺されたコーディネイターの死体を
都市の外に捨ててくる事だった。

要するに後片付けだ。
暗闇の都市を、一人レジェアは死体を引き摺ってゆく。

死体とデート?冗談じゃない。

その都市の外――――殆ど何にもない平原に穴を掘って作られた、かつてナチュラルの住民が
使用していたゴミ捨て場に、大量のコーディネイターの死体が捨てられたいた。
燃えないゴミと一緒にされて。

最も、今は真っ暗なのでその姿形までは確認できないのだが。

その暗闇に隠れた穴の手前に来てレジェアは立ち止まる。
ゴミと一緒に捨てられた、今となっては物言わぬ死体と化したコーディネイターと思われる
黒い塊の山を見下ろし。また一杯酒を飲む。
 珍しく、夜風が吹いていた。レジェアの露出した腹とヘソ、そして太ももに心地よい風。
レジェアはその山のように打ち捨てられたコーディネイター達があるであろう方向を見下ろす。

「おら…よっと」

それから、引き摺ってきた死体を、暗闇の広がる、穴の中に投げ捨てるた。
どさり、という鈍く篭った音が穴の中に響いた。

「――――さてっと。」

レジェアはまた向き直り、フェンスでそれぞれ”隔離”された者達が、かつて住んでいた
都市に足を向ける。

ザフト軍の奴等が来るまでにはまだ、時間がある。その前に死体は全て片付くだろう。
彼女は飲みかけの酒の缶を片手にし、肩にライフルを担いでのんびりと歩き出した。

544 名前:チャーリー ◆1jBq828gys :04/03/14 23:23

――――極めて状況は悪かった。

各都市でコーディネイターが虐殺され、便乗した略奪や強盗が横行していた。
この事態に対し、本国は至急地上に残る軍人など特別な例を除いた
コーディネイター達に宇宙へ上がるように、と通達した。
ZAFTの各基地には民間人達が溢れ、我先にとシャトルの席を争っている。
かつての平和の国からは到底考える事など出来ない惨状。

いまやアフリカの小国は戦場であった。

その状況下、カルニエウァウの艦長兼アフリカ方面軍指揮官、
”禿鷹”チャールズ・ウィリアムは報告書を睨みつけ、眉をひそめていた。

「むむむむ…」
「艦長」
「…何だね?」

チョビ髭を指で擦る司令官の前へと現れたのは、かつては『月下の梟』と呼ばれた
元パイロットにして彼の副官、アキナ・ヤタ・アゲハ。理知的かつ聡明、艦内男子限定の
秘密の人気投票でも一位を取るほどの美女。
彼女は元はオーブの名家の出なのだが、自ら志願してこの艦の乗務員となった。
恐ろしく優秀なパイロットだったのだが、戦闘時に右目を失明して辞め、現在副官。

「報告します。現在ハンニバルは沖合いにて待機中、ただ戦闘行為は不可能に近く――――」
「うむ」
「北東部では『浮世の餓狼』隊が戦闘中、優勢。ただし劣化ウラン弾を使用したとのこと――――」
「ふむ」
「南部では現地ジオン軍の助けを借りてこちらも戦闘を優勢に進めています。ただ民間人の生き残りは
 ――――皆無とのことです」
「うぅむ…ハァ…いかんなぁ…これでは本国に顔向けが出来んぞ」
「ですが、生き残りがいるだけマシです。大西洋岸側は最悪と言っても言いですが、内陸部、特に
 ユーラシア連邦の影響が強い地域は彼らも人道的見地から我々を保護してくれています」
「ならば問題は――――」
「原住民です」

はぁ〜…とチャーリーは溜息を一つついた。無理も無い。
大西洋岸の治安は最早崩壊しており、多くの死の街が生まれていた。
いまやこの国が国として成り立っているかどうかも怪しい。

――――まったく、猿どもが。調子付きおって。

元々アフリカ共同体は親プラントであったために、この惨状は異常の一言。
やはり誰かが裏から操っているとしか思えなかった。

「…やはり大西洋連合系が一枚噛んでいるのか?」
「その可能性は高いと思われます。原住民があれ程の装備を短期間で揃えられるのは不可能。
 ならばやはり支援していた組織、国家があったと考えるのが妥当です」
「チッ…一年前の戦争で盟主と戦力の半数以上を失った癖に、まだ敵対してくるのか」
「ユーラシア連邦の手前弱気なところは見せられないのでしょう。少しでも隙を見せれば地球上でも
 戦争が始まりかねません。両者の関係は旧世紀の合衆国とソ連に似ていますから」
「…どうすればいいと思う」
「徹底的な血と弾丸と死でもって報復すべきでしょう。歴史上強大な戦力で敵対する者を圧殺、成功
 した例としては、モンゴル帝国や中華人民共和国があります」
「やはりそうか――――」

すっくと巨漢の司令官は立ち上がり、窓へと近づき、その外を見つめた。
眼下には何機ものMSや戦闘機が見えている。
いくつかの部隊――――その中に混じって、巨大なコンテナが一つあった。

「サハク家から頂いた例のモノは?」
「素晴らしい性能です。わが軍の技術で更なる強化も見込めます」
「そうか。六機目の外道は――――彼女は――――”ノワールフレーム”はそんなに良いのか」
「はい。ジャンク屋の赤、傭兵の青、サハク家の金、そしてオーブの灰と緑、我らの剣”黒”」
「彼女にNJキャンセラーは搭載済みだな?」
「勿論」
「良し」

我らにはまだ切り札がある。
――――黒の外道。
――――反応弾。
――――そして――――我ら自身、コーディネイター。

545 名前:ジョアン ◆1jBq828gys :04/03/15 00:47

>>543
地方都市――――早朝。

朝日を背に浴びながら、数機のMSが歩いていた。
無人の街に巨大な足音が響き、その振動があらゆるものを揺らす。先頭からイフリート、
ザクU後期生産型、そしてジン・オーカー。彼らの名は『砂中の蠍』隊。
ZAFT軍の中では平凡な、しかし堅実な中堅的といえるパイロット達で纏められた部隊である。

彼らの目的は生存者の捜索。同時にゲリラの掃討任務も与えられていた。

『隊長、やはり反応がありません。中心街は反応0。誰もいません』
『血の跡しかありませ〜ん。やっぱり生存者なんていないんじゃないスか?』
「何を言っている。まだスラムを調べていないだろうが」

機体のコクピット内でタバコを燻らせながら二人の部下の言葉を聞いていた隊長、
バンダナを頭に巻き、金髪を逆立たせたドン・ジョアンはそう言う。
彼はオペレーション・スピットブレイクに参加し、生き残った兵士の一人である。
その能力は良くも悪くも中堅的。平凡よりは高い――――と言ったところか。

『え〜ッ、イヤっスよ俺は。汚い所に俺の機体を入れさしたくありませ〜ん』
『私も反対です。ここに生存者がいないならば、これ以上の捜索は無意味だt』
「五月蠅い。俺が隊長だ。俺の決定に従え」
『…了解しました』
『いえすさ〜』

部下の一人、レオの言葉を遮りながら彼は機体の足を郊外へと向けた。
その後へと二機のMSも続く。


元々この国では富裕層と貧困層の差が激しく、中心街とスラムには天と地ほどの
開きがあった。そのスラムに住むものはナチュラルが多く、中心街にはコーディネイターが
多かった。憎しみの感情を持っているのも当然だろう。

「だからといって虐殺はどうかと思うんだがな…ん?」

――――サーモグラフィーに反応…人間一人分の。

「生き残りか?」

青き巨人は、頭を上げ、人間を探し始めた。
一つしか反応は無い。すぐに彼、若しくは彼女を見つけられるだろう。

546 名前:◆1oWHscADPA :04/03/15 00:56

>>545
(メール欄参照)

547 名前:ジョアン ◆1jBq828gys :04/03/15 01:02

>>546
(メール欄参照)

548 名前:レシュア ◆1oWHscADPA :04/03/15 01:49

>>545
地方都市――――早朝。

今日も朝日が昇る。
女民兵レシュアは朝日を背に中心街から離れたスラムを一人歩いていた。

”後片付け”は一応終わった。後は首都へ向けて逃げるだけだった。
移動手段のバイク(どさくさに紛れて略奪した)も確保した。
首都に行けば他の民兵や部族とも合流できるだろう。

ついでに、この薄汚い、胸糞悪いゴミ溜めのようなスラムからも
離れられるのだ。
 そして何より、今まで散々人の事を馬鹿にして見下して、この国で好き放題
やってたコーディネイター達も居なくなった。

ザフト軍はいずれ来るだろう、だがレシュアは妙に清々しい気分だった。

今、彼女を取り囲む状況は第三者からしてみれば”悲惨”の極みだろう。
このまま何もなければ、いずれザフト軍による大規模な報復を受け、
かつての北米大陸の先住民族であるインディアン、カリブ族、そして
南米のインディオのような悲惨な末路が待ち受けているだろう。

だが、それでもレシュアは、いや、この”蜂起”に参加した人々(この国の殆どのナチュラル)
はそれを気にかける事はなかった。


彼・彼女はもう、何者にも支配される事を望んでは居なかった。

コーディネイターも、ザフトも、大西洋連邦も、ユーラシア連邦も、ブルーコスモスも、
ジオンも彼・彼女達の国には必要の無い物だった。

レシュアはスラムの中を通る、細い道を歩きながら思った。

もう、ここには二度と戻らない。と。

レシュアは生まれてからの20年余りの人生を過ごしたスラムを一瞥し
歩みを進める。その目には”哀愁”とか”悲しさ”などと言った感情は
なかった。


その時、唐突に地面と周囲の建物が揺れ始めた。
遠くからは巨大な何かが歩く音が聞こえる。無人の街なので余計によく聞こえる。

レシュアは即座に判断した。
こんな時、こんな所で、こんなでかい音と揺れを起こして動くものといったら
一つしかない。

――――――モビルスーツ。ザフト軍。コーディネイター!

地響きはこちらに近づいてくるのが判った。その証拠に揺れと、足音が
時間が立つと共に一層大きくなる。

粗末なトタン屋根やボロ布を被せて出来たスラムの小屋や建物がガタガタと
揺れる。古ぼけたビルが振動にきしむ音が聞こえる。どこかではガラスの割れる音も。

このままでは見つかる。
恐らく相手は熱源探知装置は当然装備しているだろう。

「…畜生……こんな所で…もう戻らねぇ…戻ってたまるか!」

レシュアは悪態をつき、走り出した。
後ろで束ねられたポニーテールが大きく揺れた。

しかし、運命の悪戯なのか、それともただ単に彼女の運が悪いのか、
神様に見捨てられたのか、それとも偶然なのかは判らないが。

走って飛び出した先、それは青き巨人がその頭を下げて捜索している
方向だった。

549 名前:ジョアン ◆1jBq828gys :04/03/15 23:38

>>548

イフリートは街を見回し、頭を垂れた。
――――やっこさんはどこだ?

「少なくとも近くにはいるはず何だが…」
『隊長』
「何だレオ?」
『下にいます』
「…?」

モニターに目を凝らすと、確かにそこにいた。金髪ポニーテールの少女。
平均から言えばかなり可愛い方…いや、そんな分析をしてどうする。

――――しばし、時が止まった。少女もジョアンも、隊員達も。
何をすべきか一瞬、迷った。

「…え〜っと…」
『隊長、目標は美少女っス!俺が行って事情を聞きます!』

そう言い隊員の片割れ、ディックが身を乗り出すかの様にモニターに顔を近付けた。
その言葉に割り込むかのように、画面上にザクに乗っているレオの顔も現れた。

『待てディック!ここは私に任せろ!』
『いやお前が危険を犯すことはネェ!俺に行かせろ』
『危険な目に会うのは私だけで十分だ!だから私にやらせろ!』
『待て俺が』
『いや私だ』
『俺だ』
『私だ』


「シャラップ!!」


――――ギックゥ!
馬鹿らしいと言うかアホっぽいと言うか、ともかく二人の部下のくだらない争いを
一言で制すと、ジョアンは機体の外部スピーカーのスイッチをオンにした。

「あー、あ゙〜…えぇと…君に聞きたい事がいくつかある。一つはこの街が何故こんな事に
 なっているのか。二つ目は君のID、まぁ名前とそれからコーディネイターかそうでないか。
 三つ目はそう…君がゲリラかそうでないかだ。最もおじさんは君みたいな子供がゲリラで
 あってほしくはないんだけどね?」

まぁ発見したら即刻拘束すべきなのだろうが、一応前置きとしてこれぐらいのことは言うべきだろう。
イフリートはその巨大な目を少女へと向けていた。

550 名前:レシュア ◆1oWHscADPA :04/03/15 23:57


>>549
―――――――おいおい。嘘だろ?そりゃないぜ。

レシュアは愕然としていた。泡を食って飛び出した先がMSの足元。
ああ、神様。

そこまで来てレシュアは思った。

神様?神様がなんだってんだ?自分達が飢えや疫病に苦しんで、
圧制に歯を食いしばって耐えてた時。

泣いてボロボロの教会で神様とやらに祈った時。
何かしてくれたか?その神様ってのが。

―――――――――いや、だからんな場合じゃねぇって。

ザフト軍は捕虜を取らない軍隊だ。
パナマやヴィクトリアで捕虜を皆殺しにしたと言う話はラジオのニュースで毎日の
ように聞いた。

どうやら向こうのパイロットもいきなり現れたレシュアに戸惑っているらしく
三機のMSは何やら意思の疎通をしているようだ。

しかし、唐突に隊長らしき先頭の機体から声が聞こえてきた。

『あー、あ゙〜…えぇと…君に聞きたい事がいくつかある。一つはこの街が何故こんな事に
 なっているのか。二つ目は君のID、まぁ名前とそれからコーディネイターかそうでないか。
 三つ目はそう…君がゲリラかそうでないかだ。最もおじさんは君みたいな子供がゲリラで
 あってほしくはないんだけどね?』

551 名前:レシュア ◆1oWHscADPA :04/03/15 23:58

(>>550の続き)
男の声だった。暫くの沈黙。


沈黙を最初に破ったのはレシュアだった。抵抗したり逃げたりしても無意味だと
判った。

ああ、もうどうにでもなりやがれ。

レシュアはたるい目をしながら長ったらしい説明を始めた。

「…七、八週間ぐらい前の話だ。
 この国で”暴動”が起こった……理由は……大体見当はつくだろ。
 少数派のコーディネイターがこの国の富の9割以上を独占して、ナチュラル
 を支配してたんだ。
 今回の暴動も突然起こった訳じゃない。
 もう何年も前からコーディネイターに対する 憎悪が、蓄積されてきたんだ。
 この国はいつ爆発するか判らない、とびっきり巨大な爆薬庫だったんだよ。
 戦争中、Nジャマーとか言うのが投下されて飢餓や疫病がスラムを中心に蔓延した時、
 この国のコーディネイターの指導者達は助けるどころか、それを支配の武器にしたんだ。
 んで連合が戦争に負けてからは益々調子に乗ってたみたいだけどな。
 そんんな状況の中でナチュラルの怒りは物凄い勢いで溜まってった。
 そして八週間前、ついに爆発したって訳だ」

少し間を置いてレシュアは続けた。
今日も暑くなりそうだった。強い日差しがレシュアのあちこち露出した肌に照りつけた。

「暴動はあっと言う間に国中に広がった。国中の都市でフェンスをぶっ壊して
 スラムから中心街へナチュラルが雪崩れ込んだ。すげえ暴動だったぜ」

一旦切って、さらに続ける。

「その後はご覧の通り。住んでたコーディネイターは殆ど殺された。
 殺したのは…部族や民兵、そして一番殺したのは一般人―――”民衆”だ
 農作業に使う鉈(なた)、斧、山刀、棍棒、鉄パイプとかを持った奴等が
 ソッコラ中でコーディネイターを殺しまくった」

552 名前:ジョアン ◆1jBq828gys :04/03/16 00:12

>>551
私の質問に、少女は暫し考え込んだ。
沈黙――――その堰を切ったのは少女だった。

『…七、八週間ぐらい前の話だ。
 この国で”暴動”が起こった……理由は……大体見当はつくだろ。
 少数派のコーディネイターがこの国の富の9割以上を独占して、ナチュラル
 を支配してたんだ。
 今回の暴動も突然起こった訳じゃない。
 もう何年も前からコーディネイターに対する 憎悪が、蓄積されてきたんだ。
 この国はいつ爆発するか判らない、とびっきり巨大な爆薬庫だったんだよ。
 戦争中、Nジャマーとか言うのが投下されて飢餓や疫病がスラムを中心に蔓延した時、
 この国のコーディネイターの指導者達は助けるどころか、それを支配の武器にしたんだ。
 んで連合が戦争に負けてからは益々調子に乗ってたみたいだけどな。
 そんんな状況の中でナチュラルの怒りは物凄い勢いで溜まってった。
 そして八週間前、ついに爆発したって訳だ』

んがぁ〜、とか長いですね…などと通信機から聞こえた気がするが、まぁそれはともかく
様は少数派の富裕層のコーディネイターに多数派の貧困層のナチュラルがキレたらしい。
さらに少しの間をおき、少女は続ける。

『暴動はあっと言う間に国中に広がった。国中の都市でフェンスをぶっ壊して
 スラムから中心街へナチュラルが雪崩れ込んだ。すげえ暴動だったぜ』

それは知っている。実際にニュース映像が流れ、この目でそれを見た。
映画でも流れているのかとあの時は驚いた。
そして少女はこう言った。

『その後はご覧の通り。住んでたコーディネイターは殆ど殺された。
 殺したのは…部族や民兵、そして一番殺したのは一般人―――”民衆”だ
 農作業に使う鉈(なた)、斧、山刀、棍棒、鉄パイプとかを持った奴等が
 ソッコラ中でコーディネイターを殺しまくった』

なるほど。やはりやったのは民衆か。
正直ここまでの事態に発展するとは思っても見なかったが。

「あー、やっぱりそうなのか。信じたくはなかったんだが…それでは二番目の質問、君の
 ID、名前とコーディネイターか否か。答えて欲しい」

そしてMSも搭乗者の動きに合わせるかのようにズビシッ!と少女を指差した。

553 名前:レシュア ◆1oWHscADPA :04/03/16 00:25



>>552

レシュアの話に時折んが〜とか、長いですね〜みたいな声が聞こえたような
気がするが、それは良いとして。

いよいよ本題が来た。
隊長機のMSから続けて第2の質問が発せられる。

『あー、やっぱりそうなのか。信じたくはなかったんだが…それでは二番目の質問、君の
 ID、名前とコーディネイターか否か。答えて欲しい』

レシュアはさらに投げやりになった。
こりゃもうだめだ。貧因層であるレシュアはIDカードなんて持ってないし、
名前ぐらいなら名乗ってもいいかも知れないが、コーディネイターか否かはごまかし切れないだろう。
仮にもしここで、嘘をついたとしても、いずれはバレル。そして虫けらのように殺される。

つくづく、速く逃げとけばよかったとレシュアは後悔した。

自分に指差すMSのモノアイに目を合わせ、静かに言った。


「…ねぇよ。IDカードなんて持ってねぇよ。あたしは」

一息。

「あたしの名前はレシュア・バレンシア。コーディネイターじゃねぇ
 この国の貧因層。ナチュラルだよ」

554 名前:ジョアン ◆1jBq828gys :04/03/16 00:37

>>553

目の前の少女の態度がどんどん投げやりに変化する。
いやまぁ、それは置いておくとして、少女はこちらを見据え、答えを返した。

『…ねぇよ。IDカードなんて持ってねぇよ。あたしは』

ん?とすると…

『あたしの名前はレシュア・バレンシア。コーディネイターじゃねぇ。
 この国の貧因層。ナチュラルだよ』

そうか。彼女はそうなのか。目の前の少女がナチュラルとわかっても、別に私は
どうとも思わなかった。
それはただの区別にすぎないから。ただナチュラルと聴いた瞬間、ディックが一瞬
殺気立ち、レオはそれを淡々と受け止めていた。

「そうか…ならこれで一応ラストだ。君はゲリラ、あるいはそれに類するものか?
 そうなら私は君を拘束、尋問することになる」

そう言うと、イフリートは対MSショットガンをマニュピレーターに握った。
背後ではジン・オーカーをザクが体で軽く制している。

――――朝焼けが街を照らしていた。

555 名前:レシュア ◆1oWHscADPA :04/03/16 00:51


>>554
レシュアの口から”ナチュラル”と言う単語が発せられた瞬間。隊長機の後ろに居た
機体(ジンか?)から一瞬殺気のようなモノを感じた。

それを見たレシュアの体が硬直した。
あんな物に襲われたら、人間などひとたまりもないだろう。

死を覚悟した。

だが次の質問は極めて穏やかな口調で発せられた。

―――――殺さないのか?

『そうか…ならこれで一応ラストだ。君はゲリラ、あるいはそれに類するものか?
 そうなら私は君を拘束、尋問することになる』

ゲリラ。

この国は今、暴動をとおに越えた紛争もしくわ内戦の様相を呈している。
市町村では民兵・部族そして怒り狂った民衆が武器を持って集まっている。

レシュアは返答につまった。
自分は一応”民兵”だ。しかもつい最近銃を持ったばかりの。
実を言うと、今彼女の持つ銃は暴動のドサクサに紛れて、盗んできた物だ。

本来ならば鉈くらいしか武器は持っていないのだ。

それでも結局は”ゲリラ”という事になるのだろう。

「あたしは……民兵…ゲリラだ」

静かに答えた。可能ならば掴まりたくはない。
自由に向けて走りたい。

だが、自分の運命はもはや決したのかもしれない。

556 名前:ジョアン ◆1jBq828gys :04/03/16 23:32

>>555

俺の質問に少女は言葉を詰まらす。
まぁ無理もないだろう。ゲリラか否かと聞かれて『ゲリラ!』何て答えたら
とんでもない目に会うのは誰でもわかる。普通は誰も答えたくは無いだろう。

それでも少女は答えてくれた。

『あたしは……民兵…ゲリラだ』
「…そう…か」

ガチン!

次の瞬間、ディックのジンが機銃を少女に向けた。その腕を素早く、レオのザクが手で抑える。
機銃から吐き出された弾丸があらぬ方向へと向かい、遠方のビルの上階を砕いた。

「ディック!」
『ディック、何をやっているのですか!』
『五月蠅い!ゲリラ何て生かしておく必要はねーだろが!』
『まだ審問中です!非常識もいいところですよ!』
『黙れ!ナチュラルのメスガキ一匹殺して何が悪い!』

「おい」

『何ですか!たいちょ…』

静かに、素早くジョアンは機体を動かす。ディックのジン・オーカーのコクピットの正面に、
対MSショットガンが突きつけられていた。

「ゲリラの被害者に含まれたいか?」
『い…いえ』
「よし」

ディックのジンの体をレオのザクが押さえ込むのを見て、ジョアンは安心したように一息ついた。
コクピットを空ける。地面までは10mほどはあろうか。
――――高いな。流石に。
そして、無造作に飛び降りた。ごくごく自然に、まるで椅子から降りるように着地する。
ガッ。
――――いや、痛いんだけどね。
少女へと近付く。さっきのジンの射撃に、流石に怯えているように見えた。
だが、聞く事は聞いておく必要がある。

「ああ…さっきは俺の部下が悪い事したな。ええと…そう、君がゲリラなら、武器の供与者と
 この事件の黒幕…そう、あの“放送”、ラジオ放送だ。あれの局が知りたい。
 …わかるかな?」

別段、意識してはいなかったのだが、俺の顔は自然と微笑んでいた。

557 名前:レシュア ◆1oWHscADPA :04/03/16 23:53

>>556

レシュアが静かに答えた次の瞬間。隊長機の後方に居たジンがレシュアに
機関銃の銃口を向けた。轟音と共に吐き出される弾丸。
レシュアは「ヒ!」っと叫び、目を瞑った。

―――――ああ、あたしももう終りか。二十年ぐらいしか生きてねーのに。

だが、予想していた”死”はこなかった。
その事に気付いてゆっくりと目をあけるレシュア。

見ると機関銃を持ったジンの腕をとなりのザクが手で抑えていた。
そして機関銃はあらぬ方向を向いている。

「あ…ああ……」

レシュアは力なく地面に座り込んだ。腰が抜けていた。
二機のパイロットは何やら言い争っているようだったがレシュア
の頭の中は状況の把握に精一杯で殆ど意識の中に入ってこなかった。
 突然、隊長機がショットガンをジンに突きつけた。ジンのパイロットに
何かを諭しているようだった。

突然隊長機のコクピットが開いた。

中から現れたのはバンダナを頭に巻き、金髪を逆立たせた、中年(青年?)の男だった。
男はコクピットから飛び降りた。10メートルはあろうかという高さから。
これもコーディネイターだからこその芸当か。

レシュアは相変わらず尻餅をつき、怯えていたが。
男の問いはなんとか理解できた。


『ああ…さっきは俺の部下が悪い事したな。ええと…そう、君がゲリラなら、武器の供与者と
 この事件の黒幕…そう、あの“放送”、ラジオ放送だ。あれの局が知りたい。
 …わかるかな?』

男の問いにレシュアは答えた。幾分震えながら。

「……あ、ああ。知ってる……緑…”緑の丘”だ。緑の丘って言うラジオ放送局が、
 この国のナチュラルは殆どそれが唯一つの情報源だ……」

ようやく落ち着きを取り戻してきたレシュアは幾分口調を強めて言った。

「……”緑の丘”はずっと先の首都にある。毎日うるせーぐらいに
 「ナチュラルよ立ち上がれ!」とか、「奴等はまたナチュラルを殺した」とか
 言いまくってた」

そして続ける。

「武器のくれた奴等……変な喪服みたいな黒服の奴等だった。
 自分達の事を”アンカ”って名乗ってた…」

558 名前:ジョアン ◆1jBq828gys :04/03/17 00:07

>>557

ぺたん、と座り込んだ少女は、少しずつ落ち着きを取り戻しながら
俺の質問に答えていく。

『……あ、ああ。知ってる……緑…”緑の丘”だ。緑の丘って言うラジオ放送局が、
 この国のナチュラルは殆どそれが唯一つの情報源だ……』

緑の丘…ね。懐からメモ帳を取り出し、その言葉を書き込んでいく。
少女の語気は、少しばかり強くなった。

『……”緑の丘”はずっと先の首都にある。毎日うるせーぐらいに
 「ナチュラルよ立ち上がれ!」とか、「奴等はまたナチュラルを殺した」とか
 言いまくってた』

「ふむふむ…」
更に書き込んでいく…まぁ大して書く事も無いんだが。
そして最後に、重要な一言を彼女は言った。

『武器のくれた奴等……変な喪服みたいな黒服の奴等だった。
 自分達の事を”アンカ”って名乗ってた…』

「アンカ…ねぇ、よっと」
メモ帳をしまい、少女の手を掴み立たせてやる。随分とありがたい情報をもらえた
ものだ。その手を離すと、懐からタバコを取り出し火をつけ、深々と吸い、吐き出した。
「そのアンカについて…何か…わからないだろうな」

更に懐から、封筒を取り出す。幾分厚みがあるそれの中には、幾らかの金が入っていた。
それを少女に少々強引に渡すと、戸惑う彼女にこう俺は言う。

「南はヤバい…欧州に渡れ。…それで船ぐらいなら何とかなるだろ」

もう一度タバコを咥え、煙を深々と吸い込み、吐き出した。

559 名前:レシュア ◆1oWHscADPA :04/03/17 00:23

>>558

レシュアが質問に解答しはじめると、金髪の兵士は
懐からメモ帳を取り出し、レシュアの解答を書き込み始めた。

聞いたときの反応からして緑の丘に関してはあまり重要ではないのかも知れない。
兵士はふむふむと頷きながらメモをとる。

 兵士の反応に変化があったのは、むしんろその後の”アンカ”についてだった。

『アンカ…ねぇ、よっと』

そう言うと兵士はレシュアの手を掴み立つのを手伝ってくれた。情けない事に足はまだ幾分
震えていたので、兵士の好意に頼るしかなかった。

なんとか立ち上がったレシュアを尻目に兵士はタバコを取り出し、火をつけ
深々と煙を吸い、吐き出した。コーディネイターはやはり肺も丈夫なのだろうか。

『そのアンカについて…何か…わからないだろうな』

そういって兵士はまた懐から一つの封筒を取り出す。
兵士はレシュアに強引に渡すと言った。

『南はヤバい…欧州に渡れ。…それで船ぐらいなら何とかなるだろ』

――――――まさか。

レシュアはその封筒の中身を悟った。
逃がしてくれるのか?ザフト兵が?憎むべき敵と言われてたコーディネイターが
彼等からすれば憎むべき敵であるナチュラルを、しかもどこの誰かも判らない女を。

レシュアは兎に角答えた。まだ状況を飲みきれなかった。
これはもしかしたら夢ではないのか?

「………よく判らねぇ…でも、あいつ等は…確かに首都に居る……」


560 名前:ジョアン ◆1jBq828gys :04/03/17 00:42

>>559

そうとう少女は、レシュアは戸惑っているようだが…まぁ自分でも随分
お人好しだと自分を笑いたくなるほど、普通の人間から見たら馬鹿らしい行為。
見ず知らずのどこの馬の骨ともつかない、ナチュラルの女に金を渡し、逃げろと
言うのだから。

『………よく判らねぇ…でも、あいつ等は…確かに首都に居る……』

首都…ね。帰ったら報告しないと。
…ついでに弾の無駄撃ちで始末書を書かなければいけないかもしれない。

「了解…ご協力、ありがとうございました」

そう言って敬礼し、一礼した。二人のMSを振り向くと、声を張り上げる。

「お前ら、撤収だ!ここにゲリラは“いなかった”!いいな!!」

馬鹿野郎とか、隊長の考える事はクレイジーですよなどと聞こえたが、それは無視しておく。
踵を返したディックのジンが悔しそうに車を蹴り飛ばし、ザクのレオがそれを宥めていた。

「ああ」

――――もう一言、言っておく必要があるな。
俺は再び、レシュアへと向いた。

「自己紹介を忘れていた。俺の名前は…小管の名前はドン・ジョアン。
 ZAFTアフリカ方面軍旗艦カルニエウァウ所属、砂中の蠍隊隊長だ」

561 名前:レシュア ◆1oWHscADPA :04/03/17 00:54


>>560

『了解…ご協力、ありがとうございました』

 レシュアの解答に、その兵士は一言そう言って敬礼し、一礼した。
そして後方の二機のMSの方向を向き大声で言った。

『お前ら、撤収だ!ここにゲリラは“いなかった”!いいな!!』

レシュアはそれを聞いて、ようやく事態を飲み込めた。
自分は助かった。いや、助けられた。この兵士に。

後方に居たザクが近くにあった車を蹴っ飛ばした。
レシュアはまた、ビクッと肩を強張らせる。もし、この兵士が
居なかったら。自分は間違いなく死んでいただろう。

『ああ』

唐突に兵士の声が聞こえた。
そして再びレシュアの方向を向いて言った。

『自己紹介を忘れていた。俺の名前は…小管の名前はドン・ジョアン。
 ZAFTアフリカ方面軍旗艦カルニエウァウ所属、砂中の蠍隊隊長だ』

ドン・ジョアン。
このレシュアと同じ金髪の兵士はそういう名前なのだ。
自分の――――――――――命の恩人。

まだ信じられない。だがこれは夢ではない。

去ろうとしたジョアンに慌ててレシュアは言った。幾分静かな声で。
「……ありがとう」と。

そして、さらに付け加えた。今度は声を強めて。

「この国に住む奴等は、元々は穏やかな民族だ……だがな、
 一旦キレると狂ったように狂暴で残虐になる」

それは気をつけろ。という意味を持っていた。
これからさらにこの国は恐ろしい事になるだろう。

だから――――――――命の恩人の心配をした。
そこにナチュラルもコーディネイターも関係ない。

562 名前:ジョアン ◆1jBq828gys :04/03/17 01:07

>>561

少女に名前を告げると、俺はくるりと踵を返した。
もうここにいる理由は無い。
――――生存者0、ゲリラ0。
去ろうとした俺に、少女はこう言った。

ありがとうと。

そしてこうも言った。この国の住人は、元々は穏やかな民族が、
一旦キレると狂ったように狂暴で残虐になると。

少女の言葉を、気を付けろ、という忠告を胸に刻みながら、ジョアンは
愛機へと走り、そのコクピットへと向かいジャンプ。
わずかな段差に足をかけ、一瞬で機体を上り詰め、コクピットの中へと消えた。
機体を目覚めさせ、ハッチを閉じる。閉まる寸前、もう一度だけ敬礼。

イフリートは部下の二機の後を追い、走ってゆく。


――――――――願わくば神よ、少女を護り給え。

563 名前:レシュア ◆1oWHscADPA :04/03/17 01:17

>>562
レシュアのお礼と”警告”を聞いたジョアンはレシュアに背を向け、
自分のMSのコクピット―――しかも十メートルはある―――にジャンプして
飛び乗ったのだ。

―――――嘘だろ?

それを目の当たりにしたレシュアは度肝を抜かれた。ジョアンは機体を
起動させるとハッチを閉じた。閉じる直前、レシュアに敬礼するのが見えた。

そして、あっと言う間に、彼等は去っていった。

足音が完全に聞こえなくなるまで、レシュアはそこに立っていたが。
やがて、ゆっくりと歩き出す、自由と希望に向かって。

564 名前:レシュア ◆1oWHscADPA :04/03/17 01:17

導入&まとめ

>>543 >>545 >>546 >>547 >>548 >>549 >>550


565 名前:レシュア ◆1oWHscADPA :04/03/17 01:18

まとめその2
>>551 >>552 >>553 >>554 >>555 >>556 >>557

566 名前:レシュア ◆1oWHscADPA :04/03/17 01:18

まとめその3
>>558 >>559 >>560 >>561 >>562 >>563



567 名前:小国の民 ◆1oWHscADPA :04/03/19 23:19


―――――――小国。

地方都市で、少女がザフト兵に話した通りこの国の人々は武器を与えられていた。
そしてそれらを使い侵入してきたザフト軍とブルーコスモスに対し、特に
前者に対しては激しい抵抗を繰り広げていた。彼等の結束は極めて固い。
 彼等は都市という都市に現れ、即席の防御陣地を作り上げザフト軍のMS部隊に
応戦している。最初の頃は小火器ばかりで、MSにたいしては殆ど効果も無く一方的
に蹴散らされる事も多々あった。しかし、時間が経過するにつれ彼等は強力な重火器、
MSですら破壊可能な兵器を与えられ、抵抗はさらに激化しつつある。
 彼等に与えられた武器は、いすれも使い古しの中古品が殆どで、地球連邦製、大西洋連邦製
、ユーラシア連邦製、東アジア共和国製そして南アフリカ統一機構製と、各国、各組織の
兵器が入り混じっているた。

 また彼等はザフト・ブルーコスモス両軍に対し徹底したゲリラ戦を挑んだ。
敵の後方に進出し敵の補給戦を脅かし、またある時は敵の情報を探る、またある時は
敵MSを破壊するための地雷をあちこちに敷設する。

昼夜を問わず、隙あらば襲い掛かかれ。
食事を取る時間も、寝る時間も与えるな。敵に休息を与えててはならない。

それが彼等に教えられたゲリラ戦の極意であった。

彼等は言われた通りにそれを実行した。

毎日毎晩、隙あらば彼等は襲いかかっくる。

568 名前:小国の民 ◆1oWHscADPA :04/03/19 23:19




彼等の基地は―――――――――複数存在した。ラジオ放送”緑の丘”が存在する大西洋側
に面する首都もその中の一つだ。
 それ以外にも、特に南部の国境線付近に多数の拠点が存在する。さらに、国境をまたいで
南アフリカ統一機構に属する隣国にも拠点が作られていた。。

武器の供給源は首都からさらに南下した南部である。

569 名前:小国の民 ◆1oWHscADPA :04/03/19 23:34

 この地域には完成した「補給ルート」が存在し、毎日、小国に武器弾薬・食料・医療物質
などが南アフリカ統一機構側から運ばれている。
この地域の特徴を上げれば、砂漠が終り、やがてサバンナの大草原そして鬱蒼とした
ジャングルであるという事だろう。

南部は、首都を始めとする各地で抵抗を続けるゲリラの「巣窟」と化していた。

570 名前:ジャン・リュック ◆1jBq828gys :04/03/20 00:35

>>567-569

「この艦が使えないィ!?」
「残念ながら…な」
「そりゃどういう事ですか艦長?」

ZAFT軍カルニエウァウ内、作戦司令室。
そこにカルニエウァウ以下アフリカ方面軍所属の部隊の一部が集められていた。
集められたのは、ケイ以下4名『砂塵のハイエナ』、フィッツ以下5名『白昼の鴉』、
アブド以下3名『浮世の餓狼』、そしてさらにいくつかの部隊。
モニターには地図が映され、今回の目標である首都とその付近が見える。

「説明してくださいよ艦長」
「そうですよ。説明してもらわないと…」

椅子から立ち上がり質問をぶつけているのは、我が隊の隊長ケイ・エリオット姐さん、
そしてターバンを巻いた男は浮世の餓狼の隊長、アブド・アル・アズラッド。
それをぶつけられているのが、艦長にして司令官、“禿鷹”チャールズ・ウィリアム。

「それに関しては私が説明いたしましょう」
「アキナ?」

右目に眼帯をしたこの女性が、我らがアイドル、アキナ・ヤタ・アゲハ嬢。
理知的、聡明。この艦の副艦長だ。
彼女が手に持ったよくありがちな指差し棒を伸ばし、カルニエウァウへと画像が
切り替わったモニターをそれで指す。

「ご存知の通り、我が艦カルニエウァウは、スケイルモーターシステムで航行しています。
 このシステムは微細な振動で地面を液状化して進みます。ここまでは分かりますね?」
『うむうむ』
「つまり…」
「つまりは、この艦が進めるのはそれが可能な場所、即ち砂上のみです。だからこの艦では
 草原も森林も進めない。…ですよね?アキハさん」
「その通りです。ローランドさん」

571 名前:ジャン・リュック ◆1jBq828gys :04/03/20 00:36


で、今俺の隣で立ち上がったのはアルフレッド・ローランド。イヤミな理系メガネ、
俺の隊の同僚だ。一応遺伝子的に優秀らしく、実は赤組とも噂されているが定かじゃない。
で、ほ〜っ、と隊長二人組みは関心していますが、いやホント頼みますよ。

「だったらどうやって首都まで行けばいいんでしょう?」
「そやで。ワイらは空から行けるけど…」

今発言したのは俺の隊の同僚トーマス・モーリー、関西弁を話すのが白昼の鴉隊長の
フィッツ・シュート。後者が空から行けると行ったのは、彼らの愛機がディンだからだろう。

「それならば心配は無用です。一隊につき一艦、何らかの艦が行き渡ります」
「どんな艦が供給されるのですか?」
「それは見てのお楽しみ…ということで」

おい、何で苦笑いを浮かべているんですかアキナさん。

更に作戦の説明は続く。
ゲリラどもはどうやら南に本拠地があるらしく、またそれを支援する“アンカ”という組織の
存在もいるらしい。ブルーコスモスも警戒しなければならない。
作戦はまずは対地ミサイルによる都市への爆撃、それでも沈黙しない場合は市街戦。


572 名前:ジャン・リュック ◆1jBq828gys :04/03/20 00:37

また、ここで俺たちは新たな仲間を紹介された。

「入ってきたまえ」
「ハイ」

チャーリーに言われ司令室に入ってきた少年。黒い髪に銀のメッシュを入れた彼は、
赤いパイロット服を着ていた。優秀なパイロットの証、赤。
たちまち、パイロット達がどよめいた。

「アハト・カメラード君だ。彼には今回特別な機体で作戦に参加してもらう。隊は
 そう…餓狼がベストだろう」
「ええっ、ウチですか?」
「そうだ、頼んだぞアブド君」

艦長、副艦長除いた全員が驚いた顔をする中、ローランドはヤケに冷静に彼を分析していた。

「アハト・カメラード…八人目の戦友…ソキウス?…戦闘用?…」
「どうしたアルフ?」
「…君のような俗物には関係のない話だ」
「んだとォ!?」

ホラ?イヤミだろう?


――――戦いは近付いていた。

573 名前:BC軍 ◆1oWHscADPA :04/03/20 00:43

>>570-572
小国。大西洋沿岸部の港町。

海上での戦いは艦隊と、J9のスーパーロボットの協力により、
なんとかザフト軍水中MS部隊を撃退する事ができた。
しかし、被害は甚大で、空ではあったものの、部隊を輸送してきた輸送船や揚陸艦
の大半が撃沈され、残りも悉く大破・中破の損害を受けていた。

ブルーコスモスアフリカ派遣軍司令部では緊急の対策会議が開かれた。
そうこうしてる間にも、”敵”となった武装した民衆による襲撃は毎日・毎晩続いた。
彼等は一撃離脱による戦法を用いて、こちらの不意をつき陣地にロケット弾や榴弾砲を
撃ちこんで、保護していたコーディネイターを殺害し、こちらの反撃がはじまる前に
逃げてしまうのだ。

そんな事を繰り返しながら、時間だけが過ぎていった。先遣隊により建設された
基地に入ってから既にかなりの時間が経過したが、状況は一向に良くならない。
この国の治安は殆ど崩壊し、事実上国としての機能を失っている。
各都市では武装した民衆によるコーディネイターの殺害や混乱に便乗した略奪が
相次ぎ、ブルーコスモスも治安を維持しきれない。

さらに、首都からと思われるあのラジオ放送。
ここに来て時間が経つにつれ今回の異常事態はあのラジオ放送が原因、という
予想はほぼここに居る全員の中で確信へと変わっていた。

そしてさらに今回の輸送船の撃沈。
このままでは埒が開かない。

この日。サエコやハンス、そして航空兵ワタルやロドルフ等ブルーコスモス兵達は
一つの方針の決定を知らされた。

現在の基地を出て首都に向かう。と。

574 名前:サエコ ◆1oWHscADPA :04/03/20 00:44

(>>573の続き)
 サエコやハンス達一般兵には、それは嬉しくもあり、憂鬱な命令でもあった。
あの、ザフト軍のMSが市街地で人間に武器を向けていた映像に激怒して以来。
サエコを始め一般兵の中に、ザフトに対する敵愾心が膨れ上がっていた。
移動するという事は、ザフト軍と遭遇する機会もあるかも知れないという事。
そして何より、このしつこい襲撃から逃れられると言う事がありがたい。
 しかしその一方で心配もあった。沿岸部の港町ですらこのありさまなのでから
これより先は、どんな事が待っているのかも判らない。国中が内戦状態のこの国を
移動してゆくのは極めて危険なのではないかと。

だが。

「命令なら仕方ないよ。」

 そうハンスに諭されたサエコは静かに愛機・ストライク・ダガーに搭乗した。
それぞれの兵士達も同じくそれぞれのMS・航空機・戦車・車両に乗って基地を
出発する。

港町を通る時。道には人っ子一人いなかたった。あれだけ暴れていた民衆は
どこへ行ったのだろうか。
 いや、居なくなった訳じゃない。MSの歩行音を聞くないなや一斉に家や路地裏に
隠れて息を潜めて居るのだろう。

街中を隊列を組んで歩いていく時。突き刺さるような視線を感じた。
それを横目にブルーコスモスの陸上部隊は、航空部隊のスカイグラスパーに空から
誘導され、首都を目指し移動を開始した。

575 名前:スタン ◆1oWHscADPA :04/04/03 01:20


――――――小国の草原。

 この国を南下し続けると、徐々に砂漠が終り、地形は草木が生い茂り、多数の
野生動物が生息するサバンナの大草原に入る。
さらに南下すると、鬱蒼としたジャングルに入り込む。

夕日に染まるサバンナの大平原を、砂埃を上げ疾走して行く車両の群れが
あった。見た所、五、六台のエレカが各車四、五人の人間を乗せて居る。

各エレカに乗る者達は皆、双眼鏡や暗視スコープ、連絡用無線機や電話を持ち
周囲を注意深く観察しながら進む。
エレカは一定の車間距離を取り、一列横隊になって走る。

このエレカは元々民間にも広く出回っている自動車を軍用に転用したもので
コロニーや宇宙の基地だけではなく地上でも使用されているものだ。

彼等の任務はそれぞれ決められた地区の哨戒であり、ザフト、ブルーコスモス両軍のMS部隊を
発見したら即座に味方に通報するのが彼等の役目だ。

そして彼等はもう一つ、罠を張って居た。

それは―――――――。

576 名前:スタン ◆1oWHscADPA :04/04/03 01:21

(>>575の続き)
―――――――首都。

この国の南部に存在するこの小国最大の都市は、現在各地から避難してきた難民で
ごった換えしていた。ラジオからは連日連夜、ザフト・ブルーコスモス両軍の動向が
伝えられている。

彼等は双方ともこの首都を目指すつもりらしい。
そして、ここからさらに南下した南部国境線地帯にも彼等は進撃するかもしれない。

民兵であるスタン、は首都を真っ赤に染める夕焼けの中で忌々しいコーディネイターの事を思い出していた。

 スタン―――本名『スタン・アル・イブラヒム』は地方都市に住んでいた十代後半の”元”学生である。
”元”と言うのは彼の通っていた学校が数年前から休校状態に陥っていたからだ。
この国で暴動が起きる前はフェンスで仕切られた都市で暮らしていた。

八週間前に起こった暴動にスタンは参加した。彼自身はコーディネイターを直接
手にかけては居ない。

いや、かけようと思ったが、掛けられなかったと言うのが真実である。

一年前の戦争により行われたNジャマーの散布により発生した世界規模のエネルギー危機は
このただでさえ、貧富の差が激しい小国に破滅的な災厄をもたらした。

給水ポンプの停止により疫病は瞬く間に国中のナチュラルの間に広がり、
エネルギー不足は食料の生産・保存を不可能にし、大規模な飢餓を引き起こした。

そして、スタン自身、この時の疫病で弟を無くしていた。
病院に連れて行ったが、治療や入院のための金もなく、また病院の医療器具なども
全てエネルギー不足により使用不可能に陥っていた。

その時の病院はベットの数が不足し、病院から溢れ出た患者が駐車場などに
並べられ、必死に助けを求める光景をスタンは一生忘れないだろう。

彼等の大半は死亡したと聞いた。

577 名前:スタン ◆1oWHscADPA :04/04/03 01:22

(>>576の続き)
そして、もう一つ一生忘れないであろう事がスタンにはある。
弟を、この国の沢山のナチュラルの命を奪った、コーディネイター達の事だ。

スタン達、ナチュラルが飢餓・疫病・貧因に苦しんでいた時、コーディネイター達は
フェンスに囲まれた中心部で優雅な――――それこそ王様のような生活を送っていたという。

その上、この国のコーディネイターの政権はそれらの災厄を、ナチュラルを支配するための
”道具”として利用した。

スタンを始め、この国の民衆の中には、あの時コーディネイター政権の関係者が発した
ある言葉が脳裏に焼きついている。

ある時、発生した飢餓・疫病の事に関する取材に応じたコーディネイターの大統領は
記者団に対して『地に這う薄汚い豚共が何匹死のうが知った事ではない』と言った。

この発言はほぼ全てのナチュラルの中に猛烈な怒りと憎しみを巻き起こした。

南部を中心にコーディネイター政権の打倒を掲げる民兵集団や部族の戦士団が作られた。
それらは憎しみに比例して巨大化し、そして支援者たる”アンカ”の登場によって
八週間前。ついに爆発した。

暴動は最初、首都で発生した。この国始まって以来の史上空前の大暴動であった。
トレーラーを突っ込ませ、フェンスを破壊し、何万というナチュラルが中心部に
雪崩れ込む、その手に凶器を持って。

暴動は瞬く間に小国全土に広がった。
コーディネイターの政権側も強力な武器を持っていたが、その
圧倒的な数に飲み込まれてしまった。

コーディネイターの大統領も、政府関係者も殆どこの時に死亡したようだ。
その遺体は今でも炎上を続ける官邸の前にゴミのように捨てられ居る。

この首都ではコーディネイターの、特に政府関係の建物と言う建物が破壊され、略奪され
焼き討ちされた。
それらの建物は現在は焼け落ちてしまい、僅かに火のくすぶる瓦礫の山となっている。

578 名前:スタン ◆1oWHscADPA :04/04/03 01:23

(>>577の続き)
その後はもう一方的だった。

長年苦しんだ人々は、理性自体が吹っ飛んでしまったらしくコーディネイターを
手当たり次第に殺戮して周った。

手近な物にある物が簡単な武器になった。農作業用のナタ、斧、山刀、ナイフ……。
数百人のナチュラルに包囲されなぶり殺しにされて行くコーディネイターを
スタンは何度も見ていた。

今、ザフト軍の進入に必死になって首都に逃げてきた人々は、皆暴動と殺戮に
加わった者達だ。いや、スタン含め、全ての国民が加わったと言っても過言ではない。

すなわち、この国に住むほぼ全てのナチュラルが共犯であると言える。

「今更、元には戻れない………戻りたくもない」

スタンは夕焼けに染まる草原が見える高台で、呟いた。

コーディネイターの政権は完全に打倒された。
そしてコーディネイターも居なくなった。
俺達は俺達の土地を奪い返し、自由を手に入れたんだ。

もう何者にも支配されはしない。

それはスタンを始め、この国の誰もが思っていた事だった。

首都では、防備を固めるゲリラ(民兵と部族の戦士達)に各地から避難してきた
難民から、続々と志願者が加わりゲリラは急速に”軍隊”へと変貌しつつあった。

579 名前:スタン ◆1oWHscADPA :04/07/03 17:04


――――――小国首都。

 高層ビルが轟音を上げて倒壊して行く。濛々たる粉塵が宙に舞い上がり
周囲を白い世界へと染めていく。サッシやガラス、コンクリート片が地面に叩き付けれ
粉々に砕け散った。

 ”支援者”より供与された地球連邦製MSジム改のコクピットの中民兵隊に所属する
スタンは炎上し、崩れ落ちる都市のビル郡や建造物を見続けていた。

首都にまで侵攻してきたザフト軍・ブルーコスモス軍に対し民兵組織と部族の戦士団
はMSに搭乗し、市街に立てこもりゲリラ戦で対抗した。

そのため、暴動により所々が破壊されていた首都は、市街地で戦われたMS同士の白兵戦
により、完全に廃墟となってしまった。

しかし―――――――

「俺達の…勝ちだ!」

無線機を通して仲間の勝ち誇った叫び声が聞こえる。

民兵の駆るジム改やザクU連邦軍仕様の足元にはザフト軍・ブルーコスモス軍の
主力機であるモビル・ジンやストライク・ダガーの無残な残骸が転がっている。

両軍は確かに強力な軍隊だった。そしてこちら側にも多大な犠牲を出した。
市街地は瓦礫の山と共に敵味方無数のMSの残骸が転がっている。

真っ二つに引きちぎられたモビル”ジン”
胸部に大穴を明けられオイルと血の混じった液を流しているストライク・ダガー
首の吹っ飛んだリーオー。上半身の消し飛んだジム。
弾薬が誘爆し丸焼けとなったバクゥとラゴウ
ビルに突き刺さったスカイグラスパー。大破炎上するリニアガンタンク。

まさにこの世の地獄とも呼べる光景が眼前に広がっている。


しかし。それでも――――――――

「…俺達は勝った」

スタンは呟いた。今は死んでいった者達を弔おう。そしていつの日か
この国に本当の平和が訪れるように。本当の自由がもたらされる様に。

祈ろう。

 首都での思わぬ損害を受けたブルーコスモス軍は数週間後。小国から撤退し
ザフト軍もまた多大な損害を受けた事と、これ以上の兵力の損耗を嫌い小国から
撤退した。

数ヵ月後。改めて、小国の独立が宣言された。
前途には多難な日々が待ち受けている。飢餓と戦争により荒廃したこの国を
どう立て直すのかなど問題は山済みだ。しかし、それでも人々の顔には希望が
溢れていた。


彼等の戦いはまだ。始まったばかりだった。




          アフリカ編「大地紅に染まる時」



              THEEND

580 名前:◆1oWHscADPA :04/07/03 17:07


アフリカ編「大地紅に染まる時」

まとめ>>465->>579

581 名前:◆1oWHscADPA :04/07/03 17:13

連絡

突然ですが、現在行われているお話は…これで一旦終わりにしたいと
思います。

理由は、既に一ヶ月以上時間が経過してしまった事と、進行の仕方に
問題(大変、見辛い。など)がある思った事、少々無理な展開(説得力がない)
を指摘された事などです。

これまで応援してくださった方には大変感謝しております。

そういうわけで現行のスレでの話はこれでこれで一旦終了とさせて
頂きますので…もし使いたい方がいらっしゃったらご自由に使用ください。

等身大でもロボットでもなんでも参加は可能です。

今までありがとうございました。

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