キャラハンが好き勝手絶頂に使うスレ20

1 名前:名無し客:04/02/10 03:15

スレルールなどは>>2以降

2 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/02/24 08:33


 Hollow is killing me...
 

3 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/02/24 08:36


 ルールは無い。
 作戦中ヒマなんでね。
 適当に使わせて貰うよ。

 ……ああ、荒らしと化物は殺すから。ついでに異端者もブチ殺す。
 老若男女区別なく、な。
 オーライ?
 

4 名前:Blue:04/02/24 08:48

( ´Д`)/<先生、自スレはどうしましたか!

5 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/02/24 09:01

 はい、Blue君!
 いい所に気が付きました!
 色々もう面ど、

 これからルールに「青禁止」を追加したいのですが!

6 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/02/24 09:05

 ていうかアイルランドかゲルマンかで悩んでるんだよ。

7 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/02/24 09:06

 出しもしない設定に頭を悩ませるって無駄過ぎるとは思わなくもないが。
 ……ああ、多分無駄だな。無駄に過ぎる。
 ココじゃ小説書いてる訳でもないってのに。

8 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/02/24 09:09

 とはいえ、話を作る時に骨子となる設定を考えるのは楽しみの一つではあると思うけどね。
 一つの話を無駄なく組み上げる為には、細かな設定はあるに越した事はない。
 無論、前提は最後まで破綻させずに。
 絵が描けるヤツなら小説書く時にイメージ用のイラストを作ってもいい位には。
 俺じゃ絵は描いてる時間ないし、精々が写真やらだけど。

9 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/02/24 09:09

 つーかTNTフツーに良いな――飛び抜けたトコは無いんだが。
 TOCがハジケ過ぎてて印象薄いっての。

10 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/02/24 09:11

 骨子となる設定とか言って、派生キャラの俺には無用としか言い様がないが。
 この場合は肉付けする肉が異質になる。

11 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/02/24 09:12

 とはいえ、話を完成させていなくても「設定」を表に表現出来るのはキャラネタならではか。
 もしそうなら、俺の甘いキャラ造形の鍛錬になる、思わなくもないが。

12 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/02/24 09:14

 しかし、まあ。アレだな。
 粗方向こうで語り過ぎている。
 小説も神話も。

 よってココで語るのは――

13 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/02/24 09:14

 やっぱり適当だよ。それしかない。

14 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/02/24 11:29

 設定完了。
 所要時間は兎も角50キロとか言って無意味の極みだな。

15 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/02/24 17:44

 不意に思う。
 やはりタグはあると便利だ。
 特にルビ。一刻館にあればと切望する。

16 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/02/24 17:47


 圧倒的だった。
 たった一弾――指捌きの、ただ一回。右から左に流れたかと思えば左から右へ、それは一瞬
で魔杖(キーボード)を撫で切っている。古代神"ドリーム・シアター"を容易く召喚する悪夢の魔
術師。
 アルケミスト・アンダーソン。如何なる神(アーティスト)の力をも召喚(パクリ)し、自らの魔力(メ
ロディ)に変換するとされる――事実、今、それは目の前に行われた――稀代の錬金術師。
 イングヴェイの傍らに控えるアンダーソンの魔杖(キーボード)の前に、辛うじて立っていた数人
も一掃されてしまっている。

「……どうしてだ、リチャード。あんた、俺達を――」
「違うな」首を振り、アンダーソンは一言で切って捨てる。「忘れるな。俺は皇帝(ティモ・トゥルキ)
とは違う。聖湖騎士団(ストラト・ヴァリウス)と一緒にしてくれるな」
「あんた――」
 アレキシはぎり、と奥歯を噛んだ。
「だから、マルセルを」
「彼は残念だった。だが、現実を見据えてみるがいい。この世界の明瞭なシステムを。彼の(イン
グヴェイ)魔力(リフ)は、即ち世界に求められた要素(ネオクラ)だ。考えてみろ。この世界の混
沌は救える要素が無い。魔術師(デス・メタル)に配された神言(クラシック)、異教徒(ブラック・
メタル)に従う民衆……あまつさえ、聖湖騎士団は君をいたく気に入っている――そうだったろう、
魔剣士(メロディック・デスメタル)――アレキシ・ライホ」
「……あんたぁッ!」

 身体は機械となって反応した。
 呼応するように構えた魔剣(エレキ)に指を這わせる。
 "隔絶の地獄(ゲヘナ)"(ヘイト・クロウ・デスロール)――その力を解放する寸前、ギリギリで
アレキシは指を止めるのに成功していた。魔剣に込めた魔力(ピック)が行き場を無くして、暴走
寸前に手の中で暴れ回る――その状況をして指を止めるほど、ソレは圧倒的だったのだ。
 リチャードの指は魔杖に触れている。
 その構えだけで理解する。
 こいつは――殺す(聴かせる)。
 一撃でこのフロアに存在する全員を薙ぎ払う。
 部屋から、吹き抜ける外の風から――否、これは大地その物から。
 世界の全要素から、リチャードは魔力(メロディ)を吸い上げている。踏み出しただけで打ち倒
されそうな威圧感と圧迫間が、全身を押し潰す。
 仲間を護りながら、ここを抑える。
 一人では――今は聖都(スパイン・ファーム)の守護に付いている聖騎士、ヤンネ・ウィルマン
さえ居るならば話は別だが、今の自分だけでそれが出来るかどうか。
 魔力を仲間達の防御に当てつつ、リチャードを打倒する。
 そんなのは……本当に、あまりに非常識で、悪い冗談としか思えない。
 だが。
 ――やるしか、ないか。

 リチャードの殺気が痛いほどに増加する。

「……このカオスにはただ一人の支配者が存在するべきだ」

 だから、多分。間違いなく。
 それは決別の一言。

「イングヴェイ・マルムスティーンという名の、全能の絶対者(プロデューサー)が! 理解しろ、
アレキシっ!」

 何も考える必要はない。
 やれる事を今やるだけだと、アレキシは魔力(メロディ)を解放、

 ――ヤツが早い!

 焦燥は一瞬でやってきた。
 こちらよりも更に早い。魔技を越えたその技は正に神業。伝説の聖者にして魔法使い、"深紫
(ディープ・パープル)"のジョン・ロードの域に達したかと錯覚する、絶対的速度。
 まだ発動されてもいない魔力(メロディ)の余波が身体を削る。苦痛に顔を顰めたまま、アレ
キシは魔剣を――今度こそ、解放した。

「――"チルドレン・オブ・ボドム"(眠る湖底の殺戮者)――ッ!」
「"タイム・レクイエム"(パクリ・上等)―――――――――ッ!」

 同時に発動する、召喚された古代神(ドリーム・シアター)が放つ光の濁流。破壊の聖光をア
レキシは魔剣の全力を以って迎え撃つ……ッ!
 

17 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/02/24 17:48

 こんな文でもルビさえあればちゃんとした文にっ。

 いや、ならないけどさ。

18 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/02/24 19:37


 ……書いても書いても納得が行かないこと、が良くある。
 削れば物足りない、削らなければ見苦しい節。思い切って削っても、センテンスに悩む。
 出来るだけ簡潔にするか、思い切り濃い文章にするか。京極先生は文章自体が匂いを持つくらいだし、
韻一つとっても突き詰める人はやっぱり凄い。
 文体。
 どこまで柔らかくするか、或いは硬質にするか。万人に受け入れ易いのはどっちだろう、とふと思う。
 無論ジャンルの問題もあるだろうけど、やっぱり最大は個人の色か。
 線がブッ千切れたノワールをポップな文体で見た覚えもある。黒々とした世界を「当然だ」と言わんば
かりに歩いて行く主人公視点の一人称は王道だろう。
 書き始めれば最後まで一定させるべきなのは鉄則だ。
 昔書いた文が良く見える事もあるのに、今書いてる文がとんでもない駄文に見える事はいつもだった
りする。自分が書いた作品を「完全に」冷静な視点で見るには、最低でも半年は必要だ。取り掛かって
いる作品ならそんなヒマはどこにもない。じゃあ、推敲はどのレベルでするべきなのか。
 例えば一人称と三人称の良さを両立させるのは不可能だし、同一作品内で硬さと柔らかさを両立させ
ようなんて本末転倒だ。
 表現したい物を曲げちゃうような「文体」にはしたくないけど。

 ……欲しいのは自分の色、か。

 ああ……ったく。本当、ままならないな。
 

19 名前:名無し客:04/02/27 18:32

>書く
小説文を書く上で気をつけるって事ですか?

20 名前:エーフィ・C・ハウサー:04/02/27 23:55


 ふん……やれやれ。

 兄さんも中途半端な所で止めてるな……まったく、片付けが苦手なのは変わらないか。
 ……おっと。
 今晩は、初めまして。此処で一つ、挨拶を。

 地下に有っては不浄の果実、堕落の宝玉。無為な戯言を世迷言の酸で焼き、時の糸車で享楽を
紡ぐ――毒杯で祝う宴のような不実さですが、何卒お見逃し頂きたい。
 此処は地の果て、誰も目に付かぬ場所故に――理性の冒涜すら主ですら、果たして気付きにな
るかどうか。
 ……とはいえ、それも不実か。……主よ、私の罪をお許し下さい。
 ただいまよりこの場所は私、マーガレット孤児院のエーフィー・C・ハウサーが一時的に管理させ
て頂きます。何の力もない子娘、時流に流されるだけの人間です。敬愛する兄に遠く及ばぬ負傷の
妹では有りますが、そう。

 私が飽きるまで、どうかお付き合いを。
 

21 名前:エーフィ・C・ハウサー:04/02/27 23:57


 ――ああ。
 いきなり上がっている。

 ……待ってくれ。
 なんてミスだ、全く。
 これじゃ「地下」にならないじゃないか。
 やれやれ……sage依頼も兼ねて、面倒な言葉遣いは棄てるとしよう。
 

22 名前:エーフィ・C・ハウサー:04/02/28 00:18


 さて。
 何か語ってみよう、とは思ったんだが……何にしよう。
 さしあたって兄さんの語り――というか愚痴だね、これは。まったく。
 ……ああ、で、だ。
 リレー小説、ね。
 生憎と経験はないが、最後まで破綻しなければ良しとするべきだろうか。
 互いに連携を取るのが難しいWeb上なら、尚更に。
 ……リレー形式のミステリを読んだことが有ったな、そう言えば。
 別々の作家がストーリーを織り成して、終結へ導いていく……ふむ。
 そういえば「漂う提督」も長編リレー小説だった。
 アガサ、ドロシィ、今思えばとんでもない面子だね。

 が――
 リレー小説に付き纏う問題。私はそれを、統一されない思考に有ると思う。人物の性格付けは
作家の主観によってバラけるし、展開を綺麗に纏めるのは一苦労だ。

 やるのなら、打ち合わせスレでも作ってみるのがいいとは思うけど。


 ……このスレは呟き他、雑談質問、早い話がカオスだ。
 私の言葉なんて適当に読み流して貰いたい。
 

23 名前:エーフィ・C・ハウサー:04/02/28 00:20


 おや。
 流石にブラウザ直書きは文が死んでしまうね。
 兄さんの言葉を継いで――だ。

 しかし……小説、小説か。
 そんな形式のスレッドも流行ってるみたいだし、ちょっと絡めてみようか。
 

24 名前:エーフィ・C・ハウサー:04/02/28 00:32


 尚、以降も全てを勝手な独り言だという点を強調するよ。
 単なる主観、一切は私の戯言だ、とね。
 

25 名前:エーフィ・C・ハウサー:04/02/28 00:35

>>19

 ……さて。
 兄さんへの質問だが、私はそれに答える術を持たない。
 「気を付ける」のは当然だが、それは本当に「当然」であって、それ以上でも以下でもないからだ。
 だから、別の事で語ってみようと思う。
 気を付ける、ではなく、「意識する」、とでも言っておこうかな。



 何事も経験だ……という訳ではないけれどね。
 特殊な組織、機関に勤めている人が書いた本――いやいや小説は、独特な、リアルな色彩を持
った作品になることが多い。これは当然ながら、作者がそう努めて書いているからだね。軍事、スリ
ラー、サスペンス、その他諸々。
 だったら、若年者は小説が書けないのか? 経験が無ければ物語を綴れないか?
 答えはノーだ。二十歳前から小説を書いている人間なんて数えればポンポンと名前が挙がる。著
名な作家の中にもこれは同じだ。中学生が高校生を書けないか、高校生が大学を書けないか?
勿論そんなワケはない。例えば学校なんて幾らでも調べ様があるし、そもそもそんな場面のディ
ティールに拘った作品は出尽くしている。ああ、何が言いたいかって? 簡単さ。もしそんな状況な
らマネしてやればいい。教授や講師、教師のイメージにも同じだ。重要なのは、「それが如何にそれ
らしく見えるか」だからね。最低限のイメージを抑えていれば問題なんてない。ミステリのトリックが
使い古された物だったらどうするか、既出のトリックだったらマズいのか? マズいワケはない。
ああ、無論構成すら同じだったら失笑するけどね。トリックの形式自体が重なるのはある程度仕方
ない状況だ。それは所謂「パクリ」とは全く違う。そんな事でパクリ扱いされていたら、鉱脈を掘り尽
くされた文壇で物を書き続けるミステリ作家なんて、全員が物真似師になってしまうよ。
 いかに文章を構成するか。奇抜なトリックでなくとも、話の展開が奇抜であれば、引き込まれる物
であれば、それは間違いなく素晴らしい小説だ。
 

26 名前:エーフィ・C・ハウサー:04/02/28 00:39


 そうだね、こんな例を上げてみようか。
 格闘経験のない人間は格闘小説を書けないと思うかな――……ふふ、「格闘小説」なんてあまり
見ないジャンルだって? そうだね、そんな人には「夢枕獏」氏の小説を薦めてみようか。独特の世
界観に触れて感じることは人それぞれだ……おっと、危ないな。話が逸れる所だった。私は兄さんじ
ゃないんだからしっかりしないと……そうそう、格闘技の話だったね。格闘技。体術を持って他者と組
み打つ為の武術の総称……というよりは、その系統であるスポーツに使われる言葉だ。身体を鍛え、
精神を鍛える。何か経験はあるかい? 空手、柔道、剣道、ふむ、少林寺拳法か。ボクシング? そ
うか、君はジムに通っているんだね。悪くない。物語中で語られる主人公や仲間達、或いは敵役は、
時に互いを打倒しようと、生命を殺傷しようと力を振り上げる。ミステリの有名所では、かのホームズ
が格闘技の達人だった――というのは割と有名な話だね。
 話の柱。それはその細部を組み上げる要素の、そうだな……味付けとでも言ってみようか。
 例えば、こんな文があったとする。

 稚拙過ぎる文だが、例を上げてみよう。
 少々待ってくれないか。
 ……そもそも見てない? ふふ、それはラクでいい。
 

27 名前:エーフィ・C・ハウサー:04/02/28 00:51


 ……ふむ。残念だが、ブルーさん。
 私は彼、つまり兄さんの妹だけど、生憎と修道女の資格は持ってないんだ。
 なに、兄さんが望むなら修道女にでもアサシンにでもなるけどね。

 さて、例えば、こんな文。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 構えは正眼。
 睨み合う距離は三間。
 同時に踏み込めば一瞬で詰まる距離で、まだ動けず。
 竹之内流の刺客。
 迂闊に掴みかかった人間がどうなるかは、地に這った弟子の醜態が示している。
 ――切落(返し)、か。
 あくまで動かず。こちらの動きに対応する速度こそ神速でも、自ら動く事は無し。
 焦れてはならない。だが、攻めねば勝てぬ。
 ならば、打つしかない。足を取られてはもはや勝ち目はない。まして足技、あの男に対応出来ぬ
筈もなし。
 逆突きでは取られる。踏み込みが足りぬ。腰を入れるにも、奴の「受け」の間合いは広過ぎる。
 追い突き。例え避けられようと、和道流には次手が在る。
 即座の突き込みで――

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 

28 名前:エーフィ・C・ハウサー:04/02/28 00:56


 ……予想外に時間が掛かったのに酷い出来だな。
 どうだい? ああ、内容はかなり即興だからアテにしないでくれ。だけど――構え云々に憶えがあ
る人間なら、わざわざ腕がどの位置にあるか、どう行動するのか、そんなことは百も承知だ――と、
思うかもしれない。当然だね。追い突き、逆突き、それがどんな形であるのか、どちらの拳を突き出
し、どちらの足で踏み込むのか。言われるまでもない、と思うことだろう。だがね、空手に経験のない
人はそれを説明して貰わなければ解らないんだよ。腰を落とし、息を整え、拳を突き出す。格闘技小
説や、戦闘に拘った描写で用語を使いたいのなら、全身の動きを書き込んでやる小説だってある。
解らないから、調べる。経験のない格闘技を文にする時、作者は果たしてどうするだろうか? 書
に頼るか、道場に通うか。
 ちなみに私にも経験がある。
 不肖、この私、エーフィ=クロエ=ハウサーは兄さんに空手を教えて貰った口でね。……ああ、
当時は「カラテ」と言ったようなとんでもない発音をしていた気がする。青かったな。うん、教えて貰
ったが――興味本位でやるには時間と体力の問題が存在するね。私はそもそも教えて貰う相手を
間違ったような気がしないでもない。虚弱体質な妹が運動に目覚めた、とばかりの喜び様でね、当
時の兄さんは。そんな喜んでる顔を見たら私は頑張らない訳にはいかない。練習を続けて初段ま
で取ってしまったくらいだ。兄さんと喋るのが楽しみだから続けていたような物で……ふふん、何せ
普段は弟妹に取られてしまう彼をその時間は独り占めにできるからね。痛みや疲れはさて置いて
頑張ったさ。柔道も居合も剣道も、兄さんと一緒ならとね。身体が壊れる事だって厭わない。そも、
彼に壊されるなら私は本望だ。この身体の意味は、
 ん? また話がズレている? なんだ……いいじゃないか、本人がいた時に惚気ても兄さんはた
だ流すだけなんだし。まあ……なら、いいさ。また今度だね、今の話は。次は県大会で優勝した時
の兄さんの喜び様を二時間くらい話してあげよう。
 

29 名前:エーフィ・C・ハウサー:04/02/28 01:04


 『書きたいから書く』か。
 私の場合、Webに公開するモノは全てその基準だと思う。
 ……とはいえ、読める文章を書いている自信は――有るとは言えないな。
 日本語にはなっている、と思いたいが。
 ま……精進だね、だからひたすらに。

 さてと、問題に移ろう。
 そう、つまりだ。時間を食う。一朝一夕には行かない。難点はそこにある。初段というのは所謂黒
帯、ブラックベルトだが、これを取るだけでもちょっと時間は掛かる、と言わざるを得ない。空手も柔
道も中国拳法も居合も、片手間にやるには少々面倒だろう、と言わざるを得ない。何せ道場によっ
ては合宿だ。一日だろうと兄さんと離れるなんて考えるだけでも吐き気がするね。よって私にとって
は却下の却下で大却下だった――解ってるよ、話がズレた。
 ちなみに、前述した「夢枕獏」氏。彼は格闘技の経験を無しに「餓狼伝」を書いたそうだよ。
 曰く、「経験もなく、どこまで書けるのか」――なるほど、一つの形だ。

 寧ろ、そうだね。ディティールに凝る前に、作品を組み上げる方が重要だ。精通が浅ければ練磨
すればいい。青くなければ書けない作品、とでも言おうか。「こうしたらここはこうなる」を意識し過ぎ
れば、詰まりながら前に進み続けることになる。それが拙い事かといえばそうじゃないが――拘り
過ぎは毒だ。知らない時の方が思い切った作品を書ける、という事例が世間にないワケじゃない。
 拘りが世間評価に繋がらない、という点では、「大半の人間が知らない」という点が占めるアドバ
ンテージは大きい。
 

30 名前:エーフィ・C・ハウサー:04/02/28 01:09


 ……「言わざるを得ない」を二回?
 何をやっているんだ、私は。
 不様だな。まったく。

 話を移そう。
 拘り、がどんな所に出るか。

 そうだな……翻訳小説で例を挙げてみようか。軍事、銃器。銃に触れるこっちの国の人達、その
大半がオートとリボルバーの違いを細部で認識していないことは別段おかしくないんだが、これは
私達――おっと、つまり「銃器に触れる可能性のある、触れられる環境にある」人間も同じなんだ。
銃器に触れたことがある人間、少しでも分る人間が見たら一発で解る、或いは苦笑してしまうかも
しれない間違いがね。そして――ここが重要だ。"その間違いは寛容される"。文章に力があれば、
気にせずに読み流してしまう。勿論気になるマニアは突っ込むだろうけど。
 これはミステリ、SF、どんなジャンルでも、だ。
 例によって……そうだな、こんな文があったとしよう。

 適当に上げるから、少々待ってくれないか。
 ……ふふん。例によって独り言さ。
 

31 名前:エーフィ・C・ハウサー:04/02/28 01:18


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 死ぬ、と直感した。
 眼前に突き付けられたサイレンサー付きのスターム・ルガー、レッドホーク。
 コイツはプロだった。間違いなく、飛びっきりの。入ってくるなり――全く自然に、ルームサービス
のボーイを装って、だ。バッドラック。どうやら俺は女神に呪われたらしい――チョコを口一杯に頬
張ったみたいにハイなツラで、バック・ロジャースのザップ・ガンみたいにゴキゲンな拳銃を俺に向
けていた。
 俺は死ぬ。逃げられない。ヤツのデス・スターをフッ飛ばしそうなスーパー・ガンに対して、俺の手。
俺の手の中には、S&Wの上下二連のソウドオフ・ショットガン。念の為にと用意していたこのデカ
ブツでは、コイツがあのステキなトリガーを引くのを止められやしない。折角のモンスター、十口径
の鹿撃ち弾は灰皿に使った空き缶ほどの役にも立たない。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 はい、例えばこれだ。
 状況は適当。
 押し入られた一人が、押し入ってきた一人に銃を付きつけられている。押し付けられた方はショッ
トガンを持っているけれど、反撃には遠い――そんな状況。名前? そんなモノまで想定しちゃいな
いんだけど……そうだな、私は今、新発売のプリンラテ(紙パック・100円)を飲みながらこれを書い
ていたから、突き付けた方はミスター・プリンラテ。突き付けられた方はミスター・ストロベリーヨーグ
ルトだ。決定。変更不可。
 ……で、もう気付いたかな? 即興過ぎる悪文で申し訳ないが、この文には文の良し悪し以前に、
銃器を扱うにしてはあまりにもお粗末過ぎる間違いが幾つもある。
 突発っ、間違い探しコーナー!
 ……なんてね。
 意図して盛り込んだけど、偶に――本当、偶にだが、プロの文章にもそんなことがあるんだ。
 銃器に詳しい作家は、銃だけでも信じられないほどの味を引き摺り出す。それこそ、マニアじゃな
くても銃器の魅力に触れたくなるほどの、ね。
 

32 名前:エーフィ・C・ハウサー:04/02/28 01:21


 ……と言うより、本当に悪文だね。

 うくっ……参った、寒さの所為か指が震えてマトモにキーが叩けないと来てる。
 兄さんは寝ちゃってる、し……やれやれ。
 気を利かせてコーヒーを入れるくらいの気遣いは無い物かな。

 ……ふん。
 いいさ、無用心に先に寝た事を後で後悔させてやるから。
 

33 名前:エーフィ・C・ハウサー:04/02/28 02:01


 ……寝てた、か。

 ……む。
 これ、毛、布――……ふん。
 今日は許してやるとするか――な。
 

34 名前:エーフィ・C・ハウサー:04/02/28 02:03


 ……さて、少々先の話に戻るとするかな。

 拘りは悪くない。私ならそれを評価する。
 だからこそ、経験が文に繋がらない訳でもない、と思う。
 さっき否定したばかりで悪いけど、格闘技。経験があれば、錬度が高ければ、「飛んできた拳を
受けて――」そんな単純な状況でも、文章を緻密に、尚且つ専門的に記す事ができる。これは美
味しい。ちょっと柔道の経験があれば受身の重要性は解るだろうし、乱戦時に相手を投げ飛ばす
――なんて描写をしようとした時、相手の姿勢がどうであれば身体を抜けるか、も解るだろう。居合
に於ける残心の意味も、詳しい人間なら……流派の繋がり、特質も。サイバーパンクならどうか。
専門的、独特な世界を構築する事ができる。これは――現在だと、どちらかと言えばそのジャンル
の小説その物に、如何に精通しているか、が重要な時もあるだろうけど。業界物――これはツテを
持っている人間が書くに打ってつけだね。
 トールキンを考えてみてくれ。あれはもう拘りの極地、ファンタジーに対する愛が溢れて零れ落
ちるほどの作家だった。自分で言語を考え、種族達の関係を緻密に表現する。そこには私達読者
が、彼の描写しなかった風景や種族達を想像させるほどの余地があった。彼は自国に「伝説」に
近い物がないことを感じて、その為に「指輪物語」を綴ったのかもしれないね。彼の一連の作品は、
エルフと人間、ホビットの関わりを示す一大叙事詩だ。
 今のファンタジーの基礎。原典と言ってもいい。拘りが深いからこそ成しえた最高のディティール
と言えるだろうね。ゲームにも小説にも、根源の影響は此処に在る。

 余談だが――そしてかつ、うろ覚えだが、マロリー作品を研究していたケンブリッジの学者と、オ
ックスフォードのトールキンが同期で話していた、なんて憶えが――あれ、微妙に違うな。
 ……まあ、此処は戯言の部屋。問題はないか。
 

35 名前:エーフィ・C・ハウサー:04/02/28 02:07


 描写、その細部。
 戦いを考えてみる。指輪物語の映画はいい出来だった。打ち合う鋼。
 斬撃の描写、なんてどうだろう。
 「斬りかかった」――単純な一文。侍と侍だろうか、騎士と騎士だろうか。或いは狂人が刃物を振り上げて犠牲者に襲
い掛かったのだろうか。相手は受けるだろうか、避けるだろうか、哀れにも直撃してしまうのか。
 そうだな……では、斬り合ってみよう。
 

36 名前:エーフィ・C・ハウサー:04/02/28 02:16


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 Bは確りと柄を握り締め、大上段から右手を絞るように肩口に移動させた。――構えは八双。豪
放なその剣筋――ならば目的も知れよう。
 Aは息を呑み、一撃に備える。
 それがこの上ない烈であり、全てを決する刹那である事を理解して。
 測られる間合い。Bはこちらの動きを目算する。
 知る。
 彼奴は――我が間合いを、もはや記憶している。
 三尺を越える長刀を振るうAにとって、Bの見切りは不倶戴天の敵、天が与えたBの傑才だ。
 迂闊に踏み込めば――奴は間合いを侵した長刀を棒のように払い、重さに着いては行かぬ筋肉
と用無しの物干し竿と化した刀を嘲笑うが如く、こちらの胴を薙ぐだろう。
 あの構え。
 奴のあの、二尺四寸ばかりの剛刀が袈裟に迸る瞬間が全て。
 訪れた静寂が唐突なら、終焉すら唐突だ。
 弾ける裂帛の気合。
 Aは攻めあぐねたと理解して、Bは踏み込む。
 閃光の腕捌き、落ちる雷鳴となって、剛刀はAの肩口へと吸い込まれ――
「ぬうっ」
 Bの苦悶は、高く澄んだ鋼の音に混じる。
 Aが攻めあぐねたのではない。
 ただ一撃に備えたAの千慮。もはや敵は動けぬ、と侮ったBの浅慮。
 その違いが、取ったりとただ振り下ろされたBの一刀と、
「朽ち逝く老獪と侮ったか、B」
 鎬を左手、柄に右手。小川の流れに等しい単調な動作で引き戻した長刀を以って、受けたBの刀
身を、落ちる力に逆らわず己の鍔元まで滑走させたAの違い。
 鍔に落ちた切っ先を、Bが戻すのは、だが、遅きに失した。
 Aは鎬に当てた左手を峰に添えるだけ。その手をBの首筋に押し付けるだけで良かったのだ。
 がは、と血を吐き出すBの口。
 その喉が、「お見事」と動いたのは目の錯覚だったか。
 確認するにも、死者は二度と口を開くまい。
 高弟の血糊に塗れた愛刀を血振りし、Aは一言を漏らした。
「――遅くはならぬ。近く逝く身じゃ。地獄の門番と酒でも飲んでおれ、我が弟子よ」
 誰にも届かぬ、天すら聞き届けぬ戯言と知っている。
 愛する弟子を斬り捨てた男に、何の言い訳があろう。
 神仏すら斬り捨てる一匹の修羅の言葉には、如来の加護すらあるまい。
 言葉は、ただ虚しく。
 それを見下ろす凍り付いた月だけが、悼むように耀いていた。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 はい、何でこのくらい書くのに十分近く掛かってるんだろうね、私は。
 原因は一つ。細部の動きを書き過ぎたせいだ。
 ちょっと削ってみよう。
 

37 名前:エーフィ・C・ハウサー:04/02/28 02:20


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 Bの構えは八双へ。
 Aは息を飲み、青眼に構える。
 静寂を破る裂帛の気合。
 踏み込むBの袈裟の一撃を、
「ぬうっ」
 Aは、左手を鎬に当てて受け流していた。Bの切っ先は鍔に落ち、それを引き戻すには遅い。
「朽ち逝く老獪と侮ったか、B」
 Aは峰に左手を当て、水でも流すような容易さでBの首筋を断ち切った。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 はい、簡潔に。
 これだと時間短縮が凄いね。二分掛からない。
 どっちが好みかな? うん、良ければ意見でも聞きたい所だね。良かったら。ね、管理人さん。
いやいや、やはりごちゃごちゃした描写は嫌いかと聞いてみたいのさ。
 ……とまあ、下の例。こっちだと端的に行動だけが記されてるだろう? 余分な知識なんて要ら
ないし、スピーディな戦闘を描写するなら、時には簡潔に、って手もある。
 「斬りかかった」のなら、「弾いた」だけでも良いんだ。どう避けたか、簡潔なそれでも良い。
 小説じゃないが、丁度良い例がある。ここで兄さんが戦う時――吸血鬼の連中と戦う時にやっ
ちゃう間違いがこれだね。
 全編ごちゃごちゃした描写は見辛い、と。反省してはいるらしいんだけど、ね。
 

38 名前:エーフィ・C・ハウサー:04/02/28 02:27


 ……ああもう。しかし不出来に過ぎるな、まったく。
 書いた後に自己嫌悪するなんていつもの事、だけど。

 さて――そろそろ纏めに入ろう。
 ファンタジーだって、魔術の経験がある人間はそうそう居ないんだ。だからこそ、知っている人
間はそこで力を得られるだろう。逆に、知らない人間は知らなくても書くことはできる。
 文は綴れるんだ、どうあってもね。そう、ならば後はセンスさ。
 単純に知識人が小説家の適性なら、学者の本だけ読んでいればいい。だが――大半の場合、
私にとって好ましい小説、と言うのは大方の場合で学者以外の人間が書いた小説でね。文章、
小説の構築センスは知識量に比例しないのさ。だからこそ「小説家」は存在すると思っている。
 小説の話が出てたからちょっと一人話をしてみたけど……待ってくれないか。まったく、何だこ
の時間は。これじゃ私まで兄さんと同じ長話好きみたいじゃないか。

 はぁ。
 

39 名前:エーフィ・C・ハウサー:04/02/28 02:39


 と――そこで、今度はここ、一刻間のキャラネタ、質問について思う。
 こっちはもう、質問者との一対一。キャラは何を知っているのか、キャラならばどう答えるのか。
知っていそうにない物ならば「知らない」と答える――無論、キャラとしてだ。その応対が重要に
なる。物事に詳しいキャラなら、物語とは違って誤魔化しの聞かない――つまり、キャラの知識
が要求される。何せ質問だ。物語中では語られないキャラが何を思うか、何を感じるか。その繰
り返しで深まるキャラ、が魅力的なんだろうね。
 

40 名前:エーフィ・C・ハウサー:04/02/28 02:40


 長々と話したけど、ううん。
 ん? なに、偉そうだったって? 一四の子供のセリフじゃない、ってことかな。そう言わないで
くれ。紹介に関しては完全に客観視点でモノを言う性質でね、私は。
 加えて口が悪いのさ。愛する兄にさえこの言葉遣いだ。いやいや、寧ろこの言葉遣いは親類
に向ける物であって、多少なりとも心を開いてる証と思ってくれないか。

 ともあれ、時間も尽きた。
 そろそろ、居心地もいいこの堕落の楽園に背を向けるとしよう。
 主よ、天に在りし偉大なる貴方よ。
 人は死を識り、血の歴史を地上に描きました。
 アダムの園は未だ閉じられるとも、罪の身を食んで得た代償は大きくとも、私はこの地で生き
て行きましょう。
 野に在りしエサウの如く、砂を流離うカインの裔として。
 共に在りたいと思うものが有る限り。

 では。
 お休みなさいませ、皆様。
 

41 名前:エーフィ・C・ハウサー:04/02/28 10:56


 おはよう。

 さて、鬼姫さん。
 私は「クル妹」なんて名前じゃない。
 Cは「クロエ」でね。発音としては「クローエ」でも構いやしないが、こちらの方が呼び易いと
家族に言われてる。ついでにこれでも、誰かに呼ばれる時は「エーフィー」か「クロエ」、「フィ
ー」で通っているんだ。ちなみに「クロ」は好まない。犬みたいだから。
 あと兄さんは確かにムアコック、エターナルチャンピオン・シリーズのファンではあるが、ま
かり間違っても剣なんぞに劣情を抱いたりしない。

 ――筈だよ。

 どこから妙な評判が立ったか知らないが、兄さんは礼儀と礼節を立てる人間だ。易々と不
貞に走るような事はあるまいさ。
 第一、もしそうなら私はとうの昔に子供の一人や二人生んでるハズだろう?

 なんだ。
 まさか対象になるには年齢が足りないって言うのかい?
 ふん。
 まさか……ありえないな。
 まさか、ね。


 しかし、そうだな。
 いやいや、改行が少ない、とは思うのだけれどね。
 ついつい普段のクセかな。確かに紹介、例を上げるのには少々改行が少な過ぎたよ。
 

42 名前:名無し客:04/02/28 11:04

>>41
板間会話は止しなさいってば(汗

で、簡単な自己紹介でもしてくれると嬉しいですね。

43 名前:エーフィ・C・ハウサー:04/02/28 11:29


 うん?
 ああ、ちょっと声が聞こえてね。

 ココだけの秘密だよ? 実はこの私、エーフィ=クロエ=ハウサーは元ナチス残党が
連れていた兵器でね。PKO軍の掃討から生き延びた旧ナチ強硬派、科学者一団が作り
出した人間兵器なのさ。ウソじゃない、本当さ。
 そう。
 その能力は超広範囲に渡るテレパス能力――意図しないでも、時折こうして声を受け
取ってしまう事があるのだよ。さながら、そうだね。まるでラジオのように。
 はい、約束だ。ちゃんと……秘密にしておいてくれよ。

 おや? 疑り深い目じゃないか。
 所謂「なにフカシコイてんだテメエ」って顔だね。



 ま、勿論冗談なんだが。


 自己紹介をしろって?
 ここはカオス、自己紹介に意味などないと思うのだけどね。
 そも、私の紹介なんて、兄さんが孤児院で済ませてしまっている。
 子供の頃は厭だった瞳の色も、アーリア人種でないが故の髪の色も――彼が許容し
てくれるのならどうだっていいのだけれど。
 今更話すことなど有ったかな。それとも何かな。君はこんな子供のスリーサイズなん
て訊いて面白いかい?

 Evi・Chloe・Howser,
 ドイツ国籍、14歳。趣味は読書と音楽鑑賞、刃物とゲーム。特技はチェス。何がした
い、と思うことはない。嫌いな物は駅前の人込み。身体をベタベタ触ろうとする連中も好
きじゃないね。除く兄さん。
 ……ほら、私から言う事なんてアッサリと尽きてしまった。
 嫌いな物なんて上げればキリがないし、日常を語るにはあまりにも私は平凡過ぎる。
彼が語ってくれたことは大半をカヴァーしてしまっているよ。
 今の私に関しては、ね。
 

44 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/02/28 18:54


 何か足りないと思ったらトリップだ。
 ……ま、借りておこうか。悪いね、兄さん。

 さて、と。
 カッターな戯言はさておいて。
 私が兄さんを愛しているのは当然――下らないほどに当然だ。彼が私の事を愛していなくて
も、彼が例え私を憎悪しても、私は彼を愛している。殺されようが壊されようが犯されようが侵さ
れようが、私は、ずっと。久遠に。
 だってそうだろう? 私と兄さんは家族なんだから。家族を大切にするのは当然の筈だ。
 私は昔からそう思ってきたのだけれどね。
 人生に正解と間違いがあるなら、その正否を決めるのは私と言う名の主観でしかない。そし
て私の主観は揺らがない。だから……絶対に間違わないのさ。


 よく思うんだけれど……「ディスプレイで読む」。
 当然のことながらこれは、プリントアウトしない限りweb媒体共通だよね。
 私の環境ではディスプレイ14型、文字サイズは「最小」。少々小さめのディスプレイだけに、
書く時はちょっと辛い時がある。
 で。
 ディスプレイで読む時に意識しなきゃならないのが、やはり改行だったりする訳でね。
 ギチギチに詰まった文を読むのは辛い……とは思うんだ。
 だがしかし、文節自体が区切れない場合はどうするか? 或いは、区切ると見辛くなる場合
だね。私はそんな時、多少無理があっても強引に続ける。キチンと区切るなら、文章をコント
ロールして文節を分けるべきなんだが――
 如何せん、文節を細かに分ける文章じゃなかったりする物でね。
 この辺りはキャラネタで書く際には気を付けるべきなんだろうな。
 

45 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/02 14:08


 さて……唐突だが。
 私と兄さんには共通の趣味がある。
 一つは読書。兄さんは暇潰しに、私は人生の糧に。私の傾向がミステリであるのに対し、彼は
全般と言った所か。無論読書数では私の方が遥かに多い訳であって、彼と数を比べるのはやは
り無意味でしかないけどね。
 もう一つ、共通点がある。
 それが音楽だ。ジャンルは過多にして説明するにも時間の無駄だが、ヘヴィ・メタルに偏った
兄さんに比べれば、クラシックとジャズを好む私は幾分通常の趣味をしているのではないか、
とは思うのだがね。いやなに、メタルというのは音楽ジャンル的に見ても、アンダーグラウンドシ
ーンとの境界が曖昧なのさ。
 ともあれ、そんな私も時折彼からCDを借りる。ジャーマンのテンポが好きだ、と言うのが当初
の理由ではあったんだがね。

 POS/12:5
 久し振りにこんな音楽を聴いた気がするね。ただのライブ盤だと思った浅慮を呪うよ。
 オリジナルの特徴であるエレクトリカルな音は知性と昏さが混同してるようで、ソングライティ
ングのカンペキさと、各人の技量の凄まじさを感じさせてくれる。
 そもそもアンプラグだ。物足りないんじゃないか、って思ってたのは彼等の天才を謳った今ま
でのアルバムから想像しても然るべきなんじゃないか。
 とはいえ、ノーエフェクトでストリングスの音がそのまま突き刺さってくるのには素直に驚かさ
れた。ジャム風の曲も有ったり、懐の深さを見せてくれた気がするね。


 本来ならCDスレにでも貼るべきか。
 ま……向こうは兄さんに任せるか、気が向いたら貼るとしよう。
 

46 名前:名無し客:04/03/02 20:43

おにーさんが電波神父とかラブコメ神父とか、殲滅主義者とか呼ばれている事について、
何か反論はありますか?
地下室監禁が趣味とか言われている事についても。

47 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/02 21:58


 大有りだ。

 なんて言わないけどね。
 そもそも、どれも私には解らない事ばかりだ。まず電波……と言うのは解らないな。
解り辛い。だってそれは、所謂サイコ系を指す言葉だろう? 彼は理性的だよ。時折
情緒不安定になる事はあるが、私達の前ではそれを表に出さない。せめて私にだけ
は相談してくれればいいのだけどね。この身体を壊してくれても構わない。私が彼の
癒しになるのなら、私は彼だけの娼婦にでもなろうか。
 ラブコメ。これもちょっと解らない。いやね、確かに兄さんが女性に優しいのは確か
だ。それでも妹弟に差別はないし、姉さん達にも私にも平等に接してくれて――なん
だい? まさか彼は私を異性として見てない、とでも言うのかな。ふん。まだ私は成
長途上なんだ。すぐに追い付いてみせるさ。
 それで、ふむ……殲滅主義者? それはつまり、兄さんの"生業"について君が知
っていると考えてもいいだろうか。知っているのなら口は挟まないさ。君は彼の同僚
とも思えないが、私の同類ってことだろう。……そうだね、私の感想としてはそれに若
干の異を唱えたい、と言ったところかな。兄さんは何も戦うのが好きな訳じゃない。目
も眩む血の曠原で佇む彼の顔を見たことがあるかい? 彼はね、壊れてるんだ。多
分自分でも理解出来ないレベルで――致命的に。泣きたいなら泣けばいいのに。
一度言った事があったよ。「辛いなら我慢しなければいい」ってね。彼、何て答えたと
思う? まったく頭が痛くなるよ。「我慢するようなことがない」、だからね。
 だから、本人が否定しないなら私も否定はしないでおこう。三者的な感覚なんて、
所詮はその程度のモノでしかないんだから。

 さて、地下室監禁……とかいうのは聞き逃せないが。
 それはどういう事だい? 彼が、兄さんが、あの彼が、誰を地下に閉じ込めるって
いうんだい? どうにも性的なフレーズが隠喩に含まれているようで、余計に理解に
苦しむね。そんなヒマがあるならもう少し家に帰ってきてもいい筈なんだが――ちょ
っと待ってくれ。つまり兄さんは仕事先で情緒不安定のままに自分の感情を誰かに
叩き付けて――いや。まさか。まさかまさか。有り得ないよ。だって。

『フィー……俺』
『駄目、だよ。……兄さん、私は』
『……辛いんだ。ごめん、俺……!』
『あ……兄さ――』

 この展開すらまだなんだよ? そんなに容易く彼が篭絡される筈がない。
 

48 名前:名無し客:04/03/03 00:42

宗教は劇薬だ。
匙加減を間違えれば、それのために平気で親も殺す奴が出る。

49 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/03 01:13


 おや、随分唐突だね。
 私に言いたいのか兄さんに言いたいのか――今は兄さんが居ないから、必然的に私へ、
という事になってしまうのだけど。
 しかし、宗教は劇薬だ、とはよく言った物だね。何を差してそんな事を言いたいんだい?
今更十字軍の蛮行を取り上げたい訳ではないだろうし、神殿を打ち砕いた神の戦士達を
差している訳でもない筈だね。
 そもそも劇薬なのは宗教でなく、それを扱う人間の心だよ。飲み込む人間が薬を毒に変
えてしまうのさ。宗教の本質を捉え切れずに迷いを増加させたり、最低の例としてはどうし
ようもないクズのような指導者に付いてしまう事だ。宗教の本質は信じる事――とは言え、
それは真の教義を、正しく『正しい』教義を信じる事なんだ。現世での欲得を獲得するに汲
々とするようでは、そもそも宗教に縋る意味もない。ふん、早い話が利益を絡めて話すよ
うな連中に宗教の意味は理解すら出来ていないという事さ。
 もし薬を毒に変えてしまわないようにしたいなら、普段からある程度の認識を持って接
するべきだね。体性がない人間が薬を一気に飲めば――それが強力な薬であればある
ほど、激性は高くなる。
 真実を求める為の戦いが、いつしか戦いを求める為の戦いになっていた――なんて事
はザラにある。しっかりと真正面を向いて歩くべきだ……というのが兄さんの自論でね。

 無神論者に近い私としては――そうだね、信じるモノはさしあたって家族と言った所か。
 私に取っての世界は家族だ。弟と妹と姉、兄、そして――彼。心の働きが宗教と定義す
るなら、この界隈が私の宗教になる。私達に親はないが、この繋がりは絶対でね。もしこ
れを否定されるのなら――誰かを殺めなければ家族を護れない状況に陥るなら、私は迷
いなく殺罰に手を染めよう。
 これが家族と兄のどちらを取る、と訊かれれば話は別になってしまうのだけどね。
 彼が世界に在る限りは私も留まり続けよう。彼が世界を見捨てるなら私も目を叛けよう。
彼の殺害は私に取って正しく、兄さんの言葉は私への神言に等しい。
 比翼の鳥になれないなら、私は翼なんて要らない。彼に抱かれて地獄の泥土に身を埋
めよう。ふふ……そうだね、万魔殿とやらに足を向けるのも面白そうだ。王座と女王の位を
簒奪すれば、私達は永遠に空を見上げられるんだ。ずっと――二人で。
 もしそれが叶うなら、私は夜を篭める程に祷り続けよう。
 それが狂信で劇薬なら、毒杯を汲む毒壺に残る一滴まで飲み干してね。
 

50 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/03/04 18:58


 ネタ。
 メタルを題材にして小説。主人公は勿論ロブ。


 誰も読まねえよ。


 ちなみに自スレってもココだったりしますが。
 

51 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/03/04 19:00

 あぁ……貼れない訳じゃないんですがね。
 名前でウロウロ迷ったりで。


 あっちは貼るべきかどうか迷いますが。
 今更ではありますし。

52 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/03/04 19:01

 ハナシ、としてなら向こう使いますよ、そりゃ。
 小説としてじゃなく、キャラネタで色々試したいってのもあります。

53 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/03/04 19:02

 レスに即応して話を一つ!
 スレが持たない罠。


 とかね。
 例えば「俺」として、一人のキャラ視点から見なくても表現できる訳ですし。

54 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/03/04 19:03

 例えば――

55 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/03/04 19:04


 壁に掛けられた時計を見上げる。
 深夜を回って2時間と30分。暖房の一つもない部屋は僅かに肌寒くて、修道服の上から羽織ったカ
ーディガンを強めに巻き付けた。
 ……今日は、存外に寒い。
 覗き窓から見る外の世界は刷毛で塗ったように黒く、薄い硝子を叩く風音は視覚的に寒気すら運ん
でくる。コーヒーか紅茶でも入れるべきかと思案して、コーヒーメーカーはまだ荷物の中だと言うのに今
更気付いた。教会正面の道路を隔てた商店(ダガシヤ、と言うらしい)前には自販機が並んではいる物
の、インスタントのコーヒーは好きではない。缶入りの紅茶など論外だ。
 となると。

「……私の手落ちだな」

 自室ではなく、倉庫。ここが修道院ならもう少し纏まった個人スペースが取れたのだろうが、日本の
カトリック教会は、総じてイタリア程贅を尽くされた造りになってはいない。そこは寧ろ歓迎すべき美点
ではあるのだが――こういう時は遺憾ながら不便に思ってしまう。ペンを置いて立ち上がって、
 全身の筋肉の活動を停止させた。
 執務室外の廊下、足音を消した気配が二つ。
 今この教会に残っているのは私だけ。尋ねてくる人間ならば前以って連絡を寄越す筈だ。迷い人が
尋ねて来る可能性はこの国の環境では低く、そもそも無音に落とした足音と微弱過ぎる気配は道に
迷った来客というよりも、確固とした意志を抱くアサシンのそれに近い。
 ……無粋な。
 執務机に立て掛けた皮袋に視線を向けて、いやと首を振る。変わりに髪の後ろを掬い――肩甲骨部、
襟の下に隠した3インチのシースケースに触れる。冷たいダガーの柄の感触。音を漏らさないようにそ
っとズラして引き抜いた。
 執務室に続く一つきりのドアへ寄って、その脇の壁にそっと背を当てる。
 ダガーを逆手に握り込む。

 ――ドアを開けて、即座に決める。

 面倒なプランは必要ない。気配は二つ、素人でもない。が、あの狭い通路では派手な立ち回りは出
来ない――こちらから動けばカウンターアタックである分、こちらに分が有る。
 気配が近付く。残り5歩。
 4歩。
 3歩。
 2、1――
 ドアを引き開ける。右足を差し出して体重を掛けて軸足に、振り回すようにして投げ出した左半身で驚
愕したように固まる襲撃者、その手前の一人へとダガーを振り出し――「――動くな。指一本でも動か
せば頚椎を切断する」――0.001秒以下のタイミング。ぴたり、と首筋でブレード先端を固定した。
 闇に紛れた気配は息を飲んだように動かない。切っ先を喉元に当てて牽制する一人の背後にもう一
人、通路で縦に並んで二人。背後の一人が僅かにでも動いたなら、銃撃を考慮してコイツを盾に二人
の喉を掻き切る必要が、

「ふ、ふりーず! フリーズフリーズフリーズ!」

 考える傍から、甘ったるいソプラノが耳朶で炸裂した。
 あたふたと叫ぶ正面の一人に視線を据えたまま(急に闇に踊り出た所為で目が慣れてない……が、
間違いなくこの一人は女だろう)、ダガーに添えた手に力を込める。

「黙れ。口を閉じて動くな。何処から入った? 玄関にはカギを掛けておいたが――ふん、やはりそれ
は良い。ココに訪れた理由を話せ。後ろのお前も動くな、動けばコイツは殺す」
「だ――だからフリーズだって! せ、セシル!」
「だから動くな、と――」待て……今、何を。「今、なんて」

 手に力を込めたまま、軽く瞬き。
 聞き違いもない。丁寧なクイーンズ・イングリッシュでの発音は私の名前を呼んだ、筈――で。
 徐々に闇に慣れてきた視界の中、半泣きで両手を上げた修道服の姿が。

「あ、あああ当たってる! 当たってるってちょっとナイフっ! つ、冷たいって言うか痛っ!? ち、チ
クってした今! チクって!」

 右手から力が抜ける。
 現状が把握できない。
 もう一度瞬きして、正面の二人を眺めて、

「……クレア――に、マリア?」
「は、はは……ひ、久しぶり……あ、あのさ。な、ナイフ離してくれない? その、このままだと私泣い
ちゃうかなー、なんて。あの、ね。ハゲタカがショットガン喰らったような顔してないでさ、離し
てほしいな、こ、これ」

 引き攣った笑顔。目尻に涙を浮かべたプラチナブロンドの少女が眼前に一人。
 その背後、腕を組んで「やれやれ」とばかりに肩を竦める修道女が一人。

 悉く、知人だった。
 

56 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/03/04 19:04

 レスに対応させたレス。
 ちなみに後数十キロバイト続きます。

 長過ぎてボツってみたり。

57 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/03/04 19:05

 ちなみにこの時点では何処が如何レスに対応してるか解らない罠。

58 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/03/04 19:06

 てな所で離席。

59 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/04 23:23


 ふむ。
 古来に王族、皇族――貴族は特別な人種として見られていてね。
 ロイヤル・ブラッドとでも言うべきかな。彼等の血は普通じゃない……人間じゃない、とまでさ。
 青は静寂を表す時に用いられるのはイメージ通りだね。
 理由としては貴族ゆえの落ち着きは並外れている――血液すら蒼いのではないか、という比喩。それに加えて
室内での執務に徹する彼等は肌が並外れて白い。そう、血管が浮き出るほどにね。
 だからこそのブルー・ブラッド。青い血液の高貴なる者達、とされるのさ。
 ま……この比喩は皮肉として屋内で篭り切る兄さんの宿敵達にも通じるのだがね。
 ほら、レトロパターンの連中は、タイにタキシードで真っ白な肌をしているだろう? ヴァンパイアのモチー
フ、今でこそ紅い目の原型や、その他様々なファクター。ほぼ例外なく貴族であったヴァンパイア達の血液の色
が普通ではない、と一部で考えられたのも無理はない。
 というよりは寧ろ、貴族へのある種の皮肉さえ伺えるのだけど。
 尤も……昨今の連中はデニムにジーンズに皮ジャケットで決めて、クラブで踊り明かすようなことも有ると聞く
けどね。そうそう、その後は黒人のヴァンパイア・ハンターに膾にされるんだけど。

 兄さん曰く「格好はどうあれ連中はクズだ」、だそうだ。
 アジア人種一人に皆殺しにされる自称「優良種」も情けないとは――ふふ。ま、思わないでおいてあげるけど。
だって兄さんは強いから。当然の結末だね。
 

60 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/03/08 00:06

 ORPHANED LAND新譜凄いな。
 ……つーかこんな音楽作れる人間がいたのか。

61 名前:◆fFCROSSQsM :04/03/08 01:57

 ふと思う。
 1レス何行までが最適か。

62 名前:◆fFCROSSQsM :04/03/08 01:57


『――寒いですか?』

 ヘッドギアに伝わる音声に、閉じていた目を開ける。
 真っ先に視界に飛び込んでくるのは、闇に覆われた深い木々の絨毯だ。タンパから北へ。葉が密
生した熱帯特有の低木は隙間なく大地を覆い尽くし、植物以外の存在を否定しているように見える。
 肌寒さを不意に思い出す。如何に熱帯で過ごし易いこの土地の冬とは言え、この高度ではその恩
恵も薄い。

「仔細無い。フランスの冬はこれよりも寒い」
『はは……諒解です』
『おい、無駄口を叩くな――済みません、ナイト』
「構わん。時間は?」
『は……標準時23時、35分33秒』
『LZ地点確認』
「諒解」

 無音ローターが闇を削る。
 教皇庁の紋章を刻印したRAH-66 コマンチ・R――結界装甲を施され、従来のステルス性に加え、
魔術への対抗力を全面に施した武装ヘリ。異端審問局が情報、戦力提供と引き換えにアメリカ陸軍
から譲り受けた試作品は、実戦投入されてこれで5度目。先月にロールアウトされてからのこの数
字は、1ヶ月に4度、1週間に最低1度は使用されたという事実を意味している。
 ダクテッドローターをサイレントモードに合わせてNOE飛行を続ける機体は、無反射塗料の暗色
に塗り篭められ、月光すら弾く事はあるまい。ましてこの区域のヘリから受けるIFFは全て識別して
いる以上、もし補足するとすればそれは間違いなくボギーでしかない。
 そして。
 本来の役目である偵察・攻撃よりは強襲輸送に特化しているのは、それがただ「輸送」のみに特
化しているからに他ならない。
 輸送するモノは一つ。
 上空百メートル。漆黒の樹海と一体化して飛行する偵察ヘリのスカッドを掴んで眼下を睥睨する
異端審問官――このセシル・ヴィルキエこそが輸送物だ。

「LZ開始。1時間で戻らなければ、ガトリングかデイジーカッターで消滅させてくれ」
『まさか。信じていますよ』
「行くぞ」

 信じている――本当に?
 誰を……私を? ならばそれは、私の力を、だろう。
 寒風が頬を撫でる。ホバリングの姿勢に移行したするのと同時。もはや迷いは何処にもない。
 スカッドから離れた身体は、暗黒の樹海へと下っていく――
 

63 名前:◆fFCROSSQsM :04/03/08 02:02


 魔術師の根城は郊外の砦だった。
 密生した木々を掻き分けた最奥部に築かれた庵は、入り口だけが地上に残っているのにも等し
い。朽ち果てた岩と砕けたガラス窓、修道院めいた建物はもはや原形を残していないからだ。
 ただ、それでも。確実に上げられる異常な事態は存在する。
 やけに頑丈な鋼鉄の扉が存在することと、扉に刻まれた侵入者避けの魔術刻印と、もはや隠し
難い腐臭とエーテルの乱れ。

「標準時23時59分12秒、24時――リミット・アウト。施設状況確認、天候状況確認、エーテル密
度把握、月齢/フルムーン。術式はACまで使用。"ル・ジュジュマン"――状況開始」

 咽頭マイクに吹き込んだ宣告から間も空けず、錬鉄のドアに刃を振る。
 扉は刃を飲み込み、しかし一切は無音。
 それは当然。円軌道を描いた刃は、一切の抵抗を排して扉を斬断している。片手は切り下げた
姿勢のまま、刃は不可視のサークルを錬鉄に刻んだまま、ブレードは扉の切断地点で停止する。
 ――開始。
 頭の中でスイッチを入れる――ただ、全てを切断する機械であれ。
 呼吸一つ、真円のプレートを蹴り飛ばす。鉄板は呆気なく内側に吹き飛んでいく。
 扉の向こうの空間の広さからだろうか。プレートが転がる轟音は――通路に飛び込んでから即
座に走り出していた私の背中側、50メートルほど背後で盛大に響き渡った。
 状況:セクション1へ移行/侵入開始、動き出しただろう誅敵の排除。
 駆ける。規則的に鼓つ鼓動をメトロノーム代わりにテンポを刻んで乱れなく、狭く長い廊下に脚音
を刻ませる。
 両足両手の印章を誓約励起した今の私なら、50メートルも100メートルも違わない。一瞬で踏
破出切る距離に大差も小差も関係あるまい。サマエル/火星。流動性を持ったエーテルを流し込
まれた筋肉は、石造りの廊下を常時の数倍の速度で駆け抜ける。
 湿って暗い岩の廊下は地獄のケモノの口中を思わせる。
 けれど、考える。私はこの暗黒に何処か失笑したくなるほどの滑稽さを憶える。湿り、空気は粘
着き、光は絶えて――ただ、気配は何処までも一定。ここには恐れる要素が見付からない。ダン
テが旅したのが本当の地獄の道行きであったのなら、この程度の黄昏は絶望を抱くには程遠い。
 まだ。
 まだ、これは絶望には遠い場所だ。
 湧き出るファミリアを切り伏せる。頭上から染み出してきた霧は黒犬へ、足元を這うムカデは限
りない。……カバリストの道を踏み外した外道だという話だったが、趣味の悪さはクロウリー以下
という訳だ。
 ゴミめ。
 障害になるモノだけ斬り捨てつつ、残りは踏み散らして背後へ追い遣った。此処に私を追走出来
るモノはない。斬撃に斬撃を折り重ね、一本の剣で一切合切を斬滅する刃の檻を形作る。
 砦の構成は一階から地下三階までの一直線。所々に補修を重ねた痕跡から察するに、元々は
寺院だった場所を改築したのだろう。
 カタコンベさながらに、地下に潜るほど瘴気と腐臭は強くなる――状況:セクション2へ。
 サメの牙を移植されたような黒犬を纏めて薙ぎ払う。転がった頭部を蹴り潰して、同時に勢いの
付いた全身に制動を掛けた。
 眼前には一際巨大な扉。
 ただ一直線だった廊下の最果てには切り取られたような空洞が広がって、異界に通じている、
とでも言いたげな鋼の扉が鎮座する。
 解る。瘴気と、腐臭と、そして――同類の匂い。
 術師の臭いだ。
 この扉の奥こそが、微塵に疑う余地の無い終局地点。
 マイクに状況報告をしようとして、思い留まった。ここまで深い造りならば、電波など容易に遮断
する。意図した構造ではないだろう。だが図らずも近代機器を排除する様は、古臭く庵に引き篭
もった異端者を如実に表している。
 下らない事だ。
 扉の材質は鉄。入り口の扉よりも更に厚く、エノク語で刻まれた印章は古い上に護法陣の効果
を兼ねている。解呪するかどうかの思案はない。私が送り込まれたという事は、即決で即殺が求
められているという事だから。
 刀身を鞘に収める。
 

64 名前:◆fFCROSSQsM :04/03/08 02:04


 息を軽く吸う。ガードに親指を添える。脚は肩幅に、重心を腰に乗せる。
 扉の幅は10メートル。
 頭の中に描く切断面。端から端までを縫い通す定規で引いた横一直線と、袈裟懸け、扉斜め
上部から下部までを破断する一直線。
 息を吐いて、刹那で叩き切った。
 扉に蹴りを入れ――ずに背後へ飛んだ私の目の前、爆音と共に扉が拉げ、"そのままこちらに
飛んできた"。加速した反射神経で対応する。上段に振り下ろした刀身に沿って切断された扉は、
そのまま私の背後に落ちて、轟音を立てながらガラガラと転がっていった。
 振り返らない。そんな場所には何もない。有るのは前方、扉を破壊した"何か"と――

「……こんな所まで出向いてきおったか、お主等は」

 朦々と立ち込める埃の中、ローブに身を埋めた"目標"が一人。
 魔術師は闇と埃の奥で言葉を紡ぐ。
 状況:セクション3へ移行。最終目標認識/索敵。排除へ。

「逃げ遂せると思ったか、馬鹿め。従容と黄泉路に着け」
「爺の余生、どうして静かに送らせてはくれん物か。居を移して5度、命辛々に逃げ回るのにも
疲れた。真理を求めるのがそれほどに不愉快なのか? 従わぬ者がそれほどに許せぬのか?
お主等の父とやらは」
「それほどに辛いならば大人しくしていればよかったんだ。そして――不愉快なのは私だ、クズ
め。邪法の探求を主の世界で続けさせるなど、秘蹟の誓いに掛けて出来はせん」
「見逃しては、くれんのじゃろうな」
「無論」眼前を一薙ぎ。剣圧で吹き散らした埃の奥、初老の男の姿が見える。「此処で生に幕を
下ろせ。貴様は少々長く生き過ぎた」

 それが契機だったのだろう。"何か"が動いた。
 埃を突っ切って、破壊した筈の扉が動く――いや。扉と同じサイズの、"何か"は。

「フレッシュゴーレムか。……心底腐りきったな、ゴミめ」
「仮初めの命とて、一人で生きる人間には慰めにもなろう。手慰みに憶えた術ではあったが、お
主が此処に来るまでに殺し切った犬達と同じじゃよ。――これが、邪法遣いの家族という訳よ」
「では死ね。貴様に生きる価値は探せない」
「同感じゃよ」

 異端者は指を振る。私に突き付けた剣指を虚空に走らせる――マジック・サインは確かに世
界にその意味を刻む。
 死体と金属を継ぎ合わせ、印呪で縛った操り人形。
 数にして人間10人分と数十キロの鉄隗を費やして造ったのだろう不死人形は――巨体は。
 予想よりも遥かに速く、"飛んできた"。
 1秒で距離がゼロになる。鋼の胴体、継ぎ合わされた頭部、肉と金属を繋ぐ有機的な血管の
パイプ――吐き気がするような腐臭、苛立つ頭痛、吹き上がる殺意。
 殺そうと決めた。
 振り被られた拳を首を振って避ける。風圧が髪を舞い上げる――拳の面積すらヤツには武器
だ。触れるだけで鋼も砕くそれは、フルアクセルで暴走を続けるトラックが飛来するのに等しい。
 烈風は翻る。
 次ぐ裏拳。射程距離から紙一重で逃れた私を追うように、鈍重そうな巨体からは想像も出来な
い俊敏さで拳が追る――紙一重で避けたのが仇となり、至近距離に破壊の拳が迫り来る。
 だが。

「まだ、遅いな」
 

65 名前:◆fFCROSSQsM :04/03/08 02:10


 呟いたのは、全身を捻って拳を飛び越えた刹那。弓反りにした背中を拳が通過する――ただ
通過させるつもりはない。背中を烈風が通過する、その寸前で。
 逆手に握り直した剣を、上腕に交差させた。
 跳ねる体液――落ちる怪腕。
 ざかんと抵抗の欠片もなく、刃は鉄と肉の腕を切断する。

「……主は――」
 異端者の驚愕を視界の端に捕らえて、私は、
「デクでは私は殺せん。諦めて――」

 着地点はゴーレムの足元。痛覚の存在しないだろうゴーレムは片腕を失いながらも怯まず、
それでも私を認識し続ける。そのまま残った片腕を私へと拳を振り落とし――
 それよりは私が早い。
 鉄の拳が伸びるよりも、私がゴーレムの両足を纏めて切断する方が早い。ぐらりと傾ぐ巨体。
拳は宙を仰ぎ、状態は成す術もなく背後へと崩れ、床に落ちる前に、

「諦めて、死ね」

 私が生んだ切断の軌跡が、肉人形を四十の肉片に変えた。

「……その、剣は」
「剣ではなく腕を誉めて貰いたい物だがな。……ふん、そうだ。光栄に思え。これがシャルル
マーニュの騎士が受継ぎし魔断の聖剣、並ぶ物無き切断の斬刃だ」
 見開かれる瞳孔。浮かぶ感情の気配――諦観。
 生を放棄した瞳には、それと一緒に当惑が混じっている。
「聖遺物……聖剣デュランダル――ふ、ふふ。そうか。それでは……確かに、この命運は既
に尽きておったな。老い耄れ一人始末するのに、よもや主のような者が送られるとは思いも
寄らなんだ」
「そうだな」

 刀身を下げ、ヤツの下腹部に切先を定める。
 徐々に切先を上げ、首元まで掲げて、

「言い残す事はあるか。貴様の死体は処分され、世には何も残る事は無い。言霊だけでも残
す意志があるなら聞いてやる」
「……そうじゃな。では、こうしよう」
 息を吸って――在ろう事か微笑んで――そして、魔術師は口を開いた。
「主のような娘子がこのような殺戮に手を染めずとも良い世を作れと、その父(ヤハウェ)に」

 ……それは。
 何を、バカな。

「――死ね」

 デュランダルを掲げる。
 微笑む魔術師へと、私は――
 

66 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/08 02:13


 ……これで四レスか。不様な。
 つまり、60キロ程度を貼るだけでも最低32レスは必要に……か。
 全く、やり切れんな。
 

67 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 02:36

 長いよ、蒼君。

68 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 15:19

 ま、実際の所、私にはそのゲームの経験がないのだけれどね。
 ふむ……楽しませて貰ったよ。TRPGというヤツの一種という訳だ。
 今までなんの事やらサッパリだったのさ。

69 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 15:20

 突発。
 15:25まで質問を受け付けてみるよ。
 私だろうが兄さんだろうが兄さんの同僚だろうが。

70 名前:名無し客:04/03/08 15:22

時間が短いですよう。

兄さんの他に特に親しい家族は誰ですか?

71 名前:Blue:04/03/08 15:23

キャットの年収はどれくらいですか?

72 名前:Blue:04/03/08 15:23

Kresnikは毎年何人ほど拉致ってきますか?

73 名前:Blue:04/03/08 15:24

他に脳内妹は何人ほどいますか?

74 名前:Blue:04/03/08 15:24

ジャックが危ない人って本当?

75 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 15:24

 ……早いね。
 予想以上だ。気付かれるとは微塵も思ってなかった。

76 名前:名無し客:04/03/08 15:24

大人になったらなりたい職業はありますか?

77 名前:Blue:04/03/08 15:24

そもそも、教皇庁って危ない所だって(ry

78 名前:Blue:04/03/08 15:25

爆撃する人をどう思いますか。

79 名前:名無し客:04/03/08 15:25

夢は持ってますか。

80 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 15:25

 しかし蒼クン。
 君の質問は著しく兄さんの品位を損ねる可能性が有るので、暫く考慮させて頂こうか。

81 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 15:29

 とりあえず約束は約束だ。
 承った。
 また覗いてみてくれないか。答えてみるとしよう。

 今?
 ……ちょっとコーヒーを飲みたいのでね。
 また後で。

82 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 15:30

 唐突なのはお互い様だろう。
 まさかキミが見ているとは予想外の外の外だったよ。

83 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 15:33

 ふむ?
 キミがつけた名前だ、と兄さんからは聴いているのだがね。
 にゃーにゃーと歌う曲がメインだと。

84 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 15:34

 ふぅん……? ま、お疲れさま。
 気を付けて行ってくるんだよ。

85 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 18:28

 ただいま。
 少々お客さんと話し込んでしまってね。
 それじゃ、答えさせて貰うとしよう。

86 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 18:34

>>70

 短いかな。いやね、反応する人が居るとは思っても見なかったのさ、こちらとしては。

 さて、私の親しい家族、との事だが……敢えて言うなら「全員」となってしまうのだね、これが。
妹達は好きだし、弟達は大事だし、姉さん達も兄さん達も――おっと、キミの言っている「兄さ
ん」とは別の兄だが……そう、私はみんなを愛している。家族の重要さに比べてみれば、この
世界に存在する何もかもの耀きは枯葉よりも冬よりもモノクロに色褪せて見える。
 だが、これでは些か不出来な答えかもしれないな。期待に添える答えかどうかは判らない
が、少々答えさせて貰うとしよう。
 私とよく一緒に居るのは夕菜。身体が弱い所為もあって、オススメの本などを教えてあげる
と喜んでね。可愛い私の妹さ。で、普段は走り回っていて夕方にならないと帰ってこない碧霞
……活発なのは良い事だ。もう少し落ち着いてくれると、姉としては嬉しいのだけど。
 ああ、考えてみれば夕菜と碧霞、それに兄さんだけがこの家ではアジア系の人種だね。

 ふむ、そうだな……室内で私と過ごす時間が多いのはアンジェラか。チェスを教えているの
だけど、いや、これが中々どうして筋がいい。教えて3日で戦略を組み立てられるようになっ
た辺り、未だに私に一勝も出来ない兄さんとは雲泥の差だね。……ふふ、まあ、兄さんには
このまま負け続けて貰うけれどね。だって一つ位は私にアドバンテージが有ったって良いだ
ろう? 逆に私から逢いに行く、と言う点ではメアリ姉さんかな。普段は全寮制の高校に通っ
ているから家に帰って来る事は滅多にないのだけどね。それでも、クリスマス前には必ず帰
ってきてくれるんだ。兄さんがニブいせいで一番迷惑を受けているのがこの姉さんなんだが
――そう、料理の腕は孤児院で一番だね。レシピが固定されてしまっている兄さんと違って、
姉さんはいつもなんらかの工夫を施しているのが凄い。少しはあの手先の器用さを私に分け
てくれないかと常々思うね。お菓子作りの巧みさは兄さんに大好評で――ああ、そうか。
 それで上手くなったのか。

 ……とっと、と。こほん。
 そう、後は碧霞といつもケンカしているリックも良い子なんだけどね。如何せん、碧霞に圧
倒されているような気がしないでもない。一緒に遊んでいるトムも同じだ。こっちは姉が強気
なアンジェラだけあって、いつも言い負かされているからかもしれない。ウチは基本的に女性
が強い家庭なんだよ。
 他の家族も紹介したい所だが……ま、この辺りで良いだろう。
 

87 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 18:35

>>71
 不定。ジャック君は二千万前後。

>>72
 何人も助けているよ。みんな合意の上だ。

>>73
 妹、と呼べる人間は私を含めて5人。ただしリアルだ。

>>74
 気に入らない奴(ヴァンパイア)を見たら即射殺する位には。

>>77
 ジャック君はまるでマフィアだね。

>>78
 隔離した方が良いと思うね。
 

88 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 18:35

>>71
 不定。ジャック君は二千万前後。

>>72
 何人も助けているよ。みんな合意の上だ。

>>73
 妹、と呼べる人間は私を含めて5人。ただしリアルだ。

>>74
 気に入らない奴(ヴァンパイア)を見たら即射殺する位には。

>>77
 ジャック君はまるでマフィアだね。

>>78
 隔離した方が良いと思うね。
 

89 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 18:36

 おや、二重投稿になってしまったね。
 どうしようか……削除が妥当だけれど、管理人さんの手を煩わせるまでもない気もするな。

90 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 18:39

>>79>>76

 夢、かい?
 そうだな、昔の私なら「夢」という存在をレム睡眠中に見た感覚的な経験だけを想像しただ
ろうね。都合の悪い事象は存在しない、自分だけの為の世界――尤も、夢などそう見る事も
なければ、仮に見ても悪夢ばかりではあったのだがね。そも、夢の定義はまだ明らかではな
いけれど。
 その意味でも……うん、そうだな。その意味でも、今の私は夢を見る。
 大切な人と一緒に在る事の出来る未来を夢想する。

 私の夢は――ふむ、どう答えようか。
 ココは一般的な少女らしく「お嫁さん」とでも答えておこうか。いやなに、こんな答えは恥か
しくて仮にでも学校などで口にする事はないだろうがね。
 ……もし相手に好きな人がいたら?
 なに、恋愛とは相手に相手が居ればそこで終わる物ではないさ。この身が愛人だろうと仮
にオモチャにされようと、傍に在る事が出来れば私はそれで満足だよ。

 夢とは未知なる物が故に……私も、まだ答えを口にするには遠いね。
 >>76での質問はココに似る。一纏めで悪いけど、これを答えにさせてくれないか。
 

91 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 18:42

 ……ま、こんな所かな。
 それでは――この様な世迷言にお付き合い頂き、有り難う御座いました。
 またの機会を。

92 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 19:04

 日常。
 ……そうだな、兄さんが帰ってきたときの事でも話してみようか。
 丁度イブの日だ。

93 名前:◆fFCROSSQsM :04/03/08 19:05


 衝撃で目が覚めた。
 超超高角度で飛来してきたロケットがマッハ3でハラに落ちてきたような感触、
 感触……は、

「……おはよう、碧霞。出来ればそのニードロップ叩き込んだ膝退けてほしいんだけ、ど」
「ちーがーうー!」
 「ぐりっ」と俺の腹に乗せた膝を抉るように動かしながら、我が家の四女。
 ごほっと一息。
 ……大丈夫、アバラは折れてない。
「碧霞、じゃなくてエンジェル! アンジー、もダメ!」
「なんで。いいじゃないか、碧霞。可愛い名前で」
「う……可愛いの?」
「そりゃ」
「……でもダメ! 姉さん達みたいに英語の名前がほしいのっ!」
「フィーはドイツ人だぞ」
「ドイツの名前って格好良いじゃない! えーと、ゲッベルス、ヒトラー、ヒムラー……うー、
違う違う、これじゃなくて、ほらほら。なんだろ、あ、あれよ、ほら! ブリュンヒルドとか、ね、
戦うヴァルキュリア!」
「……それ、日常生活で呼ばれたいのか?」
「もちろん!」

 上半身を起こして毛布を剥ぐ。

「兄さんだって英名持ってるんでしょ? どんなだったっけ、ねえねえ」
「最近使ってないから、忘れたよ」
「む……う、うそつきーっ! 自分の名前忘れるなんて絶対ないよ!」

 ドアを開けたそこにフィーが居た。
 ミリタリーなパーカーの下はシャツとジーンズ。「家用」と自ら称する組み合わせのシャツ
は、「動き易い」「過ごし易い」を重視しての物らしい。シャツのロゴが達筆の「六道地獄」な
ことにはとりあえず突っ込まない。

「おはよう、早いな」
「おはよう、兄さん、碧霞。私の基本は6時だからね。君……じゃなくて、兄さんと違って私は
早起きなのさ。で、兄さんの英名? アレックスだったかな、それともアラン? 少なくともバ
ンデラスとかアーノルドとかタランティーノじゃなかったのは知ってるんだけど」
「お姉ちゃん! だから碧霞じゃなくて私はっ!」
「ごめんごめん、エンジェル……ううん、私としてはもっと親しみ易い名前の方が可愛いと思
うんだけどなぁ」

 ぽんぽんと碧霞の頭を叩きながら、フィーは顎に手を置いて考えたフリをする。そのポー
ズの意味するところ、「返答は二十以上用意してるけどね」だ。
 ちなみに俺の英名はその全部(バンデラスだのは違うけど)だ。
 もうどれも使ってはいない。

「そんなコト言われたって……むむっ、ねえ、それじゃどんなのがイイかな?」
「ココは日本なんだから、向こうにいた時に使うような名前なんて必要ないと思うよ、私はね」
「ほーしーいーのー! 良いじゃない、愛称で呼ぶ人だって居るんだし!」
「ふむ……そうだな。サラ、シンディ、セシリア……兄さんはどう思う?」
 言ったフィーはこちらを見上げて――その声はヤケに小さく聞こえる。
 何故かと言えば、
「――あ、え? ああ、そうだな。サラ、とかでいいんじゃない? じゃなくてさ、フィー? こ
の大音響で掛かってるの、何?」
「何って、君らしく――兄さんらしくないね。SlipKnotのIowa、ナンバー1st、People of Shit
にしか聴こえないよ? 私には」
 

94 名前:◆fFCROSSQsM :04/03/08 19:07


 ぴーぽーざ・しーっと。
 軽やかに歌うフィーは飄々と表情を崩さない。
 部屋を出た瞬間に耳朶に突き刺さったハウリング気味のデスヴォイスは、アメリカン・ラ
ウド・ロックの爆音だ。
 少なくとも孤児院に似合う曲ではない。ましてカトリック系のココでは。

「……ああいや、そりゃ解るけどさ。何で朝っぱらからコレ――うわ、音量どれだけだよ!?」

 ドンと胸に突き刺さる重低音。ロクな機材を使ってない筈の我が家でこの音の壁を作り出
すには、ヴォリュームをMAXにする必要があるハズなのだが、
 今に足を向けた所で、ばったりとメアリに出くわした。俺は寝起きで余程ヘンな顔をしてい
るのか出会い頭でビックリしたのか、メアリは少しだけ慌てた様子だ。

「あ……お、起きたんですか、兄さん」
「ああ。起きた、起きたけど……なんでこの曲流して」
「え? あ、はい。碧霞……じゃなくってエンジェルが、兄さんの荷物入れに入ってたCDを見
付けて、起きて来るまで流してよう、って……その、兄さん? 少々宜しいですか?」
「あ、ああ。何?」
「その、こういう曲は……いえ、私には良し悪しは解らないですけど、ただ、その、歌詞が……」
「……ああ」

 神と人類と世界への罵倒。「人間なんてクソだ」……敬虔なカトリック教徒である(当然俺
もだ)メアリはあまりこの類の音楽を好まない。曲のジャンルその物に免疫がないこの長女
が、真っ先に歌詞に耳が行くのは仕方ないことだろう。

「あーと……止めて良いよ。近所迷惑にならない内に、頼む」
「は、はい。あ……あの。あの、兄さん」
 メアリが声を詰まらせる。
 ……馬鹿か、俺は。今更思い出した事に苛立って、慌てて表情を歪めた。
 自然な笑顔を意識しろ。心配は掛けるな。
「おはよう、メアリ。ただいま。長い間空けてゴメン、迷惑掛けた。背が少し伸びたかな。昨
日は色々お疲れさま」
「……あ」ぱっと顔を綻ばせて、メアリ。「は、はいっ! お帰りなさい、兄さん!」

 現在時刻=9:30。
 応接間では年少組が騒ぎ立てている頃合で――「あれ?」
「兄さん、どうかなさいました?」
「あ、どうか、って言うか……その。みんなは?」
 夕菜、碧霞、リック、トム、リーゼ。12歳以下の、通称「年少組」。碧霞はココにいるとし
て、残りのメンバーが見当たらない。
「みんな……あ、でしたら」

 メアリは口元に手を当てて笑う。あっちですよ、と指差す先にはカーテンの揺れる窓。換
気の為に開け放たれたのだろう窓からは冷たく心地好い風が吹き込んできている。
 応接間の端に置かれたCDプレイヤーのスイッチをメアリが止めて(ミニコンポがあった
が、俺がよく離すせいか手入れの問題で音が悪い)、漸く応接間の静寂の正体に気付い
た。窓から吹き込んでくる風に乗って、わあわあと外で暴れる年少組の声が聴こえる。夕
菜の声だけ聞こえないのは身体の弱い末妹、この寒さは辛いからだろう。
 軽いステップで床を踊っていた碧霞はぴたりと足を止め、目を耀かせて外に視線を送る。

「……むむっ。この私を置いて雪合戦……!?」
「アンジー。雪の質から言って今日は雪合戦が出来る状態じゃないと思うよ」言いつつ、
フィーはポットからカップに紅茶を注ぐ。「私としては読書がしたいからそろそろ窓を閉め
たいのだけど……」
 

95 名前:◆fFCROSSQsM :04/03/08 19:08


 だだだだっ、と軽快な足音。フィーの声は聞こえているやらいないやら、がちゃがちゃっ、
とドアのカギを抉じ開ける音に続いて、「待てえええええええっ! そこの四人っ! この
私が来たからには、あぐっ、ふ、不意打ちとは卑怯なっ!」――多分、聞こえてはいない。
 そこからは雪崩のような連鎖だ。

「碧霞っ!? ちょっと、卑怯じゃなくて、そこの二人!」「なにが卑怯だよっ! お前さっき
石入れて投げたじゃないか、アレっ! "きゅーどー"やっててそういう事して良いと思って
んのかっ!」「あぁら、何が卑怯なのかしら? 男性と女性の筋力差を考えてみれば至極
当然の事でしてよ、あの程度。兵法と言ってほしい位ですわね」「な、何をっ!?」「ちょ、
ちょっと、もう止めようよぉ、僕、こんな……」「大体なぁ! お前っ! 碧霞っ! 兄ちゃん
が帰ってきてたの内緒にしてたろっ! ホントなら俺が起こしに行こうと思ってたのに!」
「煩いなあ、細かい事言ってるからアンタは精神的にもチビなのよ、このチビ助っ!」「チビ
言うなっ!」

 雪球が飛び交う音。偶に響く「うあッ」とか「痛っ!?」とかその他諸々の悲鳴は、主に男
子勢のモノだ。悲しいかな、体育会系女子に敵わないのはまだまだそのままらしい。
 ……というより、会話が少々物騒なのは気の所為だろうか。
 多分違う。

「……ま、待って、碧霞、ね、姉さ――」
「碧霞言うなっ!」
「ぐふぁっ!? 今の、いいイ今の、い、石入って、い、石っ!? 痛、いいいい痛ッ」
「ちょ、待て碧霞っ、トム今血ィ吹いて転がって――」
「構いません、あの子は回復力強いから」
「か、回復力って……うぶぅっ!? ま、待って、い、今ッ、今なんかへんなの出たッ、口か
ら出たッ、で、出たッ、あ、赤いやつ!? 僕の赤いのが雪と空と大地を、ををををををを
赤く染めめめめめめッ!?」「おいちょっと待て、ストップ、ストップだ碧霞っ! それヤバ
い、ヤバ、ヤバいって直接攻撃反則だろッ!?」「"雪で"攻撃してるんだからアリよアリ。
さてさて、覚悟決めたら?」「いやお前、それ雪握ってブン殴ってるだけ――あがッ」

 ――以下略。
 血腥くなりそうな事を察知したのか、メアリの顔は蒼褪めている。
 厳選茶葉で淹れた紅茶のカップを傾けて、フィーはこっちを「じろり」と見た。

「兄さん」
「あ……ああ、なに?」
「いつもは私が止めるんだけどね。この寒いのに外に出るのは正直遠慮したいんだ。す
まないけれど、頼め――」フィーはメアリを一瞥して咳払い。「頼めますか? 兄さん」
「……手加減くらいしてるだろうし、大丈夫だと思う、けど……」
「へえ」
 フィーは無言で「くいっ」と顎を窓の外に向ける。
「りゃああああっ! 必ぃ殺ッ! "ウー式"挽歌投げッ!」「ちょ、ちょっと、くそっ、トム!
トム一等兵、ぶ、無事かっ! 無事なら返事を」「ほらほら、戦場で余所見すると死ぬ事
になるわよっ!」「ば、ばかっ、タイムだタイムッ、トムがなんかさっきから動いて――動
いてながッ」「アンジェラ、射角45度で集中砲火、合わせてッ!」「うおおおおっ!? と、
ととトムっ!? お、お前、くびッ、くく首っ! 首変な方向に曲がってな――」「ふははは
はっ! スキありっ! 死ねっ、死ぬのだーっ! 電撃作戦は初手の成功にアリっ!」
「や、ややややや止めッ、ま、マヂ死ぬッ、ヤヴァいってッ」

 フィーは無言で俺を見る。
 メアリが泣きそうな顔でこっちを見て、

「……行ってきます」

 俺が折れた。
 

96 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 19:10

 People of Shitはナンバー2だ。

97 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 19:16

 気合?
 さて、真っ当な質問とそうでないモノ、少々違って当然じゃないか。

98 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 19:21

 ふむ?
 至極真っ当な家庭だとは思うのだがね。
 しかしキミの質問が真っ当だとは思えない。

99 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 19:28

 というかだね、キミが言う家庭の基準が解らない。
 いやなに、確かに少々賑やかな家庭ではあるのだけどね。

100 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 19:28

 とりあえず100ゲット。

101 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 19:36

 あそこは名スレだね。

102 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 19:36

 以降。

103 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 19:36


「あー……疲れたぁ」
「肩が懲りましたわね、さすがに」
「ホントホント、やっぱり身体を常日頃から動かしてないとねぇ」

 台所の椅子に座って、四女と五女は運動後のティータイムを満喫している。碧霞の隣でフェ
ミニンなブロンドをヘアブラシで梳きながら、アンジェラは思い出したようにこちらを見た。

「帰ってらしたんですね、兄さん。ごめんなさい。私とした事が、先程は挨拶が遅れまして」
「あ、はは……いや、それはいいんだけどさ」
「今年は年明けまでいらっしゃるんでしょう? お話したい事も多くて」
「そう、だな。うん、俺も。俺もだけどさ」

 曖昧に笑って、視線を背中に向ける。
 ……汗一つ掻いてないような二人の対角線上。俺の背後には、三途の川原の惨状がある。

「……こっちは無視かよ、お前等」

 呟いたのはリックだ。額と腕と足とあちこちにバンソウコウを貼って、腕やら脚やらには湿布
を貼った上から包帯を巻き付けている。

「男でしょ? 我慢したら?」
 三女は素っ気ない。
「避けないからそうなるの。もっと反射神経を養ったらどうなのかしら?」
 四女は酷薄だ。
「お前等なあ……! 俺はともかく、トムのヤツあれじゃ死んだんじゃ……」
 リックが声を荒げる。
 雪合戦(プチ戦争)を止めに行った時の惨状は確かにヒドかった。抜群のコンビネーションを
身動きの取れない男子二人に叩き込む碧霞とアンジェラは、敗残兵を背中から射殺するナチ
の将校さながらだ。
 トムは――アンジェラの実弟に当たる所のトム=オブライエンは、俺が駆けつけた時には既
に虫の息で……というのは、比喩にしては正鵠を射過ぎていた。
 ――が。

「……あ、兄さん。今日は。大丈夫、リック?」
「……今日は。元気そうだな、相変わらず」
「あんまり元気じゃないけど」

 ふにゃりとふやけた笑顔で、トムはこちらに笑い掛ける。「1歩でも動いたら死ぬ1ミリ動か
しても死ぬ」と言った惨状を晒していたその身体にはやはりバンソウコウが貼られている物
の、それはリックに比べても遥かに"軽傷"と呼んでいい。

「言ったでしょう、トムは頑丈なんだから」紅茶を啜って、アンジェラ。「この私が床の間で背
負い投げしても、軽い脳震盪一つで済んだんですからね」
「私が階段の上から跳び側刀入れても転げ回るだけで済んだしね」笑いながら、碧霞。
「うん、死ぬかと思った」ふにゃりと笑って、トム。
「……止めろよお前等、弟に」頭を抱えて、リック。

 至極真っ当な事を言う常識人のリックは「もうイヤだ」と溜息を吐いてコップに入れたジュ
ースを啜り始める。

「そういえば、兄ちゃん」
「ん?」
「今年、クリスマスはずっと居るんだろ?」心配そうな声でリックは言う。「今年、みんな色々
用意して待ってたんだぜ? ツリーは……ないけどさ、部屋だって色々片付けたし、予定だ
って決めて……」
「部屋、ねえ」自室を思い出せば苦笑したくなる。「大丈夫、今年は正月だっているから。ゆっ
くりさせて貰うよ」
「ホント!? あー、良かったあ……よし、それじゃ準備しないと! 今年はお客さんも色々
来るかもしれないし、楽しみだな」
 

104 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 19:54

 日本さ。

105 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 20:32

 マツリさん……ああ、そうか。
 彼女は蒼クン――違うな、まったく違う。
 彼女は速水クンと同じ作品が出典だったのか。

 相も変わらず原典に疎いな、私も。

106 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 21:15

 兄さんの賞も意味不明だが、卵クンとんクンの賞も不明だね。
 ゲームの賞とやらは、死者まで出る中国の電脳中毒者が独占かい?

107 名前:名無し客:04/03/08 21:37

>>106
中国ではなく、Kの国では?

108 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 21:47

>>107
 む? そうだったかい?
 済まないね、以前ニュースを流し見しただけで記憶が曖昧なんだ。
 ネットとPC普及率の伸びが急激だったから、中国の方を連想してしまってね。

109 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 21:54

 中国SSとはまた凄い名称だね。
 単なる名前のミスだよ。復帰はさせるさ。
 多分。
 3レス程度だし、テストだからこのままでも構わないのだけど。

110 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 22:46

 ……ああ、根本的な疑問があった。
 これはそもそも、SSと呼ばれるモノなのかい?

111 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/08 22:53

 ふむ……確かに、定義としてはそれだね。
 ショート・ストーリーでSSだというのが一般だと思っていた。
 質問へのレスで対応させていたのだけど、半ばテスト的にココに貼り付けてみたのでね。
 どう見られているのかは、少し訊いてみたかったのさ。

112 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/09 00:42


 「キャラの使い分け」、それは当然だろうね。
 オリキャラだってことが、素出しの免罪符になる事は有り得ない。もっとも、「素」というキャラ
であるならハナシは別だけど。
 キャラを複数使い分けているなら、それは「演じる」と言うよりは寧ろ「動かす」に近いだろうと
思う。小説と違う所は、質疑応答でキャラを深めていくという点か。
 それを考えると、設定は明かさない方が良いかも――いや、明かさないという手も有るのでは
ないか、と思うよ。
 ガチガチに固めてから話を進めると言う点にもジャマにはならないだろうし、質問が続く中で
それを明らかにしていくという手法も使える。

 例えばキャラとして……そうだな、北欧神話のオーディンが「キャラ」だったとしよう。質問をす
る人間は北欧神話の存在すら知らない、と仮定しよう。
 彼に質問応答をして、例えば彼がルーンを作ったモノであること、傍らに全知の首を持つ事、
必殺の槍を携えている事……徐々にそれらを明かしていくと言う手も使えるのではないか、と思
う訳さ。
 管理人スレで管理人さんが言っていたように、「キャラネタ」はキャラのIFの可能性を演じる、
という場ではあるだろう。そうである以上、見る側はキャラの原典を知っている可能性は高い。
質問者側も「知っている」、という前提で質問を付ける事が大半だからね。

 オリジナルキャラは、そも、作者の頭の中にしか設定も何も存在しない。だからこそ最初に設
定を全て明かしてしまうべきだ、と言う考えは有るのかもしれないが、やはり設定だけ見ても良
くは解らない、取っ付きにくい、と言う点はある気がするんだ。それが日常から掛け離れたキャ
ラになるに比例して……いや、複雑になるに従って、と言うべきか。ともあれ、この度合いは上
がっていく。だから、長くスレとキャラと付き合って行くという点では、そんなてもアリなんじゃな
いか、とは考えたことが有るよ。
 

113 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/09 00:42

 つまりこれを誤爆してしまった訳さ。
 不様の極みだ。

114 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/09 01:09

 参った。
 凄いじゃないか、Orion Riders。
 いやはや、たまにはメタルも聴いてみる物だね。
 荘厳なメロウに悪くないクワイア、プログなのにAngra的な音質……全く、センス
だけで言ったら本家に届いてしまうんじゃないか。
 技量さえカヴァーしてしまうようなこのセンス、凄まじいとしか言い様がないね。
 ま、今日は――そうだな。
 兄さんがTHE CROWN解散でヘコんでるから、今日はそっとしておこうと思う。

115 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/09 02:58

 ああ、今はかちゅで書き込んでいるよ。
 誤爆が恐い時は、基本的にブラウザにしようと思う。
 タイトルの確認に馴れなくてね。気付いたらあのザマだったんだ。
 何とも情けない。

116 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/09 14:48

 兄さんがCDを買いに出掛けてしまった。
 ……エドガイだかノクターナルライツだか知らないが、一枚買うのにどれだけ悩むんだか。

117 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/09 14:51

 とはいえね、Queenが売れるのもどうかと思うのさ。
 ドラマ効果というのは解るが、そこで売れたモノをオルタナとロックの両方のジャンルで
1位に上げるのはどうなんだい? 私もQueenは好きだが、オルタナと分類するのには些か
の疑問を感じてしまう。
 ま……マスメディアは強力だ、といえばそれまでなのだがね。

118 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/09 14:56

 ああ、同時期に私も誤爆していたのさ。
 タイミングが同一だったのだろうね。勘違いしてしまったよ。

119 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/09 19:39

 という訳で兄さんの年齢は17歳に決定したらしい。
 お疲れ。

120 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/03/09 20:50

 江戸漢=良好。ボートラはハイスピード。1曲目はジューダスっぽい。2はDIOかメイデン系大作。
 ノクタ=凄。

121 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/03/09 20:55

 新譜フライングゲットは概ね成功。
 内容も良くて嬉しい限り。
 ……毎度の事だが、日本盤のボートラは厚遇されてるな。

122 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/03/09 21:02

 しかし、EDGUYの突進力向上が凄いな。
 個人的にはメロウな弾きでノクタに軍配を上げるけど。
 評判探ってて聞いたけどvoが高木渉って人に似てるとか。
 誰か、と思って検索すると、この人声優さんらしいんだよな。
 とりあえず知ってる声か……と思ったが結局思い付かず。

 ……ホントに似てるのか。

123 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/03/09 21:10

 とりあえず声が良いと思う声優の人。
・ジャッキーの声の人。
・シュワちゃんの人。
・キャスター=トロイ他で悪役担当してる人。
 次点
・ダニ=フィルス(マジらしい)

124 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 12:08

 ダニのヒトというよりはダニ本人さ。
 彼が声を当てると聞いて兄さんがどれだけ驚愕した事か。ビデオが出たら輸入まで
考えるレベルだったね、アレは。

125 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 12:09

 吹き替え声優の名前くらい知っていてもいいのだろうがね。
 どうにも記憶にないと言うか、疎い。
 クリカンさんは知っているのだけど。

126 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 12:42


・西洋刀=鈍くて頑丈。叩き付けて鎧ごと相手を破壊する。
・日本刀=鋭い。ナタと剃刀を合わせたカンジ。脆い。

 ふむ。
 何処だかで見掛けた意見ではある、が。
 西洋刀とて、腹を打たれれば寧ろ日本刀より脆いというのが通説と訊くのだがね。
 錬鉄する際の製法の違いに拠る物ではあるのだけれど。
 日本刀は鎬を使った剣術が確実に存在しているのは大きいかな。介者剣術が発達したのはこ
の国……日本ならではだ。いやいや、だから美しいよ、日本の剣術は。
 尤も、刃筋が鈍って骨に当たる事で劣化するのだから、日本刀が何度も振るえる、と言うのは
また別の話ではあるがね。その意味では「必殺!」の主水さんが主に行使する突きを主体とした
戦闘術……いや、暗殺術と言うべきかな。作中でも語られたけれど、居合術を応用したあれは実
に見事だ。
 個人的に更に好きなのは、絶命寸前の相手に吐き掛ける一言。
 もしくは無言で、その後の行動に含めるのがステキだ。卑劣漢の旗本息子を家まで送り届けた
あと、お礼にと貰った小判は惨殺後にバラ撒いて棄てる。汲々とした生活を片側で匂わせながら
も義理は通す。ふふふ……いやぁ、渋い。渋いな。
 兄さんは今でもステキだけど、もうちょっと渋くてもいいかと思ってしまう。
 藤田まことさん、ホントに名役者だね。

 私が見たいのは「必殺!」山田朝右衛門さんが登場したビデオ。
 一撃必殺の斬殺術を振るう罪人斬の刀。類型的な反面、中々選ばないだろう得物。実に魅力
的じゃないか。ケレン味を重視する事のない、質を隠し味に秘めた逸品だ。
 とはいえ、再放送に期待するのは儚い望みだからね。……はぁ、どうして昔の時代劇の方がこ
う、心惹かれるのだろうね。私が見ること叶った時点では全て終了してしまっているなんて、どう
にも遣る瀬無いハナシじゃないか。
 

127 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 13:07


 ちなみに主水さんは刀と脇差を間合いと状況でセレクトする達人でね。
 相手が自分より速いと見れば自ら間合いに飛び込んで油断を誘い、そこを
接近からの仕込で一位気に仕留める、なんて術も習得している。
 だからこその仕事人、だからこその暗殺術なんだ。
 馴染みの刀鍛冶の職人は彼の刀を見て、
「刀を見ればそいつがどんな使い方をして来たかが解る。真っ向から、大上段
に斬る奴。腹を薙ぐ奴に……」
 主水さんは相手の柔らかい部位を突き刺すのが得意だった。
 私の好きなエピソードの一つだよ。
 

128 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 13:13

 誤字は気にしちゃダメだ。
 この間兄さんの布団に潜り込んだ時に伝染っただけだから。

 「一位気」が「一気」って実に解り辛いけれどね。

129 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 13:37

 思うんだが、昼メロというのは日常に密着しているのがどうしてこれほど多いのだろうね。
黒々とした度合いが身近にあるという点ではノワールに或る意味近いとさえ思ってしまう。
これでアクション要素を詰め込んで、麻薬組織と警察組織の不敗を組み込んだらトンプス
ンの小説には――

 ならないな。
 下敷きが違う。

130 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 14:20


 設定、か。
 軽んじて良いとは思わない。物語の根幹を成すのはこのファクターであって、ここを蔑ろに
すれば即座に物語は破綻する。
 俗にWebで「設定語りがウザい」と思われるのは、読者の期待としては「設定よりハナシで見
せろ」といった部分が大きいからだと思うんだけれど。いやなに、ブラウザで画面を読むのは
紙面を追うよりも負担が掛かるのでね。文章をワードで横書きに印刷して見るといい。Webに
掲載された小説でも可読性が飛躍的にアップする。……と、コレは別の話だ。

 ま、とはいえ、自分でも把握し切れない設定は確実に自分の首を締める。
 例えばだね……寿司職人を目指す青年の話に、青年が過去に麻薬組織と特殊部隊と繋が
りが有ったって言われても困るだろう? この青年がシヴァ神の転生と言われても更に困る。
なんだ、寿司を出す相手はヴィシュヌかパールヴァティなのかい? そんなコトだ。
 そうだな、他には……強引な後付けの設定、というのも割と困ると思うのだけどね。それが
最初に設定した意識に触れる物であるならば、尚更に。枠組みを崩したからには、更に大き
な柵で話を固定してやる必要が出てくる。必然的に大きな柵は網目も大きく、そこから中身が
漏れ出さないようにする配慮も必要だ。こうなると話は肥大化するし、気を使わなければなら
ない点も増えてくる。

 ベースがキリスト教の話が存在する時なら、そこにイスラムとユダヤが加わるのはまだ修
正可能域だ。なにせ崇める存在は共通だからね。此処に多神教が加われば……話は駆逐
になるのかい? かのゲーム、「女神転生」はこれだった。更にクトゥルーが加わってしまえ
ば、アレはもはやコズミックホラー、人間の信仰など意にも介さない連中が相手であって、
何処ぞの魔界水滸伝的な話になるのかもしれない。そうだな、「女神転生」の姉妹作品であ
る「ペルソナ」に於いては、ニャルラトホテプは無意識に関連させて語られていた。味付けの
一つと言えるかもしれないね。
 読者側としては理解出来る範疇、引き込まれるような設定を望む。一人語りが暴走してし
まってはいけないし、そもそも理解出来ない話は好まれない。キャパシティの設定はだから
こそ、重要と言えるんじゃないかな。
 

131 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 14:27

 ちなみにゾロアスター系の話があまり取り扱われないメガテンだが、かの悪意の魔王、
アンリ・マンユもアムシャ・スプンタ――いや、アフラ・マズダもちゃんと存在している。
 主幹に関わる話でないのが残念なのと、魔王に関しては悪名高い「ロンド」なのが非常
に残念で世の非情を呪う所なのだけど。
 ちなみにコミックの「カーン」ではアンリ・マンユは後半、主人公の相棒的存在として戦っ
ていたね。カオスに飲まれた世界で君臨するロウに対抗する存在としてかな、アレは。
 最終的な悪……というよりも破壊者だったのが某だったのも皮肉だ。

 ふむ、やはりメガテンはカオスサイドの方が魅力的なのかもしれない。ルシファーが魅
力的に描かれているのは自由を獲得させようとする蛇として、だとは思うのだけど。

132 名前:名無し客:04/03/10 14:47

魔神転生Uでも最強仲魔がアフラ・マズダー(LV99)で、
N-Nルートのラスボスはアンリ・マンユ(LV98)ですぜ。

133 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 14:51

 うん、アレは狂気乱舞だね。
 寧ろレベル設定にアトラスのゾロアスター派(存在不明)の鬱憤が炸裂したような
気がするよ。二元論万歳なハナシだから、今度の新作では関わってくれても良いよ
うな気がするんだけどなぁ……。
 PSリメイク希望は魔神と儀典だね。これは外せない。某社の竜物語みたく完全リ
メイクしてくれたって……と思うのに。

134 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 14:54

 新作が二元論だ、って事じゃないからね。
 こっちに関しては情報がまだまだ……仲魔システムが失われた以上、興味はかなり
薄れてしまっているのが正直な所だけどさ。

135 名前:名無し客:04/03/10 15:05

メガテンの話題が出たので、これでもお納めくだせー。
http://aa3.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1076909928/
既にご存じかもしれませんがね。

特に69がお勧めですぜ、へっへっへ(大いなるスレ違い

136 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 15:10

 ほほう、これは良いものを……ふふ、ヌシもワルよのう……

 とでも言えば良いかい?
 ううん、初見だよ。有り難うね。

 ちなみにアーリマンは英語としてじゃないかな。シュタイナーもそう呼んでいた気が
するんだけど。

137 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 15:33

 呼び方など数多だよ。
 一般的にはアンリ・マンユ。アングラ・マイニュやアングラ・マインユとも呼ばれるね。
 ともあれ些細な事さ。

138 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 15:40

 ちなみに、アフラ・マズダは大神ではあったのだけどね。ペルシャの古いパンテオ
ンの中ではウユやミスラやワヤやアナターヒター、彼等彼女等と共に万神殿を形成
する要素、柱の一本でしかない。
 最高神とされるのは、反映の王であるダリュウスが彼の信望者だったから、なのか
もね。

139 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 15:41

 流石に凄まじい誤字だから修正しよう。
 反映ではなく繁栄だ。

 あの悪神に関してはアンラ・マンユと言う呼び方も多いかな。

140 名前:名無し客:04/03/10 15:57

最近ではテンカワアキトという別名も(間違っていないが違う


プリンス・オブ・ダークネス=アフリマン(近代オカルティズム風)ってことです。

141 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 16:00

 テンカワアキト……? と、思ったが、確か一刻館にもいる人だね。
 済まない、検索は掛けたが知らない作品なんだ。
 うん、でも「アフリマン」もだね。補足に感謝しよう。

142 名前:Blue:04/03/10 16:02

場の空気を読まないのが得意技です。

143 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 16:03

 急だな、蒼クン。
 何用だい。

144 名前:Kresnik ◆vgCROSS8KM :04/03/10 16:04

 ああ……こう名乗った方がいいかな。自スレだしね。

145 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 16:06

 ちなみに作品に合わせてネタを振れない=場が読めないなら、私や兄さんは
もはや手の打ち様がないがね。根本的に知らない作品が多い。


 うん、だけどね。
 兄さん……何処行ってたんだい、全く。私が一人で寂しい思いをしてる、って言
うのに……

 とかいう事くらいは出来るけど。
 でもね、良いかい?
 わたしはニセモノが嫌いなんだ。アクセサリーもフェイクは好きじゃなくてね。

146 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 16:09

 此処で君が本物だったら飛び付いて押し倒すか唇を押し付けるくらいはやっているさ。
いつもいなされて成功した試しはないけど。

147 名前:名無し客:04/03/10 16:10

他にもドルージだのガナーグ・メーノーグだのアドバーサリーだの、
挙げ句に単位「敵」だのと、列挙するだけで日が暮れますぜ。
さすがは二億四千万の悪。


出先からなもんで他の場所まで手が回りません(w

148 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 16:14

 スプンタ・マンユはアシャを取り、アンラ・マンユはドゥルジを選び、ってね。
 ふふ……うん。
 人間が二元一元を取るのは正しく取捨選択の意志だね。

 お仕事、お疲れさま。
 身体には気を付けてね。

149 名前:Kresnik ◆vgCROSS8KM :04/03/10 16:14

 わかってるさ。
 俺だって別にお前と馴れ合いに来たわけじゃない。ただたんに、このスレじゃこの名前を名
乗った方が良いと思ってね。

 そもそも、俺はフィーの事を何一つ知らない。
 何故って、俺はあくまで「なりきる側」であって「創作者」側じゃないからね。例えそれが以前
からあった設定だとしても、明確に提示されるまでは「俺」はその事を知りえない。もちろん、
予想する事は出来るけどね。

 なりきりってのはつまりこういう事で、俺がどんなに似てても結局のところ俺は「俺」ではない
んだ。そこら辺を割り切ってないと、版権キャラは思考の地獄に堕ちちまう。

 ……もっとも、これを俺が言うのもどうかとは思うけど。

150 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 16:15

 個人的にナオミ姉姉――もとい、兄さんのクセが伝染った。
 ……ナオミさんの「二億四千万の悪」はネーミングが大好きだったな。
 黒龍と戦の魔王二択の使い勝手が良過ぎていつもスルーしちゃうけど。

151 名前:名無し客:04/03/10 16:18

……「単に「敵」」ですた。

ついでに >140 の解説もしておきますが、
テンカワ氏の異名がプリンス・オブ・ダークネスだったので
それにちなんだネタってことで。


……慣れない口調だとどうも危なっかしくていけねえや。
さて、お仕事お仕事っと。

152 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 16:22


 なるほど。それじゃ……その通りだね。
 「私」の詳細などこの時点で無いに等しいし、それ以前に「私が出ている部分を読め」
なんてのは傲慢以外の何物でもない。キミが私を「フィー」と呼んでくれているというの
は私が登場した部分を読んでくれたという事だろうし、まずはそこに感謝しよう。

 「予想させるような」書き方は手法の一つではあるけど、それは「相手が読む」ことが
前提として存在した後だからね。
 今兄さんが――兄さんのニセモノである所のキミが"仮に"なりきりをやったとしても、
「兄さん」の設定は実はそうではないのかもしれない。版権キャラは追加される設定に
……作品が終了していないなら、だけど、その設定に対応しなきゃならない。

 ふむ。
 ま、キミが兄さんを名乗るならそれで良い。
 宜しく……違うな。お帰り、兄さん。
 

153 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 16:23

 おや、お客さんなんだから、誤字など気にしなくても良いのに。

 けれど、わざわざの解説に感謝を。
 それじゃ、頑張ってね。

154 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 16:25

 む、抜けているじゃないか。
>>152は、「対応しなきゃならない」の後で……
 「だからこそ割り切りが必要だ」――と、ここまでだね。
 

155 名前:Kresnik ◆vgCROSS8KM :04/03/10 16:26

 で、情報が出た事によって、ここで一つネタが出来たわけだ。

「押し倒すか唇を押し付けるって……はぁ。あのな、フィー? いつも言ってるけど、家族の親
愛の情を表すならもうちょっと控え目にしてくれ。そんな大袈裟なアクションは、今時ゴールデ
ンレトリーバーだってしない。それに、毎回勢い余ってぶっ壊されるドアを修理するのも楽じゃ
ないって、ロバートに愚痴られるのは俺だってのも理解ってくれ」

 ってね。

156 名前:Kresnik ◆vgCROSS8KM :04/03/10 16:26

 誰だロバート。

157 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 16:33

「む……キミはいつもそれじゃないか。それにだね、誤解を招くような言い方は止めて
くれないか。私はドアを破るほどの体重も力も持ち合わせちゃいない。キミが傍にいて
くれて漸く人並だってことがまだ解って貰えないのかな。それにだね、生憎だけどロバ
ート兄さんは企業の説明とやらを受けに行って暫く帰ってこないんだ。やれやれ……
だから妹は苦労するんだ。解ってない兄はいつまでも解らないじゃないかって、心労
が久遠に絶えない。
 ふん、しかしこれは丁度良いね。さっきも言ったけどロバート兄さんは今日はいない
し、姉さん達は教区ボランティアに出掛けて留守だ。どれくらい私が寂しかったのか、
ロシア警察でも優しいと思うくらいに今日は延々と教えてあげよう」


 ……とまあ、ロバート兄さん、と言う兄さんがウチにいるかは別として。
 アラン兄さんもいるんだろう、きっと。

158 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 16:34

 ロバート兄さんに混乱したよ。付け足した文が異常に不様で見るに耐えない。
 今の私の文だと、「解らない兄」がキミじゃなくロバート兄さんになってしまうからね。

159 名前:Kresnik ◆vgCROSS8KM :04/03/10 16:40

 まぁ、最低限自分が話す相手への呼びかけの言葉くらいは押さえておくさ。
 普段ならともかく、きちっとした「なりきり」をする以上、それくらいは当然の礼儀だしね。

 そう。なりきりっていうのは、ある意味学問――というよりは推理ゲームと言った方が正しい
かな。「この時はこうだったから、同じような状況に陥った時もこういうリアクションを取るだろ
う」とか、「ちょっと敵対していた人間にはこういう態度だったから、ここまで敵対していた人間
にはこれくらいの態度で接するだろう」、とかね。

 結局のところ、「なりきる側」にとっては、キャラクターの行動は常に「かもしれない」「かもし
れない」の繰り返しなんだ。だからこそ、登場作品を隅から隅までチェックして、ありったけの
欠片を持ち寄って完璧を目指すのさ。もっとも、人間でありながら完璧でありたいなんて願い
は、大それた願いだとは思うけど。

 ただいま、フィー。

160 名前:Kresnik ◆vgCROSS8KM :04/03/10 16:47

 そこで俺は苦笑して「左手」で頭を撫でてやりながら、

「わかったよ、俺が悪かった。だけどそれは、今日の夕食にしてくれると有難い。三日連続徹
夜で仕事だったんだ。仮眠の一つも取らないと、そろそろ死ぬ。……今から三時間も寝れば、
それなりに体力は取り戻せるだろうからさ。話はその時に」

 血がへばりついた右手で妹の髪を撫でるわけにもいかないからね。

161 名前:Blue:04/03/10 16:47

ふむ。

162 名前:名無し客:04/03/10 16:47

最後に小咄を一つ。

漏れの知人は漏れが説明してやるまで、
「二億四千万の悪」の元ネタはヒロミ・ゴーの歌だと思い込んでいますた……_| ̄|○


では、今度こそ失礼しやす。

163 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 16:51


 如何にも、尤も。「なりきり」であるからには、原作への思いが強いからだろう。
完璧に「なりきる」ことなんて、結局は創作者である作者本人しか、それこそ出来
得ない。例えば作者が一つのシリーズを終わらせて次回作を生み出し、そこに前
回の話に出たキャラが表われたとしよう。そのキャラは……ただし、全く前回の面
影を留めていなかった。話として、設定として何らかの変換があったのかもしれな
いが、作者が原作ファンに見捨てられるほどそのキャラを改変してしまったのか
もしれない。
 けれど、それが"オリジナル"には違いないんだ。
 ただ、ファンにはキャラに思い入れがある。「彼はこうしたらこう動くだろう」とい
うパターンが頭の中に構築されていることすらある。
 キャラネタである以上、自分の思い入れのみでなくて、それを「見る側が楽しむ」
ことの出来る必要性は存在するのかもしれないね。原作の確認くらいは礼儀とし
て必須、とも言えるだろう。



 ん……それはともかく、礼儀を守る兄さんに感謝を。
 キスの一つもプレゼントしようか? ……逃げなくても良いじゃないか、全く。
 ふふ、さてと……お茶でも淹れようか。緑茶? 紅茶? それともコーヒー?
……あ、っと。ダメだな、今はお茶請けがない。仕方ない、砂糖全開のコーヒー
でいいよね、今日は。
 

164 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 16:56

 隠しても解るし、多分隠せてるとも思ってない。
 嘘のヘタな彼は、汚れた手をそれでも晒そうとしない。

「……馬鹿だね、全く。だからいつも言ってるんだ。余計な女に引っ掛かってるんじゃない
かって、口には出さないけどメアリ姉さんは絶対気にしてるよ。普段顔を合わせられない
んだから尚更にね。
 さて……さてさて、オーライオーライだ。それじゃお風呂だけ沸かしておいて上げるから、
せめて布団に倒れる前に右手だけ洗ってからにしてね」

 背を向ける。
 溜息を背中で聞いて、身体を応接間に滑り込ませた。



 なんてね。

165 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 16:57

 ……ああ、何処かで同じ事を聞いた事がある。
 ヒロミ・ゴーという名前は聞かないんだが、全く同じような話をね。
 むむ……ちょっと調べてみようかな。
気になってきちゃったよ。

 さて、それじゃ。また今度、機会が有ったら覗いてみてね。

166 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 16:58

 私は即興レスが苦手だな。
 つくづく思うけど、どうにも妙に把握し切れていないレスになってしまっているね。

167 名前:Kresnik ◆vgCROSS8KM :04/03/10 17:00

 ……そりゃ、良いけどさ。この間みたいに十三杯も入れるのは勘弁してくれ。
 あれは飲み物じゃなくて、既に―――あー……その、なんだ。
 ともかく、コーヒーに対する冒涜だった。出来れば二度と拝みたくないからね。

 ああ、支度はゆっくりで良いよ。
 まず先にシャワーに入ってくるからさ。それじゃ。

168 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 17:09

 ……なんだ、キミにも飲めない分量が存在したのか。
 どう考えても前世はアリかハチだと思っていたのに。ああいや、気にしないでくれないか。
ただの独り言だから。芯まで浸かってごゆっくりとどうぞ……と、と。言い忘れる所だったな。
身体を洗って欲しいならいつでも呼んでね。
 私が私で洗って上げるからさ。


 さて、それまでは応接間で読書だね。
 それじゃ、兄さん。

169 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 20:48

 強い。
 ハンパじゃなく強い。
 これがメガテン王道。
 これが最強のボス。

 などと、マニアクスのラストを思う。
 やっぱりメガテンには彼が居なくちゃね。



 でも手加減して。

170 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 21:57

 ふむ、すまないね。
 まさかあんな呟きを見ている人が居るとは思わなかった。
 生憎、ガンダムは再放送で最初の作品を見ただけで、上げられた作品は解らないのだけ
ど。「名探偵コナン」は以前、映画か何かをテレビで妹達と見たことがあるよ。
 ダニは貴方の言っている通り、クレイドルのヴォーカリストさ。兄さんが好きなヴォーカル
で、カリスマでいうなら現在のメイデンと言った所だろうね。尤も、ジャンルは違うけど。そう、
彼がアメリカの作品に声を当てたらしくてね。

 けれど、随分と色々な声を当てている人がいるんだね。
 ジャッキー・チェンの声優さんが有名だったのは、それなりに理解出来てしまうな。

171 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/03/10 22:32

 ブレイド
カタナ●◎・カブト●・カブトワリ

 ピーター・カレンツァ
バサラ◎・ハイランダー●・カリスマ
 ピーター・カレンツァ(覚醒)
カリスマ●◎・ハイランダー◎●・クロマク◎●

 ジョン・プレストン
カブト・カブトワリ●◎・カタナ◎●

 グレッグ・M
カブト◎・カブトワリ●・フェイト

 D
カタナ●◎・ハイランダー●◎・チャクラ

 ヒロ
カタナ◎・ニューロ◎●・カゼ



 人選は突っ込み不可。
 何処ぞのスレにあった物で周りの(例外多数)人間(一部例外)。
 が、「=」の使い方が解らない為曖昧。もしアレが同属性を繋ぐモノならカレンツァ(覚醒)は
「ハイランダー=ハイランダー=ハイランダー◎●」になるのだろう。
 Dは「ハイランダー=ハイランダー●◎・カタナ◎●」くらいで。
 ●やら◎が同じ所に付くんだろうかとは疑問に思ったけど。

172 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/10 22:37

 あと。

 河上彦斎
カタナ◎●・カゲ◎・マネキン

 中村主水
カタナ◎●・カゲ●・クロマク

 兄さん
・私には評価不可。

173 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/03/11 00:45

 危うくCDスレ分を誤爆する所だったが。
 かちゅはまだ馴れないな。

174 名前:名無し客:04/03/11 01:24

◎も●もどこかに一つだけですよ。

◎=見た目

●=本質

ですからね。
ちなみに、●は簡単に変更できませんが、◎は好きな時に変更可能です。

カタナ◎・カゲ●・クロマクの主水さんは、普段は侍に見える暗殺者。

けれど「仕事」時は、カタナ・カゲ◎●・クロマクとすることで、暗殺者としての顔を見せる。
そんな演出ができます。



175 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/11 01:34

 ふうん? なるほど、そんな使い方だったのだね。
 有り難う、参考になるよ。
 例に上げられたのを一見して、ヒトによっては同じ部分に◎、●とするのだと思っていたな。
 つまり●、◎の数は移行しない訳だ。
 しかし、全てシャドウ、という事も出来るのかな。

 なるほど、理解に到ったよ。「=」の解釈が合ってるかどうかは解らないがね。
 ふむ……
 となると、

 ジャンヌ・ダルク(町娘-出兵)
ハイランダー●・カタナ◎・ミストレス

 ジャンヌ・ダルク(救世の聖女)
カリスマ◎・ミストレス●・ハイランダー

 といった所なのかな。

176 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/11 01:41

 うん。
 寧ろ戦闘時は、
カリスマ◎●・ミストレス・ハイランダー
 かもしれない。

177 名前:名無し客:04/03/11 01:49

=の解釈はそれでいいですね。
同じスタイルが入っている場合に=でつなげます。

178 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/11 02:07

 へぇ、なら諒解だ。多分ココまではね。
 プレイ経験は無いんだけど、ちょっと気になってさ。
 ご教授に感謝するよ。

179 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/11 22:01

 ふむ。
 うん、アーリマンはルシファーの敵対者とされている。
 けれど、それがシュタイナーの言う事であるなら、それは善悪という意味での対象
じゃないと思う。ルシファーとアーリマンは堕落のさせ方が違うというだけの話でね。
 霊的な呪縛を以って人間を地に縛るのがアーリマンなら、無限の飛翔を以って人
間を堕落させるのがルシファーと考えられているからさ。
 とはいえ彼が語ってはいるけれど、この辺りは語り出すと長くなるからね。誤謬や
存在の意味については今度、機会があったら呟いてみるとするさ。
 簡単に言ってしまえば、アーリマンは極寒の悪霊と言った所かな。対する所、ル
シファーは熱の……イメージは沸くと思うけれど、彼の明けの明星、光を掲げる者
としての存在を対象に上げられる。
 先も言った通り、アーリマンは人間を大地の楔で縛る事で、自らの意思に染めよ
うとする。言ってみればこの魔王は自らのフィールドに人間を取り込むことで唯物
論主義的な堕落を促す訳だ。ワナと言ってしまえばワナだが、ハエトリソウみたい
な物かな。喩えが悪いのは気にしないで。
 そして、ルシファーだが……こちらは、人間を霊的自由に誘う事で堕落させる。こ
う聞くとなにか思い出さないかい? そう。人間の始祖の楽園追放、失楽園の物語
だね。アダムを堕落させた甘言を人にも囁き……いや、寧ろ彼自身の反逆、絶対神
に叛く霊的飛翔で、神の座を侵そうとする傲慢さに通じるかもしれない。ともあれ、
狡猾な蛇の誘いに乗れば人間は遍く堕落する。
 二者は似て非なる物だ。いや、目的を一とした表裏一体といえるかもしれない。
 でも、この二者は人間に不要なのか? 悪魔の本来の役割は人間を試す者だろ
う? どちらの誘惑に傾倒してもいけない。知識に傾倒して停滞すれば、人間はそこ
で終わってしまう。自由という名の杯を最後の一滴まで飲み干せば、人は酩酊から
醒めずに自滅する。
 人は闇を本能的に恐れるけれど、忘れるなかれ。過ぎた光は破滅の閃光と化す。
知識の実を濫用すれば、人間の末には深い虚だけが待つ……と、纏めておこうか。
 ただ、確かに善悪の対立……と言う訳じゃないけれど、シュタイナー、現代の秘教
教義の中でのアーリマンはルシファー=アフラ・マズダと対立する存在として描かれ
ているしね。
 ま、全員がシュタイナー的な考えを持っているワケじゃない。
 レヴィはこの堕落を別の視点から見ている。

 ふふ……そも、全部兄さんの受け売りだ。アテにしないでね。
 その上記憶が曖昧な物だから、ロクに喋れてもいないな。……やれやれ。

180 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/11 22:32


 という訳で今晩は。
 よく考えたらこの一言でも済むんだよね。

「強烈な光の中で人は目を開けていられない」


 で。
 レイジ(アゲインスト)のライブCDを兄さんが買ってきた。
 一緒に聴いている所なんだけど……こうして思うと、長かったようで短かったな、って思う。
 ザックはもうバンドに戻ることはないんだろう。
 そして、ザックが居ない今「RAGE AGAINST THE MACHINE」はもう存在しない。社会への怒
りをそのまま歌の弾丸に変えて叩き付けてきた彼等は、これで本当に「レイジ」としての活動を
終えてしまった。
 思えば、ここまでメッセージ性が強いバンドもそうそう無い。ひたすらに硬質の音はメロディと
かそんな次元じゃなくて、叫ぶ事、言葉その物がそのままメッセージだったんじゃないか。社会
批判を表現する為に用いた手段が音楽。共感を呼んだ事は結果としてセールスに繋がったん
だけど……いやいや。やっぱり彼等は彼等だったんだろうな、最後まで。
 当時のグラウンドを考えてみても、ニルヴァーナとはまた別の意味で対照的だ。「闘え!」が
イメージに来る所は私達が好む理由かな。殴り掛かるようなポジティヴ。マンソンよりはレイジ
を好む人は同じような理由じゃないかな、と思うんだけど。
 ザックは辞めて、メンバーにも理由を「それについてこれ以上意見することはない」の一言で
済ませてしまったのなら、やはりそれはもう曲げ様がないんだ。
 メンバーはメンバーで、ザックは別でプロジェクトを組んでいるらしいから、それはまた別とし
て期待しよう。
 今はただ、お疲れさま、かな。
 

181 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/11 22:33

 兄さんがCDスレに書くべきなんじゃないのか、これって。

182 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/03/11 22:48

 聴く……って、クレイドルを?
 ……まあ、デスとはまた違うからね。ブラックは声の音域も微妙に違うし、何より音の
種類としてはノイズで激しいかな。クレイドルはシンフォ・ブラックの大手って所で、key
を配置した音になるかな。
 尤も、一番特徴的なのはサタニックな歌詞だけれどね。

183 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/12 07:23

 神? さあね。貶められた神ならばもはや神とは呼べないな。
 ああ、だがね、真に一番恐れるべきモノは一つさ。
 それはね。

 兄さんのような「厨」だよ。
 設定も準拠も能力も過程も想定も行程も工程も無効化する程の。

184 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/12 07:29

 興醒めするからマネしちゃいけないよ。

185 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/12 15:17

 ふぅん?
 こんなスレをね。
 別にURLくらい構わないよ。見ていて面白いか保証なんて出来ないけど。
いやいや、保証するとしたら損害賠償覚悟だからお断りだけど。

 とりあえずあれだね。
 トキ課長が心配だ。

186 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/12 15:28


 集団戦を文章で巧く描く事は案外と難しいのだけどね。
 視点を連続で切り替えないと心理描写を一定させ辛い。誰か一人に絞るには限られ
るし……ほら、例えば5箇所で戦っている小隊が存在するとするだろう? 小隊長視点
でこれを描くにしても、互いの状況は無線機程度でしか知る事は出来ないし、そもそも
緊張感が薄れる危険性が高い。
 アガサ作品の一例を思えば違うけれど、完全な神視点で書くのは一種暗黙のタブー
になってしまう。ベストなのは主人公の完全一視点なのだけど、これをやるとスリリング
な展開とスリルを削り取る事になりかねない。状況を知る方法が伝聞のみになってしま
うからね。
『軍曹、0930に、A小隊が……』
『……そうか。フィリップは』
『残念ながら』
 これじゃA小隊がどんな風に壊滅したかも解らない。臨場感を出す為に行う視点の分
散は仕方のない事ではあるのだけど、バランスが必要だね。

 うん、神様は言われた。
「何事もバランスが肝心」
 ってさ。
 ああ、でも。
 しかし、このセリフは比喩なんだろうかな。
 古橋センセイ。
 

187 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/12 16:03


 単純な殴り合いのパワーゲームは難点が多いとも言えるね。
 爆撃機と戦車、ヘリと対空ミサイル、と言った相性ではなくなるから。
 クロスオーヴァーの二次創作であるなら、主観的にバランスを取ってあげる必要は
あると思うな。別世界の因果律を叩き付けられる訳にはいかないようなキャラがいる
なら、尚更に。
 ほら、だって……「ヘルシング」の「アーカード」を殺せるヴァンパイアなんて思い付か
ないし、「戯言シリーズ」の「哀川潤」さんは最強だし、「京極堂・妖怪シリーズ」の「中善
寺秋彦」さんは「強い」とか云々以前に圧倒される姿が想像出来ない。付け入る隙のな
いキャラクターっていうのは、確実に存在してるよ。
 それを無視するからこその厨、って事になってしまいかねない。

 ……だろう、兄さん?
 もう兄さんに関しては手の施し様がない。ご愁傷。うん? どうしたんだい、兄さん。
 ああいや大丈夫、厨でも私が愛してるから。だからそんなさめざめと泣かないで。
 泣いてない? 落ち込んでるだけ? ふむ、まあ良いだろう。

 で。
 逆に言ってしまえば、何らかの付加をしてあげる事で本来は無力な人でも話の主観
に関われるね。
 ゼウスの雷やトールの雷撃は絶対的な神の力としての象徴だけれど、ドラゴンスレ
イヤーは人間に与えられた力だ。英雄によって格上げされた聖剣でなく、それ自体が
力を持った剣は数多伝承に存在している。弱者の武器は常に存在するんだから。
 そうだな、エルリック皇子とストームブリンガーの組み合わせはこの上なく魅力的だ
った。ふむ……とは言え、彼等の場合は些か皇子にヒーロー性が有り過ぎるかな。
 尤も、闘わなくても話の経緯で重要な人物と関わっていくという手法は様々な場所で
見られるけど。主人公が戦う必要はないからね。
 

188 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/12 16:14


 しかし……経験がないのに言えることじゃないけれど、偶に考えるんだ。
 原作の存在する二次創作の強みは、「知っている人が見てくれる」事だろう。無駄な
説明は極力省く事ができる。尤も、話としての体を成すのにもスパイスにも、ある程度
説明的な物はあってもいいと思うけれど。
 ああ、と。最近だと……あれだね、リーグ・オブ・レジェンド。
 ネモ船長がステキな潜水艦を引っ張り出してチームリーダーはアラン・クォーターメ
インでヴァンパイア化したミナ・ハーカーであのドリアン・グレイがトム・ソーヤーがメン
バーに……と言った、小説ファンには「大丈夫なのか」ってくらいの期待と不安を抱か
せるような作品だった。是非DVDが見たいね。どうなんだろう、見た人。予告辺だけ見
た私は期待に焦れている所なんだけど。
 で。
 問題は、話のバランスをどう取るか、だね。それが戦闘を主体に置いた戦争のような
話なら、いきなりマクロな視点から始める事もできるだろう。俗に言う「幹部」のキャラだ
けを序盤から揃える事だって出来る。いや、話の展開を促進させる為にはある程度必
須の要素だとも言えるかな。
 特技もない一人の少女が仮に主人公で、彼女を主体に戦争を進めるとするなら、何
らかのトラブルは必然に彼女に降りかかる方が早くて済む。もし「○○枚以内に」決着
させなければならない内容だとしたら、だらだらと展開を延ばせないだろうしね。
 ミクロ視点ならば少人数の関わりと人間関係から始めるのも良い。相手だけが強大
でも、ミサイルや戦車の出番はないからね。ほら、魔王は復活する前に止めるのが勇
者の王道なんだろう?

 私が読んでいて好きだな、と思えるそんな作品の一つに、キム・ニューマンのドラキ
ュラ三部作(もっとも、四部作になる可能性もあるのだけど)がある。莫大な原典を収
集した作者による、ブラックユーモア溢れる作品だ。本来過去に滅びていた偉人達を
「ヴァンパイア」「それを討つ者」の側に分けた作品は、根底にあのヴラド・ツェペシュ、
ドラキュラ伯爵がヘルシング卿に滅ぼされていなかったら、の前提で描かれていた。
ヘルシング卿のファンにはこの時点で受け入れられないかどうか、までは私には解ら
ないけど。
 第一作目の主人公はフランス人の女性吸血鬼で、第一作は彼女と、そのパートナー
であるチャールズ・ボウルガードがドラキュラと対峙するといった内容だ。これは二人
の視点を中心に展開される話であるからこそ、あの大漁の原典作品を収め切れたん
だと思う。出典リストが付いていたけれど、いやいや……流石に全部の原作を漁るの
は一苦労だろうね。
 転じて、第二作目では舞台は世界大戦へと転じる。マクロ視点での戦闘……という
より、戦争を扱った作品の常だけど、頻繁に「死」が描かれている。レッド・バロンが吸
血鬼になって戦闘機を次々に撃墜していく、なんて中々出来ない発想だよね。ココで
も主要人物を絞る事で話は収束してる……全員への掘り下げは不可能だよ。
 とはいえ話が魅力的なのは、それを上手く纏めている点だろうね。有名な人物に焦
点を絞る事で、多大な原典のクロスオーバーを完成させてるんだから。
 だからこそ、ハンパに出番のないキャラが出てしまってはマズい気がするんだ。後
半に急に出てきたキャラが横から説明もないままにカタを付けてしまっては、ファンと
て楽しくもないだろう。いっそモブ的な役割で、「あ、このキャラは……」ってカンジに、
「知ってる人は楽しめる」的な方法もあると思うな。
 原典を尊重してこその二次創作、とでも言えば良いんだろうか。
 

189 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/12 16:18

 ううん、やはり即興で書くと纏りがないね。
 文節が繋がっていないなんて不様で仕方ない。
 コーヒーでも飲むとしよう。

 それじゃ。

190 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/12 17:08

 そうか、もう完走なんだね。
 お疲れさま、ミルウーダさん、ウィーグラフ君、ムスタディオ君、ヴォルマルフ君。


 原作は結局知らないままだったけれど、楽しませて貰ったよ。

 ……らしいよ、兄さんが。

191 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/12 17:12

 知らなくても楽しいスレって言うのは有ると思うな。
 トキ課長、ボルジア卿……言っていくとまたキリがないけど。
 感想でもその内書きたい物だよ。

192 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/13 08:31


 ニーベルングの指環、か。
 ふむ、丁度私も久し振りにクラシックを聴いていた所でね。
 ……なに、このままでは私までメタルやらラウドマニアと思われてしまいかねないからね。
 無論嫌いではないが、兄さんのようにソニマニに駆け付けるような余裕まではないんだ。

 丁度と言った音楽は、R.WagnerのDie Walkureから"The Ride of the Walkyries"だね。
 うん……多分、オペラミュージックとしてよりも映画の「地獄の黙示録」で有名になってる
んじゃないかな? 多分、どんな人でもテレビやテレビCMで目にした事があると思う。
 リヒァルト・ワーグナー。
 一九世紀オペラ界革命児の彼を知らない人間は皆無と言っていい。
 本来オペラ曲と言う物は中々他人に推薦しにくい物が多くてね……兄さん風に言うなら、
「メイデンの曲で勧めが何か? ラプソやブラガやDIOのお勧めも言えって事か」と同じな
んだ。大作指向なのは当然なのだがね、無論の事。一曲だけ取り上げるのが難しい。
 そこでこの曲だ。「ニーベルングの指環」は、誰でも名前くらいは目にした事があるだろう
し、読んだ人も多いだろう。ライン川に眠る黄金を巡って天上の神々や地上の巨人、地下の
小人が争う、全四部作の大規模オペラだね。ちなみに上演するだけで4日掛かる。
 その第二作に当たるのがDie Walkureの"The Ride of the Walkyries"――つまり、「ワル
キューレ」だ。これはオペラ内で第三幕への前奏曲に当たる物でね。翼の有る馬に跨った
ワルキューレが……ペガサスだって? ふふ、どうだろうね。そう、空を翔ける9人のワルキ
ューレの様子を描いた軽快かつ勇壮な管弦楽曲なんだ。誰だい? 「地獄の黙示録でヘリ
からの攻撃に使った曲だろう」なんて言ってるのは。事実だけどさ。

 ともあれ、彼のオペラミュージックが堅苦しい、なんて人には一番聴き易い曲だろうね。
 そういえば、Wieland、Wolfgangという近年のオペラ演出家が彼の孫だという事は、ひょっ
としたらあまり知られていないのかもしれない。

 以前CD紹介場に顔を出す、って言ってくれたミッション系学校の……あれは、誰だった
か。兄さんに訊いただけだから思い出せな……そうだ。祥子さんだっけ。
 彼女が勧めようとしてくれたのも、クラシックだったかもしれないな、と思ってるんだけど。
兄さんは会ったみたいだし私も逢ってみたかったけれど、残念ながら今はお忙しいようだ。
 ふむ、兄さん。所で、だね。
 どうしてあそこはメタルが八割を越えてるんだい? いや、別にいいのだけれど。
 

193 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/13 08:41

 ちなみに、「ニーベルングの指環」は歴史的な背景を意図的に避けていた。
 音楽祭で初演された際には神話的な舞台衣装を身に付けたワーグナーがそれを目にし
て、憤りを露わにした……という話も有るくらいだ。
 W.ワーグナーは語っていた。
 個人主義を重視する欧州に於いて、日本の歌舞伎の様に400年以上もの間を世代交代
を繰り返しながら、それでも尚伝統を守るという発展を望む事は出来なかった、とね。

 歌舞伎がこの日本という国の伝統を今に伝える物だとすれば、このニーベルングの指環
は時代背景を時代毎に鏡写しにする物なのかもしれないな。

194 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/13 08:45

 おや。
 恐ろしい誤字……と言うかミスだね。
 「神話的な舞台衣装を身に付けたワーグナー」?
 そんな不可解なモノを目にしたい人間は恐らくいない。
 「神話的な舞台衣装を身に付けた役者を目にしたワーグナーが憤りを露わにした」と
いうのが正解だね。
 やれやれ。

195 名前:名無し客:04/03/13 10:21

>どうしてあそこはメタルが八割を越えてるんだい?

そりゃ、スレに常駐している人――アレックスだかアランだか名乗った事のある人――が、
無類のメタル好きだからでしょう。

質問があります、ミズ・ハウサー。
あらたまった場のとき、孤児院の皆は貴女の「兄」をなんと呼びます?

196 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/13 11:29

 おや、お客さんか。いらっしゃい。
 理由は……ふふふ、ま、そんな所なんだろうね。
 序でに言うならアキヒコやシュウタロウ、富城だと秋生だか安志だとか名乗っていた事
もあるそうだけど。

 ふむ、質問か。
 それは別に彼の本名を知ろうというタクティカルでもあるまいし……そうだな、お答えす
るよ。彼をなんと呼ぶか。状況は改まった場で、だ。
 例えば私は基本的に彼に語り掛けるのには「兄さん」と呼ぶ。他人に紹介する時は、そ
れが親しい人物なら「彼」、そうでなければ「兄」だ。姉さん達は普段が「兄さん」で、親し
ければやはり「兄さん」、違えば「兄」だろう。遜っても「愚兄」等とは呼ばない。アンジェラ
やトム達は誰が相手でも違わないね。「兄さん」で共通だよ。夕菜が「お兄さん」と呼びは
するが、それはただの変化だ。寧ろ言葉の使い方が間違っているという事実はまだ本人
が気付いていないので良しとしよう。
 改まった場、という状況では全員が今上げた「親しくない人物」への呼び掛けの態度を
取る事が多い。司教の来訪時や、儀式の時はね。
 姉さん達は事の外、外と内の区別を付けたがるんだ。メアリ姉さんは慌てて呼び直す
事なんかが多いんだけど。姉さんに関しては学校の知人に知られたくないような節があ
りはするのだけれどね。

197 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/14 00:27

 へぇ、ミルウーダさんが描いたんだね、あれは。
 なるほど、締めにも相応しい。
 まずは一言、お疲れさま。
 また頑張る事があるのなら姿を見せてくれる事を祈ろうか。
 ……いやいや、亡霊の再臨を祈っては兄さんに怒られてしまいそうだけどね。

198 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/14 07:22


               ―――守秘特級文献―――

 *閲覧にはランクA以上のライセンス所持者が当たる事。

【報告者】/CODE NAME:TRANQUILLITY
【本件対象・関係者】/CODE NAME:SENTENCED
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
■遠野家当主・遠野秋葉を審問局、ケースBとして認識、騎士団との協力、工作員を以っ
てこれを除去。
↑遠野秋葉の資料は別表を参照。
・工作員報告→「SENTENCED」の前任は遠野秋葉によって殺害。詳細に関しては不明で
あるが、前記工作員の報告を待つ。
・遠野秋葉は強力な「オニ」であったと考えられるが、日本側機関からの報告はない。恐ら
くは黙認していたか、秘せられていたと考えるのが妥当である。件については審問局から
機関員を派遣、調査続行の事。「ウツロギ」、「クシナダ」への連絡方法を別紙記載。
詳細データへのアクセスはコードを使用の事。
→Ak99bllo99
*この件については慎重に当たるのが妥当と思われる。

■事後処理に関して。
・遠野秋葉の遺体に関して。
↑件の遺体は回収前に消失していた。
・工作員の判断で消滅させられたのか、自然消滅であるのかの判断は不可能。この一件
に関しては工作員の判断に一任される物であり、追及は不要と思われる。尚、工作員の精
神状態を鑑みて無用の接近は避けるように。
追記::騎士団からの一報。遺体は自然消滅との見解が強いとの報告::
・恐らくは悪魔、精霊種と同じく、存在限界を越えた力に実体が耐えられなくなった物だと
思われる。ケースBを参照の事。
(赤いペンで注意書き)【エーテルの内在状況を報告せよと工作員に伝えろ】(更に重ね書
き)【これ以上奴に触れるな、スティーヴ。殺されても責任は取れない。感情を知らない人
間に未来はない】(蒼いペンで大きく書き殴られた後がある)【Shit! サンプルが無いとい
う意味が解っているのか。騎士団に運び去られた可能性を考慮しなければアドバンテージ
が】(黄色いペンで塗り潰すように重ねられた文字がある)【日本人というのは君のようにロ
ジックだけで世界を判断する感情を持ち合わせてはいない。勿論私もだ。
                                       審問局副局長、F.ケリー)
(以降、ペンの痕はない)

・遠野家の事後処理に関して。
↑この旧家には多数の分家が存在する模様。動向から判断するに、既に諸分家が働き掛
けをしている模様。干渉は不要。
・遠野家分家筋、「軋間」に関して。
↑本家よりも強い血筋を残した人物が分家「軋間」に一名存在する模様。対象名、「軋間紅
摩」。ケースはB+と過程。対象は理性を欠いた状態で存在しており、接触は不要と判断す
る。尚、現在対象は消息不明である。

■工作員の状況に関して。
↑工作員「SENTENCED」は現状、肉体、精神共に安定。尚、当該工作員は騎士団からの
連絡を通してのみの情報提供となる。現所在地、現状、共に不明。
・工作員状況。
↑当該工作員は戦闘によって左腕を負傷。任務継続に支障が残る為、マルタ騎士団が治
療に当たる。
・蘇生処置および義手に関して当局から「アラストル」及びチュートン騎士団より「メタトロ
ンの瞳」をマルタ側へ。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
                                           200○年 10月16日
               異端審問局第一局・東国アジア方面本部長・W.R.S.アンドリュース
                     同審問局第一局・東国アジア方面統括部隊長・李耀陽
 

199 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/14 07:23

 テスト貼りは問題無し。
 ふむ、書けば30分掛からないか。
 兄さんも怠惰を治すべきだね。

 次は女神サマか。
 引く気はないだろうし、頑張ってね、兄さん。

200 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/14 07:24

 200Get、っと……。
 おはよう。

201 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/14 20:18

 K-1の定義って、一体どうなったんだろう。

202 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/14 20:23

 25人。
 ……いや、驚いた。タイソンは何番目なんだろうね。
 それより兄さん。BGMがメタルだからって喜ばないで。
 ラプソ? そんなコト言われたって困るってば。

203 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/14 20:42

 だから兄さん。
 メタルだからって騒がなくても良いってば。
 ノクタ? いや、だからそんなコト言われてもだね。
 サップのファンなんだろう?
 見るべき場所が――聴くべき場所が違うとしか思えないんだがね。

204 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/14 20:56

 微妙なタイミングで入ったね。
 瀕死の相手にトドメを指すナチ将校を思い出してしまったよ。

 しかし6歳か。
 ふむ。……有り得ないといえば在り得ないが、見所は次の「K」だろうね。

205 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/14 20:58

 兄さん。
 だからメタルだからってだね。
 ソナタ? いや、だから……もう良いよ。もう良い。

206 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/14 21:01

 触れる所かKOかい?
 ま、漸くサップだからこれで……だからだね、兄さん。一々曲を解説してくれなくても
良いんだって。

207 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/14 21:06

 おや、スティーヴが参戦するのだね。
 プロレスには疎い私が知っているくらいだから、少々驚いた。

208 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/14 21:18

 おや、漸くメインか。
 そんな訳で少し黙ろう。
 後は兄さんに譲るよ。

209 名前:◆fFCROSSQsM :04/03/14 21:19


 壁に掛けられた時計を見上げる。
 深夜を回って2時間と30分。暖房の一つもない部屋は僅かに肌寒くて、修道服の上から羽織
ったカーディガンを強めに巻き付けた。
 ……今日は、存外に寒い。
 覗き窓から見る外の世界は刷毛で塗ったように黒く、薄い硝子を叩く風音は視覚的に寒気す
ら運んでくる。コーヒーか紅茶でも入れるべきかと思案して、コーヒーメーカーはまだ荷物の中
だと言うのに今更気付いた。教会正面の道路を隔てた商店(ダガシヤ、と言うらしい)前には自
販機が並んではいる物の、インスタントのコーヒーは好きではない。缶入りの紅茶など論外だ。
 となると。

「……手落ちだな」

 自室ではなく、倉庫。ここが修道院ならもう少し纏まった個人スペースが取れたのだろうが、日
本のカトリック教会は総じてイタリア程贅を尽くされた造りになってはいない。そこは寧ろ歓迎す
べき美点ではあるのだが――こういう時は遺憾ながら不便に思ってしまう。
 意図してもいないのに溜息が漏れる。ペンを置いて立ち上がって、

 全身の筋肉の活動を、停止させた。

 執務室外の廊下、足音を消した気配が二つ。
 今この教会に残っているのは私だけ。尋ねてくる人間ならば前以って連絡を寄越す筈だ。迷
い人が尋ねて来る可能性はこの国の環境では低く、そもそも無音に落とした足音と微弱過ぎ
る気配は道に迷った来客というよりも、確固とした意志を抱くアサシンのそれに近い。
 ……無粋な。
 執務机に立て掛けた皮袋に視線を向けて、いやと首を振る。変わりに髪の後ろを掬い――
肩甲骨部、襟の下に隠した3インチのシースケースに触れる。冷たいダガーの柄の感触。音
を漏らさないようにそっとずらして引き抜いた。
 執務室に続く一つきりのドアへ寄って、その脇の壁にそっと背を当てる。
 ダガーを逆手に握り込む。

 ――ドアを開けて、即座に決める。

 面倒なプランは必要ない。気配は二つ、素人でもない。が、あの狭い通路では派手な立ち
回りは出来まい。先に動けばカウンターアタックである分、こちらに分が有る。
 気配が近付く。残り5歩。
 4歩。
 3歩。
 2、1――
 ドアを引き開ける。右足を差し出して体重を掛けて軸足に、振り回すようにして投げ出した
左半身で驚愕したように固まる襲撃者、その手前の一人へとダガーを振り出し――「――動
くな。指一本でも動かせば頚椎を切断する」――0.001秒以下のタイミング。ぴたり、と首筋で
ブレード先端を固定した。
 闇に紛れた気配は息を飲んだように動かない。切っ先を喉元に当てて牽制する一人の背
後にはもう一人、通路で縦に並んで二人。背後の一人が僅かにでも動いたならば銃撃を考
慮してコイツを盾に、一気に二人の喉を掻き切る必要が、

「ふ、ふりーず! フリーズフリーズフリーズ!」

 考える傍から、甘ったるいソプラノが耳朶で炸裂した。
 あたふたと叫ぶ正面の一人に視線を据えたまま(急に闇に踊り出た所為で目が慣れてな
いが、間違いなくこの一人は女だろう)、ダガーに添えた手に力を込める。

「黙れ、口を閉じて動くな。何処から入った? 玄関にはカギを掛けておいたが――ふん、
やはりそれは良いだろう。ココに訪れた理由を話せ。後ろのお前も動くな、動けばコイツの
命は」
「だ――だからフリーズだって! せ、セシル!」
「だから動くな、と――」待て……今、何を。「今、なんて」
 

210 名前:◆fFCROSSQsM :04/03/14 21:19


 手に力を込めたまま、軽く瞬き。
 聞き違いもない。丁寧なクイーンズ・イングリッシュでの発音は私の名前を呼んだ、筈、で。
 徐々に闇に慣れてきた視界の中、半泣きで両手を上げた修道服の姿が。

「あ、あああ当たってる! 当たってるってちょっとナイフっ! つ、冷たいって言うか痛っ!?
ち、チクってした今! チクって!」

 右手から力が抜ける。
 現状が把握できない。
 もう一度瞬きして、正面の二人を眺めて、

「……クレア――に、マリア?」
「ひ、久しぶり……あ、あのさ。な、ナイフ離してくれない? その、このままだと私泣いちゃ
うかなー、なんて。あの、ね。ハゲタカがショットガン喰らったような顔してないでさ、離して
ほしいな、こ、これ」

 引き攣った笑顔。目尻に涙を浮かべたプラチナブロンドの少女が眼前に一人。
 その背後、腕を組んで「やれやれ」とばかりに肩を竦める修道女が一人。

 悉く、知人だった。
 

211 名前:◆fFCROSSQsM :04/03/14 21:21


 ……部屋には、久しく無かった喧騒がある。
 つまり――

「ああもう……だから言ったじゃない。足音殺して脅かそうなんてこのコにしてみれば「殺し
てくれ」って言ってるようなモンなんだからね!
 やるならせめて気配も消すべきでしょう!?」
「アンタねぇ。やろうやろうって言い出したのは誰だと思ってるんだい? わたしは付き合っ
ただけだって覚えてるんだろうね、勿論のこと」
「う……で、でもそっちだって賛成したじゃない。足音だけ消して、「冗談だー」ってプラン。
言う所か死にかけたのよこっち!?」
「だからアンタ先に行かせたんだよ。結果はこの通りだけどね。予想通りの反応で面白いく
らいだったわ。そんなワケだけどドゥユゥアンダスタン、お嬢さん?」
「な、なにおうっ!?」

 喧々囂々。
 部屋に入った途端に始まった言い争いは止まらない。
 実に1年半年振り――プラチナブロンドのクレアに、長身を修道服に埋めたマリア。……
修道服が窮屈そうに見えるのは、修道服が少々小さめに違いないのと、私よりも少しだけ
――少しだけ、ほんの少しだけ発育が良かったからに違いない。

「ふふ、ふふふ……上等ぉ。……日本に骨埋めてあげるわ」
「へぇ、そりゃ面白いジョークだね。寒過ぎて太陽も凍るわ、そりゃ。あぁ、この異常気象な
寒冷現象はさてはアンタの寒過ぎる冗談の所為ってことね?」
「う……ふ、ふ。やぁ、面白いね、それ」

 ……だから、いい加減に静かにして貰いたいのだが。

「いい加減にしてくれないか。暴れるのは好きじゃないんだ」
「キミが言わないで」「アンタが言うな」

 同時に突っ込まれた。
 軽く咳払い。
 確かにさっきのは私に比がないような気がしないでもない、が。

「……私のは不可抗力だ。それよりも、だな。どうしてこんな辺境に」
「辺境? なに言ってんだか。経済大国ニッポンでしょ? サムライセップク、フジサンウ
ジチャにネイザンロード、知らない奴なんてそれこそ少ないよ」
 ネイザンロードは違う気がす――違う、そうじゃない。
「……違う。クレア、何の因果で審問局の幹部が揃ってこんな田舎町に来るのか、と訊い
てるんだ」
「幹部、ね」皮肉気に笑って、クレアは首を振った。「カタチだけの管理職には権限の一つ
も付いてこないってば。……だから逢いに着ただけだよ、キミに」
「逢いに――私、に?」

 今、私はどんな顔をしているのだろう。
 ……どう答えて良いのか、分からない。
 嬉しくないといえば嘘になる。
 が、問題の論点は違う場所にある筈なのだ。
 二人は1年程前から任地をNYに定めて長期任務に当たっていた筈だ。目的は審問局
が全面的に援助するバークレイ研究所の警護、及び現地機関員の統率。二人は現地警
察、当局との合同を兼ねて、言わばヴァチカン側からの監督役を担っていたのだ。
 ソレが、なぜ。
 

212 名前:◆fFCROSSQsM :04/03/14 21:25


「マリア、貴女もだ。重要教区指定地区の警備が貴女の任務だった筈で――」
「終わったよ」
 言い捨てて、マリアはひょいと両手を指揮者のように広げてみせる。
「マリア・C=ランカスター、クレア・エリザベート・クランツ。両名、本日を持って任地の異
動を命ずる。詳細は追って伝えるが、現時刻を持って移動を開始して貰いたい――」
 声を低く落として声でそう告げて、マリアは大司教のマネをした。
「……だとさ、あのハゲ。つまりは体の良い厄介払いってトコだよ。聖下直属のお目付け
役って位置付けが気に食わなかったんだろうね。研究所からセルンの連中が引き上げ
た所で重要な警備は終わり、聖務省が血相変えてNYに力を入れる必要もない、とさ。
隠し事が有るのに体面を気にしてFBIのご機嫌伺い、監督役の身にもなって貰いたいっ
てモンだったから、正直清々してるわ」
「とまあ、そういうコト。てっきりイタリアに戻されるかと思って帰ってみたら、キミは日本に
送られたって言うじゃない? だから進言してきてやったの。『日本に行きます。こっちは
お任せします』ってね。やれやれだよね、上層部のイヤガラセもココまで来ると妄念だよ」
「だからって私に逢いに――……とにかく、中に入ってくれ。寒いだろう。この街は盆地で
ね、冬の冷気はパリ並に堪えるんだ」
「あ、うんうん。寒い、寒いったら寒いね。カゼ引く寸前」

 中へと促すと、「お邪魔しまーす」とクレア。
 「殺風景極まるねぇ、これだからセンスのない子は」とマリア。煩いマリア。
 高い天井と――確かに飾り気のない――室内に視線を飛ばしていたクレアは、不意に
こちらを直視して、自然に――全くの自然に、表情を綻ばせた。
 一瞬、息が詰まる。
 それは。
 どきりとする程無理がない、私には真似の出来ない表情。
 同じ仕事を長い間続けて――クレアは、最初に出逢った時の笑顔を絶やさないでいら
れる。私にはそれが出来ない。出来なかった。だから……それが、喩え様もなく眩しく思
えた。

「けどホント久し振りだね。元気だった――よね、こうしてるんだし」
「仔細ない。そちらも元気そうで何よりだ」
「ん、ありがと」

 執務机の前には簡素な来客用の机とソファが設えてある。初日から使う羽目になると
は思っていなかったので些か汚れていたが、買っておいたウェットティッシュで事無きを
得た。机を一拭き、二人が腰掛けるのを待って、頭の中で回り続ける疑問を口にする。

「……だが、本当に良かったのか?」
「ん?」クレアは小首を傾げる。……所謂「可愛いのに媚びていない表情」と言う物で、
控えめに言っても女性としての要素が欠落した私の5倍は魅力的ではある。「えっと、何
がかな?」
「カタリナ派の幹部が二人も揃ってこんな辺境に来て、だ。教区最重要指定の聖遺物が
一ヶ所に三つ集まるなど、式典か特殊状況戦以外で許される筈が――」

 言い掛けて、その最中。
 クレアはぱたぱたと否定の意を示して手を振った。

「ちょい待ち。待った、待って、待ってねセシル」
「筈が……ん?」
「キミ、まさか持ち込んでるんじゃ」
「持ち込む?」

 要領を得ない発言に首を傾げると、じれったいとでも言いたげにクレアは続ける。

「あの物騒なソードよ、柄だけ真っ黒いアレ。キミの相棒」
「黒――ああ、それなら勿論そこに」
 

213 名前:◆fFCROSSQsM :04/03/14 21:30


 執務机に立て掛けておいた皮袋を示す。
 刀身六十センチ、ガード下までは四十センチ。私の身長に比較すると大きいと言わ
ざるを得ない一本のブロードソード。異端審問局の秘蹟が一つ――それが、この神
剣デュランダルだ。
 なまじの聖遺物など比較にならない重要性を持ったこの剣を所持する事が私に許
されているのは、ひとえにこれが私にしか扱えないからに他ならない――何せ"この"
デュランダルは元来、私の家系に伝えられた聖剣なのだから。
 皮袋はこの国で買った特注品(オーダーメイド)で、元々は日本刀を入れておく為
の物らしい。ガード――日本刀で言うなら柄付近を入れる個所に付いた小物入れが
気に入って、今では日常的にこれを使っている。
 と。
 まじまじと私を凝視していたクレアは「信じられない」とでも言うように口を引き攣ら
せ、わざとらしく首を振ると重苦しげな溜息を吐き、些か大仰過ぎる動作で額に手を
やり、「ああもうどうしてこの子」は、と小声で呟くと、

「……あのさ。持ち歩くかな、そんなの」
「む? 何を当然な。持ち歩かない武器に意味など有るまい」
「や、いや、そりゃそーだけど……いや、いやいや、そーじゃないそーじゃないそうじ
ゃない」彼女は頬を引き攣らせて笑い、何故か――何処か諦めたような表情を浮か
べた。「あのさ。銃刀法って知ってるかな、日本の法律なんだけど」

 ……なんだ、そんな事か。
 下らないな、と思わず言い掛けるのを口に出す寸前で押し留める。

「当然だ。これは現地警察に儀礼用の刀剣として登録してある。こうしている事には
何も問題は無――ん?」
「……違う……なんか根本的に私が言いたい事と違う……」
 クレアは大袈裟に頭を抱えている。
「言わんこっちゃない。こういう娘なんだよ、昔っから」
 マリアはマリアで失礼だ。

「あ、ほら。それにさ。この時代、頼りになるのは剣より銃よ?」
「……む」
「あー、うん、キミみたいなのは例外だけど」

 苦笑いのクレア。
 ……つまり、こういう事だろうか。

「という事は――」
「私達は持ってきてやしないよ。聖遺物管理課の方に戻ってる筈さ」
「む……無難な判断だが、管理者は私達個人の筈だ。聖遺物をなんだと……」
 マリアは軽く欠伸する。壁に掛かった時計を一瞥すると私に視線を向け直し、意
地悪そうに「そうだねぇ」と呟くと、にっと口の端を吊り上げる。
「売れば金になる、見せても金になる。実に素晴らしいね。どうだい?」
「……聖職者の口から聞くにしては、どうにも面白くないアンサーだな」
「言うと思ったよ、ホーリー・ナイト様。で、冗談だから機嫌直してくれない?」
「別に……機嫌が悪い訳じゃ」
「じゃ、その顰め面は早く直した方が良いね。美人が台無しだからさ。……さって、
仕事はまだ途中?」
 咄嗟に顔に手をやって――はっと気付いた時には遅い。
 笑みを深くしたマリアと、くすくす笑うクレアに嘆息一つ。
 やれやれ。
 苦笑を返して、答えを返す。
「……いや、もう終わっているよ。資料に間違いがないかチェックしていた所だった
が――終わっているといえば終わっている」
「おや、丁度いいね。街の案内も兼ねてレストランの一つでも紹介して貰いたいん
だけど? この時間からホテルを取るのも気が向かなくてさ」
「レストラン? バーの間違いじゃないと思っていいんだな」
「ハイハイ……ウソついたよ。あたしが悪かった」
 降参、とマリアは両手を上げる。
「……はい、それでよし」
 

214 名前:◆fFCROSSQsM :04/03/14 21:34


 けどまあ、それなら悪くはない。
 疲れで溜まっている澱を含めて、苛立ちをアルコールで駆逐してしまうのには賛成だ。

「クレア、どうする?」
「え? お酒……だよね。あんまり……」肩を竦めるクレア。「一人だけ残されるよりマシだからね。
良いよ、どこ行くの?」
「私もあまり知らんが……そうだな、今日くらいは任せてくれないか」
 

215 名前:◆fFCROSSQsM :04/03/14 21:36


 結論して、一軒だけ開いていたレストラン・バーを選んだ。
 深夜営業が皆無に等しいこの街では、ファミリーレストランを除けばココくらいしか選ぶ
にも入れる場所すらなかったからだ――とはいえ、店自体はそう捨てた物でもない。
 飾りの無い内装はシックで、新しい割には使い込まれた木製の机と椅子が規則正しく
並んでいる。私とマリアがワイン、クレアがオレンジジュースを注文して、漸く一息。流れ
続ける音楽はジャズだろうか。詳しくない私にはジャンルを特定するので精々だ。
 とんとんと指を机に躍らせる
 なのに。
「ふむ……ふむ? ね、この曲なんて言うの?」
 唐突に、クレアがそんな事を言う。てっきり知っていてリズムを合わせているのだとばか
り思っただけに、少し以外だ。で――当然ながら私に解る訳もない。「さあ、ジャズ、と言
う事は解るんだが」
「んー、やっぱ? 古い曲よね、何となく。そんな雰囲気」
「ワン・フォー・マイ・ベイビーだね」
「え?」
「フランク・シナトラの「ワン・フォー・マイ・ベイビーだよ、これは。いわゆる失恋歌、トーチ・
ソング。女に振られた男がバーテンに愚痴を溢す、って歌さ」
 運ばれてきたワインを弄んで、マリアは淡々と説明する。
 クレアと私の質問がどんな物であれ、彼女が無視した事はない。後輩の面倒見が良い
変わりに、上司から真っ先に目を付けられるタイプ――以前クレアは、マリアを評してそ
んな事を言った。全く以ってそれは、私も認める事実ではあるのだ。

 現在の審問局カタリナ派が擁する師団長が四人、それが――
 私を含む"四騎士"。終末の審判者に準えて設けられた四人の審問官は、カタリナ派の
総意によって任命され、審問局の事実的な武力の象徴となる。四人は個人での聖遺物
携帯を許されると共に、それを用いた異端審判に力を振るう事を強制される――審問局
が武装戦力的に劣る騎士団に対するアドバンテージ。
 私達に与えられた意味は、それだ。
 現在の四騎士として称号を賜っているセシル・ヴィルキエ、マリア・C=ランカスター、
クレア・エリザベート・クランツ、そして今はココに居ないアストリーデ・マクシミリアン・ゲ
オルク=フリードリヒ――この五十年、世襲制さながらに親から子へ、師から弟子へと
受継がれてきた騎士の座は今代で破綻した。
 先代を継ぐクレアとエリスとは違う――セシル・ヴィルキエとマリア=ランカスターは、
名も知れない外部の人間だったのだから。
 聖剣デュランダルが審問局の聖遺物に認定される事で、セシル=ヴィルキエは騎士
の位階を賜った。
 ……まるで剣のオマケ。
 「実力では無い」「器では無い」――ずっと一人だった私。本を読むのも、研究するの
も、何をするにも一人だったセシル・ヴィルキエにとって、突然放り込まれた人の環で経
験する『疎まれる』という行為は、耐えられない痛みを伴った。
 それは、まだいい。
 それには耐えられた。瞳を閉じてしまえば、耳を塞いでしまえば、壁を作ってしまえば
そんなモノと関わる必要はなかった。問題はそうではなかった。
 架せられた誓約。『聖剣』であるセシル=ヴィルキエは、組織に在る為に刃を振るう事
を余儀なくされる。
 「何をするべきか」なんて、解っていた筈だった。
 異端審問官とは、世界の摂理を乱す人間へと、人間の手による排除を決定する役職
だ。古くは魔女を告発し、悪魔憑きを追い、そして教会の腐敗を正す者だった。その全て
に共通する結果はただ一つ。
 私達は訃音の奏者。齎すのは命脈を絶つ事での終焉。
 精神はこの上なく未熟だというのに、腕だけは卓越していた少女は、大人達に言われ
るままに剣を執った。
 先に在る物が何か、まるで知りもせず。
 切先の先に映る未来が明るいと、まるで疑いもせず。
 愚かなマリオネットでしかない少女は、きっと聖書の言葉を忘れてしまっていたに違い
なかった。

             "剣を執る者は剣によって亡ぶ"、と。

 神の書には、容赦ない一言が記されていたというのに。
 

216 名前:◆fFCROSSQsM :04/03/14 21:37


 セシル・ヴィルキエがイエスの言葉を知ったのは、取り返しが付かなくなってからだ。
血の池で足掻くようになって救いを求めた聖書には、容赦ない断罪の言葉だけが記さ
れていた。
 殺戮機械(マシーン)セシル。
 何処の誰が付けたかも知れない名前を憶えている。
 その名前の的確さを嘲笑する。
 玄関を叩き破り、驚きに目を見張る異端者を――人間を、問答無用で斬り伏せる。
戦時中のロシアMVDの方がまだマシだ。彼等は容疑者にコートを羽織らせる時間く
らいは与えたのだ。
 広範の敷地から生命を根こそぎ奪い去って出てくる、紅い斑点で斑に汚れた私を、
玄関で待つ局員が恐れとも侮蔑ともつかない表情で迎える。
『浄化完了』
『……ご苦労さまです』
 ――繰り返される遣り取り。
 いつしか、表情さえ忘れていた。どんな顔をすればいいのか。
 最初は誇らしかった。
 聖務の終了を告げる自分の声が自慢だった。自分を見る視線が畏怖だという事に気
付きもしなかった。
 そうして、そうやって時間が流れて。
 いつしか、気付いてしまった。
 自分が望んだ理想の――あまりに深い虚に。
 罪悪感に苛まれるようになってから、迎えの人間の顔を見る事が出来なくなった。人
を殺した人間が、どんな顔をして、一体なにを話せっていうんだろう。話す資格なんて
ない。それを繰り返した。どんな顔をすればいいかは悩まなくなっていた。
 鏡の向こうの表情は――仮面のように凍ったままだったから。
 見張りを立てている連中はまだ良かった。罪悪感は少しは薄れる。襲い掛かるファミ
リアを根こそぎ斬り裂き、封滅し、異端者を断つ。隠遁した者を殺すことに馴れるのは
辛かった。隠れ住む庵を襲撃し、絶望の表情を脳裏に焼き付けたまま彼等を断ち切る。
死後の煉獄を覚悟して研究する者達は、生前にある筈の栄光すら奪われる――奪う
のは、私達だ。魔術師を許さないのではない。順ぬ異端を赦さない。その判断は教会
が下す独断と独善……否定する。私達は正しい。
 教会はこれを繰り返してきた。何年も。何十年も。何百年も。
 だから、間違いはどこにも無い。
 剣閃を閃かせる。鮮血が舞う。
 正しさを認識する。赤は正しさか。この、深紅が。
 ――何が正しい?
 殺した。首を斬るのが巧くなった。人脂を払うのが得意になっていた。吹き上がる鮮
血に濡れない手段は完璧だ。効率良く解体する手段は生業だ。私に斬れない物はな
く――私は、誰だ。
 考えた。
 いつも考えていた。
 考えなければ壊れてしまうと思った。
 考える事は幾つもあった。無くなれば無理矢理作った。
 私はなんの為に殺すのか。どうして殺さなければならないのか。その先に何がある
のか。ソレは本当に理想だったのか。
 最初の問いには容易くアンサーが見付かってしまった。教会の為。次の問いも。次
も、その次も。
 考えなければならなかった。
 私が在ってもいい、意味を。自分が納得出来るだけの、理由を。
 鏡を見て、湖面を見て、血溜りに映る緋色の自分を凝視する。
 緋雨の中で思う。
 私は、鬼か。
 修羅か羅刹か、何処の悪鬼か。無限に咽ぶ地の池の中で、何を見て何に泣けばい
いのか。
 ……もう、辞めようか。
 無理な願いだと知りながら――それでも、そう願ってしまった。
 此処を出れば、私に行く場所は無い――少なくとも私が意味を得られる場所は、世
界の何処にもない。紀元を継ぐ魔術師の家系の末に生まれたセシル・ヴィルキエが
生きていくには、世界から否定された、何の力もない娘が生きていくには――異端の
技を用いて異端を罰するという、与えられた使命に身を投じる以外には……生きてい
る意味など、皆目見出せなかったのだ。
 

217 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/14 21:39

 決着?
 ……なんだ、予想外だな。
 もうちょっと見たかったのだけれど。

218 名前:◆fFCROSSQsM :04/03/14 21:45


「――だったら辞めちまえばいいのさ」

 だから。
 だから――そんな懊悩を一撃で叩き潰してしまったその一言は、あまりにも強烈で
鮮烈で、今でも思い描こうとすれば細部まで克明に脳裏へ再現できる。
 深夜、無人の鍛錬場。
 飽きるほど重い木刀を振り回し、指が痺れるくらい力任せに剣を薙いで――その言
葉は、そんな時に呟いた一言への返答だ。

「「もう辞めたい」かい? だったら辞めちまいなよ。この仕事、生憎と参加するにも参
加料金が必要でね。自分の命がチップだってのに、自分に潰されながらじゃ一年持
たないよ」

 覗き窓から差し込む月光の下。夜風に靡く琥珀の髪は、至玉の宝石と見間違う。
 侮蔑するような視線と刃物のような嫌悪を瞳の奥に湛え、マリア=アズイリアは私
に吐き捨てた。
 朱がかった双眸。
 修道服を纏ったままの痩躯が、こつりこつりと足音を立てて近付いて来る。
 無意識に一歩引いた。
 その時の私は、その姿を――まるで、悪鬼を食らう修羅だと思ってしまったのだ。
 違う。
 アレは修羅さえ打ち倒す、「何か」だ。

「いい道場だろう?」
 答えられない。腕が震えている。
 マリア=アズイリア。敢えて遭遇すら避けていた、私と同位に並べられる騎士。そ
の履歴は私など比べ物にならない――血筋を重要視する審問官達を技量と結果で
納得させた、審問局の歴史きっての女性審問官。面識は位階の授与式で一度顔を
見合わせただけ――その時の一瞬を、無表情にこちらを眺める、凍り付いたような眼
差しを記憶している。
 ――どうして、ここに。
 こちらの疑問などどうでも良いのだろう。彼女は腕を組んだままこちらに歩いてくる
と、立ち止まって床をトントンと踏んでみせた。
「材質は極上の木材だけど、まあ、そんなことはどうでも良いね。ココがいいってのは
――この場所が蓄積した正負の念の濃度って奴さ」
 距離は2メートル。ここが境界線だとでも言わんばかりに足を止め、彼女は続ける。
「自分と向き合って技を研磨し、ギリギリまで研ぎ澄ませた精神を培う場所。日本では
武術の道場に入るのに礼を忘れちゃいけないってのは、ガキの頃から教わる常識だ
そうだよ。……武を通して神の域に近
付き、武人が英雄として神になる国だから――ま、解らないでもないけどね。
 ふん。そう、ここは結界なのさ。外界と内界を隔てる境界は、差し詰め私が今跨いだ
門ってトコだろうかね。ここから先は神の座、ってワケさ」
「な――」
 何が、と続けようとしたのに、声が出なかった。疲れていた以上に圧迫された精神が
悲鳴を上げて震えた声帯は声を形に成さない。
「安心しな、精神論を語ろうって腹積もりじゃないよ。ただ――此処が結界だって意味、
解るかい?」
 声が出ない。変わりに首を振った。
「……此処で研磨した技術は、等しく誰かを殺す為に使われる。私達の行き着く先は
この世の煉獄、万の悪鬼と見える合戦場さ。いくら神仏の教えを説いた所で――悪い
ね、私はヤハウェの教えもブッダの祈りも大して変わらないと思ってるからさ。……そ
う、何が言いたいかっていうとね」

 無表情の彼女。その閉じられた瞳が開いて、
 私は、そこに地獄を見た。
 

219 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/14 21:46

 名前ミス?
 テストとは言え……無様な。

220 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/14 21:52


「あんたがやってる事は――無駄だって事さ」
「……無――駄?」
 漸く絞り出した声は掠れている。
 繋ぐ事が困難な言葉を、睨み付ける視線で代用する。
「無駄よ。あんたがやってることは全部。そんなモノ振り回したって何も解決はしないさ。
ふん、当ててやろうか? アンタが今抱えてるのは……雑念と妄念、あとはそうだねぇ、
悔恨の念って所かい?」
 その、一言が。
「な――に、が」
 私を、壊す。
「何って? ――今あんたが必死になって振り払おうとしてるモノさ」

 言われて、その瞬間。
 目の前が暗くなった。
 疲弊していた神経が限界を訴え、がくがくと震えていた膝が今度こそ床に落ちる。
木刀を突き立てて体重を支えて、無様に倒れる事だけは何とか踏み止まった。
 蝕まれるような痛み、それは。
 自分でも理解出来ていなかった業の正体を暴露されたから、ではない。
 自分で心の檻に仕舞い込んでいた業を、無理やり引き摺り出されたから。

「ココに足を踏み入れる者は――須らく神の座で研鑚し、磨いた刃を悪意の血で汚す。
大地獄に堕ちるのを承知で、天国への切符を破り捨てる事を承知でね。解るかい?
 つまりココは二律背反する信仰と罪科を繋いで切る境界、神の座に根付いた地獄な
んだよ」

 雑念。
 妄念。
 悔恨。
 誰かを殺す罪。
 誰かに課す罰。
 一の罪を千の罰で応じる断罪者。
 千の罰で万の罪に答える処刑人。
 零の罪と零の罰に生きていた時代は遠い。
 罪を零に変え罰を零に落とす事は不可能。
 もはや、今の生き方を貫き通す以外には――ない。

「だから、私にとってここは本当に「いい場所」なんだ。ここの床を踏む度に自分を感
じ取れる。薙いだ命を振り返らずに、明日に払う命を見据えられる。悪いけど――コ
コは懺悔の祭壇じゃない」
「……うる、さい」

 手足に掛かった重圧を引き千切る。
 ぜえぜえと煩い呼吸を身体操作で強引に調律して、袖の中、肘裏に刻んだ水星の
印象媒介。腕から筋肉に直接エーテルを通して、疲労を殺すと同時に痛覚をシャット
アウト。活力を産んで強制起動させる。身体形成のセフィラーに圧し掛かる過負荷が
脳を灼くのを抑え、パスを焼くようなエーテルの奔流に逆流する血液を感じながら、
私は柄を握り締める。
 木刀を握る力を調節、呼吸を安定させて――切先を、マリア・C=ランカスターに突
き付けた。

「――黙れ。……貴方に言われる筋は、無い」
「言っちゃいけない理由もないね」
「……黙って、くれ」
「二度も言わせないでほしいね。無駄なことはするモンじゃない」
「……不快だ。貴方の言葉は、癪に触る。これ以上は――少々、貴女にも面白くない
結果になる」
 

221 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/14 21:55


 へえ、と氷の音色で呟きが漏れた。
 空気と磁場を歪ませる魔力の発露を目前にしても、彼女の顔には何の変化も――
それこそ、微塵の変化も起こらない。
 ただ一言、こう言っただけで。

「じゃあ丁度いい。相手になってやるよ、お嬢ちゃん」

 身体は思考に先んじて動いた。
 構えは八双から蜻蛉へ。肉厚の刀身を持った木刀だから、ではない。普段の私が
用いる刺突を主体とした型を崩したのは、ただ、本当に単純な理由だ。
 ――黙らせてやる。
 そんな安直な、自分でも忌避するほどの衝動に突き動かされたから。
 狙うは前傾姿勢から走り込んでの袈裟斬り。身体を撓め、膝のバネに思い切り力
を集中させる。跳ねる勢い、上段に翳す刀身には遠心力を込めて。肩から腰まで叩
き潰すくらいの勢いで、打ち掛った。

 ……結果を完結に極論するならば。
 完膚なきまでにボロ雑巾にされた。惨敗だった。
 疲れていた、と言う理由を差し引いても、実力が桁違いだった。マリア・C=ランカス
ターは――文字通りに桁が違っていた。
 私の動きを風、と称したのは剣を握る事を教えた師だったが……仮に私が風なら、
彼女は柳だ。緩急を付けた微風ですら捉えられず、叩き付ける暴風ではただ柳をそ
よがせ、勢いは自分へ返るだけ。
 何一つ報いる事の出来ない斬撃。木刀の峰を弾かれては脇腹を蹴り飛ばされ、そ
の度に数メートルも転がった。横合いから刃部を取られた時は悲惨で、内臓が全部
引っ繰り返ったかと錯覚するような内剄を打ち込まれた。纏わり付く黒色の死。ワル
ツでも踊るように付かず離れず、彼女は私を打ちのめす。
 千度目を越した辺り、朦朧とした意識の中、うっすらと気付いた。
 今考えれば――殺そうと思えば、彼女はセシル・ヴィルキエを千回以上は殺害で
きた筈なのだから。
 先と微塵も変わらない考えと、その苦悩に付き合ってくれている一人の人間の存
在。アバラを数本折られ、左手を骨折して、声も枯れて――気付けば、冷たい床に
倒れ伏していた。

 ――悪くない懺悔だったろう?

 そして――私は憶えている。
 床に這った私を担いで、彼女がそう言ったのを憶えている。
 私と同じ外部の人間だったからこそ、彼女は私に親近感を憶えたのだろうか。
 ……多分、違う。もし彼女が親近感を覚えたのなら、それは私の境遇ではなく、在
り方か。ならば咎に喚く見苦しい私の在り方こそが、彼女に触れたのだろうか。
 熱を持った体に吹き付ける夜風の心地良さ。
 ……気に掛けてくれたマリアの存在がただ嬉しくて、目を閉じた。

 ――あんたの懺悔は私が聞いてやる。
   罪に逃げるな。罰を纏って咎を殺せ。
   罪に迷うな。罰に惑うな。
   私達の在り方こそが――ただ一つきりの正義だ。

 落ちていく意識と心で、そんな言葉を訊いていた。

 ……翌日、執務を終えた私を呼び止める人間が一人。
 私をお茶に誘う変り者が出来たのは、その日が初めてだった。
 

222 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/14 22:00


 マリアに着いて審問官の形を学んだ。
 マリアの跡を辿って審問局に生きる方を学んだ。
 殺す意味を学んだ。罪とは何か。罰とは何か。どうやって生きるべきなのか。
 罪を購う必要はないと学んだ。罰を与える術を知った。もしも受ける罰があるとするな
ら――それは、けして罪を振り返ってはいけないという楔一つ。
 悔恨は許されない。救いを求める事は赦されない。
 救いは与えるべき物で、与えるべき者が受け取る秘蹟ではない。
 私達は、人であってはならない。

「なんかなー、それ」クレアが苦笑い。子供のようにグラスを両手で抱えると、ずるずる
と音を立ててオレンジジュースを啜る。「暗くない、その歌? ヤだなぁ、なんか……よ
く知ってるよね、マリア」
「暗いかどうかは歌詞聴いてれば解ると思うけどね。私? 私はオヤジが好きだったん
だよ、この手の歌。子供の頃から聴いてたから、多少は詳しくなるわ」
「ふぅん……私はあんまり聴かないなー。ロックかポップスか、もちょっと明るいヤツ」
「あんたは昔っからそうだったからね。……生憎だけど、わたしはそっち方面パスよ」

 ……気付けば話から取り残されている。
 何を言えば良いのかそもそも言うべきなのか迷った挙句、

「ロック、と言うと……その、すれいやー、とか、えんぺらー、とか、ああいう曲の事か?」
 金切り声と電子音と電気を使うギター(エレキギターというのだったろうか)のコラボ
レーション。初めて聴いた時は音楽に対する価値観が崩壊しそうになった。
「セシル」
 マリアが真顔で私を見詰める。
「ん、うん?」
「それメタル。しかもスラッシュ」
「す、すらっしゅ?」
「……悪い、私が悪かったわ。しかし意外だね、セシル。あんたメタルなんて聴いてた
の? てっきりあんたの事だから、クラシックか聖歌以外聴かないとばかり」
 いや。
 それは間違いなく、大半で事実だ。
「いや、その通りだよ。ただ……知り合いにいるんだ、その手の音楽を好きなヤツがな。
いつもウォークマンやらカーステレオで聴いてる物でね、付き合いで憶えてしまったと
いうだけさ」
「へー」ずるり、とストローから口を離して、クレア。
「ほう」おかしそうに口を歪めて、マリア。
「な、なんだ」

「イイ人?」「男?」

 全く同時に、二人。
 ……頭が痛くなる。

「確かに男だが、特別な感情はない。ただの友じ――」
 友人、だ。
 それ以上でもそれ以下でもない。同僚と言うには所属が違うし、他人と言うほど遠い
関係でもないだろうし、そうは思いたくない気もする。ならば、適当な言葉はやはり「友
人」という事になるのではないだろうか。
「……知り合いだ」
「へえ」
「ふぅん」
「……待て、何だその反応は。信用してないのか? ほ、本当に――」
「あー、はいはい。解った解った、解りましたよ。そんな慌てなくて良いってばさ」
「く、クレア!」
「ほらほらそこ、からかっちゃダメだって」
 あはは、と笑うクレアを嗜めるマリアは、自分自身説得力のカケラもないといった様
相で可笑しそうに笑っている。
 ……全く、いつ以来だろう。
 こんなに――ヤツ以外と、本当の意味で笑ったのは。
 久し振りに湧いた感情は安堵と表現するほかなくて、「一人で大丈夫だ」と強がって
いた自分が少々情けなくなる。
 

223 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/14 22:05


「そういえばさ」
「うむ?」
「この街の審問局員って、キミだけなんだよね?」
「現状はそういうことになるが」
「うん。でもさ、おかしいのよ。カトリック系の教会が管理する地域で、その――"発生率"、
この街って物凄く低いの、ホントに。駐在員が千人越えてるトウキョウなんか非にならない
くらい」

 それは、
 まさか。

「……東京とは人口が違うだろう? この街じゃ、夜に潜む連中も狩りの甲斐が無いって事
だろうさ」

 当然のような口調でマリアは言う。
 当然のような口調。
 それも自然。それは普通の考え方だ。マリアは正しい。
 でも。

「そうかなー、だってだよ? 人口と件数の比率、トウキョウと比べても段違いなんだよ。例
えば、えーと、アキタ、ホッカイドウ、オキナワ――オキナワってカニが採れる所だっけ……
まあ良いや。とりあえずこの辺りね。主要都市の端から端までの街を全部洗っても、この街
の発生件数はトップクラスで低いんだって。
 あー、うん。ん……正確には、低くなったのかな。数年前を堺にガクガクって減ってる」
「ふぅん、それまで審問局の人間は派遣されてなかったって?」
「そうだね。セシルが派遣されたのが前回派遣から50年振りになるんじゃないかな。えっと、
数年前まで――発生率がガタ落ちするまで、ね。それまではこの国の組織が処理してたみ
たい。資料読む限りはそういう事になるんだけど……全然腑に落ちないんだなー、これが。
だってさ、大都市から狩り出された連中とか力を蓄えようとする連中とか、こういう地方って
持って来いの場所だもん。加えてこの街、霊脈気脈の通りが抜群でね。確かにおかしいとい
えばおかしいのよ、こんな場所。フツーだったら本部指定で重要保護対象地区でランクB以
上に置かれてないとおかしいじゃない? なのにマークを外すなんてウソだよ。そうなったら
こんな詰め所、審問局の人間で溢れ帰っちゃってるってば。ヘタしたらこの街、大規模召喚
の苗床にだってなりかねないんだし」
「それはそうだけど、ねえ……資料はウソ吐かないから」
「うくっ……そ、そりゃそうだけど」
 マリアが興味を無くしたようにワインを傾ける。
 私は言う必要が無い。
 これを口にする必要は無い、が――

「当然だな」

 意に反して、私は閉じていた口を開いていた。
 この街に滞在するなら会う事にもなるだろう。会わなくても、見る機会くらいはあるかもしれ
ない。"アイツ"が仮に――もし、有り得ない可能性の僅かに賭けて私を訪ねてくる事がある
としたら、面識も取れるに違いない。
 話しておくべき、ではないかもしれない。
 それでも。
 何より、友人に。
 親友達に、何故か。
 話してみたい、と思ったのだ。

「……当然?」
 怪訝そうにマリアが眉を寄せる。
「原因でも知ってるってこと? でも、キミが派遣されたのってついこの間だよね」
 クレアに一つ頷いて、私は思い描く。
 返す返すも呆れた、この街を守護する死神を。
「この街にはとうにヴァチカンから人間が派遣されてるという事だ。それも飛び切りの腕利き
が、な」
「ウソ、だってこの街には――」
 

224 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/14 22:24


 クレアの疑問は当然だ。
 通常、ヴァチカンから武装戦力として対外派遣される人間は、異端審問局、及び
騎士団――前者は対象を人間とする諜報・抹殺を任務に負い、後者は人間、また
は"それ以外のモノ"の殲滅、完全駆除を目的として送り込まれる。
 その特性上、騎士団の人間は騎士団と審問局に於ける処理法が定める規定、状
況判断によるケース「A」――街一つのヴァンパイア化や、外法の魔術師が引き起
こした邪神召喚、大規模な悪魔召喚等の「放って置けば世界の律を乱しかねない
――世界を滅ぼすトリガーとなりかねない事態」の収束を任務としている。
 彼等は現地到着するや対象を滅ぼす為に活動を開始し、全てを闇から闇へと葬
り去った後は、残滓すら残さずに影へと消えて行く。
 既に戦闘と言うよりは摂理の維持行為。絶対的破壊による神罰の再臨であり、須
くそれを逃れ得るモノは存在しない。人による殺戮というより、天災の域にまで高め
られた十字軍の戦闘は現象と言ってすら差し支えない。
 だが、だ。
 騎士団の人間に比べて、審問局の人間が人間以外に対処する術を持たないとい
うのは間違いだ。騎士達が軍隊なら審問局は暗殺者。その対象を広範囲とする絶
対火力のミサイルが騎士団なら、審問局の誇る異端審問官達は、確実に標的を貫
くスナイパーライフルなのだから。
 故に、現地に滞在する処刑人の役目は審問局の人間が担うのが通常だ。騎士団
の人間が一つの街に滞在する事は有り得ない――クレアの疑問は、何も間違って
はいない。
 間違ってはいない。ただ、しかし。
 "この街に於いてだけは"、それは完全に例外なのだ。

「審問局じゃない。私達(審問局)の資料に記録が無いのは当然だ」
「審問局じゃない、って……」
「騎士団の人間って事かい?」
 唸るクレアをマリアが次いだ。
 そして、残念ながらそれも。
「それも違う。審問局でも、騎士団の人間でもない」
「……解んないね、無名の傭兵でも雇って送り込んだっての? そんな連中にココ
の地脈が管理できるとは到底出来ないと思うけどね」

 地脈の管理――それは、街という共同体にとって、死活問題と道義だ。
 例えばローマ。教皇庁の本拠地たるあの国には、七つ丘を起点とした龍脈(或い
はレイ・ライン)結界が張り巡らされ、悪霊ならば市外には辛うじて存在出来る物の、
その上位である悪魔、それに類する存在は、その"存在"自体を否定される。エーテ
ルラインを星幽界から遮断されてしまっては実体を取る事も出来ず、結果、ローマ
は悪魔や邪神からは絶対的な防御力を誇る聖霊要塞都市だ。
 この境界は、通常、七つ丘に設置された基点物から龍脈を支配下に置き、結界に
指向性を与えて破魔の絶陣を敷く。精神概念的にはこの時点で無敵だが、物理的
にはまだ弱い。そこで派遣されたのが騎士修道会の精鋭達であり、騎士団の勅命
を以って彼等はそこを警護する。
 基点と基点を結ぶ「線」が境界となり、「点」が「点」として健在である限り、絶対防
御もまた絶対のままなのだ。
 決して龍脈に恵まれた土地とは言えないローマは、強力な基点と聖遺物の力で
結界を成す。
 この土地は、違う。
 寧ろ全くの真逆と言っていい。
 潜在的な龍脈のエネルギーは類を見ないほど強大だ。多重化したラインが層を
巻いて形成された階層龍脈とでも言うべき線が大地を走り回り、激甚な力を蓄えて
いる。
 

225 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/14 22:26


 通常、これら龍脈の管理は土地の者に――つまり、この場合は日本側の機関に
よって統括される。脈力の高い土地は宝だからだ。結界に使えば絶対の方陣を敷
けるし、儀式に使えば成功を得られる。
 メリットはそこであり、問題も、またそこだった。
 力は力でしかない。
 在るだけの地脈は、無制限に力を放出し、それは純粋な力となる。
 例えば――例えば、だが。
 邪神、魔王――そう呼ばれる者を召喚する為にそれが用いられたなら。
 その成功もまた――確約されるのだ。
 肥沃に過ぎる無色の力。
 それを制御し、管理する為、統制に長けた者が確実に土地には存在する。富士
の樹海然り、高山の麓然り、高知の物部衆然り、それは修験者でありもすれば、
陰陽寮から流れた術師の末裔でもある。異邦者や異端者に力を盗用されないよう
に統御し、管轄に置く為の人間は、いつの時代にも存在する。
 時としてその脈の乱れは、地震や飢饉、怨霊の祟りとなって時代を襲いつつも、
伝統の如くに受継がれ続ける。
 この街にはそれがない。
 ……私が派遣されてまず調べ、そして驚愕したのがその事実だった。
 日本側の機関の目は浅く、コンタクトして帰ってきた言葉は一つ。「統括者は我
々ではない」――冗談だろう、と思った。ならば誰だ。ヴァチカンか? 資料を調べ
ても漁ってもそんな人間は何処にも存在していない。カトリック系の教会もプロテ
スタントのそれも、神社仏閣さえも。"そんな"関係者は、誰一人として存在しなか
った。
 更に驚く。
 龍脈は、無色ではなかった。
 霊気を浴びれば実感する。
 幻視するのは恐ろしいほどの清流。
 息が詰まるほどの純潔。
 中心部に在る公園、そこに足を踏み入れて感じたのは、怖気を震う程の完全な
清純のイメージ。青色。空より深く、淡水より澄み切った、海溝よりも底が見えな
い程の、蒼。
 枯葉が敷き詰められた大地に触れて、全身を砕かれるような霊気の流れを感じ
た。あれは既に冷気に近い。麻薬のような心地好さが脳髄まで浸透して、もう少し
接続していたなら、夜明けまで枯葉を布団にして眠ってしまったかもしれない。
 結論は出た。
 管理する者はいる。それも――とてつもない。
 魔術師だとか魔女だとか、そんなレベルではない。
 この街一帯を、街の地下に眠る霊気の大河を完全に統御するレベル。
 この街全てを浄化するほどの純化意思。
 そのあまりに在り得ない事実に、私は笑った。
 "欲が無く"、"清純で"、"とてつもなく、強い"。
 叛乱を起こして篭城し、そのまま永年を過ごせるほどの力を制御して、この街を
"護る"誰かは、決して我欲に走らないのだ。
 力は、ただ。
 護る為、だけに。
 それ以上の追求は止めた。
 そんな物が不要だと解っただけで、私には十分だった。
 執務を忘れてしまうくらい、それは清々しい気分だったから。
 最初に思い浮かべた統括者は「アイツ」だった。すぐに違うと知る。そもそも、「ア
イツ」にそんな技術は持ち得まい。これは霊気を扱う事に長けた、現界と幽界の狭
間の構成を知り尽くした、そんな技術者の成し得る芸当だ。
 

226 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/14 22:30


 とは言え。
 とは言え――全くの無関係でもない、という事もすぐに解った。
 その術者がこの地脈をこれほどに慈しんでいるのなら、果たして次から次へと
来訪するだろう異物を全て排除して回るだろうか?
 嘗て「アイツ」は言っていた。家族を護る事が今の生甲斐だと。街を、自分の目
に移るだけの全てを護る事が出来るなら、それで自分は幸せなのだと。
 根拠の点と根拠の点を頭に描いて、想像の線でそれを結べば、答えなど自ず
と導かれる。
 この関係は、似ている。
 魔女とその傍に傅くファミリア。
 国を治める王とソレを護る近衛騎士。
 いや。
 或いは、泉の姫と聖騎士のそれかもしれない。
 そんな取り止めのない想像を、私は虚ろに思う。
 術者を護る騎士というのは、つまり――

「二人だ」
「二人?」
 納得行かない、と言った様子のマリアに繰り返す。
「この街を護る「管理人」は、最低でも二人いる、と言う事だよ。一人は私にも解
らん。だが、それは恐らく想像もつかない範疇の術師で、間違いなくそれこそが
この街を方陣で覆っている一人の"管理人"だ」
「……で? もう一人が無名の傭兵ってワケかい」
 マリアがお手上げだ、とでも言うように投げ遣りな声を上げた。
「無名、か。そうだな、無名と言えば無名だろう。ヤツほど名前を知られていない
同業者を私は知らん。尤も、逸話だけはバカみたいに有名だがな。殺されたロー
ドや潰された組織の数は数えるのもバカらしいし考えても追い付かん。口にする
としたら……『ケース・ニルヴァーナ』『ダイイング・サークル』『デーモン・ケイジ』
……この中に思い当たる言葉はあるか?」
 クレアが一瞬目を丸くして、つつつ、と肩を落とす。
 どうしてその単語が今出てくるのか、と言った具合だろうか。
「一応……全部。『ケース・ニルヴァーナ』ってソレ、アレでしょ? マカオの半分
が消滅し掛けたって馬鹿げたハナシ。大陸の魔術師が暴走したって。眉唾物だ
けど」
 「どうやってンなことすんのよ」、とクレアは毒付く。詳細を述べるなら、物理的
な消滅ではなく、大地の対極を破壊する事による霊的破壊だったのだが――
「殺したのは、その「管理人」だ」
「な――」
「最近で有名な所では……そうだな。オーストリアのカウント・ヴァルダレクか」
 瞬間、二人の表情が凍った。
「……何だって?」マリアの声のトーンが上がる。目の前で戦術核が炸裂しても
飄々としていると評判の(評判を流したのはクレアだ、勿論)彼女が見せた反応
は、滅多に見られるものではない。
「ヴァ――え……ヴァルダレク、って――神祖最後の血族ってアレ……? マル
タが急襲して叩き潰したんじゃなかったの!?」
「……ヴァルダレク事変」
 うわーうわーとはしゃぐクレアを制して、マリアはただ静かに言い置く。
 頷く。
 そう、アレは――
 

227 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/14 22:33


「そうだ」

 ヴァンパイア、カウント・ヴァルダレクの最期。
 "真なる"神祖から血を分けられた、最後にして最悪、最強のヴァンパイアが
殺された――居城を点々と変え、疫病の如く夜の毒を振り撒いていた大吸血
鬼の滅びは、審問局でも大きく取り上げられた。
 少々の歓喜と。
 同胞の勝利と。
 正義の賞賛と。
 真神の真実と。
 その全てに局員達は沸き立ち、
 そして、騎士団と反目する上層部の古株達には、この上ない屈辱を以って受
け入れられた。
『騎士団が勝手に動いた、これは独断だ――』
 ならば、審問局が動く気はあったのか。アンタ等にヤツを殺す気概と力と技
量があったのか――痛烈な批判で当時の審問曲幹部を押さえ込んだのが、
誰あろう隣に座るマリアだった。
 記録にも生々しい。アレは――問答無用の大虐殺、大殺戮だったのだ。
 あまりにも幾多の長生主が滅びた。
 コンラッド・ヴァルカン、サン・シモン、コルネリウス・ド・ヴィンダウ、ケイレブ・
クロフト、ヘンツォー伯ルパート――遥かな時を人間を捨てる事で生き伸びた
モノ達が、その首魁達が――たった一夜で二度目の生を露と散らせた。
 それを成したのは、たった一人の人間(……掴む限りの情報では、生き残っ
たのは一人だった)だった等と、公に口にしたとしても誰が信じるハズはない。

「……籍は、今は表面上だけマルタ騎士団に置かれている。実際の所属は亡
霊さながらに不定だがな。教皇直轄のフリーランス、傭兵と言うほどヴァチカン
から離れてもいない、私達ほど教皇庁に近い訳でもない……本人が言うには、
『俺が仕えるのは教皇庁にじゃない。主と、その代行である教皇に、この世界
を維持するヴァチカンの理にだ』――だ、そうだよ」
「むむむ……カンペキに初耳だよ。けど、ムチャクチャだなぁ、それ……あれ、
局長ホンキで怒ってたモンね。目を付けてた連中盗られたって。
 ……でも、実はイイ気味だーって思っちゃったりしちゃったり」
「フン、年寄りの冷や水さ。連中が今存在していても、老人達はパパラッチ宜し
く連中を盗撮してただけだろうね。――けど、少し驚いたわ。あんた……どこで
そんな事聞いたんだい? あの時は私でもその辺りは掴めなかったのに」
「本人から、な。無論、断片的に訊いただけだ。……後は、処理に当たった人間
を騎士団の側から勝手に調べた。折り合いの悪い審問局の事だ、こちら(審問
局)の資料室だけ調べても何も解るまいよ」

 神罰の大鎌を振るう死神。
 この街を守護するソレは――雨の如く平等に、この街を浄化する為に奔走し
ている。
 

228 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/14 22:46


「へえ、そいつは盲点だったね。私も若かったって事、か……所で、セシル」
「なんだ?」
「いやなに、ヤケに楽しそうに話すじゃないかと思ってね?」
「は……そうか?」
 先の再現。
 後悔の念を抱くより先に、マリアの顔には不敵な笑みが浮かんでいる。
 クレアはクレアで「そうそう」と頷き、
「うんうん、そうよね、なんか誇らしそうって言うか。自分の宝物褒められて喜ぶ子供
って言うか、好きなアーティスト褒められて喜んでる子供って言うか……あれよね、
ヒーローを褒める子供みたいなカンジ」
 どれも子供じゃないか。
「い、いや、そんな事は」
「偉いねぇ? 私なら自分に関係ない事件なんて、とっとと記憶の隅に打っ棄ってる
所なのに。よくもまあ、資料まで調べる気になったモンだよ」
「う……」

 ……アルコールが、もう回ったのだろうか。
 グラスに残った氷に映る顔が火照っている。自分が酒に弱い体質だとは承知して
いたが、ココまで弱かったとは予想外――いや待て、妙な勘違いをされると困る。抑
えろ。精神を落ち着けろ。アルコールを分解して、そうだ、この程度は私の身体なら
どうにでも身体操作だ。代謝をコントロールしろ。止まれ。抑えろ、早く、アイツは別
に関係ない。そう、そもそもどうしてこんな話をしている。私は阿呆か? いや話して
拙いという訳では無い。寧ろこれからの事を考えるなら、ヤツのことは二人に伝えて
置いた方が得策だったのは自明だ。ならば間違ってはいない。私は正しい。あの時
資料を調べたのはヤツが何をしているか審問局の人間として事実を把握しておく必
要があったし、そもそもヤツが無茶をしていないかどうか、いやするに決まっているし
ヤツはそもそも無茶しかしないし、ならばどんな無茶をするのか見極めておかなけ
ればこちらは眠ってさえいられ――

「……なんだ。その顔は」
 顔を上げれば、クレアがニヤ付いていた。
「いやあ、なんて言うかさ。ねぇ」
「……何が「ねぇ」なんだ。何が」
「いやほら。正直だなーって」
「な、何がだっ」
「言ってほしいの?」
「……別に良い」
 「解っている」とでも言いたげな顔でこくりこくりと頷くと、クレアは手を叩いて、
「ま、良いや。からかうのはこれくらいにして」
「……からかわれていたのか?」
「なにを今更……ね、それよりさ。さっきの人、最初に言ってた「知り合い」さんでしょ?
ねねね、どんな人なの、そのヒト? 国籍は? 身長は? 所属は? 家族構成と
か趣味とか」
「国籍以外に話す意味もないと思うのは私の気のせいか」
「気のせい気のせい。で、ほら。さっさと教えなさいってば」

 肩を捕まれて揺さぶられた。
 ほらほらと急かすクレアに、酔いが回った頭がふらふらする。大体アイツの事を
話したのは、あくまで任務上、どんな役割を負っていたのか聞かせてやりたかった
からで――それ以上でもそれ以下でもなくて、だからプライベートなど話す必要は
ない気がして仕方ない。それに第一、二人はそこまで深い知り合いになるつもりで
もないだろうしなって貰っても面白くないし――そんなコトはない。別に親交を深め
て貰うことは私だって悪くないとは思うけど、だからってこんな場所でこんな形で話
せる事なんて限られてるから、つまり教える必要はないと思うのだ、が、
 隣に視線を軽く振る。
 マリアは平然と「教えてあげれば?」と目で語り、正面には机、両側は友人に塞が
れて逃げ場はない。
 結論――答えるしかない。
 

229 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/14 23:07


「……国籍はアジアだよ。身長は私より高い。マリアよりも高いから、この国の平均より
は少々上と言った所だろう。所属は答えられない――と言うか、私も知らないんだ。家
族構成は解らないが、アイツには家族がいる。一緒に住んでいる孤児院の子供達がそ
うだ、と本人は嬉しそうに言っていた。趣味は……そうだな、音楽か? アイツはワケの
解らない音楽を良く聴いている。ああ、それと読書も好きだそうだ。妹が本を好んでいる
とかで」
 そう。
 口を開けば妹。
 そもそもどんな妹なのか会った事がない。自慢するように語る口調は恋人でも自慢し
ているようで面白くない。自慢の弟も居るらしい。こっちにも会った事がない。あの孤児
院に行けば会えるのだろうが――そもそも、私が会いに行くような理由がない。
 ……有れば行くとでも言うのか。馬鹿馬鹿しい。
「ふうん、アジア人なんだ? なるほど、この国なら効率いいよね。目立たないし。マリ
アより高いなら175近くはあるって事で……子供達にウケがいい?
 ふんふん、それで?」
 ……それで、と言われても。
「後は、そうだな。コーヒーの好みはボスよりルーツ、それより好きなのがファイアで、
その何れもブラックは厳禁。好物はとにかく甘党でな、一緒に喫茶店に入れば9割方
パフェを注文してジュースを追加する事にも恥じ入らない。部屋には所構わず菓子の
ストックが置いてあるくらいだ。
 特に好きなのがチョコレート。基本的には種類を問わないようだが、買ってくる商品
から推測すると、ビターが特に気に入っているらしい。大体はオーソドックスな板チョ
コレートだ」
 気付けばチョコの包み紙。
 確かに糖分は疲労回復に役立つ。チョコレートは昔、一部で薬として扱われていた
ほどだ。私も別に嫌いではないが、アイツの好き様は少し度を越しているんじゃない
だろうか。別に食べるのが悪い訳じゃない。ただ、偏った栄養は身体に良いとは言え
ないし、ああもう。解っているのかあの馬鹿は。
「へ……へぇ? あー、うん、甘党の男の人って結構いるし。うん、大体解――」
 甘党は居る。居るがアイツは異常だ。
 まあ、いつか言って聞かせてやる。こっぴどく。
「格闘術に関しては私よりも優秀だ。型も何もかもデタラメに見えるのに、そもそも型
があるかどうか解らないのに、掴み所がなくて対処できん。訓練を欠かせていないと
いうのに私が追い付けないと言うのは身体能力の差か? くそ、すぐに追い付いてや
る。ああ、武術というより戦闘技術に関して文句の付け所はないな。外見からは把握
出来ない身体能力は目を見張る物がある。手合わせしてみて解ったが、アレは基礎
の型を確固として実戦で作り上げた形だろう。応用技術が半端じゃない事だけは一目
で解る」
「あ、ああ、キミが勝てないんじゃ私なんて――あ、うん。も、もう良いよ、大丈夫、解った」
 何が解ったのか。解る筈が無い。私だって未だに解らない。
 即時判断能力を生かしての躊躇のない行動。時々、本当に思考してから行動して
いるのかとすら
思う。してはいるのだろう。成果は砂漠から針を見付けるような正確さだ。
 経験か? 私には経験が足りていない。アイツほどの地獄を見た訳じゃない。
 だから? だから私は邪魔なのか?
 

230 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/15 02:13


「……好む得物は銃器。グロック社のあのオモチャのようなハンドガンを好んで使って
いる。使用弾薬には拘りもないらしいが、9ミリ以上を使っているのは明らかだ。リボル
バーは改良が施されているようだったが、アレは騎士団の技術で作った特製品だろう。
どうも苛立たしいが私には把握出来ない。……だが剣術で私が及ばないのはどういう
訳だ。剣道の経験もないと言っていたのに」
 ああ、アレは思い出すと腹が立つ。どうして剣術で私が劣る? いや、劣ったのでは
ない。アイツ自身言っていた。剣術で俺がお前に勝てる訳ないだろ――散々打ちのめ
しておいてその言い草はなんだ。じゃあ、私が負けたのはどうしてだ。
 どうして。
「あ――う、うん。解った、解ったから」
 私が負けたのは、やはり相手がアイツだから、と思っていたからなのか。
「戦闘員としては優秀だが、諜報員としては些か柔軟性に欠ける所がある。言語に通じ
切れていないのが原因の一つと、激昂すると感情優先に突っ走るきらいがあるのが問
題だ。まあ、そんな所は然程に嫌いではないが――問題はだな、それが自分がどんな
状況にあるかも考えない無茶ばかりだというコトだ。非情に成り切れていない、とは言
わない。私よりもずっとプロだろうさ。ああ、そんな事は解っている。解っているが――
くそ。他人のことばかり考えてる癖に、反比例して自分を気遣おうとしない。業を背負う
のは自分だけ、汚れ仕事は自分のモノだと言い切って平然としているあの神経が気に
食わん。
 私だって力になれると言うのにいつまで子供扱いするつもりだ、あの大馬鹿は……!」
 アイツ。
 そうだ、いつもそうだった。作戦行動では全員が死地に晒される前に脅威を取り除き、
気付けば血糊で身体に染めている。時として命令すら破棄して死地を死で埋め尽くし、
その場から生命を一切駆逐することで無へと聖別してしまう。仲間内で付いた綽名は
掃除屋始末屋に死神に。疎まれこそすれ感謝なんてされないのに、アイツは。
 自らを省みずに。
 手伝おうとすればもうアイツは居ない。着いて行けば拒否される。
 私は――そんなに邪魔なのか。
「せ、セシル……?」
「大体だな、サポートくらいなら私にも出来るしそもそもお前はドイツ語もフランス語も私
が通訳してやって半分というくらいだろう。ラテン語をいつまで経っても憶えようとしない
のはお前だし運転だって私の方が巧いし……それは確かに感も技量も私はお前には
及ばないさ。だからと言ってだな、なんでも一人でやり遂げられるとでも思って――舐め
てくれるなよ! 生死の結果報告だけ聞かされる人間の身になった事でもあるのか!
 待たされる人間はだな……!」

 ……待たされる方は、溜まった物じゃない。
 本当に解ってるのか。その意味を。
 この国の言葉だって、何の為に、私がココまで熟練したと――

「セシル……セシルちゃん? ちょ……っと、マリア! マリアってば! ヤバいよこの子、
なんか目とか据わっちゃってるよ!? ベレッタ片手のシチリアマフィアってカンジで!」
「……ダメね、これ。もう決まっちゃってるわ」

 二人の声が聞こえる。頭の芯が熱い。
 何を口走っているのかもう、てんで理解出来ない。
 視界がぐらぐらと揺れて、
 ……駄目だ、持たない。

「……未熟は承知だよ。でも、私だって頑張ってるんだ。何をしてくれなんて言うつもりは
ないよ。だからもう少し、少しだけで良いからゆっくり歩いて――」

 意識は揺れて、そこで闇へ。

 教訓を刻む。
 ……飲み過ぎには、注意。
 

231 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/15 02:34


 静夜。
 末期の蟋蟀の羽音さえ際立つほどの静寂が包む夜道には、二つの人影
しか存在しなかった。とはいえそれは特別妙と言える状況ではなく、12時を
超えれば駅前の歓楽街以外は静まり返るという、ベッドタウン独特の特性を
考えれば、寧ろ当然とでも言うべき状況だろう。
 それは特に異質ではない――が。
 もし珍しいというならば、それは逆に人影の方というべきだ。
人影は正確には3つ。酔い潰れた一人を背負って歩く女性と、隣を歩く少女。
何れも純粋なコーカソイドを示す肌の色はただ、背負われる一人に限って
茹で上げられたような桜色に染まっている。
 桜色の一人はあどけなさを露出させた少女だ。制服よろしくワンポイントの
アクセントもないユニクロのトレーナーに、ハードな用途と洗濯に耐え切った
のだろう、使い込まれたジーンズ。左腕に結ばれた実用性一点張りのG-SH
OCKがヤケに目立つのは、持ち主の細腕にはあまりに不似合いな、ともすれ
ば無骨過ぎる錘に映るからだ。引っ掛けるように着ているツィードのシューテ
ィングジャケットも同様だろう。
 背負った女性は、長身の部類に入る少女よりも更に背が高い。グレンチェッ
クのシャツに配色も荒い暗色のジャケット、ボトムはジーンズといった服装は
必要以上にマニッシュだったが――なんとも得。必要以上に整った顔立ちは
ミスマッチを押し隠してしまう。
 隣を歩く一人。そんな二人を眺めてはにやにやと笑う少女は、軽やかに跳ね
るような脚付きで、なのに静かに過ぎる道を足音すら無音に歩いていく。

 ブロンドの少女を背負った女性と隣を歩く少女――こちらはカラフルなマル
チボーダーなニットとスカートで纏めたフェニミンな彼女は、静かに過ぎる道を
足音すら無音に歩いていく。
 なんの気紛れか、とんと跳ねるように歩調を変えたロングスカートの少女は、
隣の女性(と一人)を追い越すと、意味もなくその場でくるりと回ってみせた。

「ふふ、あーあ……楽しかったぁ」
「……なんか嬉しい事でもあったかい?」

 いやあね、と少女は微笑む。女性を先導して歩き、バーに隣接する駐車場
までを足取りも軽く歩く。普段から言っている寒いのが苦手――と言うのは冗
談でもなんでもなく、本当ならストーブの前に陣取ってココアでも飲んでいた
い所なのだ。
 そう、普段なら。
 心が温かければなんとやら、と言う精神論は、幸いにして本当だったらしい。
少なくとも今の私には。少女はスピードを落とすと、眠りこけたもう一人の少女
を背負って(顔色一つ変えずに)歩く女性に並び、その背にひょいと手を伸ば
す。か細い寝息を立てている彼女は未だ頬を赤くしたまま起きる気配はなく、
頬を突付いてもくすぐったそうに口を緩めるだけだ。
 少女はそれを見て笑う。変わらないなあ、と昔を思い返す。

「うん。変わんないねー、って。ホント」
「だから――」
 なにが、と言い掛けるのを制して、少女は言う。
「我等が妹よ。やー、これほど変わんないとお姉ちゃん嬉しくなっちゃうよ」
「微妙に体重増えてる気がするんだけどね。1キロ近く」
「なに言ってんの。成長期なのよ、この娘は。背も伸びたんだしオールオッケ
ーだって」
「じゃ、あんたが運ぶかい? 私もちょっと酔いが回っててね。そうしてくれると
助かるんだけど」
「ウワバミが何言ってるんだか」
 

232 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/15 02:35


 両手が塞がっていれば手は出せまい。ぺろりと舌を出すと、少女は意地悪
く笑う。ガキの相手はしてらんないよ――呟く女性は、それでもどこか楽しげ
に笑い返した。

「……ね、どう思う?」
「私はテレパスじゃないんだから、主語抜いて喋られると辛いんだけど」
「ニブいなぁ……さっきの話だって。セシルの言ってたヒト」
「アレがどうしたって? 別に私はプライベートがどうこう言うつもりは無いよ」
「じゃなくてさ」セシルが目を閉じていることを確認。触れた体温と首筋に当て
た手から脈拍を計測、確実に眠っていることを確信する。「結構デタラメなハ
ナシだよね、アレ」
 女性は一拍だけ間を置いて、
「さあね。あんたも私も――この娘だって、人の事は言えないよ。どうせ外道
の道行、常道から外れたなら、コトの大小は問う意味がないさ。この娘の知り
合いにサタンが居たって私は今更驚かない」
「ふうん。ま、それは――ね。認める」

 少女は思う。
 ともあれ、妹が今という時間まで変わらずに生きてきてくれた事を感謝した
い。今と今の相克。離れて遠ざかってしまった距離がこうして近付いた事が、
この上なく嬉しい。
 嬉しい、が――

「あ」
 小さく舌打ち。聞き付けた女性が厭そうに少女へ目を向けた。
「……なんだい今度は。忘れ物したなら歩いて帰りなよ。私達は先に帰るから」
「違う違う、そうじゃなくてさ」

 ぱたぱたと手を振って、少女はホラ、とばかりに周囲に視線を巡らせる。訝
しげに少女の辿った視線を追って――そして、女性は不機嫌そうに髪をかき
上げた。

「ちっ、参ったな。……相当アルコール回ってるのかね」
「セシルに逢えて舞い上がってたんじゃない?」
「認めるよ」

 軽く肩を落とす女性に「そうそう」と頷くと、少女は続いて「あーあ」と大袈裟
に溜息を吐いた。表情は相変わらず笑顔のまま、そこには微かな苛立ち、
燻るような憎悪が――「楽しかったのに水を刺された」とでも言わんばかりの、
子供のような憤激が表に露出する寸前と言った感情が浮かんでいる。

「折角の気分だったのに残念閔子騫。……ううむ、今日は死神さんもお休み
なのかな」
「或いはこの街に着たばかりとか。私等と同類だね」
「うぇ……やだな。何で今日に限ってそんなの来るかなぁ……」
 

233 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/15 02:36


 周囲には何もない。周囲には人気がない。無人と言う点では御都合極まり
なく、狭い路地は建設途中のビルと夜は無人となる商店街で挟まれている。
ゴーストハウス探検には持って来いの、取って付けたような無音と無人が意
図したように造られている。
 結界のような静寂に、二人は不機嫌を露にする。
 二人の不機嫌の理由は、呟きからきっかり10秒後に飛んできた。
 いや、「跳んで来た」。
 方角は上、頭上。弾丸のような勢いで、何か、とんでもなく素早い、真っ黒な
――それこそ「何か」としか表現の方法が見付からないモノが、夜気を切り裂
いて二人の頭部を叩き潰さんばかりに降って来た。
 巨大な蝙蝠の墜落とでも比喩した方が早いようなソレは、ただ。
 ただ――

 二人に触れる事すら、なかったが。

 コンクリートの床すら穿つ轟音落下。人間の形程度なら、接触の一撃で粉
砕する加速と衝撃ではあった――当たれば、の話だが。
 急襲した影の着地点半径5メートル内に、一切の気配は存在しなかった。
 高い空の月代、明らかになる影の顔。
 獲物を目の前から見失って狼狽する"彼"を見下ろすように。

「――うわ、臭……臭っ!? やーもー、ちょっとなに? ヴァンパイアってこ
んなに臭かったっけ? 見るの久しぶりだけど」
「生活水準の低いヤツなんだろうさ。貴族ってツラでもないし、この街に住み着
いてたらセシルの言った通りに殺されてるし。じゃあ、新参者で正解ってとこか
ね」

 動揺と怒りに縁取られた形相を事も無げに見下して、二人――呉服屋の屋
根の上、舞台役者さながら堂々と佇む少女と女性は、"最初からそこに居たか
のように"存在していた。

「て……手前ら!?」

 牙が剥き出される。ヴァンパイアをヴァンパイア足らしめる称号――人間の
造詣に不釣合いな、一対の鋭く長い犬歯。黄色く汚れたそれに唾液を滴らせ
たまま、「彼」は二人の軽口に……それ以上に今し方の現状に納得が行かな
かったのだろう、二人が自らの急襲に屈しなかった事実に声を荒げた。跳躍し、
一飛びで屋根の上に飛び上がる。
 そして。
 二人は――それを"当然のように無視した"のだが。

「まぁ、いいか。死神さんへのご挨拶を兼ねて、私がお掃除させてもらうよ」

 女性は言うなり、担いでいたブロンドの少女を両手で抱え直す。続いて、隣
の少女に(やや強引に)その身体を押し付けて――「え、私?」――一匹、ヴ
ァンパイア、つまり"彼"へと対峙する。
 

234 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/15 02:38


「ちょ、ちょっとちょっと! なんでキミが――」
「「なんで酔ってる貴女が」って? だからでしょうが。ほら、先に車戻ってて。
あんた、アルコール入った人間に運転させる気?」
 問答無用で車のキーを放られて、少女は(ブロンドの)少女を抱いた逆の手
で慌ててキャッチ、更に慌てて自分の前方に躍り出た女性に喰って掛かった。
「な――ななっ! まさか、まさかでさてはっ!? 最初からそのつもりだった
ね!? このうわばみ! 面倒臭がり屋さんめっ!?」
「当然でしょうに」
「ぐっ……く、今回だけだからねっ」

 これ見よがしに大きく肩を落として、少女は一人と一匹に背を向け、

「テ、メエ……なに勝手な真似」

 一匹は走り出そうとして、

「あ、れ」

 無様に、その場に崩れ落ちた。

「な、ななななな」
「「何で」とか「何が」か? ポキャブラリーが貧困過ぎるわ。私も正直もう飽き
たのよ、あんた等みたいなのは」

 一匹は走り去っていく少女と、自分を見下ろす女性と、女性の傍らに転がっ
た自分と、まるで"置き忘れたように"自分の背後に転がった己の右足と――
転がった自分、壊れた蛇口のように大量の血液を撒き散らす太腿から下、鋭
利に過ぎる断面を見て、転がった脚、千切れた、無数に断片に変えられた足
を見て、思い出したように、

「ああ、ああああああああ!?」

 絶叫した。

「お、お俺の脚、あああ脚っ!? 脚っ、足千切れ、れ、お、おおお前、女っ」
「必要ないんじゃない? どうせアンタ死ぬんだし」

 そこで、女性へと視点は移転。

 彼女の眼差しは微笑みから嗤笑へ。虚ろを秘めた口に浮かぶのは、如何
なる者をも解体して胃の腑へと送らんばかりの獣の貌。
 琥珀色の視線は、獲物を冷淡に見下ろす。一瞥とは言わず、ただし凝視す
るとも言えない数瞬。そこにはただただ侮蔑の色だけが浮いていた。
 理解不能の状況に慌て、思い出したような激痛に見舞われたのか、"彼"は
女性に血走った目を――元より紅いヴァンパイアの瞳に毛細血管が浮き出
るほどの激怒を宿した――向けて、

「とりあえず口は閉じなよ、小物」
「こっ――」
 

235 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/15 02:39


 絶句した。
 女性は冷淡な――所か、呆れ果てた、とでも暗に語るニュアンスのセリフ
で、彼の罵倒の穂先を叩き折る。
 先に立ち去った少女二人は既に影も無い。飛び乗った時もあれほど容易
く移動したのか、と追想させる身のこなしはまるで猫。人間一人の体重を抱
えている事など苦にもしないで、一人は一人を連れ去っていた。勿論ソレは
女性が誰よりも知る所である。異端審問局がカタリナ派第一会員、紅のクレ
ア。純粋に殺し合う場であるならば、彼女に追随するモノなど人間は愚か、
それ以外の種にすらおいそれとは存在しまい。
 だから彼女は何の希有も抱かない。今やるべき事は一つだけだ。
 舞台には一人と一匹。アルコールの入った女性と、足の千切れた黒いケモ
ノと。
 荒い息を吐くケモノを面倒そうに睥睨して、女性は組んでいた両手を解く。
 細く長く、白磁の陶器のような白い十指。指を一本ずつ動かすと――一本
が上から下へと動けば、次の指は下から上へ。それはまるで、歯車で連動
しているのではないかと錯覚させるような、自動人形の如き精妙動作。
 誰に暗示を掛けると言うのだろう。催眠術師の暗示にも似た、メトロノーム
の動作にも似た、正確に過ぎる反復を、女性は幾度も繰り返す。
 誰に――その答えはすぐに出たが、それが彼に理解できたかは別問題だ
った。

「まさかあんた、普通に走っただけで足が千切れるようなカラダしてるのかい?
じゃあ次は逆の脚も貰っとこうかね。せっかく私が遊んでやってるでしょうに」
「だ、な、馬鹿が、ば、」
「馬鹿はアンタよ。極論すると今から殺すから」

 だから理解しろ、と。
 女性の瞳が告げる。死を理解しろ。破滅を知れ。分を弁えろ――"銀に耀く"
双眸は、教科書に書かれた文章よりも正確に正鵠に冷淡に、端的な事実を
彼に押し付ける。
 擦れ違いざま、わずか一瞬。視認すら許さずに彼の足を切断したのは、
今日の月と同色の瞳を持ったこの女性だ。
 外法を行使した魔術師ならば気付いて許しを請うただろう。万古を生きた
長生種ならば諦観の念を以って己の不運を歎くか、浄土とは何かと思いを
馳せた筈だ。
 空気すら侵食するような魔力の流出など、もはや異常でしかないのだから。
 彼は幸いか残念か、そのどちらでもなかったが――祈りの時間が損なわ
れたのは残念だろうか。ともあれ、元より吸血鬼に祈る者など存在しない。格
の違いも、桁の外れ方も、異常と言う言葉の真の意味すらも理解出来ない
のだから。
 だから彼は、或いは幸せだった。
 だから彼は、ただ憤怒するだけだった。
 だから女性は、ただ薄く笑っただけ。
 距離は2メートル。
 絶叫を上げ、片足で――それでも乗用車の最高加速に達するような速度
で女性へと走り、爪を振り上げ、
 彼は、
 

236 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/15 02:40


「念の為言っておくけど――」

 彼は爪を振り翳す。
 女性の口上を遮る疾走。
 鉄板すら斬り裂く爪。コンクリートの壁すら穿つ腕(かいな)。
 超速と超重で振り下ろした腕は、女性の腕に振り下ろされた。
 鈍い音。人間の腕なら千切れ飛ぶ。
 人間の腕は脆い。
 人間の身体は酷く、脆い。

「あ、ひあ、あぁ、ああああああああぁうあううあっ!?」

 その絶叫はケモノに似ている。
 肘が砕けていた。内腕の血管は破れ、肘骨を露出させ、逆側に曲った肘関
節を見て、"彼"は掛け値なしの絶望を声にする。
 その絶叫はケモノに似ていた。
 人間の身体が、吸血鬼の身体を打ち砕く。
 上腕と肘の付け根。外に比べて脆いそこは、「人」という形から逸脱してい
ない吸血鬼にとっても同じこと。その一箇所、一際脆い骨の付け根、その一
点。針の目を通すが如く、千里先の的を射抜くが如く――
 "槍のように突き出された女性の肘打ちが、正しく神槍の一撃と突き立って
いた"。

「あー、あーあーあーあー……ったく、このクソ阿呆は」

 無造作に折れ曲がった彼の腕を掴み、女性はそれこそ容赦無く、それを、

「念の為断っておく、って言ってんのに、何でそこで割り込む、かな――」

 みちみちみち、と、
 千切って、棄てた。

「が――ぁ――っ――ひ、あ」

 呻く彼。ささくれ立った骨を肩口で露出させたままに喘ぎ喘ぐ息を白く吐き
出し、傷口を抑えようとした所を、

「寝な」
「ギっ……イ、っ」

 無事な腕を捻られ、直後に振り落とされた靴底が肩口に叩き込まれる。
 異音。
 それが一息で肉と骨を分割し、腕と肩を永遠に泣別れに――彼の場合、
「再生するまで」ではあるが――したのだという事実に直面し、それを現実
と認識するまでにはどれだけの時間が必要だったのだろうか。そして勿論
ながら、女性はそれを微塵も考慮しない。「彼が再生するまで」のプロセス
を与える気は、彼女にはミジンコのヒゲ先ほども存在していない。
 だから。
 深いビルの渓谷。
 白骨のような月が見下ろす闇の黄昏で。

「で、言い直すわ」

 感情と感慨を捨て去った銀の瞳が、絶望と恐怖と懇願と悲哀を浮かべた
紅の瞳と向かい合う。
 振り翳される白磁の両腕。

「念の為言っておくけど、抵抗すると嬲るからね」

 絶叫と、死が落ちた。
 

237 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/15 02:42

 質問レスへの返答、だが――
 長過ぎる上に何処が何処に対応しているか解らないという有様だが、既に
時間が時間だ。この辺りで退避させて貰おう。
 「レス返し」であるから、文章のバランスに然程は気を向けなくていいのが
救いではあるが、やはり見直すと無様で仕方ない。
 ……なんにせよ、反省は今度だ。

 ――失礼。

238 名前:名無し客:04/03/15 15:20

戦闘を書くのに気をつけなきゃならない事ってなんですか?

239 名前:名無し客:04/03/15 15:48

上くらいの量を書くのにはどれくらいの時間がかかりますか?

240 名前:名無し客:04/03/15 16:01

http://appletea.to/~charaneta//test/read.cgi/ikkoku/1063981092/n154-155
試してみませんか?
155が原作例です。

241 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/15 20:18

>>238

 戦闘?

 そうだな、若輩の身、偉そうに語る事など出来ないが……私で良いなら、少しは。
 と、
 む? すまない、少し待ってくれ。
 ……客人だ。後で返答させて貰うよ。

>>239

 これなら3時間程だろう。少々ダレていたのでね。
 様は気分次第だろうな。
 「筆が乗る」と言う言葉があるだろう。

 ……生憎と、私には楽しい酒の席でもなかったがな。


 それでは……一度外させて貰おう。

242 名前:あかいあくま:04/03/15 22:08

……………相変わらず凄いわね(苦笑

三時間……三時間か……………・
思わず奈落に堕ちそう――――――だけど、気合入れなおして頑張るしかないか。

ん、じゃあ神父もがんぱって猫っぽい電波受信してね(微笑

243 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/16 02:10


 ぁ……う。
 ……。
 ……ふぇ?

 あ――ああ。
 ……あ、あれ?

 ……。
 そう、か。
 つまり、これは。

 ……すまない。
 少々……眠っていたらしい。
 生憎と、身体がはまだ日本に馴れていないらしくてな。
 どうでも良いが目が覚めてすぐに聴かされた音楽が「にるう゛ぁーな」というのは少しばか
り……その、気分がだな。

 さて。
 ……まず断っておくが、上の文は推敲も何もあった物ではない。
 文節の拙さ、視点変更の出鱈目さ、時間云々で言っても誉められた物ではないからな。
 もし上のモノを見て「戦闘」の話が出たのなら、正直私は紅顔するしかない。
 幾らレス用とはいえ、見直せば粗は端から端まで出てくる。
 文章としては『紹介』を遠回りにやってみただけだったのでな。詰め込み過ぎて破綻して
いるという有様だよ。
 とりあえず答えさせては貰うが、適当な例を書いている時間がない事を予め詫びさせて
貰えまいか。明日は少し出掛けたい場所があるのでね。
 ……なに、日本に来たんだ。
 私にも神社仏閣に道場鍛冶場、見て回ってみたい場所という物はあるのでね。
 

244 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/16 02:35


 戦闘、か。
 それが何を以って戦闘、と言うかは解らん。
 銃撃戦か? 剣戟か? 殴り合いかも知れんし、映画に見る巨大なバケモノの戦争かも
しれんな。そして、私は貴方の望む『戦闘』を知らない。
 まず、一般的に、だが――文章のみで戦闘を表現する、というのは、他者の想像力に状
況を委ねる、という事だ。交される刃の閃き、閃く銃火、炸裂する爆薬、乱れ飛ぶ空薬莢、
それら全ては、文章から想起して受け取り手が絵に変換する。……しない事もある、と言っ
ておこう。
 例えば、全く未知の分野の語彙と文で埋められていたら? 想像の余地が無ければ文を
撫でるだけになってしまう。
 可読性の問題があるからこそ、「出来るだけ解り易く」は重要だ。想像の余地を残すのは
重要だが、解り易く簡潔にする事で状況は想像し易くなるだろう? 尤も、淡泊になればい
いという物でもない。

 スピーディな展開を望んでいるのか、緊迫感に満ちた会話と行動が欲しいのか、それとも
淡々としたドライな状況を望むのか。文節と改行とその他諸々、絵という媒介を遠さずに文
章のみで記すからこそ、その見極めは重要になる。文章だからこそ心理描写の選択は比
重が重く、だがそれこそが利点になる。
 海外作家の作品が『戦闘』という点に於いて淡泊だと感じた事があるか? 元来、翻訳さ
れた時点で文章は翻訳独特の文体、「作品を伝える」事が主目的になる文に変わる。だか
ら余計にドライな文章だと感じる事が有るかもしれない。作者から訳者を通してのモノだか
らこそ、役者の腕が問われる所でもあるがな。が……基本的に問題はそこにはない。
 遠距離の相手と向かい合う二人のスナイパーの戦闘はどんな物か? 弾薬を気遣い、
地形を読み、至近距離の着弾に舌打ちする。逆に近距離のナイフ戦闘は「相手の行動を読
む」にしても感覚が違うだろう。心理状況もまた違ってくる。ここが一人称だったら、三人称
だったら? そこにも意識してみればいいだろう。
 先も例に上げたな。
 例えばSFはどうだ。「スターウォーズ」くらいは私でも知っている。日本のトクサツで、「ご
じら」も一度見た事がある。あれを文章にしようと思えばどうなる? まさか怪物の一人称を
選ぶ人間は少ないとは思うが、三人称にしても、怪物対怪物は純粋なパワー勝負だ。駆け
引きは寧ろ第三者である人間によって行われるべきだろう。
 だが、一番スピードに影響が出るのはセンスと文体だ。
 改行も語彙もテンポも、状況に合わせて使い分ける必要がある。顕著な差異を出したいな
ら、日常とは区別すると言うのは常套作だな。
 なんにせよ、舞台と人物だけ整えただけでは劇は始まるまい。
 閃きと味で構築する文章にも得難い味がある。どんな「戦闘」を望むのかは読み手次第だ
し、万人を満足させるモノなど存在しない。

 良いモノを作りたいのなら、やはり精進するしかないだろう。
 私がこうして語っている事すら本来は無為だ。批評と想像は全く違う。外からとやかく批判
しているだけでは何も始まらないし、そもそも鍛錬無くして戦闘には勝ち得まい。
 考えたモノを思い通りに文にするのは難しいし、批評するよりも創る方が難しい。
 そう、単純だよ。
 剣を修めたいのなら、剣を振るい続けるしかないんだ。
 

245 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/16 02:58


 戦闘、ね。
 人物の特性について少々話してみようか。
 例えば兄さんは? ふふ、いや、彼を例に上げるのは拙いのだけどね。私に取っての兄
さんは絶対だ。彼こそが全能で、彼こそが最も強い。故に比較対照としては実に馬鹿げて
はいるのだけど。
 まあいい、話がズレない内に話してしまおう。
 まず、君は兄さんの事を知っているかな? 所謂「版権キャラ」ではないから、全く知らな
くて当然だろうね。では簡単に説明しよう。彼は――
・人間でない者を摘み取るハンターで、
・銃撃、剣術、格闘に長け、
・変身能力を持つ、
・「クルースニク」と呼ばれる存在である。
 他にも「魔術への抵抗を持ち」「輪廻を永劫に彷徨う」等といった「設定」があるが、それは
スラヴ伝承に存在する「クルースニク」の特性ではないね。
 兄さんは「話」というよりはただ「戦う」為に在るようなヒトでね。背景に伝承しか存在しない
彼が特徴を纏うには、技量を選ぶ他になかったのさ。「版権キャラ」の特性はそれこそ、能
力から性格、原典に在るファクターの全てだ。だから「戦う」為には「目立ち過ぎない能力」
を背景にして、後は技量を糧にするしかないんだ。
 尤も、「変身できる」っていうだけである程度万能なのだけどね。

 ……参ったな。
 説明しておくにも、少々眠くて頭が回らない。
 もしも明日起きて支離滅裂だったら私は後悔するだろうが、その時は適当に読み流してく
れないか。どうせ与太話だ。

 さて。
 例えば、兄さん。
 彼は今上げたように、話の中では"大方の連中に対処出来る事になる"。
 話に於いて、彼のようなタイプの役所は主人公ないしは主人公の補佐、戦闘のエキスパー
トになる。一番近いのはボブ・リー・スワガーかアール・リーか、寧ろキス・オブ・ザ・ドラゴン
のリーかもしれない。小説全体から見た戦闘に仮定して話すと長くなるから、純粋に「戦闘」
に限ってみるとしよう。
 兄さんのレンジは近〜中がメインだ。加えて、物理的な攻撃がメインになる。身体能力は比
較的高いから、ある程度は常識を無視して行動も出来る。
 となれば、話の王道。「相手はそれと同等、それ以上」でなければ面白くない訳だ。
 ヒロインを助ける為の障害は大きいのが必然だろう? それが味付けという物だからね。
 彼が剣術だけのサムライだったなら、それこそ「如何に相手に接近するかを考える」ような
タイプになるだろう。これはハナシ全体にも影響する。魔術師だったら? ……実際に掌から
炎を生み出すような連中は知らないが、魔術師と言うのはつまり、接近して杖で殴り合うよう
な人種ではないのだろう? ならばミドルレンジないしロングレンジで相手の裏を掻き合うよう
な、或いは作を弄するようなタイプであればいい。
 戦闘に関して正面から戦えるタイプと、特殊な条件に於いてのみ強力なタイプは、違う。
 そうだね……

 例えば、私。
 例えば――
 私は何の力もない小娘だね。
 ナイフの扱いには少々慣れているけれど、プロから見ればそんなモノは児戯に等しい。
 けれど。

 このエーフィ・C・ハウサーは――実は魔術師だったのだ――と、しよう。
 そう、魔術師殺しの魔術師、とでも言おうか。
 「私には」「一切の」「魔術が」「通用しない」。酸の雨も炎の大火級も、「魔術」とやらを介し
てこの世に具象した減少の一切合切を――キャンセルする。往々にして魔術師は身体が虚
弱だろう? だったら私にも勝機があるかもしれない。私になくても、私の仲間が相手の魔術
師を殺すかもしれない。
 もしそうなら、その「私」は一定の条件化に於いては兄さんと肩を並べて戦う事の出来る状
況を作り出せる訳だ。
 更に、そうだな。
 私の手。
 私が「触れたモノは、なんであれ崩壊する」としよう。
 これは例外なく、人間ならば細胞が崩壊、無機物は一気に限界まで。
 ……いや、これじゃ甘いな。
 「私が触れたモノは、触れられた瞬間に死滅する」なら良いか。
 つまり、そうなれば私に「殺せない、壊せない物はない」事になるね。これは無敵だろうか?
 まさか。
 有り得ないよね。遠距離から射殺されれば終わりだし、そもそも近距離だったとしても私の
リーチと技量では相手に触れる前に殺されてしまうだろう。もし私がそうだったなら……そう
だな、物陰に隠れて必殺を狙うね。或いは、対象と打ち解けてから一撃する。
 こう考えると使い勝手の悪い「能力」だけど、それは「触れれば勝ち」だけど、「動かれれば
負け」の緊張感が演出出来る。相手が軍隊ならもうお手上げではあるけれど、それならそれ
で暗殺者として動きようもあるだろう。
 何も戦闘は能力の上下だけで行う方が面白いという訳じゃない。
 近年多く見られる「特殊能力」は、使い方次第で面白い事が出来ると思うよ。

 ……うん?
 今言った能力をホントに持ってるのかって? ・……さあ、ね。
 ……はは。
 まさか。まさか、だな。そ、冗談だよ、冗談。
 じゃ、この辺りで私は失礼するよ。随分纏らない文になってしまっているからね。
 

246 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/03/16 03:03

>>242

 って……遠坂さん? また珍しいお客さんが――ああ、もうあの悪魔とは間違えま
せんから勘弁して下さい。
 いや、ホントに解らなかったんですよ、あの時は。

 あ、いや。
 猫は別に電波じゃなくて――それも違くて、
 その、

 ああ、と。
 三時間……は、どの位だったかな。
 はは……よくよく考えれば時間なんて測ってませんでしたから、適当なんですよ。
 貼るのにも時間掛かってますし、止めてからまた始めてますし、だから――その、
あまりアテにしないで下さいね。

247 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/03/16 03:04

>>240
 ……悪い、ちょっと時間が限界だ。
 また、次に。
 原作は知らないけど、何とかやれそうな範囲ではあるしね。


 お休み。

248 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/16 03:26

 そうだ、一つ。
 私は主観的な意見を述べる事しかしていないし、そもそも正しいなどと思っていない。
 「どうしたら」というような質問には本来答えられない。

 ……今日はどうにも睡魔に負けてしまうな。
 もう少しマトモに書ければ良かったが……さて。
 これで失礼するよ。

249 名前:名無し客:04/03/16 12:42

>3時間
そうだったら本気で凹みますw

で、セシルさんへ。
今ならマリアさんに勝てますか?

250 名前:名無し客:04/03/16 19:01

そーいや、おととしの12月某日、天使召喚憑依があったそうですが、
審問部でその事実掴んでますか?

251 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/16 23:00


 ……。
 …………。
 ………………。
 …………………だから、
 ……………………イイ加減に、
 …………………………その音楽を、
 ………………………………止めろ――――――っ!

 ……ぁ。
 う……つ。
 ま、また頭に響い――う、っぐ。
 ……馬鹿者。
 誰の所為だと思っている、全く。
 そんなに聴きたければ自宅で聴けば良いだろう。
 徹夜明けの頭には辛いんだ、そのタイプの曲は。
 ……新作?
 ……死ぬほど楽しみにしてた? 1年前から?
 ……。
 ………解った。
 …………解ったから。
 解ったから、そんな目で見るな。
 良いから。もう良い。良いから少しヴォリュームを下げてくれ。
 

252 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/16 23:00

>>249

 ……さて。
 また、随分と下らない事を聞きたがるんだな。
 ……気を悪くしたなら謝ろう。
 だがな、私と彼女の能力差など訊いても面白くはないだろう。

 ふん。
 そうだな、マリアが本気じゃなく、手加減してくれて、油断しているなら……或いは、一発位は
入れる事が出来るかもしれないな。
 ただし……もしもそれが殺し合いの場であるなら、私はその直後に消されている。
 いや、そんな場であるならマリアに油断はあるまい。私は抵抗する間も無く殺されてそれで終
わりだ。技量でも魔力の内在量でも、恐らく私は彼女に及ぶまい。
 だから、だ。
 結論から言ってしまえば、勝てんよ。
 相性の問題もあるが、審問局で……いや、違うな。マリアを殺せる人間など、隅から隅まで探
しても数えるほどしかいない。機密上、詳しい明言は避けるがね。
 彼女が私を殺しに来るくらいなら、IRBMの射程距離に納められている、と告知された方が余
程マシだ。
 一つ、教えておいてやろう。
 魔法使いは臆病だ。
 燃やせないヤドリギからは、逃げるしかないと解っているんだよ。
 そうしなければ、泉の悪女に騙されたマーリンの後を追ってしまう。
 

253 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/16 23:07

>>250

 ……さ――あ。

 その前に訊くが、そちらの所属を訊いておきたい。
 ふむ……ふん、成る程。

 ……ああ。
 そうだな、確かに。
 審問局はNYの施設に於いて、強大な霊脈の乱れと共に桁外れの精神存在の現出を確認
している。
 あれは――

 ……何故、天使だと思う?
 いやなに、当時、私は現地赴任していたのでね。
 少々の事は知っているのさ。だが――あの時の異常は計り知れなかった。召喚されたのは
悪魔と、天使と――それと。

 ……まあ、良いだろう。
 答だけ言っておくなら、異端審問局はあの際に起きた天使の現出を一級秘蹟と認定した。
 現地で起きた霊気の乱れを抑える為に派遣された聖人が、その身に「サリエル」を降ろして
地脈を沈静化した。
 それが記録の全てだよ。
 他に質問は?

 ……宜しい。
 では、気を付けて帰ってくれ。
 ローマを出るまで"くれぐれも"、な。
 

254 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/16 23:15

 ……。
 マリアと、か。
 思い返せば――ふふ、そうだな。
 やはり、二度と戦いたくはない。
 あれは、痛かったからな。
 あれは――

255 名前:名無し客:04/03/16 23:17

>>253
NY?
日本国内と聞き及んでいますが?

はて……、何処でこのことを聞いたのか……。

256 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/16 23:36

>>255

 ……ふん?
 日本――日本でも?
 それはカレンツァの一件ではなくて――

 ……ぁ、
 あー、その、こほん。
 何でもない、冗談だ。

 で――
 ああ、うん、何だって?
 日本……日本、日本!?

 ……まさか、な。
 それは例のクリスマスだったかのハナシで、
 膨大なエーテルの流失が起きたとか何だとか、もしかしてアレはルシファー辺りが
起きたんじゃないか、なんて言うあの馬鹿げたハナシの事、じゃ――
 ないよな、幾ら、何でも。
 アレに関しては地脈の乱れで計測機が一時的に故障した、と言う事になってはいる
んだが、
 ……考えてもみてくれ。
 魔王だぞ。
 百年単位での高位の召喚者が五十人居ても、バエルを召喚するだけで地脈はズタ
ズタに成りかねないんだ。ルシファーなんて桁違いが起きた日には・……
 ……考えたくないな。
 そも、そんなコトがあったのなら世界は終わっていてもいい筈だ。
 多分……計測機の故障だよ。
 きっと、な。
 

257 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/16 23:53

>>254

 まず、初撃が避けられた。
 利き脚の右で踏み込んだ唐竹割り。筋肉の全躍動を最高効率に振り分けて
振り下ろした一心一殺の剣閃は、まるで私が敢えて外した――とでも言わんば
かりの無様さで、マリアの影を叩いて床に落ちる。粉砕した木塵が舞い上がり、
天上まで迸った。
(――馬鹿な)
 目の錯覚か、疲労の幻覚なのか。体勢は乱れず、刃筋は立っていた。
 なら、どうして。
 どうして、"マリアは動いていない"!?
 詰めた距離――近接する標的。切先までの六十センチが相対距離となる。
 視界の端、落ちた切先の真隣――そこには、無表情にこちらを見詰めるマリ
アの姿。一足一刀の間を侵しているという愚行は考慮しない。反撃を受けるより
先に倒せ。
 右足に体重を掛ける。
 床を抉った切先を翻す。逆袈裟に振り上げて腰から胸部へ薙ぎ払、

「――――――!?」

 震え、た。
 一瞬に満たない、その幕間。
 切先を振り払う先のマリアに視線を移して、そこに、私は、
 不可避の破滅を、垣間見た。
 確実に切先は標的を捉える。限界まで加速した死角からの一太刀を捉える
術はない。それは私の勝利で、ある、筈、なの――に。
 解ってしまった。それをすれば敗ける。そうすれば、私は死ぬ。根拠も理由も
無い直感は怖気と共に身体を侵食する。ギリギリまでぎりぎりと引き伸ばした
知覚時間の中で考えるのに、与えられた選択はただの二つだけ。どちらに従
うか。思考パルスが出る筈のない答えを求めて乱舞する。
 情報と状況を処理した理性が払えと言う。理由も根拠も無いのに直感は避
けろと叫ぶ。
 私は。
 ……拙、
 ――い。
 離れろ。
 危ない――離れろ、逃げろ、ここから、飛び退け!
 突き込んだ切先に力を込めた。床板の下、織り込まれた鉄製のパイプを木
刀で押す。その反動を利用して――些か強引に真横へ、
 飛んだ。
 理性と、直感。
 情報と、無根拠。
 響く烈音――舞い散る床。
 その光景は、こう言えば誰も否定しないだろう。
 爆薬の炸裂。
 マリア・C=ランカスターに踏み抜かれた床は、爆薬でも仕掛けられたかの
ように爆散して微塵と散った。無音のままに、無形のままに、予備動作の予兆
すらすらないままに、マリアは――正確精密に、"私が踏み込む筈だった位
置"を破壊したのだ。
 5メートルの距離を置いて対峙する。
 マリアの瞳が私を追走する。
 いや――最初から、全て、捉えられて、いたのか。
 だらりと下げられた両手は、微動だにせずに腰の位置にある。直立する両
足は膝すら曲げられていない。動いた予兆は何処にもない。
 どんな理屈だ。どんな魔法だ。どんな奇跡を使ったんだ。
 理解出来ない。
 把握出来ない。
 だが。

「……関係あるものか」
 

258 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/16 23:54


 強いのは理解した。だから何だ。
 倒すと決めた。
 足を半歩ズラし、晴眼の構えを取る。逡巡と小さな畏怖を捻り殺す。マリアは
応じるように左足を前に出すと、同様に左手を前に突き出す。
 それはまだ、構えとも呼べないマリアの構え。審問局正式の"天地陰陽"を
用いない以上、彼女は本気ですらない。
 静寂。不意に訪れた間隙は幾瞬か。
 破ったのは私だ。
 突き出した足を支点に、姿勢を背後に引く。右手で柄を保持して左手を突き
出し、刀身を伸ばした左腕に沿わせる。支点は左半身に、力点は右半身に。
弓弦のように引いた木刀の切先とマリアの喉を不可視のラインで結ぶ。
 片手平突き、『紅牡丹』の型。
 エーテルで覆った今の木刀なら、空気の膜を突き破ってチタンの壁すら突
き通す。
 動かないマリアを照準する。
 斬撃の軌道は線であり、一次元だ。構えという予備動作を身体強化でキャ
ンセル出来ても、初撃はあくまで一本の線として描かれる。踏み込み、叩き付
ける。だから或いは、その皆無に等しい隙ですら――マリアにとっては無駄な
動作なのかもしれない。
 だが、刺突。
 点を打ち付ける、0次元の一撃。
 線よりも遥かに視認が困難な刺撃は反面、ミートポイントも自分から突き出
す正面に人体が存在していなければならない。――その程度は問題ですら
ない。"私なら"、外さない。例え狙う個所が50メートル先に吊られた米粒であ
ろうと、一足の踏み込みで射抜いてみせる。加えて、無手の彼女は"避ける"
以外に回避手段はない――
 最早そこに実は存在しない。如何なる部位も虚と成す、肉壊魂殺の一刺撃。

「行くぞ。――覚悟は出来たか、マリア・ランカスター」

 返答はなかった。
 ただ――その口元が笑みに歪んだけで。
 それが契機だった。
 絞り続け、溜めに溜めた力点の力を支点へ解放する。浮かぶのは、ホット
ロードされた薬莢のプライマーに打ち付けられるハンマーのイメージ。
 5メートルの距離など無に等しい。私の刺突は、マリアの喉笛を食い千切
るように直進し、

「――チイッ!?」

 幻覚。錯覚、或いは――或いは!?
 切先が貫いたのは文字通り虚空だと知る。また――また、あの不可解な
現象。
 マリアは、やはり微動だにせずに――刀身の、
 真隣に出現し、

「潰れ、」身体を捻る。片手飛び込み突きの特性は体重を切先に全て込め
られる点にある。それはつまり、引き戻して再度突くには体勢を整える必要
があるということだ。そんなヒマはない。今、そんな余裕はない。だから――
力点となった右足を支点に変更する。足が着地するのと同時に、身体を思
い切り捻って、横薙ぎの斬撃でマリアを薙ぎ払う――「ろぉっ!」
 だ――が。

「――ほら、やっぱり薙いできた」
 

259 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/16 23:56


 返答は直後。
 嘲うような、声。

「え」

 空を切る木刀の感触。
 間の抜けた声を上げたのは、笑い声が飛んできたのが事もあろうに――
自分の真後ろだったからだ。
 首筋にひやりとした感覚が起こる。
 悪寒が手先にまで這い上がり切るよりも早く、

「マニュアル通りなんだよ、アンタは」

 足元の感覚が消失した。
 体重が何処にもない。
 根を払われた。
 真隣にはマリアの姿がある。
 真隣――真下。
 宙に浮いた私の首を片手で掴んだマリアが、そこには。
 つまり、つまりこういう事なのか、

「だから――それじゃ死んじゃうね」
「な――」

 エーテルを巡らせる。身体強化を優先して、知覚をシャットアウト。痛覚
を遮断して、
 視界が、黒く染まった。
 木片が閉じた瞼から目に入る。破れた床板の下、入り組んだパイプの
群に顔面を強打する。遮断した痛覚の中、自分の骨が拉げる不快感だけ
が全身を襲う――そう、つまり。
 つまり、マリアは私の突きを避けた直後、私の二段目を既に予測してい
た。後は単純。刀身が円を描くよりも早く私の背後へ螺旋し、首を掴み、
体勢の崩れた私に押し出す推力を加えてやる――抵抗のない棒を持ち
上げるのと同じだ。45キロに満たない私の身体など、彼女にしてみれば
綿とも変わらなかった、と、いう、事、

「か……っ」

 血を吐き出す。パイプが斑に血に染まる。
 まだ痛覚を消していたのは正解だった――だろうか。
 腹部に衝撃があった。
 体が浮く。強引に床から引き剥がされ、木片を道連れにして、私は空中
を数メートルも滑って壁に叩き付けられ――塗れた布が剥れるような音
を残して、ズレ落ちた。
 ……折れた。
 骨が折れた。背骨は恐らく無事だが、肋骨と胸骨が恐らくは取り返しが
付かないレベルで粉微塵に粉砕された。戦闘不能――否。
 ≪アリエルの手≫を練り上げる。アストラル体の一部を変質させて生み
出した無形の意識端末で胸郭内を探って原形情報をサーチ、ぐちゃぐち
ゃになった骨と内臓の一部を寄り合わせ、継ぎ合わせる。
 ツギハギの骨でも、立ち上がる事さえ出来れば戦える。
 だって私は機械だ。
 機械は傷むが、痛まない。痛みなんて言うのは――人間が持ち合わせ
る感情だ。部品を交換すれば、修理すれば動く機械にとっての行動終了
は、目的を達するか、でなければ壊れた時だけだ。
 同じ。
 マリアも同じ――筈だ。
 

260 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/16 23:57

 ……やはりプロットも無く書くと拙いコトになるな。
 くそ。
 とりあえず一旦外すよ。
 コーヒーを淹れたいのでね。

261 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/17 00:09

 ……ファイアの、ゴールド?
 缶コーヒーじゃないか、これは。
 いや、買ってきた、と言われても、だな。

 ……まあいい。
 偶には缶でも良いだろう。

 だから。
 貰う、と言ったんだ。

262 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/17 00:15


 理解出来ない。把握出来ない。
 どうして――此処まで違う。
 審問局員が修める武術には、古今東西南北問わず、あらゆる戦闘の
統計が合理的に詰め込まれている。どう打つべきか、何処に打つべきか、
撃つべきか、討つか。拳を相手に叩き付けるという動作一つにしても研鑚
と研磨が連日繰り返され、辿り着いた極地が現在の技巧。
 それは"打てば破壊(殺傷)する"行動だ。体術、剣術、果ては銃撃まで。
 幾千幾億の人体行動パターンと肉体構成から分析された動きは、最小
の労力で極限の破壊力を――否。確実の殺害を生み出す。
 それはパターン化された行動の集積。相手が何をすればどう動けば良
いのか、蒐集された膨大なデータベースから検索し、ロードし、叩き付け
る。だからこそ、審問官同士の戦闘とは『どちらが素早く読むか』に依存
する。行く手先をも読んでおくチェスのような物だ。
 なのに――何故。
 同じ武術を修めている筈だ。コンマの知覚内で打ち合い、絶対の安全
圏から絶死の殺戮圏を生み出す必滅の武術を。
 相違点。
 違いは一つ。
 剣を持つ私と、徒手空拳のマリア。
 その差異は、徒手空拳の方が小回りが利く、等と言う安直な考えでは
測れない。
 無手。暗器すら仕込んではいないマリアは――そのまま、何の仕掛け
もなく、私の予測を全て廃棄してみせた。
 ……なら、思考速度が私を上回っているというだけだ。
 立ち上がる。
 胸郭の再構成と並行して、マリアの行動を読みに掛かる。例え動かな
いままでも、行動する一点が見えれば――後の千を取って、今度こそ、
確実に仕留めてみせる。
 ツギハギの心臓が脈を鼓ち始める。
 気を巡らせる。私の読みが甘かった。私のスペックなら、例え同じ"騎
士"だろうと倒せない筈は――
 その時、
 ちっ、と小さな舌打ちが聞こえた。

「まだ解んないのかい、あんた」
「な――に」
「良いさ、教えてやるよ」

 マリアは言って、
 姿を消した。

「ば――」

(――バカな)

 思考時間を引き延ばす。肉体の着いて来る事のない無限の思考時間。
身体は動かないが、無数の予測は立てられる。
 どんな仕掛けだ。何の奇策を用いた。右か、左か、上か、下か、
 ぞくりと走る悪寒に、反射的に反応する。晴眼に構えた木刀を逆手に握
り直し、「サムライ」が「セップク」するような体勢で、切先を脇から背後へ
と打ち込み――

「ハズレ」

 正面。
 声は正面――正面で、響いて、
 真正面。
 鼻と鼻が触れるほどの位置に、マリアは立っている。
 

263 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/17 00:16


「く……!」

 柄を引き戻す。柄頭で狙うは水月、この距離は、絶対に拙――
 まず、い。

「――うそ」
 呆然と呟く私を、
「残念だけど、ホント」
 マリアは、微笑で迎えた。

 突き出した柄。骨を砕こうと突き出したソレは、不意に突き出されたマリ
アの右手の先端に触れ――
 ただ、それだけで。
 川の流れが支流で分かれるように脇へと反れた。体勢は泳いでいる。
右手は脇へと流れ、ガラ空きの胸をマリアに晒して、

 ――息が、詰まった。

 一瞬だった。マリアの身体が視認不可のレベルで撓み、右足と右腰と
右肩が一刹那だけ機械のように連動し――気付いた時には、右の手の
平が腹に落ちていた。
 内臓が全部引っ繰り返った、と思った。
 胃液が逆流する。血流が暴走する。肉体の状況に縁のないエーテル
すら暴れ、全身が制御不能に陥る。
 剄――身体の間接部位のスナップを連動させ、各部分の螺旋運動か
ら生まれたエネルギーを一辺の無駄なく伝える事で対象を内側から破
壊する――審問官よりも、人外を相手にする騎士団の高位者に使い手
の多い技術だ。
 踏み込みもなく大きな動作もなく、マリアは自然運動から平然とそれ
を放ってきた。
 予想もしなかった。予測もしなかった。
 そもそも避ける事すら出来なかった。

「あんたはね」

 マリアの身体が沈む。動けない。体がいう事を聞かない。
 血を吐き出しながら腕を引き戻して、戻すままの勢いで逆胴払いの
薙ぎを放つ。
 マリアは――

「私の何手先かを読もうとしてる。機械みたいに、頭の中でパターンを
描いてどう動くかを考えてる」

 マリアは、沈んだ体勢を更に――ブリッジするように地面スレスレに
沈ませる。木刀が空を切る。予想出来なかった――出来る筈がなかっ
た。そんな行動をする人間が何処にいる――此処に、いた。

「それを繰り返していれば機械でいられるから――」
「ち、違――」
「――違わないね」
 

264 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/17 00:16


 切先を翻して激昂する私に、マリアは沈んだ体勢のまま告げた。
 直後。
 腹部が、無くなった。
 そんな錯覚を抱いた。
 木刀が手から離れる。
 身体は中空にある。
 翳る視界の中、には――片手を床に突いた逆立ちで、右足を振り上
げたマリアが。

(……蹴られた?)

 そんな茫洋な理解は無意味だ。
 朦朧とした視界の中、片手を突いたマリアは――そのまま、コマのよ
うに身体を捻ったから。振り上げられた足が側頭部を痛打する。足場が
ないままに蹴られ、抵抗も出来ないままに再度吹き飛ばされる。
 ……立ち上がる。
 木刀はなく、足に力は入らない。握力は虚ろで、視力も薄れて来た。
 けど、
 だけど、死んでいないのだから。
 死んでいないなら、戦える。
 壊れていないなら、私は。
 機械は、動くのだから――

「……あんたね」

 ぽつりとした呟き。
 ノイズのように残響する蟠りを残した耳でも、それは聞き取れた。

「痛いなら――痛いって言えば良いってのが解んないのかい?」
「……なん、だって?」
「ガキのクセに、未来全部が閉じてるみたいなツラ――すんな、っつっ
たのよ」

 マリアの姿が揺らぐ。
 視界がぼやけている、訳ではない。
 万全でも捉える事の出来ない、陽炎のような彼女の歩方――それが
『天骸廻覧』と称される移動術である事に、それこそが彼女の本来の戦
闘である事に、漸く思い至った。幽鬼の様に真正面に出現した彼女を、
もう不思議とは思わない。
 私とマリアの違い。
 剣と拳の違いは失せて、拳と拳。
 これは――同じだろうか。
 違い。
 違いは――まだ、在った。
 私は私で、マリアは――マリアだという、事。

「少しは――」

 腹に打ち込まれたのが拳なのか膝なのか爪先なのか、
 それすら、もう、解らない。

「ラクにしてみな、って言ってんのさ」

 身体を衝撃で弄うマリアが口にする言葉だけを聞きながら、私はただ
成すがままに打たれ続ける。
 何故、そんな事を口にするのか解らないまま。
 どうして――
 どうして、そんな優しい眼差しで私を殴るのか解らないまま、
 意識は、
 落ちて。
 

265 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/17 00:18

 勢いで>>221の詳細を再現したが、途中で『意味があるのか』と止めた、なんて。
 ……何とも良い加減な話だな、全く。
 尤も――これ以上続けても、ダラダラするのは目に見えているがね。

266 名前:名無し客:04/03/17 00:24

>>256
ええと、さらにはスラブ地方の伝承にある「不幸の主」と
「白い吸血姫」もそこに居たとか何とか。

出任せだとは思いますけどね……。
此処にゴシップ紙の記事が……。

ええと、『デパート「Festmahl」 オープン当日に全焼。テロの可能性も』
って見出しですね。

「……弾痕の種類は複数あり、単独犯ではないと考えられる」
「……証言ではそのときに火災はなかったにも拘らず、一部の階の床全体が崩落……」
「……空調設備が火災とそれに伴う崩落とは別の、何らかの外因で破壊されていたとの
一部の専門家の意見があり……」
「……空を飛ぶ怪生物を目撃したと言う複数の証言もあり、店内各所で起こった爆発の
際に幻覚物質が散布されたのではないかとの見解……」
「『俺は火炎瓶を投げまくる、マッチ売りの少女を見たんだよ!』」
「『当時、降雪は確認されていたが、気象レーダーによると雷雲ではなかった。しかし、
大規模な落雷が起こったときに生じる、強い電磁波が確認されている。だが、そんな
落雷があったのなら、周囲で停電が起こっているはずなのに、その記録はない』」
「……『屋上で何か白い大きなものと、同じくらいの大きさの黒いものがぶつかり合って、
混ざり合ったようだ』などと証言する者もいるが、散布された薬物による幻覚によるものだろう」

えーと、大体こんな感じの記事ですけど。

267 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/17 00:33

>>266

 記事……だと?
 ふむ。
 済まない、少し見せてくれないか。
 当時の事は良く知らないが、イタリアに居ても話は伝わって来たのでね。

 弾痕……火炎瓶の少女、怪生物、正体不明の落雷――
 ……む?
 白と黒の、大きな……写真が見辛いな。もう少し解像度が高ければ――

 っ、と、な、なんだ!?
 お……お前か。ど、どうしたんだ、急に。
 び、ビックリするだろうに――うん?
 貸せ、って――この記事をか? 構わんが……ほら。特に面白いモノでもないぞ。
ゴシップ雑誌の怪奇現象特集にも等し――な、
 な……お前、何をいきなり燃やして……!?
 世の為にならない? こんな本はインチキだから無い方がいい、って――
 いやまて、確かにイカサマには違いないだろうが、何を怒っている、貴様……!?



 ……済まんな。
 あの雑誌だが――その、返せない。
 資料として保存させてもらう事にしたよ。
 はは、いや、その、やはりもう少し審問局でも調べてみよう、とな。
 は、はは、あはははは……。

268 名前:名無し客:04/03/17 10:54

>>267
そーですか、まぁ良いですけどね。
スキャンデータは何重にも取ってますし、コピーもありますし。

その雑誌を取り込んだデータの一部をつけますから、
代わりといっては何ですが、「名無しの彼」の交友関係ってのを教えてはくれませんか?

269 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/18 21:56

 さて、ただいま。
 色々とPCの調整をしていてね。
 少々遅れてしまったよ。

270 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/18 21:58

 ふうん、なるほど。もしそれが例の「ファンタジー」に関してだったなら……そうだな。
 うん。
 ふむ……しかし、「ファンタジー」の定義としてはDRAGONFORCEよりも寧ろDRAGONLAND
だろうね。これが「ゲーム的」ならまた違うのだけれど。
 どうでも良いけれど新作の彼等はリズム隊が変わったのにどうしてまた爆走してるんだ。悪
くないけどギターの質に変化が感じられない気がしてしまう。
 バランスは良くなっているとは思うのだけどね。ギターソロだけは頼むから整えてほしい。
 個人的にはShade Empireが早く着てほしいな。

 ちなみに兄さん曰く、GRAVE DIGGERのRHEINGOLDで「KILL! KILL! KILL!」は必須らしい。
 コテコテならDREAM EVILのDRAGONSLAYERだね。
 「やっぱりファンタジーならシンフォニックか熱い魂でドラゴンを殺せ」、ということらしいよ。

271 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/18 21:59

 ……!?
 待て、待て、よ。
 私は……今何を口走った。妙な口調を――
 いや、それ以前に「兄さん」!? しかも未知の言語を……な、あ、あれ?

 ……疲れているのか、私は。

272 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/18 22:09

>>268

 すまんな、所要で任地を回っていたよ。
 ……しかし、周到な事だ。資料を保管する立場としては当然だろうがな。

 ……ふむ。
 データを、か。それはそれで魅力的だな。アイツには……良いだろう、アイツには内密にさせて
貰うとしようか。少しばかり悪い気がするが、止むを得まい。
 それで、"アイツ"の交友関係、か?
 生憎と、プライベート煮までは食い込めないし……こちらの国の事はアイツ本人に訊くしかない
だろうから、私の解る範囲、それと機密に食い込まない範囲になるが、構わんか?

 ……ふむ。
 まあ……良いだろう。

 騎士団でのアイツの立場は微妙でな。審問局からは逸れモノか厄介モノとしてしか認識されて
いないが、騎士団では任務の際に斥候的な役割を果たす突撃要員として認知されている。
 ランク上位の任務優先で送り込まれる事が多いのでな。必然、団長や各部隊長との関わりも
強い。有名なのは突撃部隊長のジョン・プレストン、八槍七秘蹟のガエタノ、後は……教皇直轄
の対吸血鬼部隊、「チーム・クロウ」の面々と言った所か。
 ……後は、
 ちっ……後は、あれだ。
 埋葬機関、という組織があるのだがな。知っている? ふん、そうだろうな。私達と同じ立場にあ
る筈なのに行動が派手で仕方ない。あそこの修道女……というよりは、殺し屋か。
 通称で「シエル」と呼ばれている女と面識があった、筈だ。

 これ以上の上位はランクAの機密になる。アイツ自身だけでなく、関わった先のな。
 保身を叫ぶ訳ではないが、了承してくれ。

273 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/18 22:14

 ……枢機卿、落ち着かれて下さい。

274 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/18 22:24

 ……兄さん、落ち着いてくれないか。頼むから。
 幾らそわそわしてもEDGUYもICED EATHもインフレもすぐには来ない。
 まあ、けれど。
 EDGUYが7月、インフレは9月……ICED EATHが解らないのかい?

 ……ふむ。
 うん、いやね、インフレとEDGUYなら私も行くよ。
 何でって、インフレは記念になるし……今回のEDGUYだよ? ツアー中
にもしもトーマスが着たらどうするんだい? だろう。私もこれは外せない
という訳さ。ふ、ふふ……いや、そう考えると少しだけ楽しみじゃないか。

275 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/18 23:18

 テスト。
 似合うかな?

276 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/19 04:41

 厄介な設定だ、まったく。

277 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/19 04:43

 こうしてこちらには書けるのに向こうでは二重カキコ扱い。
 妙な物だ。ファイルの設定が残ってしまって邪魔をするのか。

278 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/22 12:57


 兄さんから教えて貰ったんだけど。

http://www.jvcmusic.co.jp/-/Discography/A005462/-.html

 ……有り得ない。
 有り得ないだろう、キミ。
 インギーに散々言われたのは解ったよ。
 だがね。
 だが、キミはアンダーソンすら越える気かい?
 越える、超越、コレは寧ろ越境だ。三曲目はいつも通りだとしても、一曲目と十一曲目。
 ふむ……ふふ、そうか。そういう事か。
 「ネオクラに傾倒したラプソ」や「メロデスじゃないインフレ」を表現したいんだね?
 解った、その意見に賛同しよう。
 B!でインスピレーションを色々な場所から受けた、というのは聞いたけど、そうか。情緒不安定な
までのこの方向性は、そういう事か。
 解ったよ、うん。
 

279 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/03/22 23:28

 ディメゼロの「This is hell」で、「Silent darkness」が「さいれんだっかー」に聴こえる。
 微妙に意味不明。

 それはそうと最近はメロハーに良作多し。
 輸入盤も少し漁るか……。

280 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/03/22 23:29

 ていうかモダンヘヴィ系のメロハー。時代の進化って凄いなぁ……。

281 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/23 13:45

 Heavenlyを聴いて、感想。
 ごめんインペリ。キミだけじゃなかった。
 でもこっちのが好きだ。

282 名前:名無し客:04/03/23 18:19

>>文章
漏れも大賞に投稿しようと小説修行中です。
ただネットの批評系サイト見てると、自分の文のまずさが泣けてきます(死
どうやって書いてくべきでしょうか……。

283 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/23 20:35

 ふむ。

284 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/23 20:36

 ただいま、やはりホラクルは名作だね。
 わざわざ兄さんに借りた甲斐が有ったという物だよ。
 図書館で聴く為に用意したカナルタイプのイヤホンもばっちりだ。

 で。
 ちょっと待ってくれないか。
 コーヒーを飲みたいんだ。

285 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆fFCROSSQsM :04/03/23 21:20

 ただいま。
 ゴメン、待たせたね。
 ついでだからお風呂に行ってきたんだよ。

286 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/23 21:31



         「答えて! フィー姉さん!」
        第一回:「語って! フィー姉!」

 

287 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/23 21:33


 ――てい。

(>>286の看板をナイフで斬割)

 ……トムかな?
 こんなどうでもイイ物を用意したのは。
 まあ、いいけれど。
 

288 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/23 21:39


 ココは「キャラネタ喫茶」であって、そもそもココは「好き勝手絶頂スレ」であって、この質問に答えるのが正しい
かどうかは解らないし、私が答えるのが正しいかどうか理解しかねる……が。
 「好き勝手」である以上、私が「答える」と決めたならそれも「好き勝手」だろう。語る事も主観的な「好き勝手」で
あると言う事を充分に理解してほしい。
 さて、それじゃまずは……最重要な事から。

 書こう。ひたすらに。
 書くんだ。それしかない。
 好い加減な返答だって? 悪いね、しかしそれしか言い様がない。

 批評される要素、とはなんだろう。私にはキミが気にしている批評の要素が解らない。
 ふむ、文章技巧だろうか? それとも作者年齢だろうか? それとも作品を渡して批評されたのかな?
 例えば作者の年齢であるなら……年齢なんて気にする必要はない。技巧なら? 磨けばいいだけだ。他人の
評価は受け入れる所だけ受け入れてしまえ。ただの非難であるならば無視して捨てろ。意味のない批判など言
わずもがなだ。批評と批判は違うんだ。良いかい? 現段階で評価を気にして足踏みしていて何になると言うの
かな。キミが曲りなりにも熟練者の極みを志す者であるなら、意味のない誹謗中傷など頭から抹消するんだ。
 自分の文章が未熟だ、稚拙だ、と思うなら、読者の視点から読み直してみるといい。
 批評系サイトを見て鬱だ? ふうん、だがね、批評を行える人物の小説とそうでない人物の小説、この両者を
読み比べた際、絶対的に前者が面白いと思うのかな?
 違うよ。これは明らかな否だ。何故言い切れるかって? そんな例を幾つか知っているからだよ。キミも経験が
あるのではないかな? 「読んだ小説を参考にしても、同じように巧く行く物ではない」とね。当然だよ。誰かを参
考にしても、丸写しでない限りはその作者と同じ高みに上る事など不可能だ。3冊4冊10冊100冊の小説から
「良い」と思った部分を抽出しても、それを捌き切れなければそんなモノは出来の悪いキメラに終わる。書評家が
面白い物を確実に書けるかと言えば、それは「否」でしかない。そもそも、批評自体は個人に依存する主観的評
価の蓄積だ。小説を読む事に長けた人間が五人いて、五人全員が「面白い」と思えばまず間違いないだろう、と
は思うがね。「誰が読んでも絶対的に面白い小説」なんて、私は訊いた事がない。
 だが、「面白い小説を書く」書評家は存在するとも。馳さんの小説は良い例だ。彼の小説は「面白い」。
 小説に「物語に」絶対は存在しない。1+1=2は存在しないんだ。
 キミが世界の神となって全てを創造する。後は他の神との力比べ、と言ったところかな。
 キミが作る世界。
 そこは空気の無い死に絶えた惑星であるかもしれないし、「物理法則が存在しない」世界であるかもしれない。
もっとも、後者を描くのは一苦労だけどね。
 

289 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/23 21:49


 これではあまりに不親切かな。
 ……ならばこうしようか。アドバイスとも言えないアドバイスだがね。

 物語の提示は情報の連続だ。
 世界を土台に人物を置き、そこで起きる事件や事柄をストーリーとする。
 注意点は……そうだな。
 設定を延々と語られるのは苦痛だが、語られ過ぎても困る時がある。クドいくらいの描写は使う場所を選ぶべ
きだ。以前にココでも語ったことがあるが、細かい説明描写はその人物の几帳面さや趣味、センスを表すには効
果的だが、それを突き詰められないのなら、或いは不完全になるのなら、描写は削るべきだ。
 会話のバランス、日常のバランス、戦闘のバランス、何もかもだ。
 日常生活の場で……そうだな、それが例えば長編の生活を舞台にした小説で、毎度の料理が何であるか、ど
う料理したか等と言われても、それがミステリでトリックにでも関係なければ私は特に必要とも思わない。戦闘で
あるなら、ボスキャラと雑魚キャラへの扱いは同等である訳はないだろう? そうだね、ココで言ってみれば、私
の兄さんならチンピラなど瞬殺するね。雑魚などは3行で射殺してしまっても構わないんだ。
 「書き過ぎる」パターンは細かく描写しているという強みがあるのだけど、「その場面」を想像するがあまりに端
から端まで書いてしまう。巧い人はそれでも相当に巧いのだけど。
 他にも文章で言うなら、「凄い」と思っても「面白い」と思えない事があってね。
 逆にまったく情報が足りていなかったり、情報の提示が「そもそも物語になっていない」なんて事がないかどう
かも見直してみよう。
 「基本的だろうが、それは!」なんて突っ込まないでくれ。そもそも、それ以上言える事なんて私にはない。

 ただ、重要な事を一つ。
 自分の武器を見失っちゃ駄目だ。自分の特技は、趣味は、確実に作品に生かす事が出来る。用はそれをどう
料理するかだけの話でね。それに、自分の書いていて楽しくない話は避けてしまってもいい。そんな所に力は入
れられないから。むしろ……そうだな、苦手な話を好きになれ、位で丁度いいのかもね。

 後は、そうだな。キャラ。
 キャラを作るのが苦手ならどうすればいいか? 作品を読もう。キャラクターとは何か。登場人物だ。文字でど
れだけ表現出来るかは限られているが、他者の思考に委ねられるからこそ、制限されるからこその可能性だっ
てある。
 キャラクターと言われて何を考える? まずは外見、口調、特性――設定。かくいう私が苦手なのだけど、「こ
んな口調はありえない」……なんて観念は取っ払ってしまっても良い場合すらある。
 無論、キミの目指しているのが芥川他のエンターテイメント外の純文学なら薦めない所か、声を大にして「止め
ろ」と言うけれど。口調など出尽くしていると言っても良いんだ、この時代には。
 一人称を考えてみようか。「私」「俺」「あたし」「儂」「己」「オレ」「我」――ちょっと奇妙なのが有っても、気にして
はいけない。出版社、ジャンルによってもこの分類は上下するけれど、とりわけ種類が多いのはライトノベルの分
野になるだろうね。みんなが「私」と言うのは流石に見ていて首を捻りたくなる。「私」は男性女性の両方に、「儂」
は主に男性の老人に……とはいえ、「儂」で「女性」で、「外見が少女」でも構わない訳だ。それを成立させる世界
観と設定ならね。……おっと、「キャラの為に作る世界観」ではどうかと思うけれどね。完全な「キャラ小説」、「キ
ャラクターを映えさせる為に全てが存在する小説」ならばともかく。
 キャラを記号で終止させてしまうタイプは、私は好きじゃない、とだけ言っておこうか。
 外見だけが特徴的では意味がないし、性格の一点だけが際立っていてなんになるだろうか。キャラの外と内を
描く事は必須だし……それが、キャラを重視した物であるのなら、なおさらにね。
 「キャラ」だけで語っても長くなるからこの辺りで打ち切ろう。また何かあったら一報してくれて構わないから。

 後は……そうだね、プロットも重要だ。
 もしもこれを作るのが苦手なら、粗筋……小説の裏表紙にあるような「引き」を意識した粗筋でなく、最初から
最後まで、「何があったのか、何をしたのか」を書いてみるタイプの粗筋をひたすら書いてみてもいいね。
 以前、こんな方法を話して訊いた事がある。
 まずは、何枚かの紙を用意しよう。カードのサイズに切って、そこにキーワードを書く。それは「勝利」であった
り、「秩序」であったり、「節制」であるかもしれない。20枚くらい有ればいいだろう。そこから5枚ほどを引いて、
それに沿ったプロットを組み上げる……なんて方法なんだけどね。つまりは思考ゲームさ。その時はタロットに
準じて組み上げる、なんて方法だったんだけど……済まないな、その部分の詳細を忘れてしまったよ。
 ともあれ、プロットをしっかりと組み上げられるようになるための練習は悪くない。方法の一つだと思うよ。
 

290 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/23 21:51

 完成したらこのスレに貼ってくれ……と、言いたいけれど、それは拙いか。
 うん、スレを一つ立ててそこに貼り付けてみる、なんてどうだい?
 期待してるよ。

291 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/23 21:52


         「答えて! フィー姉さん!」
        第一回:「語って! フィー姉!」

                END
 

292 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/23 23:23

 ……ふむ、久し振りに動いたか。
 ならばラジオでも流してみようかな。
 だが需要があるのかどうか……そうだな。

「23:45までに一つでもカキコがあったら流してみる」

 で、行ってみよう。

293 名前:名無し客:04/03/23 23:39

>ラジオ
ぜひお願いします。
ご兄妹さんのお気に入りの曲に乗せて。

294 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/23 23:50

 む……ううん?
 時計がおかしかったのか、済まない、今まで見ていなかったよ。
 丁度エラーも解消されたし、それじゃ流してみるね。

 あはは……クラシックは軒並みまだこっちのPCには入ってないから、お気に入り、とは行かないかも
しれないけど。
 それじゃ、始めようか。

 ……ちなみに、スレッドの「ラジオ」を期待してるのかな?
 それはそれで出来なくもないけど、ちょっとネタがないね、今は。

295 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/23 23:53

http://a1.inlive.co.kr:1580/
 ココに合わせて貰えれば繋がるよ。
 やり方は解るかな? 解らないなら説明はするね。

296 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/23 23:56

 ラジオ、か。
 そうだな。
 兄さん、何かネタはあるかい? ……眠い?
 もう、相変わらず交流意識の低い人だなあ。

 ……ま、いいさ。
 じゃあ、「お葉書」を一枚だけ。
 質問があるなら、一つだけ受け付けてみるよ。
 してみたいなんて奇特な人は、0:10までにご一報を。

297 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/24 00:01

 これからの予定。
・現在〜1:10=メロパワ/メロスピ。
・1:10〜2:00=メロデス。
・その後(予定無し)
 予定無しの時間に起きていて、何か聴きたいなんて奇特な人が居るならリクエストを受けてみよう。
 マンソンやらニルヴァーナくらいなら辛うじて移行してあったりするよ。R&BやHIP HOPは少ないけれど。

298 名前:名無し客:04/03/24 00:06

質問!
エーフィたんは眼鏡っ子ですか?
喋り方とか見てると三つ編み+眼鏡の知的な子ってイメージがするんですが。

299 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/24 00:13

 ……盛大に時間が狂っているね。私の時計は今13分なんだ。
 キミに感謝。修正しておこう。

 さて。
 私がメガネを掛けているか、か。確かにメガネを掛けていると文学系ってイメージが得られるのかも
しれない。どうなんだい、兄さん。私がメガネを掛けたら似合うと思うかな。
 似合う? ……そんな投げ遣りな返答は嬉しくないよ、もう。

 ……やれやれ、それじゃ結論だ。
 生憎だけど、私は普段はメガネを掛けていない。ただ、兄さんと同じでね。何か細かい文字を追う時
は掛ける事もある。勿論、ちゃんと視力の調整をしたモノだよ。
 縁が厚めの、ちょっとばかり私の趣味には合わないデザインではあるのだけど。
 髪型はショートのシャギーと言えば解り易いだろうか。今は鬢の辺りだけ伸ばしているのだけど、さ
て……昔は長かったのさ、これでも。三つ編みが出来るくらいにね。
 ただ――そうだな。
 誰かの代用品にされて愛される、なんて――いや、愛して貰えるとしても、そんなのは厭だろう?
 だから私はこの髪型なんだ。
 尤も……ふふ、もっと鮮やかなブロンドだったなら、私も考えていたかもね。

300 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/24 00:31

 さて、オハガキは完了……で、イイかな?

 とっ、と……。
 おや、最大リスニング数で9人か。凄いね。
 トラックを一周させたら適当に複数ジャンルから推薦してみようかな。

301 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/24 00:47

 さて、コーヒーを入れてくるとしよう。
 その間……は、そうだな。
 このまま何もしないのも芸が無いし、質問をもう一度受け付けてみるね。
 1:00まで、3つ。もしもそんなモノが有るのなら、適当かつ気軽にどうぞ、だね。

302 名前:名無し客:04/03/24 00:48

先生! 聞き方を忘れてしまいましたっ。教えてプリーズ。


303 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/24 01:00

 ただいま、ゴメン。遅れたね。
 ええっと……聴き方は、
ttp://spill.jp/play.html
 ココを参考にすると早いね。私が説明するよりも効率がいいよ。
 そろそろ今の曲はラストのバラード、次に移る所だね。

304 名前:名無し客:04/03/24 01:03

まだリクエストは受けて貰えるのかね?
もしそうなら、クレイドルだかダニ・フィルスって奴を頼みたいのだが。


305 名前:名無し客:04/03/24 01:06

おや、さっきのバラードの日本語版?
なんかいい感じ。

306 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/24 01:08

>>304
 オーケイ。
 兄さん、CD出せる? ……うん、ありがと。
 それじゃ、次の曲、の――次。そこで流すよ。

>>305
 ビンゴ。
 日本語で歌ってるボーナスなんだ。
 結構自然に歌えてるのが驚きだね。

307 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/24 01:17

 個人で国家相手に?
 常に暗殺の危険性を恐れて戦闘するのかな。
 どのくらいの規模の国かは知らないけれど。

308 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/24 01:17

 ちなみに>>304クン、丁度今流れてるのがリクエストの物だよ。
 後は……そうだな、ファンタジーな曲でも。

309 名前:名無し客:04/03/24 01:22

ふむ…高木 渉氏に似ているとは思えんなあ。
声質と言うか、方向性は似ていると言えるかも知れんが。

310 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/24 01:23

 聴いてる人へ。
 次にちょっと、所謂、一言で言えば「ゴア」と呼ばれる物を流す、ので、その。
 出来れば音量を絞って貰えると助かる……というか、うん。
 気を付けて。

311 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/24 01:25

>>309
 ……ふむ?
 キミはもしかして……ああ、違うよ。
 高木渉さんに似てる、ってハナシが出たのはEDGUYのヴォーカルなんだ。
 よし、それじゃ次はそっちを流してみようかな。

312 名前:名無し客:04/03/24 01:27

>>310

⊂⌒~⊃。Д。)⊃
(↑予想以上だったらすぃ)

313 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/24 01:29

>>312
 あ、ら……あらら、ゴメンゴメン。
 でもこれ、ちゃんと人間の声なんだ。

 ……ほら、しっかりしてくれ。

314 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/24 01:31

>>311
 ちなみに、私は高木さんの声が解らなくてね。
 判断が付かないんだ。実際はどうなんだろう?

315 名前:名無し客:04/03/24 01:33

>>313
……う、いやビビりました、正直。
ふう。

で、>>311はこの曲ですか。
んー、僕は>309とは別人ですが……似てるって言えば似てますかね、高木氏に。

316 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/24 01:37

>>315
 ……いやぁ、ごめん。
 流すかどうかはちょっと迷ったんだけれどね。完全に兄さんの趣味だしさ。

 ふむ? やっぱり高木さんに似てるのか。
 一度声を聴いてみた方がいいかもね、これは。

317 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/24 01:51

 さて、と。
 次は……そうだな、一刻関連、で。
 以前セネスさんが兄さんと話していた曲でも。

318 名前:(こっそり。) ◆SmW2MARISA :04/03/24 01:52

……あー、陰陽座。

インディーズ時代のって無いか?

319 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/24 01:53

 あるよ。

320 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/24 01:54

 ……と、あらら。
 しまったね。新PCに変わってからまだ用意が出来ていない。
 済まない、勘違いだ。用意するには10分ほど掛かるね。

321 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/24 02:07

 ……済まない。
 兄さんのCDラックから一枚のCDを見付け出すのは……現状、難しそうだ。
 また次の機会、でいいかな。ちょっと、これは……ううむ。

322 名前:◆SmW2MARISA :04/03/24 02:10

ああ、別に構わないぜ。
いい機会だしあったら頼む、って程度だったからな。

まあそれじゃ、適当に聞いてることにするぜ。

323 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/24 02:16

 すまないね。
 探せば見付かる……とは、思うのだけど。

324 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/24 03:07

 さて、質問も出尽くしたかな?
 聴いている人はお疲れ様。
 セットした分が後は延々と朝まで流れ続ける……と、思うけど。
 リクエストがあるなら、5分程度の内に受けるよ。なかったらシャッフルでも掛けて2千曲程度は
用意しておこう。
 それじゃ、また。機会があればこんな事も、ね。
 お休みなさい。

325 名前:名無し客:04/03/24 03:14

良い夢を、お休み。

326 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/24 03:15

 それでは、今宵のお付き合い――お集まりの皆々様に感謝を。
 司会と解説、DJ等は私……Evi Chloe Howserが務めさせて頂きました。
 お休みなさいませ。この夜の眠りが、皆様にとって安らかな物でありますように。
 さて。私が休んでも音はこのまま。
 朝までのお付き合いは、カオスに撒かれた幾許かの音楽で成すでしょうから。

327 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/24 03:15

>>325
 うん、それじゃあね。
 「いつかまた」と言っておこうかな。

328 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/24 09:17

 すまないね。
 まさかそちらでリクエストが有ったとは思わなかった。
 Slipknotが多いのはシャッフルした時に偶然多くなかったからかもしれないな。
 個人的にはメロディの整ったギターソロが多い方が好きだから、この類は「巧い」けれどジャンルと
してはラウドとしてしか捉えられないな。勿論嫌いではないけど。

 ……さて、おはよう。
 それじゃそろそろ終わりにするとしようか。
 また、今度。
 機会があったら聴いてみて。
 じゃ。

329 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/24 14:18

>>289
 不意に見直したんだけど、一つ。

>無論、キミの目指しているのが芥川他のエンターテイメント外の純文学なら薦めない所か、声を大にして「止め
ろ」と言うけれど。口調など出尽くしていると言っても良いんだ、この時代には。

 これは「芥川賞に挑戦するのを止めろ」と言っているのではないからね。
 ジャンルにはジャンルに合った文体、内容が少なからず存在するからさ。
 流石にあそこには突飛な口調は合わない、と思うのだよ。

330 名前:282:04/03/26 20:35

おぉ、どうもでした。
改めて考えると基礎なんでしょうけど、考え直す必要がありそうな場所がたくさん…。
ちなみに芥川じゃないんで(笑、ラノベ志望です。

ついでに質問です。お兄さんは吸血鬼を見ると男女問わず殺意が湧くそうですが、
次の内で彼が「綺麗だ」と思うような該当者は?

「月姫」のアルクェイド・ブリュンスタッド
「ヘルシング」のセラス・ヴィクトリア
「人捜し屋(マンサーチャー)秋せつらシリーズ」の「姫」
「吸血殲鬼ヴェドゴニア」のリァノーン
「吸血鬼のおしごと」の上弦
「魔法先生ネギま!」のエヴァンジェリン
「吸血聖女キリエ」のキリエ

…「闘争」に出てきたキャラだけじゃないですがこのへんで。
セラスさんだけ新米吸血鬼ですね(爆
上の方々に順位など付けていただければ。

331 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/27 17:59


 無論、基礎は重要さ。そこを欠くからこそ基盤がしっかりしないし、それさえ疎かに
しなければ結果は付いてくる。
 プロットだけでもその重要性は然りだよ。

 ラノベ志望? ふむ。
 ライトノベルと言うと、下読みさんが大変な数に及ぶ筈だったかな。
 何処に出すにせよ、礼儀は忘れないようにね。読み手に負担が掛からないように、
原稿が破損してしまわないように、は確実に。原稿用紙を用意してそれにプリントし
て、なんて手間は持っての他だ。フォントサイズにも気を付けると良いね。

 兄さんへ? へえ。
 ……吸血鬼の、女性?

 ……さあ。
 そういうことは私の管轄外だ。ヴァンパイアと言えばブラム・ストーカーな認識しか
ない私に何を尋ねても無駄じゃ……ないかな?
 

332 名前:セシル・ヴィルキエ ◆fFCROSSQsM :04/03/27 18:17


 む……お前か。仕事帰りか? お疲れさま――だが、丁度良かった。
 話がある。少しそこに座れ。
 ……何の用だ、だと? 良いから座れ。話してやる。

 さて――ここに>>330一本のテープがある。
 ……何かって? ああ、今聞かせてやるとも。

 貴様には……さぞかしなじみ深かろう。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 ◆審問官0365番による調書、対象「00000」

 対象「00000」の供述を記す。以下

『なんだ? 吸血鬼の……女性が、ああ。待て。なんでそんな事を審問局が――』
『解ったよ。で、誰がなんだって?』

■対象「00000」より返答、以下を参照

・アルクェイド・ブリュンスタッド/「綺麗だと思う。だが敵であって(以下数十行略」
・キリエ/「可愛いとは思う……が、待て。いやだがしかし、勿論排除すべき(以下百数行略」
・セラス・ヴィクトリア/「(上に同じ)」
・「姫」/「菊地系」
・リァノーン/「データでは知っている。排除するべきだ」
・上弦/「データがない。とりあえず殺せば良いんじゃないか?」
・エヴァンジェリン/「データも見た事がない。会えば殺すと思うが」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 ……さて。
 「審問局員による局員、および騎士団員への意識調査」――憶えているか?
 ほう。

 なんだ? 数人へのこの言い訳がましい供述内容は。
 "まるで会った事があるような"口ぶりだが? ……有り得ない? ……そうだろうな。そうで
ある筈だ。当然だな、解っているとも。そんな事は「有る筈がない」からな。そうだろうとも。

 今、目を逸らさなかったか?

 まあ、話を移そう。
 言い訳がましい、という事実は変わらんからな。
 言い訳じゃない? ほう、ならば本気で言っているのか、貴様は。
 冗談? ほう、随分とまた洒落にもならない冗句だな。
 会えば戦うから問題ない? ほう、それならば良いのだがな。ああ、なんだ。安心してくれ。
幾ら私でも貴様がそんな節操を弁えない人間だとは思っていない。ただ確認して置きたかっ
ただけだ。何を? さあ、何だろうな。何でもないと良いな。

 ……所で、だ。
 まだこのテープは私の所に来たばかりで保管に移行していない――つまり、まだ騎士団に
も審問局にも出回っていない、という事だ。ココまでは解るな? 宜しい。
 では……デパート前の大通りにクラシックなバーがあると言う事実は――知っているか?
 知らないか。そうか、ふむ、そうだろうな。



 ほう……そうか、悪いな。
 一人で入るにも気が引けてな。何せ高い。
 なに、貴様の好意は忘れんさ。有り難く受け取っておくよ。
 どうした? 肩など落とすな。酒の席は楽しくあるべきだろうからな。

 そうとも。
 続きは向こうで聞いてやる。
 

333 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/27 18:41


 ……さて、一日空けてしまったね。
 返答が送れて済まなかった、と言った所だけれど――元々ココは「好き勝手」な
場所でね。返答が無い事すらあるかもしれない、とは言っておこうか。

 しかしアレだね。
 私は今日、図書館で本を読みながら音楽を聴いていたんだ。
 図書館、であるから……必然的に静かだろう? だから、書店で流れているよう
なヒーリングミュージックでも聴きながら、と思ったんだ。
 不覚だったね。
 気付いた時には意識が睡魔の彼岸に落ちていたよ。
 クラシックはまだ起伏があるから言いのだけど……ネオクラシックのヒーリング
やエニグマは危険だ。お陰で1時間近く無駄にしてしまった。
 いや、拉致されなかっただけ良かったかな? ふむ、図書館でそんな行動に至
る人間はいない? ふふ……まあね。でも、確かにそうかもしれないけれど、兄さ
んに心配は掛けたくないからさ。
 

334 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/27 19:17

 突発テスト放送。
http://d3.inlive.co.kr:3380/
 ポップロック他色々かな。

335 名前:名無し客:04/03/27 19:52

ザ・ドリフターズ(ドリフターズ)
1964年結成。ハードコア・ダブ・ユニットの先駆けとして60年代後半のアンダーグラウンドシーンを席巻。
1967年、方向性の違いからリーダーIkariaとギタリストYasushiOnoが対立。
Yasushiは当初メンバーだったG-Yoshidaらを引き抜き「ドンキーカルテット」を結成。
Ikariaは残ったChar(Dr.)、他バンドに在籍中のCo-G(G.)、Chu-Arai(Key.)、Boo(G.)らを誘い「ドリフターズ」としてユニットを再編。
69年にはビートルズの前座を務めるなど華々しい躍進を遂げ、72年のアルバム「Gather 8:00」、翌年の「Zoom-Doco Songs」でその地位を不動のものとした。
その一方で、以前からフロア志向を公言し、シカゴハウス・ムーブメントに強い関心を寄せていたChuがユニットから離れ、代替メンバーとしてDJ.Kenが起用される。
77年にはブリット・プログレッシブを強く意識した問題作「Die Back Show」を発表、以後レイブを中心に活動。
84年の東京レイブは、停電による暗闇の中での五時間に及ぶアンプラグド・インスト演奏で伝説のアクトとなった。
1985年、Ikariaは「全てをやり尽くした」と言い残しユニットの活動を一時停止。
以降は散発的にユニットとしての活動を続けながら、それぞれのソロ活動が目立つようになる。
DJ.KenとCharは「Cut&Ken」を結成、日本におけるノイズシーンを牽引。
ハワイアン・フォーク・サウンドに強く傾倒していたBooはCo-Gと共にアンプラグド作品を幾つか発表した。
リーダーIkariaは俳優業に転じ銀幕の舞台で活躍。
ハリウッド進出も果たし今後の活躍を期待されていたが、2004年に癌により死去。
ジャパニーズ・アンダーグラウンドの帝王と呼ばれた巨匠の死とともに、ドリフターズの40年の歴史にピリオドが打たれた。


少し前に、こんなコピペを発見。感想をどうぞ。

336 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/27 20:16


 凄いね。

 きっとリーダーのIkariaはパンクな方向性を打ち出したグランジ系の長として君臨していたんだろう。
そう、今日放送されている「Ikaria追悼番組」は彼等の歴史を改めて振り返るように順に時間を辿って
行くんだ。その構成は余計は感情、思い入れを拒絶するクールな物だ。レアとか突飛なトラック(コン
ト)はない。あくまでもこのグループが残した最良、代表曲(コント)を歴史と共に記録しようとする確固
たる意思が伝わってくる。
 初めて彼等の音(コント)に出会う世代――つまり私達がその世界観に惹かれ、また、この音(笑劇)
でしか表現出来なかった物に強烈なシンパシーを抱くのも当然だ。だからこそ超然とした存在であっ
て欲しかったし、心臓であった彼が星になってしまった今、地上の"一部の"醜悪な音(笑い)との関係
は触れる事すら相応しくもない。
 総集編の幕は最終結したメンバーによる「Good night Ikaria」で降ろされる。
 実に美しい物だね。
 

337 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/27 20:18

 暫く目を離していたのでね。すまない。
>ハワイアン・フォーク・サウンドに強く傾倒していたBooはCo-Gと共にアンプラグド作品を幾つか発表した。
 個人的にはこの一文に目を惹かれた。大した物だよ。
 もう少し私もドリフターズに詳しければ多少は語れるのだけれど。

338 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/27 21:07


 ……気付いたら曙戦が始まっていた。
 

339 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/27 21:33

 時折PCに触れている状況だけれど、見逃しがあってゴメン。

 ちなみに今流れていた曲はドヴォルザークの「新世界より」をアレンジしてメタルに組み込んだ
モノでね。コーラスがイタリア語というのも中々に魅力的だった。

 さて……また暫く外すよ。
 それではね。

340 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/27 22:03

 ただいま。

 住人かい?
 ふむ。確かに居るには居るのだがね。流石に朝からコーヒーだけだったので、思考が鈍り過ぎて
いたのさ。よく図書館から家まで持った物だと感心するよ。
 カロリーメイトで済ませてしまおうかと思ったら……やれやれ。兄さんが味噌汁など作ってくれて
いたとはね。彼の用意してくれた物だ。頂かない訳にはいかない……という事で、食事を摂って来
たんだよ。

 ちなみにK-1は兄さんが好きでね、私はどちらでもない。ドリフは別の部屋のテレビで楽しませて
貰ったから、特に問題はないよ。

341 名前:名無し客:04/03/27 22:07

結果は――――――

お仕事で見れなかったのよ(死

342 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/27 22:09

 被らない物、はない……とよく言うけれど、コレは正しく事実だ。
 誰かしら何かしら、読んだ本からインスピレーションを受けている。
 とはいえ、これが先のように「小説で投稿したい!」という状況だと、拙い事になる場合がある。
 例えば……そうだな、
 「ホワイトアウト」が出た直後に、テロリストが雪山に篭る話、は拙い。
 「パラサイト・イヴ」が出た直後に、ミトコンドリアの氾濫的な物は拙い。
 これが作家と作家なら、時折「被った話」は見掛けるのだけれどね。一般的に言って、審査側は
「これはこれと」と思う作品を切り捨てる。これが広く知られたプロットなら話は別なのだけど、それ
が特徴的な物だと話が違ってくるんだ。「パクリ」と判断してしまうから。
 もちろん、何より必要な条件は「面白い事」ではあるのだけど。

343 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/27 22:10

>>341

 ……お疲れさま。
 結果と経過くらいなら教えて上げられるんだけど……それじゃつまらないかもね。
 

344 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/27 22:16

 現在の曲は廃盤になったヒルデガルト・フォン・ビンゲンのアレンジ。
 21:00以降の書店に流れているのが似合う曲なのだけど、ネオクラシックとしても
非常に高品質だ。エニグマに比べてもエキサイティングな所は欠片もないけど、逆
にその静けさこそが私は大好きだね。

345 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/27 22:46

 暇かな? よく解らないけれど……少なくとも中学生は気楽だよ。
 今年卒業の3年生は更に気楽だ。高校入学までの間、取り立ててする事がないんだから。
 私は2年生だから、普通はそう行かないのだけどね。

346 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/27 23:08

 ふむ、それは日常で行っているからね。何を予習するか、にも寄るのだけど。
 我が家では生憎と姉さんは既に高校生だ。
 参考になる人間は以前の話、アテにはならないかもね。

347 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/28 00:26

 ふふ、そんな事で怒りはしないよ。
 実際に私は子供なんだから。兄さんに認めて貰えもしない、14歳の子供だよ。
 「居ない」というよりもココを見ていないだけじゃないかな?
 本を読んでいるかもしれないし、テレビを見ているかもしれない。かくいう私もお風呂に
入っていた所だから。
 ……ふむ、気付いたら音楽が終わっているね。
 適当にまた流してみようか。

348 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/28 00:28

 いつか陰陽座のインディーズ時代を期待していた彼女がいるなら流すのだけど。
 ふうむ……今日はケルト風の物にしてみようかな。

349 名前:◆SmW2MARISA :04/03/28 00:31

いるぜ。ちょうどレス書いてたとこだ。
そうだな、頼めるなら頼みたいんだが。

350 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/28 00:33

 おや、居たのかい?
 それじゃクリムゾンとハイツの予定を変更して繰り上げよう。
 適当に5曲程度でいいのかな。

351 名前:◆SmW2MARISA :04/03/28 00:36

ああ、具体的なラインナップは任せるぜ。
どのみちその頃のはよく知らないから希望の出しようもないしな。

352 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/28 00:36

 それじゃ開始だ。
 聴いていれば解ると思うけど、無論、今に比べればサウンドプロダクションの悪さは言うまでもない。
 当初は斗羅クンのドラムさえ無くて打ち込みだったほどだからね。

 では。
「――この世に不思議な物など、なにもない」

353 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/28 00:37

 適当に選ばせて貰ったよ。

 メンバーの内実に3人が本を好き。
 ゲーム好きなのは瞬火クンだけど、私に一番似た趣味は黒猫さんだね。

354 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/28 00:57

 ううん……一緒に聴いているのだけど、やっぱり思うね。
 この頃のギターは素直で好きだけど、やはり弾き切れていない印象を受けるよ。

355 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/28 01:09

 メタルとは違うけれど、近頃日本デビューした「マルーン5」が中々にいいと思ったな。
 キャッチーなノリと少し前の時代を思わせる音色を現代風にアレンジした作風は有りそうでなかった、
と言えるかもしれない。
 インペリ新譜のジャケはどう見てもTERROR2000なのだけど。

356 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/28 01:12

 さて、リクエストはこの辺りまでで良かったかな?
 とりあえずケルティックな方向にしてみたけど。

 ……そういえば、ケルティック・サークルにNIGHTWISHとWITHIN TEMPTATIONが入って
いて少し苦笑したね。尤も、その色は無いでもない、けれど……後者はともかく前者は色合
いが違うと思う。
 でも、クーフーリン・ラストバトルは結構好きだったかな。

357 名前:◆SmW2MARISA :04/03/28 01:14

>>354
へえ……私にはそこら辺の具合まではわからないな。
ま、私はただ聴くばかりだから無理もないが。

とりあえず感謝しとくぜ。結構気に入ったしな。

358 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/28 01:18

 私も特に考えて聴いている訳ではないよ。
 この夜中に歌っても何かを弾いても家族を起こしてしまう。増してこのジャンル、好むのは
家では兄さんにアンジェラに……案外と多いね。……まあ、いいか。

 インディーズ時代のモノでは、犬神サーカス団との合同プロジェクトとして「異形の宴」にも
参加しているね。ま、今からこの時代の物を買う、という必要もないとは思うけどさ。

359 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/29 00:06

 「DRAGONFORCE-SONIC FIRESTORM」。
 兄さんが置いていったCD、だけど。

 ……マトモな感性で作れるのかな、こういう音って。
 パワーメタル、というジャンルに於いてスピード、疾走感と言うファクターは必須要素ではないとは
言え、最重要要素に等しく列せられる事は間違いない。
 だが――だけど、これは、なんだろう。
 この、「ピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロ」
という限度を越えたキーボードの爆走に、デスかとでも疑いたくなるようなブラスト。メロディラインは
果たしてヴォーカルに記憶されているのか疑わしいとすら錯覚するような疾走に次ぐ疾走。
 前作よりもヴォーカルの声は通っているのだろうし、販売数に見合うだけの成長はある、けど……
なんなんだろう、この抜け切らないB級の香りは。
 DRAGONFORCE、確かに……これは、或る意味凄いよ。

360 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/29 00:23

 MACHINE MEN。
 ……メイデンなんだ、これ。
 ううん、随分と忠実な………………最近、私までHMばかり聴いてやしないか。

 ……いけないな、早目に元に戻らないと。

361 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/29 00:26

 しかし何処かで突っ込みでも入ったのかな?
 まったくキミの言う通りの意味で使ったのだけどね、蒼君。
 しかし掛け合い、ね。
 どうだろう、「会話分だけ先に作って後で強引に修正」なんて事なら、たまに使った憶えがあるん
だけど。テーマもなく会話するならこんなとか。

362 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/29 00:32


「うん? なに聴いてるんだい、兄さん」
「なにって……ああ、これは」
「メタルだってアンサーはナシだ。10割の内7割は確定してるんだから――名前だよ、それの」
「ふん? 珍しい事聴きたがるな。これは――こら、くっつくな。これはMACHINE MENの新譜で、」
「ああもう、良いから片方イヤホンを貸してくれないか。コレじゃ聴けないだろう」

「……ふむ」
「……なんだよ、その感想は」
「いや、また珍しく普通の曲だなって」
「あのなぁ、俺がいつもどんな曲聴いてると――それよりこれ、どこかで憶えがあるんだよな、聴
いた憶えっつーか」
「兄さん、気付かなかったのかい?」
「え?」
「IRON MAIDENだろう、これ。それも初期。PIECE OF MIND辺りの。フィンランド辺りのHR色を混
ぜたらこんな感じになると思うんだけど」
「……なあ、フィー」
「なんだい?」
「いつからそんなに詳しくなった、お前」
「……」
「フィー」
「兄さんの色に染まっただけだよ」
「誤魔化すな」


 ネタの解り辛さはどうでも良いけれど、これを兄さんか私の一人称にすると5〜10キロくらいか。
 板越境していて貼るのを忘れていたよ。やれやれ。

363 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/29 23:17

 曲は言うよりも聴いた方が速い……と言う物だね。
 という訳で、>>359。
http://d2.inlive.co.kr:2080/
 突発だけれど。

364 名前:名無し客:04/03/29 23:28

今気づいて聞いてみますた。


……やばい、買ってこよう。
つーか、こりゃ圧倒的だなあ……ギターもキーボードも。

365 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/29 23:34

>>364
 ……おや。
 まあ、それは良かった、と言いたいのだけれど……ううむ。
 テクニックで誉めるより前に出てくる言葉は一つ、
「速い」
 だからね。
「速いだけがなんだ! 俺達は速い! 俺達のスピードこそ正義だ!」
 とでも言わんばかりのこの凄まじい加速は。

 ちなみに一番影で功労者になってるのはドラムだね。元シンフォ/ゴシックバンド、BAL-SAGOTH
出身の彼は、パワーメタルでブラストを叩き込むという常識を破るマネを行っている。
 ギターは速い、けど……腕がどうか、と言われるとこれもまた首を傾げざるをえないのに、それを捻
じ伏せてスピードの洪水で全てを押し流してしまう。
 ……ライブでもこれだからね、彼等は。
 今年も来るのかな……。

366 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/30 00:13

 ちなみに次が(現在0:15)ボーナストラック……にして、多分最高傑作。

 後は適当に何か流してみようかな。
 ポルカな曲とか。

367 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/30 00:21

 という訳で、KORN-"did my time"。
 映画、「トゥームレイダー」の最新作のEDとして使われたようだね。
 ヘヴィシーンの先駆者としての実力は、やはり流石だと思うよ。

368 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/30 00:33

 順に説明を追ってみようか。
現在(0:34)から、順に……
・フレンチメタル(歌詞も仏蘭西語)
・メロウ・パンク(バイオリン使用)
・オペラ座の怪人(メタル仕様)
 だね。
 その次は"鍵盤魔人"、リチャード・アンダーソンの楽曲を数曲、"絶対歌神"、ヨルン・ランデの
モノを数曲……と。
 さて、説明はこの辺りで。聴いてる人は楽しめると良いんだけれどね。

369 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/03/30 00:45

 ……ふぅ。
 私にはDJの才覚が掛けているね。
 纏まりに欠けるけど、次は映画「フレディvsジェイソン」のテーマに使われた"How Can I Live"、
それとそのスペイン語verと変えるよ。その後は通常通り、で。
 わざわざ報告するまでもない事だけど、折角の好き勝手スレだ。こんな使い方も"アリ"だろう?

370 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/04/02 00:57

「……兄さん? まだ起きてたのか。明日は早いんだろう?」
「む……フィーか。ああ、まあね」
「何をやっている……と、ネット? ふぅん、どんなサイトを――ああ、やっぱり」
「何が"やっぱり"だ」
「少しは年齢相応の後ろめたいページの閲覧を希望したのだけどね。ふん、で、何処のバンドだい、それ」
「さあ。ああ、だけどホラ、聴いてくれ。このリフが……うん、良いんだよな。ヤバいよ。弾む展開のリフ構成
がたった5分の間にギッチリ詰め込まれてて……くそ、これでもうちょっと演奏が落ち着いてたらA級なの
に。俺評価90点オーヴァーってカンジ」
「確かに90年代後半のメロディ構築が見事……いやいや、だから私はメタルなんて趣味じゃなくて――だ
から、青田刈りは止めたまえよ。それじゃキリがないだろう?」
「なあ、フィー」
「なんだい」
「真剣な話があるんだ、聞いてくれ」
「本当に真剣なんだろうね」
「大マジだ。……あのな」
「ふむ」
「今このマウスをワンクリックするか、明日から1週間ジュースを我慢するか――」
「知らないね」

371 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/04/02 01:01

 ……解らないでもないのだけどね。
 ネットを探っていると、思わぬ掘り出し物に出くわす事がある。この時代、amazon.comという
味方が存在する事もあって、気軽に個人輸入だって出来るんだから。
 で、そのamazonで「残り一枚!」とか書かれてると、反射的にマウスを――

 ……はあ、兄さん。
 これじゃキリがないよ、まったく。

372 名前:名無し却:04/04/02 01:01

>明日から1週間ジュースを我慢するか――

そこでそう悩むってことは……甘いの、ほんと好きなんですねえ。
つーか体型維持が大変そうなんですけど。

373 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/04/02 01:09

 彼のローレル指数は極端に低くてね。身長175センチ、体重は常に70キロ前後をキープ――それは
まあ良いのさ。問題は、その体系が傍から見ると……いや、"傍から見ても"、まるで崩れた所がないと
いう悪夢の事実だよ。一応は中肉中背と口にするには相応しいのかもしれないけど、手入れをしなくて
もアレなんだから、ダイエットに気を遣ってる女性人の立場がな――
 ……ふん、女性の敵だろう? ちなみに――ちなみに私は菜食主義かつ最低限の運動を欠かせて
はいないから、別に悩んだ事は、
 その、
 ないよ。

374 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/04/02 01:13

 更に言うなら顔には問題ないね。私評価ではブラッド=ピットすら比較するつもりはない。
 序に言うならばブラッド=ピットを例えに出してもあの類の顔が好みと言うわけでもない。
 この場合の「問題ない」は、この私、エーフィ・C・ハウサーにとって一切非を打つべき場所がない、
という意味に限定するのであって、別の異性同性が見てどう思うかなんて知らない。ま、自慢すべき
兄ではあるけれど、秘して置きたいのは儚い女心という奴でね。
 何が言いたいのかって?
 そうだね、戯言かな。ただの家族自慢だよ。

375 名前:名無し却:04/04/02 05:09

神よ、この兄妹に幸有らんことを

エイメン



ところで…
神父さまであるところのお兄さん的には
「牧師さん」は、どうなのだろうな?

376 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/04/03 06:22

 おっと、一日振りと言った所だね。
 所用で少々外していた所だよ。気付いたら兄さんは寝てしまってこのザマだけれどね。私は私で
彼のお世話、と言った状態かな……等と言っては彼がグータラだと思われてしまうね。
 なに、折角の休みだ。コレくらいはしてあげたいんだよ。

377 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/04/03 06:25

>>375

 プロテスタントの聖職に着く者であれ、兄さんは尊敬するべき者は尊敬しているね。カトリックとプ
ロテスタントの対立は、それこそ神学を机上で争わせる人間の物だよ。
 兄さんにしてみれば、ただ人が安らいでいればそれでいいんだから。
 「どう」というのがプロテスタントへの立場表明でなく、カトリック的視点に於ける牧師は「どう」なの
か、ということなら、彼はそれこそ両者の呼び名の違いとでも言うだろう。無論立場や状況、守るべ
き節制の違いなどは幾多あれ、それは彼が意識するべき場所とは違う。
 兄さんは、それこそ――ね。
 節制が乱れているというのなら、それは今の世界にあるカオスだ。
 故に、自分のカオスさえ抑制出来ない自分の未熟こそが真に憎むべき物だ、って。

378 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/04/03 18:33

 ゴシック・ナイト。
 気が向いたならどうぞ。
http://r4.inlive.co.kr:4290/
 兄さん推薦の内省系で鬱なテンポとメロディを中心に。
 多分数時間は流してると思うよ。

379 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/04/03 21:50

 さて、と。
 DJ宜しく曲を選考してた訳じゃないけど……シャワーでも浴びたいからね。
 少し外させて貰うよ。リクエストでもあったらどうぞ。帰ってきた時にでも。

380 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/04/03 22:16

 ただいま。
 という訳で……、
 一連収束後は方向転換。
「ソード&マジック! ドラゴンスレイヤーとエメラルドの騎士! ファンタジー・エピック・ミュージック!」
 で。

381 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/04/03 22:25

 ちなみに収束は約8分後くらいになるね。

382 名前:名無し却:04/04/03 22:37

Pegasus Fantasy!

ちょっとびっくりしました。

383 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/04/03 22:38


 ちなみに今のは異色の曲だね。日本の……「Make-up」って言うのかい?
 そのバンドのカヴァーでね。
 日本の「聖闘士星矢 」ってアニメの主題歌で、「ペガサス・ファンタジー」って言うんだ。
 私はないけれど、もしかしたら原曲を聴いた事がある人がいるかもしれないな。

 バーンユア・コスモ・ダウン、エンブレイスザ・パワー・ユア・ソウル……。
 「セイント・セイヤ!」

 繰り返されてなんとも耳に残るサビとリフだね。
 ちなみに「北斗の拳」の「タフ・ボーイ」のカヴァーすら存在する。
 「このイカレた時代へようこそ……♪」
 わざわざ日本語を遣う辺り、日本のポップスに時折英語が混じる感覚なのかな。
 

384 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/04/03 22:39

>>382

 お、っと……おや、遅れたね。
 うん、ひょっとしたらキミは原曲を知ってるのかな?
 本来は全て日本語の歌詞なんだってね。
 印象的なサビが気に入ってね。偶にこうして聴いてるんだ。
 

385 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/04/04 01:30

 1:37の曲。

 ドラゴンを倒しに出掛けた勇者は一人の賢者に出会います。
 賢者は問います。
「お前は何処へ行くのか」
「ドラゴンを倒しに」
 賢者はフライングVを取り出し、叫びました。
「我が名はジーザス! ヘヴィ・メタル・サンダーストライキング・ジーザスだ!
 お前をこのフライングVで祝福しよう!」
 そんな歌。
 ヤケに熱いけど、正にヘヴィ・メタルだね。

386 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/04/05 00:13

 ポルカポルカポルカポルカ!
 ポルカ・メタルッ! 最ッ、強ッ……!

 ……なんで輸入盤のみなんだ、これ。

 爆笑しながら泣けるメタルなんてこれくらいじゃないのか。
 ネルヴォも良いけどこっちも……ううむ。


 文化庁はとりあえず滅ばねば。

387 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/04/07 02:41

 現在のジャンルの混沌性、未分化のまま膨れ上がった現状はなんともし難い、が。
 このまま好き勝手にされるのも面白くない。
 ……ま、今は見るだけでも問題はないんだけど。音楽に関しての日本の状況は、考えてみれば
数年異常前からカオスだったんだから。


 今日見たDVD。
 疾走チェロ集団(ドラム有り)の輸入限定版。
 某ドイツ音楽祭の様子が凄まじい。半裸のチェロ遣いが高速で弾きまくる姿は何ともはや。
 ……しかしまあ、あくまでチェロのインストに拘る姿勢は凄いと思う。ヴォーカルを入れない事が
ここまで独自性を引き上げてるし、独自の叙情性はヘタにヴォーカルを入れない方がいいとさえ
思えてくる。

388 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/04/08 00:10

http://a5.inlive.co.kr:5080/
 一応こっちでも。
 リクエスト順だけどね。

389 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/04/08 00:48

 MARDUKは兎も角BURZUMは時流にどうかと(ry
 まあ、現在のお勧めとしてはあの辺りかなっ、てね。

390 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/04/08 01:06

 その辺りの曲はコンパクトで完成度も高くて好きだけどね。
 「婦人」の辺りは特に。
 ただ、コンセプトアルバムに割り込ませるとまた違うかな、と思ってさ。

391 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/04/08 01:33

 この時間で6人。
 ……以外に聴いてるんだな。
 ビックリだ。

392 名前:名無し却:04/04/08 01:51

……いや、何?今の声の伸び方……。

393 名前:Kresnik ◆fFCROSSQsM :04/04/08 02:02

 民族色豊かだからね。
 通称「ヨッパライメタル」。
 いやあ、凄まじい。
 バンド結成の理由が「酔った勢いでギターでポルカ」なくらいさ。

394 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/04/09 00:49

 暫くは時間が、ない。

395 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/04/10 01:14

http://f3.inlive.co.kr:3070/
 例によってこちらでも。
 ライブ中。

396 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/04/10 01:55

 Story Of The Year。
 若手期待ラウドグループ。
 ……会場で跳ね回る姿も見たいな。
 姿勢的な「パンク」ってのも解る気がする。
 メロウな所がやっぱり今回のお気に入りだね。

397 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/04/13 01:16

 ……カゼ、治らないな。
 くそ。

398 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/04/13 01:22

 という訳で今日の「良かった探し」。

 NOTHER新譜、2曲目、
1:05「ふぁっきん」→1:05.5「あん」→1:06「ダァァァァァイッ!」
 この引き伸ばしが本気で最高。恐るべしリンドルース。
 ヴォーカルとしては間違いなくアレキシすら凌駕していると思う。
 カゼの辛さも吹き飛ぶスクリーミングに敬服したよ。

399 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/04/13 01:26

 「良かった探し」その2。
 DOMINE、"Emperor Of The Black Runes"を聴き直す。
 超エピックにして濃いを通り越した"漢"ヘヴィ・メタル。
「イヤァァァァァァァッ!」や「アアアアアアアアアアアッ!」
 のハイトーンを駆使するヴォーカリストの表現力は、B級中篇丸出しだった以前と比べれば
比べるべくもない進化を達成。
 ムアコックの世界観を表現した曲は原作ファンとしても純粋に嬉しかったり。

400 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/04/13 21:22


37位 Paul Gilbert (MR. BIG, RACER X)
38位 Jerry Cantrell (ALICE IN CHAINS)
39位 Mantas (VENOM)
40位 Jason Becker (DAVE LEE ROTH)
41位 Phil Collen & Steve Clarke (DEF LEPPARD)
42位 Mikael Akerfeldt & Peter Lindgren (OPETH)

96位 Alexi Laiho (CHILDREN OF BODOM)
97位 高崎 晃 (LOUDNESS)
98位 Michael Angelo

 ……納得、か。どうだろ。
 ソングライティング的な部分含めたら、テクだけじゃない気もするけど。
 しかしインギーは17位。……ううん。

401 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/04/15 02:38


 気に入った文章を保存しておく事が作品向上に繋がるか否か。
 イエス=20%
 ノウ=80%
 「会心の一文!」と思うような文列でも、作品を追ってきた人間にしかその重要性と感動は
確実には伝わらない。けれど、そこで興味を惹けるような文章はやはり重要だ。
 ……いや。
 重要というより凄い。コンテキストの中でどんなファクターを担っているかは、やはり作品を
読まなければ通じないだろう。だから――だけど、研ぎ澄ました刃で首を断つような一語一文
を綴れるのは凄いと思う。
 

402 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/04/15 02:41

 う、ん……ああ、まったく。
 中途半端な時間に目が醒めてしまった。
 兄さんのカゼが伝染った……訳じゃないとは思うけど、なんなんだろう、この気懈さは。
 コーヒーでも飲もう……。

403 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/04/15 02:45

 乙一さんの「ZOO」は楽しかったね。
 正に彼ならでは、だ。
 初期の頃に比べると、文章も随分板に付いて来た……ように感じる。
 余談だが、彼は今ジャンプ――知っているかな? 多分知っている筈だね。「週間少年ジャンプ」に
掲載されていたあるコミックの(半)ノベライズを予定している、そうだ。
 未だに追加情報はないけれど、私も一応チェックはしているよ。
 彼はライトノベルの認識の低さに憤慨した、と聞くけれど……どうなんだろう。少なくとも彼の文章は
嫌いじゃない。ジャンルが何であれ、面白い作品ならば私は大歓迎だね。

404 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/04/17 23:28

 中国人って凄いね。
 少林拳は最強だ。

405 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/04/17 23:34

 猫い。

406 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/04/17 23:35

 ちなみにエアロのタイラーが映画出演決定だ。役は「本人」。
 「ゲット・ショーティ」の続編、「BE COOL」をチェック。
 封切りは来年2月だけどね。

407 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/04/20 13:05

 ふむ……。
 「所詮は」なんて事はないと思うんだけどね。
 知名度の差だからね、版権とオリジナルの境界は。
 ともあれ巧く行くといいね。

408 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/04/20 20:12

http://p3.inlive.co.kr:3090/
 突発開始、だそうだよ。
 ……横着しないで自分で言えば良いのに、兄さん。

409 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/04/21 23:09

http://d7.inlive.co.kr:7020/
 民族風。
 ……とか、色々。

410 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/04/21 23:12

 ……はぁ、こんな場所で歌うなんて久し振りだったよ。
 ご拝聴、ありがとうございました……といって置こうかな。
 後は兄さん推薦の曲を。
 民族長……うん、こういうのは私も好きだね。
 テーマはキリスト教とイスラム教とユダヤ教と、それぞれの英雄の話。

411 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/04/22 23:55

 ……流石、と言うべきだろうか。夢劇場は凄かった。
 個人的にはMETALLICAのカヴァーが欲しかったけれど……いやいや、私は何を兄さんのような事を。
 ココは新譜が並べられただけでも良しとするべきだろうね。

412 名前:名無し却:04/04/26 12:05

以前の中国の人たち以外に友人知人はいますか?

413 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/01 23:21

 疲れ、た。
 すまない、正直今の今まで見逃していたよ。だが、どうあれともあれ、湯に使った後
身体がダルくてしかたないんだ。三半規管が一時的な麻痺を起こしているみたいで、
ちょっと休ませてくれないか。質問にはその後で答えさせて貰うから。
 ああ……多分、二、三なら、序でに答えるくらいの余裕はあると思う。好きにしてくれ
ていいよ。

 兄さん。
 どうしてキミはそうピンピンしていられるのかな。……アンプの調子がおかしいんじゃ
ないのか、あのクラブ……っく、キミが背負ってきてくれたのは嬉しいけれど、まだ耳
鳴りが続いてるよ。
 そもそも可愛い妹が偶の休日に「どこかへいこう」って誘ったら、普通はショッピング
なり散歩なり、もうちょっとマトモなコースがあるだろうに……いいよ、これ以上文句は
言わない。メアリ姉さん辺りに知れたら恨まれるだけじゃ済まないからね。
 ほらほら。折角お風呂に浸かってきたんだ。ちょっと寄り掛からせてくれないか。
 私は少し休むから、さ。

414 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/05 22:24

 妹、の定義。
 確かに私も妹だね。あのスレには相応しく無い気がするけれど。

415 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/05 22:25

 GW最終日にリアルタイムレス……ふむ、なるほどね。楽しそうだ。
 だが、よく考えてみれば時間にも余裕が……どうした物かな。
 とりあえず、>>412クン。遅れてすまなかったね。今からレスを帰させて貰うよ。
 少々だけ、待って貰えないかな? 少々……が、どれくらいになるかは解らないけれど。

416 名前:◆WEISS0lzjQ :04/05/06 00:53


 黒い夢を見る。
 全てを呑んで、落ちていく。



 まず、音が聞こえた。

 怒声だろうか。
 あれは悲鳴だろうか。

 手は生暖かい液体に湿っている。

 自己の感情は凍り、全ての現象を高く俯瞰している。

 赤を赤と判断する機能は在り、匂いを臭いと感じる嗅覚は存在し、声を煩いと思う聴覚は在認している。
 ならばこの状態は人間の諸機能を含んでいる。
 自分は人間なのだ、と認識する。

 そうして、解った。

 ここが発生源。

 鉄錆の匂いと愛顧と腐臭と愛情と、懐かしい残滓と生活の痕跡を目も染まる赤に塗り潰された此処こそが、

 俺を
 形作る

 故郷は

 赤かった。


 遠く、遠い。
 遥か昔。遠い昔に彼は、唐突に脈絡無く全てを失った。
 正に天災。防ぎ様の無い災害によって、彼は世界を失った。
 恣意的に仕組まれたような災害。人災に等しい悪夢。人災――確かにそれは人災と呼べた筈だ。自宅に押し入った
殺人鬼に家族を殺害されたなら、それは恣意に固まった災厄と言えるのではないか。
 相手が、人間と言えるのであれば。
 ドアを素手で引き千切り、鉄パイプを捻じ曲げるような異常を相手に、誰が立ち向かえるのか。
 天災。
 全てが終わって――自分の世界を失って、彼は唐突に悟った。
 どうして、こんな事をしているのか。
 どうして、自分は動かない両親を前にしているのか。
 どうして、目の前には、動かない、弟が。
 どうして、目の前の。
 目の前の障害を、放っておくのか。
 無造作に、唐突に。彼は理解した。
 理解し、障害を捻り殺した。
 どうしようもなく無造作に、どうしようもなく単純に。
 砕けた故郷。失った世界。どうしようもない運命の脚本が彼に与えた役割は、『道化』。
 故郷を護る力を有しながらにみすみす眼前でそれを失った彼は、正にピエロという他にない。
 運命、と称される筋書きがあるのなら、恐らくそれはマジックペンでパルプに書かれたような駄作なのだろう。
 遥か昔。遠い昔。
 彼は、ゴシップ誌よりも安いその脚本を破り捨てようと決意した。
 

417 名前:◆WEISS0lzjQ :04/05/06 01:00


 故郷とは自分が生まれた場所を指す――というのが一般的だ。

 「故郷忘じ難し」「故郷へ錦を飾る」――生まれた場所は忘れ難く、生まれた大地へ育った自分の威を以って華を飾る、
という意味の言葉ではある。それは判ずるまでもなく"故郷とは生まれた場所を指す"を派生元としている。物理的な根
源はいつも重視され――重視ではなく、それはもはや前提と言うべきだ。何処に発生したかは、どんな経路を辿り、何
処に辿り着いたとしても避ける事も逃げる事も出来ない宿命(楔)と化す。
 根源は付き纏う。
 故郷を想う、のなら。
 過去を想う――のなら。
 その過去が多くと同じように"想っても壊れないモノ"ならば良かった。
 なら――
 記憶にすら留めて置けなかった、記憶と成り得ない過去。
 表層意識に浮き上がる事さえ厭わしいと感じるそれは、やはり故郷と呼ぶべきなのだろうか。

 中華街と商店街を通り抜けて風俗街を抜ける。
 寒さの抜け切らない街では、未だに店から漏れる暖房の残滓が抜けきる事はない。快適というには程遠い風が髪を弄
っては通り過ぎていくのを無視して、アルコールの匂いが鼻を掠める細道を早足で抜けた。
 行き交う人いきれ――お決まりの遣り取り。耳を聾する雑多なノイズがリズムを奏でる。
 慣れ親しんだ筈の喧騒が気に障る事実に苛立って、慌てて頬を張った。
 ココは日本だ。住んでいるのは日本だ。生まれ故郷だ。話す相手は人間であり、知人であり、隣人であり、言葉の通じ
る守るべき人種だ。
 それを拒否するというのなら――それこそ、俺の居場所は何処に在るのか。
 返答は無い。居場所は無い。無い、無いのか。それは良い。何が良い。ならば何の為に帰ってきた。家族の為――家族
の。俺の、家族。

『ねえ、兄さん』
「…………くそ」

 家族。
 それは、誰だろう。俺にとって家族と定義するべきは、

「あっれー、神父さーん?」
「あ……え?」

 はっと顔を上げる。多分馬鹿みたいな顔をしていた筈だ。
 俯いて歩いていたのが災いしたのか、顔を上げて振り返ったそこに、いきなり顔が。女性。アジア系。
 記憶のデータベースと眼前の顔を照合する。見覚えがある顔の筈だ、確か――

「ああ、ルナ、か」

 元フィリピン人の娼婦。
 丁度彼女の背後に見えるビルの地下に誂えたバーで今はホステスをやっている――間違いない。

「む? むむむ? あー、なに? マジなの? まじまじ? ひゃー、久し振りじゃん。なぁに、いつ帰ってきたのさ」
「こっちは昨日だよ。あー……っと、どう、調子は」
「いつもどーりよ、あ、そだ。昼間だけど……どお、寄ってく? アナタが寄った事ってない筈だけど」
「え? あ、悪い、急ぐから」

 前より化粧の匂いがキツくない? 言うのは止めた。相手は人間なのだ。でなければ鼻の曲がりそうなツラを蹴り潰して
いるだろう。誰が? 俺が。相手が相手なら、だ。今は気にするな。
 そうだな、と心で返答して表情に笑みを貼り付ける。……俺は今、誰と話してる? 相手は真正面だ。勘違いするな。

「はぁ? 帰ってきたばっかでもう急ぎなワケ? なによ何処か女のトコ? 違うよね。だったら急ぐって……」言って、数秒。
俺の顔を見ていた彼女の表情がマッハの勢いで凍り付く。「――げ。あ、うん。ハイハイハイ、大姉のトコでしょ? 手ェ出す
とコワいからねぇ、オーライ、行っちゃっていーよーん」
「あー、その、ゴメン。今度埋め合わせ……」
「ふんふ〜ん、期待しないで待ってるよん、っとぉ……おおっ、ねえねえ部長サン、今日はヒマ? やーね、夜よ夜、うんうん、
待ってるからねー」
 

418 名前:◆WEISS0lzjQ :04/05/06 01:04


 最後まで言うべくもなかったらしい。
 既にターゲットを移行したらしい彼女に肩を竦めて、踵を返して方向転換。目的地への足を速める。
 風俗街を抜けると、呉服屋が建ち並ぶ問屋街に出る。
 呉服屋の隣に呉服屋、反物屋の正面に反物屋。その全てが――三十店舗を越える悉くが、断じてチェーン店や別館、分
店の類ではなく、別々の経営理念を持った店同士の共同体だ。そして、驚くべきだろう。そこに柵はない。店と店は平然と情
報を交換し、あまつさえ店の手伝いまで隣に委託するような光景はそうそうお目に掛かれる物でもない、と思う。
 まあ、もちろん、田舎町の光景だ――と言ってしまえばそれまでではあるが。
 迷路のように入り組んだ呉服屋商店街を行き過ぎると、大通りを挟んでJRの駅が見える。そこで一気に瓦葺の屋根は消
え、ハンパに開発された駅前が見えてくるという寸法だ。目指す場所は大通り手前。道路をギリギリで越えない、商店街を越
えた脇道に在る。
 町と街の境界――なんとも中途半端なその場所に、清鳳古物店は建っていた。
 清鳳古物店は古物店だ。古物店と名が付くからには当然なのだが、"古物店"自体が街から姿を消し始めた昨今、古物店
を古物店と言い切れる場所は少ない。ここは――そういう意味では伝統的な古物を扱う店であるにも関わらず、扱う古物の
範囲が特殊過ぎるのだ。
 新築のビルと改装されたホテルに挟まれて、背の低い――両側に比べれば、だが――瓦葺の屋根。
 いやに達筆で書かれた「清流鳳凰」の看板を掲げた古物店は軒先で古本を売り捌くという、1ヶ月前には施行していなかっ
た暴挙を決行していた。
 「一冊250円」とダンボールの切れ端に書かれた文字まで達筆で、お粗末な看板の材質に反比例してヤケに目立っている。
 いや、それ以前に。

「……古物屋だろうが、ココは」

 なに考えてんだ、一体。
 呟いて本棚に掛かった布を捲り(「万引き禁止。神罰を恐れぬ者は触れよ。裁きは■名■以■■■■■(掠れて読めない)」
と達筆で書き殴ってある)、ラインナップを確認する。

「あー、っと……「北斗の拳」「魁! 男塾」「シティーハンター」…………」

 全部一巻と二巻と三巻。男塾は明石だけじゃない。邪鬼が登場してないだけに中途半端過ぎだ。許されないだろう。少なくと
も俺は許さない。そんな男塾は認めない。
 嘆息。
 布を元に戻して木製の戸を開けると、むっと古物特有の香りが溢れてきた。
「失礼しまーす……うわ、またガラクタ増えたな……よう」
 店内の雑多さは凄まじい。土敷きの床には机が幾つか置かれ、更にその上にいくつも壷やらビンやら巻物(ちなみに今時珍
しい「本物」だ)が詰まれている。雑然としていて足の踏み場もない、とはこの事で、一瞥しただけでは即座に扉を閉めたくなり
そうな惨状ではあるのだが――"自称"古物屋マニアの妹にすれば、「好事家には堪らない雰囲気」、なのだそうだ。
 軽く辺りを見回して、久し振り、と片手を上げる。
 机と睨めっこ状態で集中していた彼女が振り返る。
 古物屋の軒先で古本を捌く暴挙を決行した人間。店内最深部、何がなんだか解らないガラクタ(驚いた事に高いらしい、それ
も破格に)を弄っていた「ソレ」は、俺が戸を開けて「久し振り」の「ひさ」まで言ったか言わないかの内に、

「あーっ!」

 ガタン! と何か重い物を打ち付ける音(机に何かを置いた音)に続き、ガタン、と少し小さめの音(椅子を引く音)が木霊して、

「あー、あー、あー、あーっ!」

 連呼する声は同音同句。
 ズカズカと足音も高らかに歩いてくるのは小柄な少女。黒縁メガネを引っ掛けるように付け、ジーンズの上にはTシャツ、更に
その上にパーカージャケット。全然似合わないサンリオキャラの前掛けを強引に縛り付ければ完成。誰がどこから見てもカンペ
キなエセ古物商スタイルの彼女(敢えて弁解するなら顔立ちは可愛い)――鴻韶涵は、ツカツカツカと俺の前まで「あーあー!」
と連呼しながら前進すると、
 

419 名前:◆WEISS0lzjQ :04/05/06 01:12


「あ、韶涵、ただい」
「――いつ帰ってきたのさ、アンタっ!」
「まぁづっ!?」

 いきなり六合蟷螂拳ばりの蟷螂手で点穴してきた。
 ノーモーションノーサンキューノーモアヒロシマノーモアナガサキ。

「が、あ、ああああああぁぁぁぁっ!?」

 結論。
 凄い、痛い。

「………………っ!?」

 ヤバい、死ぬかも。俺マジ死ぬかも。突かれた鳩尾を抑えて歯を噛み締めて、不意打ちくれた仇敵を睨み付ける。

「て、テメエ……いきなり何――さてはお前、格闘系のマンガとか読みやがったな!? コシ入ってたぞ今っ!」
 多分「拳児」あたり。
「大正解よこの野郎っ! アンタ電話の一つも寄越さないで1ヶ月間も空けてんじゃねーわよこのタコ!」
 逆ギレされた。
「たっ……」タコ、はないだろう。「……い、忙しかったんだよ、俺だって!」
「急がしけりゃ日本中のお父さんは家族に連絡の一つも入れないと思ってんの!? 企業超戦士サラリーマン舐めてんじゃねー
わよ、このヴォケ! 謝れ! 謝罪しろっ! アンタは今すぐ全国のお父さんに地面に額を擦り付けて土下座しろっ!」
「ボケってお前――いっ」
「口答え、」踏み込み、タメ、屈み――跳ねる身体が、「すんなあっ!」
 突き、刺さる。
「……、――ッ」
 今度は顎に衝捶だ。
 しかも割と洒落にならない角度で。
「〜〜〜〜〜〜〜〜!?」
「アンタに生き死にの理由はいらない! 全てアタシの気分次第よっ!」
「ど……どこの世紀末住人だ、お前……」
 モヒカンとかスキンヘッドで「ひでぶ」とか「あべし」とか言うアレ。
 ファミコンでは「ひでぶ」を取ると無敵だ。生憎俺はそんな叫び声を上げた試しはない。
 微妙(過ぎる)な引用で言い放ち、ふんと浅い胸を逸らした はこっちを見下してくる。
「……ったく、ホントなら七星天分肘でもブチ込んでるトコだかんね。感謝なさい」
 顎を抑えて悶絶する俺を頭から無視して、「お前はそこで乾いてゆけ」とか言わんばかりに韶涵。
 最悪過ぎる。
「感謝もクソも……」
 Tシャツを捲る。
「……うわ」
 突かれた腹の部分は痣になっていた。打ち上げられた顎はじんじんと痛む。
 ……恐るべしは格闘マンガ。凶器が堂々と書店に並んでいるのは如何な物か。ゴミ以下の『自殺マニュアル』や『麻薬ガイド』
に比べれば余程健康的ではあるけど。

「……ったく」
 

420 名前:◆WEISS0lzjQ :04/05/06 01:22


 息を吸って、痛みを抑えて姿勢を正す。まあいい、加速の付いた穿弓腿で顎を打ち抜かれなかっただけよしとするべきだ。
 自分で自分に頷いて、素直にゴメン、と謝った。

「悪かった。連絡は入れようと思ったんだけど、時間が取れなくてさ」
「だ……べ、別に謝んなくても良いよ、いまさら。最初にするべきなんだからね、そういうのは」
「解ってるよ、だから一応だ、一応……ん? なにやってたんだ、あれ」
「へ? あ、ああ……アレ。あれは――」
 韶涵は俺の指差す先、さっきまで自分の座っていた席に目をやるとうん、と頷いて、
「まあ、見せたげる。新作よ」

 ちょいちょいと手招きする韶涵。見れば、奇怪で用途不明の実験器具が所狭しと机の上を占領している。掛けられたシートは
両義、その下敷きはセフィロトのシート。立てられた小ビンはエリクシルだ、と説明を受けた事がある。
 エリクシル。
 つまりそれは賢者の石との併用で、物質の特性を変化させる霊薬――パラケルススが用いた、あの秘薬だ。
『ああ、これ? 専門用語じゃエリクシルってんだけど……有名だから知ってんじゃない、アンタでも』――面識の薄い当初に説
明を受け、事も無げに小ビンを振り回している光景を見て絶句した。その薬の希少性は通常なら一財産、使い方次第では町一
つ買い取れるバカ高い……所ではない。高位の錬金術師のみが精製出来る万能の秘薬――俗に言う「賢者の石」と合わせて、
エリクシルは中世から奇跡の薬とされてきた。
 尤も本人曰く、

『薬(コレ)の価値? 使ってこそに決まってんじゃない。飾っておいても宝石にはなんないよ、これ』

 だ、そうだが。
「あ、まだ制御できないからヘンに弄んないでね」
 解ったよ、と呟いて相変わらず混沌の相を呈した机を見やる。
 見てみろ、と言われた品は机の上に鎮座していた。青銅の台座に乗った半透明の円柱――台座にはスイッチらしき物が2つ、
円柱には不思議な文様が描かれていて、一番近い物を上げろ、と言われればスタンドライトだろうか。用途を上げるなら正しくそ
うなのだろう。複雑な仕掛けがあるにせよ、形状から判断して使用目的は限られる。
 まあ、ともあれ、この正体について解る事は一つだけ。

「……どんな魔術だ、今度は」

 一人ごちる。
 そう。
 古物店としては並以下の経営を繰り返すこの店が成り立っているのは、ひとえにこれ等『通常ではない品』の数々に依存する。
加えて韶涵が作る道具(と、言っていいのかどうか解らないが)は、普通人にでも扱えるようにフォーマットされているが為に好事
家の間では高値で取引されている(らしい)。メイド・イン・韶涵。フロム・清鳳古物店。
 お手製のマジック・アイテムを是非に、と言う訳だ。
 席から離れて壁の棚へ向かおうとした韶涵は振り向いて、

「魔術じゃねーわよ。錬金術よ、レ・ン・キ・ン・ジュ・ツ。最近はアニメとかマンガのお陰で有名じゃん? ハガネとかサーカスとか」

 ちちち、と指を振る。
 韶涵は俺が余計なモノに触らないようにとの配慮か、荷物を分類しながら返答した。

「……錬金術に流行りも廃りもないだろ。それに」
 

421 名前:◆WEISS0lzjQ :04/05/06 01:27


 曰く、「ハイパー・アルケミスト」。
 近代の需要に対応したハイブリッドな錬金術を身過ぎ世過ぎとして、韶涵は生計を立てている。
 当然ながら顧客は名詞や億万長者が大半で、大層儲かっているのだろう、と思えば――
「儲かってるなら、もう少し綺麗な店にしたらどうだ」
「んー? あー……別に儲かっちゃいないねーのよ、これが。そりゃ単価は高く売れるけどさ、マテリアルの値段がバカになんな
いからね。純度の高い宝石もだし、エリクシル作る過程で掛かる時間と材料費は割と洒落になんないし。有無還元使ってのズル
は私のポリシーに反するし」
 との事。
 往々にして世の中はラクが出来ないように回っているらしい。俺の身の回りだけ、かもしれないが。ともあれ、好きでやっている
のだから家族でも恋人でもない俺が「普通の職に就け」と口出し出来る事でもない。

「んなモンか……で、これどう使うんだ? ランプ、じゃないし……堤燈だよな」
「ん? うん、あー。――あぁっ!?」
 ランプを持ち上げ、
 背後で上がった声に振り向いて、
「あ? なん……だぁっ!?」
 飛び掛ってきた韶涵に突き倒されて、ランプ(仮称)をひったくられた。
「だ、きゅ、急に何――」
「バカっ! まだ制御出来ないっつったでしょうが!」
「せ、制御……って、ランプだか堤燈に制御もクソも」
 ないだろ、と言い掛けて、はあと溜め息をつく と目が合った。
「だから制御よ制御。メガサラマンダーとウンディーネ照応させた反発力で動かしてんの、それ」
「……えっと」

 メガってなんだ。特製ってなんだ。
 どこから突っ込むべきなのかどこに突っ込むべきなのか。
 多分全部だが面倒で仕方ない。

「あーと……つまりそれ、あのままだとどうなったんだ」
「消し飛んだわよ。この辺全部」
「……は?」
「だから吹き飛ぶんだって。具体的には二階の書斎以外全部。アンタと心中なんてゴメンだから先に言っとくけど」
「……いや、だから」
 なんで堤燈弄ったくらいで吹き飛ばなければいけないのか、と言いたいのだが。
「……どこから説明してやれば良いんだか……あー……ったく、これだから凡俗は――アンタ、錬金術の基礎くらいは知ってる
わよね」
「一応」
「ふん。じゃあ続けるわよ。錬金術の太源は大別して四つ。アタシの錬金術はアルス・マグナの方程式。アダムが楽園で用いた
絶対性を取り戻す事を目的としたモノ、自然万物の力を利用するワケね。で、四大精霊については?」
「あ、ああ。……あっと、確かサラマンダーとウンディーネ、あとはノームと……シルフだっけ。風でもエアリアルはシェイクスピア
だし」
 

422 名前:◆WEISS0lzjQ :04/05/06 01:34


「そ。じゃ、訊くわ。サラマンダーと対になるのは?」
「サラマンダーは火蜥蜴だよな。水……ウンディーネだったか」
「へぇ、解ってんじゃない。それがアンサーよ」
「あ……いや、だからなんで……だってさ、火と水だろ? 火に水掛けたら消えるぞ」

 口にした途端、韶涵はニヤニヤと口元を緩めた。

「……んじゃ、どうやってエネルギー得てんの」
「あ」
 確かに、それは。
「物質界と一緒に考えないで。この二つのエネルギーは単体では兎も角、一定の力域で織られた場では尤も純粋なエネルギー
への変換を果たすわ」
「エネルギーの変換、って……」

 変換。純粋な、効率の――
 そこまで考えて、顔が青褪めるのが自分で解った。

「……って、そりゃまさか」
「アンチ・マテリアル」
 事も無げに言う韶涵と、絶句する俺。
 韶涵は人差し指をぴんと立てて「いい?」と続ける。
「解り易く言えば反属性を持つ精霊のエーテルをケンカさせるんだけどね。ま、勿論反物質みたいな汎用性は無いんだけどさ。
SF宜しく磁場の中にエネルギー閉じ込めとくなんて出来ないし。あっちは研究中の……なんだっけ、どこぞの研究所だか大学
だかが0.01ミリだか0.001ミリだか製造に成功したんだよね。反物質の」
「……そんな話は訊いた事あるけど。でも、意味合いが違うだろ、これは」
 意味合いと言うか度合いと言うか。
 言った事が本当なら兵器のレベルだ。そして多分――間違いなく。恐らくは、本当なのだろう。
 例えば壁に立てかけてある箒。あれの穂先は、外せば仕込まれた呪印で対象を焼き焦がす。焦がす、等と言うレベルではな
く、滅却する。鬼神調伏の為に作られたモノになれば、それこそ兵器レベルで機能するのだ。恐ろしい事に、それはそこら中に
転がっている、というオマケ付きで。
「意味なんてそれだけよ。ふふん、ま、尤も"そうなる"理由は、この天才である所のアタシ特製の反応炉が反応ブーストさせて
るからだけど。制御ミスれば起きる現象ってのが、単純にバカデカい破壊だってコト」
「お前の所為かよ」
 売るなンなモン。
「危険と成功は背中合わせ! んん、天災の宿縁ってヤツよねー」
「「天才と何やらは紙一重」ってアレか」
「何かー?」
「いいや何でも」

 「この才能が怖いっ!」とか叫ぶ韶涵は無視して堤燈に視線を移す。繊細な細工と、どことなく中近東のイメージを想起させる
デザイン。見事と言う他ない彩色は芸術には疎い俺ですら解るくらいだ。
 確かに天才、としか言えない腕前ではあるのだろう。
 性格さえ除けば。
「……まあ、確かに綺麗だよ。この絵とか」
 堤燈の側面にそっと触れる。そこだけ明らかに構成と異彩を放つ図柄は、中近東、というよりは大陸系だった。鳳凰と龍の絡み
合う図式が実に精緻に見事に彫り抜かれている。そこだけが――何故か、どうしてだろう。他のあらゆる部分と一致していない。
もっと言うなら、韶涵のカラーではない、とでも言うべきか。
 

423 名前:◆WEISS0lzjQ :04/05/06 01:42


「あー? 絵……って、ああ」

 拳を突き上げて悦に入っていた(らしい) が振り向いて首を振る。

「そりゃ私じゃないって。ンな絵心私にゃないし」
「お前じゃない?」
「あのねぇ、私じゃなかったら該当者は一人だけでしょうに――……って、ああ、そうよね。私が引き止めてちゃダメじゃない」
「あ? なんだって?」
「何でもないない。それより」
 そこで大仰に首を振ると、 はランプ(だか堤燈だか)を机に戻して椅子に陣取った。
 制御部になるだろう個所に水銀と硫黄のビンを突き刺しておもむろに弄り始める。
「で?」
「へ?」
 思い出したように紡がれた言葉は唐突過ぎて、返答に詰まった。
 苛立ったように韶涵が声を上げる。
「「で」に「へ」で返されても困るんだけどさぁ。アンタ結局なにしに来たのさ? まさかアタシの顔見に来た訳でもないでしょ?」
「そりゃ、まあ」
 なにせ見に来た結果がマンガからラーニングした点穴だ。
「へぇへぇ……素直で結構だこと。少しは世辞も憶えなさいよね、アンタ。姉姉なら二階で寝てるから、適当に顔出して早いトコ安
心させたげて。結界は励起維持のままだしアンタが帰ってきてるのには気付いてるんだろうけど――いや違うね。気付いてるもん
だから逆に会いに来ないアンタのせいで不機嫌の限界突破しちゃってんのよ。迷惑被るのはこっちなんだってこと、少しは考えて
貰えると嬉しいんだけど」
 ……そういう事か。
 ともあれ、言う通り。俺がここに足を運んだ目的は錬金術の成果を見る事でもなければ、ランプを弄って消し飛ぶ事でもない。
韶涵の息災を確かめたなら、後の目的は一つだけだ。
 彼女は軽い溜め息を吐いて、顎で店の奥、立て付けの悪い引き戸を指す。
 その意思表示は、「さっさと行け」というラフな意味に他ならない。
「お前にも逢いに来たんだけどな、俺は。顔も見たかったし」
「な――な、な……はぁ? アンタ、ノウミソ沸いたんじゃ――」
「沸いてないって。あ、これ土産。缶詰」

 これ以上ココにいても邪魔になるだけ――というか嫌がられるだけなので、撤退は早々に敢行する……前に、提げてきたビニー
ル袋を差し出した。
 一瞬目を丸くしてから無理矢理作ったような顰め面で袋を受け取り、それから は思い切り肩を落とす。

「カンヅメ……はぁ。アンタ、女の子に渡すならもっとマトモな――まあいいわ、折角だから貰っとく」
「そうしとけ、珍しい物らしいから。なんでも圧力が中から掛かるくらい醗酵したスゴい奴だそうで――」
「っがー! もう、解ったからさっさと行けっての! 姉さんならいつもの書室っ!」
「だ、った……た、叩くなって! 解ったよ、それじゃ」

 お邪魔します、と靴を脱ぐ。
 『変わんないヤツ』と背中で韶涵の声を聞いて、床張りの階段を上った。
 

424 名前:◆WEISS0lzjQ :04/05/06 01:47


 壊れた机/折れた椅子/壊れた腕/潰れた弟/右手に包丁/割れた刃先/弟の首/鉄錆の臭い

 右を向いては骨の束。
 左を向いては肉の鞭。
 頭蓋を砕いて立ち上がる。
 さようなら、俺の故郷。
 こんにちは、俺の世界。

 いつか、昔の。
 故郷の話。
 

425 名前:◆WEISS0lzjQ :04/05/06 01:54


 不意の頭痛を振り払う。
 危うく階段から転げかけたバランスを戻して、二階の書斎の前へ。複数の部屋から一発でここを見付けられるようになったのは、
勝手知ったるなんとやら、の成果だろう。

「お邪魔しまー……す」

 乾いた襖を開けながら挨拶して、その語尾が小さくなるのが自覚出来た。
 煩雑な部屋。汚れている――のではない。いや、確かに「散らかってはいる」のだが、ただ汚れている、のとはニュアンスが違う。
 部屋に漂う微かな黴の匂いと、僅かなホコリの香り。それは部屋の汚れからではなく、部屋の三方向――つまり俺が開けた襖を
除く全てに――に置かれた背の高い棚を埋め尽くす希書、貴書、奇書に珍書の山と、足元に散らかったこれまた古めかしい年代物
の本から香る、消し難い書物の匂いだ。
 4畳程の部屋の三隅は天井まで届くのではないかという棚であり、そして部屋の中心には何故か誂えたような電気ゴタツ。
 声が小さくなったのは明らかにヤバいと思われるくらい値の張る本が散らかっているからでも(数十万単位の本が平然と足元に
転がっている。もう馴れた)、いつにも増して足の踏み場がないその状況にでも(悲しい事に自分の部屋の方が散らかっているので)
なく――コタツの上に乗ったモノが視界に飛び込んできて、だった。
 コタツの上。
 囲い布団の上に置かれた台の上には――
「…………ワカメ?」
 もちろん違う。
 違う、と解ってはいるのに、その光景は水面下で漂う海藻を連想させる。
 現状を正確に口に出すなら、コタツの台の上には黒くて長い――それこそワカメかコンブの束とでも言ったような髪が広がってい
る。髪の主はコタツに入ったまま身動ぎもせず――ワカメは揺蕩いもせずにダラリと広がっているのだ。
 簡単に言ってしまえば。
 眠っていた。
 長髪の主は侵入者の気配にすら気を配らず、すうすうと寝息を立て続けている。
 お邪魔します、と小声で言って、本を退かしながらコタツに歩み寄る。布団には入らずに屈んで、やっぱり起きようとしないソレを間
近で見た。
 枝毛一つない長髪。
 絶対に日に当たらない事を前提とでもしたような黒髪には、陳腐な電灯の光の下であっても漆を塗り付けたような艶がある。
 数秒だけ躊躇って、手を伸ばす。
 指先で軽く撫でると、こう、つるつるするくらい滑らかな感触が指に触れた。
 手入れをしているのかいないのか、ウチの家族ならフィーかメアリくらいに整った髪質だ。ソレより上かもしれない。何せ梳いては
梳いてを繰り返しているのにまったく指に絡まない。
 うむ。
 この飽きない手触りは麻薬に近い。
 ……うむ。
 つるつる。
 つるつるつる。
 つ――
 ……マズい、癖になる。
 そう、俺はこんな事をしに来たんじゃなく――

「あー、ったく……」
 ひょいと髪を撫で上げて顔に掛かった髪を払って、
「いい加減に起きろ、って――」
 いきなり、
「とうに起きておるわ、馬鹿者」
 ぐるり、と顔がこちらを向いた。
 

426 名前:◆WEISS0lzjQ :04/05/06 02:10


「う、おっ!?」

 慌てて髪から手を離す。
 顔を台に付けたままこちらを眺めるのは、少女というか女性というか外見年齢判別不能の顔立ちから、実質"年齢不詳"。色素の
一滴まで抜け落ちた貌は病気を疑うほど白い上、華奢に過ぎる身体つきのせいで、「病がちの書斎の少女」といった雰囲気を否応
なく周囲の人間に与えてしまう。
 なにを隠そう隠す必要もなかろう、コレこそが古今東西の古物古書を一手に取りあつかう清鳳古物店の店主にして支配人、鴻詠
霊――通称「アリス」だ。
 身長推定165センチ前後、体重推定45キロ以下、シミ・ソバカス一切ゼロ。ついでにスタイルは整っている。腰より下まで届く黒
髪は無造作に下ろされているのに粗雑な印象はなく、小作りの顔には自然の摂理か造形の神が明らかに贔屓したような各パーツ。
外見レベルは99を通り過ぎてデータ限界の255だ。"可憐"と"儚げ"を足してから割らずに3を掛けたくらいには整った顔付きは、
とりあえず"活発"やら"野蛮"といったファクターをこれっぽっちも連想させない。思わせる事すらない。反則だ。
 控え目に言っても控えなくても美人、としか形容は思い付かない。
 実際、俺もそうだと思ったのだ。
 最初は。

「……お、起きてるなら、さっさと返事くらい」
「本を読んでいたら眠くなってしまってな。で……何をしておるかと思えば――」
 じろりと滅茶苦茶非難がましい視線が飛んでくる。
「な、なんだよ」
「一つよいか?」
「ん……うん?」
「変態かお主は」
 酷い事を言われた。
「……ちょ、っと待て。いきなり、お前……」
「当然じゃ。いきなり人の髪を弄り回しおって……なんじゃ、ならばお主、道行く女子を捕まえては髪を撫でておるのか? それでは
変態所か犯罪者であろうが」
「するかっ!」
「戯け、ならばつい今しがた私に何をした。私じゃから何をしてもよい、などという理屈は聞かぬぞ」
「……いや、それはだな」
 つまり、それは。
「……近くにあったから、つい」
「ほう。「つい」、か」
「……その、まあ」
 これ見よがしに溜め息を吐き出して、当て擦り宜しく は続けた。
「ならば気をつけねばな。その内「つい」発情されて「つい」押し倒されて「つい」強姦されかねん。まさか知人にまで気を付けねばな
らん日が来るとは思っておらなんだ」
「……俺は発情期の犬か何かか」
「犬に失礼であろう、戯け。房中術は生理的に好かぬゆえ、触ったのが髪でなければ今ごろ張り倒しておる……さて、そんな事より
な」
「……?」
「ふん。鈍さは変わっておらんな。何か、言う事を忘れてはおらんか」
 長々とした沈黙。
 実際には数秒にも満たないその間隔で加速の悪い思考を巡らせて、「あ」と間抜けな声を漏らす。
 ……これだから、俺は。

「……悪い」
「そんな返事は要らぬ」
 頭を掻く。軽く気恥ずかしさを憶えて、直後に飛び込んできたアリスの表情に息を飲まされる。
 罪悪感。浮かんだその感情も殺して、肩の力を抜いた。
「……ただいま」
 ここで気を張る必要はない、と解っている。何故なら――
「お帰り」
 浮かぶ微笑。
 反則の笑顔で、以降は抗議も反論も制圧されたからだ。
 

427 名前:◆WEISS0lzjQ :04/05/06 02:27


 お茶を淹れられた湯飲みに手を付ける。
 量産品じゃないと一目で解るそれは、なんとも器用な事に の手作りらしい。妹が機械部品やその他諸々の技術方面に傾倒して
いるのに対して、この姉は絵画や陶芸やその他諸々、芸術方面に造詣……と言うより、技術的な精通が深いらしい。

「……なんかさ」

 ずるずるとヤケに旨い玉露を啜りながら、炬燵の向かいに座ったアリスを何とはなしに眺める。
 同じく玉露を啜る は、無駄に洗練された動作で「シティーハンター」のページを捲っていた。とりあえず「エンジェルハート」を読む
前に単行本を制覇するのだとかなんだとか。

「お前、フィーに似てきたよ」

 ページを捲る音が一瞬、途絶える。再度ページを捲りながら、アリスはこちらを見てくすりと笑った。

「かもしれんな」ページを捲る音。三秒に一ページ、規則正しく紙の捲れ上がる音が響く。「私の趣味に付き合ってくれる者はアレくら
いじゃて。ふん、お主より数倍付き合いがよいぞ」

 フィーは――妹は、俺が居ない時によくここに足を運ぶらしい。最初に連れてきたのは、「何処に行くんだい? あぁ、別に君がどこ
に行こうともっと正確に言うなら何処の女の所に行こうと一向に構いやしないのだけれどね。ただ何処に行くかだけは教えてくれても
いいんじゃないかな、と思うのさ」との意見に、「なら来てみるか。ただ、言っとくけど面白くもない場所だぞ」と返してからだ。
 何の事はなかった。
 読書狂で活字狂いの妹にしてみれば、ココに転がっている本の全ては宝石にも等しい――それ以上のレア物だったらしい。保存状
態良好の和綴じの本など古本屋でも滅多に見る事はないだろうし、金粉で刺繍された奇書など早々お目には掛かるまい。韶涵の作
る奇妙極まりない道具も、本から得た知識と照合して検分するフィーの趣向には合ったらしく、韶涵とも仲がいい。何時の間にかこの
姉妹との縁を深めてしまった我が家の妹は、ひょっとしたら俺よりもココで過ごした時間は長いのかもしれない。
 する事もなく顔を眺めていると、 は何を思ったのかこんな事を口にした。

「茶請けは切らしておる。が、代わりに玉露は選っておいた。なに、本当なら砂糖入りの珈琲の方がよいのであろうが、生憎と今はア
レも切らしていてな。やれやれ……帰ってくると知っておれば買っておいてもやったのじゃが。だから連絡の一つも寄越せと――」
「いや、いいよ玉露で。俺結構日本茶とか好きだから」

 玉露バンザーイ。呟いてまた口を付ける。ヘタに長引かせればまた愚痴を言われかねない。そもそもそんな事が言いたい訳じゃな
かった。
 とはいえ玉露は本当に厳選した物らしく、千円の緑茶と六千円のそれの区別が付かない俺でも「香りが違う」と解ったが。

「……最中でもあれば最高なんだけどな」
「私は茶さえ有れば気を遣う事もない性質でな。……しかしお主、旅先でもその調子か? 世界中の甘物巡りとは酔狂ではあるが、
これでは聞いているこちらが胸焼けしそうじゃな」
「煩いな」

 言ってろよ、とお茶を飲み干す。
 ――と。
 アリスは欠陥の透けそうな白くて細い手で台上の本を退かすと、急須を操って湯飲みに茶を注いでくれた。
 馴れている筈の、その動き。そんな細かい動作一つ一つまでが芸術品だとさえ思う時がある。馴れてはいる筈なのに、いつ見ても
一切合財の無駄が省かれた自然な動きには――今でもどきりとさせられる時があった。
 

428 名前:◆WEISS0lzjQ :04/05/06 02:32


 アリスとの付き合いは、かれこれ1年近くに上る――筈だ。
 俺がこの街に足を踏み入れたその時、その瞬間からと言うべきだろう。
 当時新参者だった俺を平然と受け入れる街の体質に面食らったのも印象としては大きいが、それ以上。それ以上に、この少女の存
在を意識したのは当然の帰結だったと言える。
 当時の経緯を纏めて流して結論するなら、そう。
 まず、街には結界が存在した。
 結界という言の葉が示す意味。
 それは仏道での修行から障害を排除する為、一定地域を聖域として定める事が本来の由来だが――また、同意味に寺院の領域
を定めるという意味を含んでいる。密教に於いては修法の場所を定めて印を結び、真言によって浄化する事でもある。
 その目的は内陣と外陣の分断。それは寺院であれば門の内と外であり、たとえば道場ならば板張りの床に足を踏み入れたその瞬
間から。
 境界を越えた瞬間、世界は隔てられる。
 故に――可視不可視の境界を持って世界を分つ事こそを、結界と呼ぶ。
 魔術師がサークルを護法陣として悪魔との接触を図るのは、それが絶対の聖域として機能するからだ。神の御名と天使の力名を
以って世界に働き掛け(説明するとそれだけで論文が書けるくらい長い)、力場を確立して対抗勢力の接触を阻む――世界への強
制と執行。
 ヴァチカンの総本部であるローマにも、当然ながら結界は張られている。数々の聖遺物と極聖別された要石を七つ丘の各所に配
置する事によって織り上げられる、亡霊如きは存在すら赦さない破魔の絶対護法。最大最強の秘蹟であるその結界は、正に"最強"
のマテリアルからの働き掛けを体現する、具現化したヴァチカンの歴史と言える。
 足を踏み入れたのは教皇勅命で派遣された地。
 なら、この街を治めているのは審問局の支部なのだろう。
 安直に思考した俺は、街中の境界を虱潰しに当たっては話を訊き続けた。
 ――ハズレ。
 全て、悉く、至る所まで、完全に、決定的なハズレだった。
 結界所ではなかった。
 街に在る教会は全てが全て、審問局とすら関わりのない民間との接触を重きに置くそれだった。
 無意味な徒労。圧し掛かる疲労。
 俺では結界の質を判断できない、単純な事実。
 審問局の人間なら当然の技能として習得している"エーテル質量/形質の判断"は、半ば魔術の領域に足を踏み入れた物である
為に、騎士団の人間はその習熟を嫌う。似非隊員としてマルタ騎士団に籍を置く俺は、結果的にその技術に触れる事がないままこ
こまで来てしまった。
 が――解る事はあった。この時点で判断出来る事は在ったのだ。
 息苦しくはない。頬に触れる風が心地いい。
 ここは、この世界は。
 あまりにも、"世界のまま"だった。
 聖所に感じるようなギリギリと締め付けられるような冷水のような感覚はなく、邪気に満ちた大地で、瘴気に構成された檻の息苦し
さはもちろん無い。
 極度に聖別された場所に踏み込む――言うなればそれは、他流派の道場に入った瞬間に思わず身を引き締めるようなあの感覚
に近い。
 ならばここはどうだ。
 小川の清流に足を浸しているのにも等しい、身体を侵す事のない無感覚の聖別。
 半ば直感した。これは――
 ヴァチカン(強制)の技術ではない。
 自然その物が害悪を拒絶する、あたかも人間が病原菌を体内から排除するような免疫作用。
 大地に、空に、川に、山に、林に、木々に。まるで、ありとあらゆる世界の構成要素が分子レベルから清浄の聖句を唱え続けてい
るような自衛作用。
 こんな事は、だけど在り得るのか。
 これが個人の成した結界であるのなら――考えの及ぶ範疇ではない。そんな物は理解を越えている。つまりそれは、大地を――
空を、世界を。地球を統御するのと同意義だ。肉持つ化物の類では届くまい。精霊すら及ぶまい。これが本当に人の身による物で
あるのなら、果たしてそれは何処までの異常なのか。
 納得は行かなかった。行かなかったが――考えても解る物ではなかった。審問局側にも報告しない斥候派遣である為(教会を調
べて回った時は、不本意ながらはぐらかすように聞いて回った)に、詳細をヴァチカンに尋ねる訳にも行かない。
 

429 名前:◆WEISS0lzjQ :04/05/06 02:40


 夕暮れの風が心地いい反面、どうするべきかの悩みが頭に付いて離れない。いつもこうだ。何か心配事があると、他の何もが手に
付かない。何かを考えたままでは、何を楽しむ事も出来ない。
 縛られたままでは、安らげない。

『兄さ――』

「――当たり前だ」

 安らぎは、ない。
 それは、赦されない。
 途方に暮れて公園に赴いて、自販機に百円を食わせてスイッチを一回。コーヒーでも飲んで気分を入れ替えようとして――唐突
に、本当に唐突かつ強引に視線を持っていかれた。
 横っ面を叩かれたように強引に、首をその一方向に向けられた。
 コンクリ製の円形の台座に木が植えられた奇妙なオブジェ。
 それが風変わりなベンチであると言う事は、同系の物を幼い頃に見た記憶から一目で理解できた。
 だから、別にそのオブジェが奇怪だから目を惹かれたのではない。円形の台座の縁に腰を据えた女性。まだ若い、少女と言って
通るほどの彼女。何をするでもなく木を撫で、まるで語り掛けるように木をじっと見詰め続けるその少女に、全ての感覚を持っていか
れた。
 風変わりな風貌だった。大陸風の前開けタイプの――確か「袍」とか呼ばれる着物だ――独特の意匠を凝らしたそれを、日本の
外着に合わせたとでも言ったような、なんとも表現し難い衣装に仕立てている。足元は更に風変わりで、今は履く人間すら珍しい木
製の下駄だ。どうにもアンバランス極まりない――のに、違和感もなければ似合っている、とさえ思ってしまう。
 長い足をゆらゆらさせながら、ただ在るだけの彼女は――ただ、やはり形容し難い存在感を持ってそこに在り続けている。
 そうしてそのまま、幾らの時間が過ぎたのか。それだけ惚けていた自分にも呆れたくなるほどの時間が過ぎ去って、
 呆けたように――事実、ずっと惚けて彼女を眺め続けていた俺へと、
 当の本人は、

「――用が有るのなら、突っ立っていないでこちらに来ぬか」

 木を眺めたまま、視線もそのまま、少女はぽつんとそう言った。
 「俺?」と自分を指差して呟けば、十数メートル離れた先で少女はこくんと頷く。
 俺で間違いは無いらしい。
 ポケットにコーヒーを仕舞い込んで歩み寄って――改めて見る整い過ぎた容姿に閉口した。なまじ浮世離れしている外見だけに、
ともすれば奇行として映りかねない仕草すらも絵画他諸々の芸術に被写体として相応しいような、そんな居姿。
 1メートルの距離を開けて対峙した俺へと、少女は軽く顔を振り向け――白状するなら、瞬間、迂闊にも緊張で唾を飲み込んだ。

「して、何用か?」
「何用か、って――」
 用も無く見ていたのか、と少女は言う。
「ふむ……」首を傾げる少女。「惚れたか?」
「だっ――」
 誰が、と即座に否定しようとして、一瞬だけ目を奪われた後ろめたさにそれを阻まれた。
 なんとか続けようとした所で、少女は先に口を開いている。
「冗談じゃ。顔を赤くするのは後回しにせぬか」
「だ、誰がっ」
「がなるな、戯け。それより……ほれ。何ぞ聞きたい事があるという顔じゃったろう?」
 そこで、漸く。
「え? あ――あ……ああ、あるさ。そりゃあるんだけど、沢山……な、なんでいきなり」
「なに、今日は陽気だというのに退屈でな。誰ぞ話し相手が欲しかっただけじゃ。理由はこれでは足りぬか?」
 漸く――少女が笑っていた事に気付いた。ペースを握られているのが気恥ずかしくなって相好を崩すと、少女はくすりと声に出して笑みを漏らす。
 曖昧なファーストコンタクト。この少女との初対面は、何とも訳の解らない形で始まって、煮え切らないまま第二ラウンドへ移行した。
 

430 名前:◆WEISS0lzjQ :04/05/06 03:43


『ふむ。名、か。そうじゃな』
 空を見上げ、目を閉じ、少女は笑った。
『……鴻。鴻、詠霊――というのは、どうか』

 「ちなみに英名は「アリス」でな」と。しゃあしゃあと少女は口にした。
「「どうか」って……どう考えても本名じゃないよな」
「まだ拘るか。妹も私も、今の名で納得しておろうに」
 それに、と接ぐ。
「「何でそんな言葉遣いなのか」、とは随分と面白味に欠ける質問じゃったな」
 アリスは心底呆れた声色で嘆息してきた。
「……んなこと憶えてんなよ。その、そりゃ気になるだろ、普通」
「戯け。日本にも中国にも方言はあろう。現在の北京語と広東語はまるで違うぞ? 年齢によって言葉を使い分けるも然り、気にす
る者が間違うておるわ。いつまでも子供のような言葉を使っておるのは性に合わぬ」
 それは――まあ。
「そうなんだろうけど、なあ……」
 その言葉使いもどうなんだ、と思うのだが。ゲームか漫画かエンタ小説か、初めて逢ったら面食らうに決まっている。
 まあ、それよりも何よりも、問題は。
「……何歳なんだ、一体」
 何度目かの言葉を一人ごちる。

『女子に年を尋ねる物ではない、とはまた陳腐で有り触れた言葉ではあるが――それもまた必定じゃな』
『いや、だからお前、それは答えになってないって……ああ、ったく』

 俺がこの街に移り住む遥か前から、アリスはここで古物商を営んでいる。商店街兼中華飯店の長老に『大姉』と呼ばれ、この街
の住人――特に大陸、国外からの流入者からの信望厚いアリスの人脈は到底、外見通りの年齢で築ける物でもない。
 人外、ではない。
 魔術師――でもない。
 いつだったか、アリスは言った。
 

431 名前:◆WEISS0lzjQ :04/05/06 03:46


「私が魔術師、か、じゃと?」
 顎に指を当てると、「ふむ」と少女は考え込む。
「術の定義、魔術の定義――お主はどう捉える」

 と、まるで意図しなかった返答。質問への回答は質問になって返信された。
 思わず声を詰まらせる。
 ……俺なら、どう捉えるか?
 例えば、俺――この身体。自身のスキル。魔術を防ぐ術は身に付けているし、邪視邪眼に魔眼の類にも体性がある――が、それ
は技術と体質、言わば素質であって「知識」とは違う。「解析」は「使う者」である俺にとって、研究者にして実践者と呼ぶべき魔術師
達の領域だ。だから正直、専門分野の違う話は曖昧な答えを導くにしか至らない。「それは……オカルト、っていうか。その、なんだ
ろうな。錬金術の派生から、っていうか。科学に取って代わられた――」
「戯け。浅慮にも程があるわ」
 少女は俺の答えをにべもなく切って捨てる。お茶を濁そうと口にした言葉の全ては、アッサリと霧散して消えた。
「生憎と私は西洋魔術には深くないが――そうじゃな。お主は「るうん」や「がんど」や「せいず」、独自の言語形体に生まれた術式が
全て一定しておるとでも思うておるのか? 口伝による蓄積によって生まれた「がんど」などがよい例じゃろう。神官によってのみ伝え
られた秘儀は果たして科学に通じるや? 今お主が口に出した錬金術とて同じじゃ。アレは確かに科学の元とはなったが、アレこそ
が魔術と言い切るのは素人の浅はかさにも劣ろう。一知半解でしかない術式の知識など無駄なだけじゃ」
「……う、ぐ」

 言われればその通りだった。民間信仰に根付いて発展……いや、受け継がれてきたガンド魔術やセイズ、ルーンの碑文は、錬金
術のような独自の発展を遂げた訳ではない。と言うよりも、発展の仕様がなかったのだ。民の力である魔術――国と共にあった魔術。
神官であるドルイドのみが習得したオガムは、国の政にすら顔を出す。それはまだ魔術が世界に台頭していた時代、占が力を持ち、
魔法使いや魔女が力在る者と畏れ敬われた時代の話。それ自体はそこで終結する為に、それ以上の発展を見る事はない。
 言うなればそれは――例えば、征服されたインディアン達が今、この時代まで大陸を支配していたら現在のアメリカの発展は有っ
たかと言う話だ。時代の流れに合わせてはその形体を変化させて過去の形を捨て去った錬金術に対し、多くの魔術形体は歴史の影
へと糊塗された。ただ、それだけの話。「あーと、つまり……それは、なんだ、科学と魔術は同位対立的な領域にはない、って事か」
「派生元を一つにしておるのじゃからな、当たり前じゃろう。寧ろその全ては、土に根付く信仰の一形態とでも呼ぶべきと言えよう」

 派生元――故郷。
 生まれた、場所。
 生まれた大地への、信仰。
 それは――俺にとっての、それは、

「……ああっと」
 首を振る。下らない妄想を打ち消す。俯いて表情を隠す――2秒、平静を取り戻した。
 適当に記憶を掻き回して、思い付いた事を口に。
「だから、その、信仰と魔術は別物だろ? その、だって錬金術が信仰する神なんてさ」
 ふとギリシャのヘルメスが頭に浮かんで、それは屁理屈だとすぐに振り消した。安易に応えるとまた怒られそうだ。
 言いごもっていると、アリスがふうと息を吐いて湯飲みを口にする。瞼を閉じてずるずると玉露を啜りながら、「ふん」と鼻を鳴した。
「大方、ヘルメス神でも思い浮かべたのであろ。じゃから浅慮、と言うておる。あれこそ錬金術の"為"に生まれた――生み出された神
に他ならぬわ」
 啜り終えて、閉じていた目を細めて俺を見据える。
「ぐ、くっ……」
 案の定だった。しかも注意したのに。
 なんで解るんだ、と危うく喉元まで出掛かった言葉を飲み込む。
「歴史の始まりとは地名の設定に関して、それ即ち定住こそが文化発生の原典を成していることを意味する。じゃが、そこに信仰と神
話が生まれたのではない。信仰と神はそこに大地を求めた人間が記憶として保存していた物であって、定住の地を得た時にこそ記憶
の信仰と神話は土地に根を下ろす。逆も然りじゃ。人が存在しない地にどのようにして信仰が生まれる?」
「それは……」
「考えるまでもなかろ? 人間の全てが神話を持っていた、という事じゃ。それが定住の地を得た時、信仰は風土に融溶する。記憶の
神話と自然風土の結合からは土地神話が生まれる――この土地の八百万の万神こそ良い例であろう。火の神地の神風の神、果て
は全てのモノに神は宿るとされておる故にな。もっとも、たとえ日本人とはいえ……お主の宗教には受け入れられぬ普遍性ではあろう
がの」
「……受け入れはしない。共存はあるさ」
 

432 名前:◆WEISS0lzjQ :04/05/06 04:07


「だから頭が固いと言われるのじゃ。神話の記憶とはな、神を単なる恐れとする認識から祈願としての認識、神の因に関する認識と幅
広く分類できる。この三種に絞るならば、恐れとしての認識は普遍であるのに対し――」アリスはちらりとこちらに視線を送る。「つまり、
お主達の神(ヤハウェ)のように」
「皮肉るなよ。それで? なんだってんだよ」
「ふ、そう怒るでないわ。そう、因に関する認識は口授伝承によって継承され保存された物であることは理解できよう? これを支えて
きたのがつまり、祭祀の継承じゃ。神祀の風習、神殿の形式構築と制定、そこに於ける祈願と供儀、呪文、読経、占術――歌は詩を
育み、踊りは歌を表し、それぞれが特定の伝承を継承した。これは……そうじゃな、技能的分担、とでも呼ぼうか。これらを辿れば自ず
から根源には到達しよう。各地に於ける多様を問うならば、その「あんさー」は伝承過程に於ける文化的分担変化か……或いは相違
によるものであろうからな。故に、神祀の意味はその中で真義を喪失し、個別化されて現在に至っておる――ほれ、どこぞで易者くら
いは見掛けたことがあろう」
「あ、ああ。まあ……けど、お前、どうしてそんな」
「そんな?」
「そんな――見てきたみたいに」

 アリスは一瞬きょとんとして、それからくすくすと軽く笑い、こう、口を開いた。
「……それらを見てきたから、言える事じゃ。そうじゃな、お主が問うたのは私が"魔術師であったか"じゃったか? では答えよう」
 目を細めて、少女は笑う。
「世間一般では「仙人」などと呼ばれておった。仔細に言うなればそれとも若干違うが――それがこの身を表すには最も近かろう」
 幾世紀を渡って来た少女は、ベンチに座ったまま――俺を見上げて、そう告げた。
 

433 名前:◆WEISS0lzjQ :04/05/06 04:22


 姉は仙人、妹はそれ兼、錬金術師の古物商。
 荒唐無稽な事実に、初めて家を訪ねた時は頭痛がした、が。
 馴れ、とは怖いもので、今では平然とそれを受け止めている自分がいる。

「……でも、それならさ」
「うん、なんじゃ?」
「人が求めるから神が生まれるなら、それこそヘルメスも同じじゃないのか」
「ヘルメス……? ほう、あの時の話を続けよと? ふむ、それは――」一理あるな、と一人ごちるアリス。が、暫くこちらを見詰めた後
に「しかし」と続けた。「じゃが、信仰を土台にした物ではあるまい?」
「そりゃ……そうだけど。でも、お前の言い分じゃそんなの大差ないように思える」
 錬金術師の信仰はあるだろ、と小声で付け足す。
 馬鹿を見るような視線でアリスはこちらを一瞥すると、一言。
「戯け」
「だ、戯け戯けって、お前……ああくそ、何で揃いも揃って周りの女連中は口の悪い……」
「妹の事なら気にするな、あれは地じゃからな。それとも他の女か? お主にそんな甲斐性が有るとも思えんが――まあよい、ヘルメ
スに集められる信仰がどの程度の規模であるか。解るか?」
 ちなみに思い浮かんだのはフィーにセシル、眼前の一人プラスでその妹だ。
「それは……その、多分……ひゃくにん、くらい?」
 言い終えるのと同時に、アリスは「心底」とでも言いたげな落胆の息を吐き出す。
「じゃから私は言った。「戯け」とな。ふん……考えてもみるがいい。百人は越えておろうが、それが例え万人でも宗教としての土台は
築けぬわ。信仰を失った神に何の力がある。お主等の主神が最大にして最強と呼ばれるのは、肥大化した意識全てを飲み込んで、
それで尚も絶対として在り続ける信仰の許容性に起因しよう。正直あれほどに強大となった神を、私はこの生の内で一度も知らぬ。
ユダヤの一地方神がここまで成長した過程に羅馬の皇帝共は確かに起因しようが、結果、ここまでに巨大となったのはひとえに「唯
一神」と言う性質故であろう」
 後半はどこか面倒そうに一息に、アリスは言い切った。
「当然だ。暗黒時代の強要がない今なら、カトリックは真に弱者の為の救いとして機能するさ」

 それを護るのが俺だ――自分に入力する(言い聞かせる)合言葉(キーワード)。
 弱者を護る為。
 信仰を護る為に、俺は闘っている。
 と――
 真正面。どこか糾弾するような眼差しが俺を射抜いていた。

「……なんだよ」
「その言葉、それは――お主の本心か」
「当たり前だろ、そんなの」
 暫くの沈黙を挟んで、は口を開いた。「……ならば」と は続けた。
「勘違いするでない。"強力"と言うただけじゃ。例えば西洋の「そふとうぇあ」として最大の物は確かに基督教……お主等の西方教会
には違いあるまい。あらゆる文化の影にはその存在が根付いておる。が――だからといって西洋の知全てが天主教に拠る物ではな
かろう。この地に移り住んではや幾年、この国が取り入れたのは「かるちゃあ(文化)」ではなく「しびりぜいしょん(文明)」と思うがの」
「皮肉かよ」
「そうではない。考えてみよ、この国特有の能力は素晴らしいぞ? 吸収した文化を自分達独自の物へと"あれんじ"する能力は、戦
火と復興を乗り越えて手にした物じゃからな。新しい日本の「しんぼる」であろう」
「皮肉じゃないか、やっぱり。要はパンクを受け入れた時に姿勢じゃなくて技法だけを受け入れた、ってのと同じだろ」
「おや、済まぬな。音楽には詳しくない」
 

434 名前:◆WEISS0lzjQ :04/05/06 04:33


「ったく」

 くすくすと微笑んで――不思議に、全く不快感を覚えない自分がいる。
 まるで、弟妹と話している時のような、弟妹にからかわれている時のような――予定調和の冗談とからかい。信用を根底に置いて笑
い合うあの感覚と、今の瞬間が、頭の中でピッタリと重なる。
 家庭。故郷。家族。俺は――

「尤も……」
「あ?」
 呟く声にはっとした。居住まいを直す。
 そんな様子には気付かれなかったようで、目を軽く瞑ったアリスはどこか物憂げに口を開いて続けた。
「この国の無宗教性はある種に特殊なものかもしれん。「西洋からの知」が基督教に偏っている――という見方にしても、例えば一部
の仏蘭西の思想家達にしてみれば……そう、確か、どぅるーずに、でりだ、ふーこー、であったか? あれ等にしてみれば、ソレは希臘
に発生し、欧羅巴で育まれた「極めて特殊な」「知識の一形態」に過ぎぬのだ。真に危険なのは安易にソレに同調し、宗教を蔑ろにす
る事じゃろう」
「最近の"宗教"の評判は悪いんだよ、この国じゃ。信仰は元より、俺達やプロテスタントでもイコールでカルトになっちまう」
「ほう? 絶対神の僕を自負する者の言葉とは思えぬな?」
「愚痴だよ。……いや、冗談、ただの一部さ。ただ、それ位は受け入れてるってだけ」
 自分でも大げさだと思う位の仕草で肩を竦める。
 微笑んで、アリスは「じゃが」と接いだ。
「西洋の太初の起源から混沌を制御しようとする営みには感心する。私には考えも及ばぬな」
「……どうしてだ? 解らないな、お前はそのカオスを抑えて、だから今の位置に到達してるんだろ」
「違う」アリスは首を振る。「私にとって混沌からの離脱を意味する所は、即ち確定化への変化じゃ。ならば、それに作用する意識整理
の一つこそが人間が哲学と称する営みであろう。不可知を問うからこその知識、とはよく言った物よな。神秘の継承とは逆に過去原因
の追跡を問う事こそが知識となる。この因と称するモノにこそ自然原因と神の因は問われ、自然原因の追求に関する物は――ほれ、
今日では自然哲学と呼ばれておるじゃろう。この発展は目覚しいとしか言いようがあるまい? 尤も、形而上学的に在る事になった神
の因については聊か成功と言い切るには浅い気もするがの」
「ふん。……なんだよ、お前の考え方は違うのか」
 違う、のだろう。顔を見れば解る。
 憶えと飲み込みの悪い俺にどう説明するべきか悩んでいる――そんな表情でアリスは暫く沈黙を過ごして、
「そうじゃな……お主、屈原を知っておるか」
「は? くつげん――って、あの端午の節句の? ちまきの」
「……なんじゃその憶え方は。まあよい、お主らしいと言えばらしい」
「む。だって、そっちのが有名じゃないか……まあ良いよ。「楚辞」の作者だろ? 俺でもそれ位は知ってるよ」
「ほう? ならば話が早い。詩経文学に対する「楚辞」の作者、それに間違いはない……あの者は北方の周に対する南方の楚の者で
な。楚の王族に生まれたアレも、例に漏れず中国的な役人であった。必然と言うべきであろうか、時の懐王に仕えて信任を得ておった、
が――後は知っての通りよ。権謀術中渦巻く時代と都の流れに飲まれ、アレは任を解かれて都を追われ、最後には身投げの末路を
辿った。お主が言うておるのは、汨羅に身投げした屈原を悼んだ民が、ちまきを作って川に投げ入れた、といった風習であろう」
「あ、そうそう、それ……それは良いけどさ、それとどう関係が、」
「……お主、本当に知っておるのか。よい、割り込まずに聞いておれ。そうじゃな……何処から話すべきか。屈原が「天問」にて述べて
おるのは、全てを失った屈原が、意識を無とする事によって、改めて自らの既成観念に問いかけた境地と言えよう。あの時代に於いて
の「天」は、これ即ち神霊の住居、天子朝廷の運命すら操る天帝の住まう場所であった。それ以上失う物をなくした屈原は天を見上げ、
捨て身で問うた――こう、な。
 全ての始まりを誰が言い伝えたのか。昼夜とて定まらぬ過去をどうして知り得たのか。万物は何故に生まれたのか。それを生んだの
は誰であるのか。天は丸いと誰が決めたのか。天を回しておるのは誰なのか。天は果たして何処で地と繋がっておるのか。月はどの
ように生まれ死ぬのか。神女は夫を持たずにどうして九人の子を成したのか。疫病神の伯強は何処に居るのか。東方が明けぬ時に日
は何処で休んでおるのか――と。
 屈原のこの問いの対象こそは人が信じておった知識じゃ。つまり混沌との同化よ。これこそは問うべき秘を織り込みつつも、それまで
の人の世を形成しておった聖域であろう。共通の知識、言葉こそは共同体としての人間の重要用件じゃからの。……ほれ、お主等の知
る"ばべる”こそがよい例であろうて」
「まあ、それは……そう、だけどさ。……でも、バベルは崩れたぞ。主は人の傲慢を赦されなかった」
 

435 名前:◆WEISS0lzjQ :04/05/06 04:45


「人は傲慢ではない。天への問い掛けは――屈原の訴えは届きはせなんだ。じゃが、この問いこそは、屈原こそは世界の矛盾へと問
いを投げ掛けた最初の者と言えよう? 例えその道が民話に埋もれてしまったのだとしても、じゃ」

 答えは間違っていた。世界の在り方の前提を知らなかった哲学者は、世界に絶望して水流に身を投じたのだ。
 極論すれば――真に極論するなら、その死に意味はなく、その問いにこそ意味は含まれたのか。いや。死に至る絶望がその問いを
導き出したのであれば、その死は必然を以って歴史に記録された、のかもしれない。ならば。
 ならば、そこに意図は無かった――と言えるのか?

「それは……なんか、解る気はする、けど、屈原は絶望からそれを求めたんだろ? それなら意図はなかったんじゃないか」
「意図はない――か、その通りじゃ。屈原は伝説に疑問を投げ掛けた。そこに認めた理由の欠如は、自身の境遇の矛盾と共通して屈
原に受け止められ、置かれた矛盾から世界への矛盾へと疑問を広げた。哲学的に言えば過去への問い、と言った所かの。自然原因
を求めたのでも物質的原因を求めたのでもなく、これは現実的な矛盾の解消を求めた物であるのじゃからな」
 そうか、と頷く。
「"世界の矛盾の全ては、過去に起因する物だ"――って気付いた訳だな」
「そういう事じゃ。が、尤も……問いの対象はそれ自体が矛盾した伝承ではあった。知っておろう?
 『世界の果てには日の届かぬ国、在り。竜は其を照らし、また世界には熊を負うて遊ぶ角の無い竜在り。九つの頭持つ雄蛇、象を飲
む蛇在り、身長三尺の長人が居り、不死の国が在る』――とな。
 類する神話を上げるならば、人面人手の魚に一本足の巨人、手長足長の国に人食いの鬼――ふふふ、そうそう、不死の霊薬なども
あった、か」

 くすりと が笑った。からかうような微笑。
 巧みにこちらを引き込んで話を進めていたアリスの、それは「ここで話は終わり」の合図だった。
 肩を竦める。

「……ないんだ、霊薬?」
「さてな。じゃが、もし在っても仙薬とは仙人のモノ。易々とは手に入らぬじゃろう。第一、徳を持たぬ人間には有っても無いに等しいぞ」
「戒律には不殺があったっけ。は、なら俺は絶対に無理だな。仙人にはなれない」
 笑って言う。
 『当然じゃ』――とでも言ってくれるかと思った。言うと思った。それが当然で、この遣り取りの結末の筈だ。
 なのに。
「どうじゃろうな」
 ただ一言。
 返された言葉は――冗談や気紛れと取っていい内容なのにも関わらず、それを許さない声音で響いた。固まってしまう。弛緩させた指
先がそのまま凍り付いて、身体を動かす事が出来ない。
 微笑んだ瞳はそのまま。なのに――
 そこに、同意からの笑みは、ない。

「……え?」
「やりもせんで諦めるのはどうか、と思うただけじゃ。気にするでない」
 気にするな、と言うなら。
 その声色は、なんだ。
「……やらなくても解る。それに、仙人になってまで生きて、俺だったら何すればいいのか解らない」

 つまり、と強引に話を切った。それ以上話に深入りするのを避ける為に。
 つまり。
 つまり、と言って置きながら、そこから繋げる言葉を失っている自分に気付いた。無様もいい所だ。笑いたくなる。
 つまり――言葉を探り、指向を巡らせ、シナプスの行き止まりで引き返して。
 血路を、眼前に見出した。つまり、ともう一度。
 

436 名前:◆WEISS0lzjQ :04/05/06 04:54


「その、つまり、お前は――抑えずに、受け入れたのか」
「抑える?」
「さっきの話だよ。いや、話じゃなくて」話、は自分で断ち切った。同意の無い笑みが脳裏をよぎる。『どうじゃろうな』――どう、じゃない。
俺はそんなモノにはなれない。俺にそんな資格はない。性急に、慌てず、蒸し返さないように。ただ意識して言葉を畳み掛ける。「……混
沌がどうとか。お前の在り方は、混沌を押さえ付けるんじゃない、ってさっきから」
 不意に湧き上がった問い。
 混沌は抑えられるのか。虚無は、カオスは制御できるのか。それだけ、訊いておきたい――と、俺の根底は思ってしまう。
「有り体に言えばな」
「でも、屈原は混沌に疑問を投げ掛けたんだろ? それはカオスを制御しようとした一歩じゃないのか」
 ほう、とアリスが声を上げる。
「よい所に気付いたな」
「……あ、ああ、そう、なの?」
「お主にしてはな。頭を撫でてやろう」
「だ……って、お前、ホントに撫でなくても」
 伸ばした手を引っ込めて、アリスは胸の前で手を組んだ。
「天こそが因となる。神はの、結果的に混沌と同化して継承されておるのじゃ。過去を問うのではない。過去を確定化させようとする、
これは性向とも言うべき指向性と言えるじゃろうな。先にも言うたであろう? 言うなれば占術の発達は太古より伝承された占を一般
に定着化させたことに始まり、儒教が説く礼儀も祭祀に於ける儀礼を社会へと定着させた一形式じゃ。神秘と現実の折り合い……そ
れは混沌の保存とは言えぬか?」
「えっと……じゃあ、屈原は」
 言ってから、「しまった」と思った。これじゃ結局話を蒸し返している。同じ事を二度三度と繰り返すのはアリスも望む所じゃ――
 ばつの悪い思いで、アリスを見やる。アリスは――
 軽く瞬きして、「そうじゃな」とだけ言って、アリスは言葉を口に乗せた。
「説明した通りじゃ。伝説の神秘は神霊と精霊が住まう現世界を支えていた。あれはそれら全てに「何故」と問うた。伝説はその発生
に於いて関連的な歴史から生じるのではなく、独自的断片の集合である事は理解できよう? 故にこれを因果的に接合するは不可
能じゃ。じゃから屈原はそれを目指したのではない。ただ世界を満たしている矛盾、それが伝説の矛盾と溶合して混沌を呈するのを、
伝説の矛盾を問う事で打破しようとした。じゃが――」
「――世界は、神秘と現象が融合して幻想性を持っていた。だから――屈原の問いは、自己意識の矛盾を露呈するに終わってしま
った、か」
 頷きが返る。
「混沌と融合した世界に問いを投げれば、帰って来るのは虚無でしかない。昏き海に起てた波紋は、不安定極まりない漣と化して石
を放る者悉く飲み込もう」
「じゃあ……それじゃ――幻想と折り合う世界は、真実だって事か」
「何を今更」くすりと笑って、アリス。「私と向き合って座るお主は、その証明者であろうに……混沌を統べる者に言うまでもなかろう?」
「統べる、って……お前」
「私の視点から言えば同じなのだよ。同化とは即ち制御なのだから。そも、在り方からして統御は混沌と相反しよう」
 言われて、背中が凍った。自分では曖昧にしか理解できていない自分。生と死の輪廻。普遍的無意識の根源。太初の大極――混
沌(カオス)。
 生まれながらにして混沌に触れ続けるという意味、は。
「そう考えるな。安心してよいぞ。人面人手の魚は確かに荒唐無稽じゃ。尤も――龍に霊薬、それと……そうそう、仙人は別としてじゃ
が、な」
「あ、うん、そりゃ。いや、仙人が居るってだけで荒唐無稽――じゃないな、お前等見てると」
「失礼な。私や妹の何処が荒唐無稽だというか。千歩譲って妹はともかく私は違うぞ。それに――」
 不意打ちのタイミングでハッキリと、アリスは口を開いた。
 

437 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/05/06 21:55

 昨日について結論しよう。



 寝落ちた。


 眠い頭で書いてたから、解り辛い内容になってないか心配っつーか……あー、くそ。
 そこ等中でミスがあるし、文章として稚拙ってのは――どうも、やってられないな。もう少し方向性決めてから
じゃないとどうにもこうにも……>>412、ゴメン。
 今更内容変えるのもアレだから一応最後までは通すけど、ちょっと――かなり、ツラい感じだ。
 名前はギリギリで適当に入れた、という致命的な事実が……こほん。
 ま、まあ。
 ……一旦外すから、また後で。

438 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/05/07 06:20

 また寝落ち……!

439 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/05/07 10:24

 という訳で、今からタイムアップまで書くよ。

440 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/05/07 10:47

>>436

「安心してよい、と言った。お主は正常じゃ。狂ってはおらぬし、混沌に飲まれてもおらん」
「…………」
「それだけは、私が――太極両儀、天地四象とこの名に掛けて保証してやろう」
「……ああ」
「この私のお隅付きじゃ。ハズレは極の一にも在り得ん」
「…………ああ」

 頷く。
 俯いたまま、声のトーンは上下しないように注意して、思いきり頷いた。
 結局――見透かされていた。どの辺りから、或いは最初から。そこからずっと最後まで。何を考えているのか、何を迷っているのか、
その内の何を口に出すべきじゃないのか。これじゃ散々迷って悩んで、挙句に横合いから殴り付けるみたいなタイミングで抱きしめ
られたような物だ。なのに本人は平然としていて――不意打ち気味に安心をくれたこいつは、やっぱり俺よりも――ずっとしっかりし
てるんだ、と訳もなく憧憬に駆られる。

「所でな、お主」
 じっと見ていた事に気付いているのかいないのか、平然とアリスが話を振ってきた。
 玉露を啜って気恥ずかしさを押し隠す。
「あ……うん?」
「太清神丹を知っておるか」
「タイセイ……ああっと、なんだって?」
「むぅ……モノを知らぬ奴じゃな。ならば仙薬は知っておろう」
「そっちなら一応。丹薬、金液……ってヤツだよな。仙人が作る薬だっけ」

 知ってはいる。知ってはいるが、唐突だ。
 ……なんだ、話題がなくなったのは向こうも同じなのか。こっちと同じでコイツだって恥ずかしかったから適当な話題を――

「如何にも。正確に言うならば、"仙人が仙人となる為に"作った薬じゃな。太清神丹は言わばその最上位、一薬飲めば日のある内
にはその身を仙人と成す門外不出にして、天仙の秘薬と言った所か。言わば仙人になるための必需品よ」
 適当な、話題。
「へぇ……凄いな、飲むだけで仙人に、ね。修行してる連中は悲惨だよな。で、それが?」
 適当、
「うむ、実はな。お主が先に飲んだ玉露」
「ああ、あれ。美味かったよ。それで?」
「アレに入れた」
 適、
「へえ」

 ……。
 ………。
 …………
 ……ええと。

「……何ィッ!?」
 

441 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/05/07 10:56


 適当じゃなかった。
 全然適当でも何でもなかった。玉露!? 玉露を飲んだ時!? 待てよ、急須に入れてた訳じゃ――違う、そんな訳はない。それ
なら二人とも飲んでる筈だし、いや違う、コイツは元々仙人だからそんな事は関係ないだろうけどそんな貴重なクスリなら無駄に使
わないだろうし、なら最初から湯飲みに仕込んでた!? オイ待てそれじゃ最初から仕組んで、

「あと1時間ほどか。気脈の流れが造り変わるのが実感できるぞ。資質によって能力は左右されるが、さて」
「あ……え? な、は!?」

 実感したくない。したくないし何だそりゃ。
 凄い勢いで感動とかその他もろもろが薄れてどうでも良くなっていく。少し抱いた尊敬は一気に、「ビートたけしって凄いんだ」レベ
ルに滑落する。
 そんな事より訊いて下さい、我が主よ。
 今日知人の家に行ったんですよ。知人の家。
 そしたら玉露出されて飲んだんです。
 で、出されたら普通飲むでしょう、礼儀だし喉も渇いてるし。
 もうね、俺は早く気付けよと。今更だと。
 お前な、出して飲んで一時間経ってから「それ仙薬」はないだろうよ。
 仙薬だよ、仙薬。
 なんか湯飲みに仕込んであったみたいだし。お茶だと思って飲んだら太清神丹か。おめでてーな。
 よーし後少しで仙人だぞー、なんて状況なの。もう見てらんない。
 お前な、玉露買って返すから頼むからどうにかしてくれと。
 知人の家ってのはな、もっと安心できる場所であるべきなんだよ。
 コタツで向かい合った相手に毒盛られるかとかそんな事は有り得ない、饅頭か羊羹でも摘みつつ世間話する、そんな雰囲気がいい
んじゃねーか。笑えない冗談は、すっこんでろ。
 で、冗談じゃないんですよね、これきっと。「ホンモノじゃ」とか何とか言ってるんです。
 そこでまた絶叫ですよ。
 あのな、25年、26年生きてきて急に生き方変えろってのかと。
 したり顔で何が仙薬じゃ、だ。
 お前は本当に何を考えてるのかと問いたい。問い詰めたい。小一時間問い詰めたい。
 お前、最初からそのつもりだったのかと

「ま、待てよ待て待て待てっ、そんな貴重なモンをこんな悪戯に使ってもいいと思って――」
「悪戯ではない。そもそも貴重は貴重じゃが、それは作れぬ者が9割9部を占めるからのこと。私に作れぬ仙薬など有りはせん」
「だ、だから、そそそそういう問題じゃっ!?」

 ぶんぶんと首を振る俺に頷いて、 はまた玉露を啜った。
 ズレている。ズレ過ぎている。北半球と南半球くらい。

「いや楽しみじゃな。素質をいかに強化するか見物させて貰うとしよう」

 訂正。地球と火星くらい。
 火星の言葉は解らない。地球は危険だ、早く帰れ!
 

442 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/05/07 10:57


「ば、ばばばっ、ば、馬鹿かっ、ばか、ば、え、あ、あああっ!? な、ななななんだよそれっ!? うわ、うわうわちょっと、ちょちょ
っとウソだろおい!?」
「安心せよ、性急に己を高めるとて怠惰ではない。無条件で成れる訳ではないぞ。秘伝の仙薬とは言え、得と素質のない者には
効かぬし――効果が強いという事は副作用も然り、適正が無い者にとっては絶殺の毒薬ともなろう。存分に試練は含まれておる」
「な、は、はぁ!? あ、いや、死ぬなら死ぬでそんな風になっちまうよりマシだけど――ち、違うっ、違うぞっ、待てっ! お、お前、
俺を毒殺する気かよ!」
「ふふ、ああ、しかし安心してよいぞ。恐らく死にはすまい。私の見立てではお主と妹子には特上の適正がある。私が稽古でも付け
てやれば、九十年も掛からずに神仙の粋に達しよう。そうじゃな、妹は言霊の法など憶えれば相当の担い手に――」
「ふぃ、フィーが……? じゃ――なく、って!」
「なんじゃ? おお、銘が浮かんだぞ。"放魂清女"というのはどうか。碧眼の弟子など取るのは後にも先にも私くらいじゃからな。
自慢にもなろう」

 ああドイツ人の仙人なんて珍しいな、いやフィーは女性だから仙女か。俺が仙人で、修行段階は道士って言うんだっけ。そうそう、
それだ。修業を重ねて我欲を捨て去り、人としての極みに達したそここそが到達点、つまり仙人、で、

「――じゃ、ねえ!」
「ふむ、どうした?」
「あ、ああああのなあ! どう考えても「どうした」で済むような話じゃないだろオイ!?」

 だって仙人だよ? そりゃカメハメハで月も消すさ!
 だんとコタツを叩いて膝立ちになる。 の肩に掴み掛かって息が触れるくらい顔を近付けて抗議の声を上げ、
 

443 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/05/07 11:26


「厭か」
「な」

 ――急に。
 20センチ程の鼻先から放たれた一言。
 僅か3文字で表せる一言に、思考が凍った。
 冷水を浴びせ掛けられるように突然に、頭の中が冷えた。
 恨み言をパニックに交えて繋げようとした口が空回りして、舌が喉に張り付いて思わず咽かけた。

「え? な、だからそれは――」
 滑り出たのは、結局言葉にもならない言葉。稚拙な返答を咎めるでもなく、アリスは続ける。
「生きるのは――厭か。周りの人間が死んでいく中で自分だけが生き残るのが」
「そりゃ……お前、そんなのは」
 当たり前だ、と口に出し掛けて、気付いた。
 それは――そんな、まるで吸血鬼みたいな生き方は。
「……ゴメン、だ」

 厭に、決まっている。
 言い切れる。永遠は否定出来る。不老不死? 人間に生まれて、人間に生きて、人間に終わると決めた。千年生きて何をする?
万年、億年? 気が遠くなる年月の中で、自分を磨耗せずに生きていられるか?

「それは」

「一人が厭なのか。それとも、在り方が厭なのか? 世界から消える事のない存在と移る事が耐えられぬ、と――そういうことなの
か。念の為に言うならば、不死者亡者の得た仮初の永遠とは根本から違うぞ」
「それは――」

 世界から消える事のない、存在。永遠と等しい寿命――否、完全なる永遠。
 仙者の概念を完全に捉え切れていない今でも、問いを投げ掛けている目の前の存在の意味は、理解できる。
 ……確かに。吸血鬼と同じだ、なんて考えは――確かに、愚かだ。
 夜の毒に犯された亡者と、昼夜を睥睨する超自然的存在。その差は考えるまでもなく明らかだ。
 月の光に狂うモノと――夜を眺め、風と在るモノ。
 その瞳に映る月は恐らくヘカテー(狂女)ではなく、アルテミス(狩人)でもなく、加えるにセレネ(女神)でもないのだろう。月はただ
月であり、そこに古から連綿と連ねられる呪詛の歴史を見る事はない。
 仙女は黙したまま反応を待っている。
 仙人にはなりたくないか?
 今も修行を続ける幾千の人間にしてみれば、魅力的な……なんて話じゃない。もはや冒涜。自分との戦いから逃げて殺劫に身を
落とした人間が、唐突に、ただ一杯の薬を口にしただけで仙人に? 許されない。そんな冒涜は――いや、そんなじゃない。俺はそ
んな事を考えていない。その、どちらでもない。
 きっと俺は「強くなれる薬」が有れば今すぐにでも飲むだろう。今の目的を果たす為には、明らかにその方が都合がいい。加えて労
力を使うことなく能力を向上させられるとしたら、それに越した事などあるまい。タイムロスを殺し、ラクに強くなる。それ自体は――き
っと、恐らく、間違いなく俺は否定しない。
 ただ、永遠を得てしまうのは。
 俺は救われてはいけない。救いが必要じゃない。永遠の生、なんてモノに逃げては、いけない。

「多分、どっちも違う。在り方は尊敬もするさ。俺には到底届かない自己制御の上で成った連中なんだろ? 仙人って。尊敬はする。
……だけど、人なら結局は孤立する。一人で生きるなんて」
 答えに辿り付く。自分の限界。自分の真実、と定めたそれ。
「今のお主と何が違う」
 それは、ただの一言で駆逐された。
 

444 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/05/07 11:46


「な――」
「六道すら巡らずに輪廻を潜るお主は、生命として破綻しておらぬか。混沌より生まれ混沌に還り、そしてまた混沌が生み出すその
命に疑問を憶えぬか。そこに恣意的な世界の皮肉を感じぬか。太初からの離脱を果たした人という枠組みに在りながら、誰より原初
の海に近い事を考える事はないか。ただ殺す為に生まれ死に、今も殺界に支配者として君臨する在り方を悔いる時間は――お主に
無いのか」

 瞬きの回数が減る。減った、ように感じてしまう。
 じっと眺め続けるアリスの視線が、否応無しに返答を求めている。
 応えは幾つも浮かんだ。「有る」「無い」の両方に。
 ただ――
 そのどれもが、欺瞞に思えた。
 「正義の為に」「理由がある」「例えこの行動が悪だとしても」――偽善だ。
 救えないレベルで破綻した正義だ。戦うしかないから戦った。殺すしかないから殺してきた。正義の為に戦った、のではない。戦った
理由に正義が欲しかった――ただそれだけだ。
 答えは出なかった。出せなかった。
 だから、口にした言葉は――あまりに情けない。

「……悔いる時間が、無いだけだ」
「ならば作ればよい、と思わぬか」

 畳み掛けられ、言葉を失い、唇を噛む。こうしている間にも薬は体内を巡っている筈、なのに。
 言葉が、返せない。
 悔いる時間を作る。それが永遠という基盤に乗せられるのなら、アリスの言いたい事はこうなのだろう。
 『永遠に悔いろ』――それは、正に道理で真理だ。

「なによりお主は他を拒絶しておる。今こうしているこの瞬間でさえ私に気を許しておらん。改めて問おう。お主は、家族の前で――」

 それは、その、先は。
 口に――出して、欲しくない。

「……」
「違うか」

 違わない。
 口に出して言わなくても、とうに悟られているだろう。
 最初に逢ってからこの方、目の前の一人に対して嘘を吐いて通せた試しはない。

「憶えておけ。ここは私が護る街じゃ。私にはこの街を――ここに住まう者を護る意思がある。お主とて例外ではない」

 解っている。解っていた。解っていた、筈だった。
 いつから義務になってしまったのだろう。いつ忘れてしまったのだろう。
 この街を護る、と力強く言い切った少女を――この遥かに年上の少女を、街と共に護ろうと思ったのは、いつだったか。

「……ああ」
 

445 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/05/07 11:50


 先の見えない不安。
 どうすれば良いか解らない虚無。
 何をすれば助かるのか。何をすれば助けられるのか。道が塞がれたらどうすれば良いのか。ただただ漠然とした地平に差し伸べら
れた言葉は――余りに優しい。
 どうにか。
 どうにか、なってしまいそうに。
 思えば、ここに足を向けるようになったのは何時からだったか。
 街を護るこの少女の存在を知ってから。この街に足を付け、弟妹を得て、誰彼と言葉を交わすようになってから。
 つまらない事だ、と は言う。俺に話す言葉は世間話だと言う。俺が零した言葉に丁寧に返答し、助言し、考え、応え、それを全て「つ
まらない事だ」と言う。きっと、アリスは知らない。知っていても理解は出来ないだろうし――してはいけないと解っているのかもしれない。
その言葉が、俺にとってどんな意味があるのか。
 幾万の罪と、待ち受ける阿僧祇の罰。敷き詰められた那由他の咎。
 紡がれた言葉は、道を繋いでくれる。
 まだ、生きていてもいい、と。
 まだ、壊れずにいてもいいのだと。
 ただ、安心させてほしかった。
 ただ、肯定してほしかった。認めてほしかった。大丈夫だ、と言ってほしかった。
 ただ笑うだけで保証してくれる一人が、まだ傍に居てくれている。
 考えてみれば簡単な話なんだ。俺には遠くを見据える事なんて出来ない。妹のようにチェスのコマは操れないし、まして自分の大局す
ら見極められはしない。だから引くべき所は解らないし、今までも解らないまま突き進んできた。解らないまま生きてきた。生き延びられ
た。だからそれが正しかったかどうかは解らないし、成否の判断をするには遅過ぎた。いや、須らく成否の判断が主観に委ねられるのだ
としたら、俺でも間違いは起こさなかっただろう。間違って生きてきては、いない。生きているから。生きているから、間違っていない。これ
からも間違わない為には――今を壊さない為には、妹を、家族を、アリスを護らなくてはいけない。今までを間違いにしない為に。間違わ
ない為に。
 だから――決断の連続な人生にそっと保証をくれたその一言が、この上なく心強かった。
 今更ながらに思い返す。
 全てを慈しむ慈雨のような境界で、この街を護る少女。
 それを護ろうと決めたのは、ここを故郷に定めようと思ったからではなかったか。

「この街はお主の故郷に成り得ぬか。お主の家族は。妹は――私は」

 共に護ろうと。
 故郷を、護ろうと。
 少女は、言った。

「孤立するのであれば、何故私には韶涵がいる。無限の命脈など理由にならぬぞ。一度の邂逅で千年添う者もおれば、一期一会となる
者も多かろう。ならばお主の傍に居る私はなんじゃ? 仮に今この世界が塵埃と化そうと、私はお主が傍に居るだけでも孤独とは思わぬ
がな。帰る場所がないというのであれば、私がお前の故郷になってやろう。じゃから――」

 乗り出していた身が、ず、と更に前にズレた。
 目の前にしていたアリスが居ない。視界には古惚けた書架だけ。
 首に回された腕の感触が柔らかい。視線を横に向ければ視界を埋める、長い髪の匂いが甘い。唐突に、ただ、自然に。陶器でも抱える
ような丁寧さと優しさで、炬燵から乗り出してきたアリスは、上半身だけで抱きしめてくれた。
 手を伸ばせば届くほどの、抱けば折れてしまうほどの身体が――心強い。

「そのような顔をするでないわ、このうつけ」
 

446 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/05/08 00:22


 ……結局、朝もタイムオーヴァーだったな。すまない。
 どうあれココまで来たんだ。このまま最後までやってしまおう。
 もし書き直す事があるなら……多少はマトモにしたいね、やれやれ。
 ココを離れるかもしれないから、何をやろうか、とは迷う所だけどさ。
 

447 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/05/08 01:37


 ……浮気、ってなんだ。

 違う。違うぞ。断じてだ。
 そもそも誰の事を言ってるか解らんが……まさかフィーじゃあるまいな。生憎だが妹に手を出すような
人間じゃない――セシルか? だったら勘違いだ。同僚だよ。……ひょっとしてアリスの事を言ってるなら
……そうだな。
 「母親」だよ。
 歳が離れ過ぎてて「年上」の実感も湧かないけどさ。傍に居てくれて安心出来る、って点じゃ、やっぱ
りその表現が一番近い筈だから。それに第一、アイツは一度結婚してるんだ。ずっと昔に旦那さんを亡
くしたらしいけど、そんな話を訊いてるんでね。


 ふむ。
 そっちのスレには――ま、その内行く、かもしれないな。
 

448 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/05/08 16:51


 声は、耳元で響く。
 首元が、温かい。

「……そのような、って、どんなだよ」
「泣くな、と言えば怒らぬか?」
「泣いてねえよ」
「そういう事にしておいてやろう。……こら、髪を触るな。調子に乗るでない」
「お前が抱き付いて来たんだろ」
「「抱いてやった」が正解じゃ」
「そうかよ」
「む……だから調子に乗るな、と……ふん、妹が見たらお主、餃子の具にされるぞ」
「サンディエゴ辺りまで殴り飛ばしてくれると思ったよ」
 仙人だ仙薬だ。もうどうでも良くなって、思考を放棄して肩を竦める。まあいい。いいだろう。どんな風に変わるか、それとも死ぬかは解ら
ないが、精々受け入れてやるとしよう。俺は人間でこの街の住人で、ここを護る事に何も変わりはしない。が――まあ。「……冗談で人間辞
める事になるとは思わなかったかな」
「ふむ? ああ、その事か」
 アリスは手を背に回したまま、「思い出した」とでも言いたげに。
「冗談じゃ」
「……あ?」
「じゃから、その「冗談で人間辞める」が冗談じゃ、と言った。作れんではないが、アレの精製は面倒でな」
「…………テメエ」
「なんじゃ。第一、玉露に入れて飲ませるような姑息な真似、落ちてもこの私がすると思うか?」
「……いや、そりゃ」

 する、と思ったから大騒ぎしたのだが。
 身体のあちこちから力が抜けて行く。

「……あー……」

 だる。
 姿勢はそのまま、体重を後ろへ倒す。手はアリスの背で組んだままだったけど、知った事じゃない。

「む。ばか者、手を離――」
 知った事か、報復だ。
「お前がやったんだろ、俺は知らな――」
「戯け、そうではなく離さねば拙いと」

 だかだかだか、と部屋の外が騒がしい。
 厭な予感がした。凄まじく。
 背中側、入ってきた襖に視線を移して、
 がら。

「ちょっとアンタ!? さっきのカンヅメ、あれ何、臭いが商品に付い――」

 地獄が見えた。

「……」言わんこっちゃない、とでも言いたげなアリス。
「……」無表情極まりない韶涵。
「……」俺。

 襖を叩き付けるように開けたまま硬直する韶涵、その姉を掴んだまま倒れた俺、知ったことではないとでも言った調子の当の姉。

「いや待て。とりあえず落ち着け。お前が考えてる事は誤解だ。いい感じに幻聴とか幻覚とか」
 とりあえず弁解してみた。
「所詮アンタは流れ星……」
 無駄だった。
 誤解=状況=地獄。
 このままだとヤバい/早く状況を打破しろ――とりあえず何とか。

「だから待て。指鳴らすな。こんな手垢の付いたラブコメマンガみたいなタイミングで乱入してくるお前が悪、」
「悪い。「悪い」ってのは貰った缶詰が腐った刺激臭ブチ撒いて文句言いに二階上がってみたらカンヅメ渡した当人が姉を襲っていたと
そんな状況で姉の貞操を護ろうとする妹と久し振りに訪ねてきた家で家主を引き摺り倒してる男と――ねえ、どっち」
 アリスを見る。
「頼む。なんかマヂ死ぬかも、このままだと俺」
「姉さん」
 溜め息一つ、アリスは襟元を正して、
「韶涵」
「何よ」
 俺から身を離して、(なぜか)声に僅かばかり悲哀を滲ませ、
「……30分、遅かった」
 何か言った。
 ばきりとか、なんかヤバい音がした。床を踏み抜く音みたいな、そんな感じにいい具合でヤバイの。

「待て。待て待て待て待てアリスっ!? 俺なんかしたか!? 30分前に何かしたかオイ!?」
「尋ねてくるなり 私を押し倒して口を塞ぎ、『黙ってりゃ聞こえないって。ほら大人しくしてろ』、と――」

 よよよと泣き崩れる動作。そこで俺から身を引く辺りが徹底している。
 逃げたな。

「……ふぃ、フィーだな!? さてはフィーがまたロクでもない事教えやが――ああ待て韶涵、だからそれは違――あ」

 姿勢は床に、視線の先に はない。ただ――不意に見上げた真上。
 黒い影が、中空に。
 マッハかと思うような跳躍で、ロケットみたいなパンチだった。
 

449 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/05/08 16:52


 昨日は寝落ち。
 で。
 時間の都合上、一気に今。
 な訳で、今日に時間があるならまた後で。
 

450 名前:名無し客:04/05/08 17:45

現在までの攻略可能キャラ
・義妹(複数)
・未亡人
・その妹
・同僚
・カレーな同僚
・言霊な高校生
・三番な殺し屋
でいいですか。
未亡人は今までにいなかったしポイント高いと思うので(ry

451 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/05/09 00:37

http://e5.inlive.co.kr:5480/
 SOULFLY&NICKELBACK。
 ラウド・ヘヴィを中心に。

452 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/05/09 00:44

>>450
 ふぅん……アタシが、ねぇ。
 昼ドラ好きの姉さんなら「牡丹と薔薇」の再現とか言って喜びそうだけど、全然全くこれっぽっちもアタシが
笑えないから遠慮するわ。
 それに、どーにもね。アイツじゃアタシと吊り合わないでしょ? 性格とか趣味とか。それにアレよ。年下は
趣味じゃないしさ。ダメダメ。
 ま、アイツは姉さんのお守りでもしてくれてりゃそれでイイの。オーライ?

 面子はアレね。
 後少しで十二楽坊に届きそうじゃん。

453 名前:鴻韶涵:04/05/09 00:47

 うあちゃー、ブザマ過ぎ。
 名前そのままとか言ってあのバカ、クッキーくらい管理しとけっつーのよ。これだから凡俗は――……あー、
ったく。アイツにゃ今からファミレスでも奢らせるとして、名前はミス。
 こっちが正解。オーケイ?

454 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/09 01:22


 ……ふむ。
 しかし、確かにやる事はなくなってきたかな。
 質問やイベントは以前の一件で懲りた所だし、これ以上は取り分け思いつく事もない。
 潮時、というヤツなのかもしれないね。
 

455 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/05/11 22:03


 ……はぁ。
 ココでの自分の文体はいい加減確立したと思ってたのに、影響が消し切れてないままじゃ書く訳にもいかないし
……どうにも。
 場所が場所だ。楽しんで書けなきゃ意味もないけれど、だからって安易にコピーに走りたくもない。どうにもオリジ
ナリティが欠如して来てる気がするな、見直すと本当に。クセのある文体を使い始めたのが最初の問題だった、か
もしれないが……やれやれ。
 内容のコピーは論外だけど、文体自体このままってのも……ああ、ったく。方向性の矛盾する文体は共存できな
いか、なぁ。

 ……どの道、こっちに回せる時間が欠けてる。
 暫くはCDだけになりそうだな、こりゃ。


 しかし……ふん。古巣の方のレスくらいは返せそうだ。好い加減にあのクソ吸血鬼も始末しちまわないと。
 だろう、アーカード?

 今度こそ地獄に送ってやるよ。いいや、俺たちが住んでる場所がゲヘナなら、お前にはコキュートスの冷気もト
ロメアの絶火もヌルいだろ。
 いいさ、お前は消える。俺に消される。俺に消されろ。
 ……無間地獄の終焉だ。三千世界の果てに放逐してやるよ。
 

456 名前:名無し客:04/05/12 20:20

ってかどこで悩むのかぜんぜん分かんないんですが…
その出来でダメなんですか?それでダメだとこっちが欝になりますが(爆)
文体とかは別にいいと思うんですよ、似てる人なんてそれこそ星の数ほど。

ついでに妹さんに質問。
最近面白かったミステリは?

457 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/14 21:40


 やあ、久し振り。
 ……ふむ、ちょっとね。あれもこれもどれも下らない悩みさ。
 自己解決したから大丈夫だよ。

 しかし、文体か。
 うん、キミの言う通りだ。
 けれどね。
 これが仮に何処かに送るような物であるなら、文体はかなり大きな比重を占めると思った方が良い。
 もちろん、違うからこそこうして書き殴っている訳だけど……そう、ここではどんな文体を使おうと自由だ。
ただ……だけど、そのまま続けるのもどうか、と思ったのさ。
 内容のコピーは論外、文体も特徴がある人を真似れば切り捨てられる。これは市場に出回っている作品
が多ければ多いほど、つまり後期になればなるほどその傾向が強くなる。
 何故かって? 審査の見逃しがあれば市場には同系統の作品が増えるけれど、それの飽和状態ではア
ッサリと掃除されるからさ。例えばほら、全員が京極夏彦や船戸与一のコピーになった市場なんて想像で
きないだろう?
 最初は元の自分の文体を消したまま、別の文体を模索してみようと思ってたんだ。
 だれかのコピーを続ければ、そんなモノが見付かるかもしれないから。……所がまあ、それが逆にコピー
に次ぐコピーになってしまってね。ヘタをすると自分の文体を見失いかねない。
 いや、今は今のままに続ける。意識を繰り返して、操れる文体の数は増やしたいからね。
 だから答えだ。精進する、これがね。

 まあ、それは文体の話。
 聞きたいなら続けるけど、単にネガティヴなだけだから忘れて欲しい。

 問題は書いたモノの出来だね。
 ……いや、キミに鬱、と言って貰えるようなモノじゃないんだ。書いたスピードでも、内容でも。もうちょっと
解り易く書くべきだし、急いでいた、というのはやはり言い訳だろう。
 反省だよ。


 ……さて、私が最近読んだミステリか。
 ふむ。ふむふむ……それは問題だな。
 何故って、私は「最近のミステリ」を最近に読んでいない。
 いやね、例えば話題になった乙一さんの作品や冲方さんの作品は普通に読んでるさ。だけれど、どうに
もリアルタイムに「ミステリしてる」ミステリ作品を読んでいなくてね。
 最近?
 そうだな、パトリシア・D・コーンウェルズの「黒蝿」やホイットリー・ストリーバーの「ラスト・ヴァンパイア」、
ドナルド・E・ウェイストレイクの「鉤」なら辛うじて読んでるよ。最近の作品だとそんな所かな?
 ふふ、私は読書には雑食なんだ。ミステリに偏っている、というだけでね。兄さんと同じさ。
 近頃はエルロイ作品を読み返したり、今更グレッグ・アイルズの「ブラック・クロス」を読んでみたりと結構
ふらふらとしていてね。洋書ならまだ少しあるけれど、そちらは割愛しておこう。
 あ、そうだ。
 此間、さっき言った冲方さんの「ばいばい、アース」を手に入れてね。結構読むのが楽しみなんだ。
 だからミステリ以外じゃ、今は村上龍さんの作品を読み返したりもしてる。
 「インザ・ミソスープ」とかね。いやいや、やっぱり日本の作品は好きだよ。日本語を覚えた甲斐があるね。
池波正太郎の作品を読む為に覚えた漢字がこんなに役に立つなんてさ。

 そうだな、私よりココには適任がいるんじゃないかな?
 読書を紹介するスレッドにもいた人達とか……キドノさん? 彼女なんか、どうかな。
 いやいや、彼女は私よりも年上なのか。キドノ……さん、でいいよね。この場合。
 「キドノ先輩」?
 あ、これは学生っぽくて良いね。
 このあいだ話したあの人……シマヅさんも先輩に当たるのか。
 うん? 「お姉さま」? ああ、あの学校ではそう呼ぶのかな。
 

458 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/14 21:52


 というよりだね、兄さんが大量にDVDを買ってきてしまってね。
 お陰で明日はビデオ鑑賞会になりそうなんだ。

 しかしいかにもB級な……なんだいこれは? サムライ?
 ええと……何々? 「スタイリッシュ! ソード・アクション! ガン・ファイト! 世界最強は誰だ!? サムラ
イ達の超人バトルが今……!」
 ……兄さん?
 続きを読んでみろ、って……あのね、もう内容は予想がついて――ああもう。
 「戦国時代前夜の日本、うら若き姫の胎内を利用し現世に誕生した史上最強にして不死身の侍“コデニ”。
以後500年間生き続けたコデニは、現在では巨大組織の首領として世界征服を目論んでいた。その矢先、
ある事件を機に多数の警官を惨殺したコデニは、凄まじい死闘の果てに藤原警部によって射殺される。しか
し時すでに遅し! コデニの魂はその肉体から離脱し、フランス留学中の藤原の娘・アケミの胎内へと潜りこ
んでいたのだった……果たして藤原はコデニの転生を阻止し世界を救うことができるのか!? 日本、フラン
スを舞台に壮絶なバトルが始まった!?」
 ……なんだいその得意げな顔は。
 B級丸出しじゃないか。
 ああもう、まったく。
 で、これは……「黒武者 弐」?
 ……厭な予感がするんだけど。なんだって? これも?
 ……。
 はぁ。
 「ラファエルは表向きは平凡な男として大都会で暮らしている。しかし、裏では青い目のサムライとして、現
代に巣くう魑魅魍魎の退治に明け暮れていた。400年前に妻子を魔族に殺されたラファエルは、その仇を討
つため究極のマーシャルマスターとして現代に蘇ったのだ。やがて、魔族はラファエル抹殺のため、次々と
刺客を差し向けるが……」
 ……凄いね。見事なまでにB級だ。

 他は……「パルプ・フィクション」「レザボア・ドックス」……DVDでわざわざ買い直したのかい?
 ……ああ、もういいよ。解ってる。全部言わないで。
 「スズメバチ」「ブレイド2」「エル・マリアッチ」……

 あのね。
 兄さん。
 ……私は「偶にはラブストーリーでも見てみようよ。折角の休み、何処にも行けないんだから」、って。
 言わなかった?
 言ったよね。言った筈だ。トム、テープレコーダー。ナンバー2004/513/21:16。そう、ありがとう。
 ……ふん? なんだそれは、って顔じゃないか。
 この間言ったろう? 「そんなこと言ったっけ」「憶えてない」「証拠があればな」――さて、証拠だ。
 この再生ボタンさえ押せば一発で昨日のヒトコマが蘇る。
 私がキミと見たかったのは「少林サッカー」でも「火山高」でも、ましてや「ファイト・クラブ」でもないって証
拠がね。
 

459 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/14 22:01


 勤勉。

 ふむ。
 勤勉じゃない、か。
 日数を考えれば、確かにね。
 けれどまあ、あそこにはどうしても日程の付けられない人もいると聞くからね。
 一ヶ月待ち、というよりも……既に性質なんだろう。
 仕方ない事もあるんだろうさ。
 知っているかい? 一昔は「勤勉」なんてモノじゃなかったんだってさ。ハツカネズミ宜しく殺し合いが
繰り返されてたんだから。職業殺人者としたら記録モノだね。
 マーダー・ケースブックを一冊空けたって良いくらいだよ。
 うん、兄さん?
 ……彼は勤勉じゃないね。まったく、吸血鬼なんてさっさと墓の下に追い返してしまえば良いのに。

 ただ、彼は――ちゃんと戦う事に優秀だよ。
 なんと言っても私の兄さんだ。信頼は私と家族が心から渡せるさ。
 信用は、そうだな。
 ふふ、それも私が証明できる。
 そう。
 兄さんと相対すれば、それでお終いだ。
 闇は闇へ。死地に咲き誇る厳然なる瑞花こそ、血河に咲く一輪なり――
 彼の告げる死から逃れる術はないよ。
 

460 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/14 22:06


 ちなみに、時間を掛ければ掛けたほど……とは行かないのも経験済み、なんだね。
 ネタ、というのは生物でね。醗酵させすぎると、使い物にならなくなりかねない。一気に片付けられるなら、
それはそれに越した事はないよ。
 

461 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/14 23:10

>>457
 おっと、妙な事になっているね。
 だから気をつけないと、なのに。
 別に私が投稿する事を生業としている云々でなくてね。私は単に書くことが好きなだけだからさ。
 少しでも新しい文体を作ろう、と、ただそれだけだよ。

462 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/16 00:01


 ……「リーグオブレジェンド」。
 楽しみには、してたのに、なぁ。
 ふぅ。
 まあ、ハリウッドだから仕方ないか。
 

463 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/16 00:09


 「男達の挽歌」、「男達の挽歌U」、「男達の挽歌V」、「狼・男達の挽歌・最終章」、「リベリオン」、
「パルプ・フィクション」、「エル・マリアッチ」、「デスペラード」「レザボア・ドックス」……と。
 ……しかしまあ、朝からよくもこれだけ流しに流したモノだ。
 お陰で頭の中は二丁拳銃とギターケースで一杯だよ。
 碧霞はエラく喜んでいたけれど、私は――
 「熱い男達の魂だからいい」って? ……碧霞、残念だけど私にそれは理解できないんだけど。
 ああ、でも面白かったよ。兄さんが執心してる作品だから気にはなっていたからね。
 

464 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/05/16 20:20

 一つ完結。
 ……やれやれ、どうしてこうも長引かせてたんだろ。

465 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/17 23:00


 文化の相違から、時として凄まじい作品が世に生み出される事は、往々にしてある。
 例えば、
ttp://www.h2.dion.ne.jp/~redbat/movie/82kabuki.html
 こんな。
 外にも様々で、ニンジャは最強の暗殺者であり、サムライは最強の戦士だ。
 劇中で炬燵がストーブの役割を果たし、サムライ・ブレードは絶対必殺の最強武器として全てを
断ち切る。「ムラマサ」は伝説の名刀の代名詞だった。
 さて。
 時に私はドイツ人だ。で、先日兄さんがこんな作品を借りてきた。
 「黒武者 弐」
 絶句したね。

・「サムライ」を覗くと怒られる。
・女性の名前で「オニコ」。
・江戸時代(?)で町民の女性が流暢に英語を操る。

 デヴィット・ストレイン。
 カナダ人か米国人かはたまた他の何処の人かは知らない。
 けれどこの感覚の違いには愕然とする。凄いよ。
 そういえば主演は「バトル・ブレード」に出ていた彼か。ふむ、つくづく因果な物だね。
 ちなみに内容にも首を傾げたと追記しておこう。

 ああ、でも「カブキマン」は日本の「ナムコ」との共同制作なのだね。
 

466 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/18 18:42


 久し振りにSFを読んだらハマってしまったね。ううん、復刻クラシックを買おうと思っていたのに、
予想外に散財してしまったな。
 資料が6千円、小説が……どうして文庫に5千円も使ってるんだ。参った。

 とりあえず神林長平先生の"今宵、銀河を杯にして"は楽しみだけど……どうなんだろう。評判く
らいは確かめてから買うべきだったろうか。
 加えてライトノベルを久し振りに購入。けれど駄目だな。やはり最近は疎くなってしまった。秋山
先生と古橋先生の作品は粗方揃えてしまったけれど、次は何を読むべきだろうか。一息で読める
のは魅力だけに、出来れば面白い作品を選びたいのだけど……ううん。
 とりあえず読んでみたいのは……
・"キノの旅"
・成田先生の作品を幾つか。
 さて、どうした物かな。

 以前質問を貰ったミステリに関しては、近く揃えた作品でラドラムの"冥界からの殺戮者"、それ
からクランシーの新刊だね。うん、"ミステリ"と言うよりも"サスペンス"かな。
 ミステリといえば秋山涼先生の新刊が並んでいたけれど、残念ながらパスしてしまった。前作が
どうにも趣向に合わなかったのが原因だけれど、やはり犯人のコードネーム……というか綽名と
いうかは健在だったようだね。
 ふむ、そうだな。やはり見ていて思うのは……さて。
 近頃のメフィスト賞はどうにもミステリが多い気がするよ。姉妹雑誌のファウスト作家陣然り、風
潮……みたいなモノだろうか。所謂サブカル、セカイ系統の作品が多いのは事実だけれど。
 そも、ファウストは売れ行き次第で今後の状況が変わるんだったかな。乙一先生を加えたなら、
是非とも続いては欲しい物なんだけどね。
 

467 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/18 19:15


 秋山涼、って……誰だ。誰なんだ。私の頭の中で作られた作家なのか。
 秋月涼介先生じゃないか、全く。
 

468 名前:名無し客:04/05/19 16:59

「ラノベ」はどんな小説だと思いますか?

469 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/05/19 20:52

 もさもさ猫っぽ。

470 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/19 20:55


 ……急にどうしたんだ、兄さん。まあいいけど。

 槍や刀で星間戦争で思いつく物。さて、パターンとしては逆だけど。
・SF三国志
 文字通り、曹操・孫権・劉備が覇権を掛けて宇宙で争う。それぞれは皇帝的な役割だったり
大会社の長だったり、だったかな。古本屋で見付けてからだから、随分昔だね。
 ある意味トンデモ本の一種かもしれないな。
 

471 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/19 20:56


 さて、それじゃただいま。
 ラノベ……か。ふむ、ちょっと待っていてくれないか。
 ちょっとお風呂に入りたくてね。……やれやれ、台風とは時期が悪いよ。
 

472 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/19 22:13


 さて……ただいま。ふふ、ゴメン。実は「トリビアの泉」を見ていてね。
 大局将棋? あれは戯言スレッドに上がっていたモノと同じだね。思わず苦笑してしまいそうな大局だっ
たな。週間将棋にも経過が載るみたいだから、興味がある人は読んでみてもいいかもね。

 で、だ。
 ライトノベルについて。
 何か、か。ふむ。こんな質問はそれこそライトノベルスレッドに持ち込むべきなんだろうけれど……うん。
まあ、ちょうどいい。この間、それに近いことを考えたことがあってね。
 で、ライトノベルとは何なのか。
 端的に言えば「軽い」「小説」だ。無論本の重量でも「Right」でもなく、「Light」。呼んで字の如く、一般小
説に比べて”ライト”な小説という意味で付けられたのがこの名前だ。つまり、当初は比較の意味として付
けられた訳だね。元来はニフティから生まれた言葉だったかな。
 けれど、それだけを基準に「ライトノベル」と言ってしまうのは難しいだろう。何せ定義が曖昧だ。
 うーん、とりあえず今を見てみようか。
 現状に於けるライトノベルレーベルを上げてみれば、そうだな。

 「電撃文庫」、つまりメディアワークス。「ブギー」の有名さは群を抜いているね。佳作を取った作品が編
集者に認められて作品化されたり、そういった意味でも新人の発掘に力が入っている場所だ。
 ジャンルが多様で、色々な枠を越えた作品が有るみたいだね。
 「ファミ通文庫」。エンターブレインを母体にするレーベルで、ゲームのノベライズやジュヴナイル系の作
品が幅広い。地雷も多いって訊くけど……どうだろう。
 私が読んで面白いかな、と思ったのは「BLOOD LINK」、だったかな。年上の恋人か。いいな、あの子は。
9歳で17歳の人を捕まえるなんてさ。それに引き換えウチの兄さんは……はあ。
 「富士見ファンタジア文庫」=富士見書房。
 ううん、あまり詳しくない、んだけど……「ザンヤルマの剣士」はココだったかな。ファンタジー系の作品を
多く輩出してる大御所で、メディアミックス展開に強いみたいだ。あ、「カオスレギオン」もここなんだ。
 「徳間デュアル」。徳間書店が送り出したレーベル。
 他の「ライトノベル」レーベルに比べると、ファン層の年齢も高くなるのかもしれないと思う。ココは夢枕獏
先生の作品を復刻してたりして、そういう意味じゃ新人を主体にしてた、ようなイメージが無いんだ。ただ、
古橋秀行先生の「サムライ・レンズマン」はココ。巧く原作をパロディしたSFで、純粋に面白かった。
 「ハルキ文庫」。あの角川春樹事務所が送るレーベル。
 個人的にチェックしていた作品が少しあってね。全体的には……どうなんだろう、知名度は少しマイナー
になるのかな。「ゾアハンター」がここだっけ。朝松先生もいるね。「エリ・エリ」や「ゴミマリア」が有名なんじ
ゃないかな。
 後は、講談社の「十二国記」を擁する、X文庫ホワイトハートや、「マリア様が見てる」が有名なコバルト文
庫も上げられるだろうね。
 それぞれターゲットは私達くらいの年齢から、高校生くらいが中心。ただ、最近じゃその部分でも多様化
してきて、広範囲の年齢層にアピールする作品も多いみたいだね。
 ふむ。
 社風なんて物があるのかって? 勿論。
 ミステリの○○社の厳格さ、加えて警備の厳重さときたら出版社なのかと疑うほどだし、それに……お
っと、こんな話は他所に置いておこう。シビアだったり編集者が――なんて話は色々だろう?
 

473 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/19 22:37


 さて、それじゃ次。読んでみた特徴、としようか。
 作品の多くは、やはりジュヴナイル的だろう。過剰な暴力シーンは無いし、恋愛観もドロドロとしていな
い。異常な性愛は扱われないし、度を越した残虐シーンもない。これは当然、と言えるだろう。ターゲット
にしている年齢層を敬遠するような内容ではいけないからね。例えばエルロイのハードコアな世界観が
ココに混じっても異彩を放つだけだ。触れやすい、身近な別世界。そんな感じかな。
 文体も読み易く工夫されていて、確かに「ライト」な部分も大きい。
 反面、重過ぎるテーマや重厚な感情はあまり描かれない。行間を読む必要がある場合も少ないかな。
これは当然、読み易いように、との配慮からだろう。
 ならばテーマに関しては? テーマが「無い」モノ、も勿論あった。或いは、続巻が続く中でテーマの意
義が薄くなった物、失われた物も見受けられた。けれど、一貫したテーマを掲げていなくても、話を話とし
て区切る事で成立している印象もある。ふむ、これは特徴じゃないかな。

 幾つか……どうだろう。二百冊程度は読んでみたけれど、作家ごとのクセ、それにテクニックと呼べる
部分も多い。ライトノベル独自の発展に合わせて培われた技術、と呼べるかもしれないけれど、巧い、と
唸らされる部分だね。それは文章技術でもリリックでもなければ、オノマトペや文章構築に於けるそれで
もない。一度最後まで読んでみて、繰り返し読んでみると思う部分がある。無論、それは私の私見であっ
て、それ以上でもそれ以下でもないから語るのは止そう。
 他には……ううん。
 久美佐織先生だったか……どこかで誰かが言っていたけれど、「通じる人には通じる」ネタ、というモノ
も、今では一部で普通に使用されている。
 一種のパロディとしてだけれど、これは、ある。「戯言シリーズ」、西尾維新先生の作品に見られるマン
ガのネタも、一種これに通じるんじゃないだろうか?
 読者が「知っている」事を前提とした、ね。これもライトノベルの強みだ。

 さて、一番の特徴は、キャラクターの印象が強いこと、じゃないだろうか。
 続編が続巻が出続けている作品には、「〜が活躍した、次は?」みたいな感想を見る事はよくあるし、
私自身、「気に入ったキャラ」が続編の中で登場すると嬉しかったりする。
 凍らせ屋。新宿の煎餅売り。さて。次のドクター・メフィストの登場はいつだろう。
 ふふ。まあ、これだけなら当然、コロンボもホームズもダトリーもジャック・ライアンもスワガー親子もレ
ンズマンのみんなも「印象強いキャラ」で「続巻が出ている」ことになるよね。
 だけど、ココには翻訳が入る。「翻訳者を媒介する」ことで、作者と読者の間には一枚の板が差し込まれ
ているような印象を、私は受ける。私は日本人ではないけれど、これは「ライトノベル」に関する質問だか
らね。ライトノベルが日本で生まれた独自の文化であるという事を考えれば、ここに海外作品を含むには
どうか、と思うし……上に上げたみんなは、「ライトノベル」的な作品の中で生まれてはいないからね。
 だったら、境界は何なのか。
 傾向としての特徴はあるだろう。無駄な描写を省くことができる。いや、省くべきだ、と言おうか。
 読者に想像させる展開が多い、大きい。細部まで描写し尽くしはしない。
 

474 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/19 22:49


 二百冊……いや、もう少しは読んだかもしれないな。特売で買ったり色々で、多少は私も読んでいる筈、
なんだけど。数えた事が無くてね。うーん、すまない。忘れてしまったよ。
 千冊には届いていない。五百冊は解らない。けれど、少しは読んではいる、筈だ。この程度の読書量で
語る事をまずは許してほしい。
 続けて、見地が狭い私見を謝罪するよ。

 ……さて、話を戻そう。謝罪は出来てもこれでは話が進まないから。

 私が一番思うことに、ライトノベルの現在の特徴として、イラストがある。
 そう、表紙に描かれたカラフルなアレだ。
 イラストとの相乗効果が大きいライトノベルでは、まずはキャラクターを「見て」、その後に文章を読むこ
とはないかな? イラストレーターさんの描き出したキャラは明確に脳裏に刻み込んで、文章を読む時に
は既に、頭の中に明確なキャラクター像が造り出されている。
 私は以前、S・ハンターのスワガー・サーガの主要主人公、ボブ・リー・スワガーについて兄さんと話した
ことがある。
 兄さんの印象は、
「身体を絞った、理知的なシュワルツ・ネッガー」
 だった。
 対して私は、
「類型的な米国人。けれど瞳には冴え渡った冷たさがある」
 だ。
 これは「彼」の人物像が描写だけで捉えられているからだ。
 ライトノベルと比べて一般の小説は描写が薄いのか? そんなことはない。寧ろ、逆だ。例えば今の例
なら、これでもかというくらいS・ハンターは主人公であるボブを細かく描写する。だからこそ、私達は「彼」
がどんな人物であるのか、「かなり詳細に」知る事ができるんだ。だからここに想像の余地は狭く、私は
「ボブ」という絶対的なヒーローを強く頭に刻み付ける事になる。強いて言うなら、外見にその余地がある
くらいだろう。
 だけど、もしここに……「ボブ」が描かれていたら? アメリカだから、そうだな。X−MEN宜しく筋肉質
なアメリカン・ヒーローが描写されていたら? 私はそれを思い浮かべるだろう。
 そうだな……うん。
 実はさっき、この間言っていた「キノの旅」を買ってきたんだ。
 読み易いね。一気に読んでしまったけれど、私はまず「キノ」さんを表紙で見て、それから文章を読み始
めた。この時点で私にとってのキノさんは(実は男の人だと思ってたんだけどね)、「帽子を被っている。
喋る自転車と旅をする、ガンマン(?)の少女。小柄。一見して少年のようだ」
 という印象を受けている。
 もうこれでキノさんのイメージは固まった。イラストの力たるや凄まじい、とはこの事だよ。兄さんがCD
を買う時に俗に言う、「ジャケ買い」――ジャケットの美麗さに引かれて本を買う、という事だけれど、その
一因がここにあるんじゃないかな。これは、なんだろう。「イラスト買い」とでも言えばいいのかい? 私も
天野喜孝さん……そう、「D」のイラストを書いているあの人が表紙を描いていると、思わず手に取ってしま
った事もあってね。ドラゴン四兄弟、本当に完結するんだろうね。まあ良いけど。余は洒落にならないよ。
 方々で訊くけれど、秋山瑞人先生の作品がジャケットに比べて重厚な世界観を構築している、みたいな
話とかね。いい意味での例外かな、この場合。いや、手に取られないのは拙いんだろうけど。
 そう、勿論内容とイラストが比例しないのはCDと同じ。中は読んでから買った方がいいかもね。
 さっきの行間を読む必要がない、に掛かってくるけど、逆に想像の余地を膨らませてくれる描写が多い
のも特徴だと思うよ。まるで絵を見るように文章が展開する。銃火が散華し、異世界の魔術が飛び交う。
それをスピーディに表現するには、確かに読者の想像力に頼るのがベストだろうから。
 

475 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/19 23:22


 ……さて。
 だらだらと語ってしまったな。言っている内に自分でも纏まらなくなってきたから、そろそろ幕引き行こう。

 先に続けようか。
 他、レーベルとしては違うのに西尾先生(他)の作品が「ライトノベル的だ」と言われるのには、ひとえに
「キャラが立っているからだ」と考えることもできる。
 京極先生の作品を読むときに、作品の文脈からの感想でなく、「あのとき関口は〜」なんて感想もある。
これは「キャラが立っている」からからこそ、だとは言えないだろうか。支持されるキャラがいる。読者はそ
のキャラを身近に感じる。これで「キャラが弱い」なんて事はありえない。
 ニーズをダイレクトに受けている部分があるんだ。作者も、編集者も。これほど読者に密着したジャンル
も少ないんじゃないだろうか。
 他にも、発行される作品の多彩さ、作品数は類を見ない。だからこれは、世情や「今を反映する」作品で
もあるかもしれないね。言い方は悪いけれど、「大量消費される」ように毎月ドッと並ぶ作品の数々は壮観
だ。最近は書店に行くと目当ての本だけ買って、後は雑誌でも流してみようか、なんてしてたからとんと気
付かなかったけど、ランキングにはライトノベルの名前が軒を連ねている。姿を消すのも早いけれど、名前
が上がるのも早い。
 「今日はチェックしている作品を見に行く」……そんな話も訊くけれど、そう訊くとCDの発売日にはかなら
ずCD店に駆け込んでいく兄さんを思い出すよ。いずれにせよ、同一の発売日に多様な作品が並ぶのはこ
のジャンルの特徴だろう。「ああ、○○の新刊が出てたのか」じゃなく、「今日は○○(レーベル)の発売日だ、
みたいにね。

 傾向としては、そうだな。
 「富士見ファンタジア」の作品を幾つか読んでみて、感じたことがある。
 「戦う為の魔法」「戦う為の武器」が多いね。まるでRPGみたいに多彩だ。それが話の筋に密着してる、
って方向じゃなくて、サブとして、かつ味付けみたいに。一つの「技術」が物語に挙げられた場合、これが他
のジャンルならば話の根幹になるだろう。けれど、そうはならない。つまり、「テーマ」かな。主軸にならない
技術にも説明はしっかりと成されている、そんなね。
 そうそう、「戦闘」もあったね。
 ほぼ確実に主題になっている……という訳ではないけれど、かなりの割合で作品には戦闘が待っている。
そう。避けられない、自然な形でね。犯人を見つけたから大人しく逮捕……とは行かない。いや、そもそも敵
は最初から明確な敵意を持って、真っ向から襲い掛かって来ることすらままある。ファンタジー要素が存在
する時、高確率でエッセンスになっているような、ね。

 ……うん。こんな所だろうか。
 私の狭い見地からの意見だ。反論も多々あるだろうけど、それは勿論だと受け入れる。
 いや、逆に意見でも貰えると嬉しいね。やはり色々な見方は面白いから。
 

476 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/20 00:55


 タグ……か。
 うん、成功。
 ルビは嬉しいね。今まで考えてはいても使えなかった当て字もルビも幾つかあったから。
もし使えるようになるならメモしておけばよかったな。
 いや、もう済んでしまってはいるけど。
 

477 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/20 10:12


 おはよう。
 見直すと随分しまりのない文になってしまっているね。
 もうちょっと解り易く書きたかったけれど、今更では詮無い事かな。

 ふむ、しかし……昨日のだ。
>>二百冊……いや、もう少しは読んだかもしれないな。
 これだね。無論、全ての本を合わせて、の事じゃない。
 ライトノベルの総読書量、のつもりで言ったのだけれど、考え直すとやはり二百、か、それ以前だと思うよ。
いや、自分でも計算した事などないからサッパリなのだけどね。
 ……どれくらい読めば語っていいのか、やはり解らなかったな。まったく、無様な話だ。
 しかし、二百か。多いようで少ないな。ローダン・シリーズなどもはや翻訳だけで三百だ。数え直すには書
庫を開放しなければならないし……駄目だな、時間に足りない。

 所で、海外小説の事を例に上げたね。
 それでも翻訳小説の「レンズマン」シリーズや「銀河お騒がせ中隊」、「半熟マルカ」……みたいに、キャラ
クターが立った小説は存在するんだ。これもライトノベル、とは呼べないかな。
 予め作られた定義でなく、こちらから提出する定義、としてね。
 

478 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/20 10:17


 しかし。
 うん、これは。
 これは、いい。
 影の軍団……か。
 TVシリーズも買ってしまおうか。
 

479 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/20 19:42


 ふふ、「ばいばい、アース」は偶然見付けたんだ。
 冲方さんを知らなければ見逃していただろうね。

 ……よし、と。さて。

 いや、ゴメン。お兄さん。
 ちょっと気付かなかった……な。ふふ、こんな無駄に長い文章ばかりのスレを見ている
人がいるとは思わなくてね。おっと、見てくれてありがとう、って事だよ。
 それじゃ、初めまして。
 私はエーフィ・クロエ・ハウサー、十四歳。義妹の上に小柄、加えるに黒ゴスが似合うロ
リ体系といった属性完備なのに兄が振り向いてくれない寂しい最近さ。やれやれ、家族同
然の年上を篭絡するのは難しいね。



 あはは、流石に本職だね。
 うん。やはり、私の意見もそこになるかな。キャッチーなイラスト。これは大きいよ。複雑
な衣装も武器も、言葉で表された物を補強する訳じゃなく……寧ろ、イラストのイメージか
ら引いてしまうことだってある。ただ、少しイラストレーターは種類が増えても良いんじゃな
いか、って思うときもあるけれど。アニメ的なイラストよりもカッチリと来るタイプの小説も出
てくるかもしれない。
 この間気付いたんだけれど、秋月涼介先生の「月長石の魔犬」と「紅玉の火蜥蜴」。ミス
テリとしての評判はともかく、このストーリーも「キャラが強い」ミステリだったね。メフィスト
賞の傾向の一つだけど、感情移入できるほど……ふむ、俗に言う「萌え」じゃないかな。私
なりの解釈では、これは気に入ったキャラを応援する言葉、とでも言えばいいかな?
 イメージ的にはそんな感覚だよ。ならば私はボブ・リーと中村主水に「萌え」だね。リアル
に当て嵌めるなら兄さんだ。いや、「応援」でなく「愛している」からこれは正しくないな。
 さて。
 僅かばかり話がそれたね。この二作品だけど、「月長石の魔犬」は「紅玉の火蜥蜴」の前
作として暫く前に出版されたんだ。突飛――いや、やや仰々しいと言って良いほどのアダ
名、コードネームのセンスに驚いたね。これもやや「ラノベ的」と言える要素だけど、近作で
ある「紅玉の火蜥蜴」を見て驚いた。これは文字通り、「ページを捲る前、第一印象で驚か
された」んだ。前作の素っ気無いミステリ表紙……つまり私達の見慣れた講談社のアレか
ら、西尾維新先生かと思うばかりのアニメ的な表紙に変わっていたんだよ。
 確かに、これは大きい。それが作中のどのキャラであるかは明白だし、加えて、そう、これ
こそ「ラノベ的だ」と思った要因だけど、作品中にも挿絵が挿入されている。これは西尾維新
先生のように章ごとで区切られた場所の挿絵でなく、場面に合わせた挿絵でね。ハイライト
的なシーンに合わせて挿入された挿絵が臨場感を作り出す、アレだ。作者は同じでも、これ
だけ違うとかなり印象も変わる。
 うん、朝に言った「半熟マルカ」もこれと同じだったけれどね。
 

480 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/20 19:59


 ライトノベルが世間に浸透してきている……確かにそうだ。何と言えば良いだろうかな。ラ
イトノベル作家が広範に進出している、そんなイメージだ。
 そう、お兄さんが言った冲方さん。彼がSFというジャンルの中で高評価を獲得したこと、
それに乙一さんの世間への浸透度。加えて、二人は現在もライトノベルというジャンル内の
作家であること。そして二人とも、ライトノベルの発展を願う作家でもある。秋山瑞人先生も
正統派SF雑誌に進出したのは記憶に新しい。
 この間、電撃文庫の社長さんだったかな……「制限などない」みたいな発言があったらし
いね。そう、拡散するだけでなく、周囲から取り込むような発展を見せている。ライトノベルが
比較から発生したなら、周囲の発展とともに進化してもいい筈だ。今は周囲が衰退している
状況だからね。最年少芥川賞受賞の彼女たちだけれど、私は或る意味で……言い方が悪
いけど「客寄せ」のような、重い枷を嵌められた印象があったんだ。確かに一時的な注目は
集まった。だけれど、これからだ。問題はね。純文の衰退は見るに久しい。時流に載せられ
るように捌かれていく作品の数々。「バトロワ」然り携帯サイトのアレ然り、「世界の中心で」
然り。映画の製作に合わせて売れたりすることもあるだろう。だけど、それが本当に歯止め
を掛ける事になっているのか?
 話は変わるけど、音楽。「QUEEN」というバンドがある。大御所だね。
 兄さん曰く、

「QUEENが売れるのはいいけど、「プライド」のお陰っての癪だな」

 だ、そうだ。アレで使われた曲がガンズやクリムゾンだったら売れたのか? 売れたんだ
ろう。それがメディアの力であり、現状なんだ。今のセールスがガクンと落ちた状況は見る
に見かねる。
 ライトノベルは量産……というと言葉は拙いけど、次々と毎月、正に怒涛の勢いで作品を
生み出している。面白い物もあれば、その逆だって当然だ。衰退するヒマを見せないような
ソレは、泳ぎ続けなければならないカルマを背負ったサメかマグロみたいだ、なんて思った
事もあった。けれどどうだろう。「ライトノベル」はもう一つのジャンルだ。書店には専用のコー
ナーが設けられ、特定のファン層を持っている。そう、実際に売れてるんだ。それがイラスト
の力であれなんであれ、ね。作家とイラスト作家と読者との関係を繋ぐメディアな展開。今
じゃエンターテイメント・ウェポンなアニメにもこの分野は進出しているんだろう? 凄いじゃ
ないか。
 境界を敢えて緩和したことで隆盛したジャンル、と言うべきなのかな。黒々とした情緒や血
腥い描写をシャットアウトせざるを得ない状況から、逆に若年層の支持と、続く若手作家を
得てきた現在。その「現在」から、今は様々なレーベルが鎬を削る出版の荒野だ。レーベル
の特徴を読者は選ぶようになっただろうし、作家もそうだ。「読み易い」SFだってあるだろうし、
「触れ易い」伝奇だってある。本人がコミック的だ、と言っていた夢枕獏先生の手法を取り入
れた人は今では何人も居るし、「選べたならマンガを選んだ」と語っていた平井先生の作品
は現在に連綿と続く伝奇の道の礎になっていたに違いない、と愚考する。ジャンル的な排他
をしない。
 「ライトノベル」という坩堝の中のカオスは発展を繰り返してる、ような気がするんだ。一般
誌に顔を出している先の二人――冲方さんと乙一さんの展開もそうだね。
 確かに、「ライト」という文脈からかイメージからか、まだ認知度は一般に低い……というよ
り、大人の人からは「子供向け」というイメージが強いみたいだ。ベルリンの壁よろしく聳えて
いたその一部を破壊したのが冲方さんの「マルドゥック・スクランブル」だったかもしれない。
 純文大家、ミステリの大御所。「出せば売れる」作家はまだまだ多い。けれど、そういった
マルボロ・マンだけで成り立つ物だろうか。様々な要素を内包するライトノベルが現在のよう
に支持されているのは多種の要望に応える部分があるからじゃないだろうか、とね。尤も、
これはライトノベルにも同じだろう。「売れる」作家さんは、逆に「作家&イラストレーター」の
シリーズに置き換えられている部分がある……ような感覚がないでもない。話を聞いた印象
を含めて、だけどね。秋山瑞人先生や上遠野先生のようにコンスタントに「支持される」作品
を出している作家さんも、当然のように居るのだけど。
 

481 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/20 20:03


 そうそう、「富士見ファンタジア」を読んで思ったことがあるんだ。
 その、何て言えばいいのかな。「少年漫画的な」? この表現でいいかな。世をヒネた印象
を受ける作品があまりないのだね。「撲殺天使ドクロちゃん」のように徹底的な世情のパロデ
ィに徹した作品を有する「電撃文庫」とはまた違ったカンジだ。
 これはレーベルごとの違いだよね。面白いと思う。

 まず、私は面白い作品が好きだ。
 ジャンルなんて関係ない。ミステリが好きなのは以前からの積み重ねで「一番自分に合う」
から好きだけれど、面白い作品であればそれに越したことはない。ま、だから「面白いミステ
リ」が私にとっての最高であることはもちろん間違いはないんだけどね。純粋なミステリでも、
エンタ系だとしても。
 うん、レーベルの境界を越えてもいいと思うんだ。上遠野先生や冲方さんのように、一般レ
ーベルに跨る様な展開……逆でも面白い。一般からライトノベルに転向してきた人も(もう居
るようだけど)、増えてきたら面白そうじゃないか。
 確かに文体も内容も「ライトノベル向き」の作法は存在する。でも、現状は多様化の一途を
辿っている、印象はある。「ライトノベルでの経歴は一般に転向するなら無に等しい」
なんて状況は取っ払われて来てる。そう、「どちらでも通用するような作品」が生まれてきてる
んだ。……まあ、無論、「面白い」と言う前提があっての話だけど。
 メフィストや徳間から先生が来たらどうだろう? 私はちょっと面白いと思った。
 千秋寺京介先生なんてどうかな。



http://www.sankei.co.jp/news/040519/bun030.htm

 最近、文芸ニュースでも取り上げられていて耳に入る所になったけれど、「奈須きのこ」さん
の「空の境界」(そらのきょうかい、だと思っていた。「空」は「から」なのだね)が講談社から出
版される。序に言うなら、ライトノベルがノベルズから出るのは珍しいね。
 記事の見出しは「インディーズ文芸から」との事だけど、これは現在のアンダーグラウンド的
な下地から……というより、ゲーム他との連携から生まれてきてるんだろうか。
 何より、文学フリーマーケットから上がってきた作品とはまた別の盛り上がりを見せている。
そう、この板でもスレッドが立っているね。有名な同人ゲームである「月姫」のシ
ナリオライターだ……というのは有名な話で、それは「コミックマーケット」で売られていた作品
だ。参加した事はないけれど、つまりそれは有志が集まって個人の創作物を売買する場所だ
ろう? その中心はゲーム、アニメ、特撮らしい。だから、電撃文庫の掲げている「ゲーム的な」
という作品とは通じる所があるんだろうか。その完成度は高く、ライトノベル作家の中にも「月姫
的」だなんて言われている作家の人がいる。そう、現状でアンダーグラウンドな作品にインスパ
イアされた人が商業レートで作品を作っているんだ。それがこうして誰の手にも届くようになる
んだから、注目されるのは当然かもしれないね。
 以前、書店で偶然「月姫」のコミックが置いてあるのを見付けて驚いた。今ではアニメにもな
ってコミックにも展開して……と、すっかりメジャーな感があるけれど。しかし、それでもここま
での広がりを見せたのはココ、「キャラネタ」にまで進出するようなキャラの作り込みにも要因
があるのかもしれないな。
 そして、その前に書かれた、という小説。
 私もこの作品は読んでみたいかもしれないな。
 ……ただ、この「限定版」の価格は戴けない、ような気がしないでもない。一般の人も「ファウ
スト」の広告などで知っていた筈だけど、3時間で完売じゃ……いや、この値段も問題なのか。
いきなりソールドアウトは凄いけれど、もうちょっと間口を広げても良かったんじゃないかな。や
っぱり「知っている人が前提」のファンアイテムなんだろうか?
 

482 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/20 20:05


 ライトノベルが俗に「キャラ小説」と言われるけれど、それはお兄さんも言うように「キャラが立
っているから」に他ならない筈だ。私と兄さんのフェイバリットである京極夏彦先生の作品内で
「キャラが立っている」のは広く知られる所で、キャラクターのファンページまで存在するくらい
だ。また、その二次創作もWEB上で見付けることができる。これは如何に「キャラとして」支持さ
れているかのバロメーターかもしれないな。まあ、言うまでもないけれど京極先生の凄い所は
そのキャラ達が生き生きと作品世界を動き回る事、その構築能力の高さ、文章能力の高さにあ
るんだけれど。
 それでもファンが「キャラから」小説を見ている場合もある、というのは確かだよ。
 私もストーリーを追う際に「京極堂の出番はまだかな……」なんて思ってしまう時もある。
 正に巧みなキャラクター造形が成せる技だね。

 だから……そうだな。転換期、という言葉は悪くないと思う。
 今まで続いてきた土台があったとは言え、それが一気にこれほどの多様化を始めたのは今、
という状況だからね。「ライトノベル」を手法にしたような一般作品が増えてきてもおかしくないし、
それはそれで悪くないんじゃないかな。いや、寧ろそれは面白そうだ。
 この混沌を練り上げて形にする。勿論、ガチガチの「ライトノベル」という枠組みで括ってしまう
のではなく、ね。
 この成長期、成熟にはまだまだ速い筈だ。

 しかし、ライトノベルの書評が? ふむ、それは面白いね。文芸雑誌以外に……いや、私の読
んでいる文芸雑誌以外なだけかもしれないが、電撃文庫の書評をしていたのは笠井先生くらい
しか記憶になくてね。一体どんな雑誌なんだろう? 読んでみたいかな。

 二百五十冊? それは凄いな。
 最近は殆どライトノベルを読んでなくてね。正確さに掛ける部分をお詫びするよ。いつでも気軽
に読める利点はあるけれど、どれを読んでおけばいいか、と言うのを測り兼ねてね。これからは
もう少し範囲を伸ばしてみようかな。久し振りになにか読んでみたい。
 ふふ、というのもチェックしてなかったから、「どれが面白いのか、どの作家さんが良いのか」判
断できなくてね。
 よし、情報を集めてみよう。
 おっと……そうそう、スレッドも参考にね。
 

483 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/20 20:13


 私はとんでもない間違いを犯しているね。
 何って、これはどうしようもない。自分のことながら自分が厭になる。
 兄さんが「家族同然」? 「家族そのもの」で「本当の家族」じゃないか。全く……自分の発言とは言え首を
括りたくなるな。
 しかし……時間が無いのも溜め息を吐きたくなる要因だよ、ホント。
 

484 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/21 00:20


 気付かなかったのは……どうにも、私も出不精でね。最近は慌しい日々に忙殺されてスレッド
の巡回を怠ってしまっていてね。
 うん、ややこしいかな? 兄さんは兄さんだし、それ以外の年上の男性は呼び方とニュアンス
で分けるようにしてはいるのだけどね。私のような年下に「コウ君」などと呼ばれたくはないんじゃ
ないかな? 「小父さん」なんて歳でもないだろうしね。



 おっと、秋月先生を調べたんだね。
 うん、こうしてWEB上で表紙が検索出来るのは悪くないね。わざわざ店頭に足を運ぶ必要がな
い。さて、それが実際だよ。続巻であるにも関わらず、大分違った印象を受けたのはその為だ。
内容的には、前作は一部から地雷認定を受けているからもし読むなら気を付けて。ただ、立ち読
みをする機会があるならその「コードネーム」を一度見てみるといいかもね。きっと驚くから。
 森博嗣先生の作品は確かにラノベ的な部分が見受けられるね。このまま講談社が方向性をシ
フトするなら……考えられないでもないか。
 正直、「お堅い」講談社が西尾維新先生の表紙を出した時は驚いたのだけどね。
 あのイラストは他者のそれと比べてもカラフルだったくらいだ。内容も多様化してきているし、や
はりこれは作家達よりも環境が変わりつつある傾向だろうか。流れは流れ、どうなるか楽しみだ。

 しかし、アニメの現状か。
 ふうん……なるほどね。
 確かにアニメを作るなら、アニメ製作側の技量と原作解釈に依存しなければならないか。その
良し悪しが品質を決めるのは正当な流れだね。
 WOWWOWを……へぇ。あ、いや。
 その、ゴメン。アニメに関しては完全に素人同然なんだ。聞き齧りの知識でね。あ、けれど「ス
レイヤーズ」と「魔術師オーフェン」は知っているよ。読んだ事はないのだけれどね。だから、状
況は解っているけれど、ライトノベル発祥のアニメは……実際には見た事がないかもしれない。
 ふふ、けれど「撲殺天使ドクロちゃん」の映像化か。
 いや、良いね。それは面白そうだな。スタートからダッシュと強制停止から更にダッシュ、展開
を更なる展開で薙ぎ倒すような内容だ。アニメにしたら……巧く出来たなら楽しそうだね。

 AEROSMITHとアルマゲドンに関しては、全くその通りだ。
 尤も、映画とバンドの双方が有名ならば尚更、だけれど。トゥームレイダーとKORNの時はそれ
ほどでもなかったのは……トゥームレイダーの知名度か。


 奈須きのこさんの話は偶に訊くよ。WEB上ではもう有名人だしね。
 作風に関しては京極先生の影響を強く受けている、ってことで凄く気になったんだけど。
 しかし、ファンの盲信かい? ……ふむ。その作品が絶対だ、と思うということだろうか。何処だ
かで訊いたのは、信者同然のファンの暴走……という事だったけど、作風などはそれこそ、今言
ったように京極先生の影響もあったらしいし、幾人もの先人が前提に在るのは当然だろうね。
 見境がなくなっている、という状況が解らないから何とも言えないけれど。
 水面下のシーン、という事に関しては……うーん。確か、どこかで似たような話を訊いたな。つ
まり、「アンダーグラウンドの頃から知っていた」というファンの熱の入った盛り上がり、というか。
それがメジャーに出てくるにつれての反応、だったかな。
 またも音楽に例えるなら、リンキンやレイジをインディの時点で知っていたファンの強烈な繋が
りと言うべきなんだろうか。ちょっと違うかもしれない。アンダーグラウンドのカリスマ的バンドへの
思い入れは、よく兄さんから聞いていたんだけど……。
 

485 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/21 00:25


 「魍魎の匣」は問答無用の名作だね。コレと「姑獲鳥の夏」の永久保存版は私の宝物だ。
 そう、言われるように作品によって主題と、主人公の役割を振られる人物は変化する。寧ろ、本
来の主人公である「京極堂」、中禅寺秋彦さんは話にトドメを刺す切り札で、「名探偵」、榎木津礼
二郎さんは一種、「反則」とでも言える存在かつ、言霊で魍魎を祓う京極堂の切り札、しかもこの
作品の中でも「特異」な存在だ。その捉え所がない性格は魅力的で、彼が主人公の番外編も存
在している……けれど、この二人はやっぱり超然としている気がするんだ。
 だからこそ、常人の視点で悩む関口さんや木場さんが主体となった話は多い。特に関口さんが、
ね。木場さんは"自分の正義"、"信念"を獲得した魅力的な存在だ。だからこそ、あの人達の中で
も埋もれずに在り続ける存在だと思うよ。
 もちろんこの主要人物達に限らず、話ごとの人物が背負った業、愛憎、京極堂の介入過程で絡
まって行く感情……等と言った要素が全員を脆い人間らしく、或いは壊れた人間のように描き出
しているんだけれど。

 おや、書評は新聞だったのか。それじゃ……調べる術はないね。無理を言ってしまったね。
 こちらこそゴメン。

 ふむ? 自慢している、などとは思っていないよ。普通に凄いと思ったまでさ。
 私も広範のジャンルをチェックしたいとは常々思ってはいるのだけどね。
 ふふ、確かに……それこそ、この身が幾つも在るか時間の流れを変えられるなら、もっと色々
と読みたいのだけど。
 そう、残念な事に時間も資金も身体も有限さ。

 へえ、オススメは成田さんか。
 いや、この人の名前はよく訊くからね。チェックしようと思っていたから丁度いいね。やはりココ
は「バッカーノ」シリーズから……か、単体で完結している作品を選ぶか。
 何にせよ、店頭なり情報なりで検討してみるとするかな。感謝するよ。
 感想は……あははっ、私の感想じゃ、きっとロクに内容も良さも伝えられないんじゃないかな。
 それでも良いなら、また今度。
 読んだ時に、ね。



 しかし、先に加えるならライトノベルに於けるイラストレーターさんの状況も変化してきているの
かもしれないな。やはり一番で思い付くのは天野喜孝さんだけれど。展示会を海外にまで開ける
ようになった人も珍しい。
 今じゃCDのジャケットまで手掛けてるし、あの味の有る絵は好きだな。なんだったかな。兄さん
のCDで……そうそう、Galneryusだっけ。
 ま……とはいえ、まだ私は天野先生以外のイラストレーターさんは名前が覚えられていないの
だけどね。
 

486 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/26 00:14


 やれやれ、早々に私も時間がない。
 どうして14歳の私が大学生のアラン兄さんや修道女のリーザ姉さんより時間が欠如しているのか理解
に苦しむが、やはり調子に乗って偽名で雑誌のアルバイトなど引き受けてしまったからだろうか。
 ふん、予想外に面白みのないことを繰り返す羽目になってしまったな。これならば以前試した小説の下
読みの方が幾らばかりか――それはないか。やはりここは大人しくするとしようか。
 それよりもなによりもいい加減にポッカのファーストドリップは飽きた。ボスにしてみるべきか否か。それが
問題だ。やれやれ、メフィストフェレスが傍らに居るのなら暇潰しの相手でもして貰いたいよ。全く。

 小説の粗筋。
 アレは面白いよね。何が面白いって、発行される時はしっかり「内容を期待させる」文章になっている事だ。
当然と言えば当然なのだけど、『粗筋』というのは言葉通り、最初から最後まで内容を梗概する物だからね。
小説の投稿や小説家から編集者へと渡される物がいい例だろうか。
 面白さを伝えるよりも、内容を全て、いかに簡潔に伝えられるか。前者の場合は簡潔かつ面白いに越した
事はないけれどね。小説の新人賞を狙っている人などはここに気を付けるべきだと思うんだけどな。
 ふむ、本来の粗筋とはどうあるべきなのかな。

                            ○

 A国は島国にも拘らず、魔法によって栄えた強国であった。しかし今は王国の主力部隊である竜騎士団
が竜の休眠期である為に動く事が出来ず、島の周囲に結界を張って鎖国している。
 A国の皇子であるBは、幼少時頃から病弱で肌の色が白く、城内では異端視されていた。彼には愛する
婚約者であり従妹のCがいた。Cと共にある幸せを糧に日々を送るAだったが、やがて従弟であるDによっ
てその王位を簒奪されてしまう。
 身体は病弱でもその魔力は史上の魔術師全てを凌駕するAは、王位の奪回と従弟への復讐を誓う。
 『強力な呪詛の剣』がE砦にあるという話を訊いたAは砦へと向かった。その話を訊いたCはAの殺害と呪
詛の剣を手に入れる計画を立てる。
 Bの追撃を撃退し、呪詛の剣の裁断へ辿り着くA。時を同じくして、自ら乗り込んできたCと祭壇で鉢合わ
せする。
 驚く事に剣は二本であった。驚愕する二人の前で発光する剣。光が消えた時、二人の手にはそれぞれ一
振りの呪詛の剣が握られている。呪詛の剣は自ら殺戮を求める狂気の剣であった。剣に惹かれるままに切
り結ぶ二人。長い剣戟の果て、AはCの心臓を刺し貫く。病弱な身体に漲る活力と歓喜。それが呪詛の剣の
力だと確信するA。呪いの言葉を残した従弟の死を後に、国へと走るA。
 だが、国は荒れ果てていた。破壊された家屋、陵辱された女、殺された子供。Cの留守中に略奪者が国を
襲ったのだ。城へと急ぐA。殺害されたBの姿が目に飛び込んでくる。
 Bを抱き締め、涙し、埋葬するA。残党を残らず残らず殺害し、Aは略奪者への復讐を決意して旅立つの
であった。

                           ○

 六百六十七文字。修辞を加えたい序盤は王国についてだろうか。まあ、これでも最低限の粗筋にはなる
だろうと思うけど。内容はご存知、ダークヒーロー主人公のファンタジーの流用だね。個人的には加えたい
部分として、他社を殺害した際の高揚と、待ち受ける確約の絶望があるかな。
 ちなみにこれが投稿用だった場合、前回話したライトノベルに算出すれば『電撃』で原稿用紙が二枚分ら
しい。許容範囲だね。
 キーワードを使ってプロットから小説を作り出す手法を見た事がある。
 この場合は『呪詛の剣』『虚弱だが、絶大な魔力を持つ皇子』『宿敵たる従弟』がキーになるだろうね。
 キーワードを先に提案し、プロットに変える。練習にもなるし、ネタにもなるという方法だ。
 設定は流すだけ、けれど話の流れは構築されている。

 オリジナルキャラを作る際、キャラクターの設定に腐心するよりも、周囲への理解を高めた方が効果的じ
ゃないだろうかと、私は思う。しかし、ココ、キャラネタの場合……どうなるだろうか。「敢えて明かさない」楽
しみ方があるとは思うのだけど。尤も、それはそれで物語の筋が通っていなければ駄目だろうけれどね。
 しかし、久しぶりにしては随分マトモな粗筋が書けたモノだな。やはり元ネタがいいからか。
 ムアコックを読み直したくなってきたよ。

 ちなみに兄さんの通称である(らしい)『白い狼』は、図らずも白子の皇子と共通するからと彼は笑ってい
た。……どう考えても皇子なんて柄じゃないけれどね、兄さんは。
 私達を――家族をいつも護ってくれる、優しくて雪みたいに白い狼。それが正しいかな。
 

487 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/26 00:18


 ルビ装備、か。
 やれやれ、幾ら待った事だろうか。兄さんの戦いにも振れていれば……今更詮無いな。
これからのモノに使えると思えばいいか。
 しかし……となると、表現の幅が広がるな。ルビがあるとないじゃ、韻の印象も変わるし
文の選びも……ふむ、ふむふむ……これは中々……楽しそうだ、けど。
 今までルビを振らずに気軽にやってきた分、考える場所が増える訳でもあるのか。
 ま、いいさ。
 それなりに楽しませて貰うとしよう。
 

488 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/26 00:27


 ……うわ、凄いな。
 即興レス、とは言え……この何処が「マトモ」だって言うんだ。
 内容もだけど、AとBとCがグチャグチャに……やれやれ。文脈から読み取らないと
どうしようもないな、コレじゃ。
 

489 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/26 00:33


 全ての需要を満たせるモノなどない。何処にもない。
 私はクラシックが好きだ。が、兄さんはメタルが好きだ。私はメタルは嫌いではないが、「好き」
というレベルには遠い。兄さんにしてみればメタルは「至上の音楽」であるらしい。
 さて。
 極論、兄さんにとってメタルとその他の音楽の重要性を比較するなら、メタルが最上位、その
他は「面白ければいい。でなければどうでもいい」レベルでしかない。これは「流行っているから
聴いてみるか」的なモノでしかないワケだ。
 では、CDを買いに店に入った時……興味のないジャンルの棚を調べるかい? 私なら真っ先
にクラシックの新盤と輸入を調べた後、復刻を見て何もなければ店を出るね。兄さんならメタル、
ハードコア、パンクと言った所だろう。
 当然だけど、店側が「このジャンルを見ろ!」と強制できる訳はない。

 同じだ。
 どんなスレッドを見るのも個人の自由だし『自由度が高い』という現状を考えれば、どんなスレ
ッドを立てるのも自由だ。ここでスレッドではなく、板の現状が使い難い、というのはメタルマニア
やクラシック贔屓のBBSに乗り込んできて、「メタルなんてダサくない?」や「今更クラシック?」
とでも言っているような物だからね。
 BBSの人間から見ればこうだ。

「だから?」
「良さが解らないなんて可哀想だね」

 好きな作品だから、見たい。それが大きいんじゃないだろうか。
 そうでなければ余程質が高いか、自然に入り込めるか。新しい人口を開拓したいならそこに力
を入れるべきだろうけど、それもまた「やるべきだ」と強制できる物でもない筈なんだけど。

 クロスオーヴァーに関しては、それこそ相互理解しかないんじゃないだろうか。
 仮にオリジナル作品に設定を書き連ねて所謂『本編』を書いたとしても、それを相手が読んでい
なければ成立しまいさ。
 これが版権でも同じだ。WEB上に相手を知る情報が少なければ? どのみち互いを真に理解
しているような状況は相手の作品を読んでいなければ成立しない。
 ……極端だけど、相手の存在を認知しているしかないんじゃないだろうかな。
 そうでなければ、それを知らなくても成立する会話なら問題ないのだろうけどね。
 

490 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/26 00:40


 最近のライトノベル状況。

5/25(月)

 ライトノベルも置いてある、新しい図書館へ足を運んだ。早速、勧められたいた作品である「バッ
カーノ!」「マリア様が見てる」を探す。
 結果。
 「バッカーノ!」=無し。
 「マリア様が見てる」=全て貸し出し中。
 初心者の為に残して置く気遣いはないのかい?
 仕方がないから「美味しんぼ」の初期巻を数冊借りて帰宅。海原雄山はやっぱり凄いと思った。
あと、後期の士郎さんは腑抜け過ぎていると思った。最初の頃の牙は何処へ行ったんだ。牙を剥
き出せ。戦うんだ、山岡さん。親子揃って栗田さんに弱いのもどうなんだ。
 

491 名前:◆WEISS0lzjQ :04/05/26 03:05

 遠野、という血筋がある。
 古き血。古の歴史。連想されるのは、歪で捻れた歴史。かつて鬼と呼ばれ、細々と確実
に、絶やす事無く紡がれる血脈だ。
 けれど、そこでハナシは完結はしない。そこで終わっていれば何も問題はない。
 終わってはいなかった。
 遠野の血筋は、魔物の血筋だ。
 魔とは、つまり人の歴史と合い入れぬモノ。自然の法則に従わず、人の理を破壊し、生
命を害して己の欲求に従う外道のモノだ。総じて高い力を有するが故に驕り昂ぶり、他者
を力で蹂躙する事を当然と捉える。
 そして、人間は手を拱いてはいなかった。それは当然と言えば当然のコト。
 それを撃滅する方法は何が有るか。殺す方法は何が有るか。つまり、数であり武器であ
り、殺す為の技術であり――そして、魔物を越える純粋な力だ。
 超能力、と称されるべき能力がある。
 ヒトがヒトとしての範疇を超えた力。世界法則の中に混入した異物である魔とは違う。ソ
レは、世界の理の果てに人間が持つに至った超越の能力だ。
 「遠野秋葉」を遡り、遠野の家系すら逆流し、面白い一例を見付けた。俺は笑う。その事
実を笑う。「遠野志貴」。遠野秋葉の兄とされるこの人物の背景。そう、コレは一例。
 生まれ付きの魔が在るとするのなら、生来の瀞滅の力が在る事も不自然ではない。
 「七夜」と呼ばれる家系は、正にその一例。既に亡いこの血筋は、魔を祓う事こそをその
生業として存在していた。
 遠野志貴の本来の名を、七夜(、、)志貴と呼ぶ。
 聖が魔と在り続けた理由。
 俺はそれを笑った。
 血縁は無く、されど共に生き、結果に抱いたは恋慕の情。
 魔を纏う妹は浄化を生業とする兄を想い続けていた――なんて。
 それは、なんて。


『――お兄ちゃんは、人間だから』


 なんて、滑稽さなのか。
  

492 名前:◆WEISS0lzjQ :04/05/26 03:34


 滑稽。

 思う。自分の中を蠢き続ける血を。魔を祓う血流(ヨスガ)。生命を喰らう宿縁(カルマ)
 俺とは、そういうモノだ。
 身体は幾霜の年月を経た経験を生まれ付き有し、血は何よりも魔の気配を優先して感知
する。身を獣と変え焔と成し、総ての生命を悉く殺戮する。
 殺す為に俺は生きている。魔を滅ぼす為にだけ、この生命は在る。
 クズと相容れる事など有り得ない。
 魔と相容れる事なんて――

『――お兄ちゃんは、どうして』

 有り得ない。
 資料に目を通す。貼り付けられた写真。黒髪の年若い少女は、無愛想ながらも何処か幸
せそうな笑みを浮かべている。いつの話かは――解らない。どうでもいい。
 遠野秋葉。遠野家の当主にして最後の血族。全く、最高の演出だ。
 最後のバケモノを、この手で蹂躙して滅壊する。
 魔物。良いだろう。面白い。面白い。面白い。良いだろう。良いさ、良い。最高だ。
 調べは付いた。理由も出来た。何もかも準備は万全に整った。
 遠野秋葉。殺してやろう。

 ワゴンの外で流れて行く風景をぼう、と眺めて、ふと視線を落とした写真を握り潰す。
 不意に沸いた苛立ちは収まらない。何時の間にか掌には小さな炎が生まれていた。
 無造作に灰に変わった写真を払い落とす。
 超越者。
 超抜者。
 懲罰者。
 血管(ライン)を巡る血流(エーテル)を自覚する。
 魔を闇から無へ転換するそれが在るとしたら――それは遠野の兄だけではない。
 仲間を殺されて、友人を殺されて、ソレで笑って日々を過ごす?
 答えはノウ。選択肢はない。殺す理由はそれで充分過ぎた。
 く、と喉の奥から笑いが漏れる。止まらない。泣いているのか笑っているのか自分では判
断なんてつくワケもない。
 ゴルフバッグを担いで、ワゴンのサイドドアを開く。
 坂の上、その頂上正面には、一軒の屋敷。
 町に景観に不相応に巨大な面積と豪奢を誇るそこには、

 とく、ん。

 一歩。踏み込んで、鼓動が異常なビートを刻んだ。
 とくんとくんと狂ったように血流が動脈を猛る巡る感覚。
 ちりちりと肌が焼けて行くような錯覚。

 ――ああ、なるほど。迷う必要なんて、やっぱり一塵もなかった。

 この場は既に異界。生有る他者を阻む結界だ。
 屋敷を全体を包む空気は、濃密に殺意を孕んで総ての生命を拒絶している。
 軽く、厳かに。鼓動の高鳴りに呼応して、ざわり、と首筋を悪寒が撫でた。
 錠前を力任せに破壊する。扉を蹴り開けて――どくん。
 脈が胸郭を蹴り付ける。殺せ殺せ、とココロの何処かで誰かが叫んでいる。
 ソレを否定するつもりはない。解ってる。
 俺はココに住むバケモノを殺すと決めている。
 この異界(マガイモノ)を破壊しよう。
 この世界(ニセモノ)を破壊しよう。
 遠野秋葉(バケモノ)を破壊しよう。

 さあ。
 殺してやる。
 

493 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/05/26 03:37


 いつかの貼り直し……が、やはり真が生きていた頃から、ではあるが……ルビ振る前に
行間は合わせた方が良いな。
 後だと面倒になりかねない。
 

494 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/28 23:28

 http://appletea.to/~charaneta/test/read.cgi/ikkoku/1072282683/17
 格闘ゲームなら以前貼ったのだけれどね。
 兄さんに訳あって削除してしまったのさ。
 が、お蔵入りになっているモノで良ければ。

495 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/28 23:35

 協力者は……ええと……?
 ドイツ語? ドイツ人……微妙に違う気がするな。
 何だろう……と。
 あ……る、アルクェイド? ふむ、兄さんの知り合い、なんだろうか。

 ええと、何でも……以前の作品の「シスター」との戦闘同様、打ち合わせで会話して、
それから掘り起こした物だそうだよ。
 というかトリップはこれで合ってるんだろうね。この人で合ってるんだろうか。
 ……まあ、いいか。

 ちなみに先例として先にそちらのシスターの方を――
 シスターシスターって、名前があるだろうに。やれやれ、ええと、シスター……シエル?


 ……また私の知らない名前だね。

496 名前:◆WEISS0lzjQ :04/05/28 23:40


 微風が流れる。
 初秋の空気は澄み切って冷たく、茹だるようだった今年の夏の湿気を綺麗に拭い去って
くれたようだ。

 朝も早いナヴォーナ広場は、静謐と聖性に満たされていた。
 ベルニーニが造った噴水の上には墓標のようなオベリスクが屹立し、槍のように天を貫い
ている。ココ――つまり、通称"四大河の噴水"は、素人目にも技巧の粋を尽くしたバロック
様式で、この広場に来る度に意識しなくても目に止まる。
 ジプシー達も大勢は出回っていないこの時間は、広場を独り占め出来たような気分に浸
れて、少しだけ嬉しくなった。

 さらさらと流れる水の音に耳を傾けて、後ろ手に両手を組んで歩くシスターの背を追う。派
遣先が同じ日本の彼女がヴァチカンに着ているのが珍しいと言えば珍しいけど、そんなコト
を言ってしまえば俺も同じだ。
 偶然逢ったのが昨日、散歩でもしませんか、と呼び掛けたのが今日の朝。
 そんな偶然か気紛れか、ともあれエスコートを引き受けて貰えたのは重畳だった。
 さらさらと流れる風。
 見上げれば蒼空。正面で揺れる彼女の髪が靡くたび、蕩々と流れていく緩やかな時間の
流れを思い出す。
 凍ってしまったような時間は、けれど確かに流れている。
 永遠では、ない。

「あーっと……急にヘンな事訊きますけど、いいですか?」

 ぽつん、と小声で漏らしたその一言に、シスターがぴたりと足を止める。

「……へ? 良いですけど。何ですか?」

 きょとんとした顔でシスターが振り返る。

「あっと……あー」

 ……しまった。
 言ってから、唐突過ぎる切り出し方に後悔する。だけどそんな事は後の祭り。
 覚悟を決めて、胡乱に考えていた事を言葉に構築し直した。

「あ、ええ。別に妙な事じゃないって言うか……その、何て言うんだろう。
 その――こう、"自分が世界に必要とされてない"って、どんな感じだと思います?」

 これの。
 これの何処が"妙じゃない"のか。
 これの、一体何処が構築し直したんだろうか。
 案の定難しそうな顔になってしまったシスターに苦笑いして、慌てて手を振った。
 

497 名前:◆WEISS0lzjQ :04/05/28 23:43


「あ、いや、別に誰の事ってワケじゃないんですけどね。その――あ、ああ、いや、その、
何でもないです、何でも」

 それには返さず、彼女は口元に手を当てて考え込んでしまっている。
 ひょいと噴水の縁に腰を下ろして、空色の瞳で俺を見上げた。

「うーん……つまり、誰にも何処にも受け入れてもらえないと感じているってコトですか?」

 どうやら、質問の解除は却下らしい。
 じっと見詰められて、曖昧にええ、と頷く。

「それなら……その人の事を心の底から大切に想っている――――そう言う人が、たった
一人でも確実に存在する。それを教えてあげれば良いんだと思いますけど」

 ……本当に、不意に。
 そんな言葉を、なんでもないような自然さで彼女は口にした。

「わたしもそれなりに色々ありましたし、『何でわたしなんかが生まれてきたんだろう』って
考えた事もあります。けど、今更生まれなかった事にも出来ませんしね。……存在意義っ
て、誰かが決めてくれるモノでもなければ自然と決まる物でもなくて――――自分で決め
るモノなんですよ、きっと」

 そう言って、彼女ははにかんだように笑った。
 ……決めるのは、自分。
 誰かが肯定して上げる事が出来れば――誰か、信頼出来る誰かがいれば。
 それは。それは――確かに、そうだ。
 壊れそうだった自我。弱かった自己。それを補ってくれた仲間が、家族が、友人が、恋人
が、誰かがいたからこそ、脆弱なヒトという種は生きていられたのだから。
 独りだけで生きるのは――

「大切に、か。……うん。そう、だな、それ。解る気が――する」

 ……あんなに、辛かった。
 軽く頷いてから、カソックの裾を払って彼女の隣に腰を下ろす。
 そうだ、と笑って、

「……シスターはそんな人、いるんですか?」

 言ってから、数瞬。
 言葉を飲み込んでからか、シスターは面白いくらい可愛らしい仕種で表情を白黒させて、
掴み掛かるみたいな勢いで身を乗り出してきた。

「――――い、居ないですよ!? って言うか居たとしても人に話したりしませんって!」

 それは、逆に。
 ……そう言われると、気になるんだけど。
 口には出さずに、裾を払って立ち上がる。

「あはは……ご、ごめん。冗談……冗談ですよ、冗談。済みません。あ……と、そうだ、ハ
ナシ聞いて貰ったお礼です。昼食は奢りますよ。近くに有名なパスタの店があるんですけ
ど、スパゲティなんて、どうです?」

 手を差し出してから、子供みたいに不機嫌を顔一杯に出した彼女にごめんなさい、ともう
一度謝った。

「むー……なんとなく食べ物で誤魔化されているような気がします。…………けど、大人し
く誤魔化されちゃいましょうか。確かにお腹空きましたしね」

 はあ、という軽い溜息と困ったような笑顔。
 納得してくれたのか、風で冷えた冷たい掌の感触が指に掛かる。


 アレから、どれだけ経ったのか。

 あの時の言葉は。
 まだ――憶えて。
 それは。
 カレンツァが消える、約一ヶ月前の事。
 彼女からの助言は――まだ、伝えられないまま。
 アイツは、消えた。
 

498 名前:◆WEISS0lzjQ :04/05/28 23:48


「――ち」

 舌打ちする。
 路地を駆け家屋を駆け、気配と気配の網目を縫って走り続け――距離にして百キロを越
えたか越えないかで、一つの確証を得た。
 逃げ切れない。
 寸分の乱れなく追ってくる足音はこのまま千キロでも着いて来そうな勢いだ。
 このまま目的地に辿り着こうとすれば、既に廻らされた警戒網に追い詰められるのがオチ
だろう。
 ……それなら、つまり。

 経理事務所のビルを飛び降りて、そのまま人気の絶えた大通りを走る。視界の先は切立っ
て、路地はそこで途絶えている。見下ろせば、虚無的に響き渡るがたんがたんと歯車の音。
この時間に於いて線路を流れる車両は、もはや無人の貨物列車を置いて他にない。
 足を止めず、駆け抜けた。
 高架下への跳躍。全身を洗うような風の中、20メートル程の距離を下る。
 耳を聾する轟音が消え去るのに交差して、無人の駅ホームに着地。

「…………」

 足を止めて、開けた空に十六夜の月を視認する。
 加速度的に静寂に包まれていく世界で、静かに目を閉じる。
 灰色の世界は静謐。

 ――と。

 微弱な――まるで栗鼠程度に殺された足音と、気配。
 予想通りの展開に苦笑する。
 ……ああ、やっぱりこうなるのは必然らしい。
 覚悟を乗せて、はあ、と深呼吸。
 目を開けるのと同時。十六夜の銀光が遮られた。

 ……闇が降る。

 さっき俺が飛び降りた場所と寸分違わない位置から、"彼女"は微塵の躊躇いもなく飛び
降りてきた。

「ふう……やっと止まってくれましたね」

 どこか呆れたような口調。
 聞き分けのない子供に告げるように、彼女は――シスターはそんな事を言う。

「……エスコートするにも、こんな時間じゃ何処も開いてませんからね」

 こんな馬鹿正直に何キロも追い回してくれる人なんて、滅多に居るモノじゃない。半ば予
想していた追跡者の正体には、驚く所はなかった。
 彼女は俺の軽口に少しだけ微笑んで、そのまま寂しげに柳眉を曲げる。

「追いかけっこはそろそろお終いにして、戻って来て貰えませんか?」

 ――言った瞬間。
 彼女の手には、細く長いレイピアが幾本も生み出されている。
 唐突で奇術めいた特殊技能。針のような切先が象徴するのは、その鋭利を以って下す死
と称された断罪だ。

「でないと、力で止めなくちゃいけなくなってしまいますから」

 空から注ぎ込む風が法衣の裾を揺らめかせる。
 ……冷たく黒く、けれど綺麗で優しい死の天使。
 蒼い月と同色の瞳は、この場からの退却を赦してくれそうもない。
 剣に映し込まれた月光は煌びやか。あの鋭利と偉力は充分以上に知っている。

「――俺は……」

 沈黙は無為。
 漫然と流れる時間に反して、残された猶予はない。狭められ往く追跡の網は、過ぎる時間
に比例して網目を小さくしていく。
 退いてくれ、とは通じまい。
 戦いたくない、というのは希望的観測だ。

「貴方には貴方の想いがあるように、わたしにもわたしの想いがあるんですよ」

 優しい沈黙に耐え切れずに開いた口を、彼女の言葉が押さえ込む。
 切先に視線は落としたまま、彼女はどこか、寂しげに呟いた。

「結果は大体想像が付くんですけどね。……行動しなければ、万に一つの可能性も拾え
ませんから」

 ……諦観より達観だろうか。
 顔を上げた彼女は、苦笑しながらそう告げる。
 儚い笑顔は脆く、今にも闇に溶けて消えそうだ。

「俺は」
「……さあ、どうしますか?」

 静かで、落ち着いた、水面の双眸。
 彼女が言っている事はどうしようもない現実。
 だったら、何でそんな目を。
 そんな目を、してるんだ。

 ……それで、どうしようもない逡巡にケリを付けた。

「……ありがとう、シスター」

 精一杯で微笑んで視線を返す。
 軽く頭を下げて――それから、俺は信念を告げる。

「でも、ゴメン。俺はカレンツァを追うよ。甘いって解ってるけど、やっぱり駄目だ。
アイツを放って置けない」

 どこか寂しくて悲しげな笑顔を浮かべると、彼女はひょい、と俺との相対距離を広げた。
 まるで最後の決別のような、別れの距離のような境界線。

「では、始めましょう。遠慮は要りませんよ。わたしも本気でやりますから」
  

499 名前:◆WEISS0lzjQ :04/05/28 23:53



 vs"第七司教「弓」"シエル
 BGM:Evanescence/Bring Me To Life

  

500 名前:◆WEISS0lzjQ :04/05/28 23:54


「……やっぱり、駄目でしたね」

 ぽつり、と。
 硬いコンクリートの上で仰向けに倒れたまま、彼女はそんな事を呟いた。
 風は冷たい。
 周囲は無人。
 月は十六夜。
 気配の絶えたホームは、俺と彼女、二つ分の荒い息だけで支配されている。

「……ごめん、シスター」

 はあ、と一度大きく深呼吸して――やっと紡げた言葉がその一言。
 倒れたままの彼女は一度軽く咳込むと、弛緩したように空を見上げた。
 その瞳と同じ蒼。出来損ないの満月は、横たわる黒衣の少女へと銀蒼の針光を注ぐ。

「良いんですよ別に。謝らないで下さい」

 抱き起こそうと近付き掛けて――そこで足を止めた。こちらに向けられた瞳の色が、不要だ、
と語っている。
 ……だけど、それには納得だ。
 だって。

「……どうして、手加減してくれたんです」

 ……戦っている途中で、気付いた。
 俺は立って、彼女は倒れて。それが今の現実。まだ走って逃走出来る体力が俺に温存さ
れているのが何よりの証拠だ。
 傷痕が覗く裂けた法衣。滲んだ血。幾多の裂傷は目に痛々しい。
 このまま走り切れば、警戒網からは離脱出来るだろう。
 けれど――

「そのキズ、俺が」
「……気のせいですよ。それより、行かなくて良いんですか?」

 だって、と言い募る俺に、彼女は微笑んで軽く首を振る。

 ……迷いが溶ける。

 優柔不断な俺の背を押すように、彼女はそう言ってくれた。
 キズの治りが速い俺すら凌駕する治癒能力――それが、彼女が有した異能。
 それでも――だからと言って、互いに殺意を抜いていたと言っても、俺が刻み付けたキズ
は軽傷とは言い難い。
 ……それなのに。
 この人は、笑ってくれる。

「……あちゃ。そうだな、急がないといけないや」

 声色だけで笑って視線を逸らす。
 これ以上ココに立っているのが、辛い。
 気の効いた言葉は出てこない。
 俺は、それじゃあ、と背を向けて。

「後は任せて下さい。少しくらいなら手を貸してあげられますから」

 消え入るような声で、彼女はそう言った。
 ……何処まで、貴女は。
 あ――とか、う、とか言葉にならない言葉が口元で生まれて消えて、結局、「ありがとう」
の一言で返すのが精一杯だった。

「……あのバカは殴ってでも連れ戻すから。だから、ありがとう。ケガさせたのに見
て上げられなくて、ゴメン。今は俺、急がないといけないから」

 ああ、そうだ。
 折角逢ったのに、言おうとした事を忘れる所だった。
 一度だけ振り向いて――届くように声のヴォリュームを上げて。

「そうだ。良い店見付けたんです。生きてられたら……エスコートしますよ、今度」

 思い出したように付け加えて――本当に思い出したのは、それが忙しさで言い忘れてい
ただけだった事に思い至った。
 優しげな苦笑を一度だけ瞼に焼き付けて、ホームを後にする。
 時間は――無い。

 ……カレンツァ。
 

501 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/05/28 23:55


 元々は「一刻館ファイターズ」のネタだったらしいけれどね。
 貼り直してない今はログの中さ。
 ちなみに選曲には後悔しているらしい。貼り直すなら変えるだろうね、曲は。
 

502 名前:◆WEISS0lzjQ :04/05/29 00:37


 ――ざあ、と風が薙ぐ。

 世界を払い除ける息吹に、千切れた草葉が散っては舞った。
 長廊を抜けた其処は、まるで異世界。

 緑の草葉は星辰の照り返しに煌き、頬を撫でた微風にすら矮星の輝きを幻視する。
 冬の海原を渡る海神の呼吸はこの城へと続く平野を駆け上がり、空も海も大地も渾然一
体となってこの幻想を織り上げている。

 風が海神の息吹なら、夜露に反射する朧な光はこの地で果てた無数の魄霊か。
 バカな想像だと嗤って、空を見上げる。

 空には満月。

 近星を纏った蒼い月輪は、無数の騎士に護られる女王を連想させた。
 そして。
 星原と月鏡の下――錚々と草の鳴る曠原の中に、それは在った。
 蒼い蛍が飛び交う闇の中、一際白い影が夜露に煌く。
 独にして凛烈。けれどその独者は、天満星と同等の彩度を持って厳然と。草露の光を纏
って、孤独な月は地上で昂然と耀く。
 俺はその月の名を識っている。

 アルクェイド=ブリュンスタッド。

 ソレは、半ばにして胡乱な思考が告いだ言葉。吸血鬼の――長生種の。露生を紡ぐモノ
の皇族。そしてそれは、イコールで絶対者を示す言の葉に違いない。
 神酒(ネクタル)の輝きを宿す髪は雪華のドレスに流れ、白い相貌は蒼光でライトアップされて真夜
の中で確として映し上げられる。何処までも孤独に立つその姿は、己以外の全てを必要と
していないかのように完璧で完全で、この上なく絶対だ。
 言葉を失ったのは――けれど、その絶佳を目の当たりにしてじゃない。
 閉じた瞳。
 彼女の瞼は、遥か遠くに向けられた視線を隠して閉じられたままだ。
 俺は。
 この地に足を踏み入れた人間である俺は。
 アルクェイド=ブリュンスタッドを視界に入れた俺は――その光景を前にして、その場か
ら一歩さえ踏み出す事が出来ない。
 そして――そんな俺を嘲う様に時の鎌は状況を薙ぎ払い、容赦なく世界を編成する。
 金色雪華の姫が首を廻らせる。
 鉛と化したまま、俺はただ、その光景を眺めた。
 

503 名前:名無し客:04/05/31 21:20

こないだ三題噺ってぇやつを見たんですが、
ちょいと挑戦してみませんかい?

504 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/01 00:23


 ふうん……そうか。よし。
 それじゃ良いだろう。
 問われて名乗るもおこがましくも、生まれは西国独逸の茫々たる某の褥、身の生業も夜鷹と
起きる夜稼ぎの、盗みも非道も有りはせず、人の情けも有りはせぬ、しからば言って聞かせま
しょう。夜毒も血毒も消えぬ世の世に夜叉毘沙門天も虚言で如く、天も地も憚らぬ理無くさば、
虚のままに世を流れ……
 縁棄て世捨ての流れの小鬼、えーふぃ・くろえ・はうさーとは私の事、



 ふむ……ふむ。


 ……似合わないな。

 口調から合わせようとしたがやはり私には難しい。

 ……。

 こほん。

 ……で、題材はキミが?
 時間が有る時、になるかもしれないけれどね。
 

505 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/01 00:24


 ちなみに二つほど上のレスは貼っている途中で気力が尽きたから、また。
 ……ちょっと用意だけ、ね。
 

506 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/01 00:29


 ちなみに、質問応対を書いていた以前は似たような事をしていたのだけれどね。
 ……ふむ。
 これを「回答レスで対応する」というのも一つの形なのかな。
 

507 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/01 01:54

>>505

 失敬、三つ上だったね。
 自分のレス番を見間違えるとは情けないな。
 

508 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/02 01:55


 そうか。
 あちらもこちらもお疲れ様。
 閣下と、錬金術師さん。
 

509 名前:名無し客:04/06/02 07:33

ええと、三題噺ですが、
「ときめき」「卵焼き」「温度計」でGOです。

510 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/03 02:28


 ふむ……随分とまた、バラついて不可思議なモノが出てきたね。
 ともあれ、委細承知した。
 けれど、今日は時間がなくてね。
 先日言ったように少し後になりそうだ。書く時は報告させて貰うよ。

 ……しかし、要点としてはその三つが主題とならねば本末転倒なのだろうね。
 長ければ長いほど、題材に使用されたモノが主題から外れればマズそうだ。
 さて、どうなる事やら、ね。
 

511 名前:名無し客:04/06/03 03:12

>>510
いいえ、チラッとだすだけで良いんですよ。
そりゃ、主題になっているにこした事はありませんがね。

即興でどれだけ上手い具合に三つの御題を絡ませられるかが、三題噺の見所なんです。

512 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/04 00:08

>>511

 へえ、そうなんだ?
 いや、例えばだね、50キロから100キロの文の中でその単語が一つ二つ出るだけだと拙いんじゃないか、
と思った訳さ。ああ、勿論これは私が50キロ100キロ書く訳じゃなく、そうなったらどうなんだろう、と思っただ
けなのだけどね。
 まあ、その辺りはどうとでもなるか。
 内容に関して指定がないなら、それなりに自由に……いっそ内容にも人物にも指定くらいあっても良いの
だけどね。ふふ、いや、制限は制限としてあった方がそんな場合の練習にもなるからさ。

 おっと……しかし今日も、ゴメン。時間がないんだ。
 少しばかり用事があってね。そも、私くらいの年齢は寝る時間だ、と兄さんにどやされかねないけど。
 

513 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/16 02:25

>>511

 とりあえず近況報告。雑なんかには顔出してるからね。
 ええと、まずはケガしちゃってね。鎮静剤は使ってるんだけど、どうにも長い事集中する
のが難しくてね、これが。後は時間……は、言い訳だな、うん。
 とりあえずさっき集中して書いてみたけれど、ちょっと長くなっちゃったかな。
 治り次第ネタも纏めて書くから、少し待って貰えないかな。
 ゴメン。

 あ、今日の続きから書くと100キロは越えちゃいそうなんだけど。
 またゴメン。長過ぎて見辛いかもしれない。
 これが趣旨に反する=纏められていないなら、コンパクトに纏まった簡単なモノを書こう
と思うから。一応、今はこちらの方向かな。
 

514 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/17 01:51


 ふ、ふふふ……やっと、やっとだ。
 再インストール、完・了!

 ……なんてね。
 しかしまあ、知識がある人が居て助かった。何事も経験だと言うのは解るが、焦って居た所に
これじゃあ、パニックになってしまってインストール所の騒ぎじゃなかったからね。
 後はアカウントを分けて、私の領域を確保、ええと後は――む、まだ道は長いか。
 ともあれ、もうウイルスが入ってくるような環境は御免だからね。出来れば私一人(除く兄さん)
でマシンを占有してしまいたいけれどそうはいかないのが残念だ。
 

515 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/06/20 22:57


 ……プライド忘れてた。
 しかもBGMはレイジか。ナイス選曲。
 

516 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/22 23:03

 まずは一言。
 ゴメン。

517 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/22 23:06

 >>511君。
 三題の話だけど、書いている途中でどんどんとネタが大きくなってしまってね。
 流石に本末転倒だと思うままに続けていたんだ。でも、流石にこれは拙い。このままじゃ
200キロを超過しかねない――し、そんなのは求められている内容でもないだろうからね。
 だから、今から一つ、最初から最後まで御題に沿った内容を考えてみるよ。
 少し後で覗いてくれれば完成している、とは思う……思いたいけど。
 元々「即興で」という事だったようだし、あまり時間は掛けたくないな。

 それじゃ、始めるよ。
 また後で。

518 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/23 00:41

 ネタを整理して書き始める所で言うのもアレだけど、もし見ていてくれたなら一報でも
して貰えると有難いかな。散々遅れてしまったから、どうにも申し訳なくてね。
 それじゃ。

519 名前:名無し客:04/06/23 00:52

>>517
えーと、200Kだろうが、300Kだろうが、別に気にしないで下さい。
ここはあなた(達)のスレです。このスレの題名通りのことをやってくれて良いんですがね。

>>518
と言うわけで、一報してみました。

520 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/23 00:56

>>519
 謝意を。
 さてと、じゃあ……どうしようかな。それじゃ、>>517の方のレスはちまちまと書いて、その内に。
>>518のレスは出来れば後一時間以内に。
 プライドの未公開映像でも見て待っていてくれると嬉しいな。
 いや、寧ろ寝た方がいい時間だな。そちらを薦めておこう。

 実は書いていて思ったのだけど、三題は「一つの話の中に何度まで出すのが最適なのだろう」
と思ってね。その辺りを調整して、少しでもコンパクトに出来ればいいんだけど。

521 名前:名無し客:04/06/23 00:57

ネタふった本人じゃありませんが、200k超というのを見てみたいです。

522 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/23 01:04

>>521
 「卵」「温度計」「ときめき」が脇に成り下がってしまった文だからね。
 公開を控えようとすら思ったよ。

>>

 ――面白いじゃないか。
 嬉しい。微かに悟った自己の感情は明白で、馬鹿正直に自分に付き合ってくれた少女が嬉しかったのだ。
 セシルが踏み込んだ。地を這うかのような位置から滑空する刃が翻れば、瞬く間に唐竹割に変化する。動
作から動作、斬撃から斬撃の繋ぎには一瞬とて無駄も間隔もない手捌きであり、太刀筋など読み切れる筈
もない、荒々しくも流麗な剣筋だった。
 もはや尋常の者が理解しようとして及ぶ所ではなく、立ち会うには遠過ぎよう。
 霊気さえ漂う剣戟と言えた。冷気さえ孕んだ剣撃であった。
 触れれば弾かれる剛力と、予測不可能な精妙さと。
 正しくそれは、屍骸の山を築き上げたセシルが"Corpse Factory(死霊製造工場)"の不名誉を身内から負う所以だ。
 幾度となく向けられる恐怖と畏怖、敬意と嫌悪――これこそはその要素を生み出した一因である、人間の
究極とも言える身体能力。異端審問局、「赤」のセシル――黙示禄の担い手。
 受けるのが不可能なら避けるしかない。風切り音が連鎖し、床を蹴る音がアルペジオを奏でる。全てが始ま
って5分間、未だ地に伏していないクレアの所以を問うのなら、それはその尋常ならざる太刀を予測し回避し、
時折剣を合わせては力に流されるように弾かれて距離を取る絶妙の体術にあるだろう。況やそれを上回るセ
シルの体術は凄まじいと言えたが、どうあれクレアを常人と評する事は最早出来なくなっている。
「どうした、逃げてばかりでは勝負とは言えんぞ!」
「力と技術で負けてんだもん、だったらヒットアンドアウェイ、常識でしょ?」
「言ってくれる――!」
 高めのソプラノを発する二人の声が響く――が、異音と言っても差し支えない踏み込みと斬撃の軌跡が生
む烈音に圧され、それはあまりにか細い。華奢な痩躯と柔らなかな声で打ち合う二人は、同時にこの上ない
剛の者でもあった。
 刹那、焦れたようにセシルが柄を握り直した。隙、ではあったろう。
 その鬼気迫る表情を前にして、それを「隙」と認識出来たのなら。

>>
 一部抜き。
 もはや何処が卵なんだか温度計なんだかときめくのか解らない内容だね。
 それでも一応三つを主題に使用と遣り繰りしていたんだけど。
 いいんだろうか。

523 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/23 01:06

 ちなみに200キロ以内には調整したい。
 何が何でも。この読み辛さは何だ。HPスペース作ってアップした方がいいんじゃないだろうか。

524 名前:名無し客:04/06/23 01:36

「卵」じゃないです。「卵焼き」です。
お間違えなく。

525 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/23 01:43

 もちろん。
 貼る直前だったね、しかし。

526 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/23 01:45

 ……む。
 操作ミス。拙いな、フォント調整したデータが消えてしまった。
 少し待ってくれないか。作り直すよ。

527 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/23 01:55

 -E&T&E- 「だから、そんな日も」

 温度計を一瞥する。
 摂氏37度――記録的な猛暑。
 予定を一ヶ月ほど飛ばしてやってきた世紀末的熱波は、夏至を前にして真夏日を極東の国に齎してくれた。
影響を受けずに過ごしていられるのは山奥の農村くらいの物で――それこそ北国一般、出来れば北海道に
行きたい所だ。
 どうでもいい。
 即座に前言を翻す。言ってみた所で北海道に行ける訳はないのだ。テレポーテーションは私には使えない。
スタートレック宜しくテレポーテーション装置が――いや、確かトランスポーテーション(、、、、、、、、、、、)装置だったか(詳しい人
間に言わせるとそうなる(、、、、)らしい)。アレがあるなら話は別だが、そんな技術は現代に於いて確立されていない。
発展目覚しい現代科学の進歩とはいえ、まだまだ人間を分子分解の後に再構築などと言った自然の摂理を
引っ繰り返す行幸には――兄風に言うなら、神の御技(、、、、)の域には達していない。『エンタープライズ』も『ネクス
ト・ジェネレーション』もまだまだ先で、カーク船長やピカード船長は羨ましい限り。魔法でも使えれば良いけれ
どそうは行かない。ガンダルフでもマーリンでもポッターでもないのだ、こっちは。第一、魔法は諦めるとしても、発展目覚しい技術が完全ならまずはこの猛暑をどうにかして欲しいものだが。さて、だけど、しかし。
 そんな技術があったとしても、今、この現在、北国へ本当に行きたいだろうか。
 天井を見上げる――くすんだ茶。古い家を改築して作られた孤児院の天井は、枯れて朽ちた木よりも、若々
しいままに打ち倒された巨木が姿を変えた、と言った印象の色彩だ。この場合の論点は『家を改築したから若
々しい』のかではなく、『家に使われた木材はどう言った過程で切り出されたのか、加工されたのか』という点に
尽きるだろう。森林から切り出され、運ばれ、加工され――そして今に至る。それ以上にこの天井に浮き出る年
輪へと興味をそそられるファクターはない。
 至った、今。
 過ぎ去った、過去。
 ドイツ(故郷)を離れてから何年が経過したかは憶えていない。思い出せば詳細に期日までサルベージ出来るだろう
が、そんな事はしようとも思わない。過去などどうでもいい。経過は踏み倒すだけだ。重要なのは結果――いや、
今だ。今、自分がどうしているか。結果がどうであれ、自分が今を満足して生きていられるか。
 重要なのはそこだけだ。
 今――自分は手に文庫を持ち、明る過ぎる日当たりに辟易しながら本を読んでいて、そして。
 目の前には、それを見ている兄がいる。
 重要なのは、それだけだ。
 私は今を満足して生きているのだろう。
 今、この瞬間。それは確実な筈だ。
 何処かへ行きたいか? 答えは、だから。
 

528 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/23 01:56

 ……失礼。
 盛大にミスしてしまったな。

529 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/23 01:57

 -E&T&E- 「だから、そんな日も」

 温度計を一瞥する。
 摂氏37度――記録的な猛暑。
 予定を一ヶ月ほど飛ばしてやってきた世紀末的熱波は、夏至を前にして真夏日を極東の国に齎してくれた。
影響を受けずに過ごしていられるのは山奥の農村くらいの物で――それこそ北国一般、出来れば北海道に
行きたい所だ。
 どうでもいい。
 即座に前言を翻す。言ってみた所で北海道に行ける訳はないのだ。テレポーテーションは私には使えない。
スタートレック宜しくテレポーテーション装置が――いや、確かトランスポーテーション(、、、、、、、、、、、)装置だったか(詳しい人
間に言わせるとそうなる(、、、、)らしい)。アレがあるなら話は別だが、そんな技術は現代に於いて確立されていない。
発展目覚しい現代科学の進歩とはいえ、まだまだ人間を分子分解の後に再構築などと言った自然の摂理を
引っ繰り返す行幸には――兄風に言うなら、神の御技(、、、、)の域には達していない。『エンタープライズ』も『ネクス
ト・ジェネレーション』もまだまだ先で、カーク船長やピカード船長は羨ましい限り。魔法でも使えれば良いけれ
どそうは行かない。ガンダルフでもマーリンでもポッターでもないのだ、こっちは。第一、魔法は諦めるとしても、
発展目覚しい技術が完全ならまずはこの猛暑をどうにかして欲しいものだが。さて、だけど、しかし。
 そんな技術があったとしても、今、この現在、北国へ本当に行きたいだろうか。
 天井を見上げる――くすんだ茶。古い家を改築して作られた孤児院の天井は、枯れて朽ちた木よりも、若々
しいままに打ち倒された巨木が姿を変えた、と言った印象の色彩だ。この場合の論点は『家を改築したから若
々しい』のかではなく、『家に使われた木材はどう言った過程で切り出されたのか、加工されたのか』という点に
尽きるだろう。森林から切り出され、運ばれ、加工され――そして今に至る。それ以上にこの天井に浮き出る年
輪へと興味をそそられるファクターはない。
 至った、今。
 過ぎ去った、過去。
 ドイツ(故郷)を離れてから何年が経過したかは憶えていない。思い出せば詳細に期日までサルベージ出来るだろう
が、そんな事はしようとも思わない。過去などどうでもいい。経過は踏み倒すだけだ。重要なのは結果――いや、
今だ。今、自分がどうしているか。結果がどうであれ、自分が今を満足して生きていられるか。
 重要なのはそこだけだ。
 今――自分は手に文庫を持ち、明る過ぎる日当たりに辟易しながら本を読んでいて、そして。
 目の前には、それを見ている兄がいる。
 重要なのは、それだけだ。
 私は今を満足して生きているのだろう。
 今、この瞬間。それは確実な筈だ。
 何処かへ行きたいか? 答えは、だから。
 

530 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/23 02:09


「どうした?」
「いや、下らないことを考えていただけだよ。どうでもいい(、、、、、、)事をさ」
「どうでもいい……ねぇ。まあいいけどさ」

 日曜の日課――食後の休憩。
 普段は忙しくてロクに話せない兄が、唯一自分達の為に時間を割いてくれる瞬間。
 他愛ない会話が嬉しく、漫然と時間を過ごすのが気にならない唯一の時間だ。
 先週のヒットチャートを話して聞かせた妹に兄が苦笑いして、(「はぁ、またそんな歌が……ねぇ」「えー、良い
じゃん、流行ってるよ」「いやだってさ、そういう流行って好きじゃなくて」「すりっぷのっとが大ヒット! なんて学
校で言っても誰も聞かないよ、絶対」「う」)朝食の感想を聞きにきた姉に兄が微笑み掛け、(「あ……あの、兄さ
ん、今日の朝、どう、でした?」「どうって?」「あ、えと、だから、お気にいって頂けたかな、って――」「ああ、そん
なことか。いや、いつも通りだよ。上手いな、やっぱり。凄いよ」「……(声にならなかったのか口篭もるように幾
秒か呟く姉。どうでもいいが傍から見るとかなり危ないような気がする。顔が良いから気にならないだけだ)あ、
はい、お昼も頑張ります!」「ああ、ありがと」)先週あった体育測定の結果を報告にきた弟を兄が誉め、(「へっ
へぇ……兄ちゃん、(プリントを取り出す)じゃーん! ほら、これ!」「へぇ……50メートル走か。クラス一位?
凄いな」「だろだろ。でさ、今年の運動会はやっぱり代表俺かなって」「ああ、そりゃ凄い……でもさ、お前、碧霞
に勝った事あったっけ」「う……そ、その内」「頑張れ」)全員がそれぞれの持ち場に戻った所で再び兄は口を閉
ざす。
 強いのだ。この兄は。
 身体能力が、腕力が体力が、ではない(そんな物が強いのは解り切っている)。
 消し去った弱さは、何処に置き忘れてきたのか。
 脆さを排除した生は、害意の強者を挫く為。
 強いのは――だから、その在り方だ。
 だから、不意に思う事がある。
 何故――一人で在ろうとしないのだろう。
 自分達は、その強さの邪魔になる筈なのに。
 何故――
 無為な問いは無為な疑問に変わって澱と化して思考に沈む。
 だから、ただ流れていく時間、そこに兄の姿が正面に在るというだけでも僥倖だった。それだけでも万の金塊
にも勝る。
 だから――家族の喧騒の中、唐突に兄が口にした言葉は、思わず反芻せざるを得なかったのだが。

卵焼き? ……唐突だな」
 部屋の中には小さく喧騒が渦巻いていた。いつもの光景――一週間に一度巡る日曜。TVとAVのBGMに重
なる姦しい弟妹の声。渾然一体となって聴覚を弄するその光景を意識から僅かの間遮断して、エーフィ・C・ハ
ウサーは兄へと首を傾げる。
 こういった意識の遮断と切り替えは得意技で、聴覚の届く範囲内なら自在に「聞きたい物(、、、、、)」と「聞きたくない物(、、、、、、、)
を選り分けられるのだ。
 過去、自分を蹂躙するために店に通っていた男達から意識を反らす為に憶えた(憶えてしまった)技術ではあ
ったが、こんな時には存外と役に立つ。別段、弟や妹の声が鬱陶しい訳ではないにせよ、完全に後者に属する
兄に声を掛けられたのだ。意識を集中するのは必然の優先順位だろう。
「ま……ちょっと。で、どうだ、作れるか?」
 兄の声が柔らかい。思わず微笑み返したくなったが我慢。
「別に、作れないことはないけど――ただ」
 

531 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/23 02:20


 兄を見上げる。
 今日の兄は普段の堅苦しい司祭服(カソック)ではなくて、上はユニクロのTシャツに下はシンプルなワイドストレートの
ジーンズだ。私はと言えば、これはニールバレットの五部袖カットソーとハーフパンツで合わせている。何せ外
に出る予定の無い今日、出来るだけ涼しくしていたい。
 とはいえ、風通しが良いとは言えない――冬は寒く夏は暑いこの部屋の一際暑いこの場所、弟妹は近付いて
来る事は少ない。ここで平然としていられるのは兄か、代謝をコントロールできる私くらいの物だ。兄がここに座
っている理由はと言えば、単純に全員の行動を見逃すことが無いからで、同時に邪魔をしなくてすむから、との
配慮だろう。
 そんな兄が言っている事はといえば――

「どうしてまた、そんな?」
「そんな、っていうか……うーん、ほら。卵焼きって簡単だけど、割と卵料理の基本みたいなところ、あるだろ?
いや、基本は目玉焼きかもしれないけどさ。砂糖の分量とか、焼き加減とか、結構色々あってさ」
「それはつまりだね」
 エーフィは読んでいた文庫(軍事サスペンス)を閉じると、上目遣いに、覗き上げるように兄に視線を合わせる。
「此間帰って来た兄さんがテーブルの上に乗っていた卵焼きを食べたけど、その出来が余りに酷かったから私
に改善を促そうとしていると、つまりはそういうことかな」
「あ、いや、それは」
 兄が言葉に詰まる。
 妹は言葉を続ける。
「別にそう婉曲的に言って貰わなくても良いんだけどね。いや寧ろ、素直に最初からそうだと目的だけを告げて
貰えれば良かったんだけど。だってほら、そんなのはちょっと失礼じゃないかい?」
 う、と言いごもる兄に一つ嘆息。
 精一杯気を遣ってくれたつもりかどうかは知らないが、これでは逆効果もいい所だ。こちらとしては別に構う所
は無いのだが、いつもこうなのかと――他の人間に対してもそうなのかと――思うと少々心配になる。
(いや、女性相手なら盛大にミスして貰っても良いかな)
 陳腐な希望を内心の苦笑で捻り潰して、エーフィは口篭もる兄のフォローに回った。
 

532 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/23 02:24


「料理は苦手なんだ、知ってるだろう? 姉さんの作る所を見様見真似でやってみたんだけどね。流石に包丁
名人、私じゃ追い付かないよ」
「……卵焼き、包丁使うのか」
「細かいな、君は」
 やはり助けてやるべきではなかったんじゃないだろうか。
「ふん、良いじゃないか、別に。食べたのは君なんだから。そもそもだね、卵焼きが出来なければ他の料理が
出来ないというイコールにはならないだろう? 卵焼きが出来なくても目玉焼きは焼けるし、"卵料理"という観
点から見下ろせばホットケーキもプリンも兄さんの大好きなケーキだって卵料理じゃないか。私は卵焼きに向
いてないんだよ、単純にね」
「……クリスマスの後、ケーキ作ろうとして余った生地の材料全滅させたの誰だっけ」
「……」
 指摘は単純。
 効果は絶大。
「てい」
「……うあだっ!?」
 軽い掛け声と軽い悲鳴と。
 状況を単純に説明するなら、「持っていた文庫を死角から振り上げた」という単純極まりない物だが、流石は
トム・クランシー往年の傑作、『日米開戦』の厚さはその角を持ってダメージを与える凶器と成り得るに充分過
ぎた。
「……デリカシーが無いな、まったく……モテないよ、そんなことしてると」
「別にモテようがモテまいがどうでも良いけど……っ痛ぅ……っ、くそ、唇噛んだぞ、今! 口内炎にならないだ
ろうな、これ」
「ケナログでも塗っておけばいいさ。ふん、当然の報いだよ。折角の休みだと言うのに、可愛い妹を攻め立てる
ことしか出来ないというのかい? やれやれ、これじゃ君の将来が心配だな。一緒になってくれる人がいるかど
うか――」
「……俺は神父だってのに」
 ふうん。
「この間何処のシスターに電話していたんだい?」
「あ……いや、あれは仕事の関係で」
「食事に誘うのが?」
「……お礼とか、兼ねて」
 ほう。
「この間礼拝に来てくれていた高校生のお姉さんと話し込んでたね。そういえば。髪の長い」
「あ……あれは、別に。ええと、世間話とか」
「映画館は世間話に向いてるのかな」
「……偶然、封切りが次の日だったから」
 へえ。
「この間の電話明細見たんだけど、珍しく国際電話使ってるんだね。ロスまで」
「国際……えっと、ああ、多分ジャックだ。ほら、仕事の打ち合わせが、ロスで。ああ、えっと、カレンツァだった
かな。いや、ブレイドかも。えっと、フィーリクスだったかもしれなくて」
 

533 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/23 02:28


「"It'll be Alright we're (大丈夫だって)Gonna find a better life(きっと明日は楽しいから)"?」
「……う」
「"……Why don't I take you out(今度、どこか行かないか)?"」
「あ、いや、フィー?」
「"I'll be fun...(俺も楽しいよ、きっ、)"――む」口を手で塞がれた。「……ぷは。急に何するのさ」
「いや、その、何だろ。改めて言われると、その」
「恥ずかしいなら言わない方がいい。ただでさえ君は英語が苦手なんだから、その内洒落にならないポカをや
らかすよ」
「……」
「で、その人達とどこか行こうとしたんだ。男と(、、)
「……ええと、シューティングレンジ、とか」
「「楽しそう」なんだ。へえ。"ときめき"ってヤツなのかい? へえ(、、)
「……ゴメン嘘」
 やれやれ。
「まあ、いいさ。最終的に君が私を見ていてくれれば――さて、それよりだ。実は卵を切らしてしまってね。朝、
メニューに卵を使った料理は皆無だったろう? 実はあれはそういう理由があってのことなのさ。どうだろう、こ
れから可愛い妹とお出掛けというのは」
「……外暑いぞ」
「ふうん? "It'll be Alright we're Gonna find、」
「解った。良いよ解った。良いよ、良いけどさ。……お前、脅迫って言葉の意味、知ってるよな。日本語の」
「一般の十四歳よりは余程ね」
「……そうか、ならいい。もういい」
 立ち上がる兄に遅れて一秒、暑さで起きた立ち眩みを額を抑えてやり過ごす。温度計――37度。
 格好は――まあいいか。近所まで歩くだけだし。この辺りの人達になら、姿を見られても不快感はない。
 台所に声を掛ける。「姉さん、ちょっと卵買ってくるよ。兄さん借りるね」
「え? あ、うん。気を付けて……兄さん、フィーを宜しくお願いします」
「諒解……何か欲しいものあるか?」
「あ、いえ、何も……ただ、怪我しないでください」
「ほら、姉さん口説いてないで行くよ――……っと」
 居間を出ようとした所で、弟妹の視線が集中する。「えー! 待ってよ、なら俺も行く!」「あ、僕も」「あ、私も
ー!」「あ、ちょっと、それなら私も――」総勢四名、私と兄さんを含めれば六名。久し振りの兄の帰還、一緒に
居たいのは解る。だけど。
 エーフィーは軽く肩を竦める。
「こらこら。あまり大所帯で出掛けても、買うのが「卵一パック」だよ? 笑い者になりたくないなら控えておくの
をお勧めしよう。ほら、そこのメモ帖に欲しい物を書いてくれれば一緒に買ってきてあげるからさ」
「えー……」「む……、仕方ないか」
 仕方ない、と言った様子で納得する一同。「希望の物を買ってくる」という時点で「卵一パックを大所帯で買い
に行くのはおかしい」という前提は覆されているのだが、敢えて説明する必要は――そもそも説明するつもりは
ない。こっちの一勝だ。駒は動かしたら戻せない。チェスの鉄則。
 腹癒せとばかりにビッシリとメモ帳の切れ端に書き込まれた商品を流し見て、一家の三女はくすっと笑った。
 頭の中で弟妹の欄に蛍光ペンでメモを付ける。
 "もう少し修行を積みましょう"。
 

534 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/23 02:33


 家を出た瞬間、蒸し暑さと湿気と、アスファルトを溶かそうと思っているに違いない太陽の日差しが一辺に襲
ってきた。
 目に手を翳して、空を見上げる。
 雲の一辺まで晴れ退いた空は、"抜けるような"という廉価な言葉が相応しいほどに蒼い。晴光が落ちる快天
は、どう考えても七月か八月の天気だ。
 雲一つない空――普段従えている雲も群を失った太陽は、護衛の騎士を欠いた王のようだと思った。孤独に
して、絶対。星々を従える天体の長は、誰が論じるまでもなく最大の存在だ。光を全てに齎す神と崇められた半
面、時に旱魃の原因として恐れられる。孤独で、強過ぎるからこその二面性(ジキルとハイド)
 孤独な――強者。
 兄を見上げる。
 排除された、弱さ。
 不要な、脆さ。
 でも――
「兄さん、暑いね」
「そうだな……エアコンでも欲しい所だ」
「贅沢は要らないけどさ」エーフィは空を見上げたまま、ぽつりと呟く。「ねえ、人が多いところって暑いと思うか
い?」
「ん? ああ……そりゃな。人が多ければ熱気も酷いだろ。今日は人込みには混ざりたくないな」
「同感だね。……それじゃさ」

 言おうとして――
 言うよりも、兄が口を開く方が早かった。

「家は、別だけどな」

 兄を見上げる。
 兄はこちらを見下ろしている。
 そうして、不意に――
「ふん……馬鹿だな、当然じゃないか、そんなの」
「そうだな。当然だ」
 考えていたことは――抱えていた懊悩は、酷くどうでもいい事象に成り下がった。
 無言で暫く歩いて、そろそろ人通りが多くなるだろう場所の直前で口を開く。
「ねえ」
「何だ?」
「あの卵焼きさ。君に食べさせようとしたんじゃないんだ。後で自分で食べようと思ってね」
「……食べる、ってな。酷かったぞ、裏なんか焦げ、」
 あ、と兄が声を詰める。
 妹は「別にいいさ」と笑った。
「教訓を刻もうと思ったんだよ。二度とあんなモノを作らないように、とね。ふふ、それでも君が食べてくれたん
だからさ。感激だよ」
「……二度と食べたくない食感だったけどな」
「あはは、次を期待して欲しいかな。だって――」
 不意打ちで腕を絡め、「行こう」と促す。
「――あんな出来損ない、愛しい我が兄君に出せる訳が無いだろう? 単純なことさ」

 瞑目する。私の現在は安らいでいる。私の今は間違っていない。
 空を見上げる。
 太陽が、流れて来た雲に寄り添っていた。
 少しだけ、気分が浮付いた。

 今日は帰ったら、卵焼きを作ろう。





 

535 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/23 02:36

 ……見ていてくれた人、お疲れさま。
 とりあえずはこれで終了になるのかな。
 三つに主題を持って行こうとしたけれど、存外に難しいな。「ときめき」が殆ど脇に退いてしまった。

 どうでもいいけれど、書くよりもフォント調整と改行と太字とルビタグのミス調整に手間取ってしまったんじゃないだろうか。
 それと、>>533レス目の温度計は太字になっていないね。すまない。
 それじゃ……こんなで良ければ幸いだよ。

536 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/23 20:18


 ……ふぅ。
 畑仕事を手伝ってみたりウエイトレスをしてみたり……随分とまあ、妙な時間の使い方を
してしまっているな、最近。正式な珈琲店だからアイスコーヒーの美味しい作り方が習えた
のは儲け物と言えるのかもしれないけど。


 で、見直してみたけど……ううん、即興だから、ってのは言い訳にならない出来になって
しまったな。主題を絞れていなかったのも問題だろうけれど、やっぱり構成が拙かったか。
しかもルビ、IEで見るとズレてしまうんだね。かと言って、文字を小分けにしてルビを振るの
も考え物だし……どうしようかな。
 とりあえず、>>511君の希望にはこれで沿えたのかな。
 だったら良かったんだけどね。
 

537 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/23 20:21

 ちなみに足りないバイト規定の年齢は誤魔化した。
 それにバイトじゃなくて手伝いだから問題ない筈だ。多分。きっと。

538 名前:名無し客:04/06/24 00:52

いやいや、まことに結構なもので。

実際の三題噺もこんな感じです。
さて、と……。
このお題で他のスレにいってみようかと思うんですが、
クルースニクさん、この人ならどう料理するか見てみたいっての有ります?
あれば、その人のところに行くつもりですが。

539 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/24 01:40

>>538
 ううん、全体のバランスを欠いた話になってしまったからね。
 実に申し訳ないよ。もしこんな風に短いモノをまた書く機会があるなら、今度はもう少し整合性
を重視して書く事にしよう。
 本来なら、「私達」で書くべきじゃなかっただろうね。一つの話を構築するには、あまりにも今の
は内輪過ぎた気がするよ。とはいえ、ここでまた「誰か」を作ってはキャラクターが増え過ぎてし
まうと思ったから、今回は私達の話で失礼させて貰ったんだ。

 で、他のスレに? そうだな、それじゃ兄さんの代わりに私がお答えするよ。
 とはいえ、こっち(一刻)で交流がある人って、実は少ないんだけど。私がスレを見ていても、
急に私からの依頼……なんてことになっては、受ける人も困るかもしれないし。
 そうだな、面識がある人――
 ええと、最近だと堂島のお兄さんか、天使のお姉さんか、島津のお姉さんか……パイロットの
お姉さんも居たっけ(二人)。
 ふむ、どうしようかな。個人的にはあのトキ課長に作って貰いたいけど、今は留守みたいだし。
 それじゃ……うーん。今上げた人達――いや、パイロットのお姉さんは今、スレッドには居ない
のか。そうだな、最初の三人……
・堂島のお兄さん(色んな人の集う「ライトノベルスレ」)
・レキさん(丁寧なレスの「灰羽連盟」スレッド)
・島津のお姉さん(勢いのある「マリア様が見てる」スレッド。ただ、今は顔を見せていないみたい)
 ……から、君が選んでくれないかな。
 勿論、他のスレッドの人達でもいいと思うよ。きっと私なんかよりもずっと良い物が期待できる。

540 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/24 01:41

 しかし、そうだな。
 考えてみれば、こんな題材でも「キャラネタ」と言う特性を活かさない手はないんだろうね。
 その原典ごとに内容に触れて作られた作品が面白いのかもしれない。
 考えると、どうにもこのスレッドは閉鎖的なのかもね。とはいえ、他のキャラクターを演じ切れずに
壊すのが怖いから、どうにも題材に使うのは避けていたけれど……ふむ。
 継続で続けてる>>522のモノは何か、別原典の人達の力を借りれるといいかもね。
 無茶が無くクロスオーバーできれば、それはそれでいいかもしれないな。

 うん。
 内容がドンパチだけど。

541 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/25 00:49

 拙い……拙いな、これは拙い。
 誉めてもらえたし、書いてからなんだけど、拙い――なんてモンじゃない。
 私が私なんだろうか、これは。私は――私なのか、これは。
 自分が捉え切れてないんじゃないのか、私は。
 地下だからって好き勝手やり過ぎたのか。

 ……はあ。
 終わってから言っても仕方ないのだけど。
 何か短いモノを書く機会がまた巡るのを待とう。

 次こそ、マトモな物を。

542 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/25 01:11

 しかし、題材としては面白いネタだね。何かキーワードを決めて書く、というのは。
制限はあった方がいいのかもしれない。サイズの縛りというのもアリかもしれない
な。何か考えてみよう。

543 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/26 23:07

http://d5.inlive.co.kr:5190/
 続けて宣伝。さて、それじゃこれでラストか。
 後は……やるべき事を頑張るだけだ。

544 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/28 16:25

 うん。

545 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/28 16:26

 よし。
 この時間はアレだね。
「ダレモイナイ」
「オドルナライマノウチ」
 という奴だね。踊らないけど。

546 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/28 16:27

 という訳で、そうだな。

 27分―30分までの間、質問を受けてみよう。
 なければ何か書き殴ろう。

547 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/28 16:31

(何か書き殴ろう、と思った)

 日記。
 キャラハン日記帳と言うのがあったね、そういえば。
 後で使ってみよう。

548 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/28 17:01

 書いてから気付いた。
 あのスレの日記は地の文アリの形式じゃ拙そうだ。

549 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/29 01:22

http://c34.inlive.co.kr:4960/
 意味もなく取ってしまったので、一応。
 種類はランダムかな。

550 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/29 23:01

 ヒロシってなんなんだろう。

551 名前:◆19wVAppleA :04/06/30 00:42

>>550

ttp://homepage3.nifty.com/HIROSHI~/top.html
この人。
元ホストで、自虐ネタを持ち味とするピン芸人。

・・・エーフィちゃんはお笑いにはあんま興味ないか、やっぱ。

552 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/30 01:04

>>551

 ごめん。
 かなり、凄く、もの凄い勢いで知らなかった。
 お笑いは偶に見るんだけどね。
 ええと、出オチ芸人の人達とか面白いね。シュールで。

 ……ただ、名前を知ってる人って少ないんだよな。お笑い。
 中山きんにくん、パペットマペット、えーと。
 うーむ。
 あまり、知らないかも。
 嫌いじゃないんだけど。

 とりあえず有難う、お兄さん。参考にさせて貰うよ。
 いや、あのスレに参加する訳じゃないけどさ。
 

553 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/30 01:40

http://c34.inlive.co.kr:4960/
 で、今日。

554 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/30 01:41

 その内、「クラシック・ナイト」でもやろうかな。
 延々クラシック。
 飽きられそうで怖い。

555 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/30 02:03

 ……む、予想外に聴いている。
 向こうのスレかこっちのスレなのか。

556 名前:名無し客:04/06/30 02:07

むこう?
まあ普段聞く機会の無い音楽を聞くのも
たまにはいいもんです。

557 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/30 02:10

 いやいや、CDスレの事さ。
 流してる以上は誰かに聴いてて貰えれば嬉しいからね。
 ジャンルはメロデスで固定してる今だから、リクエストがあれば受けるよ。
 生憎、今はクラシックが軒並みリッピングしてない状態なんだけど。

558 名前:名無し客:04/06/30 02:17

ああ、なるほど。
リクエストしようにも、その辺りにはとんと疎いのでね。
気持ちだけありがたく戴いておきましょう。

クラシックにしても、超有名所がせいぜいだし。


559 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/30 02:18

 オーライ。
 それじゃ適当に。

560 名前:名無し客:04/06/30 02:26

どこかで聞いたようなメロディーだと思えば…
アニメの主題歌はメタルに通じるところがあるんでしょうかね?
「アニメタル」なんてものが出てくるくらいだし。

561 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/30 02:28

 ちなみにこの曲(タイミング的に流れてる邦楽)はPSのホラーゲームに
使われていたらしい。「紅い蝶」だったかな?
 曲名はそのもの、「蝶」だけど。

562 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/30 02:30

 あ、今のバンドは偶々ね。
 ふふ、ネタとして流してみたんだけど、やっぱり有名だね。
 ここはメインヴォーカルがアニメファンで、イタリアで流れていた「北斗の拳」と
「聖士聖矢(合ってるかな?)」を気に入って、CDに入れてみたらしいよ。
 曲の出来としては……まあ、ドラムとかギターとか問題はあったけど。
 ちなみにアニメタルは凄いね。
 今、あそこのGは「ガルネリウス(ジャケットが「FF」の天野氏」で弾いてるんだ
けど、これが中々。海外に引けを取らない出来だ。

563 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/30 02:34

 曲としては、アニメよりもゲームに通じる所があると聞くね。
 ゲーム音楽の作者さん達がメタルから影響を受ける事もあるし、使う楽器の
複雑さはメタル特有の「凝っている」に通じる所がある。

 ちなみに、ヘヴィ・ロック大家の「FEAR FACTORY」はゲーム音楽を作曲し
ていた事もあるくらいだ。
 最近だと、メロデスの大御所であるIN FLAMESが日本のゲームに音楽を提
供すると言う話も聞くね。買ってみたいけどゲームに疎い最近だ。参った。

564 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/06/30 02:38

 そこの>>78猫っぽ。

565 名前:名無し客:04/06/30 02:42

……なにやってんすかおたくのお兄さんは。

で、そこのお兄さん。
ゲームで思い出したんだけど今度のアトラス新作はどうよ。
購入予定とかありますか?

566 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/06/30 02:45

 ……失礼、猫が居た物で。

 ああ、今回のか。
 マニアクスは正直、今までの中でもシステム面から見て優れてたんだけどな。
会話の不出来さに目を瞑るくらい。
 ただ、新作はどうだろうかな。悪魔と会話できない、仲魔システムもない、じゃ
ちょっと買う気が……っても、俺がプレイするゲームってこれ位だから、買っちゃ
うかもしれないけどさ。

567 名前:名無し客:04/06/30 02:51

戦闘は3のを踏襲するみたいだし、あとは敵を食うだのなんだのの成長システム出来具合如何じゃ
化けるんじゃないかな、って思うんですけどね。
某罪罰じゃないけど、メガテンかどうかってのをとりあえず脇に置いて考えれば。

ただ、それだけに発売日特攻もしがたいな……


お、Hate Crowきたー

568 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/06/30 02:57

 うーん、罪と罰は正直システムがアレだったり難易度がナメ過ぎていたりで
久し振りのゲームプレイがちょっと鬱になった経験が。
 まあ、戦闘は今のを継承で良いような気がするよ。不快感がなかったからね。
 とりあえずは様子見かな、まずは。結局買ってしまいそうな自分が怖い。

 おや、Hate Crew Deathrollは有名なのかな。
 うん、チルボドは結構好きでね。

569 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/06/30 03:01

 ちなみに罰のが罪よりは良かった。
 ストーリー云々でも。
 クトゥルーネタよりは純正世界神話ネタのが好きだから、どっちかって言うと
「真」が良かったんだけどね。
 ハッカーズみたいな端々の神話を使ってくれてもいいかな、また。

570 名前:名無し客:04/06/30 03:03

「聖闘士星矢」だったかな?

ガルネリウス…ね。ほうほう。
そういったバンドのライブには、よく行くんですか?


ゲーム音楽はゲームハードの性能向上とともに進歩してきた感じがありますなー。
いいゲーム音楽ってのは気分から盛り上げてくれるし、耳に残る。
「ギルティギアX」なんかは、音楽も含めてメタル好きが作ったのが丸解りですが。


571 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/30 03:04

 現在の曲はテーマが「戦争」。
 ICED EARTH特有のオカルティックな部分を排除したからどうなるかと思ったけど、
流石はティム、と思った曲だったね。
 レッド・バロン/ブルー・マックス。我が祖国の英雄のテーマかな。
 いやいや、今の私の故郷はこの日出国だけど。

 そういえば彼、声優の「千葉」さんに似てるって話だったな。
 聞いても判断できないんだけど。

572 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/30 03:09


 あらら、字を間違えてしまったか。すまない。
 ガルネリウスは日本のバンドだから、機会がある時はよく、ね。
 私は兄さんに連れられて行くけれど、来日でチェックしているバンドがある時は大抵は
足を運んでいるよ。私は背が低いから、兄さんにぴったりくっ付いていないと拙いんだけ
どね。特にゴツいバンドの時は。
 ま、偶にはお祭り気分で騒ぐのも楽しい物だよ。
 メジャー/インディに限らずね。

 ゲーム音楽は確かに進歩してるみたいだね。今では生楽器まで多いと聴くよ。
 アーティストの中には「ファミコン」の音楽を愛聴していた人も居て、「昔の音に味があ
ってよかった」って言ってるくらいだ。そうだな、あとで一つ流してみよう。そんな事を言っ
てた人の曲だけど。
 「ギルティギア」は……ああ、聞いた事があるな。なんでも、メタル的な音楽要素がか
なり多いんだとか。見てみたいね、一度。
 

573 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/30 03:11

 語弊があったな。
 ガルネリウス自体は最近ライブが多い訳じゃないから、「日本のバンドのライブには
脚を向ける機会も多い」と言った程度かな。
 流石に毎月来日がある訳でも……いや、確かにあると言えばあるけれど、興味があ
るバンドか否かくらいは判断するからね、兄さんも。

574 名前:名無し客:04/06/30 03:21

おおっと。
存外に時間がかかってしまった。

………お兄さんと、か。
一度見てみたい気もしますねライブ中のお兄さん。


他にメタルっぽいもの…
普段聞かないと思いつかないなあ。
そもそも、メタルってどんなんでしょう?
「メタルスラッグ」みたいなのかな?

575 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/30 03:22

 ちなみにこれがガルネリウス(GALNERYUS)。
 オープニングのお約束なインスト「Meditation for the saga」、勇壮な始まりが
実に「クサい」開始で、そこから続く事実上のオープニングである所の「Struggle
for the freedom flag」。ネオクラ要素が放り込まれた泣きのギターが最初から
最後まで鳴りっ放しと言う、或る意味「日本人にしか作れない」メタルだよ。
 世界観は「荒廃した世界、近未来、残された人類の生存を掛けた戦い」と言う
一歩間違えば菊地秀行の伝奇ワールドまっしぐらな雰囲気だ。

576 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/30 03:27

 いやいや、別に時間は気にしなくてもいいさ。
 兄さんのライブ中? ……ふふ、そうだな。家族の中じゃ私くらいだろうね、
あれだけはしゃぐ――いや、失敬。あれだけ元気な兄さんを見てるのは。
 歌って踊って、とにかく騒ぐ系統のライブが好きなのは頷けるよ。

 ふむ、「メタルっぽい音楽」と言う事でいいのかな?
 そうだな、兄さんに言わせれば、格闘ゲームの……「KOF」を知っているか
な。あれの「怒チーム」のテーマがかなりそれだった、とも聞いている。
 他には、さっき話題に出した「メガテン」だね。アレの新作の戦闘の音楽は
ギターの使い方がメタル風だったし……有名所だと「FF」の演奏陣かな。彼
等は自分達でHR風のアレンジをしてCDまで出して、ライブも行ったと言う話
だ。私もCDを聴かせて貰ったけれど、なるほどHR風だ、という出来だったね。
 定義としては「硬質な音楽」になるかな。ハードロックを基礎にした、そんな
音楽だよ。聴き慣れると「あ、なるほど」って思うんだけどね。

577 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/30 03:31

 そして、分類的には今流れているようなディストーションヴォイスを使用する
「デス・メタル」的なモノもあるね。これは表現方法の一つとして定着しているが、
元来はサタニックな表現を表したかたったからなんだ。或いは慟哭を歌う表現
としてね。
 他にも、クラシックの素養がある人間が入ってくる事も多い。
 クラシックとの共通点はイングウェイ・マルムスティーンがネオ・クラシック的
な要素をギターで表現した事にも見られるし、今では生のクラシック楽器を多
様するバンド(今流れてるのも)にも見られるように、表現の多様性が認められ
た音楽ジャンルだからかな。

578 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/30 03:39

 そして今流れているのは、盛大にドヴォルザークの交響曲九番「新世界」/四楽章を
パクった――もとい、モチーフにした大作だ。
 正直胃凭れがするくらいクドいと思う。兄さんは好きらしいが。クラシックファンの私と
しては実に複雑だ。ドヴォルザークは好きなのに。
 ここはもはや、彼等にしか作れない極みに達してしまったバンドと言う感もあるな。
 最新作は「スターウォーズ」に出演で有名のクリストファーをナレーションに使いつつ、
総勢数百人(千人超えてたかどうかは忘れた)のオペラ軍団を使うと言う気合の入り様
だからね。

579 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/30 03:44

 オペラで繋げるなら、例えばこの「Phantom Of The Opera」、あの「オペラ座の
怪人」の一部分を抜き出して丸ごと曲にしてしまったと言うモノだね。
 ヴォーカルは本物のオペラ教育を受けた女性だ。
 ちなみにメンバーは空手のナショナルチャンピオンだったり兵役経験で暫く抜
けていたりと色々と変わっている。
 最近は三ヶ国のチャートで一位、ドイツでも二位を獲得すると言った健闘を見
せてもいるね。

580 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/30 03:49


 日記を付けよう、と思った。
 意味などない。兄が弟妹に買ってきた日記帳が一冊余ったから貰った――それだけ
の理由だ。

 エーフィ・C・ハウサーは、日記を付けようと思い立つ。

 さて、考えてみよう。日記とは何か。読んで字の如く、日々の出来事や感想などを一
日ごとに日付を添え、当日またはそれに近い時点で記した記録の事だ。古くは「御堂関
白記」「玉葉」「明月記」などが著名だが、職掌上交替で書き継がれた「御湯殿上日記」
などもある――どうでもいい。つまりは日々の記録だ。しかし日々は目まぐるしく過ぎて
行く。普通に考えれば、普通に付けるなら、あっという間にこの数十ページのノートは埋
まってしまうだろう。家族との日々は幸せだ。代え難い。尊過ぎて、記録するには重過ぎ
る。それでも試してみようか。まず手始めだ。日付、名前、天気、至極シンプルな日記の
書き方。たった一つの冴えた書き方。そもそも日記に横紙破りなどない。
 ○月×日――書いた。日々を詰めに詰めて書いた。あっという間に十ページが埋まる。
半日分も書いていない。
 8日目に当たる日付欄を昼間の出来事で書き潰してペンを置いた。
 足りない。当然の結果だ。文章に込められた筆圧、鉛筆の軌跡、そこから読み取れる
のは昨日書いた自分の姿だけだ。そうだ、この時代に日記帳など意味を成すまい。ビデ
オもあればカメラもある。文面だけで家族と自分の関係を記せるものか。無機質な文が
無造作な構造を構築したページを破り捨てる。
 さて。
 ならば、どうしよう。



 日記と言うのは、意味合いからして須らく日々を記す物だろう。以前テレビでこんなコ
メディを見かけた事がある。
 未来を予め記して、その通りに動く、と言った具合だ。思った。それは日記ではないだ
ろう。予定通りに進めるだけなら、それはただのスケジュール表に過ぎない。不確定な
状況の連続である現在(いま)を記す物こそが日記であるべきだ。
 なら――
 不確定だった過去を記したモノは、日記とは言えないだろうか。そう、妹が夏休み最終
日に日記をまとめて三十一日分付けたアレも、日記ではあるだろう。
 それは面白いかも知れない。
 ただの気紛れ。
 不意の思い付きに。
 私は日記を書くことにした。
 あの頃の私へ。
 あの頃の私の。

 シャープペンを走らせる。記憶を遡る。目的地を導き出す。
 失われた天使の街の失われた過去。
 ロス――


 

581 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/30 03:50

 あの時適当に書き殴ってみたモノ。
 日記帳スレに記載するにはちょっと違うかな。
 毎回思うけど、改行する時にMSPのように文字が詰まってしまうのはどうにか
ならないものかな、はあ。
 掲示板の辛い所だ。

582 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/30 03:56

 ちなみに無論、今流れているのはメタルでもロックでもパンクでもなく、一応言うなら
遥か12世紀の曲を現代の音楽で再現した「クラシック」だ。
 このタイプの曲はヒーリングとして今に受け継がれているのかな。
 私も大好きな曲だよ。

583 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/30 03:58

 で、こちらはR&B、「今の」R&Bだね。オーガニックな雰囲気が少ないのは、歌っているのが
白人――私もだけど、本来のフィールドを超越した人種だからか。
 プロデューサーはエリーシャ・ラヴァーン。彼女自身もR&Bシンガーかな。
 ふむ、そういえば「メガテン」の主題歌を歌っていたのだね、彼女は。

584 名前:名無し客:04/06/30 04:01

なるほど、奥が深い。

585 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/30 04:05

 ……ま、流れを追おうとすると随分とお金が掛かってしまうからね。
 好きな曲を買って楽しむ、という目的から、「好きなアーティストへ」ココから進むと
「青田狩り」にまで発展してしまわないようにするから、そうまで行かないのが一番か
もしれないね。

586 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/30 04:08

 ……なんだ、今の妙な日本語は。
 「発展してしまわないように」するのが一番だね。

587 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/30 04:23

 時に。
 私は音楽に関してクラシックが主食、他は雑食だが、先のIN FLAMES新譜は凄い
と思っている。メタルとしてでなく、エクストリーム・ミュージックの最先端として。
 もはや誰が聴いても「デスメタル」とは思えないが、あくまで基盤はそこに置きつつ、
ソリッドなギターリフを主軸にしてウィスパリングとディストーションをスイッチに繰り返
す手法は今のラウドシーンに通じる所がある。いや、寧ろそれを狙ったんだろう。
 「KORNのジョナサン」を想起させてしまう歌い口は狙っているとも思えてならない。
 酸素を抜き取られた空間のような閉塞感を思わせる音作りは見事だ。
 アンダーグラウンドに於けるメジャーへの回答。彼等はその最先端を走っているの
だろうね。ライブには足を運んでみようかな。

 さて。
 後はシャッフル&登録に任せて休むとするよ。
 では。

 今日は長々としたお付き合い、有難うございました――……ふふ、お休みなさい。

588 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/06/30 22:31

 という訳で向こうで言った通りにマンソン。
 昨日のURLが生きてるなら使わないと勿体無いからね。

589 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/03 20:46

http://c18.inlive.co.kr:8520/
 で、こっちでも。
 新曲郡だね。同じ事を言うならリクエストは見てたら。

590 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/04 01:06

 手に入らない時はWEB上の通販を利用するといいよ。
 アマゾンが代表だね。
 割と早いし、助かるかな。

591 名前:名無し客:04/07/04 01:12

モーツァルトの曲は好きですか?
いや、今日…もう昨日か。TVでやってたんで。

592 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/04 01:29

 嫌いじゃない……いや、好きだな。
 ベートーベンよりも好きだよ。バッハよりは……ううん。
 でもTVで? しまったな、見逃してしまったよ。この間のベートーベン特集は見れたのに。

593 名前:名無し客:04/07/04 01:42

モーツァルトの曲をを聞かせたら自閉症が回復したとか
テストの結果がよくなるとか
マリア・カラスもモーツァルトを聞いて声が出ないのが治ったとかやってましたが。

え〜と、「音と科学のミステリー 人類史上最高の天才 モーツァルト奇跡の響き」と。

594 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/04 01:54

>>593

 なにやってるんだ私は。ミスだ。ミス……ああ、もう。
 並列処理はミスを誘発する、けど。

 へえ……? それは面白そうだな。
 しまった、見たかったよ。
 以前に音楽の効能、と言った番組を見たことがあってね。それがモーツァルトに関連付けられて
話されていたなら、是が日にも見たかったんだけど……ううむ。惜しい事をしたな。
 モーツァルトか。ラジオで流してみようかな。CDを引っ張り出さないといけないのが難点だけど。

 教えてくれてありがとう……再放送、機会でもあればいいんだけど。
 

595 名前:名無し客:04/07/04 02:02

いやいやクラシック好きだとは聞いてたから。
クラシックでもモーツァルトだけだそうですなーそういう効能は。

再放送か…土日の昼とかですかねー。

596 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/04 02:07

>>595

 おや、私の好みを覚えていてくれたのかい? ふふ、嬉しいな。
 しかし……モーツァルトだけか。メロディラインに何か、とかなのかな。ふむ……確かに
面白いかもしれない。見れなかったのは残念だ。

 土日、となると……どうだろう。
 一応、このタイプの番組の再放送もないではないけど……期待するしかないかな。
 

597 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/04 02:16

 二巻だけ? おや。
 けれどアマゾンは、商品によっては在庫が少ない時もあるからね。
 私も以前、CDを注文したら残り一枚だったよ。

 色々な場所があるから、そう言った所を見て回るといいかもしれないな。
 尤も、できるだけ輸送費用は安く済ませたいけれど。

598 名前:名無し客:04/07/04 02:20

そりゃ−もうねえ、だって(以下略

周波数とかf/1の揺らぎがどうとか…
もっとちゃんと見てた人いないかな?
実は出先だったもので…

いやまあつまり、言語(日本語とか英語とかドイツ語とか)によって周波数が異なって
子供の頃に長期間ヨーロッパ各国国境を越えて演奏旅行を繰り返していたモーツァルトは
さまざまな言語にと当時の音楽家たちに接したことで聴覚が発達したとかなんとか
人間は聞いたことがない周波数は喋れないとかなんとか
日本人が英語を習得しづらいのは日本語と英語の周波数が完全に違うためとか…逸れた。

まあそんなところです。

599 名前:名無し客:04/07/04 02:23

おすすめクラシックサイトです。
有名曲をMIDIで「同時に」ご堪能下さい。

ttp://www.geocities.co.jp/Hollywood/8562/index.htm

600 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/04 02:43

>>598
 ありゃ。
 ……ゴメン、ちょっと雑談していたから、気付かなかった。
 しかし……それか。似たような話を本で読んだことがあったな。
 モーツァルト関連だったかどうかがうろ覚えだけど、TVで流れるとは……ううむ。
 つくづく惜しかった。
>>599
 も含めて、感謝するよ。
 ありがとう。……MIDIはこの所聴いてすらいなかったからね。

601 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/04 02:48

 という訳で、「クラシックな」メタルでも流してみようか。
 ……そろそろクラシック自体のライブラリも作ろうかな。

602 名前:名無し客:04/07/04 03:07

いえいえ、その分いいものを見せて頂きましたから。
ではこのへんで〜ノシ

(´-`).。oO(…599さんとは違う人だって言っといた方がいいかな…)

603 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/04 03:13

>>602
 良い物……? なんだったかな。でも、楽しんで貰えたなら嬉しいけどね。

 しかし、む。
 ゴメン、私の書き方も悪かったかな。
 >>598君――ああいや、今は>>602君かな。599君も、ありがとう。
 いやいや、中々サイトは巡らないし、そうやってテレビの事なんて話して貰えるなんてね。
知らなかった事だし、嬉しいからさ。
 それじゃ、お休み。

604 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/04 04:00


 兄さんじゃないけれど、この曲は私もお気に入り。
 優美なチェロのラインに、心地良いドラムの合いの手。激しい弾き様はギターさながらだけど、
私はこういう所が普通のクラシックには無くて気に入ってるんだ。インストゥルメンタルなのに、激
情が雄弁に語られてるからね。
 実際、このライブは凄かった。巨大なチェロを抱えて、一心不乱に前身でリズムを取りながら弾
く面々。一歩間違えば滑稽なのに、技量と気迫がそれを許さない。スラッシュ出身のドラマーの手
捌きも見事で、観客の拍手が巻き起こったのも頷ける事実。
 これもまた、多様性が生んだ産物なのかな。
 

605 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/04 04:09

 時間が時間、流石に私が歌ったりピアノを弾く訳にも行かないからね。
 マイクさえあれば出来なくも無いけれど……ふむ、一度歌ったんだったかな。何にせよ、
録音でもしないと無理か。設備がなければそれも無理ではあるけれど。
 第一……ふふ。やはりこうしたDJの方が向いていそうだ。

606 名前:名無し客:04/07/04 04:10

神父さんの話のいくつかの断片から、MP3プレイヤーを買うことに決めました。
そして、つい先日購入に踏み切ったのですがね。

まずは入門(?)用って事で、クリエイティブのMuVo2・4GB。
ipod miniも気になるところですが、Appleの商法に思うところもありましたので。

MuVo2は操作とか作りとか色々アレですけど。
……いいですね! もう!
音楽の聴き方が断然変化しますね! 指来たす、もとい、ユビキタスですね!
そこまで音楽ジャンキーじゃないのですが、毎日音楽聴きまくりですよ。

好きなアーティストの曲を150曲くらい投げ入れて、後はランダム演奏……。
ああもう、今まで苦痛だった通勤時間が、至福の時間になっています。

自宅でも、ミニコンポに繋げて延々とランダム演奏。
手放せません。

607 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/04 04:19

>>606
 おや、それはそれは……兄さんの?
 最近だとソニーの最新型(最薄・最軽量/20G)が発売したばかりだね。ちょっと
ばかり高めだけど。

 けれど、MuVoか……いいね。
 私も最初、出掛けるくらいならあの位のサイズがいいと思ってたくらいだよ。正直、
ipodの音質よりも上だと思う。私のipodはminiではないけど、利点はデザインくらい
のものだからね。
 ふふ、そうそう。やっぱり手放せなくなる理由は「手持ちのCDを沢山入れられる」
事だからさ。指一本で、思った時に思った曲が取り出せる。兄さんのKarmaはDJ機
能も搭載してたりするし、自分でプレイリストを作るともっと楽しくなるよ。

 ミニコンポに繋げるとなると、やっぱりアダプタは必須だけどね。
 CDを入れ替える手間が無いから便利だよ。

608 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/04 04:35


 ま、これなら流せるね。
 私の声(に、似た質の)な曲。
 いや……私より少し低いかな。ううん。自分の声って頭蓋内で反響するから、正確には
録音でもするか他人に評価をアテにするかしかないんだけどね。
 

609 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/04 04:51

 現在はリンキン。私に似た〜のは一曲だけ。
 ……ふふ、男の人の声と間違わないようにね。
 とは言え、もう空は白み始めてる。起き出す人もいるかな? 孤児院でも姉さんは聖堂の掃除に
出かけた所だしね。

610 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/04 04:56

http://www.bounce.com/review/recommend.php/6848/?K=Jamelia
 が、Numbをカヴァーしていたらしい。
 残念ながら聴き逃してしまったけど、いつか聴けるといいな。

611 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/04 05:00

 さて、それじゃ私は涼しい内に走ってくるよ。
 聴いてる人……一人か。セットしておくから、もしよければ聴いていて。
 また、後で。

612 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/04 07:38

 っと。
 ただいま。涼しい内、ではあったつもりだけれど、随分長くなってしまったな。
 いやいや、シャワー浴びてスパゲティのソース作っての今、だから別に2時間30分をぶっ通しで
走ってた訳じゃないけれどね。

613 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/04 07:46

 No2,Dies irae.
 W.A.Mozart……とは言ってもアレンジだけどね。

 Dies irae, Dies irae,
 ……なんてね。
 アレンジだけど好きだな、これ。

614 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/04 07:47

 モーツァルト繋がり、と言う訳じゃないけどね。
 ま、この曲に限っては原作が偉大過ぎるね。

615 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/04 07:47

 ……眠いのか。
 妙な韻を踏んでしまった。
 ううむ。

616 名前:名無し客:04/07/05 21:54

また新しい闘争ドンパチが始まったようですが、一つ疑問が。

vs不死の王の戦いどーなってんです?

617 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/05 23:23


 いやあ、アレを覚えている人がいるとはね。
 ……一時期、色々問題が重なった時期だったし、内容へのツッコミもあった事だし、半ば
封印状態なんだよね。
 ただまあ、そのドンパチはもうレスが出来上がってることは出来上がってるんだ。
 相手がまだいるかどうかは兎も角。
 もうラストへ行くだけだけどね、アレは。
 文体が変わっていても良いなら、一気に終結させられそうではあるよ。
 

618 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/07 00:38

Catch you later(テメエは後だ)
Catch(テメエ) you ()Catchlater(後だ)

619 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/07 00:38

 ふうむ、やっぱり単語にルビを振るのは難しいな。

620 名前:名無し客:04/07/07 00:45

ふりがなの間に空白を入れるのはどうですかね?

621 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/07 00:47

 ふむ、なるほど。それは考えてなかったな。
 ありがとう。
 試してみようかな。

622 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/07 00:48


「まーなぁ」

 呟く。呟いたら背中が痛かった。
 衝撃が背中にある。
 突き刺されたから当然だ。しかも捻りやがった。冷たいブレードの感触が一気に赤灼した感覚に取
って代わる。

「薄汚いダニ相手に、突っ込むつもりもしゃぶらせるつもりもねぇよ(、、、、、、、、、、、、、)。こうやって一ミリ指動かしてバン、
バン、それで終いだ」

 ああしかし痛い。
 まあ、そりゃ痛い。刺されてるんだから痛くない訳もない。
 まあ。
 まあ、だが。
 気付いていなかった訳でもない。
 ただ、この馬鹿を殺そうとしていて思考が沸騰していただけの話だ。つまりはミスだ。頭に来る。

「肝臓を狙うべきだったな」それでも俺が生き残っているのは天運か実力か、早い話――この馬鹿は
ここに来る器じゃない。俺と戦う器じゃない。生きていられる器じゃない。つまり、だ。「つーかいつまで
刺してんだ、」

 右足を前方に振り出し、強く床を踏むステップ。一、二。
 三。

「この、」

 だん、とコンクリートを蹴る勢いでその場で反転。コマさながらに回転して、グリップで馬鹿の顔面を
張り飛ばした。転がっていく転がっていく。馬鹿が回って転がって、背後の壁に激突した。足元にスッ
転がったナイフに連射してブチ折る。やれやれ。なんでこんな馬鹿が魔法鋼(ミスリル)使ってんだ。これでサリ
エルかカマエルのサークルが構築されてたらヤバかっただろう――そう思うと少し胸が悪くなった。

「――タコが」

 あー、痛てぇ。
 背中に傷に触れてみる。
 肉は抉れている。骨は折れていない。臓器の損傷は――ない。軽症だ。
 傷が回復するまでに時間は大して掛かるまい。意識を集中して欠損部分から痛覚を除去。
 戦闘支障率、ゼロ。

「……あーと、しかしなんだ」なんだっけ。何でこんな奴に時間取ってるんだっけ。頭に来る。「一匹、
二匹……妙だな、まだ残ったっけ。いやまあ良いや」

 左手で首を掴んだまま視線を据える。
 ブロンド、華奢な矮躯、紅の瞳――ヴァンパイアのクソ売女。
 クソ食らえ(、、、、、)

「そうさ、安心しろ。こいつは人間じゃない(、、、、、、、、、、)。だから――」

 キス出来る距離まで顔を近付ける。怯えのない顔は人形さながら、ナイフでも突き刺せばさぞかし
面白いだろう。
 ゆっくり掴んでいた手を離して、背後のマットへ突き飛ばした。
「――Catch you later( テ メ エ は 後 だ )

 首を左右に一度振る。
 こきりと二度鳴った所で、それじゃあ、と吹き飛ばした馬鹿を振り返った。
 スイッチを入れる(、、、、、、、、)。世界が粘着質の空気に包まれる。知覚は思考と加速して、肉体と反応を一気に
突き放す。理解できる。感覚できる。今の俺は、世界を食らっている(、、、、、、、、、)
 理解している。俺は理解している。
 理想など虚ろだ。
 幻想など捨てた。
 夢想など届かず。
 真実だけ追って。
 現実だけ信じて。
 だから、結論する。
 不要で不快でどうしようもないクソったれのこの連中は、どうにもこうにも死ぬしかない。

「失礼、言い遅れたな。――だから、テメエは要らねぇ。とりあえずここで死んどけよ」

 言いざまトリガーを引いた。
 跳ね落ちる薬莢がアーチを描くのを眺めながら蹲る馬鹿に掃射。空気が弾ける音、世界が弾ける
音、残らず集弾させた9パラが飛来する空気の波さえ手に取れる。
 何もかもが認識できる。
 何もかもが理解できる。
 だったら殺せる。殺してやろう。
 撃って、撃って、銃身が焼けるまで殺す為に撃ち込んだ。
 

623 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/07 00:51


 左手で首を掴んだまま視線を据える。
 ブロンド、華奢な矮躯、紅の瞳――ヴァンパイアのクソ売女。
 クソ食らえ(、、、、、)
「そうさ、安心しろ。こいつは人間じゃない(、、、、、、、、、、)。だから――」

 キス出来る距離まで顔を近付ける。怯えのない顔は人形さながら、ナイフでも突き刺せばさぞかし
面白いだろう。
 ゆっくり掴んでいた手を離して、背後のマットへ突き飛ばした。
「――Catch you later(  テ  メ  エ  は  後  だ  )

 首を左右に一度振る。
 こきりと二度鳴った所で、それじゃあ、と吹き飛ばした馬鹿を振り返った。
 スイッチを入れる(、、、、、、、、)。世界が粘着質の空気に包まれる。知覚は思考と加速して、肉体と反応を一気に
突き放す。理解できる。感覚できる。今の俺は、世界を食らっている(、、、、、、、、、)
 理解している。俺は理解している。
 理想など虚ろだ。幻想など捨てた。夢想など届かない――だから。
 真実だけ追って、現実だけ信じて。
 そうして、結論する。
 不要で不快でどうしようもないクソったれのこの連中は、どうにもこうにも死ぬしかない。

「失礼、言い遅れたな。――だから、テメエは要らねぇ。とりあえずここで死んどけよ」

 言いざまトリガーを引いた。
 跳ね落ちる薬莢がアーチを描くのを眺めながら蹲る馬鹿に掃射。空気が弾ける音、世界が弾ける
音、残らず集弾させた9パラが飛来する空気の波さえ手に取れる。
 何もかもが認識できる。
 何もかもが理解できる。
 だったら殺せる。殺してやろう。
 撃って、撃って、銃身が焼けるまで殺す為に撃ち込んだ。
 

624 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/07 00:52

 お、これなら中々。
 「候補2」だね。
 問題はIE以外で見る人、タグの影響を受けないブラウザの人だけど……ふむ、
とりあえずこちらを使ってみようかな。

625 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/07 00:53

 ありがとう、>>620君。
 詰まってしまっていたからね、アレでは。
 助かったよ。

626 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/07 01:00


「まーなぁ」

 呟く。呟いたら背中が痛かった。
 衝撃が背中にある。
 突き刺されたから当然だ。しかも捻りやがった。冷たいブレードの感触が一気に赤灼した感覚に取
って代わる。
「薄汚いダニ相手に、突っ込むつもりもしゃぶらせるつもりもねぇよ(、、、、、、、、、、、、、)。こうやって一ミリ指動かしてバン、
バン、それで終いだ」

 ああしかし痛い。
 まあ、そりゃ痛い。刺されてるんだから痛くない訳もない。
 まあ。
 まあ、だが。
 気付いていなかった訳でもない。
 ただ、この馬鹿(メス)を殺そうとしていて思考が沸騰していただけの話だ。つまりはミスだ。頭に来る。

「肝臓を狙うべきだったな」それでも俺が生き残っているのは天運か実力か、早い話――この馬鹿は
ここに来る器じゃない。俺と戦う器じゃない。生きていられる器じゃない。つまり、だ。「つーかいつまで
刺してんだ、」

 右足を前方に振り出し、強く床を踏むステップ。一、二。
 三。

「この、」

 だん、とコンクリートを蹴る勢いでその場で反転。コマさながらに回転して、グリップで馬鹿の顔面を
張り飛ばした。転がっていく転がっていく。馬鹿が回って転がって、背後の壁に激突した。足元にスッ
転がったナイフに連射してブチ折る。やれやれ。なんでこんな馬鹿が魔法鋼(ミスリル)使ってんだ。これでサリ
エルかカマエルのサークルが構築されてたらヤバかっただろう――そう思うと少し胸が悪くなった。

「――タコがぁ……ったく」

 あー、痛てぇ。
 背中に傷に触れてみる。
 肉は抉れている。骨は折れていない。臓器の損傷は――ない。軽症だ。
 傷が回復するまでに時間は大して掛かるまい。意識を集中して欠損部分から痛覚を除去。
 戦闘支障率、ゼロ。

「……あーと、しかしなんだ」なんだっけ。何でこんな奴に時間取ってるんだっけ。頭に来る。「一匹、
二匹……妙だな、まだ残ったっけ。いやまあ良いや」

 左手で首を掴んだまま視線を据える。
 ブロンド、華奢な矮躯、紅の瞳――ヴァンパイアのクソ売女。
 クソ食らえ(、、、、、)

「そうさ、安心しろ。こいつは人間じゃない(、、、、、、、、、、)。だから――」

 キス出来る距離まで顔を近付ける。怯えのない顔は人形さながら、ナイフでも突き刺せばさぞかし
面白いだろう。
 ゆっくり掴んでいた手を離して、背後のマットへ突き飛ばした。
「――Catch you later(  テ  メ  エ  は  後  だ  )

 首を左右に一度振る。
 こきりと二度鳴った所で、それじゃあ、と吹き飛ばした馬鹿を振り返った。
 スイッチを入れる(、、、、、、、、)。世界が粘着質の空気に包まれる。知覚は思考と加速して、肉体と反応を一気に
突き放す。理解できる。感覚できる。今の俺は、世界を食らっている(、、、、、、、、、)
 理解している。俺は理解している。
 理想など虚ろだ。
 幻想など捨てた。
 夢想など届かず。
 真実だけ追って。
 現実だけ信じて。
 だから、結論する。
 不要で不快でどうしようもないクソったれのこの連中は、どうにもこうにも死ぬしかない。

「失礼、言い遅れたな。――だから、テメエは要らねぇ。とりあえずここで死んどけよ」

 言いざまトリガーを引いた。
 跳ね落ちる薬莢がアーチを描くのを眺めながら蹲る馬鹿に掃射。空気が弾ける音、世界が弾ける
音、残らず集弾させた9パラが飛来する空気の波さえ手に取れる。
 何もかもが認識できる。
 何もかもが理解できる。
 だったら殺せる。殺してやろう。
 撃って、撃って、銃身が焼けるまで正面の馬鹿に撃ち込んだ。
 

627 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/07 01:02

 よし、完了。
 久し振りだから勘が鈍ってしまっているね。

628 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/07 01:03

 後は秋葉お姉さんの分は貼るだけ……エピローグ待ちで、次は他のを片付けるべきか。
 さてさて。

629 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/08 00:15


 ……暑い。
 天然のサウナだね、これは。
 やれやれ、私はこれ以上体重減らす必要はないんだけどなぁ……
 

630 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/08 11:10

 鳴けばいいのにな。
 毛繕い。

631 名前:名無し客:04/07/08 12:28

ま た 猫 っ ぽ か

632 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/08 12:32

 当然だ。

633 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/10 22:01


 木魚。
 さて、木魚は仏教で用いられる鳴り物だ。鈴を少し潰したような形状、内部が刳り貫かれた木製の
打楽器。表面には魚や魚の尾を持つ竜が描かれているのが一般的だね。

 これは日本じゃ禅宗を始として浄土、天台宗で用いられていて、お経や念仏を唱える時に打つのが
一般だね。私は一度叩いてみたい。さて。歌舞伎なんかじゃ寺院の場面なんかで使われる。
 今世紀に入ってからだと、テンプル・ブロックなんて名前でジャズに取り入れられたりしてるんだ。
リンキン・パークが尺八や太鼓をSEにしてるのとはまたワケが違う。他には現代芸術の音楽作品に
も使われたりね。和太鼓がオーケストレーションにメイン参加してたのは記憶に新しい所だ。
 この木魚、一説によると京都府宇治に黄檗山萬福寺を開いた中国人の僧侶で、隠元隆(キ)禅師
が日本に伝えたって言われてるんだよね。つまり、元来は仏教と同じで大陸のモノなんだ。
 なのに。
 なのに、だ。その由来は詳しくは解っていない。日本や中国以外だとベトナムでよく使われてるん
だけど、つまりそっちも中国から伝来したと考えるのが自然だろう。
 勅修百丈清規に曰くは、木魚――その原型の魚鼓は昼も夜も目を開けている魚を象っていて、
修行僧の怠惰を戒める為に作られた、らしい。ふむ、楽器以前の役割だね。他の説に曰くは、晋の
張華が桐の木から魚の形のバチを作って石鼓を叩いたら、大きな音が下から――なんて話もある。
 ともあれ、こんな風に中身を刳り貫いた楽器はスリット・ドラム(割れ目太鼓)と呼ばれていてね。アジアに留まら
ず、アフリカ、オセアニア、アメリカに至るまで広範囲に見る事ができる。
 多くの場合は丸太に細長い溝を作って、そこから中を刳り貫いて作る物なんだけど……ハンドサ
イズから丸太その物まで、大きさは様々だ。
 こう考えると、元来法具だった木魚も、こうした楽器としても捉えられるのだろうね。
 

634 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/10 22:02

 突発トリビア第一回。
 次回は「神代の言葉について!」

 しかし予定は永久に未定。

635 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/11 23:27


 まあ、色々な理由はあるけど。

636 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/11 23:28


 そろそろケリを付けないとね。
 中途半端に参加したままというのも座りが悪い……し、放置したままは良くない。

637 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/11 23:29


 とりあえずは兄さんの闘争だ。ドンパチだ。
 少し時間があるから一気に行ってしまおう。
 GO!

638 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/12 00:56


 ……む。
 ままならないな。スレッドの方を片付けるだけで時間が終わってしまった。
 最低限作っておいたネタは出しておきたい所なんだけどな。
 

639 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/14 22:38


 ……荒俣先生がトリビアに?
 ゲスト……ゲストなんだろうか。レギュラー?
 今まで気付かなかったのか。

640 名前:名無し客:04/07/14 22:42

荒俣先生は準レギュラーですよ〜。
結構頻繁に出てます。

641 名前:名無し客:04/07/14 22:42

しまった見逃した。

642 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/14 22:46

>>640

 ……うう、知らなかった。
 参ったなあ……いつも内容ばかり見てたし見れる時と見れない時の差があって
全然気付かなかったよ。
 はあ、これからはもうちょっとチェックしようかな。ありがとう。

>>641

 私も前回見逃した。
 あと今日前半のワープのトリビアも。
 

643 名前:名無し客:04/07/14 22:59

>見逃した
でも自分が知ってると( ´・∀・`)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェー以前の問題だったりしませんか?

644 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/14 23:04

>>643

 この手のは割と読み漁ってたりするからね。
 「あ、送ればよかったかな」なんて思う事は幾度か。
 ただ、映像化されてると面白いんだよね。司会の彼の寒いギャグも。映像解説つきで見ると、
なんだか得した気分にならないかい?
 ……ふむ。
 何か送ってみる、というのも面白いか。
 ただ、「万人がふと気付く事」で、「軽く理解する範囲の」でないとダメなんだよね。
 

645 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/14 23:21

http://c6.inlive.co.kr:6170/
 という訳で、今から少しレスを書く間のBGMに。
 流しっぱなしで新曲を。

646 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/14 23:26

 邦楽も入れてみた。
 で。
・放課後スクリュー(パンク/寧ろレンタル専用。コンピレーションCDでインディーズ)
 ジャケは女子高生が拳に包帯巻き付けて川原の決闘に挑むアニメ調。
 「恋のスウィート糞メリケン」って曲は色々凄いと思った。
・TUBE(詳しくない)
・サザン(詳しくない)
・GLAY(詳しくない)
 なんて選曲だ。

647 名前:名無し客:04/07/14 23:31

「水戸黄門のアニメがある」を見て
「水戸黄門のロボットアニメがある」というやつを送ろうとしたことなら有りますが。<トリビア

648 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/14 23:41

>>647
 あるのか、水戸のご老公のロボアニメ。
 いや充分凄いけど。採用されそうな。

649 名前:名無し客:04/07/14 23:49

有ったんですなーコレが。
その名も「最強ロボ ダイオージャ」(大王者?)

>イプロン星系に存在する「エドン国」は周囲の51の星を平定していた。
>エドン国の王位継承者「エドワード・ミト王子」はしきたりに従い、身分を隠してお忍びで領土の諸惑星を視察する旅に出る。
>一見平和に見えたイプロン星系の諸国だが、裏では為政者による悪事が横行していた。
>ミト王子は合体ロボ「ダイオージャ」」を駆り、領民を苦しめる悪人どもを成敗していく。
>お供は教育係「デューク・スケード」&王子に武芸を教えている「バロン・カークス」
>そして、ミト王子の身辺警護を務める武術とメカのエキスパート「フローラ・シノブ」

この合体ロボ、胸に葵の御紋がついておりまして(笑
御紋を見せて終わりでは見せ場がないので
なんつーか「暴れん坊将軍」も入ってる感じですが。


650 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/14 23:52


 コレは……ああ、確かにご老公だ。
 しっかし……凄いね。なんなんだ、この設定は。王子、って辺りが原作の役割と
随分相違してるけど、ネタとしちゃ十分以上だよ。
 ……一応御紋は見せるんだ?


 そういえばあの印籠、テレビじゃ映えるように漆を納戸も縫ったりした特製品を使
ってたりしたらしいね。

651 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/14 23:56


 ……はっ。


 紅お銀さんと飛猿さんと矢七さんとうっかり八辺衛が居ない。

652 名前:名無し客:04/07/15 00:01

三体合体で、分離しているときは胸にそれぞれスペードのマークがあるのですな。
で、合体して「控えおろう!」だったような気がしますなあ。
で、悪人が「こんなところに王子がいる筈がない。出会え出会え!」と。

そりゃあ印籠って、もともと特別なものじゃなくて実用品ですからねえ。
そのままじゃ見栄えもしないでしょうし。


653 名前:名無し客:04/07/15 00:04

お銀+矢七=フローラ・シノブで、そのころ柘植の飛猿は居なかったんじゃないかな?
八辺衛は……話によって誰かが担当してたのかな?


654 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/15 00:08

>>652

 ……合体して、控えおろう、ねえ。
 いや、その悪人の反応は正しく黄金伝統なんだけど。


 シュールだ。

 送ってみたら面白いかもしれないよ、それはホントに。


 印籠に関しては、「悪人に提示用」、「携帯用」、「実用(丸薬入れ)」と三種類用意してたみたいだね。
それぞれに微妙にサイズが違ったり印籠の御紋の塗りの厚さが違ったりしてたみたい。
 あれだけ長く続いた作品、印籠に込められた思い入れも違ったんだろうな。

>>653

 ……役柄兼用してたんだ。
 お銀さんと矢七さんを一緒に……は色々凄いと思うけど。
 一番新しい……28部かな? 今はあまり見てないんだけどね。お銀さんだけになっちゃったかな。
 

655 名前:名無し客:04/07/15 00:12

可愛い猫が吸血鬼になってたら、此処の主はどーするんだろーか。

656 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/15 00:14

 撫でる。
 それから殺す。

657 名前:名無し客:04/07/15 00:28

不老不死なら撫で放題ですよ?

658 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/15 00:30

 ――それが有ったか!

659 名前:名無し客:04/07/15 00:30

稀代の下衆がいるスレはここですか?

660 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/15 00:33

 誰が下衆か。

661 名前:名無し客:04/07/15 00:33



662 名前:名無し客:04/07/15 00:33

でも一緒にひなたぼっこはできない罠ですね

663 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/15 00:35

>>661
 人違いだ。

>>662
 地下で飼う――いや。
 ふむ。
 確かに問題だ。
 そもそも性質的に昼間外に出歩くのをどうするか……相談してみるべきか。

664 名前:名無し客:04/07/15 00:36

猫っぽ>>(超えられない壁)>>信教上の信念

665 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/15 00:37

>>664
 認識上の行き違いと誤解さ……。

666 名前:名無し客:04/07/15 00:40

こいつはくせぇッー!ゲロ以下の電波がゆんゆん来るぜッ――――ッ!!
こんな電波には出会ったことがねえほどなァ―――ッ
環境で猫っぽになっただと?
ちがうねッ!!
こいつは生まれついての電波だッ!
教皇さん、早えとこ警察に渡しちまいな!

667 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/15 00:40


 そもそも「猫っぽ」は猫っぽいのであって猫そのものじゃあ……ないんだ。
 そう、例えば片倉さんのような。


 他にも「うさっぽ」「りすっぽ」等多数。
 前者は「猫い」に対して「ウサい」とでも呼ぶべきだが「ウザい」と聴き間違えられかねないし
読み違えかねない。故に「兎い(ウサい)」と当てるのがベスト。

668 名前:名無し客:04/07/15 00:43

ううむ、奥が深い。

669 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/15 00:45

>>666

 ざわ……
        ざわ……

 こいつ……っ。
 666……っ。
 このスレで666を取りやがった……っ。
 それに違う……猫っぽければ良いな……じゃない……猫でなきゃダメなんだ……!
 

670 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/15 00:49


 猫は環境じゃない……ッ!
 電波は存在しない……
 >>666ッ!
 俺はッ! 君が! 猫を認めるまで! ハジくのを! 止めないッ!

(リロードの繰り返し)

>>668
 かのブルース・リーは言った。
「考えるんじゃない……撫でて舐めて感じるんだ」
 と。

671 名前:名無し客:04/07/15 00:54

(狂人決定、……と。...〆(゜゜)メモメモ)

672 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/15 00:55

>>671
(焼却処理)

673 名前:名無し客:04/07/15 00:57

>>672
だが ふねんふ に かかれていた !

674 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/15 00:59

>>アンダーグラウンド
 云われたので即興設定。

 剣士オーネッツ (♂)→邪剣士スリーフォが耳の横に手をもっていく瞬間を目撃して(招き猫っぽく)
ポケットに金貨を突っ込む。「ポケット罪」国家反逆罪で邪剣士スリーフォ逮捕。以来不仲に。
「網走の夜は寒かったぜ……」
タマの毛皮を……!(ミニコリー)
 決めセリフは「俺のポケットに千円を入れるなァッ!」500円玉を入れられると即死する。
 魔術師ファイシックス (♂)→うさぎっぽい。

675 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/15 01:00

>>673
 チィ……!
 ならば……!

(小泉邸に投擲)

676 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/15 01:11


 語るべき物ってのは作るだけだと思うな。
 例えば小説を書いてても、一から十までプロットを立てて最後まで書くタイプの人と、その場のノリで
最後まで突っ走る人、プロットは決めても微修正を加える人って、兎に角色々だから。
 途中で設定を付加しても、少しづつ周囲を修正すれば「それも正史」になるしね。
 キャラに限っていうなら、それこそ名前、どんな人間か(人間じゃなくても良いけど)を決めて置けば、
割と自然に動いてくれる物だからさ。まあ、細部まで決めるなら「服装の好み」「好きな食べ物」「趣味」
「口調」なんかは決めておいても損はないか。
 私は一番名前に凝りたいんだけどね。ここで使った名前は割と適当だと思っちゃう時も。

 だから、私はオリジナルよりも原作付きの方が難しいと思うんだ。
 自分で全部コントロールしてもいい自分の作品と違って、作品を借りる訳だから、「出来るだけ近付け
たい」し、「原作を壊したくない」。崩し系なら別だけどさ。
 好き勝手、とはいかないけど、自分で制限のコントロールを調整できるからね。
 

677 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/15 01:12

 とはいえ、私はキャラ作りは未熟だ。
 もっと思い切って踏み込んだキャラを作りたい……が、コレが中々。
 パターン化しちゃってるのかもしれないし、「この口調はないだろうなあ」とかリミットが
掛かっちゃってるから。
 頑張らないとね。

678 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/15 01:23

 ていうかゲーム化してたのか、レインボーシックス。
 ゲイツ箱なんて買えないからプレイできないけど。

679 名前:名無し客:04/07/15 01:24

(´-`).。oO(…虹なら七色じゃないんだろうか…)

680 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/15 01:32

 ふむ、それはクランシーにツッコミを入れるといいな。
 なんてね。
 「レインボー」というのは多国籍部隊の名前でね。詳しい人は「ジョン・クラーク」シリーズの
一つといえば解るかもしれない。デルタやSAS、CIAからの抜擢人員で構成されてるんだ。

681 名前:◆nOblerEDv. :04/07/15 02:15

>>676
物作りの実力があるならばそれも良かろう。
つまるところ、そのようにしてクリエイターは生まれていくものなのじゃろうし。

しかしコントロールの術を知らなければ、逆に「自由に作れる」ことに振り回されるだけ……ではないかとな。
(わらわなどは、一からものを作る術を、それを魅力的なキャラへと育んでいく術を知らぬがゆえに
 非オリキャラのほうが楽に感じる)

駆け出しが地図も持たずに荒野に飛び出せば迷って野垂れ死ぬだけ……とでも、例えてみようか。

682 名前:名無し客:04/07/15 02:42

いちおー、自粛中なので名無しー。

>>653
甘いです。
ダイオージャは、お銀さんより以前にご老公御一行にくノ一を加えた、
水戸黄門バリエーションの金字塔です。

寧ろ、お銀さんがシノブのパクリと言っても過言じゃねーのです。


>>679
西洋では虹は6色なのです。
つまり―――西洋人のレインボーマンはダッシュ7になれない!
かぁー、こいつはキツイですねー!



683 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/15 02:58


 おや、これはこれは。吸血鬼の(年齢は)お姉さん。
 兄さんがいなくて良かったね。一人でこんな所に来ては、怖い狼に食べられてしまうよ?

 自由に作れる……のはどうだろうね。
 自由と言っても、そうだな。例えば下敷きが正統派ファンタジーなのにそこにいきなり戦車
やらメカが登場したら首を傾げるし、近代兵器が出て来たら笑うしかない。
 そんな当たり前の「制限」は存在するから。
 当たり前だけど、だから重要だ。
 矛盾が無いように自分で自分を縛る程度……その程度で問題ないと思うよ。
 キャラの基盤は一度決めてしまえば変えられないから、後はそれを如何に発展させるか、
に掛かって来る。だからまあ重要なんだけど……あまり突飛な設定を一度作ってしまうと、
その後にどう絡めるか、が難しくなってくる。兄さんの「ヴァチカン」は兄さんを外面と内面か
らサポートしているようにね。
 そうだな、例えば武器。兄さんは「特殊部隊のような」側面を持つから、別に銃を持ってい
ても不思議じゃない。日本にだってあらゆる方法で持ち込める。ただ、それは彼が「部隊」と
いうバックグラウンドを持つからだ。民間で手に入れようと思ったら闇ルートでヤクザ流れの
38口径かトカレフ、それもコピーのマカロフが精々になる。ただ、そうすると兄さんは常に一
般人とは別の場所で思考するのが当然になるし、素人のように構えていてはいけない。
 これが学生だったら? 「スプリガン」という漫画があったね。あれは面白かった。
 主人公の背景には巨大企業体がバックアップについて、「遺跡の保護」を目的とする事か
ら実に多くの神秘が登場する……が、特に違和感はない。情報量が下敷きになっているし、
何より惹き込まれるような迫力があった。主人公は特殊部隊の末裔で、今も特殊部隊員で、
そして学生だ。
 けれど、この主人公が色々な要素を詰め込んだだけのキメラか、と言えばそうじゃない。
仲間の中で葛藤し、自分の意味を問う人間だった。
 漫画だからこその迫力、は当然にある。
 小説だったなら――それこそ、これを圧倒的な情報量でクリアするか、そうでなければ幻
想小説のような独特の空間を作り出してしまうか。
 方法は色々だよ。

 まして、「キャラネタ」という場は特殊だ。設定を明かすのに使う方法が質疑応答なら、敢
えてはぐらかしたりして「想像させ」たり、予め「提示して」から始めたりね。
 

684 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/15 03:00

 云いたい事と大分変わってしまった。
 珈琲を飲んだだけで忘れるのか。しっかりしろ私。

>>682
 自粛中……? まあ、詮索はしないけど。

 というよりすまない。
 話題が濃過ぎて解らない。
 

685 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/15 03:12

 単純にだね。
 「如何に魅力的なキャラを作れるか」は、ゴテゴテとした設定に頼る必要はない、でいいような
気もする。設定自体は後から付加できる。
 それに寧ろ「オリキャラ」という言葉も妙だと感じるんだけど……まあ、「非版権」よりは云い易
いのかな。
 原作を有したキャラは隅から隅までそのキャラを知ってないと第三者から見た時に不備や穴
が見えて来る事がある……というのがね。口調だけ真似出来れば二次創作でもないだろうし。
 文体も作風も違う二次創作、って点じゃ公式で言うトリビュートなんかがそれに当たるのかな。
キム・ニューマン辺りはその点で異端だけどさ。

686 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/15 03:13

 ……ダメだ眠い。
 飲みながらおぼろげに纏めてた返答が完全に消え去ってしまったよ。
 無為に駄文を書き散らしてしまったな。お目汚し、失礼。

687 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/16 23:34


 兄さんの友人もこの間言ったように『後付け』でぽこぽこと出している。
 私もソレだ。

 セシル。私は会った事ないけどシスター・セシル。
 最初はゲームスレ用の脇役。
 決めた順番はというと。
1.脱出の手伝いが必要。誰が適役?→居ないから作ろう。
2.兄さんの武器は銃。だったら剣が良いだろう。→聖遺物って事にしてデュランダル辺り。
3.デュランダル→フランス→フランス人→名前は?→セシル。貴族だから名前が長い。
4.外見は?→典型的な白人種。ブロンドと青瞳→セミロング〜ロングのブロンド。
5.在り方は?→兄さんが騎士団だから異端審問局。反りは悪い。魔術師。
 で、出てきたのが彼女だ。武器→人種よりも人種→武器が本来は適切だろうね。

 最初の時点だと、
名前:セシル・コレット・ソランジュ・ド=ヴィルキエ
身長:平均女性より高い
体重:軽め
特技:運転、魔術行使、剣術
武器:聖剣・不折のデュランダル

 で、現在。
名前:セシル・コレット・ソランジュ・ド=ヴィルキエ
身長:168センチ
体重:黙秘
特技:運転(車)、(滅多にしない)料理、翻訳
武器:聖剣・不折のデュランダル/『現存』している筈がないので、実は……
趣味:ハーブ全般の手入れ、ジョギング、音楽鑑賞(クラシック)、読書(実は日本の時代小説ファン)
口調:「〜だ」「貴様〜」等、さばけている。
主人公(この場合兄さん)との関係は:部署違いの同僚
家族構成:父、妹(数年前に双方死別)
人間関係:同僚のマリア、クレアとは仲がいい。審問局では煙たがられていた。

 くらいまでは増えている。ちなみに彼女の短編(のハズ)は150キロで止まったままだ。
 最初が曖昧でも付け足す事はできるし、寧ろココじゃガチガチに固めて小説を書く訳じゃないんだから、
そっちの方がやり易いような気がしないでもない。
 ともあれ、イイ加減な方法だけど、こんな生まれ方もある、ってカンジかな。

 私の生まれ方?
 もっと単純だよ。これでもマシだと思うくらいに。
 

688 名前:名無し客:04/07/17 00:06

>>687
>私の生まれ方?
>もっと単純だよ。これでもマシだと思うくらいに。
教えて、教えて〜。

689 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/17 00:34

>>688

 ふむ。
 いいだろう、単純だ。

1.兄さんの自宅→孤児院→孤児院には誰が?→読書好きの妹でも一人
2.国籍は?→多国籍の中の一人。白人種で適当だろう→ドイツ人
3.趣味は読書。外見は?→オッドアイ。小柄でショートのブラウンヘア。

 決定。
 それが私だ。
 厭になる位単純だね。

690 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/17 02:12


 む。
 設定語りは嫌いだが、期せずして結果はこうなってしまったな。
 ちなみに私の身長は140センチだ。正にどうでもいい。

691 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/17 02:16


 しかし、考えてみると「設定」か。
 適当にメモが取ってある程度だな。
 このレスが消費尽くされる前に、いや、私がこの板にいる間に兄さんのことや書き溜めた小話を
全部提示する機会があるんだろうか。
 不意に思うよ。

692 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/17 02:30


 一人だけ上げてみようか。
 ゲームスレのレスと同様に削除されたレスから。

名前:梁鵬淳
国籍:中国(出身は香港)
身長:215センチ
体重:115キロ
年齢:38歳
特技:力仕事、町内会の神輿担ぎ/銃器操作、諜報活動、サバイバル
趣味:祭り、町内会の仕事
家族構成:幇の人間、町全部が共同体
主人公(この場合兄さん)との関係:弟分(勝手に思い込んでいる)
外見:剃髪、黒瞳、筋肉質(骨に直接筋肉で鎧ったタイプ)
備考:元・中国案全部特殊工作員、後、青雲幇、14Kの殺手を経て半ば雲隠れ。現在は
力より香港より天主を崇める。

 兄さんの「日常」である"私達"のセカイから、町内の一人だね。
 

693 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/17 02:31

 安全部だし。
 しかしなんて厨房設定。は、安易に考えた結果がコレさ。

694 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/17 02:35


 本来は「内面」と「外見」、後は名前程度でいいと思う。
 雰囲気や世界を押し出したいときは特に。
 まあ、兄さんの場合は分類的に細かく設定した方がラクではあるか。

695 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/17 02:39

 ちなみに彼と兄さんの出会いは日本で。
 書くと恐らく50キロは掛かるので捨て置くけど。
 文章にしている時間がないのが厄介だね。

696 名前:名無し客:04/07/17 02:41

自分で厨房と断ぜられるだけマシだと思います。

世の中にはそういうキャラで「どうだ凄いだろうカッコイイだろう」と臆面もなく主張する奴も居ますし。
下手をするとそれ以上の俺様設定を満載して。

697 名前:名無し客:04/07/17 02:42

後付け設定は便利ではありますが、キャラが固まりにくいのが悩みどころ。
くるすにく氏ももはや登場時の原型は留めていませんしね。特に猫っぽあたりで。

698 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/17 02:43

 猫は気にしちゃいけない。あれはパラレルワールドさ。

699 名前:名無し客:04/07/17 02:43

対抗してみました(何
某サイトのパクリですが。

名前:郭夏成、郭秋成、郭冬成
国籍:中国
身長:中の上
体重:中の上
年齢:29才、30才、31才
特技:中国拳法
家族構成:兄弟残り3人、父・郭海皇
外見:薔薇柄のステキズボン、獰猛な顔
決め台詞:
(3人共通)
春成など我々の中では番犬の様な存在ッ!
(郭夏成)

その間、実に3秒!!!

(郭秋成)

その間、実に4秒!!!

(郭冬成)

その間、実に5秒!!!


700 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/17 02:45


 伝奇的なハナシは、厨要素を如何に掻き混ぜるかなんだよね。
 まあ、「厨」ってのはつまり「安易だ」って意味に取れるんだけど、この場合。
 敢えて厨にしてネタにするってのも手だね。この場合はメタ的な皮肉が必要になるから
私は苦手だ。

701 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/17 02:46

>>699
 うむ、実に見事。

702 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/17 02:47

 ていうか「海王」って兄弟だったのか。
 途中から読んだからもはや意味不明の今日この頃。

「武から退け……」
 より。
「オマエさあ、ホントにワシの血引いてんの?」
 みたいなセリフが効いてると思った。

703 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/17 02:48

 よし700get。

 後付け設定は、別にこういう場だから――ってワケじゃないけど、精緻に設定する必要がないと
思うからだね。あまりガチガチにすると質問応答にも融通が利かなくなる。

704 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/17 02:51

>>696

 ふむ。
 ふと思った。
 今の"私達"の時点で厨だろうか。正直なハナシ、シスターの彼女も私も、兄さんもその中国の知人と
同じレベルでしかない。
 気にすることもなかったけど、少し考えてみた方がいいかもしれないな。

705 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/17 03:07


 む。
 危うく寝てしまう所だった。

 しかし問題だな。
 初めて感想スレに依頼を出そうとした所で、「私達は設定的に厨でしょうか」等と聞くのは
あのスレの本質とは違っている気がする。いや、違う。実際違う筈だ。
 何ともままならないな。
 兄さんの設定自体曖昧なままここまで来た是非を問うなら、最早それ自体が無意味なの
かもしれないが、やはり"私"なんてのがいる以上どう思われているかは多少は気にするべ
きなんだろう。
 「厨の定義」なんて言う訳じゃないが、感じ方は人それぞれだからね。
 キメラ宜しく詰め込んだような複数の設定、あとは以前に聞く所、無意味な主人公の不死
生だとか。ふふ、そういえば兄さんはロクに死んでないな。いや、死んだら終わりではあるの
だけどね。

 とりあえずそうだな、尋ねる機会でも得てみたいが……さて。
 

706 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/17 03:16


 ……む。
 ダメだな、限界だ。
 無為極まりない思考だけど、明日に持ち越そう。

 不意に思い付いたことではあったけど、私の思考が厨かどうかはやはり知りたい所だ。
あはは、デフォルトでそうだとすると自分自身に嘆きたくなるからね。
 

707 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/17 03:17

 明日じゃなくて既に今日だったというのは置いといて。

708 名前:名無し客:04/07/17 03:25

眠い時は素直に寝てしまった方がいいと思いますが。

「そうする、なることが自然である」ように見せられるだけの力量があれば
設定が多少アレでも……いやまあ。

お兄さんにしろ妹さんにしろ、
行動理念というか行動(発言)基準がはっきりしている事が
自然に見せているのだと思います。

兄さんとかメタルとかクラシックとか小説、文章関連。
化け物退治に教義にメタルに猫っぽ。

709 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/17 05:16


 思い切り寝ていたよ。
 さて。

 ふふ……いやね、意見が欲しかったのさ。
 だって私自身、感覚は弛緩して麻痺してるようなモノだからね。
 何せまず「ヴァチカン」で「特殊部隊」だ。いや、コレ自体は別に珍しくも何ともないが、だからこそ
扱うには注意が必要なネタだから。
 確かに長い間続けている「キャラ」ではあるが、だからこそ「このままでいい」なんて考えてしまっ
ているフシがあるのも確かなんだろう。その停滞の解決策に取った方法が「私」だったなら、それは
それで笑えないのさ。きっとね。
 ふむ、それに例えばだね。確かにさっき例のように「無駄に過去を作る」のは厨な要素だとは思う
けど、他にも要素はあるハズだ。そう、「ハズ」。自分を三者視点で俯瞰できない現在こそが本当に
拙いんだ。兄さんが長く在る、という前提からも言える。後発で付加したファクターが多過ぎて、既
に設定を許容できなくなってるのかもしれないな。「私達」がそうであるのかもしれないし、「ヴァチカ
ン」に於ける彼の在り方かもしれない。そうだな、さっきのシスターの彼女であるかもしれない。はは、
だってそもそも、「ヴァチカンで日本人で」……という時点で色々アレだ。
 そうだな、他にも兄さんの武器で「人間以外にダメージを与える弾丸」が、中途半端にフィクション
/ノンフィクションの姿勢を取っているのも思い返すとマズいな、と思う。シンプルじゃないんだ。弾頭
のコーティング程度ならナンシー・A・コリンズやニューマンにも見られるんだけど。
 さあ、色々書いたけど、本題として、だ。
 そう、ここで自分を俯瞰できてないのが拙いんだね。感覚的には理解できているのに、望む時にな
ると怠惰になる。これは如何にも度し難い。

 「そうなる事が自然である」用に見せられれば――そうだな、まるで西尾先生の手法か。彼のよう
に出来ればいいが、生憎とこの板に存在する私達の……在り方、在り方とでも言うべきかな? こ
の在り方はメタな視点も持ち得ていないし、加えるに未熟だ。どんな設定だろうと内容だろうと、確か
にそれさえクリアすれば作品として成立するに何の問題もない筈だけど、私はきっと、そうは在れな
いだろうからさ。

 随分だらだらと長くなってしまったが、そう言って貰えてありがたいよ。
 「アレ」な設定であるならば、やはり見直すべきだ。あはは、既に固まった部分は勿論弄れやしな
いが、思考を強制するのは重要だからね。
 そうだな。寧ろ「アレ」なまま「そうあるように」見せ続けるのも面白いかもしれないんだけど、三者
視点での「アレ」な部分があるなら、それを聞いておくのも役に立つからさ。あとはそうだな、続ける
事に致命的な欠陥があるかどうかも、意見を聞けば判断基準の指針にできる。
 そんな部分……という訳じゃないが、良ければ聞かせて欲しいな。
 

710 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/17 05:21


 ちなみにだね。
 「行動理念を一貫させていることが自然に〜」と言って貰えたのは、実はかなり嬉しいんだ。言
って貰えた――気付いて貰えた(、、、、、、、)こと、かも知れないな。
 兄さんは明確に「教義と信念の元に」という前提があったけど、対する私は兄さんに寄り掛かる
事、と言う訳じゃないが、一貫して通している思考が在るには在ったからさ。
 きっと、それだけでも「私」は在った価値が在ったと思える。
 修練の意味でも、作り出された意味でも。
 ……ふふ。
 ありがとうね。
 

711 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/17 05:35


 これはリアルタイムで反応が貰える掲示板システムならではの恩恵だと思うよ。
 小説の場合は書き上げた後で指摘されるし、キャラ作りはストーリーの上に成り立つから
自分の弱点を把握出来ずに終わっていた事がある。

 正直に言うならね、私はもう少し高い、「キャラを作る力」が欲しいんだ。魅力的なキャラが
作れるなら、理性で縛る事がいいとも思わない。設定が厨だろうがなんだろうが、逆にコント
ロールする事で味になるならそれだってマズいとは思わない。いや、ハンパに縛るからこそ
拙いのかもしれないな。これも「理解してはいるけど突き抜けられない」場所だ。
 明らかにコントロールできないな、と思ったり自分の領域じゃ恥ずかしい結果になるだろう、
と思ったりした内容には踏み出せない。これは性質だけど、克服したい部分だ。
 それを把握する意味でもかな。
 はは、失敗気味だけど「在り得ないだろう口調」の私や上に出てきた女性(姉)は、私がギリ
ギリで許容できていた部分なんだよね。見る分にはなんら違和感を感じないが、例えば「私」
が一人称で「僕」じゃなかったりするのはそんな理由があるんだろう。版権キャラをキャラネタ
でやる分には何ら違和感を持たないのに、自分で作るとなると途端にコレだ。間延びした口調
でさえ自分で作る分には違和感がある。
 「どう作るべきか」とでも言うのかな。

712 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/17 05:38


 ま……とはいえしかし、前述の通りだ。
 感想スレでこんな意見を求める訳にはいかないだろうし、やはりスレ違い、場所違いとなるだろう
ことは確実だ。とはいえ、書いている以上は何らかの手応えが――反響じゃなく、自分で自分がモ
ノになっていることがあるかどうかを実感したい。……なんていうのはワガママかもしれないけどね。
 

713 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/17 05:40


 キャラだとこんな所だけど、「そうあるように見せればいい」というのは小説でもそれが
言えるね。プロットに全てを収束させた時、それが「面白い話であれば」良い訳だからさ。
破綻していてはダメだけど、ガチガチでは面白くない。
 言えば簡単だが、やはりいつも思う事には違いない。
 そんな所だね。

714 名前:名無し客:04/07/17 15:48

吸血鬼は言うまでもないでしょうけど………

神父さんとしては増血鬼って、どうです?
詳細はドラゴンエイジなどの「かりん」で熟知すべし。

715 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/17 17:55

 ……ああ、漸く眠気が引いた。
 酷かったな、どうも。

ttp://www.occn.zaq.ne.jp/kai-tohru/karin_title.htm
 ふむ、これかい?
 血液を強制的に渡す、という行為自体にどんな意味が有るかは解らないが――元来、吸血鬼と言うのは
血を吸うモノ……イコールで生命と結ばれる血液を吸い取る、というイメージの恐怖から生まれた存在だか
らね。まあ、こういうと実際にそれを向き合っている兄さんには何を言うべくもないが、却説。
 問題はだね、どんな害を与えているか、だろう。
 血を吸う、吸われた人間は吸血鬼になる、同属が増えていく――これがネズミ算式の悪夢だ。
 しかしだね。この場合「血を与えている」のか。ふむ。ならば問題は血液型の不一致、加えて病原菌の有
無だろう。願わくば血液バンクにでも通ってくれれば言う事はない。
 兄さんなら?
 そうだな、彼なら「吸おうが」「増やそうが」無関係だろう。「噛み付いて」という行為、加えて異能は彼が排
除する範疇に入るかどうか――私は知らない。ふむ。ただ……ひょっとしたら、バラした後に構造を解析す
る為に回収するなりはするかもしれないな。殺す事に変わりはないって? それはそうさ。
 何故ならね。彼にとって、人間のカタチを持った人間でないモノ(、、、、、、、)は――悉く邪悪である筈なのさ。
 

716 名前:名無し客:04/07/17 18:52

神父的にこんな↓感じで問い詰められたらどうします?
ttp://cocoonoococ.hp.infoseek.co.jp/flash/toitume.html
ほら、なんというか女の敵って感じで、かつこの女が敵というか(何

717 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/17 20:25

>>716

 こんなのは正直、二度と経験したくな――

 ……ああいや、なんでもない。

 どうするか、ね。
 どう――ふぅ……む。
 まず、だ。そもそもの前提としてこんな状況に陥る事は在り得ない。
 司祭は涙を払う側にこそ回れ、その要因になるような事はないんだ。誰かを悲しませる理由に
なっちゃいけないし、そんな行動に繋がるような意識は持つのも罪だ。
 いや……つーか、だな。
 そもそもそんな状況に陥るようなヤツはダメだろう。男として。
 最低だな。断言する。
 女性は悲しませるべきじゃない。

 ……いや、ホントにだって。
 ホントに。

718 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/17 20:26

 うわ。
 私か。
 私が経験するのか。

 大却下だ。
 名前は兄さんだと思ってくれ。ミスも良い所だ。

719 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/19 00:18


 という訳で、許可が出たから>>502の続きを。

720 名前:◆WEISS0lzjQ :04/07/19 00:22

>>502

「―――――――――」

 瞼が開く――金色の双眸の耀きが、星群に加わるその瞬間を。
 息を飲んだ、と自分で認識する事すら曖昧。模糊とした精神は、現状を把握演算する事
すら出来ない。
 そして。

「……ほう、この城に存在し得るとは……、人に在って人を超えしモノか?」

 来客の無礼を諌めるでもなく、侵入者へと敵意を向けるでもなく。
 応答の無い小動物に問い掛けるような気軽さで、彼女は告げた。
 ……けれど。
 けれど俺は、それで呪縛から解放された。
 アルクェイド。――アルクェイド・ブリュンスタッド。
 白い吸血鬼。昼に雑踏を歩き、血液を口にする事を厭み――人の世界に在って、驚き、
笑い、剥れ、時に悲しむ。
 眼前のモノには――この冷たいばかりの月には。
 太陽を思わせる笑みも、気紛れな猫のように明るい口調も、殺意を紛らわせてしまうよう
な暖かさも……その何れとして、そこには微塵と存在しない。
 全ての人に在らざるモノを憎悪し、殺意の元に告死を繰り返した俺を。そんな俺が一時で
も殺意を抱く事に躊躇した彼女は其処には無く――だが、殺意を抱けないと言う一点に限
ればまるで変わりはない。
 触れれば血液の全てが凍り付きそうな感覚(いたみ)
 全身を切れない糸で束縛されたような感触(ふるえ)
 ただ在るだけで、この絶対者は俺という要素の全てを呪縛している。

「誰――だ、アンタ」

 だからそれは――果たして、現時点で全ての意味合いを込めた、たった一つの問い掛け。

「彼女は……アルクェイド姫、は――」

 息が、詰まる。陸に揚げられた魚同然の無様さ。
 喘ぎながら言葉を次ぐのには、百年分の努力が必要だった。
 対する、ソレの表情に変化はない。ただ――ああ、と小用を思い出したとでも言うように。

「なるほどな、アレを知る者か……、だが既にアレは存在しない」

 そう。そうして――百年分の力を振り絞った一言を、ソレはただの一言で切って捨てた。
 実につまらなそうに、淡々と。

「この場、この器に在るのは私だ」

 意味が。
 この女は――コイツは、何を、

「どういう、意味――」
「……アレは自らの名を放棄した、ただそれだけの事」

 聞き分けのない子供に言い聞かせる親のような口調で。
 いっそ哀れむような瞳で見据えられて、思考のアーキテクチャは微塵に無様に砕けて散
っていく。
 致命的なクラッシュ。口に出そうとした言葉は一語すら思い出せない。
 だけど、意識していた真実は何処までもクリアで――だから逆に好都合なくらい、捻る必
要のない言葉が真理だった。

 ――そんな簡単なセリフで、彼女を否定(ぶじょく)するな。

 だから、理解した。
 目の前の異質を、整理の付かない思考状態を。
 

721 名前:◆WEISS0lzjQ :04/07/19 00:26

>>720

「……ああ、そうかよ」

 もう、理解出来る。
 厭になるくらい馬鹿馬鹿しいほどに今の現実を理解出来る。
 ココに九陽の笑顔を持ったあの気紛れな彼女はいない。
 ココに在るのは、冬月の寒さすら配下に置いた一人の魔王。
 そして、その両極は絶望的なまでに同極。この上なく相似な同図形。
 この女は、彼女を否定しながらも彼女なのだ。

 ……だけど。

「――だったら。俺にも解ってる事が一つだけある」

 金色の瞳。
 全ての存在を傅かせる威光を秘めたその双眸を、全霊を持って睨み返す。

「アンタは引っ込め。俺の用向きは――アルクェィド=ブリュンスタッド宛てだ」

 ……一つ、確定的な真実がある。
 ココに在るこの存在(コイツ)は、アルクェイド=ブリュンスタッドでは在り得ない。

「アンタに逢いに着たんじゃ――ないんだよ」

 外見が全くの相似であろうと、同系同型のパズルのピースだろうと、完成した図形に描
かれた意味は全くの異色だ。
 同一にして異形のこのモノは、けれど俺の知っている彼女では在り得ない。
 何があろうと、俺は、絶対に認めない。

 ――絶対に。

 認めて、やるものか。

「……………アレに心を残す者が二人も居たか」

 試すような口調は、諦観と達観の上からか。
 微かに向けられた興味に、背筋が細胞の一本から凍り付く。
 その感情は恐怖と呼ばれるモノだったか。
 ……だったら。
 だったら何だって言うんだ。
 あの微笑を俺が憶えていたら、何だって言うんだ。

「アレは取り戻したいか? おぬしにアレが救えるのか?」
「――ああ」

 俺は。

「……救済かどうかなんて解らないし、知った事じゃない。そもそもアンタに何を話して聞
かせてやるつもりもない。……だけどな」
 

722 名前:◆WEISS0lzjQ :04/07/19 00:28

>>721

 銃把を握る両手に力を込めて、魔王の問いに怒声を返す。
 瞳を刃に変えて睨み据える。

「どうすれば彼女が還るかは訊かせて貰う。力づくでもな」
「―――それは私と戦う、という意味か」

 それは契機か。
 正に――その、刹那。
 世界が砕けた。穏やかな空気が内側から霧散した。
 ずず、と世界が変異する。
 涼やかに、静かに、けれど取り返しようがないくらい確実に。

「よかろう、似て非なる者よ、我が名は『朱い月』のブリュンスタッド」

 冴え過ぎて凍結した寒月――朱、と自らを称した魔王は、ゆっくりと敵意――そんな言
葉では表し切れない、絶望的なまでの殺意を解放する。
 目にも見えるほどの、音にも聴こえるほどの、凍えた殺気の翼とその羽音。
 夜露が放つ霊魂の耀きはもはや金色の姫の絶美を称えるモノではない。
 寒々しい隗麗はさながら、死神の鎌が放つ斬罰の光か。

「望むなら、この名を否定してみるがいい――――――」

 蒼い殺意の光を纏って、朱い月は粛々と死を告げる。
 回避不能の裁きの宣言へ、皮肉の笑みを返せたのは何故か。
 ――そう。
 多分、俺に迷いはない。

「――全霊で否定してやるさ。此処で砕け散れ、紅の月」

 吐いた言葉に恐れは無い。
 絶望と終局とが入り混じった殺界へと、意思を込めて言霊を叩き付けた。

「アンタの全てを壊して――姫は返して貰う」

 世界が、悲鳴を上げる。
 

723 名前:◆WEISS0lzjQ :04/07/19 00:32


 BGM/未定
 ↓
 インターバルデモ→次レス
 

724 名前:◆WEISS0lzjQ :04/07/19 00:34

>>722

 疾風なんて生温い。
 突風、それもまだ遠い。
 朱い月の振るう暴力は、世界に絶傷を刻み付ける悪夢の竜巻だった。
 舞台はエルミタージュ美術館もミニチュアと見紛う程の壮麗と巨大を誇る城の中庭。

 ――否。

 その景観は僅か数秒でこの世から消失した。

「……反則(デタラメ)じゃねえか、こんなの」

 片膝を着いて、目元の汗を拭って、壊れそうな疲労を吐息に絡めて吐き出した。
 僅かに離れた位置に立つ朱い月には、表情の乱れすら感じ取れない。
 その平然とした金色の双眸は、今は俺へと据えられている。何処を見るでもなく誰を想
うでもなく、今は――殺意を携えて、俺を。
 尤も、その独占を喜べるヒマなんて、一瞬を千等分しても絶無だ。
 繰り返される衝突の余波で草葉は死に絶え、大気は焼けて、夜の中庭はコロシアムとな
って変性される。烈火と叩いたマズルフラッシュで若草は焼け付き、所々に燻る火の粉を
散らしていた。
 草露に反射して飛び交う月光。
 蒼い霊魂は紅い魂魄へと変じ、今やココは壮美に過ぎる地獄の釜の入り口と化す。
 文字通りの全霊を叩き付けた活劇は壮美な城壁を削り、噴水を初めとした装飾を砕き、
長く広い城の壁面すら舞台と変えて繰り返された。繰り返される破壊。
 防御に徹する俺と、いっそ無邪気に破壊を繰り返す朱い月。
 無限と錯覚するほどの草原も、現実には有限でしかない。
 話にのみ伝え聞く空想具現の異能は、遠慮呵責なく地形すら変革する程の破滅を引き
起こした。
 文字通り……遠慮呵責なく、地面も空も城も、引っ掻き回して叩き壊した。
 ああ、全くフザけているにもホドがある。
 自分の寝床を壊すのも躊躇わないなんて、まるで癇癪を起こした子供だ。
 ……けどまあ、この暴力を子供の微笑ましさ、で済ませる事なんて不可能だけど。
 このアリスが縦横無尽に振り回す、この力は。
 衝突の数分で、完全に理解した。
 アレは普通じゃない。尋常でもない。
 狂い切った破壊と、悪夢のような暴力と、どうしようもなく絶対的な破滅の化身。

 ――朱い、月。

 ならばその紅は末期の鮮血か。
 白磁の指先は世界の全てを寸断する槍。槍騎兵の突撃の如き一撃すら、本人には子
犬をあやすような手遊びに等しいのだろう。実に涼しい顔で、魔王は縦横無尽に空間を断
裂させた。
 見惚れる事すら許されない、凄艶のロンド。
 マリリン・マンソンが頭の中で鳴っている。アンチクライスト・スーパースター。
 ……これじゃダンスパートナーが絶命するのは、なるほど時間の問題だ。
 肉体と精神のドーピングを断続的に繰り返し、致死と致命の一撃一撃をギリギリで避け
続ける。使用した弾薬爆薬聖物の総量を換算すれば、化物の根城を丸ごと二つ三つ壊
滅させてもお釣りが来るんじゃないか。
 だけど、これすら。
 壊滅所か、ヤツに取っては微風に等しいのか。
 

725 名前:◆WEISS0lzjQ :04/07/19 00:50

>>724

 そう。

 ――傲慢なまでの絶対を誇って、彼女はそこに在った。

 汗と一緒に血を拭って――涼しげな絶対者を眺め、思わず苦笑を漏らす。
 覆せない戦闘能力差。悲観ですら意味を成さない極絶の差異の前に、平静は既に崩れ
て消えている。いや、そんなモノは最初から有ったか如何か。
 ……まあ、でもそんなのは関係ない。どうだっていい。有ろうが無かろうが変わるものか。
 俺は、人間として。
 ただ一人の男として、この魔王と戦うだけなんだから。
 蒼い月光の針の中。紅の月は、ただ優美な眉目を微かに曲げる。
 そして。

「―――問う、アレはおぬしにとって何であったのだ?」

 鈴が鳴るような抑揚のない声で、ヤツはそう問うた。

 行動すら困難にする疲労が全身を溺れさせる。問いは疲労に飲まれ、返す言葉を失い
掛け――ダメだ。把握しろ。今……ヤツ、は。
 ヤツは、今、何て言った?
 聞き捨ててはならない、一言。今、アイツは、なんて。
 アレは――アレ? そう、アルクェイドは。アルクェイド=ブリュンスタッドは、俺にとって、
何だったか。そう、そう言った。
 ……ああ。
 なんだ、そんな事を。
 ……馬鹿馬鹿しい。そんな事は問われるまでもない。
 世界に在る全ての異形を憎むように創られた俺は、あの吸血鬼を。

「はっ、過去形で言ってんなよ……姫は――彼女は、アルクェイド=ブリュンスタッドは」

 憎悪して(見て)いたに、決まっているだろう。
 喉に力を込める。
 吼える。
 意図と意味を練り上げて、全ての意思を言葉に変えた。

「――気紛れで融通の効かない……厭になるくらい調子の狂う、吸血鬼、だよ……!」

 立ち上がる。
 ガク付いていた膝は動かすだけで千切れる様な激痛を伴った。

「それだけだ。行くぜ、アンタは(、、、、)消してやる」

 ……それを。
 まるで、言い終えるのを待っていたようなタイミングで、朱い月は口を開く。

「だが、おぬしが成れるのが道化だけだとしたら……」

 底も無く、果ても無く、無限に透き通った湖面のような金色の瞳。
 一切の感情を外に漏らさないそれを俺へ向けたまま、朱い月は――

「それでも尚、その『名』を呼べるか?」
 

726 名前:◆WEISS0lzjQ :04/07/19 00:58

>>725

 そう、告げた。
 ……ああ。
 でも、それは意味がない。今更過ぎて答えるのだって億劫だ。

「……言ってくれるな。生涯呪詛に縛られたこの身、道化の宿世には馴れてんだ」

 馴れた。
 厭になるくらい、そんなのは、ずっと。血で縛された宿命、宿世。殺せ殺せと泣き喚く因
果の鎖。
 吸血鬼なんてのは、だから全部が敵だった。
 例外なんて、無かった筈だ。

「――呼べるさ、何度でも」

 ……だから、その名前は在り得ない例外。
 忘れる訳なんて――ない。

「アルクェイド……って、な。ほら、簡単だ」

 喉が詰まる。
 疲労で唾の絡んだ吐息は、言葉を紡いだ後で襲ってきた。
 そして――それは錯覚か。視線を合わせたヤツが、その瞬間。

「――ふ」

 ふと、その表情が。
 鏡面のように凪いでいた朱い月が莞爾したのは――嘲弄でも嘲笑でもなく、透明無垢
な微笑みを浮かべたのは、はたして錯覚だったろうか。
 錯覚だとするなら、それは残酷だ。

「……くそ」

 だって。
 あの微笑みは――まるで、彼女のモノと同じだったんだから。
 見蕩れた、なんてバレるのがイヤで、照れ隠しにスライドを引いた。

「アンタ、ちゃんと笑えたのかよ」

 煌々と星が瞬く。
 朱い月は再び蒼い殺意の衣を纏う。
 錚々と草が鳴く。
 俺は最後の意思と力を込めて銃把を握る。

「――フィナーレだ。アンタは此処で終焉(おわ)らせる」
 

727 名前:◆WEISS0lzjQ :04/07/19 00:58


 BGM-2/未定
 ↓
 ラストバトル

728 名前:◆WEISS0lzjQ :04/07/19 01:07

>>726

 灼けたチリと砕けた空気と、コナゴナになった世界の中で。

 或いは――それは、唯一の勝機だったか。
 少なくとも、俺に正気はないのだろう。ソレだけは確実だ。
 朱い月。
 絶対者のその懐へと飛び込んだのは、間違いなく俺なんだから。
 金色の双眸を正面から見据えるその位置は、喩え様もない至近距離。
 真綿の様な肌が視界に、金色の双眸が眼前に。
 朱い月の瞳に映った俺の姿は、どうしようもなく終焉に近付いている。
 マトモに動かない両腕。
 骨ごと神経叢を潰されてしまった様な感覚に、レントゲンを撮るのが恐いな、と馬鹿げ
た事を考えた。
 ああ、コイツは本当にデタラメだ。立っているだけで殺される程のプレッシャー。今だっ
てあの細腕が眼前を払えば、ただそれだけで致命傷を俺に刻み付ける。
 世界を断つ処刑刀みたいな一撃。それをお手玉でもするみたいにホイホイと繰り返し
てくるんだから――全く堪ったモンじゃない。
 だから逃げても変わらない。
 ヤツが迅く、ヤツが強い。

 ――だったら、死を恐れて退くのはバカげている。

 今の恐れは死への恐怖、つまり自分が無へ帰するという事実に根差していない。死に
よって、コイツに――朱い月に一撃でも報いてやれない自分への苛立ちに起因してるだ
けだ。
 彼女の笑顔をもう見れないのは……まあ良いとしてやる。さっきの微笑みに遠く幻視し
たソレで、ただ吸血鬼を憎み続けた俺には充分過ぎる。
 だけど。
 コイツがいるという事で彼女が存在出来ないなら、一撃は報いてやるべきだ。
 ――こうして、一刹那。ココまでの経緯を反芻した。
 そうして、満身創痍の俺は――

「……捕まえ――た」

 ――白い細首を、無造作に鷲掴んだ。
 紅の魔王は、寧ろあどけないような表情で目を丸くする。
 そうとも。これは馬鹿げた行為。きっとコイツは呆れてる。腕の一振りで死に消えるよう
な人間が目の前に立ったなんて、これ以上なくトチ狂った行動(ジョーク)を笑うに違いない。
 ハッ。オーケイ、笑えよ。俺だって笑える。笑ってる。ウッドチッパーに自分から飛び込
むみたいなこんな馬鹿げたコト、正気を疑って笑うしかないんだから。
 手に力は入らない。いや、掴んでる、って表現さえ温いくらいだ。親指を添えて、残った
指で触れているだけ――ああ、吹けば飛ぶって表現がピッタリなんだろう。
 でも、これで最後。
 ダンスは終わる。ロンドの終極。成そうが成すまいが、俺に余力は残らない。
 だから、それだからこそ――今の俺の全てを最後の一滴まで叩き込んでやる。

「……最後だ、朱い月――!」
 

729 名前:◆WEISS0lzjQ :04/07/19 01:10

>>728

 俺は終わるから。
 だから、彼女に宜しく。
 そう心で言い添えて、全てを解放した。
 出力は右手。インプットは心臓だかアタマだか、俺の意味――"魂"の根源。千古万古
を輪廻と言うメビウスで縛られ続けた殺戮の楔。誰も、俺自身ですら理解に届かない力
の根源は、"因果を絶つ"という一点に特化されている。
 脳が灼ける。
 腕が溶ける。
 脚が壊れる。
 内臓が滅茶苦茶に引っ掻き回される。
 視界が霞む。聴覚が歪む。俺が終わっていく。
 輪廻を叩き砕くという逸脱の力を一挙に解放した反動が、人間と言う脆い器を嘲って、
俺を定義する要素を片っ端から食い荒らしていく。ああ、コレは死ぬ。俺は持たない。
 俺を殺し、世界を焼き尽くす炎の幻覚を意識の全力で束ね、右手へと収束。
 細首を掴んだ掌をアウトプットに――
 一切合切、全部を叩き込む。
 だからこその、これが力の発現。

「――砕けろ」

 ――その言霊が、解放の起因。

 ばづん、と意識が爆ぜる音。
 消し飛び掛ける意識への衝撃は、同時に力を解放するトリガーだ。
 白。
 世界を塗り潰す真っ白な火炎の柱が、周囲を、朱い月を飲み込む。
 身体はバッテリー。右手という出力部に必要最低限のエネルギーを供給する一個の
部品だ。今や俺は、破壊を駆動させるというプログラムとなって稼動するに過ぎない。
 破滅を生む光のトーチ。
 世界すらドロドロに溶かす炎でヤツを包みながら、自分の最期を知覚する。
 後何秒持つだろうか。生命という要素を燃料にする限り、破壊力に比例して消耗は極
限に等しい。
 だから、光の終焉は俺の終焉だ。
 最後は、この身の燃料切れと言う結末で終わる他にない。
 魔王の終極を見届ける事は出来まい。
 ……だから、少しだけ残念だった。
 この結末を見届けられないのが――この光の奥で、ヤツが何を考えているか判らな
いのが。
 馬鹿げたケンカを売った俺を、ヤツがどんな感情で捉えていたのか。

 ……ああ。
 馬鹿馬鹿しいと言えば。
 最後に浮かんだ光景が、多分一番馬鹿げている。
 どうして――
 ……自分が殺そうとした相手の微笑みなんて、想うのか。
 どうしようもない苦笑を最後にして、俺は意識を手放す。

 意識は千路へと乱れ、
 全ては虚無の散逸へ。

 ――……最後。

 白く塗り潰された意識の中、刹那に見上げた夜空と、消え去る光の奥で。
 蒼い月と、朱い月の境界で。



 白い、気紛れな彼女の微笑を見た気がした。
 

730 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/19 01:16


 エンディングは此処では省略。
 本スレに貼るのは何時になるやら。
 協力は「アルクェイド ◆Jpax/Magus」のお姉さん。
 原典知識が無い分の補助までして貰って申し訳ない限りだ。加えて謝意を。
 会話をハナシの形式にしただけ、とも云うのだけどね。それにしたって会話の協力、原典知識の
協力は不可欠だった。全く以って感謝する他ないな。
 元ネタは「格闘ゲームスレ」で、削除されたレスの後、所謂「隠しステージ」風に。
 文体は「闘争」で見ていて少し意識的に似せてみた憶えがあるかも。
 

731 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/19 01:17


 ……後幾つだったかな、溜め込んだネタって。
 ラストまでに全部披露出来るだろうか。
 

732 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/19 01:23


 ふむ。
 確かに、不意に見返して思う事がある。

733 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/19 01:25





 今の兄さんって、ギャグ(ネタ)キャラなんだろうか。



 

734 名前:名無し客:04/07/19 01:50

え、違ったの?

735 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/19 01:51

 大違いだ。

736 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/19 01:51

 あ、即レスタイミング。

737 名前:名無し客:04/07/19 02:05

そうですね…

大長編ドラえもんと通常版ドラえもんの差でしょうか。

主にジャイアントか、のびたみたいな差です。

738 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/19 02:12


 ……ふむ。
 つまり普段の兄さんが「大長編」、そうでない時が「通常」か。



 最近逆転してるのかもしれないが。

739 名前:名無し客:04/07/19 02:18

つまり…猫モードが大長編ですか?

740 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/19 02:20


 いや。
 それは困る。
 ふむ。
 つまり困るから今が困っているのか。

741 名前:名無し客:04/07/19 02:25

つーかですね。

真祖の姫が美人だから吸血姫でもOKなのか、
猫だから吸血姫でもOKなのか、
猫だと思ってるから吸血姫だと疑ってないのか、
猫で美人だからそれだけでOKなのか、

つーか、あの人はこの板で一度たりとも吸血鬼っぽい行動をとってないな…それが原因か…orz

742 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/19 02:38

>>741

 無難に答えるなら「2」だろうけど、流石にそれは違う――違うだろう、多分。
 違わないと困る。
 そして流石に「3」は拙いだろう。色々と。
 「4」だと更に色々拙い。

 ……「美人」と云う要素が問題かどうかに関しては、まあ、確かに関係はあるのかな。妹から
見ると少し容認しかねるけど。しかしともあれ、美人だろうがなんだろうが殺意に違いはない。
 ふむ。
 まあ、旧知で色々とあったようだし、それも関係あるのか。
 そんな所、なんだろうかな。

743 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/19 02:40

 旧知といっても殆ど知られていないのだけど。

744 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/19 05:54


 目覚めはオレンジジュース。

 朝は水分を採ろう。
 ただし交感神経対策には常温より高めがいいらしい。
 以上あるある知識。

 しかし飲んだのはガンガンに冷えたオレンジジュース。
 

745 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/20 23:00


 質問スレだからテーマは無しでいいか→話しの形式にしたから欲しいかも。けど
もう粗方完成してるしどうしよう→テーマを後付けしよう→強引に割り込ませるから
余計に時間が掛かるけど。
 ……不備から発生した悪循環って絶ち難いな。何度目だ、全く。
 

746 名前:レポーター(M):04/07/21 00:39

「すみません、ちょっとお聞きしたいんですが。
此処の神父様は聖職者にも関わらず、
複数の女性と非常に深い関係にあると聞いたのですが」

747 名前:レポーター(M):04/07/21 00:56

「返事が有りませんが鍵が開いているので、お邪魔してみましょう。
えー、礼拝堂のようですね。信徒席に側廊、一番奥には聖書を広げるための台と
大きな十字架が見えます。
窓も、全てステンドグラスで、大変神秘的な空気に包まれています」

748 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/21 01:07

>>746-747
(玄関前で押し返す)
 誤解です。
 お話することは一切ありません。
 ――お引取りを。

749 名前:名無し客:04/07/21 01:11

…すみません、素で「玄関前で押し倒す」て読んじゃいました。

すみません、他意は無いんです、あなたのお兄さんならやりそうだと思っただけで。
すみません、すみません(脱兎)

750 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/21 01:14

>>749

 ああ、うん。それじゃ。
 兄さんなら後頭部に物騒なモノを打ち込む所だろうけど、私じゃナイフでも投げるのが
精々だからね。ショットガンなんて最近触ってもいやしない。

 後、だね。
 どうでもいいけどレポーターが女性だったらだろうね、それは。
 でなきゃ私が困る。彼はノーマルだ。

751 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/21 02:46

 「ボーン・スプレマシー」が「アイデンティティ」の続編として出るんだとか。
 前作見てなかったけど、アレは「暗殺者」までは終わってたのかどうか。まかり間違っても
「最後の〜」までは繋がらないと思ってたのに。

752 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/21 23:55

http://c22.inlive.co.kr:2060/
 で。
 新曲他を。
 クリムゾンタイプ→NIGHTWISH→OPETHタイプ→ゴシック他〜
 後はエニグマでも。

753 名前:名無し客:04/07/22 00:38

やば、これは予想以上だ……Nightwishの新譜。
メタルな部分も(男声含めて)良い感じだし。時間でき次第買ってこよう。うん。

神父さんのおかげで視聴が出来るこの環境が嬉しい(何

754 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/22 00:45

>>753

 おや、そう云って貰えるのは嬉しいね。いや、私は兄さんじゃないけどさ。
 ターヤさんのヴォーカルは所謂……オペラの伸びやかなコーラス歌唱から通常域まで
確保するようになったし、マルコのヴォーカルの合いの手も実にタイミングがいい。
 今流れてるのはテーマが小説だけど、これはネイティヴアメリカンのミュージシャンが協
力してるだけあってトラッドな所が暖かいな。まるで冬の空の下で焚き火を見てるみたいな
音だ。……はは、妙な喩えだけどね。

755 名前:名無し客:04/07/22 00:53

買わなくても此処で聴けるから以下略

756 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/22 00:59


 ふむ。
 いつでも聴けるのはCDの魅力だと思うけどね。

757 名前:名無し客:04/07/22 01:04

いやCD音源が欲しいし。
ラジオはモノラルだからな。

758 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/22 01:12


 だね。
 ま、最近はこのMP3と云う形式の恩恵に預かって、スピーカーだけいいモノにすれば
それなりの音でPCを経由して聴く事も出来るのだけど。

 誤爆していたよ。
 ちなみにNightwishじゃないが、これも今回の収穫で大きかった一つかな。

759 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/22 01:29


 17分、と言うのは凄まじく長尺だけど、これを巧く纏める手腕は凄いと思うな。
 一つの曲にコレだけの変化を所謂プログレデスで完成させているのは一つのカタチに
なっている。

760 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/22 03:36


 この曲のドラムの使い方が凄く好き。
 心地よく割り込んでくるスネアとストリングスの絡みが、「わざわざメタルである必要」を
明確にしてるんじゃないかな。
 ……や、丁度聴いてる人しか解らない呟きだけどね。

761 名前:ファントム・ドライ ◆03/PHantOM :04/07/23 01:17

 おう白狼、遊びに来たぜー。
 あんた、こんなトコロに秘密基地なんて持ってやがったのな。
 全然知らなかったよ。

762 名前:ファントム・ドライ ◆03/PHantOM :04/07/23 01:18

 ……うん? ていうか留守か?

763 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/23 01:21


 留守さ。兄さんはね。
 さて。このような夜分遅くに、神の家の門扉を叩くとは何事ですか――と云いたくも
ないけど……おっと、独り言失礼。
 さっきも云ったように、兄さんは所用で席を外しているんだ、お姉さん。
 白狼、って云うのは――兄さんだよね、多分。
 

764 名前:ファントム・ドライ ◆03/PHantOM :04/07/23 01:23

 おお、女だ。白狼の隠れ家に女がいるぞ。しかもガキだ。

765 名前:ファントム・ドライ ◆03/PHantOM :04/07/23 01:26

 兄さん、ねぇ。白狼って天涯孤独の人間だったよな。
 というかそれ以前に、あんたとは人種違い過ぎる、か。
 じゃああんた……えぇと、エーフィ?
 あんた、誰? 見ない顔だけど。

766 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/23 01:32


 ……彼の女、ねぇ。
 ふふ、そうだったら私は嬉しかったんだけど。
 お生憎、あの朴念仁の司祭サマは私が誘っても指の一本すら出してくれちゃいないよ。
人種は見ての通り、私はお姉さんと同じコーカソイドでね。……そうだな、義理の妹、と言
った所かな。
 とりあえず中へどうぞ。

 それから、私からも聞いておきたいな。
 お姉さんは……兄さんのお友達かい? いやいや、割と人種問わずに知人が居る事は
知っているんだけど――と云うよりも、違う人種との方が相性が良いんじゃないか、と妹な
がら母国での協調性の無さを心配するくらいなんだ。

767 名前:ファントム・ドライ ◆03/PHantOM :04/07/23 01:43

 友達? あぁー……どうなんだろうね。
 あたしは世間一般様が言うトモダチって奴を持ってないから良くわかんねぇけど、
あいつとはそんなんじゃねーよ。うん、そんなんじゃない。
 じゃあ何か、って聞かれると困るけどな。
 まぁ多分、あんたが想像しているような関係さ。くくく。

 と、悪いね。じゃあ遠慮なく座らせてもらうぜ。
 ああ、飲み物はビールでいいよ。

 つか、あんた白狼と随分ナカヨシな兄妹みてぇだけど、あいつが何してっか知ってんのか?
 あんたはあいつに養われているんだよな。
 だったら今のあんたの生活は、白狼のどういったモンから成り立ってんのか、理解してんのか?

 あいつが何者か、あんたは知っているのかい?

768 名前:ファントム・ドライ ◆03/PHantOM :04/07/23 01:43

 ああ、あんたも飲みなよ。
 あたしだけ飲む、ってのは白けていけねえや。

769 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/23 02:06


 想……像。
 想像、想像――
 は……ん、参るね。初対面でいきなりそんな事を云われるとは思ってなかった。
ま、あ、別に驚くような事でも悲観するような事でもないから追求しようとも思いや
しないが――ふん。14歳に云うにはオブラートに包むべきだと思ってしまうな。
私なら兎も角、姉さんや妹達なら困ってしまう。
 しかしまあ、実際……NYめいたユーモアだね、お姉さん。
 中日新聞を読んでいたらいきなりデイリーニュース(タブロイド)に取り替えられた気分だよ。
懐かしい匂い……感触だ。生まれはアメリカ? イギリスって事は無いだろうね。
中途半端なケレンや飾りの香りがしない。ふふ、別に馬鹿にしてるんじゃない。な
んとなく懐かしかったのさ。私は昔、あの堕ちた天使の街に住んでいたからね。

 ……ま、とりあえず何か出そうとは思っていたんだけど、いきなりビールを所望
されるとは予想外だ。しかし見ての通りの孤児院、この家にはそんな下賎なアル
コールは一滴もないんだ、残念無念。
 とりあえずはさしあたって珈琲か紅茶、アルコールなら葡萄酒があるけど、どれ
が良いかな? 葡萄酒以外は私の趣味でね。その辺りのカフェよりはマシなモノ
を淹れる自信があるけどね。どうぞお好きに。



 私と兄さんの関係?
 ……は、どうだろうね。傍から見れば仲が良いのかもしれないし、事実そうなん
だ、と願いたいが――生憎と人間は視覚を通した主観でしか、微塵にも世界を捉
える事が出来ない。私が彼に沿ってるだけで、兄さんは私の事をなんとも思って
ない、なんて可能性も無いではないが――考えたくはないね。

 私の生活?
 そうだな、何かは理解しているよ。私の世界に於ける兄さんと私のこの生活は、
私の全てで、兄さんの……多分、一部分だ。この生活は彼が教会に身を置く事
で保証される一面と、ここがカトリックの管理下に有る事から成り立っている――
これが一つの真実だ。もう一つは、そうだな。
 それは、私が踏み込んではいけない場所だ。……違うかな? ふん。
 随分兄さんに詳しいようで羨ましい限りだね。生憎と、私には彼の世界に踏み込
む力がないし、資格がない。

 寄り添いたくても寄り添えない(、、、、、、、、、、、、、、)人間は居るのさ、お姉さん。

 だから私に出来るのはね、お姉さん。彼の世界に於けるこの孤児院の要素をも
っと拡大して、彼の思考を占領してしまうくらいに大きくなれれば――という希望を
実現させる事だけかな。無理だとは解っているけどね。
 ……ふふ、如何にも戯言さ。
 

770 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/23 02:06


 ……生憎。
 私はアルコールは摂らない事にしてるんだ。頭の働きが鈍ると、読書の邪魔になっていけない。

771 名前:ファントム・ドライ ◆03/PHantOM :04/07/23 02:38

 やれやれ、インテリぶってるけど結局はガキかよ。
 酒も飲まねぇで一体何を話せって言うのさ。
 大体ビールも置いてねえ家ってどんな家だよ。
 此処にゃほんとに人住んでるのかね。って、あんたがいたか。
 ま、いいや。じゃあマックシェイクちょうだい。マック抜きで。

 で、―――ああ、ご名答。あたしは現在進行形でロス育ちだよ。
 あんたもそうだったんだ。
 へぇへぇ……の割りにはあんま"粋"は感じないけどね。
 まぁロスと言ったってスラム育ちだけが全てじゃねーからな。
 あんたみてぇなインテリも育ちはするだろうさ。

 ……まぁあんなクソみてぇな街の事はどうでも良いんだ。
 あんたがお兄さんとやらにご心酔だと言うコトも良く分かった。
 そしてあんたがまだ、ぎりぎりの位置で"向こう側"の人間だと言うコトもね。
 あぁ、そうさ。本当にぎりぎり……際どい範囲だ。いつ転げ落ちて"こっち側"に流れ着
いてもおかしくない、どうにか"健常"をやっているって感じだな。
 しかし、このままこんな辺鄙なトコロに引き篭もっていたら、いつかは何もかもぶっ壊
れちまうんだろうね。

 あたしは別にどうでも良いんだけど、さ。
 あんた……なんか勿体無いぜ。頭良いんだろう? 勉強も出来るんだろうし。
 白狼なんかと家族ごっこなんかしてねぇでさ、もっと真っ当な道歩いた方が良いんじゃねぇ?

772 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/23 03:12

>>771

 マックシェイ――・……甲斐がないな。ま、いいさ。
 丁度昼間に妹がマックに出掛けてて――ああ、あった。チョコ味だね。まあいいけど。
 ま、ここに誰が住んでるって云われてもこの時間だ。みんな寝てるのさ。私は不良娘だ
から夜更かしの常習犯だ、と云うだけでね。姉さんなんか4時に起きるくらいだよ、と――

 よ、っと……私は珈琲で。

 ふん。
 別にインテリ気取ってる訳じゃないけどね……インテリゲンチアって流行らないんだよ、
この国だと。それとも言葉使いが鼻についたかな? 英語の基礎はクイーンズ(イギリス式)でね。あの
国で憶えた言葉がコレだったのさ、不愉快にも。私の顧客の大半は上流の仮面を被った変
態ばかりだったからか、言葉遣いまで固定される始末だ。まったく吐き気がしたね。部下に
命令する口で、家族と語る口で私みたいな子供にポルノ雑誌紛いのセリフを吐いては、ロク
に発達もしてないこんな貧相な身体を触って舐って何が楽しいのやら。私は気持ち悪いだ
けだったけど。お陰で羞恥心なんてモノはマイクロ単位で無くしたけどね。
 は――いやいや、そんな性癖を持った方々のお陰で(、、、、、、、、、、、、、、、)生きていられたんだから、ここは善
しとしておこうかな。

 ともあれ実際、あの街はゴミ溜以上でも以下でもなくて、正しく言葉その物に(、、、、、、、、、)ゴミだったよ。
正直な話、二度と戻りたいとは思わないね……っと、しまったな、苦く作り過ぎた。差別と汚
職と性欲とドラッグの掃き溜め、天使の街は人民浄化政策を実施中……とね。ふん。よくも
まあ、あんな所に住んでいた物だと我ながら感心するよ。
 けれどあれは街に限らないな。"国"だ。大統領が「飛べ」って云ったら私達は「どれくらい(、、、、、)
高く?(、、、)」って聞き返す街、それがあそこなんだからさ。

 お、っと。
 そうさ、長々とあのクソの街のことを(、、、、、、、、)話して悪かった。しかしね、これは重要なんだ。私に
とって、これは凄く重要なんだよ、お姉さん。"そっち側"だった私を"こっち側"に連れて来て
くれた兄さんと私の接点は、図らずもあの街だったんだから。
 それに私には、私の視点でしか健常者も異常者も計れない。それを定めるのが世間と世
界だと云うなら、多数決が精神異常のラインになるのだからね。笑わせるよ。
 だから、云わせてくれないか。
 私と彼は家族で、私は彼の妹で、彼は私の兄だ。私はこの家族を愛しているし、私は彼を
愛している。家族としても、それ以外の意味でもね。世界が燃え尽きるまで、というヤツだよ。
頭が良い、と云うのが博士号を幾らか持っているとか何ヶ国語を話せる、とか――まあ、そん
な実にどうでもいい基準ならいいのだろうけどね。しかしね、お姉さん。そんなモノには価値は
ない。犬のエサほどにも意味はないよ。正しくクソ以下だ(、、、、、、、、)
 今みたいに彼と物理的に離れている事は何度も経験している――しかしね。彼と精神的な
意味で離れてしまったら、それは私の終わりだ。私の世界は彼を含んだ境界にしか存在して
いない。彼といて私が壊れるなら――もしも私が壊れたら、「もう用は済んだかい?」とでも尋
ねよう。私は私と積み直して、もう一度彼と居る為の私になるよ。

 ……はは。
 ま、確かに曖昧な繋がりでは有るんだろうけどね。「家族」って云うのは。
 姉さんも妹も、いつかはここを出るのかもしれない……けど、私は彼が私を拒絶するまでは
傍に在りたいんだ。そう、それこそ何があっても、ね。

 ご忠告には感謝するよ。
 ただしまあ、聊か受け入れ辛い所があってね。ありえないが、私が彼に愛想を付かされた時
にでももう一度云ってくれないか。
 

773 名前:ファントム・ドライ ◆03/PHantOM :04/07/23 03:47

 そう、か……。ま、繰り返すけどあたしは別にあんたのコトなんてどうでも良いから、
あんたがそうしたい、って言うのなら止めやしねーよ。
 その気持ち、あたしもよく分かるしね。―――いや、"分かっていた"って奴か。

 白狼はどうにも今晩は帰って来ねぇみたいだし、あたしはもう行くぜ。
 あいつがあたしにドルガバのロザリオプレゼントしてくれるって話だったから、
こうして駆け付けたんだけどなー。くそ。
 あ、ロザリオってファッションで身に付けるコト禁止されてるんだっけ?
 まぁそんなモンはそれこそクソ食らえだけどな。
 生憎と罰が当たると言うんなら、とっくに当たっているだろう罪深い身だしね。

 ああ、それよりもあんたには、お兄さんが家にも帰って来ねぇ僅かな金しか家に納めねぇ
であたしみたいなヤンキー女に金を注ぎ込んでる、って方がショックかい?
 くく、男ってのはそう言うモンさ。
 残念ながらそれは、あんたの兄貴だって同じだろーぜ。

 ……と、帰る前にあんたに二つだけ忠告――いや、訂正かな――をさせて貰うよ。
 まず一つ、あんたは確かに社会の"裏側"にかつては身を置いていたんだろうし、
そのために不快な時を過ごしてしまったのかもしれねえ。それについては同情するよ。
 ただ……ただ、そんなのは――同情するけど――そんなのは、どうってコトはねえ。
 あんたの場合はまた事情が違うんだろうけど、身体売って生活して何が悪いんだ?
 あたしはビッチって他人をよく蔑むけど、さ。
 娼婦は気高い商売だと思ってるよ。あたしなんかのより余程に、ね。
 "こっち側"って言うのは違うんだよ……ああ、何て言えば良いのかな。
 あんた、感じないか?
 白狼と仲良いなら、さ。時々感じるだろう、決定的な"壁"を。
 それだよ。それが、あたしの言う"境界線"だ―――つっても抽象的過ぎんよな。
 まぁ良いや。魂で理解しろ。

 で、だ。別にあたしは家族ごっこを否定はしないよ。
 あたしだって昔はそう言うモン嵌っていたし、今だってあの頃は幸せだったと常に懐か
しんでいる。
 ありゃー、良いモンだよね。だから否定はしないさ。

 あたしが言ってんのは、白狼とそう言うコトするってのは感心しないって奴よ。
 例え白狼がそれを望まなかろうと……断言するぜ、いつかあんたは白狼に裏切られるぜ。
 それも近い内に、だ。
 分かんだろ? あたしもそうだけど―――あいつは長生きするような奴じゃねー。
 いつか状況が強制的に、白狼にあんたを裏切らせるのさ。
 余計なお世話かな? だけど言っておくぜ、先輩として、経験者としてな。
 あんたが"堕ちる"のは間違いなくそのトキさ。
 聡明なあんたはそのトキ、ようやくこっち側の人間になれる。

 あー、くそ。マヂで余計なお世話だよな。
 別に白狼が嫌いってワケじゃねぇーけどよ、やっぱこう言うのはムカツクぜ。
 あんたは悪くないと思うよ。白狼だろ。
 あいつ、孤児院がどうたら言ってやがったが……結局同じじゃねーか。

 無理なんだよ。
 自分の正義を貫き通したいって言うのなら、大事な何かを捨てなければならないトキだってある。
 例えそれが夢だったとしても、ね。
 ―――ああ、これスパイダーマンね。格好良いでしょ。ヒーローの性さ。

774 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/23 04:32


 っとと、お帰りかな? 大したお持て成しが出来なくてすまなかったね。わざわざ海を
越えて来て貰ったのに申し訳ない・……逢ったら文句の一つでも投げてやってほしい。
が、プレゼントね。

 ・……ドルガバ、の――ロザリオ? それはお姉さん、モノから考えてもリップサービス
というヤツだと思うんだが、どうだろう。……ま、彼がお姉さんに何やらをプレゼントしよう
としてた、ってのは解ったけどね。それに――ふん。別にショックじゃあないさ。ここの運
営自体は教会直営だし、お姉さんに彼が何かをプレゼントしようとしたなら、それは彼の
自腹を切ってる訳だから、そこに私が何を言う訳でもない。
 と云うより……お姉さんにロザリオは似合わないんじゃないか。

 ふむ。忠告、か。
 ……そうだな。確かにそれはそうだ――お姉さんの云う通りだ。認めて、反省して、そ
れから参考にしよう。だから私も訂正をさせて貰うよ。あの街は吐き気がするほど嫌いだ
ったけれど、私は娼婦を蔑んだ事はない。ただ単純に明快に、弱者を食い物にする人間
の体質に本質的な嫌気が差しただけだ。同僚は好きだったし、友達もいたんだよ? ふふ、
友達がいないタイプだ、って思われがちだけどね。

 それから、兄さんとの壁――
 それはね。
 逢った時から解ってたよ。あの時から、初見のあの日から、私と兄さんの間にはベル
リン崩壊前の壁よりも、天国への門よりも高い壁が有ったのは。触れ合うのは壁越しで、
まるで服役者と面会者みたいだ、って。彼の匂いが、彼の肌が、彼の要素が私を本質で
近付けてくれない。例え身体で契っても――それは変わらないんだろう。解ってる。
 ただね、お姉さん。
 解っているけど、私にはそれしかないんだ。"新しい家族"なんて見付けられないし、そ
れこそ家族に対する代用品(オルタナティヴ)なんて見付かる筈がない。出逢ったのが彼じゃなければ、或
いはそれ以外の選択も出来たんだろうけどね。私を泥沼から引き出してくれたのは彼だっ
たし、導いてくれたのはやはり彼だった。今まで一度として私は裏切られていないし、運命
とやらもそれを許容してくれてるみたいだからね。
 今は、まだ。
 彼は私達を裏切らないでいてくれる。無事と帰還を約束して、私達の元に帰ってきてくれ
ている。お姉さんの云うようにギリギリのロープを渡ってね。
 There is only one way to come into world. but so many ways to leave――昔の同僚が
よく口にしていたんだけどね。そうだな、お姉さんが私の先駆者だとしても、人間の行く末は
計れない程に枝分かれしている。不確定な未来なんて計れる訳が無い……それはそうだ。
私がサイコパスに陥るかもしれないし、或いは何も無かったように生きていくかもしれない。
だけどね、大体は解ってるのさ。兄さんの居ない私は破綻しかない。結末は見えている。
身体が生きていても、心が死ねば人間は終わる……私の持論だよ。
 私の堕天がどう在るかは解らないが、それはだから、死以外の何物でもないんだ。
 願わくば――彼の居ない私の最後は、虚無より深い絶無で在りたいね。
 ふふ。
 それに、信頼してるのさ。
 彼は死なないさ。だって……あれでも彼は私の兄さんだよ? そう、死神さ(、、、)
 死神が死神に狩られる訳なんて、これっぽっちも理由が浮かばない。


 お……っと。ただ、一つだけ言い添えて良いかな。
 「家族も護れないような人間は、自分の正義すら護れない」――彼が昔漏らした言葉だよ。
別に自惚れていやしない。ただね、兄さんは私達と在ろうとしてくれている。姉さんや妹は何
も知らないが、知る必要がない、という位に確実にね。私もそう思うんだよ。そうさ、私はだっ
て欲張りだから……何も捨てられないんだ。
 お姉さんみたいに格好良くは生きていけないよ。厭世にも刹那にも興味はない。私は私の
時間を、兄さんと生きられる時間を生きていたい。その為になら、他の何を犠牲に慕って厭い
はしないさ。地獄に落ちても構わない。
 そう、最初に云ったよね。"どうでもいい"、って。
 正しくその通り、出来れば憶えていてほしいけど忘れてくれたって構わない。私はこのまま
の私で生きていくよ。

 ……最後に、そうだ。
 出来れば兄さんに逢ったら責めてるのは止めてあげてくれないか。
 別に彼が悪い訳じゃないし――いや、お姉さんの主観にケチをつけるつもりはないけど、私
達は私達で生きてるからさ。それに……あれで、同僚以外に彼が友人……いや……友人、じ
ゃあないのか。まあいい。それでもお姉さんみたいな隣人を持ってるのは悪くないからね。
 そうだな。
 浮気はするな、とでも伝えてくれないかな。
 

775 名前:ファントム・ドライ ◆03/PHantOM :04/07/23 05:09

 ひゅー、格好良いねぇー。それがきっと、"若さ"って奴なんだろうね。
 あたしも若いけど。つーかあんたが若すぎ。
 くそ、羨ましいねぇ。
 要するに、アレだろ。白狼はあんたのヒーローなんだろ?
 それこそエーフィちゃんに取って、白狼はスパイダーマンやバットマンなんだ。
 それって美味し過ぎねえか、おい。
 羨ましい限りだよ、まったく。

 白狼に何の罪があるかと言えば……きっと、あんたみたいなガキに、そんな想いを抱か
せたコトにあるんだろうね。それだけは間違いなく罪だと思うよ、あたしは……。
 安心しな。別にあいつを責めやしねーよ。ぶん殴るかもしんないけど。
 ああ、嘘だよ分かったよ……冗談冗談。
 そうだねぇ、小遣いせびり取る程度のコトで勘弁してやるよ。
 その金でどっか美味い飯でも食いに行こうぜ。あたしが奢ってやるよ、白狼の金で。

 うん……じゃ、帰るよ。
 ああ、実はあたし、殺し屋さんをやっているんだ。
 これでも結構有名でね。業界ナンバー1、みたいな。
 一応、あたしの携帯番号教えてやるよ。
 もしあんたの兄貴を殺したくなったら、真っ先に電話しな。
 サービス料金でバラしてやるから、さ。
 ほんとはフリーの殺しは請け負わないコトにしてるけど、白狼の妹だからね、あんたは。
 特別だぜ?

 じゃあな。精々幸せになるんだね、お兄さんとよ。


776 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/23 05:20


 少しだけ驚いたよ、殺し屋の――お姉さん。
 若さ、ねぇ。発育は――……まあ、私と幾分違い過ぎるけど、歳は大して違わないんじゃないかな。
 ま、いいさ。
 確かに彼は私のヒーローで、守護天使やらその辺りの存在を一緒くたにしたヒトだよ。だけどまあ、
それは私の勝手な幻想に過ぎないんだろうけどさ。

 ……さて。
 それじゃあね、お姉さん。精々高いモノでも奢らせてやってくれないか。どうせ中々帰ってこないん
だ。それくらいは仕向けてやってもバチは当たらない。
 殺してくれ、なんて頼む事は天地が引っ繰り返ってもありえないから、気が向いたらいつかお茶に
でも誘わせて貰うよ。その時に私が終わってるかどうかは兎も角としてね。
 それから――
 勘違いがもう一つだよ。
 私は現在進行形で幸福だ。これ以上はないけど、これ以下はない。
 そっちの世界で兄さんに会ったら、彼を宜しくね。
 殺し屋さんが助勢してやってくれれば、あれで鬼に金棒というヤツだからね。
 

777 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/23 05:22


 やれやれ。
 随分とまあ……奇妙な来客ではあったか。名前――聞いておけばよかったかもしれない。
 ……ふむ。まあ、考えても詮無いな。機会が巡るのを願うとしよう。


 第一更にどうでもいいが、プレゼントの件は問い詰めさせて貰わないとな。幾らのモノか、
どんな形で渡そうとしたのか位は、最低でも。
 

778 名前:名無し客:04/07/23 22:34

>>777 ゲット応援団。

♪ チャチャチャ ♪  ♪ チャチャチャ ♪   ♪ うーっ ♪     ♪ ファイト! ♪
      ∧∧           ∧∧            ∧∧.       .;;, ,,ミ∧∧ミ,, ,;;
     (゚ー゚ )          .( ゚ー゚).           (.゚ー゚.)        "(ヽ ゚ヮ゚ ノ)"
 ((( ;;"~;;;"~゛;;)          .(;;"~゛;;;~゛;; )))      ;;"~゛;;;"~゛;;          |  |
   .ミ;,,_,ミ;,,_,,;ミ          ミ;,,_,,;ミ,_,,;ミ.       ミ;,,_,,;ミ;,,_,,;ミ        ⊂__⊃|
                                                )

779 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/23 23:24

>>778

 おや、これはどうも。
 CDスレのレスを考えている間に時間が経ってしまったな。
 興味を語る場だった筈なのにと遂行を重ねて時間が無駄に無駄に。ううむ。

780 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/24 22:20


 一休み。
 次はソナタかラプソか軍人スレか……ラプソを始めるとクソ長くなる可能性が。
 どうするか。

781 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/24 22:24

http://c39.inlive.co.kr:9230/
 こっちでも。
 詳細は略。

782 名前:名無し客:04/07/25 00:00

いいか、神父
        (゚д゚ )
        (| y |)


      猫 .( ゚д゚) 電子レンジ
       \/| y |\/


        ( ゚д゚) [$]
        (\/\/

れっつトライ。

783 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/25 00:03

 断る。

784 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/25 08:04

 猫…… 

785 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/25 08:04

 猫にコーヒー(無糖)をっ!

786 名前:名無し客:04/07/25 09:10

止めた方がいいと思いますよ。
体が小さい分、致死量少ないし。

787 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/25 09:23

 いや。
 舐めさせたいんだよ。こう、コナっぽいの。

788 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/25 14:35

 めじろ猫っぽ。

789 名前:名無し客:04/07/25 14:43

うぐいすうぐいすうぐいす餅。
ずんだずんだずんだ餅。

うぐいす猫っぽ?
ずんだ猫っぽ?

790 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/25 14:46

 うむ。
 猫っぽ。

791 名前:名無し客:04/07/25 14:51


「──おお、そこに猫がいる」

「あなたが──猫だったのですね」

792 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/25 14:56


「いいですか、関口君」

「この世に――猫でないモノなど、何もない」

「ね、猫――」
 

793 名前:名無し客:04/07/25 19:52


「でも君が殺した六匹の中に背の高い猫は含まれてなかったけど」

「誰が好みの猫を殺すんだ、アホ」


 ──どうやらその辺は複雑らしかった。

794 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/25 20:03


「でも君が撫でなかった六匹の中に小さな猫は含まれてなかったけど」
「小さな猫は包むんだよ、アホ」
 好みは小さい猫らしかった。

795 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/26 00:52


 プレデターは初めて見た。彼の全盛期に当たるのか、この辺り。
 割と良作かな。ハデ過ぎない効果もゲリラ戦には合ってるし。
 2の評価は悲惨らしいけど。

 避けよう。

796 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/26 21:51


 く。
 気分と体調が載ってる時に書き上げたかったのに。
 気分転換に何か。
 何か。

・軍人
・兄さんの闘争(複数)
・CD

 ……ふむ。
 無難に散歩にでも行くか。
 逃避行動まっしぐら。

797 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/26 23:17


 その"猫"は!
 一週間前に!
 捕捉している……ッ!

 動いてるビデオまで。
 小さい。小さいッ!

798 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/26 23:24

 捕獲出来たらどれだけ幸せか。
 重要に保護されているらしい。
 ベッドでは腕の中で丸くなるらしい。

 猫。

799 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/26 23:36

http://www.local6.com/slideshow/news/3560540/detail.html?qs=;s=6;p=news;dm=ss;w=320

800 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/26 23:36


 ……まあ、落ち着くとしてだ。
 とりあえずレスでも。

801 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/26 23:37

 偶然覗いたスレ。

>795 名前:名無し客 投稿日:04/07/26 19:22
>アニメ版の次回予告の壊れっぷりはどう思いますか?
>祥子様が「にゃん」って…。


 え。

802 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/26 23:40


 ……いや。

 驚いただけだ、そこの剣。

803 名前:名無し客:04/07/26 23:58

>>801-802
正直な話、クル助は「にゃん」より「にゃあ」「みゃあ」の方が好きなんだろ?

――――――言ってしまえば楽になるぞ。

804 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/27 00:08


 カラオケに行って驚いた事。

・SONATA ARCTICAがあった
・EDGUYがあった
・RHAPSODYが(ry
・COBが(ry
・TESTAMENTが(ry
・ARCH ENEMYが(ry

 エメラルドソードを熱唱は凄まじく恥ずかしい気がした。結局妹弟と8曲歌って終了。
 しかしまあ、LABYRINTHを聴き流しながら散歩して「スレイトゥザナァァ(リフ部分で伸ばす)イっ」
とかブラガで「イマージネーション(ry」とか夜道で気付いたら歌ってた……とかよりはマシだった。
 マシな筈(経験済み)。
 

805 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/27 00:09

>>剣

 掛からない。
 掛かってない。

>>803

 猫なら何でも。
 あと「みゃあ」より「みゃー」だ。

806 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/27 00:16


 そしてそういえば昼にカロリーメイトを食べたきりだと思い出す現在。
 やけに調子が悪いのはその所為か。

 という訳でカレー。
 コーヒーの粉入れたカレー。
 ……くそ、この時間にはカロリー高いな。

807 名前:◆kcbhGUILTY :04/07/27 00:31


(寸胴ごと目の前に置きつつ

おまちどうさまですー(何

808 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/07/27 00:32


 ふむ。
 カレーが焦げた。
 納豆は禁止された(らしい)ので具はなしだけど。
 なんともはや。


 とりあえずCOFは有っても歌えない連中が大半じゃないかと推測してみよう。
まあ、私はCOBすら普通にしか歌えないけど。
 デスヴォイスは声質から無理かな。

809 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/27 00:34

>>807

 ……え?

 あ、や、え!?
 いや、なんで――何でって云うかどうしてココに顔出してっ!?
 だ――あ、いや、ああ、ええと。
 ……すいません、わざわざ。


 その。
 ……どうも。
 頂きます。

810 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/27 00:41


 ……しかし食べ切れるのか、けどこの量って。


 いっそ寝かすか、二日ほど。
 熟成期間まで。

811 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/27 00:46


 ……いや。
 頂くって、こう、普通に。
 こう、カレーを。


 ……あ。
 ソースはいいんだろうか。


 二人、が妹なら食事を終えてるので必然的に俺に。
 

812 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/27 00:58


 ああ。
 なるほど。

813 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/27 00:59


 いや、納得したのは前半だけでな。
 後半違う。違うぞ。

814 名前:名無し客:04/07/27 20:32

銀弾に掘り込まれている聖句は自分でやってるんですか?

815 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/27 21:08


 床屋に行ってきた。

 いや。
 一つづつやると割と手間が掛かるんでね。ほら、自分でFMJをホローポイントに変える作業を
一発につき1時間掛かると想定してくれ。やる気にならんだろう。
 俺のは騎士団の魔術師……っても、異例だけどな。その魔術師に頼んで作って貰ってるよ。
掘り込んだ内容でも効果が変わるし、クソウザく再生するゴミをブチ殺すにゃそれが手っ取り早
いんでね。個人で頼んでるから、行く時にはキツめのウォッカを持って行かなきゃならんが。
 ……あの爺さん、足元見やがって。

 とはいえ、最近じゃ開発部のジェイムスが弾頭にエーテルを最初から込める加工をフォーマッ
トしたからな。刻む作業は割と簡略できるよ。後は――そうだな、審問局の知り合いに頼む事が
あるか。流石に専門家、魔女(ウィッチ)は一味違う、ってな。

 ……ま、開発作業が見たいならアポを取った後に騎士団まで足を向けてみりゃあいい。

816 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/27 21:44


「……いやなんでも」
 意味の無い繰言。ただ二人で共有する時間を無言で閉ざさない為の、意識の無為な露出。
二人で黙れば思い出す。あの日、あの空間、あの瞬間、あの人達の顔。思い出せば、潰され
る。だから喋った。無意味に、無為に、ひたすらに。
「先刻から貴様は無茶だ無茶だと云うがな、私のデュランダルが無茶ならマリアのブリューナ
クは海を端から端まで余波で割るぞ。比喩抜きでモーゼだ。市街で放てば一瞬で火の海だろ
うな」
「バケモノの集団かよ、お前等。そんだけ出来るなら騎士団に任せるなよ、戦闘業務」
「云っていろ。例外は数人だ。第一、魔力も使わずに私達と同程度の力を発揮する連中の方
が余程バケモノだとしか思えん」
「俺は常人でありたいね」
 手際良く迷い無く、背中を走る鉄の冷たさ。一時間以内と言っていたが、果たして何分何十
分経過したのか――ただ黙る事がないように、世間話から仕事の話、果ては近況からプライ
ベートまで。それがただの共依存だということは理解している。傷の舐め合いだと解っている。
一人で終わらせたのなら、此処まで悩む事も無かったろうという事も――多分、理解している。
 一人ではないから。
 一人なら罪を仕舞いこんでしまえた。
 偶然、或いは必然に他者と罪を共有してしまったなら――自分が罪を仕舞っても、鏡面を見
てしまえばハコの蓋は開く。仕舞いこんだ罪が溢れ出る。二人なら悲しみも半分なんて馬鹿げ
た歌があったのを思い出す。嘘っぱちだ。二人なら罪は二倍。一人と一人で一足す一。二割る
一にはならないし、二引く一にもならない。とんだ厄介モノ。罪を宿した自分の鏡。性別など関
係なく、年齢など差異になく、俺とこの少女は互いに依存する相対的な鏡と成り果てた。
 自分を他人に重ね、他人を自分に連ねる。
 吐き気がするような嫌悪。依存せざるを得ない、その現実。
 理由のない逃避。
 現実から目を背けて、ただこれからも生きていこう。
 生きなければ、いけない。

「……外、暑そうだなぁ」
「そうだな」

 笑顔のカケラは、まだ頭の中で濁っている。

817 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/27 21:45


 ……どうにもゴシックは味が消えるな。改行にも作用されるか。
 出来るだけ掲示板、開業は頻繁に使いたいんだが……ううむ。
 調整してからじゃないと本題は無理だな。

818 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/27 23:28


 CDスレでいきなり不穏な事聞いてたら、こっちでもか……。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040727-00000513-yom-soci

 ご冥福を。

819 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/28 01:29


「いや、俺何もした憶えないんだけど」
「だろうな。素質、いや、これは体質といった方がいい。貴様の身体は、呪詛を取り込んで喰らっている(、、、、、、)
「……いいのか悪いのか解んないな、ソレ」
「良くはない、と云いたいが――解らん。呪詛は言葉通りの呪いだ。それを身に宿していい筈はない、が――そもそも呪詛が
呪詛である以上、それは全ての人間に災禍である筈なんだ。火と水、風と土、相反する元素と同じく、呪詛は人の身とは決定
的で絶対的な逆位相に存在する」
「でもシャーマンとかは耐性持ってるんだろ? 霊媒なんて自分の身体に霊を降ろすんだし」
「巫女達か? 違うな。あれは儀式上に於いて霊を扱うのであって、貴様のように呪詛その物を喰らったりはしてないし出来も
しな――あ、こら動くな。治療は終わってないんだ」
 起き上がろうとした所を押し付けられる。冷たい手の平が背に触れた。
「つまり、貴様は憑依体質とは同質かそれの上位……上位と云うより変種だな。憑依体を身体の内で喰らうという実に馬鹿げ
た突然変異だ」
 馬鹿にされてるのか誉められてるのかイマイチ解らない。
 しかし――ともあれ、解っている事が一つだけ。
「よく解んないけど……な、待て、も、もういいだろ? 大丈夫だって解ったんだし」
「メスを入れただけと言うのも馬鹿らしいからな。折角だ。霊脈を整えてサークルの一つ二つ刻んでやる。常々思っていたが、
貴様は技量や体性こそ素質的に大した物なのに魔術の類に関して致命的に無知だからな。簡易なモノなら身体一つで弾け
る程度にはしてやろう」
 云うや、セシルはあの(妙な)機材一式を床に降ろした。……あのセシルさん。その先が尖ったキリっぽいのは何に使うん
でしょうか。
 怖いから訊けない。
「あー、と。それって、オマエやエリスみたいにってこと?」
「私の場合は同位相のエーテルをぶつけるか空間に断層を作って無効化しているのだからな、これは魔術の素養が無けれ
ば無理だ。エリスというのは――騎士団のあの怪物か。あんな規格外(ベヒモス)と一緒にしてくれるな。あれは単純にニブいのか頑丈
なのかどちらかだろう。生憎だがあそこまでにはしてやれん」
「……してくれなくていい。人間辞めたくないし」
 剣林弾雨を潜り抜け、戦車砲弾に突撃し、高々度の絨毯爆撃に飛び込む人間戦車。
 真似できないししたくない。
「さて、入れる――いいか、動くなよ」
「……あー」
 まあ、こんなのも。別に……偶には、いいか。
 偶にはで人体改造されるのもどうかとは思うけど。
「諒解、頼む」
「承知した」
 

820 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/28 01:30


「いや、俺何もした憶えないんだけど」
「だろうな。素質、いや、これは体質といった方がいい。貴様の身体は、呪詛を取り込んで喰らっている(、、、、、、)
「……いいのか悪いのか解んないな、ソレ」
「良くはない、と云いたいが――解らん。呪詛は言葉通りの呪いだ。それを身に宿していい筈はない、が――そもそも呪詛が
呪詛である以上、それは全ての人間に災禍である筈なんだ。火と水、風と土、相反する元素と同じく、呪詛は人の身とは決定
的で絶対的な逆位相に存在する」
「でもシャーマンとかは耐性持ってるんだろ? 霊媒なんて自分の身体に霊を降ろすんだし」
「巫女達か? 違うな。あれは儀式上に於いて霊を扱うのであって、貴様のように呪詛その物を喰らったりはしてないし出来も
しな――あ、こら動くな。治療は終わってないんだ」

 起き上がろうとした所を押し付けられる。冷たい手の平が背に触れた。

「つまり、貴様は憑依体質とは同質かそれの上位……上位と云うより変種だな。憑依体を身体の内で喰らうという実に馬鹿げ
た突然変異だ」

 馬鹿にされてるのか誉められてるのかイマイチ解らない。
 しかし――ともあれ、解っている事が一つだけ。

「よく解んないけど……な、待て、も、もういいだろ? 大丈夫だって解ったんだし」
「メスを入れただけと言うのも馬鹿らしいからな。折角だ。霊脈を整えてサークルの一つ二つ刻んでやる。常々思っていたが、
貴様は技量や体性こそ素質的に大した物なのに魔術の類に関して致命的に無知だからな。簡易なモノなら身体一つで弾け
る程度にはしてやろう」

 云うや、セシルはあの(妙な)機材一式を床に降ろした。……あのセシルさん。その先が尖ったキリっぽいのは何に使うん
でしょうか。
 怖いから訊けない。

「あー、と。それって、オマエやエリスみたいにってこと?」
「私の場合は同位相のエーテルをぶつけるか空間に断層を作って無効化しているのだからな、これは魔術の素養が無けれ
ば無理だ。エリスというのは――騎士団のあの怪物か。あんな規格外(ベヒモス)と一緒にしてくれるな。あれは単純にニブいのか頑丈
なのかどちらかだろう。生憎だがあそこまでにはしてやれん」
「……してくれなくていい。人間辞めたくないし」

 剣林弾雨を潜り抜け、戦車砲弾に突撃し、高々度の絨毯爆撃に飛び込む人間戦車。
 真似できないししたくない。

「さて、入れる――いいか、動くなよ」
「……あー」

 まあ、こんなのも。別に……偶には、いいか。
 偶にはで人体改造されるのもどうかとは思うけど。

「諒解、頼む」
「承知した」
 

821 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/28 01:31


 ……心情と文意を汲んで貰うために入れるからなぁ、行間。
 見易さの為に犠牲にするか否か、うーん。
 テストテスト。

822 名前:名無し客:04/07/28 01:34

個人的には開けて欲しいですけどね、行間。
モニター上で横書きで、これがないとホント存外に読みづらい。

とはいえ勿論、強制は出来ませんが……

823 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/28 01:39


 普段は改行しなくても読める環境で書いてるモンでね、どうにも。文字も大きいしサイズも
適切……だけど、ブラウザで不特定多数の人を対象にするとさすがにね。
 難しい所だな、ホント。掲示板に書き出してからいつも思うけど。行間を開けると「重要だ」
とか「読ませたい」意味を作るから。
 ……うーん。
 通常の改行と文意を取る際の改行で分けちゃうか、いっそ。
 二行開けはキツい気がしたけど。

824 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/28 01:41


 審問官は。


「 ―――――――   ――く、 ――あ、」


 怒号を上げた。
 誰へでもない。
 少女へでもない。
 或いは、少女を蝕んだ者へですらない。
 それは、気付けなかった自分。
 助けられなかった己自身への、やり場の無い激怒。
 感じたのは何だったか。
 無残な破壊を生んだ、傍らの同僚への憎悪か。

825 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/28 01:42


 ……ううむ。
 二行開け。
 どうするか、こりゃ。

826 名前:名無し客:04/07/28 01:44

んー、824の例だとなんとも。
もうちょい長い物を用いて判断してみては?

827 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/28 01:45


 長めか。
 軍人スレが真っ先にだったから例をコレに絞ってたな。
 何にするか。さて。

828 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/28 01:47


「どうした、逃げてばかりでは勝負とは言えんぞ!」
「力と技術で負けてんだもん、だったらヒットアンドアウェイ、常識でしょ?」
「言ってくれる――!」

 高めのソプラノを発する二人の声が響く――が、異音と言っても差し支えない踏み込みと斬撃の軌跡が生む
烈音に圧され、それはあまりにか細い。華奢な痩躯と柔らなかな声で打ち合う二人は、同時にこの上ない剛の
者でもあった。
 刹那、焦れたようにセシルが柄を握り直した。隙、ではあったろう。その鬼気迫る表情を前にして、それを「隙」
と認識出来たのなら。
 そして。
 クレアは動かず、
 セシルが翔んだ。


「殲っ!」


 セシルの細腕がその鋼剣を掲げたのを確認できたのは、果たして一人居たのか否か。否、恐らくは――零で
なければ、彼女の眼前、一人の少女のみ。
 雷鳴が落ちた。
 そうとしか表現できない狂気の斬撃だった。見ること適わねば受ける事も適うまい。
 背に刀身が隠れるほど身体を反らせた、渾身の大上段。
 触れる物悉くを粉砕し斬断し、近付く者を悉く跳ね飛ばす悪夢のような速さと重さが其処に在った。
 鼓膜を破らんばかりの轟音が鳴り響き、場内の全員を金縛りにする。
 半ばまで床に減り込んだ刀身――抉られた床。
 唐竹割りの姿勢で踏み込んだセシルは、爆音を奏でる楽器と化した剣を手にしたまま、眼前を見据える。
 眼前。
 爆散した床の破片が濛々と煙る中、少女は。
 クレアは――両手に握っていたレイピア型の鉄剣、その刀身だけを根元から綺麗に折り飛ばされたそれを呆
然と見詰め、

「やっ……るぅ」

 あははは、と快活に笑った。

「こりゃ勝てないや、ダメダメだね、私。……っていうかさ、途中当てようとしてなかった? 滅茶苦茶怖かったんだ
けど。二、三回死ぬかと思ったし」
「当てようとはしたな。ちょこまかと動き回るから」
「……怖っ」

 息を吐いて、セシルは床に減り込んだ刀を引き抜く。血振りの動作で木片を払って、ぱちんと音高く納刀した。
 場から緊張が解ける。
 

829 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/28 01:48


 一行通常+二行強調のパターン。
 会話が多いとかなり行数が多くなるのが欠点かな。
 特に総合スレだとレス数が増えちゃうからね。

830 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/28 01:50


「どうした、逃げてばかりでは勝負とは言えんぞ!」
「力と技術で負けてんだもん、だったらヒットアンドアウェイ、常識でしょ?」
「言ってくれる――!」
 高めのソプラノを発する二人の声が響く――が、異音と言っても差し支えない踏み込みと斬撃の軌跡が生む
烈音に圧され、それはあまりにか細い。華奢な痩躯と柔らなかな声で打ち合う二人は、同時にこの上ない剛の
者でもあった。
 刹那、焦れたようにセシルが柄を握り直した。隙、ではあったろう。その鬼気迫る表情を前にして、それを「隙」
と認識出来たのなら。
 そして。
 クレアは動かず、
 セシルが翔んだ。

「殲っ!」

 セシルの細腕がその鋼剣を掲げたのを確認できたのは、果たして一人居たのか否か。否、恐らくは――零で
なければ、彼女の眼前、一人の少女のみ。
 雷鳴が落ちた。
 そうとしか表現できない狂気の斬撃だった。見ること適わねば受ける事も適うまい。
 背に刀身が隠れるほど身体を反らせた、渾身の大上段。
 触れる物悉くを粉砕し斬断し、近付く者を悉く跳ね飛ばす悪夢のような速さと重さが其処に在った。
 鼓膜を破らんばかりの轟音が鳴り響き、場内の全員を金縛りにする。
 半ばまで床に減り込んだ刀身――抉られた床。
 唐竹割りの姿勢で踏み込んだセシルは、爆音を奏でる楽器と化した剣を手にしたまま、眼前を見据える。
 眼前。
 爆散した床の破片が濛々と煙る中、少女は。
 クレアは――両手に握っていたレイピア型の鉄剣、その刀身だけを根元から綺麗に折り飛ばされたそれを呆
然と見詰め、
「やっ……るぅ」
 あははは、と快活に笑った。
「こりゃ勝てないや、ダメダメだね、私。……っていうかさ、途中当てようとしてなかった? 滅茶苦茶怖かったんだ
けど。二、三回死ぬかと思ったし」
「当てようとはしたな。ちょこまかと動き回るから」
「……怖っ」
 息を吐いて、セシルは床に減り込んだ刀を引き抜く。血振りの動作で木片を払って、ぱちんと音高く納刀した。
 場から緊張が解ける。
 

831 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/28 01:51


 ちなみにパターン1/初期通常例。

832 名前:名無し客:04/07/28 01:52

悪くないと思います。

まああとは神父さんの意識次第というか……確かに二行あけが頻発するというのも見苦しそうですし。
あるいは臨機応変に使うとか?

833 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/28 01:55


 問題は会話と地の文が連続する時だね。
 時々で使い分けるのは「大殲」の「闘争」ではよくやるけど、通して一つのモノを書く時には
改行次第で読み手の意識が変わっちゃうから。

834 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/28 02:07


 あ、ちなみにハイリンしてないけど当てたレスだね。
 とりあえず少し思考錯誤してみよう。
 どちらにしろ、軍人スレに直接は貼れないだろうけど。

835 名前:名無し客:04/07/28 02:17

Bタグ、Iタグを使ってみるとか。
乱用しないようにさえすれば、存外いけるもんですよ。

836 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/28 02:23


 ああ、強調タグはね。
 ……ただ、普段書く時に禁じてる所為か、どうにも使用に踏み切れないな。
 少し雑談か何処かで大半の意見でも聞いてみるのも手かな。

 ……いや、それだけの為にじゃ拙いか。
 さてさて。

837 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/28 02:28


 しかしまあ、大殲繋がりでのクロスオーバーはやっても一刻館で試した事はないな。
その内できればいいんだけど。

 キャラ――
 ヤスさんとかトキ課長に協力して貰えれば。
 どんなネタか想像もつかないが。

838 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/28 02:29


「けだもの商事殺獣事件」
 

839 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/28 02:29


 しまった、俺が関われない!

840 名前:名無し客:04/07/28 02:39

実は神父さんが犯n(省略されました

841 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/28 02:42


 そんな解り易い……!

 いや、殺さないけどさ。
 意味なくは。

842 名前:真野康彦 ◆w/YASUtlmA :04/07/28 03:57


「ボス……?」

 逡巡の眼差しで、若い刑事は隣に立つ上司を見上げた。
 「ボス」と呼ばれた上司──名前はまだない、もとい公式に存在しない、嗚呼何て
可愛そうなボス、頑張れボス、負けるなボス──は、ふむ、と小さく声に出し、頷く。
 その顔には、明らかに不安と戸惑いが見える。
 上司の不安を察したのか、若い刑事は


(しょうりゃく)


 そこには。
 一羽の朱鷺が居た。
 ニッポニア・ニッポン。
 日本の天然記念物。

 つい先日絶滅した、その朱鷺が。
 神戸ポートピアアイランドで。

 死んでいた。

 ──聖句の彫られた弾丸を、その身に受けて。


(ちょうしょうりゃく)


---
つまり、犯人はKr


……と、一度言ったみたかっただけです。はい。

843 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/28 04:44


 俄かに色めき立つ教会。ヴァチカン。
 世界最小の面積と最大のネットワークを誇るヴァチカンにとって、"それ"が知られる事は禁忌なのだ。
朱鷺。技術の粋を凝らして作り上げられた弾丸。共通点など理解するまでもなく、しかし「彼等」は足を
向ける。聖なる父の為に。

「――SVCと騎士団に通達。一切の目標を"消去"せよ」

 「朱鷺」を回収し、関係者の全てを抹殺せよ――
 音を立てて回り始める歯車。



「け、刑事!」
「どうしたんです、一体――」
「ご、護送中の被疑者が――逃走しました!」

 流転する状況。

「……犯人が俺じゃないなら、誰かが犯人なんだよ」
「構えろ。あの朱鷺に刻んだ弾丸(げんじつ)をお前に返してやる」

 神戸ポートピアアイランド――交錯する運命。
 悲劇を喜劇と嘲笑うように、銃声が現実を飲み込んでいく。

「初動捜査の時点で――既に網に掛かっていたんですよ」
「きょ、京極堂……?」
「蜘蛛は、自ら動いたりはしないのです。素の中心でじっと、獲物が網に掛かるのを――待っている(、、、、、)

 桔梗の紋を背負い、黒い男は舞台に上がる。
 下げられた呪いの幕を解くのは陰陽師か――

「アンタが――蜘蛛だったのか」


 

844 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/28 04:45


 こう、真犯人を逃走しながら追う展開で。
 人選は気にしないで。

845 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/28 04:45


 それとも俺が犯人だとでもッ。

846 名前:名無し客:04/07/28 08:48

違うとでも?

847 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/28 10:52

 違う。

848 名前:名無し客:04/07/28 12:48

ていうか「逃亡者」っすか神父さん。

……あ、なんか結構合ってそう。
言霊の人とか孤児院の面々とか、無実を信じて待ってる(であろう)人も多いですし。

849 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/28 14:39


 そんな感じで。
 寧ろ+ラドラム的な。

 ……まあ、三輪坂さんもみんなも信じてくれると――俺は信じてるけどね。
 

850 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/28 21:28

 鴎外猫っぽ。

851 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/28 21:40


 漸く「日本刀vs弾丸」を見れた、が。
 日本刀自体複数の鉄から作られてるが――

 ……凄いな、流石。

852 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/28 23:17


「何処のシスターだよ」
「そりゃ当然あの可愛――……っと、頼まれてたモンやったらそこのA3」

 ひょいと首を俺の背後に向けると、ウィン、と駆動音を引いてさっきのロボットアームがガ
ラクタの一山を指した。
更にジェイムスがひょいと手を差し向けると、アームが移動してガラクタを掻き分け始める。
クレーンゲームのような器用さでアルミ色のボックスを引き摺り出すと、アームはこちらま
で動いてきた。
 受け取とってみると、外見よりも重い。外見通りアルミのボックスは、本来ならここまでの
重量を有さない。となれば、重要は中身に依存しているという事になる。
 頼んでいたモノ――カスタムガンの開発。小さなカギを引き千切ると、中には注文の品が
梱包材にデタラメに押されながら詰め込まれていた。

「随分デカいな。しかも可愛げがない」

 デカい。言葉通りに、詰め込まれていた(オート)はバカに大きかった。サイズは全長で300ミリ
は越えている。握りはダブルカラムらしく太く、日本人の手には少々余りそうな程度。俺も
例外じゃない。フレームに余計な飾りがないのは好印象だ。マガジンを抜くと、全弾装填(フルロード)
された弾丸が顔を覗かせた。

「パーフェクトとは言い難いぞ、ウォルター」
「うっさいわアーカード。可愛げは普段の(グロック)で補ってや。バレル素材は理論上、対
霊/対神の上級洗礼(エクソシズム)コーティングってな。ちゅーかやな、これでも素体(連中)のカラダからデータ
取ってやっとこさやで? デヴィルんなるともうデータ頼りにするしかあれへんし。ああ、そ
ういやこの間の邪神(チュマシュカ)の肉片は役に立ったで。これから連中バラす時はポゼッショナー(宿主)付きで
やってくれへんか。データ取るのラクやし」
「……無茶言うな。どんだけキツかったと思ってんだ」
「農村が半壊する程度やろ。は、審問局の連中の手ェ借りずに済んで良かったっちゅーと
こか?」
「借りたよ。あんなのマトモにやってられるか。弾丸効かねーし刃物も通んねーし。一人だ
ったら予定より一時間は余分に掛かったぞありゃ。つーかその話題はウゼェって」
「借りた? へぇ……そら初耳や。データ上お前一人で処理したっちゅー事になっとるで」
「セシルが申告しなかったんだろ。アイツがデュランダルで叩っ斬って俺が潰して、それで
終いだ。ま、俺達の敵じゃあないね」
「云っとれアホ。梃子摺ったんは聞いとるわ。お前背中、エライ傷刻まれてきたらしいやな
いか。イレズミみたいなモンか? 似合わんで」
「それこそ云ってろよ。綺麗に喰って(、、、)やったさ。本気でやるなら別に大物じゃない」

 弾丸を一つ摘み上げる。薬莢側面には精妙なサークルが掘り込まれ、弾頭前部には手
製のホロウポイント宜しく緻密な聖句が掘られている。ジェイムスの手際にしては高度に魔
術的で神秘的な所から推察するに、弾丸自体はイリヤ爺さんにでも協力して貰ったんだろ
う。ちなみにイリヤは騎士団唯一の魔術師で、年がら年中部屋に篭り切りの変人だ。腕だ
けはいいので誰も文句は言わないが、察するに部屋の虫同士ジェイムスとはウマが合うの
だろう。

「ハラ壊すでそのうち……はー、しっかしそら珍しいな。審問局の連中ゆうたら書類書類で通っとんのに。ボールペン一本、ポッキー一箱買うのにも書類やろ?」
 

853 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/28 23:18


 改行テスト。
 駄目だ見辛い。文字数は42程度が無難だと思ったんだけど……さて。

854 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/28 23:24


 微妙に814-815辺りの返答になってるような気がしたけど抜粋過ぎて意味不明。
 全部貼った時に意味が通る事を願う。

855 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/29 20:09


 ……ドイツのamazonが買い難い。
 どうしてこんな日にフィーは居ないんだか……はぁ。
 しかしアメリカよりも高いのはどうなんだ。やはり大国が強いのか。くそ。

856 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/29 21:34


 「檄を飛ばす」「憮然とする」「姑息な」
 一般認識との逆転がこれだけ起こってる現在、正当な使い方でなくて責められるの方が逆に
少ないかもしれないな。小説や雑誌でもそのままに(スクープやらのは特に)使ってるのが現状
でもある訳だから。
 何にせよ名前使用漢字の追加に次いで驚いた。
 

857 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/07/30 00:18


 この間のトリビアを見ていても思いましたけどね。あれは「ゴキブリ」に関してだったか
な。俺はアレ、テレビで見るまでそっちが本来だと思ってました。

 上記だと、「姑息な」なんかはメディアから誤認する事も多いかな。
 スポーツの実況やらではよく使われますけど、ホントに流布された認識の定着は覆し
難い所まで行ってるのかもしれませんね。

858 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/08/01 07:38

 朝専用。

859 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/08/01 07:38

 撫で猫。 

860 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/08/01 07:57

 変動性猫ランキング 2004/8/1

一位:ttp://images-jp.amazon.com/images/P/4257769157.09.LZZZZZZZ.jpg
二位:ttp://www.inflames.com/band/members/anders/picture.jpg
三位:ttp://www.soilwork.org/html/live2004/tuska/Soilwork040717-33.JPG

次点:ttp://www2.tky.3web.ne.jp/~yk7676/public_htlm/ougai/ougai.jpg
 

861 名前:名無し客:04/08/01 10:45

流石トーナメントスレでセクハラしたいキャラハンに名前が挙がるだけのことはありますね。

むっちゃ変態性猫好きっぽい神父みたいなモノの人です。

862 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/08/01 11:39

 上がる理由は全く解らん。
 が。

 声を聴けば解るさ。

863 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/08/02 20:37

 ペンギン猫っぽ。

864 名前:名無し客:04/08/04 23:14

    ウェ゛ー
    ∧ ∧γ⌒'ヽ
    (,, ・∀i ミ(二i
    /  っ、,,_| |ノ
  〜( ̄__)_) r-.! !-、
          `'----'

夏の風物詩

865 名前:名無し客:04/08/04 23:21

猫 http://chaos.oc.to/SON/

866 名前:865:04/08/04 23:22

……失敬、直リンクしてしまいました。

867 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/04 23:37

>>864

 我が孤児院は扇風機すら絶賛故障中でね。アメリカで馴れてた私や中国育ちの
妹はいいんだけど、流石にメアリ姉さんやアンジェラはキツいらしい。姉さんは部活
から帰ってきた後に無理するからキツいんだろうけど。ああ、ちなみにその行動は弟
がやっていて扇風機を壊す原因になったので非常に忌わしいのだよ。

>>865-866

 ……ああ、これは、なんだろう。猫……猫? こんなページが……はぁ、成る程。
 兄さん? ああ、兄さんなら後ろで蹲って枕を抱え込んでいるね。どうもふかふか
していたのがマズかったらしい。あんなに強くしたら子猫は圧死しそうだけど。
 

868 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/04 23:45


 ここで迂闊に「にゃあ」とでも云おう物なら枕の代わりにされるのは目に見えているので
私は大人しく読書と云う訳でね。やれやれ。いや、それは寧ろ嬉しいんだが彼の本気の力
というのは割と洒落にならないんだ。家族で知ってるのは私だけだろうけど。

869 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/05 00:12


 じゃ、こっちでも。出ている間、ラジオだ。
 DJに回る余裕はやはり無いから、今回はリストで。

・METALLICA / RIDE THE LIGHTNING
・MARILYN MANSON / SMELLS LIKE CHILDREN&ANTICHRIST SUPERSTAR
・TMG I(B'Z&MR.BIG) / TMG I
・KORN / KORN
・ENIGMA / MCMXC a.D
・ARCH ENEMY / ANTHEMS OF REBELLION
 

870 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/05 00:15

http://c19.inlive.co.kr:9760/

 URL忘れ。
 以上、さて……それじゃ、また。

871 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/05 01:05


 失礼、切れていたらしいね。
 また外すけど、途中から……少しばかり曲を入れ替えてみたけどね。

872 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/05 22:56


 今更ながらに「ばいばい、アース」は面白かったと思う。
 この話自体は「一人の少女が"選択"するまでの物語」で、「してから」のマルドゥック・スクランブルとは
位相が別に有るけど(主人公の性格すら)、読後感はやっぱり彼だと感じられて気持ちが良かった。
 「それまで」の経過を通してのファンタジー的なファクターは置いておいても、そこですら楽しめてしまう
のは流石だしね。
 下地は(ちょっとだけ)SF的、造語は割と思うまま。それでもこれだけ楽しめるのは、一貫した目的の為
に書かれてるからか、やっぱり世界観構築の巧さか。速く文庫出ないかな。加筆修正は待ち望む所だ。

873 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/05 23:00


 ……しかし、買い溜めしたモノを粗方読んでしまったな。
 次は何を読もう。こんな事を云った後だと妙にファンタジーが読みたいが、さて。
 そう云えば彼のライトノベルレーベル作品は「カオスレギオン」しか読んでなかったな。
好い加減に他のに手を出してみようか。
 

874 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/05 23:15


 ともあれだね。
 やはり「質問を受け」「答を返す」と云うキャラネタの形式に、私はどうも向いてないと
思えてきた次第だ。……力の無さを実感するが、完結する場所を定めないで「いる」兄
さんや私は、レスとしても不意に足場をなくして崩れかねない。
 なんともはや、どうしたものかな。

875 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 00:41


 今日の再読本

・嗤う伊右衛門
・後巷説百物語
・豆腐小僧 双六道中
・悪魔(ルーサー・リンク)

 折角の「嗤う伊右衛門」だけに、「巷説」と合わせて読みたかった。時間軸を忘れてる所為か、
どうにもあの前後、又は最中なのかと考えてしまう。
 こうして考えると、京極先生は世界観を統一してるんだな。今回の「風」で京極堂が拾い上げ
た陀羅尼の札は間違いなく又市さんのモノだろうし、「嗤う伊右衛門」は単体の作品として、同
時に巷説に絡む作品としての位置付けだろう。中央公論新社と講談社の出版社違いがいいの
は兎も角、ファンとしてはこんなクロスオーバー的な楽しみ方も出来て嬉しいかもしれない。
 

876 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 00:44


 ああ、レスはね。



 怪我をしてしまって集中できないんだ。

 ふふふ、何の面白みも無いオチだな。いやすまない、しかしこれが中々に厄介でね。痛みと云うのは
人間にとって危険信号であるのと同時に、行動を束縛するモノでもある。正直云って、今出来るのは本
を読むか、こうして雑談くらいしか。ふん、虚しい物だね。
 とはいえ、この好き勝手な雑談スレもあと百三十数レスで幕を閉じるのだけど。
 

877 名前:名無し客:04/08/06 00:51

で次スレを立てる、と。

878 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 00:53


 時々、図書館に泊り込みたくなる。
 あの所蔵量、読んでも隣にまだまだ本がある安心感。どれから読もうかと心躍る反面、
閉館時間が差し迫る不安が同居する。「どれから読もうか」は「どれも読みたい」と変わっ
て、中々決められなくなる事もあるのは困るけれど。

 聴いていたCD

・Tool / Lateralus
・Sepultura / Roots
・Panetra / 激鉄 (Reinventing The Steel)

 Toolはやはり巧いな。ヘヴィ・ロック的なプログレッシヴへの解答とでも云うのか。現・映
像作家のセンスは流石かな。Sepulturaの民族独特のリズムも気持ち良いね。中々どうし
て、現地語の歌詞の歌詞も面白い。そしてPanetraは不変だ。
 

879 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 00:55


 次か。それは無いだろうね。
 ここは元々、管理人さんが用意してくれたスレッドなんだ。彼が振り撒いてくれた……何と云
おうかな。サービスと云うか一時的なお遊び企画と云うかね。
 それでも十分に役に立ったし、楽しませて貰えた。ふふ、感謝するべきだな。
 

880 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 01:12


 ちなみに「SepulturaはRootsまで」と云うのが兄さんの云い分でね。バンドの中心メンバーに
当たるカヴァレラ兄弟の兄、かつバンドのフロントマンであるマックスが脱退してしまったのが
原因だそうだ。その後に独自で立ち上げた「Soulfly」なるバンドは、Sepulturaをパワーアップさ
せたが如き力強さでSepulturaを凌駕するのがなんとも皮肉だよ。
 切り捨てた(ワケじゃないけど)相手は孤独から立ち上がり、より力を得て立ちはだかる、とは
ね。いやはや、なんともこの世界の因果は立ち難い。とどのつまり、切り捨てられた者はそれ
だけの力があって、全てを振り切り燃料にして立ち上がる力があったんだけど。
 まあ、SepulturaはSepulturaでその次のアルバムに日本の和太鼓グループと競演して、アル
バムに「Kamaitachi(カマイタチ)」なんて曲を入れてたのが面白いか。最新アルバムは、「新し
い」Sepulturaとしては良かったかも。
 ちなみに私も断然、現・Soulfly派だ。
 

881 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 03:01


 う……ん。
 眠れないな、しかし。痛みがこれほど面倒だとは思わなかった。

 で、オリジナルねぇ。

882 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 03:12


 つまり、表現方法の違いとなるのかな。

 店頭に二冊の本が有るとしよう。時間は一冊を立ち読み出来る程度……そうだな、
30分から40分、ページは350ページくらいだ。
「どっちを読む?」
 当然、好みのモノを読むだろう。だがね、これは商業ベースの本だからだ。そして
ここはWEB、マトリクスはリアルタイムで進行するBBSだ。
 こうしてWEB媒体で通して読む作品、特にオリジナル作品というのは「下地が無い」
と解っているからこそ、読み手を選ぶ。そもそもココの土台が「キャラネタ」である以
上、その本意は自分の知っている版権キャラとの交流としている人は少なくない筈
だ。そこでのオリジナル。それは何か、と云えばだ。
 管理人さんの云う通り、表現の一形態だろう。
 だからこそ、解り易い設定は「キャラネタ」と云う形式で見て必要な要素になる。質
疑応答を主体にする以上(私はキャラネタ創設時、黎明期の形態を知らないが)、
スレッドのROMになるのは作品のファンだろう。質問を付けるには作品の事を知らね
ばならないし、そもそもファンだからこそ質問を付けるからね。
 オリジナルなら、ならば世界を構築する必要が出てくる。それでキャラは一つの「作
品」として機能し、読み手と世界観を共有するに至る。
 これは商業作品でも一緒だ。当然だね。
 ただし、(例外もかなり多いが)一定のクオリティを保証された商業作品とWEBの作
品のどちらを読むか、となった場合、大半は当然商業作品を読むだろう。限られた時
間ならば尚更だ。
 「深い設定」はどうして面倒なのか? 多分だけど、思う事は少しだけ有る。
 簡易な設定は憶え易く、世界を共有する掲示板と云うフィールドに於いて強力な力
を発揮する。それこそ、「キャラ設定」とでも題してキャラの特徴を書いておけば済む
からだ。自然に惹かれることこそ、至上であり最上だからだ。
 ……WEBでオリジナルの作品を発表し、かつそれが評価を受けるのは、そんな「自
然に惹かれてくれた」人が多いからだよ。どんなジャンルにしてもね。

 ならば、BBSで取るべき方法はなんだろう。
・質疑応答の中でキャラを構築する
・完璧に作り上げたキャラを完璧に演じる
・一つの話を作り上げ、その上でキャラを演じる

 一つ目の問題。最後まで遣り通すのは必須。キャラを構築する力量が必要になる。
 二つ目の議題。最初から最後まで見通して行ける力量が必要。これは「三」に近い。
 三つ目の難題。話に相当の魅力が無ければならない。

 一つ目は、キャラ側に懐の広さがあれば、それこそROMとの会話でキャラを作って
いく事が出来るだろう。二つ目は、技量さえ高ければ相当魅力的じゃないだろうか。三
つ目。時間が掛かる。掲示板と云う場を使う理由をここに加えるなら、発表した後に如
何にしてROMとの交流を図るかだ。そも、それを読んで貰わねばならないのだから。
 

883 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 03:25


 私などはどれに分類されるだろう。
 「私」自体はそれこそ、エクスペリメンタル的に兄さんのフィールドを広げる為に作られた
だけに過ぎない。ふふ、こうして話してくれるキャラハンさん、ROMの人が居るのは幸いだ
ね。感謝してる。
 ただ、私……いや、兄さんと私は、「話を提示してから」の手法に分類されるスタイルを取
っている。この外見は本スレ(二レスでいきなり妙な事になって気力は減退したまま停滞中
のあそこ(意訳:廃墟)の場所)で僅かに触れただけで、以降は一切にして言及してない。
 キャラ設定、などと書いても居ないから、初見の人にはまるで外見など解らないだろう。
 設定を設定、として書かないのは私の趣向だ。

 ただ、やはり私達と触れるのは面倒な手順を踏まねばならないのだろう。「レス」として見
た時、あんな面倒で難儀な「長文」はない。
 半ばだけ質問と話の形式を取っているからか、なんとも中途半端だ。
 兄さんは明確な「名」を持たないのは、それが有るのが逆に拙かった「大殲」での形をその
まま延長しているのが「今」だからだ。ただ、それと違って、ココでは寧ろ有った方がいい。ど
うにか都合よく兄さんは「組織」で「特殊部隊」に所属する人間であるからか、コードネームで
通す事も出来ている。
 ただ、私は意図して名前に触れない。これは触れるのが面倒と云ってしまうのは問題だが、
否定し切っていい物かどうか。
 問題だな。

 ただ、私は手法を変えるつもりは無い……と云うより、やはり私はまだ好き勝手に書いてみ
たいんだろう。こうしてBBSで書き連ねる、と云うのは新鮮だったんだよ。今はルビも使えるし、
書くにも幅が出た。
 もう少し……そうだな、少々長いが、次のレスを返すくらいまでは。
 見ていてくれる人には感謝を、それから今暫くのお付き合いを。
 

884 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 03:26


 ちなみに私が今設定を自分に書くなら、

・義妹。三女。ドイツ人

 これだ。

885 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 03:28


 ……ダメだな。
 眠い頭で書くまでは兎も角、眠い頭ですら見直して前後の意味が通ってない場所が多々。
 見苦しい。

886 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 03:35


 ここは自然に触れてくるギロン先生辺りを見習うべきか。
 方法論は、そうだな。地下に唐突に出てくるドクロ先生辺りを見習って。

 明日(今日)から私は、

「刺殺天使エーフィちゃん」

 で。

 特徴。

・愛用ナイフは"ソクラテス"(マークU・刺突型)
・性向は辻斬り
・でも復活はさせられないから死んだまま



 ふむ。
 却下。
 

887 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 03:36


 その>>91「モサー」は反則だ。

888 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 04:45


 また起きて何か書いていたら好い加減支離滅裂な気がするから貼るのは止めて
おこう。しかしだ。
 ゴキブリは厄介だね、お姉さん。私もアレには手を焼く。台所で見ると洗剤を上か
ら掛けるか用意しておいた殺虫剤でトドメを刺すのに躊躇はないくらいに。
 少し前まではネズミを退治する為にメアリ姉さんが小振りの木刀を壁に置いてい
たくらいだけど。流石に室内で真剣を抜かれるのはぞっとしないが、本人もそんな
事に使いたくないから木刀なんだろう。きっと。
 殆どやりそうにもないアルバイトを頑張って溜めた金銭の全てを刀に費やす女子
高生と云うのもどうかと思うけど。姉さん。
 裂帛の呼気、放たれた木刀は厭な音を発ててネズミを壁に弾き飛ばし――
 やれやれ……多分ウチくらいだ、こんな方法でネズミを遠ざけるのは。
 

889 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 04:46


 そして好い加減、痛みに眠気が勝ってきた。
 眠れそうだからこの辺りで。少し眠ったら図書館だ。
 

890 名前:千鳥かなめ ◆Kana/lWMBI :04/08/06 06:39

うわ。
しっかり見られてたわね。しかもリアルタイムで。

とりあえずこんばんは、エーフィちゃん……じゃなくて、「おはよう」かな、もう。
あたし? あたしは見てわかる通り……眠れなかったのよ。
血が昂ぶっちゃった、ていうのかな。興奮しすぎちゃったみたいで、さ。

うあー! 血が欲しい……血をくれー!!

ってね。

……ま、あんまりやってると神父さんに風穴空けられそーなギャグはさておき。


ハッキリ言って、殺虫剤は効かないわよ、連中には。
せいぜい動きを鈍くする程度、かな。
洗剤は効果抜群らしーけど……後での掃除の手間を考えると、ね。

ちなみに、うちのソースケは、ゴキブリを見た近所のオバサンの悲鳴を強盗と勘違いして、
オバサンの部屋へドアを蹴破って突入したことがあったわね。
結局、自分がゴキブリと勘違いされて殺虫剤かけられたんだけど。
ソースケ曰く、「催涙弾より効いた」そーよ。

うちの木刀?
あれは、前に鹿島神宮までお参り行った時に買って来たんだけど。
「鹿島神刀流」のシールが貼ってあるヤツ。

シールだけ変えた同じ商品が浅草でも売ってるのを見かけたり、
「黒樫」って書いてあるのに、ちょっと塗装が剥がれたら中から安っぽい木が見えた時は、
しょーじき「騙されたあっ!!」って思ったけど。
ま、有効活用有効活用。
あんなのでも、ゴキブリには抜群の威力だし。むしろあたしが驚いたくらい。

ちなみに、またまたソースケ曰く。
「ゴキブリ程度で悲鳴を上げるようでは、戦場では死を招く。
残念だが、君とはチームを組めないな」
……って、あたしの友達に言ってたわね。
いや、そーいう世界とは関わりあいになりたくないです、あたし。

でも、エーフィちゃんのお姉さんくらいの実力なら、木刀要らないんじゃない?
それこそ普通のカッターナイフ――近頃、あれも立派な凶器になることが実に嫌な形で証明された、あれ――でも用意しといてさ。
見つけたらこう――ビュッ! と投げつけると。
うん。一撃必殺ね。
さすがにあたしには無理だけど。

891 名前:千鳥かなめ ◆Kana/lWMBI :04/08/06 06:41

――で、オリジナル、の話。
同じようなコトは、あたしも悩んだりしてるんだけどね。
前に感想スレで聞いたのも、そーいうことだし。
「小説」っていうのは、他の媒体に比べて知名度が低い……って言うのは残念ながら事実だし。
アニメも深夜枠だったしね。

で、エーフィちゃん達を見てると。
基本的に押さえておかないと分かんないコトは、そう多くはないのよね。

クルースニスク:神父・ヴァンパイアハンター・猫っぽ
エーフィ・C・ハウサー:少女・義妹・醒めた目

後は、雰囲気でだんだん分かってくし。
前にもどっかで書いた気がするけど、あたしは最初オリジナルだって気付かなかったくらいだし。

ちなみに、さらにその前は、「クルースニスク」で「神父」だから、
アベル・ナイトロード神父かと思っちゃったり。
ま、性格が違いすぎるから、すぐに分かったけど。

閑話休題。

あたしも、大体のコト……「ツッコみ、ポジティブ」くらいだけは把握してもらっておいて、
その上で「なにか裏がある」ってコトを薄々感じてもらえればいい、って思ってるんだけどね。
ただ、今のレスが完全に原典に未知な人からみて分かりやすいか、って考えたら……疑問ね。
いや、原典知ってる人でも、今の連載(学校襲撃されて友達が人質、テッサ達は壊滅の危機)を知らないと、
さっぱり意味不明なところも多いし。
このあたりのさじ加減は、未だに悩むのよねー。

……あたしも、ますます何が言いたいのかワケが分からなくなってきたけど。
ま、要するに……「ある程度ノリで分かる」ってのは重要、ってことで。
そーいう意味では、エーフィちゃん達は上手いと思う。
あたしも色々参考に……って言うか、ぶっちゃけ真似させてもらってるけど。


って、あたしなに言ってるのかしらね、ホントに……あはは。
ま、お互い頑張りましょ。いろいろと。
後二つくらい言うなら……。

・プレデター2はやっぱり微妙。いろいろと。
・ファンタジーなら、最近読んだ中では「ワーズ・ワースの放課後:電撃文庫」がお勧め

くらいね。
それじゃ、また。良かったらスレの方にも遊びに来てね。歓迎するわ!


892 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 11:59

>>890

 大した早起きだね、お姉さん……と思ったら、寝ていなかったのか。大丈夫かい?
 私でさえ今日は二時間以上は眠っているのに。ロクに睡眠を摂らなくても活動に支障を
来さないようなのは兄さん達みたいな連中で充分だよ。

 ……まあ、血が云々は本当にそれくらいにしておいた方がいいけどね。
 勘違いでも兄さんが暴走しかねない。

 ああ、連中?
 殺虫剤を掛けたら……体性が出来てるのも居るらしいね。研究者曰く「スーパーゴキブ
リ」だそうだ。何が悲しくて連中風情に「スーパー」なんて称号をくっつけてやらないといけ
ないか解らないが、確かに強敵には違いない。

 木刀は、ふふ、ウチの姉さんがね。いや、驚いたな。まさかお姉さんもそんなモノを持っ
ていたのか。いや、先の「姉さん」と云うのはウチの姉さんだったからね。真坂お姉さんま
でとはシンパシーと云うか何と云うべきか、驚きだ。実際、あのスピードに着いていけるな
ら殺虫剤でダメージを与えるよりも打撃で瞬殺した方が効果的だよ。何せ一撃だからね。
ガード不能と云う奴さ。ちなみに私もゴキブリで戦場と直結するような世界とは関わりたく
ない。何処の異星人だ。
 木刀は実際、スポーツ用品店の方が余程いい物が手に入る、とは姉さんの談だけど。
 ああ、我が家では私の一つ上の姉さんが剣術好き……いや、何と云うべきかな。剣客と
云うか――まあ兎も角、示現流に鞍馬流、柳生に柳生新陰、二天一流、神道夢想に直心
影、香取神道に天然理心、立身に自顕に北辰一刀――とまあ、流派別の木刀をストックし
ているくらいでね。その手のモノには事欠かないんだ。歴史好きが高じたのか、今じゃ「文
化の研究」の為に部屋を日光時代村に改築せんばかりの勢いだよ。学校じゃ剣道部のエ
ースだそうだよ。本人は居合を別口で嗜んでいて「居合と現日本剣道の融合は行われる
べきじゃない」なんて云うくらい古臭い考えの持ち主だけどね。
 ……ま、流石にカッターを投げてアレに命中させるよう反射神経と運動能力の持ち主は
ウチじゃ兄さんくらいだけどね。それはなんだろう。我が家のイメージは兄さん一人で超常
現象集団なのかい? いや、姉さんも出来るのかもしれないが、そんな現実離れした光景
は出来れば見たくないと云うか兄さんだけで充分だ。まあ尤も、彼の同僚はそんなのばか
りだそうだけど。厭だ。どんな光景だ。
 

893 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 12:02


 却説(それはさておき)

 ――で、だ。
 そっか、お姉さんも。
 確かに小説は読んで貰い難い……イラストを主体にしたコミック作品と違って、文面を追
って貰わなければならないからね。文章にクセのある作家なんて尚更だ。
 更に知名度が低い作品になると、版権なんて無意味に近くなる事もある。兄さん関連で以
前出てきた数人の「版権」キャラはオリジナルに近くても何ら問題ないほどだった。性質上、
その作品のフィールドが何処にあるかで知名度も変わってくるからね。逆に云えば、掲示板
と云う文章主体の場においては繁栄させ易くもあるのだけど。

 勢い、と云うのは有るかもしれないな。
 手法と云う訳じゃないが、こっちじゃ文章の中でサラリと設定を口にして伏線としてしまうの
もそんな部分に入るだろう。ふふ、こんな所で反省宜しく色々と口にしてる時点で、それには
矛盾してるような気もするけど。
 ココでこうやって喋るのは……そうだな、儀式のような物かな。確認作業を自分に課して、
澱のように溜まった疑問でも吐いてしまえばラクになるんじゃないかって。勝手な思い込み
だけどね。もしかしたら、自分でも知らずにそんな意味があるんじゃないかと思う。

 けれど、私達を真似? それは意外と云うか解らなかったな。はは、いや、勿論そう云って
貰えるのは凄く光栄なんだけどね。やっぱり自分のやり方のクセと云うのは解らない物なの
かな。お姉さんのレスはお姉さん独特の物だと思っていたし――今でもそう。
 私達は背景が無いから、空気を作らないとマズい部分があってね。少しでも意識が反映さ
れていたなら喜ぶべき所だな。感謝するよ。

 私がヤケに文体を考えるようになったのはね、このBBSと云うマトリクスで可読性を考え始
めたからなんだ。改行位置、句読点のバランス、個数、使い方。名文悪文を云う訳じゃない
が、自分の基準を定めておけば極端に崩れる事もないだろう、とね。中々どうして、紙媒体
にすると気付かない問題点が浮き上がる事もあるんだ。昔やっていた傍線の使い過ぎは見
苦しかったし、韻を踏み過ぎるのも気分が悪い。私はワンセンテンスが長いし、句読点での
改行は意識してもいなかったからね。文章の特徴上、ここはもう諦めてた。
 お姉さんの文を見ていて巧いと思うのはそこかな。テンポよく改行されているから、読み辛
い所がない。割と横に長い時もあるのにね。
 後、最近忙しいみたいだけど、いつだかの灰羽お姉さんのスレッドが巧い。あの間、参考に
したいけど私の文体では中々。

 さっきの勢い、お姉さんが「匙加減」と云っている場所に掛かるのだけど、雑談で逢った時
にいきなり設定を押し付けられない微妙なラインが巧いと思うんだ。云う時には説明を貰っ
てる――が、それがウザくならないと云うのがね。オリジナルと版権に限った事じゃないが、
原作設定の語りに腐心してしまうのは私は正直、肯定するタイプじゃない。クロスオーバー
である以上、そうだな。雑談の場なら寧ろ、空気に依存させた方が適切じゃないかと思うくら
いには。作品のスレッドなら当然、原作を質問に対応して話すべきだろうけどね。
 や、もちろん性格はその限りじゃないけど。原作の性格を破綻させるのはまたどうか、とな
ってしまうから。そのバランスが巧いと思うのさ。……そうそう、スレッドに顔を出すマメさはそ
れ以上に見習うべき場所だな。
 

894 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 12:24


 唐突に出てきたキャラ、検索しても背景が掴めないキャラには関わり辛い、というのはやは
りあるのかもしれないな。が、興味を持って貰うのは、また別の話じゃないだろうか。
 「十字架で苦しむイエス」を考えてみよう。私はアーキタイプとしてキリストは人間の意識の
根底に……なんて全てをアトランティス大陸に結ぼうとする記事にも等しいムー結界を展開
するつもりはビタイチないが――ただ、私はほぼ世界中の誰しもが、イエス・キリスト=磔刑
に処せられた聖人だと云う事を認識していると信じているよ。
 これは文化的に決められ定められた姿態表情の複合体と云う前提があって、私達は初め
てそれが「十字架の上で苦しむキリスト」だと教えられ、又は学ぶからじゃないかな。私が現
時点での人生の大半を過ごしたロスのスラムでさえ、それくらいは充分に解った。
 それは例えば描かれた絵がそう云っているのであって(、、、、、、、、、、、、、、)、その絵を描いた芸術家があからさ
まに描いている訳じゃない。芸術家はその技術、感情、想像力を駆使して、最大限効果的に
受け手に自分の表現媒体を伝えようとする。
 双方の歩み寄りだ。芸術家は技術を振り絞って「苦しむイエス」を表現し、受け手は「キリス
ト」を思い、そして解釈を持ってそれを認識する。解釈する側にその気が無ければ、絵はただ
の記号に過ぎない。キリストを知らない人間がそれを見たなら、「何故この人は十字架に磔ら
れているのだろう」となるだけだ。それでも巧い作品は、その絵一つで幾らかの世界を未知の
場所から提供してくれる。「自分から知りたい」と思うくらいにね。
 版権キャラなら「どれだけ原作に近いか、そのIFを演出できるか」に関わるし、全くのオリジ
ナルなら、「どれだけ伝えられるか」を考える。ただの記号をイメージに変える為に努力する
のは結局変わらない。

 で、そうだな、最低限度抑えておくべき場所……性格の根底かな。
 私も思う……と云うより、好印象に巧い人は、空気で解る部分がある。さっきも云った通り、
いくら版権作品でも手に取らなければ解らないも同じだし、仮に知っていてもどれだけ忠実
かはまた別の話だ。いきなり「原作では〜」で〜なんて事にしないのはね。
 ただ、雰囲気で解って貰えた……と云うのは、以前も云ったけど嬉しいよ。そこからスレッ
ドを見て貰えたなら、これも一つの「成功」だろう。
 お姉さんのソレに関しては、見ていて匂いがある、と感じ取れるようになっているよ。
 端々に触れている部分と、さっきお姉さんが云った通りに「勢い」でね。一言で云ってしまえ
ばそれまでだが、やはり難しい事だ。
 何処が至らないかはやはり解らないし、これからも考えるだろうけど――そうだね。お互い
頑張ろう。ここは好き勝手な場所だし、ツッコミなんかが有ったら遠慮なく入れてほしいな。
 お姉さんのスレへは……ふむ、私が? いきなり顔を出して妙に思われなければ良いが、
そうだな。何か質問を用意しなければね、その時は。

 ……参ったな。考えていた文が、軽くお風呂に入っただけで霧散してしまった。
 やれやれ、伝えたい事があったのにね。
 ふふふ、こんな文じゃ何が云いたいんだかサッパリだ。
 

895 名前:名無し客:04/08/06 12:29

大殲の人は誰しもきれいな文章だと思いますけどねえ。
秋葉さんや最近見ない蟲侍氏辺りは筆頭格かと。
文章の起承転結が明確で流れる水のようにすらすら読める。
口でいうのは簡単ですが実践はどれだけ困難なことか。

896 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 12:46


 ふむ、そんなモノかな。
 今ではあまりスレッドも動かしてないが――ああ、だが巧い人は多いな、確かに。綺麗な文章だ。
 筆頭か。そうそう、あのサムライさんの文章はね、綺麗に起承転結が纏まってるだけじゃなくて、
破綻が無いんだ。どれだけ狂気めいたキャラを書いても。文体を使い分けてもソレだ。
 いや、凄いね。
 他にもドライのお姉さんのオーソドックスでストレートな文、他には……と、まだまだ。一刻館でも
トキ課長、ヤスさん、さっき上げた人……とまあ、巧い人は大勢いるよ。

 私も少しは綺麗と思える文章を書きたいな。
 少なくとも自分のフィールド内、基準で満足できる程度にはさ。

 こう云っていると、長々とレスを待たせているのは実にマズい気もするんだけど。
 早く終わらせたいんだけどね、やれやれ。

897 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 12:49


 「プレデター2」は、やはり色々微妙だと聞いたよ。ゲリラ戦から市街戦に以降、微妙に派手に
なった所為で独特の「追跡者」感が薄れた事、主人公の交代……エトセトラ。
 やはり避けておこう。いや、報告感謝だ、お姉さん。

 それから、ファンタジーで……電撃のワーズ・ワースか。名前だけは聞いていたけど、実際に
はどんな話かも知らないな。純ファンタジーは少し前にコナンを読み返したくらいだからね。
 憶えておこう。ありがとう。
 ……とは云え、何を買おうとするかですぐに迷ってしまうんだけどね。ふふ、まったく。

898 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 12:56


 そう云えばあの秋葉のお姉さんは活発に活動しているんだな。良いね。見習わなくては……と
口でも云うのもこれは簡単なんだけどね。いやはや。活躍を見守っているだけでは歯痒い……
と、これまた云うのは簡単だ。どうにも。
 兄さんと仕合った時のモノを貼れる時までに、少しは改定しておこうかな。
 巧いのはそうだな、今上げて貰った人――そうそう、「まだ上がってない闘争」にも巧い人が居
るよ。巧拙という観点の他にも、発想の面とかね。後は「味のある文章」も好きだな。綺麗なだけ
でなく。
 私が「美文」と捉える観点は、どうも好きな作家さんを基準に決まっていてね。
 そこを抜きにして巧いな、と思える人はやはりどう見ても「巧い」と唸らされるな。
 

899 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 12:58


 うむ。
 ――私の文は無駄に長い気がしてきた。

900 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 12:59


 あ、900だ。

901 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 13:01


 と云う訳で残り100レスを切った。
 どんな内容で締めるかを考えねばならないな。無駄に使いまくる訳にも行かなく
なってしまった。さて。
 どうにもこれじゃ、予定のノルマを貼り切ることは出来ない……が、ふむ。
 どうした物かな。
 

902 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 13:17


 さて。
 それじゃ私は図書館と医者へ。
 思い出した事や思った事があったら追記するとして、一旦離れるよ。
 それじゃね。

903 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 14:55


 そうかい?
 私は順位などなく巧いと思っているけどね。それぞれに持ち味があるから、比べる事なんて
出来ないし無意味だよ。「話」単位でなら一位二位所か十位外までランキングしても状況次第
で入れ替わるくらいさ。書き手として見てもね。
 少しだけ上げてみようか。
 横島君、それから卵君に青君、ドライのお姉さん……エトセトラエトセトラ。
 全員タイプは違うけど、それぞれ私の好きな文のタイプだ。無論、その時々によって好みだ
ったかどうかは変わるけど、それでもね。
 ま、スレッドが完全停滞に近い今に云っても詮無い事だけど。



 医者は良かったが本を忘れて返ってきた次第。
 ……全く、この暑いのにまた足を運ぶのか。イヤになるな。
 

904 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 16:11


 Webで、と云うと大殲以外、という事かい?
 ふむ、それはそれでまた、Web内にも巧者は多く居るのだけどね。特に趣味を
巧く処理している人の小説は、そこ等のプロより巧い物に巡り合える事があって、
そんな時は巡回していて良かったと思えるな。思わずメールしてしまうくらい。
 大殲内でなら……そうだな、何人か固定的に好きな人はいるかもしれない。ま
ず間違いない文を書くな、って人が。例えば卵君のコンパクトで迫力のある文と
かね。ちなみに私は「卵君」より「タマゴ君」の方が可愛いと思う。どうだろう。或い
は「タメィゴゥ」辺り。エセ外人っぽく頼むよ。
 実際、比較が無意味だと思うのは持ち味を無視して判断出来ないからだね。
 特にあの形式は、双方が双方を引き立たせて始めて成り立つ物だし、その特
殊な形態から、省くべき文と強調するべき文が際立ってくる。受け手に回って見
事なのはやはりあのお侍さんだね。相手を立たせ、自分は確として。
 匠だね。



 ……ああ、くそ。暑い。
 図書館から帰ったらお風呂に入ろう。決めた。
 兄さんが帰ってくるまでに汗を流しておかないと……やれやれ。

905 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 16:14


 ちなみにWEB小説で凄いと唸らされたのは主題が「釣り」だった。
 なんであんなモノがミステリに化けるんだ。

 それじゃ。

906 名前:名無し客:04/08/06 16:56

貴女も充分以上なレベルだと思いますが、ご自身を入れて順位付けするとどのくらいと思います?
>特殊な形態
あの大殲は「WEB小説」には入らないんでしょーか。確かになんかちょっと違いますけど。

907 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 17:41


 ……帰ってきてみたら。
 さて、何処からレスすべきか。
 とりあえずコーヒーだ。今日は大極宮で過ごす。

908 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 17:49

>>906

 お褒めの言葉はありがたく受け取っておくよ。ただ、順位はさっきも云ったが「どうでもいい」
に尽きる。私は私で研鑚するだけだし、そも、目的は自分の文章の範囲を広げる事だ。
 それにね、好きな文なんて千差万別だよ。
 君は本を手に取った時、好きな作家を他人に誇れるかい? 誇られた時の気持ちは? フ
ァンと云うのはね、そういう事なのさ。私は自信を持って数人の作家のファンだと云える。
 一人は京極先生だろうって? ふふ、ご名答。別に良いさ、彼に関しては信者でも。

>WEBに〜

 入らない、かなァ。ま、一種の「リレー小説」とやらに分類されても良い気がしないでもない
が、終始戦闘に終決する特殊な形態だからね。ルールをその間で以下に起承転結を決める
か……と云うのがどうやら、後期の在り方だ。死に様で誇れたりね。勝った相手よりも滅びた
相手の方が目立つ事だって多々。何処だかの無名に近い吸血鬼然り。
 とりあえずドライお姉さんのアレに期待。いや待て、私自身数人も待たせてる。何てことだ。

 ……ま、「小説」としての書き方と随分違う事だけは確かだよ。
 全てを設定し規定して書く小説とは、在り方でも違う。最初から最後までクライマックスでは、
話としては成り立たないからね。故にセンテンスが長い私の場合、文体も微妙に変わるんだ。
 

909 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 17:57


 Web小説かどうか、には今上で答えたからいいとして、お侍さん。彼は妄想スレのノリで
一度長編でも書いてくれないか。見たい。凄く。兄さんは二度もネタにして貰ってるからこ
れ以上贅沢は云えないかもしれないが。

 私はWeb、偶に見るな。チェックしている人だけね。
 見辛さを如何に見易くしているかは勉強になるし、そんな場所に気を使っている人の文
は、プリントした時にもまた、発見出来るほどの見栄えがある。

 巧拙は……ま、文章自体って点ではあるかな。
 オーソドックスに「巧かった」り、表現に特化していたり。簡潔な人、壮大な人、色々だ。
どれが良いかはまた、見る側次第ってね。私は自分にないファクターを持った人に憧れ
る事が多いかな。


 じゃあ「タメゴゥ」で。
 

910 名前:Blue:04/08/06 18:12

なんだかわからないけど、埋め立てておきますね。

911 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 18:16

>>910

 いきなりか荒らしめ。
 

912 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 18:16


 ちなみに君のその行動は少しだけ予測していた。
 本気で。

913 名前:Blue:04/08/06 18:18

ねこねこ度71000000%

性格も生活習慣も猫タイプ
あなたは本物の猫のように気まぐれで、わがままに違いありません。しかしながら、周囲の人はそんな猫っぽいあなたを憎むことなく、可愛がってくれているはず。これからも今まで通りのマイペースで、自由奔放に猫猫道を歩んでください。
でも、自分勝手の度が過ぎると周囲の人から反感を飼ってしまうかもしれませんよ。たまには周りも見渡してみましょう。
--------------------------------------------------------------------------------

ねこ好き度40011000%

猫好きの中の猫好きタイプ
あなたは、猫好き好き好き人間ですね。きっと猫なしでは生きられない人なのでしょう。猫の良いところも悪いところも知り尽くしているあなたは、東に困っている猫がいたら東へ、西に悩んでいる猫がいたら西へ飛んでいき、猫の手助けをしてあげてください。しかし、あまりにも猫好き好きの度が過ぎて、猫にしつこく付きまとうと嫌われてしまいます。何事も行き過ぎには用心してください。


--------------------------------------------------------------------------------

尚この判定は、作者が独断と偏見と経験から作成しました。判定した結果が実際と異なっていても、怒らないでね。

914 名前:Blue:04/08/06 18:19

なんだ、71000000って。

915 名前:Blue:04/08/06 18:19

この俺がお嬢さんに予測されるようになるたぁな……もうおしまいさあ。

916 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 18:22


 お終いだね。
 ちなみにそれ、二度連続で打ち込むとやけに高い数値が出てくる。何故だ。

ねこねこ度4010%

性格も生活習慣も猫タイプ
あなたは本物の猫のように気まぐれで、わがままに違いありません。しかしながら、周囲の人はそんな猫っぽいあなたを憎むことなく、可愛がってくれているはず。これからも今まで通りのマイペースで、自由奔放に猫猫道を歩んでください。
でも、自分勝手の度が過ぎると周囲の人から反感を飼ってしまうかもしれませんよ。たまには周りも見渡してみましょう。
--------------------------------------------------------------------------------

ねこ好き度4000%

猫好きの中の猫好きタイプ
あなたは、猫好き好き好き人間ですね。きっと猫なしでは生きられない人なのでしょう。猫の良いところも悪いところも知り尽くしているあなたは、東に困っている猫がいたら東へ、西に悩んでいる猫がいたら西へ飛んでいき、猫の手助けをしてあげてください。しかし、あまりにも猫好き好きの度が過ぎて、猫にしつこく付きまとうと嫌われてしまいます。何事も行き過ぎには用心してください。

 これ。

917 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 18:23


 時間だな。
 外すよ。……また汗を掻く羽目になりそうだ、やれやれ。
 

918 名前:Blue:04/08/06 18:24

ちなみに、まともにやったところ猫い70、猫好き40だった。

919 名前:Blue:04/08/06 18:24

エロ妹も大変さあ。

920 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 21:24


 エロくないよーだ。

 ふん、さて。
 少しばかり読書……と行きたいが、厄介なモノを書くように頼まれていてね。
暫くお休みだ。休みと云っても今日中に復活するかもしれない。いや、その可
能性は高いな。粗方仕上げるだけだ。
 このスレの残りは、どうしようか。キャラについて考える、とでもするか。
 やはりこのまま行くか。さてさて。

 ま、とりあえず、それじゃね。
 

921 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/06 23:31


 ……ふぅ。なんとか今日中にカタが付いたな。
 思考の切り替えは難しいと云うか何と云うか、やれやれ。
 ま、それじゃ何かこっちで考えよう。さしあたって――

 ……さしあたって、なんだろう。

 キャラネタに付いて、は――何か違うな。このスレじゃ違う。
 キャラに付いて。微妙に違う、かな。
 どんなキャラを作るべきか、も……これまた違う、だろうか。
 ふぅむ……しかしまあ、考えても仕方ない。その辺りに焦点を絞ったりいつも通りに
書いて行こうかな。最後までお付き合い下さいませ、とね。

922 名前:Blue:04/08/07 06:08

じゃあ、オレと残り80レス語り合うといいさ(有り得ない事を言い出す

923 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/07 15:29


 有り得ないね。

924 名前:Blue:04/08/07 17:04

って言うか眠い。

925 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/07 17:51


 わざわざココに書かなくていい。
 寝たまえ。久遠に。

926 名前:Blue:04/08/07 17:58

荒らしたいのさぁ。

927 名前:Blue:04/08/07 17:59

まぁ、とりあえずネタふってくれよぅ。

928 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/07 18:12


 荒らすな。
 個人スレだ。

 と云うかレスが残り少ないからね。
 やる事を考えてるのさ。ま……いつも通りになるとは思うんだが。キャラについてか
何についてか。

929 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/07 18:42


 勢いで七十数レスも進められないのと、私が覗いていられる時間がココ暫く不定期だ、
と云う事も有るのだけど。ネタが。ネタが出てこない。
 そして少なくとも999と1000は私が取る。

930 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/07 23:31


 ……あ。

 あ――
 バチカンと現代世界、見逃した。

 ……くそ。
 再放送の機会あるのか、これ。最悪だ。私とした事が――

931 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/09 21:31


 さて、それじゃ始めよう。
 今日中に闘争を一つ返して、後は……軍人スレを。
 そろそろ私自身のリミットだ。
 宣言しておけば逃げ難いだろう。多分ね。

932 名前:◆WEISS0lzjQ :04/08/09 23:13


 着弾音は水っぽくはなく、爆ぜたのは血飛沫でも肉片でも骨でも脳漿でもない。ホロウポイントが
壁を抉る独特の撃砕音。
 ヤツは避けている。弾が届くより早く(トリガーの瞬間に反応した。測定反射レベルB+以上)、ヤツ
は地を蹴り頭上へと舞っているからだ。悪くない動き。悪くないゴミだ。翻るコート下、隻腕と義手が
露になる。
 スパイダーマンか忍者の三角飛び宜しくヤツは廃屋の濁り空を舞い――姿勢は不安定に視認で
の照準もそこそこに、

 濁り空でマズルフラッシュが瞬いた。

 直後に首を傾ける。更に直後、頬を掠める風と背後を穿つ撃砕音。ドラム缶が拉げるような残響を
耳に残して、その場で床を蹴り飛ばす――姿勢ベクトルは後方へ。
 十メートルの距離を飛び離し、視界下にマグナムサイズの着弾で中央が大きく拉げたドラム缶を
確認。着地の寸前、着地に移っていたヤツへとドラム缶を蹴ッ飛ばす。正面から拉げた鋼製ドラム
は逆方向からヘシ曲がりつつ、正面へスッ飛んでいく。
 同時に、更に床を蹴って天上へ。倉庫内をぐるり一周する足場の手摺に着地。加速した知覚の中、
攪拌された下界の噴煙と靄は形を変え行く灰色のシュークリーム。両手のグロックを握り潰し(利用
される可能性はないだろうが)、肘と手首を曲げてカソック袖内のスリーブシステムを解除。
 掌に送り込まれた新たな死神。グロック17、しめて二丁。17×2、34度の告死状。

「ヘイ? ミスター・ヴァンパイア。全く以ってココはクソのようだな。いいや、お前等がクソに変えちま
ったのさ。全てがクソに変わっちまった。だからさ。だから――」

 下界の流れを眺めつつ、懐から9ミリ×21のロングマガジンを四つ引き摺り出す。天上までの高さ
を確認――ここから約10メートル。大した高さだ。
 さあ踊ろう。
 アンチ・ヒューマン。アンチ・クライスト。アンチ・デーモンがお相手だ。
 引き出したマガジン四つ――残らず頭上に投げ上げる。

「俺は憎むヤツを憎み、強姦するヤツをレイプする。――アンチ・レイピスト、アンチ・デーモン、アン
チ・ヴァンパイア。見ろよ。見てるか? まだ死んでないか? 死んでないだろうな。だからさ」

 両手を眼下の靄に照準し、両の指を感覚で連動し、一、二、三、四度――疾駆する弾丸が靄を攪
拌し、空気を焦げ付かせる。手摺を蹴り、再度汚濁の宙へと。死刑執行のランデブー。
 舞う空はホコリと煙、灰色のカオス。傾ぐ姿勢に合わせて腕を調整し、五、六、七――姿勢は身体
と床が垂直、倒立前転の体勢へ。八、九、十、十一、十二、十三、ユダの数字を数えた所で逆側の
壁へ。十四、壁を蹴り、勢いを付けて中心部、ヤツの在るだろう靄の奥へ――十五。
 死神のギグを踊って、腐った脳ミソをブチ撒けよう。着地音は十六回目の銃声に紛れた。
 靄の奥の気配へ向けた両手――罪を弾劾する二発の十七度目を湛える。

「――とっとと消えちまえよ(Get the fuck on down the road)
 

933 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/09 23:14


 逆ルビ。
 かなり無意味に思えるな。コレは。うーん。
 文字は離れないのに。

934 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/09 23:23


 と云うかなんだこの微妙馳かつ微妙エルロイ的な一部は。
 即興じゃこのくらいか、どうにも。
 一人称は無駄を省き辛い……が、無駄を削る練習は三人称でやるべきだったな。やれやれ。
動きが抽象的に分かり辛くなっていなければ良いんだけど。
 

935 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/10 01:02


http://c15.inlive.co.kr:5420/

 また無駄にレスを消費する羽目になるけど、こっちでも。
 終わる前にまた、一応ね。
 さてさて……何を書いていくかな、これから。

 ちなみにラジオはDREAM THEATER特集。
 

936 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/10 01:58


 ちょっと退いて、とエリー(韶涵)は私達を脇に下がらせた。
 振り返り、右手を路地に突き出す。

「豪享、豁剌、究竟摂――」

 歌うように軽やかに、彼女は大陸の言霊を口に紡ぐ。
 何を、と言うまでもなかった。彼女は虚空にぱちりと指を鳴らし、

「――"拉げ"、誅仙」

 刹那。
 世界が、刃に満たされた。
 比喩ではない。
 天から、壁から、地から、空間から――千を超え、万を凌駕し、億に届くのではないかと錯覚する、刃の檻。
 天から生えた刃は地へと走り、地から生まれた刃は天へと抜け、右は左へ、左は右へ、空間から生まれ
た刃は空間へと消えていく。
 空間は無駄なく迸る剣の中央分離帯と化す。両刃の剣。柄も鍔も存在しない、それは古代中国の鉄剣を
鍔元から折り取ってきたような巨大な大剣の群れだった。装飾など不要、ただ獲物を穿つ刃だけ備えてい
ればいいとでも云うような、悪夢のように巨大な刃。夜気を切って空を泳ぐ肉食獣。
 だから、眼前に広がる光景は群がる肉食の魚群か――いや、その獰猛はピラニアよりも鮫の大群だ。貪
欲に残酷に、ただその空間を蹂躙するのを止めようとはしない。
 私はただ、現実離れしたその光景を見守っている。
 あれからは――
 逃げられない。
 避けられない。
 防げもしない。
 生きられない。
 容赦など絶無。
 躊躇など皆無。
 生存など不可。
 存在さえ無為。
 逃れ得る物無き破滅の抱擁。
 抗い得る者無き死罰の揺籃。
 ただの一人の生還さえ赦さぬ、絶殺の大蹂躙。
 全領域から数多と生える刃の海は、ただ全てに在る(、、、、、)とでもいうようにガチガチと空間を噛み潰していく。
 その中に在った、まだ息のあったアレ(、、)らをも飲み込んで。
 それは一切合財を食らい尽くす、刃の(あぎと)だった。
 耳に残るのは、ただ、錬鉄を思わせる共鳴の音色。
 打ち合わされる鋼の音色。
 死の普遍性の顕現。

「――完了、っとお」

 続いたのは何秒か――何十秒か。
 刃の乱舞が続く中、不意に彼女がぱちん、と指を弾く。
 それで終わりだった。
 死滅した。
 消滅した。
 在ったモノ全てが、刃の牙に飲み砕かれた。
 カケラも残さず。
 痕跡も残さずに。
 刃は空間に消え、刃を生み出した空間の穴は閉じた。
 在るのはただ、無為に残酷な空間の静寂だけだ。

「じゃ、今度こそ急ご。コーラの一本くらいなら奢ってあげるからさ」
 

937 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/10 01:59


 うわ、縦長。

 一部でこれじゃ、残りで全部貼るなんて無理だな。
 ……どうした物やら。
 

938 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/10 02:21


 割れたガラス。倒れたSP、そして――

「……あ、あんた達――長官を!」

 鋭い声。
 言葉の意味は取れなくても、その視線とシスターの反応で意図は知れた。
 視線の先、あの黒服の男を抱きすくめるように抱えた、

「死神族――!」

 砕け散ったソファの向こう、黒コートにブロンドヘア、そして――見間違う訳もない。長い牙(、、、)一匹(、、)異物(、、)
 即座に反応。
 部屋に入った瞬間、身体を弓形に反らせたシスターの手からはレイピアが飛燕の速度で迸っている。合わ
せた俺の一掃射とレイピアを受けるよりも更に早く、ソレ(、、)は男を放しざまに背後へと飛んでいた。背後――背
後の、天井へ(、、、)。明らかに異常な反応と明らかに異常な姿勢のまま、ヤツは天井に両手と両足を設置して、俺
達を視界に入れ――
 飛んできた。

「……チィッ!」

 銃撃――間に合わない。シスターを射程から突き飛ばす。
 ロケットめいた速度で飛んでくるバケモノ――それを、

「っ、ナメてんじゃねえぞ、」

 一歩、間合いを脇に外し、
 砲弾の如き(、、、、、)、着地。粉々に砕けて、クレーターを形成した床から睨め上げるようにこちらを見る、
 ヤツを、

「てめえェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェッッッ!」

 踏み込んで、思い切り蹴り上げた。
 爪先を腹に叩き込んだ手応え、数本骨をヘシ負った感触――背中まで突き破ったような感覚。脚力で強
引に弾き上げた。天井に叩き付ける。終わらない。間性の法則に逆らって天井に縛ったヤツに向けて、両手
で掃射開始。天井が抉れ、ブチ上げた衝撃で部屋が細かく振動し、

「シスター!」

 言うまでもない。
 片手に八本、片手に八本、計十六本――目を疑うような速度と、奇術めいた唐突さ。両手にレイピアを現
出させたシスターは、今度こそ。
 無防備に天井で喘ぐヤツへと、

「――――粉々にしてあげます!」

 裂帛の気合で投擲される、神罰の弾雨。
 銃弾に匹敵する速度と鋼すら貫く鋭利――彼女の用いる対人/対吸血鬼武装である"黒鍵"は、標本の
蝶の如くにヤツを頭上で磔にした。
 と――昆虫採集のピンさながらヤツを天井に張り付けたレイピアが俄かに赤い燐光を放ち始める。
 ソレが意味する所は、一つ。故に俺は。

「伏せろ!」

 日本語で、ただしこれ以上ないくらい正しい発音で叫ぶ。咄嗟に身を床に押し付ける男達。
 その、瞬間。
 天井が炸裂した(、、、、、、、)
 ヤツを串刺しにしたレイピアが、ダイナマイトの勢いで爆炎と爆風を生み出したのだ。視界を覆う煙と木片、
ブチ抜いた上階から降り注ぐ家具の嵐――通常の吸血鬼ならば五度殺しても余りある破壊は、二五階と二
六階に巨大な直通路を叩き開けた。
 グロックを降ろす。天井を睨み続けるシスターに声を掛け、

「この、気配――!」「……いえ、まだみたいです」

 唇を引き結ぶ。シスターが身構える。その、殆ど直後だ。
 頭上で木片が巻き上がった。咄嗟に両端に飛び退った俺とシスターの間へ、落雷の勢いで落下するモノ
が一つ――

「コイツ、まだ……!」
 

939 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/10 02:21


 おや、これ位なら貼れるのか。
 可読性は兎も角。
 うーん。どうした物やら。
 

940 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/10 22:54


 やれやれ……また出ないといけないな。
 姉さんのジョギングは私の体力じゃ付き合うのは辛いのに。



 ただ、しかし。ふむ。
 書き方って色々なんだよね。「何を表現したいか」を生来の目標にして文筆を続ける作家、
それ自体が表現である作家(マンソンの趣味作業なんかもコレか)、作家へのオマージュか
ら始まる作家、それぞれ色々だ。
 例えば新本格、今じゃ「エンタ系」が入ってきて「新」の意味合いも薄いけれど、ミステリを書
く、書こうとする人間って色々なタイプがいるんだよね。或る作家は、「何を描きたいのか」を
主体に、文体を研究したし、エラリーが好き、ホームズが好き、だけどメインのジャンルは本
格系じゃなかった、でもミステリを書いた、新鮮だった、なんて人もいる。このタイプはミステ
リの中でも一つの新しい基礎を作った人として望まれてたりするね。京極先生も最初は完全
に(今でもかな)異端だったんだ。京極先生を話すと残り全てのレスを消費しても足りないか
ら置いておくとして、例えば書く時に資料を集めるだけ、なんて作業はあまり楽しくないよね。
好きだからこそ集めて読んで、自分なりに消化して……って。誰かの真似をして書くことから
始めても、その人の本を一度読んだのと二度、三度じゃ文体の読み込みも、理解の意味も違
ってくる。馳さんはエルロイから影響を受けているのは有名な話だ。ホームズやルパンなん
かのジュヴナイルから始めて、本格に移った人だって沢山いる。
 最近「ヴァンパイアー戦争」が再販されて名前がまた浮上してきてる笠井さんだけど、彼は
ミステリが最初は主戦場だったんだ。ただ、本人にとっては思うような評価が出なかったらし
くてね。平行して読んでたSFに影響されて「ヴァンパイアー戦争」を書き始めたらしいよ。ま、
ブームの時期でもあったんだけどね。

 ライトノベル的な「動きのある」「記号的な」手法は一つの方法だとは思うんだ。
 結局は書き方次第……消化して、何を書きたいかに拠るんだろうな。
 「簡潔なセンテンス、明瞭な文章を適切なタイミングで配分して臨場感を出す」のが最上だ
った頃から、「大仰な装飾、記号的な人物、婉曲させた文章」が一つの手法として今は確立
されてもいるようだから。
 私も時々、無駄に装飾するクセを止めたくなる時がある。難しいけど。

 作品を持ち込んで、グサッと来る批評、或いは編集さんからザクッと来るような一言を貰う
ことも、やっぱり書いている上では「有る」ことなんだよね。作家だってそうだ。担当さんに、
または巷に溢れる読者の意見に。
 作家はだけど、読者の意見を全て聞いてスタイルを決める訳にはいかない。フラフラと流
動的にスタイルを変えていては、それこそ作家の色がなくなってしまう。ふふ、2chを敢えて
見ない、なんて云ってる人もいたな。読者は特別な立場なんだ。好き勝手にモノを云っても
いい、恐らくはただ唯一の。
 全くの素人から始めた時、右も左も解らない時にそう云われたら……と想像したら怖いと
思うよ。
 ただ、それも指摘なら受け入れて時流を読んで、自分なりに消化して……クリア出来ない
事はない筈だからさ。

 ま……読み続けるだけより、一時の閃きが凄い事も多々としてあるけど。
 本の読み方だって色々とある。小説一つにしたってね。
 本格を読み続ければ本格読者にはなれるけど、それが本格作家になる道へ繋がる訳じゃ
ないから。
 

941 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/10 22:55


 うわ。

 即興で書くと正に支離滅裂な、ような。
 でも、私も「キャラネタ」としてココに存在している時、している以上、思う事はやっぱりあるかな。
 もう少し纏めて書きたかったけど、これじゃ書き殴りだ。

 ……っとと。
 時間だ。それじゃ行かないと。
 じゃ。
 

942 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/12 01:32


 ……ああ。
 なんかアタマ痛くなってきた。


 私は私だ。
 オリジナルキャラで、キャラネタに居て、それ以上もなくそれ以下もなく……

 ……とりあえず、まだ私は居る。
 ここにね。

 さて。



 キャラネタである以上、「キャラ」を書くことは大切なんだろうさ。
 これが小説で、かつ大量に人が片っ端から死んでいく内容の場合、いっそ「キャラ」を書かない、
コマとして消費されていく人物も「アリ」だ。
 「人間」を書けているか。……いや、「人間」は書くのが前提だ。じゃあ、「人間性」だろうか(「その
キャラ」が"人間"と云う種族・属性かはさておいて」。こう云ってしまうとアレだが、プロ作家にもキ
ャラが書けてない人はいる。「キャラではあるが、薄っぺらい」状態のね。


 「人間味」のあるキャラを、例えば客観的に見ると……そうだな。
 まずはノワールで、続巻の出てる馳さん、「不夜城」(&U)を例に挙げてみよう。

 不夜城。
劉健一:主人公。裏社会に眠る男。薬の売買からその他まで、ただし子供は売らない(、、、、、、、、、、)。シマでは
「売買人」として知られている。転がり込んできた女を拾い、人生は流転を始める。
小蓮:ヒロイン。転がり込んできた女。始まりであり、終わり。
 不夜城U
郭秋生:主人公A。殺し屋。血の繋がらない姉にコンプレックスを持っていた。
劉健一:復讐に生きる男。全てを売り捌く(、、、、、、、)闇の商人。その心は深淵に在る。

 「不夜城」では健一さんの一人称で物語りは進み、心境の変化、マフィアの幹部に翻弄される主
人公が描かれる。実に「人間的」にね。生き方は特殊でも、弱さも強さも持った人間だ。
 「鎮魂歌」。ここでの健一さんは、主人公では――一人の主人公ではあるけど、出番は寧ろ、他の
二人に譲る。が、表に出てこなくなった分、読者はその印象を罅割れる位に乾いた人間だと認識す
る。怜悧で、冷徹で、定めた目的は一つで、そしてその達成の為に手段は選ばない。「不夜城」で見
せたような弱さは一片としてない。
 この変化、前者は「人間的」な「劉健一」を演出し、後者は氷のような同一人物を演出している。実
際、馳さんはエルロイのように乾いた人間を書くことに成功している印象がある。
 人間的な劉健一と、非人間的な劉健一。どっちが正解かと云えば、両方正解だ。鎮魂歌に於いて
の劉健一は、話の根幹に関わるシステムとしても、最重要の役割を果たしつつ、その視点から物語
が語られる事はなくとも、周囲の人間から描写される事で、充分以上に存在感を出している。
 また、現実離れしてない思考の人間が徐々に外れていく様、道徳を持った人間と、道徳世界から
逸脱した人間との対比を描く事で、その差異を生々しく書いている。
 

943 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/12 01:33


 次は……西尾維新さん。
 ここは「戯言シリーズ」から行きたい所だけど、「きみとぼく」から。
 何故って? ふふ、丁度いいからさ。シリーズ化してないからね。ホントにそんな理由かって?
 ……さあね。

ぼく:主人公。妹思い。
きみ:病院坂黒猫。保健室の住人。
妹:兄思い。
琴原りりす:クラスメイト。
迎槻箱彦:クラスメイト

 さて。
 好い加減な説明だって? これで良いのさ。ネタバレ云々でなく、これで足りる。西尾先生の作品
に登場するキャラは、知っての通り(読者には)特殊な名前に特殊な性格――そう、性格だ。「壊れ
た」と云ってもいい性格のキャラで構築されてると云っても過言じゃない。
 そうだな、例えばこうしよう。「殺人は禁忌である、それは許されない」大概の作品に於いて、特に
ミステリに於いて、犯人は糾弾され、罪を償う事になる。例外は無論、幾つもある。それでも「大半」
だ。これは間違っちゃいない。探偵は表面化で全てを解決し、最後に表舞台に上がると、犯人を糾
弾する。……じゃあ、しなかったら? 解決はしたが、糾弾しないのは(、、、、、、、、、、、、、、)? 殺人を許容するのなら?
一種、カフカの「毒虫」のような読後感。以前に堂島のお兄さんに話した「気持ち悪さ」はこの辺りに
一つのファクターを持っている気がする。
 そうとも、全く「人間的」じゃない……だが、「人間」を「キャラ」として書けている。酷く人間性を欠い
ているが故に、「キャラとしての人間」として成立してるんだ。

 馳さんの「人間」と、西尾さんの「人間」。
 どっちも「人間」だけど、馳さんの生々しさが通常の道徳から見て「外れた」部分を指し示すが故に、
西尾さんのキャラの余りにも「キャラ」な、記号的な壊れたキャラは、そう云った部分で「外れている」
印象を強く刻んでくれる。
 これでどちらが「キャラとして正解なのか」と云われれば、両方だ。
 どちらも手法だからね。

 次は、そうだな。
 映画、「ブレイド」から。
 これを出す理由? ……ふむ、次は「人間性」抜きに考えてくれるかい?

ブレイド:主人公。ヴァンパイア・ハンターにして、自らもその血の半分をヴァンパイアに由来する男。
黒人で、カラテをベースにした戦闘方(だってウェズリーだし)にチタン製のカタナを組み合わせ、並
み居る吸血鬼を薙ぎ倒す。ハーフである為、昼間を歩く事が可能で、故に「デイ・ウォーカー」と呼ば
れる。イングラムを改造したSMG、銀製の弾丸を使ったショットガン等がメイン武装。
ウィスラー:ブレイドに戦いを教えた男。家族を吸血鬼に殺され、吸血鬼の排除を発案する。武器製
作者としての腕前は確かで、ブレイドの武器の大半は彼による物。
ディーコン・フロスト:ブレイドの仇敵。ヴァンパイア。「新参者」であり、旧世代の吸血鬼を一掃し、自
分が新世代のヴァンパイアの頂点に立つ事を目論む。

 ブレイドは典型的でもある「ヴァンパイア・ハンター」と云う職業に(多分に映画的な理由もあるとし
ても)「カタナ」「カラテ」を加える事で、「特徴」とも呼べるファクターをまずは一つ確立し、「デイ・ウォ
ーカー」と云う二つ名で怖れられる事で、更に一つの特徴を得ている。ヴァンパイアはヤツを知って
いる……デイ・ウォーカーに気をつけろ! ってね。フロストは旧世代の「老人」達を一掃しようとする
ヴァンパイアだ。対するはブレイド、直接的な関連はなくとも、フロストがヴァンパイアに組する事で
対立が生まれ、最終的にブレイドの「血」が必要になったフロストはブレイドを捕らえ……
 これで話の流れは確定する。
 今では似たような話も多いが、あの時点では「ブレイド」は斬新と云っても良かった。

 特殊な世界に於ける特殊な職業、それに即応したブレイドは、正に「この世界に対応するキャラ」と
云えるんじゃないだろうか。
 

944 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/12 01:35


 書き殴ってしまって支離滅裂な部分もあるが、「キャラ」としてね。
 世に在るモノなら例にも上げ易い。
 ……さて、さてさて。
 どうした物だろう。清涼院流水でも例に上げるべきだったろうか。
 ふむ。
 

945 名前:ファントム・ドライ ◆03/PHantOM :04/08/12 01:46

 ……あたしからは「長い」としか言いようがねぇなぁ。

 ああ、邪魔してるぜ。
 さっきから。


946 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/12 01:48


 ……ま、長いけどね。

 久し振り、ドライお姉さん。
 今日はお酒も用意してるよ。ホップのビールと葡萄酒しかないけど。
 ふふ、飲むかい?
 

947 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/12 01:53


 猫を掛けて戦闘か。
 ふむ、ムーブメントになったかどうかは置いておいて、それはそれで笑えるな。

 む……兄さん。
 何処へ行こうって云うんだ。猫? 白猫を捕まえに? シオン? 猫? どこのさ。
 ……ああ、そう。
 頑張って。ドライお姉さん着てるのに。

 ……行かない?
 ……もう良いよ、解った。
 現金な事は解った、充分に。
 

948 名前:ファントム・ドライ ◆03/PHantOM :04/08/12 01:56

 あぁー、と。生憎とあたしは発泡酒をビールとは認めねぇ人間なんでね。
 それにあたしだけ飲むっつーのも面白くねぇ。今日はやめておくよ。

 それよりも何かい。あんた、随分とまた悩んでるみたいじゃないか。
 だからあんな長広舌を述べてみたりもしたんだろう。
 どうせ暇で遊びに来たんだ。あたしで良ければ、聞いてやらないコトもないぜ。

949 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/12 02:09


 ……おや、それは失敗したな。
 実は中華街の張さんが兄さんに、って沢山持ってきてね。
 家じゃ未成年しかいないし、困ってたんだ――って、お姉さんも未成年じゃないか。その口ぶりだと
どうももっと度数の強いお酒が好きなようだけど、生憎とこの孤児院はスッパリとその手のモノとは縁
を切っていてね。
 やれやれ、それじゃコーヒーでも出そうかな。水出しコーヒーを作ったんだ。
 ふふ……私の自慢だよ。


 ……しかし、何時の間にココにいたんだい?
 気付かなかった――と。

 ああ。
 いや、お恥ずかしいね。
 悩んで……は、いるのさ。いつも。何時だって悩んでるし、悩むから考えてる。私は考えてないとお
かしくなってしまう。マグロの遊泳と同じだ。
 ああ、ただ今のは、そうだな。
 好きな作家を比べてみるのも――好きな作品を改めて考えてみるのも楽しいかと思っただけ。
 それだけだよ。……多分ね。自分に課した儀式、改めて考えて突きつける事で、澱を吐き出してしま
いたいだけなのかもしれないけどさ。

 ……そうだな、お姉さんにも聞いて貰おうか。
 さしあたって……「キャラについて」、それから私達の今、このフィールド。
 「キャラネタ」について。生憎と私はキャラネタ黎明期に存在してはいないからね。先輩のお姉さんに
は色々と学ぶべき所が多いだろう。多過ぎるくらいにね。
 

950 名前:ファントム・ドライ ◆03/PHantOM :04/08/12 02:21

 日本とアメリカの法律を一緒にするなよ。こっちじゃアルコールは十歳からなのさ。
 まぁあたしは八つのトキから飲んでいたけど。

 で……キャラネタぁ?
 またワケのわかんないトコロで悩むね、あんたも。
 うーん、べっつに大して語るモンなんてねぇーと思うんだけどなぁ。
 別に一刻館に昔からいる、とか。キャラネタ板創設期からいる、とか。
 んなモンはクソほどの価値もねーし。

 ま、あえて言うのなら―――そうだね、それこそ"遊び"だろうね。
 ただ、その"遊び"をどう捉えるかは人次第だろうさ。

 ……こんくらいしか言えねーぞあたしは。
 大体、そう言うあんたはどうなのさ。何を思って何を考えているんだい?
 じゃないと相談にならねぇよ。

951 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/12 02:34

>>950

 ……おや、それは異な事を云うね。
 ココは日本、ならば国の法律に従うべきなのさ。それを云うなら、私はドイツの法律に従って、
ビールとワインは16歳から飲める事になってしまう。私は14歳。どちらにしろ駄目か。ふむ。



 さて……ああいや、大した事じゃない。ない、んだけどね。
 ほら、私は「キャラネタ」の形式に対して余りにも無知だった。今でもね。それこそ、イロハを
知っているお姉さんや、この板でも軽くレスを返す人達、そんなレベルでは理解出来ていない。
過去ログは……そうだな、「魍魎の箱」スレを見た覚えが。それくらいか。さておき。

 ……遊び、か。
 ふむ、そうだ。遊びだ。
 ただ、ある程度の発想力、創作的要素と技術を内包している遊びだからこそ、自分の力の範
囲で介入する余地があるんじゃないのかな。十人十色のレス、千人千色の方向性。
 お姉さんの云う通り、人次第だよ、それは。確かにね。
 そして、それだけの余地があるからこそ、遊びとは云え、力を入れてもいいんじゃないかって。
勝手な思い込みかな。

 ただ……そうだな。
 問題が起こって、意見が出て、私も思ったんだ。
 キャラネタに於いて、「私」は何だろうか、って。いやね、云われてみれば――否否、考えてみ
れば確かにその通りなんだ。オリジナルキャラが質疑応答に向いてない、そう云われれば解ら
ないでもない、とも一時思ってしまった。オリジナルである身に於いて、だ。
 表現方法の一つだ、と云われたし、思った。未だ疑ってない。
 小説を書くのと違うのはね、お姉さん。これは「キャラ」個別、個人として独立した思考をキャラ
に与える事になるよね。面白いと思った。一つの表現だとも。キャラとしての質疑応答も含めてね。
 正しく手前味噌、自身についての悩みだから勝手千番という他ない。自分勝手だとも思う。
 しかしまあ、それだからこそ、黎明期のキャラネタに於いて、「オリジナルキャラ」がどうだった
のか、それも知りたいと思うんだ。

 ……はは、活動停滞中の身で云える事じゃないな。
 おっと、返せない訳じゃないんだよ。これはホントさ。
 おっとっと、更に云うなら、これはホントでなく(、、、、、、、、、)、全てホントだ(、、、、、、、)。云った事はね。
 

952 名前:ファントム・ドライ ◆03/PHantOM :04/08/12 02:58


 んー、まぁ、あんたがこの板に存在して赦されるか否かを決めるのは、あんたでもあた
しでもないし、ましてやその他大勢でもないんじゃないのかなー。
 そりゃー板の管理人が決めるコトだよ。悩むんなら管理人から書き込み禁止食らってか
ら悩んでもじゅぅーぶんに間に合うと思うぜあたしは。
 それに問題問題言うけどよぉ、実際にあんたの行動範囲が狭まったワケでも、選択肢が
減ったワケでもないんだ。杞憂だぜ、きっと。

 ……ま、そう言うコトをあたしから聞きたいワケじゃない、ってのは分かっているさ。

 つかあれかい。あんたはオリキャラ云々で悩んでいるのかい。
 うーん、あたしゃーオリキャラとやらじゃねえし、そう親身になって言えるコトは無い
けど……まず、やっぱどの時代どの時期でもオリキャラが歓迎された、って過去は無いん
じゃないかな。あくまであたしの記憶に寄るトコロが大きいけど。
 でも、その中でも面白いスレはあった。
 それ等面白いスレは面白いから認められたコトもあったし、逆にオリキャラなんだから
面白いとかそう言うの関係ねーよ、で廃れたり潰されたりもあった。
 ソースの過去ログでも見せられりゃ良いんだろうけどな……ちょっと漁ってみるか。

 まぁ、なんだ。あんま悩むこっちゃねえと思うぜ。
 オリキャラと一概に言っても、あんたの言うとおり十人十色だ。
 オリキャラはオリキャラでも、別に"あんたのオリキャラ"が喧嘩売られたワケじゃねーんだ。
 じゃあそれは結局他人事ってコトになるんじゃないかな、とあたしは思うよ。

953 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/12 03:24


 ……失敬、「問題」は語弊があるか。
 私は私の思うままに書いている以上、それを「問題」と云うのは余りに失礼だ。
 が、はは、極論……まあね。禁止されてからでも遅くない、は真理か。好き勝手やってる
のが今なら、好き勝手の果てがそれも間違っちゃいない……ふむ。

 ま……あ、オリキャラ云々と云うより、その方向性に付いてかな。例えば本来、その視点
に立つ事がない「キャラ」個人をトレースする事もあるキャラネタで、それはIFの楽しみ方だ。
作中で全く喋らないキャラ、何を考えているのかすら解らない……そんなキャラを当てると
したらね。
 ただ、それがオリジナルだったら――いや、IFの前段階だったら、だ。
 例えば寡黙なキャラ。そのキャラは敢えて語らないのであって、好き勝手に動き回るべき
ではない、これは当然だよね。
 これがキャラネタだったら……どうだろう、と思ったのさ。例えば私は、兄さんを構成する
世界の一要素、兄さんの端役だ。兄さんの視点から見るハズの「キャラネタ」に於いて、私
は本来、個体として喋るべきですらなかったのかもしれない。ああ、そうだ。ふふ……ほら、
ミステリアスな美少女は何を考えてるのか解らない方がいいだろう?
 却説。
 私が個人で行動する事は「IF」ではないんじゃないか。
 今の私が在る、と云う事はつまり、だったら私は兄さんと並ぶ主人公だ。
 それはいい。問題ない。だけど、どう在るべきなのか。
 オリジナルである以上、作品の基盤は何処にもない。
 「作品」をポンと提出したなら兎も角ね。仮に提出したとしても読んで貰えるかどうか。さて、
だったらどうか。「キャラネタ」の中で構築されるキャラならどうなのか。
 最後まで続ける必要がある。完結させる必要がね。
 「閉じた世界」のIFである版権と違って、何処までもフラフラと放浪しかねない。そのピリオ
ドがどう付けられるべきか、付けるべきか。
 お姉さんが例に上げたように「認められた」内容はどうだったのか、と――ふとね。

 それから、悩んでる悩んでないに私が上げられてない……事は関係ない、ハズだ。
 と、思いたいだけだろうか。心境的には同じだよ。否定されるべきか否か。私は、そうだな。
ココのルールに照らすなら「半年」の条件はクリアしている。だから問題はない、だけどそれ
だけだ。話し合いに参加するべき、と意見が出ていたが、スレの住人でないから参加するべ
きかどうかも解らない――し、時間がない。私的な用事だ、これも。
 つくづく身勝手だとは思うんだけどね。
 ただ、だからせめて考えてるのかな。キャラの根幹は何か、どんな形か。
 

954 名前:ファントム・ドライ ◆03/PHantOM :04/08/12 03:48

 う、う、うん……? どうにも難しいコトが好きだね、あんたは。
 ま、考えるのが悪いコトとは言わないさ。
 ただ、ね。何のために考えているか、を忘れちゃいけねーと思うぜあたしは。
 結局はあれだろ? ここで遊ぶためだろ。
 だったらさー、レス返してみねぇと答えは見つからないんじゃねーのー?
 いや、酷な言葉だとは分かっているけどさ。
 それにあんたの場合は、考えるのが好きだから考えてるってのもあるだろうし。

 ただ、考えが纏まらないから何もできねぇーって、それは勿体なくないか?
 答えっつーのは結果を出してから分かるモンだとあたしは思うし。

 少なくともあたしの知ってる一刻館は「自分のやってみたいコト試したいコトを好き勝
手絶頂にファックしやがれ」ってトコロだから、あんたも自分の思うオリキャラとやらを
此処で試行錯誤しまくれば良いんじゃね?
 別に完成形で遊ぶ必要はないんじゃねーのかな。
 ありふれた言葉だけど、答えっつーのは自分で見つけるもんだろ。
 此処はそれに至るまでの道を提供する場、と考えれば楽しみ方も増えるだろうさ。

 あと―――こう……考え方の違いかな。
 あんたがいるからこそ"半年の条件"とやらが生まれた、と言う考え方もアリだと思うぜ。
 それを不平等だ、と思うならそれも良いだろうさ。
 ただ、少なくとも贔屓される程度にはあんたも認められているコトになるじゃん。

 あぁ―――あんたの相談には何一つ乗れなかったね。
 すまない……でも眠いし。今日はここに泊まっていこうかなー。
 白狼のベッド何処?

955 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/12 04:15


 「当てる」より「演じる」が適切か。

 ちなみに……オリキャラスレ、問題点、か。個人それぞれじゃないんだろうか。私も。私の
問題は私の内にあるし、探して論えばキリがない。
 ただ、意見、相談スレを一覧して、思った意見はない訳じゃない。
 上がっていた部分を見て、技術的――いや、単に客観的に云うなら、設定をあまりに描写
するよりも「語っている」とは思った場所があった。
 違和感があったのはメタレベルでキャラが作品の名前を語る事か。版権でないが故に、
「手に取れる場所に存在しない原典」の名前を口にする事に違和感を感じた……かな。参照
する事のできない「原典」を云われても解らないから。
 存在しない原典を引き合いに出して「原典では〜」と云われる事への違和感か。これは私
自身も思う。例えば雑談で話していて、私くらいなら兎も角、「騎士団」、「審問局」のような兄
さんの余りにも「キャラ的」な内容は口にするべきじゃなかったんじゃないか、と思うくらいに。
それはどうしても「語り」のような印象が出てしまう。けれど、これが中々にね。キャラネタ、に
あって難しいと思う事の一つかな。もしかしたら。
 解らないけどね、この違和感が正しいのか。
 そもそも、私自身が正しいのか。


 さて、気を取り直して――取り直すかどうか分からないが、そうだな。
 ここ、一刻館。

 注目してるスレなんかを上げてみよ――



 ……寝るのかい?
 ま、確かに遅いけど……ふむ、残念。

 ああいや、難しいことを考える、と云うより、考える事はただの習性だよ。
 それに難しいんじゃなくて、ただ無為なだけかもしれない。
 けど……そうだな。遊ぶ為、は、その通りだ。
 ふふ、そのポジティヴさは見習わないと。
 好き勝手に行こう、ね。ああ、悪くないセリフだ。気持ち良いね。流石ロスっ子と云った所か
い? そうだな、私は私で思考錯誤を続けよう。この身が終わるまで。孤児院が流転したら、
その時は私もこの地を去るだろうから。
 認められてる、なら感謝するべきだし、してる。以前からずっとね。

 いや、私の相談なんてどうでも良い事さ。
 それより――お仕事、忙しいんだろう? 内容はこれっぽっちも聞きたくないけどね。
 さて、兄さんのベッド……は、予約もないし、お好きにどうぞ。ただし兄さんが寝てるけどね。
今日は隣だろうと譲るとしよう。そこがイヤなら隣の部屋が空いてる。ちなみに兄さんの部屋
は廊下を出たらすぐ正面の右だ。
 ……お休み、お姉さん。
 また――機会があったら、話せると良いね。


 ここも、あと少しで終わりだけど。
 

956 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/12 04:24


 お。
 ドライお姉さんが寝てしまった所で、またなんてタイミングだ。
 レキお姉さんのスレが上がっている。しかも本人。
 巧いね、やっぱり。
 作品を見ていない私でも、作品世界の空気を想起させるレスで、見てみたくもなる。
 ……いや、残念ながら見られないけど。疎さを恨むね。


 ご近所のスレに倣って最近チェックしてるスレを上げるなら、ふむ。

 フルメタル・パニック、のスレか。千鳥かなめお姉さん。
 テンポが良いね。改行バランスも読み易いし、何より軽快だ。タグの利用か。良いな。私には
精々ルビを使うのが精々、それ以上は自分の首を締める。
 おっと、バナーの話、おめでとう。
 頑張って。

 キャラハンとして思う事。

・ヤスさん:頻繁にレスして下さい。
・トキ課長:頻繁に(ry
・乙+さん:頻繁に(ry

 いや、ホントに巧いんだけど。
 他は……ありゃりゃ。大概は感想スレで名前が挙がってるか。
 私が云うまでもない、と云うヤツかな。
 

957 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/12 04:30


 あ。
 惜しいね。海にお侍さんが居たのか。
 侍と海。なんてシュールさだ。行けばよかったかな。ふむ、残念至極。姉さんなら手を
叩いて喜ぶだろうに。侍。侍だ。

 考えてみれば、私は昼より夜の海のほうが向いてるだっけ。日焼けはキツい。
 

958 名前:千鳥かなめ ◆Kana/lWMBI :04/08/13 03:35

ちーっす!
お返事遅れてごめんね、エーフィちゃん。
あたしも……あたしなりにいろいろ考えたりもしてたから。
オリキャラ云々は管理人さんの意向も踏まえてノー・コメントにしとくけど……。
「キャラネタ」としても色々考えなきゃならないな、って思わされたから。

あたしはね、感想スレでの意見は二種類に分けて考えてる。
「スレ」に関する意見と、「クロスオーバー」に関する意見。

前の方は、もちろんできるだけ参考にしたい、って思ってる。
でも、場合によっては「あえてあたしのやり方を貫く」時もあると思う。
分かってくれる人もいるって信じてね。エーフィちゃんが>>940で言ってることと重なるけど。

だって、全員が満足できる文章なんてありえないじゃない。
あたしが面白いと思って薦めた本でも、あやめ(妹)にはあっさり「つまんない」って言われたコトもあるし、
勿論その逆だってある。
それに、「世界の中心で愛を叫ぶ」みたいな大ベストセラーだって、面白くない人もいる。例えばあたし。

そー考えたら、思うわけよ。
あえて少数のヒト相手に、自分のやり方を徹底して練り込むレスだってありじゃない、って。
だから、スレに対する「批判」はできても、「非難」はできない。そう思うわ。

ただ、クロスオーバーに関しては話は別ね。
相手がいる……ってのも勿論あるけど、それ以上に「逃げられない」ってのがあるから。

「表現の自由」って言葉があるけど。
それは、「見ない自由」とくっついてるんだと思う。
例えば、テレビ。
気に入らない番組だったら、消せばいい。見たいヒトだけ見ればいい。

スレッドも同じだと思うの。
もし見てて不快になるスレッドがあるって言うなら、そのヒトはブラウザを閉じて忘れちゃえばいいのよ。
少なくともあたしは、そうやっていくつかのHPを脳内削除したわ。

でも、クロスオーバーはそうはいかない。
掲示板自体がパブリックな場所だけど、その中でも特にまわりと「繋がってる」場所だもの。
あたし一人が嫌いだから見るのをやめる、ってワケにはいかないものね。
もしあたしが不快に思われるような振る舞いをしたら、そこに来てるヒト全体が不快になっちゃうかもしれない。

だからあたしは、クロスオーバーに関する意見だけはまた別格に捉えてる。
もしあたしがそこで下手な真似をしたら、それは「批判」だけじゃなくて「非難」されてもしょうがない、って。
少なくても、前誰かが言ってた
「自分をカッコよく見せるために、他のキャラハンを踏み台にする」
ことだけはしないように気をつけてるし、もししてたら遠慮なく叱って欲しいと思ってる。


――なんか支離滅裂ね。うまく言えなくてもどかしいわ。
乙+さんなんか、あたしが漠然と思ってたコトを的確に書いてて、やっぱり凄いなって思わされるわね。

959 名前:千鳥かなめ ◆Kana/lWMBI :04/08/13 03:38

……で、キャラネタって何か?
あたしは、「分かってる」ヒトがやる遊びだと思ってる。キャラハンも、名無しさんも。
「分かってる」って言うのは、「虚構を虚構と知りつつあえてそれに乗る」ってコトかな。

キャラクターが掲示板を利用してる、ってコト自体ありえないワケだし。
そのありえないコトが実現してる……この巨大な嘘のお遊びに、あえて乗って遊んでみる。
そういうものなんじゃないのかな?

そう考えれば、キャラネタで「中の人」がタブーになるのも分かる気がするのよ。
難しい理屈じゃなくて、たった一言。

野暮天。

……ね?


他にも思うコトはいろいろあるけど、このあたりにしとく。
もうスレッドの残りも少ないし、あまり無駄遣いできないから。
あ、それと。
チェックしてるスレで名前を挙げてくれたのは本当に嬉しかった。ありがと。
それじゃまたね、エーフィちゃん。

960 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/13 16:32


 こっちこそ返事が送れて申し訳ないな。お姉さん、今日は。
 私の無為な愚痴に付き合わせてしまったなら申し訳ない、と云う他ないけれど……いやいや、
ご足労にまずは感謝を。ようこそだね。

 全員が満足するモノは有り得ない、は常々思う事だよ。どうしてもね。元々、私はブームな作
品を好んで読まない、というのもあるんだけど……そんな私が好む作品があるという事は、つま
りそれを書く作家さんがいる、と云う事だからね。
 合わない作家がいても、合う作家もまた然りだ。あ、ちなみに私も「世界の中心で〜」は駄目
だったクチだ。「冬ソナ」も。あれは年齢が違うけど。さて。
 散々云っているけれど、大仰で荘厳な文章が好きな人もいれば、簡潔明瞭な文章が好きな作
家さんだってまた、大勢にね。現代的な幻想小説なんかには後者が向いてると思うよ、最近は特
に。ライトノベルの凝ってる作品が「ジュヴナイル」から外れてきてる印象を受けるのもその辺り
か。意味が「青春小説」から剥離してきてるなら、だけど。いやいや、大仰な文章だけ読みたい
ならミルトンでも愛読するべきだ――と、
 置いておいて、これはまた別の話だ。

 そうだね。
 私の文章を好んでくれる人がいるとしたら、それは相当に奇特なんじゃないかとすら思うよ。こ
の読み難さ、大半の人は地下を覗いても飛ばしてるんじゃないかな、ココ。それでも幾人か見て
くれてる人もいるようだしね。その為に……という理由だけがココに書く理由じゃないけど、ともあ
れ私は書いている。書き続けている。あと少し、書くと思う。
 どれだけ遅レスでも、自分が満足できる物を書く為にね。ああ、後時間の都合が少々。これが
2chの「キャラネタ」だったらとうの昔に落ちている怠惰さだけど。ふふ。ま、そんな場所だからこ
そ……「批判」されても「非難」されずに書いていてもいいハズだと思うよ。


 クロスオーバーのその考えについては同感かな。いや、私自身、考えてたくらいだ。
 参加している以上、踏み越えてはいけない境界と、下がってはいけないラインを見極めなきゃ
いけない。キャラはキャラでなければ、「私」は「私」でないといけないし、だからってそれを貫く為
に周囲のバランスを壊していい道理はない。設定語りをパブリックなフィールドで行うのを忌避す
るのは、そんな場所に起因する部分もあるんだ。
 この板は板自体が「クロスオーバー」を推奨していて、それは例えば私やかなめお姉さんが今
話してるような状況を作ってくれた土台でもあるし、それがここのウリで特色だ。けど、それは「推
奨」であって「強制」ではないからね。2chから移転してきた人達のスレには、それ相応の空気が
詰まってる。半ば不可侵だ。それはそれが「ルール」だからね。けれど、「クロスオーバー」なスレ
ッドは、そのルールに「拒否」がない。それを認めてるからこそ、明確にモラルでラインを引かなき
ゃね。気を付けて貰うのと同時に、何より自身が気を付けなきゃいけない。

 乙+さん?
 ふふ、あの人は纏めるのが凄く巧いよね。いつも感心するよ。

 さて。
 キャラネタのその意見は、暗黙の諒解と云うか「私」達の土台であって――つまり、そうだな。

 「中の人」って何、としか云えないね。ふふ。

 ああ、残りのスレッド数は別に気にしなくてもいいよ。
 これがラストギリギリだ、なんて云うなら兎も角、仮にそうだとしてもお祭り宜しく終わらせてしま
うのも悪くない。私もどう締めるかは考えあぐねていてね。
 それからチェックしてるスレ、と云っても単に私が見てるスレを口にしただけで――事実だよ。あ
はは、少々ばかり、お姉さんへの質問が偏ってる気がしなくもないけど。そうそう、私達女性はセク
シャルハラスメントを拒否する権利があることをお忘れなく……はは、云わなくても大丈夫か。そ
のハリセンがあるみたいだし。

 じゃ、またね(、、、)。お姉さん。
 

961 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/13 16:41


 他にチェックしてるスレは……そうだな。

・【軍務尚書】銀河帝国軍務省【執務室直通】スレ
・軍人スレ

 両方に出てる元帥は凄い。
 後者は兄さんも居る筈なんだけど。貼る機会を逃してばかりだね。あ、最近はお侍さんも
来たみたいで賑わってる。
 「月姫スレ」では秋葉お姉さんにシオンお姉さんが頻繁に頑張ってるね。



 しかしあのスレ最後付近の「夏祭り」って……話に聞くコミックマーケットの事かな。
 入場者数が凄いらしいね、アレ。ニュースでも出てたけど。
 サマソニより多かったりして。
 

962 名前:リール・大樹:04/08/13 22:33

     ∧∧    ミ _ ニャッ
     (   ,,)┌―─┴┴─―┐
    /   つ.   ね こ ぽ  ...|
  〜′ /´ └―─┬┬─―┘
   ∪ ∪        ││ _ε3
             ゛'゛'゛゛

某スレで長牙さんがおっしゃったように、我が身を省みない普及活動で
ムーブメントを作り出した神父に『ねこぽ』立て札を進呈しますよ〜

これからも頑張ってくださいね。

963 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/15 21:50


 さてさて、ただいま。
 少しばかり離れていたよ。何処にって、泊り掛けで兄さんの知人のお墓参りと
……そうそう、私のちょっとした趣味巡りと云うか刃物見物と云うかね。
 最近はナイフコレクションにまで手が回らないけどさ。

 休みの間にチェックした本。
・蒐集者/短編集
 冲方丁先生参加の短編集。彼の為にって訳じゃないけれど、それが理由の一
つではあるかな。内容はホラーで、例に上げた冲方先生は「箱」をテーマにした
作品。いつもと色は違うけれどね。
・デュラララ!/ヴァンプ/成田良悟
 かなめお姉さんに勧められた「ワーズ・ワースの放課後」が無かった。変わり
にという訳じゃないが、以前からチェックしていたからこの期に購入。内容は、
なるほど評判通りだ。アクの強いキャラをこんな使い方で一気に消費するとは
思わなかった。感想を書くなら別の場所だね。長くなる。

>>962

 おや、これはどうも。
 喜ぶべきなのかな? 頑張れ、と云われれば何かしら頑張ってはいるけどね。

964 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/15 21:54


 おや、地下スレ参入か。ようこそ、隣人さま。
 こちらはそろそろ退去準備と掛からなきゃマズい所だけど、ここに歓迎の意を。
 メタな事を綴るには向いてる場所だよ、ココは。そんな意味では……私には居心地が
良かったのかもしれないな。
 ふふ、私もいっそ廃棄スレを一つ貰ってしまおうかな。なんてね。

 吸血鬼さん達の対策……対策ね。
 こういうのは人間が吸血鬼に対策するべきであって、その逆はなんだかシュールとし
か云えないんだけど。ブレイドに追われる吸血鬼のような物かな。どうも。

 出掛けている間に特に大きな動きは無い、かな。無いね。
 そろそろ色々と整理しなきゃ。

965 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/15 22:17


 「休み」。寧ろ休みというより「出掛けていた間」か。
 しかし、田舎はスゴいな。とてもじゃないが、私達全員で押し掛けたのに使い切れない
スペース、快適な寝所。お風呂も大きいし云う事無しだ。でも安心できるのはここ、なの
かな。兄さんさえいれば問題ない私が望郷とは、結論、猫のようにこの場所を住み慣れ
たと認識しているからか。
 しかし書かなきゃならないモノが目の前にあると追われる感覚からは逃げられないな。
やれやれ……妹が宿題に追われてる感覚ってこんなのか。

 という訳で出掛けている間に再読した本。
ベルゼバブの孫への話/グルジェフ
 お盆だし。
 云う必要もなく問答無用。師よ。弟子の書の方が見易いです。どうしましょう。
 私はまだ読み辛くて仕方ありません。次に読むのは多分来年です。
 お元気で。
ZOO/乙一
 秀逸。
 幻想小説的な雰囲気すら嗅ぎ取れるよ。

 近くの書店でノベルス販売数一位をチェックすると、意外や意外。
1位/ファウスト

 ノベルス扱いで売れてるんだね。文芸関係販売数異例はダテじゃないか。最新号に
乙一さんが書いてないのは残念だけど。ちなみに、

2位/空の境界
3位/魔法少女りすか
4位/冷たい校舎の時は止まる(上下)

 講談社勢で独占じゃないか。ふむ。
 あ、どすこい(安)買わないと。
 

966 名前:名無し客:04/08/15 22:59

ファウスト買ってDDDを読んで、その感想で『空の境界』を買うどうか決める。
これ最強です。

967 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/15 23:14


 ふむ。それは良いのだけどね。確かに彼の作品を知る機会だ。
 ただ。
 どうやら随分と作風が変わっているらしい――と云うか、少しだけ立ち読みして私も
思ったくらいだ。「DDD」は、ファウスト的……と云うか、雑誌の色に溶け込んでいるが、
「空の境界」はまた独特の様でね。文体の面でもこの二つは比べられないだろう。ファ
ンの人の視点で云えば作品の色は同じなのかな。ここまでは解らない。
 どうあれ、いつかは手に入れたいけどね。
 ……問題と云えば、そうだな。空の境界は高いんだ。上下だから。
 どうせなら二冊買いたいのだけど、二千二百円となると躊躇してしまうんだよ。他に
も欲しい本が色々とあってね。野ばらさんの新刊も読みたい。ううむ。
 しかも、しかもだ。
 クレーメルのバッハを買ってしまって予算が心許ない。
 来月には新譜も控えている始末だ。手詰まりだね、どうも。

 あ、ちなみにファウストは全巻読んでいるよ。
 滝本先生、舞城先生、前巻では乙一先生と、私の好きな作家さんが揃ってるんだ。
 

968 名前:名無し客:04/08/15 23:23

耳寄りな情報を一つ…
今すぐ、ぶちかますと幸せになれます(意味不明

969 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/15 23:26


 ああ。
 さっき見た。
 見た、が――兄さんが飛び付きそうになったのも三割方は事実だけど、これはね。
 これはどうだ。どうなんだろう。
 兄さんに対して、じゃないからね。曲解して暴走しかねない内容ではあるけど、



 あ。
 

970 名前:名無し客:04/08/15 23:28

……………俺より早いとはOTL

情報やハジを名乗る予定が…、負けました…
おとなしく消えるとします。

971 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/15 23:52


 ……いや、負けるってね。
 君達は猫争奪戦でも水面下で進行してるのか。
 兄さんも兄さんだけど。いやまあ。


 ふむ。

 コレだけじゃなんだな。
 兄さんの最近増やしたCD。
・BLACK SABBATH/Vol.4(リマスター)
 やはり名曲か。素晴らしいね。

972 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/16 00:08


 少し心配な事。
 サラミとかのケーシング(人口のね)あれって間違って食べちゃうとマズい事にならないんだろうか。
 弟が食べたって云ってから心配だ。……よく見える所に食べ方かいてあればよかったのにね。食べ
てから暫く経ってるから平気だとは思うんだけど。
 

973 名前:ミラ・ヘルシング ◆KpWAN/OGRE :04/08/16 14:26

 こんばんわ……アーヴィが、レスを書いたわ。
 要はあなたに一発ぶち込んでやったって言う、それだけのつまらないレス。
 もう、彼はボロボロよ。
 姿勢は床に転がっている状態。
 今の彼は、後のコトなんて考えてない、ただ目先の攻撃だけに全てを注いでいるわ。

 白兵戦なんて言って速攻反故にしちゃったけど……レスは、任せる。
 好きにして頂戴。

 あと……遅れてごめんなさい。
 そして勝手だとは分かっているけど、わたし達は明日が最終日。
 終わらせるのは無理だけど―――殺れるだけ、殺っておきましょう。

974 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/16 15:40


 確認はした。
 した、けど。
 これは……マズくないかな。いや、展開なんてどうとでもなるんだけどね。
 ただ、そうか。これは……うーん。兄さんが弾丸を避けた場合、直後にマガジン2つ×2、
34×2の68発の弾丸が襲い掛かる事になるからさ。
 何とか考えてみるよ。ヘタするとマズい事にならないか心配だ。時間までに打ち合わせる
事が出来れば良いのだけど。

 時間の事は解ったよ。
 できるだけ、やれるだけ。全力で善処しよう。
 それじゃ、またね。
 

975 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/17 00:05


 時間が尽きてきた。
 いや、完全に尽きる訳じゃない……が、私も暫く逐電する事になりそうだ。
 秋葉お姉さん、もし貼る時期が巡って時間が有ったなら、私はまた顔を出すよ。

 で、乙+さんレス。
 偶然発見できた。ふふ、やっぱりいいね。
 実は私は今日乙一さんの本を読み返していたりしたのだけど。

 闘争レス。
 取り合えず打ち合わせしたい。また逢う日を待とうか。チェックになりかねない。
 どうした物かな。
 考えなきゃいけない事は多いが、さて。逢えないんじゃどうにもならないか。


 それと、これ。
http://www.appletea.to/~charaneta/test/read.cgi?bbs=ikkoku&key=1070735708
 もう使われてないのかな。
 ……いや、実はだね。家を離れた姉さんがラジオMCを、


 あれ。
 

976 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/19 23:43


 そういえば538の三題噺はもう投稿されたんだろうか。チェックしてなかった。

http://c32.inlive.co.kr:2070/

 System of a Downとモーツァルト、アバドのレクイエム。
 

977 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/19 23:45


 スレの削除日は今日……あと十数分か。
 貰って置けば良かったかな。このまま閉じるのも……まあ、悪くは無いか。
 手落ちと諦めれば気もラクだ。さて。

 残りは雑談と行こうか。まだ考えあぐねるけど。それに時間がどうにも。

978 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/21 03:40


 1960〜1990名曲名盤ベスト。

http://c38.inlive.co.kr:8750/

 ただしジャンル不特定みたいな。
 お休みなさい。
 

979 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/22 02:20


 ラジオ終了。
 とまあ、昨日から過去の名盤なんかをセレクトしてみたよ。
 私のエアロ最高傑作は「Rocks」かな。



 スポーツ小説を偶に読む。音楽を主題にした物も読む、けど。
 これがスポーツや音楽や芸術をテーマの"端"に据えた小説で、用語とかも適度な「読者を
置いていかない」小説って中々ないね。
 例えばこれがサスペンスで、「画家○○の命を死守。暗殺者△△を抹殺せよ」だったならま
だ『有る』んだけど、「芸術」他のソレがサブテーマかつ主題に沿ってて、専門用語なんかを違
和感なく読ませる作品、となると……あまり読んでない気がする。
 主題が例えば伝奇やサスペンスで、あまり芸術(絵でも音楽でも)を飾り過ぎると、「そこは
どうでもいい」印象が発生しかねない。通じてる人には当然の用語でも、詳しくないと「何だそ
れ」の一言で終わるしね。……最近、音楽の話題でそう思った。
 どんな種類の作品でもいいけど、こんな作品で「巧い!」って思う作品がある人、いるかな。
 ちょっと興味があるかも。

 あ、勿論『それ自体』がテーマになってる名作は多いけどね。
 画家の殺し屋、音楽家の殺し屋……ダメだ、アタマが飽和してるのか。何だこの腐乱寸前
の思考は。読んだ事あるのかもしれないけどパッと思い付かないな。
 最近だと印象学の専門家が事件に巻き込まれていく某作品は楽しかったけど。ふむ、この
場合は「印象学」がテーマその物に関わってるから大丈夫だけど。
 上記だと「画家なら気付く事」、「音楽家なら気付く事」をテーマに盛り込む事は可能だろうけ
ど、あくまでメインテーマと独立しながら……となると中々。大槻さんのグミ・チョコレート・パイ
ンとかホーンビィのHigh Fidelityは「音楽小説」だけど。シャイナーのグリンプス(タイムスリッ
プ(?)系音楽モノ)なんか凄い好みのアイディアだけど(実在アーティスト題材にしていいの
かなぁ、とか日本じゃこのタイプはあまり見ないなぁ、とか《ああ、でも「笑っていいとも殺人事
件」とかあった気が》思いはしたけど)、やっぱり『それ自体』が主題だし。でもとりあえずビー
チボーイズの「スマイル」が完成するIFは凄いと思う。
 ただ……
 こう、音楽とか絵画とかの要素や雑学を端々に置きながら、ラドラムの「暗殺者」みたいなサ
スペンス要素がミックスされたような私好みの小説は――
 ――ない、かなぁ、多分。有ったら是非ご報告を。スレが閉じても待ってるよ。


 ……何無駄なこと考えてるんだ、私は。
 さて。


 面白いなと思ったスレ。(三回目)

・甲子園球場さんのスレ
 読み易い。解り易い。……正直野球は詳しくないんだけどね。会話運びが巧くてサラサラと
自然に読める……で、今まで「巨人って黒いなぁ」程度に思っていた印象が「黒」から「漆黒」
か寧ろ印象的に「ドス黒い」辺りに。野球業界、深いな。

・アリスお姉さんのスレ
 これまた原典は知らない……けど、テンポが良くて楽しい。しかもレスが頻繁。凄いね。
 主張スレの発言が(原作知らないけど)「らしくて」いいな。
 ふむ。何だかかなめお姉さんの時にも似た事云った憶えがあるけど。
 

980 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/22 02:26


 「けど」「だけど」って何だ。ああ我ながら鬱陶しい。

 これだけ書くと勿体無いから、ああと。

・24時間テレビ(?)でノラ・ジョーンズが出てて驚いた。
・スレッドはあと二十数レスで終わり。
・残りはどうするか。
・日記用に貰おうと思ったスレが消えていた。
・そもそもレス貼らないと。

 さてさて。
 

981 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/22 19:22


 MTVススメでNEUROSIS新譜。
 出てると思わなかった。B!にもロキノンにも載らない独特さと云うか特異性と云うか、やっ
ぱりこのバンドはこのバンド以外ではありえないな。
 世情のエクストリームもラウド事情も知った事か。我等は我等の道を行く――的なカンジ
が相変わらずでクールだね。中期のマンソンやNIRVANAみたいでさ。

 ttp://www.borknagar.com/splash/Borknagar%20-%20Future%20Reminiscence.mp3
 ボクネガ新譜。
 COF新譜はアグレッションが初期に復帰してたけど、こっちはトラッドなディムボガかな?
シャハル君辺りは……どう? voが牧歌的過ぎると駄目かな。
 味と捉えるなら及第点を大幅クリア。イイね。

>ミッションスクールのお姉さん

 兄さんの信仰は……どうだろうね。
 普段は「助祭は助祭なりに考える事もあるんだ」とか何とか云ってるけど。帰ってきた時
に礼拝堂に篭って長時間出てこなかったから覗いてみたら、ずっと祈ってたしね。
 ふむ。私としては私が死ぬ時は彼に秘蹟を行って貰いたいんだけどね。



 あ。
 本スレが倉庫に送られてた。
 貼る前だったから……まぁ、いいか。いっそ貼る時にでも復帰させて貰えば、多分。
 ともあれこの状態、ラインが切れるのはあと少しって事だな。
 

982 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/08/22 22:17

ちょっとお邪魔するよ。今晩は。
何時だったか以来、久しぶりだね、エーフィ。
今頃になっちゃうけど、あの時は朝ご飯とガソリン、どうもありがとう。助かったよ。
しかし中々肝の冷えるブレックファーストだった、あの兄さんとだと。――おっと失礼。

それにしても、あたしの所を好評価してくれてるみたいで光栄だよ。
見易さや可読性に関しては、実はあんた達を参考にさせて貰ったりもしてるから、何だか
面映いけど。ありがとうね。


で、“スポーツや音楽や芸術をテーマの"端"に据えた小説で、用語とかも適度な「読者を
置いていかない」小説”? んー、欲張りなその欲求に答えられる作品ていうと……。
中々難しいね。じゃあ、栗本薫って作家の「絃の聖域」なんかはどう?

……この作家、あまり評判が芳しくないらしいね。でもこれは相当前の作品だから大丈夫。
いや、あまりじゃなくてかなりか、はは。
えー、おほん。内容はね、長唄の名門一族で起こる連続殺人で、推理小説だよ。
閉鎖的な芸道の世界で絡み合った愛憎と、それに表裏する形で主題でもある「芸」っていう
ものの荘厳さと怖さが、突き詰めて描かれてる。あたしは名作だと思ってる。

因みに別の意味の「ゲイ」な話も少し出てくるから、その点は要注意。

他には、小栗虫太郎の「黒死館殺人事件」は――あれは違うか。ペダンティズムの極北。
“テーマの"端"”じゃないし、ついていけない読者は捨て切ってるし、ついでにかなりの部分
意味わからんし。ただ、底なしの迷宮みたいな雰囲気は好きだね。


――長々説明しちゃったものの、読書家のあんたはとっくに読んでるかもしれないな。
もしそうだったらごめん。それじゃあ、また。

983 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/23 00:27


 ……これが伝説の『日本昔話』か。
 忠実にアニメ化って凄いな。見てみたかった。
 とまあ数時間前のテレビの話は置いておいて、これはもうどうでもいい。
 うん。そうさ。

 ――さてと。

 やあやあやあ! ははは! ようこそ、今晩はだお姉さん! いやはや、嬉しいね。まさかお姉
さんまで尋ねてきてくれるとは思いもしなかった。ドライお姉さんもかなめお姉さんの時も真坂に
真坂、こんな僻地を見ていてくれるとはヒトカケ思わなかったからね。ふふふ、これならこのスレも
建てた甲斐があったな。後半の後半だけど、いや、実に有意義だ。終わるのが惜しいくらいにね。
いっそ次を建ててしまおうかと思ってしまうよ。
 ……おっと、私の話はこのくらいにしないと。改めてようこそ、私めの隠れ家へ。
 あの時は……ふふ、いや、私にも配慮がなかったかな。それでも兄さん、別にあの後は普通に
過ごしてたからね。基本的には美人には優しい筈だからさ。妹や弟も「ハネのお姉さん」で憶えて
いるみたいだよ。堂島のお兄さんもいて実に賑やかだったから印象強いのかな。

 しかし、ふむ。
 見易さと可読性で私を? それは意外……と云うか私の方が驚いてしまう。適度な改行やバラ
ンスのいい文の配置、私の煩雑な文とはまるで違うんじゃ、と思っていたからね。それなら、そう
だな。逆説的に私もお姉さんの文を参考にできるって事かな。似通ってないからと心配だったん
だ。お姉さんの場合はネタの挿入も巧いからそこはまた、精進しないと、私は。
 お姉さんのスレは立った時から見ていたからね。来て貰えただけでも光栄かな。……ええと、
ハイ――ハイ、バネ? その灰羽、ってお仕事……仕事? 兎に角忙しいみたいだけど、これか
らも頑張って。


 で。
 早速と云うか何と云うか、まさかあの話題に答えてくれるとは光栄と感謝の極地だ。レスは起
きて見てみれば私も寝惚けていたんじゃない勝手くらいの支離滅裂っぷり、よもやこうして読ん
で、しかも答えてくれるなんてね。これはもう、三度拝んでも足りないくらいだ。ここは抱き付いて
感謝を表明したい所だけど――おっと、話がまたズレかけたね。

 で、結論から云うと、まだ読んでない。
 『読書家』なんて云って貰えて嬉しいから、ここで『読んでない』と答えるのが幾分か恥ずかし
いけれど、本当に読んでなくてね。実を云うと、栗本先生は「グイン・サーガ」しかこの所は出し
てないような印象があって、しかも私が抱く印象はそれ自体に終始しちゃっててね。そしてこの
作品、確かに巻数は多いけどもう続けるのが目的なんじゃないかってくらいアレがナニでその。
詰まる所、これはもう作者のライフワークなんだろうね。久美沙織先生が云うに、この栗本女史
は一日に百枚も二百枚も――六十枚だったかな。兎に角書けるとか。そういえば大量、ハイペ
ースと云えば清涼院さんに西尾維新先生か。西尾先生は確か百枚二百枚を三日間くらい書い
て一日休むなんてハイペースらしいけど――ああ、またズレてしまったな。……まあ、そんなワ
ケでね。評判からお姉さんが云っている通りのイメージを受けてて、彼女の過去に記した『名作
群』にはあまり触れていないんだ。それこそ……「ぼくら」シリーズや「トワイライト」くらいかな。
ミュージカルにもなった「天狼星」は読んでないしね。
 それで「絃の聖域」か。ふむ、云われるに興味深い内容だね。面白そうだよ。
 実はさっき『寝惚けてた』って云ったように、昨日話したことは確かに曖昧模糊としていてね。

 思うに、疑問に感じてたのは"必然性"なんだ。
 例えば……軍事犯罪、サスペンスで、専門的な軍事知識が披露される事は苦にならないし、
寧ろ当然だと受け入れる。軍の専門家が東奔西走する様を描いた小説なら、そうあるのが当然
だろう。ただ、ここで――長編の軍事サスペンスで、『音楽』について長講釈されたら、「どうして
その必要が?」と思ってしまう。逆も然り、音楽小説、しかもサスペンス要素なんてカケラもない
作品で軍事知識を長々と語るキャラが居たら、それは単なる軍系ナードだ。
 『鼻につく』とでも云えばいいのかな。私の読んだ小説がアレだっただけかもしれないが、音楽
や絵画……それを説明する際に、ヤケに"気取った"印象を受けてしまった事があってね。無論、
作者の文体自体に要因があるのかもしれないけど。
 気取らない、自然な流れでの芸術他への解説と、メインテーマのリンク。
 双方が独立したまま最後まで通る作品はないかな、とね。
 いやいや、実際の所、「歌」がテーマで――そうだな、歌詞を作品に使う場合(実在のアーティ
ストでなければ問題ないからね)、歌詞を作品中でテーマとリンクさせるだけでも、知人には「な
んか気取ってる」なんて云う人も居たからね。
 どれだけ自然にテーマとクロスさせるか。

 "門外漢には雑学知識な内容"。

 それを巧く説明した作品――そんな作品を読みたいんだ。
 

984 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/23 00:34


 お姉さんの推薦してくれたこれは……終始主題となる「芸」が関わってくる、ってタイプかな?
想像するにテーマと関わりながら独立(ややこしいね、これ。例えば「音楽」で、メインテーマが
友人関係の殺人事件だった場合、「友人はバンドを組んでいる。犯人は友人。で、これは音楽
の話題は出るし、音楽は最初から最後まで二人に関わり続けるけど「音楽」そのものに二人の
因縁は関わらない……つまり、お姉さんが例に出してくれたような"「芸」自体の深淵"を垣間見
せるような内容よりは軽い(?))してはいないのかな。
 でも、惹かれるよ。面白そうだ。
 是非に早速チェックさせて貰うね。感謝するよ、レキお姉さん。


 それから今回の件、感謝と同時に申し訳ない。
 私自身が語っていて曖昧だからね。それで答えてくれたんだ。有難うと云う外に私は感謝を表
す方法がないよ。

 あ、そうそう。黒死館についてはOKだよ。


 それじゃあ、また。
 また――「また」か。ふふ。以前からここで云ってるけど……そうだな、そういう機会があれば。
 何処かで、またね。そうそう、ここだってまだ終わらないしさ。


 残りの行。さて。

・最近プレイしたゲーム。
 「フロントライン」
http://www.vector.co.jp/games/soft/win95/game/se271698.html
 中々に奥深くて、中毒性もあるような。
 久し振りにプレイしたゲームがフリーソフトとは我ながら疑問だけど、簡単かつ何度も遊べる
って点じゃ自分で納得。
 私ポイント。
・ヘリはライフルでキャノピーを狙撃。
・メインがライフルじゃなくても、序盤はヘッドショットでワンショット・ワンキル。点数を稼いで後
半分の武器を稼ぐ。ショットガンの連射はナイス。

 最近面白いと思ったスレ。(四回目)
・カーン君のスレ。テンポよく(毎回云ってるね)流れる文面と解り易さ。あとネタ。
 私も知ってるゲームだって云うのは大きいな。楽しめる。
 居るのは後少しなのかな。だったら残念。
 

985 名前:レキ ◆xRtREKI.VQ :04/08/26 01:11

また、とかいって本当にまた来ちゃったりする訳で。


今夜も今晩は。スレが完走間近で立てこんでるとこ、すまないね。
この前は随分と歓迎してくれたみたいで、ありがたいやら照れるやら。ふふ。

へえ、「ハネの」ねえ。――ええとほら、「あたしはエンジェルって呼んで!」って張り切っ
てた子がいたろう? 被っちゃって怒ってない?
しかし、皆いい子達だったね。うちのちびどもとは大違いさ。
ああ、あたしの仕事は灰羽の子供、十人くらいのちびどもの世話係なんだ。
いやもう、あいつらの腕白ぶりと来たら。お宅の子達の爪の垢でも貰いたいよ。
まあこれで忙しいって程でもないけどね。ともかく、ありがとう。

そういえば、あんた達がここを使い始めた頃からそっと拝見させて貰ってたんだ。
談論あり考察ありネタありラジオあり猫っぽあり――? 変なのが混じったな――の地下スレ
の鑑だし。次スレも勝手に期待してたりする。
ま、たわ言と思って聞き流していいから。
あんたの兄さんも、物騒な仕事で忙しそうだもんね。“間違ってあたしみたいなのをハジかな
いように”頑張って、と伝えておいて。


栗本薫は、ね。
「グイン〜」は確かに面白いんだよ、途中まではね。正確にはいえないけど、そうだなあ、
五十巻辺りまでかな? ……それでも結構あることはあるなあ。
随分前から、ぐだぐだになっちゃってるきらいがあるから。人物も、構成も、文章も。
「ぼくら」や「天狼星」の古いシリーズ、つまり昔の作品は面白いからさ。これは本当。

成る程、テーマと芸術が、独立した二本柱できちっと立ってる作品てことか。
最近の作品には疎くて、これというのが思い浮かばないなあ。
「絃の〜」の場合の「芸」は、あちこちで顔を出しつつ最終的な展開に――ってとこ。
これだけじゃ意味わからないと思うけど、詳しく語るとネタバレに触っちゃうから。
取り合えず、これはこのカテゴリーには入らないみたい。早とちり、ごめんごめん。


あ、それと、そんなに恐縮しないで。大したことじゃないし、あたしが勝手にお邪魔しちゃ
ったんだし。
うん、じゃあまた。今度はどこでになるやら。
ふふ……。それじゃ、おやすみ。

986 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/26 11:11


 おはよう。
 システムオールグリーン、思考タイプノーマル……やれやれ、久し振りにマトモな状況だ。
 ああいや、私が今起きた訳じゃないんだけどね。もっと前だよ。六時かそこら。ただ、どうも
最近は眠りが浅かったり深かったりで気力が不十分だったんだ。
 今日は大丈夫。血液型占いでもトップだったしね。
 ふふふ、いや、信じてないけど気分が良くないかい?

 それで、後れたけれどありがとう。レップ君。
 麻耶雄嵩先生のソレはまだだよ。衒学的な作品と云うと、私は最近読み返した一連の笠井
先生作品(Not伝奇)系統が思い付く所だけど、アレもまた人を選ぶようだからさ。ふむ、けれ
どレキお姉さんにも薦められたばかりではあるが……成る程、必然性を持ったリンクか。「当
然」と云われれば、芸術やその他のモノをリンクさせるのは当然だけど……如何に世界を作
ってるかは気になる所だからね。
 ガリレオもダ=ヴィンチも作品と宗教性を背景としての前提に備える所があるし、芸術との
リンクは想像から外れる所ではないから問題はないよ。……あぁ、新堂先生宜しく芸術=売
り捌くor新興宗教=ノワールなモノとは違うだろうし。

 ともあれ名前は憶えておくよ。
 色々薦めて貰った事だし、順繰りに読んでいかないとね。
 しかしこの間のアリスお姉さんと云いレップ君と云い、案外と見てくれてる人もいるのかな。

>>985

 や、レキお姉さん。はは、いや、こうしてまた尋ねて貰えるとはね。光栄だな。
 済まないね、数時間も空けてしまった。どうせだから朝のコーヒーはどうかな。ホットでもア
イスでも構いやしないが、朝の一杯は活力の源でね。水を一杯飲んだ後に私は飲むよ。コー
ヒー自体もシロップも私の特製だ。
 もう少し早く気付けば良かったんだけど……起きたらお姉さんの名前をココと主張で見掛け
て驚いたなんて有様だよ。レアだね。いや、灰羽スレの事じゃなくて。


 エンジェ――あぁ、碧霞の事かい? 彼女――妹はチャイニーズ・タウンに住んでた事があ
ってね。幸いにして多少しか捻じ曲がらないままにココに来たから、私の様に捻くれた性格は
していないんだ。
 ふふ。ううん、お姉さんにそう云って貰えるのは嬉しいし、自慢の家族だと思っているからこ
そそう感じるのだけど――いやいや、お姉さんの家族に限って、我が家の家族の爪の垢なん
てミリ単位にも必要ないだろうさ。機会があるなら私が会いたいくらいだ。それにほら、腕白云
々を云うなら似たような物だからね。はは。

 しかし驚いたな。ココを使い始めた時と云えば随分昔、あの頃と云えばホントに話題も雑多
で、何を話すにしろ方向性のカケラもない――これは今でもか。ふふ。ま、そんなスレだった
のにね。そうだね、見ていて貰えたのは、嬉しい。ありがとう。
 次のスレか。……そうだね。そう云って貰えるのは――うん、いいな。悪くない。
 正直今は他の参加スレへの時間が取れなくなってしまったから……ううん、出来ない訳じゃ
ないんだけど、精神的に色々と思考を分散してる余裕がなくてね。特に話を作る事は、同時に
幾つも出来ないんだ。いや、情けない話だけど。だからまあ、こうやって好き勝手に雑談できる
場所は唯一限られた私のフィールドかもしれないな。少なくとも、今暫くは。
 兄さんは、あはは、そうだね。アレで割と短気だから、ケンカになると色々と面白くないことに
なっちゃうから。云い含めておくよ。
 

987 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/26 11:41


 さて。
 栗本さんだけど……そうなんだ。いや、グインが全てじゃない事は承知だけど、それこそペリ
ー・ローダンでも有るまいし、一つのシリーズを、まして短編じゃないソレをあそこまで続けてる
のはあらゆる意味で脅威としか云えないんだけどさ。で、勿論彼女は日本のファンタジー好き
なら絶対知ってるレベルの有名人だし、私も興味を持って触れたんだけど――流石に最近は。
ああ、だけど天狼星は触れなかった。これから読んでみるよ。
 ああ、だけど後で付け足した部分はゴメン。纏まらないままに云ってしまって、お姉さんに無
駄な手間を取らせてしまった。ただ、お陰で私は読む本が一つ増えたけれどね。ふふ。
 「二つのテーマは独立し、キャラの段階でリンクする」と云うのが自然なのかな? うん、例え
ばそうだな。本題には大して関わらないけれど、「主人公の趣味」とかね。読者はそれを深くは
意識しないまでも、印象を強く残すからね。京極堂書店の店主さんとまで行くと行き過ぎかな。

 恐縮と云うかな、うん。いや、来てくれて嬉しかったのは本当なんだ。
 後少しとは云え、さっきも伝えた通りに状況が込み合っててね。自分からネタを振るには気力
が萎えてるような状況なんだ。こうして雑談に――いや、雑談と云うには有意義だけど、だけど
意味のある事に使えたんだ。幸いだった。
 じゃ……そうだね。また、ここでもどこでも、どこかで。
 またね、レキお姉さん。


 ……む、微妙にスペースが空いてしまったな。

 よし。
 ここは私の視点から兄さんのCDでも紹介しよう。
 最近では個人的にはコミカルなジャケットで思わず惹かれた「ROCK AGAINST BUSH」を推
したいが、私の意見はGREEN DAYとFOO FIGHTER、YELLOW CARD辺りの新旧有名所くら
いしか紹介する場所が――おっと、これは「Vol.2」の話なんだけどね。この作品はパンクのコ
ンピレーションアルバムで、タイトル通りにブッシュ現大統領に対する怒りを表明すると云った
コンセプトなんだ。いやいや、正にパンク、形骸的なカタチとしてのパンクじゃなく、アーティス
ト達の思いと皮肉と冷笑的なユーモアをブラックに表現した作品じゃないか。何せこのCD、D
VDプラスで日本円にして約1,250円。レーベルオーナーの意地と気合とソウル――私には口
に出すだけでも似合わない兄さん向きのセリフだけど、正にそのソウルとアティテュードを吐き
出した作品だ。値段は聴いて貰う為、賛同したアーティストの気合なのか。
 「Vol.1」はそれこそ兄さん好みのMINISTRYやらSTRUNG OUTなんかも参加してるんだけど。
いやしかし、作品の質が本来の彼等の作品に劣らないのは見事だ。アウトトラック集なんかで
は断じてない、近年稀に見るコンセプト・アルバムの一枚(二枚)だね。
 ちなみにMINISTRYはアルバムが「ブッシュが大統領選挙に当選すると名盤が生まれる」そう
だ。はは! いやなんとも良い、愉快なセリフではあるな。メタリックな質感は一際作品の中で
も抜きん出てる。

 http://music.yahoo.co.jp/rock/music_news/cdjournal/20040816/cdjent002.html
 http://music.yahoo.co.jp/rock/music_news/mtv/20040818/mtvent001.html
 あとはそうだな、こんな記事をYAHOOで見掛けると面白い。
 メジャーではない、のだろうからね、きっと。


 ふむ。やはり私で云うならクラシックにしておくべきだったか。折角レクイエムを買い直したん
だからこっちにすれば良かった――と今更云っても詮無い。これがメタルなら、そろそろ発表に
なる「ANGRA」や「Children Of Bodom」辺りなら私の感覚で――いや、後者は兎も角レビュー
できるんだけどな。メロディかテーマのどちらかがないとどうも。ふふ、イメージが兄さんとは違
うね、私は。
 

988 名前:Kresnik ◆WEISS0lzjQ :04/08/27 17:52


 ttp://www.turisas.com/Pics_promo/promo_2001_02.jpg

 TURISAS

 ttp://www.turisas.com/Pics_promo/promo_2001_03.jpg

 TURISAS!

 ttp://www.turisas.com/Pics_promo/promo_2001_04.jpg

 TURISASッ!



 ttp://www.turisas.com/turisasbandwarlord.html
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 ttp://www.turisas.com/Pics_promo/promo_2004_mathias_02.jpg
 ttp://www.turisas.com/Pics_promo/promo_2004_mathias_03.jpg
 Vo。ウォーロード・ナイトガルド!
 ttp://www.turisas.com/turisasjussi.jpg
 g&b。ユッシ・ヴィクトロスム!
 http://www.turisas.com/turisastude.jpg
 ttp://www.turisas.com/Pics_promo/promo_2004_tude_02.jpg
 Dr。テュード・レートネン!
 ttp://www.turisas.com/turisasantti.jpg
 Synthe&p&vibraphone&or。アンティ・ヴェントーラ!
 ttp://www.turisas.com/Pics_promo/promo/thumb_promo_2004_georg_02.jpg
 ttp://www.turisas.com/turisasgeorg.jpg
 g。ゲオルグ・ラークソー!

 これが何か。何かと言えば殺人事件の場面では勿論ない。手には槍に剣、ナイフに斧……その身を
包むは軽装の蛮族衣装。
 カヌーを漕ぎ上陸し、目標目掛けてライドする――ヴァイキング!
 故にこれこそは、ヴァイキング・メタルを愛する為に自身がまずはヴァイキングと化したバンドの面子
馴れの果て最終形態……TURISAS!
 本来は単なる定義であっただけの「ヴァイキング」なメタルを追及す(し過ぎた)完成形! 武器は楽
器に、楽器は武器に、大海原を越えてヴァイキングは往く!



 ……ああ。
 ああ、音楽性は。

 音楽性は、ヴァイキング。
 http://www.turisas.com/Pics_promo/promo_2004_tude_02.jpg
 ↑この辺りの場面を想像しながら
 ttp://homepage3.nifty.com/soundholic/MP3/Turisas_tr.8.mp3
 ↑この辺りを聴くと幸せになれる。

 ええと。
 説明にならない。なってないな、ええと。

 ともあれ壮絶なクワイアと求めてるのが技術云々よりも「魂」だとでも云いたげなメロディライン。勇
壮無比で強大な、云ってしまうとヴァイキング映画のサントラにでも(無理だけど)使えば何だか拳で
も突き上げたくなるような絢爛豪華な楽器の使用法!
 トラッドに直接訴え掛けてくるこのサウンドは脅威!

 まぁ。
 B級云々を云えばまあどうかだけど、充分以上に聴けるクオリティなのが驚き。序に内容に驚愕。
 一緒に出たWINTERSUNもヴァイキングなトラッド部分があったけど、「ヴァイキング」に絞ればこっ
ちと並ぶべくはない。
 ない、のは当然だけど、どっちがいいかはまた別で。俺はこっち。ヴァイキング!

 ttp://www.turisas.com/Pics_promo/promo_2004_antti_02.jpg
 ttp://www.turisas.com/Pics_promo/promo_2004_georg_03.jpg
 ttp://www.turisas.com/Pics_promo/promo_2004_jussi_02.jpg
 ttp://www.turisas.com/Pics_promo/promo_2004_mathias_04.jpg
 ttp://www.turisas.com/Pics_promo/promo_2004_tude_03.jpg
 ↑和みヴァイキング。
 ttp://www.turisas.com/Pics_promo/promo_2004_05.jpg
 ↑大海原を越えるヴァイキング。
 ttp://www.turisas.com/Pics_promo/promo_2004_06.jpg
 ↑疲れて海に帰るヴァイキング。
 ttp://www.turisas.com/Pics_promo/promo_2004_07.jpg
 ↑それじゃあ、また。
 

989 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/31 23:57


 甘い物は毒。昨日のワイドショー特番の内容を思い出す。
 例えば我が家の長男は重度の甘党で、例えば折角作った水出しコーヒーをメイプルシロ
ップと生クリームで台無しにしてしまうほど。缶コーヒーと云えば微糖衣錠の加糖で、冷蔵
庫を開ければ甘ったるい炭酸飲料が必ず入っているくらいだ。

「兄さん、甘いモノは毒だ、って知ってるかい?」
「あー、甘い毒? どこかで聞いたな、そんなミステリ」
「別に私はルーパート・ペニーの小説を話している訳じゃなくてね。そもそもあの話はキライ
なんだ。読者への挑戦としては悪くないが、それに感けて本題のミステリ部分を稚拙極まり
ない物にしてしまっている。駄作だね。序に「甘い死」なんて卑猥な用語は聞きたくも――違
う。私が云いたいのは、君が今している行為への忠告さ」
「忠告ぅ?」

 眉を潜めて兄が振り向く。机の上にはチョコレートの包み紙が数枚にコーラの空き缶が二
つ、缶コーヒーの空き缶が四つ。何れも私は口にしてはいないし、そもそも私はモノを口にし
ない。とは云えしかし、胸の悪くなりそうな光景だという事実に違いはない。異常な甘党であ
る彼にしてみればそれは状態なのだろうが、それは"異常"を基準にした状態であって、世界
人類の常態にはなりえない。なってたまるか。

「む。……あー、あーあーあー、そうだ。あれだ。ええとあのな、チョコレートが昔、薬だったっ
て知って」
「揚げ足取りだね。確かに古来メキシコでは薬として使われていたし、今でも疲労回復に効
果があるのは事実だ。だが限度は存在するだろう。ましてコーラなんて百害あって一理無し
だ。コラコーラ社はタバコ製造会社と同列で並べてもいい世界の敵だね。公然とマリファナを
作る事を許された組織だ。ショッカーよりバダンよりナチスよりタチが悪い。会社の社長は自
分がヒトラーと同じことに気付いてないのさ」
「ぐっ……あ、あのなぁ」

 座るは窓際、脇には日の光を遮るカーテン。緩い光の下で読む本――この舞台設定は嫌
いじゃない。嫌いじゃない、が。
 甘い匂いの染み付いたゴミが散乱したこの地獄、出来るなら礼拝に来る女性陣にでも見せ
てやりたいものだ。見掛けよりも腕力は強く、見掛けよりも遥かに短気。日本は兎も角、他所
から派遣されてきたシスターは年齢を間違える事もしばしば。町内空手大会の優勝者(ただ
し全試合ボクシング式ストレートを急所に打ち込むだけ)で、同柔道大会優勝(全試合担ぎ上
げて叩き付けるだけ)、子供に優しく余所者にも優しく、ただし近所迷惑な暴走族には悪魔の
ような天敵と化す、カソックに身を包んで静かに祈る若司祭――彼女達の誰一人、この姿を
想像していないに違いない。
 Tシャツとジーンズのラフな姿。甘い物を好む割には体型も崩れていないのは一目瞭然。こ
の彼の内的世界に於いて、カロリーと肥満はイコールで繋がらないらしい。なんともはや、ダ
イエットに悩む女性が聞けば包丁を握り締めたくなる事実ではあるだろう――それに。
 仮にそうでなくても、我が家庭の冷蔵庫はお茶一本を除けば後は炭酸飲料を選ぶしか選択
肢がないのだ。ああ、だがなのにしかし、文句一つ云わない調理場のゴッド、メアリ姉さん。
貴女は妹弟をカロリー漬けにする気なのか。私は我が家の三女として、それだけは断固阻止
しなければならない。これは戦いだ。負けられないミクロの聖戦なのだ。
 

990 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/08/31 23:57


「ふん。コカコーラだけじゃないな。他の会社、甘いモノを作る会社全てがそうだと云ってもいい」
「……人間の危険本能って知ってるか?」
「危険? この流れで云うなら酸味と辛味がイコールして腐敗物、毒物を示す……味覚かな。
それは人間の本能所か、むしろ動物的本能と云うべきだよ。甘味は糖質を表すからまずはエ
ネルギー、辛さは塩分、血液体液の維持を表すから――味覚の本来意義は、体内で使用す
る栄養素を選り分ける為だ」
「それだよ。人間を動かす為の最低限の、」
度を越えなければ(、、、、、、、、)。私が話してる前提を音速で忘れて貰っちゃ困る。幼児が辛味や酸味を忌
避するのは「危険だ」と判断するからだが、だからと云って甘い物ばかり与えれば味覚は鈍る
し、体液は濁るし、第一肥満の危険がある。君のその、カロリーを幾ら摂取しようが一発で消費
できる体質は全世界女性の敵だと思うが、それはまた別だ。ワサビだって子供は嫌うが、アレ
は害でもなければ特上の嗜好品だよ。問題は、甘味類が「劇物」と認識できない事実さ。青酸
カリのように味がしないワケじゃない。味はする。それが好ましいからこそ、人間はそれを否定
しない。マリファナやタバコと変らない――これは否定要素のない、緩慢な自殺だよ」
「……お前、なんか無茶苦茶云うよな。ウチだって甘いのが好きなのは――ええと」

 兄はこちらと手にした缶コーヒーを一度見比べ、やがて机の上に置いた。
 たぷりと残留したコーヒーの音がする。

「「ええと」? 疑問符を付ける必要もない。君だけだ、兄さん。知人を見回しても――例えばアリ
スはお茶があればいいって人だし、エリーに関しては機械さえあれば生きていけるからね。『甘
い物がなければ生きていけない』なんて人間、世界中捜したってそうはいない。居るから異常な
のさ。それは常態じゃない。外れてる」
「ッ、てめ、人を異常者みたいに――いいか? 俺のは普通に売ってるんだっつーの、チョコだ
ってジュースだって。劇物売ってヘイキな顔してられる会社なんて、この日本にあると思うか?」
「あるね。タバコ、酒――甘味類。その全部だ。タバコは云うまでもなく害だし、泥酔は死に繋が
る。甘味類は……云わなきゃ解らないかな。血管にもよくないし皮膚にもよくはない。ああ尤も、
タバコも酒もチョコも、その全てが『ストレスを駆逐する』と云う利益を備えている以上、現代社
会に無くてはならないファクターではあるさ。なくてはならない(、、、、、、、、)からこそ、その存在は肯定される。
どれにも共通して習慣性があるし、人はそれを意識しながらも拒否できない。ほら、これのどこ
が麻薬と違う?」
「どこがって」

 缶を持ち上げる。
 兄は甘いコーヒーを飲み干し――喉を鳴らして、「そうだな」と顎に手を当てると「そりゃあ」と、

「合法と非合法」
「解ってるじゃないか」

 次の日、冷蔵庫からコーラのペットボトルが一本だけ減った。空いたスペースに無糖紅茶のボ
トルを突っ込むと、アンジェラは「巧くやったね」と笑っていた――勘違いしてはいけないのは、私
は本当に兄を心配している事くらいだ。千里の道も一歩から。
 妹も心配だし、姉も心配で、弟も心配――兄は尚更に。
 悲しいくらいに脆いこの世界、なのに欠けてはならない要素は多過ぎる。
 家族の笑顔を見る度に思う。一つとして欠けて貰っては困る。いつか欠ける日が来るのを想像
し、家族を見る度に下らない妄想を踏み躙る。
 中毒症状の日々は、また巡る。
 

991 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/09/01 00:12


 ふむ。大体45分前後か。
 とりあえず青君、書いた。依頼は果たした。書いた、が――テーマが散逸気味だな。
なにせ後付けだ。まあいいさ。あと問題はなんだろう、色々だけど。最後が強引な所と
か描写が適当な所とかエトセトラ地獄だ。短編は難しいね。

 で、今更だけど>>988は誤爆だよ。
 ふむ。
 報告は以上かな。



 ……スペースが勿体無いか。

 今は少々忙しくてね。ここに書く事は少ない……いやいや、ちょっとした事を書くだけ
なら兎も角、残り少ないと何を書こうか迷ってしまってさ。
 暫くは顔を出せない……し、まだ出すとは思うけど、これからどうなるかはちょっと。
 さて、特に書く事がないから今回はこれで閉じるよ。
 

992 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/09/07 03:09


 ああ全く、時間がないったらないな。打ち込むだけの日々というのも気が滅入るし、
兄さんの音楽を借りれて幸いだった。日がら日じゅうパイプオルガンも飽きるからさ。
そろそろモーツァルトが似合う季節だけど、暫くはハイドンだね。私は。

 この間、少し遠出をした時に栗本(薫)さん関連の本を揃えてきた。まあ、流石に流
石、探すのにはミリグラム単位にも苦労はしないんだけど……どれが良いか、となる
とね。レキお姉さんの推薦分と、後は『十二ヶ月』。バラエティ劇場と題された通り、栗
本さん一人が数多ジャンルの短編を書き分けて一冊にした物だ。いやはや、流石に
流石。ベテランだけあって書く範囲が広いのがここまで解るとはね。
 ただまあ、これがレキお姉さんに薦めて貰った『全盛期』かは解らないんだ。ふふ、
何せまだ読んでない。ま、評判は悪くないから楽しみだけどね。
 後は……ええと。無くしてた「ファイト・クラブ」を再購入。オレンジの隣に並んでて少
しおかしかった。エッジの効いた作品だからね、両方。方向性は全く違うけど、やっぱ
り好きな作品だな。

 ただ……時折、凄く遠く感じる事があるね。
 オレンジの精神もそうだし、S・ハンターの眩暈がするような臨場感も、アシモフやク
ラークの思想も。何もない紙にエンピツを持って向かうか、まっさらなワープロの画面
に向かうか。それだけで。伏線を何処から考えてるのか、人物をどう捉えてるのか、文
章が何を皮肉って、何を云いたいのか。受け手として理解できた後は、どうやったらあ
あなるのだろう、ってね。どうしたらあんな考えに至るんだろう、ってよく思う。
 千差万別のジャンル、誰も彼もをそう捉えていたら、どれも結局は手付かずで終わ
ってしまうから――結局は自分の視点で考えて、捉えて、吸収するしかないけどさ。
 憧れとでも云うべきだね。単純に、さ。はは。
 あ、北村薫さん……揃えてくるの忘れたな。明日――じゃない、今日にでも。



 ……ええっと、後は――後は、そうだな。
 今流れてる音楽の事でも。

 オンリーである事。唯一である事。
 それはどんな世界に於いても孤高であり、絶対であり、かつ難しい事だ。
 個のそれぞれの独立は道理であっても、何からの影響も受けず――仮に受けたと
しても、それを独自の物として昇華させるのは実際には並大抵じゃない。AとBの影響
を受けたCが、「C」ではなくて「A+B」であることはザラなんだ。
 だから、最初から自身をオンリーにしてしまう人間は凄い。
 例えばこれは、そんなCDなんだろうと思う。
 『好きな人間じゃなきゃ買わない』『理解できない』オーケイ、それはいいし、俺達も望
んでない――そんな、突き放すような独自性が飛んでくる。
 カオティックで、気味悪く、その上歪んでいる。
 目が回るように混沌としていて、飲み込まれるように整然としている。まるで複雑な迷
路をエスカレーターで導かれているような気分だ。トリッピーで、サイケで、デジタルで、
ヘヴィで、プログレス。狂っている。壊れている。捩れている。攀じれている。
 少しだけしかないけれど、過去に似ていると思った曲を考えてみて、その後すぐに諦
めた。何かに少し似ていたと思ったら、次の瞬間には曲調は変わってる。
 乾いているのに、深い。数多の楽器をリードする淡白で重いドラムと、複雑なサンプリ
ングのエンジニア。フォーキーでアコースティックな楽器。それらを絡めた暗く深く落ち
込むメロディライン。スラッシーでもなければ攻撃的でもないのに、この上なくダーク。
折角聴き易いメロディを作ったと思ったら、平気で不協和音を混ぜて叩き壊す。素人が
鳴らすような笛の音色をわざわざ挿入する。予測できない。技術云々の問題じゃなく、
これは製作段階以前、人間のレベルでどうにかしている。

 ……まあ、こんなゴミみたいな私の戯言はどうでもいい。
 聴き方なんて所詮それぞれだ。ただ、この音楽性は文学のそれに――うん、誰かに
似ている気がしてね。「オンリーである事」なんて最初に云っちゃった以上、それこそ引
き合いに出すなら古典を上げるべきなのかと思うけど――ああと。

 夏目漱石――いや。太宰……いや。大江健三郎、村上春樹、吉本ばなな――ああ、
どれも違う。これは――ええと、何処かで、あっと。
 ああ……そうだ。
 そう、まるでドグラ・マグラ。夢野久作の精神世界を探った時に……あの感触に似てい
る。久しく聴いていなかったこれを聴いて思い出したよ。
 

993 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/09/10 00:26


 ……ったく、歌詞の製作なんて引き受けるんじゃなかったな……気分転換になるとは思った
けど、実際なったけど、人に渡すモノをイイ加減にする訳にもいかないし……十五曲は多過ぎ
やしないか。イントロで6曲くらい潰してくれないか。せめて4曲。
 まあ、経験にはなったかな。
 韻の踏み方や音との噛ませ方、英語で歌ってる場合は音符一つにどれだけのフレーズを合
わせてやればいいのか。
 改めて専門家の偉大さを知ったね。歌の事を考えなきゃ。



 時間云々をよく云ってるけど、これが大きい。
 書かなきゃいけない、だけどまだ纏まりが、時間に焦る。焦っちゃいけないのは解ってるのに
ね。まだ未熟、修行が全然足りてないよ。昔書いたモノを引っ張ってきて読んでみたら、「昔は
昔の良さが……」なんて考えちゃうのもNGだ。切り捨てたモノを見てどうすると思ったよ、本当
に。しかも頭では理解できてるのに感情面で昔の部分が欲しいと思ってしまうのがさ。
 結局、全部のフレーズを詰め込む事も全部の方向性を求める事も意味がないのにさ。影響
されるモノは自分で消化して見出さなきゃ意味がないんだって解ってはいるから。
 ネガティヴな愚痴だな、やれやれ。この上のレスで「今流れてる曲」って云ったきりアーティス
トの名前も出してないのは、何も「面倒」だとか云う理由じゃなくて、ひょっとしたらアーティスト
名を出した時に他の人見て、それに対して違う感じ方をしていたら――なんて、どうにも下らな
い自己弁護な理由があるのかもしれない。だったら情けないし厭だな。私は、私が。

 あー……あ、本当、どうして未熟さばかり航海するんだろう。
 脆いな、今の私。
 もっと強くならないと。

 ……ま、そんなこんなでも音楽には助けられるんだ。
 聴いてると色々な事を考えるし、ワケもなく文章との共通点を考えたりさ。ふふ、それに……
そうだな、自分の聴いた事がないジャンルって色々新鮮だね。
 関係ないけどCDスレッドで兄さんが云ってるKsEの新譜は凄くエモーショナルでね。全然、
それこそレイジみたいに政治色が強い訳でもないし、マンソンみたいにネガティヴに篭ってる
ワケでもないし――それこそ日常と日々を歌ってるだけなのに、凄くエモーショナルで訴え掛
けてくるフレーズが多い。この手のバンドはハードコア色が強いと、それこそ辺り構わずに怒
号を叩き付けるフレーズが多いのに……いやはや、驚いた。思わず口ずさんで、気付いたら
歌ってたくらいだ。云うなれば……「親に愛されなかった」よりも「明日へ踏み出せ」か。ふふ。
 しかし某所でも云ったけど、CDスレッドは兄さんが占有してしまってる状況に等しいな。もう
少し開けた場にならないかと思ったけど、どうも時間がなくて止むを得ない。「時間がない」を
免罪符にはしたくないけど。
 あ、ちなみに一つ上のレスの「>オーケイ、それはいいし、俺達も望んでない――そんな、突
き放すような独自性が飛んでくる。」の「俺」はアーティスト視点で思ったらこうなんだろうな、
ってコトだね。解ってるって? あはは、ゴメンゴメン。

 時間の関係で一つ謝っておかないといけない事が……いや、時間云々以前に謝っておくべ
き事と云わなきゃな。
 バー・イリュージョンスレッドの榊美佳お姉さん。
 中途半端で投げ出しちゃって、ゴメン。最近は忙しいのか、スレッドを覗いたら居ないみたい
で……参ったな、と思ってたけど、口に出さないよりは出した方がラクか。
 勿論、こんな辺境同然のスレッドを覗いてるとは思えないんだけどね。
 いっそスレッドに直接顔を出すべきかな。
 

994 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/09/13 00:29


 さて、今晩は……、っと。
 かなめお姉さんはそう云うけど、別に残量は――お客さんを待つ余裕くらいはあった
んだけどね。ふふ、気を使ってくれたのかな。


 しかし、流石にアリスお姉さんの博物館にも"聖槍"は無いか。
 ロンギヌス・サーティーン……ヨタ話の一種ではあるんだろうけど、「ヒトラーがオカル
トに傾倒していた」説があまりにも有名な上に彼自身の知名度も手伝って、この手のガ
ジェットは結構多いんだよね。うん、実は私も少し買ってたりする。
 しかし"小説"か。……あはは、同感かな。
 私の買った本もそんなカンジだった。
 まるで"全てを支配する力を与える"タリズマンのように描かれる聖槍! ふふ、なん
だかなぁ、とは思いつつも読んでたりね。
 「日本人が聖槍のコピーを作った!」やら、「ヒムラーとハイドリッヒを中心とした聖槍
騎士団。選ばれた十三人」やらさ。ミステリでもナチスとヴァチカンは暗黒の黒幕序列
で(あるなら)表すなら、ぶっちぎりで一位と二位を争うだろうな。
 「ミッション・ワルキューレ! 聖槍を回収せよ!」……やれやれ、ホントに小説だ。し
かも伝奇だよ。U-530が聖槍を運んでたって? それじゃ世界に「ロンギヌスの槍」と云
われるシロモノがまた増える訳だ。
 マクシミリアン・ハルトマン聖槍騎士団隊長、勿論仮名。――ネオ・ナチの掲げるシン
ボル、東と西の最終戦争のカギとなるラスト・バタリオン。審判の日にこそ、封印された
聖槍は動き出し……
 成る程、こりゃ凄いと。凄い想像力だ。或いはそんな資料が。
 凄いけど……本当に調査するならどれだけの資料が必要だったんだろうね(、、、、、、、、、、、、、、、、、、)
 九割以上の想像と恣意、一割未満の推測が混じった結論なら、正に「小説」だ。
 「聖槍騎士団」の名簿まで載ってた時は唖然としたよ。ま、ただ……あまりこれに関し
ては調べてないから、米国が行った「騎士団の処刑」が本当にあるなら失礼。
 ああ、それに……どうやら少々ばかりお姉さんの世界の"ドイツ感"はこちらのソレと
は違うみたいだな。ヒトラーは「こっち」じゃ大層な有名人でね。そうだな……合衆国大
統領の名前と総理大臣を知らなくても、チョビ髭の独裁者を知ってる子供はいるかもし
れないな。……なんてね。

 ちなみにゲーム「ペルソナ2」にそのまま、この説を採用した「ロンギヌス・サーティー
ン」が登場してたな。思わず苦笑したよ。ゲームシステムは「噂を真実にする」で、そこ
に持ってきての「ナチス」、「ロンギヌスの槍」、そして「ラスト・バタリオン」だ。皮肉交じり
でやったなら相当だね。ま、皮肉じゃないとは思うんだけどさ。


 兄さんへ宜しく、ってのには……ああ。諒解だよ。お姉さん。伝えておこう。
 彼と何処かで面識でもあったのかな。
 ま、会ったのなら、こちらこそ宜しく。はは……アレで彼はあまり大人しくない性格を
しているからさ。
 やれやれ。何処で何をしているのやら、妹としては心配しておかないとね。
 

995 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/09/14 00:39


 ザイム君、完走おめでとう。
 長かったね。
 私のこっちもそろそろ終りだな。ふふ。

 さて、と。
 毎回ココ、毎度毎度と長くなるけど、今回も長くなると思う。前以って宣言。私は此処を
書く時に改行関係以外の一切の推敲をしていません。
 以上、前置き的言い訳を一つ完了。よし、それじゃ始めよう。

・昨日の。
 で、ヒトラーやヒムラーに関するその手のウワサは上げれば枚挙がない。あはは、レ
スの押収に加わろうと思ったけど、そのタイミングじゃ加われないし…・・なにせしている
内にこちらが埋まってしまうからね。スレ間会話か。懐かしいな。
 あっと……ただ、そうだな。そのイエズス会関連。件の「聖槍騎士団」がチュートン騎士
団式の儀式を行っていたとかなんとかは「はぁ、そうなんだ」くらいに捉えてたかな。
 兄さん怒るかも。ふふ。


 今回は……え、っと。そうだな。
 私、もしくは兄さんがよく参加したスレ。一刻館に来て、よく足を運んだスレッド。

http://www.appletea.to/~charaneta/test/read.cgi?bbs=ikkoku&key=1041005687

 CDスレ。私よりも主に兄さん。話題は……主にメタルとかメタルとかメタルとかハード
コアとかニュースクールとかエモパンクとか。偏り過ぎだね、認める。ただまあ、「買った
CDを語る」と云う理念に反してはいないし正直な感想を述べてはいるよ。あ、ただ専門
用語が多いって意見は聞いたかも。切り詰めてはいるみたいなんだけどね。
 スレ内部を振り返ると……感想は毎回、大概が発売日のレビューと、過去の作品へ
の感想。一番最近のEnigmaへの感想は眠かった所為かグダグダだね。なんだあれ。
ライブレポくらいはやりたいけど、大概が写真撮影禁止なのが、なぁ。こればかりは仕
方ないかな。気のいいアーティストは外で会うと写真撮ったり話したり出来るけど。
 ちなみに補足。
 スレ内で「ゲイっぽい」と兄さんに評されたミカエル・スタンネ君は、実はかなり格好い
いと思う。少なくとも私は素敵だと感じたね。スマートな体型とルックス、それを活かした
パフォーマンスとなると自然にああはならないか。私もヴォーカルならもう少しセックス
アピールをする所……でも、せめて兄さんくらいの背がないとあれは出来ないか。ん?
どんなアピールかって? ええと、そうだな。例えば壇上最前で思い切り膝を曲げて、
会場と観客に触れる寸前の位置で屈んで(地面スレスレまで)歌ったり、(やや内股気
味だけど)全身を使ったパフォーマンスとかね。昔のアメリカならプレスリーのダンスで
さえ問題になっただろうけど、今じゃスタイル的なパフォーマンスは何の問題もないだろ
う。寧ろ指摘されるのは政治へのスタイルか。は、だがまあしかし、今のあそこは私より
一つ二つ下の子が二十ドル握り締めて「マリリン・マンソンちょーだい!」ってな国さ。皮
肉だね。或る意味必然と云えなくもな――話がズレたな。
 つまり私は、彼のスタイル自体は嫌いじゃない。それだけだね。

http://www.appletea.to/~charaneta/test/read.cgi?bbs=ikkoku&key=1076488266

 ヤス君が居たから出掛けたスレ。お陰でかなり楽しかった。
 が。
 指摘されたね。神麻嗣子シリーズ。触発された。今までチェックしてなかったのは惜し
かった……から、明日にでも買いに行こう。実はもう一冊予約してある。楽しみだな。内
容的には予想通りになるのかな。ふふ。
 "ケルベロス"に関しては……うーん、予算不足だな。ただでさえライブで嵩んだから、
少し切り詰めないと。
 ベルゼブブは本気で読み難いしドグラ・マグラは云った通りで、京極堂映画化は、
 夢。
 夢さ。夢に決まって……は、あはは。あはははははは。
 ……ふ。
 まあいい。いいさ、ええと次。
 上遠野先生の講談社シリーズ。
 あっと、これ。
 読んでないのはホントだし、読もうと思ってもなかったけど……いや、改めた。
 取り合えず最初の一巻は。ミステリ+ファンタジー、寧ろファンタジーベースのミステリ
と云うべきなのか。舞台組をファンタジー視点で作ろうとするのは面白い。魔法なトリック
は次からだし。妹から借り(てる)たけど、私も一冊買おう。
 あと、ラノベ。
 別口になるけど、かなめお姉さん他数人のオススメな浅井ラボ先生作品は買おうと思
ってる。ただこれ、「セカイ系」になるのかな? 違いそうだな。まだ前評判だけだから、
明確にはどんなタイプなのやら。戦争の矛盾(或いは真理と云うべきか)をメタ視点で皮
肉った……? うーん、なら個人レベルでの世界俯瞰じゃあるまいし、セカイ系では在り
得なさそうだね。誰から聞いたんだ、世界計なんて評判。忘れちゃったよ。やれやれ。
 

996 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/09/16 01:13


 どうやらあそこには聖槍もあったらしい。
 凄い博物館だ。
 そうだ、今度見学に行こうかな。



 で。
 ……っ、と。
 あつ……つ、やれやれ、身体の節々が痛いな。兄さんが激しくするから――……なん
て理由とは勿論違って、ライブが後を引いてるな、これは。彼なら兎も角、私の体格じゃ
体当たりなんて連続されたらピンボール宜しく弾け回る事になってしまう。真っ暗だから
それなりに危ないし。
 まして視線を前面に集中させてる時の不意打ちだ。あれじゃ余計に危険だよ。
 サーフもダイブもライブの華ではあるし、チケットを買った以上はどう楽しもうと自由だ
けど、状況は考えるべきだと思うな。場所の占拠も然り、モラルは大切だ。
 うん。ジャック君やキャット君(兄さん知人)を連れて行ったら洒落にならないな。

・板
 短いスパンでレキお姉さんのレスが付いてた。
 毎回思うんだけど、お姉さんのレスって所謂「原作設定」なのかな。
 野球とか、パン屋の話とか、天使のわっか、それから風習。「ちょっと不思議な世界」
ってイメージはあるんだけど、原作設定をギリギリまで活かしてるのか、それとも原作を
下敷きにして、あれだけ世界を広げてるのかな。
 どちらにしろ凄いと思う。

・され竜
 どうやらこっちじゃ語っていなかったらしい。思い込みとは怖いね。
 ともあれ一巻。ページを捲ってのいきなりの文章、その一行目、凄まじいクセの強さに
驚いた。例えば戦闘描写の一行、端的に済ませる加減はない、その細部までの書き込
みに、状況を文章で全部済ませるような、想像の予知を飲み込むような文体。確かにこ
れは狙ってやってるのかどうか解らないけど、「賛否両論」と云われるのも解る気がする。
こなれてないだけかもしれないけどね。反面、だからこその医療関係の雑学知識が前面
に踊ってるから。文体からああだと、説明口調が気にならなかったよ。その辺り、やっぱ
り狙ってやってるのかも。
 評判だと二分されてるみたいで、「エンタ性に欠ける」って意見もあるのか。設定の複雑
さ、話の契機を掴み損ねる、なんて話を聞いたよ。
 セカイ系とは全然違うみたいだ。上のレスの誤字は目に痛いね。ふ。
 内容に関してはまだ。時間が取れたらしっかり読んでみようかな。

 取り合えず今は神麻嗣子シリーズをしっかり読もうかな。どうも、サラッと読めそうな雰
囲気だしね。今の積みは綾辻先生の暗黒館かな。

 再読
・グレッグ・イーガン/しあわせの理由
 いいなあ、やっぱり。

 榊お姉さんへの報告は終了。レキお姉さんと話してた事もあるし、次スレは……建てる、
かなぁ。多くの時間は取れそうにないし、半端になるかもしれない。やれやれ、問題はあ
るか。居心地は良かったけれどね。
 建てた場合、また地下に下げて貰ったり出来るのかな。
 ……ふふ。なんか贅沢云ってるな、私。それじゃ、お休み。
 

997 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/09/16 05:12


 厭だな。中途半端な時間に目が醒めてしまった。
 寂しい夢を見ていた気がする。緑の実を付けるキリンの夢だ。

 ふ……ん、珈琲でも飲もうかな。


 ……と、以前ならこれだけで済ませたんだけどね。
 空白を潰そう。
 そうだな、文章。の、愚痴。……はは、最低だね、いきなり愚痴って。しかも残り二レスだ。
ただ、地下スレは地下スレ。気張って終わらせるのもどうか、って思うからさ。
 理由にはならない? ふふ、ごめん。

 書いていて心配になる……実際、杞憂なのに、それでも尽きない心配がある。
 「どこまで受け取って貰えるか」例えば、一人称の小説。主人公が何気なく空を見上げて、
そこには三日月が掛かっていたとする。月への感想、それが何の比喩なのか、どんな意味
を以ってそうしたのか。何気なくそうした、なら何気なく、でいい。それは問題ない。
 ただ、これが……そうだな。

 人物Aが人物Bに不意に視線を投げた/視線は冷たい/雑踏、擦れ違いざま/嫌悪感、
数分後、振り返ると同時に自分を照準する銃口が、

 これくらい「解り易い」状況のお膳立てがあるなら兎も角、それまで用意した伏線を際立た
せる為のアプローチや、最初から読んでない人には解らないような、些細な行動。ついつい、
行動の意味を地の文や会話で「殺意の篭った〜」や「〜のような視線」等と表現したくなって
しまう。自分でも不要だと思っているし、要らない、と指摘されるのに。
 差し出された掌に何の意味があるのか、向けられた視線は何の理由があったのか、彼が
手紙を捨てた理由に、彼女がハサミをケースに入れる理由。色々だ。伏線の処理が巧くなれ
ばいいのか、どうすれば意図を汲み取って貰えるか、って視点を自分の中に作るか。
 私が一々説明するのは、「こんな意図があるんだ」って解って貰いたいからなんだろう。と
はいえもう少し、自分に自信が持てればこんな感覚も消えるのかな。
 やっぱり……今暫くは、まだ悩んでるしかないか。

 次は998レス目。
 

998 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/09/17 04:54


 ボウリング・フォー・コロンバインは初めて見た。
 「コロンバイン事件/=トレンチコート・マフィア事件」は個人的に良く調べただけに、
最初の皮肉には笑ったけど(朝の光景、普段の日常=「アメリカ合衆国は、今日も何
処かの国を爆撃していた」)、少し興味を前面に出して見たな。
 ジョックスへの反発、抑圧された感情が何処へ行ったのか。ああして社会独特の歪
んだ構成をこうした形で見るのは、何だか復習でもしてるような気分だった。
 どうしてセミの筈のSMGをフルで撃っていたのか、その入手経路は、なんて部分も
取り上げられてたくらいだからさ。それでも、銃云々よりも興味深かったのはマンソン
の出演だ。CM見てた時から「ひょっとして出演してるのかな」とは感じてたけど、しっ
かりとインタビューまでしてるとはね。


 マリリン・マンソン。
 兄さんが好きな――ああ、っと。今のは教会へはオフレコで。ふふ、さて。

 このアーティストは、兄さん風に云うなら「近代版サバス&KISS」だ。私は彼ほどヘ
ヴィ・メタルに明るい訳じゃないが、形骸化したジャンルの元来意義に遡るなら、そこ
に見えてくるのは「アンチ」な思想、背徳的で反モラル、反キリスト教的な黒魔術思想
とでも云うべき(これはサバスを源流に見れば強くなるかな)モノだと思う。
 マリリン・マンソン。黒い堕天使。
 彼はキリスト教徒として生まれ、そしてキリスト教を唾棄した。
 虐待(それこそ色々な)を受けた過去が影響している、音楽が逃げ場だった――そ
の辺りは定説になってるけど、ここで「音楽にはそれは無関係だ」と言い切ってしまう
事は簡単だ。けれど、アーティスト側にしてみれば、それこそが自分をそこに導いた
根源なのは間違いない。「オレは一番強い雑草になった」――マリリン・マンソンのメ
ッセージ性は類を見ない。ロックがロックとして、希望と青春を歌う半面で反体制、反
宗教を謳ってきたそれの最北、或いは在るべくして生まれた堕天使(メフィスト・フェレス)
 嘗てKISSが奇抜なメイクで自分達を表現したアレは、「娯楽として」最高のロックの、
その一形態だったんじゃないかな。そこに比較するマンソンは、余りにも頽廃として、
冷たくて、そして反宗教的で反人間的だ。
 偽善を非難し、蔓延するセックスやポルノの現状を皮肉り、差別も暴力も非難し、そ
して何より神を非難する。それが彼の命題だった。
 あの事件に関しての彼の立場は、「犯人の生徒がマリリン・マンソンを聴いていた」
なんて、本当に単純な理由だった。それじゃ犯行前に聞いていたのがビートルズだっ
たら? クイーンだったら? はたまたレディオヘッドだったら? あまりにもその体勢
が非難されるのは、性質だ。性質を否定されているからじゃないか。右翼に宗教関係
者、果ては市民グループにまで批判される音楽を作るのは、それが「マンソンだから」
に他ならないんだから。今の時代の「ロック」に於いて、彼と同列だったのはレイジくら
いだろうと思う。その姿勢は、彼が彼である証だったんじゃないか。
 ともあれ、検閲より表現の自由を重視するアーティストは居る。ただ、それは暴力賛
美じゃなく、社会への抑圧に振り上げた拳である事は間違いない。……当然、思想が
カケラもないアーティストも居るけどね。表現の無限定な自由が表現の自由を侵す可
能性を孕んだジレンマ。今のロックは、否応なくそれを抱え込んでる気がする。


 ……見直すと長いなァ。少し短くしようとしたのに。
 さて、ええと。
 こうして書いたけど、>>995でマンソンの名前を出したのは彼自身への皮肉じゃない
と付け加えよう。
 マリリン・マンソン、ブラック・サバス。
 私は好んで聴かないジャンルだとしても、そのジャンルの経歴を、タペストリのように
ルーツとなったアーティストを眺めて、それを辿る事は嫌いじゃない。この二者は、充分
に音楽の経歴で分岐点に成り得るんじゃないだろうか。特にブラック・サバスはその特
性からしてもヘヴィ・メタルとハード・ロックの中間、そして原型だ。
 そうだな。少々……音楽の紹介をしよう。



 ブラック・サバス。
 ヘヴィ・メタルと一緒に語られるヴォーカリストの一人であるオジー・オズボーン、右手
の薬指と小指の先端を無くしながらも、天才的なリフ作りで知られるトニー・アイオミ。
この二人が在籍した(そして、アイオミは「在籍する」)バンドと云えば事足りるかな。
 二十枚以上のアルバムをリリースしたこのバンドの経歴を辿るに当たって、尤も重要
なのは恐らく初期のオジー・オズボーン在籍時のアルバムだ。つまり七枚目までのア
ルバム、初期黄金期だ。別にオジー脱退後のVoロニー時代のアルバムを否定する気
持ちなんてこれっぽっちもないけど、やはりサバスがサバスであった時代、それは歴史
的価値にまでサバスを押し上げた履歴だろうから(それでも日本ウケした「HEAVEN -
AND HELL」の出来は秀逸だけどね)。とまあ、コロコロとメンバーの替わるこのバンド
で、バンドを「自分の物」と云ったトニー・アイオミを傲慢とは思わない。最初から最後ま
でバンドと共に在ったのは、このアイオミ一人だけなんだから。
 その中でアルバムをピックアップするならやはり初期だ。
 一枚目の「黒い安息日」、二枚目の「PARANOID」、四枚目の「Vol.4」。サバスの根源
になった「黒い安息日」と、サバスを飛躍させた「PARANOID」、そして、恐らくはオジー
在籍時の最高傑作になる「Vol.4」。取り合えずこの三枚を聴けばサバスの音には触れ
られるかな。
 曲単位じゃ一枚目の「BLACK SABBATH」と、二枚目の「PARANOID」と「IRON MAN」
になるだろうか。特に「PARANOID」は、今でも何処かで聴いた事があるかもしれない。
 私でさえ何処かで聴いたか、と思ったくらいだから。
 個人的に好きなのは、二枚目のPANTERAもカヴァーした「PLANET CARAVAN」だね。
ブルース的な深みのあるバラードは秀逸の出来だ。何処かで聴いた事があるんじゃな
いか、そんな印象を抱くけど、それは多分、ただ似てるだけの別物だ。ジャズな印象さ
え浮けるギターも深い。イマイチ上げられないけど、私はこれが一番好き。
 

999 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/09/18 00:51


http://www.appletea.to/~charaneta/test/read.cgi?bbs=ikkoku&key=1095430076

「かいしんの いちげき」

 何を置いてもこのスレ。ついに建ったかというかそれでも初めて見た。
 質問をつけたいけど質問を考える時間と技量が。口惜しい。一番の質問は付けた
かったのに。……付けたかったのに(悔しいらしい)。思い付かない。
 くそ。
 ああ、いっそ参加したい。したいけど時間が。なんてジレンマだ。
 我慢か。取り合えず。あああ。
 そういえば漫画版ってあるらしいんだよね。読んでおこうかな。
 取り合えず兎に角凄く期待。ファイト。
 時間ないしスレも終わるけど、個人的にチェックチェック。



http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040917-00000025-imp-sci

「目障りだ。消えてくれないか」

 取り合えず少しはマシになったというより、今までが最低過ぎた。
 今からも最低にならないようにしてほしい物だけど。
 そもそもこのCCCD、エイベックスがまず初めて、東芝EMIが採用し始めたのが諸
悪の根源――おっと、失礼失礼。始めたのが最初なんだ。で、呆れるのは2003年辺
りの方針だ――「基本的に新譜は全てこれで行こう」。ふざけるな。
 現状、イギリスとアメリカでは法律上の問題があって試行できないらしい。ドイツや
フランス辺りでは"率先して"導入し始めたそうだけど、へえ、それはご苦労さま。
 「創造のサイクル」という言葉がある。
 コピーを横行させる何%かの人間への処置。アーティストに利益が還元されなくな
る事を恐れた処置だそうだ。なら、「CCCD」を忌み嫌って購入に踏み切らない何%の
人間をどう見るんだろうね。目的論は正論だ。間違っちゃいない。だが、音楽だ。一般
のユーザーに負担を掛けてどうするんだ。100%のプレイヤーで再生できない「音楽」、
そのフォーマットである「再生できないCD」。何処にアーティストの意見がある。
 私怨では一つある。遥かドイツに発注を掛けたCDを待つ事二月、漸く届いたCDは
CCCDでプレイヤー再生できない始末さ。流石に業腹だったから、MP3にしてプレイ
ヤー再生、WAVからCDに落として通常再生だ。こっちの方が音質がいいって云うん
だから……ふん、笑わせる。
 将来的にSACDやDVDに以降するヴィジョンは、確かに在るには在るだろう。だとし
ても、現在、それから近い未来まで、世界に普及した「CD」は消え去らない。約22年
前、この現状を予定しなかったCDには、確かにコピーへの対策なんて考えられてな
かった。ただ、それでもだ。次世代のハードに移行する時間はまだ遠い。
 CDは「全員が聴ける音楽」であるべきなんじゃないかな。


 さて、上で上げたレディオヘッド。
 マンソンと比較するように上げてしまったけど、勿論の事、こちらも凄いアーティスト
である事に間違いはない。所謂兄さん好みのノイジーでスラッシュなメタルじゃないし、
どちらかと云えば「ロック」の進化の可能性を模索するバンドと云えるだろうね。ここは
寧ろ私の方が好きなバンドだ。
 常に進化の方向を模索し、音を作り、そして「レディオヘッド」へと構築する。
 最新作になる「HAIL TO THE THIEF」は、キングクリムゾンのようなプログレッシヴさ、
代用品のない「レディオヘッド」を、まるでジャンクパーツからベンツでも組み上げるよう
に完成させている。
 シナイの頂に灯る炎がヤハウェの示しであるなら、UKロックの大地に突き立てられた
電波塔こそがレディオヘッドだ。外界からの刺激を受け取る「レディオヘッド」が、今や電
波を受け取るだけでなく自ら発信するまでに至った傑作がこれだろう。
 去年のサマソニに於いて、その盛大が極みとなったのも彼等の存在あってこそだ。
 現代に於ける「Rock」の可能性、その一つの極まったカタチ。
 ちなみにトムが村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」を作品解説で例題に上げていた。
何故か凄く嬉しかった。みんなも村上春樹のBGMはレディオヘッドで。



 後は……そうだな。
 "私が一刻館のスレで原典を持っている"作品。

・山風スレ(仮称)/日本の鬼才。山田風太郎/作品:色々
・SJスレ(仮称)/兄さんの古巣、知人の原典/作品:ストレイト・ジャケット・シリーズ
 ただし全部じゃなかったりする。短編もあるんだとか。
・悪魔のミカタ/堂島のお兄さんの原典/作品:同名シリーズ数冊
・戯言スレ/西尾先生/作品:全部(あ、「りすか」はまだだっけ)

 少ないな。
 何処だかで読書家、なんて云って貰った割には情けないね。やれやれ。
 

1000 名前:エーフィ・C・ハウサー ◆p1a4SYSTEM :04/09/18 02:03


・怠惰吸血鬼探偵事務所(仮称)/ブラック・ロッド・シリーズ
 これがあった。忘れ物だね。
・サウスタウン/作品:ゲーム「KOF」
 小さい頃にプレイしたきりだけど。
・軍人スレ/レップ君限定/作品:魔弾


 遅れたけど、かなめお姉さん。優勝おめでとう。
 それからあの時のお姉さんは――アレから会ってないな。兄さんもどうやら会ってないよう
だしね。……やれやれ、よくよくフランス人には縁があるようだ。
 エピローグの書き込みは急がないとダメなのかな。時間を見て書いてみるけど、どうにもロ
クな出来の物を提供できそうにないね。申し訳ない。

・THE DILLINGER ESCAPE PLAN

 兄さんと偶然PVを見た。
 PC処理された演奏光景が無意味に格好いい。ノイズなサウンドとケモノめいた表現。カオ
スな構成の曲は、高度なテクニックと相俟って「狙った」混沌を想起させてくれた。
 まるで兄さんの云うフィア・ファクトリー的なインダストリアル、加えてテクノサウンドまで放
り込んだケイオスの咆哮か。
 格好いいや、こういうの。最初は「coffee shop」ってインディバンドが出てたからそっち話題
にしようとしたんだけどね。
 いやはや。余裕が出来たら兄さんに薦めてみよう。


 1000GET。

 ……と、随分と長い間続いてきたけど、そろそろお開きだ。
 一応は兄さんのスレなのに、占拠するのが私とは聊かマズかったかな。ふふ。
 一年とはまた長い。長かったけど、漸くか。
 特別気張って終わらせたりするのもおかしいし、地下スレらしく適当に締めてみたよ。

 それじゃ……見ていてくれた人、お付き合い下さった皆々様、謝意をここに。
 それじゃ、また。すぐにか暫く後か――はたまたこれで最後かもしれないけど、取り合えず。
 また、の機会があるのなら、何処かで。
 バイバイ。
 

1001 名前:1001:Over 1000 Thread

このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。

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